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第29回定例会 平成22年 9月(第3号 9月 3日)

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    第29回定例会 平成22年 9月(第3号 9月 3日)


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    第29回定例会 平成22年 9月(第3号 9月 3日)   第29回一関市議会定例会議事日程 第3号 平成22年9月3日 午前10時 開議 日程第1     一般質問 本日の会議に付した事件   議事日程第3号に同じ 出 席 議 員(34名)  1 番 那 須 茂一郎 君  2 番 及 川 忠 之 君  3 番 岩 渕   優 君  4 番 熊 谷   裕 君  5 番 金 野 盛 志 君  6 番 神 ア 浩 之 君  7 番 槻 山   驕@君  8 番 勝 浦 伸 行 君  9 番 千 田 恭 平 君  10番 岡 田 もとみ 君  11番 藤 野 秋 男 君  12番 菊 地 善 孝 君  13番 岩 渕 善 朗 君  14番 及 川 文 彦 君  15番 菅 原   巧 君  16番 佐々木 賢 治 君  17番 佐々木 清 志 君  18番 岩 渕 一 司 君
     19番 阿 部 孝 志 君  20番 佐 藤 雅 子 君  21番 千 葉   満 君  22番 小 山 雄 幸 君  23番 石 山   健 君  24番 大 野   恒 君  25番 武 田 ユキ子 君  26番 海 野 正 之 君  27番 千 葉 幸 男 君  28番 佐 藤 弘 征 君  29番 木 村   實 君  30番 千 葉 大 作 君  31番 尾 形 善 美 君  32番 佐 山 昭 助 君  33番 牧 野 茂太郎 君  34番 菅 原 啓 祐 君 職務のため出席した事務局員   事 務 局 長  菊 地 敬 喜  事務局次長  金 野 和 彦   議 事 係 長  八重樫 裕 之 説明のため出席した者   市    長   勝 部   修 君    副市長      田 代 善 久 君   企画振興部長   村 上 和 広 君    総務部長     下 村   透 君   市民環境部長   鈴 木 悦 朗 君    保健福祉部長   齋 藤 昭 彦 君   商工労働部長   小野寺 良 信 君    農林部長     千 葉   孝 君   建設部長     一 戸 欣 也 君    上下水道部長併任水道部長                                  阿 部 照 義 君   花泉支所長    鈴 木 武 治 君    大東支所長    千 田 良 一 君   千厩支所長    宍 戸 久 夫 君    東山支所長    佐 藤 喜一郎 君   室根支所長    佐 藤 好 彦 君    川崎支所長    土 方 和 行 君   会計管理者    鈴 木 道 明 君    消防本部消防長  千 葉   敏 君   企画振興部次長  佐 藤 善 仁 君    総務部次長    清 水 高 司 君   教育委員長    鈴 木   功 君    教育長      藤 堂 驕@則 君   教育部長     小野寺 正 英 君 会議の場所 一関市議会議場 開会時刻 午前10時 会議の議事 ○議長(菅原啓祐君) ただいまの出席議員は33名です。  定足数に達していますので、これより本日の会議を開きます。  本日の会議には、市長、教育委員会委員長の出席を求めました。  議場での録画、録音、写真撮影を許可していますので、ご了承を願います。 ○議長(菅原啓祐君) これより議事に入ります。  本日の議事は、お手元に配付の議事日程第3号により進めます。 ○議長(菅原啓祐君) 日程第1、一般質問について、これより順次発言を許します。  第1回目の質問、答弁とも登壇の上、発言願います。  また、質問は通告に沿った内容であるとともに、質問、答弁に当たりましては簡潔明瞭にお願いします。  一括質問答弁方式を選択した場合は回数は3回以内、一問一答方式を選択した場合は回数の制限は設けませんが、質問にあっては答弁時間を考慮され、質問されるようお願いします。  また、答弁に当たりましては、答弁漏れのないようにあわせてお願いします。  岩渕一司君の質問を許します。  岩渕一司君の質問通告時間は60分で、一問一答方式です。  18番、岩渕一司君。 ○18番(岩渕一司君) 皆さん、おはようございます。  関政会の岩渕一司でございます。  議長の許可を得ましたので、一般質問を行います。  一関市過疎地域自立促進計画について、何点かについてお伺いをいたします。  ご案内のとおり、過疎法が一部改正で平成27年度までの6年間の期間延長をされたのを受けまして、当市におきましても、平成22年度から6年間を対象にした新たな過疎地域自立促進法が制定され、今議会に提案されております。  日本経済の高度成長の中にあっては、農村から大幅な人口移動が起こり、大都市では人口集中による過密が起こり、農村地域では人口の減少により教育や医療、防災など、地域における基礎的な生産機能の維持が困難になってきております。  住民福祉の向上や働く場の創出を図り、さらには豊かな自然環境や伝統文化などの地域資源を生かした個性のある魅力的な地域づくりを進めていかなければなりません。  森林や農地、農村を適正に管理し、美しい郷土を保全しており、過疎地域は国土の保全、水源のかん養、地球温暖化の防止など多面的機能を有しております。  過疎地域には人口は少ないけれども、その面積は国土の半分以上を占めており、厳しい環境の中でも森を守り、水を守り、田畑を守り、日本の伝統文化を守り、国民のよりどころとなる美しい郷土と環境を未来の世代に引き継いでいこうと努力しております。  過疎地域が個性豊かで魅力ある地域づくりを進め、経済効率にすぐれる都市地域との健全な交流環境を活発にして、日本のそれぞれの地域の自然や文化、人々の生活などが個性をもって共生していくために、過疎地域はこれからの日本のあり方にとって極めて重要であります。  かつての基幹産業であった農林水産業が著しく衰退した上に、最近の経済環境のもとでは、人口減少や高齢化、産業経済の衰退で地域社会の活力が極端に低下しており、さらに最近の医師不足など、まさに住民の命にかかわる問題も深刻化しております。  公共施設の整備や道路改良などもまだ不十分であるほか、上下水道、情報通信網などのインフラ、医療、保健、福祉など住民生活の基本的な部分においても都市との格差が残されており、住民が安心安全に暮らせる生活基盤の確立を図っていかなければなりません。  地域資源を活用した産業の振興と雇用の創出を図り、集落対策の促進と地域の活性化のため、以下の施策についてお伺いをいたします。  まず1つ目は農業振興についてであります。  本市の農業形態は小規模経営体が多く、農業従事者の減少と高齢化、農業所得の低迷など厳しい環境にあります。  人の命と健康を支える食にかかわる産業として、より安全な農産物をより安定的に供給する必要性からも、生産性の高い農業経営の確立が急務であります。  これからの農業を維持発展させていくためには、意欲ある担い手の育成並びにUターン、Iターン、定年帰農者や新規就農など新たな就労の場の創出とともに、担い手に対する支援を講じながら農業の振興策を図っていくことが必要であります。  担い手対策としては、2つの方法があると考えております。  まず1つは集落営農を支えていく担い手、もう1つは法人経営など自己完結型、あるいは家族経営、企業経営などの担い手であります。  こういう人たちをどう支援していくかが、これからの農業の行方を左右する大切な課題であると考えるが、その対策についてお伺いをいたします。  次に工業振興でありますが、人口減少、少子高齢化社会の到来、国際競争の激化など地域を取り巻く社会環境が急速に変化していく中で、本市の経済的自立を支える、ものづくり産業の進展に期待が高まっております。  団塊の世代が定年期を迎えている大きな節目に差しかかっており、地域産業の担い手をどうしていくかの課題が生まれております。  グローバル化、少子高齢化など、これまで経験したことのない事態の中にある地域産業をどのようにしていくべきか重くのしかかっております。  地域産業の振興をリードする人材の育成、地域の有力な市民であるはずの中小企業の後継者の育成が課題であります。  地域で育ち羽ばたこうとしている高校生や大学生、さらには地域に帰還してくるシニアの方々に希望を与えていくためにどうするかなども重要な課題であります。  市の工業振興計画によると、県においては産業成長に向けた取り組みとして以下6つを掲げております。  まず1つは産業人材の育成、いわゆるものづくりの高度技術者や農林水産をリードする人材の育成、2つ目として産学官連携、連携を密にし共同研究とその研究成果の事業化ということ、それから3つ目は、いわゆる企業誘致、ものづくり分野の企業誘致であります。  4つ目として就業の支援、熟年者の就業支援、女性、高齢者の雇用、就業機会の確保、それから5つ目として、社会資本の整備として選択と集中による社会資本の整備、既存社会資本の活用、それから6つ目として経済界との連携、いわゆる地域の産業団体などとの戦略を共有し協働の強化とあります。  本市においては、事業所の大部分は中小企業であることから、地域企業の人材確保や技術力を強化していくことが求められております。  また、本市は東北のほぼ中央に位置していることから、本市の地理的優位性を発揮しながら企業の誘致を積極的に推進していくことが求められております。  以下、2点についてお伺いをするのですが、まず1つ目は、ものづくり人材の確保と育成について、2つ目として、企業誘致の推進と今後の工業団地の整備と環境整備についてお伺いをいたします。  次に、子育て支援策でありますが、近年、子供や家庭を取り巻く環境は大きく変化をしており、核家族化や女性の社会進出、結婚や子育てに関する仕事と子育てを両立することへの負担感の増大や、子育てに対する不安感が少子化に一層の拍車をかけております。  子供たちを安心して生み育てることができるよう子育て支援体制の構築を図るとともに、市民共通の宝である子供たちが、たくましく伸び伸びと育つ地域社会を構築していくことが大切であります。  女性の社会進出や雇用の形態の多様化が進行している今日、だれでもいつでも保育園を利用できる保育サービスの拡充が必要であります。  結婚、出産後も仕事を続けたい女性は増えているものの、第1子出産を機に女性の70%が離職していると言われております。  子育て世代が理想の子供数を持てない理由として、子育てや教育に金がかかりすぎる、育児の心理的、肉体的負担に耐えられない、子供がのびのび育つ環境でないなど、社会全体として解決すべき事柄であると考えております。  子育て世代が最も望む施策は、仕事と育児の両立を可能にする働き方を進めるための保育サービスを充実させていくためのその施策についてお伺いをいたします。  次に教育ですが、1つ目として就学前教育についてですが、家庭教育の充実と幼保一体となった就学前教育体制についてでありますが、人は親や周囲の人から愛されて育てられ、やがて成人し子供を育てる人として成熟していきます。  また、人は自分に自信を持ち、周囲の人々とともに生きていく心があってこそ、人として生きていくことができます。  乳幼児期は自信を持って生きていくための土台を育む大切な時期と思うのであります。  この時期の子供を健やかに育てるためには、親だけでなく子育てにかかわるすべての人々が手を携えて協力し合うことが必要であります。  家庭における基本的生活習慣など、家庭が持つ基本的な役割が発揮できる体制の構築が望まれるところでありますが、その対策についてお伺いをいたします。  (2)として、スポーツ・レクリエーションの推進についてでありますが、現代の社会における市民スポーツは競技としてだけではなく、健康志向の高まりやコミュニケーションづくり、自己啓発など多様な目的のもと幅広い年齢層で盛んに行われております。  市民スポーツの拠点である各地域の運動公園の整備については着実に進められてはおりますが、磐井川堤防改修に伴うスポーツ施設の整備については、市民の要望に基づく着実な整備が待たれるところであります。  また、市民の参加機会の確保と気軽にスポーツに親しもうとする意識を高めるため、各種大会やイベントを開催し、ニュースポーツの普及とともにスポーツ人口の拡大を図っていかなければなりません。  少年スポーツにおいては、個々の活動分野が広がり、体格が形成される時期における競技力の向上やスポーツへの関心を高める必要があります。  これからは、指導者の確保や研修活用体制の充実を図り、高度な技術水準を高めるための競技者の育成を図っていくことが求められております。  今後のスポーツ力向上のための施策についてお伺いをいたします。  5つ目として、地域医療充実のための施策についてでありますが、地域医療については、産科、小児科、へき地等における医師不足の問題、病院における勤務医の疲弊など多くの問題が指摘されております。  地域医療の確保には個別の対策とあわせて、より横断的な医療提供体制全般にかかわる課題に取り組む必要があります。  必要な医療サービスの供給は全国どこでも受けられるということであり、同じ負担で同じ水準の医療を同じ機会で受療できることが本来の姿であると思うのでありますが、現実はなかなかそうはなっておりません。
     地域医療には、医師や医療関係者が地域住民全体の幸福を常に考えながら医療活動を行える環境をつくっていくことが求められております。  医療施設の整備充実と人材の確保について及び医療機関の機能分担と連携の具体の施策についてお伺いをいたします。  6番目として、地域間交流の促進でありますが、都市化の進展、生活水準の向上や交通・情報手段の発展に伴い、経済活動や市民の日常生活圏が拡大し、市民の行政への要望はますます広域化の傾向にあります。  地方分権や行政改革の推進は広域的な観点から行政を推進していく必要が生じております。  地理的つながりや歴史文化的な結びつきが、これからの地域間交流に欠かせない要素であります。  市長が提言している東北の中心に位置し、盛岡・仙台の中間に位置する本市の北東北と南東北の交流の拠点としての進むべき方策についてお伺いいたします。  以上をもちまして、壇上からの質問といたします。 ○議長(菅原啓祐君) 岩渕一司君の質問に対する答弁を求めます。  勝部市長。 ○市長(勝部修君) 岩渕一司議員の質問にお答えいたします。  まず、このたびの過疎地域自立促進計画、いわゆる過疎計画に対しての基本的な考え方についてから申し上げます。  過疎地域自立促進特別措置法が、今般、平成27年度まで期間延長されまして、また、当市は引き続きみなし過疎地域とされたところでありますが、市といたしましては、今般の期間延長をまちづくりの好機ととらえ、有利な財源としてこれを有効に活用し、事業の実施に努めてまいりたいと考えております。  計画の策定に当たりましては、喫緊の課題であります所得の向上、雇用の確保、あるいは地域医療の確保といった課題について重点事項としたところであり、本計画の着実な推進に努め、過疎地域からの自立促進を図ってまいりたいと考えているところでございます。  まず、農業振興における担い手対策についてでありますが、当市の農業情勢については、農家数が減少する中、小規模経営の兼業農家の割合が高く、基幹的農業従事者の高齢化が進行しているなど、農業構造の弱体化が顕著になってきており、農業生産力の低下のみならず、農地の荒廃や集落機能の低下が懸念されており、地域農業の維持・発展のけん引役となる認定農業者を初めとした個別経営体や集落営農組織など、担い手を主体とした強固な農業構造への転換が急務となっております。  また、あわせて、将来における担い手を確保するため、青年農業者、新規就農者など多様な担い手の育成もあわせて図っていく必要があるものと認識しております。  このような状況下にありまして、新たに策定する過疎地域自立促進計画の中では、その対策として、意欲ある担い手づくりとして認定農業者の育成、新規就農や定年帰農などの農業参入の促進による担い手の確保、あるいは地域の農業者が多様に参画できる集落営農組織などの設立支援を掲げており、特にも、農業者の経営者としての資質向上を図るための経営改善指導新規就農者の育成について拡充を図ってまいりたいと計画しているところでございます。  なお、新規就農者の育成の観点に立った新規就農者支援貸付金の制度については、新たに就農して3年未満の者が研修教育施設や先進農家などで研修をする場合に、その経費として月額最高5万円を2年間を限度に総額で120万円の貸し付けを行うものであり、償還免除の優遇規定も定めた県内でも先進的な支援制度であると認識しております。  この資金の利用に当たっては、一定の目標を定めて営農定着を進めていただくために、就農計画の認定を受ける必要がありますが、県の類似制度とも連携を図りながらの運用や補助事業導入も視野に入れた対応として、県と同様の認定基準となっているところでございます。  少しこのレベルが高いところがあるとは思いますが、しっかりとした就農計画を策定することは、目指す営農を実現するための一歩ととらえているところでもあり、就農計画の策定を自身にとってプラスとなる前向きな対応としてとらえていただきたいと考えております。  また、農業経営指導員については、農業経営改善計画の達成支援を初め、農業者の相談窓口としての役割を担っていることからも、その役割を効果的に活用できるよう拡充を図ってまいりたいと考えております。  Uターン、Iターン就農者新規就農者に対する就農援助や研修などにつきましても、県や農協との連携が不可欠であり、生産技術面では農業改良普及センターやJAの生産部会等によるきめ細かな指導を促進するとともに、市としても経営指導員による指導や補助事業導入に係る支援に努めるなど、総合的に就農をサポートする体制をつくっていく考えであります。  次に、工業振興についてでありますが、ものづくり人材の確保については、市内に6つの県立高等学校と2つの私立の高等学校がございます。  毎年1,300名ほどが卒業しておりますが、そのうち約400名が就職をして、さらにその45%ほどが管内の企業に就職している状況にあります。  また、当市には県内唯一の工業高等専門学校がございます。  この高専の就職率は100%ということになってございまして、その求人倍率は毎年ほぼ25倍に近い倍率と伺っております。  このことから、企業がいかに一関高専の優秀な学生の採用を望んでいるかがうかがわれるところでもございます。  しかし、残念ながら、その就職先は、平成22年度の学校要覧による平成21年度の実績を見ますと、専攻科を除く本科の分で申し上げますと、就職者が105名中、一関市内に就職した者はわずかに6名、一関市以外の岩手県内でも18名、宮城県11名、その他の東北1名、関東が57名、その他12名ということで、地元就職率は5.7%にとどまっております。  また、半数以上が関東圏に流出している実態でもございます。  私も地元の企業から、高専の学生を採用したいけれども、なかなか採用できないという声をお聞きしております。  首都圏の企業に比べて地元企業は求人を出す時期が遅いこと、あるいは大手企業との知名度の差などが要因となって、採用市場での遅れをとっていることは否定できません。  そのため、平成20年度から地域企業への理解を深め、地元就職に結びつけることをねらいに、地域企業情報ガイダンスを開催しているところであります。  このガイダンスは、一関高専を会場として企業のブースを設け、自社の技術や情報のPRを行う形式で、一関高専、岩手県、一関市、岩手県南技術研究センターなどが主催となり、一関高専教育研究振興会や両磐インダストリアルプラザなどの企業団体とも連携して開催しているものでございます。  また、岩手県南技術研究センターの主催により、毎月第3水曜日に産学官イブニング研究交流会を開催しております。  本年9月で延べ110回の開催となります。  この産学官イブニング研究交流会には、毎月、企業関係者や一関高専の先生方も多く参加され、高専の学生のインターンシップの受け入れ先などの確保にもつながる貴重な情報交換の場となっております。  今後、さらに地元企業側からの企業説明会などにおける情報発信機能を高めるよう支援してまいりたいと考えております。  また、本年度から市独自の支援策として、市内の事業所において新規高卒者を雇用し、社外・社内での研修など人材育成を行う費用に対し補助を行い、新規高卒者の地元就職と定着の促進に努めているところでございます。  さらに、本年で3回目の開催となりましたが、地域の企業の入社1年目から5年目までの社員を募って、地域で働く若者の間に企業の枠を超えた連帯感の醸成と社会人としてのスキルの向上を図り、ものづくりに積極的に取り組む若手グループの形成促進をするとともに、地域への定着を促進するため、1泊2日の日程で若手社員スキルアップ合宿を開催しております。  本年度は、私も講演のほか若者たちと意見交換を行う場を持って、若者たちにエールを送ってまいったところでございます。  ものづくりは人づくりとも言われますことから、今後も若手人材の確保とともに、その育成、定着につきましても積極的に支援を行ってまいります。  次に、新工業団地の整備についてでありますが、現在、岩手県土地開発公社により造成工事が進められており、年内には造成工事が完了いたします一関東第二工業団地は2区画分の分譲が決まったところであり、残りは3区画、約6ヘクタールとなっております。  当面は、この一関東第二工業団地3区画のほか、市内の上油田第二工業団地、花泉でございます、それから川崎の大久保工業団地を合わせまして、約9ヘクタールの未分譲地への企業の早期立地に向けて誘致活動に取り組んでまいりたいと考えております。  新しい工業団地の整備につきましては、今後の企業の立地動向と経済情勢等を勘案しながら検討してまいりたいと思っております。  次に、保育園の待機児童についてでありますが、保育園の待機児童は4月1日現在で7名でございましたが、私立の保育園2園の増改築等による63名の定員増や途中入所希望者の受け入れを行いまして、9月1日現在の待機児童は2名となっているところでございます。  なお、途中入所者は5月から9月1日までに129名となっております。  なお、就学前教育の充実、それからスポーツ・レクリエーションの推進については教育部長が答弁をいたします。  次に、医療施設の整備充実についてでありますが、国保診療所の医療機器整備につきましては、耐用年数や機器の高度化の状況、診療の円滑化などを勘案しながら、過疎計画に位置づけしたところでございます。  昨年度末策定の総合計画実施計画に計上した猿沢診療所の内視鏡洗浄消毒器歯科用電子カルテコンピュータ歯科診療ユニット自動現像装置、卓上滅菌器、それから室根診療所の医科レントゲンCRシステム、超音波診断装置、これらの整備などを想定しているところでございます。  次に、医師修学資金貸付事業についてでございますが、市内には公的医療機関として4つの県立病院及び2つの国保診療所がございますが、当市の地域医療の中心的役割を担っている県立病院において医師不足が深刻化し、当市における医療の確保が厳しい状況になっております。  地域医療の安定を図るためには長期的な視点での医師確保対策が必要であることから、市といたしましては、将来、医師を目指す皆さんに一関市の地域医療を担っていただきたいという願いを込めて、医師修学資金貸付事業を実施したいと考えております。  この事業は、将来、医師として市内の県立病院及び国保診療所に勤務しようとする大学生に対し、修学資金を貸与することにより、将来一関市で地域医療を担う医師の確保を図ることを目的とするものであります。  修学資金は月額30万円、私立大学に入学した場合の入学一時金として760万円、募集人員は年2人で、貸し付け期間は6年と考えております。  医師免許取得後、市内の臨床研修指定病院で初期診療研修医として2年間勤務して、貸与を受けた期間に相当する期間を市内の県立病院、または国保診療所に勤務した場合、修学資金の償還を免除しようとするものであります。  この事業につきましては、平成22年度中に条例を制定し、翌平成23年度から実施してまいりたいと考えているところでございます。  次に、県立病院、国保診療所、開業医の医療連携についてでありますが、当市の地域医療の現状については、県立病院等において医師不足が深刻化する中にあって、今まさに地域においてどのように地域医療を守り育てていくかが問われております。  医療機関は医師や看護師などの人員配置、医療設備の整備など、その診療体制によって機能や役割が異なっております。  当市には比較的軽症な患者の診療を受け持つ民間や国保の診療所があり、また、より重症な患者を受け持つ県立や民間の病院があり、お互いに役割分担や連携をしながら地域医療を担っております。  私は、地域医療を守り育てるためには、県立病院、国保診療所、開業医の役割をそれぞれに縦割りで考えるのではなく、地域全体の医療資源として面としてとらえ、お互いが連携する体制を構築しながら、行政と住民が協働して地域医療を支えていくことが何よりも重要と考えております。  市といたしましては、医師会及び県立病院、開業医などの医療関係者との意見交換を重ね、コミュニケーションを深めながら、県立病院、民間病院、開業医、国保診療所との連携のもとに、地域の中で安定的に医療サービスが提供されるよう、その役割を果たしてまいりたいと考えております。  次に、地域間交流の促進についてでありますが、当市が真に活力のある地域として過疎から自立するためには、生まれ育った地域で安心して暮らしていけるよう、足腰の強い産業を育成することが第一と考えております。  現在、北上川流域を中心に自動車関連産業の集積が進んでいるところであり、宮城県北における新たな産業集積の高まりを好機ととらえ、本県県南地域へのさらなる企業の立地、あるいは地元企業の事業拡大に努力していく考えでございまして、これらの産業集積をばねに、雇用問題はもとより少子高齢化の対応、地域医療の確保など、市民だれもが安心して暮らしていけるための基礎条件を整えていくことが、私が就任以来申しております中東北の拠点づくりの意味するところでもあります。  中東北の形成は、一関市のみの力でなし得るものではなく、隣接した地域が連携して取り組むことが必要であり、既に県境を越えて医療、観光、道路網など、宮城県北の自治体との話し合いを始めているところであります。  また同時に、市を構成する市内の各地域がお互いのよさを認識しながら、一丸となって努力していくことが大事であると考えております。  一方、中東北にとらわれない交流や連携も重要でございまして、姉妹都市や友好都市として交流をしている市町とも官民挙げて地域資源を一層活用するとともに、人的交流を深めてまいりたいと考えております。  友好交流の段階から一歩進んだところでの、例えば双方の地域資源の組み合わせによりまして新しい商品を開発していくなど、産業振興に結びつけていきたいと考えております。 ○議長(菅原啓祐君) 小野寺教育部長。 ○教育部長(小野寺正英君) 私からは、教育に係る質問にお答えいたします。  まず、家庭や地域での教育力を育てる取り組みについてでございますが、現在、各小中学校では、学校教育と教育振興運動とが連携しながら家庭の教育力の向上に向け、さまざまな取り組みを進めているところでございます。  例といたしましては、現在、岩手県が全県的に教育振興運動を推進するに当たり、共通テーマとして家庭学習の充実と読書活動を取り上げておりますが、それを受け、市内の各学校ではそれを学びフェスト、学びのマニフェストとして取り上げ、家庭や地域に呼びかけをするなどしております。  学校と各家庭、地域の両面から家庭学習や読書の大切さを訴えていくことにより、教育による家庭の役割の大切さについて啓発に努めているところであります。  また、就学前の子供を持つ親に対して幼稚園や保育園では、PTAと協力しながら家庭教育講演会や情報交換会を含めた研修会などを実施しており、公民館では家庭教育推進事業として子育て講座や親子ふれあい教室などを開催しております。  また、子育てに悩む親等に対しては、特別支援に係る専門員や教育相談員などによる専門的な指導、助言ができるよう相談体制を整備しているところでございます。  今後とも現状をよく把握しながら、就学前の教育、家庭教育の充実に向けて努力してまいりたいと考えております。  次に、スポーツ競技力の向上のための取り組みについてでございますが、選手強化につきましては、一関市体育協会が今年度から平成28年の国体開催に向けた選手強化支援策として、協会独自の取り組みとして選手強化や指導者育成事業に着手されており、5事業への補助の決定について新聞報道があったところでございます。  市といたしましても体育協会と連携を図りながら、選手育成や競技力の向上に向けた支援のあり方を検討してまいりたいと考えております。  なお、平成28年度に岩手県を会場に行われます第71回国民体育大会については、当市ではバスケットボール少年男女、成年女子、バレーボール成年男女、フェンシングの全種目別の会場地として岩手県準備委員会の選定を受けているところであり、会場地の正式決定は平成25年度でありますので、それを受け施設整備について対応していきたいと考えております。  また、今議会で提案しております過疎計画の中では、スポーツ・レクリエーションの推進に向けた取り組みの事業として、スポーツ合宿招聘事業について計画をしております。  スポーツ合宿招聘事業につきましては、地方では競技スポーツを専門的に行う団体などの練習に普段触れる機会が少ないことから、高いレベルの競技スポーツに触れる機会を増やすことにより、市民の競技力の向上とあわせて、合宿団体と市のスポーツ団体や地域などとの交流を積極的に進めることをねらいとして計画しているものでございます。  事業の概要につきましては、高校、短大、大学の生徒・学生で構成するスポーツクラブ等の団体が合宿等で市内に連続して宿泊し、その間、市民を対象にした競技指導会や市内の団体などと交流試合等の地域交流を行った場合に、合宿に係る旅費等の補助を行う仕組みを想定して現在検討を進めているところでございます。  高いレベルで活動している選手たちから直接指導を受けて、スポーツの楽しさや奥の深さを知り、そして当市出身の日本のトップレベルで活躍する選手が1人でも多く育つことを期待しているところでございます。  以上でございます。 ○議長(菅原啓祐君) 18番、岩渕一司君。 ○18番(岩渕一司君) 大変詳細にわたる答弁ありがとうございました。  それでは、1番目の農業振興について再度お伺いいたしたいと思うんですけれども、答弁のありました新規就農者の支援資金につきまして、今現在25名前後の就農者がいるというふうにお聞きしているわけですが、決算書にもありますけれども、今延べ4名の方が支援資金を借り受けているということでありますけれども、25名が就農しておる中で4名という非常に少ない人数であるということで、この件については前にもお話しした経緯がありますけれども、非常にハードルが高くなって、借りにくい制度に今なっているのではないかなという感じがしておりますので、その辺のところを一つお願いしたいと思いますし、借りやすい制度ですね、いわゆるこれは新規就農者にとっては非常にメリットのある資金であります。  いわゆる就農当初はいろいろな周囲の環境、それから研修等も十分に積み重ねていく必要があるわけですけれども、そのための制度としては非常にいい制度だというふうに考えております。  それを有効に活用できる対策が必要であろうというふうに考えております。  それから、認定農業者の関係につきましては、今、一関では970数名という認定農業者の数ではありますけれども、人数的には非常に少ないんですけれども、市の農業の担い手としては非常に大きな力を持っていると考えております。  これは営農指導員の画期的な、これも一関市になって早速営農指導、認定農業者のいろんな相談にのるという非常にいい制度でありますけれども、果たしてそれが本当にいいサポート役になっておるかどうかというのは非常に疑問なところもあるわけですので、その辺についてどういう状況かということも一つ考えてほしいなと思っております。  いわゆる認定農業者の運用改善のためのガイドラインというのを設けておりまして、いわゆる再認定のときの、これから新しく計画を立てるためにいろんな情報を提供するのだということと、それからもう一つ大切なのは、いわゆる旧計画で未達成要因があった場合にそれをどのように分析し、その結果をどのように伝達していくかということが、いわゆるその農業者、再認定を受ける場合の大きな営農指導の要だというふうに考えております。  今の価格低迷といいますか、そういう中にあっては非常に計画どおりに進むというのは難しいことではありますけれども、そうしたいわゆる未達成要因の分析をしながら、新しい計画に向けた課題の解決についてどういうふうにサポートしていくか、そこに非常に大きな課題があるのではないかなと考えておりますけれども、その件についてお伺いをいたしたいと思います。 ○議長(菅原啓祐君) 千葉農林部長。 ○農林部長(千葉孝君) まず、新規就農者支援資金の関係からお答えを申し上げます。  決算書では4名ということでございましたが、今現時点で貸し付けしておるのは7名ということでございます。  それから、新規就農者の数でございますけれども、普及センター等から新規就農者リストを提供していただいておりますが、平成21年度の場合には27人の方が就農をされていると、その就農の形態もいろいろございまして、自営の農業の場合もあれば、法人に対して5人ぐらいの方が雇用されているという例もございます。  そのほかには、特徴としては60代の方々が7人含まれておると、この方々は定年帰農のタイプというふうな形でありますが、はっきりとした経営の意向を持ちながら伸ばしていこうというタイプの方でございます。  その中に、やはり若い方々もおりますので、こういった方々が就農支援資金に結びつくかどうか、今後具体的に取り組んでまいりたいと思いますし、今現在でもそのような形で活用されている例がございますので、それらをこれからも伸ばしていきたいと考えているところでございます。  次に、農業経営指導員の関係でございますけれども、適切なサポート役になっているかというふうなことでございますけれども、それらにつきましては、いろいろと農家の意見とか、あるいは効率的な指導の方法等についても、現在さまざまの指導員の会議を持ちながら対応しているところでございますが、なお、ただいまのご意見のような点も踏まえながら、これからの対応を図っていきたいと思っております。  なお、過疎計画のソフト事業の中でこの2つの事業とも拡充をするという形で考えているところでございます。 ○議長(菅原啓祐君) 18番、岩渕一司君。 ○18番(岩渕一司君) 新規就農者の支援資金については、そうするとまだ全員が借りているわけではないんでしょうけれども、それらを有効に活用できる方策を一つつくっていただきたいなと思います。
     それから、農業経営指導員ですね、いわゆるすべてその方がやるということよりも、どういうふうに、どこに行って相談してくださいとか、そういうふうなことで私はいいと思うんです。  それ以上のなかなか専門的なことはかなり難しいと思うので、そういうふうな役割分担をしながら進んでいくというような方法をひとつ考えてほしいなと思いますし、それからもう一つは新規就農者でも定年帰農の方と、いわゆるいろんな研修を積み重ねてきた方でのレベルの差があるわけですから、その担い手対策、新規就農者の対策についても、そういう方と、それからまるっきり新規就農の方と定年帰農の方の差があるわけですから、その辺のところについての一つサポート役も何らかの形でしていただきたいなと思います。  それから、もう一つは、担い手のいろいろ対策の中でやっているかと思うんですけれども、農業者ごとのいわゆるカルテといいますか、そういったものをつくりながら、そして経営を支援していくというような、そういう方法もひとつ今後検討していただきたいなと思います。  そういうことで農業については終わりたいと思います。  それから、工業については、いわゆる答弁にありました高専については、地元の生徒だけではないというふうな感じはしておりますけれども、非常にすばらしい人材が流出していくということをどのように歯止めをかけていくかという、そこがこれからの一関の企業といいますか、工業の推進のための大きな力になっていくものだなというふうに考えておりますので、高校時代に、あるいはいわゆる修学している時代にいろんなサポートをしながら、人材が残れるような体制というものをひとつ図っていただきたいと思います。  それから、INSという岩手ネットワーク何とかという人材のネットワークが一関にもあるように聞いておりますけれども、そうしたところとも連携を深めながら、人材が残るような方策をひとつ進めていただきたいなと思っておりますけれども、その点について所見がありましたらお願いいたしたいと思います。 ○議長(菅原啓祐君) 勝部市長。 ○市長(勝部修君) まず、前段にありました企業のほうのもう少し情報発信をうまくやって、学生にとって魅力のある企業としてとらえてもらうための方策については、これまでも、先ほど答弁で申し上げましたとおり、さまざまな仕掛けはやってきております。  そこそこ成果も出ていると思っております。  ただ、さらにこれを強力にやっていくためには、例えば企業の魅力発信事業とかですね、そういう形で企業のプレゼンテーション能力をさらに高めていく、そういう個別の指導等もやっていく必要があるのかなと考えているところでございます。  来年度に向けてそのあたりは今後検討していきたい。  それから、INSのお話もありました。  これは、そもそもは岩手大学の工学部が中心になって産学官連携組織をつくって、それがどんどんどんどん広まって岩手大学内の各学部、そして岩手県内の各大学、そういうふうに広がりを見せて、今ではものすごく大きなネットワークになっているわけでございます。  INSというのは岩手ネットワークシステムの略称でございまして、我々は、いつも飲んで騒ぐ会とか、いつかノーベル賞をさらう会とか、そういう読み方もあるわけでございますが、そういうゆるやかなネットワークという中で産学官連携というものが一つの成功例を見せておりますので、一関にもそういうイブニングサロンもございます。  そういうところとの連携も今後さらに強めていきたいというふうに考えております。 ○議長(菅原啓祐君) 18番、岩渕一司君。 ○18番(岩渕一司君) いわゆる就労する子供たちは、やっぱり自分の能力といいますか、それが十分に発揮できる環境というものを望んでいるというふうに考えますので、その辺の対策をひとつお願い申し上げたいと思います。  次に、子育て支援の関係についてでありますけれども、先ほどお話しありました待機児童については、実数ではこういう形ではありますけれども、いろいろ懇談している中で、実数に出てこない数字もあるということも実はありまして、いわゆる3歳未満児の関係ではありますけれども、先ほど壇上でもお話ししましたけれども、再就職するには今の育児休業期間というのは非常に短いですから、第1子を出産の機になかなか再就職ができないという環境が今現実的にあるということをひとつ認識をしていただきまして、その保育の施設なり環境の整備をひとつお願い申し上げたいというように考えております。 ○議長(菅原啓祐君) 齋藤保健福祉部長。 ○保健福祉部長(齋藤昭彦君) 今、議員のほうから未満児保育の問題、または再就職、または求職を行う保護者の方々への保育のニーズへの対応などお話をいただきましたが、これらの方々への保育ニーズについても的確に把握をしながら対応してまいりたいというふうに考えております。  なお、このような方々の中には、入所申請をしておらず、しかしながら入所希望を持っているというような、いわゆる潜在的な待機者という方々もいらっしゃろうかとは思いますので、市といたしましては、このような方々につきましても入所申請を行っていただいて、的確な保育ニーズの把握をしていきたいというふうに考えているところでございます。 ○議長(菅原啓祐君) 18番、岩渕一司君。 ○18番(岩渕一司君) それでは、保育サービスの充実については、その実態を調査しながら、ひとつ改善をよろしくお願いしたいと思います。  それから、次に地域医療の関係でありますけれども、いわゆる何回も申し上げて恐縮なんですけれども、室根というのは県境にありまして、室根地域には医科の分については1名しかいないという状況の中で、県境を越えた連携というものが室根の地域にとっては非常に大切なところでありますので、その連携についてひとつお願いしたいと思うんですが、何日か前の新聞に花泉町の医師の会でつくる懇談会があって、地域医療の充実を、県境を越えた連携・強化を図っていくというのがありましたけれども、室根の場合にはちょっとまた別の観点かと思うんですが、その関係についての一つ見解がありましたらお願いしたいと思います。 ○議長(菅原啓祐君) 勝部市長。 ○市長(勝部修君) 室根で第1回目の最初の移動市長室をやった際にも、室根地域の医療、福祉、介護関係者含めての意見交換の場を持たせていただきました。  さらには、診療所の院長先生と個別にも意見交換をさせていただいております。  そういう中からのご提言等もございますので、今後とも特に診療所の院長先生との意見交換についてはしっかりとご意見を伺う場としてとらえて、医療連携等についても、実際に診療所のほうの診療行為をなさっている先生方が、どういうふうな形が一番望ましいと思っているのかというあたりに重きを置いて考えてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(菅原啓祐君) 18番、岩渕一司君。 ○18番(岩渕一司君) この地域医療につきましては、後で小山雄幸議員がまた質問しますので、この件については以上で終わりたいと思うんですけれども、いわゆる市長が今年度から設けました政策推進監、大谷医師も非常に期待をしておるということを話されておりますので、その辺の医療の、いわゆる連携といいますか、そうしたものをひとつ構築されるようにお願い申し上げたいと思います。  それでは、時間がなくなりましたので、最後にスポーツ・レクリエーションの推進ということで、体育協会では指導者の育成、あるいは競技者のこれからの育成ということで単独で立ち上げましたけれども、やっぱり子供たちの育成を、あるいは指導者の養成をしていくというのは市の大きな課題でもあろうというふうに思っておりますので、そうした対応をひとつ、市としても指導者の養成と競技者の競技力の向上のための施策というものをひとつつくっていただきたいなと思っておりますけれども、その見解についてお伺いしたいと思います。 ○議長(菅原啓祐君) 小野寺教育部長。 ○教育部長(小野寺正英君) 今年度から体育協会が取り組みをされておりますけれども、実際、選手の育成、あるいは競技力の向上という形になりますと、体育協会、あるいは所属の各種目別の団体等との連携というのが必要になると思いますので、そちらのほうからのご意見等をいただきながら、どういうような形で市として支援をしていったらいいのか、その辺も意見交換をしながら検討してまいりたいと思っております。 ○議長(菅原啓祐君) 岩渕一司君の質問を終わります。  次に、及川忠之君の質問を許します。  及川忠之君の質問通告時間は40分で、一問一答方式です。  2番、及川忠之君。 ○2番(及川忠之君) 議長から許可をいただきましたので、一般質問をいたします。  初めに、この不況の中、働きたいのに仕事がなくて困っている方が多くおられます。  このような方々に対して、仕事の選択の幅を広げるという立場から質問をいたします。  前から私が関心を持って調査をしたところですが、農林業が持っている外部経済効果についてであります。  ちょっと古い資料ですが、平成12年、林野庁が発表した森林の公益的機能の評価によりますと、75兆円になると試算されています。  このうち、本日の質問に関係のある部分としては、森林が放出する酸素は年間7,100万トン、3兆9,000億円、二酸化炭素を吸収する役割については1兆2,400億円と試算されております。  この75兆円は国内総生産、GDPの中にはカウントされておりません。  私は、この国内総生産の中にカウントすべきだという考えでしたが、ようやくその一部が認められようとしてきたと感じております。  それは、日本の京都市で開催されました地球温暖化防止京都会議で採択された気候変動に関する国際連合枠組条約京都議定書の中で、地球温暖化防止のために温室効果ガス、二酸化炭素、メタンなどですが、削減目標、その他達成方法が定められました。  そこでは、人為的に管理を行っている森林の二酸化炭素吸収量も目標達成上カウントできるとされ、我が国の削減目標、1990年比6%の削減が義務づけされ、そのうち3.9%を新たに造成された森林や人為的な管理を行っている森林が吸収するということで日本の削減計画が認められております。  このような社会情勢を受けて、間伐により発生した未利用の木質バイオマスに注目が集まっております。  また、一方では、森林の二酸化炭素吸収機能など、低炭素社会実現のための森林の効果を新たな価値とする国内クレジット制度やオフセット・クレジット、これは山林の管理でできる取引ですが、J−VERともいうんだそうですが、制度が開始されております。  そこでお伺いいたします。  一関市の環境基本計画では二酸化炭素の排出量を減らす方向での計画はあるようですが、二酸化炭素を一関市の山林が吸収するという機能をフルに活用した計画になっていないと思われるが、一関市として、この広大な山林の面積を有する市として、二酸化炭素を森林に吸収させることによる削減という考えはなかったのでしょうか、お伺いいたします。  また、一関市環境基本計画の中に組み入れるとしたら、二酸化炭素を単に排出量の削減という考えから、これも大変重要な考え方ですけれども、その多くを吸収するということによって、この社会自体から削減するという環境行政にも寄与するということになると思いますが、いかがでしょうか。  次に、国では地球温暖化対策基本法なるものを2月に発表いたしました。  その主なポイントは、1点目として、2020年までに温室効果ガス排出量を1990年比25%削減、2点目としては、2050年までに温室効果ガス排出量を1990年比で80%削減、3番目といたしましては、エネルギー消費量に占める再生可能エネルギーなどの割合を2020年までに20%にするとしております。  基本的施策として、1点目として、国内排出量取引制度の創設、2点目として、地球温暖化対策の2011年度実施に向けて成案を得るように検討する、3点目として、再生可能エネルギーによる電気の全量を対象に固定価格買い取り制度を創設すると、これは参議院選挙によって審議未了のまま実現はしませんでしたが、いずれ国際社会に対して二酸化炭素の削減の約束をしている課題でありますので、早晩法制化が図られると思いますが、一関市として国内排出量取引に対して積極的に取り組む意思がありますか伺います。  これは東京都や埼玉県のように既に始まっているところもあります。  東京都はことしの4月から大規模なビル、工場を対象に地球温暖化対策として、二酸化炭素の排出量削減を8%から6%を義務づけ、実施しております。  さらに、埼玉県でも来年の4月から地球温暖化対策として、二酸化炭素の排出量削減を東京都と同じ削減割合で義務づけると発表いたしました。  東京にありますオフィスビルでは、排出量取引の活用を検討しているとされております。  その取引価格の妥当な価格としては、1トン当たり平均4,500円程度とされております。  これは、ことしの4月1日の日本経済新聞に掲載されておりました。  世界的な流通価格としては20ドル、今、円高ですから1,600円程度であります。  国内価格は高く設定されております。  そこで、広大な森林を持っている一関市として、この二酸化炭素の吸収量を取引するオフセット・クレジットを行う考えはありませんか、お伺いいたします。  また、本県でも、宮古市の業者や釜石市の森林組合ではその動きが既にありまして、二酸化炭素の排出量削減分を売却するため、宮古市の製材業者、川井林業は、木の皮など木質バイオマスを活用して、二酸化炭素の排出量を排出枠として、国の国内クレジット認証委員会に正式に売却できる排出枠として5,364トンが正式に認められたと、それを東京の環境コンサルティング会社に販売したと報じられております。  岩手県によりますと、木質バイオマスを活用して5,000トンを超える大規模な削減量が認証されたのは国内で初めてだとされております。  また、間伐による二酸化炭素の削減枠での取引は、北海道の下川町が町有林の二酸化炭素吸収量を排出権として市場で売却することを検討すると平成15年に発表し、その後、近隣の町村に参加をいただいて、現在は4町にて取り組んでいるということ、既に企業に販売しているという報道もあります。  そこで、市長、この一関市にあります東磐井地方森林組合では、このような社会情勢を敏感に感じ取って、平成22年度の事業計画において、二酸化炭素国内排出権取引制度等、新たな政策の情報収集をするとしております。  一関市も一緒になって取り組むということにはなりませんか。  また、一歩進めて、森林組合と一緒になって、国の認証制度である国内クレジット認証委員会の認証を一関市として積極的に取るという考えはございませんか。  国内クレジット認証委員会の認証を受ければ、一関市の林業行政に多大な効果が期待できるとともに、雇用の拡大にもつながると思います。  例えば、1ヘクタールの山林を間伐する、30%の間伐で現在の作業として7人から8人の、その他を加えても10人程度の作業員が必要となります。  県の補助事業で1ヘクタール、基準事業費として15万円程度ですが、補助金としては県が3分の2、市が10分の1、残りの23%が自己負担となります。  現下の木材価格の中でこの自己負担を捻出することは、かなり困難な情勢であることは理解できるでしょう。  この間伐によって、森林は成長するために二酸化炭素を積極的に吸収して成長すると、その量は40年生の杉で1ヘクタール当たり6トンとされております。  この6トンの二酸化炭素を販売すれば、今、手つかずのままいる森林が再生されるとともに、そこには雇用が生まれるわけですが、特に仕事がない山間部にその仕事ができることになります。  これを取り組まないということはないと思いますが、どのようにお考えなんでしょうか、あわせてお伺いいたします。  以上、壇上からの質問をこれで終わらせていただきます。  ありがとうございました。 ○議長(菅原啓祐君) 及川忠之君の質問に対する答弁を求めます。  勝部市長。 ○市長(勝部修君) 及川忠之議員の質問にお答えいたします。  CO2国内排出権取引と山村活性化策への活用についてでございますが、一関市環境基本計画は、5つの基本方針により環境施策を推進するものでございまして、その第一には地球温暖化対策の推進を掲げ、一関市地球温暖化対策地域推進計画及び一関市役所地球温暖化対策実行計画を策定し、率先してCO2の削減に取り組むこととしております。  その柱は、市の56%を占める山林に着目し、森林の持つ多面的機能の持続について、植林とともに下刈り、間伐等の保育管理を行うことで二酸化炭素の吸収能力を高めることを掲げているところでございます。  これまで森林整備計画に基づきまして各種事業を導入して、継続的な森林の整備を図ってきたところでございますが、森林の持つCO2吸収機能にかつてない期待と関心が寄せられ、国においても森林・林業再生プランを策定して新たな施策を打ち出そうとしているなど、これらの情勢を踏まえて、さらにこれを促進していくことが重要であると考えております。  次に、国においては、CO2排出削減量や森林吸収量に経済的価値を付与する、いわゆるクレジット化する仕組みとして、国内クレジット制度とオフセット・クレジット制度を創設しております。  この国内クレジット制度は、京都議定書で国際的に約束した温室効果ガス6%削減に貢献するため、大企業が自主的に設定する削減目標の達成を促進するためのクレジットであり、石油ボイラーを木質バイオマスボイラーに代がえするなどの取り組みとなっており、森林吸収量は対象外となっているところでございます。  また、オフセット・クレジット制度では、みずから削減することが困難な温室効果ガスの埋め合わせを行うために、他の事業者が実現した温室効果ガスの排出削減、吸収量の購入を行うもので、CO2排出削減へ幅広い取り組みを促進するものとして設けられた制度でございます。  クレジットの種類には、間伐を含む森林経営活動と植林活動があり、木質バイオマス燃料に代がえすることを含めてCO2の削減に寄与するものとなっております。  岩手県では、本年度からこれらの取り組みを進めるために、有識者による岩手CO2削減推進委員会の運営と制度導入マニュアル作成のための緑のクレジット創出促進事業、それから県有林でモデル的に実証するための森林環境ビジネスモデル事業を実施し、制度の普及促進を図っていくこととしており、環境省支援事業の活用や山村再生支援センターとの連携で推進することとしております。  地球温暖化対策の推進に係るCO2削減に関しては、広大な森林面積を有する当市の森林を結びつけることができれば林業の活性化につながるものととらえており、県の作成するマニュアルや事例を参考にしながら、また森林組合とも十分協議をしながら、市としてもさらに研究をしてまいりたいと考えております。  次に、林業振興と雇用拡大への期待についてでございますが、国においては昨年の12月に森林・林業再生プランを策定し、今後10年間をめどに、森林施業の集約化及び必要な人材育成を軸として、効率的かつ安定的な林業経営の基盤づくりを進めるとともに、木材の安定供給と利用に必要な体制を構築し、森林・林業を早急に再生していくこととして、現在その具体的な施策の検討を進めているところでございます。  これらの施策を実行に移していくのは森林組合や林業事業体などの現場の担い手であり、緑の雇用による実績に見られるとおり、雇用の拡大に結びつけていくことが必要であると考えております。  そのために私は、例えば高等学校など学校現場において、これまで以上に森林・林業再生プランなどを周知して、若者が地域の産業、特に第一次産業と環境問題について関心を持てるよう、夢を持てるような働きかけをしていくことが何よりも必要であると考えております。  そのために、今後、林業関係者のみならず、学校関係者などとの話し合いの場を設けることも考えてまいりたいと思います。 ○議長(菅原啓祐君) 2番、及川忠之君。 ○2番(及川忠之君) 再質問をいたします。  市の環境基本計画ですが、私もちょっと斜めに読んでみたんですけれども、市長が言ったようなことがなかなか見出せなかったので、そうですかという感じがいたします。  いずれ、市長が言っているとおりであれば、多面的効果を積極的に認め、それを推進するんだというのであれば、それはそれで結構なことなので、これは終わりといたします。  2点目の国内クレジット、オフセット・クレジットについてですが、今、答弁では、森林が吸収する量はクレジットの対象外だというふうに話があったんですが、これはちょっと違うのではないかなと。
     前に山村再生支援センター、一昨年、農林水産省から補助をもらいながら組織をした団体から取り寄せてもらった、環境省に出しているオフセット・クレジット、J−VER、モニタリング方法ガイドラインというものがあるんですが、市長、これは山の木を切って間伐をしまして、そして定期的にモニタリングで木を1本1本計測をすると、1年に一遍、そしていくら太ったか、それから1本1本高さを調べる、そうするとこの木が増体がいくらだと、そしてその山が、1町歩なら1町歩の山、1反歩なら1反歩の山、その山の相対の量がどれぐらい増体したのかということがわかるということだと、それによって二酸化炭素の吸収量が計算ができるということがこれにこと細かく書いてある、これが取引できるということなんですよ。  先ほど言いましたように、北海道でもうちゃんと既に、言いましたように取引をされているという実例がある、向こうのほうの企業と取引をしていると。  ただ、こういうモニタリングするために多大なる労働というか、調査事業が必要であろうと、そのために町一つでは大変だということでしょうから4町が一緒になってやっている、そういうことを先駆的にやるということが大切なのではないかなと、何でも。  特に市長は企業誘致に詳しいわけですから、企業というのは先に投資をするということ、先駆者利徳というのあるんですよ、ご存じだと思いますが。  そのために、今、東磐井地方森林組合ではそういうことに興味を示して、ことしの森林組合の総代会に提出された議案書、この中に平成22年度の事業計画の中の10番目に、先ほど言ったように、二酸化炭素の取引について調査研究しますと、やはり年間、市から委託を受ける分だけでも、例えばこれを民間から受けたとしてもいいんですが、200町歩からの管理をすると、新たに出てくれば1町歩約10人ぐらい、これは私が一昨年、私どもの組合で実際に補助事業をやってみまして感じたのが大体10人ぐらい、そうすると2,000人です。  その人たちが250日働いたとして何人の雇用になるか、安定的な雇用になる人数がそれだけ増えるということですよ。  それが、この一関市に、正確にはきのうの話では6万2,000ヘクタールと言いましたか、あるこの一関市の山をきちんと管理した、このオフセットは雑木山も杉山も松山も何でも問題ない、すべてオーケーなんです。  ということで、こういうふうなものに積極的に取り組んだならば雇用もできるよと、地場の産業としてやっていけるよと、これから環境問題が重点になってくるわけですから、なくなるということはないわけです、仕事が。  そういう意味で、より積極的に取り組むということで、一関市は環境のまちだと言ってもらえるような格好に取り組んでいるということが示されればなおいいのではないのかなと、プラスアルファが出てくるのではないのかなと思ってお伺いをしたわけですが、なんか先ほどの話ではこのオフセット・クレジット、J−VERという制度はないやの話があったんですが、この辺の認識がちょっと違うのではないのかなと思うんです。 ○議長(菅原啓祐君) 千葉農林部長。 ○農林部長(千葉孝君) 国内クレジットとオフセット・クレジットの違いについて、市長が答弁で述べているところでございます。  国内クレジットと言いますのは、いわゆる化石燃料のボイラーを木質バイオマスボイラーに変えるというふうな、そういうものでカウントされる国内クレジットというタイプ、今、議員がおっしゃっているのはオフセット・クレジット、それがJ−VERという制度になっていると、そちらのほうでございますので、どちらもあるという意味でお答えをしているところでございます。  今おっしゃっている、したがいまして、オフセット・クレジットの部分ということになっていると思います。  ただいまお話しのように、市として積極的な取り組みをというお話で、森林組合さんの関心も高いということでございます。  私どもといたしましても、これらについては、先ほどお話がありましたように、非常に手続き、あるいは認証費用とか多大にかかるというふうなことも聞いておりますし、いわゆる一つ考えられることは、経済的な仕組みとして山の側にその資金が環流するというふうなことになるかどうかというふうなところの見極めもきちんとしていかなければならないだろうと、そう思っております。  したがいまして、先ほど市長が答弁いたしましたとおり、森林組合とも協議しながら、さらに研究を進めていきたいと、そう考えております。 ○議長(菅原啓祐君) 2番、及川忠之君。 ○2番(及川忠之君) 今の答弁でもちょっと納得できかねるんですが、手続きが非常に難しいという話ですけれども、北海道でやっているんですよ、下川町というところで。  もうこの町は今回ではなくて平成15年からやると言って取り組んで、今は周りの町まで巻き込んでやっているわけです、4つの町でやっているわけです、ここは7つが合併したんです。  それぐらいの気概を持ってもいいのではないのかというふうに思うんです。  言葉で遊ぶ気はありませんが、広い意味で国内におけるクレジットだというふうに私は広い意味でとったものですから、オフセット・クレジット、J−VERといったって、この中であなた以外は調べたことないでしょうから知らないということだと思う、一般的な言葉ではないんです、まだ、市民権を得ていない。  そういう意味で、できるだけ初めて聞く方も何となくそうかというようにわかるような言葉にしたほうがいいだろうと思って、私はあえて国内の取引ということで申し上げたということなんです。  言葉というのは相手に通じなければ意味がない、意味がどうであれ通じるかということもあるんですね、その辺は一つ、揚げ足を取ろうと思っていうのではなくて、そういう意味での姿勢を示してもらえればなと思うんです。  そこで、何度も言うけれども、部長、こういうのが出ているんですよ、きちんと。  これは1反歩なら1反歩、山村再生支援センターのほうに問い合わせてみると、1町歩当たりの二酸化炭素の削減量はいくらだというと、40年生で6トン、もう少し若ければ8トンぐらいまでというんです。  まだ17年なり20年ぐらいのところだってもっともっと吸うだろうと、こういうことで言っているようです。  ただ、最近、ニュースを聞いて、おやっと思ったんですが、日本の中でも南のほうに行くとこの吸収量は少なくなっていると、今、この自然界が暖かくなっているためかどうか、温暖化のためかどうかわかりませんが、東北、北海道と一緒に1町歩当たりの削減量がいくらというふうにはなかなかならないということなようですが、ただ、このモニタリングも全部やれというのではないと思うんですよ、一関市で何カ所かやればいい。  あなたが言うとおり大変なんです。  だから、行政で手伝って、森林組合でやろうとしているのに対して支援をしながらもやるという意思がないのか、そういうことによって山の管理ができると、きのうも岩渕善朗議員から話が出たように、山の環境管理をしなくてはならない環境というのは大変なんです。  その民間の山をもこの方法で助かるならば、いい材が残せるならば、一関市として取り組むだけの価値はあるのではないのか、マイナスだけではなくて、マイナスにしない方法があるとしたならば、それに取り組むということがあっていいのではないかと、そう思って質問したわけです。  市長、どうですか。 ○議長(菅原啓祐君) 勝部市長。 ○市長(勝部修君) 議員ご提案のことを何も否定しているものではございませんで、その重要性、森林の持つ機能の重要性であるとか、そういう林業関係から雇用創出に結びつけていくというご提案についても、まさにそのとおりだと思います。  したがって、今後、関係団体等と十分協議しながら、さらに検討を進めていくということでご答弁申し上げた次第でございます。 ○議長(菅原啓祐君) 2番、及川忠之君。 ○2番(及川忠之君) まだもう少し時間がありますけれども、言いたいことは大体言い尽くしたような感じですけれども、市で平成21年度に200町歩ほど間伐をしている、管理をしている、これを東京都で平均的に二酸化炭素の排出量の削減をしている価格でちょっと出してみた、そうすると、二酸化炭素で大体6トンということで計算すると、200ヘクタールですから1,200トン、これが4,500円で取引をされますとなってくると540万円ですか、これがモニタリングもちゃんとやれば5年ぐらいまではもらえるということなんです。  そうすると、大変な金ですよね。  これが市だけではなくて、民間の方にまでこのモニタリングの効果が示されるとしたならば、山の所有者も今までマイナス、固定資産税を払い続けるだけでマイナスだったものが大体とんとんぐらいになるのではないのかと、森林組合で安心して雇用ができるという状況が生まれてくるということだと思うんです。  そのための面倒くさいモニタリングを市だからできるという、市だから応援してやれるということの姿勢を示してほしいなと。  それで、民間ですと一部負担金、200町歩ですと間伐の費用が1反歩当たり3万4,500円程度、3万円ちょっとですね、負担しなくてはいけないわけですが、山の所有者がこれだけ負担する金を今見出せるかというと、これが大変なんだということを申し上げているわけですけれども、これが200町歩ですと690万円、こういう金になるということなんです。  これを、このオフセットで企業が負担してくれるとなれば、一関市の山が美林になるし、一関市自体としては、全体としては財産の形成になるんだと、こういうふうに思うわけです。  山はその辺から見ていかないと、とてもではないけれども、やっていけなくなってきたということです。  もう、山はいらないと言いかねないような状態なんです。  その辺は、こと細かくはきのう、岩渕善朗議員から出たので再度話はしませんけれども、そういう状況下にあるということでひとつご理解を願って、市長の最後に言った言葉を信じて質問を終わりますが、ただ、この山に絡んだ質問というのは、これからシリーズで何回か視点を変えて、今回は農林部長さん、次は福祉のほうにいくかもしれません。  そういうことで、ひとつよろしくお願いをいたしたいなと思っておりまして、質問を終わります。  ありがとうございました。 ○議長(菅原啓祐君) 及川忠之君の質問を終わります。  午後1時まで休憩いたします。 午前11時38分 休   憩 午後1時00分 再   開 ○議長(菅原啓祐君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、菊地善孝君の質問を許します。  菊地善孝君の質問通告時間は50分で、一問一答方式です。  12番、菊地善孝君。 ○12番(菊地善孝君) 日本共産党一関市議団の菊地善孝でございます。  通告している3件について発言をいたしますが、いずれも市民生活において急を要し、大切な事柄ですので、的確な実のある答弁を求めるものでございます。  まず、藤沢町との合併問題です。  私ども日本共産党は、市民はもとより藤沢町民に対しても、合併の是非を決めるのは主権者であるそれぞれの住民である、したがって、その判断ができる正確かつ十分な情報提供が最も大切であることを再三指摘したところであります。  合併協議会が大詰めと報道される中、財政問題を中心とする核心部分の論議が後景に追いやられているように思えてなりません。  平成の大合併、とりわけ大型合併を行った自治体のほとんどが深刻な財政難を迎えていると言われている昨今、この質疑を通じて、当市が直面しつつある現実を合併論議以前の問題として共通認識に立ちたいと思います。  私どもは、合併特例が終了し一本算定となる2021年、平成33年以降の財政シミュレーションの早期提出を求めてきましたが、昨日の朝やっと提出されたところであります。  通告時、未提出だったことから表題のような表現となっていますが、市民の皆さんにはご理解をいただきたいと思います。  したがって、通告(1)から(3)をまとめて質問することになります。  まず、一本算定後の地方交付税額の激減額を確認したい。  提出された昨年度決算額は、普通、特別合わせた合計で222億8,900万円、一本算定初年度に当たる2021年、平成33年は67億4,200万円減の155億4,700万円、実に30.2%強の落ち込みとなる見込み、この議場の何人が認識していたでしょうか。  合併から10年間は7市町村時と同額の交付税を保証するとした算定がえをもって、合併は財政的に有利と宣伝され今日まで来ましたが、11年目からこの特例が5カ年かけて段階的に縮減され、16年目以降は本来の計算で算出される額まで激減される、この現実を何割の市民が認識していたでしょうか。  当局は今、来年度から6カ年間の定員適正化計画を7月30日付で発表し、さらなる大幅な職員減を実行しようとしています。  本年度比較で139人削減する計画であります。  1割以上の職員減をさらにせざるを得ない計画であります。  今、合併時に比較して14%減、221人も減らした結果、仕事がうまく回らない状況が生まれています。  これ以上減らされたのではやっていけないという声が上がっています。  ところが、前日の財政シミュレーションによれば、削減計画はこの139人にとどまらない内容となっています。  人件費は昨年度決算額113億1,500万円に対して、一本算定初年度の額は92億2,400万円、共済費含みの1人平均850万円で割り返すと246人の削減となります。  つまり、今次定員適正化計画よりもさらに107人多い削減計画となります。  これは、現在職員数1,359人の18.1%の大幅削減を意味します。  住民サービスのさらなる大幅な低下を意味することになります。  この傾向が藤沢町との合併でどうなる見込みなのか説明を求めたいと思います。  次は、担税力、税金を生み出すことでありますが、担税力改善策の具体的内容が何かについても答弁を求めるものです。  合併は究極の行政改革であることは論じるまでもないところです。  人件費の歳出を減らして、安上がりの行政実現がそのねらいであります。  今回の藤沢町との合併協議も、専らスケールメリットを中心とする経費節減がその内容となっているのではないでしょうか。  しかし、住民の多くが期待するところは、合併によって生活や経営が改善されることであるはずであります。  その内容を改めて紹介を求めたい。  抽象的な事柄の羅列ではなく、産業政策や民生部門の政策を合併によってどう改善しようとしているのか紹介を求めるものであります。  3つ目として、藤沢町農政、地域包括医療体制の合併後の現状維持は財政的に不可能と判断するが、同町は現段階でどこまで覚悟しているのか説明を求めたいと思います。  私ども会派は、全員で去る8月23日、葛巻町畜産開発公社を視察させていただき、場長兼務の専務理事、町役場総務企画課長を初めとする3人の方から説明を受けました。  この専務理事はかつて藤沢町の開発の視察をした経験もあるそうであります。  藤沢町が国営事業に着手、各種の第三セクター開設、観光部門への挑戦をした同時期に、葛巻町は北上山系開発という国営開発事業に参加し、三セク、観光という同様な過程を経て今日に至っています。  相当な苦労があったものの見事に事業を成功させ、公社は地域経済発展の原動力となっています。  合併後の藤沢農政を考察するとき、葛巻町の実績に学び、根本的に変革を実施しない限り、新一関市政のアキレス腱になるのではないかと危惧するものであります。  経営を入れられるかどうか、これがポイントだと思います。  農業経営が際限のない税金投入を前提としているものでは経営とは言えない、その任にある人を総入れかえすることが必要ではないか、それを受け入れる覚悟が藤沢町にあるのか否かであります。  葛巻町は小岩井農場に懇願し、副場長、獣医師等を含む3人の方を5年ずつ10カ年派遣していただき、人づくりをしながら開発に当たったのであります。  経営、技術両面から徹底的に鍛え上げてもらった結果が、本州一の酪農郷をつくり上げ、4つの第三セクターすべて黒字、酪農を中心とした地域循環型経済を確立して発展しているのであります。  市長の見解を求めるものであります。  また、8月30日、東京高等裁判所は、住民監査請求が出されていた長野県安曇野市における第三セクターへの損失補償について、無効判決を財政援助の制限に関する法律を根拠に行っています。  この間、指摘してきている合併の公社への町基金10億円余の無償譲渡が許されない可能性をこの判決から私は読み取るものであります。  藤沢町国営事業の円滑な運営のために必要という支出先不明、内容不明な支出が、たとえ議会議決を経ても適切と言えるかどうか、不適切と判断されれば、新一関市が、具体的には一関市長がその責任を問われることになります。  譲渡後の内容が、この財政援助の制限に関する法律上問題がないと言い切れるかどうか、詳細検討を市長に提案をし、答弁を求めたいと思います。  次は、地域包括医療体制維持はできるのかという課題であります。
     現在、町民病院、介護施設には約150人の嘱託や臨時の立場で働く非正規の職員の方々がいると報告をされています。  10年以上勤務の方もいらっしゃるとのことであります。  市は今、非正規職員の方のうち、2年ずつ任用を3回経過した方々の再任用は行わない方針で臨んでいます。  藤沢町のこの非正規の方々の中で、合併したら首になるとの不安が広がっていると現地の方々から報告を受けています。  どう調整する方針なのか、合併協では具体的な論議がされていないのではないか、もしこのまま合併となったならば、地域医療、介護に大きな混乱が生じるのではないか、責任ある答弁を求めたいと思います。  藤沢町の直営介護事業が理解されるのか、今、市内は直営方式が最も望ましいと思いつつも、行革の嵐の中で法人化され、経営は法人の責任、自己責任で行われています。  その結果、施設整備の深刻な遅れが生じ、要早期入所者さえ100人以上の待機状態、藤沢は待機者ゼロであります。  この説明できない負担とサービスの不公平を改善するためには、直営方式から法人によるものに変更せざるを得ないのではないか、その覚悟が町当局にあると判断しているのかどうかについても答弁を求めたいと思います。  大きい2つ目として、市産業振興条例実践の遅れがさらなる誘致企業撤退の要因になっているのではないか、こういう立場から発言をいたします。  今、市民生活の中での不安、要望が強い分野は雇用と仕事確保であり、地域医療であります。  新自由主義思想に基づく市場万能論、国際競争力アップ優先論の中、日本という国そのものが地盤沈下となり、先進国の中でただ一つ、この20年間、成長がとまったままの国となっています。  輸出一辺倒経済が国内経済を後退させ、国民生活を苦しめる構図は政権交代後も何ら変化ありません。  進行中の円高、株安の中で、地域経済はさらなる混乱度を深めていると推測するものであります。  私ども、地域経済立て直しの策として全国的に取り組まれている中小企業振興条例運動に学び、昨年、一関市産業振興条例を提案し、当時の議員各位の賛同を得て成立を見たところであります。  しかし、担当部署の都合もあり、振興会議の発足が延び延びとなり現在に至っています。  やっと今次の補正に関係予算の計上がありますが、一日も早い本格的取り組み、実践を期待するものであります。  具体的に質問します。  市内の完全失業者等、雇用の実態報告を求めます。  その2として、地元中小零細事業所に対する支援の実績報告を求めたいと思います。  その3として、松川原田工業の撤退表明に至る経過の中で、市行政の同社に対する働きかけについても答弁を求めるものであります。  最後に、大きい3つ目として、なぜ県下一深刻な地上デジタル放送難視聴地域となってしまったのか、その改善策についても説明を求めたいと思います。  来年7月末をもって地上デジタル放送に切りかえるため、これへの対策が講じられていますが、県下市町村の中で当市が際立って難視聴が多いとの集計結果が出ています。  全県難視聴世帯数5,920戸、これは遠野市だとか藤沢町のように現時点では難視聴にカウントされているけれども、全戸を光ファイバー、有線テレビで結ぶところは除いた数であります、5,920戸。  このうち一関市は80地区1,366戸、この5,920戸との関係では23%にも達します。  この間、光ファイバーの全戸敷設、有線テレビ化を求める議会側に対して当局は、これを実施する藤沢町と比較しても遜色のない対策を講じていると企画振興部長答弁がされてきました。  ここに至って、県下自治体の中で飛び抜けて多い状況になったその理由は何なのか、説明を求めていきたい。  同時に、どう改善する方針なのかも答弁を求めるものであります。  以上をもって、壇上からの質問といたします。 ○議長(菅原啓祐君) 菊地善孝君の質問に対する答弁を求めます。  勝部市長。 ○市長(勝部修君) 菊地善孝議員の質問にお答えいたします。  まず、財政見通しについてでございますが、本年度の普通交付税算定額は臨時財政対策債を含め約250億9,000万円であり、このうち合併算定替による増加額は43億9,000万円でございます。  当市の普通交付税の見通しですが、平成17年の合併から11年目となる平成28年度から合併算定替増加額の段階的な縮減が始まり、合併16年目となる平成33年度からは合併算定替がなくなり、本来の交付税算定となる、いわゆる一本算定ということになります。  この一本算定となる平成33年度の普通交付税は147億円程度と見込んでおり、本年度、平成22年度と比べまして104億円程度の減少となります。  また、この年の財源不足は16億円程度、年度末の財政調整基金と市債管理基金の残高は51億円程度と見込まれますことから、今後も引き続き確実な行財政改革に取り組み、将来を見据えた財政運営を行っていく必要があると認識しているところでございます。  次に、職員の定員についてでございますが、本年7月に平成23年度から平成27年度までの5カ年の定員適正化計画を策定したところであり、平成27年度の職員数を1,220人とし、平成22年度から5年間に定員を139人削減する計画としたところであります。  定員削減により市民サービスの水準が低下することがないよう、組織、事務事業の見直しが必要となりますことから、現在、本庁、支所すべての部署に指示をして作業をさせているところでございます。  今回策定した定員適正化計画は、平成17年の合併時の新市建設計画に沿ったものであり、定員管理の考え方や方針を変更したものではないということを申し上げさせていただきます。  これまでの退職者の5分の1採用を基本に、計画を上回るペースで定員削減を実施してきたところでありますが、職員の年齢構成に偏りが生じてきたこともあり、2分の1採用を基本として定員削減のペースを緩やかにしているところであります。  次に、合併の財政シミュレーションについてでございますが、本年2月に一関市・藤沢町合併研究会で作成し、住民懇談会資料でお示しした財政シミュレーションでは、合併しない場合の一関市のシミュレーションと合併した場合の新市のシミュレーションにおいて、普通交付税の合併算定替増加額が縮減となる影響から、後年度の収支が厳しくなり、合併しない場合の藤沢町においては、後年度に収支が改善される見通しとなっております。  8月24日に開催した第10回一関市・藤沢町合併協議会において、これまでの協議を踏まえた新市の財政計画をお示ししたところでございますが、その中では、平成33年度までの財政計画とあわせて、平成37年度までの長期の財政シミュレーションもお示ししたところでございます。  この財政計画等においても、後年度に収支が厳しくなる傾向は、2月にお示しした財政シミュレーションと同様でございますが、国営農地開発事業など現時点で将来負担が確定しているものにつきましては計上しておりますし、乳幼児医療費助成、あるいは在宅寝たきり高齢者等介護手当などの高齢者福祉事業、各種検診事業、各種農林振興・観光振興助成制度など、住民サービスの均衡を図るための経費も計上しているところでございます。  その結果、後年度の普通交付税の減少などによる厳しい財政状況の中においても、新市としての一体性を保ちながら一定の基金残高が確保できておりますことから、持続可能な行財政運営が行えるものと考えているところでございます。  次に、合併後の新一関市が中東北の拠点都市としての存在感を高め、都市間競争に打ち勝つための経済力の向上について、担税力という言葉がございましたけれども、この経済力の向上について申し上げます。  具体の対策を申し上げる前に、市町村合併の理念や必要性について、まずお答えさせていただきます。  まず、合併の理念についてでありますが、平成17年の合併協議の際に両磐は一つという声をよく耳にしたところでございまして、この言葉に託す思いはそれぞれさまざまなものがあるものとは思われますが、今もなお多くの住民の皆さんの胸の中にしっかりと残っているものと考えております。  さまざまな経緯があって、当時は7市町村での合併となりましたが、この地域は生活基盤をともにし、圏域として一体的に発展してまいりました。  私といたしましても、両磐は一つというこの思いを大切に市政運営に取り組んでまいりたいと考えております。  このことは、これまでの議会答弁においても答弁させていただいたところでございます。  今日、少子高齢化や人口減少など、地方を取り巻く社会経済情勢は大きく変化しており、平成の大合併においては、生き残りのための一つの手段として市町村合併が進められたところですが、このことは前回合併時においても根本的な課題として各市町村に共通していたものと認識しているところでございます。  一方では、地域のことは地域で決める地域主権の確立に向けた取り組みが本格化してございまして、住民に最も身近な基礎的自治体である市町村はこれまで以上に自立性が求められ、高度化、専門化する行政ニーズに迅速かつ的確に対処していくことが求められているところでもございます。  そのような中、生まれ育った地域で安心して暮らし、地域を誇りに思えるまちづくりを進めるためには、スケールメリットを生かした強固な行財政基盤のもと、まちづくりに取り組んでいくことが何よりも重要であると考えており、合併はそのための有効な手段の一つとしてとらえているところでございます。  今後は、一関市、藤沢町の13万余の住民が一体となって、両市町が持つ資源を結集、共有し、地域の総合力を高めることが大事であり、これにより人口規模や経済規模を生かし、国、県はもとより、民間資本の投入も導くことができるような中東北の拠点都市としての存在感を高めていくことが市としての活力を引き上げ、ひいては合併してよかったと思えるような地域づくりにつながるものと信じているところでございます。  次に、市全体の活力を創出するための具体策についてでありますが、活力を高めるためには、市民所得の向上を図ることが何よりも必要と考えているところであります。  一昨年秋以降の世界的な経済危機に伴い、当市にありましても相次ぐ事業所の閉鎖など多くの離職者、失業者が発生し、地域の経済情勢は引き続き厳しい状況にあり、給与所得も落ち込んでいるところでありますが、これを一日も早く回復させ、地域の経済力の向上を図るためには、雇用の創出、維持により、雇用の受け皿をしっかりとつくっていくことが何よりも重要であると考えているところでございまして、そのために現在、懸命に取り組んでいるところであります。  次に、藤沢町の農政についてでありますが、藤沢町の農政については、基幹産業としての農業を振興し、農業立町を目指す独自の振興条例の制定などにより、国営農地開発事業の推進をまちづくりの根幹に位置づけて、最重要課題として事業展開してきたものと認識しております。  したがって、事業期間が17年間に及び、事業費の大幅増額や特別型事業による建設利息の発生、あるいは藤沢型基金の造成など、財政負担を伴ってきたことも事実でございます。  しかしながら、今回の合併協議に当たり、前回、平成17年の合併協議で課題とされた藤沢型農業確立基金事業を藤沢農業振興公社に事業移譲及び基金移管し、民間法人である同公社の責任において貸し付け償還事務を行っていく方向性を示されております。  このような方法により、合併後の新市財政に負担がかからない仕組みの構築や未利用農地の解消が進んでいることから、債務負担額の減少、あるいは既に清算した第三セクターの免責的債務の減少などにより、従来の財政負担が減少していくことが見込まれており、この間の藤沢町の自己改善の努力とその効果が目に見える形になりつつあることも認めなければならないと考えております。  農政関係に限らず、債務負担行為は新市に引き継ぐことになりますが、これらを算入し新市建設計画に登載される事業を実施しても、収支均衡は確保できるものと見込んでいるところでございます。  なお、国営農地開発事業償還金に係る負担軽減や県営のかんがい施設に対する維持管理費の支援制度の創設については、引き続き国並び県へ要望するなど、合併後の財政負担軽減に向けて今後さらに努力をしてまいりたいと考えております。  なお、長野県安曇野市の損失補償についてのお尋ねもございました。  総務部長のほうから回答させます。  次に、包括医療体制についてでありますが、医療と介護が一体となった国民健康保険藤沢町民病院事業は現行のとおりとし、適正な運営と健全な経営が継続されるよう、事業のあり方について新市において検討していきたいと考えております。  なお、藤沢町で平成21年3月に策定された藤沢町民病院事業改革プランによりますと、平成22年度は約1億1,000万円の黒字、平成23、24年度は約1億3,000万円、平成25年度は約1億600万円の黒字と見込まれているところであります。  次に、産業振興条例とのかかわりでの管内の雇用の実態等についてのご質問がございました。  完全失業率及び完全失業者数につきましては、一関公共職業安定所管内の数値は公表されておりませんが、総務省の労働力調査によりますと、モデル推計値として岩手県の数値が公表されているのみでございます。  それによりますと、本年1月から3月の四半期平均の完全失業率は5.8%、完全失業者数は3万8,000人、4月から6月では5.1%、3万6,000人となっているところでございます。  次に、地域企業への支援実績についてでございますが、まず、企業の技術力向上への支援といたしまして、製造品の分析技術や材料加工等の習得を目指したものづくり人材育成事業を実施し、昨年度までに延べ402社、670人の受講となっており、さらに企業の技術研究開発への支援といたしましては、岩手県南技術研究センターや一関工業高等専門学校等との共同による新製品、新技術開発に対する補助制度を設けておりまして、昨年度までに延べで16社の実績がございます。  地域企業間の取引拡大のための支援については、企業ごとの製品展示や技術のPRを行い、受発注の機会拡大を目指した企業情報交換会を開催し、昨年度は51社が参加しております。  中小企業の事業拡大への支援につきましては、市内に工場や設備等を増設する際に、3人以上の新規雇用を条件に経費の一部を補助する制度を設けており、昨年度は1社がこれを活用し、6人の新規雇用の増加となっております。  なお、中小企業振興資金により、運転資金、経営安定資金等の融資や利子及び保証料への補給を行っており、昨年度末の貸し付け件数は863件、残高は42億6,931万円となっております。  また、優秀な人材の地元就職を支援するため、ふるさと就職ガイダンスや、主に一関高専の4年生へ地域企業を紹介する地域企業情報ガイダンスを開催しておりますが、ふるさと就職ガイダンスは昨年度延べ57社210人の参加、このうち7人が採用されており、地域企業情報ガイダンスにつきましては、本年度41社403人の参加となってございます。  今後も地場企業、誘致企業を含め、当地域に立地いただいている企業の事業所の雇用確保や従業員の人材育成等に引き続き支援を行ってまいります。  次に、原田通信株式会社岩手工場に対する市の対応についてでございますが、リーマンショックに端を発した世界同時不況に伴う当市内の雇用調整等の状況を把握するため、平成20年12月から複数回にわたり、同社を含め市内各社を訪問し情報収集に当たってきたところでございます。  本年3月に、私が親会社である原田工業株式会社を訪問して、原田通信株式会社岩手工場の現状についてや今後の生産体制についてお伺いし、意見交換をして、引き続きこれまで同様の体制を維持されるよう要請してまいったところでございます。  今般、同社から、リーマンショック以降の企業業績の悪化に伴い、岩手、新潟両工場による国内生産体制の維持が困難との理由から、岩手工場の生産管理機能を新潟工場へ集約し、業務効率の抜本的改善を図っていくことなどを決定した旨の連絡を受けたところであり、非常に残念に思っているところでございます。  市といたしましては、同社に対して、配置転換に応じられない社員がいた場合の再就職について最大限の支援を要請するとともに、関係機関と連携して雇用相談等に対応してまいります。  なお、現時点では、今後の体制やスケジュールについては未定でございまして、今後、社内で詰めていく予定であると伺っておりますので、随時状況の把握に努めてまいります。  次に、地上デジタル放送についてでございますが、県から公表された資料ということで紹介がございましたが、この資料は調べさせていただきましたけれども、県の作成に係る資料ではございませんで、住民からの情報などをもとに、デジタルサポートセンターで把握したデータのようでございます。  この資料によりますと、一関市内で80地区1,366世帯が地デジ難視聴地区対策計画の対象となり、地域別に見ますと、一関地域が22地区200世帯、花泉地域が32地区818世帯、大東地域が10地区で161世帯、千厩地域が8地区で89世帯、東山地域が3地区で46世帯、室根地域が2地区で37世帯、川崎地域が3地区で15世帯となっております。  この80地区のうち55地区1,142世帯については、本年12月までに中継局の開局や共同受信組合への加入などにより、デジタル放送の視聴が可能となる見込みでございます。  残る25地区224世帯については、国の支援を受けて、高性能アンテナの設置などで対応してまいります。  また、これらの対策を講じてもなお難視聴が解消されないケースも想定されているところでありますが、このような場合には、国の支援を受けて、衛星放送視聴などにより、来年7月のアナログ放送終了時に備えてまいりたいと考えております。  なお、市のデジタル放送対策や国の支援策、現在の受信状況などについては、今後も市の広報やホームページ等で広く情報提供を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(菅原啓祐君) 下村総務部長。 ○総務部長(下村透君) それでは、私のほうからは、先ほど議員さんのほうから紹介のありました安曇野市の第三セクターに係る判決につきまして答弁申し上げます。  この裁判につきましては、第三セクターに係る損失補償契約が、財政援助制限法第3条で禁じられている債務保証に当たるのではないかということで争われた裁判でございまして、それに当たって無効だというふうな判決というふうに受けとめております。  ただ、従来から行政実例等では、この財政援助制限法の第3条と損失補償契約は別なものだというふうな解釈がとられておりますし、これまでの判例におきましても同様に違反しないというふうなことで理解しておったところでございますので、今後、この裁判の詳細につきましてはもう少し詳しく研究させていただいて、財政援助制限法に当たるのかどうかということにつきましては、今後とも研究させていただきたいというふうに考えております。 ○議長(菅原啓祐君) 12番、菊地善孝君。 ○12番(菊地善孝君) だいぶ丁寧な答弁をいただきましたので残り12分、合併の問題に絞って再質問をしたいと思います。  まず、いただいた資料、数字的なものはいただいた公になっている資料をもとに述べていますが、若干数字が違うのは、特にも今年度の交付税見込みが250億円を超えると、これは景気対策その他で特別な手当てがされている、ある意味では財政バブルのような状態ですから、これを平年ベースで論じることはナンセンスだと私は基本的に思います。  あくまでも、それらを除いたこの間の実績に基づいて話をするとすれば、当局の提出された数字で言えば、先ほど私が紹介した数字になろうかというふうに思います。  再質問の第1点目は、これは答弁はなかったんですが、藤沢農政の関係で、経営という概念をきちんと入れて運営をするということが新市の中で必要ではないかということであります。  合併するまでは独立の自治体ですから、私ども差し控えさせていただきますが、新市においては当然、監査権も議会の調査権も及ぶわけですね。  そういう時点でものを考えたときに、葛巻町との、葛巻町の実例は、大型開発をして成功した実例というのは全国的にも本当に数少ないんですが、比較して何が違うのか、それは経営の視点をきちんと持った上で業務運営に当たるということであるかどうかだろうと思います。  あくまでも、経営ですから、どういう名目にしろ税金の投入を前提としなければ15年たっても20年たっても存続ができないような経営というのは、これは経営ではないと思うんですね。  ここの違いを見るときに、経営という視点を大胆に入れていかなければならないのではないかと、こういうことを私は提起しているわけであります。  例えば、県行政においても、相当の議論をされ、分析もされ、見通しを持ってやったはずの県の競馬組合があれほど深刻な状態に至り、県民世論の前で世論が強まる中で、2年続けて赤字のときには廃止するんだということで、今、日々真剣な取り組みがなされていますよね、県当局含めて、関係者。  やはり、経営という側面を入れていかなければならない、そういう時代に既に市町村はなおさら入っているんだろうと思います。
     私が提起しているのは、そういう視点でこの国営事業についても大胆なメスを入れる必要があるのではないのかということであります。  それが現在のスタッフの中でできるのであれば、それにこしたことではありませんよ。  しかし、議会全員が招待を受けて説明をされた、現地案内をいただいた等々のことで改めて思ったのは、どうも経営という視点が弱すぎるのではないかという思いを私は改めて持ったんです。  葛巻町にお邪魔したのは今回で5回目か6回目、そのうち2回は泊まったこともあるんですが、あれだけの気象条件の厳しい中、この一関地区とは比較にならない厳しい中、海抜650メートルから1,000メートル、緯度も高い、そしてアクセスも悪いという状況の中であれだけの実績を上げられたというのは、やはり徹底した経営努力ですね、こういうものの中であれだけのものができてきたんだろうと思います。  やはりそこに学ぶ必要があると思うんですが、これについての市長答弁はなかったように思いますので、所見をぜひともお願いをしたいと思います。  2つ目の東京高裁の問題なんですが、藤沢町の今回の基金云々の問題と全く同じケースではもちろんありません、全く別の自治体ですし、ケースも違います。  私が言いたいのは、財政援助の制限に関する法律、この司法判断なり行政判断も変わってきているということであります。  さっきの行政実例の問題もありましたけれども、第三セクターが多くの自治体で取り組まれて、そしてその結果がほとんどの場合、行き詰まった、その中にどんどんどんどん税金がつぎ込まれる、こういうものに対して住民運動なり監査請求含めていろんなものが出てき、議会その他でも問題になる、そういう中で、国自身が、行政庁の中でも内部検討の経過がありますね、公にその文書も出ています。  そして、さらに従来は許されたというそのことについても変遷してきているんですね。  そういうものの中で、今回の二審である東京高裁の判決は読むべきなんだろうというふうに思います。  かつてと違って国の財政、地方も含めて大変厳しい状況がさらに深刻化している中で、湯水のように赤字補てん、あるいは返される見込みのないところに税金をつぎ込むことはまかりならんという、こういう国民世論なりそれに押された形で行政庁の判断、こういうものがあるわけですね、ダムの中止も含めて。  こういうふうな背景があっての今回の東京高裁の判決だろうというふうに思います。  そういう意味では、ここで指摘している財政援助の制限に関する法律、特にも第3条の関係については、かなり厳密に財政援助をするならするなりのこの第3条が適用にならない、クリアできるというだけのもの、内容でなければならないということだと思うんです、私、先ほど来から言っているのは。  そういう考察をするかどうかを求めているわけですね。  一関市として、この部分についてはこういう判決もあったので、この援助法第3条の関係でクリアができるかどうか研究する必要があるのではないかと、しませんかと提起しているわけです。  この判決があったから、こうすべきだと言っているのではないです、クリアできるんですかと言っているんです。  そのことを内部で検討をされる必要があるのではないかと、もしクリアができないということが合併後はっきりしますと、これは継承するわけですから、新市が負わなければならないんですよ、当然のことですけれども。  行政マンとしての経歴の長い市長には釈迦に説法だろうと思いますが、最終的には市長にその責任が問われるわけです。  市長が財産上の保障をするかどうかは、当事者、当時の当事者ではありませんから、継承者ですから、承継しただけですから、負うかどうかは別問題として、市長自身の責任にも入ってくるわけですよ。  そういう意味では、こういう流れの中で検証する必要があるのではないかと、こういう提起、ですからこれに対してぜひ、いや、やる必要がないというのか、検討したいというのか答弁を求めたいと思います。  あわせて、実は何度も言いますが、財政的に相当深刻な状況にあり、住民もあえいでいる夕張市の財政危機の問題についてもこの機会にお話をさせていただきたいと思います。  旧自治省の税務関係の担当課長は、全国的に夕張市は模範となる財政運営をしていると雑誌に書いていた経過あるんですよ。  そこが、今回のような破局を迎えるまでには、ある日突然なったのではなくて、国のエネルギー政策の転換、藤沢町については農政の転換ですよね、通じるところは。  石炭から石油、観光事業の失敗、そして最後は北炭夕張の無責任な撤退によって、市が社会的な資本の後始末その他を全部負わされたと、それが決定的になった、命取りになったと言われているんです。  当時から3人の天皇が夕張にいると言われてきました。  市長であり、北炭夕張の所長であり、北炭労働組合の委員長だと言われていました。  その3人が密室の中で、いろいろな自由なことを実質決めてきたということの中で、最終的にはあそこまでいってしまったと言われています。  ですから、やはり今回の東京高裁の判決でも言われているんですが、税金をつぎ込む前に民事上の整理をするという手続きがどうしてとれないんだということを指摘しているわけでしょう、この判決の中で。  あるいは、ずっと前になりますけれども、川崎市で同じような問題、川崎市の問題が問題になったときも同じようなことが言われてきました。  やはりそういう意味で、もっと広い意味での議論、検討というのが市政においてもあってしかるべきだと思います。  以上です。 ○議長(菅原啓祐君) 勝部市長。 ○市長(勝部修君) まず、経営の視点ということでございますが、これはまさにそのとおりでございまして、何もこれは藤沢町の農業に限ったことではなく、今や地方自治体においても、地域を経営していくという観点は、これは外せないものでございます。  ですから、私は、いかなる場面であっても、この経営の視点というものは絶対に必要になってくると、その地域経営というものが、そういう視点があって初めてそこに市民との協働というものも出てくると思っておりますので、議員まさに今おっしゃったとおり、経営の視点というものは、一つには葛巻町の例も紹介されましたけれども、大いに参考にすべき部分もあるんだろうと思っております。  それから、損失補償契約の東京高裁の判決でございますけれども、これについては先ほど総務部長のほうから答えましたように、何せ、きのうのきょうでございますので、内容を少し精査させていただきまして、しっかりと勉強させていただきたいと思っております。 ○議長(菅原啓祐君) 12番、菊地善孝君。 ○12番(菊地善孝君) これは答弁いただく時間がなくなるかと思いますが、地域医療、地域包括医療の関係について改めて指摘いたしますが、現行どおりとし、新市においてあり方について協議をしていきたいという答弁であります。  しかし、それでいいんでしょうか。  毎日、多くの方々の命にかかわる問題です。  そして、150人もの非正規の人たちが毎日働いています。  その人たちが今、一関市の基準でやられたら自分たちは職を失うという不安に駆られているんです。  ここのところの説明なり何なりについて、新市において協議するだけでは私は不十分ではないかと、やはりその人たちが安心して日々の仕事に集中できるように、やはり当面は町でしょうけれども、配慮があってしかるべきだと私は考えます。  以上です。 ○議長(菅原啓祐君) 通告時間に達しましたので、菊地善孝君の質問を終わります。  次に、小山雄幸君の質問を許します。  小山雄幸君の質問通告時間は60分で、一括質問答弁方式です。  22番、小山雄幸君。 ○22番(小山雄幸君) 公和会の小山雄幸でございます。  議長のお許しをいただきましたので、通告しておりました3点について質問させていただきます。  初めに、救急救命士養成専門学校開校に向けた地域との連携についてであります。  本市は合併後、過疎化と少子高齢化の進行により学校の統廃合が相次いでおり、閉校となった学校施設をどのように活用するかが大きな課題となっております。  廃校後、利用方法が検討され、社会教育施設、体育交流施設や地域コミュニティー活動の拠点などに活用されていますが、いまだに活用されていない施設が多くあります。  このような中、6月7日、議員全員協議会において、旧釘子小学校校舎跡地に救急救命士を養成する専門学校の誘致が明らかにされました。  専門学校は来年4月の開校を目指しており、人材育成や雇用の創出など、地域活性化の期待が高まっているところであり、地元でも大きな期待と関心を持って注視しているところであり、次の5点についてお伺いをいたします。  1点目は、職員体制と計画概要はどのようになっているのか、2点目は、7月29日、私立学校審議会が設置計画を承認し達増知事に答申しておりますが、誘致決定後、地元自治会や住民への説明はいつごろになるのかお伺いいたします。  3点目は、教職員や学生の居住対策でありますが、教職員の宿舎は室根町教職員の空き公舎の利用が検討されていると聞いておりますがどうか、また、学生は基本的に全寮制であると聞いておりますが、どこに宿舎を確保するのかお伺いをいたします。  4点目は、専門学校における地元雇用はどうなるのか、また、地域住民との交流はどうなるのかお伺いいたします。  5点目は、地元の皆さんがスポ少活動や世代間交流で今も時々利用している体育施設や畑などはどうなるか、また、地元を挙げて植木のせん定や草刈りなどの環境整備が行われておりますが、これらの利用や活動はどのようになるかお伺いをいたします。  次に、地域医療における診療所の現状と課題であります。  地域医療は、医師及び医療従事者によって地域住民全体の幸福を常に考えながら医療活動を行うことが求められており、病気の治療にとどまらず、病気の予防や健康の維持・増進の活動、在宅療養のサポート、高齢者や障害者の支援を行い、医療を通じて医師と地域住民が手を取り合い、よりよい地域社会を築き上げていく活動であり、これを支える医療を担う診療所の状況についてお伺いをいたします。  診療所に勤務いただいている医師の仕事の満足度はどのようになっているか、毎日が多忙で休日が満足にとれない、自分自身の健康や子供の教育の問題など悩みはどのようになっているか、医師は一人勤務で精神的負担が大きく、孤立感に陥りやすいと思われますが、その対策として代診システムの導入や病院間の連携、研修状況はどのようになっているかお伺いをいたします。  また、診療所に設置されている心電図、X線撮影装置、超音波断層装置、胃カメラなどの医療機器の設備の状況と老朽化による更新が行われているのか、整備状況をお伺いをいたします。  最後に、雇用対策についてであります。  一関公共職業安定所は2009年度の高卒者の就職内定状況が98.5%と発表し、2年連続100%に達しませんでした。  2011年春の高卒予定者に対する求人は昨年を上回るペースで推移しており、3年ぶりの100%を目指し、早めの求人を呼びかけております。  また、文部科学省が8月5日に発表した学校基本調査報告によると、今春卒業した大学生の就職率は60.8%で、前年からの下げ幅は過去最大のマイナス7.6%であり、進学も就職もしていない進路未定者は約8万7,000人で、高卒を含め15万人近くが行き場の見つからない厳しい状況にあります。  一方、大学進学率が過去最高を更新するなど、高校から大学、大学から大学院など上位校への進学率は軒並み上昇しており、就職を先送りし進学に切りかえる学生が増え、大学卒業後も行き場が見つからないという厳しい状況にあります。  これまで行われてきた経済対策がどこまで実効性を持つかは未知数であり、加えて、とまらぬ円高、株安の日本経済の前途に暗い影を落としており、雇用は依然として厳しい状況が続くものと思われ、次の3点についてお伺いをいたします。  1点目は、高校生における新卒、既卒者の就職状況と未内定者や既卒者の支援はどのようになっているのか、2点目は、全国的に大きな問題となっている大卒者の就職難により本市出身者の就職情報は把握されているのか、また、新卒、既卒者支援は行われているのかお伺いをいたします。  3点目は、あらゆる経済対策が行われているが、依然として厳しい雇用環境が続いており、今後どのように対応していくのかお伺いをいたしまして、この場での質問を終わります。 ○議長(菅原啓祐君) 小山雄幸君の質問に対する答弁を求めます。  勝部市長。 ○市長(勝部修君) 小山雄幸議員の質問にお答えいたします。  まず、専門学校の開校に向けたスケジュールについてでありますが、開設者であります学校法人阿弥陀寺教育学園によりますと、名称は国際医療福祉専門学校一関校、設置学科は救急救命学科で、1学年40人の2年課程とのことでございます。  現在、平成23年4月の開校に向け、岩手県に対して専門学校の設置の認可申請を行っており、9月末に開催される県の私立学校審議会の答申を受け、県から学校開設について認可される予定と伺っております。  その後は、早急に学生募集及び旧釘子小学校の改修を行うスケジュールと伺っているところでございます。  次に、職員体制についてでありますが、学校設置認可に係る申請書によりますと、開設当初の教職員数は専任が4人、兼任が10人の合わせて14人で、2年目には専任、兼任合わせて20人体制とする計画となっております。  次に、地元説明会の開催についてでございますが、学校法人では今月末に岩手県から専門学校の設置が認可される予定でありますことから、開校が正式に決定することとなる設置認可後に地元での説明会を開催する予定と伺っているところでございます。  次に、教職員及び学生の宿舎についてでありますが、学校法人では、まずは学校経営を軌道にのせることが重要との判断から、当面は新たな施設建設は行わず、既存の建物を利活用する方針と伺っており、現在までのところ、教職員の宿舎としては室根地域にあります市の教職員公舎を、学生宿舎としては千厩地域にあります県の所有建物をそれぞれ使用することについて協議を進めている最中であります。  市といたしましては、学校本体はもとより、宿舎等の関連施設も含めた学校経営全体が地元で一体的に行われることにより、地域の活性化に大きく貢献をいただくものと考えておりますことから、今後におきましても地元を中心とした経営展開が図られるよう学校側との連携を密にして、可能な限りの支援策を講じてまいりたいと考えております。  次に、地元雇用と地域との交流についてでございます。  学校法人では、開設当初の教職員のうち、事務職員及びスクールバスの運転や施設管理を行う職員については現地採用の計画としております。  新たな雇用につながるものと期待しているところでもございます。  また、教職員や学生の昼食については、地元からの購入や弁当の提供などが想定されるほか、教職員、学生の居住に伴う生活用品、食料品などの購買による商店街の活性化、経済的な波及効果も期待されるところでございます。  次に、地域との交流についてでございますが、学校法人が石川県で開設している専修学校におきましても、学園祭への地元の方々の招待や学生たちの地域行事への積極的参加などを行っていると聞いており、一関校におきましても、学生によるボランティア活動や救急救命講習の開催など、地域との交流を積極的に行いたい考えと伺っております。  市といたしましても、教職員や学生が地域の歴史や文化に触れる機会をできるだけつくり出せるよう、積極的に支援をしてまいりたいと考えております。  次に、体育施設等の利用及び学校周辺の環境整備などについてでございますが、学校法人からは、専門学校の授業に支障がない場合には、校庭や体育館、敷地内の体験農園など、従来から地元の方々が利用している施設等については引き続き利用可能にしたいと聞いております。  校舎周辺の環境整備については、学校敷地内の草刈りなどにつきましては、基本的には専門学校の職員が行う予定と聞いておりますが、学校の周辺につきましては、地域の学校として、学生との交流も念頭に置きながら、地元の方々にも協力をいただきたい考えと伺っております。  理事長が現地視察にまいりました際にも、校舎周辺の環境に大変感激をしておりました。  地域の方々とともにこの環境を守っていきたいとのお話もいただいているところでございます。  次に、国保診療所についてでありますが、ご案内のとおり、当市には現在、猿沢、千厩歯科、室根、室根歯科の4カ所の国保診療所があり、地域に密着した診療所として住民へ医療を提供しております。  職員体制について申し上げますと、猿沢診療所は医師1名、歯科医師1名、看護師3名、放射線技師1名、歯科衛生士3名、事務職員2名、合計11名の体制に、千厩歯科診療所は歯科医師1名、歯科衛生士4名、歯科助手1名、歯科技工士1名、事務職員1名の8人体制、室根診療所、室根歯科診療所は医師1名、委託1名を含む歯科医師2名、看護師4名、歯科衛生士5名、歯科助手1名、事務職員2名の15人体制になっているほか、受付事務、医科診療報酬請求事務については委託を行っているところでございます。  医師、歯科医師の現状についてでございますけれども、猿沢診療所医師、千厩歯科診療所歯科医師、室根診療所医師にありましてはそれぞれ合併前の旧町村時代から、最長では20年以上にわたって勤務いただいております。  また、猿沢診療所及び室根診療所歯科医師にありましては、岩手医大歯学部よりの派遣のご協力をいただき勤務いただいているところでございます。  通常の診療に加えて休日当番医及び小児夜間救急当番医による診療、訪問診療などもあり、勤務は多忙でございますが、いずれの医師、歯科医師にありましても、地域医療に理解と熱意を持って職務に当たっていただいているところでございます。  医師の休暇の際の代診につきましては、医師にありましては、医師の個人的なつながりの中で行っているところでございまして、現在はシステムとしての構築はなされていないところでございます。  なお、やむを得ない場合は、患者の理解のもとに休診により対応しておりますが、現在まで特に苦情などはないところでございます。  なお、歯科医師にありましては、岩手医科大学歯学部との連携による代診応援システムが構築されているところでございます。  他の病院、診療所との連携につきましては、医師同士の連携構築についてご努力いただいていることもあって、患者の紹介、逆紹介、相談などについてスムーズに行われているところでございます。  医師の研修につきましては、それぞれの医師が希望するものについて予算化をして、おおむね受けられる状況になってございます。
     ただ、長期にわたる研修についてはなかなか難しいという現状にもございます。  地域医療の確保は当市にとりまして極めて重要な課題であるととらえており、それを直接担うこととなる医師、歯科医師の働きやすい環境づくりは、地域医療確保に不可欠なものでございます。  そのため、私は可能な限り、医師の方々と意見交換の場を設けるよう心がけておりますし、移動市長室においてもその地域の医師、歯科医師の先生方と話し合う場を持ったところであり、今後ともコミュニケーションを深めてまいりたいと考えております。  次に、診療所の医療機器、設備の整備状況についてでございます。  医療機器につきましては、耐用年数や機器の高度化の状況、診療の円滑化、さらにはカルテの電子化や診療報酬のオンライン請求といったIT化などを勘案しながら、総合計画の実施計画に位置づけ、計画的に更新や導入などを行っているところでございます。  最近の整備の事例を申し上げますと、平成20年度には猿沢診療所の電子内視鏡システム、解析付多機能心電計、内科用医事会計システム、千厩歯科診療所の歯科診療台について更新し、昨年度にありましては猿沢診療所の超音波診断装置、デジタルX線画像診断システム、千厩歯科診療所の歯科診療台、室根診療所の医事パソコン、電子カルテシステムについて整備、更新したところでございます。  本年度にありましては、猿沢診療所の歯科用コンピュータシステム、歯科診療台及び内視鏡消毒器、室根診療所の医科レントゲンCRシステムをそれぞれ更新することとしており、今後にありましても、医師との情報交換を密にしながら、計画的に整備を図ってまいりたいと考えております。  救急蘇生具につきましては、猿沢診療所には平成12年3月に人工呼吸器具を設置し、さらに本年6月に自動体外式除細動器、AEDを設置しているところでございます。  また、室根診療所にありましては、平成20年8月に同じくAEDを備えつけており、受診においでになった方が、万が一救急救命を必要とするような状況となった場合に備えております。  次に、本年3月卒の新規高卒者の就職状況と支援についてでありますが、一関公共職業安定所管内の新規高卒者の求職者数は399人でありましたが、そのうち就職者数は6月末時点で393人、就職率は98.5%と前年同期と比べ0.1ポイント上昇したところでございます。  未就職者6人おりますが、この未就職者への支援につきましては、ジョブカフェ一関等が継続して個別に就職相談に応じるなど求職活動を支援しているところでございまして、この支援体制は、県内では当地域が最も充実しているものと思っております。  また、就職支援策といたしましては、一関公共職業安定所並びに一関商工会議所と連携を図りまして、企業と高校の就職担当者が情報交換する求人・求職情報交換会や、高校生がみずから企業と面接する就職面接会等を開催したところでございます。  次に、既卒者の就職状況でございますが、高校を卒業した年の6月までは新規高卒者として扱われます。  その後、7月以降につきましては、一般の求職者と同じ区分になりますことから、就職状況についての把握は難しいところでございます。  また、就職支援策といたしましては、ジョブカフェ一関等による就職相談を行うとともに、ふるさと就職ガイダンスや就職面接会を開催するなど、就業機会の拡充に取り組んでいるところでございます。  次に、市内出身の大卒者、短大も含みますが、これらの就職状況についてでございますが、まず、短大を含む大卒者の就職状況につきましては、全国的な数値は厚生労働省で公表しておりますが、出身地別の数値はないため、把握できておりません。  また、出身高校においても、大学卒業後の就職状況については把握していないところでございます。  就職支援につきましては、市のホームページ及び広報等で面接会、就職ガイダンス、就職相談会等の情報を発信し、開催会場において管内の求人情報提供による就職相談等対応するとともに、就職時に必要とされております資格や技能の習得のための職業訓練、研修等を行っているところでございます。  また、Uターンを希望している社会人の登録者につきましては、随時、求人情報を提供しているところでございます。  大卒者の就職活動は、その多くがインターネット上での情報収集により行われている実態がございます。  しかしながら、企業からの情報が学生のところに届いていないと感じている学生が7割もいること、一方で、企業の情報はホームページなどで学生に伝わっているとする企業が7割もあること、このギャップを埋めていく必要がございます。  学生たちには、テレビCMなどで有名な企業とか人気企業ランキングという情報にのみ傾かずに、本来自分の希望する仕事に向かっての情報収集を心がけてほしいと思いますし、また、企業側も自社の魅力を学生にどう伝えていくか、技術的な面も含めて工夫していくべきと思います。  今後、これらについても市として企業支援をしていく分野ととらえております。  次に、雇用環境への対応についてでございますが、当市では、独自の施策として、新規高卒者の地元就職と職場定着を図るため、新規高卒者を採用した雇用主に対して、研修等人材育成費用として20万円を助成する新規高卒者ふるさと就職支援事業補助金を創設したところでございます。  また、キャリア教育に積極的に取り組んでおりまして、中学生の職場体験学習や高校生への支援として、ジョブカフェ一関を中心に、県と連携を図りながら各種就職支援を行っているところでございます。  国の制度の周知についてでございますが、これまでも、雇用に係る国の制度につきましては、市の広報やホームページ及び一関商工会議所を通じて企業等へ情報提供をしてまいりましたが、今後、担当部、担当課が直接各企業へ訪問して説明するなど、周知を図ってまいります。  いずれにせよ、今後、雇用環境が急速に好転するとの期待は持てない状況にございます。  企業の置かれている状況も理解できるわけでございますけれども、地域に産業人材として育成、定着を図っていくことが地域の活性化につながるということにご理解をいただいて、1人でも2人でも雇用に結びつくよう、市としても地元企業の支援策を考えてまいりたいと考えております。 ○議長(菅原啓祐君) 22番、小山雄幸君。 ○22番(小山雄幸君) 答弁大変ありがとうございました。  それでは、専門学校のほうから再質問をさせていただきます。  地元の皆さんは、専門学校が誘致できたということで大変歓迎して、どうなるのかな、将来はアパート経営もやってみたいなというふうな、そういうふうなことまで発展して、地元に学校が来るということに大変期待をしているところでございます。  それで、一つは、最初は1学科40人ということですが、将来的には他学科増設ということも、この学校法人は福祉のほうとか幼稚園経営などもやっておられますので、そちらのほうの増設は将来的にはあるものかどうかをお聞きいたします。  それから、地元の雇用ということですが、地元の経済の活性化ということで、教職員とか学生の食事の面があると思うんですが、そういう食材を利用した食品をつくっている組合というか、そういう加工組合が地元にはございますし、それから食品会社などもありますので、その利用等はどのように考えられるかどうかということをお伺いをしたいと思います。  それから、学校の名称が釘子小学校から変わるわけなんですが、今まで小学校として利用してきた門柱、それからこれまで刻まれてきた歴史がそこに残っているわけですけれども、そういうものはどのようなものになるかお伺いをしたいというふうに思うところでございます。  それから医療のことでございますが、お医者さんのほうでは1人勤務で、長い方で20年というふうなことで医療範囲が大きく、訪問診療など、先生の負担が大きいのではないのかなということで、お医者さんの休日とか代診医の確保、それからスムーズに研修ができるという、こういうお医者さんが働きやすい環境を整備するのが、やはり地域に来て医療を見ていただけるのではないかなということで、診療所間の、医科の場合は猿沢と室根があるんですけれども、そこに1人から2人勤務というか、もう1人ぐらいお医者さんを増員をして診ていただいたほうが、もっとよりお医者さんの負担が軽減されるのではないかというふうに思うのですが、その辺のお考えをお聞きしたいなというふうに思います。  それから、X線技師が1人で、猿沢さんと室根診療所をかけ持ちをして行っていただいておるんですが、健康診断とか治療においても、利用者からしますと不便というか、そういうことをあまり言ってはあれなんですけれども、利用していてちょっと不便を感じますので、X線技師の確保というか、もう1人増やしていただけないものかというように思う次第でございますが、その辺のお考えなどもお聞かせいただきたいというふうに思います。  それから、利用者としましては、民間の医院と比べてみるんですけれども、民間の医院には最新式の医療機器が整備されているわけでございますが、CTとかという大きな医療機器をそろえるとなると、予算的に大変な負担になるし、費用対効果を考えるとできません。  そんな関係もありますけれども、やはりなるべくなら一つのところで検査ができたり診療ができたらいいのではないかなというふうなことも考えられますので、できる限り最新式の医療機器を整備していただければなというふうに思うところでございます。  身近なものでは、24時間体につけておけられる心電図とか、心電計というんですかね、そういうものも猿沢さんのほうには去年設置されたようですが、そのようなものも整備していただけないかなというふうに思うところでございます。  それから、雇用のことでございますけれども、高卒のほうは6人ということで比較的いいのではないかなというんですが、大学生は大変厳しいようでございまして、新卒以外はとらないとかということで門前払いをされているような状況でございます。  そこで、ふる里就職ガイダンスということでIターン、Uターン、そういうことで開催されているんですけれども、その場に本市出身者の大学生が来て就職活動をしているものか、その状況はどういうふうになっているのか、来ているのか来ていないのか、ちょっとその辺をお聞かせをいただけたらというふうに思います。  それから、就職活動が難しいというか、こういう経済状況になってきて、いくら就職活動をしても職につけない、あきらめてしまって投げ出すということではないんですけれども、まず就職につまずいて引きこもりになるという、どうでもいいやというふうに投げ出すような、そういうふうな人もケースも出てきておるようでございます。  そのようなアドバイスというか、そういうケアはどういうふうになっているのか、その辺についてもお伺いをしたいと思います。 ○議長(菅原啓祐君) 勝部市長。 ○市長(勝部修君) 私のほうからは、一番最後にお話のございました雇用対策の関係を答弁させていただきまして、ほかはそれぞれの担当のほうから答弁させます。  大卒者がどの程度地元に戻ってきて就職活動をしているか、残念ながらその数値は現在とらえてございません。  全国的な傾向については、報道その他で紹介されているところでございますけれども、大卒のほうの就職状況も非常に厳しい状況になって、その厳しさが高卒の採用市場のほうにおりてきているという状況、これは確実にあるだろうと思っております。  そういう中で、今度は高校新卒が就職活動をしていくということですから、ますます厳しい状況になっているということが言えると思います。  それで、大卒者も何度挑戦しても失敗してしまってというお話がございました。  国のほうでは新たな対策として、卒業後3年まで新卒扱いにしたらどうだろうかということを打ち出しているわけでございますが、これとて企業側が、経営側がどの程度、拡大された部分を新規の雇用に結びつけていく余裕があるか、非常に私は、今の経済状況等も照らし合わせてみれば、そう簡単には雇用拡大には、すんなり結びつかないだろうなと思っております。  そういう中で、何度挑戦しても失敗をして自信をなくしてしまうと、引きこもりということがあったんですが、これはニートというほうがよろしいかと思います。  引きこもりの場合は精神医学上の分野でございまして、ニートの場合は社会学上の概念でございますので、自信を失って就職の前で立ちどまってしまっているという状況の若者が今、非常に多いわけでございます。  ですから、何とかして自信を取り戻させるために一歩を踏み出す、そういう試みがさまざまなところで行われております。  ジョブカフェなどでもそういう支援を今始めているところでございますので、何とかして、やはり地域にとって将来の地域の活性化を担っていただく若者を地域に定着させたいという願いで、さまざまな支援対策を試みていきたいと思っております。 ○議長(菅原啓祐君) 小野寺商工労働部長。 ○商工労働部長(小野寺良信君) 私からは、ふる里就職ガイダンスの会場に大学生、短大含みで何人来たかということ、それから、その就職状況についてお答えいたします。  ふる里就職ガイダンスにつきましては、平成21年度3回開催いたしまして、参加された方が約210人となっております。  それで、大学生、短大生の数ですけれども、1回目が11人、2回目が15人、3回目が14人ということで40人の大学生、短大生の方が来まして、割合からいきますと全体の約2割くらいを大学生、短大生が占めたということでございます。  それで就職の状況ですけれども、こちらでつかんでおりますのは、企業さんからの情報によりますと7人ということですが、その7人の内訳が一般求職者、あるいは専門学校、短大卒、それの区分まではちょっとできていませんでしたので、大学生、短大生がそのうち何人かというふうなことについてはつかんでおらないところでございます。  以上です。 ○議長(菅原啓祐君) 村上企画振興部長。 ○企画振興部長(村上和広君) それでは、専門学校の関係につきましてお答えを申し上げます。  まず1点目でございますけれども、専門学校の今後の展開の予定でございますけれども、学校法人では将来的に医療福祉系学科の設置も構想にはあるようでございますけれども、現時点におきましては、来年度開校予定の救急救命学科の運営を軌道にのせたいとの考え方から、現在のところ具体的な事業計画には至っていないと聞いております。  続きまして、教職員や学生によります地域経済への波及についてでございますけれども、先ほども市長の答弁でもありましたが、例えば昼食に関しましては地元からの購入、あるいは弁当の提供、そういったことは現在のところ予想される部分でございます。  3点目でございますけれども、旧釘子小学校の門柱等の取り扱いでございますけれども、学校法人が石川県に開設しております専修学校にありましても、以前、短期大学であった校舎を活用しておりまして、従前のその短期大学の卒業記念のモニュメント等につきましては、特に取り壊しなどは行っていないと聞いております。  ということで、一関校におきましても、基本的に旧釘子小学校の門柱、あるいは卒業記念などのモニュメントにつきましては、そのまま残しておくこととしたいというようなことでございますし、改修につきましては必要最小限といたしまして、玄関、あるいは昇降口上部に設置してあります学校名の表示を変える、その程度の改修といたしまして、地域の方々にとって思い出深い施設等につきましてはそのまま残したいと伺っているところでございます。  以上でございます。 ○議長(菅原啓祐君) 鈴木市民環境部長。 ○市民環境部長(鈴木悦朗君) 私のほうから、診療所にかかわるお医者さん等に係るご質問についてお答えをいたします。  診療所の先生がいろいろ、きょうまで非常に多忙だと、そういった意味で、先生が働きやすい環境を整える意味で医師の増員をもう1人やるべきではないかというような再質問だったと思います。  いずれ、先ほど市長のほうから答弁申し上げましたように、いろいろ忙しい中、診療所の役割、そういったものを踏まえながらお医者さんには働いていただいているところであります。  また、一方では、診療所というふうなものを考えますと、事業経営といった視点もまた大切であろうと思います。  診療所の先生にありましては、そういった視点も踏まえながら今診療を行っていただいているというふうな状況でありまして、そういうふうなことを考えますと、増員というふうなことに関しては非常に難しい課題だなととらえております。  また、現在、猿沢診療所と室根診療所のレントゲン技師の兼務のお話がございました。  診療所での検査業務につきましては、両方の診療所の連携協議に基づきまして、勤務日等を調整しながら行っておりまして、どうしても技師の方の日程調整がとれない場合、そういった場合については、医師が対応しながら診療に当たっていただいているというふうな状況であります。  このような診療体制といいますか、体制につきましても、現在の室根診療所における患者の状況、そういったことを考慮した上で、適切な医療を提供できる効果的な対応の仕方だというふうなことを先生にもご理解いただきながら実施しているところでありますので、どうぞご理解をお願いしたいと思います。  また、医療機器の整備等についてのお話もございました。  これにつきましても、これまでそれぞれ診療所の先生方と協議の上、更新してきているところでございますけれども、今後も計画的に、耐用年数等を把握しながら対応してまいりたいと思っております。 ○議長(菅原啓祐君) 22番、小山雄幸君。 ○22番(小山雄幸君) ありがとうございました。  専門学校につきましては、地元の人たちも積極的に参加できてというか、いろいろな面で、経済の部分についても、そういうことについてもかかわりを持てるような、そういうふうなことに側面からも市としても応援をお願いしたなというふうに思います。  それから医療につきましては、大変難しいというかあれなんですけれども、この中には地域医療のすばらしさというか、そういうこともありますので、やはりこれからお医者さんになる方、地域医療の体験の場として、診療所に研修医としてどこからか来ていただけないものかななんていうふうに思うわけでございます。  その辺についても配慮というか、お願いできたらなというふうに思うところでございますけれども、この辺につきましてもいろいろな兼ね合いがございますので、よろしくお願いしたいと思います。  それから雇用につきましては、なかなかあの手この手といろいろな政策というか、そういう方策を講じておりますけれども、なかなか経済が、世界的な経済の絡みもありまして好転が見えないというか、先が暗いということで、いろいろ努力されている部分には感謝しているところでございますけれども、その中で緊急雇用ということでいろいろな事業、ここ2年ですか、やっていただいているんですけれども、やっぱりこれは一時的な事業でございますので、そこに雇用が定着するには、やっぱり中長期的な雇用の場を確保していただくということについては、やっぱり企業誘致しかないのかななんていうふうな部分と、それから農業の再生というか、そこの中から新たな雇用の場が生まれるのではないかなというふうに思う次第でございますので、その辺に対しても市ご当局の懸命な努力をお願いしたいというふうに思いまして、私の質問を終わらさせていただきます。  ありがとうございました。 ○議長(菅原啓祐君) 小山雄幸君の質問を終わります。  午後2時50分まで休憩をします。 午後2時36分 休   憩 午後2時50分 再   開 ○議長(菅原啓祐君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、菅原巧君の質問を許します。  菅原巧君の質問通告時間は40分で、一問一答方式です。  15番、菅原巧君。 ○15番(菅原巧君) 一新会の菅原巧でございます。  きょうは、お盆にそれぞれ集落でお祭りみたいなものがありまして、そこに出席をさせていただいたときにお話をされた中身、大きく2点について質問をさせていただきます。  その第1点は、当時100歳以上の方の行方不明について大きくクローズアップされていましてね、地域の方も何でそうなのという思いで、酒を飲み交わしながら議論をしておったわけであります。  それともう1点は、ちょうどそのころなんですが、虐待について、行政と警察も情報を持っていながらどうしてこのような形になったんだというような、この2点が議論されていたんですよ。  私のほうにも来ました。  ただ、100歳以上の行方不明については、一関はまだまだ隣組が力ありますから、そういうことはないですよという話をさせていただいて、まずわかりましたと、では一般質問で明らかにしますから大丈夫ですよという話をさせていただいた中身でございますので、どうかよろしくお願いをしたいというふうに思います。
     まず、子育て支援対策についてでありますが、認定こども園の取り組みについては、きのう、いろいろと議論になったので明らかになりました。  これについては、文部科学省と厚生労働省が、平成18年10月に両省で幼保連携推進室を設置してこれを進めたわけなんですが、ただ、なかなか進まないのが現状でした。  全国的には229やりました。  岩手県は、インターネットを見たら7つだったんですよ。  ところが、きのうのやりとりの中で11ということだったので、では1つは千厩ということで本当に進まない。  それで、進まない理由は、これも教育長が答弁をされていました。  財政支援が不十分だということと、それとやっぱり事務が煩雑で大変だということ、連携があまりきちんといっていないといったようなことがあって、国は平成23年度に認定件数を2,000件に増やすために、きのうの教育長の回答のあった中身を見直しをかけるということでございました。  それで伺うわけですが、もし見直しがかけられたときには、これからは、このこども園については積極的にこれを指導していくというふうな立場をとるのかどうかについて伺いをしておきたいというふうに思います。  次に、全国で警察発表があったんですが、ことし上半期で摘発した児童虐待件数は181件なんだそうであります。  同期と比較して15.3%の増ということであります。  摘発人数についても199人増で、これも20.6%の増ということであります。  これは2000年から統計をとって最高の数値なんだそうであります。  そして、やっぱり虐待で亡くなった数が18人であります。  本当に、あたら命をなくしているわけでありますが、これを何としても防がなくてはならないというような思いがあるわけですが、そこで伺いをするわけでありますが、当市でもこの虐待について、実例があればお示しをいただきたいというふうに思います。  次に、ここの(3)なんですが、退職後2カ月を経過した子供さんの託児についてという、何かまどろっこしい話を書いてしまったんですが、中身は、ソニー千厩テックさんを退職された女性の方であります。  この方が2カ月過ぎましたら、子供さん2人いるんですけれども、お母さんが家にいるんだから子供は家に引き取ってくださいという話をされたということだったんです。  それで、これは大変だということでいろんなところにお話ししたそうであります。  そこで私のところにも相談がきまして、では担当のほうに相談をさせていただいて、これはまずお母さんの望むようになったわけなんですが、そこでお願いをしたいのは、今後、松川の原田通信さんのかかわりもあるわけであります。  これは求職の支援の一つとしてね、ここはひとつ、お構いなしというか認めていただくというか、支援策としてぜひ検討いただきたいということであります。  次に、大きな2番、高齢化対策についてでありますが、不明の高齢者はいないのかということについてお伺いしたいわけでありますが、これは税金の徴収とかね、それから年金などについては本人の確認が必要ですよね。  それと、選挙人名簿についても、選挙人名簿がないと投票できないといったようなこととか、それから介護保険、国民健康保険などについてもいろいろつながりがあるわけですよ。  こういう中にあってね、何で行方不明になるんだという部分が非常に私、解せない思いなんです。  これは、ヒアリングの中でも一関はないよということですから、本当に何をやっていたんだろうなという思いが非常にします。  多分、私と同じ思いを、お祭りのときに話をしていた方々はそんな思いで議論していたんだろうなというような思いをするわけでありますが、いずれにしても、ここの部分についてね、実際にあるのかないのかについて伺いをしたいと思います。  それと、ここの(2)の足の確保策についてでありますが、これは毎回毎回お話しして大変恐縮なんです。  ただ、買い物難民ということで大きく報道されていますが、当市にもあるんですよ、実際の話。  これも別にほかのよその話ではないんです、一関市にもあるんです。  足腰が弱くてひとり暮らしでね、玄関から出てくるのも大変、だれか近所の人を頼むとかね、あといつ来るかわからない息子を頼むとか、そういったような方たちがいるんです。  年金暮らしですから、タクシーを頼むのも大変なんですよ。  そういう方がおられる中であってね、今後こういう方が増えてくるのは間違いないわけですから、こういう、これから増えていく人たちにもやっぱり安心感を与える、夢を与える、これは行政の仕事だというふうに思うんですね。  そこで私は、高齢者の足の確保については、本当にそういう立場に立ってぜひやってもらいたいというふうに思うのでありますが、そのことについて伺いをしたいというふうに思います。  ここの(3)でありますが、独居老人の今後の対応についてということであります。  これも、きのう、千田恭平議員が質問されて、私もなるほどというようなことで納得をしたわけであります。  それで、私の隣組を見ると、まず老人、75、6歳ですかね、2人の夫婦と、それからひとり世帯が3世帯なんですね。  また、私の近所にはお母さんと子供さん、歩くのも不自由な方なんですが、その方もおられるということで、地震とか何かあれば、私がいればのぞいてみるんですけれども、多分私がいなければだれものぞかないと思うんですよね。  それで私、お願いしたいのは、やっぱり地域でだれかを決めてもらってね、そういう方が回ると、だれが回るか決めないと、だれか行くだろうといったってだれも行かないですよ。  これ、地域の中でやったらいいのではないかという話もあるんですけれども、ぜひこれについては、私の同僚議員が遠野市の話をされていましたが、ぜひこの辺を考えてもらいたいというふうに思います。  国も重い腰を上げて、24時間の見回りサービスを実施したいという考え方に立っているようであります。  ですから、その前に、ぜひ一歩前へ出ていただきたいなという思いから質問するわけであります。  次に、現役に対する取り組みについてでありますが、我々、やっぱり何といっても健康というのは幸せの源なんですね。  この健康を忘れているんですよ、健康のときに。  それで、何か具合悪くなって初めてね、その健康のありがたさというのがわかるわけなんですが、そこで、生活習慣病についてでありますが、これをやっぱり予防することによって国民健康保険税にはね返ることが少なくなるということも大きな要因なんですよね。  ですから、これの受診については、やっぱりしっかりと、どうしたら増やせるかといったようなこともやっぱり考慮してもらって、今後取り組みを強化していく必要があるのではないか、こんな思いをしているわけでありますが、そこで、受診率についてどうなっているかについて伺いをするわけであります。  それと、ドックの受診についてであります。  皆さんドックを受けてね、必ずどこかが悪くて何か指導があるんだそうですね。  この間の新聞で言うと、ほとんどの方がやっぱりD区分とかいただくんだそうですよ。  ところが、それに対する対処というのは、全くと言っていいほどやっていないというのが実態だという新聞記事が載っていたんですね。  これも、やっぱり自分自身のことだから、大の大人がやれとか何とか言われるまでもなく、これはやらなければならないんですけれども、ただ、やっぱり自分自身でこうやっていても何か大丈夫だなというような思いもあってね、なかなかその指導にのれないんだろうなといったような思いもあるんですが、ただ、これを受診をされた方の対処についてはどのような流れになっているのか伺いをして、私のここからの質問については終わらせていただきます。  ご清聴ありがとうございました。 ○議長(菅原啓祐君) 菅原巧君の質問に対する答弁を求めます。  勝部市長。 ○市長(勝部修君) 菅原巧議員の質問にお答えいたします。  子育て支援対策の関係については、保健福祉部長のほうから後ほど答弁させます。  私のほうからは、児童虐待のところから答弁をさせていただきます。  児童虐待につきましては、平成16年の児童虐待防止法などの改正によりまして、従来の児童相談所を中心とした対応から、市町村も虐待通告先ということになり、市町村と児童相談所がともに対応する仕組みに改正されたところでございまして、比較的軽微なケースは市町村が行い、緊急性や重篤なケースで一時保護とか施設入所を伴うようなものは児童相談所で対応することとされたところでございます。  市の家庭相談室で対応した児童虐待相談は、平成21年度の状況で申し上げますと、実人数が63名で、関係機関からの情報収集などを含めた延べ対応回数は1,446回となっております。  平成20年度に比べて実人数で8名、延べ対応回数で665回の増となっております。  実人数、延べ回数ともに増加しているという状況でございます。  また、その相談内容を見ますと、虐待種別では身体的虐待が25名、心理的虐待が17名、性的虐待が3名、育児放棄が18名となっており、主な虐待者は母親が53名で84%となっております。  これらの相談に対しては、3名の家庭児童相談員、平成22年度はこれが4名になってございます。  この家庭児童相談員が対応したところでございまして、短期の助言、指導のみとなったものが26名、児童相談所へ送致したものが7名、継続的な助言、指導としたものが30名となっております。  児童虐待は家庭内で起こることから、密室性が高く、子供みずからが訴えることが少ないなど、表面化しにくいということもあり、周囲の気づきによる早期発見が何よりも大切であると考えているところでございます。  市といたしましては、保健師による生後4カ月までの乳児のいる家庭を全戸訪問するこんにちは赤ちゃん事業、あるいは乳幼児健診などを通じ、さらには保育園、幼稚園、小中学校との連携によりまして、児童生徒の小さなサインを見逃さないようにして、早期発見に努めているところでございます。  また、児童虐待においては、その防止が極めて重要でございます。  育児の孤立化や育児不安の防止などのため、地域での子育て支援や虐待防止意識の啓発にも取り組んでまいりたいと考えております。  次に、保護者の退職後の保育についてでございますが、議員からご紹介のありましたようなお話につきましては、私も大東町の興田地区で住民の方々と意見交換の場を持ったときに、全く同じようなお話を耳にしております。  保育園は、就労等のため家庭で保育することができないことを入所の要件としております。  保護者の方が退職した場合には、保護者が家庭においてお子さんを保育することが可能ということになりますので、保育園への入所要件を欠くということになります。  しかしながら、再度の就労を希望し、求職活動でお子さんを保育できない方もおられますことから、原則2カ月間は継続入所としているところでございます。  この2カ月間としておりますのは、入所要件を満たして待機されている方もいるということを考慮した取り扱いとなっているところでもございます。  次に、不明の高齢者についてでございます。  100歳以上の高齢者の安否確認につきましては、8月4日に独自の調査を行ったところであります。  7月末現在の100歳以上の方66名についてその実情を調査したところ、在宅の方25名、特別養護老人ホーム等の施設入所の方が38名、入院中の方が3名となっており、全員の安否を確認したところでございまして、当市における100歳以上の不明者はおりません。  なお、85歳以上の方も含め、高齢者の方々の実態につきましては、毎年度10月1日を基準日として市独自に調査を実施しており、その状況を確認しているところでございます。  次に、高齢者の足、移動手段でございますが、その確保対策についてでございますが、高齢になっても長年住み慣れた地域で安心して生活を送るためには、買い物や通院、社会参加活動など、高齢者の足の確保は極めて重要な課題であると認識しております。  高齢者が安心して利用することができる利用者起点の交通体系の確立が必要であると考えております。  現在、花泉地域において高齢者が利用できるバスは、岩手県交通のバス路線2路線と、市が運行する通院に限定する福祉バスとなっておりまして、市内の他の地域よりも公共交通サービスの量は少ない状況でございます。  このため、花泉地域の公共交通サービス量を引き上げることを目的として、昨年7月から市民の代表21人と市の職員により花泉地域公共交通検討会を開いて、地域の実情に合った交通体系のあり方を検討しております。  現在は、花泉地域7地区での懇談、検討を経て、当面、市営バス方式でいくという方向で具体的な路線などの検討をしている段階でありますが、今後、低床バス、床の低いバスの導入など、高齢者利用に配慮した検討も行ってまいります。  なお、将来的には、花泉地域に限らず、市内全域で、いわゆる交通難民と言われる日常生活の足に困る高齢者が増加すると予想されますことから、当市に適した運行形態を地域ごとに検討していくことが必要であると考えております。  次に、独居老人対策についてでございますが、地域の中で担当を決めて見守るというご提案につきましては、特にも災害時の初動活動においては極めて重要であると認識しているところでございます。  高齢者の見守り活動は、防災だけでなく、犯罪被害の防止や地域の各種活動への参加を促すことで孤立を防止するなどの効果があるとも考えております。  こうした活動は、それぞれの地域の実情に応じて、社会福祉協議会や自治会等を中心に、地域の住民が一体となって行われることが重要でございまして、高齢者の見守り担当については、地域住民の話し合いや合意により決めていただきたいというふうに考えております。  そのことにより、よりお互いが支え合い、安心して暮らせる地域がつくられていくものと考えているところでございます。  市といたしましては、こうした地域での福祉活動を推進している社会福祉協議会や民生委員、自治会などの活動を積極的に支援していく考えでございます。  次に、成人に対する取り組み、ドック受診後の対処等についてでございます。  特定健康診査の受診率は、平成21年度では市全体では37.8%となっております。  地域別では、一関地域38%、花泉地域38.7%、大東地域38.5%、千厩地域32.6%、東山地域44.0%、室根地域33.3%、川崎地域41.8%となっております。  また、特定保健指導につきましては、平成20年度では特定健康診査受診者8,751人に対し、積極的支援と動機づけ支援を合わせた特定保健指導の対象者は18.5%、1,615人となっております。  なお、特定保健指導のプログラムに実際に参加した人は9.8%の159人でございましたが、このうち食生活の改善が見られた人が142人、運動をするようになった人が139人となっており、特定保健指導を受けた約9割の方に成果があらわれているところでございます。  人間ドックで要精密検査と判定された人に対するフォローについては、人間ドックの検査機関である岩手県厚生農業協同組合連合会から本人に対して通知がありますので、通知に従って医療機関で精密検査を受けていただくことになります。  医療機関での精密検査受診の有無については、ドックを受けた4カ月後に厚生連がアンケートにより確認をし、その後に市のほうに要精密検査該当者の受診状況とその結果が送付されてまいりますので、その内容に基づいて個人ごとにデータ管理し、相談があった場合に活用しているところでございます。 ○議長(菅原啓祐君) 齋藤保健福祉部長。 ○保健福祉部長(齋藤昭彦君) 子育て支援のご質問のうちの認定こども園についてでございますけれども、昨日も教育長からご答弁を申し上げた内容とも重なる部分がございますが、認定こども園につきましては、教育と保育を一体的に行う機能を備えた施設でありまして、その運営形態も幼稚園と保育園の両方の設置形態による幼保連携型、そしてまた、幼稚園を中心といたしました幼稚園型、保育所を中心といたしました保育所型などに分類をされております。  当市におきましては、千厩地域で幼保連携型の認定こども園が1カ所運営をされているところでございます。  このように、その類型も多様な形になってございまして、国ではこの認定こども園という形態とはまた違って、そしてまた幼稚園、保育所という区分も統合した形で、新たなこども園構想というものを盛り込みました子ども・子育て新システムの基本制度案要綱というものを去る6月に決定をし、平成23年の通常国会に法案を提出し、平成25年度に施行を目指すということが発表になっているところでございまして、これら国の動向を注視しながら、市としての今後の対応も検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ○議長(菅原啓祐君) 15番、菅原巧君。 ○15番(菅原巧君) それでは、虐待について伺いをいたします。  それで、今、報告がなされたわけでありますが、そこで伺いしたのは、どこでどのような形で実態把握をされたかというところについて、わかれば伺いをしたい。  例えば、家庭の中であれば隣の人が聞きつけて通報があったとか、学校であれば先生が見つけたよとか、健診のときに学校医が見つけたよとか、いろいろあるというふうに思うんですが、その部分については、どういうような形になっているのか伺いをしたいと思います。
    ○議長(菅原啓祐君) 齋藤保健福祉部長。 ○保健福祉部長(齋藤昭彦君) 児童虐待の相談通告につきましては、さまざまな経路を通じまして、市、または児童相談所にその通告がございます。  ご家族本人が、またはその虐待をしている方がみずから、自分がそのような行為をするということに思い悩みご相談をしてくる場合もございますし、また、保育所、幼稚園、学校などで子供の様子を見たり、または体にあざがあるというようなことを見つけて通告をしてくる場合もございます。  また、特にも重症なケースのような場合については、これは主に警察などに子供が保護をされるというような形で通告を受けるというようなものもございます。  件数的にはそのようなものと、件数的に最も多い形は、やはり隣近所の方々が、子供さんがしきりに、または長時間泣いているとかですね、外に出されているとか、そういうような状況などを見て通告をしていただいているというのが現実でございます。 ○議長(菅原啓祐君) 15番、菅原巧君。 ○15番(菅原巧君) 私も一番危惧したのは、自宅で保育をされているケースというのはなかなか人目につかないということでありますから、その辺を一番危惧されたので、お隣にそういう聞き耳を立てている方がおられればこれはありがたいような話なんですけれども、ないとすれば悲惨な状況になるので、それで、もう1点なんですが、平成18年度から立ち入り調査をするようになりましたよね。  それで、それをだれがどのようにして可能になるのか伺いをしたい、だれがどのようにして、どこで判断して。 ○議長(菅原啓祐君) 齋藤保健福祉部長。 ○保健福祉部長(齋藤昭彦君) 強制的な立ち入り調査権というものは児童相談所に付与されていると認識してございまして、児童相談所が警察と協議、相談をして、そこの施錠されているドアを壊して入るとか、または、そういうふうな形で行うというふうに聞いてございます。 ○議長(菅原啓祐君) 15番、菅原巧君。 ○15番(菅原巧君) この虐待については、やっぱり大きくは育児ストレスが大きな要因の一つではないかという話をされているんですが、そこで、今、国の事業として、こんにちは赤ちゃん事業があるわけなんですが、その取り組み、今、一遍、必ず巡回をするという話があったんですが、堺市までに、あのように充実した中身でなくてもいいんですが、やっぱりお節介型の対策といいますかね、そういうふうなものが必要だというふうに思うんですが。  ですから、こういう赤ちゃん事業のもう少し充実したものに変えていく考えはあるのかないのか、これは制度的なもので必要だと思うんですが、いかがでしょうか。 ○議長(菅原啓祐君) 齋藤保健福祉部長。 ○保健福祉部長(齋藤昭彦君) こんにちは赤ちゃん事業につきましては、育児のストレス、または育児不安というようなものを核家族の中でお持ちになっている、乳児を抱える若いお母さん方に対する支援、そしてそのことが虐待の防止、または虐待の早期発見につながるものということで、国の事業として始められて、市においても実施をしてございます。  現在は、保健師がそれぞれの地区を担当して全戸の訪問をしているという形になってございまして、これら乳児を抱える若いお母さん方などに対する支援というものは、市の行政職員だけではなくて、幅広く地域の方々にもご協力をいただくということも重要かなというふうに担当部長としては考えているところでございます。 ○議長(菅原啓祐君) 15番、菅原巧君。 ○15番(菅原巧君) そうすると、こんにちは赤ちゃん事業については、このままやっていくということのお話ですね、わかりました。  でもね、これが大きな要因だというふうにわかっているんであれば、そこに手だてしないというのはおかしいですよ。  それが原因ではないというのであれば、それはそれでいいんですよ、それが大きな原因だというふうにわかりつつもね、そこに手だてをしないというのはやっぱりおかしい、これは。  これはやっぱり考えるべきだと思いますよ、ご指摘しておきますよ。  それから、先ほど退職後2カ月後云々という、2カ月になると子供さんを保育園から引き取ってくださいっていう話ですよね。  これについても、市長ね、先ほど、どこかに行かれてこの話をされたという話なんですが、多分これ1人や2人ではないと思うんですよね、これにぶつかっているのは。  それで、求職支援ということでね、我がほうもこういう支援をやるんだというような話もあるわけですから、その部分だけ何とか支援の一つとしてね、ぜひ実現することできませんか。  市長お願いします。 ○議長(菅原啓祐君) 勝部市長。 ○市長(勝部修君) 私もこの話をじかにお聞きしたときに、何かいい方法はないかなと思って、いろいろ、いまだにずっとそれを引きずっているわけでございますけれども、制度的にどこまで可能かということもあります。  その際には、一方では手続きを、入所の申請をして順番待ちをしているという方も現にいらっしゃるという、そちらも考慮しなければだめな分野でございます。  制度的にはそちらが正しいわけでございますので、そういう中で、どこまで弾力的にできるのかなということも考えたりしておりますし、また、その期間が3カ月、4カ月、5カ月とずっと続くことは、逆に就職活動をいたずらに長引かせることも、これはあまりいいことでもないわけです。  そういうさまざまなことを考えて、今一番いい方法はどういうところなのかなというところで、若干頭を悩めているところでございます。 ○議長(菅原啓祐君) 15番、菅原巧君。 ○15番(菅原巧君) 今のお話なんですがね、2カ月なら2カ月で子供さんを預ると、しかし就職が決まったとき、では即預ってくれるのかというとそうではないですよね、それも。  やっぱりその辺は少し考えていただきたいなというふうに思います。  次に、死亡届が出ていなくて戸籍上生存しているというのが、読売新聞の2日の日の新聞に載ってございました。  それが254人ということで一番多いんですね、一関市ね。  それで伺いしたいんですが、100歳以上となっていますが、これは下げればもっとあるのかななんていうような思いもあるんですが、それで、254人のうち旧市町村別にわかればお示しをいただきたいというふうに思いますし、それと、どのような理由でこれが削除ならないで今日まであるのかについて伺いをいたします。 ○議長(菅原啓祐君) 鈴木市民環境部長。 ○市民環境部長(鈴木悦朗君) 除籍にかかわることのご質問でございますけれども、254名の市内の内訳というふうなことでございました。  その内訳としては一関地域が125名、花泉地域が15名、大東地域が36名、千厩地域が30名、東山地域が7名、室根地域が26名、川崎地域が15名でありました。  この主な要因でありますけれども、一家で、例えばブラジル移民だとか海外移住だとか、そういったケースが主な内容ではないかというふうなとらえ方をしてございます。 ○議長(菅原啓祐君) 15番、菅原巧君。 ○15番(菅原巧君) あとは今後の取り組みなんですが、どのようにされようとしているのか、それと、法務局の許可さえあれば自治体の職権で削除ができるというような部分もあるわけなんですが、その辺の今後の取り組みについて、どのように考えているのか伺いをいたします。 ○議長(菅原啓祐君) 鈴木市民環境部長。 ○市民環境部長(鈴木悦朗君) いずれご案内のように、戸籍事務は国からの事務の委託の部分があります。  法務局とこの辺は十分相談しながら対応してまいりたいと思っております。 ○議長(菅原啓祐君) 15番、菅原巧君。 ○15番(菅原巧君) では、ぜひ、こういうのはあまり、よその市より大きいからというのはあまり自慢できる話ではないので、ぜひお願いをしたいというふうに思います。  さて、足の確保策についてであります。  今、いただきました。  それと前回の質問の中でも話をさせていただいたんですが、ここは、例えば花泉だとJRさんか県交通さんを使わせていただくんですが、利用するんですが、JRさんに近いところについては、前にも言ったんですが、階段を上れなくて利用できないといったような状況があるわけですね。  それで、基幹の部分がやっぱり一関の場合は弱いと私は思っているんです、花泉から見たときに。  それで磐井病院に行くのもしかりですよ。  これね、早急に手を打っていただきたいというふうに思うんですが、この部分についてはいかがでしょうか。 ○議長(菅原啓祐君) 村上企画振興部長。 ○企画振興部長(村上和広君) ただいまお話のありました磐井病院の直接乗り入れ、こういったことにつきましては、他の地域からもそういった声はかなりいただいております。  それで、年々高齢化が進んでまいりまして、やっぱりそういった要望というのは強くなってきていると思っておりますので、私どもも県交通のほうには積極的に働きかけておりますし、今後もそういうふうな改善をしていただくような形で働きかけていきたいと考えております。 ○議長(菅原啓祐君) 15番、菅原巧君。 ○15番(菅原巧君) 県交通さんのほうに働きかけをして、そして県交通さんがだめな理由というのは何ですか、まだできないという、その走れないという理由。 ○議長(菅原啓祐君) 村上企画振興部長。 ○企画振興部長(村上和広君) 磐井病院への直接の乗り入れにつきましては、ご承知のとおり、県交通のほうで一ノ関駅からバスを走らせているわけですね。  そういったこともございまして、直接乗り入れいたしますと、今度はそちらのほうに影響があるというような、そういうお話を聞いております。 ○議長(菅原啓祐君) 15番、菅原巧君。 ○15番(菅原巧君) そうすると、直接乗り入れは、今、在来の部分に影響があるから検討中だということでいいわけですね、わかりました。  それから、モデルケースの話をさせていただきました、以前ですね。  それで県交通さんも走っていない、JRさんも走っていない、そこにあるわけですよ。  そこで乗り合いタクシーなどの、一部小さなところでも結構なので、1集落でも結構なんですよ、ぜひ一度やってみて、それでだめならやめればいいわけなので、モデルケースとして導入の検討結果についてはどうなのか伺いをしたいと思います。 ○議長(菅原啓祐君) 村上企画振興部長。 ○企画振興部長(村上和広君) モデルケースと言いますと、例えばデマンド交通とかそういうのなのかなというようなことでございますけれども、いずれこれにつきましては、以前に実施したケースもございましたが、一応、予約型の関係がございまして、なかなかそれが住民の皆さんに定着しないで、かえって不便だという思いのほうが先に立ちまして、なかなか定着しなかったようなそういう実情はございました。  いずれ市長の答弁でもありましたが、地域ごとに今後検討いたしまして、どういった運行体系がふさわしいのか、そういったことについては積極的に検討してまいりたいと思っております。 ○議長(菅原啓祐君) 通告時間に達しましたので、菅原巧君の質問を終わります。  次に、千葉大作君の質問を許します。  千葉大作君の質問通告時間は60分で、一問一答方式です。  30番、千葉大作君。 ○30番(千葉大作君) 関政会の千葉大作であります。  第29回定例市議会に当たりまして、通告のとおり3題についてただしてまいりますので、明快かつ実のある答弁を期待するものであります。  一般質問2日目の最後でありますから、議員各位もかなり疲れがたまりまして、また、行政当局の皆様におかれましても疲労こんぱいの極みと思いますが、あとわずかの間、おつきあいをよろしくお願いをいたします。  まず初めに、平成24年度移転予定の一関清明支援学校跡地利用について伺います。  現在、萩荘高梨地内にある一関清明支援学校は、平成24年度に旧農業高校跡地に移転すると聞き及んでおります。  高梨地内の清明支援学校、もとの聾学校の敷地面積は約1万5,600平方メートルという広大な面積を有しており、この跡地利用に関して地元地区民は、高梨地区は550戸以上の戸数と児童数150名を数えるが、児童遊具を伴った公園はなく、児童が群れて戸外で遊べる状況にはなく、高梨地区住民のみならず、周辺の住民が緑地公園として利活用できるように対応してほしい旨願っておりますが、この要望に対しましてどう対応しようとしているのか、まず伺うものであります。  さらに、庁内で利活用について協議されたと仄聞するものでありますが、その内容についてもお尋ねいたします。  また、この件に関して、県との協議に入る時期等について伺うものです。  次に、歴史の小道整備計画の事業化見通しに関してお尋ねいたします。  合併前の旧一関市のまちづくり構想に歴史の小道整備事業という計画がありました。  総合計画にも盛られ、平成13年2月から地域住民を対象としたワークショップも行われ、7月には調査報告書も作成しております。  しかし、その後の合併後の総合計画の中には見ることができません。  どのような経緯でこう変わっていったのか、その経過についてお示しを願うものであります。  また一方、一関市都市計画マスタープランにおいて、まちづくりの方針と題した上で土地利用、市街地整備の方針、あるいは都市景観の形成方針の中の歴史・文化的景観の形成方針という項目において、歴史の小道整備に触れておりますが、具体の工程表が総合計画には示されない状況では、この構想は抽象の世界に遊んで終わるのではないかと懸念する次第であります。  この計画の総合計画の中での位置づけを阻害する要因は何か、また将来、その重い要因を乗り越え事業化があり得るのか、そろそろはっきりと示すときが近づいているのではないかと思料いたしますが、市長の所見を求めるものであります。  また今後、この整備計画のあり方について、地域住民の方々と意見交換を行う用意があるのかないのかも、あわせてお尋ねをいたします。  次に、3題目の質問となりますが、放置されている旧農業高校実習地、山田耕地の山田水路の早期整備について伺います。  この課題は、一関市に旧岩手県立一関農業高校が昭和43年4月1日に設置され、その実習地農場として、萩荘地内の私有地や共有林を市が住民から買収し、県に実習地として寄附採納したときから始まっております。  買収された共有林や私有地は、牧草地や水田に造成されました。  しかし、この土地の土壌は水に弱く、大雨が降るたびに泥状となって雨水と流出して排水路をふさぎ、近隣のため池にも流入して大量に堆積をしました。  そこで県は、素堀の排水路に応急的処置としてコルゲート管を布設し、今日に至っています。  布設年月日は不明ですが、現在では腐食し、水路は機能不全に陥っている状況でありますが、県及び市においては住民からの改修要望にもかかわらず、手つかずの状態で放置されたままになっている水路であります。  私は、議員当選後、平成8年以降、山田耕地実習地から排水路を通って流入し堆積した土砂のため池しゅんせつ工事を行う際に、住民要望を行政当局につなぎ、市も当時の状況に理解を示し、工事補助を行うなど対応しております。  実習地の下流部に広がる山田耕地の営農振興に多少かかわりを持っております。  この山田水路につきましても、平成19年から住民各位の方々とこの水路の整備について、一関二高の校長、事務長にお会いをし、要望をしております。  また、平成20年11月に、市の農地林務課、一関二高、地元の三者で協議を行い、そして平成22年2月8日、やっと県教育委員会、市農地林務課、二高校長、地元住民等の四者協議を行いました。  しかし、著しい進展は見えない状況にあります。
     そこで私は、市が地元住民の思いを受けて県と協議を行い、早期整備に向けてイニシアチブをとって、スピード感をもって対応すべきと思料しますが、市の対応を今後どうされるのかお尋ねをいたします。  また、去る7月5日、勝部市長は歴代の市長で初めて現地の山田水路に足を踏み入れ、水路の現状をつぶさに視察され、地域の住民各位とも懇談されましたが、そのときの思いをぜひ開陳いただきたいと思います。  また、市長はその場で住民各位に、近いうちに県教育委員会に出向き教育長に会って善処したい旨を述べられました。  その成果が今後どのような形であらわれてくるのか伺いまして、この場からの質問とさせていただきます。  ご清聴ありがとうございました。  なお、満額の回答であれば、2回目の質問はいたしません。 ○議長(菅原啓祐君) 千葉大作君の質問に対する答弁を求めます。  勝部市長。 ○市長(勝部修君) 千葉大作議員の質問にお答えいたします。  まず、一関清明支援学校跡地の利活用についてでありますが、萩荘地区にある県立一関清明支援学校本校舎は、現在、市が分庁舎として使用している県立一関第二高等学校清水校舎を移転先として整備が予定されていることから、平成23年度末をもって未利用財産になると伺っているところでございます。  この状況を踏まえて、本年6月30日に萩荘地域を考える会より、一関清明支援学校移転跡地の利用について、現存する遊具などを高梨民区で活用し、できれば緑地公園としてほしい旨の要望を受け、8月3日に学校移転後の跡地活用策を市として検討し、県と協議していく旨、回答をしているところでございます。  庁内での利活用の協議の経緯でございますけれども、県教育委員会より一関清明支援学校施設の利活用希望について照会されていることから、現在、各課等に対し、その利活用の可能性について照会しているところであり、各課等からの報告や地元からの要望などを踏まえて、今後、庁内で検討を行って、利活用策がある場合には県との協議を進めてまいりたいと考えているところでございます。  次に、歴史の小道についてでありますが、歴史の小道は、旧一関市にあって、昭和61年度に策定した花と緑の都市総合整備計画の中で、歴史の重みを伝え落ち着きのある町並みづくりを目指して、伝統的な建造物の保存と活用を図るとともに、これらと調和した通りの景観をつくるため、田村町の中街通りを歴史の小道として位置づけたものでございます。  また、具体の整備計画を策定するため、平成13年に地域住民を対象としたアンケート調査やワークショップにより整備計画案をまとめたところですが、当時の財政状況による事業見直しにより未着手となっていたものでございます。  合併後の総合計画では、事業名としては計上しておりませんが、地域の歴史、文化、風土など、地域特性に応じた景観の形成をすることとしているところでありますし、新市建設計画や平成20年度に作成した都市計画マスタープランでは、その整備について盛り込んでいるところでございます。  しかし、市全体の施策、事業の優先度などから、平成22年度までの総合計画前期基本計画には計上を見送ってきたところでございます。  歴史の小道整備計画の事業化についてでありますが、歴史の小道整備計画は、沼田家武家屋敷、酒の民俗文化博物館など、歴史的建造物等の地域資源が点在している中街の通りを、これら地域資源を活用しながら、これと調和した景観づくりを行うこととしており、電線類の地中化、あるいは歩車道のインターロッキング舗装、街路灯などの整備を計画しているものでございます。  現時点では、事業期間は5カ年程度、事業費は3億円程度が見込まれるところでございますが、通りの整備のみでなく、町並み形成のためのルールづくりなど、地域の方々と一緒に検討していく必要があると考えております。  これらにつきましては、同一地区内で行われる磐井川堤防改修事業による市道のつけかえも含めて、町並みの景観形成と調和を図る必要があると認識していることから、社会資本整備総合交付金など財源の確保も含め、今後事業の実施に向けて検討してまいります。  その際の地域住民との意見交換についてでございますけれども、これまで地元からは、早期整備や事業実施予定などについてご要望等をいただいているところでありますが、事業化に向けた条件整備の状況について説明をいたしまして、ご理解をお願いしてきたところでございます。  今後、事業を実施するに当たっては、整備の内容のみならず、建築協定や景観計画に基づく景観形成重点地区の指定など、住民が景観づくりに積極的にかかわるような仕組みづくりについても、地域の方々と相談をしてまいりたいと考えております。  次に、旧農業高校実習地の山田水路についてでありますが、本年6月30日、萩荘地域を考える会から、旧一関農業高校実習地の排水を含む山田水路の整備について要望をいただきました。  その後、実際に現地を調査いたしましたが、千葉大作議員初め地元関係者が一関二高に対し、山田水路の全面改修について、たび重なる申し入れを行っているにもかかわらず、いまだ解決に向けた方向性が見えない中で、現場の状況を目の当たりにし、市も解決に向けて積極的に取り組まなければならないと思ったところでございます。  また、多くの関係者から現地で説明をしていただいたことに、地元の方々の期待の大きさを感じましたし、前日に地元の方々が現場の草刈りをしていただいたおかげで、コルゲート管水路の破損状況が容易に確認できまして、排水の流れに大きな支障を来していることはよくわかりました。  ひとたび洪水が発生すれば、水田にも流入して被害を受ける危険度が高いことは容易に理解できましたし、このとき、改めて県教育長に会って直接お話ししなければならないと思い、その旨を地元の方々にお話しした次第でございます。  その後、7月29日に県教育長を訪問して、現地の状況を説明してまいりました。  その中で教育長からは、県教育委員会が水路改修に直接手をつけることは難しいけれども、原因となっている実習地からの雨水の排水部について改良することは考えていきたいとのお話とともに、事務レベルで市と協議をしていきたいとのお話がありましたことから、担当部署には解決に向けて積極的に対応するよう指示したところでございます。  8月19日には、農林部長ほか担当の職員を県教育委員会に派遣し、協議をさせたところでございます。  県教育委員会の認識と地元の思いにはまだ大きな差がありましたことから、地元の思いを率直にお話しして、今後、早期解決に向けた前向きの対応をお願いするとともに、市のほうから一定の方向づけの提案を行ってきたところでございます。  市といたしましては、さらに県教育委員会との話し合いを重ねて、できるだけ早く課題の解決を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(菅原啓祐君) 30番、千葉大作君。 ○30番(千葉大作君) 満額の回答でありますので、要望だけをしたいと思います。  清明支援学校の跡地利用についてなんですが、萩荘地区には8,000人を超える住民の皆さんがいらっしゃいます。  しかし、本格的な都市公園は、萩荘の人口密集地、例えば高梨であるとか萩荘1区、駒下、脇田郷、それから川崎、袋田、あの近辺には公園がありません。  かなりの方々が住まいしているんですが、家族で散策をしたり、さっきも申し上げましたように、子供が群れて遊ぶ、そういう状況にもありません。  1万5,000平方メートルを超すあの広大な土地をうまく使って緑地公園、本格的な公園をつくり、さらには今、一関一高の附属中学校の生徒たちが体育館を使用しているようであります。  これも平成24年度で利用を終えると、そういうふうな方向のようでございますので、この体育館も、萩荘地区のあの近辺に何か災害がありましたときに住民が避難する場所であるとか、そして体育館として開放することによって、かなりの地域住民が、待ちに待ったレクリエーションであるとか体育施設を使えるというふうな方向になろうかと思いますので、この件につきまして、県に特段のご理解とご協力をいただくように、私のほうからもまたこの場で改めてお願いを申し上げまして、私の一般質問とさせていただきます。  どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○議長(菅原啓祐君) 千葉大作君の質問を終わります。  本日の一般質問は以上とします。  お諮りします。  本日はこれにて延会することにご異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(菅原啓祐君) 異議ありませんので、本日はこれで延会します。  どうもご苦労さまでした。 延会時刻 午後3時54分...