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令和 2年 予算審査特別委員会−03月12日-04号

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  1. 川崎市議会 2020-03-12
    令和 2年 予算審査特別委員会−03月12日-04号


    取得元: 川崎市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-06
    令和 2年 予算審査特別委員会−03月12日-04号令和 2年 予算審査特別委員会 予算審査特別委員会記録(第4日) 令和2年3月12日(木) 日程  1 議案の審査(第4日)   (1) 議案第34号 令和2年度川崎市一般会計予算   (2) 議案第35号 令和2年度川崎市競輪事業特別会計予算   (3) 議案第36号 令和2年度川崎市卸売市場事業特別会計予算   (4) 議案第37号 令和2年度川崎市国民健康保険事業特別会計予算   (5) 議案第38号 令和2年度川崎市母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算   (6) 議案第39号 令和2年度川崎市後期高齢者医療事業特別会計予算   (7) 議案第40号 令和2年度川崎市公害健康被害補償事業特別会計予算   (8) 議案第41号 令和2年度川崎市介護保険事業特別会計予算   (9) 議案第42号 令和2年度川崎市港湾整備事業特別会計予算   (10)議案第43号 令和2年度川崎市勤労者福祉共済事業特別会計予算   (11)議案第44号 令和2年度川崎市墓地整備事業特別会計予算   (12)議案第45号 令和2年度川崎市生田緑地ゴルフ場事業特別会計予算
      (13)議案第46号 令和2年度川崎市公共用地先行取得等事業特別会計予算   (14)議案第47号 令和2年度川崎市公債管理特別会計予算   (15)議案第48号 令和2年度川崎市病院事業会計予算   (16)議案第49号 令和2年度川崎市下水道事業会計予算   (17)議案第50号 令和2年度川崎市水道事業会計予算   (18)議案第51号 令和2年度川崎市工業用水道事業会計予算   (19)議案第52号 令和2年度川崎市自動車運送事業会計予算   (20)議案第61号 令和2年度川崎市一般会計補正予算 出席委員 (58人)  重冨達也  大西いづみ  松川正二郎  添田 勝  三宅隆介  浦田大輔  平山浩二  山田瑛理  上原正裕  吉沢直美  各務雅彦  市古次郎  小堀祥子  片柳 進  吉沢章子  月本琢也  田村京三  鈴木朋子  林 敏夫  春 孝明  川島雅裕  河野ゆかり  本間賢次郎  矢沢孝雄  末永 直  斎藤伸志  野田雅之  後藤真左美  赤石博子  渡辺 学  宗田裕之  押本吉司  木庭理香子  露木明美  堀添 健  田村伸一郎  浜田昌利  かわの忠正  原 典之  青木功雄  橋本 勝  山崎直史  松原成文  大庭裕子  勝又光江  井口真美  石川建二  岩隈千尋  織田勝久  飯塚正良  雨笠裕治  山田晴彦  沼沢和明  花輪孝一  石田康博  浅野文直  大島 明  嶋崎嘉夫 欠席委員 (1人)  秋田 恵 出席説明員  市長        福田紀彦  副市長       伊藤 弘  副市長       加藤順一  副市長       藤倉茂起  上下水道事業管理者 金子 督  病院事業管理者   増田純一  教育長       小田嶋 満  総務企画局長    大澤太郎  危機管理監     高橋 実  財政局長      三富吉浩  市民文化局長    向坂光浩  経済労働局長    中川耕二  環境局長      斉藤浩二  健康福祉局長    北 篤彦  こども未来局長   袖山洋一  まちづくり局長   岩田友利  建設緑政局長    奥澤 豊  港湾局長      北出徹也  臨海部国際戦略本部長            鈴木 毅  交通局長      邉見洋之  病院局長      田邊雅史  消防局長      原 悟志  教育次長      石井宏之  監査事務局長    竹花 満  外関係理事者 出席議会局職員  局長        宮村俊秀  総務部長      渡邉光俊
     議事調査部長    石塚秀和  庶務課長      渡辺貴彦  議事課長      鈴木智晴  政策調査課長    宮本紀昭  議事係長      大磯慶記  議事課担当係長   井汲真佐子  議事課担当係長   柴田貴経  外関係職員                 午前10時0分開会 ○露木明美 副委員長 ただいまから、予算審査特別委員会を開会いたします。  本日の日程は、お手元に配付のとおりです。(資料編4ページ参照)  直ちに審査に入りたいと思いますが、質疑につきましては、昨日までの要領によりお願いをいたします。  それでは、発言を願います。 ◆矢沢孝雄 委員 おはようございます。私は、通告のとおり一問一答で、7款4項3目、都市農業施策、農用地活性化事業について、10款5項5目、空き家利活用推進事業費について、それぞれ関係局長に伺います。我が会派からの代表質問でも伺いましたが、都市農業施策については少し掘り下げて伺ってまいりたいと思います。  まず初めに、次年度予算案では、特定生産緑地指定推進事業費として約3,676万円が計上されております。特定生産緑地への移行を推進する事業でありますが、対象となる農家件数、生産緑地面積、現在までの申出件数と、仮に指定となった場合の生産緑地面積を伺います。また、次年度の取組内容について併せて伺います。 ◎中川耕二 経済労働局長 特定生産緑地指定についての御質問でございますが、初めに、対象となる農家件数につきましては、令和元年7月時点におきましては1,006世帯でございまして、今回申出いただいた世帯につきましては403世帯となっております。また、生産緑地面積につきましては、令和元年11月20日時点におきましては約268ヘクタールでございまして、今回、申出の面積につきましては約110ヘクタールとなっております。次に、次年度の取組についてでございますが、今年度申し出いただいた403件の対象となる2,000筆を超える土地について、所有者やその土地に設定されている権利者等の確認、受付データの管理、現地調査等を行い、さらに都市計画審議会に提出する各区における特定生産緑地の分布図や指定箇所の詳細な地図の作成等を行ってまいりたいと存じます。また、JAセレサ川崎と連携し、制度説明会やチラシ配布等も実施してまいりたいと存じます。以上でございます。 ◆矢沢孝雄 委員 ありがとうございました。ディスプレーをお願いいたします。今御答弁いただいた内容も含めて、川崎市の都市農地の状況をまとめさせていただいております。全体の都市農地の面積が約538ヘクタール、その中で市街化区域内農地が364ヘクタール、市街化区域外農地が174ヘクタールと。市街化区域内農地の中に今回のお話にある生産緑地268ヘクタールが含まれているわけでございますが、今回2022年問題で生産緑地指定から30年を経過しない農地、それが特定の対象外の面積ということで56ヘクタールあります。今回、特定の申出が出ている面積というのが、御答弁もございました110ヘクタールと。この2つについては当分の間残る農地として、もう確定がされているのかなと思っておりますが、現在、2022年問題で生産緑地解除の可能性が出てくる部分で、さらに特定の申出がいまだにない面積が102ヘクタール、そして生産緑地以外の農地もありますので、そういったところも含めて、今後失う可能性がある農地が現状198ヘクタールもあるというのが実情でございます。やはり特定への移行の推進というものをこれからどれだけ頑張れるかというところと、さらには、その特定に移行しないという農家さんもどうしても出てきますので、そういったところに対して庁内横断的にその農地の活用について、農地の跡地も含めて活用を検討していくこと、これを早期にやっていくことが非常に重要なことだと思っております。そこで伺いますが、移行に当たって農家が持っている課題や不安などをヒアリングをして、個別に申出に向けたアプローチを実施すべきと考えますが、見解と取組を伺います。 ◎中川耕二 経済労働局長 申出がなかった農家に対しての取組についての御質問でございますが、特定生産緑地については、税優遇などの生産緑地のメリットを10年間延長できる反面、建築行為が制限される面もございます。こうした特定生産緑地の制度を適切に理解していただいた上で、各所有者が御家族とともに検討を重ね、慎重に判断をしていただくことが大切であると考えております。このようなことから、今後、各所有者の検討を促すため、今回申出をいただかなかった世帯に対しましては、個別に新たな都市農地制度と農地活用の手引や制度説明会の通知を郵送するとともに、随時相談を行ってまいりたいと考えております。さらに、今年度の指定申出において窓口や説明会、相談会、JAセレサ川崎各支店に寄せられた様々な御意見につきましては、各機関で構成する生産緑地2022年問題対策協議会にて共有し、次年度への指定申出受付におきましてきめ細やかな対応につなげ、所有者が持っている課題や不安の解消に努めてまいりたいと存じます。以上でございます。 ◆矢沢孝雄 委員 すみません、自分で説明をしながら、ディスプレーで示しました、その他の農地については102ヘクタールではなくて96ヘクタールでございますので、訂正をさせていただきます。今、御答弁いただきましたけれども、申出のない農家に対して特定生産緑地に関する案内を送付していくということでございますが、移行に悩まれている、制度への疑問が多いままなかなか相談のきっかけがない農家もございます。一方的な案内送付だけではなくて、きめ細かい対応をお願い申し上げます。また、何も手を打たなければそのまま宅地化となる可能性のある農地を早期に把握して、川崎市として、まちづくりの広い視点で、政策農地への可能性も含めて、行政施策として横断的な活用を検討していくよう要望いたします。また、ちょっと角度は違うのですが、これからの取組でございますが、市長も今回の定例会の中で発表もされました全国都市緑化フェアにおいては、ぜひとも都市農業の振興といった観点からも、連携した取組、企画の検討をお願いいたします。ディスプレーありがとうございました。  それでは、次の質問に移らせていただきます。次に空き家対策について伺います。10款5項5目、空き家対策について伺ってまいります。私の地元、宮前区においても、空き家に対する市民相談が増えてまいりました。ディスプレーお願いいたします。これは問題のある空き家ということで、地上部から撮ったものでございますが、玄関が写っているところでございます。近隣の方の話によると、もともと住んでいた単身高齢者が、2年以上前に事故でお亡くなりになられてからそのままだということでございます。さらに、上空から見ると、非常に隣接して住居が立ち並んでおりまして、近隣の方々は毎日、空き家の状況が気になってしまうようです。生前はきれいに管理されていた庭だったということでございますが、樹木や草が繁茂して、猫やハクビシンが行き交う状況になっているということでございます。長期間管理が放置されている空き家、さらにはその状況が改善される見込みがない空き家と隣接している家や近隣住宅の方は日々の生活を不安に感じ、強烈なストレスが積み重なっていくことは想像に難くありません。  度々すみません、もう一回ディスプレーをお願いいたします。これは少し字が小さいのですが、国土交通省の資料でございまして、空き家の発生による問題というところで、風景、景観の悪化というものが一番上に挙げられております。さらには防災や防犯機能の低下、ごみなどの不法投棄を誘発してしまう、また火災の発生を誘発してしまう、悪臭を発生させてしまう、こういったお話があるわけでございます。本件については、区役所地域振興課を中心に既に取組を始めてもらっておりますので、これ以上取り上げないのですが、本日はこういった具体例を基に、全市の空き家対策について議論ができればと思っております。まず、次年度予算案として、空き家利活用推進事業費約513万円が計上されております。事業内容を伺います。またあわせて、本市のいわゆる問題のある空き家の実態を、戸数と推移を含めて伺います。 ◎岩田友利 まちづくり局長 空き家についての御質問でございますが、初めに、空き家利活用推進事業費の事業内容につきましては、地域での空き家利活用を支援するコンサルタント派遣、空き家の現地調査、空き家所有者等への啓発などでございます。次に、問題のある空き家につきましては、消防局や区役所等からの情報を基に構築しました平成30年4月時点で空き家データベースに登録されている空き家643戸のうち、建物に著しい破損等や樹木が著しく繁茂しているものなどは86戸、建物に軽微な破損が見られるものなどは431戸となっております。また、令和2年3月時点で登録されている空き家890戸のうち、建物に著しい破損等や樹木が著しく繁茂しているものなどは105戸、建物に軽微な破損が見られるものなどは411戸となっております。以上でございます。 ◆矢沢孝雄 委員 ありがとうございます。利活用といった視点を決して否定するものではありませんし、地域一体となって有効活用が進むことは大変喜ばしいことだと思っております。ですが、一方で長い年月、年数をかけて、ようやく1件、2件の空き家活用が進むのと、問題がある空き家が増えるペースには圧倒的な開きがあるように考えています。答弁いただいた内容をまとめるとディスプレーのとおりになるのですけれども、現状問題なし、著しい破損等、軽微な破損等とまとめると、平成30年4月の、最初にこの川崎市空き家登録のデータベースを作成したときに643件だったものが、約2年間で、空き家の件数自体が28%増加しているということでございます。さらに、空き家データベースに登録されている空き家というのは、基本的に住民の方々より、様々な地域の方々から情報をいただいて、それで登録するものでございますので、潜在的な空き家といった意味では、もっと数は多くなってくると理解しております。さらに、令和2年3月の時点では、まだ調査中という件数が272件含まれておりますので、その272件が、問題がない建物とか、そういった管理に問題がないものなのか、著しい破損があるものなのか、軽微な破損等があるものなのか、こういった部分はまだ分からないわけでございますので、確実に890件の中でも、著しい破損、軽微な破損といったものは増えてきているわけでございます。問題のある空き家のうち、空き家対策のフローチャートにおいて、それぞれこの件数がどのフェーズにいるのか、この分布を伺いたいと思います。また、所有者不明の空き家の件数と、所有者不明の空き家が発生する理由及び、これまでの特定空家等判定会議の開催件数を伺います。 ◎岩田友利 まちづくり局長 空き家の対応状況についての御質問でございますが、初めに、関係局区による現地調査、所有者調査などの状況につきましては来年度に調査する予定としております。次に、問題のある空き家で所有者が確認できていないものは、平成30年4月時点で4件ございました。次に、所有者が確認できていない空き家の発生要因につきましては、相続人がいないことや、相続放棄、所有者が行方不明などが考えられます。次に、特定空家等判定会議につきましては、開催の実績はございません。以上でございます。 ◆矢沢孝雄 委員 ありがとうございます。各区役所と判定会議というところで分けると、各区役所では空き家の情報の把握、現地調査、所有者の調査、情報提供、改善依頼というのをやっていく。そして判定会議では、特定空家等判定会議、助言、指導、勧告、空家等対策協議会、そして最終的には命令、行政代執行となるわけでございますが、今の御答弁を聞いていただいて分かるとおり、各区役所で基本的に改善依頼を投げた後に、総合的な判断の下で、その判定会議に上げられるわけでございますけれども、まだいまだに判定会議には上がっていないと。これは、これまで空き家問題を追及するほかの議員の先生方からもお話がありましたけれども、特定空家の判定会議はまだ開催されていない。さらには、では、今890件ある空き家中で、どういったフェーズにそれぞれがあるのか、それはまだ把握した程度なのか、現地調査は終わっているのか、所有者の調査は終わっているのか、改善依頼は何件投げているのか、こういった個々の事案がどの工程に何件あるのか、どういった状況にあるのかというのを把握されていないというのは、私はちょっと問題なのかなと思っております。各区役所での取組の状況の把握と推進が必要だと思っております。問題のある空き家が本市に及ぼす影響について、外部不経済や機会損失が挙げられます。外部不経済とは主に経済学で使われる専門用語の一つで、市場で行われる経済活動とは別の場所で何らかの不利益が発生し、個人や法人に悪影響を与えることを言い、空き家の場合、外部不経済の代表例として、風景や景観の悪化、ごみなどの不法投棄、悪臭の発生などが挙げられます。また、機会損失については、その土地や建物を別の用途に活用した場合、生まれる便益と言い換えられると考えています。これらを本市における経済損失として定量的に計算することはできないのでしょうか、伺います。 ◎岩田友利 まちづくり局長 経済損失についての御質問でございますが、火災の発生などによる外部不経済や、住宅などが利用されていないことによる機会損失につきましては、現時点では算定方法が確立されておらず、把握が困難であることから、国や他都市の動向を注視してまいります。以上でございます。 ◆矢沢孝雄 委員 御答弁ありがとうございました。計算するのはなかなか難しいという御答弁でございましたけれども、これは参考程度にでございますが、実は今回、東京大学公共政策大学院空き家対策費用便益分析というレポートが2012年度に出されておりまして、学校のほうに紹介してもいいかという許可をお願いしまして、許可をいただきましたので、紹介をさせていただきます。そのレポートの中では、社会的便益として、空き家がなくなることによる窃盗、傷害、強盗などの犯罪の社会的費用の減少、火災による社会的な損失の減少を挙げ、社会的費用として、空き家の調査費用であったり、建物の解体撤去費用を挙げた上で、撤去した後に、その土地をポケットパークとして活用するという提案でございました。そうやった場合の管理費用と、この社会的便益と社会的費用、この2つを比較したときに、社会的便益として平均値で1軒当たり450万円ちょっとの便益が得られ、そして撤去は、現在価値として400万円ちょっとの費用でやれると。そして空き家1軒当たりのPV――BマイナスCとしては、平均値で50万円程度で、1軒の空き家を撤去することによって社会的便益は50万円増えるのだといったレポートが出されております。経済評論家の方もこのレポートを取り上げて紹介していたので、私もこれに行き当たったのですけれども、これを仮に川崎市の現状に当てはめると50万円の社会的便益が得られる、それが890件あるわけでございますので、約4億5,000万円の機会損失というか、経済損失と言い換えられるのではないかと私は思っております。現状では特定空家対応フローが活発的に機能しているとは言えない状況でございます。本市の空き家増加数を鑑みれば、判定会議に付議される事案が頻発してもおかしくない状態であり、問題のある空き家については、判定会議に付議するまでの各区での取組を活性化することが重要と考えますが、見解、取組を伺います。とりわけ問題のある所有者不明の空き家においては、速やかに特定空家指定を進めるべきであり、判定会議に積極的に付議するべきでありますが、見解と本市の空き家対策における今後の取組を伺います。 ◎向坂光浩 市民文化局長 問題のある空き家についての御質問でございますが、空き家への対応につきましては、詳細な状況調査の実施や、最終的には私有財産の処分等が必要となり、慎重な対応が求められているところでございます。また、特定空家に至らない、所有者不明の空き家に対しましては、相続財産管理人制度の活用が考えられます。当該制度の申立人となる者に制限があること、全ての手続が終了するまでに日数を要し、即時での対応が困難であるなどといった課題がございますが、他都市での取組事例等を参考に、制度の適用について検討してまいります。今後につきましては、区役所等に相談が寄せられた空き家や、空き家データベースに登録された空き家など、問題のある空き家について、区役所と関係局により特定空家等対応フローに沿った的確な状況把握や情報共有を行うとともに、私有財産等に関する解決困難な地域課題に係る検討連絡会議等も事案に即して積極的に開催しながら、課題解決に向けた最適な手法の検討に取り組んでまいります。以上でございます。 ◆矢沢孝雄 委員 踏み込んだ答弁をいただきました。ぜひとも積極的な活用、取組を期待して、質問を終わります。 ◆石川建二 委員 私は、コロナウイルス対策について経済労働局長に、2点目には、LGBTQ、SOGIの支援策について市民文化局長と教育長、また、教育次長に、また3点目には、鷺沼駅前地区再開発事業について市長とまちづくり局長に、一問一答で質問を行ってまいります。  初めに、新型コロナウイルス被害に対する中小企業への支援策についてです。経済労働局長に伺います。初めに、相談事業についてですが、市が開設をしている相談窓口には、融資制度相談、経営相談がありますが、それぞれの相談件数と相談の傾向について伺います。 ◎中川耕二 経済労働局長 中小企業支援策についての御質問でございますが、このたびの新型コロナウイルス感染症の影響に伴う市内中小企業への支援策につきましては、1月30日から融資や経営に関する相談窓口を設置しており、相談件数は3月9日時点で212件となっております。内容といたしましては、中国などの生産拠点が稼働しないため、受注や仕入れに支障を来している、飲食店など団体予約のキャンセル発生による売上げの減少などの相談が来ているところでございます。以上でございます。 ◆石川建二 委員 キャンセルの発生で売上げが減少していると。私のところにも、イベントなどがキャンセルになって、そのイベントなどにお店を出している露店営業の会社では、各地で中止になっていることで売上げが大きくダウンして、また従業員へは給料の支払いが大変ということでした。この場合、まず雇用調整助成金を活用して雇用を維持することが必要です。雇用調整助成金について、我が党の大庭議員の質問に対し、3月中旬から追加の特例措置として、雇用保険の被保険者期間の要件緩和などが実施される予定と答弁されておりますが、要件緩和された場合、現在は雇用保険に加入していないけれども、加入すれば、その期間が短くとも助成金の対象となるということか、伺います。また、雇用調整助成金の申請は神奈川助成金センターで受け付けていますが、その申請には多くの書類作成が必要となります。市の相談窓口で雇用調整助成金の手続のサポートをすることはできないか、伺います。 ◎中川耕二 経済労働局長 国の雇用調整助成金についての御質問でございますが、このたびの新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、休業等の計画届の事後提出が可能とする等の特例措置が実施されており、新たな雇用保険加入者についても対象となる予定と伺っております。また、助成金の申請につきましては、労使協定や休業等計画届の内容に問題がないかなど、専門的立場からの確認が必要な内容となっておりますが、国においては、特別労働相談窓口を設け、事業主等からの助成金等に関する相談をワンストップで迅速かつ円滑に受け付けているところでございます。本市におきましては、労働相談窓口やキャリアサポートかわさきのほか、金融課や中小企業溝口事務所市中小企業サポートセンターでの経営相談窓口において助成制度の御案内を積極的に行うなど、支援を必要としている方への適切な広報に努めてまいりたいと存じます。以上でございます。 ◆石川建二 委員 緩和策によって、これから加入される方も対象ということであります。融資制度についてですが、政府は第2弾の緊急対策として、中小企業などの資金繰りを支援するために、実質的無利子・無担保となる新たな融資制度を実施すると聞いております。市の融資制度も、信用保証料の100%補助を行い、災害対策資金の貸出しを行っています。事業者の状況はまちまちで、どの制度が利用できるのか、しやすいのか、比較検討するのは大変なことだと思います。本市の相談窓口で客観的な立場で相談に乗り、効率的に支援に結びつけるべきだと思います。対応を伺います。また、相談員の配置の増員も必要と思いますが、併せて伺います。 ◎中川耕二 経済労働局長 融資に関する相談についての御質問でございますが、現在、金融課や中小企業溝口事務所市中小企業サポートセンター等に設置している相談窓口には、市内中小企業等から、業種業態によって様々な相談が寄せられており、相談内容に応じて、本市の融資制度のみならず、雇用調整助成金などの国の支援策につきましても適切に情報提供を行っているところでございます。引き続き相談件数の推移や国の支援策等の動向を注視しながら、個々の相談内容に応じた適切な助言等を行ってまいりたいと存じます。以上でございます。 ◆石川建二 委員 まずは市の相談窓口にということだと思います。よろしくお願いします。  建設分野でも、中国で製造される材料や、また器具などが不足して、仕事ができない状態が生じていると伺っております。建設の現場は人件費の比率が高いため、工期が1日延びれば、その間の人件費が大きく収益を圧迫します。公共事業や市が補助金を出している工事案件など、コロナウイルスのために工期が延びた場合の契約金の増額も行うべきだと思いますが、これは財政局長に伺います。 ◎三富吉浩 財政局長 契約変更についての御質問でございますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、受注者から工事の一時中止や工期の延長のお申出がある場合には、受注者の責めに帰すことができないものとして、必要に応じて契約の変更を行うことなど、適切な対応が国からも要請されたところでございます。本市におきましても国と同様の措置を講ずることといたしまして、庁内だけではなく事業者や各業界団体へ速やかに周知した上で、必要に応じ工期の延長等の対応を講じているところでございます。資材の不足等による契約内容の変更につきましても、こうした取組を踏まえ、契約約款等に基づき、受注者と協議の上、適切に対応してまいります。以上でございます。 ◆石川建二 委員 できるだけ支えられる方向での協議をお願いしたいと思います。  また、この問題は建設業だけでなく、材料不足で納品が遅れる場合や経費がかさむ場合の補償も必要だと思います。対応を経済労働局長に伺います。 ◎中川耕二 経済労働局長 中小企業等の経営支援についての御質問でございますが、新型コロナウイルス感染症の影響の拡大等を踏まえ、自営業者、非正規雇用を含む全ての働く人や中小企業等に対する支援制度について、国の責任において万全の措置を講ずるとともに、地方自治体が推進する施策に必要な財源措置を講ずるよう、指定都市市長会として国に対し緊急要請を行ったところでございます。今後とも国の動向等を注視しつつ、市内の中小企業等が抱える個々の経営課題に応じた適切な情報提供や助言等を行ってまいりたいと存じます。以上でございます。 ◆石川建二 委員 最後に要望ですが、多くの支援策が国の制度利用を活用するものですが、市としてできる限りの対策を講ずるよう、その制度をきめ細かく事業者につなげることは市職員をはじめ私たちの仕事でもあると思っています。市として、まちに入り実態を把握し、また、この支援が行き届くよう、体制の強化も含め、取組を進めるよう強く求めておきたいと思います。  次に、LGBTQ、SOGI支援について、市民文化局長と教育長、また教育次長に伺います。初めに、私は、1月23日に、川崎市とピープルデザイン研究所の主催で、ピープルデザインシネマ2020に参加しました。当日は、ゲイであることを公表して、公立小学校の非常勤講師を務める鈴木茂義さんがゲストとして出演されておりました。鈴木さんは、当事者以外の児童生徒にも性の多様性を教えることが非常に大切だと、教育分野での取組の重要性を指摘されておりました。日本学術会議も、2017年に性的マイノリティの権利保障を目指してという提言を行っていますが、その中で、あらゆる教育機関を対象とするガイドラインを作成し、修学、在籍、入学の全てにわたる学ぶ権利を保障するとともに、啓発研修を促進する必要があると指摘をしています。本市の職員、教職員への取組について、その内容と、研修を受けた職員の人数と、全職員への対応についてを、市民文化局長に伺います。  また、同様に、教職員の研修人数と全教職員への対応について、教育次長に伺います。 ◎向坂光浩 市民文化局長 性的マイノリティに係る職員への取組についての御質問でございますが、人権を尊重し、共に生きる社会を目指している本市といたしましては、性的マイノリティに関する正しい知識を職員が持つことは重要なことと認識しており、今年度につきましては、昨年5月に性的マイノリティをテーマに、外部講師による職員向け人権研修を開催し、75人の職員が参加、また、昨年11月からは3回の連続講座として、企業向けLGBTセミナーを開催し、延べ29人の職員が参加しております。このほか、階層別研修において、性的マイノリティの課題に触れることにより、職員一人一人の理解力の向上に努めるとともに、本市の取組状況等については、局長級で構成する人権・男女共同参画推進連絡会議等の場を活用し、情報の共有を図っているところでございます。以上でございます。 ◎石井宏之 教育次長 性的マイノリティについての御質問でございますが、教育委員会といたしましては、人権尊重教育を全ての教育活動の基盤として位置づけており、教職員の研修においても、性的マイノリティは重要なテーマの一つとして考えております。研修につきましては、当事者の心情等に配慮し、性の多様性、性的マイノリティの児童生徒のための環境づくり、相談を受けた場合の対応、カミングアウトとアウティングの禁止について、相談窓口といった内容となっております。また、参加人数につきましては、ライフステージに応じた研修、人権尊重教育推進担当者研修、学校で独自に行う校内研修を合わせますと、今年度は1,745名の教職員が参加しております。年4回開催している担当者研修においては、全校種の学校から1名ずつ教員が参加し、その内容を勤務先の学校の職員会議や校内研修会で共有することになっており、全ての教職員の理解の促進につながっていると考えております。以上でございます。 ◆石川建二 委員 階層別研修では、性的マイノリティに関するテーマを取り上げ、職員向けの人権研修では、外部講師による講座の開設、各学校が参加する人権尊重教育推進担当者研修を行ってきたとのことでした。しかし、その内容は、市の幹部職員などに対して性的マイノリティについての一般的な理解を促すもので、具体性に欠けるものです。今後とも全庁的な取組が求められています。研修の内容にも、優れた他都市の経験を取り入れてはどうかと思います。文京区の作成した性自認および性的指向に関する対応指針は、本市の子ども権利委員会委員を務められている鈴木秀洋日本大学准教授が文京区の職員だった頃つくられたものです。文京区の対応指針には、SOGIについての基礎知識、区民等への対応、子どもを取り巻く環境、職場の対応と、行政の様々なシーンにおける具体的な対応が記載されています。区民等への対応では、窓口や電話での対応、区内の公共施設利用、災害時における対応での注意点について記載をされています。子どもを取り巻く環境では、学校内の体制、教職員の理解のための取組、教室における配慮など、実際の学校生活に寄り添ったアドバイスが書かれています。また、職場の対応では、性的指向、性自認に関し、差別的言動を行わないことや、ハラスメントに係る相談体制、採用時の対応、福利厚生制度などについてのように、職員が当事者を傷つけないよう、具体的な配慮事項が示されています。市民文化局長にも事前に目を通していただいておりますが、このようなマニュアル作成を検討すべきですが、市民文化局長に伺います。 ◎向坂光浩 市民文化局長 性的マイノリティに係る取組についての御質問でございますが、本市におきましては、研修の機会を通じて、性的マイノリティに対する理解力の向上に努めており、これまでも、階層別研修や職員向け人権研修などの機会を捉え、性的マイノリティの課題に触れてきたところでございます。人権を尊重し、共に生きる社会を目指している本市といたしましては、職員一人一人が性的マイノリティに関する理解を深め、これらの方々の生活上の障壁を取り除く取組が重要であると認識しており、引き続き他都市における取組等を参考に調査研究に努めてまいります。以上でございます。 ◆石川建二 委員 調査研究に努めてまいるということですので、よろしくお願いいたします。  質問の冒頭、私は、ピープルデザインシネマ2020にゲスト出演された鈴木茂義先生が、当事者以外の児童生徒にも、性の多様性を教えることが非常に大切だと、教育分野での取組の重要性を指摘していることを紹介しましたが、私も、小学校の段階でSOGIについて学ぶことは大変重要だと思っています。私は、2018年3月の予算審査特別委員会でも、世田谷区で自主教材を活用して授業を行っている取組を紹介して、SOGIに関する学習の意義について質問を行いました。児童の発達段階に合わせた学習材料も多く生み出されています。例えば、ピープルデザインシネマ2020で朗読された「レッド あかくてあおいクレヨンのはなし」は、レッドと巻紙に書かれた青いクレヨンが、どんなに頑張っても青い色しか出せないことに悩む話です。学習教材にもなり得る作品だと感じました。どのような人権教育が望ましいのか、教育現場での検討を始めるべきと思いますが、教育長に伺います。 ◎小田嶋満 教育長 性的マイノリティの学習についての御質問でございますが、多様な性に関する図書を学習等に取り入れることは、当事者である児童生徒の自己肯定感を高めるだけでなく、全ての児童生徒が正しい知識を得るためにも大変有効であると考えておりますので、教育委員会といたしましては、多様な性に関するブックリストを作成し、昨年7月に全ての学校に配付するとともに、関連する学習や読み聞かせ等に活用する方法を紹介いたしました。また、学校におきましては、生徒がSOGIに対する正しい知識を得るために、当事者を招いた講演会を行ったり、教職員がきめ細やかな配慮等について共通理解を図るために校内研修を開いたりしております。全ての児童生徒が自分らしく生きていくとともに、他者との違いを認め、互いを尊重し合うことのできるSOGIの学習も含めた人権尊重教育は大変重要であると考えておりますので、今後も一人一人の児童生徒が尊重される教育を推進してまいります。以上でございます。 ◆石川建二 委員 現場の声がとても大切だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。  最後に、鷺沼駅前地区再開発事業について、市長、まちづくり局長に伺います。鷺沼駅前地区再開発事業は、地上37階建てと20階建ての超高層タワーマンション建設であり、2棟合わせて530戸もの住宅がつくられる事業です。タワーマンション計画は局地的に人口増加を招き、子育て施設、教育施設などインフラ整備が追いつかず、地域に深刻な影響を与えることから、他都市ではその規制が始められています。神戸市では、条例により、2020年――今年7月よりタワーマンションが規制されます。本市でも、武蔵小杉駅周辺では超高層タワーマンションが林立し、日影や風害など地域の生活環境に深刻な影響を与えています。これ以上タワーマンションを増やすわけにはいきません。タワーマンションの規制を行うべきですが、市長に伺います。 ◎福田紀彦 市長 鷺沼駅周辺再編整備についての御質問でございますが、本市は、これまで各拠点地区の地域特性に応じ、地区計画等を指定することで無秩序な開発を抑制し、都市基盤整備と併せて、様々な都市機能の集積を図ることにより、利便性の高いまちづくりを進めてきたところでございます。鷺沼駅周辺地区におきましては、民間事業者による再開発事業を契機として、商業、文化交流、都市型住宅など多様で魅力的な都市機能の集積や交通結節機能の強化に向けた取組を促進し、宮前区の核となる拠点の形成を図ってまいります。今後も引き続き、誰もが暮らしやすいまちづくりを目指し、計画的に土地利用を誘導し、魅力ある都市拠点の形成に努めてまいります。以上です。 ◆石川建二 委員 今の御答弁はタワーマンションを造り続けるということでしょうか。市長の答弁で、都市機能の集積とのことですが、今回の計画の実態は、超高層のタワーマンションです。神戸市では、今年7月からタワーマンション建設を条例で規制することになりました。新聞報道によれば、学校の校舎不足があることが指摘されています。それでは、鷺沼地区ではどうか、教育委員会にこの地域の児童推計の資料を作ってもらいました。ディスプレーをお願いします。ちょっと見づらいですけれど、390戸の住宅が整備される駅前街区は鷺沼小学校の学区ですが、普通教室31クラス分がありますが、新年度の児童数の予測は950人、28クラスです。マンションの供用は2025年度以降と予定されていますが、2025年度の予測は31クラス1,040人、3クラス90人の増加です。問題は、この予測に再開発事業の390戸の影響は含まれていないということです。教育委員会の話では、教室不足が発生した場合に、増築か特別教室を転用せざるを得ないとのことでした。土橋小学校も同様で、普通教室30クラスが可能ですが、現在、新年度28クラス、962人、供用開始予定の2028年度の予測、これはあくまでも参考値ということですが、再開発事業の影響を入れずに32クラス、児童数1,111人です。再開発事業を入れなくても過密なマンモス校となることが想定されています。そこに超高層のタワーマンションができれば、それぞれの小学校でキャパシティを超え、教育環境の悪化をもたらすことは明白です。市長の目指す都市機能の集積がこうした事態をもたらすのです。教育環境を悪化させることをどう考えるのか、市長に伺います。改めてタワーマンション計画は見直すよう事業者に求めるべきですが、市長に伺います。 ◎福田紀彦 市長 鷺沼駅周辺再編整備についての御質問でございますが、鷺沼駅周辺地区におきましては、現在、再開発準備組合が仮称鷺沼駅前地区第一種市街地再開発事業に係る条例環境影響評価の手続を進めているところでございます。将来の児童数につきましては、今後、周辺の開発や転出入の動向、出生率の変化等によって変動していくものと考えております。今後もこうした変化や地域の児童数の推移を十分に注視しながら、必要に応じて対応を行うことで、良好な教育環境の確保に努めてまいります。以上です。 ◆石川建二 委員 良好な教育環境の確保を目指すと言うなら、学校の過密化を生み出すタワーマンションは規制すべきではないでしょうか。  次に、住民説明会についてです。これまでも住民説明会の開催を求めてきましたが、500%の容積率の緩和がないので、住民説明会は行う必要がないとのことでした。この写真は、左が現在の鷺沼駅の駅前です。そして右の写真が、住民の方が環境影響評価の資料から作られた模型です。環境の変化はこのように一目瞭然です。住民として、現在の環境から大きく変わる場合、地域への影響を知りたいと思うのは当然で、知り得る権利があります。鷺沼駅前の環境が大きく変化するわけですから、説明を求めるのは当然ではないでしょうか。現在の商業施設であるフレルは容積率何%ですか。まちづくり局長に伺います。また、再開発計画は容積率500%で、現在の容積率を変更するものではないと言いますが、実際に建物は敷地面積に対して500%を超える建物になるのではないでしょうか。建設される床面積と敷地面積を比べると、敷地面積の何倍の建物になるのか、まちづくり局長に伺います。 ◎岩田友利 まちづくり局長 鷺沼駅周辺再編整備についての御質問でございますが、初めに、フレルさぎ沼につきましては、建築計画概要書によりますと、延べ面積の敷地面積に対する割合は約3.38でございます。次に、再開発の施設建築物につきましては、建築基準法で規定する容積率は、それぞれ500%以内を予定していると伺っております。以上でございます。 ◆石川建二 委員 フレルの敷地に対して3.38倍です。交通広場は建物がありませんから、現在の鷺沼駅は、写真のように非常に開放的です。しかし、今度の計画は、敷地に対して7.74倍もの建物になります。これは計算すればすぐ出てくる話です。というのも、駐車場やエレベーター、廊下などの共用部分を容積率に算入しない緩和策が、この間、広がってきたからです。500%の1.55倍です。敷地面積に対して500%の建物ではなく、その1.55倍もの建物ができるわけですから、環境がさらに激変するのは当然です。これだけ環境が変わるわけですから、計画自体の説明を事業者に求めるのは当然ではないでしょうか。これまで環境アセスや都市計画審議会の中で住民への説明を行うとのことでしたが、全体像についての説明と話し合いが必要です。事業者に、条例で定められた説明だけでなく、住民への説明を行うよう求めるべきですが、市長に伺います。また、再開発事業に伴って、公的施設の移転計画を総合的判断で決定した市長は、直接市民に会って説明をすべきではないですか。伺います。 ◎福田紀彦 市長 鷺沼駅周辺再編整備についての御質問でございますが、事業者からの説明につきましては、引き続き、関係法令に基づく適切な説明や地域住民への丁寧な対応がなされるよう指導してまいります。本市といたしましては、宮前区のミライづくりプロジェクトとして、これまでも市民周知や意見聴取を行ってまいりました。今後も様々な機会を捉え、宮前区全体の発展に資する取組であることを周知していくなど、より多くの市民にその趣旨が伝わるよう努めてまいります。以上です。 ◆石川建二 委員 事業者に対して、地域住民への丁寧な対応がされるよう指導してまいりますとのことですけれども、住民への丁寧な対応とは、条例で定められた説明会のほかにも、住民の求めがあった場合、説明会を開催するよう指導する、あるいは求めていくということでよいのか、伺います。また、公共施設の移転について総合的判断を下したのは市長であり、説明を行うべきとの質問に、周知をしていくとのことです。市長は、これまで公的施設の移転について市民に直接説明したことがあるのですか、伺います。 ◎福田紀彦 市長 市民説明についての御質問でございますが、事業者に対しましては引き続き丁寧な対応がなされるよう指導してまいります。また、公共施設の移転整備につきましては、本市としてこれまでも様々な機会を捉え、市民周知や意見聴取を行ってきたところでございます。以上です。 ◆石川建二 委員 納得できるものではありませんが、次に進みます。  事業費についてです。新年度予算で、鷺沼駅前地区再開発等事業予算として初めて1億4,950万円が計上されました。基本計画や資金計画作成などの補助金であり、その2分の1を国土交通省に対し補助金申請をするとのことです。事前にいただいた資料によると、総事業費はおよそ400億円から500億円とのことです。再開発に関わる補助金は80億円から100億円とのことです。事業費の予測は、本市の他の組合施行の事例の規模を参考にしたとのことです。また、補助金は総額の約2割を想定しているとのことでした。この表も少し小さいですけれども、読み上げますと、武蔵小杉駅南口地区西街区市街地再開発事業における事業費に占める補助金の割合は36%です。同地区東街区再開発事業の補助金の率は34%、小杉町3丁目中央地区市街地再開発事業は29%、小杉町3丁目東地区市街地再開発事業では26%と、いずれも25%以上を示しています。全国的にも25%から30%と言われています。総事業費が400億円から500億円だとすると、25%で100億円から125億円、500億円では125億円から150億円の税金の投入になります。補助率を2割としたのはなぜですか。税金の投入を意図的に低く見せているのではないでしょうか。補助金の割合を2割と見込んだ理由を伺います。 ◎岩田友利 まちづくり局長 事業費等についての御質問でございますが、総事業費及び補助金につきましては、今後、準備組合の事業計画の検討に併せ、組合設立認可時点をめどに整理が行われるものでございます。総事業費に対する補助金の割合につきましては、川崎駅及び武蔵小杉駅周辺の組合施行による市街地再開発事業5地区を参考にしており、地区ごとの特性に応じ、道路や駅前広場などの整備に伴う公共施設管理者負担金を含めた割合が約11%から36%となっていたことを踏まえ、約2割といたしたものでございます。以上でございます。 ◆石川建二 委員 この補助率の低いところはダイスなどの開発だそうであります。補助率が低い。しかし、これらの開発は商業施設であり、住宅はありません。住宅の部分に多くの補助がつくそうです。今度の鷺沼駅前再開発事業、この開発には小杉駅周辺の再開発を参考にすべきだと思います。いずれにしても、多くの税金が使われることになります。こうした情報をしっかりと住民に伝え、市民にその判断材料を提起していく、これは説明会を含めて重要な民主主義の観点だと思います。この点にさらなる改善を求めて、私の質問、まだまだ質問したいことはたくさんありましたけれども、時間となりましたので、この辺で次回に譲っていきたいと思います。ありがとうございました。 ◆かわの忠正 委員 私からは一問一答にて5点、障害者グループホーム・ショートステイの整備について、生活援助員、生活相談員について、洪水ハザードマップについて、内水ハザードマップについて、洪水時の救助活動の強化についてを簡潔に順次伺ってまいります。  初めに、5款5項2目障害者福祉事業費の中で、障害者(児)ショートステイ事業費と障害者グループホーム事業費54億9,208万7,000円について、健康福祉局長に伺います。  障害者施設のグループホーム、ショートステイの整備促進について、これまで川崎市南部への整備については、平成30年9月と12月議会、昨年6月議会で求め、そして幸区の市営小向住宅の建て替えの際の空き地を有効活用して整備すべきと取り上げてまいりましたので、簡潔に伺ってまいります。前回の御答弁では、局内において実施すべきサービスや整備の手法などの検討を進めている、また、生活介護事業所を運営する社会福祉法人とも、グループホームやショートステイ等、ほかの施設の整備に向けた調整を行っている、また、市有地を活用した施設整備については、土地の貸与方法等について関係局とも協議しながら、土地の活用方策について検討を進めると御答弁をいただきました。まず、新年度の予算では障害者のグループホームやショートステイはどのように整備されるのか伺います。そして、市営小向住宅の市有地への整備に向けて、その後どのように取り組まれてきたのか伺います。 ◎北篤彦 健康福祉局長 障害者グループホーム等についての御質問でございますが、来年度の施設整備につきましては、グループホームについては、令和2年1月1日現在の定員で1,342名のところ、90名以上の増員を見込んでおり、ショートステイについては、現在、21施設124床のところ、中原区の平間配水所跡地に12床、福祉センター跡地活用施設に20床の整備を予定しているところでございます。また、グループホームの新築・改修時のバリアフリー化や消防設備の整備を行うための工事費の一部補助につきましては継続していくものでございます。市営小向住宅の市有地の活用につきましては、関係局と土地の貸与方法等について協議するとともに、生活介護事業所を運営する社会福祉法人育桜福祉会と、グループホームやショートステイの整備に向けた調整を引き続き行っているところでございます。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 続けて、関連して、第4次ノーマライゼーションプランでは、多様な住まいの支援について、グループホームの基盤整備では、設置を積極的に推進していくと記載されております。このプランは、新年度は改定作業をする年度でございます。そこで、改定の際は市有地の活用も盛り込むべきと考えますが、見解と対応を伺います。 ◎北篤彦 健康福祉局長 障害者グループホームの整備についての御質問でございますが、グループホームの整備は、運営法人による物件の確保を基本としておりますが、障害のある方の地域での自立した住まいの場を確保するための重要な施策であり、事業を進めるに当たり、市有地の活用も必要となってくるものと考えられることから、第5次かわさきノーマライゼーションプラン策定の中で検討してまいりたいと存じます。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 ノーマライゼーションプラン策定の中でも市有地活用の可能性を検討されるとのことですので、見守ってまいりますが、先ほどの御答弁の、運営法人との整備に向けた協議や、関係局との土地の貸与方法の協議が遅れないように、ペースを上げて精力的に取り組んでいただきたいと要望いたします。  次に、5款4項1目老人福祉総務費183億1,288万4,000円の中でシルバーハウジング生活援助員・生活相談員の対象拡大について健康福祉局長に伺います。市営住宅のシルバーハウジングに入居している高齢者に対して、生活指導相談や安否確認などを行う生活援助員や生活相談員が要綱により設置されております。それぞれ設置されている住宅の入居者、自治会の方々からは大変喜ばれている事業でもあります。ただ、この利用対象者は、シルバーハウジング住戸等に入居している方に限定されております。しかし、市営住宅入居者は高齢化し、長年の入居により家族構成も変化し、シルバーハウジング以外の区分で入居されている方も、シルバーハウジングと同様の申込資格である65歳以上の2人世帯や、単身者の方もかなり増加しております。当該住宅に入居されている方や自治会の方々から、シルバーハウジング以外の入居者も利用できるようにしてほしいとの要望が寄せられております。そこで、この事業の直近の利用状況、新年度のこの事業の予算の内容を伺います。また、この要綱は、最後の改定から11年、6年とそれぞれ経過しております。対象者拡大に向けた見解と対応を伺います。 ◎北篤彦 健康福祉局長 シルバーハウジングにおける生活援助員等についての御質問でございますが、本市におきましては、市営住宅のシルバーハウジングや住宅確保が困難な高齢者のための福祉住宅において、入居者の安全確保と自立生活の支援のため、緊急通報システムや団らん室等を設置するほか、生活相談や安否確認等の福祉サービスを提供するため、生活援助員や生活相談員、訪問協力員の派遣をしているところでございます。生活援助員等の直近の活動状況につきましては、住宅数37、入居者数約1,300人に対し、生活相談が平成29年度で約7,400件、平成30年度で7,900件、令和元年度12月末時点で約4,500件でございまして、戸別訪問等による日常的な健康状態の確認が、平成29年度、平成30年度で、共に延べ約21万件、令和元年度12月末時点で延べ約15万件でございます。また、令和2年度予算につきましては、生活援助員等の派遣や緊急通報システム等の経費として約1億4,000万円でございます。シルバーハウジングの生活援助員等が対応を行う対象者につきましては、現行ではシルバーハウジング入居者としているところでございますが、市営住宅全体の高齢化が進み、地域においても高齢化が進み、独り暮らし高齢者が増加している状況等を踏まえ、シルバーハウジングと同一敷地内にある市営住宅入居者への集会室を活用した軽易な相談などの手法や、地域における見守り体制の構築などについて、関係部局、関係団体と協議検討してまいりたいと存じます。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 利用状況は年間約21万件と好評のようで、活用されている状況でした。市営住宅をはじめ、周辺の高齢化も踏まえ御検討いただけるとのことなので、期待し、見守ってまいります。よろしくお願いしたいと思います。  次に、8款5項2目河川整備費27億5,861万6,000円の中で、洪水ハザードマップの改善について建設緑政局長、関連して危機管理監に伺います。昨年の令和元年東日本台風では、多摩川が決壊するのではないかと危機感が高まり、大勢の方々が避難されました。本市では、想定し得る最大規模の降雨によって河川が氾濫した場合という想定の洪水ハザードマップを作成、配布されております。まず、現在の配布状況、活用状況を建設緑政局長に伺います。また、この洪水ハザードマップは市のホームページからも閲覧できますが、昨年のこの台風の際のアクセス数が分かれば明らかにしてください。そして、洪水ハザードマップ関係の新年度の予算の内容、取組も伺います。 ◎奥澤豊 建設緑政局長 洪水ハザードマップについての御質問でございますが、配布状況等につきましては、区役所窓口や防災訓練等で、これまで約16万部を配布しており、市民の防災意識の向上に努めております。ホームページの閲覧件数につきましては、台風が通過した昨年10月12日に約54万件、翌日13日に約8万件のアクセスがございました。また、令和2年度予算におきましては63万8,000円を計上しておりまして、各区のハザードマップの配布状況に応じて増刷する予定でございます。今後も各種防災イベント等で配布することで、さらなる防災意識の向上に努めてまいります。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 ただいまの御答弁では、配布は約16万部に対しまして、ホームページの閲覧件数、これは10月12日のたった1日で約54万件、翌13日は8万件、2日間だけの合計で約62万件とのことでした。アクセス数なので、延べ人数だとしても、市内人口の約4割という大変多くの方が閲覧して注目をされました。ディスプレーをお願いします。私も地域を回っている中で、多くの方々がこの洪水ハザードマップに注目されたことをお聞きしました。多くの方が閲覧した洪水ハザードマップですが、市のホームページには、多摩川の雨量の想定については、2日間の総雨量588ミリとの表記で、幸区は多摩川が氾濫した場合、加瀬山を除くほとんどの地域が1階天井から2階天井まで浸水する想定のため、緊張感が一層高まりました。この洪水ハザードマップの想定について、図のほうには想定雨量、2日間で588ミリとだけ記載されております。刻々と天気予報で伝えられる様々な情報から、多摩川は越水する状況なのか、このハザードマップで示された浸水深を目安に垂直避難すれば大丈夫なのかと、判断に迷う声も寄せられました。当時の実際の降雨量は、市内では、一番多い区の麻生区でも338ミリですが、その上流の奥多摩では654ミリと、洪水ハザードマップの想定雨量を超えました。市民の方はどのように判断するのか、多くの方が迷っておりました。また、雨雲は、今回の台風のように移動する場合や、西日本豪雨のときのような線状降雨帯の場合もあります。またそして、1,000年に1回程度という表記についても誤解を招く表現でもあります。そこで、危機管理意識が高まり、注目されているこのときに、洪水ハザードマップの想定について、市民にもっと分かりやすく、実践で有効に活用できるような記述が必要と考えますが、これは危機管理監に見解と対応を伺います。 ◎高橋実 危機管理監 ハザードマップについての御質問でございますが、ハザードマップは、大雨により河川が増水し、堤防が決壊したりあふれたりする氾濫が発生した場合に、浸水が想定される範囲とその程度、及び地域の避難場所を示した地図でございまして、本市では、ハザードマップから避難行動につなげていただけるよう、風水害時に役立つ情報、洪水や崖崩れからの身の守り方や我が家の防災メモに加え、想定雨量なども記載しております。しかしながら、ぼうさい出前講座等におきまして、浸水深が分かりにくいなどの御意見をいただいているところでございますので、まずはホームページ上で改善できるものにつきましては速やかに取り組んでまいります。また、内水ハザードマップの作成が現在進められておりますので、ハザードマップを所管する関係局と連携し、いざというときの避難行動につなげられるよう、抜本的な見直しに向けて検討してまいりたいと存じます。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 ホームページは、まず、速やかに改善されるとのことなので、今年の出水期までにはぜひ実施していただきたいと要望いたします。内水ハザードマップの活用も含め、抜本的な見直しに向けて検討されるとのことなので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、下水道事業会計の1款1項9目総係費12億521万2,000円について、上下水道事業管理者に伺います。先ほどのテーマでもありますけれども、内水ハザードマップについてです。昨年の令和元年東日本台風では、内水氾濫による甚大な浸水被害が市内で発生しました。昨年の8月、佐賀県などで内水氾濫により甚大な被害が発生したことを受け、翌9月議会代表質問で私は、内水氾濫の被害想定と防災・減災に向けた対応を質問しました。御答弁では、浸水シミュレーションを活用することにより、防災意識の向上や災害時の円滑な避難などを目的に、想定される浸水区域や避難に関する情報等を盛り込んだ内水ハザードマップの令和2年度中の作成に向けて、関係局と調整しながら作業を進めているとのことでした。そこで、その後の進捗状況と、新年度での取り組む内容、スケジュールを伺います。 ◎金子督 上下水道事業管理者 内水ハザードマップについての御質問でございますが、初めに、現在の進捗状況といたしましては、想定される浸水区域や浸水の深さについて、浸水シミュレーションによる計算がおおむね完了したところでございます。また、避難に関する情報として、水害に備えた事前の心構え、浸水被害を防ぐための自衛策、防災情報の入手方法、避難時の心得等の掲載に向けて、関係局と調整しながら作業を進めているところでございます。次に、令和2年度の取組といたしましては、浸水シミュレーションの最終的な精査を行うとともに、市民の皆様に分かりやすくお示しできるよう、引き続き関係局と連携した作業を進め、令和2年度中に公表してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 大変な作業かと思いますけれども、市民の皆様が待ち望んでおりますので、精力的に作業を進めてお示しいただきたいと思います。では、内水ハザードマップを作成した後の活用と広報について伺います。 ◎金子督 上下水道事業管理者 内水ハザードマップの活用と広報についての御質問でございますが、内水ハザードマップにつきましては、大雨時における浸水の範囲や深さなどをお示しすることで、市民の皆様に水害の危険性について理解を深めていただくとともに、防災情報の入手方法、避難経路の確認、日頃からの備えなどについて役立てていただきたいと考えております。また、その広報といたしましては、各区の行政情報コーナーにおいて配布するほか、ウェブサイトへの掲載や、広報紙「かわさきの上下水道」で紹介するとともに、区民祭や防災訓練など様々な機会を捉えてお知らせしてまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 ウェブサイトへの掲載もされるということでした。昨年の台風の際は、いざ氾濫しそうになったら、先ほどの話のとおり約54万人の方が洪水ハザードマップを見たという状況もあります。内水ハザードマップを探す際、上下水道局のホームページに直接アクセスされる方は、余りいないかとも思いますので、市のホームページや「LINE@」等、様々なリンクもぜひやっていただきたいと要望して期待をしております。  最後ですが、12款1項1目常備消防費150億9,006万円について消防局長に伺います。市内が洪水した場合の救助についてです。昨年の令和元年東日本台風のような大型台風の襲来により多摩川が決壊した場合を想定すると、想定し得る最大規模の降雨によって河川が氾濫した場合の洪水ハザードマップでは、先ほどのとおり、例えば幸区内ではほとんどの地域が1階天井から2階天井まで浸水するという想定がされております。このような状況の中、救助に向かう際の救助用資機材の配置状況を見ますと、水難救助用器具としてボートが2種類、アルミ製折り畳みボートが5台、救助用ゴムボートが14台の合計19台のみとなっております。そこでまず、令和元年東日本台風により市域に浸水被害が発生した際の対応について伺います。そして、河川が氾濫し、市内が広範囲に浸水した場合の救助では、この台数で対応し切れるのか、また不足の場合の対応を伺います。そして、今後はどのように取り組むのか伺います。配備されている資機材の増強、更新の考え方も伺います。消防団への配備については、他会派の議員への御答弁で理解しましたので、結構でございます。 ◎原悟志 消防局長 浸水害への対応についての御質問でございますが、初めに、昨年発生した令和元年東日本台風時の対応につきましては、多摩川沿いの消防署管内で大規模な浸水被害が発生したことから、救助用ボートによる救出活動を実施いたしましたが、多数の要救助者が発生したことから、浸水被害のなかった消防署から救助用ボートを増強し、対応したものでございます。次に、市域が広範囲に浸水した場合の救助活動についてでございますが、浸水域の流水状況等によりますが、ヘリコプターによる迅速な救助活動と、併せて救助用ボートによる救助活動を実施することとしております。また、本市の消防力では対応が困難な場合は、神奈川県下消防相互応援協定及び緊急消防援助隊等の要請を行い、対応することとしております。次に、今後につきましては、今年度末に総務省消防庁から新規に緊急消防援助隊無償使用による高機能救命ボートが1艇配備される予定となっているところでございます。また、ボートにつきましては、定期点検のほか、出水期前に実施する水防訓練等で作動状況等を確認し、維持管理に努めております。今後とも水災害に対応できるよう、ボートを含む水難救助用器具等の増強及び更新につきまして、関係局と協議を進めてまいりたいと存じます。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 ボートを含む水難救助器具などの増強、更新も進めていかれるということなので、救助活動の強化を期待して、見守ってまいりたいと思います。また、本当に市内が広範囲に浸水した場合、どういうふうに救助していくのか、様々な想定をしていただいて、万全の備えをぜひお願いしたいと思います。私の質問を終わります。 ◆岩隈千尋 委員 本日は4点、出資法人への本市の財政支出及び利益剰余金について、行財政改革の取組について、危機管理体制における横軸の展開について、公立校におけるいじめ・不登校案件について、一問一答で行ってまいります。よろしくお願いいたします。  出資法人に対する本市の財政支出及び利益剰余金について伺ってまいります。厳しい財政運営が求められる中、来年度における出資法人への補助金等について調査をいたしました。調査したところ、幾つかの出資法人への支出について例年と異なる点が見受けられたので、取り上げさせていただいております。まず、川崎市スポーツ協会ですけれども、今年度約343万円の補助金が、令和2年度は1,432万円と4倍以上に増加をしております。この間、スポーツ協会から本市に提出されている資料によりますと、不適切な支出事務を行ったことによるコンプライアンスの欠如をはじめ、収益に課題があること、赤字の縮減に努めなければ厳しい経営状況が続いていることが明らかになっております。このたびの補助金増についての積算根拠、事業内容、目的について伺います。また、この間の経営不振に対する協会の自助努力について伺います。さらに、事業を協会に委ねるのであれば、本市の事業及び職員配置の削減はセットであることが通例となっております。本市と協会側でどのような協議を行ってきたのか、職員配置の方向性も含め、市民文化局長に見解を伺います。 ◎向坂光浩 市民文化局長 川崎市スポーツ協会の補助金についての御質問でございますが、川崎市スポーツ協会につきましては、厳しい経営状況が続いておりますが、これまで人員削減をはじめ、賞与不支給や収益獲得事業の新規受託などを行ってまいりました。具体的な補助金増額の積算根拠につきましては、多摩川ランフェスタに関する業務の大部分を市から協会へ移管し、必要経費を補助金として支出するほか、事業の必要性や収支状況を踏まえ、既存41事業のうち10事業の廃止を含めた見直しを行った上で、スポーツ施策推進に真に必要な15事業につきまして、事業実施に当たり不足が生じない水準の補助金を支出するものでございます。また、これまで曖昧であった協会と市の役割分担を見直すとともに、本市職員の人員体制につきましても令和3年度に向けて検討してまいります。今後につきましても、協会の経営健全化に向け積極的に市で指導してまいります。以上でございます。 ◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。補助金の増額だけ見ると、税金による赤字補填ではないかという疑義が生じてきますが、事業内容については理解をいたしました。しかしながら、いまだ厳しい経営状況であることは間違いありませんので、透明性の確保等、所管課には適切にモニタリングを行っていただきたいと思います。  次に、学校給食会について伺います。学校給食会については、ほかの法人と異なりまして、全額補助金での運営となっております。調査したところ、予算ベースでの比較で、昨年度が6,800万円余、今年度が8,000万円、令和2年度が6,600万円余です。今年度だけ突出しているのは、給食管理システムの改修費用ということですが、剰余金については、計算したところ、3億7,400万円ほど積み上がっております。剰余金の原資については給食費であることからも、行き過ぎた剰余金は好ましくありません。今後は一般会計に戻すなど、整理すべきものと考えます。取扱いについて今後の方向性を教育次長に伺います。 ◎石井宏之 教育次長 公益財団法人川崎市学校給食会についての御質問でございますが、学校給食で使用する食材につきましては、天候不順や暖冬等の影響により価格が変動することから、給食費の単年度収支は年度ごとに増減いたします。学校給食会は、食材価格の高騰の際にも、保護者から給食費の追加徴収を行うことなく、法人会計における一般正味財産の中で調整しながら食材を購入しておりまして、その期末残高につきましては、給食費の単年度収支により変動するものでございます。公会計の導入を見据え、本市が同様の調整を行っていくため、一般正味財産期末残高における給食費相当額の取扱いにつきましては、市の財源として、食材料費に充てられるよう、学校給食会及び関係局と調整を行っているところでございます。以上でございます。 ◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。次長から、市の財源として食材料費に充てられるようという同じ認識の答弁が返ってきております。次年度のことなので、まだ流動的な部分はあると理解しておりますが、その方向で行っていただきたいと思います。  次に、いつもの質疑ですけれども、出資法人役員の報酬改定と業績について連動するスキームを構築することについてでございます。昨年、伊藤副市長からの答弁を経て、令和元年8月7日に各出資法人所管局長宛てに、主要出資法人等における役員報酬額改定の際の法人所管局長との協議等についての通知が発出されております。これについて答弁をお願いしたいところなんですが、もう少し調査を深く掘り下げて行いたいので、次の定例会で行いたいと思います。  次のテーマに移りたいと思います。行財政改革の取組についてです。前市長時代より、行財政改革の効果額の測定については取り上げてまいりました。議員には、毎年、予算案の概要についての冊子が配付されております。この中で行財政改革の取組が毎年示されております。今年は30ページから36ページです。これは毎年繰り返し指摘しているところなのですが、行財政改革の取組の内容や効果の箇所において、効果については毎年コピー・アンド・ペーストの記載が増えていることから、記載内容については丁寧に示すように求めてきました。しかし、今年もこのコピー・アンド・ペーストは悪化して、36ページに至っては、効果は、職員の能力の十分な発揮という文言が連続して用いられております。現在の行財政改革のプログラムは、市職員の質的改革が肝であるにもかかわらず、コピー・アンド・ペーストを多用し、議会資料、または答弁とすることについては、内容においても情報不足、説明不足であることから不適切であると、毎年繰り返し私は指摘していますが、一向に改善されません。安易なコピー・アンド・ペーストの多用は市職員の思考力の低下やスキルダウンにつながってまいります。次回から記載内容をしっかりと工夫するとともに、少なくともこの常態化しているコピー・アンド・ペーストをやめるように求めます。この取りまとめを行っております総務企画局長に対応を伺います。
    ◎大澤太郎 総務企画局長 取組効果の記載についての御質問でございますが、予算案についてにおける行財政改革の取組につきましては、行財政改革第2期プログラムの体系に沿って項目を整理した上で、各取組の内容に応じて簡潔な表現で効果を記載しているところでございますが、行財政改革の効果を市民及び議会に分かりやすくお示しすることは大切でございますので、今後につきましては、表現を工夫するなど、行財政改革の取組効果をより分かりやすい形式でお示しできるよう改善してまいりたいと存じます。以上でございます。 ◆岩隈千尋 委員 コピー・アンド・ペーストが簡潔な表現とは、いささか苦しいと私は思います。いずれにしても行政、議会双方にとってこういったことは好ましくはございませんので、今、答弁の中で、しっかりと改善するということなので、来年度は期待したいと思います。人件費については、令和元年度1,509億円が、令和2年度は1,546億円で、37億円の増となっておりますけれども、行財政改革の取組、組織の最適化では、定数ベースで13億5,100万円の効果額が出ているとなっているわけです。定数上では13億5,100万円の効果があるが、実際の人件費は37億円の増ということで、一般市民の方が見たら、これはどういうことだと理解に苦しむと思うのですね。恐らく議員さんも、実数と定数ということに関しては、何だ、これはと思うところは結構あると思うのです。こういった記載も含めて、これはミスリードではないかなと若干懸念するところなので、こういったところも注意していただきたいと思います。  次年度の取組で大きいものとしては、公立保育所の民営化1億6,300万円をはじめ幾つかございますが、組織の最適化については、保育所の民営化も終了することから、今後、効果を上げることは困難になることが予測されます。そこで、私は、本市の派遣職員の状況を調査をさせていただきました。派遣には退職派遣、地方自治法派遣、派遣法派遣、出張派遣の4種類あり、全部で56部署に対し本市は派遣しているということですが、まず、概算の人件費について伺います。また、こういった派遣されている職員配置については、改めてそのニーズを検討するとともに、必要性等が終了した場合には整理すべきではないでしょうか。スクラップということですね。見解と対応を総務企画局長に伺います。 ◎大澤太郎 総務企画局長 職員の派遣についての御質問でございますが、初めに、令和2年度予算における職員派遣に係る人件費につきましては、概算で1億7,425万円でございます。次に、職員の派遣につきましては、職員を派遣することにより市の施策が効率的、効果的に推進されることが見込まれるものや、幅広い視野と新しい発想に立って行政施策を推進できる人材を育成することなどを目的として行っているところでございます。派遣の必要性等につきましては、毎年度の職員配置計画において検討しているところでございますが、厳しい財政状況等を踏まえ、その効果や必要性を精査検証し、役割を終えたものについては見直し、解消するなど、適切に実施してまいりたいと存じます。以上でございます。 ◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。見直しという言葉もしっかりと盛り込んでいただきましたけれども、本来であれば、不必要な派遣などはないと思います。ただ、皆さん御承知のとおり、GIGAスクール構想事業をはじめ、厳しい財政状況であることは間違いございませんので、スクラップできる部分は適宜行っていただきますように要望したいと思います。同じく職員配置についてです。災害への対応や児童虐待への対応、保育の質の向上など、必要な部署への人員配置は理解しますが、既存の組織の見直し、いわゆるスクラップも行わないことには、人員及び予算額は増える一方となってしまいます。来年度の職員配置は理解しておりますので、令和3年度以降の見通しについてはどのように考えているのか、総務企画局長に伺います。 ◎大澤太郎 総務企画局長 職員配置についての御質問でございますが、本市の財政につきましては、厳しい環境が今後も続くものと認識しているところでございますので、令和3年度以降につきましては、限りある財源や人材等を最大限に活用しながら、廃棄物収集体制の見直しや退職動向等に合わせた学校用務員の非常勤化などを行うとともに、行財政改革第3期プログラムを見据え、効率的、効果的にサービスを提供できる体制づくりや組織の最適化に資する取組を検討してまいります。以上でございます。 ◆岩隈千尋 委員 廃棄物収集体制の見直しについて言及があったわけですが、これについては市民サービスの質をしっかりと担保しつつ、効果がどれほど出るのかといったことや、フルの再任用職員を増やしていく方向性とのことですが、これは蓋を開けてみたら効果がさほど変わらなかったということがないよう、この間、これほどの大きな事業変更についても委員会での報告はございませんが、今後、議会への報告は、効果も含めて適切に行うよう、環境局長を含めて求めておきたいと思います。  各局の時間外の状況を見ていると、最適化されていないことは、これまでほかの議員さんとのやり取りでも明らかになっております。同じ局内でも部署によって偏りがある状況です。現在の働き方改革を見ても、職員個人の部分最適ばかり追求しており、全体最適を目指す方向性になっておりません。今回の台風の検証においても、縦割りで業務の押しつけ合戦になっております。従前のやり方ではなく、職員配置については抜本的な手法の見直しが必要と考えます。見解と対応を総務企画局長に伺います。 ◎大澤太郎 総務企画局長 職員配置の手法についての御質問でございますが、長時間勤務につきましては、現在、管理職による適切なマネジメントや業務改善を行うなど、その縮減に向け取り組んでいるところでございます。しかしながら、局区間や局内の所属間、職場内においても差が生じている実態があり、組織の最適化の観点から、平準化を図るための取組が喫緊の課題であると認識しているところでございます。今後につきましては、個々の職場の業務量や規模のバランスを踏まえ、業務の繁忙に応じ、柔軟な対応や組織間連携が円滑に図られるような組織整備等の検討など、組織の最適化に向けた職員配置の手法の改善にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。 ◆岩隈千尋 委員 ありがとうございます。組織間連携が円滑に図られるような組織整備等の検討など、答弁は、局長さん、しっかり行っていただいたわけなんですが、この点に特効薬がないので、セクショナリズムが年々悪化しているのではと考えます。ある文章を紹介させていただきたいのですけれども、職員の業務に対する姿勢は、やらされ感、やりたい感だけではない、東日本大震災後の被災自治体職員には、追い込まれて危機感が共有され、やらされ感、やりたい感のどちらでもない、やらなきゃ感という感覚が生まれた。もう一つが、庁内相互援助規定を活用し、やる気のある若い人や、庁内応援の経験がある職場から、スモールスタートで庁内応援ができないかと。皆さん方はこれを聞いたことがありますか。これは、本市の若手職員が派遣されております早稲田大学の人材マネジメント部会で、本市若手職員が書いた論文の一節なのです。少なからずこういった問題意識のある若い職員さんがいるわけですから、若手が学んできたことをしっかりと拾い上げて、本市施策に還元または反映されるようお願いをしたいと思います。  次のテーマに移りたいと思います。次は、危機管理体制における横軸の展開について伺ってまいりたいと思います。代表質問では、とどろきアリーナにおける浸水被害や新型コロナウイルスに起因する各区スポーツセンターのトレーニング室利用停止を実例に挙げまして、所管局と現場である区役所の連携体制が不十分な点や、また横展開、組織の縦割り弊害の中、横串が刺さっていない点を改善するように求めてまいりました。昨日も吉沢委員のほうから同様の指摘があったところです。台風19号から既に5か月が経過しておりますが、組織の横展開、局区横断的な組織体制についてはいまだ改善されておりません。条例所管局と指定管理者等の業務を監督する各区役所が縦割りの下、令和元年東日本台風の検証においても、いまだ検証作業の押しつけ合いで、誰も旗振り役となり危機管理事象に対する一元体制を構築しようという動きが見受けられません。所管局と各区役所の局区間横断的に一元的な連携を図り、検証を効果的に推進するための連絡調整機能が発揮されておりません。一方で、市職員さんの中でも個人レベルで問題意識のある職員さんはいらっしゃいます。検証過程において、いまだ縦割り、業務の押しつけ合いの現状については、危機管理事象、すなわちこれは市民の生命を守ることにも関わることからも、早急に改善する必要があり、局区横断的な検証を今後の対策にフィードバックする必要があると考えます。横軸の展開の認識について伊藤副市長に伺います。また、現在それぞれの所管局が動いていないことは、スポーツセンター等の実例を挙げて指摘したところですが、横軸展開については副市長が指示を出して改善すべきであると考えます。見解と対応について伺います。 ◎伊藤弘 副市長 検証の展開についての御質問でございますが、災害対策につきましては、各局区が専門性や地域性を発揮しながら行うとともに、組織が相互に補完し、対応することが重要でございます。今回の検証結果につきましても、横断的かつ体系的に情報を共有し、危機管理室をはじめ、業務をマネジメントする部署を中心に全体を調整していく必要があると認識しているところでございます。今後とも全庁的な課題につきましては、令和元年東日本台風や新型コロナウイルス感染症への対応等を踏まえ、適切に指示し、対応してまいりたいと存じます。以上でございます。 ◆岩隈千尋 委員 横軸展開について今、御答弁いただいたところなんですが、先ほどの繰り返しになりますけれども、セクショナリズムの結果、問題意識のある市職員さんたちの重要な意見が消えようとしております。組織の壁をしっかりとブレークスルーしていただいて、横串を刺すのは副市長さんの役割だと思いますので、これは適切な指示をお願いしたいと思います。  次に、個別の事象についてです。代表質問では、とどろきアリーナの浸水被害について取り上げました。この間、議会からの強い指摘により、指定管理者と中原区が中心となり、とどろきアリーナ風水害対応マニュアルが策定をされました。これについては単に局地的にアリーナだけがこのようなマニュアルを策定すればよいというわけではありません。先ほど、かわの委員も御指摘していただきましたけれども、浸水ハザードマップを見ると、川崎、幸、高津、中原は当然含まれておりますが、浸水被害想定地域にスポーツセンターが設置をされております。条例所管局である市民文化局市民スポーツ室は、アリーナの浸水被害を参考にしつつ、他区において同様のマニュアル策定や風水害の危機管理体制が構築できるよう、条例を所管する部署として調整するよう求めます。対応を市民文化局長に伺います。 ◎向坂光浩 市民文化局長 スポーツセンターの風水害の危機管理体制についての御質問でございますが、風水害対策として、このたびのとどろきアリーナ風水害対応マニュアルの共有化を図ることは重要であると認識しておりますので、今後、会議等を通して各区と対策内容を共有し、各スポーツセンターにおいても、出水期前までに施設に沿った防災体制となるよう調整してまいります。以上でございます。 ◆岩隈千尋 委員 今、会議等を通して各区と対策内容を共有しと、前向きな御答弁をいただいたところです。局長、検証報告書とかマニュアルを単に配付するだけとかでは駄目なのでしょう。条例所管局である市民スポーツ室が主体となってしっかり動くように調整機能を発揮していただきたいと思います。感染症である新型コロナウイルスに起因するスポーツセンターのトレーニング室利用休止についても同様です。今後は施設の開閉等については各区に判断を委ね、対応がばらばらになるのではなくて、災害対策本部と各区間の調整役を務め、緊急時における一元的な意思決定と迅速な対応を条例所管局が発揮すべきと考えます。対応を市民文化局長に伺います。 ◎向坂光浩 市民文化局長 条例所管局としての対応についての御質問でございますが、このたびの各スポーツセンターにおけるトレーニング室等の利用中止につきましては、各施設の状況を鑑み、指定管理者と区の協議により決定したところでございますが、各区が所管する施設の利用中止等については、条例所管部署として関係局と調整の上、一元的かつ迅速な対応が必要であると考えておりますので、今後は各区と連携し、調整を図ってまいります。以上でございます。 ◆岩隈千尋 委員 トレーニング室については、昨日もタブレット端末にペーパーを頂いたところなのですけれども、あれについては2回目ということで、しっかりと横軸連携が取れていたと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。あと、私は、こども未来局にも、代表質問で、台風襲来時における保育園の休園について一定の基準を設けることを求めてまいりました。今回、新型コロナウイルスに関連した卒園式の開催について、運営管理課と保育課が、いわゆる横の連携で情報共有を行い、民間の保育園に対して公立保育園の取組内容を告知しているということです。これを局長は御存じですよね。これについて民間の保育園からも、目安が分かり、ありがたい、ほかの自治体は厚労省の通知を知らせてくるだけで、現場任せなので、川崎の対応はありがたいという声が幾つか上がっております。こういった危機管理事象について、我々議員の指摘が当局に理解されて、今回の感染症の際に現場で役立っている、台風からの教訓がしっかり生かされているということなのですね。よい相乗効果が出ておりますので、危機管理事象については、こういった好事例を参考として、全庁を挙げて横軸展開のほどをお願いしたいと思います。  最後のテーマに移ります。いじめ・不登校事案についてです。さきの議会では、高津区内の公立校におけるいじめ及び不登校の個別事案を取り上げてまいりました。原因としては、担任教諭の誤解に基づく不用意な発言、そして、その後に続いた加害者不明による複数回の器物破損等で、当該生徒は心身に支障を来し、不登校になってしまいました。また、当該生徒については、結果として夏から不登校のまま現在に至っておりまして、昨日、卒業式が当該校では開催されましたが、出席することはかなわず、学年主任等から自宅で卒業証書を受け取ったとのことです。さきの議会では、受験終了後から卒業式までの間、2点のことについてしっかり取り組むべきだと指摘してまいりました。  1点目が、当該校の教員が、いじめ案件を放置しないでくださいということです。本事案については、クラスメートも十分認識しているにもかかわらず、この間、受験生ということで積極的な指導がなされておりませんでした。このような教員の姿勢は、生徒から、大人はいじめ案件について見て見ぬふりをするのだという誤った認識を誘発する可能性もあり、教育上好ましくありません。さきの議会答弁では、教育長から、当該校の校長は全生徒に対して、いじめについて考える時間を設けることや、教育委員会も当該校と連携することを答弁されております。当該校におけるいじめ指導については、高校入試終了後の2月19日に指導を実施したことをヒアリング調査で確認させていただきました。  2点目、担任教諭への指導です。令和元年10月25日付で発出された文科省からの不登校児童生徒への支援の在り方について、これは通知ですけれども、この中では、教職員の不適切な言動や指導が不登校の原因となっている場合は、懲戒処分も含めた厳正な対応が必要であることとされております。不登校は、結果としてその後の生徒の人生に影響をするわけですから、文科省の指摘は重いものと考えます。当該生徒は不登校のまま、器物破損の加害者はついに特定されませんでした。解決していない本事案について、当該校の管理職や担任に対しどのような処分または指導を行うのか伺います。また、当該生徒に対し何らかの行動を取り、けじめや一定の区切りをつけるべきだと考えます。対応を教育長に伺います。 ◎小田嶋満 教育長 教員に対する指導等についての御質問でございますが、管理職に対しましては、改めて本事案の対応経過全体を振り返りながら、反省すべき点についてしっかりと確認し、再発防止に向け、今後の学校経営に確実に反映させるよう、今年度内に私から直接指導することを考えております。また、担任教諭に対しましても、校長によるこれまでの指導に加え、自身の指導のどこに問題点があり、どう改めるべきなのかをいま一度振り返り、指導の改善につなげるために、私から指導する場を年度内に設けていくことを考えております。当該生徒への対応につきましては、学校では、高校入試後から、本人に対し負担にならないような形でアプローチし、中学校生活の終了と、今後の高校生活に向かう本人の思いの確認に努めてきており、また、本人が一番望む形で気持ちの区切りをつけられるよう、その方法、時期について保護者も含めて相談しているとの報告を受けております。今後、教育委員会といたしましても、本事案を教訓として、学校と区教育担当、事務局が確実に連携を図り、いじめ、不登校への適切な対応に努めてまいります。以上でございます。 ◆岩隈千尋 委員 昨日までの私であれば、教育長の今の答弁で納得したと思います。しかしながら、この間、当初信頼していた学校長の存在は希薄となり、担任教諭についても、昨日、卒業証書をほかの教員が当該生徒に手渡した際にも、当該校から何ら本事案について報告や、学校長及び担任教諭からの謝罪も、メッセージも一切なかったことを保護者から確認をしております。本事案について最後の最後まで放置、スルーしているということです。区教育担当も同様の確認をしていると伺っております。当該生徒については、卒業証書を持参した教員に対し感謝の言葉があったそうです。いじめられ、不登校になり、高校受験についても厳しい結果が出た当該生徒が、感謝の言葉を述べ、管理職である学校長及び当該生徒の信頼を損なう不適切な発言を行った担任教諭は、本事案が解決しなかったにもかかわらず、何らメッセージがない。本事案を放置する姿勢は、もはや教員失格であり、被害感情を逆なでる行為です。いじめに関するマニュアルを策定すると、先日、答弁されておりますが、これはもう本当にマニュアル以前の問題です。教育長に再度伺いますが、不作為の極みである学校長と担任教諭に対して、先ほどの答弁は、私は異例だと思うのです。本当に教育長の熱意が込められたと思うのです。ところが、その教育長の熱意が伝わるか、本当に極めて困難だと考えますが、少なくとも保護者に対しては、事案解決に結びつかなかったこと、この間の不手際、不登校になったことも含め、学校として明確に謝罪するよう指導すべきではないでしょうか。現状のままでは、けじめ、区切りどころか、本事案をなかったことにしてしまおうという意図すら感じられます。教育委員会としてどのような対応を当該校に促すのか、伺います。 ◎小田嶋満 教育長 今後の対応についての御質問でございますが、今回の件では、当該生徒が大変つらい思いを抱いたまま登校できなくなってしまったことに対しては、大変申し訳なく思っております。区教育担当等を通じて状況の改善に努めてまいりましたが、十分ではなく、結果的に中学校生活の最後の段階でも根本的な解決に至らなかったことは、申し訳なく、重く受け止めております。教員の言動によって、子ども、また保護者と学校との信頼関係が失われてしまったことが根本にあると認識しております。学校教育は信頼関係によって成り立っているものであり、児童生徒や保護者の声にしっかりと耳を傾け、一人一人を大切にすることが信頼関係の基本であると考えております。そのような点におきまして、本事案は反省すべきことが多々あると認識しておりますし、その反省点について、当該校への指導はもちろんですが、全ての学校が緊張感を持って児童生徒指導、保護者との対応に当たっていくよう努めてまいります。さらに、当該校に対しましては、生徒、保護者に誠意を持って謝罪するよう促してまいります。以上でございます。 ◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。もうここまでいくと、学校現場の対応は本当に不作為を通り越して不誠実の極みです。教育長の熱意ある異例の答弁にもかかわらず、それにも砂をかけるような行為です。それだけ当該校が本事案を十分認識していない証左ではないでしょうか。この間、当該生徒を含め、保護者、当該校の学校長など様々な方に私もヒアリングを行ってきました。もし学級担任の誤った認識や発言がなければ、当該生徒を含む生徒間同士の誤解は生まれず、その後の器物破損事件及び不登校につながらなかったのではないかとすら私は考えております。本事案については最後まで注視させていただきたいと思いますけれども、これは本事案だけでなく、いまだ顕在化されていない公立校におけるいじめ、不登校事案について、今回の件をしっかりと今後の教訓としていただきますよう強く求めておきます。終わります。 ◆橋本勝 委員 一問一答にて2点、防犯カメラの設置補助制度についてと避難所整備について伺ってまいりたいと思います。自民党の橋本でございます。  まず、市民文化局長に一つお礼を申し上げたいと思います。我々自民党の政令市の議員連盟のほうで、それぞれのまちが防犯カメラというのをどういう形で設置しているかということで、20市全体で調査をかけるということがありまして、せんだって、担当の方々に御協力いただいて、お礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。防犯カメラのことについて取り上げている議員の方々もいらっしゃいますが、私が好きな海外ドラマで、舞台はアメリカ合衆国で、そのアメリカにテロを仕掛けるテログループに対して、政府の捜査機関に属するすご腕捜査官が立ち向かっていくというアメリカの海外ドラマがあるのですけれども、もちろんフィクションですが、その犯罪捜査で必ず防犯カメラを使って、カメラの映像をずっと追いかけていくのですね。テレビドラマですから、無人型の偵察機にカメラが積んであって、時にはちょっとグレーな使い方もされているのですけれども、川崎市においては、一昨日の堀添先生の質問において、ガイドラインに沿ってきちっと運用されていると確認はできましたので、そこら辺は安心しておりますが、それでは質問に入らせていただきたいと思います。  現在の補助制度は、県が2分の1補助してくれて、市の補助が5分の2、設置者の自己負担が1割となっておりますが、この制度になってからの総申請数に対して設置数の実績を年度ごとに伺いたいと思います。その実績については、県内各自治体と比較してどのように評価をしているのか、また、次年度の設置想定についても伺いたいと思います。 ◎向坂光浩 市民文化局長 防犯カメラ設置補助制度についての御質問でございますが、初めに、この補助制度による町内会・自治会等の安全・安心まちづくり団体からの申請及び設置台数につきましては、制度が開始された平成28年度の申請は185台で設置は26台、平成29年度の申請は220台で設置は60台、平成30年度の申請は131台で設置は36台、令和元年度の申請は124台で設置は68台の見込みとなっており、合計で660台の申請に対し190台の設置となっております。次に、本制度につきましては、県において市町村からの申請数に応じて補助台数を決定していることから、年度ごとに設置台数が変動しておりますが、令和元年度におきましては、申請数が過去最少であるのに対し、設置台数は過去最大となる見込みでございます。次に、来年度の想定につきましては、本市予算案として65台分の設置補助金を計上しているところでございます。以上でございます。 ◆橋本勝 委員 次に、主な申請団体について伺いたいと思います。また、この制度が開始されてから4年間のうち、継続して申請をしている団体が一度もこの補助を受けられなかったというようなケースがあるのか、伺いたいと思います。 ◎向坂光浩 市民文化局長 補助申請団体についての御質問でございますが、本制度における補助対象につきましては、交付要綱において、地縁に基づいて形成された町内会・自治会または事業者等により組織された団体であって、継続的かつ計画的に地域の安全・安心まちづくりの推進に係る活動を行う団体としており、申請の大半は町内会・自治会であり、そのほかには商店街やマンション管理組合がございます。なお、制度開始の平成28年度から今年度まで継続して申請したにもかかわらず、一度も防犯カメラの設置補助に至らなかった団体はございません。以上でございます。 ◆橋本勝 委員 ありがとうございました。申請された団体は、少なからず、1台は必ず設置に至っているというようなことが確認できました。県の来年度の予算案において、2分の1を補助するというこのスキームが維持をされるのかどうか、伺いたいと思います。また、今後の見通しについても同様に伺いたいと思います。 ◎向坂光浩 市民文化局長 防犯カメラ設置補助制度についての御質問でございますが、県の令和2年度予算案におきましては、今年度と同内容の補助率2分の1、補助上限額15万円となっていることから、本市でも今年度と同様に補助率5分の2、補助上限額12万円での実施を予定しております。今後の見通しにつきましては、県からは、令和2年度からの3か年を事業期間とする計画が示されておりますが、令和3年度以降は県の補助上限額を逓減していく旨を伺っているところでございます。本市といたしましては、現行の補助内容の継続に向け、引き続き県に対し要望を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆橋本勝 委員 県に対する要望は継続をしていただくといたしまして、ただ、実際に県の予算案を見てみても、もう義務的経費割合が80%を超えているというような報道もありましたし、県のホームページ上の予算案についても、そういうような数字になっておりました。これを考えると、制度を維持してもらうのは相当困難であると考えるのが妥当だと思います。そうすると、次年度は2分の1は維持されるようでございますけれども、今後この2分の1の部分を川崎市がどのように考えていくのかが大事になってくるわけでございまして、次年度以降についての考え方を伺いたいと思いますし、また、その考えの取りまとめは、やはり早い段階で行うべきではないかと思うのですけれども、伺いたいと思います。 ◎向坂光浩 市民文化局長 防犯カメラ設置補助制度についての御質問でございますが、防犯カメラの設置は、地域における犯罪発生の抑止力や地域防犯力の向上につながることが期待されるものでございますので、県における令和3年度以降の動向を注視しつつ、今後の制度の在り方について、関係局とともに検討してまいります。以上でございます。 ◆橋本勝 委員 ありがとうございました。ただ、実際には相当、神奈川県の制度は、内々にといいますか、減らしていくということを伺っているということですので、その減らし方にもよりますけれども、このままの状況でいけば、これから設置しようという人は、来年度は大丈夫ですけれども、次の令和3年度は確実に自己負担が増えていくということになってしまいますから、早い段階でどうするのか考えていただいて、募集の周知をしっかりしていかなければいけないということです。私がもし地域の方々から防犯カメラのことについて相談されたら、正直早くしなければ駄目ですよ、早く申請しないと自己負担が増える可能性はもう確実になりますよと申し上げざるを得ないところになります。市長はよく神奈川県とも調整していただくとは思うのですけれども、これは恐らく難しいことになるだろうと思います。もちろん市がその分出すという考えに至れば、設置者の自己負担はこのまま維持されていくわけですから、大変結構なことだとは思いますけれども、そこにはお金の話がついて回るわけですので、早い段階でぜひ考えを取りまとめていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしておきたいと思います。  次は、避難所の整備のことについて教育長と危機管理監に伺いたいと思います。昨日は3月11日、東日本大震災から丸9年ということになりました。9年前の当時のことを思い返しますと、ちょうど当時の総務委員会において、避難所整備に関する条例が委員会のほうで話し合われて、委員会の提案の下で、川崎市のこの議場で議決されたということを思い出します。あの当時、後ろにいらっしゃる嶋崎嘉夫先生からの御提案だったとも記憶しておりますけれども、あのときから、いろいろと避難所について、自民党としても整備の必要性を訴えさせていただいておりまして、私も幾つか、何度か取り上げてまいりました。分散型エネルギーとして複数熱源を確保するということで進めていただいているわけですけれども、学校施設のLPガスの整備の進捗状況について、教育次長に伺いたいと思います。 ◎石井宏之 教育次長 複数熱源化についての御質問でございますが、教育委員会におきましては、都市ガスのみを利用している学校の管理諸室等にプロパンガス設備を併設することで、災害時においても熱源を確保する取組を進めておりまして、今年度中に対象校116校への設置が完了する予定でございます。以上でございます。 ◆橋本勝 委員 ようやくといいますか、今年度をもって全ての学校の複数熱源化が確保されるということで、取組については確認をさせていただきました。前回の定例会で少し供給的なことで質問をさせていただきましたけれども、その点につきましては、また次の機会にでもと思っております。我々自民党といたしましては、地震だけではなくて、昨年は台風もあったわけでございますけれども、頻発している災害への対応をさらに進めるべきだということで、避難所となる体育館への空調設備の整備を訴えさせていただいているわけでございまして、具体的にはGHPによる整備を提案してきているところでございますけれども、どのように協議検討をしていただいているのか伺いたいと思います。国の補助メニューとか他都市事例はどのように把握をされているのか、伺いたいと思います。 ◎石井宏之 教育次長 空調設備についての御質問でございますが、現在、検討支援業務委託等において、体育館も含めた学校施設全体を対象に、空調設備設置に係る課題について調査を行っているところでございます。体育館の空調設備につきましては、他都市の先行事例の調査等を行っておりまして、既存の国庫補助メニューにつきましても確認しているところでございます。以上でございます。 ◆橋本勝 委員 体育館へのGHPによる空調設備の整備について、その効果や有用性について危機管理監はどのような見解をお持ちになっているのか伺いたいと思います。 ◎高橋実 危機管理監 避難所への空調設備の整備についての御質問でございますが、災害時の避難所における生活環境につきましては、関係局区が様々な災害想定の下に、避難者の心身の健康の確保に向けて、その整備に取り組むことは重要であると考えております。今後におきましては、空調設備設置に係る課題などの調査結果等を踏まえ、より効率的かつ効果的な手法について関係局区と検討してまいります。以上でございます。 ◆橋本勝 委員 ありがとうございました。危機管理監は、やはり重要だ、大事だとおっしゃっていただいていまして、教育委員会も決して後ろ向きではないとは思っております。我々はいろいろな業界団体さんとのヒアリングをさせていただいておりまして、その内容についても毎年毎年行政のほうに投げかけをさせていただいて、それに対する見解もいただいているところでありますが、なかなかこの点については、2年ぐらい、前に進んでいないのかなと感じておりました。御答弁いただいた検討支援業務委託等について、今年度中にこの内容についての報告があるということでございますので、ここでの結果がすぐに教育委員会の考え方として反映されるかどうかは別なのでしょうけれども、昨今の暑さ対策というのでしょうか、そういったことも含めると、十分前に進めるべきものであろうと思ってございます。よくこの避難所、体育館への空調設備の設置については、大阪府箕面市が取り上げられるわけですけれども、私も伺ってまいりましたが、あの大阪の大変大きな地震があったときにも非常に役立ったということで、避難された方々も大変喜んでいた、被災自体は大変なものでしたけれども、こういった設備が整っていることについては大変安心感もあったというような話を聞いてまいりましたので、自治体の規模によっては一斉設置ができるところもありますが、川崎市みたいに大きな校数を抱えていると、予算の関係もありますから、一挙にというわけにはいきませんけれども、ぜひこの検討支援業務の結果も待ちつつ、積極的に教育委員会としても検討を前に進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。終わります。 ○露木明美 副委員長 お諮りいたします。暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○露木明美 副委員長 御異議ないものと認めます。暫時休憩いたします。再開は午後1時といたします。                 午前11時52分休憩                 午後0時59分再開 ○露木明美 副委員長 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。  発言を願います。 ◆宗田裕之 委員 私は、地球温暖化対策の廃棄物処理について、市営住宅の空き駐車場について、平瀬川護岸工事について、市営四方嶺住宅跡地利用について、一問一答形式で質問してまいります。  まず、地球温暖化対策の廃棄物処理について環境局長に伺います。廃棄物の排出削減についてです。地球温暖化対策の廃棄物処理について、世界的に、廃棄物を焼却に依存するのか、または廃棄物を大幅削減していくのかが問われています。世界の都市首長会議で、2030年までに一般廃棄物の最低70%を埋立て、焼却以外の方法で処理するとして、2030年までに埋立て、焼却を30%以下に抑えるとしています。それでは、日本の一般廃棄物の焼却率は80.3%ですが、市の焼却量と焼却率を伺います。 ◎斉藤浩二 環境局長 一般廃棄物のごみ焼却量等についての御質問でございますが、平成30年度の本市のごみ総排出量は約50万7,000トンで、そのうちごみ焼却量は約35万6,000トンでございます。ごみ焼却率は、平成20年度では約76%でございましたが、分別収集の拡充などの取組を進めた結果、平成30年度には約70%に減少したところでございます。以上でございます。 ◆宗田裕之 委員 ディスプレーをお願いいたします。この表では、廃棄物は大きく分けまして産業廃棄物と一般廃棄物、そして一般の中には事業系と家庭系がありまして、それぞれ焼却ごみと資源物があります。市の一般廃棄物の排出量は、51万トンのうち、焼却量は36万トン、そのうち事業系が11万トン、家庭系は25万トンです。焼却率は70%ということですから、日本全体の80%に比べると焼却率は10%低いということです。それでは、市の廃棄物処理に伴う温室効果ガス排出量と廃プラの焼却に伴う温室効果ガス排出量を伺います。 ◎斉藤浩二 環境局長 本市の廃棄物処理に伴う温室効果ガス排出量についての御質問でございますが、温室効果ガスの排出要因といたしましては、ごみ収集車の走行など収集運搬過程から排出されるもの、ごみの焼却など中間処理過程から排出されるものなどがございますが、平成30年度の本市の廃棄物処理に伴う温室効果ガス排出量は約17万3,000トンでございます。そのうちプラスチック廃棄物の焼却に伴う温室効果ガス排出量は約13万6,000トンでございます。以上でございます。 ◆宗田裕之 委員 焼却に伴う温室効果ガス排出量の79%、約8割が廃プラです。温室効果ガスを削減しようと思ったら、廃プラの焼却量をいかに減らすかが課題だということです。それでは、家庭系のプラスチック廃棄物の排出量と、そのうちの焼却量、資源化量、そしてリサイクル率を伺います。 ◎斉藤浩二 環境局長 家庭系プラスチック廃棄物についての御質問でございますが、本市では、ペットボトル及びプラスチック製容器包装について資源物として分別収集を行い、ストローや歯ブラシ、バケツなど、いわゆる製品プラスチックについては普通ごみとして収集し、焼却しております。焼却ごみに含まれるプラスチック廃棄物の量を正確に算出することは困難でございますが、仮にごみの組成調査の結果から推計しますと、平成30年度のプラスチック廃棄物の焼却量が約3万9,500トンと算出され、分別収集した資源化量の実績が約1万7,500トンでございますので、排出量は約5万7,000トン、リサイクル率は約30%と算出されるところでございます。以上でございます。 ◆宗田裕之 委員 表に加えますと、こういうことです。家庭系のごみの廃プラの排出量は約5万7,000トン、そのうち焼却は4万トン、分別が1万7,000トンなので、リサイクル率は約30%だということです。国際的に見ますと、ドイツが39%、スペインが37%、イギリスが32%と比べて低い水準です。それでは、川崎市の一般廃棄物とプラスチック廃棄物の排出削減目標と焼却量の削減目標を伺います。 ◎斉藤浩二 環境局長 削減目標についての御質問でございますが、本市では、地球環境に優しい持続可能なまちの実現を目指してを基本理念とした一般廃棄物処理基本計画を平成28年3月に策定し、計画的にごみの減量化、資源化に取り組んでいるところでございます。同計画におきましては、一般廃棄物全体として令和7年度までに平成26年度比で1人1日当たりのごみ排出量を10%削減、ごみ焼却量を4万トン削減するという2つの目標を掲げているところでございます。また、プラスチック廃棄物の削減目標につきましては、排出量の算定が困難なこともあり、数値的な目標は定めていないところでございます。以上でございます。 ◆宗田裕之 委員 表に加えますと、本市は一般廃棄物については、2025年度までに2014年度比で4万トン削減ということですから、現在の焼却ごみは家庭系、事業系合わせて36万トン、これを33万トンまで削減するということです。しかし、都市首長会議では、2030年までに一般廃棄物の埋立て、焼却を30%以下に抑えるという目標ですが、本市の一般廃棄物の現時点を基準にした場合、2030年までに焼却量36万トンを15万トンにする必要があり、かなり目標に差があります。2050年までにCO2排出実質ゼロを目指す本市としては、これぐらいの目標が必要です。焼却ごみの削減目標の見直しを要望いたします。それでは、プラスチック廃棄物の資源化、減量化のための施策を伺います。 ◎斉藤浩二 環境局長 プラスチック廃棄物の減量化、資源化に向けた取組についての御質問でございますが、本市では、これまで3Rの推進や地球温暖化防止の観点から、ペットボトル、プラスチック製容器包装のリサイクルの推進や、市民、事業者との協働によるレジ袋削減、環境教育、環境学習による意識の醸成などに取り組んできたところでございます。また、使用済みプラスチックから生成した水素をホテルなどで利活用する地域循環型水素地産地消モデルの実証事業が行われるなど、先進的な取組も進められているところでございます。プラスチックにつきましては生活に欠かせない素材となっておりますが、一方で、使い捨てプラスチックなどの廃棄物も大量に発生し、散乱による海洋汚染や焼却処理に伴う温室効果ガス排出の要因となっているなど、海洋汚染対策や地球温暖化対策の観点からも、プラスチック廃棄物問題は喫緊の課題と認識しております。本市といたしましても、こうした課題に総合的かつ迅速に取り組んでいくため、プラスチック廃棄物問題に対する基本的な考え方や対応の方向性などを取りまとめ、国のプラスチック資源循環戦略を基本としながら、自治体として求められる役割や本市の強みなどを踏まえ、海洋汚染対策、地球温暖化対策の観点も含めた総合的な施策について検討してまいりたいと考えております。本市が行う廃棄物処理事業の温室効果ガス排出量の約8割がプラスチックの焼却に起因するものであり、脱炭素社会の実現においても、プラスチック資源循環の対応は重要な取組でございますので、今後、プラスチック資源循環の取組を推進し、使い捨てプラスチックからの脱却、バイオマス素材への転換などのライフスタイルの変換を促してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆宗田裕之 委員 温室効果ガスの約8割がプラスチック焼却に起因している、プラスチック廃棄物問題は喫緊の課題と認識しているとの答弁でした。プラスチック廃棄物の削減目標は決めていないということですが、これだけ温室効果ガスの削減について最大の課題ですので、ぜひ廃プラの削減目標を決めるよう要望いたします。臨海部においては、廃プラから水素ガスを生成する実証実験が行われていることに期待をしたいと思います。表で見ますと、市の廃棄物のうち、一般廃棄物は51万トンと比較して、実は産業廃棄物は274万トンと、一般廃棄物の5倍以上、これから、やはり産業系の廃棄物をいかに減らしていくかが最大の課題となることも指摘しておきます。  それでは最後に、ごみそのものを出さない対策についてですけれども、従来型の、ごみを出し放題、燃やせば、埋め立てれば何とかなるという事後処理中心から、プラスチックをはじめ、そもそもごみそのものをつくらないという発生源対策の方向にかじを切ることこそ喫緊のごみ問題の解決策です。EUでは、使い捨てプラスチック食器や発泡スチロール容器を禁止する新規制を承認し、規制が成立しています。政府も省庁の食堂など国の機関において、ペットボトルや使い捨てコップなどのプラ製品・容器の使用禁止を決めました。本市も今後、使い捨てプラからの脱却、バイオマス素材へ転換していくなどのライフスタイルの変革を促していくということですので、ぜひ川崎市でも、ごみそのものをつくらないという発生源対策の方向への具体的な推進計画を要望いたします。  次に、市営住宅の空き駐車場についてまちづくり局長に伺います。市営住宅の空き駐車場を介護や来訪者のために確保できないかという相談が多く寄せられています。特に、大きな市営住宅では駐車場の空きスペースが増えており、その一部を来訪者用に使えないかという要望が上がっています。まず、空き駐車場を来訪者用に使用する方法は、どのような方法があるのか伺います。 ◎岩田友利 まちづくり局長 市営住宅駐車場についての御質問でございますが、空き区画を来訪者などが使用するためには、市営住宅の共用施設としての用途を廃止する必要があります。用途廃止後の駐車場の管理方法としては、例えばコインパーキング運営事業者に貸し付ける方法があり、現在12団地、123区画において導入しているところでございます。以上でございます。 ◆宗田裕之 委員 共用施設としての用途を廃止した上でコインパーキングを設置する方法があるということですが、どのような問題がありますか、伺います。 ◎岩田友利 まちづくり局長 課題についての御質問でございますが、整備後10年以内の駐車場につきましては補助金の返還義務が発生するため、用途廃止することは困難な状況となっております。また、コインパーキングにつきましては、立地によって駐車場のニーズが低いことなどにより、導入が難しい場合がございます。以上でございます。 ◆宗田裕之 委員 10年以上だと用途変更は可能だが、コインパーキングはニーズが低いと難しいという答弁でした。民間のコインパーキングを誘致することも困難な市営住宅において、市として何らかの来訪者スペース確保ができないのか伺います。 ◎岩田友利 まちづくり局長 来訪者用の駐車場についての御質問でございますが、コインパーキングの導入が困難な市営住宅につきましては、初期投資がほとんど要らず、事業者が参入しやすい駐車場シェアリングサービスを6団地で試行的に導入することとしております。その結果などを検証した上で、駐車場の空き区画の活用手法について検討してまいりたいと思います。以上でございます。 ◆宗田裕之 委員 これらの課題を解決する方法として、駐車場シェアリングというサービスがあるという答弁です。コインパーキングみたいに、設置する工事費用――初期投資がかからず、予約もスマートフォンなどで簡単にできるということです。そのためにコストが安く、コインパーキングよりも誘致しやすいということです。6団地で試行的に導入するということですので、期待したいと思います。  それでは、次の質問に移ります。高津区上作延の平瀬川護岸工事について建設緑政局長に伺います。まず、護岸工事の事業費の市負担についてです。ディスプレーをお願いいたします。これは全体図を簡略化しました。各橋の名前が川に沿って載っています。高津区上作延の平瀬川護岸改修その1・その2工事、90メートル区間がもうすぐ終わりまして、護岸工事全体の区間は1.1キロ――1,100メートルの僅か1割程度が完了するということです。いよいよその3工事、下流側80メートル区間が始まる予定ですが、その1・その2工事の工事期間の年数と事業費、その3及びその後の工事予定を伺います。 ◎奥澤豊 建設緑政局長 平瀬川護岸工事についての御質問でございますが、その1工事につきましては、工事期間は平成29年3月から平成31年1月までの1年10か月間、工事費は約4億9,000万円でございます。その2工事につきましては平成30年3月に着手し、令和2年3月に完了する見込みとなっており、契約金額は約4億5,000万円でございます。また、その3工事は令和2年4月に着手し、令和3年3月に完了する予定となっております。その後の工事につきましては、国庫補助事業の動向なども勘案しながら、範囲や実施時期などについて、今後、検討してまいります。以上でございます。 ◆宗田裕之 委員 これを表に入れますと、このようになります。このその1・その2工事、赤い区間ですけれども、全体の1割の区間で約3年半、10億円かかったということです。それでは護岸工事区間1.1キロの総事業費と工事年数を伺います。 ◎奥澤豊 建設緑政局長 事業費等についての御質問でございますが、優先対策検討区間としている1.1キロメートルのうち、ボーリング調査の結果、早期に改修工事が必要な別所橋から新井台橋までの750メートル区間について、護岸改修工事の実施を予定しております。当該区間の事業費につきましては、これまで実施している、その1・その2工事において、90メートルの改修に対し約10億円の費用を要しておりまして、残りの区間につきましても同程度の費用を要するものと考えております。また、工事期間については、国庫補助事業の動向などを勘案しながら、今後検討してまいります。以上でございます。 ◆宗田裕之 委員 その1・その2工事と同様の費用がかかるということですので、費用は100億円近くかかり、工事期間も今のままの進捗状況だと10年から20年かかる大変な工事です。平瀬川は一級河川で、本来は国や県が管理責任を持つのが当然なのですが、この事業費は現在、川崎市が全額負担しています。この件について私は国交省に交渉に行きましたら、国交省は、この工事については、施設機能向上事業ということであれば補助金を出すことができるとして、申請してくれれば国が半分補助を出しますということでした。国に対していつ頃申請するのか伺います。 ◎奥澤豊 建設緑政局長 国庫補助事業についての御質問でございますが、別所橋から新井台橋までの750メートル区間について、現在、耐震対策として、国庫補助事業の活用に向け、改修の構造のほか、申請時期等について国や県と協議を進めているところでございます。以上でございます。 ◆宗田裕之 委員 この補助金が通れば、事業費は国が半分、そして県と市で半分です。仮に県が4分の1持つとすると、市は4分の1、総額100億円かかるとすれば25億円で済むわけです。早く申請して、補助金を使えるように要望いたします。  それでは、地盤の強度と家屋調査について伺います。とにかく、この地域は地盤が軟弱で、電信柱が傾いてきたり、側道が沈下して道路にひび割れが生じたり、今回の工事でも水道管が外れて水が吹き出すなど、大きな被害が出ています。別所橋から新井台橋付近の地盤調査では、深さ10から15メートルではN値がほとんどゼロということですが、この地盤の強度について伺います。 ◎奥澤豊 建設緑政局長 地盤の強度についての御質問でございますが、平成23年度に実施したボーリング調査の結果によりますと、地下約10メートルから15メートルの深さにある粘性土層において、地盤の固さの指標であるN値は、おおむね4以下となっておりまして、これは日本道路協会が発行する道路土工要綱によりますと、注意を要する軟らかい地盤であるとされております。以上でございます。 ◆宗田裕之 委員 注意を要するほど軟弱だということです。10メートル以上の基礎ぐいを打たないと自然に沈んでいくという状況です。それでは、河川側道部分の前橋、また新井台橋付近のN値が1桁台の深さを伺います。 ◎奥澤豊 建設緑政局長 地盤の強度についての御質問でございますが、前橋及び新井台橋付近の地盤につきましては、地表から約15メートルの深さでN値が1桁となっております。以上でございます。 ◆宗田裕之 委員 軟弱地盤の深さは15メートル以上ということなので、くいは16メートル以上の長さが必要だと思います。それで家屋調査の範囲ですが、市は、くいの長さを基に、護岸から約16メートルの範囲にある家屋を調査対象としています。しかし、その1工事では16メートル以上離れた家屋でもひび割れが生じていました。これだけ軟弱地盤だと、16メートル以上離れた家屋でも影響が出ると考えられます。希望する方には家屋調査を要望いたします。  それでは、住民説明会についてですが、市は、工事概要が固まった時点で、関係する町内会や自治会等に説明を行い、工事契約後、施工計画が作成され次第、住民説明会を開催するとしています。その3工事の説明会はいつ行うのか、市が主催で行うのか伺います。 ◎奥澤豊 建設緑政局長 住民説明会についての御質問でございますが、その3工事の説明会につきましては、令和2年4月に予定している契約締結後に工事業者と協議の上、6月頃までに本市が開催する予定でございます。以上でございます。 ◆宗田裕之 委員 その3工事の業者が決まり、施工方法が決まった後、6月頃までに市の主催で行うということです。前回は上作延集会所で行いましたが、50人以上集まり、集会所に入り切れませんでしたので、より大きな会場を要望いたします。  それでは、最後の質問です。市営四方嶺住宅跡地利用についてです。ディスプレーをお願いいたします。市営四方嶺住宅跡地は、特養・地域交流ゾーンにおける特別養護老人ホームの法人が決まりまして、今年11月に工事着工、2022年4月開設予定です。福祉複合ゾーンと広場・スポーツゾーンの事業者のそれぞれの公募を2019年11月21日から開始しました。それでは、蟹ケ谷・久末地域のスポーツ環境について伺います。今までここにあった仮設グラウンドは14団体、450人の人たちが、ソフト、野球、サッカーなどの練習場所として使用してきました。これまでこの地域の方々の練習場所は県立職業訓練校、子母口小学校などがありましたが、訓練校はなくなりました。そして、子母口小は東橘中との合築のためにグラウンドは1つになりまして、中学校の部活のためにほとんど使えなくなりました。跡地利用のパブリックコメントで最も意見が多かったのは、球技ができる広場をという要望です。この間、何度も球技ができる広場を公募の要件に入れることを求めてきましたが、公募の要件や加点要素の中に球技ができる広場とはありませんでした。球技などができる広場をという要望に対して、市は、多摩川のグラウンドをと答弁してきましたが、現在、多摩川のグラウンドはどういう状況で、いつ頃復旧するのか、建設緑政局長に伺います。 ◎奥澤豊 建設緑政局長 多摩川緑地のグラウンドについての御質問でございますが、現在、多摩川緑地におきましては、令和元年東日本台風の影響により、市が管理する多摩川緑地内全ての野球場、サッカー場、陸上競技場などの運動施設等の使用を停止しております。供用開始につきましては、本年5月以降を目途に、完成した施設から順次供用を開始する予定としており、施設ごとの供用開始の時期については、工事の進捗状況を踏まえ、3月末を目途に、関係団体への周知やホームページ等による広報を行ってまいります。以上でございます。 ◆宗田裕之 委員 現在使えるグラウンドはゼロです。5月以降に順次復旧するということですが、いつ完了するかは未定ということです。蟹ケ谷・久末地域でソフト、野球などの試合ができる施設はあるのか、教育次長に伺います。 ◎石井宏之 教育次長 蟹ケ谷・久末地区における運動施設についての御質問でございますが、本市では、地域における市民のスポーツ・レクリエーション、生涯学習などの場として、学校教育に支障のない範囲で施設を開放する学校施設有効活用事業を実施しており、蟹ケ谷・久末地区におきましては、現在、子母口小学校、久末小学校、東橘中学校の3校において校庭等の開放を実施しております。以上でございます ◆宗田裕之 委員 球技ができるグラウンドは子母口小、久末小、東橘中の3か所のみです。しかし、東橘中は部活でほとんど使えず、子母口小は、東橘中のグラウンドの一部であり、狭く、長方形のため、ソフトや野球の試合には使えません。久末小は、この前、ソフトの大会で初めて使ったのを見てきましたが、グラウンドの形状の関係で、ファーストのすぐ後ろがネットになってしまって、ライトの場所が取れない状況でした。結局、多摩川のグラウンドも、3つの学校も、試合ができる状況ではなく、この地域ではソフトや野球の試合ができる、まともなグラウンドは皆無です。だからこそ、この四方嶺住宅跡地の広場・スポーツゾーンに球技ができるグラウンドをという要望が強いのです。以前の仮設グラウンドは50メートル四方で2,500平米あれば試合ができました。このゾーンは5,000平米ありますので、その一部を使えば十分可能です。ところが、市の計画では、5,000平米のうち2,000平米を民間のスポーツ施設に貸し出すという計画になっています。民間のスポーツ施設を導入する理由について、まちづくり局長に伺います。 ◎岩田友利 まちづくり局長 民間のスポーツ施設についての御質問でございますが、地域包括ケアシステム構築の必要性などをはじめとした現在の行政需要や社会経済動向、いただいた御意見などを踏まえ、スポーツ機能を導入し、また、持続的に良好な維持管理を図ることができるよう、民間活力を生かしたスポーツ施設の導入を決めたものでございます。以上でございます。 ◆宗田裕之 委員 以前の答弁では、フットサルやテニスという例を挙げていました。いただいた意見などを踏まえという答弁ですが、パブコメでフットサルやテニスという要望はありません。最も多かった意見は、グラウンドを残して、球技ができるグラウンドを、でした。要望もないのに、どうしてそういう施設を導入するのでしょうか。多くの市民が自由に使える広場、避難場所をと要望しているのに、なぜこのような民間施設を導入するのか、全く理解できません。福祉複合ゾーンの事業者が広場・スポーツゾーンの一部3,000平米を管理するということです。この事業者に広場・スポーツゾーン5,000平米全部を管理してもらうことも可能だと思います。民間スポーツ施設は導入せず、真ん中の道を左右どちらかにずらして、5,000平米全てを一体で管理すれば、球技ができるグラウンドはできるはずです。特養ホームの工事が始まりまして、公募した結果も出てくると思いますが、住民説明会はいつやるのか、まちづくり局長に伺います。 ◎岩田友利 まちづくり局長 住民説明についての御質問でございますが、事業者の選定後、事業者による説明などを適宜適切に行うよう求めてまいります。以上でございます。 ◆宗田裕之 委員 事業者の選定後という答弁ですが、特養ホームの事業者も決まったわけですから、すぐに説明会をやるべきです。前回の住民説明会では多くの疑問や要望が出されましたが、その回答はまだされていません。特養ホームの工事が始まるわけですから、早急に住民説明会を開催するよう要望いたします。民間のスポーツ施設の導入は、地域の要望にはなっておらず、市民の自由に使える空間を狭くするだけです。民間のスポーツ施設の導入は中止すべきです。パブコメにも示されているように、多くの方の願いは自由にスポーツができる広場であり、失われてきた球技ができるグラウンドです。そのことを真剣に検討するよう強く要望いたします。以上で質問を終わります。 ◆沼沢和明 委員 それでは、私からはマイナンバーカード交付促進事業について、次に、緊急時の非常電源確保について、観光案内冊子について、市営墓地募集について、スポーツトレーニング室の環境整備について順次伺ってまいります。  初めに、マイナンバーカード交付に向けた取組について伺います。令和4年度末までにほとんどの住民がカードを保有することを想定して交付体制を構築するよう昨年9月に国から通知があったそうですが、本市における現在の交付枚数と交付率及び今後の交付枚数の年度ごとの目標を伺います。これまでの区別の交付率も伺います。また、3年間の予算の推移についても伺います。 ◎向坂光浩 市民文化局長 マイナンバーカードの交付枚数等についての御質問でございますが、初めに、令和2年1月末時点のカード交付枚数につきましては28万6,840枚で、住民登録人口に対する交付率は18.95%となっております。交付枚数の目標につきましては、国からの通知に基づくほとんどの住民がカードを保有することを目指しておりますが、これまでの交付実績や状況等から、当面、令和2年度は18万枚、令和3年度は12万枚、令和4年度は10万枚を想定しているところでございます。次に、区別の交付率につきましては、川崎区は18.27%、幸区は20.75%、中原区は18.54%、高津区は18.61%、宮前区は18.36%、多摩区は19.65%、麻生区は19.09%となっております。次に、カード交付等に係る予算につきましては、平成30年度は2億6,789万2,000円、令和元年度は4億5,251万6,000円、令和2年度は12億6,872万3,000円を計上しており、令和2年度の増額理由は、地方公共団体情報システム機構への負担金の増加や、本市におけるカード交付体制の強化に係る経費を見込んだことによるものでございます。以上でございます。 ◆沼沢和明 委員 我が党の代表質問への答弁に対しまして、関係局と連携しながら広報に取り組む、夜間や休日等における交付体制の整備を行うと答弁されました。これまでの課題と今後の新たな具体的取組を伺います。カード申込みを増加させるためには受け付けできる窓口の増加が必要であります。各出張所などでの受付窓口設置拡大への取組を伺います。総務省の先進事例では、イベントや商業施設、成人式など、さらに企業、学校等に出向いて行って受付を行う出前型が有効なようですが、待ちの体制では交付率向上には程遠いのではないかと考えます。このままでは国が主導するマイナポイント活用まで間に合わないのではないかと懸念するところでございますが、見解と取組を伺います。 ◎向坂光浩 市民文化局長 マイナンバーカードの交付等についての御質問でございますが、初めに、これまでの課題につきましては、カードの申請、交付が区役所区民課の開庁時間帯に限られ、お勤め等で来庁することが困難な方などへの対応が十分ではございませんでした。こうした課題の解決を目的として、令和2年度に区役所等で担うカード交付業務の一部を集約するとともに、平日の夜間や土日、祝祭日にも交付を行う仮称マイナンバーカードセンターを新たに設置するとともに、区役所等においてカード交付枚数の増加への対応として、専用端末の増設、会計年度任用職員の配置など、交付体制の整備を実施してまいります。次に、出張所等におけるカード申請につきましては、受付体制や端末配置の課題等もございますことから、今後の申請枚数の動向などを踏まえながら検討してまいりたいと考えております。次に、出前型のカード申請の取組につきましては、市民の皆様に身近な場所で申請機会を設けることは効果的でありますことから、本市におきましても、平成30年度以降、各区役所において市内企業や商店街への出張申請受付会を9回、町内会やスーパーマーケット等での申請補助サービスを16回実施してきたところでございます。今後につきましても、総務省の先進事例も参考にしながら、出前型の取組をさらに充実させるなど、カードの交付促進に努めてまいります。以上でございます。 ◆沼沢和明 委員 2月20日からマイキーID設定支援コーナーを設置したとのことですが、これまでの利用者数を伺います。また、郵便局に内閣府が配付した端末を持ち込んでの申込みが有効とされた事例が紹介されておりますが、本市にも66台あるとのことです。活用への見解と取組を総務企画局長に伺います。
    ◎大澤太郎 総務企画局長 マイキーID設定支援コーナー等についての御質問でございますが、本年9月から国において消費活性化とマイナンバーカード普及を目的としてマイナポイント事業の実施が予定されており、利用に当たり、マイナンバーカードを取得の上、パソコンやスマートフォンを用いてカードにマイキーIDを設定する必要がございます。本市におきましては、このID設定をお手伝いするため、マイキーID設定支援コーナーを2月20日から各区役所・支所に設置したところでございます。利用者数につきましては、全体で問合せなどを含め1日当たり約46件の御利用があり、そのうちマイキーIDの設定が1日当たり約25件でございました。次に、端末につきましては、本市では市民の皆様がマイナポータルにおいて御自身の情報確認や各種サービスの検索などを行うことができる環境を整備するため、国から66台の端末の貸与を受け、平成29年12月に各区役所・支所・出張所等に全台配置したところでございます。また、当該端末につきましては、かわさき市民祭りなどのイベントや商店街におけるマイキーID設定のお手伝いのために使用するとともに、支援コーナーにおいても利用しているところでございます。市民の皆様にマイナポータルの利便性を実感していただくことやマイナポイントを取得していただくことは、マイナンバーカードの取得促進につながるものと認識しているところでございますので、今後も関係局と連携して、引き続き当該端末を活用して、マイナンバーカードの有用性を実感していただける取組を進めてまいりたいと存じます。以上でございます。 ◆沼沢和明 委員 今後、端末を18台、それから会計年度任用職員を54名増やすということでございますが、プラス、カードセンターを設置するということでございます。職員を配置して待っていても、申込みや受け取りのために交通不便なところまでは市民は行かないと考えております。限られた時間での交付枚数増加に向けた取組と国からの補助事業について、改めて加藤副市長に伺います。 ◎加藤順一 副市長 仮称マイナンバーカードセンターについての御質問でございますが、本年9月からマイナポイントを活用した消費活性化策が開始されることなどから、より多くの市民の方々が早期にカードを取得できるよう交付体制の強化について検討してきたところでございます。これまで開庁時間帯にカードの受け取りができないことで取得を諦めていた方に対しまして、受け取り予約制度を導入し、お待たせすることなく閉庁時間帯に受け取れる仮称マイナンバーカードセンターを設置するとともに、区役所等の体制を強化し、総務省の先進事例なども参考にしながら交付促進に努めてまいります。なお、カード交付に係るこうした経費につきましては、その多くが交付枚数に応じて国庫補助の対象となりますことから積極的に活用してまいります。以上でございます。 ◆沼沢和明 委員 先ほどから申し上げていますように、受け取り場所が、例えば北口の通路にあります役所の機関などの交通結節点に設置することによって受け取りやすくなるのではないかと考えています。このたびのセンター設置に関して、予算増、それから内容共に委員会報告がありませんが、これについての見解を伺います。 ◎向坂光浩 市民文化局長 仮称マイナンバーカードセンターについての御質問でございますが、このたび設置を予定しているカードセンターにつきましては、カード交付体制の強化に向け、これまでの事業及び予算を拡充して実施するものでございまして、現在、事業者などの選定等の取組を進めております。今後、本事業を具体的にお示しできる状況になりましたら、速やかに御説明させていただきたいと存じます。以上でございます。 ◆沼沢和明 委員 この委員会の報告につきましては、4億円が12億円になるという大変大きな予算増でありまして、その内容についてはしっかりと説明すべきと考えております。改めて伺いますけれども、マイナンバーカードセンターというのはどこに、そしてどのような規模で設置をしていくのか、市民文化局長に伺います。 ◎向坂光浩 市民文化局長 仮称マイナンバーカードセンターについての御質問でございますが、センターの設置につきましては、市域のほぼ中心に位置する武蔵溝口駅周辺において、カードの管理など、国の基準に沿った厳格なセキュリティが担保できる場所を予定しており、現在、契約等の諸条件について整理しているところでございます。また、開設の時期につきましては、本年6月中の受け取り予約制度の開始、7月中のセンター開設を目指して準備を進めているところでございます。以上でございます。 ◆沼沢和明 委員 取組方、よろしくお願いをいたします。将来的にといっても2〜3年後ですが、健康保険証利用の本格運用ですとか、医療機関でのこの活用が見込まれていることから爆発的に需要が増していく可能性がありますので、取組をよろしくお願いしたいと思います。  それでは次に、緊急時の非常用電源確保について伺います。日産自動車と神奈川日産自動車、日産プリンス神奈川販売は、1月14日、横浜市と災害時における電気自動車からの電力供給の協力に関する協定を締結したと発表しました。横浜市の脱炭素化の実現に向けた取組と、EVを非常用電源としての活用体制と、日産自動車でも環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するためEVを非常用電源として活用する取組に互いが賛同し、災害対策を中心とした具体的な連携協定の締結を行うこととなった、このような報道がございました。災害連携協定は、EVの蓄電機能を活用することで災害から市民の命、身体及び財産を守ることが目的であります。災害時に日産自動車及び日産自動車販売店のEVを地域防災拠点となる各区役所などへ貸与する、日産自動車にとって今回の横浜市との災害連携協定は全国の自治体で18件目となるそうでございます。本市でも、このようなEVを活用した災害時協定を自動車会社と締結することは有効な手段と考えますが、見解と取組を伺います。 ◎高橋実 危機管理監 電気自動車等を活用した災害時協定についての御質問でございますが、災害時における電気自動車等による電力供給につきましては、エネルギー供給源を分散化し、大規模停電のリスクを軽減することで災害対応力の向上につながると認識しているところでございます。現在、給電機能を有した自動車につきましては、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車等、様々な種類が製造されており、また、電力を供給する場所や用途も多様でございますので、他都市の状況も調査研究しながら、協定締結に向けて検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆沼沢和明 委員 取組方、よろしくお願いを申し上げます。一方で、厚木市では2020年度、停電した際、電気自動車から電気を供給する非常用電源設備を避難所となる公民館16館と市立保育園4園の計20か所に整備するとの報道がありました。市と日産は昨年10月に協定を締結、同社は協定に基づき、市内の店舗6店にある12台のEVを提供することとなっております。EVの給電口から可搬型給電器を経由し、各施設に電気を供給する。1台で避難所の1室の電灯やテレビ、エアコン、スマートフォンの充電などを1日から2日間賄えるということであります。可搬型給電器から電気を取り込めるよう1,600万円をかけて各施設の配電盤を工事するとのことです。本市における可搬型給電器の導入と非常用電源設備の整備について見解と取組を伺います。 ◎高橋実 危機管理監 電気自動車等の活用についての御質問でございますが、電気自動車等から電力を取り出すことができる外部給電器につきましては、現在、関係局において購入に向けた検討を進めているところでございますが、災害時に電気自動車等を非常用電源として活用することができることから、その有用性等の周知につきましても、関係部局等と連携し、防災訓練などの様々なイベントを活用し、取り組んでまいります。また、電気自動車等の給電口から外部給電器を経由し、施設へ電気を供給する非常用電源設備の整備につきましても、大規模停電時のリスク軽減策として有用であると考えておりますので、先行事例を調査するなど検討してまいりたいと存じます。以上でございます。 ◆沼沢和明 委員 先日の報道では、横浜市の林市長が、この電源について一般家庭で4日間もつと。しかも、本市が所有している水素自動車「MIRAI」につきましては、その倍近くの能力がある、こういったことも明らかになっておりますので、ぜひ取組方、よろしくお願いしたいと思います。  それでは次に、市内の観光案内冊子について伺います。各区役所や市民館等に展開されている観光案内冊子についてですが、言語や大きさもまちまちで携行するのも不便です。ディスプレーをお願いします。熊本市で名刺サイズのカードに写真を入れて、QRコードを印刷したものをラックに入れて配布しておりました。これがそのカードです。この裏側には、このようにQRコードが印刷をされておりまして、こちらからスマートフォンで読み込むことによりまして、それぞれのこういった紹介ページに飛ぶことができます。しかも、多言語で読むことができる。外国人インバウンド増加に伴いまして市内観光案内ツールとして本市でも導入すべきと考えますが、見解と取組を伺います。 ◎中川耕二 経済労働局長 観光案内ツールについての御質問でございますが、外国人観光客をはじめとする多くの方々に様々な観光案内ツールを活用して、より効果的に市内の観光情報をお届けすることは、観光客を誘客するために重要なことと考えております。本市におきましても、QRコードを活用した観光案内サービスを活用しているところでございますが、今後も、観光案内のカード化を含め、多くの方々が市内で魅力ある観光情報を手軽に入手できるよう取り組んでまいりたいと存じます。以上でございます。 ◆沼沢和明 委員 こちらは、写真がこのようにたくさん中に入っていまして、これを見て、訪れたいなという思いが出てくれば幸いだと考えております。ちなみに、こちらのサイトの中に本市の写真があったのはたった1枚だったと、このような報告がございましたので、お知らせしておきます。  次に、市営墓地の募集について伺います。募集者の区分を間違えて抽せんを行ったことが明らかになりました。その原因と、その後の対応を伺います。合葬墓の募集に関しては、当初の申込封筒に不要な書類の添付を求めていたことも明らかになりました。ディスプレーをお願いします。ちょっと小さくて見えないんですけれども、原因と、実際に住民票等が提出された件数、返金総額と返金にかかる経費と負担、その後の対応を伺います。連絡はあったがまだ返金されていないとの市民からの声がありますが、今後の対応を伺います。 ◎奥澤豊 建設緑政局長 市営墓地募集についての御質問でございますが、初めに、令和元年度の市営墓地募集における抽せん結果の誤りにつきましては、申込者の一部の方が申込区分と異なる区分に誤って登録されたまま抽せんを行ったことが判明したものでございます。原因といたしましては、募集業務を行う指定管理者が申込書を受領後、申込区分の確認が一部不十分なまま手続を進めてしまったことによるものでございます。その後の対応につきましては、誤りのあった申込区分の方々に個別に御連絡し、おわびした上で、誤った区分で当選された方々については本来の申込区分での当選とし、落選など誤りによる影響のあった方々については、令和2年2月24日に再抽せんを行ったものでございます。  次に、合葬型墓所の募集関係書類に関する記載の誤りにつきましては、今年度初めて募集を開始するに当たり、当選後に提出が必要となる戸籍謄本または住民票を、誤って申込用の封筒に、申込時に必要となる書類として記載し、配付を行ってしまったものでございます。原因といたしましては、申込時の必要書類の取扱いについて、募集業務を行う指定管理者との連絡調整や確認が不十分なまま申込用の封筒を配付してしまったことによるものでございます。その後の対応といたしましては、本来必要のない住民票や戸籍謄本等を送付された方々に個別に御連絡し、おわびした上で、返金及び返却を行うこととし、3月9日に対象者全員におわびの文書を添えて郵送させていただいたところでございます。対象となった方の人数は214名で、返金額は7万4,100円、返金に係る現金書留等の経費は13万5,906円で、合わせて約21万円となっており、この費用につきましては、墓地募集業務を担う指定管理者が全額負担することとしております。今後の対策につきましては、業務を担う指定管理者と適切に情報共有を行うとともに、書類の再確認や審査体制の強化を徹底し、再発防止に努めてまいります。以上でございます。 ◆沼沢和明 委員 これは、市民の方が必要もないのに住民票や戸籍謄本を取りに行く、また、こちらの募集の封筒を黒塗りにする作業を各区役所・出張所でやっていただいたということでございまして、金額以外の労力がかかっているので、今後二度とこのようなことが起こらないようにお願いをしたいと思います。  あと最後に、トレーニング室につきましては、Wi-Fiの整備、それから大型画面の設置を要望だけさせていただきますので、くれぐれもこの指定管理者としっかり協議をしながら、使いやすい環境整備に向けて取り組んでいただきたいと思います。以上で終わります。 ◆織田勝久 委員 私は、障害者福祉事業費に関連して、それから、一般管理費に関連して、債務負担行為に関連して、地域交通支援事業費に関連して、住宅・マンション支援推進事業費に関連して、あと最後に、本市が目指す地方分権改革の基本方向について、それぞれ一問一答でお聞きしたいと思います。  まず、5款5項2目障害者福祉事業費に関連して、障害児入所施設での死亡事件の検証委員会設置について伺います。社会福祉法人同愛会が指定管理を行う障害児入所施設にて、ショートステイ利用中の当時9歳の児童が2016年12月26日に死亡した事件から丸3年が経過いたしました。いまだに本市の検証作業が行われておりません。同愛会の問題と検証委員会設置について、これまで度々議会質疑で取り上げてまいりました。昨年9月の決算審査では、委員会設置について、措置入所の経過もあることから、こども未来局の協力支援の答弁もいただいたところであります。既に健康福祉局長からも、関係局との調整を進めている、検証を行うに当たっての取組等の条件整備を行ってまいりたいとの答弁をいただいております。なお、年明けに本事件の訴訟において原告から、訴えの一部取下げを行う、すなわち本市を被告から外すと、そのような要請があり、本市も了解したところと聞いております。事件から丸3年も経過いたしました。もはや一刻の猶予もありません。内部では検証委員会の設置に向けてある程度人選も進められていると仄聞しておりますけれども、何とか今年度中に検証委員会を立ち上げ、新年度から直ちに検証作業に入ることはできないのか、健康福祉局長に伺います。 ◎北篤彦 健康福祉局長 社会福祉法人同愛会についての御質問でございますが、当該案件につきましては、現在も警察による捜査が継続しているとともに、御遺族により社会福祉法人同愛会に対し訴訟が起こされております。この間、行政内部での事案の経過等について、整理、振り返りを行ってきておりますが、引き続き、法人からの調査報告書等の検証を行うに当たっての公平性を確保した委員構成や取組条件等をこども未来局と連携しながら整理し、年度内をめどに準備に取り組んでまいりたいと存じます。以上でございます。 ◆織田勝久 委員 ただいまの御答弁で年度内をめどにといただきました。どうぞよろしくお願いをいたします。  次に参ります。2款2項4目一般管理費に関連して、既に実施された令和2年度庁舎清掃業務委託の入札について伺っておきます。最低の価格をもって入札を行った者を落札候補者とした後に、当該落札候補者について資格審査を行う、これは通常の手続でありますが、加えて今回から特に、現在履行中の案件は含まないとの要件が追加をされたわけであります。今回からこの要件が追加された理由は何か、財政局長に伺います。 ◎三富吉浩 財政局長 庁舎清掃業務委託についての御質問でございますが、本市では、一般競争入札における参加資格の一つとして、従前から適正な履行の確保を目的として、過去5年以内に国及び地方公共団体等が発注する事務室の清掃業務を1年以上継続して履行した実績を求めており、入札日時点において履行中の契約につきましては履行実績を満たしていないものとしておりました。この参加資格要件について、事業者から履行実績の範囲が分かりづらい等の問合せがありましたことから、これを踏まえ、今年度実施した入札において注意事項として、現在履行中案件は含まないと具体的に明示したところでございますが、改めて課題も認識したところでございますので、見直しを進めてまいります。以上でございます。 ◆織田勝久 委員 見直しを行うということでございますので、ぜひお願いいたします。次に、なぜ現在履行中の事業者に対して年度で12か月のうち10か月も履行した2月の段階で、この履行の状態を庁舎清掃業務の実績とみなすことができないのか、毎月、委託料を支払う時点ごとの完了検査の評価を充てることができないのか、財政局長に伺います。 ◎三富吉浩 財政局長 庁舎清掃業務委託についての御質問でございますが、本業務委託は履行期間を1年としていることから、適正な履行の確保のため、同等の契約期間を完了した契約実績を有することを参加資格としているところでございますが、現在履行中の実績も資格要件に含めることについて、改めて他都市における状況を調査するとともに、実績とする期間やその評価の手法、他の業務への影響等について勘案しながら見直しを進めてまいります。以上でございます。 ◆織田勝久 委員 現行の受託事業者に再度受託をさせない、また、現受託事業者へのいじめとも誤解をされるようなことはよくないわけであります。また、月ごとの完了検査の在り方の見直し、今、局長のほうから答弁いただきましたので、しっかり求めておきます。これからも推移を見てまいりたいと思います。  次に、債務負担行為に関連して、普通ごみ収集運搬業務委託の緑ナンバーの活用についてお伺いをしてまいりたいと思います。5年間の債務負担行為で限度額が約7億8,000万円とのことですが、委託する目標車両数と比較して、この限度額において、直営と委託それぞれの1台分の月額コストを伺います。次に、この委託事業を行うに当たっての予定行革効果額を5年間の単年度ごとに環境局長に伺います。 ◎斉藤浩二 環境局長 普通ごみ収集運搬業務委託における効果額等についての御質問でございますが、初めに、直営と委託の月額費用につきましては、直営が1台当たり約280万円、委託については、債務負担行為限度額を4年間の業務期間と必要車両数から単純に算出いたしますと、1台当たり約230万円となるものでございます。次に、委託における費用面の効果額につきましては、令和3年度から年間約4,000万円を見込んでいるところでございます。以上でございます。 ◆織田勝久 委員 ただいま御答弁いただきましたけれども、債務負担期間の限度額約7億8,000万円はあくまでも予定額でありますから、直営事業を民間に委託するのであれば、現行の市民サービスの維持は最低条件と考えるわけであります。入札に当たり、本市はどの程度の契約金額を想定しているのか、また、その想定契約金額にて本市が受託事業者に課す週6日の稼働条件をはじめ、受託事業者の作業員が週休2日の確保や週休2日体制を前提にした総人件費の確保を当然に想定していると考えますが、環境局長に伺います。 ◎斉藤浩二 環境局長 委託契約等についての御質問でございますが、本委託業務につきましては、今後入札を執行する予定としておりまして、今回、議案として提出している債務負担行為限度額の範囲内での契約を想定しております。また、本業務の履行に当たりましては、月曜日から土曜日の6日間で地域ごとに普通ごみを収集する体制としておりますが、週休2日を前提とした人員を見込んでおり、その人件費を積算しているところでございます。以上でございます。 ◆織田勝久 委員 入札行為で5年間の業務委託額が決まるわけでありますから、限度額と比較して実際これが幾らになるか分からないわけであります。その金額で本当に必要な人件費が確保されるのか、ここが非常に不透明と考えます。低入札価格調査制度を導入しているから十分な人件費は確保できるとのことですが、本市の業務委託契約に係る最低制限価格取扱要綱を見ると、収集運搬業務は例示された業務委託に含まれていません。ただし、要綱第3条第3項、財政局長が必要と認める業務に仮に分類すると、予定価格の3分の2を下らない範囲内で定めた額となるわけであります。先ほど直営と委託の収集作業車1台分のコストの比較では、直営が約280万円、委託が約230万円とのことでしたから、既にこの時点でコスト比は、委託は直営の約82%であります。さらに、これに要綱にある3分の2を下らない範囲内、すなわち約6割を掛け合わせると、1台当たりのコストは約55%と大幅に減少してしまいます。これで果たして満足な人件費が確保できると考えるのか、ただでさえ人手の確保に苦労している廃棄物収集業界で直営時代と同等のサービスの質が担保できるのか、甚だ疑問であります。そこで、最低制限価格制度の導入を検討できないのか、環境局長に伺います。 ◎斉藤浩二 環境局長 最低制限価格制度についての御質問でございますが、最低制限価格制度につきましては、川崎市業務委託契約に係る最低制限価格取扱要綱に適用業務が列記されており、廃棄物収集運搬業務は該当となっておりませんので、その導入の可能性について関係局と協議してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆織田勝久 委員 可能性を協議するとのことであります。廃棄物収集運搬業務は最低制限価格取扱要綱に該当となっていないとのことですけれども、業務委託契約に係る最低制限価格設定運用指針には、該当になっていない契約以外でも著しい低価格により契約した場合に、業務の適正な履行が確保されないおそれがある等により当該業務委託契約を所管する局からの申出を受け、財政局長が特に必要と認める契約との項目を活用することは可能と考えます。協議をするということですので、最低制限価格制度の導入をぜひお願いしておきます。財政局と十分に議論していただきたいと思います。  次に、今回は指名競争入札制度を取り入れるとのことです。そこで、安かろう悪かろうの悪質業者を排除する目的で、指名の条件について、資源物等収集運搬業務委託事業の実績のある事業者、かつ収集車両の駐車場の確保、かつ洗車場所の確保を要件とするなどして、参加事業者の一定の質の担保を確保することを検討できないのか、環境局長に伺います。 ◎斉藤浩二 環境局長 入札参加資格要件についての御質問でございますが、本委託の入札参加資格要件につきましては、入札の競争性を確保して適正に契約業務を執行し、かつ、事業の安定性を図るため、資源物等収集運搬業務委託契約に関する要領において20項目の資格要件を定めているところでございます。また、資格要件において、駐車場については既に定めているところでございますが、洗車場については、普通ごみを扱うなど、公衆衛生の確保の観点から必要と考えておりますので、仕様書で定めることなどについて検討してまいります。以上でございます。 ◆織田勝久 委員 ぜひ検討を進めていただきたいと思います。次に、そもそも緑ナンバーの事業者は国から許可を得て事業を行っており、運行管理者による安全運行の管理や従業員の労働環境や処遇の改善などはもとより、不断に企業ガバナンスの向上に向けて取り組んでいると理解をしております。国の働き方改革の動向を見ても、適正な雇用条件、労働条件を確保する視点からも、緑ナンバーを将来に向けての入札選定時の指名条件にすることを検討できないのか、環境局長に伺います。 ◎斉藤浩二 環境局長 将来に向けての指名条件についての御質問でございますが、普通ごみ収集運搬業務につきましては、重要なライフラインであり、生活環境の保全や公衆衛生の確保、事業運営の安定性、継続性の観点を踏まえた執行体制の構築が重要であると考えております。市内事業者の実態など、現状においては緑ナンバーを指名条件とすることは難しいと考えておりますが、緑ナンバーの有無や業務の安全面、資源物等収集運搬業務の実績などの様々な視点を踏まえた将来的な指名方法について早急に検討し、結論を出してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆織田勝久 委員 早急に検討し結論を出すとの答弁でありました。これからも推移を見ていきたいと思います。  次に参ります。10款2項2目、地域交通支援事業費に関連して、鷺沼駅周辺再編整備とMaaSの取組について伺いたいと思います。  昨年の予算審査特別委員会にて、たまプラーザ駅北側地区で日本初の郊外型MaaS実証実験として、オンデマンドバス、パーソナルモビリティ実験などを取り上げ、鷺沼駅周辺再編整備事業と関連させて宮前区で行うことを市長に提案いたしました。市長は、たまプラーザ駅周辺で行われているスマートフォンなどICTを活用したオンデマンドバスにつきましても有効な手法の一つと考えます、こうしたことから、路線バスネットワークの再編と併せ、バス事業者のみならず、多様な主体との連携による検討を進め、地域交通の充実に向けた取組を進めてまいりますとの答弁でありました。現在、小田急電鉄が主体となり、新百合ヶ丘駅周辺でオンデマンド交通「しんゆりシャトル」の実証運行中であります。2月から3か月程度の期間とのことでありますけれども、利用者の反応によっては有償にてしばらく延長することも検討しているとも仄聞するところです。来年度の高齢者特別乗車証明書等の見直しに併せて、コミュニティ交通のランニングコストに公費を投入することの可能性についても検討するとの答弁も、さきの第5回定例会にて藤倉副市長からいただいたところです。鷺沼駅周辺再編整備に関連して、宮前区においても東急側とMaaSの取組、特にオンデマンド交通の実証実験を検討できないか、実証実験に当たっては、本市が応分の負担を、場合によっては本市の事業として行うことを検討できないのか、これは市長に伺います。 ◎福田紀彦 市長 鷺沼駅周辺における地域交通についての御質問でございますが、駅周辺の再開発事業の機会を捉え、基幹的な役割を担う路線バスネットワークの充実に加え、多様な主体との連携による地域に適した交通手段を導入することが重要であると考えております。こうした中、昨年度、たまプラーザ駅周辺において、東急電鉄株式会社により、オンデマンドバスなどを含むMaaSの実証実験が行われたと伺っております。今後、鷺沼駅周辺におけるMaaSなどの取組の可能性について、その検証結果も踏まえ、同社と意見交換を行ってまいります。以上です。 ◆織田勝久 委員 東急と意見交換を行っていくという答弁でございました。どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。  次に参ります。10款5項5目、住宅・マンション支援推進事業費に関連して、マンション管理組合の課題について伺いたいと思います。まちづくり局の調査によりますと、管理組合の明確な規定がなかった1983年以前に建築された本市のマンション698棟において、修繕計画はなし、もしくは不明の建物が311棟、45%にも上るわけであります。また、2018年に行われた川崎市分譲マンションアンケート調査等の結果において、調査対象とした市内分譲マンション2,956件のうち、管理組合からの有効回答数が僅か490件、17.8%、大変低い数字でありますが、それよりも管理組合未達のマンション、要は書類を出したけれども届かないで帰ってきてしまった、そういうマンションが206件、7%などとの数値があるわけであります。このようなことから見ても、分譲マンションの管理組合に対する本市のチェック体制の整備の在り方について、条例化を提言してきたわけであります。現在、国においても同様の趣旨で既存法の改正案の審議がなされると仄聞しております。改正案によると、都市自治体においていずれも必要と判断した場合に必要な措置を講ずるとされています。これは、既になされた本市の住宅政策審議会の答申内容とおおむね方向性を同じくするものであります。そこで、法案改正案では、できる規定とありますけれども、本市は法案にある必要な措置を行うのか行わないのか、その方向性について伺います。また、別途条例化の考え方についても、まちづくり局長に伺います。 ◎岩田友利 まちづくり局長 マンション管理についての御質問でございますが、本市におきましても、今後、老朽化したマンションが増加する中、マンション管理適正化に向けた取組を行うことは大変重要なことと考えております。本市の施策の方向性につきましては、住宅政策審議会の議論やマンション管理適正化法等の改正案、今後の国の動向などを踏まえながら、条例の必要性を含めて検討してまいります。以上でございます。 ◆織田勝久 委員 改正案の概要の中でも、特に、1、マンション管理適正化推進計画制度をどのように策定するのか、2、管理計画認定制度をどのように策定するのかの2点が法律改正の重点目的と認識しています。本市として、改正法で対応するのか、別途独自条例で対応するのかはさておき、東京都の条例の施行状況や神戸市の認証制度の策定状況などの先行事例を参考にしながら、この2点について本市の考え方を伺います。次に、制度策定については、住宅政策審議会などの意見を聞きながら、遅くとも来年度をめどに適切な維持管理に向けた施策の方向性を示してまいりたいとの答弁を既に得ております。このスケジュールに変更はないのか、まちづくり局長に確認しておきます。 ◎岩田友利 まちづくり局長 マンション管理についての御質問でございますが、初めに、マンション管理適正化推進計画につきましては、国が定める基本方針の動向を注視するとともに、本市のマンション管理の状況などの個別調査を行った上で、住宅政策審議会での議論を踏まえ、検討を進めてまいります。次に、管理計画認定制度につきましては、国において認定の基準や認定された管理組合等に対するインセンティブなどが検討されることから、その検討の結果、先行事例などを踏まえ、具体的な方針について検討してまいります。次に、今後のスケジュールにつきましては、国や他都市の状況を踏まえ、来年度中をめどにマンションの適切な維持管理に向けた施策の方向性を示してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆織田勝久 委員 今答弁いただきましたので推移を見てまいりますけれども、特にやはり資産価値ということに対しては、マンションに区分所有されている方たちはすごく敏感なわけです。だから、この認証制度というものをつくることが自分たちの資産価値をよくすることになるんだと、そこの部分の工夫を今国とも議論していると聞いておりますが、やはり川崎市としても独自の考え方というものを考えていただく、そういうことが必要かと思っておりますので、これについてはまた推移を見てまいりたいと思います。  最後に、本市が目指す地方分権改革の基本方向と事務権限と財源の確保、移譲の課題について伺っておきたいと思います。特に目新しいことではないのでありますが、特に市民の租税負担の公平性の視点から何点か確認をしておきます。特に県との関連で伺いたいと思います。平成26年度から導入された国からの権限移譲及び義務づけ、枠づけの見直しの目玉として提案募集方式が導入されました。運用上の課題はいろいろあるようですけれども、川崎市はこれに対して積極的に取組をして、一定の成果もあるようでございますので、引き続き積極的な活用をお願いしておきたいと思います。同様に、指定都市と都道府県のいわゆる二重行政などを解消するための協議の場として、平成28年4月から指定都市都道府県調整会議が設置されたわけであります。制度の活用と直近の成果について総務企画局長に伺っておきます。 ◎大澤太郎 総務企画局長 指定都市都道府県調整会議についての御質問でございますが、県からの権限移譲につきましては、従来から県・市町村間行財政システム改革推進協議会等を活用し、取り組んでまいりました。本市におきましては、これまで調整会議の開催実績はございませんが、現在も県内の指定都市と連携し、さらなる権限移譲について県と協議を行っているところでございます。引き続き、県知事と直接協議する場である調整会議の活用も視野に入れ、権限移譲に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆織田勝久 委員 残念ながら実績はまだないということでありますので、調整会議の活用ということをぜひ積極的に御検討いただきたいと思います。令和元年度の大都市特例事務で見込まれる措置不足額について、県に代わって負担する経費とそれに対する税制上の措置不足額は約151億円と試算されております。過去10年――平成22年から令和元年にわたる税制上の措置不足額の総額について伺います。あわせて、同時期の減債基金借入金の総額についても財政局長に伺います。 ◎三富吉浩 財政局長 税制上の措置不足額等についての御質問でございますが、平成22年から令和元年までの10年間の大都市の事務配分の特例に伴う税制上の措置不足額の総計は約1,430億円となるものと見込んでおります。また、同時期における減債基金からの借入金の総計につきましては、令和元年度は予算でございますが、547億円となっているところでございます。以上でございます。 ◆織田勝久 委員 改めて、措置不足額が1,430億円、減債基金からの借入総額が547億円ということでありますから、減債基金の借入金の3倍近い金額であることに改めて驚くわけであります。また、例えば、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業について、平成29年度の実績額では、事業費について要綱に基づく交付額と実際の国と県との交付額とで合計4億3,000万円余もの本市超過負担額が発生しているわけであります。国と県それぞれの補助要綱に基づく負担割合は国が50%、県が25%でありますが、実際の補助額は国が約31%、県が約15%程度の実績であります。同様の事業について、平成30年度についての本市超過負担額は約4億5,000万円で、実績を見ると、国が約30%、県が約15%となっておりまして、負担額が増加している現状があるわけであります。基礎自治体として川崎市民への市民サービスの安定的な提供を果たす上で、本来的に歳入が確保できない制度設計やその運用面で本市は苦しめられているというわけであります。国とは、例えばふるさと納税や不交付団体であることによる国庫支出金等の割り落とし等、さらには要綱に基づく補助金が十分に交付されていない実態など、多岐にわたる課題がありますし、また、国と県の補助金の本市超過負担額の総額についても、改めて、今回は間に合わなかったのでありますが、財政局に精査をしていただいているところでございます。  次に、拠点地区等の整備について、鷺沼駅周辺再編整備事業について、藤倉副市長に伺います。県の補助要綱上の負担割合は6分の1と理解しておりますけれども、その負担が難しいと仄聞する県の見解の理由について伺います。次に、過去の再開発事業と鷺沼駅周辺再編整備事業とを比較して、事業の内容や性格について県が補助に難色を示す何らかの課題があるのか伺います。次に、市街地再開発事業の許可権限が県から本市に移譲されたことと関連があるのか伺います。次に、改善に向けて今後どのように取り組むのか、併せて藤倉副市長に伺います。 ◎藤倉茂起 副市長 再開発事業等の整備に係る県負担についての御質問でございますが、初めに、県からは、平成21年度からの危機的な財政状況を契機とし、平成23年に指定都市における新規案件には補助しないとの方針が示されました。その後、平成26年度に市街地再開発事業の認可等の権限移譲が行われ、現在も同様の見解が示されております。また、鷺沼駅前地区市街地再開発事業は、補助の観点から見て、過去の再開発事業と異なるものではないと考えております。次に、権限移譲との関連性につきましては、県が補助を行わない主な理由は財政事情であるものと考えております。本市といたしましては、再開発事業による事業効果や県税の増収効果など、県施策への寄与を示しながら、引き続き適切な負担を求めてまいります。以上でございます。 ◆織田勝久 委員 答弁をいただきました。県の要綱に基づく補助金交付の問題は、県単独補助事業の一般市との補助率の格差の問題と併せて、川崎市民の租税負担の公平性の視点から、これは本当に大きな問題であると再度捉え直す必要があると考えます。そもそも、県の税収が法人税に依存することから大変硬直化しているということの理解もあるわけでありますけれども、しかし、川崎市民は神奈川県民でもありまして、両方に税金を払っているわけでありますから、川崎市民の払う神奈川県民税の租税負担の公平性という問題を改めて一からしっかりと見直すタイミングでもあるのかなと。本市も今収入に大変、御苦労されておりますから、そういう意味であえて今回問題提起をさせていただきました。大都市特例事務に関わる税制上の措置不足額を少しでも取り戻していくことと併せて市長の取組に今後期待し、また、議会サイドとしてもしっかり連携をしてお手伝いをしてまいりたいと思います。終わります。 ◆大島明 委員 それでは、事前に通告しました市の施設におけるチケット購入について、及びネーミングライツについてですが、市の施設におけるチケット購入については要望のみとさせていただきます。  カルッツかわさきや川崎市スポーツ・文化総合センターなどのチケット購入についてですが、このような本市を代表する施設で行うイベント等のチケット購入については、他都市でも例があるように、例えば豊島区の区立芸術文化劇場などではウェブチケット会員と区民会員とに分けているんです。区民会員は、チケット予約を通常の予約よりも早く受け付ける等の特典があるわけなんです。このように、本市では市民会員を設けるなど、本市を代表するような施設でのチケット販売については、ぜひ、市民優先権の枠、そういうものを検討いただくように要望しておきたいと思います。  それでは、ネーミングライツについて伺います。本市の財政については、人口増加等により個人市民税は増加しているものの、法人市民税の一部国税化や、年々流出が増加傾向にあるふるさと納税の影響等により、大変厳しい財政状況が続いております。本市としても国への税制の見直しを継続的に行っているようですが、遅々として進まず、政令指定都市唯一の不交付団体でありますがゆえに、相変わらず不交付団体にはあらゆる面で厳しいのが国の対応であります。こうした中で、少しでも収入を得る取組が何よりも重要であります。ネーミングライツは、市有財産を有効活用する重要な方法と考えます。パートナー企業には宣伝効果が生まれ、市には財源が入るというウィン・ウィンの関係となるわけであります。そこで、ネーミングライツについて、これまでの経過及び令和2年度予算の状況について財政局長に伺います。 ◎三富吉浩 財政局長 ネーミングライツについての御質問でございますが、パートナーである企業が公共施設等の名称に社名などの愛称を付与し、その対価として自治体が歳入を得るネーミングライツは、企業においては広告効果や社会貢献によるイメージアップが期待でき、また、自治体においては安定した歳入を確保できることから、大変効果的な取組であると考えております。本市におきましては、現在、資産マネジメントの第2期取組期間の実施方針であるかわさき資産マネジメントカルテに基づき、財産の有効活用の取組を進めているところでございまして、ネーミングライツにつきましては、平成27年度に初めて導入し、1,000万円の歳入を確保したところでございます。その後、順次拡大し、令和2年度予算におきましては、川崎富士見球技場や川崎駅西口第1駅前広場、動物愛護センター諸室など、全体で7件、1,740万円を見込んでいるところでございます。以上でございます。 ◆大島明 委員 ネーミングライツは、市の施設や道路などあらゆる市有財産に対して実施できる可能性があります。また、ネーミングライツは、稼ぐ手段として有効であるので、全庁を挙げて積極的に取り組んでいくべきと思いますが、まだまだ各局に浸透していないと感じております。例えば他都市の事例では、昨年10月13日開設された渋谷区渋谷公会堂はLINE CUBE SHIBUYAと命名されております。また、昨年11月に開館した豊島区立文化芸術劇場も東京建物Brillia HALLと命名されています。いずれの施設も当初からネーミングライツを行うことで計画されて、導入されております。本市においても、例えばカルッツかわさきは開館当初からネーミングライツを行う予定で募集した経緯がありますが、新設する公共施設について、ネーミングライツを導入する前提で計画していくことがパートナー企業も参加しやすいと思いますが、今後の取組方を伺います。 ◎三富吉浩 財政局長 ネーミングライツについての御質問でございますが、多くの市民が利用する公共施設に対して愛称をつけるネーミングライツは、新規施設設置計画の初期段階で導入を検討することにより、事業者への周知が図られ、より宣伝効果が高まることが期待され、応募の増加につながるものと考えております。本市におきましても、これまでスポーツ・文化総合センター「カルッツかわさき」や、動物愛護センター「ANIMAMALLかわさき」において、計画の初期からネーミングライツ導入に取り組んだ経緯がございますことから、今後におきましても、引き続き施設の設置計画に合わせた導入を検討してまいります。以上でございます。 ◆大島明 委員 財産の有効活用を所管する財政局から各局に対して、もっと情報発信するなど働きかけが必要と考えます。これまでの取組や具体的な事例、そして今後の方向性について見解を伺います。 ◎三富吉浩 財政局長 ネーミングライツについての御質問でございますが、これまでの取組といたしましては、具体的な検討の流れや手続等を定めた庁内向けのネーミングライツ導入の手引きや、他都市の先進的な取組事例をまとめた有効活用カタログを作成するとともに、新規施設の設置の際には所管局と連携して導入に取り組むなど、手法や対象の拡大を進めてきたところでございます。具体的な実績といたしましては、平成27年度に初めて川崎富士見球技場に導入し、平成28年度には下平間歩道橋及び高津小学校前歩道橋の2件、平成29年度には富士見歩道橋、平成30年度には川崎駅西口第1駅前広場のほか、動物愛護センター諸室、武蔵中原駅連絡通路及び平台歩道橋の4件について導入したところでございます。一方で、募集したものの応募につながらないケースもございましたことから、金額設定や募集のタイミングなどについて企業等のニーズを丁寧に把握することが必要であると考えております。今後におきましては、導入対象施設の選定も含めて企業等からのアイデアを募る提案型のネーミングライツを新たに導入するとともに、指定管理施設やインフラ施設、さらにはイベント等のソフト的な取組も含めて導入可能性調査を再度実施するなど、関係局と連携し、全庁を挙げて積極的に取り組んでまいります。以上でございます。 ◆大島明 委員 意見要望をちょっと言いたいのですが、財政局長の答弁にもありましたように、ネーミングライツは安定した歳入を確保できることから大変有効な取組であるとのことであります。しかしながら、まだまだ浸透していない現状があるわけです。今後の新規施設については、ぜひ設置計画の初期段階から導入を検討いただき、事業者への周知を図られることが応募の増加につながるものと思いますので、ぜひ市長さんには今後、より積極的な取組をお願いしたいと思います。  それと、やっぱり二重行政ということで、財政、川崎市は頑張っていると思うのですけれども厳しいというのは、政令市でいるうちは二重行政で、なかなか変わっていかない。これを抜本的に見直ししなくてはいけないと思っております。議会も行政も一丸となって、いろいろ勉強して、国のほうへまた新たな特別自治市構想などを含めて、お願いに行かなくてはいけないと思っておりますので、ぜひとも市長さんのほうでも積極的に国へそういう申し入れを行っていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。これで質問を終わります。 ◆山田晴彦 委員 私は、一問一答で、地球温暖化対策について、市営住宅の長寿命化対策について、市民館・図書館等の管理運営体制について、以上3点をお伺いしてまいります。  初めに、地球温暖化対策について環境局長にお伺いいたします。温暖化の影響による異常気象が世界各地で発生し、その頻度も年々高まっている状況にあります。その原因が温室効果ガスであり、排出削減は人類共通の喫緊の課題でございます。市長は、今議会冒頭、2050年に向け、脱炭素社会の実現を目指すと宣言をされました。そこで、私は、温室効果ガス削減については行政が率先した取組を示すことが重要と訴えてまいりました。市役所の温室効果ガス排出量の現状と進捗状況を部門ごとに伺います。あわせて、温室効果ガス排出量削減に向けての見解と取組を伺います。以上です。 ◎斉藤浩二 環境局長 市役所の温室効果ガスの削減についての御質問でございますが、初めに、部門ごとの排出量の現状と進捗状況についてでございますが、平成30年度の排出量と基準年度の平成25年度から平成30年度までの増減は、庁舎等は約5万8,000トンで9.2%削減、教育関連施設は約4万トンで35.1%増加、病院等は約2万4,000トンで5.1%削減、上下水道関連施設は約5万9,000トンで17%削減、公用車等は約2万2,000トンで1.3%増加、下水処理は約3万8,000トンで10%削減、廃棄物焼却は約16万6,000トンで3.8%増加となっております。次に、温室効果ガス排出量削減に向けての見解と取組についてでございますが、市役所は、民生部門で市内最大の排出事業者として、市民、事業者に率先して排出削減に努める必要があり、令和12年度までに平成25年度比で23%削減することを目標にしております。市役所の率先取組として、庁舎や学校等の施設においては高効率設備や太陽光発電設備の導入、公用車等においては次世代自動車等の導入、下水処理と廃棄物焼却においては処理過程で排出される温室効果ガス対策など、削減目標の達成に向けた取組を各部門において推進しているところでございます。さらには、脱炭素社会の実現を目指し、これまでの取組と併せて、来年度以降、全庁的なLED化に向けたモデル事業、廃棄物発電の有効活用に向けた取組、プラスチック資源循環の取組など、新たな取組を進めてまいります。以上でございます。 ◆山田晴彦 委員 続いて伺います。私が平成20年の予算議会に提案し、いち早く取り組んだ防犯灯のLED化や、水俣条約の期限となる2020年問題を指摘し、対応をされた道路照明灯や公園灯などのLED化が大きく前進をしております。改めて進捗状況と取組効果を伺います。また、一方では、御答弁のとおり、庁舎や学校施設等の整備の遅れも指摘してきたところでございます。そこで、温室効果ガス削減の目標達成に向けての進め方と効果について環境局長に伺います。  あわせて、市営住宅のLED化ですが、さきの議会質問で市営住宅の場合の運用が従量契約に基づくため住宅外灯を防犯灯のESCO事業と同時に改修することができなかった課題を明らかにしました。住宅外灯や廊下、階段等の共用部分の照明について、LED化の目標に向けた取組をまちづくり局長に伺います。以上です。 ◎斉藤浩二 環境局長 LED化についての御質問でございますが、初めに、防犯灯のLED化の進捗状況と取組効果につきましては、平成29年度の防犯灯LED化ESCO事業の導入に伴い、それまで町内会・自治会等が維持管理を行ってきた約5万灯の防犯灯をLED化したことにより、年間でCO2排出量が約3,500トン、電気料金が約1億2,400万円の削減となっております。また、道路照明灯及び公園灯につきましては、今年度から実施している道路照明灯・公園灯LED化ESCO事業により取組を進めております。道路照明灯は、これまでに約1万600灯をLED化し、年間でCO2排出量が約5,600トン、電気料金が約1億9,000万円削減されており、公園灯は約2,600灯をLED化し、年間でCO2排出量が約1,100トン、電気料金が約1,600万円削減される見込みであると伺っております。次に、庁舎や学校等の施設のLED化の進め方につきましては、令和2年度及び令和3年度にLED化モデル事業の実施を計画しておりまして、令和2年度には約10施設での実施を予定しているところでございます。令和4年度以降につきましては、モデル事業の効果検証を踏まえて進め方を検討し、電力使用量の多い施設を中心に約400施設を、令和12年度を目途に計画的にLED化を推進してまいります。また、約400施設をLED化した際の効果につきましては、年間で約2万2,000トンのCO2排出量の削減が図られる見込みでございます。以上でございます。 ◎岩田友利 まちづくり局長 市営住宅のLED化についての御質問でございますが、市営住宅においては、建て替えや長寿命化改善工事の機会などを捉えて照明のLED化を進めているところでございます。現時点において、市営住宅86団地397棟のうち、建て替えにより11団地24棟で実施しており、既存の市営住宅3団地4棟で共用階段などでの取組を進めているところでございます。今後の取組につきましては、来年度からおおむね3か年で全ての団地の外灯をLED化するなど、計画的に取り組んでまいります。以上でございます。 ◆山田晴彦 委員 ありがとうございます。次に、ごみ焼却施設の省エネ対策について環境局長に再びお伺いいたします。代表質問でも取り上げました浮島や王禅寺処理センターに加え、今後は橘処理センターの稼働を見据えた取組として、高効率発電設備や高効率モーターの導入が計画されています。見込まれる効果を伺います。また、廃棄物発電の余剰電力等の民間活用については、他都市においても、浜松市の新電力会社や静岡市のエネルギー地産地消事業等が成果を上げております。本市の目指す目標と今後のスケジュールを伺います。また、温室効果ガス削減への効果を伺います。以上です。 ◎斉藤浩二 環境局長 廃棄物発電についての御質問でございますが、現在建設中の橘処理センターにおきましては、高効率発電設備等の導入を計画しておりまして、1時間当たり8,000キロワット時程度の余剰電力が見込まれ、稼働開始予定の令和5年度には本市のごみ焼却施設の発電能力が大幅に増大することから、余剰電力を活用した新たな環境施策が展開できるものと考えております。新たな環境施策を通じて、本市の廃棄物発電を中心とした地域エネルギー供給基盤の構築を目指し、来年度は他都市で既に実施している新電力会社の設立や委託事業などによるエネルギーの地産地消の事例を参考に調査検討を行い、令和3年度中には民間活用等、最適な手法を選定した上で、令和5年度には事業を開始してまいりたいと考えております。廃棄物発電は、焼却する廃棄物のうち、生ごみなどのバイオマス分が温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーに位置づけられることから、脱炭素社会の実現など地球温暖化対策として効果があるものと考えております。以上でございます。 ◆山田晴彦 委員 どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。  それでは、次のテーマに移らせていただきます。次に、市営住宅の長寿命化対策についてまちづくり局長にお伺いいたします。本市の長寿命化では、建物の寿命を50年から70年にするため、資産マネジメントカルテに基づき、適切な保全と財政負担の縮減、ピークの平準化を目指すものであります。そこでまず、新年度の長寿命化改善工事を予定している団地と棟数を伺います。あわせて、建て替え計画についても伺います。住民の多くが築35年以上の住戸に住んでいることから、水回りをはじめとする様々な改善要望が挙げられております。長寿命化に対する工事内容を伺います。また、高齢化等の進展で、市営住宅ではエレベーターの整備が重要な課題となっております。特に管理戸数が最も多い宮前区の場合、設置率が本市で最も低い18.1%です。ちなみに、最も高い川崎区が83.3%、次いで多摩区の77.5%であります。あまりにも格差があります。今後は、少なくとも1団地1棟は最低限確保する必要があります。見解と取組を伺います。以上です。 ◎岩田友利 まちづくり局長 市営住宅の長寿命化改善等についての御質問でございますが、初めに、令和2年度の工事につきましては、長寿命化改善が、野川西住宅、有馬第1住宅など8団地17棟、建て替えが中野島住宅と高石住宅の2団地2棟を予定しております。次に、長寿命化改善の工事内容につきましては、構造躯体の健全性を維持するための外壁や屋上防水の改修、水回りや排水管などの内装、設備の更新などでございます。次に、エレベーターにつきましては、建て替えにおいては原則として設置するとともに、長寿命化改善の実施に当たっては、ストック総合活用計画に基づき、大規模団地に一定の割合で設置することを検討してまいります。以上でございます。 ◆山田晴彦 委員 ありがとうございます。次に、関連いたしまして、第4次川崎市市営住宅等ストック総合活用計画の中の入居制度の改善についてまちづくり局長に伺います。これまで提案してきた若者世帯向け定期借家制度の導入が2年前に実現をいたしました。しかしながら、狭隘な間取りの住宅では、依然高齢者用等の単身向け住宅として計画をされております。そこで、これまでも大学生等について自治会活動等の支援協力など一定の条件を課すことで入居できる仕組みを提案させていただきましたが、この間、神戸市をはじめ多くの自治体で同様の取組が開始をされております。本市としても取り組むべきです。見解と取組を伺います。以上です。 ◎岩田友利 まちづくり局長 市営住宅についての御質問でございますが、大学生等の入居につきましては、多様な世代によるコミュニティの活性化なども考えられますが、公営住宅制度の趣旨や高齢化率など個別の住宅の状況と市内の大学等のニーズを踏まえながら検討してまいりました。取組につきましては、自治会、NPO法人、区役所等と連携し、今年度、大学生のコミュニティ活動への参加に関する意見交換会やイベントを実施したところでございます。今後は、この連携をさらに進め、大学生などの入居に向けた検討を進めてまいります。以上でございます。 ◆山田晴彦 委員 どうもありがとうございます。今年秋には来春の入学時に間に合うように募集要項等ができるよう、準備を進めていただければと思います。  次のテーマに移らせていただきます。次に、市民館・図書館等の管理運営体制について教育次長にお伺いいたします。本市は、行財政改革の取組として市民館・図書館等の管理運営体制の見直しを挙げております。本市の図書館は、各区に図書館1館と市内5分館1閲覧所の計13施設があります。今回の再構築の取組では、社会状況の変化や市民のニーズの多様化に的確に対応した今後の市民館・図書館のあり方の策定を進めるなど、市民館事業、図書館サービス等の進展を目指すとあります。そこで、現在、新宮前図書館の移転計画が進められていますが、現図書館についても、地域住民からの強いニーズや関心も高く、その場合には十分に図書館機能として果たせる環境にあると考えます。今後の在り方の中で検討すべきですが、見解と対応を伺います。以上です。 ◎石井宏之 教育次長 現宮前区役所等施設・用地についての御質問でございますが、現宮前区役所等施設・用地の活用につきましては、宮前区全体の将来のまちづくりや現区役所周辺エリアの活性化等の観点から、地域課題や行政需要、地域ニーズ等を整理し、宮前区全体の魅力や安全・安心の暮らしの向上を目指し、令和4年度の仮称宮前区役所等施設・用地の活用に関する基本方針の策定に向けた庁内横断的な取組が進められているところでございます。今後、施設の活用検討調査などとともに、市民参加による検討に向けた諸条件の整理等を行うこととしておりますので、図書館サービスの可能性につきましても、これらの取組と連携しながら、総合的に検討を進めてまいります。以上でございます。 ◆山田晴彦 委員 ありがとうございます。今後の図書館サービスの拡充について再度伺います。図書館サービスの拡充では、電子書籍の導入やICT等の技術を活用した図書館サービスのネットワーク化、図書貸出環境の整備として貸出カードとともにスマートフォンを活用した図書アプリ、図書館カウンター、さらには返却ポスト等の拡充を図るべきであります。見解と取組を教育次長に伺います。 ◎石井宏之 教育次長 今後の図書館サービスについての御質問でございますが、現在、各区の地区館及び分館等を拠点とした図書館サービスに加え、自動車文庫による市内巡回や駅構内等への返却ボックスの設置、大学や近隣自治体との協定による図書館の相互利用等により、利用者の利便性の向上等に努めているところでございます。来年度末を目途に進めております今後の図書館のあり方の検討におきましても、地区館及び分館を拠点としながら、資料や読書に関わる地域の様々な資源との連携を通じ、地域の中で幅広く図書館サービスを展開していくことなどを検討の視点としているところでございます。引き続き、市民に身近なサービスとして返却ボックスの設置等の取組を進めるとともに、他都市の先進事例等も参考としながら、電子書籍等の導入をはじめとしたICT技術の活用など新たなサービス展開の可能性について検討を進め、まちに広がり、つながり、地域の誰もが身近に感じるような図書館を目指してまいります。以上でございます。 ◆山田晴彦 委員 ありがとうございました。次に、身近な図書館として学校図書室の活用についてお伺いいたします。学校図書室の活用が求められております。本市で地域開放している学校の現状と課題解決に向けた今後の取組を教育長にお伺いいたします。以上です。 ◎小田嶋満 教育長 学校図書館有効活用事業についての御質問でございますが、この事業は、地域における身近な読書の場として、学校教育に支障のない範囲で市立学校の図書館を地域住民に広く開放しているものでございまして、現在、市内の小学校9校及び中学校1校の全10校で実施しております。開館日には、就学前のお子さんとその保護者の方や高齢の方まで幅広い層の皆様に御利用いただくとともに、卒業生が毎週のように来館して読書をしているという事例も伺っております。学校図書館有効活用事業は、地域の方々のボランティア的な活動により支えていただいており、安定的な運営のために担い手の確保等が必要となりますことから、今後も、地域の様々な施設や団体等との連携を深めていくなど、学校図書館をはじめとする図書館サービスの充実に取り組んでまいります。以上でございます。 ◆山田晴彦 委員 最後に、公明党を代表して一言申し上げたいと思います。今期をもって定年退職をされる理事者の皆様には、これまで長年にわたり、議会対応をはじめ様々な機会に大変にお世話になりました。今後は健康に留意をしていただきまして、今後とも本市発展のため、大所高所からの御指導を賜りますようお願いを申し上げましてお礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。以上で終わります。 ○露木明美 副委員長 お諮りいたします。暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○露木明美 副委員長 御異議ないものと認めます。およそ30分休憩いたします。                 午後2時47分休憩                 午後3時19分再開 ○青木功雄 委員長 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。  発言を願います。 ◆雨笠裕治 委員 私は、川崎市地球温暖化対策推進基本計画について環境局長に、それから、減債基金のキャップ制の導入と実施計画について財政局長と市長に、次に、横浜市高速鉄道3号線についてまちづくり局長に、それぞれ一問一答で質問させていただきたいと思います。  まず最初に、今日特に地球温暖化の問題が出ていますけれども、市長部局のエネルギー消費原単位の悪化状況について、ディスプレーをお願いしていいですか。令和元年6月5日に停滞事業者と位置づけられてBクラス評価で、国からの注意喚起がなされました。このBクラスというのは、いろんなペナルティーがあるんですけれども、事業者の中で16%しかないんです。その中に川崎市が入っているということがどうなのかという問題です。まず最初に、Sクラス、Aクラス、Bクラス、このクラス別の評価基準と、それからまた、Bクラスになってしまった原因についてお答えいただきたいと思います。以上です。
    ◎斉藤浩二 環境局長 省エネ法のクラス分け評価についての御質問でございますが、省エネ法が定める一定規模以上のエネルギーを使用する事業者は、定期報告書を毎年度、国に提出する義務があり、この報告に基づき資源エネルギー庁がS、A、B、Cの4段階のクラス分け評価を実施するものでございます。本市は、平成28・29年度の2年連続でエネルギー消費原単位が対前年度比で増加、かつ、平成25年度から平成29年度の5年間の平均原単位の年1%以上の低減が未達成となったことを受け、省エネが停滞している事業者としてBクラス評価となり、令和元年6月に資源エネルギー庁から注意喚起を受けたものでございます。Bクラス評価となった原因につきましては、カルッツかわさきなど新たな施設の開設や、ヨネッティー王禅寺の通年稼働などが影響するとともに、市施設の省エネ化の遅れも要因と考えております。以上でございます。 ◆雨笠裕治 委員 表を見ていただきますと、一番右側が5年間の平均原単位変化で99.1%という数値、1%の低減を達成できなかったというと、あと0.1が惜しかったのか、それともこれまでの比較の中で達成すべきものが見えていたのにやってこなかったのかということですよね。各政令市では、ちなみにどんな結果であったのでしょうか。また、Bクラスにほかの自治体は入っているのか、お聞かせください。 ◎斉藤浩二 環境局長 各政令市の結果についての御質問でございますが、事業者クラス分け評価の各都市の結果につきましては、公表されている評価はSクラスのみとなっておりまして、平成29年度実績でSクラスの政令市は、さいたま市、千葉市、静岡市など11市となっており、その他のクラスについては公表されていないところでございます。以上でございます。 ◆雨笠裕治 委員 環境局長さん、ここのところでちょっと問題点があるのは、ワースト何位か分かっていないで、御答弁をいただくというのですが、特に11市のSクラス以外のところで、横浜市と相模原市は分かっていないんですよ。こういう問題について議論をするときに、私は今回言わなかったんだけれども、少なくとも相模原市とか横浜市は電話をかけて聞けばいいじゃないですか。分かっていないところ、公表されていないところに聞いて、自分たちが今どういう立場にいるのかが分からなかったら、こういう問題についてきちっと解決しようなんて姿勢にはならないですよ。このことは、環境のところで、市長さんも言っていましたけれども、ごみの排出量は政令市で一番少なくなったとか、そういう出し方は断面で分かっているんだから、こういう問題についてもちゃんとそういう評価で仕事をされたほうが、私はいいと思いますよ。そこで、今回この改善策についてお聞かせください。 ◎斉藤浩二 環境局長 今後の改善策についての御質問でございますが、市役所における省エネのさらなる取組の推進に向け、本市の温暖化対策庁内推進本部等において、エネルギー消費の状況等について全庁的な情報共有を図り、市施設の省エネ化検討会を立ち上げ、検討を進めてきたところでございます。取組の第一歩として、省エネ効果の高いLED化を促進するため、対象施設の選定や事業者ヒアリングの実施など、計画的な導入に向けて取組を推進しているところでございます。今後の対応といたしましては、エネルギー使用量の多い施設を対象とした省エネ診断による設備の運用改善をさらに推進するとともに、LED化を含めた高効率設備の導入を促進するなど、市施設の省エネ化のより一層の推進に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆雨笠裕治 委員 いろんな今後の改善策についてお示しをいただきましたが、そもそも全体の基本計画、市役所の位置づけというのは、庁舎のほうのエネルギー消費原単位ではなくて、低炭素な事業活動のまちの取組に率先して温室効果ガス排出量削減に努めるフラッグシップとして取組が注目をされると思うんです。それで、2010年度に策定された第1期の川崎市地球温暖化対策推進基本計画は、基準年度の2008年度比、2020年度に2割以上の削減目標を掲げましたけれども、計画期間のうちでは1.7%の増加という結果で終わったんですよね。減っていないんだよね。減るはずの計画が1.7%増えたということで、その後、2018年に改定となった次期計画では、2013年度比、2030年度までに23%削減の目標を掲げていますけれども、前回計画では削減はおろか増加したことを踏まえると、達成は極めて困難と言わざるを得ません。やらなければいけないことですけれどもね。今回積み上げた数字で8割は達成ができるんです。今お答えで聞かせていただきますけれども、しかし、残り2割については、不明瞭ですし、注意喚起を引き起こした増加要因も反映をされていない。これまでの原因とこれら改善について、こちらの基本計画自体についての見解をお示しいただきたいと思います。以上です。 ◎斉藤浩二 環境局長 市役所の温室効果ガス排出削減に向けた取組についての御質問でございますが、平成30年3月に改定した川崎市地球温暖化対策推進基本計画における市役所の排出削減の目標につきましては、令和12年度までに平成25年度比で23%削減することとしております。目標達成に向けましては、国のエネルギー基本計画による排出係数の改善により、目標の約3割、市施設のLED化により約2割、ごみの分別の促進などによる廃棄物焼却からの排出削減により約2割、公用車の次世代自動車の導入等により約1割の削減を図るほか、施設の改築等に伴う高効率設備の導入、設備の運用改善による排出削減など、市施設の省エネ化の取組を着実に実施することにより、目標を達成してまいりたいと考えております。また、来年度のなるべく早い段階で脱炭素化に向けて目指すべき将来像とその実現に向けた戦略を策定し、全庁を挙げた取組を推進してまいります。以上でございます。 ◆雨笠裕治 委員 お答えいただきましたように、先ほど申し上げましたように、残り2割のところが曖昧なんですよね。市長が今回の施政方針でも肝煎りで地球温暖化に取り組むと言っている中で、残りを達成ができるかどうかの成否がかかる2割が不明瞭、こういう仕事の仕方は、私はないと思いますので、これは来年度の早い段階で戦略を策定するということですから、その成り行きを見守って、注視をしていきたいと思います。そこで、先ほどの件に戻りまして、総合計画第2期実施計画では、市役所の率先取組は成果指標にすら上がっていなかったんです。そこも問題だったんだけれども、次期計画に当たっては指標に確実に明示するべきだと思いますけれども、考え方を伺います。 ◎斉藤浩二 環境局長 市役所の率先取組についての御質問でございますが、総合計画第3期実施計画におきましては、令和7年度までの目標を設定することから、現行の川崎市地球温暖化対策推進基本計画における市役所の事業活動に伴う温室効果ガス排出量を令和12年度までに平成25年度比で23%削減するという目標を踏まえ、指標の設定等について検討してまいります。以上でございます。 ◆雨笠裕治 委員 ぜひ入れてください。よろしくお願いします。  それでは、次の質問に移りますので、次のディスプレーを出してください。次は、この議会でもいろいろ議論がありますけれども、減債基金についてです。これは左側がアリさんの家族で、右側がキリギリスさんの家族です。これが川崎市の財政読本に描かれているんですけれども、結論から言いますと、30年先に一括で自宅のローンを返しますという図なんですよ。アリさんは貯金をしながら計画的に積み上げてきました。アリさんの家族は幸せに暮らせましたと。キリギリスは、もう本当に悲惨な絵でね、これはよく上手に描いたなと思うんですけれども、遊んで、テレビを見ながら何かを食べているんですよね。それで、使いたい放題使っちゃっている。ヒューッと風が吹いてきて、食べ物もなくなっちゃう。そういうふうな図なんですけれども、大変端的に表していて、財政読本で子どもたちにぜひ見せてあげたいなという図でございます。それからこれは、減債基金を、平成21年から令和元年までに3,885億円返した実績のあるところですが、皆さんも御存じの有名な知事さんが就任されて、これをされました。ちょっと引用させていただきます。僕が知事に就任した当時の、大阪府にとって最大の難問は、減債基金問題でした、簡単に説明しますと、後の借金返済のために積み立てていたお金を、目先の予算のために毎年使っていたということです、減債基金5,200億円に穴が空き、毎年約1,100億円ずつ収支の改善をしなければならない状況でした、役人たちは、こんな大規模な収支改善の大改革は、絶対にできるはずがないと言っていました。しかし、あと6年後に完済するんですよね。川崎市でこれをやれということではないです。そのときの経済状況や財政再建団体になるかならないのところで、今の府政の一般会計規模が2兆6,000億円ですか。うちの場合は8,000億円ぐらいですけれども。この場合は減債基金からの頼りきりの部分が約20%、そして、うちの場合は、計算しますと14%なんです。  そこで、この減債基金のキャップ制度についてお話をさせていただきたいと思いますが、この赤の棒グラフのところは今年なんです。それで、それまでこの濃い水色のところ、下側の棒グラフの部分は証券で積立てをしてきた。そして、毎年、地方債を買っている分の償還債が出るんです。それが現金に回るか証券に回るのかということで、川崎の場合は、ラダー型のポートフォリオという方式を採用して、なるべく、できれば償還債を全額証券化して、それで安定的にしましょうというと、グラフの赤線がぐうっと上がって来ていますけれども、大体約80%の証券化が達成できるわけです。ただし、リーマンショック等の問題があって、川崎の場合はそれができなくて、証券化が80%から少しずつ落ちてきたんだけれども、それでも77〜78%の割合で来たんです。でも、これは今年がやっぱりキーなんです。今年から証券化は下がる、これをやむを得ないと思うかです。ここをなるべく証券化を維持しながら、今回も出てくる償還の考え方をどういうふうに川崎市は行っていくかということが一つポイントなので、まず令和2年度の地方債償還額と本市が採用しているラダー型ポートフォリオ遵守の場合の再証券化をした場合の積み上げ額について財政局長にお答えいただきたいと思います。 ◎三富吉浩 財政局長 減債基金の債券運用についての御質問でございますが、基金の運用につきましては、地方自治法において最も確実かつ有利な方法により運用しなければならないと定められておりますことから、可能な限り地方債等の債券により運用しているところでございます。また、各年度の基金運用による債券購入額等の方針につきましては、本職を議長とする資金管理会議により決定しております。昨年、この会議におきまして、単純に令和2年度に償還される債券180億円と同額の債券を取得した場合、令和2年度末の債券運用残高は1,701億円となると推計したところでございます。しかしながら、これでは財源対策としての減債基金借入れや一時的な繰替え運用のための現金を用意できなくなる可能性がございますことから、令和2年度の債券の購入予定額は122億円、令和2年度末の債券運用残高は1,643億円としたところでございます。以上でございます。 ◆雨笠裕治 委員 これまで77〜78%ぐらいだったのが、今のお答えですと67%まで下がるということです。そこで、過去最大の積み上がりである令和元年を基準とすると、令和2年、再証券化の部分が58億円の減少、それから、令和3年には146億円証券化の減少。これは本市がラダー型ポートフォリオの採用をしないことを確実に表している方向に行っていますけれども、財政局長の見解と、さらに、川崎市はIR説明会ではこのような厳しい財政状況をしっかり伝える責務がありますけれども、ここについての考え方、特に、減債基金を計画的に積み上げていますということについては、これはもう当たらないから、ここについてしっかり市場に言わないと、先見性予見回避義務でこれを言われますからね。ここについての考え方をお知らせいただきたいと思います。 ◎三富吉浩 財政局長 減債基金の運用についての御質問でございますが、ラダー型ポートフォリオによる資金運用手法は金利変動リスクを分散する効果があるものでございますことから、本市の減債基金の安定的な運用のためには必要な資金運用手法と考えております。しかしながら、現在の減債基金の運用においては、財源対策としての減債基金借入れを行う際に現金が不足することのないよう、一時的に債券運用残高を減らした形でのラダー型ポートフォリオによる運用を行っているものでございます。また、投資家の皆様に対しましては、これまでもIR説明会において将来の償還財源として減債基金を着実に積み立てていること、将来の市債償還に支障を及ぼすことのない範囲で減債基金から借入れを行っていること、及び、その額について市長から直接説明しているところでございます。以上でございます。 ◆雨笠裕治 委員 これまで福田市政で行ってきた中で、本来は禁じ手であるはずの減債基金にやっぱりどことなく頼って運営がなされている。そういう部分が、先ほど申し上げました橋下徹さんの言葉、減債基金を返す大改革を行ったけれども、府政は停滞したか、否、反対勢力も多く出たが、むしろ活性化した、最後に、減債基金に頼ることをやめたため、やらなければならないという停滞から改革への気迫が出てきたということがあります。  これをちょっと、市長にお聞きする前に見ていただきたいんですが、令和元年3月31日、減債基金へ299億円返済をします。今回は預託返還金210億円などで生の現金があったので、減債基金からの一時的な繰替え運用は必要なかったです。これが翌日、オーバーナイトとして、4月1日、減債基金からすぐにまた借りる、299億円。5月31日には、今度、減債基金から新規の借入分を起こす、133億円。借入合計が432億円です。これは、これまでの傾向から言うと130億円ぐらい、予算ベースからはこの決算ベースは下回ってきています。それだけの努力をしているのは分かる。問題は令和5年3月31日、減債基金へ731億円返済をする。この返済資金は、仮に預託返還金210億円、国庫補助金200億円として、市中から一時金でぱっと1日オーバーナイトするために借りなければ、減債基金から一時的な繰替え運用をさらに321億円しなければいけない。つまり、4月1日、オーバーナイトで返す場合、1,052億円の借入れをしなければいけない。今の、現行の計画では無理、だから、また証券化をしないで現金化をする。悪循環ですよ。借入合計780億円、それでも今の財政収支フレームからは下回る。令和3年から実施計画の策定があって、令和4年から実施に入ります。昨日も景気動向を明確に説明いただいた委員さんがいましたが、これまでのリーマンショックの状況等を勘案すると、リーマンショック直後に地方財政が悪くなるんじゃない、国の収支環境が悪化をして、それから2年、3年たったとき、令和4年、まさに第3期の実施計画の実施の年から財政が悪化をするという見込みが推定されます。  これまで私も、4人の市長さんの事業の行い方を見てきましたけれども、市長が安定期に入ると不思議と事業が増えるんですよね。今回の施政方針、福田市長さん、率直に言って、細大漏らさず全部いろんなことが書いてあった。でも、本当にそれが達成できるような財政状況にあるのかということは非常に不安が残ります。施政方針、率直に言って総花で広げ過ぎ、盛りだくさんでちょっと満腹状態で、さっきの環境局のように、それをやっていくことは正しいんだけれども、しっかりとした指標とその費用対効果が現れないような事業もたくさんあるんです。ですから、新規事業は特に、あれもこれもではなく、目標設定を少なくともこれまでの自分たちの局内のお手盛りの指標から、先ほど市長が、今年の川崎の賀詞交歓会のときにも言っておられましたけれども、政令市で最初とか、日本で一番とか、政令市で一番とか、そういうふうな明確な目標設定を探して、この実施計画にそれを反映してもらいたい。我々が目指すのは「最幸のまち 川崎」ですよね。そのためには、その施策を含めて日本一なのか、政令市一なのかという事業の目標設定をすることが大事で、望洋としたような事業なんていうのは採用してはいけない。あたかも、何か一生懸命頑張ってやっていますというような、そういう気持ちになっているだけで、市民にとって最大の幸せは、本当にその事業が最先端で日本を牽引するような事業になることです。それが、我々がやっていかなければいけない、しかも100%実行できて達成できる明確なプランであるのか、それらを含めて市長さんの率直な見解、私が申し上げたキャップ制度の導入をして、適切な範囲での再証券化をすること、これについてお答えをいただきたいと思います。 ◎福田紀彦 市長 財政運営についての御質問でございますが、本市は、社会保障や防災・減災対策、都市機能の充実など、将来を見据えて乗り越えなければならない課題に直面する中で、法人市民税の国税化やふるさと納税の影響などを強く受けていることから収支不足が拡大し、大変厳しい財政状況となっております。こうしたことから将来世代への過度な負担とならないよう、減債基金をルールどおり積み立てた上で借入れを行うことにより、収支不足に対応しているところでございます。現行の収支フレームにおきましては、減債基金からの借入残額が令和5年度に918億円になるものと見込んでおりまして、これを上限と考えているところでございますが、毎年度の予算編成やその執行において可能な限り圧縮に努めているところでございます。以上です。 ◆雨笠裕治 委員 市長が言われる減債基金全体の借入総額のキャップというのもありますけれども、ぜひ私の、再証券化による、そのことによっての財政規律の方向性、それから事業の絞り込みによる仕事の減量化、この財政負担の軽減について転換をするいいチャンスです。第3期の実施計画をつくる前に、このことをもう一度皆さん方には御認識をいただき、市長にもそういう方向性も見ていただきながら、実施計画策定に当たっていただければと思います。  すみません、横浜市高速鉄道3号線の質問は、ちょっと時間が足りませんので、次に回したいと思います。ありがとうございました。 ◆松原成文 委員 一問一答で2問、川崎市再犯防止推進計画と武道教育について、それぞれお伺いいたします。  5款2項1目福祉事業費の明るい町づくり推進事業費の中の川崎市再犯防止推進計画について、まちづくり局長、総務企画局長、健康福祉局長にそれぞれお伺いいたします。  刑事施設を出所した人の適切な住まい、帰住先は、健全で安定した社会生活を営む上で、更生支援の観点からも必要不可欠であると思います。住宅セーフティネット制度の活用による公的な賃貸住宅の提供で住宅確保要配慮者が安心して生活できる居住安定確保についての取組の方向性と施策の展開についてそれぞれ伺います。 ◎岩田友利 まちづくり局長 公的賃貸住宅の提供についての御質問でございますが、川崎市住宅確保要配慮者賃貸住宅供給促進計画においては、住宅確保要配慮者として更生保護対象者を位置づけ、公的賃貸住宅ストックの活用や民間賃貸住宅の活用を推進することとしているところでございます。また、川崎市再犯防止推進計画においては、住宅に困窮する低額所得者に対し、市営住宅を低廉な家賃で賃貸することとしているところでございます。現在、住宅政策審議会において市営住宅の在り方について検討しているところであり、その中で、更生保護対象者を含め、住宅困窮者の居住安定確保の在り方についても検討してまいります。以上でございます。 ◆松原成文 委員 ありがとうございました。再犯防止に向けて就労の確保、継続により生活基盤の安定を図ることは極めて重要であります。本市では、川崎市保護司会協議会から推薦のあった保護観察対象少年少女に就労機会を提供し、川崎市が対象者を雇う取組を行っております。市の事例を示し、民間企業での就労を目指すものですが、これまでの実績と課題とその評価及び今後の任用についての考えを伺います。  また、刑務所出所者の雇用と更生に協力する民間の協力雇用主の雇用状況と就労の場の確保の取組についてお伺いいたします。 ◎大澤太郎 総務企画局長 保護観察対象者の就労支援についての御質問でございますが、本市では、平成28年2月に川崎市保護司会協議会と締結いたしました就労支援に関する協定に基づき、率先して就労支援の場を提供することで、再犯防止と民間での就労機会の拡大に取り組んでいるところでございます。初めに、就労支援の実績等につきましては、平成28年度、平成29年度におきまして、同協議会から推薦のありました対象者それぞれ1名を本市の臨時的任用職員として任用し、文書作成や資料整理等の業務を経験していただいたところでございます。いずれの対象者も任期満了後は民間へ就労されたと伺っております。こうした取組により、就労を継続することの重要性を認識するとともに、民間企業等への就労意欲の向上等に寄与しているものと考えております。次に、課題につきましては、平成30年度以降、任用実績がないことから、今後につきましては、本市での任用に向けて関係機関等とさらなる連携を図り、就労による対象者の再犯防止と民間企業等での就労機会の拡大につなげてまいりたいと存じます。また、来年度からは、会計年度任用職員への移行を予定しておりますが、これは地方公務員法及び地方自治法の一部改正に伴うものでございまして、受入れ体制に変更はございません。以上でございます。 ◎北篤彦 健康福祉局長 協力雇用主等についての御質問でございますが、協力雇用主は、犯罪、非行の前歴のために定職に就くことが容易でない刑務所出所者等を、その事情を理解した上で雇用し、立ち直りを助ける民間の事業主の方々で、国の機関である保護観察所の把握によりますと、現在全国に約2万2,000おり、実際に刑務所出所者等を雇用している事業主は約950であり、保護観察所に確認したところ、本市の協力雇用主は123となっております。本市におきましては、協力雇用主への支援の取組として、協力雇用主を適正に評価することにより、事業者の社会貢献への意欲を高めるため、競争入札参加資格審査において協力雇用主への加点評価を行うとともに、市内の事業主に対して、協力雇用主制度を周知し、出所者等の雇用を促進するための情報提供を行っております。また、就労支援につきましては、だいJOBセンターにおいて、長期間就労から離れていた、直ちに一般就労を目指すことが困難など、様々な就労阻害要因を抱える方に対して、ハローワーク等への同行、履歴書等の作成補助など、個々の状況に応じた寄り添い型支援を実施しており、刑務所出所者等も含め、就労の場の確保に努めているところでございます。以上でございます。 ◆松原成文 委員 ありがとうございました。平成30年以降、臨時的任用職員の実績がないということでございますので、今後とも就労の場の確保ということで推進をしていただきたいと思います。  保護司は、保護観察や犯罪予防活動など安全・安心な地域づくりに多大な貢献があり、平成29年12月に制定された国の再犯防止推進計画においても欠くことのできない存在であると明記をされております。本市の保護司の充足状況と課題及び各区における更生保護サポートセンターの設置状況、今後の設置計画について伺います。 ◎北篤彦 健康福祉局長 保護司等についての御質問でございますが、初めに、保護司の充足状況につきましては、令和元年10月1日現在、定数333人に対し、現員数は315人、欠員数は18人でございます。その活動に当たりましては、保護司の高齢化や人員の減少傾向、地域社会の人間関係が希薄化するなど、社会環境が変化したことによる活動の難しさ、保護観察対象者との面接場所の確保などが課題となっていると認識しているところでございます。次に、更生保護サポートセンターにつきましては、保護司、保護司会が市や関係機関・団体と連携するとともに、地域で保護観察対象者との面接など更生保護活動を行うための拠点で、現在、市内では川崎区の更生保護施設「川崎自立会」内と中原区役所敷地内の計2か所に設置しております。その他の区につきましては、センターの開設について、引き続き、川崎市保護司会協議会や各区保護司会と協議を行い、更生保護活動の充実を図ってまいりたいと存じます。以上でございます。 ◆松原成文 委員 ありがとうございました。地方公共団体と保護司会は、社会を明るくする運動等を通して協力し、安全・安心なまちづくりに取り組んでおります。このような取組を考慮して、令和元年5月に法務省と総務省の連名で地方公共団体の長へ、保護司適任者の人材情報の提供や地方公共団体の職員の保護司への就任についての協力を求めておりますけれども、職員を含めた保護司適任者の安定的な確保に向けた本市の取組について伺います。 ◎北篤彦 健康福祉局長 保護司の確保についての御質問でございますが、保護司は無報酬で活動する非常勤の国家公務員で、刑務所出所者等の生活環境調整や仮釈放者の保護観察などの活動を行い、再犯防止や安全・安心なまちづくりを推進する上で重要な存在であることから、川崎市再犯防止推進計画では、保護司の増員を目標に掲げたところでございます。国は、地方公共団体の職員が保護司として活動することは、地域の関係団体等と密接な関係を有している場合が多いため、適任であると考えているところでございますが、一方、保護司の活動は対象者の状況に応じて面接などは昼夜の時間を問わず行うため、本市職員を含め、有職者が保護司として活動を行うには、活動時間を確保するために雇用先や職場での理解、協力が不可欠でございます。今後につきましては、引き続き、社会を明るくする運動等を通じ、保護司活動を広く周知し、関心を持っていただくとともに、保護司会と人材情報の提供や有職者が活動しやすくするための環境づくりに向けた協議を行ってまいりたいと存じます。以上でございます。 ◆松原成文 委員 ありがとうございました。意見要望でありますけれども、高校進学率が98%を超えている中で、少年院の入所者の28.9%、入所受刑者の37.4%が中学校卒業後、高等学校へ進学していない状況があります。非行が原因で少年院入院者の36.8%、入所受刑者の24.6%が高校中退の状況があるとのことです。学び直しや復学や編入について、矯正施設や保護観察所と連絡を密にして、教育委員会もしっかりと連携をして進めていただくようにお願いをしたいと思います。ありがとうございました。  次に、武道教育についてお伺いいたします。2021年4月から中学校の新学習指導要領が全面実施をされることになっております。中学校の保健体育の武道の授業では、これまでの柔道、剣道、相撲の種目に加えて新たに6種目が明記され、9種目になりました。本市のこれまでの武道の授業実施の状況でありますけれども、お聞きしたところによると、中学校52校のうち、柔道が48校、剣道が4校、この学校につきましては学校に柔道・剣道場の施設設備が確保されているということでございます。また、教員が安全面の配慮も含めてしっかりとした指導をしているというようなことでありますが、安全面についてお伺いいたしますけれども、柔道、剣道の授業の中でこれまでの事故の発生の状況を伺います。 ◎石井宏之 教育次長 安全面の配慮についての御質問でございますが、本市におきましては、安全な武道の実施に向けて、必修となった平成24年度から毎年、安全な柔道の授業の実施に向けてという事故防止マニュアルを各中学校に配付するとともに、柔道と剣道の実技研修会を実施し、発達段階や個人差を踏まえた無理のない指導の徹底を図っているところでございます。武道の授業における骨折等のけがの件数につきましては、必修化した平成24年度から昨年度までで5件あり、いずれも柔道の授業中に発生したものでございます。以上でございます。 ◆松原成文 委員 ありがとうございます。武道を行うに当たりまして、家庭や生徒が準備するもの、それにかかる費用、学校が準備するもの、それにかかる費用について、それぞれ伺います。 ◎石井宏之 教育次長 武道の授業にかかる費用についての御質問でございますが、初めに、柔道につきましては、生徒が準備するものといたしまして柔道着がございまして、昨年度の購入費用につきましては平均で約3,700円でございます。また、学校が準備するものといたしましては柔道畳がございまして、昨年度の購入費用は1枚当たり平均で約2万4,000円でございます。次に、剣道につきましては、道具は全て学校で準備しておりますので、生徒が準備するものといたしましては手拭いのみでございます。また、学校が準備する竹刀や防具の購入費用につきましては、直近の学校における購入実績では、竹刀が1本当たり約3,500円、防具一式が約4万1,000円となっております。以上でございます。 ◆松原成文 委員 ありがとうございました。平均的な柔道着の購入価格が3,700円ということでありますけれども、この平均を出すにはどのような数字を足したのか、割ったのかということをお聞きしましたら、安いところでは3,000円、高いところでは5,000円ということでございまして、これは年度初めに体操着を販売する、その事業者から購入をするということであります。3,000円と5,000円というのは大変な開きがあると思いますので、素材等々も違うのか分かりません、大きさも違うのか分かりませんけれども、そういったことも含めて3,000円台で収まるような、そういった要望も事業者にしっかりとしていただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。  それから、新学習指導要領の実施に当たりまして、柔道、剣道以外の種目を導入することについて検討は行ったのか、今までの3種目に加えて新しく6種目が入るわけでありますけれども、この6種目について検討を行ったのかについてお伺いいたします。 ◎石井宏之 教育次長 種目についての御質問でございますが、新学習指導要領には、武道の種目として、柔道、剣道、相撲が明記されており、各学校はその中から一つを選択して履修することになっております。それに加えて、新たに履修することができると示された6種目については、学校や地域の実態に応じて、柔道、剣道、相撲に加えて履修することも可能と示されているところでございます。教育委員会といたしましては、中学校保健体育科部会総会や教育課程研究会において、学習指導要領改訂の趣旨や内容の変更点を周知いたしましたが、教育課程の編成につきましては、新学習指導要領に基づき、各学校が検討した上で適切に行うものでございますので、引き続き学校に対して周知や支援に努めてまいります。以上でございます。 ◆松原成文 委員 武道の授業で、剣道や柔道のほかに、準備の時間、費用面等々を短縮できる、また、けがのリスクも少ない、こういった種目もあるんじゃないかと思うんですけれども、見解を伺います。 ◎石井宏之 教育次長 種目についての御質問でございますが、新学習指導要領の内容の取扱いにおいて新たに示された6種目につきましては、原則として柔道、剣道、相撲に加えて履修することができると示されておりますので、指導時間の確保や安全面に配慮した課題があるものと認識しておりますが、各学校が取り組める可能性がある種目もあるものと考えております。以上でございます。 ◆松原成文 委員 ありがとうございます。各学校が取り組める可能性がある種目もあるということでありますが、今年のオリンピックでは、空手が採用されますけれども、本市の武道教育の中で空手を導入することについての見解を伺います。 ◎石井宏之 教育次長 空手道についての御質問でございますが、各学校が空手道を導入するに当たっては、まず指導する教員が空手道への理解を深めることが大切であると考えております。また、現在履修している武道の種目に新たな種目を加えることになりますので、年間指導時間数の確保や安全に配慮した指導体制を構築することが必要であると考えております。以上でございます。 ◆松原成文 委員 一つ提案でありますけれども、武道の新たな種目の導入について研究推進校を指定し、外部指導者の協力を得て授業を行うということについて、教育長の見解を伺います。 ◎小田嶋満 教育長 研究推進校についての御質問でございますが、空手道は、新学習指導要領の内容の取扱いにおいて新たに示されておりまして、今回のオリンピックでも競技種目として採用されているところでございます。教育委員会といたしましては、教員が新たな種目を体験し指導の幅を広げることは意義があるものと考えておりますが、指導時間の確保、教員の指導力や評価の面で課題があるものと認識しておりますので、まずは外部指導者の協力を得るなど、教員の実技研修会の開催について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆松原成文 委員 ありがとうございます。検討していただけるということでありまして、教員の自己啓発、スキルアップも必要であろうかと思います。安全面、費用負担の面から、準備や後片づけの時間の短縮も含めて、空手の導入について、もう一度見解をお伺いいたします。 ◎小田嶋満 教育長 空手道についての御質問でございますが、空手道には組手と型がございます。組手の場合には打撃があることから安全面の配慮が必要であると考えられますが、打撃のない型を実施した場合は、けがや事故の発生リスクは少ないものと考えております。また、費用負担につきましても、道着を着用せず体操着で実施することは可能であると考えております。武道の授業につきましては、各学校では武道の伝統的な考え方を理解させるとともに、相手を尊重して練習や試合ができるようにさせることを重視しながら、学校や地域の実態に応じて種目を選択し、教育課程に位置づけるものでございます。以上でございます。 ◆松原成文 委員 ありがとうございました。武道というのは年間10時間ぐらいやるということでありますけれども、空手は3〜4回程度の授業で十分に身につくと。これがまた外国へ行ったり外国の人と交流する中で、日本の文化、伝統を見ていただく、これで型を示すということもできると思います。また、今、教員の実技研修会の開催についても検討いただけるという御答弁をいただきましたので、この辺も含めまして、私どももしっかりと協力をさせていただきたいと思います。大変ありがとうございました。 ◆嶋崎嘉夫 委員 それでは、私は、本市の財政運営について市長並びに財政局長に一問一答でお伺いします。  令和2年度当初予算は、一般会計が対前年度比より334億円増え、伸び率4.4%増の7,925億円を計上し、6年連続で過去最大規模となる一方で、歳入の根幹をなす市税収入は0.1%減の3,634億円、結果として市税全体では8年ぶりのマイナスとなり、実質的に赤字予算となったわけです。そのために、財源対策として市債を対前年度比19.6%増、金額で107億円増の654億円を新たに発行しただけでなく、市債償還に備える減債基金から当初予定額を大幅に上回る120億円をさらに借り入れて埋め合わせをしたと。ここまでは皆さんも指摘したとおりなんです。そこで、財政局長にお伺いしていきたいと思います。本来、実質的な赤字予算の計上をするのであれば、歳入と歳出との欠損乖離が発生するので、国の普通交付税の交付が想定されてしかるべきだと思われるんですが、普通交付税の算定基礎となる基準財政需要額に扶助費事業はどの程度反映しているのかを見る必要があると思います。そこで、目安として令和元年度における現状をお伺いします。 ◎三富吉浩 財政局長 交付税制度についての御質問でございますが、基準財政需要額は、本市における個々の具体的な事業内容や財政支出の実態を反映したものではなく、自然的・地理的・社会的諸条件をベースに機械的に算定されているため、本市が重点的に行っている保育施策など大都市特有の財政需要が反映されにくい状況にございます。例えば、令和元年度の普通交付税の算定におきましては、生活保護費に占める住宅扶助費の1人当たり単価につきまして、本市の平成30年度の実績と比較し約2万円程度低く見積もられていることのほか、認可外保育施設活用に要する経費として約40億円が反映されていないことなど、増加する扶助費等の実態と乖離があるところでございます。以上でございます。 ◆嶋崎嘉夫 委員 いただいた答弁では、簡単に言うと扶助費のうち、国の算定基準に含まれる事業を除けばほとんどが本市独自の判断に基づく事業として計上してきたことが理解できると思います。ですから、実質的赤字予算となっても国が交付する基準財政需要額に反映する事業が少ないので、国の交付税措置が当てにできない中でやりくりせざるを得ない本市の財政運営の現状というものが浮かび上がると思います。他方、財政構造を見ますと、歳出は、人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費が金額ベースで過去最大の4,347億円となり、義務的経費率も54.9%と11年連続して5割を超し、特に扶助費では対前年度比6.7%増の2,091億円にも達した結果、一般会計当初予算の26.4%を占め、財政の硬直化がさらに進む状況となっていると思います。そのため、投資や扶助費が市財政を圧迫する構図から脱却する道筋が見えない状況で、もはや依存財源として減債基金を活用しなければ予算が編成できない状況となっていることは明らかであり、後年度負担がますます拡大し、財政規模が大きくゆがめられてしまったわけだと思います。そこで、財政局長、視点を変えてお伺いしますが、総務省の決算統計では本市の減債基金積立額はどのように計上されているのか、過去5年分の数字並びに本市の減債基金残高の数字をお伺いします。 ◎三富吉浩 財政局長 減債基金についての御質問でございますが、国の決算統計におきましては、満期一括償還分の積立ては、資金の内部留保ではなく、市債の償還そのものと整理されておりますことから公債費として計上し、減債基金への積立金としては取り扱わないこととされております。そのため、国の決算統計における減債基金残高は、平成26年度が約3億円、平成27年度及び平成28年度が約4億円、平成29年度が約7億円、平成30年度が約8億円となっている一方で、本市の減債基金残高は、平成26年度が約1,823億円、平成27年度が約1,962億円、平成28年度が約2,042億円、平成29年度が約2,240億円、平成30年度が約2,355億円と推移しており、国の決算統計の残高とは差異が生じているところでございます。以上でございます。 ◆嶋崎嘉夫 委員 今答弁いただいた数字をディスプレーに映し出したいと思います。お願いします。ちょっと小さいので分かりづらいんですけれども、要は、例えば一番右側、平成30年度決算、ここの総務省決算統計では川崎市の減債基金残高は約8億円と計上されているんです。ところが、本市では約2,355億円として減債基金残高を公表している。このように総務省と川崎市の減債基金残高が異なるのは、答弁にあるように、川崎市では地方債の満期一括償還のための財源の積立てを減債基金に計上するんですが、総務省では、いわゆる満期一括償還の積立ては、資金の内部留保ではなく、あくまでも市債の償還そのものと整理されているとして、これを減債基金ではなく公債費に計上しているということがはっきり分かるんです。地方債には、御存じのように、満期一括償還方式と元利均等償還方式がありますが、例えば100億円借りて10年分割返済をするとしますと、1年ごとに10億円を返済した場合は、地方公共団体も総務省も公債費として計上しますが、満期一括償還方式の場合では、地方公共団体は減債基金に積み立てて処理する一方で、総務省の見解ではこの方式もしょせんは借金の返済のための積立てだから公債費として分類しているわけです。ですから、川崎の減債基金残高と総務省統計における残高の数字というのは異なってくる。言い換えれば、国の解釈では本市の財政積立てはあくまでも公債費として位置づけられるとされているわけであり、公債費は、御存じのように、取り崩すことは認められない性格のものですので、国の会計基準から見れば本市の財源を積み立てて取り崩すやり方は不適切な財政運営とも言えると思います。では、総務省が示す減債基金の分類はどうなっているのかというと、例えば将来的に金利が変動するなどのリスクに直面する場合を想定し、リスクをヘッジする意味で、償還額よりも余計に積み立てるときに初めて減債基金として国は分類をしているわけです。  そこで、市長、お伺いしますが、本来将来のリスクヘッジを見越して減債基金というのは活用すべきであり、本市のように基準財政需要額に反映しない投資的事業や扶助費を拡大し、義務的経費率が11年連続して5割を超し、財政の硬直化が著しいにもかかわらず、充当財源として将来の借金の返済に使うための減債基金を取り崩さざるを得ない財政運営は、財政をいびつな形にゆがめていると私は指摘せざるを得ないと思います。言い換えれば、借金返済のために新たな借金をしながら事業を進めているわけで、後年度負担への責任をどのように考えていらっしゃるのか、見解をお伺いします。 ◎福田紀彦 市長 財政運営についての御質問でございますが、本市では、社会保障や防災・減災対策、都市機能の充実など将来を見据えて乗り越えなければならない課題に直面する中で、法人市民税の国税化やふるさと納税の影響などを強く受けていることから収支不足が拡大し、大変厳しい財政状況となっております。そのため、都市部の財政需要が的確に反映される地方税財政制度となるよう、また、ふるさと納税制度の抜本的見直しについて、国等に働きかけを行っているところでございます。今後も、あらゆる機会を捉えてこうした働きかけを行うとともに、施策調整や業務改善などの本市における取組を着実に進めることで、毎年度の予算編成やその執行において減債基金からの借入れの圧縮に努め、市民サービスを安定的に提供できるよう財政の健全化を図ることにより、将来世代に対する責任を果たしてまいりたいと存じます。 ◆嶋崎嘉夫 委員 今答弁いただいたんですけれども、本来満期一括償還のために積み立てる減債基金は、当初予算で充当財源が不足するから活用する性格のものではないと思うんです。例えば地方債を分割方式で償還する方式ならば償還額だけの計上で済みますけれども、縁故債などのように地方債を引き受ける金融市場では満期一括償還方式のほうが便利なので、金融市場との関係で満期一括償還払いを選択しますが、償還を迎える期間の積立てを財政運営上の理由で活用するというのは、よほど臨時的な措置であるべきで、あたかも依存財源のように長期財政計画及び財政収支フレームに組み込むことや、減債基金の活用なくして予算編成ができないこと自体、財政運営をいびつな形に変形させていると私は思うんです。例えば過去発生したリーマンショックに伴う経済対策に減債基金を活用した本市の対応や、今回のコロナウイルス問題のように世界的規模での対応が求められる状況では、緊急かつ総合的な経済対策として、減債基金の一時的活用などを通じて機動的な財政運営を図ることは理解できます。そのために総務省もリスクヘッジとして減債基金の位置づけというのを分類しているんですが、本市のように恒常的に減債基金を活用するような運営では、緊急的な財政出動まで硬直化させてしまう危険性があるんじゃないのかなと私は思うんです。  そこで市長、再度お伺いしますが、恐らく、今後コロナウイルス問題がさらに拡大すると減債基金から財源を充当しなければならず、償還負担が上昇し、財政収支フレームからますます乖離した状態となり、財政規律が維持できなくなってしまうと考えますが、見解を伺います。 ◎福田紀彦 市長 財政運営についての御質問でございますが、現行の基本的な考え方では、平成29年7月に公表された国の経済見通しのベースラインケースを基本とし、一定の経済成長を見込んで市税収入の算定を行い、収支フレームを策定しております。この収支フレームは、持続可能な行財政基盤の構築に向けた指針であり、今般の新型コロナウイルス感染症の影響などで経済成長率が見込みを下回るような場合におきましては、市税収入などに影響が出ることが懸念されているところでございます。こうした中におきましても、将来にわたって安定的に基礎自治体としての責務を果たしていくため、持続可能な行財政基盤の構築に向けて、既存事業の見直しや大規模事業に係る経費の平準化など、より一層の行財政改革の取組を進めることにより収支不足を圧縮し、財政の健全性を確保できるよう次期収支フレームの策定に反映してまいります。以上です。 ◆嶋崎嘉夫 委員 いただいた答弁では、新たな財政収支フレームの見直しによる財政規律の健全性を担保するという御答弁なんですけれども、本当にそのような余裕があるのでしょうか。財政局長、お伺いしたいんですけれども、では、減債基金からの借入れをしない場合、川崎市の実質赤字比率はどのように推移していくのか、平成24年度決算から令和5年度当初予算までの数値をお伺いします。 ◎三富吉浩 財政局長 実質赤字比率についての御質問でございますが、本市では、過去の減債基金からの借入れにつきましては、毎年度、一旦全額を返済し再び借り入れる形での予算計上をしております。仮に過去の減債基金からの借入分を再び借り入れずに単年度で一括返済することとした場合の実質赤字比率を試算いたしますと、平成24年度が2.17%、令和2年度が17.44%、令和5年度が20.58%となる見込みでございます。以上でございます。 ◆嶋崎嘉夫 委員 ディスプレーをお願いします。今御答弁いただいたものを表にしますと、こうなるんです。これもちょっと細かくて見づらいかもしれないんですけれども。ここに記載したとおり、平成30年度決算での減債基金からの借入累計額を除く実質赤字比率というのは既に11.55%に達し、総務省が示す実質赤字比率の早期健全化基準11.25%をオーバーしてしまっていますよね。それがこのまま収支フレームどおりに推移すると想定しますと、令和4年度には実質赤字比率が20.39%となり、総務省の示す財政再生基準20%を突破してしまう。そうすると、本市は実質的な財政再建団体となってしまうということになるわけです。これはそのままですよ。この数字がどんどん拡大していく一方なんです。そこで、市長、お伺いしますけれども、さらに世界的な今回のコロナウイルスの拡大が続くことによる景気の減速が加速した場合には、本市の税収も大幅な減少が見込まれ、標準財政規模も縮減せざるを得なくなると想定されるため、ディスプレーで示した実質赤字比率の想定数値はさらに悪化を余儀なくされると思います。仮にそのような場合になった際には、財政再生基準を上回ることを回避するためにどのような判断が求められるのか、見解をお伺いします。 ◎福田紀彦 市長 財政運営についての御質問でございますが、本市では、これまでも毎年度の予算に行財政改革の取組効果を反映しておりまして、令和2年度予算では43億円の財政効果を確保したものの、ふるさと納税に係る市税の減収による影響のほか、会計年度任用職員制度の創設や児童家庭相談支援体制の強化に的確に対応するため、現行の収支フレームと比較して、収支不足額が30億円拡大したところでございます。本市財政は大変深刻な状況にございますことから行財政改革の取組が重要であり、今後におきましてもあらゆる事務事業の見直しを進め、効率的、効果的な市民サービスの提供に努めるとともに、市税等の債権確保や市有財産の有効活用にも取り組み、その効果を次期収支フレームの策定に反映してまいります。以上です。 ◆嶋崎嘉夫 委員 今御答弁いただいた行財政改革の取組が重要だ、今後もあらゆる事務事業の見直しを進め、効率的、効果的な市民サービスの提供に努めると同時に、市税等の債権確保や市有財産の有効活用にも取り組んでいくんですよということなんですけれども、恐らくこれでは足らないでしょうね。市民生活への直接の影響を避けるために、大規模な投資的事業の見直しと縮小にとどまらず、さらなる歳出の抑制を行おうとしても、今の行政水準を維持できるのかさえ困難な状況となることは、私は明らかだと思います。しかも、歳出の平準化による後年度負担の軽減に努めるとしても、それはあくまでも単年度ごとの支払い負担を低くするために、超長期にわたって借金返済の先送りを意味することであり、後年度負担の先送り、つまり将来世代への負担の押しつけにほかならないということなんです。しかし、さらに、本市人口動態調査で示されているように、令和7年度をピークに生産年齢人口が減少に転ずるということは、必然的に本市の行政水準をどのレベルに位置づけていくのか、さらに行政規模をどの程度コンパクトに縮小していくのか判断を求められるわけであり、残された5年間の中で市民説明に堪えられるだけのビジョンを示していかなければならない。これがもう最重要の課題だと私は思うんです。そうしたことも含めて、市長、再度お伺いしますが、今までの質疑を通じて、まず取り組むべきことは早急に第三者の財政専門家で構成される財政問題研究会を再度招集し、中立公平な立場での本市財政指針の新たなるビジョンづくりと現実に即した財政収支フレームの策定、これを急ぐべきだと思いますが、見解をお伺いします。 ◎福田紀彦 市長 財政運営についての御質問でございますが、本市では、財政に関する課題等について研究を行うため、学識経験者による川崎市の財政に関する研究会を設置し、様々な御意見をいただきながら財政運営の参考としてきたところでございます。本市の財政は国の施策の影響を大きく受けているところであり、こうした厳しい環境の中で財政運営を的確かつ安定的に進めるためには、広く地方税財政制度に知見のある学識経験者から御意見を伺うことも重要となってきていると感じているところでございます。今後も様々な機会を捉え、学識経験者等の幅広い知見を積極的に生かしながら市政運営をしてまいります。以上です。 ◆嶋崎嘉夫 委員 いろいろと質問をさせていただいたんですけれども、リーマンショックのときもそうだったんですけれども、その前のとき、新規事業を全て止めるということをやりましたよね。その前に財政再建改革ということが打ち出されて、新規事業を止めると同時に、その中で財政再建を進めている途中にリーマンショックが起きた。減債基金を一時活用したんですが、あの後はちゃんと戻しているんです。ところが、その後また大規模事業化という魅力に取りつかれてしまった部分もあるんですけれども、いずれにしても、今までそれで乗り越えてこられたのは人口が増えるという時代だったから。ところが、先ほど申し上げたように、これから人口が減少に転ずる、その中でどう選択していくか。ここから逃げることはできないわけですから、その中で市民への負担の方向性、そして川崎が選択すべき事業の在り方ということについて、これは本当にこの1年、重点的に対応していただきながら、しっかりとした見解、方針、そして方策というものを進めていただきたいと思います。  終わりになりますけれども、長い間お仕事をされてこられました定年を迎えられる理事者の皆さん、本当にお疲れさまでございました。どうぞこれからもお体のほうを重々大切にしていただいて、引き続いて皆さんが培ってこられた貴重な経験とかそうしたものを川崎市政にまた生かしていただけるよう重ねてお願い申し上げ、以上をもちまして質問を終わります。ありがとうございました。 ○青木功雄 委員長 お諮りいたします。この程度をもちまして各案件に対する質疑を終結いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○青木功雄 委員長 御異議ないものと認めます。よって、各案件に対する質疑を終結いたします。  お諮りいたします。質疑の中で御意見、御要望等もなされておりますので、本来ならばここで採決を行うわけでありますが、慣例によりまして、本委員会では採決を行わず、結論は本会議に譲りたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○青木功雄 委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上をもちまして予算審査特別委員会を終了いたしたいと思いますが、委員各位及び理事者の皆様の御協力によりまして、無事大任を果たさせていただきましたことに対し、露木副委員長とともに、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。  それでは、これをもちまして予算審査特別委員会を閉会いたします。                 午後4時28分閉会...