2番目の
賦存調査については、市独自としてはやっておりませんが、
日本工営にお願いしまして、24年4月に市内6カ所の
可能性調査をしております。ただ、情報につきましては、
秘密保持契約を締結して行っております。これは2015年の4月19日までは公表しないということになっておりますので賦存量については私どもにもわからないところでございますが、新
曽木発電所、それから川内川の
湯之尾地点、羽月川の
轟公園地点、十曽川の十
曽ダム地点、山野川の布計地点、
井立田川地点の6カ所の
可能性調査が行われております。
本市における小
水力発電の将来性でございますけども、現在、新
曽木発電所が稼働しておりますので、売電でうちが利益を得るわけではありませんが、
日本工営との協議において、
日本工営のほうから私たちのさまざまな活動──教育とか、
地域づくりとか、そういうことにおいて支援をいただくということで、このことで私どもも
十分メリットを得ているというふうに思っております。ただし、将来性につきましては、先ほどの調査をされた6カ所、
曽木発電所はもう稼働しておりますので残りの5カ所について、果たして事業化に進むのかどうかということにつきましては未定の部分がございます。
それ以外で、今後は
農業用水路を活用した小
水力発電も注目を集めることになろうというふうに思います。国も
水利権取得に対しても緩和していく方向だというふうに思いますし、また私どももそういうように働きかけねばならないというふうに思いますが、低落差のためにやはり発電量が上昇しないという課題がございますので、今後は低落差でも発電が十分に起こるというような、そういうような
発電技術が開発されていくということが期待されるところであります。例えば、今、川内のほうで
スクリュー式で──これは小水力の中でも規模としては非常に小さいわけでありますけども、
技術開発の一部門としてそういうのを取り組む事業もスタートしておりますので、いろんな
技術開発が今後、期待されるということになります。
4番目の本市における拡大並びに具体的な施策でございますが、3番目と重複するわけでございますが、現在のところ、まだそんなに大きな期待はできないというのが現実のところでございます。平成10年3月策定の
エネルギービジョンにつきましては後ほどお答えするということにいたしたいと思います。(「市長、その5番目のところは後で質問されるそうですから。」と呼ぶ者あり……議長)はい、わかりました。そういうふうに答弁させていただきます。
◯17番(岩元
克頼議員)
この小
水力発電というのは非常にクリーンで安定性の高い発電だということで今、市長はお答えになりましたが、なかなかこれが現実に動いていくことが難しいようですね。いろいろ困難な点はあるわけですけれども、私も調べてみましたが、我が国の電力の総供給量は現在、約1億8,000万キロワットということになっているわけですね。2012年度の
再生可能エネルギー発電割合といいますのは、太陽光、風力、地熱、それから小水力、
バイオマス、
もろもろ含めてですが、全体の1.6%ということなんですよね。これから先が長い道のりだなと。身の回りでは
太陽光発電の設置などが随分盛んに行われているわけですが、2012年度の段階では全体から見ると1.6%、こういうことですので、逆に言いますと、これからまだまだたくさん余地が残っている、こういうふうに解釈もできると思うわけです。
最近の導入割合を見ますと、2012年の4月から翌年の2月までに運転を開始したものということで統計が出ていますが、太陽光は住宅のもの、あるいは非
住宅設置のもの合わせて150万キロワット、それから風力が6.3万キロワット、それから
中小水力は0.3万キロワット──ですから全国で3,000キロワットということですね──
バイオマスが1,000キロワット、地熱は1,000キロワットということで、合計166万キロワットを設置してその年度に稼働を始めた、そのうち約94%は
太陽光発電だったという結果が出ていて、
中小水力──小水力がほとんどですが──この2012年度の分の約0.2%ということですね。この分野はすばらしい
エネルギーなんだけど非常に立ちおくれているという一つの実態だと思います。
ただ、小水力の優位点というのはいろいろあると思いますが、私たちはここをよく考えておいたほうがいいと思うのは、設備の利用率は非常に高いですよね。どうあっても60%は下らない、こういうようなことであります。太陽光の場合は約12%なんです。夜はだめですし、雨が降ってもだめ、曇ったらうんと下がるということでありますので。
風力発電においても、場所にもよるんでしょうけれども、20%から、よくて30%、大体この範囲におさまっているようです。ですから、設備の利用率──稼働率といいますかね──は太陽光の5倍、それから風力の2ないし3倍はあるという結果であります。そういうようなことで、非常に優れた点を持っていると。
また、耐用年数も非常に長いですね。どう悪くても40年はもちます。
日本全国には古い
水力発電所がたくさん残っておりますね。大正時代の初めごろできて、100年たっても現役で電気をつくっている
水力発電所がありますね。この間、テレビを見ておったら出てきました。長もちするもんだなと。水が動力源ですのでそんなに高温のものではないし、機械も熱にやられることもないし、やっぱりきちんとした管理をしさえすればこれはいつまででも使えるんだと。こういうすばらしい特性を持っているということをどこかで私たちも考えておかないといけないと思うわけです。
課題といたしましていろいろあろうかと思いますが、政府がこれを本格的に進めていこうとしたのはやっぱり2011年、2012年ぐらいからですね。2011年に
買い取り制度の法制化がなされて、2012年からどんどん急速に進んでいったわけですけれど、ただ、小水力の場合は、水利権の問題、それから採算性の問題、それから、
維持管理はほかの太陽光とか風力とかに比べますと確かに多少かかりますね。そういった課題というのを克服していかないといけないわけですが、水量と落差さえあればこれはいつでも電気がとれるという非常に優れたものですね。そこのところもまた大きな特徴であります。
それから、もういっちょ課題があるとすれば、地域の合意形成、あるいは地域へ対する利益の還元ですとか、
土地利用の調整でありますとか、こういうことはほかののも似たようなことでしょうけど、やっぱりここをきちんとクリアしないとうまく進んでいかない。こういうような前提がそろいさえすれば国のほうは支援措置はたくさんありますね。これは環境省のものもあるし、農林水産省の分もありますし、国交省も規制緩和に取り組んでいこうということを閣議決定をされております。
それで、この間、
サミットに行きましたときに冊子をいただいて、先ほど、
日本工営さんにお願いをされて6カ所の調査と、これは新曽木も含めてですけれど、それと関係があるわけですが、鹿児島県の小
水力利用推進協議会がことしの5月に、県内40カ所の河川や用水路を利用した小
水力発電で合計出力2万4,000キロワットを目指しています、これを2018年度で完成をさせたいというような方針を打ち出しておりますね。大体5万戸の家庭に使う電気を生み出すという考えのようですが、これについて、伊佐市ののもこの中に入っておるんですかね、市長。その辺があればお答えいただきたいと思います。まずそれをお答えいただいて次に行きたいと思います。
◯市長(隈元 新君)
伊佐市はこの中には入っていないというふうに思います。
◯17番(岩元
克頼議員)
日本工営さんとの契約で
賦存量調査をされたのが5カ所ありましたね。2015年まではこれはちょっと開示できないということのようですが、それはそれで構いませんけれど、5番目に書いておきました、これは国の100%事業で平成10年に発表された当時の大口市の地域新
エネルギービジョンですけれど、これなんかを見ましていろいろ感じるところがあったわけです。あのころから随分時間がたちまして、こういった
再生可能エネルギーについての見方というのはやっぱり変わっておりますよね。
それで、当時の資料を読み返してみたんですけど、これを見ますと、そのときのことですから、どこを測定したかということもありますので間違いということではありませんが、実情からすると
水力エネルギーがもう少しとれるんじゃないかなという気がしているわけですね。
例えば、曽木の滝地区というのは出力が23キロワットなんですね、当時。ですから、あれはあそこにたまっておった、旧1号水路というんですかね、第1発電所へ行く水路のあの辺をざっと計算をされたのかなと思っているんですが、実際の新
曽木発電所というのは流量が最大毎秒5.5立方メートルですよね。当時は水量は0.47立方となっているんです。それから、
有効落差も7.5メートルですが、これは発電の様式によって違いますけども、実際は9.6メートルを採用しております。それから、出力が23キロワットとなっているんですけれども、今の実機は490キロワットなんですよね。ですから、水のとり方もこのときに想定したやり方とは大きく変わっているんだなと。それはそれでよいことでありますが。
十
曽池公園は、これも渇水期にはかった分かなと思いますが、水量が毎秒0.15立方なんです。私はこの間、ちょっと時間がありましたから試しに私なりの方法で計測したんですが、大体0.4立方ぐらいとれますよ。これはひどい渇水もあればほどほどのときもあるし、それから、たっぷり水がある放水時もありますよね。
もろもろですので一概に言えませんが、これでいくと
有効落差が13メートルで出力は13キロワットとなっています。もう少しとれるんじゃないかというふうにも感じましたのでこういう5番目のような質問を書いたわけです。
多々良石地区とか、このときは布計も、これは隧道のところをはかっていますよね。隧道の水は発電機に用いる水としてはどうでしょうかね。白土がどんどん出てきて、さて、発電機に与える影響なんかも考えると余りよいことはないのかもしれませんね。当時の報告書ではそういうことを感じているわけです。
それで、今発表されました中に轟とか、湯之尾のあたりとか──湯之尾というのは、これは用水路なんですかね。どこなのかなと思って。湯之尾はどこですか、これ。湯之尾から用水をとっているあそこですかね。ちょっとわかればはっきりお知らせいただきたいと思います。その点が一つね。
それから、今後、十曽池にしてももう一遍調べてもらいたいと思っているわけですが、山野川の上流ですね、布計と尾之上の間──やっぱり水力というのは勾配が急なところがいいわけですよね、取水するには。深い渓谷があって可能性の高いところはダムができているわけですから、あとはそういう大きい
エネルギーをとれないようなところが残っておるわけです。しかし、それでもなおかつ幾分かの電気がとれるということでこの小水力というのに光が当てられてきているわけですね。十曽、それから山野川の上流で言うと布計と木地山の間ぐらいですかね。かなりの落差が稼げるところですね。水量が少ないときは落差で稼ぐ、こういうことでありますね。
それから、多々良石より上流に中山というところがありますけれど、あそこに城ノ下橋ですかね、あの付近前後はかなりの勾配を持っておりますから、調べてみると可能性があるのかなと、そういうふうに思うわけです。それから、水ノ手川の上流には笹野ですね。ちょうど久七トンネルから出てきたようなところ、あのあたりも水量もまあそこそこありそうな感じもいたしますし、それから勾配がいいですね。非常な落差が稼げるんじゃないかなと。用水路は湯之尾から下手の間の新田ですかね。それから、湯之尾から西太良へ行っているあの新田、こういうのは有望なのではないかと思うわけです。
また、
土地改良区が管理いたします
サイホンがありますね。
サイホンも使えないわけではないですよね。物になるかどうか、実用価値があるかどうかについて調査する価値はあるんじゃないかと思うわけです。
いかがでしょうかね、その辺のところは。御所見をお聞かせいただきたいと思います。
◯市長(隈元 新君)
湯之尾につきましては、川内川の右岸川の滝のあるところというふうに思います。
前回といいますか、旧大口市時代に旧通産省の補助を受けてこの
ビジョンの策定がなされたわけでありますが、今おっしゃったような数値の問題も当時と比べると大分違いがあるというのが予測されますので、今後、市が独自で
ビジョンを作成して再調査するというのに意味はあるわけでありますけども、現実の問題としましては、
日本工営がこのような調査をしている、あるいは
土地改良区が今後、
土地改良区の一つの事業として取り組むということも考えられるわけでありますので、
日本工営と協議をして、可能性のあるところに民間活力で設置していくという、そのことが現実的には一番いいのではないかなというのが現在の私たちの考え方であります。
◯17番(岩元
克頼議員)
民活がいいというのはそのとおりですね。農水省は
土地改良区なんかもこれをどんどんやってくださいと推奨いたしておりますね。売電をしたり、あるいは自家用の電気として使ったりして
土地改良区の賦課金をうんと下げたところもあるわけです。ですから、市が直接やるというんじゃなくて、団体あるいは民間の会社、できればこういうところがやってくださるのが一番いいわけです。ただ、市としては、
エネルギー政策の一環としてやっぱり先導的な役割は果たしていかないといけないのではないかと思うんですよね。この必要はあろうと思います。
この
買い取り制度も、大体20年間は
固定価格で買い取っていくわけですが、これも時限立法ですから、平成33年度までですかね、その先はどうなるかわかりませんけれど、
固定価格買い取り制度があるということは、
もろもろの
コスト計算をやって、これは絶対に赤字にならんだろうという線でやっているわけですよ。ですから、うったってみてさあ黒字になるか赤字になるかと心配するような事業ではないということですね。ここはやっぱり何か通常の事業をやるときと全く違うところ、
エネルギー独特のところじゃないでしょうかね。ですから、どんどん進めていくことが必要だと私は思うわけです。余りゆっくりしておるというのもよくありませんね。
先導的役割をしっかり果たしてもらいたい、こう思いますが、市長、いかがですか。
◯市長(隈元 新君)
先導的役割は行政が果たさなくちゃいけないと思います。具体的には、やはり
エネルギーというのは
長期ビジョンになりますので、そういう意味でも行政に
先導的役割があるわけですが、具体的には、今後、可能性があるというようなところを私たちが民間に紹介していく、あるいは
土地改良区と話し合いを持っていくという、そういうことが一つの
先導的役割と、もう一つは、可能性があるところがだんだん絞れてきたときに、次は、例えば川内川でありましたら、これは国の一級河川でありますので、許認可の面というのが非常にやはり手間取りますので、あるいは、許認可以外の点で、ある法律を変えてもらわなくてはいけないとか、そういうようなこと等が出てくると思います。これは民間でできませんので、そういうところの役割というのを私たちが担っていかなければいけない、そういうふうに考えております。実際、この新
曽木発電所の場合も、水利権と
土地利用の問題で私たちが間に入ってやったことによって早目に事業が進められたというふうに思っております。
◯17番(岩元
克頼議員)
農水省の事業で、
発電施設の
管理技術を教える事業がありますね。こういうのもありますし、それから、一応の計画ができると
ワンストップサービスでいろんな助言とか、指導とか、応援をしてくれる、こういうこともあるわけですよね。調査についても、調査費は国が2分の1を持ちましょうと、施設についても、2分の1は補助をしましょうと、こういうのもあります。
もろもろ制度はありますので、市長はよく御存じだと思いますから、そういうことも民間の人によく紹介しながら、それだったらやってみようかなという気になってもらうことが大事ですよね。市が直接やるというのは余りよいことではありませんので、どれだけ民間が立ち上がってきてくれるかということではないかと思うんですね。
水路なんかも、例えば、どういう発電機あるいは水車をつけるのが適当かは調査をしなければわかりませんけれど、そこの一つの名所になったり、それから地域の活力源になるということも十分あるわけです。世の中にはそば屋の店先に大きい水車をつけてお客さんを呼び込んだり、風物詩のようになっているものもありますね。こういう
発電施設というのは教育的な効果も十分ありますし、それから、その地域の名所といいますか、景観を形づくるという、そういう働きもあります。そういうものと経済性と、
もろもろ総合してみると地域の活力になっている、こういうことであろうと思うわけですね。
しかし、本論のところは、やはり
再生可能エネルギーということで、CO2を少しでも減らしていこうと。
地球温暖化が進んでいるのが原因ではないかと言われる物すごい異常気象が今、出ているわけですよ。やっぱりこういうものを根本的に解決するには、温暖化のもととなる排出ガスを出さないような
エネルギーの確立が待たれているわけです。そういう意義は本当に大きいですよ。災害でどれほど大きい財政を投入せないかんか、こういうこと、あるいは、この間、
フィリピンに物すごい台風が来たじゃないですか、あれもやっぱり温暖化が関係があるんじゃないかということで、国際会議で
フィリピンの代表が泣いて訴えていましたよね。私たち伊佐市にできることは小さなことですよ、全体から見れば。しかし、全国あるいは各国でみんながそこに着目をし、取り組んでいくと、大きい力になって災害を未然に防いだり、いろいろな
地球的課題というものがやっぱり取り除かれていくわけですよね。
ですから、こういう理念がかった事業というのはなかなか前に進みづらいところがありますけれど、やはりそこは真面目に捉えて一歩一歩進めていくべきではないかなと、私は本当にそう思います。そういうことについて市長の御見解をいただいて、質問を終わりたいと思います。
◯市長(隈元 新君)
小さな一歩ではありますけども、この
エネルギー問題というのは将来的には大きな前進を考えなければいけないというふうに、私も同感であります。景観や、あるいは活力源とかそういうのはもちろん効果があるということは理解いたします。それにも増して一番の大きな効果はやはり教育的な効果ではないかなと思います。それも、次代を担う子どもたち、青少年が自分たちの周囲でそのようなきれいな
エネルギーをつくり出しているんだという、そこの現場を常に見ることができ、学ぶことができるというのがやはり一番大きいのじゃないかと思っております。そういう意味で、今年度は交通安全を兼ねて小学生のランドセルにゆるキャラの一つとして「いーさーくん」を使わせていただいておりますが、日常の中に常に
エネルギーを意識できる、そういうような地域でありたいと思います。
おっしゃるとおり、同じような考えでございますので、これから国の出します政策をいち早くキャッチするようにしながら、民間と提携して可能性を探ってまいりたいと思っております。いろんな情報等、私よりもお持ちの点もたくさんあるように今感じておりますので、また御教授いただければありがたいと思います。
◯議長(丸田 和時議員)
以上で、17番 岩元
克頼議員の
一般質問を終わります。
◯議長(丸田 和時議員)
次に、6番 久保 教仁議員の
一般質問を許可します。
久保 教仁議員。
◯6番(久保 教仁議員) 登 壇
おはようございます。今回の
一般質問は、中長期的な視点から木質
バイオマスについて、また、短期的な課題として米政策の見直しに対する取り組みについて、市長のお考えを伺ってまいります。
まず、木質
バイオマス発電に係る助成についてということで通告いたしました。
この
エネルギー関係については、旧大口市は数々の検討、調査を重ねておられるようであります。ただいま岩元議員のほうからもありましたように、「大口市地域
エネルギービジョン」を平成10年に策定されて、そして、その3年後に
再生可能エネルギーである風力、水力──今の岩元議員の質問は水力についてでありますが──
バイオマスについての研究を平成13年度から16年度まで行っておられます。これは地域の環境保全の推進、あるいは地場産業の創出として取り組まれたものであります。そのとき携わられた職員の方々がまだ半数近く残っておられ、これは市の大きな財産であろうかと思っております。
これは木材、畜産ふん尿、生ごみ、焼酎かすなどをいろいろ研究されておるわけなんですけれども、せんだって「大口市
バイオマス等未活用
エネルギー事業調査報告書」というのを見せていただきましたが、すばらしいものであります。こういう事業等が基盤にあるということはこの伊佐市にとって大きな財産になるのではないかと思います。
私の今回の質問は、こういう基盤があればということでの質問であります。
まず、県のほうで「鹿児島県木質
バイオマス利活用指針」というのが平成22年2月に定められました。この伊佐市でも間伐が行われ、それに伴うたくさんの残材が出て、山に放置されたままとなっております。この残材を山から持ち出すことで集中豪雨等による災害をある程度抑止できます。
また、
バイオマス発電に提供し、利活用することで、
地球温暖化の防止、循環型社会の形成に寄与できると考えます。ひいては山林所有者に収入が入り、林業従事者の雇用も増えるという経済効果も生まれてまいります。平成17年の2月16日に大口市が報告書を出しておられますが、その趣旨と全く同じではないかと思います。
ただ、現状では残材の仕分けや搬出、輸送にコストがかかり過ぎるという課題があります。そこで、今回の
一般質問は、山林所有者の皆さんに残材の搬出を奨励し、大規模災害を防止する政策として補助を考えることはできないかというのが1点、また、一つには、林業従事者に対して分別、搬出にかかる費用の一部を助成するお考えはないかどうかということをお伺いいたします。
1回目の質問を終わります。
◯市長(隈元 新君) 登 壇
当時、そのような調査をしたり研究をしたりしたときは現在のような
固定価格買い取り制度のない時代でございましたので、やはり調査はしましたけども、それを新たな事業に結びつけることができなかったということが私の記憶の中にありますし、反省もしているところであります。議員の中で大変関心をお持ちの方もいらっしゃいましたので、ペレットを使ったストーブをつくれないものかということを民間の方も一緒になってあるレベルまでは考えたこともありましたけども、実際にそのストーブをつくって安定的に供給できるペレットをつくれるかという、そういうところでやはり行き詰まったような記憶がございます。
固定価格買い取り制度ができている今日においては、新たに木質
バイオマスの発電というのが期待できるというふうには考えております。
今、1回目の御質問で、災害を防止する意味からも放置されている残材についての、切り倒した木材に対する搬出の補助ができないかということでございますが、災害を防止するためだけで市の単独で補助をするというのはやはりなかなか厳しい点があろうかと思います。これが次の何かに使われて、そこで価値を生み出すものというようなことになりますと市単独でできないことはないとは思いますが、それだけの大きなプロジェクトになっていきますと国がある程度のしっかりした制度をつくりまして、国が2分の1、県が4分の1、市が4分の1というような、そういうような助成の仕方になれば継続的にできることではないかなというふうに思いますが、災害防止のために残された材木を引き出すというのに対しての補助というのは現在の私どもの財政状況からは厳しい点があるかなというふうに考えております。
◯6番(久保 教仁議員)
質問がちゃんとできなかったようでありますが、災害防止だけのためということではなくて、先ほども申し上げましたように、災害防止はもちろんでありますが、林業の活性化、地場産業の活性化、そういうものを含めて、その一環としてそういう助成はできないかということであります。どうでしょうか。
◯市長(隈元 新君)
それは切り出した、あるいは残された材を市場に出した場合にそれが次の事業に使われるという、その循環がなければ、ただ搬出するだけに補助金を出すというのは難しいのじゃないかなと思います。
その何かの事業で価値を生み出すということから今、木質
バイオマスの発電の事業というのが期待されているわけであります。それが本格事業化しますと、私どもだけじゃなくて、県の林業関係者とも一緒になりまして、県、市、そして国が支援していくということを考えなければいけないというふうに思います。私どもはこれだけの山、材積を持っておりますので、そのことによって雇用が出て、会社が成り立って、経済が動いていくということにつながるだろうというふうに思っております。
◯6番(久保 教仁議員)
今の御答弁を踏まえて質問を変えていきたいと思いますが、15年3月に霧島木質発電が稼働することになっております。そして、川内の中越パルプ工業が15年11月に稼働いたします。災害防止だけではなくて、今の木質
バイオマスの有効利用、発電、そして地場産業を盛んにするというような観点からしますと、霧島木質発電が稼働するまで1年3カ月、中越パルプ工業が稼働するまで2年であります。この間にそういう間伐材をその発電所に安定的に供給できるシステムを構築する必要があるんじゃないか。この発電は燃料が途切れるとボイラーの稼働率も低下し、発電効率も落ちます。県内にこの霧島木質発電、あるいは川内の中越パルプ工業以外に計画をしているところが何カ所ぐらいあるのか、そしてまた、そういうところへ間伐材を安定的に供給できるシステムを構築しようとする努力を考えることはできないか、その2点について、市長にお伺いいたします。
◯市長(隈元 新君)
水俣市に1カ所、八代市に1カ所、都城を含めてこの南九州では5カ所建設されるという情報は得ておりますが、今おっしゃいました霧島木質発電と中越パルプ工業の2事業体以外で鹿児島県内でそのような事業を行われるというのは私のほうでは把握していないところでございます。(「その搬出に対する補助の考えはないかという。」と呼ぶ者あり……議長)
◯林務課長(前原 武俊君)
補足して説明いたします。
山林所有者に残材の搬出を奨励する補助金につきましては、管内の森林所有者、林業事業体の理解を得て、買い取り価格の前提となる森林経営計画を作成することで地域活動支援交付金等の各種補助事業制度の対象森林となりますので、そちらのほうで対応していくことになります。
以上です。
◯6番(久保 教仁議員)
先ほど市長の答弁の中で、
固定価格買い取り制度は平成13年度、16年度、17年度等はなかったのでコスト高等によってできなかったということでありますが、これが今ある、そして、ただいま答弁をいただきましたように、森林経営計画を受けないと国県の補助は受けられないということでありますが、まずお伺いしたいのは、市内の約71%が森林だと思うんですが、その市内の森林の中で何%ぐらい、何平米ぐらいが森林経営計画の指定を受けているのでしょうか。
◯林務課長(前原 武俊君)
平成24年度末の時点で市、県、国が事業体に認定をした面積を合計すると1,607ヘクタール、8団地106林班でした。平成25年度末には3,711.5、13団地110林班となる予定です。平成25年度末には民有林全面積のおよそ25%が経営計画の対象団地となり、平成28年度目標値7,800に対してはおよそ48%の進捗になる予定です。
◯6番(久保 教仁議員)
現在、1,607平米が森林経営計画を指定されておって、28年度には7,800平米に指定をということでありますが、この7,800の中に市有林は全部包括されているのかどうか。そして、この1,607が7,800平米になるその道筋はどういうふうにされるのか伺ってよろしいでしょうか。
◯林務課長(前原 武俊君)
市有林の認定面積予定でございますが、1,427ヘクタールあります。25年度末に山ノ神ほか2市有林472.89を計画予定であります。残りの954.11は共同申請や順次認定をしていきたいと思います。7,800に近づけていくためには森林所有者の協力を得て順次、経営計画を認定していきたいと思います。
◯6番(久保 教仁議員)
今、残材の搬出についてということで伺っておるわけでしたが、大体理解いたしました。いま一つのほうの運搬に対する助成についてという観点からはいかがでしょうか。
◯林務課長(前原 武俊君)
運搬については、地域活動支援事業の中で木材を搬出した代金で賄えると思っております。
◯6番(久保 教仁議員)
木材を搬出した代金で賄えるということでありますが、例えば、霧島木質発電は現地卸でトン当たり6,000円を提示しております。これに山から集積場へ搬出するのに10トン車1台当たり1,500円、その集積場から霧島木質発電へ運搬するのに1,500円、計3,000円がかかって3,000円しか余らないということになります。そのあたりで仕分け、運搬に対して補助ができないだろうかということで伺っているわけですが、いま一つ、御回答をいただけますでしょうか。
◯市長(隈元 新君)
私は専門家ではありませんけども、大体、山の取引というのは山土場での価格で決まりますので、補助をする場合はどうしてもその体積に対して買い取る、それに補助がつくという形になりますので、あと、運搬に関しましてはそれぞれ条件が違いますので、いろんな形が想定されますので、やはりそこは運ぶ人の企業努力と言えば非常に厳しい言い方になりますけども、それを4トン車で運ぶのか十数トン車で運ぶのかとか、そういうのともかかわりますので、今、私どもが搬送のほうにどれだけ補助が出せるかというのは、ちょっと私どももわからないという答えが正直なところでございます。
◯6番(久保 教仁議員)
冒頭申し上げましたように、中長期的な施策としてこういう施策を打てないかという質問であります。中越パルプ工業、あるいは霧島木質発電等が稼働するまでに蓄材をしておかなければいけないという課題があります。そういう面に向けて、行政のほうとしても、この伊佐の林地をどう盛り上げていくのか、地場産業をどう振興させていくのかという面から考慮していっていただきたいと思います。
それでは、2点目の米政策見直しへの対応はということでお伺いいたします。
今回、新聞紙上をにぎわしておりますように、米政策が見直しされました。畑作物の直接支払交付金のゲタとナラシは15年産から認定農業者、集落営農、認定就農者が対象となります。議長の許可をいただいて資料を配付させていただきましたが、まず、今回の米政策見直しに対する市長の見解をお伺いいたします。
◯市長(隈元 新君)
国の米政策につきましては、昭和45年に非常緊急措置として生産調整が図られまして、昭和46年から本格的に稲作の転換政策として生産調整の政策が始まって現在に至っておりますが、これまで農家の方々には国の方針を理解していただいて協力をいただいて進めてきたところでございます。
今回の国の方針は、5年後にこれまでの生産調整──減反政策でございますが──を廃止するという方針でございますので、私ども、そして農家にとりましては大転換と言っていいのではないかというふうに思います。私どもはこれを5年間で廃止するというのに向けて国のほうの情報と指導を受けながら農家に理解をしていただくという、そういうことを進めざるを得ないということでございますので、このような大きな大転換をこの短い期間で決定して私どもに事務の遂行をしていくようにということについては、大変遺憾に思うと言えば厳しい言い方ですけども、本当にこれが所得の向上になるのか、農地を完全に守れるのかという議論がもう少し欲しかったというのが今回のこの政策転換に対する私の感想でございます。
◯6番(久保 教仁議員)
確かに市長言われるように、この政策が所得の向上になるのか等々の面から考えますと、極めて不明快であります。そこで、そういうのを解明すると言っては何ですけれども、今の伊佐の現状ということで若干お伺いしたいと思います。
例えば、平成24年度の伊佐市の米の直接支払交付金申請者が何人で、その面積が何ヘクタールか、これを除すると平均経営面積が出てまいりますが、それはいかほどであるのかということと、いま一つには、今回、日本型直接支払いというのが農地維持払い、資源向上支払いという形で策定されましたが、これは今までの農地・水向上対策の延長線上と考えていいと思うんですけれども、この農地・水に取り組んでいない組織、自治体、校区等は何カ所あるのか、まずお示しいただきたいと思います。
◯農政課長(永山 誠君)
24年度の米の直接支払交付金ですけども、申請者が1,836人です。面積が2,254ヘクタール、平均経営面積にしますと1.2ヘクタールとなります。24年度につきましては3億1,000万ほど支払いをしております。
これまでどおり、柔軟な対応で相談、申請、決定を行いたいというふうに思っております。
◯13番(柿木原 榮一議員)
安心をしたところですが、続けていきます。
新設される生活保護法案第24条第2項は申請時に厚生労働省で定める書類を添付するように義務づけているが、申請者や福祉事務所は対応ができるのかどうかお伺いいたします。
◯福祉事務所長(鈴木 省三君)
これまでも厚生労働省令に基づき伊佐市生活保護法施行細則を制定しまして申請時の必要書類の様式を決めており、対応できます。
◯13番(柿木原 榮一議員)
伊佐市として対応できるということですので、職員の方々も本当に大変だろうと思います。よろしくお願いいたします。
次に、問題になりました次長課長という漫才師の親の扶養の問題がございましたが、生活保護の要件の変更で親族の扶養が事実上、義務化になる可能性があります。12月3日の毎日新聞には、福祉事務所全国436カ所が、家族が扶養義務を果たさないと申請者は保護を受けられないと誤解されるおそれがある生活保護の通知を出していたと報じられております。厚生労働省は不適切として是正を指示しましたが、伊佐市は通知を出さなかったのか、伊佐市の考えをお伺いいたします。
◯福祉事務所長(鈴木 省三君)
今の問題につきましては、厚生労働省社会・援護局保護課保護係長より県を通して、生活保護法第4条第2項の扶養義務者の扶養の可否を確認するために使用する扶養照会書等の対応状況調査というのがございまして、そういう発言がなかったかという調査が来ております。伊佐市は誤解される文書は使用していないということで回答をいたしております。
以上でございます。
◯13番(柿木原 榮一議員)
さすが福祉事務所長だと思います。やっぱり誤解されるようなこんな通知をされないようにお願いしたいと思います。
それと、厚生労働省社会保障審議会の特別部会の委員であった藤田孝典氏は、生活保護費削減に対する当事者の活動として、全ての保護処分決定に対し、従来から不服審査制度が用意されていると述べておられますが、この審査請求は一たび行われると審査庁──これは鹿児島県になりますね──は処分庁、福祉事務所に対して当該申し立てに対する弁明を求めます。審査を受けるときは処分庁、福祉事務所はその陳述の内容を録取──録音ですね──し、陳述人、申立人に読み聞かせて誤りのないことを確認し、陳述人に押印させなければなりません。影響は8月の生活保護費の引き下げ時にとどまらず、12月から1月にかけて山場を迎えると言われております。福祉事務所は受給者に対し十分な説明を行うとともに、急増する審査請求にも対応可能な体制を整える必要があります。4月からは特に福祉課というふうになりますが、人を増やされていくのか、申請が却下される場合が多くなり、申請の対応、行政不服訴訟が出た場合、行政官庁である福祉事務所はこれも対応が可能になるのかお伺いいたします。
◯福祉事務所長(鈴木 省三君)
生活保護の変更決定に不服の場合は、言われましたとおり、まず行政不服審査法によります審査請求が生活保護法第64条の規定により県知事になされますが、再審査請求は法第66条の規定により厚生労働大臣になされることになります。処分庁、福祉事務所を通して請求がなされた場合は、福祉事務所から審査庁の県知事のほうに送ることになります。そういうことでございまして、審査請求をされて却下、棄却とかがございますから、もし審査請求裁定後、また今度は裁判所に訴えられた場合には、市で対応することになると思います。
以上でございます。
◯13番(柿木原 榮一議員)
市長、そのために人員を増やされる可能性があるのかお伺いいたします。
申請の却下で市民が鬱病や病人になる人が多くならないよう、また自殺者、孤独死、孤立死が出ないように──伊佐市は自殺者も多いような統計も出ているような感じがします──職員も福祉行政に関与してよかったと言えるにはどのような適切な施策があるのかお伺いいたします。
◯市長(隈元 新君)
職員が増えることはないと思います。
あと、メンタルにつきましては、福祉事務所に限らず、市の職員に対しましてはメンタル研修を行っておりますので、その中でそれぞれの職員が研修を積んで成長してくれればというふうに思っています。
◯13番(柿木原 榮一議員)
職員に対してもでしょうけども、市民に対してもやっぱりしていかなきゃなりませんが、職員もいろいろ病気で休んだりしておられる方もおいでだとお聞きしております。
それと、12月6日に同時に採決、可決されました生活困窮者自立支援法も地方自治体の実施が義務づけられている必須の事業ですね。生活困窮者自立相談支援事業、生活困窮者住居確保給付金の2事業ともまだ問題があるようですが、厳しい時代が来ることは間違いないと思います。
自己責任時代の生活保護行政、「健康で文化的な最低限度の生活」を公的責任でどう保障するか、この質問を出すときにもう一度私も考えることでしたが、市長、本当に市民の要望に応えるような福祉行政、生活保護行政ができるのかお伺いして、この質問は終わります。
◯市長(隈元 新君)
先ほどから答弁しておりますように、従来と変わらなく柔軟に対応して、福祉行政の向上を図ってまいりたいと思っています。
◯13番(柿木原 榮一議員)
やっぱり生活保護費自体も下がってくると思います。この線で生活していたのを下げるというのはなかなか難しゅうございますが、市民の要望に合うような福祉行政をよろしくお願いいたします。
次の問題に入ります。湯之尾地区の旧河川の濁りについてに移ります。
10月28日午後6時ごろ、湯之尾の魚の変死について──変死とは言わない、ただあっぷあっぷしていただけだと言われるでしょうけども、最初に発見した人は死骸も見ております──概要について説明をお願いしたい。
私には夜の9時ごろ電話連絡がありまして、翌日早く確認に行きました。排水口と温泉、今回の議案に出ています温泉の関係ですね、そこを見させていただきましたが、もうきれいになっておりましたが、12月6日、アポをとり、国土交通省九州地方整備局の川内川河川事務所菱刈出張所所長の堤宏徳氏、近藤事務係長に説明を受けましたが、28日、夕方の5時40分に伊佐警察署から薩摩川内市の川内川河川事務所に連絡があり、17時50分に帰宅途中の堤菱刈出張所所長に携帯連絡があったそうです。河川管理の責任ですぐ引き返し、18時30分ごろ現場に到着されたそうです。赤く着色した水が流れ、魚が浮いていたそうです。そのときも魚が死んでいるのは確認はできなかったそうですが、井堰を幾らか閉め、河川に流出するのを防がれたそうです。そのとき伊佐警察署、伊佐市建設課の職員、伊佐湧水消防署、環境政策課の職員がおられたそうです。私に通報された方、散歩をしていた方は複数の魚が死んでいるのを確認したそうです。その方々の話では、時々、赤く着色された水、白濁の水が流れていたそうです。今回は特にひどかったから警察にも一応、連絡されたということです。
白い水は菱刈出張所のほうでも確認されております。ここに20時25分に菱刈出張所が湯之元橋下流で採水し、分析された計量証明書があります。5時から8時幾らまで流れていたということですね。ある金属は数値が高いが、通常の排水基準内にあることから特に支障はないと考えていますと12月3日付で河川事務所菱刈出張所には伊佐市長の報告書が届いておりました。魚の死因は何か、伊佐市は魚の死骸の回収及び採水はできているのかお伺いいたします。
◯市長(隈元 新君)
経緯につきましては今、御質問の中で触れられたとおりでございます。繰り返しませんが、私どもに午後6時ごろ濁りについて連絡があり、建設課の職員2人が急行して、河川が赤褐色、赤茶色に濁っているのを確認しております。そのときは魚の死骸は確認していないということでございました。その後、環境政策課の職員の携帯にも河川の濁りについて連絡があったわけでありまして、3人で現場に行きましたが、懐中電灯で水面の濁りは確認いたしましたが、ちょっと暗かったものですから、そのときも魚の死骸については確認しておりません。翌日の朝も現場に確認に行きましたが、そのときは濁りもなくなっており、魚の死骸については確認しておりません。
考えまするに、これは一時的に酸欠状態になったものではないかなというように理解しております。もちろんその後も死骸が新しく出ているわけではございませんので、一時的な酸欠状態だったと思います。それは、タンクの水がオーバーして、そして、数カ月間使われていない全長880メートルぐらいの管があるわけですが、通常そこが使われていないために管内に付着していたスケール──湯の花でありますが──剥離して濁水となって旧河川へ流れ出るというようなことになったために、湯の花などが一時的に流れたために酸欠状態になったのではないかなというふうに想像しております。
◯13番(柿木原 榮一議員)
想像では仕方ないんですが、魚の回収がなされておれば、魚のえらの詰まりの状態、採水ができていたら──水温が高ければ飽和溶存酸素量が少なくなる傾向がございます──水温が高ければ溶存酸素の量が少なく、呼吸困難か、はっきりした原因究明もできたと思います。焼酎瓶でもいいですし、流れてくる水で瓶を何回かすすぎ、採水ができて分析できたと思うが、その方法は考えられなかったのかお伺いいたします。
最初に行かれた建設課との連携はどうなっているのか、連絡は担当課にはどこから入ってきたのかお伺いいたします。
◯環境政策課長(牧山 光徳君)
採水につきましては、我々も同時にいたわけですが、菱刈鉱山の職員の方が橋の上からロープで垂らされまして、バケツで採水をされました。それで、菱刈鉱山と河川事務所のほうが河川管理ですので我々が持って帰って分析をしますということでしたので、菱刈鉱山と河川事務所のほうが持ち帰られて、後もって専門の分析の機関のほうに出されております。
あと、建設課との連携につきましては、私の携帯に河川事務所のほうから連絡が入りましたので、環境政策課の職員2人にすぐ向かうようにということで連絡をしまして、私は自宅からでしたので家内に送らせまして現場に急行しました。そのときには伊佐警察署、それから消防署の菱刈分遣所、それに河川事務所の所長と近藤さん、それから建設課の職員が2人おりました。ちょっとその日は鉱山が休みでございまして、なかなか鉱山の方々は連絡がとれにくかったみたいですけれども、その後、鉱山の担当の方々も逐次来られまして、原因を鉱山のほうから説明をされたという経緯でございます。
◯13番(柿木原 榮一議員)
経過を説明していただきましたが、本当に一体化しているのかなと思いながらですね。ここに政策課からいただいた通常の排水の検査証と、今度、8時25分に河川で採水されたものの計量証明書がございますが、この数値は向こうが調べた数値ですので言えませんが、この数字を見てどのように思われておられますか。
◯環境政策課長(牧山 光徳君)
分析の結果につきましては、酸化鉄につきましては、先ほど市長が申しました湯の花だというふうに思っております。このヒ素の0.12という数字につきましては、一時的に45立米のお湯が流れ出しましたので、その分、分析結果でヒ素に大きい数字が出たというふうに考えております。
◯13番(柿木原 榮一議員)
今、環境政策課長の答弁でしたが、この数字は環境基準が0.01ミリグラム/リットルですね。排水基準は0.1ミリグラム/リットルのはずです。こういう数字自体、通常のpH──水素イオン濃度ですね──が8近くあるんですよ。そうしたときに、空気中の酸素が混ざれば鉄分は共沈します。それにまたほかの金属も共に沈む性格があるんですよね。こういう数字が出たということは、かねてから検査並びにそういうタンクの状態を把握をされておられるのか。また、市長はこの菱刈泉熱開発有限会社の代表取締役社長でもあるんですが、菱刈泉熱開発有限会社のタンクの異常時の対応はできているものかどうかですね。
通常の排水状況の分析書も担当課からいただいておりますが、タンクの外には──先ほど申しましたように、排水時のpH(水素イオン濃度)が8近くありますので、空気中の酸素と化合して2価の鉄イオンから3価の鉄になって沈殿したものだろうと思います。その付着したというのは湯の花とかそういうのじゃなかったんだろうと思います。そのために湯之元橋下で採水されたものは鉄、ヒ素が大きかったんだろうと思います。タンク内の定期的搬送をしたり処理が必要と思うが、今までのとおりで済ますのか。
これからもいろんな大会が開催されます。市外からも来られますが、着色した河川の水を見て不快な気持ちを持たれないか心配です。市民が安心できる管理に何か策があるのかお伺いいたします。
◯市長(隈元 新君)
タンクの管理につきましては、Eタンクの水系に新たにインターロック(安全装置)を取りつけまして、異常時には温水ポンプを自動的に停止するように、今回を機により安全な対策を行っているところでございます。
◯13番(柿木原 榮一議員)
温泉の湯の供給元も伊佐市、地元とも一生懸命、共存共栄をしておられますので、今言われましたように、インターロックとかそういうのをしていただくということですが、いつまでにそれが可能か、収支決算を見ますとなかなか余裕はございませんが、その辺はどのようになりますか。
◯地域総務課長(森田 和明君)
今現在、安全装置を取りつける作業をしています。部品が整えば今週中には運用できるというふうに聞いております。
◯13番(柿木原 榮一議員)
もう注文をして活動に入っておられるということですが、タンクの下にたまります共沈物はどのようになさるつもりですか。定期的に引き抜きをして処分をされる予定なのかお伺いいたします。
◯地域総務課長(森田 和明君)
そのことにつきましては鉱山のほうから詳しく聞いていませんので……(「いや、違うよ。伊佐市長はこれの社長でしょう。」と呼ぶ者あり……13番議員)
◯市長(隈元 新君)
これにつきましては、技術的には全て菱刈鉱山のほうが行うというような約束になっております。
◯13番(柿木原 榮一議員)
疑惑を持たれないように、そういう技術的な面もやっぱり連携をとりながらやっていかないといけないと思っております。
今までは人間の関係からでございましたが、水環境、生態の保全からはどう思われておられますか、お伺いいたします。
◯市長(隈元 新君)
今までも採水をしながら環境基準を下回るようにやっておりますので、水環境の点から配慮していくのは以前と変わりございません。
今回の場合は要するにオーバーフローをとめるインターロックがなかったためにあふれたわけでありまして、このことは途中の排水路にたまったものを一遍に押し出しながら河川に出るということを考えておりませんでしたので、一気に河川に出てこのような酸欠状態になったものではないかというふうに思料されるところであります。そういうことが起きないように、インターロックをつけることによってまずはオーバーフローをしない、自動的に停止するというようなことに今回、改善するわけでございます。
◯13番(柿木原 榮一議員)
私自身は事件だろうと思いますが、事故という観点みたいなふうでございますが、水生植物、魚の観点から、やっぱり有限会社も考慮しながらやってほしいと思います。
それと、市指定文化財のチスジノリが下流に自生しているが、保護に影響は出ていないのかお伺いいたします。たびたびこういうのを目撃されたり、排水が着色されたり、白色の関係、ありますが、よろしくお願いいたします。
◯市長(隈元 新君)
それについては影響は出ておりません。これは毎年、映像でもって私たちに報告がございますので、影響ないというふうに思っております。
◯13番(柿木原 榮一議員)
やっぱりヒ素になりますと、I3、AS2O3だったですかね、I3関係の飼料、それと食品に対しての量は違ってきますので、特に市指定の文化財でございますので、注意しながらやっていただけたらと思います。それこそいろんな大会が今から催される予定でございます。ほかの方が見られたら着色している排水並びに水が特に目につきます。その辺を御留意しながら適正な施設の管理をお願いいたします。
次に、学力向上と色覚検査等について質問します。
鹿児島県教育委員会義務教育課によりますと、全国学力テストが始まった2007年度以降、全国平均と比べ、小学校のB、中学校のA、Bとも──これは算数・数学、国語だったと思いますが──課題がある傾向が続いているとのコメントが南日本新聞紙上に連載されましたが、伊佐市の平成25年全国学力・学習状況調査(学力テスト)の状況についてお伺いいたしますが、私は立候補するときに子どもの学力向上をということをうたっておりますので、よろしくお願いいたします。
◯教育長(森 和範君)
全国学力・学習状況調査の学力テストは小学校6年生と中学3年生が受験するものでございまして、これも一部の教科だけを学力テストで見ていきますが、国語と算数ですが、国語の中においては、AとBに分かれまして、Aは知識、理解、技能、そしてBは活用力ということになりますけれども、本市の平均通過率を見ますと県、全国の平均通過率との差は全てにおいてプラスマイナス5ポイントの範囲内にありますので、全国平均並みの学力はあると考えられます。昨年度の結果と比べても、ポイントが下がったのは中学3年の国語Bのみで、あとは全て、昨年度より少しずつでございますが、上がってきております。
ただ、厳密な数字で見ていきますと、小学6年生については、市の平均は全てにおいて全国平均、県平均を下回っております。ただ、全ての学校が下回っているわけではございません。上回っている学校もあれば、下の学校もございます。中学校においても市平均は全て全国・県平均を下回っておりますが、これも全ての学校が下回っているわけではなくて、上回っている学校もあるし、下回っている学校もございます。また、先ほど、県でもそうでしたけれども、本市においても、小学校も中学校も国語Bにおいては平均との差が大きいということが言えます。
各学校では、自校の結果を分析し、そして対策、改善策を早急に立てて、既に指導法改善に取り組んでいるところでございます。
◯13番(柿木原 榮一議員)
なかなか学力のほうも目に見えないゆえ、全国の平均からして5ポイント内に入っていると言われますが、先週いただきました、やっぱり少し落ちるのかなと思いながら見ておりました。
11月16日の新聞紙上で、全国学力テストの学校別結果の公表は市町村教育委員会が適当と判断を示せるということでした。条件つき公表であるが、伊佐市教育委員会の判断はどうなっておりますか。
◯教育長(森 和範君)
11月16日の新聞では下村文部科学大臣が発表されましたけれども、正式には11月29日に「平成26年度全国学力・学習状況調査に関する実施要領」というものが文部科学省から出されまして、その中で、結果の公表について、実施要領に定める配慮事項に基づき、市町村教育委員会においてそれぞれの判断で個々の学校名を明らかにした調査結果の公表を行うことは可能であるということでありますけれども、本市の場合、極小規模校もございます。この学校別の公表をした場合に子どもたちの特定、また推定がされる可能性もございますので、各学校の状況等をよく鑑み、また、学校名を公表するか、または何か記号であらわすか等、今後、各学校の意見を聞き、また、教育委員会でどのように公表したほうがよりよい効果をもたらすのか、またどのような影響があるのかというのを考慮しながら対応していきたいと思っています。
◯13番(柿木原 榮一議員)
影響を考慮しながらということですが、小規模校であっても学力テストのいいところもあるんですよね。教育委員会の知事、市長からの独立性の問題も考えられる御時世ですが、鹿児島県教育委員会及び伊藤祐一郎知事は文科省の全国学力テスト成績公表についての意向調査に対し市町村教育委員会による学校別公表を容認する回答をやっておられますが、学校別結果の公表を市長はどう思われますか。
◯市長(隈元 新君)
私が議会で個人的な答弁をするのは差し控えさせていただきたいと思います。公表するしないというのは教育委員会の方針にお任せしなければやはり教育の公平性や平等性を失うことになりますので、私としては教育長のほうの御答弁を支持してまいりたいと思っております。
◯13番(柿木原 榮一議員)
教育委員会の公表並びに検討を支持してまいりたいということですが、伊藤知事自身も県の教育委員会の、それは是だということでされておられます。ベターな答弁かなと思いながらお聞きしているところでございますが、財政とか予算、そういうのは市長が判断を持っておられますのでですね。
伊佐市の平成25年度全国学力・学習状況調査の公表は例年3月であります。遅いと思うが、平成25年のうちに公表できないのか。中学3学年は高校入試、卒業式があってからになるが、保護者も地域の方々も現状がわかるのが遅くなりますが、その可能性はないのかお伺いいたします。
◯教育長(森 和範君)
先ほど極小規模校であっても学力はとかいろいろありましたけれども、その学校の規模において学力の云々ということは私どもは考えていませんので御承知ください。
それから、ただいまの御質問は、全国学力・学習状況調査の結果公表を早くできないかということでございますけれども、各学校においては、先ほど申し上げましたように、自校の結果等を分析し、既に改善策を立てて実施しております。改善策を進めているところでありますから、数字等はしっかり分析もされているわけでございますが、ただ、公表するということについては、公表の仕方として当然、学校ごとではなくて、市全体の平均という形になります。そうなりますと、1月に実施します県の「基礎・基本」定着度調査、これは小学5年生と中学2年生が対象でありますので、これらを総合的に一緒に公表したほうが全体の流れがわかりやすいのではないかということで、これまで3月に全国学力・学習状況調査の結果と県の「基礎・基本」定着度調査を公表しておりました。ですから、今年度もこれまでどおりに3月に、全国学力・学習状況調査の結果と、それから県の「基礎・基本」定着度調査の結果を合わせた形で全体的な流れを市民に公表していきたいと考えております。
◯13番(柿木原 榮一議員)