花巻市議会 > 2017-06-19 >
06月19日-02号

  • LGBT(/)
ツイート シェア
  1. 花巻市議会 2017-06-19
    06月19日-02号


    取得元: 花巻市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-23
    平成29年  6月 定例会(第2回)平成29年6月19日(月)議事日程第2号平成29年6月19日(月) 午前10時開議 第1 一般質問  (1) 照井省三君  (2) 伊藤源康君  (3) 瀬川義光君  (4) 藤井英子君本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問  (1) 照井省三君  (2) 伊藤源康君  (3) 瀬川義光君  (4) 藤井英子君出席議員(25名)   1番  菅原ゆかり君     2番  増子義久君   3番  照井省三君      4番  松田 昇君   5番  高橋 修君      6番  瀬川義光君   7番  内舘 桂君      8番  藤原 伸君   9番  藤井幸介君     10番  若柳良明君  11番  本舘憲一君     12番  藤井英子君  13番  小原雅道君     14番  大原 健君  15番  高橋 勤君     16番  伊藤源康君  17番  櫻井 肇君     18番  照井明子君  19番  阿部一男君     20番  近村晴男君  21番  高橋 浩君     22番  鎌田幸也君  23番  藤原晶幸君     24番  平賀 守君  25番  中村初彦君欠席議員  なし説明のため出席した者 市長        上田東一君   副市長       亀澤 健君 副市長       佐々木 忍君  教育委員会委員長  照井善耕君 教育長       佐藤勝君    選挙管理委員会委員長                             奥山 隆君 農業委員会会長職務代理者      監査委員      戸來喜美雄君           浅沼英喜君 総合政策部長    久保田泰輝君  地域振興部長    市村 律君 財務部長      八重樫和彦君  農林部長      菅原浩孝君 商工観光部長    佐々木力弥君  市民生活部長    細川 祥君 建設部長      赤平勝也君   健康福祉部長    熊谷嘉哉君 生涯学習部長    市川清志君   消防本部消防長   小田島 満君 大迫総合支所長   藤田哲司君   石鳥谷総合支所長  菅原善幸君 東和総合支所長   菅谷一雄君   教育委員会教育部長 布臺一郎君 理事        藤原忠雅君   総務課長      伊藤徳明君 財政課長      松田英基君職務のため議場に出席した事務局職員 事務局長      久保田留美子  事務局次長     久保田謙一 主任主査兼議事調査係長       総務係長      舘下真智子           瀬川幾子     午前10時00分 開議 ○議長(小原雅道君) おはようございます。 これより本日の会議を開きます。 本日の会議は議事日程第2号をもって進めます。 ○議長(小原雅道君) 日程第1、一般質問を行います。 持ち時間は答弁を含め60分以内です。質問につきましては、議長に通告があった内容に従って質問をお願いいたします。 議長に発言通告書が提出されておりますので、順次質問を許します。 本日最初の質問者、照井省三君。(拍手)    (照井省三君登壇) ◆3番(照井省三君) おはようございます。 本定例会の先陣を切って質問させていただきます。3番、平和環境社民クラブの照井省三であります。まずもってお祝いを申し上げたいと思います。 過日行われました全国市議会議長会議の総会におきまして、本議会の7名の議員の方が永年在籍で表彰を受けられました。35年以上在籍の阿部議員、20年以上の櫻井議員、10年以上の藤原晶幸議員外5名の方、そして、小原議長におかれましては感謝状が贈られております。これまでの長い間の活動に対して心から敬意を表し、お祝い申し上げたい、このように思います。 それでは、質問に入らせていただきます。 質問につきましては、既に通告しておりました3点の項目とそれに付随する項目について、順次質問してまいります。質問事項を飛ばすことのないように落ち着いて質問をいたします。答弁をよろしくお願い申し上げます。 それでは、第1点であります。本市における働き方改革の推進と労働環境の整備についてお尋ねをいたします。 国のほうでは働き方改革実現会議を開催しまして、この計画は2つの大きな柱があります。1つには非正規雇用の処遇改善であり、2つ目は長時間労働の抑制策であります。その中でも、非正規雇用の処遇改善につきましては既に一昨年、2015年から全雇用労働者の4割以上、つまり2,000万人以上が既に非正規雇用となっていると言われているわけであります。この方たちの処遇改善をいかにしていくか。労働局では、まず1つは、それぞれの事業所において、非正規雇用の正規雇用への転換、そしてまた同一労働同一賃金の実現に向けた処遇改善、勤務諸条件の均衡を図る方針を打ち出しているわけであります。 そして、2つ目の部分につきましては、長時間労働が大きな社会問題としてクローズアップされました。大手広告会社の電通の問題であります。 2015年4月に入社された高橋まつりさんは、2015年12月25日、まさに半年ちょっと働いてみずからその生命を絶たれました。その大きな要因は、入社以来の過酷な長時間労働にあったというふうに言われているわけであります。入社して常に100時間を超える超過勤務、そしてまた電通の中においては、勤務時間の記録は70時間以内に抑えられていたことが大きな問題として取り上げられたのは、既に皆さん御承知のとおりであります。そしてまた、これに端を発しまして、宅急便の運転手の長時間労働、あるいは病院研修医の長時間労働、そしてまた教職員の長時間労働、このような問題が惹起しているわけであります。労働局では、これらの改善に当たっては、まずこの長時間労働においては36協定をきっちりと結んで、延長時間については一定の制限をすることを中心とした働き方改革を推進しようとしているわけであります。 そこでお尋ねをしたいと思います。 本市における職員の労働環境整備とワーク・ライフ・バランスはどのようになっているのか御質問をしたいと思います。 1つには、いわゆる非正規職員の正職員化に向けた取り組みを花巻市として行っているのかどうか、あるいは非正規職員の処遇改善に向けての取り組みをどのような形で行っているのか、お尋ねをしたいと思います。 2点目は、職員の超過勤務時間が月80時間超えている職場があるのかどうか、あるとすれば、改善策をどのように考えているのかお尋ねをしたいと思います。 3点目は、ちょっと角度変えますけれども、いわゆる事業所では障がいのある方の雇用率を定めています。普通の民間企業においては従業員の2%を雇用する義務を与えています。地方自治体は2.2%です。その実態が本市ではどのようになっているのか。平成30年度からはこの雇用率が2.5%に上げられる、そしてまた精神障がいがある方の雇用についても見直しを図れという提案がなされています。このことについて市の当局はどのように考えているのか、お尋ねをしたいと思います。 次に、1件目の2点目であります。 ことし4月28日に、文部科学省公立小中学校教員勤務実態調査の結果を公表いたしました。それによりますと、33.5%の小学校教員が週60時間以上働いている、中学校にあっては、週60時間以上働いている教員は57.7%に達していると報告されているわけです。これは文部科学省の報告ですけれども、連合の調査によると、既に過労死の基準となっている月80時間超えている教員は7割から8割に達していると言われています。文部科学省の報告でも先ほど申し上げたとおり、週60時間超えて勤務している教員が小学校で33.5%、中学校で57.7%いるわけですから、これを月に直したら80時間のいわゆる過労死の基準と言われている超過勤務をやっているということになります。この部分について、以下のことについてお伺いをしたいと思います。 1つには、本市における小中学校教員の1週間の平均勤務時間はどうなっているのか、お尋ねをいたします。 2点目、小中学校において80時間を超えて勤務している学校がどのぐらいあるのか、あるとすれば改善策をどのように進めてきたのか、お尋ねをいたします。 3番目であります。いわゆる超過、過重労働も要因の一つと言われている病気休職の方が市内の小中学校教員の中で何人いらっしゃるのか、お尋ねをいたします。 4番目です。多忙化の要因の一つとも言われているクラブ活動があります。市教育委員会では3月に、それぞれの保護者の皆さんにクラブ活動のあり方について、例えば週1日はクラブ休むとか、こういう文書を発出しているわけですけれども、それを受けて、それぞれの学校における対応がどのようになっているのか、お尋ねをいたしたいと思います。 そして、5番目ですけれども、この教職員、教員の多忙化解消に向けての取り組みがどのようになされているのか。私、過去にも質問したことがありました。県教育委員会県教職員組合そして県高等学校教職員組合、この3者において、多忙化解消のための会議を実施しているわけです。市当局においても、市教育委員会と校長会、それから教職員の代表を含めて多忙化解消会議を実施しているとお伺いしていますけれども、状況についてどのようになっているのかお尋ねをします。 2件目であります。保育園の待機児童解消策についてお尋ねをしたいと思います。 今回6月定例会にも提案されています。待機とまた違う形で、空き待ちという表現を使っているようですけれども、17人の空き待ちを含めた21人の待機児童の解消として、市はこの定例会において何とかして保育士を確保して、その上でこの当面の待機児童を解消したいと、提案しているわけであります。私も、この部分についてはまさにきっちりと待機児童を解消すべきだと、このことには賛成であります。ただ、1点気になるのは、今、公立保育所が15から12に減りました。その公立保育所12の中で、定員を満たしているのはわずか1保育園です。あとの11は定員割れしている。こういう定員割れの公立保育園の活用も考えるべきではないのかと。今、市当局が考えているのは、法人立を中心とした保育士確保策です。これを何とか公立保育園にも拡大をしながら、公立保育園のこの定員割れしている状況を活性化していくためにも活用できないのか、お尋ねをいたします。 次に、3件目であります。本市の立地適正化計画の推進についてお伺いをしたいと思います。 立地適正化計画の中でも、花巻地域におけるいわゆる都市機能誘導区域内にあっては、例えば総合花巻病院県立花巻厚生病院跡地に移転整備される、上町にはエセナ跡地を中心とした公園をつくる、被災者のための災害公営住宅をつくる、そして優良賃貸住宅をつくる、そして総合花巻病院が移転した場合は、その跡地を候補地の一つとした図書館の立地を検討、こういう具体の計画がある部分についてはいいわけですけれども、それ以外の、例えば大通り一丁目、大通り二丁目、末広町、鍛冶町、そして吹張町は都市機能誘導区域の中に入っているのですが、その具体の活性策は見えていないのです。私の出身はたまたま大通り二丁目でして、この間行政区の集まりに呼ばれてお話を聞いたときに、図書館でも持ってきてくれないかという話もありました。それは、商店街が本当にもうなくなっている。したがって、商店街組合も解散をしているのです。残った商店街でつくった街灯が大きな問題となっているのです。 今まで商店街の場合については、商工会議所からの補助があって電気料は賄えました。解散したことによってそれが出ない。したがって、それを今、町内会の財政から払っている。100万円足らずの町内会財政の中で、電気料と修繕費をあわせると30万円近い経費が出る。そこで、大通り二丁目振興会では電気を消そうかというところまで来ている状況です。この誘導区域内における今具体の計画のある部分とない部分に対する活性化対策についての考えをお伺いしたいと思います。 そして、2点目でございます。 この立地適正化計画の事業推進については、今まさにその緒についた段階であろうと思います。立地適正化計画は、総合花巻病院移転新築整備基本構想においても、医師の確保あるいはサービスつき高齢者住宅の単価の問題、あるいは経営全体の問題、大きな課題もあるわけであります。そういうことを含めて、これからこの花巻地域の活性化だけではなくて、石鳥谷、大迫、東和等を含めた花巻市全体の立地適正化計画をこれから進めていかなければいけないというふうに思います。そこで、これからの進め方と、進め方によるところの市長の決意をお尋ねをしたいと思います。 以上、登壇しての質問といたします。(拍手) ○議長(小原雅道君) 上田市長。    (市長登壇) ◎市長(上田東一君) 照井省三議員の御質問にお答えします。 1件目の本市における働き方改革の推進と労働環境の整備についての1点目、職員の労働環境とワーク・ライフ・バランスの現状についての御質問にお答えします。 まず、先ほど照井省三議員から、高橋まつりさんのお話がありました。大変痛ましく、希望に燃えた若者が、1年もたたないうちにみずから命を絶ったということでございます。私の大学の後輩のようでございまして、それだからということではないのですけれども、このようなことが二度と起こらないように、大人としても考える必要があるということを感じさせられている次第でございまして、心から冥福をお祈り申し上げたいと思います。 当市の話をさせていただきたいと思いますが、まず非正規職員の処遇改善に向けた取り組みについてでありますが、県内各市の賃金状況等を検証し、平成27年4月に資格や経験を要する相談員、指導員、保健師及び図書館司書などの非常勤職員の報酬について引き上げを行ったほか、非常勤職員に時間外勤務手当相当額の報酬の支給ができるよう規定の整備を行ったところであります。また、平成28年度には、保育士などの資格や経験を要する職種につきまして、臨時補助員から非常勤職員に任用がえを行うとともに、任期付保育士を15名採用するなど、業務内容を検証した上で任用方法の見直しを行ってきているところであります。平成29年5月17日公布、平成32年4月1日に施行される地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律において、臨時・非常勤職員の適正な任用を確保するため、一般職の非常勤職員会計年度任用職員とし、その採用方法や任期等が明確化されることとなっているほか、期末手当の支給が可能となるよう、給付に関する規定が整備されることとなっており、市といたしましても、今後国の動向を注視するとともに、県内自治体の賃金や勤務条件等との比較など随時検証を行い、改善が必要な場合は適正に対応してまいりたいと考えております。 次に、職員の時間外勤務が月80時間を超過している職場の改善策につきましてのお尋ねでありますが、平成28年度において、月80時間超の時間外勤務をした職員数は延べ102名となっており、その職員が在籍している課、室数につきましては22となっております。改善策につきましては、時間外勤務を行う場合は、所属長がその必要性を事前確認した上で勤務命令することや、特定の職員が負担にならないよう随時職場内の事務分担の見直しを行うことについて、所属長に対したびたび周知徹底させております。また、各部、機関からヒアリングを行い、業務に当たる人員が一時的に不足する部署につきましては、随時、臨時補助員や非常勤職員を任用し対応しておりますが、土木技術職員につきましては、昨年度末の退職者が多かったこと、補助事業等に係る業務量が増加したこと、また沿岸被災地に職員を派遣していること、そのような事情に対応するため、本年度中の採用が必要と判断し、現在採用試験を実施しているところでございます。 次に、障がい者雇用の現状と平成30年度からの法定雇用率見直しに向けた取り組みにつきましてのお尋ねですが、花巻市役所における平成29年6月1日現在の実雇用率は2.35%となっており、国及び地方公共団体法定雇用率の2.3%を達成しているところであります。本年5月30日に厚生労働省の諮問機関である労働政策審議会は、国及び地方公共団体障害者雇用率について、平成30年4月1日から現行の2.3%から2.6%に引き上げるよう厚生労働大臣に答申したところであり、厚生労働省においては、今後この答申を踏まえた対応を行う予定としております。本市においては、平成26年度から障がい者雇用を対象とした新規採用職員枠の試験を実施しておりますほか、非常勤職員につきましても、障がい者を対象とした任用に取り組んでおり、今後も法定雇用率を達成できるよう努めてまいります。 次に、3件目の立地適正化計画の推進についての1点目、花巻地域の都市機能誘導区域における活性化対策についてのお尋ねでありますが、平成26年8月に都市再生特別措置法が一部改正されたことを受けて、都市機能誘導区域は、立地適正化計画を策定する市において、人口密度、公共交通の利便性などの要件を満たす市の中心地域にのみ設定できることとされており、その地域において、医療、福祉、子育て、商業といった生活サービス施設の整備に国の予算が重点的に配分されることとなっていることから、当市においては、国土交通省の指導を得ながら、その要件を満たす花巻駅東側の地区を都市機能誘導区域と定める立地適正化計画を昨年6月1日に全国で3番目に策定したものであります。本市の立地適正化計画においては、まず総合花巻病院が旧岩手県立花巻厚生病院跡地に移転新築する計画を進めており、現在実施設計を行っているところであると伺っております。さらに、総合花巻病院跡地を候補地の一つとして、都市機能誘導区域内に当市の中央図書館的機能を持つ新図書館の建設を検討しており、またエセナ跡地の広場整備も事業として行っているところでございます。 一方、民間によるまちなか再生につながる事業として、株式会社上町家守舎が先般、マルカンビル大食堂を再開し、1階のカフェやセレクトショップもあわせて開設したところであります。この事業においては、花巻市も議会の承認をいただきながらふるさと融資を実行したところでありますが、民間主導の事業として推進されております。このマルカンビル大食堂を初めとするマルカンビルの再生事業につきましては、都市機能誘導区域における雇用や集客、にぎわいの創出など活性化に資する効果が大きいことから、当市としては、マルカンビル耐震補強工事の計画に対し、花巻市建築物耐震対策促進事業費補助金交付要綱に基づき、国、岩手県とともにその耐震補強工事に対する支援を行う方針としており、本年3月の市議会定例会において承認をいただいた今年度当初予算7,720万円を計上しているところであり、上町家守舎の計画の進展に合わせ、実行していきたいと考えております。 さらに、東日本大震災で被災され、内陸に避難されている方を対象に、被災者にとっても生活利便性が高く、都市機能誘導区域内の活性化につながるとの考えから、県ではなく市が、上町、仲町地区において、国の支援を受け、災害公営住宅の整備を検討しており、災害公営住宅整備に係る土地取得費として、今年度当初予算において2億1,388万円を計上しているところであります。なお、内陸において、県ではなく市が被災者公営住宅の建設を進めているのは、当市のほかに遠野市であるというように理解しております。 また、都市機能誘導区域内における空き店舗等の活用を図ることを目的とし、株式会社花巻家守舎株式会社上町家守舎が利用したいわゆるリノベーションまちづくり手法の普及拡大を図るために、ことし10月ごろ、リノベーションまちづくり分野において全国的に指導的立場にある専門家を招致し、リノベーションスクールを実施する予定としており、上町家守舎あるいは花巻家守舎等関係団体と連携しながら、まちなか再生につながる事業実施を推進していきたいと考えております。さらに、当市の立地適正化計画においては、将来花巻駅の橋上化も検討することとされており、これに関しても検討していきたいと考えているところであります。 次に、2点目の事業推進に向けた今後の進め方と市長の決意についてのお尋ねであります。 当市においては、都市機能誘導区域に指定している旧花巻市の中心部において、過去に新興製作所の移転、県立花巻厚生病院岩手県立中部病院への統合移転、花巻デパートや誠山房の閉鎖、マルカンデパートの閉鎖など核となる施設の閉鎖が続き、また旧花巻地域の中心部とみなされている都市機能誘導区域を含む花巻中央地区コミュニティ会議の区域の人口が他地域と比較しても特に大きく減少していることから、長年にわたり多くの市民から、いわゆる中心市街地活性化を求める声が大きく出ていたところであります。この中で、ショッピングセンター等大規模な商業施設は、車社会における交通の利便性を求める消費者、住民ニーズの変化により郊外に立地する傾向が強く、そうした背景の中で、青森市の駅前の例に見られるように、行政主導により中心市街地にショッピングセンターを設置し、活性化を図る方法は、実際上、現実的ではないという状況が続いております。 当市においては、旧花巻市の中心部、大迫、石鳥谷、東和の各地域の中心部がそれぞれの地域における生活サービス機能の拠点となっており、今後もそれぞれの地域の生活サービスを提供していく中心地として維持することが、市民の生活にとって大変重要であると考えております。この中で、当市において、決算ベースで約500億円の一般会計の支出を賄う市税収入は約110億円で推移しており、何ら手段を講じることなく4つの地域の生活サービス拠点を維持していくことは甚だ困難な状況にあります。 当市は、平成18年1月1日の広域合併の際に策定した新市建設計画に掲げる事業の実施に当たり、元利償還金に対する交付税措置が70%と有利な財源措置である合併特例債の法令上の発行限度額が約390億円であったところでありますが、昨年3月の時点で、まちづくり基金に積み上げた20億円を含め、約160億円の発行にとどまっておりましたことから、10年間の延長を認める法の改正を踏まえ、残りの約230億円について、平成37年度までの発行を可能とする新市建設計画の変更を昨年3月に市議会で御承認いただいたところであります。また、大迫、東和地域においては、充当率100%、交付税措置率70%の過疎対策事業債を活用できる平成28年度から平成32年度までを対象とする花巻市過疎地域自立促進計画や充当率100%、交付税措置率80%の辺地対策事業債を活用するため、一部の地域に係る辺地総合整備計画を策定し、本年3月市議会定例会におきまして御承認いただいたところであります。 このように、当市のまちづくりを進める上で財政上有利となる市債の発行を可能としたことに加えて、立地適正化計画都市機能誘導区域において、総合花巻病院の移転新築や図書館整備計画に対する国の交付金、補助金を受ける予定としていることなど財源の確保に努め、後世の市民の負担をできるだけ小さくしながら、地域づくりを進めていく所存でございます。先ほど申し上げましたように、花巻市においては、旧花巻地域の中心部のほか、大迫、石鳥谷、東和地域のそれぞれの中心地域が住民の生活サービス拠点となっておりますが、立地適正化計画における医療、福祉、子育て、商業等の施設整備に対する国の重点予算配分の対象となるのは、都市機能誘導区域に指定した花巻地域、駅の東側の中心地域に限定されることから、大迫、石鳥谷、東和地域における生活サービス拠点については、先ほど申し上げました合併特例債や過疎債等の有利な財源を活用しながら、また可能な場合には、国・県の支援を受けながら必要な整備を行っていきたいと考えております。 また、本市における立地適正化計画においては、都市機能誘導区域及び旧3町中心市街地における生活サービス施設のほかに道路整備、公共交通の確保によるいわゆるネットワークの整備が重要とされていることから、花巻地域、大迫地域、石鳥谷地域及び東和地域を結ぶ幹線路線バスなどの公共交通の維持に努めるとともに、4つの中心部とそれぞれの周辺地域においては、現在石鳥谷地域で導入している予約乗り合い交通システムを導入することによりネットワークの確保に努めていく考えであります。コンパクト・プラス・ネットワークという考え方に基づいて、ネットワークの確保に努めていく考えでございます。 そのほかにつきましては、教育長から答弁いたします。 ○議長(小原雅道君) 佐藤教育長。    (教育長登壇) ◎教育長(佐藤勝君) 1件目の本市における働き方改革の推進と労働環境の整備についての2点目、小中学校教員の勤務実態につきましての御質問にお答えいたします。 1つ目の1週間当たりの平均勤務時間につきましての御質問でございますが、各学校におきまして教員が申告した勤務時間状況記録簿を学校長が取りまとめ、四半期ごとに教育委員会へ報告し、教育委員会ではその集計をもとに各小中学校の毎月の時間外勤務状況を把握しているところであります。この集計により、昨年度の1週間当たりの平均勤務状況は46時間33分であり、平成27年度は46時間22分でしたので、比較しますとほぼ横ばいで推移しています。 2つ目の時間外勤務が月80時間を超過している学校につきましての御質問でありますが、時間外勤務の平均が月80時間を超過している学校はありませんが、月80時間を超過している教員の月平均人数は、昨年度が1.7人、平成27年度は2.3人となっており、やや減少しております。 3つ目の病気休職している教員数につきましての御質問でありますが、長期の病気休暇または休職をした教員数は、平成28年度が12人、平成27年度は14人でしたので、2名減少しています。今年度は、6月9日現在で病気休暇中の教員はなく、病気による休職者が4人となっております。 4つ目の多忙化の要因とも言われている部活動等への対応状況への御質問でございますが、花巻市教育委員会では平成29年2月9日に、校長会や花巻市PTA連合会代表者の方々を構成員とした花巻市部活動等のあり方検討会議を開催し、各種調査やアンケート結果を分析し、スポーツ医学の専門の先生の御指導もいただきながら、市内児童生徒のスポーツ活動についての実態を共有し、業務の適正化に加え、児童生徒のバランスのとれた成長や家庭学習時間の確保、教員が児童生徒と向き合う時間の確保等の視点から、月2回原則として第2日曜日と第4日曜日を休養日とすることなど、部活動等の適正なあり方について協議いたしました。 その後、岩手県教育委員会より通知がございまして、中学校における部活動休養日等についての基準が示されたこととあわせ、花巻市校長会から意見の聴取を行い、3月13日に第2回目の花巻市部活動等のあり方検討会議を開催し、岩手県が示した基準をもとに検討を加え、花巻市内の中学校における部活動休養日等の基準を平日週1日及び第2日曜日、第4日曜日を休養日とすることと定めました。そして、3月17日には市内小中学校の全保護者宛てに部活動等の休養日の基準や活動時間等の留意事項を明記した文書を発出いたしました。さらに、花巻市体育協会や花巻市スポーツ少年団本部の御理解を得ながら、部活動の適正化に係る取り組みを進めてまいりました。一方、各中学校では、PTA総会や地区懇談会、学校通信等で保護者に御説明し、保護者の御理解を得ながら、本年度7月からの実施をめどに4月1日から各校の実態に応じて弾力的に実施されております。 各中学校の4月、5月の実施状況について調査したところ、平日週1日の休養日は11校中8校が実施している、3校がおおむね実施していると回答しており、ほぼ適正に実施されております。また、第2日曜日と第4日曜日の休養日については、1校が実施している、9校がおおむね実施している、1校が余り実施されていないと回答しており、大会等に参加するため実施できない場合もございます。しかしながら、それにかわる代替の休みをとり、おおむね月2回、土曜日か日曜日を休養日として実施している状況にあります。平日2時間から3時間程度の活動時間については、6校が実施している、5校がおおむね実施していると回答しております。一方、土曜日や日曜日、長期休業中、3時間から4時間以内の活動時間につきましては、練習試合や遠征等のため、2校が余り実施されていないと回答しており、おおむね実施されているものの、課題もまだ見られます。教育委員会といたしましては、今年度も花巻市部活動等のあり方検討会議を継続して開催し、関係機関や関係団体と連携しながら、部活動休養日等の基準、この評価や課題を探り、生徒の健全育成を図り、教職員のワーク・ライフ・バランスに配慮して部活動等の適正化を推進してまいります。 5つ目の多忙化解消に向けた今後の対応策につきましての御質問でございますが、花巻市の多忙化解消の取り組みにつきましては、平成27年岩手県教育委員会通知、「市町村立小中学校における労働安全体制の整備について」を受け、平成27年度より学校長及び衛生推進者である副校長、職員団体の代表、教育委員会による教職員の多忙化の解消を目的とした花巻市教育委員会教職員多忙化解消対策会議を設置いたしました。その中で、多忙化解消に向け、学校内で業務改善や会議研修会などの精選、働き方の見直しが必要であるという方向性が示されたことから、教育委員会において、各校における効果的な業務改善の実践例を収集し、各校へフィードバックするなど、その実践を促しております。 また、各学校においては、安全衛生について、職員からの意見に基づいて協議を深める場として学校安全衛生会議を設置し、定期的に開催することとしております。健康管理、業務の効率化の検討、また時間外勤務状況の情報共有などを行っておりますが、その協議を踏まえ、ノー残業デーを定め、早目帰宅の声がけを推奨するなど独自の取り組みを行っているところも見受けられます。業務繁忙時期の開催は実施が難しいような実態も見受けられますが、文部科学省が平成29年4月に示した教員勤務実態調査の結果の状況に対して、市内各学校で月の平均勤務時間がほぼ変わらないものの、月80時間を超過している教員の月平均人数がやや減少しているという状況を見ますと、教員間において、以前に比べ時間外勤務に対しての意識が高まりつつあるものと認識しております。 教育委員会といたしましては、教員の健康障がいの防止や長時間労働の改善が児童生徒と向き合う時間の確保につながり、充実した指導や健全な学校経営を生み出すものと考えますことから、今後も時間外業務の把握や情報の共有を行い、学校と積極的に連携を図りながら、花巻市教育委員会教職員多忙化解消対策会議の中で、学校の業務分担の見直しや、先ほど申し上げましたような行事の精選、校内会議の持ち方等について協議を進め、教育委員会といたしましても、研修事業の見直しや調査報告等の簡略化などの改善について工夫し、進めてまいりたいと存じます。 2件目の保育園における待機児童対策につきましての御質問にお答えいたします。 まず、当市の待機児童の状況でありますが、本年4月1日現在で17名、6月1日現在で15名となっており、昨年同期からは減少しているところでありますが、依然その解消には至っていないところであります。6月の15名の待機児童の内訳でありますが、ゼロ歳児が5名、1歳児が6名、2歳児が4名となっており、3歳以上のお子様についてはおりません。また、市中心部における発生が全体の9割を数え、この早期解消を図るため、お子様の預け入れに必要となる保育士の確保や一時預かり保育事業の見直しによる保育の受け皿の拡充など、保育の確保策として今般取り組みを進めることとしたところであります。お尋ねの児童数が定員に達していない公立保育園を活用することについてでございますが、6月1日現在、定員に達していない公立保育園は12園中11園となっております。定員に達していない要因は大きく2つあると認識しております。 1点目は、乳児や1歳児の保育ニーズの高まりによる年齢別の保育利用者に差が生じたことによるものであります。保育園は施設全体の定員を定めるため年齢別の定員を設定しておりますが、最近の保育ニーズの中心は3歳未満の低年齢のお子様であり、この低年齢のお子様の利用につきましては、市中心部付近の各園では定員を満たし、お預かりしている状況です。その反面、3歳以上児につきましては、公立園全体の定員474名に対し、6月時点の園児数は希望がないことから325名と定員を満たしておらず、施設全体としては定員に達していないということが第1点でございます。3歳以上児の定員に対する入園者の利用率は69%でありますが、各園では年齢ごとの保育を行っていることから、保育室は全て活用しており、利用者が少ないため部屋をあけているという例はございません。 2点目は、定数を下回る少子化の進行と、またその実態が地域によって異なる現状によるものであると捉えております。この要因により、定員に達していない公立保育園は市中心部付近の4つの園以外の8園であります。待機児童解消策の一つとして、当該園の活用につきましては3月定例会において御説明いたしたところですが、この待機児童の発生している地域からの送迎サービスの実施を本年4月の待機児童の発生が確実になった2月より検討したところでございます。検討の内容といたしましては、市内中心部の保育園から3、4歳児を空きのある保育園に送迎し、送迎によって空きのある保育園への3歳未満児の入所を促進しようとするものでございました。そこで、この検討の中で、入所の空き待ちをされている保護者の方々へ送迎サービスの実施に関する利用意向調査を3月から4月にかけて実施いたしましたが、その結果、お子さんの体調が不調のときの迎え等の不安から利用の希望が極めて少のうございましたことから、解消策としては効果が薄い、そのように判断し、実施を見送ったところであります。 こうしたことを踏まえて、今定例会で補正をお願いしております保育の確保策における保育士確保につきましては、保育ニーズの高い市中央部を中心に運営されている法人立保育園において、受け入れが可能にもかかわらず保育士が確保できていない、このことから入園をお断りしているというお話を各園からいただいているほか、今後施設の拡充を検討されている法人の方々からの御相談を踏まえ、まずは保育士の確保を行うことが喫緊の課題と捉え、取り組みを進めているものでございます。 ○議長(小原雅道君) 照井省三君。 ◆3番(照井省三君) それでは、再質問させていただきます。 まず1点目の市長の答弁の中で、やはり職員の中で月80時間超えている方が百数名いると答弁がありました。これは、例えば財政課などは年度の時期によって、それぞれ多忙化があると思うのですけれども、80時間を超えるということは、やはり労働者としての生活が非常に圧迫されるのだろうと思います。当然職場によって多忙の時期が違ったり、時期によるものかもしれませんけれども、先ほど市長からできる限り配置等について考慮していきたいという答弁もありました。ぜひ、この80時間を超える職員の解消に向けて努力をしていただきたいなと思います。これはそのように要望しておきたいと思います。 もう1つは、地方公務員法と地方自治法が5月に改正になって、3年後にこれが施行されるわけですけれども、その中においてちょっと気になるのは、花巻市の雇用形態もいろいろあります。例えば臨時補助員、あるいは特別職非常勤職員、そして一般職非常勤職員、フルタイムとそれから短時間勤務、特定任期付職員、そして一般職の任期付職員、フルタイムがあるわけで、私が気にしているのは、今現在正職員が、この間の調査では915人ぐらいで、非正規職員が400人を超えていたと。花巻市で言うと既に40%の枠を非正規職員が占めているわけであります。そこで、いわゆる非正規職員、例えば非常勤の方の正規職員への登用の道をこれからの対策の中でぜひとも切り開いてほしいなというふうに思います。 そこで質問ですが、非常勤職員の中で例えば生活相談員の方は一般職非常勤職員ですけれども、いわゆるフルタイムではなくて俗にいう短時間、週30時間以内という形で任用して、しかしそのことによって再任用もできるという形で進めていらっしゃるわけですね。そこを確認したいと思いますが。 ○議長(小原雅道君) 久保田総合政策部長。 ◎総合政策部長(久保田泰輝君) 非常勤職員につきましては、ただいま議員がおっしゃいましたとおり、複数年度の任用についてはできることとなってございます。 ○議長(小原雅道君) 照井省三君。 ◆3番(照井省三君) 私の質問項目が多かったために、答弁にかなり時間をとられて再質問なかなかできないのですけれども、教職員の関係についてお伺いしたいと思います。 文部科学省が実態調査で報告した小中学校の教職員の勤務時間が週60時間を超えている割合からいくと、花巻市における小中学校教員の週の平均勤務時間はかなり抑えられているのかなと思いますけれども、実態調査について、先ほど教育長が、それぞれの学校において教員の報告に基づいて校長が把握し、校長はそれを教育委員会に報告するという形になっておりますとのことでしたが、文部科学省の報告と小中学校における報告の実態の差異について、どのようにお考えですか。 ○議長(小原雅道君) 佐藤教育長。 ◎教育長(佐藤勝君) 文部科学省の調査結果と花巻市の結果については大分地域の教育事情の違いというのはあろうかと思います。ただ、花巻市において特徴的なのは、先ほど御指摘ございました例えば部活動については非常にやはり先生方の熱心さというのもございまして、大分その点については多いなというふうに思いますし、小学校と中学校の大きな違いについては、その辺のところが大きいのかなというふうには把握してございます。 ○議長(小原雅道君) 照井省三君。 ◆3番(照井省三君) もう1点お伺いしますけれども、実は働き方について、例えば夏休み期間における休暇ですが、33市町村の中で27の市町村では、特に14、15、16日を中心に夏季休暇を設けて、完全閉校して職員を休ませているという実態があるわけですけれども、花巻ではまだそれは実施されていませんが、実施する方向性にありますか。 ○議長(小原雅道君) 佐藤教育長。 ◎教育長(佐藤勝君) 県内の他市町村において、いわゆるお盆の時期と申しますか、その時期で実施しているところが大分今ふえてきているというふうには認識はしております。ただ、閉校というふうな言葉を使っておりますが、閉庁ですか、そういった言葉の認識も若干やはり課題があろうかと思います。閉庁、つまり学校が閉校したときと同じような認識でございますが、また一方では臨時休業日というようなことでやっているところもあって、それぞれのところでお決めになっているかと思いますけれども、その点については現在検討しているという段階でございます。
    ○議長(小原雅道君) 照井省三君。 ◆3番(照井省三君) 33市町村のうち27市町村が形式はどうであれこれを実施しているということは、やはり必要だという形でやっていると思うのです。この部分についてぜひ検討していただきたいと思います。 最後に、高橋まつりさんのお母さんからの働く人たち、そして管理者に対するメッセージを朗読させていただいて終わりにしたいと思います。 「頑張り過ぎないでSOSを出してほしい、逃げてほしいと思います。どこかに戻るところがあれば戻ってほしい」「働いて苦しんでいる人には、周りが手を差し伸べてほしい、自分からも逃げてほしい、病院に行く、お休みする、本当にお休みをしてほしいと思います」このことをぜひ管理職の皆さんも心に刻んでいただきたいと思います。 以上、終わります。 ○議長(小原雅道君) 以上で、照井省三君の質問を終わります。 ここで11時15分まで休憩いたします。     午前11時2分 休憩     午前11時15分 再開 ○議長(小原雅道君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。 次の質問者、伊藤源康君。(拍手)    (伊藤源康君登壇) ◆16番(伊藤源康君) 16番、明和会、伊藤源康でございます。通告に従いまして質問をいたします。 最初は、農業振興についてであります。本市の農業のあり方については、3月定例会で市長施政方針の中で示されましたが、農業所得をどのように向上させ、担い手をどのように育成、確保していくのか、本市の農業はさまざまな課題を抱えており、その点から改めてお伺いをするものであります。 この間、ある一般紙が国の農政を一強農政という見出しで表現をしておりました。うまく表現するものだなと思いました。最近の農政論議は政府与党からの一方的なものが多く、本来農業政策はあらゆる角度から議論されるべきものだと思いますが、これでは政府与党の一強農政と言われても仕方がないことだと思います。御存じのとおりTPPの批准は先行き不透明であり、昨年12月9日に承認案と関連法案が国会で可決をされました。批准に備え、政府は農業競争力強化プログラムを発表、その直前には、規制改革推進会議が農協改革に関する意見を打ち出しました。この提言によって、全農はさらなる自己改革が求められております。農業者の中には全農のあり方に強く不満を持つ人も多く、全農改革に賛同する農業者も少なくありません。同じように全中を含めた農協への改革も、解体論も含め厳しい提言がございます。確かに全中と全農が今まで農家を見て仕事をしてきたのかという疑問は残りますが、余りに一方的な議論の感じがいたします。 市長は3月の施政方針の中で、これからの本市農業のあり方についてこう述べております。花巻米の評価の向上、GPS基地局などの利用による経営コストの削減、ワイン・シードル特区認定に見られるように、ブドウやリンゴの6次産業化も含めた生産振興への取り組み、農畜産物の輸出促進、さらには担い手の育成や新規就農者への支援などを主な方針として述べられておりました。そのとおりなのでありますが、本市農業の将来像を考えると、1つは個人の担い手や集落営農組織への農地集積を加速させ、将来は法人同士による農地交換を視野に入れるなど、水稲栽培における徹底したコスト削減を目指すこと。次に、営農組織への水稲以外の品目導入を進め、経営の安定を図るとともに、民間を通した周年栽培の確立を生み出し、労働力の周年雇用の確保を実現すること。さらには、6次産業への取り組みによる農業所得向上を目指し、担い手や新規就農者の拡大を図ることなどが挙げられると思います。 さらに大事なことは、中山間地域の農業、農村の将来像をどう描くかということであります。中山間では集落そのものが存亡の危機にあるところも多く、また農業そのものが高コスト体質であり、農地の維持管理だけでも大変なのであります。全国の中には、中山間地の農業を支えるため、農協が出資をする法人を立ち上げ、農地を直接管理し、新規就農希望者の研修を行うなど、それなりの実績を上げている事例もあります。中山間地は平場と違った対策が急務であります。政府は美しい農村風景と伝統、文化を守り、将来に希望の持てる強い農業を目指すと言っておりますが、中山間地域においては、大規模化や効率ばかりを求める強い農業は、逆に中山間地域の切り捨てになります。競争力強化だけで美しい農村や伝統文化を守れるとは到底思えません。政府はこの矛盾に気がつかないのか、気がつかないふりをしているのでしょうか。食料・農業・農村基本法、この法律の原点に立ち返る必要があります。しかし、平場地域とて同じことで、徹底したコスト削減を目指す反面、大規模な農家や組織だけが力をつけるのではなく、基本は農村社会をみんなで支えていくという視点が根底になければ、持続可能な農業、農村は実現しません。それが私が思う本市農業の将来像であります。改めて市長の見解をお伺いいたします。 次に、平成30年以降の生産調整への取り組みについてお伺いいたします。このこともこの場所で何度か議論をいたしましたが、改めてお伺いをいたします。 国は平成30年から米の生産数量目標の配分を廃止します。岩手県では今月13日、2018年産主食用米の県全体の生産目安について算定方法を明らかにしました。そして、ことし12月末までに市町村別の生産目安を決定するとしております。一見今までと変わらないように見えますが、この見直しにより米の過剰が再発しないか、農家は強く警戒をしております。実際、昨年も一部の有力な米産地では減反が未達成であり、こうした産地はこれからも生産調整には非協力的だと思われます。人口減少社会を迎え、米の需要は毎年8万トン余り減少する中、政策の見直しによる不安は極力避けなければなりません。国は米価下落へのセーフティーネットとして収入保険制度を創設するほか、飼料米などの転作への支援も引き続き強化するとしておりますが、半世紀余り続いた減反政策の中では、農家が分断される時期が長く続くなど紆余曲折の連続でありました。ようやく光が見えた段階であり、政策を見直して失敗したのでは許されません。本市ではこうした生産調整見直しにどのように対処していくつもりなのか、改めてお伺いいたします。 次に、本市の農畜産物におけるGAPの取り組みについてお伺いをいたします。 このGAPは、農業に関して各生産工程の正確な実施や記録、点検などを行う管理手法の認証制度で、国際版グローバルGAP、日本版JGAP、県版GAPなどがあります。全国ではグローバルGAP、JGAP合わせて4,400ほどの経営体が認証を受けていると言われておりますが、県内ではまだ複数の経営体が取得しているだけで、本県は全国的にも、東北の中でも大きくおくれをとっておるのが実情です。このGAPが注目されたのは、2020年に行われる東京オリンピックの選手村で使用する食材について、認証を受けたものを要件とする提案がされたことで一気に注目されました。このままでは選手村で使用する食材を日本産だけでは賄うことができないことから、政府はGAPの取得件数を2019年末までに約3倍までふやすことを提案しております。また、全国の農業高校全てにGAPを取得するよう支援に乗り出すとの報道もあります。こうした背景を見ますと、生産現場でも早目の対応が望まれると思いますが、本市はどのように取り組みをしていくのか、お伺いをいたします。 次に、集落営農組織の現状と課題、そしてその後継者についてお伺いをいたします。 最近幾つかの集落営農組織の方とお話をいたしましたが、聞いてみますと、組織の経営課題は幾つかに集約されるように思います。1つは、経営の安定化であります。現状では、営農組織は国からの交付金などによりどうにか経営を維持しているようでありますが、水稲や一部に偏った転作に頼る経営が主であり、早目に交付金頼みの経営からの脱却を図る必要があります。また、営農組織では慢性的に労働力が不足をしております。どうにか雇ったとしても、給与などの待遇面でやめていく人が多いと聞きました。雇用した若い従業員に満足のいく待遇を与えることができないのであれば、その組織の経営はしっかりしているとは言えません。若い後継者を周年雇用できるような体制づくりが急務であります。このような組織の現状にどう対処しようとしているのか、お伺いをいたします。 次に、生涯学習の取り組みについてでありますが、最初に、新花巻図書館整備基本構想についてお尋ねをいたします。 最近図書館の話題がマスコミ等に取り上げられる機会が多くなりました。これは、図書館整備構想をまちづくりに生かそうとする自治体が多く、各地でさまざまな取り組みがなされているからであります。本市においても、整備基本構想案を策定いたしましたが、この構想案は平成24年度に花巻図書館整備市民懇話会において提言された内容を踏まえて策定をされたとお聞きしました。まちづくり総合計画など各計画との整合性を持たせながら、今後詳細を詰めていくものと思われますが、整備に向けた今後の取り組みについてお伺いをいたします。 次に、市民の芸術文化活動に対する本市の考え方と花巻市民劇場への取り組みについてお伺いいたします。 花巻市は昔から芸術文化の薫りが高いところであり、特にも宮沢賢治を初め、芸術文化に造詣の深い先人を数多く輩出してきました。私は、多数の市民が芸術文化に親しみ、そしていろいろな文化活動が盛んに行われることがその町の成熟度であると常々思っております。ともすれば、企業誘致や産業の活性化だけに目が行きがちですが、芸術文化活動への取り組みはとても大切なことであり、そうした観点から、本市は芸術文化活動に今後どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。 また、花巻市民劇場への対応もあわせてお伺いをいたします。 花巻市民劇場は県内で最も早くスタートをいたしました。いわば県内では市民劇場の先駆け的存在でもあります。ことしの2月で41回目の公演となり、私も文教常任委員長の立場で最初と打ち上げの2回、集まりに参加をさせていただきましたが、そこで大変残念なことをお聞きしました。市民劇場の代表の方から、ことしの公演から市民劇場をやめようと思ったというのであります。その原因は、スタッフ、キャストとも年々先細りとなり、ここ数年、開催を継続することが非常に困難になってきたということであります。実は、私も市民劇場の第1回の立ち上げから4回ほど参加をいたしましたので、この話を聞いてびっくりいたしました。私の記憶では、市民劇場が始まった当初は、文化会館のスタッフを初め幅広く市民が数多く参加し、仲間と夜遅くまで熱く議論を交わしたものでした。今の市民劇場には、小学生から高校生まで市内の多くの子供たちが参加をしております。彼らとも話をしてみましたが、皆すばらしい子供たちで、花巻市民劇場に参加をしてよかったと笑顔で話してくれました。ここに参加している子供たちは間違いなく花巻の将来を背負う人材です。その市民劇場が危機に瀕しているのであります。市民劇場は市民の自主的な運動ではありますが、この現状にどう向き合うおつもりなのかお伺いをいたします。 次に、教育振興でありますが、最初に、小中学校の適正配置・適正規模に係る検討状況と今後の進め方についてお伺いをいたします。 文部科学省は10年ぶりに小中学校の学習指導要領と幼稚園教育要領の改訂を発表いたしました。今回の学習指導要領の改訂は、これまでと違い、主体的、対話的で深い学びを検討するとあります。一方的に教員の話を聞く授業ではなく、議論や体験などを通じ子供たちが主体的に学ぶことを求める内容でございます。そのためにも、教員自身が学ぶ時間と場が欠かせないと言われておりますが、先ほどの一般質問にもありましたが、教員の多忙化は解消されておらず、またベテラン教員から若手の教員へ代がわりする過渡期でもあり、教育の安定した継承が不安視されてもいます。 さらに、深刻なのは少子化の問題であります。この間政府が打ち出しました骨太方針の中には、少子化を意識して幼児教育の早期無償化や大学教育など高等教育の負担軽減に取り組むことなどが盛り込まれました。今、日本は非正規雇用の割合が4割近くになり、学費を負担できない親がふえていると言われております。子供の貧困問題などを考えますと、特にも幼児教育無償化などは一刻も早く取り組むべき課題だと思います。こうした少子化傾向は学校のあり方にも大きく影響しており、全国の小学校の数がこのまま推移すれば、30人以下の小学校が2040年には10校に1校となるそうであります。教育委員長は3月定例会の委員長演述の中で、学校教育環境の充実として昨年設置した保育・教育環境検討会議とあわせ、将来あるべき姿の構築に取り組むとしておりますが、小中学校の適正規模をどのように捉え、適正配置についてどのように取り組むのかお伺いをいたします。 次に、西南小学校創設についてであります。 我が地元にある笹間第二小学校も児童数30人以下の小学校であり、御存じのとおり笹二学区の方々は、教育の質の向上と小学校が地域活性化の大きな拠点であるとの認識から、長年にわたって統合に反対をしてきました。しかし、間もなく10人台の小学校となってしまいます。私は一昨年以来時間をかけながら、少しずつではありますが、地元の方々と話し合いを重ねてまいりました。そうした中で、あくまで私の個人的な感想になりますが、最近統合に対する住民の意識が少しずつ変化してきているように思います。 そこで提案をいたしますが、笹間と太田地区にある3つの小学校を1つにした西南小学校を新たに創設することを提案いたします。過去に同様の質問をいたしましたが、そのときは地元の意向が統合に向け、まだ高まっていないとの判断から余り踏み込んだ質問をいたしませんでしたが、誤解のないように申し上げますと、この構想については西南地域の全住民の同意を得て提案しているものではありませんので、地元の中にはこの提案に疑問を持つ方もいらっしゃるとは思いますが、私は太田地区のかなりの方々とも議論を重ねてきたつもりであります。太田小学校も市内で最も古い校舎の一つであり、長寿命化対策をしたとしても残りの年数は限られてきます。そうであれば、将来を考え、西南地区に新しい小学校を創設するというこの提案は、市としても十分に検討に値するものだと思います。そして、この新しい小学校は西南中学校と隣接する場所に、小中一貫の市内モデル校として開校すべきだと考えますが、教育委員会のお考えをお伺いいたします。 最後に、主権者教育の現状についてお伺いいたします。 現在18歳から選挙権が与えられており、以来学校現場ではどのような主権者教育が必要なのか議論されているようです。本市議会でも、過去において中学生による子ども議会が開催された経緯がありますが、これも立派な主権者教育の一つだと思います。主権者教育は中学生から必要とも言われており、本市において、子ども議会の復活も含め主権者教育にどのようなお考えなのか、お尋ねをいたします。 以上で登壇での質問といたします。(拍手) ○議長(小原雅道君) 上田市長。    (市長登壇) ◎市長(上田東一君) 伊藤源康議員の御質問にお答えします。 大変多岐にわたる御質問、早口で御質問いただきましたけれども、これ回答できるかどうか、こちらも早口にさせていただきます。ちょっと棒読みになるかもしれませんけれども、お許しいただきたいと思います。 1件目の農業振興についての1点目、本市の農業の将来像につきましてのお尋ねでありますが、言うまでもなく農業は花巻市の基幹産業であり、大事なものであると認識しております。花巻市の農業においては、水稲の占める役割はいまだに大きなものがあり、花巻市の農畜産物の販売金額の約半分を占めております。その観点から、水稲生産の競争力を維持していくことは、花巻市の農業振興にとって極めて重要であると認識しております。また、水稲に加え、野菜、花き、果樹といった園芸作物や畜産の振興も重要と考えておりますが、生産者の高齢化を初め、園芸作物につきましては生産量の減少、畜産につきましては自給飼料の確保などが課題と捉えております。特に、ブドウ、リンゴを初めとする果樹につきましては、その生産面積が減少していることから、農地中間管理事業を活用した、農地集約は今まで水稲が主でございましたけれども、その農地の集約やワイン特区を活用した6次産業化に加え、県が新たに立ち上げたいわてワインヒルズ推進協議会の中核を担う本市が、国や県からの支援をいただきながら魅力ある産地を形成することが大切であると考えております。 担い手の確保に向けた取り組みといたしましては、集落営農の組織化や集落営農組織の法人化に対する支援、新規就農者に対する支援、市内女性農業者の活動支援などの取り組みを従前と同様、あるいはそれに増して強化していくことが必要であると考えております。 水稲の競争力を維持する対策といたしましては、農地の集約化や集落営農組織の法人化、米の需給バランスの確保、農業用ICTの導入等を進めているほか、ケイ酸資材の利用による評価の高い花巻米の産地づくりを引き続けて進めてまいります。 花巻市におきましては、これまで農地中間管理機構を活用し、3,500ヘクタールの農用地が担い手に集積、集約化され、先日も農林水産大臣に直接お話し申し上げましたけれども、全国でもトップレベルの実績となっておりますが、平場と比べて農用地の集積が進んでいない農業生産条件の不利な中山間地域においては、中山間地域直接支払制度による支援や中山間地域等の借り受け希望者の少ない地域の農地の借り受け者を対象とし、10アール当たり2万円を交付する市の単独事業である花巻市特定地域農地流動化交付金事業を引き続き展開し、中山間地域における営農活動や集落機能が維持されるよう支援していくことが重要であると考えております。また、担い手が作業しやすい農用地の基盤整備も当市においては順調に進んでおりますが、国は農用地の基盤整備に当たり、水稲のみならず野菜、果樹などの作物も導入する地域の基盤整備を優先するとの方針も示していることから、今後におきましては、野菜、果樹など高収益作物の導入も見据えた基盤整備を進めていく必要があると考えております。 さらに、産地の収益の向上に対して総合的に支援する産地パワーアップ事業、花巻市の農業者も利用していただいております、畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業、農業用施設や農業用機械の導入に対して支援するいわて地域産業マスタープラン実践支援事業などの国・県の事業に加え、アスパラガスの新規導入や増反に対して支援するアスパラガス倍増3カ年事業、花きの種苗費等に支援する園芸生産拡大支援事業、果樹優良品種の新植、改植を支援する果樹産地育成支援事業、簡易畜舎の整備や飼料生産機械等の導入を支援する畜産基盤強化対策事業等の市単独事業を引き続き展開してまいります。 そのほか、経営コストの低減や農作業の効率化が期待できるGPS基地局を利用したその他農業用ICTやロボット技術の導入に向けた取り組み、花巻市産の農作物のPRや販路拡大に向けたマッチング事業やトップセールスの実施なども重要な取り組みと捉えており、今後も推進を図っていく所存でございます。 次に、2点目の平成30年度以降の生産調整の取り組みにつきましてのお尋ねでありますが、国においては平成25年12月10日に農林水産業・地域の活力創造プランをまとめ、国による生産数量調整については少し後退した、そのような計画を発表したところでございます。 これまで、市といたしましては、国が示す米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針において、今後も議員御指摘のように需要が減少するものとされている中で、主食用米が生産過剰となった場合、米価下落につながることが強く懸念されるため、主食用米の需給バランスの確保は大変重要であるとの認識のもと、平成30年以降の米政策を見直すよう、岩手県市長会や東北市長会、全国市長会の農業政策等を考える小委員会等において直接国に要請してきたところでありますが、現在の状況といたしましては、国が生産調整から完全に撤退するわけではなく、国から主食用米の需要見通しに関する情報が示され、その情報をもとに各県の農業再生協議会において生産目安を設定していくという方向で進んでいるところであります。 このような状況の中、岩手県農業再生協議会では平成30年以降の米政策の見直しへの対応について検討してきたところでありますが、本年5月29日に岩手県における需要に応じた米生産の推進要領を制定し、平成30年以降はこれまでの生産数量目標にかわる県と市町村別の生産目安を設定し、需要に応じた米生産の推進を図るとしたところであります。また、岩手県農業再生協議会は毎年6月末までに翌年産主食用米の県と市町村別の生産目安の算定方法を決定し、地域農業再生協議会に情報提供するとともに、毎年12月末までに県と市町村別の生産目安を決定し、地域農業再生協議会に情報提供することとしております。本市におきましては、今後、市、花巻農業協同組合等で構成する花巻市農業推進協議会において、この要領に基づき、水田農業の推進方針、地域水田活用計画を策定し、岩手県農業再生協議会から示される生産目安に基づき、認定方針作成者から生産者にとって急激な変化とならないよう、生産者ごとの生産数量目標にかわる生産目安を提示できるよう協議し、需要に応じた主食用米の生産を推進することとしております。 現時点におきまして、国の情報に基づいて各県の農業再生協議会が生産目安を設定するという方向になっておりますが、これの実効性を確保するために、水田活用の直接支払交付金等による飼料米やその他の転作作物への支援を現在と同様の水準で継続し、主食用米の生産と比べ経済的に不利にならないよう飼料用米やその他の転作作物の生産を維持することが重要であり、また10アール当たり7,500円の米の直接支払交付金が平成30年から廃止されることに伴い、制度自体の復活は難しいとしても、これにかわる支援を行うことが必要であると考えております。このような観点から、過日もこの2点について、岩手県市長会が農林水産大臣、与党トップとお会いしたときに私から直接要望し、さらに県選出国会議員にも同様の要望を伝えたところでございます。 次に、3点目の農畜産物における農業生産工程管理、GAPへの取り組みにつきましてのお尋ねでありますが、農林水産省が平成22年4月に策定したガイドラインによりますと、いわゆるGAPとは農業生産活動の継続性を確保するため、食品安全、環境保全、労働安全に関する法令等を遵守するための点検項目を定め、その実施、記録、点検、評価を繰り返しつつ生産工程の管理や改善を行う取り組みと定義されております。国におきましては、近年、国内の実需者や消費者から、食の安全や環境保全への関心の高まり等を背景として、GAPの取り組みの信頼性を向上させることが求められていることや、欧米を初めとする農産物の輸出相手国の実需者から、取引要件として国際水準のGAP認証が求められていることなどを踏まえ、平成27年3月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画において、農林水産省のガイドラインに即した一定水準以上のGAPの普及拡大や国際的な取引にも通用するGAPに関する規格、認証の仕組みの構築の推進を図るほか、栽培管理や営農管理の改善、合理化を進めることとしております。 また、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が持続可能性に配慮した農作物の調達基準等を策定し、GAPの認証取得を東京オリンピック・パラリンピック競技大会で提供される食材の調達基準に定めたことを踏まえ、自由民主党農林水産業骨太方針実行プロジェクトチームは本年5月に規格・認証等戦略に関する提言を取りまとめたところであります。この提言によりますと、GAPにおいては、本年から東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される2020年までを期間とする第1期の目標として、平成30年度中に各県内のGAP指導体制における指導員数を全国で1,000人以上確保することや、平成31年度末までに現状の認証取得件数を3倍以上にすることなどを掲げているほか、2021年から2030年までを期間とする第2期の目標として、ほぼ全ての国内の産地で国際水準のGAPを実施することや、日本発の規格であるJGAPがアジアで主流の認証の仕組みになることなどを掲げているところであります。 一方、農業者においては、GAPの実施に伴う労力負担の増加や、GAPの認証取得に要する費用負担の増加等に起因するGAPへの不安感や抵抗感があるものと認識しております。このことから、市といたしましては、農業者のGAPに対する意識啓発を図る第一歩として、市や花巻農業協同組合等関係機関、団体で構成する花巻市農業振興対策本部の今年度事業といたしまして、GAPに関する研修会の開催を予定しているところでありますが、今後農業者の意見等を踏まえながら課題を整理し、GAPの認証取得費用等に対し助成を行う国事業を活用しながら、そのほかの支援策も検討するなど、農畜産物の産地としての信頼を高めるために、まずはGAPの実施、認証取得に対応できる農業者から取り組みを始めてまいりたいと考えております。 次に、4点目の集落営農組織の現状と課題及び組織の後継者の現状につきましてのお尋ねでありますが、まず組織の現状と課題につきましては、例年、法人を含む集落営農組織を対象に経営状況等のアンケート調査を実施しておりますが、平成28年度の経営状況につきましては現在各組織に照会中であり、現時点においてはまだ把握できていないところであります。昨年6月に行ったアンケート調査結果によりますと、平成27年度の収支状況につきましては、平成26年度に比べてよいと答えた組織が多かったわけでございますが、それに加えて、変化なしが28.1%と全体の9割を超え、経営状況が比較的良好である組織が多かったと認識しております。 組織運営上の問題点、課題としては、議員御指摘のように組織内の後継者不足を挙げた組織が26.2%と多く、次いで、繁忙期における人手不足が19%、経営の合理化が進まないが12.7%となっております。組織内の後継者不足あるいは人材の確保の観点でございますが、特に労働力を必要とする園芸につきましては、平成28年度に花巻農業協同組合が行ったアンケート結果をもとに、ことしの4月に労働力確保に向けた取り組みに関する協議を行い、集落営農組織において、規模拡大や現状維持のため労働力の確保が求められている現状を関係機関で確認したところであります。今年度は、市や花巻農業協同組合など、農業団体で構成する花巻市農業振興対策本部の事業として、無料職業紹介事業など、労働力確保に向けた仕組みづくりを検討していきたいと考えております。 また、人材の雇用に向けて、国の事業であります農の雇用事業や、岩手県が昨年から実施しております大学生や農大生等を対象とした農業法人合同就職説明会に市内の農業法人が参加し、今年度の雇用につながったことから、本年度も市内の農業法人に対し周知してまいります。今後、農業の振興や農村の維持発展のため、組織の法人化や農業後継者の育成、労働力の確保は特に重要であると認識しておりますことから、引き続き法人を含む集落営農組織の経営状況などを伺いながら、議員御指摘の中山間を守る観点も踏まえて関係機関と連携し、新たな取り組みや支援策を検討してまいります。 2件目の生涯学習への取り組みについての1点目、新花巻図書館整備基本構想案についてのお尋ねでありますが、現在、新花巻図書館整備基本構想の策定につきましては、4月24日から5月23日までの1カ月間にわたり実施をいたしましたパブリックコメントで提出されました御意見についての反映が可能かどうか検討しているところであり、今後、花巻市立図書館協議会の皆様への説明を進めているところでございます。この件に関しましては、この後ほかの議員の方々も質問されますので、特にその方にはよく聞いていただきたい、目を開けて聞いていただきたいと思う次第でございます。その後、その基本構想に基づき新花巻図書館整備基本計画を策定していくこととしておりますが、その計画策定の中で施設の規模、建設場所について具体的に検討してまいりたいと考えており、建設時期については、場所によって時間を要する場合もありますので、市民の皆様からの御意見を伺いながら、また財政事情等も考慮して進めてまいりたいと考えております。 なお、現時点では総合花巻病院の敷地もその候補地の一つとされておりますが、同敷地に建設する場合には、総合花巻病院の移転が完了し、現在の施設の解体や土壌改良等が完了した後の建設となるため、2020年以前の建設は困難だと考えております。 次に、2点目の市民芸術文化活動に対する考え方及び花巻市民劇場への取り組みについてのお尋ねでありますが、まず現在の芸術文化活動への対応につきましては、花巻市芸術協会への支援を行うとともに、文化活動の発表の場である市民芸術祭を連携して開催し、市民の芸術文化活動の充実を図ってまいりました。また、芸術鑑賞の機会提供のため、文化会館の主催事業や小中高生のための鑑賞事業、各記念館、美術館の企画展等の開催、さらには市民講座やシニア大学等における文芸活動や芸術活動などを行ってまいりました。このように各種の活動を支援し、事業を行っておりますが、花巻市芸術協会の皆様からは、会員の高齢化や後継者不足が大きな課題として指摘されており、将来的に芸術活動の衰退が懸念されているところでございます。 これらの状況を踏まえまして、近年、市といたしましては、若い世代が芸術に親しむことができるような事業を展開しており、具体的には、小学生アートセミナーでの美術体験やおもしろ体験隊事業における作曲体験などを行っております。花巻市芸術協会においても、小中高生の参加を促したり、初心者が参加しやすい講座を開設したり、若い世代が興味を持つような事業を実施するなど努力しているところでございます。芸術文化活動は、人づくりの面はもとより、町に活力と潤いをもたらすことから、花巻市芸術協会とも連携して、今後とも芸術文化の振興に努めてまいります。 次に、花巻市民劇場への取り組みについてでありますが、花巻市民劇場は昭和52年の第1回公演からことし2月の第41回公演まで、市が花巻市民劇場実行委員会に公演を委託する形で実施してまいりました。この間、花巻市民劇場は郷土の歴史や文化に題材を求めたオリジナル脚本により、多くの市民の参加と全て手づくりによる公演を実施、多くの市民が感動をともにしてきたところであります。近年は、議員御指摘のとおり参加者の減少、入場者数の伸び悩みなど課題はあるものの、ことし4月の花巻市民劇場実行委員会総会において来年2月の公演を決定し、今年度は会員の募集、拡大を図るため新たに演劇ワークショップを開催する予定と伺っております。 花巻市民劇場の公演は、市の芸術文化の振興のみならず、地域づくりや人材育成にも貢献しており、市を代表する芸術文化劇場であると認識しているところであり、市といたしましても、引き続き花巻市民劇場の公演を実施していくとともに、実行委員会とも連携して各種広報媒体を活用して、広報宣伝活動に努めるなど支援してまいりたいと考えております。 そのほかにつきましては教育長が答弁いたします。 ○議長(小原雅道君) 佐藤教育長。    (教育長登壇) ◎教育長(佐藤勝君) 3件目の教育振興についての1点目、小中学校の適正規模・適正配置に係る検討状況と今後の進め方についての御質問にお答えいたします。 平成27年1月、文部科学省より公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引が示され、国として、少子化が進む状況下において活力ある学校づくりを実現していくための基本的な考え方が明らかにされたことは、議員既に御案内のとおりでございます。学校規模につきましては、学校教育法施行規則において、小中学校ともに12学級以上18学級以下が標準とされておりますが、この手引では、実際の教育活動に着目した場合は、1学級当たりの児童生徒数や学校全体の児童生徒数、さらにはそれらの将来推計などの観点もあわせて総合的な検討を行うことが求められること、また適正配置につきましては、徒歩や自転車による通学の場合は小学校で4キロメートル、中学校で6キロメートルという従来の考え方を妥当としながらも、スクールバス等の適切な交通手段が確保できる場合は、おおむね1時間以内の通学時間を適正配置の一応の目安とするとの考えが示されております。さらに、学校規模の適正化の検討について、この手引では、あくまでも児童生徒の教育条件の改善の観点を中心に据え、学校教育の目的や目標をよりよく実現するために行うべきものとしながら、適正化は行政が一方的に進める性格のものではなく、児童生徒の保護者や就学前の子供の保護者の声を重視しつつ、地域住民の十分な理解と協力を得ることが望まれることが明記されております。 このような状況から、教育委員会におきましては、平成27年9月に有識者等による保育・教育環境検討会議を組織し、これまで6回にわたりさまざまな角度から御協議いただいておりますほか、昨年11月からは保育園、幼稚園の保護者、小中学校PTA、コミュニティ会議の代表の方々約150名による市民ワークショップ、子どもたちと地域の未来を考える・未来創造知恵出し会議も開催しているところであります。これまで保育・教育環境検討会議においては、統合校の現状と課題、複式学級におけるメリットとデメリット、1学級当たりの適正規模等について、未来創造知恵出し会議においては、保護者、地域の立場から、自分たちでできることは何かを主眼に、ありたい学校の姿と実現に向けた取り組み、ありたい学校の姿につながる就学前の取り組みなどについて、子供たちにとってのよりよい教育環境整備を目指し、真摯な議論をいただいているところであります。 今後におきましては、有識者による検討会議と市民ワークショップを継続して実施しながら、そこでいただいたさまざまな御意見を勘案した本市の教育環境に関する基本的な考え方を教育委員会として本年度中に取りまとめた後、来年、平成30年度において地域説明会等を開催しながら、本市の教育環境の現状と目指す姿について、市民の皆様と協議を深めてまいりたいと考えております。なお、基本的な考え方の取りまとめとその後の地域説明会等における協議に当たっては、次世代を担う人材を育むという教育上の視点に立つとともに、学区再編を行う場合は、これまで地域の御協力により築き上げてきた教育環境が変化することも十分に考慮し、慎重に進める必要があるものと考えております。 2点目の西南小学校創設に対する考えにつきましての御質問にお答えします。 新たな小学校を建設することにつきましては、花巻市公共施設等管理計画との整合性、さらには統合後の既存校舎の活用策等について、地域づくりの視点からの検討も必要であり、慎重な議論が求められるものと考えます。一方で、児童数の減少は確実に進んでおり、西南中学校学区の小学校の平成35年度の児童数は、太田小学校の児童数は26名減の86名、1学年当たりの在籍児童数は10人から18人、笹間第一小学校は28名減の110名、1学年当たりの在籍児童数は13人から23人、笹間第二小学校は9名減の11名、このうち在籍児童がいない学年が1つ、在籍児童が1名の学年が2つになる見通しとなっております。児童数や学級数の減少は、教育活動の制約や配置される教職員数の減少にもつながるものであり、教員の減少により学校運営が厳しさを増すこととあわせ、教育活動の充実という観点からも課題が多くなることが予想され、その解決を図ることが必要であると認識してございます。 しかし、1点目の小中学校の適正規模・適正配置に関する御質問の中でも申し述べさせていただきましたが、学校の統廃合を含む適正化につきましては、行政が一方的に進める性格のものではなく、児童生徒の保護者の方々や就学前の子供の保護者の方々の声を重視しつつ、地域住民の十分な理解と協力を得ることが望ましいものと考えております。西南中学校学区の小学校につきましては、昨年11月8日に提出していただきました笹間地区区長会からの統一要望書において、笹間第二小学校の存続が求められている状況であり、今後、平成30年度内に実施を予定しております地域説明会において、保護者や地域の皆様の多くの御意見をお聞きし、協議を深めてまいりたいと考えております。 次に、3件目の主権者教育の現状につきましての御質問にお答えいたします。 市内の小中学校では、学習指導要領に基づき主に社会科の授業の中で主権者を育てる学習が行われております。小学校では、身近な事例をもとに、政治は住民の願いの実現を図るために大きな働きをしていることを国民主権と関連づけて具体的に学びます。中学校では、民主政治の仕組みや政党の役割等を学びながら民主主義の意義について考える授業を行い、正しい選挙の仕組みや選挙に参加することなどの重要性について、より広い視点から理解し、自覚を深める学習が行われております。また、西南中学校のように生徒が実際に平成28年第4回花巻市定例会の様子を傍聴し、暮らしと政治が深く結びついていることへの理解をさらに深化させる学習も行われております。このように、小中学校を通じて系統的に主権者を育てる教育が行われております。 また、教科以外でも主権者の意識を育む教育が行われており、例えば児童会や生徒会活動では執行部の役員を選出したり、総会を開催して活動方針、内容を決定したり、自治能力や集団の一員としての自覚を高め、民主的なリーダーを育成するなど、児童生徒主体の自治的な活動がございます。市内小学校では4校、中学校では11校が選挙管理委員会などを組織し、投票による役員選挙を行っております。中には、市の選挙管理委員会から実物の投票箱を借用し、実際の選挙と同じように投票を行うなど、自己決定力、主権者意識を育む実践的な教育活動に取り組んでいる学校もあります。 また、各小中学校では、これ以外でも、道徳教育においても公徳心、法や決まりの意義、よりよい社会の実現にかかわる内容を取り上げ、主体的に社会の形成に参画する態度の育成に努めております。 花巻市教育委員会といたしましては、公職選挙法の一部が改正され、公職選挙法に定める選挙権を有する者の年齢が満18歳以上に引き下げられたことに着目し、今後も中学校と高等学校の接続を重視しながら、多面的、多角的に社会を見る、討論を取り入れた授業の工夫、あるいは選挙管理委員会等から招聘した外部講師による出前授業など、選挙の関心を高め、以前開催された子ども議会も参考にしながら、主権者としての意識を深める教育の充実を図ってまいります。 ○議長(小原雅道君) 伊藤源康君。 ◆16番(伊藤源康君) 早口で質問しましたので、早口で答弁をいただきましたが、ちょっと聞き取れないところもありました。順番が逆になるのをお許しいただきたいと思います。 1つは、西南小学校についてであります。再質問というよりも、私どもの考え方を御説明して、今後の地元住民の意見を取り入れるときに参考にしてもらいたい。 実は、こういうふうに考えておりました。きょうの教育長の答弁をもとにして、そんなに遠くないときに、笹二学区の方々と議員が主催をして話し合いを持つというふうに考えております。当然白紙の状態で議論をいたします。御存じのとおり長年反対をしてきた熱い思いや地域の拠点だということも十分理解しておるつもりであります。ただ、先ほど登壇して質問しましたけれども、このままでいいのかという疑問は地域住民も感じでおります。ですから、区長会としては統一要望はしたわけですけれども、住民の意識は変わってきておりますので、そこを私ども地元の議員が話し合いの場を設定し、助言するような形で話し合いを進めてまいりたい。もしよければ、ことしの末あたりには太田地区にも声をかけながら、果たしてこういった西南小学校を地区の要望として統一できるのか、検討してまいりたいという考え方でございますので、これについて、再質問ということにはならないと思いますが、そのような考えの地元の議員がいたということだけはお知らせをしておきたいなと思います。きょう来ている支援者と何度も話をしておりますが、ぜひ、小中一貫校というモデル校を目指して私たちは頑張りたいというふうに正直言って思っております。 話は戻りますが、この主権者教育についてちょっと気になることがありました。実は、この間の中学校の学校公開で、多分主権者教育の授業だったと思いますけれども、市長選挙のことでございまして、学校の先生の、考え方で授業を進めておったものを、先生が悪いとは言いませんけれども、4人の候補者とも公約が全部箱物でございました。一緒に行った方とちょっと話をしましたけれども、体育館をつくるとか、箱物だけをつくるということで、中学生に対して判断を仰いでおりましたけれども、残念ながら箱物だけで判断を仰ぐというやり方は非常によろしくない。自然環境を守るといったことなど、多様な公約の候補者がいるのだということをやはり事前に子供たちに議論の材料として提供するということがあってしかるべきだと思います。箱物だけがよろしいということではないと思いますので、ちゃんと教育委員会でもその点は注意していただきたいなと、申し添えておきたいと思います。もう1点、この間県議会でもある議員が質問し、議論になりましたけれども、教育長も出前授業という話をしましたが、私は市議会でも積極的に学校の現場に行って、主権者教育の授業において、議員の立場でやはり出前授業するべきではないかなというふうに思います。県議会の中でも議論があったようですけれども、私も大いに賛成であります。県当局は政治の中立性ということで難色を示した答弁になったようですが、この辺どう思いますか、お伺いします。 ○議長(小原雅道君) 布臺教育部長。 ◎教育委員会教育部長(布臺一郎君) ただいま西南小について、現状についてお話がありましたので、それについて、教育委員会としてもしっかり受けとめさせていただきます。 2点目の主権者教育についてでありますけれども、そういう事例があったということで、今議員からお話がありました。箱物についてだけ生徒の間で意見を集約するということについては、先ほど教育長の答弁にもありましたけれども、本来主権者教育は多角的、多面的に行うという観点で進めておりますので、御指摘のあった点については、教育委員会としても学校現場に注意をいたしたいと思います。 ただ、一方で選挙管理委員会でも主権者教育を積極的に行っておりまして、そういった場合においては、先ほどの例とは異なって、箱物をつくる候補者がいる一方で、福祉施策を提案する候補者でありますとか、先ほど申し上げましたのは、多角的、多面的になるような配慮をしておりますので、今後教育現場においても、そのような必要な配慮を加えるよう教育委員会としても指導してまいりたいというふうに思います。 3点目の出前授業につきましては、これも学校現場ではまだ積極的に行われていないところでありますけれども、選挙管理委員会が行っております主権者教育では、議員の皆様にも来ていただいているという例もございますので、政治的中立性ということが大事だということはありますけれども、主権者教育の重要性に鑑みまして、そういった機会については配慮してまいりたいというふうに考えています。 ○議長(小原雅道君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) 西南小学校構想についてちょっとお話をさせていただきたいと思いますが、教育委員会の答弁はそのとおりでございました。教育委員会としても一生懸命考えなくてはいけないという観点だと思います。 ただ、その中で、今御存じのように公共施設等総合管理基本計画をつくって、これに基づく5年間の実施計画、あるいは学校等については市全体の中での施設計画をつくるということになっているわけでして、そういう全体の中で見ていく必要があるのだろうなというふうに思っています。 したがって、特に西南小学校の構想の中で、既存の建物を使って、それを改装していくということであれば、実現の可能性は、教育委員会で考えてもらう必要がありますけれども、新たな校舎を建設するということになると、これはハードルが高いということは申し上げておきたい。文部科学省も、平成28年度だったでしょうか、当初予算への校舎の改築等について1,000億円しかないと。前年度の2,000億円から1,000億円減ったということがございました。その中で、大迫中学校について、当初支援を受けられなかったわけなのですけれども、補正予算の中で初めて入ってきて、優先的に入れてもらったということで今、支援を受けておりますけれども、今後国の方針として、そのような新築について、どんどん支援をしていける体制になるかどうか、見ていく必要はあります。 例えば今ある建物を新築に比べて6割ぐらいの費用で大幅改修することについては、これは国としても必要だということを考えていますけれども、新築については非常にハードルが高くなりますので、そのようなことも見ながら、西南地区については、西南中学校は比較的最近建てかえたわけでございまして、その中で西南地区に小学校まで新たな校舎を建てるかということについては、これもしっかりお考えいただきたいと思う次第でございます。よろしくお願いします。 ○議長(小原雅道君) 伊藤源康君。 ◆16番(伊藤源康君) ハードルが高いということは当然予想しておりましたが、ハードルが高ければ高いほど燃えますので、私どもはいずれ長い運動になるかもしれませんけれども、新校舎で中高一貫校というような錦の御旗でこれからも頑張りたいということを市長の前ではっきり申し上げたいと思います。 最後になりますけれども、一つ、意見になるかもしれません。市民劇場に関することであります。 実は、いろいろな対策を事務方がつくったのでしょうけれども、何項目か答弁ありましたが、ぜひ議長あるいは市長、副市長、副議長、スタッフとして出ましょう。文士劇が県内ではやられております。文士劇は違うわけですけれども、市のトップ、議会のトップが出ることによって盛り上がりが全然違うと思いますので、ハードルが高いことがあるのはわかりますし、公約にはできないと思いますが、議会も市当局も一体となって盛り上げていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わります。 ○議長(小原雅道君) 以上で伊藤源康君の質問を終わります。 昼食のため午後1時15分まで休憩いたします。     午後0時17分 休憩     午後1時15分 再開 ○副議長(藤原晶幸君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。 次の質問者、瀬川義光君。(拍手)    (瀬川義光君登壇) ◆6番(瀬川義光君) 議席番号6番、市民クラブの瀬川義光でございます。それでは、通告に従いまして大きく2件について質問させていただきます。 質問の1件目は、スポーツ振興についてであります。 昨年、2016希望郷いわて国体、希望郷いわて大会が開催され、本市におきましても冬季競技や公開競技等も含めて11競技が行われたところであります。開催に当たっては、競技団体、市内外の高校生やボランティアの方々の協力により、競技運営について好評を得ており、成功裏に終えることができたと総括されているところであります。今後はこれをレガシーとして本市のスポーツ振興につなげていくことが重要課題になるものと考えております。国が平成24年に制定したスポーツ基本法に合わせて、本市におきましても花巻市スポーツ振興計画を引き継ぐ形で、花巻市スポーツ推進計画を作成しているところであります。今回の計画では、生涯スポーツの推進、競技スポーツの推進、大規模スポーツ大会の開催の3つの基本目標を定めておりますが、私の今回の質問では、3つ目の大規模スポーツ大会の開催等の内容を中心に質問させていただきます。 1点目の質問は、間近に迫った東アジアU-22ハンドボール選手権におけるおもてなしについてであります。 第5回東アジアU-22ハンドボール選手権は、日本では初開催となる大規模大会であり、6月26日から7月2日までの期間で開催されます。国体のハンドボール競技の開催地となりました本市といたしましては、まさに国体をレガシーとするための大きな大会であります。市長も「市として全力で取り組み、成功に結びつけたい」とお話ししておりますし、応援PR企画として、5月には泥んこハンドボールが開催され、昨日、一昨日にはプロ選手による中高校生のハンドボールクリニックが行われたところであります。この大会におきましては、国体運営の経験が生かされる絶好の機会だと思いますが、ボランティアの活動予定やおもてなしの取り組み予定について伺います。 2点目は、富士大学スポーツ振興アカデミーとの連携についてであります。 富士大学では、本年4月からスポーツ振興アカデミーを設置し、5月3日にはキックオフセミナーを開催したところであります。国の新たなスポーツ基本計画の中でも、大学スポーツの振興について、大学が持つスポーツ資源を人材輩出、経済活動、地域貢献等に活用するなどとしており、当アカデミーでは、スポーツを通じた地方創生推進、大会運営を支えるボランティア人材の育成などにより社会貢献を目指すこととしております。こうした富士大学の取り組みは、市のスポーツ振興にも貢献していただけるものと思いますが、本市ではこの連携方策についてどのように考えているのか伺います。 3点目は、スポーツツーリズムの推進についてであります。 スポーツツーリズムは、スポーツ観戦やスポーツイベントへの参加などのスポーツを主な目的とする旅行やスポーツを支える人々との交流などを意味いたしますが、この質問では、交流人口の拡大や地域活性化といった目的から、大規模スポーツ大会やスポーツ合宿の誘致も含めて、スポーツツーリズムとして質問させていただきます。 スポーツツーリズムにつきましては、国ではスポーツ基本計画に合わせてスポーツツーリズム推進基本方針を策定し、一般社団法人日本スポーツツーリズム推進機構が設立されております。本市では、昨年の国体において正式競技で7競技の会場となっておりますし、スポーツ施設が充実しております。また、花巻温泉郷や花巻南温泉郷等の宿泊施設も充実しており、いわて花巻空港や新幹線駅、東北自動車道等、交通の利便性といった条件が充実しております。こうした条件を有効に活用し、はなまきスポーツコンベンションビューローが中心となって合宿等の誘致を進めているところではありますが、今後は国体レガシーを具現化するために、さらに力を入れて進めていくことが求められていると考えます。また、スポーツ施設やスポーツ環境、文化資産と観光を組み合わせたスポーツツーリズムの推進が交流人口の拡大や地域活性化につながるものと考えます。 そこで、大規模大会やスポーツ合宿の誘致状況と、今後のスポーツツーリズムの推進方策について伺います。 質問の2件目は、国際リニアコライダー誘致活動についてであります。 国際リニアコライダー、いわゆるILCは、日本、アジアで初の大規模国際研究施設を創設する世界的プロジェクトであり、本県の北上山地を建設候補とする誘致については、その実現に向けてオール岩手で取り組んでいるところであります。政府は来年にもこの可否を判断すると見られており、ことしの誘致活動が正念場とも言われております。誘致が実現した際には、地元への人材定着、長期雇用、観光、教育分野など幅広い効果が期待されており、私も誘致が実現すると本市にも大きな効果が生まれるものと期待しているところでございます。 そこで質問の1点目は、誘致が実現した際の本市にとっての有益性について、どのように認識されているのか伺います。 2点目は、本市におけるこれまでの誘致活動の状況と、今後の推進方針について伺います。 以上で、登壇しての質問を終わります。御答弁をよろしくお願いいたします。(拍手) ○副議長(藤原晶幸君) 上田市長。    (市長登壇) ◎市長(上田東一君) 瀬川義光議員の御質問にお答えします。 1件目のスポーツ振興についての御質問の1点目、第5回東アジアU-22ハンドボール選手権におけるおもてなしについてのお尋ねであります。 この第5回東アジアU-22ハンドボール選手権は、先ほど議員が御指摘になったまさに国体レガシーの一環でございます。といいますのも、この大会の開催は昨年10月の国体に、日本ハンドボール協会の会長、副会長がお見えになったときに、雑談のようにお話しする中で花巻市の施設、それからおもてなしがすばらしいというお話を聞きました。その中で大会をぜひ開いていただきたいというお話をしたわけでございます。2017年度に東アジアU-22ハンドボール選手権が開催されるけれどもどうだろうかという話があって、実はもう総合体育館は、使用の予定があったのですけれども、それを関係者の御尽力で動かしていただいて、誘致について順調に話が進んだというところでございます。 本大会には、日本代表チームを初め韓国、中国、台湾、香港から10チームが参加することになっており、チームごとに専用のバスを配備するとともにチーム担当を配置し、また海外チームには専属の通訳を帯同させるなど、市内での移動や事務連絡等をスムーズに行える体制をとることとしているほか、休息日となっている6月29日には、チームの希望にもよりますが市内観光等にも対応することとしております。 また、ウエルカムパーティーは開会式にかわるということでございますけれども、このパーティーには知事も出席くださるようにお願いを申し上げているところでございます。国際大会でございますので、県全体として歓迎を申し上げたいというように私どもは考えております。このウエルカムパーティーにおいての早池峰神楽の披露や、大会会場及び主要施設等での歓迎のぼり旗の掲出、大会会場での震災復興パネルの展示による演出を行うほか、市内小中学校の試合観戦を行う予定であり、児童生徒の皆さんに貴重な国際試合を肌で感じてもらうとともに、会場では選手の皆様へ大きな声援で大会を盛り上げていただこうと考えております。 なお、議員御指摘のとおり、岩手県ハンドボール協会、あるいは花巻市ハンドボール協会の御尽力によりまして、この大会を盛り上げるための泥んこハンドボール、あるいは海外で活躍される有名なハンドボール選手の花巻におけるクリニック等を過日開催したところでございまして、少しずつ盛り上がっているというように考えております。 そのほか、岩手県の御協力をいただき試合会場やレセプション会場での歓迎横断幕の掲示、選手、役員の皆様への県のイメージキャラクターそばっちのキーホルダーの配付を行うほか、花巻商工会議所、花巻市商店街振興組合協議会の御協力をいただき、商店街では歓迎短冊を掲出することとしており、既にされているところもございます。選手、役員の皆様を温かくお迎えできるものと考えております。 大会期間中のボランティアの活動につきましては、岩手県ハンドボール協会から延べ268人、富士大学から延べ124人、高校生のハンドボール大会と一部日程が重なるところがあるというように伺っておりますが、それに重ならない範囲内において、花巻北高等学校、花巻南高等学校、そして花巻農業高等学校と北上翔南高等学校から延べ138人を派遣いただくこととしており、それぞれ競技役員や補助員として業務を担っていただくこととしております。 本大会は、花巻市を世界にアピールできる機会であり、選手の皆様には日ごろの練習の成果を思う存分発揮していただき、すばらしい試合が展開されますようサポートしていくとともに、本市のスポーツ施設のすばらしさに加え、国体でも大変高い評価をいただいた温かいおもてなしで関係者の皆様に御満足いただけるよう、万全を期して対応してまいります。 次に、2点目の富士大学スポーツ振興アカデミーとの連携についてのお尋ねでありますが、同大学とは平成21年12月2日に相互友好協力協定を締結し、公開講座の開設や図書館の開放を初め、スポーツ振興分野ではスポーツセンターの市民への開放など、さまざまな場面で連携した取り組みを行ってきました。 今般設立されたスポーツ振興アカデミーは、同大学が保有する多くのすぐれた教育資源のうち、全国でも有数の運動部強豪校であるスポーツ資源をさらに積極的に活用して地域貢献を行おうとするものであり、同大学の施設や設備のみならず、運動部学生や教職員等の人材資源、研究成果などを幅広く活用し、市民生活の向上に御貢献いただけるものと認識しております。 これまで、同大学との連携により実施してきた事業等につきましては、相互友好協力協定の規定に基づき、事業実施成果の分析や検証を行うとともに、新たな事業展開についても協議を進めながら実施してきました。スポーツ振興アカデミーとの新たな連携事業につきましても、この協議の中で検討を進め、議員御指摘のとおり、スポーツ振興あるいはスポーツを通じた豊かな市民生活の向上に資する事業を実施してまいりたいと考えております。富士大学に本年4月に入学された新入生の皆様は、192人だったでしょうか、200人近い新入生の方々に入っていただきました。ことしの場合に特に目立つこととしまして、去年より大幅に増加していますけれども、県内の学生にたくさん入学いただいております。相当ふえているわけです。これは昨年、知事、あるいは私も参加させていただきましたけれども、地方創生の事業が岡田学長のもとで開催されているというようなことも効果があったのではないかと考えておりますけれども、このような傾向は非常に望ましい傾向でございまして、私どもも花巻市にある唯一の大学でございますけれども、市の拠点としての富士大学は大変大事だと考えているところでございまして、今後とも連携事業等、協力していきたいと考えております。 次に、3点目のスポーツツーリズムの推進についてのお尋ねでありますが、平成28年度の本市での合宿実施状況は、田瀬湖ボート場において、東京外国語大学端艇部が7月19日から8月4日までの17日間、石鳥谷アイスアリーナにおいて、東京大学アイスホッケー部が2月6日から15日までの10日間及び3月6日から15日までの10日間の2回実施いただいております。 東京外国語大学端艇部におきましては、平成15年から14年連続で田瀬湖ボート場にて合宿をいただいており、本年度におきましても、7月25日から8月8日までの15日間実施したいとのお話をいただいております。また、東京大学アイスホッケー部におきましては、平成26年から3年連続で石鳥谷アイスアリーナにて合宿を実施いただいておりますことから、両大学ともに当地を合宿地として高く評価され、継続して合宿を実施いただいているものと考えております。 今後のスポーツツーリズムの推進につきましては、現在、遠野市など近隣自治体と連携した広域でのスポーツ大会や合宿の誘致活動を展開しておりますが、本年10月に設立が予定されております(仮称)いわてスポーツコミッションとの連動した活動により、その効果がさらに期待できるものと考えております。 なお、先ほど来申し上げておりますが、当市には総合体育館、野球場、陸上競技場、あるいは石鳥谷のふれあい運動公園、田瀬湖のボート場といろいろなすばらしい施設がございます。ただ、この中で多くの施設についてはいろいろな大会、あるいは市民の利用が大変盛んにされているわけでございまして、合宿の誘致の場合に、やはり合宿の場所として使っていただくことはよろしいのですけれども、その大会の開催とか市民の開催が阻害されることはあってはならないわけでございまして、その付近の調整は必要になる、その範囲内での合宿の誘致になるのではないかというように考えております。 また、毎年、北東北で最初のマラソン大会として定着し、参加者が年々増加傾向にあるイーハトーブハーフマラソン大会や、本年23回目の開催となるイーハトーブレディース駅伝については、参加する選手の視点に立った運営を心がけ、多くの皆様に愛される大会とすることで、さらなる交流人口の拡大に努めてまいります。イーハトーブ花巻ハーフマラソン大会につきましては、ゴールデンウィーク中における開催となっておりましたが、昨年からはゴールデンウィークの1週間前の開催に変更させていただいたわけでございます。といいますのは、花巻市内には宿泊施設、温泉郷とたくさんありますけれども、ゴールデンウィークは黙っていても実はお客様が多いということがあるわけでございまして、来ていただくのであればそれを外した時期のほうが望ましいのではないかということで、昨年1週間早めたわけでございます。その結果、参加者が減るのではないかということが心配されましたけれども、参加者は昨年、ことし、さらにふえておりまして、そういう意味では1週間早めたのはよかったなというように考えています。今後、大会を開くときには、そのような観点も勘案しながら日程を調整していく必要があると考えております。 ちなみに、今回開く東アジアU-22ハンドボール選手権でございますけれども、言ってみれば梅雨の時期に、屋内施設でございますので開催できるということになったわけでございまして、その意味でこれは花巻市内の宿泊施設にも、梅雨の時期には十分ではない宿泊客をふやす効果があるものと期待しているところでございます。ただ、東アジアU-22ハンドボール選手権でございますけれども、選手たちから求められている宿泊施設はシングルもしくはダブルのベッドでございまして、実は今回の選手全員に花巻市内のベッドのある宿泊施設に全部泊まっていただくわけにはいかないということで、一部については市外の宿泊施設を使う可能性もあります。和室でもどうかということを1週間ぐらい前に話していただいたわけでございますが、まだ私は結果を聞いておりませんが、やはり洋室のベッドを求めるということがこのような大会においてあるということでございまして、その意味では現時点において、規模的には花巻温泉郷を含めた市内の宿泊施設は、十分ありますけれども、ベッドを求める大会については規模的な制約はあるということだと思います。 2件目の、国際リニアコライダーの誘致活動についての1点目、誘致が実現した際の本市にとっての有益性について、どのように認識しているかとのお尋ねにお答えいたします。 国際リニアコライダー、いわゆるILCは、平成16年夏に国際将来加速器委員会において、国際協力により建設することが合意された世界で唯一の国際研究施設で、地下約100メートルに全長31キロメートルから50キロメートルの巨大トンネルに建設される、世界最高・最先端の電子・陽電子衝突型加速器であります。 日本国内の建設候補地として北上山地と九州脊振山地とされておりますが、平成25年8月に国内誘致を推進する科学者らが構成するILC戦略会議において、岩手県から宮城県にかけての北上山地が国内候補地として最適であるとの評価が発表されたところでありますことから、現在、岩手県あるいは一関市、奥州市が中心となって、県内の自治体や企業で組織された岩手県国際リニアコライダー推進協議会において、誘致実現に向けた取り組みを行っているところであります。 平成26年度に国が行った国際リニアコライダー(ILC)計画に関する技術的、経済的波及効果及び世界各国における素粒子・原子核物理学分野における技術面を含む、研究動向に関する調査分析を受けて開催された国際リニアコライダーに関する有識者会議によると、建設費は加速器本体と測定器で約1兆1,000億円、年間の運営経費として約491億円と試算されておりましたが、国際研究者組織であるリニアコライダー・コラボレーション、LCCにおいては、最初は小さな装置で運用を開始し、段階的にILCの実験装置を拡張するステージング(段階づけ)の手法がコスト削減に有用との認識を示すなど、最初から1兆円を超える費用をかけず、初期投資を削減する方針も打ち出されております。また、運用に当たっては世界各国から技術者やその家族が生活し、建設から運用段階に至るまでの間には多くの雇用が創出されると言われております。 ILCの誘致が実現した際には、建設にかかわる土木・建設業のみならず市内企業のILC関連産業への進出、関連施設への就職など、さまざまな分野における新たな需要が見込まれるものと理解しておりますことから、昨年8月に県内の企業、大学、産業支援機関と自治体で構成される、いわて加速器関連産業研究会に加入し、市内企業のILCへの参入の可能性を探るため、当該研究会が主催するセミナーや会議等に積極的に参加し、情報収集を行っているところであります。 また、非常に大きい実験施設でありますことから、陸路、空路、海路を活用してさまざまな部品調達が見込まれ、本市の持つ物流の要衝という地の利を生かした経済的な波及効果も期待ができるものと考えております。 さらに、世界で唯一の研究施設でありますことから、国内はもとより世界中から数多くの研究者など、関係者や視察者が訪れることが予想され、その方々が花巻市にも足を運ばれることにより、市内宿泊施設を初めとするさまざまなサービス業の活性化にもつながるものと考えております。 2点目の、本市におけるこれまでの誘致活動の状況と今後の取り組みについてお答えいたします。 ILCの誘致活動については、岩手県や奥州市、一関市のほか本市も加入している、先ほど申し上げた岩手県国際リニアコライダー推進協議会が中心となって誘致活動を進めております。本協議会は民間企業や大学、研究機関、有識者、行政等が結集し、ILCの誘致の実現に必要な普及、啓発や各種調査研究、要望提言等を行い、岩手県への誘致に資することを目的としており、シンポジウムの開催や関連リーフレットの作成、ILCキャラバンなどの事業を実施しており、本市といたしましては、本協議会を通じ誘致活動に参画しているものであります。 また、昨年は盛岡市において、リニアコライダー・コラボレーション主催のリニアコライダーワークショップ2016が開催され、国内外、特に海外の研究者がたくさん集まり、300名による国際学会が開催されましたが、ワークショップ開催に合わせLCCリニアコライダー・コラボレーションと盛岡市の共同で開催されたウエルカムレセプションへは、関係自治体として私も参加し、海外の方を含む関係者の方々との意見交換をしてまいりました。 なお、国際学会と併催されたいわてまるごとフェアにおいては、県内自治体の紹介ブースが設けられ、当市も出展し花巻市の魅力のPRを行ったところであります。 その他、県南広域振興局では、県南地域独自の普及啓発活動として一関市、奥州市を除く県南圏域管内の中学校を対象にしたILCセミナーや絵画コンクール、各種イベントでのリーフレット配布などを実施しており、これまで花巻市内の4中学校で延べ8回のILCセミナーが開催されておりますほか、絵画コンクール入賞作品をイトーヨーカドー花巻店内の当市の情報発信施設、ぷらっと花巻に掲示するなど、ILCの普及啓発を図っているところであります。 なお、岩手県市長会においてはILC誘致に向けた要望活動を継続して行っておりまして、去る6月6日には、私も参加して文部科学大臣や国会議員に対し、直接要望をしてまいりました。 当市といたしましては、北上山地へのILC誘致が大事であると、その中で当市の役割がどうなるか、これはまだはっきりしないところがありますけれども、まずは県の一員として、このILCの誘致について、県あるいは県内、市、町、村と一緒に誘致活動をすることが大事だと考えておりまして、その意味からも今後とも県、近隣市町、関係団体等と連携して推進してまいりたいと考えております。 ○副議長(藤原晶幸君) 瀬川義光君。 ◆6番(瀬川義光君) 詳細な御答弁ありがとうございます。特にも東アジアU-22ハンドボール選手権につきましては、私が思っていた以上におもてなしをしっかりされていて、詳細な御答弁もいただきましてありがとうございます。 ただ、再質問しないわけにはいかないかなと思いまして、中学生が傍聴にも来ているようですので、主権者教育という部分もありますので何点か再質問させていただきます。 この富士大学スポーツ振興アカデミーとの連携の部分で質問させていただきます。先ほどの市長の答弁にもありましたが、平成21年に結んだ相互友好協力協定で、平成27年8月から定期協議を行うということで、昨年1月に第1回協議が行われたというところは承知しておりましたが、その後、継続されているのだとは思っております。この協力事項は私が見た中では4つありまして、まちづくりの推進に向けた仕組みづくり、2つ目がスポーツ振興に関する連携協力というところがしっかりうたわれておりますし、それから生涯学習社会における諸課題への対応、教育・文化及び観光交流の推進に向けた仕組みづくりと、まさにこの4つどれをとってもスポーツツーリズムにつながっていくことだと感じておりますので、ぜひこの協議を続けていただきたいと思っておりますが、これまでにスポーツ振興やスポーツツーリズムに関しての協議が行われたのか、協議事項の中にあったかどうかという点について伺います。 ○副議長(藤原晶幸君) 久保田総合政策部長。 ◎総合政策部長(久保田泰輝君) スポーツ振興、スポーツツーリズムといった内容の話し合いというのは、具体にはなかったと記憶してございます。 ○副議長(藤原晶幸君) 瀬川義光君。 ◆6番(瀬川義光君) その点はこれからやはりアカデミーもできたわけですので、ぜひ進めていただきたいと、そして市のスポーツ振興につなげていっていただきたいと思っております。 さきに質問するのでしたけれども、第1回以降は何回くらい協議しているか、もしわかればお答えいいただきたいと思います。 ○副議長(藤原晶幸君) 久保田総合政策部長。 ◎総合政策部長(久保田泰輝君) 毎年1回、定期協議の場を設けているところでございます。 ○副議長(藤原晶幸君) 瀬川義光君。 ◆6番(瀬川義光君) それから、そのスポーツ振興アカデミーと連携していく部分で非常にやっていただきたいと思っておりますのが、大学にもスポーツ施設が各種ありますし、それから指導者などの人材を持っていると思います。それから、先ほども今回の東アジアU-22ハンドボール選手権においても、やはりその競技団体との人脈とか、競技者とか指導者のそういったところの成果が大きいと思いますので、例えば施設とか人材を市とスポーツ振興アカデミーとで共有して、いろいろ施策に結びつけていくという、人材バンク的なものであったり、そういったところを進めるのが有効ではないかなと思っていますけれども、今の段階でそういったお考えはあるのかどうか伺います。 ○副議長(藤原晶幸君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) 富士大学のスポーツ振興アカデミーにつきましてはでき上がったばかりで、具体的な話し合いは今後だと思います。その中で、まず富士大学から施設をそういうほかの方々にどの程度使わせていただけるものなのかとか、あるいは人材をどの程度活用させていただけるかとか、御意向を聞いた上でないと話は進められないだろうと思いますが、一般的に言いまして、富士大学には地域づくりに非常にお世話になっていまして、富士大学の先生方には各種審議会の特に会長になっていただいております。それから富士大学については、正式な会議としては先ほど年1回協議しているということですけれども、ほかのことについてもっと頻繁に話し合っています。産業振興についてもいろいろなことでお願いしていますし、御助言をいただいたりしています。あとはスポーツにつきましても、富士大学のチームが優勝したときには、先日も来てもらいましたけれども、市役所に来ていただいて御報告をいただくと、我々も激励するということもありますので、非常に頻繁にかつ密接な関係はできていると思います。あとは具体的な話については、富士大学の御意向も受けながら市として何ができるかということを考えていきたいということです。 ○副議長(藤原晶幸君) 瀬川義光君。 ◆6番(瀬川義光君) 確かにスポーツ振興アカデミーは設立されたばかりなので、これから進めていくということですけれども、これから進めていくためにという思いで私も質問しておりましたので、ぜひ今後に生かしていただきたいと思っております。 それから、富士大学のこのスポーツ振興アカデミーについて、もう一点、やはり富士大学は経済学部というのが大きいと思います。7割あるいは8割が運動部員という、本当にスポーツの盛んな大学で経済学部というところですので、先ほど東アジアU-22ハンドボール選手権にも富士大学の学生がボランティアで参加されるとの答弁をいただきました。これからもいろいろな形で市のスポーツ振興にかかわってきていただけると思っております。この経済学部というところを生かしていくためにも、例えば経済波及効果の検証に、スポーツコンベンションビューローでもその点は考えていらっしゃるようですし、キックオフアカデミーの内容を聞きますとそういうところは考えているようですけれども、やはり学生がいろいろなことに参加して、そしてそれをフィールドワークとして検証して、研究成果に結びつけていく。その成果を市でも活用していくという、いいサイクルができるのではないかと思っておりましたので、これからの部分ですが、それを進めていくというお考えはありますでしょうか。 ○副議長(藤原晶幸君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) 学生の70%、80%が運動部に入っているというのは私どもは確認していません。従前は確かに非常に多かったという認識はございますけれども、ことしは先ほど申し上げたように、正確な数字ではないのですけれども、たしか70人ぐらいが県内の学生で、昨年から比べますと数十人ふえているのです。そういう学生が全てスポーツを部活動としてやっているかどうかというのは私どもはわかりません。富士大学の先生方は、どうしてふえたかということについて明確なアンケートをとったわけではないのだと思いますけれども、多分その御認識としては、先ほども申し上げましたけれども、地域創生ということで岡田新学長が打ち出された効果もあるのではないかというようなことをおっしゃっておられますので、必ずしもスポーツだけで進学した方が圧倒的な数ではない可能性があるのではないかと思います。 その中で経済学部の研究は大変大事なわけでございまして、先生方は地方創生を大きな柱にして研究されているというふうに認識しています。学生たちがどういう研究をされるかというのは、まずはそれこそ富士大学の先生方の御指導次第ですからわかりませんけれども、スポーツも含めて我々として参考になることがあったら参考にさせていただきたいと思います。 ○副議長(藤原晶幸君) 瀬川義光君。 ◆6番(瀬川義光君) 市長の御答弁にありましたように、岡田学長も本当に地域の活性化へ手助けしたいという思いでいろいろと活動されておりますので、ぜひこのスポーツ面でも連携を強化して、進めていただきたいと思っております。 それから、次にスポーツツーリズムの推進ですけれども、合宿誘致ということで先ほどの御答弁にもありましたが、スポーツキャンプ村や総合体育館、それから石鳥谷のふれあい運動公園、東和の田瀬湖などなど本当に施設が充実しております。今、田瀬湖での端艇部、それからアイスホッケーの合宿はあるということですが、まだまだこれから誘致していく素地はあるのではないかなと思っております。その点で、やはり国体の会場になったその競技は、それこそ国体を通じていろいろな人脈があって、そこにある程度ターゲットを絞っていくというのは、合宿だけでなくて大会においても有効なのではないかと思っておりますが、この地域性であったり、そうした国体競技が行われた会場という理由でのターゲットを絞った誘致というのは実際に行われているのかどうかを伺います。 ○副議長(藤原晶幸君) 市川生涯学習部長。 ◎生涯学習部長(市川清志君) 御指摘のとおり、やはりターゲットを絞る、国体が行われた競技に絞ったほうがいいのではないかという御意見もいただいておりますけれども、国体を行った競技に限らず、やはり大きい大会を招くには各競技団体との協力というのが大きい要素になります。そうしますとやはり、競技団体同士でつながりがある方とかスポーツコンベンションビューローの方のつながり等も生かして、まずは誘致活動をしていくというふうに考えております。 ○副議長(藤原晶幸君) 瀬川義光君。 ◆6番(瀬川義光君) まさに今部長にお答えいただいたように、誘致していくためには人材、コネクションというのが大きいと思います。その意味で、スポーツコンベンションビューローでは本当にいろいろなコネクションを駆使して誘致していただいておりますが、さらに各競技団体との結びつきを強くして、その各競技団体から紹介していただいたりというのをまだまだ進められるのではないかなと思っておりますけれども、具体的な手法となると私もわかりませんが、これから進めていく予定というのはございますでしょうか。 ○副議長(藤原晶幸君) 市川生涯学習部長。 ◎生涯学習部長(市川清志君) 具体的にどの競技というのはまだ決めているわけではないのですけれども、やはり今、花巻市で強いのはハンドボールですとかボートもそうですけれども、そういうところは伸ばしていきたいと考えておりますし、また、新たな競技にも挑戦していくような形でやりたいとは考えております。 ○副議長(藤原晶幸君) 瀬川義光君。 ◆6番(瀬川義光君) まず、その合宿を誘致していくためには、そうした結びつき、コネクション、人脈が必要でありますし、それから私が思いましたのは、花巻スポーツコンベンションビューローの構成団体、これはいろいろ入っております。花巻観光協会、花巻商工会議所、岩手県旅館ホテル生活衛生同業組合、花巻農協、花巻工業クラブ等々入っておりますが、そうしたところの協力も非常に大事ではないかなと思っております。 具体的なところでいきますと、やはり宿泊施設の合宿料金の設定でありますとか、あとJAからの花巻米でありますとか、花巻産農産物の提供までもしかして結びつけていければいいのではないかなと、具体的なところではそういうところを思っておりますし、それがあるとやはり誘致するためにも大きなアピールポイントになるのではないかなと思っております。聞いた話によりますと、花巻米はやはりおいしいというので、ある野球部が泊まったら30分で御飯がなくなったということです。特に種目によっては本当に御飯を食べるので、花巻米が提供されたら大変うれしいのではないかなというふうに思っております。ぜひ、その人脈のほかにコンベンションビューローの構成団体にももっと働きかけてうまく進めていただきたいと思っております。 そのためには、今はコンベンションビューローにほとんど任せているような形だと思うのですが、今よりも市のほうがもっと誘致にタッチしていく必要があるのではないかなと思っておりますが、その点について御見解をお願いいたします。 ○副議長(藤原晶幸君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) 市川部長が頑張っていますので、関与していくものと思っています。ただ、その上でなのですけれども、スポーツコンベンションビューローは市の団体ではないのですけれどもよくお話をします。特に台北マラソン等では私も一緒に行きましたし、そういう意味ではいろいろな話ができます。その中でやはり課題がありまして、先ほど申し上げたように、例えば総合体育館を使う合宿を誘致するということが、果たして可能なのかどうかということをやはり考えなくてはいけないです。例えば、私の人脈でもお会いしたときに声をかけるということもあり得るのですけれども、そういう部が来て、総合体育館を1週間も2週間も専用的に使うことを進めるべきかどうかということ、やはりこれは考えなくてはいけない話だと思います。 あとは、例えばスポーツキャンプ村でサッカーをしてもらうということも考えられますけれども、そうすると足が課題になるのです。この足は2つありまして、1つは例えばスポーツコンベンションビューローも昨年青森、秋田でしたでしょうか、大学に回りましたけれども、ああいうところが花巻市には来ないのです。来るとすれば仙台から南なのです。特に東京だと思うのですけれども、そうすると花巻市まで新幹線代をかけて、学生たちが来られるのかという話、それから来たときに宿泊施設から足がないですから、バスも確保しなくてはいけないということになります。そうすると、先ほどもお話がありましたように宿泊費が余り高くなくてやる場合において、温泉にとっては余り大きな経済的なメリットはないということもあり得る。さらに加えてバスも出してください、ずっと出してくださいということになりますと、なかなか協力するのも大変だということもあるので、合宿が来た場合にはいいことは間違いないのですけれども、やはり経済効果も考えながらやらなくてはいけない。あるいは、こちらが提供する施設を占用していただくことについてもどうなのかということを考えなくてはいけないので、ずっと右肩上がりで伸ばせるか、あるいは伸ばしていったほうがいいのかということは考えていかなくてはいけないということだと思います。 ○副議長(藤原晶幸君) 瀬川義光君。 ◆6番(瀬川義光君) 私も理解しておりますが、宿泊施設にしても交通機関にしても、やはり先行投資の部分はあるかと思いますので、できるところから進めて、そういう部分も可能な範囲で進めていただきたいと思っております。 それから次の質問ですけれども、市長の答弁にもありましたが、大会開催とかについても、ニーズを把握してというお話でしたが、これまで各種大会でありますとか合宿に参加された方々からアンケートをとってのニーズの把握をしてこられていますでしょうか。その点を伺います。 ○副議長(藤原晶幸君) 市川生涯学習部長。 ◎生涯学習部長(市川清志君) 具体的にアンケートという形ではとっていないのですけれども、御意見として聞いたりしている部分もございますし、先日は市長へのメールといいますか手紙で、石鳥谷で開催したソフトボール大会がとてもよかったというような御意見をいただいております。あとはマラソンなどに関しますと、SNSですぐ書き込みがされるような状況になっておりまして、この大会はよかったとか悪かったとか、どこがどうだという具体的に書き込みをされるような時代でございます。それらを参考にしながら対処しているところでございます。 ○副議長(藤原晶幸君) 瀬川義光君。 ◆6番(瀬川義光君) そのとおり大会ですと参加者がすぐに書き込んで、それで評判が伝わってさらに参加していただけるという部分はありますが、合宿の面ではやはり直接何かアンケート的なものをとったほうが、しっかりニーズを把握して、それを次に生かしていけるという部分につながるのではないかなと思いますので、合宿についても進めていったらいいのではないかなと思っております。 このスポーツツーリズムにつきましては、例えば宮城県登米市で東北風土マラソンというのをやっております。これはマラソン大会とさらに食のイベント、「ふうど」というのは風土と食べ物ということで、イベントを抱き合わせてやっているのです。そうすると、イベント全体とすればマラソンの参加者だけでなく、その家族や知り合いが、食のイベントと合わせて何倍もの方が参加すると。経済効果は大きいですし、地元をPRしていただけるという部分で効果は大きいですよというお話を伺っておりました。 これの参考になったのが、市長、御存じだと思いますが、フランスのワインの産地でメドック地方というところがあります。そこのメドックマラソンというのが、もう30年以上続いている。最初はワインを売り出したくて、エイドステーションにワインを置いて飲んでもらいましょうというのから始まって、最初は数百人の参加が今は8,000人、そして全体とすれば3万人来ていて、その4割が海外から来ています。今はもうそのメドックワインもグローバルブランドになっているという状況ですので、やはりそういったいろいろな人たちが来ていただける仕組みをつくって、これをやはり続けていくというのも非常に大事だと思いますので、それによってエーデルワインもグローバルブランドということもあるかと思います。そういった点も考えて進めていっていただきたいと思っておりますし、あと先ほどから大会よりも合宿と言っているのは、大会ですと実際に大会に参加される選手の方々が地元の子供たちと触れ合うというのはなかなか難しい。であれば、合宿のほうがまだそういった時間がとれるのではないかという部分がありまして、合宿で将来の子供たちの夢や希望につなげていただきたい、触れ合いの時間をつくっていただきたいと思っておりますので、その点もよろしくお願いしたいと思います。 それでは、次にILC誘致についての質問に移らせていただきたいと思います。 地元産業への効果という点では、本当に直接花巻市が建設箇所にかかわっているわけではないのですけれども、やはり関連企業として土木建築だけではなく、造園、それからサービス産業につながっていくということはそのとおりです。ただ花巻市として目指すべき方向はどこにあるのかという、ニーズを把握するのは大事だと思いますが、市としての方向性を目指すためのニーズの調査とか把握というのは何かされておりますでしょうか。 ○副議長(藤原晶幸君) 久保田総合政策部長。 ◎総合政策部長(久保田泰輝君) 具体的なニーズの把握といった調査は、現実的には行ってございません。ただ巨大な施設ですので、花巻市だけでどうのこうのということではなくて、先ほど市長からも答弁申し上げましたとおり県を挙げて、もしくは宮城県北等、非常に大きなエリアでの取り組みになろうかと思いますので、そういった部分でより花巻市がといった部分が考えられるものがございましたら、その点については研究してまいりたいと思います。 ○副議長(藤原晶幸君) 瀬川義光君。 ◆6番(瀬川義光君) 比較されるのがスイスのCERN研究所ですけれども、ここは地元企業を優先するのではなくて、ヨーロッパ全体に効果を波及させますという考え方でつくられているようですが、今このILCが目指しているのはアメリカのスタンフォードモデルということで、地元のシリコンバレーとの結びつきを強くしていく。地元優先を目指しているということですので、やはり花巻市がどこを目指すかというのをしっかり持って進めていただきたいと思いますし、それから私たち会派で2年前にスプリングエイトに行ったときに伺っておりますのが、放射光か素粒子かという違いはありますけれども、研究施設でいろいろな研究が行われると、その研究課題ごとに使う機械は違いますよと。ですから、ものづくりの精密機器ですとか、そういった部分ではずっと需要は続きますよというお話を伺っておりますので、そういう点でも市内のものづくり企業がもっとILCに関与していくというか、どういうものが必要かというところも調査したりという部分で、市が企業に働きかけることが必要なのではないかと思っておりますが、その点について見解をお聞きします。 ○副議長(藤原晶幸君) 上田市長。 ◎市長(上田東一君) この前も金ヶ崎町の自動車部品関連の市内の会社に行ってきまして社長とお話ししましたけれども、花巻市の企業の中にはそこと長年の関係を結んでいるところもございます。そういう意味で、花巻市の企業は、頑張っているなという印象を得ました。ただ、まだILCにつきまして、今おっしゃるような形のどういうものが求められるかというのはよくわからない部分がございます。今、先ほどお話ししましたけれども、規模を縮小するという話がある。そのときに、当初の部分から住居についても多数の研究者が来るかどうか、あるいは仙台市あたりから通うとかいろいろな可能性があるわけでございまして、まだちょっと具体的に企業にお話しするような状況にはないのだろうというふうに考えています。いずれにしろ、今、一生懸命誘致を我々も一緒になってさせていただくということだと思います。 ○副議長(藤原晶幸君) 瀬川義光君。 ◆6番(瀬川義光君) 奥州市、一関市に乗り遅れることなくと思って質問させていただきました。どうもありがとうございました。 ○副議長(藤原晶幸君) 以上で、瀬川義光君の質問を終わります。 ここで午後2時30分まで休憩いたします。     午後2時17分 休憩     午後2時30分 再開 ○議長(小原雅道君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。 次の質問者、藤井英子さん。(拍手)    (藤井英子君登壇) ◆12番(藤井英子君) 12番、花巻クラブ、藤井英子です。私は今定例会におきまして、大きく3件について質問項目を通告しております。順次質問してまいりますので、御答弁をよろしくお願いいたします。 それでは、1件目の総合支所の利活用についてです。 当市は3つの総合支所があります。平成18年の合併以前に役場だった大迫総合支所と石鳥谷総合支所、そして合併後に建てられました東和総合支所です。組織改編等に伴い使われ方等が変化してきておりますが、未利用の空き室が出てきていると感じております。例えば、石鳥谷総合支所では議場や議員控え室、3階フロアはほとんどあいている状況です。大迫総合支所、東和総合支所においても同様に空き室等があり、どのような団体がどれくらいの頻度で利用しているのか教えていただきたいと思います。各総合支所の施設の利活用の状況についてお伺いいたします。 次に、2件目の市営住宅についてです。 公営住宅は本来、住宅に困窮する低所得者に対して低廉な家賃で賃貸するもので、多くの入居の機会を与えることを目的としております。当市は市営住宅において790戸弱、特定公共賃貸住宅は20戸、そして定住促進住宅91戸、合計約900戸を有しておりますので、本来の趣旨から管理運営がなされているのかお尋ねしたいと思います。 1つ目は、市営住宅の入居状況について、市営住宅、特定公共賃貸住宅、定住促進住宅ごとに世帯数、入居者数とその割合、また政策空き家数について伺います。 2つ目は、収入超過者及び高額所得者の入居状況についてでございます。市営住宅、特定公共賃貸住宅、定住促進住宅ごとに世帯数、割合をお伺いいたします。 最後の質問は、セクシュアルマイノリティー(性的少数者)への支援についてです。 LGBTなど性的少数者という言葉を目にする機会がふえておりますが、特にも平成27年は国内外で当事者にとって前向きなニュースが相次ぎました。国内では、渋谷区で同性パートナー条例成立、世田谷区では同性カップル宣誓書制度など、この流れは企業にも広まってきております。また、政治家がみずから公表して活動するなど、性的少数者への配慮が進んできております。多様な人々をひとしく大切にする姿勢を、社会で共有することは大切なことです。岩手県では相談窓口があると伺っておりますが、当市としての、地域で暮らす性的少数者の悩みに答えるための取り組みについてお伺いしたいと思います。 以上、登壇しての質問を終わります。(拍手) ○議長(小原雅道君) 上田市長。    (市長登壇) ◎市長(上田東一君) 藤井英子議員の御質問にお答えします。 1件目の総合支所の利活用について、各総合支所の施設の利活用の状況についてのお尋ねであります。 行政財産は、申し上げるまでもございませんが、公用または公共用に供する財産であることから、地方自治法第238条の4第1項において、貸し付け、または私権の設定が制限されておりますが、同条第2項においては、その用途または目的を妨げない限度において貸し付け、または私権を設定できることとされ、また同条第7項においては、その用途または目的を妨げない限度において、その使用を許可することができるとされております。 その運用として、本市におきましては花巻市財務規則第196条及び花巻市行政財産使用料条例第4条の規定に基づき、花巻市行政財産の目的以外の使用に関する規則を定め、使用を許可する手続を定めております。 さらに同規則に基づき、花巻市行政財産の目的外使用許可事務の運用基準を定め、当該行政財産を使用許可できる範囲として、施設を利用する方のために食堂、売店、その他の厚生施設を設置する場合や国、他の地方公共団体、その他公共団体、または公共的団体が公用もしくは公共用、または公益を目的とする事業の用に供する場合において使用を許可できることを定めております。この運用基準に基づき使用の許可を求められた場合には、総合支所庁舎内に空きスペース、または利用可能なスペースがあるのか、近くにかわりに使える公共施設等はないかなどを勘案の上、使用を許可するかどうか判断しているところであります。 こうしたことを踏まえた各総合支所の施設の利活用の状況でありますが、大迫総合支所内には大迫町土地改良区、花巻市シルバー人材センター大迫支所、交通安全協会花巻支部大迫支会、そして水道企業団の事務所、石鳥谷総合支所には旧議会棟に花巻地区保護司会の更生保護花巻サポートセンターを、東和総合支所内には花巻市商工会議所東和支所及び水道企業団の事務所をそれぞれ置いております。 なお、石鳥谷総合支所においては、先ほど議員御指摘のとおり旧議会棟及び3階にまだ空き室がありますが、大迫総合支所及び東和総合支所においては、事務所を置けるような空き室はございません。 このほかに、各総合支所において会議室を公共的団体の会議や研修などの会場として使用許可している平成28年度の実績としては、大迫総合支所では土地改良区に延べ10回、石鳥谷総合支所では花巻地区保護司会等に延べ42回、東和総合支所では商工会議所や交通安全協会などの団体に延べ277回との報告を受けております。このほか東和地区においては、現在東和コミュニティセンターの使用を休止しておりますことから、東和総合支所1階の会議室を生涯学習関係団体の会議や事業に多数利用していただいており、利用実績は208回であるとの報告を受けております。 次に、2件目の市営住宅についての1点目、市営住宅の入居状況についてのお尋ねでありますが、市営住宅は市全体で21団地760戸、そのうち入居世帯数は643世帯、入居者数は1,467人であり、入居率は84.6%となっております。また、特定公共賃貸住宅につきましては、4団体20戸、そのうち入居世帯数は17世帯、入居者数は51人であり、入居率は85.0%となっております。定住促進住宅につきましては、4団地91戸、そのうち入居世帯数は76世帯、入居者数は157人であり、入居率が83.5%となっております。 なお、改修時の転居や老朽化により募集しているいわゆる政策空き家、市営住宅の改修や老朽化などの理由により公募から外している住宅と定義されておりますが、その政策空き家については市営住宅に24戸設定しております。 次に、2点目の収入超過者及び高額所得者の入居状況についてのお尋ねでありますが、収入超過者の世帯数は現在、市営住宅760戸のうち43世帯でありまして、その割合は5.7%となっております。また、高額所得者、入居から5年以上経過しており、かつ2年間引き続き月に31万3,000円を超える収入がある世帯ということでございますけれども、このような世帯は住宅の明け渡しを求める対象となるということでございますが、この高額所得者につきましては1世帯であり、その割合は0.1%となっております。 なお、特定公共賃貸住宅及び定住促進住宅において、該当する世帯はない状況でございます。 3件目の、セクシュアルマイノリティー(性的少数者)への支援についての御質問にお答えします。 市では、平成28年3月に第2次花巻市男女共同参画基本計画を策定し、男女(みんな)が互いに認め合い、ともにきらめくまちの実現に向けて4つの基本目標を掲げ、男女共同参画の推進に取り組んでおります。その中の基本目標1、男女共同参画の理解の促進において、性に関する理解の促進と生命の尊重という項目の中で「性的少数者への差別や偏見の解消に向けた情報の提供を行います」と明記したほか、平成29年3月に花巻市まちづくり総合計画第2期中期プランを策定し、基本政策、参画・協働のまちづくりの中で男女共同参画の浸透を施策として位置づけ、この施策の中でもLGBT(性的マイノリティー)の理解の促進を図ることとしております。 市における相談窓口としては、地域づくり課に男女共同参画相談窓口を設置しており、男女共同参画相談の窓口であることがわかるように表示をし、市のホームページにもその旨掲載しているほか、ほかの相談窓口として平成28年度からLGBT相談を実施している岩手県男女共同参画センターのホームページへリンクさせております。この表示につきましては、わかりやすいという観点から十分なのかどうかという課題はあるわけでございまして、必要に応じてさらにわかりやすくする必要があると考えております。 職員向けの研修といたしましては、これまでのDV防止に係る研修に加えまして、今年度はイクメン、LGBTについての研修を実施し、性的少数者への理解を促進することとしております。また、市民の皆様に性的少数者、あるいはLGBTという言葉が、LGBTは難しいと思いますけれども、まだまだ浸透しているとは言えない現状にあると考えておりますことから、今後は市のホームページに用語解説を掲載するなど内容の充実を図るほか、市広報に今後特集記事を掲載するなど、市民の皆様に御理解をいただけるよう啓発活動に努めてまいります。 ○議長(小原雅道君) 藤井英子さん。 ◆12番(藤井英子君) 御答弁ありがとうございました。再質問いたします。 それでは、最初に総合支所の利活用についてお伺いしたいと思います。 これにつきましては、私は5月ごろ3総合支所に出向きまして、アポなしで行ったものですから、職員の皆さん驚かれたと思うのですが、大変御丁寧に1時間ぐらいおつき合いいただきまして、歩きながら見させていただきました。そのとき説明いただきましたので、全部理解しているかどうかということはありますけれども、見取り図といいますか平面図も頂戴しまして、市長から答弁いただいたように、例えば大迫ではシルバー人材センター、交通安全協会、土地改良区、水道企業団などに貸しており、家賃も聞いてまいりました。 これにつきましては、例えば石鳥谷総合支所の3階フロアにはほとんど何もないと思っていますけれども、平成28年度の国体で使われたと思いますので、やはりそういったことがどうしても起きてきますし、会議室があいていておかしいということではないのですが、あいていると率直に思いました。 それで、総合支所のことでお聞きしたかったのは、大迫総合支所の議場はフラットといいますか動かすことができると思いますが、石鳥谷総合支所にはそのまま立派な議場が残っています。ここが使えないのだということをお聞きしたことがあります。石鳥谷では合併前にコンサートなどをしたこともあったようでしたけれども、それが後からやってはいけないことだったという話を聞きまして、どういうことなのかお聞きできますか。 ○議長(小原雅道君) 菅原石鳥谷総合支所長。 ◎石鳥谷総合支所長(菅原善幸君) お答えをいたします。 石鳥谷総合支所の旧議会棟の議場につきましては、議員おっしゃるとおり、以前、市民の方にお貸ししてコンサート等を行っていただいたところでございますが、その後、不特定の方が利用するということになれば、建築基準法上防火設備をちゃんと整備する必要があるということがわかりまして、現在はお貸しをしていないという状況でございます。 ○議長(小原雅道君) 藤井英子さん。 ◆12番(藤井英子君) この防火設備の整備に、簡単に幾らかかるのかなどと質問するものでもないのですけれども、やはりちょっともったいないなという感じはいたしました。「何か使える」という言い方が余りいい表現ではないかもしれませんが、きっと市民の方もこの議会を聞いていらっしゃると思うので、簡単な言葉で言わせていただきますけれども、あんなに大きなスペースや議員の控え室も使われていない状況です。これはやはり検討していったほうがいいのではないかと思いました。あと、3総合支所共通しまして、期日前投票の会場だったり、または確定申告の会場などにもなっていますので、年1回、2回、または1カ月、2カ月使うのにあけておかなければいけないという理由も成り立つのでしょうけれども、一番思うのは、先ほど法的な部分をお聞きしましたけれども、もっと利活用を進めるべきではないかと思います。実際、職員の皆さんに聞いたときに、多分公共的団体に使用許可が出されているのだと思いますけれども、例えばこれが不特定多数だったり、民間企業に貸し出ししていけば、それこそ法的にまずいこともありますし、防犯上もまずくなってくるのだということは重々承知しているのですけれども、今までこの総合支所の利用していない部分について、市で検討したというような経緯はあるのでしょうか。 ○議長(小原雅道君) 八重樫財務部長。 ◎財務部長(八重樫和彦君) 各総合支所の全体的なことですので、私からお答えさせていただきます。 そういう各総合支所の、特に石鳥谷総合支所の庁舎が旧議会棟含めあいているということから、合併以後、やはりもったいないという市民の皆様からの御意見、地域の皆様からの御意見もございまして、ミニコンサートですとか、あるいは生涯学習的な活動にも、すり鉢状の階段状のスペースを使えるのではないかということで活用したことはございまして、検討はいろいろさせていただいているところでございます。 また、議場であっても一企業に貸すことはできないかといったようなこと、企業の立地も含めて検討もさせていただきましたけれども、やはり管理上のことが1つ、それから先ほど市長が答弁いたしましたとおり、本来は行政財産でありますので、公共的団体ということに限定されるわけでございますので、公共的団体が公共的あるいは公益的活動をする際にそのスペースを使える場所が行政側でないということであれば、それは相談に応じるということでございまして、以前にも検討はさせていただきましたが現在のところはこういう状況になっているということでございます。 ○議長(小原雅道君) 藤井英子さん。 ◆12番(藤井英子君) 検討したということで、わかりました。 また、各地域で協議会も持っているわけですから、市役所だからといって市民の方が自由に使えると市民の方は思っていないと思うのです。ただ市民の方々にこういった利用方法とかいろいろな考え、アイデアとか皆さんにお聞きするという返し方も、一方であっていいのではないのかと思うのですが、この考え方についてはいかがでしょうか。 ○議長(小原雅道君) 八重樫財務部長。 ◎財務部長(八重樫和彦君) 先ほどの答弁の続きになってしまいますけれども、特に石鳥谷総合支所においては市民の方々から意見をいただきたいということで、地域協議会の皆さんに御紹介して御意見をいただいた経緯もございますけれども、なかなか活用に至っておらず、現時点においては保護司会のほうで事務所あるいはサービスセンターとして活用しており、また保護司会が会議を招集したりする場合にも、議会棟の空き会議室等を活用しているという状況でございます。 いずれにしましても、法に基づく活用ということに限定されるわけでございまして、それに基づいて市としても基準を定め、使用していただいているということでございます。ただ、市民の方々あるいは地域の団体等から、こういう活動に使いたいということについては門戸を閉じるものではなく、常に御相談に乗ってきているところでございますし、石鳥谷だけに限定することなく大迫、東和においても同様に、特に東和においては、先ほどの市長の答弁のとおり、いわゆる生涯学習施設が今休止ということでございますので、そういったことでも広く使っていただけるように配慮しているところでございます。 ○議長(小原雅道君) 藤井英子さん。 ◆12番(藤井英子君) 東和コミュニティセンターの基本構想ができまして、今から設計という段階で、当初予算に入っていると思うのですけれども、土沢コミュニティ会議はこの中に入っていくと聞きました。 ここで質問しますのは、以前ここには猿ヶ石川漁業協同組合、交通安全協会東和支部、花巻市シルバー人材センター東和支所、三障害の連絡協議会が入っていたと思います。ところが、今回の東和コミュニティセンターにはこの方々が入っていくという構想はないようだとお聞きしているわけですが、実はこの東和総合支所の例えばあきと言われるような部分に、こういった方々に声をかけながら利用してもらえるのではないかと思っていますがいかがでしょうか。 ○議長(小原雅道君) 菅谷東和総合支所長。 ◎東和総合支所長(菅谷一雄君) お答えいたします。 土沢地域のコミュニティ会議でありますけれども、休止した東和コミュニティセンター内に以前は事務室がございました。休止に伴い、東和保健センター内に事務室を今、移設し活動しているところでございます。この東和保健センターは、移設した時点では空き室がございましたので、そちらを活用したというところでございます。 先ほど市長からも御答弁いたしておりますけれども、東和総合支所の庁舎内には空き室という状態はございませんので、コミュニティ会議へ貸し出すということは検討しておりませんし、ほかの団体についても支所のほうに移動ということは検討していないところであります。 ○議長(小原雅道君) 藤井英子さん。 ◆12番(藤井英子君) 今の話をお聞きしましたので、わかりました。 それでは、2番目の市営住宅についてお伺いしたいと思います。 ただいま市営住宅の入居状況について御答弁を頂戴したわけですけれども、入居の割合が示されました。この割合が高いか低いかということは、私自身もどこで判断していいかわからないところはありますが、今回の6月15日の市の広報を見ましても、要するに毎回毎回、市営住宅、特定公共賃貸住宅、あと定住促進住宅などの入居募集が示されていますが、あのように募集をかけて、入ってきているものかということと、なぜあいているかの理由がわかりましたら教えていただきたいと思います。 ○議長(小原雅道君) 赤平建設部長。 ◎建設部長(赤平勝也君) お答えいたします。 市営住宅等の空き状況ですけれども、市営住宅では117戸、特定公共賃貸住宅では3戸、それから定住促進住宅では15戸があいている状況でございます。公募につきましては、今議員がおっしゃられましたとおり随時募集しているところでございまして、その都度応募がある状況でございます。今あいている理由ということにつきましてお尋ねですけれども、例えば中層住宅、4階以上、4階5階の建物になっている住宅について空き住居が見受けられることから、上層階への行き来に関することが、あいている原因の一つであると考えられますし、あと、旧4市町のそれぞれの町なかから離れている場所につきましても、入居応募者が少ない状況でございますので、その立地場所についても要因であると考えております。 それから、人口減少についても一つの要因であると考えております。今年度、市営住宅等の長寿命化計画の見直しを予定しております。その中で、そうした空き状況とかその課題の解決に向けてもあわせて検討してまいりたいと考えております。 ○議長(小原雅道君) 藤井英子さん。 ◆12番(藤井英子君) 今、部長の答弁で、これからの公営住宅についての検討が本当に大事なのだろうと思っています。それは、例えば市営住宅については、なぜあいているかという質問自体もちょっと乱暴なところがあったかもしれませんが、行きたいところに行って、違うところがいいとか、部屋の大きさなどいろいろなニーズという言い方をしていいのかがわかりませんが、昔のように措置をしているときには「ここに入りなさい」ということが簡単に言えたでしょうけれども、まして民家のアパートが出てくればいろいろなことが起こると思うのです。花巻市は被災住宅とかこれからもまた出てきます。また、民間アパートもまたリノベーションという形で次々新しいのではなくて、国のほうの動きとして、空き家のリフォームも出てくるのだと思います。その制度を花巻市が活用するかしないかは別にしても、空き家の部分にもいろいろシェアハウスとか入ってくる形が見えています。また一方で、利用する方々が単純に低所得者だと位置づけるよりも、住宅を選ぶとか、生活保護においても減免の動きが見えてきているということで大変な思いがあると思うので、やはり花巻市の公営住宅をどうしていくのかという検討をしないと、結局古くなったところだけどんどん古くなってしまいます。現実問題として町なかの住宅を求めているということも、受けとめることが必要ではないのかなと思いますので、検討をしっかりとやっていただきたいと思っております。 また、この市営住宅の関係ですが、平成21年度から指定管理者制度が導入されて、3回目の更新がなされていると思いますが、入居者の苦情や要望に対して、どのように対応しているのか、もし例とかもありましたらそれもお出しいただきまして御答弁をお願いします。 ○議長(小原雅道君) 赤平建設部長。 ◎建設部長(赤平勝也君) 今、指定管理者制度のお話がありました。確かに、市では市営住宅等の管理運営につきまして、指定管理者と協定を締結しております。その指定管理者と相互に協力しまして、市営住宅の管理運営を行っているところでございます。 ただ、これまで入居者の方からの相談、要望に関するその業務内容の取り扱いが明確に規定されていなかったことから、例えば害虫駆除に関する要望に対して、的確に対応しないで時間を要するなどの事案が報告されていたところがございます。そうしたことから、今年度から指定管理者との基本協定におきまして、業務範囲の明確化、それから業務処理手順の見直しを行いまして、入居者からの要望等に対して2人体制での対応で、体制の強化を図るというような内容として契約を行っております。 今年度において、主な苦情というか要望としましては、多いのは住宅施設の修繕に関すること、それから入居者間のトラブルに関することが寄せられているところでございます。その対応としましては、現地の確認を行い、また専門業者を手配したり、それからトラブルの原因について調査しまして、難しい問題については市と指定管理者が協力して対応しているところでございます。今のところ、先ほど申し上げました従前の課題のような事案はないと聞いておりまして、今後とも入居者の要望等に対して、指定管理者と連携しまして迅速な対応に努めていきたいと考えております。 ○議長(小原雅道君) 藤井英子さん。 ◆12番(藤井英子君) それでは、収入超過者や高額所得者の入居状況についてお伺いします。 これにつきましては、市営住宅の収入超過者が43世帯で割合が5.7%、高額所得者が1世帯で0.1%だという数字をお聞きしました。これが多いのか少ないのかはちょっとわからないですが、収入超過者は明け渡しの努力義務があろうかと思いますし、そして高額所得者へは明け渡しの請求があろうかと思います。何でこんなふうに43世帯も入っているのかと自分で想像しているのですけれども、長い方の入居期間はどれくらいになっているのでしょうか。お聞きします。 ○議長(小原雅道君) 赤平建設部長。 ◎建設部長(赤平勝也君) 収入超過者と高額所得者となるわけですけれども、収入超過者というのは市営住宅の条例に基づいて規定しております収入基準を上回る収入の方でございます。その収入超過者につきましては、経過年数が3年未満の世帯が32世帯、3年以上経過している世帯は11世帯ございます。最長で収入超過者は11年を経過している世帯もございます。それから高額所得者についてですけれども、先ほど市長からもありましたけれども1世帯ございますが、1年経過している状況でございます。 ○議長(小原雅道君) 藤井英子さん。 ◆12番(藤井英子君) この収入超過者、また高額所得者ですが、今回この質問をしたことの一つとして、毎月家賃が7万円、8万円の人がいるというのはおかしくないかとある市民の方から言われたことがありました。市営住宅は安くなければいけないとその市民の方は受けとめていて、いやそんなはずはないというところからこの質問をさせてもらったのですが、この方々に明け渡してください、出ていってくださいと言うつもりはございません。きっといろいろな事情があろうと思いますし、ましてよく考えますと、ここがすごい矛盾だと思うのですが、本来、公営住宅は住宅困窮者に対して提供されていくということだと思うのです。それが何でこの収入の多い方々が入っているのかということですが、一方で市営住宅があいているわけです。先ほどいろいろ検討してほしいと思ったのはそこなのです。入ってもらったほうがという考え方もある。また、長くいる方々は一人一人事情があると思います。居心地がよくなったとか、民間のアパートを探していくというのはとか、途中から家族がふえたりするでしょうからいろいろなことを想像するのですが、事情はいろいろあると思いますが、やはり本来の住宅困窮者に対してやっていくという部分にこだわっていかないと、難しいのではないのかなと感じたものですから、こういった質問をいたしました。答弁はよろしいです。 では、3番目ですけれども、これにつきましては本当にテレビやマスコミからいろいろな言葉がいっぱい出てきまして、私自身もいろいろな本を買ったりしながらも理解できていないことがいっぱいあります。また、LGBTのことは大変ある意味デリケートな部分も出てくるとも思ったのですが、むしろ黙っているほうが、当事者は生きづらくなっているということが出てきていると思っております。 それで、今、市の取り組みとしましては、男女共同参画の計画やまちづくり総合計画にきちんと入っていると思っておりますが、例えば施設的なことで具体的に言わせていただきますと、トイレなどの施設の改修とか、いろいろなことが伴ってくる気がします。花巻市では、例えば小学校、中学校のトイレは水洗化にしたわけです。それをまた男の子も女の子も一緒に使うようなトイレにするというのはなかなか難しいと思いますが、これからつくるものに対しては、そういった配慮がしっかり入っていかなければならないと思っています。このトイレなどの改修とか今後整備する施設への対応が必要であると思うのですけれども、どのような考えをお持ちでしょうか。 ○議長(小原雅道君) 八重樫財務部長。
    ◎財務部長(八重樫和彦君) お答えいたします。 トイレについての御質問と受けとめましたけれども、例を申し上げますと、既に市役所の庁舎、本館、新館、あるいは各総合支所などでございますけれども、トイレとしては男性用トイレ、女性用トイレがあるほかに、車椅子を利用される方ですとかあるいは乳幼児をお連れの方、あるいは介助の必要な方などが利用できる、いわゆる多目的トイレ、手すりやオストメイト、あるいはベビーベッド等を設備した多目的トイレを設置いたしております。この多目的トイレは、もちろん障害のある方、お子さん連れの方、介助が必要な方だけではなくて、広くどなたでも利用できる、いわゆるセクシュアルマイノリティーの方々はもちろん利用できるトイレとなっておるものでございます。そういう施設を市の公共施設にも、ない施設もありますけれども、市役所あるいは各総合支所など大きな施設には備えているということでございます。 今後、こうしたトイレの設置につきましては、建物の規模や用途なども勘案した上で、可能である場合には整備を検討する必要があるのだろうと捉えているところでございます。 ○議長(小原雅道君) 藤井英子さん。 ◆12番(藤井英子君) 今トイレのことでお聞きしましたけれども、例えば障害の方々が本当に大変な思いをしたときに、その方々への配慮という言い方をしたらいいのでしょうか、いろいろな施策ができてきたように、ここのマイノリティーの方々にきちんと応えていかなければいけない、そんな時代が来ていると思います。数字的なことを示して共通認識を持ちたいと思うのですけれども、特に日本というのはこういったLBGTとかは、自分のうちにはいない、うちの家族にはそういう人はいないと思いたい、思う、そういうことがあると思うのですが、実は電通が平成27年にインターネット上の調査を行い、20歳から59歳の回答者、約7万人のうち13人に1人に当たる7.6%がLGBTに該当したという数字がございます。 そして、もっともっと身近なのは、もう皆さん御案内のとおりかと思いますけれども、岩手県の高校生の話をさせてください。平成27年4月に、高校生の性に関する調査ということで本県の高校生に対して調査をされていまして、簡単に言いますと、性的少数派だと自分も思うと言っている子供たちが10.1%になっています。ただ、この部分なのですが、私が意識的に「性的少数者」と言っているのは、LGBTにも該当しない、私は何なのだろう、僕は何なのだろうというような形が今はいっぱい出ているようであるからです。ちょっとしたことでそういったことも思うのでしょうけれども、大変こういった若者たちも生きづらい世の中になってきていると聞いていますので、ここについてはしっかりと施策として力を入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(小原雅道君) 市村地域振興部長。 ◎地域振興部長(市村律君) お答えいたします。 今議員からお話のありました、県内の全日制の高校生に対する調査というのは平成25年にされておりまして、78校9,055人を対象にして96.8%の高い有効回答が得られて、議員からお話がありましたとおり、10人に1人という高い結果が出たということは承知しているところでございます。 別な調査で、日本放送協会も支援団体の協力を得て平成27年にインターネットを通じた調査を行っておりまして、このときは2,600人を対象にということだそうですけれども、この中で総括的に述べられているのが、周囲の偏見や差別を恐れ、家族へのカミングアウトさえもできないという厳しい状況の中で生きてきた人たちの切実な声がつづられているというような内容でございました。カミングアウトした相手で一番多いのは友人がまず8割ぐらいで、家族に対してというのは半分以下、職場や学校ではというとこれも低い状況です。都市部であればまだ4割ぐらいということなのですけれども、特に地方だとさらに半分で2割ぐらいにとどまっているというような状況がございまして、議員から質問の冒頭でありました「地域で」ということをさらに考えてみますと、近隣や地域ではということになると5%とさらにもっと低い状況になっております。 やはり今さまざまな多様な性がある中で、一つには、市内の中学校の養護教諭の先生方の研究会の中でLGBTについて研修会を実施したいというような相談を受けています。そういうところでやはり学校現場での教員の方々も、知識というか認知を高めていただくことによって、いじめの予防にもつながるという部分もあると思いますし、それを子供たちにも伝えていただくということで、大変大事な取り組みだと思っておりますので、具体的な相談がありましたらば県の男女共同参画のセンターと協力しながら対応してまいりたいと考えております。 ○議長(小原雅道君) 藤井英子さん。 ◆12番(藤井英子君) 今、部長より力強く取り組みをしていくということ、また、養護教諭の動きが出てきたということはすごくよかったなと思っております。ここのところをもう少しだけ質問させてほしいのですが、実はどうしてもこれに力を入れてほしいと言ったのは、生きづらさが鮮明になってきているという中に実はこういったこともあります。いじめ、DV、依存症、自傷、鬱病や自殺のさまざまな理由の中にこういった方々がいるということなのです。やはり性と性別で悩んでいる人たちの場合、相談もできないとか話をしないわけです。それで何で出てきたかといいますと、ここに私が持っているパンフレットは、性と人権ネットワークESTOという団体が、秋田県が自殺でワースト1だというときに、国から自殺の対策緊急強化事業の助成を受けてつくったもので、今言ったように、鬱病や自殺のさまざまな理由を知ってくださいという中に、いじめ、DV、依存症、自傷が入ってきています。そして実際、そういった方々の声があったというのがございますので、しっかりとやっていただきたいなと思います。 質問なのですが、今後市民は、やはりわからないことがあったときはどんなことだろうと学ぶことからスタートすると思います。そのときに、市民の方々にいろいろこういうことなのだという話とか、広報への掲載などやっていただけるということでした。先ほどの相談窓口の話ですけれども、地域づくり課の男女共同参画相談窓口は、カウンターのところだと思うのですが、花巻市の相談窓口は2階にあるところなのでしょうか。確認したいです。 ○議長(小原雅道君) 市村地域振興部長。 ◎地域振興部長(市村律君) お答えいたします。 市の窓口としては、地域振興部の地域づくり課にあります男女共同参画の窓口が相談窓口と位置づけております。 ○議長(小原雅道君) 藤井英子さん。 ◆12番(藤井英子君) 相談窓口なのですけれども、まだ相談に誰も来ていないのかどうか、件数は何件ですかと聞くこと自体もおかしいことなので言いづらいのですが、あそこに行くでしょうかという感じもします。ここのお部屋がそうですというのもまたおかしい、大変微妙なところがありますから、少しそこを検討なさっていただけたらいいのではないのかと、2階に行って、職員の方がいっぱい仕事をしているところでお話しできる状態はないと私は思いますので、新館1階の相談のところもあるでしょうし、来やすくなるような形でやっていただければなと思います。 以上、終わります。 ○議長(小原雅道君) 以上で、藤井英子さんの質問を終わります。 これで本日の日程は全て終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 御苦労さまでした。     午後3時21分 散会...