平成22年 9月 定例会(第3回) 平成22年第3回
奥州市議会定例会会議録(第4号)議事日程第4号 平成22年9月2日(木)午前10時開議第1
一般質問---------------------------------------本日の会議に付した事件第1
一般質問---------------------------------------出席議員(34名) 議長 渡辺 忠君 1番 菅原由和君 2番 飯坂一也君 3番 三ノ宮 治君 4番 高橋政一君 5番 佐藤郁夫君 6番 菊地孝男君 7番 千葉正文君 8番 菅原 哲君 9番 関 笙子君 10番 加藤 清君 11番 阿部加代子君 12番 中西秀俊君 13番 小野寺隆夫君 14番 菅原 明君 15番 三宅正克君 16番 菊池堅太郎君 17番 小野寺 重君 18番 千葉悟郎君 19番 藤田慶則君 20番 今野裕文君 21番 佐藤邦夫君 22番 及川梅男君 23番 内田和良君 24番 千田美津子君 26番 遠藤 敏君 27番 佐藤修孝君 28番 菊池嘉穂君 29番 新田久治君 30番 小野幸宣君 31番 佐藤克夫君 32番 高橋瑞男君 33番 及川善男君 34番 中澤俊明君
---------------------------------------欠席議員(0名)
---------------------------------------説明のための出席者 市長 小沢昌記君 監査委員 及川新太君 教育委員長 千葉啓一君 教育長 佐藤孝守君
病院事業管理者 大川正裕君
水沢総合支所長兼参事兼競馬対策室長 粟野金見君
江刺総合支所長 菊地隆一君
前沢総合支所長 小野寺三夫君
胆沢総合支所長 高橋民雄君
衣川総合支所長 吉田裕悦君 総合政策部長 菊池賢一君 総務部長 鈴木龍司君 市民環境部長 及川 潔君 商工観光部長 菊池 寛君 農林部長 及川喜三郎君 健康福祉部長 大沼一裕君 都市整備部長 及川文男君 水道部長 小野寺正幸君
教育委員会教育部長 三浦信子君 会計管理者 岩渕敏朗君 政策企画課長 高梨 稔君 総務課長 小澤 謙君 財政課長 佐藤 洋君
まちづくり推進課長兼少子・人口対策室長 佐々木與市君 生活環境長 鈴木圭一君 農政課長兼
農商工連携推進室長 伊藤嘉啓君 長寿社会課長 大内 薫君
教育委員会教育総務課長兼学校推進室長 藤原 修君
教育委員会学校教育課長 佐藤健司君 教育委員会生涯学習課長 古玉庸一君
---------------------------------------事務局職員出席者 事務局長 岩渕秀夫君 事務局次長 佐賀克也君 総務係長 佐々木文恵君 議事調査係長 菅原幸一君 主任 岩淵明美君 主任 今野美享君
---------------------------------------議事 午前10時 開議
○議長(渡辺忠君) おはようございます。 出席議員は定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。 本日の会議は、議事日程第4号をもって進めます。
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○議長(渡辺忠君) 日程第1、一般質問を行います。 通告順により順次質問を許します。初めに、21番佐藤邦夫君。 〔21番佐藤邦夫君質問席へ移動〕
◆21番(佐藤邦夫君) 21番佐藤邦夫でございます。 通告どおり、2点について市長並びに教育委員長にお尋ねをいたします。 まず最初に、入札について市長にお尋ねをいたします。 8月17日、山田町の元会計管理者兼税務課長が競争入札妨害の疑いで逮捕されました。山田町が2009年に発注した土木A級工事は7件で、いずれの入札もA級登録の7社が参加し、7件を1件ずつ落札したとのことで、落札率はすべて90%以上だったとのことでした。全社1件ずつの受注は、共存を図っていたと受けとめられる不自然な振り分けと受けとめられております。地方経済に建設業の果たす役割は多くが認めるところですが、一方で甘えになっていなかったかどうか、談合は必要悪という言葉も少なくなく聞かれますが、底流に業者が潤えば地域が潤うという認識になっていなかったかどうか、地域経済への影響や地元事業者を優先させる雰囲気はなかったかどうか、検証をすべきではないでしょうか。 建設業界の皆さんには、公共工事頼みでは成り立たないということを強く認識していただきたいし、業界の改革を推し進めるためには、仲よしクラブを脱して、身内を切るくらいの厳しさを持つべきであります。建設業界は罰則強化などを検討すべきではないかと、翌日の新聞の社説で書かれておりました。一方で、発注する各自治体は、公平、公正な発注制度や情報開示に努めなければならないことは当然なことだと思います。山田町の談合問題について市長の見解をお尋ねをいたします。そういった意味で公平、公明で情報をきちっと伝えることが入札に関しては大変大事なことでございますけれども、奥州市ではどうなっておるのでしょうか。奥州市で採用している指名競争入札の際の指名は、どのような手順でどのような業者を指名しているのかをお尋ねしますし、また
最低制限価格について、いつから採用し、どのようなものなのか、またその算定方法なども教えていただきたい、そのように思います。 1問目の登壇しての質問を終わります。
○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 〔市長小沢昌記君登壇〕
◎市長(小沢昌記君) 佐藤邦夫議員のご質問にお答えをいたします。 初めに、山田町発注工事談合問題についての市長の見解はということでございますが、山田町発注工事の談合により、元山田町職員や建設業者が逮捕されたという報道がありましたが、まことに遺憾で残念なことだというふうに思っておりますし、また決してはあってはならないことであるというふうに強く考えているところでございます。奥州市においては、このようなことが絶対起こらないようにしなければならないと、この事件を教訓にさらに強く感じているところでございます。談合の防止につきましては、
市営建設工事請負資格者名簿に登載している業者はもちろんですが、市民の疑惑を招くことのないよう、市職員にも改めて襟を正すよう指導してまいります。 次に、指名競争入札について、指名の基準、指名のあり方ということでございますが、
工事請負契約に係る
指名競争入札参加者は、奥州市
市営建設工事請負資格者名簿に登載されている業者の中から指名をしております。資格者名簿は土木一式、建設一式、舗装、電気、管、塗装、造園、水道施設、管布設ですけれども、各工事の業種ごとに等級と等級ごとの発注標準額を設け、A級からD級まで業者をそれぞれ格付して登載しております。入札に当たっては、それぞれの工事の工種と設計額により、該当する業種と等級の名簿登載者の中から指名しております。 具体的には、土木一式の場合、500万円未満の工事の場合はC級50社とD級26社の中から。500万円以上1,700万円未満の工事の場合は、C級50社の中から、1,700万円以上3,500万円未満の工事の場合は、B級26社の中から指名を行っております。 なお、指名の際には談合防止の観点から、業者をグループ分けや輪番によることなどなく、無作為に抽出し選定しておりますが、それぞれの等級の中で業者ごとの指名回数に隔たりが生じないように、指名の回数の管理は行っております。また3,500万円以上2億9,000万円未満の土木一式工事の場合は、A級26社の中から指名しますが、発注標準額の幅が大きいことから、一定金額以上の工事についてはA級のうち
岩手県営建設工事請負資格者名簿の土木工事A級にも登載されている業者を指名しております。同様に他の工種についても、それぞれの等級の中で工事の設計額に応じて指名を行っているところでございます。 透明性を高めることにつきましては、個々の工事入札前に、当該工事の工種や等級などの指名基準を明らかにしてしまうことは、指名される業者の憶測につながるおそれがあり、談合防止の観点から不適当と考えられますので、
工事請負契約の締結後に、入札結果の公表に合わせて指名基準も公表しているところであります。より透明性を高める方法、方策として、指名競争入札以外の方法についても現在検討が必要と考えております。他市の事例等、情報収集に努めてまいりたいと、このように考えております。 続いて、
最低制限価格についてであります。 厳しい財政状況の中で、公共投資が削減されてきた結果として、受注競争が激しくなったことにより、公共工事に係る
ダンピング受注や品質の低下が懸念されることから、異常に低い価格による落札を防いで公共工事の品質を確保するために、
最低制限価格を設定しております。奥州市においても、市営建設工事や
建設関連業務等について、
最低制限価格を設定しているところであります。 決定方法ですが、
公工事請負契約に係る
最低制限価格は、直接工事の額、共通仮設費の額、現場管理費の額に5分の1を乗じて得た額、この3つの額の合計で算出しております。ただし設計額に10分の8.5を乗じた額を上限、設計額に3分の2を乗じた額を下限として、この範囲の額としております。算出方法につきましては、奥州市のホームページに掲載しておりますし、個々の工事につきましては当該工事の請負契約締結後、奥州市のホームページに公表しているところでございます。 以上であります。
○議長(渡辺忠君) 21番佐藤邦夫君。
◆21番(佐藤邦夫君) それでは、わかりやすくするために指名のあり方のほうから質問をいたします。 さまざま実績とか、あるいはその要件に合わせて、A級、B級、C級、D級までの業者を指名するというお話でした。それで、工事によっては辞退する業者があります。これは辞退する理由が当然出てくるわけですけれども、以前に及川善男議員が、前の部長あるいはその前の部長だったか忘れましたが、辞退する業者はもう指名しないほうがいいんじゃないかというような発言をしたと記憶しております。そのような辞退をする業者を指名するというようなことは、この指名する場合に考慮に入れているかどうか、これをお尋ねをしたいと思います。
○議長(渡辺忠君) 小沢市長。
◎市長(小沢昌記君) 基本的に先ほど申し上げましたように、それぞれの等級ごとに指名の会社を選定してお願いしているということでございますので、結果としてその辞退が出るというふうな部分は、その部分においてははかり知れない部分でございますが、過去に辞退をしたから今回外すというふうな部分には現状では至っていないと、その工事ごとにという形で考えて指名をさせていただいているということでございます。
○議長(渡辺忠君) 21番佐藤邦夫君。
◆21番(佐藤邦夫君) 例えば、実績で工事の金額が大きくて、A級に格付されるというような業者があります。具体的には例えば住宅関連の業者が、大きい学校とかそういった経験がないにもかかわらず、売上金額の実績があるということで指名されるというケースがあると思います。具体的には、8月5日に指名になった
岩谷堂小学校校舎移転建築工事、これは説明では3社が指名を受けて、その3社による入札というお話でしたが、これは4社が指名になって、1社が辞退したと聞いておりますが、この部分でまず間違いがないかどうかお尋ねをしたいと思います。
○議長(渡辺忠君)
鈴木総務部長。
◎総務部長(鈴木龍司君) ただいまの
岩谷堂小学校の移転改築・建築工事の指名の関係でございますが、この指名の関係につきましては工事規模が非常に大きい工事でございましたので、3社の共同企業体を組んでやるようにということで指名した結果、3つの共同企業体が申し込んだというものでございまして、このうちの3社のうちの1社が落札をしたというものでございます。
○議長(渡辺忠君) 21番佐藤邦夫君。
◆21番(佐藤邦夫君) 私は、1社が辞退をしたと聞いておるんですけれども、じゃ聞いた私の情報が間違いだということでしょうか。
○議長(渡辺忠君) 佐藤財政課長。
◎財政課長(佐藤洋君) 今の
岩谷堂小学校の建築工事なんですが、先ほど総務部長が申し上げましたように、3社によるJVでございました。奥州市のA級の登録業者が13社でございます。それでグループ的には3社の4グループということになりますんで、どうしても13社でございますから、Aグループ、Bグループ、Cグループと分けて、どうしても1社、簡単に言えば組めないところが出るという形になります。ですから辞退とかそういうお話でこちらには伺っていないということでございます。そういう事情になっております。
○議長(渡辺忠君) 21番佐藤邦夫君。
◆21番(佐藤邦夫君) ちょっと微妙な言い回しで苦しいかなと思いますが、今おっしゃったように。例えば辞退した部分にB級、C級がぶら下がるわけですよね。共同体をつくるわけですから、いわゆるB級、C級があぶれるわけですよ、辞退されると。そうすると一生懸命この工事を請け負いたいというようなそういう業者は、本当にむなしい思いをするんじゃないですか。この辞退した業者は5月にも3月にも辞退しているんですね。あとは同じ8月5日の衣川中学校のほうの修理・建築工事も辞退しているわけです。私が言いたいのは、このような辞退をするような業者は、やはり及川善男議員でなくても、やはり再度指名するのは検討すべきだと思いますね。これは強くお願いしていますし、やはり入札に指名する場合は、その工事を何とか請け負いたいという意欲のある業者を指名しないと、やはり私はもろもろないろんな点で不利益になるんじゃないかなと、そのように思いますので、これはぜひ検討してもらいたいと思いますので、まずこの部分、お約束をいただきたいと思います。
○議長(渡辺忠君)
鈴木総務部長。
◎総務部長(鈴木龍司君) ただいまのあれですが、大きな工事になりますと、どうしても1社ではなかなか困難と、会社の規模とか経営力とかで1社では大変だというときに、一定規模の工事になりますと2社による共同企業体あるいは3社による共同企業体ということで入札に参加するようにということでお願いをすることになるわけですけれども、どことどこが組んできてほしいということのお願いではなくて、基本的にトップになるところはこういうところ、あるいはあともう1社と、あるいはもう2社とということで話し合って組めたところで応募してほしいというようなお願いをしているところでございまして、あらかじめこちらから会社ごとの組み合わせということで指定しているものではございません。それで、会社同士のお話し合いでうまく組めなかった、あるいはそこからあぶれてしまったというところは出るところでございますので、ご了解いただきたいと思います。
○議長(渡辺忠君) 21番佐藤邦夫君。
◆21番(佐藤邦夫君) いや、そんなことはわかっているんです。だからあらかじめ辞退をするようなところを指名するなと言っているんですよ。だから例えば大きい工事、
岩谷堂小学校とか衣川小学校の工事に、住宅だけ扱っている業者はなかなか難しいんじゃないですかと。やっぱりそんなに大きな工事をしたことないから、指名されても困るよというのが普通じゃないですか。利益を示してB級、C級とどこと組むか、やはり連絡をとりあったり、あるいはふだんのつき合いの中から、じゃ今度私と組ませてくださいみたいな、そういう流れになると思うんですよ。そこはやはり注意してやらないと、単なる実績金額、そういったものだけでは私はだめだと思いますよ。その辺、簡単に思いますけれどもどうなんですか。鈴木部長がおっしゃったことは当たり前のことで、A社とB社、C社と組んで、そして当然入札に参加するわけですけれども、例えばA社のうち4つのうち1社が辞退すると、A級の3社と組むB級の3社、それからC級の3社は、入札とれるかどうかはまず一生懸命計算をしてとろうと思って参加するわけですけれども、もう1社は最初からそれ、頭からやめるわけですから何ともしようがないわけですよ。そういったときに、やはり変なことにはならないかということなので、それはいずれ何回も繰り返すけれども、今後辞退するような、あるいは辞退を見込まれるような業者は極力指名をしないでほしいということをお願いしておきます。 時間がないから次に移ります。 次は、
最低制限価格、いろいろ計算式あるようですが、これは当然ダンピングとか、あるいは低い価格というか、質も落とされると困るということで
最低制限価格を設けるのは、これは私も反対ではないんですが、ここに先ほど市長がお話をした、契約ごとに設計額の85%から3分の2までの間という話ですが、この
最低制限価格を決める場合の予定価格というのはどのようにして決めるんでしょうか、だれが決めるんでしょうか。
○議長(渡辺忠君)
鈴木総務部長。
◎総務部長(鈴木龍司君) 予定価格のほうにつきましては、その工事の規模が設計価格が1,000万円未満のものにつきましては、基本的に市長が決めるわけですが、額によりまして1,000万円未満の場合は課長が定めることになりますし、あるいは2,000万円までの部分につきましては部長が定めると、あるいは2,000万円から6,000万円までのものにつきましては、副市長が定めるというようなことになってございます。ただ、現在副市長がおりませんので、2,000万円以上につきまして市長が予定価格を定めるということになってございます。
○議長(渡辺忠君) 21番佐藤邦夫君。
◆21番(佐藤邦夫君) そうすると、設計額が予定価格ではないんですね。そうすると、はっきり言えば、その設計額にどのような計算で予定価格を出すかどうかわからないんだけれども、これはその工事によってまちまちだということなんでしょうか。
○議長(渡辺忠君)
鈴木総務部長。
◎総務部長(鈴木龍司君) まず、設計図書等に基づきまして、あるいは仕様書に基づきまして、その設計額というものを算出することになります。この設計額をもとにいたしまして、いずれ発注するということになりますと、税金なものですから幾らかでも少ない額ということで、そのときの財政事情によりますけれども、その設計額のとおりでない、あるいは設計額もしくは設計額以下の額を算定して予定価格を定めるということになります。この定め方につきましては、その工事工事によって違います。大体どのくらいというふうなことは、この場ではちょっと控えさせていただきたいと思います。
○議長(渡辺忠君) 21番佐藤邦夫君。
◆21番(佐藤邦夫君) それでは、
最低制限価格というのはいつ公表するんでしょうか。
○議長(渡辺忠君)
鈴木総務部長。
◎総務部長(鈴木龍司君)
最低制限価格の公表につきましては、先ほど市長が答弁申し上げましたとおり、当該工事の請負契約の締結後に、奥州市のホームページにおいて公表しているところでございます。
○議長(渡辺忠君) 21番佐藤邦夫君。
◆21番(佐藤邦夫君) 私はその公表が遅いと思うんですね。いわゆる今、入札をして落札した業者のみわかるようになっていますね、その場で。本来は入札価格というか予定価格を封筒に入れているわけですね。そしてそのときにその予定価格と一緒に
最低制限価格を書いて、そして入札をして、だれが落札したかということをやっぱりわかった時点で、速やかに公表すべきだと思うんですけれども、どうでしょうか。
○議長(渡辺忠君) 佐藤財政課長。
◎財政課長(佐藤洋君) 現在、奥州市の場合は契約締結後ということで先ほどお話ししましたが、これにつきましては
落札業者イコール100%契約締結するというふうにはならない場合がございます。それで予定価格なり
最低制限価格をそこで契約締結前に公表するのはまずいんではないかということで、今現在はっきりと契約書を取り交わした時点で公表という段階になっております。 ただ、議員さんおっしゃるとおり県内の他市でも、おっしゃいましたように入札執行後、いずれ落札したというだけの情報で公開している市もございます。そこの辺はそういう条件で公表する場面もあるかなというふうに考えておりますので、少々時間をいただければと思います。
○議長(渡辺忠君) 21番佐藤邦夫君。
◆21番(佐藤邦夫君) 工事を入札、落札した人が契約するかどうか、たまには契約にならないときもあるということで、その公表は契約した時点でということでしたが、私はやはりこういった談合問題、そのほかに公平で本当に開かれた入札をするには、やはりこういった今私が言ったような公表というか情報開示すべきだと思います。というのは8月5日、いっぱい入札ありました。十何件あったんですね。この中でいわゆる
最低制限価格を下回った業者が非常に多い。 例えば、さっきの
岩谷堂小学校ね、この
岩谷堂小学校においては電気もそうですけれども、水道もそうですけれども、江刺区の業者を宣伝しているわけじゃないですよ。だれでも自分の前の道路が自分がそういう気持ちで仕事をしていれば、せっかく自分の前だからサービスしてやりたいとか、あるいは地域にいっぱい世話になったんだから、自分の技術のできる限り一生懸命地域に貢献したいという業者いっぱいいるわけなんですね。 そういった中で3社が-私は4社で1社辞退だと思っているんですが、3社が入札に参加して、2社が
最低制限価格を下回っています。この
最低制限価格、予定価格の89%です。予定価格の89%というのは非常に高いと思いませんか。落札した業者は88.6%、いわゆる四捨五入すると89%なんですよ。
最低制限価格に引っかかった人は88.43%、金額にして8億6,600万円の予定価格において148万円しか違わない。148万円だけ下くぐって落札していない。これが例えば市長がおっしゃるように85%の
最低制限価格であれば148万円、さらには248万円の88.32%で下くぐったのもいます。これらの税金が浮くわけですね。 それから、もっとひどいのは、8月5日の衣川中学校技術棟増築及び改修・機械設備工事、これ15社入札に参加して13社が潜っているんですよ。これの
最低制限価格は85%です。これは妥当だと思います。85%から3分の2だからね。ですからさっきの89%というのはそのほかにもあるんですよ。やっぱりこういったことは、15社のうち13社が下をくぐると、
最低制限価格を下回ったということは、やはり計算がおかしいんじゃないかと、入札をもう1回やり直すぐらいの私は気持ちがあってもいいし、そういうような制度があってもいいと思うんですけれども、どうですか。
○議長(渡辺忠君)
鈴木総務部長。
◎総務部長(鈴木龍司君) ただいまの
最低制限価格でございますが、予定価格の85%が上限ということではなくて、設計価格のほうでございまして、最低価格の決定方法につきましては
工事請負契約の係る部分で直接工事費の額と、それから共通仮設費の額と、それからもう1つが現場管理費の額に5分の1を乗じて得た額、この3つの額の合計額でございまして、これは設計額のほうから引っぱってきております。この額が設計額に10分の8.5を乗じた額より高ければ10分の8.5となりますし、この設計額に3分の2を乗じて得た額よりも低ければ、設計額に3分の2を乗じて得た額ということにセットされるものでございます。この計算式につきましては、ホームページでも公開しているところでございます。 入札前に設計図書あるいは仕様書等、縦覧に付すわけでございますが、こういった設計図書を見れば業者さんは大体のその設計額を推定できるものと思いますし、大体の設計額が推定できれば、この計算式でいけば
最低制限価格も推定できるものではないかというふうに思うところでございます。従来は設計額から持ってきた予定価格、これがどのくらいであるだろうかというところが、その入札のいわゆる勝負どころではなかったのかなというふうに思いますが、この経済状況のもとでは、どのくらいの利潤というわけではないんでしょうけれども、会社を運営するための
最低制限価格のところでの勝負にシフトしてきているのかなというふうに思っているところでございます。どうしても会社運営のために利潤を度外視して、ぎりぎりでこのくらいでとりたいと、この建築工事だけは取りたいというふうに思えば、
最低制限価格のほうで札を入れてくる会社が多くなってきたのかなと、そういうところの
最低制限価格のこの計算式の個々の額のちょっとした違いで、制限価格を潜り込んでしまったという会社がこのごろ多くなってきたなというふうに感じてございます。ただこの
最低制限価格につきましては、やはりこれ以上下がったら良質な工事、そういったものが保障されないのではないかというところで設定している数字でございますので、この数字は現在のこの基準のとおりにセットしてまいりたいというふうに考えてございます。
○議長(渡辺忠君) 21番佐藤邦夫君。
◆21番(佐藤邦夫君) 部長が言うのはわかるけれども、大体、
最低制限価格89%とかあれで低過ぎると思いますか。そして
最低制限価格が15社のうち13社が潜るなんて異常だと思いませんか。1つは制限価格に1,745円だけプラスのところがとったのもあるんですよ。制限価格を25万円下回って落ちたところもある。上下26万円で、これは8,400万円の工事です。9,800万円だ、予定価格。たったその9,800万円の工事で30万円の差で、片方が劣悪な工事するかもしれない、1,745円、最低価格より上回ったから大丈夫だということはないと思いますよ。 私が言いたいのは、さっきの制限価格の公表も含めて、そういった疑問を持たれるようなことはやめなさいと言うんですよ。公平で公正なことをやっていれば、お互いに業者も切磋琢磨していい工事を、技術の粋を集めて自分たちが経験してきたことをやって、このくらいでやりましょう、やれますというような、そういう真剣勝負に来ているんですよ。それを行政側がこういうようなおかしいことをやっていると、それは談合にもなりますよ。だからそこを根絶しないと、さっき言ったように談合は必要悪だということをやはり改めてもらって、1円でも多く税負担を少なくして、そして社会に寄与してもらうというのは私はいいと思うんで、やはりこのような、一つには余りにも大多数のところが潜ったような入札とか、あるいはその他の疑問の持たれることは、さっき言ったように入札のやり直しとか仕切り直しとか、そういうことも制度に設けてもいいんじゃないですかと言いたいんですが、どうですか、市長。
○議長(渡辺忠君) 小沢市長。
◎市長(小沢昌記君) 今回、8月5日の件につきましては、私もその結果としては随分潜ってしまった企業が多かったということについては驚きを持っておりますけれども、昨今の部分におきますと、ここ奥州市になってからでも、かなりの数の入札における
最低制限価格を潜るというんですか、下回ったというふうな部分の状況はかなり多く見受けられるというのは、これは現実であります。 一方、品質の保持をするということの中で決められた
最低制限価格ということでございまして、これは繰り返しになりますが、直接工事に係る金額と共通仮設、それから現場経費の5分の1、これを自動的に足していって、設計額の全体の85%から約67%の間の金額であれば、それが
最低制限価格ということでございます。要するにこの3つの要素を合計していった金額で、上限が85%、下が66.66%というふうな間に入った金額が最低制限というふうな形で、私のときに変えたということではなく、これまではそのような状況であったということです。 そこで、議員ご提案というか、ご質問の部分でございますけれども、今はそれこそ予定価格の部分で争うということではなく、どうしても工事受注をしたいということの中で、
最低制限価格を一つの目安とした厳しい攻防がなされているということでございます。この部分についてさらに身を削るような形の
最低制限価格というふうなものを提案することによって、確かに工事受注額は軽減されるというふうな分は一方であるわけでございますけれども、ではその工事の内容についての品質が担保されるかというふうな部分からすると、結果的に行政として
ダンピング受注を増長するような形にもなりかねない側面を持っているというふうにも考えているところでございます。 しかしながら、談合体質が変わったという一つの証左でもあるのかなと、私個人的には見ております。市長が札を入れた予定価格で戦うのではなく、そもそも、ここがぎりぎりいっぱいのところだというあたりで、皆さんがその競争に参加されているという状況からすれば、
最低制限価格の計算式のあり方、計算のあり方についても、さらに精査をしていく、検討を重ねていく余地は十分にあるのかなというふうに思っているところでございますが、あえて念のため申し上げますけれども、そのことによって
ダンピング受注をするかのごとく、要するに奥州市の工事は
最低制限価格が戦う部分なんだ、その
最低制限価格というのは何から出た金額かというと、実際に工事に係る仕入れの原価と、それから現場を仮設するための原価と、そして工事費として管理するための全体の経費の5分の1、この3つの要素の合算というところが、奥州市で計算した
最低制限価格金額であるとすれば、本当にそういうふうな部分のところで、これからもずっと企業が健全経営を、技術の粋を尽くしてといいながらも、本当にそうやった形の中で、市内業者あるいは県内業者が安定的に経営をしていけるのかというふうな部分についても、十分に考慮する必要はあるのかなというふうに思っております。いずれ、ご指摘の部分については現状ご指摘の部分、事実ございますので、どのような方法がいいか検討はしてまいります。
○議長(渡辺忠君) 21番佐藤邦夫君。
◆21番(佐藤邦夫君) 検討して是正してもらいたいと思いますよ。これ、悪く言えば予定価格を後で公表するというんであれば、
最低制限価格を書き直すことだってできるわけなんですよ、変に勘ぐればですよ。そんなことは絶対ないと思いますけれども。 この8月5日のいっぱいあるのの
最低制限価格、これまちまちなんですよ。さっき言った89%、87%、89%、78%、70%、75%、89%、86%、83%、88%、85%、この計算式によって違うのは当たり前だというけれども、やはりさっき市長がおっしゃったように、85%から3分の2にとどまるような
最低制限価格が望ましいんですよ。そうしないと変に勘ぐられます。当然、低価格で劣悪な本当にひどい工事をするなんてことは今ありませんよ、みんな必死ですから、生きるのに。いずれその辺をぜひ私は是正してもらいたいと思います。時間があれなので、これは要望しておきますので、部長でもいいです、検討するかどうか、それ約束をしていただきたいと思います。
○議長(渡辺忠君)
鈴木総務部長。
◎総務部長(鈴木龍司君) ただいま議員さんおっしゃられました何%という数字は、設計額ではなくて予定価格のほうから割り返したものと思います。設計額が幾らかというのは公表してございません。ただ85%から3分の2、約67%のこの間にあるというのは設計額に対しての数値でございます。
○議長(渡辺忠君) 21番佐藤邦夫君。
◆21番(佐藤邦夫君) 私は検討するかどうか尋ねていたんですよ。今おっしゃったようなことはわかっているんですよ。だからきちっと疑惑の持たれないような公表の仕方あるいは時期、きちっとやらなければならないし、そもそも予定価格というのは、私は設計額が予定価格だと思っていたんですけれども、予定価格を好きなように変えているわけですよ、はっきり言えば。ますます疑惑が強まるんですよ、変に勘ぐればですよ。ですから私が言っているのは、こういった疑惑を持たれないように、きちっと行政側でもその制度を改めるような議論をして、その方向に持っていってほしいということを言っているんですよ。どうですか。
○議長(渡辺忠君) 小沢市長。
◎市長(小沢昌記君) 疑惑を持たれるようなというふうな部分については、あえて結論、今のご質問については検討はします。検討は正しくしてまいります。いずれ88%というのは私が書いた札、要するに予定価格から今回予定された金額が88.6%ということで、この札を入れた部分の、私が書いた部分のところは、その部分においてはかなり低目の部分の予定価格を入れたということなんです。ですから、そこの予定価格から見て落札価格の差がマイナスで12%ほどだったと、11.4ポイントだったということでございまして、疑惑を持たれるようなということであれば、これは反省しなければならないんですが、そのような説明が十分になされておらなかったということについては、十分に反省しながら、今後対応していかなければならないということと、あえてくどいようですが申し上げますが、
最低制限価格につきましては、積み上げて入った金額の3つのその金額を合計した金額が、設計価格から見て85%、上限が。そして下限が約67%の範囲に入れば、67%という形の制限価格が出てくる可能性はあります。88%とか89%とかという金額になったときには、これは85%の下に入れ込んで、その価格とするということでございますので、それは常に制限価格は予定価格の80何%だとか60何%だという金額は決まっていないのです。その工事ごとによって3つの要素を足した金額が85%から67%の間に入って、自動的に出た金額がその範囲であれば、それを
最低制限価格というふうな形で現状は決めているということでございまして、これはこの方式を私になってから変更したということではございません。 いずれ議員ご指摘のとおり、市民の皆さんにとっては、あれと思われるような部分があったとすれば、これは丁寧に説明をしながら、また幾らでも品質のいい工事を低価格で契約できるような方途がないか、このことについてはしっかりと検討してまいりたいと、このように思います。
○議長(渡辺忠君) 21番佐藤邦夫君。
◆21番(佐藤邦夫君) 検討する、一言でいいんですよ、もうわかっているんだから。 次、7月20日に入札予定が延期になりましたね。延期の説明がなく1週間ぐらい前だったかな、入札を延期すると。これはいろいろ聞いたところ、各旧市町村ごとに、この奥州市の指名方針というか指名方法というか、これ違うんですよね。水沢区、江刺区、前沢区、いろいろあるんだけれども、胆沢区、衣川区には特に基準はないと。こういったことも原因していると思うんですが、まずこの工事の、奥州市になって統一した指名方針というか指名のあり方を定める予定があるのかどうか、あるとすればいつごろなのかお尋ねをしたいと思います。
○議長(渡辺忠君)
鈴木総務部長。
◎総務部長(鈴木龍司君) 指名の方針でございますが、現在、土木一式工事あるいは建築一式工事、舗装工事、電気工事、管工事、塗装工事、造園工事につきましては、統一した基準でやっているところでございます。ただ水道施設の工事につきましては、ほかの工事と同じようにABCランクということで、一たん級に区分けをしたところでございますが、この区分けにつきまして一定のご理解を得られませんでしたため、暫定的に経過措置として従来の合併前の市町村で用いられていた基準、その工事がどこの区の位置に属するかというところで、その工事の属する区のところの従来の基準ということで指名をしてきたところでございます。 ただ、この暫定的経過措置として示しておりましたこの基準につきましては、その基準の示し方に若干2とおりにとれる表現がございまして、例えば耐震管工事については、この区ごとの基準を満たした業者で配水管技能者のいる業者の中から指名をすると、そういった表現になっていた部分がございまして、経過措置の適用というふうなことでやってございました関係で、通常の水道工事以外の部分につきましては土木、建築、そういった工事につきましては、21年7月1日から2年間というような基準でやっていたところでございますが、この経過措置として示したこの基準の中では、いつからいつまでとか、その期間内にこの基準を満たせばさらに指名をするとか、そういったことの表現がございませんでした。 通常2年間というふうな思いではいたわけですが、そういったことが業者の方々に対する説明会の中では、その部分の説明をしなかったというようなこともございまして、ただ市でお配りしたこの基準で満たせば、すぐやれるだろうというふうなことで、一定の技術者を期間内になるべく早くそろえてということで、そのそろえた状況も市に報告をしたという業者がございました。そういった業者のほうから、うちのほうでは努力して研修も受けさせて、そういった技術者をそろえたのだけれども、そういった指名がなかなか来ないというふうな申し出がございまして、検討した結果、努力したところについては、それはやっぱり酌み上げる必要があるだろうという判断のもとに、業者さん方にまた集まっていただきまして、こういった事情でこういうふうなことをすることになったと、今お示ししてある分については工事の入札を延期して、再度その申し出た業者さんだけではなくて、まだまだその基準をこの7月1日からの2年間というふうな中で、6月末までの1年間で努力して、そういう体制を整えたところがあるだろうということであるのであれば、申し出ていただきたいということで、一定の期間で申し出を受けまして、そしてそれらをさらに加えて、再度指名して入札を行ったというふうな経過でございます。
○議長(渡辺忠君) 21番佐藤邦夫君。
◆21番(佐藤邦夫君) はっきり言えば、年度途中で資格要件を変えたということなんですよ。こういうことはあってはならない。やはり行政側はきちっとした態度というか行政指導しないと、じゃこれから毎年技術者をとるとか、あるいはそういう資格を持った人が入社してきた場合には指名参加できるんですね、資格要件とれるんですねということになりますから、これはやめてほしい。こういうことは絶対だめと思うんですけれども、一言だけ返事ください。次、教育委員長待っていますので。
○議長(渡辺忠君) 小沢市長。
◎市長(小沢昌記君) これは、私どものほうの都合でどうのとか、業者からの申し出があったからということではなく、そこの部分について十分に精査をいたしました。そして説明したときの部分の内容について、公正取引委員会等々の見解を受けたときに、この説明であれば資格要件者が整った時点においてそれを受けざるを得ないというふうな形の見解が出るというふうな部分もありまして、ひとえにこれは途中で変更する、しないではなく、市側の説明におけるふぐあいがあったということを是正させていただいたということで、基本的にこういうことが何かの都合でどんどん変わるとかということではなく、説明のあり方にふぐあいがあったということでありましたので、そのことについては事情を説明し、一定のご理解をいただいたものと判断して、今回についてはこのような対応をさせていただいたということでございます。 議員ご指摘のとおり、このようなことは行政不信を招くことでございますので、今後説明においては、丁寧な説明をし間違いのない文書を発行することによって、対応をしっかりとしてまいりたいとこのように考えております。
○議長(渡辺忠君) 21番佐藤邦夫君。
◆21番(佐藤邦夫君) 各業者は、そういうような途中で資格要件を変更するというようなことは、行政がやってはいけないと、そういうような思いで、これは私の個人的な想像なんですけれども、談合問題をリークしたりしたんではないかなと思っておりますよ。結局20日の時点の入札、指名業者からふえているわけですからね、そういったこともやはり先ほど山田町じゃないけれども、談合問題を根絶するためには、業者の努力あるいは意識の改革も必要でありますし、行政側のそういったふだんからの態度、それから行政指導のあり方、これが非常に大きな要素になっていると思いますので、時間がないので要望だけにしておきます。 2問目を……
○議長(渡辺忠君) どうぞ続けてください。
◆21番(佐藤邦夫君) すみません、お待たせしました。人材教育について教育委員長さんにお尋ねをしたいと思いますが、時間もあれですが、この質問をするときに担当の方から、いわゆる英才教育ですか、キャリア教育ですかというような話をいただきましたが、それもあるんですが、現在こういうような世の中にあって一番わかりやすいのは政治の世界ですね。なかなか人材が出てこない、坂本龍馬のようなのが出てこない。そういったことは政治だけじゃなく、各分野において人材が私は不足しているのではないかなと、そのように思っております。 個人的にはこの要素は2つあると思うんですね。1つには、暗記中心にした大学入試、それからいわゆる元気な子、言い方によってははじけた子を疎外してしまうような現在の教育のあり方、このようなことが私は大きく関与していると思うんですが、こういった人材育成について学校教育において教育委員長はどのような考えで、今度どのように進められようとしているのかお尋ねをしたい、そのように思います。
○議長(渡辺忠君) 千葉教育委員長。 〔教育委員長千葉啓一君登壇〕
◎教育委員長(千葉啓一君) 答弁書を用意してありますので、その部分について答弁をいたします。 人材育成とその必要についてのご質問にお答えをいたします。佐藤邦夫議員さんでございます。 一般的にでありますが、平成20年3月に告示された新学習指導要領においては、教育内容に関する改善事項として、言語活動の充実、理数教育の充実、道徳教育の充実などが示され、教育内容や指導方法、指導時間、指導計画の作成や内容の取り扱いなどにおいて具体的な改善を図るとしております。この改善の背景には、知識基礎社会となった現代において、OECDによる国際学習到達度調査に求められる、現在社会に生きるため必要となる能力とされる言語や知識を相互作用的に活用する力、人間関係を形成し、共有の課題を解決する力、社会的に発揮される自主・自立的行動力などの基礎となる内容を充実させる意図も含まれていると思います。議員さんが指摘の人材教育につきましては、児童生徒が持っている個性、可能性、才能等を早期から引き出し伸張させることや、特定分野を思考して、将来その分野を担う人材を育成する観点から、大切なことであるというふうに思っております。 小中学校の義務教育段階におきましては、一般の普通教育をきめ細かく実施することを前提として考えられるべきと考えております。文部科学省におきましては、科学技術関係人材育成施策の一つとして理科支援員配置事業、平成19年度より実施しておりますが、今年度、当市には4校に配置され、小学校における理科授業の充実とともに、理数好きな子供のすそ野の拡大を図っているところであります。また本市独自でありますが、中学生を筑波研究学園都市に派遣し、科学の先端分野に触れさせ、科学に対する興味や関心を高めるとともに、科学的な知識や思考力などの資質、能力、可能性を高め、広げることに資する中学生体験授業などを実施しております。 さらに、指導方法の工夫、改善として、少人数指導、過配教員等を活用した習熟度別学習などの少人数指導を積極的に取り入れ、基礎、基本の定着とともに発展的な学習を行う工夫をしております。小中学校の義務教育段階におきましては、人格の完成を目指し、良識と健康を兼ね備えた人物を育成することを目指す教育の理念のもとに、各学校の教育課程が形成されており、みずから学び、みずから考え、主体的に判断し行動し、よりよく問題を解決する資質や能力及び豊かな人間性、たくましく生きるための健康や体力、いわゆる生きる力の育成に努めているところであります。あわせてキャリア教育等を充実し、児童生徒が夢や希望を持って主体的に進路を選択し、社会人、職業人としての自己実現が図られるよう、人材教育の視点からの教育の充実のあり方につきましても十分検討してまいります。
○議長(渡辺忠君) 21番佐藤邦夫君。
◆21番(佐藤邦夫君) ありがとうございます。今、教育委員会は胆沢小学校の問題で大変だと思います。一方でやはり全体の教育も考えて日夜努力をしていただきたいと、そのように思います。 今、教育委員長さんの話で、人材教育、人材育成というのは個人の能力を引き出す大切なことだと、夢や希望を持つようなそういった教育をしていきたい、そのようなお話でした。本当にそのとおりだと思いますが、さっき2つ問題ありましたけれども、やはり一番は、例えば英語を学ぶ場合になぜ英語を学ぶのかと、あるいは何のために努力しなければならないのかというような、そういった自覚や動機づけが私は本当に少ないんじゃないかなという思いがあります。これが目的を持った人は、人間の能力なんていうのは、東大とかそういったところに入るのはまたちょっと一段上の頭のいい人でないとだめなんですけれども、ほか、ほとんど一緒なんですよね。例えば皆さん、自動車の免許を持っていると思いますが、ほとんどの人が取れていますよね。あれ、90点とらないと受からないんですよ。ですから、そういった目的あるいは何のために、運転したいために勉強するんだとか、そういったことが動機づけがはっきりすると私は自然に勉強するんじゃないかなと、そのように思いますし、先ほど教育委員長さんが個人の能力を引き出すというお話でしたが、その引き出すのはいいんだけれども、引き出してちょん切る先生も結構多いんで、私は放任主義というのは悪くはないと思うんですけれども、切るぐらいだったら放任にしたほうがいいと思うんですが、その辺、時間がないので今後ゆっくりそのような議論をしたいと思いますが、今のお話で教育長さん、何かコメントありましたらお答えを願いたいと思います。
○議長(渡辺忠君) 佐藤教育長。
◎教育長(佐藤孝守君) 今お話しございましたことについて、じゃ考えの一端を、それだけ述べさせていただきたいと思います。 暗記中心、それからさまざまな子供がいるのに、そういう元気な子供が疎外されているんじゃないのかというお話がございました。やはり今までの日本の状況の変移と大きく変わってくるんだろうと私は思っております。経済成長が右肩上がりの時代、それを大きく支えてきたのが東アジア型の教育、いわゆる一斉指導の中でたくさんのことを覚えてもらうというふうなことを通して、ある意味では粒ぞろいの生徒、そして人間を育成するというふうなことがあったんだろうというふうに思います。しかし現在のように低経済成長時代になった今、日本のあり方というのは大きく変わってきているというふうに思います。かつてのような勉強といったふうな概念から、やっぱり学ぶという、先ほどおっしゃいましたが、いろんな目的なり云々というお話がございましたけれども、やっぱり学ぶという概念に大きく学校教育課はシフトをしていかなければならないだろうというふうに思っているところでございます。 詳しく話をするといろいろと時間がかかりますので1つだけ。これは學ぶという漢字がございますね、旧字体の。上のほうにいっぱいついている。あの漢字が一つの大きな答えだろうと私は思っております。學ぶという漢字、旧字体ですけれども、あの真ん中にメという片仮名が2つございます。あの意味は、上のほうのメはどちらも交わりという言葉をあらわしているんですけれども、上のほうのメはいわゆる先祖の霊との交わり、つまりこれは今まで人間が培ってきた文化、伝統、そしていろんな知識、それとの交わり。下のほうの2番目の下のメは、これは仲間との交わりを示しています。そして両わきに手で挟むような字がありますけれども、これはこういうふうな状況の中で大人がしっかりと支えていく、教師がしっかりとそれらを支えていく、伝えていくといったふうな意味をあらわしております。そしてわかんむり、これは建物をあらわします。そして下に子供という字がこれが學ぶ、學という字でございます。まさしくそのような意味合いをとらえながら、学校教育といったふうなものは大きく転換していかなければならないだろうというふうに考えております。勉強から学び、それをどのように学校の中で実現していくか、それが私たち教育に携わる者に課せられた使命だろうというふうに思っております。今お話にあったことを承りながら、学校の学びの改革を進めていきたいなというふうに思っているところでございます。
○議長(渡辺忠君) 11時20分まで休憩いたします。 午前11時6分 休憩
--------------------------------------- 午前11時19分 再開
○議長(渡辺忠君) 再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を行います。27番佐藤修孝君。 〔27番佐藤修孝君質問席へ移動〕
◆27番(佐藤修孝君) 通告に沿いまして質問を進めます。 市長マニフェストについて伺います。 選挙は、選挙を通して市民の市政への関心の啓発はもちろん、市を愛する市民意識の高揚、また選挙風土の形成にもつながると思われます。そして何よりも合併5年目の奥州市民の一体感の醸成につながる選挙でなければならなかったはずであります。少なくても市長選は、今述べた基本的な考えで進めてほしいという部分があります。選挙の争点にしたのは、むしろこの逆の方向に進む内容であったと思っております。子供たちの目には入れたくない単語もありました。争点にすべきは、12万6,000人を超える市民の生活の暮らし向きをどのように進めて、今よりよい方向に進めるかであります。既に市長就任から半年が経過しようとしておりますが、今日まで6月定例会の一般質問を含め多少批判があったと思いますが、今後の市政運営にどう生かしていくのか伺います。 日々、業務多忙な毎日を送られ、また精力的に課題解決に取り組んでおられる状況は、それらの疑問も払拭する勢いであり、もちろんこのことを蒸し返すのは本意ではございませんが、議員として、また過去数回選挙にかかわった人間として、このことを市長にただしてからでなければ前に進めないのが偽らざる心情であります。どうぞご理解をいただきたいと思います。
○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 〔市長小沢昌記君登壇〕
◎市長(小沢昌記君) 佐藤修孝議員のご質問にお答えをいたします。 地方自治法においては、地方自治体は住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における自主的かつ総合的な行政を担うと規定されておりますが、私の担うべきは13万市民の暮らし向きをいかによいものに、幸せを実感できるものにしていくために、先頭に立ってその持てる力を遺憾なく発揮し、先頭を走り続けることだというふうに強く認識をしているところでございます。 就任後6カ月がたとうとしておりますが、この間さまざまな課題に向き合い、またその場その場あるいはさまざまなご意見を調整しながら判断をしてまいりました。市民の皆様からさまざまな声もかけていただきましたし、ご忠告や助言もたくさんちょうだいいたしましたが、その一つ一つにでき得る範囲、真摯に耳を傾け、多くは選挙公約としてお示しした考えに基づき判断をしていきたいと、改めて考えているところでございます。これまでの市政運営についての率直な評価をいただけるのであれば、これまで同様に真摯に耳を傾け、進むべき道を誤ることなく、これまで以上に一生懸命力を尽くしてまいりたいと、このように現時点、強く認識しているところでございます。 選挙戦におけるさまざまな出来事、これは今さら申し上げるべきことではないのかもしれませんけれども、私とすれば、6月議会においてさまざまなご指摘をいただいたもの一つ一つが私の大事な教訓であり、ただすべき部分はしっかりとただしていかなければならない、特に議会の皆様、そして市民の皆様のご意見をちょうだいしながら、しっかりとその方向性を見きわめていかなければならないというふうに思っております。いずれこの選挙において旧市町村それぞれの枠組み、あるいはその地域間の部分が際立った形で遺恨を残したとすれば、その払拭に私は最大限の勢力を払っていかなければならないと思っておりますし、また私は好んでその部分を争点にしたつもりはなかったのですが、結果としてそのような部分があれば、まさに皆様のご意見をお聞き取りしながら、丁寧にその是正、そして、さらには私が目指すところの奥州市一体感の醸成をさらに力強く進めてまいりたいと、このように思っております。 さて、私はどのような形で行政運営を進めていくかということでありますけれども、何よりもさきの6月議会でも申し上げましたとおり、財政改革、行財政改革を真剣に、そしてスピーディーに進めていかなければならない、このように思っております。何か事業をするにしても、それに伴うその予算の裏づけがなければ何事の事業も進まない。課題は山積でありますが、丁寧に一つ一つ検証し、そしてでき得る限りのスピードと力をもって、この財政の健全化にまずは力を尽くしたいというふうに思いますし、またその財政健全化を行う上で実現する上においては、市民の皆様のご理解とご協力も当然求めなければならない。その上においては市民の皆様に対する説明も手を抜くことなく、しっかりとさせていただきながら、ともに奥州市をつくり上げるパートナーとして新しい一体感の醸成をしつつ、これまでも十分でき上がっておりますが、さらに一体感の醸成を進めつつ、ともにまちづくりを行うパートナーであるべきまちをつくり上げていきたいと、このように思っております。 さて、財政運営の部分のことを申し上げましたが、特にも財政問題、この分をもう少しだけ立ち入ってお話をさせていただきたいと思います。財政問題健全化の解決は容易ならざるものがありますが、何としても今ほど申し上げましたような形で市民の皆さんのご協力を得ながらも、今とどまっている、あるいは動きがほとんど見えない部分については、その歯車をしっかりと動き出せるための仕掛けをただいま検討しております。また平成23年度予算編成に先駆けて最新の財政計画を決定し、公表したいと、このようにも考えております。また6月議会の際に検討中といたしておりました市民協働に向けての仕組みづくりにつきましても、最終案としてはまだ固まっておりませんけれども、行動に弾みをつけるための制度をつくり込むための検討を進めているところでございます。さらに現時点においてさまざまな課題について、現場に足を運び、しっかりと現状を確認し、課題認識など市民の皆さんと同じ目線で共有して、その上で解決に向けて検討していこうというふうに考えております。 今後、市政運営に取り組む上で思いを強くしておりますのは、特に課題として強く認識していますのは地域医療の問題の解決、土地開発公社の財政問題、地域自治の確立の推進、そして子供課、要するに子供対象のそういうふうな子供課の実現、この分については何としてもなし遂げたいと思っております。マニフェストに掲げた課題の解決はいずれも時間を要するもので、現時点での検証は難しいと思っております。しかしながら今申し上げた部分のところを鋭意誠心誠意進めてまいる、その中でしっかりした答えをご提示申し上げたいと思っております。 また、奥州市の一体感の醸成につきましては、さきの議会におきましても、合併協定の同意項目である旧市町村の枠組みの尊重として取り上げられておりますが、私の考え方は、もちろんそれは尊重いたしますが、基本的にはよりフラット、あるいはより中立なところにおいて、旧市町村の枠組みを意識しないような、そんなまちができ上がることが理想と考えているところでございます。多くの市民の皆さんの声に耳を傾けるがゆえに、マニフェストの違いや市政運営の姿勢に揺れ、あるいはぶれがあるとのご指摘も実際受けておりますけれども、マニフェストに記載してある部分で変更が必要であれば、それは理解が得られるまで皆さんとご協議を申し上げ、説明を丁寧にしながら、決して初心を忘れることなく、市民皆様との約束の実現に向け、これまで以上に、これからもしっかりと進んでまいりたい、このように今、強く思いをいたしているところでございます。
○議長(渡辺忠君) 27番佐藤修孝君。
◆27番(佐藤修孝君) 真に迫ったご答弁をいただいたと思っております。どうぞ行政運営、よろしくお願いしたいと思います。 ただ、1点だけ申し上げたいわけですが、副市長のことについてはこれまで優秀な部課長がいるし、職員もそうだと思いますが、そのレベルで頑張っていくということで進んでおります。ですが、さっきの邦夫議員の質問の中に出てきましたが、例えばさっきの話は
最低制限価格が公示額2,000万円から6,000万円の決裁は副市長がやるんだという話が出てきました。加えて行政需要というのはふえる一方だと思うんですが、あとは突発的なことが出てきたり、あるいは県とか国へ働きかけるという部分もあると思いますけれども、このままの形でずっといくものなのか、議員側からこちらを見ると、市長が全部言ってみれば受けとめているような形に見えるんですが、例えばそこにはワンクッション置いて、副市長が答弁する場面があってもいいと思うし、あるいはそこで相談するという形も私は必要ではないかなというふうに見えるんですが、その辺についてどういうふうに考えているのか質問をします。
○議長(渡辺忠君) 小沢市長。
◎市長(小沢昌記君) 副市長の件でございますが、必要だというふうに強く認識をしておりますし、そのことによって、今現状においては副市長が空席の状況でございますので、その部分の負担も背負いながらということでございまして、そのような意味でメリットとデメリットがあります。 メリットについては、行政運営の不足する、私とすればすべてをまずは受けとめて、その全体をしっかりと把握するということに対する大切な時間をいただいたというふうなメリットはありますし、また職員の意識についてもその欠ける部分を補おうという、そのエネルギーは非常に大きなものになりつつあるということで、メリットもあります。 しかしながら、13万市の代表としての場合には、すべてを私が背負い込むというのは、これはいささか無理がございまして、特に私とすれば行政経験であるとか人生的な経験であるとか、あるいは今までのさまざまな5市町村のいろんな風土の部分のわからないところ、一方では行動力、決断力というふうな部分、それほど自信があるわけではないですが、特に行動力と負けん気の強さというふうな部分はもちろんございます。ただそれだけでは不足する部分をしっかりと補っていただきながら、ともに奥州市をいいまちにつくっていただくパートナー、まさに副市長が存在することは市民の皆さんにとっても重要なことであると思っておりますし、また私としてもそのことによって、さらに先ほど申し上げたような改革を進めていく大きな力になっていただけるものというふうに思っております。 現状におきまして、その人選を幾つか上げましたけれども、そういうふうな部分のところをもって今鋭意、本当に真剣になってさまざまな分野で私なりにその人選をしているところでございます。できるだけ早い時期に皆さんにご提案できる場面をつくりたいと、このように考えておりますが、相手のあることでもございますので、何月何日ごろにというふうな時間を区切ってのご答弁は、この場では明確なものとして申し上げられませんけれども、できるだけ早い時期に、私はこの人と、あるいは奥州市のまちづくりを思ってこの人というふうな形の人選をし、まずはご相談を申し上げながらご決定をいただく、そういうふうな形でお諮りを申し上げるという場面をつくりたいと、このように考えておりますので、若干ではございますが、いましばらくその人選の時間をお与えいただきたいというふうに考えているところでございます。
○議長(渡辺忠君) 27番佐藤修孝君。
◆27番(佐藤修孝君) 2点目の質問に入ります。 公共施設の樹木利用についてであります。 胆沢第一小学校のシックスクール問題は、思いのほか難題であります。もともとこの化学物質の飛散問題は、一般家庭の新築の際の新建材や家具に使用されている接着剤が原因と言われております。それが学校で起こればシックスクールということになるのだろうと思われます。国ではこの対策として使用建材の規制をし、さらに24時間の強制換気を義務づけました。しかも教室の容積に応じた換気能力のある換気扇を選択し、計算ずくめで建築基準法を初めとする法改正をしました。国で定めた基準はあくまで基準であります。人それぞれ個人差があるわけで、胆沢第一小学校のように、特にも抵抗力のない子供たちには顕著にあらわれたものと思われます。昔ながらも在来の工法で、しかも建築材料や机、いすについては無垢の地域材を使用すればすべて解決することになります。そこで現在進行中の真城小学校、
岩谷堂小学校、そして前沢小学校の新築があるわけですが、その間には水沢南中学校の大規模改造もあります。これらの学校建築に市有林や市内で賄えるものは限りなく自給体制をとり、子供たちの安全な教育環境をつくるべきと考えますが、市長、教育委員長の所見をお伺いします。
○議長(渡辺忠君) 小沢市長。
◎市長(小沢昌記君) 佐藤修孝議員の2件目のご質問にお答えをいたします。 シックスクール解決のための内装の仕上げ材として、市有林の活用を考えてはどうかということというふうに受け取らせていただきました。奥州市の市有林面積は2,591ヘクタールございます。その中で主な樹種の内訳を申し上げますと、杉が29%、アカマツが45%、カラマツが4%、ヒノキが1%、広葉樹が21%というふうな構成になっております。この中で伐期-伐採の時期を迎えた市有林の売り払い手順といたしましては、売り払い地の選定、木ごとの調査、毎木調査を経て一般競争入札により実施しております。ちなみに平成21年度はアカマツ536立方メートル、カラマツ257立方メートル、杉630立方メートル、広葉樹1,780立方メートル、計3,203立方メートルを販売しております。 さて、お尋ねの学校建築等への内装仕上げや備品等への市有林や学校林の材料の活用ということでございますが、必要とされる部材が伐採可能な市有林の樹種と合うのであれば可能であるというふうに思っております。また公共施設建設を進める上で、木材の調達関係と工事の分離発注については今後検討してまいりたいと、このように思います。 なお、木材調達を行うとなると、森林組合などに依頼という形で進めざるを得ないものと考えておりますが、それに伴う課題もあろうかと思います。これには森林組合と十分協議、検討をしながら、その方途を考えてまいりたいと思います。内部においては奥州市産木材の利用推進指針を定め、本市の公共施設等の建築に対し、奥州市産木材の利用に取り組むこととしております。この推進体制に教育委員会を含む事業担当部課長を構成とする奥州市産木材利用推進連絡会議を設置することとしております。この会議の中でも協議、検討を十分に進めてまいりたい、このように考えております。
○議長(渡辺忠君) 千葉教育委員長。 〔教育委員長千葉啓一君登壇〕
◎教育委員長(千葉啓一君) 学校建築等への樹木利用について、佐藤議員の質問にお答えをいたします。 学校建築に当たっては、地元産材を可能な限り使用することとし、設計書の中で地元産材または県産材の使用の指示を行っており、施工業者が森林組合と綿密な打ち合わせのもとに資材を仕入れております。これは衣川中学校、岩谷堂幼稚園、田原小学校で行っているところであり、これからの真城小学校、
岩谷堂小学校、統合前沢小学校も同じ取り扱いとなるものであります。地元木材を使用した机、いすを製作するというご提案についてでありますが、耐久性や堅牢性、使い勝手、資材の供給から製品加工までの流れ、発注から納品までの期間とあわせて、予算措置のあり方等について検証しなければならないと考えております。
○議長(渡辺忠君) 27番佐藤修孝君。
◆27番(佐藤修孝君) 前向きに取り組むという基本的な考え方だというふうに受けとめました。そこでどの程度どこまで使うかという部分があると思いますし、あとはこれから教育委員会と同じテーブルで話をするということのようですので、私の今回の通告は、どちらかといえば提案という部分がありますので、ちょっとお話をしたいなというふうに思います。 例としてですが、一つには二戸市の浄法寺町の取り組みですが、平成12年の旧浄法寺町役場を木造3階建てで建設をしております。これは地域材の需要拡大を図る公共施設として全国的にも注目を浴びた建物でございます。また平成17年には浄法寺町内の6つの小学校が統合した新しい浄法寺小学校の新築工事において、学校林と市有林のカラマツ材を集成加工して主要構造部材等に使用したと。この流れは浄法寺町の森林組合が2月から5月にかけて伐採し、これを浄法寺地区の2つの製材工場で集成材用にひきおろしたと、それを遠野の集成材工場で屋根用の大断面集成材に加工して学校の多目的ホールや体育館の屋根を木造とすることで、上部構造を軽量化することにより、鉄筋コンクリート造でありながら鉄筋コンクリート部材の断面を小さくすると。そのことで建設コストの縮減と地震時の建物の揺れの軽減を考えたと、そういう建物でございます。 またもう一つは、これは紫波町の上平沢小学校の事例ですが、平成14年に建設、120人ぐらいの生徒数ですが、構造は木造平家建てで、造作材はもちろん構造材も無垢の木材で、すべて町産材を使用しているということであります。柱、外壁、腰板は杉、それからけた、トラス張りはカラマツ、大張り床はアカマツ、このアカマツは100年から250年の樹齢のものを使っておりました。土台、ウッドデッキは栗を使用しております。また今回問題になっております内装仕上げですが、腰板から上部はしっくい仕上げをしておりまして、ビニールクロス等は一切使わないという徹底した木造建築でございます。机、いすも町産材を使用して、地元業者の手で新調していると。暖房設備もこだわりがありまして、木質バイオマスエネルギーを利用するものとして、ペレットボイラーを導入しているということであります。 設計段階で町産材の使用を定め入札するわけですが、積算根拠は物価版を利用しているということで、工事額は鉄骨、鉄筋クンクリート造に比較して約2割高というふうに担当者は言っておりました。ただ鉄筋コンクリート造は、今回の胆沢第一小のように、築後25年前後ぐらいに大規模改修が必要となるということで、2割高の建築費は問題ないという話でございます。 紫波町のこの取り組みについては、基本的なコンセプトとして循環型まちづくりを据えております。2000年に山の木は活用されなければ森に手が入らず、ひょろひょろの木ばかりになると。そこで公共施設は町産材でつくることにシフトしたわけで、以来、紫波中央駅待合施設、小学校2校、保育園、消防屯所と、すべて町産材100%使用した木造建築ということであります。循環型まちづくり条例の中で、地球がおかしくなっている今、紫波町の現風景を100年後の子供たちに手渡したいと定めております。また町産材の利用拡大策の取り組みとして、間伐を実施したら2.5アールごとに500円、その間伐材を搬出すれば、1立方メートル当たり1,500円、まきストーブの購入には2万円をそれぞれエコクーポン券で発行するということであり、きわめつけは町産木材での住宅建築には最高33万円の補助金を出し、しかも固定資産税は5年間2分の1に減免するという取り組みもあわせて紹介をいたします。CO2の削減に町ぐるみで取り組んでいる姿に感銘を受けたわけですが、今後も公共建築物はこのスタンスで進めるということで、大変よい例と思いますが、所感をお聞きしたいと思います。
○議長(渡辺忠君) 小沢市長。
◎市長(小沢昌記君) 今、手元に資料を持ち合わせておりませんけれども、実は日本における森林蓄積という観念がございまして、日本の国有林60数%が森林でございますけれども、日本国家においてその森林に手がかかっていないということで、トータルの森林の蓄積量というのは増加傾向にあると言われております。またその量とすると、1人当たりに割り算するとスウェーデン、これは世界でもナンバースリーに入るような、要するに林業のトップを走る国です。生産性もすごく高いところなんですけれども、あとドイツですね、ドイツは森林蓄積からいうと日本よりも少ないと言われているんですけれども、ドイツにおける自動車産業と同じ額の生産を誇っているというふうに言われております。また現状における輸入外材と国産材の価格差が非常に少なくなってきて、あるいは国産材のほうが物によっては値段が安いという状況も現実に出てきていると。場所によっては九州のどこだったか、ちょっと忘れたんですけれども、非常に森林組合と連携をとりながら、非常に地元産材を有効的に使って産業興しをしているという地域もあるというふうに伺っております。 なぜ冒頭にこの話を申し上げましたかといいますと、実は我が市における山林、要するに森林面積はまさに膨大なものがございます。そして疲弊する農業とあわせて林業というふうな分野がありますが、ここの部分については大きな日の目を見る部分というのが全くない、あるいは非常に少ない。農業も同様であります。私とすれば、市にある宝物をいかにか生かしながら、これを一次産業のもう一方の柱として発展させていくことによって、農家あるいは林業家の皆さんが、やっぱり奥州市いいよな、奥州市にあるものを使いながらまちづくりができ、それが雇用の場にもなっていくんだというふうな状況をつくり上げられないのかということは、実は内々考えているところでございます。 紫波町や浄法寺町のような部分には、いきおいいかないと思いますけれども、今、森林組合が合併を模索して検討が始まっているということもございまして、できれば市産材を使うに当たって大きなネックとして私が今私なりに考えているのは、保管場所と乾燥場所であろうと。なので、どの場所がいいかと言われればまた別ですけれども、またコストもあるんですけれども、市でモデル流域をつくって、そこのところに保管、乾燥ができるような施設をつくることによって、ある程度市産材のストックをしておける場所があって、必要というときに森林組合にお願いして製材をしていただけるような、そういうモデルをまずはつくってみることができないだろうかと。そのことによって、ある程度計画的にではありますけれども、事前に山から必要とされる木材を伐採し、乾燥、そして保管をしていく、必要なときに適宜製材して材料として使えるような、そんな仕組みをつくることができないだろうかと。まさに市がそこの部分をお手伝いしながら、森林の当市における林業の振興を図っていくというふうなことができないだろうかと。 また、伐採に入れば伐採したことで間伐財の利用は黒滝温泉でもやっておりますけれども、木質バイオマスというふうなことで、チップ化をするということで、そのチップを市内で流通させるような形態が1つできないだろうか、また残渣の処理をどういうふうに考えていけばいいのかということなども、配る、そして残渣を回収するというふうな仕組みなども奥州市オリジナルで対応しながら、CO2の削減と森林を守る、そして一義的にはそこに雇用の場が生まれてくるというふうな、まさに奥州市としての持ち味を持って、独特な独自のまちづくりを進めていく可能性が奥州市にはあるのだろうというふうに思っているところでございます。 今、議員からご指摘いただきました部分も十分に参考とさせていただきながら、まずは今ここでしゃべったことが全部絵に書いたもちにならないように、できることがどこにあって、それをすることによってどういう効果があるかという検討をしながら、具体の部分、できそうな部分、あるいはすべき部分が見つかれば、そこの部分は迷わず推進してまいりたいと、このように考えております。ありがとうございました。
○議長(渡辺忠君) 27番佐藤修孝君。
◆27番(佐藤修孝君) 全く私と一致した見解といいますか認識でありまして、あとは実行だけでございますので。 ただ1点だけ、この紫波町の上平沢小学校で「学校概要説明資料」という冊子の中に、木造校舎への思いということで感想がありました。これは教育委員長さんにでもお答えしていただければいいのかなと思いますが、ここで児童の感想ですが、この校舎でどんなことをしてみたいですかという設問に対して、みんなで演奏会をしたりプロ演奏の鑑賞会をしたいと、それから中庭で読書をしたり、ふれあい広場で給食を食べたりしたいと、そういう感想いっぱいあるんですが、それから保護者の感想ですが、学校から帰ってきた子供から木の香りがしていました。町民のたくさんの手によってできた校舎だと思います。このことで人や物に感謝する心と校舎を大切に使う心が育ち、次の世代へ伝えてほしいと思います。これは、音楽室が樹齢60年になる学区民林を使ってつくったという経過がありまして、その学区民の思いが入っているということで、こういう保護者の感想なのかなと思っております。それから先生方の感想ですが、自然に囲まれたような開放感が子供たちの素直さをはぐくんでいる、床がやわらかないので体に優しい校舎です、それから梅雨時期、湿気を吸収してくれるので快適に過ごせます、また音も吸収してくれますという感想が載っておりましたが、この辺が木造校舎のすべてを語っているのかなというふうに思ったところですが、何か一言、委員長さんのご感想をお聞かせください。
○議長(渡辺忠君) 千葉教育委員長。
◎教育委員長(千葉啓一君) お答えいたします。 上平沢小学校につきましては、平成17年だったと思いますが、私も見学をしたことがございます。本当にコンセプトといい出たものといい、それから、あれは公共建築の何々賞とかという賞をいただいたというふうな当時の模範的な施設でありました。2時間ほど行っていろいろ聞いたんですが、確かにそういうよさはうかがえました。その後また行ってはおりませんが、劣化といいますか、木ですから目がやせますよね、あるいは塗料がはげてくると、雨が当たったりすると腐食の問題も出てくるというふうなデメリットも予想された建物でありました。現在はどうなっているかわかりませんが、いずれ当時は非常に珍しくて、県内でもなかったもんですから注目を浴びたというものでございます。いいところずくめではなくて課題もあるんだろうなというふうに思いつつ、それを仮に奥州市に取り入れるとすればどういうふうな点が残っているのか、どういう点に注意をしなければならないのか、そういう思いで、今、議員さんの子供さんやお母さん方の感想を聞いておりました。ありがとうございました。
○議長(渡辺忠君) 27番佐藤修孝君。
◆27番(佐藤修孝君) 最後に、時同じくして、国では公共の建築物を中心に木材の利用促進を目指す公共建築物における木材の利用促進に関する法律が、ことし5月19日の参議院本会議において全会一致で可決成立しました。公共建築物に適した木材を供給するための施設整備等に取り組む計画を作成し、国の認定を受けた場合には、林業・木材産業改善資金の特例などを受けることができるとあります。また県でも既に作成してある公共工事木材利用推進行動計画に基づき、今回の国の法律によってさらに促進していくというコメントが載っております。ですから本当に市長がさっきお話ししたような姿勢で本気になって取り組めば、国や県でも後押しをするという部分があるように感じますが、その辺についてもう一回、市長の限りない可能性にかけたお話をしていただければなと思います。
○議長(渡辺忠君) 小沢市長。
◎市長(小沢昌記君) ありがとうございます。まさにこういうふうな部分としてCO2を削減していくと、二酸化炭素を削減していくという中で、一番合理的で、なおかつ地方経済に活性化を与える、活性化させていくというふうな部分は一次産業の開発、活性化、要するに一次産業を伸ばしてあげるということが、一番CO2削減、低酸素社会の構築には最も重要なことでありますし、我が市とすればそのことを進めることが、実質的に市民の所得向上、元気にもつながっていくということとして同一のものとして考えております。今、議員からご指摘というかアドバイスがありました点も十分に部内で検討いたしまして、まずはできることをしっかりと見定めて形にする、そのことによって全体への明かりではないかもしれませんけれども、市としてもそういう取り組みを始めたんだというその行動自体が、林業に取り組まれる方ないしは山を守っておられる方々に、将来への展望として映るような行動になるのではないかと思っておりますので、何とかその意味も含めて具現化してまいりたいというふうに考えております。
○議長(渡辺忠君) 27番佐藤修孝君。
◆27番(佐藤修孝君) 3点目の質問に入ります。 中山間地への定住化についてであります。 人口減少は、全国の自治体で抱える大きな課題ととらえております。そして同時に自治体内の定住バランスの不均衡があります。本市の状況は市街地と中山間地のアンバランスが挙げられます。顕著な人口減少状態の中山間地の問題は、市道や河川の除草の限界、自衛消防力の低下、各種地域行事の衰退等が挙げられます。これらは昔から今日まで継続して集落として活動してきた、いわゆる習俗社会としての営みがあったわけですが、それが困難になってきていることにあります。そして何より子供たちの漸減状況、限りない空き家の漸増、そこに住む人の疎外感や、5年、10年先の将来不安感につながっていることを感じます。市ではこの秋から定住化対策の新メニューとして、既に奥州市に転入した人たちと新規転入者の方との交流を計画されております。大変よい施策と思います。加えて中山間地の人口激減地域を特定し、考えられるさまざまな定住策を施し、一定の成果を上げる試みはいかがでしょうか。市長の見解をお伺いします。
○議長(渡辺忠君) 小沢市長。
◎市長(小沢昌記君) 佐藤修孝議員の3件目のご質問にお答えをいたします。 佐藤議員ご指摘のとおり、人口の減少は本市経済に大きな影響を及ぼすとともに、地域社会の活力の低下を招くなど大きな課題であると認識しております。また市内の人口バランスの不均衡についてのご指摘につきましては、確かに本市における市街地と中山間地の人口には大きな違いがある現状にあります。しかしながら人口の減少は全市的に進んでおり、各区の人口減少率は徐々に縮んできているという状況です。現在、定住化対策の主な施策といたしましては、まず移住促進策として住宅分譲地の販売促進、空き家バンク、移住者に対する住宅取得支援などを行っております。また人口交流の増加策としてグリーンツーリズム、雇用の創出として企業誘致や地場産業興し、また若者に魅力ある環境の整備として、子育てナンバーワンプランに基づく各種子育て支援策に取り組んできているところでございます。 さて、人口激減地域をモデル的に特定し集中的な定住化対策を講ずるというご提案につきましては、まずは地域を元気にしようという地域住民の主体的な取り組みの機運の盛り上がりが重要と考えます。地域住民と行政との協働により、地域住民が自分たちの地域をどのようにして元気にするかを議論し、その元気にするための推進方策を描き、その方策に基づいて行政として必要な施策を実施するとともに、地域住民が主体的に取り組む事業に対して財政的な支援を行うというプロセスが大事ではないかというふうに思っております。これらの方策を地域住民と行政が協働して推進することによって、地域の活性化が図られ、その効果として地域の若者などがその地域に定住し、またその地域の活力に魅力を持った地区外から、ほかのところからも移住していただける、移住者が増加するというふうなことが期待されます。 いずれにいたしましても、定住化の促進は全市的な視野に立って、各分野の施策を総合的に推進することにより、その効果が期待できるものと考えられますことから、引き続き各種施策を鋭意進めてまいるとともに、議員ご提案の趣旨も参考にしながら、また他の自治体における先進的な取り組み事例も研究し、効果的な定住促進策の推進に努力していく所存でございます。
○議長(渡辺忠君) 27番佐藤修孝君。
◆27番(佐藤修孝君) これも提案ということになろうかと思いますが、江刺区の米里に木細工祭りというのがあります。またはクルミ祭りとも言っているようですが、ことしで3年目を迎えますが、春秋の年2回の祭りです。春には地元産の山菜の販売を主として、地元食材を使ったがんづきやもち料理もメニューにあります。ばっきゃのがんづきは1品と聞いております。秋にはクルミを主とした販売、クルミもちやヤマメの塩焼き等も好評ということであります。クルミ割りは10人で3日間もかけてむくそうであります。安くておいしいということで業者にまとめ買いされ、今はたくさんの人に買ってもらうよう配慮しているということでした。3年前、市の地域づくりの補助金を得て取り組んだということですが、始める動機は、人がいなくなって寂しいからということであります。あんなにたくさんの人が来てくれると思っていなかったと、うれしそうに話しておりました。もちろん収支決算はほとんどゼロに近いわけですが、年2回、春と秋にたくさんの人がこの地域に集まって、この地域の山菜や手料理を買い求め、コミュニケーションをとったりすることに一つの生きがいを感じているわけで、できる限り継続したいと言っておりました。 この木細工祭りは、木細工小学校の学区内80戸ほどの集落を形成しております。子供たちの数も減り続けており、また1人転校していくと言っておりました。何とか自分の住んでいる地域を活性化して定住者をふやし、集落の維持可能な地域にしたいと、だれもが望んでこの祭りに取り組んでいると思います。 そこで、定住化策にかかわる市のホームページを見ますと、奥州・移住を考える集い、いわて定住・交流体験ツアー in 衣川、ふるさと暮らし発見ツアー、また奥州移住応援隊を尋ねては、これは見ごたえがあり、本当に田舎暮らしがしたくなるような雰囲気が感じられました。この定住化策ですが、これらの努力が実ってか、空き家バンクの物件一覧を見ますと、成約済みもかなりの数になっていることにびっくりしました。新着物件もかなりあり、個別に見ると詳細な情報満載で、大方物件の状況が把握できると思われます。そこでこの木細工地域に近い場所の空き家が新着物件でありました。地図表示を見ると周りは山の名前だけで、あとは幹線道路があるだけです。 そこで提案ですが、実はこの地域には宝物があります。それは宮沢賢治ゆかりの地であります。標高870メートルの種山高原に、宮沢賢治は地質調査のために何度か足を運んでおり、周辺に賢治の森なるところもあり、有名な種山ヶ原の歌碑もあります。また星座の森には「風の又三郎」のブロンズ像もございます。木細工小学校は短編小説「風の又三郎」のモデルになったと言われております。小説の中では谷川の岸の小さな小学校と表現されていますが、その木造平家の学校が今もあるわけで、結構尋ねてくる人がいるということであります。地元ではこれを保存したいと考えているようでございます。木細工祭りも含めた地域のお祭りや、四季折々の美しい里山景観、そして今お話ししました宮沢賢治にかかわる地名や歌碑の紹介、そして賢治作品のモデルになった学校の案内等も、空き家情報の中に組み入れることはいかがでしょうか。またそれとは別に独自のプロモーションDVDをつくり、機会があればこれを利用して中山間地や里山のよさを発信し、定住化につなげるというのはどうでしょうか。そのほかにも市有林の無償譲渡あるいは固定資産税の減免等も考えられますが、この点についても市長の見解をお伺いします。
○議長(渡辺忠君) 小沢市長。
◎市長(小沢昌記君) ありがとうございます。空き家バンクの件につきましては、議員ご指摘のように、なるほど歴史とか文化というふうな部分の建物でない形のものについても、その地域には固有に存在しているわけでございまして、よそから移住をしてみたいなというふうな気持ちになっていただけるようなご提案はしていかなければならないというふうに思います。担当のほう等も十分な協議をさせながら、我々がここを紹介しようという、この場所にはどういう魅力があるのかということでホームページの資料をつくる際にも、商品ではないんですが、やっぱり一つの売り物でございますので、つくる側がまず自信を持って魅力を開発して、それをホームページのほうに情報として発信していくというふうなことが最も重要であろうと思いましたので、いずれこのことについては多方面から検討して、より魅力あるページづくりを進めてまいりたいと思います。 また、木細工祭りの部分のご紹介もいただきましたし、さまざまな形の中で地域おこしをしていただく部分において地域の活性化を図り、そして定住化を推進するとともに、出て行く人を少なく、そして入ってきていただく方を一人でも多くというふうなこととしても、やはり地域の活力を大きく引き立てていただけるような、そういう状況が何よりも基本になるのかなというふうに思っているところでございます。先ほど登壇しても申し上げたとおりでございますが、地域の人たちがやる気になって、こういうふうなことをしたいというふうなものに対しては、多少制約はあることは否定できませんけれども、そういうふうな地域のやる気に対して行政が積極的に応援ができる、応援をしていく、あるいは地域がみずから決めたことを地域の力プラスアルファ行政のサポートでできるような、そんなまちづくりを今後ともしっかりと進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○議長(渡辺忠君) 27番佐藤修孝君。
◆27番(佐藤修孝君) もう一つ、市有林の無償譲渡、固定資産税の減免も検討していただきたいなと思うわけですが、そこを聞いて終わります。
○議長(渡辺忠君) 小沢市長。
◎市長(小沢昌記君) このことにつきましては、何か移住される方々への特典ということでプラスアルファの部分、具体的にどういうふうな方法が可能なのか、これについては真剣に考えてみます。そういうことで移住していただくということであれば、奥州市とすれば大変ありがたいことでございますので、移住のための一つのきっかけとして、そういうふうな減免あるいは特典が必要であるということは十分認識いたしましたので、検討をさせていただきたいというふうに思います。 〔「終わります」と呼ぶ者あり〕
○議長(渡辺忠君) 午後1時20分まで休憩いたします。 午後0時16分 休憩
--------------------------------------- 午後1時20分 再開
○議長(渡辺忠君) 再開いたします。 午前に引き続き一般質問を行います。次、33番及川善男君。 〔33番及川善男君質問席へ移動〕
◆33番(及川善男君) 33番及川善男です。 私は、さきに通告いたしました2件につきまして市長の見解をお伺いいたします。 1件目は、奥州市の介護保険事業についてであります。 本件につきましては、昨日9番議員が識見に富んだ格式高い質問をされましたので、私は昨日の質疑を拝聴して私なりに感じた点について簡単にお伺いをいたします。 その1は、奥州市の介護保険事業の現状と今後のあり方についてであります。介護保険制度10年の評価と今後の課題について、どのようにお考えかお伺いをいたします。 ご承知のとおり、2000年、平成12年4月に介護保険制度が施行されてから10年になります。介護保険制度は高齢化社会に対応し、介護を社会的に支えることを目的に発足した制度であります。しかし全国で42万人、奥州市で749人という特別養護老人ホームの待機者などは、利用したくても利用できない、まさに保険あって介護なしというのが今日の介護保険制度の実態ではないでしょうか。このような状況のもと、日本共産党国会議員団がことし4月から5月にかけて全国3,000事業所、全都道府県及び県庁所在都市など140自治体にアンケート用紙を送付し、実態調査を行いました。 この介護調査の中で明らかになったことは、第1に、重い利用者負担、深刻な施設不足、介護職員の人材不足など保険あって介護なしの実態であります。第2は、定率1割の利用料、食費、居住費のホテルコストなどの過重な利用者負担は、低所得者の高齢者を介護サービスから排除する事態を引き起こしていること、第3は、今日の介護保険制度の矛盾と困難をもたらした最大の要因は、旧自民・公明政権が推し進め、民主党政権が後押しをしてきた給付制限、国民負担増の構造改革路線にあることであります。 介護保険法には、10年を経過した場合において必要な措置を講じると規定されており、今、政府は法改正に向けて動き出していると言われております。こうしたときに保険者である市としても、この間の奥州市の介護保険制度について、介護保険事業について検証し、高齢者の生活と尊厳を守るためにみずから努力するとともに、国に対して介護保険制度の抜本的な見直しを要求することが求められていると考えますので、この10年間の介護保険事業についての市長の所感と今後の課題についてお伺いをいたします。 その2は、特別養護老人ホームなど基盤整備と待機者解消策についてお伺いをいたします。 昨日もお話ありましたが、特別養護老人ホームの待機者が、当市の場合は合併当初の平成18年は662人であったものが、ことし3月末には749人と年々増大し、利用したくとも利用できない状況であります。このことは市民から保険料を徴収している保険者として許されない問題であります。そこでお伺いをいたします。 その第1は、市長のマニフェストに「介護福祉施設の需要が高まる中、待機者の解消や利用負担の軽減を検討します」とうたわれております。検討状況についてお伺いをいたします。国は高まる施設需要の中で、2012年から参酌基準を廃止することと閣議決定いたしました。これからは自治体の姿勢が問われることになります。当市の現在の計画では待機者解消にはほど遠いものと考えますが、待機者解消の見通しについて市長の見解をお伺いいたします。 私は、待機者解消のためにどれだけの施設が必要で、その事業費と期間がどれだけかかるのか、見通しを持つべきだと考えます。私が試算いたしますと、現在の当市の施設整備のテンポと、待機者がこれよりふえないということを前提に試算した場合でも、20年はかかるのではないかと考えられますが、市長の見解をお伺いをいたします。 その第2は、基盤整備が進まない背景には、小泉構造改革のもとで従来の国庫補助金が削減、廃止をされ、目的を特定しない交付金制度に再編され、その交付金も削減の一途をたどってきたことにあります。そのために事業者は相当の自己資金がなければ建設自体が困難という状況でした。また特別養護老人ホームなどの施設整備が進み、施設給付費が増大することにより、被保険者や市町村の負担が増大するという問題も重大であります。介護基盤整備に公的助成を大幅に拡充するとともに、施設給付に対する国の負担増を求めることが決定的に重要だと考えるものですが、市長の見解をお伺いをいたします。 1件目は以上です。
○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 〔市長小沢昌記君登壇〕
◎市長(小沢昌記君) 及川善男議員の介護保険に係るご質問にお答えいたします。 まず、現状についてお話をさせていただきます。平成18年4月には高齢者が3万6,497人のうち認定者が5,447人と、認定率は14.9%であり、そのうち利用者数は4,316人と、受給率は79.2%でありました。平成22年6月には高齢者が3万6,065人、うち認定者数が5,987人と、認定率は16.6%であり、そのうち利用者数は4,866人と、受給率は81.3%となりました。このように利用者の増加原因は高齢者数の増加だけではなく、認定率や給付率が増加していることも要因となっており、介護保険制度が年々普及し拡大していることを示しており問題点を抱えておりますが、この制度の果たす役割は重要であると、このように認識しております。 また、当地域は家族介護が主流であることから、介護保険制度開始当時から在宅サービスの利用が少ない状況でした。その後、徐々に利用がふえてまいりましたが、そのほとんどが通所サービスであることも特徴と言えます。また高齢者世帯などの家族介護が行えない世帯も増加する中、施設サービスのニーズが増加しており、徐々に家族介護から介護サービスへの移行が進んできております。さらに多くの高齢者は稼働収入がなく、家族も景気の悪化によって収入が減少する状況であることなどにより、介護保険料や介護サービス利用料が大きな負担になるなど、継続可能な制度とするため財源構成の見直しなども必要であると考えております。 次に、利用の実態についてもお答えいたします。 利用料が高く利用を制限しているという事例なども聞き及んでおります。地域包括支援センターにおいて解決に向けた対応を行っております。例えば本人の年金を家族が管理し、利用を制限している状況もあるなど、利用を制限しなければならない状況についてはさまざまであることから、今後実態把握を実施し、その状況を分析してまいります。 次に、保険料及び利用料についてもお答えをいたします。 保険料は、第一義的には所得段階別の保険料制により負担が軽減されております。しかし、その賦課した年度当初に想定しなかかった災害などの事情により、一時的に負担能力の低下が認められる場合、市町村は条例で保険料の減免、徴収の猶予を行うことができます。そのため当市では所得段階の数を県内で唯一9段階制を採用し、低所得者の負担の軽減に努めており、さらに一段階の保険料率を他市町村では0.5倍としておりますが、当市では0.45倍と他市町村より進んだ低所得者への負担軽減を行っております。保険料の減免、徴収の猶予についても、当市独自の生計困難者に対する減免制度を導入するなど、低所得者に対する負担軽減も行っているところでございます。 一方、利用料は原則所得段階によらず1割を定率負担することとされておりますが、所得段階ごとの基準によって算定されます高額介護サービス費によって、費用負担の軽減を図っております。そのほか食費及び居住費の負担軽減や社会福祉法人による軽減などがあります。その他当市独自の制度として、訪問介護及び訪問入浴介護の利用者負担額の助成制度により、その負担額を1%または4%になるまで助成を行っております。現在可能と思われる軽減などは市において行っておりますが、これらを含め、国において負担軽減策をさらに充実するよう、全国市長会などを通じて強く要望してまいりたいと、このように考えております。 次に、特養入所待機者の解消についてお答えをいたします。 今年度の調査では749人の申込者数となっており、その関係するケアマネ、事業所などにその方の状況について追跡調査を実施したところ、554人分の報告がありました。そのうち早急な入所が必要な方が242人と、昨年調査を64人も上回っておりました。今回初めて700人を超える申し込みとなりました。このような状況に対応するため、現在施設整備を進めておりますので、一定の入所待機者の解消が行われるものと考えております。私のマニフェストに掲げる待機者解消の検討状況についてですが、国において施設整備の参酌基準を廃止するなど、待機者の解消に向けた規制緩和策が打ち出されておりますので、そのような状況を十分に踏まえ、第5期計画の策定に合わせて検討することとしております。国庫負担の増加については、今回国に対して要望を行っておりますが、このことについても今後力強く要望してまいりたい、このように考えているところでございます。
○議長(渡辺忠君) 33番及川善男君。
◆33番(及川善男君) 幾つかお伺いをいたします。 今、市長のご答弁で、当市の保険料あるいは利用料の減免の実態についてもお答えがありました。特に利用料の減免対象者については、全県的にもかなり多くの対象者を出しているというふうに私は思いますが、ただ保険料の減免の実態を見ますと、平成21年度の実態を見ますと、平成21年度は災害がゼロですね、それから市町村の単独減免、いわゆるこれは4人で4万1,000円ということで、実際、今不況のもとで仕事がなくなったり、あるいは商売をなさっている方の売り上げ減等でさまざま生活苦が出ているわけですが、この災害以外の点についてのこうした市民の生活実態が、この減免制度に反映されていないんではないかと、私はこの数字を見ると思うんですが、実際どのようにつかんでおられるのか、多分申請制度ですから、申請がなかったからということになるんだと思うんですが、この点ではもっとこうした減免制度についての周知も行いながら、この負担軽減に努力をすべきではないかと私は思うんですが、この実態についてどのように考え、具体的にどう対応されていくのか、お伺いをしたいというふうに思います。 それから、施設整備の問題についてでありますが、第5期の計画で整備をしていくということのようです。この間、担当部のほうから資料をいただきまして、第4期の整備計画について見ましたが、特別養護老人ホームの整備計画は4期で見ますと、実際今すぐにでも施設等で入所が必要だというふうに判断をされている方々を収容できるかできないかの人数だと。113名ほどいると、私のほうでは担当部のほうからの資料でいただいているのですが、本当にそういう状況なんですね。しかし実態は、私どものほうにもいろいろ相談来ますけれども、本当に大変です。その都度、担当部のほうにもいろいろお話をして、対処方の指導をお願いしているわけなんですが、そうした実態からみると、このテンポでは本当にこうした特別養護老人ホームを必要とする市民の需要にこたえるテンポになっていないんじゃないかというふうに私は思います。 先ほど言いましたように、言ってみれば事業者の問題もありますし、施設給付が伸びれば伸びるほど、この被保険者なり自治体の負担もふえるという課題もあります。しかしこれはこれとして、大事なのはいつまでにどれだけの施設整備ができるんだという市の計画を明らかにして、市民に安心といいますか、そういう方向性を明らかにすることが、市民に一定の安心感を与えることにもなるんだと私は思います。5期でどのような計画を立てられるのかはわかりませんが、5期で一気に749人いる待機者を解消するという計画になれば、それにこしたことはないんですが、その辺のところはどのように見通しを持っていかれるつもりなのか、私は少なくともこの待機者解消についての施設整備の全体像を明らかにすべきではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○議長(渡辺忠君) 小沢市長。
◎市長(小沢昌記君) まず、利用料減免はある程度進んでいるというご評価をいただきました。ただし保険料の減免については、この疲弊する経済の状況において、本当に思いもよらないリストラ等々によってなかなか有名無実化しているのではないか、実態に合った保険料の減免がなされていないのではないかという部分についてでございます。今のルールについては若干補足的に部長のほうから答弁いたさせますが、基本的には減免もきちっとしたルールにのっとってやっていると。ですから初年度こうだったという部分の中で、途中で所得が落ち込んでも、その部分で急に範囲を広げて減免をしていきにくいという状況もございます、現状においては。よってどういうふうな形かをもってルール化をしながら、市民の皆さんに等しくそういう状況があるということをお知らせしつつ、実態に合った減免の制度を考えていく必要があるという認識をしております。 ただ、予算的な部分もございますので、どの程度になるかということにつきましては、慎重に考えていかなければならないものというふうに思っております。また待機者解消に向けて、第5期ですべて解消できるのかということ等も含めて、今のままだとスピードが遅過ぎていつまでたっても、議員おっしゃるとおり20年たっても難しいんじゃないかというふうなご指摘でございます。であるからこそ目標をしっかり掲げ、そしてその計画どおりに整備していくことが、市民の皆さんの安心にもつながるというふうなご指摘でございました。5期計画において、でき得る限りコストを保険料にはね返さない形の中で、その整備をまずは最大限進めるとともに、5期計画作成時点において中長期の見通しもお示しするような、そんな突っ込んだというか丁寧な計画を検討してまいりたいと、このように思います。不足する部分は部長より答弁をさせます。