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06月03日-02号

  • "石鳥谷小学校"(/)
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  1. 花巻市議会 2019-06-03
    06月03日-02号


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    令和 1年  6月 定例会(第1回)令和元年6月3日(月)議事日程第2号令和元年6月3日(月) 午前10時開議 第1 一般質問  (1) 照井省三君  (2) 久保田彰孝君  (3) 佐藤 現君  (4) 伊藤源康君  (5) 佐藤 明君本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問  (1) 照井省三君  (2) 久保田彰孝君  (3) 佐藤 現君  (4) 伊藤源康君  (5) 佐藤 明君出席議員(26名)   1番  菅原ゆかり君     2番  久保田彰孝君   3番  照井省三君      4番  羽山るみ子君   5番  佐藤峰樹君      6番  横田 忍君   7番  佐藤 現君      8番  伊藤盛幸君   9番  藤井幸介君     10番  照井明子君  11番  若柳良明君     12番  佐藤 明君  13番  盛岡耕市君     14番  高橋 修君  15番  瀬川義光君     16番  内舘 桂君  17番  大原 健君     18番  櫻井 肇君  19番  阿部一男君     20番  本舘憲一君  21番  近村晴男君     22番  藤原 伸君  23番  伊藤源康君     24番  藤原晶幸君  25番  鎌田幸也君     26番  小原雅道君欠席議員  なし説明のため出席した者 市長        上田東一君   副市長       藤原忠雅君 副市長       長井 謙君   教育長       佐藤 勝君 選挙管理委員会委員長職務代理者   農業委員会会長   小田島新一君           宮川弘海君 監査委員      戸來喜美雄君  総合政策部長    市村 律君 地域振興部長    久保田留美子君 財務部長      松田英基君 農林部長      菅原浩孝君   商工観光部長    志賀信浩君 市民生活部長    布臺一郎君   建設部長      遠藤雅司君 建設部次長都市政策課長      健康福祉部長    高橋 靖君           佐々木賢二君 生涯学習部長    市川清志君   消防本部消防長   笹間利美君 大迫総合支所長   清水正浩君   石鳥谷総合支所長  八重樫和彦君 東和総合支所長   小原一美君   教育委員会教育部長 岩間裕子君 総務課長      冨澤秀和君   財政課長      伊藤昌俊君職務のため議場に出席した事務局職員 事務局長      及川牧雄    議事課長      久保田謙一 議事調査係長    高橋俊文    主査        伊藤友美     午前10時00分 開議 ○議長(小原雅道君) おはようございます。 これより本日の会議を開きます。 本日の会議は、議事日程第2号をもって進めます。 ○議長(小原雅道君) 日程第1、一般質問を行います。 持ち時間は答弁を含め60分以内です。質問につきましては、議長に通告のあった内容に従って質問をお願いいたします。 議長に発言通告書が提出されておりますので、順次質問を許します。 本日最初の質問者、照井省三君。(拍手)    (照井省三君登壇) ◆3番(照井省三君) おはようございます。令和元年の初めての6月定例会にトップバッターとして登壇させていただきました、平和環境社民クラブの照井省三でございます。よろしくお願い申し上げたいと思います。 今、まさに平穏な日常がないのかと思われるような痛ましい事故や事件が相次いで起きています。5月8日には、本当にいつものように散歩をして信号待ちをしていた保育園児、そして、保育士のところに、前方不注意で衝突をした一方の車が飛び込むという中で、2歳の2人の園児が亡くなり、十数人が重軽傷を負いました。そしてまた、5月28日には、これまた、日常的にスクールバスを待っていた小学生の子供たちに、あるいはそれを見守る保護者のところに、一人の暴漢が襲いかかり、6年生の女の子と、そして保護者1名が亡くなりました。また加えて、一昨日の6月1日には、本市の職員の方が、これまた日常のようにジョギングをしていたところに車が衝突し、職員の方が亡くなられました。まさにあってはならない、本当に何も悪いことをしていない、日常の生活を送っていたところにこういう痛ましい、忌まわしい事故が発生しています。亡くなられた方々に心から御冥福をお祈り申し上げ、そしてまた、心身に大きな傷を受けた皆様と御遺族の皆さんに改めてお見舞いを申し上げたい、このように思います。 さて、私の1番目の質問もこのように痛ましい事件の一つなのです。昨年の3月に東京の5歳の女の子が、そしてまた、同じく4月に、北上市の1歳9カ月の男の子が、そして、ことし1月には千葉県の10歳の女の子が、理不尽な親の虐待と、そしてまたネグレクトによって命を奪われました。この児童虐待の件につきましては、ことしの3月定例会において同僚の照井明子議員も質問をしております。一部、重複すると思いますけれども、若干の視点を変えて、再度質問をしたいと、このように思います。 まず、1点は、本市における児童虐待の相談件数、そしてその内訳についてお伺いをしたいと思います。3月定例会においては、ことしの2月末までの件数が、そして内訳がありました。私の部分におきましては、3月末までの状況についてお伺いをしたいと思います。そしてまた、その内容についてもできれば詳細にお伺いしたいと思います。 2つ目は、その相談の中で、一時保護された、そして解除をした、あるいは解除後のその後の経過について把握されているかどうかお伺いをいたしたいと思います。 3つ目です。この児童虐待の関係で相談に至る経緯、どういうルートでこの相談に至ったのか把握していればお伺いをしたいと思います。 この件のこの対応策2点目でございます。 まず1つは、この虐待につきましては、早期発見し早期対応するというのが極めて大事なことであろうと思っております。つきましては、その発見の場にいらっしゃる保育園、幼稚園、そして小中学校の教職員の皆さん、この方たちの研修について、行っているのかどうかお伺いをしたいと思います。そしてまた、研修を行っているとすれば、特にどういう点について留意をされているのかお伺いをしたいと思います。 次に、2点目として、地域の民生委員、あるいは主任児童委員の皆さん、この方たちに対しましての虐待に関する研修を行っているのかどうかお伺いをしたいと思います。 そして、次には、この民生委員、あるいは主任児童委員の活動の範囲についてお伺いしたいと思います。ついこの間、民生委員の総会がありました。その中では、これらの問題にかかわる相談や支援の中身についても訴えられておりました。そしてその場合、この民生委員、あるいは主任児童委員がどこまでかかわれるのか、その権限はどこまで持っているのか、そのことについてのお考えをお伺いをしたいと思います。 大きな2点目です。花巻市立小中学校における適正規模・適正配置に関する基本方針、この間、策定されました。その中で、私がちょっと気になったのは、この基本方針案を策定する段階では、石鳥谷地域における統廃合については「早期に検討を行う」と、こういう文言が記載をされていたわけですけれども、この部分が削除されました。削除されたその考え方についてお伺いをしたいと思います。そしてまた、統廃合を予定しているのは、石鳥谷だけではないわけで、大迫地域や、あるいは花巻においてもその統廃合の予定があるわけでありまして、それらの検討についてはどう考えるのかお伺いをしたいと思います。 そして3点目には、学校統合を行う場合、おおむね2年間の準備期間が妥当と、こういう方針が出されました。この2年間が妥当と言われたその判断についての考え方をお伺いしたいと思います。 そして4つ目には、この小学校の統廃合を行う場合、それぞれの学校に特別支援学級があるわけです。確かに、市内における若葉小学校とか、あるいは石鳥谷小学校においては、この特別支援学級の生徒が多いのですけれども、他の小学校等を見れば、特に石鳥谷等を見れば、大概が小学校1校に対して1学級か2学級なのです。生徒さん一人に一人の担任とそして補助員の皆さんがつく、そのことを考えたときに、統廃合をして一本に絞ったときにその特別支援を要する生徒は大きく膨れるわけであります。これは、以前の質問でも、私、問いただしましたけれども、やはりこの部分についてこれまでのような、いわゆる行き届いた教育を行うことができるのかどうか、再度、お伺いをしたいと思います。 次に、大きな3点目ですが、これは1点だけですけれども、この教育とも絡むんですけれども、いわゆる過疎地域における地域づくり、過疎における地域自治の維持と、そしてまちづくりを進める上でその地域において福祉施設、保育園や教育施設、幼稚園や小中学校が統廃合で消滅した場合、その地域における地域の自治の維持と、そしてまた、そのまちづくりについてどういう影響があるのか所見をお伺いしたいと思います。 2点目につきましては、この福祉施設や教育施設が統廃合で消滅した中で、若者をどう定着させて、地域を維持、まちづくりを進めるのかそのお考えについてお伺いをしたいと思います。 以上、登壇いたしましての質問にいたします。(拍手) ○議長(小原雅道君) 上田市長。    (市長登壇) ◎市長(上田東一君) 照井省三議員の御質問にお答えします。 先ほど、冒頭、照井省三議員から起こるべきではないことが最近起こっているというお話がございました。まさに同じ思いでございます。特に、市職員の平藤規康さんにつきましては、市にとってなくてはならない職員を失ったということで、大変残念に思う次第でございますけれども、それ以上に、ご遺族の方々の痛みを感じますと、心からお悔やみ申し上げますとともに、平藤規康さんのご冥福をお祈りする次第でございます。 1件目の児童虐待防止についての1点目、本市における児童虐待の実態についての1つ目、相談件数及びその内訳についてのお尋ねでありますが、当市地域福祉課に設置しております家庭児童相談室における相談件数は、平成30年度において81件となっており、その虐待種別の内訳といたしましては、身体的虐待16件、性的虐待3件、心理的虐待37件、ネグレクト、いわゆる育児放棄が25件となっております。 2つ目の一時保護から解除に至った件数及び解除後の経過につきましては、まず、一時保護は子供に対し何らかの虐待の行為があり、虐待の程度等を勘案し児童相談所が一時的に保護を行うものであり、その後、児童養護施設等への入所や里親委託、または家庭環境の改善等による家庭引き取り等が行われますと一時保護解除となることとなっており、当市における平成30年度の一時保護の件数につきましては19件、うち一時保護解除となったものは13件となっております。 また、一時保護解除後の経過につきましては、施設入所9件、里親委託2件、家庭引き取り2件となっており、施設入所以外の里親委託、家庭引き取りの場合については、児童相談所と連携し、継続したかかわりを維持しながら、随時必要な支援を行っております。 3つ目の相談に至る経緯につきましては、児童虐待における通報元といたしましては、保育園、幼稚園等の未就学児施設、各学校、市教育委員会、一般市民の方であり、未就学児施設、各学校において何らかの虐待が疑われる事案を発見した場合は、教諭等が学校長等を通じ、市地域福祉課へ通報する形となっております。 2点目の虐待防止に向けた対応策についての2つ目、民生委員主任児童委員等を対象とした研修の実施につきましては、現時点におきましては、民生委員児童委員主任児童委員に対し児童虐待に特化した研修等は委員がかかわる福祉分野の業務が多岐にわたることから、定期的には実施しておりません。 しかしながら、昨今の児童虐待事案について重篤な事件に発展するケースが多発しておりますことや、貧困問題や親の社会的孤立等の社会構造の変化による児童虐待リスク要因についても多様化しておりますことから、今年度については、児童虐待に特化した研修の実施について、担当課内において検討を進めているところでございます。 3つ目の民生委員主任児童委員等の活動範疇のあり方につきましては、民生委員児童委員には社会調査、相談、情報提供、連絡通報、調整、生活支援、意見具申の働きがあるところであり、一般的には地域住民の相談役、行政や福祉関係機関へのつなぎの役割が広く認知されているところであります。 また、主任児童委員につきましては、児童の福祉向上に特化し、小中学校や担当区域における児童委員との連絡調整、活動の援助、協力を行うこととされております。 児童虐待における民生委員主任児童委員のかかわりとしても、地域の見守り活動の中で、子育て等に支援を必要とする住民の存在に気づいた場合は、委員の働きにおける情報提供、連絡通報の役割の中で行政等、関係機関へのつなぎなど、地域情報の連絡通報を行っていただくことが児童虐待の防止、早期発見につながるものと考えております。 また、新しく集合住宅へ入居される方々などにつきましては、民生委員主任児童委員がかかわりを持つことが困難な世帯が一部あるところでありますが、住民異動の情報については、毎月住民異動リストを委員へ提供し、その把握を行っていただいておりますほか、子供のいる家庭につきましては、主任児童委員が各小中学校訪問により連携をとりながら、その状況を把握しているところであります。 3件目の過疎地域における地域自治の維持とまちづくりにつきましての御質問にお答えします。 1点目の福祉施設や教育施設の統廃合による地域への影響についての1つ目、地域自治の維持とまちづくりにつきましてのお尋ねでありますが、学校や保育所などの統廃合により、地域においては、子供たちの声や姿を見られなくなる寂しさや不安を感じたり、地域に活力がなくなるのではないかという御心配をされたりするというような影響は考えられるところであります。 また、昨年9月定例会において、照井議員の一般質問に対して教育長がお答えしましたとおり、学校が地域のコミュニティーの核としての性格を有することも多いことは、そのとおりと考えますことから、例えば、地域が学校や保育所を中心として取り組んできたまちづくり事業については、隣接する地域との調整や協力を行うことが必要になることも想定されます。 まちづくりにおいては、子供たちと地域住民とのかかわりは非常に大事であると認識しておりますことから、今後も地域の方々の御協力を得ながら、子供たちとかかわりながら郷土芸能の振興や地域の体験活動、学習活動などにより地域の活力の維持が図られるよう努めてまいります。 また、平成30年度に開催した地域自治に関する懇談会におきまして、人口減少、少子高齢化が進み、地域の課題が多様化、深刻化している中において持続可能な地域自治を推進するため、今後の地域自治のあり方について御意見を伺ったところであります。この懇談会の中で出された意見は、これから花巻市が目指す地域自治の姿というものは、地域にしかできないこと、本来の役割を、若い世代、女性など多様な力をつなげて、持続的に守っていくというものでありました。 そのために必要な地域自治に関する見直しの方向性といたしましては、コミュニティーをもっと身軽に、創意の活動を育む、行政との連携充実が挙げられており、それぞれの課題、なかなか簡単にはいかないわけでございまして、これについては私どもも考えていく必要がございます。この辺について、御助言をいただいている専門家との意見交換、私自身も、今予定しているところでございますけれども、今年度におきましても、市民の方々の御意見を伺いながら、地域を持続させていくためにどのようなことを行っていく必要があるのか検討をしてまいります。 1点目の、福祉施設や教育施設の統廃合による地域への影響についての2つ目、若者の定着とまちづくりについてのお尋ねでありますが、先ほど申し述べましたとおり、持続可能な地域自治を推進するためには、若い世代や女性など多様な力をつなげることが重要であると認識しておりますことから、なかなか難しい課題ではございますが、地域への若者の定着を推進することが必要であると考えております。 例えば、市が昨年度から取り組んでおります子育て世帯住宅取得支援事業につきましては、子育て世帯の地域への定住を推進することを目的としており、その中で子育て世帯の親世帯との同居、または同一コミュニティー地区内への近居などに対し奨励金を交付し、地域での生活をしていただくことで、その地域のまちづくりの活性化につなげようとするものであります。今後も、若い方々にとって魅力あるまちづくりという観点からもさまざまな施策を考え、地域の活力の維持が図られるよう努めてまいります。 そのほかにつきましては、教育長から答弁いたします。 ○議長(小原雅道君) 佐藤教育長。    (教育長登壇) ◎教育長(佐藤勝君) 1件目の児童虐待防止についての2点目、虐待防止に向けた対応策についての1つ目、保育園、幼稚園及び小中学校における指導者への研修についてのお尋ねにお答えいたします。 公立保育園、幼稚園につきましては、毎月行っております園長会議の場で年1回、虐待対応について確認しておりますほか、各園におきましては、職員会議を利用して、随時、虐待の早期発見や虐待を発見した場合の対応について研修を重ねております。研修に当たりましては、園ごとに定めております危機管理マニュアル及び市が作成いたしました児童虐待早期発見のためのチェックリストに基づいて実施しているところであります。 また、市内法人立保育園、幼稚園、認定こども園につきましても、年2回実施しております市内園長・小学校長合同会議の場を利用し、市の健康福祉部地域福祉課の職員による説明を受けるなど、意識の及び対応の共通理解に努めております。 小中学校につきましては、昨年4月に他の市で発生した虐待事案及び市内で発生した保護者による小学生児童身体的虐待事案を受け、市内小学校、中学校、計30校の管理職を対象に、昨年度は副校長、本年度は校長を対象とした研修会を開催しております。 いずれの研修会につきましても、虐待を早期に発見するためのポイントや、虐待の疑いがある事案を教職員が把握した際に、学校組織としての適切な対応を確実に実施するための基本的な行動について、実技も交えた形式で理解を深めたところであります。 また、花巻市要保護児童対策協議会の委員として公立保育園、幼稚園、小学校及び中学校を代表する園長と校長が任命されておりますことから、当該協議会で示された取り組み事例や対処の方法を、それぞれ保育園や幼稚園、小中学校へ提供することで、共通理解を深めております。 しかしながら、小中学校につきましては、教職員が県内で異動することから、本市における虐待通告の対処方法等の十分な理解を図るため、少なくとも管理職に対して、年度初めに研修会を実施するほか、定期的に情報を提供するなど、適切な対応の確保に向けた工夫をしてまいりたいと考えております。 研修に当たって特に留意しておりますことは、早期発見、発見後の早期対応の重要性について認識を高め、子供の安全確保を最優先に考え、行動することの徹底であります。 この考えを基本としながら、保育園、幼稚園、認定こども園と小中学校における子供の発達段階の違いと、職員の保護者と接する頻度の違いにより、保育園、幼稚園におきましては早期発見に、小中学校におきましては発見後の早期対応に、より重きを置いて取り組んでいるところであります。 保育園、幼稚園、認定こども園の児童は、まだ自分の気持ちを十分に伝えられない発達段階にあることから、保育士による健康観察と着がえ等を通じたけがの有無や衛生状態の確認、日々の表情の違いのほか、登園時の保護者の様子などに留意し、早期発見に努めております。 また、小中学校におきましては、子供たちが自分の気持ちを他に伝える力が高くなってくることから、アンケート等による虐待や虐待の疑いの発見に努め、発見した場合は、学校における児童虐待通告手順、市の虐待対応フロー図に基づき、迅速かつ適切な対応をとることに留意し、発見後の早期対応に努めております。 2件目の花巻市立小中学校における適正規模・適正配置に関する基本方針についての1点目、石鳥谷地域について「早期に学校統合の検討を始める」という基本方針(案)における当初の記載から、「早期に」の文言を削除した考えにつきましての御質問にお答えいたします。 教育委員会では、花巻市の小学校及び中学校における教育環境がどうあるべきか、市が考える理想的な教育環境の基本的な考え方、理念を示し、花巻市の子供たちが一定の教育環境を享受できるようにするための指針として、花巻市立小中学校における適正規模・適正配置に関する基本方針を本年4月の教育委員会議での議決により策定いたしました。 昨年8月に基本方針の素案をまとめた後、10月に基本方針案につきまして、中学校単位での説明会を開催し、12月から本年1月までに保育園、幼稚園、認定こども園の保護者会、PTA、地域住民を対象として出前学習会を開催し、多数の御意見をいただいてまいりました。この説明会や出前学習会を通じて、基本方針案の内容につきましては御理解をいただいたものと捉えておりますが、保護者や地域の皆様から、「拙速にならないように進めてほしい」との意見もございましたことから、文章中から「早期に」という言葉を削除したものであります。 次に、2点目の石鳥谷地域以外の学校統合の検討につきましての御質問にお答えいたします。 教育委員会では、現在、各小中学校PTAに対し、本基本方針を踏まえ、各学校区の将来を担う子供たちが、安全・安心な教育環境の中で、多様な学びを通して、確かな学力の定着と自立できる能力を身につけていく上での諸課題について、児童生徒の保護者等と意見交換を行うための教育懇談会の開催を呼びかけております。この懇談会を通じ、御理解を深めていただくことで理想的な教育環境の構築に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 なお、基本方針案の説明会、出前学習会を開催した結果、自分たちの地域の学校について考えようという有志の方々による組織が立ち上がった学区もあると伺っており、そのような団体とも懇談を始めてまいりたいと考えております。 また、複式学級を有する地域のうち、大迫地域につきましては、大迫地域の教育を考えていくことをテーマに、各小学校のPTA役員の方々に勉強会の開催を申し入れしているところであります。今後、理想とする学校像や教育環境について意見交換を行う場を早期に立ち上げ、協議を行ってまいりたいと考えております。 笹間第二小学校区につきましては、以前より「自分たちで方向性を考えるので、それまで教育委員会から話を出すのは待ってほしい」との申し出をいただいているところでありますが、7月30日に開催を予定している、西南地区教育振興運動協議会にお招きをいただいておりますので、その場で改めて本基本方針と地域の実態について御説明をしてまいりたいと考えております。 次に、3点目の学校統合を行う場合、おおむね2年の準備期間を置くとしたことにつきましての御質問にお答えいたします。 準備期間につきましては、地域での協議が調い、学校統合についての合意が得られてから、実際に統合するまでの期間と考えておりますが、この間に行うべきものといたしましては、まず、合同授業等や交流学習により、児童生徒の一体感を醸成することがまず重要であります。また、過去の統合事例からPTA等を中心とした実行委員会組織による記念誌作成や閉校に伴う諸行事の準備、あるいはPTA組織学校支援組織の再編等に一定期間を要すると考えられ、さらに、学校統合は年度途中に実施することは難しいことから、おおむね2年の準備期間を置くとしたものであります。なお、この2年という期間は、あくまでも目安であり、統合による新設校とする場合は、校歌、校章の選定とカリキュラムの編成等、一定の期間が必要となることから、期間が延長となることも想定される一方、学校の小規模化が急激に進み、学校運営に大きな支障が出た場合は、期間を短縮せざるを得ないことも想定されるものと存じます。 次に、4点目の小学校の統廃合を行った場合、特別支援を要する児童への教育の確保につきましての御質問にお答えいたします。 この点につきましては、昨年9月定例会の一般質問でもお答えをさせていただいておりますが、現在、本市においては、知的、情緒、病弱、肢体不自由、難聴などの障がいに応じた特別支援学級が設置されております。仮に統合が実施された場合でも、当該校の特別支援学級の児童が極端にふえることはないと考えておりますが、在籍する児童数の増加や、新たな障がい種の学級が必要と判断された場合は、早期に岩手県教育委員会へ実態に即した教員配置や学級の設置を申し入れるなど、現在と同様に、必要な支援に努めてまいります。 ○議長(小原雅道君) 照井省三君。 ◆3番(照井省三君) 御答弁ありがとうございました。 再質問をさせていただきたいと思います。 まず、1点目の児童虐待に関する件についてお伺いしたいと思います。 実は、3月定例会でやはり同じように質問があって、その際には、2月末現在で相談件数が71件となっていました。それが3月末、いわゆる平成30年度全体では80件となったという報告が、今市長からありました。1カ月で9件ふえているということであります。私気になったのは、平成29年度は相談件数が29件なのです。それが、今回、もう3倍近くなるような数字が出ているということについて、なぜこのような突然倍以上になるような相談件数が出てきたのか、さまざまな要因はあると思いますけれども、これに関する市長の御所見をお伺いしたいと思います。 ○議長(小原雅道君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) この件については、正直申し上げまして、担当のほうから理由についての報告は受けておりません。したがって、私本人として申し上げるのはあくまで推測になりますので間違っている可能性はございます。その上でお話し申し上げますと、世の中が急に変わったということはないと思います。したがって、29件から81件になったということについては、児童虐待に対する世の中の関心、あるいはその必要性、あるいはその相談するということが必要だということが浸透してきたということも大きな原因になっているのではないかなと思います。それについては、いろいろな事件があったということも大きな理由だと思いますけれども、そういうことも大きなことではないかなというふうに考える次第です。 ○議長(小原雅道君) 照井省三君。 ◆3番(照井省三君) 市長というふうにお聞きしましたけれども、実は、質問の趣旨につきましてそのようなこともたしか記載していたはずでございます。 今、市長の答弁あったとおり、本当に倍以上になるような相談件数、つまり社会全体が、この児童虐待について非常に取り上げられてきている。また、それ以上に悲惨な事件が多発したということがあろうかと思います。ただ、現国会では、過日の衆議院の本会議において親の体罰禁止等に関する児童虐待防止法、あるいは児童福祉法の一部改正案が通過をしまして参議院に送られていますから、おそらく6月には、さらに児童虐待の防止に対する強化が進むのだろうと思っているところでございます。 そこで、一時保護から解除され、そしてそのことについて例えば新たな施設に入所された方、何件かありました。やはり、一時保護から施設に入所させる、あるいは大丈夫だと思って親元に帰す、こういう形の中で、千葉県の事件はまさに、児童相談所の相談に親のほうからかなり攻め込まれて、児童相談所は、一時保護を解除して親元に帰した。そのことがああいう結果につながったと言われているわけであります。そのことをいかにつかんでいくのかと。実は、過日の新聞にも、その方が香川県にいたときにそれを治療していた医師の方が、転居されるときに非常に心配をしたと。転居した先でどうコミュニケーションをとれるのかということを非常に心配した結果、ああいう事件に至ってしまったということ等を考えれば、やはり、地域の連携、あるいは転居した中での連携というものが本当に今、大事なことなのだろうなと。もちろんこれは、県の児童相談所が大きな権限を持っているわけですけれども、転居するのはそれぞれの市町村に転居するわけですから、児童虐待で一時保護したそういう子供たちの、転居先における地域との連携ということについてどのように考えておられるか、お伺いをしたいと思います。 ○議長(小原雅道君) 高橋健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(高橋靖君) 地域の連携ということの御質問でございます。 先ほど、市長が答弁いたしましたように、一時保護解除となりまして、平成30年度でございますが19件のうち13件、一時保護解除となってございますが、そのうち施設入所が9件、それから里親委託が2件、そして家庭引き取りが2件ということになっている状況ではございます。その中で、転居といったような部分で、そういった方々の情報の把握はどのようにということでございますが、これにつきましては、一時保護解除は県の児童相談所からの解除ということになってございます。解除になりますと、当然でございますが、住んでおりました自治体のほうに通知がまいります。その部分につきましては、その時点で実態はわかりますし、それを受けまして本市には家庭児童相談室がございますので、そちらのほうで実態等を把握するという部分もございますし、また、転居後につきましても、もし市外への転居というようなことがあれば、その転居先への自治体との連携ということではつないでいるというような状況でございます。 ○議長(小原雅道君) 照井省三君。 ◆3番(照井省三君) 先ほど、防止に向けた対応策について教育長の答弁がありました。やはりこの問題は、早期発見、早期対応が非常に極めて重要なのだろうと思います。北上市の事件においても、認可外保育園でしたけれども、その子供の状況に気がついて、異常な食欲とかそういう部分に気がついて市のほうに通報をしたと。しかし、それ以上進展がなかったというのが実は報告されているわけであります。その意味では、保育園、幼稚園、あるいは小中学校における研修というのは本当に、今、大事なのだろうなというふうに思いますけれども、実は、保育園の保育士、あるいは小中学校の教員の皆さんとも懇談する機会がありまして、どうなのでしょうとお話を聞きました。教育長からは、さまざまな場面で、例えば年何回かの園長会議において、常々、児童虐待についての対応について報告をしていると、また、園会議においてもやってほしいという形で指導しているという答弁がありました。しかし、現場はなかなか多忙化を極めていてこの児童虐待に対する防止対策、どのような形で対応していくのかということについて、なかなか研修もやりにくいという声も実は届いているので、その辺について、現場の実態についてどのように受けとめているか、教育長にお伺いします。 ○議長(小原雅道君) 佐藤教育長。 ◎教育長(佐藤勝君) 今、御案内のとおり、学校の多忙化という中で教職員が研修についてそういった機会がなかなか見出せないというような内容の御質問だったと思います。ただ、この件については、やはり子供たちの命、健康という最優先課題でございますので、これについては、学校長、あるいは園長を通して、校長、副校長を率先して研修をしていただいているわけです。授業が忙しい、確かにそのとおりだと思いますけれども、やはり優先する案件としてぜひ積極的に対応してほしいということで、これは強くお願いしているところであります。
    ○議長(小原雅道君) 照井省三君。 ◆3番(照井省三君) 早期発見のもう一つの手だてとして、地域における通報というのも、これもまた重要でありまして、民生委員の方、あるいは主任児童委員の方の地域における通報や、あるいは日常の活動の中で、こういうものについて耳にし、そしてそれを市当局のほうに通報するという取り組みがなされていると思いますけれども、やはりこれも民生委員の方々から聞くと、実は、児童の虐待に関係することまではなかなか踏み込んでいけないのですと。それはもちろん地域の世帯数にもよりますけれども、民生委員としてやっているのは、どうしても高齢者、あるいは独居老人、あるいは生活保護等を中心とした地域における見回りが中心となってしまっていると。この児童虐待に関する研修等についても、きちんとした研修はないのですよということ。それから、この児童虐待等に関しては、どうしても一軒家の中にいてそういう事件が起こるというのは余り少ないわけで、アパートとかそういう中で暮らしている家庭が多いと。そういうときには児童委員の方も、民生委員の方も、アパートのほうに、こんにちはと言ってなかなか入りにくいのですということも実際の声としてお聞きしました。そういう意味では、この民生委員、あるいは主任児童委員の方たちへの、やはり徹底した研修をするのか、あるいはどこまでの、先ほど範疇については答弁ありましたけれども、この部分についてはぜひともこの民生委員、あるいは主任児童委員の方にお願いをしたいのだという点があれば、もう一度お伺いしたいと思います。 ○議長(小原雅道君) 高橋健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(高橋靖君) 民生委員児童委員への研修という部分でございます。民生委員児童委員につきましては、市内で2百数十名という方々をお願いしている部分ではあるのですが、この民生委員児童委員協議会の中に、それぞれ、障害者部会でありますとか、あるいは児童部会でありますとかいったような部会制をしいてございます。そしてその中で、児童部会に所属されている委員におかれましては、実際にそういった関連の施設の視察でありますとか、あるいは研修といったようなことで、自主的におやりになっているという部分はあるところであります。そしてまた、民生児童委員全体への、この児童虐待の研修ということでございますが、これにつきましては、民生児童委員、本年任期ということで、新たな任期を迎えるという時期にもなってございます。そうした中で、新たな民生委員児童委員におなりになる方はもちろんなのですが、引き続きお願いをする委員につきましても、改めて、現在のその児童虐待の状況でありますとか、あるいは防止と早期発見といった研修ということを、これは予定をしたいと考えているところでございます。 ○議長(小原雅道君) 照井省三君。 ◆3番(照井省三君) 実は、児童虐待の防止に関しては、毎年11月に防止月間という形で月間を設けて取り組んでおられるようですけれども、民生委員の方たちも、できれば研修を行って、民生委員の皆さんが年内の中で、この月は児童虐待防止月間としますよということなどをきちんと提起されて、それのようなリーフレットかチラシを持たせていただいて、そういう形の中で、訪問していくという部分があれば非常に動きやすいという声も実はありました。先ほど申し上げたとおり、民生委員の日常の活動というのは民生委員法にきちんとありますけれども、大変な作業なのですね。大変な御苦労をかけている。したがって、その中で、先ほど申し上げたようにどうしても独居老人とか高齢者世帯だとか生活保護世帯を中心に回らざるを得ないという中で、そこに児童虐待の関係の調査とか、あるいはそういう部分についてのかかわりはなかなか持ちにくいというはっきりそうした声もあるわけですから、できれば毎年、児童虐待防止月間を設けているとすれば、その機会を中心にして民生委員の皆さんにもこういう形の中で、各家庭にこういうチラシ、あるいはリーフレットみたいなものを回しながら、こんにちはと呼びかけられるような取り組みもあれば動きやすいですということも言われているのですが、そのことについてはどのように思われますか。 ○議長(小原雅道君) 高橋健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(高橋靖君) 議員ご指摘のとおりでございます。民生委員児童委員の活動範囲、非常に広うございます。ただ、その中で、やはり児童福祉週間でありますとか、あるいは高齢者に対する対応の強化月間、週間といったようなものもございます。そういった部分でその週間を生かして活動に力を入れるというのも一つのお考えかというふうに思います。その点につきましては、民生委員児童委員協議会等のほうと話し合いをさせていただきながら、そういった週間にやるのが意識的にも高くなると思いますので、協議会との話し合いをさせていただきたいというふうに思います。 ○議長(小原雅道君) 照井省三君。 ◆3番(照井省三君) この質問をするに当たって、担当の部局を訪問していろいろお聞きしました。その中で花巻市でも、花巻市要保護児童対策地域協議会を設置して非常に努力をされている、ケース会議もやっている、だから非常に多忙の中でこういう会議をやっていると思うんです。その中には、もちろん、公立保育所とか幼稚園とか教育委員会も入っていますから、今言ったようなことを取り組んでいると思うのですけれども、その中に花巻市内に246人の民生委員がおられる、その方たちへ周知の徹底ということ。例えば、この花巻市要保護児童対策地域協議会のあり方とか、そこでこういうケースの対策も行っているのですよということ等について、もう少し、それを市民の皆さんに知らしめるようなことも、あるいは民生委員の皆さん自身にもこういうところで対策していますから、何かあった場合についてはこういうところにという形で、ある意味、花巻市民生児童委員、花巻市民生委員児童委員協議会の方も、この要保護児童対策地域協議会に入ってはおられるようですけれども、このことがそれぞれの246名の民生委員の皆さんに、非常になかなか伝わりにくいのではないかと考えていますが、どうでしょうか。 ○議長(小原雅道君) 高橋健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(高橋靖君) 花巻市で設置しております、要保護児童対策地域協議会につきましては、構成といたしまして、20団体がこの協議会に所属していただいて、そういった関係機関の連携というようなことを組織化しているものでございます。その中には、民生委員児童委員の方々にも委員として所属をしていただいております。この要保護児童対策地域協議会でございますが、この活動につきましては、今までの協議会の設置の意義といった部分につきましてはお知らせをしているところではあります。そして、直接的な窓口となります部署が相談窓口ですので、市地域福祉課といったようなところを紹介をさせていただいて、その上で、ケース検討をこの地域協議会でやるというような流れになっています。この流れの部分につきまして、まだ十分に認識をされていないということであれば、今までの周知に加えまして、さらにそういった流れがあるということのお知らせはしてまいりたいというふうに思います。 ○議長(小原雅道君) 照井省三君。 ◆3番(照井省三君) 時間も押してきましたので、教育関係のほうについて再度お伺いします。 石鳥谷地域における統廃合の関係について、早期という言葉を削除したのは地域から拙速にならないようにという声があり、それらを含めてこの「早期に」という文言を削除したと、こういう答弁でありました。私も聞くところによると、石鳥谷地域の中学区単位における説明会では非常に多くの意見が出されたと聞いております。その意味で、そういう地域の方々からこの統廃合に関する部分についてのあり方というのは、本当に慎重になってほしいのだという切実な声があったのではないかというふうに思います。特に、先ほど10月以降に開催した石鳥谷地域の中学区単位の出前講座とか説明会において、そういう拙速な行為ではなくてという声は、特にどういう点が強く協調されたのでしょうか。お聞きします。 ○議長(小原雅道君) 岩間教育部長。 ◎教育委員会教育部長(岩間裕子君) お答えいたします。 石鳥谷地域における、この統合に関する意見といたしましては、基本的には、いずれ児童数の減少から統合ということは避けられないだろうということが御意見として出ております。ただしということで、人数が少なくなってきたからということで、それをもって急ぐということだけはやめていただきたいということで、いずれその方向に向かうことは理解しているけれども、その過程において、じっくりと地域と協議してほしいのだというような御意見でございました。それをもとに「早期に」という言葉を削除したというところでございます。 ○議長(小原雅道君) 照井省三君。 ◆3番(照井省三君) まさに、その地域の方たちの切実な声だろうと思います。その意味では、まさに拙速にならないように、地域の方々の御意見をきちんと聞いてこれを進めてほしいなと思います。 次の点、前回も質問しました統廃合を行った場合の特別支援学級の児童への行き届いた教育の関係について再度お伺いします。資料によれば、花巻市において若葉小学校とか桜台小学校、あるいは矢沢小学校などは非常に児童数が多くてクラスが3つ、2つとなっているわけであります。ところが石鳥谷、大迫等を見せていただきますと、例えば石鳥谷小学校は、知的障がい児童数6人で1学級、情緒障がいが1学級と計2学級あるわけですけれども、新堀小学校は、知的障がいの児童数1人、そして学級数1、情緒障がいの児童数1人、そして学級数1と、八幡小学校も知的障がい児童数1人、学級数1、情緒障がい児童数1人、学級数1、身体虚弱児童数が1人、学級数1です。八重畑小学校も知的障がい1学級と、こういう形でそれぞれの学校に1学級、それぞれの担任がついて行き届いた教育をしています。これが統廃合をされて大きな一つの固まりになったときに、普通校で言うと、定数は8人に対して1人の教員配置でいいとなっておりますけれども、本当にそれだけで今までこういう支援を受けてきた子供たちに対する行き届いた教育が本当に可能なのかどうか再度お伺いしたいと思います。 ○議長(小原雅道君) 岩間教育部長。 ◎教育委員会教育部長(岩間裕子君) お答えいたします。 特別支援学級における児童数につきましては、現在も、小学校では最大で1学級6人、中学校においては8人というような学校もあるわけですけれども、そのような学校につきまして、やはり1人の先生で全ての生徒を見るというようなことが難しいというような学校につきましては、教育委員会のほうにおいて、ふれあい教育推進員の配置を行ったりですとか、そのほかに学校の中で加配の先生を利用しての複数で子供たちを見るというようなことを実際にやっております。これにつきましては、統合後も同様でございまして、やはり学級数に応じた先生の配置ということにはなりますが、子供たちの様子を見て必要と考えられる場合には、教育委員会として、これまでどおり今と同じようにふれあい教育推進員等の配置により支援を行っていくということで、子供たちにとってマイナスになるような教育環境はつくっていかないということは考えております。 ○議長(小原雅道君) 照井省三君。 ◆3番(照井省三君) 最後になりますが、今、部長の答弁ありましたけれども、教育長の答弁もありました。そういう体制を守るために、場合によっては県教育委員会に対して物申していくと、こういう教育長の答弁ありました。そのように実行に移していただきたいということを申し上げて終わります。 ○議長(小原雅道君) 以上で、照井省三君の質問を終わります。 ここで11時15分まで休憩いたします。     午前11時1分 休憩     午前11時15分 再開 ○議長(小原雅道君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。 次の質問者、久保田彰孝君。(拍手)    (久保田彰孝君登壇) ◆2番(久保田彰孝君) 2番、日本共産党の久保田彰孝でございます。通告に従い、順次質問してまいります。 1件目は、本市の墓園についてでございます。 私の友人から「久保田議員、議会で墓地について取り上げてくれないか」とのこと。「俺は家族もいないし、いずれは必ず死んでいくのだから、そのとき、周りの人に迷惑をかけないようにしたいのだ。そのためには、亡くなったときに納骨する墓を確保しておきたい」「終活の時期なんだよ」と言われ、今回、墓園について取り上げる約束をいたしました。 しかし、私には私なりの心の準備があると思い、野坂昭如氏が編さんした「死」をテーマにした随筆集を自宅の書棚から取り出し、読みふけっていた。そんなとき、外からパイプを土に差し込む音が、カーン、カーン、カーンと聞こえてきた。ことし満90歳を迎える母親が、先日植えたばかりの野菜に手をやる作業をしていたのだ。その音は、自分が植えた野菜を立派に育てたい、その自家野菜を家族に食べさせたいという母親の、一生懸命生きようとする明確な意思を示す命の鼓動であって、私は本の世界から現実の世界に引き戻されました。 これからは、団塊の世代が終活を迎える時期でございます。このような世代の方々の要求に応えていく必要が、市政としてもあるのではないかと考えております。 誰もが老いの先に必ず迎える死、その後の墓地について質問いたします。 1つ目は、花巻市墓園条例の基本的な内容についてお伺いいたします。 花巻市には5カ所の市営の墓園がありますが、市営墓園の使用状況について2つ目に伺います。 3つ目には、お墓にかかわる情報はどのようにしたら得られるのか、墓園情報の周知方法について伺いたいと考えております。 4つ目には、花巻市に墓地公園をつくる計画について、ないのか伺う次第でございます。 次に、2件目は、公契約条例についてでございます。 市が作成いたしました公契約条例の手引では、条例制定の経緯を次のように書いています。 最低賃金額を上回る賃金の支払いを規定した野田市公契約条例が平成22年2月に制定されたことを契機に、労働者団体等から適正な労働条件の確保を目的とした公契約条例の制定を求める要望が出されるようになりました。 公契約の担い手である事業者の意識啓発を図り、公契約を適正な履行及び良好な品質の確保並びに労働者の適正な労働条件を確保することを目的とした花巻市公契約条例が平成29年12月7日に公布され、平成30年4月1日から施行されています。 この公契約条例が施行されてから1年が経過いたしました。そこで、以下の3つの点について質問いたします。 1つは、本条例の趣旨について伺います。 2つ目は、本条例の施行前後で変化した点について伺いたいと思います。 3つ目は、賃金条項を新設する考えについて伺います。 以上、この壇上からの一般質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(小原雅道君) 上田市長。    (市長登壇) ◎市長(上田東一君) 久保田彰孝議員の御質問にお答えします。 1件目の1点目、本市墓園条例の内容についてのお尋ねでありますが、本市は、墓地、埋葬等に関し、環境の整備を図り、公共福祉に寄与することを目的に、花巻市墓園条例を制定しております。 本条例は22条から成り、その基本的な内容でありますが、市営墓園の設置に関する事項、市営墓地の使用資格に関する事項、市営墓地の使用の許可に関する事項、市営墓地の使用料等に関する事項、死体埋葬等の禁止に関する事項、市営墓地の使用権の承継、使用方法、禁止行為に関する事項などを定めております。 次に、2点目の使用状況についてのお尋ねでありますが、令和元年5月22日現在における市営墓園全体の利用状況は、全2,555区画中、2,479区画が使用され、空き区画数が76区画となっておりますことから、使用率は97.0%となっております。 各市営墓園の使用状況につきましては、松園墓園は、全1,122区画中、1,116区画が使用され、空き区画数が6区画となっておりますことから、使用率は99.5%となっております。高木墓園は、全448区画中、396区画が使用され、空き区画数が52区画となっておりますことから、使用率は88.4%となっております。石沢墓園は、全793区画中、780区画が使用され、空き区画数が13区画となっておりますことから、使用率は98.4%となっております。東和墓園は、全192区画中、187区画が使用され、空き区画数が5区画となっておりますことから、使用率は97.4%となっております。なお、舟田墓園につきましては、現在、新規の使用許可はしておりません。 次に、3点目の墓園情報の周知方法についてのお尋ねでありますが、市営墓園に関する情報の周知方法は、市のホームページへの掲載のほかに、生活環境課、石鳥谷総合支所市民サービス課、東和総合支所市民サービス課の窓口において、随時、市民からの相談を受け付けております。 また、市では、平成31年2月25日に花巻市公式ホームページをリニューアルし、ホームページ全体を宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」を連想させる青を基調としたデザインに一新するとともに、探したい情報までの導線を明確にするため、総合トップページを採用しました。 花巻市公式ホームページは情報量が多いため、ジャンル別に階層を分けて目的の情報にたどり着くような仕組みとなっておりますことから、新しいホームページでは、どのページからでも「くらしの便利ショートカット」が使えるように改善しております。くらしの便利ショートカットの中には、「おくやみ」という項目を設定しておりますので、そちらから各種手続や、斎場・墓園を御案内するような仕組みとしております。 ホームページは大変な量がありますので、改善してもなかなかアクセスは難しいという方もいらっしゃるかとは思いますけれども、そのような工夫をしているということでございます。 さらには、項目を会話形式で検索していくだけで目的のページに案内するチャットボットの導入や、サイト内検索の位置を大きくし目立つ位置に配置するなど、従前のホームページと比べて、目的のページを探す手段の選択肢をふやしております。 ちなみに、チャットボットについては、AIの導入も考えたわけでございますけれども、まだ費用がかかるということで、今回は見合わせたわけでございますけれども、将来的には、AIも導入しながらさらにアクセスしやすくするように工夫してまいりたいと考えております。 松園墓園墓地の新規使用につきましては、平成29年9月に空き区画がなくなり、返還により空き区画が生じた場合でなければ受け付けできない状況となりましたことから、新規使用者の受付を公募により行うこととし、平成30年3月に5区画、平成31年2月に11区画について、松園墓園墓地の新規使用者を募集しております。 松園墓園墓地使用者の募集に関する市民への周知は、広報はなまきや市のホームページ、生活環境課窓口で行っております。 平成31年2月に実施しました松園墓園墓地使用者の募集につきましては、広報はなまき2月1日号への掲載と市のホームページ、生活環境課窓口により行い、申し込み受け付け期間の平成31年2月4日から平成31年2月28日において22名の応募を受け付けております。 なお、区画面積が12平方メートルとほかの区画と比べ大きい1区画につきましては、応募者がいなかったことから抽せんは行いませんでした。 松園墓園につきましては、今後も、年1回程度、返還された区画について新規使用者を募集してまいります。 次に、4点目の墓地公園をつくる計画についてのお尋ねでありますが、市では、平成29年に実施した調査において、市内の寺院墓地に合計1,300以上の空き区画があることを把握しております。 また、近年は、核家族化、少子化、生涯未婚率の上昇といった世帯構成の変化や、人口減少社会の到来により、墓地の継承者となる跡継ぎの不在が、今後大きな課題となることが予想されますことから、家の枠組みで継承を前提とした従来の墓に対するニーズは減少し、合葬式墓地などニーズが多様化することが想定されます。 このことは、既存の寺院墓地や市営墓園において、空き区画の増加や無縁化につながる可能性がありますことから、墓園需要の増加に対し、個々に区画された墓地の供給を続けることは供給過剰の状態を招き、墓地の安定的な運営に支障を来すおそれがあります。 現在、墓地の新規使用許可申請を受け付けている市営墓園のうち、高木墓園、石沢墓園、東和墓園においては、使用率は高いものの1年間を通してみますと、永代供養や市内外への改葬等を理由に返還される区画と、新規使用許可申請数が同数程度で推移しておりますことから、しばらく待機者は発生しないものと考えております。 待機者が発生している松園墓園におきましても、永代供養や市内外への改葬等を理由に返還される区画が増加傾向にあることから、墓地公園を含め、喫緊に新たな市営墓園整備や既存の市営墓園の増設を行わなければならない状況にはないものと考えております。 しかし、生活圏域に比較的近いところに墓地を求める傾向は、今後も継続するものと推測されますことから、市といたしましては、各市営墓園の使用状況を注視しながら、必要に応じて既存の市営墓園内の利用可能な土地を活用した増設を検討してまいります。 2件目の公契約条例についての1点目、本条例の趣旨についてのお尋ねでありますが、本条例は市が公契約を締結するに当たり、その契約内容が適正に履行され良好な品質が確保されるとともに、労働者の適正な労働条件を確保するため、労働条件の確保にかかわる法令を遵守し、その状況を報告及び調査することについて定めたものであります。 次に、本条例の施行前後で変化した点についてのお尋ねでありますが、本条例は、岩手県の県が締結する契約に関する条例が平成27年4月1日に施行されたことを受け、当市におきましても公契約条例の制定について調査、研究を重ね、平成29年12月定例会に議案を上程し、平成29年12月7日に公布、平成30年4月1日から施行したところであります。 このため、実績につきましては昨年度分のみ、平成30年度分のみということになりますが、平成30年度におきましては、清掃、警備、一般廃棄物収集運搬、駐車場管理、施設における来訪者の受け付け、または設備の運転及び保守に係る業務のいずれかを含み、予定価格が1,000万円以上である業務を委託した契約22件について、当該業務に直接従事する労働者の1時間当たり賃金額及び社会保険への加入状況等について報告いただいたところです。 報告をいただきました22件の内訳は、清掃、警備を主とする施設の管理業務が7件、し尿収集運搬業務が3件、一般廃棄物収集運搬業務が10件、設備の運転及び保守を主とする施設の維持管理業務が2件となっておりますが、報告によりますと、全てにおいて、賃金及び社会保険に関する法令が遵守されている、そのような報告いただいております。 また、このほかに報告の対象となる、予定価格が1億5,000万円以上と多額である工事の請負契約及び指定管理者の募集の際に基準額として明示する指定管理料が年額1,000万円以上である施設の指定管理に係る協定につきまして、これはその基準に満たす工事の発注、あるいは指定管理の発注がなかったということでございまして、平成30度中には報告の対象となる案件がなかったというところでございます。なお、工事の請負契約につきましては、昨年12月に契約を締結し、今年度に繰り越して施工しております、東和コミュニティセンター新築(建築)工事が報告の対象となっているところであり、下請工事の施工が集中する6月期を対象として、7月中に報告をいただくよう受注者に対し依頼しているところであります。 条例施行以前の状況におきましては、条例を制定するに当たり花巻労働基準監督署から実態をお伺いしたところ、一定数の業者を抽出して賃金額の調査を行っている中で、一部業者においては最低賃金額を下回る賃金の支払いが見受けられたものの、その都度、行政指導により改善を図っているとのことでありましたが、業者名は明らかにされなかったため、市が発注する業務の相手方であったかは特定することができず、したがいまして、条例施行以前の状況は、最低賃金についても把握できなかったということでありましたので、条例施行後との比較はできないということであります。しかしながら、本条例の施行におきましては、対象となる契約が本条例に規定する特定公契約に該当する旨を記載した書面を、業務履行場所や事務所など労働者から見やすい場所に掲示するか、または直接配布して労働者に明示することとしておりますことから、事業者及び労働者の意識啓発が図られたものと考えております。 次に、賃金条項を新設する考えについてのお尋ねでありますが、最低賃金に関する最低賃金額を上回る金額を条例において規定する、いわゆる最低賃金条項につきましては、条例案の検討において確認した他自治体の先行事例の中には、議員御指摘のとおり、賃金条項を設けた条例として制定している自治体もありましたが、当市が参考とした岩手県の、県が締結する契約に関する条例においては、賃金条項は設けていないところであります。 本条例におきましては、最低賃金法に基づく最低賃金を含む労働条件について法令を遵守することにより、労働者の適正な労働条件を確保することを目的としたものであります。また、最低限の法令遵守を義務づけ、法令を遵守しない事業者を花巻市の公契約の対象外とすることを担っているものでもあります。それらのことから、最低賃金法に基づく最低賃金の遵守とは別に、条例独自の賃金条項は設けなかったところであります。 平成28年3月定例会の照井明子議員からの一般質問にお答えしておりますが、市といたしましては、国全体での公契約法の早期制定が必要であると述べており、賃金条項などは特に、各市町村が独自のものを定めた場合、それぞれの市町村における事業者の競争力に影響するものでありますことから、各市町村がそれぞれの公契約条例に定めるよりも、全国一律の公契約法において定めるべきものであるとの考えについては変わっていないところであります。 ○議長(小原雅道君) 久保田彰孝君。 ◆2番(久保田彰孝君) まず、墓園についてお伺いいたしますが、使用状況が大変高いと私は評価いたしているのですが、そういう意味では近々こういうところに墓園を拡張するだとかというふうなことは考慮していないと理解してよろしいのですか。 ○議長(小原雅道君) 布臺市民生活部長。 ◎市民生活部長(布臺一郎君) お答えいたします。 先ほどの市長の答弁にもありましたように、現状で見ますと、喫緊に空き区画が足りなくなるという状況は予想されておりませんので、そういった意味では整備の予定というものは現在のところありませんが、様子を見ながら、場合によってはまだ造成可能な土地がある、そういう墓園もありますので、そういうところについては今後検討していくという、そういう状態でございます。 ○議長(小原雅道君) 久保田彰孝君。 ◆2番(久保田彰孝君) 今、墓地についてもさまざまなニーズがございまして、樹木葬をやるようなところがないのかとか、さまざまあると思いますが、ぜひ、そういう意向をしっかりつかんでいただいて、我々のようなそれこそ間もなく考えなくてはならないような年の方々もふえているわけですから、ぜひそういう意味でその方々のニーズに応えるような方向をぜひ検討していただきたいということとあわせて、市営の墓地公園をつくっていただいたならば、ここで本当に例えば、宮沢賢治の詩碑があったりすると、亡くなった後も家族が来て、宮沢賢治の思いを語り合うだとかいうことができるのではないかというふうに私は思っています。これを無理やりやれというふうには思ってはいませんが、ぜひそのことも考慮していくことが必要なのではないかという提案をして、次に進みたいと考えております。 さて、それでは、公契約条例についてでございますが、公契約条例の第1条では、目的として公契約に係る基本的な事項を定めることにより、公契約の担い手である事業者の意識啓発を図り、もって公契約の適正な履行及び良好な品質の確保並びに労働者の適正な労働状況を確保することを目的とするとしております。この目的を見ますと、花巻市と事業者との関係にのみ触れています。ところが、この条例案を議会で審議した際に、花巻市全体に関係することが含まれていないのではないかなどといった指摘があり、市当局は事業者の方々と締結しようとする公契約の業務に従事する労働者の方々の適正な労働条件を確保するということを一番に考えたというふうに答弁しております。公契約条例そのものを望んだ方々は、公契約条例が地域経済及び地域社会の活性化に期するということや、地域経済の牽引者、リーダー的役割をこの条例に期待したのではないでしょうか。そういう立場から見ますと、この条例をどのように捉えるべきなのか、市当局が考えていることをもう一度伺いたいと思います。 ○議長(小原雅道君) 松田財務部長。 ◎財務部長(松田英基君) 市の公契約条例につきましては、ただいま、議員も申し上げましたとおり、市と受注者と、そしてさらにはその下請事業者の方の双方の責務を明確にするということが1点ございます。それに合わせまして、従事する労働者の労働条件を確保するということで、それにかかわる法令を遵守していただくと。そのことによって労働者の適正な労働条件を確保していくことにつながっていくというふうに考えてございます。そういった目的で制定した条例でございまして、あくまでも雇用者側として、働く方々のために法令どおりの労働環境を整えていただくということを意図したものでございますので、そういったところを本条例の趣旨としているところでございます。 ○議長(小原雅道君) 久保田彰孝君。 ◆2番(久保田彰孝君) 私は、この公契約にかかわる仕事に携わっている事業者及び労働者が大変少ないのではないのかということで認識いたしましたが、先ほど、市長の報告の中でも、工事にかかわる特定業社、特定の事業を行った業者はまだなかったという報告でございますので、私はこの間、この公契約条例について御存じですかと関係するのではないかと思われる方々に5人ほど伺ったのでありますが、知っていると答えたのは5人中1人だけでございまして、この条例の趣旨を十分、市として市民の方々、関係者の方々に説明してきたのか、その辺がどのようになっているのか伺いたいと思います。 ○議長(小原雅道君) 松田財務部長。 ◎財務部長(松田英基君) 条例制定の際には、事業者の団体の方々、そして労働関係団体の皆様、さらにはそういった有識者の方々の意見も聞いて制定したわけでございまして、その時点では、先ほど議員からもお話がありました、公契約条例の手引なども使いながら周知に努めたところでございます。あわせて市でも当然ホームページ等でもこの手引等を掲載して周知には努めているところでございますし、また、公契約を締結いたしました事業所におきましては、市との契約が特定公契約に該当する契約であるという趣旨、それから最低賃金の額ですとか雇用保険等に加入する義務があるといったようなこと、さらには、相談窓口として市の契約管財課と労働基準監督署の電話番号やそういったものも書いた紙を、労働者の方に見える場所に明示する、あるいは直接お渡しするということで、周知を図っていただくということにも取り組んでございます。まだ、もしかしたら自分が直接関係するような、そういった特定公契約に従事しているのだという認識を捉え切れていない方もいらっしゃるかもしれませんけれども、そういったことで周知には努めているところでございます。 ○議長(小原雅道君) 久保田彰孝君。 ◆2番(久保田彰孝君) 工事における公契約の特定業者の基準が1億5,000万円の工事額と設定してございますが、そもそも、この金額自体が高いのではないかというふうに私は思っています。あるところに行きましたら、うちB級だから5,000万円までしかできません。ですからこの特定事業者には該当しないのですよというふうなことを言われました。そういう意味では、やはり最低でも4,000万円のところの工事額に設定して、いろいろな形でやはり花巻市がかかわる、発注する工事の様子が逐次わかるような、やはり制度としてこの公契約条例を使っていくということが必要なのではないかと思いますが、この設定した工事額を変更する考えはございませんか。 ○議長(小原雅道君) 松田財務部長。 ◎財務部長(松田英基君) 条例制定の際に、特定公契約の工事の額を1億5,000万円としたというのは、当市でも条例制定の際には、県の条例を参考にさせていただきまして、県のほうでも議会の議決案件としております5億円以上の工事ということになってございましたので、当市においても議会の議決を得るべき金額ということで1億5,000万円に設定させていただいたという経緯がございます。ただ、昨年度1年間、実際にやってみまして、報告に該当する工事はなかったわけですけれども、昨年度締結した東和コミュニティセンターの整備事業などは、一番下請け等が発生するその時期を選んで今年度、今月を対象に報告いただくことにはしてございますけれども、今後の大規模な工事等の状況といいますか、そういったものも見通しますと、やはりこの金額に該当する工事というのもなかなか今後もないのではないかというのも内部で話し合ってございます。したがいまして、金額がどうこうというのは、今、お話しはできませんが、そういったやはりこの条例がそういった特定公契約でそういった労働者にちゃんと法令を遵守しているかということを促していく条例だということの趣旨から考えますと、もう少し対象になる工事等を広げていくというようなことも検討しなければならないかというふうには考えてございます。 ○議長(小原雅道君) 久保田彰孝君。 ◆2番(久保田彰孝君) ぜひ、せっかくつくった条例が該当する業者がいなかったということになれば、何のためにつくったのかということになりかねないと思います。そういう意味では、ぜひ検討していただいて、やはり花巻市の工事にかかわる業者がどのような状況の中で労働者の皆さんを働かせているのか、働いているのかということをしっかりとつかんでいく意味からも、やはり検討していただきたいというふうに思うところでございます。 さて、賃金条項について、条例制定の際の議論の中にもたくさん出てきたのだと思いますが、私ここで、岩手県議会でこの問題について議論した経緯がございまして、その内容について皆さんにちょっと報告しながら市としてどう考えるかお聞きしたいというふうに思っております。 これは、昨年の12月12日に行われた岩手県議会での問題について、日本共産党の斉藤県議会議員がやりとりした内容について、ちょっと最初に皆さんにご報告したいと思います。 斉藤信県議は、次のように言っております。「建設業労働者の確保は、私は急務の課題だと思いますが、大工さんの賃金が設計労務単価2万5,000円に対して1万2,900円しか払われていないと、これは建設労務単価のわずか51%です。私は岩手県が発注する公共事業において、このような状態ではあってはならないと、公契約条例を見直して、設計労務単価のせめて8割の賃金を公共工事では保証する、こういうことをやらなかったら大量に退職する建設労働者の確保はできないと思うけれどもいかがですか」という質問を向けています。それに対して答弁は、「まず県が締結する契約に関する条例の制定過程におきましては、広くさまざまな関係団体から御意見を伺いまして、賃金状況や罰則規定のあり方についてさまざまな考え方や御意見がありましたと。その点について集約が困難だったということで、県としては盛り込まなかったものでございますけれども、今年度におきましては、同条例附則の規定に基づきまして、社会経済情勢の変化等を勘案しつつ、条例、施行の状況について検討を加えることとしておりますことから、ほかの都道府県調査や労使団体等からの意見聴取などを進めながら岩手県契約審議会において、今、御審議をいただいているところでございますということで、審議が始まっているということを報告され、そして、去る11月27日に開催いたしました、今年度第2回の岩手県契約審議会におきましては、これらの調査結果等を踏まえまして、今後検討を進める上での論点について、賃金条項も含めます4つの項目を設定して、今後、議論を深めていくこととして整理しているところでございます」という答弁でございます。 そういう意味では、県議会の中では、既に公契約のあり方について、もう一度賃金条項なども含めて検討していくのだということが表明されているのですが、このことについて市の関係者、当局はどのようにお考えでございますか。 ○議長(小原雅道君) 松田財務部長。 ◎財務部長(松田英基君) 賃金条項につきましては、確かに県議会でもそのように話し合われているということですけれども、市としたしましては、あくまで市の条例というのは、従事する労働者の労働条件の確保に関する法令を遵守していただくということを一番に考えてございます。さらに、先ほど御答弁申し上げましたとおり、そういった各市町村独自で賃金条項を設けるということは、やはり市内の事業者のそういった競争力にも影響するということあるかと思いますし、また、他の自治体との競争といいますか、そういったものにも影響が及ぶということもあるかと思いますので、やはりそういった県の動きとか、他自治体の動き、さらには国の動きというのも見ながら検討していく必要があるかと思います。今すぐに、それによって県のほうでも考えているので市のほうでも賃金条項をというような考えでは今のところはございません。そういった状況を見据えていきたい、把握していきたいというふうに捉えてございます。 ○議長(小原雅道君) 久保田彰孝君。 ◆2番(久保田彰孝君) 花巻市の公契約条例では、基本的には賃金は最低賃金を守っていただきたいと、そして社会保険や年金などを掛けていただきたいということになっていますが、ところで昨年の10月1日時点では、東京の最低賃金は幾らになっておりますか。 ○議長(小原雅道君) 松田財務部長。 ◎財務部長(松田英基君) 申しわけございません。今、東京等の賃金の額の資料は持ってございませんが、岩手県が760円に対して200幾らだったかさらに上回っているかというふうに捉えてございます。 ○議長(小原雅道君) 久保田彰孝君。 ◆2番(久保田彰孝君) 昨年の10月に新しく報告になりましたが、東京は985円になっています。岩手県は762円で公契約条例を結びますと762円以上払ってくださいという内容のものが市から届く仕組みになっております。そこで、その差が実は223円になっているのですね。この差というのは、本来は縮めていくことが国の狙いでもあったのですが、ところが毎回のように発表になると東京と、高いところと低いところの差が縮まらないという状況がありまして、223円といいますと、大変大きな金額になるのです。ですから、私は試算しまして1日8時間労働する、月に22日労働すると年間通すと幾らになるかを計算いたしました。そうしますと、47万976円になります。つまり、東京で同じように働けば47万976円高くもらえるのに、岩手県で働くことによって、47万円も低いというふうに差がつくわけですよね。ですからこの差というのはどういうことで差がつくのか、その根拠については十分明確にされていないと思っていますが、そういう意味では、岩手県の労働賃金が全体として低く抑えられられているという状況だと思います。既に国内でも都道府県ごとの最低賃金については、これは全国一律の最低賃金に画一すべきだと、その金額も1,000円以上とすべきという世論が沸き起っております。花巻市議会でもこの間の3月定例会におきまして、中小企業で働く労働者の賃金を引き上げるために、中小企業とそこで働く労働者の社会保険料負担や、税の減免制度などを実現することという国に対する意見書を出しました。そうしてでも、やはり中小業者の賃金を引き上げるべきだというのが議会の意見だったと思いますが、そういう立場から見ますと、一般的に最低賃金を守ってくださいということでは、本当に労働者の暮らしを守るということにはならないと思いますので、国に対しても市長は、やはり一つの国に対する意見を全国的にまとめて、全国一律の公契約制度などをつくるべきだというふうな答弁もいただきましたが、私はやはりそういう姿勢が、今、求められているのではないかと思いますし、できれば、花巻市の公契約条例がこの地域の中での、いわゆるさまざま働く方々、業者の方々の契約が労働者の賃金をしっかりと守るような契約にするためにも、公契約がその先陣を切るべきではないかというふうに私は思っているのですが、改めて、市当局の見解を伺いたいと思います。 ○議長(小原雅道君) 松田財務部長。 ◎財務部長(松田英基君) 繰り返しになりますが、当市の条例につきましては、まずは、市、受注者、そして下請のそれぞれの責務を明確にすることだということ、それによって、労働者の適正な労働条件を確保することだということで、そういった賃金額がどれくらいが適正でそれを最低限保障するべきだというような趣旨の条例とは、まずはしていないということでございますし、先ほど御答弁申し上げましたとおり、やはり賃金というのはその地域だけでこれぐらい確保すればいいだろうというようなものとは、また違うかというふうに思いますので、やはりそういった国なり県なりの大きな自治体の枠の中で考えていくべきものと考えてございます。 ○議長(小原雅道君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) やはり、労働者の賃金を上げるということは大事だと思います。ただ、その中でやはり公契約の場合に、市民の負担で例えば工事請負代金を払っているわけですね。そういう意味で設計単価の2万5,000円が今の市民の全般的な給与レベルと比べてどうなのかという、そういう評価はいたしませんけれども、我々感じるのは、やはり国の定める公契約の設計単価は実は高いのではないかと、そういうふうにも思っています。そういう中で、市がお出ししていただきたいことは当然、そうなのですけれども、あまりにもほかの産業と比べて、高くなり過ぎることがほかの産業に対するゆがみにもなる、要するに人手不足の中で、ほかの産業でも人手不足で困っているわけなので、こういう例えば工事請負契約だけを高くするということも、これもはやり問題があるかもしれないと思います。そういう中で、最低賃金条項が今の形でいいかどうかということについては、もちろんいろいろな議論があると思いますし、少しずつ上げていくべきであるということについては、そのとおりだと思いますけれども、そこを市が、このたくさんある中で必ずしも財政がほかの県内の市と比べても豊かではない市が真っ先にやるということについては、やはり市民全般に対する負担にもなるということも考えなくてはいけないということであると思いますので、私は難しいのではないかなと考えております。 以上です。 ○議長(小原雅道君) 久保田彰孝君。 ◆2番(久保田彰孝君) どのように賃金を設定するかによって、さまざま見解が違ってくるのかというふうに思いますが、しかし、市の税金でやる仕事であるからこそ、そこで働く労働者にもそれなりの賃金をお支払いすると、それはまた地域に還元になるわけですから、そういう意味では極端な差があること自体は問題なのかもしれませんが、やはり市が行う工事や仕事については、市民にも還元する立場からも一定の水準を保った、やはり給料を支払うということは必要というふうに考えております。先ほど、最低賃金で計算した際に、東京と岩手では47万円も違うのですよという計算をしましたけれども、やはり岩手の賃金水準が低いことが全体として、私は3月定例会の際に大学への進学率を調べました。そうしますと、最低賃金、岩手は全国で下から2番目ですね、いつも大体。そういうことを見ますとやはり進学率についても30%台で、全国から比べても低いと。そのときに東京は70%の進学率というふうなことからすると、やはり学ぶ機会も少なくなってきている、機会が少なくなっていると思わざるを得ません。そういう意味で、この公契約というのは市が結ぶ契約においてしっかりと地域のリーダー的役割を果たしますよという性格の条例だと私は思っていますので、そういう立場を堅持しながら、今後、県でも検討がなされるようですから、そういった動向もしっかり見ていただいて花巻市の条例にも反映していただきたいものだというふうに考えております。私が準備いたしました今回の質問は以上でございますので、これにて質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 ○議長(小原雅道君) 以上で、久保田彰孝君の質問を終わります。 昼食のため、午後1時10分まで休憩いたします。     午後0時8分 休憩     午後1時10分 再開 ○副議長(藤原晶幸君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。 次の質問者、佐藤現君。(拍手)    (佐藤 現君登壇) ◆7番(佐藤現君) 議席番号7番、市民クラブの佐藤現でございます。 通告に従いまして、3件について順次質問いたしますので、御答弁をよろしくお願いいたします。 1件目は、土地改良事業における市の助成についてであります。 花巻市では、担い手への農地集積が他の市町村に比べ進んでいます。しかし、集積は進んでいるものの条件の悪い圃場が多数見受けられます。 国は担い手への農地集積、集約化を推進するとともに、農地の畦畔除去等による区画拡大や暗渠排水整備等を迅速に進めるため、農地耕作条件改善事業を平成27年から実施しております。 農家の作業環境、収益性の面からも暗渠排水整備は必要と考えます。特にも麦、大豆等の栽培が可能となるドレンレイヤー工法ともみ殻補助暗渠の組み合わせは、田、畑の汎用化に重要な工法と思っております。 県の土地改良事業の暗渠工事については、この工法が採用されています。私も、以前に、田んぼがぬかってコンバインが回転できなくて、近所の人に引っ張ってもらったことがありました。そのような圃場が、この工法で工事した翌年には、普通に回転できるだけでなく、軽トラックでも圃場を走れるようになりました。この工法は田にも畑にも有効な工法と考えられますが、事業創設当初の暗渠排水工事の助成額が10アール当たり15万円の定額助成でありました。しかし、平成29年から、掘削同時埋設工法は半分の10アール当たり7万5,000円に減額となり、農家負担が増大しました。この農家負担を軽減するため、市でも助成すべきと考えます。 なお、今年度から市の助成分の経費は市債発行の対象になると聞いております。市は農地耕作条件改善事業等に係る区画拡大、暗渠排水等に対し、助成する考えはないか伺います。 2件目は、花巻空港駅前の駐車場についてであります。 花巻市の東北本線に3つの駅がありますが、花巻駅と石鳥谷駅には市営の時間貸しの駐車場がありますが、花巻空港駅にはありません。 毎日電車で通勤する人たちは、月決め駐車場を利用しているので困ることはないと思いますが、盛岡方面に月に数回、週に数回電車を利用する近隣住民からは、不便に思っている、花巻空港駅にも欲しい、と聞いております。 また、石鳥谷駅前駐車場は一昨年から利用可能となっていますが、石鳥谷駅前駐車場ができる前から、花巻空港駅に駐車場が欲しいと市に要望していたとも聞いております。花巻空港駅前は朝夕、高校生等の送り迎えの車両で大変混雑しております。八重畑、八幡、湯本、宮野目、東和から花巻空港駅を利用して通学している子供たちが多数あります。特にも、夕方、上り、下りの電車が同じような時刻に到着する時間帯は非常に混雑いたします。花巻空港駅近隣の住民の利便性を向上させるため、花巻空港駅前駐車場を新設する考えはないか伺います。 3件目になりますが、公立保育園等の民営化についてであります。 石鳥谷地域には5つの保育園があります。当初は4つの民営保育園と1つの町立保育園でありました。平成8年に、子供の数が少なくなってきたことと保育士の継続雇用のため、4つの民営保育園が合併いたしました。そこで、社会福祉法人石鳥谷町保育協会が発足しました。その後、平成17年に、今の花巻市が合併する前なのですが、石鳥谷町立保育園が石鳥谷町保育協会に移管されました。移管の1年前ほどから地元説明会を何度も開催しましてからの移管となりました。町立保育園の施設は、昭和44年から余り補修されておらず古いままでしたが、移管が決まり、施設は多少補修されましたが、古い遊具を撤去しただけとか、内装をちょっといじっただけでございました。 花巻市においても、統合や民営化を進めているところではありますが、幼児教育・保育の無償化により市の負担がさらにふえるところであり、民営化することにより市の負担が軽減されるものと思っております。 環境の変化による子供への負担、特別な支援が必要な子供に対する受け入れ態勢、営利企業の撤退等、継続的な保育の保証が懸念されるかもしれませんが、子供は環境の変化にはすぐなれると思います。 特別な支援の必要な子供は、こども発達相談センター、イーハトーブ養育センター等を充実されることで対応できると考えております。 継続的な保育の保証については、利益を迫求しない社会福祉法人等に移管することで対応可能と考えております。 老朽化した施設の改築、改修についても、公立よりも民営施設の方が交付金の対象となり経費の確保が容易になると思われますが、今後の民営化の予定について伺います。 以上、3件について、登壇しての質問といたします。答弁よろしくお願いします。(拍手) ○副議長(藤原晶幸君) 上田市長。    (市長登壇) ◎市長(上田東一君) 佐藤現議員の御質問にお答えします。 1件目の土地改良事業における市の助成について、農地耕作条件改善事業にかかわる暗渠排水工事等に対し、市が助成する考えはないかとのお尋ねでありますが、農地耕作条件改善事業につきましては、議員御指摘のとおり、平成27年度より始まった事業であり、農地中間管理機構、都道府県、市町村、土地改良区、農業協同組合、農業法人等が事業主体となり、多様なニーズに沿ったきめ細かな耕作条件の改善が可能となるよう、既に区画が整備されている農地の畦畔除去等による区画拡大や暗渠排水整備等を農業者の自力施工も可能とし、迅速な施工を推進するなど、農地中間管理機構による担い手への農地集積、集約化を加速させるとともに、高収益作物への転換を推進することを目的とした事業となっております。 花巻市内における農地耕作条件改善事業の実施状況につきましては、平成27年度から土地改良区が事業主体となり取り組んでおり、平成30年度において、土地改良区の事業実施主体で4地区合計65.59ヘクタールの暗渠排水工事を実施しており、令和元年度は、5地区合計約29ヘクタールの暗渠排水工事を予定しております。 農地耕作条件改善事業における暗渠排水工事につきましては、ドレンレイヤーと補助暗渠による工法は、農地耕作条件改善事業において掘削同時埋設工法に当たるもので、当初は10アール当たり15万円の定額助成単価でありましたが、平成28年10月11日以降、10アール当たり7万5,000円に見直しされております。 農林水産省では、標準的暗渠排水工事費を平成27年度当初、約30万円と見込み、その2分の1相当として10アール当たり15万円の定額助成単価としておりましたが、会計検査院の実地検査により、暗渠排水工事費が農林水産省で算定していた標準的暗渠排水工事費約30万円よりはるかに少ない事業費にもかかわらず、定額助成の15万円の交付を受けるなど不適切な事案が指摘されたことを契機として、農林水産省において実際の作業内容や工法等を踏まえ、より実態に見合った事業費を積算し、平成28年10月11日以降、現場条件を踏まえ、暗渠排水工事を工法ごとに細分化し、標準的事業費の2分の1相当額の助成単価に見直されたものであります。 見直しされた助成単価は、実態に応じた適切な助成制度に農林水産省として変えたものであり、その結果、当初農林水産省が利用者の費用負担として考えた15万円よりも少ない金額で、例えば、工事費が約15万円の場合であっても7万5,000円の助成費は2分の1となるという考え方から、そのように変えたものと認識しております。 また、市が助成した場合の経費が令和元年度から市債対象となることにつきましては、国では、令和元年度から土地改良事業における地方公共団体の負担割合の指針、いわゆるガイドラインにおいて、団体営事業の圃場整備について、国50%、県14%、市町村13から21%、農家負担15%から23%などの負担割合の指針を設定するとともに、地方財政措置の拡充を行い、農地耕作条件改善事業などの非公共の団体営土地改良事業についても、市が一部負担した場合において、市の負担部分について一般補助施設整備等事業債、充当率が90%、交付税率が20%でございますので、市の負担は残りの82%になるということになりますが、そのような市債の対象として、市が一般補助施設整備等事業債を財源とすることを可能としております。 しかしながら、現時点において国からガイドラインが示されているものの、岩手県はこのガイドラインに基づいて、県が農業農村整備事業の団体営事業の一定負担をするという方針はありません。 また、仮に市がガイドラインに基づいて負担するとした場合において、市の負担部分の財源として90%について一般補助施設整備等事業債、あとの残りの10%は一般財源になるわけでございますが、その事業債を活用することはできますが、この事業債の交付税措置率は、先ほども申し上げましたとおり20%にとどまっており、交付税措置率70%の合併特例債や過疎債に比べると、返済にかかる市の一般財源による負担ははるかに大きいものとなります。 したがいまして、一般補助施設整備等事業債を活用できるとしても、その時点では一般財源は10%にとどまるわけですけれども、後年における市の負担をふやすこととなることから、慎重に対応する必要があると考えております。 次に、2件目のJR花巻空港駅前に時間貸し駐車場を市が新設する考えはないかとのお尋ねでありますが、市におきましては、平成28年度、利用者の声があったことから、石鳥谷駅前駐車場の整備に先んじて、JR花巻空港駅前への時間貸し駐車場の整備につきまして検討をしたところであります。 御記憶の議員もいらっしゃるかと思いますけれども、このJR花巻空港駅前において、駐車場の整備を検討する中で、石鳥谷駅前にも同様に駐車場整備が必要だということで検討したわけでございますけれども、石鳥谷駅前については、地域住民の方々の御理解をいただいたわけで、石鳥谷駅前の時間貸し駐車場整備ができたわけでございます。 JR花巻空港駅前につきましては、整備用地の候補地といたしまして、JR花巻空港駅前にあります「賢治ふれあい広場」や駅周辺の私有地につきまして、活用が可能かどうか、地域の関係者に打診したところであります。 「賢治ふれあい広場」につきましては、地域においてさまざまな場面で利用しており、時間貸し駐車場の整備については、地域の方々の同意が得られなかったところでございまして、それに加えまして、地形的に道路との高低差があること、それも一つの理由にはなっております。しかしながら、私どもの認識しているところとしては、地域の方々の同意を得られなかったということが最も大きい理由でございました。 また、私有地につきましては、余り面積が大きくないことから、車の出入り方法や駐車可能台数の設定が難しいことなどの課題があったところでございます。 市がJR駅前に整備した駐車場といたしましては、平成29年9月1日に私有地を活用いたしまして、月決め駐車場と時間貸し駐車場を併設して供用開始したJR石鳥谷駅前駐車場がございます。先ほども申し上げましたように、この土地については、市が従前から持っていた土地でございます。新たな買い入れはしなかったということです。 そのうち時間貸しの駐車可能台数は36台であり、JR石鳥谷駅利用者のほか、駅周辺店舗の利用者や駅利用者の送迎をする方などが利用されているものと認識しております。 利用状況につきましては、1日当たりの利用が平成29年度では15台、平成30年度では10台程度と減少傾向にありますほか、そのうち約4割が1時間以内の無料駐車となっておりますことから、料金収入が少なく、新幹線の新花巻駅前の駐車場とは異なり、駐車場の維持管理費が料金収入を大幅に上回っている状況にあります。 そのようなことで、現時点においては、JR花巻空港駅前における駐車場整備については検討しないところでございますが、JR花巻空港駅とJR石鳥谷駅につきましては、それほど遠くない距離にありますことから、当面はJR石鳥谷駅前駐車場を御利用いただきたいと存じます。 市といたしましては、減少傾向にありますJR花巻空港駅からの乗降人数の推移やJR石鳥谷駅前など近隣駐車場の利用状況、維持管理費とのバランスなどを踏まえ、JR花巻空港駅前への駐車場整備の必要性や、整備することとした場合の土地、位置や規模などを、その時点において検討して見きわめてまいりたいと考えております。 そのほかにつきましては、教育長から答弁いたします。 ○副議長(藤原晶幸君) 佐藤教育委員会教育長。    (教育長登壇) ◎教育長(佐藤勝君) 3件目の公立保育園の民営化の今後の予定につきましてのお尋ねにお答えいたします。 まず、公立保育園の民営化につきましては、地域における少子化の実情に合わせた、子供にとって最善の保育の提供や、人材、財源の適切な配置による質の高い保育の提供、多様化する保育ニーズに対し民間保育園のノウハウを積極的に活用し、柔軟かつ迅速にきめ細やかな保育サービスを提供するため、平成28年3月に策定いたしました花巻市公立保育園再編指針に基づき実施しているところであり、統合の手法とあわせて再編を進めているところであります。 平成27年度から平成29年度までを計画期間とした花巻市公立保育園再編第1期実施計画においては、日居城野保育園、南城保育園、湯本保育園の3つの園の民営化を実施したところであります。第2期実施計画は、第1期実施計画に引き続き、民営化の方法による再編を計画的に実施するため、平成30年度から令和2年度までを計画期間として平成30年4月に策定し、令和2年度からの笹間保育園の民営化に向け、本年4月より1年間の引き継ぎ保育を実施しております。 また、大迫地域の内川目保育園につきましては、平成29年7月に保護者会から内川目保育園の統廃合についての要望書が市に提出され、教育委員会といたしましては、地域の御意見を伺うことが必要と考え、内川目地区の住民の方々を対象としたアンケートの実施や保護者、地域との話し合いを行った結果、今後、内川目保育園への入所者が見込まれないことから、保育園としての保育の機能を果たすために必要な一定数の児童の確保が困難と判断し、平成30年度から大迫保育園へ統合を行ったところであります。 今後の公立保育園の民営化につきましては、現行の花巻市公立保育園再編指針の計画期間が令和2年度までとなっておりますことから、その後の進め方につきましては、第2期実施計画により実施しております民営化の検証や、今後の児童数の状況、さまざまな保育ニーズなどを勘案した上で、公立保育園の役割を踏まえ、来年度の次期再編指針を策定する中で検討してまいります。 ○副議長(藤原晶幸君) 佐藤現君。 ◆7番(佐藤現君) 再質問させていただきます。 1件目の土地改良事業における市の助成ということなのですけれども、先ほど市長の答弁にあったとおり、暗渠排水の今年度の計画が昨年度から比べてかなり少ない。これは農家負担が大きいからだと思います。当初は15万円ぐらいでできたと思いますが、今は平場でも25万円ぐらいかかるはずです。それが7万5,000円の補助ということであれば、とても農家はやろうと思わないと思います。 確かに国は、15万円しかかかっていないから半分にするという話ではありました。でも、実際、今は15万円ではおさまらない、先ほども言いました25万円ぐらいかかります。その差額分が大きいので、少しでも市に負担してもらえないかということでの質問でしたが、最終的に市の持ち出しという、9割持ち出しということになるかもしれませんけれども、農家の今負担するところを減らしてやる。市債なので、まとめてお金返すわけではないと思います。何年かで返すはずなので、農家から手を挙げた人全部にというわけではなくても、ある程度の金額を決めて、そこで何人かに補助してやるぐらいでも何とかできないかなと思っての質問でございました。 ○副議長(藤原晶幸君) 菅原農林部長。 ◎農林部長(菅原浩孝君) 農地耕作条件事業の市の助成の関係で、何軒かの農家というようなお話もありましたけれども、基本的にはこの事業については、市で負担する部分、また農家が負担する分という形で分けるという部分はできないというふうに存じておりますので、また、国のほうで事業費を算定した際にも、各工法ごとに標準的事業費という形で算定されて、その2分の1相当というふうになっておりましたので、現段階においてはあくまでも事業主体等の持ち出し分、あとは国からの定額助成という形で事業を進めておりますし、そういう中で土地改良区等が中心となりながら希望者を取りまとめて、県を通じて国に事業申請をしておりますので、何人かというような形での対応というのはまずできないものというふうに考えております。 ○副議長(藤原晶幸君) 佐藤現君。 ◆7番(佐藤現君) 立場上はわかります。私も以前、おかしいと思いながら、こうですと言われて何も言えなかったということがありました。 でも、事業主体としても持ち出しするわけにはいかないので、どこかからお金が来ないと工事も発注できないというのがあるので、たまたまことしから市債が発行できるということだったので、可能ではないかなと思っての質問でありました。 それから、公立保育園の民営化についてでありますが、今までやってきたことは私も説明を受けたりして知っておりますが、まあ、すぐすぐにはできないと思います。でも、やはり市の負担が少なくなるのであれば民営化したほうがいいのではないかなという思いで質問させていただきました。 イーハトーブ養育センターでしたか、発達障がいの子供、あれは市直営ではなかったですよね。あれを、住民に周知させるというか、利用状況をふやすというか、活用をふやすような手だては何かしているのかということで質問させていただきます。 ○副議長(藤原晶幸君) 高橋健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(高橋靖君) お答えいたします。 イーハトーブ養育センターでございますが、こちらにつきましては、市の社会福祉協議会で運営をしている施設でございます。いわゆる障がい者の自立支援法に基づきます事業を実施しているという中でございますが、利用者をふやすといいますか、養育センターの利用対象者の方につきましては、重度の障がいをお持ちの、特にも18歳以下の子供ということで、そういった部分での需要といいますか、いったようなものについては、今現在足りないというようなお話は伺っていないところです。 ○副議長(藤原晶幸君) 佐藤現君。 ◆7番(佐藤現君) 私の認識が間違っていましたけれども、軽度の障がいの子供も入れる施設だと私は思っていましたので、重度の障がいと限定されているわけですね。 ○副議長(藤原晶幸君) 佐藤議員に申し上げます。 通告に従った質問をお願いいたします。 ◆7番(佐藤現君) では、質問を変えます。 2件目の花巻空港駅前の駐車場についてでありますが、私が何件か聞いた話では、賢治ふれあい広場でしたか、あそこはほとんど使っていないので、あそこでいいのではないかという話を聞いたのですけれども、結局、地元からの反対ということなわけなのですね。 ○副議長(藤原晶幸君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) 地域の方もたくさんいますので、全員が一致ということではないと思いますけれども、地域の組織の中では、駐車場にはできないという意見でまとまったというふうに私どもは伺っているということです。 ○副議長(藤原晶幸君) 以上で、佐藤現君の質問を終わります。 ここで、2時まで休憩いたします。     午後1時45分 休憩     午後2時00分 再開 ○議長(小原雅道君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。 次の質問者、伊藤源康君。(拍手)    (伊藤源康君登壇) ◆23番(伊藤源康君) 23番、明和会、伊藤源康でございます。 通告に従いまして、2つの項目について質問をいたします。 今回の質問は、私が昨年一般質問いたしました項目に対する市当局の答弁内容を参考に質間をしたいと思います。 最初に、大項目の農業振興についての1件目、本市農業の課題と将来像についてであります。 昨年も同様の質問をいたしましたが、そのときの答弁は次のようなものでありました。 水稲生産力の競争力を維持することと園芸作物や畜産の振興を図るが、生産者の高齢化、園芸作物の減少、畜産の自給飼料の確保など大きな課題があるとし、課題克服に向けては農地の集約化や営農組織の法人化の促進、スマート農業の推進、大型圃場整備の推進などを掲げたほか、中山間地域における農地整備事業を導入するとの答弁でありました。 ことしの市長施政方針の中でも、農業経営コスト削減ために、GPS基地局を活用した農業機械の自動操舵システムや農業用ドローンの導入、ブドウ生産振興とワイナリーの整備を促進するなどといった具体策も示されております。 このような答弁内容についてはまさにそのとおりなのでありますが、本市の基幹産業である農業の将来像を語るときに、本市独自の方向性や、本市における産業振興の中に農業をどのように位置づけ、さらには本来日本の農業が持つべき普遍的な価値、農業振興と農村社会あるいは地域社会とのかかわりについてどのような視点を持つのかを最初に示すべきだと私は考えます。 例えば、国が推し進める農業の産業化という政策に対し、このような考え方で地方の農業、農村が本当に守れるのか、産業化の方向に全て反対するものではありませんが、特に中山間地域などにおいては、農業の産業化を推し進める余り、逆に農業離れが進み、結果的には地域の衰退を招くのではないかと私は考えてしまいます。 本市の農業の将来像を示すとき、こうした現実を見据えた視点を持ち、地域の農業の将来像を描くべきだと考えます。 さらに言わせてもらえば、最近地方の自治体が実施できる農業政策の選択肢が過去との比較において広がっているように思います。注目されております農地集積や人・農地プランなどのように、市町村が事業主体となって実施する事業が過去より多くなっているような感じと思うからであります。だとすれば、農業政策の立案においても、花巻らしさを押し出せる可能性が前よりも高くなっていると言えます。 昨年、農村維持のためには小規模農家や兼業農家が担う多様な役割が重要であると、小規模農家の持つ意義に答弁の中で言及をされていますが、その具体的な中身については触れていません。小規模農家や兼業農家の持つ意義をどのように捉えているのでありましょうか。 また、畜産振興についてでありますが、和牛の子牛価格の高騰はとまらず、肥育農家の経営は大変であろうと想像します。現在、枝肉価格の高値に救われているとはいえ安い輸入牛肉がふえ続け、国内産牛肉の自給率は下がり続ける一方であります。 また、子牛の高値が続いているにもかかわらず、繁殖農家の減少に歯どめがかかりません。九州などでは繁殖農家の負担軽減と規模拡大を狙いに子牛の供給センターを設置したり、繁殖、肥育の一貫経営に手厚い助成策を講じたりと思い切った畜産振興策がとられております。我が岩手県は園芸と畜産に活路を見出すべき県なのに、その対応は相変わらず鈍いように思います。本市の中山間地域における農業振興も畜産の振興は大きな課題であると言えます。 その畜産振興に対する昨年の答弁ですが、繁殖と肥育の一貫経営は難しく個々に対応するとの答弁がなされておりますが、一貫経営の推進は難しく個々に対応するとはどういうことなのでしょうか。 この間、市の農業振興対策本部の総会資料を見ましたが、意欲的な事業が数多く展開されていると拝見いたしましたが、一つ一つの施策がどのような目的のもとで展開されているのか明確ではない気がいたしました。 新聞報道によれば、奥州市では市の農林審議会が農業振興ビジョン案を作成し、市長に答申したとの報道がありました。 その内容でありますけれども、まず農業振興における大きなコンセプトを定め、そのもとに5つの方針を掲げ、その下に具体的な施策の体系を示しているとの内容でありました。本市は農業振興に意欲的に取り組んではおりますが、農業ビジョンの大きな目標を掲げ、その下に具体的施策を盛り込んでいくという作業が大切だと思いますが、どのようにお考えなのか改めてお伺いをいたします。 次に、質問の2件目ですが、生産組織の現状と課題、そしてその育成についてお伺いをいたします。 米政策は長年減反政策を中心に進められてきましたが、最近水稲の作付けを自由にするという農政の大転換が図られました。こうした背景もあり、担い手組織への農地集積が進み、本市の実績は全国でもトップクラスであります。昨年、農地の受け手となる生産法人育成に関して、GAPや園芸拡大への取り組みについて質問をいたしました。その際の答弁は、各種の研修会の実施やミニトマトやピーマンなどの拡大にも取り組み、GAPについても認証取得の意向を示している法人があるので指導していくとの回答でありました。しかし、私が見る範囲では、生産組織の園芸への取り組みやGAPへの取り組みはそれほど進んでいないように見えますが、この辺をどのように総括しているのでしょうか。 生産組織の経営内容について、全国の営農生産法人の約7割で収入が減少しているとの報道がありました。特に大規模法人ほど苦戦しているとの内容であり、その主な要因として、水稲の収量低下と園芸品目の生産量の減少などを指摘しておりますが、さらに、高齢化や労働力不足がこの問題の解決を困難にしているとの指摘であります。本市においても同様の傾向が見られ、経営のリスク分散のため多角経営やGAPへの取り組みが進展しないのもこの辺にあると思います。 労働力の不足対応策として、花巻農協では無料職業紹介所「アグリワーク」をこの間開設をいたしました。大いに期待するものでありますが、市は法人の経営内容や課題をどのように捉えているのか、GAPへの進捗状況も含めてお伺いをいたします。 次に、3件目、花巻米の品質と収量の向上も含めた今後の生産販売戦略についてお伺いいたします。同様の質問を昨年いたしましたけれども、土壌改良資材による土づくりの推進や業務用米などへの多収穫品種の導入などを検討すると回答しております。しかし、現実に土壌改良資材の推進は余り進んでいないように思いますし、多収穫品種の導入を検討しているとの話も私には聞こえてきません。 一流の米産地と言われる新潟県魚沼地方の例ですが、昨年魚沼のコシヒカリが特Aを外れたことは大きなニュースとなりました。その後、特A復活を目指して取り組んだことは、土づくりの徹底と適期田植えの励行であります。魚沼がかつてコシヒカリに本格的に取り組んだときに、土壌改良を徹底したという話は有名な話であります。 さらに、魚沼では田植え時期を守るため、コシヒカリ以外の品種も導入すると報道されていました。その後確認はいたしておりませんが、報道どおりだとすれば、魚沼地方としても大きな決断であったと思います。 市内のある法人では、稲の倒伏被害をなくすため収量を犠牲にしていると聞きました。収量を犠牲にすれば収入が減少し、低コストには逆行するほか、法人の経営にも大きな影響を与えることとなります。大規模法人ほど経営が悪化しているとの報道にはこのような背景もあるのではないかと考えています。多収穫品種導入については、県産品種銀河のしずくの普及や複数品種の導入によってカントリー等の施設運営が円滑にいかないなどのリスクもわかりますが、多収穫品種の導入や土づくりについてもっと検討すべきと思いますがいかがでしょうか。 次に、4件目のスマート農業の現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。 本市ではスマート農業の推進にいち早く取り組み、GPS基地局を設置するなど、その取り組みは先進的であります。この間、新潟で開かれました20カ国農業大臣会合において、日本の農林水産大臣が持続可能な農業実現のためにスマート農業の推進を強く提起をいたしておりました。このスマート農業は、省力化はもとより施肥や農薬使用の適正化に結びつくなど、生産環境にも大きく貢献する部分が大きいと言われております。 しかし、今注目を集めているスマート農業ですが多くの課題も抱えています。使用する機器は高額なものが多く、費用対効果を考えると現場への普及はまだ限定的だろうとも言われております。例えば、ある研究機関によれば、スマホで水位を確認する水田センサーは、削減できる労働時間に比べ費用が高額であり、その費用を補うためには5%程度の増収が必要との試算をこの間発表しております。 しかし、幾ら多くの課題があるにせよ、若い担い手にとっては魅力があり、担い手確保といった面からもこれは推進されるべきものと考えますが、現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。 次に、5件目の中山間地域の農業のあり方についてお伺いいたします。 この点について昨年の答弁の中では、市の単独事業などを利用し営農活動の支援を継続するほか、基盤整備などの導入も検討すると答弁をされています。しかし、中山間地帯などでは大型圃場整備は難しく、より畑作転換が可能な圃場整備が必要であると思います。お聞きをしますと、現在いろいろ検討されているとのことですが、その際には集落の話し合いや営農の維持を担える組織の育成などが不可欠となります。中山間地域への農業の取り組みについて改めてお伺いをいたします。 次に、教育振興についてであります。 1件目、市内小中学校再編と(仮称)西南小学校新設への取り組みについてお伺いをいたします。 教育委員会はこのほど、小中学校における適正規模・適正配置に関する基本方針を策定いたしました。この方針は、本市の教育環境の20年後の姿を見通し、小中学校の適正規模と適正配置の望ましい姿をまとめたもので、複式学級の解消と少子化による児童生徒の減少などを踏まえて学校の統廃合を検討するとしています。地域説明会などを開催したと伺っておりますが、その際どのような声が市民から寄せられたものかも含めて、今後の取り組みについてお伺いをいたします。 また、仮称ではありますけれども、西南小学校の新設についてもあわせてお伺いをいたします。同様の質間は2年前にもいたしましたが、そのときの教育長からの答弁は「笹間地区は第二小の存続を求めており、今後、地域の皆さんから御意見を聞きたい」とのことでありました。御存じだと思いますが、昨年の笹間地区統一要望からは笹間第二小学校の存続は取り下げておりますし、笹間第二小学区の地区民で組織する「笹間第二小を存続する会」では、昨年の総会において名称を変更し、実質統廃合反対の運動をやめるとの決断をいたしました。 私はこの決断はとても重いものだと考えております。まだ一部に統廃合反対の声があるのも承知をしておりますが、私の知る範囲では、西南地域の大半の住民が新設の(仮称)西南小学校を望んでおります。小中一貫校のモデル校として、西南地域に新しい(仮称)西南小学校を新設する考えがないのか改めてお伺いをします。 次に、2件目、中学校の部活動指導員配置の効果と課題及び今後の取り組みについてお伺いをいたします。 本市では、昨年度市内の中学校に2名の部活動指導員を配置し、今年度はさらに増員すると伺っております。部活動指導員の配置は、適切な部活動と一般教員の負担軽滅を目的に実施されるものでありますが、その実施状況と課題、そして、今後の取り組みについて改めてお伺いをいたします。 次に、3件目、市内小中学校へのエアコン設置についてお伺いをいたします。 県内の自治体ではことしの夏には間に合わず、年度内設置としているところも多いように聞いております。本市では現在工事を実施しているようですが、現在の状況と今後の取り組みについてお伺いをいたします。 最後になりますが、市内消防団の再編への取り組みについてお伺いいたします。 本市消防団では、少子高齢化や社会情勢の変化に対応するため、消防団組織の再編を目指し、平成25年から見直し委員会を設置して検討をしてまいりました。そして、このほど再編計画案をまとめました。消防団を取り巻く環境は大きく変わり、再編は避けて通れない課題であると思います。今後は各地区へ説明に入るとのことであり、一部地域では説明会を開催したと聞いておりますが、再編計画の骨子と今後の取り組みについてお伺いをいたします。 以上、登壇での質問といたします。(拍手) ○議長(小原雅道君) 上田市長。    (市長登壇) ◎市長(上田東一君) 伊藤源康議員の御質問にお答えします。 大変多岐にわたる御質問でございまして、実は、用意するときに、担当部署のほうには半分にしろとお願いして用意してまいった次第でございますけれども、とても全部答えられない可能性がございます。その場合には、答えられないということをあらかじめ承諾いただきたいと思います。 1件目の農業振興についての1点目、本市の農業の課題と将来像についてのお尋ねでありますが、農業は議員御指摘のとおり、花巻市の基幹産業であります。当市において販売額の約半分を占める水稲生産の競争力を維持していくことに加えて、野菜、果樹、花卉等園芸作物や畜産の振興は重要と考えておりますが、いずれにしましても、担い手の高齢化や後継者不足、園芸作物の生産量減少、畜産の自給飼料の確保などが課題であり、特に機械化の比較的可能な水稲を除いて、担い手の不足がこの生産量の減少にやはりつながらざるを得ないという状況だろうと思います。 このような状況の中で、本市においては、特に水稲生産のために平成28年度にGPS地上基地局3基、平成29年度に1基設置し、精度の高いスマート農業ができる体制をつくってまいりました。先ほども申し上げましたけれども、スマート農業の推進は、高齢化が進む中で生産の効率化に直結するものと考えております。 また、農業・農村の振興を図るために、鋭い経営感覚を持った経営者の育成、担い手の農地集積、集約化を推進していく一方で、農村社会を維持していくために、小規模農家や兼業農家など農業者が担う多様な役割を維持していくとともに、地域の農業者や住民による地域の共同活動を支援していくことが重要であることは、先ほど議員も御指摘のとおりであります。 担い手への農地集積・集約化に関しましては、花巻市は農地中間管理機構の活用が全国でもトップクラスの実績を誇っておりますが、担い手に集積された農地が地理的に複数の場所に分散している状況はなかなか改善されない現状にあります。 これを踏まえまして、当市では昨年度から特に地理的な集約化を進めるということを進捗しようとしておりまして、昨年度は市内3つの農業法人を対象に農地集約の取り組みを行い、5つのエリアで約3ヘクタールの農地の交換を実現いたしました。このようなことは今後も進めていく必要があると考えております。 中山間地につきましては、市単独事業である花巻市特定地域農地流動化交付金事業を引き続き展開するとともに、農用地の所有者に事業の費用負担を求めない国の農地中間管理機構関連農地整備事業の中山間地域での活用を推進し、中山間地域における営農活動、集落機能の維持を支援していくことが重要であると考えております。 市では、国や県の事業と市単独の事業を組み合わせながら、担い手への農地集積や農地集約に向けた取り組み、スマート農業の導入に向けた環境整備、食味の改善と稲体強化に効果のあるケイ酸を含む土壌改良資材の投入経費に対する助成といった花巻市の独自性、強みを生かした各種施策を引き続き実施してまいります。 この前、中央官庁の人とお話ししたときに、おもしろいことを、農林水産省ではございません、全体の計画をつくる余り個別具体的な妥当な施策の実施がおくれてはいけない。必要なことはやはり早くやるべきであるというお話がありました。全体の計画、これを市だけでつくるのは到底無理でございまして、農協含めて、あるいは農業法人含めていろいろな方の意見を聞きながら、やはり考えていく。その中で必要とすべきものはやっていくということだと思います。我々は、国や県の施策も見ながらやるべきことをやっていく。市だけで独自の大きな絵を描くということは、なかなか手に余るものがあると思っています。農林部も頑張っていますけれども、いろいろな機関との相談、あるいは情報交換しながら具体的な施策を考えていきたいと、私どもはそのように思っています。 次に、2点目の農業生産組織の現状と課題につきましてのお尋ねでありますが、本市における法人を含む集落営農組織につきましては、平成30年度末現在において、77の組織があります。 日本農業新聞が本年3月に全国の法人を含む集落営農組織を対象に調査を行った結果、平成30年度決算状況は約7割の組織が減収となっている。本市においても、昨年の水稲の収穫量は当初の予想より少なくなっており、同様の傾向にあると想定されます。 また、市内のアンケート調査においても、集落営農組織において後継者不足を課題とする組織が多い中でございまして、新規就農希望者が研修の受け入れ農家において、農業研修を受ける際に支援する市単独事業の花巻市農業研修支援事業に加え、労働力不足の課題解決を目的として、先ほど議員が指摘しました花巻農業協同組合が本年5月に開所したJAいわて花巻無料職業紹介所アグリワークや、県が農業者の経営確立・発展、農業経営の法人化や経営資源の確実な次世代へ継承等を促進することを目的に設置しているいわて農業経営相談センター花巻支援チーム、人材確保、経営等に関する課題解決に取り組む組織でございますが、うまくいくかどうか、これはわかりません。しかし、方向としてあるべき姿勢だろうと私どもは思っておりまして、そういう部分で、市としてもそれぞれに協力していきたいと思っております。 GAPにつきましては、市内におけるGAP認証取得者、5月22日現在でグローバルGAPが1団体、JGAPが1団体、岩手県版GAPが3団体の計5団体であり、昨年度に比較し4団体が新たにGAPを取得している。これは大変な努力の成果だと思います。 平成30年2月に、花巻市農業振興対策本部の事業として、GAPの手法導入に関する研修会を開催したところでございます。また、環境保全型農業直接支払交付金において、平成30年度から国際水準のGAPの取り組み、取得ではございません、あくまで取り組みが要件となったことから、この交付金の対象者となる農業者は国際水準GAP研修会に参加し、取り組みをしたということでございますけれども、まだこの研修の結果としての国際水準GAPを認証取得した農業者はないと認識しております。 次に、3点目の花巻米の品質及び収量の向上と今後の生産、販売戦略についてのお尋ねでありますが、全国でブランド米が台頭し、競争はますます激しくなっております。当市においては、ひとめぼれと銀河のしずくのブランド確立による花巻米の安定供給が重要であると認識しており、このような中で、ひとめぼれにつきましては実需者が求める数量に対応し切れていない状況でございます。 また、花巻農業協同組合では、これらの品種ではなくて、実需者からの実際の需要に応えて多収性品種を一部の地域で栽培を行っていただいていると認識しております。 米の価格の安定のためにおいては、全国における需給調整をしっかり行うことが重要であり、当市においては、全国のそのような必要性に応じて、やはり需給調整もしていく必要があると認識しているところでございまして、当市においては、示された生産目安の数量、岩手県農業再生協議会から示されておりますが、この数量を認定方針作成者から生産者ごとに提示を行い、需要に応じた生産に取り組んでおります。 多収性品種を多く導入した場合については、反収が高くなりますので生産目安の数量を地域の反収で換算した生産目安の面積が減らされる可能性があると。これは当然のことでありますが、結果として生産者が希望する作付面積が確保できない、そのようなことにつながるわけでございまして、生産目安の数量がふえない限り、安易に市全体で多収性品種を導入することは困難であると考えております。一部の生産者に食用米の生産を諦めてもらわない限り、あるいは生産面積をそれぞれの生産者において減らしてもらわない限り、そのような多収性品種を全面的に導入することはできないということになります。 ケイ酸を含む土壌改良資材につきましては、平成30年度に施用率は41%まで伸びてきておりまして、これは順調に進んでいるということでございまして、今後もこれを進めていきたいと考えております。 加工用米については、ひとめぼれが大手酒造会社から非常に高い評価をいただいていることについては、今までもお話し申し上げているとおりでございます。 次に、4点目、スマート農業の現状と今後の取り組みについてのお尋ねでありますが、GPS基地局を4基を整備したことに基礎を置きまして、トラクターや田植え機による高精度作業を可能にするRTK-GPSガイダンス・自動操舵システムの導入を進めるため、国の補助事業を導入するとともに、市単独事業である花巻市農業用ロボット技術ICT機器導入支援補助金を創設し、このRTK-GPSガイダンス・自動操舵システムの購入に対する支援を行っております。 これまで市内8経営体、導入いただいております。経営面積は全部で484ヘクタール、水稲米、食用米は大体7,000ヘクタールぐらいの生産規模でございますので、484ヘクタール、少ないようで実は進んでいるというふうに考えております。これをさらに進めていきたいと思っております。 平成30年度からは農業用ドローンの教習費用の補助制度を創設し、平成30年度、中山間地でございますが、4経営体7名が農業用ドローンの免許を取得しております。この農業用ドローンの補助については、範囲を広げ、本体の購入に対しても支援を行うほか、ロボットトラクターやオート田植え機といったRTK-GPSガイダンス・自動操舵システム一式が内蔵されている機械本体を購入する場合につきましても補助を行っております。 国は、2025年度までに農業の担い手のほぼ全てがデータを活用した農業を実践することを目標に掲げており、これにつきましては、先ほど議員からコスト的に難しい農業者も多いのではないかというお話がございましたが、スマート農業は先ほど御指摘あったように、G20でも話し合われるなど世間の関心もますます高まっておりまして、花巻市はそれにいち早く取り組んでいるという自負もしております。先日も、ある方が聞いたら、県の担当者がそれだったら花巻市に聞いてくれという話をされたということを仄聞しております。 そのようなスマート農業については、生産効率を上げるという観点から、今後とも実施していきたいと思います。 中山間農業につきましては、先ほどもお話ししましたけれども、市の単独事業もありながら、平場地域に比べて集積は進んでおりません。この中で、東和地域の中山間地域の一部、石鳩岡でございますけれども、国の新たな農地中間管理機構関連農地整備事業の実施に向けて新たな取り組みをしておりまして、本年度の県営農業農村整備事業(圃場整備)計画調査地区として採択されているところであります。市としては、中山間地域におけるこのような取り組みを支援していきたいと考えております。 農地中間管理事業については、国でもこの農地中間管理機構、中山間地域については、地域集積協力金の交付要件を減免する平場の20%と比べて5分の1の4%にするなど、一層強化しておりますが、市もそのような国の支援も利用しながら中山間地域における農地集積を進める、その支援をしていきたいと考えております。 次に、3件目の消防団の再編についての御質問にお答えします。 現状と今後の取り組みについてのお尋ねでありますが、消防団の組織再編につきましては、御存じのとおり、平成25年10月に設置した花巻市消防団組織等見直し委員会において、消防団の方々による15回の協議検討が行われたと認識しております。 昨年7月、各分団を対象にした分団内における部の再編に関する調査の結果に基づき、消防団組織等再編計画の素案を作成し、本年2月に有識者である元消防団長に御検討いただき、その御意見から修正を加え再編計画案を作成したとのことであります。この再編計画案、成案にするためには、消防団において地元からの御意見を伺い、尊重しながら合意形成を図った上で、地区ごとの実情を踏まえた再編計画にするものと伺っております。再編計画案のとおり再編が進みますと、花巻市全体で124個部あるうち、5年以内に109個部に再編される見込みとのことであります。 消防団が主催する分団ごとの地区説明会につきましては、第1回目として5月15日、田瀬振興センターにおきまして第23分団を対象に実施されたと伺っており、今後各地において分団、あるいは2分団合わせてという地区もあるようですが、分団の地区説明会が開催される予定と伺っております。 田瀬地区の説明会では、主催者側として消防団長、副団長、分団長など10名の消防団幹部が参加し、田瀬地区からは地元市議会議員を初め、区長、コミュニティ会議会長、消防後援会、婦人消防協力隊、消防団員などからの参加があり、次の意見が寄せられたとのことであります。「田瀬地区は消防署から離れた地区であり、消防団員による初期消火活動が重要である。現在は平日日中の火災に出動できる消防団員が少ないため、仕事を定年退職し、自宅にいる消防団員OBが機能別団員となり活動することが有効であると考えられる。今は認められていない機能別団員のみでの火災出動を弾力的に運用できるようにしてはどうか」。この意見については、「消防団組織等見直し委員会において、機能別団員の運用の見直しを検討する」との回答であったと伺っております。 また、「統合を希望している部の方からこのスケジュールで進めたいという提案があれば、それに沿って進めていただけるか」等の発言があったと伺っており、第23分団は、第2部と第3部が5年以内に統合することについて了承を得たとのことであります。 少子高齢化や被雇用者の増加、社会情勢の変化などにより消防団員の確保が困難となっている状況下において、すぐにでも部の再編を希望するという地区がある一方で、再編は必要であるものの、その地区の諸事情により検討を重ね、慎重に進めようとしている分団があるとも伺っております。 今後、地区の御理解を得ながら再編について話し合われていきますが、市といたしましても、今後も引き続き支援してまいりたいと考えております。 そのほかにつきましては、教育長から答弁いたします。 ○議長(小原雅道君) 佐藤教育委員会教育長。    (教育長登壇) ◎教育長(佐藤勝君) 2件目の教育振興についての1点目、市内小中学校再編と(仮称)西南小学校新設への取り組みにつきましての御質間にお答えいたします。 先ほど、照井省三議員の御答弁で申し上げたところと重複いたしますが、よろしくお願いいたします。 教育委員会では、花巻市の小学校及び中学校における教育環境がどうあるべきか、市が考える理想的な教育環境の基本的な考え方、理念を示し、花巻市の子供たちが一定の教育環境を享受できるようにするための指針として、花巻市立小中学校における適正規模・適正配置に関する基本方針を本年4月の教育委員会議での議決し策定いたしました。 教育委員会では、現在、各小中学校PTAに対し、本基本方針を踏まえ、それぞれの学区での子供たちが安全・安心な教育環境の中で、多様な学びを通して確かな学力の定着、自立できる能力を身につけていく上でのさまざまな諸課題について、児童生徒の保護者等と意見交換を行うための教育懇談会を呼びかけております。この懇談会を通して御理解を深めていただくことで、理想的な教育環境の構築に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 この基本方針の策定に当たっては、昨年10月からの中学校単位での説明会、12月から本年1月までの出前学習会を開催し、御意見をいただいてまいりましたが、基本方針そのものへの明確な反対はなかったと認識しております。また、ことし2月には保育教育環境検討会議並びに教育振興審議会を開催し、有識者の方々からも御意見をいただきましたが、同じく反対の意見はございませんでしたので、基本方針の考え方につきましては御理解をいただけたものと認識しております。 なお、西南地区におきましては、中学校区単位での説明会では、やはり基本方針案に対する反対の御意見はございませんでしたが、小学校統合を求めるという具体の御意見もなかったところであり、出前学習会につきましては開催の申し込みをいただけなかったというところでございます。 統合を含む学校の適正配置の方向性につきましては、私ども行政が一方的に進める性格のものではなく、教育懇談会等の場で協議を重ねる中で、まずは保護者並びに将来の保護者の方々の声を慎重に伺ってまいりたいと考えております。 2点目の、中学校の部活動指導員につきましての御質問にお答えいたします。 部活動指導員は、教育活動の一環として行われる部活動の指導体制の充実を図るとともに、教員の部活動指導にかかわる負担を軽減するため、平成29年度の学校教育法施行規則の一部改正によりその職務が法的に整備されたところであります。 部活動指導員は校長の監督のもと、部活動に係る実技指導、安全・障がい予防に関する知識・技能の指導、学校外での大会及び練習試合等の引率等が主な役割であり、勤務時間は平日は1日2時間で週3日、土曜日、日曜日はいずれか1日で3時間としております。 昨年度、岩手県教育委員会指定の働き方改革の実践研究として、研究協力校の石鳥谷中学校に8月から部活動指導員を2名配置いたしましたが、指導員が競技経験のある野球部とサッカ一部の技術指導が中心でございましたが、そのほか卓球部あるいは特設陸上部でも安全指導、安全管理を行っております。石鳥谷中学校では導入に際し、教職員全体での部活動あるいは働き方ということについての検討を目的としたワークショップでの意識の共有、業務や会議の精選、見直しとあわせて部活動指導員を活用した結果、部活動指導にかかわる時間が前年度と比較すると、教員1人につき1カ月10時間減少し、効果を感じている職員の割合が高く、負担感の軽減につながったものと捉えております。 今年度、県内では全33市町村に157名の部活動指導員が配置される予定と伺っておりますが、花巻市においても市内全中学校に各1名配置する予定であり、現在、石鳥谷中学校、西南中学校、花巻北中学校の3校に3名の指導員の配置を終え、活動していただいております。 配置校からは、学校事情や生徒のことを十分理解している方に指導員として入っていただくことで、教員も安心して指導を任せられるなど、指導員の配置を歓迎する声が寄せられております。 ただ、一方で、適切な人材を確保するのが難しいという課題を抱えている学校もまだあるのが現実でございますが、教育委員会といたしましては、7月までに市内全中学校に配置を終えられるよう学校を支援してまいりますとともに、全校配置後は、生徒の発達段階に応じた指導や安全の確保、事故発生後の対応などについて研修を実施してまいります。 2件目の本市の教育振興についての3点目、小中学校のエアコン設置につきましての御質問にお答えいたします。 市内小中学校へのエアコン設置につきましては、平成30年第4回花巻市議会定例会におきまして補正予算をお認めいただき、昨年12月に設置工事に関する設計業務委託契約を締結いたしております。 また、本年3月には小学校を3つのグループ、中学校を2つのグループに分け、工事を電気設備、機械設備に分割し、3月15日の指名競争入札を経て3月19日に契約を締結し、7月末日までの工期で各校へのエアコン設置を順次進めているところであります。 現時点における工事スケジュールでは、今月24日から試運転を実施し、7月中旬までには、全ての学校において使用が開始できる見込みとなっておりますが、先月下旬の暑さもございましたことから、学校並びに工事業者さんの御理解と御協力をいただき、夜間あるいは休日における工事の実施による工事期間の短縮もお願いするなど進めているところでございます。 ○議長(小原雅道君) 伊藤源康君。 ◆23番(伊藤源康君) 再質問の時間を残していただきましてありがとうございます。 順番、逆になりますが、教育振興についてから質問させていただきます。 エアコン設置については、何とか夏、一部間に合うということで大変教育員委員会の取り組みには感謝申し上げたいと思います。 部活の関係でありますけれども、質問というよりもお願いでございます。十分対応しながら慎重に進めているというお話でございましたので安心しておりますけれども、幾ら思いのある、あるいは優秀な部活動指導員であっても、やはり練習試合あるいは活動中に事故も当然起きてくるという可能性があります。そういったことについてのケアも含めて、何とか事故がなければ一番いいわけでありますけれども。 それから、指導方針で学校の先生と違ったりするという可能性もあって、現場で衝突しているということもいろいろな場面で聞いたこともありますので、それは人間のやることですからある程度仕方がないとしても、十分配慮をしてもらいたいと思います。 時間もありませんので、(仮称)西南小学校の件について1つ確認をしたいと思います。今お話をお聞きすれば、西南地域においての話し合いでは、そんなに声がなかったよというように教育長のほうからお話が、今ありましたけれども、私ども地元の西南地域の同僚議員とここ数年、ある意味表現が悪いのかもしれませんけれども、一生懸命この統合の問題について議論をしてきたつもりであります。私の知る範囲の中では、先ほど登壇でお話ししましたけれども、ほぼ新設であれば(仮称)西南小学校は欲しいという強い要望があると私は確認をしているつもりでございます。同僚議員からも後で聞いていただければいいのですけれども。 ですから、先ほど基本方針の中で石鳥谷地区、早期にという言葉をとったというのはなぜだという話でしたけれども、私の考えでは、西南地域においては早期にやっていただきたい。もし、ほかでどうのこうのであれば、具体的に西南地域を進めてほしいというのが私の思いでございます。当然アンケートをとって西南地域の住民の声を聞いたということではないですので、証拠というものはございませんけれども、数々歩いている中で、あるいは膝を交えながら話ししている中ではそういうことでございます。今後、話し合いに中学校単位で入るということであれば、大分そういう声が強く出てまいるというふうに私は確信をしております。 私の考えですけれども、申しわけありませんが、つくるという前提は早く決めてほしいのです。ただ、要は実際開設する時期については、当然財政事情もございますでしょうし、いろいろなことがあると思いますので、私は少し遅くでもいいと。なぜ遅くでもいいかといいますと、地域振興、非常に過疎地でございますので、やはり仮に廃校になった場合、そのままでは非常に困るということで、仮に3つの小学校、立派な小学校でございますので、同時に跡地利用についても我々も含めてですが、一生懸命市でも頑張ってもらいたい。一関市あたりの例を聞きますと、専門学校の誘致あるいは企業の誘致、さまざまあるようでございます。私も市内の福祉施設を歩いたことがあります。関心を示す法人があるのではないかという法人の理事長さんもございました。 いずれ、そういった、何でもいいというわけではないのですけれども、廃校後、きちんと利用した形で新しい(仮称)西南小学校がオープンができればありがたいなという思いを込めて、決めるのは早く、開設はそういった準備も含めてやってほしいと思っております。 答弁があった後で恐縮ですけれども、お願いの再質問というのもおかしいのですが、それをもう一回、教育長に確認をしたいなと思うのですが、いかがでしょうか。 ○議長(小原雅道君) 佐藤教育長。 ◎教育長(佐藤勝君) たくさんの情報、大変ありがとうございます。 先ほどもお話し申し上げましたとおり、まず笹間第二小学校区では、以前、自分たちの方向性を考えるまで話を出すのは待ってほしいということを、まだまだそういったスタンスで私どもはおりますし、これから教育懇談会を始めていくという中でさまざまな御意見が出てくるかと思いますけれども、その御意見に即した形でじっくり協議を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(小原雅道君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) 学校の新設の話でありますから、教育長の話に尽きるわけでございますけれども、予算の作成について責任を持っている立場から、一言つけ加えさせていただきます。花巻市内の学校、これから再編、あるいは老朽化が進む中で、長寿命化とかいろいろなことを考えていかなくてはいけないということになります。そういう中で、西南地区の小学校は、建物に関して言えば、優先度は高くないと私は思っています。したがって、新設であればという条件を外した場合において教育委員会で検討する余地はあると思いますが、新設ということになると、これはほかの地区のほうが優先になってくるので、ここ数年の間にはちょっと考えにくいだろうと、このように思います。 ○議長(小原雅道君) 伊藤源康君。 ◆23番(伊藤源康君) 市長からは、かつてそのような答弁を何度も受けて、答弁といいますか、いろいろな場所で言われております。そうはいっても、私の考えではおりるわけにはいきませんので、末永くこの運動をこれからも継続してまいりたいということだけは申し上げたい。 というのは、私、地元に住んでいる者として、このままで将来、いずれこの3校はがたがたと子供が減っております。そういった中で、将来を考えた場合、果たして西南地域に小学校を残せるのかという危惧まで私は持っております。本音を言ってしまいますけれども、やはり西南地区には小学校が必要だという熱い思いでございます。当然、市長がおっしゃるとおり、財布はないよと、お金がないよということもあるでしょう。ただ、やはり西南地域の将来の振興を考えた場合、やはり私は、一番太田小学校も古いわけでありますから、幾ら長寿命化といっても限界があるわけでございます。そのときには非常に、さらに子供が激減をしているという中では、とてもではないけれども、笹間第一小学校を使いなさいとか、笹間第二小学校を使いなさいという地域住民の声には私はならないのだというふうに思う立場でお願いを兼ねた要望をしているわけです。 その辺は、これからも市長とは議論してまいりたいというふうに思います。 ○議長(小原雅道君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) 西南地区の振興について熱い思いを持っていることについては、敬意を表したいと思います。その中で、西南地区につきましては、御存じのように西南中学校の新築、新しい学校が建っているわけでございまして、また、今回は道の駅、観光だけ考えたら西南地区になりません。多分、湯口と湯本の間につくると思います。 しかしながら、やはり西南地区が衰えているということ、含めて必要だということで、これは市民全体の御理解を得て西南地区に道の駅をつくることについて、市民のお金を使わせていただくということについて議会にも諮ってやっているわけでございます。 また、今現在進めておりますスマートインターチェンジの構想もあります。あるいは山の神・諏訪線もこれは西南につながる道になるわけです。このように西南地区については、市民全体の皆様の御理解のもとにおいて振興策をやっていただいているわけでございまして、この各地域においてこのままではいけない、振興を進めなくてはいけないというのは、1つに西南地区だけには限らず、あらゆる地域で実はあるわけでございます。 そういうことを考えますと、議員は西南地区選出の議員ではいらっしゃいますけれども、市全体のことも考えて御意見をいただければ大変ありがたい、そのように申し上げさせていただきます。 ○議長(小原雅道君) 伊藤源康君。 ◆23番(伊藤源康君) 全くそのとおりでございまして、それもいつも市長には怒られてはおりますけれども、私は平場の過疎地という、私のつくった造語でございますけれども、西南地域は平場の過疎地でございます。平場の過疎地に小さな拠点づくりをしたいという思いがあるからお話をしているのであって、それが結局は花巻の一つの平場の過疎地の人口減少のモデル地区になる。それが岩手県あるいは全国にモデルとして広がるという意味で西南地域を振興していただきたいという思いで、決して西南地域だけをよくしてほしいというのではなく、それがひいては中山間も含めた平場のこういった人口が急激に減る地帯の小さな拠点づくりの全国的なモデルにしませんかという提案でございますので、後でまた議論いたしたいと思います。 あと、農業1ついきます、すみません。 市長がさっき答弁の中で具体的な施策が早急に必要だというお話でございました。全くそのとおりだろうと。そういう具体的な施策については、私はいろいろと県内の中でも花巻は非常に進んでいると、しかも、予算的な規模あるいは人員確保の点でも、他市町村と比較して非常に力を入れている。これは感謝を申し上げたい。 私が言っているのは、具体的な施策はもちろん進まなければならないのですが、市の総合計画も含め、将来目指すべき方向性、農業、農村のそういったものをビジョンとして掲げるべきではないかというお話でございますので、具体的な施策をないがしろにしているとかそういうことではございませんので、そのことはひとつお願いをしたいと思います。 ちょっと細かい、具体的な話を1つだけですけれども、多収穫の品種についてちょっと触れてございましたけれども、きょうも農業新聞で大きな裏面でカラー刷りで載っておりました。今、ブランド米競争については、私は危惧を持っております。銀河のしずくあるいは金色の風があるわけですけれども、これすらもう、多分東北の中では少し負けぎみであります。こういう際限のないブランド競争が果たして農家、生産組織のためになるのかと、私は前から疑問に思っているわけでございます。銀河のしずくも含めて、1つのトップ銘柄を持つと、これは大事なことでありますけれども、果たしてそれが多収穫なのか、あるいはつくりやすい品種なのか、それを検証しながらやはりやらないと、大規模生産組織は非常に困る事態になる。きょうの農業新聞を見ても、売れ筋は値ごろ感のある、ある程度の品質のある、そういったわけのわからない品種でした。 ですから、そういった多収穫で一定の品質のある米にいち早く取り組むべきだというのが私の考えであります。そして、つくりやすい品種で一定量の収入を生産法人あるいは個人の法人組織に与えるということをしないと経営がうまくいかない。市長は答弁で、それが結局は生産数量の減少になるのではないかというお話でしたが、全く私はそれでいいと、極論ですけれども。米をつくって余った土地でやはり転作をして、転作から収入をふやすという考え方でいかないと、これからは私は通用しないと。米、米だけでは通用しないというふうに思う立場でございます。 最後、この点について、1つだけ質問して終わりたいと思います。 ○議長(小原雅道君) 菅原農林部長。
    ◎農林部長(菅原浩孝君) 多収品種の関係についての御質問でございましたけれども、先ほども市長答弁でお話ししたとおり、市内ではやはり実需者の求める部分として、実際作付している例はございます。 ただし、やはり今現在、花巻農協を中心とする花巻地域の中で、花巻米としてはひとめぼれが一番の売れ筋の商品ですし、実需者からもたくさん求められているという状況もございますので、そういう部分をしっかりとカバーしながら、また、米の需要量も大分減ってきている中でございますので、そういった意味で、生産者が安心してつくれる体制を市または農業団体と一緒になりながら進めてまいりたいというふうに考えておりますので、御理解のほう、よろしくお願いいたします。 ○議長(小原雅道君) 以上で、伊藤源康君の質問を終わります。 ここで午後3時15分まで休憩いたします。     午後3時1分 休憩     午後3時15分 再開 ○議長(小原雅道君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次の質問者、佐藤明君。(拍手)    (佐藤 明君登壇) ◆12番(佐藤明君) 12番、花巻クラブ、佐藤明です。 通告に従いまして、2件質問します。 1件目、花巻市の住宅建設業についてお尋ねします。 私は花巻北高等学校の近くに住んでおりますが、毎月のように新しい住宅が建ちます。工事をしている業者の会社名や住所を見ると、花巻の業者は少なくて、花巻以外の業者や作業員を多く見かけます。昭和の時代には、どの行政区にも1件や2件の住宅建築業者さんがあったのですが、最近は高齢で廃業したり、うまく仕事がとれず縮小したりと、市内の住宅業者の数がかなり減少していると感じています。今は、住宅メーカーと言われる業者が各地に支店を出して、受注した家を工場でつくり、それを現場で組み立てるなどの方法でコストカットをしており、小規模な工務店では太刀打ちできなくなっております。 また、盛岡と北上に大規模な住宅展示場があり、本市にはないのも残念な気がします。住宅建設は裾野が広い産業ですので、本市にとって重要な分野と考えますが、住宅建築業の今後の展望をどのように見ているのか、お伺いいたします。 2件目、市庁舎についてお尋ねします。 本市の庁舎は本庁舎が昭和45年に建てられましたが、手狭なため、東側に新館を建て業務を行っています。1市3町の合併により本庁の職員がふえ、農林部や農業委員会は野田のJAの建物に入っていますし、教育委員会は石鳥谷にあります。このように市庁舎の機能が分散していることをどのように思っているのかお尋ねします。 また、市庁舎は行政の中枢の建物なので、当然耐震強度は国の基準をクリアしていると思いますが、耐震強度についてお尋ねします。 さて、5月より新しい元号、令和になりましたが、平成の大合併で1市3町が合併した際、本庁舎建設の話もあったと思いますが、どのような話があったのか、あったのであればその経緯をお聞かせいただければと思います。 昨年の11月、産業建設常任委員会で、岐阜県などの3市に行政視察に行った際、3市とも新しい庁舎でした。さらにことし1月、九州に会派の行政視察に行った2市1町の2つの市も新しい庁舎でした。5つの市で庁舎が新しい建物でしたので、新しく建てた市の職員に聞いたところ、市、町の合併の際に建てましたと言っていました。 そこでお尋ねします。 合併特例債で市庁舎を建てた場合、国からの支援はどれくらいになるでしょうか。また、合併特例債の期限が終わった後に、市庁舎を建てた場合の国の支援はどれくらいかお尋ねします。 たまたま行った5市が新しい庁舎を建てたことは、それぞれの市の考えでやったこととは思いますが、やはり合併特例債の影響が大きいと私は思っております。本市でも今なら間に合うと思うので、来年度からの第3期中期プランに新庁舎建設をぜひ盛り込んでいただきたいと思いますが、お伺いいたします。 以上で、登壇しての質問を終わります。(拍手) ○議長(小原雅道君) 上田市長。    (市長登壇) ◎市長(上田東一君) 佐藤明議員の御質問にお答えします。 1件目の本市の住宅建築業における今後の展望についてのお尋ねでありますが、総務省統計局で発表している直近の経済センサスによりますと、花巻市内における住宅建築業を含む建築建設業社の数は、平成24年度の371社と比較し、平成28年度には338社と33社減少しております。 また、住宅建築業における市内の施工実績としましては、国土交通省のデータをもとに集計している岩手住宅月報によりますと、2018年1月から12月における市内の住宅着工棟数は397棟あります。そのうち市内業者26社で112棟、大手住宅メーカーを含む市外業者73社で263棟、一人親方などの個人経営で22棟着工されております。このことから、全体の約6割強が市外業者によって建築されているところでありますが、市内業者で一番多く着工した会社の住宅棟数は38棟あり、花巻、北上圏内でトップだった大手住宅メーカー20棟の約2倍の実績を上げているところであり、地域に精通している市内業者へのニーズは高いものと考えております。 今後の展望につきましては、10月に予定されている消費税の増税や人材不足の影響に伴い、全国的には住宅建築業の落ち込みも予想されているところでありますが、市内業者にヒアリングしたところ、消費税増税に対する住宅ローンの優遇措置や、ものづくりに興味を持つ若手の大工などの職人も着々と育成されていることなどにより、急激な住宅着工数の落ち込みは考えていないとのことであります。 将来的には、少子高齢化の進行に伴い本市における住宅需要が減っていく傾向は全国と変わらないものと推測されますが、短期的には、令和2年に量産開始が予定されている東芝メモリ新工場建設に伴い、段階的に1,000人規模まで雇用の拡大が見込まれていることを始めとする県南地域の活発な企業活動等を踏まえますと、戸建てに限らず集合住宅などの建設需要が一定程度あるものと推察しているところであります。 市といたしましては、将来を見据えた建築業の人材確保に向けて、岩手県や建築士会花巻支部と連携し、毎年2回、花巻市内の小学校に出向き、「世代をつなぐ防災・住まいの耐震授業」を行っており、木造住宅の重量や耐震効果を体験してもらいながら、小学生が建築物へ興味を持つことにより、将来、大工や建築士になりたいと思うきっかけをつくる取り組みを行っているところであります。今後も建築業界などと連携し、PR活動等を継続していきたいと考えているところであります。 2件目の市庁舎についての1点目、市役所の機能が分散していることについてのお尋ねでありますが、平成18年の合併時から旧花巻市の市庁舎を新市の本庁舎に、旧大迫町、旧石鳥谷町、旧東和町の各役場庁舎を新市の各総合支所に位置づけ、市長部局では本庁と各総合支所に職員を配置しながら業務を行っており、庁舎の有効活用の観点から教育委員会は石鳥谷総合支所にて業務を行っているところであります。 その後、市の農政部門と農協が一体となる、いわゆるワンフロア化により農政を推進するため、平成19年4月から農政課が花巻農協総合営農指導拠点センターに移転し業務を行っており、現在は、農村林務課を含む農林部が花巻農協総合営農指導拠点センター、農業委員会事務局が花巻農協総合営農指導拠点センターに隣接する花巻地域農業管理センターの敷地内において業務を行っております。 協議や打ち合わせの際には、各総合支所等から本庁に移動し、あるいは本庁から各総合支所等へ移動する必要があり、移動にも時間を要しております。特に冬期間などは本庁舎の新館から本館、本館から新館への移動へも支障を感じることも事実であります。 その中で、昨年度、テレビ会議システムを本格的に導入したほか、将来的には、近い将来には文書や伝票なども電子化を進めることを視野に、現在検討を進めているところであり、各総合支所、農政部門、教育委員会など地理的に離れた執務場所からの物理的移動の必要性を減らすことによって、それによる支障をできるだけ解消する努力をしているところであります。 次に、2点目の本庁舎の耐震強度についてのお尋ねでありますが、本庁舎には、昭和45年に建築した本館と平成7年に建築した新館があるわけでございますが、このうち旧耐震基準の本館につきましては、平成10年度に耐震診断を実施したところ、耐力壁もしくはそれに相当するものが必要との診断調査報告を受けましたことから、平成11年度に壁補強の耐震補強工事を行っており、それ以後、法令上必要な耐震強度は確保されております。 次に、3点目の本庁舎の建てかえについてのお尋ねでありますが、合併時の協議内容と経緯につきましては、花巻地方合併協議会が定めました合併協定項目において、「新庁舎については、新市において建設する」とし、合併時に策定された新市建設計画においては、新庁舎の建設を調査事業として掲載したところでありますが、それについては私が市長になった段階では引き継がれておりません。 総合計画第3期中期プランに新庁舎建設を盛り込む考えにつきましては、まず本庁舎につきましては、先ほど申し上げましたように、本庁舎本館、新館とも法令に基づく耐震基準は確保されております。 さらに、平成29年度には、一昨年度には建物の躯体の健全性を把握するため、本庁舎本館の15カ所においてコンクリートのコア抜きを行い、コンクリートの中性化を検査する劣化度調査を実施したところ、本館建物の躯体は10年以上問題ないとの報告を受けておりますことから、本庁舎は公共施設マネジメント計画に基づき長寿命化を図っていくことを予定しており、建てかえを行わなくても10年以上あるいはそれ以上長期にわたり、本庁舎を訪れる市民、そして本庁舎で勤務する市職員の安全を確保できると考えております。 一方、本庁舎は市民の方々が各種手続において訪れる場所であり、その意味から、安全性を確保するだけではなく、市民にとって便利であることも考慮する必要はあるものと考えております。 また、現状、市役所の中で、特に本庁舎本館、新館は手狭であると感じられていることも確かであります。 当市において95%の充当率に対して70%の交付税措置があり、市の負担という点で有利な合併特例債は、現在の新市建設計画において令和7年度まで発行可能であり、法令上必要な場合にはさらに5年間延長することができますし、現時点の発行可能残高は131億3,220万円と見込んでおり、また、まちづくり基金についても、平成26年3月に約24億4,000万円だったのに比べて、本年3月末現在で約53億2,000万円と2倍以上の基金残高となっております。これらを活用して新庁舎を建設することは、財政上、理論的には可能であります。 しかしながら、今後市民の生活を守り利便性を確保するために、新花巻図書館の建設を含めて、市民の生活に必要な、あるいは市民の生活の利便性を向上するさまざまな事業が検討されているところであり、そのような市庁舎建設に優先されるべき事業に合併特例債あるいはまちづくり基金等を活用することが想定されているところであります。 合併特例債以外で本庁舎建設に資金を充当できる市債としては、一般単独事業債がございます。しかし、現在の制度において発行が認められる一般単独事業債については、75%の充当率に対して地方交付税措置はございませんので、建設時点において市債発行により財源を確保することは一部可能ではありますものの、一般単独事業債の元本返済及び金利の支払いは、全て市税など市の自主財源、市民のお金からの返済となり、将来の市民に重い負担を残すこととなります。 また、平成29年度に創設された公共施設等適正管理推進事業債において、新耐震基準が導入される前に建設され、いまだ耐震化が実施されていない市町村役場の建てかえを行う場合に活用可能な市町村役場機能緊急保全事業債もあります。これは充当率90%のうち75%の充当率部分に対して30%の交付税措置が付されることとなっており、言ってみれば、22.5%についての交付税措置があるということで、合併特例債よりははるかに市の負担が重くなりますが、一般単独事業債よりも市町村の負担が小さくなる、このような特別な市債がございます。 しかしながら、先ほど申し上げましたように、旧耐震基準により建設された本市本庁舎本館も平成11年度に耐震化を行っているわけでございまして、この市町村役場機能緊急保全事業債は本庁舎本館の建てかえにおいては利用できない制度でございます。 市役所を改築し市民にとってより快適な場所とすることは望ましいところではあります。しかし、市民の皆様にとって、先ほども申し上げましたように、ここ数年に実施しなくてはならない優先順位の高い事業であるとは捉えておりません。 また、先ほども申し上げましたとおり、現在当市においては本庁舎は手狭ではございますが、事務の効率化を図る観点から電子化、またはAIの利用など、いわゆるスマート地方自治体の実施、検討をいち早く進めるところであります。これらの結果、5年後、10年後などの将来、市役所本庁舎で執務する非正規の職員を含め市職員の数は減少していく可能性も考えられるところであり、本庁舎の執務環境が現在より改善されることも大いにあり得ると、そのように考えております。 このようなことから、本庁舎の新築については現在考えていないところであります。 ○議長(小原雅道君) 佐藤明君。 ◆12番(佐藤明君) 御答弁ありがとうございます。 まず、建築業者の件ですけれども、昭和の時代、私が若いころは、棟梁さんの下に大工さんがいて、さらにその下に協力会社というのがあって、そして住宅を建てていました。それがいつの間にか有限会社とか株式会社とか、そうやって大きくなっていったのですけれども、それと同時に大手住宅メーカーがチラシとかいろいろな手で、媒体でお客さんを集めて、そして本当にコストカットして建てましたので、だんだんそのとおり大工さんが高齢化したり、仕事がとれなくなったということで廃業したりしたようです。 ここにちょっと資料として一緒に提出しましたけれども、やはり水沢でも同じような事例がありまして、奥州市に拠点を置く工務店8社で奥州いえ博プロジェクトということをやったようです。そのときに、代表者の言っていることなのですけれども、「地元工務店は苦戦を強いられている、このままでは地域住宅産業が衰退する」という挨拶をしております。結構この8社というのは私も名前を聞いたことのある会社なのですけれども、やはりそういう会社でも危機感を持ってやっているということです。 そこで、ちょっと質問ですけれども、やはり花巻でもこういう業者さんが、大きい業者もあるようですけれども、やはり買う人にとっては、カタログではなくて住宅を見て家を買いたいと思いますけれども、無理なのでしょうけれども、展示場のようなことをちょっと市のほうの、助成とかそういうそういうのではない、お金の件ではなくて、業者さんを集めてそういう話をしたりしたらどうでしょうかということなのですけれども、その点についてどうでしょうか。 ○議長(小原雅道君) 遠藤建設部長。 ◎建設部長(遠藤雅司君) お答えいたします。 ただいま、住宅展示場の御質問でございましたけれども、現在は花巻市にはございませんが、過去には駅の西口につくったことがあったというふうに伺っています。現在は完売してしまって、それ以降はちょっと動きがないということになっています。なので、今知り得ているところはそこまでで、その後どのような業界の動きになるかというのは、これからちょっといろいろお話を聞いていかないとという状況になってございます。 ○議長(小原雅道君) 佐藤明君。 ◆12番(佐藤明君) 住宅はそのとおり、裾野の広い産業ですので、市のほうでも助言とか、何かいいアイデアがあったら業者さんのほうにも伝えていただきたいと思います。 次に、2件目市庁舎についてです。 先ほど市長から御答弁ありましたけれども、合併特例債を使うと7割の支援が受けられると。ということは、私は、魅力といえば変ですけれども、すごいことだと思うのですよ。やはり市庁舎を建てるということは、市民の合意がすごく必要なのですけれども、国の補助が1割、2割の段階で市庁舎を建てようといっても、それは市民の合意は得られないと思います。ただし、合併特例債というので7割支援がありますよと言えば、それは市民だって、それはつくったほうがいいのではないかということになると思いますが、私はその点ではぜひともやっていただきたいのですけれども、その点いかがでしょうか。 ○議長(小原雅道君) 松田財務部長。 ◎財務部長(松田英基君) 合併特例債につきましては、事業費の95%に充当が可能で、その元利償還金について後年度70%を交付税として措置していただけるという制度でございます。 確かに辺地債、過疎債、そして合併特例債と比較的有利な地方債ということで、市でもまずこれらの事業を充てられないかということで、各種事業の財源にしてございますが、先ほども御答弁で申し上げましたとおり、とはいいましても発行の期限の年度と、そして発行可能額の上限というのがございます。令和7年度までで、現在の見込みでは令和2年度以降の期間で131億円ほどの残りの発行可能額というふうに見込んでございます。そういった期間と上限がある地方債である中で、今、市では、例えば公共施設のマネジメントで現在4割の施設が築30年以上と、今後10年でも7割が30年以上になるというような施設の老朽化に対する対策というのもやっていかなければならないというようなそういった事業もございますので、そういったところを優先的にやっていくべきと考えてございます。 一方では、この庁舎は、同じく先ほど申し上げましたとおり、耐震化も行っておりますし、コンクリートの検査でもまだまだ使える庁舎であるということから、ほかの事業に比べますと、やはり優先度という面では低いということから、そういった限りある合併特例債という財源をそういった優先度を見越しながら活用していくということが大切だというふうに考えてございます。 ○議長(小原雅道君) 佐藤明君。 ◆12番(佐藤明君) 先ほど市長も、庁舎の職場というか仕事をするところは手狭だと。私も、ちょっと用事があって2階のある課に行ったのですけれども、たまたま担当者が電話中で、女性の方が丸椅子を持ってきて、狭いですけれどもどうぞと。確かに私も狭いと思いました。これではちょっと、職場を知っている人はなれるのでしょうけれども、ストレスがたまるのではないかと、そう思いました。 ですから、確かに今、財務部長、おっしゃいました。もう計画はできていると、よその計画ができていると。それはそれで私もわからないわけではありませんけれども、これから10年後、例えば20年後にですよ、市庁舎、やはり新しくしなければならないと。そのときに必ず出るのは、何で平成の大合併のときに、国から7割の支援を受けられるのに、なぜそのときつくらなかったのだと。それは当然、今の若い人たちが議員になったり当局になったりして、この議場に来たときに、そういう話が必ず出ると思うのですよ。ですから、この際に、確かに財務部長はもう計画で練っているよと、つくっているよというのは、それはそれであるかもしれませんけれども、やはりこれの7割を、後年度国のほうから来ると言いましても、それはやはりこの期間内に絶対やるべきだと思いますが、重ねてまたその質問しますけれども、ぜひやっていただきたいのですが、いかがでしょうか。 ○議長(小原雅道君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) 今、御質問というより御意見をいただいたということと理解しております。 市役所の本庁舎を建てかえるとなりますと、計算しておりませんけれども、他市の先例からすると60億円とか100億円ぐらいかかるわけですね。そうすると、130億円の合併特例債がある、あるいは53億円のまちづくり基金があるといっても、そのほとんどを使ってしまうわけです。半分ぐらいですね。100億円だとすると半分以上ですね。60億円だったら半分以下になりますけれども。 ですから、そうしますとその財源があればできたことを、今後10年間やらないということになるわけですね。あるいは、やる場合において非常に交付税率の低い、先ほども言いましたけれども、交付税率がゼロ%とかですね。そういう市債を発行しなくてはいけないということになります。そうしますと、これはやるべきことをやらないで、自分たちが働く場所だけ立派にしたという見方も当然出てきます。 その中で、我々としてはやはり働く場所、職員にとっては確かに大事ですけれども、それは少しほかの手段で少しでも解消するという努力をさせていただきながら、市民の方々の生活に直結した、そういうものに最初に使っていきたいということで思っているわけでございまして、10年後、15年後になって必要性が応じた段階で、少しずつ基金を積み上げていくということも場合によってはあるかもしれません。今後5年、7年、10年ぐらいでいろいろな事業が終わった場合において、あとは少しずつ積み立てていくということによってつくっていく。あるいは、その段階で電子化等が進んで市の職員が少なくなった場合には、中を全般的に改造して、もっともっと働きやすい職場をつくっていくという手もあるかもしれない。 いろいろなことが考えられるわけで、いずれにしましても、不要不急であるという事業をまず第一にするというわけにはいかないだろうというのは我々の考え方でございまして、議員の御意見は意見として承りましたけれども、その点については変更することはないというふうに考えています。 ○議長(小原雅道君) 佐藤明君。 ◆12番(佐藤明君) 今の市長の結論のようなお話を聞いて、それはそれで承っておきますけれども、もう一つ、当然、市役所には働く職員がいると。その職員の方たちが車を持っていると。そうすると、市民体育館の下に駐車場がありますけれども、何十年か前に、これはどこの駐車場だと聞いたら、これ市の職員の駐車場だよと。ええ、粗末だなと、そのとき思いました。 やはりそのような、新たに駐車場を確保して職員の駐車場を整備してくださいと言っても、なかなか今は無理でしょうけれども、やはりそういう駐車場のようなことも私は思っているのですよ。職場も狭い、駐車場もなかなか厳しいと。そういうことも思っているので、先ほどの市長の最終意見というか、最終のお答えはわかりましたけれども、それでも何とか穴をこじあけて、何とか合併特例債の年数があるうちにぜひとも私はやっていただきたいと思います。 これで質問を終了させていただきます。ありがとうございます。 ○議長(小原雅道君) 以上で、佐藤明君の質問を終わります。 これで本日の日程は全て終了しました。 本日はこれにて散会いたします。 御苦労さまでした。     午後3時51分 散会...