競技スポーツでは、各競技団体が加盟する市体育協会と連携し、選手の発掘や競技力の向上に取り組んでおります。本年6月開催の「燃ゆる
感動かごしま国体」
カヌー競技リハーサル大会と、8月開催の
全国高校総体カヌー競技には本市の高校生も多数出場し、優秀な成績をおさめております。また、中学生の陸上競技や社会人の軟式野球などは全国大会に出場し、成果を上げております。
本市の
スポーツ活動を行う
社会体育施設の1年間の利用状況は、全体で申し上げれば、平成28年度が16施設で10万6,220人、29年度が同じく16施設で11万1,088人、平成30年度はカヌー艇庫も加わり17施設となり、11万4,990人の利用がございました。今後も、市体育協会や
校区コミュニティ協議会と協力して
スポーツ活動を推進し、体育施設の利用促進も図ってまいりたいと思います。
個別の利用度につきましては、所管担当より答弁いたさせます。
◯スポーツ推進課長(田中 健一君)
市長の答弁に補足して御説明いたします。
先ほど言われました4施設の利用者数でございます。
市営球場は平成28年度2,722人、平成29年度3,332人、平成30年度3,050人、平成28年度と平成30年度を比較すると328人の増加でございます。
総合体育館は平成28年度2万2,636人、平成29年度2万2,398人、平成30年度2万3,157人、平成28年度と30年度を比較すると521人の増加です。
大口の
テニスコートは平成28年度1,686人、平成29年度1,668人、平成30年度1,367人、平成28年度と平成30年度を比較すると319人の減少でございます。
陸上競技場は平成28年度9,601人、平成29年度は9,537人、平成30年度は1万311人、平成28年度と平成30年度を比較すると710人の増加となります。
以上でございます。
◯3番(岩元 努議員)
今お示しいただきました
総合グラウンド、総合体育館、市営球場、
テニスコートの利用状況として、微増減という形だと思いますけれども、平均して変わらない推移であるということですけれども、課題として、それぞれ安全面等、現在、適正な管理運営はされているのかについて、老朽化など危険箇所は把握されているのか、予防的修繕の大規模改修が必要と思われる施設はあるのか、事業計画されている施設はあるのかについて、内容をお伺いいたします。
◯教育長(森 和範君)
本市の体育施設は老朽化が進んでおりますが、市全体において
公共施設等総合管理計画を作成し、今、施設ごとに具体的な対応方針を決めるために
個別施設計画を作成中でございます。その作成のために、今、個別の施設の点検、診断を行っております。
点検、診断の状況等は、屋根の状況はどうか、雨漏り等はどうなのかとか、また、外壁の状況はどうか、亀裂が入っていないかどうかとか、また、内部の塗装の状況等はどうか、電気設備の状況並びに機械設備はどうかとか、細かく分類いたしましてそれぞれの点検をし、これを総合的に見まして、早急に対応が必要なもの、そして施設の統合等も考えながら対応しないといけないもの等を整理して、そして今後、個別の施設計画を作成していくと。今、その途上にあるところでございます。
◯3番(岩元 努議員)
市営球場において
野球場保護マット、
ラバーフェンスなど、大分老朽化が進んでいるのですが、利用に際し危険度は高いと思いますけれども、改修の計画はないのか伺います。
◯市長(隈元 新君)
先ほどの教育長の答弁にもございますが、
個別施設計画というものを令和2年度末までに策定する予定にしておりますので、予算との関係ございますので、その中から、市営球場も含めまして優先順位を決めていくということになります。
◯3番(岩元 努議員)
少しお伺いしますけれども、この市営球場というのは現在、硬式での試合というのは実施することが可能なんでしょうか。
◯スポーツ推進課長(田中 健一君)
御説明いたします。
市営球場における硬式の野球でございますが、現在は硬式は御遠慮をいただいているところです。なぜかと申しますと、フェンスの高さも低いですし、現在、その周りを散歩をされる方も結構多いものですから、安全性の面から考えまして、今、軟式の野球だけに特化して利用していただいているところでございます。
◯3番(岩元 努議員)
軟式となりますと、実際、具体的にはどのような団体が市営球場を使われているんでしょうか。
◯スポーツ推進課長(田中 健一君)
御説明申し上げます。
ちょっと手持ちの資料はございませんが、体育協会に加盟している競技団体等が数チームございますので、その方々がお使いになっているということ、また、県大会、全国大会にも出場予定でございますけども、消防組合の方々がお使いになるということでございます。
◯議長(緒方 重則議員)
岩元議員、少しマイクを下げて近づけていただけますか。
◯3番(岩元 努議員)
あ、すみません、はい。
今、御紹介がありましたけれども、
伊佐湧水消防組合も使われているということで、第62回の
全日本軟式野球大会(1部)で県勢初の優勝に輝いたということでもございました。そういうタイミングで改修して次に弾みをつける行政支援はできなかったのか。結果を残し頑張っていただいたのですから、練習に対する安全対策など、チーム力の向上に伴う支援として税金を使えば、市民全員で応援をしていることにつながると思いますし、より大きな一体感のもとでプレーできると思いますが、ぜひ改修費用の検討をお願いをしたいと思います。
次の質問に入ります。
2、まちづくりの横断的な課題、安全安心、定住促進との連携。
スポーツ合宿を誘致することで交流人口が増加し、定住のきっかけになることが期待されますとして掲げてありますが、取り組んでいる内容について、詳細をお示しください。
◯伊佐PR課長(西 直樹君)
御説明いたします。
スポーツ合宿の誘致につきましては、これまで、平成30年6月に福岡市で開催されました鹿児島県主催のセミナーに職員が参加し、大学の部活、
サークル関係者などと合宿のニーズなどについて意見交換をしております。このセミナーでは福岡地区の7大学27部、サークルの62人の参加がございました。
また、平成30年度におきまして
アスリート食講座を開催しております。
アスリート食に関する専門家を講師として招きまして、4回行っております。市内の飲食店、ホテル・旅館を含め、
ツーリズム協議会の方や
スポーツ少年団関係者など、延べ69人が参加をされております。内容といたしましては、アスリートがとるべき食事の内容を初め、合宿、大会時の食事のあり方、提供の際に配慮すべき点や、実際に伊佐の食材を使った献立づくりなどを学んでいただいております。
このほか、市内の
スポーツ施設や宿泊施設などの紹介を行うツールといたしまして「
スポーツ合宿ガイドブック」を1,200部作成いたしております。
また、ことし6月には、関西・九州地区で
スポーツ合宿商品を取り扱っております
株式会社ヤングリゾートの視察を受け入れまして意見交換を行いました。市内の
スポーツ施設、宿泊施設、キャンプ場などの視察をしていただいた後、
地元宿泊施設を含む関係者17人で意見交換会を行っております。
さらに、ことし7月には
株式会社ヤングリゾート福岡支店を初め、福岡地区の
旅行エージェント7社を訪問いたしまして、先ほど説明いたしました
スポーツ合宿ガイドなどを提示し、本市への
観光旅行商品の造成をお願いしてきたところでございます。
エージェントの中には福岡大学内にある
旅行センターにこの
ガイドブックを置いていただくと約束をいただいたところもございました。
以上でございます。
◯3番(岩元 努議員)
今お示しいただきましたけれども、伊佐市
スポーツ合宿ガイドということでありましたけれども、この内容を見てみますと、内容的な部分でどういうスポーツがこの場所に適しているのかということが具体的に示されていない部分があると思いますけれども、それも含めて、この合宿ガイドというのはどのようなところに配られたんでしょうか。今後、合宿を誘致する際に、やはり具体的にターゲットを絞って配ったほうがより効果的ではないかというふうに考えておるんですけれども、その辺について、
マーケティングの内容についてお示しください。
◯伊佐PR課長(西 直樹君)
御説明いたします。
スポーツ合宿ガイドにつきましては、作成後、市内のホテル、旅館に配付をいたしております。また、先ほど申し上げましたとおり、
旅行エージェントへの訪問の際に配付をいたしております。今後も、県主催のセミナーなど、合宿誘致に係るイベント、それから
エージェント等へのセールスの際に利用する予定でございます。
マーケティングのお話でございますが、本市の
スポーツ施設の状況、それから宿泊施設のキャパシティーなどを考慮しますと、大人数で合宿に挑むような種目、例えば野球とかサッカーなどの誘致はなかなか厳しいものと考えております。また、専門的な施設を必要とする種目につきましては、ハード的な面でも難しいと考えております。さらに、本市の二次交通の状況等を考慮しますと、車やバスなどで来ていただくような方向けに普及を図ったほうが効果的であるというふうに考えております。このことから、九州、特に福岡方面の大学の個人、それから少人数のチーム編成で競技する種目、
サークル活動の一環として、レジャーとしての訪問などをターゲットとすべきかと考えております。
以上でございます。
◯3番(岩元 努議員)
それでは、あと、伊佐市で現在、
スポーツ合宿がされているのか、その実績があれば示していただきたいと思います。
◯スポーツ推進課長(田中 健一君)
御説明いたします。
カヌー競技場やカヌー艇庫は、カヌーの総合的な
トレーニング場としての整備が図られ、
カヌー競技者の練習会、大会、合宿にも利用できる環境が整っております。
菱刈カヌー競技場を利用してのカヌー合宿の状況でございますが、平成30年度でございます。団体数20団体、実人数203人、延べ人数1,285人であります。30年度の内訳は、社会人が4団体4人、その内訳は福井県が3人、日数はそれぞれ115日、23日、143日、宮崎県が1人、日数が240日。高校生は12月の3日間の
九州冬季合宿に14団体174人。その内訳は、長崎県5団体62人、福岡県2団体23人、佐賀県1団体20人、熊本県4団体56人、宮崎県1団体9人、福井県1団体4人でございます。また、練習会に2団体25人、熊本県1団体17人、日数が28日、宮崎県1団体8人、日数が3日でございます。
以上でございます。
◯3番(岩元 努議員)
今、説明していただいたわけですけれども、これは実績としてはカヌーの合宿のみという理解でよろしいですか。(「はい。」と呼ぶ者あり……
スポーツ推進課長)ありがとうございます。
先ほども野球、サッカー等は結構難しいんじゃないかということで
伊佐PR課長の説明がありましたけれども、やはりこの
スポーツ合宿のガイドを見るとそういった形で載っておりますので、それを見て来たいといった場合、受け入れ側が受け入れないということであれば、なかなか、これも顧客として逃していく理由の一つになっていくんじゃないかと思いますので、そういったことも今後また、教育長の話にもありました公共施設等の施設管理に含めていただいて検討していただければなというふうに思っております。
では、次の3、合宿誘致の充実、実効性についてお伺いをいたしたいと思います。
けさ配付した資料をごらんいただきたいと思いますけれども、これは鹿児島県内の実施状況ですね。
受け入れ体制を充実させる具体的な取り組みとして、鹿児島の
スポーツキャンプ合宿情報アラカルトの中で
合宿助成制度のある市町村が13市5町紹介をされております。去る6月26日に
大口グリーンホテルで実施された
スポーツ合宿情報交換会においても、
スポーツ合宿等奨励金支給制度の必要性について説明を受けました。導入していない自治体はそもそも検索対象外になりますので、候補地として選ばれないと指摘をされました。伊佐市
観光特産協会旅館部会長より「ぜひとも奨励金の導入について検討しいただきたい。理由として、合宿してもらうことで交流人口の増加に期待が持て、宿泊者も増える。それにはまず行政として
受け入れ体制の充実を図り、実効性を高める必要がある」と強い要望がありました。
合宿奨励金制度の導入について検討する考えはないか、市長の見解をお伺いいたします。
◯市長(隈元 新君)
奨励金制度、助成制度というのはやはり用意してPRするということは大事なことかなと思いますが、私どももパンフレットで施設等を紹介はしておりますが、その私どもの施設に関してどのように検討なさっているかという相手方、例えば大学なら大学のスポーツ、あるいは
レジャー的スポーツ、あるいは
同好会的スポーツの方々と直接まだ交渉等をしておりませんので、私どもの施設というのが本当に彼らが合宿をするのに適しているのかどうかということもまだ私たちは確認しているわけではございませんので、その辺を含めまして検討していかなければならないと思います。
今、先行しておりますカヌーにつきましては、これはやはりこの数年間の指導者の努力によって合宿がこれだけ増えているわけでありますが、この場合は奨励金がなくても来ていただいています。これは、カヌー艇庫の名称が「
九州トレーニングセンター」というふうになっているのでもおわかりのように、西日本では唯一、ここまでの整った施設でありますので、そういう奨励金等がなくても優秀な選手の方々が練習にお見えになります。それが先ほど課長のほうから答弁させてもらった実数でございますけども。ですので、奨励金制度を設ける場合、やはり今までカヌー協会の方、あるいは指導者の方々がずっと積み重ねてこられたそのことをも評価しながら、そしてまた御意見等をいただきながら、どのようにすればいいのかということを検討した結果でこういう制度を設けるということになろうかと思います。
最初に申し上げましたほかの施設につきましては、例えば、うちの体育館を借りるんだったらほかの体育館のほうをまず見られるのが普通だと思います。そして、そこで私どもの市民のバスケットなりバレーなりが予定に組まれているとした場合は、予約が重複しますので、そういう調整等をも現実には起きてまいりますので、まだまだ、先に助成制度を設けて、そしてという順番を少し整理しなければいけないんじゃないかなと思いますので、今後の検討にさせていただきたいと思います。
◯3番(岩元 努議員)
奨励金制度が最初にできて
受け入れ体制も追いついていかないという状況になってしまうと、やはりこれもまた考えていかなければならない問題であると私も認識はしております。ただ、この前の情報交換会においても非常に導入事例等もお示ししていただきました。その中で、この情報交換会の後、対応として、制度設計に必要な情報収集等をされたのか、まずここをお伺いさせてください。
◯伊佐PR課長(西 直樹君)
御説明いたします。
意見交換を受けまして、先ほど議員にお示しいただきました、県の取りまとめた資料で情報を把握するほか、実際に奨励金を実施しております市に電話で仕組み、状況などを確認しております。薩摩川内市と日置市のほうに電話をいたしまして、どういった流れで進めていらっしゃるのかということを調査をさせていただきました。
以上でございます。
◯3番(岩元 努議員)
今ありました、参加しておられました薩摩川内市の事例を導入事例として紹介すると、大学生をターゲットとしてスポーツの合宿誘致をしているということだったんですが、これはやはり、大学の1軍でばりばりやって、そしてまたやがてプロを目指すというようなチーム層ではなかったような説明でございました。とにかく地方でわざわざ合宿する理由というのが、自然の中で伸び伸びとスポーツを楽しみ、その土地のおいしいものを食べたり飲んだり、キャンプファイヤーをしたり、田舎を満喫できることが選ばれる理由であるということでした。宿泊についても70~80人くらいは見込めるということで説明を受けました。
また、この会議では、先ほども説明がありましたけど、
スポーツ推進課と伊佐PR課の職員も同席されておりましたので、内容については十分理解されていると思います。この情報交換会を通じて、地元の
宿泊業関係者が期待する効果について、
奨励金制度を導入していただき、
スポーツ合宿の推進で宿泊者の増加につなげてほしい、そのためには行政として連携を強くし、それぞれの課題を分析しながらの効果的な事業内容に期待をしたいという見解でございました。
交流人口を増やす一つの手法として、
スポーツ合宿誘致も地方に活気を与え、中・高生の
スポーツ推進にも大いに役立つと思いますが、検討していただく考えはないか、再度お伺いをいたします。
◯市長(隈元 新君)
私も趣旨としては大変すばらしいことだと思います。ただ、今までの地域づくり──私も長年、いろんな点でかかわらせてもらっているんですけども、この場合のポイントの一番は、飲食業界、あるいは宿泊業界、そこの方々のお話し合い、連携、そしてパワー、そこから私たちを突き上げていただいて実際の事業ができるというような順番をやはり踏まなければ、行政が最初に制度をつくって、これでやっていきましょうというのでは常に行政主導で、このまちの一番悪いところです。担当者がかわったらその事業が尻すぼみになっていくという、そういうことを繰り返してきているまちだと私は思っております。私もこの年齢になりますので、さまざまにかかわってまいりましたし、見てまいりました。その反省を踏まえるならば、やはりその
スポーツ合宿をするまでの体制をおもてなしというところでまず業界みずからが動く、そのことが私たちを動かす、そうすれば議会に予算を計上してもお認めいただくという、この流れだと思っております。
まだ助成制度にまでは行っていませんけども、それを地道にやってきたのがカヌー協会の中の数人の指導者です。そして、最終的には
スポーツ合宿は、レジャー合宿でもいいんですけども、やはりスポーツと名がつくならば、そのなかにはやはり指導者の問題があります。幾つかのスポーツで優秀な指導者がいたら、それだけで
スポーツ合宿は来ていただけます。やはりそのようなことまで考えて取り組む非常に重要なことではないかなと。趣旨としてはすばらしい考えだと私は思いますので。
40年ぐらい前の宮之城がラグビーで湯田温泉を中心にして大変栄えました。そういうこと等も近隣、あるいは過去においてはあったわけでありますので、私たちも今、カヌーでその芽が見え始めておりますので、それを、ほかの体育施設の安全性等をも考えながら一つ、二つ、三つと競技を増やしていければと思います。今後、旅館業組合、あるいは飲食業組合ともさらに話し合いを続けて、彼らの本気度、ただ1軒だけが一生懸命になってもだめなんです。やっと今、湯之尾のあの温泉街がカヌーの指導者のやり方に賛同して合宿として広がってきたわけですので。これはかなり年数がかかりました。私はずっと見てきていましたので。しかしそれでもめげずに一生懸命やった結果が今ですので、せっかく今、まちの駅とか、そういうところでこれが話題になって、議員さんの御質問として議会にも出されてきましたので、これから取り組んでいく案件ではないかなと思っています。
◯3番(岩元 努議員)
非常にいいお答えをいただいたなというふうに私も思っております。
これは行政だけではなく、やはりまちの人たち、関係の人たちが一生懸命になって取り組むべきであり、そしてまた、事業として効果的に実績が伸びていくように、力は足りませんけれども、私も一生懸命頑張ってまいりたいと思っております。
次に、4番、老朽化が進む体育施設の維持管理の計画について。これも先ほどからありますけれども、本当に、受け入れの体制の充実という観点から質問させていただきます。
スポーツ推進を図る上で、施設の充実、持続可能な管理計画も重要であります。伊佐市
公共施設等総合管理計画の現状と課題の中で、将来の公共施設の更新、改修費用について、現状のまま全ての公共施設を更新すると仮定した場合、40年間の総額は公共施設建物に約559億円、インフラ系施設に約959億円、合計1,518億円、年平均約38億円かかる。これはここ10年間で公共施設にかけている建設事業費の年平均22億円の約1.7倍にもなると推計も出されております。
公共施設等総合管理計画の現状について、具体的な内容をお示しください。
◯財政課長(冨満 庸彦君)
それでは、御説明いたします。
体育施設について質問がございましたけれども、今現在、
公共施設等総合管理計画を定めまして、全体的な取り組みとして作業を進めていますので、私のほうでちょっと説明させていただきたいと思います。
市では平成29年3月に、
公共施設等総合管理計画に基づき、個別施設ごとの具体的な対応方針を定める計画としての
個別施設計画を令和2年度末までに策定するということで定めております。この計画により、維持管理、更新等に係る対応の優先順位の考え方や対策の内容、実施時期等を定め、現状行っている事後保全から予防保全への転換を図っていきたいと考えているところでございます。
現在、その
個別施設計画の策定に向けての作業として、先ほど説明がございましたが、個別の施設の点検、診断等を行っており、この計画が策定されるまでの間は、効果的な改修、また緊急的なものは随時、判断しながら行っていきたいと思いますけれども、全体的な計画としては、来年度策定する
個別施設計画の中でお示ししていけたらと考えているところでございます。
以上です。
◯3番(岩元 努議員)
この伊佐市
公共施設等総合管理計画の中の三つの基本方針として、1、適正配置と施設総量の縮減、2、長寿命化と安全の確保、3、効率的な管理運営、目標として、維持管理更新費を今後40年間で50%削減していくと示してあります。今の説明でいきますと令和2年度に見えてくるのかなということではありますけれども、現在のところで具体的に対策があればお示しください。
◯財政課長(冨満 庸彦君)
それでは、説明いたします。
現在のところ、具体的な対策というのはまだ定めておりません。現在、各施設の診断等により情報を収集している状況でございます。
個別施設計画を個別の施設ごとに作成する前段階として、できれば今年度、どういう施設の再配置が適正かという施設の再配置についての考え方をまとめようとは考えております。その中で、やはり場合によっては統廃合、そういうものが必要であるとか、どういう施設を必ず維持していくとか、そういう方針等を定めることができるかと思いますので、今年度のうちにその方針的にはお示しすることができたらと考えて作業を進めているところでございます。
以上です。
もちろんバスが来たときは公園内のところにとめておりてもらって、また帰るときは何時何分に来てくださいと言ってそこにバスが行って、そこで乗せて出ていくというようなことをすると、大型バスが入るところが2、3台だと普通車もたくさんとめられますし、また大きなバスがそこにいなくてもいいわけですので。第二駐車場を有効に使えばそれができるんじゃないかと思っております。すぐ近くですから、そんなに遠くはありませんので、運転手さんもガイドさんもいろんなこともできると思いますので。そのことについて、ちょっとお伺いをしてみたいと思います。
◯伊佐PR課長(西 直樹君)
御説明いたします。
御指摘に件につきましては私どもも課題というふうに考えておりまして、現在、駐車場の運用の見直し、それから改修について検討を行っているところでございます。
第二駐車場につきましては、今、お話では余りとまっていないということでございますけども、最近たくさんの方にお越しいただいていることもございまして、ゴールデンウイークのときなどは満車の状態になるまでお客さんがお越しになっている状況でございます。
こういったことも踏まえまして、曽木の滝の駐車場を、第一、第二、それからほかの面についてももう一度再編をしたいというようなことを今、検討しているところでございます。
◯12番(沖田 義一議員)
今、課長から返事をもらいましたけども、ぜひそのようにしてもらいたいと思います。
そして、今、第二駐車場はほとんど使われていないと言いましたけども、全部埋めると乗用車が70台以上とまるぐらいの広さがあるわけですので、今、曽木の滝の駐車場が8台ぐらい線を引いてありますけども、それを向こうのほうに全部持っていったほうが──8台もということはちょっと考えられないんですが、来たお客さんについても、少しでも近い駐車場を有効に使えますから、できたらそういうこと等も考えてもらって、また、すぐにはできないと思いますが、私が言ったことが全部正しいわけではありませんので将来的にはもっといい方法があるかもしれませんけれども、そういうところを調べてもらって、観光客の方が利用しやすいような駐車スペース等も考えてもらいたいと思います。
もう一つ、駐車場が狭いようですので、今言いました8台ぐらいバスの駐車場があったところよりももっと川のほうも芝生等があるんですけども、芝生の上も、観光客が来るいろんな催しがあるとき、車が多いときは石灰の線を引けば駐車場がわりにもできるわけですので、そうするか今みたいに更地にするかですけれども、そこらももうちょっと有効に使ってもらって、毎日毎日満車になるわけじゃないんですけども、土曜、日曜、祝祭日、あるいは春とか秋とかについては駐車場が不足するわけで、桜まつりなんかがあるときでも車をとめるところがなくてお客さんが右往左往しているわけです。
それと、もう一つ、国道から曽木の滝のほうにずっと市道があるんですけども、市道は片側1車線です。右も左も歩道が非常に広くとってあるところがあるんですよね。日ハムからちょっと曽木の滝のほうに、あそこについても、乗用車は横にはできない、縦長の駐車場等も線を引けばできるかなと思っていますけども、そこの駐車場の係の方がいらっしゃらないとちょっとできないんですけども、広い歩道等もありますので、ぜひ前向きに検討してもらって、曽木の滝に来て駐車場が見つからんで右往左往する人が少しでも少なくなりますように検討していただきたいと思います。
それでは、次の質問に入らせていただきます。
曽木発電所遺構についてですが、これは国指定の登録有形文化財になっております。ここは、ちょっと原稿を読みますけども、「大口市制五十五年誌」によりますと、「平成11年、湖底に眠る旧曽木発電所が雑誌、テレビ等で脚光を浴び、曽木の滝周辺整備の起爆剤となるなど明るい兆しも見受けられた」という文章があります。そして、平成12年については、この曽木発電所の基礎調査が始まりまして、平成18年度に国指定の登録有形文化財に指定されました。国指定の登録有形文化財と一言で言いますけども、非常に大変なことで、歴史があるものじゃないとならないわけですので、このことによってこの発電所もまた見直されたと思っております。現在では、5月から9月までには水も減って、れんがづくりの建物が姿をあらわすわけでございます。現在が今そういうところにあります。
まず、曽木発電所遺構は川内川の右岸側にあり、展望所は左岸側にありますので、その左岸側の展望所から見おろすことになっておりまして、発電所が実物よりも少し小さく見えて迫力は余りなくなります。そこで観光客が物足りない感じがするのじゃないかと思います。実物を間近に見るためには、これは難しいかもしれませんけど、そこにつり橋等をつくってもらって、今の左岸側のところからつり橋を渡って曽木発電所まで行けるようなのはできないのかなと。もちろんダムに水がいっぱいたまっているときと水を落としている今ごろがありますので難しいかもしれませんけれども、そういうこと等について検討されたことがあるのかお伺いしたいと思います。
それと、もう一つは、人間の目だけで見るわけでございまして、大きな望遠鏡等もあれば、発電所のほうに行けなくても望遠鏡でよく見ればまた迫力のあるところが見えてくるんじゃないかと思いますので、検討をお願いしたいと思います。
◯伊佐PR課長(西 直樹君)
御説明いたします。
その前に、先ほど駐車場の件で芝生部分の活用についても御指摘いただきましたが、現在も駐車場が混雑する際は芝生のところにも駐車をしていただいて利用しております。
それから、曽木の滝までの市道とおっしゃいましたけども、県道鶴田大口線でございますが、歩道部分が広いことについて、駐車帯として利用できないかということでございます。これにつきましては再三、県のほうにも地域行政懇話会等で要望事項として出しております。ただし、県の回答といたしましては車をとめるためにつくったものではないということで、なかなか利用できないというところでございます。それはつけ加えさせていただきたいと思います。
それから、ただいま御質問いただきました件でございますけども、曽木発電所遺構につきましては、御指摘のとおり、テレビ、旅行情報誌等で放映、それから、これまでのPRなどによりまして全国的に周知が図られ注目度が上がっておりまして、平日においてもバスや自家用車などで観光客が訪れるスポットとなっております。
また、株式会社やさしいまちの取り組みである薬草の杜などの設置、散策路の整備などにより、展望所の魅力も上がってきているというふうに考えます。
さらに、伊佐市観光特産協会が8月に開催をいたしました「幻の発電所遺構」ツアーにつきましても、360人の予約、313人の参加があるなど、発電所遺構に対する注目度や関心が高まっております。
また、私どもが首都圏の
旅行エージェントに観光特産協会のツアーも含めまして遺構のPRをしたところ、早速、大手旅行代理店の8月限定の首都圏発着商品に組み込んでいただいたことがございます。まさに魅力ある観光資源というふうに考えております。
御質問のつり橋につきましてですが、なかなか、ここはアクセスできるところがダムの水位の上昇によりまして変わってまいります。そういったところの検証など、現実的にはちょっと厳しいのかなというふうに考えております。また、
旅行エージェントやツアー体験者のお話、SNSでの情報などを見ると、自然景観の中にあるところが非常に魅力であるというような意見も多く、周辺に新たな構造物を設置することは発電所遺構の存在感に影響を及ぼすということも考えられますので、現段階でつり橋等の整備を行う予定はございません。
以上でございます。
◯12番(沖田 義一議員)
曽木の滝もそうですし、発電所もそうですけども、自然のままが一番いいというのは私もそのとおりだと思っておりますが、最初に来られた方が余りがっかりされないような設備はしていったほうがいいのかなと思っておりますので、法に触れないようなところにつきましてはぜひもう一回、課内でも検討してもらって、できないことはできないわけですが、左岸側から発電所を見るともうちょっと身近に行ってみたいなというのはありますので、ちょっと双眼鏡のこともしましたけども、お金を100円入れるとよく見えるような、それぐらいの施設はできないのか、悪いことをしてすぐ壊すのがいると困るんですけども、検討してもらってもいいのかなと思っております。
それと、その次ですけれども、曽木の滝から発電所までの市道と私道があるんですけども、右岸側の発電所のところに私道があると聞いていますけども、この私道はどこからどこまでなのかということで、私道があるから道路の拡張をしようと思ってもなかなか難しいという話も聞いておりますので、教えてもらいたいと思います。
それと、発電所の手前にちょっと広い広場があるんですけども、ここから発電所までの道路は国土交通省の河川敷になるのかどうかですね。
それから、ウとなっておりました、これはちょっと書き順が間違っていますけども、曽木の滝から発電所のその広場と言いましたそこまで観光バスが行くことは今は狭くてできないんですけれども、将来的にはそういうこともできる可能性があるのかどうか教えていただきたいと思います。
◯伊佐PR課長(西 直樹君)
先ほどの御質問で、望遠鏡のことに対する説明をしておりませんでした。
望遠鏡につきましては、あそこの場所については非常に湿気が多くて、看板等もすぐカビが生えてしまうような場所でございます。そういったこともあって、なかなか望遠鏡も難しいのかなと思っております。フォトジェニックスポット事業であちらにちょっと注目していただくような看板を設置する予定で今動いております。
それから、展望所からの景観につきましては、私どもが聞くお話ではあのサイズが全体が見えて非常によいというような御回答をいただいておりますので、展望所の景観とか周辺の環境整備をしっかり行うとともに、先ほど申し上げました市の観光特産協会のツアーといったような季節限定の見学など、ソフト的な対応で観光客の増加を図ってまいりたいというふうに考えております。
それから、今、道路についての御質問でございました。御説明申し上げます。
曽木の滝から発電所遺構までの一般的な道のりは、広域農道を通りまして、ビオトープを過ぎたあたりから公衆用道路を通り、ダムの管理用道路を使って発電所遺構の手前の広場までたどり着く1.1キロのルートとなります。
今、御指摘いただきました私道とおっしゃられるのは恐らく管理用道路と公衆用道路のこと、入り口からの道路のことかと思いますが、これでよろしいでしょうか。
◯12番(沖田 義一議員)
発電所は左側のダム道路を通って見ることはできます。今のこの件ですけれども、私道があってできないというのは、広域農道から、看板があるところがあります、そこの入り口のどこか、あの辺なんですかね。そして、この道路を広げるような、そこから発電所の手前の広場まで観光バスでも行けるようなちょっと広い道路をつくる考えはあるのかどうか、聞かせてください。
◯伊佐PR課長(西 直樹君)
説明いたします。
今御指摘いただきましたところにつきましては、おっしゃるとおり、公衆用道路と私の土地があるところでございまして、ビオトープの隣の入り口のことかと思います。その先につきましてはダムの管理用道路となっておりますので、ダムのほうの所管になります。ここにつきまして、現在、中型バスまでは乗り入れができるようになっておりますが、御指摘のとおり、大型バスになりますと、非常に狭かったりアップダウンがあったりして、なかなか難しい状況がございます。
このことにつきましては、大型バスの乗り入れなどが可能となるように、ダム管のほうと今、管理用道路の拡幅についても協議をしながら進めてまいりたいというふうに考えております。
◯12番(沖田 義一議員)
ありがとうございます。この道路のことを質問したのは、ダム道路のほうは大きな車も通りますし、ただ、そこのところから大型バスが何台も入れないというところはありますけれども、2、3台は入れるのかと思っておりますが、そういうところですけども、向こうの下ノ木場のほうの道路もできたら大型バスも入れるようなことをしてもらえれば、観光客も直接、発電所を見たいという方もいらっしゃると思いますので、もちろんそこまで行って1年に半分しかダムをしっかり見ることはできないんですけども、できましたら道路を広げてもらって、見たい人がおったらいつでも見に行けるというような、観光地としての道路というのはやっぱり伊佐市としては整備すべきじゃないかと思っております。
発電所跡というのはなかなか見ることもできませんので、非常に興味のある方、行ってみたいという方はいらっしゃると思いますので、伊佐市が持っている発電所の遺構というのも日本でも珍しいわけですので、そこまで行けるような道路ぐらいの整備というのはどうしてもやってくださったほうがいいのかなと思っておりますので、せめて大型バスが入ってUターンができるぐらいの道路の整備というのは、また課内でも市長等を含めて前向きに検討していただきたいなと思います。
小学生、中学生も少なくなりましたけれども、曽木の滝公園につきましては遠足でも気軽に行けるようなですね、大口中央中の生徒なんかも、あれは秋ですかね、春でしたかね、歩いて結構行っていますよね。年に1回ぐらいずつは行っていると思いますので、もしそこの整備等がきれいにできたらひょっとしたら今度は発電所遺構のほうまで行かれるかもしれませんけれども、伊佐の持っている観光だけじゃなくて、昔そういう発電所のあったところの財産ですので、そういうこと等も含めてひとつ、前向きによろしくお願いしたいと思います。
それと、もう一つ、発電所跡は半年間だけ水につかるわけですね。いつも水の中に出たり入ったりするわけですので非常に傷みが早いのかなと思っておりますので、その辺についても気を使ってもらって、それらも含めて、財政的にも大変でしょうけれども、末永く見られるようにたまには少しお金を入れて整理整頓、清掃をしていただきたいと思いますので、よろしく願いをいたします。そのことについて、回答をいただきたいと思います。
◯市長(隈元 新君)
いずれにしましても、ダム管理事務所とのいろんな情報のやりとりが大事になってくると思いますので、道路の取りつけ口から、そして中に入ってバス等が切り返すことができるとか、あるいは今、錠前がかけられて柵ができておりますけど、それから先に入るのにどういうふうに利便性を図ることができるか、入った後、やはり遺構の直前のあたりは道路に傾斜がついておりまして滑りやすくなっておりますので、そういうあたりの立ち入りの問題とか、さまざまな問題がございますが、今、国土交通省は水辺に関してはすごく理解が高くなっておりますので、かわまちづくり等でもそうでございますけども、ダム管理事務所が管理しますこの曽木の滝から下流の鶴田ダムに関しての管理敷地内につきましても、このような御要望等をもとにしまして、市ができる範囲、そしてダム管理事務所ができる範囲というのを取り決めながら前向きに進めてまいりたいと思っております。(「ありがとうございました。終わります。」と呼ぶ者あり……12番議員)
◯議長(緒方 重則議員)
以上で、12番 沖田 義一議員の一般質問を終わります。
ここで、しばらく休憩します。休憩時間を10分程度とします。
△休 憩△(14時20分)
△再 開△(14時29分)
◯議長(緒方 重則議員)
休憩前に引き続き会議を再開します。
◯議長(緒方 重則議員)
次に、7番 山下 和義議員の一般質問を許可します。
山下 和義議員。
◯7番(山下 和義議員) 登 壇
皆さん、お疲れさまです。先ほどのやりとりで皆さん少し目が覚められたのかなと思っております。
本日最後の質問者となりました。議長の許可をいただきましたので、発言通告に基づき、今回は新庁舎建設の情報公開について、児童虐待について、国民健康保険の子どもの均等割の3点について、市長の御見解をお伺いいたします。
発言通告と順番が逆になりますが、議長並びに議員各位、また執行部の方々、傍聴者の方々、お許しいただきたいと思います。
まず、通告書の質問事項の児童虐待についてお伺いします。
世界の先進国と言われる日本で児童虐待がなくならない現実があります。全国のあちこちでこのような痛ましい事件の報道があります。厚生労働省は、全国の児童相談所が平成30年に対応した児童虐待の件数は15万9,850件で、前年度より2万607件増え、過去最高になったということ、また29年度中に虐待で死亡した子どもが65人いたということを公表しました。これが今の先進国という日本の現実であります。
愛を結ぶ、結愛ちゃん、こんなきれいな名前つけてもらった5歳になる女児が、昨年3月、東京都目黒区で父親の虐待で死亡する事件がありました。本当に悲しい出来事です。「うそをつかない ごまかさない なんでもいっしょうけんめいに にこにこえがお」、結愛ちゃんが書いていた言葉です。
国はこの事件の後、昨年7月、虐待通告から原則48時間内の安全確認を徹底するように通知を出したという報道があります。それでも先月、出水市で4歳女児の悲しい悲惨な事件がありました。報道では、この周辺で虐待を疑わせる通報が相次いでいた。何度も発信されたSOSが届いていず、今回またこのような悲しい許しがたいことが起こったという報道であります。本当に悲しい過ぎる悲惨な出来事であります。
私は子どもは天使だと思っております。日本の何かがおかしいように感じます。子どもたちへの虐待がなくならないこの現実。教育なのか、何なのか。市長、教育長はこのことにどのように感じておられるのか、まずお伺いしてみたいと思います。
◯市長(隈元 新君) 登 壇
本当に悲しい事件が連続して起きておりますし、私たちの鹿児島県でも出水、薩摩川内というすぐ身近な関係あるところでも似たようなことが起きておりますので、人ごとではないなといつも考えながら、自分たちの町でこれに、まだ表面には出ていないけども、おそれがあるようなことはないのかということを担当の職員にはいつも確認しているところであります。幸いにそういうことがございませんので安堵しておりますが、油断はできないと思っております。
これはやはりとにかく全ての関係者、関係機関の連携というのが、それも密な連携というのが非常に重要だろうというふうに思います。発見できないことが複数の人の目を通して発見できるということはよくあることですので、このような児童虐待につきましても、コミュニティの担当の職員から教育委員会の職員まで、その間には当然、担当のこども課や福祉課、あるいは市民課等が入ると思います。そういうところの、常に連絡を取り合って何かあったら一度集まって協議するという、顔の見える範囲で、あるいは生の声で議論できるような、情報交換できるような、そういうことが私たちにとりましてはとても大事だと思っております。
その前に、こういう問題が起きるというのは、これは一言で言ったら社会、時代だと思います。「マルトリートメント」という言葉があります。これはうちの担当の課長もこの講演を聞きに行って、私はその報告書を受け取って読んだ上でお話ししているんですけども、トリートメントというのはおもてなしをするという意味ですので、それに「マル」がつくと、今の言葉で言ったらパワハラに類するようなこと、そういうことを「マルトリートメント」と言うんだそうですが、私が幼いころに受けていたことがいわゆるパワハラになっていたら今の私は性格障がいを起こしているはずなんです。それが、正直に言いましたら、私も昔、小さいときに父親から電信柱にくくりつけられました記憶があります。これなどは今で言ったら最大のパワハラですね。だけど、あの当時それを受けても今の私に精神障がいが起きていないということは、社会がそれを包括していた。大学の先生がこれを一言で、いわゆる社会、あるいは時代という言葉で説明なさっています。今の時代は、社会が包括してくれる、あるいは時代が包括してくれるという、そういうような社会でなくなっている。これは50年から70年の間の社会の変容ですね。だから、社会の変容が起きているという中でこのパワハラやハラスメントを考えていけば、当然、どういうような日ごろの監視、あるいは情報交換、あるいは対応というのが出てくるはずだというふうに先生はおっしゃっています。ですので、こういうことが起きるのはやっぱり時代、社会が背景にあるということを前提に置いて、私たちがどういうふうに対応していくかということで少しでも減らしていけるのではないかなというふうに思っております。
私がお答えできる範囲としてはこれしかないと思います。昔はよかったとかいうことを言う気持ちはさらさらありません。昔は社会というのが包括していたということで今、私に障がいが起きていないということなんですね。ですけど、今はそれだけの力が社会、時代にないから、今、ハラスメントを受けた子どもは50年後、60年後はやはり精神障がいを起こしているだろうというふうにその先生は締めくくっておられました。
◯教育長(森 和範君)
皆様御存じのように、天文学的数字分の1の確率でこの地上に全ての人の命が誕生するわけでございまして、まさに奇跡中の奇跡で命は誕生するわけであります。そこに親の愛情が加わって初めて天からの恵みとして子どもの存在があるわけでございます。
「銀も金も玉も何せむに勝れる宝子に及かめやも(しろかねもくがねもたまもなにせむにまされるたからこにしかめやも)」と万葉集に山上憶良が歌っていますけれども、まさしく山下議員がおっしゃいますように、子どもは天使であるわけですけども、その天使に対する考え方というのが随分変わってきていると思っています。つまり、愛情を金銭とか品物等で表現するような時代。ある面では恵まれた時代ですけれども、その反面、心が枯れていく時代であると思います。
そのような中で、自分の欲望が子どもへの愛情を超えてしまう。また、子どもの保護者、つまり親の環境が非常に複雑になってきております。子どもへの愛情をほとんど持たない方がその家庭の中にいらっしゃるようになっているところも出てきている。そのように、家族というものがこれまで私どもが習ってきた、経験してきたものと随分変わってきているということもあります。
そういう中で子どもはけなげに生きていくわけです。未来への幸せを求めて。幸せになるものだということを子どもは前提にしながら生きていくわけでございます。また、それに対する支援、教育、補助、これが私ども大人の務めでございますけれども、先ほど申し上げましたように、家庭が、保護者の状況が複雑になるということの中で、子どもにとっては非常に痛ましい状況、かわいそうな状況等が生まれてきますが、それをいかに早く発見して、子どもを望ましい環境の中に、幸せになれるような環境の中に置くのかというのが私どもの務めであると思います。
私どもは、伊佐市市民課を初め、福祉、トータルサポートセンター、警察、学校、教育委員会、いろんなところが常に連携をしております。何か虐待的なものを感じた場合というのは、警察が一番早いです、警察からすぐに私どものほうに連絡が来ますが、そのときにすぐに連携をとりながら対応するようにしておりますが、まず何よりも、子どもの命と、子どもがより安全な状況に置かれるようにと対応していくのが私どもの現在の務めの状況であります。ただ、このようなことがあるというのは本当に寂しいということを感じているところでございます。
◯7番(山下 和義議員)
市長、教育長ともに社会、時代、ここにある程度時を超えた、わからない、そういう本当に、保護者が共助を求めるというんですかね、自分の子どもを守ってあげられない保護者の気持ちは私には本当に理解できません。
鹿児島県内の虐待の通告・相談件数が14年度368件から18年度に4.3倍の1,598件に増えたという報道が先日ありました。伊佐市の相談件数等はどのような状況か、また県の児童相談所や警察との連携にそごは生じていないのかお伺いします。
また、児童福祉法に基づき、要保護児童対策地域協議会の設置がなされていると思います。伊佐市の開催状況はどのような状況か、お伺いしてみたいと思います。
◯こども課長(堀之内 博行君)
御説明いたします。
直近3カ年において本市が受けた虐待の通告・相談件数については、16年度が11件、17年度が54件、18年度が40件でした。
また、児童相談所との連携については、個々のケースについてその都度、児童相談所の指導をいただきながら協議し、支援を実施しているところです。そのほか、軽微な案件でも、特に情報提供をしておいたほうがよい案件については児童相談所に連絡をとっております。また、通告として判断した場合には、児童相談所と協議を重ね、リスクの程度に応じ、児童相談所が対応していく案件か、こども課で対応するのか、また警察に支援をもらう案件なのかを協議して、固めておるところでございます。
それから、要保護児童対策地域協議会の設置の状況についてですが、要保護児童対策地域協議会は代表者会議、実務者会議、個別ケース検討会議の3層から構成されています。代表者会議は、要保護児童対策地域協議会の構成機関の代表者が集まり、要保護児童などへの理解、協議会の現状と各機関の役割について共有し、より効果的な支援体制について全体で確認するための会議で、年1回開催しております。それから、実務者会議は、支援を把握している実務者が集まり、協議会が対象とする全てのケースを進行管理するための会議で、本年は年3回開催予定です。個別ケース検討会議は、ケースの支援に直接かかわっている担当者が集まり、個別のケースについて具体的な支援を進めていくための会議です。
今年度の開催状況についてですが、代表者会議を8月28日に開催しました。また、実務者会議の第1回を7月29日に開催しており、2回目を11月に、3回目は3月に開催します。個別ケース検討会議については、必要に応じ随時、開催しているところでございます。
以上です。
◯7番(山下 和義議員)
16年が11件、17年が54件、18年が40件、今年度もまたそれなりに出てくるでしょうけれども、子どもを守る体制づくりを警察、児相、また関係の担当課、教育委員会等、このような方が密に連携していただいて、大丈夫かなと思うようなちょっとしたことでも今は本当に対策していただきたいと思っています。本当、みんなが大丈夫、大丈夫と思っていて、逆に言えば、この間みたいに見えないところでそういうことが行われていたということを後から担当者や児相の所長なんかが記者会見していますけれども、その子の気持ちになって対応していただきたいと思います。
先生に子どもが訴えていたこと、その先生の言葉が親に伝わって、それでまたいじめが発生したというのが目黒の事件でございました。本当に悲しくてしようがないかなと思います。そういうのが伊佐で絶対あってはならないと私は思っていますので、市内の幼児、児童生徒等で確認ができていない人はいないのか、また不登校児童等で虐待を受けている状況等はないか、そこをまたお伺いしておきます。
また、伊佐市でこのような悲しいことがないよう、市民ひとりひとりの情報が届く体制づくりが求められております。市長の御見解もお伺いしてみたいと思います。
◯教育長(森 和範君)
児童生徒の状況等をお答えいたします。
平成31年4月8日現在において、本市の公立幼稚園、小学校、中学校に在籍する人数は幼稚19人、小学1,151人、中学校511人の計1,681人です。また、新入生につきましては、市から発行された入学通知書との照合を行い、本人の確認を行っております。また、年度初めに担任が全ての子どもを対象に家庭訪問を行い、家庭状況等の把握をしており、全園児、児童生徒の確認ができております。
不登校児童等における虐待の可能性につきましては、学校職員や教育相談員、スクールソーシャルワーカーが各家庭を訪問し、児童生徒の状況把握を行った結果、虐待と認められる案件はありませんでした。長期欠席児童生徒、不登校や不登校傾向にある児童生徒については、全てにおいて家庭訪問を実施、子どもの顔を確認し、虐待のないことを確認するようにしております。今後も学校、各関係機関と連携を図るとともに、教育相談員、スクールソーシャルワーカーの活用を推進していきますけれども、完全にないということを前提にしてはおりません。必ず何かあるのではないかということも考えながらの子どもたちの確認をしております。
◯市長(隈元 新君)
教育長のほうから答弁がございましたけども、今回の出水、薩摩川内のこの近い例を考えましても、薩摩川内から出水に移ったときのその情報がどの程度しっかりと出水に伝わっていたか、それは双方に言い分があると思います。私たちの場合も、仮に霧島市から伊佐市に転入してきた人がいた場合にそういうこともあり得るということをやはりどこかで考えておかなくちゃいけない。そうなりますと、例えば、児相が入っていたと思うんですけど、仮に私どもとしますと、霧島市と児相の間でやりとりされていたことと、私どもが新たに気づいて児相と話し合いをするときに、霧島市との間で起きていたことがどれぐらいの肉声で具体的なこととして私たちに伝わるかという、これがやはりこういう問題を解決する場合の、対応する場合の大事なことじゃないかなと思います。こういう事件が起こるとあのときこうすればよかった、あのときにこうだったというのが必ず出てきます。私どもは、仮に自分たちに起きた場合は、そういうこともあり得るんだということをやはり意識しながら進めていかなくてはいけないと思っています。
それと、私、先ほど時代と社会とかいうふうに言いましたけども、時代、社会と言えば、私たちを含めてそうですけど、これは今まで社会を織りなしてきたひとりひとりの国民に責任があるという、それがつくった社会であり、時代であるということであります。その変化の違いが、科学技術が爆発的に発展したわけです。具体的に言いましたら、車の免許を取って、スピードもさほど出ずに、車体もそんなに精密ではなくて、道路も砂利道で、今ではやっちゃいけないんですけど少々の飲酒があっても事故の起きなかった時代、それがあのころの社会、時代です。現代は、車のスピードは圧倒的に速くなり、台数も圧倒的に多くなり、道路は完全に整備されている。そうすると1滴のアルコールで大きな事故を起こしてしまう。これを時代と言うんだと僕は思うんです。
だから、子どもの虐待に関しても、昔はそれぐらいはと言っていたのは、社会がやはり包括していたわけですね。今はそれが包括できないというのは、科学技術の圧倒的な進歩、情報のスピード化、それによって、先生も先ほど人間の命は奇跡みたいなものだというふうにおっしゃいましたけども、太古の昔の人類も私たちも脳の大きさは大して変わらないんです。要するに、脳で考えて心をコントロールするには昔も今も同じ時間がかかるんです。ですけど科学技術はそれを、1時間かかったのを1秒に縮めているわけです。
だから、仮に私の行政にかなり御意見をおっしゃる方がいらっしゃったとして、電話が来ます。今は電話、あるいはメールで直に相談があります。昔はお手紙をいただいて、そして出向くわけです。そこに何時間あるいは何日間という時差があります。その間に人間の脳と心は整理しながらその方にお会いするわけです。待っていらっしゃるそのお手紙をくださった方も、その時間をかけて待っていらっしゃいます。そうしたときには、そこでの話し合いというのは最初に頭にかっと来られたときよりも大分落ちついていらっしゃるはずなんです。これが時代、社会、昔と今の違いで、子どもの育て方が難しくなっているという、そういうことだと思います。
ただ、父親もそうですけども、母親と母親の子どもに対する愛情というのは太古の昔も今も変わらないはずなんです。命を守るのがまずは母親の仕事だったわけですから。だから、人間の脳の発達と科学技術の発達のタイムラグが圧倒的に開いたために、そこを埋めるものがないままに今の社会が推移しているという。そういう意味から社会、時代に起因していると。その社会、時代をつくっているのは、私らを含めて今まで生きてきた全国民あるいは全人類、全世界の人だというふうに思っております。
◯7番(山下 和義議員)
このことについては、お互いが本当に気をつけなければならないと思っています。
次に、平成31年第1回定例会で国保の子どもの均等割について質問をいたしました。その後の取り組みについてお伺いします。
鹿屋市が第3子以降の均等割について減免するという報道がありました。状況をどう把握されているのかお伺いします。また、子どもの均等割を軽減した場合に、国の調整交付金が減額されることがあるのかもお伺いしておきます。さらに、令和2年度に子どもの均等割を少しでも軽減できないかについてもお伺いいたします。
◯税務課長(上薗 信行君)
それでは、御説明いたします。
鹿屋市のほうで同一世帯内で第3子以降の被保険者がいる世帯は第3子以降の均等割額を減免するということになっておりますが、鹿屋市の場合、基金の保有がありまして、その中で対応されておられます。本市の場合は一般会計からの法定外繰り入れもしておりますので、なかなか対応が難しいのではないかと考えております。
◯市民課長(田之上 和美君)
御説明いたします。
二つ目の御質問でございますけれども、子どもの均等割を軽減した場合に国の調整交付金等が減額されることはございません。
以上でございます。
◯議長(緒方 重則議員)
3番目は。よろしいですか、令和2年度に実施できるかできないか。
◯税務課長(上薗 信行君)
御説明いたします。
応益割であります均等割につきましては県の納付金にあわせて受益に応じて平等に御負担いただくための算定方式でありますので、子どもに対する均等割については国の財政支援等の動向を注視してまいりたいと思っております。引き続き2年間はこのままで運営し、それぞれ単年度で結果を見ながら税率改定の見直しを検討していかなければと考えております。税率改正のほうを令和3年度にというふうに考えております。
また、均等割、平等割には7割、5割、2割の軽減措置がございます。世帯構成員の合計所得額の総計が一定額以下の世帯については負担が軽くなっております。
以上です。
◯7番(山下 和義議員)
均等割に軽減があるのもわかっています。ただ、同じ国保の世帯で子どもが1人いるのと子どもが6人いる、その子どもの数で保険料が変わります。確かに医療費がかかることはわかりますけれども、国民健康保険はみんなで支える仕組みだと思っています。子どもの均等割は本当になくす方向で検討していただきたいと僕は思います。
このことについては、市長会も私たちも国にも要望を上げていますし、いろんなところで要望しているんですけれども、ただ、全国でこういうことを実施している自治体があるのも事実でございます。全国で約30市町村ぐらいが実施していたと思います。来年は無理かもしれませんから、令和3年度にこれを見直す場合に、ここの部分をいろいろな角度から、本当、国民健康保険の被保険者の子どもがいる世帯、この方々が今後の伊佐市の支えにもずっとなっていくと思いますので、第3子をするのか、全部をするのか、第2子以降をするのか、そこら辺は前向きに検討していただきたいと思います。
市長の答弁を求めます。
◯市長(隈元 新君)
前向きかどうかというのは今ここでは言明できませんけども、これはそれぞれやはり議論の対象になると思いますので、御意見等を踏まえて、令和3年改定に向けての議論の中では優先的に取り上げてまいりたいと思っております。
以上です。
◯7番(山下 和義議員)
それでは、次に新庁舎建設についてお伺いします。
新庁舎建設についてはこれまでの定例会で私も質問しました。また、多くの先輩議員や同僚議員も質問されております。今回も私を含めて5人、いろいろな角度から質問しております。重複しないようにしますが、どうしても重複することもあります。その点はお許しいただきたい。
今、ちまたには豪華庁舎は要らないという個人的な情報が出されております。市はいつ豪華庁舎をつくると言ったのですか。私はそういうことを当局から聞いておりません。勝手な思い込みで市民にそういう情報が出されていることに私は疑問を感じます。これは市がちゃんとした発信をしていないからではないかと思っております。今、間違った情報発信で市民は何を信じてよいのかわからなくなっているように思います。
そこでまず、新庁舎はシンプルで市民が使いやすく、また、障がい者や市民が庁舎にとどまれる親しみやすい庁舎にするべきだと私は思っております。市長の御見解をお伺いします。
◯市長(隈元 新君)
まさに今おっしゃるような、市民が使いやすくて、また障がい者や老人の方々もそうですし、難病を持った方々もそうですが、あらゆる市民の皆様方が庁舎に親しみやすさを感じる、そのような建物あるいは配置を考えるために、これからワークショップというのを始めてまいります。おっしゃるとおり、私どもが押しつけ的に提示するのではなくて、皆様方の御意見等でより使いやすい、より親しまれやすい庁舎を目指してまいりたいと思います。
◯7番(山下 和義議員)
新庁舎に伴う市当局の情報発信がまだ少なくございます。本当に不安を感じている市民の方々がおります。少ない情報でも正確な情報を発信していただきたいと思っております。そのことについて、御見解をお願いします。
◯財政課長(冨満 庸彦君)
それでは、説明いたします。
庁舎建設につきましては、これから具体的な庁舎のイメージづくりとなる基本計画の策定作業となってまいります。そのために必要な情報は積極的に公開していきたいと考えているところです。市民ワークショップや検討委員会等に関する情報等については、これから積極的に発信していきたいと考えます。
また、第10回検討委員会が先日行われましたけれども、その議事内容につきまして、各委員さん方の確認がとれましたので、本日、ホームページに公開しております。また、各閲覧場所につきましても、来週以降、順次閲覧できるように配付を予定しておるところになります。
以上です。
◯7番(山下 和義議員)
今回、新庁舎建設に向けた市民のワークショップが4回開催される計画であります。ワークショップのことについてもこの間、情報が出されて、こういうことをするんだなということで非常に参考になりました。また、新庁舎支援業務についてはプロポーザル方式で、この間、鶴田議員の質問の中で全国から5社応募があったと。私はよかったなと思っていました。これが1社だったら何となくそこと随契するためにプロポーザルをしたのかなという疑いを抱かれますので。こういうことについて、プロポーザルということ自体がなかなか親しみが湧かないと思いますけれども、今、どこのあれでもプロポーザル方式だと思います。これをプロポーザルにすることによって、いろんなノウハウを持った建設にかかわる業者がこういうような支援業務のプロポーザルをしてくると思います。伊佐市に1級職員がいても、とてもじゃないですけど建設はできません。設計もできません。それは当たり前のことです。それに携わったことのない人ができるわけがないんです。だから、プロポーザルをしてそういうような支援をするところがあって当たり前かなと思います。
その中で、プロポーザルの支援業務をするところが市民から意見を聞くためにワークショップをしたほうがいいということで今回、ワークショップをされるんだと思います。それについて、新庁舎建設のワークショップが4回開催されますけれども、1回ごとに状況等を正確に発信していただきたいと思います。
市長の見解を求めます。
◯財政課長(冨満 庸彦君)
それでは、説明いたします。
まず、一つだけ御理解いただきたい点がございます。ワークショップは業者から提案されてすると決めたわけではございませんので。あくまでもこちらがワークショップで市民の意見を募りたいと考えまして、それができるところという条件を示して業者に公募をかけたところでございます。
また、市民ワークショップの情報につきましては、開催するたびにワークショップニュースなどとしてその内容について情報提供を行っていく予定で、今、業者とも詳細を打ち合わせているところでございます。
以上です。
◯7番(山下 和義議員)
業者からじゃなくて市のほうからワークショップをしてということでしたら、それはそれでまた非常にすばらしいアイデアであったのかなと思っております。こういうことがないとなかなか市民に正確な情報が伝わってまいりませんので、そのことについては評価するところであります。
ただ、この間、ある方から「プロポーザルをした業者が決まりましたよね。プロポーザルした業者が今度は設計業者とかゼネコンを連れてくるんですか」と言われました。「とてもじゃないけどそんなことはありません」と私は言いましたけど、でも、そういうような情報を流す方がいるんです。そこら辺についても、プロポーザルで支援業務をするところが基本設計の業者選定とか建築の業者選定とかというところまでかかわってくるのか、そこを伺っておきます。
◯財政課長(冨満 庸彦君)
御説明いたします。
今回委託しましたのは基本計画策定に係る支援の部分のみでございます。来年度以降に予定しております基本設計及び実施設計等につきましては、業者をまた改めてプロポーザル方式等で選定することを予定しております。
以上です。
◯7番(山下 和義議員)
ありがとうございます。一つ一つ疑問に思うところを片づけていかないと私も整理ができませんので、そういうことをちょっと聞いておきます。
今回の新庁舎は合併推進債を予定しております。それを使うことのメリット等も市民にしっかり情報発信していただきたいと思います。このことについてお答えください。
◯財政課長(冨満 庸彦君)
それでは、説明いたします。
合併推進債につきましては、対象事業費への充当率が90%、その後の元利償還金への交付税措置率、基準財政需要額へ算入する率でございますが、それが40%、また償還年数は最低30年とされ、大変有利な地方債となっております。
交付税措置があります地方債ですと借入額よりも実質の負担額が少なくなるというメリットがございます。そのために、基金やそのときの一般財源を使うよりも負担する金額、支払うお金を節約できるという形になろうかと考えております。また、償還年数をある程度長くすることで将来負担の平準化というものを図るということが可能になります。
新庁舎建設に係る事業費の財源につきましても、これからの検討状況に応じましてまた情報提供をしていきたいと考えております。
以上です。
◯7番(山下 和義議員)
合併推進債を使うことのメリット、ここら辺を十分理解できるような情報を市民には発信していただきたいと思います。そうすることで、今、建設のために基金で積んでいる特定財産購入費等についても、別に……、どうしても今度の庁舎建設で単費で使う部分についてはそこに充てて、そのほかの部分はいろんな事業にまた振り分けができたりすると思いますので、そこら辺は財政としても十分検討していただきたいと思います。
ここで、一つだけ、今まで基本計画で何人もの方が質問されております。ただ、基本計画は私の考えでは議会には上程されない、議案としての検討はなされないと思いますけれども、その点について確認しておきたいと思います。
◯財政課長(冨満 庸彦君)
それでは、御説明いたします。
庁舎建設に係る基本構想、基本計画というものにつきましては、条例で定められた議会に諮るべき計画には該当しないとこちらは解釈しております。
以上です。
◯7番(山下 和義議員)
だから議員は不安に思っているんです、はっきり言えば。基本計画が議案として出てくるんだったらそこでもっと議論ができるんだけどと思いながら、だからみんな一般質問でするしかないのかなと思っています。条例として諮るべき事柄でないということだったらそれはそれで理解いたします。
志布志市の新庁舎建設が議会でやっと可決できたという先日の森田議員の質問の中で、市長は、志布志市は選挙が絡んだからと言われております。前から市長は来年の市長選には立候補しないと言っておられます。私は来年の市長選に立候補しようと思っております。伊佐市の新庁舎建設もこのままだと同じになると思います。新庁舎建設が市長選、市議選の最大の焦点にならないようにしなければならないと思っております。
今、新庁舎建設で一番問題となるのが菱刈庁舎の取り扱いであろうと思います。菱刈庁舎をどうするのか、このまま残すのかということで、ただ、けさほど畑中議員の質問に、菱刈庁舎は残しますよという市長の答弁がございました。またある程度の規模をもって市民サービスが低下しないようにするということでございましたけれども、そこについて、もう一回、市長の答弁を求めたいと思います。
◯市長(隈元 新君)
その前に、私が前回、森田議員の質問の中で「選挙が絡んだ」という言葉を使っているとするならば、まだ会期中でございますから修正させていただきたいと思います。私の意思は、選挙の政策的な争点になったという、そのことを言いたかったわけです。結果として選挙というのがあるわけですけど、問題は政策的な争点の一つであったというふうに言いたかったわけでありますので、「選挙が絡んだ」という、こういう言葉というのはすごく誤解を招きますので、この際、その言葉を使っていたら削除させていただきたいと思います。(「選挙が絡んだ」という発言はしていない)「(P73に関係)」
さて、菱刈でとり行う市民サービスにつきましては、けさほど御答弁申し上げたとおりでございます。今、私たちもほかにまだどういうような利便性の高い事務分掌があるかというのは精査中でございますので、そういうのは全てできるようにしなくていけないなというふうに思っております。
そして、何回も申し上げておりますけども、やはり連携を図らなければスピーディーに対応できない、そういうような事案というのが今後かなり多くなってくる時代、社会になってまいりますので──それは情報についても、防災についても言えると思います──虐待とか、あるいは伊佐PR課と教育委員会の連携とか、そういうのにとどまらず、これからはやはり高度な社会になってまいりますので、それにサービスが対応できる行政にしていかなければならないだろうということも同時に踏まえております。
◯7番(山下 和義議員)
この新庁舎建設は特に菱刈地区の市民の間に不信感が生まれております。それは、どういうわけか知りませんけれども、豪華庁舎、8,000平米、40億円、菱刈の庁舎はなくす、そういう情報がぼんぼん出ます。何なのかな、これと私は思っています。
この菱刈庁舎の取り扱いがうやむやになりますと、来年11月に行われる市長選はもとより、市議会議員選挙でもこれが一番の焦点となります。ここにいらっしゃる議員の方々もほとんどは来年、市議選か何かに立候補されると思います。その中で、菱刈庁舎の取り扱いでこの庁舎建設そのものがだめになるような、そういうような争い事は私はしたくないのであります。
菱刈庁舎の今後は新庁舎建設よりも、菱刈地区の市民にとって一番大事なことであります。市民が不安に思わない方法を考えていかなければならないと思います。菱刈庁舎はある程度の規模の課に再編し、菱刈地区の市民が安心できる体制で運営する方向で調整していただきたいと私は思います。法律的に総合支所としての位置づけが難しいのであれば、菱刈庁舎として残していただきたい。「支所的な機能を残しながら」という曖昧な言い方ではなく、「菱刈庁舎は菱刈庁舎として残します」という明確な答弁を議員全員が望んでおります。少なくとも菱刈庁舎の耐用年数が来るときまで菱刈庁舎として残し、その後はそのときの市民に託していただきたいと思います。
先ほど市長がおっしゃったように、ある程度は新庁舎のほうに当然入るべきだと思っております。教育委員会との連携とか、そういうのがばらばらになっていますといろいろございますけれども、ただ、菱刈地区の市民が安心して生活できる庁舎になっていけば誰も反対にならないと思いますので、市長の明快な答弁を求めます。
◯市長(隈元 新君)
ある程度というのが非常に、どの程度かというのをこれから整理していかなければならないことだというふうに思います。ただ、基本構想でお示ししましたのが「本庁方式」という言葉を使っておりますので、現在が分庁になっているわけでありますので、その課の残し方でまた分庁方式に戻ってしまうのか、それでも戻らずに本庁方式というようにできるのか、このあたりもまだ議論したことはございませんので、きょうのお話の中なども参考にさせていただきたいと思います。
とにかく菱刈庁舎そのものは残るわけでありますので、そしてサービスを低下させないように事務分掌の中で今の地域総務課であればその地域総務課に集めるわけでありますので、そのことを皆様方にも御提示しながら、この程度だったら菱刈の方々というのは御納得いただけるという、そういうような方向へ進めてまいりたいと思っております。
◯7番(山下 和義議員)
本庁方式というのの中に菱刈庁舎を支所としてできないとなれば、私は今の分庁方式でもいいと思います。ただ、その中で菱刈庁舎にある程度のあれを残していただきたいと思います。要するに、菱刈の方々がサービスが受けられない、「もうなくなったっど」という、こういうことが非常に叫ばれております。そういうのをあおりにあおっている状況が今、見受けられます。そういうことがないように──伊佐市役所の位置を定める条例で事務所の位置は伊佐市大口里1888番地、庁舎の位置、伊佐市役所大口庁舎、伊佐市大口里1888番地、菱刈庁舎、伊佐市菱刈前目2106番地となっております。こういうことで、支所という位置づけはまた皆さんのほうで勉強していただきたいと思います。ただ、支所としての位置づけが難しいのであれば、ある程度というか、地域総務課、また介護の包括とか、ああいうのが残るように、せめて1階部分にそういう総合的な大きな窓口ができる、それを望んでいますので、それがどうなるかという議論が続いていけば、はっきり言って、私たちは来年また同じような議論をずっと続けていかなければならないと思っています。せめて基本計画ができ上がる3月末にこのことについてある程度はっきりした方向性を示していただきたいと思いますが、その点について御答弁を求めます。
◯市長(隈元 新君)
このことで振り返りますと、私は4月の行政説明会で菱刈の環境改善センターで御説明申し上げたときに御質問等をいただきました。そして、そのときに、御納得できないというよりも、しっかりと理解できない、あるいは自分の考えもあるという、そういう方もいらっしゃいました。その方と後日またお会いして、私がこれまでに答弁してきている菱刈の業務のあり方について、4月の場合も今も同じことをお話ししております。その方は御納得いただいて「ああ、その程度だったらいいんだよな」という。私はそのあたりで御理解いただいているなと思いましたし、その後、人権センターでの会議あるいは集会というのは幾つかあるんです、年間を通じて。その中では必ずこの件については話の材料になります。そういう中でお聞きする御意見も、今私が申し上げている、この程度の機能を残して、庁舎自体も残してやっていきたいんだという、それに対してはほぼ理解していただいているんです。
ですけども、いろんなチラシで宣伝されたり、あるいはこういう議会等で議員の方々が真剣に御質問なさったりする、そこのところというのが、私が住民の中に入ってお聞きするのと温度差が正直言ってあるんですね。だから、私は理解してもらってきているというふうに思うんですけども、まだ理解が足りないところがあるのであれば、これからもっともっといろんな機会にお伝えしていかなければならないかなというふうに思っております。これが私の本当の正直なところで、オブラートに包んだりしているわけでも全然ないし、曖昧なことを言っているわけでもないんです。
ただ、これを条例化するときには、やはり支所というのの一つの制定がございますので、それは今、県のほうともやりとりをしながらやっております。そしてまた、「総合支所」という言葉がごく当たり前に使われておりますけど、実は「総合支所」という言葉は実際はないんです。これは合併をするときにどこかの自治体がそれを使い始めたんです。それが耳ざわりがよくて、住民の皆様方との間のやりとりの中で摩擦が起きないというようなことでこの言葉が定着いたしました。これが条例上うたわれているところはないんですね。通称として「総合支所」というような言葉を使っているんです。
ですので、条例化する場合はそういう点もございますので、まだ時間もございますので、これからそれぞれ意見交換していければなというふうに思っております。
◯7番(山下 和義議員)
時間も残りなくなりましたけれども、来年の3月に基本計画ができ上がります。その時点までにある程度、菱刈庁舎の概要を示していただけるのかどうか、そこを最後にお伺いしておきます。そうしないと、市長は今、いろんな方がいろんなことをある程度理解していると。市長に近い方はそうかもしれません。ただ、正確な情報が見えないままにいろんな情報が発行され、それによって市民が不信を抱き、なかなか、私の知っている人でも、今まで「新庁舎、それはいいことだよね」と言っていた人が「うんにゃ、こげなこつじゃっでな」という、こういうことで、本当に変なふうに反対のほうに向きつつあります。非常に悲しい現実です、これも。
そういうことで、私たち議員が納得してこの新庁舎建設が市長選や市議選の争点とならないように、来年3月にはちゃんとした方向性を示していただきたいと思います。市長の明快な答弁を求めます。
◯市長(隈元 新君)
それは基本計画を完成する段階までには事務分掌としてお出しできると思います。その事務分掌を御理解いただくことで、どういうサービスが受けられるか、できるかということで御理解いただけるというふうに思っております。
おっしゃいましたように、これは選挙の争点にするものではないわけであります。これは未来の方々への大きな財産として私たちが今、協議してつくっていこうとしているものでございますので、これをそのときの争点にして後で大変失敗だったとなってもいけませんし。これは合併協議においてもそうだったと思います。何が真実かということを本当に考えるならば、結論はおのずと一つのほうにまとまるんじゃないかなと私は信じています。(「終わります。」と呼ぶ者あり……7番議員)
◯議長(緒方 重則議員)
以上で、7番 山下 和義議員の一般質問を終わります。
◯議長(緒方 重則議員)
以上で本日の日程は全部終了しました。
本日はこれで散会します。
△散 会△(15時30分)
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