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  1. 川崎市議会 2018-04-19
    平成30年  4月文教委員会-04月19日-01号


    取得元: 川崎市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-06
    平成30年  4月文教委員会-04月19日-01号平成30年 4月文教委員会 文教委員会記録 平成30年4月19日(木)  午前10時00分開会                午後 2時15分閉会 場所:603会議室 出席委員:片柳 進委員長、松井孝至副委員長、鏑木茂哉、松原成文、末永 直、      本間賢次郎、花輪孝一、山田晴彦、石田和子、岩隈千尋、月本琢也各委員 欠席委員:なし 出席説明員:(市民文化局)鈴木市民文化局長、        原担当理事・オリンピックパラリンピック推進室長事務取扱、        石川市民サービス部長和田市民文化振興室長、青山庶務課長、        柳瀬企画課担当課長山﨑区政推進課長、        井上オリンピックパラリンピック推進室担当課長、        藤原オリンピックパラリンピック推進室担当課長、        永石市民文化振興室担当課長       (多摩区役所)亀田区民サービス部担当部長生田出張所長事務取扱、        岩上企画課長 日 程 1 所管事務の調査(報告)
         (市民文化局)     (1)多摩区役所生田出張所建替基本計画の策定について     (2)かわさきパラムーブメント第2期推進ビジョンの策定について     (3)浮世絵等の活用に向けた基本方針(案)について     2 その他                午前10時00分開会 ○片柳進 委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。  お手元のタブレット端末をごらんください。本日の日程は文教委員会日程のとおりです。よろしくお願いいたします。  初めに、所管事務の調査として「多摩区役所生田出張所建替基本計画の策定について」の報告を受けます。  なお、関係理事者として、多摩区役所から、亀田区民サービス部担当部長生田出張所長事務取扱及び岩上企画課長に御出席をいただいておりますので、御紹介させていただきます。  それでは、理事者の方、よろしくお願いいたします。 ◎鈴木 市民文化局長 おはようございます。よろしくお願いいたします。  多摩区役所生田出張所建替基本計画につきまして、パブリックコメントを経て、ことし3月に策定いたしましたので御報告いたします。  具体的な内容につきましては、柳瀬企画課担当課長から御説明させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ◎柳瀬 企画課担当課長 おはようございます。それでは、多摩区役所生田出張所建替基本計画の策定につきまして御説明させていただきます。  お手持ちのタブレットで、1(1)-1 多摩区役所生田出張所建替基本計画の策定について(表紙)のPDFファイルをお開きください。資料1は「多摩区役所生田出張所建替基本計画(案)」に関する意見募集の実施結果について、資料2は多摩区役所生田出張所建替基本計画の概要、資料3は多摩区役所生田出張所建替基本計画の本編となってございます。  それでは、1(1)-2 多摩区役所生田出張所建替基本計画の策定について、資料1のファイルをお開きください。2、意見募集の概要ですが、平成29年11月24日から12月25日までの32日間、募集を行いました。  3、結果の概要にございますように、14通(52件)の御意見をいただきました。  2ページをごらんください。4 御意見の内容と対応でございますが、パブリックコメントでは、新庁舎整備の考え方や基本方針に関する御意見のほか、機能構成や諸室整備計画に関する御要望等が寄せられました。寄せられた意見の内容は、おおむね基本計画案に沿った意見や、今後、敷地、建物の設計や出張所の管理、運営を検討していく上での参考とすべき意見であるため、当初の案のとおり基本計画を策定し、寄せられた意見を踏まえ取り組みを進めてまいります。【御意見に対する市の考え方の区分】ですけれども、Aは、御意見を踏まえ、基本計画に反映させるもので、下の表のとおり今回はございませんでした。Bは、御意見の趣旨が基本計画に沿った意見であり、御意見の趣旨を踏まえ取り組みを推進するもので、合計で25件ございました。Cは、今後の取り組みを推進する中で、参考とするもので11件、Dは、基本計画案に関する要望の御意見であり、基本計画案の内容を説明するもので16件ございました。  3ページをごらんください。5、具体的な御意見の内容と市の考え方でございますが、(1)新庁舎整備の考え方や基本方針についての意見といたしまして、No.1の「生田駅に買い物に来た年配者が、出張所に立ち寄って、一息ついてから帰宅する。そんな場になると和やかで良いと思う」という御意見をいただきました。「計画では、「来庁者だけでなく、誰でも気軽に立ち寄れる地域の方々の居場所として、また、地域活動に参加するきっかけの場として、多目的に使える居心地の良いスペースを整備」すること」としております。  次に、5ページをごらんください。(2)機能構成についての意見としまして、No.6の「図書館機能の整備をお願いしたい」という御意見でございますが、市の考え方といたしましては「本市において図書館分館を新たに整備する計画はないことから、基本計画には反映しておりません」、一方で「地域の拠点として、図書を通した交流の可能性について、今後、地域の方々の御意見を伺いながら、調整を図ってまいります」と考えております。  6ページをごらんください。(3)諸室整備計画についての意見としまして、No.9の「屋上スペース、バルコニー、テラスなど、建物の外空間を多目的スペースとし、屋内と一体的に広く使用するなど、フレキシブルに使う工夫をしてほしい」という御意見が3件ございました。これにつきましては「生田出張所の敷地・建物面積には限りがありますので、様々な活動に建物の屋外スペースをうまく活用できるよう、設計を進めてまいります」。  10ページをごらんください。(4)屋外計画についての意見としまして、No.22の「生田小学校下校庭は一般公開の運動場若しくは大型の公園を希望する」という御意見をいただきました。これにつきましては「市有地の有効活用の観点からも、土地を所管する教育委員会等と連携し、より一層有効に使っていただくための活用方策や効率的に管理する方法等について検討してまいります」。  同じページの(5)管理・運営面についての意見としまして、No.24の「市民が夜間・休日も使えるよう、利用時間帯の拡大をしてほしい」という御意見が7件ございました。これにつきましては「夜間や休日等の利用拡大に向けて、町内会・自治会をはじめとする地域団体、多摩区民活動・交流センター運営委員会等と運営に関しての協議を行ってまいります」。パブリックコメントの実施結果につきましては以上でございます。  そのほか、資料といたしましては、資料2に多摩区役所生田出張所建替基本計画の概要と資料3に多摩区役所生田出張所建替基本計画の本編のファイルを添付してございます。内容につきましては昨年11月の文教委員会におきまして御説明させていただいたものでございますが、今回の計画策定に当たって時点修正を行い、計画の内容自体に変更はございませんので、後ほど御参照いただければと思いますけれども、最後に今後のスケジュールについて御説明させていただきます。  1(1)-5 多摩区役所生田出張所建替基本計画の策定について、資料3 目次・本編のファイルをお開きいただき、34ページをごらんください。10.2 整備スケジュールにつきまして、ことし2月に運用を開始した仮庁舎は平成33年3月ごろまでの運用を予定しております。また、下表のとおり、平成30年度につきましては、建物を新築するための発注仕様等の検討を行うとともに、夏ごろから旧庁舎の解体工事や擁壁工事を行ってまいります。その後、平成31年度から新庁舎の設計及び整備を行い、平成33年度の新庁舎の供用開始を目指し、事業を進めてまいります。  説明は以上で終わります。 ○片柳進 委員長 説明は以上のとおりです。ただいまの説明について質問等がございましたら、お願いいたします。 ◆月本琢也 委員 計画云々ということに対するというよりも、パブリックコメントに対しての部分なんですけれども、今ちょうど御説明いただいたNo.1の意見の要旨として、非常に市民の方のやわらかい表現というか、そのまま素直に書かれている表現で、意見に対する市の考え方は結構かちんこちんな形で、我々が聞けば言わんとすることはよくわかるんですけれども、多分ペーパーで市民の方に回答されたときに、市民の方はどのように御理解をされるかなというところが少し気になったんです。恐らく回答はメールあるいは書面等でされると思うんですけれども、それに関して、例えば質問の書き方によっては、なれている方が質問されているか、あるいはそうでない方がということもある程度はわかると思うんですけれども、パブリックコメントの回答に対するフォローというものはどうなのかなと思って。例えばなんですけれども、1番なんかはこの回答で先方は御理解いただいているのかなというところは……。 ◎青山 庶務課長 パブリックコメントに対しての回答につきましては、基本的に個別に回答するものではなくて、ホームページ上で回答することが基本となっておりまして、その中でこの形で回答している。もし御本人からわかりにくいといった問い合わせがあった場合には個別に対応させていただくような形になってございます。 ◆月本琢也 委員 ありがとうございます。これまで、例えばパブリックコメントをホームページで回答されて、これに対してもうちょっと教えてくれよみたいな問い合わせというのはあるものですか。 ◎青山 庶務課長 私の知る範囲では、特にそういったお話というのは伺ったことはございません。 ◆月本琢也 委員 わかりました。ありがとうございます。 ◆石田和子 委員 【御意見の件数と対応区分】でB区分が一番多いんですけれども、B区分は御意見の趣旨が基本計画案に沿った意見であり、御意見の趣旨を踏まえ取り組みを推進するものであるということで、B区分が多いということは、ワークショップをやったときも、皆さんの意見を尊重していきますよというのは昨年度の報告の中でもあったわけです。今回、本当の基本計画、本実施の計画が出てきたということで、そのB区分に当たっているところで1つお聞きしたいのは集会室の機能。大会議室のことだと思うんですけれども、集会室の機能について、これは10ページのNo.23と24で回答しているんですけれども、24では「夜間・休日も使えるよう、利用時間帯の拡大をしてほしい」とあるんですけれども、これについての市の考え方をもう少し具体的に説明していただきたいというのと、集会室、大会議室はどういう機能を持つものとして今後計画されていくのかというところを教えていただきたいんですが。 ◎山﨑 区政推進課長 今委員からお尋ねのありました大会議室、集会室等、多目的に使いたいという御意見は、昨年7月、8月に開催いたしました地域での意見交換会におきまして多く出た意見でございまして、特に23にあるような御意見もかなりいただいたところでございます。その中で、当時意見交換会の中では、例えば専用の和室が欲しいですとか、調理ができる部屋が欲しいといった御意見もあったんですけれども、全体的な使えるスペースが限られているという中で、最終的には皆様の御意見としてはいろいろな多目的に使っていけるようなスペースが必要というようなことでまとまってきたところでございますので、その中でこちらにもありますように、今は休日とか夜間、使える状況ではございませんので、建てかえにあわせて、まずハード的に使えるように、例えば外から直接入れるような使い方を考えるですとか、運営につきましてはこれからまた、地域の皆様と御相談しながらということになるんですけれども、地域での運営管理も含めて5月から検討してまいりたいと考えております。 ◆石田和子 委員 そうすると、多目的に使えるようなスペースにするということと、休日、夜間については建てかえのときに外から直接入れるようなシステムにするとか、運営については地域の皆さんと一緒に今後検討していくということでよろしいですか。 ◎山﨑 区政推進課長 はい。 ◆石田和子 委員 例えば習慣的に誰でも使えるようになるのかというのがちょっと心配されている意見をいただいたんですね。例えばグループ室だとかというと、登録制になっていくのではないかという心配があって、登録制だと本当に誰でも使えるようになっていくのだろうかという心配があって、その辺はどうなんでしょうか。 ◎山﨑 区政推進課長 まさに今、委員の御指摘のあったところは私どもも検討しているところでございまして、少なくとも市民館との提携は必要かなとは思っております。多目的に使えるスペースを有料にするのか、無料でお貸しするのかというところはまずあるんですけれども、基本的には生田出張所は庁舎でございますので、有料でお貸しするというのは逆になかなか難しいのかなと思っています。無料でお貸しするとしたときに、有料で貸し付けている市民館との切り分けをどうするのかというのが一番重要になってくると思っておりますので、少なくとも誰でも使えるというのは、逆にそれはそれで地域の皆さんにとっては全然関係ないと言うとちょっと語弊がありますけれども、地域の皆さんが逆に使えないような状況になってしまうのでは本末転倒かなと思っております。例えば今、市民活動コーナー的な部分は登録制で使っておりますけれども、その方々と申しますか、その仕組みを使ってお貸しするのか、またさらに、もっと条件を絞って、例えば地域包括ケアシステムの構築に資するような取り組みを優先的に使っていただくとかというようなこと、いろいろな考え方はあろうかと思いますので、私ども市民文化局や多摩区役所でその辺を考えておりますので、ある程度まとまった段階で、これも地域の皆様に御相談しながら運営方法を考えてまいりたいなと考えております。 ◆石田和子 委員 地域の皆さんと一緒に考えていくということですので、その辺はしっかりと意見交換しながら、よりよい利用になるようにぜひ要望したいと思います。利用する人が限定されてしまうと市民館的な機能はどうなのかという心配もあるかと思うんです。だから、その辺もぜひ検討の俎上にしっかりのせていただいて、よりよい機能を持つものにしていただきたいということを要望しておきます。以上です。 ◆花輪孝一 委員 今の議論にもあったんですが、まさに市民館と出張所のあり方ということをある程度きちんと分けないと、私は非常に難しい話になるなと思っているんです。出張所というと、昔は旧多摩区役所の生田出張所、柿生出張所があり、柿生のほうがああいう形で非常にうまくおさまったというか、既存のものをリニューアルして、使い勝手を考えたということで、市民館とか、そういうところとは全く違う機能の中で、これは一つの例ですけれども、まさに柿生エリアの拠点として活用されているという点では評価したいと思うんです。生田出張所は、建てかえてそのようなものにしなければいけないということで、有料、無料の話が今あったんですけれども、とにかく地域の方の御意見ももちろん聞かなければいけない。ただ、行政としての基本的な考え方、要するに出張所のあるべき姿みたいなことをきちんと踏まえた上でやっていくことは当然の話なんですけれども、その辺についての考え方を確認の意味で答えていただきたいと思うんですが。 ◎山﨑 区政推進課長 生田出張所はもともと村役場だったこともあって、今でも地域の重要な拠点だと思っておりますので、これからも今まで以上に地域の皆様に活用していただける施設にしてまいりたいというのが基本的な考え方でございます。生田出張所の今回の建てかえにあわせて、大会議室をできるだけ多目的で地域の方も使えるようにという取り組みは、今まで市の中ではない初めての取り組みでございますので、いろいろ模索しながらやっているところでございますけれども、生田出張所の取り組みがうまくいけば、これからほかの出張所とか支所の建てかえもいずれ始まってまいりますので、その取り組みを反映させて、ほかの地域でもより使っていただける施設になるよう考えております。 ◆花輪孝一 委員 最後に1点だけ局長に伺いたいと思いますが、さまざま区役所とか支所、出張所等々のあり方についても長い間議論して、最近は大分いろいろな形で整備されてきて、建物の老朽化に伴ってリニューアルするか、あるいは生田みたいに建てかえるかという形になっているんですけれども、今の段階で使い勝手がいいものと、将来、20年、30年後にも十分その地域のいろいろなニーズにたえ得るものというのは非常に難しいと言ったら変ですけれども、先を見越した考え方をしなければいけないのではないかなと思いまして、特に今、一番大きな課題になっている地域包括ケアシステムの確立という部分で、やはり全ての庁舎等々に対して、少子高齢化対策という部分も考えた上での対応というのが非常に大事だと思うので、局としても、あるいは局長としての見解を伺っておきたいと思うんですけれども。 ◎鈴木 市民文化局長 まさに今の委員からの御指摘のとおりでございまして、今後の地域包括ケアの進展に期するような施設整備が必要と考えています。その中で、大きくは2つ、これまでも支所だったり、出張所については、地域の居場所的な機能も求められてきたというのが1つ大きな特徴だと思っております。それ以前は、基本的には、いわゆるまちの役場として証明書を発行したり、住民登録を受けたりということだったんですが、ここ何年かの間に地域の居場所としての機能が求められて、もう一つは地域の活動の場としての役割という、その2つが今大きなテーマになっていると認識しています。  ただ、今後の中では少子高齢化みたいな流れもございますので、幾つかそういう事例を含めて地域の方にお話を伺うのとともに、近隣の自治体を含めて、どんな形があるのかということについてはいろいろ研究したいと考えております。  いずれの庁舎にいたしましても、かなり大きな経費が必要になってきますので、長期にわたって皆様のニーズに合うような形で床を提供できるようにというふうに考えておりますので、先ほど委員から指摘されたようなまちケアをベースとしたようなことも含めてしっかり検討しながら、また御意見を伺いながら進めていきたいと考えています。 ◆花輪孝一 委員 ありがとうございました。パブリックコメントにもありますように、どうしても奇抜アイデアとか、あるいは特定な目的だけにしか使えないとなるとすると、やはりどうしても将来の使い勝手が悪くなる可能性があると思うんです。これから先、車椅子とか、あるいはちょっと足元がというような状況の方もふえていきますから、ぜひその辺の考え方も……。当然考えていらっしゃると思うんですけれども、高低差があるところでもございますので、ぜひその辺のところも含めて御検討いただければと思います。これは意見で結構でございますので、よろしくお願いします。 ◆松原成文 委員 現在の出張所ですけれども、延べ床面積が1,647平米ということで、地下もある地上3階ということでありますけれども、新しい出張所の概要については、延べ床1,000平米、階数が2~3階ということでありますが、こちらの現出張所を見ると駐車場とか、それぞれ設置されているんですけれども、新しい出張所についてはそういった駐車場の設備というのはどのように考えていますか。 ◎柳瀬 企画課担当課長 現状の出張所よりも台数は減りますけれども、きちんと駐車場は整備する計画としております。 ◆松原成文 委員 わかりました。現状だと11台と書かれておるんですけれども、どうして少なくしてしまうんですか。敷地面積は変わらないんだけれども、延べ床面積が1,600平米から1,000平米になることも含めて、敷地の活用ということで駐車場を減らすという考え方についてお聞きしたいんです。 ◎柳瀬 企画課担当課長 ほかの出張所との例を考えまして、バランスもございますし、ふだん生田出張所の駐車場にどれだけとまっているのかを踏まえて、台数を検討して決めたものでございます。 ◆松原成文 委員 わかりました。  それと、こちらに書いていないんですけれども、地下はつくらないということでよろしいですか。 ◎柳瀬 企画課担当課長 地下はつくりません。 ◆松原成文 委員 わかりました。 ○片柳進 委員長 ほかにないようでしたら、以上で「多摩区役所生田出張所建替基本計画の策定について」を終わります。  ここで、理事者の一部交代をお願いいたします。                ( 理事者一部交代 )         ───────────────────────── ○片柳進 委員長 次に、所管事務の調査として「かわさきパラムーブメント第2期推進ビジョンの策定について」の報告を受けます。  それでは、理事者の方、よろしくお願いいたします。 ◎鈴木 市民文化局長 市民文化局関係の所管事務の報告といたしまして、かわさきパラムーブメント第2期推進ビジョンの策定について担当課長から御説明いたします。よろしくお願いいたします。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 それでは、かわさきパラムーブメント第2期推進ビジョンの策定について御説明をさせていただきます。  お手元のタブレットのPDFファイル、1(2)-1 かわさきパラムーブメント第2期推進ビジョンの策定について(表紙)をお開きください。まず、御用意させていただきました資料でございますけれども、資料1が「かわさきパラムーブメント第2期推進ビジョン(素案)」に関する意見募集の実施結果について、資料2が「かわさきパラムーブメント第2期推進ビジョン」新旧対照表、資料3がかわさきパラムーブメント第2期推進ビジョンの本編、資料4がかわさきパラムーブメント第2期推進ビジョン(概要版)となっております。  それでは、PDFファイルの1(2)-2 かわさきパラムーブメント第2期推進ビジョンの策定について、資料1 パブコメ結果をお開きください。  1ページ目でございますけれども、第2期推進ビジョンの策定に当たり、本年1月30日から2月28日まで、パブリックコメントを実施いたしました。  3、結果の概要にございますように、8通(13件)の御意見をいただきました。  3ページをごらんください。主な意見を御紹介いたしますと、まず、意見の2でございますが、「かわさきパラムーブメントに関する取組について、期間が短く2020年までに全て実現するのは難しいと思います」という御意見でございます。これに対する本市の考え方としましては「2020年のオリンピックパラリンピック競技大会までに全てを実現するというものではなく、あくまでも大会を契機として市制100周年(2024年)、さらにはその先を見据えて今後も推進するもの」としております。  意見の3は「初めて聞く言葉もあり、そうしたものには説明も必要ではないか」という御意見でございますが、「文章全般を精査し、分かりづらいと思われる文言については、注釈を入れ」ることといたしました。  次に、意見の4ですが、「レガシー①の「多様性を尊重する社会をつくる子どもを育むまち」について学習指導要領の中に明確に記載して、障害当事者の協力を得て実施するようにすること」という御意見でございまして、これにつきましては、新学習指導要領を始め「人権尊重教育や「かわさき共生*共育プログラム」、「キャリア在り方生き方教育」等の取組を通し」レガシー形成に向けた取り組みを進めていくものでございます。  4ページをごらんください。意見の7は「障害者専用のスポーツ施設が必要です」という御意見でございますが、まず、障害のある方が「日常的にスポーツを楽しむためには身近なところで行えることが必要であること、また、ソーシャル・インクルージョンや共生という考え方のもとでは、障害者専用ではなく誰もが一緒に楽しめる施設が必要であると考えております。このため、本市では、各区のスポーツセンターを拠点として、障害のある方が安全安心にスポーツを楽しむことができるよう、各施設の指定管理者に対しまして、障害の状況等に応じた合理的な配慮の提供を行うことについての周知徹底や、施設職員の初級障害者スポーツ指導者養成講座の受講等により」、あわせてバリアフリー化などのハード面の整備も進めておりますが、今後も環境の充実を図っていくものでございます。  次に、意見の8ですが、「前回の東京大会で川崎市としてハード面とソフト面のレガシーが残せていない中で、今回の大会でソフト面のみ重視されていることに違和感があります」という御意見でございますが、レガシー②でソフト面を、また、レガシー③でハード面の取り組みを示しておりますので「どちらかを重視するというわけではなく、それぞれを補完し合うことで、すべての人がより住みやすいまちが実現できると考えております」。  5ページをごらんください。意見の9ですが、「レガシーが形成された状態について、具体的な取組の記載がありません」という御意見でございますが、今後「事業の直接的な対象者やその他の関係者と対話を重ね」ながら「第2期推進ビジョンの取組期間において、様々な関係者と対話を重ねて本ビジョンの考え方やレガシーを共有し、その達成に向けた具体的な取組を検討したうえで実施」していくものでございます。  以上が主な御意見でございますが、続きまして、こうした御意見等も踏まえまして、素案の段階から修正した部分を御説明させていただきますので、PDFファイルの1(2)-3 かわさきパラムーブメント第2期推進ビジョンの策定について、資料2 「かわさきパラムーブメント第2期推進ビジョン」新旧対照表をごらんください。  1ページ目でございますが、表の左側、修正後のアンダーラインの赤字の部分が修正箇所でございまして、主な修正箇所を御説明いたしますと、上から3つ目と4つ目のP.3、P.11とある部分は、先ほど御説明いたしましたパブコメの御意見3に対応した文言の注釈の追加になりまして、マイノリティとLGBTについて追加いたしました。  2ページをごらんください。一番上の修正箇所P.12の部分ですが、障害の社会モデルを説明する例示の部分で、特定の人のみへ配慮するような誤解を与えることがないよう表現を改めました。  次に、P.15の部分ですが、これはレガシー①多様性を尊重する社会をつくる子どもを育むまちについての【レガシーが形成された状態】の部分の文言を整理したものでございます。以上が修正等を行った主な部分でございます。  それでは、ビジョンの本編を御説明させていただきますので、PDFファイルの1(2)-5 かわさきパラムーブメント第2期推進ビジョンの策定について、資料3-2、本編をお開きください。  1ページの1、策定の目的でございますが、2020年、東京で56年ぶりにオリンピック・パラリンピックが開催されます。本市は、競技が行われるいわゆる準開催都市ではありませんが、立地のよさから、国内外の多くの人々が本市を訪れることが予想されます。第2期推進ビジョンは、第1期推進ビジョンの取り組みを踏まえつつ、こうした大会の持つ価値を最大限に活用することを前提に、成長と成熟の調和による持続可能な「最幸のまち かわさき」の実現に向けて、何のためにかわさきパラムーブメントを推進するのかという目指すものと、その実現に向けた基本的な考え方としての理念、さらに未来へと残していくレガシーを市民の皆様と共有し、取り組みを進めていくために策定するものでございます。  次に、2ページをごらんください。2、第1期推進ビジョンの総括の(1)行政計画としての課題ですが、目指すものと理念、また、大会との関係、推進ビジョンにおけるレガシーなど、一部関係性が曖昧であった部分がございましたので、第2期ではその点を整理いたしました。また(2)第1期推進ビジョンに基づく取組として、外部連携組織であるパラムーブメント推進フォーラムや、次に3ページをごらんください。こちらにございますように、庁内の各局区と連携して取り組みを進めてまいりました。また、エ その他課題等でございますが、今後、パラムーブメントをより大きなうねりとしていくためには、市民の皆様に招かれる側のゲストとしてだけでなく、キャストとしても参画していただくことが必要であると考えております。  次に、4ページをごらんください。3、第2期推進ビジョンについてですが、(1)性質として、本市で取り組む行政計画としての要素と、さらに、多様な主体の協働・連携で取り組むものや市民の皆様が取り組むものとしての社会計画の要素、この両面があるということ。  (2)構成としましては5ページをごらんください。こちらの図にございますように、上から、目指すもの、理念、レガシー、5つの取組の方向性、推進にあたっての視点となっております。  (3)取組期間でございますが、6ページをごらんください。図の下の<第2期推進ビジョンでの取組期間>にございますように、2018年度から2021年度までの4年間となっておりますが、レガシーの形成に向けましては、市制100周年となる2024年、さらにはその先を見据えて推進していくものでございます。  7ページの4 社会的背景は割愛をさせていただきまして、次に12ページをごらんください。5、かわさきパラムーブメントによって目指すものと理念ですが、(1)かわさきパラムーブメントによって目指すものとして「誰もが自分らしく暮らし、自己実現を目指せる地域づくり」、(2)かわさきパラムーブメントの理念として、人々の意識や社会環境のバリアを取り除き、誰もが社会参加できる環境を創出することとしております。  13ページをごらんください。こちらは概念イメージでございますが、これは障害のあるなしにかかわらず、全ての人を対象としているもので、真ん中の部分に【目指すもの】がございます。円の左側、まずファーストステップとして人それぞれの個性への理解から始まりますが、ここでは吹き出しにありますように、知識として知るだけでなく、実際にいろいろな体験をして理解することがポイントになってくると考えております。そして、時計回りになりますが、それが心とハードのバリアフリーにつながって、バリアフリーが進むことによって円の上の社会環境によるバリアのない暮らしにつながっていきます。それにより自己実現を果たせる環境が整い、円の右側の社会への参加につながり、例えば就労ですとかボランティア活動といった、その方々がそれぞれの価値を生み出し、それが社会に還元されていき、場合によっては各種の社会保障制度の原資となって支える側に回っていくという好循環を目指すということでございます。また、円の下にありますように東京2020大会の機運を最大限活用して取り組んでいくということをあらわしているものとなります。  次に、14ページをごらんださい。6、レガシーとその考え方でございますが、第1期推進ビジョンでは19のレガシーがございましたが、それを整理統合し、9つのレガシーに見直しを行いました。個々のレガシーについては後ほど御説明いたしますが、では、そのレガシーをどのように形成していくのかということでございますが、15ページをごらんください。上段に記載してございますが、「既存の事業内容を前提とすることなく、個々のレガシーの達成のために、誰を対象としてどのような状態を創出し、そのためにどのような取組をしていくのか、といった点について関係者とともに順序立てて検討・実施していく必要があります」ことから、第2期ビジョンにおきましては「「何(誰)がどのようになったらレガシーが形成された状態」とするのか、理想の状態を明らか」にいたします。そして「取組期間のなかで、様々な関係者と対話を重ねて本ビジョンの考え方やレガシーを共有」しながら具体的な取り組みを検討し、それぞれの主体が順次実施することといたします。  それでは、16ページをごらんください。7 かわさきパラムーブメントにおけるレガシーでございます。  まず(1)多様性と社会的包摂に関するレガシーですが、①多様性を尊重する社会をつくる子どもを育むまちでございます。「「人々の意識や社会環境のバリアを取り除き、誰もが社会参加できる環境を創出」していくには、将来を担う子どもが、障害や人種、LGBTなどをはじめとするいわゆる社会的マイノリティに対して正しく理解し行動できるようにしていくことが重要」であると考えております。こうしたことなどから【レガシーが形成された状態】としましては、中ほどの囲みにございますように「義務教育を終えた時点で、すべての子どもたちが、人は平等であり、かつ、あらゆる機会の提供は公平であるべきことを理解しており、誰もが各々の個性を互いに尊重し合えている」「義務教育を終えた時点で、すべての子どもたちが、共生社会の担い手としてお互いに助け合い支え合うことの大切さを理解し、実践的な態度が身についている」。「大人たちが、自他の個性を尊重し助け合うことを実践し、子どもたちの模範となっている」。  次に、17ページをごらんください。②心理的バリアが解消されたまち~心のバリアフリー~でございます。  「人には、障害の有無や加齢による心や体の変化、性的指向、国籍など様々な心身の特性や考え方がありますが、誰もが知らず知らずのうちに、「自分とは違う存在である」というような、差別意識とは違う「心のバリア」を作りがちであり、それが言動に表れることにより、当事者に様々な思いを抱かせてしまうことがあります」。こうしたことなどから【レガシーが形成された状態】としましては「すべての人が、自他の個性を尊重し、相互にコミュニケーションをとることができる」「すべての人が、自らの心のバリアを取り除く実践的な行動をとっている」「社会的マイノリティの当事者が、自分たちも社会を構成するかけがえのない存在であることを確信し、社会生活上のバリアを取り除くうえで必要なことを他者に伝えられている」。  次に、18ページをごらんください。③社会的バリアが解消されたまち~ユニバーサルなまち~でございます。  「障害の社会モデルの考え方に基づく「社会環境によるバリアのない暮らし」を実現し、さらに社会参加へと進めていくためには、誰もが自分自身で自由に移動し、日常生活や仕事、趣味など様々な活動を妨げている物理的な障壁や情報に関する障壁を取り除いていく必要があります。こうしたことなどから【レガシーが形成された状態】としましては「すべての人が、自らの意思で行きたい所に行け、行った先で自由に行動ができる」「すべての人が、言語、心身の個性の違いを意識することなく、サービスを享受できている」「すべての人が、あらゆる情報に公平にアクセスできる」。  次に、19ページをごらんください。④誰もがスポーツ・運動に親しんでいるまちでございます。  「スポーツに親しみ、楽しむことは、体を動かすことによる爽快感だけでなく、心身の健全な発達や、健康・体力の維持増進、人と人の交流による地域の一体感や活力など、さまざまな効果をもたらします。また「オリンピック・パラリンピックはスポーツの祭典であり、この機会にスポーツに対する人々の関心が高まることが予想されます。特にパラリンピックについては「共生社会を具現化するための重要なヒントが詰まっています」。こうしたことなどから【レガシーが形成された状態】としましては「すべての人にとって、身近な場所でスポーツをするための環境が整っている」「すべての人にとって、公平にスポーツを観戦できる環境が整っている」「すべての人が、日常的にスポーツ・運動に親しみ、楽しみ、体力の維持向上や健やかな心身を育んでいる」。  次に、20ページをごらんください。⑤誰もが文化芸術に親しんでいるまちでございます。  「障害のある方にとっても、文化芸術活動に親しむことは自己表現・自己実現の一つの手段になりえるもので、実際に活躍されている障害のある芸術家も大勢います。また、オリンピック・パラリンピックは文化の祭典でも」ございますので「文化芸術の分野においてもスポーツと同様に、オリンピック・パラリンピックの持つ価値を最大限活用することで、障害のある方などの自己実現・社会参加の手段として文化芸術活動の振興を図っていくことは重要」でございます。こうしたことなどから【レガシーが形成された状態】としましては「すべての人が、文化芸術活動に携わることができる環境が整っている」「すべての人が、文化芸術に親しみ、楽しめる環境が整っている」。  次に、21ページをごらんください。⑥多様な主体が地域づくりに貢献しているまちでございます。  「少子高齢・人口減少社会にあって、持続可能なまちづくりを進めていくためには、共に支え合う地域社会としていくことが不可欠です。現在は障害がなくても、将来、加齢や病気・事故等により心身の自由が利かなくなってしまう可能性は誰にでもあり、誰もが当事者として、障害の有無に関わらずお互いを支え合っていくことが必要であるという考え方を一般的なものにしていくことが重要となります」。こうしたことなどから【レガシーが形成された状態】としましては「すべての人が、自らが住まうまちの将来の姿を共有して、自らの能力を活かして活動を実践し、コミュニティの一員となっている」「自らが住まうまちの地縁型の活動やテーマ型の活動にかかわらず、参加できる環境が整っている」。  次に、22ページをごらんください。⑦誰もが職業等を通じて社会参加できる環境でございます。
     「持続可能で誰もが地域社会で自立していきいきと暮らせるまちづくりを進めていくためには、自らの持つ可能性を信じて能力を最大限に伸ばし、職業やその他の趣味・学習活動等も通じて自己実現できる環境を整えていくことが必要となります。そのためには、「心のバリアフリー」と「ユニバーサルなまち」を前提として、障害のある方の働く意欲の向上、就労マッチング」など「障害者雇用の促進や、誰もが働きやすい職場環境の構築が重要となります。また、雇用、就労だけでなく、その他の趣味や学習活動などに幅広く関心を持ち、それを実践できる環境を整えることも必要です。こうしたことなどから【レガシーが形成された状態】としましては「すべての人が、社会参加しようとする意欲を持っている」「すべての人が、お互いの個性を理解し、一緒になって仕事や、趣味、学習活動等を行っている」。  次に、23ページをごらんください。(2)川崎のブランド力に関するレガシーの⑧来訪者が「行って良かった」と思えるまちでございます。  「本市は東京2020大会の競技が行われるいわゆる「準開催都市」ではありませんが、開催都市に最も近い都市の一つであり、その立地の良さから、国内外の多くの人々が本市を訪れることが予想されます。この機会を捉え、多くの外国人を魅了することができるような観光資源の活用や、まだ知られざる隠れた魅力を市民と共に発掘し発信していくことが必要です。こうしたことなどから【レガシーが形成された状態】としましては「川崎を目的地として多くの人が訪れている」「川崎への来訪者が、その後、川崎の魅力を発信している」。  次に、24ページをごらんください。⑨知名度・プレゼンスが高まった川崎でございます。  「国内外から多くの人々が本市を訪れることが予想されます。この機会を捉え、海外メディアなどに高度な医療ニーズに対応した革新的な医薬品・医療機器の開発や、先端技術などといった本市の強みをアピールし、世界的な課題解決に貢献していくことが必要です。このほか、交通・物流の利便性の高さや、豊富な文化芸術資源、かわさきスポーツパートナー等の存在、水と緑の豊かな自然環境など、本市には積極的に活用すべきポテンシャルがあります。こうしたことなどから【レガシーが形成された状態】としましては「川崎が、様々な分野におけるテクノロジーの開発などで世界の最先端にあることが国内外で認知されている」「川崎の魅力や特長が国内外で認知されている」。以上が9つのレガシーでございます。  次に、25ページをごらんください。8、パラムーブメントの推進に資する本市の取組でございます。  本市の計画には「市政運営の礎となる「総合計画」を筆頭に、」「事業目標や取組内容を具体的に定める「分野別横断計画」」「「分野別計画」」「「個別計画」」がございますが、そのほか「具体的な取組内容を位置付けていない、市が目指す理念、考え方を示した「ビジョン、方針等」があります。かわさきパラムーブメント推進ビジョンは、この「ビジョン、方針等」に該当」するものでございますが、一方で、これからのレガシー形成に向けた取り組みのほかに「総合計画第2期実施計画に基づく事務事業においてもパラムーブメントの推進に資する取組があることから」25ページ以降で御紹介をしております。時間の関係もございますので、一件一件の説明は省略させていただきますが、後ほど御参照いただければと存じます。  また、資料4は概要版となっておりますので、こちらも後ほど御参照いただければと存じます。  以上で説明を終わらせていただきます。 ○片柳進 委員長 説明は以上のとおりです。ただいまの説明について質問等がございましたらお願いいたします。 ◆月本琢也 委員 御説明ありがとうございます。今回御説明をいただいた中で、18ページとかの【レガシーが形成された状態】というところで「すべての人が、自ら意思で行きたい所に行け、行った先で自由に行動ができる」とか、あるいは19ページ以降も、全ての人がスポーツができる、あるいは全ての人が文化芸術に親しむとか、そういったことで行動しやすいというような理念が書かれているのかなと。あと23ページの⑧来訪者が「行って良かった」と思えるまちということでそれぞれ書かれておりまして、第1期推進計画のときなんかも方向性としては同じようなイメージなのかなというところで、そこから2年たって、オリパラ大会を成功させていくという今回の推進計画があるということでございます。  私は以前、経済労働局がウェルフェアイノベーション推進計画を出されたときに、オリンピック・パラリンピックと連携していくというところで、今から4年前ぐらいの当時の市民委員会で提案させていただいたところだったんですけれども、ウェルフェアイノベーションの推進計画とかを見ていても、余りオリンピック・パラリンピックとの関連性が見えてこなかったなというところもあるんですが、パラムーブメント推進ビジョンの中には、そういった福祉製品等々の活用は方向性としては出てきているところはあるのかな。  ただ、パラリンピックが終わった後の未来のビジョンというのは第3期ということなんですが、ある意味、この第2期はそういった福祉製品とかを活用していく中では非常に重要な時期になるのかな。先ほどの来訪者が「行って良かった」と思えるまちとか、あるいは誰もが移動しやすくなるというのは、福祉製品をうまく活用することによってできてくるところなのかなというところでいくと、第2期推進計画の期間というのは非常に重要になってくるのかなと思うんですけれども、そのあたりについて、直接的にどちらかというと経済労働局の所管に近いところなのかなと思うんですが、公共的な整備、まちづくり分野の部分だけではなくて、例えばホテルとか、あるいは関連するレンタカー屋とかもそうですね。そういった関連事業に向けてこの推進ビジョンで大会を成功させて、第3期につなげていくに当たっての具体的な方策というのはどこに出ているのか、教えていただければと思います。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 例えばウェルフェアイノベーションについて、本件でいきますと25ページ以降にパラムーブメントの推進に資する本市の取組とございまして、例えば32ページの一番上に福祉製品、サービスの開発企業との連携ということで、こちらにウェルフェアイノベーション推進計画に基づきということで、そうした「新たな製品・サービス」「社会モデルの創造・発信に向けた取組を進めます」とあると思うんですけれども、この4年間の中で、先ほどおっしゃられたようなユニバーサルなまちですとか、誰もが自由に移動できるというところも、こうしたイノベーションと絡めてやっていければと思うんですけれども、具体の取り組みにつきましては、今は理想の状態というところで、レガシーとそれが実現されたものというところで設計したところでございますので、それぞれの所管ですとか、さまざまなステークホルダーが出るかと思いますので、そういったところと丁寧に対話を重ねながらやっていきたいと思っているところでございます。 ◆月本琢也 委員 所管もたくさん見えられておりますし、今の答弁、なかなか難しいところを整理されていることは理解できるんですけれども、オリンピック・パラリンピックから未来につなげていくといったせっかくのビジョンがある上でいくと、この2年はすごい勝負なのかな。勝負だし、ある意味、短い期間でいろいろなものを凝縮していかなければいけないというところでいくと、僕もある意味、酷なことを言っているのかもしれません。ただ、これが本当にレガシーとして残せるかどうかという非常に重要な時期がこの2年なのかなというところですので、今32ページで御説明いただいたような連携的なところというふわっとした部分については多分お考えだろうし、今までも多分経済労働局もやってこられたんでしょうけれども、公共的なところはまちづくり部門でやっているでしょうし、今度は縦割りでそれぞればらばらなところを結びつけていく役割というのが恐らく市民文化局のほうなのかなと思いますので、そのあたりを考えていただければと思います。  あと観光の部分なんかでは、今、空港なんかでも言われていますが、例えば宗教によって食事や制限がある方、あるいは宗教によっては礼拝を1日何回かやらなければいけない。そういったところも、公共的なところというよりも、ある意味、民間……。例えばホテルとか食事をする場所なんかでも取り組んでいく中で、我が国を訪れた外国の方にとっても過ごしやすい日本というところで来たときに、これは観光協会との連携もあると思うんですけれども、例えば飲食店なんかでもメニューとかの表示の部分もあるでしょうし、あるいは礼拝の部分も商店街全体でやるとか、そういったところもあると思うんですけれども、パラムーブメントをしていくに当たっての民間業者、企業とか団体との連携と発信をこれから2年のうちにどのようにやられていくのか、伺えればと思います。 ◎原 担当理事・オリンピックパラリンピック推進室長事務取扱 先ほどの委員の御質問の補足も踏まえての御答弁なんですけれども、まずパラムーブメント推進ビジョンというものは、先ほど御説明したように行政計画であり、社会計画でありという側面を持っているということと、先ほど25ページで、役所の計画の中では、分野別計画とか、総合計画とかという位置づけの中でこれもビジョンの取り組みになるということで、委員言われましたように、まさしく各局が取り組む、個々どう連携していくかということにつながるんですが、【レガシーが形成された状態】という意味では目指すところを今示していますので、この4年間でそこに到達するとは、正直到底思っていないんですね。  ただ、とはいえ、現在地がどこにあって、先ほど課長が説明していましたようにそれぞれのステークホルダーと議論して、まず、どこの到達点を目指していくのか。いきなり頂上に行くわけではなくて、じゃ、三、四合目へ行って、5合目に行って、7合目に行くという議論をこれから始めていきますので、そういう意味では、レガシーは、オリンピックが終わって終わるものではないと思います。  ただ、先ほど言った行政計画として、ウェルフェアイノベーション推進計画も位置づけておりますけれども、そうしたものが行政計画の範疇になりますので、総合計画、実施計画の改定とともにここは改定していきますけれども、目指している状態については変わっていませんので、そこに向けてどうしていくかということです。  民間企業等を巻き込んだという部分については、まさしく委員のおっしゃるとおりで、一昨年、私ども宿泊施設のバリアフリー調査をさせていただきました。市内には二十数ホテルあって、最近ですと6月にアパホテルができます。幾つかできていくんですが、ビジネスユースのホテルが非常に多く、稼働率も約90%を超えている状態の中で、経営者側からすると十分に問題ないということになるんですが、時代の流れとしてはそうではないでしょうということで、ハード面でのバリアフリーができないところにおいては、従業員の対応によって十分対応できるということで、事業者向けの研修もさせていただきましたし、飲食店についても同じで、そういう研修もさせていただきました。  ただ、委員おっしゃるようにハラル対応の問題ですとか多言語対応の問題、いろいろございます。これについては、やはり私どもこれから、先ほど言ったレガシー形成に向けて、いろいろなステークホルダーというのは行政内部だけではないので、そういう方々とも話をしながら、どこまでできるのかということを詰めながら、一つ一つの、到達点を決めて、そこに向けてみんなでやっていくような形にしてまいりたいと思っておりまして、その部分については、またそのタイミング、タイミングで議会にも報告しながらやっていきたいと思っていますので、今委員がおっしゃられた意見については十分認識はしているんですが、非常に難しい課題だという認識もあるんですが、もともと多様な主体がみずから取り組むことがムーブメントでございますので、いかに民間事業者にその気になっていただいて、一緒に目標に向かっていくかが重要ですので、そういう方々とこれから議論をより一層深めて対応していきたいと考えているところでございます。 ◆月本琢也 委員 理事の丁寧な御答弁ありがとうございます。私もいろいろな大会に出ていらっしゃるパラリンピアン、メダリストの方ともお話をさせていただいたんですが、世界的にいろいろな都市、いろいろな先進国の大会へ行っても、やっぱり日本が一番そういったところはきめ細かくて、障害者にとっては過ごしやすいまちであって、大会に参加する側としても非常に行きやすいんだというところもある。もちろんこれは日本のパラリンピアンの方が世界を見てそう思うし、逆に世界のパラリンピアンの方もいろいろな国に行っていますし、もちろん日本にも来ていますから、日本に来られるときはすごい期待をして来られるのかなというところですので、その期待に応えることによって、今度は産業としての福祉も発信できるのかなと思いますので、今、一つ一つの分野において理事から御説明いただいて、今後それを一個一個潰していくという表現が適切かどうかはわからないんですけれども、やっていく中で、その辺をまた議会でもやりとりさせていただいて、2年先のところでどこまでマイルストーンとして持っていけるかというところはこれから多分重要になってくると思いますので、今後もそのあたりは注視させていただいて、議論させていただければと思います。  以上です。ありがとうございました。 ◆岩隈千尋 委員 我々もさきの予算議会で素案のことについてお話をさせていただいたところなんですけれども、まず、総合計画の中で重要な年次が3つ掲げられていて、その一つがオリパラ2020ということで、この行政計画が非常に重要なものであるという認識なんですけれども、第1期かわさきパラムーブメント――これは造語ですね。造語に関して、じゃ、どれだけ第1期から約2年間たつわけなんですけれども、先ほどお話をいただいた市内の対象者に対して、市民も含めてみんなということになるのかもしれませんけれども、これについて、我々も第1期推進ビジョンの中では障害者に対してというイメージをされていましたので、市内の障害者団体の方にこれまでヒアリング調査なんかを何百人単位で見てきましたけれども、基本的に誰も知らないんです。これは本当に言い切ってもいいです。何百人単位で話を聞いても誰も知らないから。何となく聞いたことがあるねといった意見も、内容については全く知らない方々ばかりなんですね。だからこそ、職員の皆さん方は携帯、ネックストラップなんかもかけていらっしゃるし、周知に努めていらっしゃるかもしれませんけれども、第1期の反省点をどのように切り出しているのかというところなんですね。この辺はどのように考えていらっしゃいますか。 ○片柳進 委員長 答弁の前に、傍聴の申し出がございますので、許可することに御異議ありませんでしょうか。                 ( 異議なし ) ○片柳進 委員長 それでは、傍聴を許可いたします。                 ( 傍聴者入室 ) ○片柳進 委員長 それでは、答弁をお願いいたします。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 1期の総括ということで、先ほど御説明の中で目指すものとか、意味が一部曖昧なところがあったというお話をしたんですが、もう一つ、委員おっしゃられていたように理念の浸透ですとか、そもそもパラムーブメントが知られていないのではないかという反省は我々も非常にございましたもので、1期のときには各種団体に余り説明をしてこなかったという反省がございましたことから、昨年度から各種団体に、まず1期の説明と2期の策定状況、途中経過も含めて、素案ができた状態も含めてなんですけれども、昨年5月ぐらいからさまざまな団体に直接出向いて説明をやってまいりました。  幾つか申し上げますと、例えば昨年の5月にはノーマライゼーションプランの改定委員会ですとか、社会福祉協議会の部長会を初め障害者の団体部会、各種団体が集まる会議ですとか障害者施策審議会、あとは教育委員会ですとか全町連の役員会、各企業が集まります川崎駅周辺地区スマートコミュニティ事業委員会、スポーツ推進審議会とか市立学校の校長会といったところに出向いて、そのタイミング、タイミングの最新情報と1期ビジョンの説明ですとか、パラムーブメントとはこういう取り組みをしていますというところで御説明させていただいて、そこで御意見等があれば拾っていくような作業をしてきたところでございます。  ただ、当然それでは十分ではないという認識もございますので、このたびの2期ビジョンが外にも発信できるように策定できましたので、さらに今年度については、そこの取り組みも加速度的に、理念を浸透させる取り組みを計画的にしていきたいと思っているところでございます。 ◆岩隈千尋 委員 1期と違って、各団体にいろいろと御説明をしてきているということは理解したわけなんですけれども、そうすると、第1期推進ビジョンでのパブコメは15通(41件)なんですね。今回は8通(13件)と激減ではないですか。皆さん方がそれだけ説明されているのに、パブコメについて何でこれだけなんですか。たった8通(13件)だけではないですか。どのような周知なり担当の役割をされて、アプローチをしていったりしたんですか。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 実は今回、パブコメを少し丁寧にやりたいということで、先ほど御説明しましたが、素案の状態で1月からやって8通(13件)ですが、検討状況の段階でも12月から1月5日までやっておりまして、それは検討状況ということで、その前の段階でもパブコメをかけて、2回やった経緯がございます。ただ、その1回目のときも、件数で言いますと3件と少なかったところがあるんですが、そこで分散をしたということが1つと、あと、パブコメをやりますという周知については通常の形式というんですか。ホームページでやったりとかというところ、そこでは特筆すべき工夫はなかったんですけれども、先ほど申し上げたように昨年は5月ぐらいから各団体に回っている中で直接御意見を聞いてということで、そのときに、今パブコメをやっていますので、この用紙を出してくださいというようなアナウンスを余りしてこなかったので、その場でいただいた御意見みたいなものはこの件数にあらわれていないということで、少し拾えているのかなとは思っているんですけれども、私どもとしても件数が少なかったのは残念といいますか、もうちょっと広報をそこの部分でしてもよかったかなと反省しているところでございます。 ◆岩隈千尋 委員 第1期と比較して、第2期推進ビジョンはすごく皆さん方が頑張っていらっしゃるといいますか、反省点を踏まえて第2期につなげていらっしゃる姿は総括を読んでもわかるんですけれども、我々も素案を練っている策定の段階からずっと提言させていただいているのは、対象者が余りにも、市民から、企業から云々かんぬんというお話もありましたけれども、広いのではないかということと、皆さん方がこれまで行ってきた事業の中でトップダウン的な手法が物すごく見え隠れするわけです。我々議会はこれまで海外視察なんかで北欧に行った経験もありますので、そこで得た知見とかも踏まえて、こういったものは教育等々を加味して、すごく根気よくやらなければいけないことだと私は思っているんですね。そういったときにボトムアップ的な手法、私、第1期をつくるときに、皆様方に本当にやる覚悟があるんですかというお話をしたんです。パラムーブメント、パラですよね。  というのは、先ほどお話がありましたけれども、諸外国、北欧が広く福祉政策で有名ですけれども、日本のほうが断然バリアフリーに秀でるんですよ。でも、福祉といえば北欧のほうがやっぱり有名ではないですか。じゃ、それは何なんですかという分析も含めて、やる気がない部分は、2020年が終わったらすぐに行革対象になりますよ。だから、本気でやるのであれば、きちんとボトムアップ的なもの、もしくは個別、分野別計画と連動していただかなければいかぬというお話はさせていただいたんですけれども、そういった我々がこの間、素案の段階から言ってきた対象者を余りにも広げ過ぎではないかということについては、局内でどういった議論をしようとしているんですか。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 対象が広過ぎるということと、ボトムアップ、トップダウンではないのかというところがあるんですけれども、まず1つは、対象につきましてなんですが、パラムーブメントという名称から、どうしても障害というところに引きずられがちなところはあるんですけれども、あくまでオリパラ大会の開催というのはそれを契機にするということで、目指すものにございますように自己実現を目指せる地域づくりを考えたときに、これはどうやって2期ビジョンをつくり上げてきたかという話になってくるんですけれども、通常ですと、例えば全庁的に、言い方があれかもしれませんが、我々のほうで事務事業の表をつくって、こういうものが資するものだと思いますということで、全庁的に文書照会をかけて、修正して、それを集約して計画をつくるのが一般的かと思うんですが、それではいけないなということで、例えば昨年度、策定中には、10月に1週間程度、関係すると思われるところにヒアリングということで、担当課長をお呼びして、パラムーブメントというのはこういう考え方なんです、これについて一旦業務を離れてでもいいから、どうすればこのレガシーに近づけると思いますかというようなことをざっくばらんにワークショップ形式のヒアリングを実施しました。また、12月には、今度は同じように対象者である職員をまず呼んで、各レガシーごとにどういった状態になればレガシーが形成された状態か、それにはどんなステークホルダーが要ると思いますかというようなワークショップ形式でやって、最後に、例えばオリンピック・パラリンピック2020にパラムーブメント新聞というのができまして、それがどうなっていると思いますかというような、少し楽しみながら理想の状態がどうなっているかというようなボトムアップの形で、何しろ職員の意識を変えないといけないところがございますので、そういった形でつくり上げてきたところでございます。 ◎原 担当理事・オリンピックパラリンピック推進室長事務取扱 少し今の補足をさせていただきたいと思います。  まだ浸透していないということについては私どもも十分認識をさせていただいていて、今回策定に当たっては、先ほど課長が申しましたようにいろいろな団体とお話をしている。でも、一方、それは団体の役員とかというレベル感にどうしてもなってしまいますので、市民というレベルまでどこまで落とし込んでいるかというところでは、やはりまだまだ疑問が残るところは正直あろうかと思います。そこにつきましても今回の第2期ビジョンを策定された上でビジョンの冊子ですとか、いろいろまた工夫をして、どうやって周知していこうか、より一層の広報に努めていきたいと思っている点と、先ほどボトムアップの点につきまして、今、課長が若干触れましたようにレガシーの形成については庁内ではかなり議論して、関係部局と調整をしながら、先ほど言いましたようにワークショップ方式みたいなことで、とにかく今の自分の業務の枠組みから離れてどうなのかなという議論を重ねてきました。先ほども御答弁させていただいたように、個々のレガシーについて、どこの到達点を目指していくか、多様な主体と議論していく。それはまさしく庁内の話ではないので、そこで議論していくことによって、レガシー形成に向けた状態をボトムアップで関係のステークホルダーの方々と議論しながら、どこまでの到達点を決めていくかというような議論をさせていただきたいと思っていますので、そこにおいてはボトムアップという形で合意形成をした上で到達点を決めていくことになろうかと思います。  ちょっと補足をさせていただきました。 ◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。他局にいろいろそういったワークショップを行っているよということなんですけれども、原局の皆さんに御理解していただくというのはなかなか大変な作業だなと思うところなんですけれども、各分野別の政策、事務事業等々についての進行管理みたいなものがパラムーブメントとか上位計画であって、個別のいろいろな施策の管理は誰が行うんですか。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 基本的には総合計画の進捗管理の中でそれぞれの所管でやっていただくというところをベースにしながら、上位概念ということでのパラムーブメントでも必要に応じて、パラムーブメントに特化した進捗というところは、それとは別に私どものほうでも各局に照会をかけながら捉えていきたいと思っているところでございます。 ◆岩隈千尋 委員 そこなんですよ。地ケアビジョンもそうですし、臨海部ビジョンもそうですし、これも類似したものなのかもしれないけれども、進捗のところについては個別の計画で、まだできていませんという話になるわけです。そこにも書いてあるように成果指標を出せという話になって、だから、総合計画との違いというのが見えないんですね。今、働き方改革と言われている中で、いろいろとつくる計画というものも、当然のことながら類似している事業なんかはある程度精査しなければいけない中で、これをやるんだったらば、当然のことながら必ず必要ですよという言い分だと思うんですけれども、総合計画との違いは何なんですか。ここに書いてあるレガシーは初めに課長から御説明いただきましたけれども、レガシーに書いていることはほぼ全て、大体総合計画で網羅している範囲だと思うんですけれども、何が違うんですか。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 先ほどの説明と重複してしまいますけれども、一番上に総合計画があって、あとは具体の取り組みですとか、そういったものは個別計画、分野別総合計画があると思うんですが、パラムーブメント推進計画につきましては「ビジョン、方針等」で具体なものを定めないという位置づけになってございまして、いろいろな計画。例えば文化芸術振興計画ですとか、スポーツ推進計画ですとか、ノーマライゼーションプランといった個別計画の理想とする方向性を示しています。例えば何か各取り組みがそれぞれの違うベクトルに行ったときに、灯台の明かりではないですが、この推進ビジョンを見て同じベクトルに向けていくための方向性を示すものになってくるかなと思っております。総合計画の具体の取り組みでも各階層できっちりと決まってきているんだと思うんですけれども、そこが違うかなというふうに……。 ◆岩隈千尋 委員 多分その辺が、例えばさっきお話しいただいた知名度・プレゼンスが高まった川崎とか、⑧来訪者が「行って良かった」と思えるまち、ムーブメントの対象者がすごく広いので、何でそれがパラムーブメントに資するのか、私も正直言って非常に疑問があるわけなんです。だって、第1期推進ビジョンの中に具体的に書いているのは、いわゆる障害者施策とかも含めてパラリンピックに重点を置くことが書いているわけですから。さきの予算議会でお話しさせていただきましたけれども、障害者スポーツのことについても我々は触れていますし、今度5月の常任委員会でも我々各種の施設なんかも見にいく予定なんですけれども、これまで皆様方の答弁で各区のスポーツセンター、障害者の皆さんに使用拡大したよと。そのことについては評価をするところなんですけれども、今回のパブコメでも、第1期のときのパブコメでもそうですけれども、恐らくこれを出している方たちは障害者の方なんだと思いますけれども、本市が他都市におくれている障害者スポーツの施設整備についての声はやっぱり根強いですね。わずか8件の中にも入っているではないですか。そうしたときに障害者からの声というのは局内ではどのように議論されたんですか。皆さん方の部署とは関係ないことは知っていますよ。ただ、隣の市民スポーツ室にとっても、これだけの大きな話を皆さん方はこちらの委員会に報告されているわけですから、当然包含されるものと思うんですけれども、どういう議論をされたのか、教えてください。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 障害者専用スポーツというところでも御意見をいただいていますが、例えば具体の事業でいいますと、各スポーツセンターでも障害者スポーツデーがあって、平成29年度は試行的にということで各センターで1回ずつということだったんですが、例えば平成30年度についていいますと、とどろきのほうでは指定管理の中に含めまして、月に1~2回でございますので、各スポーツセンター1回プラスとどろきアリーナでは年12回ということで、回数でいいますと徐々にふえていって、また、その検証をしながらなるべく近いところでということで、スポーツセンターでそういった障害者の方が使いやすいような工夫をしていくというところで、そこで広げていきましょうという議論をしているところでございます。 ◆岩隈千尋 委員 パブコメにも書いていますが、それでは嫌だと障害者の方たちは言っているわけです。他都市よりおくれているという話。もちろんパブコメで上がってきた意見を全て聞けとは言いませんけれども、本市がまさにおくれている分野で、レガシー一つ見てもそうですけれども、レガシーは、ここに書いてあるけれども、全部ぼやっとしている話ではないですか。否定されるべきものではないですけれども、ぼやっとしているわけです。そういったときに、2020年を経て、本当にきちんと何が残るのかというところ。ぼやっとしたものがずっとあって、否定されるべきものではない、肯定的なものがあるわけです、文言の中でも。それは否定しませんけれども、じゃ、終わった後、何が残るのか。まさに本当にレガシーですよ。私はそれが見えないんですよ。  第2期ビジョンというのは4年間ですから、オリパラが当然含まれているわけです。そういったところをもう少し局内で、今、課長が話していたのは単にスポーツ施設のスケジュールの話でしょう。どうやって使い分けていくかという話でしょう。もう答弁は求めませんけれども、そこは局内できちんと障害者スポーツの方たち、本市はおくれているわけですから、やっぱり議論するべき案件だと私は思っています。予算議会でもお話ししましたけれども、隣の横浜市は港南区に第2ラポールのような予算づけが行われているわけですよ。局内できちんとほかの部署、市民スポーツ室と連携して、例えば横浜だったりとか、他都市に視察に行くとか、そういった考えはないんですか。いわゆる他市を研究するということはないんですか。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 他都市の研究というところでは、一昨年度ですか、スポーツ・文化複合施設整備推進室でラポールの調査ということで見に行ったりですとか、あとは、じゃ、指定都市で障害者専用スポーツ施設がどうなっているか。その設置状況の調査等をしておりまして、例えば今20都市ある中で設置しているのが12都市で、設置していないのが8都市。仮に障害者の方が使った場合、合理的配慮でどこまで充実させているのかみたいなところも含めまして、そういった他都市の調査は行っているところでございます。 ◎原 担当理事・オリンピックパラリンピック推進室長事務取扱 今のに少し補足をさせていただきますけれども、レガシーとして何が残るのかという部分については、先ほど来、御説明をさせていただいていますように、到達点を決めて、そこをまず、議会に報告をしながら議論させていただきたいと考えてございますので、そこはこれから具体的に御報告なりをさせていただきながらやらせていただきたいと思います。また、障害者スポーツ施設については、局内、隣の市民スポーツ室が所管をしているわけですけれども、現実的に障害者専用施設、確かに全国で130ぐらいあるやに伺っています。専用優先施設とか。例えば横浜のラポールにつきましても、もともとリハビリテーションセンターの中にあるスポーツ施設が利用者に使っていいということになっていて、本市においても井田山にあって、あそこが老朽化しているというまた違った次元の問題はありますけれども、そういう議論をきちんとしていく必要があるのかなと思います。スポーツ施設として必要なのか、リハビリテーション機能も含めたものなのか。  そして、私どもがこのパラムーブメントで最終的に目指しているのは、健常者とともに、どこでも障害者と健常者が一緒にスポーツができるような環境が整えばいいと思っていますので、専用施設をつくることが本当に可なのかどうかという議論は正直あると思います。例えば南部地域に仮にできたときに、北部から遠いという話が出ることもございますし、先ほど他の委員の御質問の中でいろいろなパラリンピアンのお話を聞く中で、私も正直そういうところにいろいろ出させていただいているわけですけれども、日本の悪いところで、障害者専用施設があるから、普通のところでインクルーシブにみんなが一緒にやらなくなっているのは弊害ではないかという御意見もある。そういうことをきちんと議論しながら、障害者スポーツ施設に少し皆さんの関心が高まっていることは十分認識をしておりますが、いろいろな部分でそういう議論をしていかなくてはいけないということは認識しておりますので、今委員から御指摘のあったようなことは、同じ局内でございますので、そこについてはきちんと議論をより深めていかなければいけない。逆に言うと健康福祉局にもかかわると思いますけれども、井田山のリハビリテーション施設の体育施設の老朽化問題も一方ではありますので、そういうことも含めて、市としてトータルできちんと議論していかなければいけない課題だという認識は持っておりますので、今後福祉部門、全庁的に議論させていただく必要があるのかなとは思っています。 ◆岩隈千尋 委員 先ほど理事にお話しいただいたように、じゃ、健康福祉局が主体的に取り組んできたのかといえば、全くその姿は見えないわけであって。見えないから皆さん方が負担されて、恐らく困っているところも多分にあると私も思うんです。しかしながら、さっきお話ししましたように、やっぱり2020年を経て、ああ、やってよかったねとか、オリンピックがあったから、川崎のハード面の整備だけではないかもしれませんけれども、何か残せるものがないというか、せっかくの推進ビジョンなりとか、こういったいろいろなレガシーがあったとしても、結局何だかよくわからないうちにぼやぼやとして終わってしまうというふうにならないように、また皆さん方もしっかりと局内で議論していただきたいと思います。  結構です。 ◆末永直 委員 御説明ありがとうございました。先ほど岩隈委員もおっしゃっていましたが、対象範囲が広過ぎる。御説明をお聞きしていまして、目指すものの中で、誰もが自分らしくと「誰もが」とあります。その一方で「すべての人が」という文言もあって、頭の中で混乱していくんです。行政用語的に「誰もが」と「すべての人が」はどういう違いがあるのかとか、やはり市民の関心が薄いというのはそういうところにもあるのではないかと思うんです。「誰もが」とか「すべての人が」という、抽象的にざっくりしたところを言われても、人間というのはなかなか自分ごととして捉えられなくなるというか、例えば私に対しても、地方議員はと言われるのと、川崎市議会議員はと言われるのと、末永直と言われるのとでは受けとめ方が全然違ってくるわけなんです。それと同じように、対象が広過ぎるというのは本当にそのとおりだと思うんですけれども、もっといい市民の方に伝わるような文言はないのかと思うんです。  ちょっとお聞きしたいんですけれども、「誰もが」と「すべての人が」の違いについて教えていただけますか。統一しなかった意味合いとか。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 「すべての人が」と「誰もが」というところ、正直厳密な違いは整理してございません。文章の流れの中でどちらが座りがいいかというところでございまして、レガシー本体には「誰もが」ということで使っているかと思います。【レガシーが形成された状態】では「すべての人が」を使っているという違いがありますけれども、9つのレガシー本体は期間中には変える予定はないんですけれども、【レガシーが形成された状態】につきましては、さまざまな方々と議論する中で、ここは正直変わってもいいかな、変わることもあるかなと思っているんです。なので、そもそもの使い分けがないので、整理したほうがいいのではないかという御意見、御指摘を踏まえて、またそこは少し整理していきたいと思います。 ◆末永直 委員 ありがとうございます。やはり言葉も統一して、ある種のパラムーブメント、「パ」でもいいですけれども、言葉を、要するにキャッチフレーズ的に統一して、市民の方々の心にすっと入ってきて、定着し、ああ、あのとき、ああいうことがあったねとか、そのように思っていただいて、障害者に優しくしないといけないなとか、自分にとっての自己実現とは何だろうかとか、そういう意識が変わっていくことが基本ではないのかなと思います。  そこで、先ほど月本委員もおっしゃいましたが、今回の重要な点として推進室ができて、縦割りから各局を結んでいくという月本委員の言葉もあったんですけれども、そこは非常に重要なのではないかと思うんです。全庁的に職員の皆さんの心が変わっていく、意識が変わっていく、それによって市民に対して波及して、市民から外国の方々、さまざまな国外の方に伝播していく。職員の方が変わっていくということが非常に重要だと思います。  そこでお聞きしたいんですが、今後いろいろ会議をやっていくと思うんですが、各部局を横断して、こういうことをしたらいいのではないかとか、そういうアドバイス的な提案をしたりする方はいらっしゃるんですか。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 例えば職員を集めたワークショップみたいな中で、その場面でアドバイスをするような……。 ◆末永直 委員 それも含めて、例えば市民文化局の中で議題を決めて、それを上下水道事業管理者とか、環境局とか、さまざまなところにある種提案として口出しをしていく。また、その逆もあって、ほかの部局から関係局にこういうことをしたらいいのではないかとかいうふうなアドバイザー的な方は……。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 そういう点からすると、今はそういったアドバイザー的な方がいないという現状でございますけれども、今年度も当然庁内との議論は進めていきたいと思っておりますので、今言っていただいたようなことを参考に検討はしたいと思っています。 ◆末永直 委員 いろいろないい意見が出てくると思うんです。それを各部局で縦割りではなくて、さまざまに風通しよく言っていけるような環境をつくっていただきたいなと思います。  最後に私の提案なんですが、先日、3月に堺市を視察させていただいて、財政についての視察だったんですが、役所に入ったばかりの1年目の職員でチームをつくって、市民にどう堺市の財政について伝えたらいいんだろうというワーキングチーム、プロジェクトチームをつくって、すごく簡単でわかりやすい広報をつくって、やったんですけれども、実にすばらしいなと思って。パラムーブメントの意味にも、ことし奉職したばかりのフレッシュな職員で、レガシーとは何だろうとか、レガシーを実現するためにはどうしたらいいんだろうみたいな、若手を使って市民に啓発していく取り組みも重要なのではないかと思いまして、要望というか、提案させていただきます。 ◆本間賢次郎 委員 いろいろ御説明ありがとうございました。  単刀直入に伺うんですけれども、東京オリンピックに向けた市民の機運といいますか、オリンピックがあと2年余りだという雰囲気は感じられているんでしょうか。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 先ほどパラムーブメントの説明をしに幾つか行ってお話をさせていただいたんですが、その中で、もうあと2年だよねというような話も聞く限りございますので、やはり徐々に機運が高まっているのではないかなというところは、市民の皆様との直接な場面でもそうですし、マスメディアですとか、そういったところからも感じてはいるところでございます。 ◆本間賢次郎 委員 東京オリンピック・パラリンピックまであと2年余りだと。そういう話題になれば恐らくそのように、ああ、考えてみればあと2年後だよね、2020年だからねというふうになるとは思うんですけれども、東京に決まったときは多くの国民が、そして市民の中にも徹夜をしてテレビのプレゼンをかじるようにして見ていたかと思うんです。だからこそ、おもてなしという言葉が流行語にもなったと思うんですけれども、最近は東京オリンピックに対して東京都の中でいろいろあったり、国政の中でもいろいろあったりということもあってだと思いますけれども、ちょっと冷めてきたイメージも少なからずあると感じています。そうした中で「東京オリンピック大会の機運を最大限活用」と先ほど資料にありましたけれども、パラムーブメントを多くの方に認識していただくためには、まず東京オリンピックへの関心、パラリピックへの意識が高まってくれないとそもそも難しいのかなと思います。まずは大会そのものをどのようにPRするかということについてはどのようにお考えなんでしょうか。 ◎原 担当理事・オリンピックパラリンピック推進室長事務取扱 今、委員おっしゃったように東京大会に向けての機運はどうかというのは、かなり難しい問題もあって、本市においては、先ほど説明の中で若干触れたかと思うんですが、準開催都市ではないので、うちが直接東京オリンピックのことを、例えばマークを使って何か広報するとかということはできないという制約があるので、非常に難しいと思っています。  ただ、先般、聖火リレーの日程といいますか、115日前後で神奈川県に3回。1964年の東京大会の聖火リレーは市役所前で中継をしていくということで、また市民の機運も高まってくるのかなと思いますし、ことしの夏にはボランティア募集が始まったり、競技日程の詳細が公表されたりしていきますので、そういうものも活用しながらというのはあろうかと思います。しかしながら、本市としては今、イギリスオリンピック代表チームがキャンプに来るということも契約しておりますし、パラリンピック委員会ともぜひ川崎でということで調整が進んでいる段階でございますので、逆に私どもはそこを活用して、イギリスのチームが来ることのおもてなしですとか、そういうことを活用しながら東京大会全体の機運醸成にもつなげていきたいと思っておりますので、もう少し全体が見えてきたところでいろいろな仕掛けをかけていきたいとは思っているところです。  正直、制約的にうちではできないという部分が非常につらくて、そこはもう何ともしがたいことがあります。ただ、近隣の都市としてできることはしていきたいと思っていますので、引き続きタイミングを見ながら、先ほどパラムーブメントが市民に浸透していない。そこに相乗効果を持たせるような取り組みができればいいかなと思っているところでございます。 ◆本間賢次郎 委員 今ちょうど聖火リレーのお話もちらと出ましたけれども、前回の東京オリンピックのときも、川崎をもちろん通って聖火が東京に行ったわけですけれども、その当時の写真を持っていらっしゃる方が実は結構いらっしゃるんですね。沿道で見ていたんだよと。私の支持者の中にも、先日、うれしそうに写真を持ってきてくださった方がいらしたんですけれども、そういう市民の皆さんが持っている過去のといいますか、前回の東京オリンピックにゆかりのあるものを何とか集めて、市民みんなで東京オリンピックを盛り上げて、川崎ならではの盛り上げ方をしていこうということも必要なのかなということを今お話を伺いながら感じたところでございます。  ただ、いろいろ制約があるということなので、そこは本当に大変な工夫が必要だと思いますけれども、ぜひ御検討いただいて、川崎からも東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げていけるようにしていただきたいと思います。  そうした中で、先ほどパラムーブメントへのパブコメのレガシーに関することという中で、教育現場においてもというお話がありましたけれども、これは非常に重要なことだと私は思っておりまして、やはり子どもの純粋さというのは何にもまさる広報手段――手段という言い方を子どもに使ってはいけないのかもしれないですけれども、ツールなのかなと思っています。やはり子どもたちが変な駆け引きですとか利益を考えずに、オリンピック・パラリンピックがやってくるんだ、その中でいろいろな人と手を携えて自分たちは成長していくんだ、大人になっていくんだということを認識してもらえたら、やはり子どもの意欲とか、無邪気な会話や行動というのは大人たちに連鎖するものがあると思いますので、新学習指導要領にも書かれている内容ですとか、川崎市がもう既に取り組んでいる人権尊重教育ですとか、そういったことをしっかり活用しながら取り組んでいくというお話ですけれども、むしろここは、あともう2年余りしかないので、早く着手する必要があると思います。教育現場におけるパラムーブメントの浸透というのは、スケジュール的にはどのようにお考えなんでしょうか。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 具体的なスケジュールというところは、今まさに教育委員会で話し合いをしながらというところではあるんですけれども、やはり私どもとしても、レガシーの部分は非常に重要だと考えているところからして、一番最初に挙げているところです。例えば昨年度を見ますと、推進本部の中に学校教育部長を副幹事として新たに入れたりですとか、そこは教育委員会と連携しながら、しっかりとやっていきたいと思っておりまして、かわさき教育プラン第2期実施計画の中では、パラムーブメントの視点を踏まえた取組を推進するという考え方でやってございますので、ちょっとまだ、具体のスケジュールというところまでは来ていないんですけれども、そこはしっかりつなげてできるものと考えています。 ◆本間賢次郎 委員 今具体的なスケジュールまでは至っていないということですけれども、調整は続けているという御答弁をいただきました。ただ、いかんせん、もう時間がないというのが率直なところだと思います。例えば今年度中に教育委員会と話を詰めました、学校現場において東京オリンピック・パラリンピックをきっかけとしたパラムーブメントの推進、浸透を図っていくとなりますと、もう来年度しか、実質1年しかそういったことはできないわけでございます。子どもたちの意識、そして、子どもたちから発信される広報といいますか、盛り上がりというものをさらに広く大人たちやさまざまな立場にある人たちが受けとめていくためには1年では到底足りないかなと感じている中ですので、いろいろな部署、部局をまたいで大変かとは思いますけれども、ここはぜひとも強いリーダーシップを発揮していただいて、早く着手できるように進めていただきたいと思います。  そして、最後になるんですけれども、2024年に川崎市は市制100周年を迎える。東京オリンピックを契機として、その100周年に向けてもこの計画は進められていくということです。ただ、100周年を迎えたからといって、ゴールだとは思いませんので、その都度その都度1つ目標を決めて進められていくんだと思うんですけれども、東京オリンピックから川崎市制100周年に向けてということの中で東京オリンピック・パラリンピックがどういう存在であってほしいかというのは川崎市の中で希望といいますか、ビジョンに対して落とし込んでいけるようにしたいというのがあるんでしょうか。 ◎原 担当理事・オリンピックパラリンピック推進室長事務取扱 今委員からございましたとり、東京大会をパラムーブメントでということでございますけれども、オリンピックにつきましては、先ほど来レガシーという言葉が使われておりますけれども、ロンドン大会、2012年の大会の立候補時から、どういうレガシーを残したいから開催都市として立候補するというスキームに変わっているんですね。それまでは結果としてのレガシーだったんですけれども、ロンドン大会から目指すものはレガシーということになっていて、私どももパラムーブメント推進ビジョン、特に今回の見直しに当たっては東京大会の立候補ファイルにあるレガシーとかも見ております。ただ、国全体の話と一自治体でできる話ということがございますので、そこはきちんと分けていると思います。  私ども期待をしたいという点では、世界での超高齢社会の中でオリンピック・パラリンピックが開催される、特にパラリンピックについては同じ開催都市で2回目が行われるのは東京が初という中で、日本社会の中で何を残していくのかというのは、多分世界からも非常に大きな注目を浴びていると聞いています。私どももその辺の動向を見ながら、パラムーブメントの中に落とし込めるものは取り組みとして落としていきたいと思っておりますが、なかなかそういうところは今、立候補ファイルで書いてあるようなことが現実にどう見えてきているかというと、もう大会運営に向けてというふうに全てがいっているので、正直なかなか見えていないというのが私たちの中での話です。  ただ、先ほども1点ありましたけれども、レガシーではないですけれども、マスコットが決まったときに全国の子どもたちがクラス単位で投票して決まった、僕のクラスはあれだった、僕たちのは違った、ああいう全国的な盛り上がりが出るような取り組みを組織委員会としても考えていただきたいなと思っておりますし、そこに川崎市としてどう一緒に参画できていくのか、議論ができるとよりいいかなとは思っているところでございます。 ◆本間賢次郎 委員 ありがとうございます。ぜひともそういう盛り上がりもそうですし、なかなか今見えないところも多いというお話でしたけれども、そこを何とか捉えていきながら、手綱を引き寄せていくような感覚で、ぜひとも市民の皆さんに改めて川崎が東京のすぐ隣のまちで、東京オリンピック・パラリンピックを身近に感じられるまちなんだということとそして、それに向けて川崎がまた、一段と大きくなろうとしている、成長しようとしているんだ、わくわくするまちなんだというふうに実感していただけるように取り組みを進めていただきたいと思います。ありがとうございます。 ◆石田和子 委員 重複しないように質問したいと思います。  この推進ビジョンの御説明のとおり、現在地がどこにあって、どこを目指していくのか。これは理想の状態を明らかにして、これが進んだらばこういう到達点に行きますよということで、【レガシーが形成された状態】のところが非常に抽象的なんですね。第1期と第2期の計画を見ても、岩隈委員ではないんですけれども、すっきりすとんと落ちてこない。具体的にはどういうことをやれば推進ビジョンの決定で【レガシーが形成された状態】になるのかというところが、本当にまだまだ非常に曖昧だということが拭い去れないんです。だから、パラリンピックを通して非常に大きなものが形成されると思うんですけれども、ただ、障害のある方がこの川崎でスポーツを楽しめる環境が本当に現状でできているんだろうか。そして、どういう施策を具体的に計画に入れていったらば障害を持っている方々がスポーツを楽しんでいくことができるんだろうか。そこが本当に中心に座っていかないといけないのではないかなと私は思います。  もう1点は「誰もが自分自身で自由に移動し、日常生活や仕事、趣味など様々な活動を妨げている物理的な障壁や」と書いてあるんですが、じゃ、障害のある方々が本当にスポーツをしたいな、趣味もしたいし、ほかの人と交流したいといったときに、やはり移動が安全にできるようなまちになっているだろうかということは、ハード面がそこにしっかり座ったまちづくりがされているのだろうか。現状なかなか厳しいということは、ホームドアもそうですし、点字ブロックも、エスコートゾーンもそうですし、さまざまなところで障害者の皆さんは声を上げていますね。じゃ、そういったところで本当にきちんと安全に移動ができるような状況になっていくためには、なっていかなければ、やはり最終的にレガシーって形成されていきにくい、困難だと私は思うんです。これは中長期的な計画だといいますから、具体的な計画としていかないといけないと言うんですが、これは具体に定めない、個別具体的な計画は定めない、理想の姿、方向性を明らかにするものがビジョンだというところで、考え方としては、これは終わったときに何が残るんだろうか、本当に川崎のまちが、障害者の皆さんがどこに行ってもスポーツを楽しむ姿がもっともっと見られて、移動が安心してできるようなまちになっているんだろうかというのが私は一つの大きな、障害者の皆さんの要求だと思うんです。だから、そこを組み込まないのがビジョンの計画で、あとは具体計画ですということで、先ほどの説明だと25ページからですか。8 パラムーブメントの推進に資する本市の取組ということで出てきて、ああ、ここに書いてあるんだということで着目をしたんですけれども、その辺ではさっき教育委員会のお話も出ましたし、バリアフリーの基本構想だとか、点字ブロックの設置だとかは、まちづくり局や建設緑政局。本当に他局が分野にわたって事業計画を進めていって、初めてこういうことができるのだろうなといったときに、市民文化局としてはどういう位置づけで他局ときちんと連携をしながら事業計画の推進を進めるのかというところが、市民文化局としての規範をつくる意義とそれを推進する役割的なもの、方向性というか、意気込みが見えてこなくて、いつもこの議題のときにはううんと考えてしまうんですね。だから、その辺のところをどのように考えていらっしゃるんでしょうか。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 確かにビジョンという理想の状態で、具体の内容が書いていないというところが議論としてはあるんだと思うんですが、例えば具体の現実的な取り組みだけを寄せ集めておいた場合には、例えばこのビジョンがなくても粛々と行われるというところにとまってしまうのではないか。やはりムーブメントということで、大きな変革を起こしていかなければいけないと思っておりますので、そういう意味で手法的には既存の事業を寄せ集めて表示するだけではなくて、理想はここですよとあえて高いところに持っていって、そこをオリンピック・パラリンピック推進室としては各局をその気にさせるといいますか、本気でそこに向かって一緒に取り組んでいきましょうというところでの旗振り役として引き上げていきたいと思っているところでございます。取り組み自体は4年間というところで、一つポイントはスピード感は必ず必要だと思いますので、具体的な取り組みが見えてこない中で、そこのスピード感を持ちながら各局に働きかけはしていきたいと思っているところでございます。 ◆石田和子 委員 各局に理想の姿を示して、旗振り役として推進を進めていきますと言われたので、そこはぜひしっかりと肝に銘じてやっていただきたいと思うんです。この計画のところで、さっきもちょっとお話ししましたけれども、③社会的バリアが解消されたまち ~ユニバーサルなまち~ という18ページの「誰もが自分自身で自由に移動し」というところでさっき触れたんですけれども、29ページの(4)まちづくりに具体的な事業計画がばっと出ているのかなと理解して見ていたんですけれども、例えば「駅・道路などにおけるバリアフリー化の推進」とあるのですが、市内19地区でバリアフリー基本構想に基づいて、誘導用ブロックだとか、勾配の改善だとか、いろいろやっているわけです。この辺の取り組み状況。例えばですけれども、平成30年度予算で重点整備地区のバリアフリーの予算って約2,000万円ですね。それで市内3カ所だけだったんです。1つは溝口駅から北部身体障害者福祉会館までのところ、狭い道路のところがあるので、連続してのブロック設置は今の時点では予算ができてなくて、交差点のところに誘導用ブロックをつくっていきますよという具体的な予算がついているわけですけれども、私はこれを進めていくには、やっぱり市内3カ所、2,000万円という予算はもっと増額をして、いろいろなところにいろいろな要求が自然と障害の方々から出ているわけですから、その辺をつかむのは健康福祉局であり、まちづくり局や建設緑政局だとは思っていらっしゃるかもしれませんけれども、そういうところまで私はちゃんと目配せをしてほしいと思うんですけれども、その辺はどうですか。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 目配せというところでいいますと、やはり我々もパラムーブメントを進めるに当たりまして、各所管からそういった現状をしっかり報告を受けて、各局とのつなぎですね。それぞれやられていると思うんですけれども、ここはもう少し加速度的にできないのかですとか、そういったまさに旗振りといいますか、そこはしっかりやっていきたいなと思っております。 ◆石田和子 委員 ぜひその辺はしっかりやっていただきたいと思います。エスコートゾーンなんかも、那覇市に視察に行ったときに、本当に狭い交差点のところにもちゃんとエスコートゾーンがほとんど全てと言っていいほどついているのに私はびっくりしたんですけれども、地方自治体として、あれは交通機関がやる、警察の方針でやる部分だと言われましたけれども、そういったところと連携をしながらちゃんと進めてほしい。これは私、独自にまちづくり局と建設緑政局に要望していますけれども、そういったところもデータをとってやっていただきたいということと、もう一つ、障害のある皆さんがスポーツをどれだけ楽しめる環境なのかということで、さっきも触れておりましたけれども、パブコメには「障害者専用のスポーツ施設が必要です」ということでありますけれども、本市の考え方は「専用ではなく誰もが一緒に楽しめる施設が必要であると考えております」と。各区のスポーツセンターのことも書いてありますけれども、やっぱり私たちもそれは何度となくずっと注目して取り上げてきていますけれども、井田山のところの中部リハビリテーション計画というものも10年ぐらい前から、さまざまな障害のある方の施設の老朽化に伴って再編整備してきたわけですけれども、その中で当初、きちんと体育施設であるところを障害者の皆さんがスポーツを楽しめる場所にしていくという方針があったわけですよね。それが何年かたっているうちにすっと消えていったというか、トーンがぐっとダウンしてしまったことがあって、そして各区のスポーツセンターへシフトしていったという経過があるんですけれども、その辺は、私は障害のある方の要望をしっかりつかむべきだと思うんです。  それと、先ほども出ましたけれども、各スポーツセンターで障害者スポーツデーをやっていらっしゃるということでしたけれども、今年度については等々力でも月1回、計12回やるということで回数はふえてくると言われておりますけれども、平成29年度に各区で試行的にやった障害者スポーツデーの取り組みにおいてどのような効果というか、評価をされているのかということと、どのくらいの皆さんが参加して楽しめているのか。今後の見通しとしては、これを推進することでどういうことを目指していくのかということをお聞かせいただけますか。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 昨年度の障害者スポーツデーの実施でございますけれども、計7回、参加者は491人と伺っております。そのときの検証等につきましては所管には確認がとれていない状況なので、この場ではお答えしかねるところでございますけれども、今回、平成30年度にとどろきアリーナはちょうど指定管理事業の切りかえのときだったので、月に1回、年12回やっていくということでございますので、またほかのスポーツセンターにつきましても、指定管理の切りかえですとかのときに同様に、例えば月に2回ですとか、そういった形で拡充していく方向ではあるというふうに聞いております。 ◆石田和子 委員 ぜひ市民文化局としても、私はちゃんと見にいくべきだろうなと思うんです。私ではないんですけれども、麻生でやったときの最後の障害者スポーツデーに参加した同僚議員がおりまして、それ自体はとても楽しんでいたし、自分もやってみて、ああ、このようにやれるんだなと。障害があって、こういうところに来て、スポーツを楽しむことはとても大事だし、そういう場があることは非常に大事だなと痛感したと言っておりました。ただ、きょうは障害者スポーツデーですよという周知がどれだけいっているのか。看板もなかったし、その辺のことも言っておりましたし、車椅子バスケットもそのときやっていらしたそうですけれども、やるには車椅子は非常に高価なものであったりとか、障害者の皆さんがスポーツをやるときのさまざまな用具は非常に高いらしいんですね。誰もがスポーツを楽しめるようにというところには、そういった問題にも配慮していかなくてはいけないのではないかというのと、卓球バレーというのもやっていたらしくて、ピンポン玉の中に鈴がついていて、視力に障害を持っている方でも楽しめていたと。体験をしたらしいんですけれども、非常に楽しかったと言っていました。だから、そのようなものを障害のある方、障害のない方も含めて、みんなが楽しんで理解するようなことがレガシーにつながるのではないかなと思うんです。  だから、一つ一つの取り組みの中で、机上でレガシーはこうだ、理想はこうだと言うのではなくて、一つ一つの事業計画のときに、やはり市民文化局としてもしっかり参画しながら、実際に障害のある方にも声を聞くなり、やってみるなりして、じゃ、次はもっと拡充をしていけば、もっと市民の間に広がっていくのではないかなというふうな気風が広がっていくんだと思うんですよ。それは一つの例ですけれども、その辺はしっかりやっていただきたいということと、井田のところの体育施設は交通アクセスの問題もあるのかなと思うんですけれども、そこの移動手段を確保していくこともあわせてやれば、私はできると思うんです。だから、ぜひその辺は前向きに原局を含めて話し合いをしていただきたいということを要望として申し上げて、終わります。 ◆花輪孝一 委員 もう大分時間も押しているので、端的に2点お聞きしたいと思うんです。  個別の内容はもろもろありますけれども、それはまた別の機会にやらせていただくとして、私どもが思うには、今回、市民文化局が主体となってこういう計画をつくられたということは、オリパラの計画をこういう視点でやるということについては評価をしたいと思っているんです。だけれども、やはり2つ問題があるんじゃないかと私は思っています。  1つは、この11ページにも書いてありますけれども、国連で採択された国際基準というものを考えながら、川崎独自はいいけれども、このような、いわゆるオリパラのような国際協議みたいなものに関しては、私どもも海外等、数少ないですけれども、特にヨーロッパ等も行かせていただいた――ショックを受けましたけれども――ことからも含めて、やはりまだ我が国全体がおくれているなと、そういうことも当然感じましたし、また、国際的に今方向づけられているものをしっかり踏まえながらやっていくということをちゃんと取り入れたビジョンでなければならないと。第2期の段階ですから、まだこれから続きますからあれなんですけれども、こちらに書いてありますが、国の動向を待つというんじゃなくて、もっと積極的に、今、県でも、また国のほうでもこれについての取り組み等々をされておりますので、ぜひこれはお願いしたいと思うんですが、お考えはいかがでしょうか。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 11ページにSDGsを踏まえたということで、ここには「理念や目標、国の動向等を踏まえながら」ということであるんですけれども、このSDGsのほうでは世界を変えるための17の目標ということで、例えば貧困をなくすですとか、質の高い教育をみんなにみたいなことがうたわれているかと思うんです。直接それと同じものはレガシーの中でも書き込みがされていないんですけれども、これからレガシーが形成された状態等を検討していく中では、当然このSDGsの取り組みも踏まえながら進めていきたいと考えております。 ◆花輪孝一 委員 それ以上言いませんけれども、とにかくしっかりとお願いしたいということと、あともう一点の質問は、市の職員の方々が、各局がそれぞれの所管の課題等を持ち寄ってみたいな、どうしてもそういう傾向になりがちなんです。それで、それを市民文化局に全てあなたたちのところでしっかりやりなさいとは言えない部分があるんですが、やはり本当に今回のオリパラというのはすごく大事な契機なので、もっともっと市民の方々の生の声を、このパブリックコメントだけではなしに、まさに取り入れてやっていく、今までも工夫されていたと思うんですけれども、何度も言いませんけれども、これまでになかなか興味関心、あるいは認知度、これが本当に残念ながら低いと言わざるを得ない。だから、もっともっと市民的な参加、あるいは市民的な合意というのが、これは本当に一番大事な部分ではないかと思うんですが、それに対しての取り組みはどのようにされるのか伺います。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 市民の方の生の声を拾っていくというところで、どうしても、例えばこういった行政計画を周知するといっても、なかなか読んでももらえないですし、難しい言葉で書いてあるところがあるので、そういった広報的なところで言いますと、例えば1つの取っかかりとしては、イベントみたいなことで、昨年の夏にラゾーナで、日曜日にPARAフェスというものをやりまして、そこで障害者のスポーツ体験ですとかをやったんですけれども、それは2020年まで引き続きやっていきたいと思っておりまして、多くの方のそういった場面での参加をしていただいて、生の声をそこで拾っていくというような、少し参加しやすいといいますか、とっつきやすいようなイベントですとかを活用しながら生の声を聞く場面を工夫してふやしていきたいと考えております。 ◆花輪孝一 委員 室長に伺いたいんですけれども、私どもの麻生区のほうでは最重度の施設等がありまして、そこの方たち、親御さんたちといろいろ懇談をすると、座位もとれない、つまり、車椅子にも乗ることができない、要するに移動のときにストレッチャーとか、そういうものでなければ移動できないような障害を持った方もいらっしゃるわけです。そういう方も含めて、先ほどの質問にもありましたように、全てのとか、皆さん、本当に市民全体だというのであれば、そのような方々も含めて、やはりこの川崎に住んでよかったというような形にしなければ僕はいけないと思っているんです。  そういうことも含めて、ごめんなさいね、苦言を申し上げますけれども、確かに障害者のスポーツは大いに結構です。移動というのも、車椅子での移動という部分についてはいろいろ、これは他局の話になりますけれども、結構なんだけれども、本当に厳しい状況に置かれた、本当に支援が必要な方たちも含めて、やはりオリパラを契機に、もっともっと住みやすいまちづくりというか、さまざまなことは本当に必要なんじゃないかと思うんです。
     そういう意味で、このビジョンに対する具体のこれからの取り組み、特に市民の意見、本当に困っていらっしゃるとか、厳しい状況の立場とか御意見とか御要望を伺うということは必要だと思うんですけれども、それに対する見解を伺いたいと思います。 ◎原 担当理事・オリンピックパラリンピック推進室長事務取扱 今、委員がおっしゃられましたように、周知の問題は何人かの委員からも言われているように課題認識をしているので、そこについてはかなり新たな取り組みをという、今ここで言えるレベルまで達していないので、幾つか新しい取り組みをさせていただきたいと思います。  それと、もう一つ、先ほど多様な主体というお話がある中で、やっぱり市民の方々がどうしてもパラムーブメントに対してゲストという視点でいることを自分ごととしていただくような、私たちの中ではゲストからキャストへと言っているんですが、そのような取り組みも近々に発表できるかなと思っています。  あと一点、4月1日の市政だよりでもあるんですが、かわさきかってにおもてなし大作戦という、実はアイデア募集を市民に募っているんです。これは、かわさきパラムーブメントに資するということと、イギリスの事前キャンプが来ることでどうおもてなしをしていくかということをアイデア募集していて、そういうものは、どちらかというと行政がやるものではなくて、みずからやっていただくもののアイデア募集、それに対して賛同される市民の方々が参画をして、市民参加、市民活動の場にしたいというような取り組みもしております。  ただ、1点、今、委員が言われましたように、最近ですと、駅とかにポスターが張ってありますけれども、指しか動かないけれども、何とかができる、ああいう方々の声をどうやって拾っていくかというのが正直課題だと思っています。この3月にイギリスのドレイク・ミュージックという団体を招聘して、障害者の方々に対してテクノロジーを使って音楽参加ができるというのが、かなりイギリスは盛んにというか、活発に行われている中で、実はそういう方々を呼んで、対象もIT企業というか、研究開発企業の方々ですとか、大学の研究室、ベンチャー企業の方を呼んで、要はテクノロジーで克服できるような仕組みが川崎から生まれて発信できないかという取り組みをことしの3月にやったんですけれども、そういう形で、やっぱり障害者できちんと声を出せる人、家から出てこられる人の声は十分まだまだ可能だと思うんですけれども、そうじゃない方々の声をどう拾っていくかというのは、その辺はまた議論させていただいて、場合によっては皆様に御相談しながら取り組みを進めていきたいと、課題認識は十分しております。  やっぱりそういう方々をどうとらまえていくかというところが、そういう方々に認識をしていただくことが非常に重要で、もう一方では、当事者もそうなんですが、身近にいる御家族というか、そういう方々の理解が非常に重要なので、その辺は最大の課題かと認識しているところでございます。 ◆花輪孝一 委員 結構です。 ◆山田晴彦 委員 関連するというか、皆さんのいろいろな議論を踏まえた上での話なんですけれども、やはり今回のオリパラのパラムーブメント第2期推進ビジョンについては、皆さん大方が言っているとおり、理解はする、理念はよくわかる。ただ、今どんなことになるのかとか、その将来が見えない、レガシーが見えてこないという部分なんだろうと思うんですけれども、壮大な目標であり、2020年を当面一里塚として目指していきますと。やはり市民としてなかなか盛り上がらない理由の一つには、現状のつらさとか、現状の不自由さということはよくわかっているんですけれども、それだけの単体の考え方でしかない。だけれども、これを2020年までにはここまでやりますよというような目標値とか、これは先ほどから課長が答えていただいているように、総合計画、それぞれの所管局のほうで対応しておりますよという話なんですが、旗切り役として、やはりその辺をある程度きちんと掌握する、細かい話でなくてもいいんですけれども、例えば、移動についてはこういうことを目指していきますとか、そういったことをコンパクトに説明できるようにしたらどうか、これが1つなんですけれども、後で御意見をいただきたいと思います。  それから、目標が余りにも大きい、バリアフリーであったり、そういう中で、いろいろな項目にわたるわけですから、逆に言うと、悩んでいる人は1人だけれども、その問題を把握するのはすごく難しいんだろうなと思います。そこで、例えば、モニターという考え方を通して、その期間の中にあって、どのように変わったかというものを市民的な視点から評価してもらうということを持っていくことは、Aという人からするとすごく助かった、だけれども、Bという人からすると全然関係ないという問題が今回の問題なのかと思うんです。  だけれども、いろんな角度の方にそういうモニターになっていただいて、この期間の中でこのように改善して大変に助かっているという声をよく聞きますよとか、第三者的な形でやるという方法があるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 まず1点目の成果指標といいますか、1つは、各事業の総合計画なりに任せているというところがあるんですけれども、パラムーブメントとしての成果指標も取り組み期間中に定めたいと思っているところでございます。ただ、レガシーによってレベル感といいますか、達成の状況は相当違ってくると思いますので、全てのレガシーを同じような成果指標にできるかというとちょっと、あと、内面の数値化できない部分もかなり多いと思いますので、若干熟度なり、レベル感は異なってくると思うんですけれども、それとは別にパラムーブメントとしての成果指標、こちらはやりたいと思っているところでございます。  それから、2点目のモニターというところは非常に有益な形かと思いますので、そこも検討したいと思います。 ◆山田晴彦 委員 1番目の問題ですけれども、おっしゃるとおりだと思いますけれども、やはり一番あれなのは心のバリアフリーなのかと考えております。ですから、その成果というか、目標については、例えば、ここのバリアフリーはどうやって解いていったらいいのかという部分については、どういうアプローチができるのかというアプローチの目標になるのかと思うんです。  例えば、最近あった1つの相談対応の例なんですけれども、地域の中で障害者施設をつくろうとする、それに対して、総論ではよくわかる、賛成ですと。だけれども、あえてうちにつくる必要がありますかという話はよく出てくる話なんです。まさにそういう心のバリアフリーを改善するためには、今不安になっている地域の方々に対して、そういう話ではないんですよということをしっかりと丁寧に説明する機会を、例えば地域的に説明するような機会を設けるとか、やっていったらいいんじゃないかと思いますので、その辺もぜひ提案させていただきたいと思います。以上です。 ◆岩隈千尋 委員 今、課長から新しい話が出てきたけれども、成果指標の話、パラムーブメントの成果指標を独自に設ける、これは原局につくらせるんですか。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 原局というか、一緒になって考えてやっていくというところでございますが、新しい話というよりは、例えば本編で言いますと15ページになるかと思うんですが、上から7行目、「考え方やレガシーを共有するとともに、成果指標とその達成に向けた具体的な取組を検討して」という部分でございます。段落の一番下に「また」というところで、「成果指標については、達成に向けて多様な主体が取り組み続けるための指標としての位置付けとします」ということで、総合計画に見られるような行政内部のPDCAサイクルを回すための具体のものというよりも、市民の皆さんと一緒に取り組み続けていくための指標といいますか、ここの数値を目指してみんなで頑張っていこうよというような趣旨の成果指標というところは、私どもが中心となって各所管とも御相談をしながら、また、場合によっては行政だけではなくて、当然ほかの民間だったり、市民の方だったりという多様な主体との話し合いの中でこれからつくっていきたいと考えております。 ◆岩隈千尋 委員 違いますよ、この15ページは私も成果指標と線を引いているけれども、総合計画の成果指標だと思っていたんですけれども、今、課長がお話しされたのは、別に成果指標をつくるということなんですか。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 成果指標という言い方が誤解を招くかもしれないんですが、到達点というようなイメージになってくるかと思うんですけれども、ここがこうなったらというような、今、レガシーが非常にふわっとしていて具体のものがないと思うんですけれども、それをできるものであれば数値化をした到達点というような、それが成果指標という言い方はあれかもしれませんが、到達点としてのできる限りの数値化というのを……。 ◆岩隈千尋 委員 この間、総合計画の成果指標を設定するときでも、例えば過去、原局が出してきた数字からは、我々議会から、委員会から、おかしいんじゃないかとか、数値が低いんじゃないかとか、あったわけですよね。これはまた仕事をふやすんですか。原局と一緒になってやるという話ですけれども、こんなの、余り必要性というのが。だって、成果指標を達成しようがしまいが、ずっとパラムーブメントみたいな計画はオリンピックのときにやっていくんでしょう。だったら、そのプロセスのほうが大事じゃないんですか。こんなのを出して、はい、それで達成できました、達成できていません、PDCAサイクルを回しますと、これは職員の人たちの負担がふえるだけじゃないですか。考えなくてもいいんじゃないですか。 ◎井上 オリンピックパラリンピック推進室担当課長 総合計画にあるような、そういった今委員がおっしゃられたような成果指標は重複をしてしまいますし、そのイメージは基本的にはないと思います。ちょっとこの成果指標という言葉があれなんですけれども、達成度でなるべく見える化、2期ビジョンをつくるときに1つ課題としてあったのは見える化ということだったので、今ですとレガシーがふわっとしていますので、それがどういった形になるかというところはこれからの議論になってくるんですけれども、ちょっと成果指標という表現に語弊があるとするならば、見える化、そういった形でやっていきたい。ただ、それを各所管に、例えば年に1回、その指標がどうなりましたというような、そういった進捗管理をするためのツールというイメージではございません。 ◆岩隈千尋 委員 先ほどから何度も繰り返しますけれども、進捗管理だったら個別・分野別計画をやるわけでしょう。課長が言っていることの意味がよくわからないんですけれども、本当にこれをやろうとしたら、さっき言ったように、当然のことながら原局の負担がふえる、皆さん方の仕事の量もふえますよ。それをやるんだったら、冒頭の話になりますけれども、パラムーブメントという言葉が全然浸透していないでしょう。現場に行って、当該者や対象者の人に対して話したほうが、そんな成果指標を設定したりとか、行政計画を机の上でいじくって数字を書く労力を考えたら、現場に行って説明したほうがよっぽどためになると思いますよ。  きょうはまだ余り決まっていないということなのでここで議論はやめますけれども、ちょっとその辺は、皆さん方の労力も限られているわけじゃないですか。働き方と言っているし。しかも原局がまたいろいろ数値を総合計画とは別に設定するなんていうのは、恐らく皆さん方の負担をふやすだけだと思うので、その辺については局内でまたしっかりともんでいただきたいと思います。結構です。 ○片柳進 委員長 ほかにないようでしたら、以上で「かわさきパラムーブメント第2期推進ビジョンの策定について」を終わります。  ここで理事者の一部交代をお願いいたします。                ( 理事者一部交代 )         ───────────────────────── ○片柳進 委員長 ここで暫時休憩したいと思いますが、御異議ありませんでしょうか。                 ( 異議なし ) ○片柳進 委員長 それでは、およそ15分、休憩といたします。                午後 0時20分休憩                午後 0時35分再開 ○片柳進 委員長 それでは、会議を再開いたします。  所管事務の調査として、「浮世絵等の活用に向けた基本方針(案)について」の報告を受けます。  それでは、理事者の方、よろしくお願いいたします。 ◎鈴木 市民文化局長 続きまして、所管事務の報告といたしまして、「浮世絵等の活用に向けた基本方針(案)について」担当課長から御説明いたします。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 それでは、浮世絵等の活用に向けた基本方針(案)について御説明させていただきます。  「1(3)-1 浮世絵等の活用に向けた基本方針(案)について(表紙)」というPDFファイルをお開きください。御用意させていただきました資料でございますが、資料1として、浮世絵等の活用に向けた基本方針(案)の概要版、資料2といたしまして、浮世絵等の活用に向けた基本方針(案)の本編、資料3といたしまして、浮世絵等の活用に向けた基本方針(案)に関する意見募集となっております。  ここからは概要版で御説明させていただきますので、「1(3)-2 浮世絵等の活用に向けた基本方針(案)について(資料1)」というPDFファイルをお開きいただきたいと思います。  1ページ目の「浮世絵等の活用に向けた基本方針(案)の概要」の左上に記載してございますが、まず「経緯等」でございます。平成28年9月に、貴重な文化資産である浮世絵を専門に展示されておりました川崎・砂子の里資料館が休館し、翌年8月、同館を運営してきた公益社団法人川崎・砂子の里資料館から、所有作品の有効活用の検討について正式な御依頼があり、これまで調査を行ってきたところでございますが、調査結果に基づき、このたび基本方針(案)を取りまとめたものでございます。  次に、その右側の「1-1 浮世絵の特性」でございますが、浮世絵は江戸時代に成立した絵画作品で、当時の暮らしや流行などが反映され、歴史的な伝統や文化を伝える貴重な芸術作品として、多彩かつ繊細な色使いが魅力となっております。  また、展示環境として変色や褪色を防ぐために、展示期間は4週間程度が望ましく、展示の際は、温湿度や照明、水によらない消火設備などの環境整備が重要とされております。  左の中段「1-2 浮世絵が与えた影響と評価」でございますが、浮世絵は、モネやゴッホを初め、西洋の画家たちに大きな影響を与えるとともに、オークションでは高額で取引されるなど、世界的な評価も高いものでございます。  次に、「1-3 川崎・砂子の里資料館」及び「1-4 (公社)『川崎・砂子の里資料館』の浮世絵コレクション」でございますが、同資料館では、来館者に作品リポートも無料で配布するなど、これまで、本市の文化啓発に積極的に寄与していただきました。  同法人の所有作品は約3,000点ございまして、肉筆画のほか、東海道五十三次などのシリーズ全てをそろえたもの、川崎や神奈川にゆかりの作品など、大変希少性が高く、これまでの国内外の展示では多くの鑑賞客を集めております。  なお、これらの作品につきましては、20年にわたりまして市が無償でお借りすることを内容とする合意を法人との間で締結しております。  次に、下段「1-5 浮世絵コレクションの特性をふまえた課題」を3点挙げております。  1点目は、浮世絵の特性から、作品は近くでじっくり見せるとともに、展示環境に留意する必要があること、2点目は、浮世絵の背景にある文化について、鑑賞だけでなく体験や体感を交えて伝えること、3つ目は、法人が所有するコレクションは、地域の歴史や文化を後世に伝える貴重な資源であり、ほかに散逸させることなく川崎で活用していく価値があることとしております。  次に、「1-6 浮世絵コレクションの特性をふまえた活用の方向性」を、次の4点としております。1点目は、浮世絵の魅力を最大限に活用した展示を行い、鑑賞者により質の高い文化芸術に触れる機会を提供すること、2点目は、浮世絵の背景にある生活文化などを伝え、歴史文化に触れる機会を提供すること、3点目は、川崎の貴重な文化資源として発信し、後世に伝えることで、市民のまちへの愛着と誇りを醸成すること、4点目は、海外でも関心の高い浮世絵を活用し、今後増加が予想される訪日外国人旅行者を誘客し、新たなにぎわいを創出していくこととしております。  資料2ページ目をごらんいただきたいと思います。ここでは、活用の立地について、旧東海道、川崎大師といった浮世絵コレクションとの親和性や、東京2020大会も踏まえ、国内外からの誘客に最も効果的と考えられる川崎駅周辺に絞り込みまして、周辺動向や関連政策をもとに、同じく課題と活用の方向性を検証いたしました。  まず、上段の「2-1 川崎駅周辺地区の動向」でございますが、駅周辺に商業施設や宿泊施設が集積しているとともに、ミューザ川崎シンフォニーホールや能楽堂、東海道かわさき宿交流館などの文化施設では、各ジャンルにおける文化芸術の鑑賞機会を提供しています。また、羽田空港から近く、将来的にリニア中央新幹線の起点となる品川駅からも1駅でアクセスできるなど、国内外から来訪しやすい立地にあるとともに、北口通路の完成に伴い、「かわさき きたテラス」が開設され、観光案内や魅力発信、外国人にも対応可能なコンシェルジュサービスを開始しております。  また、川崎駅周辺では、直近10年での大規模なイベントの開催が数多く予定、想定されており、相乗効果が期待できるところでございます。  中段「2-2 本市の政策の方向性」でございますが、川崎市総合計画を初め、第2期文化芸術振興計画や新・かわさき観光振興プラン、川崎駅周辺総合整備計画などから、関連するものを抜粋してございます。  次に、下段左側で「2-3 川崎駅周辺地区の動向をふまえた課題」を3点挙げてございます。  1点目は、川崎が国内外から多くの人が集まる国際的な文化都市として定着するために、川崎駅周辺地区において、川崎の文化を積極的に発信していく必要があること、2点目は、川崎駅周辺には、音楽や舞台などの実演芸術の鑑賞機会の提供を目的とした施設はございますが、絵画などの常設展示施設が少ないこと、3点目は、地域資源を生かした特徴ある文化芸術施設を創出し、川崎駅周辺エリアのまちの魅力の向上とにぎわいづくりに活用するとともに、市内全域へと回遊性を向上させる必要があることとしております。  次に、「2-4 川崎駅周辺地区の動向をふまえた活用の方向性」を次の4点としております。  1点目は、川崎駅周辺地区から川崎の文化芸術を積極的に発信し、国際的な文化都市としての認知度の向上を図ること、2点目は、来訪者を駅周辺へと戦略的に誘引し、回遊性の向上を図ること、3点目は、駅周辺に芸術作品の常設的な鑑賞機会を創出するとともに、文化体験を通じた地域への愛着の醸成や文化・観光施設の充実による魅力向上につなげること、4点目は、東京2020大会を見据え、川崎駅周辺の国際的な観光拠点化を推進し、広域的なにぎわいを創出することとしております。  次に、3ページ目をごらんいただきたいと思います。「3-1 検証に基づく浮世絵コレクションの活用についての考え方」といたしまして、これまで申し上げました浮世絵コレクションの特性を踏まえた活用の方向性や川崎駅周辺地区の動向を踏まえた検証の結果、旧東海道、川崎大師などの歴史・文化資源を初めとした市内にあるさまざまな地域資源との回遊性を高め、新たなにぎわいを創出し、本市の魅力を国内外に広く発信するとともに、多くの観光客を誘客する取り組みを進めるために、公益社団法人川崎・砂子の里資料館が所有する浮世絵コレクションを川崎駅周辺で活用する必要があると考えます。  続いて、「3-2 活用の視点」を5つのポイントから御説明いたします。  1点目に「展示規模」として、色彩の特徴を伝えるために作品を近くで見ていただくことが望ましく、また展示更新の頻度が高いため、比較的コンパクトな規模が効率的、効果的であること、2点目としまして「事業展開」として、体験、体感などの新たな交流事業に加え、より魅力を伝えるための物販といった多彩な事業展開とすること、3点目といたしまして「立地」では、羽田空港の玄関口として国内外からの来訪者が見込める川崎駅周辺地区の中で交通の要所に近接し、浮世絵に関連する旧東海道からも近い立地とすること、4点目として「ターゲット」では、川崎市民、通勤・通学者、商業施設や宿泊施設の利用者、国内外からの旅行者など幅広く想定されること、5点目としまして「活用開始の時期」では、東京2020大会を誘客・波及効果の最大の機会と設定することとしております。  「3-3 活用のコンセプト」は、歴史、文化、芸術による新しいエリアの創造とし、具体的な方向性としましては、「3-4 活用方針」としまして、「川崎の“歴史×文化×芸術”資源の活用」「浮世絵を通じた川崎の歴史・文化の継承」「他施設との連携による日本文化の魅力発信」「『川崎ならでは』の価値によるにぎわいの創出」を掲げ、地域資源である浮世絵の有効活用を通じて、歴史、文化を後世に伝え、市民の地域への愛着と誇りを醸成し、また立地優位性により東京2020大会に向けた国内外の旅行者を誘客する新たなにぎわいを創出したいと考えております。  次に、下段の「3-5 活用候補地に関する考察」では、本市が所有する施設の中で、既存の利用状況に影響の少ない中での改修を前提に、川崎駅前タワー・リバーク3階のアートガーデンかわさき内にあります文化財団事務室跡スペースと、東海道かわさき宿交流館3階展示室の2つの施設を候補地として検討いたしました。  この2つの施設につきまして、先ほど申し上げた5つの活用の視点で考察した結果、アートガーデンかわさき内にあります文化財団事務室跡スペースが候補地として最適と判断いたしました。その理由としましては、まず「①展示規模」としまして、アートガーデンかわさき事務室では100平米ほどの展示スペースが確保でき、55枚から60枚程度の展示が可能なことに加えまして、他の機能も確保できることが挙げられます。  「②事業展開」では、地域の方々が歴史文化に触れる機会の創出となる体感、体験の場が事務室跡スペースのみでは不足いたしますが、第1~3展示室を活用することで一時的な事業展開が可能でございます。  「③立地」につきましては、川崎駅北口通路と直結していることで、「かわさき きたテラス」との連携により、誘客の効果などが大いに期待できるものでございます。  「④ターゲット」への影響につきましても、「③立地」と同様に、北口に直結していることで、より多くの方々の来館が期待できることでございます。  「⑤活用開始の時期」につきましては、昨年度に、現行の業務内容を行うことを前提に再選定いたしました東海道かわさき宿交流館では、現在の指定期間を終えた後となるため、平成35年度が基本となるのに対し、文化財団事務室跡スペースにつきましては本年6月に空きスペースとなりますことから、最短で東京2020大会開催前の平成31年中にも活用開始が見込めるものでございます。  参考となりますが、「想定される初期投資経費等」につきましては、全体で150平米ございますアートガーデンに比べ、展示スペースが50平米のみの東海道かわさき宿交流館における設備改修、展示制作の整備につきましては安価となることが想定されます。  次に、4ページ目をお開きいただきたいと思います。「3-6 活用候補地の比較・検討結果」といたしまして、アートガーデンかわさき内にあります現文化財団事務室での活用を前提に検討した内容をお示ししてございます。  川崎駅前タワー・リバークの3階にございます現在の文化財団事務室は、音楽のまち・かわさき推進協議会の事務局機能を文化財団に集約することに伴いまして本年6月に移転する予定となっておりますので、移転により計150平米が空きスペースとなる予定でございます。  事務室跡スペースで行うメリットにつきましては、先ほど御説明したことに加えまして、文化財団の移転により空きスペースとなる事務室の有効活用につながるものでございます。  右側の「3-7 施設運営形態等」でございますが、アートガーデンかわさきは、市の普通財産としまして文化財団に貸し付け、展示室の管理業務を行うとともに、事務室等として使用しております。これは、文化財団が自主的に独自の企画展を開催したり、文化活動を支える市民の交流、創作活動の発表等の拠点としての有料貸し出しや即売ができる施設とするためでございます。  また、市の文化行政の一翼を担うことを目的に設立された文化財団に対し、その文化振興に資する環境づくりを行うことは財産活用の見地からも妥当であると判断したものでございます。この基本方針策定に当たりまして、川崎駅周辺の既存の文化施設の中で、活用の視点から検討した結果、アートガーデンかわさき事務室跡が候補地となりまして、当該候補地におきましては、これまで同様に上記のような運用が適していると考えられることから、引き続き普通財産として貸し付けによる運営について検討していきたいと考えております。  続いて、事業運営者につきましては、市の文化行政の一翼を担うことを目的に設立された文化財団に対し、本件浮世絵等の活用を通したさらなる文化振興機能の強化を推進するため、文化財団を視野に検討し、今後調整を図ってまいりたいと考えております。  続きまして、「3-8 想定される経費の項目」でございますが、「初期経費項目」として、開設準備、展示制作に加え、内装、空調、照明等の設備改修に係る経費を想定しております。  「事業運営費収支項目」でございますが、収入項目として、入館料、グッズ販売収益等、協賛金等、市補助金を想定しております。  また、支出費目としましては、学芸員等の人件費、広報、図録作製等の事業費に、施設賃借料、光熱水費等の施設費を想定しております。詳細につきましては、今後精査、検討し、改めて御報告申し上げたいと存じます。  「3-9 今後のスケジュール」でございます。ただいま御説明いたしました基本方針(案)につきまして、平成30年4月23日から5月22日までの間、パブリックコメントを実施し、基本方針を策定する予定でございます。その上で基本計画を策定し、展示や設備の設計を行った後、平成31年度に工事を行い、同年末の開設を予定しております。  本日、参考資料といたしましては、5ページ目に「資料編1.展示計画(案)」をおつけしております。  また、後ほど御確認いただきたいと存じますが、「1(3)-3 浮世絵等の活用に向けた基本方針(案)について(資料2表紙、目次)」及び「1(3)-4 浮世絵等の活用に向けた基本方針(案)について(資料2本編)」が、ただいま説明しました資料の本編になっております。  また、「1(3)-5 浮世絵等の活用に向けた基本方針(案)について(資料3)」には当該基本方針(案)に関するパブリックコメントの意見募集のPDFファイルを添付してございます。  説明は以上でございます。 ○片柳進 委員長 説明は以上のとおりです。ただいまの説明について質問等がございましたらお願いいたします。 ◆岩隈千尋 委員 御説明ありがとうございました。基本方針の案については、これだけ読むと、そんなに非の打ちどころがないいいものだなという認識はあるわけなんですけれども、この案件については皆さん御承知のとおり、昨年の決算議会から継続して私個人の質問で取り上げさせていただいております。議場でも言っていますけれども、浮世絵の文化財としての希少価値というのは理解しているんですけれども、多額の公金、税金の支出が見込まれるわけで、やはりそこにはきちんとした事業の公益性とか公平性だったり妥当性を積み上げて、そして、その制度設計と条件整備をしてほしいと思うんです。  まず一番最初に、これまでの議会に対する情報公開とか情報共有について伺いたいんですが、これは皆さん方、昨年、本来、総務企画局が持っているお財布の一つの基礎調査調整費を使っているわけなんです。使用要領によると、これは緊急性を要するときということで、原局から総務企画局へ使用許可を求めたということなんですけれども、当然緊急性を要しているわけですから、本事業は本年度予算に計上すべき案件だったと私は思っているんです。ところが、これは今回やっていないわけなんです。予算議会の私の質問に対して局長は熟度が上がっていなかったという御答弁をされているわけですけれども、局内でなぜ熟度が上がらなかったのかを伺いたいわけなんです。  結果として、私の答弁でしてもらっていますけれども、補正予算、皆さん方、議案を出されるわけですよね。そうすると、我々議会としては、きょう50ページ近くも資料をもらって、これだけの規模の設備の整備をするに当たって、審議する時間というのが、次の委員会で計画が出てきた素案のときにできるのか、もしくは6月議会でやるのかという部分も含めて、ある意味半年ぐらいでこれだけの事業規模のものを認定するしないを決めなきゃいけないわけで、私は去年9月から議会で取り上げていますけれども、ちゃんとしたのが出てきたのはきょうですよ。議会に対する情報公開だったり、情報共有のあり方というのが、私は余りよろしくなかったのではないかと思うんですけれども、熟度が上がらなかったのは、どうしてそういったことになったのか、いわゆるPDCAのCとAにかかわるところなんですけれども、これは何で進捗がずさんだったのかを、責任者でいらっしゃいますので局長に伺いたいんです。 ◎鈴木 市民文化局長 この間、熟度が上がらなかったという点については、浮世絵というか、文化作品としての実態がどうなっているのかとか、あるいは先ほど担当課長から説明がありましたように、それの展示場所とかについて、その時点では未確定の要素がかなり多かったということでございます。 ◆岩隈千尋 委員 未確定の要素が多かったということですけれども、でも、局長、私の答弁に対してもそうですけれども、これまで川崎区の議員から要望があったからとかいうことで御答弁されています。そういったことを踏まえても、もう少しきちんとできる案件じゃなかったか。そういった今局長が御答弁されたことは、全て想定の範囲内だったんじゃないですか。 ◎鈴木 市民文化局長 その想定の範囲というのも非常に幅の広いものと狭いものとあると認識しておりまして、その中で、今回の場合は、平成28年度から平成29年度にかけては市民ミュージアムの指定管理者制度の導入とか、そのような担当部署である市民文化振興室の業務がふくそうしていたといったようなことがあったり、具体的に申し上げますと、業務に対する組織体制が十分でなかった。また、あるいはこの平成29年4月の人事異動でラインの管理職が交代しておりまして、一時的に組織マネジメントが低下したこともございまして、なかなか難しい要素があったというのが実態でございます。 ◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。  では、今お話しいただいた、そもそも庁内で浮世絵に関する検討がいつから始まったのかを伺いたいんです。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 この浮世絵の作品につきましては、ちょうどおととし、平成28年9月に砂子の里資料館が休館になったことを踏まえまして、今まで市の中にそういう施設があって、それをごらんいただけた環境が失われたということもありましたので、これはやはり市としてどのように活用できるかの調査研究を、その後スタートさせてございます。  実際の具体的な内容としては、まだどのようなものかわかりませんでしたので、他の都市の取り組みとか、近隣の浮世絵に関する美術館を視察させていただいて、どのような体制で捉えていくかを検討させていただいたのが平成28年の秋以降の取り組みでございます。 ◆岩隈千尋 委員 では、ここに経緯が書いていますけれども、平成28年9月以降、皆さん方は、砂子の里資料館のほうから、別に要望も来ていないのに、浮世絵の文化財についてどうしようかなという研究は、この時点から始められたんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 おっしゃるとおりでございまして、平成28年9月に閉館されたということで、本当にこの資料館がお持ちの資料、作品群は世界的にも有名な作品が多数含まれています。例えば、東海道五十三次のフルセット、あとは富嶽三十六景、そういったものが含まれていますので、それらを市内で鑑賞できる機会がなくなったことを踏まえまして、研究、検討を始めたということでございます。 ◆岩隈千尋 委員 きょう、文教委員会に報告が上がっているわけなんですけれども、これは当然全庁的な、市長もかかわっていらっしゃると思うんですけれども、政策調整会議を経て報告されているということでよろしいですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 今回、この基本方針(案)の取りまとめに関しましては、ことし3月26日の政策調整会議に付議させていただきましたものでございます。 ◆岩隈千尋 委員 そこではどういった議論があったのかお答えください。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 きょうお見せしました資料1、基本方針(案)につきましては、報告もこの資料で出させていただいたんですけれども、実はこの資料中、4ページ目にございますが、3-8に含められています初期投資や運営経費、お金の面につきまして、我々としては初期投資の部分について数字を出させていただいたんですけれども、いかんせん我々とすると、ちょっとあらあらな数字を載せていたこともありまして、数字がひとり歩きしてもよろしくないという指摘がございましたので、初期投資のお金について精査するようにという御指摘をいただいたところでございます。 ◆岩隈千尋 委員 私はこれまで調査活動を行う過程の中で、昨年、9月議会で決算議会のときにも本案件を取り上げて、先ほどお話ししましたけれども、そのときは、社団法人との覚書も全く交わしていない状況だったんです。にもかかわらず、施設整備ありきで事が運んでいたから、私はこれは気持ちが悪いなと。不明瞭な税金、公金の支出について不可解だなということで取り上げさせていただいたんですけれども、昨年は、総務企画局で8月28日に開催された浮世絵等の有効活用に向けたあり方検討にかかる基礎調査の使用要望書からも明らかなんですけれども、市民文化局は、局のほうは何で何の合意も、例えば、当時、政策調整会議とか、さっきお話ししましたけれども、具体的な合意を社団法人側と交わしていないのか、施設整備を行うことが当初からありきで話が進んでいるのかを教えてください。局内でどういう意思決定過程があったのか教えてください。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 今、委員から御指摘をいただいた8月の基礎調査調整費に向けた要望までの取り組みとしましては、先ほど申し上げたおととしの秋から活用に向けた検討研究を進めてきたところでございますけれども、やはりその施設がなくなったことで、先ほど申し上げた著名な作品、市民にとって非常に価値のある作品が見られなくなるという環境を失ってしまったことをとらえまして、局としてはいかんともしがたい、ある意味、もったいないという考え方がありましたので、こちらをどのように活用できるかを検討してきたところでございます。
     そして、研究検討する中では、ある程度の環境として整備をしないと、先ほど申し上げた、例えば4週間しか展示ができないとか、温湿の管理が大事ということもございましたので、どうしてもそれを活用するに当たっては施設整備ということがある程度つきものでございましたので、7月までの間で調整した結果、施設整備の必要性について検討する必要があったということでございます。  ただし、委員が御指摘のとおり、庁内的にはどのように進めるか、いま一つ、お金のつけ方も含めて課題がございましたので、まずは局として調査研究するに当たっての委託をしたいということで、8月の調査調整費の要望につながったものでございます。 ◆岩隈千尋 委員 これは非常に大事なところですから。  では、本市はいろんな施設整備、公金の支出について、原局の独断で、何か施設をつくろうとしたときには、政策調整会議にかけられていない案件でも、合意形成がなくても事業を進めるという権限があるんですね。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 基礎調査調整費は、むしろ原局としてどのようにやっていくのかを研究検討するための委託が必要な場合に使っていただくお金でございますので、その後、取りまとめた結果を局として何らかの計画にまとめて、委員がおっしゃる政策調整会議で市の方針となるという手順でございますので、逆に研究がない中で政策調整会議での市の意思決定につなぐことは難しいので、今回の調査を実施したということでございます。 ◆岩隈千尋 委員 今、課長からお話がありましたけれども、8月28日の基礎調査調整費の使用要望、市民文化局から総務企画局に対しての要望からさかのぼること1カ月半前なんですけれども、これは社団法人砂子の里資料館から浮世絵の有効活用についてのお願いが出される1カ月前の7月18日なんですけれども、局は川崎駅前タワー・リバーク内の本市所有財産の有効活用のため基礎調査を行いたいということで、基礎調査調整費の使用を総務企画局へ求めているわけです。これは却下されたわけです。その話については、私はこの間、調査していましたけれども、ずっと隠されていたんです。皆さん方にヒアリングをして、総務企画局にヒアリングをして、会話の矛盾点の中から出してきた話ですからね。私が調査しているにもかかわらず、皆さん方から主体的に出していただいた情報ではないですね。  これは浮世絵の整備と文化財団事務局の移転についてなんですけれども、セットになっていると思うんです。7月の段階の基礎調査調整費では却下されていますよね、総務企画局が使用についてだめだということを言われているわけですよね。これは何で却下されたんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 こちらは却下する側ではないので正確なものが述べづらい部分がございますけれども、私ども当時7月の選定委員会にかけさせていただきましたのは、文化財団と音楽のまち・かわさき推進協議会の統合の結果、文化財団の事務室の跡が、先ほど申し上げたリバークビルの3階にございます事務室スペースがあくことが想定されましたので、ここを想定する中では、北口との直結性もありますので有効活用する必要があるということで、基礎調査調整費の要望活動につながったわけでございます。  したがいまして、こちらにつきましては、7月の段階ではあくまでもこの施設をどのように活用していくかという観点で調査をさせていただいたものでございまして、先ほど委員がおっしゃった法人からの正式な意見表明が8月でしたので、この時点ではあくまでも施設をどのように活用するかという観点での調査調整費の要望でございました。 ◆岩隈千尋 委員 市民文化振興室長はここに来るまで却下する側だったわけですよね。なぜ却下したんですか。 ◎和田 市民文化振興室長 私は当時、総務企画局の庶務課長ということで、この選定会議の委員ということで、まさに委員として議論の中に入っていたんですが、そこで、今回お話があったとおり、あくまでもタワー・リバーク内の本市所有財産の有効活用に向けた基礎調査の実施ということでの提案でございましたけれども、何かのスケジュールですとか金額にかなり違和感が大きく、結果として委員の審議の総意で、これは選定基準のほうに合致しているとは判断できないという結論に至ったものでございます。 ◆岩隈千尋 委員 市民文化振興室長は、今回、人事異動で来る前に使用認可するところにいらっしゃったわけで、今お話しいただいたんですけれども、じゃ、その当時、7月の却下された案件のときには浮世絵施設整備の話は関係ないという認識だったんですか。 ◎和田 市民文化振興室長 実は私、その前の平成28年度まで市民文化局の庶務課長でおりましたので、浮世絵の整備の話も当然そのころからお話としては聞いておりましたので、その可能性があるという認識はございました。ただ、その会議の中では、先ほど申し上げたとおり、あくまでもタワー・リバーク内ということですので、会議の中で浮世絵とかという話は一切出ておりませんので、そういう意味で、フラットな議論をさせていただいたという状況です。 ◆岩隈千尋 委員 そこが変なんですよね。きょういただいている基本方針の概要のところについてもそうなんですけれども、施設整備がまずありきで事が進められて、市から要望を社団法人のほうに出して、それで活用してくださいねと向こう側からペーパーを出してもらったというわけではなく、今回の基本方針は向こうから来たという書きっぷりですよね。8月16日に同法人から市に対して所有作品の市内における有効活用についての検討依頼。本市から社団に浮世絵を貸してくださいみたいなアプローチは当初からなかったということですね。全くないんですね。 ◎和田 市民文化振興室長 もちろん先ほど来お話を差し上げているとおり、平成28年9月の閉館以降、ずっと研究を進めてきた中で、そういう意見交換を社団側と進めてきた結果ということで、平成29年8月に改めて正式な文章でいただいたということですので、その前から、その辺の無償で貸していただけないかというような話はございました。 ◆岩隈千尋 委員 ポイントはそこなんです。では、主体は誰か。市が主体として、これをやりますよという話をしたのか、社団法人側がお願いしますと来たのかということが見えないわけなんです。今の室長のお話では、市が主導しているという話ですね。 ◎和田 市民文化振興室長 主導ということではございませんで、意見交換の中でそういった話になったと理解しております。 ◆岩隈千尋 委員 意見交換は別にどうぞどうぞやってくださいですけれども、意見交換する中で施設整備までするという話は、どちらかが振らないとできないと思いますよ。意見交換で、両方のコンセンサスをとって、じゃ、そこでその施設をつくりましょうという話になったんですか。その辺の経過はどうなんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 恐らく、今、室長の申し上げたことを繰り返すことにはなるかと思いますが、おととし来、閉館以来の検討調査の中で、これらの活用が非常に重要だということを認識したのは市でございますので、当然市側からアプローチがなかったのかと言われたら、それはうそになると思います。ただ、施設整備をさせてくださいとか、そういうお話ではなくて、活用するに当たってはどういう条件が必要なのかということをいろいろ調査研究や意見交換をする中では、先ほど申し上げたとおり、温湿の管理が必要だとか、そういった条件は当然出てきますので、それが必要な設備の整備の必要性につながってきたということでございます。 ◆岩隈千尋 委員 ということは、やっぱり7月の却下された基礎調査調整費を、皆さん方が使用を却下されたやつについてもそうですけれども、当時から、結果として浮世絵の施設はありきで話で進んでいることなんですね。社団から活用してくださいとお話がある前から市はそういったことをやっていたという話ですね。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 むしろ、これだけある意味重要な話が8月になって急に施設整備をやりますという話の検討につながるとは思えませんので、委員のおっしゃるとおり、逆に比較的時間をかけて、どのように活用できるかということの意見交換をしてきたのが事実でございます。 ◆岩隈千尋 委員 あなた方はそこが非常に矛盾していますよ。これまでの答弁とか、いろいろヒアリング調査の過程の中で返ってきているのは、却下された7月の基礎調査調整費を皆さん方が総務企画局に依頼したときというのは、先ほど課長がお話しいただいた文化財団と音楽のまち・かわさき推進協議会が統合して文化財団の事務局がどこかへ行きますよという話、これとは別問題ですと私はずっと聞いていますよね。だったら、別問題にならないじゃないですか。最初から既に水面下では社団法人といろいろやっているんだったらば、そうした文化財団と音楽のまち・かわさき推進協議会が一緒になって事務局を移動させるということはセットじゃないですか。違うんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 時系列的に言うと、ほぼ並行して動いていますので、そのように見えてしまうのはいたし方がないと思っております。ただ、例えば文化財団と音楽のまち・かわさき推進協議会は、市とは別の法人でございますので、市が仮に主導したとしても、その結論を出すのはあくまでもそれぞれの団体でございます。  申し上げますと、この音楽のまち・かわさき推進協議会の事務局統合に関しましては、やはり市の文化財団の今後の有効活用をするに当たりましては、財団の機能強化が非常に課題でして、ちょっとここで数字を挙げるのは申しわけありませんが、事務局長以下、1課で7人の体制で非常に弱体していまして、これをスケールメリットを創出するという名目で何かできないかといったときに、同類のお仕事をしている音楽のまち・かわさき推進協議会の事務局を統合することによって、7名体制が今回11名体制になりました。文化財団の機能強化で今後の川崎市の文化振興が非常に図られるということを市としてはメリットを感じましたので、この間、同団体と検討協議を進めてきたものでございます。  したがいまして、決して浮世絵をやるために何かということではなくて、それは別な案件として調整をした結果でございますので、その旨、御理解いただきたいと思います。 ◆岩隈千尋 委員 文化財団が音楽のまち・かわさき推進協議会と合併する話というのも、文化財団でそれこそ主要出資法人の話であるわけですから、議会に対してこの間いろいろ報告があったかというと、全く何もないわけです。私の浮世絵の質問に対して2次的なところでぽんと出てきた話ですよね。ようやく4月から行革で位置づけられていますけれども、これまでずっと議会にも全く、主要法人の事務局が移るという大きな話であるにもかかわらず何もないわけなんですけれども、音楽のまち・かわさき推進協議会と文化財団が一緒になるということで、事務所を移転させると関係者に説明したのはいつなんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 文化財団の音楽のまち・かわさき推進協議会との統合の話が出てきた時期が平成28年の夏ごろからでございます。ただ、それは正式な協議というよりも、あくまでも先ほど申し上げた文化財団の機能強化という我々の所管の課題として、文化財団との間で協議を重ねてきたのが平成28年夏以降でございまして、それ以降、両団体にいろいろ説明する中で、まずは昨年5月の両団体の理事会に、これを今年度検討していきますということをそれぞれ報告事項で挙げていただいたものでございます。その結果として1年いろいろ協議をした結果、ことし3月の文化財団の理事会で正式に決定されたという流れの中でございまして、我々としましては、その中で事務局統合とあわせて、事務局の置き場所についても一緒に検討してきたものでございます。 ◆岩隈千尋 委員 どうもその辺がクリアじゃないわけなんですけれども、私は今手元に7月に開催された基礎調査調整費の使用を求めたときの選定会議の議事録がありますけれども、当時の庶務課長が平成30年度の工事規模はどの程度と考えているのかと、これは文化財団の事務室の話ですよね。事務室から集客施設への用途変更を考えるなら、空調、消火などの施設整備の仕様を変更することが必要である。その後に内装や照明も仕様に応じて変更していくということまで発言されているわけです。  だったら、この時点から、財団からいろいろ要望が出る前に何らかの施設整備であったりとか、幾ら説明で別物ですと言われたって、なかなか腑に落ちるような説明はないというところなんですけれども、これはこれ以上議論してもしようがないので、次に、具体的な事業内容に移りたいと思います。  先ほど来、繰り返しておりますけれども、契約も全く交わさずに施設整備がそのまま進められているということに関しては、公金の支出のあり方として、私は納得ではないと言ってきたわけなんです。今回、社団法人側といろいろと基本合意がなされたと伺っておりますけれども、おおむね20年ぐらい無償貸与するということなんですが、これは寄贈ではなくて、なぜ無償貸与だったのかということと、それから、おおむね20年にした根拠についても伺いたいと思います。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 まず1点目の寄贈ではなくなぜ借りるのかというお話でございますが、いわゆる美術品につきましては、活用させていただく側の権利としては、当然寄託や寄贈といった、その作品を正式に使わせていただく取り決め、契約を結ぶことも非常に多いと思いますが、それはあくまでもいただいたもの、もしくは寄託を受けたものを保管管理する責任も当然一緒に負うわけでございまして、そのための事業スキームにつきましては、このギャラリーを整備した後、先ほど申し上げました4週間単位ぐらいでお借りした作品を入れかえていくということを確認しております。そうしますと、4週間使わなくなったものを市側が管理するのか、それとも先方でお借りするのかという違いがまずありまして、今回、あくまでもお借りするという建前でいった理由としましては、保管義務を負わなくて済むと、当然そこにはコストもかからないということになりますので、まず市側から見たときのメリットが挙げれられると思います。  もう一つ、先方との約束、いろいろ協議をする中でも、先方としても川崎市に全てをゆだねるというのはなかなか難しいわけで、あちらもさまざまいろいろなところに、外国にもお貸ししていますし、近隣の美術館にもお貸ししていますので、それを取り組みとして続けていきたいということで、今回両方のメリットが一致したということでございます。  失礼しました。20年のことがちょっと漏れていまして。20年につきましては、やっぱり一定の事業継続性を担保するという意味では、1つ区切りをつけるという意味で20年が適当だろうという考えのもと、相互合意の上で決めさせていただいた期間でございます。 ◆岩隈千尋 委員 2点、保管義務がないということと事業継続性というお話をいただいたわけなんですけれども、本市が所有する文化施設建設等々に携わったとか、専門家の方からもヒアリング調査を行っておりますけれども、そもそも論として、今回の社団ですけれども、保有者が亡くなった場合は御遺族との間で文化財の返却を求められたりしてトラブルが発生する事案が過去にも数多く散見されるわけなんです。これは、トラブル対応のために詳細にわたる契約と、今回はあくまでも合意じゃないですか。契約は、どなたといつまでに交わすんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 いつまでにどなたとという御質問でございますが、現在、先ほど委員が触れていただきました基本合意につきましては、今申し上げたおおむね20年作品を無償でお借りするという内容を主体として4月に取り交わしたものですが、こちらは公益社団法人川崎・砂子の里資料館と市長との間で締結させていただいているものでございます。  今、委員がおっしゃったのは、これをさらに具体的により法的な根拠をということだと思いますので、そちらにつきましては、今後、今検討しております今年度の末に向けて行います設計の予算建て、予算執行の担保として締結できればと考えておりますので、近々に調整に入りまして、そういったスケジュールに間に合うように取り組んでいきたいと思っております。 ◆岩隈千尋 委員 具体的にざっくりと言ったら、第一・四半期はもう終わりですけれども、補正予算が秋に出るんだったら、少なくともその前までという認識ですけれども、それで大丈夫ですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 スケジュール、3-9でございますけれども、展示設計、あと設備改修設計を今年度の下半期で行いたいと考えておりまして、説明の中で今まで触れておりませんでしたが、可能性としては9月の補正議案に提案させていただこうと考えております。そのためには、予算執行の担保という意味合いでいいますと、9月議会の議案提出の前までにというところが一定のめどだと思います。 ◆岩隈千尋 委員 では、その無償貸与の20年後の取り扱いについてはどう考えていらっしゃるんですか。そのまま社団に借りているものは返却するという話になるわけですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 先ほど申し上げたとおり、これらの3,000点の作品を常に川崎市側が保管することではありませんので、返す返さないというより、まず事業としては、20年が切れた場合に事業が終わる可能性が当然ございます。ですので、それ以降、お借りすることがなくなるという可能性もございますが、ただ、その20年を迎えるに当たりまして、この事業の効果とか延長の可能性とかいろいろあると思いますので、それらは双方また協議を続けまして、事業の継続について調整することになろうかと思います。 ◆岩隈千尋 委員 ということは、20年後のことについては何もまだ決まっていないということでよろしいですね。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 今申し上げたとおりでございまして、一旦20年という目安の中で事業展開をさせていただく中で、その後の取り決めについては、恐らく必要性に応じての協議になると思います。 ◆岩隈千尋 委員 途中で返せと言われた場合にはどうするんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 それはやはり基本合意でまず定め、また、おおむね20年ということから、また先の法的根拠で20年以内で、少なくとも一方的に契約の破棄みたいなことにはつながらないような取り組みにしていきたいと考えております。 ◆岩隈千尋 委員 どこの文化施設でもこの問題というのは必ず出てくるところなので、この辺についてはしっかりと議会への報告を今後もやっていただきたいと思うんですけれども、民間企業でも、相手側と契約を交わすときには、当然団体の財務状況を調べることが必須だと思うんですけれども、現在の社団法人の財務状況はどのようになっているのかということと、今現在どういう形の協約を交わされているのか、伺いたいと思います。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 1点目の、今の社団法人の財務状況につきましては、大変申しわけありませんが、現在のところは調べられておりませんで、お答えすることができません。申しわけございません。  2点目の現在の作品の保管状況につきましては、社団法人のほうで適切に保管されていると伺っております。 ◆岩隈千尋 委員 調べられていなくて、施設整備ありきという話にはなりませんよ。契約を結ぶに当たって、もう少し相手方の財務状況などもきちんと確認して、それから施設整備の話をするんだったらわかるんですけれども、最初から施設整備で、基本方針を出した段階で財団の財務状況がわかりませんと。なぜ私が財団の財務状況を聞いているのかといったら、適切な形で保管しているということは、財団はそこに対して支出しているわけでしょう。どこか保管庫を借りるかよくわからないけれども。しかも浮世絵というのはめちゃめちゃ多額な維持管理の費用が必要なわけですよね。そうしたときに、きちんと財務状況を調べるのは当たり前の話なんじゃないですか。これはいつ財務状況は議会に示していただけるんですか。 ◎和田 市民文化振興室長 当社団につきましては県の公益認定を受けている法人でございますので、財務状況等は一部ホームページにも公開されております。済みません、きょうは余り手元に大きな数字はないんですけれども、かなり寄附金額が多くて、収入がかなり多くて、支出はそれほどでないという財務状況を伺っております。 ◆岩隈千尋 委員 わかりました。  では、相手方のカウンターパートナーというか、窓口となっている、今皆さん方が社団と交渉している方はどういった方なんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 基本的には、こちらの代表理事の斎藤文夫氏になると思います。ただ、市と直接的にお話し合いができる機会はそう多くありませんので、比較的間に入っていただく方に調整に入っていただくことも多うございまして、具体的なお名前を申し上げると、同社団法人の青木理事でございます。 ◆岩隈千尋 委員 この方はどういった方で、具体的な役職としては社団法人の理事だけなんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 全ての肩書を申し上げるのは、こちらも把握できかねますけれども、こちらが把握できている中では、例えば、東海道かわさき宿交流館の館長でいらっしゃいますのと、あと、ちょっとこれはうろ覚えでございますが、観光協会の何かしらの役職にもおつきだと思います。 ◆岩隈千尋 委員 この方は市のOBじゃないですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 おっしゃるとおりでございます。 ◆岩隈千尋 委員 その辺で、進め方もそうなんですけれども、社団の代表さんが御高齢ということは我々議員もみんな知っていますからあれなんですけれども、本市の職員も非常に多くかかわっているというところなんです。その辺の話はまた後でしますけれども、局長は昨年12月議会の私の質問に対して、概算事業費の積算等も行った上で、市として方針案を取りまとめ、文教委員会に報告してまいりたいと答弁されているわけなんですが、議会として、先ほどいただいた資料の中で150平米のイニシャルコストとランニングコスト、これが気になるわけです。4ページになるんですかね、「3-8 想定される経費の項目」に当たるところです。これは初期経費項目が示されているんですけれども、概算の事業費はどれぐらいと想定されていますか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 こちらの項目だけにしていますのは、先ほどの政策調整会議での指摘のとおりでございますが、あくまでも市側としては試算はしてございますので、それをこれから申し上げたいと思っております。  まず、展示制作費に関しましては、以前議会でも答弁させていただきましたとおり、平米単価としては、他都市等の取り組みを参考に41万8,000円と伺っておりますので、こちらに対して、150平米に対する8割ぐらいを展示制作に必要な面積と考えますと、5,000万円になります。  加えまして、ほかの項目、開設準備や内装、空調、照明といったものに対して約4,000万円ほどかと思いますので、計で初期投資9,000万円程度を想定してございます。 ◆岩隈千尋 委員 イニシャルコストとしてはなかなかの金額ですよね。  次に、事業運営費収支項目について伺いたいんですけれども、これは資料を見ると入場料を取るということもあらかた決まっているようですけれども、入場料については幾らぐらいとかは考えていらっしゃるんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 金額的にまだ算出が終わってございませんが、他都市の同類の美術館を参考にいたしますと数百円程度が望ましいかと考えております。 ◆岩隈千尋 委員 来場者の見込み数については。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 そちらの見込み数につきましては、この施設をどういうコンセプトで絞り込んでいくかによって多少のぶれが生じるかと思いますので、あくまでも今申し上げた、例えば、入館料を幾らにするかといった議論の中で出てきた数字としては、他館を参考に6万人というのを仮置きしたことはございます。この6万人という数字は、1つの根拠としましては、参考値として、辻堂の駅にできました藤澤浮世絵館というところがございます。これはおととしに開館されたわけですが、そちらが辻堂駅から5分という立地の中で初年度に4万人を集めたと伺っておりますので、そこよりも乗客数の多い、さらに浮世絵の価値も高いと思われますこちらの施設につきましては、あながち6万人が達成できない数字かどうかという意味で言うと、かなり近い数字になるのかと思っております。 ◆岩隈千尋 委員 いただいている資料の15ページには、砂子の里資料館は、無料で年間1万人と書いてあるわけですよね。今、積算根拠をお話しされたけれども、無料で1万人だというわけです。それでお金を取って6万人という根拠は、ちょっと私は乏しい気がするんです。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 確かに根拠という意味で言うと、まだあらあらな積算だと思いますが、砂子の里資料館は、実は日祝日が休館でございましたので、あながちお客さんをたくさん呼び込もうという運営でもなかったと思われますから、当然日祝日は一般的に開いていく日になろうかと思いますので、数字につきましてはもう少し精査させていただいて、計画の中で御報告を差し上げたいと思っております。 ◆岩隈千尋 委員 先ほどイニシャルコストで9,000万円というお話があった中で、では、事業運営費収支項目の中に当たる、いわゆる年間のランニングコストにも当たるところだと思うんですけれども、これはどれぐらいと想定されていますか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 本当にこれもあらあらな数字でございますが、これら人件費、事業費、施設費を積み上げてあらあらな数字としましては、3,000万円程度と想定してございます。 ◆岩隈千尋 委員 先ほど、来場者数の見込みについては6万人という数字をいただきましたので、そうすると、単純計算すると3,000万円を割ることの6万人と考えたら、入館料は500円だとペイできるかなというところなんですけれども、例えば事業運営費の中に、ただ単に社団から借りて、そして物を展示すればいいというわけじゃないじゃないですか。これについては、例えば浮世絵に通常かかるメンテナンス費用や燻蒸というような薬品処理が必要になってくるというのは、専門家から私も御意見を伺っているんです。その辺の経緯はここに書かれていないんですけれども、どのように計上されているんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 燻蒸に関する経緯につきましては、この中には算定されておりませんで、この砂子の里資料館の資料につきましては燻蒸を行っていないというものだそうでございます。ですので、この施設だけで燻蒸処理を行ったとしましても、ほかに虫がついてしまうような可能性も当然ございますので、ここについては燻蒸を想定しない中で考えております。 ◆岩隈千尋 委員 当然のことながら社団は燻蒸なり、いろいろ保管は向こうがやるということなので、向こうの費用でやってくれるという認識でいいんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 先ほど来申し上げましたとおり、一時的に4週間の展示のためにお借りする資料でございますので、むしろ資料の維持管理につきましては、所有者である砂子の里資料館のほうに当然お願いするべきことだと思いますので、今のところ、そういう役割分担のもと調整を進めているところでございます。 ◆岩隈千尋 委員 釈迦に説法ですけれども、この燻蒸にお金がかかるわけじゃないですか。ただ単に物を借りて、はい、はい、返しますよ、そのような話にはならないと思うんです。そこのところ、きちんと契約の中に入れられるんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 おっしゃるとおりでございまして、この浮世絵は非常に高価なものでございますから、それをどのように扱うのか、仮に事故を起こしたときにどうするのかといったことも含めて、これは今後の協議の中でしっかり詰めていかなければいけないことだと思います。まさに委員のおっしゃるとおり、燻蒸を含めて詳細を詰めてまいりたいと思います。 ◆岩隈千尋 委員 これは物すごくお金がかかるということですから、そうしたときに3,000万円という数字は、年間のランニングコストを含めて私はもっとふえると思っているんです。それを無償貸与で20年、そうすると、本市がこれを維持するためには、20年間でしょう、3,000万円、4,000万円でしょう、20年間で6億円から8億円かかるんです。そういったこともきちんと考えていただきたいんですけれども、今お話しいただいた文化財団の事務局スペース、これは普通財産ということを3-7に書いているのかな。普通財産ということでお話をいただいていると思うんですけれども、本市は財団にどのような貸し付けを今しているんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 今、3-7、4ページをお開きだと思いますが、こちらの4ページの左手にございます3階のフロア図をごらんいただきたいと思います。こちらのフロアの左上に1から3の展示室がございますが、こちらの展示室をやはり普通財産として文化財団に貸し付けをしておりますのと、あわせまして、この右下、点線囲みの今回の150平米の場所でございますが、こちらも事務室運営のために、やはり普通財産の貸し付けとして文化財団に貸し付けをしてございます。 ◆岩隈千尋 委員 その金額がそのまま浮世絵施設への支出金というか、本市はどういうスキームでこれをやっていくんですか。同じく普通財産を、ここは「文化財団を視野に検討し」と書いていますけれども、同じようなスキームでお金を出す、普通財産貸し付けを行う、現状と変わらないやり方でいくというお話ですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 今、3-7で普通財産の貸し付けとなった過去の経緯、現状について触れてございますけれども、こちらにつきましては、文化財団は、まずアートガーデンを自主的に独自企画展を開催したり、場合によっては有料貸し付けや即売ができるということで、この施設を自由度を高めて運営していただきたいという旨、普通財産としております。今回もこの基本方針策定に当たりましては、この施設は自由度の高い運営をしていただくのが望ましいと考えておりますので、引き続き普通財産の貸し付けによるスキームで検討していきたいと考えております。 ◆岩隈千尋 委員 では、アートガーデンの管理運営効果への影響は全くないんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 ちょっとにわかにどんな影響があるかというのはございませんが、今、右下の事務室に1から3の展示室を管理するための委託の業者を集めておりますので、この事務室を財団が使わなくなることによって、その管理業務をどこでやるのか、どのような手法でやるのかというのは一定課題になりますが、私どもとしては、この事務室におきます浮世絵のギャラリーと、逆に展示室の管理を一体化することで効率化を図れると思っていますので、委員のお尋ねの件につきましては、1から3と浮世絵ギャラリーの一定程度の管理運営については一体化して管理運営していきたいと思っております。 ◆岩隈千尋 委員 ここの3-7の施設運営形態の話なんですけれども、今ここに「文化財団を視野に検討し」とあるわけですけれども、なぜ文化財団に特化しているんですか。文化財団だけになるんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 文化財団は、やはり行政を補完、代替するために設置された出資法人でございますので、既に川崎市におきましては文化振興の中で非常に大事なパートナーと考えております。そうした意味で言うと、先ほど申し上げた機能強化も現在進めている中で、今後こうした施設運営をすることによって、より市の文化行政が推進されるという認識でございますので、今回この施設運営については文化財団が望ましいと考えております。 ◆岩隈千尋 委員 非常に不可解ですよね。施設整備もありき、任せるところもありきで全部話が進んでいるという話なんですけれども、浮世絵の管理というのは先ほど来お話ししているように、非常に難しいわけなんです。文化財団に管理とか、きちんと専門家の人材は現時点でいるんですよね。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 今現在、文化財団に浮世絵の管理に関する知見を持つ者は当然ございません。ですので、今後その知見を得るために何らかの形で財団が知見を得るための努力が必要なのと、先ほど来出ています学芸員の職の設置をこの財団の中でやっていくに当たって、どのような形で学芸員を採用していくのか、雇用するのか、育成するのか、そういったことを今後調整していきたいと考えております。 ◆岩隈千尋 委員 随分だと思いますよ、専門家も誰もいないのにそこに任せるという話だと思うんですけれども、これは指定管理制度なんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 既にこちらのアートガーデンにつきまして、指定管理ではなくて、先ほど来申し上げていますとおり、貸し付けで行っております。したがいまして、同じスキームで、こちらの右下の特別展示室を普通財産の貸し付けで行おうと思っておりますので、公の施設にする予定は今のところございません。ですので、指定管理者制度の導入もございません。 ◆岩隈千尋 委員 では、完全に専門家でもない人たちのところに市の税金を使って、学芸員を雇って、いわゆる随契でやるみたいなお話になりますけれども、そういう考えなんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 今現在、浮世絵に関するスキル、ノウハウがないというのは事実でございますが、一方で、文化財団はこれまでにも多くの施設を、さまざまな事業を行いながら管理運営をしてきている関係で、その管理運営のスキルは非常に高いものをお持ちでございます。  そしてまた、こちらの第1から第3の展示室につきましては、ここ20年来文化財団が担っているわけでございますけれども、非常に高い稼働率でして、毎年90%以上の稼働率を上げている関係で、引き続き文化財団がアートガーデンを管理することが非常に望ましいと考えております。そちらと一体管理で、こちらの浮世絵のギャラリーについても管理することが望ましいと考える中では、文化財団は適任だと考えております。 ◆岩隈千尋 委員 これから人材確保に向けて、また本市の税金を支出しなければいけない、そこまで本市が手取り足取りしなければいけないものなのかと私は思うわけなんですけれども、例えば市民ミュージアムをやっている指定管理を担っているアクティオは、既に市民ミュージアムの中には150点ぐらい浮世絵があって、管理もきちんと収蔵庫でやっているわけです。そういったところと連携をとったりとか、活用する、指定管理の民間活用もそうですけれども、まさにそういった利点があるわけじゃないですか。にもかかわらず、これについては、先ほどお話をしたように文化財団オンリーということは非常によくわからない事業スキームなんです。  文化財団、文化財団と言うのであれば、文化財団の経営状況を見たときに、市への収入依存度というのは、平成28年度ベースで、市のホームページにも載っていますけれども、大体64、62、63%ぐらいなんです。一方で、補助金とか負担金は年間3億5,000万円、指定管理料が9億1,000万円、合計で12億円以上が単年度で本市から支出しているわけですけれども、新たな施設をこのように整備をすると、依存度を含め本市の支出が当然ふえてくることが推測されるわけです。これは法人の経営について、当然のことながら出資法人の経営指針とか、一番の目途は出資法人の自立を促すことじゃないですか。こういったどんどんお金のかかることをやって、ペイできるかどうかもわからない話の中で任せるということに関しては、法人の本市に対する依存度を高めることになるんじゃないですか。その辺はどうお考えですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 確かに今この文化財団の歳入側を見ますと、市からの補助金、あと委託料が多く占めるわけでございますので、こちらについてはなるべく市からの依存度を下げていくことは非常に大事なことだと思っておりまして、実は先ほどちょっと申し上げましたけれども、文化財団の機能強化という取り組みを今後非常に重視して、市として財団を見据えていきたいと思っております。その中で1つの課題として、やはり自主財源の確保ということを挙げさせていただいていて、財団との間、そこの取り組みを強化するように、こちらからお願い、指示をさせていただいております。具体的にどうやるかはまた今後の話だと思いますが、1つとしては、例えばこのアートガーデンの貸付料が多少安価ということもありますので、そこを上げていくとか、さまざまな取り組みの方針がありますので、そういったことを検討していきたいと思います。 ◆岩隈千尋 委員 例えば類似施設、先ほどお話も出ていた東海道かわさき宿交流館は、昨年、指定管理でやっていましたけれども、市への指定管理料の依存度は87%とか89%です。ということはどういうことかというと、こういった施設は、ほとんど指定管理料がないと運営できないわけです。ただ、そこにきちんとした哲学があればいいんです。赤字になっても本市はやっていきますよというだけの気概なり哲学があればいいわけですけれども、東海道かわさき宿交流館もあって、第2の東海道かわさき宿交流館じゃないですけれども、企画展とかをされたようですけれども、そういった新しい施設をつくる、そしてまたそこに多額の支出をしなければいけないということを考えると、皆さん方の局の意思決定の中で、例えば、総合計画の中の第1次実施計画は財政フレームが示されていますよね。43億円、今年度足りない。それが2月に議会に示された資料では196億円ですよ。  4倍以上の数字が足りないということを我々議会は示されたんです。半分粉飾みたいなものですよ。何の数字を根拠にして何を信じればよいかわからないと財政局に言いましたけれども、そんな数字が出ている中で、ここに皆さん方は回遊性と書いてあります。なぜ皆さん方の局内の意思決定として回遊性とかというのが、まずプライオリティとして一番に来るのか。私の認識では、財政とかという考え方がまず念頭にないわけです。金額としてこれだけお金がかかる。局内でそういったところでどういうふうに意思決定されたんですか。財源とか財政のお話は全くなかった、ただ単に回遊性だけで、はい、はいと、ここは利便性がいいから、ここへ置きましょう、そんなことを言ったら、全部川崎駅の周辺に置かなきゃいけなくなるじゃないですか。  そもそも論のお話をしましたけれども、市民ミュージアムとかというのは、いろいろそろっているわけですよね。保管も含めて。じゃ、そういった既存のところを活用しなくて、ここもアートガーデンということで言えば既存の施設なのかもしれないけれども、でも、文化財団にノウハウは何もないわけです。そうしたときに、皆さん方の局内の意思決定として、財政ということに対して議論をきちんとされたんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 きょう数字を示せていないのが非常に心苦しいところでございますが、3-8でお示しした収入項目、入館料につきましては、まず無料か有料かといった中で有料を想定していくようにしまして、できる限り支出項目を、先ほど3,000万円と申し上げましたが、そこが受益者負担の中でおさまるようにしていきたいと考えておりますのと、あとは協賛金等という中に、ちょっと今後の検討項目の中では、できるだけ外からお金が入ってくる仕組みを考えていきたいと考えておりますので、まだ調整できておりませんけれども、例えば川崎市ふるさと応援寄附金のようなものにメニューとして入れさせていただいてお金をいただけるような仕組みづくりをしていくとか、そういったことの中で、できるだけ支出項目の中に市からの補助金が入らない形で自主運営ができるような形を追究していきたいと考えております。 ◆岩隈千尋 委員 藤子・F・不二雄ミュージアムができたときに基金を設置してほしいと議会に言ったのは私ですから、基金のあり方については、私も知見はあるとは思っているんですけれども、非常にここに対してどれだけのお金が集まってくるのかという期待値ばかりで、しかも6万人という入場者数の期待値ばかりで、税金がどんどん出ていくことに関しては非常に不安なんですけれども、今後、ここの想定スケジュールの中で基本計画策定と書いていますよね。これは何月を目途にされているんでしたっけ。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 ちょっと月はある程度想定できると思いますが、大体7月には策定をして御報告していきたいと考えております。 ◆岩隈千尋 委員 では、そのときにはまた議会に報告があるということでよろしいですか。委員会に報告があるということでよろしいですか。
    ◎永石 市民文化振興室担当課長 この基本計画が策定されましたら、当然議会のほうには報告させていただきたいと思っております。 ◆岩隈千尋 委員 先ほど私がお話をしました初期経費のイニシャルコスト、ランニングコスト、契約、これはきちんと議会のほうに示されないことには、秋の補正予算は通りませんよ。そこはきちんと出していただきたいと思うんです。私が総務委員会に所属していましたときに教育委員会の給食の案件がありました。秋に議案があったわけなんですけれども、あのときも年度が変わってから、この案件については非常に重い案件なのできちんと委員会に適宜報告してくださいねというのは、アドバイスはきちんと教育委員会に水面下で言ってきました。しかしながら、教育委員会は、そういった議会からの意見、議員からの意見というのは全く聞かず、その後、結果どうなったかというと、皆さん御承知のとおりですよね。朝から晩まで3日間やって、附帯は前代未聞の7個もついてということで、非常に事業の進め方については不備があったわけです。  局長、今お話をいただきましたように、今後補正予算がきちんと出てくるのであれば、数字も含めて契約をびしっと、この間、報告が余りなかったわけですから、きちんとやっていただけるという認識でよろしいですね。 ◎鈴木 市民文化局長 あるべき姿でやっていきたいと思います。 ◆岩隈千尋 委員 結構です。 ◆本間賢次郎 委員 いろいろ御説明ありがとうございました。私は川崎区選出でございますし、いかんせん住んでいるところも東海道に面しているようなところですので、こうした取り組みというのは地元の活性化につながると思いますので非常に歓迎したいと思うんですけれども、まずざっくばらんに伺いたいと思います。  先ほど来、やりとりの中でお話がありますが、浮世絵の管理や展示等々には莫大なお金がどうしてもかかってしまう。ただ、今回は無償で貸し付けをいただけるということですので、その辺については少しは楽になるのだろうと思いますが、通常で借りるとなるとどれぐらいのコストがかかるものなのか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 参考でございますけれども、この社団法人の浮世絵作品につきましては、近隣の東海道かわさき宿交流館で展示された機会がございまして、このほどの貸付料として30万円だったと伺っております。ただ、点数がたしか20点前後じゃないかと思いますので、こちらは60点ほどお借りするとすれば、当然それよりも高い金額が本来であれば請求があってもしかるべきだと考えています。 ◆本間賢次郎 委員 20点ほどで30万円ですから、それが五、六十点となれば3倍ですから90万円から100万円というふうにかかるような文化財を無料で貸し付けいただけるということでございます。逆に、それだけの文化財を砂子の里資料館はこれまで無償で展示をしてきたと。先ほど土日はお休みだったというお話がありましたが、浮世絵で国際的に大動員をした例として挙げられるのがイギリスの大英博物館ですけれども、イギリスは無料で基本的に入館料は取っておりません。そうした中で海外の人たちが数百円というより、500円という先ほど想定のお話もちらっと出ましたけれども、500円払って見るという価値がどれぐらいあると想定しておりますでしょうか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 先ほどの岩隈委員の数字500円というのは、まだこちらとして決定した数字ではなくて、数百円という中で幾らにするかという今後の想定だと思いますが、確かに無料であれば気軽に入っていただける、とりわけリバークビルは、北口の自由通路からのつながりは非常にスムーズに入れるような仕組みでございまして、すぐエスカレーターで3階に上がれるということですので、無料であればついでに来たという方々もたくさんいらっしゃると思いますけれども、逆に言うと、場合によっては数億円もするような価値のあるコレクションでございますので、それをごらんいただくには、お金を頂戴しても余りある価値だと思いますので、本館につきましては数百円の中で適切な金額を設定して有料で入場していただきたいと思っております。 ◆本間賢次郎 委員 ありがとうございます。ちなみに藤沢で初年度が4万人だったから、川崎であれば6万人はいけるのではないかというお話でしたけれども、藤沢の入館料は幾らなんでしょうか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 先ほど情報をお伝えするのを損なってしまいましたが、こちらは無料でございます。ですので、比較対象としてはちょっと疑問ですとお伝えしましたとおりでございます。やはり類似の施設はたくさんございまして、藤沢は無料でございますが、原宿の駅そばに太田記念美術館、これも浮世絵の専門の美術館がございますが、こちらが常設展で700円、企画展ですと1,000円ということで、点数は比較的近くて60点から100点程度ということでございますので、無料か有料かというのは、どういうものを展示するかも含めての総合的な判断だと思います。 ◆本間賢次郎 委員 ありがとうございます。  あと、神奈川県内ですと県立の博物館でも浮世絵を扱っていたかと思うんですけれども、県立博物館では入館料は幾らなんでしょうか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 ちょっとこちらとして、そこの企画展のところまで調べがついておりませんで、もし担当のほうで調べられたら――失礼しました。情報がございまして、横浜市の歴史博物館で2016年、おととし6月に行われた展示が300円でございます。点数が64点でございます。 ◆本間賢次郎 委員 ありがとうございます。そうなると、取るとしても300円前後なのかなというのが想定されるわけですけれども、そうした中でどうしても浮世絵というのは先ほど来からお話があるとおりお金のかかるものですけれども、やはり街道筋の文化を残していくということは将来の川崎のために大きな利益になると思うんです。それはなぜかといえば、川崎は、特にこの臨海部は戦争で焼けてしまって歴史的価値のものが限られてしまっている、そうした中で自分たちのまちがどのようにでき上がってきたのか、特に東海道で川崎が宿場町になったというのは、実はかなり遅い時期の話が歴史的背景としてあります。多摩川がはんらんして橋をかけられなくなったことによって、多摩川を渡ってから、もしくは渡る前に1つ休憩をとらなければならない、泊まらなければならないという文化的背景が、歴史的背景があるわけで、そういったことを子どもたちですとか、また、大人になってからも自分のふるさとがどういうまちだったのかを学ぶことは、将来に川崎のまちの姿を、過去の姿を伝えていく、それを知ることによってまた未来を切り開いていくということを考えれば、教育的価値としては非常に高いものであると思います。  そうしたものに対して行政が積極的になることは当然だと思いますし、例えば、例をとりますと、全然規模は違いますけれども、京都は皆さんも御存じのとおり碁盤の目状に道路が整備されています。一つ一つの通りに名前があって、一つ一つの通りに全部歴史的背景があって、それを全部の通りに看板を設けて後世に伝えていっている、また、外国から来た人たちにそうしたものを伝えていく。そうしたことを考えれば、行政がこうした文化的、歴史的なものを取り扱うことにそれなりの予算を割くことは、私は何ら問題はないというよりも、市民にとって有益ではないかと考えておりますので、ぜひともそこは本気になっていただいて、歴史的文化財を市民の人たちがいつでも楽しめる、もしくは海外から来た人、市外から来た人たちが川崎はこういうまちだったんだということに気づいていただけるきっかけをつくっていただきたい。そのためにも施設の整備は急務だと思いますし、北口のところにつくるということでございますから、ちょっと川崎に立ち寄った、乗りかえのために川崎に立ち寄ったという人たちがふとした気づきになってくれる、そういったあり方であってほしいと思っております。  そうした中で、今回の件についてはコンパクトな規模というお話がありましたけれども、実際、東海道かわさき宿交流館とはそんなに距離としては離れていない、そうしたときに交流館との差別化、もしくは共存はどのようにお考えですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 東海道かわさき宿交流館は旧東海道沿いにございまして、今までは駅からどのようにアクセスするのかが非常に課題だったと思われます。このたび、北口に「かわさき きたテラス」ができて観光案内機能もできましたが、そこにさらにリバークビルの中にこちらが入ることによりまして、1つ一本筋の動線ができるものと考えておりますので、そこをうまくどうやってつなげるかは今後の課題だといたしましても、「かわさき きたテラス」からの連携で1つの観光ルートとして、もしそれができればまさに回遊性、市民のためにもなると思いますので、そういったところについての取り組みについて今後検討していきたいと思っております。 ◆本間賢次郎 委員 ありがとうございます。展示品ですとか、体験スペースですとか、そういったお話がありましたけれども、これは交流館でも若干触れているところでもあると思うんですが、その辺についてはどういう連携、もしくははっきりと差別化というか、何か現段階で考えていることはあるんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 現段階で具体的にこれはというものではございませんが、何か連携できるだろうという中で、恐らく東海道につなげていくためのこちらでの展示、例えば、一番わかりやすいのは東海道五十三次シリーズのようなものをこちらで展示していただいて、歩いて10分ほどで、今度は東海道、本当の道を歩けますという趣旨のつながりもできるかと思いますので、そういった観点で、今後企画展示だとか、あと東海道かわさき宿交流館との連携について議論を深めていきたいと考えております。 ◆本間賢次郎 委員 ありがとうございます。川崎区では4月第1日曜日に東海道かわさき宿まつりというものが先日もありましたけれども、実は同じ日に川崎大師駅前の若宮神社の金山神社では世界的に有名なかなまら祭りが、もう海外からのお客さんがわんさかわんさかやってくるわけです。恐らく大師なので、そういった方々は羽田から京急川崎に来て、京急川崎からそのまま川崎大師に行くという流れになると思います。またこれからいろんな整備が進んだりする中で、川崎駅前に実際におりてという機会がどこまであるんだろうかというところもあるんですけれども、川崎駅周辺の活性化を考えると、おりていただいて楽しめる空間はどうしても必要だと。そうしたところで浮世絵というのは外国人の関心を引く上では非常に大きなコンテンツだと思っております。  外国人の方々の中には、金に糸目はつけない、どんなに高くてもいいから浮世絵を買うという人たちが結構多い、日本の名作がどんどん海外に流出してしまっている状況を考えると、専門知識を持った学者や大学教授も、本来は守りたいけれども、それだけの資金力がなくてどうしても流出してしまっている。そういったことを考えていったときに、川崎市として、自分たちのまちの民俗文化を伝える浮世絵は何が何でも守るという気概は見せていく必要があると思うんです。そうすることによって、海外から来た人たちが日本人の、もしくは川崎の人たちのふるさと愛に触れていただければ、より浮世絵の価値が高まると思うんですけれども、その辺のメッセージ性といいますか、決意みたいなものはあるんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 こちらのコレクションの中に、まさに委員がおっしゃった川崎ゆかりの絵というのも非常に多く含まれていまして、シリーズ物としては、多摩川にゆかりのある多摩川の絵というのもございますし、川崎大師のにぎわいを描いた絵もございますから、そういったものをこちらに展示することによって、昔、江戸時代は、川崎はこういうまちだったんだという歴史認識もこちらの場で学んでいただくこともできるかと思っています。まさに委員のおっしゃるとおり、地域への郷土愛みたいなものにこちらでぜひ触れていただきたいと思っております。 ◆本間賢次郎 委員 ありがとうございます。海外の人たちからすると、浮世絵を日本で見るということ自体に価値があると思うんですけれども、買おうと思えば自分たちで幾らでも買えるんだという感覚を持っている人たちも当然いるわけで、その人たちが立ち寄って、買えなかったとしても満足してもらえるというのは、恐らくそういう精神的、日本人の持つ、また、川崎の市民のふるさと愛みたいなものに触れていただくことでカバーできると思うので、ぜひともそういうのは川崎市としても持っていただいて、それぞれの団体に協力をしていただきたいと思っているところでございます。  専門家にいろいろヒアリングをされた経緯がありまして、神奈川県立歴史博物館の桑山さんという方でしょうか、主任学芸員さんは、やはり保存のあり方、もしくは展示のあり方というところに課題があるようなところを触れていらっしゃるんです。24時間の安定した温湿度の管理、また、調光可能なLED照明などの資料に影響の少ない照明設備下での展示が求められるというコメントも発しておられます。  こういった施設の整備については、先ほど文化財団の方に専門家がいらっしゃらないということですけれども、川崎市のほうでは、そういう専門家は今後どのように集めるといいますか、招いてアドバイスをもらおうと思っているんでしょうか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 今おっしゃられたのは、まず施設整備の面ということでよろしかったでしょうか。実は、施設整備は、市の中ではまちづくり局が専門部署でございますが、さすがにこうした特殊性のある施設整備に関してはそれほど多くの知見はないということでございますので、私どもとしては、こうした学識の方々にお話を伺いながら、もし可能であれば今年度の下半期で行う設計の中で何らかの専門的な知識をお持ちの方に御同行いただきながらの検討、研究をしていく中で設計を続けていきたいと考えております。 ◆本間賢次郎 委員 ありがとうございます。先ほど7月に本計画を策定するというような流れのお話がありました。下半期に向けて――下半期というか、秋以降の議会の中で恐らく詳細なお話がどんどん出てくるんだと、そこで活発な議論もさせていただけるんだと思うんですけれども、恐らくそのときにはある程度予算もしっかり決めておかなければならない、それだけの照明の施設、もしくは温湿管理の設備というものがどれぐらいかかるかを事前に出さなければいけない中で、いつぐらいをそういう設備の整備に必要な予算を確保する、算定する期間と捉えていらっしゃるのか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 まず、先ほど申し上げましたとおり、仮にですけれども、9月に補正予算を出させていただくことを想定した場合につきましては、一般論としては、庁内調整も当然その間に挟まりますので、7月ぐらいまでにはそういった数字を固めて、庁内調整、そして議案に結びつけていくといった段取りが必要かと考えています。 ◆本間賢次郎 委員 ということは、やはり7月までが割とといいますか、この事業については非常にネックになるような期間だと捉えてよろしいですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 ネックとおっしゃられましたが、先ほど申し上げたスケジュール感が非常にタイトな中で、さまざまな計画をしっかり御説明しながら御了解をいただいて、かつ予算の詰めもしていかなきゃいけないという意味で申し上げると、非常にタイトな中で作業を進めさせていただくことになることは間違いないと思っております。 ◆本間賢次郎 委員 ありがとうございます。そこまでの間に細かいところもしっかり詰めていただいてお出しいただければ恐らく理解いただける事業だと思いますので、ぜひともそこは詳細を詰めていただいて、やはり市民にとっても、また、多くの浮世絵のファンの方々にとっても満足に開館を待つことができる、楽しみに待つことができるような体制を整えていただきたいと思いますので、そのあたりをぜひとも御努力いただきますように、よろしくお願いいたします。 ◆月本琢也 委員 先ほど、岩隈委員の質疑の中で、初期経費の項目、2つに分けて、5,000万円と4,000万円ということで、9,000万円の初期投資と。ランニングコストとしてはペイできる形で入館料を取っていければいいのかなと、あるいはグッズの販売の収益とかいろいろあって、運営費についてはそういう形でお考えなのかということは、答弁では理解したんですけれども、ただ、この資料の3ページのターゲットのところには、川崎市民とともに、川崎に来た方をという、駅を利用される方とか羽田空港ということを記載されているんですが、先ほど来のやりとりを聞いていると、市民が中心で利用するのであれば、さっき岩隈委員もおっしゃった、私も市民ミュージアムでいいのかと思っちゃうんですけれども、あえてここにするのは、川崎駅を利用する、あるいは先ほどの本間委員の言われた東海道かわさき宿交流館とか羽田空港ということになってくると、川崎市民をターゲットとするよりも、むしろ川崎市に来てくださる方、観光誘致的な意味合いが非常に強い性格なのかと思うと、ランニングコストは収益でペイできますよと。ところが、初期投資に関しては9,000万円出しっ放しになってくるでしょうし、20年間ですから、ある意味では、設備改修費ももしかしたらどこかに別途入ってくる可能性もあるだろうというところにあると、この9,000万円を何かしらの形でカバーをできるような効果を生み出さなければ、市民に対する文化的な施設であればいいんでしょうけれども、これはお客さんを呼び込むためということであれば、その効果というのが求められるのかなと。  先ほど年間6万人ぐらい見込まれると、4週間で新しいものに展示を変えるということであれば、本来川崎に来ない方が月に1回ぐらいは交代で来てくれる可能性を秘めているという捉え方になった場合に、20年間の事業と考えて、20年間で9,000万円で終わるのが、設備改修が途中に入れば別途費用がかかってくるとなると、億のお金になるのかわからないですけれども、そういったところの経済効果をある程度示せなければ、僕なんかは、逆に市民ミュージアムをつくっても一緒なんじゃないかと。むしろそっちのほうが初期的な投資は少なくて済むんじゃないかと思うんですけれども、そういった経済効果的な部分はどのような算出されていくのかということ。今の段階だと、経費に関しても詳細な経費を答えるといろいろ前後しちゃうということで御答弁をいただいていたので、これはあくまでも今答えるということじゃなくて、7月に策定するのであれば、ある程度そういった見込み等を出せるのかということについて伺わせてください。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 今、委員がおっしゃった経済効果というのは、市役所全体が課題になっているかと思いますが、こちらについては、まだその辺は漠としたところでございますけれども、やはり外国人の方とか、市民ではない外から来られる方々がいかに市の中で回遊するかというところが非常に大事ですので、そこをある程度想定した中で、経済効果という数字が出せるかどうかは別としまして、初期投資がいかに回収できるかにつながると思いますので、計画の策定に当たりましては、そこをある程度見きわめることができるように検討ができればと思います。  ただ、この時点でどのように指標があるか、こちらとしては今悩んでいるところがありますので、いろいろ庁内で相談させていただきながら進めたいと思います。 ◆月本琢也 委員 本当にさっきのリピーター率をどれぐらいの目標値に掲げていくかとか、ある意味、リピーターが多ければ、恐らく市外の方のほうがウエートが高いと見込まれているでしょうから、そうすると、リピーターが上がれば、それだけの価値はあったのかと。ただ、リピーターが上がらなければ、逆に言うと全く価値のないものだと思いますし、それであれば9,000万円投資した分を回収できるかというのは非常にあやしい話になってくるので、そういった、ある程度、どうしても浮世絵展示、あるいはそのほかの浮世絵を通じたいろんな展示とか体験ができるようなものを想定されているようなので、ある程度厳しい目標を立てていかないと、先ほど申し上げましたが、物ではなくて、あくまでも呼び込むものということで考えれば、これはやっぱりビジネス的な観点で追求していかなければならないと思いますので、そういったリピート率のとり方とか、周辺の施設、今まで川崎に来て、1時間で帰って、お昼も食べなかった人は、2つ施設を回ったおかげで食事をして帰るとか、そういったアンケート、指標的なものをとって、それを計画の中に、PDCAサイクルじゃないですけれども、何かそこに取り入れていくべきだと思いますので、その辺は検討できるのか、できないのか、お聞かせください。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 今、委員がおっしゃったことにつきましては真摯に受けとめたいと思うんですけれども、いかんせんスケジュールの中でどこまでできるかというのは1つ課題になりそうでございますので、まさに先ほど申し上げたイニシャルコストをどう回収していくかという観点の中でいろいろ検討していきたいと思っています。 ◆月本琢也 委員 スケジュール、スケジュールとおっしゃるんですけれども、スケジュールが詰まっているから十分なことができなかったというのは全く言いわけにならないので、さっき言ったように、くしくも給食の話で私だけ反対しましたけれども、スケジュール云々ということで、これは結局20年間先まで約束しなきゃいけない話なんです。20年たったら、ここにいるメンバーがどれだけこの場に集まれるかというと、ほとんどいらっしゃらないと思うんですけれども、そういったことを考えたときに、それをしっかりと約束していく中で、余りスケジュール、スケジュールというふうにお答えいただくよりも、むしろどこまで手を尽くせるかどうかをしっかり検討していただきたいと思いますので、どうすればそういったものが示せるのかということと、それのつけを残さないのかということも考えていただければと思います。  これは7月に1つの時期があるということでもあるので、7月までにできるかできないかということで結論をつくるんじゃなくて、7月の策定の段階で間に合う、間に合わないはあるんでしょうけれども、しっかりと7月には示せるような形で進めていただきたいと、これは要望でお願いします。 ◆石田和子 委員 1点だけお聞きいたします。ダブらないように1点だけ聞くんですけれども、かなり希少性が高い浮世絵だということで、非常に痛みやすいということも聞いているんですけれども、非常に繊細な色使いのものですから、やはり保存が非常に大事だと。高い専門性が求められると聞いているんですけれども、これまでの保存の仕方と、それから、ここの「初期経費項目」のところに「設備改修」と書いてあって、「消火方法は調整中」と書いてあるんですけれども、これまでの消火の考え方、消火設備はどうであったのかということと、方法は調整中ということでありますけれども、どのような方法を今検討されているのかを教えていただければと思います。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 今、委員の御指摘のものは、4ページの3-8の「初期経費項目」の中の消火方法については調整中という御指摘でございます。こちらにつきましては、やはり浮世絵作品は非常に繊細かつ希少なものでございますので、一般論として、非常に大きな著名な美術館では、いわゆる水消火を使うスプリンクラーではなくてガス系の消火設備を入れているということがございます。したがいまして、今、こちらで「消火方法は調整中」と書きましたのは、それを入れるかどうかを現在調整中ではございますけれども、ただ、ガス消火になりますと、それ自体は毒ではございませんが、鑑賞の方がいらっしゃる場でガス系の消火というのは、やはり危険性を伴う可能性もございますので、そこを逐一調整しながら、基本今のところ、消火設備については既存のスプリンクラーの消火設備を生かして整備を行っていきたいと考えております。 ◆石田和子 委員 ガス系だといろんなことも考えられるということですけれども、水がかかることでかなり作品にはダメージが大きくて保存ができなくなってしまうと聞いていますから、そういった意味では、うまく調整をしていかないと大変なことになると思っているのと、これは飲食店が下のほうに入っていると思うんですが、その辺での消火についての整合性はどのように考えていますでしょうか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 まさに今委員がおっしゃった下に飲食店が入っている、つまりさまざまな方々がこのビル内にいらっしゃるということを前提に考えますと、やはりガス系の消火に切りかえていくのは、先ほど申し上げたとおり危険性も少し伴うのかということが課題としてありまして、そういった理由もありまして、現在のところ、既存のスプリンクラー消火設備を生かさせていただこうと考えているところでございます。 ◆石田和子 委員 その点はかなり検討が必要でありますので、しっかり検討していただきたいということと、保存については、先ほども出ましたけれども、24時間温度も湿度も含めてかなり繊細な保存をやっていかなくちゃいけないということで、専門学芸員と出ていますけれども、こういう高度な希少性の高い文化作品ですから、やっぱり専門学芸員というのは、充実させていくためにもどうしても必要になるんじゃないかと私は思うんですけれども、その辺は今後、先ほども出ていましたけれども、検討していくということですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 委員がおっしゃるとおりでございまして、この専門学芸員をどのような形で、仮に今は文化財団を想定しておりますけれども、採用、雇用、育成していくかは課題でございますのと、あとは、ここにどのような形で人間を配置していくのかということ自体も、まだ現在のところ調整段階でございますので、そちらについて計画を示せる中で一緒に検討してお示ししていきたいと考えております。 ◆石田和子 委員 結構です。 ◆岩隈千尋 委員 最後に1点伺いたいんですけれども、この間、議会で調査させていただく中で、いろいろヒアリング調査を行うときに、係長さん以下の職員さん大体2人で対応してくださったんです。見ていて、先ほど課長さんがお話しいただいたけれども、スケジュールが非常にタイトですよということで、そのために基礎調査調整費を使ったんだろうと、申しわけないけれども言いたくなるんです。マンパワー的なところで、7月にいろいろ出さなきゃいけないというところで、昨年度から、職員の方々を充実させるべきじゃないのかという話は局の皆さんにも話を伺わせていただいたんですけれども、今年度に入って、じゃ、この事業を、申しわけないけれども、当該の職員だけに任せるというのは、私は非常に大変だと思っていたわけですが、この辺は今年度になって内容は充実されたんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 お尋ねの今の体制なんですが、昨年度から比較しますと、担当係長1を要求をさせていただいて1増員できておりますので、その辺につきましては、体制強化という中で本年度対応させていただきたいと思っております。 ◆岩隈千尋 委員 わかりました。余り事業規模を比較して人間のマンパワーが足りないということにならないように、しっかりと進めていただければと思います。 ◆花輪孝一 委員 1点だけ私どもとして要望を申し上げますけれども、やはり今財政状況が本当に厳しい中で、対費用効果という部分が市民に対して、我々議会も含めて非常にこの辺のところが重いと思うんです。もちろんスケジュール感はあるかもしれませんけれども、対費用効果ということを十分に検証しながら、十分効果的、効率的にやっていただきたいという要望が1つ。  あともう一つは、市民の方々に、やはりもっともだと。事業の妥当性、つまり、やはり最初から文化財団ありきじゃないかみたいな疑念を持たれるような形は、これはあくまでも市で直接やるんだったら別ですよ。でも、行政財産ではなく普通財産として、そこを財団にお願いするということは、決して違法ではないんだけれども、やはりその間に不自然さじゃないけれども、本当に妥当だという道筋の検証みたいなものを市民の皆さん方に対しても、あるいは当然我々議会に対しても、今後しっかりとやっていただきたいということだけ要望として申し上げます。 ○片柳進 委員長 ほかにないようでしたら、以上で「浮世絵等の活用に向けた基本方針(案)について」を終わります。  ここで理事者の退室をお願いいたします。                 ( 理事者退室 )         ───────────────────────── ○片柳進 委員長 次に、その他として今後の委員会日程につきまして御協議をお願いいたします。   協議の結果、4月26日(木)、27日(金)に開催することとした。         ───────────────────────── ○片柳進 委員長 その他、委員の皆様から何かございますでしょうか。                  ( なし ) ○片柳進 委員長 それでは、以上で本日の文教委員会を閉会いたします。                午後 2時15分閉会...