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令和 2年 第6回定例会-12月17日-09号

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  1. 川崎市議会 2020-12-17
    令和 2年 第6回定例会-12月17日-09号


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    令和 2年 第6回定例会-12月17日-09号令和 2年 第6回定例会 川崎市議会定例会会議録(第9日) 令和2年12月17日(木) 議事日程  第1   一般質問  第2   請願・陳情  第3   閉会中の継続審査及び調査について           ------------------- 付議事件  議事日程のとおり           ------------------- 出席議員 (57人)            42番  橋本 勝  1番  秋田 恵            43番  山崎直史  2番  重冨達也            44番  松原成文
     3番  大西いづみ           45番  大庭裕子  4番  松川正二郎           46番  勝又光江  5番  添田 勝            47番  井口真美  6番  三宅隆介            48番  石川建二  7番  浦田大輔            49番  岩隈千尋  8番  平山浩二            50番  織田勝久  9番  山田瑛理            51番  飯塚正良  10番  上原正裕            52番  雨笠裕治  12番  各務雅彦            53番  山田晴彦  13番  市古次郎            54番  沼沢和明  14番  小堀祥子            55番  花輪孝一  16番  吉沢章子            56番  石田康博  17番  月本琢也            57番  浅野文直  18番  田村京三            58番  大島 明  19番  鈴木朋子            59番  嶋崎嘉夫  20番  林 敏夫           -------------------  21番  春 孝明           欠席議員 (2人)  22番  川島雅裕            11番  吉沢直美  23番  河野ゆかり           15番  片柳 進  24番  本間賢次郎  25番  矢沢孝雄  26番  末永 直  27番  斎藤伸志  28番  野田雅之  29番  後藤真左美  30番  赤石博子  31番  渡辺 学  32番  宗田裕之  33番  押本吉司  34番  木庭理香子  35番  露木明美  36番  堀添 健  37番  田村伸一郎  38番  浜田昌利  39番  かわの忠正  40番  原 典之  41番  青木功雄 出席説明員               出席議会局職員  市長        福田紀彦      局長        宮村俊秀  副市長       伊藤 弘      総務部長      渡邉光俊  副市長       加藤順一      議事調査部長    石塚秀和  副市長       藤倉茂起      庶務課長      渡辺貴彦  上下水道事業管理者 金子 督      議事課長      鈴木智晴  病院事業管理者   増田純一      政策調査課長    堀江真樹  教育長       小田嶋 満     議事係長      大磯慶記  総務企画局長    大澤太郎      議事課担当係長   井汲真佐子  危機管理監     髙橋 実      議事課担当係長   浅野 洋  財政局長      三富吉浩      外関係職員  市民文化局長    向坂光浩     -------------------  経済労働局長    中川耕二  環境局長      斉藤浩二  健康福祉局長    宮脇 護  こども未来局長   袖山洋一  まちづくり局長   奥澤 豊  建設緑政局長    磯田博和  臨海部国際戦略本部長            久万竜司  病院局長      田邊雅史  消防局長      日迫善行  教育次長      石井宏之  監査事務局長    竹花 満 -------------------                 午前10時0分開議    〔局長「ただいまの出席議員副議長とも56人」と報告〕 ○副議長(花輪孝一) 昨日に引き続き、ただいまから会議を開きます。           ------------------- ○副議長(花輪孝一) 本日の議事日程を報告いたします。本日の議事日程は、お手元の議事日程第9号のとおりであります。(資料編94ページ参照)           ------------------- ○副議長(花輪孝一) ここで休憩をお諮りいたします。  お諮りいたします。暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(花輪孝一) 御異議ないものと認めます。暫時休憩いたします。およそ5分休憩いたします。                 午前10時0分休憩           -------------------                 午前10時1分再開 ○副議長(花輪孝一) 会議を再開いたします。  これより日程に従い、本日の議事を進めます。           ------------------- ○副議長(花輪孝一) それでは、 △日程第1の一般質問を行います。  発言を願います。28番、野田雅之議員。 ◆28番(野田雅之) おはようございます。私は通告に従いまして、一問一答で質問してまいります。  朝一番、本市にとってうれしいニュースに関連した若者文化の環境整備について伺ってまいります。人口流入が続く本市において、令和元年の川崎市の人口動態における年齢5歳階級別社会動態を見ると、若者世代に当たる15歳から29歳までの転入超過が著しく、若者が集う魅力ある元気なまちであることが分かります。昨年11月に策定された若者文化の発信によるまちづくりに向けた環境整備等に関する基本計画において、若者文化をより地域に根づかせていくため、若者文化の地域での理解向上と機運醸成を図るとともに、さらなる地域人材の発掘、育成につなげることを目的として、市が継続的な体験会を主催することが位置づけられました。そこでまず、今年度に入り各区において体験会をスタートしていますが、開催場所や回数、コンテンツ、参加者数等、これまでの取組状況と今後の見通しについて伺います。 ○副議長(花輪孝一) 市民文化局長。 ◎市民文化局長(向坂光浩) 若者文化についての御質問でございますが、若者文化の体験会につきましては、今年10月から開始し、主に子どもを対象として、これまで川崎、中原、高津、麻生の4区において、計画に位置づけられた9つのうち、各回2つのコンテンツを実施したところでございまして、残りの3区につきましても、来年3月までに開催を予定しております。これまでの体験会には延べ418名の方に御参加いただき、参加者からは、楽しかったなどの感想をいただいているほか、保護者からは、小学校の授業の中でも実施してほしい、子どもたちが気軽に練習できる場所があったらよいといった要望もいただいたところでございます。来年度につきましても、引き続き、若者文化の認知度の向上や地域における機運醸成を図るため、今年度の取組を検証した上で実施してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 野田議員。 ◆28番(野田雅之) そんな中、体験会でも体験できるブレイキンの世界最高峰1on1バトル「Red Bull BC One World Final 2020」が先月28日にオーストリアのザルツブルグで開催され、本市在住のプロダンサーでありますダンサーネーム「Shigekix」こと半井重幸さんが見事優勝、世界一の称号を手に入れました。半井さんの優勝は、日本人として2人目の優勝であり、加えて大会史上最年少優勝という快挙であり、本市にとって大変喜ばしいニュースとなりました。さらには、先週開催されましたIOC理事会において、2024年のパリオリンピックにおいて、ブレイキンが新たに種目として採用されることが決定をいたしました。それを受け、今週14日の月曜日、日本ダンススポーツ連盟は、クラブチッタにおいて記者発表を行い、半井さんや2018年のユースオリンピックの初代女王であり、平成30年度川崎市スポーツ特別賞を受賞された女性ダンサーの河合来夢さんなども参加し、機運を高め、報道などにも取り上げられたところであります。この一連の流れは、本市の溝口がブレイキンの世界的な聖地であることも相まって、本市にとって様々な面で大きな追い風になりますし、本市としてもより一層ブレイキンを支援し、まちづくりに活用していくことが重要と考えます。そこで、世界のブレイキン競技人口とそれを踏まえた本市の見解を伺います。 ○副議長(花輪孝一) 市民文化局長。 ◎市民文化局長(向坂光浩) 若者文化についての御質問でございますが、ブレイキンの競技人口につきましては、世界ダンススポーツ連盟の発表によると約100万人とのことでございます。本市におきましては、平成30年5月に開催された世界ユースブレイキン選手権や同年から毎年開催されている「インターナショナル ストリート フェスティバル カワサキ」などの開催に当たって、運営における助言や地域との調整などの支援を行ってきたところでございます。本市で育った人材が世界で活躍している姿を見た若者が、その人材の下に各地から集い、一緒に活動したり教えてもらったりすることで、さらにその若者が世界で活躍するといった好循環が市内で生まれており、半井氏はまさにその象徴でございます。このたび、ブレイキンがパリ2024大会の正式種目となったことで、より注目が高まることが予想されますので、これを好機と捉え、本市がブレイキンの盛んな都市であることを市民に広く知ってもらい、他のストリートカルチャーも含めて認知度を高められるよう市内で披露できる機会や市民が体験できる場の拡充に努めてまいります。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 野田議員。 ◆28番(野田雅之) 2024年開催のパリオリンピックの正式種目決定を好機と捉え、ブレイキンの盛んな都市であることや他のストリートカルチャーの周知、披露の機会や体験の場の拡充に努めるとのことでありました。ぜひ本市に縁のある世界トップレベルのダンサー、半井さんや河合さんの2024年パリオリンピックでの金メダル獲得を支援することはもちろんのこと、連携を取って、その経験や知見を生かしていただいて、オリンピック種目の世界的な聖地である本市が、若者が集い、振る舞うまちとして発展するよう取り組むことを要望いたします。若者が集い、振る舞うまちであり続けるには、トップレベルの方だけでなく、より一層裾野を広げていくことが必要であります。これまでの体験会の参加者の感想でも、小学校の授業で実施してほしい、子どもたちが気軽に練習できる場所があったらよいなどがあったとのことです。まさに市民への周知も含めた裾野を広げるための体験会でありますので、今後も継続して実施していただきたいと思います。本市にとって、オリンピック種目の聖地と呼ばれることは大変名誉なことであり、今後も聖地であり続けるために、溝口に限ることなく市内全域で機運の醸成を図るべきであり、例えば、初心者が気軽により身近なところで体験や練習ができる新たな施設の整備なども含めた環境整備についても、ソフト面の支援と併せて前向きな検討をいただくよう要望いたします。  続いて、以前から取り上げておりますフッ化物洗口をやらせていただきます。我が会派は、今年も年間を通じて、小中学校や幼稚園、保育園でのフッ化物洗口の導入を求めてまいりました。市立小学校等で導入を目指す初動の歯科医師会や学校側からの今年度末までを予定とした意見聴取について、9月の代表質問の答弁では、新型コロナウイルスの感染状況や各学校の感染対策の取組状況、歯科健診を含めた児童生徒の健康診断の実施状況などを踏まえながら、意見を聞く機会の持ち方や日程についての意向を確認した上で意見をお聞きするとのことでありました。それを受け、私の決算審査特別委員会の質問では、学校保健安全法施行規則により毎年度6月30日までに実施することが求められている健康診断の実施時期について確認し、今年度は感染症対策を行いながら年度末までに計画的に健康診断を完了させるよう通知し、各科目の最終実施時期をおおむね12月までに終了するとのことでありました。その際、一つの課題である歯科健診を終了する見通しが立った段階で意向を聞く機会の設置に向けた準備に入っていただくことを要望いたしましたが、その後の取組状況を教育次長に伺います。 ○副議長(花輪孝一) 教育次長。 ◎教育次長(石井宏之) フッ化物洗口の取組状況についての御質問でございますが、フッ化物洗口に関する課題や今後の取組の方向性についての意見を聞く場の設定などにつきましては、学校関係者や学校歯科保健に携わる歯科医師会の先生方とも情報共有をしているところでございますが、全国的にも新型コロナウイルス感染が収まっていない状況であり、各学校におきましては、引き続き新型コロナウイルスの感染対策に注力せざるを得ない状況でございます。今後につきましても、学校における感染対策に取り組むとともに、引き続き情報共有を図ってまいります。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 野田議員。 ◆28番(野田雅之) 新型コロナ感染症の収束が見えない中、感染拡大を最小限に抑えるべく、各学校や教育委員会の感染対策等、昨年まで全く必要のなかった多くの取組を求められていることは十分理解をいたしますし、この間のきめ細かな対応には敬意を表するところであります。とはいえ、まさに体内への入り口である口腔の良好な環境を増進する取組であるフッ化物洗口の小学校などの教育施設での導入は、大変有効であることは以前より訴えてまいりました。初動段階としては、学校関係者や学校歯科保健に携わる歯科医師会の先生方とも情報を共有しているとのことでありました。歯科医師会は以前より継続して導入を求めており、教育委員会から学校側への情報提供は、いずれ学校側にも導入の意義も含め理解が進む重要な手段の一つとなりますので、引き続き、特に学校側へは、丁寧にその有効性も含め情報の共有をお願いいたします。子どもたちの将来にわたる歯の健康や子どもの貧困対策、本市の小児医療費の助成削減にも大きく寄与するフッ化物洗口の導入決定を来年こそは決断いただくよう強く要望し、令和3年も引き続き早期の実施に向けて取り組むことを宣言して、次の質問に移りたいと思います。  それでは、過密化が顕著な特別支援学校について教育長と市長に伺ってまいります。文部科学省が令和元年度に実施した公立特別支援学校の教室不足調査によりますと、神奈川県の教室数の不足は、幼稚部、小学部、中学部、高等部、特別教室等を合わせ213室であり、全国ワースト2位との結果が出ております。当然、県内でも地域差があると思いますが、7区で唯一配置されていない幸区はもとより、今後も児童生徒の増加が見込まれる本市においては、その結果を重く受け止める必要があります。こうしたことを踏まえ、本年6月の代表質問において、市内の特別支援学校の過密化が顕著となり、その解消が喫緊の課題であることを指摘し、幸区新川崎地区に取得した新校予定地に隣接する、本市が残地補償を行う用地をその解消用地として、特別支援学校の設置義務者である神奈川県に働きかけ、喫緊の課題に対応する考えがないのか伺いました。その際の答弁では、特別支援教育における良好な教育環境を整備するため、新校建設予定地に隣接する用地の活用も含めて、あらゆる機会を捉えて設置義務者の神奈川県に働きかけるとのことでしたが、その後の具体的な取組について教育長に伺ってまいります。 ○副議長(花輪孝一) 教育長。 ◎教育長(小田嶋満) 特別支援学校についての御質問でございますが、本市の特別支援学校におきましては、特に児童生徒数の増加が著しい幸区、中原区への特別支援学校の受入枠の拡充を含めた新設等が喫緊の課題であり、本年6月に学校教育法上の設置義務者である神奈川県に対し、新川崎地区の新校建設予定地に隣接する用地について情報提供したところでございます。また、10月には、県教育委員会に対し令和3年度県の予算編成に対する要請の説明を行ったところでございまして、過密化、狭隘化の早期解消に向けた取組を進めるべく、11月には、県の教育長に本市の特別支援学校及び分教室等の状況を直接視察いただきました。県教育長には、今後も児童生徒の増加が見込まれるとともに、現在の受入枠も限界に達している状況等も説明し、課題の共有を図ったところでございます。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 野田議員。
    ◆28番(野田雅之) 県の教育長に本市の学校、分教室を直接視察いただき、課題の共有を図ったとのことでした。引き続き、熱心に県との課題共有をお願いいたします。それでは、令和3年度県の予算編成に対する要請書では、重点要請事項として、特別支援学校の受入枠の拡充についてが示され、その中で、市立特別支援学校の在籍者数はこの10年間で1.6倍に増加しているとしています。また、対象となる児童生徒の増加をはじめ、障害の重度重複化、多様化が進行する今、神奈川県への働きかけは行ってもらってはいますが、現在の市立特別支援学校にも早急な対応が求められており、今後のさらなる取組も求められますが、見解を伺います。 ○副議長(花輪孝一) 教育長。 ◎教育長(小田嶋満) 市立特別支援学校についての御質問でございますが、過密化、狭隘化した既存の特別支援学校等の環境整備も喫緊の課題であると認識しており、教育環境の改善を図るべく、限られた施設条件の中で、パーティションの設置などにより必要となる諸室を整えるなど、工夫しながら教育活動を進めているところでございますが、抜本的な解決には至っていない状況が続いております。在籍者の増加や障害の重複化等が進んでいるところでございますので、障害のある児童生徒一人一人の教育的ニーズに適切に対応できるよう、今後も教育環境の改善に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 野田議員。 ◆28番(野田雅之) それでは最後に、今後も過密化する現状を打破すべく、県立特別支援学校の新設や既存県立学校の増改築等を設置義務者である神奈川県に粘り強く求めるべきですが、市長の見解を伺います。 ○副議長(花輪孝一) 市長。 ◎市長(福田紀彦) 神奈川県への要請についての御質問でございますが、児童生徒がその障害の状態に応じ安全に十分な教育を受けるためには、特別支援学校を含む多様な学びの場を整備することが大変重要であると考えております。このため、今後予定しております神奈川県知事への要請活動を含めまして、引き続き、あらゆる機会を捉えて本市の特別支援教育が抱える課題解決に向けて強く働きかけてまいります。以上です。 ○副議長(花輪孝一) 野田議員。 ◆28番(野田雅之) 市長からは、今後予定している神奈川県知事への要請活動を含めて、引き続き、あらゆる機会を捉えて本市の抱える課題の解決に向け強く働きかけるとの決意をいただきました。ぜひその決意を継続していただいて、課題の解決に努めていただければと存じます。ぽっかりと空いた市内7区で唯一の空白地である幸区の課題解消も新川崎地区の有効利用なども含めてさらに働きかけていただきたく、要望をいたします。令和2年3月に示された神奈川県の特別支援教育のあり方に関する検討会最終まとめでは、川崎市を児童生徒の増加が顕著で、今後も一定の増加が見込まれる地域と認め、過大規模化、過密化を解消することを視野に入れ、市町村と連携し、特別支援学校を適切に配置していくことが必要であるとしていますが、対応は待ったなしの状況であります。ぜひ特別支援学校の充実した環境整備について、早期にさらなる対応を図られるよう要望いたします。終わります。 ○副議長(花輪孝一) 54番、沼沢和明議員。 ◆54番(沼沢和明) それでは、通告に従いまして、通告のとおりの順番で質問させていただきます。  初めに、マイナンバーカードについて伺います。市民からは、マイナンバーカードの発行が遅れている、発行までに時間がかかり過ぎるとの苦情が寄せられています。特別定額給付金マイナポイント付与等により今年度の申請件数が増加しているようですが、推移と申請数に対する交付残数を伺います。申請数が増加する中、交付可能枚数と交付残の処理に要する日数について伺います。さらに、発行後に受け取りに来られていないカード枚数と市民に対する対応を伺います。 ○副議長(花輪孝一) 市民文化局長。 ◎市民文化局長(向坂光浩) マイナンバーカードについての御質問でございますが、初めに、今年度の申請件数につきましては、特別定額給付金オンライン申請の影響等もあり、令和2年5月は、昨年度平均の7倍以上となる約3万件の申請がございまして、その後も2万件前後で推移し、10月末時点での合計は14万4,222件、これに対する交付残数は6万8,126件となっております。次に、交付残数の処理に要する日数につきましては、月の交付可能枚数の約1万8,000枚から算定いたしますと、3から4か月程度と想定しております。次に、現在、交付残数のうち受け取り予約がされていない件数につきましては約2万件で、カード受領の促進に向けた広報として、交付通知書の送付に併せ、交付手続を分かりやすく案内するチラシを同封しているところでございます。今後も、区役所と連携しながら、機会を捉え、案内はがきや市ホームページなど、様々な媒体を活用した取組等を進めてまいります。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 沼沢議員。 ◆54番(沼沢和明) 国では、12月29日から来年3月にかけて未取得者全員に申請用QR付交付申請書を送付する予定ですが、いっときに申込みが集中することにより、交付前設定や引取り予約がパンクしかねません。カードセンターや区役所等へのソフト・ハード面での体制強化が必要と考えますが、具体的な対応を伺います。 ○副議長(花輪孝一) 市民文化局長。 ◎市民文化局長(向坂光浩) マイナンバーカードについての御質問でございますが、初めに、地方公共団体情報システム機構からマイナンバーカードの未取得者宛てに送付される交付申請書の対象者数につきましては、国が指定する75歳以上の方や令和2年中に出生された方等を除き、抽出期日である9月24日時点におきまして99万5,810人でございます。次に、交付体制の強化につきましては、会計年度任用職員の増員、統合端末の増設などを行うとともに、マイナンバーカードセンターにおける委託事業者の体制強化、区役所における臨時交付窓口の開設を実施するなど、区役所と連携しながらカード交付が円滑に進むよう取り組んでまいります。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 沼沢議員。 ◆54番(沼沢和明) センターに機能を集約させたため、かえって発行、取得まで時間がかかるようになったと伺いましたが、センターが抱える未処理の枚数と主な原因、見解と改善に向けた取組を伺います。受け取り予約を廃止して、何日以降、いつでも区役所で受け取れますといった方策について、はがきだけのお知らせで済むようになりますが、取組を伺います。 ○副議長(花輪孝一) 市民文化局長。 ◎市民文化局長(向坂光浩) マイナンバーカードについての御質問でございますが、カードセンターにつきましては、休日、夜間におけるカードの交付拠点としてだけではなく、全市分のカードの交付前処理を全て担うことで、各区役所がカード交付に専念できるよう業務の効率化を図ることを目的に設置したものでございます。開設当初におきましては、新たな取組であり、不慣れであったことなどから、一時的に大幅に処理が滞留いたしましたが、応援職員の派遣や作業スペースの確保等により、交付通知書送付までに要する日数は開設前の状況まで改善しており、10月末時点での交付通知書未送付の件数は1万7,271件となっております。今後につきましても、随時、カード処理の状況等を把握し、カードセンターの機能強化に努めてまいります。次に、予約制を廃止することにつきましては、カードセンターの事務が一部簡略化されることから、処理の滞留解消が期待できる一方、交付場所が区役所に限られることによるサービスの低下が懸念され、また、現在、新型コロナウイルス感染症の拡大防止への対応が求められており、来庁される方の集中を抑止するなどのため、予約制は継続する必要があると考えております。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 沼沢議員。 ◆54番(沼沢和明) 受け取り予約や交付残が累積をして処理能力件数を上回ることにより、受取日時がますます先延ばしになっているようです。申請数に対して交付枚数が少な過ぎる要因と人員増による組織強化について加藤副市長に見解を伺います。 ○副議長(花輪孝一) 加藤副市長。 ◎副市長(加藤順一) マイナンバーカードの交付についての御質問でございますが、申請数に対する交付枚数につきましては、当初想定していなかった特別定額給付金オンライン申請の影響などによる申請数の急増が大きな要因と考えております。マイナンバーカードにつきましては、デジタル化推進の重要な要素であり、そのニーズはますます高まっていくものと認識しております。今後、QRコード付交付申請書の送付やマイナポイント申込みなど、さらなる申請件数の増加も想定されますので、円滑に対応できるよう交付体制の強化等について取り組んでまいります。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 沼沢議員。 ◆54番(沼沢和明) ありがとうございます。取組方、よろしくお願いを申し上げます。  それでは次に、川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例について伺います。市民からの救済申出が本年5月15日、6月16日及び19日にあったとされていますが、市民からは338件の申出があったにもかかわらず、市が削除要請したのはツイッター2件、削除済みなどで表示されていない7件と、ブログ・掲示板5事案45件にとどまった理由を伺います。 ○副議長(花輪孝一) 市民文化局長。 ◎市民文化局長(向坂光浩) 川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例についての御質問でございますが、諮問事項の内容につきましては、日本国憲法の保障する表現の自由との関係を踏まえ、過度に広範な規制は許容されないことから、条例の規定の要件を満たすものについて適切に判断したところでございます。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 沼沢議員。 ◆54番(沼沢和明) 審査会答申では、特定の市民を対象とする、早く祖国に帰れという趣旨の記載をした表現について行うことが適当、さらに、特定の市民を対象に、日本に寄生して日本を滅ぼす者として、日本から排除するという趣旨の記載をしたとして削除妥当との答申がありました。また、差別ツイート7件の概要の公表については、本格的に始末する必要があるという趣旨の記載、祖国へお帰りくださいという趣旨の記載、日本から出ていけという趣旨の記載、昆虫に例える表現、早く自分たちの国へ帰れという趣旨の記載に対して行うことが適当とされています。2回目5事案につきましては、拡散防止措置を行うよう求めていますが、特定市民を対象とする、早く日本から出ていけ、死ね、国にお帰りください等の投稿の削除が妥当と判断されています。  ディスプレーをお願いします。ちょっと小さくて見にくいんですけれども、差別の書き込みについては、同じ特定の市民の名を挙げ、在日が日本に寄生されても困る、汚い、さすが朝鮮人、汚い、帰ればよい、通名を使って活動している卑怯者は日本から出ていけ、川崎の何々一味もめった切りにしてほしいものです、不法に滞在して日本に寄生している外国人は朝鮮人も韓国人も中国人も全員強制送還すべき等、まだまだありますが、これらの書き込みについて市は審査会に諮問せず、現在もこのようにインターネット上での閲覧が可能になっております。本市においては、条例第2条第2号で引用されている、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律にある、本邦外にある国または地域の出身であることを理由としての一文を根拠にして、差別的言動に該当しない判断をしております。国の参考情報では、この定義においては、大きなくくりのものとして本邦外出身者を地域社会から排除することを扇動する差別的な言動という部分を規定したもので、典型的具体例として、本邦外出身者の生命、身体、自由、名誉もしくは財産に危害を加える旨を告知すること及び本邦外出身者を著しく侮蔑するなどと規定し、本邦外出身者を排斥することを告知することも定義に入るとの見解を示していますが、いまだインターネット上に残っている、先ほど示した言動に対する本市の見解を伺います。 ○副議長(花輪孝一) 市民文化局長。 ◎市民文化局長(向坂光浩) 川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例についての御質問でございますが、この条例の運用に当たりましては、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の内容が拡散することのないよう、差別防止対策等審査会からの答申概要を公表する際におきましても、十分に留意しながら対応してきたところでございます。したがいまして、個別具体の表現内容を前提とした上で本市の見解をお示しすることは適当ではないものと判断しております。いずれにいたしましても、諮問事項の内容につきましては、日本国憲法の保障する表現の自由との関係を踏まえ、過度に広範な規制は許容されないことから、条例の規定の要件を満たすものについて適切に判断したところでございます。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 沼沢議員。 ◆54番(沼沢和明) 条例第17条では、市長が該当すると認めるときに必要な措置を講ずるとありますが、いまだ個人名を出された差別的書き込みの疑いの強いものが拡散をされています。全ての市民の平和と安全を担保するのは政治の責任、議会も行政も市民を守るという観点で取り組まなければならないとの共通の思いから、全会一致で成立させた条例の趣旨であると考えます。市長は、憲法に保障された表現の自由に配慮して厳格に運用されているとの認識を示されていますが、条例の目的は表現の自由の保障のみならず、差別の根絶こそが主な目的であるべきであります。大阪高裁の判決では、表現の自由といえども無制限に保障されるものではなく、公共の福祉による合理的で必要やむを得ない限度の制限を受けることがあるなどとして、控訴棄却の判断が出されました。さらに14日、在特会が行ったヘイトスピーチに対して、最高裁は、侮辱より重い名誉毀損を適用して判決を支持したとのことでございます。市長は、事例の蓄積により、審査制度の向上と効率化を目指すとされていますが、実効性が担保されないならば、改正も含めて協議会や審査会へ諮問すべきと考えます。また、諮問されなかった書き込みの判断基準が分かりづらく、出身であることを理由としての文言に執着をして狭義に捉え過ぎていると考えますが、改めて、定義に関わる判断について、国等への照会も含めて十分に検討すべきですが、見解を伺います。 ○副議長(花輪孝一) 市民文化局長。 ◎市民文化局長(向坂光浩) 川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例についての御質問でございますが、諮問事項の内容につきましては、国が示した本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律に係る参考情報を踏まえながら、表現の自由に留意し、条例の規定の要件を満たすものについて適切に判断したところでございます。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 沼沢議員。 ◆54番(沼沢和明) この条例は、市長自らが先頭に立ち、外国ルーツの市民の尊厳を否定する差別的言動は表現の自由の範疇を超えていて許されないとの信念の下で提案された日本で最も先進的なものと考えています。ところが、現在の厳格過ぎる運用は当然としても、市民の差別被害を放置しないとの目的が果たされているとは言えません。過日、特定の川崎市民に対し、ツイッターで繰り返し名誉を損なう内容の投稿をしたとして、川崎区検は昨年12月、ツイッターで極東のこだまを名乗る男性を神奈川県迷惑行為防止条例違反の罪で略式起訴し、発表しました。川崎簡裁は同日、罰金30万円の略式命令を出したということでございます。市長は、地域社会から隔離され、誰からも声をかけられない、ひきこもり、障害者、外国人、一人暮らしの高齢者、こうした人を支援して地域社会に居場所をつくらなければ、社会の分断と格差はますます広がるでしょう、自治体の役割は小さくありません、住民と連携して誰も置き去りにしない取組を通じ、分断の流れに大いにあらがおうと思いますと述べられています。特定の市民を傷つける大量の差別的言動がいまだにインターネットに残り、拡散し、苦しみを放置する結果になってしまっていることは市長の本意ではないと考えますが、市長の見解を伺います。 ○副議長(花輪孝一) 市長。 ◎市長(福田紀彦) 川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例についての御質問でございますが、この条例の施行後、様々な御意見をいただいておりますが、差別防止対策等審査会への諮問に当たりましては、条例の規定の要件を満たすものについて、適切に判断したところでございます。今後も、日本国憲法の保障する表現の自由に留意した上で、慎重かつ丁寧に対応していく必要があると認識しておりまして、こうした点に十分配慮しながらこの条例を運用してまいります。以上です。 ○副議長(花輪孝一) 沼沢議員。 ◆54番(沼沢和明) 大阪市の条例では、公表が妥当であるか否かの判断にとどまらず、市民の申出を諮問する意見陳述の機会を設ける、氏名の公表まで踏み込んだものであります。制定から1年、諮問開始が本年7月ということで運用状況を見守らなければなりません。本来ならば、議会からの附帯決議に見直し案を入れるべきだったと個人的には考えておりますが、今後の改正についての市長の見解を伺います。 ○副議長(花輪孝一) 市長。 ◎市長(福田紀彦) 川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例についての御質問でございますが、今後も、表現の自由に留意した上でこの条例を適切に運用してまいります。以上です。 ○副議長(花輪孝一) 沼沢議員。 ◆54番(沼沢和明) ディスプレー、結構です。ソフトバンクグループ総帥である孫正義氏は、俺は小学生、中学生のときに自殺したいぐらい悩んだんだ、本気で自殺しようかと思ったぐらい悩んだ、それぐらい人間に対する差別というのはつらいものがあるのよと述懐され、なぜ僕があえて親族、おじさん、おばさん全員の反対を押し切って1人だけ孫と正式に名乗ったのか、そうやってつらい思いをしている在日の子どもたちに対して、1人でもいいから自分の先祖代々の名前を堂々と名乗って、様々なハンディキャップがあったとしても、それでもそれなりにやれるんだという事例をひとつ示したいと考えたから、それで希望を得る若者が1人でも、100人でも出れば、それは差別反対といって何かプラカードを出して言うより100万倍効果がある、差別反対なんて言わなくて、孫と堂々と名乗って、堂々と逆風の中で仕事をして、事業をして、それなりになれば、それはもう100万語しゃべるより、力説するより、そういう青少年に希望を与えられるんじゃないかと思って、俺はあえて名乗った、このように述懐されております。被害者にも希望を与えられるリーダーシップを市長に期待して、次の質問に移ります。  次に、GIGAスクール構想におけるデジタル教科書について伺います。今年度中に小中学生を対象にしたタブレット端末の配備と学校施設のWi-Fi化が完了する見込みと伺いました。文科省はデジタル教科書の普及を進めていますが、学校教育法で使用が可能になったものの、使えるのは各教科ごとに2分の1未満に限られています。そこで、無償配付されるのは紙の教科書との定めがあるようですが、一方で、教科書会社側は来春までに95%でデジタル版の発行が可能になるとのことです。デジタル教科書を導入する場合、費用は発生するのか、負担はどこが行うのか伺います。 ○副議長(花輪孝一) 教育次長。 ◎教育次長(石井宏之) デジタル教科書の費用等についての御質問でございますが、現在、義務教育段階の市立学校では、1人1台端末や無線LANネットワークなどのICT環境の整備とともに新しい学びへ向けての準備を進めているところでございます。昨年、国からデジタル教科書を授業で使用する際の基準が示され、各教科等の授業時数の2分の1未満に使用をとどめるとともに、紙の教科書も使用できるようにしておくことが定められたところでございます。来年度に向けましては、文部科学省の概算要求に一部の学年の一部の教科において、全額国庫負担でデジタル教科書の実証事業が盛り込まれておりますが、詳細なスキームが示されておりませんので、国の動向を注視しながら検討してまいります。本格的な導入につきましては、次の小学校の教科書改訂時期である令和6年度を見据え、国の有識者会議において検討が進められているところでございますので、その状況を引き続き注視してまいります。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 沼沢議員。 ◆54番(沼沢和明) 教科書無償措置法による国の負担での教科用図書の購入費は、年間約460億円で、デジタル教科書の想定はされていません。また、デジタル教科書からリンクした動画や音声の活用が必須となりますが、副教材扱いとなることから、新たな負担が生じることになりかねません。保護者に負担をかけるべきではありませんが、副教材等で発生する料金とそれに関わる新たな負担に対する見解と対応を伺います。 ○副議長(花輪孝一) 教育次長。 ◎教育次長(石井宏之) 附属教材についての御質問でございますが、デジタル教科書につきましては、附属教材と一体となって学習効果を発揮するものが多く、国において実証研究が進められているところでございます。費用負担につきましても、令和6年度を見据えた本格導入までの間に情報収集に努めてまいります。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 沼沢議員。 ◆54番(沼沢和明) インターネットからデジタル素材等を利用するに当たり、著作権等についての理解や扱いに不安が残っています。デジタル素材の利用に対する見解と対応を伺います。 ○副議長(花輪孝一) 教育次長。 ◎教育次長(石井宏之) 著作権等についての御質問でございますが、著作権等の適切な取扱いにつきましては、これまでも様々な機会を通じて周知を図ってまいりましたが、GIGAスクール構想の実現により、1人1台端末を用いて授業の中でインターネットを活用する場面がこれまで以上に増えることから、著作権等への配慮がより必要になると考えております。これまでの取組に加え、今年度発行予定のGIGAスクール構想のハンドブックに情報モラルや新たに想定される具体的な事例を掲載するなど、適切にデジタル素材を活用できるよう支援してまいります。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 沼沢議員。 ◆54番(沼沢和明) ありがとうございました。取組をよろしくお願いしたいと思います。  次に、市営住宅等ストック総合活用計画について伺います。小倉西住宅の建て替えスケジュールについてです。建築後40年以上が経過し、台所のシンクに劣化による穴が空いています。ディスプレーをお願いします。よく見えませんが、この丸いところの横に穴が空いている状態でございました。供給公社に連絡、水道屋さんが来て見積もったところ、シンクの交換が必要と言われ、8万円ほどの見積りだったそうです。高齢者の一人住まいで、建て替えが決まっている台所にとても払えません、ほかの住宅もシンクの下に洗面器などを置いてしのいでいるという業者の話でしたとのことです。現地訪問させていただきました。これは上の受けの丸い部分を外したところでありますが、調査したところ、確かにシンクの中央部分に穴が2か所空いて、そこから水が漏れている。ここのサイドのところです。本来ならば、ここにゴム製のパッキンがあって、それから先ほどのステンレスのカバーがあって、この下のシンクの受けを下からねじで留めるようになっています。私が行って、ハンダを使って穴を塞いで、コーキングをし、新しいシンク受けを交換したところ、今は水漏れがない、このように伺っております。こんな修理がなぜできないのか伺います。発注先に課題があるのではないかと思いますが、見解と対応を伺います。 ○副議長(花輪孝一) まちづくり局長。 ◎まちづくり局長(奥澤豊) 市営住宅等ストック総合活用計画についての御質問でございますが、小倉西住宅の建て替えのスケジュールにつきましては、令和8年度までに建て替え工事に着手する予定でございまして、本年度測量を実施し、令和4年度以降に建築や移転に関する基本計画を策定してまいります。市営住宅の修繕につきましては、流し台等、住戸専用部分の日常の使用に伴う一般的な修繕等は使用者の負担となっております。修繕に要する材料や工事方法については、設計性能を確保する上で必要な規格、仕様とさせていただいているところでございますが、建て替え等が具体的に計画されている住宅などについては、入居者の負担にも配慮しながら、状況に応じて応急的な修理等についても御提案できるよう、今後も引き続き川崎市住宅供給公社と対応してまいります。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 沼沢議員。 ◆54番(沼沢和明) これにかかった費用というのが、下のシンク受けの口径が小さいものでございまして、現在ならインターネットで1,300円程度で買えるものでございます。あと、ハンダごてとハンダさえあれば何とかしのげるのではないかなと思います。建て替えが決まっているところに過大な負担をかけないように、水道屋さんに関しましても、シンクを取り替えなければ駄目だなんていう考えを住民の方に説明をしないように、しっかり修理できる業者を選んで発注をかけていただきたいと思います。以上で終わります。 ○副議長(花輪孝一) 49番、岩隈千尋議員。 ◆49番(岩隈千尋) おはようございます。それでは、通告に従いまして順次質問をさせていただきますが、時間によっては5番と4番を入れ替えて質問させていただきたいと思います。  まず、コロナ禍におけるエッセンシャルワーカーのリスク管理について消防局長に伺います。昨日も、本市では最高の90名の新規感染者を数えたところでございますけれども、総理大臣も会食の件について弁明されるなど、様々な動きがあるところです。9月から10月において地元高津警察では、新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生をいたしました。最も多いときで130人が自宅待機となって、大幅に減った署員を支援するため、県警本部から1日当たり50名ほどを派遣し、治安維持活動が低下しないよう苦慮されたとのことです。これまで感染防止対策につきましては、国――総務省等からの通知を受けて、本市でも10月、11月と続けて総務企画局長名で依頼文書が各局へ発出されております。一部職員で軽率な行動もあったと地元から仄聞しておりますが、エッセンシャルワーカーを多く抱える消防局の感染防止対策とリスク管理の取組について伺います。 ○副議長(花輪孝一) 消防局長。 ◎消防局長(日迫善行) コロナ禍におけるエッセンシャルワーカーとしてのリスク管理に関する御質問でございますが、消防局におきましても職場における感染拡大を防止するため、換気の徹底、接触感染、飛沫感染の防止、健康確保措置など、感染防止対策を講じるとともに、日常生活におきましても感染リスクが高まるような行為を控えるよう周知しているところでございます。しかしながら、職員一丸となって新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでいるさなかにおいて、公務外とはいえ一部の職員に軽率な行為が認められたことなどから、各消防署の副署長を集め会議を開催し、コロナ禍におけるリスク管理等について再度徹底したところでございます。今後につきましても、引き続き新型コロナウイルス感染防止対策に取り組みながら、エッセンシャルワーカーとして市民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと存じます。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 岩隈議員。 ◆49番(岩隈千尋) ありがとうございました。ストレスを多く抱えるエッセンシャルワーカーの皆さんなので、オフで発散することは大いにやっていただきたいと思いますが、市民からも様々な御意見をいただいております。リスク管理については十分配慮するようお願いをしたいと思います。また、同じくエッセンシャルワーカーの区役所では衛生課や区民課がぎりぎりの状況で、区全体で応援体制を取るなど、今、いつ崩壊しても不思議ではない状況となってきております。また、国の分科会では5名以上の飲食の自粛を呼びかけ、総理も大人数の忘年会を開いたことに対して説明を求められたほどです。経済を回すことも大切でございますが、あわせて、社会機能を維持することが重要です。コロナが拡大する中で、改めて規律の確保を強く求めておきます。  次のテーマに移ります。次に、こども未来局の住民監査請求事案について伺います。6月の議会では、軽易工事における契約事務の適正執行として上平間災害倉庫解体撤去工事を取り上げました。所管局であるこども未来局長からは、住民監査請求が起こされ、監査委員から勧告という厳しい結果が下されたこともあり、事務手続の公平性及び透明性を確保し、市民から疑念を抱かれることのないよう適正な事務の執行を徹底していくとの答弁がありました。ところが、その後、監査への陳述と市長名で発出された監査結果に基づく措置での内容とこども未来局作成の調査報告書では内容に乖離が見られ、こども未来局の不確かな回答と不誠実な対応について、監査委員からは、遺憾であるとともに、こども未来局長からの回答については受け入れられないという前代未聞の文書が発出され、平行線のまま現在に至っております。まず、このようなやり取りは、私はもう議員を14年やっておりますけれども、聞いたことがありません。過去にこのような事例はあるのか、これは監査事務局長に伺います。また、こども未来局の回答について監査委員は受け入れられないとしていますが、どの点が問題箇所であったのか伺いたいと思います。 ○副議長(花輪孝一) 監査事務局長。 ◎監査事務局長(竹花満) こども未来局の住民監査請求事案についての御質問でございますが、初めに、監査委員からの勧告に基づき市が講じた措置について監査委員から疑義が発せられたことにより、その通知後に文書によるやり取りが行われた事例はこれまでなかったものと認識しております。次に、上平間災害倉庫外構撤去工事に関する調査報告書により、監査におけるこども未来局の説明は、工事の実施理由や実施箇所など基礎的な部分で事実と異なるものであったことが判明したものの、監査において事実と異なる説明をした理由は明確にされず、その後の照会、回答を通じてもこの点が明らかにされることはありませんでした。監査委員は、このような事態を放置すれば、今後の監査における市の説明の信頼性に対する疑念が生じ、監査手続に重大な影響を及ぼしかねないことから、当該回答は受け入れられない旨、通知を発出するよう指示したものでございます。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 岩隈議員。 ◆49番(岩隈千尋) ありがとうございました。大変手厳しい御答弁だと思います。画像をよろしくお願いいたします。ちょっと分かりづらいかもしれませんけれども、右側の園舎棟、増築棟を黄色い枠の仮設園舎に移設した話です。右側のやつを左に持ってきた話です。黄色いっぱいいっぱいに建てるわけなんですが、本来は倉庫と西側の外構、いわゆるフェンス、赤い部分を一括で契約して撤去を何でしないんですかというのが住民監査請求なんですけれども、この画像でも明らかなように、造るときに明らかに邪魔じゃないですか。誰が見てもこれは邪魔なんですけれども、こども未来局は複数の職員が現場を見ているにもかかわらず気がついていなかったということなんです。そんなことは実際あり得るんですかという話なんですけれども、また、倉庫についても、入札案件についても、軽易工事は250万円が上限ですけれども、それ以上で札を入れているといった、ここはいろんな疑義を含んだ場所ということになっております。  私もこれを6月の議会で取り上げた際に、当該職員にもヒアリングを行い、監査における陳述と同様の回答を受け取っております。ということは、議会の調査に対してもこれは誤った回答をしているということになります。監査からの陳述や議会からの調査前には、事前の確認や準備をして臨むのが当然と考えます。なぜ誤った認識のまま、陳述や議会からのヒアリングに臨んだのか反省点について伺います。また、監査から指摘のあった事項に対しては、当該職員が曖昧な陳述を繰り返しただけでなく、当局の調査報告書によると、最後は、記憶が不明瞭となっております。正確な回答もせず記憶が不明瞭ということでは、先ほど事務局長にお話しいただいたように監査の意味や意義を失います。監査からの指摘をどのように認識しているのか伺います。さらに、今後は監査からの指摘に対し誠実に回答するとともに、再発防止策が求められます。見解と対応をこども未来局長に伺います。 ○副議長(花輪孝一) こども未来局長。 ◎こども未来局長(袖山洋一) 住民監査請求事案についての御質問でございますが、今般の住民監査請求への対応につきましては、住民監査請求に対する市の考え方を作成するに当たり、組織的な対応が不十分であったことなど、説明責任をしっかりと果たすことができませんでした。所管課においては事務の執行に当たり、文書や記録の作成、保管の不備や業務の引継ぎ、職員間の情報共有が不十分であったにもかかわらず、市の考え方を作成するに当たっては、このような点を局として組織的に補うことができず、結果として不正確な陳述を行うこととなるなど、監査手続や対応において問題があったことを誠に申し訳ないと思っております。次に、再発防止についてでございますが、適切な記録等の作成、保管、職員間の情報共有や管理職等によるマネジメント等につきまして、11月の管理職会議において周知を図るとともに、12月上旬から規律の確保を目的に部単位での部課長による意見交換を実施し、また、下旬には局全ての職員を対象として研修を実施する予定としており、これらの研修等を通じて事務手続の公正性及び透明性を確保し、適正な事務執行の徹底を図り、信頼の回復に向けて取り組んでまいります。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 岩隈議員。 ◆49番(岩隈千尋) ありがとうございます。本件に関しては住民訴訟まで発展するに至っております。監査からの指摘に対して、今回のこども未来局のように曖昧かつ不誠実な回答を繰り返すことは、監査の存在意義に関わります。市長事務部局は、実務の責任者として再発防止に向けて適切かつ真摯な対応を図るよう周知徹底すべきではないでしょうか。伊藤副市長に見解を伺います。 ○副議長(花輪孝一) 伊藤副市長。 ◎副市長(伊藤弘) 再発防止についての御質問でございますが、職員は公務員として説明責任を果たすため、事実に基づき、誠実かつ真摯に対応することが必要であると考えております。これまでも機会あるたびに、市がその諸活動を説明する責務を果たすため、意思決定に至る経過や事務事業の実績を検証することができるよう文書は作成されるものであることや、服務規律の確保と公務員倫理の確立などについて周知を図ってきたところでございますが、職員一人一人へ浸透させ、全ての職員が公務を遂行する上で説明責任を果たすことができるよう努めてまいります。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 岩隈議員。 ◆49番(岩隈千尋) 大変丁寧に御答弁いただきまして、本当にありがとうございました。議会からも議選の監査委員を選出しておりますが、監査の指摘を通じて事務事業のリスクや課題を明確にし、各局の誤りの原因や仕事の進め方を見直すことが肝要です。伊藤副市長からは、職員は事実に基づき誠実かつ真摯に対応することが必要であるとの答弁でした。本年は市職員の不祥事が多発していることからも、内部統制に資する監査からの指摘については、真摯に対応するよう求めておきます。画像は結構です。ありがとうございました。  次のテーマに移ります。井田病院の光熱水費未請求及び誤請求、不祥事全般について伺ってまいります。これまで病院事業会計の誤り、行政財産使用許可書等の改ざん、捏造など、事務処理に係る不祥事については取り上げてきました。10月15日の記者レク後には、NHKで報道される不祥事にまで発展しております。画像をお願いいたします。この黄色い部分が未請求だったところです。これまで議会でも明らかになっております。緑が今日議論するところです。はてなが分かっていないところです。10月15日公表となっている右下の下から2番目が今から質問するところです。まず、さきの議会終了直後である10月15日に、レストラン事業者だけでなく喫茶店事業者への、上下水道料金の給水分未請求額の誤りについて報道発表及び記者レクが行われました。これについては調定を行い、同日、納入通知書を送付したものの、喫茶店事業者は、時効について病院局との見解の相違があるために交渉がまとまっておらず、支払いに応じておりません。喫茶店事業者との現状と今後の方向性について伺います。また、はてなの部分――レストラン、旧売店、新売店なんですけれども、ここについて、レストラン事業者への請求額誤りについては公表されたものの、レストラン事業者及び新旧売店事業者への請求額の不整合についてはまだ公表されておりません。これはまた新たな誤りが出てくるのか伺います。 ○副議長(花輪孝一) 病院局長。 ◎病院局長(田邊雅史) 喫茶店事業者への請求等についての御質問でございますが、初めに、事業者への請求についてですが、未請求の総額である4万420円について、10月15日に納入通知書を送付し、その後、事業者を訪問して納入のお願いをいたしました。しかしながら、納期限までに納入が認められなかったため督促状を送付したところ、12月9日に請求額の一部は令和2年12月1日時点において5年経過していること、5年を経過している2万1,926円については時効を援用すること、5年を経過していない1万8,494円については督促状の納期限である12月15日までに支払うとする通知書を、内容証明郵便により受領いたしました。現時点で1万8,494円の納入が確認できており、未納となっている分については催告し、法的措置も視野に入れつつ引き続き交渉してまいります。次に、上下水道料金の請求額の計算誤りについてですが、喫茶店事業者と同様に、レストラン事業者及び売店事業者への請求額についても誤りが生じておりました。そのため、レストラン分につきましては、他の未請求分光熱水費の額を算定する際に上下水道料金についても修正し、請求しております。また、新旧売店事業者につきましては追加請求を行い、いずれも平成30年中に納付していただいております。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 岩隈議員。 ◆49番(岩隈千尋) ありがとうございました。はてなの部分、レストラン事業者及び売店事業者への請求額も誤りが生じたことが分かった、判明したわけです。芋づるに出てくる不祥事がなかなか止まらないというところなんですが、また、喫茶店事業者が僅か約2万円の金額ですら時効の援用を行って内容証明郵便を送ってきたことは、決然とした態度を示している証左でございまして、病院局が事案を放置した結果、時効、そしてトラブルになっているということです。これは代表質問でも指摘しましたが、いまだ明らかになっていない、現病院局長が井田病院事務局長だった後のほか2名の事務局長と速やかに協議を行っていただき、本事案についてなぜ引継ぎがなされていなかったのか、理由と責任の所在を明確化し、今後の病院局の検証報告で示すよう強く求めておきます。  次に、今回レストラン事業者への過年度光熱水費未請求分の減額、1,498万円から1,145万円への根拠と、平成30年1月に発見された平成26年11月以降の水道使用量が激減している理由が全く明らかになっておらず、誰も着手しませんので、調査させていただきました。代表質問では、減額の要因となった給湯使用水量の算定根拠について、給湯配管が循環であることと、入りと出のところに水道量計――メーターが設置されており、入り口の水道量計により算定していることが確認できたとの答弁でした。これはちょっと薄いですか。局が作ったやつなんですけれども、左側のほうからお湯です。ずっと温かくしていなければいけないので左から入っていって、一番最初の赤い矢印のところに入りメーターがあって、そして、ずっと回っていって出に行くと。往と還――行きの往と還流する還の字で書かれているんですけれども、入りと出というところです。なので、私が言った指摘というのは、入りから出を差し引いたのが本来の請求額でしょうというところなんです。何でかと言ったら、レストランの中で使っているからです。ところが、病院局は入りの部分でカウントしていたということになります。こういった指摘に対して、原因究明のための再調査を病院局が実施した結果、給湯使用水量及び請求額が現在まで誤りだったことが判明しました。病院局は、12月8日に報道発表及び記者レクを行っております。再調査の結果と給湯使用水量の算定誤りの原因について伺います。また、過年度光熱水費未請求分と現在の光熱水費請求分まで誤りがあるということになりますが、金額は分かっているのか伺います。正しい請求額は算定可能であり、かつ、そもそも請求できるのか伺います。さらに、過年度病院事業会計への影響について伺います。 ○副議長(花輪孝一) 病院局長。 ◎病院局長(田邊雅史) 給湯使用水量の再調査結果等についての御質問でございますが、初めに、再調査の結果についてですが、代表質問においても申し上げましたとおり、事業者からは給湯の配管が循環であること、そのため、配管にはレストランの入り口と出口の2か所にメーターが設置されているとの報告がありました。そのため給湯使用水量は、本来ならば入り口メーターから出口メーターの数値を差し引いて算出すべきところ、これまで入り口メーターの数値としていたことが分かりました。しかしながら、この2つのメーターの数値を過去に遡り調べたところ、出口メーターが入り口メーターよりも多い数値を示す日があったため、その原因についても追加で調査を依頼し、出口メーター付近で逆流が発生している可能性がある旨の報告を受けました。こうしたことから、入り口メーターの数値を算定根拠として積算した上下水道料金は正確とは言えないと判断し、公表することとしたものでございます。  次に、算定根拠を誤った原因につきましては、施設を管理する上で必要となる給湯配管やメーターなどを組織として適切に把握、管理できていなかったことと考えているところでございます。次に、給湯に係る上下水道料金の積算に誤りが生じていたのは、給湯が循環となっているレストラン事業者のみでございまして、これまでに誤っていたと考えられる請求金額は、平成30年3月分までのいわゆる未請求分は総額で約418万円、その後の毎月の請求分は令和2年9月分までで約103万円となっております。次に、正しい請求の額につきましては、給湯使用水量を正確に量ることができるよう配管等を見直し、これにより把握した一定期間の使用水量実績を基に過去分を試算した上で算出し、事業者と協議してまいりたいと考えております。次に、過年度の病院事業会計の数字への影響についてでございますが、納付済みの給湯分上下水道料金は、平成30年度及び令和元年度決算において収益として計上しておりますので、今後、正しい請求額に基づき必要な会計処理を行い、議会に対しましては適正な病院事業会計決算を示してまいります。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 岩隈議員。 ◆49番(岩隈千尋) ありがとうございました。これは自宅に置き換えてみればすごく分かりやすいんですけれども、東京電力に我々は電気料を払ったり、あと水道料金とか市が請求したものがあるんですけれども、それが全部間違っていましたよと、普通、そんな請求しません。そして、分かったのであれば、過去に遡って、いや、払っていませんでした、僕たちはそれを全部知りませんということは、現実の世界ではあり得ないと思うんです。それが役所ではあり得ているというところなんです。そしてまた、この病院事業会計の話なんですが、今まで我々の病院事業会計の議論は一体何だったんだという話になるんです。議会は認定する、我々の会派は認定しないで議論があって、市長は令和元年度に病院事業会計の適正性について追加回答までしているんです。そもそも請求してきた光熱水費の数字が全部違いますよ、全部間違っていましたというのは、私も本当に言葉を失っております。代表質問で自民党さんの質問に対して、レストラン事業者に一括請求するといった答弁や、私たちには、これは今後公募していくということが示されましたが、正しい光熱水費を算定できなければ何もできず、代表質問の答弁は全て空論だったというわけなんです。事案発覚から3か月が経過して、いまだにこんなことをやっているわけなんです。我々から追及されて動くのではなく、病院局が速やかに対応に当たっていれば、代表質問が行われた日時よりも前に給湯使用水量の誤りに気づいたのではないでしょうか。議会で正しく誠実に答弁するという重みを十分認識するよう求めておきます。
     代表質問が12月4日、今回の施工業者からの追加回答が12月7日の月曜日、翌8日の午後には記者レクを行っています。記者レク議事録を確認したところ、担当の技術職員のミスに起因しているという病院局職員の発言が散見されます。しかしながら、毎月の光熱水費の請求額の調定を含め、最終決裁者は井田病院事務局長です。調定伺を立てるということは内部の意思決定行為です。であるならば、担当の職員だけのミスによるものではなく組織全体のミスとするべきです。これは見解と対応を病院局長に伺います。 ○副議長(花輪孝一) 病院局長。 ◎病院局長(田邊雅史) 請求額算定誤りの原因についての御質問でございますが、配管やメーターの状況及び請求額の適正性等については、施設管理、または毎月の光熱水費の調定伺などにおいて上司等が確認しなければならなかったものであり、組織としてのチェック体制や情報共有が不十分であったことがそもそもの原因であると考えているところでございまして、今後、管理職のリスク管理への意識を高めるよう取り組んでまいります。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 岩隈議員。 ◆49番(岩隈千尋) これはちょっと見にくいかもしれませんが、毎月、病院局が事業者に対して請求しております請求書の添付資料なんです。これはたまたま2019年9月をピックアップしたんですけれども、これを見たら、往と還としっかり書いている。このペーパーは請求書ですから、毎月毎月膨大なペーパーがあるんです。私は、最初は往、還は分からなかったんですけれども、その下の黄色の括弧のところを見ると、さっきお話ししたように、本来であれば、往――入りの部分、還――出の部分を差し引いて計算しなければいけないのに、黒い鉛筆で線を引いています。これは私が書いたんじゃなくて、局が書いているんですけれども、いわゆる入りのところで算定しているという証拠がこの文書にもしっかりと明記されているというところなんです。そして、これを見てください。これは中央監視室、井田病院にあるやつなんですけれども、ディスプレーを見ると、ちゃんと書いているんです。往と還、ちゃんと数字まで入ってきちんとあるんです。画面を見れば、一目で分かるわけなんです。  なので、私は現場に行っていないんですけれども、素人でもおかしいなというのは分かるわけなんですが、循環だったことやメーターを確認することは困難だったという回答が複数の職員からありましたが、図面を見るまでもなく、専門の技術職員でなくても、中央監視室――これは地下1階にありますけれども、一発で循環ということが分かり、入りと出で数値が逆転しているということも示されているので、変だなということが容易に分かるわけです。なので、これをもって局の全員が知りませんでしたというのは隠蔽と言われても仕方がないと思います。仮に百歩譲って知らなかったとしても、事案発覚から3か月経過をしております。本気で調べる気があるのであれば、中央監視室にさえ行けばすぐに分かったのではないでしょうか。なので、担当職員だけの責任にすることは、私は悪質だと考えます。12月8日に記者レクを行う前に、病院局は、市長、副市長へ説明と報告に入ったと伺っております。どのような説明を受けたのか伺います。また、なぜ事実確認や検証を十分行う前に公表することを決定したのか、伊藤副市長に伺います。 ○副議長(花輪孝一) 伊藤副市長。 ◎副市長(伊藤弘) 給湯使用水量の再調査結果についての御質問でございますが、病院局から報告を受けた内容につきましては、ただいま病院局長の答弁のとおりでございます。また、公表につきましては、既に公表した未請求分光熱水費の請求額を精査する必要が生じたため、病院局からその事実について早急に公表するとの申出があり、了承したものでございます。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 岩隈議員。 ◆49番(岩隈千尋) 私も事前に説明を受けていたことから、記者レクを行うことを再考――もう一度考え直してよと求めました。7日に誤請求が分かり、8日に報道発表する前に一呼吸置くべきではないかとアドバイスしました。理由は2点です。病院局の説明を聞いておりますと、技術職員の判断ということが強調されておりましたので、これはトカゲの尻尾切りだな、絶対やってはいけないことだなと思ったので、それはちょっと気をつけてくださいねということを指摘しました。ほかの公立病院や公共施設で井田病院と同様の件が出てきた場合、また次から次へと報道発表して、そして、そのたびに個人の職員の責任にするんですかというところなんです。そういった懸念があったから、ちょっと待ったらどうですかと私は言ったんです。代表質問でもこれは指摘しましたけれども、ほかの公立病院において井田病院と同様のケースはないのか伺います。また、ほかの公共施設においても調査を行うべきと考えます。見解と対応を伊藤副市長に伺います。 ○副議長(花輪孝一) 伊藤副市長。 ◎副市長(伊藤弘) 他の公立病院等における光熱水費請求額についての御質問でございますが、初めに、多摩病院につきましては、現在レストランは運営しておりませんが、給湯配管が循環ではないことは確認しておりますので、過去の請求額に誤りはなかったものと考えております。次に、川崎病院につきましては、レストラン内は循環ではございますが、井田病院とは異なり、給湯分の上下水道料金は2つのメーターの値を基に算定しております。しかしながら、出口メーターが入り口メーターの数値よりも大きくなる事象がたびたび発生しているため、この原因について調査を行うとともに、請求額の算定方法についても精査しているところでございます。次に、他の公共施設についてでございますが、この問題を機に、光熱水費の請求額に誤りがないか確認を含め、全庁的な調査が必要であると考えているところでございます。今後、調査を実施し、その結果について議会へ報告してまいりたいと存じます。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 岩隈議員。 ◆49番(岩隈千尋) 病院事業管理者にも伺いたいと思うんですけれども、今後、コンプライアンス推進室から検証についての意見書が提出される予定です。病院事業の責任者として、病院事業管理者は今後どのように取り組んでいくのか端的に伺います。 ○副議長(花輪孝一) 病院事業管理者。 ◎病院事業管理者(増田純一) 今後の取組についてでございますが、光熱水費未請求事案に関連して、新たな事実の判明が続いたことにつきましては、この3か月間、組織として十分な対応ができていなかった部分もあったものと認識しております。今後、提出される意見書につきましては、その内容を真摯に受け止め、より一層、組織の活性化やコンプライアンス意識の醸成を図り、再発の防止と信頼の回復に努めてまいりたいと存じます。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 岩隈議員。 ◆49番(岩隈千尋) 病院事業管理者に申し上げます。今回の不祥事は組織ぐるみで行われておりました。また、現局長の関与が強いわけです。記者レクでは、トカゲの尻尾切りも示唆されました。そうすると、本市のようなトップダウンの恣意的な力が働く人事評価制度では、客観性、公平性が正しく機能するのか疑義が生じてきます。これからの病院局の検証作業の過程においては真実をしっかりと話した職員が不利益を被ることがないよう、これは要望するとともに厳しく注視してまいります。振り返ってみますと、私はこの3か月、非常にいろんな不誠実な議会対応を受けております。最初は、行政財産の使用許可を調査したところ、過年度光熱水費の未請求がばれたくなかったのでしょう、許可書の原本コピーはない、どこにあるか分からない――出てきたのは約2週間後でした。その後、事案の詳細が分からない職員さんを意図的に送り込まれ、病院局がレストラン事業者にバーター提案した会議の平成30年7月6日の交渉記録を聞いたときも、誰が対応したのか分からない。バーター提案をしたことがばれたら困ったんでしょう。摘録の所在が分かると、実は局長が対応者の一人だった。資料についてはすぐに持ってくるといった返事が、時間外に2時間近く待たされ、私は局長に伝えましたよね、分科会質疑が迫っているのだから、意図的な時間延ばしはやめてくださいと。議会局の職員も確認のため同行してくれております。喫茶店事業者への請求誤りの後も、もう何もないですよねと問うたところ、ありませんという回答でしたが、今回、また新たに分かったということです。これだけ不誠実な対応があったわけなんですが、これから始まる病院局の検証作業においては、健康福祉局分科会以降の議会対応、報道対応についても事実をしっかりと確認を行い、改善策の策定を求めます。病院局長、いかがですか。御見解を伺います。 ○副議長(花輪孝一) 病院局長。 ◎病院局長(田邊雅史) 光熱水費未請求事案の検証と再発防止と今後の対策についての御質問でございますけれども、しっかりと対応してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 岩隈議員。 ◆49番(岩隈千尋) 検証作業で判明した事実の捏造や隠蔽はやりませんね。そこをしっかりと確認させてください。 ○副議長(花輪孝一) 病院局長。 ◎病院局長(田邊雅史) 検証作業についての御質問でございますけれども、今後、出される検証作業の結果を受けまして、真摯に受け止め、しっかりと対応してまいりたいと存じます。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 岩隈議員。 ◆49番(岩隈千尋) 捏造や隠蔽的なことは行わないですねという確認です。それをしっかり正確に答えてください。 ○副議長(花輪孝一) 病院局長。 ◎病院局長(田邊雅史) 捏造、隠蔽等についての御質問でございますけれども、その点につきましてもしっかりと確認してまいりたいと存じます。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 岩隈議員。 ◆49番(岩隈千尋) 確認するのではありません。やりませんという一言をいただきたいと思います。 ○副議長(花輪孝一) 病院局長。 ◎病院局長(田邊雅史) 捏造、隠蔽についての御質問でございますけれども、今後、このようなことがないように再発防止に努めてまいりたいと存じます。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 岩隈議員。 ◆49番(岩隈千尋) 病院事業管理者に伺います。やりませんということでよろしいですね。 ○副議長(花輪孝一) 病院事業管理者。 ◎病院事業管理者(増田純一) 捏造、隠蔽についてでございますが、今後、そのようなことがないようにしっかり対応してまいりたいと存じます。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 岩隈議員。 ◆49番(岩隈千尋) 今回の病院局の不祥事を教訓としていただきまして、各局でも職員全体に内部統制を運用しようとする意識を十分浸透させるよう要望しておきます。以上で終わります。 ○副議長(花輪孝一) 48番、石川建二議員。 ◆48番(石川建二) 私は、通告に従って順次一問一答で質問を行います。  初めに、鷺沼駅前再開発事業についてです。現在、事業は環境アセスメント手続が行われています。11月14日には事業者の見解書に対する公聴会が開かれ、議事録の作成中とのことでございます。昨年9月26日に締め切られた環境影響評価方法書に対する意見書は1万2668通を数え、住民、市民の関心の高さを示しました。住民が指摘している問題点は、いずれも大切な点だと思いますけれども、中でも、次に挙げる諸点は重要な視点だと思います。第1に風害、第2に緑化、第3に交通渋滞、第4に教育施設への影響などです。  そこで初めに、環境局長に伺いますが、風害についてです。鷺沼駅前は海抜68メートル、そこに148メートルもの超高層の建物が建つことによって、南風をもろに受けることになります。風の影響はランクで評価されますが、それぞれのランクでどのぐらいの風の強さになるのか伺います。スライドをお願いいたします。これは環境影響評価の準備書に示された風の強さを示すものです。建設工事後で防風対策を講じる前の状況です。紺色の点がランク1で、最も風の影響が少ないと評価されている点です。グリーンはランク2で風の影響が大きくなり、黄色はランク3で最も強く風の影響が出るところです。私が赤くしたのはランク3の地点で、今回取り上げる地点です。工事前はほとんどランク1で、黄色のランク3はありませんでした。現在、バスターミナルの交差点角の地点65がランク1からランク3に、対策を講じた後もランク2になってしまいます。また、現在のマクドナルドの南側に当たる地点51もランク1からランク3に上がり、対策後もランク2になってしまいます。建物3階のデッキ広場と記載のあるスペース、76地点や81地点もランク3になってしまいます。さて、予測と実際は符合するのでしょうか。建築後の事後調査が行われた事例として、現在、エクラスタワーのある武蔵小杉駅南口地区西街区第一種市街地再開発事業の予測と事後調査の結果について伺います。 ○副議長(花輪孝一) 環境局長。 ◎環境局長(斉藤浩二) 風環境についての御質問でございますが、再開発準備組合が作成した条例準備書において使用されている日最大瞬間風速の超過頻度に基づく風環境評価尺度は、強風による影響の程度で区分された1から3のランクにより風環境を評価するものです。それぞれのランクにおける強風の程度としては、ランク1は最も影響を受けやすい住宅地の商店街や野外レストラン、ランク2は影響を受けやすい住宅街や公園、ランク3は比較的影響を受けにくい事務所街等に対応する用途の場所において許容される風環境とされております。また、武蔵小杉駅南口地区西街区第一種市街地再開発事業における事後調査結果につきましては、平均風速の累積頻度に基づく風環境評価尺度での評価が住宅地、市街地としての風環境である領域Bと予測した地点において事業者による事後調査が行われ、事務所街としての風環境である領域Cの結果となっております。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 石川議員。 ◆48番(石川建二) ランクについて、日最大瞬間風速の超過頻度に基づく風環境評価尺度は、強風による影響の度合いで区分された1から3のランクにより風環境を評価するものとのことでした。スライドを御覧ください。この比較は、最大瞬間風速の発生する頻度で風の強さを比較していますが、ランク1でいえば、毎秒10メートルの風の発生頻度が10%以下で、15メートルの風が0.9%以下、20メートルの風が0.08%以下になるということです。このランクは、住宅街の商店や野外レストランなどに適している地域とのことです。風速と言っても分かりづらいと思いますので、ちょっと補足をしますと、風速毎秒10メートルというのはごみが舞い上がる、干し物が飛ぶ、15メートルは立て看板、自転車等が倒れる、歩行困難、20メートルというのは風に吹き飛ばされそうになるということです。これで少し表を見ていただければと思います。  それでは、取り上げた現在バスターミナルの交差点角に当たる地点65や現在のマクドナルドの南側に当たる地点51、また、超高層マンションの下に当たる3階デッキ広場と記載のあるスペース、79地点や81地点のランク3は、ランク1に比べ秒速10メートルの風の発生確率が3.5倍、15メートルの風の発生確率が7.7倍、20メートルの風の発生確率は18.7倍にもなり、商店街や住宅には向きません。対策を講じてランク2になるとの予測ですが、それでも現在のランク1よりも10メートルの風で2.2倍、15メートルの風で4倍、20メートルの風では7.5倍になってしまいます。対策の主なものは、土台を広くした設計や防風林、防風壁です。しかし、予測どおりに軽減できるとは限りません。武蔵小杉駅南口地区西街区第一種市街地再開発事業における事後調査結果では、ランク2相当の領域Bと想定した地点において事業者による事後調査が行われ、事務所街としての風環境であるランク3相当の領域Cの結果となっています。防風林が強風のために育たなかったと言われています。このように、超高層マンションによる風環境の悪化は明白ではないでしょうか。  次に、まちづくり局長に伺います。風害について、環境アセスメントでは、宮前区役所にある観測所により、風洞実験などで予測するものですが、現状の風環境を実測して把握し、事後との比較を行うことも重要だと考えます。再開発の協議の中で、年間を通して風環境の実測調査を求めるべきと思いますが、伺います。また、市としても現状の風環境を把握するため、関係局と協議すべきですが、まちづくり局長に伺います。 ○副議長(花輪孝一) まちづくり局長。 ◎まちづくり局長(奥澤豊) 風環境についての御質問でございますが、本市では、周辺に著しく影響を及ぼすおそれのある事業の実施に際しては、条例で定める環境影響評価制度に基づき、事業者が周辺環境への影響について事前に調査、予測及び評価を行うこととしており、その影響については環境影響評価手続において対応されるべきものと考えているところでございます。本市といたしましては、その手続において必要な対策を明らかにした上で、関係法令等を踏まえた計画となるよう準備組合に指導してまいります。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 石川議員。 ◆48番(石川建二) 条例に定められたことしか求めないということでしょうか。それでは、住民をビル風から守ることはできません。事業者に求めないならば、市が独自に観測をするよう求めておきます。  次に、緑化についてです。緑化の増減を考える際、まちの景観も重要です。評価書の緑化計画を見ると、壁面緑化や屋上緑化等の面積の割合が大きな比率を占めています。計画地面積及び緑化地面積は幾らになるのか、現状と計画面積、それぞれ伺います。  さらに、街路樹の変化についてまちづくり局長に伺いますが、現在の交通広場と商業施設「フレル」の間を通る市道鷺沼線が廃道になりますが、廃道によって伐採される桜は何本になるのか、桜以外の樹木は何本伐採されるのか伺います。 ○副議長(花輪孝一) 環境局長。 ◎環境局長(斉藤浩二) 緑化についての御質問でございますが、条例準備書によりますと、計画地面積は約2万2,560平方メートルで、街路樹を含む現存植生は、低木から中高木植栽地が1,046平方メートル、草地が379平方メートルとなっております。再開発事業におきましては、環境影響評価等技術指針に基づき算定した緑被率は道路を含む計画地全体の15.1%で、緑被面積は駅前街区、北街区及び駅前広場において合計約3,412平方メートルと計画しており、そのうち緑化地面積は約520平方メートルとなっております。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) まちづくり局長。 ◎まちづくり局長(奥澤豊) 街路樹についての御質問でございますが、現行の交通広場とフレルさぎ沼の間の道路につきましては、再開発事業による交通広場の拡充や交差点の集約化など駅周辺交通環境の改善のため、廃止することとなります。これに伴い、道路内の街路樹については、桜17本を撤去するとともに、久末鷺沼線の道路拡幅等に併せて、樹木15本を撤去する計画としております。なお、再開発事業において、敷地内の緑化や新設する駅前広場内への植栽など、区域全体で都市景観の形成にも資する多様な緑化空間の創出に向けた取組を進めてまいります。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 石川議員。 ◆48番(石川建二) スライドを見ていただきたいんですけれども、これは緑化地を示したものです。緑化地とは、地面における樹木と芝生、その他の植物で覆われている一団の土地とのことです。準備書ではスライドの緑色の部分で、区域内では僅か520平方メートルしかありません。これは少し数字が小さいですけれども、現在、緑化面積15.1%、3,412平米の緑地の6割は屋上緑化、壁面緑化です。緑化地の割合は僅か2.3%しかありません。しかも市道鷺沼線がなくなることで、桜の木17本が撤去されてしまいます。現在の駅前は、春には桜、夏には青々とした緑が茂り、青空の見える気持ちのいい駅前空間をつくっています。法的基準は満たしていても、緑の景観を大きく損ねる計画になると言えます。  次に、交通渋滞についてです。現状について、1日当たりの周辺地域から再開発地域に入る車の総台数を知りたいと思い、カッパーク鷺沼入口交差点、鷺沼小学校前交差点、鷺沼入口交差点、鷺沼駅前交差点等のそれぞれの交差点から駅に向かう車の台数を準備書から平日1万3,238台、休日1万2,847台と推測いたしました。施設の供用後に施設関連車両の台数はどうなるのか、どのように予測をしているのか、平日と休日ともに伺います。 ○副議長(花輪孝一) 環境局長。 ◎環境局長(斉藤浩二) 交通量についての御質問でございますが、条例準備書によりますと、供用時の施設関連車両台数は平日が1,890台、休日が2,040台となっております。また、供用後の予測結果としては、周辺の交差点において、平日、休日ともに交通量の処理が可能とされております。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 石川議員。 ◆48番(石川建二) 平日では1万5,128台と約14%増、休日では足し上げると1万4,887台と約16%の増となり、それだけでも交通環境への負担が大きく増えます。それぞれの施設で路上で待つような事態になれば、バスロータリーへの出入口の車線を増やすだけでは、交通環境がよくなるどころか悪くなるのは必至ではないでしょうか。  次に、教育環境について教育次長に伺います。さきの議会でも超高層マンションが学区内の小中学校に与える影響について質問を行いましたが、マンション供用時における小中学校の教室不足は、今年6月に作成された条例環境影響評価準備書によると、鷺沼小学校で78人増加で1教室が不足、土橋小学校では30人増加で2教室が不足、宮前平中学校では15人増加で4教室が不足するということになります。鷺沼小学校は敷地も狭く、転用可能な教室も少ないと伺っています。教室不足になった場合、どのように対応するのか伺います。同様に、宮前平中学校についても伺います。 ○副議長(花輪孝一) 教育次長。 ◎教育次長(石井宏之) 教育環境についての御質問でございますが、鷺沼小学校における将来の児童数につきましては、周辺の開発や転出入の動向に加え、社会経済状況や出生率の変化等により変動していくものでございまして、今後も、こうした変化を適宜推計に反映させ、教室不足が生じることがないよう、学校とも調整を行いながら、教室の転用や増築など必要に応じた対応を図ってまいります。また、宮前平中学校につきましては、私立学校への進学等により影響は小学校ほどにはならないものと考えており、中長期的な生徒数の推移を注視しながら対応策を検討してまいります。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 石川議員。 ◆48番(石川建二) 教室不足は教室の転用や増築で対応するとのことですが、今後、少人数学級の拡大が進められようとしています。そのようなときに40人学級ですら教室が不足するというようなまちづくりを推進すべきでしょうか。この点も、鷺沼駅再開発事業におけるタワーマンション建設は見直しが必要ということを示しているのではないかと思います。  最後に、市長に市民館・図書館、区役所の移転問題について伺います。市長は昨年3月、公共施設の移転を、いろいろな意見があるが総合的判断をしたと決定しました。しかし、今なお、現在の区役所、市民館・図書館の存続を求める多くの声がありますが、この状況をどう受け止めているのか伺います。 ○副議長(花輪孝一) 市長。 ◎市長(福田紀彦) 鷺沼駅周辺再編整備についての御質問でございますが、市民の方々からの御意見につきましては、鷺沼駅周辺再編整備に伴う公共機能に関する基本方針の策定時から、お住まいの地域や年代、ライフスタイル等により多様な考え方、捉え方があるものと認識しているところでございます。また、基本方針策定以降も、宮前区のミライづくりプロジェクトとして、市民周知や意見聴取を行っており、今後も様々な機会を捉え、宮前区全体の発展に資する取組であることをお示しするなど、より多くの市民の方々にその趣旨が伝わるよう努めてまいります。以上です。 ○副議長(花輪孝一) 石川議員。 ◆48番(石川建二) 市民からは、多様な意見、捉え方があるものと認識しているとのことでした。この間、同じような答弁が繰り返されてきました。私が最初にこの問題を取り上げたのは2018年12月の第4回定例会ですが、この年は5月から11月までフォーラムが開催され、再開発の全体像が明らかにされない中で、駅前にはどのような公共施設が必要かと市民に討議が呼びかけられ、それがあたかも移転を望む声かのように取り上げられました。しかし、当時の市民の中ではこの問題の認知度は低く、6月に行われた区民意識アンケートでは、「区域や内容まで知っていた」と答えた人は僅か10%にすぎませんでした。もちろんその後、市の広報や地元の情報誌なども報じるなど認知度は上がったと思いますが、知れば知るほど移転に疑問を持つ声が多くなったのではないでしょうか。2019年3月に発表された鷺沼駅周辺再編整備に伴う公共機能に関する基本方針案に対するパブリックコメントは1万7,829通、2万3,714件の意見が寄せられ、当時のまちづくり委員会でも担当課長が、意見書の中に反対するというような形で記載されているものが多数あったと答弁しているように、少なくとも住民合意が取れていると言えるような状況ではありませんでした。その後、昨年9月に実施された環境アセスメントの方法書への意見書は1万2,668通、今年8月に行われた条例準備書への意見書は2,419通と、かつてない意見書が出され、開発の問題を指摘する声が多数寄せられました。こうした状況を見て、この2年前と比べ再開発や区役所、図書館・市民館移転の合意は広がったのでしょうか。依然、根強い反対の声があるとの認識はあるのか改めて伺います。 ○副議長(花輪孝一) 市長。 ◎市長(福田紀彦) 鷺沼駅周辺再編整備についての御質問でございますが、今回の取組はよりよい宮前区の未来につながる取組として、市民の皆様への丁寧な説明が重要であると考えており、基本方針策定後も様々な機会を捉え、市民周知や意見聴取に取り組んできたところでございます。本事業は市民の関心も高く、お住まいの地域や年代、ライフスタイル等により多様な考え方、捉え方があるものと認識しており、引き続き宮前区全体の発展に資する取組であることをお示しするなど、より多くの市民の方々にその趣旨が伝わるよう努めてまいります。以上です。 ○副議長(花輪孝一) 石川議員。 ◆48番(石川建二) この問題の最後に意見を述べさせていただきます。今回は、鷺沼駅再開発事業の問題点を風害、緑地、交通、教育の観点から質問を行いましたが、いずれも地域に大きな負担をかけることが明白となりました。超高層のタワーマンションは以前から見直しを求めてきました。こうした声は、今、大きな社会問題となっています。12月13日付の新聞報道によると、法政大気候変動・エネルギー政策研究所の島田昭仁氏は、近い将来、タワマンは時代遅れの産物になると予告しています。2030年代以降、消費エネルギーと敷地内で生み出した再生可能エネルギーで収支をゼロにするビル――ネット・ゼロ・エネルギー・ビルの時代が来る、限られた敷地内にたくさんの人が生活をするタワマンでその収支を合わせるのは困難だと指摘をしています。また、埼玉大学名誉教授の岩見良太郎氏も、1980年代、民間活力の積極導入がうたわれた、地域の成長や発展のために建物の高さの制限などを行政が規制緩和し、ディベロッパーのやりたいようにやらせることがよいこととされた、従来型の手法はまちの雰囲気や人とのつながりを一掃してしまう、コロナによる利息増もあり、このやり方はもう限界だと警鐘を鳴らしています。岩見名誉教授は、自分たちの身の回りを一番よく理解している人たちがよいまちをつくれるとも指摘をしています。ディベロッパー中心、利益最優先のまちづくりから住民参加のまちづくりの推進へと方向転換をすべきです。こうした点から考えても、区民合意のない区役所、図書館・市民館の移転ではなく、現在の施設を残し、鷺沼駅前には新たに区役所機能、図書館・市民館分館を造ることこそ区民の皆さんの願いに応える方法であることを指摘して、次の質問に移ります。  次は、リニア新幹線のシールド工事の安全性についてまちづくり局長に伺います。東京都調布市の東京外かく環状道路建設ルート上で道路の陥没、住宅の地下の空洞が発見され、道路工事との因果関係が調査されています。JR東海が進めるリニア新幹線工事は、東京外環道と同様に大深度法により地下40メートルの深いところをシールド工法で工事するもので、その安全性について再度検証が必要だと思います。我が党の代表質問で、第1に、事故原因が明らかにされ、納得のいく対策が講じられるまでシールド工事は行わないようJR東海に申し入れる、第2に、ボーリング調査の箇所数、第3に、ルート上の家屋調査の実施を求めました。答弁では、JR東海から周辺環境に影響がないことを確認しながら進めていく、市として十分な安全対策を講じた上で工事を進めるように求める、家屋調査に関しては、JR東海から事故原因の調査結果が明らかになり、取り入れる必要があれば取り入れると伺っているとし、市として調査結果に応じて、家屋調査も含め必要な対策を講じるよう要請するというものでした。また、ルート上のボーリング調査は7か所しかないことも明らかになりました。そこで、まちづくり局長に伺いますが、ボーリング調査、土壌汚染調査などについて、2018年7月のまちづくり委員会で当時の担当課長は、調査結果を速やかに公表することをJR東海に求める、住民に丁寧に説明することを求めると答弁されておりますが、ボーリング調査の結果は公表されたのか伺います。 ○副議長(花輪孝一) まちづくり局長。 ◎まちづくり局長(奥澤豊) リニア新幹線についての御質問でございますが、ボーリング調査につきましては、市内では、JR東海が実施した41か所と、同社が公的機関等から収集した91か所、合計132か所で調査が行われており、調査結果については、大深度法の認可申請書に記載されておりまして、同社のホームページ等で公表されております。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 石川議員。 ◆48番(石川建二) それでは、全長16キロに及ぶルート上に7か所しかボーリング調査を行っていないのは全く不十分です。調布市の現場では、事故後、ボーリング調査が続けられています。今回のような事故を未然に防ぐためにも、ボーリング調査の箇所数を増やすよう事業者に要請すべきではないですか。伺います。 ○副議長(花輪孝一) まちづくり局長。 ◎まちづくり局長(奥澤豊) リニア新幹線についての御質問でございますが、大深度法におきましては、大深度地下の使用に当たり、安全の確保、環境の保全等に特に配慮することが示されており、JR東海からは、同法の認可申請に当たり、それらを踏まえたボーリング調査をはじめとする安全性等に関する必要な調査を行い、国からその認可を受けたと伺っております。本市といたしましては、同社に対し、道路陥没の事象の調査結果等を踏まえ、必要に応じて対策を講じるよう求めてまいります。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 石川議員。 ◆48番(石川建二) 代表質問でも、十分な安全対策を講じた上で工事を進めるよう同社に対して求めてまいりますと答弁されておりますが、事業者の説明をそのままうのみにするわけにはいきません。市として安全性のチェックが必要だと思いますが、対応を伺います。 ○副議長(花輪孝一) まちづくり局長。 ◎まちづくり局長(奥澤豊) リニア新幹線についての御質問でございますが、同事業につきましては、大深度法に基づき、JR東海が認可申請を行い、安全の確保や環境の保全などに係る要件を国が審査し、認可されたものでございます。本市といたしましては、同社に対し、道路陥没の事象の調査結果等を踏まえ、十分な安全対策を講じた上で工事を進めるよう求めてまいります。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 石川議員。 ◆48番(石川建二) 十分な安全対策を講じた上で工事を進めるよう求めてまいりますということですが、十分な安全対策を講じなければ工事は行わせてはなりません。我が家の下で家を壊しかねない工事が行われようとしているときに、行政は住民の立場に立って住民の生命、財産を守らなければなりません。  次に、リニア新幹線工事が水道事業に与える影響について上下水道事業管理者に伺います。スライドをお願いいたします。これは、リニアのルートと水道施設の関係を描いたものですけれども、東百合丘非常口は、市民の水を提供する導水隧道と接近しています。工事による影響は出ていないのか伺います。また、隧道は相模原市までの間で5か所交差しています。今回の事故は、1か月ほど前から住民から振動被害の苦情が出されていたとのことです。導水隧道に影響があれば大変なことになります。対策について伺います。 ○副議長(花輪孝一) 上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(金子督) リニア中央新幹線工事が導水隧道に与える影響などについての御質問でございますが、初めに、本市の水源である相模川表流水を浄水場まで運ぶ導水隧道と近接するリニア中央新幹線の東百合丘非常口工事につきましては、着工前に実施した導水隧道への影響解析を基にJR東海と協議し、影響がないことを確認しております。また、施工中は傾斜計を設置し、周辺地盤の変動を常時監視しており、これまでのところ、導水隧道への影響はございません。次に、今後、施工が予定されております交差箇所につきましては、現在施工中の工事箇所と同様、事前に導水隧道の健全性を確認するとともに、供用開始後における導水隧道の維持管理に支障が生じないことなどについて、JR東海と協議を進めてまいります。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 石川議員。 ◆48番(石川建二) 今朝の新聞報道は、東京外環道の陥没事故でNEXCO東日本が工事の影響を認め、補償へと、1面で大きく報じておりました。十分な安全対策がますます求められます。安全対策を検討するためにも、しっかりとした地盤調査が必要です。改めて、ルート上のボーリング調査の箇所数を増やし、全世帯を対象とした家屋調査を行うようJR東海に申し入れるべきです。この点については、改めて申入れをしておきたいと思います。  3つ目の質問であります有馬保育園の跡地利用については、時間になりましたので、1点、要望だけさせていただきたいと思います。この施設は、有馬保育園の民営化に伴って市営第2住宅の敷地に移転をすることによって、新たに高齢者の施設を造るというものですが、この有馬保育園の移転については十分に、年度途中の移転ということもあり、ぜひ子どもさんたち、あるいは保護者の皆さんが困ることのないようしっかりとした対応をしていただきたいということと、また、地域の声をしっかりとつかんだ施設整備を強く望んで私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(花輪孝一) 40番、原典之議員。 ◆40番(原典之) 通告どおり、一問一答方式にて順次伺ってまいりますので、よろしくお願いをいたします。
     初めに、流域治水について伺います。令和元年東日本台風をはじめ、平成29年九州北部豪雨や平成30年7月豪雨等、近年、甚大な水害が発生し、様々な対策が求められております。多摩川においては、国交省が令和6年度までに約198万立方メートルの河道掘削のほか樹木伐採、堰改築、堤防整備等を行っております。国交省は、河川・下水管理者が主体となって行う対策に加え、氾濫域も含め1つの流域と捉え、河川流域関係者が協働し、流域全体での水害を軽減させる治水対策、すなわち流域治水への転換を進める流域治水プロジェクトが発足をし、多摩川流域協議会については、国や本市のほか、東京都、神奈川県、山梨県のほか29市町村、そして、矢上川を含む鶴見川流域水協議会は、国や本市を含め6都県市が参画をしております。このプロジェクトは今年度内策定に向け、ソフト・ハード面、両面での協議が進められておりますので、この件は改めて別に取り上げたいと思います。  多摩川にかかる市町村が行うべきことは小さなことからこつこつと、いわゆるちりつもになると思います。上原議員も大丸用水についても触れておりましたし、また、二ヶ領用水や等々力緑地の下水処理施設開放後の雨水貯留機能の検討等、様々な可能性を検討いただきたいと思います。行政ができる小さな一つとして、雨水浸透ますの設置の促進があると思います。確認のため伺いますが、雨水浸透ます等を住宅に設置する際の補助は出るのか、環境局長に伺います。 ○副議長(花輪孝一) 環境局長。 ◎環境局長(斉藤浩二) 雨水浸透ます設置の補助についての御質問でございますが、本市では、平成25年度から、雨水流出抑制や地下水涵養の観点から、戸建て住宅など小規模な住宅を対象に雨水浸透ますの設置補助金の交付を行っておりましたが、急傾斜地や地下水位が高い多摩川沿いの地域などは、浸透ますの設置に適していないこともあり、活用が進まなかったことから、平成28年度に設置の補助を廃止したところでございます。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 原議員。 ◆40番(原典之) 札幌市、宮崎市等においては台風や豪雨等による水災害への対応として災害危険区域を指定している事例が見られますが、本市において災害危険区域の指定についてどのように捉えているのか、まちづくり局長に伺います。 ○副議長(花輪孝一) まちづくり局長。 ◎まちづくり局長(奥澤豊) 災害危険区域の指定についての御質問でございますが、本市におきましては、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に基づく急傾斜地崩壊危険区域について、川崎市建築基準条例において災害危険区域として指定しております。他都市における災害危険区域の指定につきましては、札幌市、宮崎市では、台風、豪雨による河川氾濫などの出水による被害の危険が著しい区域について災害危険区域を指定しており、人口密度が低い市街化調整区域の一部で限定的に定めているところでございます。今後につきましては、水災害に係る関係局と連携し、市域の大部分が市街化区域であることを勘案した中で、他都市の事例について調査してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 原議員。 ◆40番(原典之) 様々な考えについて理解ができました。多摩川そのものに対する対策に加え、流域も含め治水対策が行われていくと思います。先日、テレビ番組で、地理学専門の教授による、東日本台風に関する中原区上丸子山王町やJR横須賀線武蔵小杉駅の地形についての報道を見ました。ディスプレーをお願いいたします。そこで、国土地理院のホームページから治水地形分類図というものを参考に作らせていただいたのですが、これが言わずもがなの、昨年の浸水地域なんですね。ここに旧河道というものを当てはめると、こういうふうになるんです。これは浸水地域だけに旧河道を表したので、それ以外の浸水していないところにも旧河道は存在しているんですけれども、これが武蔵小杉、上丸子山王町です。これが宮内の浸水のところ、上が下野毛、下が宮内なんですけれども、ここにも当てはめると、こういうふうに昔、川があったよと。諏訪排水樋管のところにも当てはめると、昔、こういう川の道がありました。宇奈根も、こういうふうに川があったということです。三沢川もこういうふうにある、平瀬川もこうなると。河港水門は下流のほうなので、全部が旧河道だったということになるんですけれども、旧河道全てがいまだ地盤面が全部が低いとは思わないです。もちろんこの左上のトリプルマンションのところも旧河道だったなとは想像できますけれども、造成し盛土もすれば、多少地盤面も上がっていると思います。ただ、番組の中でも、横須賀線武蔵小杉駅前の高低差を表す地図が旧河道と一致しているともありました。近くにお住まいの方は、昔、川があったんだから水が流れますよという認識の下、リスクもありますということは確認をしておいてくださいという報道だったんです。だからといって、川崎市内の旧河道を全部埋めてくださいとは申す気も毛頭ございませんけれども、今後の治水対策について、この旧河道というキーワードを議論のテーマにひとつ加えていただきますように、これは要望をさせていただきます。これは、今回初めての言葉でございますので、これからいろんな方々とやり取りをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。ディスプレー、結構です。  次に、災害拠点病院について伺います。井田病院の災害拠点病院の指定については、これまでも本会議、また健康福祉委員会で議論され、10月には本市議会から黒岩知事宛てに意見書が提出をされました。県との協議内容や県での議論、また、今後の方向性について健康福祉局長に伺います。 ○副議長(花輪孝一) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) 市立井田病院の災害拠点病院指定についての御質問でございますが、本市におきましては、令和元年東日本台風により被災した経験を踏まえまして、速やかに関係局と検討の上、本年1月から指定権限を有する神奈川県と協議を開始したところでございます。この間、本市議会から神奈川県知事宛ての同様の意見書が提出されており、今月7日の県議会第3回定例会本会議におきましても、災害拠点病院について、風水害の視点からも在り方を検討すべきとの質疑が行われ、県知事は、拠点病院の指定の要件については、風水害の影響も加味したものとなるよう、今後、市町村や医療関係者とともに検討していくと答弁されております。これらを踏まえながら、引き続き県との協議を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 原議員。 ◆40番(原典之) 知事は前向きな答弁をされておりましたので、引き続き協議がぜひ前に進むように、早急な支援に向けてもよろしくお願いをしたいと思います。  最後に、医療従事者等への心のケア策について伺います。過日、健康福祉委員会の有志のメンバーで市立多摩病院の視察を行いました。現場の皆様からたくさんの意見を頂戴してきました。昨日の吉沢章子議員の質問とかぶらないように視点を変えて行いたいと思います。重症または中等症患者については病院ごとに異なり、救急車での搬送についてはバイタル等が受入れ病院に伝達されるので的確に振り分けができる、また、病院局が持つコロナ号や民間救急車で搬送する場合は、バイタル等を測定する資機材が搭載されていないがために再び違う病院に搬送された事例もあったとも伺いました。そして、今24時間でやっておりますコールセンターも、現場の皆さんから言わせると、もちろん機能していないとは言わないんですが、御高齢の方がコロナの疑いを感じて、直接そういった病院に来てしまうことでやっぱり負担が増えるということもありますので、この軽減に向けてはもう少し周知をしてくださいという御意見も伺ってまいりました。  全国的に新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続いており、自治体はその対応に苦慮されているのは言うまでもありません。自治体内の医療従事者の対応だけでは限界が生じているとも聞いております。このような状況においては専門性を持つ人材の有効活用が求められると思います。そこで伺いますが、令和4年度開学予定の市立看護大学、現在の看護短期大学について、教員の活用、また、市内の感染症対策現場における学生さんの活用についての見解と実績について健康福祉局長に伺います。 ○副議長(花輪孝一) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) 市立看護短期大学についての御質問でございますが、国からは、複数の看護系大学に対し、新型コロナ感染症の大規模なクラスターの発生で対応に苦慮している自治体へ、専門性に秀でた看護教員の派遣について依頼がされてきたところでございます。こうした中、市立看護短期大学の公衆衛生看護学を専門としている教授を6月から8月に新宿区、11月に札幌市、12月に旭川市に派遣いたしました。派遣先においては、現地の感染状況や対応状況を把握した上で、自治体及び厚生労働省へ助言等を行ったところでございます。今後につきましても、4年制大学化を見据えて確保した様々な看護の専門性を持つ教員の能力を最大限に活用しながら、他自治体への支援のみならず、必要に応じた対応を行ってまいりたいと考えております。次に、学生につきましては、感染症対策の現場を知ることは貴重な経験になると存じますが、教育課程に余裕がないこと、感染リスクを減らすために厳しい行動規制を行っていること、さらに、看護の知識や技術、経験が習得途上なこと等から難しいものと考えております。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 原議員。 ◆40番(原典之) 教授が東京、札幌、旭川に行かれて奮闘しているのも分かりました。看護師さんを目指して頑張っておられる学生さんについてもどうかなとは思ったんですけれども、課題も多いと思いますが、今後、可能性も検討していただきたいと思います。現場での御意見は、ほかにもN95マスクの長時間着用は耳や鼻が痛くなりつらい、また、神経をすり減らして対応している、そして、県が期限付の旅行券を配ったけれども、行ける余裕なんかないどころか、結婚式にも参列ができないと、たくさんの御意見もいただきました。その中でも、第1波時は地元の学校等から励ましのメッセージもいただき、大変励みになった、ただ、第2波、そして第3波と呼ばれるときには、正直届いていないような声でした。そうすると少し寂しいというか、もう少し激励の言葉が欲しいのかなというような感じもしました。昨今の状況を見ると、いろんな議員からも質問がありましたけれども、コロナ慣れという言葉が出てきています。そうすると、病院の現状を知ってもらうことがやっぱり大事なんじゃないかなと、また、昨日吉沢議員もおっしゃっていましたけれども、それに対して励ますことも速やかに取り組んでいただくということが私も必要と考えます。  そこで、健康福祉局長に伺いませんけれども、SNS、またホームページは、費用をかけずに即時性、拡散性が高いツールとして活用が可能と思います。例えば、ホームページで市民の方から励ましや応援するメッセージを募り、それをSNS等で拡散し、医療従事者の苦労が報われる広報をしてはいかがでしょうか。医療従事者を支援する立場の健康福祉局等の所管局の自主的な取組が望まれるわけでございます。医療従事者支援の取組は、これまでもシティプロモーション推進室が様々な媒体を用いて広報を行ってきたようです。医療従事者への感謝を伝える今後の広報展開について総務企画局長に伺います。 ○副議長(花輪孝一) 総務企画局長。 ◎総務企画局長(大澤太郎) 医療従事者への感謝を伝える広報についての御質問でございますが、これまで医療従事者の方々に感謝を伝える取組といたしましては、動画チャンネル「かわさきコロナ情報」において、懸命に尽力している姿などを配信、ツイッターで敬意を表するコメントの発信、市政だよりでの特集記事の作成など、所管局と連携を図りながら様々な媒体で実施してまいりました。反応といたしましては、市立病院を取り上げた3本の動画配信で約7万6,000回の視聴があったほか、ツイッターでも多くの反響がございまして、御覧になった市民の方々から医療従事者に向けた数多くの好意的なコメントをいただいたところでございます。今、困難な状況にある医療従事者の皆様の励みになるよう、感謝のメッセージの集約や広報に当たりましては、そのタイミングなどを適切に実施する必要がありますことから、ホームページを活用した意見集約の手法や実施時期を含めた所管局へのアドバイスを行うなど、連携して実施してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(花輪孝一) 原議員。 ◆40番(原典之) 確かに思い起こせば、ブルーインパルスの飛行ですとか、また、川崎マリエンのブルーライトアップなどはツイートもされておりましたし、市政だよりももちろん配っていただきました。ただ、最近、先ほども申し上げましたけれども、第3波の中での情報発信がちょっと乏しいかなと感じます。また、現場では、看護師長さんからは一言でも、いつもありがとうとか、頑張っていますねという言葉だけで本当に勇気づけられるというお話を伺ってまいりました。関係局と調整するとありましたので、ぜひ年内にはできればやってほしいですけれども、遅くとも、少なくとも年明け早々には、これを速やかに行っていただけますように要望させていただきまして、質問を終わります。 ○副議長(花輪孝一) お諮りいたします。暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(花輪孝一) 御異議ないものと認めます。およそ1時間休憩いたします。                 午後0時2分休憩           -------------------                 午後0時59分再開 ○議長(山崎直史) 会議を再開いたします。  休憩前に引き続き、一般質問を行います。発言を願います。53番、山田晴彦議員。 ◆53番(山田晴彦) 私からは、通告どおり一問一答で順次伺ってまいります。  初めに、防災・減災対策について危機管理監にお伺いいたします。本年予算議会で提案した、多摩防災センターの水防センターとしての活用についてであります。6月議会では、国土交通省及び神奈川県治水事務所と連携し検証作業を行い、拠点としての優位性が示された上で、有事を想定した場合にWi-Fi機能の整備が必要であること、さらに7月に水害を想定した図上訓練を行うことなどが明らかになりました。そこで、これまでの対応と訓練を通して改善すべき課題、今後の取組について伺います。以上です。 ○議長(山崎直史) 危機管理監。 ◎危機管理監(高橋実) 多摩防災センターについての御質問でございますが、昨年の台風を踏まえ、本市では各局区でタイムラインを作成し、国土交通省及び神奈川県治水事務所と連携強化を図る中、現地対策本部機能として多摩防災センターの有用性が評価された一方で、Wi-Fi環境の整備についての指摘がございました。また、検証で課題となりました災害対応力向上につきましても、水害を想定した図上訓練実施によるタイムラインの確認やトップマネジメント研修を実施するとともに、排水ポンプ車の応援要請など、国との連携強化を図ったところでございます。この水害図上訓練等を通じて避難所の状況把握など情報共有が課題となりましたので、新総合防災情報システムの導入により改善が図られるよう取り組んでまいります。また、国や県からの意見も踏まえ、多摩防災センターのWi-Fi環境を整備したところでございまして、今後、事務局機能の向上を図るため、什器の交換も実施する予定でございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 山田議員。 ◆53番(山田晴彦) 着実に進んでいることが分かりました。今後ともよろしくお願いしたいと思います。そこで水防センターについてであります。水防センターの目的は、台風の進路や勢力などを事前に把握することで被害を最小限にすることであり、また、発災後は速やかに対応できるようにすることでございます。そのため、タイムラインが極めて重要な課題となりますが、台風などが発生した場合の気象情報の収集、関係局区・機関との連携、事前準備の内容、協力事業者への出動依頼等のタイムラインについて見解と取組を伺います。また、発災直後に想定される被害情報の共有化とそのための整備内容、協力事業所との連携についても取組を伺います。以上です。 ○議長(山崎直史) 危機管理監。 ◎危機管理監(高橋実) タイムライン等についての御質問でございますが、昨年の台風で課題となりました災害時協定等の実効性の確保につきましては、連絡先や手続の確認等、改めて行ったところでございます。なお、民間事業者とのタイムラインを活用した時系列に沿った防災行動等の共有が図られておりませんので、今後、早急に関係局区と連携し検討してまいりたいと存じます。また、現在進めている新総合防災情報システムでは、クラウド化によりモバイル端末で情報共有が可能となるものでございまして、情報の視覚化や即時性が高いことなどの利点がございますことから、システムの活用についても関係機関等と協議し、検討してまいりたいと存じます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 山田議員。 ◆53番(山田晴彦) 民間事業者とのタイムラインについて早急に検討するということでございますので、速やかな対応を求めておきたいと思います。次に、昨年の台風19号等で課題となった民間住宅や事業所における浸水被害による排水作業についてであります。私は、自主防災組織へ防災資器材としての可動排水ポンプ等の整備や、ふだん仕事で排水ポンプを使用している事業者等へ被災地への協力依頼を提案してきましたが、これまでの検討状況と今後の取組について伺います。以上です。 ○議長(山崎直史) 危機管理監。 ◎危機管理監(高橋実) 防災資器材等についての御質問でございますが、昨年の台風を踏まえ、自主防災組織防災資器材購入補助金交付要綱の見直しを進めておりまして、可動排水ポンプを補助メニューに追加する予定でございます。また、浸水時を想定した民間事業者が有する資器材の活用に向け、1月から本市の防災協力事業所向けの研修会を7区で開催し、保有資器材の実態調査への御協力をお願いする予定でございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 山田議員。 ◆53番(山田晴彦) ありがとうございます。防災資器材の補助メニューに追加をされるということでございます。こちらについても、配備計画について早急に対応するよう求めておきたいと思います。また、民間事業者については来年1月から研修会を7区で開催するということでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。この問題につきましては、今後とも注視をしてまいりたいと思います。  次のテーマに移らせていただきます。次に、キングスカイフロントについて臨海部国際戦略本部長にお伺いをいたします。キングスカイフロントでは、健康・医療分野における最先端の研究開発に取り組む企業や研究機関等の集積が進んでおります。こうした企業等の集積によりどのような効果が創出されているのか伺います。以上です。 ○議長(山崎直史) 臨海部国際戦略本部長。 ◎臨海部国際戦略本部長(久万竜司) キングスカイフロントについての御質問でございますが、キングスカイフロントにおきましては、ライフサイエンス分野の研究開発を行う企業等に加えて、国立医薬品食品衛生研究所、実験動物中央研究所などの評価・支援機関や慶應義塾大学、東京工業大学等のアカデミアなど69の機関が集積し、交流、連携を通じたオープンイノベーションの取組が展開され、最先端の研究開発や研究成果の実用化に向けた取組が進んでいるところでございます。このような企業等の集積により一昨年度の成果といたしましては、キングスカイフロント全体で100億円を超える外部資金が獲得され、研究開発が加速しているとともに、130件以上の特許が出願され、3件の製品が既に上市されております。また、これまでに6社のベンチャー企業が設立され、研究成果の社会実装に向けた取組が進んでいるところでございます。今後に向けましては、さらなる企業集積が進むことから、研究開発が加速し、キングスカイフロントから多くの成果が創出されるよう取組を着実に進めてまいります。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 山田議員。 ◆53番(山田晴彦) 次に、アメリカのファイザー社やドイツのビオンテック社など製薬企業等のメッセンジャーRNAワクチンの実用化に注目が集まっておりますが、キングスカイフロントの中核施設であるナノ医療イノベーションセンター――iCONMでは、センター長を務める片岡一則先生をはじめ、副主幹研究員の内田智士先生がメッセンジャーRNAワクチンの専門家として多数メディアに出演されております。iCONMで研究されている新型コロナワクチンの開発に市民も大いに期待を寄せているところでございます。そこで、iCONMで開発されているメッセンジャーRNAワクチンの特徴について伺います。また、iCONMでは、ワクチン開発をはじめ、難治性がんやアルツハイマー病等の社会的課題解決にも取り組んでおりますが、それらの研究開発の進捗状況と今後の取組について見解を伺います。以上です。 ○議長(山崎直史) 臨海部国際戦略本部長。 ◎臨海部国際戦略本部長(久万竜司) ナノ医療イノベーションセンター――iCONMにおける研究開発についての御質問でございますが、東京都医学総合研究所と共同研究開発が行われている新型コロナウイルス感染症のメッセンジャーRNAワクチンの特徴といたしましては、免疫効率を高めるため独自に開発したメッセンジャーRNAと片岡センター長が開発したスマートナノマシンを応用することで、体内で不安定なメッセンジャーRNAワクチンを安定的に送達し、少量の接種で十分な免疫を獲得できることが期待されると伺っております。現在の進捗といたしましては、iCONMにおける非病原性のウイルスを用いた動物実験がおおむね終了し、東京都医学総合研究所において臨床試験に向けて新型コロナウイルスを使用した動物実験を実施しており、その成果により、今後、予防効果や安全性試験の実施に向けた臨床研究を行うとのことでございます。現在のところ、当初の予定どおり進捗しておりますが、安全性を最優先し、効果を確認しながら慎重な開発を行っていると伺っております。  次に、難治性がんに対する研究開発につきましては、頭頸部がん、軟部肉腫、乳がんにおいて臨床第2相試験が進行中であり、さらに本年9月より難治性の乳がん患者を対象として、核酸医薬を搭載したスマートナノマシンを用いた初の臨床第1相試験が開始されたところでございます。次に、アルツハイマー病につきましては、薬剤を脳内に効率よく送達するスマートナノマシンが開発され、その技術により、従来よりも100倍効率よく脳内へ投与が可能であるという成果が動物実験で確認され、今後、臨床試験に移行していく予定であると伺っております。このように数々の研究成果を創出するとともに、その成果から事業化を進める複数のベンチャー企業が創設されるなど、中核研究である体内病院の実現に向けた取組が着実に進められているところでございます。本市といたしましても、iCONMにおけるワクチン開発をはじめとした様々な革新的な研究を加速させ、市民をはじめとした人々の健康と福祉の向上に大きく貢献するよう研究開発を支援してまいります。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 山田議員。 ◆53番(山田晴彦) ありがとうございます。スマートナノマシンを用いた臨床試験の様子がよく分かりました。今後の体内病院の一日も早い実現に期待を寄せていきたいと思います。  そこで、本市の新型コロナウイルスに立ち向かうナノ医療イノベーションセンターや政府専門家会議の一員として大活躍をされております岡部信彦所長率いる川崎市健康安全研究所など、キングスカイフロントにおける最先端の研究開発機関等の集積は本市の貴重な財産であり、私たち市民の誇りでもあります。キングスカイフロントで取り組まれている様々な研究は市民の健康にも大きく貢献するものであり、市民にしっかり伝えていくことがシビックプライドの醸成にもつながるものと考えます。また、人材育成の視点からも、市内の子どもたちに対する科学の理解促進や興味喚起に向けた取組を行うことが本市発展において大変重要と考えますが、市長の見解をお伺いいたします。 ○議長(山崎直史) 市長。 ◎市長(福田紀彦) キングスカイフロントについての御質問でございますが、次世代を担う子どもたちをはじめ、市民の皆様がキングスカイフロントにおける優れたものづくりや先進的な研究開発に触れ、その取組に理解を深めていただくことは、シビックプライドの醸成や将来に向けた人材育成の観点からも大変重要であると考えております。コロナ禍において、内閣官房参与、新型コロナウイルス感染症対策分科会構成員でもあります健康安全研究所の岡部所長とともに、新型コロナウイルス感染症に関する正確な情報を広く市民にお伝えしてまいりましたが、このこともキングスカイフロントに専門性に秀でた人材が集まっていることによるものと考えております。また、iCONMで進められている新型コロナウイルス感染症のワクチン開発をはじめ、ここで取り組まれる様々な研究が市民にとって関心の高い健康上の課題解決に貢献するものであることを広く周知し、シビックプライドの醸成につなげてまいります。さらに、子どもたちにキングスカイフロントなどで最先端の科学に触れる機会を提供し、科学に対する興味を高めることで、将来、我が国を支える人材がこの川崎から数多く輩出されるよう取組を進めてまいります。以上です。 ○議長(山崎直史) 山田議員。 ◆53番(山田晴彦) ありがとうございます。今後とも広く市民に対し、新型コロナウイルス等の情報提供や最先端の医療情報等の発信に努めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  次のテーマに移らせていただきます。次に、道路整備プログラムについて建設緑政局長にお伺いいたします。市道宮前6号線の野川工区についてであります。現在の進捗状況と今後の整備スケジュールについて、あわせて、部分開通も含めた見解と取組を伺います。以上です。 ○議長(山崎直史) 建設緑政局長。 ◎建設緑政局長(磯田博和) 市道宮前6号線野川工区についての御質問でございますが、本工区につきましては、野川住宅前交差点から久末交差点までの延長約780メートルの区間で事業を進めております。進捗状況についてでございますが、本年3月末現在の用地取得率は約82%となっておりまして、この区間にある南野川橋につきましては、道路拡幅に伴い架け替えが必要となることから、令和4年度の工事着手に向けて、現在、切り回し道路に関する交通管理者協議及び民有地の借地交渉を進めているところでございます。今後の整備スケジュールにつきましては、事業区間のうち和田八幡宮下バス停付近から久末交差点までの約400メートルの区間を、南野川橋の整備に合わせ先行的に完成供用できるよう、用地取得に向けた交渉を進めているところでございます。野川住宅前交差点までの残る区間につきましても、引き続き地権者の御理解と御協力を得ながら、令和7年度の完成を目指してまいります。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 山田議員。 ◆53番(山田晴彦) よろしくお願いいたします。次に、市道宮前6号線と交差する丸子中山茅ヶ崎線の高津区内の蟻山坂工区が現在整備工事が行われております。また、朝夕は、尻手黒川線の渋滞と交差する野川交差点付近から久末交差点付近にかけて、混雑の激しさを増している状況にあります。加えて、2025年頃には仮称等々力大橋が完成し、都内の目黒通りと宮内新横浜線がつながる予定となっておることから、ますます丸子中山茅ヶ崎線の混雑、渋滞が懸念をされるところでございます。そこで、整備計画として野川交差点付近から久末交差点付近の改善を図るべきです。見解と対応を伺います。また、その際、以前より指摘しております野川交差点付近の歩行者の安全対策と久末交差点の右折信号の設置も併せて行うべきです。見解と取組を伺います。以上です。 ○議長(山崎直史) 建設緑政局長。 ◎建設緑政局長(磯田博和) 主要地方道丸子中山茅ヶ崎についての御質問でございますが、野川交差点から久末交差点までの区間につきましては、野川交差点から横浜方面の延長約240メートルの区間である野川高津工区について、第2次道路整備プログラムに基づき令和3年度に事業に着手する予定でございます。また、野川交差点付近の歩行者の安全対策につきましては、拡幅整備に合わせ、歩道を幅員2.5メートルに拡幅し、歩行者の滞留スペースを設けることで歩行者の安全を確保してまいります。久末交差点における鷺沼方面への右折車両対策につきましては、市道宮前6号線の拡幅整備に合わせ、交差点処理について検討してまいります。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 山田議員。 ◆53番(山田晴彦) どうもありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。  次のテーマに移らせていただきます。次に、脱炭素社会について環境局長にお伺いいたします。かわさきカーボンゼロチャレンジ2050についてであります。CO2排出量削減に向けた取組として、再生可能エネルギーの利用拡大を挙げております。まず、本市の太陽光パネルの近年の補助金の執行件数と執行額、傾向に関する見解を伺います。私は、昨年の決算審査特別委員会で、太陽光発電による売電の固定価格買取制度――FITが10年目を迎え、順次満了となるいわゆる2019年問題を取り上げ、卒FIT対策として自家消費のための蓄電池活用を加速するよう指摘させていただきました。近年の蓄電池の補助金の執行件数と執行額、傾向に関する見解を伺います。また、2050年までの達成目標と利用拡大に向けた対策について見解と今後の取組を伺います。以上です。 ○議長(山崎直史) 環境局長。 ◎環境局長(斉藤浩二) 再生可能エネルギーについての御質問でございますが、初めに、太陽光発電設備補助の執行状況につきましては、平成30年度は152件、1,181万4,000円、令和元年度は106件、785万3,000円、今年度は11月末時点で107件、798万1,000円となっております。災害時の電源確保などの理由により根強いニーズが続いているところでございます。次に、蓄電池補助の執行状況につきましては、平成30年度は80件、484万1,000円、令和元年度は96件、617万4,000円、今年度は11月末時点で168件、1,186万4,000円と増加しております。卒FIT対策として、蓄電池の単体導入に対し支援の拡大を行ったことなどの効果があったものと考えております。次に、2050年までの達成目標と利用拡大についてですが、脱炭素戦略では、再生可能エネルギーを基幹電源とする電力が一般普及するとともに、地域のポテンシャルを生かした地産地消の電力供給が定着することをお示ししています。この実現に向け、引き続き社会状況の変化や環境配慮技術の動向等を踏まえた補助メニューの見直しにより太陽光発電設備等の導入促進を図るとともに、設備導入が困難な御家庭におきましては、再生可能エネルギーの電力を購入していただく取組を推進してまいります。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 山田議員。 ◆53番(山田晴彦) ありがとうございます。答弁でも明らかになりましたけれども、卒FIT対策に対しては支援の拡充を行って、平成30年に比べると約倍化して支援を受けるケースが出てきておりますので、今後とも太陽光発電の設備等の導入に対して補助メニューの拡充をぜひともお願いしたい、このように思います。次に、本年、本市を含む九都県市では新たに、太陽光パネル等の設備導入が困難な家庭に対し、再生可能エネルギー電力を購入する取組、再生可能エネルギーグループ購入促進モデル事業を開始しております。事業目的と内容、実績について伺います。あわせて、今後の展開についても伺います。以上です。 ○議長(山崎直史) 環境局長。 ◎環境局長(斉藤浩二) 再生可能エネルギーグループ購入促進モデル事業についての御質問でございますが、太陽光や風力など自然由来のいわゆる再エネ電気の購入を希望する御家庭などを募り、多くの参加者が集まることでスケールメリットが生まれ、比較的安価に再エネ電気を御利用いただくものでございます。再エネ電気に切り替えることで市民の行動変容につなげ、再生可能エネルギー利用拡大を図ることを目的としております。今年度の第1回目の実績につきましては、東京都、神奈川県、横浜市、相模原市と共同で実施し、全体で約4,800世帯の皆様に参加していただいたところでございます。現在は第2回目の参加登録を受け付けており、新たに埼玉県、千葉県、さいたま市、千葉市が加わり、九都県市で連携して取り組んでいるところでございます。引き続き九都県市などで連携して再生可能エネルギーの利用拡大に向け、転入届を出された方への周知や小中学校を通じた広報などにより、さらなる取組を推進してまいります。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 山田議員。 ◆53番(山田晴彦) 分かりました。次に、本市において民生部門と廃棄物部門は、本市全体に占める割合は低いものの基準年度と比べると増加をしております。市役所のCO2等の排出量の約4割は廃棄物焼却であり、主にプラスチック等の焼却によるものとされております。そこで、代表質問でも取り上げたように、昭和電工株式会社で行われております廃プラスチックを原料として水素を取り出すケミカルリサイクルの活用をさらに拡充すべきと考えますが、本市の現状と今後の取組を伺います。以上です。 ○議長(山崎直史) 環境局長。 ◎環境局長(斉藤浩二) プラスチック資源循環に向けたリサイクル技術の活用についての御質問でございますが、本市では、家庭から排出されるプラスチック製容器包装を分別収集し、昨年度は、法の仕組みにのっとり、当該事業者に約5,100トン引き渡し、水素やアンモニアなどにリサイクルされているところでございます。プラスチックごみにつきましては焼却処理に伴い温室効果ガスが排出されることから、脱炭素社会の実現に向けては、発生抑制はもとよりケミカルリサイクルなどのさらなる活用が重要と考えております。現在、国におきましては海洋汚染問題や地球温暖化対策等の様々な課題に対応していくため、今後のプラスチック資源循環施策の在り方が議論されております。この中で、家庭系のみならず、事業者に対する排出抑制や分別、リサイクルの徹底など、事業系プラスチック資源も含めた回収、リサイクルの質と量の向上について検討が進められておりますので、こうした動向も踏まえながら優れた環境産業が集積している本市をフィールドとした先進的なリサイクル技術の活用について検討してまいります。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 山田議員。 ◆53番(山田晴彦) ありがとうございます。それでは最後に、本市の廃棄物発電についてお伺いをいたします。橘処理センター稼働後の本市の余剰電力について伺います。さらに、民間事業者との連携による取組、地域活用計画のイメージについて見解を伺います。以上です。 ○議長(山崎直史) 環境局長。 ◎環境局長(斉藤浩二) 廃棄物発電についての御質問でございますが、令和5年度に高効率ごみ発電が導入される橘処理センターが竣工いたしますと、3つのごみ焼却施設を合わせて約1億2,000万キロワットアワーの売電が見込まれるところでございまして、この電力を市庁舎や区役所など主要な公共施設において利用するなど、地域で活用することが重要であると認識しております。活用策の検討に当たり、10月に実施したサウンディング型市場調査では民間事業者11社に御参加いただき、多くの事業者が電力市場における廃棄物発電の魅力を感じ、本事業への参加意思を示すなど、民間事業者との連携可能性が高いことを確認したところでございます。御提案を踏まえ、市域内に賦存している再生可能エネルギーのポテンシャルの活用、廃棄物発電をきっかけに民間事業者と連携した事業スキームの構築やエネルギーの地域活用について、今年度取りまとめる予定の基本方針案へ反映してまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 山田議員。 ◆53番(山田晴彦) どうもありがとうございました。以上で終わります。 ○議長(山崎直史) 50番、織田勝久議員。 ◆50番(織田勝久) 私は、事前に通告したとおり質問してまいります。  まず1つ目、一般廃棄物収集運搬事業の緑ナンバーの活用について伺いたいと思います。本年3月の予算審査特別委員会の審査において、一般廃棄物収集運搬事業の委託について、緑ナンバーを積極的に活用する視点から、将来に向けての入札選定時の指名条件とすることを検討できないのか質疑したところ、早急に検討し、結論を出すとの答弁をいただきました。ちなみに、同様の要請は地元トラック協会からも出されているわけであります。またあわせて、近隣市や他政令指定都市の実情についての調査も求めておきました。その後の検討の経過と、いつその結果が出るのか伺います。 ○議長(山崎直史) 環境局長。 ◎環境局長(斉藤浩二) 入札条件等の検討状況についての御質問でございますが、安全作業や労働環境をはじめ、様々な視点を踏まえた指名方法の検討に当たりましては、他都市の状況や受託業者の業務実態等を把握する必要があり、この間、調査等を進めてきたところでございます。政令指定都市の調査結果では、各都市の実情に応じて安定的な事業運営に向け様々な入札参加資格を設定しており、千葉市において、収集運搬業務の経験年数の要件を緑ナンバーに限り緩和している事例がございました。その一方、受託業者の業務実態の把握につきましては、各事業所での調査実施に向け、関係団体との調整を進めておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から実施を見合わせている状況でございます。今後、委託業務の安定実施に配慮しながら、なるべく早期に実態調査を行い、次期入札までには、より安定的かつ継続的な収集運搬業務を実施するため、調査結果等の精査及び検討を進め、入札条件等の見直しに向け取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 織田議員。 ◆50番(織田勝久) ディスプレーをお願いします。何回も議場でやらせていただいておりますけれども、白ナンバー、緑ナンバーの違い、ちょっと字が小さいですが、まとめているところであります。ただいま、政令市では千葉市の例の御答弁をいただきましたけれども、ほかにも例えば、相模原市では緑ナンバーの所有が要件となっておりますし、また福岡市などでも要件の一部となっているところです。ただ、他都市の例に倣うというよりも、本市の主体的な判断を示していただく事案であると、この間、提言をしてきたわけであります。緑ナンバーにしますと、何よりも国から法令に基づき認可を受ける事業者になるわけでありますから、その時点で運行管理者の配置をはじめとして、労働者の最低限度の雇用条件と労働環境が担保される、これが一番大きいと考えております。人材不足が心配されている業界の中で安定的な人材の確保ができれば、事業の安定的な経営も可能となりまして、ひいては質の高い市民サービスを提供することにつながると考えるからであります。トラック協会などとも早急にヒアリングをしていただき、入札条件の早急な見直しをお願いしておきたいと思います。  次に参ります。鷺沼駅周辺再編整備について伺います。8月に国土交通省から新型コロナがもたらすニューノーマルに対応したまちづくりに向けてとして、新型コロナ危機を契機としたまちづくりの方向性と称する取りまとめが行われました。これを受けて、再開発準備組合から、川崎市が策定した鷺沼駅周辺再編整備に伴う公共機能に関する基本方針を踏まえつつ、施設計画を検証したいとの申入れがあったと仄聞します。ちなみに、検証の視点として、広場、開放、境界、職住、流動の5つの視点が例示されているとのことです。現在策定中の都市計画決定手続及び環境アセスの手続への影響について伺います。事業の既に示されているスケジュールへの影響についても伺います。次に、検証の内容及び施設計画の予想される変更点についても伺います。また特に、広場、開放、流動の視点から、多目的広場や駅改札口と北街区及び駅前街区をつなぐペデストリアンデッキの整備など、本市と準備組合とでの新たな議論の余地はないのか、対応を伺っておきます。 ○議長(山崎直史) まちづくり局長。 ◎まちづくり局長(奥澤豊) 鷺沼駅周辺再編整備についての御質問でございますが、初めに、スケジュールにつきましては、関連手続を含め、準備組合が行う検証内容に応じて再調整を行うこととなりますが、早期着手に向けて取り組んでまいります。次に、検証内容につきましては、新型コロナ危機を契機として高まったオープンスペースの重要性や職住近接ニーズに対応し、将来にわたり市民の方々が安心、快適に利用できる施設計画となるよう、準備組合と協議調整を行ってまいります。なお、施設計画につきましては、現在準備組合が検証を始めたところでございますが、本市といたしましても、準備組合から例示された検証の視点を踏まえ、開放的なオープンスペースや街区間の円滑な人の流れを促す動線計画について、その実現に向け、準備組合に働きかけてまいります。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 織田議員。
    ◆50番(織田勝久) コロナの時代に非常に即した提案が国からなされていると理解をしているわけでありますが、今申し上げたペデストリアンデッキの整備でありますとか広場の活用、オープンスペースをどういうふうに確保していくかというのを、ぜひ川崎市と積極的な議論をしていただけるとありがたいなと思います。続けて、MaaSの実験についてお聞きをしたいと思っているんですけれども、ちょっと残念ながら答弁調整が十分に整いませんでした。お隣、青葉区を中心に、田園都市線沿線で沿線型MaaS実証実験を2021年1月から4月末まで、また行うことになったそうであります。今回は、新型コロナウイルスで大きく変容した都心通勤者の移動・就労ニーズに対応する実証実験とのことであります。2018年たまプラーザ地区エリア限定の移動サービス実験に続いて、これは2度目の実験になります。本年3月の予算審査特別委員会におきまして、地域生活拠点として整備する鷺沼駅周辺再編整備に関連して、宮前区においても東急側とMaaSの取組、特にオンデマンド交通の実証実験の検討を提言いたしました。この鷺沼駅周辺再編整備事業の意義を市民に十分にアピールする効能が期待できると考えたからであります。その折、市長から前向きな答弁をいただいておりますので、引き続き実現に向けて東急側との折衝を、これはお願いさせていただきたいと思います。  次に参ります。グリーンボンドの活用について伺いたいと思います。まず初めに、ESG投資の促進に対する本市の姿勢について伺います。我が国のグリーンボンドの発行額は、2019年で約8,200億円にも、これはもう本当に増加をしているわけであります。自治体におきましては、東京都がまさにトップランナーとしてやってきまして、既に2017年度から毎年発行しております。次いで、長野県が本年10月から、そして、神奈川県が本年11月からグリーンボンドの発行を始めたわけであります。これらの動向を鑑みて、本市においてもSDGsを推進するために、ESG投資を活性化させることを目的に、新たな政策としてのグリーンボンド発行の実現性について財政局長に伺います。 ○議長(山崎直史) 財政局長。 ◎財政局長(三富吉浩) グリーンボンドについての御質問でございますが、平成26年――2014年に、国際資本市場協会――ICMAが定めたグリーンボンド原則に則し、資金使途を環境対策事業とし、その事業内容や環境改善効果などにつきまして、外部評価機関から認証を受ける資金調達手段でありますグリーンボンドにつきましては、本邦においては、民間企業を中心に広がりを見せているところでございます。本市におきましては、このグリーンボンド原則に先駆け、地球温暖化問題を契機とし、環境に配慮した事業を対象に、平成16年度には川崎市民健康の森債、平成18年度には川崎緑化推進債を住民参加型市場公募債として発行してきた実績がございます。このノウハウを生かし、グリーンボンドにつきましても、新たな資金調達手段として具体的な取組を進めているところでございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 織田議員。 ◆50番(織田勝久) 神奈川県、長野県ともに発行額は50億円であります。事業内容は、神奈川県は気候変動への適応として減災対策を主目的とする一方で、長野県は減災対策とCO2削減の両方を目的としております。本市の本年度の当初予算を見ますと、約654億円の地方債を発行予定しておりますけれども、これらの中で、例えば総事業費見込み約470億円の本庁舎等建替事業など、気候変動へ対応するための投資的事業にグリーンボンドを見込むことも十分に可能と考えるわけであります。さらに、減災対策やかわさきカーボンゼロチャレンジ2050に資する本市自らの取組としてグリーンボンドを発行することで、本市の市債の安定的な発行とSDGsの推進に貢献するESG投資を促進するなどの複合的な効果が期待できると考えます。コロナでの閉塞感が強い現状であるからこそ、ESG投資を積極的に促進することで民間資金の循環を促し、ひいては経済の循環に資する取組として、本市がグリーンボンドの発行を検討、実施することで、政令指定都市で先鞭をつけるその栄誉を担うべきとも考えますが、市長の見解を伺います。 ○議長(山崎直史) 市長。 ◎市長(福田紀彦) グリーンボンドについての御質問でございますが、SDGsの取組や環境・社会・企業統治を重視した投資、いわゆるESG投資の取組が世界的に注目を集める中で、先般策定した脱炭素戦略「かわさきカーボンゼロチャレンジ2050」では、脱炭素化に資するグリーンファイナンスの推進の一つにグリーンボンドを位置づけておりまして、来年度の発行に向けて取組を進めているところでございます。この取組を通じて企業や市民の皆様の関心を高めることにより、投資家の資金を呼び込むとともに、環境分野における革新的なイノベーションを川崎から発信し、2050年の脱炭素社会の実現に向けて全市一丸となって取り組んでまいります。以上です。 ○議長(山崎直史) 織田議員。 ◆50番(織田勝久) ただいま市長からの御答弁で、来年度からグリーンボンドの発行を行う準備をしているということでありました。大変時宜に即した施策だと思います。市長は11月に策定したカーボンゼロチャレンジ2050の前文で、国内のトップランナーとして、脱炭素社会の実現に向けた取組を先導していくと述べておられますので、また今後の取組に期待し、注視してまいります。  次に参ります。北部市場について伺います。現在、市場機能更新に関するサウンディング型市場調査が実施されております。現行の川崎市卸売市場経営プランの基本目標の実現に向け、必要となる北部市場の機能更新を検討しており、市場性の有無や実現可能性、アイデア等の把握を目的とするとのことです。関連して何点か伺います。初めに、余剰地の活用について、現行の都市計画の見直しを想定しているのか伺います。余剰地の活用について、例えば宅地造成を含まない戸建て住宅やマンションなどの居住系施設整備の提案がなされた場合の本市の判断について伺います。次に、この調査の目的とする北部市場の目標取扱量と一般会計からの繰入金の削減等についての考え方を伺います。また、運営体制については、当面直営体制を維持するとしておりますが、当面とはいつまでを指すのか、それぞれ具体的に経済労働局長に伺います。 ○議長(山崎直史) 経済労働局長。 ◎経済労働局長(中川耕二) 北部市場についての御質問でございますが、都市計画等の変更につきましては、サウンディング調査の結果等を踏まえ、市場の活性化等を考慮した上で、その必要性を検討してまいります。余剰地の提案につきましては、現在実施中のサウンディング調査の実施要領におきまして、市場機能と連携した民間収益施設等を想定することを示しておりますので、提案内容を踏まえ検討してまいりたいと存じます。次に、北部市場の目標取扱量につきましては、卸売市場経営プラン改訂版において、平成26年度の取引量の維持としているところでございます。一般会計からの繰入金の削減等に係る具体的な手法につきましては、令和3年度中に策定を目指している仮称卸売市場機能更新に係る基本計画の中で明らかにしたいと考えております。次に、北部市場の運営体制につきましては、令和7年に見直しが予定されている改正卸売市場法の動向等を踏まえ、次期経営プランに反映してまいりたいと存じます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 織田議員。 ◆50番(織田勝久) サウンディングによる再整備後の市場の取扱量は、今御答弁いただきましたけれども、2014年度の実績値を維持するものとしておりますけれども、取扱量の減少に歯止めがかからず、既に2019年度の実績値と比較しても約2万トンの乖離があるわけです。果たして、2014年度の実績値をどのように維持していくのか、これは本当に大きなテーマだと思います。また、大きく懸念しておりますのが、サウンディングに求める民間事業者の提案事項、これは要領に書いてありますけれども、コンパクト化した場合、発生した余剰地の活用方法への対応であります。市場の本来目的とは異なるディベロッパーの土地開発事業に出すのではないかという懸念があるわけであります。サウンディング調査と時期を同じくして市場内事業者に、例えばM&Aの勧誘の郵便などが複数届くようになりました。既に定期借地契約を持つ場内事業者を取り込む思惑の先に何があるのかと、ついつい想像をたくましくしてしまうわけであります。当面、どんな提案を受け検討するにしろ、まず、本市としての市場経営の基本方針が確立していないことには、私はお話にならないと考えております。特に、一般会計からの繰入れの常態化や北部市場だけでも28億円にも上る起債の償還の在り方なども、具体的な解決方針を庁内で検討することが先決であるということを改めて述べておきたいと思います。  それで次に、大変恐縮ですが、この市場運営の緊張感のなさの実例として、現在計画中の北部市場照明改修工事について伺いたいと思います。令和3年度から3年間かけて、総額約7億円の予算見積りとなっている巨額工事であります。サウンディング調査を受けて、再整備基本計画の策定の後、早ければ令和8年度から全面改築が予想される工事着手のスケジュールが示されている。要は、今の建物を全部壊すということも予想されるという意味でありますけれども、その施設にこれから7億円かけて照明改修工事を行う必要があるのか、これは大いに疑問を感じるわけであります。事業費の費用対効果を考慮した適正さもさることながら、果たして、市場内部の各事業者からの正式な要請があって計画されている事業であるのかの知見を得ることができません。ですから、例えば従来から正式に改修の要望があった青果仲卸組合からの要請箇所だけの工事であれば、約4,000万円程度の工事見積りとなっているわけであります。正式に要請があった箇所の改修工事は、やはり直ちに行うべきと思いますけれども、そういうことを前提に、市場全体の照明改修工事計画を見直すべきと考えます。経済労働局長に伺います。 ○議長(山崎直史) 経済労働局長。 ◎経済労働局長(中川耕二) 北部市場の照明改修工事についての御質問でございますが、市場内の照明につきましては、これまで本年末に水銀灯の製造、輸出入が禁止となることや、省エネ・エコ化の観点などを踏まえ、一部市場内における照明のLED化を実施してきたところでございますが、現在検討している市場の機能更新に関する基本計画と整合を図りながら、縮減に向けた見直しを行い、効率的、効果的な改修に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 織田議員。 ◆50番(織田勝久) まず、開設者に無駄遣いをなくす、ある種当たり前の体質改善と緊張感、これをぜひ求めておきたいと思います。これからも、このサウンディング調査の動向を厳しく注視していきたいと思います。  次に参ります。都市計画道路横浜生田線水沢工区の進捗について伺いたいと思います。ディスプレーをお願いします。これも議場で何回かお示ししておりますけれども、鷺沼駅前再編整備に関して、非常に重要な2か所の都市計画道路横浜生田線と梶ヶ谷菅生線でありますが、特に左側、丸印の中です。北部市場から菅生緑地を抜ける僅か100メートル、ここの部分がテーマであります。これにつきましては、この間、私の議会質問でもありますし、他の会派の議員からの質問等もございますけれども、議会の答弁を基に、現在の道路整備プログラムには当時平成33年――令和3年までの着手、完成とはっきり明記されているわけです。川崎市側では、用地の取得及び測量も終わり、あとは詳細設計を行う段階となっております。川崎市サイドはもう着々と進めているということなんですが、横浜市との9月4日の協議の際、横浜市に対し、地元自治会との意見交換会の場を年内をめどに調整することを要請したところ、11月24日の協議では、10月5日に当該自治会から川崎市との意見交換は開催できないと、そのような回答が寄せられたと仄聞するところです。これは本来であれば、横浜市の担当者が主体的に地元自治会と工事実施に向けての調整、交渉を行うべきところ、あたかも川崎市が主体の事業実施であるかのごとき、この腰の引けた消極的な対応は本当に理解に苦しむところです。これは1957年に都市計画決定されてから60年以上も放置されている当事者意識のない横浜市の対応について、本当に甚だ遺憾に感じるところであります。今後、横浜市と事務レベルでどのような協議を行っていくのか、今後の対応について建設緑政局長に伺います。 ○議長(山崎直史) 建設緑政局長。 ◎建設緑政局長(磯田博和) 都市計画道路横浜生田線水沢工区についての御質問でございますが、本工区につきましては、北部市場から市境を越え、横浜市側の都市計画道路元石川線と接続する計画でございまして、工事着手に向けては、周辺住民の理解が必要であると考えていることから、本年9月に横浜市との部長級の協議において、まずは、道路整備に対する関係住民との意見交換の開催を要請したところでございます。これに対し、本年11月に横浜市からは、意見交換であっても関係住民から開催の同意が得られず、横浜市としても今回の開催を見送りたいとの回答がございました。今後の対応につきましては、都市計画道路の重要性を踏まえ、両市が共通の認識の下、事業に取り組むことが必要であることから、局長級協議を実施し、横浜市とより一層の連携を図りながら、早期の工事着手に向けて取り組んでまいります。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 織田議員。 ◆50番(織田勝久) 川崎市サイドとしては、部長級の職員も含めて、本当に丁寧に現地に出向いて横浜市と交渉しているわけですよね。それでも全然この対応に乗ってこないと。いよいよ局長にお出ましを願う事態になったんですけれども、ぜひ御奮闘を御期待申し上げておきます。本当にどうぞよろしくお願いいたします。  次に参ります。川崎市における地域包括ケアシステム構築の取組について確認をしておきたいと思います。障害児支援のあり方検討プロジェクトにおきまして、教育分野との連携を強化し、乳幼児から学齢児まで一貫した支援体制を構築するということが主要なテーマの一つとなっております。今後、障害児の育ちと教育に関して、療育と就学のスムーズな連携の在り方への運用の改善、具体的には、就学相談から就学に至る段階での保護者との意思の疎通の在り方を改善し、未然にトラブルを防止することが重要な目的と理解をしております。そのためには、保護者との意思の疎通をより丁寧に図ることを大前提に、乳幼児から学齢児まで一貫した支援体制を構築するとの視点から、障害児が未就学の時点での療育等の情報を就学に至る就学相談に十分に反映させることが極めて重要と考えます。例えば、就学相談の時期を早めて、時間に余裕を持って保護者の意見や要望に丁寧に対応することなども考えられると考えます。情報共有の在り方及び教育委員会の支援の必要な子どもの就学の決定のプロセスにおける保護者との合意形成の在り方について、さらなる見直し、改善をどのように図るのか具体的に伺います。次に、障害児の情報を保護者と療育側と学校側の3者が早くから共有する視点で、障害児支援利用計画及びこれに基づく個別の支援計画を学校と保護者でつくる個別の教育支援計画及び個別の指導計画――教育委員会は合わせてこれをサポートノートと言っておりますけれども――に適正に反映する仕組みづくりが必要と考えます。これら2点について教育長に伺います。 ○議長(山崎直史) 教育長。 ◎教育長(小田嶋満) 支援を必要とする子どもの就学についての御質問でございますが、初めに、就学相談につきましては、特別支援教育センターが、就学2年前の保護者を対象に就学までの大まかな流れ等について説明を行っており、就学1年前から個別に具体的な相談を進めているところでございます。個別相談が開始される以前につきましては、地域療育センター等の福祉機関が、特別支援教育センターと情報を共有し対応することとしておりますが、より丁寧な就学相談の在り方について、関係局と障害児相談支援の在り方検討会議等を通じて、引き続き協議を進めてまいります。次に、情報共有につきましては、福祉機関からの情報を学校での指導内容に反映させることは、対象児童のよりよい成長につながるものと認識しておりますので、就学前に福祉機関で受けていた支援内容を共有するという視点も含め、現在学校で使用しているサポートノートをより有効に活用できるよう、関係局と協議しながら見直しを図っているところでございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 織田議員。 ◆50番(織田勝久) 前向きな御答弁をいただいたと感じております。とにかく、障害児の増加を受けて、療育と教育の連携について、局の縦割りを乗り越えて、やっと少し動き出してきたなという感触を実際感じるものであります。サポートノートの有効的な活用と見直しと具体的な提案もなされておりますので、一刻も早い具体的な改善対応を求めておきたいと思います。ちょっと時間がありますので、これは文教委員各位ということで、12月8日に教育次長から、就学通知処分取消等請求控訴事件についてということでの情報提供がありました。これはかつて私もここの議会で取り上げました、宮前区菅生に住んでいた光菅和希君が地域の学校に通いたいという希望をずっと持っていたにもかかわらず、教育委員会との就学相談等がうまく整わずに、結果的にタイムアップになって特別支援学校という判断になったんですが、その後も、とにかく地域の学校で何らかの交流を持ちたいんだということで、一時地元の小学校へ通常の元気な子どもたちと交流する機会も何とかつくったんですが、それを受け入れてくれる学校の対応も十分ではなかったと、そのような課題が実際あったわけです。それで、川崎では無理だったんだけれども、いよいよ彼らも苦渋の決断ですよね、世田谷区に引っ越したら、特別支援学校どころか、今もう通常の学校に通っているわけです。これはこの間も質問しましたけれども、どうしてそんなに教育委員会の判断に違いがあるのかと、世田谷の教育委員会に確認したら、まず保護者の意向というものをしっかりと確認をするんだと。その保護者の意向に沿った形で、通常の学校に子どもが通いたいということであれば、そのための体制をつくりますと。では、特別支援学校、特別支援学級の判断はどうするんだという話を聞きましたら、特別支援学校に行かせたいという保護者の希望があれば、就学相談をはじめ特別支援学校に入る手続をしっかり踏んでいくんだという話を聞いて、本当に目からうろこが落ちる状態だったんですよ。川崎市の場合はそこの部分の対応が、県の教育委員会等を含めて、どうも十分にできていなかったのではないか。  一番最後に、私は本当に残念だと思ったのが、保護者も最後までやっぱり納得ができていない、満足されていないということで、もう一度、光菅君の状況について、まず医師の診断書がどうなっているのかということを確認しなさいと、それからもう一つ、保護者にしっかりと理解、納得いただけるような努力をしなさいと、県の教育委員会もそのような指導といいますか、異例のお願いを川崎市の教育委員会にしたんだけれども、それも川崎の教育委員会は何もしないでタイムアップにしてしまったわけでしょう。そのようなことがあって残念ながら裁判になってしまった。私が相談を受けた時点では、もうかなりこじれ切った状態だったので、私は残念ながら、行政訴訟に訴えたって労力をかけるだけでなかなか難しいんじゃないかというような話を一生懸命したんだけれども、残念ながら教育委員会の担当の対応も含めて、本当にこれは全然もう交渉の余地がないというか、何とか訴訟を止めるということもできなくて、そういうことも含めて本当に痛恨の極みのテーマなんですよ。だから、第二の光菅君の事件が起きることがないように、とにかく保護者の意向をまずしっかりと聞いていただいて――保護者の意向を100%受けなければ駄目と言っている意味ではないんですよ、保護者の意向をまず十分に聞いていただいて、丁寧に対応することを心がけていただき、今回のサポートノートの有効的な活用の見直しなどという提言もいただいていますから、ぜひ、療育と就学相談につながる療育サイドと教育、特にこれは総合教育センターになりますけれども、そこの意思の疎通の図り方も含め、しっかり改善をしていただきたい、そういうことを強く申し上げまして質問を終わります。 ○議長(山崎直史) 32番、宗田裕之議員。 ◆32番(宗田裕之) 私は通告どおり、一問一答形式で伺ってまいります。  戸籍、住民票の事務処理における民間委託についてです。川崎市は市民の個人情報を扱う窓口で、事務処理などを民間事業者に委託しています。しかし、市民の方から、各地で委託業者の情報漏えい、改ざんなどの問題が出ており、個人情報がきちんと守られているか不安の声が寄せられています。それでは、戸籍、住民票の事務処理についてです。戸籍、住民票の事務処理で外部委託をしているのは、どういう部署で、どういう業務をしているのか伺います。 ○議長(山崎直史) 市民文化局長。 ◎市民文化局長(向坂光浩) 住民基本台帳事務等の業務委託についての御質問でございますが、委託している業務としましては、各区役所区民課及び支所区民センターに来庁された方の住民異動届書に基づく異動入力や、各種証明書の出力等でございます。また、郵送請求事務センターにおきましては、郵送請求された方の各種証明書の出力及び交付手数料の収納事務等でございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 宗田議員。 ◆32番(宗田裕之) 市が委託している業務としては区役所の窓口業務で、住民異動届の入力や各種証明書の出力業務、また、郵送請求事務センターでの戸籍などの各種証明書の郵送業務ということです。それでは、住民のプライバシー情報の保護について伺います。市が事務処理を委託しているりらいあコミュニケーションズについてです。りらいあコミュニケーションズは、今年6月、鹿児島では通話データを改ざん、捏造していた問題が発覚、さらに11月、東京都でも個人情報の漏えい事故を起こしています。住民のプライバシー情報の保護について、民間委託している事業者に対してどういう対策を打っているのか伺います。 ○議長(山崎直史) 市民文化局長。 ◎市民文化局長(向坂光浩) 住民基本台帳事務等の業務委託についての御質問でございますが、委託業務の履行に当たってのセキュリティ確保につきましては、個人情報の取扱いについて必要な事項を定める個人情報の取扱いに関する情報セキュリティ特記事項を約款と併せて契約を締結しております。また、守秘義務の履行を担保するため、委託事業者に対しまして、業務従事者との連署による誓約書の提出や、事前及び定期的に秘密の保持についての教育を実施することを義務づけているところでございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 宗田議員。 ◆32番(宗田裕之) 委託事業者に対して誓約書の提出や教育を行っているということですが、業務従事者が非正規労働者の場合、その職場を辞めた後の秘密保持はどう担保されるのか、この不安は拭い切れません。それでは、郵送請負業務の場合、送られてきた申請書を開封し、その申請に沿って証明書を印刷して郵送する、こういう場合、戸籍など、その方の個人情報に触れるわけですが、情報漏えいの危険性はないのか伺います。 ○議長(山崎直史) 市民文化局長。 ◎市民文化局長(向坂光浩) 郵送請求事務センターの業務委託についての御質問でございますが、郵送請求事務センターでの業務におきましては、従業者に対し守秘義務を課していること、端末操作の記録を採取すること、事務室に電子記録媒体の持込みを禁ずることなどにより、情報漏えいの防止に努めております。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 宗田議員。 ◆32番(宗田裕之) 端末操作の記録を採取、また、電子記録媒体の持込みを禁じることで、情報漏えいを防止しているということです。しかし、記録媒体の持込みなどを禁止しても、作業を四六時中監視することはできないわけで、これでは情報漏えいを防ぐことには不十分です。個人情報の守秘義務について、公務員と民間職員とでは、法令上も厳しさが違います。民間に委託した場合、個人情報の漏えい問題が起こる危険性は高くなると思いますが、伺います。 ○議長(山崎直史) 市民文化局長。 ◎市民文化局長(向坂光浩) 住民基本台帳事務等の業務委託についての御質問でございますが、委託された業務に関して知り得た個人情報に関する秘密について、契約期間中及び契約満了後、あるいは契約解除後においても漏えいした場合には、住民基本台帳法の罰則規定及び川崎市個人情報保護条例の罰則規定が適用されることが委託仕様書に明記されているところでございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 宗田議員。 ◆32番(宗田裕之) 民間職員にも罰則規定があるからという答弁ですが、民間職員と公務員とでは厳しさが全然違います。公務員の場合、憲法を守る宣誓をし、自覚と責任を持って秘密を守るという義務が法律で厳しく課せられています。一方、期限付で不安定な雇用形態で働いている民間業者の従業員に対して、同様の義務を課せるのかは疑問です。行政と民間事業者との間で個人情報を保護する旨の協定が結ばれていたとしても、公務員について懲戒処分や刑事罰が設けられていることと対比すれば、民間事業者における個人情報の漏えい等の問題が生じる危険性は著しく高いと言えます。現に、東京都では情報漏えいは防げなかったわけです。それでは、戸籍法など法令上の違法性について伺います。戸籍などの個人情報を民間事業者に委ねることは、住民の個人情報の保護やプライバシー権の保障を脅かす危険があると思いますが、伺います。 ○議長(山崎直史) 市民文化局長。 ◎市民文化局長(向坂光浩) 住民基本台帳事務等の業務委託についての御質問でございますが、業務を委託することにつきましては、内閣府による地方公共団体の適正な請負(委託)事業推進のための手引きに基づき、適正な事務の範囲内で委託するとともに、関係法令等にのっとって的確に業務を実施してまいります。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 宗田議員。 ◆32番(宗田裕之) 内閣府の手引や関係法令にのっとって実施しているという答弁です。しかし、戸籍と住民基本台帳等の管理は、法令により市区町村長が管轄することとしています。これは、様々な法令や権利関係を左右する出生や死亡、その他親族関係を公に証明する制度の重要性から、特定の利害関係を有する営利事業者ではなく、市区町村長が管轄することとしたものです。このように、戸籍事務の民間委託は、戸籍法等の法令が市区町村職員の権限としている事項に民間事業者の職員が関与するという点で違法です。以上のことから、郵送請負業務において民間職員が戸籍等を取り扱うことは違法性が高いと言えます。また、一たび、個人情報漏えいの問題が生じれば、行政としても住民に対する損害賠償のリスクを負うことになると思いますが、伺います。 ○議長(山崎直史) 市民文化局長。 ◎市民文化局長(向坂光浩) 住民基本台帳事務等の業務委託についての御質問でございますが、個人情報の漏えい等の問題が発生した場合におきましては、住民基本台帳法の罰則規定、川崎市個人情報保護条例の罰則規定及び関係法令等にのっとり、市が主体となって適切に対応してまいります。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 宗田議員。 ◆32番(宗田裕之) 住民に対して損害賠償するだけでは、これは収まらない、行政としての責任が問われます。住民の個人情報、基本的人権に関わる大事な事務を民間に委託していたこと、さらに、情報漏えいの危険性や戸籍法令などの違法性が高いとの懸念が専門家から指摘されていたのに、委託していたことなどの責任も問われるわけです。それでは、偽装請負などの法的問題点について伺います。2014年、東京都足立区が戸籍事務を民間委託していたことについて、偽装請負などの法的問題で裁判にもなっています。職場では、委託業者に対して直接、業務遂行に関する指示等を行うことが想定されている場合は、本来は労働者派遣契約を締結しなければなりません。しかし、この派遣契約を請負契約にした場合、委託業者に直接指示などをすれば偽装請負になり派遣法違反となります。それでは、民間職員が区職員に直接問合せをすると偽装請負となりますが、こういう場合はどのように対応しているのか伺います。 ○議長(山崎直史) 市民文化局長。 ◎市民文化局長(向坂光浩) 住民基本台帳事務等の業務委託についての御質問でございますが、委託に当たりましては、運用責任者、現場責任者及び現場副責任者の配置を義務づけております。運用責任者は、業務が円滑に行われるよう、契約所管課と現場責任者との間で連絡調整等を実施し、また、現場責任者は業務従事者に対する指揮監督を行い、現場責任者が不在の場合には、現場副責任者が代わって行うこととしておりますので、業務従事者は直接職員に問い合わせることがないような体制となっているところでございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 宗田議員。 ◆32番(宗田裕之) 今の答弁を分かりやすく言いますと、民間職員は業務に関して質問などあれば、一旦現場責任者に伝え、現場責任者は運用責任者に伝えて、そして運用責任者は市職員に伝えます。市職員がその回答を、また同じルートで伝えています。まさに伝言ゲームなんです。1つの質問でもこれだけの工程を経なければなりません。これは効率化とは真逆の運用です。それでは、窓口で受付した届出の入力について、区職員の判断を介在せずに実行することとされています。しかし、入力するに当たっては、法令上の要件を満たすかどうかについて判断を要する事項が多岐に及んでいます。このような場合、どのように対処するのか伺います。 ○議長(山崎直史) 市民文化局長。 ◎市民文化局長(向坂光浩) 住民基本台帳事務等の業務委託についての御質問でございますが、住民異動届等の内容につきましては、本市職員が窓口で確認した上で委託事業者に引き継ぎ、業務従事者はシステムへの入力のみを行っておりますので、委託事業者が判断等を行うことはございませんが、内容に疑義がある場合には、現場責任者を通じて確認を行うこととしております。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 宗田議員。 ◆32番(宗田裕之) それでは、届出の不備の補正について、民間事業者の判断により届出の補正をすることは許されていません。そういう場合はどういう対応を取っているのか伺います。 ○議長(山崎直史) 市民文化局長。 ◎市民文化局長(向坂光浩) 住民基本台帳事務等の業務委託についての御質問でございますが、確認の結果、届出に不備等があった場合につきましては、現場責任者からその事実のみが本市職員に伝えられ、補正等につきましては職員が実施することとしております。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 宗田議員。 ◆32番(宗田裕之) このように民間職員の入力作業といっても、単なる質問から届出の不備、不備の補正など、一々これだけの手順を踏む必要があるんです。これのどこが効率化なのでしょうか。窓口業務と入力業務を切り分けていることについて、一体であるべき業務が分断され、非常に非効率であると思いますが、伺います。 ○議長(山崎直史) 市民文化局長。 ◎市民文化局長(向坂光浩) 住民基本台帳事務等の業務委託についての御質問でございますが、業務の一部を委託することにつきましては、当該業務の事務フローを精査し、関係法令等に抵触することのないよう、各フェーズを的確に分割した上で、民間スキルの活用や事務の費用対効果を踏まえ実施しているところでございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 宗田議員。 ◆32番(宗田裕之) 本来、市職員がやれば1人で済むところを、民間委託により民間職員が事務処理をすれば、これだけ複雑な手続を踏まなければならないんです。自治体の効率化どころか、全く非効率な状況となっています。それでは、民間事業者で働く労働者の賃金についてです。民間事業者は、自治体から委託料を受け取って運営されることになっていますが、これにより自治体は、人件費の抑制や自治体財政の効率化が進められるとしています。しかし、全国の労働組合からは、官製ワーキングプアをさらに拡大させるおそれがあると指摘されています。市の仕事をやっている労働者がワーキングプアとなるような事態は許されません。それでは、住民票の事務処理において外部委託をしている民間事業者で働く職員、派遣など非正規労働者の賃金などについて見解を伺います。 ○議長(山崎直史) 市民文化局長。 ◎市民文化局長(向坂光浩) 住民基本台帳事務等の業務委託についての御質問でございますが、住民異動届に基づく異動入力等の業務委託につきましては、国の定める最低賃金や複数の事業者から徴取する見積り等に留意し、要員の役割や職責を踏まえ、現場責任者は2,977円、現場副責任者は2,577円、業務従事者は1,931円、また、郵送請求事務センターの業務委託につきましても同様に、現場責任者は3,066円、現場副責任者は2,400円、業務従事者は1,866円で積算したところでございます。契約の締結に当たりましては、関係法令等にのっとり適切に実施しておりますので、委託業務に従事する者の賃金につきましても、事業者において適切に処理されているものと考えております。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 宗田議員。 ◆32番(宗田裕之) 業務委託の賃金の積算では、時給1,900円から3,000円と市職員並みの賃金で積算されていました。しかし、問題は、民間事業者が民間職員に対して、きちんとこのような賃金で払われているかどうかなんです。民間委託では、市が民間職員の賃金までは把握することが難しく、どのような雇用形態で働いているかも不明です。まさにここに大きな問題があります。意見要望です。以上のように、区役所での窓口業務や郵送請負業務の民間委託は、市民の個人情報保護の点で情報漏えいなど危険は拭い切れず、法令上の違法性が高く、偽装請負など法的問題があり、業務自体非常に非効率になっています。さらに、民間事業者の下で働く労働者の賃金や雇用環境も不透明で、官製ワーキングプアを拡大させるおそれがあります。これらの点から、市の業務から分断されたこれらの業務の民間委託については見直しをして、市の職員の業務に戻すことを要望いたします。  それでは次の質問に移ります。高津区蟹ケ谷の旧動物愛護センター跡地利用についてです。まず、旧動物愛護センターの跡地利用について、現在どのような計画になっているのか伺います。 ○議長(山崎直史) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) 旧動物愛護センター跡地利用についての御質問でございますが、当該用地につきましては、平成31年2月の中原区上平間への施設移転に伴う用途廃止を踏まえ、普通財産への変更手続を行った上で、本年4月に建物の解体工事を完了し、現在更地の状態で管理を行っております。今後につきましては、総務企画局危機管理室が所管する防災行政無線屋外受信設備の移設設置先等の部分を除き、一般競争入札による売却が計画されております。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 宗田議員。 ◆32番(宗田裕之) 現在は、跡地は更地になっており、民間に売却する計画ということです。それでは、どのような経過で民間に売却することにしたのか伺います。 ○議長(山崎直史) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) 跡地の売却方針についての御質問でございますが、跡地活用につきましては、局内において他事業での活用の可能性について検討いたしましたが、敷地面積や立地条件等から活用には至らず、その後、平成31年2月に実施の財政局による全庁調査につなげたものでございます。調査の結果につきましては、総務企画局危機管理室が所管する防災行政無線屋外受信設備の継続設置以外に活用希望がなかったことを受けまして、令和元年10月の公有地総合調整会議において、一般競争入札による売却方針を決定したものでございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 宗田議員。 ◆32番(宗田裕之) 答弁では、まず局内で活用希望がなく、全庁の調査でも活用希望がなかったため、民間への売却方針が決まったということです。しかし、本当に市民からの活用希望、要望がなかったのでしょうか。それでは、自治会からの要望についてです。蟹ヶ谷自治会の方が市に、旧動物愛護センターの跡地はどうなっているのかと聞いたところ、もう民間へ売却することが決まっていると言われ、要望を聞いてもらう機会がほとんどなかったと伺っていますが、蟹ヶ谷自治会の意見は聞いたのか伺います。また、どのような要望が出ていたのか伺います。 ○議長(山崎直史) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) 地元からの御意見についての御質問でございますが、蟹ヶ谷自治会に対しましては、平成30年12月に中原区上平間への動物愛護センターの移転並びに移転後の施設解体等について御説明を行ってきたところでございまして、自治体からは、当該敷地内に設置されている地域のごみ集積所について、施設移転後においても継続利用ができるよう配慮してほしいといった御意見をいただいたところでございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 宗田議員。 ◆32番(宗田裕之) 答弁では、蟹ヶ谷自治会からは、ごみ集積所の継続利用のみの要望だったということですが、私が自治会に伺ったところ全く違う意見でした。蟹ヶ谷自治会は、避難場所である子母口小学校や橘公園へ行くには川を渡らなければならず、近くに避難場所となる広場もありません。自治会自身の備蓄倉庫はなく、いろいろな施設の一部を借りるなどして備蓄物資が分散してしまっています。自治会の方からは、市民の土地なのだから市民のために使ってほしい、なぜ民間に売却するのかという意見が出ていました。自治会のこれらの要望は、跡地利用に際して、どのように反映するのか伺います。 ○議長(山崎直史) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) 地元からの御要望への対応についての御質問でございますが、全庁調査の結果とこれまでの地元からの直接の御要望を踏まえ、ごみ集積所の前面につきましては、狭隘な道路に接しており、当該敷地以外に散乱防止用ダストボックスを設置するためのスペース確保が困難な状況にあることから、防災行政無線屋外受信設備の移設設置と同様に、ごみ集積所の設置スペースも確保することとし、用地売却後におきましても、引き続き地元の方々が利用できるごみ集積所として配慮してまいりたいと存じます。また、一般競争入札の実施に当たりましては、備蓄倉庫や避難場所等に関して、関係局区に情報伝達を行うなど、丁寧に進めてまいりたいと存じます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 宗田議員。 ◆32番(宗田裕之) 自治会から出ている避難場所、備蓄倉庫のスペースも、ぜひ確保できるように要望いたします。  それでは、公有地総合調整会議についてです。跡地利用について、公有地総合調整会議において、どこの局からも手が挙がらなかったため民間に売却することになったと伺っています。しかし、全市的には特別養護老人ホームや認可保育所、公園、緑地など、政令市の中でも特に不足していますが、その増やせない最大の理由は、土地の確保ができないという答弁です。土地がないと言いながら、市の土地があっても民間に売却するということはどういうことでしょうか。認可保育所についてです。4月1日時点で希望する認可保育所に入園できなかった保留児童数は2,400人を超えています。しかも、この地域は、待機児童数が特に多い中原区と高津区の中間地点にあります。認可保育所が明らかに不足している地域なのに、なぜ手を挙げなかったのか伺います。 ○議長(山崎直史) こども未来局長。 ◎こども未来局長(袖山洋一) 認可保育所についての御質問でございますが、待機児童対策における保育所整備においては、主たる手法である民間事業者活用型保育所整備の募集に当たり、地域の保育所利用ニーズを踏まえ、鉄道最寄り駅を中心におおむね1から1.5キロメートル圏内を整備指定地域に設定しておりますので、当該用地については希望しなかったものでございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 宗田議員。 ◆32番(宗田裕之) 鉄道駅から1.5キロ圏内に入っていなかったから希望しなかったという答弁です。しかし、駅周辺はただでさえ土地の確保が難しく、この方針でどうやって2,400人の待機児童を解消できるのでしょうか。本来は、自宅近くの保育園をできるだけ増やすことこそ市民ニーズです。この方針では、待機児童の解消も市民ニーズにも応えることはできません。
     それでは、公園と広場についてです。都市公園の人口当たりの面積は、川崎市は政令市の中でワースト2位と、政令市の中でも最も公園や緑が少ない都市の一つです。また、自治会からも指摘されているように、この地域には災害の際の広場がほとんどありません。これだけ公園、広場が求められているのに、なぜ手を挙げなかったのか伺います。 ○議長(山崎直史) 建設緑政局長。 ◎建設緑政局長(磯田博和) 公園の整備についての御質問でございますが、街区公園の整備に当たっては、本市緑の基本計画に基づき、小学校区を構成する町丁目の3分の2以上に公園を配置するよう努めているところでございます。動物愛護センター跡地は、子母口小学校区内にあり、当該校区はこの配置の考え方を満たし、街区公園を優先的に整備する地区に当たらないため、公園用地の対象としなかったものでございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 宗田議員。 ◆32番(宗田裕之) 街区公園としては満たしているからという答弁でした。街区公園としては満たしていても、実際、避難場所となる公園も川を越えていかなければならず、自治会の備蓄倉庫の置場もないなど、防災避難場所としては全く足りていません。どこも手が挙がらなかったからといって、どうして市民の土地を簡単に民間に売却するのか、土地の確保が難しいと言いながら、どうして簡単に市民の土地を売却するのか伺います。 ○議長(山崎直史) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) 跡地の売却についての御質問でございますが、当該用地の活用方針の検討に当たりましては、周辺の中長期的な行政ニーズを含め、全庁的な市有地利用調査を実施し、危機管理室所管の防災行政無線屋外受信設備の継続設置以外の利用意向がないことを確認したところでございまして、低未利用地となった場合の用地管理の問題、売却による財政効果等を総合的に勘案し、公有地総合調整会議において、一般競争入札による売却方針を決定したものでございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 宗田議員。 ◆32番(宗田裕之) 意見要望です。川崎市は、特養ホーム、保育園、公園、広場、避難場所など、これだけ市民からの要望が出ているのに、市の局からはどこからも活用希望が上がらなかったこと自体問題です。さらに、手が挙がらなかったからといって、すぐに民間に売却してしまうということも、あまりにも拙速です。例として、高津区久末地域の久末配水塔跡地は、最初は利用を希望する局はないということで、駐車場に貸与する計画が進んでいました。しかし、周辺住民や町会から、民間に貸し出すと市民が使えなくなる、更地で残して防災のための公園をなどの声が出て、現在、町会の防災格納庫ができており、跡地の管理は町会が行っています。このような利用方法も可能ではないでしょうか。どの局からも活用希望が出ていない跡地も市民の土地ですから、市民のために使えるようにすべきです。こういう低未利用地については、民間に売却せずに周辺住民や町会・自治会の要望をしっかり聞いて、市民や子どもたちが使えるようにすべきことを強く要望して終わります。 ○議長(山崎直史) 57番、浅野文直議員。 ◆57番(浅野文直) 私は、事前に通告いたしました3点につきまして、それぞれ副市長並びに関係局長に伺ってまいります。  初めに、入札制度について財政局長に伺います。これまでも入札制度改革につきましては、我が会派だけではありませんけれども、代表質問をはじめ、何度もやり取りをしてまいりました。工事案件につきましては、先日の代表質問でも伺ってまいりましたので、今回は委託案件について伺いたいと思います。まず、以前取り上げて改善いただいた、例えば産廃の車両の県への届出書の写しの提出、こういったことによって一時的に委託の入札については、参加者が減ったというような事態も少しございましたが、今は大分また戻ってきている。あのときにこういったことを取り上げたのは、落札候補になりながら落札者にならないという、無効になるというような入札が出るからでございます。実際に落札候補になりながら落札者にならなかった入札が、その後どの程度発生しているのか、理由とともに伺いたいと思います。また、その場合のペナルティについても伺いたいと思います。 ○議長(山崎直史) 財政局長。 ◎財政局長(三富吉浩) 入札手続についての御質問でございますが、財政局契約課で執行する委託契約における競争入札参加者の資格審査につきましては、入札事務を迅速かつ効率的に進めるため、入札執行後に落札候補者に対してのみ審査を行う事後審査方式を採用しているところでございます。このうち各区道路公園センターが発注する道路清掃等業務委託における入札参加資格につきましては、業務履行に必要な条件として、産業廃棄物収集運搬業の許可を受けていること及び業務の履行に必要な特殊車両を保有、または賃貸借により調達できることを入札参加資格としております。当該業務委託において、落札候補者が入札参加資格を満たさず最終的に落札者とならなかった案件につきましては、平成29年度以降、本年11月末日までに一般競争入札で契約した46件中、今年度の1件のみでございまして、その要因は、資格として必要な産業廃棄物収集運搬業の一部の許可を受けていなかったことによるものでございます。また、当初の落札候補者が参加資格を満たさないことが判明した場合には、その者の入札を初めからなかったものとして無効とし、次順位の入札者を新たな落札候補者として改めて資格審査を行うこととしておりますが、無効となったことをもって、その後の入札参加資格を制限するなどの取扱いは行っておりません。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 浅野議員。 ◆57番(浅野文直) 今の答弁ですとペナルティがないわけですから、とりあえず入札に参加をして、電子くじでたまたま当たって、そのときに、そういった車両等がリースができるのかどうか、そういったことを当たって、できれば自分で行うし、または、実態としては自分で持っていないけれども、持った形だけ、名義だけ変えて上投げ下投げというようなことが起きているのが、これの実態なんですよ。中には、そうした業者でありながら災害協定の一角に参加をして、川崎市から主観点数までもらっている業者もあるわけです。これで本当に、いざ災害が起きたときに、その市内業者に川崎市は助けてもらうことができるんでしょうか。そうしたペーパーカンパニーのような会社が数多く参加する入札に何の意味があるんでしょうか。税金をかけてわざわざ公共工事を行う、実態として、人もいない、機械もない、そういった会社がくじで当たったからといって、工事を取っていくことに何の意味があるんでしょうか。これが市内の健全な企業育成になるのか。いざ大規模災害が起こったときに、そうした企業がどれだけ役に立つのか、早急に見直すべきであると思いますけれども、伺います。 ○議長(山崎直史) 財政局長。 ◎財政局長(三富吉浩) 入札参加資格についての御質問でございますが、一般競争入札の参加資格要件につきましては、業務委託等が確実に履行されるよう適正に設定することが重要であると考えております。地方自治法施行令第167条の5の2におきましては、一般競争入札において、適正な契約の履行を確保するため、その性質または目的により特に必要があると認められる場合には、同種業務の履行実績や業務の履行に必要な資格を有する者の配置などを入札参加資格条件として設定できることとしている一方、その設定に当たっては、競争性、公正性の確保の面から必要最低限にする必要がございます。こうした観点を踏まえ、道路清掃等業務委託における適正な入札参加資格の設定や、落札候補者が資格要件を満たしていなかった場合の対応等につきまして、当該業務における市内中小企業者の実態を踏まえるとともに、他都市の事例を検証するなど、関係局と協議の上、検討を進めてまいりたいと存じます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 浅野議員。 ◆57番(浅野文直) 今、関係局と協議の上、検討を進めていきたいということなんですが、答弁の中で、地方自治法施行令第167条の5の2で、適正な契約の履行を確保するために必要があると認められる場合には、必要な資格を有する者の配置などを入札参加資格の条件と設定できるんだと。ただし、その入札の公平性だとか競争性を担保するために、それは必要最低限にする必要もあるんだということで、これは両方とも確かに正しいですよね。財政局としては、多くの入札参加者を確保して競争させるという一つの目的については達成ができると思うんですけれども、もう一つ、先ほどから言ったとおり、災害等のときのための危機管理、さらには、本当に人も抱えて機械も持っている市内の健全な企業を育成するという観点からすると、ここのバランスが川崎市はどうなのかということを私は何回も取り上げさせていただいているのであります。車を買って自己の所有にして、国家資格を取った責任者、資格者を雇って、常に準備をしていて、毎回入札に参加しても、何十分の1の確率でしか電子くじに当たらない。それが、そうした車両は実際は持たずに、いざ当たったときだけ、どこからかそれを調達してやろうという企業が、同じ土俵で入札に参加しているということに大きな疑問を感じるんです。そもそも競争入札参加資格審査申請において、川崎市では業者区分を6業種まで認めることも、こうした問題の大きな要因になっているのではないか。多くの業種登録を認めるということはいいとしても、本来の実業として、生業として行っている事業で、人も機械も持って行っている市内業者がその仕事を取っていただいて、健全に育っていくということが、税源培養――税金の培養という点でも、あるべき姿だと思います。他都市では、業種登録はできるけれども、優先順位をつけさせて、入札に参加した中で1番があるならば、その1番の業者の中から選んでいくとか、または完成工事高の最も高い業種を優先登録業種にするとか、手法は幾らでもあるわけですし、各議会からのヒアリング等を通じても、毎回これは要請もさせていただいているわけですから、そういった改善が必要だと思いますので、再度伺いたいと思います。 ○議長(山崎直史) 財政局長。 ◎財政局長(三富吉浩) 事業者の競争入札参加資格における登録業種についての御質問でございますが、入札の執行に当たりましては、契約の種類及び金額に応じた適格者を速やかに選定できるよう、あらかじめ入札参加を希望する事業者の資格要件を審査し、工事、委託、物品の各区分で有資格業者名簿を作成しているところでございます。また、入札執行における競争性、公平性の向上や事業者の施工能力の確保などを図るため、事業者は各区分それぞれ6業種、最大18業種まで登録できることとしております。事業者が複数の業種を登録する場合において、優先順位を定め、それに基づき発注をすることは、事業者が最も専門性を有すると考えている業種での入札参加が期待できる一方で、本来履行が可能な事業者の入札参加が損なわれることも想定され、競争性、公平性の確保に課題があるなど、メリット、デメリットの両面がございますことから、他都市の取組状況等も踏まえ、事業者の御意見を丁寧に伺いながら、健全な市内事業者の育成に向けて検討してまいります。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 浅野議員。 ◆57番(浅野文直) 我々、一議員も、また会派も、いろいろな団体や個人、企業主からもヒアリングをします、意見交換をします。大手の方々は、それはやり遂げる能力があるから、逆に業種もたくさん増やしてくれとか、もっと広げていろんな入札に参加できるようにしてほしいという声は、我々ももちろん聞いております。中小企業の中では、実態として、人や機械があまりなくても、とりあえず参加させてもらって、当たったら何とか手当てして、仕事だけもらえればいいやという方々もいらっしゃる。私が本当に問題にしているのは、生業として、きちんとそれを専門業者としてなりわいにしている方々が、そうした方と一緒になって電子くじに参加せざるを得ないような状況になっていることによって、もう川崎市でこんな仕事をやっているのはばかばかしくてやってられないと、その風潮がもうずっと続いているわけですよ。ぜひ市長にも聞いていただきたいというか、市長さん、副市長さんは、このコロナ禍で変わった議会の中でも、トイレにも抜けられなくて大変なんですが、ずっと聞いていただいているわけなんですが、やっぱりこれまでの川崎市の入札は、言葉を悪く言えば安かろう悪かろうで、入札に参加してもらう方がペーパーだろうが何だろうがたくさんいて、電子くじで当たって、最低制限価格で落として、何とかやりましたという形が整えばいいじゃないかというのが、ずっと続いてきているわけですよ。だけれども、これは聞いていただいたら分かるとおり、本当に人と機械を抱えて臨んでいる企業と、それを抱えずに、くじに当たったときだけとりあえずやろうという人たちが、同じ土俵で川崎の入札に参加しているというのは、近隣に比べても明らかにおかしい。150万市民を抱える川崎市が、いざ災害が起きたときに協力していただける市内の健全な企業育成のための公共工事をやらなくてどうするのかということです。  副市長を先頭にした入札契約制度・発注等検討委員会でも、こうした抜本的な事項について検討していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○議長(山崎直史) 藤倉副市長。 ◎副市長(藤倉茂起) 入札契約制度についての御質問でございますが、本市におきましては、適正な入札契約事務の執行及び市内中小企業者の育成を図るため、入札契約制度の改善、適切な分離分割発注などの検討を進める全庁横断的な組織として、入札契約制度・発注等検討委員会を設置し、入札契約制度改革に取り組んでいるところでございます。適正な履行能力を有し、また災害時などにおいては地域に貢献していただける市内中小企業者の受注機会をしっかりと確保し、健全な育成を図ることは大変重要と認識しておりますので、本委員会も活用しながら、課題を整理し、検討を進めてまいりたいと存じます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 浅野議員。 ◆57番(浅野文直) 本委員会も活用して検討していただけるということなので、ぜひお願いしたいと思います。  それでは続きまして、等々力硬式野球場の整備について建設緑政局長に伺いたいと思います。いよいよ供用が開始されました等々力硬式野球場ですけれども、私も先日開催された中学硬式野球市長杯に松川議員ですとか、市民文化局長と一緒に出席をさせていただきました。市民文化局長のすばらしい始球に始まりまして、すばらしい球場ができたなというのを本当に体感してまいりました。10月10日に利用が開始されたと思うんですけれども、それ以降どういった団体が利用して、さらには今後の利用が想定されているのか伺いたいと思います。また、利用時に場外にホームランボールが出てしまったというような事例があるのか伺います。 ○議長(山崎直史) 建設緑政局長。 ◎建設緑政局長(磯田博和) 等々力球場の利用状況についての御質問でございますが、利用団体につきましては、川崎野球協会や神奈川県高等学校野球連盟、日本野球連盟、首都大学野球連盟など、小学生から大学生、社会人からシニアまで、幅広い世代の皆様が属する団体に御利用いただいております。今後の利用につきましては、各団体による大会開催や練習試合等での利用が予定されております。次に、場外ホームランにつきましては、10月18日の高校生の練習試合において、1本あったとの報告を受けております。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 浅野議員。 ◆57番(浅野文直) 場外ホームランは1本、高校生が出したというのが、この2か月程度の間に起こったということなんですが、以前も議会等でもやり取りがあったと思うんですが、多摩川の河川敷に硬式野球の練習場を造るに当たっても、一番危惧されたのは、硬式のボールが飛び出して、万が一、河川敷の利用者に当たるなんていうことがないようにということで、非常に苦慮されてやってきたわけですよ。今回の等々力球場も外野のスタンドの先は、道路もあるし、市民も歩くし、車も通るしという場所ですよね。今回、私が参加させていただいたのは中学の硬式野球でしたから、恐らく中学の試合をやっている間では、そうそう出るということはないだろうと見るんですけれども、集まっていた方々は、シニアの方々含めて大人の方々もたくさんいらっしゃいました。意見交換をさせていただくと、非常に危惧されている方々がたくさんいる。社会人野球も当然ここでやるわけですし、今、高校生のホームランが出たんだという話でしたけれども、高校生は金属バットでボールを打っているわけですよ。だから、フルスイングで、万が一速い球にいいタイミングで当たってしまうと、場外ホームランは今の川崎のあの球場だと出てしまう。となると、何でレフトとライトに途中まで来ているフェンスをセンタースタンド側まで引いてくれなかったのかという、ちょっと心配があるわけでして、石のように硬い硬式ボールですから、万が一、市民の方にあれが当たったり、車に飛び込んだなんていうことになると大変ですから、指摘がしてあったにもかかわらず、川崎市はそれを野放しにしていたなんていうことになると大変な問題になってしまいますので、この整備についての見解を伺いたいと思います。 ○議長(山崎直史) 建設緑政局長。 ◎建設緑政局長(磯田博和) フェンス整備についての御質問でございますが、外野の防球ネットやフェンスの高さにつきましては、社会人や大学生などの一般的な打球における飛距離を想定して設計しております。等々力球場の施設利用を開始してから約2か月と日が浅いことから、今後も試合等の利用における場外へのホームラン等の飛び出し状況を把握してまいります。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 浅野議員。 ◆57番(浅野文直) 把握されている間に、万が一それが人に当たったりしたら大変ですので、ぜひ把握していく過程で利用者の方々の意見ですとか、本当にどういうふうにシミュレーションされているのかよく見直していただいて、必要であれば、お金がかかることではありますけれども、代えがたい内容でありますので、フェンス――防球ネットと言うんですかね――の延長について早急に御検討いただきたいと思います。  それでは最後に、旧競馬事業特別会計の貸付けについて伺いたいと思います。これは、これまでも同僚の議員や、また、先日の決算審査特別委員会でも我が会派の橋本議員が分科会においてやり取りをしております。主要施策の成果説明書・運用基金状況調書には、旧競馬事業特別会計に対する競輪事業特別会計への平成11年度末での累計31億4,386万円という貸付けがあり、競馬組合に移行後も、あたかもこの債権が残っていて、近年の競馬組合からの配当金によって返済されているがごとくの記載があるわけです。私もそうかと、当時解散して、清算して、競馬組合に移行した後も、きちんとここの部分は担保されて、川崎の競輪から川崎競馬組合は31億円借りたまま設立して、ここでようやく黒字化が数年間続いているわけですから、それを配当金なりそれ以外のもので支払いをきちんとされているのかということで、競馬組合議会での質疑をさせていただきました。これは加藤副市長も参加をされている場所でしたが、組合側には、あくまでもこれは利益からの配当金であって、返済金であるとか、返済義務があるということは、そもそも意識されておりませんでした。まず、この貸付金というものが実際に存在しているのか。競馬組合からの配当金は、あくまでも返済金という位置づけにあるのか、経済労働局長に伺いたいと思います。 ○議長(山崎直史) 経済労働局長。 ◎経済労働局長(中川耕二) 旧競馬事業特別会計についての御質問でございますが、競輪事業特別会計からの貸付金につきましては、一部事務組合である神奈川県川崎競馬組合が平成12年4月に発足したことに伴い旧競馬事業特別会計が廃止され、特別会計条例において両会計間の処理として消滅したものでございます。しかしながら、競馬組合の経営が安定し、構成団体である川崎市への収益配分金が出た場合には、この配分金を競輪事業特別会計に優先的に繰り入れることを明確にするため、主要施策の成果説明書に貸付相当額として明記しているものでございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 浅野議員。 ◆57番(浅野文直) 今の答弁では消滅していると、消滅しているからないんですよね。ないんだけれども、その当時は貸したお金があったから、あたかもそれがなくなっていますじゃまずいので、こういうふうに記載をしている。競馬組合からは配分金として川崎市に払っているわけですけれども、それを競輪特会のほうにとりあえず入れて、競輪特会で出している配分金と合わせて川崎市に繰り出しているという、しかも、それによって競馬組合から入っている配分金の分だけ、何かあたかも借金を返してもらいましたみたいに当初の貸付金が年々減っているんですよ。だけれども、もともとの貸したお金というのは消滅していると認めているわけですし、競馬組合側も借りたお金を返しているなんていう意思は全くないわけですよ。これは市民の方にもちょっと誤解を招いてしまいますし、そもそも競輪を所管する経済労働局さん側としたって、川崎市に結局は配当を繰出金として全額出しているわけで、当時お金を貸していたんだから、本当だったら返してもらえば、それを競輪のために何らかの形で使うことだってできるけれども、今のこの流れでいってしまったら、貸したお金は返してもらったけれども、その返してもらったお金も川崎市にただ払うだけで、自分たちのことだとか、地域の富士見のことに何か使おうと思ったって、そういうわけに今度はいかないんじゃないですか。競馬組合からの配分金を競輪特会へ組み入れる必然性があるんでしょうか。返済ではなくて配当金であるということを川崎市も認めるのであれば、一般会計に入れるべきだと思いますけれども、伺います。 ○議長(山崎直史) 経済労働局長。 ◎経済労働局長(中川耕二) 競馬事業の配分金についての御質問でございますが、神奈川県川崎競馬組合から本市への構成団体配分金につきましては、これまでの経緯を踏まえ、一旦、競輪事業特別会計の歳入としておりますが、今後の競輪施設の整備などとのバランスを取りながら、競輪事業の収益金と合わせて、現状では全額を一般会計へ繰り出しているところでございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 浅野議員。 ◆57番(浅野文直) 先ほどの入札の件も、担当する財政局さんだとか、危機管理という点で例えば総務企画局さんだとか、そういったところに聞いても、それぞれの立場での物の考え方があると思いますが、そこはやっぱり例えば入札であったって、市が市内の事業の育成をどうするのかということを考えて、抜本的に変えてもらわなければなりませんし、この競輪だ、競馬だという話も、所管する局としては、当時あったことをできるだけ明瞭に分かるようにしておきたいという気持ちもあるでしょうから、今のままであれば同じようなことの繰り返しになる可能性もあるので、所管する加藤副市長にこれまでの話を聞いた上でお聞きしたいと思うんですが、今やり取りしたとおり、貸したお金というのは、そのときにもう消滅したことになっているので、実際に存在していない。だから、競馬組合としては、あくまでも配分金を川崎市さんに払っていると。それをとりあえず受け取っている競輪事業側は、何かあたかも当時の貸付金が少しずつ減っているような形にしながら、だけれどももらったお金は全額川崎市に繰出しをするような既定路線になってしまっているわけです。そうすると、こういう記載の仕方をするのであれば、競輪にしろ、競馬にしろ、それこそ昭和二十数年の始まった時期から、これまで川崎市にどれだけ寄与してきたのか、払出しをしてきたのか、その上で、一時的に厳しくなったときに、競輪事業特別会計から競馬事業特別会計に幾らこういう貸し借りがあったというものが何らかの形で残っていれば、十分内容としては把握ができるものですし、今の競馬組合からの配分金はあたかも川崎競輪の貸付金の返済であるように見せるのは、逆に誤解を生むのではないかと思いますし、受け取っている競輪特会側だって、貸したお金を返してもらっているんだったら、本当は競輪がもしも何かあったときに、または売上げが落ちていったときに使ったっておかしくないけれども、今の形では使えないですよ、こんなことになってしまったら。そういったことを考えると、この点について何らかの見直しが必要なんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○議長(山崎直史) 加藤副市長。 ◎副市長(加藤順一) 競馬事業の配分金についての御質問でございますが、先ほど経済労働局長から答弁させていただきましたけれども、やはりこの間の経緯というのがございまして、当時の判断として、その経緯をきちんと残すことが大切だという判断があって、現在のような形になっているかと思います。この件につきましては、今、過去の経緯を承知しないで現状だけ見ますと、議員がおっしゃるとおり、これは一体どういうものなんだという御指摘もあろうかと思いますが、やはり、この経緯も含めてきちんと説明することが、現時点では重要なことだと思っております。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 浅野議員。 ◆57番(浅野文直) 確かに、それは大切で一理はあるのですけれども、もう20年前の話ですから、逆に言えば当時31億円の貸付けがあって、そのままになっているよというのが返済されていないわけですから、ただし、そのおかげで川崎の競馬は、今は競馬組合として逆に利益がこれだけ出るようになって、市に毎年入っていますよというのをただし書きできれば十分なんじゃないかなと思います。このコロナ禍でいろんな産業が大打撃を受けている中で、今、私と岩隈議員を競馬組合のほうに出していただいておりますけれども、川崎競馬は売上げとしても恐らく史上最高額ですよ。今まで数百億円ずつ上がってきていたのが、今もう900億円、もしかしたら1,000億円行くんじゃないかというような状況ですから、こういう非常事態なので、内部留保とかは後回しにしてでも、配分金をしっかりと出していただけるようにということを、これは恐らく競馬組合議員、県のほうも含めて皆求めていくことだと思いますので、それに向けて対応していただくようにお願いすることになると思いますけれども、それは競輪事業への返済ではないわけです。20年前の話を引き続いて、ちょっと早まったというか、当時の流れに乗ってそのまま書いていくことがいいのか悪いのかというのは、きちんと違う場所で記載していただければ分かる話でありますので、ぜひ見直していただきたいと思います。以上で終わります。 ○議長(山崎直史) 52番、雨笠裕治議員。 ◆52番(雨笠裕治) それでは私は、通告に従いまして一問一答で順次質問をさせていただきたいと思います。  まず最初に、保育事業におけるパワーハラスメントの状況及び対応について伺いたいと思います。くしくも今月はハラスメント撲滅月間であります。令和元年6月5日に女性の職業生活における活躍の推進等に関する法律等の一部を改正する法律が公布され、労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法が改正されました。令和2年6月1日からの施行ということであります。この本改正によって、職場におけるパワーハラスメント防止のために雇用管理上必要な措置を講じることが、本年6月から事業主の義務となりました。いわば法改正から1年間の周知期間が設けられましたが、効果の発動自体は既に1年半が過ぎていると考えていいと思います。そこで、本市保育事業における職場でのパワーハラスメントの発生状況について、過去3か年についてお答えをいただきたいと思います。以上です。 ○議長(山崎直史) こども未来局長。 ◎こども未来局長(袖山洋一) 認可保育所におけるパワーハラスメント発生状況についての御質問でございますが、職員に対する運営法人または施設長からのパワーハラスメントに関する事案として、現時点で本市に相談のありました件数は、平成30年度から今年度まで、各年度3件ずつの計9件でございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 雨笠議員。 ◆52番(雨笠裕治) 平成30年度から各3件ずつということでございます。大別この9件を種別ごとに分けていきますと、9件中、園長等から職員に対してが7件、そして、理事長から職員へが1件、さらに、理事長から園長、職員に対してが1件、また、これをちょっと切り口を変えてみまして、9件中職員が大量退職をした事例が5件にも及びます。また、労働施策総合推進法改正、令和元年6月5日以降の発生対応が6件もございます。そこで伺いたいと思いますけれども、発生したこういった事案について、局としてはどのような取組をしたのかお答えをいただきたいと思います。以上です。 ○議長(山崎直史) こども未来局長。 ◎こども未来局長(袖山洋一) 本市の対応についての御質問でございますが、相談があった際は、パワーハラスメントだと考えられる言動の経緯や状況、頻度、行為者との関係性等を相談者の心身の状況などにも配慮しながら把握し、相談者の意向も踏まえた上で、運営法人や施設長に対しても事実確認等を行っております。その言動が業務上必要な範囲を超えると思われるものにつきましては、解決に向けて、運営法人等への助言指導や職員へのアフターフォローを実施し、必要に応じて職員や保護者への説明を運営法人等に対し要請するなど、事案に応じた対応を行っているところでございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 雨笠議員。 ◆52番(雨笠裕治) 運営法人や施設長に対しても事実確認をして、そして運営法人等への助言指導や職員へのアフターフォローを実施して対応していると、事案に応じて対応しているというところでありますが、この9件中、指導の後にパワハラの相談窓口を設置した法人は僅か1件にとどまっています。問題なのは、法人運営の代表者である理事長が、現場運営に責任を持っている園長、職員11名に対して行った令和元年5月に相談が開始されたパワーハラスメントの事案であります。その職員からの訴えの文書がございますが、誰に給料をもらっているんだと礼を強いられる、泣いている子どもをだっこしようとすると抱くなと大声で叫ぶ、職員の意見も聞かず急な残業を強いる、職員の前で園長や副園長を罵倒する、エプロンが嫌いで今すぐ脱げと言われる、シングルマザーはよくないと決めつける、従わないやつは首にすると脅す、あと事例を挙げたら、これはちょっともう聞いていられないような事例が寄せられています。それで、およそ1年余りの長い時間がこの事例はかかって、最終的には理事長が交代、園長、副園長、関係した常勤職員11名の中の3名、計5名が結果としては退職をしました。これも大量退職に当たるんだと思います。ともすれば、現場の不安、不満は、不適切保育に直結をする非常事態につながるおそれがあります。この間、市に相談しても話を聞いてもらっただけで、保護者から声が上がらないと動けないとの保護者への協力を仰ぐ文書も存在しています。市の介入が遅れたのは、当該法人の理事長が長年、保育会の会長を務めた人物であるからではとの市の姿勢への批判も聞かれています。問題は、このような事案を誘引してしまった法人の運営組織が機能していないことに起因していることだと思います。令和4年の設置義務を待たず、パワーハラスメントの防止委員会を設置させるよう、理事会、評議員会に求めるべきでありますけれども、これは担当の伊藤副市長にお答えをいただきたいと思います。以上です。 ○議長(山崎直史) 伊藤副市長。 ◎副市長(伊藤弘) コンプライアンス委員会等の設置についての御質問でございますが、労働施策総合推進法の改正に伴いまして、職場におけるパワーハラスメントの防止策として、事業主は、雇用管理上必要な措置を講じなければならないとされたことからも、運営法人におきまして、パワーハラスメントを防止するための体制整備として、同委員会等を設置、活用することも、一つの手法であると考えております。本市におきましても、パワーハラスメントにより保育士等の就業環境を害することがないよう、運営法人に対し、相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備など、雇用管理上講ずべき措置内容を周知する等、法改正の趣旨を踏まえて、パワーハラスメント防止対策の推進に向けた取組を進めてまいります。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 雨笠議員。 ◆52番(雨笠裕治) 本当に保育所というのは児童福祉所ですから、運営ができないじゃ済まない、そういう法規定になっています。今お答えいただきましたけれども、パワハラの原因というのは、個人の資質、姿勢に負うことはもちろんですけれども、先ほども申し上げましたが、法人運営組織の問題でも私はあると思っています。そのために、厚生労働省は国民の福祉を守るために、平成28年に社会福祉法人の運営組織の改正を行いました。法人運営に関わる重要事項の議決機関である評議員会の必置義務、理事は業務執行の決定、理事長の職務の監視を行うという理事会の構成。そして、監事は理事の職務執行を監視する。つまり、相互チェック機能が強化をされたわけですけれども、局長さん、実態は、このことの実働性が問われているんですよ。ですから、自治体の監査機能を発揮されるときに、ぜひ、その法人の理事会や評議員会がしっかり機能をしているのかどうかのチェックを改めてしてみてください。今は防止法ができましたから、令和4年にはこれをつくっていかなければいけないですよね。でも本来は、そんなことがなくたって理事会、評議員会がしっかりと機能して、監事が見ていれば、これは足りることなんですよ。その原点にもう一度立ち返っていただいて、パワハラの防止はもう絶対に行っていくということで、断固とした対応をしていただければと思います。  それでは次の質問に移らせていただきます。新型コロナウイルス感染症ワクチン接種の対応と準備について、まだ接種の開始時期については分かってはいませんけれども、国も接種体制確保事業の目的等ということで、もう既に都道府県があらかじめ準備しておくべき主な事項や、市町村があらかじめ準備しておくべき主な事項を、10月23日に通知をしております。そこで、新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種に対する本市の準備状況、これについてまず伺いたいと思います。以上です。 ○議長(山崎直史) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) ワクチン接種体制についての御質問でございますが、新型コロナウイルスワクチンにつきましては、不確定要素が多数ある中、国から10月下旬に接種体制の確保についての通知が発出されたところでございますが、今般、接種体制に関する自治体向けの説明会が近々に予定されております。今後、ワクチンの供給が可能となった場合には、速やかに接種を開始できるよう情報収集を行うとともに、市民一人一人に不安が生じないよう適切に対応してまいりたいと存じます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 雨笠議員。 ◆52番(雨笠裕治) 次に、想定される問題点と課題対処の取組の考え方についてお示しをいただきたいと思います。以上です。 ○議長(山崎直史) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) ワクチン接種に想定される問題点等の御質問でございますが、適切なワクチン接種を実施するため、予防接種体制の整備、予算の確保、医師会等の関係団体の協力が必要であると考えておりますので、今後、国や県などと連携しながら迅速に対応してまいりたいと存じます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 雨笠議員。 ◆52番(雨笠裕治) これはちょっと市長さんに要望をしておきたいんですけれども、現時点で、まず大半の医師が懐疑的である、そういうお気持ちをお持ちの医師が多い。今後、この点一つ取っても、この事業執行は市町村の事業になりますけれども、社会を二分するような大きな問題に発展する要素は高い。この相談窓口の対応一つ取っても、専門的な窓口は県、基本的な接種の事務的なものは市と言っても、どちらかに対応を一本化するなり、相談内容の考え方を整理しておかないと、かけたはいいけれども、医療の安全性の点は県に言ってくれと言われるのでは、これはちょっと相談窓口として機能していかないと思いますので、十分な時間をかけて、丁寧に準備をしていただきますようにお願いしておきたいと思います。  それでは次に、新型コロナウイルス感染症の無症状・軽症者への対応について伺いたいと思います。無症状・軽症者の療養についてでありますが、軽症者の宿泊施設療養については、湘南国際村95床、横浜市内3か所1,013床、相模原市内40床、厚木市内444床と現時点で民間宿泊施設が確保されてございます。県主導の配置は一見合理的と見えても、療養前後において様々な行政対応がパッケージとして必要とされる中、政令指定都市として宿泊施設がない、宿泊施設設置というのは住民感情としてみれば、やっぱり近いところで、分かっているところで――特に若い人は、変な話ですけれども、関内に行ったことがないとか、厚木ってどこですかとか、相模原ってどこなんですかと、そんなことを言ったら本村市長に怒られてしまいますけれども、本当に不安ですし、どうせ宿泊をして療養するならば身近なところでさせていただきたいという声も寄せられております。今増加傾向にあるこの状況の中で、県に対して、それぞれの宿泊所の契約は期間があるので見直ししますから、契約の見直しの際に、川崎市内に民間宿泊施設の確保をするよう調整すべきと思いますけれども、お答えをいただきたいと思います。 ○議長(山崎直史) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) 宿泊療養についての御質問でございますが、軽症及び無症状の方が療養を行う宿泊施設につきましては、都道府県が確保するものとされており、神奈川県においては、現在7施設、1,592床が確保されているところでございます。施設の利用者は、8月以降、1日150人前後で推移しておりましたが、11月に入ると増加傾向となり、300人を超える日も出てきており、また、神奈川県において入院基準を変更したことにより施設利用者の増加が見込まれることから、その動向について注視しているところでございます。今後につきましては、感染拡大に備え、現施設の契約期間や感染状況等を考慮し、県と連携調整してまいりたいと存じます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 雨笠議員。 ◆52番(雨笠裕治) 言えるものと言えないものもおありでしょうから、ただ、早急に解消していただけるということですので、よろしくお願いをしておきたいと思います。  次に、アルバイトに生計を頼る人や学生の無症状・軽症者が、療養をすると療養後の生活において家賃や生活費の枯渇に直面することとなって、来月からもう暮らしていけないやと、こういう不安から体調が悪くても病院に行かないなどの事例が出ております。つい最近、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、どうも50歳以下の人が移動して二次感染を起こしていることがほぼはっきりしてきた、なるべくそうした人の動きを止めることが重要だと指摘をされています。このように、来月の生活費、そして家賃、これらの枯渇に直面する人たちをどうやって安心させて、この人たちを自宅療養、そしてまた宿泊療養に導くかということが、今後、これからの最大のテーマになると思いますけれども、この療養後の短期生活再建に対する準備について、担当の伊藤副市長にお考えをお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(山崎直史) 伊藤副市長。 ◎副市長(伊藤弘) 療養後の生活再建についての御質問でございますが、新型コロナウイルス感染症に関する各種支援策につきましては、だいJOBセンター等の相談窓口や社会福祉協議会の緊急小口資金等の制度を含め、本市ホームページにおいて周知を図っているところでございます。今後につきましては、検査結果で陽性が判明した方に対する保健所からの連絡の際に、療養に関する案内に加え、本市ホームページに生活支援に関する各種制度等が掲載されている旨を御案内するなど、療養後の生活に不安がないよう、支援策の周知に努めてまいります。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 雨笠議員。 ◆52番(雨笠裕治) ぜひ、でき得る限りのことをしていただいて、ここが私は川崎の感染についての肝になると思っています。ですから、ホームページの出し方も、療養をされる皆様方へ、療養中でも様々な生活再建、生活不安についての申込みについて、お電話で問合せができますということをしっかりとうたっていただいて、この人たちが大丈夫なんだなと思えるように、また、できれば先ほど申し上げたように、川崎市内に療養施設があって、そこで川崎の行政が、しっかりとあなたたちのことは面倒を見ますよという姿勢を表していただきたい。この2つ、ぜひ実現をしていただきたいと思います。  それでは最後の質問でございますが、川崎市の公共用地の管理及び売払いについてでございます。これも続けて2年に1回ぐらい質問させていただいておりますが、川崎市所有の廃止した水路や道路残地等の売払い方針の基準について、改めて確認したいと思います。以上です。 ○議長(山崎直史) 建設緑政局長。 ◎建設緑政局長(磯田博和) 廃道廃水路敷地の売払いについての御質問でございますが、本市が所有する道水路につきましては、道路等の管理及び処分に関する事務処理要領に基づき、当該道水路が機能、形態のないこと、今後も一般に供する必要がないこと、また、公共事業計画の用地でないことなどの要件を満たす場合に、市有財産の有効活用の観点などから売払いを行っているところでございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 雨笠議員。 ◆52番(雨笠裕治) 売れるところは資産管理マネジメントでほとんど売ってきましたから、ただ、こういうところは残っているんですけれども、売払い申請が出た場合の価格評価は何を基として考え、不整形などの理由による減額の評価係数を出しているのかと、ちょっと高いんじゃないかというふうなお話をいただくこともありますので、これについてお答えいただきたいと思います。 ○議長(山崎直史) 建設緑政局長。 ◎建設緑政局長(磯田博和) 売払い価格についての御質問でございますが、売払い可能な廃道廃水路敷地につきましては、その多くの形状が長狭でございまして、単独利用が困難なことから、廃道廃水路敷地等の評価要領を定め、売払いを行っているところでございます。土地価格の評価につきましては、細長い形状、幅員、接道、方位等を考慮し、地価公示地または県基準地の価格を基に算定を行っているところでございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 雨笠議員。 ◆52番(雨笠裕治) こういった不整形で、なかなか管理もしづらい状況になっているような土地を、実際は市民から公共用地だから管理してくださいと言われるんですが、これについて、業務委託にかかっている区ごとの費用と、これは決算額で結構です。それから、平米当たりの手で刈る除草、肩かけの機械を用いて除草している積算の内訳と単価についてお答えいただきたいと思います。 ○議長(山崎直史) 建設緑政局長。 ◎建設緑政局長(磯田博和) 除草費用についての御質問でございますが、道路敷地の除草につきましては、各区役所道路公園センターが業務委託するものと職員が直接作業するものがございます。業務委託においては、主に肩かけの機械を用いて除草しており、令和元年度の1平方メートル当たりの設計単価は、運搬費、処分費及び諸経費を含め約390円でございます。また、業務委託の令和元年度の決算額につきましては、おおむね川崎区で1,120万円、幸区で740万円、中原区で710万円、高津区で980万円、宮前区で1,620万円、多摩区で1,920万円、麻生区で2,890万円、合計9,980万円となっております。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 雨笠議員。 ◆52番(雨笠裕治) ざっと手刈りだけで、平米390円で約1億円かかっているんですよね。売払いのタイミングのときに売払いができないと、こういったお金がどんどん、例えば5年で5億円という、これは手刈りだけの関係を含めた内訳ですからそんな単純計算じゃないですけれども、こういう経常費をなくしていかなければいけない状況にあると思います。管理費用から考えると、こういった処分は必要であり、できるだけ処分して不要な業務をなくしていくことがこれから非常に重要になってくると思われますけれども、再度、土地評価の在り方について見解を伺いたいと思います。以上です。 ○議長(山崎直史) 建設緑政局長。 ◎建設緑政局長(磯田博和) 土地評価の在り方についての御質問でございますが、売払いにつきましては、公有財産は市民の貴重な財産であるため、公平公正な土地評価を行うことが重要であると考えているところでございます。一方で、道水路の管理費用の縮減が課題となっており、廃道廃水路敷地の売払いを円滑に進めることが必要であることから、申請者に対して売払い価格や算定方法などについて丁寧に説明し、御理解、御協力を得られるよう、より一層努めてまいります。以上でございます。
    ○議長(山崎直史) 雨笠議員。 ◆52番(雨笠裕治) 市民の財産ですから、ある一定の基準があって、しっかりと公平公正にされていくという意味だと思うんですけれども、先ほどの管理の関係を含めて、私はもう1回、この評価係数の見直しをぜひかけていただきたいと思います。ただし、私は、例えば相続税を支払うときに、一連の土地の中で公有地が入っていて、それがあるために2分割しているところが、売払いを受けたために広大地という一団地形成になって相続税の評価が下がる、こういったその方個人の利益になることまで売払いの係数を見直してくれとは言いません。それは行政の裁量として、ここを残しておくと将来ずっと維持管理費がかかる、そういうところについての係数の取り方をもう一度見直していただきたい、そのことを要望して質問を終わります。 ○議長(山崎直史) 59番、嶋崎嘉夫議員。 ◆59番(嶋崎嘉夫) それでは通告に従いまして、それぞれ一問一答で質問をいたします。  まず最初に、高齢者及び障害者施設入所者のPCR検査等助成事業、こちらについてお伺いしたいと思います。新型コロナウイルス感染症をめぐり、本市では今月9日に10歳未満から90歳代の男女71人の方の感染が新たに確認されたと発表がありました。昨日も過去最大となる90人の感染が明らかとなりましたが、累計総数も3,000人を超し、さらに増加している状況にございます。既に特別養護老人ホームやグループホームでもクラスターが発生し、今後さらに高齢者や障害者及び基礎疾患を持つ市民の感染拡大というのが心配されているわけです。  国でも、介護サービスは高齢者やその家族の生活を支え、高齢者の健康を維持する上で不可欠なものであるとし、最大限の感染症対策を継続的に行いつつ、必要なサービスを提供する体制を構築する必要があるとし、支援を行っています。具体的には、まず感染前の高齢者施設等の入居者がPCR検査等を実施する場合、実施主体を都道府県とし、国庫補助率を10分の10で対応することや、新型コロナ感染症が今度は発生した場合には、高齢者施設内や休業要請を受けた通所系サービス事業所及び短期入所系サービス事業所等に対して、これは実施主体を国、都道府県、指定都市、中核市と位置づけて、補助率を国が3分の2、指定都市3分の1で対応することとし、さらに地方負担分については新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の対象とするとしているわけです。簡単に言うと、例えば高齢者施設または障害者施設の中で、感染前の高齢者施設の場合は10分の10、国のほうがお金を出しますよと。感染症が発生してしまった高齢者施設の場合、こちらについては国が3分の2、指定都市3分の1、その分についてはお金は用意しますよということです。だから、どちらもこのケースでは、利用者の自己負担はかからないということなんですけれども、また、障害者に対しても神奈川県が感染症対策支援として、全ての事業所、施設等を対象にPCR検査への必要経費を負担することとされているわけです。このように、高齢者施設や通所系サービス事業所及び短期入所系サービス事業所及び全ての障害者サービス事業所と施設等では、自己負担なくPCR検査を受けることができる。こういったことを背景にしてお伺いしたいんですが、まず、高齢者が施設などに入所する際に、新型コロナウイルス感染をしていないか確認した上で入所するケースがあると考えられますが、この場合は検査費用の自己負担は発生するのかお伺いします。 ○議長(山崎直史) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) PCR検査についての御質問でございますが、神奈川県において、介護サービス事業所等の感染症対策に必要なかかり増し経費について、上限の範囲内で支援しているところでございまして、事業所が必要と判断した場合には、PCR検査等についても対象となるものでございます。なお、事業所が必要と判断しない場合であって、御本人の希望により受ける検査につきましては、現状におきましては全額自己負担になるものと考えております。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 嶋崎議員。 ◆59番(嶋崎嘉夫) 答弁いただきました。事業所が必要と判断しない場合、本人が受けたいという検査は全額自己負担だと。では、病院に入院していた高齢者、障害者が病院から直接施設等へ入所する際に、自らPCR検査等を希望した場合には検査費用に自己負担は発生するのかお伺いします。 ○議長(山崎直史) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) PCR検査についての御質問でございますが、医師が必要と判断していない場合であって、御本人の希望により受ける検査につきましては、自由診療となることから、現状におきましては全額自己負担になるものと考えております。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 嶋崎議員。 ◆59番(嶋崎嘉夫) そうなんですよ、これも自己負担になってしまうんです。それでは、例えば認知症等に伴い、警察関係に保護されたが家族などの引取りがすぐに行われない場合、警察及び行政側の要望によって高齢者施設等へ一時預かりという形がありますけれども、施設によってはサービス利用がない高齢者に対してPCR検査を求めるようなケースも想定されますが、このような場合、PCR検査費用はどのような扱いなのかお伺いします。 ○議長(山崎直史) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) PCR検査についての御質問でございますが、介護サービス事業所等が必要と判断した場合には、かかり増し経費において、PCR検査等についても対象となるものでございまして、事業所が必要と判断していない場合であって、御本人の希望により受ける検査につきましては、現状におきましては全額自己負担になるものと考えております。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 嶋崎議員。 ◆59番(嶋崎嘉夫) そうなんです。今お伺いしたんですけれども、例えば事業所が必要と判断しない、医師が必要と判断しない、それから今もありましたけれども、介護サービス事業所が必要と判断しないケースについては、PCR検査を受けたいというようなケースは全額自己負担になってしまうと。ところが先ほど、今日、ずっと議員の質疑の中でも、医療現場が非常に逼迫した状況だというのがあるんですけれども、例えば認知症の高齢者、独り暮らしの方なんていうのは、もし陽性になって在宅で療養してくださいと言っても無理ですよ。これはもう病院に行くしかない。でも病院に来たら、今度は看護師の方々が認知症の方に対する介護で大変な状況になって、また医療現場の負担が重くなってしまう。一方において、自己負担で受けてくださいと言っても、年金生活の高齢者の方が2万円か3万円と言われるようなPCR検査料をどんどん自己負担してやれるかというとそうではない。でも、確実に数はどんどん増えているので、早い段階でPCR等を使いながら行政検査を受けていただき、医療機関の負担軽減や施設内でのクラスターの発生をどう防ぐかということを、今この段階でもう取り組まなければいけないんじゃないのかなと。今まで、独り暮らし高齢者の方々のようなケースがあまりにも少なかったというだけのことなんです。もしこれから同時多発的に障害者施設、高齢者施設の中でクラスターが一斉に発生してきた場合、本当に医療現場で受けていただくことが可能なのか。これがもう目の前で今やらなければいけないことだと思います。そこでお伺いしますが、横浜市では、こうしたケースでも公費で検査費用を負担する助成制度をこのたび創設すると仄聞していますが、川崎市でも同様な助成制度を新設すべきだと私は思いますが、見解を伺います。 ○議長(山崎直史) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) 検査費用の助成についての御質問でございますが、国において、市町村が実施主体となり、県の検査体制整備計画との整合性を図ることを条件として、本人希望により検査を行う場合に費用を助成することとしておりまして、神奈川県では、行政検査を優先に、1人当たり月1回を上限とし、行政検査の対象とならない65歳以上の高齢者の方に対して実施することとしております。本市といたしましては、今後も医師が必要と判断した方や濃厚接触者を行政検査の対象として適切に対応する一方、本人等の不安解消や福祉的な観点から、行政検査や医療が逼迫することのないよう、市内における感染状況等を踏まえながら、施設の新規入所者などを対象として実施する方向で調整してまいります。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 嶋崎議員。 ◆59番(嶋崎嘉夫) ありがとうございます。川崎のほうも、いよいよ施設の新規入所者などを対象として、実施する方向で調整に入っていただけるという答弁です。こちらはぜひお願いしたいと思います。最後に、本市が掲げる地域包括ケアシステムにおいて、在宅医療・介護へのウエートが今まで以上に高くなっていますけれども、介護サービスを利用していない在宅医療利用者がPCR等検査を希望するケースというのも想定されると思います。このようなケースにも私は公費助成を導入すべきだと考えますが、見解を伺います。 ○議長(山崎直史) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) 在宅医療利用者に対するPCR検査についての御質問でございますが、在宅医療を利用されている場合には、主治医が随時健康観察を行いつつ、保険制度によって検査を実施することが可能となっております。また、感染の可能性がある接触があった場合には、保健所の判断に基づく行政検査を実施することとなっており、本人や御家族が検査の必要性を感じられた際には、いずれかの公費負担制度によって検査を受けられるようになっているものと認識しております。しかしながら、全ての医療機関が検査体制を整えているわけではないことから、検査の必要性が生じても、速やかに実施できない状況も想定されるところでございます。本市といたしましては、医師会にも御協力いただきつつ、独自の訪問型PCR検査の実施体制を確保することにより、在宅医療利用者の検査ニーズにも着実に対応してまいります。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 嶋崎議員。 ◆59番(嶋崎嘉夫) ありがとうございます。これは高齢者だけではなしに、この次の質問で入る医療的ケア児や重症者、障害の方々を含め、これは本当に重要な課題になってくると思いますので、医師会にも協力をいただきながら、独自の訪問型PCR検査の実施体制を確保するという答弁ですから、ぜひこちらのほうもよろしくお願いしたいと思います。  それでは次に、医療的ケア児の日中サービスについて伺います。平成28年2月、国は法改正を行い、医療的ケア児に対する施策の構築に向けた指針を示しました。厚生労働省によれば、医療的ケア児の数はこの10年間で2倍に増加し、現在は推計で約2万人いるとしています。また、本年10月には自民党の野田聖子衆議院議員ら超党派の国会議員が、たんの吸引など日常的なケアを受けながら生活する医療的ケア児への支援強化に向けた法案の骨子をまとめました。骨子案では、1つ、これまで曖昧であった医療的ケア児の定義を条文で明確にする、2つ、都道府県に仮称ですが、相談機関である医療的ケア児支援センターを設置するとし、医療的ケア児について、人工呼吸器による呼吸管理、喀たん吸引その他の医療行為であって、その対象となる者が日常生活及び社会生活を営むために日常的に受ける必要があるものを受ける児童等とし、この等には、高等学校に在籍する18歳以上を指しております。現状では、医療的ケア児は保育園で預かってもらえない事例や、登校時に保護者の付添いを求められたりするケースが多いわけですが、新法では、医療的ケア児の定義を明確にし、国や都道府県の責務を定めることで、そうしたケースをなくすようにするのが狙いとされています。こうしたことを背景として、以下質問を行いたいと思います。まず1つ目なんですけれども、国の法改正を踏まえ、本市では、医療的ケア児連絡調整会議を設置し実態調査を行ったということですが、調査において、本市における医療的ケア児はどの程度の人数が見込まれると推計されるのか、あわせて、対象者の実態把握の状況についてお伺いします。 ○議長(山崎直史) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) 医療的ケア児についての御質問でございますが、初めに、本市では、医療的ケア児に対応するため、保健、医療、福祉、保育及び教育などの関係機関とネットワークの構築に向け、医療的ケア児連絡調整会議を設置し、様々な課題について協議を進めております。また、本年2月に医療的ケア児実態調査を実施しており、その結果として、御家族が日常的に行っている医療的ケアは、「痰の吸引」47.9%、「経管栄養」58.9%、また心身の状態は、「寝たきり」60.3%、「寝返りができない」42.5%、さらに自由記述として、預け先の不足などによる就労困難、医療的ケア対応の通所系サービスの不足などの御意見をいただいております。次に、本市における医療的ケア児の人数につきましては、調整会議において実態把握が必要との議論を踏まえ、本年7月、訪問看護ステーション467か所に調査を行ったところ、在宅で生活されている方が90人おられることを確認しております。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 嶋崎議員。 ◆59番(嶋崎嘉夫) ありがとうございました。今いただいた答弁によりますと、その調査に基づいて、「痰の吸引」が47.9%、「経管栄養」が58.9%、また心身の状態では、「寝たきり」が60.3%、「寝返りができない」42.5%、特に家族の方から強い要望があるのが就労困難、そして、通所系サービスが足らないんだということです。そして、在宅で今生活をされている方が90人という数字が明らかになったわけです。続いてお伺いしたいのは、医療的ケア児は、現行の障害児通所支援の報酬体系上では評価がなく、重症心身障害児とそれ以外の障害児の区分で報酬区分が設定されていますけれども、本市では小学校入学前と学齢期の児童について、それぞれどのようなサービスを提供しているのか、利用者数及び事業所数はどのくらいあるのか伺います。 ○議長(山崎直史) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) 医療的ケア児についての御質問でございますが、初めに、未就学の障害児に対するサービスといたしましては、日常生活上における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練等を行う児童発達支援事業所があり、令和2年9月時点の利用児童数2,276人、事業所数96か所となっております。次に、学齢期の障害児に対するサービスといたしましては、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進等を行う放課後等デイサービス事業所があり、同月時点の利用児童数3,682人、事業所数148か所となっております。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 嶋崎議員。 ◆59番(嶋崎嘉夫) 今答弁いただきました未就学の障害児の方の利用児童数が2,276人、それから、学齢期の方の利用児童数が3,682人、この数が年々増えているのが実態ですよね。これからさらにまた増えてきた場合、では、どのように対応していくのかというのは喫緊の課題になっているだろうと。そこで続いてお伺いしたいんですが、障害児通所支援においては、現状では医療的ケアが必要な児童に対して児童発達支援及び放課後等デイサービスの体系で対応していますが、本市において、そのように医療的ケア児に対してサービスを提供している事業所は幾つあり、利用児童は何人いるのか伺います。また、運営上の課題について利用者の家族や事業所側から、どのような要望が寄せられているのかお伺いします。 ○議長(山崎直史) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) 医療的ケア児についての御質問でございますが、主に重症心身障害児や医療的ケア児を対象としている児童発達支援及び放課後等デイサービス事業所は計7か所でございまして、令和2年9月時点の利用者は81人でございます。御家族からは、事業所を増やすことにより身近な場所で利用できるようにしてほしい、また、事業所からは、現在の報酬体系は利用児童が増えると1人当たりの報酬単位が下がる仕組みであり、実態と見合っていないとのお話を伺っております。現在、国の審議会においては、医療的ケア児を含めた障害児やその家族の状況等に応じて、地域における必要な支援の充実に向けたサービス提供体制を確保できるよう、来年度の報酬改定に関する議論が行われておりますので、今後の国の動向を注視してまいりたいと存じます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 嶋崎議員。 ◆59番(嶋崎嘉夫) 今いただいた答弁ですと、いわゆる対応している事業所が市内で計7か所、利用者の方は81人ということなんですけれども、これを資料で確認していきますと、この7か所の事業所、川崎区1か所、幸区1か所、中原区1か所、多摩区1か所、麻生区が3か所。ところが、子どもの人口が増えている高津と宮前には事業所が整備されていないのが現状なわけですよね。受けていただく事業所が整備されてくると、利用者の数も当然のように増えてくるだろうと。ですから、ここのところが喫緊の課題になっていると思います。  そこで、こども未来局長にお伺いしたいんですけれども、医療的ケア児の保育施設での受入れについては、安全に集団保育ができるか等、様々な課題があることは承知していますけれども、本市では実態調査を踏まえて今後どのように対応していく考えなのか伺います。 ○議長(山崎直史) こども未来局長。 ◎こども未来局長(袖山洋一) 医療的ケア児の保育所での受入れについての御質問でございますが、本市では、医療的ケアの提供は、公立保育所の各区センター園で行っており、常に看護師を配置し、プライバシーや衛生面に配慮した環境の中で、現在6名の児童を受け入れております。今般の実態調査のアンケートにおきまして、受入れ施設数の増など事業の拡充を求める御意見をいただいており、今後の課題と認識しているところでございます。現在、国におきまして、受入れ方策に関する調査研究を進めているところでございますので、本市におきましても、医療的ケア児の受入れ体制の充実について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 嶋崎議員。 ◆59番(嶋崎嘉夫) 答弁いただいたこども未来局所管の公立保育所では、現在6名の児童の方を受け入れていただいているということなんですよね。ところが、先ほどのやり取りでも分かるとおり、数があまりにも足らな過ぎる、地域が偏り過ぎている。その中で、これからどうあるべきか、それについては答弁では、医療的ケア児の受入れ体制の充実について検討していくということでもありますので、これはぜひ部局を乗り越えていただいて、こうしたお子さん方にしっかり対応できるように進めていただきたいと思います。厚生労働省では、今月に入って障害者支援サービスの公定価格、障害福祉サービス等報酬の来年4月の改定に向けた基本方針をまとめて、公表いたしました。重度や高齢の障害者が、病院などではなく地域で暮らせるよう支援を強めることに力を注ぎ、少人数で共同生活を送るグループホームで重度障害者を受け入れる際の報酬を手厚くすることや、市町村が地域生活支援拠点等と位置づけた事業所の機能を強化するため、自宅で暮らす障害者の緊急対応をした場合に一定の加算をすると示しています。さらに、障害児通所支援の報酬体系に、たんの吸引や人工呼吸器などが必要な医療的ケア児の区分を加え、支援を強化するだけでなく、障害の子どもが通う放課後等デイサービスにおいて、必要性が高い児童への支援を加算の対象とし、従業者要件を保育士と児童指導員に限定することで支援の質の向上を目指すと国のほうでは言っています。他方、本市が独自に推進してきた川崎市看護小規模多機能型居宅介護事業所の大多数というのは、高津区以北の北西部に集中していますよね。具体的には、幸区1か所、中原区1か所が整備されていますが、残念なことに川崎区では1か所も整備されていません。これは、本市が進めてきた認知症グループホーム、または介護付有料老人ホーム事業所に委託して今まで整備してきた一方で、川崎区のように土地の確保が困難な地域では、事業所の整備が遅れているということも起因しているだろうと思います。  そこでお伺いしたいんですが、今後、実態調査で把握したニーズに対応できるよう、市内に医療的ケア児の支援を行える事業所をさらに展開していく必要があると考えますが、改めて見解を伺います。また、本来ならば、川崎市社会福祉事業団が積極的に整備に関わるべきと考えますが、本市からどのような働きかけを行ってきたのか経緯と事業団の反応を伺います。あわせて、このたびかわさき総合ケアセンターの廃止議案が議決されましたが、例えば、市立井田病院に運営を委託する形で看護小規模多機能型居宅介護を整備するなどして、医療的支援体制の強化を図るべきだと考えますが、見解を伺います。 ○議長(山崎直史) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) 医療的ケア児についての御質問でございますが、医療ニーズにも適切に対応したサービスを提供するためには、医療やリハビリに関する専門スタッフと医療機器を使用できる環境の確保が必要となっております。このため、現在高度な専門性を有する地域療育センターが、医療的ケアを含めた中重度の障害のある子どもの支援に重点的に当たることができるよう、運営法人である川崎市社会福祉事業団等も交えて、障害児支援体制の再構築に向けた調整を進めているところでございます。また、一人一人の生活ニーズは状況に応じて多様であり、それぞれの生活に即した支援が必要であることから、地域の身近な場所における受入れ体制の確保にも取り組んでいく必要があるものと認識しております。市内には、看護小規模多機能型居宅介護事業所による先進的な事例がございますが、採算性の確保等に課題があることも伺っておりますので、支援の実情を踏まえた対応の在り方につきまして、井田老人デイサービスセンター跡施設の活用の可能性を含め検討してまいりたいと存じます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 嶋崎議員。 ◆59番(嶋崎嘉夫) 今答弁いただきました高度な専門性を有する地域療育センター、こちらが医療的ケアを含めた中重度の障害のあるお子さんの支援に重点的に当たることができるよう、事業団も含めてこれから協議を進めていくということです。そうすると、地域療育センターも体系的に含めて新たな見直しやきめ細やかなサービス、こうしたものが期待できると思いますのでお願いしたい。あと井田病院は、小児科がないんですけれども、これは必要になりますから、こうした病院を拠点として、医療を必要とする利用者の方々が安心して、しっかりとした日常生活を送れるように、こちらのほうもぜひ推進をお願いしたいと思います。  では、今度は利用者の方のニーズに応えるという視点からお伺いしたいんですが、昨今、自然災害に対する危機管理が大きな問題となっていますが、こうした災害時における医療的ケア児への対応は喫緊の課題だと思います。災害対応における施策への補助制度を新設して、医療的ケア児への災害対応を進めるべきだと考えますが、見解を伺います。 ○議長(山崎直史) 健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(宮脇護) 医療的ケア児についての御質問でございますが、人工呼吸器の使用や酸素吸入を行っている方につきましては、電源や医療資材を常時確保しておく必要がございますが、災害発生時におきましては、停電や物流障害により、これらの安定的な確保に課題が生じるおそれがあるものと認識しております。このため現在、医療機器事業者やサービス事業所、御家族等に対してヒアリングを行いながら、こうした状況にも対応できる実効性のある支援について検討しているところでございます。以上でございます。 ○議長(山崎直史) 嶋崎議員。 ◆59番(嶋崎嘉夫) 答弁ありがとうございます。人工呼吸器、それから、たんの吸引器を含めて、もし停電等になってしまった場合、これは命に直接関わる本当に重要な問題ですよね。まして対象の方がどんどん増えている一方で、施設が足らないとか、いろんなサービスのところ、それから医療との連携の課題など、今本当に質問を通じてお伺いした中でも問題点が幾つもある。答弁では、今現実に検討しているところだということなんですけれども、財政局長、次年度の予算編成はもう終盤だと思いますけれども、こうしたお子さん方こそ、本当にしっかりとケアしていただきたいと思いますので、これは併せてよくお願いしたいと思います。  それで最後に、市長にお伺いしたいんですけれども、これまでの質疑を通じて、医療的ケア児に対する施策のさらなる充実を目指して、市長自ら積極的に取組を図るべきだと私は思うんですけれども、見解を伺います。 ○議長(山崎直史) 市長。 ◎市長(福田紀彦) 医療的ケア児についての御質問でございますが、人工呼吸器やたんの吸引など医療的ケアが必要な子どもが、福祉サービスを利用し、保育園や学校に通いながら、地域の中で育っていくことができる環境の整備は、重要な課題であると認識しております。今年度策定する第5次かわさきノーマライゼーションプランにおきましては、医療的ケア児の多様な支援ニーズに対応できるよう、相談支援体制や在宅サービスの拡充を検討しております。今後も引き続き、医療的ケアを必要とする子どもと御家族の生活に寄り添った施策の充実に向けて取組を進めてまいります。以上です。 ○議長(山崎直史) 嶋崎議員。 ◆59番(嶋崎嘉夫) 市長の答弁をいただいて安堵いたしました。ぜひこうした分野について、今まで以上に力を注いでいただきたい。それから、質問の中でも触れてきましたように、いよいよ国のほうが報酬体系の見直しを含めて大きく、議員立法も成立した場合は法的な位置づけが今度は出てきますので、自治体側のほうもそれに沿う形で対応していかざるを得なくなるだろうと。そうすると、さらに踏み込んだ形の中で、これから現実の問題点、課題点をどのように解決を目指して進めるべきなのか、それをどうスピードアップしていかなければいけないのかという現実の問題になってくると思います。ただ、これについては先ほどのやり取りにもあったように各部局、これは将来、教育委員会も当然含まれると思うんですけれども、部局間調整のほうもしっかりしていただいた中で取り組んでいただかなければいけない。さらに、将来的には18歳でおしまいではなしに、そこから成人期以降、こうしたお子さん方も含めてどのようにケアしていくべきなのかという、本当にこうした課題というのは大切だと思いますので、引き続いて、また力を注いでいただけるようお願いして、私の質問を終わります。以上です。 ○議長(山崎直史) お諮りいたします。これをもちまして一般質問を終結いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(山崎直史) 御異議ないものと認めます。よって、一般質問はこれをもちまして終結いたします。  ここで休憩をお諮りいたします。  お諮りいたします。暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(山崎直史) 御異議ないものと認めます。暫時休憩いたします。およそ5分休憩いたします。                 午後3時42分休憩           -------------------                 午後3時45分再開    〔局長「ただいまの出席議員議長とも57人」と報告〕 ○議長(山崎直史) 会議を再開いたします。  次に、 △日程第2の請願、陳情を議題といたします。(資料編95ページ参照)  去る11月27日以降12月15日までに受理し、常任委員会に付託する請願、陳情は、お手元の請願陳情文書表(その2)のとおりであります。  お諮りいたします。ただいまの請願、陳情につきましては、文書表のとおり、それぞれの常任委員会に付託の上、議会閉会中の継続審査とすることにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(山崎直史) 御異議ないものと認めます。よって、そのように決定いたしました。           ------------------- ○議長(山崎直史) 次に、 △日程第3の閉会中の継続審査及び調査についてを議題といたします。  各常任委員会及び議会運営委員会の委員長から、お手元の申し出一覧表のとおり、閉会中の継続審査及び調査の申出がありました。(資料編99ページ参照)  お諮りいたします。本件につきましては、ただいまの申出のとおり決することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(山崎直史) 御異議ないものと認めます。よって、そのように決定いたしました。           ------------------- ○議長(山崎直史) 以上で、今期定例会の日程は全て終了いたしました。  お諮りいたします。これをもちまして本定例会を閉会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(山崎直史) 御異議ないものと認めます。よって、令和2年第6回川崎市議会定例会は、これをもちまして閉会することに決定いたしました。           ------------------- ○議長(山崎直史) 閉会いたします。                 午後3時46分閉会...