奥州市議会 > 2010-06-11 >
06月11日-03号

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  1. 奥州市議会 2010-06-11
    06月11日-03号


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    平成22年  6月 定例会(第2回)          平成22年第2回奥州市議会定例会会議録(第3号)議事日程第3号                      平成22年6月11日(金)午前10時開議第1 一般質問---------------------------------------本日の会議に付した事件第1 一般質問---------------------------------------出席議員(34名)      議長  渡辺 忠君      1番  菅原由和君      2番  飯坂一也君      3番  三ノ宮 治君      4番  高橋政一君      5番  佐藤郁夫君      6番  菊地孝男君      7番  千葉正文君      8番  菅原 哲君      9番  関 笙子君      10番  加藤 清君      11番  阿部加代子君      12番  中西秀俊君      13番  小野寺隆夫君      14番  菅原 明君      15番  三宅正克君      16番  菊池堅太郎君      17番  小野寺 重君      18番  千葉悟郎君      19番  藤田慶則君      20番  今野裕文君      21番  佐藤邦夫君      22番  及川梅男君      23番  内田和良君      24番  千田美津子君      26番  遠藤 敏君      27番  佐藤修孝君      28番  菊池嘉穂君      29番  新田久治君      30番  小野幸宣君      31番  佐藤克夫君      32番  高橋瑞男君      33番  及川善男君      34番  中澤俊明君---------------------------------------欠席議員(0名)---------------------------------------説明のための出席者    市長                   小沢昌記君    監査委員                 及川新太君    教育委員長                千葉啓一君    選挙管理委員会委員長           原田 守君    教育長                  佐藤孝守君    病院事業管理者              大川正裕君    水沢総合支所長兼参事兼競馬対策室長    粟野金見君    江刺総合支所長              菊地隆一君    前沢総合支所長              小野寺三夫君    胆沢総合支所長              高橋民雄君    衣川総合支所長              吉田裕悦君    総合政策部長               菊池賢一君    総務部長                 鈴木龍司君    市民環境部長               及川 潔君    商工観光部長               菊池 寛君    農林部長                 及川喜三郎君    健康福祉部長               大沼一裕君    都市整備部長               及川文男君    水道部長                 小野寺正幸君    教育委員会教育部長            三浦信子君    会計管理者                岩渕敏朗君    政策企画課長               高梨 稔君    総務課長                 小澤 謙君    財政課長                 佐藤 洋君    教育委員会学校教育課長          佐藤健司君---------------------------------------事務局職員出席者    事務局長                 岩渕秀夫君    事務局次長                佐賀克也君    総務係長                 佐々木文恵君    議事調査係長               菅原幸一君    主任                   岩淵明美君    主任                   今野美享君---------------------------------------議事               午前10時 開議 ○議長(渡辺忠君) おはようございます。 出席議員は定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。 本日の会議は、議事日程第3号をもって進めます。--------------------------------------- ○議長(渡辺忠君) 日程第1、一般質問を行います。 通告順により順次質問を許します。初めに、5番佐藤郁夫君。     〔5番佐藤郁夫君質問席へ移動〕 ◆5番(佐藤郁夫君) 5番佐藤郁夫でございます。 改選後、初の定例会、新任議員であり、しかも一般質問のトップバッターで大変緊張しておりますし、また2年前と座る位置が反対でいささかやりづらい面もございますが、さきに通告しておりました一般行政3点について市長のご見解をお伺いするものであります。 まず、第1点は、新市建設計画実施計画について伺います。 合併後4年が経過いたしました。この新市建設計画は、旧5市町村で構成する法定協議会合併協議会の協議を踏まえ、平成17年度に策定され、平成18年度から27年度までの10年間の期間で策定されたものであります。この計画の内容は、ご案内のとおり、新市ビジョンまちづくりの将来像、理念を掲げ、それに基づいて連携のまちづくり、発展のまちづくりの主要施策、そして6つの分野ごとの基本施策を掲げたものであります。この計画に基づいて実施計画が策定され、各種事業の展開がなされてきました。 この実施計画は、合併協議に基づき一定の割合で拠出した財源をもとにした、いわゆるルール内事業、それ以外の持ち込み基金によるルール外事業、そして合併後の広域枠と大きく3つに大別されているはずですが、私の資料では、事業費ベースで、ルール内は、水沢区125億円、江刺区81億3,000万円、前沢区30億1,000万円、胆沢区55億9,000万円、衣川区20億8,000万円となっており、ルール外は、水沢区1億1,000万円、江刺区27億5,000万円、前沢区26億5,000万円、胆沢区3億9,000万円、衣川区9億2,000万円、広域枠は38億3,000万円と把握しております。 そこで、質問の第1点は、合併後4年が経過いたしましたが、本事業のルール内、ルール外、広域枠の進捗状況について伺います。質問の第2点は、今後の各区ごとの主要事業を含めた計画についてお伺いいたします。 次に、中項目2点目の質問でございます。いわゆるルール外事業に充当する持ち込み基金についてであります。 この持ち込み基金は、合併の際、旧市町村で各種基金があったわけですが、一定のルールで拠出した後の残額をそれぞれ各区ごとに基金として持ち込んだものであります。この額は、合併前の各区の財政状況により、当然ながらその額に差があったものであります。この持ち込み基金は、法定協議会の協議を踏まえ、そして平成18年第1回臨時議会において議決され、ルール外事業として各区の整備事業に充当することで決定されております。 市長は、さきの市長選挙の政策基本方針、いわゆるマニフェストと言われるものですが、それにおいて、「全市民に対してバランスのとれた予算配分、職員配置を行います」の項目の中で、前段は省略いたしますが、例えば、からくりが感じられる持参金、これはルール外に充当する持ち込み基金と理解しますが、「持参金によるルール外事業が10年間継続することにより、市の総合計画との不公平が増大するおそれがあります。これはすぐに是正しなければなりません」と書かれております。また市長選挙広報にも、合併で生じた不公平感と題して、先ほどの文章が一字一句違わず書かれております。 このことは、合併協議の中で大変な議論をしながら、いわば合併の条件として、それぞれの旧市町村が確認してきたことに反すると思いますが、市長の真意を伺います。 1点目の質問を終わります。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。     〔市長小沢昌記君登壇〕 ◎市長(小沢昌記君) 佐藤郁夫議員のご質問にお答えいたします。 新市建設計画実施計画についてであります。 新市建設計画は、合併時に持ち込んだ財源などを基本に策定した、広域枠を含んだルール内計画及びルール外計画と、オール奥州の財源で対応する追加計画で構成されており、今般、4年目が終了いたしました。 ルール内計画は、新市において、合併特例債を活用して実施する普通建設事業の総額を起債プラス一般財源の額で260億円と設定して、旧市町村の標準財政規模や財政状況により各区に配分、実施しているものであります。 ルール外計画は、合併時に旧市町村が持ち込み積み立てした各区整備基金、いわゆる持参金でありますが、各区の事情に即して計画を実施しているものであります。 なお、追加計画は、合併後に生じた課題などに対応するため、ルール内、ルール外計画とは別に、合併特例債を活用する全市的な事業を盛り込んだ計画であります。 ルール内、ルール外の各区の進捗状況について、10年間の総事業費に対する平成21年度末時点の見込み額の割合で申し上げます。 ルール内計画は、水沢区で44.1%、55億2,000万円の実施、江刺区で58.9%、47億9,000万円、前沢区で62.3%、18億8,000万円、胆沢区で32.7%、18億3,000万円、衣川区65%、13億5,000万円、広域分が46.9%、18億円という状況となっており、全体では48.8%、171億7,000万円の実施という進捗状況となっております。 ルール外計画は、水沢区で71.2%、約8,000万円、江刺区で47.1%、約13億円、前沢区で8.2%、約2億2,000万円、胆沢区で78.8%、3億2,000万円、衣川区で67.4%、6億2,000万円という状況となっており、全体では37%、25億4,000万円という進捗状況となっております。 各区の進捗状況の違いについては、合併前に各市町村が定めた年次計画を基本に、各区の意向を最大限尊重しており、大型事業の実施時期や土地改良事業負担金などの事業の性質などが影響しております。 今後の計画については、特にも、国からの地方交付税が縮減される中、教育環境の整備について、水沢区の真城小学校の改築事業、江刺区の岩谷堂小学校田原小学校校舎改築事業、前沢区の前沢統合小学校新築事業、胆沢第一小学校校舎規模改修事業、衣川区の中学校建設事業など、小・中学校の改築などに順次着手している状況であり、また追加計画には、21年度の見直し時に、岩谷堂高校関連道路事業土地開発公社経営健全化計画関連事業テレビ難視聴地域解消事業など、新たに5事業を追加しております。 新市建設計画については、財政状況を勘案し、毎年度、状況変化に応じた見直しを実施しております。緊急的に生じた課題に対応する場合にあっては、新市建設計画追加計画に必要な事業を搭載し、計画を補完しながら進めてまいりたいと考えております。 次に、ルール外事業についてでありますが、ルール内計画と同様に、合併時の約束事項であることから、このことを尊重してまいりたいと考えております。しかし、各区の持ち込み基金や事業内容、過疎・辺地などの地域指定等の相違によって、事業量や実施年度のバランス等に差が出ており、このことが市民の方々に不公平感を感じる一因となっているものと考えます。 今後は、各区の意向を尊重しつつ、不公平感の払拭を図るよう、めり張りのきいた資源配分や各区事業のバランスに配慮するなど、一定のルールづくりを進めながら計画を推進していく必要があると考えております。優先する課題は財政の健全化であります。このため、市民負担となる起債額の増は安易にすべきものではありませんが、合併特例債を使える期間が27年度までの残り6年ということも意識しながら、本年度財政計画を見直していく中で、財政見通しを明らかにしながら、行財政改革の着実な実施により必要な財源を確保し、地域の近郊ある発展や平準化に配慮した新市建設計画にしてまいりたい、このように考えております。 以上であります。 ○議長(渡辺忠君) 5番佐藤郁夫君。 ◆5番(佐藤郁夫君) 再質問いたします。 ルール内外の事業の進捗状況については、ルール内が約50%近くということで、できるだけ前倒ししてやるということで、これは非常に好ましいことだなと私は思いますし、ルール外も、それぞれの区の事情がありますからですが、全体的にいえば37%ということで、妥当な数字ではないかなと。特に、事業推進に当たっての市当局の努力に感謝申し上げたいと思います。 そこで、質問の第2点目の部分でございますが、私は先ほどマニフェストのことをお話しいたしました。このことについての見解がまず一つはないということでございます。後段の部分については、政策的に見直すということは当たり前のことですが、私はこの真意を聞きたいということを申し上げておりますので、この真意についてお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) ありがとうございます。 マニフェストに記載した部分の状況においては、各区、いわゆる持参金の部分の大きな差異について、余りにも市民に対する説明が不足していた、ないしは誤解が生じていたということにおける不公平感が醸成された、ないしは不公平感を感じておられる方々が多かったということは、これは事実だというふうに考えております。よって、できるだけ不公平感を解消するというふうな意味をもってあのような形を書いたわけですが、とはいえども、合併時における約束事項を軽々と変更するということはできないわけであります。 よって、できるだけ知恵を絞っていく中において、その不公平感を是正するような形に変更していくというふうなスタンスをとらざるを得ない。要するに、新市、奥州市全体としての一体感を醸成しながら、不公平感を感じないような、ないしはそういうふうなものを払拭するような事業進捗をしていくというふうなこととして今回は考えている。あの時点の部分におけるところと違ったということではなくて、不公平感を是正していくというふうな部分に、より充実した体制を整えていきたいというふうに考えているところでございます。 ○議長(渡辺忠君) 5番佐藤郁夫君。 ◆5番(佐藤郁夫君) 再々質問いたしますが、私は何も市長に対してぎりぎりやろうとか、そういう話で言っているのではございません。この辺でやめますが、当時市長は議長だったと私は認識しております。私があえて、先ほどの一般質問の項目の中で、平成18年第1回臨時会において議決され、これは議決されたものであります。したがって、議長においてもある程度私は責任はあるのではないかと。 それと、言葉じりとか文章じりというのは私は余り好きではないんですが、これは市民に全部出回っています。それから、マニフェストは、選挙のことですから、これは支持者かもしれませんが、あえて申し上げたいのは選挙公報です。これに一字一句違わないで書かれているということを私は申し上げたんです。したがって、「からくりが」という言葉は、私はいかがなものかと。言葉じりをとらえるつもりはありません。 したがって、私は、やっぱり見ようによっては、一体感の醸成どころか非常にかえって騒ぎが大きくなるというような感じに感じましたので、あえて申し上げたつもりでございます。選挙ですから、戦いですから、それはいろいろあると思うんですが、やっぱり決めたことはきっちり守る。議会で議決されたことは議員の総意ですから、賛成、反対両あろうとも、やっぱり決まったことです。したがって、これを尊重していかないと議会の立場もなくなるというふうに私は思いますので、あえて申し上げたつもりでございますので、あとはこの分については答弁は要りませんが、もし見解があればお聞かせ願いたいと思います。実は、先ほどの中身は答弁になっていないと私は思っています。 そこで、関連した質問ですが、いわゆる政策的な見直しはあり得る、それは当たり前のことです。状況も違いますし、したがって、一つの例をとれば水沢総合支所がなくなったということも、当たり前といいますか、それは状況の変化ですから、私は住民ニーズにあったことはやられて結構だと。しかし、事この分については違うと。したがって、持ち込み基金を、簡単に申し上げますが、いわゆる統一してしまうのかしまわないのかということをお聞きしたいと思います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 先ほども一部触れたつもりでございますけれども、合併時の約束はすべて尊重されるべきものというふうなスタンスで対応していきたいということでございます。 ○議長(渡辺忠君) 5番佐藤郁夫君。 ◆5番(佐藤郁夫君) きのうの施政方針の第1点でもお話して、これで2回でございますので、市長見解として承りますので、よろしくお願いしたいと思います。 なお、関連します。ルール外事業についてですが、確かに事業量において差異はあると。これは確かにあります。しかしながら、今度はルール外事業をできるだけ、37%ですので、早目に進めていただきたいと思っておりますが、誤解を生じている部分が私はあるのではないかと。先ほど言いました、ルール内というのは一定の財政規模とか人口規模で持ち込んだわけです。それですから、当然のことながら水沢が多いわけです。 それで、先ほど申し上げました、ルール内では125億円の事業です。江刺は81億3,000万円、前沢30億1,000万円、胆沢55億9,000万円、衣川20億8,000万円、これがいわゆるルール内で、当然のことながら水沢の事業量が多い。それからルール外の分は、持ち込み基金ですから、それを合算しますと、当然のことながら水沢が多いわけです、全体的に見れば。市民レベルから見ればルール内もルール外も関係ないわけですから、そこは余り誤解を生じないようにしておいたほうがいいと思います。 それから、持ち込み基金で、例えば江刺の分を申し上げますが、12億7,200万円、しかし事業に充当するのが7億2,400万円。これはなぜかというと、償還、いわゆる江刺は過疎債を使っていますので100%充当されますが、70%が交付税でみられますし、しかし30%は返していかなければならない、いわゆる償還しなければならないということで、これは各区に共通しますが、5億4,000万円は償還財源で消えるわけです。したがって、事業とすれば7億2,400万円しかできないという仕組みになっていますし、これはいろんな不公平感が生じないようにやってきた内容ですので、大変恐縮ですが私は携わってきましたので、そういうことです。例えば、前沢でいえば3億6,600万円の持ち込みですが、事業充当は2億7,500万円、いわゆる償還に8,700万円を充当すると。したがって、前沢区は2億7,500万円しか事業ができないという内容です。 それから、広域的にいえば、できるだけ臨時交付金、今回の21年の臨時交付金を充当して、できるだけそれを、臨時交付金は100%ですから、それを活用した形で、いわゆる振り分けるといいますか、合併特例債を使わないでそっちを使うと。そうすると合併特例債の分が残るということですから、やっぱりそういうことをしながら、いわゆる広域枠が出てくるわけです。したがって、そういう部分をきちっとやっぱりしておくべきだろうと。 それで、例えば追加事業で、先ほど市長が5項目追加したという話をしていますが、既存計画で追加計画があるわけですが、既存の計画では11項目あるわけですが、例えば白鳥舘の整備事業計画とか、あるいは旧緯度観測所整備活用事業とか、これらこれらいろいろやってきたわけですが、この事業費の割合を見ると、水沢は高い部分です。したがって、広域枠というのは、当然のことながら全体的ですから、中心部といいますか、そこに集まるのも私からすればやむを得ないのかなと。したがって、一概にこっちの事業量が多いとかこっちの事業量が少ないとかということで私はないと思っていましたので、あえて申し上げました。 それで、実は、きちっとした答弁をいただきましたので、これからは各区ごとに事業がどうだとかこうだという、もう4年たちましたから、むしろ5年目ですから、オール奥州ですべて考えていくということが私は重要だと思います。ルール外は当然ルール外として残りますが、財源ですから、これは。したがって、私はそういう考え方でいきたいと思っております。 そこで、1点だけ質問します。ルール外事業のこれからの、ルール内は48.8、50%近くということでございますし、それからルール外は37%ですので10%ぐらい落ちていますが、各区の事情があると思うんですが、私はできるだけ、事業からすれば、前倒しして、できるだけ事業を早く進められたほうがいいというふうに思いますし、幸いにも江刺区はまた、幸か不幸かわかりませんが、過疎の対象になりましたから、むしろ江刺は100%充当ですから、あとほかの事業に回せるわけですから、それらこれら含めて、ルール外事業のこれからの進め方についてお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) まず前段の分ですけれども、全くおっしゃるとおりだと思います。合併したのでありますから、全市が奥州市であります。そういうふうな分では、市全体の均衡ある発展のためにより効率的に、そしてより効果のあるような形の財政投入をしていくべきだと。まさに奥州市一体として発展できる状況を考えていきたいというふうに思いますし、前倒しにつきましては、できるだけ、今の景気状況を考えたときに、少しでも多くの事業を発注するということは景気浮揚にも貢献できるというふうな認識を私も持っておる部分でございますので、これもぜひ、知恵を集めながら、前倒し発注と言えばいいんでしょうか、できるだけ早目の発注を心がけてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(渡辺忠君) 5番佐藤郁夫君。 ◆5番(佐藤郁夫君) 次に、質問大項目2点目の農畜産物ブランドについてお伺いいたします。 奥州市は農業を基幹産業としていることは、施政方針でも明確にされております。農業センサスをもとにした平成18年度の資料、若干古いですが、農業センサスからすれば最新の資料ですので、岩手県の生産農業所得統計による主要農産物産出額の順位で、奥州市は米、肉用牛、ピーマンは第1位、トマトは第2位、リンゴ、キュウリ、リンドウは第3位で、主要農産物全体では一関市に次いで第2位となっております。江刺リンゴ、前沢牛は全国トップクラスのブランドとして確立されております。米は江刺金札米、胆沢米、前沢米、そしてトマト、ピーマン、キュウリの果菜産品、衣川を中心とするリンドウも主要な位置を占めております。このことは、生産者の方々の努力が一番ですが、関係機関一丸となった取り組みの成果だと思っております。 そこで、質問の第1点でございますが、農畜産物のブランド品を確固たるものにするため、ブランド品のPR活動について、どのように取り組んでいくかお伺いいたします。 第2点は、東京事務所を設置して2年目を迎えましたが、その活用経過、今後の活用方策についてお伺いいたします。東京事務所につきましては、施政方針演説の中で、さまざまな意見があり、実績検討や費用対効果などの分析を行い事務所の見直しを考えます、こうありまして、昨日の施政方針に対する質疑の中で、市長は結論的にはさまざまな角度から検討していくとのご答弁でしたが、いつ結論を出すかということについてお伺いいたします。 中項目2点目の新ブランド品の確立ですが、胆沢のピーマン、あるいは江刺金札米は、ある意味では既にブランドともいえる品目だというふうにも思います。江刺リンゴ、前沢牛のように全国に名だたるものにしていくことが、農業所得の向上なり生産意欲の向上からも重要と考えます。また、例えばですが、肉牛でいえば、前沢牛は別格でございますが、JAふるさと管内の奥州牛、JA岩手江刺管内の江刺牛があります。これは生産者、農協等の意向が私は大事だと思いますが、例えばこれを一本化して、一本化になるとなれば奥州牛だと思うんですが、売り出していくということも一つの方策と考えますが、市長の考えをお伺いいたします。 2点目の質問を終わります。
    ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 佐藤郁夫議員、2点目の質問にお答えいたします。農畜産ブランドの関係のご質問であります。 農畜産物ブランドについてでありますが、最初にブランド品のPRについてでありますが、ご承知のとおり、本市は、全国的なブランドとなっている前沢牛、江刺リンゴ江刺金札米を初め、多種多様な農畜産物を有しております。これらのブランド力を保持、拡大するためには、消費者の支持を継続して受けることが必要であり、品質、食味はもとより、安全・安心に関する信頼感を得ることが大変重要であるというふうに認識しております。 現在行なっておりますブランド推進の一つの方法として、江刺リンゴにつきましては、生産者と消費者をつなげるとともに、顔の見える販売による信頼感の獲得を図るため、江刺リンゴを応援するサポーターを募集し、おいしさと安全・安心のPRを通じて、さらなるブランド力を高めるよう努力しているところです。また、前沢牛については、前沢牛協会が中心となり、ホームページや各種広告掲載、岩手前沢牛フェアの開催により一層の銘柄普及に努めているところであります。 このように、ブランド力を維持、拡大するためには、市や農協、関連団体などが、これからの農産物ブランドを首都圏に向けて情報発信や販売促進を行うことがとても大切でありますので、各農協、各協会が中心となり、首都圏での銘柄普及と販売促進を図るために、各フェア、キャンペーンなどを開催し、安全性、おいしさなどについてPRを行っております。 市といたしましても、東京事務所を介してPRなどに協力しているところであります。東京事務所では、昨年11月に策定した奥州市シティープロモーション推進プランに基づき、本庁の担当部や農商工団体などからの要請による、首都圏における農畜産物などの販売促進活動、販路改革活動に事前準備の段階から携わるなど、側面から諸活動を支援しております。昨年11月に世田谷区の用賀商店街で開催した奥州市大物産展や、本年3月に大田区の鵜の木商店街で開催したプチヴェール都内販売会、新宿区新宿郵便局で開催した岩手奥州市江刺フェアなどを開催しているところであり、東京事務所開設により一定の成果と存在感、存在意義が感じられるようになってきております。 しかしながら、現段階において、東京事務所の機能や能力をフルに生かし切れておれず、現段階において東京事務所の機能や能力をフルに生かすためには、さらなる人的な体制の充実や広告宣伝費といった新たな資源の投入も視野に入れる必要があることから、実績の検証や費用対効果などの分析を含めて、東京事務所のあり方について引き続き検討してまいりたいと思いますが、さてその期限はということにつきましては、一応の目安として年内を考えております。 また、販路開拓のためにはトップセールスも重要であると考えますので、さまざまな機会をとらえ、私自身も積極的なPR活動を行います。 次に、新しいブランドの確立方策であります。 さきに挙げました前沢牛、江刺リンゴなどのブランド品は、長期にわたりさまざまな取り組みの成果が全国的な知名度を得るに至ったものであります。本市はこのほかにも、奥州牛、江刺牛、トマト、ピーマン、リンドウなど多種多様な農畜産物を生産しており、どれも自信を持って消費者に届けることができるものであります。市の新たなブランド品になる可能性を大いに備えております。 特にこの部分で、牛等々の部分の一体化を図るべきではないかという部分については、これについては両農協とも十分な協議をしながら、生産ベースのグロスが大きくなるということは、これは販売する側にとっては非常にメリットでありますし、販売力の強化にもつながるという意味合いから、丁寧な協議をしていくための努力をしてまいりたいというふうに考えます。 しかしながら、新たなブランド品として確立するためには、品質、食味も重要でありますが、奥州市全体としての産地形成、今の部分であります、が必要であるので、ここの分については特に努力してまいりたいと思います。技術指導や販売の促進である2つの農協、生産者、これが一丸となっていくように、さらに市としての役割を務めてまいりたいというふうに考えます。 既存ブランド品にも関連いたしますが、品評会等で優秀な成績をおさめるとか、一流の料理人、料理店などに食材として認めてもらうなど話題づくりなども、これは販売拡大には重要であると思いますので、この分の情報発信についても積極的な取り組みを行ってまいりたい、このように考えております。 以上であります。 ○議長(渡辺忠君) 5番佐藤郁夫君。 ◆5番(佐藤郁夫君) まず第1点は、いわゆるブランド品のPRのことですが、これは農協さんとか、あるいは場合によっては商工団体も含めてということになろうかと思いますが、やっぱりかなり、一言で言えば打って出るということの気概がなければ、なかなかこれは難しいと思います。他に負けられないという、いわゆる気概、そのことがなければならないと思っております。そうなりますと、実は、いきおいお金もかかるわけです。お金もかかるわけですが、ある程度、財源は限られますが、ある程度お金をかけながら強化をしていくべきだろうと。前沢牛とか江刺リンゴは心配ないということでないわけですから、さらに販路拡大していく、そういう部分で、今の答弁の中ではおおむねあれだったんですが、今こういうことをやっているというのはわかりましたが、これからさらに創意工夫をしていろんな面でやっていくべきだろうというのが第1点です。 それから、新ブランドというのは実はなかなか難しいのですが、私は、例えば胆沢ピーマン、それは胆沢ピーマンは胆沢ピーマンでいいわけですし、リンドウは安代のリンドウとか衣川のリンドウとか、いろいろブランドで特色も出していかなければならないと思いますが、私は一番米、米はこのくらい恵まれた地域で、例えば私は江刺の分しか余りよくわかりませんが、特別栽培米で、いわゆる減農薬も含めて、全部です。ただ、残念ながら20万俵前後ということで、しかし15年連続特Aランクです、冷害の年を除いては。15年連続じゃない、15回といいますか。したがって、これを利用しない手はないということがなかなか、今までもだったんですが、絶対うまいわけですから、消費者がうまいわけですから、じゃ、なぜ魚沼、魚沼はまだ何ぼしても5,000円ぐらい高いですから、そこのところ、やっぱり江刺金札米を、胆沢が江刺金札米にはなかなかなれないと思いますから、ロットの部分で勝負していくと。いわゆる量の部分。これは卸と、今はもう相対の取引ですから、農協さん、あるいは全農さんと一緒になるということなんですが、前は単独上場すべきだというふうに私も思ったんですが、そこまでなかなか今いけないようですので、状況が違いますから。ただ、江刺金札米江刺金札米で、20万俵を打って出ると。それから、さて、ロットとすれば絶対胆沢米も私は江刺金札米並みといいますか、それ以上かもしれませんので、このロットを十分活用すべきだと思っておりますので、ひとつその面の考え方をお願いしたいと思います。 3点目、東京事務所です。東京事務所は私の希望だけ申し上げますが、今申し上げました部分について、やっぱり1年で結論を出したい、年内に結論を出したいということですが、農直産物ばかりではなくて、いろんな面でこれは効果があると思います、私は。ロケ誘致にしろ、あるいは観光物産にしろ、あるいはいろんな面で、例えば空き家バンクなんかもいろんな面で利用できると思いますので、その辺はどんなもんかをお聞かせ願いたいと思います。 以上、3点でございます。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) まず、1点目のところは、まさにそのとおりであります。待ちの姿勢ではものは売れないという時代であります。よりいいものをつくり、そして安全なもの、そして積極的に市場に打って出るというふうな体制は、さらに力を入れて、まさに議員のお言葉をお借りするとすれば、攻撃的に、積極的に対応していきたいというふうに考えております。 また、2点目の米の件につきましてでありますが、奥州牛というか、牛肉のことでもお話しいたしましたが、これも農協さん等々関係する方々と十分に協議しながら、さまざまな問題というか、課題はあろうと思いますけれども、みんながよくなる方向で結束できないかというふうな、まさに奥州市のスケールメリットを生かせるような、そういうふうな形で農業の振興を図っていきたいというふうに考えているところでございますので、しっかりこれも対応してまいりたいと思います。 最後の東京事務所の件であります。シティープロモーションというふうな発想自体は、決して間違っているものではないと思いますが、なかなかその部分において十分な効果が発揮できていないというふうに私は感じております。しかしながら、実績が上がっているというのは、事務所にいる職員たちの中の大きな頑張りによってであろうというふうに認識しているところであります。今のお話についても十分理解できるところがございます。かけた費用に対してどの程度の効果を見込めるか、ないしは、担当者がかわっても、引き続き奥州市としての機能を東京事務所としての機能を果たせる状況を構築できるのかどうかというふうな部分も、今後の存続にかかわる、ないしはこれからの部分にかかわる大きな検証の視点であろうというふうに思っております。是であるか非であるかではなく、何をもって重要であるかというふうな、マイナスではなく、あるべき姿を中心にとって、重要であるというふうなところを一つの基準として、この判断はしてまいりたいというふうに思っております。 ○議長(渡辺忠君) 5番佐藤郁夫君。 ◆5番(佐藤郁夫君) 1点目に少し声を張り上げ過ぎましたので、だんだん疲れてきましたので少し低くなりますが、聞こえる程度にはやりますので。 それでは、質問大項目3点目、中山間地域等直接支払制度についてお伺いいたします。 この制度は、平成12年度から16年度まで第1期、第2期は平成17年度から始まり、21年度で10年間の取り組みが終わります。平成22年度からは第3期、いわゆる今年度から第3期がスタートいたします。第2期最終年度の21年度で、協定数241、交付額は奥州市全体で10億1,100万円に上っており、各集落の工夫によりさまざまな取り組みがなされ、私は多大な効果があったと認識しているところであります。そこで、1期、2期対策の市としての総括及び課題について伺います。特に、この制度により集落営農にも結びついたと思いますが、その効果についても伺います。 第2点は、平成22年度から新制度がスタートいたしまして、集落によっては既に取り組みが進められているところもあるようでございます。市が4分の1の財政負担はありますが、市としての第3期に取り組む基本姿勢についてお伺いいたします。また、1期、2期の取り組みで、モデル集落的な集落もあると思います。農業者の担い手不足、高齢化による厳しい状態にあって、やっぱり私はこの制度を活用することで農業振興なり地域活性化につながるものと思っておりますので、市の推進体制についてお伺いいたします。 3点目の質問を終わります。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 佐藤郁夫議員の3件目の質問にお答えいたします。 中山間地域等直接払制度についてのご質問であります。 この制度は、中山間地域などにおける平場との農業生産条件の不利補正策として平成12年度から実施されてきております。平成17年度から21年度までは第2期対策として実施してきております。中山間地域は、耕作条件の悪さや、高齢化の進行に加えて担い手の不足、就業機会の悪条件、生活環境整備のおくれなどを解消するため、担い手の育成により、農業生産活動を通じて中山間地域などにおける耕作放棄地の発生防止などを目的に、中山間地域の農地耕作をしている農家や生産組織に交付金を直接支払い、健全な農地、農村を守っていこうとするものであります。この事業により、担い手の育成とあわせ、農業生産活動が継続され、農地の保全等に大きな成果を上げております。 1期対策、これは平成12年から平成16年でありますけれども、1期対策におきましては、集落協定を契機に、協定農地の適正な保全管理を主に取り組みをしてきました。取り組みは、実践するものの将来に向けて継続する見通しは描けていない状況にありました。そのため、第2期対策、これは17年度から21年度でありますが、集落の自立的な発展を図るため、集落の将来ビジョンの明確化と持続的な農業生産活動の実践を実現するため、集落マスタープランを作成し、中期的な集落将来像を明確化するとともに、その将来像に向けて集落が取り組む活動内容とスケジュールを明らかにすることにより、中山間地域の振興、地域住民活動を通じた農地・水保全強化、人材の育成、そして農業生産基盤と生活環境施設の一体的な整備、または農業機械や施設の共同利用、共同作業化、担い手の育成など、地域の特性を生かした農業振興及び地域活性化が図られてきたものと考えております。 なお、1期対策の実績につきましては、協定集落数314、うち集落協定が304、個別協定が10、対象農用地の面積については6,044ヘクタール、交付金額10億7,900万円となっており、第2期対策の実績につきましては、協定集落数が241、うち集落協定が232、個別協定が9、対象農用地面積は5,088ヘクタール、交付金が約10億1,000万円となっております。 続きまして、第3期対策であります。これは平成22年度から26年度でございますが、このことについてご説明いたします。 2期対策での見直しにより、集落の将来像を明確化することにより、適切な農業生産活動などが継続され、耕作放棄地の発生防止、多面的機能の確保が図られてまいりましたが、平場に比べ高齢化の進行が著しく、今後ともその進行が不可避であります。このままでは、将来における農業生産活動が困難と考える高齢農家の多くが集落協定から離脱することが懸念されております。 そのため、第3期対策におきましては、高齢農家も安心して本制度に取り組めるよう、高齢化の進行にも十分に配慮した仕組みの見直しを行い、取り組み面積の維持拡大を目指すとともに、中山間地域などにおける多面的な機能の維持増進を一層図ることにしております。高齢化に対応した対策としては、新たな集団サポート型事業におきまして、これまでの自発的な集落機能の発揮に依存するだけではなく、協定参加者全員の役割分担を明確化することなどにより集団的なサポート体制を構築し、高齢者でも安心して集落協定に参加できるような仕組みをあらかじめ取り決めるものとなっております。 2期対策では、集落の話し合いによりビジョンを定め進めてきましたが、例えば江刺区米里地区の鳴瀬振興組合集落では、タラノメの栽培はもちろんのこと、地区内にある2つの小学校と連携し、イワナやヤマメの稚魚の放流にも取り組まれております。特にも、産直においては、加工施設を整備し、焼きおにぎりやギョウザなどの地場産の農産物の加工販売を行い、また活用されていなかったクリや山菜にも着目し、市内の産直や金ケ崎、盛岡の店舗に供給するなど、生産者の意欲向上につながる積極的な活動を展開されております。 この集落のように、集落が一体となり、集落が目指すべき将来像を定め、その実現に向け取り組む集落も数多くありますので、第3期対策の推進につきましても、今制度の趣旨にのっとり、自立的な農業生産活動の体制整備に向けた前向きな取り組みを積極的に支援してまいりたい、このように考えているところでございます。 ○議長(渡辺忠君) 5番佐藤郁夫君。 ◆5番(佐藤郁夫君) 持ち時間、あと10分でございますので、2点だけ質問して終わりにしたいと思います。 先ほどの答弁の中で、いわゆる第1期と第2期の中で、私もちょっと気づきませんでしたが、面積、あるいは金額で6,000万円ぐらい落ちているのかなと。恐らく、農地が減ったり、あるいはなかなか取り組めないということだろうと思いますが、いずれにいたしましても、10億1,000万円、お金だけの話ではございませんが、先ほど言ったことで非常に私は効果があると思っております。例えば鳴瀬の生産振興組合、非常に先進的な取り組みがなされているということで、既になされてはおりますが、やっぱりそういうモデル集落といいますか、それぞれの型があるわけですから、いきなり一気に全部同じことをやるというのは、これは難しい話ですが、できるだけモデル集落、それぞれにあったモデル集落をモデルにした推進体制を図っていくべきだというふうに思いますので、その点について、推進体制についてお伺いいたします。 加えて、今度一番ネックになってきたのは、5年間、実は、入ってもいいけれどももつべかと、いわゆる高齢者の方々とか、そうするとみんなに迷惑をかけると、だからとっても入れないというのが実はあるんですが、みんなでカバーするというやつでC型、これが制度としてできましたから、この2つを積極的にPRと言わないんですが、推進するということをやっていけば非常にいいのではないかと思いますので、市の推進体制と決意についてお伺いしたいと思います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) まさにそのとおりであります。モデルといってもたった一つのモデルで、全然そぐわない部分の地域にそのモデルを提示して、さあ、やりなさいと言っても、それはなかなか大変なことでありますので、この分については全国、ないしはさまざまな形の情報収集しながら、モデルケースというふうなさまざまな事例を提案し、この中でこういうふうな取り組みをしたらいかがでしょうかと、より具体性のあるご指導ないしはサポートができるような体制を整えていくべきであろうというふうに考えております。その意味におきましても、まさに積極的にこの部分は進めてまいりたいと思いますし、奥州市の元気はまさに農業を中心とする元気により発信していきたいということは、私が常々申し上げているところでございますので、このことについてしっかりと取り組むよう、担当部局をあげてしっかりと推進してまいりたい、このように考えてございます。 ◆5番(佐藤郁夫君) 丁寧なご答弁を賜りまして、ありがとうございました。以上で私の質問を終わります。 ○議長(渡辺忠君) 11時15分まで休憩いたします。               午前10時56分 休憩---------------------------------------               午前11時15分 再開 ○議長(渡辺忠君) 再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を行ないます。次に、31番佐藤克夫君。     〔31番佐藤克夫君質問席へ移動〕 ◆31番(佐藤克夫君) 通告の順に従い、市長並びに教育委員長に、自立する地域自治の推進、それから地域福祉計画、それに中学生の学力向上対策等について質問いたします。 まず最初に、自立する地域自治の推進について、小沢市長がマニフェストの真っ先に掲げた自立する地域自治の推進構想、これについて、5年目を迎えた奥州市の現状と課題を踏まえながら、きのうもお話ございましたが、市民協働によるまちづくり、この具体像について重ねて市長の所感をお伺いいたします。 奥州市民が、一層の一体感醸成を課題とし地域自治を充実していく上で、市民参画、協働、コミュニティー活動、三位一体が進められることが課題となっていますが、市長が政策のトップに掲げた、この自立する地域自治構想、市民とどのような協働を通してその構想が推進されるかについてお伺いするものです。 具体的に進める中で、自治会、町内会のほかの団体との連携、あるいは自治会、町内会と地区センター、地域協議会等との連携上、どのようなことを課題としているかについてもお伺いします。 まず、他の団体との連携を見越した地区センターの組織が、特に専門部としての位置づけがどのようになっているかについて、地区センターによりいろいろな特色があると思いますが、幾つかの例を紹介いただければ幸いだと。うまく連携しているところの例を紹介していただければというように思います。 都市部の中には、自治会の意見イコール地域住民の意見といえない地域が出てきているようです。それは、自治会加入率の低い地域、それと、子供会、老人クラブ、あるいは民生児童委員、体育協会、消防、そのほか健全育成団体等の団体活動が大変盛んになってきて、どちらかといえばお祭りと運動会中心、自治会、町内会よりも団体活動のほうが活発になってきているというような、多様化する住民要望にこたえる地区センターの組織、あるいはリーダー養成というふうなものが課題になっていると思われます。小沢市長が施政方針の中で施政の重点として自立する地域自治の推進を、身近な、今申し上げました自治会、町内会、それと各団体との連携、具体的にどのような協働の形でこれを推進するかということが課題になっているか。あくまでも市民の願いは人をつなぐ交流、地域をつなぎ、身近な支え合いの体制をつくるということを非常に課題としているわけですが、以上の地域自治の推進、地域自治づくりの方策について、まずお伺いいたします。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。     〔市長小沢昌記君登壇〕 ◎市長(小沢昌記君) 佐藤克夫議員のご質問にお答えいたします。 自立する地域自治の推進についてのご質問であります。 まず、自立する地域自治の具体像について申し上げます。 今般の現状の厳しい財政状況の中にあって、複雑化、多様化した地域課題や市民ニーズのすべてに行政だけで対応することは困難な状況にあり、従来から地域づくりを担っていただいておる地区振興会などの自治組織との協働が不可欠となっている、このように私は認識しております。また、地域の特性を生かした活力ある地域振興を図るためには、地域住民が地域課題をみずからの問題としてとらえていただき、自分たちの地域は自分たちがつくるという意識を持って、主体的に参加し解決していこうというまちづくりへの取り組みが今最も重要である、このように認識しているところであります。 これまでの地区振興会及び地区センターの活動を踏まえ、地域の課題を着実に解決し、住みよい地域をつくっていくためには、どのような仕組みが望ましいのか、市民皆様のご意見をお聞きするとともに、先進的な事例も参考にしながら検討を進め、元気ある地域づくりと地域の自治力を高めてまいりたい、このように考えております。 次に、町内会、自治会などと地区センターとの連携上の課題についてお答えいたします。 住民にとって最も身近な自治組織である自治会、町内会は、防災や環境衛生など、生活に密着したさまざまな地域づくりのための活動を行っていただいております。また地区振興会は、地区センターを拠点として、地区内の自治会、町内会の課題の洗い出し、整理を行い、コミュニティー計画を作成し、それぞれの地域課題の解決に取り組んでいただいております。 地域によっては、自治会、町内会の加入率の低下や組織の弱体化などの課題に対し、地区振興活動として、加入促進のため啓蒙チラシを作成するなど、地区振興会と自治会、町内会が連携した取り組みをしている例も見られますが、一方で、人口規模や地域性などの状況により、地区振興会と自治会、町内会の連携についてさまざまな課題を抱えている地域もあり、また、その解決のための方策も地域によって実情が異なっていることから、一律にはいかないもの、このように認識しております。 市といたしましても、地域活動等の地域づくりに携わるスタッフの意識向上やスキルアップのための研修を実施するなど、地域自治組織を支える人材の育成に努めるとともに、今後とも、自治会、町内会と地区振興会の連携のもとで活力ある地域づくりが推進されるよう強力に推進してまいりたい、このように考えております。 具体的な質問として、成功事例があればご紹介をということでありますが、それぞれの部分でさまざまな成功事例がありますが、例えば佐藤克夫議員の地元では、自治会加入へのお誘いというような形の中で積極的なPR活動を行なっている、このような活動も、まさに先進的で見習うべき事例であろうかというふうに認識しているところであります。 以上であります。 ○議長(渡辺忠君) 31番佐藤克夫君。 ◆31番(佐藤克夫君) 一つだけ再質問させていただきますが、今、最後にお話ありました、地区センター、自治会との連携といいますか、連動といいますか、例えば仮に福祉部というふうなくくりの中で、これを専門部として設けた場合に、各自治会、町内会の福祉部の担当と、さっきも申し上げました、活発に活動している団体の代表というか、それをどういうふうにくくることが望ましいか。例えば民生児童委員、あるいはNPOとかボランティア団体とか、福祉に関係した団体がたくさんあり、しかも活発に活動している団体がございます。それで、これを地区センターの福祉部というのを各自治会の福祉部長だけ、極端に言えば、だけを集めて福祉部を組織するということになると、地域の福祉活動の実態と余りあわない、むしろもっと活発に活動している団体活動のほうが際立ったりしまして、必ずしも各行政区の福祉部長だけ集めての福祉部というのはいかがなものかという声なども出ているようですが、どこか、1カ所でもいいんですけれども、奥州市内で、こういう工夫をして団体との連携をとって、極めて地域の福祉活動が軌道に乗りつつあるというふうな例があれば、一つでもいいからご紹介いただければというふうに思います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 今の分で、具体の分のところ、ちょっと現状で持ち合わせていないので、さまざまなデータがございますので、後ほどお知らせいたしたいというふうに考えます。 ただ、今ご指摘のとおり、問題があろうというふうな部分はわかります。エリアとしてのくくり、地域としてのくくり、これは例えば各町内会、自治会というふうな縦割りのくくりというふうな分と、団体といえば横割りのくくりというふうな位置づけ、この縦と横がどこの時点で合致して協力体制がとれるのかというのは、その地域地域、地区地区によっていろんな個性があろうと思います。まずは、情報を共有し合うというふうな分のところで、連合会、情報交換というふうな集まりの中で、何をするというのではなく、お互いのやり合っていることを認識し合うというふうなあたりから進めていくのが、最もオーソドックスな進め方なのかなというふうには考えておりますが、そのことも含めて、いずれ、先ほどご答弁申し上げましたとおり、地域自治、まさにみずからがまちづくりに参加していただくための組織、それを支援して醸成していきたいという立場から、さらにいろんな検討を加えながら、ご指導できる部分、アドバイスできる分を具体としてご提案していけるような状況を整えてまいりたい、このように考えております。 ○議長(渡辺忠君) 31番佐藤克夫君。 ◆31番(佐藤克夫君) ありがとうございました。 今のお話と関連があると思いますが、質問の項目としては改めて質問させていただきますが、地域福祉計画の作成の進捗状況についてお伺いするものです。 奥州市民が、だれもが安全で生き生きと暮らせる安心福祉の町を願っていることは、言うまでもありません。そういう面で、地域福祉計画の仕上がりを市民は待ち望んでいるといえます。現実に、少子高齢化の波が全市を覆い、地域福祉の課題としては、近隣のつながり、世代間のつながりというものが希薄になりつつある中で、世代を超えた連帯、連携が、その具体像が求められているといえますが、地域福祉の具体的な課題とされています子育て支援、高齢者及び障がい者の地域生活の支援、あるいは児童育成活動などなど挙げられますが、奥州市の合併前に地域福祉計画ができ、既に実践に移されていた地区もあったというふうに聞いていますが、ことしの早々でしたか、市の社会福祉協議会から地域福祉活動計画の骨子の部分についての地区説明会がありました。説明会に集まった市民の中には、もう地域福祉計画の案ができたのだなと思って集まった方もあったと思いますが、改めて地域福祉計画作成上の当局の福祉部と社会福祉協議会との連携、連動の状況について、計画作成の進捗状況とあわせてお伺いしたいと思います。 多くの市民が願っている豊かな人生を支える福祉社会の実現ということにかかわる地域福祉計画作成、具体的な作業の進め方の計画、構想についてお伺いするものです。 まずは、作業部会、いろんな形で設けられていると思いますが、市民アンケートのとり方とか、あるいは各地区の各層との懇談会の開催、これらについて、どのように持つかの検討が進められていると思いますが、特に子育て中の父母、あるいは障がいを持つ人々の家族とか、あるいは高齢者、民生委員、地区センター福祉部の代表、NPO等の団体がありますが、これらの丁寧な懇談会と分担を重ね、協議する中でそれぞれ具体的に福祉の課題の把握、これを明確にしながら、課題解決のための計画、いわゆるこれが福祉計画、あるいは活動計画ということになると思いますが、地域福祉計画作成に当たって、今申し上げました住民参加を丁寧に進める、いわゆる住民の住民による住民のための地域活動というふうなことがそれぞれの地域を整備し、自治会、町内会、地区センターとの連動、協働のもとに進められることによって、みんなの幸せをつなぐ福祉のまちづくりの計画が進められると思いますが、この点について、現在までの福祉計画作成に当たってかなりの時間を検討されているわけですが、少し具体的な進捗の状況と今後の進め方について、あるいは、福祉計画案がいつごろ仕上がるのかということについても、今申し上げた作業部会の進め方とあわせて概略をお伺いいたします。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 佐藤克夫議員2件目のご質問にお答えいたします。 地域福祉計画関係であります。 まず、1点目の地域福祉計画作成の進捗状況でありますが、市が策定する地域福祉計画と、社会福祉協議会が策定する地域福祉活動計画は、相互に連携を図りながら地域福祉の推進を目指す計画であります。当初の予定では同時の策定を目指しておりますが、しかしながら、地域福祉計画については作業が大幅におくれており、地域福祉活動計画が先行した形になっております。地域福祉計画につきましては、平成23年3月、要するに今年度末を目途に作業を進めているところであります。 それから、市民へのアンケート、作業部会をどのように進めるかについてであります。 地域福祉計画策定の具体的なスケジュールとして、6月9日に地域福祉計画策定委員会を開催し基本方針を決定していただき、ワーキンググループを7月に設置し、計画の策定及び検討に必要な調査、企画、資料の作成を進める予定です。ワーキンググループは、市の関係職員、社会福祉協議会、公募の方々で構成したい、このように考えております。その後、平成22年12月までには原案を作成し、パブリックコメントを募集し、平成23年3月には地域福祉計画を決定したい、このように考えております。 なお、アンケートなどの実施、要するに市民の皆さんのご意向をさらに丁寧にお取りする方途については、今後十分に検討してまいりたいというふうに思います。 もし具体の質問がありましたら、不足であれば、再質問にてお聞きいただければお答えさせていただきます。 ○議長(渡辺忠君) 31番佐藤克夫君。 ◆31番(佐藤克夫君) ありがとうございました。 次に、教育委員会に、中学生の学力向上対策をめぐって質問させていただきます。 最初に、中学校の学力の状況については、昨年までの学力テストの結果の活用状況も含めて、学力向上対策が効果を上げつつあると思うんですが、あるいは、上がっていないとすれば、何が学力向上を阻害しているというか、問題になっているか、その現状についてお伺いする。 というのは、行政方針を毎年お聞きしていて、真っ先に子供たちの学力の向上を掲げておられるわけですけれども、こういう形で成果が上がってきた、あるいは、少人数学級が効果を上げているんだったら、小規模校の学校等々は効果が上がっているはずなんだけれども、そういうところの実態等々について説明されることがないんで、一生懸命最大課題としてやっているということだけが耳に入るもんですから、もう少し、こういう面では変わってきて上がってきているよと、効果を上げているよというふうな、具体的な現状にも触れていただければというふうに思います。 奥州市の中学校の学力を何も日本で上位に上げようとか、岩手県でトップにしようとかということを提言しているわけではございませんが、そんなに点数にこだわっているわけではないですが、重点課題として取り組んでいるなら、その成果というか、成果と問題点、どうしても超えられない障害等があるならばということでお話をしたわけでございます。 日本の子供たちの学力が、国際学力到達度調査などでも低下の一途をたどっているというふうな情報、資源に乏しい日本の未来に向けてゆゆしき問題だということが識者によって大分報じられているが、学力向上がどうしてもほかの県においても優先課題にして取り組んでいるところが多い実情にあり、当市においてもそのように進めてきてはいるわけです。 奥州市において教育行政の第一に学力向上と、昨年も説明がありましたし、今年度も市の説明がありましたような立派な方針を立てておられますが、今申し上げましたように、部分的にせよ、このように変わってきているということ、佐藤教育長は市内の学校の事情にも精通しておりますし、もちろん県内についてもいろいろ事情の詳しい方でございますが、改めて中学校の学力の問題をどのようにとらえ、あるいは向上対策として、きのうも説明がありましたが、特に結果の活用等々についてのご所見をいただければというふうに思います。 同じ関連の中で、2番に学習支援員、正式な名前がちょっとあれですが、学習支援員とサポート拡充についての状況をお伺いいたします。 これは岩手県の教育委員会の施策の中で特に注目されているというか、注目しているのが、この小・中学校の学習を補助する学校生活サポート事業でしたか、これを拡充するという報道がなされていますが、奥州市内ではどのような小・中学校への配置、このサポート推進員なるものが拡充されてきているか、充実しているかについてお伺いをするものです。 教科指導の面で1クラスに2人の指導員によって授業をするという、参観の機会を何度かありましたんですが、1人の授業よりはるかに効率が上がることは言うまでもないことなんで、大変すばらしい事業だというふうに思うんですが、そういう面では学習指導の定着面といいますか、支援員というのは、より課題が中学校にあるということであれば、中学校に多く配置されたらというふうに思うのですが、学習支援員の管内の配置の状況、あるいは今後の拡充についての教育長のご所見をお伺いするものです。 最後に、中1ギャップの克服策についてというふうに質問させていただきますが、中1ギャップを解消するために各中学校が取り組んでおられますし、これについても全地域で取り組んでいるということですから、いろいろ実践例なども出てきているのではないかというふうに思います。 毎年、4月となりますと今から2カ月前ですが、中学校に入学した子供たち、勉強も部活も生徒会も頑張るぞという、目を輝かせて入学して、この春入った子供たちも2カ月たったわけです。ところが、現実にこの6月、中間テスト、あるいは間もなくやってくる期末テスト、テストが重なることによって、中には学力の自信がなくなったり、勉強に興味がなくなったり、目の輝きが少し失いかかってきている生徒が、ちょうど今ごろ出てきている学校もあるのではなかろうかと。中には、授業についていけない生徒、学校を休むようになったり、あるいは不登校の始まりというふうなことを含めて、いわゆる中1ギャップということで大変現場では重点的に取り組まれているということのようですが、中学1年の夏休み前後に始まるこうした例がよく言われることですが、中1ギャップの克服のチャンスというのは、中学1年生の夏休み前後とも言われています。 数年前だったと思いますが、水沢地区では、南小、南中を中心に、中1ギャップ克服の研究指定、そしてその成果の発表もございました。大変成果を上げて期待を申し上げているところですが、その後、指定はやめて各学校で取り組むとかというふうなことで、ちょっとその後の経過はわかりませんが、それを引き継いで水沢では取り組んでおられるんではないかというふうに思いますが、それぞれギャップが起きないように、学級担任を中心として、各学校の相談員とか、それぞれの役割をもって取り組んでいるというふうに思いますが、中1ギャップ克服の実践例といいますか、教育長の耳に入っていることで結構でございますが、中1ギャップ克服の現状と今後の指導の方策について、教育長の所見をお伺いする。 以上で壇上からの質問を終わります。 ○議長(渡辺忠君) 千葉教育委員長。     〔教育委員長千葉啓一君登壇〕 ◎教育委員長(千葉啓一君) 佐藤克夫議員の中学校の学力向上対策についてのご質問にお答えいたします。 中学生を対象とした学力テストとしては、全国学力学習状況調査、岩手県学習定着度状況調査、標準学力検査が行われております。これらの調査により、奥州市の中学生は数学、理科、英語で県の平均を下回る状況が見られ、そこが課題でございます。 対応策といたしましては、全国及び県の調査結果につきましては、指導主事が結果を分析して作成したリーフレットを配布するとともに、校長会議において課題に対応した指導のあり方を検討しております。標準学力検査結果の活用につきましては、教育研究所の学力向上推進委員会が作成した授業改善のポイント集を参考にして、各学校で重点的な指導が行われております。さらに、各学校に配布している教育指導の要点、その中に教育課程改善、正確な実態把握、指導過程及び指導方法改善、校内研究充実の視点を具体的に示し、取り組みの推進における共通理解を図っております。 研修事業といたしましては、大学との連携による授業力アップ研修会を、国語、数学、英語について、それぞれ年2回実施し、教科指導の向上を図っております。 なお、平成22年度より県教育委員会から3カ年の研究指定を受けた前沢小学校と前沢中学校につきましては、算数・数学のカリキュラム開発と授業交流を中心とした、小中一貫の教育の研究を開始しております。 続きまして、中学校への学習支援員配置などのサポート体制についてお答えいたします。 指導体制の強化につきましては、学校のさまざまな課題に対応する講師等の配置により、サポート体制の拡充を進めております。まず、少人数指導の充実のために、少人数指導加配教員が学校規模に応じて1名から3名、合計19名配置されております。また、通常の学級定数で1学級35人を超える東水沢中学校と水沢南中学校には小集団対応非常勤講師を各1名配置するとともに、県の学校生活サポート非常勤講師配置事業により6校に9名の講師を配置し、学習面及び生活面の支援に当たっております。さらに、児童・生徒支援加配員を3校に配置するなど、学校の実態に応じた人的配置により、教師が生徒一人一人にきめ細かな対応が行なえるよう指導体制の充実を図っております。 続きましては、中1ギャップの対策についてお答えいたします。 小学校での学力検査等に見られる良好な結果を中学校に円滑につなげる一つの手だてとして、同一中学校に入学する複数小学校の6年生が集まって学習する「とも学びプラン」を実施しております。昨年度に実施された例としましては、同じ中学校区内で小学校の6年生が、7月と2月に合わせて3日間の合同学習を実施しました。7月は、小学校を会場にして国語、算数、水泳の授業等集団活動を行い、卒業を控えた2月には、中学校を会場に授業参観や英語の合同授業、クラブ見学などを行いました。多人数での授業を経験し、事前に同級生と交流したことにより、中1となった現在、この学校では不登校や不適応のない明るい雰囲気で学習が行われております。各中学校区においても、実情に応じた同様の取り組みが実施されております。 また、各小・中学校では拡大校内研究会を実施し、小・中学校教員の交流を促進し、指導方法や指導内容の相互理解を図る取り組みを始めております。 なお、教育委員会といたしましても、さきに述べました前沢小学校と前沢中学校で行われている小中一貫教育の考え方と実践の成果をもとにして、今後の小・中連携のあり方をさらに検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(渡辺忠君) 31番佐藤克夫君。 ◆31番(佐藤克夫君) ありがとうございました。 3点にわたって補足質問をお願いしたいと思いますが、学力向上も教育委員会を挙げて重点として取り組んできているということはお聞きしたわけですが、私は何らかの形で頑張って成果を上げている例を、学校名とか順位ということではないんだが、実は、少人数だけれども、ある学校はこういうふうな成果を上げて、今回の学力テストではこうだったというふうな、何か、頑張って成果を上げている例を少し発表していただくことが、結果の活用ということになるんじゃないかと。弱点のようなことだけ指摘して、教師の指導力みたいなことに追い込んでいくというようなことでは、なかなか意気が上がらないんではないかなという感じがしますが、頑張っている例は挙げられないかということが1点。 それから、支援加配員の実践を取り入れてやっているということですが、さっきから申し上げている、中学校に課題があると、学力差がつく課題があると。特に1年生、2年生のことだと思うんですが。だったら、これは小学校よりも中学校のほうに加配を多くして、そこにかかわったらいいのでないかと。それから、支援員の採用といいますか、これは教育長の裁量なのか、それとも奥州市内には15名なら15名、3名なら3名というふうな、決まっているのか、もし教育委員会に裁量があるとしたら、いろいろ工夫のようがあるんでなかろうかというふうに思います。これが2点目。 それから、3点目、学力にかかわってですが、ゆとりの教育からの脱却ということが、そういう言葉ではよく言われますが、それぞれの学校、地域で、特に子供を持つ親に対して、ゆとりから脱却して教育課程の具体的なあれはこういうふうに変わるというふうな説明はどうなっているのか。ちょうど今の30代といいますと、子供を持つ親たちはゆとりの教育をもろに受けて育った方々で、脱却とか何とかと抽象的に言われても、よく子育てのそうしたあれについてわからないのでないかと思われる部分もあるんですが、PTA活動等々とも関連しますけれども、ゆとり教育の見直しをどういうふうに父母に徹底しているか、以上3点お願いします。 ○議長(渡辺忠君) 佐藤教育長。 ◎教育長(佐藤孝守君) 3点についてご質問がございました。 今までの学力向上対策の取り組み、どのような成果を上げているのかという例があったらという話がございました。全体的な話をいたしますと、今までずっと取り組んできたさまざまなことがあるわけですけれども、少しずつ上昇傾向にはあるというふうにはとらえております。ただ、目に見えて何ポイントも上がったという形ではございません。1ポイントとか2ポイントとかという範囲で上昇はしている。 取り組みの成果が顕著に見えるような例はというふうな話だと思いますけれども、例えば、中学校で学力がなかなか上がらない要因は一体何なのかといったふうなことを考えたときに、大きく4点あると思います。 1つは、小学校から中学校への授業、いわゆる担任制の授業から教科担任制、この辺のスムーズな移行がなかなか難しいというふうなところが1つ。 それから、小学校は学級担任制ですので、非常にきめ細かな対応とフォローを行っているわけですけれども、それが中学校になった場合には教科担任制ですから、その部分での弱さといったふうなところ。 それから3点目が家庭学習、これはよく言われていることですけれども、家庭学習の内容といいますか、させ方、これについても大きな課題なのかなと。 もう一つは、評価問題があるのかなというふうに思っております。各単元を終わるごとに学校ではテスト、いわゆる評価のテストをやるわけですけれども、そのテストの中身が、いわゆる今日的な形での内容、いわゆる活用を調べる内容といったふうな形で十分に作成されていない、そういうふうな部分があるのかなというふうなことを感じております。小学校の場合は市販テストが主ですので、それについては大分加味されておりますけれども、中学校の場合には自作テストと、それから持続テストという市販テスト、この両方を使っておりますので、その辺の回数を含めて、ちょっと弱さがあるのかなというふうなとらえをしております。 そこで、1番目の小学校から中学校へのスムーズな授業の移行にかかわっては、先ほど委員長が申し上げましたとおり、小中一貫、これの研究を大いに期待しているというところでございます。内容としては、小中一貫のカリキュラム、いわゆるどんなことを教えるかというふうな、つなぎを持ったカリキュラム、それからあと小・中の授業の交流、小学校の授業に中学校の先生が行って授業したり、中学校の授業に小学校の先生が行って授業したりといった交流、それから小学校においても教科担任制を取り入れてみるといったふうなことをやろうとしておりますので、これの成果はやはり生かしながら、また研究しながら広めていきたいというふうな考えを持っております。 もう一つは、きめ細かさとフォローの部分については、これは中学校の先生方の意識について大分お話もしておりますが、あわせて中学校でも長期休業中の補充指導とか放課後における補充指導等やっておりますので、それについてさらに充実していくというふうなことが大事なのかなと思っております。 さらに、家庭学習について、これは、さまざまな調査をしますと、どうも奥州市内の子供たちの家庭学習は若干少な目だというふうな結果が出ております。これについてはさまざまな要因があるわけですけれども、これも子供たちの意識啓発と同時に、宿題と言われるような強制的な家庭学習についても若干取り入れるなど、工夫が必要なのかなと考えているところでございます。 評価問題については、これは教育委員会のほうでも、お互いにテストを持ち寄ってのさまざまな交換会なり情報交換といったふうなことを通しながら、内容については改善を期待できるだろうなというふうに考えております。 いずれにいたしましても、学力の向上、これは永遠の課題にしてはいけない問題でございますので、地道な取り組みと同時に、やはりこのような取り組みをしながら上げる努力をしてまいりたいと思っております。 あわせて、これは短期的な取り組みだというふうに私はとらえております。長期的な部分で、子供たちにかかわる大事な部分はやっぱり授業だろうなと。その授業のあり方について、きのうも若干お話し申し上げましたけれども、勉強、それから指導といったふうな概念から学び合い、育ち合いといったふうな概念規定に変換していくといったふうな取り組みもあわせて行っていきたい。これは校長会議等、さらにさまざまな研修会を通して、周知、それから徹底を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。 例を挙げますと、ある学校では、今話をしたようなことを取り入れながら、かなり計画的にやりまして、1ポイント、2ポイントというふうな段階ではない、3ポイント、4ポイント、5ポイントといったふうな上昇を見られたというふうな学校もございます。そういうふうな事例にならいながら、これも進めてまいりたいなというふうに思っているところでございます。 それから、支援員の拡充についてというふうなお話がございました。これは委員長が答弁したとおり、あのような数になっております。県のほうからの加配等がございますので、一概に小学校の分を中学校にとかというふうな形で移すというふうなことはなかなか難しい部分がございますので、これについては県のほうに、ある意味では中学校に手厚くというふうなことはお願いしてまいりたいというふうに考えてございます。 それから、ゆとりについて、ゆとりの脱却といったふうなことが今回の指導要領改定にかかわって話題になっているが、保護者、PTAの方々について、その意義なり内容といったふうなことについて周知徹底を図っているのかというふうなご質問だというふうに思いますが、これは各学校ともPTAのさまざまな会合とか保護者懇談会等で話題にしているはずでございます。マスコミ等もさまざま情報等流しておりますので、大分周知はされてきているのかなと。 ただ、安易に授業時数がふえるとか、きのうも触れましたが、小学校で英語ができるとか、武道が必修化になったとか、教科書が厚くなったというふうなことではなくて、今までのさまざまな状況を勘案したときに、子供たちの実態を踏まえてこのような形に変化してきたというふうなとらえをしながら、これについては、各学校長会議等を通しながら、さらに保護者等へ周知を図るようお願いしてまいりたいというふうに考えているところでございます。 以上です。 ○議長(渡辺忠君) 31番佐藤克夫君。 ◆31番(佐藤克夫君) 12時を過ぎておりますのであと1問だけにしますが、今の最後のお答えの父母や地域の理解についてですが、特にPTAというのが最近の活動がなかなか、やっているんだと思うんですけれども、よくわからないんですけれども、中学生なら中学生に限ってみても、今お話しあったゆとりの理解とか学力向上ということ、あるいは学校と学力と部活との関係とか、あるいは不登校のこととか、たくさん中学生を取り巻く課題というか、問題があるんですが、PTAの皆さん、子供を持つ親たちがそれをどういう形で、かつてであれば学級PTAとか、あるいは地域のPTAなどもあって、非常に子育てについて議論をしながら、子供の学力向上を含めた健全育成について、相当真剣に議論し理解をする場面があったと思うんですが、私がよく見えないからどうかということでありませんが、実態はどのようなPTA研修、PTA活動になっているのか、あるいは、一言で言う、そういうことに対する教育長の指導の方向性等をご指導いただいて、終わりにしたいと思います。 ○議長(渡辺忠君) 佐藤教育長。 ◎教育長(佐藤孝守君) 現時点でのPTA活動についてというふうなご質問でございました。 教育振興運動とかさまざまな活動が行われていた10年前、20年前、そういうふうなときのPTA活動と現在のPTA活動は大分形態が変わってきているというふうにとらえております。 ただ、どの保護者の方々も非常に熱心にPTA活動については取り組んでいただいていると、中学校においてもかなり熱心に取り組んでいただいているというふうに思います。全体のPTA、総会も含めてございますし、あと学級のPTA、学級では、PTAのさまざま集まりを通しながら、子供たちと、生徒たちと一緒になっての活動とかというふうなこともまだ十分にやられておりますので、その辺のところについてはかなり熱心に奥州市内においてはやられているんだろうなというふうなとらえをしております。 事実、親御さんたちのお話をお聞きしますと、余りにもPTA活動が多くて大変だという意見は余りないんですけれども、ただ、要所要所に中学校の場合にはPTAの活動が入っているために、非常に楽しい活動ができているというふうなこととか、あわせて部活動の応援団としての親御さん方の動きといったふうなものも、直接PTAとはかかわりはないんですけれども、間接的にPTA活動と関係してくるというふうにとらえておりますので、そういうふうな意味で、いろんな形で、学校、それから親御さん、保護者の方々の活動がなされているというふうな形でとらえているところでございます。よろしくお願いします。 ◆31番(佐藤克夫君) ありがとうございました。以上で終わります。 ○議長(渡辺忠君) 午後1時10分まで休憩いたします。               午後0時6分 休憩---------------------------------------               午後1時10分 再開 ○議長(渡辺忠君) 再開いたします。 午前に引き続き一般質問を行います。次に、22番及川梅男君。     〔22番及川梅男君質問席へ移動〕 ◆22番(及川梅男君) 22番及川梅男でございます。 私は、さきに通告しておりました1件、畜産行政について小沢市長にお伺いいたします。 今日、我が国の畜産情勢は、とんでもない大事件が発生し、新聞、テレビ等の連日の報道により全国民周知のところであります。日本国畜産の存亡にかかわる危機的状況にあると言っても過言ではないと私は思っているものであります。 さて、我が奥州市の産業は、農業が主幹であり、長年連続特Aという最高の評価を受けている肥沃な土壌に恵まれた水田からの米づくりと、和牛を主とする畜産、リンゴ、野菜が生産される、岩手県を代表する農業生産地であります。今般、小沢市長の施政方針演説で、市農業構築に向かって力強く言明されましたことに、我々も心強く思っているところであります。 そこで、奥州市内の2JAより、平成21年度の農畜産物販売高を文書で報告いただきました。まず初めに、JA岩手ふるさとの実績でありますが、米穀部門は100億557万円、園芸部門は17億254万円、畜産部門は61億602万円、合計178億1,413万円であります。またJA江刺は、米穀部門は32億4,181万円、園芸部門16億1,357万円、畜産部門13億341万円、合計61億5,880万円、2つのJA合計239億7,293万円であります。畜産部門、2JAの合計が74億943万円で、全体の30%であります。それから、奥州市畜産農家戸数及び飼養頭数でありますが、平成22年2月1日現在、繁殖牛1,278戸、頭数6,326頭、肥育牛165戸、7,099頭、乳用牛26戸、1,015頭、肉豚14戸、1万560頭、合計畜産農家1,483戸で、2万5,000頭いることになります。特に前沢区では、水田地帯でありながら、畜産販売高が、わずかではありますが、米販売額より上回っていることが特徴的であると思います。 しかしながら、米価も、牛肉等の価格も、長引く不況等による影響もあってか、価格も下落する一方であります。 そのような折、家畜の伝染病の一つ、口蹄疫が発生したのでありますからたまりません。口蹄疫とは、偶蹄目と言われる豚、牛、ヤギ、羊、シカと、ひづめが2つに割れている動物に罹患し、患畜の口の中、ひづめのつけ根等、皮膚の柔らかい部位にできた水泡が破裂して傷口になることが、この病名の由来と言われております。感染力が強く病獣の致死率が高いため、家畜の経済的被害も甚大であり、一度本病の発生を許すと、畜産業のみならず、一国の経済に及ぼす被害もまた甚大であるので、そのため国際的に最重要家畜伝染病とされております。制圧と感染拡大防止が図られておるのが実態であります。 我が国は口蹄疫の清浄国でありましたが、平成12年、92年ぶりに発生いたしました。今回は感染の規模が余りにも違いすぎます。それに、10年前と今回、両方とも宮崎県であること、そして10年前の発生源は輸入わらによる発生の原因と言われたのに、今回は原因が明らかにされず、しかも終息の兆しが見られず拡大するばかりでありますので、畜産農家の不安の増大と不安材料が多過ぎるのではないでしょうか。口蹄疫については清浄国であった我が国が、大きな過ちを犯したのではないでしょうか。それは、日本の社会制度上、規制緩和をどんどん進め、輸入自由化の窓口を限りなく開放し、稲わらまでも輸入しなければならない状況に陥れ、その反面、空港や港での検閲、貿易体制の不備を今回大きく暴露した国の政策の誤りと私は声を大きくして申し上げたい。今は一日も早い口蹄疫の終息を願い、我が国の畜産が存命することを祈念するばかりであります。 そこで、小沢市長にお伺いいたします。全国トップブランドとしての前沢牛のさらなる振興、発展と、奥州牛、江刺牛の一日も早いトップブランド化を目指し、生産者、JAともに頑張っている矢先、口蹄疫が発生し、長引く経済不況と連動して、かつてなかったような市場価格の大暴落が延々と今日に続いているのであります。厳しい畜産経営を強いられておりますのが当市の現場の状況であります。以上の点から3点についてお伺いします。 まず1点、今日の口蹄疫発生についての認識と対応について、どのように対処されたのかお伺いいたします。 2つ目、このような事件が今後においても発生することが想定されますが、市の畜産振興を確固たるものにするための方策をとるべきと思いますが、いかがでしょうか。例えば、今、米価が史上始まって以来とも言われる値下がりが続いております。米つくり農家も大変であります。公畜連携事業として米づくり農家が秋の収穫後の稲わらを畜産農家に提供する、いわゆる稲わら確保対策を市が実施するものであります。 3番目、今回の口蹄疫発生で、国・県の対処の不手際を指摘されている経緯がありますが、小沢市長は、国・県に対し、悪性家畜伝染病対策の確立と畜産振興策の援助要請を早急に実行すべきと思われますが、いかがでしょうか。 以上、3点についてお伺いいたします。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。     〔市長小沢昌記君登壇〕 ◎市長(小沢昌記君) 及川梅男議員のご質問にお答えいたします。 口蹄疫発生と対策についての質問であります。 まず、家畜伝染病、口蹄疫等についての認識とその対応についてでございますが、口蹄疫につきましては、4月20日、宮崎県で確認されて以来、6月10日現在といたしましては、3市5町の農場で発生しており、口蹄疫の疑い事例は280例、発生合計頭数は約18万6,000頭で、牛3万3,000頭、豚約15万3,000頭となっております。懸命の防疫措置を講じてきておりますが、いまだその拡大をとめることができない実情にあります。口蹄疫は口蹄疫ウイルスの感染によって起こる急性伝染病で、その感染力が非常に強いことが特徴となっており、一たび発生した場合、急速かつ広範囲に蔓延し、その被害が甚大となり、大きな経済的損害も生ずる、警戒すべき家畜伝染病の一つと認識しております。今回の宮崎県の口蹄疫の原因についてはいろいろな説があり、例えば汚染した稲わらや飼料などが原因ではないかなどと言われておりますが、その原因はいまだ特定されておりません。 対策としては、第1に発生国、地域から病原体の侵入を未然に防止することであり、第2に、万一口蹄疫が発生した場合には、その被害を最小限に食いとめるため、早期に発見、移動搬出制限、殺処分、消毒などの防疫措置を迅速に行うことが基本と考えております。 岩手県及び奥州市の口蹄疫の対応について申し上げますと、岩手県では、発生直後、直ちに3月以降に九州地方から本県に導入された牛405頭について、4月20日に家畜保健衛生所が立ち入り検査を実施したほか、4月25日に再度、導入全頭について検査を実施し、全頭異常がないことを確認しております。5月21日には岩手県口蹄疫対策連絡会議を開催、全家畜農家に消毒液の配布を決定し、配布については、農業協同組合と市が協力し、5月31日から配布しております。また、5月28日には、岩手県口蹄疫防疫会議を開催、防疫措置手順の確認、市町村、関係機関、団体等の役割分担などについて確認したところであります。 奥州市におきましては、4月21日から23日、市内全畜産農家対象の電話聞き取りによる緊急調査を、農業協同組合、農業改良普及センター等の協力により実施し、全頭異常ないことを確認いたしました。また、5月20日には防疫対策会議等設置要綱を制定し、5月24日に関係機関、団体による口蹄疫防疫対策にかかる事前協議を行い、5月25日には県南家畜保健衛生所、岩手ふるさと農協、岩手江刺農協、胆江地域農業共済組合、県南振興局、そして本市で構成する、第1回奥州市家畜伝染病防疫対策会議を開催し、自衛防疫対策を協議、感染防止のため、市内全畜産農家1,483戸へ消石灰の無料配布を決め、5月27日から散布方法を記したチラシと一緒に配布したところであります。今後も関係機関、団体と情報を密にしながら防疫対策に万全を期すよう、しっかりと努めてまいりたいと考えております。 また、県が主体となりますが、市といたしましても、万が一発生した場合に備えて、初動防疫から浄化するまでの手順を明確にし、万全の体制を確立しておくことが大切であることから、関係機関、団体と役割を分担し、畜産農家の協力を得ながら素早い防疫対策を講じてまいりたい、このように考えております。 家畜伝染病予防法においては、飼料作物の輸入は、海外からの家畜の伝染病疾病の侵入を阻止するため、発生状況や発生地域における防疫措置等により輸入禁止対象作物を定めております。稲わらなどは汚染地域などからの輸入は禁止となっておりますし、他地域からの輸入にあっても加熱処理されたもので、輸出国政府機関の検査証明書があるものに限り輸入できることとなっております。また、稲わらについては、飼料や敷料として利用されておりますが、水稲作付農家の稲わらと畜産農家の堆肥の交換等により確保しており、地元産の稲わらを利用することは、安心で安全な飼料を確保する点で重要なことであると考えております。この点についてはさらに深く検討してまいりたい、推進のための検討をしてまいりたい、このように考えます。 次に、悪性家畜伝染病対策の確立と畜産振興に係る国・県への援助要請ということでございますが、ご案内のとおり、口蹄疫対策特別措置法が、時限立法ではありますが、5月28日に可決成立し、殺処分した家畜の埋却用地を国が確保すること、被害を受けた農家への全額補償などが盛り込まれました。しかしながら、特別措置法が成立しましても、迅速な防疫対策を実施する上で、患畜等の死体等の処分に必要な埋設地の確保、殺処分で被害を受けた農家の生活再建など、大きな課題が残るものと予想されます。家畜伝染病対策は、一義的には県知事の対応責任であり、市町村、農協等は県家畜保健衛生所が設置する現地防疫対策本部が実施する防疫活動への協力支援を行うとされております。しかしながら、宮崎県えびの市の対応の例を参考としつつ、必要な場合には農業協同組合、農業共済組合及び飼養農家などと連携を十分に図り、あるべき対応について県などに強く要請してまいりたい、このように考えております。 ○議長(渡辺忠君) 22番及川梅男君。 ◆22番(及川梅男君) ありがとうございました。 この稲わら対策についても前向きに検討してまいりたいということでございますので、ぜひこれらの事業を実現できるように頑張っていただきたい。 それから、これは読売新聞でありますけれども、国・県も甘い、はっきり大きく載せております。これは九州の地元の新聞であります。もうこれには3月中に発生している、こういうふうに掲載されて私もびっくりしたんですけれども、野生のイノシシ等にも罹患しているんではないかと。こんなふうになりますと、これが日本の内地のほうにも来てシカなんかに入りますと大変なことになって、それこそ歴史ある限り汚染国になる可能性がある、そんなふうに思っているところであります。 それで、また再度再質問させていただきますけれども、我が国では平成12年に92年ぶりに口蹄疫が発生しました。そのときは740頭の牛を処分して拡大を食いとめることができましたが、今回は感染の規模が違い過ぎます。それに、さまざまな今申し上げたような情報が飛び交い、国の方針や宮崎県の思惑など交錯しているうちに感染が拡大したものと言われております。今月6月3日時点では18万頭を超えると言われましたが、さらに一昨日、6月9日、日本一の産地と言われる都城からも感染牛が発生しました。けさ、11日のニュースでは、県庁所在地でも発生したと報道されました。大変なことであります。 岩手県、本市とも、反応、対応が遅かったと世間では言われておりますけれども、今、市長のお話にもありましたように、農協と市が折半して消毒剤の配布を行ったことについては、私はこれはよかったなと。ただ、この口蹄疫に対処するのは、発生したら3日以内に対応しなさい、対処しなさいと学者の先生が言われて、テレビ等でも報道されているわけですけれども、本当に九州宮崎県の新聞の報道のとおりでありますと、もう2カ月を過ぎているということになりますから、本当にどこまで、九州丸焼けになる可能性もなきにしもあらずというふうに思っておりますし、私は同じ畜産農家ですから、宮崎、鹿児島の畜産農家には同情いたしますけれども、しかしながら、何かおかしいというふうに思っております。利益追求のためなら何でもやるという、そういう環境ができ上がりつつあるのではないか、そんな心配もしている一人でありますけれども。 そんなことで、10年前のときは輸入稲わらが発生源と言われて、これはそのとおりだったようで、当時前沢町では全国最初に当時の町長が稲わら確保対策を取り上げて、そして稲作農家に10アール当たり1万円をやって、そしてわらを畜産農家に供給したということがあります。そして、それが日本農業新聞に載って、次々と全国、その事業が出回ったわけですけれども、そのうちに、税金の無駄遣いだとかばらまきだとか、そんな話が出て、だんだん消えてしまった。財源の窮乏もあったと思いますけれども、今になってみますと、こんなのはただでやったことと同じに等しい。何百億円、何千億円と私は九州の場合はかかるのではないかというふうに思っております。都城は47万5,000頭だかいると言われておりますけれども、大変な、岩手県の頭数なんかと比較にならないわけですから、そんなことで、同じことになりますけれども、市長にはこれを前向きにとらえて実行に近づけてほしい。 それから、国・県に対しての要請については、やっぱり私ども前に、平成19年の常任委員会の視察のときに富山県の砺波市の市長さん、奥州市より人口が少ないんですけれども、品目横断の施策が出たときにいち早く、4月、新年度早々国に行って、こんな政策はだめだ、個人で市長が行って抗議をした。そのとき、私たちに説明をしていただいた部長さんだったか、胸を張って、我が市長はそういうことをやった、私はこういったようなことを小沢市長に期待したいな、そんなことで今申し上げたわけであります。 今回は発生原因が発表されません。宮崎県も国も真剣に事の重大さをもっと早く認識すべきではなかったかという声もあります。市長に申し上げます。我が国の畜産を守るべきと大きい声で国に要請し、市長の意気込みを表現してほしいものです。それが私はトップブランドの位置づけが継続になるもの、こんなふうに思っております。 今申し上げましたこと、再度市長に、検討はするというお答えはいただきましたからですけれども、今私の話を聞いて、心がもし動いたようでしたら、お答えいただきたいなと思います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 我が奥州市における農業の元気が、まさに奥州市の発展の礎になるというふうなことを再三申し上げているわけでございます。その分においても、やはり畜産農家、そして水稲をなさっておられる農家、両方やっているところもあろうと思いますけれども、その両方が効率的に、なおかつ安全な飼料、敷料をリサイクルし合う、そのことによってまた多少なりとも利益につながるというふうな仕組みでありますので、そういうふうな分について真剣に対応ができる部分、どのような形があるかということも含めて、これは十分に検討してまいりたいというふうに思っております。 また、市長みずからがさまざまな分で国ないしは県に働きかけを行うべきだということにつきましても、どのような内容で、どのような部分をということをしっかりと整理しながら、対応すべきところは積極的に対応してまいりたい、このように考えている次第であります。 ○議長(渡辺忠君) 22番及川梅男君。 ◆22番(及川梅男君) ありがとうございます。 それでは、最後になりますけれども、今回の口蹄疫は、いかに遠くに離れている私どもでも他人事ではございません。JA岩手ふるさとでも、宮崎県と関係あります。平成21年5月には宮崎県より15頭導入し、今年3月には鹿児島県より22頭導入している。そのほかに家畜商も導入されているだろうと、こう言われております。JA江刺さんでは21年度は導入しておらなかった、一昨年導入しているようでありますけれども、そういうことで、本当に2JAだけでも何十頭かなるわけですけれども、岩手県内、相当数、先ほど四百何がしと言われましたけれども、もっと多くの牛が岩手県にはいるのではないか、こんなふうに思っております。そんなことで、本当に離れてはいながらにして、いつ発生するかわからない、そんな危機感をもって対処していただきたい。重ねてこれは申し上げるようなわけであります。 以上、農畜産振興策として、今までも申し上げましたけれども、公畜連携事業を推進することをまず奥州市が取り組み、国・県事業の働きかけをして、費用の関係もございますから、今回の口蹄疫が終息しましても、また再発することは必至であると思われます。早急に私は実施していただきたいなと提案しますし、以上申し上げて私の質問を終わるとしますが、本当に小沢市長にこれから前向きにこのことについて取り上げていただきたいなと、それを申し上げて終わりたいと思います。 ○議長(渡辺忠君) 答弁はいいですね。 ◆22番(及川梅男君) 余り、なんかまた重ねてということでありますけれども、事件が事件でありますから、小沢市長に重ねて答弁いただきたいと思います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) ありがとうございます。 本当に深刻に、そして重大なことであるというふうに私としては認識しております。遠く離れているということではなく、今ほどのお話もお聞きすればなおさらのことであります。我が市の畜産農家においても、宮崎と大きなかかわりがある、いえば、全国的な畜産農業に対する大きな脅威であるというふうな認識を強くいたしているところであります。必要とされる部分につきましては十分に検討し、積極的な対応をしてまいります。 ◆22番(及川梅男君) ありがとうございました。 ○議長(渡辺忠君) 引き続き一般質問を行います。次、20番今野裕文君。     〔20番今野裕文君質問席へ移動〕 ◆20番(今野裕文君) 20番今野裕文です。 私は、今定例会に当たり、さきに通告しておりました事項について順次質問いたします。 まず最初に、水田転作政策にかかわり、戸別所得補償モデル対策並びに水田利活用自給力向上事業について、2月議会に引き続きお尋ねいたします。 本年度から導入されます戸別所得補償モデル対策並びに水田利活用自給力向上事業は、市場原理一辺倒の今までの農政を転換することや、強制減反の見直しをするという点で、自民党農政に一定の修正をもたらす点で、前向きなものであります。また、当初案で大幅に減額をされていた転作への助成が、農民の皆さんや関係者の運動を反映し、激変緩和措置として上積みされたことも大きな成果だと考えます。 しかし、新自由主義、全面自由化路線と戸別所得補償の継ぎはぎというねじれ状態で、重大なゆがみと不徹底があります。第1に、米の標準的な生産に要する費用を家族労働費を2割カットしたり、自作地代、自己資本利子を含む全算入生産費を用いず、1表1万3,703円としたこと、第2に、地域の事情を省みない全国一律の制度にしたこと、第3に、既に事態は深刻になっていますが、戸別所得補償分の買いたたきが行われていること、第4に、激変緩和策で本当に転作助成の目減りは避けられるのかという問題があります。そして何より農林水産予算が34年ぶりに2兆5,000億円を下回り、重大な事態になっております。3兆7,000億円あったころの3分の2になっているのであります。 こういう中で始まる戸別所得補償モデル対策並びに水田利活用自給力向上事業であります。私はこの問題でこの間、市当局に対し、戸別所得補償制度の導入により米の買いたたきが避けられないこと、そして激変緩和策を講じても転作作物、とりわけ大豆、麦については高収作物として重大な影響が出、大規模な担い手が行き詰ったり、集落営農を組織しているところでは、集落営農が崩壊しかねないことを訴えてまいりました。実際にお隣秋田の大仙市では、米を中心とした集落営農の解散が始まっております。 この間、とりわけ水稲においては、水田の集積を誘導し、担い手に集中させ、その分大型機械を導入することを半ば強要してまいりました。ここに来て、同じ行政が突然手のひらを返したように政策転換し、担い手の経営を立ち行かなくなるようなことが許されてよいのでありましょうか。私はこのことを強く訴えたいのであります。 しかしながら、さきの2月の質問では、農林部長は、この関係で2,200億円増額しているので、この2,200億円が農家にどう行き渡るのか、よい方向に行くのではないかと期待しておりますという認識でありました。市長も、戸別所得補償モデル対策並びに水田利活用自給力向上事業は、申請県における農業政策のPRポイントのはずですから、トータルとして農家が結局所得もふえないし、今までやってきた転作の流れが変えられて、機械も無駄になって、集落営農も壊滅するということではないはずだと思っていますという回答でありました。 しかし、2,200億円の増額を幾ら強調されても、全国ベースで見れば、米1表1,500円下がれば水の泡と化してしまいます。農家は補助金をもらっているとされますが、それは流通資本に流れるだけであります。今そのことが現実のものとなろうとしております。極めて深刻だと受けとめております。そういう点で、米の価格の下支えがどうしても必要でありますし、農家の窮状に対し市としても応援する姿勢が欲しい、頑張ってほしいという市の姿勢を示すという観点から、転作作物、とりわけ大豆、麦の転作助成を平成20年度並みに支援することが必要だと考えます。 そこで質問でありますが、第1に、戸別所得補償モデル対策の導入による米の買いたたきによる米価の下落が進んでいますが、市としてどのように対応するかお尋ねいたします。第2に、水田利活用自給力向上事業にかかわり、農家の減収分について、平成20年度相当まで市として独自に支援する考えがないか、重ねてお尋ねいたします。 第1問目の質問を終わります。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。     〔市長小沢昌記君登壇〕 ◎市長(小沢昌記君) 今野裕文議員の質問にお答えいたします。 国では、農業者の減少、高齢化、農業所得の激減など、危機的状況への対策を図るとともに、食料自給率の向上を目指すことを目的に、平成23年度から導入する戸別所得補償制度の円滑な実施に向け、本年度においては、全国規模で実証を行うモデル対策として、水田作に注目した米戸別所得補償モデル事業及び水田利活用自給力向上事業を実施することとし、現在、農政事務所が中心となり進めているところであります。 この制度導入に伴う米戸別所得補償モデル事業の実施による米の買いたたきの状況にどう対応するかについてでございますが、ご存じのとおり、米戸別所得補償モデル事業につきましては、米の生産数量目標に即した生産を行った販売農家等に対して所得補償を行うものであります。内容といたしましては、過去数年分の平均から算出される標準的な生産費と標準的な販売価格の差額を、全国一律単価である10アール当たり1万5,000円を支払う定額部分と、その年の販売価格の下落が大きく定額部分では足りない場合に上乗せで支払う変動部分から構成されております。 この制度導入に伴い、国からの助成金を見込んで、スーパーや卸業者などが取引先に不当な値引き圧力、いわゆる買いたたきをかけるのではないかという懸念がありますが、国ではこうした問題に対応するため、5月17日より農林水産省及び地方農政局など計10カ所にある相談窓口を設けるとともに、独占禁止法に抵触する疑いのあるケースは公正取引委員会に報告するなど、書いたたきの防止につなげる厳しい対応を実施しております。なお、窓口設置後の相談状況といたしましては、5月28日、東北管内ではゼロ件となっております。 市といたしましては、米価の動向を注目するとともに、国及び県並びに農協等関係機関と連携し、適正な対応をしてまいりたいと考えております。 次に、転作作物の支援対策についてお答えいたします。 水田利活用自給力向上対策事業につきましては、米の生産調整数量目標に即した生産にかかわらず、すべての生産者を助成対象とし、水田を有効活用して麦、大豆、米粉用米、飼料用米などの戦略作物の生産を行う販売農家などに対して、主食用米並みの所得を確保し得る水準を全国統一価格の設定により交付するものとなっております。 しかしながら、従来の産地確立交付金制度においては、戦略作物ごとの交付単価を地域の裁量により設定することが可能でありましたが、新たな事業である水田利活用自給力向上対策事業の交付単価より高い価格を設定してきた地域においては、助成額の減少により、集落営農や農業法人、農家の経営悪化、さらには地域における生産体制が維持できなくなるなどの問題が生じておりました。 そのため、国では本年度、平成22年においては、激変緩和措置を講ずることとし、助成額減少の影響緩和を図るため、交付単価設定の弾力的運用や、岩手県に対する激変緩和調整枠の設定措置として、総額で約8億2,900万円の額が提示されたところであります。この激変緩和調整枠については、JA岩手中央会により県内の地域水田協議会へ配分案が示され、奥州市については、西部水田農業推進協議会へ約1億6,500万円、江刺水田農業推進協議会へ約1億3,600万円の案が示されたところであります。各地域協議会においては、激変緩和調整枠の配分を行い、制度導入による助成額減少分の補てんとして、それぞれの戦略作物などへの単価調整を実施しているところであります。 現在、戸別所得補償モデル事業、水田利活用自給力向上事業の申請受付を行っている段階であり、どの程度の申請になるかは不明であるとともに、具体的な数字につきましても把握できかねる状況になっておりますので、今後、その状況等を見きわめてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、国が進める戸別所得補償モデル対策は、米戸別所得補償モデル事業と水田利活用自給力向上事業の2つの事業をセットで進めるものであり、農家への所得補償につながるものというふうに考えておるところでございます。 ○議長(渡辺忠君) 20番今野裕文君。 ◆20番(今野裕文君) まず米価の問題で、国は5月17日より地方農政局に相談窓口を置いたと、何の窓口だかわかりませんけれども。国は備蓄米をこの間16万トン買いつけております。これの単価が1表1万2,900円台というふうに報じられております。国が買う米がこういう単価なわけです。この報道にかかわって情報開示を求めました。国は価格を公表しませんでした。ですから、片方で相談窓口を置いて、片方でそういうことをやっていて、厳しい対応というふうには全くならないと私は思うんです。この問題でJAの全中中央委員が異議を申し立てています。管内の農協では昨年の概算払いを下回っている、販売実績が。もう赤字になっている、こういうふうに話をしております。まだ出来秋までに何カ月かありますんで、そのまま続くという確たる根拠はありませんが、好転するとは思えない。1,000円下がると1億円飛ぶんです、奥州市で。全国ベースで2月議会で農林部長は2,200億円予算を積み増ししてあるんで何とかなるだろうと、そう思いたいということだろうと思いますけれども、その程度の予算を積み増してもあっと言う間に消えるんです。補助金だけ農家がもらったと言われて、これはたまらない。手元に残るわけではありませんので。 そういう点では、農協さんと一緒になって、国の今やっていることをただしていってほしい。市が価格を決めるわけでありませんので、それを補てんするという話にもならないでしょうし、そういう点では、片面の情報で判断をされては非常に困る。私どもは、やはり米価の下支えをきちんとしてもらう、所得補償一本ではどうにもなりません。JAさんは、契約解除もあると言っています。販売契約して概算払いしているんですけれども、契約解除もあると言っているんです。それほど厳しい状況にあるのだということをぜひ認識していただいて対応していただきたいんです。備蓄米を買い上げてくれというお願いはしていましたけれども、1万2,900円で買ってくれという話じゃないんです。価格を下支えするために買ってほしいのであって、これだとみずから崩している。しかも、小麦をどんどん今輸入している。これは米から切りかえるという戦略ですので、そういう点では国の土台をひっくり返す政策をやっているとしか私は思いませんので、そういう事実を調べていただいて、きちんと対応していただきたいと思います。 市長の施政方針演説を見て、ショックを受けました。これだけの広大な農地で、たったそれしか生産できていない、この現実。何.何%という数字だったと思いますけれども、これだけの広大な面積でそれしか生産できていない今の現状をきちんと押さえていただいて、国や県に働きかけていただきたい。農協さんと足並みをそろえてやっていただきたいと思います。幾らお金を積み増しされても、その分下がっていけば全く何の意味もありませんので、ぜひ価格の下支えをする政策に切りかえていただくことを国に求めていっていただきたい。幾ら総体の生産額が低いといっても、農業が壊滅すれば奥州市そのものが成り立たないと私は思いますので、そういう立場で取り組んでいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。 それから、モデル事業のほうですが、皆さんお感じだと思いますが、キャタピラーのトラクターがどんどん入っています。圃場整備をすれば、6割、7割、特定の農家に田んぼを任せますという約束が書いてあります。小さな農家は、そういう人たちに田んぼを任せますという約束で圃場整備をしてくださいというお願いをしてあります。認識しているかどうかは別として、そういうふうに組まれてあります。それから、この間進められてきた集落営農も、面積を特定の農家に集積させることを前提でそれぞれの集落が計画を上げています。もらえるものをもらうために鉛筆をなめて書こうという人もいたかもしれませんけれども、意図は別として、すべての農政はそういうふうに組まれてきています。特定の農家に田んぼを預けることを前提でみんな組まれているんです。ここに来て担い手の足元をさらうようなことをすることが許されるのかと、私はこういう問題だと思います。 ですから、県単位では今回の減額分を別途補てんするという政策を何件か打っています。岩手県内では今のところ花巻の雑穀だけですけれども、私は衣川のハトムギも大変、3万幾ら下がりますので心配していますけれども。 国の政策はそういうことでやってきたのです。そして50馬力以上のトラクターを買わせ、転作でいえば、大豆管理機を買ってもらい、乾田機を買わせ、湿害を避けるための機械を買わせてきたのです。それは同意の上で買ったのですから、買ったほうの責任だということになるかもしれませんけれども、ここに来てそれを外してしまうということが許されるのかと。私はここを問いたいんです。別に個々の職員が悪いわけでも何でもないんですが、そういう政策誘導をしてきたんです。 今回の見直しで1万5,000円ぐらいずつ下がりますよね、麦、大豆は。そうすると何が起きているかというと、ある集落営農では、今回収量要件を外しましたので、収量をいっぱい取っても収入にはなりません。どっちみち豆を収穫しても乾燥調整料でゼロ円になります。1円も残らない、現実。ですから、国からいただいたお金で何とか利益を出してきた。ところが、国からいただくお金が減ったので、肥培管理を省略する。なぜなら、大型ですので、労賃を払わないと作業ができない。経費がかかります。私みたいに個人でやっていれば赤字になっても体をほろけば何とかなるという側面はありますが、大きくなるとそうはいきません。そうすると、せっかく買った機械も使わない。もう既に始まっています、大豆では2工程を省略すると、肥料を削ると。そうしないと組織が維持できないから。その機械はどうなるのかというと、だれか欲しい人がいないかなということにならざるを得ない。 私はそういう点では、質問では20年相当と書いてありますけれども、市としてこの間誘導してきた政策の結果もありますので、何らかの支援をすると、そういう姿勢を示してほしいと私は思うんです。集落営農の中には、担い手だけが生き残ろうと考えている集落営農もありますし、地域全体を小さい農家も含めて生き残らせようということで努力しているところもあります。でも、押しなべて、21年度ベースでほとんど採算はとんとんです。ことしはどこか手を抜かなければ赤字になります。ですから、何らかの市としての姿勢を示していただけないかと、こういうことで質問しておりますので、再度回答いただきたいというふうに思います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 状況を改めてお聞きし、本当に強い危機感を持ちながら、さまざまな分を改めて強く認識したところでございます。 具体の分とすれば、この農政の大きな大転換により、結果として制度が変わっても農家の不利益だけが増大してしまうのではないか、そこの分のところを市として何とか下支えするような方等をぜひ考えるべきだというふうなご質問というふうに受け取りました。市としてどういうふうな部分ができるのか、具体的にはコストもかかる、予算もかかることでございますけれども、何とか農家のやる気が減ぜられるようなことがない形の中で、十分といえないかもしれませんけれども、積極的な対応ができないものかということについてしっかりと検討してまいりたい、このように考えております。 ○議長(渡辺忠君) 20番今野裕文君。 ◆20番(今野裕文君) 今のは多分モデルのほうの回答だろうと思います。私は米価についてもう我慢できないです。いろいろありますけれども、2ヘクタール規模の農家で今、多分、減価償却費はゼロです。全部外から稼いでくる。7反歩以下でトラクターも何もない、こういう人たちがかろうじて所得が出る。こういう状態なんです。国はあれこれ言っていますけれども、米価の下支えやってもらわなければ残らないです。そういう点では先ほど回答ありませんでしたけれども、米価問題で全中の中央委員が異議を申し立てる状態なんです。それだけ大変なんです。ぜひ、我々も頑張りますけれども、胆沢ダムをつくっていただいて、田んぼがなくなったんでは何の胆沢ダムだかわからなくなりますので、そこはぜひ強い、示威行動とはいいませんけれども、要請行動なりを、私たちもやります、市もやっていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) それこそ14年連続の特Aの食味を持つ我が市の米であります。正当な価格で販売ができる、買い取っていただけるようなことは、本当にごく当然のことだろうと思います。しかしながら、今野議員おっしゃるとおり、今、底なしに米価は下がり続けていると。このことについてはしっかりと申すべきところは申しながら、米価の下落防止、ないしはこれ以上下がらないような下支えというふうな分について、市としての対応をしっかりしてまいりたい。また、申すべきところは申し上げてまいりたいというふうに考えます。 ○議長(渡辺忠君) 20番今野裕文君。 ◆20番(今野裕文君) 2問目の質問に入りたいと思いますが、22番及川梅男議員が既に質問したところであります。大枠については理解いたしましたので、何点かポイントを絞って質問したいと思います。 私は、今回の事態は、初動の問題もありましたけれども、第1次の感染拡大の押さえ込みには失敗した、こういうふうに感じております。この間の防疫は南と北からはさんで拡大しないという方針でやってまいりましたが、完全にきのうの時点で次の段階に入った、このように思います。 私は、市でできることは本当に限られているということはわかります。また、この間の皆さん、農協関係者も含めて、対策本部を持っていただいて機敏な対応をしていただいた、本当にこのことについては感謝を申し上げます。 しかし、感染が広がった場合にどうするのかという問題はどうしても残ります。防疫体制だけでは防ぐことはできません。宮崎の場合は屠殺処理が決まって1カ月屠殺されない、正確には1カ月ではありませんけれども、二十何日ですけれども。そういう状態が続いております。私は、防疫体制の強化をしていただく、演習をしていただくことも必要でありますけれども、屠殺処理後の埋却地の確保も既にめどをつけておくべきだと思います。来なければそれでいいわけですので。国との相談がどうしても特措法上の関係であると思いますが、埋却地の用地だけは今の時点にきちんと確保すべきだというふうに思いますので、この点の考え方をお尋ねしたいと思います。 それから、今農家はとにかく恐怖感しかありません。まだ目の前に来ているわけでありません。そういう点では、農家の相談に応じる窓口を大きく開いていただきたいというふうに考えております。 それから、22番議員もお話しされておりましたが、稲わらの輸入です。08年16万トン中国から入っております。こういうことをやっていたら、先ほど市長は何か免許証か何かあるから輸入しているという話ですが、韓国、中国、中国は14件、香港を含めて、そういう発生をしているところの稲わらですので、22番議員も言いましたけれども、口蹄疫のときに稲わら確保で各市町村が助成した、二、三年で財政も厳しいのでやめてしまったということがあります。ただ、今はコンバインで刈りますので、現実には稲わらをきちんと取る稲作をやっている人というのはそういませんので、かなり厳しい問題ではありますけれども、この点はきちんと対策を打っていただきたい、このように思いますので、その点をお尋ねして2番目の質問を終わります。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 2件目の質問にお答えさせていただきます。 概要につきましては先ほど及川梅男議員にお話したとおりでございますので、今の質問に限ってのご答弁をさせていただきたいと思います。 まず、万が一発生した場合の埋却地というふうな分につきましては、これは早急に農林部を通じて、また農協等と協議をしながら、候補地の選定、ないしはその協議を行ってまいりたいというふうに思います。 また、相談窓口、どのような形の相談窓口を設ければいいのかということも含めて、このことについても関係機関と対応しながら、前向きな設置ができるように考えていきたい、対応していきたいということであります。 稲わらにつきましては先ほどお話したとおりでございます。ぜひ何とかできないかという部分を前提に、少し本当に考えていきたいというふうに思っているところでございます。 ○議長(渡辺忠君) 20番今野裕文君。 ◆20番(今野裕文君) 最後に、介護保険にかかわり、とりわけグループホームの施設の状況について、どのような対策がされているのかお尋ねいたします。 3月の札幌市北区のグループホームの火災の惨事が大きく取り上げられました。その前ですと、長崎県大村市の火災もありました。夜間職員が1人しかいない中、定員9人のグループホームの火災で、職員は火災の通報しかできず、ほとんどの入居者が亡くなるという惨事になっております。 これらの問題で指摘されておりますのは、1人での夜勤という職員配置にそもそも問題があることであります。また、火災報知器が設置されていない、スプリンクラーが設置されていないなどの問題点が指摘されております。夜間の火災時の誘導面での問題点も指摘されております。避難の指示に従わない入居者、就寝中全員に伝達できない、就寝前に睡眠薬の服用をしている例など、なかなか避難できない状況にあることが多いことが指摘されております。厚生労働省は、札幌市北区の火災を受け、認知症高齢者グループホームにおける防火安全体制に関する緊急調査を行っております。 ひるがえって、奥州市内の地域密着型のグループホームは10カ所となっているようでありますが、多くの施設は職員配置でも十分ではなく、火災報知器、スプリンクラーもほとんど未設置の状態と言われております。また、これから第4期介護保険計画に沿ってかなりの数の地域密着型のグループホームの整備が予定されており、責任ある対応が求められています。特別養護老人ホームとの併設になっているグループホームはともかくとして、単独の施設にとっては特に重要な課題だと考えます。国や県の施設整備補助だけでは、なかなか改善されていない状況があります。市としても、施設整備の支援や職員の夜間の複数体制確立のために、独自に支援することが求められているのではないかと考えます。この問題で、奥州市はどのような対応をしているかお尋ねいたします。 以上で登壇して質問を終わります。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 今野裕文議員の3件目のご質問にお答えいたします。 平成18年1月の長崎県大村市の認知症高齢者グループホームの火災を踏まえて、社会福祉施設等に係る防火安全対策を徹底するよう通知が出されておりましたが、本年3月13日に7名の入居者が死亡するという北海道札幌市の認知症高齢者グループホームの火災が発生しました。 これを受け、国においては3省緊急プロジェクトを設置し、当市を初め全国で防火安全体制に関する緊急調査を行いました。9,950の事業所から回答があり、スプリンクラーの設置率は約40%、また夜間の勤務体制は1ユニット9人の事業所においては何と97%が1人体制であり、3%が2人体制でありました。 当市においては、10事業所99人分の認知症高齢者グループホームがあります。延べ床面積が275平米以上の施設についてはスプリンクラーの設置義務があり、7事業所が該当しております。このうち2事業所は既にスプリンクラーが整備されており、2事業所は整備義務が免除されております。残る3事業所については本年度整備を進める計画としております。また、当市の調査の結果、夜間の勤務体制についてはすべての事業所において1ユニット当たり1人の夜勤職員を配置しております。 ご質問のありました災害を受けての職員配置の見直しについてでありますが、どの事業所においても特段の対応を行っておりません。その理由としては、札幌市のグループホームとは異なり、当市のグループホームはすべて平屋でありますことから、職員の目が届きやすいからと考えられます。また、当市の調査の結果、避難訓練はすべての事業所において実施されており、昨年の実施回数は平均すると2.2回の実施状況となっておりますが、夜間の避難訓練は5事業所のみの実施となっておりました。今回の火災を受け、夜間の避難訓練を実施していない事業所においては、夜間職員を対象とした避難訓練を実施するなど、防火安全体制の充実に向けた取り組みを進めております。 夜間火災等災害が発生した場合には、夜勤者1人では利用者全員を短時間で避難させることには限界もあり、夜勤者を手厚く配置すべきとの考え方もあろうと思いますが、現実的には限られた介護報酬の中で人員を充実することが困難な状況です。防火安全対策として、夜間を想定した避難訓練の実施、地域住民、消防機関との連携などがありますが、認知症高齢者であることからさまざまな安全対策を進める必要があり、市といたしましても、集団指導体制及び実地指導を通じ、安全対策、防火安全対策を徹底していただくよう取り組んでまいりたいと考えております。 また、ご質問のありました市独自の支援のあり方については今後しっかりと検討してまいりたい、このように考えております。 ○議長(渡辺忠君) 20番今野裕文君。 ◆20番(今野裕文君) 今、るるご説明がありました。 まず、火災報知器、消防署に通知する型の火災報知器、これの設置事業所の話もあるのかなと期待しておりましたが、おわかりにならないのでしょうか。まず、このこと。 それから、認知症グループホーム、地域密着型ということで、平屋だから夜勤1人ということになっているのではないかみたいな答弁だったと思いますが、認知症、詳しく話をするのはちょっとつらいんですが、いわゆる施錠、かぎをかけて出られないようにしてあったり、いろいろしているんです、現実は。かなり厳しいんです。ですから、一たび火事が起きたときに、かぎを開けてその人を助けられるかと。いろんな方がいますので、そういう方だけでないんです、誤解のないようにお願いしたいんですけれども。1人でできるのかと、できないんです。介護報酬では、夜勤、4時から9時まででしたか、2,400円しかつかないんです、介護報酬は、その分は。加算される分は。だから、全く何ともならないんです、現実。建物の構造の問題ではない。これは、市で独自にみてくださいと言うのは簡単ですけれども、やっぱり国との関係できちんと対応させていく必要もあると思います。 それから、夜間訓練やっているところが5事業所と。多分時間を計っているんですよね。胆沢の施設ですと併設型ですので、規定の基準の時間以内で避難できているという話を伺っております。夜間避難訓練をやると、職員がやる気をなくす。基準の時間に全く届かない、かえって不安になるという現実があるんです。 だから、国も動き出しましたので、この機会に国にも働きかけていただくし、市としても独自の手だてを打ってきちんとやっていただきたいんです。第4期計画でグループホームはほとんど、29社の参加者はほとんどグループホームと言っていい状態ですので、これは、施設そのものはこれからは火災報知器もスプリンクラーもなければつくれないでしょうからいいんですが、これはやっぱりきちんと複数体制で置いて、しかも規定の基準の時間内で避難できるという体制をつくるために何が必要かというのを考えて手を打っていただきたいと思います。 あとそれから、今日ですか、275平米以下の施設が3つですね。83坪ですか。ここも補助対象に多分今日あたりからなると思うんですけれども、きちんと消防署とリンクした火災報知器を置いていただいて、スプリンクラーも置いていただくと。正直に言うと、営利目的でやっている事業所さんもありますので、単純ではありませんけれども、そういう体制を私はつくるべきだと思います。国・県にお金を出していただくと同時に、及ばないところは市も考えると。そういうことで早急に組んでいくことが必要ではないかなと、このように思いますので、その点再度お尋ねいたします。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 火災報知器、その他の詳細の分は担当部長のほうから答弁をいたさせますが、今、議員ご指摘のとおり、状況的に非常に厳しい。現状では、だれがというよりも、そういう対応ができる状況にない制度になっているということについての認識は、私も同様に感じているところでございます。よって、このことについては、いきおい市ですべてということは、これはかなわない部分のほうが多いわけでございますから、制度として、やはり高齢者をしっかりと守っていくということの観点から、国・県にも申すべきところは申して、制度の改正を強く求めていくようなことを検討していきたい、積極的な検討を図っていきたいというふうに考えております。 あとは、詳細については担当部長のほうから答弁いたさせます。 ○議長(渡辺忠君) 大沼健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大沼一裕君) それでは、ご質問の火災報知器の設置施設数ということでございますけれども、先ほど市長が答弁申し上げましたとおり、10施設ございますが、そのうち5施設、半数が火災報知器の設置をしているということでございます。 ○議長(渡辺忠君) 20番今野裕文君。 ◆20番(今野裕文君) 火災報知器は早急に何とかしてください。スプリンクラーは多分今年度中ということが一応国の指導ではないかなと思います。ただ、予算の関係、申請してもオーケーが出ないという話を伺っております。来年度になるのではないかという話も聞こえてきております。それで、国・県両方の制度を受けられるところと受けられないところがあるようですけれども、これからできるグループホームと今までのグループホームと全く違うような状況というのはやっぱりおかしいですし、そういう点では早急に、市の支援も含めて対処していただきたいということを重ねてお願いして、質問を終わります。 ○議長(渡辺忠君) 2時45分まで休憩いたします。               午後2時44分 休憩---------------------------------------               午後2時47分 再開 ○議長(渡辺忠君) 再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を行います。次、11番阿部加代子さん。     〔11番阿部加代子君質問席へ移動〕 ◆11番(阿部加代子君) 11番阿部加代子です。 通告に従い、健康行政について、福祉行政について、教育行政についての3件、質問いたします。 初めに、健康行政について、2点お伺いいたします。 1点目、女性のがん検診についてお伺いいたします。 乳がん、子宮がんの検診受診の状況についてお伺いいたします。 乳がんは、女性の死亡原因として各年代で第1位となっております。乳がんはがんの中で唯一自分で発見できるがんであり、また検診により早期発見、早期治療できれば、ほぼ治ると言われています。しかし、そのがんで毎年多くの女性が亡くなっております。2008年のデータでは約1万1,890人が乳がんで死亡し、1995年の約7倍となりました。発病した方の30%が死亡されております。女性16人のうち1人が乳がんに罹患する事態となりました。奥州市においても、年間約10人前後の方が亡くなっているようです。また、子宮がんは20代から30代の若い女性にふえており、岩手県においても、1998年から婦人科領域のがんの中で最も高い発症率となっています。発見がおくれると、子宮摘出、死亡へとつながります。 どちらも女性特有のがんであり、できれば受けたくない検診であります。しかし、英国などでは検診受診率が7割を超え、死亡者数も減少しています。がん検診でがんが発見された場合は早期のがんが多く、生存率も高まります。検診率50%を目指している当市の検診受診の状況についてお伺いいたします。 検診無料クーポン券の継続についてお伺いいたします。 英国で検診受診率が高い秘訣は、1、自己負担なし、2、各人に検診の招待状を送る直接告知、3、電話などで受診を促す受診勧奨の3点にあると言われております。公明党の強力な推進で、昨年夏以降全国の市町村で検診無料クーポン券と検診手帳が配布されました。この無料クーポン券事業で、個人負担なし、直接告知が全国的に実現いたしました。広報などによる間接告知が主流の日本のがん検診のあり方を変える大きな一石を投じたといえます。奥州市では、全国の中でも早くこの事業に取り組み、積極的に進めていただきました。また、受診率向上のため、職員の手づくりのピンクリボン運動、受診勧奨のチラシ配布、新聞、ラジオでの広報、受診対象者への再度のお知らせ、ブレストモデルの活用などにも取り組んでいただきました。ことしも5歳刻みで対象者に検診無料クーポン券と検診手帳の配布を奥州市としては決定していただいておりますが、最低でも5年は継続していただかないと効果が出ないと言われております。 この事業は、公明党の粘り強い推進で2009年度第1次補正予算に216億円が計上され、全額国庫負担事業として、ほぼすべての市町村で無料クーポン券の配布が実現いたしました。しかし、鳩山政権が初めて編成した2010年度予算で同事業を約3分の1の76億円に削ったことにより、今年度は国庫負担が半減され、残りは市町村負担となっております。クーポン券事業の継続を断念する自治体も出てきております。奥州市では、女性の命を守る画期的な事業をぜひとも継続すべきと考えます。今後も継続して実施していただけるのか、市長のお考えをお伺いいたします。 次に、子宮頸がんワクチン接種の公費助成についてお伺いいたします。 子宮頸がんは、ワクチン接種と検診でほとんどが予防できると言われております。がんの中で唯一予防できるがんなのです。しかし、日本では毎年1万5,000人が発症し、約3,500人、1日約10人が死亡しております。予防できるがんで女性が亡くなっているのです。また、死亡に至らなくても、子宮摘出などとなると、若い女性にとっては心身ともにダメージが大きいものです。 子宮頸がんワクチンは昨年日本でもやっと承認が下り、県内でも100カ所以上で接種が可能になりました。しかし、3回接種で約5万円程度かかるため、進んでおりません。公明党では、2007年10月、参議院議員予算委員会で浜四津代表代行が子宮頸がんワクチンの早期承認を求め、さらに党女性委員会が全国で署名活動を行い、東北では102万人を超える皆様からご支援をいただきました。そして、2008年11月には首相に申し入れを行いました。その結果、2009年10月にワクチンの承認が実現し、任意接種が認められるようになりました。アジアの中で承認されていなかったのは日本と北朝鮮だけでありましたから、やっと日本でも承認がされたわけです。 新潟県魚沼市では、昨年12月、全国に先駆けて中学1年の女子216人に無料接種実施を表明されました。次いで、小学校6年生から中学校3年生の女子を対象に、埼玉県志木市約1,200人と、兵庫県明石市約6,000人が、全額公費負担での実施を決定いたしました。岩手県では野田村が今年度から実施される予定であります。当市においても、予防できるがんで死亡する女性がいなくなるよう、ワクチンの公費助成に取り組むべきだと考えます。市長のお考えをお伺いいたします。 2点目、ヒブワクチンの接種についてお伺いいたします。 この件は前定例議会でも取り上げましたが、市長が交代されましたので、ご期待を申し上げながら質問させていただきます。 主要先進7カ国において、WHO世界保健機関が強く推奨しているワクチン接種の状況の中で、各国では正規接種となっているヒブワクチンの接種は、日本では任意となっております。ワクチン行政において日本は後進国です。日本においては、原則として、国民の負担のない正規接種と、一部地方自治体の補助のあるものの、接種者に大きな経済的負担を強いる任意接種という分類があります。これが日本のワクチン接種制度の大きな課題であり、任意接種に含まれている予防接種に対して経済的負担が大きく、接種率が低い原因となっております。 ヒブワクチンが有効な細菌性髄膜炎ですが、症状や兆候から診断が非常に難しく、小児科医が最も恐れる病気です。日本では毎年1,000人が発症し、5から10%の患者が死亡し、30から40%の患者に聴力障がい、知能障がいなどの後遺症が残ります。アメリカでは、1988年のヒブワクチン接種により、ヒブ感染症の患者はほぼゼロになったそうです。日本では20年おくれて昨年12月にワクチンが販売されるようになりました。費用は1回につき約8,000円で、計4回の接種で、約3万2,000円もかかります。細菌性髄膜炎の対策としてはワクチン接種が一番効果があるそうですが、高額で接種をしたくてもできない現状があります。ワクチン接種で防げる病気から子供を守るため公費助成を行うべきです。市長のお考えをお伺いいたします。 以上、1件目の質問といたします。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。     〔市長小沢昌記君登壇〕 ◎市長(小沢昌記君) 阿部加代子議員のご質問にお答えいたします。 まず初めに、女性のがんの検診についてであります。 乳がん、子宮がん検診の状況についてまずお答えいたします。 近年、ライフスタイルの変化などから増加傾向にある乳がん、子宮がんですが、早期発見により完治が見込めるがんでありながら、なかなか受診率が向上していませんでした。 このような中、昨年度の国の補正予算において女性特有のがん検診推進事業が実施され、奥州市では、子宮がん検診は20歳、25歳、30歳、35歳、40歳、乳がん検診は40歳、45歳、50歳、55歳、60歳の方に、検診を無料で受けられるクーポン券と検診手帳を交付するとともに、受診に結びつけるためのさまざまな手段を講じてきたところでございます。 その結果、検診を受けた方の数は、平成20年度と比較して、子宮がん検診で1,649人増の5,413人、乳がん検診は1,962人の増で5,374人となっております。これを受診率で見ますと、子宮がん検診は平成20年度と比較して1.5ポイントの増、17.3%、乳がん検診は同じく5.7%の増、21.6%となっており、大きな伸びは見せたものの、国が平成24年度までの目標としている受診率50%には大きな開きがあるのが実情でございます。ただし、クーポン券の対象者に限っていいますと、子宮がん検診の受診率は41.6%、乳がん検診の受診率は40.4%となっており、この事業が受診率の向上に大きな役割を果たしたことをあらわしております。 市といたしましては、このような効果的な事業は継続すべきと考え、今年度におきましても昨年度と同様にクーポン券を発行するための予算を措置しているところであります。平成22年度につきましては国から2分の1の補助を受けられることになりましたが、将来にわたりこの事業を続けていくためには、国の財政的な支援が安定的に継続されることが必要と考えております。 次に、子宮頸がんワクチン接種の公費助成についてでございます。 子宮頸がんを発症するヒトパピローマウイルスの感染予防ワクチンは、国内でも平成21年10月に承認され、12月から自己負担で行う任意の接種が可能となりました。このワクチンについて、日本産婦人科腫瘍学界などでは、感染が性交渉によって起こることから、11歳から14歳の女性に接種することを推奨しております。 このことから、ワクチンの接種に当たっては、思春期を迎える女性にこのワクチンの意義や接種による効能、成長と健康管理についてきちんと理解ができるような教育的配慮が必要であるとともに、子宮頚がんの予防はワクチンの接種だけで達成されるものではなく、定期的な子宮がん検診が重要であることを本人と保護者に伝えていく必要があると考えております。今後は、このワクチンの周知について力を入れるとともに、教育委員会と連携しながら、接種についての環境整備に取り組んでまいります。 このワクチンにより、子宮頸がんは予防できる唯一のがんとされております。しかし、ワクチンは必要とされる3回の接種で約4万円から5万円と高額な費用が必要となるため、現在多くの自治体で公費助成の検討がなされております。国では平成23年度から公費助成について検討を始めたことから、市といたしましても、国の動向を注目するとともに、市民の経済的な負担を考慮し、接種費用の助成について検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、ヒブワクチンの接種についてであります。 5歳以下の子供の細菌性髄膜炎や敗血症、急性口頭蓋炎などの重症感染症の6割は、ヒブが原因菌と言われ、ワクチンで防ぐことができる病気のうち、乳幼児が死亡する原因としては、はしかに次いでヒブが第2位となっております。日本では年間に約600人の乳幼児が発症しておりますが、そのうち2割から3割が死亡し、100人以上に知的障がいなどの後遺症が残ると言われ、他の病気と区別がつかず診断が難しいほか、抗生物質が効かないヒブがふえ、治療も難しいとされております。ヒブ患者の年齢としては、ゼロ歳の乳児が50%、1歳を加えると70%を占め、発症のピークは生後9カ月で、年齢とともにその数は減少し、5歳以上での発症はまれとされております。ヒブワクチンは世界の約100カ国で自己負担のない正規の予防接種として導入され、ほとんどの先進国でヒブによる重症感染症はなくなっていますが、日本では平成20年から国内で販売が開始されたものの、いまだ予防接種法による正規の予防接種に指定されていないため、自己負担で行う任意の予防接種となっております。 このことから、独自に公費による助成措置を実施している自治体もございますが、現在のところ、製薬会社によるワクチンの供給量が十分ではなく、希望者がすぐにワクチンを接種できる状況ではありません。製薬会社では今年度から順次供給量をふやしていく予定ですので、今後もワクチンの流通量に注目するとともに、副作用を懸念する意見も根強いことから、新たな情報の収集に努めてまいります。さらに、厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会が、予防接種制度の抜本的な見直しに向け、今年5月末をめどに情報収集を行い、6月以降の部会で評価、分析の進め方について検討し、8月までには有識者などからヒアリングを実施した上で現状と課題を整理することとしております。このような状況も踏まえ、今後も国の正規接種化への動向を注目しながらさらに検討を進めてまいりたい、このように考えております。 ○議長(渡辺忠君) 11番阿部加代子さん。 ◆11番(阿部加代子君) ありがとうございました。 再質問させていただきます。 まず、検診無料クーポン券の継続についてお伺いしたいと思います。 市長のご答弁では、国の財政的支援が安定的に継続されることをご期待されることは、もちろん当然のことだとは思います。公明党といたしまして、5月31日に、子宮頸がんの確実な予防を図るための公明党独自の子宮頸がん予防措置の受診の推進に関する法律案を参議院議員に提出いたしたところでございます。その中でも、ワクチンの接種というところでは、効果の高い年齢への一斉接種は全額補助することとか、予防検診といたしまして、30歳から65歳の5歳刻みの検診は全部補助すべきというような形で法律案を提出したところでございますけれども、法整備にはもう少し時間がかかりそうだというように思います。でも、その間にもこの検診があれば早期発見できたという方々がいらっしゃることになりますので、やはり効果の高い事業だということで先ほども数字で説明をいただきましたので、ぜひ、地方が効果があると認めた事業を推進することによりまして、県とか国を動かす力になるのではないかというふうに思います。市長のぜひご所見をもう一度お伺いしたいと思います。 また、費用対効果の面でも、検診が大変効果があるというふうに思います。万が一、乳がんや子宮がんになってしまいますと、大変長期の療養を余儀なくされますし、また本人や家族の心の負担のことを考えますと、大変重いものになってまいります。また医療費のほうもお一人数百万円単位になろうかというふうに思いますし、医療費の負担も検診によって大きく軽減できるものだというふうに思います。実際、今回の検診受診率の向上によりましてがんが発見できた方がいらっしゃるというふうに思いますので、この事業はやはり目的として女性の命を守るということでありますので、無料クーポン券の検診受診をこれからもぜひ、国の支援も必要だとは思いますけれども、継続されるのかもう一度市長のお考えをお伺いしたいと思います。 それから、子宮頸がんワクチンの公費の助成についてでありますけれども、国のほうでも子宮頸がんのワクチンを行っていこうというような動きはあるようではありますけれども、国の動向を注視しなければならないのは当然ではありますけれども、子宮頸がんは理論上ワクチンと検診で100%予防できるというふうに言われておりますので、やはりワクチン接種で助かる多くの命がありますので、また、命だけではなく、子宮を守るということは命の源を守ることにもなりますし、少子化対策にもつながってまいります。ぜひワクチン接種を公費で進めていただくように、もう一度市長のお考えをお伺いしたいと思います。 それから、ヒブワクチンについてですけれども、世界の多くの国で正規接種の中に含まれているワクチン接種なんですけれども、なぜか日本では大変おくれておりまして、正規接種がなされていない状況であります。私が前回ヒブワクチンの公費助成を進めている自治体を調べたところ、前回と今回と大きく各自治体で公費で助成するところがふえてきておりまして、100カ所を超えております。岩手県内でも野田村で、子宮頸がんについてもヒブワクチンについても公費で助成するということを発表しておりますけれども、この間にもこのヒブに感染して細菌性髄膜炎を罹患する幼い子供たちがいるわけです。本当に死亡につながりますし、また重症になるというような、後遺症が残るというような大変恐ろしい病気でありますので、親の経済力で子供の健康とか命とかに差があってはならないというふうに思いますので、ぜひヒブワクチンの接種に公費を助成していただいて、多くの子供たちが受けられる体制を整えていただきたいと思いますので、もう一度市長のお考えをお伺いしたいと思います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 先ほども登壇してご答弁申し上げたとおり、クーポンを使った効果というのは、とても大きな効果があったというふうに強く認識しております。このような状況でありますので、もちろん22年度については継続するという方向で決定させていただきました。いずれ、国からの補助が私は当然あってしかるべきだと思いますので、これはヒブにもいえることでありますけれども、このように効果が明らかに検証ができているというもの、そして命を直接守るということの非常に大きな意味があるものでありますので、このことについては市といたしましても強く、まずは国への援助体制づくりについて強く声を上げていきたいというふうに考えているところであります。 また、クーポン以外の部分のところについてでありますけれども、いずれ、ワクチンの量であるとか、それからそれにかかわる分の啓蒙ということも含めて、検討しなければならない部分の要件もございます。また財政としての絡みもございますけれども、マイナスではなくプラスの方向で検討してまいりたい、このように考えております。 ○議長(渡辺忠君) 11番阿部加代子さん。 ◆11番(阿部加代子君) 前向きに検討していただけるというご答弁でありましたので、1件目については終わらせていただきまして、2件目に移らせていただきます。 次に、福祉行政についてお伺いいたします。 音声コードの導入についてお伺いいたします。 全国に30万人を超える視覚障がい者、さらにはその予備軍を入れると164万人とも言われております。皆様がよくご存じの点字は、実は視覚障がい者の9割が読むことができません。糖尿病などによる途中失明の方々が圧倒的に多く、読めるようになるには相当の学習が必要になるからです。そこで、視覚障がい者の方が広く文字や文章などを音で聞くために我が国で開発された高密度の二次元記号で、QRコードのように2センチ程度の正方形の中にデジタル化された文字情報が含まれるコード、音声コード、このコードと、活字読み上げ装置、最新ではソフトが搭載された携帯電話が来年発売予定になっております。これがあれば、点字が読めなくても、コードを機器に読み取らせることで、文字、文章を音声で聞くことができます。 平成20年度1月27日成立した第二次補正予算では、自治体や公立等の公的機関の窓口業務の円滑化に必要な情報支援機器、活字読み上げ装置等の整備予算、補助率100%に加え、音声コード普及のための研修及び広報についても、全額国庫負担で各自治体に研修会開催費用として30万円、補助率100%の予算もついております。このような予算を活用し、奥州市としてもこの事業に取り組み、視覚障がい者のバリアフリーを推進すべきと考えます。 以下の点についてお伺いいたします。 当市における視覚障がい者の現状についてお伺いいたします。音声コード、読み上げ機器整備導入について、市長のお考えをお伺いいたします。 以上、2件目の質問といたします。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 阿部加代子議員の2件目の質問にお答えいたします。 まず、市内における視覚障がい者の状況でございますが、平成22年4月1日現在で457名の視覚障がい者の方がおられます。そのうち1級の方が131名、2級の方が120名、3級以下の方々が206名となっております。 次に、音声読み上げ機器の整備についてでございますが、音声読み上げ機器は、文書やチラシなどに印刷された音声コードを機器で読み取り、その内容を音声で読み上げる装置で、点字を利用できない視覚障がい者の方にとっては、耳から簡単に情報を得ることができる機器でございます。これらの整備につきましては、今回の補正予算にも計上させていただいておりますが、国の補助事業を活用し、今年度と来年度の2カ年で各区の福祉関係部署に整備する予定としており、順次、福祉関係の文書などから音声コードを印刷して配布する予定としております。また、視覚障がい2級以上の方には、活字読み上げ装置を日常生活用具として原則1割負担で給付できることになっております。 以上でございます。 ○議長(渡辺忠君) 11番阿部加代子さん。 ◆11番(阿部加代子君) ありがとうございました。今回の補正でこの機器を整備していただけるということで、大変にありがとうございます。 やはり、視覚障がい者の方にとりましては、大変大きなことだというふうに思います。さまざまな生活の場面で、視覚障がい者の方々は情報をやはり得にくい状況におられます。特にも、人に知られたくない情報、納税とか、さまざまな情報のときに読み上げていただかなければならないということで、大変不便を感じていらっしゃるようでございまして、この音声コードをさまざまな文書につけていただいて、また、その装置の普及が進むことによりまして、視覚障がい者の方の生活面が大いに向上できるというふうに思っております。 それで、これはさまざまな活用方法があると思うんですけれども、例えば職員研修を受けられる予定があるのかどうかお伺いしたいと思います。この音声コードの導入につきましては、本当にさまざまな活用方法がありまして、福祉関連の通知文書とか、契約書につけるとか、納税額の通知の文書につけるとか、また福祉のガイドブックにつけるとか、さまざまな導入の方法があるわけなんですけれども、この辺、職員研修をしっかり行っていただいて、ぜひとも普及に努めていただきたいというふうに思いますけれども、お考えをお伺いしたいと思います。
    ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) ありがとうございます。 それこそ、障がいを持たれる方々にとっては、この技術の革新によってそのハンデを克服できるということは、大変すばらしいことだなというふうに思っております。また健常な方々においては、そういうふうなものがあるということを認識することが、ノーマライゼーションの普及にも大きな意味があるというふうに考えております。 職員研修につきましては、市のほうで予定するわけでございますので、こういうものであると、最低でも、何が何だかわからないということでは、これはもったいないわけですので、研修というよりも、さまざまな意味で、啓蒙も含めて、しっかりと対応できるような、そのような対応をしてまいりたい、このように考えます。 ○議長(渡辺忠君) 11番阿部加代子さん。 ◆11番(阿部加代子君) 補正予算におきまして機器の導入、そして職員に周知していただけるということですので、2件目の質問を終わります。3件目に移らせていただきます。 次に、教育行政についてお伺いいたします。 デイジー教科書の活用についてお伺いいたします。 平成19年から改正学校教育法が施行され、特別支援教育がスタートいたしました。幼稚園、小・中学校等においては、学習障がい・LD、注意欠陥多動性障がい・ADHD、高機能自閉症などの児童・生徒に対して、より細やかな教育を行っていくこととなっております。主な発達障がいの中でも、LD、とりわけ読んだり書いたりすることが苦手とされているディスレクシアの支援についてお伺いいたします。 LD・学習障がいとは、全般的知的発達のおくれはないが、聞く、読む、書く、計算する、または推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示すさまざまな状態を指すと言われております。中でもLDの中心的症状とされているディスレクシアの症状は、知的には問題がなく、聴覚、視覚は正常でありながら、読み・書きに関して特徴のあるつまずきや学習困難を示すものです。長い文章を正確に読むことが困難、語句や行を抜かしたり繰り返し読む、読めても文意を読み取るのが困難等で、教科書や黒板に書かれた文字を認識することが困難であり、授業に集中できないということになります。見た目には障がいがあらわれにくく、親や先生など周囲からの認知は非常に難しいものがあります。本人も自覚できない場合もあるようです。そして、本人が幾ら努力しても成果を上げることができず、勉強に対する意欲をなくし、自信をなくし、さらに授業についていけないという悪循環が起こります。こうした症状の発現率は、我が国において文科省の調査によると4.5%、すなわち25人に1人程度存在するとされており、決して少ない数字ではありません。 そこで、2008年9月17日施行の教科書特定図書普及促進法、教科書バリアフリー法と、著作権第33条の2の改定により、LD・学習障がい等の発達障がいや弱視等の視覚障がい、その他障がいのある児童・生徒のための拡大教科書や、デジタル化されたマルチメディア、デイジー版教科書等が製作できるようになりました。これらのデイジー教科書を活用した効果は、視覚、聴覚の両方から情報を得ることができるので、読みの困難を軽減することができる、文字がハイライトするので文字で目を追うことが困難な生徒等でも使いやすい、文字を読む労力が減るため内容の意味を理解するのに集中できる、人の手を借りずに自由に読むことができるので、自主的に本を読み、読書の意欲がわくなどの効果があげられ、デイジー教科書の活用に大きな期待が寄せられております。 以下の点についてお伺いいたします。市における支援が必要な児童・生徒の状況についてお伺いいたします。すべての子供たちに学習の機会を保証していくという観点から、デイジー教科書の導入は必要です。教育委員長のお考えをお伺いいたします。 以上、3件目の質問とさせていただきます。 ○議長(渡辺忠君) 千葉教育委員長。     〔教育委員長千葉啓一君登壇〕 ◎教育委員長(千葉啓一君) 阿部加代子議員の発達支援が必要な児童・生徒の状況についてのご質問にお答えいたします。 特別支援が必要な児童・生徒の状況につきまして、県教育委員会が実施している障がい児実情調査によりますと、奥州市における発達障がい等のある幼児の数は、平成20年度が39人、21年度が50人であり、増加する傾向にあります。そのうち自閉的傾向を含む情緒障がい児が全体の約4割を占めている状況にあります。小・中学校におきましては、LD・学習障がいや、ADHD・注意欠陥多動性障がいのある児童・生徒数が、平成20年度49名、21年度が55名であり、増加傾向にあります。これらの児童・生徒は、視覚障がい、聴覚障がい、知的障がい、肢体不自由児、病弱・身体虚弱、情緒障がい等の特別支援学校及び特別支援学級への在籍基準に当てはまらないため、通常の学級に在籍することが基本となります。また、特別支援学校や特別支援学級への在籍が望ましいと考えられる児童・生徒のうち、保護者の希望等により通常学級に在籍している児童・生徒は、平成21年度には22名でした。 これらの児童・生徒への教育的対応につきましては、医療機関を初めとする各種専門機関との連携を図り、保護者との教育相談を行いながら、個々の教育的なニーズに合わせて個別の指導計画を作成し、全教職員の共通理解のもとで日々の教育支援を実施しているところであります。また、特に個別の支援を必要とする児童・生徒については特別支援教育支援員を配置することとしており、平成22年度当初で26名を配置しております。 今後も、幼児、児童・生徒の自立や望ましい成長を支援するため、一人一人の障がいに応じた支援を行う体制の整備に努めてまいります。 続きまして、デイジー教科書の活用についてお答えいたします。 発達障がい等を有する児童・生徒にとっても、教科の学習における困難を克服し十分な教育が受けられるよう、教材等の学習環境の整備を進めることは重要であると考えております。国においては、マルチメディアを用いたデイジー教科書の教育効果について調査研究を実施しているところですが、現時点では無償給与の対象ではないことから、当市としましては、国や県の動向に注意を払いながら検討してまいりたいと考えております。 ○議長(渡辺忠君) 11番阿部加代子さん。 ◆11番(阿部加代子君) ありがとうございました。 今、教育委員長のほうから、特別支援を必要とする子供たちの実情調査の結果を公表していただきまして、大変増加傾向にあるということで、今後もこの特別支援に対する対策が重要になってくるのではないかなというふうに思っておりますし、また、発達障がい、自閉等による、そういう子供たちも大変ふえてきているということで、対応がやはりきめ細やかに行っていただければなというふうに思います。 きのうの教育行政の質疑の中でも、個に応じた教育を行っていきたいということで教育長のご答弁をいただいているところでもございますし、確かに普通の教科書のように無償ではないわけなんですけれども、このようにすばらしい教材があり、またこの教材を使って勉強している、学習している子供たちもいるわけで、その子供たちはやはり学習には意欲を示してきているという、大変よい結果も生まれているということですので、ぜひ奥州市におきましても、教育の質を上げるという観点から、このデイジー教科書の導入に向けてぜひ検討していただきたいというふうに思いますけれども、もう一度ご答弁をお伺いしたいと思います。 ○議長(渡辺忠君) 佐藤教育長。 ◎教育長(佐藤孝守君) 今のデイジー教科書、教材の導入についてご質問がございました。お答えしたいと思います。 今お話がございましたように、このデイジー教科書、ただいま文科省のほうで効果等について調査研究している段階というふうなことで、無償給与の対象ではないということでございますので、非常にいい情報をいただいたなというふうに思っているところでございます。特別に支援を要する子供たちは、さまざまな環境の中で育っていると思います。どのような指導法がいいのかは、その子一人一人によってかなり差がある、違いがある、そういうふうな状況があると思います。そういうふうなことを考えると、このデイジー教科書、また教材、効果が著しい場合も考えられるというふうなことは、おっしゃるとおりだというふうに思います。 調べてみましたらば、岩手県の場合、この教材を使うということで現在申請はまだないという状況のようでございます。さらに調べてみましたらば、もう御存じのとおりだと思いますけれども、日本障害者リハビリテーション協会、ここに保護者のほうから申請があればこの教材についてお譲りすると。CD1枚200円、送料が140円程度というふうなことでお話がございました。 どの子にどのような効果があるのか、これはやはりやってみないとわからない部分がございます。それを一番よくわかっているのが学校であり、教師だろうというふうにとらえておりますので、校長会議等を通じまして、このような教材、または教科書がありますよということをお話し、周知したいというふうに考えております。そのようなことを受けて、各学校で、多分さまざまな子供たちがおりますので、有効なのか有効でないのか含めて、多分検討していただけるのではないのかなと。そのことを通して、やってみようかなとかというふうなことが出てきた場合には、教育委員会としても応援していきたいというふうに考えているところでございます。まずは校長会議、あと各種研究会の情報提供をしていきたいというふうに考えております。 以上です。 ○議長(渡辺忠君) 11番阿部加代子さん。 ◆11番(阿部加代子君) ありがとうございます。 情報を、さまざまな教材とか、いいものがたくさん出ておりまして、知らないと大変子供たちの成長に大きな差が出てくる、自治体によって違いが出てくるようなことではあってはならないというふうに思います。よい教材を使用することで子供たちの教育の質が高まるということもありますし、また子供は日々成長しておりますので、やはり早急に対応していただいて、ぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。文科省のほうも通知を出しているようでございまして、例えば指導教員への提供もいいですよとか、また、子供の学習のレベルによりまして下の学年のものを使ってもいいですよとかというふうに文科省のほうでも情報提供しているようですので、それがどうして岩手県では伝わっていないのかというふうに思われますけれども、やはりいい教材を使って、それこそ個に応じた教育をやっていただきたい。奥州市の子供たちのためにぜひとも積極的に取り組んでいただきたいと思いますので、もう一度ご答弁お願いいたします。 ○議長(渡辺忠君) 佐藤教育長。 ◎教育長(佐藤孝守君) ありがとうございます。 現在、教科書改訂にかかわって、いわゆる新学習指導要領に対応した形で教科書が改定されるということもありまして、さまざまな動きがあるわけですけれども、現在の教科書においても、実はCD等デジタル化されたもの、いわゆるデイジー教科書に近いような形で、さまざまな情報を盛り込んだものも一部提供されるようにはなってきております。今お話を伺ったことも踏まえながら、繰り返しになりますけれども、奥州市の教員のほうにさまざまな情報を提供してまいりたいというふうに思っております。ありがとうございました。 ○議長(渡辺忠君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 お諮りいたします。明6月12日及び6月13日の2日間、休会したいと思いますが、これにご異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(渡辺忠君) ご異議なしと認めます。よって、6月12日及び6月13日の2日間、休会することに決しました。 次の会議は、6月14日午前10時から開くことにいたします。 本日の会議はこれをもって散会いたします。ご苦労さまでした。               午後3時35分 散会...