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令和 1年  6月総務委員会-06月24日-01号
令和 1年  6月文教委員会-06月24日-01号

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  1. 川崎市議会 2019-06-24
    令和 1年  6月文教委員会-06月24日-01号


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    令和 1年  6月文教委員会-06月24日-01号令和 1年  6月文教委員会 文教委員会記録 令和元年6月24日(月)   午前10時00分開会                午後 1時09分閉会 場所:603会議室 出席委員:河野ゆかり委員長本間賢次郎副委員長、浅野文直、青木功雄、山田瑛理、勝又光江、      片柳 進、沼沢和明、岩隈千尋、木庭理香子、田村京三、吉沢章子各委員 欠席委員:なし 出席説明員:(市民文化局向坂市民文化局長青山市民生活部長、        池之上人権男女共同参画室長日向庶務課長、        大西人権・男女共同参画室担当課長長沼人権男女共同参画室担当課長 日 程 1 所管事務の調査(報告)      (市民文化局)     (1)「(仮称)川崎市差別のない人権尊重まちづくり条例」(素案)について     2 閉会中の継続審査及び調査の申し出について     3 その他                午前10時00分開会
    河野ゆかり 委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。  お手元のタブレット端末をごらんください。本日の日程は、文教委員会日程のとおりです。よろしくお願いをいたします。  傍聴の申し出がございますので、許可することに御異議ありませんでしょうか。                 ( 異議なし ) ○河野ゆかり 委員長 それでは、傍聴を許可いたします。                 ( 傍聴者入室 ) ○河野ゆかり 委員長 初めに、所管事務の調査として、「「(仮称)川崎市差別のない人権尊重まちづくり条例」(素案)について」の報告を受けます。  それでは、理事者の方、よろしくお願いをいたします。 ◎向坂 市民文化局長 おはようございます。それでは、所管事務の報告といたしまして、「「(仮称)川崎市差別のない人権尊重まちづくり条例」(素案)について」、人権・男女共同参画室大西担当課長から御説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 それでは、「「(仮称)川崎市差別のない人権尊重まちづくり条例」(素案)について」、御説明申し上げます。  (仮称)川崎市差別のない人権尊重まちづくり条例につきましては、本年3月11日の文教委員会におきまして、その骨子案を御報告させていただきましたが、このたび、素案がまとまりましたので、パブリックコメントの実施とあわせて御説明させていただくものでございます。  お手元のタブレット端末で、1(1)「(仮称)川崎市差別のない人権尊重まちづくり条例」(素案)について(資料)というPDFファイルをお開きください。  それでは、まずページをおめくりいただきまして、PDFファイルの2ページ目をごらんください。資料1でございまして、ここからが条例素案でございます。  資料左側をごらんください。初めに、1、条例制定の背景でございます。本市は、日本各地や海外から多くの人たちが移り住み、地域に根づいて多様な文化が交流する多文化のまちへと発展する中で、川崎市外国人市民代表者会議条例を初め、川崎市子どもの権利に関する条例や男女平等かわさき条例を制定するなど先駆的な取り組みを行い、その後も、川崎市子どもを虐待から守る条例や川崎市自殺対策の推進に関する条例の制定など、着実に人権施策を実施してきたところですが、一方で、最近は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動、いわゆるヘイトスピーチインターネットを利用した人権侵害などの人権課題が顕在化しています。  そこで、平成28年7月に、市長が川崎市人権施策推進協議会に対し、ヘイトスピーチ対策に関することにつき優先審議を依頼しましたが、その年の12月には、同協議会がヘイトスピーチ対策に特化したものではなく、ヘイトスピーチにつながっていく土壌に直接対処する幅広い条例として、ヘイトスピーチ対策も含めた多文化共生、人種差別撤廃などの人権全般を見据えた条例の制定を求めるとの提言を提出しました。また、同じ平成28年には、障害、ヘイトスピーチ部落差別を対象とするいわゆる差別解消3法が施行され、本市を初めとした地方公共団体にも地域の実情に応じた施策を講ずることが求められることとなりました。  なお、資料左下の枠内は、本市におけるこれまでの主な人権施策をお示ししたものでございます。  次に、資料の右側、2、川崎市人権施策推進協議会からの提言についてでございます。ただいま御説明いたしました協議会からの提言におきまして、取り組むべきとされた項目ですが、枠の中にお示ししたとおり、3点ございまして、そのうちの項目3に、制定すべき条例の検討として、人権全般を見据えた条例の制定に必要な作業に入るべきであるとされたところでございます。また、協議会の意見、特に留意すべき点につきましては、お示ししたとおりでございます。  続きまして、下の3、条例制定についてでございます。(1)の条例制定の考え方につきましては、先ほど御説明いたしました本市の現状を踏まえ、全ての市民が不当な差別を受けることなく、個人として尊重され、生き生きと暮らすことができる人権尊重まちづくりを推進していくため、条例を制定するものでございます。  次に、(2)の条例の特徴でございますが、①として、人権全般を見据えた条例ということで、協議会からの提言を踏まえ、ヘイトスピーチ対策に特化したものではなく、ヘイトスピーチにつながっていく土壌に直接対処する幅広い条例とします。  次に、②として、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を規制する条例ということで、①の人権全般を見据えた条例を基本線としつつも、特に一定の要件に該当するヘイトスピーチに対しては、罰則等をもって規制する条例とします。  全体的なイメージといたしましては、下の図にお示ししたとおり、さまざまな人権課題について、共通テーマとして、不当な差別の解消と人権課題の解決を図っていこうとするものでございます。  それでは、続きまして、条例の素案の内容でございます。タブレットの次のページ、3ページをごらんください。資料2でございます。  左側の1、前文でございますが、資料にお示ししたとおり、日本国憲法や人権に関する諸条約について言及した上で、また、いわゆるヘイトスピーチインターネットを利用した人権侵害にも触れてまいります。  次に、2、総則でございますが、(1)の目的につきましては、ア、イ、ウにお示ししたとおりでございまして、(2)の定義につきましては、不当な差別と本邦外出身者に対する不当な差別的言動の2つの用語について、それぞれ資料記載のとおり、その意義を定めてまいります。  続きまして、3、不当な差別のない人権尊重まちづくりの推進でございますが、(1)の市の責務、(2)の市民及び事業者の責務につきましては、資料記載のとおり、それぞれの責務を定めてまいります。  次に、(3)の不当な差別的取扱いの禁止につきましては、何人も、人種、国籍、民族、信条、年齢、性別、性的指向、性自認、出身、障害その他の事由を理由とする不当な差別的取り扱いをしてはならないことを定めてまいります。  (4)の人権施策推進基本計画につきましては、市長による基本計画の策定や、基本計画に定める事項、策定手続などを定めてまいります。  続きまして、(5)の人権教育及び人権啓発につきましては、市による人権教育及び人権啓発の推進について定めてまいります。  次に、(6)の人権侵害を受けた者に対する支援につきましては、市は、関係機関等と連携し、インターネットを利用した不当な差別その他の人権侵害を受けた者に対する相談の実施、その他必要な支援に努めることを定めてまいります。  同じく3ページの右側をごらんください。次に、(7)の情報の収集及び調査研究につきましては、市は、必要な情報の収集及び調査研究を行うことを定めてまいります。  次に、(8)の人権尊重まちづくり推進協議会につきましては、先ほどの基本計画の策定等の場合のほか、不当な差別のない人権尊重まちづくりの推進に関する重要事項について、市長の諮問に応じ、調査審議を行う附属機関として設置することなどを定めてまいります。  次に、4、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進でございますが、(1)のこの章の趣旨につきましては、市は、ヘイトスピーチ解消法第4条第2項の規定に基づき、市の実情に応じた施策を講ずることにより、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消を図ることを定めてまいります。  続きまして、(2)の本邦外出身者に対する不当な差別的言動の禁止でございますが、こちらは、何人も、市の区域内の道路、公園、広場、駅その他の公共の場所において、次に該当する本邦外出身者に対する不当な差別的言動を行い、または行わせてはならないことを定めるもので、枠内にお示ししたとおり、禁止される言動の類型については、特定の国もしくは地域の出身である者またはその子孫を、本邦の域外へ退去させることをあおり、または告知するもの、特定国出身者等の生命、身体、自由、名誉または財産に危害を加えることをあおり、または告知するもの、特定国出身者等を著しく侮蔑するものとし、その手段については、拡声機を使用するなど、資料記載のとおりとするものでございます。  次に、(3)の勧告・命令・公表でございます。ただいま御説明いたしました(2)に違反する行為があり、再び同様の行為が行われそうなときは、差別防止対策等審査会の意見を聞いた上で、市長は勧告することができることとし、それにもかかわらず、再び違反行為が行われ、さらに、三たび同様の行為が行われそうなときは、再度、審査会の意見を聞いた上で、市長は命令することができるとするものでございます。それでも違反行為が行われたという場合にあっては、資料下に記載のとおり、公表や罰則となるものでございます。  次のページにお移りいただきまして、タブレットの4ページ目をごらんださい。資料の左上、(4)公の施設の利用許可等の基準につきましては、市長は、公の施設の利用許可等の基準その他必要な事項を規定することを定めてまいります。  次に、(5)のインターネット表現活動に係る拡散防止措置及び公表でございます。こちらは枠内にお示ししたとおり、インターネット表現活動を対象としており、枠の下にございますアのインターネット表現活動に係る拡散防止措置につきましては、市長は、インターネット表現活動本邦外出身者に対する不当な差別的言動に該当すると認めるときは、その表現の内容の拡散を防止するために必要な措置を講ずることを定めてまいります。  次のイのインターネット表現活動に係る公表につきましては、市長は、ただいま御説明いたしましたアの措置を講じたときは、資料記載のとおり、一部例外を設けた上で、公表することを定めてまいります。また、イの下に、箇条書きでお示しした内容は、アの措置とイの公表の手続などでございます。  続きまして、(6)の差別防止対策等審査会につきましては、先ほど御説明いたしました勧告、命令、そして、ただいま御説明いたしました措置、公表を行う場合のほか、不当な差別の解消のために必要な事項について、市長の諮問に応じ、調査審議を行う附属機関として設置することなどを定めてまいります。  次に、(7)の表現の自由等への配慮につきましては、この4の欄に記載の項目の適用に当たり、表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないように留意することを定めてまいります。  同じく4ページの右側をごらんください。5、その他でございまして、(1)の報告及び質問につきましては、違反者等に報告を求め、またその職員に、関係者に質問させることなどを定めてまいります。  次に、(2)の委任につきましては、条例の実施のため必要な事項は規則へ委任することを定めてまいります。  続きまして、(3)の罰則でございます。先ほど御説明いたしました命令に違反した場合は、50万円以下の罰金に処することなどを定めてまいります。  (4)の施行期日につきましては、資料記載のとおり、3とおりに分けて施行するものでございます。  (5)の経過措置につきましては、現行の人権施策推進基本計画である人権かわさきイニシアチブや、現行の公の施設の利用許可に関するガイドラインについて、この条例の規定により、策定または定められたものとみなすことを定めてまいります。  次に、今後のスケジュールについてでございます。パブリックコメント手続につきましては、7月8日から8月9日までにかけまして実施することとし、その結果公表と条例議案の提出につきましては11月下旬を予定しており、その後、12月議会での御審議をお願いしたいと考えているところでございます。  次のページ、タブレット端末の5ページでございますが、こちらは、パブリックコメント手続の御案内でございます。内容は、資料記載のとおりでございますので、後ほど御確認いただきたいと存じます。  「「(仮称)川崎市差別のない人権尊重まちづくり条例」(素案)について」の説明につきましては、以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○河野ゆかり 委員長 説明は以上のとおりです。  ただいまの説明について質問等がございましたらお願いをいたします。 ◆木庭理香子 委員 説明ありがとうございました。大変にいろいろと注目されているものでありますので、しっかりと私たちも審議をしていきたいと思います。  まず最初になんですけれども、この条例はヘイトスピーチ対策に主眼を置かれていますけれども、中身については、人種であったりとか、国籍、民族、信条など、そういったものを理由に不当な差別を求めてはいけないというつくりになっています。人権全般のつくりになっていますけれども、一方で、表現の自由に留意することが強く求められると思います。これはどこに盛り込まれるのか、今、私たちとしては、前文とか、条例の冒頭などにしっかり盛り込むべきと考えるんですけれども、見解はいかがでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 まずこの条例につきましては、ヘイトスピーチに主眼というよりは、もともと人権全般を対象にしたものでございまして、資料の、タブレット端末の2ページ目にあります。大きなページの資料1にあるんですが、こちらの条例の制定についても、右下でお示ししておりますように、人権全般を見据えた条例、こちらを基本線とした上で、ヘイトスピーチ本邦外出身者に対する不当な差別的言動については、一定の行為、一定のヘイトスピーチに該当した場合については規制するとしております。  表現の自由との兼ね合いの問題なんですが、まず1つ、前段の人権全般を見据えた条例の部分につきましては、こちら、タブレット端末の3ページ目になります。大きな資料の2になるんですが、資料左側の3番の(3)、左下のほうになるんですが、不当な差別的取扱いの禁止としてございます。「何人も、人種、国籍、民族、信条、年齢、性別、性的指向、性自認、出身、障害その他の事由を理由とする不当な差別的取り扱いをしてはならない」としてございます。私どもこの条例案素案を検討するに当たりまして、もう1回差別の定義について考え直してみました。そうしたら、差別の内容には、差別的言動というものと差別的取り扱いというものがございます。そのうち、差別的言動につきましては、やはり表現の自由との絡みで、言動、表現行為に関するものですから、そこは憲法との兼ね合いで相当慎重な対応が求められると考えているところでございます。基本的に表現の自由を乗り越えるために規制しようとするものであれば、まず明確な基準が必要であると。規制する内容が明確になっている必要があるということと、過度に広範であってはならない、その規制しようとする対象が広範なものになってはならないというものがございまして、やはり不当な差別全般を禁止、不当な差別的言動全般を禁止しようとするとなりますと、その辺の日本国憲法との兼ね合いという点で非常に難しいんではないかと考えたところでございまして、このたびこちらの3の(3)につきましては、不当な差別的取扱いの禁止ということで、色々な法律ですとか、本市の条例、男女平等かわさき条例などがございますが、そういった差別的取り扱いの禁止ということで定めを置いているところでございます。  一方、ヘイトスピーチの部分に関しましては、4の(2)に記載がございまして、一義的にヘイトスピーチを定義する場合には、先に法律ができておりますので――ヘイトスピーチ解消法ができておりますので、ヘイトスピーチ解消法でいうところの本邦外出身者に対する不当な差別的言動、これが一つの定義になっているものでございます。こちらについては、この素案の定義でも同じ資料、左側の2の(2)定義のところでも、この条例でいうところの本邦外出身者に対する不当な差別的言動というのは、このヘイトスピーチ解消法第2条に規定する本邦外出身者に対する不当な差別的言動をいうと定義づけているところでございます。  単純にこれだけを規制して罰則をかけるということになりますと、やはり表現の自由との問題という点で、もともとこの法律自体が罰則をかけるために定義したものではございませんので、やはり一定の限定といいますか、明確化が必要であると考えております。  そこで、この資料のまた右の4の(2)にお戻りいただきまして、一定の限定をかけるということで、まず場所については、市の区域内の道路、公園、広場、その他の公共の場所という限定をかけております。さらに、類型というところで、言動の類型ということで、特定の国もしくは地域の出身である者、またはその子孫、以下特定国出身者等としておりますが、こちらを本邦の域外へ退去させることをあおり、または告知するもの、それから特定国出身者等の生命、身体、自由、名誉または財産に危害を加えることをあおり、または告知するもの、特定国出身者等を著しく侮蔑するものということで、ある程度の限定と具体化を図っているところでございます。  さらに、手段につきましても、拡声機を使用するですとか、看板、プラカード等を掲示する、ビラ、パンフレット等を配布する、多数の者が一斉に大声で連呼するということで、手段についても一定の制約をかけておりまして、こういったことで対象の限定と明確化を図ることで表現の自由に対して対応しようと考えているところでございます。  さらに、(3)にございますように、いきなりこれをやったら刑事罰ということではなくて、段階を踏むということで、3回、1回目やって2回目にやろうとしたときは勧告、3回目にまたやるんじゃないかというときは命令をかけて、それに違反して初めて罰則――刑事罰と公表という形になっておりまして、段階を踏んで、また表現の自由に配慮しているということと、さらにこの勧告や命令をするに当たっては、外部の附属機関である差別防止対策等審査会の意見を聞くようにしておりまして、行政独自で判断することは避けております。そこでもまた、表現の自由に配慮はしております。  さらに、表現の自由の配慮の規定としまして、次のページにございます4番の左下になります(7)表現の自由等への配慮ということで、この4の欄に記載の項目の適用に当たっては、表現の自由、その他日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないよう留意すると定めておりまして、この条例の適用に当たっては、十分に日本国憲法の表現の自由には留意することとしまして、この条例そのものが違憲とならないよう配慮をしているところでございます。 ◆木庭理香子 委員 いろいろとお答えいただいてありがとうございます。ちょっと今説明の中で1つ気になったことがありまして、2番の(2)の定義の中にあります信条なんですけれども、私たちも政治家であります。こうしたことでさまざま政治的信条を持っている人がおりますけれども、そうしたことが、それを理由に不当な差別を受けてはいけないという意味なのか、私たちの政治活動が制限されるという内容であっては困るんですけれども、そちらについてはいかがでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 そちらにつきましては、今、委員おっしゃったとおり、信条をもって差別することはならないと取り扱っているものでございます。この3の(3)に記載上は、信条を理由とする不当な差別的取り扱いをしてはいけないとしておりまして、不当な差別的取り扱いは認められないところでございます。 ◆木庭理香子 委員 わかりました。  次なんですけれども、3番の(5)にあります人権教育及び人権啓発とあります。これは具体的に何を行うことを想定されているんでしょうか。私たちもやはりさまざま学校教育を通じてということもありますけれども、教育委員会などと、関係局との協議を行っているんでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 こちらにつきましては、委員おっしゃるように、当然、教育委員会との協議というのは必要になってまいります。骨子案を策定して、骨子案に同じような記載がございましたので、既に教育委員会等とは話はさせていただいておりまして、この条例ができた暁には、取り組むことをお願いしております。  具体的な施策につきましては、これから協議して、詰めていくことになりますが、当然ながら、教育委員会とタイアップして、協調して取り組んでまいりたいと思っております。  また、啓発につきましても、まだ具体的なものにつきましては、これから検討するところではございますが、予算等もございますので、関係機関等と協議して、検討してまいりたいと思っております。 ◆木庭理香子 委員 現段階ではということですけれども、やはりここの一番最後にタイムスケジュールなんかも示されているわけですから、ある程度具体的に考えていかないといけないのかなと思うんですけれども、その検討している内容というのはどの段階で明らかにされるんでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 細かな部分につきましては、どこまでとなるんですが、しかもやはり予算が絡むものでございますので、ある程度その辺の状況がはっきりした上でないと、お答えするのは難しいかなとは思っております。 ◆木庭理香子 委員 もう一つ、やはり教育についてなんですけれども、やはりこれも教育委員会の方ともお話をすると、子どもは何も変わっていない。やはり変わってしまったのは周りにいる大人たちが変わってしまったから、それにつられて子どもの社会も引っ張られているというような意見をよく聞くんですけれども、ということも考えると、やはり大人に対する啓発、教育であったりとか、そういうものが必要だと思うんですけれども、それについてはどういったものが考えられますか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 大人に対しての啓発でございますが、まずは教育現場に関してなんですけれども、やはり子どもに教育するということは、当然、先生方に理解していただかないといけないということなので、私どもとしましては、子どもにどうこうという以前の問題として、先生、教員の方々に対して必要な研修等はやっていきたいなと考えているところでございます。また、その周囲の大人につきましても、やはり啓発活動等が必要と考えてございますので、研修ですとか、人権教育のイベントというんでしょうか、講演会ですとか、そういった機会は設けて、今現在もやっているんですが、そういったことをまた力を入れていって、展開といいますか、推進していきたいと考えているところでございます。 ◆木庭理香子 委員 これは常々言っているんですけれども、本市ではいろんな取り組みをやっているし、いろんなことも発信はしているんですけれども、それがやはり届いていないというのが一番大きな問題だと思うんですね。なので、市政広報のあり方も含めて、広報の仕方ということもしっかりと今後検討していただきたいなということは要望させていただきます。  次になんですけれども、(6)にありますけれども、人権侵害を受けた者に対する支援ということで、必要な支援に努めるとありますけれども、例えばインターネットなどで誹謗中傷を受けた方についてはどのような対策が考えられるのか、現状と新たな取り組みについて伺います。 ◎長沼 人権・男女共同参画室担当課長 インターネット等につきましては、現在も対策を行っております。インターネットで誹謗中傷、あるいはヘイトスピーチに近いようなものにつきましては、私どものほうでも、一定の、インターネットでリサーチといいますか、確認をしていくという作業を行っております。また、その中で非常に不適切なものがあった場合には、法務局への通知等の連携、またはプロバイダーへの通知等を現在もそういった仕組みで行っておりまして、今後、条例制定につきましても、その枠組みをもって、継続してまいりたいと思っております。 ◆木庭理香子 委員 今、リサーチをして、必要があれば法務局なり、プロバイダーなりという通知をするというふうにおっしゃっていましたけれども、そのリサーチはどういうやり方でどの程度人が張りついてやっているんでしょうか。 ◎長沼 人権・男女共同参画室担当課長 昨年の4月より運用を始めておりますが、現在のところは、人権・男女共同参画室の職員が端末を利用いたしまして、ネット検索を、おおむねですが、1時間程度検索を行っているという状況でございます。 ◆木庭理香子 委員 市の職員がおおむね1日1時間ということですけれども、ということは、土日であったりとか、そういった週末は考えていない。祝日であったりとか、週末は行われていないということですか。 ◎長沼 人権・男女共同参画室担当課長 平日のみ行っております。 ◆木庭理香子 委員 今のあり方であると、やはり市の職員が一日中張りついてネットをチェックしたりとかというのは難しいというのはもう本当に明らかだと思うんですね。やはりそういったネット対策、ネット上のリサーチの対策なんかは、外部委託とか、そういうことも対応することを提案したいと思うんですけれども、見解はいかがでしょうか。 ◎長沼 人権・男女共同参画室担当課長 他都市におきまして、委託で行っているというような事例も聞いておりますので、そちらも参考にしながら検討して、いろいろな方法について検討したいと思っております。 ◆木庭理香子 委員 本当にインターネットはもう24時間休むことなく行われていますので、やはり他都市の状況というのが重要なんですけれども、川崎市としてどうしていくのかというのを局長にお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎向坂 市民文化局長 こちらの条例自体があらゆる差別を許さないという決意を持って行っておりますので、予算等も伴うところもございますので、そういった24時間体制というところも含めて、今後、この条例が通ったときに検討させていただきますし、その前も、他都市のほうをしっかり見させていただいて、どのやり方が本当に効果的なのかというところをしっかり検討させていただきながら、対処していきたいと思っております。 ◆木庭理香子 委員 今、予算という話も出てきたので、ちょっとあわせて伺いたいんですけれども、我が会派の代表質問では、川崎市の人権オンブズパーソンについて伺いました。現在、子どもの権利の侵害と男女平等にかかわる人権の侵害に対しては、相談や救済の申し立てができる状況ですけれども、新たな条例のもとでは、そうしたヘイトスピーチについての窓口を設置することは考えられないんでしょうか。見解を伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 人権オンブズパーソンなんですけれども、こちらはパーソン条例第2条では、管轄を子どもの権利侵害と男女平等にかかわる人権侵害としておりまして、その管轄に該当する案件であれば、今後も引き続き、人権オンブズパーソン制度を活用してまいりたいと考えております。  ただ、人権オンブズパーソン制度は、市の機関に対しては調査権を有しておりますけれども、市の機関外に対しては、調査の協力を求めるといったことにとどまっておりまして、強制力を持っていないということもありまして、この条例に、市による支援の根拠規定ですね、先ほどごらんいただいた3の(6)、こちらのほうを設けることで市が直接機動的に対処していきたいと考えております。  人権侵害の事案につきましては、市が対処するときは、その附属機関である差別防止対策等審査会の意見を聞くことも想定しているところです。こちらの所掌事務には、人権侵害に関することについても入れさせていただいております。  なお、この支援の具体的な内容につきましては、人権侵害の状況によってさまざま異なると、人権課題はいっぱいありますので、その状況によっていろいろとさまざまなことが考えられますので、今後、最もそれにふさわしい支援のあり方などを検討してまいります。ヘイトスピーチについても同様に考えております。したがいまして、当分の間につきましては、人権オンブズパーソン制度とこの条例による対応の両方が存在することになりまして、どちらを選ぶかについては市民の選択権に委ねることになりますが、条例制定後の状況等を踏まえながら、この体制のあり方につきましては、効率的、効果的な視点も含めまして、よりよい体制となるよう検討していきたいと考えているところでございます。 ◆木庭理香子 委員 これは新聞報道なんですけれども、先週だったと思うんですが、神奈川県のほうではヘイト110番というわけではないんですけれども、被害者の相談に乗る窓口を設けるということなんですけれども、本市としてはどうなんでしょう。改めて局長に伺いたいと思います。 ◎向坂 市民文化局長 現在、さまざまな窓口、基本的に地域ですと区役所を中心にというところになるかと思いますが、この条例ができましたら、各それぞれのセクションからしっかりとそのものが上がってくるような、そういう体制をつくっていきたいと思っております。1カ所に本当に集まることがいいかどうかというところも含めまして、それの周知ができるかどうかというところも出てきますので、なるべく幅広く相談が受け取れるような形の中で、うまく周知をできないかというところも考えていきたいと思っております。 ◆木庭理香子 委員 局長からは前向きな考えを示していただきました。やはりこれらについての予算などもかかわってきますので、ゆっくりせず、速やかに検討していただきたいなと思います。  次になんですけれども、3の(8)人権尊重まちづくり推進協議会のことについて伺います。人権尊重まちづくり推進協議会差別防止対策等審査会のそれぞれの役割と位置づけについて教えてください。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 まず、人権尊重まちづくり推進協議会でございます。こちらの内容につきましては、この資料の3の(8)の右側にございますように、不当な差別のない人権尊重まちづくりの推進に関する重要事項につきまして、調査審議するということでございます。そのメンバーにつきましても12人以内としておりまして、そこの委員には学識経験者と関係団体の役職員、障害者団体といいますか、そういった関係団体の役職員、それから市民のうちから構成するということで、ここの審議会の所掌事項につきましては、そういった市の施策の方向性といいますか、市の人権施策の方向性といいますか、あとは基本計画の策定の方針ですとか、そういったことを議論していく場になると考えております。  続きまして、差別防止対策等審査会です。次のページの左側の(6)にございます。こちらはもう少し実践的といいますか、記載のとおり、罰則につながるヘイトスピーチの関係の勧告や命令、これについて市の判断が恣意的にならないようにこういったことをチェックする役割ですとか、あとインターネット関係の措置、公表についても同様です。こういった事象が起きた場合についての市の役割をチェックする、審査するという役割と、あとは不当な差別の解消のために必要な事項について意見を聞き取るということで、先ほどオンブズパーソンのくだりでもお話しさせていただきましたが、市のほうで人権侵害事案を取り扱った際に、第三者機関の意見も聞いてみたい、専門家の意見も聞いてみたいというときにこちらの審査会のほうに話をお伺いさせていただくということでございます。  この審査会につきましては、メンバーにつきましては、委員5人以内の組織としまして、学識経験者のうちから委嘱するというような位置づけと、そのような性格のものとしてございます。 ◆木庭理香子 委員 今、市長が委嘱するというふうにもあるんですけれども、市長と附属機関の見解に相違が出た場合、もしくは異なる措置をとる場合にはどのような対応をとっていくんでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 あくまでも附属機関ということでございますので、附属機関の意見につきましては、市としては重く受けとめる必要があると思います。ただ、必ずしも附属機関の意見どおりに市長はしなくてはいけないという決まりがあるわけではございませんので、もし附属機関の意見というものが市にとって採用し得ないものというんでしょうか、採用するのが難しいと判断された場合につきましては、市の判断が優先すると思います。市の判断でもって対応させていただくものでございます。 ◆木庭理香子 委員 次の質問に移ります。いわゆる公の施設の利用制限についてなんですけれども、現在、本市のガイドラインでは、不許可については、言動要件と迷惑要件の2つを満たさなければならないとなっています。憲法であったり、地方自治法や最高裁の判例でも、許可が原則となっておりますから、専門家の間でも、表現の自由との兼ね合いがあって判断が分かれていることになっていますけれども、本市が新しい条例のもとでも、現在のガイドラインを踏襲する形なのでしょうか。見解を教えていただきます。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 こちらは資料の……今、タブレット端末の4ページ目をお開きになっていらっしゃいますでしょうか。こちらの右側に5番の(5)経過措置の記載がございます。(5)のイのほうで、この条例の施行の際に、現に定められているヘイトスピーチ解消法に基づく公の施設利用許可に関するガイドライン、現行のガイドラインです。こちらにつきましては、この条例の前記4の(4)に定められた公の施設の利用許可等の基準とみなすということで、みなし規定を置きまして、基本的には継続すると考えているところでございます。 ◆木庭理香子 委員 本市の場合、今、公の施設を指定管理にしているケースがふえているんですけれども、その公の施設が指定管理者だった場合について教えていただきたいと思います。本市でも、過去に総合自治会館の貸し借りをめぐっての事例がありますけれども、業務の管理代行を行っている指定管理者に、ヘイトスピーチについてその判断を任せるのは困難ではないかなと考えています。指定管理者との仕様書、または協定書の中に、仮にヘイトスピーチヘイトスピーチを行う可能性がある団体が利用を申請してきた場合の対応について、市の責任において判断する、もしくは市と相談することを明文化すべきではないかと考えますけれども、見解を伺います。 ◎長沼 人権・男女共同参画室担当課長 指定管理者の関係につきましては、現在でも基本的には指定管理で施設管理者のほうで判断するということですが、この中では、当然ながら、市のほうとの事実上の相談を行うということでございますので、今、委員から御案内のありましたような方策につきましても検討させていただきたいと思ってございます。 ◆木庭理香子 委員 ぜひお願いしたいと思います。やはり責任のある対応をするには、やはり市がしっかりとかかわることが重要ですので、そこは必ずやっていただきたいと思います。
     続きまして、行政罰についてなんですけれども、これについては、今回、罰則50万円が規定されています。ヘイトスピーチ解消法が罰則規定なしの理念法の枠組みを出ない中で、本市の新しい条例に含まれる罰則が法の枠組みを超えていないのか、どのような確認を行い、適正に対処されたのか伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 まず、罰則規定を設けたことにつきましては、いわゆるヘイトスピーチ解消法ではその前文で不当な差別的言動は許されないことを宣言しまして、理念法とされたところでございますが、本市におきましては、この条例に制裁のための罰則規定として行政刑罰に関する規定を設けることとしております。  こちらの不当な差別が無知や誤解に起因してであればともかく、現に行われることが危惧されるヘイトスピーチというのは、特定の国の出身者等を排除することという明確な意図を持ったものでありまして、もはや教育や啓発の対応による限界を超えていると判断しております。こういった不当な差別的言動を繰り返し行う者に対しては、抑止効果のある制裁のための罰則規定をもって、社会からヘイトスピーチをなくしていきたいと考えております。  一方で、やはり日本国憲法が保障する表現の自由は非常に重たいものと考えておりますので、罰則については慎重に検討する必要があるものと考えております。ただ、一方で、表現行為が他者の生命、身体、自由、名誉、財産などの具体的な侵害に及ぶ場合につきましては、表現の自由といえども、その表現の自由の保障の限界を超えるものとして、その制限が正当化される場合もあるというものでございます。例えば刑法でも所定の脅迫ですとか、名誉毀損ですとか、侮辱、信用毀損、業務妨害といったものは、表現であっても、それは規制の対象になってくるというところでございます。その場合は、先ほど申し上げましたように、どういった行為が罰せられるかということについて明確性が求められるところではありますが、この条例では、その罰則を想定していない国のヘイトスピーチ解消法で定義されるところの本邦外出身者に対する不当な差別的言動、これに比べまして、一定の要件をかけて限定を加えた上で、表現も具体的にして明確性の確保を図っているところでございます。これも先ほどお話ししましたが、その表現の自由の配慮の規定を設けまして、条例そのものが違憲となることは避けるようにしているとともに、運用においても、より一層慎重に判断するために、当局の判断だけでなく、附属機関の意見も聞くことにしているところでございます。  それから、ここはさらに重要になってくるんですけれども、あくまでもこちらは行政刑罰を選択したということでございますが、行政刑罰を選択したということは、一行政機関、地方公共団体である本市、川崎市の場合、一行政機関の地方公共団体にすぎないんですが、この判断だけではなくて、司法機関、検察や裁判所による二重、三重のチェック、そういったステップを踏むようにしてございます。これが例えばポイ捨て禁止ですとか、路上喫煙防止みたいな過料、過ち料だけでありますと、違反したら、市の判断ですぐそういったものを執行するという形になってしまうんですが、やっぱりそれも危険性が表現の自由との関係でありますので、そこは司法機関の検察や裁判所による二重、三重のチェックをかけて、二重、三重のステップを踏むということで、表現の自由に対しても配慮しているところでございます。そういった危険……行為に対して、制限、限定をかけるといったような規定の工夫に加えて、そういった二重、三重の過程を経るような仕組みとすることで、違憲との指摘を受けないで、罰則の適用についてもより適切な判断につながるものと考えているところでございます。 ◆木庭理香子 委員 今回、罰則の中で、50万円以下の罰金に処すると設けられているんですけれども、その罰則金が50万円以下とした根拠について教えてください。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 こちらの条例により、刑罰の対象となる行為は、集会、言論等の表現行為でございまして、憲法第21条が表現の自由を保障していることに鑑みますと、刑罰の内容につきましては、抑制的である必要があると考えてございます。また、こちら、本条例による刑罰の対象となる行為は、基本的に川崎市の条例でございますので、川崎市以外においては禁止されてこないということもございまして、そういったことも考慮していく必要があるというところです。そこで、それを検討するに当たりましては、類似の犯罪の法定刑を参考にする必要もございますので、この表現行為が犯罪の構成要件に該当する案件につきまして、比較考量を行っております。その一つが名誉毀損罪でございまして、名誉毀損罪につきましては、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金となっているところです。さらには、神奈川県の迷惑行為防止条例第2条で、粗暴行為に対する、路上等で粗暴行為を行うようなものを罰するものがあるんですが、こちらがまた50万円以下の罰金もしくは拘留もしくは科料という形になっております。  それから、本市の条例ではありますが、川崎市屋外広告物条例、広告物の表現の1つと考えられますので、その禁止地域における広告物の掲出、こういったものにつきましては、これに違反すると50万円以下の罰金となっているところでございまして、そういったものを勘案して、今回50万円以下とさせていただいているものでございます。 ◆木庭理香子 委員 それは、また法人の場合は、行為者を罰するほか、法人等も罰するとしています。これについては、市のホームページなどで氏名や法人名を公表するということなんでしょうか。伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 こちらは、ただいま委員がおっしゃったのは、資料の4ページ目、右側の罰則の部分かと思うんですが、「また、法人等の場合においては、行為者を罰するほか、法人等も罰する(両罰規定)」というものでございます。こちらにつきましては、公表の規定とは全く別物でございまして、刑事罰を科する際に、よく定型的に国の法律でも、本市の条例でも設けられる規定でございまして、個人等を罰するだけでなく、個人にやらせた者、組織監督に当たった者についても同様の刑事罰を科すということで規定を持っているものでございます。そういったものでございます。 ◆木庭理香子 委員 同じように、インターネットの書き込みをした者に対する罰金等の対応はいかがなんでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 インターネットの書き込み等をした者に対する罰則規定なんですが、あくまでも今回罰則の対象となりますのは、資料のタブレット3ページ目の右側にございます、先ほど限定したという、4の(2)のところです。あくまでも公共の場所、道路、公園、広場、駅その他の公共の場所において、特定の類型の言葉、表現をもって、拡声機とかを用いてやった者というものに限定になりますので、それ以外の行為につきましては、罰則の対象外となっているものでございます。ただ、罰則の対象外になった、こういったそれ以外の差別対象行為が行っていいという理解は誤りでございまして、あくまでも、そこの対象はそういうふうになっているわけでございまして、差別は当然ながらしてはならないものですし、しない、させない、許さないという姿勢を持って対応していきたいと考えているところでございます。 ◆木庭理香子 委員 今、ネットのほうはというお話、あくまでも公共施設でとか、そういうところをおっしゃったんですけれども、一番大きいところは、やはりいじめの問題にしてもそうですけれども、ネット上で何か書き込みをするとか、そうしたことが一番問題だと思うんですよ。そこに対する規定が何もないのは、何か魂が入っていないように思われるんですけれども、先ほども予算の前にしっかりと外部委託する、モニタリングについては外部委託するのかとか、そういうことも申し上げましたけれども、そうしたことへの規定をしっかりと盛り込まれていなければ、幾らネット上の検索をしたりして調査したとしても、意味がないものにならないでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 インターネットにつきましては、規定のほうは設けてございまして、ただ、罰則の対象にしていないというだけでございまして、市のほうといたしましては、資料の3ページ目、タブレット端末で3ページ目になりますか、こちらの左側に3の(6)として人権侵害を受けた者に対する支援といたしまして、市は、関係機関等と連携し、インターネットを利用した不当な差別その他の人権侵害を受けた者に対する相談の実施その他必要な支援に努める、とさせていただきまして、当然、市としては、そういった被害、人権侵害がありましたら、その支援に努めていくということをうたわせていただいております。ただ、規制のことに関しましては、先ほど御説明いたしましたように、差別的言動差別的取り扱いの違いがございまして、差別的言動というのは、やはり表現の自由にかかわっていくものでございますので、おいそれと条例でしてはならないとは……。これがパンフレットとか、そういった広報啓発物であれば、してはならないとうたってもよろしいんですが、条例は法規でございますので、これをしてはならないとしますと、相当な違法行為、不法行為のというものを構成することになりますので、そこは相当慎重にやらないといけないと考えたところでございます。 ◆木庭理香子 委員 今、御説明を伺ったので、現段階ではインターネットまでをというのはちょっと難しいのかなとは思いますけれども、やはり今回こういった条例を制定することによって、第一歩につながっていけばいいなという期待を込めて、もう一つ、次の質問に移らせていただきます。  これまでも川崎市内ではあちこち至るところで器物、例えばベンチであったりとか、壁であったりとか、そうしたところへの落書き、特にヘイトクライムについての対応はどう行ったんでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 その具体的な対応につきましては、今年度の年度初めに庁内検討会議で、そういったものがあった場合につきましては、適正な対応に努めるということで、通知ですとか、通報ですとか、器物の状態の保存ですとか、連絡について、改めて関係各局にも周知してございまして、その内容に沿いまして適切な対応を引き続き行ってまいりたいと、そのように考えているところでございます。 ◆木庭理香子 委員 このヘイトクライムについては、これまでも100件近い事例が報告されている中で、警察からの報告等は受けているんでしょうか。何も対応されていないように私たちには見受けられるんですけれども、そこはいかがでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 警察からの通報につきましては、今、私のほうでは把握してございません。ただ、そういった発見した市民の方からの通報とか、そういったものはございますので、そういったときにつきましては、先ほど申し上げたように、庁内のほうでマニュアルというんでしょうか、そういったものを定めさせていただきまして、適切な対応に努めてまいりたいと思っているところでございます。 ◆木庭理香子 委員 今後ではなく、これまであった事例に対する捜査なんですけれども、調査なんですけれども、そのことについていかがでしょうか。 ◎池之上 人権・男女共同参画室長 この間、ベンチ等の落書きに対しましては、当然被害届を市としては出してございます。警察のほうも一定の捜査をしていただいていると思うんですが、やはり現行犯というんですか、書いてあるものについての事実確認は警察のほうにも届けが出ておりますので、一定しておるところでございますけれども、その捜査の結果については、我々、少し情報をいただいておりますけれども、映像等での確認がとれないと、なかなか難しいという状況もあるようなので、書いた方についての特定そのものは、まだ警察のほうでどこまでできているかは定かではございません。被害届を出す中で、警察のほうとは連携をしながら、やはり警察もこうした事象が続くということは好ましいとは思っていませんので、市のほうと、我々のほうと連携をしながら、なるべくこうした行為がなくなるように、啓発に努めていきたいと思いますけれども、捜査のほうは引き続き、継続しているというのが今の状況だと思います。 ◆木庭理香子 委員 そうしたことは現行犯でないと難しいというのであれば、例えば防犯カメラを所管するのも市民文化局さんですし、私たち会派の、公園であったりとか、公共施設への防犯カメラの設置なんかも常に求めてまいりましたので、やはりそうした犯行が行われた場所、あとは犯行が行われそうな場所については、積極的に防犯カメラ等も設置をして、証拠をしっかりとつかむような対策も講じていただきたいなと思いますが、局長、いかがでしょう。 ◎向坂 市民文化局長 防犯カメラの設置についてでございますけれども、設置する施設によって使われ方の性質等、どういう方が来られるかというような部分もあって、なかなかここには必ずつけられるかというようなところも難しい判断が必要になってくるかと思います。そういったところも今勘案しながら、どのようにしたら犯罪自体が防げるかというところ、まちの安全安心というところを含めて今、事件等もございましたので、あわせて検討しているところでございます。 ◆木庭理香子 委員 防犯カメラについては、それこそ賛否両論あるわけですけれども、今、例えば渋谷のスクランブル交差点でのすごくひどい状況についても、防犯カメラを追跡調査していったことによって犯人が特定されてとか、今回の厚木の脱走事件についても、やはりそうしたことも効果をなしているわけですから、やはりその防犯カメラ、今後の、今置かれている日本社会においては、防犯カメラがあることについて否定的に考える市民はそんなにいないんじゃないのかなとも考えられますので、やはりそこについては恐れず、前向きに検討していただくことをこれは要望させていただきたいと思います。  あと、資料2の一番下です。4番の(3)の一番下、公表・罰則とあります。この公表した後の対応については、市が司法当局に対して告発行為を行うという解釈でよろしいんでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 委員おっしゃるとおりでございます。 ◆木庭理香子 委員 となると、どこに対して告発するということになるんでしょうか。警察でしょうか、それとも検察なんでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 刑事告発につきましては、警察にやる場合と、検察にやる場合と両方認められているところでございます。その事案によって判断していくことになるかと存じます。 ◆木庭理香子 委員 今回条例を制定するに当たって、今回の件については司法当局との協議とか、やりとりについていったんでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 これにつきましては、検察庁と協議を行わせていただいたところでございます。 ◆木庭理香子 委員 今回ですけれども、市が告発行為を行って、司法の場で判断が下されるという解釈でよろしいんでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 委員おっしゃるとおりでございます。 ◆木庭理香子 委員 わかりました。ちょっとほかにもお聞きしたいことがあるんですけれども、ほかの方もお聞きしたいと思うので、以上で、とりあえず結構です。 ◆山田瑛理 委員 何点か質問をさせていただきます。まず、ちょっと具体的に教えていただきたいと思うんですが、3の(6)のところで、市は、関係機関等と連携し、とありますが、この関係機関というのを具体的に教えていただけると……。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 まずは、横浜地方法務局川崎支局と市とで連携してやってございます。まず、そこが第1に挙げられるかと思います。それ以外の関係団体もございまして、人権啓発等を行っている団体等もございますし、またさらには、各人権部門というんですか、人権絡みとして、それぞれの当事者団体等もございますので、そういった団体との連携を進めていきたいと、そのように考えているものでございます。 ◆山田瑛理 委員 ありがとうございます。  次になんですが、本来、ヘイトスピーチというところは、本邦外出身者に対する不当な差別的言動だけではなくて、今回も盛り込んではありますが、例えば性的指向、障害をお持ちの方、そういった方々に対してのヘイトスピーチも含まれるということだと思います。本条例のこの4以降に関して出ていますヘイトスピーチというものに関しては、基本的には、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を指すということでよろしいですか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 そちらは委員のおっしゃるとおりでございまして、ヘイトスピーチという定義でいいますと、一般的には本邦外出身者に対する不当な差別的言動ということで、さらにその定義というものは、その資料の左側にございます2の(2)にありますとおり、法律のほうです。ヘイトスピーチ解消法、既に平成28年に定めたものがあるんですが、その法で第2条に定義規定が設けられてございます。定義規定そのものの中身はこちらの資料に記載してございませんが、そちらのほうで定義が書かれているものでございます。ですので、こういったヘイトスピーチ本邦外出身者に対する不当な差別的言動といった場合につきましては、いわゆる外国人とか、本邦以外の出身、本邦以外にある国、もしくは地域の出身であることをもって差別するといったもの、そういったものが対象になるということでございまして、そこには定義規定が書いてございますが、性別、性的指向といったものは含まれてございません。ただ、こういったこの条例のターゲットにつきましては、当然ながら、委員がおっしゃった性別、性的指向につきましても、その不当差別の解消を図るということをテーマにしてございますので、罰則への規制こそかかりませんが、これに対する取り組み、普及啓発ということ、人権教育人権啓発の取り組みですとか、人権侵害を受けた者に対する支援というものは、この条例の中で行っていこうと、そのように考えているものでございます。 ◆山田瑛理 委員 ありがとうございます。今回、そうしますと、そのヘイトスピーチというところで、本邦外出身者に対する不当な差別的言動というところになるということで、今回なぜ、例えばそういった性的指向ですとか、障害をお持ちの方で、一応条例としては盛り込んではいるんですけれども、今回ヘイトスピーチでそこを盛り込まなかった、そこは含まれないというところがなぜなのか、根拠とかがあったら教えていただけたらと思います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 まず、平成28年7月に市長がヘイトスピーチ対策に関することにつきまして、人権施策推進協議会に優先的に審議を依頼したところでございます。それは資料の、タブレットの2ページ目です。こちらのほうに記載しているところでございますが、ヘイトスピーチについてを優先的に審議を依頼したという経過でございまして、その後、同じ年の12月に答えが返ってきた、提言が返ってきたんですが、その項目の一つに、人権全般を見据えた条例の制定に必要な作業に入るべきであるとされたことを踏まえまして、人権全般を見据えた条例の制定に向けて検討を進めているところでございまして、この条例につきましては、ヘイト対策だけを特出ししたものではないです。  一方で、先ほど申し上げたヘイトスピーチ解消法ですね。これも同じ平成28年6月に施行されたものですが、こちらでは地方公共団体の責務として、当該地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めることと、そういったことは認められておりまして、ヘイトスピーチ解消法の立法事実となりましたヘイトデモが行われた本市におきましては、今なお、そのような行為が再現されかねない事象が継続しているといった地域の実情があるところでございます。  こうした本市の実情を踏まえまして、公園の不許可処分の際の市長のコメントにはございましたけれども、市民の尊厳を守る、そういったことのために、このような差別的言動を繰り返す者に対しては、この条例上に制裁のための罰則規定として、行政刑罰に関する規定を設けようとしたものでございます。  なお、この人権全般の分野、LGBTとか、そういった分野を捉えて、不当な差別的取り扱いの禁止の規定ですとか、それは(3)にございますが、3の(6)にございますように、人権侵害を受けた者に対する支援の規定、こういった規定を設けることによりまして、これらの条文を根拠にして、ヘイトスピーチ以外のものにつきましても必要な対処ができるようにしているところでございます。 ◆山田瑛理 委員 ありがとうございます。  次に、4の(3)のところ、勧告等のことに関してをもう少々お聞きしたく思っております。これは発端のところでいうと、例えば市民の方からの通報、被害者の方からの通報、まず始まりがあるかと思うんですけれども、そういった方々はどこにどう通報すればいいということになりますか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 どこに通報ということであれば、私どもの市民文化局にお知らせ願いたいと思ってございます。あくまでも市民文化局が事実を把握した上で、それを後日、差別防止対策等審査会に意見を聞きまして、ヘイトであったかどうかということを判断していただくという仕組みになってございまして、それで、その次にまたデモですとか、そういった大きな行為が行われるということがございましたら、それに対して勧告をかけていくといったような仕組みになってございます。 ◆山田瑛理 委員 そうしましたら、では、市民の方や被害者の方が市のほうに通報というか、連絡をします。その後で勧告等々が実際に行くかと思うんですが、勧告後は見張る形にされるのですか。要はどのように2回目、3回目という形で進んでいくのかなというのがわかったら。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 まず申し上げておきたいのは、事後的に通報があった場合に対応するものではなくて、あくまでも事前的な通報があった場合に対応させていただくということになります。あくまで実際にやったという事実を市のほうで確認して、初めて次のステップに行くと考えておりまして、事前通報がありました、市のほうでも確認、現認しました、映像等や音声の記録もとりまして、それを差別等審査会で見ていただいて確認します。差別等審査会でもこれは確かに該当する違反行為ですねと確認しました。その後に、またやっぱり事前通報、事前の情報提供というんでしょうか、もしくは予告でしょうか、そういったものがありましたら、その情報をもって、今後行われる蓋然性があると判断しましたら、市のほうで勧告を出すと、そのような流れで考えているところでございます。 ◆山田瑛理 委員 事前に情報を市のほうが把握するって本当に大事なことだと思いますが、それは例えば市民の方等々からの通報、そんなことがありそうです、というところですが、あとは何度もこの言葉を言っちゃうんですけれども、割と見張っていく形にもなるのか、事前に市のほうも積極的に事前に行われるようなところを把握していくように努めているのか、そういったところは今どうなっているんでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 随時、路上や公園を見張るというわけにもいきませんので、それはやはり情報提供がございましたら、その日その場所で実施されるという情報に基づいて、市のほうもそこに出向いて、現認、確認させていただくとしているものでございます。 ◆山田瑛理 委員 事前に把握する努力っていうのを市のほうがしっかりとしていくべきかなとは思うんですけれども。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 その辺のアンテナを張って、しっかり把握に努めていきたいとは考えております。 ◆山田瑛理 委員 ありがとうございます。  続きまして、インターネット表現活動に関するところで何点か伺わせてください。インターネット表現活動に関する措置について、ネットというのは本当に匿名性の高いものということがあるかと思いまして、例えば当該者を特定するようなことはしていく考えはないでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 まず、一義的にはそれを特定するということは考えていないところでございます。こちらから積極的にということは考えていないところでございます。 ◆山田瑛理 委員 ありがとうございます。もう既に局内で何人かの方がパトロールといいますか、ネット上のパトロールをされているということでしたけれども、この条例制定後も、同様の組織を局内に置いてしっかりと情報を取得していくようにされるんでしょうか。組織としてしっかりつくってという……。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 この点につきましては、先ほど木庭委員からございましたとおり、組織のあり方につきましては、改めて庁内関係部署と連絡調整といいますか、協議を続けまして、必要な体制の構築に努めてまいりたいと、このように考えているところでございます。 ◆山田瑛理 委員 ありがとうございます。  あと少し罰則のところに関して伺わせてください。先ほど50万の根拠というところは理解したんですけれども、これは年齢の設定等というのが、今、年齢です。罰則者の年齢設定はあるんでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 基本的にはないものと考えてございます。ただ、あとは関係法律の規定に従って、そこは刑を犯した者の……そこはちょっと具体的には申しわけないんですが、そういったものに従って考えられると考えております。 ◆山田瑛理 委員 ありがとうございます。先ほども司法のほうと連携して、二重、三重にチェックをした上で罰則に進んでいくとおっしゃっていたかと思うんですけれども、そうしたら、例えばどれぐらいの日数がかかるか、想定としては、この方は罰則をしなければいけないかもしれないという方がいたときに、どれぐらいの日数がかかりそうな想定になりますか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 実際、刑事告発してからどれくらいの日数がかかるかというのは、やはり検察等の手続になってまいりますので、私どもから具体的にどれぐらいかかるというのは、ちょっと申し上げにくいところではございます。一般に起訴した場合に、裁判所に、通常の公判にいった場合につきましては、やっぱり時間がかかるでしょうし、もう少し簡単な裁決方法の、略式命令とか、そういったものがあるみたいなので、そういったものになれば少しは早くなるのかなと考えているところでございます。 ◆山田瑛理 委員 ありがとうございます。ヘイトスピーチというところでいいますと、カウンターをされる方々、そちらのほうに関しては、今回のこの条例は対象としている、今、どうお考えなのか教えてください。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 この条例につきましては、あくまでも人権に対する条例でございまして、あくまでも不当な差別を解消しようといったものでございますので、あくまでもそういった行為が不当な差別に当たるかどうかということをメルクマールとしています。そもそも条例の目的が不当な差別を解消して、人権を守るとなってございますので、その目的の範囲でない規制については、特段こちらのほうは対応していないというものでございまして、そういった規制が必要であれば、またそれはそれの目的を持つ条例というのが別途必要になってくるものと考えております。 ◆山田瑛理 委員 ありがとうございます。 ◆浅野文直 委員 こうした条例であれば、当然法律でもそうですけれども、憲法における表現の自由というのがどうしても大きな命題になって、話になるわけで、特に川崎のこの条例については、罰則を設けるということなので、かなり慎重に、しかも細部にわたって何をしたら抵触しますよということを示していかなければならないと思うんですけれども、今の山田(瑛)委員とのやりとりでも、ヘイトスピーチに含むもの、含まないもの、そういった範疇の話をされておりましたが、定義、いわゆるこの資料2の総則で定義ということを示しております。もう一概にそれぞれの事由を理由とする不当な差別という言葉でくくっていて、不当な差別的言動をもってこのヘイトスピーチ解消法のいうところの中身に含めると規定しているんですけれども、こうした活動をされる方々の想像するに、多くの方はいろいろ政治的信条の違いだとか、歴史的見解の相違だとか、また、制度的に相互、互恵条約がないにもかかわらず、なぜ例えば生活保護を支給していくのかとか、さまざまな政治的な問題から、感情的になったり、生理的なものになったり、または他国の方が犯罪を起こすと非常に目につきやすかったりということがあって、徐々にそういうふうになったんじゃないかなと勝手に推測をしているんです。  そうした表現の自由との問題で、そうしたものの根本にある問題の中には、逆にプラカードも立てて、拡声機も使用して、堂々と活動を広げるべき問題というのもあるわけですよ。例えば慰安婦の強制の話であったり、徴用工の強制使用の問題であったり、政治的な問題の中には、堂々と声を上げて言っていく問題というのは多々あるわけで、その不当な差別的言動をしたらこういったものになりますよということの中に、そういったことが含まれてしまうんじゃないかというおそれを抱かせることによって、本来行えるべきものに萎縮を与えるということを、この表現の自由というところから考えると、非常に危惧するんですね。ですから、そうすると、こうした定義で、一つ一つこういう言葉を使ったらだめだよとか、これを言ったらだめだよということを規定することは非常に難しいと思いますし、不当的な言動ということを言えば、誰でも理解はできると思うんですよ。ただ、問題はそれにこういったことも含まれてしまうんでないかというおそれを抱かせないためには、どこかに、例えば米印か何かで、なお、こういった活動はそういったものに含むものではないという、できる規定じゃないんだけれども、あくまでもそういったことも類型の中には書いておいてあげるべきじゃないかなと。  これはやっぱり罰則を規定することを行う以上は、それによって表現の自由等に萎縮行為をさせないようにする、そういった配慮が必要なんじゃないかな。そもそも公民館等を貸すか、貸さないか等のそのガイドライン等があっても、そもそもヘイトスピーチの解消法でもそうですし、今回の条例でも、そこの部分をガイドラインとして、これがだめですよ、あれがだめですよということを一つ一つ定義していくことは非常に難しいわけですから、そう考えると、何がだめなのか、でも、こういったことはこれに抵触することではないんですよということを書いておいてあげないと、この後、パブリックコメントを市民の方に求めるにしたって、漠然と悪いことはやめましょうということは言えるでしょうけれども、なかなか市民の方から自分たちが本来言いたかったこと、活動するべきことに萎縮がされてしまうんではないかということの払拭にはつながらないんじゃないかなと思いますので、そこの1点はいかがでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 本邦外出身者に対する不当な差別的言動の禁止に関する外縁の話というんでしょうか、どこまでが禁止で、どこからが禁止じゃないのか、そういった点についての御懸念をおっしゃられたのだと思いますが、まずこちらは、このパブリックコメントの資料にないものでございますが、こちらの資料では、タブレット端末で3ページ目になりますが、こちらのほうで発言の類型としましては、特定の国若しくは地域の出身である者またはその子孫を、本邦の域外へ退去させることをあおり又は告知するものですとか、特定国出身者等の生命、身体、自由、名誉または財産に危害を加えることをあおり、または告知するものとか、特定国出身者等を著しく侮蔑するものということで、ある程度具体的に記載させていただいたところでございます。これの参考にしたのが、例の桜本の事件があった後に、横浜地裁川崎支部で出された仮処分命令なんですが、仮処分命令はある程度具体的にありまして、そこでは実際に発言されたことをここで申し上げるのははばかれるような発言をされた内容が書かれてあったんですが、さすがにそれをここに記載するわけにはなかなかいかない部分もございまして、できるだけそういったものは、もう類推できるような言葉ということで、この3つの表現というものを掲げさせていただいたところでございます。  また、実際やったことが表現の自由の萎縮効果になるんじゃないかと、そういった懸念につきましても、あくまでこの条例は表現の自由を尊重しているものだということで、次のページの、先ほども御説明させていただきました表現の自由等への配慮というところに記載させていただくことによって、そういったことはあくまでも表現の自由を不当に侵害しないように留意するということも定めてまいります。また、実際、この解釈指針というんでしょうか、条例をつくった暁には、よりそういった疑問も生じることも考えられるところでございますので、そういった解釈指針等も1つ定めていくことはやっぱりやっていかなくちゃいけないんじゃないかなと考えているところでございます。 ◆浅野文直 委員 そもそも国の議論のときに非常に懸念されていた部分なので、今指針等、これは当然必要だと思います、罰則までつくる以上はね。ですから、今言ったような不当な言動というのはほとんどの方はわかると思いますけれども、それ以外に、逆に本来できるべき活動についての萎縮を与えない、そういったところに配慮した文章もきちんと明示をしていただいて、本当にそういった活動をしようとしている方々が逆にそれを見たときに、こういったものは、この条例に含まれるものではないんだということがある程度わかるように、極力手を尽くしていただけるようにお願いしたいと思います。結構です。 ◆片柳進 委員 私たち日本共産党市議団は、もとよりヘイトスピーチが危惧されるような現場にも立ち続けて、ヘイトスピーチは許さないと、許されないという声も上げ続けて、広く市民にその実態も知らせて、ヘイトスピーチをなくすために力を尽くしてきたものですけれども、今回の素案は、先ほど答弁にもありましたけれども、ヘイトスピーチ解消法からさらに踏み込んで、表現の自由を乗り越えて規制するものだと、先ほど答弁もされたようなこともあるもので、市民の自由に対してもさまざまな影響を及ぼしかねないと、こういう指摘する法律関係者なども多くいる問題でして、厳密、慎重に審議しなくてはならないし、この点からもまずは細かく質疑をさせていただきたいと思います。また、この素案についても、これまでの経過でも、また市長の説明などでも、実効性という言葉がキーワードとされてきたと思います。この点でもこの条例素案が、本当にそういう点では実効性のあるものになっているのかどうか、こういう点についても詳細に検討しなければならないと思いますので、逐一、かなり詳細にもわたりますけれども、質疑して確認、検討させていただきたいと思います。  初めに、1つ目なんですけれども、資料の1の2番、人権施策推進協議会からの提言というところで、この条例自体が「ヘイトスピーチにつながっていく土壌に、直接対処する」という条例だとされていますけれども、この提言に具体的に対応するのは素案のどの部分になるのか伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 こちらの提言になされました「ヘイトスピーチにつながっていく土壌に、直接対処する幅広い条例が必要である」ということでございます。こちら、何を言っているのかということでございますと、ヘイトスピーチをするということは、やはりそういった人々の差別的意識というものが根底にあると、もともとそういったものが根底にあるので、ヘイトスピーチにつながっていくものだと考えたものと考えております。そういった差別的な意識に働きかけるにはどういったものが必要になってくるかといいますと、やはり先ほどお話にも出ましたが、人権教育人権啓発といったものが必要になってくると思います。それに対応した規定といたしましては、こちら資料2の左側の3の(5)にございますように、人権教育及び人権啓発の規定というものがそういったことに対して有効といいますか、対策になるのではないかと考えているところでございます。 ◆片柳進 委員 次に、資料2の2番の総則のところの(2)定義ということについてなんですけど、初めのアのところで、人種、国籍、民族と、同じ似たような系列の言葉が3つありますけれども、それぞれどういう定義になっているんでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 それぞれの定義につきましては、憲法や子どもの権利条例、それから私どもの人権イニシアチブ、人権施策推進基本計画といったものについて表現されているものをそれぞれ引用して定めているところでございます。  人種、国籍、民族の違いということについての御質問ということであれば、これは書かれているとおりという答えになると思うんですが、人種ですと、やはり日本人とか、朝鮮人、そういった一般的に言われている人種でよろしいかと思いますし、国籍についてはそのとおりで、どの国の国籍を持っているかどうかでよろしいかと思います。民族につきましては、人種とかなり近い部分もあるのかなと思うんですけれども、それぞれどういった民族に属するかというものはやはりあったと思いますので、その言葉のとおりでよろしいかなと思っているところでございます。 ◆片柳進 委員 また、この定義の中で出身ということも含まれていますけれども、これは部落差別も含むと理解してよろしいんでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 委員おっしゃるとおりでございます。 ◆片柳進 委員 次に、3番目、(3)の不当な差別的取扱いの禁止ということなんですけれども、先ほどの木庭委員への答弁の中でもありましたように、言動ということも含まれてしまうと、表現の自由への挑戦というか、そういうことになってしまうので、ここでは切り分けて取り扱いというふうに記述したというようなことだったんですが、大体そういう理解でよろしいでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 こちらのそもそも条例の適用対象の範囲としたいのは、不当な差別の禁止ということでございまして、そこには差別的取り扱い差別的言動も含んで対応していきたいと考えているところでございます。特にインターネットの規制につきましては、差別的言動に属する部分になってまいりますので、そういった部分についても当然、川崎市としては何らかの手は打っていきたいと。先ほど御説明したように、3の(6)で人権侵害に対する必要な支援とか、そういったものでターゲットにしていきたいと考えているところでございます。  ただ、この条例で禁止規定を持つとなりますと、やはりそれは、先ほど申し上げたように、これは広報物、啓発物といったものではございませんで、あくまでも法規になりますので、法規の上でしてはならないという規定を設けることは非常に厳しいものでございますので、そこについては、表現の自由と関係してくる差別的言動につきましては、本当は差別してはならないとばんと書きたいところではあるんですけれども、そういうわけにもなかなかいきませんので、そこはほかの障害者の差別解消の基本法ですとか、既に男女平等かわさき条例もございますように、差別的取り扱いをしてはならないといったような規定を設けさせていただいたところでございます。 ◆片柳進 委員 そうしますと、この3の(2)と(3)の中身についてなんですけれども、(2)では、市民及び事業者はとして、協力に努める、人権に関する施策に協力に努めるという規定で、(3)は、冒頭が「何人も」といって、不当な差別的な取り扱いをしてはならないと禁止をしているわけです。この「何人も」といえば、当然市民や事業者も含んでくるということになると思うんですけれども、この市民が両方に含まれているわけですけれども、一方では禁止、一方では努めると別の規定としているのはどういう理由なのかお伺いします。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 まず、禁止の部分につきましては、こういうことはしてはならないということで、明確に市の姿勢としても禁止規定を打ち出させていただいたものでございます。(2)の市民及び事業者の責務につきましては、相当幅広い概念ということで、市の実施する不当な差別を解消するための施策、その他の人権に関する施策等、市の実施するようなそういった施策には協力してくれよということで、お願いではないんですけれども、そういったことで規制というものとは少し違ったような観点で規定させていただこうとしているものでございます。 ◆片柳進 委員 次の点に移りたいんですが、この3の不当な差別のない人権尊重まちづくりの推進というところでは、言動についてまでは規制はしないというような形だと思います。  次の4の(2)の類型や手段についてみると、例えば障害者や性的マイノリティーの方々に対して、日本から出ていけだとか、虫に例えるようなことだとか、生命に危害を加えるような、そういう侮蔑的な発言、言動が拡声機やプラカードで障害者、性的マイノリティーの方々に対して行われたとしても、これは言動であって、取り扱いではないから、ここの禁止規定からは除外されるということでいいのか。言い方をちょっと変えると、禁止をされるのはあくまで取り扱いということなので、つまり障害者や性的マイノリティーの方々の、例えば時給を障害や性自認、性的指向などを理由にして、それ以外の人々より安くしたと、低くしたという不当な取り扱いがあって、初めてここで言う、してはならないということに当たるということになるのか、その点を伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 LGBTや障害の方に関しましてのそのようなヘイトスピーチと同じような言動、拡声機を使って出ていけとか、虫や何かに例えるようなことがありましたら、当然これはそういった規制の対象にするべきとは思っております。ですが、今現在、川崎市におきまして、ヘイトスピーチにつきましては、ヘイトスピーチ解消法で立法事実となりましたヘイトデモが行われ、また今後もそういった行為が再現されかねないといったような事象が生じている、そういった地域の実情に応じつつあるところでございます。やはりそこは表現の自由に対する規制となってまいりますので、やはりそこは相当慎重に考えなければならないということでございますので、ヘイトスピーチに関しては、そういった立法事実がありますので、しかも基本的にこういったものに対しては、原則教育ですとか、啓発によって対応していきたいと思ってはおるんですけれども、やはりこれは確信的にやっているところもございまして、限界を超えていると判断しておりますので、これはやむなくこのような禁止規定を設けてやろうとしているものでございます。  ただ、一方、LGBTや障害につきましては、そういったことであればもちろん対応すべきなんですが、今のところそういった実情まではないと認識しておりますので、あくまでも今回の規定につきましては、ヘイトスピーチを対象にこのような禁止規定を設けさせていただいているところでございます。それ以外のものにつきましては、差別ということに関しましては、何回も、先ほども申し上げておりますけれども、それ以外の禁止規定になっている以外の差別というものが許されるわけでは当然ございませんので、そういったものに対しても当然対処していきたいと思っておりますし、市としても普及啓発、教育や啓発ですとか、必要な支援に努めてまいりたいと、そのように考えているところでございます。 ◆片柳進 委員 次も質問なんですけれども、この取り扱いの禁止と、不当な差別的な取り扱いをしてはならないということについてなんですけれども、憲法14条でも、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」といっているわけですから、これは既に禁止されているのではないかなと思うんですけれども、改めて今回の条例の中に規定する意義はどういうところにあるのかお伺いします。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 委員おっしゃるとおり、この差別的取り扱いの意義については、憲法14条でも規定されている部分でございます。ただ、本市の姿勢というんでしょうか、今回、差別のない人権尊重まちづくり条例ということで、これをテーマに提出する以上、そういったことを改めて規定していくことは必要ではないかと考えたものでございます。 ◆片柳進 委員 先ほどの一つ前の答弁の中身になりますけれども、私が例に挙げたように、先ほどの類型にもあるような虫に例えるだとか、出ていけだとか、生命への危害まで含まれるような言葉で侮蔑されたとしても、一方ではそれが禁止される人がいると、一方では禁止されない属性の人がいると、そのことが同一の条例の中に出てくることになってしまうということは、それがいいのか悪いのかといったら、どっちも悪いんだけれども、そういう話だったと思うんですね。そういう規定をしている条例というのは、ほかの都市にはあるのでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 禁止規定そのものについては、そもそも罰則を設けるのが本邦初というところもございまして、そういった他都市において禁止規定を設けて差別的行為を禁止しているというものは聞いてはございません。ただ、差別的取り扱いにつきましては、禁止するといいますか、それをやってはならないという部分は本市の男女平等でもございますし、やっているところではございます。  ひとまず以上でございます。 ◆片柳進 委員 この項目について、最後申し上げたいんですけれども、先ほどLGBTや障害者などに対しては、立法事実があるとまでは言えないというようなことだったんですね。私たちこれまで多くの皆さんから、例えば障害者差別解消法もできて、その禁止条例をつくってほしいという障害者の皆さんの声も多くあるわけですね。そのこと自体がやはり障害者に対する差別があり、立法事実があるということを示しているんじゃないかと思うんです。そういう点では、この構成の仕方、一つの条例の中で、それぞれのことを規定するというあり方にはそういった矛盾があるんじゃないかなということは指摘させていただきたいと思います。  次に、4番目の本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取り組みということなんですけれども、やはりこれ以降は、この条例の一番肝になる部分で、先ほど少し議論もありましたけれども、罰則に係る規定となります。その中で、罰則がかかるものとなれば、やはり罪刑法定主義と言われて、法律では、これに当てはまれば自分は罰せられるということが厳格に、しかも一義的に明らかにされなければならないとされています。そういうことですから、さらに詳細に逐一伺いたいと思います。  この中の(2)で何人も、市の区域内の道路、公園、広場、駅その他の公共の場所では差別的言動をしてはならないとなっていますけれども、このその他の公共の場所というのに対しては、室内は入るのか、市の施設の室内などは入るのか、まずこの点を伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 基本的には室内は入らないものと考えております。ただ、これをオープンスペースとして使う場合、何人にも開放して使うという場合については、これは対象になっていると考えております。ただ、その場合において、拡声機ですとか、プラカードですとか、そういったものが考えられるかというと、そこは考えにくいのかなというところでございます。 ◆片柳進 委員 次の点ですけれども、その次の類型の中で、特定国出身者等という規定が入っているという答弁も先ほどありましたが、等とついているのは具体的にはどういうことを指すのか伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 先ほどの答弁について少し補足をさせていただきますけれども、建物の中につきましても、基本的に出入り自由とか言っている場合に限った話で、どこかの特定の団体が貸し切りで使うとか、そういったことについては含まれてきませんので、そこは御了解いただきたいと思っております。  それから、今の質問についてですが、特定国出身者等と「等」がついている理由ですが、こちらはその前段のほうに略称になる前の文言がございまして、特定の国若しくは地域の出身である者ということで、地域も入っていることから特定国出身者等としているものでございます。
    ◆片柳進 委員 その次のところで、本邦の域外へ退去させることをあおり、又は告知するものとあります。この退去させる、あおる、告知するというのは、それぞれどういう定義なのか伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 端的に言うと、日本から出ていけというものになってまいります。あおるというものは、自分の周りの人に対してそのようにあおり立てるといいますか、自分と同じように考えましょうと誘うようなもので、告知というのは、相手、つまりその場に被害者となる方がいらっしゃって、その人たちに対して出ていけといったようなものが該当すると考えているところでございます。 ◆片柳進 委員 本当に逐一ですけれども、その次のところの多数とは何人以上になると考えているのか、一斉に大声で連呼するというのは、それぞれどういう概念か伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 このあたりにつきましても、個別具体的なケースになってまいると思います。多数というからには2~3人でないことは間違いないのですが、その他につきましても今後詰めさせていただければと思っております。 ◆片柳進 委員 今、個別具体的と言われたんですけれども、最大罰金50万円までということになると、個別具体的にそのとき判断しますということでは、先ほど言った罪刑法定主義という立場からいったらなかなか厳しいわけですよね。一義的に、この条文で見たら、明らかにこれをやったら罰せられるということでなければ罰せられないというのが法律の原則だと思うんですね。そういう点では、この点は明らかに示さなければいけないと思うんですけれども、その点、個別具体的にということでいいのか伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 大変失礼いたしました。これにつきましては、人権に関する法令ということではなくて、こういった行為を処罰する法令があるんですけれども、そういったものの規定を参考にしてやっておりますので、解説とか、そういったものを参考にしながら、また今後、法制当局とも詰めさせていただいて、具体的な人数、先ほど解釈指針の話もございましたが、そこで示させていただければと思っております。 ◆片柳進 委員 指針の中で示されるということだったのですけれども、関係法令を調査して、やはり指針ではなくて条例そのものに書き込んで、どこまでが今回の構成要件になるのかというのは明らかにされる必要があると思いますので、素案から案になる段階で、これは一定の明文で規定するべきではないかと思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 その辺は、条例の立て方、条例にふさわしい文言の書き方があると思います。その点につきましては、いただいた御意見を踏まえながら、法制当局と引き続き協議はしてまいりたいと考えております。 ◆片柳進 委員 ぜひそういった形で。せっかく条例をつくって、不当な差別的言動があることに対して一定の規制をしたとしても、それが憲法違反だとなっては意味がないわけですから、そこは厳密にやっていただきたいと思います。  次に、類型と手段の関係についてですけれども、次に該当する「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」を行い、として、「次に該当する」という中身が類型と手段の囲みということになると思うんですが、この囲みの中の類型の2つ示している◎のどちらかに当てはまって、かつ、手段と言っている中の4つの手段のどれか1つに当てはまる、この2つが当てはまれば不当な差別的言動ということになると理解していいのか、この文章の囲みだけでは定かではないですけれども、この辺についてはいかがでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 こちらにつきましては、委員がおっしゃるように、類型の中身は発言するとか表現する具体的な内容です。このどれかに当てはまる内容を、手段で書いてある4つの手段のうち、どれかで行うということを想定しているものでございます。ですので、1つの内容、1つの方法であれば、それは対象にしていくという考え方でございます。当然、まとめてやれば、それは対象にしてまいります。 ◆片柳進 委員 こうしたことについても、先ほど言ったように、条文になるときには明らかにわかるようにしていくというのが原則だと思いますので、その点もよろしくお願いしたいと思います。  ちょっと申し上げたいのは、ここまで見ただけでも、3番のまちづくりの問題や不当な差別的言動の問題、やはりすっきりしない部分もあるので、こういう点では引き続き考えていかなければいけないかなと思っています。  次に、勧告・命令・公表のチャートの部分に移りたいのですけれども、チャートの一番上に前記(2)に違反した場合ということがありますが、違反しているか、していないかというのを判断するのに当たって、先ほど少し議論がありましたけれども、録音・録画などの証拠がある場合を想定しているということでよろしいのでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 委員おっしゃるとおりでございます。 ◆片柳進 委員 その違反の判断は、市長もしくは市の職員がするということでよろしいでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 こちらにつきましては、附属機関になる差別防止対策等審査会の意見を聞いた上で市長が判断してまいるという仕組みでございます。 ◆片柳進 委員 次ですけれども、勧告と命令のところで、1回目と同様、2回目までと同様としていますが、同様というのはどういうことか具体的に伺っていきたいんですね。先ほどの類型と手段で言ったら、例えば、1回目にはアメリカ人は出ていけと拡声器を使って侮蔑した人が勧告を受けた場合に、2回目は韓国人の方に対して昆虫に例えるようなひどい侮蔑をしたりだとか、今度はまた手段が違って、ビラやパンフを配布した場合については、これも同様と認めるのか、類型が同じで、かつ、手段が同じだという場合に限って同様と言うのか、それとも別なのか、この同様ということについて明確にしてほしいと思います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 まず1つは、先ほど委員もおっしゃられたように、1回目がアメリカ人、2回目が韓国人という場合については、同様とは考えておりません。類型と手段につきましては、同じ類型が重なったらだめとか、その類型が違ったらセーフとかということでは考えてございませんで、この中の類型のもので、ここに書いてある手段で繰り返し行うようなことであれば、それは対象にしていきたいと考えております。 ◆片柳進 委員 どうしても細かくなって申しわけないんですけれども、類型にしても手段にしても複数あるので、手段の側が1回目は拡声器プラスプラカードの場合で、2回目は拡声器プラスビラだった場合、これは同様となるのかとか、そういうことを条文ではっきりと規定していかなければいけないと思いますが、その点ではいかがでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 罰則の構成要件の明確化につきましては、当然、表現の自由との関係で課題があるということでございます。その辺はやはり条例の立て方ということもございますので、法制担当、当局のほうとまた協議して詰めていきたいと考えております。 ◆片柳進 委員 わかりました。  次の中身ですけれども、1回目の違反をしたかどうかとか、2回目以降の違反をしたかどうかとか、特に2回目以降を判断していくためには事実の記録が必要になりますが、そういう事実を記録して保管するのは誰になるのか、どこに保管するのか、また、どれぐらいの期間、保管していくのか、違反の事実の調査は誰がするのか、この点について伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 違反の事実の確認といいますか、その方法につきましては、基本的に市の職員が行うことも考えておりますが、細かいやり方につきましては、今後、関係各局と協議させていただいて検討させていただきたいと思っております。保管の方法とか保管の期間といった細部につきましても、関係法令等を参考に設定させていただきたいと思っております。 ◆片柳進 委員 やはり個人情報を含めた保管ということになるわけですから、それもかなり明らかにしていかなければならない問題ではないかと思います。  それとの関係でも、勧告と命令の有効期間はどれぐらいなのかということが問題になります。1回目の勧告を受けるようなことがあってから、例えば15年、20年たって2度目の行為を行ったという場合も含まれるのか、命令を受けてから30年後に罰則を受けるような行為があった場合にはどうなるのか、そういうことなども出てくるわけですけれども、勧告・命令の有効期間はどれぐらいなのか伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 今現在、具体的な設定はまだしていないところでございますが、類似の制度もございますので、そうしたものを参考にしながら、やはりこちらも法制当局と協議して検討してまいりたいと考えております。 ◆片柳進 委員 東京弁護士会のモデル条例案みたいなものでは10年ということも示されていましたけれども、やはりこういったことも条文の中で明らかに規定していかなければいけない問題ですので、繰り返しですが、この点もよろしくお願いします。  次に、先ほどからの答弁でも、勧告と命令の前には差別防止対策等審査会を開いて意見を聞くという規定がありますけれども、(6)の差別防止対策等審査会の規定を具体的に見ても、この次の公表・罰則の前の段階では意見を聞くという規定がないんですよね。ここだけは意見を聞く義務がないということになるのか、なぜここだけ違う扱いにしているのか伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 その次の行為が罰則になってまいりますので、罰則ですと先ほど申し上げましたように司法機関に送るわけですから、そこは司法機関、検察及び裁判所のほうでしかるべき判断がされるものと考えてございますので、あえて審査会の意見を聞く必要はないものでございます。また、公表につきましても、本市の類似の制度に倣いまして、こういった場合は、公表の前に、公表される者に対してその理由を通知し、その者が意見を述べ、証拠を提示する機会を与える、弁明の機会を付与するということで担保しているものでございます。 ◆片柳進 委員 本人の弁明などはそこで担保するけれども、審査会の意見は、公表という点では行政が行うべきものですが、そこまではする必要はないという規定になっているということでよろしいでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 今現在、そのようになっているところでございます。 ◆片柳進 委員 置ける規定なので、場合によっては意見を聞くこともあるということも含めて考えていいということでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 そのような運用もできるものと考えております。 ◆片柳進 委員 その次に、公表・罰則の中で、「命令に従わなかったときは、氏名又は団体の名称、住所、団体の代表者等の氏名のほか」云々ということですけれども、団体の代表者等となっているのはどういう意味か、これも「等」について伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 団体によっては、特に代表者を設けずに、管理者にする場合もございますので、そういったことを想定しているものでございます。 ◆片柳進 委員 次のページの4番の(4)公の施設の利用許可等の基準がありますけれども、この中で1行目の最後ぐらいからですか、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」が行われるおそれがある場合という「おそれ」はどういう概念か伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 これは、本邦外出身者に対する不当な差別的言動が行われる蓋然性が高いといったことを想定しているものでございます。 ◆片柳進 委員 ガイドラインで規定している要件だということでよろしいでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 そのとおりでございます。 ◆片柳進 委員 次に、インターネット表現活動のアの中に拡散を防止するために必要な措置を講ずるとありますが、この中に市が削除要請するということは入っているのか伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 削除要請することも想定の中には入ってございます。 ◆片柳進 委員 次に、イの部分ですけれども、矢印の下の、公表することにより前記(1)の差別的言動の解消を図るとの趣旨を阻害すると認められるときその他は公表しないことができるとしていますが、これは表現内容自体を公表すると二次被害になるような場合を想定していると考えていいのか伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 委員おっしゃるとおりでございます。サイトによっては、広告というのでしょうか、クリックするとそういったこともございます。かえって宣伝とかにつながってしまうようなものは、公表すると逆効果になることも考えられることから、そういったものは公表しないということを考えてございます。 ◆片柳進 委員 次に、その他、罰則のところに移りたいと思います。(1)のアで、前記4(2)に違反したと認められるとの判断をするときとか、また、勧告・命令に従わなかったと判断をするときの判断材料は、先ほど言われた市が事前につかんで録音・録画したものに限るのか、先ほど市民の通報についてのいろんな話もありましたけれども、事後のものではなく事前のものだけに限定になるのか、市民の録音・録画が事後的に提供された場合はこの判断材料としないのか、その点について伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 今、委員がおっしゃったのは、5のその他の(1)報告及び質問かと思うんですが、まず最初は、前記4(2)に違反したと認められる者ということで、ヘイトスピーチなど禁止行為に違反したと認められるということにつきましては、市の権限といいますか、市の責任で撮影した動画や記録した音声を参考に、違反したと認められるかどうかを客観的に判断していただくというものでございまして、基本的に外部提供の映像や音声をもって判断するということは想定していないところではございます。  それから、4(3)の勧告や命令に従わなかったと認められる者に対し、という部分も同様でございまして、基本的に市のほうで取得した映像や音声に基づいて判断することを想定しているものでございます。 ◆片柳進 委員 今読んだ部分で、違反したと認められる者、勧告・命令に従わなかったと認められる者について、報告を求めることができるとされていますけれども、この報告を求められた側には報告義務はあるのか伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 基本的に報告義務はあるものなんですけれども、それに従わなかったからといって、罰則、刑罰とかで担保するようなものがない形になってございます。 ◆片柳進 委員 その次の行ですけれども、これも漠とした書き方なので伺いますが、その職員に、関係者に質問させることができるという表現になっていますが、その職員というのは明確に誰なのか、関係者というのはどういうことが含まれるのか伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 その職員に、と申しますのは、この条例を執行するために必要な職員ということで、端的には私ども市民文化局の職員等が入ってまいります。また、関係者は、実際にヘイトスピーチに違反したと認める者とか、勧告や命令に従わなかった者、それに類する、まさに関係してくる人たちを対象にしているものでございます。 ◆片柳進 委員 先ほどもいろいろ指摘がありましたけれども、類する者とか、関係してくる人たちというふうになると、どこまでも広がってしまう可能性があるわけで、そういう点については慎重に、これまでも言われたとおり、案文が出てくるところでは明確な規定をしていただきたいと思います。  今言ったところで、関係者に質問させることができるとなっていますけれども、この質問された相手には黙秘権があるのか、例えば、あなたには黙秘権がありますというような通告はされるのか、この点について伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 黙秘権の通告等の運用につきましては、これから細部等を詰めさせていただきたいと思っております。類似の制度とかもございますので、その辺を参考に制度を検討させていただければと思っております。 ◆片柳進 委員 ウで犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないとしていますけれども、こういう項目が置かれている意味というか、どうしてなのか伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 端的に申しますと、報告聴取を求めるような規定につきましては、イにあるような証明書の携帯の規定とかとあわせて、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないという規定がセットで設けられるのが通例でございます。憲法に定められた令状主義との関係があると伺っておりますが、細かい説明はこれ以上申し上げられませんので、説明としては以上とさせていただきたいと思います。 ◆片柳進 委員 これからパブコメなども行われていくので、こういう条項がなぜ置かれているのか、そういうことは市民の前にしっかり明らかにしていくことがどうしても必要だと思いますので、その点もよろしくお願いしたいと思います。  次に、罰則のところに入っていきたいのですけれども、先ほどいろいろありましたが、ヘイトスピーチ解消法自体が禁止規定もなく、罰則も設けていない。法律が定めていないのに条例で罰則を定めることができる根拠はどこにあるのか。大阪市が地方公務員の政治活動規制についての条例案を出したのに対して、総務省から法律違反だという趣旨の見解が出されたことがあったと思います。今回の人権条例がこの点をクリアできる理由は何なのか、その点について伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 こちらのヘイトスピーチに関しましては、先ほども若干申し上げておりますが、ヘイトスピーチ解消法では、地方公共団体の責務として、当該地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めることを求めておりまして、ヘイトスピーチ解消法のまさに立法事実、現場となりました本市におきましては、今なおそのような行為が再現されかねない事象が継続しているという地域の実情があるところでございます。このヘイトスピーチ解消法の当該地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めることという規定があることからも、よく法律の上乗せ規定とか、そういったものの考え方が最高裁の判例でも示されているのですけれども、法律で決めている以上の上乗せというんでしょうか、それ以上の強力な規制を設けることを許容していない場合は、定めてはいけないとしているんですが、地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めることと書いておりますので、そういったことは許容されているのではないかと判断しているところでございます。  また、これも申し上げておりますように、日本国憲法が保障する表現の自由は非常に重たいものと考えておりまして、罰則については本当に慎重に検討する必要があるものと考えております。ただ、一方で、他者の生命、身体、自由、名誉、財産などの具体的侵害に及ぶ場合については、表現の自由といえども保障の限界を超えるということで制限が正当化される場合もございまして、先ほど申し上げましたように脅迫とか名誉毀損がございまして、そういった場合でもやはり明確性が求められるということでございますので、国のヘイトスピーチ解消法は罰則のほうは想定していなくて、若干緩やかな規定にはなっているのですけれども、そういった緩やかなものを前提としつつも、さらに一定の要件で縛り、限定をかけていって、限定を加えた上に表現も具体化して明確性の確保を図っているということでございまして、表現の自由に抵触しないようにしているということでございます。さらに、表現の自由等への配慮の規定も設けさせていただいて、条例そのものが違憲となることも避けるようにしておりますし、運用においても、全部市が判断するのではなくて、差別防止対策等審査会の意見も聞いて、できるだけ客観的になるようにしているところでございます。  さらに、実際に罰則に至る場面ですけれども、路上喫煙の過料のように市のほうで判断してすぐ罰則をかけるということではなくて、刑事罰を選択することで、司法機関、実際に罰則をかけるためには検察や裁判所の判断、検察は起訴するかどうか、裁判所は量刑が適当かどうか、そういったものを判断するということ、そういった二重、三重のステップをかけるようにして、表現の自由に抵触しないようにしているものでございます。 ◆片柳進 委員 先ほどの質問と答弁の中で、一定の枠で法律を超えた条例をつくれるのかということについては、検察庁とも事前に協議をしたという御答弁もありました。先ほど言ったような総務省については、すり合わせや相談はしたということなのか伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 総務省とは、現在のところ、そういったすり合わせ、協議等は行っていないところでございます。 ◆片柳進 委員 次の点ですけれども、罰則の中で、命令に違反した者のところで、ここでも法人等となっていますが、その概念について伺いたいんですが、法人として登録していない、いわゆる権利能力なき社団と言われるようなものも含むのか、その点について伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 そのような団体も含むものと考えてございます。 ◆片柳進 委員 そうなったときに、罰則を受けるのは法人の代表者となるのか、あるいは役員も含むのか、単なる従業員や構成員等も含むのか、その点について伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 基本的に、そのような言動や手段をもってやった個人にかかるのはもちろんですが、団体にかかる場合については、罰金刑でございますので、その団体に対して罰金刑が科されると理解しているところでございます。 ◆片柳進 委員 本当に詳細に逐一質問させていただきましたけれども、今まで伺ってきた中でも、例えば類型と手段との関係だとか告発の手続など、今の質問の中でも、これから関係法令をよく調べて書いていきたいという項目も多かったと思います。今回の資料は条文の構成になっていない部分もありますので、明確に規定し切れていないことも多いということを感じています。極めて重要な案件ですので、引き続き慎重に検討していきたいと思います。 ○河野ゆかり 委員長 一旦、30分程度休憩を挟みたいと思いますが、よろしいでしょうか。                 ( 異議なし ) ○河野ゆかり 委員長 それでは、休憩いたします。再開は12時30分といたします。                午前11時57分休憩                午後 0時30分再開 ○河野ゆかり 委員長 それでは、文教委員会を再開いたします。  質疑に当たりまして、聞き取りづらいという御意見もございましたので、できるだけ明確に、大きなお声で、よろしくお願いいたします。  それでは、質疑がございましたらよろしくお願いいたします。 ◆吉沢章子 委員 では、質問させていただきます。この条例の位置づけですけれども、ほかにも人権条例というのはここに11施策ありますが、この条例はこれらの条例の上位に位置するものなのか、併記されるものなのか、どのような位置づけなのか教えてください。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 この条例は、他に子どもの権利条例とか、男女平等かわさき条例とか、自殺対策の推進に関する条例とか、人権関連の条例が多々ございますが、その上位に位置づけるというふうには捉えてございません。対等といいますか、向いているベクトルが、こちらの条例につきましては、不当な差別を解消するというものをテーマにして、人権尊重まちづくりを進めていく条例と位置づけているところでございます。 ◆吉沢章子 委員 憲法第14条に規定されている不当な差別というものを排除していきましょうということで、川崎市差別のない人権尊重まちづくり条例というと、本来ですと全部の上位に来るような条例だと私は思えるんですけれども、それが上位条例ではないということがすごく不思議に思える。それはなぜなのか教えてください。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 それぞれの人権について定めている条例というのは、確かに今申し上げたように、子どもの権利条例とか、男女平等かわさき条例とか、多々あるところでございます。それぞれの条例も、それぞれの分野ごとに権利に関するものを定めてございまして、必ずしも人権全般といいますか、ここで言う不当な差別とか、そういったものをテーマに定めているものではございませんので、完全にそれをこの条例で網羅できるかといった位置づけにはならないものと考えております。ですので、この条例につきましては、最初の資料にございましたように、さまざまな人権課題を貫くようなイメージとしてつくられておりまして、上位に位置づけるという概念では考えていないところでございます。 ◆吉沢章子 委員 見解の相違かなとは思うんですけれども、4番に本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取り組みということになっているんですが、本来は、この条例自体は上位条例に来ていて、4番に関しては別途条例として立ち上げるべきだったのではないかと私は思うんです。先ほどから山田(瑛)委員とか片柳委員がおっしゃっているように、ヘイトスピーチという立法事実がありますということですけれども、そのほかにもDVのこととか、ジェンダーの問題とか、さまざまな差別をされていると思われている方がたくさんいらっしゃる中で、この条例の中に4番が来ていることによって、しかも、これは罰則規定もありますから、そこの整合性がどうも私は納得できないと思っております。本来でしたら別建てでやるべきではなかったのかと思いますけれども、その辺について教えてください。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 この条例につきましては、先ほどもお話しさせていただきましたとおり、不当な差別をテーマにいたしまして、人種、国籍、民族、信条、年齢、性別、性的指向、性自認、出身、障害その他の事由を理由とするものとすることによりまして人権全般の分野を捉えておりまして、その全てをターゲットに不当な差別を定義しております。  さらに、この条例につきましては、資料の3の(6)にございますように、市は、関係機関等と連携し、インターネットを利用した不当な差別その他の人権侵害を受けた者に対する相談の実施その他必要な支援に努める、とすることによりまして、人権全般の分野を捉えておりまして、その全てを対象にして、相談の実施、必要な支援に努めるとしております。当然ながら、そこには、LGBTや障害だけではなくて、今回のヘイトスピーチなんかも前半の部分には入っているということでございます。  一方、ヘイトスピート対策の部分は素案の4の部分になるのですけれども、これは基本的に罰則を科すための前段の勧告・命令等の規定として設けられたものが多くありまして、その対象となる行為も、国のヘイトスピーチ解消法で定義されているところの本邦外出身者に対する不当な差別的言動、法の定義の部分のヘイトスピーチに比べまして一定の要件をかけて、さらに限定を加えたものとなっております。したがって、ヘイトスピーチに対しても全てをこのところで対象にしているものではございません。この条例は、不当な差別の解消を一つのテーマとしているところで、ヘイトスピーチも当然ながら不当な差別に当たるものでございますので、その中でも限定された特定の行為の罰則に関する部分とそれ以外の部分、教育、啓発とか、先ほど申し上げました相談その他の支援を別の条例として立て直すということは適当でないと考えているところでございます。 ◆吉沢章子 委員 そういう組み立てだということですけれども、大条例だなと私は思っておりまして、差別のない人権尊重まちづくり条例という名前がふさわしいかどうかわかりませんが、差別のない条例ということでつくるのであって、ヘイトだけが罰則規定というつくりはやはりちょっとおかしいのではないかなと感じているんですね。本当は、この条例というのは宣言か何かにして、差別に特化するものの条例を別建てでつくるべきではなかったのかと。ここでうたわれていることは、まさにほかの条例にもかかわってくる。人権全般に関する市の態度といいますか、市の姿勢というものをあらわしている。これが上位条例でないのであれば宣言のような形にして、別に差別に関する条例ということでつくっていくというほうがすっきりして、先ほど片柳委員のお話にもありましたけれども、このような立て方をしている条例は全国にもないということでしたので、そこの整合性がどうも私は解せないということを思っているんですが、その辺はどのようにお考えでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 こちらの条例につきましては、川崎市人権施策推進協議会の提言を受けまして、そもそもヘイトスピーチに対して優先審議を依頼したものに対して、人権全般を見据えた条例の制定に着手すべきものであるという提言が返ってきたところでございます。この人権全般に対するものを対象にするとされたことに伴いまして、こちらのほうでも、教育、啓発の規定とか、相談支援の規定は設けさせていただいて、それぞれの差別事象に対応させていただこうとしているものでございます。基本的にこの条例の骨格というのはその辺にございまして、宣言ですと市の施策の法的なバックにはなれないものでございまして、あくまでも条例で規定することによって法的な部分でも市の施策を推進することを担保させていこう、そのような考えもございます。  また、ヘイトスピーチの部分につきましては、あくまでも川崎のほうでは、ヘイトスピーチ解消法の立法事実となりましたヘイトデモが行われたといった事実もございまして、さらに今なお、そのような行為が再現されかねない事象もある。そういった地域の実情もあることから、地域の実情に応じた施策を講ずることとされておりますヘイトスピーチ解消法の趣旨にのっとりまして、表現の自由の関係もございますけれども、対象行為を限定した上で、特定のヘイトスピーチの行為については罰則等の対策を講じていこうとするものでございます。  ただ、ほかの差別的事象については、このような罰則を持った行政刑罰規定は設けていないところではございますが、それにつきましては、さすがに表現の自由に関する部分でもございますので、類似の規定を設けるためには、そのような立法事実があることとか、表現の自由に規制をかけるだけの構成要件、行為の限定とか行為を明確にするもの、どういったものを対象にするか等を明確にすること、そういった材料もそろっていないとできないことでもございますので、今回につきましては、罰則対象の禁止行為の部分につきましてはヘイトスピーチに限定させていただいているものでございます。 ◆吉沢章子 委員 そうしますと、そもそも人権課題が顕在化してきたということが、ここに大きく書いてあるわけですね。顕在化してきたので、市長が諮問してヘイトスピーチに対してどうしましょうかと。そうしたら、諮問機関から全般条例にしましょうということで来て、それで全般条例をつくりましょうということになりました。その中にヘイトも含まれるということで、今回こういうことになったわけですけれども、顕在化してきたということが一つの立法事実の根拠であるとするならば、潜在しているものに関しては、そのような手だては打てないということの論拠になっていくのですか。今後、条例をつくっていくという論拠になっていくのか、その辺だけ確認させてください。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 基本的に、立法事実があって条例化ということになりますので、潜在的であって全く目に見えてこないものをもって条例をつくることは非常に難しいのかなと考えているものでございます。ただ、もちろんこの条例につきましても、そういった事実がほかの人権課題につきましても顕在化してきた場合につきましては、それに対応した規定は当然必要になってくるものという考えでございます。 ◆吉沢章子 委員 顕在化するというのは大変な努力が今までされてきたと思うんですね。ただ、ここに対する人権の問題というのは、実はすごく顕在化しにくい問題でもある。皆さん方が努力をされて、これだけ顕在化されてきたということは、本当に今までの御努力だと思うんです。しかしながら、今現在ある、ある意味ハラスメントであったり、人権を侵害するさまざまなものというのは、実はとても表に出にくく、非常に弱い立場だからそんな目に遭っているということもあるわけですね。だから、顕在化してきたものだけを立法事実の根拠にするというのは、私はちょっとどうかなと思っていて、潜在化しているもの、弱い者に対してしっかり守っていくということも当然行政のすべきことであると思うんですけれども、顕在化しなければそのような立法事実の根拠にならないというのは、ちょっと違うのではないのかなと思います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 あくまでも顕在化しないと立法事実の根拠にならないと申し上げたのは罰則の部分でございまして、基本的に、差別事象がさまざま生じているということ、こちらも立法事実になるのですが、そういった現実は私どもでも把握させていただいているところではございます。それにつきましては、こういった明確な禁止規定ということではなくて、解消を図るために行政としてこういうことをやっていくということを条例に明記させていただくということで、今回の場合でいきますと教育や啓発に関する規定とか、相談その他の支援に関する規定をこうやって改めて設けさせていただくことによりまして、行政としてもそのための取り組みを今後進めていきたいと考えているものでございます。 ◆吉沢章子 委員 ちょっと変えますけれども、例えば障害のある方とか、LGBTの方とか、さまざまな方から罰則規定を持っていただきたいということで御意見があった場合は、今後どうされるのでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 そのような御意見とか実際に起こっている事実、それと、もしそれが言動とか、そういうものであれば、表現の自由との関係を改めて精査させていただきまして、もしそういうものが必要ということになりましたら、この条例に規定を設けていくということも検討課題になるものと考えております。 ◆吉沢章子 委員 わかりました。ありがとうございます。とりあえず結構でございます。 ◆沼沢和明 委員 ヘイトスピーチの根絶に関する決議ということで、昨年3月16日に全会一致で議決をさせていただきました内容で、1年間でこれだけ進んだのかなという思いをしています。よく頑張ってつくっていただいたと思うんですけれども、先ほどと重ならないようにお伺いしますが、施設の利用許可取り消し云々で、ガイドラインをそのまま施行日まで継承するという考え方でいいのですか、それとも、4の(4)にあるように、差別的言動が行われるおそれがある場合にはという、こちらだけで運用していくということなのでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 まず、現行のガイドラインにつきましては、今ごらんいただいた資料の右側のほうにございますように経過措置を設けさせていただいて、(5)のイの部分、この条例の施行の際現に定められている、ヘイトスピーチ解消法に基づく「公の施設」利用許可に関するガイドラインにつきましては、新しい条例のもとに定められた基準とみなすということで、そのまま移行するということを考えているところでございます。 ◆沼沢和明 委員 そうすると、4の(4)に書いてある差別的言動が行われるおそれがある場合というのは、言動要件と迷惑要件、両方を兼ね備えているという考え方でよろしいですか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 こちらの表現につきましては、ガイドラインの現状といいますか、性質をあらわす上で修飾している言葉でございまして、条例においてガイドラインの根拠規定を設けさせていただくというものです。今までガイドラインは、当然、公の施設を利用するための条例の審査基準という位置づけはあったのですけれども、それ以外に根拠はなかったものですから、改めてこの条例にバックとなる根拠規定を設けさせていただくというものでございます。 ◆沼沢和明 委員 よくわかりました。
     それと、これがあくまで屋外で行われる場合にということで、施設の屋内において行われる行為については対象外ということでよろしいんですね。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 基本的には屋外で行われるものを想定させていただいておりますが、先ほども御質問がございましたが、公共の場所という定義でありまして、公共の場所というのは屋外だけでなく屋内も含む概念にはなってきます。ただ、公共の場所という場合には、誰もが話を聞ける状態になっていないといけませんので、屋内で専有的に部屋を借りている場合とか、そういったものは対象になりません。あくまでもオープン的なという場合のみが対象になります。 ◆沼沢和明 委員 それで、例えば前回は公園の使用の不許可を市のほうは御英断されましたけれども、こちらはあくまで川崎市が管理する公園ということですが、今、平和公園とか富士見公園とか大きいところではなくて、もう少し規模の小さいところでも、運営管理協議会に利用調整をお願いしているようなケースがありますけれども、そういう場合に例えば利用申請、調整が上がってきた場合、どこが判断を下すのでしょうか。 ◎長沼 人権・男女共同参画室担当課長 市の運営管理する公園につきましては、今、委員がおっしゃったようなケースにつきましては市のほうで判断することになると思っております。 ◆沼沢和明 委員 公園の利用調整という程度のものだったら現場で判断をしろということですか、それとも、全部行政に上げて了解を得てからという形になりますか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 ただいまの質問につきましては、公園の貸し借りの話で聞かれていると思いましたので、今のような答弁をさせていただいたところだったのですけれども、利用調整につきましては、特段どうこうという規制は設けてございませんので、起こったときにこの条例に基づいて市が駆けつけて判断する。貸し借りではないということで、ガイドラインとは違う議論なのかなと認識しているところでございます。 ◆沼沢和明 委員 では、許可云々という話ではないということですね。  それと、先日、教育文化会館でカウンターとか、あと警察が来て、ちょっと小競り合いがあった云々というときに、そういうことが予測されて、警備員を増強したということがあったのでしょうか。 ◎長沼 人権・男女共同参画室担当課長 教育文化会館の集会については、実際に警備を増強するという取り扱いをしたことはございます。 ◆沼沢和明 委員 その場合の経費の負担といいますか、今後、貸し館業務が指定管理に移るに当たって、こういうトラブルが想定をされるときに、それは貸す、貸さない云々をひっくるめて、はっきり言って余計な負担になるわけですね。それはどこが負担をするのですか。 ◎長沼 人権・男女共同参画室担当課長 判断自体は施設管理者が行っておりますので、原則的には施設管理者がその費用負担も含めて見ていくということになると考えております。 ◆沼沢和明 委員 では、それは指定管理もひっくるめて、指定管理で受けていれば管理者が負担するという考え方でいいですね。 ◎長沼 人権・男女共同参画室担当課長 原則としてはそういうふうに考えております。 ◆沼沢和明 委員 それでは、もう1件ですが、選挙運動に名をかりたヘイトスピーチが公然と行われました。これについて、公職選挙法のほうが上位法にあるので、その部分をしんしゃくするにしても、今後どのような対応が図れるのか、見解を伺いたいと思います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 公職選挙法との兼ね合いでございますが、今、委員がおっしゃられたように、条例は法律に抵触することはできないということでございますので、当然ながら公職選挙法のほうが上位に来るわけでございます。その公職選挙法との関係というものを改めて精査した上で、つまりは関係各局とその辺は協議した上で、その対応についても検証してまいりたいと考えているところでございます。 ◆沼沢和明 委員 今後このようなことが繰り返されることが予測をされるので、国とも協議をした上で、どのようなことができるのかということについて今後検討していっていただきたいと思います。以上です。 ◆片柳進 委員 先ほどの質問に関連して2点だけ伺いたいと思います。1つは、先ほどの質問の中で大阪市の例を挙げて、大阪市が法律に定めのない地方公務員への罰則を設けようとしたという例を挙げました。それに関連して、国会で地方公務員法第36条に関した質問趣意書がありまして、地方公共団体の条例で罰則を定めることが法律上許容されると考えているのかという地方公務員法第36条の関係の質問ですけれども、これに対する答弁が、この法律は、地方公務員の政治的行為の制限については罰則を付すべきではないとの趣旨であると解され、条例で罰則を設けることは法律に違反して許容されないと考えられるという答弁になっているんですね。先ほどの課長の答弁の中で、上乗せ規定としてはできるんだという話もありました。一方で、この答弁では、法律の段階で罰則は付すべきではないと答弁されているもので、先ほど条例は法律の上には乗せられないというか、来られないという話もありましたけれども、こうしたことも含めて、改めて、こうした問題をクリアできると考えているのか伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 ヘイトスピーチ解消法のほうでは、その前文で、不当な差別的言動は許されないことを宣言し、理念法とされたところではございますが、本市につきましては、この条例上に制裁のための罰則規定として行政刑罰に関する規定を設けることとしております。ヘイトスピーチ解消法のほうでは、地方公共団体が地域の実情に応じた施策を講ずることは条文上記載しておりまして、先ほど委員がおっしゃった地方公務員法の例とか、そういったものも、一般的に条例は法律の範囲内でやらなくてはいけない。条例で上乗せ規定が設けられるものは限定的といいますか、事情があって、法律が上乗せさせることを許容している場合は上乗せ規定を設けることができる。逆に、今言った地方公務員法のように上乗せすることを許容していない場合については設けられないとされているところでございまして、ヘイトスピーチ解消法につきましては、そういったことを地方公共団体が講じることを禁止するといったような規定もございませんし、また、むしろ逆に、地域の実情で講ずることができると書いてございますので、法律との関係におきましてはできると考えて、今回、規定を設けさせていただこうと考えているものでございます。 ◆片柳進 委員 先ほど質問の中で、検察庁には確認したけれども、法務省については確認していないということだったので、先ほど例に挙げた地方公務員法第36条の件で、大阪市は条例案をつくったときに法務省に照会をしているようなんですね。非常にシビアな問題になりますので、法務省にも意見を聞いたりするようなことは必要なのではないかなと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 今のお話は、恐らく法務省ではなく総務省だと思います。 ◆片柳進 委員 済みません、総務省です。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 地方公務員法は総務省の専門部署が所管してございますので、法の解釈規定と言っているかわかりませんけれども、解釈する一義的なセクションがそこにございます。ですので、大阪市としても、法律を運用する際、制定に携わった部署がどういう意見を持っているかというのを聞きに行ったのではないかと思っておりまして、その場合は総務省に聞くことがやっぱり妥当だったのではないかと思料されるところでございます。 ◆片柳進 委員 それでは、川崎市としては、先ほど言った検察庁には意見を聞くけれども、この問題での国の部署がどこになるかわからないですが、大阪市の場合の総務省のような直接担当する部署には意見は聞く考えはないということでしょうか。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 この件につきましては、総務省が特別この法律を所管しているというわけではございませんので、総務省に意見を聞くということは今のところ考えていない状況でございます。 ◆片柳進 委員 だから、総務省ということではなくて、ヘイトスピーチ解消法を担当する省庁に意見を聞くという意味で伺ったのですけれども、それでも同じということでしょうか。 ◎池之上 人権・男女共同参画室長 この条例の検討に当たっては、我々は一義的には、罰則を置くことについては横浜地方検察庁と協議をしております。その検察庁との協議をしている中で、法務省に我々が直接的に行くということは、やはり行政機関の流れからするとおかしいので、検察庁のほうから法務省に行ってくださいと言われれば、我々のほうとしてもその道を探るかなと思いますけれども、一義的には、法務省の配下にある検察のほうと協議をさせていただきましたので、保険のために行きますみたいな感じの手続的なことは、我々としては差し控えたいと考えております。 ◆片柳進 委員 別の点ですけれども、先ほど伺った罰則の中で「法人等」というのがあって、先ほどの答弁の中では権利能力なき社団も含めているということでした。この法人等ということについて、両罰規定が設けられているわけですけれども、経済犯などの場合に両罰規定が設けられることが多いわけで、法人が罰せられるという場合には、法人と一体化している社長や役員のような個人が対象となることが多いということだと思うんです。先ほどの答弁の中で、ヘイトスピーチを行った者、行為者が対象となるのは当然だと思うんですけれども、ヘイトスピーチの場合に、団体や法人等としてこれが行われた場合には、その団体の責任者など法人と一体化した個人が対象となって、構成員や従業員などは罰する対象というか、具体的な罰金だとかいうところの中には含まれていないと考えていいのか、その点は先ほど明確な答弁がなかったと思うので伺います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 両罰規定に関する御質問でございますが、基本的には、行為者を罰するほかに、行為者の属する法人を罰することになると考えております。ですので、法人を罰する場合に、そこに属する社長や責任者はともかく、末端にいる方が罰せられるということはそんなにないとは考えておりますが、実際、法人にそれを科すのか、社長等に科していくのかということにつきましては、司法当局の判断もあるかと思いますので、その辺を見ていきたいと考えております。 ◆片柳進 委員 結構です。 ◆岩隈千尋 委員 2~3点伺いたいと思うんですけれども、今回の条例素案については、対象になるのが子ども、男女平等、高齢者、障害者、部落差別、外国人、性的マイノリティ、その他のさまざまな人権課題ということで、これから12月議会の成案の策定に向けて、当該団体であったり、さまざまな方に御意見等々を聞くということは必須だと思うんですが、そういったところの観点について伺いたいと思います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 今、委員がおっしゃられたことにつきましては、素案を発表させていただいた後、関係する機関等に機会を捉えて御説明に上がりたいと思っております。 ◆岩隈千尋 委員 実は2日前、心身障害者団体さんの会がありまして、そこでたまたま市長さんと一緒に公務になったわけですけれども、その際、市長が当該団体の障害者の方たちにこの条例のことについて述べられておりました。その中では、どうしてもヘイトスピーチがフォーカスされるけれども、この条例については、しっかりと障害者団体の方たちも包含している話なので、そういったところについて、これから成案に向けてきちんと声を上げていただきたいということも含めて、そういった促すお話があったところです。今回はいろんな方が対象となっておりますから、そこはぜひ丁寧に成案に至る段階までやっていただきたいと思います。  次に、この中にも書かれておりますけれども、人権施策推進基本計画「人権かわさきイニシアチブ」のことについてですが、これは行政計画の中で非常に長い行政計画で、平成27年4月から令和8年3月まで、約10年期間のスパンというのは認識をしているところです。私は昨年度の3月の文教委員会でも同じ発言をさせていただいたのですけれども、これに関しては、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の禁止等々については特段入っていないわけですよね。人権等々に関しては全般入っているわけですけれども、これが策定された暁には、こういったものについてはブラッシュアップする、もしくはフルモデルチェンジするぐらい変更すべきではないですかと投げかけさせていただいたのですが、その後どのように局内で議論されたのか教えてください。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 現行の人権施策推進基本計画、人権かわさきイニシアチブと呼んでいるのですが、こちらにつきましては、先ほどのガイドラインでも出てきましたが、5の(5)のアのほうで、この条例に基づく基本計画とみなす経過措置を置くこととしております。新しい条例に基づく基本計画は、条例の施行後に新たに設置する人権尊重まちづくり推進協議会の意見も聞きながら、こういう計画を策定することを想定しているものでございます。ただ、当面は、今、経過措置の説明をさせていただきましたとおり、現行の人権施策推進基本計画「人権かわさきイニシアチブ」について、条例の制定に伴いまして、委員がおっしゃられたように、必要な見直しや修正、ブラッシュアップをかけながら対応していきたいと考えているところでございます。 ◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。今、見直しを含めてというお話をいただいたところですけれども、協議会さんというのもあくまで協議機関であり、学識経験者の方ですから、我々議会は地域の方々ともいろんなお話や、障害者団体とも常に議論等々を交わしているわけですから、協議会もいいのですが、我々からの指摘もしっかりと踏まえていただきたいと思います。また加えて、その際には、総合計画であったり行革の中でも、KPI、いろんな成果指標的なものが最近の行政計画のトレンドとして入っておりますので、そういったものを盛り込むことも含めて、しっかり検討していただきたいと思います。  これは意見要望で結構ですけれども、我々の会派は、この間、先ほど沼沢委員からも御指摘いただきましたが、決議を含めて賛成の態度を表明してきたわけですね。また、この間、大阪、東京、神戸、京都府、京都市ということで、さまざまな自治体さんにもヒアリングをかけてまいりました。そうすると、一つの意見に集約されるのが、ヘイトスピーチ解消法から3年たっているにもかかわらず、国のほうの法整備の中で罰則規定等々が入っていないので、おのおのの自治体が苦慮しているという姿でした。この私の話については、それこそ先週、たまたまですけれども、NHKさんでも番組で特集が組まれていたところだったんですね。いずれにしても、川崎市民の一般の方に、我々の会派の議員も、この間いろんなヒアリングをかけてまいりました。そうすると、ヘイトスピーチもそうなんですけれども、自分たちのまちでいざこざ、ああいったものをやめてほしいといった声が大半でございますので、今回の条例策定にはまだ時間がありますけれども、抑止力になることには期待をしたいと思いますし、また、行政刑罰を含む人権全般の条例策定については評価をさせていただきます。この間、パブリックコメントも前倒しでするということも伺っておりますので、局のほうには、12月議会の策定までの間でしっかり取り組んでいただきたいと期待をするところです。結構です。 ◆本間賢次郎 副委員長 ありがとうございました。副委員長という立場ですので、全体的な確認事項だけでとどめさせていただきたいと思います。先ほど来からもそれぞれの委員から少しお話が出ておりましたけれども、今回はあくまでもヘイトスピーチ解消法に基づいてのヘイトスピーチの定義がなされている。そして、差別解消法3法にのっとって、地域の実情に基づいた条例として今回制定を目指すということであります。事前にお話しいただいたときに、ヘイトスピーチだけではない、川崎市の実情において、今後また別の差別が往々にして行われるようなことになった場合には、それは追加していくというふうにお話を受けたように記憶しております。そうした際に、今回の制定を目指す条例において、ヘイトスピーチ解消法と差別解消法3法にのっとってということですが、それらにまだ定義されていない差別についても追加事項というのは本当に可能なのかどうかということだけ伺いたいと思います。 ◎大西 人権・男女共同参画室担当課長 まず、法律が既に制定されているものにつきましては、先ほど来話がございますように、地域の実情に応じて施策を講ずることが求められているというものがございまして、その規定に基づいていろいろな施策を講ずることは可能と考えております。また、規制を設けることにつきましては、今回と同じような慎重な検討というのでしょうか、もしそれが表現の自由に係るものであれば、行為の限定とか、過度に広範な規制とならないようにするための対策とか、そういったもろもろの表現の自由に抵触しないようにするための対策は講じなければならないと考えております。それを講じた上で、あくまでも立法事実があった人権課題について、そういった規制は必要なものと考えております。また、法に規定がないものにつきましては、法がまだ空白になっているにすぎないものでございますので、そこは必ずしも条例を制定することが否定されているものではないと考えておりますので、そこはやはり同様に、規制とか何かしらの手段を講ずべきこと、事象がございましたら、条例の整備というものは検討していかなければならないと考えているものでございます。 ◆本間賢次郎 副委員長 ありがとうございました。 ○河野ゆかり 委員長 ほかにないようでしたら、以上で「「(仮称)川崎市差別のない人権尊重まちづくり条例」(素案)について」を終わります。  傍聴の方、本件は以上のとおりでございます。どうぞ御退席ください。お疲れさまでございました。                 ( 傍聴者退席 ) ○河野ゆかり 委員長 ここで理事者の方の退室をお願いいたします。                 ( 理事者退室 )         ───────────────────────── ○河野ゆかり 委員長 次に、「閉会中の継続審査及び調査の申し出について」を議題といたします。  事務局から説明をお願いいたします。 ◎五十嵐 書記 それでは、文教委員会付託の請願及び陳情につきまして御説明申し上げますので、お手元のタブレット端末の2、閉会中の継続審査及び調査の申し出についてのファイルをごらんいただきたいと存じます。本日、6月24日現在の文教委員会に付託されております陳情第1号ほか2件の合計3件を記載しておりますが、以上の陳情の閉会中の継続審査及び所管事務の調査を議長宛てに申し出ることにつきまして御協議をいただきたいと存じます。  なお、6月20日の本会議で本委員会に付託され、継続審査の議決済みの請願につきましても御参考までに記載しておりますので、御参照いただきたいと存じます。 ○河野ゆかり 委員長 ただいまの説明のとおり、議長宛て申し出ることに御異議ございませんでしょうか。                 ( 異議なし ) ○河野ゆかり 委員長 それでは、そのように議長宛て申し出をさせていただきます。         ───────────────────────── ○河野ゆかり 委員長 次に、その他として、今後の委員会日程でございますが、改めて御相談をさせていただきたいと思います。なお、詳細につきましては事務局から連絡をいたします。  その他、委員の皆様から何かございますでしょうか。                  ( なし ) ○河野ゆかり 委員長 それでは、以上で本日の文教委員会を閉会いたします。                午後 1時09分閉会...