横須賀市議会 > 2020-11-27 >
11月27日-01号

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  1. 横須賀市議会 2020-11-27
    11月27日-01号


    取得元: 横須賀市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-17
    令和 2年 定例議会(12月) 令和2年(2020年)横須賀市議会12月定例議会(第1日)---------------------------------------令和2年11月27日(金曜日)---------------------------------------出席議員(40名)議 長 板  橋     衛 副議長 渡  辺  光  一 1番 竹  岡     力  2番 加  藤  ゆうすけ 3番 木  下  義  裕  4番 藤  野  英  明 5番 二  見  英  一  6番 川  本     伸 7番 葉  山  な お し  8番 堀    りょういち 9番 小  林  伸  行 10番 小  室  卓  重11番 は ま の  まさひろ 12番 ね ぎ し  か ず こ13番 大  村  洋  子 14番 井  坂     直15番 大  貫  次  郎 16番 田  中  洋 次 郎17番 関  沢  敏  行 18番 本  石  篤  志19番 石  山     満 20番 小  幡  沙 央 里21番 高  橋  英  昭 22番 工  藤  昭 四 郎23番 長 谷 川     昇 24番 杉  田     惺25番 山  本  けんじゅ 26番 南     ま さ み27番 西  郷  宗  範 29番 大  野  忠  之31番 土  田  弘 之 宣 32番 伊  関  功  滋33番 永  井  真  人 34番 角  井     基35番 嘉  山  淳  平 36番 松  岡  和  行37番 加  藤  眞  道 38番 青  木  秀  介39番 青  木  哲  正 40番 田  辺  昭  人---------------------------------------出席説明員市長 上  地  克  明 副市長 永  妻  和  子副市長 田  中     茂 市長室長 井  上     透市長室特命参与 中  野  愛 一 郎 経営企画部長 平  澤  和  宏総務部長 藤  井  孝  生 財務部長 石  渡     修市民部長 小  貫  和  昭 福祉部長 植  野  不 二 夫健康部長 山  岸  哲  巳 こども育成部長 志  村  恭  一こども家庭支援センター長 高  場  利  勝 環境政策部長 藤  田  順  一経済部長 上 之 段     功 教育長 新  倉     聡教育委員会教育総務部長 佐 々 木  暢  行 教育委員会学校教育部長 米  持  正  伸---------------------------------------出席事務局員事務局長 渡  部  良  次 総務課長 杉  本  道  也議事課長 島  崎  恭  光 議事課主査 堀  越  裕  子議事課主査 吉  澤  範  雄 議事課主査 川  瀬  美  哉議事課主査 渡  邊  将  成   ---------------------------------------議事日程                      令和2年11月27日午前10時開議第1.一般質問について---------------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程のとおり---------------------------------------議長の報告 1 11月9日 予算決算常任委員長から、審査報告書の提出を受けた。 2 11月25日 監査委員から、例月出納検査の結果(9月分)について、報告を受けた。 3 11月27日 市長から、議案第120号から第144号まで、第146号及び第147号の27件の提出を受けた。 4 11月27日 市長から、報告第34号の提出を受けた。 5 11月27日 議会運営委員長から、次の議案の提出を受けた。  議員提出議案第5号 横須賀市議会政務活動費の交付に関する条例中改正について  議員提出議案第6号 横須賀市議会事務局設置条例中改正について  議員提出議案第7号 横須賀市議会基本条例中改正について  議員提出議案第8号 横須賀市議会会議規則等中改正について 6 11月27日 次の陳情を受理した。  陳情第11号 最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書の提出について                           (総務常任委員会に送付)  陳情第12号 安全・安心の医療・介護の実現及び国民のいのちと健康を守ることについて                         (教育福祉常任委員会に送付)  陳情第13号 思いやり予算の廃止を求める意見書の提出について                           (総務常任委員会に送付)  陳情第14号 親教育を目的とした「別居、離婚における子どもの権利保護」の勉強会を開催し市民への周知及び浸透を図ることについて  陳情第15号 横須賀市の小中学校における新型コロナウイルス感染症対策について  陳情第16号 新型コロナウイルスへの感染不安で学校に登校できない子ども達へのさらなる学習保障について                    (以上3件、教育福祉常任委員会に送付)  陳情第17号 新規フェリー就航による市民生活への影響について                         (都市整備常任委員会に送付)  陳情第18号 国に対し私学助成の拡充を求める意見書の提出について  陳情第19号 県に対し私学助成の拡充を求める意見書の提出について                    (以上2件、教育福祉常任委員会に送付)---------------------------------------            午前10時00分開会 ○議長(板橋衛) これより令和2年12月定例議会を開きます。 ただいまから本日の会議を開きます。 本日の会議録署名議員に、ねぎしかずこ議員と永井真人議員を指名します。 日程に入る前に、令和2年11月1日付で教育委員会委員に就任されました澤田真弓さんを御紹介します。     〔澤田真弓教育委員会委員登壇、拍手〕 ◎教育委員会委員(澤田真弓) 令和2年11月1日付で横須賀市教育委員2期目を拝命いたしました澤田真弓でございます。 先日の市議会本会議では、私の教育委員再任に当たり、御同意いただきましたこと、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。 私は、現在、我が国唯一の特別支援教育のナショナルセンターであります国立特別支援教育総合研究所に勤務しております。 さて、今般の新型コロナウイルス感染拡大防止につきましては、支援を必要とする子どもたちの対応も含めて、各地で様々な取組の工夫がなされ、さらには課題等も見えてきたところです。とりわけICT活用につきましては、多くの方がデジタルの持つ大きな可能性を体感したとともに、一方、対面だからこそできる、かけがえのないものも認識したことと思います。今後、そのハイブリッドをどう施行していくのか、課題となってきます。技術は加速的に進展し、未来を生きていく子どもたちは、まさにその進展した技術の中で生き抜いていく力を求められています。 これからも皆様の御指導を賜りつつ、新しい時代を生きる子どもたち、横須賀の未来を担う全ての子どもたちの学びを保障し、そのための環境づくりに努めてまいりたいと考えております。引き続き、どうぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手) ○議長(板橋衛) 議長の報告は朗読を省略します。 本定例議会の議会期間は、本日より12月14日までの18日間とします。 これより議事日程に入ります。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(板橋衛) 日程第1.一般質問を行います。 質問を許可します。加藤ゆうすけ議員。     〔加藤ゆうすけ議員登壇、拍手〕 ◆2番(加藤ゆうすけ) よこすか未来会議の加藤ゆうすけです。発言通告に従い、市長に質問いたします。 デジタル・ガバメントの推進に向けて、日夜邁進いただいていることと思います。コロナ禍で人との物理的接触を回避せざるを得ない状況が、行政サービスのデジタル化、スマート化を一層後押ししました。デジタル・ガバメントの推進については、これまでも様々な質疑が交わされましたが、今回、私からも大きく2点、市長に質問いたします。 1点目は、オープンデータの利活用について伺います。 オープンデータとは、国・地方公共団体及び事業者が保有する官民データのうち、国民誰もがインターネット等を通じて容易に利用できるよう、1、営利目的、非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用されたもの、2、機械判読に適したもの、3、無償で利用できるものという条件に該当する形で公開されたデータをいいます。 今年度、デジタル・ガバメント推進室が新設され、横須賀市デジタル・ガバメント推進方針の目的の一つ、利用者中心の行政サービスの実現に向け、進んでいることは感じますが、もう一つの目標、新たなイノベーションを創発できる地域の実現については、人が物理的に集い、アイデアを出し合う環境がつくりづらい半年間だったこともあり、困難が多かったのではないでしょうか。 オープンデータの利活用については、これまでも質疑されてきましたが、改めて市長のお考えを伺います。 内閣官房によれば、オープンデータの意義は、1、国民参加・官民協働の推進を通じた諸課題の解決、経済活性化、2、行政の高度化・効率化、3、透明性・信頼の向上とあります。新たなイノベーションを創発できる地域の実現は、行政の保有するデータをオープンデータとして公開し、様々な方に役立てていただくことで、オープンデータの意義の1つ目、国民参加・官民協働の推進を通じた諸課題の解決、経済活性化につながるのではないでしょうか。 オープンデータが官民協働での課題解決に活用される事例が、政府CIOポータルにオープンデータ100として掲載されています。 例えば、学校給食の献立情報が毎月LINEで送られてきて、アレルゲンも確認できる福岡市のあんしん給食管理では、福岡市がオープンデータとして公開している学校給食献立情報が活用されています。これがあれば、アレルゲンが含まれる献立の日は事前にLINEで通知が受け取れるため、食物アレルギー事故のリスクを減らせます。また、保護者が仕事の帰りがけ、夕食の買物をしようと思ったとき、うちの子、昼にこれを食べたから夕食では違うものにしようと役立ちます。紙であれば冷蔵庫にマグネットで貼りっ放しで、朝、確認するのを忘れて外出してしまうことも多いですが、これがあれば外出先で確認できます。このように、市の保有するリアルタイムなデータは、利用者目線でのサービス開発にそのまま使えるものが多くあります。 なお、学校給食献立情報は政府CIOポータルで公開されているオープンデータ推奨データセット一覧に2020年9月に新たに加えられています。つまり、公開することを推奨されているのです。 また、福岡市のほかに、生駒市でも「4919(食育)for Ikoma」としてオープンデータ化された学校給食献立情報を活用した献立情報表示アプリが実装されるなど、実用性も高く、学校給食献立情報のオープンデータ化は次なる一歩として取り組める好例だと考えます。 本年度からは、市民協働事業でオープンデータの利活用のさらなる推進にも取り組まれていることと思いますが、ぜひ積極的にこうした各部局の持つデータを新たにオープンデータ化していただけないでしょうか。 また、国が地方自治体に求めるオープンデータの利活用については、狭義には、新たなデータを独自に取得し、それを公開することまでは求めていません。ですが、費用も手間もあまりかからず、新たに行政が取得できる、あるいは機械判読可能な形に整理できるデータで市民の利便性が向上すれば、それはすばらしいことだと思います。 例えば、横須賀市も本庁舎1階窓口サービスなら、番号札で受付管理していますし、現在の混雑状況をウェブサイトでリアルタイム表示できる可能性があります。また、図書館の座席に簡易的に光センサーデバイスをつければ、着座なら光が遮られオフ、空席なら光が当たるのでオンとなり、簡易な混雑度データとなり得ます。これは、例えば市内の飲食店などに広げていけば、より大きなサービスを生む可能性があります。 私が申し上げたいのは、市がデータを取り、ウェブサービス開発まで全てやるべきだということではありません。市の役割はデータを提供するところまでで、民間がデータを使って本市の課題解決、市民利便性向上に資する活動をしてくれるようになるところにオープンデータの取組の価値はあります。 新たなデータを独自に取得し、市民の利便性向上に役立てる取組の可能性について、市長の認識を伺います。 オープンデータ政策を推進するに当たっては、一度データを公開して終わりではなく、リアルタイムでデータを更新していく必要があります。しかし、職員負担を減らさなければ、データを管理する原課の作業負担が増えるばかりで、オープンデータ政策の推進は難しいでしょう。つまり、入力されたデータが自動でオープンデータに反映される仕組みの実現が必要です。 現在、オープンデータとして公開情報が更新される際は、ファイルを職員の方が逐次アップロードしていますが、これを自動化できる業務プロセスを構築するのです。例えば、保育所の空き状況データをリアルタイムで更新したい場合に、保育所の方がクラウドサービスを通じてデータを入力したら、市側はそれを確認し、承認するだけでデータ公開が完了するといった仕組みが考えられます。 そこで、伺います。 本年、トッパン・フォームズ社等と締結した包括連携協定によって、デジタル化に伴う業務プロセス改革と人材育成が進められました。9月定例議会において、市長は協定の延長の可能性についても言及されていましたが、この機会に、民間企業のノウハウも活用した業務プロセスのさらなる見直しによるオープンデータ政策に資するデータ取得・活用の自動化の可能性を検討されてはいかがでしょうか。 新たなイノベーションを創発できる地域の実現という視点で考えると、本市を含め、4市1町で2015年2月に三浦半島4市1町におけるオープンデータ推進に関するガイドラインを結んでいるため、三浦半島4市1町が新たなイノベーションを創発できる地域になることができればと願っています。 このガイドライン締結後、オープンデータ政策に関連して4市1町が連携した取組は見られたのでしょうか。三浦半島一体となったオープンデータ政策の一層の推進の必要性について、市長の認識を伺います。 ここまでデジタル・ガバメントの推進について伺いました。デジタル・ガバメントは、利用者中心の行政サービスの実現のために目指すものであり、推進を私も強く望んでいます。 一方で、デジタル化の流れに取り残されかねない市民への支援方法は、IT革命が叫ばれた90年代から依然として存在する課題です。ここからは、デジタル化の効果を全ての市民が享受するため、市がいかに支援すべきかという観点から質問いたします。 この30年間で通信手段は大きく変化し、利便性は格段に向上しましたが、使ってみて利便性を体感できなければ、便利だということにそもそも気づけず、単に新しくて、えたいの知れない怖いものという印象になってしまいます。市長は、9月定例議会の一般質問にて、デジタル化の利便性、安全性、さらには危険性や注意点などについても、様々な機会、方法により説明し、市民がその恩恵を等しく受けることができる社会を目指していきたいと思いますと述べられています。 デジタル・ガバメント推進の一方で、取り残されかねない市民への啓発にとどまらない具体的支援の重要性について、市長のお考えをまずは伺います。 いわゆるデジタルディバイド、情報通信技術を利用できる人と利用できない人の間に生ずる格差が生じやすい方として、特に想定されるのは高齢者です。現在、高齢福祉では、分野別計画である横須賀市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の改定を控え、審議会で議論が交わされていますが、その中でも、インターネットやSNSを使って情報を得る高齢者が少ないことが話題に上がっていました。 近年、高齢者のデジタル機器所有割合は上昇し続けていますが、速過ぎる社会の変化に対応できない高齢者も依然として存在します。特にパソコンやスマートフォンを手に入れたはいいが、うまく使いこなせないとの悩みを抱える高齢者は、市長の周囲にもいらっしゃるのではないでしょうか。 そこで、市長に伺います。 次期横須賀市高齢者保健福祉計画にて、高齢者のデジタルディバイド解消に向けた支援の取組を位置づける等、積極的に取り組むべきではありませんか。 高齢者の情報通信技術利用支援に関して、特に今、市が支援すべき部分の一つは、モバイル端末の活用に関することではないでしょうか。モバイル端末の普及は急速に進んでいます。総務省の通信利用動向調査を見ても、高齢者の大半が既に何らかのモバイル端末を保有しています。さらに言えば、65歳から69歳の56.1%、70歳から79歳の33.8%、80歳以上でも11.0%は既にスマートフォンを所有しています。 また、携帯キャリア大手は2026年3月末までに順次3G通信サービスを終了すると明言しており、早ければ来年にも音声通話を主目的とする携帯電話から、多様な情報通信が可能なスマートフォンなどの次世代端末への買換えが一斉に起こり得ます。いわゆるガラケーの終わりがすぐそこまで来ており、高齢者も否が応でもこの変化を受け入れざるを得ません。 また、自治体としてモバイル端末活用を促すことは、災害への備えにも有効です。2011年の東日本大震災では、モバイル端末でインターネット接続できたかどうかが、文字どおり生死を分けた事例もあります。 高齢者向けのデジタル端末の利用に関する支援は、これまでパソコンが中心でしたが、これに加え、スマートフォンなどのモバイル端末の活用支援を積極的に行ってはいかがでしょうか。市長に伺います。 そして、高齢者のモバイル端末活用支援に当たっては、市民生活サポートセンター、生涯学習センター、老人福祉センターでの講習だけではなく、市社会福祉協議会や通信事業者の協力を得るなどして、高齢者が徒歩で難なく繰り返し行ける距離にある各町内会館、自治会館などで、モバイル端末の活用方法について知ることができる機会をつくってはいかがでしょうか。併せて伺います。 高齢者の情報通信技術利用支援に関して、市が支援すべき部分として、もう一つ、コミュニケーションの手段としてのオンラインミーティング用ビデオ会議アプリケーションの活用支援を上げたいと思います。主たる担い手に高齢者が多い町内会・自治会の活動は、コロナ禍でかなり制限されています。そのような中、実際に集まらずともコミュニケーションを取れるよう、新たな手段として、LINEを活用している町内会・自治会が既にあると耳にしています。 しかし、パソコンに日頃慣れ親しみ、LINEを日常使いできる高齢者であっても、ビデオ会議アプリケーションの利用はハードルが高いようなのです。送られてきたURLをクリックしても、よく分からないメッセージが出て、その先に進めない。音声のオン・オフの方法が分からないなど、ちょっとしたつまずきポイントが多数あり、利用を諦めてしまうそうです。 徒歩で行ける距離内に暮らす地域住民同士であっても、直接会って話をすることが制限される今、ビデオ会議は地域内のコミュニケーションを補完し得ます。町内会・自治会などの地縁組織のコミュニケーションの手段として、ビデオ会議アプリケーションの活用支援を、希望する町内会・自治会単位で実施してはいかがでしょうか。 ここまで述べた取組は、Wi-Fiを市内各地に整備することで実現しやすくなります。これまで市長は、観光地へのWi-Fi整備推進は積極的な姿勢を示されてきました。市内には通信事業者の研究所等も立地していますので、連携を深めるやり方もあると思います。コミュニティセンターなどの公共施設へのフリーWi-Fiの整備、町内会館・自治会館へのWi-Fi整備支援という形で、市内各地へのWi-Fi環境整備を一層推進してはいかがでしょうか。 また、Wi-Fi環境整備推進に向けて調べる中で、Wi-Fi環境整備について全庁的に横串で考えるきっかけをつくってはいかがかと考えました。商店街でのフリーWi-Fi整備が進み、観光向けのWi-Fi環境整備が検討されていますが、このまま進めても、コミュニティセンターは、本庁舎はといった形で、それぞれの施設を所管する部局ごとの検討となってしまいます。横須賀市内はWi-Fiがつながる場所が多くて便利で安心ですという状態に向けて、全庁的に取組を進めてはいかがでしょうか。 2問目以降は一問一答形式で行います。よろしくお願いいたします。 ○議長(板橋衛) 理事者の答弁を求めます。上地克明市長。     〔上地克明市長登壇〕 ◎市長(上地克明) おはようございます。 まず、オープンデータについてです。 私は、あらゆる情報を全てオープンにしていくべきであるというふうに思っていますし、それを企業の方に合理的、科学的に活用してもらえればいいと思っています。それによって、横須賀において新たなイノベーションの創発やベンチャーの起業とともに、市民の利便性が高まることを期待しています。 次に、オープンデータ化についてです。 今申し上げたとおり、私は、あらゆる市の情報をオープンにすべきであるというふうに以前から考えていました。特に、どういったデータがイノベーションや利便性向上につながるかについて、様々な方々の意見を聞いて、ぜひ公開につなげていきたいと思っています。 次に、新たなデータの取得についてです。 ICT技術が普及していく中で、業務の効率化や市民サービスの向上への活用が期待できると考えられます。あらゆる場面でのデータの取得が考えられますが、費用対効果の点も含め、何が業務の効率化や市民サービスの向上につながるかを見極めながら検討していくべきだと思います。 次に、自動化についてです。 オープンデータ政策を進めていくための一番の課題が、データの更新とその業務負荷であることはそのとおりで、自動更新するための仕組みづくりが必要であることは言うまでもありません。とは申しましても、市のホームページのファイル形式の見直しなど、すぐに実現できる状況にはありませんので、民間企業の先進的な取組も参考にしながら、自動化の可能性を検討していきたいと考えます。 次に、三浦半島一体での推進についてです。 オープンデータ推進に関するガイドラインは、オープンデータに対する基本的な考え方や運用指針を定めたものです。策定後は、各自治体の実情に応じて取組を進めることとしています。現状では特段の連携を行っておりませんが、必要に応じて、三浦半島4市1町はもちろん、近隣自治体、さらには全国の中核市など、様々な連携を考えていきたいと思っています。 次に、具体的な支援についてです。 御質問にあったとおり、9月定例議会でお答えした考えに変わりはありません。私たちが日々の業務で行うべきは、まず職員が市民に寄り添い、サポートすることで、取り残されると考える市民の不安を解消することだと思います。スマートフォンへの親和性を高めることは我が国全体の大きな課題であって、デジタル庁、携帯事業者、そして自治体が総合的に進めていくべきものと考えています。 次に、高齢者の保健福祉計画についてです。 高齢者の情報通信技術利用の格差の解消は、急速に変化している社会に対応するために必要であると私も感じています。高齢者保健福祉計画にどのように位置づけるかについては、計画を諮問している社会福祉審議会高齢福祉専門分科会委員の皆様に御意見をいただきながら検討していきたいと思います。 次に、モバイル端末の活用支援について、2問併せてお答えをさせていただきます。 議員の御指摘のとおり、スマートフォンの普及が進んでいる中で、活用の支援は必要であると感じています。現在、老人福祉センターと老人憩いの家では、通信事業者と協力して、はじめてのスマホ教室を開催しているほか、介護予防教室では、講座の中でスマートフォンの使い方を紹介し、高齢者にモバイル端末の使用方法や体験する機会を提供しています。 町内会館・自治会館での開催については、地域の皆さんの要望をよく聞きながら検討してまいります。 次に、ビデオ会議アプリケーションの活用支援についてです。 コミュニケーション手段として、ビデオ会議アプリケーションが有効であると私も同じ認識を持っていますので、今、まさに町内会の役員向けにビデオ会議アプリケーションの講習会を年内に行うべく準備を進めている段階です。 次に、公共施設等のWi-Fiについてです。 Wi-Fiの環境については、導入に相応の経費がかかり、その後も継続してランニングコストも発生します。また、これからのスマートフォンの通信は5Gが基本となることから、想定されている状況を踏まえると、5Gの将来性や既存のWi-Fi通信との補完性などを見極めながら、コミュニティセンターなど、Wi-Fi未整備の公共施設への導入可否を検討していきたいと思います。 町内会館・自治会館につきましては、それぞれの町内会・自治会で導入の可否を判断し、そのための費用は、市から交付している既存のコミュニティ活動推進交付金をぜひ活用していただければと考えています。 次に、Wi-Fi環境整備の取組についてです。 インターネットにつながる場所が多いことは、確かに便利さを提供するものであると私も考えます。観光におけるインバウンドへの投資という意味でも、進めていくことが望ましいと思います。 しかし、先ほども申し上げましたように、導入経費やランニングコストがかかることを考えると、当然ながら費用対効果を考えなくてはなりません。まずは、導入することで得られる市民の利便性の向上と投資効果、5Gの将来性や既存のWi-Fi通信との補完性などを見極める必要があるのではないかと今は考えています。 ○議長(板橋衛) 加藤議員。 ◆2番(加藤ゆうすけ) 市長、御答弁ありがとうございました。 1問目で質問させていただいた順に伺っていきたいと思います。 まず、オープンデータの利活用に関する市長のお考えの部分です。先ほど、あらゆる情報をオープンにすべきだという力強いお言葉をいただきまして、大変うれしく思っているのですが、自治体の持つデータは、いわば市民の財産ですので、こちらをより市民に便益をもたらす形で生かすというのは、大変目的にかなうことかと思っています。 今までは、どうしても自治体のデータとは、とにかくしっかり守るべきものであって、公開という考えにはなかなか意識がいかなかったかもしれないです。もちろん、個人が特定されて不利益を得るようなデータを公開してしまうのはあってはならないことだと思うのですが、やはりこれからは、求められたら出すということではなくて、どうしても出せないデータ以外は、全部自由にダウンロードして分析、活用しやすい形で出しておくのが原則なのだぐらいの考えで臨んでいただきたいのですけれども、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 私は、若いときから、それは当然だというふうに思っています。市民性善説に立てば当たり前の話なのです。今まで秘匿してきたこと自体がおかしな話で、昔みたいに横串がない縦型の組織の中で、また個人情報だからと言うのだけれども、財産に決まっているわけです。去年も坂村先生とその話で意気投合したのだけれども、持っているデータは全部出す、これは当たり前の話で、今までが後れていたということだというふうに思っていますから、おっしゃるとおり同じ認識だというふうに思っています。 ○議長(板橋衛) 加藤議員。 ◆2番(加藤ゆうすけ) ありがとうございます。 市の職員の方の中にはオープンデータに関するレクチャーを受けている方もいらっしゃると思うのです。御自身の所属される部局の持つデータで何ができるか、何をデータ化すればよさそうか、小さなこと、今日からすぐできることから考えてみるというのが、まずは大事だと思うのですが、ぜひ市長から、こういったアイデアの呼びかけをしていただけないでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) その話をずっとしているのだけれども、大切なのは、職員が自分も市民であるという意識なのです。基本的に何が必要かということと、民と官ということの垣根を越えたときに、自分が生きていく上でこれは必要だろうという実体験がない限り、これを感じない。これはいつも言うように、職員が地域を支える条例の中で世間に出ていって何を感じるか、自分が一個人として何を感じるかということから始めないと、幾ら指示をしていても胸に響かないし、個別のデータに関しても、具体的に何がどうだというふうに考えられないと思う。まず、そこの、ある意味では意識改革から始めなければいけないということなので、その意識改革から、今始めているところです。 その上で、今言ったようにオープンデータの必要性というものをそれぞれの部局が感じながら、自分がそれぞれ検討し、考えてもらえればというふうに思っています。 ○議長(板橋衛) 加藤議員。 ◆2番(加藤ゆうすけ) そういった感覚的なところで、このデータは必要だと恐らく市役所の職員の方にも市民として感じていただけるだろうと思って、先ほど1問目で取り上げました学校給食献立情報のオープンデータ化の例を挙げさせていただきました。 これまでですと、小学校給食は自校方式でしたので、ある1日を取り出したときに、全市同じ献立を食べているわけではなかったので、もしかすると公開が難しかったかもしれないのですが、来年、中学校完全給食が始まる際に、こちらはセンター方式なので、全市同じ献立で食事を取ることになると思うのです。アプリやウェブサービスの開発をしていく上では、恐らく複数の献立に分岐するよりは1つのほうが開発しやすいと思うので、このタイミングで中学校の献立情報から取り組むというのは、1ついいきっかけではないかとも思って、一例として挙げさせていただきました。 学校給食献立情報のオープンデータ化にぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 新倉教育長から答弁させます。
    ○議長(板橋衛) 新倉聡教育長。 ◎教育長(新倉聡) 大変おもしろい提案だというふうに思っています。 と申しますのは、現在、小学校を4つのグループに分けさせていただいています。中学校については、これから1つの給食になっていくということになると、そのデータを、例えば今でも各学校のホームページに掲載するのは可能なことです。これらが周知の方法とするならば、活用として、すぐにできるのではないかと思っていますので、検討に入らせていただきたいと思います。 ○議長(板橋衛) 加藤議員。 ◆2番(加藤ゆうすけ) ありがとうございます。 ちょっとした気づきと工夫で、オープンデータの取組というのは恐らく利便性を高めていくことになると思いますので、まずはできるところから行っていただければ大変うれしく思います。 ちょっとした気づきと工夫でデータが取れて、それをオープンデータ化してサービスまでつながるという事例が、先ほど1番目でも挙げさせていただいたオープンデータ100にはいろいろ詰まっております。例えば鯖江市の「Sabotaつくえなう!」というサービスがあったそうなのですが、図書館まで来たのに席が空いていないという高校生の困り事解消のために、席に1個45円の光センサーをつけていって空席情報を把握して、空席情報がアプリで見られるようにつくったそうです。こちらは、鯖江市JK課の高校生の発案だったそうですが、何気ない発想が、さほど費用をかけず、サービスとして実装される流れというのは、オープンデータとしては大いに意義があると思いますし、オープンデータを充実させていけば、生まれるサービスも増えていくと思うのです。 先ほど、いろいろな費用対効果等を考えて、何が市民サービス向上につながるか見極めながら進めるということで御答弁いただいたのですけれども、ぜひこうした新たなデータを取得することに関しても御検討いただけないでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) それは当然のことだというふうに思っています。逆に、私はオープンデータ化にして職員が利活用のためにアプリでもつくってしまったほうがいいのではないか、そのぐらいまで進んだほうがいいと思っている。オープンデータ化による横須賀発のアプリが出来上がって、職員がつくったことで広めて、幾らかでもお金になれば、そういう方法もあるのではないかというふうに思っています。そのぐらいのスピード感と意欲で、この話は進めていきたいというふうに思っています。 ○議長(板橋衛) 加藤議員。 ◆2番(加藤ゆうすけ) アプリや、ウェブで提供されるサービスなど、様々な形があると思いますので、その出発点としてオープンデータがあって、それを使って、いろいろな方にいろいろ活用していただける横須賀になればいいと思っています。 そして、三浦半島一体となったオープンデータ政策の一層の推進をという部分なのですが、こちらはガイドラインということで定められているので、基本的な考え方、運用方針を定めたもの、これを確認し合ったものということは理解しつつも、まずは三浦半島のほかの市町で行ったことを積極的に取り入れてみてはというところで始めてみればと思っています。 例えば、これまでも議論では出たのですが、鎌倉市は予算・決算情報をCSV形式で公開しています。機械判読しやすい形で置いておくことで誰かが何かに使う可能性が高まるというふうに思っています。誰かが何かにという部分は、研究者がもしかしたら地方自治体の予算・決算の状況について分析するかもしれないですし、市民が特定の費目の決算額を経年で追って、市政のここにいろいろな課題やヒントがあるのではないのかと指摘をするかもしれないですし、あまり焦点が当てられる分野ではないのですが、オープンデータ政策の意義に照らすと、行政の透明性を高めていこうという点では、誰かが何かに使えるように公開しておくということは有用だと考えています。 公開することで、より開かれた行政を実現できる部分について、今、参考までに一例として挙げさせていただきましたが、早急に取り組まれてはどうかと思うのですけれども、この点はいかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 一つ一つやらなければいけないというのは、今後の課題として、そういうふうになってくるのでしょう。私はいつも見ていたのだけれども、特に財政の問題は、決算統計というものがあって、各自治体の費目別統計が出ている。それによって比較するということができるわけです。 財政の問題になってしまうのだが、よく出されているような円グラフがあって、社会保障費が幾らだ云々という比較論しかできないのだけれども、それが全国的に見てどうなのかということが、各データベースの中で一覧表に出るように、多分そういうふうにしたほうがいいと思う。そうすると、この地域にはどういう特性があるのかということも考える。ただ批判するのではなくて。そういうことにも使われるので、その意味ではオープンデータというのは、今の部分では進めていくべきだと私も思っています。 ただ、それが国・県・市という中で自治体から始めていくのか。いろいろな問題があるので、やはり国と県と連携をしながら、それを進めていかなければいけないのが時代の流れだというふうに思っているのですが、個人的にはどんどん進めていくべきだというふうに思っています。できるところから始めたいと思っています。 ○議長(板橋衛) 加藤議員。 ◆2番(加藤ゆうすけ) 国もデジタルガバメント推進に勢いを一層つける中で、ぜひ進めていただければと思います。 今度は、この一般質問のもう半分の超高齢社会におけるデジタル化の推進に関する諸対応についてという部分について伺っていきたいと思うのです。 スマートフォンなどのモバイル端末活用というテーマについて考えると、もしかしたら、人によっては携帯キャリアが責任を持ってやるべきことで、行政課題ではないのではないかというような意見もあるかもしれないのですが、やはり現実問題として、困難に直面されている高齢の方はいらっしゃるので、対応が必要だと思うのです。その点は、市長の御認識と私の認識は同じでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) それは加藤議員だけではなくて、みんな認識は同じではないですか。私も高齢者だから、時々分からなくなるところがある。当然として、デジタルディバイドの問題は行っていかなければいけないというふうに十分私もよく理解しているつもりです。 ○議長(板橋衛) 加藤議員。 ◆2番(加藤ゆうすけ) まさに当事者性のある課題として受け止めていただいたのかなと心強く思いました。ありがとうございます。 次期横須賀市高齢者保健福祉計画に位置づけることについては、審議会の委員の皆様の御意見を伺いながら検討していただけるような形になるとは思うのですが、先ほども1問目でも携帯キャリア大手が2026年3月末までに順次3G通信サービスを終了すると明言されてしまっているのです。だからこそ今行うべきではないかという点で質問をいたしましたが、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 意味は分かるのですが、もう4G、5Gの世界に入っていくから、そのことを行っていかなければいけない、環境を整えなければいけないという認識は一致していると思います。 ○議長(板橋衛) 加藤議員。 ◆2番(加藤ゆうすけ) 続いて、町内会館・自治会館などでモバイル端末の活用方法について知ることができる機会をつくってはどうですかという部分に移りたいと思うのです。 町内会・自治会、地域の皆様の御要望も聴取していただきながら検討を進めていただければと思うのですが、実は、先日、象徴的な出来事がありました。 私が携帯キャリア大手のある店舗窓口を訪れたときに、コロナ禍もあって事前予約制を各キャリア大手が敷かれているにもかかわらず、開店前から行列ができていまして、そのほとんどが高齢の方だったのです。私がその後、窓口で対応いただいていると、隣の窓口で、これが分からないと一生懸命主張されている方がいらっしゃって、店員の方が困っていて、何かなと思ったら、その会社の話ではなくて、LINEの話を聞かれていたのです。でも、その会社は携帯会社ですから、LINEのサービスについて責任を持って説明するということはできないのです。ちらりと見ると、その方の手に横須賀市公式LINEスタートのチラシが握られていまして、なるほど、もはやモバイル通信端末は社会インフラ化していると感じた出来事でもありました。 ぜひ、こういった機会を捉えて、高齢の方でも徒歩で難なく行ける場所で活用方法を知れる機会というものが増えれば、今起こったようなことが減っていくのかなと思うのです。ぜひ、様々な通信事業者等と連携して推進するという部分について、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 市民部長から答弁させます。 ○議長(板橋衛) 小貫和昭市民部長。 ◎市民部長(小貫和昭) 通信大手キャリアやIT企業等が、今、神奈川県内でコンソーシアムのようなものをつくっていただいて、コロナ禍だからこそ、利益を度外視して地域貢献していきますという活動をしていただいています。1問目で市長がテレビ会議システムの検証をしますというのもその一環なのですけれども、テレビ会議だけではなく、いろいろなメニューがあって、まず我々は一番分かりやすそうなテレビ会議メニューをと考えております。今、大変いい時期だと思っていますので、ぜひ我々市民部として町内会館にキャリアたちと一緒に出向いて利便性を訴えていきたいと思っています。 ○議長(板橋衛) 加藤議員。 ◆2番(加藤ゆうすけ) 大変心強い御答弁をいただいたと感じました。ぜひよろしくお願いいたします。 こうした機会、少し話が変わるようなのですが、高齢の方が主に構成員になられている地域の文化活動に対する存続支援策としても、ビデオ会議の普及など、LINE等を通じたスマートフォンなどのデジタル端末によるコミュニケーションの促進というのは有効だと感じています。高齢の方が主に集われて、地域の歴史を保存したり、ゆかりある人物の顕彰をしたりという活動は市内に多くあるのですが、やはりコロナ禍以前から組織の高齢化で、ここら辺でそろそろやめようかと言っていらっしゃる方が大変多くいらっしゃいます。ただ、こういった団体が消滅してしまいますと、もうその地域の取組自体がなくなってしまいますので、大変危惧をしています。こうした高齢の方中心の団体が、ビデオ会議アプリケーションを活用できれば、自分たちでオンラインイベントを開催できるようになったり、情報発信できたりすると思うのですが、やはりこういう方は結構コミュニティセンターを使われることも多いと思うのです。 先ほどのビデオ会議アプリケーションを使う場合は、かなり大容量の通信になりますから、恐らく御自身で持っていかれるスマートフォンでそのままつないでしまいますと、大変データ通信料がかかってしまう。一方で、例えばポケットWi-Fiのような形で何かWi-Fiに接続できる通信端末を持っていっても、従量課金制になったりなど、あるいはデータ通信の上限が決まっていますので、これも使えなくなってしまうということです。 やはりこれだけオンライン会議の需要の高まりもある中で、公共施設を利用される方の中にも大容量の通信回線が必要なケースが増えてくると思いますので、ぜひ利用者数の多い施設から順次、Wi-Fi環境整備の推進について御検討いただけないでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 市民部長から答弁させます。 ○議長(板橋衛) 小貫市民部長。 ◎市民部長(小貫和昭) コミュニティセンターへの導入の可否については、市長が1問目でお答えしたとおり、コストと5Gとの補完性を考えながらと思っておるのですけれども、今、議員おっしゃった大規模施設、例えばヴェルクよこすかや産業交流プラザに関しては、Wi-Fiは整備されています。ただ、整備されているWi-Fiも、通信能力や多寡が部屋によって変わっているようなので、その辺、定員数に応じた能力になっているのか、そういうものも市民部としても参考にしながら今後考えたいと思います。 ○議長(板橋衛) 加藤議員。 ◆2番(加藤ゆうすけ) ヴェルクよこすか等接続ができることを承知しておりますが、やはりもう少し地域にあるコミュニティセンターなどや、さらに小さい単位で町内会館・自治会館という部分で通信環境が整っていけば、より活用、可能性が高まるのではないかと思います。 最後になりますが、強靭な地域社会が様々な社会変化による影響から市民の方々、住民の方々を守ってくれるというところは、今も昔も変わらず間違いないと私も思っていまして、市長も家族や向こう三軒両隣で支え合い、助け合う地域社会ということをよくおっしゃっていると思います。こうした点は、今も昔も変わらず大事だと私も思っています。 しかし、やはり新興感染症が最も身近なつながりを、人との接触そのものを避けなければいけないという形で、分断しつつある中で、そもそもコロナ禍以前から地域コミュニティーが既にぎりぎりの状況であったと思いますので、ぜひ対面で会わずとも助け合う地域社会というものをオンラインの活用によって新たな形で構築し直すということについて、最後、市長に伺って終わりにしたいと思います。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) よく言うように、物理的に距離は持っても心の距離が保てるようにというのは、いつもメッセージでお話をさせていただいているのだけれども、やはりみんな助け合わなければならない、分かち合いの世界、多分来年は、よく私は希望と和合の時代が来るというふうに思っているのです。もう一度人間を見直しながら、多様性を認めつつ、和合の世界に世界的に入っていくのではないかと。理想郷なのだけれども、そのためには原点に帰らなければいけないというふうに考えています。 ただ、コロナだからこそ、今言ったようにオンラインで結びつくのだけれども、これがなくなったとき、どうなるかということも考えなければいけないと思っているのです。だから、コロナを通じながら、人と人の心がどうなのだということも併せて考えていかないと、ただ、今だからこそ、今、対面ができないから、これに替えるという社会は、またおかしくなるというふうに思っています。それを踏まえながら、様々なことを模索していきながら、地域社会の発展に尽くしていきたいというふうに思っています。 ○議長(板橋衛) 新倉教育長。 ◎教育長(新倉聡) 大変申し訳ありませんでした。 先ほどの小学校の給食のメニューにつきましては、4ブロックとお答えしてしまいましたが、5つのブロックで行っております。また、中学校につきましても、これをA、Bの2つのブロックで今、検討しているということがありました。うろ覚えな回答で大変申し訳ありませんでした。……………………………………………………………………………………………………… ○議長(板橋衛) 南まさみ議員。     〔南まさみ議員登壇、拍手〕 ◆26番(南まさみ) おはようございます。自由民主党の南まさみです。発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。 私は、市長、教育長にそれぞれ1問ずつ質問をさせていただきたいと思っています。 初めに、未病対策としての共生食堂について、市長にお伺いします。 医療の発展と国民皆保険制度、そして食生活の変化により、戦後間もなくは50歳程度だった日本人の平均寿命は、厚生労働省のまとめによると、2019年では女性が87.5歳、男性が81.4歳で過去最高を更新、また、健康寿命は、ある試算によると、男性が72.7年、女性が75.4年となっています。健康なまま、いつまでも長生きしたいと誰もが願いますが、現実は平均寿命と、いわゆる健康寿命の差は大きく、残念ながら、多くの方が男性で約9年、女性では約12年間を介護や支援を必要とする状態で過ごさなければならないのが現状です。 そこで、できるだけ健康寿命を長くして人生を全うするにはどうしたらいいか。そのキーワードになるのが未病という概念です。日本未病学会では、検査値に異常はないが自覚症状がある場合もしくは自覚症状はないが検査値に異常がある場合のどちらも未病と定義しています。自覚症状があり検査値に異常がある場合は病気ということになりますので、健康と病気の間、健康から病気に向かっている状態、または発病には至らないものの、軽い症状がある状態が未病ということになります。 また、健康寿命とは、日常的に介護を必要としないで自立した生活ができる生存期間をいいますので、この時期を伸ばすこと、つまり病気に向かうベクトルを、逆の健康方向に向け直すことが、社会的にも、個人的にも重要な課題であり、未病の改善という考え方が健康寿命の延伸につながると思いますが、市長のお考えはいかがでしょうか。 中国には昔から、人は食によって養われるという言葉がありました。この食は医なりという医食同源の考え方は、毎日の食生活の在り方、食生活のスタイルはもちろんのこと、何を食べればよいかが重要であり、健康を保つために大事であるということを示しています。また、それと併せて、おいしく楽しく食べることもとても重要なことだと思います。未病を治す一番の方法は、毎日の食事と言っても過言ではありません。神奈川県でも未病の改善策として、食・運動・社会参加を3つの柱としています。 近年、地域住民やNPO法人等による民間発の取組として、無料または安価で栄養のある食事や温かな団らんを提供する子ども食堂が広まっており、一人で食事をするのではなく、誰かと食事を共にする共食が家庭では難しい子どもたちに対し、共食の機会を提供する取組が増えています。 子ども食堂の活動は様々ですが、親子で参加する場合も含め、子どもにとっての貴重な共食の機会の確保、地域コミュニティーの中での子どもの居場所を提供するなどの積極的な意義が認められますが、現実の子ども食堂、そして運営している人たちが目指している子ども食堂を考えると、恐らく大多数の子ども食堂は対象を限定せず、交流に軸足を置く共生食堂と、貧困家庭の子を対象に課題発見と対応に軸足を置くケアつき食堂とに、東京大学特任教授であり社会活動家の湯浅誠氏は分類しています。 共生食堂とケア付き食堂は様々な面で対照的で、双方にメリット、デメリットがあり、1つの団体が両者の機能を共に十全に併せ持つことは難しいだろうと思われます。そこに大人も子どももない孤食を防ぐ、一人で食事するのではなく、誰かと食事を共にする共食という視点での共生食堂は、未病の改善や健康寿命を伸ばすことにもつながり、健康・福祉の面からもますます重要になってくると思いますが、市長のお考えはいかがでしょうか。 本市の高齢化率は、平成29年1月1日現在、県内4位で30.5%、30年後は人口が10万人減って65歳以上の割合は約10%増え、40.1%に達すると推測されています。加齢に伴う筋力や筋肉量の減少は、ごく自然な老衰現象ではありますが、そこに健康に生きるために必要なエネルギーや栄養素が不足する低栄養素が加わることで、体力、免疫力の低下や、さらなる筋肉量、筋力の低下が身体機能低下の引き金になり、日常生活自立度の低下の要因になると言われています。その要因の1つとして、独り暮らし、経済力、貧困、社会的孤立、不適切な食習慣が挙げられています。また、同居しているにもかかわらず、孤食の男性の死亡リスクは1.5倍になるとの報告もあります。 そこで、地域による地域住民主導での共生食堂の推進は、地域の拠点という役割を担うとともに、学校や家庭、職場の中で、あらゆる地域の中で居場所がない、孤立している、もしくはそれら以外の人間関係を持たないような人たち同士の交流や社会参加への場の提供という取組とも捉えることができると思いますが、市長のお考えはいかがでしょうか。 また、共生食堂を地域の拠点、社会参加という役割だけではなく、未病対策とも捉えた場合、行政として、その居場所を確保し、提供することは市民に寄り添うという、とても大きな意味を持つことになり、重要だと考えます。地域と社会が自分で何とかできる人ばかりで構成されているわけではなく、自助には限界があります。また、人口減少と財政難で公助の限界も自明の理です。 そこで、未病改善への第一歩として、地域による地域住民主導での共生食堂の推進は、市長が掲げておられる、誰も一人にさせないまち、住み慣れた地域でいつまでも安心して暮らし続けられる健康で優しい心の触れ合うまち実現のために必要と考えますが、市長のお考えはいかがでしょうか。 次に、学校現場における職場環境の改善について、教育長にお伺いします。 近年、パワーハラスメントに対する社会的関心が高まっています。そして、学校という閉鎖的空間においても、教職員間での肉体的・精神的に苦痛を強いるスクールハラスメントが起きていることが課題に上げられています。神戸市立東須磨小学校で起きた教員間暴力、いじめ事件、激辛カレーを強要する動画は記憶に新しいところです。 しかし、教育現場でのパワーハラスメント、以下パワハラと言いますが、マスコミで伝えられているにもかかわらず、その実態を知る機会は多くありません。全日本教職員組合青年部常任委員会が2020年8月に発表した調査結果によると、過去3年間で青年教職員に対するパワハラは「よくある」6.3%、「ときどきある」25.6%、一方、「ない」59.8%、「わからない」8.3%で、実に31.9%の青年教職員が過去3年間にパワハラを受けていたことが明らかになっています。また、校種別に見ると、「小学校」が49.5%と最も多く、以下、「中学校」39.1%、「特別支援学校」31.4%、「高校」27.1%となっており、男女別に見ると、「男性」26.8%に対し、「女性」35.5%と、女性のほうがパワハラを受けていたことになります。 パワハラの具体的な内容は、「相手が正しいと思うことを一方的に押し付けられた」が53.4%と最も多く、「怒鳴られた、過剰な叱責を受けた」が35.6%、子どもや保護者の前、職員室など「適切でないタイミング・場所で指示・指導を受けた」が34.0%、「陰で悪口を言われた」32.8%、「人格否定、差別的発言など適切でない表現で指示・指導を受けた」が26.9%、「職務上必要でない仕事を押し付けられた、指示された」22.9%など、指導に名を借りたパワハラが多く、経験の浅い青年教職員が弱い立場に立たされていると考えられます。 そこで、本市の教育現場においてハラスメントについての実態調査というのは行われているのでしょうか。また、行われているとしたら、その実態はどうなっているのでしょうか。教育長にお伺いします。 また、誰からパワハラを受けているかについては、「管理職から」が43.5%、「同僚から」が65.2%となっていて、管理職よりも同僚から受けている割合が高いことからも、パワハラ対策は学校長のみが取り組むのでは意味がなく、全ての教職員がパワハラを正しく理解し、防止に取り組んでいくことが不可欠であると考えます。 子どもたちが成長する裏側で、嫌がらせやいじめといったハラスメントが起こっているとしたら悲しいことです。一刻も早く改善し、適切に対処しなければならない喫緊の課題だと思います。 そこで、教職員に対しての意識啓発や研修、相談窓口を周知徹底するなど、発生を未然に防ぐだけでなく、起こった際の手厚い対応が必要不可欠と考えますが、現在、本市ではどのような取組をしているのか、教育長にお伺いします。 企業におけるパワハラ対策が閣議決定され、大企業では2020年4月から、中小企業でも当分の間は努力義務とはされていますが、2022年4月をめどに義務化される見込みです。このような流れを受け、今後は、学校でも例外なくパワハラ対策を講じるべき流れとなってくることは言うまでもありません。 そこで、本市の教育現場においてハラスメント対策として、今後、どのように対応されるお考えなのか、教育長にお伺いいたします。 以上で私の1問目を終わります。2問目からは一問一答で議論を深めたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○議長(板橋衛) 理事者の答弁を求めます。上地克明市長。     〔上地克明市長登壇〕 ◎市長(上地克明) まず、未病の改善と健康寿命の延伸についてです。 未病の改善が健康寿命の延伸につながるということは、私も全く同感です。 超高齢化社会においては、一人一人が自立した生活を少しでも長く送れるようにしていくことが、今後ますます重要になってくると考えています。 次に、共生食堂についてです。 社会とのつながりが健康度を高めると言われているのは当然だと思います。地域で共に食事をする場をつくる取組は、栄養面での改善だけではなくて、地域での居場所づくりやコミュニティーの形成に寄与することができ、市民の健康、福祉の増進に寄与するものと考えています。 次に、社会参加への場の提供についてです。 地域住民主導での共生食堂の推進は、様々な困難や孤立感を抱える方々にとって、社会とつながるきっかけになる可能性が期待できると考えます。市民が安心して足を運べる場所を主体的につくり、それが地域の拠点となることは、地域にとって大変意義深いことであるというふうに認識しています。 次に、誰も一人にさせないまちの実現についてです。 市民の主体的な場づくりは、まさに、誰も一人にさせないまちの実現に必要な取組であると思っています。市民の方々がそういった活動を進める上で、どのようなニーズがあり、行政としてどのような支援ができるのか、具体的な相談をいただいた上で、ぜひ協力していきたいというふうに思います。 次に、学校現場の職場環境については、教育長から答弁いたします。 ○議長(板橋衛) 新倉聡教育長。 ◎教育長(新倉聡) 私からは、学校現場における職場環境の改善についてお答えをさせていただきたいと思います。 まず、ハラスメントの実態調査についてですが、本市においては、パワーハラスメントだけを取り上げた実態調査は行っておりません。毎年7月に、全ての教職員を対象にストレスへの気づきを促し、また、その対処への支援や職場環境の改善を通じ、メンタルヘルスの不調となることの未然防止を目的とした教職員ストレスチェックを実施しています。このチェックの中で、上司及び同僚からの支援、いわゆる周囲との人間関係についての調査を行っているところです。 次に、ハラスメント発生後の対応の必要性及び現在の取組についてです。 具体的な取組としては、毎年度の初めに、神奈川県教育委員会が作成した啓発用のパンフレット「ハラスメントのない職場づくりのために」と「コンプライアンスマニュアル」を全職員に配布し、パワーハラスメントの内容の正しい理解、パワーハラスメントを決して行ってはならないことへの意識啓発、周知に努めているところです。 研修としては、校内研修や初任者研修、中堅教員資質向上研修など、経験年数に応じた研修を行い、ハラスメントに係る事例を用いながら、意識啓発、未然防止の取組を行っています。 個別の相談先としては、神奈川県教育委員会や本市教育委員会にそれぞれ相談窓口を設けて対応できるようにしているところです。 なお、相談が寄せられた際には、相談者への不利益が出ないよう留意した上で、速やかに被害者、加害者に対し適切な対応を行うとともに、再発防止に努めております。 次に、今後のハラスメント対策についてです。 今後の対策・対応としては、労働施策総合推進法の改正を受け、教職員における懲戒処分の指針においても、加害者への厳正な対処方針や対処内容が一部改正されたことについて周知を図り、綱紀保持に努めているところです。 引き続き、全ての教職員に対し、パワーハラスメント防止への啓発及び研修を行った上、パワーハラスメントのない職場づくりに取り組んでいくつもりです。 ○議長(板橋衛) 南議員。 ◆26番(南まさみ) 市長、教育長、御答弁ありがとうございました。 今気がついたのですが、市長、ネクタイが同じですか。ネクタイが同じだからというわけではないですけれども、私の投げかけに全て御理解いただいたという御回答をいただいたと思います。 市長はよく、地方自治が大事だ、お国が何かするのではなくて地方が何かしなければいけないのだ、これからはそういう時代だと。私は全く同感なのです。そこから、私の立場だと地域主体、もう一歩下がって地域が主体となったまちづくり、これからはこれでなければ行政と地域の関係は成り立っていかないと思うのですけれども、この辺はいかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 全く同感です。議員のときから言っていましたので。 ○議長(板橋衛) 南議員。 ◆26番(南まさみ) ありがとうございます。 行政が全て主導し、企画し、運営するのではなく、日々の生活の中で様々な課題に地域が取り組んでいける、そんなことができる支援をしていただきたいというふうに思っています。これがこれからの行政と地域の関係だと思いますが、ここをもう一回、どう思われているか、お願いします。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 本来、政治や行政の原点というのは、昔からそうだったのです、55年体制の時代から。世の中が変わって、様々に変化をし、価値観が多様化していく中で、行政が担うべきもの、政治が担うべきものがどんどん大きくなってきた。本来の原点はそういうもので、先ほど申し上げた和合の時代が来るだろうと思っているのです。 南議員と同じような環境で私は育ちましたから、地域が主体になって、全てを助け合った時代という、ノスタルジーではありませんが、冠婚葬祭も地域で行われた。町会事務所で行われた。今になれば、それが面倒くさい、人間関係が面倒くさいという人もいらっしゃるかもしれませんが、もう一度そこの原点に立ち戻るべきだという考えに、いまだに変わりはありません。 地域で助け合ったという、言い方は悪いのですが、例えば共生食堂の話も、実はスクールコミュニティーというのは、ここも原点なのです。あらゆる人間、老若男女が集まって、全ての垣根を外して、みんなで飯を食う。すごく大切です。 ただ、このコロナ社会になったから、一旦はそれを考え直さなければいけない時代になるのですが、これを克服した後、あるいはウィズコロナになったのか、どういう状況になるか分かりませんが、もう一度そういうふうな社会に戻るべきだというふうに私は思っています。その意味では、南議員と考えは一緒だと思います。 ○議長(板橋衛) 南議員。 ◆26番(南まさみ) ありがとうございます。 私たちの育ってくる頃には井戸端会議という言葉がありました。縁側があって、近所の人が集まって、お茶を飲んだりしていました。日々の生活の中に人が触れ合う状況がありました。今は高断熱・高気密の家ですから、仮に隣に幼なじみが住んでいても、幼なじみと顔も合わさない、何をしているかも分からないという状況です。そういう状況だからこそ、あえて居場所というものをつくっていかなければいけないというふうに考えています。これは全く市長と同じ考えだと思っています。 当たり前のようにあったものが、今、当たり前でない。もちろん、不易流行ですから、変わらなければいけないものは変わらなければいけない。でも、変えてはいけないものもあるというふうに思っていますので、ぜひその辺を行政の立場で地域のサポートをしていただきたいのです。 細かくお伺いしたいのですが、例えば、共生食堂をするときには場を提供しなければいけないのです。この場の提供というところで、地域にある行政センターなど、公的機関を使わせていただけるようなことは可能なのでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 当然、公共機関というものはそうあるべきだというふうに思っています。ですから、行政指導ではなくて、積極的に、地域の方々の希望を伝えていただければ、どんどんそのように進めていければというふうには思っています。 ○議長(板橋衛) 南議員。 ◆26番(南まさみ) ありがとうございます。 どんな人でも、食事は必ずします。先日、地域の人に声をかけられたのです。今日と同じような金曜日でした。「花金だな、おまえ」みたいな。そういう地域なので、こういう言葉になってしまうのですけれども、花金は久しぶりに聞いたなと思ったのです。ただ、その方の言う花金は私が思っていた花金と違ったのです。週末の花金ではなくて、地域に金曜日だけ開けてくれる魚屋さんがあるのです。そこへ行くと、焼き魚、煮魚、お刺身を買えるのです。その方の言う花金というのは、コンビニでお弁当を買ったりする、買ったものを一人で家に帰ってテレビを見ながら食べる。でも、金曜日はそういうものが食べられる。その方の言う花金というのはそういうことだったのです。 そういう提供も今はなかなか、生鮮産品のお店が備わっている地域ばかりではありません。ただ、私が今思っている共生食堂というのは、継続していかなければ意味がないので、食事を作って提供することも一つでしょう。ですけれども、取っかかりとして、自分が家で食べているものがあったら、それを持ってどこかで一緒に食べる。コンビニで買ったものがあったら、コンビニから家に帰らないで、そこで一緒に食べる。そこからコミュニティーなど会話が、あるいは人々の連携がつながっていくと思うのです。 こういうところにぜひ目を向け、焦点を当てていただいて、あらゆる限りの物的な、あるいは人的な支援をいただきたいのですけれども、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) いいではないですか。和合というのは、分かち合いという世界になってこなければいけないと思う。それは政治主導ではなくて、行政主導ではなくて、何か政治や行政の特別なものではなくて、それぞれが分かち合う社会になって、今みたいに全ての社会的な地位や何とかではなくて、地域で分かち合う社会が出来上がっていくところに対して、様々な支援をさせていただく、後方支援部隊になるということが本来の行政の役割だと。これは議員のときから言っているのです。だから、そういう地域社会がどんどん増えていくことを望んでいます。 ○議長(板橋衛) 南議員。 ◆26番(南まさみ) ありがとうございます。 私はまだ議員になって日は浅いのですけれども、同じ考えを持っていたということで、間違っていないのだというのを少し感じました。特に私たちの世代は、お上に世話になるなという言葉がなかったですか、市長。ありましたよね。なるべくお上に世話になるな、自分たちでできることはやれと。こういうような地域で育ってきましたので、全く共鳴をいたします。 支援ということで、もう少し細かくお話をさせていただきたいのですけれども、人的支援というのは、何か行政として、例えば地域で共生食堂が開かれています。ここに行政として人的支援というものの可能性はあるでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) これから考えなければいけない。スクールコミュニティの中の一こまだというふうに自分の中では理解しているので、そのときに地域の方がどうやって連携をして、行政がどうやって関わっていくか、これから考えていかなければいけないと思う。いろいろ今みたいな案件で、こういうことを行いたい、ああいうことを行いたいとなるならば、どういうふうに考えていかなければいけないかというのは、これから検討していくつもりだと思っています。 ○議長(板橋衛) 南議員。 ◆26番(南まさみ) ぜひよろしくお願いします。 もちろん、出前トークなどいろいろ、所管の部局では機会をつくって地域の人にいろいろな取組を御説明し、参画を促しておりますけれども、そうではなくて、そういうところに出向いていく。あそこに行けば、みんなと一緒に食事もできる。役所まで聞きに行くことではないのだけれども、仮にそこに保健師さんがいたら、こんなことがあるのだけれども、どうだろうということが当たり前に交わせる。こういう特別ではない関係をつくっていただきたいのです。 今、これから御検討いただけるということなのですけれども、ぜひその辺もお含みおきをいただいて、できる限りのことをしていただきたいのですけれども、いかがでしょう。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 昔は、別にお上に頼らなくても、地域に様々な問題を解決してくれる人たちがいて、みんなで助け合っていた。下手すると反社会勢力もいて、その人たちも助け合った時代もあった。今はこういう時代になった。ただ、機能分担で行政の役割が複雑化になると、そういう人たちの存在というものは、やはり地域では済まなくて、行政主導型になっていくのは仕方がなかった。ただ、今みたいな理想郷は、いつも言うように、職員もそういう能力を持った人たちが、地域の中で一緒に暮らして地域社会をつくっていくというのが私は理想だと思っている。それが地域を支える条例なのです。 行政が仕組みとして、そこにどうやって参画するのではなくて、そういう能力、機能を持った人たちが、そういう考えを持った人たちが地域の中に、職員も含めて、散らばるということが私は理想ではないかというふうに思っています。その意味で、これからいろいろ考えさせていただければと思います。 ○議長(板橋衛) 南議員。 ◆26番(南まさみ) ありがとうございます。 まずは全市的にということと、場はその地域に1か所あればいいということではないと思うのです。遠くから、何百メートルも歩いて、なかなかお見えになりませんので、ごくごく当たり前のように、たまり場、居場所ができるような環境整備を地域としてもしていきたいと思いますし、それをしていく暁には、行政の支援、アドバイスがある、こういう関係をこれからもつくっていただきたいというふうに思っています。ありがとうございます。 続きまして、教育長にお伺いをいたします。 お答えいただいて、ありがとうございます。 今回質問させていただく背景を、まずお話しさせていただきます。 私は、今、教育委員会が何もしていないとは思っていけません。教育委員会なり、学校の校長、教頭、指導する立場の教員、いろいろな方々は非常に努力をされていて、今の学校が成り立っているというふうに考えています。その中で、あえて質問させていただくのは、もしそこに、どちらがいい悪いではなくて、心が弱ってしまった、少し傷ついてしまったという方がいたならば、もう少し手厚い対応をされるべきではないのかということに立った意味での質問です。 そこでいきますと、私が出した数字というのは、引っ張ってきた数字です。これは横須賀市に該当するかどうか分からないのです。なぜかというと、神奈川県も行っていないのです。県の採用なので、横須賀市だけでできるかどうか分からないのですけれども、私は、やはり実態調査というものはされたほうがいいと思うのです。そこはいかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 新倉教育長。 ◎教育長(新倉聡) 1つは、神奈川県としては、県立高校でパワーハラスメントの調査をされていたかと思っています。私も、この調査は内容を見せていただきました。 その上で考えましたのは、アンケートや調査というのは、実は、私個人ですけれども、3つの種類に分けられるのではないかというふうに考えているのです。1つは、どんな課題があるのか、どういう状況にあるかというトレンドを見るための調査が1つある。2つ目は、そのトレンドに対して政策なりを考えたときに、その政策が有効であったかどうかを点検する、時系列を追った調査が2つ目。そして、もう一つは、その事案が生じたことを、これはもう少し分析を加えたという意味なのですが、因果関係が本当にあるのかというものを分けるような調査と。 こういった様々な調査の中で考えたときに、県の調査というものは、1つ、トレンドを傾向とするものだったのではないか。根本的には、県の知事部局において、ある事件が生じ、それに伴い、県の職員、教職員も含めた全てがどうだろうかという実態を調べたものだと思っています。なので、この実態調査というのは、一つのトレンドを出したのかと思ったところです。これは、教育現場にいる先生方にとっては、ほとんど変わらない状況だろうというふうに認識しました。 その上で、県は、この調査を受けて具体の対応策を練ってくるでしょう。そうすると、その対応策が本市にとっても有益なものだというふうに思っているところなのです。あえて県と同じような実態調査をするということは、県と横須賀市の何が違うかを調べるようなものになってしまって、本来やってはいけないハラスメントを防止するというところにすぐに結びつかないのではないかと思ったところがあったので、むしろ実態調査というよりは、県から出てくるものをどう有効に使うかのほうを次に手当てすべきかなというふうに思ったところです。 ○議長(板橋衛) 南議員。 ◆26番(南まさみ) ありがとうございます。 アンケートは、いろいろな目的を持ってされているというのは十分認識しています。それと、教育長がおっしゃった、県で行っているパワーハラスメント等の対策、ビラも配られているのも存じ上げています。このようなストップセクハラ、デートDVみたいなものがあるのです。確かにそのとおりなのですけれども、私が思うのは、もちろん神奈川県が採用する責任者として、するものは大事だと思うのですが、それが必ずしも横須賀市の現状に合っているかどうかというのが私は分からないのです。 それと、もう一つ、年に1回ストレスチェックされています。この中で、ストレスがどういうレベルなのかというのが結果として出てきます。これは、各個人の先生にいって、個人の先生からまとまって上がってきて、この中で、例えばこの学校にはこういう傾向があるというのが出れば、それはそれで対処の仕方があると思います。 ただ、私は、このストレスチェックの項目を見せていただいたのですけれども、この中からハラスメントが起きていることをなかなか読み取れないのです。学校の特色が出るというのも、なかなか読み取れないのです。例えば、10人の学校があったとします。その中で、たった一人かもしれない。もちろん、自分の理由もあるかもしれないです。でも、何かでつまずいてしまった、くじけてしまったという人は、全体的な傾向としては出てこないです。 それと、先ほども言いましたけれども、周囲からのサポートも3つに分かれていまして、上司からのサポート、同僚からのサポート、家族・友人からのサポートがあります。これは、なかなか全部が欠けているという方はいらっしゃらないと思うのです。仮に、同僚からハラスメントを受けてしまったかもしれないと、勘違いも含めて、された方は、ここは得点を低くするでしょう。でも、家族や友人には相談できたというと、ここは点数が高くなると思うのです。同じように、上司の方に相談したら適切なアドバイスをもらった、あるいは自分を矯正してもらったという場合には高い点になりますので、全体的にこれが下がってしまうというのはなかなか見つけられないと思うのです。 そういう意味で、私は、このストレスチェックからは、個人の特性は分かるのですけれども、ハラスメントがあったかどうか、あるいはハラスメントと感じているかどうかというのはなかなか読み取れないというふうに思っているのです。それなので、横須賀市だけでは難しいのかもしれないですけれども、そういう実態調査というのが私は必要だと思うのです。そこはいかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 新倉教育長。 ◎教育長(新倉聡) 今、委員おっしゃったように、1つ、ハラスメントは受け取り方だというふうに思っているのです。それを、自分はこう受け止めたということを誰かに言えるのであれば、多分それはある程度解決がつくことになるのかなと思っています。実名や何かで調査、アンケートが出てくるのであればいいですけれども、むしろ実名を書くことによって、自分はそうではないと書いてしまう心の問題が生じるのかなと思っているのです。 その意味で考えているのは、このようなハラスメントがあってはいけないということは、現場として私どもが全ての皆さんに伝えることが1つあります。もう一つは、自分がそう思ったときにどこに相談したらいいかということを常に考えるべきだろうと。しかも、それは急に何かが表示されるというよりは個別に、今も校務システムの中で個人宛てに通知を出すことができていますので、そういった通知を出すことによって、自分はどこに相談したらいいかということを示すべきなのかと思います。これが漠然とした今の一つの考え方です。 先ほど来ありました、ストレスチェックをなぜ行っているかというのは、自分自身が外形的な数字で、まず判断をしようということが1つありますのと、上司の支援や、同僚の支援というものが平均的な数字になるかもしれませんが、各学校ごとに提示をされてきますと、管理職としては、自分の学校の運営の中でどうかということを常に見るようになってきます。正直、これはランクづけが実際にできてしまうので、うちの学校はこんなに悪かったということで非常に悩んだ校長からの相談を受けている状況があります。その意味では、周りがそれに気づかせていくということも、その方を救うための一つの手法だと思っているので、これは、その部分としては有効だと思っています。 ただ、問題は、ハラスメントはあってはいけないのですが、受け取る方がどういうふうに受け取るかというところが分かってほしいという方ならいいですが、分かられたくないという方の部分をどうすくい上げることができるかというところは、議員と多分同じなのですが、私も苦慮しているところです。 ○議長(板橋衛) 南議員。 ◆26番(南まさみ) ありがとうございます。私も全くそのとおりだと思います。ストレスチェックが無駄だというふうには全然思っていないのです。これはこれで活用の仕方もあるし、必要だと思っています。 教育長がおっしゃいました対策も含めた中で、どういうふうに行っていくのかということで考えると、私は抑止と、不幸にして起きてしまった後の対策だと思っているのです。抑止という中では、先ほど県のパンフレットを年初に配っています。あとは学校にポスターみたいなのも貼っておりますという御発言があったと思うのですけれども、それでも私の中では、それがもし足りないのだとすれば、あるいはそれがもし有効に活用されたり機能していないのだとすれば、そこは何かしら手だてを取っていかなければいけないというふうに思うのです。これは被害者や加害者ではないと思っているのです。被害を受けていると思っている人が、実は加害者かもしれないです。 もう40年近く前に、たしか「3年B組金八先生」というのが一世を風靡しました。熱血漢のある先生がもてはやされたようなときがありました。そういうような影響ももしかしたら受けながら、教師を目指した若い教職員がいるかもしれません。ただ、今、あの時代と違います。地域も含めて、教師を育ててあげようという風土は昔と違っていると思うのです。 一生懸命夢を追って教師になりました。面接も何回も受け、希望に胸を膨らませて、教職員あるいはクラスを任されて現場に立ちました。早ければ22歳です。臨時任用で何年かやっていれば別ですけれども、これは先生に限らず、一般論として、勉強してきて22歳の方が職場に配置されたときに、100%働けないと思うのです。働ける方もいらっしゃるかもしれない。人のことは言えないので、自分のことで言います。私がもし22歳で、希望を持って就いた仕事で一生懸命やろうと思ったときに、なかなかうまく対応できない。経験値がないですから。そのときに、今も多くの先輩の教員は指導されていると思います。適切に指導されていると思います。何かあったときに、管理職の方や教育委員会は、きちんとその担当者の方々は寄り添って対応していただけると思うのです。でも、相談体制というのも1つ工夫が必要なのではないのかと思っているのです。 教育委員会に相談するというのは、なかなか敷居が高いです。初任で一生懸命頑張ろうと思って、これから教職員として生きていこうと思った方が、場はあるのです。それがいけないと言っているのではないのです。でも、そこに相談しにくい環境があるのだとすれば、全然関係ない外部のところで相談できるような体制を1つ考えるのも、もしかしたら勘違いかもしれないけれども、そこで傷ついてしまった、弱ってしまった教員方に対して、大きな救いになると思うのです。けれども、こういう考え方はいかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 新倉教育長。 ◎教育長(新倉聡) まさに、その部分は、その教員に対してだけだったら、そうだというふうに思います。ただ、ハラスメントの基本にあるものというのは、お互いのコミュニケーションの中、もっと極端に言うと、人との相性の部分になってしまっているのかと思います。 その方を何とか救うということは当然行っていかなければいけないことなのですが、その根本の人間関係のコミュニケーションを改善しなければ駄目な部分がある。第三者の方に御相談するというのは、その方の精神の安定のためには十分必要だと思っていて、いい方法だと思うのですが、相談したからといって、現場の部分は解決しないです。そのために、やはり教育委員会が介入しなければいけないのではないかなというふうに思っているのです。 もう一つは、これは大変厳しい、逆の言い方をさせていただくと、教師の本分は子どもたちを育てなければいけない。言葉としてお許しいただきたいのですが、やはりその一定の能力が発揮されなければ、教わる子どもたちはもっと不幸になってしまうという部分がある。単なる集団の中における人間関係をどうするかという1点と、もう一つは、その方がぜひ復帰できるような形で、ある一定レベルにいっていただくということも、片方では望まなければいけないというところが、教育委員会の中のつらい部分にあるかなと思っていますので、そこをどう兼ね合わせたらいいかというのが、先ほど述べさせていただいたような私自身の苦慮しているというところになるかと思います。 ○議長(板橋衛) 南議員。 ◆26番(南まさみ) おっしゃるとおりだと思います。やはり基本にいる、中心にいるのは子どもたちです。子どもたちのことが第一だと思っています。 そして、経験不足、もしかしたら能力不足の方が教職に就かれているかもしれないです。そういうときに、やはり評価をすることももちろん大事です。私は評価をすることがいけない、今行っていることが何も影響していない、貢献していないということを言っているのではないのです。私は、もし仮にその人のコミュニケーション不足や、能力不足によって、万人が聞いても、きちんと指導しているというふうな状況があったとしても、この人は勘違いするかもしれないです。みんなの前で、こんなことを言われてしまってみたいに。こういうことは現実問題として、あると思うのです。とすれば、抑止ではなくて、対策というところで少し知恵を絞らなければいけないかなというふうに思っているのです。 先ほど教育長もおっしゃった県の調査、ハラスメントという言葉は99.6%の方が認知しているのです。これは県の調査です。でも、ハラスメント防止に関する指針を「知らない」という人が18%、「知っているが内容はよく分からない」というのが53.0%なのです。相談窓口については、設置されていること自体を「知らない」が16.4%、「知っているが連絡先等は知らない」が64.2%、この合計が80.6%となっているのです。これは、教育委員会の取組が足りないということを私は言いたいわけではないのです。こういう現状なのです。 こういう現状の中で頑張っている方々がいらっしゃる。それは新任の方ばかりではないです。もう何年も教職に携わっていた方々、教育委員会の方々、全て一生懸命頑張っていると思うのですが、これが仮に現状だとすると、やはり周知の仕方も、何かあったときの対処の仕方も、これだけの数字でいくと、何かしらの工夫が必要だというふうに思っているのです。 そこをもう少し踏み込んで、あるいは年に1回パンフレットを配りました、ポスターも貼っていますよということは間違いなくそうだと思いますし、校長の中には、あるいは管理職の中には、学期の間にパワーハラスメントのことを少しリマインドさせたりという方もいらっしゃるかもしれないです。でも、例えば年初にパワーハラスメントみたいなことを校長の朝の3分間スピーチみたいなものでもいいです。そういうものでお話しすることによって、それで抑止力になるならば、そういうことをするという工夫もあっていいのではないかと思っているのです。 1回チラシを配ったから、あそこに貼ってあるから、何かあったら行きなさいということだけではなく、そういうような取組が、もしかしたら傷ついてしまったかもしれない人たちにとってのよりどころになるのではないのかなと思っているのです。それは、起こってしまった後に何かしろではなくて、私は抑止だと思っているのです。 ハラスメントはあってはいけないと思います。だけれども、感覚の違いでハラスメントと思わずにしている場合もあると思いますし、こういうところにもう少しフォーカスしていただいて、そんなに難しいことではないのです。何かしらの手だてを取っていただくことで、もしかしたら100人のうちに1人しかいないかもしれないこの人がハラスメントとして、あるいは傷ついたという形にならずに頑張っていけるのではないのかなというふうに思っているのですけれども、いかがでしょう。 ○議長(板橋衛) 新倉教育長。 ◎教育長(新倉聡) 多分今のお話の一番にあるのは、ハラスメントの定義を分かっていないということだと思うのです。例えば、私が生きてきた自分たちの世界の中では、このぐらいの人との会話あるいはこういう指導というのは当たり前に来たからという、それぞれの年代や、生活によって感覚が違ってしまっていました。それがこれまでの学校現場でまかり通ってきてしまっている、これが1点多分あったと思っています。 その上で、先ほど回答の中で言わせていただいたのは、県は正式にパワーハラスメントを懲戒処分の対象とするという形を取りました。ですから、今後こういった行為を行った場合には懲戒処分あるいは学校長からの注意なのか、教育委員会からの注意事項になるかという類型が、当然のごとく多分出てきて、それを共通認識として、こういったことはパワーハラスメントに当たるのだということが類型化されてくるのだろうと思っているのです。 先ほどありました県に実態調査というのも、具体にどんな被害を受けたかというところを見ていただいていますから、それが一つの形になったときに、変な話なのですけれども、抑止力というのが、何かの行為を行うことによって罰を受けるということならば、それで一つのラインが出てくるのだろうと思っています。そうでないと、逆に何かを言ってしまうと、自分がハラスメントに当たるのだったということになると、それぞれの先生方に助言も何もしない無言の集団をつくってしまうことになりかねない部分があるのかなと思っています。ですから、今後抑止をするということは、多分県の教育委員会が重点を置く。そのために重罰化をしているというふうに理解をしています。 一方で、今、議員おっしゃったような相談事等がいつでもできるというのは、単に私どもは年に1回通知を出しているわけではない。常に研修の中で行っていくことと、それから学校長会議を開いていますので、その際に常に伝えていることでありますので、これをもう少し、より細かく行っていくということを一つの形で進めるべきなのかなと思っています。これからも常に行っていくつもりでおります。 ○議長(板橋衛) 南議員。 ◆26番(南まさみ) ありがとうございます。 立場の違いなので、100%意見が一致するとは思っていませんし、私の持っているデータ、認識と、現場で取り組まれている教育長の認識は違って当たり前だと思っております。ただ、私は、やはり寄り添っていくということはどういうことかと考えたときに、夢を持って教職員になった方が、自分の未熟さからかもしれないけれども、夢を諦めて、もし教職を去られるのだとしたら、これは悲しいことで、人材の喪失にもなるというふうに私は思っているのです。 ですから、御答弁の中で、何もしていないなどというお話ではないですし、これからいろいろなことを工夫していただきながら、傷ついてしまう、あるいは傷ついてしまうかもしれない、そういう環境をなるべくなくしていく。相談も、敷居が高くでなく、敷居を低くして相談できる体制をつくっていただきたいというふうに思っています。この一般質問だけで、この課題を解決していこうとは私は思っていませんし、今後もいろいろなところで、批判ではなく、どうしたらよりよく行っていけるのかという点で議論を重ねていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 時間になりました。今日は言いたいことを言わせていただきましたけれども、市長、教育長、ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 以上で終わります。(拍手)……………………………………………………………………………………………………… ○議長(板橋衛) 堀りょういち議員。     〔堀りょういち議員登壇、拍手〕 ◆8番(堀りょういち) よこすか未来会議の堀りょういちです。一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 今回、私は発達障害について、大きく4つのテーマに分けて、市長、教育長に質問をさせていただきます。 1つ目は、発達障害の基本的な考え方についてです。 発達障害は、生まれつき脳の発達に後れや偏りがあり、日常生活に支障を来たしている状態です。対人関係やコミュニケーションに問題を抱えたり、落ち着きがなかったり、仕事や家事をうまくこなせなかったりと、症状には個人差があり、一人一人の症状に合わせた支援や治療が求められます。 現在、発達障害の有病率は増加し続けており、10人に1人が発達障害と言われています。発達障害が増えているかどうかは、全国的な疫学調査が行われていないこともあり、断定することはできません。しかし、文部科学省が2012年に発表した調査結果によると、全国公立小・中学校の通常学級に在籍する児童・生徒のうち、発達障害の可能性があるとされた小・中学生は6.5%に上るとされています。何らかの発達障害の可能性のある生徒は40人学級に二、三名いる計算になり、決してマイノリティーとは言えない数字であることが分かります。 発達障害の有病率が増加する背景には、診断基準の変更や認知度の向上などが原因の一つとされていますが、それに加え、現代日本社会が多様な個を受け入れる大らかな社会から、一つの規格化された社会へとなりつつあり、そうした社会に生きづらさを抱える人が増えていることも背景にあるのではないかと言われています。 発達障害の特性を備えていたとしても、社会で生きていく上で困り事がなければ、それは個性であって、障害ではありません。発達障害の有病率が増えている背景には、私たち、特に子どもを取り巻く環境の変化が深く関わっていると言われています。障害者施策を総合的かつ計画的に推進する立場の長として、今日の発達障害の有病率が増えている背景をどのようにお考えでしょうか。市長の御所見をお聞かせください。 このように、発達障害の支援を考える際には、社会の在り方そのものを問うことが必要ですが、実際は地道な取組を積み重ねていくことでしか社会のありようを変えていくことはできません。 そこで、以下、少し細かくなりますが、具体的な政策について質問をさせていただきます。 2つ目は、早期発見・早期支援の重要性について。 発達障害者に対する適切な支援がなされない場合、その特性により生じる問題に周囲が気づかず、無理強い、叱責などを繰り返すことで失敗やつまずきの経験が積み重なり、自尊感情の低下等を招き、さらなる適応困難、不登校やひきこもり、反社会的行動等、いわゆる二次障害につながるとされています。これを防ぐ意味でも、発達障害の早期発見・早期支援は重要です。 発達障害の早期発見・早期支援に関する本市の取組をどのように評価されていますでしょうか。市長、教育長にお伺いします。 本市では、現時点でも新生児の家庭訪問や乳幼児健診、発達障害に関する研修等、様々な早期発見・早期研修の取組を行っています。しかし、療育相談センター等の治療に関わる方から現状を伺うと、どうしてこの状態になるまで支援につながらなかったのかという事例が幾つもあると聞いています。また、保護者からは、とある先生に子どもの発達障害の可能性を相談したら、そのぐらい大丈夫だと言われ、それ以上相談に乗ってくれなかったというような声も上がっています。このような当事者、関係者の声から、現在の市の取組からさらに一歩踏み込んでいく必要があると考えています。 まず、未就学児における早期発見・早期支援の取組についてです。 今年、私たち会派の代表質問で、幼児の視点の動きから社会性発達のリスク評価ができる顔テレビを健診に導入することを提案させていただきました。発達障害の研究が進む中で、このような機器の開発が進み、同時に早期発見のためのアセスメントツールも進化を続けています。本市の乳幼児健診時において、これらの機器等を積極的に導入することについては、今年の代表質問で提案させていただきましたが、支援の在り方については、今後もぜひ研究していきたいと考えますという御答弁でした。その後、研究の進捗状況はいかがでしょうか。市長にお伺いします。 なお、現コロナ禍においては、これまでの内容の健診を適切に実施することに多くの労力を割かねばならない状況であると認識していますので、これらの導入を拙速に求めるものではございません。 それから、健診以外の場面で発達障害に気づける機会をつくることの必要性についてです。 子どもを保育園や幼稚園に預けている保護者の多くは、集団の中での様子を確認する機会が少なく、発達障害の可能性に気づきにくいと言われます。また、本市の乳幼児健診は3歳半健診から就学児健診まで空白期間があります。就学児健診という入学直前のタイミングで初めて障害の可能性に気づかされ、就学への不安や学校指導への不信感を抱いてしまうというケースが指摘されています。 そこで、4歳から5歳の年中児を対象に、子どもたちが集団で遊んでいるところを専門家、発達支援コーディネーター、保護者等で共に観察し、必要であれば発達支援事業等につなげていくという取組を導入するべきだと考えますが、いかがでしょうか。市長にお伺いします。 次に、就学時における早期発見・早期支援の取組についてです。 発達障害の中でも注意欠陥多動性障害や学習障害など、未就学児では発見が困難なものもあり、就学後においても定期的なスクリーニングが実施されるべきだと考えます。しかし、現状、本市においては、このような取組はなされておらず、教師の力量に委ねられているところが多くあります。 そこで、就学後における発達障害の早期発見・早期支援を実施するため、本市として共通のチェックリストを作成し、担任を含めた複数の教職員で観察するなど、小・中学校において定期的なスクリーニングを行うべきと考えますが、いかがでしょうか。教育長に伺います。 また、現在、教職員向けの研修では、毎年、発達障害についての講座が開かれていると聞いています。一方で、こども家庭支援センターでは、発達支援コーディネーターとして、保育士、幼稚園教諭、保育教諭、放課後児童クラブ指導員等を対象とした研修が行われ、研修受講後のフォローアップ研修や連携強化のためのネットワーク研修と、手厚いプログラムがつくられています。就学前後の切れ目のない支援を実現するため、支援者同士のつながりを強化しながら、効率的で質の高い研修を受けることは非常に意義があると考えます。 そこで、現行の発達支援コーディネーター研修の枠を学校の教職員にも拡充するべきと考えますが、いかがでしょうか。市長、教育長にお伺いします。 3、幼少期から成人期までの切れ目のない支援の実現についてです。 発達障害の発見・支援の難しさの一つに、年齢やライフステージによって現れる特性が異なることが挙げられます。そこで、療育、保育、教育、そして就労までの一貫した支援が求められるとして、平成28年の発達障害者支援法改正で切れ目のない支援の必要性が法律に明記されました。さらに、この実現のために、平成29年に厚生労働省と文部科学省は、家庭と教育と福祉の連携、トライアングルプロジェクトを立ち上げました。その後、両省連名の通知で各地方自治体に対し、地域で切れ目のない支援が受けられる支援体制の整備を求めています。 本市においても、横須賀版ネウボラの取組や、サポートブックやイエローブックを活用した部局間の情報連携、部局横断の協議会等が開催されていますが、現時点で発達障害に対する切れ目のない支援が本市においてどの程度達成できているとお考えでしょうか。市長、教育長の評価をお伺いします。 私は、ここでは2つの支援の切れ目の存在を指摘します。 1点目は、小学校への就学前後の切れ目です。発達障害の子の保護者からお話を伺う中で、就学前までのサポートが就学後、十分に得られなくなってしまうという声が多くありました。就学前は保健師、保育士等とのコミュニケーションの機会が多く、相談もしやすい一方で、就学後においては、教職員と話す機会は大きく減り、定期的な面談の機会は基本的には年2回しかありません。特に、学校生活でなく、家のことや家庭内の悩みなど、生活面については誰に相談すればよいか分からないという声が多くあります。これは一例にすぎません。 保護者や関係者等へのヒアリング等を行い、就学前後のギャップをなくすことで今以上に相談しやすい、支援を受けやすい体制を構築するべきと考えますが、いかがでしょうか。市長、教育長に伺います。 2点目は、卒業後から就労の間の支援の切れ目です。 そもそも、これまで発達障害の診療や研究は、小児や思春期の患者を主な対象としてきました。しかし、日本では、今世紀になってからASDやADHDの特徴が成人期以降も持続的に認められることが明らかになり、治療や援助の必要性が認識されるようになりました。昨今、大人の発達障害として広くメディアで紹介されたこともあり、認知度は急速に高まっていると思われますが、一方で、青年期・成人期の発達障害について専門的に関わることのできる人材はまだ十分でなく、当事者が入手できる情報も限定的です。 そこで、本市として、青年期・成人期発達障害についての支援の受け皿や相談窓口、医療機関の情報等を整理し、当事者や保護者向けに発信していくべきと考えますが、いかがでしょうか。市長にお伺いします。 また、発達障害者の中には、人間関係に苦手を抱えることが多く、特にコミュニケーションが活発になる青年期・成人期においては、困難を抱きやすく、自己肯定感の低下や二次障害につながることが少なくありません。そのため、卒業後に一直線に就労へ結びつかなかったり、就労しても職場の人間関係がうまくいかず、辞めてしまうというケースもあります。仲間や支援者とともに社会参加への意欲を再び高めていける場所や集団活動が求められます。 少し古いですが、秋田大学が2009年に行ったアンケート調査では、回答した発達障害者支援センターの88.1%が青年期・成人期の居場所支援の必要性を感じています。また、横須賀市の障害者相談サポートセンター相談室あすなろの担当者からも、居場所支援が必要であるという声を聞いています。 本市として、青年期・成人期発達障害者を対象とした居場所支援を推進するべきと考えますが、いかがでしょうか。市長に伺います。 4、親への支援について。 最後に、親への支援についてです。 障害者支援は、当事者への支援と同じぐらい、親への支援が重要です。特に、発達障害児の家族のストレスの度合いや育児の負担感は、障害のない子どもの家族や他の障害児の家族と比較しても高いと言われます。その理由として、発達障害は障害が疑われてから診断・告知を受けるまでの時間が一般的に長いことや、目に見える障害でないこともあり、子どもの発達に違和感を感じながらも、障害を拒否したい、否定したいという気持ちとの葛藤に直面することなどがあります。 そんな親の最初の困難は、子どもの障害の有無を確認するために医療機関を受診するタイミングです。多くの医療機関で受診申込みをしてから初診を受けるまで長く待つ必要があり、横須賀市の療育相談センターでは、現状2から3か月程度の待機が必要となっています。2から3か月なんて大したことないと言われるかもしれませんが、親の中には生きるか死ぬかの気持ちでぎりぎりの状態に追い込まれている方も少なくありません。療育相談センターとしても、申込み後、ソーシャルワーカーによる面接や心理士によるフィードバックなどの取組を行っていますが、専門的な相談支援だけでなく、つらい気持ちに寄り添って前を向けるよう話ができる関係を多くの保護者は求めています。 そこで、例えば発達障害の子を育てた経験のある親をピアサポートの相談員として配置するなど、相談体制を強化するべきだと考えますが、いかがでしょうか。市長にお伺いします。 今申し上げたように、専門的な相談支援だけでなく、つらい気持ちや生活上の課題などについて気軽に話すことのできる当事者間のネットワークは重要です。しかし、現在、各学校の支援級に在籍する保護者が集まる機会は少なく、既存の当事者団体においても、就学前後の年の子どもがいる保護者は減ってきてしまっていると聞いています。 そこで、発達障害のある子どもを育てた経験を持つ親が同じ境遇にある保護者に寄り添い、サポートできるよう人材を養成し、電話相談や地域での相談支援等に生かす取組であるペアレントメンター制度を本市で導入するのはいかがでしょうか。市長にお伺いします。 10人に1人が発達障害と言われ、有病率は今後さらに高まると思われます。それを全て専門的な人材のみでカバーすることは困難であり、当事者や地域の力をいかに借りるか、いかに引き出すかが行政の視点として今後求められると考えます。 さて、障害の受容に対する親のつらさや悲しみの背景には、障害があることが不幸であり、そのような子を生んだ親の責任であると考えてしまうことにあります。現代社会において、そのように考えてしまうことは無理からぬことであり、何とか普通に近づけようなど、障害を克服しようと多くの親が苦心されています。それに対して、障害、つまり日々の困難さは、環境とのミスマッチを減らし、日常生活の不適応を減らし、その子なりの楽しい人生が過ごせれば、減らすことは可能であると療育相談センターの広瀬所長は述べています。そのためには、親自身が障害について向き合うだけでなく、周囲の理解が不可欠です。 質問の冒頭に戻りますが、本来、発達障害は発達凸凹であり、定型発達の子どもとの境界線は曖昧なものです。私たちが、みんな違ってみんなよいと、あらゆる違いを肯定的に捉えることができれば、障害は障害でなくなっていきます。もちろん、そのような理解が広まることは簡単なことではありません。いまだに根強い障害への偏見や差別をなくし、正しい理解を促す努力を積み重ねていくことが行政には求められています。 障害に対する市民への周知啓発を強化していく必要について、市長の御所見を伺います。 また、発達障害に対する理解促進の具体的な取組として、発達障害啓発週間などの時期に発達障害児・者の展覧会と市民講座を横須賀美術館等で開催するのはいかがでしょうか。発達の遅れや偏りがあっても、その独特な感性から生み出される作品は、万の言葉以上に人の心を動かす力を持っています。また、このような作品発表の機会は、障害児・者が自らを表現し、活躍できる場となり、障害児・者の精神的な安定や自信の回復、主体性につながる機会にもなると考えます。市長の考えをお聞かせください。 今回、障害の中でも、あえて発達障害に特化して、細かいことも含めてお伺いさせていただきました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で本市財政の逼迫が想定される中、新たな提案を多くしたことについては、異論があるかもしれません。 しかし、あえて申し上げるならば、発達障害は10人に1人いると言われるほどに多くの人に影響のあるテーマであること、そして今日、深刻な課題である児童虐待、不登校、ひきこもり等の背景には発達障害が関係するケースが少なくないことを考えれば、発達障害について新たに対策を講じることの意義は大きいと考えます。 以上で一般質問第1問目を終わりにします。2問目は一問一答でやり取りをさせていただければと思います。 ○議長(板橋衛) ここで休憩します。再開は午後1時5分とします。---------------------------------------            午後0時04分休憩            午後1時05分開議--------------------------------------- ○議長(板橋衛) 休憩前に引き続き会議を開きます。 理事者の答弁を求めます。上地克明市長。     〔上地克明市長登壇〕 ◎市長(上地克明) まず、発達障害の有病率についてです。 現在、本市の療育相談センターの診療部門、福祉型発達支援事業における利用者数は増加傾向にありまして、本市においても、発達障害と診断される児童は増加していると思われます。 こうした背景のはっきりした理由は不明ですが、発達障害に対する関心や理解が深まり、早期に受診する児童が増加していることも一因なのではないかと考えています。 次に、本市の取組に対する評価についてです。 発達障害の早期発見、早期支援の重要性については、私も認識しているところです。本市では、診療、相談、支援を総合的に行う療育相談センターを設けていますので、母子保健における健診や保健師の訪問などで発達障害が疑われる場合には、早期に専門的な支援につなげられる体制が構築されていると評価しているところです。 次に、支援に関する研究についてです。 本市では、1歳6か月児健診から、発達障害の早期発見を視野に入れ、医師や臨床心理士、保健師等、それぞれの専門的な視点で観察し、保護者の気持ちに寄り添いながら、その親子に合ったタイミングで療育につなぐことに努めています。 乳幼児健診はスクリーニングの場であり、診断や治療が必要な場合は、適切な医療機関に紹介しています。 視線計測器であるかおTVは、自閉スペクトラム症を早期に発見する補助的な医療機器として開発されており、本市では乳幼児健診の場で使用することは考えていませんが、今後、技術が発達し、健診の場でも有効に活用できる機器が開発された際には、導入を検討していきたいというふうに考えています。 次に、観察の必要性についてです。 現在、療育相談センターでは、保育園や幼稚園、学校などを、ソーシャルワーカーや心理士などが訪問し、子どもの集団生活を観察し、助言・指導を行う巡回相談を行っているところです。 発達障害は早い段階で保育園の保育士などが気づくことが多くて、そこから保護者の気持ちを大切にしながら、適切な支援につながることが大事であると考えていますので、こうした事業の実施についてさらに保護者や支援者に周知してまいりたいと思います。 次に、スクリーニングについては、教育長から答弁いたします。 次に、発達支援コーディネーター研修についてです。 学校の教職員については、教育委員会が支援教育コーディネーターを配置しているため、発達支援コーディネーター研修の枠を拡充することは今のところ考えていません。 学齢期に移行する時期を支援するには、コーディネーター間の理解と連携が必要なために、教育委員会とこども家庭支援センター共催での研修の実施などを通してさらに連携を深めていくよう努めてまいりたいと思います。 次に、切れ目のない支援に関する評価についてです。 切れ目のない支援を行うためには、支援に当たる機関の横の連携が欠かせません。本市では、行政と事業者等が情報共有、意見交換を行う場があり、関係機関の連携体制は取れているので、切れ目のない支援はおおむね達成しているのではないかと考えています。 今後はさらに連携を深め、支援内容を充実させていきたいと思います。 次に、充実した支援体制についてです。 保育園や幼稚園等では集団が小さい一方、小学校では大きな集団になることで、戸惑いや不安を感じる保護者が存在することは承知しています。 子どもの力を伸ばすためには、手厚い支援を長期間にわたり継続するよりも、発達の度合いに応じた支援が提供されるべきではないかと考えます。 療育相談センターでも、就学は適切な機関へバトンタッチするタイミングの1つと捉えており、保護者に説明するとともに、小学校にもしっかりと引継ぎを行っています。 今後は、支援の変化により保護者の不安が高まることのないよう、個別の内容に応じた適切な相談窓口の案内をしてまいりたいと思います。 次に、情報発信についてです。 発達障害者の相談先は、県の発達障害者支援センターをはじめ、市の保健所や障害福祉課などがあり、また18歳未満は療育相談センターと、年齢や相談内容において窓口が分かれています。相談窓口などの情報を一元化して、発達障害者や家庭が相談先に困ることがないように周知していきたいと考えます。 次に、居場所支援についてです。 発達障害者の中には、相手の気持ちが理解できない、その場の雰囲気が読めないなどの特性から、社会に適応できない人がいます。本人の気持ちに寄り添い、個人の特性に応じた通所先の紹介などの支援を行っているところです。市として、発達障害者に特化した居場所をつくる考えはありませんが、自主的な居場所づくりの活動に対して、求められる支援があれば、ぜひ検討したいと考えます。 次に、相談体制の強化についてです。 本市においては、療育相談センター、児童相談所などで心理士や社会福祉士などの専門職が保護者の相談に応じており、必要な相談体制は確保していると考えています。このために、発達障害児を育てた経験がある保護者をピアサポートの相談員として配置することは、今のところ考えておりません。しかし、当事者の子育て経験は、発達障害への理解や保護者の不安軽減を図る上で示唆に富んだものであると思いますので、ぜひ今後、講演会や交流の場などで経験が生かせるように検討していきたいと思います。 次に、当事者ネットワークの構築についてです。 困難を抱える保護者にとって、当事者間のネットワークが重要な役割を果たすことは認識しています。ペアレントメンター制度の導入については、関係団体等の意見も聞きながら、効果的な活用が図れるか検討していきたいと思います。 次に、周知・啓発についてです。 発達障害を含む障害児等が社会的な障壁を感じることなく日常生活を生き生きと送るためには、周囲の理解や協力が欠かせません。また、いまだに障害に対する偏見や差別も存在していることから、障害に対する啓発を強化する必要性は高いと考えています。 次に、展覧会と市民講座の開催についてです。 本市では毎年、障害者週間の前後に、行政と支援団体が協働し、様々な啓発行事を展開しており、その中で障害者の作品展示も行われてまいりました。展示の場については、新たな場も含めて、関係団体などとも意見交換していきたいと考えます。また、同期間中には地域啓発講演会を行い、発達障害児を育てている御家庭等に体験談を交えながら講演をお願いしており、今後もこうした事業を通じて障害の理解促進に努めてまいりたいと思います。 ○議長(板橋衛) 新倉聡教育長。 ◎教育長(新倉聡) 私からはまず、発達障害の早期発見、早期支援に関する本市の取組についてお答えさせていただきます。 発達障害の子どもだけでなく、支援が必要な子どもに対する早期からの支援は、本人の自立や成長のために重要であると考えています。 本市では、生後4か月、10か月、1歳6か月、3歳で健康診査が行われており、早期から子どもの状況を把握する取組がなされています。3歳以降は、保育園等で就学時健診以降、中学3年生までは教員が日常的に子どもの状況を把握し、保護者にその様子を伝えます。そして保護者が療育相談センター等の医療機関に相談することになります。子どもが困っている様子が見られれば、学校は適切に支援するよう努めているところです。 次に、小・中学校での定期的なスクリーニングの実施についてです。 子どもの困っている状況は、障害名が同じであっても、人間関係を含む環境によって大きく変わります。小・中学校では、担任を中心に、日常の教育活動の中で児童・生徒を観察し、一人一人の実態を把握しているところです。小・中学校で課題が見られれば、保護者と連絡を取り、支援教育コーディネーターが中心となって校内支援体制や関係機関との連携について調整・対応しています。しかしながら、医療機関等につながるかどうかは、保護者の方の理解と判断が重要な要素となっているところです。 次に、支援コーディネーター研修の枠を学校教職員にも拡充することについてですが、教職員に対しては、年次研修やその他の研修講座等、様々な場面で、発達障害をはじめとする子どもの理解や適切な対応について研修を行っています。 学校では、子どもが発達の課題等の影響で困っている状況が見られれば、支援教育コーディネーターに情報を集め、適切な支援につながるという仕組みになっています。 支援教育コーディネーターについては、教育委員会主催で、年間7回の研修を行っており、発達障害の理解や関係機関との連携について、重点的に扱っています。既に支援教育コーディネーター研修では、発達支援コーディネーターとの合同研修も年2回実施しており、支援教育コーディネーターを中心とした各学校での取組の中で、研修結果は還元されているところです。 次に、発達障害に対する切れ目のない支援に関する評価についてですが、切れ目のない支援は、発達障害のある子どもにとっても重要であると認識しています。教育委員会と福祉部局が連携して、障害児通所支援事業所の職員向け研修会で指導主事が講師として情報提供したり、教員の担当者会等で福祉部局から制度や具体的な取組について説明がされています。 また、就学前機関と小学校との連携について、「本人・保護者と共につくる支援シート」を通して、支援がスムーズに継続されるよう取り組んでいるところです。 学校と障害児通所支援事業所等においては、保護者、学校、障害児通所支援事業所等関係者の三者で面談を行う等の取組を進めている学校もありますが、保護者の了承が必要であることや、時間の設定が合わないなど、取り組む上での難しさがあります。 次に、小学校就学前後の保護者に対する支援のギャップを解消し、充実した支援体制を構築することについてですが、発達障害のある子どもも含め、支援の必要な子どもについては、療育相談センターとも連携して、「本人・保護者と共につくる支援シート」を作成した上、保護者が学校に相談する体制をつくっているところです。 ○議長(板橋衛) 堀議員。 ◆8番(堀りょういち) 市長、教育長、御回答いただきまして誠にありがとうございます。 まず基本的な考え方について、改めて確認させていただければと思っております。 私が発達障害に対して問題意識を強く抱いたのは、前職の自殺対策の仕事をしているときでした。以前も質問させていただいたのですが、自殺の背景には様々な要因が積み重なった末に起きているということで、例えば虐待、いじめや職場での人間関係など、様々な複合的な要因が積み重なって起きているということで、そういった現場の方々に話を聞いたり現場に伺わせていただくというような機会が数多くございました。そして、それが全てもちろん当てはまるということではないのですけれども、それぞれの現場や専門的な学会の場で必ずといっていいほど発達障害というものが1つ大きな課題となっていて、それがますます課題として顕在化してきている。横須賀市の児童相談所でも同じような話を伺っていて、療育といったものが非常にこれから重要になってくるということで、専門的なスキルの必要性などということが各所で言われている状態です。もちろん、全ての原因に発達障害があるということではないのですけれども、少なからぬ要因があるということで、横須賀市として、深刻な課題として取り組んでいる様々な福祉的課題の背景に発達障害の課題というのが潜んでいる可能性が大いにあるということで、この課題について、1つの障害ということで見るのではなくて、そういった様々な課題とつながっている問題だということでまずは認識していただきたいと思っているのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 堀議員と全く同じ認識でして、今思うと、昔、地域には必ず、発達障害を抱えた方がいらっしゃって、でも、それはみんな地域で助け合って生きてきたのです。先ほど原因がどこにあるかというふうにおっしゃっていましたけれども、昔もいらっしゃった。ただ、地域でみんなで助け合ってきた中で、親御さんが孤立しないような状況が昔の社会にはあった。こういう時代になって、それがそういう時代ではなくなって顕在化しているということは、本当に社会的な大きな問題であるので、行政、政治のほうも何とかしていかなければいけない大きな課題であるというふうに理解しております。 ○議長(板橋衛) 堀議員。 ◆8番(堀りょういち) ありがとうございます。 障害があるからそういったところにつながるということではもちろんなく、障害がある中で、様々な人間関係のトラブルに巻き込まれていって、結果的にいわゆる二次障害につながってしまうということで、早期発見、早期支援というのは極めて重要なことであるというふうに認識しております。 先ほど、市長、教育長がお話しいただいたように、現時点でも横須賀市は、全国の一部ではモデルとなり得るような取組も既にされていると思いますので、その点については私も非常に高く評価させていただいているところでございますが、事実、こぼれ落ちてしまっている事例を療育相談センターなどや、あるいは保護者の方々から聞いているというのも事実でございます。 実際、厚生労働省が各自治体の実態把握の状況調査をしたことがありました。そこには横須賀市は入っていないのですけれども、市町村で取組の内容がばらばらで、結果的に発達障害の発見割合というのも自治体間でかなり差があるというような状況でございます。逆に言えば、横須賀市が今これだけやっているから決してよいということでもなく、これからそういう意味でベストプラクティスが広がっていくということで、これからの段階だというふうに思っております。そういう意味で、他自治体の取組などを見ながら、いかに早期発見の質を上げられるかということで、ぜひ引き続き研究を進めていただきたいと思っておりますが、総論としていかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) おっしゃるとおり、時代は変わって、様々なことが起きると思いますので、ぜひ検討していきたいというふうに思います。 あとはこども家庭支援センター長から答弁させていただきたいと思います。 ○議長(板橋衛) 高場利勝こども家庭支援センター長
    こども家庭支援センター長(高場利勝) 発達障害というところは、言葉としては最近やっと認知されたというところですけれども、市長の答弁にもありましたように、昔から少し変わった子、不思議ちゃんと呼ばれるような子がいたわけです。それはそれで済まされてしまって、やもすると親のしつけが悪いのではないかというようなことで済まされてしまった時代。私もそういう時代に幼少期を過ごしたわけですけれども、今はもう確かにそういう時代ではない。発達障害は誰にでも起こり得る、また社会的な問題でもあるということでは、市全体を挙げてこの問題は取組み、地域の理解促進も深めていくべきだと感じております。 ○議長(板橋衛) 堀議員。 ◆8番(堀りょういち) ありがとうございます。基本的な認識が一致したということで、そこについては非常にうれしく思っております。 この後、少し細かい議論に入ります。委員会での質問に厚く充てたほうがいいと思いますので、ここではさわりの部分で、可能な範囲でお答えいただければというふうに思っております。 まず、私から提案させていただいていた4歳から5歳の方を対象とした早期発見の仕組みについてです。 先ほどお伝えしたように、子ども園等に通わせている親は、子どもたちが集団で遊んでいるところをなかなか見る機会が少ない。特に保育園に預けている御家庭はそういう機会が少なくて、親が子どものそういった行動特性に気づかないというようなケースもやはりございます。そういったところから、保育園等で行動観察を行うということは非常に意義があると私は思っております。3歳の時点と就学前の時点で悉皆で健診を行っておりますので、その間の年中児の段階での健診というのは、私は1つ重要なことではないかというふうに思っております。ただ、悉皆健診としてやってしまうと、当然、予算の問題や医師等の配置の問題もあるので現実的には難しいところだと思うので、どういうふうにやっていくかということは課題だと思うのですが、その年齢のところで決して取りこぼしがないように支援していくということが私は必要だと思っているのですけれども、こちらについてはいかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) こども家庭支援センター長に答弁させます。 ○議長(板橋衛) 高場こども家庭支援センター長。 ◎こども家庭支援センター長(高場利勝) 議員おっしゃるとおりでして、切れ目のない観察というのは必要だと思います。その意味からして、発達支援コーディネーターというのを保育園、幼稚園、小学校と配置しているわけですし、そこでの気づきを大切にし、そこで気づかれたお子さんについて、親御さんの気持ちを考えながら伝えていき、一緒に支援策を練っていくというのが重要だと認識しております。 ○議長(板橋衛) 堀議員。 ◆8番(堀りょういち) ありがとうございます。発達支援コーディネーターの存在というのは非常に、私も大きいと思っております。都度、動きを見ていただいているところではありますけれども、やはりどうしても、人に対して研修のみということですと、きめ落としというのが発生してしまいかねないというところがございます。特に、残念ながら、保育士の方は、長く働いている方も少なく、人が代わってしまうというところもございまして、園によって、あるいはそのクラスによって、人によって見落としが出てしまうというところもございますので、早期発見の重要性からしても、四、五歳を対象とした健診等、あるいは行動観察等の実施というのは、私は現実的な取組として採用できることなのではないかと思います。実際、5歳児健診を導入している自治体も今増えているということでございますし、行動観察の方法についても、厚生労働省がマニュアルを作成したり、自治体によっては具体的な取組もありますので、ぜひそういったところについても研究をしていただければと思っております。こちらについては、これ以上だと細かくなってしまうので、これで終わりにさせていただければと思います。 次に、学校においてのスクリーニングの件につきましてですが、こちらについても今私が申し上げたように、当然、学校の先生は、日常的に様々に発達障害について研修を受けられ、そして子ども一人一人を見てくださっているということは非常によく分かるのですけれども、一方で、全ての先生がしっかりとその子たちの特性に対して気づけているかどうかということについては、残念ながらそうではないというような声も聞いているのが実態です。例えば支援学級の先生が障害に対する理解のところが不足していたために、保護者の方と対立してしまっているというようなケースも私は耳にしているところでございます。教師一人一人の力量に委ねてしまうというところでは、早期発見という観点からすると、どうしても漏れが出てしまうのではないかと、私としてはそういった懸念を持っているのですけれども、そういった懸念については教育長はどのようにお考えでしょうか。 ○議長(板橋衛) 新倉教育長。 ◎教育長(新倉聡) 全ての教員が同じレベルで障害に対しての強い関心を持っているかと言われれば、それぞれの先生方の能力差があることだと思っています。 しかしながら、先月、国、県へ私どもが報告していますけれども、1年間における問題行動という子どもたちの実態調査をしています。令和元年度において、小学校1年生の暴力行為が急激な上昇を伸ばしているという。これは、1件あれば、その担任先生だけが見るということではなく、学校全体で取り組むという形になっていますので、仮に支援級の先生1人がただ全てを見ているということではなく、学校全体として補い合っているというふうに認識しています。その意味で、各学校の先生方に対する研修等、その理解を深めるという行為を続けさせていただいているというところです。 ○議長(板橋衛) 堀議員。 ◆8番(堀りょういち) 私もやはり、全ての先生が完璧に知識を持って把握するというのは、現実的にはかなり難しいことであるというふうに思っております。ただ、今教育長が校内の問題についてお話をされておりましたけれども、そういった出来事の背景に発達障害があるかどうかというのは全く別の問題として、仮にそういった問題が起きてしまった後に具体的な支援につながっても、子どもにとって傷つき体験がされた後ということになってしまうので、もっとより早いタイミングでの早期発見というのが求められているというふうに考えています。どうしても不登校や校内暴力、そういった問題が表に出てから支援というようなケースも多く聞いております。私は、今増えている不登校や校内暴力、いじめ等の背景にはそういった問題もあるのではないかというふうに思っております。ですので、これも少し言い方があれですけれども、教師は完璧ではないと。一人一人が対応するといっても限界があると。だからこそ、ある意味客観的な指標として、例えばそういったチェックシートを使う、あるいは複数の教師で一緒になって行動観察をするなど、そういったことというのは取組として、仕組みとして導入されてもよいのではないかと。それは逆に教師にとっても、例えばその子が発達障害なのではないかと悩んでいる、あるいは保護者とどう関わればいいか悩んでいる、そういったときにも一助になるのではないかというふうに私は思っています。具体的なやり方については教育委員会のほうで検討していただければと思いますけれども、そういった仕組みづくりを導入していただくということはぜひ検討していただければと思うのですが、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 新倉教育長。 ◎教育長(新倉聡) まず1点、先に前提だけお話しさせていただくと、発達障害という現在の中では、病名の判断になってしまっているというのが1つ、歴然としてあります。その先入観を持って教員が、この子は発達障害があるのだという認定をしてしまうということは、これもまた非常に怖いことだと思っています。ですから、そのような異常がある、あるいは異変と言ったらおかしいですが、感じたときには、当然、学内において、その子の対応というのは協議されていますし、同じように、問題があることに対しては保護者とそれぞれ協議し、適切な医療機関につなげているところです。そこで出てきたものについては、個々人の子どもに対するシートというものをつくって、それで経過観察しているという状況はもう既にありますので、御心配になっている、組織が今ないという御認識だと、そこは違っているというふうに思っています。現実にはそれで今動かさせているところですので。 ○議長(板橋衛) 堀議員。 ◆8番(堀りょういち) ありがとうございます。 様々な支援の取組については、複数の教師の皆さんとともに連携して、あるいは療育相談センター等と連携して実施していただいているというのは私も認識しておりますが、私が申し上げたいのは、発見の入り口の部分なのです。そこは教師の判断に委ねられていて、教師が、この子はもしかしてといったところでアラートが上がって、それが学年単位の協議の場で課題として上がってくるということでありますけれども、逆に、教師がそこの時点で、別にこの子は問題ない、あるいはその子のやる気の問題、姿勢の問題なのだ、その子に対してはもっと指導していく必要があるのだといったスタンスで見逃されてしまうといった可能性もあるということを私は懸念しているのです。そのために仕組みが必要なのではないかということです。 ○議長(板橋衛) 新倉教育長。 ◎教育長(新倉聡) 何と言ったらいいのでしょう。学校生活において、教員が1人でその子どもたちをずって見ているということではなく、子どもが活動しているときに、他学年の先生も当然見ますし、隣のクラスの先生もいる。とりわけ小学校においては、校長先生が一人一人の顔と名前を覚えながら声かけをずっと行っているという状況をしています。ですから、教員1人が見たときの目と、他者が見た目というところに差があれば、当然、それは課題として上がってきますし、そのことを保護者とまず協議する中で、適切な医療機関にかかるべきなのかどうかと、まず保護者と話をしていくということが一番初めになっているのだと思うのです。それが早期発見につながるかどうかということも一番だと思うのですが。現実にそのように対応しているというふうに理解しています。 ○議長(板橋衛) 堀議員。 ◆8番(堀りょういち) ありがとうございます。 全ての先生がそうやって目配せができていて、本当に全ての子たちがしっかりと把握されて、適切な教育・指導がされているということであれば、それは全く問題ないというふうには思うのですが、実際は学校教育の現場に委ねられているところが多く、保護者の皆さんからも、先ほど私少し事例に挙げさせていただきましたけれども、保護者が、うちの子はもしかして障害なのではないか、どうすればいいでしょうかというふうに相談を上げたところ、学校の先生から、いや、そんなの大丈夫だと言われて、それだけで付されてしまって、それから話を聞いてくれなかったというような声というのは1つならず複数聞いているのです。それによって、支援につなげたいという保護者の思いが結局そこで途絶えてしまって、保護者が孤立してしまっている。そういったことが事実として起きているということがある以上は、多少なりとも現場を疑ってかからなければここはいけないところなのではないかと私は思っています。無理に子どもを見つけて、障害の診断を下させるということは決してするべきではないと思います。保護者の方々と慎重な話をして、当事者本人の同意に沿ってそこについては判断していけばいいと思いますけれども、実態として、残念ながら、学校によっては早期発見につながっていない事例があるということを聞いておりますので、ぜひ教育長にこの話を聞いていただいた上で、学校に現状を確認する必要があるのではないかというふうに思っていただきたいのです。この点についていかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 新倉教育長。 ◎教育長(新倉聡) そのようなことがないようにというふうに念じていますので、私のほうから各学校長のほうに通知させていただきます。また1点において、ぜひ議員のほうで、そのような事態があったというのであれば、教育委員会のほうに早急に御連絡いただければ、今お話しいただいたような放置の状態にはならないと思いますので、ぜひ情報提供もお願いしたいと思います。 ○議長(板橋衛) 堀議員。 ◆8番(堀りょういち) ここで個別な話をしてもあれだとは思うのですけれども、実際そういう声があって、そして上がらない声もあるわけです。泣き寝入りしてしまっている、諦めてしまっている。保護者が我慢しなければいけないのだと思って、こらえてしまって終わっているというようなこともあると思います。現状全くやってないということではもちろんないと思っておりますが、現状で満足するのではなく、より体制を強化できないかという視点で検討していただければと思うのです。最後にこれだけすみません、お願いします。 ○議長(板橋衛) 新倉教育長。 ◎教育長(新倉聡) 先ほど答弁しましたように、そのような状況がないように、各学校長を通じて指導しますとお答えしたつもりです。 ○議長(板橋衛) 堀議員。 ◆8番(堀りょういち) ありがとうございます。これ以上だと、また細かくなってしまいますので、次に行かせていただければと思っております。 時間の関係もありますので、順番を幾つか変えさせていただければと思っております。 青年期、成人期の発達障害についての受皿の件については、一元化して困ることがないように周知していきたいというようなお話をいただいておりますので、ありがとうございます。ぜひお願いできればと思っております。 それから、居場所支援についても、発達障害に特化したものは考えていないということではございましたけれども、やはり私は必要だというふうに思っております。先ほどの南委員のおっしゃっていた居場所とはまた違うもので、同じ苦しみ、同じ境遇、同じ経験をした人たちが一緒に関わることができる機会というのは、私は非常に貴重なことだというふうに思っております。 実は去年の一般質問で私、8050の問題、ひきこもりの問題についてお話をさせていただいて、その際にも居場所の必要性といったことについてはお話をさせていただきました。ひきこもりの背景には、発達障害を抱えて、それがきっかけで人間関係がうまくできずに、傷つき体験を多くしたという方もいらっしゃって、今は就労支援といって、就労をゴールにした支援というのは多くあるのです。ただ、その前に、同じような境遇の人と気持ちを分かち合って、社会性について回復する機会をつくって、就労への意欲を高めていく。そういった間の段階、つまり居場所というものが必要だという人も多いのです。なので、1から市の職員が立ち上げるというのは予算的にも人員的にも厳しいと思いますので、既に近い取組をしている市内のNPO法人等の力を借りて、それを支援するという方法でいいと思うので、ぜひそこについては前向きに検討いただければと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 就労支援までつながるとどうなのだろうか。福祉部長に答弁させます。 ○議長(板橋衛) 植野不二夫福祉部長。 ◎福祉部長(植野不二夫) 議員がおっしゃるとおり、発達障害の方の成人期の活動の場としては、就労支援事業所や地域作業所などといった就労に近い居場所しか今ないような状況です。 一方で、御質問の中でありました、自主的な活動をやっているグループもありますので、そういったところにどういった支援が必要なのか、よく聞いていきたいというふうに思っております。 ○議長(板橋衛) 堀議員。 ◆8番(堀りょういち) よろしくお願いします。 次に、親の支援の件で、ペアレントメンター制度等の話をさせていただきました。先ほどお話ししたように、発達障害は障害の気づきが難しいということから、周りから親の子育てのせいなのだなど、あるいは本人の努力不足といった誤解を受けやすいということが言われていまして、やはり養育のストレス、不安や孤立、そういった心理面の支援ニーズというのが極めて高い状態です。ある研究だと、ASDの子を育てる母親の40%が抑うつ状態で、10%が重度の抑うつ状態だといった研究のデータもございます。そんな親が子どもの障害を受容する支えとなったものは何かというのは、これも研究であるのですけれども、本やネットの情報、医師や看護師といった専門家の助言、そういったことよりも仲間の存在というのが障害受容に非常に大きく影響があったということが明らかになっているのです。ですので、共感、当事者の視点での情報提供、こういったものは何よりも支援として大きいものだというふうに考えています。 保護者にとっては、療育相談センターは医療機関であって、非常にハードルが高いので、いきなり子育てについて自分の気持ちを分かってほしいといったときに、一足飛びに療育相談センターに行けるかというと、なかなか難しくて、同じ気持ちを経験したことのある人が身近にいれば、そういう人を頼ることができるというふうに思います。ですので、横須賀市としてもそういった人がきちんと相談員としていますよということを伝えられたら、発達障害の子を抱える、あるいはこれから診断を待って、いても立ってもいられない気持ちの親たちにとって大きな救いになるのではないかと思っております。 私はペアレントメンター制度にこだわっているわけではないので、何かしらそういった経験者の方がうまく支えのところに入れるような仕組みを検討していただければと思うのですが、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) おっしゃる意味よく分かりますので、何ができるか、行政として検討していきたいと思います。 ○議長(板橋衛) 堀議員。 ◆8番(堀りょういち) よろしくお願いします。 以前までは各学校の支援級などで保護者の会などもあったのですけれども、今、親も非常に仕事が忙しくなったり、地域コミュニティという単位での関わりが減ってきたこともあって、なかなか支援級単位での保護者の集まりなど、そういう関わりが実は減ってきてしまっているというような声があるのです。なので、積極的にそういった関わりの場づくりというのはこれからしていかなければいけないのではないかと思いますので、ぜひ検討をお願いできればと思います。 最後、啓発の部分ですけれども、今既に様々な啓発の行事を行ってくださっていて、作品展示もやってくださっていると思っているのですけれども、私があえて横須賀美術館でと言ったことについては、非常に意義を感じています。というのは、ただの個人の作品発表会などであれば、文化会館や市役所のスペースなどでやってもいいかもしれないのですけれども、そうではなくて、1つの芸術作品としてアートに出会う様々な仕掛けづくりをしている横須賀美術館に飾るということは、横須賀市としての強いメッセージも含めて市民に伝えることができるのではないかというふうに思っています。既に横須賀美術館では、障害者の受入れデーに創作体験も既にやっているというふうに聞いておりますので、その延長として考えれば決して難しくないのではないかというふうに考えておりますけれども、この点についてはいかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 教育長と相談しながら検討していきたいというふうに思います。 ○議長(板橋衛) 堀議員。 ◆8番(堀りょういち) ぜひよろしくお願いします。 実は、療育相談センターの運営を行っている社会福祉法人青い鳥が、50周年記念事業として発達障害児者の展覧会というものを開催しています。見た人は、その大胆な構図や色遣いということで、一人一人の子どもたちの世界観を堪能することができて、非常に好評だったというふうに聞いています。そこでは様々な企画として、啓発のためのイベントだったりワークショップを開催したり、いわゆるギャラリートークといって、歩きながら見どころなどを伝えることもやっていて、横須賀美術館の課題の1つでもある集客といったところにも非常につながっていく部分でもあると思いますので、ぜひ前向きに検討をお願いできればと思います。 最後になのですけれども、かつて日本に、童技という言葉を御存じでしょうか。元服して大人になるまでの間というのは、大人が思いもしないようなことを子どもはするものだからほっておきなさいと。それが子どもたちの成長になるのだということは昔から言われていた。だから、昔はそういった意味で社会がおおらかで、子どもたちの育ちについても割と自由だったところがあったと思う。寛容だったところがあると思うのですけれども、今の日本社会というのは、どちらかというと生きづらい方向に行ってしまっている。だからこそこうやって発達障害が健在化してきてしまっているということもあるのだと思います。ですので、医療や療育など、そういうものも大事だと思うのですけれども、日常生活の中でお互いに支え合って補っていって、自分も発達の凸凹あるし、市長も凸凹あるしということで、個性をお互い受け入れていくには何か目指していく必要があると思いますので、そういったことで政治行政がたくさんなすべきことがあると思いますので、最後に市長の所見をお願いできればと思います。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 先ほどお話しした多様性の中の和合というのはそういう意味の収れんするところだと思うのです。本来は、政治行政ではなくて、地域で収れんしていけばいいのだけれども、そういう社会ではなくなってしまったから、政治や行政が介入しなければいけないのですが、最終的にはみんなで分かち合い、助け合う社会に向かっていかなければいけないと思うので、そのためにある意味では後方支援を政治、行政がやっていかなければいけないというふうに十分理解しています。それは多分議員と一緒だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。……………………………………………………………………………………………………… ○議長(板橋衛) 藤野英明議員。     〔藤野英明議員登壇、拍手〕 ◆4番(藤野英明) 藤野英明です。よろしくお願いします。 新たに誕生した菅政権の目玉政策は、不妊症治療の保険適用拡大です。2022年度の実現を目指していますが、それまでは所得制限の撤廃、助成額の増額、出産ごとに助成回数の制限をリセットするなど、現在の助成制度を拡充する取組を第3次補正予算に計上し、今年度中に実施していく方針です。また、不育症の治療支援を検討するプロジェクトチームも立ち上げ、年内に支援策をまとめて、来年度当初予算案に反映させる方針です。 連日の報道によって、不妊症、不育症の当事者だけでなく、社会全体の注目も集まっています。治療中の方々への朗報であるとともに、高額な治療費がかかることから、今まで治療を受けることを諦めていた方々も、自分たちも子どもを持てるかもしれないという希望を感じておられます。一方、本市の状況を申し上げると、市内には専門の医療機関がありません。そのため、2019年4月から、こども育成部の中に不妊・不育専門相談センターを立ち上げて、不妊症、不育症に悩む方々の最初の相談先の役割を果たしてきました。しかし、その重要性に反比例して、担当課の一角に小さなコーナーを設けて、専用の電話回線を置いただけです。職員数も決して十分とは言えない中で、4つの大切な取組を行ってきました。相談専用電話、来所面接、メールでの相談を相談員が受けること、講演会、相談会、交流会を開催すること、特定不妊・不育症治療費助成の申請を受けること、そして、全国から高く評価されている、流産・死産などで赤ちゃんを亡くした方へのグリーフケアです。 政府のスピード感ある取組によって、市民の期待は既に高まりつつあります。今まで潜在化していたニーズが一気に健在化し、安心して悩みを相談できる場である本市の不妊・不育専門相談センターの役割がさらに増すと私は考えています。 そこで伺います。ニーズの増加に適切に対応できるように、センターの人員を充実させるべきではないでしょうか。不妊症・不育症治療に新たに取り組む方々の増加に対応すべく、不妊・不育専門相談センターの存在と取組を広く周知することを筆頭に、ニーズ増加に対応すべく、相談電話の回線数や講演会、相談会、交流会の開催回数を増やすなど、同センターの事業の在り方を検討し、拡充していくべきではないでしょうか。 不妊症、不育症ともに、治療に望む方々が最も求めているのは、生の情報です。そこで、パンデミック以前は、本市では当事者が安心して集える交流会を定期的に開催するとともに、講演会の場でも、参加者同士がテーブルに分かれて語り合う時間も設けてきました。周囲の誰にも話せず孤立しがちな上に、インターネットの不確かな情報にさらされている方々にとって、交流会に参加した後の満足度はとても高く、私も毎回参加してきましたが、同じテーブルだった方とその後もLINEで交流を続けていることや、感謝の声をいただいてきました。しかし、コロナ禍によって交流会は中止に追い込まれており、今年度は一度も開催できていません。 先ほど来申し上げてきたように、既に不妊症・不育症治療への期待とニーズは高まっており、体験から来るリアルな情報や当事者同士の本音の語らいを求める思いは、今後さらに高まるでしょう。加えて、コロナ禍で治療アクセスへの不安も高まっている今、交流会事業の早期再開が必要です。 そこで伺います。パンデミックが続いていくという前提に立って、人数を減らす代わりに開催回数を増やすなど工夫し、万全な感染対策を取った会場でリアルでの交流会を開催するとともに、時間や場所にとらわれないオンラインでの開催も検討し、コロナ禍で不妊症・不育症治療に臨む当事者の皆さんが安心して交流できる機会を早急に実施すべきではないでしょうか。 今年度、センターは、新たに1年間のモデル事業として、株式会社ファミワンと連携して、妊活LINEサポート事業を実施しました。時間と空間を問わず、LINEで相談できる仕組みは、コロナ禍で対面相談が困難となった時代のニーズにもマッチしました。モデル事業を今後も正式に継続していくか否かは、検証の結果判断するわけですが、正確で最新の知識を持つ専門家やピアの方々に相談できる本事業はとても有効だったと私は評価しています。 そこで伺います。今後さらに増えていく不妊症・不育症治療を希望する方々のニーズに対して、使い勝手の悪かった部分に修正を求めるなど改善をしつつ、妊活LINEサポート事業は来年度以降も継続していくべきではないでしょうか。 本市は、妊娠・出産包括支援、女性健康支援の取組を積極的に進めてきましたが、置き去りになっているテーマがあります。それは、出生前検査による妊娠葛藤への支援体制が構築できていないことです。 そもそも我が国では、お腹の中の赤ちゃんの病気や障害が分かったときに、妊婦と家族を支える体制が全く不十分です。技術はどんどん進化し、受精卵が胚盤胞の段階から病気や障害の有無が分かる着床前診断や、妊娠10週での新型出生前診断(以下NIPT)などの検査で、かつてとは比べものにならない早期の段階で、胎児に病気や障害のあることが分かるようになりました。しかし、その結果について、一人一人の妊婦と家族に対する丁寧な情報の提供もなく、同じ妊娠葛藤に直面した人生の先輩と意見交換をする機会も全くありません。そして、孤立と孤独な決断として、ほとんどの妊婦が中絶に追い込まれています。このような現状は、リプロダクティブヘルスに基づく主体的な選択とはとても言えません。 そこで、2016年11月の本会議、2017年3月の教育福祉常任委員会などで、早急な対応が必要だと私は訴えてきました。当時は定義を狭くし、NIPTとその結果判明する21トリソミー(ダウン症候群)について質疑を行いました。 本来ならば、NIPTは関連学会のガイドラインに基づいて、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーといった遺伝カウンセリングのプロによる相談支援体制が整った、限定された専門医療機関で、基準に該当する限定された対象者のみが受診できるものとされてきました。しかし、実際は、ガイドラインは完全に無視され、インターネット上には営利目的のNIPTの広告があふれており、年齢制限なし、医師の紹介状も不要、採血する医療機関をワンクリックで予約して、その血液を海外に送れば、検査結果だけが送り返されてきます。結果の丁寧な説明などは一切ありません。 国内外双方での調査研究によって、ダウン症のお子さんと暮らしている家族も本人も、9割以上が幸せを感じていることが明らかになっていますが、そうした事実も全く知る機会がありません。そして、障害イコール不幸、育てられない、自分たち夫婦が亡くなった後に残されることになる障害のある子どもがかわいそうといった思いから、ほとんどの方が中絶をしていることが調査から分かっています。そして、中絶をした方々は、大きな心身のダメージを受けて苦しんでいます。 そこで私は、先進事例としてドイツが設置している妊娠葛藤相談所と福岡市のダウン症等受容支援ネットワークを取り上げて、そもそもNIPTを受けるかどうか悩んでいる段階から、また胎児に障害が見つかったときに、妊婦と家族の求める情報と対話の機会をしっかりと提供できるようにし、意思決定を支援し、その選択が妊娠継続であれ、中絶であれ、サポートしていく本市の体制づくりが必要だと当時の市長に提案しました。しかし、結果はゼロ回答でした。 それから4年がたちますが、現在も支援体制は何もありません。全国的にも、無認定の検査実施医療機関はさらに増え、無秩序にNIPTは広まっています。たとえガイドラインを満たしている大学病院などでNIPTを受けても、短時間の遺伝カウンセリングでは意思決定支援には程遠いのが実態です。 今回の質問では定義を狭めず、妊婦健診で行われるエコーなども含む広い意味の出生前検査とし、検査で判明する病気と障害もダウン症候群に限定せずに、全ての病気と障害についてとします。 さて、問題が深刻化していく中で、この4年間ずっと、どうしたら妊婦と家族をサポートできる体制をつくれるかを学び続けてきました。そして2年前、全く同じ問題意識を持つNPOに出会いました。医師、看護師、助産師ら医療関係者、疾患・障害のある当事者とその家族、エンジニア、法律家、コミュニティデザイナーなど多様なメンバーで構成されているNPO法人、親子の未来を支える会です。 活動は現在、6年続いていますが、私はこの2年間の活動を間近で見せていただきました。赤ちゃんに病気や障害があるかもしれないときに安心して駆け込めるワンストップ型の相談窓口である胎児ホットラインの運営をはじめ、胎児の病気が分かったときのブックレット、妊婦を支える家族向けのブックレットの作成と配布、オンライン上で1対多数のピアサポートを受けられるオンラインピアサポート「ゆりかご」、さらに出産後のライフプランニングや胎児治療コーディネートを行っています。 誰もが気軽にアクセスできる形で、様々な専門家や先輩たちの多様な意見を聞くことができる取組は、まさに理想的です。例えば、医療的な予後については医療関係の専門家のメンバーが、障害のある子を出産して生活していく未来がイメージできなければ、実際に障害のあるお子さんを子育てしている御家族が、中絶を迷っているのであれば、実際に中絶という選択をされた当事者の方が、あくまで1人の人生の先輩の経験として相談者と語り合ってくれます。常に中立で、中絶も妊娠継続も強要することは決してありません。 さらに、病院や地域の垣根を超えて、妊娠葛藤に関わる医療者向けの勉強会や交流会を行うケアラーズケア、コミュニティ形成支援、メディアでの情報発信も積極的に行っています。 胎児ホットラインとゆりかごは完全に無料、ブックレットも送料のみ、研修会も資料代のみで、活動資金は、その活動が高く評価されているために、助成金や寄附金だけで運営されています。非常に公益性の高い活動です。 私は、今の社会では、出生前検査は、胎児の障害の有無を調べて、中絶をするためのもので、妊婦と家族に深刻なダメージを残しているだけだと感じてきました。しかし、同NPOは、出生前検査が家族の幸せにつながることを目指し、お腹の中の我が子が健康であってほしいという願いを尊重し、お腹の中の子どもに病気や障害があるかを知りたい、または知りたくないという思いが理解され、尊重される社会を目指しています。こうした活動から、同NPOは高く評価されており、胎児の病気や障害が見つかったときの妊婦と家族の妊娠葛藤と意思決定支援とその後の継続的支援においては、国内では同NPOを超える取組はないと思います。 本市は、妊活における相談支援では、多数の専門家を擁し、ノウハウを持つ株式会社ファミワンをパートナーとして連携しました。同じ手法で、現在は本市の取組から抜け落ちている、出生前検査の結果孤立し、孤独な選択を迫られている妊婦と家族を守り支援する取組を、同NPOと連携することで本市に取り入れていくべきです。初めは本市ホームページから同NPOにリンクを貼らせていただいたり、本市に寄せられた御相談をつなげる形でスタートするだけでも大きなメリットを妊婦と家族に提供できるはずです。それによって初めて本市の妊娠・出産包括支援、女性健康支援の取組が完成すると言えるはずです。 そこで伺います。出生前検査を受けるか否かで悩む段階から妊婦と家族を支え、胎児に病気や障害が見つかったときの意思決定を支援し、どんな選択も支えられる体制をつくるために、本市は専門的知見を持つNPOと連携していくべきではないでしょうか。 2020年9月議会での提案を受けて本市は、「ベイビーロスアウェアネスウィーク~亡くなった赤ちゃんとご家族に想いを寄せる1週間~」の初日、10月9日と最終日、10月15日に、本市公式ツイッターアカウントからメッセージを発信しました。特に初日に発信したツイートは、全国から好感をもって受け止められました。全文は次のとおりです。 結婚したら妊娠し、赤ちゃんを産めて当然だというイメージを持っていませんか。不妊・不育、流早産など、つらい経験に苦しみ、周囲からの心ない言葉により悲しい思いをされている方がいらっしゃいます。横須賀市は、これを深く受け止め、その方々の気持ちに寄り添うまちづくりに取り組んでいきます。 11月20日現在、「いいね」が884、リツイートが280、引用リツイートは35に上りました。未確認ですが、本市公式アカウントで発信した過去のどのツイートよりも多い「いいね」数ではないでしょうか。 強い賛同のメッセージも寄せられました。例えば、こういう温かいまちいいな。市が理解してくれるってうれしいよな。行政のアカウントが自らこういう発信しているの、最高すぎる。横須賀市にも住んでみたいと思った。自治体主導でこの取組をリードしていただけると心強いですね。全国的にこういう考えが広がってくれるといいな。何十年も受け続けたダメージってそう簡単には消えないから、このツイートには救われる。いいぞ、横須賀市。もう横須賀市に引っ越したい。これをツイートできる市のアカウント、すばらしすぎるな。安心感しかない。横須賀市好き。この言葉を聞いて横須賀に住みたくなったなどです。 本市はこれまで、全国的にも珍しい、赤ちゃんを亡くした御家族へのグリーフケアの取組で高い評価を受けてきましたが、さらに今回、赤ちゃんを亡くした御家族の存在について、社会を啓発する取組でも全国から高く評価されるようになったのです。 そこで伺います。実施前には、啓発の仕方によってはフラッシュバックが起こり、かえって不調を訴える方々もいらっしゃるのではないかと心配される御答弁をしておられましたが、今回、実際にそのような御意見は本市に寄せられたのでしょうか。実際にメッセージを発信した結果、全国から寄せられた「いいね」や好意的なコメントの数々などを受けて、本市が発信したメッセージが全国に与えた影響や取組の必要性について、どのように自己評価していらっしゃいますか。 私は、本市が発信したメッセージが全国に与えた影響を高く評価しています。一方で、現時点では実際のアクションは公式アカウントから2通のツイートを発信しただけであることもまた事実です。今後は、社会啓発の取組を積極的かつ継続的に行っていく必要があります。 そこで伺います。来年度は、本市のあらゆる公式SNS、ホームページ、広報よこすかを通じて、流産、死産、中絶、新生児死亡などによって亡くなった赤ちゃんとその御家族について、その存在と支援の必要性と社会にある偏見の解消について、市民に語りかけるべきではないでしょうか。啓発冊子やチラシを作成して、公共施設や協力していただける民間施設に配架すべきではないでしょうか。 赤ちゃんを亡くした天使ママ、天使パパ、天使兄弟など、御家族の立場の方々をスピーカーとしてお招きし、市民向けに理解と支援と啓発のための講演会を開催すべきではないでしょうか。 前の質問では、特定の期間に限定しない、日常的かつ継続的な取組を提案しました。長期的に最も効果的なのはこうした取組なのですが、一方で、世界中のあらゆる地域や人々と同じタイミングで、歩調を合わせて啓発イベントを実施することも重要です。本市の姿勢をより強く打ち出せる、国内外の多くの人々との強い連帯感が生まれるなど、大きな相乗効果を得られるからです。加えて本市は、今年の取組によって、全国の当事者の方々からの強い期待も背負っています。そこで、本市によるベイビーロスアウェアネスウィークへの関わりについて、改めて提案します。 来年度は、ベイビーロスアウェアネスウィークを本市の公的な取組として積極的に取り組んでいくべきではないでしょうか。来年度も、ベイビーロスアウェアネスウィークに合わせて、本市の公式SNSアカウントによるメッセージを発信すべきではないでしょうか。 世界のあらゆる公的機関の建物や民間のスタジアムなどや有名な建築物などでは、今年もベイビーロスアウェアネスウィーク期間中に、この取組への参加表明と社会への啓発のために、シンボルカラーのピンクとブルーにライトアップがなされました。そこで、来年は、本市も市役所の庁舎などをピンクとブルーにライトアップする取組を行ってはいかがでしょうか。ベイビーロスアウェアネスウィークの最終日に、世界中でウエーブ・オブ・ライトが実施されていますが、本市も市役所前公園などでキャンドルをともす取組を行ってはいかがでしょうか。 最後に、自殺対策について1点伺います。 短期間に特定の駅で人身事故が多発したことから、市民に不安を与えています。加えて、報道による連鎖が今後も起こってしまうのではないかと強く危惧しています。 自殺多発地域にハード面で安全対策を取ることで、犠牲者数を実際に減らせることは、これまでの様々な調査研究から明らかです。鉄道駅については、青色蛍光灯を各駅に設置していただきましたが、さらに簡易型のホームドアやセンサーを設置することで、危機的な精神状況の際に物理的にアクセスを回避することができます。コロナ禍での自殺犠牲者数の増加を防ぐために、できることは全て取り組むべきとの決意から、市長に伺います。 特定の駅で人身事故が多発している現状を受けて、本市は鉄道事業者に再発防止の早期対応を要請すべきではないでしょうか。 なお、この指摘は、つい先日開催された自殺対策推進協議会においても、委員長はじめ委員の皆様から同じ要望が出されたことも併せて申し上げます。 以上で私の1問目を終わります。再質問は一問一答で行わせていただきます。 ○議長(板橋衛) 理事者の答弁を求めます。上地克明市長。     〔上地克明市長登壇〕 ◎市長(上地克明) まず、不妊・不育専門相談センターの人員についてです。 不妊症や不育症について、国が支援の強化を図る方針を打ち出したことにより、今後、本市においても、相談が増えることが見込まれます。市民のニーズに応えられるよう、センターの体制についても、状況を見ながらぜひ検討していきたいというふうに考えます。 次に、センターの事業の在り方についてです。 今後の市民からの相談状況を見ながら、ニーズに対応していけるよう、相談体制の強化や交流会の開催を増やすなど、支援の拡充を図っていきたいと考えます。 次に、交流会の開催についてです。 今年度、コロナ禍において、妊産婦サロンやツインズ教室でオンライン交流会を行いましたが、初対面では会話が弾まずに、期待する効果は得られませんでした。交流会は、少なくとも初回は対面で行うことが望ましいのではないかというふうに考えています。今後、状況により、対面とオンラインを組み合わせ、開催方法を工夫しながら開催していきたいと思います。 次に、妊活LINEサポート事業の継続についてです。 LINE相談は、利便性が非常に高く、時代のニーズに合致した取組で、有効であると考えています。モデル事業利用者のアンケート結果からも、「相談しやすい」と回答した方が7割を超え、8割を超える方が「満足している」と回答していただいています。また、9割を超える方が事業の継続を希望されており、引き続き実施していきたいと考えます。 次に、NPO法人との連携についてです。 私は、市民の様々な不安や悩みにできるだけ寄り添っていきたい、支えていきたいというふうに考えています。今後、専門的知見を持つNPO法人の取組について、情報を得た上で、出生前の検査の迷いや、胎児に病気や障害が見つかった方から御相談があった場合には、ぜひ連携して、支援をしていきたいというふうに考えます。 次に、メッセージの発信に対する意見についてです。 今回発信したメッセージについて、不調を訴える御意見は、幸いなことに、寄せられていません。 次に、自己評価についてです。 全国から想像以上の大きな反響をいただいたことに大変驚いています。そして、行政として取り組むことへの期待と責任を強く感じています。 引き続き、亡くなった赤ちゃんとその御家族の気持ちに寄り添えるように取り組んでまいりたいと思います。 次に、亡くなった赤ちゃんとその御家族への理解と社会にある偏見の解消に向けた発信、啓発冊子等の配架及び講演会の開催について、併せて回答させていただきます。 御家族への支援や偏見の解消への取組は、大変重要なことだと思いますので、継続して取り組んでいきたいと考えています。 市民への情報発信については、SNS等の利用やチラシの作成、配架、講演会の開催など、様々な方法が考えられますが、関係者の御意見や御協力をいただきながら、効果的な方法を検討してまいりたいと思います。 次に、ベイビーロスアウェアネスウィークについて、4問併せてお答えさせていただきます。 私も、国内外の人々と同じタイミングで情報発信を行うことが効果的だと考えます。来年度も、この期間に合わせて、公式SNSによりメッセージを発信していきたいと思います。 啓発週間における市役所庁舎のライトアップや、市役所前公園でのキャンドルをともす取組等は、関係部署と協議しながら、できるところから取り組んでいければと思っています。 次に、鉄道事業者への再発防止の要請についてです。 特定の駅で人身事故が続いていることは私も承知しており、大変心を痛めています。 11月18日の自殺対策推進協議会において、鉄道事業者に人身事故が続いている駅へのホームドア等の設置を求めるべきとの意見が出され、同協議会が要望書の準備をしていることも承知しています。また市としても、同協議会の意見を尊重し、再発防止に前向きに取り組んでいただけるよう、鉄道事業者に要望しているところであります。 ○議長(板橋衛) 藤野議員。 ◆4番(藤野英明) 市長、御答弁ありがとうございました。 再質問は、順番を変えて、1番最後の、特定駅で多発する人身事故の再発防止を鉄道事業者に要請する必要性についてから始めさせてください。 現地を訪れてみますと、快速特急、特急が10分置きにものすごい速さで通り過ぎていく。今回、たまたまコロナ禍での自殺対策という観点から質問しましたが、かねてから同駅の危険性は指摘されていました。 私自身を振り返ると、もう6年前、7年前になるのですが、ある知的障害のあるお子さんが電車を見るのが大好きで、その某駅に訪れて、電車を見たくて体を乗り出したところ、特急電車にひかれて、そのまま亡くなってしまったという悲しい出来事がありました。昨日も改めて質問の前に駅に立ってみたのですが、青色蛍光灯は提案させていただいたとおりで、上がってすぐのところと駅のホームの一番奥にあって、そしていざというときの緊急停止ボタンは、上りホーム、下りホームに2つずつ置いてある。そして、ホームの一番奥には命の電話の看板がかけてあって、一般の駅ならばそれでいいかもしれないのです。ただ、ものすごく長いホームなので、どこからでも本当に……。 自殺に追い込まれるときの精神状況というのは、自分で止められるものではないので、これだけ広い敷地があると、駅員がどれだけ目を配っても、市民の方が緊急停止ボタンを押したとしても、本当に難しくなってしまう。本当に一瞬の病気に背中を押されてしまった瞬間、防護のガードをするロープが1本あるだけで止められる。その一瞬さえガードできれば、防げる命がたくさんあるわけです。 国の方針で、乗降人数の多い駅からホームドアを設置するというふうに定めがあって、鉄道事業者はそうしていると思うのです。本市の場合は、横須賀中央駅や京急久里浜駅のように、人数だけで言えばより大きな駅はあると思うのですが、もう一方の視点として、危険度に合わせて対応していくという観点も必要ではないかというふうに思います。 今、国土交通省が主催して、残念ながら議事録が公開されていないので詳しい中身が分からないのですが、どうやらICT技術やAIを使って、視覚障害のある方がホームから転落しないような取組を検討しているようなのです。そこで得られた知見も含めて、私は簡易的なホームドアの設置が最も有効と思っているので、ぜひ鉄道事業者の方に強く要望していただけないかというふうに市長に改めて申し上げたいのですが、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 私もこの話を聞いてびっくりしているところでして、物理的な問題なのか、場所が悪いのか、いろいろな問題があると思うのです。事業者は事業者の経済状況もあると思う。ただ、やはり命が一番大切なので、事業者に対して申入れをしているというふうにおっしゃっていましたが、私も個人的に社長にぜひ申入れをしたいというふうに思っています。 ○議長(板橋衛) 藤野議員。 ◆4番(藤野英明) ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。 それでは、質問の順番に戻って、不妊・不育専門相談センターについてから再質問を行います。 まず、ニーズの増加に応じてこれまでも行ってきてくださった取組を、新たな視点から取り組んではいかがかというふうに申し上げました。検討の中にきっと含まれるとは思っているのですが、コロナ禍という状況を加味して、そして上地市長になってから本当にデジタルに強くなった本市の取組なので、例えば講演会、交流会など、登録した方についてはユーチューブやZoomなど、外部から参加できるような形にぜひ御検討いただきたい。というのも、コロナ禍だけでなく、ふだんから時間と場所の制約というのは非常に重荷になっていた。この時間、この場所でなければ参加したかったのにという方はたくさんおられると思うのです。ぜひそういったICT技術を活用して、その場に行かなくても参加できるようなという仕組みもぜひ御検討いただきたいのですが、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) そういう仕組みができたということは本当に、おっしゃっていたように、同じ悩みを持つ人たちの集団、先ほどの堀議員のお話と同じように、同じ悩みや苦しみをいかに支えるかという前に、そういう皆さんが同じツールで集まるということは非常に大切だと思いますので、何が行政でその辺の御支援ができるかということはぜひ考えていきたいというふうに思います。 ○議長(板橋衛) 藤野議員。 ◆4番(藤野英明) 続いて、交流会の早期再開について、改めて伺いたいことがあります。 交流会の必要性を強く特出しで質問したのには理由があります。菅総理が頑張ってくださって、これから2022年度の診療報酬改定に合わせて、きっと保険適用を実現すると思います。そして何より、多分4月には、助成の大幅な増が見込まれます。一方で、日本の不妊治療、不育症治療というのは闇がありまして、これはもう当事者はみんな知っているのです。世界で一番移植の回数が多いのに、世界で一番妊娠数が少ない。失敗ばっかりなのです。一部のドクターは、自分たちの技術のせいではなくて、女性の年齢が高くなってから初診に来るからなんていうふうに言っているのですけれども、そんなことは絶対になくて、本当に1例、2例でも不妊症専門クリニックと標榜することができたり、今、きちんとした基準がないのです。毎日300件ぐらい、1人のドクターが土日も休まずに頑張っているクリニックもあれば、それこそ副大臣が訪問したようなクリニックとそうではないクリニックと、それぐらい技術が分かれているけれども、同じ名前を標榜できてしまう。それに加えて、総理が方針を発表したとたんに、自由診療なので治療費を値上げしたところがあります。補助が今30万円ですが、今度40万円にしようという話がある。そうしたら値上げしてきたのです。いたちごっこで、いくら政治行政が頑張って当事者の皆さんの御負担を減らしたくとも、悪質な医療機関、あえてこういうふうに言わせてください。悪質な医療機関は値上げで対抗してくる。補助が出るならばもっと値上げしてしまえ。結局、御本人の負担は大きなまま。こういうところも実はたくさんある。神奈川県内は比較的よいところが多いというふうな評判なのですけれども、それでもやはり生の声というのを一番、当事者の方は求めているものなのです。先ほど市長がおっしゃった答弁には、完全に賛成します。まずは一度お会いした上で、打ち解けたところで、次はウェブでやりましょうみたいな。質問でも、ハイブリッド型というか、まずは万全な感染対策。今も本市のイベントは既に万全な感染対策を取っておりますので、そこについての不安はありません。そこでまずは一度会っていただいて、次からは個人個人でLINEで交流してもらったり、あるいは市の継続した交流会を開催するというのも重要だと思います。とにかく早期に実現していただきたい。今年、本当に一度も開けていなくて、残念なのです。何とか年度内に、予算もきっと確保されていますので、一度開催していただけないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) こども育成部長から答弁させます。 ○議長(板橋衛) 志村恭一こども育成部長。 ◎こども育成部長(志村恭一) 交流会というのは非常に重要なことだと私も思っています。今までなかなか開催できなかったことは非常に反省しております。今、年度内にということでございました。何とか年度内にできるように頑張りたいと思います。 ○議長(板橋衛) 藤野議員。 ◆4番(藤野英明) こども育成部長、御答弁ありがとうございました。非常に短い準備期間かと思うのですが、どうぞよろしくお願いいたします。 続いて、妊活LINEサポート事業について伺います。 アンケート結果、初めてお聞きしたのですが、ものすごく高い評価で、本当に市長の先見性というか、株式会社ファミワンと、それから先ほど私が紹介したNPO法人親子の未来を支える会の両方とも、社会起業家として頑張っている若いお二人、本当にすばらしい取組だなというふうに思っています。そしてそこと横須賀市が手を組んだというのは本当によかったなというふうに思っています。 私自身も妊活LINEサポート事業に登録させていただいて、模擬ケースではないですけれども、入力させていただいて、相談を聞いていただいたりなどというふうにやってみたのです。先ほど、質問の中にも入れたのですが、使い勝手の悪かった部分にはぜひ修正を求めていただきたい。私が周りにお聞きした中で一番大きかった声は、どこまでが本市民の無料で、どこからが有料なのか、とても分かりにくい。私もそう思いました。アンケートにも、もし自由記述があったならば、ここは変えてほしいという御意見がきっとあったと思うのです。そういった部分についてはぜひ改善を求めていっていただいて、そしてこの事業というのは、相手方の株式会社ファミワンにとっても、全国に取組を広げていく大きな一歩だというふうに私は受け止めています。ウィン・ウィンの関係だと思っています。ですからぜひ、本市の1年間の市民の方の使い勝手、その御意見を反映させていただけるようにぜひ求めていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) こども育成部長から答弁させます。 ○議長(板橋衛) 志村こども育成部長。 ◎こども育成部長(志村恭一) その辺の境目の曖昧さ、不具合なところは、すぐにでも解消して、分かりやすい制度で皆さんに御活用いただければと思います。ありがとうございます。 ○議長(板橋衛) 藤野議員。 ◆4番(藤野英明) こども育成部長、御答弁ありがとうございました。 続いて、出生前検査と妊娠葛藤に知見を持つNPOと連携する必要性について、改めて申し上げたいと思います。 御答弁には大変感謝しております。2年間、一個人という形でNPOの活動を間近で見てきて、本当にこういう場所ってないなと思ったのです。国が取組を進めるのはありがたいけれども、不妊治療、不育症治療の取組を進めていくのはいいのだけれども、一方で、必ず出生前検査、普通の妊婦健診自体が出生前検査ですから、ものすごく妊婦の方が不安になられる。例えばエコー検査をすれば、首の後ろのNTが肥厚している、少し厚みが大きいダウン症候群ではないのかなどそういうときに、もちろん思いの強いうわまち病院産婦人科の皆さんなど、本当に時間を取って、1時間でも2時間でもお話を聞いてくれて、そして次の病院を紹介してくれて、戻ってきてからもお話を聞いてくれるというところもある一方で、一般の本当に出産をメインにした産科では、そういったことを全然アプローチしてくださらないのです。紹介して終わりと。紹介された先も、大学病院がほとんど紹介先ですが、忙しくて、お一人に割ける時間が本当に少ない。 今、全般的な出生前検査について申し上げましたが、NIPTは本当に危険で、NIPTそのものの危険性という意味ではなくて、無認定の、無認可の施設がやりたい放題になっていると。 これは今年、学会が行った調査なのですが、認定されている施設は全国に109あるのですが、無認定の施設が昨年11月は54だったのです。54で済んでいた。これでも十分多いのですが、今年7月の調査で135に倍増、1.5倍から2倍に増えている。認定施設を上回っているのです。認定施設を上回っている数のほとんどが美容外科など、産婦人科とは全く関係ないところ。そこでただ血液だけ採って、それを海外の検査機関に送って、結果だけ返ってくる。あなたのお子さんは21トリソミーかもしれない、ダウン症候群かもしれない。18トリソミーで。18トリソミーって、インターネットで検索かけると、1年間生存率10%などと一番上に出てきてしまうのです。自分の子どもは、生まれても1年間しか生きられないのかなど、そういうような情報しかない中で検査結果だけが送られてくる。今、最悪の状況になっていると思います。 4年前に質疑したときは、何も回答が得られなくて、思いのある助産師が頑張ってくれて、相談に乗ってくれているというような状況だった。現場の声も悲痛な叫びでしたし、何よりも妊婦と御家族の孤立、本当に苦しいものがありました。その間にこのNPOと出会って、そしてこのNPOが他のNPOと違うところは、例えば日本ダウン症協会も同じように相談窓口をつくってくれているのですけれども、ダウン症協会が相談窓口を開くということは、イコール育ててくれと。21トリソミーと診断が出たダウン症候群の子が生まれる、そこに相談するということは、もう育ててくれという決断しか誘導されないのではないかということから、相談窓口を開いても、なかなかお電話をいただけない。 お隣の横浜市には、すばらしい市民の方がヨコハマプロジェクトというのをつくっていて、「ダウン症のある暮らし」というすばらしいサイトやブックレットや相談を開いているのですけれども、でもやはり相談が伸びない。そうではなくて、妊婦の方と御家族の方が、大体配偶者の方ですけれども、悩んだときに、中絶をするのか。中絶をするという言葉自体に、私自身が発言していてちゅうちょしてしまうわけですが、社会的に、日本的では中絶をするということが責めの対象になっている。でも、中絶を選択するならばどういう体の変化が待っているのかや心理的な変化が待っているのかなどを誰かと話したい。しかも、お一人一人、体も心も違うので、複数の当事者の方とオンラインでピアサポートが受けられる。そういう専門家をそろえているNPOってここしかないのです。1つのNPOを思いきり評価すると、利益誘導に聞こえてしまうのであえて申し上げたのですが、ここは1円の会費も取っていなくて、取組のよさを理解してくれた方から寄附があって、あるいはいろいろな機関から助成金を頂いて、つまり何か企業の息がかかった寄附などそういうものではなくて、あくまでも活動に思いを共有する方が寄附して運営されている。本当に、こういうところってなかなかないと思うのです。 そして、2年前に初めて出会ったときにすぐにでも質問したかったのですが、2年間ずっとそばで活動を見てみました。最初の1日だけであったら、取り繕うことってできると思うのです。議員が視察に来て。でも、2年間ずっといて、彼らの行動はぶれることがなかった。どんな人がやってきても、じっくりと話を聞いて、命の選別といったような責めることもなく、まずはじっくりとお話を聞いて、そしてその方の悩みに応じた人生の先輩を御案内する。 それから、18トリソミーについて言えば、本当は生まれた後に心臓の手術などをすれば、10歳、20歳、今生きていっている子がいるので、これから医学の常識を覆し、50歳、60歳と生きていく人もきっと現れていく。そういう情報が全然、インターネット上には乗ってこなくて、ドクターからもお話聞けなくて、でも、ここのNPOでは、最新の知見を持っているので、聞くことができる。18トリソミーと診断されても産むと決断した人に、生きていかれるという最新の情報を提供できる。 最初は、本市に相談があったら、相談先を御案内していただきたい、あるいはホームページにリンクを貼ってほしいというふうなことを申し上げたのですが、昨日もNPOの代表とお話をしたのですけれども、もしも前向きな御答弁が出たら、ぜひ横須賀市に訪れていただいて、そしてNPOができることをぜひお話ししてあげてくださいというふうに申し上げました。ファミワン同様、がっぷりと組んで、そして横須賀市は全国に赤ちゃんと妊婦と家族を支えるすばらしい町なのだということをぜひアピールしていただきたい。そのためにぜひしっかりと連携していただきたいというふうに重ねて要望したいと思うのですが、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 切実なる思いを今聞かせていただいて、デリケートで、すごくセンシティブな問題なのです。行政がどこまで関われるかというのは結構私も悩んでいた部分で、それは人生観や死生観、あるいは宗教的情操にまで踏み込まなければいけないという問題に関して、悩んでいる、苦しんでいる人たちに、「誰も一人にさせないまち」を標榜している自分がどこまで踏み込めるかという問題はいつも悩むところなのです。今言ったように、共感やシンパシー、同じような境遇にある人たちが横につながって、行政的に言えば知見や機能などになってしまうのだけれども、その中で共感を持っていられて、様々な悩み、苦しみに対して同じような経験を持った方たちが支え合う仕組みというのは、すごく大切なことだというふうに思っていますので、今お話を聞いた限り、どういう形で連携できるか分かりませんが、できる限りお話を聞かせていただいて、何ができるかを考えてみたいと思います。 ○議長(板橋衛) 藤野議員。 ◆4番(藤野英明) これで質問を終わりますが、最後に一言だけ申し上げさせてください。 コロナパンデミックが起こって、さきの本会議でも同じことを申し上げさせていただいたのですが、みんなが被害者になっている、みんなが助けてくれと言っている。そのために、コロナパンデミックより以前から苦しんでいた人の声がどんどん聞こえづらくなってしまっている。自殺へ追い込まれる方、それから流産、死産、早産、新生児死亡などで赤ちゃんを亡くしていた方。その声がどんどん聞こえなくなっている。そこにアプローチするのが、「誰も一人にさせないまち」である上地市長の姿勢であると。「福祉のまち、よこすか」を目指す私の姿勢でもありますが、ぜひこの取組を前に進めていっていただきたいと強く要望して、質問を終わります。ありがとうございました。……………………………………………………………………………………………………… ○議長(板橋衛) 大村洋子議員。     〔大村洋子議員登壇、拍手〕 ◆13番(大村洋子) 日本共産党の大村洋子です。発言通告のとおり、6点にわたって市長に質問いたします。 1点目、市長の旧軍港市転換法に対する御認識を伺いながら、横須賀の将来像について伺います。 1950年施行の軍転法から今年で70周年を迎えました。三浦半島の小さな漁村であった私たちの地域は、1865年、江戸幕府によるくわ入れから製鉄所をつくり上げ、軍都の歴史を歩み出します。明治、大正、昭和と時代を経て、海軍の拠点としての地位を確立、昭和16年4月14日、今から79年前、「高度国防国家完成のため名実ともに完備せる世界最大の軍港都市の実現を期す」とした市是を制定するに至ります。当時、このような勇ましい発表をしていますが、他方で財政状況は厳しく、周辺町村を無理やりと言っていいようなやり方で合併します。さらに、敗戦直後、44万人とも言われていた人口が、同年11月の人口調査では20万2,000人へと一気に半分以下となりました。 このように、お金も人もなくなってしまった町の再生のために、当時の市長と市民が立ち上がり、住民投票で勝ち取った特別法が軍転法です。市長は、当時の市長と市民のまちづくりの思いをどのように引き継いでいらっしゃるのでしょうか。軍転法はもう古い、役目は終わったという方に対してどのようなお考えをお持ちでしょうか。市長は、軍転法を横須賀市の市是であるとお思いでしょうか。併せて伺います。 1998年に設置された観光懇話会の2年後の報告書には、横須賀の歴史を考える上で、軍港や基地というイメージは避けがたい。これらを取り除くよりも、知名度を生かしたイメージ戦略で物語性を構築し、良好な都市イメージへの転換を促すことを推進とあります。 その後の市政運営によって、交流人口増加から定住人口増加へと政策が打たれましたが、功を奏したとは言えないと思います。前述のように、本市は世界最大の軍港都市の実現を市是にしていましたが、1950年以降は平和産業港湾都市への転換を目指すこととなりました。しかし、現実には自衛隊施設や米軍基地があり、目指すものと現実とをどう折り合いをつけるか、それが歴代市長の課題ではなかったでしょうか。私はそう思います。 率直にお尋ねしますが、市長は横須賀市を軍都だと捉えていらっしゃいますか。基地のまちということではいかがでしょうか。お聞かせください。 また、現行の基本構想・基本計画の中に、可能な限りの米軍基地の返還、自衛隊施設の集約・統合とあります。これは軍転法の中身ですが、現在策定中の次期基本構想・基本計画にもしっかりとうたっていくことが必要と考えます。市長のお考えをお聞かせください。 私は、軍転法は、国有財産を無償または安価に市に移行させるという手続論の側面はもちろんのこと、平和産業港湾都市という横須賀の将来像を描いた理念にこそ眼目があると思います。市長は1期目の4年間を半年後に終了し、2期目に挑戦し、本腰を入れてこの町のために全力を尽くしていこうとお考えであるならば、私は、平和産業港湾都市のためにどのように仕事をされていくおつもりなのか、しっかりと伺っておかなければならないと考えます。まず、2期目への挑戦をお考えでしょうか。お聞かせください。その上で、平和産業港湾都市の実現へのお気持ちをお聞かせください。 2点目、上地市政3年半を振り返り、行政計画における決定過程の透明性、並びに利害関係者への説明及び合意形成について伺います。 市長は、一言で言うと、実行の人だと思います。決めたことをどんどん進める姿勢で、就任以降、様々な施策を実施されてきました。限られた時間・財源・人材の中で、最大限の成果を引き出す。大切な観点です。しかし、公が行う仕事の要諦はそこでしょうか。上地市政の3年半余を振り返る中で、今日はその点について正面から伺いたいと思います。 2018年8月21日、突然、うわまち病院の移転・建替えが記者発表されました。地元うわまち商店街に事前説明はなしです。 その約半年後、今度は施政方針の中で、職員厚生会館をリノベーションして、中央こども園へと変更し、職員厚生会館の機能は勤労福祉会館へと移転させると表明されました。これも労働組合との調整は後回しでした。 昨年の中央公園平和モニュメントの解体撤去と新モニュメントの建設も、9月定例議会に突然提案されました。作者の最上壽之氏の御遺族と本市の間には、いまだ晴れぬ思いが残っているかと思います。 また、同じ時期、公郷町にある小動物火葬施設の廃止が急浮上、横須賀市動物愛護協会の方々が署名活動を行うなど、反発が広がりました。この施設は、結果、長寿命化となり、問題は先送りとなりましたが、他の件同様、廃止決定の唐突感が否めませんでした。 そして今、中心課題となっているのが新港埠頭へのフェリー就航です。 このように、どの案件にも共通するのは、突然であり、事前説明なしです。いつ、誰が、どのように決めたのか、よく見えない。案件の利害関係者にはお知らせ、打診、相談がない。もしくは極めて希薄な情報しか伝わっていない。これではスムーズに物事が進むわけがありません。 2019年6月定例議会の大野忠之議員の、丁寧な調整の必要性についての質問に対して市長は、どんな場面においても、適切な情報提供と丁寧な説明は必要です。市の事業には、好意的に受け止める人、否定的に受け止める人の双方が存在する場合があります。このようなとき、何が市民にとって最善なのか、一日も早く実現させるためには、いつ、何を決断するべきなのかを見極めるのが私に課せられた使命であると理解していますと答弁されています。 また、2019年9月の藤野英明議員の小動物の火葬施設への質問についての答弁では、行政というのは、説明をする機会があまりなくて、その手段もあまりないので、誤解された部分が非常に多いということと、多分、そういうことに関して寄り添うという文化があまりにもなさ過ぎたのではないかというふうに、そこでボタンがかけ違ったというところが私もまず感じていますと答弁されています。 これらの答弁から、市長の施策、事業を展開する上で、市民への説明をどのように考えているのか、幾らか伺うことができます。加えて、上地市政を語る上で忘れてならないキーワードはスピード感ではないか、私はそう考えます。 2018年9月の広報よこすかの中で、私がなぜスピード感を重視しているのかといきさつを書いていらっしゃいます。ここでは、福祉・医療施策におけるスピード感のなさを嘆いていらっしゃるのですが、これを読んで私は少々、釈然としない思いが残っています。個別具体的な個人のお困り事に対して、スピード感を持って事に当たるのは大事で、私も心がけています。困っているのだと相談を持ちかけられた場合、のんびり構えているわけにはいきません。 しかし、私がここで問題にしているのは、市を挙げて行うような大きな計画、事業についてです。個人のお困り事と同じように、市の大きな計画にスピード感を当てることに違和感を覚えます。多くの人々が関わる計画は、周到な準備と丁寧な説明、不明点がないように理解を広げる努力、こういったことが必要と思います。なぜならば、市役所行政は市民の税金を原資に進める事業であり、有形・無形の商品を売って利益を上げるような仕事とは違うからです。したがって、何より市民のコンセンサスに重きを置くのは当然のことだと思います。私は、市長の施策展開はスピード感至上主義が第一義であるがゆえに、いつも発表は突然であり、事前説明なしになっているのではないかと考えます。 行政計画における決定過程の透明性、利害関係者への説明及び合意形成の必要性について、市長のお考えをお示しください。 また、私は、合意形成のプロセス自体が行政と市民のまちづくりの意識を醸成するよい機会であるとも考えます。市長はいかがお考えでしょうか、伺います。 3点目、福祉援護センターかがみ田苑の指定管理について伺います。 9月定例議会でねぎしかずこ議員が質問しましたとおり、現在、福祉援護センターかがみ田苑には、指導監査課が3回にわたって実地指導に入り、4回目も行われると聞いています。かがみ田苑は、今年度から社会福祉法人横須賀市社会福祉事業団が5年間の指定管理を行っています。昨年の12月定例議会の教育福祉常任委員会に、指定管理の指定についての議案が提出され、私たちも賛成しています。しかし、ここへ来て、選考の際に提出した計画書のとおり管理運営を行っていないという疑いが浮上してきています。 具体的に申し上げますと、社会福祉法人横須賀市社会福祉事業団は、指定管理者事業計画書の中で、第1かがみ田苑就労移行支援、職業指導員及び生活支援員の常勤職員の国基準、市基準に準拠して1名配置することを明記しています。しかし、最終報告で明らかになると思いますが、実態として常勤職員の配置はありません。しかも、何年にもわたって配置していないということが私たちのところへ情報として伝わっています。 かがみ田苑の職員の皆さんは、福祉の職場に誇りを持ち、利用者によいサービスをしたいという純粋な思いで日々仕事をされてきましたが、いつまでも改善がされないということにしびれを切らし、ついに告発へと決断されます。ルーズな人員配置の状態化は、結果、利用者のサービス低下へとつながります。放置は許されません。 今回の件は、指定管理者事業計画書のとおり管理運営を行っておらず、現在も改善されないままですので、指定管理者制度における協定違反に該当すると思われます。直ちに是正指導し、是正が行われるまでしっかりチェックするべきと思います。市長の御所見を伺います。 健在化した問題の本質は何でしょうか。社会福祉事業団を指定管理者として指定するに当たり、指定管理料は、人材を確保し、運営していく上で適正な額であったのか。利用者の平準的在籍と経営の安定化は担保されていたのか。市と指定管理者になれ合い体質はなかったのか。そもそも福祉援護センターの指定管理者制度導入は妥当だったのか。さらには、他の施設においてはどうなのか。今回の実地指導を機に、これら大本の問題をえぐり出していく必要があるのではないでしょうか。大所高所に立った市長の御所見を伺います。 4点目、建築物の解体等工事に伴う紛争の未然防止に関する条例の実効性について伺います。 9月定例議会の都市整備常任委員会に田戸台の旧地方裁判所等の解体工事をめぐっての陳情が提出されました。現地は今も解体工事がストップしたままとなっています。この条例は、アスベスト含有の解体工事に関して扱っているという点がポイントです。 本市のアスベスト対応の指針ともなっているこの条例制定に、私たちも賛成しました。しかし、9月定例議会に陳情が出されたことを踏まえると、本当に条例が生かされているのか、疑問に感じざるを得ない思いです。 厚生労働省人口動態保健社会統計室の資料によれば、1995年、中皮腫で亡くなる方は500人でした。2006年には1,050人、2017年には1,555人と、22年間で年間死亡者数が3倍になっています。恩賜財団済生会のホームページによれば、患者数のピークは2025年とあり、2005年から40年間で10万人以上の患者が出るとのことです。アスベストは健康被害が明らかになったことから、今では建築には使われていないものの、過去に使われたものの解体への対応が重要となっています。近隣住民からの条例の正常化の必要を訴えた陳情が提出されたことを目の当たりにしても、もっとアスベストについての正しい知識の普及、行政と市民の間での情報の共有が大切ではないかと感じました。条例を制定してそれで終わりではなく、条例に磨きをかけ、条例を補完する取組も必要だと思いました。 質問1、アスベストに対する基本認識、本市の現状課題についてお聞かせください。 2、アスベストの関係法令が改正、施行される予定があります。時々のテーマに即し、またそもそも論も含め、市民、事業者、関係課職員への啓発活動が必要だと思います。定期的にアスベスト問題について講演会、学習会等を行ってはいかがでしょうか。 3、アスベスト問題は、大気汚染防止法の観点からは環境政策部が、解体工事の観点からは都市部が、健康被害の観点からは健康部が、地震被害、瓦礫処理の観点からは市民部など、複数の部局にまたがっています。問題点、課題を整理し、常にアップデートするために、関係部局の横の連携のための会議を定期的に行ってはいかがでしょうか。 4、教育現場においても、アスベストについて学ぶ機会が必要と思いますが、現状をどう捉え、今後どのようにしていくかについて、教育長のお考えを伺います。 以上4点、提案も含め、市長、教育長に伺います。 5点目、ジェンダー平等の観点から、市長の選択的夫婦別姓の認識について伺います。 民法第750条には、夫婦は婚姻の際に定めるところに従い、夫または妻の氏を称するとあります。夫の氏でも妻の氏でも構わないが、どちらかの氏に統一しなければならないということです。 これに対して、どちらかの氏に統一するのではなく、夫も妻も自分の氏をそのまま名のり続けられる別姓にすることも、今までのように氏を統一することも、つまりどちらでも可能というのが選択的夫婦別姓です。 国の第5次男女共同参画基本計画策定に当たって、全国から5,600件ものパブリック・コメントが寄せられました。先日の参議院予算委員会の担当大臣の答弁では、反対の人はいなかったとのことです。早稲田大学の棚村政行教授と市民団体が10月に行ったインターネット調査では、60歳未満の成人男女の70.6%が理解を示したとのことです。実際には、圧倒的に結婚に当たって姓が変わるのが女性ということで、仕事の継続性が失われて困るという声も多く、女性活躍社会と言いながら、不利益を被る女性がいることは、ジェンダー平等から程遠いと言わざるを得ません。 本市も、第5次横須賀市男女共同参画プランを実行中です。私は、選択的夫婦別姓がジェンダー平等のためにも早く実現されることがよいと考えますが、市長はどのような御認識をお持ちでしょうか、伺います。 最後に、オンライン学習、GIGAスクール構想における児童・生徒の身体的ケアについて伺います。 Society5.0と言われる中で、どの分野でも社会の激変が進みつつあります。とりわけ、コロナ禍を経験し、教育の保障をめぐって、ICT技術の活用は目まぐるしく変わっていくことが想定できます。1人に1台のパソコンで学習というGIGAスクール構想は、時代の趨勢とはいえ、パソコンを一斉に無線で操作した際に、教室内に電磁波が飛び交い、児童・生徒の身体への影響は大丈夫なのか、そういった懸念の声があるのも事実です。教育長は、この点についてどのような御所見をお持ちでしょうか。また、何か対策をお考えでしょうか。併せて伺います。 以上で1問目を終わり、2問目は一問一答で行います。 毎度のことで大変恐縮ですけれども、市長はぜひゆっくりと、明瞭に御答弁をお願いいたします。 ○議長(板橋衛) ここで休憩します。再開は午後3時20分とします。---------------------------------------            午後2時57分休憩            午後3時20分開議--------------------------------------- ○議長(板橋衛) 休憩前に引き続き会議を開きます。 理事者の答弁を求めます。上地克明市長。     〔上地克明市長登壇〕 ◎市長(上地克明) まず、旧軍港市転換法への思いについてです。 旧軍港市転換法は、終戦により立市の基盤を失った横須賀、呉、佐世保、舞鶴の旧軍港4市が旧軍用財産を公共施設や平和産業施設に転用し、まちを再建したもので、当時の市長や市民の様々な働きかけなどがあって成立したものと理解しています。本市では、旧軍港市転換計画を市基本計画にその役割を持たせ、旧軍港市転換法の精神を踏まえながら、旧軍用財産の転用をこれまでに積極的に推進をしてきました。 当然のことながら、私も旧軍港市転換法の精神を踏まえ、旧軍用財産を活用したまちづくりを進めてきたところであり、今後も旧軍用財産の転用について、国と積極的に協議、そして調整をしていきたいと考えています。 次に、軍都や基地のまちとの認識についてです。 議員御発言の軍都や基地のまちの意味するところが明確ではありませんが、本市に所在する在日米軍と自衛隊が地域の平和と安定のために重要な役割を担っているものと承知しています。 次に、次期基本構想・基本計画についてです。 次期基本構想・基本計画にも可能な限りの米軍基地の返還、自衛隊施設の集約、統合をうたう予定でおります。 次に、2期目への挑戦と平和産業港湾都市についてです。 今後について、現段階では全く白紙です。どんな状況であっても、横須賀のために全力を尽くすのは当然のことです。旧軍港市転換法の精神を踏まえたまちづくりの推進も重要な施策の一つであると認識しています。 次に、行政計画の決定過程等についてですが、まず私の市政に対する基本的な考え方、大原則は、市民にとって今何が大切で何が必要なのか、行政は何をなすべきなのかを考え、そして市民のために必要なことを一日も早く実現をし、あまねく市民にその結果を届けることであると思っています。この考えと姿勢は、これまで議会でお答えてきたとおりで、一貫して変わってはおりません。 常に現下の横須賀市を取り巻く状況について、市民の声を聞き、専門家や各分野、例えば福祉や医療などの業務に携わる方々と議論をし、意見を伺い、その上で市の施策展開の参考にし、最終的に私が判断し、議会にお示しし、議決をいただいて決定する。議員も当然承知されている議会制民主主義の大原則にのっとって、行政運営を行うのは当然だと思っています。 その決定過程のどの時点で誰に説明をし、どの段階で公にするか、これも当然ですが、個々の案件によっておのずと変わるものです。全ての利害関係者に事前に話せばよいというものではなく、またそれも不可能だと思います。同時に首長も議会も何も方針がないまま市民にその判断を委ねるものではないと思います。先ほど申し上げた議会制民主主義の大原則にのっとって、適時適切に当事者や利害関係者、そして利用者、市民に市の方針、考えを御説明し、御理解いただく必要があると思います。 議員が言われる合意形成が全ての方が合意するということであるとするならば、それもまた現在の民主主義国家ではあり得ないことで、いわゆる総論賛成、各論反対は常に行政運営にはついて回っています。私としては、市民の最善の利益をまずは追い求め、その上でなるべく多くの方が理解をし、賛同いただけるよう、今後も丁寧な市政運営に努めてまいりたいと考えています。 次に、まちづくり意識の醸成についてです。 行政と市民のまちづくりの意識を醸成するという質問がともに考え、ともに施策を検討する、そうした機運を醸成するという意味だとしますと、それは必ずしも合意形成のプロセスである必要はないと思いますし、反対される方も含めた御意見は真摯に受け止めますが、既に例えば行政計画の策定には様々な手法で市民の意見を聞き、計画策定に参加いただき、そうした意見や知見を参考に進めています。 議員が例に挙げられたような幾つかのケースの合意形成過程は、意識や機運の醸成というよりも、施策を実現するために必要なプロセスであって、横須賀市民は既に高い意識をお持ちになって、あらゆる場面で市政運営に参加していただいていると思っています。 次に、かがみ田苑についてです。 御指摘のかがみ田苑につきましては、これまでに3回施設を訪問して、御指摘をいただいた部分の運営実態について、実地指導を行ってきたようです。その結果、職員の人員配置に一部不適切な実態があることを確認しています。 具体的には、御指摘にありますとおり第1かがみ田苑の就労就業支援事業において、本来は職業指導員及び生活支援員のうち1名は常勤職員を配置すべきところ、非常勤職員の配置となっていました。今後さらに調査を深めていく予定です。このたびの実地指導を通じで、不適切な人員配置が認められた部分については、今後是正指導した上で、その改善結果をしっかり見てまいりたいと思います。 次に、指定管理者制度についてです。 公の施設については、直営で管理することに比べて民間事業者等がその管理を行うことにより、住民サービスの向上及び経費の削減が期待できることなどを検討した結果、積極的に指定管理者制度を導入していると承知しています。管理における課題などは施設ごとに洗い出し、見直しを行った上で、次の選考における管理要件等に反映すべきであると考えています。 次に、アスベストについてです。 アスベストについては、過去に対策が十分でなかったことにより、健康被害が生じたと承知していますが、現在では法律や条例により厳しく規制されていると認識しています。今後アスベスト建材を含む建物の解体が増加していくと予想されますが、引き続き法律や条例に基づき、適正な除去方法により外部へ飛散させないようにしていくことが重要であると考えています。 次に、講演会及び関係部局との横の連携について2問併せて回答いたします。 アスベスト関係の法改正時には、国が事業者向けの説明会を開催し、周知を図っているところです。また、市民向けにはアスベストに関する情報を市のホームページに掲載しているところですが、市民の方々にも分かりやすい内容となるように、まずはホームページを整理し、市民との情報共有に努めていきたいと考えています。 なお、庁内においては定期的な会議という形式にこだわらず、いつでも情報を共有できるよう、これまで以上に関係部局でしっかりと横の連携を図るよう指示していきたいと考えています。 次に、教育現場での学びについては教育長から答弁いたします。 次に、選択的夫婦別姓についてです。 私は、あらゆる差別や偏見を解消したいと考え政治家を志しました。これに加え、いわれのない生活上の不便さの解消も私の責務だと考えています。そのため、夫婦別姓ではない現状において、いわれのない生活上の不便さがあるのであれば解消に努めるべきだと考えます。しかしながら、夫婦別姓については、歴史的な背景、家族の在り方に深く関わる事柄でもあり、広く国全体で議論されるべきと思います。 次に、児童・生徒の身体的ケアについては、教育長から答弁いたします。 ○議長(板橋衛) 新倉聡教育長。 ◎教育長(新倉聡) 私からは、アスベストについて学ぶ機会の現状と今後についてお答えさせていただきます。 現在小学校、中学校の社会科や中学校の保健体育科の中で4大公害疾病等を扱うことはありますけれども、アスベストを取り上げた内容はありません。しかし、このアスベスト問題は、現在もなお続いている健康被害に関わる身近な環境問題の一つであるため、教材化できないか、関係教科の研究会等に投げかけてみたいと思います。 次に、GIGAスクール構想における児童・生徒の身体的ケアについてですが、無線LANに使用されている電波は、人体に影響を及ぼさないように出力が十分に低く抑えられています。これは国が過去50年以上にわたる国内外の研究結果に基づいて電波防護指針を策定し、電波の強さの基準値を定め、法による規制を行っているものであります。したがって、安全上の問題はないと考えています。 ○議長(板橋衛) 大村議員。 ◆13番(大村洋子) 市長、教育長、御答弁ありがとうございました。 この数か月間いろいろな方から様々な御要望をいただきまして、まだまだ勉強が足りないのですけれども、今回は新しい内容も質問に仕立ててみました。よろしくお願いします。 質問項目最後から順次行いたいと思います。 一番最初に、教室内の電磁波の問題を教育長に伺いたいと思います。 日常生活の中で、日々いろいろな電磁波に体がさらされていると思います。私自身も携帯電話を使いますし、そもそも今こうして議場にいてもみんなパソコンを持って無線で使用しています。ですから、電磁波を浴びているわけなのです。しかし、今回取り上げたのは、学校現場の中で子どもたちが使うということで、一体それがきちんと身体的に被害がないのかどうか、そこを確認をしておきたいなと思いました。 先ほどの教育長の御答弁ですと、これは文部科学省や総務省からの何か指針のようなものがあるのでしょうか、少し展開していただければと思います。 ○議長(板橋衛) 新倉教育長。 ◎教育長(新倉聡) まず、先ほどお話しさせていただいたのは、国の電波防護指針というのがつくられています。この電波防護指針においては、電磁波の強さという形でしょうか、そこに基準値を示していて、この基準値自身はWHOがこの基準値を満たせば安全上問題はないということをまず国として定めているところです。 今回それぞれの機器を導入するに当たっては、特定A社の場合ですと、日本がその電磁波を規制する際に国際非電離放射線防護委員会というものがガイドラインとしても定めていますので、この基準値を満たすような設計になっているかどうか、これを確認をさせていただいている形です。 それから、もう一つはこの議場にも3か所かと思いますけれども、アクセスポイントがつくられているかと思うのですが、通常アクセスポイントから20センチ以上離れていれば人体に問題がないというふうに、これは業者からの説明になりますけれども、そういった報告を受けまして、今回教室に設置するアクセスポイントも児童・生徒の手の届かないところ、なるべく高所にあるということ、それから1教室内に1か所しか設置をしないという基準の中で整備をしようと考えています。 ○議長(板橋衛) 大村議員。 ◆13番(大村洋子) WHOの基準なども示していただいたのですが、差し支えなければ基準の単位がミリガウスという単位なのですが、何ミリガウスかどうかということがもし分かれば教えてください。 ○議長(板橋衛) 新倉教育長。 ◎教育長(新倉聡) 申し訳ございません。答弁作成の際には言葉でしか確認をしていませんでしたので、別途資料は集めたいと思います。 ○議長(板橋衛) 大村議員。 ◆13番(大村洋子) WHOの指針をお引きになったのですが、私の知っているところではサビッツ論文という論文がありまして、サビッツ博士という方の研究、調査なのですけれども、2.5ミリガウスあると小児白血病の発症率が1.93倍、それから小児の筋肉腫瘍、発症率が3.26倍ということで、サビッツ論文を受けて、スウェーデンのカロリンス研究所がさらに44万人の人を対象に行ったというのがあります。ですので、教育長の御答弁では大丈夫ですということですけれども、さらにきちんと調査をしていただければなと思います。 そして、中には電磁波過敏症という方がいらっしゃいます。そのことは御存じでしょうか。 ○議長(板橋衛) 新倉教育長。 ◎教育長(新倉聡) 電磁波過敏症というのが正式の病名になっているかどうか、理解をしておりませんが、よく書物等でそのような表現が使われていることのみは承知しています。 ○議長(板橋衛) 大村議員。 ◆13番(大村洋子) 今後たくさんのパソコンを使うことになって、教室内に電磁波がどうしても飛び交うということは避けられないと思います。そうした際に、何か不調を来した子どもに対して適切な対応が取れるように、保健室の教員に確認なり、あるいはそういった子どもが出たときに学校内できちんと意思統一が取れている。そういったことを確認をさせていただきたいのですけれども。 ○議長(板橋衛) 新倉教育長。 ◎教育長(新倉聡) 多分議員の御心配について、私どういうふうに答えられるか、分からないのですけれども、現在携帯電話、スマートフォンを使ったりという状況の中では、様々なところでこのWi-Fiの機器が使われています。とりわけ地下施設などの地下鉄網、それから駅の構内など、あるいは先ほどありました公共施設内のWi-Fi施設、これらが既に稼働している状況の中で、電磁波被害が生じているという実例がないので、どのような対応を一般公共施設、あるいは鉄道事業者がやっているかというのも全く分かりませんので、教室だけだから学校で何かの対応と言われたときに、様々なところを調べた上で、何ができるのかは考えてみたいと思いますが、確実に何をするということはここではお話しはできないかと思います。 ○議長(板橋衛) 大村議員。 ◆13番(大村洋子) 新しいことをやるということで、どういったことが必要になってくるのかというのがあると思いますので、ぜひそこはいろいろな想定をしていただければと思います。 日本ではそれほどこの電磁波の問題は大きく取り上げられていませんが、イギリスなどでは、携帯電話は16歳以下の子どもは基本使わないということになっているようですし、その辺も携帯電話とパソコンが同じかというと、少し違うと思いますけれども、そういったこともありますので、御承知おきいただければと思います。 引き続きまして、夫婦別姓のところを伺いたいと思います。 市長は、かつて議員時代に地域で支える条例というのをおつくりになって、午前中の質疑でもそういった質疑がありました。正当な地域ナショナリズムを喚起し、家族が地域の中でともに暮らし、支え合う当たり前の理念、このためにこれを再構築するためにこの条例をつくったということです。 それで、3世代で暮らすことを奨励されていたことがあるのですけれども、改めて今一人一人が個人が自分の生きざまというか、自由になっている状況があります。そういう中で、家族で暮らすということをあえて奨励されるということで、市長の家族観、あるいは親子観、夫婦観、そういうのを少し展開して教えていただけますか。
    ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 個人的な話にまで言及せざるを得なくなっちゃうのですが、今でも3世代で住むのが私はベストだというふうに思っています。人が自由と言いながらも、3世代で暮らすことということが非常に重要だというふうに理解をしております。 それはおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に暮らすということが生きていく上でどういうことなのかという、人は生まれ、死ぬという一つのスパンの中で、あらゆる状況を自分の目で見るという意味では家族というのは絶対必要で、愛情や慈しみ合うなどという最小限の単位が家族であるというふうに思っています。自由といえども、できる限り3世代で住むということが私は人としてベストではないかというふうに今でも思っています。 ○議長(板橋衛) 大村議員。 ◆13番(大村洋子) その上で伺いたいのは、選択的夫婦別姓なのですが、これは皆さんが別姓でやるべきだというふうに言っているわけでは決してなくて、やりたい人はやる。そして、同じ氏がいいという人は、同じ氏でももちろんいい。選ぶことができるということが私は大事ではないかな。世界でただ一国だけ、日本だけが統一した氏なのです。ですから、世界から見ても少し奇異なところがあるのではないかと思っているのですが、もう一回この夫婦別姓について、市長のお考えをお聞かせください。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 世界がどうであろうがどうでもいいことだと基本的には私は思っています。 これは個人的にはある考えを持っているのですが、今ここで開陳するつもりはありませんけれども、ただ具体的に言うと、産まれたお子さんがどちらを取るかということを選択しなければいけないといったときに関しては、非常に難しい問題が生じるのではないかというふうに機能的には思っています。もちろん個人的にはある考えを持っているのですが、それは今ここでは開陳するべきではないと思うし、これは国民的な議論の中でやっていけばいいというふうに思っています。 ○議長(板橋衛) 大村議員。 ◆13番(大村洋子) 今回選択的夫婦別姓を取り上げたというのは、ジェンダーが日本の中ではまだまだ遅れている問題、ジェンダーというのは社会的な性差ですけれども、それがまだまだあるのではないかというふうに思っていまして、それでスイスのシンクタンクで世界経済フォーラムというところがジェンダーギャップというのを発表していて、153か国中、日本は121位なのです。これだけ経済発展しているのに、ジェンダーのギャップが下から数えたほうが早いような順位になっている。しかもその中で特に私は注意して見たのは経済なのです。男と女で所得の格差があり過ぎる。管理職が少ない。そして、専門職も少ない。国会議員は女性の議員の比率も低い。 今コロナで警察庁の女性の自殺者の統計を見た場合に、2019年の10月、466人だったのが今年の10月、851人なのです。1.82倍になっている。これはいろいろな理由があると思うのですけど、男性より女性のほうがずっと自殺の率が高くなっているのです。私これは非正規雇用による減収、あるいは雇用を解消された首切り、そういうものが背景にあるのではないかなというふうに深刻に見ているのです。 そういう今の日本の状況が一概に全部言えません。だけれども、氏を統一するということにこだわりを持っている日本の文化、これも一つ問題ではないかなと思うのです。いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 私は、経済的格差というのも一つの理由だと思いますけれども、私は基本的に宗教的情操を失った日本人だと思っているのです。これはアングロサクソンとの物語が始まるのだけれども、先ほど言った家族主義や、日本古来の生き方と日本人など、宗教的情操というか、第一に不安があったというか、生きていくことはどういうことであるなど、そういうことが根本にあるならば、差別も起こらないし、こういうようなことも行われないというふうに私は思っていて、夫婦別姓というのは、選択制というのは、私は宗教的な情操だというふうにDNAという問題だけではなくて、根源的に思っております。 ですから、経済的な理由だけではない問題がそこに大きく潜んでいるという、人間として、あるいは日本人としてどういう生き方なのかというふうに、根源的な問題だと思っていますので、軽々に話をすることは私はできないと思っている。個人の問題、ただこれは国民的議論の下に大きく本質的な問題にまで波及をして、考え直していかなければいけないものだというふうには理解しています。 ○議長(板橋衛) 大村議員。 ◆13番(大村洋子) ジェンダーについての市長のお考えをかいま見た思いがしました。この問題は非常に根深いというか、しっかり深めていかなければならない問題なので、今日はこれだけをやっているわけにはいきませんので、また次回の宿題にしたいと思います。 そして、アスベストのことなのですけれども、今回9月の定例議会のときに都市整備常任委員会に陳情が出され、それが一つのきっかけです。私は近隣住民、周辺住民、事業者の人、それから市の関係課の職員、様々な人とこの間話をしてきました。みんな温度が違うのです。温度が違うので、今回は認識を一つにするために講演会をやったり、あるいは横のつながりでいろいろな情報をアップデートする会議を持ったらいかがかというような質問立てにしました。 しかし、市長がおっしゃるにはホームページを見やすいようにするのだ。そして、国がアスベストのことは出しているから、そういったところでの情報公開というのが中心だろうというようなお話だったのですけれども、私は今回の質問立ては、この条例の部分で建築物の解体工事に伴う紛争の未然防止に関する条例、この実効性が問われているというふうに思ったのです。紛争の未然防止にならなかったのです。残念ながら今回この条例を2年前につくって、条例を運用してきたのに未然防止にならなくて、なおかつまだ今解体工事がストップしているのです。 ですから、急がば回れですけれども、講演会や学習会や横のつながり、認識を一致させるということ、それは緊急にやらなければ駄目だと思います。いかがですか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 環境政策部長から答弁させます。 ○議長(板橋衛) 藤田順一環境政策部長。 ◎環境政策部長(藤田順一) 今回ホームページというお答えをさせていただきましたが、これまで我々のほうのホームページにも、事業者の方に向けたメッセージが主だったのでそこは少し反省をしております。ですので、議員も指摘されていますが、市民の方にまずアスベストそのものの関係、それからどういったものが健康被害につながるのか、我々はどういうことを規制しているのかということの周知を図っていきたいというふうに考えています。 ○議長(板橋衛) 大村議員。 ◆13番(大村洋子) 事業者の人や住民にもしっかり周知をする。情報を出していただいて共有する。大事なことです。 同時にこの条例自体は、今、環境政策部長がお話しになったように、環境政策部と都市部にまたがった条例なのです。ですから、課をまたがっている条例はあまりないと思うのですが、そういう点でも連携するために、常に横の連携で会議を、なおかつ健康被害がありますから、健康部、それから防災の観点、瓦礫の処理などは市民部、そこと横でつながらなければ、私これは本当に紛争の未然防止にならないと思います。市長、いかがですか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 環境政策部長に答弁させます。 ○議長(板橋衛) 藤田環境政策部長。 ◎環境政策部長(藤田順一) 先ほどのホームページに関しましても、まずはそういった関係部局と相談をして、どういったものが市民の方に分かりやすいのか、またどういった内容を伝えなければいけないのかというのは、しっかりと内部で共有した上でつくっていきたいというふうに思います。 また、情報に関しましては、私どもとまず都市部は常に共有をさせていただいていまして、月1回の合同のパトロールなどもやっております。ですので、この条例に関しましては、我々としては情報共有できているというふうには考えております。 ○議長(板橋衛) 大村議員。 ◆13番(大村洋子) これからもしっかりと見させていただきたいと思います。紛争の未然防止に関連した条例というのが特定建築等行為条例もそうですけれども、建築するのと、それから解体工事をするのと、紛争の未然防止という点で非常に大事な条例だと思いますので、そこは実効性です。ただ条例をつくって終わりではなくて、それを補完するための様々な取組をやらなければならないと思うのです。ですので、こんなにきつく言っているということです。ぜひ御理解いただきたいと思います。 かがみ田苑の問題を行いたいと思います。 事業計画書が違っていたのです。この問題について、私はこれこそスピード感を持って是正をしていただきたいということなのですが、この是正については現在どうなっていますか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 福祉部長から答弁させます。 ○議長(板橋衛) 植野不二夫福祉部長。 ◎福祉部長(植野不二夫) 先ほど市長のほうから答弁させていただきましたように、これまで3回実地指導に入っております。さらにもう一回現場の職員からの意見にそごがあったりする部分もありますので、そこを今調査に入って、早急に是正指導を行っていきたいというふうに思っております。 ○議長(板橋衛) 大村議員。 ◆13番(大村洋子) このかがみ田苑の問題で今回改めて分かったのですけれども、指導監査に入る際に、通常行きますよといって事前に連絡をして行くということだそうです。来週行きますというふうに今週言っても意味ないのです。このかがみ田苑については、ぜひ早くやってほしいということで、行くよというふうに午前中に言って午後に入ってもらいました。本来こういうことが指導監査は大事だと思うのです。市長、いかがですか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 福祉部から答弁させます。 ○議長(板橋衛) 植野福祉部長。 ◎福祉部長(植野不二夫) 基本的にこのかがみ田苑のことでだけではなくて、一応事前通知をしてという形でルール化されているところでございます。悪質なケースにつきましては、例えば午前中に言って午後に入るなどということもありますけれども、基本的なルールとしては事前に通告して入るというのが民間事業者も含めて、そういうルールになっております。 ○議長(板橋衛) 大村議員。 ◆13番(大村洋子) 悪質かどうかは、最初から分からないです。 それで、ここは本当に4回目に指導に入っていただいて、しっかりやっていただきたいと思っています。 確認なのですけれども、市に対して、あるいは私たち議員に対して、あるいは共産党市議団に対していろいろな情報提供があると思います。あります。そういった人たちの告発のようなものに対して、公益通報をした方をきちんと守ってほしいのです。そこは確認していただけますか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 福祉部長から答弁させます。 ○議長(板橋衛) 植野福祉部長。 ◎福祉部長(植野不二夫) 今回のかがみ田苑に限らず、そういう通報というのは結構あります。もちろん通報した方の身分というか、身を守るというのは、私たちの責務だと思っております。 ○議長(板橋衛) 大村議員。 ◆13番(大村洋子) では、項目の2番目に当たるのですけれども、スピード感と合意形成のところを少し伺いたいと思います。 今回いろいろな去年から、あるいはその前からの市の大きな行政について、あまりにも事前の説明がなかったのではないかということで伺いました。 決定するのは市長だと、判断するのは市長だということなのですけれども、それはそのとおりなのだと思うのですが、自分が決定をする。判断する。そして、利害関係者とやり取りをするのは、自分ではなく職員がやるべきことだというふうに思っていらっしゃいますか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 適宜適切に判断をするべきだと思います。直接出向くところもあれば、私の判断でやらせていただいて、基本的には職員がやるべきだというふうには思っています。 ○議長(板橋衛) 大村議員。 ◆13番(大村洋子) あけすけに聞いてしまいますけれども、私はうわまち病院の移転、建て替えのときに、上町商店会の皆さんのところへ説明に市長が自ら行かれるかなと思っていたのです。だけど、結果市長はお出ましにならなかったでしょう。それは職員がやるべきこと、職員を信頼している。そういう意味なのですか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) はい、そうです。 ○議長(板橋衛) 大村議員。 ◆13番(大村洋子) 私説明会に2回出ているのですけれども、中には、市長に来てほしかったという声も実は聞いています。場合によっては、自分が自ら出ていって、利害関係者とお話をする。そういうことが大事な場面では、市長が行かれるのがいいのではないか、私はそう思っているのですけど、いかがですか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 時と場合によってです。 ○議長(板橋衛) 大村議員。 ◆13番(大村洋子) そうすると、例えばどういうとき自分が行かなければ駄目だというふうに判断されますか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) それはいまだにありません。 ○議長(板橋衛) 大村議員。 ◆13番(大村洋子) 合意形成については、市長と私はなかなかかみ合わないです。 それで、ただ合意をするというのは大事なことだというふうに思っていて、それで以前に1問目でも言いましたとおりで、ボタンの掛け違いというのがあるのだというお話を市長は答弁の中でされていて、私はボタンの掛け違いというのは、いつでも事業を進める側が言う言葉で、それはきちんと進める際に説明を怠りなくやったということがなくて、結果そうなったということへのこじつけというか、そういう言い回しではないかなというふうに思ったのです。事業を進めるのは市だから、五分五分やお互いさまではないと思うのです。その点についてはどうですか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) これは難しいのです。先ほど説明したように、事前に説明したって反対されるし、事後に説明したって反対されるし、その案件、案件ごとにどういう方法がいいかというのを考えて、先ほどのボタンの掛け違いというのは、職員が話しに行って理解されたと思っていた。それを理解されなかったということが私にとってのボタンの掛け違いなので、それは何点かあります。 だから、先方にその思いが説明が届かなかったのか、その辺が職員の至らないところなのか、理解不足なのか、よく分かりませんが、私は少なくともそういうふうに理解をし、報告を受けてきたことも幾つかあります。ですから、何度も言うように、事前に説明したら逆に長引いてしまって、答えが出せなくなるという案件もあるだろうし、それは個々の案件によって違います。 私が自ら出張るような案件はいまだにまだないわけで、それはある意味では職員と一体化して、その後その打合せ、理解の下に説明させてもらっているというふうに理解しているので、そういう意味でのボタンの掛け違いがあったというふうに私は理解をしています。 ○議長(板橋衛) 大村議員。 ◆13番(大村洋子) 市長のことを実行の人だと思います。何でも自分で判断をして、そしてとんとんと進めていくという姿勢はすばらしいと思いますけれども、そのスピード感だということにおいて、それが周りの職員の皆さんを焦らせるようなことになってはいないか、私はそこが危惧するところなのです。御自分でどうですか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 焦っていないということなので、そういうふうに思っています。 ○議長(板橋衛) 大村議員。 ◆13番(大村洋子) この間の様々な事業をやってこられている姿勢を見ると、スピード感と言いながら、本当にがむしゃらに突っ走っているということで、私はもう少し周りの皆さんとチームでやられるのがいいのかな。そして、必要とあらば出ていく。自らが出ていって、利害関係者の前でお話しをする。それが大事だというふうに思います。 最後、軍転法なのですけれども、東京の多摩市の友人たちがこの前来て、私は軍港巡りにお連れしました。そのときに映画みたいなまちと言われました。これはフィクションみたいなまちだという意味かなと思ったのですけれども、要は基地のあるまちの中で、軍転法70周年で、とはいえ平和産業港湾都市にしていくのだという中での折り合いが歴代の市長の中にあったのではないかと思います。 最後に市長はこの点について、どのようにお考えなのか、伺って終わります。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) ここは実は確認をしようと思っていたの。大村議員が軍転法をどう考えて、平和産業都市をどう考えていらっしゃるかと、そこで議論を深めたかったのだけれども、多分目的とするところは同じであるというふうに思います。平和を愛するし、当然今までの方、諸先輩たちが営々としてこの辺を守るために続いてきたのは確か。しかし、一方で平和のために自衛隊が活動していることも事実、米軍がいることも事実、そのことは誇りに思いつつ、できる限り集約、統合しなければいけないということの中でのかじ取りをしていかなければいけないという社会状況も鑑みながら、非常に難しい立ち位置にあると思います。ただ、平和を愛する気持ちは同じだというふうに理解しています。……………………………………………………………………………………………………… ○議長(板橋衛) 高橋英昭議員。     〔高橋英昭議員登壇、拍手〕 ◆21番(高橋英昭) よこすか未来会議の高橋英昭です。発言通告に従い、順次質問させていただきます。 まずは、職員の意識改革について伺います。 上地市長は市長に就任されて以来、所信表明や施政方針などで度々職員の意識改革について触れられています。また、代表質問や一般質問に対する答弁においても、様々な問題に対し職員の意識改革の重要性を説いています。私も何度かこの件については市長と議論を交わしていますので、今さら職員の意識改革がなぜ必要か、こうした説明は省き、早速質問させていただきたいと思います。 昨年の代表質問において、意識改革の現況と今後の進め方についてお聞きしましたが、その後現状について新たな変化はありましたでしょうか、またそのときに両副市長を筆頭に意識改革に向けた様々な取組を行っていますとお答えしていますが、これまで実施された具体的な取組についてお示しください。 これまで市長は、意識改革を果断に進めていくと決意する一方で、一朝一夕には変わらないもどかしさと難しさを口にしています。しかし、それでも少しずつ変わってきている手応えも職員のふだんの言動、あるいは市民からのお褒めの言葉で感じ取っていると聞いています。 確かに、意識改革と一言で言えば簡単ですが、その成果が出るまでには一定期間見守る姿勢も大事だと感じています。まだまだ入り口の段階の職員もいるでしょう。また、職員によっては既に意識の変革が起こっている方もいるでしょう。いずれにしても画一的に進むものでありません。とはいえ、今後の進め方としてもう一歩先に進むためには、さらなる工夫や取組も必要ではないでしょうか。 そこで、今後の流れとして現状を鑑み、もうしばらくは現状の取組を見守る姿勢でいるのか、新たな取組を検討されているのか、その方向性をお示しください。 私は、職員の意識改革をもう一歩先に進めるためには、新たな取組を追加する必要があると感じております。 そこで、2つの取組を提案させていただきます。 1つ目は、褒める文化の醸成です。 市長は、当初より職員が変われば横須賀が変わるとおっしゃっており、私も全くそのとおりだと思います。この言葉から、職員の意識改革による横須賀変革のプロセスを考えると、意識改革により職員の意識が徐々に変わる。そして、それにより意識が変われば行動が変わる。さらにはその行動が当たり前になることによって職場風土が変わる。そして、最終的には職員が変われば横須賀が変わるというように進んでいくことが想定されます。しかし、現在の取組では意識が変われば行動が変わる。さらにはその行動が当たり前となることによって職場風土が変わるというこの間の取組が不足しているように感じています。トップダウンの指示だけででは限界があるでしょう。 では、具体的にこの間に必要なことは何か、それは意識改革によって起こる行動変容を積極的に承認することだと考えます。人には必ず承認欲求というものがあります。特に意識改革によって起こる行動変容は、言わば新たなことにチャレンジするという行動にも似ています。その行動を承認する。 承認というと一体何をするのか、ぴんとはきませんが、要は意識改革によって起こる行動変容を認め、積極的に褒めてあげることです。今までになかったよい行い、あるいは今まで見られなかった行動を積極的に褒める。つまりは結果ではなく行動を評価し、褒める環境をつくることで、意識の変化から来る行動の変化を客観的に感じ取れ、また職員同士や職場で共有することができます。また、当然ながら褒められて嫌な気分になる人は本当にいないと思います。そのことが職員のモチベーションアップにもつながります。 こうした取組は既に多くの民間企業で取り入れられ、よい行動や感謝の気持ちをサンクスカードやグッジョブカードとして渡し、積極的に褒めることを推奨しています。本市でも職員の意識改革の一助として、積極的に褒める仕組みづくりを進めていってはいかがでしょうか、お考えをお聞きします。 2つ目は、職員による新しい提案制度の創設です。 意識改革が進めば進むほど、職員自身で様々な問題への気づきが多くなります。しかしながら、特にタブーとされているわけではありませんが、何となく遠慮して、他部署の問題に対する指摘をしづらい環境にあるのではないでしょうか。往々にして組織の中に長くいればいるほど、そこでの常識が世間の常識と勘違いしてしまうものです。先ほども述べましたが、意識の変化は一斉に起こるものではありません。これからはもっと職員の気づきを大切にしていくことが必要なのではないでしょうか。 一方で、今現在ある職員の指摘や提案などの仕組みを見てみますと、人材育成の一環で取り組まれている職員政策提案制度はありますが、これは事業提案や事業効果の拡大といった側面が強いものとなっております。また、仕事の効率化を図るため、困り事などを全職員からも集めたりもしましたが、これも定期的な活動ではありません。つまりは既に様々な課題や問題に気づいているものの、それが共有される機会もなければ、その改善策をみんなで考える機会もないのです。 そこで、新たな提案制度の仕組みの構築を検討されてはいかがでしょうか。 具体的には全庁的な取組として、他部署の垣根を越えて課題や問題を挙げてもらい、オープンにすることで共有する。そして、まずは指摘された部署で改善案を検討して、よい案が浮かばなければ改善案の提案を再度募集し、実行していく。ここでの問題や課題は本当にささいなことでいいと思います。なぜなら大事なのは気づきであり、その気づきが意識改革にとって重要だからです。また、共有することで同様の問題はないか、自部署の点検や改善にもつながります。このような取組に対し、市長の考えをお聞きします。 次に、コミュニティ施策について伺います。 地域コミュニティといって真っ先に思い浮かぶのは、町内会や自治会でしょう。昔から今に至るまで、町内会や自治会を中心とした住民同士の助け合いや支え合いが重要な役割を果たしてきたことは間違いありませんが、近年では加入率の低下や高齢化といった課題もあります。また、社会の多様化が進むことで地域課題も多様化、困難化しています。 そこで、本市は多様化、困難化する課題の対応やより広域での対応を図るため、各地域活動団体の連携とネットワーク化を図り、地域が主体となって地域の課題を解決するための新たな地域自治組織である地域運営協議会を立ち上げました。しかし、その地域運営協議会もうまくいっている地域はそれほど多くないと聞きます。また、未設置の地域もまだまだあります。その理由として、もともと町内会等の連携や広域的な対応のために存在した連合町内会との役員人材の重複や地域によっては、個々の地域活動団体との連携がうまくいかなかったことなどが挙げられるでしょう。 そして、数年前新たなコミュニティ施策としてスクールコミュニティ事業が始まりました。愛着のある地元の小学校を新しい活動拠点とし、様々な世代の交流を促進して地域のコミュニティ活動をさらに活性化するとともに、次世代の担い手である子どもたちに将来地域活動への参加が自然にできるような環境をつくっていく狙いがあります。この事業は現在拡大中であり、もう少し様子を見守りたいところです。 さらには教育長の議会での答弁から、コミュニティスクールの検討を行っているという旨の発言がありました。スクールコミュニティとコミュニティスクールでは少しややこしくなるので、以後コミュニティスクールに関しては学校運営協議会と呼びます。 学校運営協議会は、一義的には学校と地域住民や保護者がともに知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させることで、地域で協働しながら子どもたちの豊かな成長を支え、地域とともにある学校づくりを進めることを目的としていますが、学校を拠点とした地域コミュニティの活性化というコミュニティ施策としての側面も持ちます。学校運営協議会の細かな中身は委員会で質疑したいと思いますが、ここでは新たなコミュニティ施策という観点から質問いたします。 まずは、学校運営協議会の検討状況はいかがでしょうか、また地域コミュニティの活性化というコミュニティ施策としての側面があるということをどのように考えますでしょうか、教育長にお聞きします。 そして、既に始まっている学校を拠点としたスクールコミュニティとの兼ね合いや展開していく学校の選定などはどのようにお考えでしょうか、教育長にお聞きします。 また、市長は今現在スクールコミュニティを拡大すべく動いており、また様々なコミュニティ施策がある中で、新たなコミュニティに関する取組が追加されることを率直にどのように受け止めますでしょうか、市長にお聞きします。 さらには、コミュニティに関する施策が市長部局と教育委員会事務局で行われることになった場合、今後どのように連携を取って進めていくのか、市長、教育長にお聞きいたします。 このように、町内会、自治会、地域運営協議会、スクールコミュニティに学校運営協議会と、多くのコミュニティ施策が進んでいくことを私は素直に歓迎したいと思います。社会の多様化が進む中で、コミュニティ自体も多様であっていいと思っています。ましてや地域はそれぞれ独自の特徴を持つわけですから、地域に合った独自のコミュニティが発展していくことが自然の流れではないかと考えます。しかし、コミュニティ施策が多様になると、それによって今後様々なことが起こるのではないかと想定されます。 例えば、今までは地域運営協議会を中心にしてきたが、どうもうまく機能しない。これを機にスクールコミュニティを中心に変えていこうと考える地域や学校運営協議会の機能を既にある地域運営協議会の中に取り込むとともに、新たな担い手を増やしていこうなどと考える地域もあるかもしれません。 こうした地域特有の考え方が出たときに、行政としては公平性という名の下、均一化を図ることなく、地域の考えをしっかりと受け止め、それぞれの地域のやり方を尊重していただきたいと考えますが、市長、教育長のお考えはいかがでしょうか、お聞きします。 今は何より多くのコミュニティの芽を育てることが重要だと考えますが、とはいえ多くのコミュニティ施策が同時に進んでいくことは、実際問題ややこしくさえ思うのも事実です。そのことから、余計な混乱や誤解を招くことも考えられます。広報紙やホームページ上での丁寧な説明はもちろんですが、既にある既存の地域コミュニティに対して、改めて説明する必要があると考えますが、市長はどのようなお考えをお持ちでしょうか、お聞きします。 以上で1問目を終わります。 2問目は一問一答で行います。 ○議長(板橋衛) 理事者の答弁を求めます。上地克明市長。     〔上地克明市長登壇〕 ◎市長(上地克明) まず、意識改革の新たな変化と具体的な取組についてです。 私は、今でも職員が変われば横須賀が変わると確信しており、事あるごとに意識改革の重要性を伝えてまいりました。昨年度から両副市長を筆頭とした取組を順次実施してまいりましたが、人の意識は一朝一夕に変わることは難しいと私も理解しています。しかし、今年は新型コロナウイルス感染症により、誰もが経験したことがない新たな対応が求められる中、職員は意識を変えて対応してくれていると感じていることもあります。 また、これまで実施した具体的な取組ですが、職員の行動変容につながるものとしては、職員が同じ方向を向いて仕事ができるように、部局ごとにコンピテンシーモデルを作成し、実践していくことといたしました。職員のモチベーションを上げるなど、人事制度に関するものとしては、FA制度、専任職制度、マネジメントサポート制度、時差出勤制度など導入してまいりました。 次に、新たな取組の方向性及び褒める仕組みづくりについて、2問併せて回答いたします。 組織力を高めるためには、職員のやる気を引き出すことが必要であり、先ほど申し上げました部局ごとに作成したコンピテンシーモデルを活用しながら、結果が出たときは承認し、褒めることが大切であると考えています。また、個々のモチベーションアップにつなげていくために、今後どのような仕組みづくりができるのか、検討していきたいと考えています。 次に、職員の気づきを大切にする仕組みについてです。 他部署の業務に対して気づいたことをそのままとせず、その気づきを発信し、あるいは自らが行動して業務の改善につなげていくことは、とても大切なことだと考えています。私は、気づいたことは遠慮せず言い合える職場環境にあるべきだと思っています。議員御提案の仕組みを参考にさせていただき、職員の意識改革をもう一歩進めるための取組をぜひ検討していきたいと考えます。 次に、学校運営協議会の検討状況及びスクールコミュニティとの兼ね合いについては、教育長から答弁いたします。 次に、新たなコミュニティの追加についてです。 学校、とりわけ公立小学校は地域に根差し、地域とともに子どもたちの成長を見守る役割があると考えてきました。それがゆえに、地域コミュニティの醸成に学校をキーワードとするスクールコミュニティに取り組み始めたわけですので、率直にあるべき姿であると捉えています。学校運営協議会という新たな取組が追加されたということは、私が意図するスクールコミュニティの狙いに合致するとともに、背中を押していただいていると思っています。 次に、市長部局と教育委員会との連携についてです。 このことについて、市長部局としては市民部が担当していて、これまでも教育委員会事務局と学校と市民部は連携しているところであります。学校運営協議会という推進力をいい契機に、3者が知恵を絞り、模索を重ね、目標に向かい地域に出向いていくべきと考えます。 次に、地域のやり方の尊重についてです。 地域コミュニティは、押しつけられて取り組むものではなく、自発的に形成されたものですから、当然として地域ごとの取組を尊重してまいります。 次に、説明する必要についてです。 先ほどもお答えしましたように、市民部、教育委員会事務局、学校が連携して地域の皆さんと語り合いたいと思います。私は、偉業というものの本質は2つに表すことができると考えています。1つには後世にその存在が意識されなくなるもの、もう一つは偉人の志を継ぐ者が現れるということだというふうに思っています。これは日本の郵便制度の創設者である前島密翁の没後100年の際に前島翁の墓前でお伝え申し上げたことです。地域コミュニティの希薄化が叫ばれて久しく、我が横須賀においても同様の危機感を持っています。また、教育現場が抱える課題も時代の変遷とともに多様化、深刻さを増してきています。折しもコロナ禍であって、人と人との接触を避ける新しい生活様式が求められています。ただでも困難であったものにさらに難題を突きつけられたのが現状です。 重ねてになりますが、私たち行政は部局の垣根を越えて地域に出向き、地域の皆さんと知恵を絞り、心を合わせ、模索を重ねていくことが必要だと思います。このことが後世横須賀で暮らす人たちに地域コミュニティのターニングポイントであったと理解していただけるのではないかというふうに思っています。 ○議長(板橋衛) 新倉聡教育長。 ◎教育長(新倉聡) 私からは、まず学校運営協議会の検討状況とコミュニティ施策についての側面についてお答えさせていただきます。 学校運営協議会は、地域にある学校を目指し、次の2つを柱と考えています。 1つ目は、地域が主体的に学校を応援できる学校運営協議会とすること、2つ目は、学校運営協議会を通して子どもに関わる関係者同士がつながり、地域ネットワークを広げる場とすること、現在各校の管理職を対象とした学校運営協議会制度の研修を行っており、次年度以降も学校と情報を共有しながら、全市の公立学校に学校運営協議会を設置できるよう準備を進めております。 次に、スクールコミュニティとの兼ね合いと学校の選定などですが、学校運営協議会は地域として学校を支える共同体であり、一方でスクールコミュニティは、学校を核として地域再生を目指すもので、密接に結びついてくるものと捉えています。また、学校運営協議会とスクールコミュニティは同時にないといけないとは考えていません。それぞれが前後になりながらも、一体となって活動ができることを考えていきます。 次に、コミュニティに関する施策について、市長部局とどのように連携を取って進めるかについてですが、学校運営協議会は地域として学校を支える協議会であり、スクールコミュニティが目指す地域コミュニティの醸成と不可分の関係にあると考えています。したがって、今後も市長部局と十分連絡を取りながら連携を取ってまいります。 次に、地域のやり方を尊重することについてですが、本市の特徴として地域ごとに学校の特色がそれぞれ異なっています。だからこそ、その地域の人たちに支えられる学校でなければならないと思います。学校運営協議会においても、各地域のこれまでにある資源を生かして、その地域に合った形の学校運営協議会がつくられるよう、学校と地域の考えを尊重していきたいと考えています。 ○議長(板橋衛) 高橋議員。 ◆21番(高橋英昭) 市長、教育長、御答弁ありがとうございます。 一問一答の際にアクリル板が邪魔になっているせいか、市長の答弁が聞きづらいときがありますので、一問一答ときに大きな声でお願いしたいと思います。 まず、職員の意識改革についてお聞きしたいと思います。 おおむねこれからの方向性など、新たな取組を検討されているということで、そこは私の考えとも合致しているところかなというふうに感じています。 最初に褒める文化の醸成というところで、決して私も上地市長はそれは得意ではないのではないかというふうには思っているのです。日本人は、そもそも褒めるのがあまり上手ではないと言われています。私もあまり褒めるのは得意ではないのですけれども、これをどういうふうに褒める文化を醸成するかと、よく民間企業でやられているサンクスカードやグッジョブカード、いわゆる管理職の皆さんに年間で例えば市長だったら30枚、副市長だったら25枚、部長だったら20枚といったように、カードをノルマとして渡すのです。要はカードの数は最低は褒めるというノルマが達成される。ここも枚数管理をしていきます。 単純に褒めて職員のモチベーションが上がるという効果もあるのですけど、もう一つ非常にいい効果があるのです。というのは、上司が部下のことをよく見るようになるのです。その点について、こういった活用の方法もあるのですけれども、改めて褒める文化のためのサンクスカード、グッジョブカードというようなものを利用してみるというのはいかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 私も褒めるのは大の苦手でして、褒められると気持ち悪くなる。意識改革については、コロナと同じように頭の中から離れないで、ずっと眠れなくなるときがあるのは事実。高橋議員のおっしゃるように、信賞必罰がない組織の中で、左遷もなければ、給与の減もない、失敗しても許される社会。そういう公務員制度の中でどうやって意識改革をするかというのは非常に難しい問題。日夜悩んでいるので、それは多分御理解をいただけると思うのだが、今のカードとおっしゃっていたのだけど、何をもって褒めるかという具体的な理想像というのがないのです。 突き詰めて考えてきたのだけれども、公務員は結局上司の言うことを聞かなければいけない。それで、福祉の増進になるということだけである。これは率直に行って総務部長ともいつも議論を交わして、総務部長は多分私のことが嫌いになるぐらい言っている。意識改革というのは変革とは何かというと、いつもそこに突き当たるのです。 私に褒められてうれしいかといったら、うれしいというふうに言うので、ああ、そうなのかとこの前も話したばかりで、そういうものなのかと最近思い始めている。ただ、みんなが求める理想像があって、先ほどおっしゃったけど、上司が下の者をよく見るようになるといったとしても、上司が変わらなければどうにもならない。いつも悩んでいる。50を超えた人間が果たして意識改革できるのかと、率直に言って突き詰められていつもいつも悩むのです。 とするならば、理想像は何かということ、コンピテンシーモデルを各部局でつくったのだけれども、これが理想だよというところが各部局によって違うし、課によっても違う。こういう人間が褒められる理想の像なのだぞということを、職員でも考え方が違うから、ここに向かっている人間に対して、これに近いから褒めてあげるということであるならば、多分褒めるという物差しができる。そういうことしかできないのではないかというふうに実はずっと悩み続けているのです。 意識改革の先生にいろいろな話をさせてもらったり、いろいろな講演も開いてもらって、今仲間内にもいろいろな話をさせてもらっているのだけれども、どうやっていいかと本当に悩んでいるのです。本当に教えてもらいたいぐらい。褒めるカードがいいのであるならば、それはやりたいし、ただ思うのですが、全部をそういうふうに変えるのは無理で、一部の人間でもどんどん、どんどん変わってくという、それは年齢ではない、職制ではない、若くても年でもというところを今どのようにしたらいいかということを考えている最中です。 その意味で、褒める文化ということはつくっていければというふうに、これからはまた考えていければというふうに思っています。 ○議長(板橋衛) 高橋議員。 ◆21番(高橋英昭) 今の答弁の中に、実際に私もこれが例えばコンピテンシーモデルというものをつくって、評価制度の中に落とし込めるというものが仮にできるのであれば、それが一番手っ取り早いとは思います。ただ、それは難しいと思います。本当に公務員の中で、各部署それぞれコンピテンシーモデルが異なる中で全て設定して、それはまた当然組合とも折衝の中で合意していかなければならないということを考えれば、現実論としては非常に難しいかなというふうに思っています。私がこれを勧めているのは、手軽にできるのです。 あと市長、50歳からなかなか意識を変えられない。褒めるのも苦手、どれだけ何を褒めたらいいのかと、そこも要は意識改革なのです。その意識を変えてくれなければ、意識改革は市長、これは率先垂範です。上が変わらなければ下は変わらないのです。だからこそ、この褒めるということを率先して、何を褒めればいいのか、それも考えるのです。だから、こんな大きなことをしたから褒めるって、それは当たり前のことだから誰もがやります。そうではなくて、日常の行動の中で、例えば指示はしてないけれども、物すごく気の利いた行動をしてくれた。そういった職員だってたくさんいると思います。その都度ありがとうでいい。 サンクスカードやグッジョブカードなど、覚えられないと思いますので、横須賀市で上地市長、エレベーターにもあるではないですか、よかった、ありがとうって、よかった、ありがとうカードでいいではないですか、そういったものをそういった職員にしっかり渡して褒めていく、それによって褒めていく文化の醸成が成り立っていくわけです。まずは皆さんからぜひやっていただきたいのですけど、それについてどうでしょう。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) そういうことだったら、私どんどん褒めています。当たり前でしょう。そんなこと当たり前だと思っていて、褒めることがよかった、ありがとうというのは、その意味でいいことをやったらよかった、ありがとうと褒め合うという意味がよく理解できないので、本当によくやったというふうに思うときには、本当に気が利いて、人の気持ちが分かるな、心遣いができるななどということに関しては、すごく私は褒めている。 私が褒めるというのは、空気が読めない、人の気持ちが分からない人たちっています。これは一般論で、だけど気遣い、気配りや行政など、あるいは褒めるのは能力ではないと私は思っている。人間として褒めたいと思っているから、どんな能力があったとしても、人として欠けているものには私は褒めることはできないと思って、能力があるね。すごいねしか言えないのだけど、人間として褒めるべきだと、私はそういうタイプなので、だからこそコンピテンシーモデルを別に評価制度にするつもりは全くない。うちの場合は評価できないから、それを職制や官位などに変えられないから、だからこそ具体的に褒める作業という意味でモデルをつくったほうがいいのではないかという意味であって、それは今みたいなことを職場で反映させるもの、どうしたらいいかということに落とし込むには、うちには優秀な総務部長がいるので、これから検討させていただければというふうに思います。 ○議長(板橋衛) 高橋議員。 ◆21番(高橋英昭) とても簡単に始められます。市長はそうやってふだん褒めているよと言うかもしれませんが、往々にして褒めるのが苦手な人が多いのです。そういった意味では、しっかりと職員の行動を褒めてあげられるような、そういった職場環境にしていただきたいのです。そこはぜひ御検討をお願いいたします。 続いて、提案制度を御検討いただけるというような話だったと思います。 これは正直言って例えば募集したときに、最初スタートした時点では、多分それほど多くの数集められないのではないかなという気もするのです。指摘という言い方をすると仰々しく感じるのですけれども、例えば単純にふらっと他の職場に行ってみたらやたら汚いぞと、そういうことでもいいと思うのです。例えば机の上をもう少し整理整頓したほうがいいなと思いますという、そういう指摘でもいいと思うのです。 一番いいのは、漫然と日々いろいろな目に映るものが当たり前に見えるのではなくて、世の中の常識など、例えば対市民というところを念頭に置いたときに、これはおかしいのではないのというふうに感じる、気づくということが一番重要なのです。ぜひそこの部分を大事にしていただきたいということで、やり方自体はまさにお任せしますので、ぜひここの部分をやっていただきたい。あと先ほどの質問とかぶせるようですけれども、記名になるのか、無記名になるのか、その辺は別に自由でいいと思うのですが、そうやって指摘していただいた職員を先ほどのカードのようなものでまたぜひ褒めていただきたいと思いますけれども、いかがでしょう。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 総務部長と相談しながら決めさせていただきます。 ○議長(板橋衛) 高橋議員。 ◆21番(高橋英昭) ぜひお願いします。 1点だけ私非常に小さいことでもいいと言ったのは、私は横須賀市の公用車を見ている中で、横須賀市というステッカーが貼ってあるのです。シルバーの車にシルバーのステッカーが貼ってあるわけです。近くに行ってよく見ないと横須賀市と分からないのです。あのステッカーは何のために貼ってあるのだっけ、これはおかしいよなと感じるわけです。これはおかしいと思いませんかなんて聞きませんけれども、例えばそういった声も職員の中では少し出ているのです。ただ、それは公にも何にもなってない。公にもならないから、当然そこの管轄する職場で改善を早急にやらなければという気にもならない。 こういう小さなことをどんどん積み重ねていくことによって、必ず職場が変わりますので、変わったときが意識改革の本当に進度が進んだというところの判断だと私は感じているのですけれども、それについてはいかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) おっしゃるとおりだというふうに実は思っていまして、お互い褒め合うのではなくて、お互い注意し合うというか、横のことでこれはこうあるべきではないのという、そういう風土というのは、つくるべきだというふうに実は前から思っていました。それは縦型の組織の垣根を越えた中でしかできない話だというふうに思っているので、そういう声が届かない。実際は多分各課で行われているのではないかとは思うのだけれども、私の耳に届いてないだけで、それは今言ったように具体的に話をすることによって、そういうことを奨励しながら、風通しのよい組織にしていければというふうに思います。おっしゃるとおりだと思います。 ○議長(板橋衛) 高橋議員。 ◆21番(高橋英昭) ぜひよい仕組みをつくっていただいて、風通しのいい職場を実現していただきたいと思います。 続いて、コミュニティ施策のところです。 コミュニティ施策の質問に関しては、正直我々も反省すべき点があったと思います。 というのは、今まで地域運営協議会がないところには早く立ち上げるようにしなさいよなど、地域運営協議会では範囲が広過ぎるから、小学校単位に全部それに変えちゃいなさいよと、どちらかというと一つのことにとらわれ過ぎたというところもあって、そういった質疑の中でかみ合わない部分が今までの質問の中ではあったと思います。ただ、これだけ様々なコミュニティ施策が出てくると、どれか一つは地域の意向に合った、あるいは地域の実情に合った、そういったものが選ばれるのではないかというように期待感もあります。 これから今正直行政が様々な種をまいて、どの芽が出て、どの花が咲くかは分かりませんけれども、それをしっかり咲かせていくということが重要なのだと思うのですが、一方で地域によっては行政がまいた種ではない、風に吹かれて飛んできた種なのかもしれませんが、どういう種か分かりませんけれども、既にコミュニティがあるところ等あります。行政としてこういった行政が直接事業として絡んでいるなど、そういった以外のコミュニティ、そういったところの情報というのも、もっと今まで以上に積極的に取りに行かないといけないというふうに思うのです。 そういったものを全て把握していって、最終的にはもともと地域運営協議会の理念でいうと、様々なところが複合化して、複雑な地域の問題を解決していこうという、そういった狙いだったわけですけれども、どうしても立ち上げが先になってしまったというところで、なかなかうまくいかなかったと思うのです。 ただ、思いとしてはいいところも当然あると思うので、そういった今行政がいわゆる手を介しているところ以外のコミュニティの積極的な情報収集など、そういったものというのは、これからやられていくのか、そしてもしやるとすれば、どのようにというところがもしお考えがあればお聞かせください。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 私は当然のことだと思っているのです。先ほども南議員のお話に出たけれども、私の育ったところはお上に全然頼らずに、アナーキーな地域で、先ほども言うように、自分たちで地域をつくっていて、余計な介入をさせないという地域で、それによってみんなで営々として幸せに暮らしてきた地域で、それが脈々と私の中にも流れていて、ある意味では強烈な地域だった。そういう地域もあれば、今みたいに行政主導型で、地域運営協議会というのは、私が地域を支える条例のときにやったのだけれども、地域を補完する、町内会を補完するということでできたわけで、先ほどおっしゃったようにコミュニティスクールもそうなように様々な選択肢があってもいいということは事実です。 それで、極論から言うと、私は何しろ地域主権主義者、何も横須賀の地域主権ではない、地域の地域主権者なので、そこの地域に根差すものがあるならば、積極的にどんどんやってもらいたいし、介入してもらいたくないというのであれば介入する必要もないし、どんどん自主的にやってもらいたい。ただ、それをどういうふうに調べるかというと、行政センター単位など町内会の皆さんといろいろな話合いをしながら、それは窓口としては行政センターが市民に一番接しているところだと思って、そういう情報収集をするために耳目を高くしながら、これから検討、研究していきたいというふうには思っています。 ○議長(板橋衛) 高橋議員。 ◆21番(高橋英昭) ありがとうございます。 今、田浦と浦賀に地域生活相談担当の職員がいますけれども、そういった方々もこれから恐らくさらに力を入れていって、どんどん地域に出ていくといった狙いもあると思いますので、そうした中でぜひそういったコミュニティの情報などもしっかり取っていただいて、最終的には例えば先ほど言ったように、行政が特に何かを仕掛けてという場合ではない、例えばハイランドなどもそうですけど、小学校も特にあるわけではないのだけど、地域の中で助け合いのコミュニティというのが非常に発展しています。そういったところもあると。 今後の話にはなるとは思うのですが、コミュニティがそれぞれ発展していって、それらのコミュニティをいずれは少しずつ結びつけていくという作業が必ず私は必要になると思うのです。そのときのために橋渡し役としてうまくつないでいく、そういったところの中での情報収集と、先ほど言ったようないろいろ認識というところが必要だと思います。 これも地域によって進度がかなり違うと思うのですが、もしそういったところで例えば先ほど教育長からもあった学校運営協議会やスクールコミュニティ、様々なものが発展していって、それとそれをいろいろな形でNPO団体も含めて例えば結びつけるということをぜひ積極的に、やっていただきたいと思いますけれども、それについてはいかがでしょう。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) これからの時代そうなっていくと思うのです。先ほどもお話ししたのですが、個にしても、組織にしても、あらゆる集団にしても多様性がある。そうしなければ今の社会は成り立たない。でも、和合しなければいけない。連携しなければいけない。多分それがテーマになっていると思うので、当然のことながらそれを連携し、統合していく役割、あるいは和合していく役割というのは、行政にあるというふうに理解をしています。 ○議長(板橋衛) 高橋議員。 ◆21番(高橋英昭) あとは要は市長部局と教育委員会事務局での連携、当然スクールコミュニティの段階でいろいろな連携を図っているとは思うのですが、先ほど教育長の答弁にもあったように、学校運営協議会とスクールコミュニティというのは非常に近い線にあって、実際学校運営協議会の進化形としてスクールコミュニティというものがあるという地域も全国的に見ればあるという中で、当然その地域に応じて設置など、もちろん必ずしも両方なくてもいいというのは、私も全くそのとおりだとは思うのです。その一方で例えば近隣の学校などというところでの向こうはこういう状態、こっちはこういう状態というようなばらばらな状態になったときの様々な情報の取り方や、いろいろな説明など、複雑に絡み合うようなところも恐らく出てくるのではないかと思うのですけれども、それについてどのような対応というのを考えられているのかということをできれば市長、教育長、両方からお聞きしたいと思います。
    ○議長(板橋衛) 新倉教育長。 ◎教育長(新倉聡) 国が今示している学校運営協議会というのは、それぞれの学校ごとにつくっていきますが、それの運営本部というものを全て束ねるところは一つつくるべきだという一つの案が出されています。 先ほどお話があったように、Aという学校とBという学校がそれぞれ地域の格差があったとしても、それをどうやって連絡するかというのは、教育委員会の中にも一つの指導をする、あるいは連絡、協議をする場を設けますので、そこで動いていくべきかなというふうに思っています。それが市長部局と常に連携をしていけば、その地域ごとの先ほど温度差と言ったのですが、まちにはそれぞれの年齢があって、年を取れば若返ってというのがあるので、確実に同じものではないことがあります。 それから、今私どもが考えているのは、例えば同じエリアの中に1小、1中しかないのに2つつくるべきなのかといえば、その地域が一体感あるなら一つが両方の学校運営協議会でいいよねというのも今案としてはつくっていこうと思っています。ですから、学校運営協議会が先にあるのではなくて、地域があって学校運営協議会がある。そのような状況をつくっていけば、人材がどこでも重複して、あそこもやらなければ、ここもやらなければではない。その人たちがスクールコミュニティという大きな全体の中のまたメンバーがあって、そこの連携がきちんと取れていけばいいのかなというふうに思っています。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 今のと同じことなのだけど、目的が豊かになるために向かっていくわけだから、分かり合えないはずはないわけで、感覚的な言い方になっちゃうのだけれども、私は仕組みや組織をあまり好まないので、どんな形であろうが同じように融合していくだろうし、どっちがあってもいい。それは市民部も教育委員会というのも、最終的には市民のためというふうに一致するという。いつも言っているのだけれども、部局ごとではなくて、最終的に市民の幸せが何なのかということを考えたときに、連携というよりも融合していくことであろうというふうには思っています。 ですから、今、教育長が言ったように、必然的にでもそういう流れになっていくというふうには思っています。 ○議長(板橋衛) 高橋議員。 ◆21番(高橋英昭) 分かりました。ありがとうございます。 最後になります。質問が戻りますけれども、先ほど市長は50を超えるとなかなか人は変われないという話をされていましたけれども、でも意識改革って年齢は関係ないと思うのです。もちろん入ったばかりの人のほうが当然なじみやすいですから、変わりやすいのは事実ですけれども、年齢はあまり関係ないと私は思っていますので、しっかりそのことも頭に入れて、ぜひここのからの職員の意識改革というのをこれ以上にしっかりと進めていくようよろしくお願いしたいと思います。 所見だけいただいて終わりにします。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 御助言ありがとうございます。私も変わりたいと思います。いろいろありがとうございます。……………………………………………………………………………………………………… ○議長(板橋衛) 小幡沙央里議員。     〔小幡沙央里議員登壇、拍手〕 ◆20番(小幡沙央里) よこすか未来会議の小幡沙央里です。発言通告に従い質問させていただきます。 まず、本市における障害者雇用について伺います。 9月定例議会で法定雇用率についての一般報告がありました。国の機関及び地方公共団体など、多くの公共機関において障害者雇用率の算定が不適切で、法定雇用率が達成されていないことが報道されたのが平成30年、横須賀市においても例外ではなく、カウントの仕方を誤っていたそうですが、その後も法定雇用率は達成されないまま今に至ります。2021年からは、地方公共団体の法定雇用率は現行の2.5%から2.6%に引き上げられますが、このまま対策を取らなければ、本市における障害者雇用が進まないのではないかと危惧しております。 先日、厚生労働省からコロナ禍で障害者の解雇が9月までの半年間で去年の同時期と比べ40%増えているとの発表がありました。本来であれば、公的機関として法定雇用率を達成するのは最低条件であり、障害者雇用のモデルとして民間企業に示せるぐらいであるべきだと思います。今このような状況下だからこそ、さらに範を示すことが必要です。 そこで、本市の障害者雇用について質問いたします。 まず、本市の法定雇用率が達成されていないことに対する市長のお考えを伺います。 障害者雇用を進める上で、総論賛成、各論反対になりがちだという話を耳にしています。それは障害者雇用を進めるのはいいけれども、自分たちの部署に来ても困るという内容です。困るというのは、どういった仕事を任せていいのか分からない。自分たちでは対応できないということから来る不安だと思いますが、まず障害者を雇用するという意識を持たなければ、なかなか障害者雇用は進みません。 そこで、伺います。 職員、特に管理職の障害者雇用に対する意識について、市長はどのように評価しているのでしょうか。 障害者ワークステーションが始まり、知的障害者と精神障害者の方々が働いています。しかし、このワークステーションでの3年間の雇用は、一般就労への移行期間と捉えられており、知的障害と精神障害の方が市役所で働き続ける道はありません。横須賀市役所での正規雇用は、いまだ身体障害者のみとなっています。このように障害種別で雇用する、しないと分けることは誤ったメッセージを発信し、ともすれば差別につながりかねません。今後市として精神障害者や知的障害者を正規職員としていくことは考えているのでしょうか、伺います。 ただ、3年以上法定雇用率が未達成の中で、障害種別にかかわらず障害者雇用を進めましょうといっても、今のままでは進まないのではないかと危惧しております。新たな雇用形態を検討し、採用を進めるのも一案だと思います。 例として鳥取県米子市では、特定業務職員の採用を開始しました。こちらの職員は正規雇用ですが、軽易な業務中心のため、給与体系が異なります。こちらは手帳の有無にかかわらず働きづらさに配慮した採用枠で、公務員の人事制度として全国初の取組だと言われています。それぐらいどなたでも採用しますといった取組は、公的機関では進んでいない現状です。 市長は常々誰も一人にさせないまちを標榜していらっしゃいます。社会においてマイノリティーとされがちな方々にこそ思いをはせ、どのようにインクルーシブしていくのかが問われていると思います。 現在市職員には一般職、労務職の給料表があると思いますが、別の給料表を定めることも考えられます。障害者雇用を進めるため、新たな給与体系を定め、これまでとは違った正規雇用の在り方を検討してはいかがでしょうか。 障害者を雇用することで業務の手順を見直し、業務改善や働き方改革につながることがあります。多様性に富んでいる組織は、新たな発想も生まれやすくなることでしょう。障害者を雇用することで組織としてもメリットが得られると頭では分かっていても、実感することが難しいという職員も多くいるのではないでしょうか。 今年3月に内閣官房、内閣人事局、厚生労働省、人事院が連名で、公務部門における障害者雇用マニュアルを策定しました。こちらは国の行政機関で障害者雇用を推進することを目的としてつくられたものですが、地方自治体でも大いに参考になります。もちろん人事課の方はもう読まれているかと思います。 その中にも紹介されている方法ですが、どのように障害者雇用を進めたらいいのか、障害者と働くことはどういうことか、職員が身をもって理解することにもつながり、その後、障害者雇用を庁内で推進していくために、まずは人事課において障害者の職場実習、職場体験を積極的に受け入れてみてはいかがでしょうか。 続いて、総合的な就労支援の取組について伺います。 自治体における就労支援というと、ひとり親、障害者、高齢者、ひきこもりの方など、福祉分野における自立支援の枠組みで、それぞれの分野ごとに行われているものが想起されます。本市においても、ひとり親の就労支援やひきこもりの方の自立支援など、それぞれの枠組みの中で支援が行われています。困難なく就労できる方については、自分でハローワークなどに行き、求人を見つけ、面接を受け、就労につながることができますが、就労することにハードルがある人たちについては、就労支援という形で相談から就労、また定着支援まで寄り添っていくことが必要だと考えています。就労支援には、就労先との関係づくりも必要です。 ここでとある市内の企業の例を見てみると、障害者を雇用している企業の中にはひとり親などの採用も積極的に行っている企業もあり、その会社の方に話を伺うと、障害者かどうかより、必要な業務があり、それを担ってくれる方を求めている。多様な働き方を提案できるし、支援が必要な人を受け入れる体制ができているとおっしゃっていました。こうした企業との連携や就労支援として寄り添うことを年齢や対象別の縦割りの部署ごとに行うのではなく、横須賀市の就労支援という枠組みで行っていくことで、相談員のスキルも上がり、支援業務の効率化が図れるのではないでしょうか。 今ほっとかんという形で福祉の総合相談窓口ができました。そこでは縦割りではなく、相談できる体制が目指されています。そこに併設するような形で、現在生活困窮者、ひとり親などの分野ごとに行われている就労支援のスキルを共有し、縦割りではなく、全ての就労困難者の相談から事業所の開拓、マッチングまでを行う就労支援窓口を設けてはいかがでしょうか、伺います。 厚生労働省の発表によると、新型コロナウイルスの影響による解雇や雇止めは全国で7万1,000人を超えるとのことです。こうした状況下で、本市においても生活保護受給者が増える見込みであり、今後生活保護を受給しつつ、自立の道を探る方も増えてくることが予想され、就労支援の重要性が高まっています。 本市では社会的居場所づくりとして、いわゆるひきこもりと言われる方々が就労体験を行う場の開拓を行ってきています。また、ひとり親サポーター企業の募集や地域の架け橋横須賀ステーションとして、社会的養護下にいた若者の就労先のネットワーク構築なども行っています。これまで行ってきたこうした就労支援の出口開拓をさらに強化していくことが必要ではないでしょうか。就労困難者の就労が中小企業の課題解決につながり、両者がウインウインになれることが理想です。 ここで豊中市の事例をお話しします。 豊中市では就労支援事業を行っており、地域での職場開拓、就労定着に尽力しています。例えば、売上げの上がらない病院内の売店がありました。そこで、その売店の販売傾向を分析したところ、在庫管理が必要だということが分かりました。その在庫管理をするためのシステム構築のために、コミュニケーションは苦手だけれども、数理能力の高い人を採用することにしたなど、企業に丁寧に聞取りを行って、企業の課題改善につなげつつ、就労困難者の就労を支援しています。本市においても中小企業支援の視点を持ちながら、就労困難者の就労支援を展開していってはいかがでしょうか、伺います。 最後に、多胎育児支援について伺います。 厚生労働省のデータによると、多胎の妊娠・出産状況は近年横ばいから微増傾向にあります。横須賀市では、過去3年を見ると年間約15組以上の多胎児が生まれ、昨年は30組の多胎児が生まれています。子どもが1人だとしても、産後しばらくはまとまった睡眠時間を取ることはできなくなり、頻回の授乳、なぜ泣いているのか分からない赤ちゃんを前に、慣れない育児に右往左往の日々、産後鬱になる母親がおよそ10%と言われている中、多胎育児のことを考えると、その生活は壮絶であろうと容易に想像がつきます。 横須賀市で多胎児を育てている方々に話を伺ったところ、切実な声が次々と上げられました。一部を紹介します。 何が大変かというと、全般的に大変、眠れない。双子を預けることができない。健診や病院にすら行くのがつらい。誰も助けてくれない。大人が1人では移動することができない。双子ベビーカーが行ける場所が少ない。とにかくお金がかかる。市の事業で多胎ママの会があるが、そもそも参加できないなどなど、こうした悲痛な声が市には届いているのでしょうか。今後本市として多胎育児支援に力を入れるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 子どもを育てることは、ともすれば自助に帰結されがちで、寝る時間がなくなる中で考える気力が奪われ、産後鬱になる可能性は誰でもあり、追い詰められて虐待ということにならないとも限りません。核家族化も進み、家族のサポートが得られる人ばかりとは限りません。両親がそばに住んでいない方もたくさんいますし、全ての企業が父親の時短勤務や育休取得に理解があるわけではありません。少子化が進み、子どもを産む年齢が幅広くなっていて、周りに同じような悩みを相談できる友人がいない場合も考えられます。育児に対する社会的なサポートを求めることは、決して甘えなどではないことをまず御理解いただきたいと思います。社会的なサポートがあれば、保護者も心身の健康を保ち、子ども自身が健やかに成長することを助けます。 厚生労働省のホームページには、みずほ情報総研株式会社が平成30年度子ども・子育て支援推進調査研究事業として行った「多胎児支援のポイントふたご・みつご等の赤ちゃんの地域支援」というものが掲載されています。こちらには多胎児はリスクが大きく、妊娠中から支援者が継続的に関わりを持っていく必要があること、また生まれてからは負担軽減のための具体的な支援策が必要であると書かれています。 そこで、具体的な支援策について順に伺います。 世の中の育児情報や育児サービスは、単体児を想定していることが多く、保健師も多胎の知識が豊富な方ばかりとは限らず、不快な思いをしたとの声を聞いています。 そこで、経験者の声やサポートは大きな力となります。 国の産前産後サポート事業の2分の1補助メニューの一つともなっている多胎育児経験者がアウトリーチで相談支援を行う多胎ピアサポート事業、多胎妊婦や多胎家庭の外出時補助や育児に関する介助を行う多胎妊産婦サポーター等事業を実施する予定はあるのでしょうか、伺います。 NPO法人フローレンスの行った「多胎育児中に辛いと感じたこと」に関する調査では、第1位は外出、移動が困難ということでした。市内で双子を育てている家庭に尋ねたところ、自家用車以外では出かけられないとの回答があり、自分で車を運転しない保護者、車を所有していない家庭については、外出の頻度が極端に減っている様子がうかがえます。 横須賀市で双子、三つ子の集まりをやってくれていますが、コロナ禍以前は保健福祉センターに集まってという形だったので、そもそもその場所に行けなかったとの声も聞いています。家庭の中で閉じ籠もることでどれほどストレスがたまっていくかは、このコロナ禍で一層明らかになったように思います。家で双子を抱え、孤立していくことにつながりかねません。 そこで、タクシーチケットの配布など、外出や移動を支援する取組を始めてはいかがでしょうか、伺います。 以上で1問目を終わりにします。 2問目以降は一問一答で行わせていただきます。 ○議長(板橋衛) 理事者の答弁を求めます。上地克明市長。     〔上地克明市長登壇〕 ◎市長(上地克明) まず、本市の法定雇用率についてです。 令和2年度の法定雇用率については、6月1日時点で2.45%であり、法定雇用率2.5%を達成できていません。昨年3月の代表質問での御指摘を受け、様々な取組を行ってまいりましたが、結果的に未達成となり、誰も一人にさせないまちを目指す本市が障害者雇用促進に対する責務を十分に果たしていないことは大変不本意に感じています。速やかな法定雇用率の達成は急務であり、来年3月には法定雇用率の引上げもありますので、それを見据えて多様な任用方法の検討など、雇用率達成に向けて、様々な対策を講じて取り組んでまいりたいと思います。 次に、障害者雇用に対する職員の意識についてです。 障害がある職員とともに働くことについては、障害特性に応じたマネジメントなど、何らかの心配があるものと推察しています。その心配を払拭するためには、まず多くの雇用実績をつくることが必要であり、その積み重ねによって、障害のある職員とともに働くことが当たり前という意識が醸成されていくものと考えています。また、管理職はもとより、意識啓発のための研修なども積極的に実施してまいります。 次に、精神障害者や知的障害者の正規雇用についてです。 これまでも精神障害者や知的障害者の雇用に向けて、様々な検討を行ってまいりました。その中で、昨年5月にはワークステーションよこすかを開設したところです。現在障害がある職員の正規雇用は身体障害者に特化していますが、障害のある職員が長く働き続けることができるよう、それぞれの障害特性について理解を深めることが重要であると考えております。今後はワークステーションよこすかでの業務内容や勤務状況などについて検証を行い、業務の選定や創出を行うなど、精神障害者や知的障害者の正規職員としての雇用に向けて、さらにスピード感を持って検討してまいります。 次に、新たな正規雇用の在り方についてです。 議員がおっしゃるとおり、一般職などの給料表とは別の給与体系を設けている事例があることは承知しています。障害者の活躍の場を広げていくためには、障害の種別や内容に応じた任用を行うことは必要だと考えています。議員御提案の新たな給与体系を設けることがいいのか、会計年度任用職員としての任用がよいのかなど、様々な任用方法を検討してまいります。 次に、職場実習などの受入れについてです。 まず、障害者とともに働くことを職員が身をもって理解することは大変重要なことであると思っています。現在もワークステーションよこすかでの業務を各職場に出向いて行う取組をしています。議員御提案の職場実習や職場体験の受入れについては、障害者雇用の推進に向けて、障害者本人と受け入れる側の職員の双方にとって有効な手段であると考えますので、人事課に限らず、そのような機会を増やすための方策について検討してまいります。 次に、就労支援の窓口についてです。 就労支援については、就労単独の相談というよりも例えば生活困窮者でいえば家賃や公共料金の滞納、借金の返済など、相談者が抱えている様々な問題の相談を受ける中で、支援策の一つとして行っています。生活困窮者、ひきこもりの方、障害者、ひとり親で相談の内容が異なるために、就労支援に特化した窓口を設けるよりも、現在のようにそれぞれの専門部署において就労支援を行うほうが合理的であると考えています。現在も各課の相談員が必要に応じて連携しながら支援を行っておりますが、今後さらに連携を深めていきたいと思います。 次に、就労支援の展開についてです。 本市ではジョブスポット横須賀を開設し、ハローワークと連携しながら就労支援を行っているところです。併せて本市独自でも関係団体と連携しながら就労先の開拓を行っています。開拓先の多くは中小企業ですので、現在も事業者の意向などを丁寧に聞取りをしています。さらに中小企業の課題については、経済部が把握に努めていますので、就労支援部局と経済部が連携して取り組むことで、今まで以上に就労先を開拓していきたいと思います。 次に、多胎育児支援についてです。 多胎児を育てる方々の苦労は、並々ならぬものがあると私も認識しています。育児に困っている方々へ手を差し伸べることは当然のことだと思いますので、力を入れ取り組んでいきたいと考えています。 次に、多胎ピアサポート事業等についてです。 多胎ピアサポート事業としては、現在市が開催する多胎児とその家族のための育児教室、ツインズ教室において、多胎児を妊娠中の方が参加し、多胎児育児中の先輩より育児のアドバイスを受ける機会を設けています。アウトリーチ相談支援は、多胎児の育児経験者の協力が必要で、養成する研修も必要なことから、どのような方法で実施できるかを研究していきたいと考えています。 多胎妊産婦のサポート事業については、本市では生後4か月までは子育て支援ヘルパー派遣事業で支援し、その後はファミリーサポートセンターで支援につなぐことができますので、現在のところ実施する予定はありません。 次に、孤立防止のための取組についてです。 外出時の支援につきましても、ただいまお答えしましたように子育て支援ヘルパーの派遣やファミリーサポートセンターの外出援助で対応できるために、新たにタクシーチケットの配布などの支援は考えていません。 ○議長(板橋衛) ここで休憩します。再開は午後5時30分とします。---------------------------------------            午後5時13分休憩            午後5時30分開議--------------------------------------- ○議長(板橋衛) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質問を続行します。小幡沙央里議員。 ◆20番(小幡沙央里) 市長、御答弁ありがとうございました。 それでは、発言通告の順に質問させていただければと思います。 まず、本市の法定雇用率についてです。 こちら様々な取組をなさってきていて、達成することは急務だとおっしゃっておりました。急務なのは当然でして、スピード感を持ってというのはもちろん分かるのですけれども、今年だけの話ではないと思うのです。やはり経年でこの状況というのは、もう少し意識を改めて、アクションを実際に起こしていく必要があるのではないかと感じております。 様々な取組を行ったのにもかかわらず、まだ達成されていない理由について、市長はどのようにお考えなのでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 総務部長に答弁させます。 ○議長(板橋衛) 藤井孝生総務部長。 ◎総務部長(藤井孝生) 平成30年に計算の分母に入っていなかったというところから、本市においては雇用率を達成することが3年続けてできない状況が続いております。この間、危機感を持って、関連部局ともワーキングチームをつくって、そこの中で課題の抽出も含めて対応してきたこと、それから採用のほうにも力を入れようということで、力を入れてきた部分もございます。 ただ、これは言い訳のようになってしまうのですけれども、達成できるというところのめどが立った年もあったのですけれども、結果として、職員が退職してしまうなど、そういうこともあって、達成できなかったというようなこともございます。 現在でも、継続でございますけれども、例えば採用の年齢の上限を撤廃するなど、そういったことも含めて、様々な取組を行っておるのですけれども、今年度におきましても達成することができなかったということで、本当に申し訳なく思っているところでございます。 ○議長(板橋衛) 小幡議員。 ◆20番(小幡沙央里) 法定雇用率を達成することが最低条件ではあるのですけれども、その数字にとらわれ過ぎているのも問題かと思っております。以前、もはや法定雇用率は本当に最低条件だと思っているので、そこぎりぎりを目指していて、達成しないという状況が生じてしまうと思うので、法定雇用率にとらわれない高い目標などを設定していきたいということを市長は以前答弁されているのです、過去の本会議において。 そうしたことをおっしゃっておりましたけれども、実際に現在はどのような目標を掲げて、市の職員に対しては法定雇用率達成のためにどのような目標を持って取り組むということを伝えていらっしゃるのでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) どのような目標というよりも、法定雇用率を達成するようにという以前からお話ししているように高い目標を掲げて進むように、取り組むようにという話をしているのですが、現実がそのような状態なので、ざんきに堪えないというふうに思っています。 ○議長(板橋衛) 小幡議員。 ◆20番(小幡沙央里) 先ほど意識啓発なども行っているし、障害者と一緒に働くことが当たり前だという意識の醸成は必要だということをおっしゃっていました。このためには、まずは本当に雇って、実際に一緒に働いてみて、感じることというのはとても多いと思っております。 ただ、やはり障害者雇用は大事だからやっていくよ、やらなければいけないからやっていくよというような、そのような言い方ではないにしても、意識の啓発だけではいろいろと厳しい状況もあるかと思っています。 やはり受入れをしてくれる部署にきちんとサポートを行うなど、また例えば障害者雇用をしたことによって、その部署のそのチームの作業効率が一時的に落ちる可能性もあると思うのです。1人に対して丁寧に関われば、関わるほど、そこで人手が取られるような状況がもしかしたら生じるかもしれません。 しかし、その後は、その過渡期が過ぎれば、同じメンバーとして、障害者雇用を進めていくモデルとなるような部署も出てくるかと思うのですけれども、そうやって障害者雇用の促進を担当した職員をきちんと評価するようなことも必要かと思っています。ただ単にやってくれ、各部署でお願いしますというのではなくて、きちんと受け入れてくれた部署に対するサポート等、また受け入れた後のきちんとそれがなされたときには評価するというのを大切にしていただきたいと思うのですけれども、その点に関してはいかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) よく分かるので、ぜひ検討していきたいと思います。 詳細は藤井部長から答弁させます。 ○議長(板橋衛) 藤井総務部長。 ◎総務部長(藤井孝生) 今、御提案のございました受入れをして、しっかりとそういうモデル職場になったときの評価という視点は今までございませんでしたので、そういったところも含めて、今後検討していきたいと思います。 ○議長(板橋衛) 小幡議員。 ◆20番(小幡沙央里) 実際に理解を進めていく上で、雇うことが必要だと思いますし、雇っていくことで見えてくる課題というのもあると思います。採用に関しても、とにかく雇用を進めていくとともに、課題設定するということも考えられます。 例えば横浜市では、かなり以前から、平成15年あたりから知的障害者の再雇用も行っていて、また精神障害者の雇用も最近行っているのですけれども、精神障害者を雇用するときに、まず雇ってみてというのもあるのですけれども、その年次ごとにそれぞれテーマを決めているのです。 この年は鬱傾向のある精神障害の方を雇用してみて、どういった課題があるかを抽出する、またこの年はこういった課題について検討してみようというような、きちんと事前にどういったことを調べたい、どういった課題があるかをどういった部分を見たいかということを設定した上で、雇用を行って、実際に雇ってみて、また分析を行っていくというようなことを行っているのです。 なので、ぜひ本市においても、課題を抽出してと言っているのですけれども、なかなか漠然としているところがあると思うので、例えば年次ごとにテーマを決めて、まずは多様な雇用の在り方、任用の在り方とおっしゃっていたので、テーマごとに会計年度任用職員という形から始めてもいいと思うので、こちらとしても課題解決に結びつけられるような障害者雇用というのを行っていってみてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) いい御意見だと思います。横浜市と状況は違うのですが、今おっしゃったとおり、福祉部と連携しながら、今みたいな課題を持って、どのようにするかというふうに考えるのも一つの方法だと思っています。全部優秀な総務部にばかりに投げていましたので、それは連携しながらやっていきたいというふうに思っています。 ○議長(板橋衛) 小幡議員。 ◆20番(小幡沙央里) 総務部の皆さんがいろいろ視察に伺っているのを存じ上げていて、他都市の事例であったり、民間企業の事例などもいろいろと知見を深めていただいているのは本当にありがたいと思っております。ぜひそれを進めていただきたいと思っております。 今、法定雇用率が未達成のため、そちらについて質問させていただいたのですけれども、本来であれば、理想的にはこの数字がなくても、障害者雇用が進むことは日本全体が目指すところであると思いますし、それが理想の形だと思います。 法定雇用率が算定されるのが週20時間以上勤務する障害者のみとなっていることもなかなか進まない要因の一つだと言われています。発達障害や精神障害の方は長時間働くことが苦手という方も多くて、なかなか雇用につながらない現状があります。 そこで、登場したのが週1日からの勤務、短時間からの勤務を可能とする超短時間勤務という考え方で、民間企業が中心に始められているのですけれども、これはなかなか進まない障害者雇用を少しでも進めようといったことで始まった取組です。 日本では、企業や自治体の一員として採用されて、その後、様々な職種を経験して、組織を動かしていくいわゆるメンバーシップ型の採用というのが多く取られていると思うのですけれども、こうしたメンバーシップ型だと、やはり長時間勤務の苦手な方々が働くことが難しいといったことが言われています。 そこで、特定の職種、例えば横須賀市などだと翻訳の仕事だったり、言語に関わる仕事があると思うのですけれども、英訳の仕事など、特定の仕事をしてもらうためのジョブ型の採用というのを進めることというのも一案だと思っております。 超短時間勤務やこうしたジョブ型の採用を本市でも取り入れて、まずは障害者の雇用自体を庁内の中で進めていくことを検討してみてはいかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 極論を言うと、達成率云々というのはあまり私にはぴんとこないので、今のやり方というのは非常に合理的で、仕事から始めるというのは、ある短期間で行うというのは非常に理解しやすいので、これからぜひ検討させていただきたいと思います。 ○議長(板橋衛) 小幡議員。 ◆20番(小幡沙央里) いろいろな方法を今行ってくださるということだったので、ぜひ今後具体的にまず雇ってみていただければと思っております。いきなりの正規雇用ということではなくても、そうした形での雇用を進めていただけるということなので、ぜひこちらは進めていただければと思います。 先ほど厚生労働省が出したデータを紹介したのですけれども、かなり今、障害者が解雇されている状況にあります。大変厳しい状況なのです。しかし、コロナ禍であっても、積極的に雇用を行っている企業もあります。ここで市内企業の例を一つ挙げさせていただきたいのですけれども、コロナ禍で今この議場でも行っていると思うのですけれども、消毒など、清掃の業務というのが増えています。これは今までは通常業務ではなかった余分の業務となっているのですけれども、アルコールで椅子や机など共用の物を拭いたりする作業なのですけれども、これを市内のとある企業では障害者の方に行っていただいているのです。 この事例を伺ったときに、すごくいいなと思ったのです。その仕事を任せることというよりも、そうした姿勢が大切だと思っていて、今コロナの状況で、業績が厳しいからということではなくて、いついかなる状況でも、例えば増えた業務があります。この業務は誰かに行ってもらわなければいけないと考えたときに、この仕事であれば、障害のある方にも担っていただける、そうした発想を常に持っているということはすごく大切なことだと思っているのです。 ぜひ本市においても、こうした発想を持って、本当に全職員、先ほど管理職、部課長と言ったのですけれども、全職員がまず日頃からこうした発想を持って、法定雇用率達成、そしてまずしっかりと障害者雇用を進めていくということをぜひ行っていっていただきたいと思いますが、市長の御所見を伺えればと思います。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) いい御意見をいただいたというふうに思っていますので、ぜひ検討していきたいと思います。 ○議長(板橋衛) 小幡議員。 ◆20番(小幡沙央里) 続いて、就労支援について伺います。 今、本市では様々な部署で行われているのは存じ上げていて、そちらがとてもよい相談窓口として機能しているのは重々承知しております。特に生活困窮者の自立支援などでは、いきなりの就労ではなくて、中間的就労といったような、まずは社会的居場所といったような概念からスタートして、働けるようにだんだん長時間に慣れていくようにといったような視点で支えてくれているので、かなりすごくいい取組を行ってくれていると思っています。 私はそれぞれの部局が持っている専門性を取っ払おう、なくしてしまおうなど、そういうニュアンスではなくて、私、最近気になっているのが、いわゆる今は福祉とつながっていない、生活保護は受けていないけれども、生活困窮の状態です。また、若い人でも、一度仕事を辞めてしまって、なかなか正規雇用できないで、ずっと非正規でいるといった方など、また手帳を持っていないけれども、なかなか発達に偏りがあって、就労でうまくいかない方など、なかなか福祉の制度につながっていないグレーゾーンの方たちというのがいらっしゃいます。 支援の必要のない方であれば、ジョブスポットであったり、ハローワークでかなり就労につなげることができると思うのですけれども、なかなかそうではない、寄り添っていく、寄り添って就労までつなげて、なおかつ定着支援まで行っていくといったような寄り添いをすることで、就労が可能になる方たちというのもいらっしゃいます。 こうしたいわゆる既存の制度にはつながっていない方の就労支援を受ける窓口というのを、今せっかく垣根を越えた窓口ができようとしているので、そこに併設するような形で検討していただけないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 福祉部長から答弁させます。 ○議長(板橋衛) 植野不二夫福祉部長。 ◎福祉部長(植野不二夫) 先ほど市長が答弁しましたように、各部署は専門性というのはあると思います。過去に同じような議論で成年後見制度を一つの窓口でという話があって、一つの窓口にしたこともあるのですけれども、結局はそれそのものの相談ではなくて、多くの相談の一部としての相談が多かったので、結局元の部署へ戻ったという部分があります。 今、議員がおっしゃられたようなどこにもつながっていない方につきましては、どこに行っていいか分からない相談というのは、基本的には「ほっとかん」で受けていますので、そちらで対応していきたいというふうに思っております。 ○議長(板橋衛) 小幡議員。 ◆20番(小幡沙央里) 各部署では無料職業紹介の事業も行っていただいて、つなげていただいているという事例があったので、私、市内企業で積極的に地元の方の雇用を進めている方に話を聞いたときに、いわゆる生活困窮の文脈からも御相談を受けたり、ひとり親の部署からも連絡が来たりということで、そうした同じ市役所の中で別々の方から連絡が来るような状態というのがあったらしいのです。私はそれが非常にもったいないと感じました。多く情報を共有していくことで、効率化も図れるのではないかと思っていて、そうした視点からも質問させていただきました。 先ほど市長は経済部のほうで中小企業の情報というのは持っているので、そうした連携を進めていきたいとおっしゃってくださっていたので、ぜひ就労支援というのは、今の縦割りを越えて、つながるような情報共有であったり、つながる先の企業の開拓であったりというのを協力していくといったような、連携していくといった姿勢はぜひ今後見せていっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 先ほどと同じ文脈で連携させていただければというふうに思っています。様々な案件について連携しなければいけないことはできてくると思うので、積極的に進めていきたいと思っています。 ○議長(板橋衛) 小幡議員。 ◆20番(小幡沙央里) ありがとうございます。ぜひ年末年始、中小企業も年越しが厳しいと思って、市長も今回予算を出されたと思いましたので、今後なかなか世の中全体が厳しい状況の中で、就労支援というのはすごく重要な一つになってくるかと思いますので、ぜひ積極的にいろいろ進めていただければと思います。 続いて、多胎育児支援について伺います。 こちらは一問目の中でも少し事例を挙げさせていただいたのですけれども、なかなかかなり悲痛な現状があります。本当に生まれてすぐの産後1か月のときだと、母乳で一日1回につき20分以上、一日12回以上の授乳を1人でもしなければいけない。それが2人だとしたら、それが単純に倍、三つ子だと3倍になります。授乳だけでなくて、おむつ替えも一日に10回以上やるのです、新生児は。そうすると、双子だったら20回、三つ子だったら30回となるわけです。 その間も掃除、洗濯、食事作りなどの家事もありますし、ほかの兄弟、姉妹がいれば、面倒を見る。また、おむつやミルクも買い足しに行かなければいけないし、お風呂にも入れなければいけないというような状況で、本当に寝る時間も皆無で、そんな状況が続けば、心身に不調を来します。 今回この質問をつくるに当たって、市内の多胎のママたちに声をいろいろ伺ったのです。そうしたら、本当に率直な意見というのが届いていて、後ほど部局のほうにも提出したいと思っているのですけれども、とにかくゆっくり寝たかった、寝る時間はなかったし、寝る時間がないと、考える力というのも奪われてくるのです。 かなり鬱になる割合も高いというのは、メンタルクリニックなどによりますと、やはり不眠になった人は鬱になるリスクが4倍、それが1年続いたら40倍にもなってしまうといったような統計が出されておりまして、かなり危険な状態です。 とにかく多胎だからといって、横須賀市から何か恩恵を受けた覚えがないというのを多胎の方はおっしゃっていて、先ほど市長が多胎育児支援を行っていくのだという思いとは裏腹に、今ある制度だけではそれを受け取れていない人たちがいるのが事実なのです。先ほど挙げたような悲痛な声というのを聞いて、市長は改めてどうお感じになったかお聞かせいただければと思います。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 私も多胎児ではないけれども、2人の子どもを小さいときから育てたから、家内が働いて、私はうちにいましたから、その苦労は十分分かっているつもりです。今言ったようにどういうことなのか、これからよくお聞きして、何ができるかというのを改めて考えなければいけないと思うのですが、昔は多胎というのはたくさんいて、先ほどの3世代ではないけれども、みんなで育てたという状況がありましたから、今そういう状況の中で何がもう一つやらなければいけないか、今お聞きして、考えてみたいと思います。 ○議長(板橋衛) 小幡議員。 ◆20番(小幡沙央里) 先ほども3世代同居であったり、地域の助け合いというようなことをおっしゃっていましたが、3世代同居についてなのですけれども、今、統計によると、乳幼児の家族構成というのは83%が核家族だと言われています、乳幼児がいる家庭では。3世代同居は市長の理想だとは思うのですけれども、今まさに子育てしている世代からすれば、ほとんど幻想に近いと言ってもいいような状況なのです。 そうした地域のつながりが強い地域や、3世代同居が行われている方、行われることが理想として、そこを基準にするのではなくて、やはり今の現状を考えると、核家族も多いですし、もともとここが地元でない方も多くいらっしゃる中で、恵まれた人を基準にするのではなく、ぜひ苦しい人を基準に考えてほしいと思うのですが、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) こども育成部長から答弁させます。 ○議長(板橋衛) 志村恭一こども育成部長。 ◎こども育成部長(志村恭一) 今、議員おっしゃったように、身内が近くにいれば、当然手助けということも考えられますが、まさに今言っていただいたように、その辺の助けがないという方を何とかこちらで支援しなければいけないという思いでは私どもはおります。今、市長が申し上げましたように、具体的なところは様々御意見を聞きながら、いろいろな制度をつくっていきたいと思います。 ○議長(板橋衛) 小幡議員。 ◆20番(小幡沙央里) 様々声を伺いいながらとおっしゃっていたので、そこに関してはかなり進めていただきたいと思っております。具体の事業について提案させていただきましたが、こちらについて、今、現状行っている事業で代替ができるといったような答弁があったのですけれども、既存の事業の使いづらさなども実際に多胎ママから寄せられました。そもそもそのサービスにたどり着かないのだというようなこともおっしゃっていて、それぐらい厳しいのだということをぜひ念頭に置いていただきたいと思っております。 実際に横須賀市のサービスを利用しようとしたときに、双子はすぐには無理です、預かれません、今預かってほしいのに預かれませんと、実際にそう言われたといったアンケートの回答もあったので、やはり既存のサービスがあるからといって、必ずしもそれを享受できていないという現状があるということを分かっていただきたいですし、ファミリーサポートセンターなども、双子だと受入れが難しいという方もいらっしゃるのです。そういった現実があるということも分かっていただきたいです。 先ほど市長が子育てをしてきたとおっしゃっていて、確かに子どもを育てていて、2人など、子どもがいるとすごく大変なこともあると思うのですけれども、多胎というのはやはり特殊なのだということを理解していただきたいのです。同時なのです、とにかく。小さいうちなどは、本当に首が座らないうちは、首も支えて抱っこしなければいけない。ということは、必然的に2人抱っこは絶対無理です、一遍に抱っこすることは無理で、多胎家庭の虐待死というのが、1人の単体家庭の2.5から4倍あると言われています。 すごく悲しい三つ子の事件が起きたことをきっかけに国も大分動いたというのがありまして、本当に多胎育児というのは、生きるか死ぬかの世界になっているのです。本当に両親2人いたとして2対2なので厳しい状況は変わらないと思いますし、生きるか死ぬか、本人たちの大変さというよりも、子どもの命もお母さんの命も危険にさらされる状態が、双子の育児、多胎児の育児だと思っています。 子育ては大変だけれども、楽しいこともある、それは多くの親御さんがおっしゃることだと思うのですけれども、多胎のお母さんたちは、それすらも感じられない。楽しいことや、成長を喜ぶなど、そんな余裕はどこにもなかったというのが、今大きくなった方などは言っておりますけれども、とにかくその状況のときに助けを求められなかったからこそ、今ある程度声を上げられるようになったから、私たちが子どもが小さいときにこういうサービスが欲しかったということで、お母さんたちはアンケートに答えてくれているのです。 すごくそういった切実な思いを抱えて、お母さんたちは必死に生き延びてきたと言っても過言ではないと思うのです。かなり本当に危険な状況にあるということを、ぜひそうした声を受け止めて、施策へと反映させていく、そうした仕組みをしっかりつくっていただきたいと思いますし、市長もこども育成部もそうなのですけれども、文献を読むだけでは分からないものというのが、かなり当事者たちの意見を聞くと感じることができると思いますので、ぜひその点をしっかりと考えて、多胎育児支援にしっかりと力を入れていっていただきたいと思いますが、最後、市長の御所見を伺って、終わりにしたいと思います。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) そこまで切実とは思ってもいなかったことは事実で、私が子どもを育てたとき、多胎の両親が学校の先生で、元気に頑張って、仲よくしてきたし、私もいろいろなお付き合いをさせていただいたから、すごく健全ないい御家庭だというふうに思っていました。それほどの苦労を感じていなかったので、むしろ幸せだと私は思っていたことがありましたので、今お話を聞いて、それほど切実だということは理解できなかったので、様々な声を聞きながら、検討していきたいというふうに思います。(拍手)……………………………………………………………………………………………………… ○議長(板橋衛) 二見英一議員。     〔二見英一議員登壇、拍手〕 ◆5番(二見英一) 公明党の二見英一です。本日最後の登壇となりました。大変お疲れかとは思いますが、いましばらくお付き合いください。 それでは、早速、発言通告に従って質問させていただきます。 初めに、デジタル・ガバメント推進における新たな取組について3点お伺いいたします。 まず、マイナンバーカードの普及について伺います。 菅政権が改革の柱として掲げる社会のデジタル化は、情報通信技術の活用を通じて、大きな社会変革をもたらす可能性を秘めています。ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させるという概念であるデジタルトランスフォーメーションが世界標準となっていく現在にあって、日本のデジタル化は大きく遅れを取っていることは否めません。 日本社会のデジタル化整備の必要性は、以前より指摘されてきましたが、新型コロナウイルス感染症対策でさらに浮き彫りになりました。一律10万円の定額給付金をはじめ、各種給付金の申請や支給をめぐって混乱が生じたのは象徴的な事例でした。 これは各省庁や地方自治体が独自に情報システムを構築してきたことなどが背景にあり、政府は国と地方との情報システムの統一・標準化などを積極的に進める必要性があります。 そのような中、政府は行政の効率化を進めるため、デジタル化の司令塔を担うデジタル庁の創設に取り組み、準備を加速しています。誰もがデジタル化の恩恵を受けられるよう、国と地方が連携を強化し、環境整備に取り組むべきだと思います。 このようなデジタル化推進の中で、その鍵となり、本市行政の手続でも重要なツールとなるのがマイナンバーカードです。10月現在の本市の交付数は9万4,177枚であり、交付率は23.5%と伺いました。全国が20.5%と言われておりますので、本市の交付率は比較的好調なところです。 今まで低調だった交付率が伸び始めている要因として、定額給付金申請に使用でき、認知度が上がったことや、9月から受付が始まったマイナポイント取得での活用イメージがついたことなどが挙げられます。 加えて、来年3月より健康保険証として活用できることや、将来的には運転免許証の一体化、また個人口座との連携により、緊急時の給付金等を迅速に支給できるようになるなど、活用性が増してきたことも考えられます。 こうした交付率増加のあおりは、本市にも影響し、現在申請してから交付されるまで約2か月間を要しています。いわゆるこの待ち時間は、自治体の交付処理体制によって差があります。申請後、地方公共団体情報システム機構、通称J-LISがカードを作り、自治体へ送付されます。ここまではどの自治体も同じですが、その後、交付準備を整え、申請者に交付通知書を通知するまでの間、時間がかかるようです。つまりはカードが到着してから申請者に素早く通知を行うことができれば、2か月間も時間を要しないことになります。 もっとも2か月を要している本市が取り立てて遅いわけではないことも承知しています。近隣の鎌倉市や藤沢市のホームページを見ると、3か月待ちとの記載があります。とはいえ、他都市より早いから、それでいいというわけではありません。 現状のマイナンバーカードの活用で注目されているのは、さきに挙げたマイナポイントの申請だと思います。マイナポイント事業は、今年9月から来年3月までの7か月間の事業予定となっており、延長する方針も出ていますが、これから新規でマイナンバーカードを申請する方は、年内に申請を終えておかないと、カードすら手元に届かず、年を越してからの申請では、事業終了予定の3月に間に合わないおそれもあり、延長すれば、さらなる申請増が予想されます。 本市としてもデジタル化の要となるマイナンバーカード普及に向け、交付処理体制の見直しと強化を行い、申請者に対し迅速な交付を目指すべきではないでしょうか、市長の御所見を伺います。 二つ目の取組として、行政文書の押印廃止について伺います。 デジタル化推進の流れは、日本の伝統と文化の聖域までメスを入れ、押印廃止と書面交付や対面主義の原則廃止に向け、本格的に動き始めました。まさに新政権の一丁目一番地であり、今後の日本文化のデジタル化推進を担う大きな取組として注目されています。 今年10月7日、政府は規制改革推進会議で全ての行政手続について、押印廃止や書面・対面主義を根本から見直すよう指示し、関係省令を年内に改正し、来年の通常国会に関連法案を提出する予定としています。 主な内容は、書面やファクスを電子メールなどへと切り替えることや、対面による書面交付などの原則廃止をうたっていることであり、押印廃止に関しては、書面の電子化や将来へ向けたペーパーレス社会の第一歩となることが期待されます。環境が整備され、書面の電子化が進めば、手続のために役所の窓口に出向く必要もなくなり、市民の利便性は格段に上がるものと思います。 また、役所にとっても、書面印刷や郵送等に関わる時間やコストの削減、電子情報の一元管理を行えることにより、書類紛失などによる人為的ミスの防止も期待されます。 そうした動きに対し、県内自治体はじめ多くの自治体でも準備を始めました。先進的に取り組んできたのは福岡市であり、平成31年から市へ提出する申請書等の押印義務を廃止にする、いわゆる判こレスの取組を進めてきました。今年9月末現在で福岡市に提出される申請書などおよそ4,700種類のうち、市単独で見直しが可能な申請書の総数約3,800種類を判こレスにし、行政手続のオンライン化に向けた土台づくりを進めています。福岡市は当初、今年度末までに完了させる予定でしたが、感染症拡大防止などの理由により、前倒しで取組を進めたということです。 一方で、河野太郎行政改革担当大臣は、全国に先駆けて、判こレスを既に完了した福岡市の事例を参考に、自治体向けマニュアルを作成、配付する方針を明らかにしました。本市においても、今年2月からスタートしたコンビニ交付サービスや今年度から新たに受付を開始した児童手当・特例給付現況届の電子申請など、積極的に行政のデジタル化を推進してきました。 押印廃止によって、伝統的な判こ文化がなくなってしまうのは寂しい反面、市民の利便性、効率性を追求し、その先のペーパーレス化へ向けた新たな一歩であることを期待しつつ、市長にお伺いします。 本市行政で扱っている押印が必要な申請書類は全体で何種類存在しているのでしょうか、またそのうち国や県の法令等の規定で押印が義務づけされているのは何種類あり、本市が押印廃止に取り組んだ際に市単独で見直しが可能な申請書類は何種類になるのでしょうか、お答えください。 全ての部局において、市民が使用する多数の申請書類を精査していくのは大変な労力が必要となります。今後、国としては、福岡市の事例を基に、自治体向けマニュアルを作成しますが、福岡市では高島市長の旗振りの下、庁内一丸となって、意識改革を起こし、取り組んだ結果、3年弱で押印廃止を行いました。 160万人もの政令市と行政規模を比較するものではありませんが、本市においても多くの申請書類があり、それなりに多大な時間を要するものと考えられます。さきに述べたとおり、年内に関係省令を改正し、来年の通常国会に関連法案を提出する予定で進んでいくと、本市としても早急に準備に取りかからなければなりません。 加えて、全部局にわたり膨大な種類の書類を精査し、将来のオンライン申請も考慮して、新しく書面づくりを行っていく必要があります。国からの自治体向けマニュアルを参考にするのはもちろんですが、将来のオンライン申請も考慮し、迅速に対応できるよう、今から庁内の意識を統一し、準備を進めるべきと思いますが、市長はいかがお考えでしょうか。 市民が提出する書類以外に庁舎内で使用する書類、いわゆる内部決裁の押印廃止も検討すべきです。内部決裁の押印については、電子化が進み、押印の必要はなくなっている決裁もあると伺っていますが、この機に押印必須書類以外は廃止すべきと考えます。 民間でも昨今のテレワーク推進の中、押印するために出社するのはナンセンスであるとの考えの下、内部手続に関する押印は廃止していく方向であります。折しも年明けにはテレワーク端末315台を導入し、自席以外での勤務環境の整備を図り、情報共有や決裁処理等の業務を行えるようになります。 本市においても内部決裁書類の押印は廃止し、テレワークにも対応できるよう電子決済とペーパーレス化の対応をさらに進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 三つ目の取組として、デジタル・ミニマム社会の必要性について伺います。 デジタル社会の到来とともに、積極的に取り入れていくべき概念がデジタル・ミニマム社会の構築です。デジタル・ミニマム社会とは、誰でも使えるICT社会のことであり、具体にはデジタル技術を敬遠しがちな高齢者や身体的に扱うことのできない障害者など、デジタル社会に貢献したくても参加できない方たちを取り残さない取組であります。 例えばオンライン手続の画面上の入力欄を大きくしたり、音声での入力をサポートする仕組みを行い、極力難解な用語は平易な言葉に置き換えることを心がけ、弱い立場の人に目線を合わせていくよう取り組むことです。 このように便利で使い勝手のよくなるデジタル社会の到来と同時に、そうした恩恵は分け隔てなく誰もが使える情報通信技術の提供を目指し、情報格差、デジタルディバイドを生み出さないようにすべきです。本市でも今年4月に経営企画部内に設置されたデジタル・ガバメント推進室が積極的に本市行政の効率化を図っております。 そこで、伺います。 市長理念にも合致し、仁のごとく親しみや相手を思いやる気持ちも包含したこのデジタル・ミニマム社会の概念を、本市デジタル・ガバメント推進の際には積極的に取り入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 次に、職員の表彰制度及び能力や人材の活用について伺います。 今回のコロナ禍は、我々市民全員が経験したことのない未曽有の影響を与え、経済は大きく低迷し、日々の生活を根底から覆す結果となりました。政府としても、戦後初めてとなる緊急事態宣言を発出し、失われた日常を取り戻すべく、様々な施策を展開しました。 本市としても、市長を先頭に誰も一人にさせないとの思いの下、感染症拡大から市民を守るべく速やかに様々な取組を行ってきました。個人向け、事業者向けの経済支援として、国から度重なる事務を受託し、本市独自の経済支援策も迅速かつ正確に、お困りになっている方たちにお届けすることができました。もちろん問題や課題等もありましたが、誠実に取り組んできたことは、市民一人一人の胸に刻まれております。 それらの取組を市民のために日夜朝暮、業務に当たられたのが本市職員の皆さんです。通常業務にプラスして、経験則のない対応に迫られ、前例のない取組を考え出し、誰も取り残さないとの決意の下、対応に当たられた姿は想像に難くありません。 まず、今回のコロナ禍において、陰に陽に奮闘されてきた職員に対し、市長の率直な思いをお聞かせください。 本市では、そのような市に貢献された職員に対し、職員表彰規則にのっとり表彰を行う制度がある一方、時代の変遷から、新たに経営企画部所管で「YOKOSUKA Invention&Good Action アワード」と称して、職員の政策立案、遂行能力の向上を図るため、市政の推進に多大な効果や貢献があった取組について、表彰する制度を2018年度に創設しました。 表彰の基準として、本市に有益な研究や発明を遂げたものなどを扱うインベンション部門と、全国初の取組や本市のイメージアップに多大な貢献があったものなどを扱うグッドアクション部門があり、各部局から推薦を行い、事前審査を経て、市長、副市長による審査を行い、部長会議で表彰状を授与しています。 2018年度は、インベンション部門として、経済波及効果分析ツールの開発が表彰され、グッドアクション部門として、ポケモンGoイベントの開催、終活支援の取組や在宅医療・介護連携推進事業、そしてトロピカルディスコイン猿島の開催など、4件が表彰されました。 2019年度のインベンション部門はなかったものの、グッドアクション部門として、2件の取組が表彰されました。また、新たに努力賞が設けられ、6件もの取組が紹介されました。 このアワードでは、推薦者は全職員となっており、対象は自薦、他薦を含め、全職員はじめ課や係も対象となっておりますが、自ら手を挙げるには難しい状況と聞いております。また、選定基準が曖昧で、該当しているか判断しづらいことがその要因になっています。 そこで、市長にお伺いします。 市に貢献された職員を広く内外に周知すべく、表彰の基準を明瞭化し、被表彰者を部長会議での表彰のみならず、市ホームページや広報よこすか等に公表してはいかがでしょうか。 また併せて、表彰状授与だけではなく、本市消防表彰条例や他都市でも採用されているような賞与、または記念品の授与も行ってはいかがかと思いますが、市長の御所見を伺います。 本年の未曽有の状況の中、コロナ対策以外で活躍された職員も忘れてはなりません。今年1月初旬に地域情報誌に当時こども健康課長であった疾病予防担当部長の功績が掲載されました。全国を対象に行われている母子保健推進会議会長表彰を受賞されました。およそ20年来にわたる母子保健活動の功績が認められ、横須賀市内では初めての表彰となったそうです。 表彰は昨年11月7日に行われ、12月17日には市長記者会見で発表もありました。当時、市長も我が市が誇るべきこども健康課長や母子保健分野に関して日本のスペシャリストになるのではないかなどと賛辞を送られていました。 また、5月には3名の職員が一般社団法人を立ち上げました。地場産の商品開発や販路拡大、人材ネットワークの構築などを業務内容とし、熱い思いを持つ人の思いを実現させることを業務目的に事業を推進しています。 本来であれば、地方公務員は原則として営利目的の副業はできませんが、任命権者の許可を得れば、時間外に限って許されるものであり、3人は市長に直談判し、承諾を得たそうです。今後は教育、社会福祉、人材育成に力を注いでいきたいと伺いました。 ただいま紹介した方たちは、ほんの一例にすぎず、ほかにも多くの職員が職務や地域で活躍しております。 今回は二つの事例を挙げさせていただきましたが、多くの職員が職務や地域で活躍していることについて、改めて市長の率直な思いをお聞かせください。 今、事例を挙げさせていただいた職員の法人設立にも通じるところがありますが、神奈川県は県職員の地域活動参加や兼業を促進するため、庁内規制の要件を年内までに廃止する予定と伺いました。 さきに述べたとおり、地方公務員の兼業禁止は、地方公務員法第38条で明記されており、例外的に任命権者の許可を得れば可能であるとされています。 加えて、神奈川県では公益性や研修効果の判断、公共性の高い活動以外での謝礼や報酬の辞退など、県独自の要件を設けています。 このたび県は、法令を遵守した上で、県独自要件の廃止に着目し、謝礼や報酬などについても額が常識の範囲内であれば受領できるようにし、併せて許可手続も人事課決裁から所属長権限で許可できるよう簡素化する予定と伺っております。 こうした規制緩和により、地域団体の役員やスポーツ活動の審判などを行った際、謝礼や報酬が発生するがゆえに、活動を辞退するようなことを防げるのではないかと考えます。こうした取組は全国でも広がりつつあり、消防団や自治会などの地域活動の担い手不足の解消の一助になるものと考えます。 地域活性化に本市職員の多彩な能力や人材を生かすため、本市にとってもこのような取組は必要かと考えますが、市長の御所見を伺います。 以上で1問目を終わります。 ○議長(板橋衛) 理事者の答弁を求めます。上地克明市長。     〔上地克明市長登壇〕 ◎市長(上地克明) まず、マイナンバーカードの迅速な交付についてです。 マイナンバーカードの申請件数は、近年安定していて、令和元年度は月平均約1,500件で、申請から交付まで1か月程度という状況でした。ところが、今年度に入り、特別定額給付金の電子申請が始まったことを契機に、一気に申請数が増え、5月では6,000件を超える申請があり、以降、3,000から4,000件台で推移しています。 そのため、マイナンバーカードの申請から交付までに2か月を超える期間を要してまいりました。物理的な制約から、窓口を大幅に増やすことは難しいですが、職員の能力が上がったことや会計年度任用職員を増員するなどを行い、現時点では7週間程度へ短縮することができ、今後もより迅速なカード交付に努めてまいります。 次に、押印が必要な申請書類の総数及び根拠別の数について、2問合わせて回答いたします。 令和2年11月1日現在で本市における押印が必要な申請書等は全体で約2,400種類あります。このうち国や県の法令等で押印が義務づけられているものは約900種類あって、これ以外の市単独で押印の見直しが可能なものは約1,500種類あります。 次に、庁内の意識統一についてです。 将来を見据えたオンライン化の推進は、市民の利便性の向上や行政内部事務の効率化にもつながるために、職員全員がそのことを理解し、共有することは当然のことだと考えています。申請書のオンライン化は、そのための手段の一つとなりますが、国が現在作成している自治体向けのマニュアルが発信されたタイミングですぐ見直しができるよう、準備を進めてまいります。 次に、電子決済とペーパーレス化についてです。 コロナ禍の状況において、電子決済とペーパーレス化の必要性は、多くの職員がその重要度を認識したと思っています。職員の意識が変化したこのタイミングを逃さずに電子決済、ペーパーレス化を推進し、内部事務の一層の効率化を進めてまいります。 次に、デジタル・ミニマム社会についてです。 私もデジタル行政を推進する上でデジタル技術になじめない方々を決して取り残してはいけないという強い思いがあります。新たなデジタル技術を市民が利用される際には、職員が市民に寄り添いサポートすることで、誰もがデジタル化の恩恵を受けられる横須賀を目指してまいりたいと思います。 次に、コロナ禍で奮闘する職員への思いについてです。 最前線で努力を続ける職員には感謝をいつも感じています、あまり褒めたくはないのですが。このコロナウイルスという未曽有の脅威に不安にかられ、生活に困窮している市民の声が日々私の耳には届いています。こういう状況の中で、市民のために職員が何かをするというのは、ある意味で当たり前の話だと個人的には思っています。 人のために尽くしてお金をもらえることほど幸せな職業は、私は個人的にはないと思っています。今こそ職員が一丸となって、その思いにもう一度立ち返って、市民のために何ができるかを考える時期に私は来ていると思っています。ここに書いてあるようには読みませんが、今思っています。今こそ職員が一致団結して、難局を乗り切っていくために、大きな試練を与えられている時期だというふうに思っています。褒めるという以前に、与えられた職務を遂行することが本人たちの幸せ、職員の幸せ、公務員の幸せにつながると確信しています。 次に、職員表彰制度について、2問合わせてお答えします。 御質問いただいた表彰制度は、私自身がこれまでの政策提案制度に違和感を持っていた中で、画期的な取組を実現させるなど、頑張った職員をたたえたいという思いで始めたものです。これまでに例えばポケモンGoのイベント誘致といったものから終活支援、滞納催促による市税の収納率向上といった幅広い取組を表彰しています。仮に議員御指摘のような応募しにくい状況があるとするならば、ぜひ改善していきたいと思っています。 また、表彰者の公表の方法につきましても、ホームページなどで公開し、市政に貢献した取組を対外的にPRしていきたいと思っていますし、記念品の提供につきましても、今後のさらなる活躍への期待を込めて、ぜひ検討していきたいと思います。 次に、活躍している職員への思いについてです。 職員が積極的に外に出て、地域の課題解決に向けた取組を行っていることは大変喜ばしいというのが、これが率直な私の思いです。自ら地域に出ていく気持ちを持つ職員が一人でも多くなることは私も強く望んでいるところです。今後も多くの職員が職務や地域で活躍できるよう、意識啓発や環境整備に努めてまいりたいと思います。 次に、職員の能力を生かすことについてです。 職員が地域に出て、個々の知識や経験を生かして、地域の活性化に貢献することは大変意義深いものであると認識しています。本市では、職員が地域活動に積極的に参加することを後押しするために、許可申請しやすくする観点から、活動事例を示しながら、許可基準を公表したところです。 本市では、神奈川県のように公益性や研修効果の判断、報酬の辞退といった独自要件をもともと設けていませんし、今後、基準の公表や活動事例を示したことにより、職員が申請しやすくなり、活動が促進されるものと考えています。地域活動への参加を希望する職員が公務外でも積極的に参加できるよう、取組をより一層推進してまいりたいと思います。 ○議長(板橋衛) 二見議員。 ◆5番(二見英一) 市長、御答弁ありがとうございました。全体的に前向きな御答弁をいただきましたので、2問目は確認の意味で質問させていただきたいと思います。 まず初めに、マイナンバーカードの普及でございます。 直近で人員体制の強化を行った旨の御答弁だというふうに思いますが、現在の待ち時間、約2か月間を1か月に短縮するのは相当大変なことで、さらにそれを1週間でも3日でも縮めていくというのは、さらなる工夫が必要ではないかというふうに思います。 本市は、先ほど1問目で挙げた近隣市よりかは、待ち時間は短いとはいえ、国は交付率アップのために様々な施策を展開していく。このままでは一向に待ち時間が短縮していかないのではないかというふうに思いますが、市長、いかがお考えでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 市民部長から答弁させます。 ○議長(板橋衛) 小貫和昭市民部長。 ◎市民部長(小貫和昭) 現在は休日交付、月に1回だけ行っておりますけれども、この回数を増やすなど、またやはり人員、何といってもカード設定というのは、この御時世になっても人的作業ですので、それについては人手が必要になります。さらなる人員の充実と、なるべく早くカードをお渡しする、そこがはけないから、通知もできないという、少し悪循環に陥っておりますので、そのような体制を取りたいと思っています。我々の目標としては、年度内にはまた1か月程度に戻せればいい、そのつもりで頑張っています。 ○議長(板橋衛) 二見議員。 ◆5番(二見英一) そうした中、先月の10月27日には総務大臣から通知が来ています。恐らくこういった形で交付率が上がってくるので、体制を強化してくださいという旨の内容で、商業施設での出張申請受付などを積極的に実施することであるなど、窓口の人員増や夜間、土日の対応など、こうしたような交付体制の拡充をするような通知、書簡がこういうふうに届いてきている。 先ほどもお話をしましたが、マイナポイント延長ということで、そういった方針も出ておりますし、そうした前後で申請数の増減はあるかもしれません。国としても2022年度末までに全国民にマイナンバーを行き渡らせたいというような形で、先ほども言ったとおり、様々な取組、最近ではスマートフォンの中にマイナンバーカードを取り込むなど、そういったような様々なことを仕掛けてくる。恐らくなかなか交付率というのが下がってこない、このまま横ばいか、もしかしたらもっと増えていくかもしれない。こうしたようなことを、体制の強化というのがまた必要になってくるというふうに思います。 いま一度確認しますが、交付処理体制は自治体の裁量にもなってきますので、正確かつ迅速な交付をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) そのように努めてまいりたいと思います。 ○議長(板橋衛) 二見議員。 ◆5番(二見英一) ありがとうございます。よろしくお願いします。 次に、押印の種類の数と押印廃止に向けた庁内の意識統一について合わせて再質問させていただきます。 国からの自治体向けマニュアルは、いつになるか分かりませんし、それが来てから着手したのでは遅過ぎて、ばたばたしてしまうのは想像できてしまう。そうした中で、短期間でこれだけ多くの数を精査していただいてありがとうございます。2,400種類、市単独で1,500種類あるということで、近隣市を見てみると、相模原市より少し多いぐらい、かなりの申請書類があるだというふうに思いました。 これらの数を短期間で精査してもらうのは本当に大変だったというふうに思いますが、今回質問した趣旨は、あくまで押印廃止ありきではなくて、その先の将来、電子申請やオンライン化という目的に向けて取り組むべき目標を定めた、このことについての質問の趣旨でありました。 また、押印廃止は、先ほど市長も御答弁されていたとおり、手段にすぎませんので、これを行ったから終わりではなくて、その先の利便性や効率性というのを考え出していかなくてはならないと思います。横須賀市は押印の取扱いに関して、こういう方向で行くから、すぐにでも着手しておけるよう準備をしておきなさい、こうしたような市長の旗振りが必要ではないかと思います。 この後、質問した内部決裁の押印廃止もそうですし、さきに質問したマイナンバーカードの普及と併せて、相乗効果が出せるように取り組んでもらいたいと思います。これらは全部局にわたることですし、庁内の意識を高めて、呼吸をがっちりと合わせて、全集中で取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 二見議員の熱い思いを聞かせていただいて、おっしゃるとおり全集中していきたいと思います。私ももともとなぜ役所に来なければいけないか、なぜ書類が要るのかということもよく分からない、今でも。何で様々な書類を申請しなければいけないかということ自体も、アナーキーだからよく分からないので、できる限りそんなものは簡素化して、できる限り簡単にして、もちろん公正、公平でなければいけないけれども、というところに行けば、市民も、あるいは国民も、公務員もみんな幸せになるのではないかといつも単純に考えているのです。 ただ、行政というのは歴史的な経緯が、流れがあるから、仕方ないと思います。これはデジタル・ガバメントの一つなのだけれども、押印廃止を通じて、様々な申請書類の、そこに進んでいくということが、ある意味ではみんなが幸せになるときの一つの大きな手段だというふうに思っていますので、全身全霊を上げて、集中して、二見議員とともに進めてまいりたいというふうに思います。 ○議長(板橋衛) 二見議員。 ◆5番(二見英一) 市長の全集中いただきました。 次に、内部決裁の押印廃止でございます。 これは職員の働き方改革にもつながってくるのだと思います。紙の資料を添付して、提出しなければいけない。だから、結局は出勤もしないといけない。これほどナンセンスなことはないと思います。 その点、横須賀市は以前から電子決済については先進的に取り組んできました。そして、それをいま一度推し進める。ぜひとも前へ前へと進んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 前へ前へ進んでいきたいというふうに思いますが、あまりスピードが速過ぎると大村議員に怒られますので、いろいろな方の相談を受けながら、周りを見ながらやりたいというふうに思っています。 ○議長(板橋衛) 二見議員。 ◆5番(二見英一) 分かりました。 次に、デジタル・ミニマム社会についてです。 これに関しては、本市のデジタル・ガバメント推進の骨格になってくるのではないかと思います。デジタル化が進展する一方で、デジタル機器のサービスがうまく活用できないと日常生活で不便を被ってくる。文字どおり情報格差、デジタルディバイドが生まれてしまう。 ここで重要となるのが、最低限度のICTを活用できる環境を保障する、先ほど言ったデジタル・ミニマムという考え方と具体的な取組です。国は今年度から高齢者を対象にスマートフォンの講習会などを行う実証実験を全国11の地域で実施していくと伺っております。これは大手携帯電話キャリアなどは独自に行っているところもありますし、実際には行っている自治体もあるというふうに聞いております。 そうした中にあって、行政は1問目でも挙げた取組や、今度は顔や指紋、こうしたような生体認証による本人確認という研究も必要になってくるのではないかというふうに思います。本市のデジタル化推進の顔とも言うべき本市のホームページも、そうしたような環境に対応していくべきではないかと思います。 近隣の川崎市は、公式ホームページを誰でも便利に利用できるようにデジタルディバイドにも配慮した日本工業規格である、少し難しいです、JIS X 8341-3:2016、これは高齢者・障害者等配慮設計指針という日本工業規格であって、要は公共機関が利用する最高レベルのAAに準拠している、ウェブアクセシビリティーにも十分配慮しているそうでございます。 こうした細かいことからかもしれませんが、積極的に環境の整備と配慮をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 市長室長から答弁させます。 ○議長(板橋衛) 井上透市長室長。 ◎市長室長(井上透) 議員がおっしゃったように、我々だけが先行して、市民が置き去りにされることはなくさなければいけないと思っています。その中で今、我々のほうでいろいろ市民に対してツールをやるのは、ホームページがメインであって、今、LINEなど、いろいろなことをやりますけれども、その部分についてはしっかり市民が理解できるような形で進めていかなければいけないと思いますので、見やすさや、使い方などというのは今後しっかり研究していきたいと思います。 ○議長(板橋衛) 二見議員。 ◆5番(二見英一) よろしくお願いします。 続いて、二つ目のテーマ、職員についてです。 コロナ禍における職員に対する御所見と、職務や地域で活躍していることに対する率直な市長の思いをお伺いいたしました。未曽有の中で、職務に対する激励や二つの事例、そして職員全体に対する質問になってしまいましたが、率直な思いをお聞かせしていただきありがとうございました。 労をねぎらうお言葉と同時に、本市職員はまだまだこんなものではない、まだまだやれる、もっと活躍できるはずだと感じられる思いがいたしました。先ほどの御答弁、厳しくも温かい思いを、できれば本市職員、関わる全職員に聞いてほしいというふうに思います。こういったことをあえて議会からお尋ねしないと、なかなか表現できないものですから、あえてお聞きしたことをお許しください。 でも、今年は特別な年になりましたし、本当に大変だったと思います。これからが正念場のところもありますので、市長もいろいろな思いやわだかまり等あるかもしれませんが、この難局を市長を先頭に前へ前へ進んでいかなくてはなりませんので、よろしくお願いします。御所見がありましたらお願いします。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 職員というのは、イレギュラーに慣れていない、いつも言うように。私はイレギュラーだけで生きてきた人間だから、レギュラーの中で生きるということと、イレギュラーで生きた人間と温度差、感覚など、価値観は違う。私がここにいるのも、多分イレギュラーな時代だからこそ、つまみ上げられたのだというふうに思っているので、こういう状況にとって、人としての価値が問われると思っている。それは職員というだけでなくて、人間としての価値を問われる。そういう時代に私は入っているのだろう。 改めて、公務員、職員というのは何をしなければいけないかという原点に立ち戻るべきだといういいチャンス。コロナ禍で災い転じて福となす。新しい社会の流れの中で公務員の在り方というのは、それぞれが考えていかなければいけないというふうに思っているのです。 高橋議員がおっしゃったように、褒めることなど、いろいろな方法はあると思うのですが、個人がどのように捉えるかという、私は自立というのは、自分を律するのではない、自分で立つ時代だと思うのです。それは職業観などではなくて、そういう時代を迎えたのではないかというふうに実は思っているのです。その上で今何ができるかということを職員一人一人が考えるべきだというふうに思っています。 感謝という意味では、仕事をするのは当たり前だというふうに思っているのです。たくさんの人が貧困で困窮であえいでいる。医療従事者は命がけで頑張っている中で、公務員は改めて何か役割というのは、自分、あるいは個人として、何かできるのではないかという本当にいい考える環境になったというふうに思っています。 その意味で、こういう言い方はおかしいのですが、首にはならないという、信賞必罰はないという中で、レギュラーで生きてきた公務員が、このイレギュラーの時代をどうやって考えて、どうやって生きていくかというふうに私は問われている時代で、ある意味では大きな試練というより、大きな私は喜びと感じなければいけないというふうに実は思っているのです。こんなことは言わないけれども、言いませんけれども、それは理解してもらいたいという思いでいます。 私が言っていることはすごく厳しいので、多分理解されないところもあると思うのですが、こういう逆に言ってくださったので、ぜひそうやって横須賀の職員だけはそうなってもらいたい。天地がひっくり返っても、横須賀の職員は職員、人間たらしめてもらいたいという思いから、実はこういう話をさせてもらっているのです。 ですから、今後もどこまでコロナが続くか分かりませんが、改めてこういう状況の中で自分たちがいるという認識をして、市民のために一生懸命というか、新たな自己実現のために頑張ってもらいたいというふうに思っています。 ○議長(板橋衛) 二見議員。 ◆5番(二見英一) 災い転じて福となす。本当に考え直す、そういったような年になったのではないかというふうに思います。 次に、アワードについて伺います。 前の質問にもつながってくるのですが、せっかくいい表彰方法をつくったのですから、市民や議会にも公表してもらいたいと思って質問いたしました。 一方で、日本人の気質上、周囲から目立たないようにするなど、自己主張に慎重な性質があるのも理解できます、私のように。そうでない方もいらっしゃいますけども。しかし、よいことをしたのだから、よい評価をするのは当然だと思います。先ほどの高橋議員のサンクスカード、そういったような褒める文化、非常に聞いていて、いいなというふうに思いました。 ならぬものはならぬという精神がありますが、よいものはよいという姿勢でぜひ評価していっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(板橋衛) 上地市長。
    ◎市長(上地克明) よいものはよい、ならぬものはならぬというタイプなのですが、あまりよいものはよい、あまりよいものが出てこない。私はお金をかけないで、知恵と、それから思いと何か変えていくということが大切で、そういうふうになっていってもらえばというふうに思っているのです。職員は優秀で、方程式は解けるのですが、前提をつくらないから、クリエーティビィティーに欠けている。でも、何か一つ命題を与えて、解決すると、同じようなことというのはどんどん解決できるという習性、だからつまりレギュラータイプ。 イレギュラーなときにどういう知恵を働かせるか、どういう思いでどういうふうに変化していくかということが大切なのであって、あるいは人の気持ちに寄り添った、あるいはそういうことが自発的になったときには、幾らでも褒めたいし、幾らでも何かしてあげたいというふうに私は思っているのですが、多分皆さんと褒めるところの価値観が違うので、私にとって大切なのはそういうことなので、恐らく職員にとってもそういうことが私は大切なのだというふうに思っています。できれば今言ったようなことを考えながら、先ほど話したように、コンピテンシーモデルでなくて、市長流の物差しの中でサンクスカード、何らかのインセンティブではないけれども、そういうことができればというふうに考えます。 ○議長(板橋衛) 二見議員。 ◆5番(二見英一) 分かりました。 それでは、最後になります。いよいよ最後でございます。県の庁内規制の緩和について。 本市は県ほどの内規ではない、そういったような高い規制はかかっていないという御答弁だったというふうに思います。細やかな規定は別として、県の考え方はいいと思って、質問させていただきました。 全国的にも消防団や自治会役員など、担い手不足が叫ばれている現在にあって、もちろん職員を強要するものではありませんが、自ら積極的に参加してもらえるような環境を提供するのはいい取組だと感じました。 どんどん地域に参加していって、その土地を知ってもらって、その人たちと関わって、自らの経験値を増やしていけるような庁内における環境整備というのを市役所が関わってくれたらいいと思って、質問させていただきました。 最後になりますが、そうしたことを全部ひっくるめて、市長の御所見を伺って、質問を終えたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(板橋衛) 上地市長。 ◎市長(上地克明) 先ほどの続きなのだけれども、職員は潜在能力がすごく高いと思っているので、自ら初めからリミッターをかけてしまっているというところ、それは前提条件があるから、法律など守らなければいけない、それを外す作業というふうに私は思っているのです。それは喜びであり、感謝だというふうに思っているのです。信賞必罰がないでしょう、公務員は。だから、先ほど褒められるということよりも、感謝や、喜びをどういうふうに感じるかというところを開拓していけばいいと思っているのです。 だから、インセンティブを与える。つまり自由に事業をやるなど云々ではなくて、そういうものは何があるかというふうに実は考えていまして、ボランティアでもいいし、積極的に町内会に参画するのもいいという中で、今みたいなことを行っていければ、あらゆる手段を実はこれから考えていきたいというふうに思っています。その意味では前へ前へ進んでいきたいと思いますので、御理解いただければと思います。(拍手)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(板橋衛) お諮りします。本日の会議はこれで延会したいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(板橋衛) 御異議ありませんので、本日は以上で延会することに決定しました。 なお、次回は11月30日午前10時から会議を開きます。 本日はこれで延会します。            午後6時45分延会---------------------------------------                      横須賀市議会議長  板橋 衛                      会議録署名議員   ねぎしかずこ                      会議録署名議員   永井真人...