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09月01日-02号

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  1. 奥州市議会 2020-09-01
    09月01日-02号


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    令和 2年  9月 定例会(第3回)      令和2年第3回奥州市議会定例会会議録(第2号)議事日程第2号                  令和2年9月1日(火)午前10時開議第1 一般質問-----------------------------------本日の会議に付した事件第1 一般質問-----------------------------------出席議員(26名)      議長  小野寺隆夫君      1番  小野 優君      2番  及川春樹君      3番  千葉和彦君      4番  高橋 晋君      5番  小野寺 満君      6番  高橋 浩君      7番  千葉康弘君      8番  瀬川貞清君      11番  千葉 敦君      12番  廣野富男君      13番  及川 佐君      14番  菅原圭子君      15番  菅原由和君      16番  飯坂一也君      17番  高橋政一君      18番  加藤 清君      19番  阿部加代子君      20番  中西秀俊君      22番  菅原 明君      23番  小野寺 重君      24番  藤田慶則君      25番  今野裕文君      26番  渡辺 忠君      27番  及川善男君      28番  佐藤郁夫君-----------------------------------欠席議員(0名)-----------------------------------説明のための出席   市長                   小沢昌記君   副市長                  及川新太君   副市長                  新田伸幸君   教育長                  田面木茂樹君   総務企画部長兼ILC推進室長       千葉典弘君   財務部長兼行政経営室長兼競馬対策室長   千田布美夫君   協働まちづくり部長            浦川 彰君   市民環境部長               小野寺和夫君   商工観光部長               菊地 厚君   農林部長兼食農連携推進室長        鈴木清浩君   福祉部長兼地域医療介護推進室長      佐賀俊憲君   健康こども部長              佐藤浩光君   都市整備部長               渡辺恭志君   上下水道部長               中田宗徳君   教育委員会事務局教育部長         千葉 昌君   政策企画課長兼人口プロジェクト推進室長  二階堂 純君   都市プロモーション課長ILC推進室主幹 千葉訓裕君   財産運用課長               村上幸男君   地域づくり推進課長兼地域支援室長     井面 宏君   生活環境課長兼空家対策室長        高橋博明君   危機管理課長               門脇 純君   商業観光課長兼ロケ推進室長        佐々木紳了君   企業振興課長兼企業支援室長        佐々木啓二君   地域医療介護推進室行政専門監       家子 剛君   健康増進課長               菅野克己君   健康増進課保健師長            伊藤江美君   保育こども園課長             千葉達也君   都市計画課長               古山英範君   学校教育課長               佐藤利康君-----------------------------------事務局職員出席   事務局長                 瀬川達雄君   議事調査係長               千田憲彰君-----------------------------------議事     午前10時 開議 ○議長(小野寺隆夫君) 出席議員は定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。 本日の会議は、議事日程第2号もって進めます。----------------------------------- ○議長(小野寺隆夫君) 日程第1、一般質問を行います。 通告順により順次質問を許します。 初めに、20番中西秀俊議員。     〔20番中西秀俊君質問席へ移動〕 ◆20番(中西秀俊君) おはようございます。20番中西秀俊でございます。 質問に入る前に一言だけ、過日の大雨、集中豪雨の対応について感謝を述べさせていただきたいと思います。 梅雨の頃、地盤が緩んでいる中、7月12日、日曜日、7月28日、月曜日に突然の大雨が降り、奥州市の北、梁川地内など各地域で未舗装道路の砂利洗掘、堆積、河川災害、土砂の崩落、床上床下浸水、数十か所の被害報告がありました。被害程度が大きく、復旧に時間を要する箇所もあります。何より人的被害がなかったことが一番幸いでありました。 今議会に一般会計補正予算に計上されている案件であるとも理解しております。 梁川地域において、振興会、地区センターを中心組織として、自主防災、自主的に各区長さん、自治会長さん及び地域安全部などからの報告をいただき、取りまとめをして、市及び職員、江刺総合支所経由も行いながら、関係の皆様方に迅速に対応していただきました。 本日は防災の日でもあります。台風の季節でもあります。これからも皆さんのご協力をいただき、安心、安全な地域にしていきたい、そんな思いをいたしております。 改めて市長はじめ職員の皆様方の迅速な対応に感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。 それでは、通告に従い、2件について市長並びに教育長に質問をいたします。 1件目に、江刺地域の小・中学校統合計画についてお伺いをいたします。 奥州市小中学校再編基本計画、令和元年3月策定に基づき、小学校においては複式学級の解消、中学校においては全教科の専科教員の配置による学力向上を目指し、さらには生徒の希望に応えられる部活動の加入を可能とするために、前期、後期に分けた段階的な統合を行って課題解決を図るための素案の説明会が、8月18日に全員協議会において議会に説明がなされました。 8月7日には、今年度第1回の江刺地域会議において素案について説明がなされました。1つには、江刺地域の小学校については、江刺地域は2023年度までに小学校を現行の12校から4校とし、中学校は3校から江刺一中の1校に、段階的に統合する内容であります。小規模小学校をめぐる切実な課題が浮き彫りであります。 江刺地域会議の委員からは、私も出席をいたしました、どちらかというと統合には賛成をします、再編案の素案はよいと、木細工小学校が米里を飛び越えて玉里に来る疑問、学校名については新しく考えては、などなど出されました。 複式学級の解消が必要なことについては、学力や社会性は一定の集団活動を通して培われることや、学校の機能を果たすためには一定の規模が必要なことは、地域の方々の理解は進んでいると思ってございます。もしこれらが否定的な保護や地域が反対する理由として考えられることは、児童一人一人に目が行き届き、行事などにおいて活躍の場が多いなど小人数のよさが失われること、また、学校は地域の宝という思いから、学校統合による地域衰退の危惧、伝統行事や地域活動の存在への不安などが想定されます。 その打開策として、私なりに、教育の環境を改善することの重要性を理解いただくこと、人口減少の歯止めが容易ではなく、児童・生徒の回復が見通せない実態の中で、学校は地域の宝との思いを大切にするあまり子供を犠牲にしてしまう可能性があること、少子化が進む中で、その地域で伝わっている伝統芸能や地域活動などは上手に地域を広げ、その担い手や取組みなどの集団を増やすことのほうが存続の可能性が広がっていくのではないかと思います。 そこで、小規模小学校の課題についてお尋ねをいたします。 1つには、江刺地域での意見への見解について。 2つ目に、複式学級の解消について。 3つ目に、学校がなくなることでの地域衰退の打開策についてお伺いをいたします。 2つ目に、江刺地域の中学校について、中学校規模の差についてお尋ねをいたします。 江刺の中学校については、2021年度末に江刺南中学校が、2023年度末に江刺東中学校が、それぞれ江刺第一中学校と統合する案が提示されました。 江刺地域会議内で、住民と保護から学校規模に差が出るとの疑問の声が出されました。既に現状でも希望の部活動を選べなくなっていて、再編の狙いを踏まえると、統合が遅れる東中学校のことについて不満を感じる、南中学校と同時期にできないのかと。さらには、東中学校と南中学校を統合させる考えもあるのではないか。先に対象校同士で統合する枠組みもあるのではないか。さらに、素案よりも早い時期での中学校統合を希望する保護もおります。小学校よりも早く、子供たちにとって望ましい教育環境の実現をなどの意見が出されました。 その際に、教育委員会からは、その会場において説明として、生徒数の少なさを踏まえて南中学校を早期に統合させる必要性を強調されました。東中学校と同時に江刺第一中学校へ統合させれば、1学年最大8学級の超マンモス校になるとして段階的な統合案に至った経緯、保護からは、さらに検討を重ねてほしいという要望も出されております。教育委員会からは、今後学校ごとに詳しく説明を行い、地域から意見をもらいながら計画をつくっていくという説明でありました。 そこで、江刺地域の中学校規模の差についてお尋ねをいたします。 1つとして、今お話しした江刺地域会議での意見への見解について。 2つ目に、学校ごとの説明会や地域の意見の聴取についてお伺いをいたします。 大きく3つ目に、今後、小中学校の想定される様々な取組みについてお尋ねをいたします。 学校配置の在り方に関することについては、学校規模の確保を基本としながらも地域性や地域の将来を考えて統合、推進していくべきとのご意見、さらには、学校がなくなると過疎化に拍車がかかることにもなり、そうならないための手だてを講じてほしいといったご意見も予想されます。 また、通学手段の確保や、学校や跡地利用の問題、新しい学校と地域の在り方について、特にも学校再編は、地域や保護にしっかりと説明をし、理解を得なければ、進めてはいけないと思ってございます。 そこで、1つ目として、今後予想されることへの対応について。 2つ目に、学校再編は地域や保護の理解が大切という観点からお伺いをいたします。 私は、この素案を評価し、さらに統合の推進の立場からお伺いをしてございます。 登壇しての質問といたします。 ○議長(小野寺隆夫君) 小沢市長。     〔市長小沢昌記君登壇〕 ◎市長(小沢昌記君) 中西議員のご質問にお答えをいたします。 なお、私からは1点目の小規模小学校の課題についてのうち、学校がなくなることでの地域衰退の打開策についてお答えをし、江刺地域会議での意見への見解について及び複式学級の解消について並びに2点目の中学校規模の差について、さらに3点目の統合で想定される様々な取組みについては、教育長からご答弁を申し上げます。 まず、江刺地域の小中学校の統合についてでありますが、今年度、市内30地区で実施した市政懇談会においても、地域から統合を早急に進めるべきとのご意見がたくさんありました。 小中学校の統合については、教育委員会において平成31年3月に奥州市小中学校再編基本計画を策定し、その後は、奥州市立小中学校再編検討委員会において具体的な学校再編の協議を進めてきたところであり、7月に開催された委員会において学校再編の素案が提示されたところであります。今後は地域での説明を進め、速やかに望まれている教育環境の実現を目指してまいります。 学校がなくなることでの地域衰退の打開策についてでありますが、本市においては学校を中心とした地域づくりの手法から脱却をして、各振興会による地区センターを中心とした地域づくりを推進、そして実施しているところであります。もちろん今まで学校と協力して実施してきた地域独自の事業ができなくなるといったことが懸念されますが、1つの例として、平成26年度に7つの小学校を1つに統合した前沢地域においては、統合により学校がなくなった状態においても、統合前には各小学校において行われていた地域の伝統芸能を教える取組みを学校に代わって地区振興会が主体となって行うことにより、伝統芸能の伝承が途絶えるかもしれないという問題を解決するなど、統合によって生じる課題に対して、それぞれに工夫された取組みが行われております。 今後も続くであろう人口減少時代において、子供たちのために、地域のために何ができるかを地域全体で考え、協働の力を発揮しながら、住んでよかったと思われる地域になるような取組みができるよう、引き続きしっかりと支援をしてまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 田面木教育長。     〔教育長田面木茂樹君登壇〕 ◎教育長(田面木茂樹君) 中西秀俊議員の1件目のご質問にお答えします。 最初に、1点目の小規模小学校の課題についてであります。 現在、江刺地域では、12校ある小学校のうち9校に複式学級があります。複式学級は、異学年が1つの学級で生活することにより、学習習慣や地域解決の態度が育つなどのメリットもありますが、交友関係が固定化しやすく切磋琢磨する機会が少なくなること、学習面において多様な考えに触れながら学び合う場面が持ちにくいこと、教師による直接的な指導が物理的に半分になることなどのデメリットも報告されています。そこで、小学校における学校再編につきましては、複式学級の解消を狙いの一つに位置づけることを確認しております。 また、検討委員会より学校再編の素案を提示しております。 最も近いところでは、令和2年度末をもって木細工小を玉里小に統合する案を示しました。それに対し、8月7日に行われた江刺地域会議では、木細工小を隣にある人首小ではなく玉里小と統合することについて質問がありましたが、これは、木細工小の来年度の全校児童数が4名と非常に少ないことが見込まれており、人首小と統合しても複式学級は1学級も解消できないこと、その次の年である令和3年度末には人首小も玉里小に統合する考えであることが理由となっております。加えて、統合する際、学校名も検討するよう要望がありましたが、現在のところ現存する学校名とする考えでおります。このことについても検討委員会で話し合ってまいります。 次に、2点目の中学校規模の差についてでありますが、現在、江刺第一中学校は各学年5学級の適正規模、江刺南中学校と江刺東中学校は各学年1から2学級の過小規模となっております。3校を統合すると大規模校となり、江刺第一中学校の校舎では教室数が不足しますので、学校再編に係る素案では、令和3年度末に江刺南中学校、令和5年度末に江刺東中学校を、段階的に江刺第一中学校に統合する案を示しております。 江刺地域会議では、江刺南中と江刺東中を統合する意見もありましたが、2校を統合しても各学年2学級の許容できる下限の規模にしかならず、令和5年度末には江刺東中も江刺第一中学校に統合する考えであることから、素案のとおりとしております。今後開催される説明会において、地域や保護の方からの意見を参考にし、よりよい統合の仕方について検討してまいります。 最後に、3点目の統合で想定される様々な取組みについてでありますが、学校再編案及び段階的な統合案の策定、現存の学校施設を利用した先行的な統合については、学校再編検討委員会が進めてまいります。また、スクールバス等の通学手段、放課後の児童の見守りに係ること、学校跡地の活用などの検討については、各地域ごとに検討委員会、準備委員会を立ち上げ、検討してまいります。 今回お示しした学校再編案は、あくまでも素案でありますので、今後、各学校での説明会などを通し、地域や保護の方からの意見に耳を傾けながら検討を進めてまいります。 ○議長(小野寺隆夫君) 中西秀俊議員。 ◆20番(中西秀俊君) ありがとうございました。 今、教育長のほうから、あくまでも素案であるという言葉で締めくくっていただきました。計画素案についてということで、資料も説明会の際にいただいたわけです。 それで、先ほど言ったように、小学校再編基本計画、昨年、元年度3月に策定という形ですけれども、やっぱりこの五、六年にわたって断続的に再編検討委員会が開催されて今日に至ったと思います。毎年それに変わる状況の中で、保護も変わってきていると思いますし、さらに少子化社会の今日において学校再編整備は避けて通れない、今お話いただいたとおり重要な課題であると理解をいたします。時代が変わろうともこよなく地域を愛し、社会の形成として個性豊かで創造力に富み、社会の変化に対応する市民なり子供たちの育成は、大きく期待をするところでございます。だからこそ大事な部分だと思います。 先般の6月議会において、私は江刺東こども園の質問をさせていただきました。その際、送迎の利便性や小学校の再編の過程を考慮して保育園のほうは場所を決定していくという回答をいただきましたし、保育の空白地帯をつくらないために、行政が責任を持って運営課題の整理を進める見解をいただきました。学校区割りについては、地域の声を十分に伺い、納得のいく説明がこれからも必要だと思います。 そこで、再度お尋ねをしますが、1つ目に、改めて小学校再編のロードマップ、計画の完成形、要するに、岩谷堂に集約する小学校で令和6年以降に、中学校で令和5年を、ただいまの回答で確認をいたしました。 改めて伺います。 2つ目に、江刺東中学校学区の保育園と小学校が玉里地内に統合することで、10キロ余り離れている保育園、小学校に通園、通学をする状況の見解で、保育所や小学校は、計画からしても既存の施設の活用が必須ではないでしょうか。 その2点をまず伺います。 ○議長(小野寺隆夫君) 佐藤学校教育課長。 ◎学校教育課長(佐藤利康君) ただいま議員から2点ご質問を伺いました。 1点目、学校再編のロードマップの完成形につきましてお答えいたします。 まず小学校ですが、現在、複式指導を行っております学校が、前期の対象校でございます。こちらは令和5年度末までの統合を素案として提案をしております。また、令和6年度以降の部分、こちらは後期の素案としてございますけれども、こちらにつきましては今後の児童数の減少の状況によりまして改めて統合を検討する、そのような対象校を示した素案となってございます。 中学校でございますが、令和5年度末までに江刺地域の中学校を江刺第一中学校へ段階的に統合する提案となってございます。 今後でございますが、小中学校ともに、対象となる学校区ごとに丁寧に説明会を開催いたしまして、保護、地域からのご意見をいただきながら、次回11月に予定されております学校再編検討委員会での協議の中に生かしてまいりたいと存じます。 2点目ご質問いただきました部分、教育委員会としましては、江刺東中学校区の通学の負担という部分についてお答えいたしますけれども、江刺東中学区内の小学校では、玉里小学校へ通学するとなった場合に、最も遠い木細工小学校からの距離でございますが、こちら14.7キロメートル、スクールバスで直行した場合の所要時間は17分とされております。実際にはもう少しかかるかと存じます。 そこで今後、各学校で再編に係る具体的な検討が始まる際には、通学時間に負担がかからないようなバス路線の運行経路とか通学手段等々につきまして、特にも保護の皆様からご意見をいただきながら検討を進めてまいりたいと存じますし、また、統合の方式につきましては、既存の学校施設を活用した統合を現在のところ提案しております。 以上です。 ○議長(小野寺隆夫君) 中西秀俊議員。 ◆20番(中西秀俊君) ありがとうございました。 続けてですけれども、1点だけになると思いますが、素案についての説明資料で、令和6年度以降、後期という形で、玉里小学校、稲瀬小学校は、今後の児童数の推移を注視しながら、状況により岩谷堂小学校へ統合すると書かれてございます。そうした場合に、もしかすると東中学区の小学校の子供たちは、5年、6年以上、玉里小学校に在籍するという状況になることもあると思うのですが、その際に、玉里地域に集約されるという状況の中で、小学校名の再検討はこれからされると理解してよろしいか伺います。 ○議長(小野寺隆夫君) 佐藤学校教育課長。 ◎学校教育課長(佐藤利康君) 江刺東中学校区内の小学校でございますけれども、前期の統合素案の中で、玉里小学校への統合を提案してございます。 議員ご指摘のとおり、仮に玉里小学校へ統合となった場合には、その後、まずは6年程度はそのままの状態で複式は解消できると存じますが、後期につきましては、これからの児童数の減少の状況によりまして、また複式というような状況も、おおむね令和10年度以降には見込まれるところでございますので、そのような状況になりました際には、岩谷堂小学校への再統合について検討する対象校として、玉里小学校も素案の中で位置づけております。 これらのことから、新校名については現段階のところでは考えていないというところでございます。 以上です。 ○議長(小野寺隆夫君) 中西秀俊議員。 ◆20番(中西秀俊君) 江刺地域会議でもお話として出たという、先ほどお話をしました。ぜひその辺ももう一度腰を据えて検討してみてください。 保育園は、江刺東保育園という仮称が出ています。四十数年前に、江刺東中学校という、江刺南中学校という校名も生まれています。その玉里小学校でいい悪いではなくて、やっぱり5年なり6年という話もありましたけれども、その辺も検討する価値はあるのではないかなと思ってございます。 校名を変更するということは、様々な手続だったり、いろんな乗り越えなければならない部分はあろうと思いますけれども、よろしく検討をお願いしたいと思います。 最後に、市長のほうにもお尋ねします。 先ほど答弁をいただきました。地域が、振興会が、その子供たちも見ていくという回答をいただきました。本当に政治は結果だという話もございますけれども、人口減少の時代、学校がなくなっても、学校に代わって地域振興会が主体となって課題解決に工夫していきますよと、引き続き支援を行っていくという回答もいただきました。 その中で、改めて市長にお伺いします。 地域と学校とのつながりの部分で、江刺東中学校の状況もここ数十年、20年余り見てまいりました。伝統芸能も玉里の鶏舞を使ったりして、子供たちと地域が一体となって動いていた状況も把握してございます。しかし数年前に、やっぱり地域の指導の高齢化だったり、様々な状況によって、それもなくなっております。 小学校で、例えば梁川小学校鹿躍があって、中学校がなくて、岩谷堂高校に地域から指導が行って、岩谷堂高校鹿踊といったような動きも出ておりますし、また、東京との交流、群馬県との交流、昨日いろいろお話を伺った方から聞くと、広い形の中でやっぱり活動されているという思いの中で、やっぱりその地域、学校、保護、家庭、その辺の連携というのは、これからもっともっと大きくなっていくのではないかなと思ってございます。 その辺を伺って、1件目の質問を終わりたいと思います。 ○議長(小野寺隆夫君) 佐藤学校教育課長。 ◎学校教育課長(佐藤利康君) ただいま議員からご指摘いただきました新校名につきましては、次回の学校再編検討委員会の中で協議題とさせていただきます。 以上です。
    ○議長(小野寺隆夫君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 登壇しても述べたとおりでございますが、人口減少であるとか、少子化であるとか、高齢化であるとかというふうな、これまで我々が経験したことがないような新しい課題を抱えながらまちづくり、あるいは地域づくりを進めていかなければならないというふうな部分からすれば、新しい力、新しい創造力をもって、その失われていくものを上回るだけの力を発揮できるような仕組みをつくっていかなければならないと。失われたものだけを数えて元気がなくなるということではなく、その状況において、たくましく新しい時代を切り開くための知恵を生み出す。そのためには、やはりいろんな方々との連携が何よりも大切であろうというふうに思うところであります。 いずれ今を生きる子供たちがたくましく育つ、そのことは次の時代の発展の可能性を大きくすることでありますので、統合は統合として進める上においても、では失われそうなものをいかに守るか、どのようにすれば存続をできるかというふうな部分については、まずその地域にいる方々がいろいろ知恵を絞っていただく、そして、全国にはそういうふうなことで成功している事例も山ほどあろうと思いますので、そういうふうな部分の情報収集に我々も力を尽くすというような形の中で、相互に情報を共有しながら、さらにいいまち、現状における最大値の発展ができる、そのような地域づくりのために力を尽くしてまいりたいと思います。 ○議長(小野寺隆夫君) 中西秀俊議員。 ◆20番(中西秀俊君) 2件目に移ります。 それでは、2件目にヘリポートの整備についてお伺いをいたします。 奥州市の北の玄関口へのヘリポートの整備についてお伺いをいたします。 最初に、広域防災拠点の機能を有する都市公園の配置指針を見ますと、災害用に備蓄していた物資、国内外からの支援物資、救援及び救助隊など、被災地への迅速かつ効率よく配給、配備するために、災害が発生した場合においても通行が可能な広い幅員の主要幹線などや海路、空路と容易にアクセスができる場所に設置するとあります。主として広域的な防災拠点として役割を果たすため、配置については都市の規模、交通、物流の観点から、妥当と考える対象圏域当たり1か所とされております。配備は1か所とされております。広域防災拠点は、その性格上、都道府県に1ないし数か所の設置が考えられていることから、基本的には住民の避難地としての機能は想定していないようであります。広域連携といっても、設置については国や県レベルと思います。 さて、一般県道梁川玉里線は、奥州市江刺玉里を起点として江刺梁川の一般国道107号線に至る道路であり、平成24年度に開通した東北横断自動車道、釜石秋田線、江刺田瀬インターのアクセス道路の機能を担っております。江刺梁川の舘下地内の区間は、江刺田瀬インターの開通に伴い本路線の交通量が大幅に増加していますが、当該区間は沿道に住居が連檐する幅員の狭い1車線区間となっております。加えて、当該区間は梁川小学校の通学路に指定されていますが、歩道が狭く、歩行の安全が確保されていない状況であることから、梁川バイパスの本工区の整備により、安全で円滑な交通の確保と当該区間の環境改善を図ることから、過日の8月4日に、梁川工区道路整備(仮称)梁川バイパスの事業説明会が梁川地区センターで開催されました。事業スケジュール案として、令和2年度から3年度内に用地測量、用地買収がなされ、令和4年度から道路改良工事が始まり、令和8年3月頃に供用開始予定であります。 釜石道梁川トンネル、今、橋の架け替え、これから工事が進められる梁川バイパスと、ますます奥州市の北の玄関口の位置づけが高まってくる、併せて交通量も増大していくと予想されます。交通の分岐点場所であり、空路として花巻空港から七、八分、岩手県立病院にも30分以内で到着できるエリアと思います。 そこで、梁川総合運動場内を防災の拠点として、旧江刺高校梁川校舎を解体してのヘリポートの設置を提案したいと思います。 これまでもヘリポートとして梁川総合運動場が活用されております。防災訓練において、自衛隊ヘリが地域住民を岩谷堂まで搬送いたしましたが、土のグラウンドのために、着陸を迎えるまでに水の散水は必須な作業となります。消火栓や防火水槽がなく、舘下の町裏の河川から200メートル余りの距離を消防車で水を上げての散水作業であります。これまでに着陸が不可能なときは、江刺工業団地内の草芝グラウンドの野球場に着陸しなければならないお話も伺いました。 そこで、交通の分岐点である梁川総合運動場を防災の拠点として、旧江刺高校梁川校舎を解体して、草芝駐車場をヘリ離着陸に活用してはどうでしょうか。公益的にもベストな場所と考えます。 そこで、ヘリポートの整備について市長の見解をお伺いいたします。 登壇しての質問を終わります。 ○議長(小野寺隆夫君) 小沢市長。     〔市長小沢昌記君登壇〕 ◎市長(小沢昌記君) 中西秀俊議員の2件目のご質問にお答えをいたします。 岩手県地域防災計画には、航空法において、災害時などに臨時的にヘリコプターの発着が許可される飛行場外離着陸場の該当となるヘリポートが194か所登録されており、そのうち当市に登録されているものは21か所であります。梁川地区においては、梁川地区総合運動場が登録されております。 また、岩手県地域防災計画にはヘリポートの設置基準が示されておりますが、梁川地区総合運動場もこの基準を満たしたものであり、離着陸の際に発生する砂じんを防止するため散水が必要であることは認識しておりますが、ヘリポートとして現状のままで大きな支障はないものと考えております。 梁川地区総合運動場に隣接する旧江刺高校校舎の立地場所につきましては、地元の梁川振興会へ無償貸付けを行い、適切に管理していただいておりますが、岩手県広域防災拠点配置計画では、既に県南地域の後方支援拠点として北上市と遠野市が選定されていること、また、県において当面計画変更の予定はないとの回答を得ており、新たな県南地域の支援拠点として当市が追加される状況が見込めないこともあり、専用ヘリポートとして整備を行うまでには至らない状況であると考えているところであります。 梁川地区におきましては、平成24年11月の東北横断自動車道、釜石秋田線、江刺田瀬インターチェンジの供用開始並びに平成31年3月の一般国道107号、梁川口内トンネルの開通による交通量の増大に伴うバイパス工事が計画されており、令和8年に竣工の予定と伺っております。バイパスの整備により、利便性の向上と併せ、梁川地区の位置づけが大きく変わっていくことも想定されますので、今後の工事の進捗状況を注視してまいりますとともに、地域の皆様とともに、この貸付地の利活用の方針について、併せて検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。 以上であります。 ○議長(小野寺隆夫君) 中西秀俊議員。 ◆20番(中西秀俊君) それでは、再度お伺いをいたします。 ただいま市長のほうから回答として、梁川地区総合運動場はヘリポート基準を満たしたものであり、離着陸の際に発生する砂じんを防止するための散水が必要であることは認識しているが、ヘリポートとして現状のままでは大きな支障はない。北上市と遠野市が選定されて、県において計画の変更も予定されていない。専用のヘリポートとして整備を行うまでには至らない状況。また、バイパスの整備により利便性の向上等、梁川地区の位置づけが大きく変わっていくことも想定されるという前向きな検討もいただきました。 お話しされたとおり、交通網が整備されたことで、現状において、現在も冬場になればもっとなんですけれども、車両の交通事故の際は、奥州市からも警察車両、救急車、消防車、消防水槽車など、連ねて釜石道付近に出動されてきます。 梁川総合運動場の施設は、グラウンド、建物、草芝駐車場は一体であります。また、地域での消防団員の不足などもあり、離着陸の対応に、もしかすると支障を来す状況も予想されます。だからこそ、いつでも離着陸が可能になるような、その草芝の駐車場なりそういったもの、建物の解体が早急に必要ではないかと私は強く考えておりますので、改めてお伺いをいたします。 ○議長(小野寺隆夫君) 門脇危機管理課長。 ◎危機管理課長(門脇純君) お答えいたします。 ただいまのご質問は、要はグラウンドの散水作業等、地元で行うのが非常に労力が要るので、草芝のほうに場所を変えてはいかがかというふうにお聞きしたものでございます。 平成27年の県の総合防災訓練の際に、当該地、梁川地区の総合運動場から自衛隊のヘリコプターが離着陸したと。その際に地元の方々でグラウンドに散水をしていただいたが、かなりの労力を要したというふうにお伺いしてございます。 訓練の際は、県の防災訓練もですし、市の防災訓練もですけれども、訓練の際は地元の消防団の方々に散水を依頼するケースが多いのでございますが、実際の運用、ドクターヘリなり、防災ヘリひめかみが実際に運用する場合においては、消防本部が散水などの管理を委託されて、受託して行うこととなってございまして、よって、地元の方々へ実際にお願いすると、散水等をお願いするということはないというふうに認識してございます。よって、場所の移動、草芝等への移動というものは、現在のところ必要ないのではないかと考えているところでございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 中西秀俊議員。 ◆20番(中西秀俊君) ちょっとだけ視点を変えて、当該場所の利活用の方針について検討を進めていただきたい、そんな思いで重ねてお伺いをしますが、もしかすると財産という観点から財産運用課のほうになるのかもしれませんけれども、危機管理の皆さんも今回の質問を迎えるに当たって足を運んでいただいて、一緒に現地を見ました。そうしたところ、地区センターからもお話を伺ったんですけれども、財産運用課の方々も足を運んでくれたというふうに私は認識をしてございます。 そんな中で、現在、地区振興会で使用の貸し借りをしている状況の中で、旧江刺高校梁川校舎は、かなり傷みが進んでおります。一部外壁も腐食し、外部からの人や動物が侵入できる状況であり、防犯上も放置できない環境状況であると思います。 過日、俺が第1回の江刺校舎の生徒会長だという年配の方のお話も伺いました。そうすると、八十、九十歳だと思います。昨日、振興会長とも2時間余り話しをしました。その中で、施設の老朽化が進む中で、改修で経費をかけるよりも、更地にして何らかの有効活用ができればとの提案でもあり、さきの市政懇談会で、梁川の振興会長からも市長に対してお話があったと思ってございます。 登壇しての質問でもお話ししたとおり、隣接して梁川バイパスの計画もある中で、これから地域でさらにグラウンドを利用する場合、あるいは将来的にインターチェンジも近いまとまった土地で、様々な活用の夢が描ける当該地については、やはり危険物の建物は除去して、次の手だてを考えるべきではないかと思うのですが、お伺いをいたします。 ○議長(小野寺隆夫君) 千田財務部長。 ◎財務部長兼行政経営室長兼競馬対策室長(千田布美夫君) ただいま議員から、財産としての利活用、それから、危険であるのでその辺をどうしたらいいのかというようなお話を頂戴したところでございます。 現在、この建物、旧江刺高校梁川分校の校舎につきましては、議員からもお話がありましたとおり、梁川地区振興会様に使用の貸借をしている状況にございます。少なくとも50年以上が経過した木造の老朽施設となっておりまして、議員ご指摘のとおり、木造部分の外壁の一部が崩壊している状況は、財産運用課、当部においても認識しております。 一方で、このような木造建築物の耐用年数を優に超える建物につきましては市内各所に存在しているという状況もありまして、市としましては、建物の危険度や周囲に与える影響、それから解体後の土地の利用計画等を勘案しながら、限られた予算の中で順次解体工事を実施している状況にございます。そういったことから、即時に解体をしますというような状況には今のところはないということでございます。 いずれ限られた予算の中での効率的な事業実施ということに向けまして、当面、危険部分の木造部分を除去するというような方法もあろうかとは思いますけれども、いずれにしましても、地区振興会様との話合いによって、その時期、その方法についてご協議していきたいというふうには考えております。 いずれ先ほど市長答弁でも申し上げましたとおり、今後、梁川バイパスの整備によりまして、当該地域の位置づけは大きく変わっていくものと考えておりますので、そのような状況変化を考慮しながら、地域の皆様が当該箇所にどのような部分を求められて、どのように地域活性化に結びつけていったらよいのかというようなことが重要なのかなというふうに考えているところであります。そのために市がどのような環境整備を行うべきか、そして、どのようなことができるのか、共に考えてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 中西秀俊議員。 ○議長(小野寺隆夫君) ありがとうございました。 私は、自分なりに前向きな答弁をいただいたと思ってございます。 貸先の振興会の皆さんと今後について様々な協議をして、次の時代につながるような、夢、希望を持てるような地域づくり、1件目の市長からも答弁いただいたように、次の時代につながるような動きをするために、ぜひとも計画に組み入れていただいて、早急な取壊しを期待するものでございます。 よろしく対応をお願いして、質問を終わります。 ○議長(小野寺隆夫君) ここで午前11時10分まで休憩いたします。     午前10時54分 休憩-----------------------------------     午前11時10分 再開 ○議長(小野寺隆夫君) 再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を行います。 次、15番菅原由和議員。     〔15番菅原由和君質問席へ移動〕 ◆15番(菅原由和君) 15番菅原由和です。 さきに通告をいたしておりました2件について、市長並びに教育長にお伺いをいたします。 初めに1件目、学校及び教育・保育施設等における相談支援体制についてお伺いをいたします。 近年、いじめや不登校、暴力行為あるいは貧困や虐待など、子供たちを取り巻く問題は多様化、複雑化している状況にあります。とりわけ子供の教育の第一義的な責任を有する家庭における教育力の低下は虐待の深刻化などにも現れ、さらに、地域コミュニティーの希薄化をはじめインターネットや携帯電話の普及は人と人との関わり合いやコミュニケーション不足を招くなど、子供たちにも大きな影響をもたらしております。 一方で、様々な問題に対して、小中学校をはじめ幼稚園や保育所等においては対応がし切れずに責任を追及されたり、過剰な要求や過大な期待により教員や保育士などの負担感や勤務時間が増加し、その結果、最も大切であるべきはずの子供たちと向き合う時間や機会が少なくなったり、さらには理不尽な要求や暴力的な言動から精神的に追い詰められ、心身ともに健康を害するような状況にもあると言われております。 このように、教育・保育現場における諸問題は極めて多岐にわたるものとなっており、様々な悩みを抱える子供たちや保護に対してきめ細やかに対応するため、また、教員や保育士等が多様化、複雑化する問題に適切に対応していくためにも、多様な専門家の支援による相談支援体制をつくっていくことが求められております。 そして、これまでの相談体制は、どちらかといえば問題が発生した事後の対応に重点が置かれていたのではないかと思いますが、今後は、不登校やいじめをはじめ様々な問題行動や、子供の貧困、児童虐待など、事案が発生してからの対応ではなく、未然防止や早期発見、事案が発生しても早期の対応や支援、そして再発防止まで一貫した支援に重点を置いた体制づくりが重要であると考えます。 そこで、今後の学校及び教育・保育施設等における相談支援体制の在り方についてお伺いをさせていただきます。 まず初めに、いじめや人間関係のトラブル、体罰、虐待、児童・生徒の問題行動、保護、地域からのクレームなど、小中学校、幼稚園、保育所等における諸問題やトラブルへの対応状況について。あわせて、小中学校におけるスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの活用状況について。さらには、この間の相談支援体制における課題や今後の対応策などについてお伺いいたします。 また、私立施設における相談支援体制はどのようになっているのでしょうか。その状況や課題、今後の対応策など、市としての相談支援体制の考えについてお伺いいたします。 次に、スクールロイヤー制度の導入についてであります。 虐待やいじめのほか、学校や教育委員会への過剰な要求や学校事故への対応等の諸問題について、法務の専門家への相談を必要とする機会が増加してきており、平成31年3月に文部科学省が実施した調査では、76%の市町村教育委員会が法的な専門知識を有するが必要であると回答しております。 こうしたことを背景として、スクールロイヤーとは、学校で発生する様々な問題に対して、児童・生徒への教育上の配慮やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の学校関係との連携など、学校の事情等に精通し、迅速な初期対応と継続的な支援を行う専門的な人材として依頼する弁護士をいい、法的相談への対応や法令に基づく対応の徹底のほか、いじめ予防教育などの役割が期待されているところであります。 学校現場におけるトラブルの未然防止のほか、多様化、複雑化、そして深刻化する諸問題に迅速かつ適切に対応していくため、当市の相談支援体制を充実させていくためにも、この制度を導入していくべきではないかと考えることからお伺いをするものであります。 1つには、教育委員会におけるスクールロイヤー制度の役割や効果等の認識状況について、2つ目に、当市への制度導入に向けた考えや検討状況についてお伺いをいたします。 以上、1件目の質問といたします。 ○議長(小野寺隆夫君) 小沢市長。     〔市長小沢昌記君登壇〕 ◎市長(小沢昌記君) 菅原由和議員のご質問にお答えをいたします。 私からは、1点目のいじめ、人間関係トラブル、体罰、虐待、児童・生徒の問題行動、保護、地域からのクレーム等の諸問題への対応と、4点目の私立施設における相談支援体制の状況及び今後の対応策のお尋ねについて、保健所、認定こども園、私立施設の状況等についてご答弁申し上げ、幼稚園を含めた小中学校に係る質問については、教育長からご答弁を申し上げます。 公立の保育所における諸問題への対応といたしましては、迅速かつ適切に対応するため、各施設に苦情処理窓口を設置しているところであります。また、施設ごとに第三委員会を設けることとなっており、第三者委員をご委嘱申し上げ、必要に応じて開催し、委員会で検討することとしております。 なお、公立施設において、昨年度及び今年度時点まで、苦情等に関して第三委員会を開催した実績はございません。 私立施設における相談支援体制につきましても、公立施設に準じた形で窓口や第三者委員会を設置しており、苦情などがあった場合には速やかに対応いただいているところであります。ケースによっては市や県からの指導、助言、必要に応じて関係機関との協議により改善などを行い、円滑な園運営に努めていただいている状況であると、このように考えているところでございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 田面木教育長。     〔教育長田面木茂樹君登壇〕 ◎教育長(田面木茂樹君) 菅原由和議員の1件目のご質問にお答えします。 最初に、1点目の学校及び教育・保育施設等における諸問題への対応状況と課題並びに今後の対応策についてであります。 幼稚園等における子供同士のトラブルは日常的に起きておりますが、社会性が発達するその初期段階にある園児にとっては、そのこと自体が学びであり、幼稚園の先生にとっても基本的な指導事項となっております。保護を交えてのトラブルに発展するなど園の教育を超えて問題化する場合にあっても、園内で組織的に迅速かつ丁寧に指導、対応を進めております。しかし、それでも解決が難しくなる場合には、市教委が窓口となり、関係各機関と連携しながら対応を検討することとしております。 小中学校における一般的な生徒指導への対応については、学校経営計画に定める生徒指導の基本方針を全職員で確認し、組織的に対応しております。特にいじめ問題については、各校で定める学校いじめ防止基本方針にのっとり、迅速かつ丁寧に対応しております。 スクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーの活用状況につきましては、主に問題行動等の未然防止に活用されております。スクールカウンセラーは、児童・生徒との教育相談等で心配事や悩み事を早期に把握し、学校で安心して生活できるよう支援しております。スクールソーシャルワーカーは、起きている事案の見立てを行った上で、他の機関とのつながりが必要と思われる場合、そのつなぎ役を担います。支援が必要と思われる家庭とのやり取りも行っており、どちらも校内の支援会議等に参加することで、児童・生徒の情報、対応を教職員と共有、協議することで、問題行動の未然防止に寄与しています。 生徒指導上、特に留意する点として、問題行動等に関わる担当が1人で抱え込まないことを重視しております。抱え込みが対応の遅れや間違いの要因になることもあるためです。このことは、これまでの会議や研修会等において常に全小中学校に指導しているもので、実際、各校において組織的対応が定着しております。役割分担を行い、具体的な支援に心がけ、被害と思われる児童・生徒へのケアはもちろん、加害と思われる児童・生徒に対しても希望が持てる生徒指導を行っております。 次に、2点目のスクールロイヤー制度の導入についてでありますが、いじめ防止において、児童・生徒がいじめに向かわない態度、能力の育成が課題として取り上げられております。法律の専門家である弁護士が、その専門的知識、経験に基づき、学校において法的側面からいじめ等の予防教育を行うとともに、いじめの諸問題の効率的な解決にも資するよう導入が検討されていると捉えております。 2019年9月24日、文部科学省の定例記者会見では、各都道府県の教育事務所に各1人、全国で300人のスクールロイヤーを配置することを総務省へ要求したと聞いております。いじめの予防教育、学校への支援という観点からも導入は必要と考えます。今後の国の動きを注視し、県教育委員会と連携しながら、導入についての検討を進めてまいります。 ○議長(小野寺隆夫君) 菅原由和議員。 ◆15番(菅原由和君) ありがとうございました。 それでは、何点か再質問させていただきたいと思います。少し項目が多くなりますが、まとめて1度にお伺いをさせていただきます。 初めに、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーについてでありますが、現在、奥州市では何名いらっしゃって、各小中学校へは常駐しているのか、曜日などを決めて定期的な訪問がされているのか、あるいは要請があれば対応しているのか、どのような体制で配置、派遣がされているのかお伺いいたします。 それから2点目ですが、昨今の諸問題の状況を見ていますと、小中学校だけではなくて、幼稚園や保育所へのカウンセラーの配置の必要も出てきているのではないかというふうに考えるんですが、いわゆるキンダーカウンセラー、キンダーというのはドイツ語で幼児という意味だそうでありますが、大阪を中心にして配置が進んでいるというようなキンダーカウンセラーです、こういったものですとか、あるいは保育カウンセラーといったものを配置するお考えはないかどうかということをお伺いします。 それから、現在のスクールカウンセラーやソーシャルワーカーは県から配置をしていただいているというふうに認識をしておりますので、同様に県でそのような制度があるのかどうかということも含めてなんですけれども、もし県にそういった制度がないとか、あるいは市独自で配置が難しいということであれば、現在活用しているスクールカウンセラーとかソーシャルワーカーの方々を、幼稚園、保育所でも活用することができないのかどうかといったことをお伺いします。 それから、3点目であります。 スクールロイヤーの関係ですが、今後、県教委とも連携をしながら導入の検討をしていくということなんですけれども、ご答弁にもありましたように、文科省では今年度から各都道府県、政令市などに各1人配置していくようなお考えもあるようなんですけれども、我が県の、岩手県の導入状況ですとか、その活用方法など、県の状況についてもし何かお分かりのことがありましたらお願いしたいと思います。 それと併せて、このスクールロイヤーは、国の配置を待たずに既に自治体独自で配置をしているというところも全国では幾つか出てきているようでありますけれども、当市では独自での配置といったお考えはないのかお伺いいたします。 それから最後4点目ですが、私立における相談支援体制であります。 奥州市では小中学校は全て公立ですので、私立といえば民間の幼稚園、保育所ということになりますけれども、ご答弁では、私立の相談支援体制は公立と同様に苦情処理窓口と第三者委員会を施設ごとに設置をして対応しているとこういうことで、場合によっては市や県からの指導助言、あるいは関係機関との協議を行っているということでしたけれども、この苦情処理窓口や第三者委員会といった各施設の対応ですとか、解決ができないといった場合には、次なる相談支援体制というのはどのようになるのかということをお伺いいたします。 以上、大きくは4点お伺いいたします。 ○議長(小野寺隆夫君) 佐藤学校教育課長。 ◎学校教育課長(佐藤利康君) それでは、議員からご質問いただきました4点のうち、最初の3点につきましてお答えをいたします。 まず1点目、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置状況についてでございますが、まずはスクールカウンセラーにつきましては、県南教育事務所、中部教育事務所から合計8名が市内の小中学校に配置されてございます。また、スクールソーシャルワーカーにつきましては、県南教育事務所から2名、市内の、こちらは中学校に配置されてございます。 対応の仕方でございますけれども、スクールカウンセラーにつきましては、曜日を決めて定期的に訪問しております。こちら中学校中心の訪問となっておりますけれども、緊急的な要請がある場合には、あらかじめ計画された訪問日を変更しての訪問も可能でございますので、こちらの調整は市教委が行っております。 加えて、スクールソーシャルワーカーにつきましても年間の訪問計画がございます。スクールカウンセラーもそうでございますが、年間16回から32回程度のまずは訪問計画がございますので、年度当初、こちらは訪問する学校と、それから職員が相談をして決定をしております。当然こちらにつきましても、要請があれば訪問日を変更しての緊急派遣も可能という状況でございます。 続きまして、2点目のキンダーカウンセラーの配置という部分でございますけれども、幼稚園へのキンダーカウンセラーの配置につきましては、公立幼稚園という部分でのお答えになりますけれども、教育長から答弁ございましたとおり、幼稚園では園児同士の日常的なトラブルにつきましては、まずは直接的に保育に当たる職員が日常の保育の一環としての支援を第一義的に行っております。また、保護を含めて問題が複雑になった場合でございますが、こちらは園長、副園長を中心に組織的に相談支援を行うことになっております。その上ででございますが、保護支援や医療的なケアがさらに必要な場合に、こちらは問題の性質にもよりますが、教育委員会、奥州市子ども発達支援センターが窓口になりまして、関係機関と連携した対応を現在進めております。専門職員としましては、特別支援学校のコーディネーター、それから市の臨床心理技師、同じく児童療育指導員といった専門スタッフが対応をしております。 これらのことから、キンダーカウンセラーの配置につきましては、現在のところは検討してございません。 3点目のスクールロイヤー制度についてでございますが、現時点では国及び県からの通知はまだ出ていない状況でございます。ですけれども、制度や導入については、今後、国・県からの通知が出された折には、導入について検討していく必要があるという認識でおります。 以上のことから、スクールロイヤーについて、市独自の配置については現在のところ検討は進めておりません。繰り返しですが、今後、県・国の動向を踏まえるとともに、近隣の市町村と連携した運用の在り方、また、今後中長期的に検討していくべき課題を明らかにしながら検討を進めていきたいというふうに考えております。 以上です。 ○議長(小野寺隆夫君) 千葉保育こども園課長。 ◎保育こども園課長(千葉達也君) それでは、保育に関係するご質問の1番のカウンセラーの関係と、2点目は、私立施設への支援についてお答えをさせていただきます。 まず、カウンセラーの関係でございますが、保育現場におきましては、2008年の法律改正によりまして、従来の子供の支援の中心から、加えて保護を支援するという視点が加えられました。現在そういうことで、施設長や保育士については保護の方を支援するということも本来業務として位置づけられておりますので、その中で支援の強化を取っているところでございます。 そういう観点から、教育委員会のほうの答弁と重複になりますが、園内での対応のほか専門的な支援を要する場合には、発達支援センターの専門員さんのご協力をいただきながら現在対応しているという状況でございます。 カウンセラーの配置については、今後の検討課題ということで検討していきたいと考えてございます。 2点目の私立施設の相談についてでございます。 第三委員会等に上がる課題のほかに、日常から保護等が園に直接相談できない課題があるという場合は、常に市のほうでもお受けするという体制を現在も取ってございます。直接園にお世話になっているので言いにくいので市のほうから言ってほしいと、そのようなご相談もあります。 さらに、第三者委員会に係るレベルの、いわゆる園等でなかなか解決できない困難課題、これは昨年度2件ほどご相談をいただいております。施設からの直接のご相談、保護からのご相談、これらについては直接部課長級が面談をいたしまして、内容を聞き取りしたり、アドバイスをさせていただいているという体制を取っております。 具体的に言いますと、先ほどの子育て支援に絡むんですが、相互間の信頼関係が崩れた形でなかなか話がかみ合わない。そこで、市として調整してほしいというような対応が多くあります。最終的に、やはりどうしてももうその園をやめて、ほかの園に転園したいなどの相談もあり、そこは市のほうで転園調整の相談なり手続をするなどそういう対応をして、現在、子育て支援、特に子供の教育に支障がないような取組みをさせていただいているという状況でございます。 以上です。 ○議長(小野寺隆夫君) 菅原由和議員。 ◆15番(菅原由和君) ありがとうございました。 スクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、それからスクールロイヤーの状況については分かりましたが、今の社会環境の中で、学校や幼稚園、保育所における諸問題、トラブルというのは、冒頭にも申し上げましたとおり、非常に多様化、複雑化、そして深刻化してきているという状況にあるということを考えますと、それぞれの分野に精通をした専門家による相談体制の必要性というのは高まってきているのではないかというふうに考えております。 そこで、今回の冒頭の質問の中にも課題ということも取り上げさせていただいたんですが、特にご答弁の中ではその課題については触れられていなかったようには思うんですけれども、この間、議会でも度々取り上げられておりますスクールカウンセラーとソーシャルワーカー、これが不足をしているのではないかとこういうことで、毎度県に要望しておりますというご答弁はいただいておるんですけれども、なかなかその対応していただけないような状況にあるのではないかというふうに思っております。 いずれ今の諸問題の状況、必要性が高まってきているという状況を考えますと、県への要望と併せて、やっぱり市独自での配置ということも検討していく必要があるのではないかというふうに思いますが、この点だけ確認させていただきます。 ○議長(小野寺隆夫君) 田面木教育長。 ◎教育長(田面木茂樹君) スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーを市が独自で対応できないかということでありますが、今議員がおっしゃいましたように、このことにつきましては市としても県への要望というか、県に対する要望を毎年出しているところであります。 専門職というか、そういう部分でありまして、非常に必要部分については私も思うわけですけれども、なかなか市独自としての雇用ということになりますと、財政的な面もありまして、非常に負担をかけるということでありまして、現在のところは、今、市単独での雇用ということについてはちょっとできないというふうに捉えております。いずれ県に対して要望を続けていくということを続けていきたいなと思っているところであります。 ○議長(小野寺隆夫君) 菅原由和議員。 ◆15番(菅原由和君) 要望もそうでありますが、引き続きの検討をぜひお願いしたいなと思っておりますが、私立施設の相談体制ということにも関わるわけなんですけれども、公立保育所等では第三者委員会の設置の実績はないということですし、私立施設でも相談窓口ですか、第三者委員会、そして、あるいは市のほうにも直接相談があると、こういうことで対応していただいているというふうに思うんですが。 実は、市内のある私立施設におきましてある問題が発生をしたということで、苦情処理制度については、今お話をしたとおり、窓口でありますとか第三委員会を設置をしているそうでありますけれども、それでも解決に至らずとこういうことで、担任の保育士さんが精神的に追い詰められている状況にもあったということで、わらをもつかむ思いで当時の市の子ども子育て支援室のほうに相談をされたということでありますが、各園の問題については各園の子供の保護との私的契約に基づく入園手続に委ねられているので、傷害事件等の刑事的内容などがあれば別だけれども、相談も指導も難しいということだったそうで、この事案については、その園の先生と保護の双方が来て、お話は聞いていたので内容は承知をされていたようですけれども、それ以上の権限ですとか役割はないので当事者同士で解決をしてほしいというお願いをされたということでありました。 そこで、ではこうした問題が生じた場合に対応してくれるところですとか相談システムはないのかという問合せもされたということなんですが、明確な回答はいただけなかったということでありました。 その後、この園では結局弁護士の方に、もちろん有料だったそうでありますけれども、相談をされたということでありますが、個々の施設が独自に弁護士などと顧問契約を結ぶとなると相当経費的にもかなり難しいという状況だということもありまして、いずれ私立となれば、相談するところ、指導してくれるところもなく、保育士さんも心身の健康を害するような状況にまで追い込まれ、放置をされているような状況というのは、いささか問題があるのではないかというふうに思いますし、それでなくても保育士不足という状況の中、ますますその状況が加速するのではないかということも懸念されるところであります。 そのようなことで、今、問題が多様化、複雑化している状況で、小中学校、幼稚園、保育所、どこにおいても今日的な課題として顕在化してきているわけでありますので、同じ奥州市の子供たちの健全育成のためにも、市内に設置されている各種施設、公立、私立問わず、そして、いわゆる縦割りの組織業務に縛られることなく相談や指導等の役割を担う機関を設置をすると、そして具体的な対応策を明確にするといった仕組みを改めて明確に構築していただきたいというふうに思います。 そこで、スクールカウンセラーですとかスクールソーシャルワーカー、そしてスクールロイヤーなど専門的な人材を市独自に配置をして、教育相談室ですとか、仮称ですけれども教育相談支援センターといったようなワンストップ相談機関を設置するなどして、相談支援体制の充実を早急に検討していただきたいなというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。 それと併せて、こうした相談機関というのは、すぐすぐには恐らく設置というのは難しいのかもしれませんので、当面の間の相談支援体制というものを、先ほども申し上げました、改めて明確にしていただいて、私立施設をはじめとして各種施設に対して、どういう相談支援体制があるとかということを改めてご指導いただきたいなというふうに思っております。 これを最後に伺って終わります。 ○議長(小野寺隆夫君) 田面木教育長。 ◎教育長(田面木茂樹君) ワンストップのそういう相談の支援センターみたいなものを設置してはどうかということでありますが、現在、教育委員会にある教育研究所の中に、そういう学びと心の指導員、それから特別支援関係の担当がいまして、その先生方は資格というか、スクールカウンセラーの資格はないわけですけれども、いろいろ学校へ行きまして、ケース会議とかそういう部分での相談活動をしております。当然その保護との面談等も含めながら進めております。 先ほどありましたように緊急的な部分につきましては、スクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーにつきましてはすぐ派遣できるというような形で、今教育委員会では取り組んでおるところであります。 現在、教育研究所の中にあります教育相談員の相談的な役割をしている先生方についても、さらに充実を図っていきたいというふうに思っております。 相談のワンストップについては、保護及び子供たちの悩みを解決できるよう力をつけていきたいと思っているところであります。 ○議長(小野寺隆夫君) 千葉保育こども園課長。 ◎保育こども園課長(千葉達也君) それでは、私のほうから私立施設への相談支援の強化の部分についてお答えさせていただきます。 昨年度の案件で、個別事例が該当しているか分からないんですが、そのような相談もありまして、市としても助言なりしたわけですが、やはり足りない部分、もっと具体的な支援が欲しいということだったんだろうと思いますので、さらに体制強化、内容強化に努めてまいりたいと思っております。 なお、法律的に係る部分等については、市としても、費用等の負担もあるので無料法律相談の制度を紹介したり、そのようなこともしてございますが、個々具体的に支援する内容を今後とも支援できるような体制を取っていきたいと思います。 また、私どもの部課だけでは対応できない複雑な課題等がございますので、庁内の関係課、専門分野にも内容を確認しながら、具体的に施設が改善になるように努力してまいりたいと思います。 ○議長(小野寺隆夫君) 菅原由和議員。 ◆15番(菅原由和君) 児童・生徒、園児、保護、そして先生、保育士さんの安心できる環境を整えるというのは、行政に求められることだというふうに思っております。明確な相談支援体制の確立と充実ということを改めてお願いを申し上げて、1件目の質問を終わります。 続きまして2件目、都市プロモーションについてお伺いいたします。 都市プロモーションとは、必ずしも明確に定義がされているものではないと言われますが、シティープロモーションを専門とする東海大学の河井教授によりますと、地域を持続的に発展させるために、その魅力を発掘し、内外に効果的に訴求し、この場合の訴求とは、広告や販売などで消費の購買意欲を高めるという意味の訴えるに求めると書く訴求ですが、これにより人材、物財、資金、情報などの資源を地域内部で活用を可能としていくことと定義しています。 こうした定義も踏まえた中で私なりに調べてみたところ、都市プロモーションは、食材や伝統工芸品等の産物をはじめ自然や観光、産業など、地元の魅力を市内や市外に広く発信をして、その都市をブランド化することによりイメージや認知度、知名度の向上を図っていく取組みであり、大きく2つの目指す目的や方向性があるものと考えます。 1つは、今住んでいる市民の皆さんに地元の魅力を再認識していただき、いつまでも奥州市に住み続けたいと思っていただけるような内向きの取組みで、地元の愛着や誇りを高めていくこと。もう一つは、市外の皆さんが奥州市に行ってみたい、また来たい、住んでみたいと思っていただけるような外向きの取組みで、奥州市のファンを増やしたり、交流人口や関係人口、そして定住人口を増加させていくことであり、これらをまとめて端的に言えば、奥州市の宣伝、広報、営業といった一連の取組みが都市プロモーションではないかと考えます。 こうした取組みを進めるべく、我が奥州市では、今年度から新たに総務企画部内に都市プロモーション課が新設されました。昨今、全国的な人口減少や少子化という中で自治体間競争が叫ばれておりますが、都市プロモーションの推進は地域活性化の礎でもあり、将来の奥州市の在り方をも左右する大変重要な取組みであると考えることからも、今後、市民も含めて全市一丸となった取組みが進められることを大いに期待しているところでございます。 そこで、奥州市における今後の都市プロモーションの取組みについてお伺いをさせていただきます。 1点目は、都市ブランド化の推進についてですが、今回の質問でのブランド化といいますのは、特産品や観光といった一部の部分的な経済拡大ということではなく、地域そのもの、奥州市のブランディングという視点でお伺いをさせていただきます。 1つは、都市プロモーションの基本的な考え方と新設された担当課の設置の目的について、2つ目に、各事業の取組状況について、3つ目に、取組課題と今後の事業推進の考え及び組織体制などの方向性についてお伺いいたします。 2点目は、シビックプライドの醸成についてです。 シビックプライドとは、都市に対する市民の誇りという意味で、地域住民が自分たちの住むまちに対して抱く誇りや愛着という意味を持ちます。郷土愛という言葉にも似ていますが、少しニュアンスは異なり、住民に地域をよりよくするための積極的な関与を促すもので、自分の住むまちをさらによりよい地域にするために自分自身が関わっているという意識を伴う当事者意識に基づく自負心を指しています。 近年、都市間競争が激しくなる中において、多くの自治体でこのシビックプライドの考え方が都市プロモーションの推進においては重要であるとされ、例えば、市民の一人一人がまちを構成する一員であるという当事者意識を持って自発的にまちづくりに参加することが大切である、あるいは定住人口の維持のためにはシビックプライドが重要だ、シビックプライドの効果として、定住、Uターン人口の増加、参画意識の向上、市民による情報発信の増加など、シビックプライドの考え方やその効果などが都市プロモーションの基本方針などに取り入れられております。 こうしたシビックプライドの醸成が、都市ブランドの確立とともに都市プロモーション推進の両輪とされ、むしろ時代は外向きの都市プロモーションから内向きの都市プロモーションへと変化しつつあり、内向きの一手段がシビックプライドとも捉えられ、ますますその重要性は高まってきているところでございます。 そこで、当市におけるシビックプライドの醸成についてお伺いをいたします。 1つは、シビックプライドの醸成に向けた取組状況、2つ目に、これまでの市民意識の現状について、3つ目に、シビックプライドのさらなる醸成に向けた今後の方向性や考え方についてお伺いいたします。 以上、2件目の質問といたします。 ○議長(小野寺隆夫君) 小沢市長。     〔市長小沢昌記君登壇〕 ◎市長(小沢昌記君) 菅原由和議員の2件目の質問にお答えいたします。 最初に、1点目の都市ブランド化の推進について、市外へ向けたプロモーションの視点からお答えをいたします。 本市の持つ豊かな自然、そこから生まれる農畜産品や伝統工芸品、観光資源、そして、ここに住む市民を含め、多くの魅力がここ奥州市にはあると私は自負しております。 都市プロモーションの基本的な考え方と担当課設置の目的でありますが、まずは本市を知っていただくこと、そして本市に実際に足を運んでいただくことにつながるよう、本市の魅力を様々な角度から発信することが重要だと考えております。そのため、プロモーション機能を強化し、より多くの奥州ファンを獲得することを目的として、今年度新たに都市プロモーション課を設置したものであります。 次に、各事業の取組状況でありますが、市では、観光、6次産業、スポーツ、ILC、移住・定住などの各分野において、ホームページによる情報発信やイベントの開催などを行っており、ふるさと応援寄附事業では、ふるさと納税ポータルサイトを活用し本市のPRを行うほか、寄附への返礼品として本市の特産品をお届けし、本市の魅力をじかに感じていただけるような取組みを行っております。 プロモーションには大きく5つの段階があり、まずは1つ目として奥州市を知り、2つ目として奥州市に興味を持ち、そして3つ目として奥州市のものに触れ、4つ目として奥州市を訪ね、さらにそうした中から、最終5つ目として奥州市に住むへつながっていくものと考えております。 課題といたしましては、本市をPRする事業はそれぞれ対象が異なっており、事業ごとに完結するものではなく、次の段階へつなげていく視点や取組みが必要であります。今後、事業ごとのプロモーションの役割や効果を明確にし、庁内関係部署のほか各部署が所管する推進組織や関係団体などと情報を共有し、連携をしながら、奥州市の認知度を高め、イメージアップにつながるプロモーションの在り方について一層の検討を進めてまいりたいと考えます。 次に、2点目のシビックプライドの醸成についてであります。 シビックプライドは、住民が自分の住むまちに愛着と誇りを持ち、自分自身が関わって地域をよくしていこうとする当事者意識に基づく自負心と定義されており、まちづくりを進める上で非常に重要なことと捉えております。そのため本市では、総合計画に誇りと幸せを実感できるまちづくりプロジェクトを掲げ、協働のまちづくりを柱として、特色ある地域運営や市民活動に対する支援、それらの活動を担う人材育成などに取り組んでまいりました。 平成27年度から、人口プロジェクトの実施計画となる、まち・ひと・しごと創生総合戦略の中で、地域愛の醸成と安心・安全に生活できる個性豊かな地域社会の実現を基本目標の一つに掲げ、シビックプライドの醸成を図ってきたところであります。 市民意識の把握につきましては、第2期総合戦略の策定に当たり、令和元年11月から12月にかけて、20歳以上を対象とした市民アンケートを実施いたしました。アンケートは、奥州市の暮らしやすさ、市民参画や地域活動に対する意識、本市への定住意向など、平成27年度に実施した内容と同じ項目として、1,121人から回答をいただきました。アンケートの結果の一例を申し上げますと、「奥州市に住み続けたい」と回答した方の割合は75.4%で、前回調査より5ポイント増えており、行政運営への市民参画や地域活動への市民参加の意識も微増となっております。 また、協働のまちづくりの担い手である協働のまちづくりアカデミーの卒業生が地域の枠を超えて連携しながら活動している事例もあり、少しずつではありますが取組みの成果が現れてきているものと感じているところであります。 今後は、これまで行ってきた生涯を通じた学習支援による人づくり、協働の提案テーブル事業などによる地域住民の主体的な活動への支援や地域づくりを担う人材育成など、地域住民が主体的にまちづくりに関わり、活躍できる環境づくりの取組みをさらに強化して、シビックプライドの醸成を図ってまいります。そして、総合計画、総合戦略を着実に推進して、市民が奥州市に住み続けたいと思えるまちづくりになるよう、しっかりと取組みを進めてまいりたい、このように考えているところでございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 菅原由和議員。 ◆15番(菅原由和君) ありがとうございました。 それでは、再質問させていただきたいと思います。 今回取り上げさせていただきました都市プロモーションにつきましては、7月10日に総務常任委員会におきまして所管事務調査をさせていただきました。その際には新設課の事業内容についての調査をさせていただいたわけなんですが、今日は、細かい事業の中身というよりは全体の基本的な考え方ですとか推進体制などについて、前回と若干重複するかもしれませんが、取り上げさせていただきましたので、よろしくお願いしたいというふうに思ってございます。 初めに、都市プロモーション課が担う事業というのが、所管事務調査では、情報発信事業、ふるさと納税、それから移住・定住促進、結婚支援、奥州大使と5つの事業の説明を受けたんですけれども、いずれも新たな取組みということではなくて、これまでも取り組んできたものなんですが、私は単にこれまでの延長線上ということではなくて、進めようとしている都市プロモーションの目的ですとか成果目標、あるいはその取組みによる効果といったものを、いま一度明確にした上で取組みを進める必要があるんだろうというふうに思っております。 そこでこの間、人口減少、少子化、あるいは東京一極集中といったことで、いわゆる地方創生ということで、奥州市まち・ひと・しごと創生総合戦略が策定された経過がありました。今年の3月には第2期となる計画も新たに策定がされたというところですけれども、私はこの都市プロモーションの取組みは、この総合戦略の取組みをより具体的に展開していくための施策として非常に効果的であるというふうに考えますので、やはり両者を関連性を持たせて進めていくべきなんだろうというふうに考えております。その上で、都市プロモーションとしての基本方針ですとか目的、あるいは戦略というものを改めて明確にして、各部門、分野、あるいは全市が統一した考え方の下で事業展開をしていくためには、これ仮称ですけれども、都市プロモーション戦略プランといった推進計画ですとか、あるいは基本方針といったものをまずは策定すべきじゃないかというふうに考えますが、この点お伺いいたします。 それから、ご答弁の中で、事業ごとのプロモーションの役割や効果を明確にして、庁内関係部署のほか各部署が所管する推進組織や関係団体等と情報を共有して、連携をしながら今後のプロモーションの在り方を検討していくということだったんですが、何か具体的な組織ですとか推進体制を考えているのかお伺いしたいと思います。 まち・ひと・しごと創生総合戦略のほうでは人口プロジェクト推進委員会というような組織があるようでありますけれども、その関わりなども含めてお願いしたいと思います。 ○議長(小野寺隆夫君) 千葉都市プロモーション課長。 ◎都市プロモーション課長ILC推進室主幹(千葉訓裕君) ただいまご質問いただきました2点について、私のほうから答弁をさせていただきたいと存じます。 まず、全市が統一した事業展開等を図るための例えば都市プロモーション、仮称ということでお話をいただきましたが、戦略プランといったようなものをつくるべきではないかというふうなお話でございました。今のご提案、お伺いつきましては、議員お話しのとおり、その必要性といいますか、そういったものの考え方をまとめていかなければならないなというふうに思っております。 先ほどご質問の中でもございましたように、まち・ひと・しごと創生総合戦略に限らず、市の施策、あるいはその各種の事業といったようなことをまずは知ってもらい、理解してもらうためには、やはり効果的な情報発信、市民の皆様に向けては情報発信でございますし、市外の方については、そういったものを知っていただくということが必要だろうなというふうに思っております。 そういったPR、情報発信の部分というものの機能というのは、各課で行っております様々な事業でそれぞれ持っておりますことから、そういったようなことを、考え方を共有するためにも、そういったものを考えていかなければならないなと思っておりまして、そういった取りまとめをこれから具体的に進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 さらに、これは2点目の具体的なその組織体制、庁内の組織等も含めたということにも絡んでくるわけでございますが、情報発信という点では、行政のみならず各種市民のいろいろな、昨今のSNS等も普及しているような状況でもございます。ないしは市外に向けたいわゆる活動等を行っている様々な団体さん等もございます。そういう中で図られる、いわゆる奥州市のPRだったりだとか、イメージアップというふうなことも当然これあろうかなというふうに思っております。 1つの例といたしましては、ふるさと応援寄附事業において、そういった地場産品の物を通じた市外に向けての情報発信というふうなことを行っておるわけなんですけれども、こういった部分で各課、担当課ないしはその生産団体の皆様、業界団体の皆様等との連携ということは当然図られているわけなんですけれども、こういった取組みというのは、やはり共通認識、情報共有をしながら図っていくというふうなことが必要だろうなというふうに思っております。まずはそういう取組みを重ねていくということで進めてまいりたいなと。改めてそのいわゆる統一的な組織ですとか、そういったことというのは現時点ではまだ考えてはおりません。 以上でございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 菅原由和議員。 ◆15番(菅原由和君) ありがとうございました。 この都市プロモーションの取組みというのは、ご答弁にもあったように、全庁、そして関係団体とも連携、情報共有する必要があるというふうに思いますが、やはりそれだけではなくて、やっぱり市内にある企業ですとか地域、市民を巻き込んで進めていく必要があるというふうに思いますので、やっぱり推進組織としては全庁だけということではなくて、先ほど言った企業、団体なども含めた推進協議会といったものを設置をして、統一的な考え方の下で全市一体的な取組み、事業展開をしていく必要があるんだろうというふうに思っております。 次に、シビックプライドについてお伺いしたいんですが、聞き慣れない言葉でありますし、横文字ですので意味が少し分かりづらいんですが、冒頭にも触れましたし、ご答弁にもありましたけれども、住民の皆さんが自分たちの住むまちに対して抱く誇りや愛着ということで、自分はこのまちの一員で、自分たちのまちをさらによくしていくために貢献をしているんだと、関わっているんだという意識ということで、もちろんまちづくりの原動力ともなりますし、この都市プロモーションにとっても非常に重要なことであるというふうに思っています。 そこで、このシビックプライドをいかに醸成をしていくかということで、ご答弁では、まち・ひと・しごと創生総合戦略の基本目標にも掲げていて、生涯学習ですとか協働の提案テーブル事業、あるいは協働のまちづくりアカデミーでの人材育成などで、市民主体のまちづくりですとか環境整備をしてきたということですし、今後もその取組みを継続することでシビックプライドを醸成をしていくんだといったような考え方だったんだろうというふうに思います。私も、これまでのこうした取組みによって市民の意識も大分高まってきていて、協働ということが定着をしてきているんだろうというふうに思っていますので、こうした考え方というのは全く間違いでもなくて、これからも必要なことなんだろうというふうには思っております。 ただ、これが都市プロモーションという視点を加えて考えれば、もう少し違う醸成の取組み方というのがあるのではないかというふうに思っておりまして、シビックプライドも協働も同じような定義といいますか、共通する部分はあるんだろうと思いますが、もう少し掘り下げて考えてみれば、協働というのは、いわゆる活動の部分を指すのではないかというふうに思いますし、シビックプライドというのは、心、人の気持ちだというふうに思うんです。この気持ちが高まれば、おのずとその協働というところにつながっていくんだろうというふうに思いますので、このシビックプライドの醸成というのは、協働の提案テーブル事業などの活動支援とか、まちづくりに関わり活動できる環境整備といったことではなくて、人の心に働きかける、人の心に訴える取組みが必要なのではないかということです。 この気持ちを高めていくことによって、全市一丸となった市民の関わりのある行動につながって、また協働のまちづくりにもつながっていくのではないかということで、じゃそれ何だということになりますけれども、これは各自治体によっても取組み方は様々あるようでありますけれども、例を出せば、お隣の北上市ではコミュニケーションプロセスということで、1つには、認知獲得・興味関心ということで、市民に対してまちの魅力を認知をさせ、興味を持たせる、2つ目に、共感醸成・当事者化ということで、納得感の生まれる情報を伝えてまちの魅力に共感をさせる、3つ目に、魅力拡散ということで、自分ごととなったまちの魅力を市民自ら積極的に推奨、発信をするといった、このサイクルを繰り返すことで市民に愛着や誇りが醸成されていくというような考え方で、それぞれのプロセスごとに取組方針がそれぞれさらに示されているということでありました。 いずれ私自身も、今回このシビックプロセスを取り上げさせていただいて、まだその定義の部分ではもやもやしているところがあるんですが、この言葉は決して新しい言葉でもなくて、今多くの自治体でも取組みが進められておりますので、これを機会として、ぜひ研究をしていただきたいなというふうに思っております。 シビックプライドの醸成について、全般的な部分でも結構ですので、ご所見を伺いたいというふうに思います。 ○議長(小野寺隆夫君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) よくこういう話を聞きます。あなたの奥さんの悪いところを5つ挙げてください。すぐ挙げられるんです。では、あなたの奥さんのいいところを5つ挙げてください。なかなか出てこない。菅原さんはそうでないかもしれないですけれども。 基本的に、今なぜ唐突にこの話をしたかというと、どちらかというと、あるものについてのありがたさというものをあまり感じずに、もっとこうであればいいのに、ほかではこんなことを、あっちではこんなことというふうな部分の、ないものをねだるような状況が、やはりどうしても我々の思想、考え方の中には多く内在しているのではないかと思うわけであります。 今、議員がおっしゃっているシビックプライドの部分についても、俺はこんなにすてきなまちに住んでいるんだ、だったらこれをもっと多くの人たちに広めてあげようというような思いが51以上増えてくると、何らかの行動につながっていくんだろうと。それは協働の働きにおいても大きな力の方向性を出してくれるということになるんでしょうけれども、その辺のところの基本的なところからやはり対応していかなければならないということ。 それからもう一つ、北上市の例を出していただきましたけれども、やはり奥州市は合併して15年というふうな形で、それぞれのまちのアイデンティティーを大事にしながら、それを上手に束ねながら、奥州市としての新しい色合いを出していこうというふうに今頑張っている最中であります。少しずつではありますが、その色が目立ってきつつあるというふうな部分からすると、今の議員からのご提案というか着目点なども、もう少し我々としても十分に考え、実践をしながら、けなすのではなく褒める、ないものをねだるのではなくあるものを生かす、それが結果的に奥州市にしかないもの、奥州市のよさというふうなものをみんなが実感し、そして、その実感した上で実践をした、その実践からなる結果が住んでよかったという充実感につながるような、そういうサイクルをしっかりと根づかせていくということが重要であろうというふうに思いました。 今のご提案も含めて、よりよきまちを目指して、今の視点なども生かしながらまちづくりに努力をしてまいりたいと、このように考えます。ありがとうございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 菅原由和議員。 ◆15番(菅原由和君) ありがとうございました。 市長の決意も伺ったので、ここで終わりたいところなんですが、1点だけお願いをさせていただきたいなと思っています。 総務常任委員会で所管事務調査をさせていただきまして、取り組んでいる、先ほど申し上げた5つの事業について説明をいただいたんですが、冒頭の質問の中でも申し上げましたけれども、都市プロモーションというのは、端的には奥州市の宣伝広報、営業といった一連の取組みがプロモーションではないかというようなことを考えますと、今回調査した5つの事業に共通しているキーワードとなるものは情報発信力ではないかというふうに思いましたし、都市プロモーションの最も重要な視点ではないかというふうに強く感じたところでありました。 そこで、今回調査した中で、その所管事務調査の中で、今年の3月から4月にかけまして、市民を対象にした市のホームページの利用状況に関するアンケート調査の結果についてというご報告をいただきました。この中で、情報の見つかりやすさという設問があったんですが、「なかなか見つからない」と「見つからない」というふうに回答した方が、合わせて69.2%、約7割の方が市のホームページは検索がしにくいと、自分が知りたい情報になかなかたどり着けないといった状況でありました。これに対して、担当課でも、分かりやすく情報を伝える改善が必要で課題としては捉えてはいらっしゃるものの、現在の契約更新まで、令和5年までですか、その大きな改善が難しいというようなことでもありました。 先ほどのシビックプライドの醸成もそうでありますが、受け手である市民の皆さん、分かりやすく、そして心に訴える、あるいは市外の方々には奥州市をいかに魅力的に伝えるということが大きな課題という中で、また何より今の情報化社会の中における情報手段の要となるツールということもありますので、これがなかなか検索がしにくいという、情報が伝わりにくいということは、これは都市プロモーションにとっても、市の行政運営においても致命的なことではないかというふうに思いますので、あと3年を待たずに、早急にこれは改善をしていく必要があるのではないかというふうに思いますので、この点をお願いしたいと思います。 それから併せて、シビックプライドの醸成、そして全市一丸となった都市プロモーションという観点からも、この情報発信においても行政だけではなくて、企業や関係団体、市民の皆さん一人一人に奥州市の魅力を積極的に発信してもらうということも必要でありますし、効果的であるというふうに思いますので、その発信をしていただく環境づくりというものも、その工夫をぜひ併せて検討をしていただきたいなと思います。 ○議長(小野寺隆夫君) 千葉都市プロモーション課長。 ◎都市プロモーション課長ILC推進室主幹(千葉訓裕君) 最初にまずホームページのほうの関係でございます。 総務常任委員会の所管事務調査の際に申しました部分で、5年ごと、令和5年にということは、システムの、いわゆる例えばホームページの見た目のレイアウトですとか情報を載せるための構成、そういった部分に関わる部分についてはシステムの更新を待たなければならないという部分でございますので、若干時間がかかるということではございますが、調査の際にもお話を申しましたように、例えばホームページのほうに情報を掲載する際の内容ですとか、どういった、例えば検索にヒットするような分類ですとか、キーワードの設定だとかというふうなことを含めた入力につきましては各課のほうで行っておりまして、そういった部分につきましては逐次改善を図ってまいりたいなというふうに思っておりますので、もちろん指導も申し上げておりますが、さらに、例えば職員研修ですとか、さらには職員によります編集作業の組織ですとか、そういったものを今後考えてまいりたいなというふうに思っております。 それから併せて、団体等は、市内外を連携をしましたその情報発信の部分につきましても、先ほど市長のほうから答弁申しましたように、そういった検討を進める中でそういったご協力、あるいはその団体さんを通じた連携したPRというふうなことも当然課題になってくるかなというふうに思っております。そういう中でありようについて検討してまいりたいなというふうに思います。 以上でございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 菅原由和議員。 ◆15番(菅原由和君) ありがとうございました。 いずれ新しい課を立ち上げまして都市プロモーションに取り組んでいこうとする意気込みを強く感じております。 市民の皆さんが誇りと愛着を持って住み続けられるまち、そして、全国の皆さんから選んでもらえるまちを目指して、全市一丸となった取組みが今後進められますことを大いにご期待を申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。 ○議長(小野寺隆夫君) ここで昼食のため午後1時15分まで休憩いたします。     午後0時12分 休憩-----------------------------------     午後1時15分 再開 ○議長(小野寺隆夫君) 再開いたします。 午前に引き続き一般質問を行います。 次、24番藤田慶則議員。     〔24番藤田慶則君質問席へ移動〕 ◆24番(藤田慶則君) 24番藤田でございます。 私は、さきに通告しておりました広表工業団地についてと、市有地等の活用についての2点について市長のご所見をお伺いします。 まず1点目は、広表工業団地についてであります。 この質問は、昨年、志半ばで急逝されました明神キヨ子議員が一般質問で取上げておられますが、在りし日の姿をしのびつつご冥福をお祈り申し上げ、私からも質問をいたします。 今年は、新型コロナウイルスの感染拡大で、高校野球は春の第92回選抜大会と夏の第102回全国選手権大会が中止となりました。そんな中、関係のご理解、ご協力、ご尽力の下、選抜大会に選ばれていた32校が招待され、2020年甲子園高校野球交流試合が開かれました。開会式において、日本高野連の会長は、挨拶の中で、「ありがとうの反対語を知っていますか」と問いかけました。恥ずかしながら私は知りませんでしたが、ありがとうの反対語は当たり前だそうです。 今年は、今まで当たり前と思っていたことが当たり前ではない年でもあります。会社経営においても、また企業誘致においても、今までとは状況が変わっているのかもしれませんが、このような状況下でも業績を伸ばし、海外から日本の地方へ戦略を方向転換しようとする企業もあるのではないでしょうか。 広表工業団地はオーダーメード方式を採っており、現状は田んぼであり、6.1ヘクタールが未造成となっております。今までは、農村地域工業等導入促進法、いわゆる農工法の指定で対象が工業、道路貨物運送業、倉庫業、梱包業、卸売業の5業種でありましたが、法律の改正により、工業等の5業種に限定することなく、農産物直売所の小売業、農家に泊まる農泊、農家レストラン等の宿泊業、飲食サービス業、木質バイオマス発電、医療、福祉、情報通信業等が新たに加わりました。 市長は前回、市ではこの広表工業団地を活用するため、市が買収し、整備することも含め、分譲の在り方を検討してまいりますと答弁されておりますが、その後どのように進展があるのか、ないのか、次の項目についてお伺いいたします。 1、現状と課題について。2、大学等の連携について。3、広表パブリシティ展開とは。4、広表企業誘致戦略とは。5、広表基礎調査とは。 以上、1点目の質問といたします。 ○議長(小野寺隆夫君) 小沢市長。     〔市長小沢昌記君登壇〕 ◎市長(小沢昌記君) 藤田慶則議員のご質問にお答えをいたします。 1点目の現状と課題についてであります。 市内には9つの工業団地があり、江刺中核工業団地が平成25年度に、前沢の本杉工業団地が平成29年度に、江刺フロンティアパークが令和元年度に完売となりました。 現時点で分譲可能な工業団地は、胆沢の広表工業団地6.1ヘクタールと胆沢東部工業団地1ヘクタールの2工業団地であり、いずれも未造成の工業団地となっております。 広表工業団地につきましては、食品加工業1社が操業しているものの、農村地域工業等導入促進法、いわゆる農工法による立地業種が製造業、道路貨物運送業、倉庫業、梱包業及び小売業の5業種に制限されていたことや用地が未造成の状況であったことなどが支障となり、誘致が進まない状況が続いておりました。 一方で、当市を含む岩手県南地域における工業用地不足が課題となってきていることから、今後の企業誘致の受皿として広表工業団地等の有効活用を図ることが重要となっております。また、平成29年の農工法の改正により従来の5業種の制限が緩和され、情報通信産業やサービス産業などの工業以外のより幅広い業種の誘致が可能となったことも今後の誘致活動の好材料となっております。 そのため、市では令和元年度から令和3年度までの3年間を分譲強化期間として、大学との連携による誘致戦略及び基本計画の策定や積極的な情報発信など、誘致に向けた様々な取組みを推進することとしております。 2点目の大学との連携について及び4点目の企業誘致戦略についてであります。 広表工業団地は、田園地域に位置している状況から、食品加工業などの製造業や物流、IT企業など、周辺環境に配慮した業種を中心に誘致する必要があります。これらの産業の中長期的な見通しや今後の成長企業の把握などを行うため、企業データの収集、分析を進めているところであり、大学教授にアドバイザーをお願いし、産業経済の専門的見地からの助言を頂きながら企業誘致戦略の策定を進め、具体の企業折衝に結びつけるよう取り組んでまいります。 3点目のパブリシティ展開についてであります。 企業誘致におきましては、適時的確な情報発信が重要であることから、効果的な広告媒体を活用した情報発信、いわゆるパブリシティ展開や首都圏でのトップセールスを進めてまいります。既に、広表工業団地の新たなパンフレットを作成したほか、工業団地の情報発信のためホームページのリニューアルを進めているところですが、今後は各業界紙や関係団体を通じた情報発信について検討を進めてまいります。また、首都圏での情報発信も積極的に行っており、令和元年10月に東京で開催した首都圏交流会においては、広表工業団地についてのトップセールスを行ったところであります。 5点目の基礎調査についてであります。 広表工業団地の分譲に必要な地質、地耐力、地下水、周辺インフラなどの把握のため、基礎調査と工業団地の区割りや施設等の配置を検討する基本計画の策定を進めております。この計画は、江刺中核工業団地、江刺フロンティアパークを造成した実績がある中小企業基盤整備機構の助言を頂きながら、工業団地全体の造成計画、排水計画、土地利用計画とともに、土地利用計画図を基にした区域ごとの概算事業費を算定するものであり、購入意向のある企業に対して、より具体的な検討資料として提示するものとなります。 新型コロナウイルス感染症により、積極的な企業訪問活動が困難な状況ではありますが、実施可能な手法で企業への誘致の働きかけを行うとともに、本年度の調査を踏まえ、継続的に広表工業団地への積極的な企業誘致を推し進めてまいりたいと、このように考えているところでございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 藤田慶則議員。 ◆24番(藤田慶則君) 順不同ではありますが、再質問をさせていただきますが、ちょっと項目がいっぱいですので、分けて質問をさせていただきますが、あした、地域の皆さん、地権の皆様に説明会を開くようですが、どのような内容で説明されるのか。 また、あの地区は基盤整備が計画されているようでありますが、地域の方の中には基盤整備にも入れない、工業団地の実現性はどうなのかと、不安を抱いている方もおります。今後も説明会は必要なことと考えますが、どのように考えられるかお伺いします。また、今後のスケジュールをもう一度お願いいたします。 また、調べてみますと、広告PRとか、パブリシティと同じような言葉がありますが、パブリシティの特徴といいますか、有意性といいますか、もう一度お願いをいたします。 ○議長(小野寺隆夫君) 佐々木企業振興課長。 ◎企業振興課長兼企業支援室長(佐々木啓二君) それでは、あした、広表工業団地の地権の方々を中心に説明会をするという予定でございまして、どのような内容で説明をするのかということでございました。 まずは、先ほどの答弁の中にございましたが、令和元年から3年までを分譲強化期間として取り組んでいるということで、昨年度の内容と、また今年度取り組んでいる内容等をまずご説明をさせていただくということです。 今年度の取組みの中で基礎調査がございまして、実際に現地に入ってボーリング調査等を行うという場面がございますので、そこの調査への協力のお願い等をその場で行いたいということと併せまして、具体に企業折衝をした際に、円滑に土地の譲渡等を行っていただけるように、そこら辺の見通し等もご説明をしたいと考えてございます。 それから、今後も説明会が必要かどうかというようなことでしたが、我々のほうでは、必要な都度地域に行きまして、必要な範囲でご説明を繰り返してまいりたいと思います。 それから、今後のスケジュールについてでございますけれども、まず分譲のスケジュールに限って申しますと、今年度、先ほど申しました基本計画を策定するということです。基本計画では、工業団地全体のレイアウトと道路等のインフラ、区画割りなどを整理いたします。併せて、地質調査、地耐力調査、あとは電力とか給排水の基礎調査、概算事業費の算定までを行いたいと考えてございます。この基礎調査ができましたら、実際に折衝企業に具体のものがお見せできますので、具体の折衝により弾みがつくといいますか、そういう形になるというところでございます。 それから、2点目のパブリシティ展開でございますが、まず適時的確な情報発信が必要だというところで、まずは広範囲にわたる情報発信、それとターゲットを絞っての情報発信という2つの柱で考えてございます。 1つ目の広範囲なものにつきましては、もう既にパンフレットを作成しましたので、それを用いまして広い範囲に周知をしているということと併せまして、市や関係機関のホームページ、メーリングリスト等を活用して情報発信を広く行うということ。あとは、経済、工業、流通、食品等の業界紙であったりとか、専門紙がございますので、業種をある程度絞った形で広い情報発信を考えていきたいというところです。 また、ターゲットを絞った部分につきましては、企業規模、業種等を絞り込んでの調査事業を今年度行う予定をしてございます。企業の投資の動向であったりとか、産業の浮き沈みといいますか、これからの見通し等を調査してまいりますので、投資の見込まれる企業に対しまして直接的なPRを行っていくということ。あとは、先ほどもございましたが、新型コロナ感染症の関係で、企業誘致がなかなかできていない部分もあるんですが、状況を見ながらですが、トップセールス等についても検討してまいりたいと考えてございます。 以上です。 ○議長(小野寺隆夫君) 藤田慶則議員。 ◆24番(藤田慶則君) ただいまの答弁にもありましたけれども、昨年10月の首都圏交流会でいえばどうだったのか、どのような感触を受けているのか、再度お伺いしますし、また、7月22日に(仮称)袖山工業団地測量等業務と広表工業団地基本計画策定業務の入札が行われたようでありますが、入札結果を見ますと、種別の中で、測量一般と地質については分かるような気がしますが、都市計画と地方計画とありますが、先ほどの答弁にもあったのかもしれませんが、どのようなことをいうのかお聞かせを願いたいというふうに思いますし、その結果、袖山地区1か所に絞るなどということはあるのかないのか、お伺いをいたします。 ○議長(小野寺隆夫君) 佐々木企業振興課長。 ◎企業振興課長兼企業支援室長(佐々木啓二君) それでは、1点目の首都圏交流会の状況はどうであったのかということでございます。ちょっと、その後のことも含めまして答弁をさせていただきたいと思います。 首都圏交流会は、東京のほうで開催、毎年してございまして、企業数が約100というか、参加が約100名ほどいらっしゃった中で、市長のほうから広表工業団地についてのプレゼンテーションを行いました。首都圏交流会自体は食産業を中心としたテーマで行いましたので、それに関係する企業様も多く参加いただいた中での交流会ということになりました。その後も継続的に折衝させていただいている企業もございますので、なるべく成約に結びつくように頑張ってまいりたいと考えてございます。 それから、2点目の都市計画及び地方計画というところでございますが、入札の参加資格の中でどういった業種が専門であるかという項目があって、今回、その項目として該当させていただいたのが測量一般、地質と都市計画及び地方計画という3項目でございます。都市計画、地方計画ができる必要がある業者ということだったんですけれども、まず理由といたしましては、工業団地の基本設計業務の実施に当たって、市街地整備に関する高度な専門知識、豊富な知見、経験を有する必要があるという判断でこの項目を設定させていただいたというところでございます。 それから、3点目の袖山につきましても、同時に発注というか入札しておったので、その状況を含めてどうかというところでしたが、それぞれ袖山、広表につきましては整備のスケジュールといいますか、これまでの経緯も含めてスケジュールがちょっと異なる部分がございます。袖山につきましては、令和6年以降の分譲を見込んで、今年度は測量と基本設計を行っているということでございます。広表につきましては、もう既に既存の工業団地として分譲を行っている状況でございまして、オーダーメード方式という、ちょっとまた違った手法での分譲ということでございますので、まずは袖山の分譲が開始される前の段階では、優先的に広表工業団地の分譲を進めてまいりたいと考えてございます。ですので、袖山が分譲開始になっても、もし広表が売れていなければ並行して両方に企業誘致をかけていくということになるのかと思います。 なお、広表につきましては、これまでの製造業、運送業等に加えまして、先ほど申した食品加工等の周辺に配慮した企業を中心にと。袖山につきましては、江刺中核フロンティアに集積する自動車産業、半導体産業を中心とした産業団地として、それぞれ機能分担といいますか、すみ分けを考えた形での誘致となると考えてございます。 以上です。 ○議長(小野寺隆夫君) 藤田慶則議員。 ◆24番(藤田慶則君) ぜひ、工業団地を進めていただきたいわけでありますが、万が一最悪の場合、工業団地も駄目、基盤整備も駄目ということは絶対ないようにお願いしたいわけでありますが、本当に地権にとって不利益となることはないと思ってよろしいのか再度お伺いをいたしますし、また、今朝のニュースで、コロナの影響、働き方改革で、本社機能を淡路島に移転するというような企業もあるようですが、コロナウイルスの影響でスケジュールを延期するということはないのか、お伺いをいたします。 ○議長(小野寺隆夫君) 菊地商工観光部長。 ◎商工観光部長(菊地厚君) 工業団地につきましては、先ほど課長が申しましたように、今回の基本計画の策定ができれば具体的なことができる、具体的にこういう形で工場が建てられますよとか、造成できますよということができる。それから、企業さんが希望している水量、水の供給とか電気の供給ができるかということについても具体のお話ができるようになります。やはり、今までこういうところが弱かったので、なかなか企業さんが一歩踏み出せなかったという部分もあったとは思います。それが今回の調査によって解消できる、そしてより具体の話ができるということで考えておりますので、ぜひ、ここ二、三年の中で工業団地が埋まるように、企業が入ってくるように努力してまいりたいというように考えているところでございます。 それから、コロナの影響によるスケジュールの遅れということについては全く考えておりません。この調査を進めた上であらゆる企業さんに声をかけて、ぜひあそこを工業団地化していくと、埋めていくということを考えて、新しい職場があそこに生まれるような形で努力してまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 藤田慶則議員。 ◆24番(藤田慶則君) 新聞報道によりますと、政府は新型コロナウイルスの影響を踏まえ、テレワークが今後も拡大していくことを見越し、都市部と地方をまたいだ2つの地域、二地域居住、就労を推進する方針を打ち出したと。地域活性化は、若年層の働く場を創出できるかどうかが鍵を握ると。まち全体をITでつなぐスマートシティを整備して、企業の進出を支援というような記事が出ておりましたが、奥州市はもとより、奥州市西部地区の経済、地域活性化を願い、広表工業団地の造成、企業誘致の実現を期待するものでありますが、市長の見解をお伺いし、1点目の質問を終わります。 ○議長(小野寺隆夫君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 地元の議員からすれば、随分前からの話だよなと、合併前からの話でありますし、あのエリアにいる地権の方からすれば、近隣は圃場整備でご負担は伴うものの未来に向かった農地を手に入れることができるというふうな状況の中、宙ぶらりんの状況であるということであります。ただいま部長が申し上げたとおり、基本的には元に戻るとか、なかったことにしてくれというようなことに絶対ならないように、ここはしゃにむに結果を出せるように頑張ってまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 藤田慶則議員。 ◆24番(藤田慶則君) 2点目の質問に移ります。 2点目は、市有地等の活用についてであります。 市当局は、財政健全化に向けた取組みについて、市内30地区で市民説明会を開催しました。 緊急的な対策を講じる理由として、平成28年度まで第1次、第2次行財政改革に取り組み、人件費の削減を中心に一定の成果があったと。平成29年度以降は、行政経営改革プランに基づく改革を推進。今後は、公共施設の整理、統合へ力を注いでいくと。 足元の財政状況を見ると、合併特例終了による交付税の減額などが想定以上に財政を圧迫する見込み。結果、財政調整基金の残高は奥州市の標準財政規模の5%から10%の17億円から34億円が必要であるが、毎年20億円前後の収支不足で、令和5年度に財政調整基金が枯渇するおそれがある。本命である公共施設の整理、統合はなお時間を要し、財政危機回避のためには財政健全化に向けた緊急かつ重点的な取組みが必要であると。 その対策として、事務事業経費の削減。選択と集中により不要不急の事務事業を選別、歳出規模の全体圧縮を図ると。補助金、負担金の整理、合理化。財政健全化対策に特化した補助金、負担金の全体圧縮を図ると。公共施設の整理、合理化。行政経営改革プランを遂行し、民間移譲や廃止により早期の効果を得る。職員人件費の抑制。時間外勤務手当の大幅な削減を図ると。使用料と減免基準の見直し。公共施設の使用料と減免基準を抜本的に見直す。市有財産の売却、利活用。売却が見込まれる市有地の早期売却などで財源を確保するという6つの財政健全化重点項目を実行し、収支均衡を目指すとしております。 そこで、伺います。 1、市有地等の活用の考え方について。 2、旧土地開発公社、土地の活用処分計画の進捗状況について。 3、市有地等における放射能汚染土の現況と処理について。 4、旧南都田地区センターの活用について。 以上、2点目の質問といたします。 ○議長(小野寺隆夫君) 小沢市長。     〔市長小沢昌記君登壇〕 ◎市長(小沢昌記君) 藤田議員の2件目のご質問にお答えをいたします。 最初に、1点目の市有地等の活用の考え方についてであります。 現在、市が取り組む財政健全化重点項目の一つに掲げており、その基本的考え方、進め方は平成25年度に策定した行政財産等の用途廃止に伴う活用処分等の判断基準に基づき、庁内での公的活用の可能性を検討した上で、活用希望がなければ売却、貸付けの順位づけで取組みを進めております。 今後、小中学校などの施設の統廃合により、ますます遊休施設が増加していくと見込まれており、財政健全化や市のまちづくりを進める上で大切な取組みになると考えております。したがいまして、地域の意向把握にも十分留意しながら、市全体、そして地域にとって有益な売却処分、あるいは利活用につながるよう取組みを強化してまいりたいと考えているところであります。 次に、2点目の旧土地開発公社の活用処分計画の進捗状況についてであります。 令和元年度末までに、41筆を道路用地などとして活用しております。また、マイアネタウン等の分譲宅地につきましては、活用処分計画の販売目標188区画に対して225区画を売却いたしました。商業用地やマイアネタウン内の3区画のうち2区画を売却し、造成済みの工業団地は計画どおり平成29年度に完売しております。 このように、分譲地は計画に対しおおむね順調に売却が進んでおりますが、さらなる早期売却を図るため販売方針の見直しなどに取り組んでおります。一方、それ以外の処分対象土地については、場所や形状の問題があるなど、処分が進んでおりません。この課題解決には、取付道路の整備等が必要となるため、需要の状況などを的確に把握しながら対応してまいりたいと思います。 3点目の市有地等における放射能汚染土の現状と処理についてであります。 市の除染計画に基づき発生した除染土につきましては、市有地などにおいて環境省策定の除染関係ガイドラインの基準を踏まえ、十分安全な処置を行った上でその敷地内の適切な箇所に安全な状態で保管を行っております。これらの保管箇所につきましては、放射線測定や巡視などによる管理体制を現在も継続し、安定的に保管されている状況でございます。 最後に、4点目の旧南都田地区センターの活用についてであります。 地元振興会からは利用しないとの回答を受けており、それを踏まえて、現在、防犯対策として目張り工事を実施しているところでございます。今後の同施設の活用につきましては、建物の耐用年数も経過していることから、土地の公的活用や民間売却など、どのような手法がより効果的であるか、さきに答弁を申し上げた活用処分の基本的な考え方に基づき鋭意検討を進め、対応してまいりたいと考えております。 ○議長(小野寺隆夫君) 藤田慶則議員。 ◆24番(藤田慶則君) 先ほども述べましたが、財政健全化に向けた取組みの中で、対策として、市有財産の売却利活用、売却が見込まれる市有地の早期売却などで財源を確保すると。旧小中学校の売却または利活用等をうたっております。先ほどは、旧南都田地区センターの活用についてお伺いしましたが、旧小中学校の売却または利活用についての進捗状況はどうなっているのか、お伺いをいたします。 また、区画整理事業や施設用地の残地の売却とうたっておりますが、どのようなことを考えているのか、お伺いをいたします。 利活用については、午前中の中西秀俊議員の質問にもありましたが、地域の意向もあると思いますので、地区振興会と話合うことも大事ではないでしょうか。地域の方々とはどのくらい話合いをされているのか、お伺いをいたします。 また、地元新聞によりますと、市の宅地分譲好調と報道されました。その中で、市有地分譲促進補助金についても記載がありました。令和2年度当初予算にも1,500万円が計上されておりますが、内容や本年度の状況をお聞かせ願いたい。 また、7月からの補助金の対象要件も拡大と報道されておりますが、内容をお聞かせ願いたいと思います。 市の宅地分譲においては、鶴田エクセルガーデンが苦戦、苦労しているのではないかと感じますが、現状をお伺いいたします。 また、放射能汚染土については、仮称ではありますが、奥州南学校給食センターの建設場所が見直しになりましたが、埋設汚染土移設工事実施をめぐって議論がされましたが、旧小中学校の売却または利活用を考えるとき、そこに置かれている埋設汚染土を早く処理することが必要ではないでしょうか。 この質問においては、さきに同僚議員の質問に、平成29年9月1日より、国において除去土壌の処理方針の考え方について検討が行われており、実証実験などを踏まえた上で、処理基準等に係る施行規則改正及びガイドラインが作成される予定となっておりますと答弁されておりますが、国からは示されたのかどうか、お伺いをいたします。 ○議長(小野寺隆夫君) 村上財産運用課長。 ◎財産運用課長(村上幸男君) ただいま大きく5点ほど質問を受けたというふうに認識しておりますが、最後の放射能汚染土のほう以外の部分をまず私のほうからご答弁申し上げたいと思います。 まず、1点目の市有財産の売却、利活用の部分に、旧小中学校跡地の売却または利活用とありますが、こちらの進捗状況についてご答弁申し上げます。 統合後の旧小中学校の跡地につきましては、例えば旧南都田中学校のように地区センターの用地として活用するなどの公的な利用計画がある場合は、そちらを優先して実施しているところでございます。一方、活用利用計画がない場合につきましては、建物の耐用年数が残されている体育館、あるいはグラウンドにつきまして地元からの利用希望がある場合は、地区振興会との使用貸借契約を結び、当面の間、地元利用を促しているというような現状になっております。 また、地域との話合いはどのようになっているかというようなご質問もございました。この辺につきましては、今後こういった小中学校跡地の利活用、あるいは売却について、これから取組みを進めていくに当たりまして、まずは地域の皆様との話合い、協議というのが必要であるというふうに考えております。今後そういった部分を取り組みながら、市の基本的な考え方、あるいは進め方などにもご理解をいただきながら、いずれ地元ではどういった利用が望ましいかという声は十分に把握していきたいというふうに思っております。その上で、民間の力も活用しながら、どういった利活用、あるいは処分が適切かというのを判断し、提案してまいりたいというふうに考えております。 次に、2点目の区画整理事業や施設用地残地の売却というところの部分です。 こちらにつきましては、現在、分譲宅地のように積極的に売却を促進しているという市有土地もあるわけでございますが、公的活用予定が現在のところない普通財産の土地も多数存在しているというのが実態でございます。 このような普通財産の土地につきましては、比較的条件のよい土地については、公売に向けて現在取組みを進めております。例えば、前沢の駅東の区画整理事業の際に、当初は公共事業用地であったものが、その計画がなくなったことにより売却を進めているところでまだ残っている土地、こちらについても公売を実施しておりますし、今後につきましては、江刺豊田町にも区画整理事業の際にできた市有の宅地というのが数筆残っておりますので、こちらのほうも現在公売に向けて諸準備を進めているという状況になっております。 ただし、公売を進めているということでありますが、本年度、1件公売にかけましたが、残念ながら応札が出なかったというような状況もございますので、今後はより効果的に、どうやれば売れるかというか、売却につながるかといったところを民間の事業の皆さんのご意見も参考にしながら、どうすれば早期の売却につながるかという方法を検討してまいりたいというふうに考えてございます。 3点目の市有地分譲促進補助金についての支出の状況、あるいは市の宅地分譲方針の見直しについてのご質問でございます。 この市有地分譲促進補助金につきましては、市の宅地分譲の促進のために、例えばマイアネタウン等の宅地を購入し、住宅を建設した方に対して50万円を交付するという制度でございます。この補助金は住宅建設を考えていらっしゃる方、土地を探している方に対しては市の分譲宅地を選んでいただくための重要な誘引策になっているのではないかというふうに考えてございます。 実績でございますが、令和元年度につきましては26件の交付申請があり、1,300万円の補助金を支出しているところでございます。本年度は8月末現在ではございますが、11件の申請に対して550万円の支出というような状況になっております。 市のほうでは、本年7月にこういった分譲宅地のさらなる販売促進のために販売方針の見直しを行いました。これまでは個人の方を対象としてきた宅地の販売ではございますが、7月以降は宅地建物取引業者の宅建業者の皆様にも宅地を売って建て売りをする業者様に対しても宅地を売るということで見直したところでございます。この見直しに伴いまして、今後、さらに宅地分譲を促進していきたいというふうに考えているところでございます。 最後に、4点目、鶴田エクセルガーデンの販売状況ということでございます。 こちらは、28区画中5区画を現在販売中でございます。近年の販売実績でありますが、平成28年度に3区画、29年度に1区画ということで売却をしておりますが、残念ながら30年度、令和元年度については売却に至っていないというのが状況でございます。議員ご指摘のとおり、若干苦戦しているという状況ではございます。 こちらの分譲宅地につきましては、いずれ民間事業の開発、あるいは販売の動向というのも左右される側面がございます。しかしながら、そうは言ってはおられませんので、いずれ胆沢、自然環境に恵まれているという分譲地の特性を最大限PRしながら、さきにお話しいたしました販売方針の見直し、これらとも併せて、鶴田エクセルガーデンにつきましても販売促進に努めてまいりたいというふうに考えてございます。 以上です。 ○議長(小野寺隆夫君) 高橋生活環境課長。 ◎生活環境課長兼空家対策室長(高橋博明君) 藤田議員の最後の質問についてお答えいたします。 小中学校等の市有地等における除去土壌の保管、それから移設に関してでございます。こちらにつきましては、さきに市長が答弁申し上げましたとおり、国のガイドラインの基準によりまして、現在同一敷地内の適切な場所に適切な除去、それから保管をしているところでございまして、こちらにつきましては、今現在では非常に安定的な状態で保たれているところでございます。 これらの除去土壌の最終的な処分場、それから処分方法につきましては、まだ国のほうからそれの処理方法について示されておりませんので、現在の状態で安定的に保管しておくことが現時点では最適な方法ということにされてございます。 これらの土地を売却等、処分するに当たりまして、これらの除去土壌の移設等が必要になってくる場合があるかと思います。その場合につきましても、国との協議の下に必要最小限の移動、それから安全確保、それから移設先の合理的な理由、整合性等を協議の上、また、これら移動に伴います関係住民との合意等を得た上で最適な場所に移すこと、そして最低条件での移設ということが考えられるかと思いますので、実際にそれらの土地の売却に当たりまして、個別ごとにケース・バイ・ケースで丁寧に、それから適切な方法というのを検討していかなければならないというふうに考えてございます。 以上です。 ○議長(小野寺隆夫君) 藤田慶則議員。 ◆24番(藤田慶則君) 前の任期ではありましたが、奥和会では、徳島県三好市でありましたが、旧小学校の校舎、体育館を、北海道のスポーツ用品店だったと思いますが、倉庫に貸出して、インターネット販売をしておる事例を研修してまいりましたが、遊休資産の利活用も大事でありますので、早急に方策を考えてやるべきではないかというふうに思いますが、お伺いをいたします。 ○議長(小野寺隆夫君) 村上財産運用課長。 ◎財産運用課長(村上幸男君) ただいまのご質問に対してお答えいたします。 遊休資産の利活用、ただいま言ったような全国での事例が多くなってきてございます。奥州市につきましても、やはり積極的に、まずはそういった空き公共施設といいますか、そういったものの状況を広く公表して、民間からの提案を受け付けるような取組みを進めていきたいなというふうに現在考えております。 例えばですが、空き公共施設バンクというような、空き家バンクの公共施設版みたいなものとかも検討いたしまして、市内にはこういった公共施設があって、民間でも利用できるというようなところも情報提供するようなことも実施できるか、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。いずれ、空いたままで、ただといいますか、放置していくという状況は好ましいとは考えておりませんので、いずれ地域の活力にもつながるような民間の活用に向けた手だてを検討してまいりたいというふうに考えております。 以上です。 ○議長(小野寺隆夫君) 藤田慶則議員。 ◆24番(藤田慶則君) スクラップ・アンド・ビルドという使い方が正しいのかどうかは分かりませんが、旧小中学校の跡地などの市有地等の活用をもって財源を確保し、新しいものを築いていくこと、今回の私の質問であれば広表工業団地の造成など、新しい奥州市を築いていくこと、活性化を図ることも大事なことと考えますが、市長のご所見をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。 ○議長(小野寺隆夫君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 様々な形で経済の状況も激変している中で、持っているものをそのままに新しい投資をするということはなかなか難しいと。とすれば、やはりこれまで有用に使ったものが不用になったと、遊休となったというものであるとすれば、それは積極的に活用する、要するに販売をしていくということが何よりも大切なことなのだろうと。いささか手ぬるい部分も私自身も感じるところがありますので、今次の質問を参考にさらに力を入れてまいりたいと、このように考えております。 ○議長(小野寺隆夫君) ここで午後2時15分まで休憩いたします。     午後2時2分 休憩-----------------------------------     午後2時15分 再開 ○議長(小野寺隆夫君) 再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を行います。 次、11番千葉敦議員。     〔11番千葉敦君質問席へ移動〕 ◆11番(千葉敦君) 11番千葉敦です。 私はさきに通告した2件について、市長、教育長に伺います。 1件目は、教育行政について2点にわたり伺います。 その1点目は、奥州市立小・中学校再編計画についてです。午前中に同僚議員がこの問題で質問しておりますけれども、重ならないように質問いたします。 この計画の素案は、8月18日の議会全員協議会で示されました。その中で、学校再編の狙いとして奥州市学校再編基本計画、これは平成31年3月策定ですけれども、これに基づき、小学校における複式学級の解消及び中学校全教科の専科教員配置による学力の向上、さらには生徒の希望に応じられる部活動の加入を可能とするため、前後期に分けた段階的な統廃合を行い、課題解消を図るとしています。 この計画は、国の法令及び文部科学省の資料を基に適正な学校規模、通学距離、通学時間を示しています。特にも、昭和59年、旧文部省助成課のこれからの学校づくり及び平成27年、文部科学省の公立小学校・中学校適正規模・適正配置等に関する手引きを基にしているようであります。本計画策定に向けては、平成29年3月に奥州市立小中学校適正規模等検討委員会を設置しております。 さて、現在、私たちはコロナ禍の中にいます。教育の現場でも大きな影響が出ています。2月27日に国より、3月2日から春休みまでの臨時休校が要請されました。その後、奥州市内の各学校では、4月の入学式、始業式以降は感染対策に留意をしながら学校再開をしましたが、全国的には多くの学校では5月末頃までの休校となりました。 6月になって、学校再開に当たっては、多くの学校はクラスを午前と午後に分けるなどの分散登校や分散の授業で3密を避ける工夫をされておりました。約20人ぐらいずつの授業となり、教員、子供たちに、双方に良い影響が出ているという報告がありました。教員からは、本当に一人一人の顔が見られて対話もでき、ゆとりがあると、そういう授業ができたということでした。子供たちには、少人数のクラスは先生が大声を出さないからいいし、友達とも話しやすいと好評でありました。 これらを受けて、今年の政府の骨太の方針では、40人学級の見直しが検討されています。40年間、学級編制が変わってこなかった、そういう状況でしたが、その流れが変わりつつあります。学級編制標準が40人から30人、20人を目指す動きとなるのではないでしょうか。 戻って、今回の奥州市の小中学校再編計画は、このコロナ以前の基準を基にした計画であると考えます。コロナ禍を経て、学校の在り方が変わろうとしています。この前提が全く変わるのであれば、この再編計画は見直すべきではないでしょうか。教育長の見解を伺います。 さらに、この計画を策定するに当たって、どのような事前調査をされたのか伺います。 また、学校のなくなる地域のまちづくりはどのように考えているのでしょうか。特にも、江刺の各地区は地域の核となる主な施設が地区センターと郵便局だけになってしまう地域ができてしまいます。学校の統廃合は、地域を壊す方向に進むベクトルになってしまうのではないでしょうか。協働のまちづくりの観点からの見解を伺います。 大きな2点目は、岩手県の高校再編計画への教育委員会の対応についてであります。 岩手県教育委員会は、令和7年度以降に県南地域の工業高校、水沢工業高校、一関工業高校、千厩高校の工業系の学科をブロックを越えて統合し、大規模な工業高校を新設するとの案を示しました。今年の定員に対する充足率、水沢工業高校は4科で93%を維持しており、盛岡工業、黒沢尻工業の80%台と比べても水沢工業高校の高さが示されています。私は、水沢工業高校は統合ではなく、単独存続を目指すべきと考えますが、見解を伺います。 さらに、胆江管内から270人の高校生が管外に出て、他の地域からは100人ほどしか来ていないという実態があります。中学校と高等学校の連携を太くして、強くして、この現状を改善すべきと考えますが、見解を伺います。 以上、登壇しての質問とします。 ○議長(小野寺隆夫君) 小沢市長。     〔市長小沢昌記君登壇〕
    ◎市長(小沢昌記君) 千葉議員のご質問にお答えをいたします。 なお、私からは、1点目の小・中学校再編計画についてのうち、まちづくりとの兼ね合いについて及び2点目の高校再編計画への対応についてのうち、水沢工業高等学校を含む県南地域の工業系高校の統合案についてお答えし、1点目のうち、事前調査について及び計画の見直しについて、2点目のうち、中学校と高校の連携については教育長からご答弁申し上げます。 最初に、小中学校再編計画についてのうち、まちづくりとの兼ね合いについてでありますが、本市においては、学校を中心とした地域づくりの手法ではなく、各振興会による地区センターを中心とした地域づくりを行ってきております。もちろん、今まで学校と協力して実施してきた地域独自の事業ができなくなるといったことが懸念されますが、さきにいただいた同様のご質問でお答えいたしましたように、前沢地域の例により、統合によって生じる課題に対してそれぞれに工夫された取組みが行われております。 今後も続く人口減少の時代において、子供のために、地域のために何ができるかを地域全体で考え、協働の力を発揮しながら住んでよかったと思われる地域づくりになるような取組みができるよう、引き続き様々な形で支援を進めてまいりたいと考えております。 次に、2点目の高校再編計画への対応についてのうち、水沢工業高校を含む県南地域の工業系高校の統合案についてお答えをいたします。 岩手県教育委員会が本年度中に策定を予定している新たな県立高校再編計画後期計画(案)が令和2年2月に公表され、その中の具体的な取組みの一つとして、令和7年度以降に県南地域の3校の統合に伴う大規模な工業高校の新設が示されました。後期計画の策定に向けては、ブロックごとの地域検討会議の開催が5月に予定されていたところではありますが、コロナ禍の影響により延期となり、7月29日に胆江ブロックの地域検討会議が開催され、意見交換がなされたところであります。 なお、この会議には、当市からは、新田副市長及び田面木教育長が委員として出席をしております。 県教委の後期計画は、生徒の希望する進路の実現、地域や地域産業を担う人づくりの2つを基本的な考え方とし、その中の具体的な取組みの一つとして、県南地域において水沢工業高校、一関工業高校及び千厩高校産業技術科の3校を令和7年度以降に統合し、大規模な新設校を設置することが示されております。 県教委の方針に対する当市の見解については、地域検討会議において新田副市長よりお伝えしたところであります。未来を担う人材を育成しようとする考え方は、当市の総合戦略の目指すべき方向と合致しております。さらに、県南部の北上川流域への産業集積の振興に対応した高度技術人材の育成を推進するという考え方には、大いに賛同するところであります。しかしながら、県南地域3校の統合による新設校の設置については、次の3点の理由により再考を求めております。 1点目は、3校の定員充足率が県内工業高校と比べて高いこと。 2点目は、統合により通学距離が長くなる、遠くなることで志願の減少が懸念されること。 3点目は、3校とも特色を生かした教育を実践し、地域の産業界などに多くの人材を輩出していることであります。 自宅から通学が可能なブロック内で幅広い進路の選択肢を用意することは、地域の人材育成にとって非常に重要だと考えます。加えて、水沢工業高校では各種の職業資格や検定の取得に力を入れており、その取組みが高く評価されています。 地域検討会議の開催に先立ち、7月27日に水沢工業高校同窓会、奥州商工会議所総合建設部会など5つの団体の連名で、市から工業高校をなくすことのないよう岩手県教育委員会に働きかけてほしいという趣旨の要望書を頂戴いたしました。その願意も酌み取った上で、今後も県の動向を注視しながら、地域の教育にとってよりよい方向について議論してまいりたいと、このように考えているところでございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 田面木教育長。     〔教育長田面木茂樹君登壇〕 ◎教育長(田面木茂樹君) 千葉敦議員の1件目のご質問にお答えします。 最初に、1点目の小中学校再編計画についてでありますが、奥州市学校再編基本計画を策定するに当たり、奥州市立小中学校適正規模等検討委員会において、平成29年から30年にかけて事前調査を3回行っております。 1回目は、平成29年7月に行い、適正と考える学級規模と学校再編に対する考えについて幼稚園等及び小中学校の保護を対象に調査し、762名から回答を得ました。小学校においては、1学級の人数が11人から20人が適正とする意見が49%、21人から30人が44%で、ほぼ半分ずつでした。それに対し中学校では、21人から30人が適正とする意見が63%となっております。学校再編に対する考えとしましては、肯定的な意見が69.9%、否定的な意見が15%となっています。 2回目は、平成30年6月に、近年、統合を経験した児童・生徒及び保護を対象に統合してよかったこと、困ったことなどについて調査し、児童・生徒410名、保護380名から回答を得ました。結果としましては、児童・生徒、保護ともに友人関係や学び合い等「困ったことがある」とした割合が約60%でしたが、ほぼ全ての児童・生徒、保護が「統合してよかった」と回答しております。 3回目は、平成30年8月に、教職員を対象に適正と考える学級規模と学校再編に対する考え等を調査し、690人から回答を得ました。1学級の適正人数については、小学校低学年は11人から20人とする割合が62%となっておりますが、それ以外は21人から30人が適正と捉える割合が多く、中学年で62%、高学年で71%。中学校では80%となっております。また、1学年の学級数は、小学校であれば2から3学級、中学校であれば3から4学級を適正と考える教職員がそれぞれ80%以上となっております。学校再編に対する考えは、肯定する教職員が小中ともに60%以上、否定する教職員がともに10%以下となっております。 学校再編計画の素案は、教職員の配置数の確保はもちろん、児童・生徒の多様な関わり合いの中で育成、中学校における部活動数の確保など、総合的な視点で策定されているものであります。定数の改善等、国の動きがあった場合には必要に応じて見直しを図りながら、具体的な再編案の策定を進めてまいります。 次に、2点目の高校再編計画への対応についてであります。 教育委員会といたしましては、生徒数が年々減少する状況を踏まえますと、県が示す後期計画の基本的な考え方についておおむね理解できます。今後、提示されます具体的な方針につきましても、奥州市の現状を踏まえながら必要な要望・意見等を県に伝えてまいります。 市内の中学生が地元の高校への進学を真剣に検討するためにも、中学校と高等学校の連携は重要であると捉えております。現在、高校訪問を行っておりますが、各高校では、中学校の要望に応えて説明会に担当を派遣したり、中学生の体験入学に工夫を凝らしたり、中学生ばかりでなく、小学生との交流の場を設けたりするなど、様々な取組みをしていただいております。各高校の特色や魅力を中学校に伝えるとともに、学区内に様々な学科がある強みを生かした進路指導の充実に努めてまいります。 ○議長(小野寺隆夫君) 千葉敦議員。 ◆11番(千葉敦君) それでは、再質問させていただきます。 まず、今、教育長から答弁をいただいた中で、学校再編に対する市民の意見が、肯定の意見が約70%、否定の意見が15%あったということですが、この否定の15%は再編に慎重な意見とも考えますけれども、15%もあるのであれば、やはり、それらの意見に十分耳を傾ける必要があるんではないかと思います。 前沢では、小学校が統合を既にされていますけれども、共産党の議員団が統合後に前沢地域である聞き取り調査を行った際に、ある地域の人から統合には反対だったと、けれども、やはり声を出せなかったというふうな意見を聞くことができました。地域の説明会等、私も1か所、参加したことはありますけれども、肯定的な意見が多く出ると、やはり否定的な意見を持っている方が出しづらいというような雰囲気も何かあるようにも感じました。そういった意味で、否定的な意見を持つ方が15%もいるのであれば、これらの意見にしっかり耳を傾けて対応していくことが必要であるかと思いますが、伺います。 それから、複式を解消するためということで小規模校をなくしていきたい旨のお話ではありますけれども、小規模校のデメリットについては答弁でもありましたけれども、私はメリットをもっと大きく地域の人たちにも知らせていく必要があるんではないかと。当然、メリット、デメリット両方あるわけですから、それをきちっとどの説明会であっても、あるいはPTAなりの説明であってもメリットとデメリットをみんなが判断しやすいように、いろんな情報をもって丁寧な説明が必要ではないかと思いますが、まずこの2点について伺います。 ○議長(小野寺隆夫君) 田面木教育長。 ◎教育長(田面木茂樹君) 学校再編の調査において、結果は大半が賛成だと。反対が15%の結果をどう受け止めるかということなんじゃないかなと思いますけれども、実は反対をしている方々の意見は、子供のことというよりも地域から学校がなくなるということが一番大きいということを捉えております。 ですから、学校の子供たちにとっては、その保護の方々は、やはり切磋琢磨させるような学校等の、大人数のところで学ばせたいという気持ちがあるのではないかと。いわゆる地域から学校がなくなることについて、困り感というんですか、大変だという、寂しくなるというような意見等が保護の反対の消極的反対というような言葉で調査したわけでございますが、そういうふうな意見が出ております。このことについては、やはり地域づくり、まちおこしということについては、教育委員会としても、やはりこれからの準備委員会とか、その地域の中でどうしていくかということについては、やはり検討して話合っていかなければならないと思っているところであります。 先ほど、市長のほうからもありましたように、統合しました前沢地区でありますが、やはり学校が少なくなったところでもありましたけれども、小さいところでは振興会等が中心になって、芸能、いわゆる伝統の文化、太鼓とか、そういうのを継続しているということで、そこでの子供たちの活動は生き生きとしているというふうに聞いております。 2番目の小規模校をなくすというか、メリット、デメリットのことになりますが、デメリット、メリットについてもこれも説明会ではきちっと説明をしております。 確かに、少人数ですので一人一人の子供たちに目が届くということは物理的にそのとおりだと思います。しかし、じゃ現在の普通単学級の中で届かないかというとそうではなくて、そこにはいろいろと少人数指導のサポートの方が入っていて、1人担任ということじゃなくて、2人とか、そういうサポートで見ているということ。それから、やはりどっちがいいかという、小規模校の子供たちが一生懸命頑張ってやっていることについては、私も捉えています。 ただ、こういうことがあります。一つの例ですけれども、江刺東中学校に入る小学校は5校あるわけです。5校とも全て小規模校であります。初めて中学校に来て、30人という1つの学級の集団をつくった経験は初めてなわけです、6年間経験していないで初めてだと。そこで、中学校の校長は、35人以上いれば2クラスになるわけですけれども、どうしたらいいかと悩んだことがありますというふうに聞いております。やはりこの6年間の数人の学級の中よりも、集団でたくましさを経験させたほうがいいだろうということで、1年間は1つの学級にしたと聞いております。その後、どうでしたかと言ったら、子供たちからは、集団で一緒に友達となったことが非常にうれしいという評価が、確かにそれは、今まで3人か4人のところから30人という大きな学級に入ると、最初は戸惑いがあり、自分の意見も出せなかったんだけれども、それが30人で切磋琢磨して、学年末のあたりについては自分の意見も言えるようになったと。2年生からは2クラスに分けておりますけれども、そういうふうな経験をさせるということは、私たち教育委員会としては、私は子供たちにそういう切磋琢磨をさせるということが、教育的に非常に大事なことではないかなというふうに考えておるところです。 ただ、今、各小規模校、これからの説明会については、メリット、デメリットもきちっと説明してまいりたいというふうに思っています。 ○議長(小野寺隆夫君) 千葉敦議員。 ◆11番(千葉敦君) 私、登壇しての質問の中で、この計画自体がコロナ以前のいろいろな、文科省を中心とした省令等の基準に基づいてつくられた計画であって、このコロナ以後、本当に20人クラスぐらいの、40人の学級であっても20人ぐらいずつ分けて分散登校、授業をやって、そのメリットがすごくよかったというのが本当にマスコミを中心にいっぱい語られています。 それで、政府の骨太の方針でも、ずっと40人学級をということで来たわけですけれども、少人数学級にするということも含めて検討に入っているという国の方針が変わりつつある今の状況なわけですよね。であれば、やはり文科省を中心とした国の方針が変わる、このコロナ禍の中で変わるということであれば、そして教育学会とか、知事会や市長会、あるいは町村長会、そういった地方自治の団体も20人学級とかの要望を出しているという、こういう状況において、この計画はやはり考え直すべきではないかなと私はあえて思いますので、この点に触れて答弁をいただきたいと思いますし、それから、今の答弁の中でも、いわゆる少人数よりもある程度の人数で競い合う、切磋琢磨するという表現が、言葉がありましたけれども、逆に言えば、何かある程度の落ちこぼれもつくってしまうんではないかという、私は不安もちょっと持つわけですけれども。 特にも小学校は、学力をきちっと身につけさせる上でも、丁寧な指導ができる学校であれば、そちらはそちらで非常にメリットがあるんではないかなと私は思いますし、木細工小学校の作文教育のような非常に特徴がある学校もそれぞれあるわけですけれども、そういったこともしっかり私たちは、今までの教育としての実績ですから、それを受け継いでいかなければならないし、木細工小学校が4人ですか、子供たち、ということですけれどもゼロになったわけじゃないですので、いきなり玉里小学校に隣の学校を飛び越えて統合するという案ではありますけれども、これはちょっとやはり唐突に思えるというのが率直なところですので、あえて、その点についても触れていただきたいと思いますが、以上、お願いします。 ○議長(小野寺隆夫君) 田面木教育長。 ◎教育長(田面木茂樹君) 40人学級の見直しが、今、国で検討されているということと、今言った小規模校のよさというのは残すべきじゃないかということと捉えております。 文科省が40人としての定数を見直すということについては承知しておりますし、実は、これは今始まったことではありませんので、要望をしているかというと、当市教育長協議会では、毎年40人学級という部分を定数を下げてくれということを要望しております。これは市長会でも同じだと思います。それは当然、そのことによって教員定数が変わってきますので、きめ細かな指導が行われるということは、議員さんがおっしゃったとおりであります。 現実に、岩手県の学級定数の人数は、文科省は小学1年生は35人で決まっていますが、それ以外は40人なわけです。ところが、岩手県は全て35人学級にしております、1年生から中学3年生まで。したがって、35人より超えますと2学級ということになって、36人ですから十何人の学級ということになるということはご存じだと思います。 これは、いろいろと県の財政、それからそういう部分での教員定数で変わっているわけですけれども、それがなぜそういうふうになってきたかというと、平均すると岩手県の1学級の人数が30人を満たないと、平均するとですよ。これは大きいところもありますし、小さいところもありますけれども。したがって、40人というよりも35人学級にしようということで導入されたということであります。この私たち奥州市においても、やはり平均すると30人弱になるんじゃないかなというふうに捉えております。したがって、それがもっと半分とか、今おっしゃいました20人とかというふうになれば当然変わってきますので、それは先ほど言いましたように、国の動向を見て考えていきたいということを今申し述べたところであります。 それから、小規模校の子供たちのよさと、これについても私も分かります。1つ、今、例がありました木細工小学校が伝統的に作文教育が全国的にも有名だと報道されております。ただ、それはそれで指導があっていいと思うんですけれども、先ほど言いましたように、一人一人が、今9人ですけれども、今6年生の5人が卒業してしまうと4人になってしまうということが現実であります。そうすると、高学年5年生、6年生がいなくなった4人であります。そういうところでの、いわゆる学校としての教育活動、社会も含めてそういう部分の在り方、どうあるべきかと本気になって考えていかなきゃならない。そうするときに、子供たちにとってどっちがいいのかと。私は、やはり子供にとって一番いいのは切磋琢磨する、今の時代に切磋琢磨させた上で次の学年に、学校に引継がせるという、そこで育てていくたくましさが必要だというふうには捉えております。 ということで、その旨を検討委員会等でも話合いをされて、前回、提案した素案を発表したところでございます。ということで、計画そのものについては、現在のところは検討委員会で、もう提案しておりますので、あとこの部分がこれから、先ほど言ったように地区での話合い等が終わった後に、もう一度検討を進めて、どうするかということを検討委員会の皆さんで話合っていきたいと思っています。 以上です。 ○議長(小野寺隆夫君) 千葉敦議員。 ◆11番(千葉敦君) 基準が40人から国の段階で30人とか、あるいは20人に近い方向に進むんであれば、もう複式の基準も私は変わると思いますし、奥州市内の各学校のクラスの数が増えると思います。そうすれば、小規模校や、さらに複式を持っている過小の学校も減ると思います。 それであれば、やはりこの計画そのものはそういった前提が全く変わるわけですから、やはり見直すべきではないかなということをあえて申し上げますので、改めて見解を伺いたいですし、木細工小学校については、すぐ、もう来年の4月1日からということですけれども、それも含めて地域説明会がもう今年度中に、江刺も含めて、ほかの地域でもあるわけですけれども、もうあと約半年しかないし、木細工の場合はもう半年の中で全てやってしまうと。学校がなくなってしまうというのは、あまりにも私には唐突に本当に思えてなりません。統合となれば学校がその後なくなるわけですけれども、例えば生徒が少なくなっていなくなる、ゼロになるというか、少なくなるから、学校を一時、廃校ではなく休校にして、形だけは残しておくということを私は考えるべきではないかなと思いますが、この2点について伺います。 ○議長(小野寺隆夫君) 田面木教育長。 ◎教育長(田面木茂樹君) 定数が改定するということについては国でやるわけですので、これいつになるか定かではありませんし、そのことによって、また複式がどうなるかということについても、今、私のほうでは情報が集まっていませんので、それが出た後に検討すると。 それから今、休校ということの話が出ましたが、これは全く考えておりません。今、検討委員会で何度も検討しておりました。その中で調査もしておりますし、そういう部分で検討委員会の委員のメンバーから、とにかく早くやってくれということと、もう一つは、今回30地区の市政懇談会の中でももっと早くやってほしいということがあったので、それを受けて、検討委員会の中では急がなきゃならないということでの案を提案したということでありますので、これについて後戻りをするという考え方は私は持っていません。 以上です。 ○議長(小野寺隆夫君) 千葉敦議員。 ◆11番(千葉敦君) あと、地域説明会が木細工も含めてあるわけですけれども、それはどのような日程といいますか、それはもう既に半年ぐらいになりますので、決まっているかと思いますので教えていただきたいと思います。 ○議長(小野寺隆夫君) 佐藤学校教育課長。 ◎学校教育課長(佐藤利康君) ただいまご質問いただきました各学校ごとの地域説明会でございますが、今後9月から10月にかけて約2か月の間に、前期の統合対象校全てで説明会を実施する予定でございます。こちらは、対象は保護、それから希望する地域の皆様方を対象に、これまでの素案に至る経緯、そして統合後の姿ということについて、素案について説明をまず申し上げて、そして、各学校での説明会の中で様々なご意見をいただきながら、次回の再編検討委員会の中で協議をしてまいる予定でございます。 以上です。 ○議長(小野寺隆夫君) 千葉敦議員。 ◆11番(千葉敦君) 細かい日程は決まっておりますでしょうか。決まっているのであれば、後で資料としていただきたいんですが、お願いします。 ○議長(小野寺隆夫君) 佐藤学校教育課長。 ◎学校教育課長(佐藤利康君) 細かい日程につきましては、現在、各学校と打合せ中でございますので、今後決まり次第、情報提供をさしあげたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○議長(小野寺隆夫君) 千葉敦議員。 ◆11番(千葉敦君) 統合の計画について教育長と議論してまいりましたけれども、本当に慎重にやるべき、早くやってくれという意見もあるかもしれませんけれども、慎重にやるべき材料もありますので、地域の声にしっかり耳を傾けていただいて進めていただきたいものだと思います。 では、次に移ります。 2件目は、地域経済振興、特にコロナ禍における経済支援について伺います。 胆江民主商工会は、7月22日、新型コロナウイルス感染症対策に対する申入れ書(第2次)、9項目を小沢市長に提出しました。今日は、その中から3点について改めて伺います。 1点目は、国の持続化給付金の対象外となった事業に対する市独自の支援についてです。 これは、単月で50%以上の減収にならないと給付金の対象になりませんので、単月で50%の減収になる月が残念ながらなかったけれども、30%とか40%の減収が3か月も続く業者も現実にはあります。私は、これらの給付対象外事業に対して市独自の支援をすべきと考えますが、見解を伺います。 2点目は、住宅リフォーム助成制度の予算補正についてです。 今年度の予算は、既に消化している現状です。コロナ禍の地域経済不況の状況に対して支援を進めていくためには、予算を補正すべきと考えますが、見解を伺います。 3点目は、国民健康保険の傷病手当の給付対象の拡大についてです。 6月議会において被使用が対象となる条例改正は行われました。しかし、この給付対象について、事業主やその家族は対象となっておりませんので、事業主とその家族にも給付対象を広げるべきと考えますが、見解を伺います。 以上、登壇しての質問とします。 ○議長(小野寺隆夫君) 小沢市長。     〔市長小沢昌記君登壇〕 ◎市長(小沢昌記君) 千葉議員の2件目のご質問にお答えをいたします。 最初に、1点目の国の持続化給付金の対象外となった事業に対する支援についてであります。 国の持続化給付金は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、特に大きな影響を受けている事業に対して事業の継続を支え再起の糧としていただくため、中小法人などで最大200万円、個人事業などで最大100万円が交付されるもので、月間の事業収入が前年同月比で50%以上減少した事業を対象に、事業全般に幅広く使える給付金となっております。 市といたしましては、奥州市商工会議所及び前沢商工会との連携の下、市内経済の振興を目的に、感染症の影響緩和策として家賃補助のほか、独自施策である償還金補助、岩手県の休業要請の対象とならなかったものの影響を大きく受けた飲食店に対する給付金制度などを実施してまいりました。また、中小企業におきましては、このコロナ禍に対処しながら前向きに乗り越えようとする動きが見られておりますことから、このような中小企業の意欲を支援するため、新たな感染症対策補助や事業改革補助などの補助制度を独自に立ち上げて実施しているところであります。 新型コロナウイルス感染症につきましては、いまだ収束の見通しがついていないことから、今後におきましても奥州市商工会議所及び前沢商工会など、関係団体との連携を図りつつ、市内経済の回復に向けて取り組んでまいります。 次に、2点目の住宅リフォーム助成制度の予算補正についてであります。 この助成制度は、市民の居住環境の整備はもちろんのこと、市内の住宅関連産業及び商業を中心とした地域経済の活性化を促進するため、市内の施工業者によるリフォームを行う市民に対して、予算の範囲内において工事の一部を商品券で補助する制度となっております。昨年度の実績ですが、86件の申請に対して574万円の助成を実施いたしました。今年度は190万円の予算を計上し、4月15日より受付を開始し、5月15日までに31件の申請があり、予算額に到達しております。 住宅リフォーム事業につきましては、地域経済への一定の効果を果たしているところですが、地域経済全体に対しては限定的なものであることから、増額補正は行わず、当該予算のままとしたいと考えております。今後、コロナ禍が続く中で、住宅関連産業のみならず経済支援が必要となる事業に対しては、的確かつ効率的な経済支援ができる制度を検討した上で対応すべきであると考えているところであります。 最後に、3点目の国民健康保険の傷病手当の給付対象に、自営業、フリーランス及びその家族を追加することについてであります。 国民健康保険の傷病手当については、6月定例会において国民健康保険条例の一部改正を行い、給与等の支払いを受けている被保険を対象に傷病手当金を給付するよう改正したものであります。傷病手当金の対象は、被保険のうち被用者であり、正規、非正規にかかわらず雇用され、給与、賃金または時給を受け取っている方となります。その他、自営業であっても青色専従については該当になりますが、個人事業や農業などについては対象外であります。傷病手当金の対象を被用者としたことは、感染または感染が疑われているにもかかわらず労務を続けなければならない方に対し仕事を休みやすい環境を整備し、国内での感染拡大をできる限り防止するためのものであります。国では、こうした観点から保険に対して傷病手当金の支給を促し、その費用を緊急的、特例的な措置として財政支援を行うこととしたものでございます。 市では、国の財政支援措置に従った制度設計を行うこととしております。国保財政の運営主体を県とする広域化が始まっており、国の基準を超える給付金などの施策については、県内市町村が足並みをそろえて取り組むべきと考えているところでございます。しかしながら、個人事業主も対象に含めるべきとの要望が全国に寄せられていることを受け、全国市長会では6月30日に、新型コロナウイルス感染症対策に関する重点提言として、傷病手当金の支給対象の拡大や支給対象額の増額を行うよう国に要望しておりますので、今後の国の動向を注視してまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 千葉敦議員。 ◆11番(千葉敦君) それでは、3点について質問していますので、それぞれ再質問させていただきます。 まず、持続化給付金についてですけれども、該当しない事業、市で独自にいろいろ施策を講じられているということについては、本当にそれについては感謝するところでありますけれども、登壇で答弁いただいたその市の施策にも漏れてしまう業者、あるいは特にもといいますか、例えば自前の施設で設備も自前のものであると、土地も自前のものであるとなれば、なかなか該当するようにはいかないですし、今やっている自分の事業を毎年毎年継続してやっていくんだという方で、それであればなかなか対象には当たらないのではないかなと思いますので、本当にそういった人たちにも目を向けるためにも、いずれにも該当しなかった事業にも幾らかの支援金を出すということは、私は必要ではないかなと思います。改めて見解を伺います。 住宅リフォームにつきましては、昨年度、令和元年度分、それから2年度分の住宅の件数と補助の額がありましたけれども、例えば86件の574万円の補助に対して、その住宅リフォーム工事全体の申請された総事業費は幾らなのか、そして2年度についても分かりましたらお願いします。 国保の傷病手当についてですが、私が登壇して質問した個人、あるいは農業、そしてあとは、今フリーランスと言われている立場の方々、答弁では、被用者が該当する場合に労務を続けなければならない方に仕事を休みやすい環境を整備するために、被用者、国保だけれども賃金を頂いている方に対象を広げたということでしたけれども、これを個人とか農業、本当に使用、いわゆる人を使っていない、家族だけで運営しているという個人事業や農業はたくさんいるわけですけれども、そういった人こそ本当に、仕事を休みやすい環境ということであれば創設すべきではあると思うし、奥州市が率先して創設しても何ら私は問題ないと思うんですが、改めて見解を伺います。 ○議長(小野寺隆夫君) 菊地商工観光部長。 ◎商工観光部長(菊地厚君) 市のほうの持続化給付金に漏れた部分というお話でございましたが、議員おっしゃられたように、自前の施設の場合、家賃補助というのはないよというお話はそのとおりでございますが、市のほうでは、そういったこともありまして、20%以上減収された方に対して、自前の建物でローン等が残っている場合の償還金補助というものを実施させていただいているところでございます。 それから、今の事業を今後も継続していくというために、感染症対策を新たに自分たちの中で、お客様、または自分たち従業員が感染しないような対策をするというものについての補助金制度を独自に出しておりますし、それから事業を拡大する、または新たな形態を自分で模索していくと、そういった企業さんもいらっしゃいます。そういった部分に対する助成制度も行っているところでございます。 それから、製造業に関しましても、20%以上の減収があった製造業さんに対して、新たに機械等を導入して、より効率的な、またはより精度の高い製品をつくろうというところに対しては200万円の補助金を出して、限度額200万円としてその継続または、このコロナ禍の中で経営がだんだん下がっている中でも、幾らかでも効率的なものを、よりよいものをつくって事業を上げていくというようなことの支援を今行っているところでございます。 いずれ、コロナ対策に関する支援につきましては、国の施策、県の施策があって、でもそれが、その前にいろんな各自治体でやった形があって、いろんな自治体がいろんな問題、その地域の特徴を抱えた中でやられております。市といたしましても、商工会議所とか商工会さんと一緒になって、今どういった形の施策がいいのかというものを一緒に考えながら、適切な形で施策を打って、事業継続されていただけるよう努力してまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 古山都市計画課長。 ◎都市計画課長(古山英範君) それでは、令和元年度、令和2年度の住宅リフォームに係る工事全体の事業費ということでございました。 令和元年度、86件あったわけですけれども、その総事業費は1億9,581万6,965円ということで、平均をしますと227万円ということになっております。また、令和2年度ですけれども、令和2年度は31件の申請がありまして、全体事業費としましては6,186万7,430円ということで、平均を取りますと199万5,000円程度ということになっております。 以上です。 ○議長(小野寺隆夫君) 菅野健康増進課長。 ◎健康増進課長(菅野克己君) それでは、3点目の国保の傷病手当の件でございます。 自営業の方が対象外とされているという点でございますけれども、国、厚労省ではその理由について、傷病手当は給与に対する所得補償という考え方もあるということに基づいているということもございますし、自営業の所得を正確に把握することが難しいという点も挙げてございます。 とはいえ、自営業の方の所得補償はしなくてよいというふうなことにはなりませんので、先ほど市長答弁でも申し上げましたとおり、議員さんご指摘のとおり、こうした各方面からいろいろなご意見をいただいているところであります。全国市長会でも、国に対して自営業などを含めた支給対象の拡大や、それから支給対象額の増額を行うよう要望しているところでありますので、国の動向を見ながらこちらでも注視してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 千葉敦議員。 ◆11番(千葉敦君) 時間が来ましたので、住宅リフォームと傷病手当については時間がないのでこれ以上はいいですけれども、持続化給付金のことだけ、ちょっと1つだけ。先ほど部長は、自前の施設だけれどもローンがある人には補助して、それは補助が出ているというのは、市長の登壇しての答弁にもありましたので分かりますけれども、ローンも払い終わっているけれども、でもやはり仕事がなくて苦労しているという方は実際におりますので、やっぱりそういったところも目配り必要かと思いますので、この1点だけ伺って終わります。 ○議長(小野寺隆夫君) 菊地商工観光部長。 ◎商工観光部長(菊地厚君) いずれ市の施策といたしましては、国のほうの施策があって、また県の施策があって、また、国と市町村が同時に施策を出してきたという中で、いろいろ各自治体が違っているのはそのとおりでございます。 市のほうといたしましても、今困っている方々はどこかということでやられていた部分があります。それが全てに行き渡っているということは確かにできないのかもしれません。ただ、今後やはり全体の、今、県内でもコロナの感染が今までなかったのが、7月末以降県内でも発生していると。こういった状況が今後どのように奥州市の中で、また影響が出てくるのか、そういったものを見定めながら施策を考えてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 千葉敦議員。 ◆11番(千葉敦君) 今の点について市長に、簡単でもいいですので見解を伺って終わります。 ○議長(小野寺隆夫君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 部長の答弁に尽きるということになります。 ただ、議員おっしゃっていることも理解はするところでありますけれども、自営業の方、フリーランスの方、この方々の収入の減、あるいは、いや生活が苦しいのは分かりますよ。客観的なその状況を担保できるようなあかしがあるかというふうなところが、税を使う意味での最も基本となるところだと思うんですよ。表現はよくないですけれども、つかみ銭で渡すとか、どんぶり勘定で渡すというふうなことは、これはあってはならない。 でも、現実に困っている人がいるというふうなところに対して、どのような形で手当てをすればいいのかということを決して無視をしているということではなく、その公平性の部分においてどのような形がいいのかというふうなところ、これは国保の部分についても一緒なんですけれども、やはり国がこういうふうな見解でどうだろうというふうなことの示しが出れば、我々としても極めてナショナル・スタンダードとして対応ができるということになるわけでございまして、市長なんだから何とかしてよと、敦議員には大変ありがたく頼られているということを感じるところでありますけれども、市長だからこそ、全体としての公平性を考えるというふうな意味からすれば、やはり国全体の流れを見計らって適切な対応をしていかなければならないという立場であるということも、ご理解をいただければと思うところでございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 千葉敦議員。 ◆11番(千葉敦君) 終わります。 ○議長(小野寺隆夫君) ここで午後3時30分まで休憩いたします。     午後3時17分 休憩-----------------------------------     午後3時30分 再開 ○議長(小野寺隆夫君) 再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を行います。 次、19番阿部加代子議員。     〔19番阿部加代子君質問席へ移動〕 ◆19番(阿部加代子君) 19番阿部加代子です。 通告しておりました自転車の安全利用について、介護予防についての2件についてお伺いいたします。 1件目、自転車の安全利用についてお伺いいたします。 私は、これまでも自転車の事故防止対策について質問してまいりました。平成25年12月議会の一般質問では、学校におけるヘルメットの使用、自転車保険の加入の必要性について取り上げてきました。また、平成27年6月の一般質問でも、6月1日から道路交通法が改正され、自転車の規則と罰則が大幅に強化されたためのルールの徹底、自転車保険の再度の推進をお願いしてきたところです。今回、三たび取り上げさせていただきます。 自転車は免許も必要なく、気軽に乗れる大変便利な乗り物です。また、環境に優しい交通手段であり、子供から大人まで身近な乗り物として利用されています。 最近では、コロナ禍の影響でバスや電車の人混みを避けるため自転車通勤に変更する方、自動車の免許を返上して自転車に乗り換える方、健康増進のため自転車を利用する方が増えてきているようです。 我が国の自転車の保有台数は約7,200万台です。自動車の台数にほぼ匹敵するほどの台数です。自転車保有台数は年々増加傾向にあり、平成28年の自転車普及率は57%と、約6割の人が自転車を保有しており、多くの人が交通手段として自転車を利用している状況です。岩手県は、自転車保有率全国26位です。スポーツ車、電動アシスト車等の販売台数が近年急増し、自転車保有率も増加しているようです。 このような現状の中、過去10年間で交通事故件数が3割減少していますが、一方、自転車対歩行の事故件数は3割増加しています。また、過去20年間で交通事故死数は6割減少しておりますが、自転車乗用中の死者数は5割減と減少幅が小さくなっております。全国における自転車関連事故件数は、15歳以下の男性と65歳以上の男女が多い傾向にあります。自転車関連事故の死亡率は、15歳以下から40歳台までは横ばい傾向であるのに対し、50歳台から増加傾向になっています。65歳以上の自転車関連事故は事故件数も多く、死亡率も高くなっています。 利用目的別死傷数、自転車乗用中は通勤、通学の割合が約3割と高くなっています。奥州市内での自転車の事故件数ですが、2017年、28件、うち高校生7件、中学生3件、小学生1件。2018年、20件、うち高校生5件、中学生2件、小学生2件。2019年、34件、うち高校生4件、中学生2件、小学生1件。2020年、7月までですが11件、うち高校生5件、中学生1件、小学生ゼロ件となっています。 自転車事故による死亡の6割以上は頭部損傷です。また、ヘルメットを着用しないと事故の際の致死率は2.4倍となるようです。警視庁調べ。 2008年の道路交通法改正によって、13歳未満の子供はヘルメット着用が努力義務となりました。しかし、13歳未満の子供だけがヘルメット着用が必要なわけでは決してありません。事故を考慮した場合、13歳以上、大人もヘルメット着用は必要です。今年のヘルメット着用率調査によれば、大人も含めた着用率は1割程度にすぎません。また、子供の着用義務を知っていた保護が3割にとどまっており、大変に驚きます。着用義務を知った保護の7割近くがこれからはかぶせるようにすると答えています。自転車ヘルメット委員会調べ。ヘルメット着用の周知は、まだまだ不十分だと言わざるを得ない状況です。 また、自転車事故では被害になるだけではありません。加害となった場合、高額な損害賠償を求められる事例が増えています。自転車対歩行の事故で、自転車側の重大な過失により相手を死亡させたり、または重度の障がいを負わせた場合は、高額な損害賠償が求められます。 全国の損害賠償事例では、事例1、男子小学生が夜間に自転車で走行中、歩道と車道の区別のない道路において歩行中の女性と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折等の障がいを負い、意識が戻らない状態となりました。監督責任として、少年の母親に損害賠償金約9,500万円を支払うよう命じた判決となりました。2013年、神戸地裁。 事例2、男子高校生が昼間に車道を斜めに横断し、対向車線を直進する自転車の男性と衝突。男性は言語機能喪失等の障がいが残りました。損害賠償金約9,300万円の支払いが命じられました。2008年、東京地裁。 このように、自転車であっても損害賠償金が高額になる事例が増えています。 そこで、万が一への事態への備えが必要です。このような状況を踏まえ、国では昨年4月、国土交通省内に自転車事故による損害賠償の在り方を協議する有識者検討会を発足させました。現在、保険の補償内容や自動車損害賠償保険と同様、全国一律で自転車利用に保険加入を義務づけるかどうか検討を行っています。自転車は、子供から高齢まで幅広い層が利用し、利用頻度や経済力にも大きな差があります。こうした点も踏まえた丁寧な議論が求められています。 また、事故を起こした自転車運転の4割が二十歳未満であることから、保護の保険加入の必要性も指摘されています。しかし、保険への加入は十分に進んでいないのが現状であり、2017年に歩行が死亡または重傷を負った自転車事故のうち、保険に加入していた加害は6割にとどまっています。歩行や他の自転車を巻き込んだ事故は一向に減っていないようです。自転車保険への加入が求められています。 このような状況のため、自転車保険条例の制定が全国自治体に広がる動きがあります。自転車の安全利用促進に関する条例制定自治体は、令和2年4月で101自治体になっています。条例を制定し、住民に自転車保険の加入を進める自治体が増えています。いずれの自治体も通勤や通学を含め自転車を利用する全ての人を対象にしています。また、自転車の販売店やレンタル店に対しても、購入や利用が保険加入しているかどうか確認し、保険加入を勧めるよう協力を求めています。 自転車は、これまでに酒酔いや信号無視、遮断機の下りた踏切の立入りなど、14項目が危険行為に指定されています。14歳以上の場合、危険行為は3年間に2回の摘発で安全講習の受講が義務となっており、受講しないと5万円以下の罰金が定められています。 さらに、今年の改正では、自動車だけではなく、あおり運転は自転車も対象になりました。他の車両を妨害する目的で執拗にベルを鳴らす、逆行して進路を塞ぐ、幅寄せ、不要なブレーキでの車間距離の不保持、追越し違反などの自転車のあおり運転を妨害運転と規定し、15項目が危険行為となりました。6月30日に施行されています。 そこで、お伺いいたします。 市民、児童・生徒に対しての自転車の安全教育の取組みについてお伺いいたします。市民、児童・生徒に対して、自転車保険への加入推進についてのお考えをお伺いいたします。 以上、登壇しての質問とさせていただきます。 ○議長(小野寺隆夫君) 小沢市長。     〔市長小沢昌記君登壇〕 ◎市長(小沢昌記君) 阿部加代子議員のご質問にお答えをいたします。 初めに、私からお答えし、続いて教育長からご答弁申し上げます。 1点目の自転車運転の安全教育につきましては、市の交通安全教育の推進支援の一環として、小中学生に対し、市内全域の小中学校で開催する交通安全教室において交通指導隊員を派遣し、主に自転車の乗り方について、実技指導と併せて歩行に対する安全指導を行っております。令和元年度の実施件数は7,558人に対し72回、今年度につきましては、7月時点で6,237人に対して49回実施しております。高齢に対しましては、老人クラブ等における交通安全教室に交通安全教育専門員を派遣しており、令和元年度では693人に対し28回、今年度は7月時点で98人に対して4回実施しております。 講義の中では、自転車であっても重大な事故があり得るため、身を守るためにはヘルメットが重要であること、自分自身が加害にもなり得ることから、安全運転が大切であることをお話しさせていただいております。 小中学生、高齢以外の世代に対する安全教育につきましては、講習会等の啓発の場を設けることが困難であり、ご本人の遵法意識による運転マナーに委ねざるを得ないのが現状でありますが、交通指導隊員がイベントや啓発活動で街頭に立つ際、注意喚起が必要な自転車運転への声がけをするとともに、交通安全季節運動の際のチラシ配布や広報活動など、機会を捉え、持続性を心がけながら啓発活動を推進してまいります。 2点目の自転車保険の加入につきましては、先ほど申し上げました高齢への交通安全教室等の中で、その必要性について周知活動は行っておりますが、市民全体の認知度及び保険加入率はいまだ低いのが現状であり、さらなる推進を図っていく必要があると考えております。自転車は軽車両であり、道路交通法において車両と同様に扱われていることを十分に認識し、万が一、交通事故の加害になった場合に備えた保険の必要性について、高齢以外の世代につきましても、交通安全を推進する施策の一つとして広報やホームページなどを通じ広報活動の拡充を進めてまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 田面木教育長。     〔教育長田面木茂樹君登壇〕 ◎教育長(田面木茂樹君) 阿部加代子議員の自転車の安全利用についてのご質問にお答えします。 1点目の自転車運転の安全教育でありますが、市内小中学校では、毎年、年度当初に警察署員等を講師に交通安全教室を実施しております。その際には、自転車による事故の発生状況や事故の原因について、被害にも加害にもなり得ることなど話し、スマートフォンを使用しながらの運転による事故を起こし、歩行にけがをさせたり、命を奪ってしまった事案等の再現ビデオを見せるなどして注意するよう指導しております。また、実際に自転車に乗りながら走行試験を実施するなどして、子供たち自身が安全に自転車を扱えるなど、確認しております。昨今の自転車による重大事故が増加していることを踏まえ、自転車の使用に関わる危険性と安全面の確保について、各小中学校に十分認識してもらうよう指導してまいります。 次に、ヘルメット装着についてですが、道路交通法により、13歳未満の子供が自転車に乗る場合にはヘルメット着用努力義務があり、小学校においては必ずヘルメットを着用するよう指導しております。中学校においては各学校への働きかけはしておりますが、一部徹底できない状況があります。 自転車事故における死亡の要因として、転倒や自動車との接触事故など、頭部への損傷が死亡要因の1位であること、また、ヘルメット装着の状況によって大きく死亡率が異なることなどから、今後も継続して校長会議等でヘルメット着用について働きかけてまいります。 次に、2点目の自転車保険の加入についてですが、保険への加入を義務づけている学校はまだ少ない状況にあります。自転車保険の加入は任意であるため、強制力はないものですが、自転車事故による被害が重大化しており、重篤な行動機能障がいの補償や高額な損害賠償請求の対応などが問題になっていることから、中学校のみならず自転車に乗り始める小学校中学年段階から自転車保険の加入についてPTA総会や懇談会等の機会を通じ、引き続き保護への働きかけを行っていくよう各学校を指導してまいります。 ○議長(小野寺隆夫君) 阿部加代子議員。 ◆19番(阿部加代子君) 19番阿部加代子です。 まず、一般市民の方々に対しての自転車の乗り方の交通安全講習は、なかなか難しいというところは分かります。しかし、例えば法律の改正がなされたときに、警察等と連携をしながら広報をしていく、周知をしていくということは大変重要じゃないかというふうに思います。 法律が改正になって、13歳未満の子供に対して、保護の義務としてヘルメット着用をさせるということになっておりますけれども、ここも分からない方々が7割程度いたということでございますので、しっかりと法律改正になっているとうことを広報等で周知をしていくということも必要ではないかというふうに思いますけれども、お考えをお伺いしたいというふうに思います。 ヘルメットの着用についてですけれども、愛媛県でヘルメット着用率が29%ということで、全国トップだったそうです。これは2013年に県条例でヘルメット着用を義務化したことが影響しているのではないかというふうに言われております。愛媛県では、2015年に県立高校の生徒全員に、約3万人いるそうですけれども、ヘルメットを無償配布するなどして普及を進めてきた結果が現在のような着用率に結びついているというようなことであります。 法律の義務はないんですけれども、大人も子供の見本として、ヘルメットをきっちり着用していくということが自分の身を守ることにもなってまいりますので、そういうこともぜひ推進していただければと思いますけれども、その点お伺いをしたいというふうに思います。 中学校、小学校で、通学で自転車を利用されている児童・生徒の方がいらっしゃいます。平成25年からヘルメットの着用と、それから保険の加入ということを訴えてきたわけですけれども、なかなか現状進んでいない状況があります。去年9月10日にもヘルメットの状況、それから保険加入について教育委員会にお伺いをしたところであります。 また、今年も8月19日に、今回、一般質問をするということで状況についてお伺いをしたわけですけれども、ある中学校では、保険に加入しているもいますよというような、全然推進もされていない、そういう中学校もありますし、あとヘルメットの着用についてですけれども、年齢的に13歳未満しか法律では義務づけになっていませんけれども、着用を義務づけていないという中学校があります。 10年前の生徒会活動でかぶらないことになったというようなことでありますけれども、本当にヘルメットの着用の重要性をしっかりと子供たちに教えているのか、保護に対して教えているのかなというような疑問があります。PTAからは、かぶらせるべき等の話は届いていないと。届いていないからといって、教育委員会、学校はヘルメットの着用を推進しなくていいのですか。子供たちの命を守ることが、安全な通学を行わせるということに対して教育委員会、学校はしっかりと取り組むべきだというふうに思いますけれども、ご所見をお伺いしたいというふうに思います。 それから、保険の加入についてですけれども、TSマークというものがありまして、点検整備に出しますと、このマークをつけていただくことができるんですけれども、1年間補償されます。賠償責任補償で1億円まで認められます。この保険なんですけれども、本人だけではなくて、家族、友人、従業員もこのTSマークのついている自転車に乗っていて事故に遭った場合は適用になるんです。入院加療15日以上の場合は一律10万円、死亡、高度後遺症があった場合には100万円というふうになっておりまして、このTSマーク、点検をして、しっかり整備をしている自転車に対しては補償しますよという制度でありまして、大変いい制度だというふうに思いますので、これを活用しない手はないと思います。市民の皆様に対しても、しっかり周知をしていくと、こういう制度がありますということで周知をしていく必要があるというふうに思いますけれども、お考えをお伺いしたいというふうに思います。 警察のほうでお聞きしたところによりますと、警察は県立高校で自転車置場の自転車を点検といいますか、このTSマークについて調査をされたそうですけれども、ほとんどが切れていたと。1年に1回、点検にきっちり出していればTSマークつけていただけるんですけれども、警察のほうで県立高校を調べたら、ほとんどが切れていたということでございますので、やはり点検をしてTSマークつけていただいて保険もつくということになりますので、こういうことも市民に周知する。そして、学校、教育委員会ではしっかりとこれを推進していくということも必要ではないかというふうに思いますけれども、お考えをお伺いしたいというふうに思います。 ○議長(小野寺隆夫君) 高橋生活環境課長。 ◎生活環境課長兼空家対策室長(高橋博明君) それでは、阿部加代子議員の再質問につきまして、一般質市民の方へのヘルメット着用、あるいは法改正等に伴った際の周知方法、それから併せて、保険の加入、TSマーク、そちらの周知方法についてお答えさせていただきます。 議員おっしゃったとおり、こちら市のほうでもホームページでありますとか広報で周知するわけですけれども、やはり、なかなか周知が行き届かないのはそのとおりでございます。当然、今、議員からもお話しいただきましたとおり、警察署との連携であるとか、そういった点につきましては、当課のほうで事務局を担っております奥州市の交通安全対策協議会というのがございます。こちらのほうは、いわゆる運送事業でありますとか、車を事業でお使いいただいているような業者の方々等に幅広くご加入いただいておりますので、こういった対策協議会での事業を通じ、各事業所等を通じて、こういった周知活動のほうをさらに進めてまいりたいというふうに考えてございます。 それから、保険の加入、TSマーク関連につきましてでございますが、こちらそのとおり、議員おっしゃったとおり、これは、1つは年に1回、自転車を点検整備することによって自転車の不備による事故を防ぐという目的。それから、こちら損害賠償保険でありますとか、あるいは乗っている方の傷害保険というのもございますので、そちらが1年間有効であるから、年に1回これを点検することによって、自転車も安全に乗れるし、それから事故の対応もできるということで、こちらいわゆる点検整備をということでございますので、大体1回点検いただくと1,000円台から2,000円台ということで、お店によって若干差異はあるということでございますが、そういった安価な形で、そういった保険も適用となるということでございますので、こちらの周知というものを進めてまいりたいというふうに考えてございます。 こちらの周知の方法につきましては、今現在、やはり自転車を売っていただいている小売業さんのほうで、いわゆる買う際に、そういった説明をしていただくのが一番効果的なんではないかということで、先ほど申し上げました市の交通安全対策協議会等を通じまして、そういった市内の自転車を取扱っているお店等に、そういった周知活動を特に進めてまいりたいというふうに考えてございます。 また、保険に関しましては、いわゆる自動車の保険のほうで自転車特約というものがございまして、同居の親族が自転車で事故を起こした場合、そういった損害補償というものもございますので、そういった形でやはり自転車運転のみならず、いわゆる自動車を運転されている家庭が非常に多うございますので、先ほど言った交通安全対策協議会、それから講習会等を通じまして、そういった保険のほうへの加入推進というふうにも努めてまいりたいというふうに考えてございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 佐藤学校教育課長。 ◎学校教育課長(佐藤利康君) 議員からご質問いただきました2点目のヘルメットの義務化、保険の加入義務化につきまして、そして3点目のTSマークにつきましてお答えをいたします。 まずは、ヘルメットについてでございますが、13歳未満の子供へのヘルメット着用について保護に努力義務があることを教職員がどの程度知っているか調査をしております。この調査によりますと、十分に教職員の中で、この情報が周知されている学校が市内36校中34校という状況でございました。あと、残る2校でございますが、十分な周知がまだ図られていない現状だということをつかみましたので、この2校については、まず早急に校内研修で職員に周知を図るように確認をしたところでございます。まずは保護に重要な情報をいち早く伝えるということが教職員の義務でもございますので、このあたり、まずは教職員の意識を変えるというところを出発点として力を入れてまいりたいというところでございます。 加えまして、自転車通学でございますけれども、現在、市内では小学校で4校が自転車通学を認めておりますし、中学校につきましては全9校で自転車通学がございます。このうちヘルメットの着用を義務づけている学校ですが、小学校ですと4校全てになります。ただし、中学校は9校中7校がヘルメット着用は義務ということで、あと残る2校が以前から課題になっている部分でございますけれども、この2校につきましては、これまでも教育委員会としましてもヘルメットの重要性について様々な機会で指導してきたところでございます。最近になりまして若干動きが出てまいりましたので、2点ほどご紹介いたします。 この2校のうちの1校、中学校でございますけれども、最近の社会情勢、重大事故につながるような部分から捉えて、まずは先行して、推奨していた自転車保険の義務化について、さらに一歩を踏み出して、職員、PTAと具体的な検討を開始するという情報でございますので、こちらは実現できるように我々としてもバックアップしてまいりたいと存じます。 もう1校の状況でございますが、数年前の保護アンケートでヘルメットを義務づけないということになっていた経緯はございますけれども、まずはヘルメット着用が推奨はされているということ、その状況を踏まえて、本年度からになりますけれども、こちらを積極的に推奨とするということ。これまでは、どちらかというとつけたほうがいいというような指導だったものが、まずこれは非常に大事なものなので、できる限りつけなさいという指導に変わる。そして、今後になりますけれども、段階的な義務づけということで、学校の指導方針が固まったという情報でございますので、これも今後の動き、ヘルメット着用についての中学校の動きについて着目してまいりたいと存じます。 最後、3点目のTSマークについてでございますが、こちら議員ご指摘のとおり、点検整備によって非常に手厚い保険も同時についてくるという、大変すばらしいものでございますので、これから校長会議が年度の後半にございますけれども、その中でTSマークについての資料を提示しながら、来年度の交通安全教室の際に点検も併せて行う中で、このTSマークの取得について各保護にも推奨できるような取組み、具体的な工夫について教育委員会として提案していく考えでございます。 以上です。 ○議長(小野寺隆夫君) 阿部加代子議員。 ◆19番(阿部加代子君) 19番阿部加代子です。 小学生の方は、ほとんど、きっちりヘルメットをかぶって自転車に乗っているかなというふうに思います。小学生に聞きますと、ヘルメットつけていないと先生から激おこされるというんです。激おこって何と言ったら、とても怒られることを激おこというんだそうですけれども、先生から激おこされるからヘルメットきっちりつけていますというようなことを聞きました。 中学生になったらかぶらないと。学校でも厳しく言っていないからだとは思いますけれども、やはり命を守るためには重要ですよと。しかも、学校のほうでは、ヘルメットをかぶっていて重大な事故につながらなかった案件を把握されていると思うんですよ。そういうご答弁を以前の一般質問の中でいただいておりますので、そういう事例も、身近で起きた事例もしっかりと、こういうことがあったんだよということで紹介をいただきながら、中学校、あと2校です。5年前から変わっていません、状況。少し前進しそうなところはあるようですけれども。 そして、ヘルメット、お金がかかるので大変だというご家庭もあるかもしれないんですけれども、小学校のときにはつけているので、それを買い換えることなくつけられたらいいのかなというふうにも思いますので、義務化になっていない中学校でも自主的につけている生徒さん、何人かいらっしゃるようでお見受けしました。やはり小学校でもつけていますので、それをそのまま中学校でもつけていただけるような体制を整えるとか、それでもいいんですよというふうに言っていただくとか。 あと、TSマークの件ですけれども、小学校の交通安全のときに一斉に子供たちは自転車を持っていきますので、そのときに業者さんに来ていただいて、プロに点検をしていただいてTSマークをつけていただくことも可能なのではないかと思いますし、中学校でもそういう機会を設けて一斉に自転車を持ってきていただいて、一斉に点検していただいてTSマークをつけていただくというふうなことになれば、1年に1回そういうことができるのかなというふうに思いますので、その辺も工夫していただきながら、ぜひ特にも子供たちに関しましては、児童・生徒に関しましてはしっかりとヘルメットと、それから何があるか分かりませんので、保険への加入の推進をぜひ保護のほうに伝えていただければというふうに思います。もう一度お伺いして終わります。 ○議長(小野寺隆夫君) 佐藤学校教育課長。 ◎学校教育課長(佐藤利康君) 議員ご指摘いただきましたヒヤリ・ハットでございますが、ご指摘のとおり若干増えてきている現状がございます。過去3年間見ますと、3年前は8件の自転車に関わるヒヤリ・ハットがございましたが、2年前は11件、そしてあと、今年度については14件ということで、若干ですが増えてきているところがございますので、こちら毎月の校長会議の中でコンプライアンス研修等々、具体的な学校事故、また、それに類するような放課後の自転車事故等も情報提供しているところでございますけれども、やはり具体的な事例を基に各学校の指導の中で生かしてもらうということが一番効果的という、ご指摘のとおりと思いますので、様々ご助言いただいた部分、これからの指導に生かしてまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 阿部加代子議員。 ◆19番(阿部加代子君) 2件目、介護予防対策についてお伺いをいたします。 フレイルという言葉を最近よく聞くようになってきました。本年度4月より、75歳以上の後期高齢を対象にフレイル健診質問票の導入が行われています。 フレイルとは、筋肉面や精神面など、身体機能の低下によって心身状態が弱った状態になる虚弱状態になることをいいます。75歳を境に、フレイル、虚弱状態の高齢が増えると言われています。 フレイルになる原因は明確ではありません。しかし、加齢に伴う心身の変化や慢性的な疾患などによって身体が思うように動かなくなるサルコペニアになることがきっかけの一つだと言われています。筋力が低下し、物をつかんだり、歩いたりすることが困難になる状態のことです。サルコペニアになると筋肉量が減少し、基礎代謝量が低下すると1日のエネルギー消費量も当然減ります。そのため食事の摂取量が減少し、低栄養状態になります。そうなると、さらにサルコペニアが進むことになります。このような悪循環を繰り返すことでフレイルが進行する可能性が高くなります。フレイルは加齢の兆候の代表例です。速やかに改善を図らなければ、要介護状態へと移行する可能性は極めて高くなります。健康な状態と要介護状態の中間に位置する状態です。 東京大学高齢社会総合研究機構の研究では、フレイルは3つの要素で構成されていることが明らかにされています。動作が遅くなる、転倒しやすくなるなどの身体的要素。認知症や鬱等の精神的要素。さらに、孤独や閉じ籠もり、経済的困窮など、社会的要素です。 そして、フレイル状態への移行に大きな影響を与えるのが筋力の衰弱です。筋力が衰えた状態のサルコペニアや運動器が障がいを来した状態、ロコモティブシンドロームを経て、その後、生活機能全般が衰弱するフレイルとなります。そこから、さらに要介護状態に至るというのが衰弱する高齢の典型例と言われています。 フレイル状態にならないことが介護予防につながります。フレイル予防に必要なことは、まずはフレイルとは何か市民が正しく知り、理解することです。そして、高齢お一人お一人がフレイル状態にならないように気をつけることが一番です。ポイントとなるのは3つです。1つは栄養で、バランスの良い食事と口腔ケアです。2つ目は、適度な運動の持続です。3つ目は、社会参加で、趣味やボランティアや就労などです。 次に、重要なのは、フレイル状態をいかに早期発見し支援していくかということです。人生100年時代が到来しました。平均寿命は、女性87.45歳、男性81.41歳。2019年度調べ。共に過去最高を更新しました。女性は7年連続、男性は8年連続で過去最高を更新しています。女性の51.1%、男性の27.2%は90歳を超えて生活することができる時代になりました。長寿を手に入れた私たちは、いかに健康寿命、健康上の問題で日常生活を制限されることなく過ごせる期間のことです、を延ばし、健やかな老後を送るのかを考えなければなりません。平均寿命と健康寿命との差が不健康な期間であり、医療や介護を受けている期間であると言えます。 令和7年、2025年には国民の5人に1人が75歳以上になると予想されています。高齢化がますます進行する状況において、要介護状態にならずに健康寿命を延ばすことが高齢の幸福につながります。介護予防対策は重要な施策であります。介護予防対策にフレイル予防を取り入れることが重要です。 そこで、お伺いいたします。当市におけるフレイル予防の取組みについてお伺いをいたします。 今年はコロナ禍の状況で、様々な事業に影響が出ています。介護予防対策への影響についてお伺いをいたします。 奥州市高齢福祉計画第7期介護保険事業計画は、平成30年度から平成32年度、2018年度から2020年度ですが、フレイル予防の観点は入っておりません。第8期介護保険事業計画ではフレイル予防について取り組むべきであると考えます。お考えをお伺いいたします。 以上、登壇しての質問といたします。 ○議長(小野寺隆夫君) 小沢市長。     〔市長小沢昌記君登壇〕 ◎市長(小沢昌記君) 阿部加代子議員の2件目のご質問にお答えいたします。 介護予防対策におけるフレイル予防の取組みについてでありますが、フレイルとは、日本老年医学会が2014年に提唱した概念で、虚弱という意味合いのものであり、健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体機能や認知機能の低下が見られる状態を指すものであります。 国では、運動、口腔、栄養、社会参加などの観点から、フレイル対策として保健事業と介護予防の一体的な実施を推進し、ひいては疾病予防、重度化予防の促進を目指すこととしております。 本市の介護予防における取組みといたしましては、健康寿命の延伸を目的に、高齢になっても生きがいや役割を持って自分らしい生活ができる地域づくりのため、平成29年度から住民主体の通いの場、集まる場でございますね、よさってくらぶを開始したところであります。このよさってくらぶは、週1回以上自主的に集まって、いきいき百歳体操を行うグループでありますが、7月末現在、82グループ、1,147人が活動をしております。よさってくらぶへは、保健師など専門職が体操指導や体力測定に加え、心の健康づくりや認知症予防、口腔機能向上や低栄養予防といった各種学習会など、各種支援カリキュラムを組み込んでおり、フレイル予防にも大きく寄与しているものと認識しております。 さらに、よさってくらぶの活動は、週1回集まることで交流やお互いの見守りといった効果もあり、孤立化の防止や困り事、悩み事の気づきにつながっているものと捉えております。 議員ご指摘の新型コロナウイルス感染症による影響についてでありますが、全国的に新型コロナウイルス感染症が拡大し始めた3月から5月にかけては活動自粛のグループが多数ありまして、長期化による心身機能の低下も懸念されるところでありましたが、現在は感染防止対策を行いながら、ほとんどのグループが元気に活動を再開しているところであります。 次に、フレイル予防の介護保険事業計画の位置づけについてであります。 今年度までを計画期間とする第7期介護保険事業計画においては、地域における介護予防の取組みとして、住民主体の通いの場、よさってくらぶの推進を大きく掲げております。通いの場への参加は順調に増加をしており、フレイル予防につきましても、通いの場を活用することで有効に作用していると分析しておりますことから、現在、策定作業に入っている第8期介護保険事業計画におきましても、重点施策として位置づけてまいりたいと考えております。 市といたしましては、人と地域とのつながりを大切にして介護予防に取り組む通いの場は、フレイル予防に関しても非常に重要な役割を担うものと考え、一人一人が自立した期間を長く保ち、社会参加を楽しみながら心豊かな高齢期を過ごすことができるよう、介護予防対策の充実強化に向け取り組んでまいりたいと、このように考えているところでございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 阿部加代子議員。 ◆19番(阿部加代子君) 19番阿部加代子です。 よさってくらぶ、大変すばらしい活動だというふうに思います。大切なことは、よさってくらぶに出てくる方はいいんです。出てこない方をどう掌握していくのかというところが大変重要になってくるかというふうに思います。 4月から、後期高齢への質問票で、健康状態、心の健康、食習慣、口腔機能など15項目、質問票がありまして、その質問票を活用して、各市町村においてそれを利用しながらいろいろ取組みを進めていかなければならないということになっているようです。 この質問票の使い方ですけれども、健康診査の場において使って、何も問題のない人は何か困っていることはほかにありませんかとか、そういう対面で使っていくと。または、そのよさってくらぶみたいなところで質問票を使って、さらに口腔ケアとか、ちゃんとご飯食べられていますとかとか、そういうことをしっかりチェックしていくと。あとは、かかりつけ医、この3つがこのチェックシートといいますか質問票の使い方というところで厚労省が示しているところではありますけれども、当市としてどのように取組みをされているのか。4月から始まったばかりで、しかもコロナの関係がありましたので、なかなか進んでいないかとは思いますけれども、市としてどのように取り組んでいくのか、お伺いをしたいというふうに思います。 この質問票を活用しながら、KDBシステムとの関係についてもお伺いしたいというふうに思います。 それから、フレイルの正しい知識の周知に関しまして、しっかりと広報、チラシ、ホームページ等でも、またポスターなんかも貼っていただきながら、フレイルにならないように一人一人が気をつける、また支援する側も気をつけていくということを周知もしていかなければならないと思いますので、この辺の広報の仕方についてお伺いをしたいというふうに思います。 ○議長(小野寺隆夫君) 伊藤保健師長。 ◎健康増進課保健師長(伊藤江美君) それでは、ご質問のありました質問票のことについてお答えいたします。 この質問票は、これまではメタボに特化した特定健診と準用を同じくしてやっていたものが、今年の4月からフレイルに特化して質問票が変わりました。 今年は、その質問票の中身と、それから健診結果を国保データベースシステム、KDBですね、そちらに取り込んで、まずデータを集積するという作業になるかと思います。その集積したデータを分析して、どのような状態にある人が多いのか、カテゴリーに分類して、どこから手をかけたらいいかという優先順位を決めて来年から取り組むということになっております。 また、かかりつけ医との連携につきましては、もちろん抽出された方々について、こちらでも関わりを持ちますけれども、受診が必要であると判断した場合には、かかりつけ医のほうにおつなぎするということは想定しております。 また、2番目のKDBシステムですけれども、今申し上げたように対象を抽出したり、それから医療の情報とか介護の情報とぶつけて健康状態が不明な方も抽出できるというふうになっておりますので、そちらも健診を受けていない方々、どのような状況にあるのかということを、昨年度は試行的に家庭訪問もしました。その家庭訪問した結果も踏まえて、どういうふうに関わっていったらいいのか検討を重ねて、来年、優先順位を決めて取り組みたいというふうに思っております。 それから、周知についてですが、現在のところは、今年は特定健診、長寿健診の結果通知の裏面にフレイルについて情報提供をさせていただいております。 また、出前健康講座のメニューの中に、歯科衛生士による口腔機能の維持についての講話もメニューとして盛り込んでおります。そして、栄養士によるフレイル予防についてのメニューも昨年から取り入れて周知しているところです。 また、よさってくらぶにおいては、お口元気体操ということで歯科衛生士が入り、その後には、また栄養士が入るというふうに順次計画的に取り組んで周知に努めているところです。ポスター、チラシということもありますけれども、あとはこれからは、広報やホームページ等を通じて周知に努めてまいりたいというふうに思っております。 以上です。 ○議長(小野寺隆夫君) 阿部加代子議員。 ◆19番(阿部加代子君) 19番阿部加代子です。 コロナになって、その数か月の間に、ぐっと体調が悪くなる方々が増えているというふうにお伺いをしております。例えば、3食食事が取れないというようなご相談があった場合には、例えば配食サービスであるとか宅配サービスを利用するとか、そういう支援につなげていく。そして、口腔ケアというところで、歯科衛生士さんが家庭訪問していただいたり、本当に奥州市、先進的に取り組んでいただいているところではありますけれども、さらに深めていただいて。 例えばなんですけれども、第2次補正の新型コロナウイルス感染症対策対応の地方創生臨時交付金の活用例の中に、自宅で医療・フレイル対策推進環境整備事業というのがありまして、新しい生活様式に対応するために、医療や介護の場面で自宅への往診等、必要性も高まっており、医師や看護師、介護関係の現地への移動ニーズが高まっている。医療等を担うが往診等に必要な車を調達し、または運転等の運営に必要な経費、その他の感染症拡大予防に必要な経費の一部を支援するというような事例もありますので、例えばこういうのを活用しながら歯科衛生士さん、または歯科の先生に訪問をしていただくということも必要になってくるのかなというふうに思います。来られる方はいいんです。出て来られない方をどうするかというところで、リストアップしていただきながら、そういう方々への対応をどうしていくのかというのを今後しっかり進めていただければというふうに思います。 来年度に向けて、介護予防計画のところで、フレイルチェックの実施体制、そしてフレイルトレーナー、フレイルサポーター等も必要になってくるかというふうに思いますけれども、そのお考えについてお伺いをしたいというふうに思います。 それから、チラシなんですけれども、日本老年医学会のほうで使用できるものもあるようですので、それらも活用しながら市民にしっかり周知、フレイルとはこういうことで予防ができますよということで周知をしていくべきだというふうに思いますけれども、お考えをお伺いして終わりたいというふうに思います。 ○議長(小野寺隆夫君) 家子地域医療介護推進室行政専門監。 ◎地域医療介護推進室行政専門監(家子剛君) ご質問のほうにお答えしたいと思います。 阿部議員さんのご質問にあった自宅で医療・フレイル対策推進環境整備事業ということについてでございますが、貴重な活用事例であるというふうに認識しているところでございます。 ちょっと調べますと、この国の交付金事業は申込期限が今月いっぱいということのようでして、これについては、やはり事業の内容を見ますと、医師会あるいは歯科医師会との協議、相談も必要だということを考えますと、やはり今月いっぱいの申込みというのは、なかなか厳しいのかなというふうな状況でございますけれども、今般、地域医療介護計画の様々な調査をしまして、その調査の資料によりますと、現在、在宅医療、在宅歯科診療も鋭意進めているところでございまして、在宅診療については7病院13診療所、在宅歯科診療については40施設、40診療所でそれぞれ行われているという現実も踏まえつつ、今後、担当の医師会、歯科医師会さんとも協議をしながら、阿部議員さんがおっしゃっているような新しい、このコロナ禍における生活様式に対応した医療、あるいはフレイル対策における在宅医療、あるいは介護、歯科医療も含めた進め方、そしてそれに対する今般ご指摘のあった行政の支援等も含めて、今後ちょっと協議、精査を進めてまいりたいというふうに思っております。 あと、第8期介護計画に関わって、フレイルトレーナー、サポーターというようなお話もございましたけれども、何か関東のほうで入れているようなところでございまして、こういう市民のサポーターがそれぞれの同じグループの健康診断であったり、体力測定であったり、サポーターをするというようなことでございますけれども、当市では、担当の職員などが例えばよさってくらぶに行って、体力測定をしたりなんかされているわけですけれども、ただ、いわゆるサポーターといいますか、そういう方々、市民レベルのボランティアスタッフというのはないものでございますから、やっぱりこの第8期計画の中において、そういうものも検討させていただきながら、これはいいことだと思いますので、お互いに相乗効果でいいと思いますので、そういうことも鋭意検討して、このフレイル予防という、まだまだやはり市民は周知徹底されていないというふうな状況もあると思いますので、改めてこのフレイルという言葉の意味、そして自分の介護予防に対する認識を持ってもらうために周知を徹底してまいりたいというふうに思っております。 以上でございます。 ○議長(小野寺隆夫君) 阿部加代子議員。 ◆19番(阿部加代子君) 1か月しかないんですけれども、しかし、在宅診療をされているところはもう分かっていますし、もししていなくても、今後やりたいという病院等があれば活用できるわけです。また、車等なければ、タクシー等を活用するというようなこともできるかというふうには思いますので、その辺、調査していただきながら、活用できるものはしっかり活用していただきたいというふうに思っております。 以上、終わります。ありがとうございました。 ○議長(小野寺隆夫君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 次の会議は明9月2日午前10時から開くことにいたします。 本日の会議はこれをもって散会いたします。 ご苦労さまでした。     午後4時31分 散会...