1枚おめくりいただきまして、3ページをごらんください。全体計画の概要(地域における医療需要)でございます。
本市の人口は平成29年4月に150万人を突破し、
川崎病院が位置する川崎南部保健医療圏においても、この8年間で5万人の人口増となっています。引き続き人口は増加し、本市では平成42年の158.7万人がピークになると推計しています。人口増加とともに高齢化も進行し、国の患者調査と本市の人口推計から試算すると、平成27年から37年にかけて
入院患者数は25%増の推計となり、医療需要の増加に対応していく必要がございます。また、下の四角の欄の下段にございますとおり、
医療機能の分化・連携強化、あるいは、地域包括ケアシステムの構築などによる
病院完結型から
地域完結型への
医療提供体制の見直し等に合わせた役割への対応や、人口増加とともに高齢社会の進展による医療需要の増大が見込まれる中、市の基幹病院としての対応も求められています。
1枚おめくりいただきまして、4ページをごらんください。全体計画の概要(
基本計画における考え方と強化・拡充する具体的な機能)でございます。
川崎病院ではこれまで、環境の変化等に応じて機能を強化するための整備や増員を行い、医療政策の変化や
救急需要の増加などに的確に対応してまいりましたが、建築後19年が経過し、施設面等での狭隘化と老朽化等が課題となっているところでございます。平成29年3月に策定いたしました基本構想では、下の四角の欄にございます
医療機能再編整備の4つの柱と強化・拡充を検討する機能をまとめました。
基本計画では強化・拡充する機能と規模について具体的にまとめましたので、右側の表をごらんください。強化・拡充する機能と規模について主なものを御説明いたします。
救急機能につきましては、ER(救急救命室)と救命病棟は、現在、スペースの問題もあり1階と9階に分断されており、医師の人手が二手に分かれる大変非効率な診療体制となっているとともに、狭隘化が大きな課題となっております。このような現状を解決し、診療体制の安全性、効率性の向上のため、ER(救急救命室)と救命病棟の一体整備として
救命救急センター棟を増築、拡張してまいります。また、後方支援病床確保による救急機能強化として、移設した救命病棟の跡に、救命病棟の後方支援や夜間緊急入院の一時
受け入れ等に対応できる救急科、総合内科等の混合病棟を整備してまいります。さらに、消防局と連携し救急ワークステーションを新設し、市内
救急医療派遣事業「Kawasaki ONE PIECE」などの
取り組みを強化してまいります。
がん診療機能につきましては、内視鏡
センターや外来治療
センターの機能強化として同
センター等を移設、拡張してまいります。
小児・周産期
医療機能につきましては、立ち会い分娩の環境整備として、プライバシーに配慮した分娩室、待機室、患者・家族動線等の整備など産科病棟を改修してまいります。
その他政策的医療等につきましては、精神科救急の基幹病院として
受け入れ体制を強化するため保護室の増設など、精神科病棟の改修を行ってまいります。また、リハビリテーション機能の強化として、発症早期からのリハビリ施行や、入院に伴う運動機能低下等の予防への積極的な介入を強化するため訓練室、診察室を拡張し、病棟各階にリハビリ室を設置してまいります。
下から2つ目の診療サポート機能につきましては、がん相談・支援機能、地域連携機能等の強化として、地域
医療機関や地域包括支援
センター、訪問看護ステーション、介護事業者等の地域の医療・福祉・介護との連携をより一層進めるために、関連機能を集約した
患者総合サポートセンターを整備し、病院内外との連携強化とともに相談窓口の一元化など、患者利便性の向上を図ってまいります。
1枚おめくりいただきまして、5ページをごらんください。施設整備計画の概要でございます。
左側上段の敷地利用の
基本方針でございますが、①将来病院の空地確保でございますが、将来の建てかえにおいて医療需要に合致した自由度の高い医療施設の設計、診療機能への制約がない状態での建設が可能になることから、駐車場を空地として確保しておきます。②既存施設活用でございますが、経営的視点から、施設整備ありきではなく、まず運用改善を行い、比較的耐久性、可変性の高い構造であるB棟(病棟)の院内改修を中心に検討し、それでも不足する機能について増築棟建設にて対応いたします。
次に、配置計画でございますが、
救命救急センター棟につきましては、既存救命救急エリアを活用できる西側公園エリアに建設いたします。また、本棟地下のエネルギー関連設備は、災害時の対策の視点から南側既存駐輪場へエネルギー棟として建設することとし、その他の地下設備は給水ポンプ棟としてC棟西側受水槽の近傍に設置いたします。右側に断面計画がございますので、後ほどごらんください。
1枚おめくりいただきまして、6ページをごらんください。収支計画と全体スケジュールでございます。
事業費は、院内改修と
救命救急センター棟、駐車場等の外構工事費に加え、これに伴う
医療機器整備費を合わせ、約32億円を想定しております。なお、エネルギー棟につきましては民間資金を活用した整備を想定しているため事業費に含めておりません。
次に、収支シミュレーションでございますが、下段のグラフのとおり、一時的に特別利益である長期前受金戻入の影響を受けるものの、
医療機能再編整備を段階的に進めることにより収益、費用ともに増加し、純損益は約4から6億円程度で推移すると計画しております。
右側上段の経営指標でございますが、再編整備後の新
入院患者数は1万7,000人を想定し、平成28年度と比べ約3,000人の増加を想定しております。また、入院の平均在院日数につきましては、再編整備後は11.5日を想定し、平成28年度と比べ1.4日の短縮を想定しております。診療単価につきましては入院、外来ともに増加することを想定しております。
下段の全体スケジュールでございますが、地下に集中的に設置されている基幹設備の災害による水没や老朽化による故障のリスクを回避するため、エネルギー棟を先行整備してまいります。再編整備につきましては
経営状況を見きわめながら段階的に推進していくこととしておりますが、
救命救急センター棟の増築や既存棟の改修につきましてはエネルギー棟整備期間中に設計を行い、工事のふくそうを回避するため、エネルギー棟建築後の工事着手を想定しております。
以上でございます。
○
田村伸一郎 委員長 説明は以上のとおりです。ただいまの説明について質問等がございましたらお願いいたします。
◆渡辺学 委員 配置計画のところで
救命救急センター棟がつくられるわけですけれども、現状でも結構、風が強いということで、風害といいますか、そうした声も出ていらっしゃると思うんです。まだちょっと先の話にはなるんですけれども、ここにまたもう一つ新たな、これは4階建てですかね。これを見ますと。そういった風対策について、現状も何かやられているとは思うんですけれども、この辺の検討は、この計画を進めていく中でされていくのかどうかお聞きしたいんですけれども。
◎高橋
経営企画室担当課長 風につきましては、現在、建物が非常に高い、15階建ての建物ですので、時折非常に強い風が吹く状況になっております。周りに植栽を植えたりとかして一定の対策はとっておりますけれども、なかなか建物自体が大きいものですから、やはり強い風が吹いているのが現状でございます。今回は建物が4階建てと、あと、救命救急棟が2階建てということで、比較的低い建物でございますので、風の影響はそれほどないものと今のところ考えております。
◆渡辺学 委員 では、あわせて、エネルギー棟が建設されるということですけれども、この説明でもありましたけれども、現状の駐輪場は従来、今使われているということですよね。そうしますと、この駐輪場というのは、また別の場所に確保できるようなことになるんですか。
◎高橋
経営企画室担当課長 駐輪場につきましては、5ページの図でごらんいただきたいと思いますけれども、現在、下のほうに、東側のところに駐車場がございますが、そちらの一角を駐輪場にいたしまして、そちらに駐輪場を移転するということを考えております。
◆渡辺学 委員 そうしますと、この配置図でいくと、駐輪場って本棟側の手前にありますよね。駐車場の中に。ここの場所は今も駐輪場にはなっていませんか。なっていないんですか。
◎高橋
経営企画室担当課長 今、こちらのほうは駐車場とバイクを置く場所となっております。
◆渡辺学 委員 そこに改めて駐輪場を、このスペースに設置するということですね。
◎高橋
経営企画室担当課長 そうでございます。
○
田村伸一郎 委員長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
( なし )
○
田村伸一郎 委員長 それでは、ほかにないようでしたら、以上で「
川崎市立川崎病院医療機能再編整備基本計画について」の報告を終わります。
ここで理事者の退室をお願いいたします。
( 理事者退室 )
─────────────────────────
○
田村伸一郎 委員長 それでは、その他といたしまして、4月3日の委員会におきまして各会派にお持ち帰りいただきました、そして御検討いただきました、平成30年度委員会視察につきまして事務局から説明をお願いいたします。
◎五十嵐 書記 それでは、御説明させていただきます。
まず初めに、実施時期でございますが、前回の委員会におきまして5月9日(水)、10日(木)、11日(金)のうち2日間、または5月16日(水)、17日(木)の日程で実施することを御確認いただいております。
次に、視察都市及び視察項目でございますが、各会派からの主な御意見といたしまして、札幌市の救急安心
センター札幌等について、小樽市の小樽・北しりべし成年後見
センターについて、函館市の地域包括ケアシステム構築のモデル的なエリア整備等について、青森市の青森市子どもの居場所づくり・学習支援事業について、浜松市の農福連携「ユニバーサル農業」について、名古屋市のはいかい高齢者おかえり支援事業等について、大阪市の生活保護に関するビッグデータを分析について、広島市の救急現場におけるICT利活用事業について、北九州市の介護ロボット等を活用した先進的対応の取組について、福岡市の新しいこども病院等について、久留米市の農業で生活保護からの自立支援について、熊本市の大学生を対象とした消防団「防災サポーター」制度について、宮崎市の鳥山地区複合型津波避難施設について、那覇市の災害ユイマール登録制度についてがございました。
これらの御意見を参考に、近隣都市における
取り組み事例等を踏まえまして正副委員長に御相談をさせていただき、苫小牧市における苫小牧市認知症高齢者等の見守りSOSネットワーク事業について及び介護支援いきいきポイント事業について、札幌市における札幌市生活就労支援
センター「ステップ」について、苫小牧市及び札幌市にそれぞれ打診を行いましたところ、5月10日(木)及び11日(金)の日程で両都市から
受け入れ可能との回答をいただいております。
説明は以上でございます。
○
田村伸一郎 委員長 ただいま事務局から説明がありましたが、実施時期は5月10日(木)及び11日(金)に1班編成で実施させていただくこととし、視察都市及び施策項目につきましては、正副委員長案として苫小牧市及び札幌市について視察を行うことを御提案させていただければと思います。苫小牧市につきましては苫小牧市認知症高齢者等の見守りSOSネットワーク事業について及び介護支援いきいきポイント事業について、また、札幌市につきましては札幌市生活就労支援
センター「ステップ」について、視察を行えればと考えております。
ただいまの正副委員長案について委員の皆様から御発言等はございますでしょうか。
( なし )
○
田村伸一郎 委員長 それでは、本年度の
健康福祉委員会の視察につきましては、ただいまのとおり進めさせていただくことでよろしいでしょうか。
( 異議なし )
○
田村伸一郎 委員長 それでは、そのように決定をさせていただきます。
なお、委員会視察の班編成表につきましては、後ほど事務局から配付をさせていただきます。
─────────────────────────
○
田村伸一郎 委員長 次に、その他といたしまして、今後の委員会日程につきまして御協議をお願いいたします。
協議の結果、4月19日(木)に開催することとした。
─────────────────────────
○
田村伸一郎 委員長 その他、委員の皆様から何かございますでしょうか。
( なし )
○
田村伸一郎 委員長 それでは、以上で本日の
健康福祉委員会を閉会いたします。
午前10時56分閉会...