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  1. 伊佐市議会 2008-01-19
    平成20年第1回定例会(第5日目) 本文 2009年01月19日開催


    取得元: 伊佐市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-28
    2009年01月19日:平成20年第1回定例会(第5日目) 本文 ▼最初のヒット発言へ(全 0 箇所)                △開  議△(10時00分) ◯議長(丸田 和時議員)  おはようございます。  これから本日の会議を開きます。 ◯議長(丸田 和時議員)  日程第1、これから16日に引き続き一般質問を行います。通告に基づき、順次発言を許します。  まず、19番 山下 親志議員の一般質問を許可します。  19番 山下 親志議員。 ◯19番(山下 親志議員)   登  壇  皆さん、おはようございます。  私は、さきに通告いたしました2項目につきまして質問をいたします。  まず1点目は、農地・水・環境保全向上対策事業について質問をいたします。  この事業は、農政改革の柱の一つとして、近年の過疎・高齢化、混住化等の進行に伴う集落機能の低下により、農地や農業用水地域ぐるみで守る活動を国が支援する新しい画期的な事業として平成19年度本格実施となり、本事業が始まって2年目に入っております。現在、県内で490地区が取り入れて、農業者、非農業者も参加して本事業が展開されておりますが、これまでの伊佐市の実践状況と成果について、また、今後の取り組みについて市長に伺いたい。  2点目は、雇用不安対策についてですが、アメリカ発金融資本主義の本格的な崩壊は、実体経済ではなく、金融中心というマネーゲームの行き着く果てを示しました。しかし、このことが実体経済に及ぼす影響は世界的に大きく、国内、県内はもちろん、伊佐市内の企業でも、急増する非正規労働者ばかりではなく正規労働者にもリストラの大きな影響が及びつつある中で、近隣の市、町では雇用対策本部緊急対策会議が開かれておるが、伊佐市での状況について、市長の明確な見解を伺います。 ◯市長(隈元 新君)   登  壇  おはようございます。  2点について御質問いただいておりますので、1点目の農地・水・環境向上対策事業についてまずお答え申し上げます。  この事業は、平成19年度から23年度の5年間を期間として農水省で立ち上げた事業でございます。この事業に至るまでは、農業に関係ない方が環境に関してどのようにかかわりを持つことができるかということから、農水省だけの問題としてはとらえるわけにいかず、環境省を初め、経済産業省あるいは厚生労働省を含む複数の省庁にわたる事業になる可能性もあったわけでございますが、主なものが農地ということで農水省が主管になりました珍しい事業でもあるというふうに理解しております。  この事業を採択されるまでの間のいろんな話を当時の国会議員や、あるいは霞が関の関係者から聞いたことがございますが、この事業が国で決まるまでには、財務省からのかなりのクレーム、この事業の実行効果が上がるかどうかというのに対する疑問が大変出されていたことを今記憶しております。  そのために、事務事業報告事務というのが大変複雑で細かなことにわたり、事務局を担当する方に大変御迷惑をおかけしたというのが初年度の19年度でございました。20年度になりましては、そこを大分緩和して、数項目にわたるということで報告項目というのをある程度整理しまして、今は事務のほうも大分軽減されたとは思います。しかしながら、やはり国の50%の助成、そして残りの2分の1を県に助成してもらうという、そういうような性格からしまして、報告あるいは監査等に関しましてもまだまだ厳しいものがございますが、有利な事業でございますので、それを乗り越えまして、大口地区で23地区、菱刈地区で4地区の27地区が対象区域となって行われております。
     近年の過疎・高齢化、混住化の中でどのように集落機能を上げていくか、農地、水の資源の保全管理をしっかりするか、そして農村や環境に対する国民の関心をいかに持っていただくか、そういうこと等がこの事業の効果の一つになっております。これはたしか、熊本市郊外の天明土地改良区というのがその最初の模範となる改良区として検証され、そこをモデルにしてつくられたということも聞いております。  当然、私ども伊佐地域のほうも、こういうようなことに対して事業が行われる前にさまざまな事情をお聞きになる機会がございましたので、この事業が国で決まったときには本当に喜んだことを記憶しております。  現在、対象面積が2,802.8ヘクタール、事業費が1億2,052万9,000円となっております。19年度は初年度の活動でございまして、共同活動として用水路の土砂除去、農道の草払い、農道の整備、ため池等施設管理などを実施し、農村環境向上活動として、生き物の生育状況調査などが行われました。20年度に基礎部門活動である草払い、土砂除去取り組みを行いながら、誘導部門活動を重点的に行う方針でありました。これは水路、ため池などの施設の機能等について診断を行い、施設の早期補修、長もちを図る計画でありました。  この施設の補修や長もちを図る計画につきましては、この事業が始まる前、あるいは始まって当初の19年度では、そういう事業を認めていただくというのに工夫が要るということをなかなか理解していなくて、使い道が非常にうまくいかないというような状況もありましたが、先ほど申し上げました基礎部門を必ずやることで、誘導部門という名前に位置づけまして、この施設の補修や、あるいは長もちのための計画というのができる、あるいは災害に備えての予防的なこともできるという、そういう誘導部門というのの理解が行き渡りまして、20年度はこういうことが取り組めてまいっております。  21年度は、そういうことを実績としまして、水路の土砂除去や草払いなどは当然基礎部門としてやりながら、そして、誘導部門にさらにできることを追加するように関係機関と協議しながらやっていく、そういう診断作業等も軌道に乗せるように指導を図る計画でございます。  農地・水・環境向上対策につきましては、以上でございます。  続きまして、雇用に関しての御質問でございます。  世界的な不況の中で、日本の雇用にも大きな影響が出ております。伊佐市としましても、電子部門系を中心に雇用不安が出ていることも、新聞報道で御存じのとおりでございます。ただ、私どものところは、食品関係等々の企業に関しましてはさほど大きな影響というのがないように思われますが、そういう中でもやはり金融機関の資金の貸し出し等々をも影響するわけでございますので、雇用に全く影響がないというわけではないと思います。今のところは、情報収集に努めております。後もって現在の状況につきまして担当課長のほうから答弁いたさせますが、むしろ食品関係の企業が電子部門関係で雇用解雇された方のうちから数名を中途採用で雇用していただいているケースもございますので、産業界、経済界の中では労働力を流動的に扱っていただいているのかなというふうに思います。  市自体としましては、合併をして当初でございますし、まだ私どもの仕事というのも固定していない状況でございますので、仮に1カ月から3カ月の短期の雇用につきましても、まだ正式には応募を出していないところであります。今後情報収集に努めてまいりたいと思います。  農業の雇用につきましては、県の指導等もありまして、今後、2月に入りましたら会議等を持ちながら、農業法人等に雇用の創出というのをいかにしていくかということを話し合いたいと思っております。  以上でございます。 ◯地域振興課長(水野 正信君)  それでは、補足してお答えいたします。  市内の企業の現在の状況でございますが、市長のほうから答弁がありましたとおり、電子関係の会社、ここら辺が、会社を回ってみますと、これまでに経験したことのないことだということで、今回の状況については、全く先が見えず、先行き不安というような状況でございます。しかしながら、食品関係繊維関係の部分が、不安そのものはあるわけでございますが、電子部品に比べて若干安定しているのではないかなということでございます。  企業の情報等につきましては、総体につきましては先般お答えをさせていただきましたが、個々の企業名につきましては、企業情報ということでなかなか皆さん方のほうに公式にお伝えができないところが若干歯がゆいところもあるわけでございますが、回ってみますと、企業としてはそういう状況。  それから、市内の高校等につきましても調査をしておりますが、伊佐農林高校だけが8名まだ進路が決まっていない。決まっていない状況を確認しますと、女子生徒で、地元に残りたい、正式に雇用されなくても、パートでも頑張っていきたいというようなことで、地元志向が強くて決まっていないという状況でございます。  それから、正規社員までのリストラ、そこら辺の情報についてはどうかというお尋ねでございますが、今後厳しくなればワークシェアリング──時間短縮をしてみんなで仕事を分け合っていく方向等については検討されている企業もありますが、今のところ、正規社員リストラという情報は得ておりません。  企業の情報につきましては、今後も巡回をして情報収集という部分も非常に必要かなと思いますが、企業さんによりましては、私どもが訪問することによってやっぱり事務所の空気等が緊張するというようなこともありまして、お互い声を知っているから電話で情報交換をしましょうということで情報交換をしている企業もあります。今言いましたとおり、私どものほうで的確に情報をとらえまして、市のほうで対応できる分については、今後の状況を見て対応していきたいと思っております。  以上でございます。 ◯19番(山下 親志議員)   登  壇  この農地・水・環境向上対策事業についての質問は、1月16日の久保議員の質問の答弁とただいまの市長の答弁で、これまでの伊佐市の実践状況については少しはわかりました。  この事業については市長はよく認識されていると思いますが、本事業は、運営や会計事務は精通したプロの人でなくても、事業申請や会計の管理がだれにでもできます。非農業者、PTA、学校、校区公民館消防団等、農業者以外の各地域に暮らす皆さんと一緒になって、農業用ため池やパイプラインの施設管理、排水路や農道、農地を守りながら、共同活動と環境に優しい先進的な営農活動を国が支援する事業で、これまで旧菱刈町では、菱刈新田や太良新田、また、各校区の住宅地周辺幹線用排水路等に土砂が堆積しているところで人力で撤去できないところは、現地確認の上、本事業で外注費をもって重機等で撤去できるとのことで、各集落で大変喜ばれております。  交付金も、国が50%、県が25%、市が25%の全額負担で、各集落の農地の耕作放棄の防止、また、農村環境構造活動として、生き物生育状況の観察や景観作物としてヒマワリやコスモスの種まきなど、各集落の持つ多面的機能を確保する目的もあり、また、現在直面している高齢化、後継者不足などで疲弊し切った農業、農村を維持し、活性化するためにも、本事業を最大限活用する必要があると思うが、市長の見解を伺いたい。  この雇用不安対策についても、これまでの8名の議員の関連する質問への市長の答弁で少しはわかっておりますが、ここ数カ月の各企業の雇用状況の急速な悪化はどうしたことでしょうか。短期間にこれほど非正規労働者が解雇されたことはこれまでに記憶にないようです。  昨年暮れから現在まで約9万人が解雇され、解雇された9割が再就職できていないそうです。本年度3月末までに失職する労働者は25万人を超えるとのことです。県内近隣の市、町でも、100人単位の解雇が相次いでおります。伊佐市内でも、半導体製造業の企業を初め建設業などは受注数が減り、経営難で多くの人がリストラされております。  市長はこのような雇用不安に対処するため、12月22日の課長会議雇用対策を話し合い、契約解除された派遣社員について、医療や福祉分野への紹介や市役所でのワークシェアリングを検討したとのことだが、これまで何名ぐらい紹介されたのか、また、市役所に何名ぐらい臨時職員としての雇用を考えているのか、このほかに何か雇用不安対策を考えているのか、市長に伺いたい。 ◯市長(隈元 新君)   登  壇  農地・水・環境向上事業につきましては、これが23年度までの5年間の事業でございますので、ちょうど21年度がこの5年間の折り返し点に入るわけでございますので、今までの効果を十分に評価しながら、折り返し点の後をどういうふうに計画的にできるかということを再構築する、そういうこと等の時期にこの21年度がなっていると思います。したがいまして、御提言いただいておりますように、多面的な効果や、あるいは山間地域、あるいは高齢者の多い地域、そういうところに最大限に効果が及ぶように活用してまいりたいと思います。  と同時に、これの範囲に入っていない地域というのがありますので、その地域につきましては、この5年間の途中から入るというのはかなり厳しい状況がありますので、村づくりや、あるいは中山間地や、そういうようなこと等を活用した単独のほかの事業というのも考えなければいけないかなというようなことも考えております。  折り返し点ということもあって、次の24年度以降というのをどういうふうに要望していくかということもありますので、そういうことを念頭に置いた21年度になるというふうに思っております。  雇用関係につきましては、企業間でそれぞれ受けていただいたのは、6名の方は私が直接お聞きしておりますが、それ以外では、私が情報として得ているものは今のところはございません。  臨時職員につきましては、私どものところで雇用に関しての職員をどの分野に何名必要であるかということ等をまだ出していないところであります。この草払い等、そういうことに関しては、今現在お働きになっている方、そしてシルバー人材センターに委託を出しているもの、そしてCクラス、Dクラス、そういうような建設業者に季節的に出しているもの、そういう等々がございますし、特に草払い等につきましては、時期的に今は事業が集中するときではないということもありまして、臨時職員としての雇用の創出というのが、今のところできないところでございます。  契約雇用リストラされた方の御要望というのが特別に市のほうに、先ほど答弁いたしました私どもの地域振興課や、あるいは総務課等には具体的、直接的にはまだございませんので、これからそういう情報を集めて整理していくことになろうというふうに思っております。  建設業等につきましては、16日にも御答弁申し上げましたが、今回のこの金融恐慌から起こる解雇というよりも、平成11年をピークとして、この20年に至るまでの間に約半減している従業員の削減でございますので、これは公共事業等がなくなるのと関係した現象でございますので、このことはまた建設業をいかに活性化させるかということで、雇用をしていただくような建設業になるような仕事の創出というのをしていかなければならない問題だというふうに認識しております。  以上でございます。 ◯19番(山下 親志議員)   登  壇  この事業につきましては、本事業が2年目に入ったばかりの昨年4月の時点で、旧菱刈町の4地区の協議会の4名の会長から議会に、町内全集落で大変喜ばれているから、平成24年度以降もさらに継続してほしいという強い要望があり、旧菱刈町議会12名で昨年5月15日に東京の小里代議士に、川内川改修の川間川と曽木の滝分水路の早期着工とあわせて本事業の継続に向けての要望もいたしたところです。小里代議士も、昨年11月19日に衆議院農林水産委員会で、平成24年度以降もこの事業の制度は当然継続して、さらに充実、拡大をさせていくべきであるとの質問をされております。  この事業につきましては、旧菱刈町では4地区の範囲の全集落で活動がなされておりますが、旧大口市ではまだ集落全体を挙げて取り組んでいないということです。特に山野地区が取り組んでいないようです。この事業は、中山間直接支払を受けている地区も、追加申請をして活動内容を分ければ重複できるとのことです。本事業の連絡協議会懸案事項等について十分話し合いをされ、そして、行政から各集落に助言、指導していただいて、本事業を伊佐市全集落で取り組んで足腰の強い集落をつくって、集落の活性化、現在衰退している伊佐市の農業・農村の活性化を図っていくためにも、今後もこの事業をさらに推進して、そして継続していただきたいということを強く要望いたします。  雇用対策につきましては、市長は、今のところは雇用は市役所ではできていないということでございます。100年に一度の大不況とも言われる中で、派遣社員期間従業員契約打ち切り卒業予定者就職内定取り消しで正月どころではなかったという不安な気持ちで新しい年を迎えた人々が、私の調べでは伊佐市でも100名を超えております。さらに、ことし3月末までに県内では約800名が雇いやめになり、会社の倒産や雇用調整により正社員の離職も相次ぎ、近隣の市や町の企業に通勤している人を含めると、伊佐市内在住者で約250名が3月末で職を失うとのことです。  現在、私たちの周りでは、昨年12月初めごろから、就職内定を取り消されたとか、12年前につくった家のローンを払えなくなったので親と小さな家で暮らすから不動産屋を紹介してくれとか、水田70アールと畑20アールを耕作しながら湧水町の企業で派遣社員として11年間頑張っていたが、昨年12月15日に解雇通告を受け、仕事も見つからず、4月から1家4人とも大阪に行くから田畑を農業委員会に10年間の契約であっせんをしてくれとか、どんな仕事でもよいから見つけてくれ等の相談ばかりが毎日増えております。もちろん、これは私だけではないそうです。  このように、伊佐市においても多くの人が不安や危機感を抱いております。このような人々の不安を克服するには、市長の果断なリーダーシップが不可欠です。伊佐市独自にできる対策、対応は臨時職員の雇用ではないでしょうか。  国も、緊急雇用対策を実施した自治体には特別交付税で支援するとのことです。現在、伊佐市の臨時職員は147名です。3月の切りかえの時期が迫っております。この臨時職員の採用については、前々から不満が続出しております。例えば、旧菱刈では臨時雇用は3年となっていたが、最近ではそうでなくなっている。既に70歳を過ぎて高額の年金を受給している人や、子育てを終えてそれなりの所得があるのに同じ人を10年以上も採用している等々です。ただでさえ雇用の少ない地域です。解雇や契約解除などにより職を失った人たちや子育て中の若い人たちに──市長、お互いさまです──公正公平に伊佐市の臨時職員として働くことができるように、市長に強く要望いたしまして、質問を終わります。  市長、何かございましたら。 ◯市長(隈元 新君)   登  壇  農地・水・環境事業でございますけども、この件につきましては、旧大口市と旧菱刈町の場合、この事業の最初のスタートのときに土地改良区との関係やほ場整備事業との関係で若干違いがございましたので、今この23年度までにおいてはなかなか統一化というのは難しいと思いますけども、24年度以降、この事業が2期目に入るときには何らかの調整が必要かなというふうに思っております。これは過去の今までのいきさつがございますので、それを勘案しながら今後進めさせていただきたいと思います。  そこで、山野地区につきましては、当初、土地改良区の中でのまとまりがなかなかつかずに、事業のスタートの時点で乗れなかったというのが一つありますし、途中から追加的に入れるようにということでいろいろ話し合いも持っていただきましたけども、現在に至っております。  それで、山野地区に限りませんけども、この5年間の中でこの事業に途中から入るとしました場合、21年度ののが実質的にはもう締め切られておりますので、あと22年度、23年度の2年分を仮に入るというふうにしました場合、24年度から以降については今のところ国庫補助はないということで、県の補助というのもほぼ難しい、未定という状態でございます。そうしますと、22年度、23年度の2カ年は補助が受けられたとしましても、後残る3カ年というのは全額市の単費ということになりますので、大変な負担になると思います。そういうことで、23年度までの間に追加的に入れてするというのはかなり厳しいところがありますので、それを補完するために、農道にしましても、水路にしましても、村づくり、あるいは中山間地、あるいはほかの単独事業で個別に考えていかなければならないことかなというふうに思っております。  また、今後の24年度以降につきましては、これは最初の1回目の御質問でも御紹介いたしましたが、最初、これができますときに、農水省はこの事業について財務省からかなり厳しくチェックを受けております。それは、どうしても縦割り行政でございますので、農業者だけではなくて農業者以外がこれにかかわるということについて財務省が大変なクレームをつけております。したがいまして、24年度以降事業が継続されるようにするためには、私どもの実績を示して、その効果というのを証明する、そういうような強い要望活動が必要かと思っていますので、御意見等を賜りながら、今後運動してまいりたいと思います。  雇用につきましては、緊急対策が打たれ、私どもがどの程度その中身を使えるかということによっても考えなければいけないと思っております。ただ、市の臨時職員につきまして、私どもが、臨時職員、パートを含めてかかわる職員の総体を少なくしていく、合併することによってスリム化していくという方向に向かっておりますので、その中から雇用を創出するというのは、短期的には考えなければいけないと思いますが、中長期的にはかなり厳しいものがあると思います。仕事の内容によりましては、建設業やシルバー人材センターや、そういうところを圧迫しないような形も考えなければいけないと思っております。  また、臨時職員につきましては、今、だれでもがやれる臨時職員の仕事と、ある程度の技術や知識が必要とされる、そして、中には、市の職員の中でその段階までの技術といいますか、スキルといいますか、それがない状態のところがあります。例えば、情報関係、コンピューター関係がそれに入るわけですが、そういうところにかかわる臨時職員と言っていいんでしょうか、委託的に委嘱している方々については、どうしても長期的になる可能性もございます。しかし、だれでもできるというものにつきましては、門戸を広げてやっていかなければならないと思っております。  基本的には、この雇用問題は中長期的に考える必要がありますので、高齢者が多い私どものまちでは、あるいは障害をお持ちの方々等々を考えた場合に、病院や、あるいは介護施設や、あるいはそれに関連するような職場でもって仕事ができるような状態というのをつくるのがこのまちの特徴ある雇用じゃないかなとも考えております。そのためには、ヘルパーの資格の取得や、あるいは准看護学校でのさらに一歩進んだ技術の取得、そういうのにかかわる人材になっていただくように市が支援するという、そういうことが中長期的には大切なことかというふうに思っております。  以上でございます。(「期待した答弁ではありませんでしたが、終わります。」……19番議員) ◯議長(丸田 和時議員)  以上で、19番 山下 親志議員の一般質問を終わります。 ◯議長(丸田 和時議員)  次に、12番 柿木原 榮一議員の一般質問を許可します。  12番 柿木原 榮一議員。 ◯12番(柿木原 榮一議員)   登  壇  おはようございます。議長の発言の許可が出ましたので、通告書に従って質問をさせていただきます。  伊佐市の環境行政についてを第1点目といたします。  1番目に、19年度、20年度の伊佐市区域の水質汚濁に関する環境基準類型指定状況並びに公共用水域の水質状況を、議案34号で議会で解散が議決されましたが、今回が最後の調査結果であろうと思いますので、せっかくでありますので、姶良伊佐環境保全センター管理組合の監視調査から御報告願いたい。例えば、河川におけるBODの環境基準達成状況は該当類型が川内川の曽木の滝から上流でA類型でありますが、どうなっておるでしょうか。  CODと燐が指定されておりますが、湖沼におけるCOD及び全燐の環境基準達成状況で、鶴田ダム貯水池についてはどうなっておられるのかお聞きいたします。  3点目に、平成20年3月31日現在の水質汚濁防止法に基づく届け出状況は。これは県になされると思いますが、伊佐市で把握されている届け出数。そのうち排水基準──昭和49年に改正がなされておりますが、排出量が1日当たり50立米以上、一部上乗せ排水基準適用水域が30立方メートル以上──適用の特定事業場を、できますれば昭和49年10月11日公布・施行されました区分別の、昭和49年10月11日以前、以後設置された特定事業場それぞれの事業数の把握をお願いいたします。  私も用水路の係をしていますと、今特に苦情を言われるのが、小規模事業場の排水です。小規模事業場排水対策では、非特定事業場、法及び条例の適用を受けない事業場ですね、の指導体制について、既存の指導方針と併合した鹿児島県の小規模事業場排水対策指導方針が策定されております。県、市町村及び事業者の役割を示しているが、伊佐市はどのような排水処理対策の推進を図っておられるのかお聞きいたします。  5番目に、騒音、振動、悪臭等の苦情件数の状況と、騒音に関する環境基準の類型指定地域の旧菱刈町の伊佐市としての取り扱い及び騒音規制法に基づく地域指定状況では、旧大口市は区分域が第1種から第3種まで、旧菱刈町では区分域が2から3種であるが、今から変更はないのか、この点をお聞きいたします。  6番目に、一昨年だったと思いますが、植樹祭の折、楠本川だったので川を見ましたら、泡立ったところ、川の生物がきれいな場所にいるものと違ったり、石や底を見たとき通常にしていなかったのでお尋ねいたします。楠本川のような県を越えての公害についての対策はどうされていかれるのかお伺いさせていただきます。  2点目は、新納忠元公の没後400年が来ますが、この点についてお伺いいたします。  市民の皆様は忠元神社は桜祭りで御存じだと思いますが、また、毎年ひょうたん祭りがやられます関白陣(天堂ケ尾)とかというところで豊臣秀吉と謁見しましたことも歴史に残っております。また、その折の「鼻のあたりに鈴虫ぞ鳴く」との問いに対しまして、「上髭をちんちろりんとひねり上げ」という句も残っております。  新納武蔵守忠元公没400年祭について、過去2回質問をしておりました。なかなか基本的な結論が前に出てきていませんので、市長に質問を向けたところでございます。2010年が大口城主新納忠元公の没後400年に当たり、節目の年でございます。  1番目に、平成19年3月大口市議会、平成20年度第2回にも質問しましたが、「忠元公を顕彰することが大変重要なことだと考えており、実行委員会の形式でやるか、どういう形でやっていくか、教育委員会の御提言を一緒に協議させていただきながら進めてまいりたい」と答弁していただいたが、どのような形になったのかお聞きいたします。  2番目に、伊佐市は主催か、後援か、協賛か、どのような形で関与していかれるのかお伺いいたします。  平成20年度の10月までの大口市の教育行政には、基本方針として、ふるさとの先人に学ぶ方針であり、薩摩の心を生かしたいと、「二才咄格式定目(にせばなしかくしきじょうもく)」を記載してあります。現在語で、1番目に、まず武道を修練せよ、2番目に、いつも武士道については討論せよ──これは哲学もだろうと思います、3番目に、よその人と用件外の長話、無駄話をするな、4番目に、組織内では十分に話し合いをせよ、5番目に、友達であっても悪口を言うな、6番目に、わからないときは自分勝手な行動をせず、話し合って行動せよ、7番目に、うそを言うな、8番目に、忠孝の道は口先だけでなく人におくれないように実行せよ、9番目に、山坂に負けない体力をつくれ、10番目に、「二才」(青少年)とは年齢、体格、服装でなく、精神と実行力だ──と、今の大人にも通用する言葉であります。忠元公の残した教訓「二才咄格式定目」は1596年正月につくったものとされておりますが、薩摩の教育に脈々と伝わり、優れた子弟を育てるもととなったものであります。また、青少年育成に、徳育にどのように活用されるのかお聞きいたします。  財政難でもありますが、浄財を集めなければなりませんが、骨格をどのようにされるのかお聞きいたします。2010年までに1年しかございません。2年前から提言をやっているのに、どうお感じになっているのかお伺いいたします。世界的な状況により、昨年よりいろいろと浄財を集めにくくなっておりますが、どのような感覚でおいでかお聞きいたします。  1回目の質問といたします。 ◯市長(隈元 新君)   登  壇  まず最初に、環境行政のほうにお答え申し上げます。  曽木の滝から上流におけるBODの環境基準達成状況でございますけども、姶良伊佐環境保全センターから届いたデータによりますと、19年度はBODの環境基準に達成していない河川がございます。5カ所程度だと思います。20年度におけるBODの環境基準ではほとんどの河川で改善が見られましたが、原因は今のところ判明しておりません。この時点では1カ所というふうに理解しております。  鶴田ダムの貯水池のCOD及び全燐の環境基準達成状況でございますが、鶴田ダム管理事務所の資料によるわけでございますけども、鶴田ダム湖におけますCOD(化学的酸素要求量)は、6月から10月にかけて環境基準値を超過しております。鶴田ダム湖における全燐は平均値で、おおむね良好でありますが、夏場は流入水で少し超過し、特に6月に超過しております。  排出基準適用の特定事業場の伊佐市で把握している届け出数、これは姶良保健所によりますが、先ほど御質問の中にもございましたように、これは届け出は監督官庁が鹿児島県であるということもありますが、伊佐市を統括する姶良伊佐振興局の姶良保健所のデータによりますと、特定事業場が旧大口市で84カ所、旧菱刈町で56カ所の合計140カ所です。うち規制対象事業場が旧大口市で19カ所、旧菱刈町で6カ所の合計25カ所でございます。  そこで、御質問の鹿児島県の小規模事業場等排水対策指導指針というのがございます。これは監督官庁が鹿児島県ということでございますが、伊佐市は、市民からの苦情相談に応じまして関係課が連携しまして、監督官庁である鹿児島県へ連絡後、鹿児島県の指導、監督に同行しております。関係課の連携としまして、例えば、畜産事業者に関する苦情相談は環境対策課が姶良保健所、農林課が姶良家畜保健衛生所へ連絡しております。鹿児島県小規模事業場等排水対策指導指針における指導は、鹿児島県姶良・伊佐振興局、姶良保健所管内では現在のところないとのことでございます。  騒音、振動、悪臭に関してでございますけども、旧大口市の19年度のデータになりますが、騒音・振動が4件、悪臭が指定区域外の苦情・相談件数が3件でした。20年度に入りましては、騒音・振動の相談、苦情はありませんが、悪臭に関する規制区域外の相談、苦情が増加しております。この騒音、振動、悪臭等に関する指定区域は合併によっては変わらず、当面、旧両市町の指定区分区域を継承することになっております。今後は鹿児島県が首長の意見を参考に決定いたしますので、今後も連携が必要と思っております。今後は、首長としましては、議会の皆様や市民の声を受けて、鹿児島県が決定するのに必要な資料等を出してまいりたいというふうに思っております。  楠本川の件も御質問でございますが、今まで新聞報道等もありまして広く知れ渡っていることでございますが、平成12年以降はやや改善されたというふうに聞いております。また、民間等が施設改善する場合の資金の補助というのは行っていないこともありまして、施設改善は各事業所の意思によるところになります。ただ、私どもも今堆肥センターを建設したり、その中でのにおいに関する対策等については、「えひめAI」などを参考にしながら効果が上がるものというふうに感じておりますので、こういうような処理の仕方、そういうことを企業とも情報交換して、活用していただけるように指導してまいりたいというふうに思っております。  続きまして、忠元公没後400年祭でございますが、確かに節目となる時期が来年でございますので、この1、2年の間になりますので、やはり機を逸しないということは大切だというふうに思います。形をどのようにするかということは、まず実行委員会の方法でやるのが一番いいだろうというふうな答弁が今まで教育委員会側からもありますので、そういうような組織が正式に動き出していくということになります。  主催、協賛、後援、いろんなとらえ方があると思いますが、実行委員会といいましても市ないしは市の職員がかなりの部門を占めるということになりますので、主催、共催、後援、そのあたりもそのときに決めてまいりたいと思っております。  青少年への活用の推進につきましては、教育委員会のほうで答えるものになりますので、私のほうでは差し控えさせていただきたいと思います。  浄財等につきましては、厳しい今の環境でございます。近々行われる氷の祭典にしましても、スターダストにしましても、あるいは駅伝などにしましても、毎年浄財をいただいている状況がある中で、さらに加えてこのような祭りの浄財をいただくというのには大変御迷惑をおかけするとは思いますが、浄財の多い少ないというよりも、むしろ市民こぞって関心を持っていただき、自分たちで盛り上げる祭りというような考え方になっていただくためには、今の駅伝に関して無理のないところでお願いしているのと通じるものがあると思いますので、特に節目でございますので、市民あるいは企業、会社等々、あるいは伊佐市の出身の方々、あるいは伊佐市に非常に関心をお持ちの方々などにも呼びかけてやっていこうというふうに考えております。  以上でございます。 ◯教育長(甲斐 惠子君)  柿木原議員さんには、郷土の偉人である新納武蔵守忠元公の遺徳と功績をしのぶことの重要性を、旧大口市議会においていろいろと御質問、御提案をいただき、ありがたく思っているところであります。現在、教育委員会ではふるさと教育の推進を重要施策として進めておりますので、節目に当たる400年を大事にしたいと思います。  御質問の没後400年祭につきましては、伊佐市としても実施する方向で検討を進めております。詳細につきましては担当課長に説明させていただきます。 ◯社会教育課長兼図書館長(内山 和行君)  御質問の取り組みの遅れについてですが、当初から正式な活動は合併後を予定しておりましたので、時間的には問題はないと考えております。  それと、青少年育成や徳育への活用でございますが、先ほど教育長が申しましたとおり、現在、教育委員会ではふるさと教育の推進を重要施策として進めておりますので、節目に当たる400年祭を機に、小・中学生への啓発及び活用に向けた取り組みを進めてまいりたいと思います。具体的には、地元の劇団「非常口」さんによる公演とか、そういうのも小学校、中学校でできたらなということで考えております。  それから、あと、現在の取り組み状況でございますけれども、内部的にはいろいろと取り組みを進めております。昨年の10月27日には、郷土の偉人である海音寺潮五郎と新納武蔵守忠元公の遺徳と功績を顕彰する団体として海潮忠元文学歴史伝承会ができております。この会との連携をとりながら、具体的な内容を進めてまいりたいと思っています。  以上です。 ◯12番(柿木原 榮一議員)   登  壇  いろいろと報告をしていただいたわけですが、環境行政の中で伊佐市の状況を把握されていただいていることはわかりました。河川の関係もBOD等のオーバーがある、また、分析書等を見ますと、大腸菌関係も大分多うございます。そういうあれで、原因究明がされたならまたやりやすくなると思いますので、今からの行政もまた頑張って、よろしくお願いいたします。  また、鶴田ダムでございますが、全燐が環境基準を満足しておりません。県の環境白書では、19年、20年のデータがちょっとまだ回ってきておりませんのであれしますが、全燐が17年度が0.058~0.073ミリグラム/リットル、18年度が0.051~0.057というふうに、環境基準であります0.05ミリグラム/リットルをオーバーしておりまして、少しずつ悪化している傾向で、特に流入の負荷の高い宮人川での水質浄化施設計画──もとは別名ビオトープといいましたかね、汚濁の負荷の高い水を上段部の棚田に流入させ、充慎した土壌に浸透、水生植物とかそういうので、また土壌等で燐を吸着させ、棚田を下り浄化を繰り返した水を川に戻し、燐の負荷量を削減しようとして、20年度は土壌の選定試験をやられたやに聞いております。これは国土交通省の川内ダム事業所だったと思います。  これからの流域対策として、田んぼとか畑からの面田排水、畜産排水、それに家庭の生活排水並びに小規模の事業所の排水の取り組みが行われようとしておりますが、伊佐市も、堆肥センター利用での削減もありますが、一般家庭などの生活排水の改善に、合併浄化槽に国、県、市の補助金を出し、良好な生活環境の維持を図られておられます。小規模事業場の排水処理に拡大助成をされる考えはないのか。用水路で一番のトラブルになりつつありますが、どうでしょうか。  また、負荷量の高い排水が川内川、羽月川、ひいては鶴田ダムに流れ込みます。国土交通省九州地方整備局鶴田ダム管理所でも、さきに言いました事業などもやられておられますが、上流部の流域対策で、水田、畑地での有機肥料の溶出抑制で約2%、それと、畜産排水で6%、そのうちの2%削減分が先ほど言いました建設予定の堆肥センター利用、生活排水で約1%を削減したいと計画し、取り組んでおられます。流入負荷量を10%削減できる、環境基準を達成と試算しておいでになりますが、小規模事業場等の排水処理を推進されますと、環境基準もまだクリアできると思います。家庭の合併水槽の補助金制度を創設される考えはないのか、再度お尋ねいたします。
     騒音、振動の苦情状況もお聞きしましたが、全国では工場・事業騒音、建設作業騒音、道路交通騒音や、近隣ではピアノ騒音とか、いろいろないさかいも聞きます。現状を把握するために騒音計、記録計もそろえなければならないと思っておりましたが、過去はあったんですが、故障で使えない状態であります。課長等の尽力でこの騒音計、記録計というのが手に入るようでございます。ぜひ調査等に発揮できますように、騒音対策をよろしくお願いいたします。ただし、騒音計も計量法による検定もありますので、予算計上もお忘れになりませんようお願いいたします。  騒音規制法では、騒音を防止することにより住民の生活環境を保全すべき地域を知事が指定しますが、指定区域の種類が違いましたが、もし検討課題がありましたら検討して、工場・事業所における事業活動、建設作業に伴うもの、道路交通騒音対策の要請等もできますので、地域の検討を行い、行政が一元化できますように知事等に要請してください。振動、悪臭等、7項目ぐらい公害のもとがありますので、対処のほどもお願いいたします。  今度は忠元公没後400年祭でございますが、昔の悲しい戦国の歴史がありましたが、伊佐市の皆様の御理解を賜り、郷土を愛する豊かな心、生命や人権を尊重する心、他人への思いやりや社会性、倫理観や政治観など、時代を超えて変わらない価値あるものを大切にすることは大事なことであります。  それで、「二才咄格式定目」は石碑に刻み、没後400年祭のハードな事業として除幕式をやり、後世に残す気はないか。これは実行委員会と言われますけど、基本的にどのようにされるのかお聞きいたします。  昨年7月13日に、島津の11代当主の忠昌が招聘された桂庵玄樹という方がおられるんです。今、鹿児島の伊敷の仮屋町で祭られておりますが、薩南学として薩摩に朱子学、道徳の師表を打ち立てた人でございますが、没後500年祭が鹿児島市伊敷の桂庵公園で市長、知事が列席のもと行われましたが、禅師でありましたので、読経が流れ、立てた記念碑の除幕をし、地元の伊敷小の子供たちの楽器演奏、合唱があり、伊敷小の仮屋町子供会長の児童が、「桂庵玄樹と当時の鹿児島の人々から学ぶ人と人とのつながりを考え直すべきでないでしょうか。人の心を思いやり、考え、人のために尽くせる、そんな大人になりたい」とも発表されておりました。午後には伊敷公民館で九州大学大学院の東教授が講演。興味を持った方々も、この桂庵玄樹の弟子に大口の由来の方もおられますが、その方々が関係された安国寺というお寺があるんですが、この宮崎県や志布志の関係者の方々も参加され、用意された席も2倍以上ありました。  忠元公は文武両道でしたので、武道の行事や忠元公の遺徳のしのび、子供たちの徳育の育成に、先ほど言われました海音寺潮五郎文学というのもございますが、感想文などのソフト面で発表することも必要ではないかと思いますが、どうか。  この桂庵玄樹没500年祭も、事務局、運営面にも3年ぐらい前から行政のたくさんの協力があったことも見逃せないものであります。記念事業とした場合、どこに事務局を置かれるのか。また、その桂庵玄樹の記念祭でございましたけども、ある信用組合の基金等でのぼり旗等の作成にも協力があったと聞いています。  このように、あらゆる方面に呼びかけ、協力を願い、没後400年祭を持ちたいと思うが、先ほどからしたいということですので、この点について再度御質問を申し上げます。 ◯市長(隈元 新君)   登  壇  環境行政、小規模事業場の排水処理についてでございますけども、これには、今家庭で行っています合併処理浄化槽の補助制度のようなものが国、県にございません。伊佐市単独での補助制度の創設には財政的には厳しいものがありますので、今後の検討課題にさせていただきたいと思います。  ただ、市民に対して合併処理浄化槽を普及するのと──小規模事業場については、やはりそこにはそれなりに経済活動や、あるいは受益者がいらっしゃっての小規模事業場でございますので、その点に関して市が単独で補助をするという以前に、その事業場の責任においてなさるのが第一義的には建前かと思いますので、その辺を指導したり、あるいは状況を見させていただいて考えなければならないことだと思いますので、慎重に行ってまいりたいと思います。  騒音対策につきましては、騒音計に関しましては、議員からの情報で伊佐市に騒音計というのがいただける話が進んでいるというふうに聞いておりますので、この場をおかりしまして御礼申し上げます。そういうこと等をも早い情報交換の結果でございますので、今後もさらにそれに追加して、あるいは付随して私どもがしなければならないことが出てくると思いますので、鹿児島県あるいは関係課と連携して対策を講じてまいりますし、騒音に関しまして、必要があれば、事業所への調査分析も予算化してまいりたいと思います。  御指摘のとおり、騒音に対する工場、建設現場、あるいは道路交通騒音、または、おっしゃいましたようなほかに予想される騒音につきましても、対策が必要な場合には地域で検討して、そして知事に要請してまいりたいと考えております。  忠元公につきましては、記念碑をどうするとか、そういうことは実行委員会が立ち上がりましてから詳細に検討していくことになろうと思います。そういう中では、専門家や、あるいは歴史的に造詣の深い識者や、そういう方々の御意見等をもお聞きしなければならないと思っております。顕彰するというのは大変重要なことで、特に今の時節柄、もう一度歴史を見直そうという、そういう大きな流れがあるというふうに思っております。  例えば、過去におきましては、鹿児島県では知られておりますが、平田靱負の偉業はむしろ鹿児島よりも愛知、岐阜のほうで高く顕彰されているということ等があったり、あるいは、昨年の篤姫、ことしの直江兼続は歴史の専門家は割と関心のあった方々ですが、一般の方にとりましては初めて聞く名前の方も多いのではないかと思います。このように、時代の背景には歴史を見直す機運がありますので、新納忠元公につきましては、私どもにとりましては当たり前にすばらしい方ですけども、まだまだ広く広く伝えていく必要があるのではないかなというふうに思っております。  過去、海潮忌においては、海音寺先生の100周年につきましては、大方の市民の方々に出演していただいて「二本の銀杏」という演劇を行ったこともありますし、郡山八幡神社においては、焼酎の落書きの由来、あるいは国指定の文化財になるまで御尽力された方々等々のエピソードを踏まえて、「非常口」やあるいは地元の方々を中心として寸劇をしていただき、関係者の方に広くわかっていただいたり、マスコミ等でも取り上げていただいたり、今までもそういうふうに発掘して紹介してきておりますので、新納忠元公にしましても、私どもとしましては、先ほど御答弁いたしておりますとおり、今後に向けて取り組んでまいりたいというふうに思っております。 ◯12番(柿木原 榮一議員)   登  壇  市長のほうで前向きな言葉もお聞きしましたけども、検討されるということですけども、小規模の事業所の水路への排水、受益者ということとかいろいろありますけども、廃棄物処理法関係では自治体が責任を負うところもありますので、米どころでございますのでやっぱり排水路等の水質浄化も考えなければならないと思いますので、よろしくお願いいたします。  それと、総括質疑ですればよかったんですが、岩元氏の総括質問で来年度は分析業務は一般競争入札でいくと答弁されましたが、これからの環境調査で定期調査、緊急調査というのがあります。この考え方と、20年度分析計画調査場所が旧大口、旧菱刈を合わせまして伊佐市で259カ所、負担金も一緒のときが782万円ほどでしたが、数の見直しがあるのか。くんでこなきゃ分析はできませんので、分析業務の前の採水という工程があるんですね。また、採水したら早急に分析しなければ、データに誤差が生じます。伊佐市で採水されるのか。また、されるとしたら、採水容器も用意しなければなりませんが、この点についてどのような環境行政になっていくのか、確認でもよろしいですので、よろしくお願いいたします。  楠本川渓流自然公園キャンプ場が平成7年に開園されておりますが、渓流とは、谷川のきれいな川だということを認識しております。キャンプ等で川に浸かったりして使われますので衛生上維持していかなければなりませんが、燐と窒素だけでございますが、分析方法が違いますけれども、今の分析方法では大体検出範囲というのが限界がありますので、渓流ですのでせめて燐で0.06ミリグラム/リットル以内、窒素で0.24ミリグラム/リットル以内のデータが欲しいなと思っておりますが、先ほど市長が言われましたように、水質汚濁防止法では、改善命令等は県知事等の権限であります。伊佐市から他県の知事に要請ができるのか。ワンクッション置いて、鹿児島県知事から他県の知事にお願いできるのか、また、環境行政の点から御説明をお願いいたします。  忠元公没400年祭の石碑でありますが、先ほど実行委員会のほうにお任せしたいということでしたが、花北の今の共済組合とJAがしています家畜市場の間に、県の土地改良連合会の元事務所と土地がありますね。あそこにほ場整備の記念として記念碑を建てるために購入した大口土地改良区が所有の石があるんです。この石碑が長島産の2メートル四方以上の大きな石で、あそこに運んでございます。2基ありますが、山野第2区のほ場整備の記念碑を各校区に建てる予定だったのが余っていて、今現在使用目的がないものがあります。まあ、実行委員会でと言われればそうでしょうけども、市長としてこのような石碑の御利用を御相談される考えはないのか。私もまた土地改良区に御協力をお願いするつもりですが、どうでしょうか。やっぱり石碑を立てて除幕するのもメーンの一つだろうと思います。忠元公没300年祭も明治時代に盛大に行われたとあるので、400年祭の節目の2010年には後世に残る形あるものをハード面で残したいと私は思っておりますが、市長の考えはどうでしょうか。  忠元公の遺徳の顕彰と、現在の世の中の乱れを考え直すためにも、行政も一緒になりソフト面の実行委員会の早い設立を強く要望いたしますが、いつごろになるのか。浄財の関係がありますので、また、それが決まらないとできませんので。  それと、忠元桜祭り、忠元公没後400年祭を通し、交流人口の増大も、また、人間としての道徳を教えた偉大な戦国武将がいたことを全国に発信しなければなりません。島津さんと新納氏と菱刈氏との悲しい過去があるわけでございますが、合併のさなかでしたけども、教育委員会も忠元公没後400年祭は言えなかったのではないかなというのも思っております。菱刈重豊公を初めとする菱刈氏の遺徳をしのぶ会等の開催はしなければならないと思っております。旧菱刈地区の市民の皆様の御理解と御協力をお願いしたいためにも、この議会で再々度一般質問をさせてもらいました。  課長の話では、この3月でおやめになるようなことをお聞きしておりますが、次期の方々に花を持たせようという考えなのかな、また、課長の手で道筋を立てて区切りをつけていただきたいのですが、その辺は答弁は要りませんが、浄財等の手配を早くしなければなりませんので、一刻も早く実行委員会の立ち上げをし、後世に残る400年祭にしていただきたい。また、事務局をどちらに持っていくか、確認があれば、その辺を。また、職員の方々にも御協力を願いたいと思っております。「平成22年に伊佐市で生活をしていた市民は何にもしなかったよ、300年祭はやったのに」と言われないように、顕彰を切にお願いして、質問を終わりたいと思います。 ◯市長(隈元 新君)   登  壇  環境行政につきましては私よりもはるかにプロでいらっしゃいますので、なかなか、私自身の答弁に足りなさというのがあろうかと思いますけども、お許しいただいておりますが、平成21年度は、緊急な場合を除きまして、旧大口市、旧菱刈町の水質分析、採水箇所の数は見直さず、現在のままで行いたいと思っております。1年間を通してしながら、変更をしなければならないということ等がございましたら、22年度へ向けて考えたいと思っております。採水につきましても、指名競争入札で落札した事業所で行っていただきたいと考えております。緊急に必要なときがありますので、採水用の容器については、廃止される保全センターに相談して、置いてみたいというふうに思います。  楠本川の件でございますけども、確かに渓流という名前のとおりに川を保たなくちゃいけません。現在は比較的きれいな状況というふうに考えております。この水質汚濁につきましては、議員が申されましたように、伊佐市としては鹿児島県に要請してお願いすることになりますので、水質汚濁が目に余るようなことがあれば、当然要請してまいりたいと思います。  先日の「記者の目」にもございましたけども、地域振興局の役割が何なのかということが問題提起されておりました。熊本県の地域振興局と比較してのお話だと思いますが、地域振興局ができてから手続や相談や行動がより迅速になるのが当たり前でございますので、やはり私どもは、その件も含めまして、鹿児島県御当局にもしっかりと意見を申していきたいと考えております。  忠元公の祭りの件でございますけども、確かに、300年祭が行われまして400年祭でございますので、やはり100年に一度のことをないがしろにするということはあってはならないと思いますので、来年度でございますので、時間的に早く実行委員会を立ち上げるということを、教育委員会とともに行ってまいりたいと思います。いつごろというのはここで何月何日ということを申し上げられませんが、早くするということはお約束できると思いますので、しばらくお時間をいただきたいと思っております。  また、合併のときに余り詳しく議論をしなかったということは、それぞれの住民の気持ちを考えてということはなかったと私は思います。私は、1回目の合併協議会は会長をさせていただき、2回目は副会長で、大方ののは大体把握している中で、そういう過去の戦国時代、江戸時代、明治、そこまで考えての考えというのはなかったと言っていいと思います。ただ、具体的に話し合いをせずに、合併してからの協議ということになっていたと思います。  私は、個人的に考えますのに、「白紙に戻る」という表現はおかしいんですけども、過去のいきさつというのは50年から60年で大体リセットされるものだ、一般の知るところとなるというふうに考えております。それは、例えば、音楽とか、あるいは人々の権利においても、大体50年から60年で著作権もなくなりますし、あるいは、国家に関する機密文書というのも公開されます。ですので、音楽には歴史的な名盤があったり、スタンダードと呼ばれるものがあったり、クラシックと呼ばれるものがあるように、私たちの歴史というのの過去のいきさつというのは、私は個人的には50年から60年でもとに戻るものだというふうに思っております。  ましてや、100年に1回とか400年祭というのでございますので、これは普通のこととして、何のこだわりもあってはならないことだと思います。歴史的な事実を素直にしっかりと顕彰するということに考えたらいいのではないかなと思っております。そしてまた、教育的にも今後生かされるということであれば、さらにすばらしいことではないかなと思っておりますので、実行委員会を立ち上げましたときにはぜひ御相談もしてまいりたいと思いますので、ますますの御協力や、あるいはいろんな資料の御提供や御指導をいただければと思います。よろしくお願いいたします。 ◯議長(丸田 和時議員)  以上で、12番 柿木原 榮一議員の一般質問を終わります。  ここで、課長の交代を求めます。     (課長交代) ◯議長(丸田 和時議員)  次に、16番 鵜木 誠議員の一般質問を許可します。  16番 鵜木 誠議員。 ◯16番(鵜木 誠議員)   登  壇  声がお聞き苦しいかもしれませんが、しばらくの間、おつき合いいただきたいと思います。  伊佐市がスタートして2カ月半が経過しました。11月30日には、執行権者の市長、そして議決権を持つ22名の議員が決まりました。合併後の行政を早く軌道に乗せ、伊佐市民が安心して見守れる行政を進めなければなりません。そのためには、不要な対立は避けなければなりません。市長も議会も、お互いを尊重して万機公論に決すべきだと思います。今必要な事案の解決、この1年、この4年間で解決しなければならないこと、そして、伊佐市が進めるべき長期ビジョン達成等々を大いに議論できる環境づくりが大切だと思っています。  伊佐市になって、市長が職員にお話しされる場に立ち会う機会がありました。市長として職員に何を伝えたいのか、私にもよく伝わってきました。市長が目指すまちづくりのために職員に求めるものは何か。伊佐市の行政事務をつかさどる人たちがその目標に向け一丸となって取り組み、その達成までのプロセスをつくり上げる人材であっていただきたいという市長の気持ちであったと思います。  さて、私の最初の質問は、市長の施政方針についての確認であります。伊佐市のスタートに当たり確認しておきたいと思います。きょうは、伊佐をどうしていくのか、政治的視点で議論をしましょう。とりあえずこの4年間です。また、この議場の先には住民がいます。住民にわかりやすい言葉でお話しいただきたい。  1番目は、市長として進めてこられたこれまでの旧大口市の施政について考察されていると思うが、伺っておきたいと通告いたしました。これは、旧大口市をそのまま引き継がれるとは思いませんが、これまで市長として進めてこられた十数年間の中で実績として誇れるもの、反省しなければならないことを多分顧みておられると思います。仕事始めの式の後の職員研修で配付された資料の「仕事の手順」というくだりの中に、「問題点の考察・評価・修正」という言葉がありました。市長もこれまでの反省に立っておられると思います。  2番目は、市長選出馬に当たり、三つの公約をされました。限られた新聞のスペースでの表現は難しいと思いますが、「安心、安全な伊佐市民の生活を守ります」「伊佐を生かす産業振興を応援します」「時流に合った行政基盤をつくります」──このことを掲げて無投票当選されました。すべての伊佐市民に信任されたということです。この際、この中身について具体的に伺っておいきたいと思います。  三つ目は、公約の三つとダブるかもしれませんが、伊佐市のスタートに当たり確認しておきたいと思います。伊佐市の人口は減少の一途をたどっています。これ以上減少が進めば、まちの力はなくなります。その対策をどうするのか。企業誘致、進出している企業や従業員を雇用している地場産業、高齢化が進む農業経営も含めてどう育成していくのか、市長としての考えを伺いたいと思います。  そして、四つ目は、産業の振興、便利な生活環境を整えるには、伊佐を取り巻くアクセス道路の国道、県道の整備がまだまだ必要と思っています。市長の政策優先順位の中で、このアクセス道路をどう位置づけされているのか。ここでは隣接市町との道路に限っておきたいと思います。  最後に、市長が考える安心して暮らせるまちとはどういうものかも伺っておきたいと思います。 ◯市長(隈元 新君)   登  壇  伊佐市の施政方針につきまして5項目にわたっての御質問をいただいておりますが、最初に、旧大口市時代の施策についての御質問、御確認でございますが、私は、大口市長をさせていただいている間の前期と後期の二つにやはり分けることができるんじゃないかなと思っております。  前期は平成13年ぐらいまでのころでございますけども、そのころは、国の施策も、借金をしてでも事業をしなさい、その借金をした額は、後もって交付税でもって7割は面倒を見ますよという、そういうような施策でございました。そして、その後も、13年度、14年度というあたりは、地方債を発行することによって少し赤字であっても、それも面倒を見ますよという、そういう国の施策がございましたので、あの当時は、96市町村すべてがこういう方針でありました。それでやはり補助金も出したり、新たな事業を組み立てたり、建物もつくったりとか、そういう方向で行っておりました。  しかし、そのような拡大路線、あるいは国の施策に沿う経済浮揚政策というのがある程度行き詰まりを見せるようになったころから政策が変わってきたというふうに考えております。その中で、将来をもって財政的に大変窮地に追い込まれるであろうというような大きな事業というのを断腸の思いで断念いたしました。悩みましたが、今ではそのことを自分としては一番大きく評価しております。すなわち、財政健全化へ向けてのスタートになったと思っております。そして、その後は、敬寿園を民間に移譲するところに至るまで、行政をいかにスリム化していくかということに努め、そういう中で、職員の数も、理解をいただきながら大幅に減少してまいりました。  このことが旧行政における自分での私の評価でございます。  ただ、反省点はやはり幾つかございます。それは、厳しい施策をやっていく中で、職員との間でお互いの理解をどの程度なし得ていたかということは、やはり反省しなければならないと思っております。やはり戦国時代とか動乱のときとは違いますので、平和な時代ですので、正しいことを行うのにもっともっと議論を重ねるべきだったというふうに思っております。それは私の反省点になると思います。  そして、もう一つは、これは旧大口市だけに限ったことではありませんけども、少子化対策というのを打ち出しながら、どうしても人口減に歯どめをかけられなかったということは、なかなか難しかったというふうに反省しております。一方では、介護保険や国保会計を非常に低負担に抑え込むことができて、住みやすいまちランキングでもかなり高い位置に評価された年度もございまして、そういう点ではよかったんですが、若者を中心とした定着を図る人口増ということができなかったということを反省しております。  2番目でございますけども、確かに、新聞紙上とかそういうところではなかなかたくさんを割くことができませんので、何が安全安心なのかとか、何が産業振興なのかというのは、あるいは何が行政基盤づくりかというのは具体的にはわかりにくい点がございました。その中で、私が公約の中で具体的に挙げているものの幾つかを申し上げますと、北薩病院の医師を確保することとか、あるいは、認知症のサポーターづくりというのに向けて動いていくとか、あるいは、障害者や障害児に対しての今までの施策というのを継続してさらに発展させていくとか、もちろん子育てもその中の一環でございますし、市民の暮らしの中でだれもがかかわりがある、そういうところにより安心感が得られるようにということで考えております。  ですので、安心安全の確保のためには、災害に対する対応は当然でございますけども、日ごろ日常考える中では、やはりどうしても医療、福祉、教育、ここのところに安心安全感が持たれるようにするということが生活を守ることになるというふうに思っております。  産業振興につきましては、JAなどを初め農林業行政を一緒に考えてともに生かしていくとか、あるいは、地場産業に対するてこ入れとか、そういうのがあろうと思いますが、企業誘致というのも、すぐには効果はあらわれないわけでございますし、雇用もそんなに一気に多く見込まれるわけではありませんけども、いろんな優遇策をする関係上、やはりイメージの問題として、活力の問題として大変有効な手段だと思いますので、この件に関しましては、私が今まで以上に動くということで体制を整えてまいります。今大変厳しい時代ですので、仮に誘致企業がすぐにあらわれなくても、そのことがやはりほかの産業振興に及ぼす影響はかなりあるんじゃないかなと思っております。  行政改革につきましては、ある程度は今まで私がやってまいりましたことの延長線上にあると思います。基本的には少数精鋭の行政をつくって、だれでもできることはもっと市民に機会を広くして行政にかかわっていただくという方法、そして、かなりハイレベルな技術やスキルを要求されるものについては、仮にかなりのお金を払うにしましても、外部を入れるほうがいいのではないかなと。それが少数精鋭の行政を構築することになるというふうに思います。当然、職員には、プロとしての高い資質の向上を求めてまいろうというふうに思っております。  また、税のコンビニでの収納などを含めまして、外部委託により行政コストを引き下げるということは言うまでもないというふうに思っております。限られた財源をどのように有効活用していくかということについては、事業もスクラップ・アンド・ビルドで考え、職員の配置もその時々で臨機応変に変えていくということで行政内部でも行政評価等を行って、時流に合った基盤をつくりたいと思っております。  企業誘致に取り組む姿勢は、先ほどの2番目の御質問とも共通しておりますけども、今1カ月半ぐらいですけども、今までも関西や中部方面への出張、そして間もなく東京に行って、来月初めにもう一遍東京にという、そういうようなかなりの出張を考えておりますし、先日もお話ししましたが、旧菱刈町で持っておられるいろんな人脈の多さ等をも活用させていただき、鹿児島市内あるいは福岡で今後定期的に行われる意見交換会などには積極的に出ていくつもりでございます。  もちろん、進出企業あるいは地場の産業、特に食品関係については、これは景気に大きく左右されないところがありますので、農業における2次加工をも含めて考えてまいりたいと思います。  このまちの特徴といいますと、高齢者が多いということでございますので、その中で、やはり病院、あるいは施設、こういうところでのマンパワーの不足というのは全国的には言われておりますので、この伊佐地域としても、マンパワーが不足しないということはないと思います。ただ、歴史的にさまざまな施設や先生方によってかなり人材が育成されておりますので、そういう点では非常によろしいんですけども、今後、中長期的なことを考えますと、ヘルパーの資格や、あるいは看護師としての資格や、そういう等々の資格の要る方々を育成するために市がどのように支援できるかということで人材を確保して、まあ、「産業」という言葉はちょっと適さないと思うんですけども、最終的には、安心安全に暮らせるまちに結びつくような事業所の維持、発展というのを考えております。  伊佐を取り巻くアクセス道路というのは、主に県道、国道になるかと思います。このことは当然、私ども一自治体でできることではございませんので、国の段階、県の段階に強く働きかけながら、場合によっては住民運動をも取り組みながら、一致団結した声として上部団体に上げながら、今後優先的に整備がなされるように努力してまいりたいと思います。ここもやはり地域振興局の力を発揮してもらわなければならない点ですので、その点を強く求めてまいりたいと思っております。  安心して暮らせるまちは、先ほどと重複しますので簡単に申し上げますけども、やはり住民の生活に最も身近なところで安心感が感じられるようなまちづくりだと思いますので、福祉を充実させるというのが一番近いのかなというふうに思っております。 ◯議長(丸田 和時議員)  ここで、質問の途中ではありますが、昼食のためしばらく休憩いたします。なお、再開は午後1時からといたします。                △休  憩△(11時53分)                △再  開△(13時00分) ◯議長(丸田 和時議員)  休憩前に引き続き会議を再開しますが、15番 森山 善友議員より午後から欠席の届けが出ておりますので、お知らせします。引き続き一般質問を続けます。  16番 鵜木 誠議員。 ◯16番(鵜木 誠議員)   登  壇  私が、旧大口市の施政を今さら言うことではありません。今回は初めて隈元市長と一般質問で議論し、市長の考え方、そして政治スタイルを知りたいという気持ちがありました。市長、こっちを向いてください。書かんでいいですよ。あのね、この15名の一般質問を市長がちゃんと答えていく、それに議員の人たちはみんな感心しています。だけど、時には顔を上げて、余裕を持って話しましょうか。  これまでの大口選出の議員の皆さんの質問で市長の答弁を聞いていて私は感じるんですが、引き続きという感じが見受けられます。これは仕方がないことなんですね。でも、私を含めて菱刈の人にとっては、全く違います。新しい伊佐市のスタートであるということです。市長にはこれまでの経験を生かしていただきたいと思っているのであります。市長は情報の大切さを十分認識され、いろいろな市町村のトピックスを収集しておられます。  あえて言いますが、隈元さんが市長になられたころ、各地でまちづくりに斬新なアイデアや手法が取り上げられるようになりました。細川護煕熊本県知事に始まり、出雲の岩國哲人、北海道のニセコ町、そして長野県の合併しないまちなどなど、先進的なまちおこしを研究されてきたと思います。私も興味があり、本やインターネットを見ていました。  そして、先日の仕事始めの後の職員研修でも、島根県の海士町、それから、長野県の下條村もビデオ紹介されていました。どのまちにもよいヒントがあります。でも、そこまで表現できるには、そのまちのそれまでのプロセスがあります。過程です。何事を達成するにも人であります。議員も含めて人材であり、その育成であります。それぞれの能力を発揮する環境づくりが大切だということです。  私は、今気になっていることがあります。それは、仕事をしている職員の皆さんの表情が険しいことです。それぞれが心に余裕もなく仕事をしているように私には受け取れます。笑顔がない。会釈がない。雰囲気が暗い。もっと余裕が必要ではないでしょうか。精神的な余裕がなければ周りは見えないと思います。  例えば、鹿児島城西高校のサッカーを例に挙げると、調子よくゲームを進めているときは、範囲が広角に、よく見えている。チームメートともコンタクトがよくとれて、連係プレーがスムーズにいっています。でも、決勝戦は違った。負ける試合は余裕がない。そんな状態では守りの態勢もうまくいかない。そうなると、持っている能力を発揮できない。  職場でも、張り詰めた雰囲気の中でいつもぴーんと張られた糸は、いつかは切れてしまいます。糸が切れればどんな結果が出てくるか。賢明な人ならわかると思います。上司は部下を育てる使命があると思う。今こそ役職者はその使命感を持ち、行動をすべきだと思っています。心にゆとりを持ってそれぞれに気配りをし、部下が今どのような状態なのか考えてあげるべきです。失敗しても、仕事が遅くても、それが今のその人の実力とすれば、方法を教えるべきです。上司になれる人、ここにおられる課長さんたちは、オールラウンドプレーヤーだから管理職を与えられているのです。模範となれる人だから登用されたと思います。その上司が心に余裕を持って、有能な人材を育てていただきたい。市民も明るい職場に好感を持つと思います。  市長はお会いになったかもしれませんが、佐賀県武雄市の樋渡市長が、市役所の内部改革に取り組まれていました。手法はいろいろあると思いますが、彼が我々に話した中に、「公務員は市民から何か要望があったとき、できない理由を先に考える。これではいけない」と言っていました。武雄市役所では、職員の発案で、コミュニケーションをとるために机を円形に置いて仕事をしている課もありました。役所も企業感覚でと最近よく言われますが、人材育成こそ会社の繁栄であり、新しいまちづくりの基本です。ぜひ育てる環境づくりをしてください。  これまでのことは答弁していただく必要はありませんし、市長には釈迦に説法かもしれません。心のどこかに持っておいてください。  さて、本題に入ります。3番目の質問についてです。  議長の許しを得てお手元に配付しました。このデータは、この15年間の伊佐市の人口減少の進みぐあい、そして出生数、そして集落の状況です。日本のすべての地方に言えることですが、伊佐市の人口も、年々スピードを増して減少していきます。データを見ると寒くなってきますね。でも、現実を知った上で政治を進めなければなりません。世の中では昨年の秋から世界的な不況ですべての業界が混乱し、不況の底がいつになるのか今もわからない大変難しい時期ではありますが、我が伊佐市は何年も前から人口が減り、じわりじわりと力を落としているということです。毎年3月には、高校を卒業して、この伊佐市から大量に転出していきます。生産人口と言われる若い世代が減少しますから、出生の減少も顕著にあらわれています。残された親たちの高齢化により、減少のスピードはさらに加速していきます。  この数値から見れることは、この先、小・中・高の学校再編が想像をされますし、周辺部の集落運営を初め、農村風景の荒廃まで想像できます。この人口減少をどうやってブレーキをかけていくのか。市長にだけ任せることではなく、議会も一体となって取り組まなければなりません。この会場で、この議場でこのことを議論するべきということです。どうやってこの打開策を考えるのか、喫緊の課題であります。誕生した伊佐市としては、希望を持って取り組まなければなりません。  これまでの不況のサイクルでは、景気が好転していく時期に備えて企業はステップアップしていきます。逆に考えると、業績拡大、業務拡大のチャンスの時期が到来します。こういう不況があって盛り返すときこそ企業誘致のチャンスかもしれません。誘致を成功させるにはいろいろなファクターがありますが、企業誘致について調査した結果では、トップセールスが絶対条件です。菱刈に来ようとしている日本精機の社長も、「進出の決め手は首長の人間性でした」と言っています。これまで誘致に成功したまちは、首長の頑張りと議会の理解が必要だったということです。また、情報収集を初め企業からの問い合わせについても、ちゃんと担当を置いて、ワンストップサービスで手際よく対応することが重要であります。今後どのような戦略で企業誘致を考えるのか、先ほどから話しておられますけれども、再度市長の考えを整理しておいていただきたいと思います。  次に、既に進出している企業とのコミュニケーションも大事です。これを怠ると、企業が業務拡大をするときに他のまちにとられるということであります。国分に来ているソニーが熊本県に進出した。あのときは、国分市はほとんどその情報を持っていなかったということであります。  また同時に、雇用している地場産業の育成支援も大変重要なことであります。地場産業には町工場から商店街、建設業、病院──病院は資格を得るための看護学校も含めて、市長の公約の中の「伊佐を生かす、産業振興を応援する」というのはまさにこのことと思いますが、これまでのそれぞれの議員への市長の答弁には、まだ積極性が伝わってこない。地場産業への支援体制が伊佐市になってどう変わるのか、どう変えようとしているのか、再度伺っておきたいと思います。  この冬の派遣切り、雇用問題で、農業の雇用も各地で試みるニュースが伝わってきています。伊佐の農業では雇用できるような作物はありませんが、伊佐の大地の有効活用、伊佐の農業の活性化はさらに努力が必要であります。この話をすると必ず出てくるのが、「努力して作物を見つける」という言葉であります。現在は、すぐ「これ」というものは残念ながらありません。世の中の動きがどうであれ、お手元の人口動態の資料が示すとおり、人口維持のためには企業誘致、地場産業の育成を図ることによる働く場の確保、若者がこの伊佐に残れる方策を真剣に考えることが最優先ではないでしょうか。  先ほども質問の中で、伊佐に残りたい女子生徒がいるというのがありました。菱刈の企業誘致担当がこれまで得た情報の中では、今までは、高校を卒業するとみんな出て行きたがった。だけど、最近は違うんです。高校を卒業しても伊佐に残りたいという子供がかなりの割合で出ているということです。だけど、勤めるところがない。市役所ですらほかのところから採用している。このようなことについて市長のコメントがあれば、お聞きしたいと思います。  四つ目の質問はアクセス道路の問題ですが、安心なまちづくりと伊佐市の人口維持につながります。これ以上人口減少が続けば、北薩病院の存続にも影響してきます。北薩病院は、この伊佐市を中心として湧水町、さつま町の約5万人の中核医療機関として運営されていますが、対象人口が減少すれば、その運営も存続は危ぶまれます。現在は、脳神経外科などで医師不足という問題が生じています。  伊佐地方は、脳神経外科など循環器系の疾患が多いと言われる中で、現状では2次医療がほとんど地区外への緊急輸送となります。手術ができないということです。1分1秒を争うという急患輸送は、人吉にしても、姶良・鹿児島方面にしても、現在は30分以上走らなければなりません。伊佐に住んでいれば、病気が発生した場合、生存へのリスクが大きいということであります。  今、姶良・鹿児島方面への緊急輸送ルートは高速道路を使いますが、そのインターチェンジに入るのに、三角形の一辺である横川インターには乗れず、栗野インターへ迂回しています。最短の生命線である横川へは急カーブが多く、緊急輸送車が走れないからであります。この道路は県道です。伊佐市内にも未来館の先に急カーブが1カ所ありますが、幸田から横川にかけてカーブが多いのです。この県道は、伊佐から見れば幹線道路でも、地元の湧水町や霧島市から見れば裏道です。  しかも、県の考え方は、県道の改良は、この当該市町から要望がなければ着手しにくいと言います。伊佐の住民にとって、この改良は、緊急車両の時間短縮はもちろん、霧島・姶良・鹿児島方面で働く人の通勤道路であり、重要な路線であります。伊佐市民が望むことは、北薩病院の機能を充実し、地元で緊急手術ができ、リハビリができる体制を維持することが安心につながり、看病する家族も、遠い病院に通うより負担が軽減されるわけですが、現在の人口動態では次の手も考えておかなければいけません。もちろん、今後は緊急ヘリの導入なども考えられますが、この改良がなされ、若者が住みやすい環境づくりをすれば、定住も考えられると思います。また、企業も従業員を確保しやすくなるでしょう。  ということは、これからの首長は、隣接市長の首長といい関係を保つ必要があるということです。消防やごみ処理、火葬場など、広域な組合も今後いろいろな問題が発生するかもしれません。特に他の行政区に囲まれる伊佐にとって、このことが言えると思います。公共事業の予算縮減の中で、伊佐で安心して暮らせるまちづくりをどう進めるのか、再度伺いたいと思います。 ◯市長(隈元 新君)   登  壇  先ほど、地域づくりで先進的なことを御紹介いただいておりましたが、私も、個人的には非常に懐かしく思い出しております。今は民主党の代議士でいらっしゃいますけども、当時の岩國哲人出雲市長をお訪ねしたのが平成5年か6年のころだったというふうに思っております。そのころは『鄙の論理』という御本で大変有名でございましたが、インターネットのほうで一つ、今で言えばブログなんでしょうけど、御自身のエッセーをずっとお書きになっていました。新聞に掲載してあるのをまとめていらっしゃいまして、御本にも3冊ほどなっていますが、つい昨年の初めぐらいまでは『一月三舟』というタイトルで地域全般を含めていろんなことをずっとお書きになっていながら、そういう意味では、気持ちの上ではまだおつき合いがあった方でございますので大変懐かしく思い出しておりますが、当時の地域づくりは人口がやっぱり右肩上がりで増えるというのを前提にして考えられていましたので、現在のように、2007年を境にして日本全体の人口が減っていくという前提のもとに地域を考えるというのとは少し違うかもしれませんが、しかし、自治体がその地域の活性化のためにやらなくてはいけないということは基本的には同じだろうというふうに思います。今後も今まで学んだことを生かしていきたいというふうに考えております。  私としましても、今は引き続いてやっているという気持ちよりも、むしろ新たにスタートしたという感じのほうが強いのは事実です。やはり、特に旧菱刈町に関しましては、お会いする方々やお尋ねするところがすべて初めてのことでございますので、これから人間関係づくりもやっていくという中では、古くは私が議員に最初当選させていただいたとき、最近では大口市長に当選させていただいたとき、そういうときのような新鮮さと、原点といいますか、ここ1カ月半ぐらいはもともとの基本に立ち返って来ておりますので、答弁としてはそういう答弁に聞こえるかもしれませんが、気持ちの上では本当に新人のような感じで、いろんな意見に謙虚に耳を傾けさせてもらっております。  それで、職員のほうも御指摘いただきまして、笑顔が少ないとか、あるいは余裕が感じられないとかいうことは、ある面、少し仕方ないかなと思います。やはり合併というのは未知の経験でございますので、そうしますと、自信が持てないというのも正直なところでありましょうから、21年度の予算をつくり上げて、4月からは新年度ということでスタートするわけでございますので、そうしますと大分模様も変わってくるかなと思いますので、今の御意見等を今後に生かさせてもらいたいと思います。
     企業誘致に関しての質問でございましたけども、先ほどの質問の中でおっしゃっているとおりでございまして、首長のトップセールスと、情報収集を主体としての窓口の充実、ワンストップサービス、そして、さらに念を押して、トップセールスをするまでの間のチャンスづくりと言っていいんでしょうか、そういう窓口の充実というのは大変重要になると思います。  そして、3番目には、やはり条件整備でございます。それは、例えば税を軽減するとか、そういうようなありきたりの条件整備というのではなくて、地元の理解を得るために、私どもが会社と地元との間でいかに汗をかくかということが一番大事で、この地域全体でお迎えする誘致企業になるわけですので、最終的には地元を中心として、大きくは伊佐市民が心から歓迎する、そういうような地元の理解を醸成していくということが大事であります。  そして、金型工場などは特にそうでございますが、電子部品系も食品もそうですが、例えば今のジャパンファームと日本フードパッカー、これは関連会社としてございますので、この二つがうまく組み合わさっているのと同じように、今後の企業誘致の場合の条件整備の一つに、関連会社がここを中心にして30分以内、1時間以内、2時間以内にどういうふうにあるかという、そういうこと等をも大切かなと思います。  もちろん、有能な人材というのは当然求められますので、教育を充実するということが大事でございます。特にここの場合は、看護学校とか、あるいは介護に関することの教育は現場を含めてかなりできると思いますけども、工業系の人材をどういうふうに確保するかということは、地元に工業系の学校がございませんし、近くの、旧栗野町の栗野工業にしましても霧島高校というふうになっておりますし、どうしても人材を求めるとすると隼人、加治木、鹿児島、あるいは高専、こういうところになっていきますので、そういうところの教育機関との連携、人材の確保、そういうことに奔走しなくちゃならないと思っております。これは当然、条件整備の一つとして、担当課だけに限らず、私どもが全庁を挙げて取り組まなければならないと思っております。  誘致企業に関してはそういうことでございますが、進出企業や地場の会社にとりましては、やはり支援体制というのは、私どもがお金を援助するとか、そういう資金的な面をどうするということは簡単にできないことであります。しかしながら、やはり会社訪問をさせていただいて、現状抱えていらっしゃる問題点等をお聞きする、それを定期的に繰り返していくということが大事ではなかろうかなと思っております。  合併しましてからは、そういうことを組をつくりましてやっている、そういうような今の状況でございますので、そういう中から私どもが企業と企業、会社と会社の情報交換を取り持つ、そういうような役割も果たせるんじゃないかなというふうに今思っているところでございます。  企業誘致というのが、やはり短期的には効果を発揮する一番大きなものだというふうに私は思います。地元に残りたい若者というのが増加しているわけでございますので、人材の確保を含めて効果的なことであると思います。ただ、中長期的に見ますと、このまちの人口を増やしていくという手法は、企業誘致と同時に、さらにほかの方法も考えていかなければならないというふうに思っております。  それは、私の公約の中で「異業種連携による活性化」という言葉を使っておりますが、これは、とりもなおさず、それを人口増に結びつけたいという考えです。全国では2007年を境に減少していくんですけど、やはり増加しているまちも、非常にごくわずかですけども、あります。それは、自動車産業で繁栄した愛知県とか九州の北部とか、そういう大きなところとは違って、全く私たちが、なぜそこがそんなに上昇したんだろうと思われるところが幾つか、本当に数少ないんですけど、あります。  その中に、北海道の伊達市という人口4万人のまちがあります。これは8年前は3万8,000人ぐらいだったのが、今は4万を超えるという、2,000人増加しております。2,000人が多いか少ないかは別にしまして、それでも増加しているというのには、並々ならぬ苦労があったわけです。それはやはり地道な努力、誤解があると申し訳ないんですけど、簡単に申し上げたら、高齢者を最初に呼ぶ、住めるようなまちにする、そして、それを世話する人が家族を中心にしてできてくる。家族だけではなくて、今度は札幌や帯広や、そういうところから、施設をつくろうというお医者さんを初めとする、あるいはさまざまな専門職を持っていらっしゃるドクターや研修生が集まる。そうしますと、今度はそういう方々に満足いただけるようなちょっとしゃれたお店ができる。お店ができますと、週末は若者も外から遊びに来る。そうすると、若者がそういう施設に働いてみようかということになる。そして定着して、子供が生まれる。こういうことを地道に8年間行われたまちが、伊達市でございます。  それは一昨年、職員にはビデオによって見てもらった経験はありますけども、そのときはまだなかなか私の真意が伝わっておりませんでしたけども、伊佐市となりまして、今回はイメージも統一して非常にトータルで考えられるという、そういう意味では、新しいまちづくりのリーダーとしては頑張れるかなというような全く新鮮な感じを今私は持っているわけですけども、このように、伊達市という具体的な例があります。  その伊達市のやり方が、医療、福祉と建設業と行政と金融機関を組み合わせて、地元の食材も使うという農業まで組み入れた総合的なまちづくりをプランニングする。実際に実行するまでには3年ぐらいかかっておりますけども、それを今ここに導入するとしたときに、一つだけ、金融機関というのが今非常に厳しい状態にありますので、どういうふうにそれを取り組めるかというのが非常に課題になるわけですが、今私が申し上げました四つ、五つの関連業界の方々に、まだうちがこういう考えを説明していく途上にあります。職員が手分けして、もう12月から数社にわたってはそういう私の考えを伝えておりますが、それを本気になって「さあ」というところまで行くにはまだ少し時間がかかると思います。  しかし、1年ちょっと前に私がこれを持ち出したときと今とは、職員の取り組む環境や心構えがかなり進化してきております。ですので、企業誘致を一つの柱としながら、もう一つは、地道ではありますけども、やはり10年計画ぐらいで中長期的に考えて、さっき申し上げました、高齢者の方々が住みやすい、それを世話する家族の方、そしてそれを専門にお世話しなければいけない業界、そして周りにそれの消費を促す、あるいは遊びを促す、そういうものができる、そして若者が魅力を持つ、定着する、そして子供が増えるという、大ざっぱに申し上げたら、こういうような物の考え方で今後進める。それを中長期的な人口増へ結びつけたいというふうに考えております。  それは時間がかかることでございますので、そこに至るまでは、北薩病院の背景人口としてはまだまだ少なくなっていきます。それを、アクセス道路等を整備しながら、どういうふうに住民の皆様方の安心と安全を確保するかということは、喫緊の課題であります。  それで、おっしゃいますように、そこの道路の整備に関しては、当該自治体というのがやはり第一義的になりますので、ここの場合でございましたら、湧水町によろしくお頼みする、一緒になって要望活動やいろんなことをしなければならないと思っております。そのためには、首長同士、あるいは職員同士、議会も含めてそうだと思いますが、良好な関係が必要だというふうに思っております。  もちろんそれはやりますけども、私はやはり、この地域振興局のあり方というのを県のほうには強く提言といいますか、求めていきたいと思います。単なる出先機関として地域振興局があるのではなくて、部長クラスの局長がいらっしゃる地域振興局としては、予算と権限を持って、むしろ──それぞれの市町、あるいは隣の自治体同士で調整できなかったり、どちらが事務局をとるとか、そういうこと等がどうしても起きてまいります。そういうことを解決するために地域振興局があるということを今後は強く申し上げていきながら、隣のまちとも一緒になって要望活動を続けてまいりたいというふうに思っております。  私は今こういうような考えでおりますので、私も情報が足りない点がございますので、どうか今後ともいろんな情報等をいただきたいと思います。  最後になりますけども、公務員の採用につきましては、地元を優先というのは、一概にはなかなか難しいものがあります。これはやはり一律に統一した試験でありますし、今、個人情報等の問題もあったり、あるいは、その点数等の公開というのも、受けた個人の方については、お申し込みがあれば、そういうふうなこともあります。そうしますと、やはり地元が優先して採用されているという、そのことが認知されるにはまだまだ幾多の条件といいますか、理解といいますか、そういうのがなければやはり難しいものではないかなと思っております。  これは市の職員、公務員だけに限りませず、例えば消防に関しましても同じようなことが言えますし、これはやはり、試験に対する機会均等がうたわれております今の日本国憲法のもとでは、よほどの特別な専門知識を要するとか、資格を要するとか、そういうこと等以外の場合は、一般の試験となりますと非常に難しい点がございますので、そういう熱い御希望があるということを参考までに承る程度にさせていただきたいと思います。 ◯16番(鵜木 誠議員)   登  壇  あと1分9秒で締めたいと思いますが、安心安全を充実させるにはお金が必要です。しかし、市税の収入は減少傾向にあります。当然、国からの交付税も期待できません。伊佐が一つになった今、市長も、職員も、議会もアイデアを出し合い、それぞれ、どげんかせんといかんという気持ちを持って、住民が安心して暮らせるまちづくりをしなければいけません。それぞれの課長は、伊佐市における業務の中でチェックポイントを常に押さえ、伊佐の力、実力を知った上で向上心を持っていただきたい。市長は、この与えられた4年間、執行権者として自信を持って議会を説得できる提案をしていただきたい。我々議会は議決権を持っていますが、是々非々で取り組まなければなりません。それぞれの議員が切磋琢磨して知恵を出し合って、提言、議案発議もできると思います。市長と議会が大いに議論し、協調して、積極的にまちづくりに取り組んでいくことを提言して、質問を終わります。ありがとうございました。 ◯議長(丸田 和時議員)  以上で、16番 鵜木 誠議員の一般質問を終わります。 ◯議長(丸田 和時議員)  次に、20番 岩元 克頼議員の一般質問を許可します。  20番 岩元 克頼議員。 ◯20番(岩元 克頼議員)   登  壇  通告に基づきましてお尋ねをいたします。高齢者や交通弱者と言われる人にとって、戸籍謄抄本や住民票、諸証明の取得が大きな負担になってきていますが、これらの窓口業務の利便性を高めるための方策についてお尋ねします。  諸証明などの交付事務は、大口、菱刈両総合支所の窓口や旧大口市内のコミュニティ協議会事務局を通じて行われているわけですが、コミュニティ協議会事務局での交付は役所からの逓送に頼っているため、二度足を運ばないと交付が受けられない不便もありますが、バスを使いますと一日仕事になるという場合もあることから、高齢者の中には何千円というタクシー代を払って役所に出向いておられる方があると聞いております。  こういった交付事務については、スーパーの店内や駅構内に自動交付機の設置をしたり、町の役場の職員が自分の住む地域で自宅で申請受け付けをして申請者に郵送する方法や、あるいは、職員が行政手続を代行する行政連絡員制度をつくって対応したり、さまざまな方法をとったところもあります。  平成13年には「地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律」が制定され、各地の特定郵便局における交付事務が行われており、鹿児島県内では長島町の獅子島郵便局や日置市の伊集院北郵便局、下伊集院郵便局、吉利郵便局で実施されています。また、住民基本台帳法や戸籍法においては、郵便による送付や省令で定める方法による送付などが定められているわけですが、高齢社会に対応した窓口業務について市も一生懸命取り組んでおられると思いますので、この点についてお答えをいただきたいと思います。  次に、改正国民健康保険法に関する質問でございますが、これは通告書に書いてございますけれども、さきに二人の議員がお尋ねになりましたので割愛しようと思っておりましたけれども、いま一つ判然としないところがありましたので、無保険の状態になっている子供の救済ということについてあえてお尋ねします。  このことについては、先ほど申しましたように既に質問がなされていますが、改正国民健康保険法が施行される4月1日までの間の措置について、市長から答弁がありました。「間に合うのであればやりたい」と、私にはそう聞こえましたので、私の聞き違いかもしれませんので、4月1日までの間にどうされるのか、改めてお答えをいただければと思います。  次に、職員の不祥事の防止についてお尋ねします。  合併後に発覚した、旧菱刈町時代の肉用牛規模拡大事業基金及び肉用牛特別導入基金からお金を不正に受け取っていた件、あるいは昨年末の職員の酒気帯び運転による交通事故などが起きていますが、こういった問題を今後根絶するためにどうされるのかについて、一つには、事務改善あるいは綱紀粛正のための取り組みについて具体的にお示しいただきたいと思います。  もう一つは、今後、刑法に触れる行為をした者または市に対して著しい損害を与えるような特に悪質と思われる者に対しては、地方公務員法及び伊佐市職員の懲戒の手続及び効果に関する条例に基づく懲戒処分のみならず、告発をする必要があると私は考えますが、市長の見解をお尋ねします。  私が告発に言及するにはそれなりの理由もあるわけですが、まずは、まじめに市に税金を払って、そして支えてくださっている市民の気持ちに真摯にこたえる必要があるということであります。それから、法律──ここでは刑事訴訟法になりますが、その239条は、公務員の告発義務を規定しているわけです。公務員には法律を守る義務があります。それから、もう一つは、道徳的なことかもしれませんが、善悪、こういうものをあいまいにしてどのような施策を実行しても、市民の信頼というものは得られないものです。その意味を失うおそれがあるからであります。また、実際に犯罪を起こした場合には、これを暗黙のうちに見逃すことにより、刑罰というものを経ずして本当の更生はないというふうに考えるからであります。市長の見解をお聞きいたします。 ◯市長(隈元 新君)   登  壇  高齢社会に対応した窓口業務につきましては、今、大口庁舎、菱刈庁舎以外のところでも、コミュニティの協議会というところが行っておりますが、その件に関しましても、やはりそこのコミュニティの事務所までの距離もあったり、なかなかそれが万遍なく有効に働いているかというと、そうばかりとも言えないというふうに思います。それでも、全体としましては、それぞれの庁舎以外のところで印鑑証明が195件、住民票が87件、戸籍が50件、計332件、このような御利用をいただいているところでございます。  郵便事業会社と連携してやっているところも県内にはございます。しかし、私どももそれを考える中でも、手数料の為替による発行や、他の課の業務内容、福祉で扱っている業務内容などもありまして、それを一元化することに少し慎重に対応する必要があろうということもありまして、郵便事業会社との連携のところには至っていないところであります。  菱刈地区におきましては町民バスが運行されておりますので、遠く離れたところについては、これらを生かしながら対応が行われている部分もあるかと思います。また、御意見の中にございましたように、大きなお店等の中に窓口を置くということも一つの方法かとは思います。が、しかし、お困りになっている方に満遍なくどうするかということを考えれば、それはやはり地域限定や、あるいは年齢や障害を考慮した中での職員の対応ということが一番親切になることは間違いないだろうと思います。  合併しない宣言をしたまちは広く御案内のとおりですけども、矢祭町の場合が、各職員の自宅がそういうのの受け付けの場所になっているということも聞いておりますので、極端な例の場合はそういうことも可能であるということにもなります。ただ、そうした場合に、その条件等──事務の限定、あるいは地域の限定、あるいは年齢の限定、あるいは障害者等をどう考慮するかという、そういう総合的な検討も必要になってくると思います。こういう点も、また今後考えさせていただきたいと思います。矢祭町みたいに職員が自宅でするか、あるいは今の窓口業務の中で逓送という形でやっておりますのを個人の御自宅にまで拡大するか、そういう等々がありますので、少し検討させていただきたいと思います。  保険の件に関してでございますけども、私、少しあやふやな答弁をしたかなというふうに思いますが、鹿児島市の行っている状態でできるものであれば、すぐにでも取り組めるんじゃないかと言って答弁したような次第でございます。ただ、現実的にはあと2カ月少しの間でございますが、それまでの間は短期の保険証を交付できるように、こちらから納税相談等を含めて進めてまいりたいと思います。その中で私どもがお互いに誠意が通じ合えれば、その間は短期の被保険者証で対応できるのではないかなと思っております。そういうふうに御理解いただければというふうに思います。  職員の不祥事につきましては、これは大変言い訳のできないことでございます。皆様方には何回もおわびを申し上げておりますが、今後そういうことのないようにするというのは当然今までもお答えしておりますが、今、各課から事故防止についてのさまざまな対策案というのが出されておりますので、その中から実施可能なものを行ってまいりたいと思います。そして、市議会のほうからも、職員に対する綱紀粛正の徹底についての申し入れ書が提出されておりますので、これにもおこたえするということにもなりますので、今後しっかりと再発防止を図ってまいりたいと思います。  刑事告発につきましては、確かに今おっしゃいますように、罪を罰するという、そういうことも重要でございますし、また、公務員の告発義務というのもございます。そして、特に市民の方々に納めていただいています税でもってさせてもらっている私どもの仕事でございますので、当然、告発までというのは必要な場合があろうかと思いますが、今回に関しましては、私どもは刑事告発を見送った経緯がございます。今後も、悪質なものに対しては、当然、刑事告発というのは念頭に置きながら考えてまいりたいと思っております。 ◯20番(岩元 克頼議員)   登  壇  市長、窓口業務について重ねてお尋ねしますが、一つは、この郵便局の取り扱いの関係は、いろいろ事実関係を調査されておりますかね。調査した経緯があれば、行政として調査したところではこうだったと、ひとつ、ちょっと発表してもらいたいと思うんですが、私が思うには、郵便局に窓口業務を委託する場合、いろいろ私の調べた範囲では、そんなにお金もかからないなという感じもしているわけですね。  それから、この伊佐市には、該当すると思われる郵便局──郵便局株式会社の営業所という位置づけになるそうですが、これはいわゆる特定郵便局だろうと思います。それからしますと、非常にたくさんありますから、大口もそうなんですけれども、大口があって、山野、羽月、西太良、牛尾、菱刈、菱刈重留、薩摩本城、湯之尾、針持、これらの10局が該当するんじゃないかと、こういうふうに思っているわけですね。  実際、業務を聞いてみますと、ファクシミリで通信をするわけですので、こういうものはどこにでもあるわけですね。それから、手数料としては、これは市とこの取扱特定郵便局との契約ですので、市が本来受け取る手数料の中から幾らか払うと、こういうことで済んでいる場合が多いようですね。ああいう公の施設ですので、やはり内部もきちんとしておりますし、それから、取扱事務員のほうも立派な人たちがたくさんそろっている、こういうことですから、非常にいい方法かなと思いますね。  それでも伊佐市は広いですから、やっぱり山間部がかなりあるわけですね。例えば、山野の郵便局を例えにとりますと、五女木とか竹屋敷とか、それから井立田、猩々、それから小木原の十曽の奥のほうとか、かなりの距離もあるわけです。これは大口のまちに行くのとそう変わらんと言うぐらい、相対的には遠距離にあるわけですね。  ですから、仮に郵便局の機能を活用したとしても、それでもなおかつ、じゃ、山間部はどうだろうかと。山間部に実は交通弱者がたくさんいらっしゃるんですね。そして高齢者もたくさんいらっしゃる。こういうところまで気配りをしていけば、法律の中では、戸籍関係にしろ、住民票の関係にしても、また諸証明、これらについては、郵便ないしは省令で定める方法によると。これは親書の便を使うということなんですが、そういうことで対応するというふうになっているわけですね、取り扱い自体が。ですから、遠隔地のところは、そういったことも含めてよく研究してもらわないといけないなと思います。  昔と違いまして、田舎はだんだん不便になるばっかりなんですね。町民バスなんかがあるところは、例えば1週間に2便あったとすれば、そういうついでにいろいろ買い物をしたり、いろんな用事を済ませて帰ってくると。これもまた楽しみの一つかもしれませんが、さりとて、役所の関係書類だけが目的ということになると、もっと便利にしてやったほうがいいのではないかと、私はそういうふうに思いますので、改めて市長のお考えもお聞きしたいと思います。  それから、さっきの健康保険の関係ですが、この間質問がありましたので私もずっとやりとりを聞いておりましたが、確かに、これはみんなが保険税を払ってくださればこういうことは起こらないわけですね。払うのが当たり前なんですが、そのときに親御さんのほうも納税相談に来てくだされば、ほとんど問題はないんじゃないかということを私も存じています。だけど、来られない人もいることは事実ですね。受け取り拒否というような事例も多くあるということで答弁をされていましたから、それは向こうが悪いんだと言ってしまえばそれまでのことですが、しかし、この保険行政を預かる役所としては、そうとばかり言って済まされないわけですね。加えて、親はどうあれ、児童は保護しなくちゃなりませんし、その義務もこちらにあるわけです。  ですから、鹿児島のような状態でできるのであればとおっしゃいますが、そんな難しいことじゃないでしょう。その子供さん本人に短期保険証なりが送達できればいいわけですからね。よく話をしてくださいませんか。そんな難しい話じゃなかろうと私は思っておりますので。それでも、「うちの子にはそげんとは要らん」とおっしゃれば、それは仕方ありません。しかし、児童は本来、保護すべき者。これは第一に親であり、また行政も同じと、この立場ですので、これから4月までの間にそんなに膨大な医療費が出ていくというふうにも考えられませんが、風邪を引いて熱を出したり、いろんなこともあるでしょうから、それはやっぱり放置できない問題でしょう。そこのところは、市長、ぜひもう一度考えていただけませんかね。後で答弁をしてください。  それから、この不祥事の根絶ということについては、各課から出されている案の中からできるものを順次やっていきたいと、こういうことでございますが、せっかくの機会ですから、どういうものが提案として上がってきているのか、ひとつ、私たちに情報開示をしていただければなと、こういうふうに思っています。皆さんは事務の専門家ですから、それを防止するには仕組みとしてどんなものが必要かというのはよく御存じだと思いますが、我々は素人ですから、こうこうこういうことをしたら防げますよ、システムとしてはこうでありますということを発表していただきたいのであります。  それから、告発については、必要がある場合もあろうかと思うが、今回はしなかったと。これは職務執行者においてなされていますので、その件についてこれ以上申し上げるつもりはありませんが、今後の問題として、こういう不祥事を出さないためには、市長みずからの一つの姿勢といいますか、こういうぴしっとしたメッセージを出しておきませんといけないと私は思うんです。そこまでせんでいいんじゃないかという思いもあるかもしれませんが、特に悪質、これをどう判断するかということですね。これは物差しで線を引くように、これから上が特に悪質で、これから下は通常の悪質だと、こういう線の引き方は当然できません。やはりそのときそのときの時代の市民の皆さんの空気があったり、そして、役所のいろんな現実というものがあったりいたしますので、当然グレーゾーンになるところはあるかもしれませんが、やっぱり基本的なスタンスは持っておきませんと、これはいけないと思うんです。  例えば──例え話で申し訳ないですが、刑法の中に横領の罪というのがありますよね。横領とか詐取する場合、それから背任罪とか、こういったものはこういう世界で往々にして起こり得る種類のものかなと思いますが、単純横領罪の場合は5年以上の懲役ですよ。ところが、業務上横領罪になりますと、10年以下ですよ。ぼーんとはね上がるわけです。仕事を通じてそういう悪事を働くということ、あるいは社会に対する信用を失墜させるということの罪がそれほど深いということですよね。  ですから、そういうこともよく考えて、やっぱり毅然たる姿勢だけは持っていただきたいというふうに思うわけで、私が言ったようなことは市長には百も御承知のことでしょうが、いかがでしょうかね。改めて──これは刑法とか、刑事訴訟法とか、法律の問題もいろいろありますけれども、なかなかここでぱっと答えられない問題も含んでいるかもしれませんので、これはぜひ市長は真剣に研究してもらいたいと思います。  それから、ちなみに去年の12月20日ごろだったと思いますが、あれはNHKだったでしょうか、テレビで放送を見ておりましたら、NHKの職員が宿泊費をごまかしまして、60万円着服したというんです。それで、その人は処分を受けたんですが、これは告発する方向で検討していますと、こういうことで言うておりましたですね。だから、いろんな状況で厳しい処分をする場合もあるし、いろんなことを考えてそこまで行かない場合もあるんでしょうけれども、いろんな類似の事件もよく調査、研究されて、これなら市民に対しても申し訳が立つという道筋をつけていただきたいと、私はこういうふうに思いますので、一言、市長の御見解を聞いておきたいと思います。 ◯市長(隈元 新君)   登  壇  郵便局に関して、今までの協議というのの中では、伊佐市になってからは、この件に関してまだ協議をしておりません。私が知っている範囲での旧大口市の場合、ここ2、3年は協議していないと思います。それ以前の記憶としまして、私は2回ほど記憶があります。それは、法務局が廃止──廃止というよりも国分のほうに移るときに、その代行を郵便局でできないかということで郵便局と協議した経緯が1回、それと、山野支所を初めとする当時の支所を廃止するときに、その支所のかわりに郵便局を利用できないかということでそういう協議をしたのがございます。両方とも非公式だと思います。ですので、行政の仕事を郵便局に持っていただくというのの協議は、形でしっかりと覚えていますのは、今までその2回でございます。今のこの伊佐市になりましてからはございませんので、今後、私たちが協議を必要とするところであろうと思います。  ただ、今、コミュニティがありましたり、あるいは菱刈地区の町民バスがありましたりしますので、それの利用状況のぐあいを見ながら、一番の問題は、やはり御指摘いただいております遠隔地の問題だと思います。今私と周囲の職員が個人的に考えていますのは、ここはやはり地域を限定しての職員対応しかないんじゃないかなと。備えていていつもあるわけではなくて、やはり非常に不定期に起こりますので、そのときに大口庁舎、菱刈庁舎それぞれの職員が対応する、個別にお伺いするというようなことをしなければいけないんじゃないかなというのが考えているところでございます。  それぞれの職員の自宅を窓口がわりにするという方法もないことはないと思いますが、それにするにはまだちょっと、その前にほかをすることによって効果のほど、評価のほどを見ることのほうが先かなと思っております。いずれにしましても、対応につきましては、職員が対応するという形を考えながらやってまいりたいと思います。  保険証の問題につきましては、件数としても人数としてもそんなに多くございませんので、それぞれの方々によくお話をしてみます。そして、わずかな期間ですので、できるのであればおっしゃるようにしたほうが親切だと思いますので、とりあえずは、それぞれの方々に担当の者から連絡をとらさせていただきます。  職員の不祥事につきましては、やはり刑事告発を考えておくというのが基本的な姿勢だと思います。その悪質の度合いをどう考えるかというのはいろいろあると思いますが、金銭的に申し上げて実質的な被害があれば、これはしなければならないことだろうというふうに思います。それと、やはり故意に行う──これは、おっしゃいますように、詐欺、背任というのがわかっていて故意に行うわけですが、業務上の横領もそれに入るんでしょうけど、業務上の横領といっても、その悪質さというのが、うっかりというのがあってはいけないんでしょうけども、そういうところは少し考えなくちゃいけませんが、故意に行っているということがはっきりする場合は刑事告発の対象になるというふうに考えますので、基本的には、やはり刑事告発というのを右手に持っていて対応することであろうというふうに考えております。  職員からの提言で、資料があれば総務課長のほうで答弁させますが、職員係のほうにあったのかどうかちょっと私も今は記憶にないんですが、私がさっと見た中では、朝、職場の中で何かの予防を啓発する言葉を復唱するというのがありましたし、あるいは、不祥事に対しての自分の考え方というのをレポートする、そういうようなことを通じて、不祥事を行ってはいけないということ、そういう状態になることは公務員としては当然罰せられるということで、常に繰り返して言葉とか文言にしておくという、そういうのは私の記憶にありますけども、かなり、各課からの全部でございますので、まだしっかりとは目を通していないところでございます。 ◯総務課長(山下 和義君)  市長の答弁に補足して説明いたします。  職員の不祥事に関する対策ということで、全課から上がってきております。その中で、主なものとしてちょっと御紹介したいと思います。  議会のほうからも指摘がありましたけれども、これは滞納対策課のほうから上がってきたんですけれども、伊佐市職員規律委員会等の設置をするべきじゃないかと。目的として、伊佐市職員として法令の遵守、庁内ルール、よき習慣等啓発、防止対策、研修等をする委員会。委員構成としては、副市長を頭に各年齢層、男女を入れた、そういうような委員会をつくるべきじゃないかということで、また議会のほうからも指摘がございましたので、これを受けまして、私どものほうもその委員会の設置を考えているところでございます。  また、公金横領等につきましてもございましたので、綱紀粛正につきましては、帳簿等のチェック、関係課長が必ず原課と照合・確認、当然、毎年関係各課で定期監査等がございますので、定期監査等につきましては、関係書類の帳簿チェックについては課長、係長が必ず行うということで、そういうような公金の横領等が発生しないように、これからも十分注意をしていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◯20番(岩元 克頼議員)   登  壇  職員によって地域を限定しての対応を考えるということですので、ぜひそうしていただきたいというふうに考えますが、何度も言いますけど、コミュニティ協議会での交付事務というのは取次事務ですから、朝、コミュニティの事務局に行って申請書を書いて、そして役所のほうに送ってもらって、「午後から持ってきますから、また2時ごろとりに来てください」と言われればその時間にまた行ってと、こういうことなんですね。余り能率のいい仕事じゃないんです。すぐ近所の人はいいですよ。これはどうかなと思っているわけですが。  これはくどいようですけど、郵便局を活用する方法というのは、郵便局株式会社法というのがありまして、御存じだと思いますが、その「第二章 業務等」というところですが、第4条の2項に業務が書いてあって、「会社は、前項に規定する業務を営むほか、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むことができる」として、そのいの一番に挙がっているのが、「地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律」に規定する事務取扱と、こうして出てきております。それから、あとは銀行だ、保険業だと、こういった代理業務の関係もありますが、もう一つは、地域に貢献しなさいと。この地域貢献計画も定期的に報告するようになっているんです、総務大臣に。ですから、郵便局自体が大きく変わってきているということで、こういうものに対しても非常に前向きになっているわけですね。  伊佐市内のこういう特定郵便局は現在は営業所になると思いますが、契約そのものは九州郵政局で、熊本のほうの支店ということになるようですけれども、その支店のほうも体制をつくって一生懸命支援をしているということも聞いています。すぐにとは申しませんが、ひとつ、ぜひ行政として詳細に研究、調査をしてくださいませんか。そのことをお願いしておきたいと思います。  それから、上がってきた提案の一部を今総務課長のほうから説明していただきましたけど、以前、議会の議員全員協議会で説明があって、そのときの回覧文書があるわけですが、これは山下総務課長が職員の綱紀粛正についてこの回覧に書かれたと思いますけど、なかなか立派なのができているんじゃないですかね。私はこういう話をされるのかなと思ったんですけど、また幅広く意見聴取をされておるみたいですが、皆さんは行政の専門家ですので、そこは私たちも信頼していますから、しっかりしたものをつくっていただければと思って待っておりますので、いずれできたときは教えてください。またこの議場でお聞かせいただきますので。市民に対しても、このようにしますから安心してくださいというようなものを発表していただきたいと思います。  3度目の質問は、今申し上げた郵便局の関係の調査、研究に対するスタンス、そういうものを1点だけお答えいただいて、私の質問を終わります。 ◯市長(隈元 新君)   登  壇  よく参考にさせていただきたいと思います。かつて、法務局の問題、あるいは山野支所を支所として廃止するときの問題、そういうときもたしか地域貢献というのを考えながら郵便局の生き残りをかけていくというようなことを耳にしたようなこともございます。今そういうこと等も紹介していただきましたので、郵便局の業務としても、地方公共団体の行っていることを何か自分たちができないかということ等、いわゆる仕事拡大というのもあろうかと思いますので、まず詳細に意見交換、あるいは、こちらのほうから内容等を習いに行く、そういうことを始めようと思います。 ◯議長(丸田 和時議員)  以上で、20番 岩元 克頼議員の一般質問を終わります。 ◯議長(丸田 和時議員)  次に、5番 諏訪 信一議員の一般質問を許可します。  5番 諏訪 信一議員。 ◯5番(諏訪 信一議員)   登  壇  最後の質問者となりました。私は、質問通告によって、一つ、新市になってからの高齢者対策について、二つ目に、妊婦健診についてお伺いしたいと思っています。  福本議員も言われましたけれども、この選挙期間中、田舎を回りますと、高齢者のひとり暮らしが非常に数多く見られました。私は、この新市伊佐市は、高齢者対策とひとり世帯暮らしについてそれ相応の対応をやっていく必要があると思います。このことを抜きにしてまちづくりはあり得ないと思っています。  一般質問の中で多くの方々がこの高齢者対策について質問をされ、市長のほうから丁寧に答弁がなされておりますので、私はその中で、高齢者が老後を安心して暮らせる伊佐のまちづくり、このまちに住んでよかったと言われるような、お年寄りを大切にする福祉のまちづくりを市長にはぜひこの4年間の中で取り組んでほしいと思っています。そのことは、本当に福祉のまち、伊佐市としてのまちづくりになると信じています。そういうことで、この1番目の質問については割愛したいと思っています。  2番目の妊婦健診についてであります。  昨年度の出産人数と、妊婦健診の助成をどれくらいの方が受けられたのかお伺いしたいと思います。これについては本日の鵜木議員の資料にもありましたけれども、改めてお伺いしたいと思っています。  現在、伊佐市は公費で5回の健診が無料となっていますが、政府でも全14回無料へと打ち出され、御承知のように、11月末には霧島市でも無料化への動きが出ています。伊佐市でも14回無料に向けて取り組みができないのか市長の考えを伺おうとしていましたけれども、残念ながら、前の質問の中で全14回無料化について検討しているということですので、ぜひ新年度の中でこの無料化を打ち出していただきたいと思います。  この妊婦健診については、受診の目安が、妊娠8週に1回、9週から23週は4週間に1回、24週から35週までは2週間に1回、36週以降は1週間に1回の計14回が目安となっているようであります。妊婦健診は母子の健康に影響を与える貧血や妊婦高血圧症の早期発見にもつながり、必要だと言われています。1回の費用は5,000円から1万円が必要であり、病気ではないとの理由で現在は健康保険の対象となっていないのが現状であります。  私は質問書の中には提起しておりませんけれども、安心して赤ちゃんを産み育てたい、こういうことから、出産一時金の問題についても若干言及してみたいと思っています。  出産費用には医療保険が適用されず、原則的には全額負担となっています。出産後、健康保険の加入者は、伊佐の場合、35万円が38万円の出産一時金を受け取れることになりました。現在は本人立てかえ払いとなっており、経済的な理由から出産をためらっている人も多いと聞いております。少子化の一環としての38万円支給は一歩前進かとも思いますけれども、鵜木議員の資料のとおり、本当に少子化の現実が待っているわけであります。本当に安心して赤ちゃんを生み育てる、こういう観点から、伊佐の場合であっても出産費用の無料化はできないのか、また、政府が言っている42万円までの拠出はできないのか、質問の中にはありませんでしたけれども、妊婦健診14回と同様、ぜひとも新年度に向けての検討をしていただきたいと思っています。  以上を申し上げて、私の一般質問を終わりたいと思います。ぜひ検討していただきたいと思っています。よろしくお願いします。 ◯市長(隈元 新君)   登  壇  出産数と妊婦健診の費用についてだけお答えさせていただいて、議長のお許しをいただいて、しばらく休憩をいただきたいと思います。質問事項にないことが出ておりますので、担当課長と打ち合わせをしておりませんので、ここは本会議でございますので、間違った答弁をするということがちょっとやっぱり懸念されますので、お許しをいただければ、この答弁の後、しばらく休憩をいただきたいと思います。  昨年度の出産数につきましては、19年度の出生数は、先ほどの表の中にもございますが、218人でございます。また、妊婦健診の助成というのは、平成19年度は589人の方が受診をされ、助成金は321万521円でございました。また、妊婦健診の14回無料化へ向けての取り組みでございますけども、質問者が複数にわたっておられますので、どうしても先に御質問なさった方にお答えするということになりますので申し訳ないと非常に心苦しく思いますが、今までの経緯を含めまして少し詳しく申し上げれば、母子保健法13条に、「市町村は、必要に応じ、妊産婦対して健康診査を行い、又は健康診査を受けることを勧奨しなければならない」としております。  厚労省は、望ましい健診回数として14回としているわけでございます。平成20年度の伊佐市におきましては、公費による妊婦健診を5回としております。厚労省によりますと、公費負担による妊婦健診の回数は、全国平均で5.5回でございます。政府は、生活対策の中で、妊婦健診14回すべてを無料化するという方針を打ち出しまして、厚労省は、現在の地方財政措置で残り9回分を国と市町村で2分の1ずつ負担する国庫補助事業を立ち上げまして、安心安全な出産を確保するということでございます。  国庫補助事業では、国の負担額は21年2月から23年3月までの26カ月分で約790億円と見込まれておりまして、厚労省は第2次補正予算で所要の額を盛り込む方針であります。同額の約790億円が市町村分として地方財政措置が講じられるというふうに聞いております。第2次補正予算が成立した場合、厚労省は同事業の要綱等を通知するとしている段階でございます。
     伊佐市としましては、少子化・妊婦対策として、今後、国の事業と連動しながら検討し、取り組んでまいりたいと思います。  先ほどの出産一時金につきましては、立てかえ払いとおっしゃいましたが、なくても、現在、国保のほうから38万払われるという制度になっていますので、実際、妊婦さんに手持ちのお金がなくてもできるという状態になっております。ただ、それ以上のことにつきましては、国保との関係がございますので、御質問になかったものですから私も詳しく調べておりませんので、しばらく時間をいただきたいと思います。  以上でございます。 ◯議長(丸田 和時議員)  ここで、暫時休憩します。                △休  憩△(14時34分)                △再  開△(14時44分) ◯議長(丸田 和時議員)  休憩前に引き続き会議を再開し、一般質問を続けます。 ◯市長(隈元 新君)   登  壇  質問の通告でいただいていなかったものですから、大変失礼いたしました。  この出産育児一時金につきましては、これは私どものまちが単独で独自に行うという、そういうような施策ではございませんで、厚生労働省が打ち出している出産一時金でございまして、現行は35万円ですけども、それが21年の今月1日から1人当たり38万円になり、上乗せ分の3万円というのはドクターのほうに加算されるという、そういう制度でございます。  その出産育児一時金を21年の10月からはさらに4万円引き上げて42万円とする方向で検討しているということで私どもの国保の担当のほうに連絡が来ているのが、今一番新しい情報でございます。  これは国保が委任払いをしておりますので、産婦の方から直接いただくということはないわけです。むしろ、42万かからない場合は、産婦の方は、お医者さんにお払いになった後、残る分は払戻しをされる、出産育児の一時金全額が出されているという、そういうような国保の中の制度でございます。  私どもの市町村国保に対しましては、まだ案でございますが、引き上げ分の2分の1を国庫補助とし、残り3分の2を地財措置し、3分の1を保険料負担とする案が一応有力な案でございます。  これは、政府与党が新法で一時金を医療機関に直接支払う出産一時金制度を創設する意向でありましたけども、国会の情勢などにかんがみまして、急遽方針がこのようになって、全国一律の同じ制度でもっての出産育児に関する少子化対策として打ち出された政策というふうに理解しております。 ◯5番(諏訪 信一議員)   登  壇  質問を終わりますと言ったんですけれども、全く申し訳ないと思います。  私は、今回のこの質問について、安心して子供が産みたい、そのためにはどうしてもお金が先になるわけであって、それを国保なら国保の保険組合のほうから直接医療機関に支払っていただくと。そうすれば、お金の心配もしなくて産むことができるわけですよね。それとこの健診の無料化との関係があったものですからこの質問を出したところであります。そして、市長がそのことを新年度予算の中で検討するということでしたので、あわせてこの出産祝いの一時金の問題も出したところです。  了解しました。どうも失礼しました。ありがとうございました。 ◯議長(丸田 和時議員)  以上で、5番 諏訪 信一議員の一般質問を終わります。 ◯議長(丸田 和時議員)  以上で本日の会議は全部終了しました。  本日はこれで散会します。                △散  会△(14時48分) このサイトの全ての著作権は伊佐市議会が保有し、国内の法律または国際条約で保護されています。 Copyright (c) Isa City Council, All rights reserved....