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09月09日-02号

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  1. 花巻市議会 2019-09-09
    09月09日-02号


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    令和 1年  9月 定例会(第2回)令和元年9月9日(月)議事日程第2号令和元年9月9日(月) 午前10時開議 第1 一般質問  (1) 久保田彰孝君  (2) 伊藤盛幸君  (3) 藤原 伸君  (4) 近村晴男君  (5) 若柳良明君本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問  (1) 久保田彰孝君  (2) 伊藤盛幸君  (3) 藤原 伸君  (4) 近村晴男君  (5) 若柳良明君出席議員(26名)   1番  菅原ゆかり君     2番  久保田彰孝君   3番  照井省三君      4番  羽山るみ子君   5番  佐藤峰樹君      6番  横田 忍君   7番  佐藤 現君      8番  伊藤盛幸君   9番  藤井幸介君     10番  照井明子君  11番  若柳良明君     12番  佐藤 明君  13番  盛岡耕市君     14番  高橋 修君  15番  瀬川義光君     16番  内舘 桂君  17番  大原 健君     18番  櫻井 肇君  19番  阿部一男君     20番  本舘憲一君  21番  近村晴男君     22番  藤原 伸君  23番  伊藤源康君     24番  藤原晶幸君  25番  鎌田幸也君     26番  小原雅道君欠席議員  なし説明のため出席した者 市長        上田東一君   副市長       藤原忠雅君 副市長       長井 謙君   教育長       佐藤 勝君 選挙管理委員会委員長        農業委員会会長   小田島新一君           大原皓二君 監査委員      萬 久也君   総合政策部長    市村 律君 地域振興部長    久保田留美子君 財務部長      松田英基君 農林部長      菅原浩孝君   商工観光部長    志賀信浩君 市民生活部長    布臺一郎君   建設部長      遠藤雅司君 建設部次長兼都市政策課長      健康福祉部長    高橋 靖君           佐々木賢二君 生涯学習部長    市川清志君   消防本部消防長   笹間利美君 大迫総合支所長   清水正浩君   石鳥谷総合支所長  八重樫和彦君 東和総合支所長   小原一美君   教育委員会教育部長 岩間裕子君 総務課長兼選挙管理委員会      財政課長      伊藤昌俊君 事務局書記長    冨澤秀和君職務のため議場に出席した事務局職員 事務局長      及川牧雄    議事課長      久保田謙一 議事調査係長    高橋俊文    主査        伊藤友美     午前10時00分 開議 ○議長(小原雅道君) おはようございます。 これより本日の会議を開きます。 本日の会議は、議事日程第2号をもって進めます。 ○議長(小原雅道君) 日程第1、一般質問を行います。 持ち時間は答弁を含め60分以内です。質問につきましては、議長に通告のあった内容に従って質問をお願いいたします。 議長に発言通告書が提出されておりますので、順次質問を許します。 本日最初の質問者、久保田彰孝君。(拍手)    (久保田彰孝君登壇) ◆2番(久保田彰孝君) 2番、日本共産党の久保田彰孝でございます。通告に従いまして順次質問してまいります。 1件目は、災害公営住宅についてであります。 東日本大震災から間もなく8年半を迎えようとしております。岩手県内での犠牲者数は6,256人という日本にとっても戦後最大の大災害でした。花巻市ではことし4月から東日本大震災での被災者のための災害公営住宅、シティコートへの入居が始まりました。 岩手県内では災害公営住宅に約8,900人、5,000世帯が入居していますが、入居者の状況はひとり暮らしが約3割、65歳以上の高齢者の世帯が約6割と高齢化が進んでいます。国の特別家賃低減事業の対象は政令月収が8万円以下となっていますが、この低減対象世帯が74%、4分の3を占めています。低所得者対象の公営住宅入居者の政令月収は15万8,000円ですから、災害公営住宅の入居者の4分の3はその半分以下で生活しているというのが実態であります。端的に言えば、高齢化で生活苦というのが災害公営住宅に入居した人たちの特徴で、孤立化、孤独化が進行するという新しく切実な課題が浮き彫りになっています。 仮設住宅は、生活する点ではいろいろな不備がありましたが、隣近所の人と話ができました。けれども、災害公営住宅はそれがなくなった、人に会うこともないし話相手もいないから、一旦部屋に入ると外に出なくなる、「鉄の扉がすごく重い」と言われています。 私が当市の災害公営住宅に入居されている方から電話をいただいたのは6月のことでした。7月にその方にお会いし1時間ほど話を伺いました。その方は次のように質問してまいりました。「市長は開所式のとき、この施設が災害公営住宅だと言っていたが、施設の管理会社からは市営住宅の一入居者としての通知をいただくだけで、本当に災害公営住宅なのか」ということでありました。そこで、以下4点にわたって御質問いたします。 1点目は、市営住宅との相違点について伺います。 先ほど申しましたが、入居者の状況は岩手県全体として高齢化と低収入というのが実態だということですが、シティコートへの入居者の状況も同様かと思いますが、差し支えなければ入居者の年齢及び月収について2点目に伺います。 3点目は、入居者の支援体制について伺います。 その1つ、入居者への訪問活動や見守り活動の実施状況についてであります。 2つ目は、生活支援相談員を常駐する考えについて伺います。 大きな4点目が、入居者と地域コミュニティーのかかわりについて伺います。 2件目は、農業についてです。 世界では、家族農業を重視するか企業的経営を重視するかが鋭い対決を経て、家族農業を重視する潮流が大勢を占めつつあります。今から5年前の2014年に国連が呼びかけた家族農業年に続いて、ことしから2028年まで「家族農業の10年」が本格的にスタートしました。 国連が2014年を国連家族農業年に定めたときに、国連食糧農業機関、FAOは、「家族経営の農家は収入を地元で消費し、農業、非農業の雇用を生み出す」と指摘いたしました。その背景には2007年のリーマンショックで世界的な経済危機に陥り、石油や穀物の国際価格が高騰し、世界的な食糧難で飢餓人口が増加したことからです。飢餓と貧困の根絶を目指す国連の目標、ミレニアム開発目標が達成できなくなったからでした。 世界では、世界銀行や国際通貨基金、IMFが主導して農業の大規模化や規制緩和を進めて、農業への企業参入を促進する政策が進められてまいりました。しかし、この政策では貧富の格差を拡大し、食料供給の中心を担う家族農業が成り立たなくなりました。これでは飢餓の根絶はできない、あわせて持続的な食料の確保もできない、地球温暖化に直面している環境問題にも深刻な影響を与えるという認識から世界的に広がったのであります。 世界の大勢は家族経営が圧倒的です。家族経営とは家族労働を基本にする農業経営であります。一方、企業経営というのは雇用労働を基本とする農業経営体です。農林水産省の資料でも、日本は農業経営体数は約138万経営体、これは2015年ですが、このうち家族経営体は134万経営体で、農業経営全体の98%を占めており、これはEUの96.2%、米国の98.7%などほかの先進国にも同様の状況となっています。 ある農機具メーカーの社長は「日本の食料生産基盤は既にかなり厳しい状況にあり、それがどんどん進行している。生産基盤の弱体化で食糧問題に発展してくる可能性があり、国民にとって人ごとではない」、このように語っております。 国民の命にかかわる食糧を生産する生産基盤は史上最低であります。昨年の日本の食料自給率は、米の凶作でタイ米を緊急輸入した1993年度の37%と同率となりました。日本の農業を支える農業従事者が長期にわたって減少傾向が続いております。従事者の高齢化が著しく進んでおります。耕地面積が減少していることが要因となっていることがいよいよ明らかとなっております。 このような状況の中で、従来どおりの規模拡大を中心とした農業政策でいいのかということが、今、問われているのではないでしょうか。国連が提唱いたしました「家族農業の10年」に対して、経済的におくれた発展途上国の話だとし日本は該当しないという傾向がありますが、持続可能な農業のあり方をつくり上げるには、世界の英知の結晶である「家族農業の10年」をしっかりと受けとめ具体化することではないでしょうか。 以上の立場から、次の諸点を伺います。 1点目は、国際連合が提唱した「家族農業の10年」に対する市の認識及び今後の取り組みについて伺います。 2点目は、農業経営規模拡大の現状及び課題について伺います。 農林水産省は、2012年度から昨年まで青年就農給付金と言っていたものを農業次世代人材投資事業と改称いたしまして、2019年度からは年齢を45歳未満から50歳未満に引き上げ、対象を拡大したにもかかわらず、予算は154億7,000万円で、2018年度、昨年の175億3,400万円に比べて20億円以上も減額いたしました。これに対してどのように対応するのかも含めて伺いたいと思います。 3点目が、農業次世代人材投資事業の現状と課題についてであります。 4点目は、(仮称)花巻市親元就農給付金制度を創設する考えはないか伺います。 以上で、この壇上からの一般質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(小原雅道君) 上田市長。    (市長登壇) ◎市長(上田東一君) 久保田彰孝議員の御質問にお答えします。 1件目の災害公営住宅についての1点目、市営住宅と災害公営住宅との相違点についてお尋ねでありますが、市営住宅は公営住宅法に、住宅に困窮する低所得者に対して低廉な家賃で賃貸するために整備するものと定められております。 災害公営住宅についても公営住宅法に基づく住宅であることから、基本的に市営住宅と同じ条件となりますが、それに加えて、東日本大震災復興特別区域法において、入居者の条件として、東日本大震災により滅失した住宅に居住していた者または復興推進計画により定められた事業実施に伴い転居が必要となった者と定められております。 災害公営住宅は、被災者が入居する住宅であることから、一般的にも通常の市営住宅よりも手厚い支援が必要であるとされているところであります。市が市営住宅の維持管理や入居者の入退去に関する届け出などの受け付け事務等を委託している市営住宅管理センターが行う市営住宅入居者への対応としては、70歳以上の単身世帯を対象に年間2回自宅を訪問し、見守り活動を行っているところでありますが、それに対し、災害公営住宅の入居者への対応としては、年齢にかかわらず全ての単身世帯に対象を広げるとともに、訪問回数を月2回にふやし見守り活動を実施しております。 このほか、岩手県社会福祉協議会が花巻市社会福祉協議会に委託している生活支援相談員が、災害公営住宅を含めた市内の被災者に対し訪問活動を行っていると伺っております。 次に、2点目の入居者の年齢及び月収についてのお尋ねでありますが、まず、年齢につきましては、市全体の人口に対し65歳以上の方が占める割合を示す高齢化率が平成31年3月31日現在で33.8%なのに対し、災害公営住宅の入居者を対象とした高齢化率は36.8%と高く、市の災害公営住宅の入居者は、高齢者の方が多いということでございます。 所得の状況につきましては、公営住宅法に定められた入居に係る収入条件で、給与所得控除など各種控除項目を差し引き12で割ったいわゆる政令月収が15万8,000円以下と定められておりますが、その条件を満たしているという観点から言えば、比較的所得の低い方々が入居しているものと認識しております。 次に3点目、入居者支援体制についての1つ目、入居者への訪問活動や見守り活動の実施状況についてのお尋ねでありますが、現時点における入居者支援の取り組みとしましては、先ほど申し上げました市営住宅管理センターにおける単身世帯に対する訪問がありますが、入居後間もないことから、その相談内容としては、施設の取り扱いなど住宅の使い方に関する質問に限られております。 また、建設部建築住宅課においても随時直接相談を受け付けており、これまでに延べ16回の相談があったところです。その内容としては、住所変更の手続方法や住宅家賃決定のため提出が必要な収入申告書の記入方法など、事務処理的な相談がほとんどでありますが、担当者が相談がある都度自宅を訪問し対応を行ってきたところでございます。 次に、生活支援相談員の体制でございますが、生活支援相談員は実施主体である岩手県社会福祉協議会から業務を受託した花巻市社会福祉協議会が雇用をし、今年度も昨年度に引き続き2名が配置されております。 生活支援相談員の人数につきましては、平成30年5月から2名となったところでありますが、市社会福祉協議会へ伺ったところ、平成26年の事業開始時は手探り状態であったため3名体制で取り組んでいたが、戸別訪問の実施や同郷人会の開催など各種事業を重ねた結果、被災者世帯と顔の見える関係を築くことができ、また、市内に居住する被災者数も事業開始時の240世帯から192世帯と約8割に減少したことから、現在では2名で施設入所者を除く市内に居住する被災者174世帯の支援を行うことが可能となり、支援業務への影響はないとのことであります。 支援内容につきましては、災害公営住宅入居者に限らず、市内に居住されている東日本大震災の被災者宅への戸別訪問による見守りや相談支援を行っており、被災者からの相談内容によっては、例えば介護であれば地域包括支援センターへ、生活困窮であれば総合相談センターへ、障がいをお持ちの方であれば支援センターあけぼのなどの関係機関へつないでいただいております。 戸別訪問につきましては、174世帯を岩手県社会福祉協議会が設定した東日本大震災被災者生活支援事業世帯アセスメント基準により重点訪問世帯、通常訪問世帯、不定期見守り世帯に分けて訪問を実施しております。 重点訪問世帯は、生活支援相談員の観察と他機関のサービス利用、連携により多機関多職種で関与する必要がある世帯であり、1世帯ありますことから、状況に応じて訪問をしているところであります。 通常訪問世帯は、生活支援相談員が定期的に関与し、変化があるかどうか気にかける必要がある、またはほかの支援機関と情報の共有を行う必要がある世帯であり、51世帯ありますことから、おおむね月1度訪問しているところであります。 不定期見守り世帯は、生活支援相談員による関与は必要ない、または定期的な関与は不要ではあるが引き続き経過の観察は必要な世帯であり、122世帯あります。そのうち訪問は不要と申し出を受けて生活支援相談員も以後の関与は必要ないと判断した25世帯を除く97世帯へは2カ月から3カ月に一度訪問することとしておりますが、生活支援相談員が毎月発行する生活支援相談員だよりをお届けしていることから、実際には毎月訪問していると伺っております。 今後とも、入居者が孤立することがないよう、きめ細やかな対応をしてまいりたい、そのような必要があると考えております。 次に、2つ目の生活支援相談員を常駐する考えにつきましてのお尋ねでありますが、この必要性については先ほども申し上げましたが、市社会福祉協議会に伺ったところ、現在のところ入居者の方々からそのような声はないことから、考えなくてもよいのではないかと思うとのことでありました。市社会福祉協議会のお話を踏まえますと、市といたしましても現時点においては災害公営住宅に生活支援相談員を常駐させることは考えていないところであります。 なお、入居者同士の自主的な取り組みとして、災害公営住宅集会所、ぜひ使っていただきたいと思いますが、この集会所において市の推進する介護予防体操「元気でまっせ体操」を長寿福祉課の職員の支援のもとに月2回開催し、介護予防のみならずお互いに顔を合わせて懇談する通いの場になっていると伺っております。これにつきましては、長寿福祉課の職員だけではなくて、この災害公営住宅にお住まいの方々に対して支援するように私から指示をしております地域振興部の担当者も、折に触れて出向いて、入居者から困っていることなどないかお話を伺うということについて先日も指示したところであります。 4点目の入居者と地域コミュニティーへのかかわりにつきましてのお尋ねでありますが、被災された方々が災害公営住宅に移り住むことに当たりましては、お一人お一人が安心して希望を持って入居できるよう、入居者同士のつながりや地域とのつながりなど、災害公営住宅におけるコミュニティーのあり方につきまして、入居前から社会福祉協議会生活支援相談員の協力を得ながら、戸別訪問により入居される方々からお話を伺ったほか、地元町内会である上町町内会と仲町町内会の方々との話し合いを重ねてまいりました。 コミュニティーのあり方としましては、災害公営住宅に係る自治会の形として、災害公営住宅入居者の方々のみで自治会を構成するよりも地元の自治会に加入するほうが、地域との融和や地域の方々との交流が図られるということで、入居される方々の多くの意見と両町内会の考え方が同様でありましたことから、町内会におきましては地元町内会が主体となって、入居者同士のつながりづくりと地域とのつながりづくりを目的とした交流会を入居前から開催していただいたところであります。 昨年12月とことし3月には、マルカンビル大食堂において上町町内会と仲町町内会合同開催によるマルカンdeカフェと銘打った交流会が開催されたほか、4月の入居後におきましては、上町町内会では6月に歓迎会、仲町町内会では4月にグラウンドゴルフとお花見交流会、5月には歓迎会がそれぞれ開催され、入居者と町内会の方々との親睦が深められ、地域の一員として楽しいひとときを過ごされたと伺っております。 また、7月には入居者が中心となって企画した七夕交流会も開催され、町内会の方々も参加されたほか、仲町町内会のイベントには災害公営住宅に隣接した子育て世帯向け地域優良賃貸住宅ル・サントルの入居者も参加するなど、地域内における交流が行われていると伺っております。 市といたしましては、災害公営住宅における地域コミュニティーの活性化が図られるよう、各町内会の方々からもお話を伺う機会を継続していくなど、地域振興部が中心となる必要がございます。町内会や社会福祉協議会、支援者の方々などと連携を図りながら支援してまいりたいと考えております。 次に、2件目の農業についての1点目、国際連合が提唱した「家族農業の10年」に対する市の認識及び今後の取り組みについてのお尋ねでありますが、国際連合は世界の食料安全を確保し、自然環境の保護や貧困、栄養不足等を撲滅するため、世界の農地の大部分を管理している家族農家を支援することで持続可能な農業を達成することを目的として、2017年の国連総会において、2019年から2028年までの10年間を国連「家族農業の10年」として定めております。 国際連合では、家族農業を「農業労働力の過半を家族労働力(それぞれの家族の構成員が労働力)が占めている農林漁業」、先ほども議員からも御指摘ございました、と定義しており、国連「家族農業の10年」は加盟国及び国際食糧農業機関、FAO等の関係機関に対し、食料安全保障確保と貧困、飢餓撲滅に大きな役割を果たしている家族農業について、国際連合自体が具体的な施策をするわけではない、各国が家族農業に係る施策を進めるとともに、その経験を他国と共有すること、国際食糧農業機関等の国際機関は各国等による活動計画の策定、展開を先導することを求めているものであります。 我が国においては、農業、農村環境の維持のため多面的機能支払制度や中山間地域等直接支払制度を通じた農業生産活動、国土の保全、水源の涵養、自然環境保全、良好な景観の形成等を進める施策を行っているわけでございますが、それに加えて食料の安定供給や農業の持続的な発展のために各種の施策を講じております。 市では、2018年度末時点で水田台帳に登録された6,865経営体のうち、生産物を出荷せずに自家消費分のみを生産している農家を含む6,764経営体、約98.5%が家族での農業経営を行っている状況にあり、経営体の大半を占める家族農業が農業生産活動を通じて美しい農村環境の保全など、農業、農村が持つ多面的機能の維持を担っていることから、産業としての農業、これは大事でございます、この振興をするとともに、家族農業が農地や農村を守っていくことが重要であると考えております。 市としては、国の多面的機能支払制度や中山間地域等直接支払制度を進めておりますが、水稲については米の消費量の減少から生産の拡大は今後難しくなっていくことから、小規模での生産が可能な果樹、野菜等の園芸作物の生産に対し支援するとともに、家族農業の労働力不足に対応するため、果樹等の園芸作物に対するスマート農業の導入も検討し、引き続き農業、農村に対する支援策を講じてまいりたいと考えております。 次に、2点目の農業経営規模の拡大の現状及び課題についてのお尋ねでありますが、市内の農業経営体の経営規模の現状につきましては、6,865経営体のうち20ヘクタール以上30ヘクタール未満の耕作面積を有する経営体が24経営体で、うち法人、集落営農組織が17経営体、30ヘクタール以上40ヘクタール未満の耕作面積を有する経営体が12経営体で、うち法人、集落営農組織が9経営体、40ヘクタール以上50ヘクタール未満の耕作面積を有する経営体が12経営体で、うち法人、集落営農組織が10経営体、50ヘクタール以上100ヘクタール未満の耕作面積を有する経営体が28経営体で、うち法人、集落営農組織が27経営体、また、100ヘクタール以上を経営する経営体が10経営体で、全てが法人、集落営農組織によるものとなっております。 農業経営規模拡大における課題につきましては、例年実施している法人を含む市内の集落営農組織を対象に実施した経営状況等のアンケート調査の平成30年度結果によりますと、経営コストの削減や周年雇用のほか、約80%の組織が後継者不足を課題に掲げております。また、高齢化や労働力不足に伴う離農の増加により、法人を含む集落営農組織が離農者の所有していた農地の受け手となるケースが多くなり、耕作面積が100ヘクタールを超える集落営農組織が増加する一方で、その集落営農組織内での構成員の高齢化や農作業の経験不足等により耕作面積の維持が困難になってきている事例があります。 市といたしましては、法人や集落営農組織の経営が安定するよう、冬期間を含めた周年雇用の場の創出に向け、ミニトマトやトマトなどの施設園芸の導入による周年出荷を目指すための取り組みが重要であると認識しております。市内には農業法人が平成30年度に水田等において高収益な野菜の作付拡大を支援するいわて型野菜トップモデル産地創造事業を活用し、温度、湿度、二酸化炭素濃度等の生育状況を管理できる環境制御システムを導入し、ミニトマトの栽培を行うことにより、高単収で高品質な安定生産を目指した経営を行っている事例があります。 しかし、周年雇用の場の創出や施設園芸の導入に関しましては、施設を整備するための費用や周年出荷を行うための暖房費用を初めとした光熱水費といったコスト面などの課題が多いため、周年雇用の場の創出や施設園芸の導入が進まない現状にありますことから、国や県の補助事業の活用を進めながら、花巻農業協同組合等と連携を図り、愛農土塾・集落型経営体研究会研修会や花巻農協各生産部会の総会、研修会、機会を捉え、施設園芸の導入を検討する法人を含む集落営農組織に対し、実際に周年雇用や施設園芸の導入を行っている事例を紹介し、水田活用による野菜を中心とした園芸の振興に努めてまいりたいと考えております。 また、本市では、農業従事者の高齢化や労働力不足に対応するため、スマート農業の推進をほかの地域に先駆けて積極的に取り組んでおり、RTK-GPS地上基地局を市独自に設置するなど、精度の高いスマート農業技術の活用が可能な環境の整備を行っております。大幅な労力軽減や省力化が期待できるスマート農業の推進は、1人当たりの作業面積の限界を打破するとともに、初心者でも農業技術を容易に継承することができる取り組みでもあり、経営規模拡大による耕作面積の増加や作業精度の維持、これは小規模の農業についても同様でございますが、そのような課題を解決する有効な手段の一つであると考えております。 本市におきましては、農地中間管理事業の活用実績が県内トップ、全国でもトップクラスでございます。しかしながら、この農地中間管理事業の耕作権を持っている農地については複数の場所に分散している状況は改善されておりません。この複数の場所に分散している状況を集約する、これが大変重要と考えておりまして、市では全国でもいち早くこの事業に取り組んでおりますが、平成30年度に市内3つの農業法人を対象に試験的に農地の地理的集約化に向けた取り組みを進め、5つのエリアで合計3ヘクタールの農地の交換が実現されました。 市としては、このような農地の地理的な集約化が進めやすくなるような支援措置の創設、これをここ二、三年、国に対して要請してまいりました。なかなか反応は難しいところでございましたが、本年になりまして農地中間管理機構制度の制度化の見直しに伴い、国は農業の担い手同士の農地交換を支援する、地理的な集約を進めるための法制度を創設いたしました。 しかし、既に農地中間管理機構を通じた利用権設定を行っている農地に対しては補助対象とならない、これは私どもが要請したときに農林水産省のほうから、農地中間管理機構の設定の段階でそのような地理的な集約も進めているはずだという建前の回答があって、実態は違いますよということを我々何度も申し上げた次第でございますけれども、その農地中間管理機構を通じた地理的要件設定を行っている農地については、この国の補助制度の対象にならないということでございまして、花巻市のように農地中間管理機構の活用が進んでいる地域については補助制度を受けにくい内容となっております。我々としては、引き続き国に対してこの拡充を求めていきたいと考えております。 次に、3点目の農業次世代人材投資事業の現状及び課題についてのお尋ねでありますが、国の新規就農者支援事業であります農業次世代人材投資事業は、就農前の研修期間に最長2年間、最大150万円の資金を交付する準備型と、営農定着に向け最長5年間、最大150万円の資金、年間でございます、夫婦で就農する場合は最大225万円の資金を交付する経営開始型の二本立てで構成されております。 準備型については、本市では制度が開始された平成24年4月から平成31年3月末現在において5名の研修生がこの制度を利用し、研修終了後に全員が農業経営を開始しております。経営開始型につきましては、平成24年4月から平成31年3月までの間に31経営体、36名に資金を交付しておりました。この中で2経営体の方は病気によりやむを得ず農業経営を中止しています。 次に、4点目の(仮称)花巻市親元就農給付金制度の創設についてのお尋ねでありますが、県内では盛岡市がこの制度を実施していると伺っております。盛岡市の制度は交付対象要件として「盛岡市内に住所を有し、平成31年4月1日以降に新たに就農する人で、就農時の年齢が55歳以下であること」「農業経営を親等から継承し、新たに経営者として就農する者であること」「国の農業次世代人材投資資金の交付を受けていないこと」以外は、農業次世代人材投資事業(経営開始型)と同じ交付対象要件を定めており、対象者には最長2年間で年間60万円を交付していると伺っております。 この制度、大変興味深い制度ではございますが、当市においては、市単独事業の花巻市新規就農者支援事業で年齢にかかわらず、市外から市内に転入し住民登録をした者または市内に住所を有する者で新たに農業経営を開始する新規就農者を対象として、上限80万円、盛岡市の金額より大きいです、交付を1回限り、就農に必要な農業用機械、資材等の初期費用補助、年間上限を5万円、交付期間を5年間とする土地賃借料補助、助成期間を2年以内とする月額2万円、交付期間を2年以内とする農業研修期間中の家賃補助を支援しているところであります。 親元就農の場合は、親と同じ部門の経営は市単独事業の対象とはしておらず、国の農業次世代人材投資事業と同様に、親の経営部門に加えて別部門を経営する場合に、資材等の購入など初期費用の負担も多いため、新規参入者と同等のリスクがあると判断し、市単独事業の対象としているところであります。 ○議長(小原雅道君) 久保田彰孝君。 ◆2番(久保田彰孝君) 御説明いただきましてまことにありがとうございました。 それでは、災害公営住宅についてまず最初に伺いたいと思います。 1つは、災害公営住宅を整備するに当たってどういう観点で進めてきたのかということについてお聞きしたわけでありますが、実は南三陸町でこの災害公営住宅を準備するに当たって、きちっとした計画を持って臨んだと。花巻市は計画がないとかという意味ではなくて、つまり、この南三陸町ではそもそも最初からこの施設は高齢化の進行があるのだと、福祉やコミュニティーに配慮した設計を検討したということが1つであり、そして2つ目には見守り支援の継続、そして高齢者生活支援施設の整備のこの3つを重点的に議論しつくり上げたということでありまして、実は私が相談を受けた方からは、なぜ高齢者の世帯で、しかもお金がない世帯なのにエアコンを設置してくれなかったのだろうかということが出てまいりました。それはやはりこれからの時代というのは、熱中症などの危険も老人の方々は伴うわけですから、それを自費で設置してくださいと言うのも大変なことなのではないかということで、そもそも新しくつくるのであれば、エアコンを設置していただくなどという仕組みをきちっとつくっていただきたかったということでございます。その方にその後お話をいたしましたが、改めてつくっていただきたいということではなくて、そういう思いがなかったのかということをぜひ聞いていただきたいのだということでしたので、いずれ南三陸町の経験からしっかりと学んで、安くでき上がる公営住宅だというふうな意味ではなくて、やはりそういう被災者に寄り添った設計、そしてそれに対する対応を最初から準備することが必要だったのではないかということを実感した次第でございます。 そして、この中で入居者の方々の、いわゆる今の上町、それから仲町の自治会の皆さんとの交流、どの程度の方々が参加しているのでしょうか、そのことをまず伺いたいと思います。 ○議長(小原雅道君) 久保田地域振興部長。 ◎地域振興部長(久保田留美子君) 御質問にお答えいたします。 先ほど市長から答弁を申し上げました両町内会との交流会へ出席をされた方の人数でございますけれども、昨年12月にマルカンビルで交流をしたマルカンdeカフェという交流会には入居予定者、その当時は予定者でございましたので12名、それから町内会から13名、こちらは各町内会の行政区長あるいは自治会、民生児童委員等町内会の方々でございます。そのほかに市社会福祉協議会、それから市においては建設部建築住宅課、地域づくり課、そして私も出席をさせていただきました。 それから、本年3月、同様の第2回目の交流会におきましては、入居予定者7名、町内会から15名、同様に市社会福祉協議会、それから花巻市、それから市営住宅の指定管理者、そちらの方々に出席をしていただいております。 そして、4月21日に仲町町内会のグラウンドゴルフ、お花見交流会、こちらにはシティコート入居者3世帯、それからル・サントルの入居者、子育て世帯の方々も3世帯、それから町内会の方々ということでございます。 それから次に、5月の仲町町内会の総会とそれから歓迎会につきましては、シティコートの入居者10世帯、それからル・サントルの入居者7世帯、あとは町内会の方々という形です。 そして、6月に上町町内会の歓迎会が開催されたところでございますけれども、こちらにはシティコート上町棟の方々が5世帯、それから町内会の方々15名、そして社会福祉協議会、それから私ども市からも参加させていただいております。 それから、元気でまっせ体操は6月から入居者の方が中心になって、月2回ほどと伺っておりますけれども、こちらは6月には8名の方が参加をされていると伺っております。 ○議長(小原雅道君) 久保田彰孝君。 ◆2番(久保田彰孝君) そういう取り組みの中で、そうしますと全体として入居者の方々の、どの程度の方々が割合でいいますと参加したということになるのですかね。 ○議長(小原雅道君) 久保田地域振興部長。 ◎地域振興部長(久保田留美子君) それでは、それぞれの開催で参加された方々の人数、世帯等が違いますので、例えば6月の上町町内会の歓迎会には、上町棟には現在8世帯の方が入居されておりますので、こちらのうち5世帯の方が参加をされたということが世帯数としては大きい部分かと思います。 あとは、4月の仲町町内会のグラウンドゴルフ大会は、仲町棟には現在17世帯でございますが、そのうち3世帯、あとは子育て世帯の方が3世帯というような状況でございます。 これらの交流会につきましては必ずしも強制という部分ではございませんので、各町内会において入居者の方々にお声がけ、そして聞き及びましたところによりますと、町内会に今のところ全体で加入率が、上町と仲町と合わせますと8割ちょっとでございます。内訳はちょっと差し控えるのですけれども、その中で入られていない世帯が少しだけございますけれども、自治会に入られていない世帯にもお声がけをして、例えばこういった交流会には出席をいただいているという例があると伺っております。 ○議長(小原雅道君) 久保田彰孝君。 ◆2番(久保田彰孝君) 私がお話を伺って、その方はどちらの自治会にも加入していない方なのです。ただ、気になったのは、上町と仲町に、2つに分かれてしまうような形態が本当にいいのだろうかという心配もあるのです。ですから、同じ建物に住んでいても仲町、片方は上町だとかというふうな形になるわけですから、そういう意味では、やはり同じ建物に住んでいる方々がきちっと意見交換ができる環境をつくっていくということも大変大事な課題だと思っています。 そういう意味では、学ぶべきところさまざまあるかと思うのですが、私はぜひ、関係する入居者の方々の自治を尊重するという意味で、2つに分かれるというよりはまず1つ、それぞれの入居者がどちらに入るかはそれは自由ですけれども、ただ、いずれ1つの建物に住んでいる方々が自治会をつくるということはとても大事なことだと思います。 私がちょっと学んだ方のお話をしますと、この方は岩手大学の船戸義和特任助教授でございますが、この方は自治会活動をずっと支援してきた方でございまして、行政も自治会も支援者も一体となって取り組むことが新しい自治会の形だということで、ぜひ、住んでいる方々が自由にさまざまな意見が交流できる自治会をつくっていくことも大事な課題かというふうに思います。 ただ、先ほども伺いましたところ、それぞれの自治会が自分たちのところをちゃんと面倒見ますよという、せっかくそういうお話をいただいているのにそれを無視するというわけにはいきませんが、一つ私が期待するのは、この災害公営住宅へ入居している方々の自治会があってしかるべきだというふうに思いますので、その点についてぜひ努力していただきたいのと、私は9月5日に相談をいただいた入居者の方に会いに行きました。その方は、花巻まつりが間もなく始まるねと、私もこの祭り、浜から仲間が育てたホタテを持ってきて、仲間も連れてきて出店したいということを私に言いまして、市の観光課にこの方は足を運んだが、屋台村は人気で来年も難しいと思いますよという回答をいただいて大変がっかりしたのだそうですが、諦め切れずに、コンビニの店長と仲よくなっていたものですからその方に相談いたしましたら、隣の老人施設に一緒に行っていただいて、返事は後日ということでございましたが、それで帰ってきたのですという話をしていました。そうしましたら、今定例会の初日、6日にその方から電話をいただきまして、場所を貸してもらえることになりましたよということで私に電話いただきました。 そういう意味では、災害公営住宅の皆さんというのは、花巻市民としてやはり祭りを一緒に楽しみたいという思いと同時に、盛り上げる、市民の力になろうという思いがあるのだなということをその話から伺ったわけでありますが、入居者の思いにしっかりと寄り添った支援を行っていただきたいということを期待いたしまして、もう少し時間ございますので、農業問題について若干お話しさせていただきます。 質問させていただきます。 先ほど、最初に申し上げましたが、農業次世代人材投資事業ですが、実は予算が減らされたことによって、各地でさまざまなトラブルが起きているようであります。私の知っている方は奥州市在住の方なのですが、この方はいずれ市の当局からは減額いたしますというふうに言われて、年間150万円を期待していたのにその額が幾らになるかもはっきりわからないという状況でしたので、各自治体を調べたらば、花巻市はまず1期分は払います、その後どうするかはまだ検討中だという回答をいただいたということを言っていましたのですが、これに対する市の取り組み方はどう考えているのですか。 ○議長(小原雅道君) 菅原農林部長。 ◎農林部長(菅原浩孝君) 農業次世代人材投資事業につきまして、1期分につきましてはまずお支払いをさせていただいているわけでございますけれども、不足の部分がございまして、現在、県を通じて、国に対しまして予算を確保していただいて、必要な分については確保するようにということを要望しているところでございますし、国の情報によりますと、各自治体間の中で予定額も含めて要望額等を出しているところもありますので、実際に就農した状況等、そういう部分で自治体間の調整、そして農林水産省の中でも事業の不足分について、何とか交付に支障が生じないように検討を行っていると情報をいただいておりますので、その状況を見ながら、不足にならないようにしっかりと確保していただくように、要望を強くやっていきたいと考えております。 ○議長(小原雅道君) 久保田彰孝君。 ◆2番(久保田彰孝君) まだ、そうしますと国としてきちっと2期分を払いますよというふうな返事をいただいているわけではないのですね。もしそういう状況であっても、国がそういう態度であっても、花巻市としては2期分きちっと払うということを予算措置してやることも検討するのですか。
    ○議長(小原雅道君) 菅原農林部長。 ◎農林部長(菅原浩孝君) この農業次世代人材投資事業につきましては、各新規就農者等に資金を交付する分については全額国費という形の中でやっておりますので、国にはしっかりと予算確保するようにということでお願いをしながら、まだ国のほうでも検討しているという段階のようでございますので、それに合わせながら対応していきたいと思います。 市のほうでその分を持ち出すという形ではなくて、しっかりと国から予算を確保していただくように進めていきたいと考えております。 ○議長(小原雅道君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) 今の件は私、初めて聞きました。ですから、既に150万円のお金をもらうという形で就農されている方が何人いるかわかりませんけれども、いらっしゃって、期待したものが出ないということになるとこれは大変なことになります。ですから、国に対しては強く要望しなくてはいけないということですし、また、それが不可能となった場合について救済策が考えられるかどうかについては、今後の検討課題ということだと思います。 ○議長(小原雅道君) 久保田彰孝君。 ◆2番(久保田彰孝君) そうですね、ぜひ今、市長が答弁いたしたような内容で、せっかく農業で自分は食っていこうということで頑張り始めた人にきっちりと応えていくような市政であっていただきたいと思っていますので、よろしくお願いしたいのと、やはり本人、受給者からは、導入したビニールハウス代に充てていこうと考えていたので大変ショックだと言っている方もございますので、せっかく農業を志そうとした皆さんの期待を裏切らないような施策を進めていただきたいと考えております。 まだそのほかにも市独自の、親元就農者への支援の問題についてもお話をしたかったのですが、時間が来ましたので終わりとさせていただきます。 どうもありがとうございました。 ○議長(小原雅道君) 以上で、久保田彰孝君の質問を終わります。 ここで11時15分まで休憩いたします。     午前11時2分 休憩     午前11時15分 再開 ○議長(小原雅道君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。 次の質問者、伊藤盛幸君。(拍手)    (伊藤盛幸君登壇) ◆8番(伊藤盛幸君) 議席番号8番、市民クラブの伊藤盛幸でございます。 通告しております4項目について質問をさせていただきますので、御答弁をよろしくお願いいたします。 1項目め、花巻市の広報広聴事業についてお尋ねをいたします。 最初に、広聴事業についてであります。 市では、市民と市との協働によるまちづくりを推進するため、各種の事業計画策定におけるパブリックコメントを初め市政懇談会やまちづくり懇談会、そして市長との対話などを通じて市民参画の機会に配慮されるとともに、意見、提言を聞く場を設けるなどさまざまな広聴事業を実施されており、このことは市民の市政への関心を深めるとともに、協働のまちづくりを進める上で極めて重要な事業であると認識をしております。 これらの広聴事業の中で、市長との対話は上田市政になってから始められたものと認識をしておりますが、この市長との対話について、その成果をどのように捉えておられるのかお伺いをいたします。 市長との対話は、本庁あるいは3総合支所の4会場それぞれ、議会開会月を除いて毎月1回開催されておられますが、この市長との対話では、市民の皆さんからたくさんの御意見が寄せられているものと思うのであります。これをどのように整理されているのか、ここ3年間における来場者数、そしてどのような意見が寄せられ、市政に反映できたものはあったのかどうか、その内容についてもお伺いをいたします。 市のホームページには、市長との対話で寄せられた意見が見出し的に項目のみ掲載されておりますが、それに対する市長の考えや対応なども掲載をされればと思っております。市長との対話を計画されても参加希望者がいない会場もあるようでございます。市長の多忙なスケジュールを調整し実施されている市長との対話だと思いますので、せっかくの機会が生かされるよう積極的にPRすることも必要ではないかと思う次第であります。 次に、広報広聴担当部署の設置についてお尋ねいたします。 現在、市の広聴部門は地域づくり課が担当し、広報部門は秘書政策課で担当していますが、広聴と広報は密接に関係するものであると認識するものであります。さまざまな御意見を伺う市民に身近な窓口としての広聴、また、市の施策や事業など詳しい情報発信を担う部署としての広報、この広聴と広報が一体となった部署が必要と思うのでありますが、いかがでしょうか。広報広聴担当部署の設置についてお考えをお伺いいたします。 2項目め、市有財産、普通財産の活用についてをお尋ねいたします。 最初に、市が所有する土地の管理と活用についてであります。 未利用の市有地の売却につきましては、市有財産適正管理事業により推進されているところと存じますが、この事業の平成29年度事務事業評価、事後評価でありますが、それを見ますと平成29年度の市有地公売実績は3件、その合計面積は828.58平方メートル、売却額は1,620万円となっており、その成果指標の達成度はおおむね目標値どおりとなっております。 市のホームページを見ますと、現在、公売物件として2カ所が公募中のようであります。先ほどの事務事業評価によれば、平成28年度実績では公売公募件数14件に対して売却実績は8件、平成29年度は7件の公募に売却実績は3件となっておりますが、市有地で当面活用が決まっていない土地はいかほどあるのでしょうか。単純に差し引きますと、平成28年、平成29年度の実績で公募件数21件に対し売却は11件ですから、10件ほど公募できる土地があると、そのほか昨年度に公募できる状況になったものを含めてお伺いをいたします。 不動町一丁目に、かつて大区画の市有地がありました。そこに法務局が立地をし、さらにイーハトーブ養育センターが平成29年度でしたか、整備されました。それでもおよそ半分の土地は未利用のままでありましたが、現在は個別住宅が十六、七戸建築され、市民の皆さんが暮らしておられます。市の土地であったものが民間事業者の所有となり、そのことにより宅地造成から住宅建築、そして市民が住まいされるまで、そのスピードがとても速く感じたのであります。 これまでを見ますと、市が所有したままでは簡単に活用策を見出すことはなかなか困難な面があるようで、将来何かの事業のためにといつまでも手つかずの状態であったのでは草刈り等の管理費用がかさむばかりとなります。民間事業者が入ることでこの課題がスピーディーに解決された感を持ったものであります。宅地や事業所用地としてふさわしい土地ということになりますが、当面活用策が定まっていない市有地については積極的に民間事業者等へ売却をし、その活用に委ねてはいかがでしょうか。 市の広報紙やチラシ、ホームページ等を通じて市有地の公売をPRされていることは理解しておりますが、活用策が具体化しないままでもったいないと感じる市有地が見受けられます。さまざまな要因により公売になじまないものもあると思いますが、まずは効果的、積極的にPRに努め、市内外を含め、個人や民間事業者等の活用を促すことにより市有地の維持管理費の縮減、土地の有効利用につながると思うのであります。 2点目は、小学校統合により廃止された旧小学校の活用についてお伺いをいたします。 旧小学校につきましては、浮田の介護施設なごみホームや成島の振興センター施設、あるいは前田の昭和の学校など、有効に活用されているものもありますが、利活用が図られていない旧小学校については今後どのようにお考えなのでしょうか。花巻市公共施設マネジメント計画基本方針の資料編にも施設名が載っていないものがあるようでありますが、お伺いをいたします。 それぞれの施設の今後については、公共施設マネジメント計画の実施計画の中で示されるものと思いますが、前段の市有地の活用でも述べましたとおり、近い将来活用が見出せないものについては、いつまでも放っておくことなく積極的に民間へ譲渡するなりをして活用を図るべきと考えます。 企業誘致や合宿施設など、これまでも当該施設の活用につきましては、地元の皆さんがさまざま知恵を絞り、話し合いを重ねて活用策を検討してこられたところもあると思います。公共施設マネジメント計画の実施計画策定に当たっては、地元の皆さんの意見には十分配慮することはそのとおりでありますが、民間譲渡も並行して検討されるべきと考えますが、いかがでしょうか。 3項目め、民生委員、児童委員の人材確保についてお尋ねをいたします。 現在の民生委員、児童委員の皆さん、縮めて民生委員と述べさせていただきますが、その任期は本年11月30日と伺っております。人生100年時代、高齢化率も年々高まっている今日、民生委員の皆さんに寄せる期待は高まる一方ではないかと思うのであります。民生委員の皆さんには大変厳しく困難な役割を担っていただいている、なくてはならない、本当に大切な皆さんであると認識をしておりますし、地元新聞におきましても、長く連載記事として取り上げられ、その使命や民生委員を取り巻く厳しい環境、困難さを増す活動などが紹介をされておりました。 そして、3年の任期満了を迎えるこの時期、どの地域でも民生委員の確保に苦労されているお話をよく耳にいたします。活動の困難さからなかなか引き受け手がいないというのが現状なようであります。 そこで、民生委員の選出地区ごとにその活動を補佐する新たな委員を市独自で確保することはいかがでしょうか。1人の民生委員に1人以上の補佐する委員をボランティアでお願いをする、少しでも民生委員の負担を和らげる力となり、相談し合える仲間にもなり得ると思うのであります。 民生委員本人を確保するだけでも困難であるのに、補佐する委員までとなるともっと大変になるかもしれません。しかし、スタート時点を乗り越えれば展望は開かれるのではないかと思うのであります。民生委員の負担軽減と人材確保のため、将来に向けて検討が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。 4項目め、振興センターの指定管理業務委託料についてお伺いをいたします。 指定管理業務委託料のうちの人件費についてであります。 市民主体のまちづくりを推進するため、その拠点施設となる振興センターが市内27カ所に整備されて13年が経過をしました。振興センターは、当初は市の職員2人体制で始まり、その後、市の職員が1人体制、さらに平成23年度からは指定管理により地元のコミュニティ会議が管理運営を行っております。指定管理は5年ごとの基本協定と年度ごとの協定が締結をされ、現在の基本協定は平成28年度から令和2年度までと理解をしておりますが、この指定管理に係る管理委託料の人件費を増額する考えはないかお尋ねするものであります。 振興センターでは、施設の管理運営だけではなく地域の生涯学習の企画から実施までコミュニティ会議の職員が行い、市の生涯学習の一翼を担っております。また、振興センターによっては市民の利用が大変多いところがあり、その責任も重くなってきていると感じております。振興センター以外の公の施設の指定管理では人件費がいかようになっているのか比較したことはありませんが、振興センターの指定管理に係る人件費はスタート時点から9年が経過する今年度までずっと同額で据え置かれたままになっているのではないでしょうか。 岩手県の最低賃金も今年度に改定される見込みであり、早ければ来月にも発効されるというお話があります。振興センターを管理する職員の人件費もしかるべきベースアップがあってもよいと思うのであります。まちづくりや生涯学習の推進に意欲ある人材を確保するため、次期基本協定に向けて見直す予定はあるのかどうか、どのようにお考えなのかお伺いをいたします。 以上で、登壇しての質問を終わります。御答弁をよろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(小原雅道君) 上田市長。    (市長登壇) ◎市長(上田東一君) 伊藤盛幸議員の御質問にお答えいたします。 1件目の広報広聴についての1点目、市長との対話の成果についての1つ目、過去3年間における参加者数についてのお尋ねでありますが、平成26年度から開催している市長との対話は、定例の市議会開催月を除いた毎月各1回、まちづくりについて懇談を行っているものでございます。 本庁及び各支所の過去3年間の合計でございます。個別については時間の関係で、再質問ございましたらお答えさせていただきます。平成28年度から平成30年度までの延べ参加者数は365人であり、その男女の内訳といたしましては男性280人、女性85人となっております。また、年度の内訳といたしましては、平成28年度は合計157人、平成29年度は合計93人、平成30年度は合計115人となっております。 2つ目の出された意見の概要と対応状況についてのお尋ねですが、平成28年度から平成30年度までの過去3年間の意見の概要につきましては、多くの分野にわたり538件について懇談しており、企業誘致、道路の整備、維持管理、予約乗り合いバスの運行、公園環境の整備、総合花巻病院の状況、郷土芸能の推進、定住対策、市職員の対応などについて御意見をいただいており、地域別といたしましては、花巻地域においては空き家対策や新花巻図書館の整備について、大迫については公共交通の確保や大迫高等学校の生徒確保について、石鳥谷地域においては北上川堤防の築堤や道の駅石鳥谷の整備について、東和地域においては公園の環境整備や枯れ松の伐採等について懇談しております。 その対応状況につきましては、例えば市道の除雪や環境整備など、市が細部にわたりなかなか把握できかねるような課題について、市民の方々の目線で情報提供いただき、その解決を市政で反映させていただいております。 具体的な例を幾つか申し上げますと、特定非営利活動法人まんまるママいわてに事業委託をしております産後ケア事業につきまして、サービスを充実してほしいとの利用者からのお声によりまして、利用床数を2床から3床に拡大しております。また、公共の場所などで積極的に花づくりを行っている団体や市民の方に対し配布しております花苗について御提言がありましたことから、毎春1回の配布を春秋の2回にふやしております。 私は、できるだけ機会を捉えて、花巻地区だけではなく、大迫、石鳥谷並びに東和地域で開催される事業やイベントに出向き、地域の方々の声を聞くことに努めておりますが、市民との対話はそのような機会にお話することができない方々からそれぞれの地域の実情を実際に見聞する機会となっておりますことから、具体的な課題を把握する場としては時間を要する実態もあり、必ずしも効率的ではないとそのような見方もあるかもしれませんが、大事な機会として取り組んでいるところであります。 次に、3つ目の回答を公表することについてのお尋ねでございますが、現在、市長との対話開催後に市のホームページについて、議員御指摘のとおり、開催日、開催地域、男女別の参加者数、対話の項目について公表しております。市長との対話は市民と私が1対1で気軽にまちづくりについて懇談することを目指しておりますが、個人的な困り事やプライバシーにかかわる内容なども多くございますし、公表することによって個人が特定されることも想定されますので、具体的な内容や市の対応についてまでは公開しないこととし、できる限り市民の皆様にお気軽に参加していただきたいと考えております。 実態としまして、市政懇談会等についても中身について公表しております。これについて担当部署、地域振興部になります。同じような職員がこれ担当になります。この市政懇談会の取りまとめも相当時間がかかるのです。これはAI使って録音して随分早くなりましたけれども、それでも時間かかります。また、一部要約になりますから、実は私の考えていることと違う要約になることもございます。そうするとどうしてもこれチェックしなくてはいけない、十分しているかどうか、大変時間が限られているので疑問でありますけれども、そういうことになります。したがって、どんどん公開するということになると市職員の負担も大きくなる、こういうことございますので、これについては気軽にお話しいただく場として考えていただきたいというように思っております。 そして、この参加する方の数についての御指摘ございました。確かに市民の方、参加する方、初めて参加する方、ふえない傾向がございます。そういうことから考えますと、この市民との対話については今後さらに周知していく必要があるというように考えている次第でございます。 次に、1件目の広報広聴についての2点目、広報広聴担当部署の設置につきましての御質問にお答えいたします。 まず、広報業務につきましては、総合政策部秘書政策課が広報紙の編集、発行や定例記者会見で取り上げる項目の調整、市ホームページの管理などを行っておりますが、市が取り組んでいる施策の範囲は幅広く、また、市民の皆さんに情報を詳細かつ正確にお答えするため、施策を担当する各部署において市政情報の発信を行っているのが実情であります。 その結果、広報になれていない担当職員が広報をしてしまって、市全体の考えと違う部分が出てしまうことがございます。これによって非常に誤解をいただくことも実際問題としてあるということは、事実の問題としてございます。 しかしながら、本来であれば広報が全てわかって、市長の考え方もしっかり押さえて、その上で広報の一元化をするということが理想ではあります。国においては官房長官が内閣の広報官、スポークスマンになっていて、全てのことを把握した上で広報担当しているということが期待されているわけでございますが、そのようなことができればそれはすばらしいということになりますけれども、市長の考え方、代弁できるような広報官ということであれば上級幹部職員ということになるわけですけれども、そのような配置が人的な限界においてできるのかということ、そしてまた、広報についての専門的な知見を持つそういう上級幹部職員を育てるためには相当時間もかかる、困難であるということから考えると、この今の広報体制、問題があることは私も同じように感じておりますけれども、やはり担当部署にある程度お願いして、その中でメディア等の対応についてもやっていただくという現在の状況、直していくことは理想としてはございますけれども、なかなか一朝一夕にはできないというように考えております。 広聴業務につきましては、県内各地の状況を見ますと広聴広報課を置いている市も多くあります。盛岡市の例を見ますと、広聴広報課広報係において広聴業務として市民相談、陳情等の受け付け、まちづくり懇談会等の開催の業務を担っていると伺っております。 本市におきましては、陳情や要望等の受け付け、まちづくり懇談会や市政懇談会の開催などの他市における広聴業務の多くを地域振興部地域づくり課で担っております。しかしながら、地域づくり課が地域の実情等をお聞きする広聴業務の全てを担っているわけではなくて、例えば福祉に関することは健康福祉部、教育に関することは教育部が市民の方々からの御意見をお聞きするなど、各部署において担当する施策や業務に関する意見や要望を市民や関係団体から伺い、担当する施策や業務の企画立案や改善に努めているところでございます。 他市の広報広聴、担当が一つ部署として行っているところがございますが、広報とも似たような話になりますけれども、市職員の仕事もふえている一方、市職員の人数をふやすことは難しい状況でございますので、広報広聴担当の独立した部署を、意味のある人員を配置して設置することは現状においては困難ではないかなとそのように考えております。 2件目の市有財産の活用についての1点目、当面活用が決まっていない市有地の今後の活用についてのお尋ねでありますが、市が保有する財産は庁舎や消防施設、図書館、公園などの公用または公共用に供する行政財産とそれ以外の普通財産に分類されており、行政目的を持たない普通財産につきましては基本的に売却、貸し付けを行い財産の有効活用を行っております。 平成30年度末時点における普通財産の土地面積は、山林、宅地、田畑、その他を合わせて約1,401ヘクタールと膨大な面積の普通財産を有しております。そのうち大部分は山林でございまして、1,214ヘクタールとなっております。そのほかに歴史的な道等を含む赤線、青線などのいわゆる法定外公共物等が106ヘクタールということでございまして、山林と法定外公共物を除くと、宅地と田畑、田畑は約81ヘクタールでございます。その中から200平方メートル以上の一団の土地で、市として当面の利活用が決まっていない土地のうち、現時点で売却可能としている土地は約11ヘクタールでございます。この中には、近い将来において公共事業が予定されている土地や公共事業が見込まれている土地、またはそれらの代替予定地として活用が見込まれる土地のほか、国や県などの公共団体や商店街振興組合等の公共団体などに現に貸し付け中の土地も含まれております。 この売却可能な土地の中から、比較的広くない土地が多いわけでございますけれども、整形地や住宅地など売却しやすい条件が整っていると考えられる土地については、順次測量等を行いながら売却の準備を進め、市広報やホームページ等で広く周知を図りながら、一般競争入札による公売を実施しておりますし、また、応札者がない場合は先着順による随時公募に切りかえ売却を進めております。これは御指摘のとおりホームページ等を見ると記載があるところでございます。 この公売の結果、平成29年度においては7件を公募し828.58平方メートルを売却し、平成30年度は10件を公募し7件、2,095.89平方メートルを売却したところであり、今年度に入りましてからさらに1件、340.51平方メートルを売却しております。 一方、普通財産でございますけれども、市有地の中には末広町の花巻警察署跡地や大谷地公民館付近の土地、公設地方卸売市場の北側の土地など、ある程度面積のまとまった一団の土地があり、これらの土地につきましては、現時点では具体的な活用方法は決定しておりませんので、現在のところ、末広町の花巻警察署跡地、これは末広町に利用いただいていますが、地元商店街の駐車場及びイベントの開催やスポーツ少年活動等に貸し付けしております。 本市においては、立地適正化計画を利用した花巻中央広場の整備や総合花巻病院の移転改築、災害公営住宅や子育て支援住宅の整備、リノベーションによる各種店舗の開業などにより町なかの活性化が徐々に進んでおりますし、また、図書館の整備等についても構想を策定中でございます。そして、東芝メモリ岩手株式会社の大規模工場の建設に伴い、本市においてもアパートの建設が本年に入りまして増加しているというようなこともあり、今後も花南地区を初め市内への人口流入も期待されているところでございます。 これらの状況も見据えながら、これらの大規模な一団の土地については民間による活用あるいは公共的な活用も含め、今後、政策的な観点から長期的視点に立って活用方法を検討していく必要があると考えております。どんどん切り売りするのではなくて、この活用をしっかり考えていきたいということでございます。 2点目の廃校施設等の活用についてでありますが、主な活用事例といたしましては、振興センターとして旧外川目小学校、旧成島小学校、旧田瀬中学校の3校の校舎等が利用されておりますとともに、旧谷内小学校跡地に振興センターを新築しております。 また、社会体育館として旧外川目小学校、旧成島小学校、旧谷内小学校、旧田瀬小学校の4校の屋内運動場等が利用されており、旧土沢小学校を除く残り7つの小学校のグラウンドにつきましては、地域のイベントや駐車場等に利用されております。 さらに、民間活用されているものとして、旧前田小学校の活用、平成26年11月から「山の駅・昭和の学校」として活用されております。東和地域の旧浮田小学校の校舎につきましては、議員御指摘ございましたけれども校舎跡地を介護事業として利用いただいております。 花巻市公共施設マネジメント計画(基本方針編)の資料編に廃校した学校施設が一部載っていないものがあるという御指摘でございましたが、旧土沢小学校は普通財産の用途に記載しており、旧前田小学校は旧前田小学校(昭和の学校)として、旧外川目小学校校舎、旧成島小学校校舎、旧谷内小学校校舎、旧田瀬中学校の4校は振興センターとして、旧田瀬小学校は集会所施設として、それぞれ施設名称を変更して記載されているという報告を担当部署から受けております。 残る旧小山田小学校につきましては、建物解体後も更地のままとなっておりますし、旧浮田小学校につきましては建物解体後の土地に民間の介護施設が建設されておりますので、これらの2つの学校跡地には市が所有する施設がないため、花巻市公共施設マネジメント計画(基本方針編)の資料編には施設名が載っていないものであります。 廃校施設等の遊休財産の利活用につきましては、平成29年3月に策定しました花巻市公共施設マネジメント計画(基本方針編)の基本方針に基づき、市としては、今後の活用が見込めない建物につきましては、民間事業者等のニーズやアイデアを把握しながらよりよい活用方法を検討したいとしております。 現在、具体的に活用されていない学校施設としては旧土沢小学校の校舎等があります。校舎については現在、萬鉄五郎記念美術館の資料等を収蔵しておりますが、企業誘致による地域の活性化を図るため、過去には企業に紹介し、一時的に興味をお示しになった企業もございますが、結果として現在も全面的な活用には至っていないところであります。 次に、3件目の民生委員、児童委員の人材確保についての御質問にお答えします。 民生委員、児童委員を補佐する委員を独自に、あるいはボランティアと言ったほうがいいかもしれません、独自に委嘱する考えはないかについてのお尋ねであります。本年12月1日から就任される民生委員、児童委員の推薦状況でございますが、8月末現在では当市の定数246名中237名が推薦済みであり、推薦率は96.34%となっております。地区によっては未推薦となっているところもございます。花巻北地区5名、湯本地区1名、東和地区1名、石鳥谷地区主任児童委員2名でございます。このように、若干未達のところもございますけれども、各地区の区長さんを初めとする皆様の大変な御尽力によりまして、おおむね各地区から順調な御推薦をいただいているということでございます。 しかしながら、平成29年度に当市が全民生委員に実施したアンケート調査によりますと、民生委員になってみてどのように感じたのか、問い合わせにつきましては、聞いていた以上に業務量が多かったと答えた方々の割合が67.25%ありました。市ではこのような状況から、民生委員の負担軽減についても取り組んでいるところでありまして、花巻市社会福祉協議会に委託し、民生委員と連携し高齢者等の見守り活動を分担して行う地域福祉訪問相談員、現在10名を選任いただいて、花巻市社会福祉協議会10支部にそれぞれ配置しております。 この地域福祉訪問相談員、平成22年度から国の事業を活用して開始され、平成26年度からは市の単独事業となっております。相談員数につきましては、市単独事業となった平成26年度が5名、平成27年度と平成28年度は8名、平成29年度からは10名と増加させたところでございまして、この訪問相談員に対する相談件数につきましても、その結果、平成26年度が3,556件だったのに対し、平成27年度は6,519件、平成28年度が6,885件、平成29年度が9,533件と上昇しておりまして、相談件数からしますと民生委員全体の相談件数よりも多いというようなことになっております。かといって、民生委員、児童委員は地域に密着した方々でございますので、この重要性については今までと同様と考えているところでございます。 このようなことから、民生委員を補佐するボランティアの選任ということではなくて、必要に応じて地域福祉訪問相談員の方々に今までと同様、民生委員を補助する役割も果たしていただきたい、そして必要に応じてはその増員についてもさらに検討を行う必要があるのではないか、必要になった場合には検討を行いたいと考えておりますが、そのようなことによって民生委員の方々の負担を今よりもふやさない、あるいは可能であれば軽減するということを考えていきたいと考えております。 4件目の振興センター指定管理業務の人件費の見直しについてのお尋ねであります。 指定管理については、平成23年度からコミュニティ会議にお願いしているわけでございますが、この指定管理業務につきましては、施設の利用案内や貸し出し、使用料の徴収など運営に係る業務と、施設の清掃、修繕、備品管理、敷地内の環境保全など施設の維持管理に係る業務があり、それぞれのコミュニティ会議が指定管理業務に係る職員を雇用し配置しているところでございます。 職員配置につきましては、平成23年度からの5年間におきましては、市職員1名と指定管理者であるコミュニティ会議の職員を配置しておりましたが、平成28年度以降におきましてはコミュニティ会議職員のみの配置により管理運営を行っていただいているところであります。 コミュニティ会議に対する指定管理業務委託料につきましては、人件費のほか修繕費や消耗品費、燃料費、清掃や除雪などに係る経費などを積算し、指定管理者募集時にその総額を指定管理料の基準額として示しております。 コミュニティ会議における雇用状況につきましては、常勤職員として雇用しているケース、非常勤職員として雇用しているケース、パート職員として雇用しているケース、それぞれの会議でその組み合わせも適宜行いながら効率的に運営できる形態で雇用しているところでありまして、その賃金の額につきましても各コミュニティ会議においてそれぞれ人件費を決定しているものであり、雇用状況はコミュニティ会議によってさまざまな状況であります。 しかしながら、このコミュニティ会議の職員の賃金につきましては、最低賃金と比較しますと、岩手県の最低賃金については本年10月4日に改正発効される最低賃金が790円と年々上昇している状況におりますが、コミュニティ会議の職員の賃金につきましては、本年度1日7時間45分、週38時間45分の勤務の常勤職員の1時間当たりの賃金が968円となっており、いずれの職員の賃金においても最低賃金を下回っている状況にはない、そのことを毎年度実施している事務確認においても確認しているところであります。 振興センターについては適切な施設の管理運営ができるよう、令和3年4月の次期指定管理者の指定に際しての指定管理料における人件費の積算に当たりましては、雇用の実態を把握するとともに、人件費以外のほかの費用の支出状況の検証も行った上で、岩手県における最低賃金の状況等も考慮しながら検討を行ってまいりたいと考えております。 市全体の収入がなかなかふえない中で、いろいろ状況によって上げなくてはいけないものたくさんございます。その中でどうやってそのような必要性に応じていけるかということについては、今後、全体的に知恵を絞っていく必要があるとそのように考えている次第でございます。 ○議長(小原雅道君) 伊藤盛幸君。 ◆8番(伊藤盛幸君) ありがとうございました。 広報広聴部門のお話でございますけれども、おっしゃったように、いわゆる市のスポークスマン的な人材、これはやはり必要ではないかと思うわけでございまして、それは特別な研修というよりも、ベテランの職員そして若手と組み合わせによってそのチームができ上がる、その中の方がスポークスマンという形でいろいろな窓口になり得る、ぜひそういう方が必要ではないかというものでございまして、特別その人材を、そのための研修をするとかということは私の中ではなかったところでございます。 広聴広報課の単独の課とかそういったことではなくて、1つの課の中に広報広聴の担当の係なりそういったもので十分だと思うのです。広聴でお聞きした、例えば市政懇談会等での課題、これをその係で取り組むことによって、こういった課題については、それでは広報のほうで特集を組んでこういうことでやっていこうかというふうに、そういう一体的な取り組みが行えると思うわけであります。したがいまして、1つの課というのではなくて、一緒のチームということで取り組んではいかがかということでございますが、お尋ねをいたします。 ○議長(小原雅道君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) それは理想だと思います。できればそういう方向で行きたいなと、これは私、市長になってからずっと思っているところでございます。 その上で、やはり見ていますと相当難しいのですね。我々の考え方がしっかりわかって、市の動きを全部把握してやるということについては、例えば1年2年いてもなかなかそれはできないと思います。そうすると、やはりある程度長い間いる中でやっていくし、ある程度上の、経験もあって全体的なことが見える人でないとなかなか難しいなという感じはします。 ただ、さっき申し上げましたけれども、やはりメディアへの対応等を考えたときに、初めての人がやったときの間違い、これは当然出てくるのですね、これはその職員、なければいいなと思いますけれども、やはりこれは無理な部分があるので、ここは課題になっていることは間違いないと思います。 ○議長(小原雅道君) 伊藤盛幸君。 ◆8番(伊藤盛幸君) 市有財産の関係でございますが、先ほどの御答弁の中に、例えば旧小山田小学校は更地のままと、あるいは旧土沢小学校については、以前には企業誘致という話がありました。企業誘致の話は私も知っていますけれども、その統廃合、当初のときにはそういった動きがありましたけれども、その後の取り組みというのは展開をされておられるのでしょうか。 ○議長(小原雅道君) 松田財務部長。 ◎財務部長(松田英基君) 学校跡地につきましては、企業誘致の担当しておりますホームページでも旧土沢小学校等、紹介等させていただいております。 ○議長(小原雅道君) 伊藤盛幸君。 ◆8番(伊藤盛幸君) たまたまきのう、某番組を見て、例えば先ほど山林も結構あるということで、その山林をいわゆる市民以外の方が購入をしながら、これからの人生の中でいろいろな活動の場に生かすといったようなことも放送にありましたけれども、そういった部分で、こういうのありますよということを積極的に売りに出るといったような戦略が必要ではないかと思ったところでございます。 そういった中では、先ほどの東芝メモリの稼働に合わせた中で住宅あるいは事業所用地等々の引き合いも相当あるのではないかということで、積極的にこのチャンスを生かして、大事な財産が埋もれることがないようにしてほしいなと思ったところでございます。 民生委員の関係でございますが、今時点で96.34%の推薦状況だよと、それはわかりますけれども、次の次を見据えた意味での、その地域での補佐をする委員、これは市として認めてあげるということでの、市で単独で委嘱してはどうかということでございます。地域福祉訪問相談員がいるということはわかりますけれども、やはりその地域を担当する民生委員、その地区の自治会長さんなり区長さんなりといろいろと相談をしながら連携をして取り組まれているとは思いますけれども、やはりそれでも話しにくいところもあるのではないかと。そういったときには、今言った花巻市が認めた補佐する委員というのを置くことによって負担の軽減、さらには次の民生委員の確保ということに向けても有効なものではないかと思ったところでございます。 先ほどの答弁では前向きな検討のお話はなかったのでありますが、いかがでしょうか、再度お尋ねをいたします。 ○議長(小原雅道君) 高橋健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(高橋靖君) お答えをいたします。 民生委員を補佐しますボランティアあるいは委員という部分での御質問でありますけれども、私どもではそのとおり平成22年から地域での相談員ということで配置をしまして、その中で現行の民生委員の方々の活動の軽減ということはさせていただいてございます。ただ、そのとおり任期が終わりまして、次の委員を選ぶという部分につきましては、今回もそうなのでありますが、現行では97%弱、まだ9名の方がいらっしゃらないという状況も確かにございます。 ただ、そういったボランティアの制度を実施しているところに関しましては、やはり国内でも大都市がかなりそういった部分は多いです。翻っていいますと、それだけ人数がいらっしゃるということから、民生委員の次期候補ということでも選びやすいのかなとは思っているところでございます。 花巻市におきましては、現行の委員さんあるいは次の委員さんというところで、まずは新任の方であればつないでいただくということ、そして次の民生委員活動の中で引き続きお願いする委員さんもいらっしゃいます、あるいは何かの事情でおやめになる委員さんにつきましては、それぞれの御活動の中で次の適任者の方を推薦いただくというような場合も考えているところでございまして、なかなか当市としましてはいない状況ということもございますので、まず民生委員の活動の軽減と、それからそれに伴います継続といいますか、そういったことをやっていただければなと考えているところでございます。 ○議長(小原雅道君) 伊藤盛幸君。 ◆8番(伊藤盛幸君) 指定管理の人件費のことについてお尋ねをいたします。 先ほど市長の答弁の中では、雇用実態をよく把握しながら検討していきたいということでございました。指定管理業務の中には生涯学習に関する取り組みあるいは企画なり実施、そういう業務は指定管理の中には入っていないわけです。これを花巻市の生涯学習を担う方として、いわゆる社会公民館、地区公民館、社会教育の一環としてかつての取り組みから今、生涯学習ということで、各振興センターで生涯学習が推進されておりますけれども、これはまさに市の生涯学習の一翼を担っているという業務でありますから、その部分をどのように見るかというところ、そしてまた、貸し館業務においてもかなり利用度の高い施設等もあるわけでして、それらの使用料の徴収等も当然行っているわけです。 したがって、市の職員に匹敵する業務、これを担っているのではないかということで、複数の職員がいる場合の、先ほど市長がおっしゃったような常勤なり非常勤なりパートというのが考えられますけれども、常勤の部分ですね、この方についてはやはりその地区のまちづくりあるいは生涯学習、そういった人材確保という意味でもしかるべき報酬といいますか、人件費を確保すべきと思っております。その生涯学習を担っているという部分についてのお考えはいかがでしょうか。 ○議長(小原雅道君) 市川生涯学習部長。 ◎生涯学習部長(市川清志君) 生涯学習の部分につきましては、市全体として生涯学習をまなび学園とか3支所単位でやっているのもございますし、あと、各地域においては、地域づくり、地域の将来はやはり生涯学習で地域づくりをしてほしいという観点から、地域の人材を育てようということで、地域の皆さんに活動してもらっているというところがございまして、市の職員も各振興センター、コミュニティーと一緒に企画を練ったりとか、支援したり、研修も毎年開いておりますので、そういう部分では全て任せているというのではなくて、一緒にやっていって地域の人材を育てていきたいという発想からやっているというところでございます。 ○議長(小原雅道君) 伊藤盛幸君。 ◆8番(伊藤盛幸君) 生涯学習を企画したりするそのスキルアップ部分の研修等については、それは大変有効なことではあるというふうに思います。そういった中では、高齢化率も上がって、その地域の生涯学習に出かけるというそういった方々によっていろいろな効果もある、そういった意味ではより有効な生涯学習に頭を悩めて企画をし実施されている、そういう部分の評価をぜひこの人件費の部分で、そしてまた、施設の有効な管理運営にもいろいろと精励されているという部分も加味した中での人件費の、次の協定に向けた配慮をぜひ検討していただきたいと思うわけであります。 以上で質問を終わります。 ○議長(小原雅道君) 以上で、伊藤盛幸君の質問を終わります。 昼食のため、午後1時15分まで休憩いたします。     午後0時13分 休憩     午後1時15分 再開 ○副議長(藤原晶幸君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。 次の質問者、藤原伸君。(拍手)    (藤原 伸君登壇) ◆22番(藤原伸君) 22番、明和会の藤原伸でございます。 通告しておりました3件について質問いたしますので、御答弁をお願いいたします。 1件目は、本市の個人情報の取り扱いについてお伺いいたします。 1点目の図書館利用者情報の任意捜査への対応について。 7月7日付の岩手日報に「内心の自由か捜査か」という見出しで、県内図書館利用者情報の警察照会について情報提供の是非についての記事が掲載されておりました。岩手日報社の調査によると、県立図書館と県内33市町村のうち22市町村の公立図書館が情報を「提供しない」とし、北上市と葛巻町は「提供する」、本市を含む3市4町2村が「状況に応じて判断する」という回答でありました。提供しない理由としては、個人情報保護条例や日本図書館協会の図書館の自由に関する宣言などのほか、地方公務員法の守秘義務などを根拠に挙げておりましたが、あくまで任意捜査の場合であり、令状がある場合でも必要最小限にとどめると県立図書館の担当者は答えておりました。 「状況に応じて判断する」とした本市の回答について、判断の基準や情報の提供範囲について、どの程度までを想定しているのか伺います。 次に、生活保護情報の捜査照会の対応について伺います。 これも5月20日付同社新聞記事ですが、共同通信社が実施したアンケートでは無条件で提供していると回答した自治体も多く、専門家は、受給者の情報はプライバシーに相当踏み込み、不正受給などの疑いが相当程度ある場合にしか開示は許されず、自治体側の厳格な対応が必要とのコメントでありました。 生活保護行政の現場では、近年、不正受給対策や職員への暴力防止に警察関係者の配置が全国的に進んでいるとのことですが、捜査当局から求めがあった場合の本市の対応についてお伺いします。 個人情報取り扱いの2点目として、災害時における死者、行方不明者の氏名公表の取り扱いについて伺います。 京都アニメーションでの放火殺人という痛ましい事件は記憶に新しいところです。亡くなられた方々の御冥福を祈るとともに、御遺族を初め関係の皆様に心からお悔やみを申し上げます。 この事件では、被害者の実名公表までに多くの時間を要しました。いまだ多くの遺族が公表を拒否する中、事件発生から40日目で残りの25名の実名が明かされました。御遺族や会社側の意向を尊重したもので、背景にはマスコミの過熱取材に対することもあったようです。 この事件と災害時の氏名公表の扱いは別次元ではありますが、国の防災基本計画によると災害時の死者、不明者は都道府県が一元的に集約するとなっているようですが、災害が発生した自治体から県に報告する場合、被害者側から氏名の公表を拒むような意思表示があったときに、効率的な捜索を優先するか、プライバシー保護を重視するのか、その取り扱いについてお伺いします。 2件目は、県立高校再編後期計画についてお尋ねいたします。 1点目に、先月初めに県立高校再編後期計画策定のための岩手中部ブロック地域検討会議が開催されました。この会議において、花巻市、北上市、西和賀町から要望、提言が出されたと思いますが、その内容についてお伺いします。 また、その中で問題の改善策として、本市からは中高一貫校新設の提言もなされたようですが、その内容について詳しくお聞かせ願います。 3件目は、市内電気工事業者の育成についてお伺いいたします。 私は、花巻地区電気工事業協同組合の顧問についております。業者の方々との懇談や要望活動を通じ感じたことについてお聞きいたしますが、電気設備工事に限定した質問であることを御理解願います。 市が発注する工事において、地元業者に受注機会を多く与えることは、企業育成、産業振興、雇用確保等を図る上で極めて有効であり、市当局もその方向で進めていることは承知しております。 電気設備工事の市営建設工事請負資格者の中には、市外の業者や県外の業者が含まれておりますが、市内に営業所を置くだけの業者が受注するとなれば、地元企業の育成や市民の雇用機会に結びつかないのではとの不安があります。指名競争入札や条件つき一般競争入札によりそれらの不安はないかもしれませんが、工事請負資格者として認めることは、入札参加資格も当然あるのではと思われます。受注機会が少ないと思われる市外、県内の業者を市営工事請負資格者に含む必要性はあるのでしょうか。近隣市においては市内に本社を有する業者と明確に示しているようですが、いかがでしょうか。 3件目の質問に関しては、私の通告の仕方に不備があり、1点目と2点目をまとめての質問となりました。 本市の考えをお伺いし、登壇しての質問を終わります。御答弁をよろしくお願いいたします。(拍手) ○副議長(藤原晶幸君) 上田市長。    (市長登壇) ◎市長(上田東一君) 藤原伸議員の御質問にお答えします。 1件目の個人情報の取り扱いについての1点目、捜査機関からの照会の対応についての1つ目、市立図書館利用者情報についてのお尋ねであります。 この件についてお答えいたします前に一言申し上げますと、先ほど伊藤議員からの御質問で、花巻市の広報体制については課題があるというお話を申し上げました。この件につきまして、7月7日の岩手日報で記事が出て、それについて花巻市から回答があったという記載でございました。実は、大変申しわけないのですが、私、この記事を見落としておりまして、また、このような記事が載ったということについての報告もございませんでしたので全く知らなかった、議員からの御質問があるまでこの件については存じ上げなかったということでございます。 これは担当者レベルで考えることではなくて、基本的な事柄ですから、このようなことについてはやはり事前に市長に報告した上で答えるべき案件であったろうと。また、それとは別に、メディア対応した場合の、これは書かれておりませんけれども花巻市のルールとしては、そのようなメディアからの問い合わせがあって答えた場合には、事後、市長含めて幹部に報告することになっております。 本件については、まずその重要性についての判断がきちんとされなかったということは残念であります。ただ、これは担当者のほうでそのようなことが思いつかなかったということについて、必ずしも非難はできない部分がございます、残念であったということは申し上げたい、非難できないと。ただ、その後にこのような対応をしたことについて報告がなかったということは甚だ遺憾でございます。 そのようなことから考えると、広報体制については課題があるということを再び申し上げたい。ただ、一朝一夕にはなかなか解決しない課題があるということでございます。 その上で、これについてのお答えをいたします。 どのような状況の場合に花巻市はこのような図書館利用情報を提供し、どのような場合に提供しないのか。仮に提供する場合にはどの程度の範囲での提供となるのかについての御質問、これにつきまして、そもそも花巻市の市立図書館に対して捜査機関から利用者情報を求められたことは前例がないという報告を受けております。また、私自身は、どのような場合に捜査機関が図書館の利用者情報を求める場合があるのか、その必要性があるのかということはにわかには認識できないところであります。 したがって、その前提になりますが、仮に照会があった場合においては、花巻市個人情報保護条例第6条第1項に規定する利用者及び提供の制限のただし書き、例外規定でございますけれども、これを考慮する必要がございますけれども、それだけではなくて、まず日本国憲法で保障される思想信条の自由、その観点を大いに考えた上で対応する必要があるというように考えます。 花巻市個人情報保護条例第6条においては、実施機関、この場合は花巻市になりますけれども、花巻市は個人情報を取り扱う目的以外の目的のために、個人情報を当該実施機関、花巻市内部において利用し、または当該実施機関、花巻市以外のものに提供してはならないと定めております。ただしということで何点かの例外が定められております。 1つは、国等に提供する場合において、当該国等に提供することが事務の性質上やむを得ず、かつ、本人の権利利益を不当に侵害するおそれがないと認められるとき。あとは、ちょっと今、手元の資料にはございませんけれども、本人の安全等を守る場合、本人には限らないと思いますけれども、安全等を守るときという、正確な言葉遣いではございませんが、そのようなものが入っております。 そしてあと、そのほか実施機関が、当市になります、審査会の意見を聞いた上で、公益上の必要その他相当の理由があると認めるときということが例外としてございます。そのような場合には、この個人情報保護条例においては例外的に第三者に提供することができるということとなっております。 いずれにしましても、実際に捜査機関から利用者情報を求められたときは、捜査機関がどのような利用者情報が欲しいのか、どのような理由でその利用者情報を必要としているか等、情報を求める背景についてよくお聞きした上で、この条例の第6条第1項の規定、これを検討するのは当然でございますけれども、その前に日本国憲法に保障されている思想信条の自由などの観点や、あるいは議員御指摘の日本図書館協会の図書館の自由に関する宣言などを参考にした上、これは日本国憲法に基づいての考え方で、この日本図書館協会が決めたものだと思います、これと憲法の解釈が必ずしも合致するかどうかわからないわけですけれども、そのような図書館の自由に関する宣言などを参考にした上で、関連法令等の規定を確認し、法務専門監や場合によっては顧問弁護士等とも相談しながら適切に対応する必要があるとそのように考えております。 失礼しました、先ほど安全の問題、条例の条文が読み原稿の中に入っていないという話しましたけれども、参考資料としてありますけれども、「人の生命、身体又は財産を保護するため、緊急かつやむを得ないと認められるとき」ということがございます。財産を守るためというのはあり得ないと思いますけれども、人の生命、身体を守るため緊急かつというのは例外としては定められているということでございます。 次に、捜査機関からの照会の対応についての2つ目、生活保護情報についてのお尋ねでありますが、被保護者に対する検察や警察等の捜査機関からの生活保護情報の照会に関する回答につきましては、生活保護制度を所管しております厚生労働省が作成しております自治体職員向けの生活保護手帳別冊問答集2018年度版において、「照会が法令に基づくものであって、その趣旨、必要性を保護の実施機関の立場で十分検討し、公益上の利益と他に開示されることによる本人の不利益等とを比較衡量し開示することが社会通念に沿う場合には、必要な範囲内において回答して差し支えない」との記載があるところであります。 当市における捜査機関からの照会、いわゆる捜査関係事項照会の照会件数は、平成29年度が5件、平成30年度が6件、今年度につきましては令和元年8月31日現在で3件となっており、いずれも刑事訴訟法第197条第2項に基づくものであり、この刑事訴訟法の規定上、正当な請求権を有した者からの照会と理解しております。その内容といたしましては、生活保護受給の有無、保護開始日など基本的な項目の照会となっているところであります。 最近の照会の状況といたしましては、被保護者が何らかの犯罪により逮捕に至った後に捜査関係事項照会が行われるケースが多くなっているところであり、この場合においては刑事訴訟法第197条第2項及び前述の生活保護手帳別冊問答集の記載に鑑み、必要な情報である、提供する必要があるとの判断のもとに提供を行ったところでございます。 なお、逮捕等に至る前の照会回答につきましては、犯罪の重篤度により捜査機関から当該被保護者の生活保護受給に関する書類の写し等を求められる場合もあるところでありますが、どのような犯罪の疑義があるかなどについて捜査機関への確認や問い合わせを行いながら、刑事訴訟法第197条第2項及び前述の生活保護手帳別冊問答集に基づき、法令に基づくものであっても必要な事項について最低限の範囲で回答を行っているとしているところでございまして、今後ともそのような慎重な対応が必要になると思います。 これについては、私のほうに相談に来ているわけではございませんし、毎回相談いただくわけにもいきませんので、担当部署のほうで必要な部署と相談の上、適正にやっていただきたいとそのように考えている次第でございます。 次に、2点目の災害時における死者、行方不明者の氏名公表の取り扱いにつきましてのお尋ねでありますが、災害時における人的被害、いわゆる死者、行方不明者等の数に関しては、国の防災基本計画において「都道府県が一元的に集約、調整を行う」とされているものの、死者、行方不明者等の氏名の公表に関する規定はなく、各自治体の判断に委ねられている状況となっております。 災害により人的被害が発生した場合、市は岩手県地域防災計画で定められた様式により、住所、氏名、年齢、性別、原因等の個人情報を県へ報告することとなります。花巻市個人情報保護条例第6条第1項の規定では、先ほどお話ししていましたけれども基本的には外部にはお出ししないとされているところでありますが、先ほど申し上げました例外としまして、「人の生命、身体又は財産を保護するため、緊急かつやむを得ないと認められるとき」にはこの限りではないと定められておりますことから、その例外規定に該当する場合には災害時における行方不明者等の個人情報を提供できるものと考えております。 国の防災基本計画では、人的被害の状況について、「市町村は情報を収集し都道府県へ報告」、「人的被害の数については都道府県が一元的に集約、調整を行う。また、都道府県は人的被害の数について広報を行う際は、市町村と密接に連携しながら適切に行う」と規定されております。 また、本年7月12日に行われた岩手県知事の記者会見において、「多くの方が亡くなられた災害については、身元が判明した方の氏名を公表している」、「安否不明者については個人情報をできるだけ保護する必要があることから、市町村を通じて御家族の御意向を確認し、了解を得た方の氏名を公表している」と発言されております。 市の防災危機管理課の職員が、災害時における死者、行方不明者の氏名の公表に関して、岩手県の防災危機管理担当に伺ったところ、「情報の公表については県では全県分について、市町村はそれぞれの分について実施するものと理解している」、「氏名の公表については、その都度市町村と連携をしながら判断して公表することとしており、市町村で公表する場合には、それぞれの市町村が判断するものと考える」との回答をいただいたところであります。 また、知事の発言に関しては、東日本大震災及び平成28年の台風10号災害の事例についてのものであり、その際には、死者については身元が判明次第、遺族の同意なしで公表、行方不明者については平成28年の台風10号災害の際に家族の同意確認を行い公表したとのことであります。 なお、今後の岩手県の対応につきましては、災害発生の事例ごとに判断するものであることから、画一的、機械的に取り扱うことはせず、状況等を勘案し、迅速な公表が本人、家族の利益につながり権利を守ることにもつながると判断される場合には、同意なしで公表するといった判断もあり得るとのことであります。 災害による死者、行方不明者の氏名公表につきましては、全国知事会においても議論され、円滑な救助、救急活動の実施や被災者のプライバシー保護の観点から、法令等によりその根拠を明確にした上で、全国統一的な公表基準を作成するよう国に対して要請が行われております。 このような基準が作成され、公表された後は別でございますけれども、それも参考にする必要がありますが、私どもとしましては、まず人命第一、救助第一、生命、身体を守るということを第一に考えながら、個人のプライバシーにも配慮しつつ、災害の状況や被災者の事情等に応じて判断してまいりたいと考えており、県とも連携を図っていって判断する必要があると考えております。 3件目の市内電気工事業者の育成についての1点目、市営建設工事請負資格者名簿への登載要件についてのお尋ねでありますが、電気設備工事の資格者名簿への登載要件につきましては、花巻市営建設工事競争入札参加者の資格等に関する要綱により定めているところであります。 電気設備工事の競争入札に参加しようとする者は、建設業法による電気工事業の建設業許可及び経営事項審査を受けていること、税を滞納していないこと、花巻市暴力団排除条例に規定する暴力団等に該当しないことなどの競争入札参加資格基準に係る資格審査を受け、市が資格基準に適合すると認める者が資格者名簿に登載されることとなっております。 資格者名簿に市外業者も搭載されていることへのお尋ねでありますが、競争入札に際しての資格及び指名の要件は、花巻市営建設工事に係る条件付一般競争入札における参加者の資格及び指名競争入札における参加者の指名に関する運用基準により、資格者名簿に登載された者で市内に本店を有する者であることと定めておりますことから、原則といたしましては、市内に本店を有する業者のみを対象として競争入札を執行しております。 しかしながら、市内に本店を有する業者のみでは対象工事の資格や施工実績を有する者がいないなど、適正に施工することが困難と考えられる場合や、複数の業者が存在せず競争性が確保されない場合においては、市外業者を資格及び指名の対象とする必要がありますことから、市外業者を資格者名簿に登載しているところであります。 2点目の市内業者に工事を発注する際の指名に関する考え方についてのお尋ねでありますが、資格者名簿に市内業者として登載される者には、市内に本店を有する者のほか、市内の支店、営業所等を代理人とする者も含まれておりますが、競争入札に際しての資格及び指名の対象は、地元企業の育成と雇用を確保して地域経済の活性化を図るため、運用基準において市内に本店を有する者のみとすることを原則としております。 しかし、先ほど申し上げたように、市内に本店を有する者のみでは対象工事の資格や施工実績を有する者がいないなど、適切に施工することが困難である場合や、複数の業者が存在せず競争性が確保されない場合に、市内の支店、営業所等を代理人とする者を対象とするものであります。 最近の事例ですが、ことし3月15日に指名競争入札を執行いたしました教育施設エアコン設置工事におきましては、施工量が膨大であり、かつ児童生徒の学習環境の整備がことしの夏に間に合うよう工期を設定しましたことから、小学校19校、中学校11校をグループ分けし、電気設備工事5件を同日に発注したところであります。 工事5件に対し、資格者名簿の電気設備工事A級に登載する業者は6者であったため、より競争性を確保し施工体制の充実を図る観点から、工事5件のうち予定価格が5,000万円未満の2件を、B級に登載する業者による3者単位での共同企業体の結成、いわゆるJVを参加資格としたところでございます。 B級に登載する市内に本店を有する業者は11者であったため、3者単位でのJVとした場合、このうち2者はJVの結成からあふれるおそれがありましたことから、同じくB級に登載する市内の支店、営業所等を代理人とする業者3者も含めた全14者を指名対象とし、共同企業体の結成において市内に本店を有する業者が除外されることのないよう図ったところであります。 なお、市内の支店、営業所等を代理人とする者を指名しても、競争性の確保に必要な業者数が確保できなかった場合は、市外業者を資格及び指名の対象とするものであります。 市の発注する工事でございますけれども、2つございます。まずは市民のお金を使って適切な工事をしていただく、これがまず第一でございます。そしてもう一つの注意すべき点は、地元業者の育成と雇用を確保し地域経済の活性化を図るということでございます。 この2つの基準が両方とも満たすということが理想でございますけれども、この1番目の基準をどうしても満たせない可能性があるという場合には、やはり市民の血税を使わせていただく、そして市民のための施設をつくるために必要だという観点はどうしても考える必要が出てくる場合があるものと考えております。 今回のエアコンの設置については、必ずしも施設をつくるためにだけではなくて、市内の業者の方々に、なるべくたくさんの業者の方々に、適正な競争のもとにおいて受注いただきたいという観点から工夫した次第でございまして、この結果、1番目の基準と2番目の基準、両方とも満たした結果になるのではないかなと考えている次第でございます。 そのほかにつきましては、教育長から答弁いたします。 ○副議長(藤原晶幸君) 佐藤教育委員会教育長。    (教育長登壇) ◎教育長(佐藤勝君) 2件目の新たな県立高等学校再編計画(後期計画)についての1点目、岩手中部ブロック地域検討会議の内容についての御質問にお答えいたします。 岩手県教育委員会では、令和3年度から令和7年度までを計画期間とする新たな県立高等学校再編計画の後期計画の策定に向けた検討のため、岩手県内10ブロック内の各市町村長、教育長、産業関係者、PTA関係者、中学校長で構成する地域検討会議を各4回開催する予定であり、岩手中部ブロックにつきましては、平成31年2月からこれまで3回開催されております。 検討会議の第1回は平成31年2月8日に開催され、テーマは「都市部、中山間地・沿岸部における今後の高校のあり方」であり、第2回は令和元年5月20日開催で、テーマは「小規模校のあり方について」及び「少人数学級・小規模校のあり方について」、第3回が令和元年8月1日に開催され、テーマは「各地域における学校・学科の配置について」でありました。 お尋ねの第3回検討会議での意見でございますが、市長からは、平成28年3月に策定された前期計画で実施が予定されていた花巻南高等学校と花北青雲高等学校の学級減が延期されたことについて、県教育委員会の御英断に感謝申し上げるとともに、両校の志願者数等の現状に鑑み、今後も学級減は実施しないよう申し上げております。 また、大迫高等学校での留学生の受け入れを県教育委員会からお認めいただいたことに感謝申し上げるとともに、中山間地域に立地する小規模校については、高等教育の機会均等の観点から存続が必要であることを強く訴えたほか、今回の会議の論点として県教育委員会から示されたのは、学級数の調整か学校統合の二者択一でありましたが、現状維持ということも選択肢に入れるべきではないか、そして、岩手中部ブロックにおいては充足率が高いことから、これ以上の再編の必要性はないのではないかと申し上げております。 さらに、岩手中部ブロックから盛岡市内のいわゆる進学校への、例年20人程度の生徒が進学している実態と、盛岡市内への通学が生徒、保護者にとって大きな負担となっている現状をお伝えした上で、地元の高校に通いながら大学に進学できる環境をつくることが必要であるとの意見を申し述べるとともに、その解決策として県立の併設型中高一貫校を岩手中部地区の花巻市に設置することを提案したところであります。 市長が申し上げたこれらの意見につきましては、北上市、西和賀町からも同様の意見があり、市長の発言に賛同するとの声もあったところであります。 私からは、花巻南高等学校、花北青雲高等学校については、学級減が延期されたが、毎年先が見通せない状況では中学校の進路指導上好ましい状況ではなく、また、岩手中部地域の高等学校は学科、学系、学級数のバランスもよく、現状を維持すべきであり、当該ブロック内の学級減や統廃合は凍結すべきであると申し述べたところであります。 また、県教育委員会の提案は学級数の調整、学校の統合でありますが、大切なのは学校、学科がより魅力的であることが重要であり、国の教育再生実行会議の第11次提言においても、新時代に対応した高等学校改革における学科のあり方として、普通科にかわる枠組みの構築のほか、発達障がいや不登校傾向など特別な配慮が必要な生徒への支援の充実、また、中山間地への配慮が盛り込まれていることから、この視点での検討が必要ではないかと申し上げております。 そのほか、北上市、西和賀町の委員からは、「進学、進路のために魅力ある学びを実現するためには、総合学科の検証や専門学科の充実、強化が必要ではないか」「会議の資料で中部ブロックへの他地域からの流入が多いように見られるが、これは私立高等学校も含まれた数字であり、私立高校が2校立地している岩手中部ブロックにおいては、一概に比較ができないのではないか」などの意見が出されたところであります。 次に、2点目の市が要望している県立の中高一貫校新設についての御質問にお答えいたします。 中高一貫校につきましては、岩手県では、既存の市町村立の中学校と県立の高等学校が教育課程の編成や教員、生徒間交流等の連携を深める形で中高一貫教育を行う連携型と、同一の設置者による中学校入学時に選抜試験を実施し、中学校から高等学校へは選抜試験を経ずに進学できる併設型を設置しております。 このうち、連携型は県立軽米高校が軽米町内の中学校と、県立葛巻高等学校が葛巻町内の中学校とそれぞれ連携する形で実施されております。また、併設型につきましては、平成21年4月に岩手県立一関第一高等学校に同校附属中学校が1学年80人定員で設置され、県内各地から向学心に燃える子供たちが中学校の入学者選抜試験を経て入学しております。 この附属中学校設置から既に10年が経過しておりますが、平成31年度の入学志願倍率を見ますと、附属中学校は2倍、高等学校は1.09倍と順調に推移しておりますが、一関第一高等学校において、いわゆる難関大学あるいは医学部への進学者が年々増加し、次世代のリーダーとして期待される人材の育成が着実に推進されております。 このことから、当市といたしましては、この併設型中高一貫校の成果をほかの地域にも拡充していくべき時期になっていると考え、岩手県に対し県立の併設型中高一貫校を花巻市内へ新設するよう、昨年、平成30年度から要望を行ってきたところであります。 また、1点目の岩手中部ブロック地域検討会議の内容についての御質問への答弁でも申し上げましたが、花巻市から20人を超える生徒が盛岡市内のいわゆる進学校に、また、一関第一高等学校附属中学校にも毎年数名が入学しており、その中でも盛岡市内に進学する場合においては花巻市の中心部からでも往復で3時間程度かかることから、こうした通学の負担を軽減するため、子供と保護者がアパートを借りて盛岡市内に住み、花巻市との二重生活をせざるを得ない状況が見られるというふうなことを聞き及んでおり、非常に憂慮すべき状況にあると捉えております。 一方で、花巻市内の進学校である花巻北高等学校は、1学年定員240人のうち市外からの入学者が例年80名程度あり、中部地域において大学進学を希望する生徒にとって花巻北高等学校が拠点校となっておりますことから、同校の学習環境を向上させることにより、生徒や家族に負担を強いる盛岡市内の高等学校へ進学せずとも、地元の高校で学び、希望する大学に進学できる環境をつくることが可能であると考えているところです。 さらに、岩手中部地域においては東芝メモリなどの企業立地が進んでおりますが、県外から転勤されてこられる方々は総体的に子供の教育環境に対する関心が高いことから、交通の要衝である花巻市に教育環境が整った県立の併設型中高一貫校を設置することにより、県外からの転入者の教育ニーズに応えることが可能となり、単身ではなく御家族で岩手中部地域に転入することによる定住人口の増加が期待されるものと考えております。 ○副議長(藤原晶幸君) 藤原伸君。 ◆22番(藤原伸君) 答弁を聞き逃しての質問もあるかもしれませんけれども、御容赦願います。 まず、過去に捜査照会の事例はなかったということはわかりました。その個人情報保護条例第6条のただし書き、いわゆる例外、この例外に該当する場合を状況に応じて判断ということでよろしいか、ちょっと確認です。 ○副議長(藤原晶幸君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) 先ほど申し上げましたが、実例がないわけですから仮定の話になります。したがって、そもそも捜査当局が図書館に対して利用状況を問い合わせるということが想定できないのです。どんな本読んだかということになりますと、これは基本的には思想信条の自由の問題にかかわりますから、これは出せないものだと思います。そういう上で、具体的にそういう状況、提供の要請があった場合において、そういう観点から、思想信条の自由等の観点から問題がないのかどうか、その上での話と、あと個別的な法律とか条例の解釈の問題になるのではないかな、そのように思います。 ○副議長(藤原晶幸君) 藤原伸君。 ◆22番(藤原伸君) 今回の質問に当たってちょっと勉強する時間が足りなくてですけれども、図書館の自由に関する宣言というもの、これちょっと私調べてこられませんでしたので、簡単にどのようなものなのか教えてほしいと思います。 ○副議長(藤原晶幸君) 市川生涯学習部長。 ◎生涯学習部長(市川清志君) 簡単に申しますと、日本図書館協会の衡量と申しますか、宣言をしているのですが、図書館の自由に関する宣言ということで、1つは資料収集の自由、つまりどういう資料でも自由に集めますというものと、2点目に資料提供することの自由、3点目に利用者の秘密を守るというのがあります。それがこの図書館の自由に関する宣言の中の思想等に関する部分ということになります。4点目に全ての検閲に反対するというような項目がございまして、それがずっと細かく書いてあるのですが、おおまかに言いますとこの4点に関する自由ということを宣言しているものです。 ○副議長(藤原晶幸君) 藤原伸君。 ◆22番(藤原伸君) 次に、災害時の実名公表の関係で伺います。 多分、答弁の中でお答えになっているかと思いますけれども、県の一元的集約という方法でやっているのですけれども、その公表するかしないかを判断するのは県なのか、情報を上げる、該当する、例えば花巻市なのかというところ、もう一回確認したいと思います。 ○副議長(藤原晶幸君) 市村総合政策部長。 ◎総合政策部長(市村律君) お答えいたします。 都道府県の場合については、数については集約するということでありまして、氏名の公表については国の防災基本計画でも具体的な定めがないので、実態とすれば各地方公共団体の判断に委ねられているということで、その数について都道府県が集約するということでありまして、県に報告する際には県の地域防災計画に基づきまして、県が定める様式で報告はしておりますけれども、あくまで一元的にやるのは数だけであるということです。そういうことで、自治体によって対応が異なることがあるということで、昨年、知事会でのこともちょっと触れましたけれども、知事会から国のほうに要請した経緯についてはさまざま、昨年の大阪北部の地震とか西日本豪雨とか、あと北海道の胆振東部地震の対応について、団体によって被害者の同意を、遺族の同意を得られた場合に公表した場合、自治体があったり、同意なく公表した場合があったということがありましたので、その自治体の間で対応に差異が、異なった対応が出たということを知事会の事後検証でそういう課題を洗い出してということなので、その災害発生時には円滑な救助とか救急を実施して、一人でも多くの方の命を救う必要があって迅速な対応が求められるということですので、死者、行方不明者の氏名の公表の基準作成について、国に対して知事会で要請を行ったというような経過がございます。 そういうことで、今の時点では特段ないのですけれども、一義的には市町村、自治体の判断ということになりますけれども、それにつきましても国から一定のガイドラインというか、そういうものが示されますと、各自治体の迅速な判断にもつながるのではないかなということで、今般、全国知事会で国に対してそういう一定の基準を示してほしいということが要請されたと思います。あと、先ほどの繰り返しになりますけれども、県と、花巻市の場合は岩手県とも連携しながら対応してまいりたいと思いますし、国がこの先どういう形になるかわかりませんけれども、ガイドラインみたいなものが示されるとすれば、それの内容についても注視していきたいという状況でございます。 ○副議長(藤原晶幸君) 藤原伸君。 ◆22番(藤原伸君) それでは、県立高校の再編の関係ですけれども、花巻北高へ定員240名のうち80名が他市から流入しているということでした。この花巻市全体に花巻市外から来ている、流入している数というのは把握されておりますか。 ○副議長(藤原晶幸君) 岩間教育部長。 ◎教育委員会教育部長(岩間裕子君) お答えいたします。 花巻市全体の高校にということですと、今ちょっと手元に数字はございません、大変申しわけございません。 ○副議長(藤原晶幸君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) 今、岩間部長申し上げたとおりで、手元には用意されていないと思いますけれども、この3回目の県主催の話し合いの中では、県から出されたところがございます、その資料が出ました。 ただ、先ほど教育長からお答えしましたけれども、実はその数字というのは、私立高校に入ってきた生徒さんもいるのですね、花巻市については花巻東高が大変評価が高くて、県内各地からお入りになっている生徒さん多いです。その私立高校を除いて、県立高校の単位で見ますと、入っているお子さんより域外に出ている、中部ブロックの域外に出ているお子さんのほうがはるかに多いという状況に数字上はなっていたと計算したところでございます。県のほうからそういう数字は出ていませんけれども、会議の席上、北上市副市長から御指摘があって計算したらそういう結果になっております。 したがって、出るほうが入るほうより多いと、県立高校についてはそういう結果になっています。 ○副議長(藤原晶幸君) 藤原伸君。 ◆22番(藤原伸君) それでは、最後の質問になるかと思いますけれども、電気工事業者の育成関係についてですけれども、よくわかりました。高度な技術というかそういうものが必要なときのために載せているのだということでよろしいでしょうか。名簿登載の関係ですけれども。 ○副議長(藤原晶幸君) 松田財務部長。 ◎財務部長(松田英基君) 市内に本店を有する業者以外に、市内に営業所、支店等を有する業者を名簿に載せておりますのは、そういった技術的な面、あとは先ほど市長が申し上げました競争性をどうしても確保するというような場合に必要になってきますので、そういった場合には指名するということもございますが、運用基準によりまして、原則として市内に本店を有する者と規定しておりますので、まずは市内に本店を有する業者を指名ないしは一般競争入札の資格としているところでございます。 ○副議長(藤原晶幸君) 以上で、藤原伸君の質問を終わります。 ここで午後2時25分まで休憩いたします。     午後2時11分 休憩     午後2時25分 再開 ○議長(小原雅道君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。 次の質問者、近村晴男君。(拍手)    (近村晴男君登壇) ◆21番(近村晴男君) 21番、花巻クラブの近村晴男です。 通告に基づき順次質問させていただきます。 1件目は、国際リニアコライダー(ILC)についてであります。 議会では、平成30年1月30日に県の科学ILC推進室長の佐々木淳氏を講師に招き、ILC実現に向けた取り組みと課題についての研修会を行いました。市でも本年8月5日、花巻商工会議所との共催で県のILC推進局長の佐々木淳氏を講師に招き、国際リニアコライダー(ILC)市民セミナーを開催されました。 平成25年8月、次世代の大型加速器、国際リニアコライダー(ILC)の国内候補地として、花崗岩帯の強固な地盤をなす北上山地と九州の脊振山地が名乗りを上げる中、物理学者らで構成する立地評価会議が「岩手、宮城両県の北上山地を最適」と発表されたことは御承知のとおりであります。以来、誘致実現に向けて世界をも巻き込んだ議論が繰り広げられているさなかでもあります。 本年3月7日が意思表明の最終期日とされた日、多くの関係者が注目する中で、文部科学省は、日本学術会議の議論の結果も尊重し現時点で誘致の表明に至らないとの判断を示しました。一方で、段階は前に進んだと含みを持たせ、今後、国内の科学コミュニティーの理解と支持、立地地域への効果の可能性が大事であるとの表明に、国内外の関係者に大きな落胆と衝撃を与えることだけは避けることができたとされています。 政界を代表して、超党派の国会議員でなるリニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟の塩谷幹事長は、文部科学省から審議依頼された日本学術会議の回答に関し、学術的な意義はわかったが、予算と見合う成果が疑問視され、必ずしも誘致を積極的に行う段階にないとの内容について、お金のことは政治の話であって、成果は医療、産業、エネルギー、先端技術開発などに大きく貢献することであり、やり遂げることに意義がある、ILCを国家プロジェクトと捉え、東京オリンピックが終わってからの新しい目標としていくことが大事であるとの趣旨の発言をされています。 ILCは長さ20キロメートルの地下トンネル内でマイナスの電気を持つ電子とプラスの電気を持つ陽電子を超高速で衝突させ、衝突によって起こる高エネルギー状態の様子を調べることで、宇宙の誕生や生命など、全て同じ材料、素粒子でできている仕組みを解明するための超大型の実験装置とされます。 そこで、1点目の質問ですが、日本政府のILCの北上山地誘致への確かな意思表示の可能性について、市長はどのように捉えているのか御見解をお伺いいたします。 先般開催のILC市民セミナーで、佐々木局長は、「ILCは宇宙の謎を解明する最先端研究施設であり、アジア初、日本初の国際プロジェクトが地方にできるものである」と話され、地域に及ぼす効果についても述べられました。 そこで、2点目の質問ですが、仮にILCの誘致が決定するとした場合、立地地域、特にも本市への期待される効果についてはどのように考えておられるのか、お伺いいたします。 また、ILC市民セミナーの主催者を代表して、上田市長は「重要な市の一つとして今後何をすべき事柄が生ずるか、覚悟を決めてやるべきことはやる」との趣旨の話をされました。 そこで、3点目の質問ですが、誘致活動と並行して市が取り組むべき対策などについてお伺いいたします。 2件目は、豪雨災害への対応についてであります。 近年、台風による災害のほか、温かく湿った空気が梅雨前線や秋雨前線などの活動を活発化させ長時間豪雨が続き、甚大な被害が発生するという異常な事態が頻繁に起こっているわけですが、これは地球温暖化に伴う大気中の水蒸気量の増加が影響している可能性があるとも考えられています。 本年7月上旬、雷を伴う1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降るおそれがあるとして、気象庁が臨時の記者会見を開き、「みずからの命をみずから守らなければならない状況の迫っていることを認識してほしい」と避難を呼びかけました。台風の接近以外に気象庁が緊急会見を開いてまで避難を呼びかけることは極めて異例なこととされますが、鹿児島県と宮崎県の合わせて110万人に避難指示が出され、避難勧告も続出しました。 また、異常熱波が日本中を覆っているさなかの8月15日には大型の台風10号が四国に上陸し、中国地方を縦断、帰省客のUターンに大きな影響を及ぼし、各地で土砂崩れなども続出しました。 さらに、先月27日から28日にかけて、九州北部の福岡県、佐賀県、長崎県の3県は線状降水帯ならぬ線状豪雨帯と言えるような1時間に100ミリを超すような豪雨に見舞われ、特に佐賀県の武雄市と大町町では大規模な冠水となり、死者も出るなど大変な豪雨災害となりました。お亡くなりになられた方にお悔やみ申し上げますとともに、災害に遭われた方々の一日も早い復旧をお祈り申し上げます。 また、本日は台風15号が迫ってきています。暴風を伴った大型の台風は首都圏を直撃して大きな被害を及ぼし、さらに北上し、福島県、宮城県、両県沿岸を通過中でありますが、早く太平洋沖を抜け災害の及ばぬことを祈るばかりです。 昨年は岡山県、広島県、愛媛県の3県が西日本豪雨によって河川の氾濫や土石流などにより甚大な被害が発生しました。県内でも平成28年8月30日、直接岩手県に上陸し北海道に抜けた台風10号が岩泉町と久慈市、北海道に甚大な影響を及ぼしたことは記憶に新しいわけですが、岩手県への上陸の角度がもう少し西寄りだったならば本市直撃の可能性もあったわけです。 実は、あの台風10号は遠野市に猛烈な雨をもたらし、田瀬ダムは運用開始以来2番目の貯水量に及んだとされ、本市でも甚大な被害を受ける可能性が十分あったことを念頭に、1点目の質問をさせていただきます。 平成30年の西日本豪雨では、避難のおくれによって多くの犠牲者が出たことを教訓に避難勧告等に関するガイドラインの一部が変更されたことが、7月1日発行の市の広報で紹介されています。住民がとるべき行動と行動を促す情報が警戒レベル1から警戒レベル5の5段階となり、災害のおそれが高まったときにとる行動を直感的に判断できるようになったとのことです。 警戒レベル4では、対象地区の人は避難すること、行動を促す情報は避難勧告と緊急避難指示の2通りとなっています。その違いはハザードマップに記載されているとしても、説明があればよりわかりやすかったのではないでしょうか。広報紙に掲載しているからとはいっても活字も小さく、どの程度の市民がこの大事な情報を共有できているのか、いささか不安を感じることからの質問となりますが、市では避難勧告等に関するガイドラインの一部改訂に伴う市民のとるべき行動についての認知度はどの程度と考えているのか、お伺いいたします。 2点目は、土砂の流出や山崩れなどによって集落の孤立が危惧される箇所の事前の対策についてお伺いいたします。 河川の氾濫による被害は大規模となることから、毎年国や県に北上川の築堤工事を要望しても、巨額な工事費が伴うこともあってなかなか進まないことが実情であり、ハザードマップによって住宅が冠水する危険性の高い地域にあっては早期の避難が肝要となり、その行動を促す市の情報提供が非常に重要であるということは申すまでもありません。 本市では、平野部のほかに山間地もあり、集落によっては一本の生活道路のみで、その道路が土砂災害などによって通行不能となれば集落が孤立する地域もあるのではないでしょうか。ハザードマップには土砂災害警戒区域等が示されていますので、この箇所が崩れたら集落が孤立すると想定される場所は把握できるものと思います。 近年の豪雨は想像以上のものがあり、どうしても対策が後手になるのは否めないわけですが、集落を孤立させないためにも、被害を最小限に食いとめる事前の対策を計画的に進める必要があるものと思いますが、市がとられている対応策についてお伺いいたします。 3点目は、より身近な場所に簡易避難所を開設する考え方についてであります。 ハザードマップには指定避難所や指定緊急避難所が示されていますが、災害の危険度が高まってからの避難行動は逆に危険度が増す場合もあり、指定避難所が遠ければ遠いほどその危険度の確率は高くなるものと思います。 近年の尋常ならざるまでの激しい豪雨が山間地域を襲ったならば、指定避難所に向かうまでの道路が通行不能となることも十分考えられることから、集落の公民館としても利用されている市の施設などを活用して、停電等に対処できる発電装置を備えているとか、シャワールームがあるなどというように、より近くの身近な施設を一次避難所よりも充実した簡易避難所として開設することを検討されてはいかがかと思いますが、御所見を賜りたいと思います。 3件目は、早池峰山の高山植物の文化財価値の観点からの保護対策についてであります。 平成28年5月26日の豪雨によって河原の坊登山道の一部が大規模に崩落し、現在も入山規制が行われていますが、これは登山者の安全を第一に考えてのことであることは、以前、私に対する上田市長の答弁でもその点が強調されていました。しかし、早池峰山の貴重な高山植物の保護にかかわる観点からの対策についてはさほど触れられませんでしたので、その点について質問をさせていただきます。 1点目は、早池峰地域一帯の高山植物を中心とした植生の価値をどのように捉えているのかをお伺いいたします。 2点目は、河原の坊登山道が大崩落した箇所にはどのような高山植物が生育していたのか、その実態を把握されているのか、あるいは既に実態調査が行われているのかをお伺いいたします。 また、できる範囲で失われた高山植物が再生あるいは生育できる環境整備に努めるべきものと思いますが、そのためには国や県などとの話し合いが必要と思います。 そこで、3点目の質問ですが、この観点からの協議などは行われているのかをお伺いいたします。もし行われていないとしたならば、それはどんな理由によるものなのかについてもお伺いいたします。 以上、登壇しての質問とさせていただきます。(拍手) ○議長(小原雅道君) 上田市長。    (市長登壇) ◎市長(上田東一君) 近村晴男議員の御質問にお答えいたします。 1件目の国際リニアコライダー(ILC)につきましての1点目、日本政府が北上山地へ誘致する可能性についてどのように捉えているかの市の見解につきましての御質問にお答えします。 本年3月7日に日本政府が見解を示したことについては、先ほど議員御説明のとおりでございます。この日本政府の表明を受けて、国際将来加速器委員会側は日本政府の支持を確認できたとし、引き続き日本でのILC実現を探る方向となったとされております。一方、これについてもいつまでも待つわけにはいかないという情報も流れています。 現在、日米欧などの研究者による国際ワーキンググループにおいて、国際経費分担等の議論が行われるとともに、アメリカと日本との間でのディスカッショングループが会合を重ねているというように伺っております。また、フランス、ドイツともディスカッショングループによる会合を行う予定と伺っております。 花巻市といたしましては、岩手県を中心とした県内の自治体や企業で構成される岩手県リニアコライダー推進協議会を通じて誘致活動等に参画するとともに、本年8月5日には花巻商工会議所との共催によるILC市民セミナー、開催したことについては先ほど議員から御指摘のとおりです。 佐々木淳さん、大迫の御出身ですけれども、局長から御説明をいただいた。そのときには誘致の可能性については触れないと局長はおっしゃっていました。誘致された場合の話等についてお話しになったということでございます。私個人も文部科学省に対する県市長会の要望活動等にも出席していますし、その中での文部科学省の対応とか聞いております。また、日本の有数の学者の方とか、あるいはILCについて中心となって活動されている学者の方のお話を聞いたことがございます。その中でいろいろな課題があるということは認識しているところでございますけれども、その点については今回は申し上げないということにさせていただきます。 このILCにつきましては数千億円のコストの国際経費分担の問題や、研究人材育成、確保などの検討課題がありますことから、最終的には日本国政府の政治判断に委ねざるを得ない部分があるものの、今後も岩手県あるいは近隣市町村、特に頑張っておられる首長さんのお話もよく聞いておりますけれども、岩手県リニアコライダー推進協議会などの関係機関とともに、引き続き誘致に向けて、私どもとしても協力し取り組んでいきたいと考えております。 2点目の誘致が決定した場合、本市へ期待される効果につきましての御質問にお答えします。 東北6県、新潟県の自治体、産業界、経済界、大学、有識者等で組織される東北ILC推進協議会が策定したILC東北マスタープランによりますと、ILC計画に関連する業種は、医療やエネルギーなど、ILC計画で開発される技術から派生する分野まで広範囲にわたり、これらの関連分野への企業の進出、発展、そこから新たな雇用が生まれるなどの効果が長期にわたって見込まれるものとされております。 ILC東北マスタープランによりますと、ILCの主要な研究機能や管理機能、それらを支えるサービス機能が集積したメーンキャンパスは、奥州市または一関市が想定されておりますが、現時点でその場所や規模等については決定しておらず、今後時間をかけて検討されていくものと考えられます。 当市は空港を擁する交通の要衝であり、多くの宿泊施設や観光施設を有しておりますことから、観光、物流拠点など一定の役割が想定されます。また、メーンキャンパスとなることが想定されております奥州市や一関市からも近いことから、今後、関連情報を得ながら当市の担う役割について検討してまいりたいと考えております。 3点目の誘致活動と並行して市がとるべき対策につきましてのお尋ねでありますが、ILC東北マスタープランによりますと、準備期、建設期、運用期、成熟期の4つの段階を想定しており、長い期間にわたる東北の発展のイメージを描いております。 1段階目の準備期は、政府決定が行われてからおおむね4年、本年度にされるとすると令和5年度ぐらいまでということでしょうか、道路や港湾等のインフラ整備、外国人などの受け入れ準備が進むとされております。 2段階目の建設期は、その後おおむね9年間かけてILCの主要な研究機能や管理機能、それらを支えるサービス機能が集積したメーンキャンパスの整備が進むとされております。 3段階目の運用期は、2段階目の建設期終了後のILC運用開始からおおむね10年とされ、研究成果が世界中に発信されるとともに、研究にかかわる成果の産業化に伴い、産業団地などの整備が進むとされております。政府決定から第1段階準備期が4年、次は9年ですから、その後13年たった段階からこの第3段階目に入るということでございます。 4段階目の成熟期は、ILC運用開始からおおむね20年とされ、国内外から新技術や情報等が相互に行き来する国際拠点が形成するとされております。 このように、ILCは相当長期にわたるプロジェクトであり、我々が生きている間にどこまで進むかという状況ではあるものと思います。そのような中において、現時点においては、我々として大事なことは、岩手県そして近隣市町村と手を携えて、北上山地への誘致活動に当市としても協力することが大事であるというように考えております。そして、その後に発展のスケジュールを見据えた受け入れ態勢を整えていくことが基本となるものと考えております。 ILCのメーンキャンパスとなることが現時点において想定されております奥州市や一関市周辺には、数千人規模の外国人研究者など関係者が居住し、国際都市が形成されていくことが見込まれるとされております。本市においても恵まれた環境、それを生かして外国人研究者などが定住する可能性がありますが、メーンキャンパスの整備などに伴う長期的な期間により行われるものと考えられますことから、今後、逐次情報収集に努め、岩手県、近隣市町等と連携しながら当市の役割についても検討していく必要があると考えております。 次に、2件目の豪雨災害への対応についての1点目、一部改定された避難勧告等に関するガイドラインの認知度についてのお尋ねでありますが、国では平成30年7月に多くの犠牲者を出した西日本豪雨の教訓を踏まえ、住民がみずからの命はみずからで守るという意識を持って、みずからの判断で避難行動をとり、行政はそれを全力で支援するという住民主体の取り組み強化による防災意識の高い社会の構築を目指すことを趣旨として、避難勧告等に関するガイドラインの改定を行いました。 この国のガイドラインの変更点は、住民が避難情報を直感的に理解できるよう防災情報を5段階の警戒レベルにより提供し、住民の避難行動を支援するものでございます。本当に直感的に理解できるかどうか、これは確かに難しい問題がございます。本市におきましては、国からの通知を受けまして、避難勧告等に関するガイドラインの改定趣旨の周知のため、本年6月に市内の自主防災組織会長に対してチラシを郵送するとともに、市ホームページや広報紙でのチラシ掲載、SNSにおいても情報発信など、避難勧告等に関するガイドライン改定の周知を行っております。 警戒レベルと住民がとるべき行動につきましては、先ほど来お話ししているように5段階に分かれておりますが、特に警戒レベル3以上が重要となります。 警戒レベル3、避難準備、高齢者等避難開始、これについては従前からこのような開始、昨年だったでしょうか、一昨年だったでしょうか、できておりまして、市でもこれを出したことがございます。避難に時間を要する高齢者や障がい者、乳幼児等、みずから避難できない方々は避難を開始し、そのほかの住民はいつでも避難できるように準備していただくというものでございます。 警戒レベル4においては、避難勧告と避難指示(緊急)を市が発令した場合は、対象地区の住民は速やかに避難するというものでございます。 警戒レベル5は、対象地区で既に災害が発生している状況となりますので、命を守る最善の行動、緊急指定避難場所に行けないかもしれない、そのような場合において最善の行動をとるとするものでございます。 改定された国のガイドラインは本年6月からの運用開始でまだ日も浅く、花巻市においても住民への周知はまだまだ足りないということだと思います。今後も広報や出前講座による防災講話、コミュニティFM、市が主催する各種団体の会議開催時のチラシ配布を通じて制度の周知に努めてまいります。 ただ、全てのことがそうなのですけれども、あらゆる手段をとって周知しているつもりでもなかなか市民には伝わりません。先ほど申し上げたような出前講座、あるいは各種団体の会議、出る方が限られています。住民全てが参加してくださるというわけにはなかなかいかないということですから、周知には時間がかかりますけれども、諦めずに、これが常識となるように少しずつ進めていく必要がある、できるだけ早くになりますけれども、そのように考えております。 7月1日の広報紙に掲載した改定ガイドラインの記事、活字が小さいという御指摘があります。防災危機管理課からは、紙面の2分の1ページのスペースに掲載したため文字が小さくなってしまった、今後広報紙に掲載する際は大きな活字で掲載するようスペースを確保したいという報告を受けております。 ただ、これについても大変難しいのですけれども、私、広報紙を編集する段階で広報と打ち合わせすることがよくあります。この記事は非常に重要だから大きな記事にしてくれと、半ページだったりあるいは1ページだったり両面にしてほしいということが結構多くあります。そのようにしてもらっていることも多いのですけれども、ただ、広報紙のスペースは限界がありまして、実は見ていただくと非常に盛りだくさんなのです。市民の生活を守るために必要な情報をたくさん載せている、そうするとどうしてもスペースが小さくなって、十分な大きさで出せないということが出てきます。ただ、その中でもこのようなガイドラインは極めて重要なことになりますから、なるべくスペースをとって周知に努めたい。 広報紙についても、実は最初のページ、次のページぐらいちらっと見て、そのままそれでおしまいにするという市民の方が多いのは実態でございますので、なかなか難しいことはございますけれども、そのような努力はしていきたいというふうに考えています。 次に、2点目の災害により集落の孤立が危惧される箇所の事前の対策についてのお尋ねであります。 震度4以上の地震が発生したときや、気象警報等が発令された場合には、市で道路パトロールによる被害の把握を行い、大きな被害を見つけた際は速やかに応急対策をとることにしています。 また、国においては、内閣が平成17年と平成21年に「中山間地等の集落散在地域における孤立集落発生の可能性に関する状況調査」を実施しておりまして、さらに平成25年度には内閣よりフォローアップ調査が行われ、花巻市では33カ所の集落を孤立する地域として回答しております。 この調査における集落の孤立の定義として、人の移動、物資の流通の点で困難となり、住民生活が困難もしくは不可能となる状態と定めておりまして、中山間地域につきましては全てのアクセス道路の一部区間が土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域、土砂災害危険箇所に隣接している場合は、孤立する地域として当てはまることになる、そのような一部の不通によってアクセス道路がなくなる場合には、そういう孤立する地域として当てはまることになるということでございます。 平成25年度の段階では、県は土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域を指定する作業は、御記憶にあると思いますけれども進んでおりませんでした。したがって、市の33カ所の孤立集落はそのような警戒区域に指定される前の土砂災害危険箇所を基礎として指定されたものでございまして、その後、土砂災害危険箇所の総数には大きな変更はないことから、現時点におけるこの孤立箇所の定義に当てはまるところは、平成25年度以降余り変わっていない、33カ所程度ではないか、そのように認識しております。 この調査により判明した課題として、孤立集落での救助、避難におけるヘリコプターの活用や支援物資等の確保、土砂災害の多発に伴う河道閉塞、いわゆる天然ダムの発生が内閣の専門部会に報告されております。また、同じ報告書の中で、集落の孤立に対する効果的な取り組みとして、通信手段確保のための衛星携帯電話の整備、市町村防災行政無線の整備、孤立集落における自主防災組織の組織化が紹介されております。 孤立する集落への事前対策として、次の3点を検討しております。 1点目は、自主防災組織の活用であります。地域の住民同士が話し合い、いざというときに避難の呼びかけ、誘導、救出、救助、初期消火、避難所の運営などを行うために自主的に組織するのが自主防災組織であります。 自主防災組織の平時における活動の一つとして、指定緊急避難場所や指定避難所までの避難路を確認するということ、指定緊急避難場所や指定避難場所までの道のりが遠い、あるいはそれに移動すること自体が危険だということで速やかに避難することができないような場合に備えて、それぞれ自主的に地域の公民館や集会所などに一次避難場所として決めておくということがあります。 また、高齢者や障がい者等の避難行動要支援者の個別避難支援計画の作成についてもお願いしており、これも少しずつ進んでおります。指定緊急避難場所まで避難できない場合のために一次避難場所を決めていただいているところであります。 災害による被害を最小限に抑えるためには、この自主防災組織が大変重要であり、この活動を行うことが集落の孤立化に備えるために大変重要と考えており、この自主防災組織の支援をしていきたいと考えております。 孤立する集落に対する事前対策の2点目は、衛星携帯電話の充実であります。現在、本庁舎及び各総合支所へ各1台、合計4台の衛星携帯電話を整備しております。しかし、孤立集落にはまだこのような備えをしていないということでございまして、孤立集落への導入についても今後検討してまいりたいと考えます。 先ほど、防災ヘリコプターの有用性についてお話ししました、国の御指摘がございました。3点目、防災ヘリコプターの活用でございます。 現在、市内には県の防災ヘリコプターが災害発生時に離着陸可能な臨時ヘリポートとして14カ所を登録しております。孤立する集落において防災ヘリコプターの活用、有効な方法でございます。しかし、この孤立集落において臨時ヘリポートが設定できるのかということになります。岩手県防災航空センターに伺ったところ、臨時ヘリポートの設置、相談には応じるけれども、このためには少なくとも長さ、幅等も37メートル以上の広さと、最大勾配が5%を超えない用地を確保するとともに、進入ルートの安全確保のために周囲の建物や木の高さ、電線の有無の状況について、花巻市消防本部とともに確認が必要である、そのことから必ずしも市が希望する臨時ヘリポートとして指定できるものではないとのそのような回答をいただいております。 先ほど33カ所の孤立集落、平成25年に花巻市内で指定されております。しかしながら、この場所については県は公表しておりません。また、花巻市においてもこの場所については捉えていると、確認しましたけれども、捉えておりますけれども、これも平成25年の指定の段階で公表されていない状況でありまして、そのことからその箇所に限定した避難の方法についての検討、これはその自主防災組織の一般的なもの以外にはまだ検討していない状況にあります。 今回、このように議員から御質問いただいて、そのような課題がわかりましたので、これも一つ課題として入れていきたいというように考えています。 ただ、いろいろな防災につきましては、ここ数年挙がっています、訓練もしていますし、いろいろなマニュアルもしっかりしたものができつつある、まだできていませんけれどもできつつあります。いろいろなことやっていますけれども、なかなか思うようなスピードでは進まないということでございまして、ゆっくりはできないのですけれども、その中で考えていく必要があるというように考えております。 次に、3点目の指定緊急避難場所より身近な公共施設に簡易避難所を開設するお考えはないかとのお尋ねでございますが、これについては先ほど来お話ししていますけれども、地域の避難場所を設定するということについては、これは進めているところでございます。 そこについていろいろな整備をすべきではないかという御指摘がございました。一次避難場所についてもシャワー等含めていろいろな整備をすべきではないかというお話でございましたけれども、実はこの避難場所につきましてはまず2種類あるわけです。指定緊急避難場所、それから災害がおさまった段階である程度長期間お住まいになる指定避難所、両方ございます。 この指定避難場所については、現在、指定緊急避難場所は37カ所ですけれども、指定避難所については87カ所指定しているわけでございまして、その場所について、今現在シャワー設備が設置されているのはごく一部です。これについて、たくさんある場所について今から十分な設備を整えておくというのは、費用等の関係考えますと現実的ではありません。また、建物にそのようなシャワー設備を設けるためのスペースがないところもありますから、なかなか難しいのだと思うのです。最低限、例えばいざというときにトイレがしっかりしているようにとかそういうことは考えられますけれども、シャワーまでいくというのはちょっと厳しい、市の財政として、いつ起こるかわからないために、相当大きな部分、国からの支援がない中で使っていくというのは難しいと思います。 そういうことから考えますと、一次避難所にシャワーを設ける等、そこまでは、ちょっと市全体、市民の皆様の財源の中で緊急に、近い将来整備していくというのは難しいのではないか、そのように考える次第でございます。 もう一点ございます。早池峰山の高山植物保護対策についてです。 まず、文化財的価値ですけれども、いろいろ書いていますけれども、ちょっと時間ないので省略しますけれども、ハヤチネウスユキソウに限らず非常にすばらしい、早池峰山はそもそも百名山へ入っています、深田久弥さんの百名山へ入っていますけれども、花の百名山にも入っています。私も何度か登ったことありますけれども、私、大学時代山登りしていましたから、アルプス登っています。花の名所たくさんありますけれども、早池峰山の花は大変すばらしいと思います。そういう意味では貴重なものだと考えています。 あとは、河原の坊ですけれども、ここは御存じのとおり通行禁止にされているわけでございまして、ここについての高山植物の実態調査は行っていない、それから国・県との協議もしていないということでございます。 岩手県では令和元年6月の現地調査の結果、河原の坊登山道については依然として非常に危険な状態であると判断しており、現時点で土壌流出を防ぐための対策や高山植物が生育できる環境の整備を進める段階ではないとしておりまして、今後も岩手県自然保護課職員による現地調査を毎年度定期的に行うとともに、早池峰山河原の坊登山道調査委員会委員や早池峰自然公園保護管理員などからの情報を収集し、河原の坊登山道の崩壊の状況を監視していくと伺っております。 先日、ハヤチネウスユキソウ、鹿が食べたのか、あるいは考えの至らない方がとったのか、よくわからないけれども一部なくなったという話、大変心痛む思いしていますし、また、河原の坊登山道の周辺の高山植物については大変心配するところでございますけれども、やはり調査する、あるいはそれについて何か保護の措置をする方の生命の問題ありますので、この県の見解は、私はやむを得ないものというように思っております。 以上です。 ○議長(小原雅道君) 近村晴男君。 ◆21番(近村晴男君) ありがとうございました。 それでは、再質問させていただきます。 まず、早池峰山のことから入らせていただきます。大事なことですので、時間がもしかするとなくなるとあれですので、最初に早池峰山から話します。 実は早池峰山の植物のいわゆる植生にかかわる価値をというふうにお聞きしたのは、早池峰山は高山植物帯、今、薬師岳の森林帯も入っていますけれども、高山植物帯が国の特別天然記念物です。これは全国で3カ所だけです、たくさんある山の中でたった3カ所です。白馬連山と早池峰山と北海道のアポイ岳です。天然記念物の箇所はあるのですけれども、特別がつくのは3カ所だけで、それはどういうものかといいますと、私の知識ですのであれですけれども、いわゆる国宝の価値があるというふうに言われています。ですから、もっとわかりやすく話をすれば、早池峰山という山そのものが中尊寺の金色堂みたいなものなのです。そして、花が木の仏像です。それを考えれば、今のままにしておいていいのかなということを本当は意識しなければならないわけです。 多分、県の担当が自然保護課ですので、早池峰山の場合は実は国のほうの管轄も、文部科学省も入っていますし、あと環境省も入っていますし、あと林野庁も入ります。それぞれ指定されているものがありますから、それだけ網がかかっている山というのは早池峰山だけです、それだけ貴重な山です。 国定公園は今、県が本来の国の仕事を委任されているわけですけれども、県のほうでも自然環境課のほうですよね、自然保護課といいますか。ですから、そういういわゆる文化財的な価値とかそういうものに対しての専門家がいないというのが私は実態だと思うのですよ。地元のほうから、それを話していくべきだと思うのです、それだけ価値のあるものです。 その崩壊した場所が危険だというのはわかりますけれども、例えば黒四ダムがつくられるのも大変な危険度の高いところでつくられたと、あるいは青函トンネルもそうです、ですからそれは安全を確保してつくったということと同じで、調査だって、雨の日とか地震がある日はまた別として、安定しているときにすぐに逃げられる状況をつくって、調査するべきなのですよ。ですから、ハヤチネウスユキソウもナンブトラノオも、ナンブイヌナズナも、ナンブトウウチソウも、みんなそこにあるのだけれども、みんななくなっているのですよ、その日多分。 私は一般人ですので入っていませんけれども、それを花巻市から話していかないと、特に今回は大迫のエリアというのは花巻市のエリアですから、それをこちらで、地元から話していかなければ県が動くわけはないと、国も動くわけはないと思うのですよ。 まず最低限でも、どれだけのものが失われたかと。もし中尊寺の仏像盗まれたら大変な騒ぎになるでしょう。早池峰山でも植物を盗んだ方が捕まると全国放送になります。それくらいの価値のある山ですので、それを認識してもらわなければ、私は早池峰山を守っていけないと思うのですよ。 そういう観点から、これは文化財のほうの思い、私は価値から話していますけれども、それについて教育委員会のほうでは文化財係がありますので、どのような認識をされているのかお伺いしたいと思います。 ○議長(小原雅道君) 佐藤教育委員会教育長。 ◎教育長(佐藤勝君) 今、るる、文化財的な価値につきましては市長がお話し申し上げましたとおり、それから今、議員からお話がありましたとおり、特別天然記念物ということです。全国に75件ですか、そういった中で植物については30件、植生そのものからすれば、同等のものとすると例えば屋久島の原始林とか、あるいは動物でいうとトキであるとかそういったものと匹敵するということについては十分承知しております。 ただ、御案内のとおり、文化財保護法第188条でありますように、いわゆる網をかけられているというところで、当方としても早池峰山については自然保護の立場から、若干、教育委員会とすると保全管理というよりは啓発、活用とそういったことでやっているわけですけれども、いずれ十分そういった文化財的な価値については認識しているところでありますけれども、おっしゃるとおり、今後私どもでも地域計画とかそういったことを策定していく中で、市の関係する部署あるいは県、あくまでこれは県を通さなければいけないという建前でありますので、その辺のところについては御指導いただきながら、しっかり価値を見出していきたい、そのようには考えております。 ○議長(小原雅道君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) 先ほど、急ぎ過ぎて特別天然記念物のことを触れなかったですけれども、それは我々も認識しているところでございます。 その中で、やはり県といろいろな話はしているわけです。自然保護課の職員とかいろいろな話しているわけで、重要性については皆さん同じようにわかっている中で、しかしながら、やはり人命とかそういうことを考えるとなかなかすぐはできないということについて、話はしていくのだけれども、それを大前提にしていつやれるか、やっていきたいことがあってもいつやれるかというそういうことだと思うのです。 ○議長(小原雅道君) 近村晴男君。 ◆21番(近村晴男君) 私はすぐやれとかというふうなことではなくて、前にも質問したとき、崩壊した場所がありますけれども、早池峰山の何カ所も。それは黙っていますと全部、それこそ何千万年かかって風化した土砂です、それは厚くないのですよ、薄い、ああいう傾斜の厳しいところは。黙っていますとみんな流れていくと。ですから、最低限土どめをしていきますととまるのです、土砂というのは。黙っていると雨と一緒に流れてしまうと。そうしますと、幾ら高山植物が別なところから種を飛ばしても活着しないということです。ですから、よく岩の間にハヤチネウスユキソウが咲いていて写真を撮るのですけれども、あれだって岩の間に土砂が入っているから根を張れるのです。 同じで、今そのままにしておいて流してしまったら、本当に大変なものが失われてしまうという状況にあることを認識してもらって、県のほうにも機会あるたびに話してもらって認識を深めていくということが大事だと思うのですよ。そしてできる限りのことをやっていくと、時間かかるのだけれども、植物は復元していくのですよ。そういう復元できる環境をつくっていかないと、後々の人たちに大変な後悔させるのではないかなというふうな気がするので、この話をさせていただきました。どうぞ、すぐにということではなくて、機会があるたびに話をしていくのは、私は地元の花巻市しかないと思うのです。遠野市あるいは宮古市からはそういう話出てこないと思うのです。 早池峰山は、最初は天然記念物でした。それも河原の坊の、それこそ崩壊した場所です。わずか40ヘクタール、それが昭和49年に鶏頭山から毛無森まで1,300ヘクタールぐらいに一気に膨らんだ、大きくしました。そういうふうな歴史がありますけれども、いずれその中でも一番最初に指定された区域なのです。 ですからこそ、世界にここしかない花が失われていくということですから、本当は、県のほうで意識を持ってもらえば一番いいのですけれども、やはり地元からも話をしていかなければいけないのかなというふうなことで、この質問をさせていただきました。 それでは、国際リニアコライダーの件についてでありますけれども、この間も佐々木淳さんの話で、さまざまな経済効果があるという話をされました。聞いていますと、本当に夢のあるような話がどんどん出てくるわけです。 ただ、実際例えば今、スイスのジュネーブに円形型の加速器があるのですけれども、やはりそういうところに行ってしっかりと見てこなければ、この間、講師の先生は、先ほど市長のお話ありましたけれども、最初の4年間というのはすごく大事ですよということは、4年間の間に施工するための設計等ができるわけです。あわせてプレの研究所も建てると。恐らく市長おっしゃったように、多分メーンになる場所は奥州市か一関市かと、20キロの長さの半分のあたりにできるはずですから。 ですから、ただそのときに花巻市ができることもたくさんあるというふうに私は思いましたけれども、例えば実際、スイスに職員が行ってもらって、どれくらいのものが対応できるのだろうと、あるいは花巻市ではこれは無理だなとかというものを探ってくる必要、私はあるのだと思うのですよ。何となくすごいことになるなではなくて、100キロ圏内と言われていますけれども、実際はメーンの国際都市ができたその周辺がどれくらいまで広がっているかとか、そういうふうなものも誰か見てこなければ実際動けないと思うのです。 その辺について、市長が行ってもらえば一番いいのですけれども、忙しい人が行けるわけがないのですので、そういうふうな、今は職員も多分、担当もないでしょうから、併任でもあって、何かそういう予備知識というものを蓄えるような、私は今から始めるべきものではないかと思うのですけれども、それについての御見解はいかがでしょうか。 ○議長(小原雅道君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) 行ってわかるかという問題があるのです。あそこはあそこで既存の施設がもう何十年前にでき上がって、その中で研究者があそこに集まって実際住んで活動している。それについて非常に、フランスの村のようなところに住んでおられる。そのようなものを岩手県でつくれるかどうかと、これは疑問だと思うのです。 それからもう一つは、今現在、東北のILCの中で奥州市もしくは一関市と言っています。これは議員御指摘のとおり近いということなのです、ILCの設備から。でも、今の技術からいって本当に近くにつくる必要があるかどうかということについては、これは私、わかりません、正直言いまして。 さらに言うと、近くする必要があるのだったら、これは絶対奥州市、一関市なのです。もっと遠くでもいいということになると別のところもあるかもしれない。別のところになった場合にどういう場所を選ぶべきかということについては、外国人が住む環境にあるとか、あるいは研究者の基盤があるということだと思うのです。花巻市の場合でいうと、近いという意味からすると明らかに奥州市と一関市よりは遠くなります。そしてさらに、先ほど申し上げたように外国人が住む環境があるのか、あるいは研究者の基盤があるのかというと、これもないのですね。だから、そこがやはり現実の問題として見なくてはいけないのではないかなと思うのです。 ですから、まだ来ると決まったわけではないのに花巻市にこういうものを持っていきたいとか夢を語るというのは、私は余り現実的な話にはならない。決まった上で、例えば場所について、さっき申し上げたように近くにつくったほうがいいのか、あるいは遠くてもいいのか、あるいは空港のそばの花巻市が何かいいところがあるのか、それを検討した上での話になるのではないかなと思います。でなければ、行っても無駄になる可能性も結構あるわけでございますし、あと、ジュネーブにしろ近郊にしてもフランス語圏です。そこに市の職員が行って十分な情報を得られるかというと余り得られない。ただ場所を見て、ああ、こういうのありますねだけになる。そうすると、余り建設的な視察には、ちょっと今の段階では難しいのではないかなと思います。いろいろな人たちが、県全体でしっかりした訪問団をやって、しっかりした研究をするというプログラムがあって、それに参加するのは別なのですけれども、市単独でというのは、私は今、考えられないと思います。 ○議長(小原雅道君) 近村晴男君。 ◆21番(近村晴男君) いずれ多分、リニアコライダーというのは、恐らく今、市長が言ったのはよくわかります。岩手県でも力入れてきますから、相当力入れてまた動き出すと思いますけれども、いわゆる局長まで置くようになりましたので。ですから、それのときに、さまざまな情報は流してきているわけですけれども、それに対して的確に対応していけるかという部分の不安があるわけですよ。やはり職員の中でも、例えば併任でもいいから、おまえ、ちょっとこっちの分野も忙しいけれどもやってくれないかというふうなものを持っていないと、誰もわからないままで何となくそうなのだなという夢物語で終わってしまうのかなという、そういう危険性があるのかなという思いでちょっと質問させていただきました。 ですから、あとはそれこそ県との情報を密にしながら対応していくべきものだと思います。私たちの時代ではないと思いますけれども、花巻市がこれから大きく変わっていくターニングポイントになってくるだろうなという思いでこの話をさせていただきました。 あと、豪雨災害の関係ですけれども、先ほどのいわゆる孤立になるという、大迫で時間にして50ミリを超さない、50ミリ弱の災害あったのです、平成25年でしたが。そのときでさえ、町なかも大変でしたけれども、内川目、外川目のほう、特に外川目のほうは道路の路肩が崩れてガードレールがぶらんぶらんしている状態でした。でも、あのときは何とかバスが通れる面積が残ったので孤立しませんでしたけれども、もし100ミリ超すような雨が降ったら、もう完全に道路は行ってしまったのだと。 そうしますと、長期の期間の孤立が生じるということが危惧されるような場所もありますから、でも先ほど市長、丁寧に話していただきました、十分な、短期でいられる場所、あるいは時間かかる場合は長期の場所があるということですので、その辺の考え方と、あと、自主防災組織の方々がふだんから意識をしていれば、必ず平行避難ではなくて垂直避難というのがほとんですから、平行避難できる場所あれば行くのですけれども、垂直避難をしっかりしなければならないということも教えておかないと、ただ、岩泉町が問題だったのは、うちは大丈夫だというところが実は怖いことになると。ですから、平行避難できないような場所について、自主防災組織も入れながら、垂直避難するときはちゃんと安心なところを選ぶべきだという指導もあわせてやっていかなければいけないのかなと。 今回、国の変わったものは避難行動起こせということだけれども、みんなが指定場所に行けないので、垂直の避難が一番多いわけです。その辺についての安心度というか、そういうものは行政でもよく指導するべきではないかと思いますけれども、それについてもし御意見がありましたらいただきたいと思います。 ○議長(小原雅道君) 市村総合政策部長。 ◎総合政策部長(市村律君) お答えいたします。 災害が、本当に雨量が多くなってということになりますと、かえって外に出るのが危険な場合というのがありますので、そういう部分は今までも自主防災組織とかを通じたり、あと、今回も広報紙、スペース足りなかったのですけれども、場合によっては外に出るのではなくて垂直避難で、家屋の中の高いところとか行ける範囲での建物で高いところへの垂直避難が重要だよということは、これまでも周知はしていますけれども、今後さらにそういう部分についてはしっかり伝えてまいりたいと考えております。 ○議長(小原雅道君) 以上で、近村晴男君の質問を終わります。 ここで午後3時40分まで休憩いたします。     午後3時26分 休憩     午後3時40分 再開 ○議長(小原雅道君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次の質問者、若柳良明君。(拍手)    (若柳良明君登壇) ◆11番(若柳良明君) 11番、平和環境社民クラブの若柳良明です。 通告に従い順次質問しますので、答弁についてよろしくお願いいたします。 1件目、公共交通についてであります。 1点目、路線バス大迫石鳥谷線についてお伺いをいたします。 最初に、昨年12月、大迫バスターミナルを発着する岩手県交通のバス路線、内川目、外川目の路線が廃止されましたが、大迫石鳥谷線も利用者が少なく運営が難しい状況と伺っています。利用客数の現状や運行を続けていく上での課題についてお伺いをいたします。 次に、大迫石鳥谷線を維持する対応策について、廃止にならないようにするためにはどのような対応策があるのかお伺いをいたします。 2点目、路線バス栃内線についてお伺いをいたします。 同路線は9月に廃止になると聞いておりますが、予約乗り合いバス交通の対応策についてどのような計画なのかお尋ねをいたします。 2件目、公共施設のバリアフリー化についてであります。 1点目、バリアフリー化の現状について。 さきの参議院選挙において2名の重度身体障がい者の候補者が当選いたしましたし、岩手県でも障がいのある方が当選したということがニュースに出ておりましたが、公共施設のバリアフリー化の必要性はどのような現状になっているのか、本市についてどのようになっているか、今後どのように進めていくのか、お尋ねをいたします。 本市施設のバリアフリー化の進捗状況について伺います。ただし、バリアフリー化の定義はいろいろあるわけでありますが、まず当面、来客者が主に利用する入り口のスロープの設置、障がい者用トイレの設置の2点について確認したいと思います。 また、市全体の施設となると膨大になりますので、主に市民が使うであろう5つの施設についてお尋ねをいたします。本庁舎と総合支所、振興センター、小中学校、図書館、社会体育館、以上の5つの施設であります。 2点目、過去3年間に改善した事例等があればお伺いをいたします。 3点目、バリアフリー化の推進方策についてでありますけれども、バリアフリー化について市が主体的に実態を把握し計画的に進めるものと考えますが、今後どのように進めていくのか考え方をお伺いいたします。 3件目、包括的業務委託についてであります。 1点目、包括的業務委託の狙いについて。 包括的な一般的な定義についてお伺いをいたします。また、本市が包括的な業務委託を取り入れる場合の考え方についてもあわせてお伺いをいたします。 2点目、庁内業務改革に向けた調査結果について。 本年6月から7月にかけて同調査が行われたと聞いておりますが、どのような結果となったのか、今後のスケジュールも含めお尋ねをいたします。 また、同調査と包括的業務委託との関係についてもお伺いいたします。 3点目、会計年度任用職員制度との関連性について。 来年度から導入される会計年度任用職員制度については、非常勤職員、臨時職員の待遇改善に寄与するものと考えておりますが、包括的業務委託とのすみ分けはどのように考えているのかお伺いをいたします。 以上、登壇しての質問といたします。よろしくお願いします。(拍手) ○議長(小原雅道君) 上田市長。    (市長登壇) ◎市長(上田東一君) 若柳良明議員の御質問にお答えします。 1件目の公共交通についての1点目、路線バス大迫石鳥谷線についての1つ目、利用状況についてのお尋ねでありますが、大迫石鳥谷線につきましては、大迫中心部からJR石鳥谷駅までの間を平日9往復、土日祝日4往復運行しており、県内の補助対象路線の中でも非常に便数が多く、利便性の高い路線であります。 しかしながら、現状では利用者は非常に少なく、平成30年度の平均乗車密度は2.0人であり、1便当たりの平均利用者数が1人未満の便も複数ある状況でありますことから、今後も人口減少が進む中にあっては、大幅に利用者がふえるということ、これはなかなか難しいという状況にあります。 路線運行に係る中止状況につきましては、平成30年度は約1,300万円の赤字となっており、県内の補助対象路線の中でも最も大幅な赤字路線となっております。行政からの支援としましては、県と市で合わせて450万円の補助を行っておりますが、赤字額の残り約850万円を運行事業者である岩手県交通株式会社が負担しており、その負担は年々大きくなっている状況にあります。 また、現在の県の補助制度においては、震災時からの特例措置として、補助要件の一つである平均乗車密度4人以上に満たない路線についても補助対象とする補助要件の緩和を行っており、平成30年度の平均乗車密度が2.0人であった大迫石鳥谷線も補助対象とされております。 このことにつきましては、国が被災地への特例措置として国庫補助事業における補助要件の緩和を行っていることを受け、県におきましても国の特例措置に準ずる形で補助要件の緩和を行っているものでありますが、国におきましては、令和2年9月末でこの特例を廃止する方針としており、基本的には県におきましてもこれに準じて特例を廃止する方針であると聞いております。 現在、市から県に対し特例措置の延長を要望しているところであり、県におきましても国に対し特例措置の延長を要望しておりますほか、さらに独自の支援策についても検討することとしておりますが、先行きについてはいまだ不透明な状況となっております。仮にこの特例が廃止された場合、平均乗車密度4人以上という補助要件を満たしていない大迫石鳥谷線は補助対象から外れることとなりますことから、今後の運行につきましては、運行事業者から運行本数の減便を含めた厳しい提案がなされる可能性も懸念するところでございます。 2つ目の維持するための対応策についてのお尋ねですが、市は、大迫石鳥谷線の路線維持に向け、県、市、東北運輸局岩手運輸支局、岩手県交通株式会社の担当者で構成するバス路線活性化検討会の中で利用促進策の検討を進めているところです。 しかしながら、本路線は大幅な赤字路線であり、先ほど申し上げましたとおり、運行事業者の負担も補助金があるにもかかわらず非常に大きい路線であります。この路線につきましては議員も御記憶があると思いますが、平成28年12月に岩手県交通株式会社から市に対し、平成29年4月から平日9往復を5往復、土日祝日4往復を3往復に減便する通告がなされたところでありますが、市といたしましては、通告が唐突であること、また、大迫地域の方々にとって受け入れがたいものであることから、減便の撤回をお願いしたところであり、岩手県交通株式会社は会長、社長の御決断により、当市の要望に沿って減便を取りやめ、現在におきましても多額の赤字を負担しつつ、平日9往復、土日祝日4往復の運行を継続していただいているところであります。 この路線の利用者数が非常に少ないという状況が変わらないことに鑑みますと、県の補助が継続するか否かにかかわらず、運行事業者として近い将来、経費削減を図るために運行本数を減便もしくは廃止を含めた対応をとることも懸念されるところであります。 このことからも、市といたしましては引き続き県や岩手運輸支局、運行事業者と十分に連携を図り、利用促進を図りながら路線維持に向けた協議検討を行ってまいりたいと考えております。しかしながら、利用者が少なければ路線の確保は困難であります。そのことから、前提として本路線の利用者数を増加させる必要が今まで以上にございますので、特に大迫地域の方々には本路線の利用をぜひお願いしたいと考えております。 大迫総合支所に対しては、このような現状を踏まえて、大迫の方々がこの路線を利用するよう一大キャンペーンをするよう指示を、もう2週間ぐらい前になりますけれどもしたところでございまして、大変そのようなキャンペーン、それによる大迫地域の方々の本路線の利用増加が重要になってきているとそのように認識しております。 次に、2点目の廃止される路線バス栃内線への市の対応についてのお尋ねですが、栃内線につきましては平均乗車密度が1.0人と利用者が極めて少ないことから、運行事業者である岩手県交通株式会社が本年9月末をもって廃止する予定としております。 太田地区、笹間地区の方々につきましては、栃内線の利用状況を見ても、その多くが自家用車により交通手段を確保している現状と認識しておりますが、一方で、高齢者など自家用車利用が困難な方々があり、その方々の通院、買い物等への交通手段を確保することは重要であり、その交通手段につきましては市民全員で支援していく必要があるものと考えております。 このことから、栃内線の廃止と同時に、太田地区、笹間地区をあわせた西南地区におきまして西南地域予約乗り合いバスを10月からそれぞれの地区において週2日運行することとしております。 運行日に関しましては、利用者の利便性を考慮し、太田地区、笹間地区それぞれについて、月、木曜日に運行する週と火、金曜日に運行する週を交互に設けることとしており、幅広い曜日に対応することが可能となっております。運行時間につきましては固定したほうがいいという地区の方々の御意見により、ほかの地区の予約乗り合い交通とは変えて、花巻中心部に向かう往路便を午前8時便、午前10時30分便、午後1時30分便の計3便、花巻中心部から帰ってくる復路便を正午便、午後3時30分便の計2便、合計5便を運行することとしております。 利用方法につきましては、他地区の予約乗り合い交通と同様、自宅付近の公道から乗ることができ、花巻中心部の病院やスーパーなどおよそ100カ所の施設等へ直接行くことができます。事前の利用者登録と電話での予約が必要であり、予約は各便出発時間の1時間ではなくて1時間30分前まで、ただし朝の往路8時便だけは前日までに行う必要があります。利用料金は1乗車400円としており、小学生や障がい者は150円、未就学児は無料としており、他の地区の予約乗り合いバスと同様でございます。 また、太田地区と笹間地区以外の栃内線運行ルート上の南中根子及び諏訪地区の栃内線利用者への対応として、地区内の栃内線の5つのバス停留所から、現在のバス停留所から西南地区予約乗り合いバスを利用することができることとしております。 栃内線の5つのバス停留所から利用する場合においても料金は太田地区、笹間地区と同様に1乗車400円であり、事前の利用者登録と電話予約が必要ですが、花巻中心部の病院やスーパーなどの施設へ直接行くことができるということについては、太田地区、笹間地区の住民の方々と同様となります。 なお、西南地域予約乗り合いバス導入に当たっては、昨年度から今年度8月にかけて、太田、笹間地区の行政区単位で計3回ずつ、南中根子、諏訪各行政区で計2回ずつの意見交換会や説明会を開催したほか、本年8月15日号の市広報において内容をお知らせするとともに、あわせて全戸にチラシを配布したところでございます。 2件目の公共施設のバリアフリー化についての御質問の1点目、現状についてのお尋ねでありますが、来客者が主に利用する入り口のスロープ設置と障がい者対応トイレの設置の状況につきまして、本庁舎と各総合支所については、石鳥谷総合支所と東和総合支所は駐車場から正面玄関に至るまで大きな段差がなく、スロープの必要性がないため設置しておりませんが、本庁舎と大迫総合支所につきましてはスロープを設置しておりますほか、障がい者の利用に対応したトイレについては本庁舎と各総合支所ともに設置しております。 振興センターにつきましては、現在整備中の東和コミュニティセンターを除く26施設中、スロープは24施設に設置しております。障がい者に対応したトイレは12施設に設置しており、設置していない14施設については、車椅子での出入りが可能なバリアフリー化に対応した改修ではありませんが、障がい者や高齢者の利用にも配慮した設備といたしまして、東和コミュニティセンターを除く26施設中、男性用21施設、女性用で25施設において洋式トイレへの改修をしております。なお、現在整備中の東和コミュニティセンターにつきましては、スロープと多目的トイレを設置することとしております。 小中学校につきましては、全30校中スロープは17校、障がい者対応トイレは12校に設置しており、障がい者対応トイレを設置していない18校につきましては、全て洋式トイレへの改修を行っております。 図書館につきましては、4施設全てにスロープと障がい者対応トイレを設置しております。 社会体育館につきましては、全12施設中スロープは4施設、障がい者対応トイレは3施設に設置しており、障がい者対応トイレを設置していない9施設につきましても、4施設については洋式トイレへの改修を行っており、残り5施設につきましても順次洋式トイレへの改修を進めております。 2点目の過去3年間に改善した事例につきましては、まず花巻市、この本庁舎のトイレについては、国体に備えて障がい者対応トイレを設置したところでございます。そして、好地振興センターや大瀬川振興センター、宮沢賢治記念館の屋外トイレや花巻球場など13施設についての洋式トイレへの改修は過去3年間で実施したものであり、そのほかに、湯口中学校と大迫中学校の校舎棟を改築整備した際に、それぞれスロープと多目的トイレを設置しており、このほかバリアフリー化の事例といたしましては、石鳥谷生涯学習会館にエレベーターをこのたび整備しており、道路の事例では歩道の段差解消といたしまして、花巻中央消防署から若葉小学校南側交差点までの約627メートルを整備しております。 3点目の計画についてのお尋ねでありますが、市の建物施設を新設または改築する場合は、岩手県のひとにやさしいまちづくり条例に規定しております公共的施設整備基準に適合した、出入り口や廊下の整備、スロープ、エレベーター、多目的トイレ等を設置するなど、バリアフリー化に対応した整備を行っております。 一方、既存の公共施設につきましては、平成27年度に公表いたしました花巻市公共施設白書2015を策定するに当たり、床面積が100平方メートル以上の不特定多数が利用する294ある建物施設について、スロープ、多目的トイレ、エレベーター、自動ドア、点字ブロック、手すりのバリアフリー化に関する設置状況を把握しており、これら既存の公共施設につきましても、特に不特定多数の市民の皆さんが利用する施設につきましては、施設の利用状況や老朽化及び財政状況を勘案しながらバリアフリー化を推進しております。 なお、多目的トイレの設置が困難な施設におきましては、先ほども申し上げましたように洋式トイレへの改修を進めるなど、より障がい者に優しい施設を目指し、改善を図ってまいります。 3件目の包括的業務委託についてのお尋ねの1点目、包括的業務委託導入の趣旨についてのお尋ねでありますが、まず、包括的業務委託の一般定義といたしましては、総務省が平成30年3月にまとめております地方公共サービス小委員会報告書において、包括民間委託の一般的な定義として、「受託した民間事業者が創意工夫やノウハウの活用により効率的・効果的に運営できるよう、複数の業務や施設を包括的に委託したもの」とあります。 本市においては、人口減少社会における少子高齢化の進展、市民ニーズの高度化、多様化、複雑化などにより、市の役割や業務は拡大し、これに伴い職員の負担が増加しており、本来市職員が注力すべきと考えられる政策の企画、立案、地域住民との丁寧なコミュニケーション、民間事業者や関係団体等との信頼関係づくりなどの業務に必ずしも十分な時間と労力を割けない状況となっております。 一方、業務量の増加に対応するため職員数を増加させることについては、人口減少による将来の財政状況の硬直化や、今後予定されております職員の定年延長を見据えれば厳しい状況であると考えております。 また、従来、市職員が高いモチベーションを持って職務に当たることができるよう、ラスパイレス指数の向上に努めたところでございます。平成26年2月に私が市長に就任した時点、平成26年4月1日現在の当市職員のラスパイレス指数は91.3であり、岩手県の14市中14位でございました。これが平成30年4月1日時点においてはラスパイレス指数は95.2まで上昇しております。その中で、岩手県の14市の中でラスパイレス指数は14位を脱却し、現時点においては12位となっているところでありますが、この人口減少社会の中でより優秀な人材を確保するためにも、今後、近隣市町村との関係でも市職員の待遇改善を図っていく必要があるものと考えております。 これらの課題を克服するためには、AIやRPA、難しい言葉ですけれども、AIは人工知能です。RPAは余り適切な日本語訳があるかどうかわかりませんが、ロボティック・プロセス・オートメーションなどを活用した業務の省力化を含む業務改善の取り組みを一層進めていく必要があります。 これは実際、今、市のほうで総務課が中心となってこれを進めておりまして、AIについては、例えば議事録の作成について非常に大きな効果が出ていますし、実際、RPAについても具体的な事業について今検討していて、近々に市の職員にもその一部の例ですね、これを公表すると、公表した上で市の職員の仕事がその分効率化しますので、どんどん進めていただくことについて、市の職員の提案も欲しいというようなことで、今進めているところでございます。 こうした業務の省力化の取り組みと並行して、職員が政策の企画、立案、地域住民との丁寧なコミュニケーション、民間事業者との信頼関係づくりなど、本来市職員が最も注力すべきと考えられる業務に注力する体制を構築するため、また、民間事業者の知見を生かした窓口業務等の市民サービスの向上を図る観点からも、定型的な業務を民間事業者へ包括的に委託することについて検討を進めております。 2点目の庁内業務改革に向けた調査の結果及び今後のスケジュールについてのお尋ねでありますが、調査は、民間事業者等の知見を活用したさらなる業務の質の向上及び効率化を図る方策を検討するに当たり、各部署の業務について、業務の概要、従事する職員における正職員と正職員以外の職員の割合、定型的業務等民間事業者への委託可能な業務内容と委託できない業務内容とその割合、集約化を図ることによって効率化が図られる業務、総合支所や各施設が行っている業務において本庁等で一元的に行うことにより効率化が図られる業務、これら5点について状況を把握することを目的に、6月20日から7月下旬にかけて行っております。 その結果、民間事業者への委託可能な業務の割合は全体で27.7%、臨時、非常勤職員が従事する業務の割合が20.8%でありました。 次に、内閣で策定した窓口業務に関する民間事業者に委託することが可能な業務を行っている部署については、民間事業者への委託可能な割合が高く、臨時、非常勤職員が従事する割合も高くなっていること、窓口業務以外の部署でも申請、届け出等の受け付け、確認、書類作成、送付事務等について、民間事業者への委託可能性の割合が高いこと、施設現場で作業する業務について、民間事業者への委託可能性の割合が高く、臨時、非常勤職員が従事する割合も高いこと、伝票作成や臨時、非常勤職員の任用関係、印刷業務、文書整理等の課内の庶務業務について、民間事業者への委託可能性の割合が高く、臨時、非常勤職員が従事する割合も高いこと、総合支所は一部署で取り扱う業務の範囲が広いことから、総合支所職員の事務負担の軽減のため、受け付け業務は行うものの、審査、決定業務については本庁で行ってほしいとの意見が総合支所からあったこと、本庁、支所、施設間の文書便、水道光熱費等の支払い、施設管理、道路等のパトロールについて、各部署共通の業務があり集約が必要であると、本庁及び総合支所の多くの部署の意見としてあったことなどの点が、調査の結果把握されたとの報告を受けております。 今後は、人事課において個別部署や業務について詳細なヒアリングを実施し、委託や集約が可能な業務についてさらに精査してまいります。 3点目の包括業務委託と会計年度任用職員制度との関連性についてのお尋ねでありますが、総務省自治行政局公務員部が作成し、平成29年8月に公表された会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアルの中で、「各地方自治体においては、組織として最適と考える任用・勤務形態の人員構成を実現することにより、厳しい財政状況にあっても、住民ニーズに応える効果的・効率的な行政サービスの提供を行っていくことが重要であり、その際、ICTの徹底的な活用、民間委託の推進等による業務改革を進め、簡素で効率的な行政体制を実現することが求められる。このため、臨時・非常勤職員の職の設定に当たっては、現に存在する職を漫然と存続するのではなく、それぞれの職の必要性を十分吟味した上で、適正な人員配置に努めること」とされております。 会計年度任用職員制度の導入の際には、将来にわたる本市の持続可能な行財政運営の観点から、総務省のマニュアルを参考にしながら、現在ある職について全てをそのまま会計年度任用職員へ移行するのではなく、業務の見直しによる効率化や、AI、RPA等ICTの活用、民間の知見を活用したよりきめ細やかな市民サービスの向上が図られないかなどの検討を加え、職の精査を行った上で移行を検討していきたいと、その必要があると考えているところでございます。 これらの検討を十分に行った上で、定型的な業務など委託可能な業務については委託も検討し、専門的な知識、ノウハウが必要とされる相談員や教育部門の生徒支援員を初めとする職については、会計年度任用職員へ移行することを検討したいと考えております。 なお、今後民間委託を検討するに当たっては、現在任用している臨時、非常勤職員の同種の業務での雇用の確保についても考慮してまいりたいと考えております。 ○議長(小原雅道君) 若柳良明君。 ◆11番(若柳良明君) 答弁ありがとうございました。 大迫石鳥谷線については大変厳しいものがあるというふうに伺いました。いずれ利用者数の増加を図るためのいろいろな取り組みをこれからするということでありますが、以前にも総合支所からバス時刻表などを各家庭に配布され、ぜひ利用をしてほしいというような案内を見たことがありますけれども、それをさらにキャンペーン的にする必要があるのかなというふうに感じました。いずれそういう形で、最低でも4人以上にしなければ大変厳しいものがあるということがわかりました。 それから、栃内線ですけれども、この週によって、月曜・木曜、それから火曜・金曜、これらは話し合いの結果、そういう形で利用する曜日がふえるということで、こういう考え方なようでありますが、それなりにやはりいい部分があるのかなと感じます。 それで、400円ということですけれども、南中根子あたりだとバス賃は300円程度ということですけれども、そこからすると利用するには幾らか高くなるということですが、この辺について地域の皆さんからは、400円以下にするべきだというような意見は出なかったのでしょうか、お尋ねをいたします。 ○議長(小原雅道君) 遠藤建設部長。 ◎建設部長(遠藤雅司君) 御指摘のように、料金のほうは若干高目になっておりますけれども、バス停から直接目的地に行くことができるということで、地元の方にも御説明差し上げて、御了解をいただいたという経緯になってございます。 ○議長(小原雅道君) 若柳良明君。 ◆11番(若柳良明君) 続いて、包括的業務委託に進みますけれども、いろいろ資料を見てみますと、例えば窓口業務なんかを見ますと、委託した業者の管理者の指示のもとにやるということでございまして、市の職員が指示して進めるというわけにはいかないようなのですが、その辺についてはどうなっているのでしょうか、お尋ねをいたします。 ○議長(小原雅道君) 長井副市長。 ◎副市長(長井謙君) 私のほうからお答えさせていただきます。 今、議員御指摘いただいたように、包括的業務委託という形で、委託先の従業員が窓口に立つということになることが想定されるわけですけれども、その場合には、委託先の従業員に対して市の職員が直接指示や監督をしてしまうと、いわゆる偽装請負といったような問題が生じ得ると、労働法令上ありますので、今、議員が御指摘いただいたように、例えば管理責任者という方、マネジャーのような方を1人置いていただいて、何か指示や監督が必要になる場合にはその管理責任者の方を通じて指示や監督をしていく、そういった形になろうかなというふうに現在のところ考えております。 ○議長(小原雅道君) 若柳良明君。 ◆11番(若柳良明君) 例えば学校給食なんかも既に委託している部分があるわけでありますけれども、学校に配置されている栄養士が直接調理の指示ができないと同じような形なのかなと思いますけれども、そういう形でいいのですね。考え方は、市の職員あるいは県の職員が直接指示できないと、あくまでも委託されている業者の責任者がやると。そして、業者の責任者には市からきっちりと指示するというか、例えば献立の場合なんかは1週間とかそういう形できっちりやって、それ以降はなかなか、その都度というわけにはいかないと思いますが、そのように考えてよろしいですか。 ○議長(小原雅道君) 長井副市長。 ◎副市長(長井謙君) 例えば窓口の場合ですと、先ほど申し上げたとおり、その管理責任者というのがまず間に入って管理、指示をしていくということになりますので、その点については御指摘のとおりかなというふうに思います。 ○議長(小原雅道君) 若柳良明君。 ◆11番(若柳良明君) 1つは先ほど言いました偽装請負という、そういう問題が生じる可能性があるということでの注意事項であります。 あと、個人情報の漏れるという部分などについてもあるわけでありますけれども、ある市では、乳幼児のシステムを作成する場合に、委託している業者のアルバイト従業員がそのデータをコピーして名簿の販売業者のほうに流していたという事例もあるようであります。裁判になり1人当たり1万円を損害賠償するというような事例もあるということで、大変危険だと思うのですが、その個人情報の漏えいの部分についてはどうお考えですか。 ○議長(小原雅道君) 長井副市長。 ◎副市長(長井謙君) 民間委託が行われることによって個人情報の保護の観点、レベルが低下してしまうのではないかという御心配かと思います。その点については私ども十分理解をしておるところでございます。 その上で花巻市としては、例えば事業者を選定する際に、民間事業者における個人情報に関する研修であるとか、ないしは内規などのそういった体制、そういったものをしっかり見きわめた上で選定を行っていくでありますとか、ないしはその民間事業者との間でしっかりとした秘密保持契約を結んでいくといったようなこと、ないしは、自治体によっては例えば再委託というものを制限することによってある程度情報をコントロールしやすくするような契約形態にしている、そういったような例もありますので、そういった先行事例を参考にしながら、個人情報の保護、そういった観点も十分に配慮して制度設計していきたいと思っております。 ○議長(小原雅道君) 若柳良明君。 ◆11番(若柳良明君) あとは、学校給食などを委託した場合、例えば業者の利益に当たる部分、業務管理費というような名目でやっているようでありますけれども、公契約とかそういう観点もあります、ある程度の人件費は補償しなければならない。そういう中で管理運営費というか業者のもうけに当たる部分、その部分で実際は前より、直やっているよりも高くなったという事例もあるということが報告されているのですが、その点についてはどの程度把握して、そういう心配がないのか、お尋ねをいたします。
    ○議長(小原雅道君) 長井副市長。 ◎副市長(長井謙君) 委託先の業者が管理運営費などの名目で、例えば10%から15%程度、委託費に上乗せするというような事例が多いというふうに、この瞬間は伺っておりますけれども、そもそも今回の包括的業務委託を検討するきっかけになった部分ですが、先ほど市長から御答弁差し上げましたとおり、財政的な部分、観点だけを理由にしているわけではなくて、例えば市職員が本来注力すべき業務に注力できる体制を整えることでありますとか、市職員の業務負担というものを何とか軽減できないかというような観点で検討が始まっているというところもございますので、もちろん、委託した結果、多大なコスト増になるという場合には、それはなかなか難しいというふうな判断になる可能性もあるとは思っておりますけれども、コストの増減だけではなくて、例えば中長期的にどれほど職員の働く環境の改善に寄与できるか、そういったような観点も踏まえながら、今後例えばプロポーザルなどを行っていくことになるわけでありますけれども、そういったようなプロポーザルに臨んでいきたい、そんなふうに思っております。 ○議長(小原雅道君) 若柳良明君。 ◆11番(若柳良明君) 次に、臨時、非常勤の会計年度任用職員との制度の関連でお尋ねをいたしますが、これは4月から実施するということで進んでいるかと思いますけれども、先ほどの説明ですと相談員的な部分については会計年度任用職員ということだし、それ以外という言い方でいいのかな、包括的業務委託という考え方ですみ分けしていくという感じにも聞こえましたけれども、その辺の考え方、もうちょっと詳しくお尋ねをいたします。 ○議長(小原雅道君) 長井副市長。 ◎副市長(長井謙君) 先ほど市長から御答弁申し上げました調査の結果というのは、あくまで各部署から上がってきたものをまとめたものでございまして、今後、実際にどの業務が民間委託になじむものなのか、ないしは、なかなか民間委託してもうまく機能できないようなものというものは実はあるのではないかとか、そういったようなことの詳細、各部署との間でヒアリング等重ねていって見きわめたいと思っております。 その結果、例えば相談員の方でありますとか、学校現場で教育支援員のような方々、その方々の行っている業務というのは必ずしも定型的というふうなことはなかなか言えませんので、民間委託になじまないのではないかと考えているところでございます。なので、今後ヒアリングなどを重ねていく中で民間委託になじむもの、そうでないもの、会計年度任用職員に移行すべきもの、そうでないものというものを見きわめていきたいというふうな段階であると御理解いただければと思います。 ○議長(小原雅道君) 若柳良明君。 ◆11番(若柳良明君) 会計年度任用職員とこの包括的業務委託ということで、会計年度職員に移行するには手当も支給することになりますし、経費が相当かかるというようなことで、にわかにこちらのほうに切りかえて、議会の中ではうまく説明できないというか、反対で否決されたという自治体もあるようであります。ぜひともそこら辺は慎重にし、特に臨時、非常勤の方々がある程度待遇改善につながる、会計年度任用職員のいい部分もあるわけでありますので、その部分をしっかりと確認しながら、ぜひその包括的部分にすぐ行くことのないように、慎重に考えるべきだというふうに指摘をしておきたいと思います。 以上で終わります。 ○議長(小原雅道君) 以上で、若柳良明君の質問を終わります。 これで本日の日程は全て終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 御苦労さまでした。     午後4時31分 散会...