平成12年 9月 定例会(第4回) 平成12年9月14日(木)午前10時28分
開議出席議員(22名) 1番 室谷弘幸 2番 岩村正秀 3番 山口忠志 4番 宮本啓子 5番 細野祐治 6番 上出栄雄 7番 西出清次 8番 坂野行平 10番 西出 振 11番 小塩作馬 12番 若林幸子 13番 林 俊昭 14番 山村信一 15番 吉江外代夫 16番 酢田隆司 17番 林 茂信 18番 村井幸栄 19番 新後由紀子 21番 川下 勉 22番 宮田 勇 23番 平井 清 24番
矢田郷昭三欠席議員(1名) 9番 谷口久男
△開議
○議長(村井幸栄君) これより本日の会議を開きます。
△議長諸報告
○議長(村井幸栄君) 諸般の口頭報告は、これを省略いたします。
△会議時間延長
○議長(村井幸栄君) この際、本日の会議時間はあらかじめこれを延長いたします。
△質疑・質問
○議長(村井幸栄君) 日程第1、
市長提出議案第75号から議案第85号までを一括議題とし、これに対する質疑並びに市政一般に対する質問を許します。 通告がありましたので、順次質問を許します。
吉江外代夫君。
◆(
吉江外代夫君) ことしの夏は近年になく大変雨が少ない状況でございまして、高温で乾燥した日が続き、暑苦しい熱帯夜に悩まされた方も多かったのではなかろうかと思いますが、二、三日来の集中豪雨で特に東海地方の方で大変な被害があったようにお聞きしておりますし、被災された住民の皆さん方に心からお見舞い申し上げたいと思います。 また「災害は忘れたころにやってくる」ということわざにもありますように、常に防災意識の高揚というものも今回の事例に倣って、当局も一層の防災思想の徹底と意識にさらなる御尽力を賜りたいというふうに思う次第でございます。また、昨今の景気の動向もいまだはっきりしませんし、経企庁も回復の初期段階と位置づけておりますが、何となく暗い事件も多い昨今でもございます。 そういった中で、常に市民の先頭に立ち、持ち前のバイタリティーと明るさ、そしてファイトあふれるエネルギッシュな行動をしております、そして市民に夢と希望と勇気と元気を与え続けられています大幸市長の姿を拝見するにつけ、私ども議会人としても大いに好感を持っていますし、そして今の姿勢を崩すことなく着実に歩んでいってほしいと思うものでございます。「行政は最大の
サービス産業である」という持論を展開しながら、常に職員を叱 咤激励しながら、住民サイドに立った行政を進めておられる市長。県内8市、いや、全国 600 余りある市長の中でも、特に森総理に一番信頼と友情を持たれている大幸市長をいただく加賀市民は、大いに今後の活動に期待するところ大でありますので、よろしくお願いしたいと思います。 今回の定例会に上程されております補正予算でありますけれども、特にかねてから要望しておりました地域住民からの要望の最も多い生活道路、側溝整備、下水路の整備等々の
生活関連土木事業について、今までの補正予算の規模から前例のないような予算化を行いましたことに対し、多大な敬意を表したいと思います。これは私のみならず、私が所属させていただいております
自民クラブ全員の意見でもあります。年度末までにこの予算が執行され、今後住民の生活整備に対する姿勢の方針は大いに見直され、歓迎されるものと思います。これからも住民の
生活関連土木事業に対する取り組みについて、さらなる御理解をお願いしたいと思います。 それでは、通告をいたしました2点につきまして質問させていただきます。 まず、質問の1点目は、
山代再興九谷窯跡の問題であります。 この窯跡は、江戸の後期、文政9年、1826年でございますけれども、再興九谷の吉田屋窯が九谷から窯を山代温泉に移して以来、約 120年間焼き続けられた九谷焼のメッカともいうところであります。古九谷の伝統を引き継ぐ吉田屋窯や宮本屋窯、京焼の名工、永楽和全を招聘した大聖寺藩営の九谷本窯。さらに明治に入りまして、旧大聖寺藩士の塚谷竹軒が窯元となった民営の九谷本窯。石川県令--今でいう知事でございますけれども、からの資金提供で設立した
九谷陶器会社。そして大蔵寿楽窯、嶋田寿楽窯と引き継がれ、現在に至っておることは御承知のとおりでございます。 まさに九谷焼の歴史を物語る史跡とも言えるこの箇所を、さらにまた文献と窯跡とそして貴重な遺物、この三者が残る全国でも極めて重要な例として、アメリカの
スミソニアン研究機構と
国立奈良文化財研究所の
共同研究課題にもなっておりまして、現在は史跡として市の指定文化財となっております。きちんと整備されれば、
県指定文化財にも昇格が予想され、さらに国指定を目指すことも十分考えられる史跡でもあります。 さらに隣接して現存する県内最古の登り窯や、旧母屋兼工房も市文化財として残っておりますし、文化財保存の観点と学術研究や、さらに児童、生徒の学習の場にもなりますし、山代は観光地でございますし、観光の拠点としてその活用が十分に考えられるわけでありますが、こういった極めて大切な場所、事柄であるということ自体、一般市民は承知していないのが実情ではなかろうかと思うのであります。 市民にもっともっとこの重要な場所を理解していただく必要があるのではと思いますし、そうすればこんな近くに、こんな立派な、こんな大切なものがあるのかということで、市民が本当に誇れる、郷土の誇れる場所になるのではないかと思うものであります。大いに市民に理解をしていただくことが肝要でもありますし、今後の整備計画、どのような計画をお持ちなのか当局の考えをお聞きしたいと思います。 質問の2点目は、片山津・山代温泉両財産区の見通しということでお聞きしたいと思います。 まず、財産区の1点目は、財産区の目的及び性格についてであります。 両財産区は、昭和33年、江沼郡9カ町村が合併し加賀市が誕生した際、本来市の財産とすべきものを地元民の強い要望により、関係機関との協議の結果、旧町民のために残すことを認め、成立したものと理解しているわけであります。ここで今一度確認の意味で、財産区は法律的にはどのような位置づけになっているのか、また、財産区と市の関係及び財産区が所有している財産の処分、廃止時の財産の取り扱い等についてどのようになるのか、その見解をお尋ねしたいと思います。 第2点目は、共同浴場についてお尋ねいたします。 両財産区の共同浴場は、これまで温泉観光のシンボルとして財産区民の方のみならず、多くの市民並びに観光客に親しまれてまいりました。しかしながら、ライフスタイルの変化、観光客の減少、施設の老朽化、設備の整った近接の競合施設の出現などが重なり、毎年のように利用者数が減少しております。当然、収入も減少となり、ますます厳しい経営状況に陥っているのが現状ではないかと思うわけであります。また、両共同浴場とも老朽化が著しく、多額の費用を必要とする改築計画も現実の課題となっております。そこでまず、市長はこのような状況をどう考えているのかお尋ねしたいと思います。 次の質問でございますけれども、特に
山代温泉財産区の経営についてであります。 平成6年度末に 5,261万円あった
事業調整基金が、実質的な赤字経営の補てんのために毎年取り崩されまして、平成11年末には 3,383万円までに減少しております。これまでも当然、管理経費の削減等に努力してこられてきたと思うわけですが、このままでは二、三年でこの基金も底をつき、
片山津財産区同様、経営の維持分担金を徴収するか、あるいは財産区そして浴場を廃業するか、この二者択一の選択を余儀なくせざるを得ない状況も考えられるわけであります。 このような厳しい経営状況を財産区民に開示するとともに、十二分に理解を得るための努力も必要と考えるわけでありますが、今後どのような
経営改善策を考えておられるのか、
山代温泉財産区会長にお尋ねしたいと思います。 また、聞くところによりますと、財産区の管理会と職員との間で説明不足あるいは理解不足から亀裂が生じているやに聞いておりますが、現在どのような状況にあるのかあわせてお尋ねしたいと思います。 財産区4点目は、
片山津財産区についてお尋ねいたします。 平成8年9月に共同浴場の存続と将来における譲渡財産の有効活用を条件に、市へ移管する旨の「
湯楽ゼーション構想」について財産区、さらには
地区まちづくり協議会、さらには
各種関係団体で検討されたように聞いているわけでありますけれども、その後の経過と今後どのように
片山津財産区を運営していくのかお聞きをいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○議長(村井幸栄君) 大幸市長。
◎市長(大幸甚君) 吉江議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず、
山代温泉並びに片山津両財産区は、昭和33年の町村合併時に市に帰属すべき財産を、温泉の利用を目的に法律の特例として設置されたものであります。財産区には、財産区の財産及び公の施設の管理と処分ということしか認められておりません。したがって、財産区自体が借入金などによって財産を取得したり、新しい事業を起こすことはできません。財産区の財産処分については、財産区の財産を処分し財産区民に分配することや、あるいは財産区の運営に充てることはできないことになっております。また、財産区を廃止する場合には、財産区すべての財産は市に帰属することとなっております。 次に、両財産区の共同浴場についてであります。 両財産区の共同浴場は、温泉観光地としてのシンボル、そして市民の語らいの場、憩いの場として必要な財産であると考えております。新しいニーズに適応した施設との競合と施設の老朽化によって年々利用者数が減少し、その経営が悪化しているのは御存じのとおりの状況であります。 こうした状況に対して、残念ながら現在の法律の定めでは、市は財産区への財政的支援はできないことになっております。共同浴場のあり方については今後、議員さんも指摘されましたように、財産区の皆さん方、議員の皆さん方、市民の皆さん方とともに議論をし、今後温泉の骨格である総湯はどうあるべきか、そんなことをともに語って、新しい形の総湯というものを創造していかなければならない、このように考えているところであります。 以上であります。あとは担当部局長から答弁をさせます。
○議長(村井幸栄君) 藪谷教育長。
◎教育長(藪谷栄一君) 今ほど、吉江議員さんからるる御説明がありましたとおり、
山代再興九谷窯跡は、江戸後期、文政9年になりますが、吉田屋窯が山中町の九谷から山代温泉に移されまして以来、約 120年間焼き続けられてきました九谷焼の本家本流の地であります。 こうした
歴史的重要性から、平成7年度、
山代再興九谷窯跡は史跡に、平成11年度におきまして、
山代九谷磁器焼成窯及び窯道具は歴史資料として、また九谷寿楽窯旧母屋兼工房1棟を建造物として、それぞれ市の文化財に指定しております。これまで加賀市史、あるいはさまざまな歴史講座等を通しまして、市民に対してその重要性の啓発に努めてまいっておりましたが、今後はさらに指定文化財の活用という側面からピーアールに努め、保存と整備を進めてまいりたいと思っております。 窯跡につきましては、このほど発掘作業を完了いたしましたところであります。その結果、新しい発見もございます。九谷焼の調査研究上、多くの貴重な遺物とか、あるいは遺構などの発見がありまして、そういったことを今この場所をかりて御報告申し上げたいと思います。 なお、今後の整備計画についてでありますが、こうした調査結果等を踏まえながら、遺構や出土品の保存、古文書とか、あるいは現在、県下最古の登り窯が残っておりますので、これらを学術研究や今お話のありました学習の場とか、あるいはまた観光資源として活用できますように、設計者や専門家、有識者の皆様方の御意見を賜りながら、全国に発信できるものになるよう整備をいたしてまいりたい、このように思っておるところでございます。 以上でございます。
○議長(村井幸栄君)
山谷山代温泉財産区管理会長。
◎
山代温泉財産区管理会長(山谷進弥君) 吉江議員の
山代温泉財産区の
経営改善策についてお答えいたします。
山代温泉財産区の経営でありますが、平成7年度より毎年基金の繰り入れにより、今日まで運営を続けてまいりましたが、入浴券、売店の売り上げが毎年減少していると同時に、30年経過しました施設の老朽化に伴う建物及び機械の修繕費が毎年かさみ、このままではあと2年程度で基金が底をつく状態であります。管理会といたしまして、
経営改善策をいかにしたらよいかと模索しているところであります。 まず、喫茶等の不採算部門を見直すとともに、年中無休体制の運営を、休日を取り入れた営業時間の変更等で、経費の削減と効率的運営を図ることを考えております。さらに無料の駐車場の確保並びに2階浴場の
バリアフリー化により、浴客の利便を図り誘客に努めるとともに、財産区区民の入浴料の改定で増収計画も考えているところであります。なお今後は、財産区区民に御理解を願うために、財産区広報等において経営状況を詳しくお知らせしていく所存であります。 次に、職員との関係でありますが、去る6月、
期末手当支給に当たって、財産区の厳しい経営状態を説明し、理解と協力を得ようといたしました。現在、職員5人が加盟する労働組合との交渉において、労働条件等の話し合いを進めている状況であります。なお、今後につきましては、組合員との話し合いのもと、経費節減等の経営改善に理解を求めて運営に努めてまいりたいと考えているものであります。 以上であります。
○議長(村井幸栄君)
東谷片山津財産区管理会長。
◎
片山津財産区管理会長(東谷外余松君)
片山津財産区について吉江議員にお答えいたします。
片山津財産区についてお答えする
片山津財産区管理会は共同浴場の重要性から、
共同浴場存続を条件に平成8年、市に財産区を移管したい旨の申し入れを行いました。それに合わせて共同浴場の改築に係る「
湯楽ゼーション構想」については、
片山津温泉中核施設整備推進協議会により検討してまいりましたが、施設の採算性が低く、現実的でないとの判断から構想を断念し、本年3月に協議会を解散し、
各種団体協議会に引き継ぎました。したがいまして、さきに要望しました財産区の移管については、協議会の検討結果を踏まえ、一時凍結することとしました。 当財産区管理会におきましては、総湯である共同浴場の存続を図るべく、またお客に喜んでいただける誘客策として、浴槽内のタイルの張りかえ、引き戸の取りかえ、脱衣箱の改修、脱衣場壁の塗装、空調機の取りつけ等に取り組んできました。今後はさらに省エネに取り組み、経費節減に鋭意努力しながら全力を挙げて、当面財産区で経営していく所存でございます。
○議長(村井幸栄君) 林 俊昭君。
◆(林俊昭君) 私は今回、
質問通告どおり4点にわたって質問したいと思いますので、市長の誠意ある答弁を求めるものでございます。 まず、
生活関連土木事業についてでございますけれども、上程されている9月補正予算の
生活土木予算について。 予算編成については、大事なことは今さら言うまでもなく、予算には限界があるということ。特にこれからの厳しい財政事情を考えるならば、事業の優先順位の判断と同時に
トレードオフ判断、つまり何を優先させ何を劣後させるのか、この辺が非常に大事になってくるだろうと思います。市長はそのことを踏まえながら、3月当初の予算編成において政策の相対的な優先順位を決定していると考えます。 しかし、今回の補正予算、
生活関連土木事業費の予算内容を見ますと、当初予算1億 6,150 万円に対して、9月補正予算は1億 5,100万円と当初予算に匹敵するほどの金額になっておるわけでございます。 また、事業内容の(3)
側溝整備事業費は1億円でございます。当初は 8,200万円でありましたから、それを上回っての補正予算になるわけでございますけれども、これはどういうことなのでございましょうか。今さら言うまでもないことでございますけれども、補正予算は予算の調整後に生じた事由に基づいて既定の予算に追加、その他変更が生じたときには、補正予算を調整し議会に提出することができると、
地方自治法 218条に規定されておるのでございます。一般的には、国や県の補助金などが新たについたとか、あるいは補足的に事業を追加せざるを得なくなったとか、災害など緊急に対応しなければならないことなどに対して編成するのが、補正予算の基本だと私は思っております。 しかし、今回の
側溝整備事業に対しては、1億円もの補正予算を計上したということは、当初予算やあるいは補正予算の編成の理念を市長みずからが無視したと考えざるを得ないのでございます。なぜなら、地震によって市内55カ所の側溝を緊急に整備しなければならないということでもなく、また側溝整備の全体計画と進捗状況の説明もございません。整備基準の客観的な優先順位も明らかになっておりません。
地方公共団体における民主的にして能率的な行政の確保を図り、健全な発展を保証することを目的とした
地方自治法(
地方自治法1条)の精神にも反すると思います。 市長の提案理由の説明では、今回、各地域からの要望状況がまとまり、できる限り対応するためと述べていますが、要望を取りまとめて予算化に至った経緯と
地方自治法の理解について、まずお尋ねいたしたいと思います。 次に、予算の確保については、市長は平成11年度の繰越金が確定したことと、今後の財政需要については見通しができたことによるものだと説明いたしましたが、一体どのような見通しができたのかを明らかにしていただきたい。 先日配付された、平成11年度加賀市
一般会計決算報告、監査委員が取りまとめた意見書を私は見てみましたけれども、この11年度決算の意見書の中で、実質単年度収支は 4,645万5,000 円しかなく、財政力指数や
経常収支比率あるいは公債費比率、
起債制限比率などはさらに悪化し、財政運営の健全化に一層の努力をされたいとの意見が述べられているのを、市長は御存じなのでございましょうか。繰越金が出たからといってすぐ補正したり、今年度はまだ半年も残っているにもかかわらず、財政の見通しができたとか、一体どのような見通しを持っておられるのか、具体的に数値で示していただければなと、そんな思いでございます。 次に、55カ所の側溝整備に関する全体的な事業計画と年次計画がどのようになされておるのか。整備基準の内容についてはどうなっているのか。55カ所を選定した客観的な理由は何なのか、お尋ねをしたいと思います。 私は決して、市民の生活環境が整備されていくことに対して反対をしているのではありません。しかし、財政状況が年々逼迫しているにもかかわらず、余りにも唐突な予算計上は、健全な自治体を損なうばかりか、市長の財政運営のかじ取りも蛇行するのではないかと危惧するからでございます。その悪い例が、昨年の国保会計への一般会計からの1億 2,000万円の繰り入れ問題でございました。私はあのとき、国保会計の独立採算性の原則を破り、値上げを先送りするということは、市長が言う健全財政化に向けて努力することとは相反するということで反対をいたしました。 また、今年度からは介護保険料も国保税に上乗せされて徴収される市民のことを考えますと、軽率であり唐突な対応であるということもその当時指摘をいたしました。今、市民は、国保税やその他の税の値上げを初め介護保険料の負担で、これからの生活に不安を感じておるわけでございます。このようなことになったことを反省するならば、なぜこのような唐突な予算編成をしたのかお尋ねいたしたいと思います。 次に、
温泉旅館経営革新支援事業についてお尋ねいたします。 私は、6月定例本会議で温泉産業と生活保護のことについて質問をいたしました。その質問を
加賀ケーブルテレビで見ていた市内の第2次産業に携わる方から「加賀市は何かにつけて観光都市を標榜して観光協会に多くの助成を出したり、各種の事業にも市の財源を充てることが当然のことのようにしているが、一体いつになったら脆弱な旅館の体質を根本から見直すことができるのか。構造不況は3次産業だけではないですよ」などと、怒りを込めて私は指摘を受けました。 しかし今回市長は、9月補正予算においてこの事業については既に当初で理解をいただいているとしてだろうと思いますが、山代温泉、片山津温泉に
温泉旅館経営革新支援事業として 9,764万円を計上、支援しております。これでは、ほかの産業から温泉に対して、二重三重の過保護な税金の導入でないかという声がますます大きくなっていきます。市長は、このような声をどのように受けとめておられておるのか、まずお尋ねをするものでございます。 次に、支援制度には、補助金制度と保証制度、
中小企業経営革新支援法に基づく3つの支援制度がありますが、まず、補助制度についてお尋ねいたします。 この制度は、一旅館が 1,500万円以上の事業に対して、県が 500万円、市が 500万円を補助の限度額として交付するものであり、対象事業としては非宿泊客も利用可能とし、地元住民と交流を図るために行うものであり、原則として
温泉まちづくりと整合性を有するということになっております。しかも、
事業対象旅館は山代10軒、片山津6軒が内定されてしまっているかのように新聞では書かれておりましたけれども、実に要領の得ない話でございます。 市長は、提案理由の説明の中で
温泉旅館経営革新支援事業は、当初予算に見込み額を計上しておりましたが、宿泊客の減少傾向の
下げどまり感から、各旅館において施設改善への積極的な姿勢と意欲が見られ、これにこたえるため今回所要額の補正を行うものであると述べておられます。確かに当初予算の説明資料には、支援事業として 4,800万円を計上し、内訳として
設備投資助成に4軒分 2,000万円、
信用保証負担として4軒分 2,800万円が当初に掲載されております。 しかし、補助制度だけを取り上げてみても、当初、見込みの4倍もの旅館軒数となり、市の負担が一軒当たり 500万円として16軒分で 8,000万円もの莫大な金額が、旅館という私企業に支給されることになるわけでございます。しかも、営業利益に人件費と減価償却をプラスしたものを付加価値額と定め、その伸びを1年間1%以上か、もしくは3年間で3%以上に設定した投資であればよしとする非常に甘い基準を設けたり、市長に至っては、宿泊客の減少を数値で押さえることもなく「
下げどまり感」というあいまいな表現で旅館の姿勢と意欲だけで予算を計上するなど、全く話にならないと私は感じるのであります。 私は、6月議会で温泉街での生活保護の増加と旅館従業員の不安定な雇用関係をただす質問をいたしましたが、その点の改善は進んでおるのでございましょうか。そのことを棚上げにして補助金を支給することなどは、もってのほかでございます。一体、補助金対象とする16軒の旅館には、市民税、固定資産税、入湯税、軽自動車税などの税金と、水道料などの使用料の滞納はないのかお尋ねいたします。 支援制度の概要には、各種の滞納金のことが明記されてないようでございますが、もしも滞納金があれば補助対象から外されるのか、また付加価値の伸び率とは別に営業利益が伸びない場合は、返還を含めた措置もとる考えがあるのかどうかをあわせてお尋ねいたしたいと思います。 次に、この制度の事業の概要について旅館関係者に聞くと、ギャラリーや食事どころやレストラン、エステルーム、道路沿いの売店施設などを新築することでありましたが、このような内容では、原則まちづくりとの整合性を有するものという規定から外れてしまうのではないでしょうか。なぜなら町の中には食堂もあり、レストランもすし屋も、土産店もあり、旅館が宿泊者以外の人にも門戸を開いて営業すれば、町の店は脅威にさらされ、それに反して旅館は今まで以上に町の機能を丸抱えするどころか、町の人までも旅館に吸収することになり、結果的には閑散とした町のほか残らなくなるのでなかろうかなと思います。まちづくりの整合性を有する事業であるならば、当然、町の飲食店とも、土産店などの同業者とも調整を図らなければならないはずでございますが、具体的にどのような調整を図られておるのかをお尋ねするものでございます。 私は、温泉が持つ構造的な問題に着手せず、厚化粧ばかりしても温泉の活性化につながるどころか、これではますます旅館と町の対立の溝が深まるばかりと危惧するわけでございます。市長は就任早々、これからの温泉の再生は、町と旅館とが機能分担して個性あるまちづくりを考えたからこそ、職員を湯布院に派遣したのではないでしょうか。どのような温泉街をつくろうとしているのか、その整合性についてお尋ねするものでございます。 次に、事業概要2の温泉旅館経営革新事業保証制度についてお尋ねいたします。 この保証制度は、事業対象条件は補助金制度と同じで、限度額は一旅館 3,500万円で無担保融資を受けることができ、倒産の際の元金保証として県が30%、市が20%、旅館が10%、そして金融機関が40%、それぞれ危険負担するものであります。これにより、
事業対象旅館は既に運用がスタートしている国の
中小企業経営革新支援法に伴う支援制度と、今度の補助金及び保証制度の3制度を活用した場合、旅館一軒当たり最高1億円の資金確保が可能となります。 そこでお尋ねいたしますが、既にこの保証制度の対象としている山代と片山津温泉は、どこの旅館かを明らかにしていただきたい。さらに倒産の際の元金保証40%を負担する金融機関を明らかにしていただきたい。 それにしても、一旅館にこのような保証制度で税金を入れる客観性はどこにあるのでございましょうか。事業をやっても成功する当てがないから保証する、これでは今まで努力してきたところは救われないのでございます。このような制度は、まさに大手百貨店そごうグループの地方版ではないかと感じます。 御存じのようにそごう問題は、国の預金保険機構を含む銀行の棒引きを要請、政府が応じる決定をしたため、国民が税金で救うことはおかしい、中小企業がどんなに困ってもそんな救済制度はないと怒ってやめさせたのでございます。しかし、それでそごう処理は一件落着というわけにはいきません。問題の核心は残されておりますが、このことを安易な公的資金の投入が生んだ必然の結果として反省するならば、二度とこのような過ちを繰り返してはならないのでございます。 しかし、今旅館に行おうとしている保証制度は、まさにそごうそのものではないでしょうか。万が一、旅館の債務が不履行になった場合の信用保証は道義的にも、あるいは政治的にも問題が当然あると考えるわけでございます。この制度を市長はどのように考えているのか、改めてお尋ねいたします。 私は、この間繰り返し申し上げている旅館の各種税の滞納、雇用形態の見直しや構造的な問題など、いまだに先送りされている現状を考えるならば、
温泉旅館経営革新支援事業がこれからの温泉活性化の打開策にはならないのではないかと考えるわけでございます。市長の御見解をお尋ねいたします。 質問の最後でございます。 緑化フェアKAGA2001についてお尋ねいたします。 この事業は、前矢田市長時代からの継続事業でございます。当時の矢田市長は、緑化フェアはある意味で県からのおつき合い事業ですから、財政難の状況でもあり、湖畔公園で行うなどと述べておりました。ところが大幸市長になってからは、民間コンサルタントを入れて大々的に取り組むことに方針が変更、現在に至っておるわけでございます。 御存じのように、全国緑化フェアの開催目的は、都市緑化意識の高揚、そして都市緑化に関する知識の普及などを図ることにより、国、
地方公共団体及び民間の協力による都市緑化を全国的に推進し、緑豊かな潤いのある都市づくりに寄与するなどと基本理念が示されております。 しかし、当市の都市緑化フェアKAGA2001は、全国の都市緑化フェアの開催目的に沿ったものなのでございましょうか。ことし7月19日に行われた都市緑化フェアKAGA2001の運営委員会発足式で、出島二郎氏が加賀会場の特徴を、加賀会場は環境問題を考える教室と位置づけ、集客も見込んだイベントを展開する金沢、七尾とは異なるなどと、緑化フェアを環境問題を考える教室であることを強調しておるわけでございます。 しかし、でき上がったパンフレットを私見てみますと、その内容は、現在も金沢で開催されている「食のフードピア」を連想するだけで、私にはとても全国緑化フェアの目的に沿ったイベントとは思えないのでございます。例えば、パンフに書かれている事業の中で、郷土料理をメーンディッシュとして開催する開会パーティーや、絵画鑑賞と食談の2つの美を楽しむ目の劇場や、野菜づくり集落をそのまま市場として開放する青空市場や、地場素材の料理に舌鼓する閉会パーティーなどは、食を中心としたものであって、緑化とは直接的な関連は、私は希薄であると考えます。 また、フェアは生活編、芸術編、科学編、式典の4つのプログラムに分かれていますが、この中でも芸術編は声優シアター、現代詩人の会、目の劇場、市民ギャラリーなどの事業が掲載されておりますけれども、いずれも自然をテーマとすることで、緑化を拡大解釈して行うイベントではなかろうかと思います。 また、科学編では、湖沼セミナーと錯覚するような舟づくり教室や船上学校、水郷セミナーなどの事業が計画されておるようでございますけれども、これらの事業は、パンフではパビリオン形式のイベントではなく、生活都市型のイベントということですが、金沢のメーン会場の事業とは、かなりかけ離れたものとなっているように思うわけでございます。 そのほか、このフェアの性格を市民参加のフェアと位置づけて、市民が鑑賞者ではなく参加者であり、企画運営する立場にあると説明しておりますけれども、このような事業が既に市当局で計画され印刷され、そして配布をされている状況の中で、市民が企画運営することとはどういうことなのでございましょうか。甚だ理解できないのでございます。 以上の観点から、二、三点質問いたしたいと思います。 1点目は、金沢会場では城址公園の整備を中心とした事業内容であり、七尾会場ではフラワーパークに付設した公園を整備し、いずれもハード事業を実施しておるわけでございます。しかし当市では、ほとんどの事業がイベントに終始し、そのイベントも緑豊かな潤いのある都市づくりに寄与するとの緑化フェアの基本理念とは乖離しているが、このことに関して開催の石川県はどのように受けとめておられるのかをお尋ねするわけでございます。 次に、このイベントの企画は、既に民間コンサルタントに委託しておりますけれども、事業の業者選定に当たり、どのような基準、方法で行ったのか、また委託料は幾らなのかもあわせてお尋ねするものでございます。出島二郎氏とコンサルタントとのかかわりについても、どのような関連があるのかもお尋ねいたします。 また、既にこの事業は平成11年度 900万円、平成12年度では 3,300万円を予算計上して進めておるわけでございますが、一体、総事業費は幾らぐらいを見込んでおられるのかを重ねてお尋ねいたします。 次に、市長は本年3月の本会議で、このイベントは市内各地の四季折々の自然の再生、そして自然をテーマとした観光利用などの促進を図り、将来的には観光誘客につなげることを目指していきたいと思っているなどと答弁しております。しかし、このパンフを見る限りにおいては、あくまでも「自然への手紙7万通」のサブテーマにもあるとおり、市民を対象としたイベントでございます。直接的に観光誘客につなげるイベントではないと思いますので、事業の見直し、予算の削減を期待するものでございます。と同時に、この事業の費用対効果の試算を具体的に明らかにされることを求めまして、私の質問を終わりたいと思います。
○議長(村井幸栄君) 大幸市長。
◎市長(大幸甚君) 林議員の御質問にお答えいたしたいと思います。 まず、補正予算での対応の理由であります。 地域から多くの要望がある
生活関連土木事業については、提案理由の説明でも申し上げましたとおり、今回、今後の財政需要に対する財源の見通しができたこと、また、各地域の強い要望状況からできる限り早めに対応すべきと判断したこと、加えて地域振興の面からも、本議会において補正予算としてお諮りするものであります。 次に、側溝整備についてであります。 市街地、農村部を問わず側溝整備の要望は、狭い道路の側溝をふたつきの側溝に改良することで、道路幅を広くし、通行の利便と安全を図りたいとの内容のものが多くあります。このような工事が必要な道路延長は、おおよそ60キロメートルと推定いたしております。実施箇所については、現地調査に基づき、緊急に対応しなければならないものを優先いたしました。これにより本年度、今回の補正を含め、延長6キロメートルの工事を予定しておるところであります。 次に、生活関連土木に係る整備事業は、側溝、道路、下水路などの分野において、住民からの要望は本当にさまざまであることや、その年度の財政事情、さらに政策判断などの諸事情により、その年度において各町の意向を十分に把握しながら取り組んでおるところであります。 次に、都市緑化フェアについてでございます。 都市緑化フェアの基本理念は、必ずしも公園整備などのハード事業を重点としたものではなく、都市緑化を推進するために市民などに対し緑化意識の高揚、緑化に関する知識の普及などを図るものであります。 加賀市では、地域の自然や環境がその地域の独自の文化の創造の基盤になっております。例えば、山代地域の陶土、絵つけの顔料となる五彩の鉱物、その上、五ッ木灰の原料となるヤマボウシ、松を中心としたまき材等が豊富にあったこと、こういった自然環境が吉田屋を中心とした焼き物文化を生み出し、今日の九谷焼の隆盛があったのであります。自然の恵みから生み出される文化を創造するという、これまでのフェアと違った視点から四季を通しソフト事業を重点に実施する計画であります。 加賀市における開催趣旨は、今までの自然破壊に対する反省をし、柴山潟周辺や市内の自然を活用した、自然との共生をテーマとした、環境・共生・観光を掲げ事業展開を計画しておりますので、緑化フェアの理念とは合致していると思っておるところであります。 なお、緑化フェアの事業内容でありますが、市内の水辺や水辺の動植物を生かした自然との共生を基本に、市内各地域の自然の再発見や保護、再生、その自然をテーマとした観光利用などを図るもので、幅広い年齢層に参加を呼びかけてまいりたいと考えておるところであります。 次に、費用効果と交流人口についてであります。 市内外から7万人以上の参加を目標にいたしております。このフェア開催を契機とし、市民の自然に対する意識を醸成し、同時に本来の生態系を段階的に創造することが極めて大切 であります。そのことが、将来に多くの観光客誘致につながるものと確信いたしていると ころであります。なお、開催費につきましては、平成12年度と13年度の2カ年でおおよそ 9,000 万円余りと見込んでおるところであります。 以下、担当部局長から説明させます。
○議長(村井幸栄君) 大庭総務部長。
◎総務部長(大庭保夫君) 補正予算の編成の御質問にお答えいたします。 実質単年度収支のお話がありましたが、その補正との関連についてでございますが、基本的には、その金額の大小に関連はないものでございまして、補正予算は必要に応じ財源を確保しながら編成するものでありますので、よろしくお願いします。 それから、財源の見通しでありますが、お話の国庫補助金等、そういった特定の財源を除いた一般財源のベースでお話を申し上げますと、歳出でありますが、今回は3億 2,300万円、今後の見込みとしては3億 7,300万円、合わせて6億 9,600万円を予定しております。それに伴います歳入は、特別地方交付税、地方特例交付金、繰越金などを見込んでおりまして、これらにつきましては概算で計算をしておりまして、十分収支を合わせていけるものだと、このように思っております。 以上でございます。
○議長(村井幸栄君) 宮崎産業環境部長。
◎産業環境部長(宮崎護君)
温泉旅館経営革新支援事業についてお答えいたします。 この支援事業につきましては、本年3月の当初議会に御提案申し上げ、御議論をいただいておりますが、温泉旅館が近年の不況で観光客の激減する厳しい状況を乗り越えるため、温泉地まちづくり計画の策定、温泉旅館等個性づくりモデル事業などとともに、温泉地としての地域の魅力アップに向けた新たな経営展開、設備投資を伴う意欲的な取り組みに支援を行うものであります。 今回の支援は、市の観光産業の中核をなし、地域経済へのすそ野の広い影響を勘案し、特に計画的な設備投資も不可欠なことから、温泉旅館を支援の対象といたしております。支援に当たりましては、積極的な経営革新計画が立てられていること、税や水道料の滞納がないことを条件に事前に審査し採否を決定することになっております。 次に、事業内容が地域商店と競合するのではないかという御指摘でございますけれども、この点につきましては、これまで温泉街で行ってまいりましたイベントの反省点の一つとして、昼食できる店や見て歩き、ショッピングの店等の不足が挙げられているケースもございました。 そんな中で、地域の独自性や個々の旅館の特性を生かした設備投資を支援事業の対象としており、地域の皆さんの考えたまちづくり計画との整合性に配慮し、地域と融合した施設の整備、まちづくりによってにぎわいを創出し、観光客の増加を期待するものであります。そして、その観光客の増加がひいては雇用の拡大、関連産業にも良好な波及効果があるものと思っておるところであります。 次に、保証事業についてであります。 事業対象の旅館、金融機関でありますが、現在事業内容等を審査中でありますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。 保証制度そのものは、関係者が合意の上設けたもので、債務不履行となった場合もルールに従って処理されるものであります。保証事業は、経営改善による新たな経営展開を後押しするものであります。計画につきましては、経営コンサルタント、融資を実行する県内の金融関係者等専門家の厳正な審査、推薦を行っているところであります。万一、債務不履行に陥るようなことがあれば、諸問題について関係者全体で協議し対応してまいりたいと思っております。 次に、緑化フェアの計画の委託業者の選定についてであります。 委託業者の選定につきましては、県の都市緑化いしかわフェアの計画策定に参加しており、緑化フェアの基本方針等を把握しております株式会社計画情報研究所を選定しており、今年度はフェアの計画運営管理業務を 1,050万円で委託いたしております。 委託業者と市アドバイザーとのかかわりにつきましては、緑化フェア計画を委託した業者の一部業務についてアドバイザーが協力しているものであります。 以上でございます。 (「議長、13番再質問」と言う者あり)
○議長(村井幸栄君) 林 俊昭君。
◆(林俊昭君) 再質問したいと思います。 1つは、土木側溝整備関係でございますけれども、今60キロあって、年間6キロ云々という話で答弁として出たんだろうと思いますが、私はこの種のものに年次計画を立てるべきであると。例年、各地区の区長さん方がそれぞれ陳情を上げるわけでございますけれども、きちんとした年次計画そして整備基準、側溝改修基準を設けることが大事なのではということを、質問のさらにその奥でしたつもりでございます。 だからこの間、側溝整備あるいは道路改修もそうでございますけれども、かなり老朽化していることも含めて、当局としてきちんとした基準に基づいて年次計画を立てるべきであるということに対して、市長はどのように考えているのかお尋ねするわけでございます。 それから、緑化フェア。雲をつかむようなことに 9,000万円とは言いませんけれども、しかし、およそ 9,000万円、やっと1億円を切ったなという気もしますが、およそ 9,000万円の総事業費として言われましたけれども。 では、これも答弁の中で今、市長、それなりに出ておったわけでございますけれども、しかし両温泉、大変冬の時代でございますから、金沢でのメーン会場では 100万人強の人が動くと言われておりますけれども、この金沢からの誘客は全く見込むつもりはないのか、見込めないのかということでございます。この2点について、再質問といたしたいと思います。
○議長(村井幸栄君) 大幸市長。
◎市長(大幸甚君) 林議員にお答えいたしたいと思います。 道路側溝の年次計画でありますけれども、基本的にある程度はできるかもしれませんけれども、これはまた技術的な問題もありますし、それからいろいろな状況等によって変化もいたしております。ですから、これは今すぐ年次計画ができるかどうか、今検討を一回、技術屋の関係、あるいはまた地域の関係者とも検討してみたい、こんなふうに思うわけであります。 それから、緑化フェアでありますけれども、金沢からの誘客がどの程度見込めるかということでありますけれども、これは観光協会あるいはまた加賀市の観光協会、あるいは旅館組合、それぞれがいろいろな形で営業努力しておりますし、それから同時に大手のいろいろな旅行関係の方々もいらっしゃいます。そんな方たちのところに、我々ともども大いに営業努力し、一生懸命1人でも2人でも多くの誘客に努力していきたいと考えておるところであります。御理解をいただきたいと思います。
○議長(村井幸栄君) 宮本啓子君。
◆(宮本啓子君) 平成12年第4回加賀市定例会において、加賀クラブの一員として御質問させていただきたいと思います。 質問に先立ちまして、三宅島の噴火災害、東海地方の水害に遭われた方々に一言お見舞い申し上げます。 1番目に、介護保険について御質問いたしたいと思います。 介護保険も実施されて6カ月が経過しようとしております。そして、いよいよ保険料が徴収されることとなり、各地区における説明会などでは混乱が起きているところもあるとお聞きいたしています。保険料の不服申請も、加賀市の老人から出されたと新聞報道されているところであります。保険料に対する問い合わせなどに対する対応も丁寧にお願いいたしたいものと希望いたします。 さて、介護保険料は、策定委員会などで検討され議論されながら、現行の利用量から割り出して決定したもので、石川県で一番高いという悪名をとどろかせてしまいました。県内で一番低い川北町は 2,000円ですから、加賀市の 3,250円からすると3分の2以下になります。同じ加賀市内の施設や病院を加賀市の住民が利用しても、川北町の住民が利用しても、1割負担は変わらず保険料だけが高くなるのですから、不公平感はぬぐえないものと思われます。ともかく、保険料は加賀市で必要だと思われた給付額を見込んで、それに対応した保険料や公費負担となっているわけであります。 ところで、4月から介護保険が始まり、サービスに対する支払いが各事業者に行われていると思われます。介護保険事業計画に見込んだ給付額と、現行までの執行実績は的確な執行となっているのでありましょうか、お聞きいたしたいと思います。また、過不足という事態は想定されないかお聞きいたします。また、計画値と異なるとすると、その原因は何なのか、お考えをお聞きいたしたいと思います。 また、保険料は10月から実際に支払うこととなり、その負担の重さを実際に思い知ることになると思われます。介護保険は始まったばかりであり、いろいろな矛盾を多く含んでいると思われますが、多くの方たちが老後を安心して過ごすため、きめ細やかな対応と的確な対応をお願いいたしたいと思います。明快なる当局の御答弁をお願いいたします。 次に、自然環境施策についてお聞きいたします。 市長の予算説明や議案説明など、また先ほどの答弁などには、必ずといってよいほど、壊されてしまった自然を回復し、保護することの必要性を述べられておられます。そして植生調査やビオトープ調査などがなされているところであります。それらの費用として、平成11年度は環境フェスタの開催に50万 9,000円、自然環境を考える講演会は植生調査 600万円の中から使われているとのことであります。 また、平成12年度は、自然環境国際フォーラム開催費を 151万 6,000円、ドイツに学ぶ環境フォーラムに60万 5,000円を使用しているとのことであります。そのほかに今年度は、1,000 万円の植生調査費が計上されております。本当に大幸市長の自然に対する思いであると思われ、市民に対する啓蒙事業が始まったばかりだという思いがいたしております。 また、当然現在進められている新総合計画の基本計画の施策体系の中にも、基本方針として、人と自然、都市と自然との調和、共生をテーマに、自然の生態系を守る市民運動を進め、野鳥や昆虫など多くの野生動物が生息できる自然環境の保護を図るとともに、貴重な自然に親しむことができる水辺環境の整備、緑化の推進に努めますと書かれているところであります。 もちろん、新総合計画はこれから議論されるところでありますが、当然、市長の理念も加味され立案されてきていることと思われ、大きく変わることはないと思われます。だとしたら、現在行われている松枯れ対策に対する農薬散布についての整合性について、市長はどうお考えでしょうか。お聞きいたしたいと思います。私は、以前から農薬散布による生態系の破壊、昆虫や野鳥に対する害などを議会において述べ、その見直しを訴えてまいりました。しかし、来年度もそのまま計画されるとのことであります。 ところで、この8月1日にあいりすで加賀市が開催し、大幸市長が主催者で、宮脇 昭国際生態学センター研究所所長がコーディネーターの自然環境国際フォーラムが開催されました。そこで、世界的権威者であるフランク・ゴーリーアメリカ生態学会会長が、会場からの質問に答え、松枯れ対策として松くい虫防除のための農薬散布は意味がないと答えられておられました。 市が高額のお金をかけ、市長の市民に対する啓蒙のためのフォーラムで、世界的な権威者が農薬散布は生態系を壊すだけで意味がないと言っているのに、施策の見直しを行わないとしているのは、いかがなものでありましょうか。市長の自然保護に対する生態系の保護、ビオトープなどに対するお考えを、理念だけに終わらせないでほしいものだと願っておるところであります。これだけ自然保護に対してお金をかけ、日本だけでなく世界の権威者をお呼びしてフォーラムを開催しているわけですから、それを実際の施策の中に生かしていくようにしてほしいとお願いしたいところであります。御所見をお願いいたします。 次に、歴史的景観整備について御質問いたします。 今回の補正予算で計上されている山の下寺院群における久保家の復元は、以前にも議会において質問いたしました。建設省の町並み、まちづくり総合支援事業の一環としての助成金を3分の1もらう事業だということも十分理解しているところであります。そして、答弁として継続事業なのでどうにもならないと答えられるとも想像がつきます。しかし、どう考えても、市長のいつも力説されていることとは整合性がないような気がいたします。市長は、設計費 3,000万円を使った錦城中学校の改築を、木造建築にしたいという願望のために、その施策や議会の継続性を無視してまで、押し切ろうとしているではありませんか。この山の下寺院群の久保家の復元も、大幸市長になってからでも、十分見直すことができたのではないでしょうか。 かねがね市長は、その土地の文化や歴史は大切にしなければならないと言われています。また、橋立町の景観整備事業などにおいても、まちなか広場の整備を見られて、これでは不十分である、その土地に合ったものは、たとえ草花でも、そのとおりにすることが大切であると、考えを力説されておられました。ましてや、加賀市が税金を使っての景観整備などは、その町に合ったものを調査し、忠実に復元しなければならないとも言われておられるのではありませんか。市長の言っておられることは、すばらしいと思われます。しかし、言っておられることを施策に反映することをお願いしたいと思うところであります。 また、現在作成中の新総合計画の素案にも、自然や歴史や文化などの地域資源を生かした歴史的景観の整備に努めるとなっています。現在行っている事業との整合性は一体どうなっているのでしょうか。その土地の風土や文化を大切にしてこそ、歴史的景観整備の意味があるのではないでしょうか。 久保家の復元は、山の下寺院群では、どんな古民家でもよかったとのことであります。たまたま寺井町の持ち主から打診があったので、観光客の休憩所として使用したり、また茶道体験や町民の文化的活動の場として活用するとのことであります。しかし、大聖寺町には、突然購入した山長跡地の使用方法についても、あいまいなままであります。 その上に、久保家の復元に総事業費1億 1,600万円、これには、土地の代金や庭の造成費が入っていないとのことであります。実際にはもっとかかるということになります。たとえ建設費の3分の1の助成が国からもらえるとしても、あとは借金であります。特に財政難であると言われている加賀市であり、1円でもむだなお金は使えないはずであります。同じ1億円なら、そのお金を何倍にもなるように、費用対効果を考えなければならないのではないでしょうか。 歴史的景観の整備は大切な事業だと、心から支援したいと思っているところであります。古い日本の文化を大切に後世に残す仕事は、高度成長時代に壊されてしまった日本の懐かしい風景を残し、日本人としての心を残すことにも通ずることと思われます。そして、それは必ずや加賀市の観光にとっても目玉となり、財産になると思われます。しかし、それには忠実に、その土地の歴史と文化を大切にするという理念が必要なのではないでしょうか。 大聖寺には、加賀十万石の城下町としての武家屋敷、そして商家の建物のつくりが、大聖寺の歴史と文化のかなめではありませんか。橋立町の北前船主の家のつくりとは全く違うのではないでしょうか。一つだけ違う建物を、そこへあえて持ってくることは、ちぐはぐではないでしょうか。大聖寺に残さなければならない建物はたくさんあるはずであります。博物館的に加賀市内の古い建物を移築して並べるつもりなのでしょうか。多額の税金を使用して建てるのなら、その土地の歴史、文化をしっかり踏まえ、個性を極め上げていくことが大切なのではないでしょうか。 また、新たな情勢の変化としては、今回の久保家は、その建物自体が加賀市にとっても、今進めようとしている橋立町の重要伝統的建造物群指定地区の中に置けば、存在価値がさらに大きくなるという特別の建物であります。だからこそ、古民家なら何でもよかっただけという理由で、山の下寺院群に多額のお金をかけて建設するには、この家の持っている意味が大き過ぎます。その土地に合った建物を、その土地に返して保存する、それが伝統的建造物群の大切な意味ではないでしょうか。よい答弁を今はもらえるとは思っておりません。市長の言っている文化や歴史に対する理念が本心であるならば、施策の見直しをお願いするのみであります。御所見をお願いいたします。 次に、加賀市温泉観光について提言いたしたいと思います。 加賀市の温泉観光は、いまだに低迷を続けているところであります。もちろん、全国的な不景気による影響もあると思われるところであります。教育民生委員会で視察に立ち寄った熱海温泉でも、平成元年には 187軒あった温泉旅館が、平成11年には 134軒になって、軒並み倒産し廃業して、みすぼらしい姿をしている旅館が目につき、加賀市の温泉地と少々ダブって見え、現状を打破する施策がないものかと心を痛めてきました。 今回の補正予算にも、
温泉旅館経営革新支援事業として、約1億円が計上されているところであります。そして市長はその理由に、宿泊客の減少傾向の
下げどまり感から、各旅館において、施設改善への積極的な姿勢と意欲が見られると言われておりますが、この資金すら、市税の滞納などで借り入れられないケースの旅館もあるのではないかと思われるところであります。 また、営業成績のよいところにしか、銀行もお金を貸さないのではないだろうかと思われるところでもあります。結局、弱者は助けられず、経営不振のところは立ち上がれないままなのではないでしょうか。今回の補正予算も根治的な施策でなく、対症療法的、それも水面上の援助にしかならないのではないでしょうか。何とか加賀市の温泉観光そのものの独自性と方向性を、官民一体で模索し取り組む必要があるのではないでしょうか。 そこで、私が体験した実際のケースを通してヒントを得ることができたので、提言いたしたいと思いますので、御所見をお願いいたしたいと思います。 当時、23歳の大学を卒業して、勉強のために2年間加賀市に在住していた女性のことであります。彼女は、幼少のころからアトピー性皮膚炎に悩まされていました。そこで、加賀市のように自然に恵まれたところに住むことになったのをきっかけに、今まで使用していた薬をすべてやめてしまいました。すると、顔は本当に赤くはれ上がり、体は湿疹でかきむしり、大変な状態になりました。しかし、彼女は我慢して薬を塗らないで、夜も眠れない日を過ごしていました。見かねて片山津温泉の旅館にお願いして、毎日入浴させていただきました。5カ月間できれいに治癒しました。 現在、彼女は2年間の研修を終え東京に戻り、精神科の医師になるための勉強に励んでいます。必ずしも薬がだめということではないので、お医者さんと相談しながら進めてもらいたいと思います。彼女が短期間で自然治癒がなされたのは、一つには、片山津温泉の塩湯が、彼女のアトピーに効果があったということです。まさしく温泉療法であります。 そして、香辛料や刺激物が好きだった彼女が、橋立の新鮮な魚は香辛料を使わなくてもおいしいということがわかり、魚だけでなく野菜、果物もなるべく自然のまま食べるようになり、食生活の改善がなされたことによると思われます。これは食事療法であります。 また、加賀海岸の自然の中に囲まれて生活したことも影響したと思われます。これは自然療法であります。こういうことを生かし、温泉観光を見直すことが有効ではないかと思われます。 また、音楽療法も一応専門家としてはお勧めでありますが、難しく治療を目的とするものだけでなく、ヘルスケアとしてとらえれば、一番よい音楽は自然界の波の音、風の音、小鳥のさえずり、小川のせせらぎであります。芸術療法といっても、歴史ある町並みや絵画、焼き物など、本物を見ることが一番であります。運動療法も同じであります。加賀海岸のサイクリングロードを走ることが何よりではないでしょうか。 それらを療法として効果を上げるには、1人ではなく、だれかと感動をともにしながらすることがいやしにつながっていくのであると思われます。加賀市の中には、そのまま使えるものがたくさんあります。これら自然と芸術、文化を利用し組み立てていくことで温泉観光の独自性、方向性が考えられるのではないでしょうか。 ことし、東京で自然や芸術が人をいやし、健康にすることができることをテーマに、芸術とヘルスケア学会が立ち上がりました。宴会などで疲れが残る温泉観光だけではなく、自然や芸術に触れ、安らかな気持ちになっていただくようなヘルスケア的温泉観光を目指したらいいのではないかと思われます。 また、具体的には、どんな障害を持っている人も受け入れられるように、旅館の従業員にホームヘルパーなどの資格を取ってもらい、介護技術を身につけてもらうための助成金制度を設けることなどにも取り組んでみるといいのではないでしょうか。年老いた両親や脳卒中の連れ合いを温泉に連れて行きたい。しかし介護を1人でしようと思うと大変だ。かといって、自分だけが温泉に行くのは申しわけないと思っている人がたくさんいると思われます。加賀市の温泉に行けば、安心してお年寄りたちや障害者を連れて行っても、家族ともどもゆっくり安らぐことができるというようなのがよいのではないでしょうか。 また、アトピーの子供たちには、安くて自炊ができ、長期滞在できるところがあるとよいと思われるところであります。また温泉地には、電動車いすを手軽に使えるようにし、当然、車いすが安全に通れるようにバリアフリーの町並みにすることが必要であると思われるところであります。 以上、仮に名づけて「安らぎの温泉計画」として提言いたしたいと思います。市長の御所見をお願いいたしたいと思います。 最後に、
生活関連土木事業について、先ほどの林議員と質問が重なりますので、簡単に質問いたしたいと思います。 市民の生活に密着した側溝、下水路の整備は、市民の生活にとって大切なものであります。このたびの補正予算で多くが計上され、市民にはとても喜ばしいことであると思われます。しかし、今回のように補正予算をたくさんつけられる状態が今後も可能であるとは、財政事情を考えると言い切れないのではないかと思われます。 そこで、市民にも我慢していただくところは我慢していただく、必要度に応じて対応するということになるのではないかと思われます。そのときに、どういう基準で順番が決められるのか、どういう基準でしてもらえるのかということが、市民にわかりやすくなっていることが大切なのではないでしょうか。 聞くところによると、判断基準は地元の熱意でとか感情的にもとか、政治力によるなどということも聞こえてくるときがあります。公平、公正に行うために、透明な行政を目指す上でも、5年ぐらい先までの具体的な整備計画を地元に示すことはできないものでしょうか。防衛庁による防音工事などの順番は、環境課に行けばだれもが閲覧でき、わかるように表にされております。市の
生活関連土木事業も、やればできるのではないかと思われるところであります。当然、計画されていたとしても、災害時や緊急時に応じての対応も難しくはないのではないかと思われます。御所見をお願いいたします。 また、区道などの生活道路の整備もそれに準ずることができればよいと考えられます。整備については、どのような状況であるのでしょうか。お尋ねいたしたいと思います。 以上、質問を終わらせていただきます。
○議長(村井幸栄君) 大幸市長。
◎市長(大幸甚君) 宮本議員の御質問にお答えいたします。 行政政策は、基本的な思想や哲学に基づき、具体的な事業が計画されていくことは当然のことだと思っております。 こうした考えの中で、まず、松くい虫の薬剤散布が自然保護の観点から、整合性がとれていないのではないかとの御指摘でございます。松くい虫防除の散布をしなかった地域の松林では、既に甚大な被害が発生いたしております。これは本市に限らず県内全域における状況であります。特に樹齢のたった大木の被害が顕著であり、また近年は若木にも被害が及んでおるところであります。松くい虫防除は、基本的には自然生態系の中で解決すべき方策を見出すことが必要であると思っております。 また、加賀市の海岸線における松の種類でありますけれども、これは昔からある日本の松、あるいはフランス、イタリアとかヨーロッパから輸入した松もあると聞いております。森林組合の幹部の皆さん方にお聞きしますと、外国から来た松は松くい虫の被害をほとんどといっていいほど、こうむっていないということをお聞きしております。そんなことを現在考えておるところであります。 また、現在行っている植生調査の結果と、そして専門家の意見を参考にして、今後考慮していきたいと思っておるところであります。しかしながら、現実にはその対策の有効な手段としては、今のところ薬剤散布による防除しか見当たらず、新しい方策が見つかるまでは、現行の防除方法を続けることしかないと今のところ考えておるところであります。 次に、北前船の旧久保家の移築は、本来あった場所に移築すべきであるとの御指摘であります。再三にわたっての御質問でありますし、御指摘でもあります。 私は、日本の木造建築は昔から解体と移築によって建築技術の継承と、その地域に新たにつくられる文化の一翼を担っておるというふうに考えております。御質問のような考え方もありますが、例えば金沢へ移築された久保家や、加賀市内の西島町へ移築されました西出孫左衛門さんの母屋のように、その地域の景観づくりやまちづくりなど、新しい建築文化並びに町並みがつくられておるのも事実であります。 したがいまして、必ずしももとの場所へ移築することは、絶対的な条件でないと考えておるところであります。なお、山の下寺院群への古民家の移築については、今回の久保家以外、現在のところ考えておらないのであります。 次に、温泉観光についてお答えいたします。 温泉は、本来、湯治、医療に利用され、体と心をいやすことを目的に人々が訪れ発展してきたものであります。高齢化社会を迎える時代に当たって、また複雑な心のケアも含め、美と健康を維持する最適な地が温泉地であります。 現在策定中の温泉観光地再生プランの部会の中でも、身体、心のいやしへの温泉効果を生かした事業展開が必要であるという意見が多く出されております。さらに、山代・片山津両温泉の自然や伝統、文化など、その地域が持つ個性を再発掘した観光振興策を模索してまいりたいと考えております。 なお、ヘルパーの資格取得の講座開設者に対し、本市では助成をいたしており、接待さんを含め、広く市民に参加を呼びかけてまいりたいと考えておるところであります。 また、公共施設の
バリアフリー化を最優先に進めておりますので、旅館などへの電動車いすの配置に対する助成については、現在のところ考えておりません。 あとは担当部長に答弁させます。
○議長(村井幸栄君) 徳田福祉保健部長。
◎福祉保健部長(徳田弘君) 介護保険に関する一連の御質問にお答えいたします。 まず、介護保険の給付実績でございますけども、現在までのところ、介護保険事業計画の見込みの約9割程度となっております。それに伴いますところの金額でございますけれども、8月末の執行状況で約6億 5,000万円という金額でございます。 この実態といたしまして、介護認定の申請者数が推計よりも少なかったということが反映しておるようでございます。ちなみにその原因を数量的に見てみますと、現行制度上、利用者にとって一定の条件を満たす場合には、医療保険のサービスが有利になること。また、経営者にとって要介護認定に左右されずお客を確保できるということなどから、介護保険のサービスを利用すると見込まれました要介護者等が、医療保険適用にとどまっているのではないかと考えております。 過不足についてでございますけれども、一人当たりのサービス利用率につきましては、計画どおりに現在のところなっております。このことから、制度の定着、医療費の改定あるいは訪問通所サービスと短期入所サービスの支給限度額の一本化などによりまして、介護保険給付は見込みに近づいていくのではないかと予想しております。 以上でございます。
○議長(村井幸栄君) 阿木都市開発部長。
◎都市開発部長(阿木輝明君) 土木事業についてお答えいたします。 側溝そして道路整備事業の要望につきましては、さきの林議員さんにお答えしたとおりでございます。今後、あらかじめ整備計画や基準を検討したいと考えております。 なお、生活道路いわゆる区道でございますが、整備状況につきましては、今年度新規並びに過年度分を含め76件の要望がありました。要望のあった箇所の約60%におこたえできるものと考えております。
△休憩
○議長(村井幸栄君) この際、暫時休憩いたします。 午後0時10分休憩 平成12年9月14日(木)午後1時09分再開出席議員(21名) 1番 室谷弘幸 2番 岩村正秀 3番 山口忠志 4番 宮本啓子 5番 細野祐治 6番 上出栄雄 7番 西出清次 8番 坂野行平 10番 西出 振 11番 小塩作馬 12番 若林幸子 13番 林 俊昭 14番 山村信一 15番 吉江外代夫 16番 酢田隆司 17番 林 茂信 19番 新後由紀子 21番 川下 勉 22番 宮田 勇 23番 平井 清 24番
矢田郷昭三欠席議員(2名) 9番 谷口久男 18番 村井幸栄
△再開
○副議長(西出振君) 会議を再開し、休憩前の議事を続けます。
△質疑・質問(続)
○副議長(西出振君) 小塩作馬君。
◆(小塩作馬君) 非常に心配をいたしておりました村田助役さんも、すっかりと快気され、三役並びに執行部の顔ぶれもそろったようでございます。議席はちょっと寂しいようでございまして、お互いに健康には十分留意したいと思います。 さて、20世紀いわゆる今世紀もあと残り3カ月半となって、新しい世紀が始まるわけでありますが、この21世紀に向けて当加賀市にとっては、まさに深謀遠慮の時期であるわけではないでしょうか。大幸市長は、豊富な政治経験に加えて、博覧強記の首長でありますから、その辺は十分認識しておられると思っているところであります。私は、今回このようなことを踏まえて質問いたしますので、市長初め当局の方々は、危急存亡の気持ちを持って御答弁をお願いするものであります。 さて、質問の第1点目は、税の収納対策についてお尋ねいたします。 11年度の決算状況を見ますと、財政状況は依然として厳しいものがあるわけであります。その根幹をなします市税の収入状況は、対前年度比1億 2,000万円余りで 1.3%の減収となっております。恐らくこの要因は、長引く景気の低迷と観光客の減少、さらには国の経済対策による市民税の恒久減税などが大きく影響しているものと思っております。いずれにせよ、今日の現状から税収の確保の問題は、市にとって緊急かつ重要な課題であります。 また、一部滞納の報道等もあり、市民の中には不公平感を持っている人もあるわけであります。それら不公平感の解消と納税意識の低い滞納者には、断固として強い姿勢で徴収に当たるなど、徴収体制の強化が絶対に急務であると思いますが、当局のお考えをお尋ねいたします。 さて、市においては7月、助役を本部長とする市税等収納率向上対策推進本部を立ち上げられ、本庁職員の約6割の職員を動員し、税はもちろん水道料などの市公共料金も含め、全庁横断的に合同訪問徴収を実施されたわけであります。このような大規模な合同徴収は県下でも例がなく、大変に意義があることと大いに敬意を表しますとともに、徴収に当たられました職員の皆様方はまことにご苦労さまでございました。 そこで今回の合同徴収の結果とその効果について、どのように考えておられるのかをお尋ねいたします。また、滞納額が毎年億単位でふえております。これは倒産、破産による固定資産税に起因しているものが大きいと思いますが、倒産、破産をした納税者については、随時財産調査を実施し、資産のない徴収不能なところには、民間で言う不良債権処理を行い、滞納額の減少に努めていくことも必要ではないかと考えるのであります。 私は、徴収に当たっては決して苛斂誅求の精神でやってほしいとは申しませんが、納税者と接触し地道に足で稼ぎ、徴収努力することも肝要であると思いますが、市として収納率の向上と滞納額の縮小について、どのような対策を考えておられるのかをあわせてお尋ねいたします。 2点目は、道路問題についてであります。 道路は、重要な幹線から地域道路に至るまでそれぞれの機能を有し、国土経営から地域経済、社会活動を支える最も基礎的な社会施設であります。市内の道路行政の状況を見ますと、幹線では国道、主要地方道、県道、幹線市道で積極的な推進に取り組まれておられるようでありますが、地域における生活に密着した市道、区道の整備等については、今までの予算計上を見てみましても、非常に厳しい状況に置かれておりました。 今回は、高齢化・少子化、なおまた人口の流出している中、地域連携による豊かなまちづくりの形成、そしてまた豊かさが実感できる潤いのある暮らしの実現に極めて重要な役割と21世紀の社会基礎づくりを十分に考慮され、この9月補正では、大幅な増額予算が計上されていることについては、まさにそのとおりであり、市民の方々とともに感謝申し上げたいと思うのであります。 さて、先般行われました主要地方道小松加賀線バイパス建設促進期成同盟会の12年度総会に出席させていただき、このバイパスの進捗状況などの報告の後、今後の計画についてはおおむね14年度中には完成予定とのことでありましたが、さてその先、いわゆる主要地方道橋立港線との連携については、今後の大きな課題であることは間違いないわけであります。すなわち、このバイパスの拡張工事が完成されますと、大型車両などの交通量は増大し、ますます利用度がアップされるわけであります。 そしてまた、この橋立港線は高校生などの通学路でもあり、大聖寺町との連絡区間内は、特に交通のネックとして非常に大きな問題の場所でもあるわけであります。早期改良が市民の長年にわたる願望であることは十分に御承知のことと思います。すなわち、畑町地内の小野坂トンネルや急カーブの対策も含めて、今後この区間、どのような計画をされておるのか、そしてまた取り組んでいくのかをお尋ねしたいと思います。 3点目は、市営住宅についてであります。 現在までは、老朽化が極めて進んでいる建物より順次建てかえを実施しているようであり、片山津、山代地区については、平成3年から10年にかけて建設され、合計88戸は市民の要望には十分にこたえてきておるようであります。この両地区団地については、現在も申し込みが殺到しております。両地区合わせて30名近くの人たちが順番を待っておるとのことであります。 しかしながら、建設年度の古い市営住宅いわゆる大聖寺の聖北団地については、昭和33年から35年に建設され、以前から建てかえの計画がなされており、昨年度は
地質調査費として300 万円が計上され調査が終了し、建設準備にかかるものと市民や地元の人たちは大いに期待していたところでありますが、今年度に入って全く予算が計上されておらず、期待外れの感がいたしておりますが、今後の計画はどのようになっているのかをお聞きしたいと思います。 さらに関連してのことでありますが、大聖寺地区の鳥越団地10戸、朝日団地6戸、動橋地区瑞穂団地1号から10号、分校地区箱宮団地17戸については、現在募集停止であります。この4つの団地の対応策についても、あわせてお尋ねしたいと思います。 4点目は、市内における空き店舗、旅館、ホテル、空き家、空き地等の対策についてであります。 防犯、防火等の防災管理や徹底した巡回等のことは言うまでもございません。先般の報道でも、金沢市湯涌温泉の2年前に閉館しました旧白雲楼ホテルでは、深夜の侵入者が絶えないばかりか、館内のロビーで段ボールやジャンパー、いすなどが燃えた跡が発見されるなど、不審火があったばかりであります。 当加賀市においても、いつこのような事件が起こるかわからない状況であります。すなわち、昨年度の市内の空き家などの調査結果を見ますと、約 560の民家、旅館、ホテル、アパート、店舗などが存在しているわけでございます。ちなみに地域別では、大聖寺が 133、片山津が72、作見66、山代61の順になっており、空洞化はますます加速しているのであります。 また、それぞれの地域や持ち主の方々は、観光客の誘致や大型店への対策など、さまざまなイベント開催や商店街の活性化等々と、関係者が防衛策に取り組んでいる状況であります。特に大聖寺の核として存在感の高かったユニーも、この8月末をもって閉店したばかりであり、このユニー敷地や隣のミリオンプラザ、駅前の旧ホテルなど、場合によっては不審者の侵入等が考えられ、ましてや事件が起こる可能性があるわけでございます。一刻も早く再生方法はないかという声も日増しに大きくなってきておるのであります。 また、この件と関連いたしますが、以前、市が管理をいたしておりました瀬越町の青年の家もそうであります。瀬越町の町民の方々と対策については早急に取り組むべきではないでしょうか。そしてなお、現在、市が管理する旧山代5号配水池についても、同様のことが言えるのではないでしょうか。 以上、述べてきたようにまことに深刻な状況であり、市の一刻も早い対応策が問われるときであります。市にとっても大きなダメージを、一日も早く回復させなければならないわけであります。地元住民や警察、消防等々との連携を怠ることなく、対応策には万全の態勢をとっておられると思ってはおりますが、各地域の活性化対策とあわせてお尋ねいたします。 最後に、第13回スポーツレクリエーション祭についてであります。 来月1日に開催されるスポレク祭の参加者が、当初の目標であった 3,000人を突破したようであります。この参加者の中には、遠くは沖縄県からの参加もあるとのことです。観光都市加賀市を大きくアピールするには絶好の機会であります。 また、この大会構成については、マラソンの1部20キロからウオーキングの32部までと、まさに豊富な内容でありますが、この構成に対する参加人数の割合はどうなっているのかお尋ねしたいと思います。 また、内容が豊富になるほど、数多くの人たちが会場やコース、いわゆる沿道に集中するわけでありますが、大会に関しては、会場への案内看板や表示などの対応、会場及びコース一帯の警備態勢はどのようになっておるのかを最後にお尋ねいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○副議長(西出振君) 大幸市長。
◎市長(大幸甚君) 小塩議員の御質問にお答えいたしたいと思います。 まず、税の収納対策についてであります。 現在の厳しい社会経済情勢の中、市税の滞納額がふえてきております。中でも倒産そして破産、また経営不振などでの差し押さえなど、法的処理による滞納処分が滞納額の70%を占め、収納が極めて困難な状況にあります。このような滞納の増加が市民に税負担の不公平感を生じさせることは御指摘のとおりであります。 滞納者の状況に応じ、滞納の解消に向け、納税への理解を求め、より一層収納の強化に努めているところであります。そのためこのたび、全庁的な合同収納体制で、訪問収納を実施したものであります。なお、倒産、破産などによる場合には、随時財産調査を実施し、速やかに債権確保の法的手続を進めることといたしておるところであります。 しかし、資産もなく、競売などで配当金の見込みもないなど収納見込みがない場合は、不納欠損などの滞納処理を行っていくことも必要であると考えております。同時に、現在の法律では、債権としての地方税の位置づけが不十分であります。今後、法体制の整備を国に対して働きかけてまいりたいと思っております。いずれにいたしましても、滞納者に対し、今後とも個々に面接をしながら収納の徹底を図り、収納率の向上と滞納額の減少に努めてまいりたいと考えております。 次に、市営住宅の問題についてお答えいたします。 昨年度来、地質調査並びに市営住宅のあり方について、老朽の程度、管理戸数、木造による建設など、調査検討を重ねてまいりました。これらの内容を踏まえ、来年度、聖北団地の基本設計に着手したいと考えております。残りの市営住宅については、聖北団地の整備以後にさらに検討していきたいと、このように考えておりますので、御理解いただきますようお願いいたします。 あとは、担当部局長から答弁させます。
○副議長(西出振君) 大庭総務部長。
◎総務部長(大庭保夫君) 税などの合同訪問収納の結果についてお答えいたします。 7月17日から19日間、 196名の職員を動員し実施いたしました。その結果、全体で8月末までに 458件、 1,546万 9,000円の納入がありました。ちなみに、滞納繰り越し分の市税収入を前年と比較しますと 5.8%増となっておりまして、一定の成果を上げることができたと思っております。今後も全庁的な協力を得て合同の訪問収納を継続的に実施し、滞納額の縮減に努めてまいります。 以上です。
○副議長(西出振君) 宮崎産業環境部長。
◎産業環境部長(宮崎護君) 市内の空洞化対策と地域活性化についてお答えいたします。 近年、地域の商業環境には多様に大きな変化があり、空き店舗が増加し地元商店街の空洞化を招いていることは御指摘のとおりであります。こうした事態に対応すべく、市では関係機関と連携し、共通商品券やスタンプカード事業、空き店舗の活用など、商業者の粘り強い努力にこたえるべく支援に努めておるところであります。 また、地域活性化には、市の基幹産業である観光産業や製造業の振興も重要であり、今後とも温泉観光地の再生支援、異業種交流や企業誘致等の推進に努めてまいりたいと思っております。 以上です。
○副議長(西出振君) 阿木都市開発部長。
◎都市開発部長(阿木輝明君) 道路問題についてお答えいたします。 主要地方道小松加賀線の道路整備事業は、現在、篠原新から高尾間の事業化が図られております。篠原新、篠原、宮地、高尾の4工区に分けております。県事業として延長 3,810メートルの改良事業が進められております。進捗率は事業費ベースで47%であり、完成予定は平成15年度となっております。 御質問の大聖寺への延長計画につきましては、現在進められております事業区間の完成を見きわめた上で、取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(西出振君) 谷本消防長
◎消防長(谷本直人君) 空き家の防災対策についてお答え申し上げます。 市内における空き家の状況につきましては、小塩議員御指摘のとおりでございまして、今後さらにふえるものと危惧いたしております。その安全対策につきましては、過去に不審火も発生しておりますことから、必要に応じて所有者、管理者等に対して施設の良好な管理を呼びかけ、指導をいたしているところであります。 また、防災など安全確保のため、市民から寄せられる情報を特に重要視し、警察署との連携を図り、定期的にパトロールを実施しております。今後とも、地域住民及び関係機関との連携を密にして、防災対策に万全を期すよう努めてまいりたいと考えております。
○副議長(西出振君) 岩村教育管理局長。
◎教育管理局長(岩村晃弘君) 全国スポレク健康マラソン大会の参加人員についてでありますが、これまで全国走友会やマラソン月刊誌への掲載など、全国的なピーアールのほか、毎年行っております日本海健勝マラソン大会の過去3年間における出場者への案内状の送付を初め、各種団体の会合や加賀地区の学校にも出向き、参加者の獲得に努めてまいったところでございます。おかげさまをもちまして、現在のところ 3,361名もの申し込みをいただくことができました。 御質問のその構成内容でございますが、1部から20部までの一般の部の参加者が 908名、小・中・高校生の部21部から30部まででございますが、これが 971名、ジョギングの部が 508名、ウオーキングの部が 974名、計 3,361名という構成になっております。 次に、開催に伴うコースの点検や、あるいは競技の警備等についての御質問でございますが、これまでコースにつきましては、何度となく点検を行ってきておりますし、各コース上の交差点や当日の曲がり角等につきましては、警察、推進隊、係員を細かく配備する予定でおります。 なお当日は、市の職員 168名を初め体育協会、ボランティア、警察、推進隊関係のすべてを合わせますと約 800名を想定して、その準備を進めているところであります。今後も関係団体と綿密に連携をとりながら、大会が成功裏に終わりますよう、万全を期したいと考えております。市民皆様方のさらなる御支援、御協力をお願い申し上げたいと思っておるところでございます。 終わります。
○副議長(西出振君) 山村信一君。
◆(山村信一君) 平成12年第4回加賀市定例市議会におきまして、気になる事項につきましてお尋ねいたしますので、市長初め執行部のお考えを御披露願いたいと思っております。 まず最初に、国民宿舎片野荘の今後の方針についてお尋ねいたします。 国民宿舎片野荘は、昭和53年に営業を開始し、きょうまで加賀市民のみならず県内を問わず多くの人々に利用されてまいりました。バブル経済の崩壊、利用者ニーズの変化、経済不況に伴う事業所研修の減少、セミナーハウスあいりすの営業開始等々の要因と相まって、修正宿泊稼働率はここ近年下降を続け、平成9年度の40%をピークに、平成10年度は25.5%と落ち込んでおります。平成12年につきましては、年度途中でありますが、利用者の推移を見ますと、4月は前年度を下回ったものの、5、6、7、8月は前年度を上回り、8月までの延べ入客数は 3,251名と前年より 182名の増加となっております。 平成11年度において、利用者の減少や管理維持、今後の改装等に伴う市費投入、国民宿舎の役割など、今後の片野荘の展望を見据えるため、休暇村サービス株式会社に片野荘の経営診断を委託しました。その結果は、本年1月に経済委員協議会に報告されました。結果は、宿泊施設としての立地条件、利用者ニーズに合わない設備とサービス、民間旅館やホテル、セミナーハウスあいりす等との競合から、結果としまして、展望は暗いものとなっております。 これを踏まえまして、経済委員協議会では、4月から閉館してはどうか。経営立て直しの努力をするべきではないか。利用者がいる以上、営業すべきではないか等々の議論が出されました。その結果といたしまして、平成12年度の動向を見て結論を出すことになったわけであります。 今後の方向としては、このまま営業を続けるのか、休業し、しばらく社会動向を見るのか、国民宿舎としてどこかに業務委託をするのか、廃業し施設を解体するのか、国民宿舎条例を廃止し他の公共施設として利用するのか、施設を民間に貸与または売却するのか、選択肢は限られてまいります。聞くところによりますと、施設を活用したいと問い合わせもあるとのことですが、当局として結論が出ていない以上、返答のしようもありません。今後のことを考えてみますと、どのような形態になろうとも、片野荘の光は消してはならない、こんなふうに思っております。 本年3月に自民党は公共の宿について、今後の新設、増設の禁止を盛り込んだ民間と競合する公共施設の改革案をまとめ、政府もこれを了承する方向との新聞記事が載っておりました。改革案は、国の特別会計制度の見直しの一環として、公的な会館、宿泊施設、会議場、結婚式場、健康増進施設、総合保養施設、勤労者リフレッシュ施設を対象に、今後の新設、増設を認めない。既存施設は2001年以降、独立採算性を原則とした上で、赤字施設は5年以内に廃止、民営化することを求めております。地方自治体が運営管理する施設についても同様の措置を要請するとのことであります。この改革案が出るまでもなく、厳しい運営を迫られ、多くの国民宿舎が閉館を余儀なくされております。ことしの3月には富来町の国民宿舎とぎ荘が閉館しております。 その一方で、新たな動きも始まっております。国内、国外を問わず、専門ノウハウを持つ企業が公共施設や経営不振のホテルの運営委託を行う動きであります。ことし4月に動き出しましたかんぽの郷・白山尾口総合レクセンターは、JALホテルズに運営を委託し、この中で企業の持つノウハウが生かされることになっております。閉館いたしましたとぎ荘は、この9月に民間に売却され、新たな施設として活用が図られることになっております。このような事例は、全国に数多くあると推測しております。 さて、前置きが長くなりましたが、早速本題に入りたいと思います。 1つは、県道から片野荘に通じる道は、土曜の夜になりますと、猛スピードでカーブを通り抜ける車が集まってまいります。そして片野荘に通じる道には、タイヤの黒いスリップ跡が道いっぱいについておるわけであります。明かりが消えた片山津・山代両温泉の旅館、湯涌温泉白雲楼ホテルは、地域に大きな社会不安をもたらしますが、片野荘が閉館したと仮定したときの防火、防災対策について、御所見を求めるものであります。 防犯、防災の観点からも、明かりを消さず施設を活用していくことが大切であります。目的を宿泊研修施設と狭く限定せず幅を広げ、公共団体の事務所を配置する、またレストランや喫茶部を民間に委託し、さらに宿泊も研修もできるという施設として再出発するのも一案かと思いますが、市長のお考えをお尋ねします。 また、市長は国内、国外の著名な人たちと親交が深いと聞き及んでおりますが、これらの人たちに片野荘の現状を発信し、施設利用の幅を広げた中で管理委託者の募集をする。また、国定公園内の施設でありますから、県や市の条例さらにはもろもろの法律をクリアしなければならないという問題もあると思いますが、民間に思い切って売却するというのも1つの選択ではないでしょうか。あわせて市長のお考えをお聞きします。 いずれにしろ、片野荘の将来につきまして、結論を出す時期に来ております。再度の政府の方針や経営診断の結果等から人員を削減し、経営努力をいたしましても、先が見えているような気がいたします。いつごろをめどに庁内の結論を出すのかお伺いいたします。 続きまして、加賀市中央霊苑についてお尋ねいたします。 昭和44年に最初の霊苑用地を購入し、昭和53年に霊苑整備基本計画が策定され、墓地新設許可、開発行為許可の一連の手続を経て、昭和55年加賀市中央霊苑条例が制定されました。 その後、10期にわたる第1次墓地造成事業が行われてまいりました。完成した区域には申し込みが殺到し、利用者を抽せんしなければならないほど市民に好評の事業であります。全希望者の要望に応じ切れないのが現在の状況であります。取得はしたものの、その後に不要となり返却を受けた区域もすべて抽せんで埋まり、何人かの市民はいつ来るかわからない次の機会を待っている現状であります。 その一方で、墓地は確保したものの墓石がない区画も多く、墓石のあるのは 1,657区画中986 区画、率にいたしまして6割となっております。私も1区画を得ておりますが、いまだ墓石は建てていないままであります。墓石を建てるには時期があるようで、生前に建てるには抵抗がある。葬儀早々、お墓におさめるのも忍びない。そこで、めぐり来る回忌を機会に建てるようであります。この回忌を何らかの事情で延ばしますと、建てるのがさらに先へ伸びるということになっているようであります。 市は、平成10年7月に第2次中央霊苑整備に向け、基本計画及び土質調査をコンサルタントに委託しております。既に詳細な報告書ができ上がっていますが、報告書によれば、加賀市山田町地内の面積1万 700平米の中の 7,310平米を整備することにより、6平米の区画で350 余の区画が確保できるということになっております。 加賀市民と市民に縁ある人たちが、とわに安らぐ場所を提供するのも市民に対する最大のサービスではないかと思います。まして整備にかかった経費の多くは利用料として利用者に負担をいただくのですから、財政的な負担は大きくないはずであります。第2次整備事業を進めるべきだと思い、当局のお考えをお聞きいたします。 最後になりますが、多様化する市民ニーズにこたえるべく庁内でつくられております作業チームについてお聞きいたします。 現在、作業を進めておりますチームは、政策課において政策課題調査研究チーム。まちづくり課には、まちづくり検討委員会、まちづくり庁内幹事会。農林水産課には有機資源リサイクル検討会。観光課には温泉観光地再生プラン策定行政部会、マルチメディア研究会。環境課にはISO推進委員会、土砂採取規制検討プロジェクトチーム。緑化推進室には、都市緑化フェアプロジェクト会議。総務課には、さわやか応対推進本部、フレックスタイム検討会。税務課には税を考える研究会。会計課には税・料の口座振替事務等に関する検討部会。財政課には使用料見直しワーキングチーム、施設管理行動計画ワーキングチーム。生涯学習課には中谷宇吉郎生誕 100年庁内プロジェクト、(仮称)郷土文化館整備事業プロジェクト、(仮称)陶芸美術館展示プロジェクト、伝統建造物群保存プロジェクトチーム、学校週休2日制検討委員会、長寿室には介護保険事業計画等評価ワーキンググループ、介護保険事業計画等評価委員会。福祉課には子育て支援対策検討委員会、市バリアフリー整備計画策定ワーキングチーム、庶務課には錦城中学校木造改築プロジェクト、合計25の作業チームがあり、215 人の職員がそれぞれ終了年度までに結果を出すべく作業を進めております。 私はこの種のチームを組織を横断してつくることが、縦割りの既成概念にとらわれない新しい発想と創意工夫が生まれると思っておりますが、全職員数 683人中 215人、3人に1人が携わってることに驚いております。作業チームがまとめた英知が将来の加賀市づくりに役立っていくことを願っておりますが、職員の3分の1が通常業務の他に仕事を抱えることになり、通常業務に影響が出ないのか、また、時間外労働の増加につながらないのか懸念をしております。作業チームを組織するに当たって市政遂行の重要性や緊急性、課題の難度等から市長の判断により設置されますが、設置を判断する基準についてお尋ねをいたします。 与えられた課題を調査研究し、知恵と英知でまとめ取り組む方向を結論づけた結果は、市長の施策執行の基礎資料として活用を図ることは当然であります。まとめた結果が市政に反映されることで職員は職務遂行に自信を持ち、さらなる大きな力を生み出す原動力になると私は思っております。市長はまとめられた結果をどのように評価し市政に反映していくのか、お考えをお聞きいたします。 さて、(仮称)郷土文化館整備事業プロジェクトが平成11年10月に設置され作業が進められておりますが、私はさきの6月議会で具体的活用法について故深田久弥氏、または郷土の偉人、職と文化にかかわる計画があるようだか具体的に何に利用するのかと質問をいたしました。そのとき当局の答弁といたしまして今秋に方向を出すとのことでしたが、いまだ具体的な結論が出ていないようであります。決まっているならその内容を、おくれているならその要因を明らかにしていただきたいというように思います。 もう一つ、錦城中学校の改築計画についてでありますが、今まで幾度となく議会の中で議論がされてきました。議論のたびに木造に執着する市長の強いこだわりが先走りしているように思えてなりません。どこどこにこんな木造校舎がある、よい木造サッシがある、効果のある防音材がある、設計費は安藤忠雄氏にお願いする、建築費は坪60万円以内等々、知恵も工夫もすべて市長によって進められ、ここまで来ますと錦城中学校に名をかりた市長のモニュメントが建設されるような感を受けます。庶務課に組織されております錦城中学校木造改築プロジェクトの研究課題は木造での校舎改築に向けた研究となっておりますが、庁内だけでなく市民も参加した錦城中学校改築検討委員会を設置し、その中で木造の是非も含めて作業を進めるべきであります。木造でつくると言ったら生徒も先生も喜んでいた、これで加賀市民の総意としたなら大きな間違いでないでしょうか。市長は昨年の12月議会、この種の検討委員会についていかがなものかと、また本年3月議会では皆さんと話し合いをして進めたいと答弁しておりますが、話があったとは聞き及んでおりません。加賀市の学校である以上、市民参加による合意形成は不可欠であります。再々度錦城中学校改築に関する検討委員会設置についてお尋ねいたしまして、さらに改造基本計画策定の進捗状況につきましてお尋ねいたしまして質問を終わります。
○副議長(西出振君) 大幸市長。
◎市長(大幸甚君) 山村議員の質問にお答えいたします。 片野荘の運営につきましては、本年5月の全員協議会で御説明いたしましたとおり、職員一丸となって効率的な経営努力を行い、赤字解消に努めているところでございます。8月末現在での利用客は昨年と比べ若干ふえております。今後の冬季間の利用状況を見た上で経営を継続するか、休館、廃止するか、施設の再利用をどういうふうにするかを13年度予算編成までに結論を出してまいりたいと考えております。再利用の方法としては、幅広い運用をするため、公募により民間の意欲ある法人あるいは個人に経営をゆだねるのも選択肢の一つであると考えております。行政上の手続はいろいろとありますが、行政として片野荘が管理者のいない空き施設とならないよう慎重に検討してまいりたいと思っております。 次に、中央霊苑につきましては、これまでに 1,657区画の墓地造成を行いすべてに永代使用許可をいたしております。本年5月に使用者の意思を確認したところ一部返還がありました。そこで使用を希望する人を募ったところおおむね希望が満たされる状況となっております。今後とも墓地の造成につきましては、使用状況の実態と使用希望者の緊急性を考慮し、実施計画策定に着手していかなければならないものと考えておるところであります。 以下、担当部局から答弁をさせます。
○副議長(西出振君) 田島市長公室長。
◎市長公室長(田島孝一君) 庁内プロジェクトの件についてお答えいたします。 庁内プロジェクトにつきましては、緊急性、庁内横断的なもの及び市民の意見を反映しなければならない事案等につきまして、的確に迅速に対応していくために設置しております。これらプロジェクトチームにおいて出されました調査研究内容につきましては、施策の策定、事業の実施に十分生かされていると考えております。また、プロジェクトへの参加によって職員が研究意欲を出し、自己研さんを行うとともにみずからの職務において問題が発生した場合の対応力の養成にも役立っているものと評価しているところであります。 なお、職務への支障に対する懸念でありますが、現在のところ出ておりませんことを報告申し上げておきます。 以上です。
○副議長(西出振君) 藪谷教育長。
◎教育長(藪谷栄一君) (仮称)郷土文化館についてお答えをいたしたいと思います。 山長跡地の活用につきましては、さきの議会で(仮称)郷土文化館として整備をしたいと、そのための検討委員会を有識者を含めて設置するということを申し上げてきているところであります。しかし、このすばらしい空間だけに整備するに当たって当初の考え方もありますが、加えて異業種交流あるいは観光振興、あるいはまたまちづくり等にかかわる問題も発生しておるところでありまして、それに加えて整備の手法、それから整備後の管理運営等に民間の力と御協力が得られないかどうかというようなことが庁内のお話し合いの中で出てまいっております。そういう問題を抱えておるというような現状でございますので、これらの問題を鋭意進めながら整備をしてまいりたい、そのために今しばらく時間を必要とするということでございますので御理解をいただきたいと思っております。 それから次に、錦城中学校改築の基本構想についてでありますが、今月末には提示を受ける予定となっております。この構想に対しましては検討委員会は設置せず、学校を初め地元の関係の皆さん方にお集まりをいただきまして意見等をお聞きすることにしたいと、このように思っております。もちろん議員の皆様方に対しては、その案をお示しをしながら御意見を賜る機会を設けたいと、こう思っておるところでございます。 以上でございます。
○副議長(西出振君) 室谷弘幸君。
◆(室谷弘幸君) 第4回定例会におきまして、質問の機会をいただきましたので数点についてお尋ねいたします。 2000年も残りわずかとなってしまいました。現在の日本の情勢はあらゆることが目まぐるしく進み、変化のスピードが早いにもかかわらず、我々が任されている政治の世界は時代の変化についていけず、その機能を十分果たしてはおりません。特に、次世代のために今を見詰め直すことができていないように思えます。この9月補正予算でもさまざまな事業が予算化されております。そして行政は、何とか市の活性化を図らねばと頑張ってはおります。しかし、この予算の中にこの加賀市を次代へ引き継がなければならないという使命感がどれだけ表現されているでしょうか。 また、市民に対して次代の、今の市づくりに参加しているという連帯感を呼び起こさせるものになっているでしょうか。市民に自分たちこそが新たな加賀市をつくろうとしている、いや今つくっているんだという心意気、充足感を生み出すような参加型のものはあるでしょうか。私の本年の限りある出会いや体験の中では、まだまだまちづくりに対する市民の一体感はできていなかったように思えます。そればかりか、市民感情の多くの中には行政が行う協力体制を信じていないものもございました。そしてどちらかといえば、行政に対する苦情や対応の悪さ、人によって差別する体質など悲観的な意見が多く、できればまちづくりなどにはかかわりたくないという声が余りにも多いのにびっくりしました。 今人々が自己中心的であると言われております。しかし、わずか7万市民しかいないこの加賀市が新たな発展を図ろうとしているとき、市民を巻き込み当事者としなければどうして今後加賀市の発展があり得ましょうか。私は現状では、この加賀市は自分たちだけではやっていけない町であると思っております。しかも、これまで都市機能の強化のために人口増加を目指してきましたが、どうしても7万の壁を突破できておりません。ならば次善の策として多くの交流人が来てくださるように努めることこそが、にぎわい創出、ひいては産業振興につながるのではないでしょうか。そのために交流人が来てくださりやすい最低限な快適な都市づくり、つまり低額な駐車場の充実、女性や子供が安心して利用しやすい公衆トイレの確保、また数多く存在する不用建築物に対する取り組み、そして市内に眠ったままになっているさまざまな加賀市が誇る見どころ再整備が必要と考えております。これらをうまく活用しなくてどうして加賀市が交流人の人たちを呼べることができましょうか。 かの長浜は、市営駐車場を初め至るところに1時間 100円で駐車できる空間があふれております。交流人が低額な料金で町そのものを楽しめる工夫が至るところにされております。最近長浜でも観光客がお金を使わなくなったという声が聞かれますが、それに対して長浜の人たちはじゃあ次はどうしようかと言ってさまざまな工夫を凝らすことをしております。つまり長浜の人たちは、その町をどのようにしたら交流人に楽しんでいただけるか、そのことに対して挑戦し続けているのでございます。 我が加賀市もキャン・バスの運行、そして道路の整備などさまざまな工夫を凝らしております。さあこれからでございます。加賀市はあくまでさまざまな天然の資源に恵まれておりますのですから、これを活用すればかつての繁栄が取り戻せるのではないでしょうか。テレビや雑誌などで今盛んに、いやし系アイドルやいやし系音楽が話題となり売れております。ならば何百年も前から人々をいやし続けて来たこの加賀市の温泉、その泉質を生かし、そしてこの加賀の地に数多く分布する先人の遺産をうまく生かした加賀市いやしの里構想をもっと全面に打ち出すべきではないでしょうか。つまり、静かで落ち着いた山の下寺院群、そして北前の里の風情など歴史を感じさせる環境を生かし、そして天然の海の幸などの食い道楽としての土地柄をピーアールし、山代・片山津の両温泉を生かした体と心をいやさせる町の演出を進め、最後にそれを補うものとして市内各地でさまざまなイベントの持続と創出を図るべきではないでしょうか。そうすることが町全体が常に活力を持ち続ける、そして変化し続けるテーマパークのようなフィールドになっていくのではないでしょうか。そしてそのためには、その情熱を持ち続ける市民を何が何でも育てなければなりません。 例えば、山代では今旧山代荘のあの広大な敷地をどうするのかという問題が出ております。当局はやはり国と交渉すべき時期に来ているのではないかと思います。 また、9月補正予算ではまちづくりと一体となった旅館の設備投資に対し補助する
温泉旅館経営革新支援事業が組まれておりますが、旅館が温泉情緒を保ちながら都市部の一流ホテルのようにロビーやホール、そしてレストランそのものがステータスを持つ広く開放される場に加賀市もなっていくべきではないかと思います。そのことが地域そのもののにぎわい創出につながると私は思っております。 そこでにぎわい創出のために絶対条件であります駐車場の確保についてお尋ねいたします。 特に、山代、片山津における無料または低額の駐車場の必要性はもはや無視できないものでございます。市長も山代に夜来ていただければわかると思いますが、温泉通り、女生水通り、そして万松園通りはもう違法駐車の嵐でございます。地元はもちろん何とかやりくりしようとして工夫を凝らしております。地元の商店街の中には最近つぶれた旅館もございますので、そういう旅館の駐車場を何とか借りようとかそういう声も聞かれますが、しかしこの問題を解決するためには、やはりどうしても行政の支援が必要なときに来ていると思います。両温泉に多く存在する不用建築物、そして旧山代荘などの広大な敷地のあり方も踏まえて、市当局としての駐車場対策の考え方及び今後の方針についてお聞かせ願いたいと思います。 次に、温泉地に欠かせない、そして最も中心的な場所であります総湯の今後について市当局の考え方をお伺いしたいと思います。 午前中に吉江議員が的確な質問をされましたので答弁は簡潔でいいです。もちろん総湯を管轄するのは各地区の財産区でありますので、市が発言できることは限られております。しかし、あえて私がそこで総湯の問題を取り上げる真意について市も考えていただきたいと思います。 現在の経営状況、そして建てかえ等の必要性を考えますれば、市としても財産区の問題だからといって放置しておくことはできないと思われます。各財産区の事情もあり、またいずれ市が受け持たなければならなくなる日も来るかもしれませんので、さまざまなケースを想定して市当局としても温泉地の中心たる総湯の今後を考えていただきたいと思います。全国各地の名だたる温泉で総湯がないところは、やはりないと言わざるを得ません。現時点での地元の要望による総湯の建てかえなどに対する市としての、どのような条件が満たされれば支援ができるのかということについて、できれば簡潔にお聞かせ願いたいと思います。 次に、現在 645兆円という国と地方の借金の問題、そしてより住民に身近でより住民参加を重視した民主主義の学校としての地方分権の動きについてお尋ねいたしたいと思います。 現在少しずつ国家という概念が変わりつつあります。もちろん日本国という国家という概念はまだあります。しかし、一部有識者の間、そして自民党の一部の方々の中に一つの都市、つまり一定規模の
地方公共団体にある程度の権限を与えてその地域を今以上に任そうという動きが台頭してきております。その中には、いわゆるかつてのアテネやスパルタのような都市国家のようなものを考えている方々もおられます。また、かつて日本で地方分権が成功していた例と見られます江戸時代の藩のようなものを考えている方々もございます。 とにかくこの地方分権をどこまで都市に任すかということに関しては、これから国会議員、地方議員の方々のさまざまな紆余曲折がございますが、とにかく現状の 3,000余りある市町村にとっては大問題であります。果たして日本でそのようなことが実現するかは今後の恐らく我々地方政治家の意気込み次第でございましょうが、新潟市が合併によって来年日本海側初の50万都市になるように、県庁所在地や中核都市、つまり力のある都市はより以上の生き残りをかけた都市そのものの規模拡大に努めております。 私はやはり一都市として、そこそこの行政を行っていくためには一定規模の人口、そしてそれに見合った産業創出の場がこの市内に必要であると考えております。そこにこそ市としての市民が生み出す活力、そして働く産業がふえてくると思います。それこそが一極集中と言われております都会からのUターン、Iターンを呼び出す、そして呼び起こすもとになると考えております。県や国も合併試案を出しております。また、合併のための補助金を出したり、中核市に準ずる権限を与える人口20万人以上の特例市構想を打ち出しております。近い将来必ず行わざるを得ない合併問題について、当局の現時点での考えでよろしいでございますので、その受けとめ方及び方針についてお尋ねいたしたいと思います。 最後に、環境問題と絡めながら市民の意識向上運動についてお尋ねいたします。 人は一体いつ大人になるのでしょうか、年を重ねていけば大人になるでしょうか。私がここで言っている大人ということはたばこが吸える年齢とか、酒を飲める年齢ということではございません。いわゆる東洋圏が古来よりはぐくんで来た大人の思想のことでございます。現在の私たちは成人に求められる能力、自覚を学び大人になったわけではございません。そしてそのことが現在のさまざまな矛盾の根源にあるように思えます。 私はかつて、環境推進のために日本に滞在していたドイツの人と話をしたときしかられたことがございます。それは私が、これからの環境問題を解決していくためには教育こそが大切であり、そのためには子供たちの教育こそ重視すべきであるという考えを述べたときでございます。すると彼女は急に怒り出して、その考えそのものが間違っている。ドイツも初めはそうだったけれども、さまざまな環境教育によって子供たちが変わり、その子供たちが成長していったことが結果的には爆発的な環境意識が広がりドイツそのものの国を変えたのですが、しかしよく考えてみてください。結局子供たちを指導するのはだれなんですか、子供たちは大人の私たちがしないことをそんなに簡単にまねをするようになりますかと尋ねられたとき、私は答えに詰まってしまいました。 環境問題にしましても、そしてまだまだ排他的な地域根性が残っている市民の心のバリアフリーづくりにしましても、私たちが自覚して実践していかなければ始まらないのではないでしょうか。 例えば、ごみなどの環境問題一つとってみましても、市は市主催の環境セミナー、クリーン運動を行って頑張っております。でもほとんどの場合セミナーや運動が終わればその取り組みは忘却の彼方でございます。やはり我々が身近に感じることを常に心がけ、そして我々と子供たちが少しずつ成長していくことでこの加賀市を、そしてその加賀市から少しずつ変えていくしかないのではないでしょうか。町の行事や子ども会の行事、町の清掃の出席に対し市民の中にただでさえ忙しいのに何で町のことまで、何でよその子の世話まで、何で道路の清掃までしなくてはならないのかという感情が強い限りは、魅力的なまちづくりはできません。また、今のように単に婦人会さん何名、子ども会さん何名、どこそこさん何名という動員も必要でございましょうが、動員だけでは私は魅力的なまちづくりはできないのではないかと思っております。しかも、そのような考え、そしてそのような町には交流人も興ざめして一度来ればいいわとなっているのではないでしょうか。 私たちは次世代に対して大丈夫、市外に出なくてもこの町で十分やっていけるんだよと胸を張れる、そんなまちづくりをしていかなければならないのではないでしょうか。そしてそのリーダーがここにおられる市長ではないかと思っております。 市長、最後に行政は一体今このような意識向上のために何をすべきでしょうか。お考えを伺いたいと思います。 以上で今回の私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(西出振君) 大幸市長。
◎市長(大幸甚君) 室谷議員の御質問にお答え申し上げたいと思います。 市民参加の意義ということでありますけれども、どの程度市民の自覚もあって、そして行政側もどの程度自覚を持ってそういうことをやっておるか、そして多くの方々が私はいろいろな行事に参加をしていらっしゃっておりますし、多くの方々はその意義を認めてらっしゃるというふうに思っております。例えば、緑化フェアの参加の期待でありますけれども、片山津にNPOという形でのそういうものもでき上がっておりますし、恐らく多岐にわたって多くの方々が参加するようになるのではないかなというふうに期待をしております。 また、先ほども言いましたようにスポレクの参加でありますけれども、これはボランティアの警備も含めての参加人員等を入れますと恐らく 4,000人、あるいはまた町の中で応援とか、町の中で手を振ってくれる方、そんな方々を含めますと恐らく相当の数の方々がスポレクに加賀市民の皆さん方が参加されるのではないかな、そんなふうに思っております。加賀市では御存じのとおり、環境緑化ということで宮脇先生中心に構想を練っておりますし、あるいはまた伝統芸能ということで野村万之丞さんあるいは和泉さん、あるいはまた福祉関係については吉村順子先生、あるいは岡本祐三先生という多岐にわたっての一流の方々に来ていただいてお話をしていただいております。まだほかにたくさんいらっしゃいますけれども、恐らくそのところに参加された人数だけでも何千の人数になるのではないか。その一流の方々の話を聞き、心に残り、感銘を受けてやはり少しでも実践をしていこうという方々が、私は加賀市の主流ではなかろうかなというふうに思っております。もちろんいろいろな世の中ですからそれに反対する方々もいらっしゃるし、面白くないという方々もいらっしゃることも事実でありますけれども、そこは穏やかな気持ちで静かに見守ってそのチャンスをやはり見逃さないように心がけていきたいと、こんなふうに思っておるところであります。 旧山代荘は、本年8月末で営業を停止しております。この土地を所有しております国家公務員共済組合の財産の処分方針がまだ示されておりません。現時点ではその取り扱いについてコメントできる状況ではありませんので御了解願いたいと思います。なお、処分方針が明らかになれば議会の皆様方に対し相談し、対応を決めていかなければならない、こんなふうに考えておるところであります。 次に、両温泉での駐車場対策についてであります。基本的にはマイカーで温泉地を訪れる方々の公的な駐車場につきましては、山代観光センター跡地でのふれあい整備事業や、山代東口都市ルネッサンス事業、さらに現在調査中の片山津歩いて暮らせるまちづくり計画の中などで、課題として取り上げてまいりたいというふうに思っております。 御指摘の空き家、空き旅館については、庁内プロジェクトで調査したところ外国にまで権利関係が及ぶものなどがあるなど、権利関係が非常に複雑でわかりにくいということがわかったのであります。したがいまして、これらの施設の利用につきまして、市が主体となるということは極めて困難な状況ではないかなというふうに認識をいたしております。今後利用につきましてはさらに我々も一層努力いたしますが、かなり時間を要するものと考えておるところであります。 次に、総湯の今後に対する考え方につきましては、さきの吉江議員の御質問にお答えしたとおりでありますので、御理解いただきたいと思います。 次に、合併問題についてお答えをしたいと思います。 市町村合併は、関係住民の十分な議論と合意形成が基盤にならなければならないと認識しております。国においては、市町村合併の促進を図るため昨年合併特例法を改正し、さらに市町村の合併の促進についての指針が策定されたところであります。各都道府県においては、この指針に基づき12年中にも合併促進について目安となる合併パターンなどが示された要綱を作成することになっております。これに基づき、関係市町村との間で活発な議論が高まってくることになろうかというふうに思っておるところであります。 最後になりますけれども、行政が今何をすべきかということでありますけれども、基本的には市民の福祉向上というものは地方行政の原則であるというふうに思っております。この目的達成のため、あらゆる努力が常に求められておるというふうに思っております。私は行政は最大の
サービス産業と申し上げております。その基本は、あらゆる状況の変化に迅速に対応できる行政システムをつくることが今の加賀市にとって最も大切なことであると、こういうふうに思っておりますので御理解のほどお願い申し上げます。 以上でお答えにかえたいと思います。
○副議長(西出振君) 新後由紀子君。
◆(新後由紀子君) 私は、日本共産党の地方議員として、今議会に提案されました一般会計補正予算案並びに市政一般について7項目について質問をいたします。 まず第1点は、温泉観光についてであります。 この春に日本共産党山代支部が地域の皆さんに行った町民アンケートには、多くの皆さんから貴重な御意見を寄せていただきました。旅館に働いているが奉仕料がカットされ本当に収入が少ない、他の産業の人が聞いたら驚くだろう、収入が少なくて保険税も年金も納められないなど、切実な声が届けられました。私は、こうした声を踏まえて質問をしたいと思います。 今回の一般会計補正予算案に計上されました温泉旅館経営革新事業 9,764万円について、まずお伺いいたします。 市長の説明では、温泉客数の
下げどまり感から各旅館において施設改善への積極的な姿勢と意欲が見られ、これにこたえるために今回所用額の補正を行うとして、山代温泉10軒、片山津温泉6軒に対して市と県が 500万円、合計 1,000万円の補助を行うために 8,000万円が計上され、保証制度として 3,500万円限度に県が 1,050万円、30%、市が 700万円、20%、旅館組合が 350万円の10%、金融機関が 1,400万円で40%の負担で、事業費 6,564万円、総事業費合計1億 4,564万円が計上されています。この旅館の事業名と旅館名を質問しようと思いましたが、さきの答弁で質問できないということのようでありますが、私はこの事業の対象となる説明の中で、1つは非宿泊者も利用可能とするために行うもの、2つには地元住民と交流を図るために行うもの、3つにその他審査委員会が認めたものとありますが、結局審査委員会が認めれば何でも補助が受けられるような仕組みになっているように思われてなりません。その他審査委員会が認める審査基準とは何か、説明を求めたいと思います。 今回の助成が温泉観光再生に生かされるのかどうかがとても大事だと思います。これだけの不況のもとでの市の財政投資ですから、他の産業の方々や市民の厳しい視線が注がれるのは当然のことと思います。これまでの温泉旅館はとにかく旅館を大きくしよう、地域がどうなろうと客数の増大に熱中してきたと思います。市当局も国際観光都市を目指すとして観光資源の開発、施設建設、道路網の整備など温泉観光がすべてに優先されてきたと私は理解をしています。かつて温泉客数が 317万 8,392人となり、市制発足以来初めて 300万人を超えた昭和55年の市議会では、どんな指摘がされていたか振り返ってみました。革新クラブ代表が、観光都市として旅館の増改築ブームで豪華な施設、風変わりなサービスのおまけつき、外貨獲得が優先され、子供の非行が増加し、地域の環境が荒廃していると指摘しています。 また、自民クラブ代表質問でも、国際観光都市として発展を続けておる現状ですが、反面非行少年が増加、観光公害が続出しています。観光地発展という美名の陰に金さえもうかればいいんだ、なりふり構わぬ営業方針施策の中に今まで先人がつくり上げてきた豊かな、そして平和な郷土がこれらの方々によって壊されていく、一部の方々であろうと思うが高利率を求める営業方針の陰に幾多の弊害があることを見逃してはならないと指摘しています。この時期の温泉旅館の増改築は、両温泉16旅館で投資総額 150億円から 160億円になると議事録に示されています。地域を顧みない旅館経営の姿が明らかになっているのではないでしょうか。 また、旅館従業員の労働条件や暴力行為や退廃風俗営業への規制などについて、日本共産党の前議員の吉村さんは繰り返し旅館の経営改善を求め、暴力団に支配される退廃風俗営業を規制し、旅館従業員が安心して働く職場に切りかえるよう求めてきたと思います。身分保障の確立、そして百貨店と言われる抱え込みの脱却など、地域づくりと健全な温泉旅館経営を確立するために努力してきたと思います。こうした旅館経営のあり方が今本当に脱却されてきているのかどうか、そうであってこそ私は今回の助成が生きてくると思うのであります。どのように考えておられるのか見解をお聞きいたします。 家族連れが安心して訪れることができる温泉へのイメージチェンジが本当に図られるのかどうか、地域や市民に支持される温泉観光旅館になってこそ、私は市民が待ち望む温泉観光行政と言われると思います。これからの観光に対するニーズをしっかりととらえて、本当の意味での経営革新を心から願っている者として市当局にお伺いをするものであります。 平成11年度決算では、市の観光宣伝費用総額は 8,072万円となっていて、観光パンフレット作成に 1,004万 4,000円、首都圏観光宣伝に 800万円等が使われました。また、観光宣伝助成費に 5,600万円、そのうち両温泉観光協会に対して 4,800万円の助成が行われました。それぞれどのような温泉観光事業に対する補助なのか質問をいたします。 昭和50年ころには観光客数 244万 5,897人に対して、市の観光宣伝費用は 452万 3,000円でした。ところが昭和53年に両温泉協会への委託が始まり、市の観光宣伝費とは別に 1,000 万円が計上され始めました。翌年54年には 2,500万円に、56年には 4,500万円に、現在 4,800 万円が両温泉協会に助成されています。山下市長のもとで一挙にふえた姿が明らかになってくると思います。この助成が本当に観光宣伝として生かされてきたのか。こよいもわくわくと浴槽の女性が遊び華麗にプレイボーイ、遊び小粋にプレイガールなど、ポスターやパンフレットなどで全国に退廃歓楽地としての宣伝に使われてきたのではなかったでしょうか。助成を続けてきた市の責任も大変私は大きいと思います。両温泉観光協会への宣伝助成費が本当に効果的に使われているのか、宣伝の内容、効果も含めて今再検討が必要であると思い、当局の見解について質問をいたします。 また、温泉地域へのさまざまな事業に対しても市の助成が続けられてきています。昭和63年温泉地域活性化事業、さらに温泉地景観向上事業、平成に入るとコンベンション誘致助成、景観保全管理助成、温泉地まちづくり活性化事業、温泉旅館等個性づくりモデル事業などメニューの名前は変えていますけれども、次から次へと事業が継続され助成がされてきていると思います。しかし、こうした事業が本当に温泉地域を活性化することにつながってきているのかどうか、逆に地域の個性をなくしていることにつながっていないのか、今年の当初予算で温泉再生プランを策定するとして 100万円が計上されています。プランが後になって事業がどんどん先行しているように思えてなりません。しっかりと先を見通し、これからの温泉観光のあり方を観光業界だけでなく商業や農漁業、地域が一体となって共通の目標に向かってこそ温泉再生は可能と考えます。そしてその努力が実を結ぶのではないかと思います。そうでなかったら、観光行政のマイナス部分を市民が結局背負わされることになりかねません。見解についてお伺いをいたします。 先ほどから財産区の質問も相次いでおりますが、私は、この財産区の総湯が温泉観光地の個々の旅館の経営ばかりを追求する中で、片隅に置かれてきたのではないかと思わざるを得ないのです。今ではかつての面影もなく、巨大化した温泉観光旅館の狭間で埋もれそうになっているような気がいたします。 先ほど述べました山代地域のアンケートでも総湯をきれいに、お湯をたくさんにしてほしい、駐車場を無料にして整備してほしい、総湯をもっと活用した観光地にしてほしいとの願いが寄せられていました。温泉地再生プランの中で総湯の存在をどのように位置づけていかれるのか質問をしたいと思います。 市としては、財産管理を全面的に委任しているために何も言えないし、金も出せない。財産区では財政状況が厳しくて大変。しかしだからといって、今の現状をいつまでも続けて総湯の外周りばかりに財政投資を続けていたのでは、本当の意味の温泉地のシンボルとしてその存在に光を放つことはできないと思います。両温泉財産区管理会長並びに大幸市長は、将来の温泉地の姿のあり方と総湯の位置づけをどのように考えられておられるのか、夢を持っておられるのか質問をいたします。 最後に、市が昨年9月から湯布院に職員を派遣していますが、現在までどのような結果を加賀市に伝えているでしょうか。湯布院ではどのような観光施策を取り入れ、それを市でどのように生かしていこうとしているのか、途中経過ではあると思いますが、何か具体的なことがあれば明らかにしていただきたいと思い質問をいたします。 質問の第2項目は、昨年度決算で伝統的諸職振興事業に 155万 1,000円が使われました。今年当初予算でも新規施策として 765万円を計上した伝統的匠の技後継者養成事業についてお伺いいたします。 お聞きいたしますと、この事業への応募はあったものの後継者を養成するまでに至っていないとのことであります。市長はこの事業を何としても急がなければならない、何としても実施をしなければならないと強い気持ちがあったと私は思っていますが、そのことが十分に実を結んでいないように思われますが、その原因をどこに考えておられるでしょうか。また、今後とも事業を継続していかれるのかどうか、新たな対応を考えておられるのか質問をいたします。 3項目めは介護保険について質問いたします。 介護保険がスタートして半年が過ぎ、この10月から65歳以上の皆さんの保険料の半額徴収が始まります。家族が支える介護から社会が支える介護へ、利用者の選択幅が広がり利用者が選ぶ介護などと宣伝されてきたこの介護保険制度でしたが、わずか半年で急速な失望と怒りが広がってきています。政府も市当局も現行の福祉水準は後退させないと本会議でも答弁を繰り返し言明してきたはずです。しかし、後退させないどころかこれまでのサービスでさえ門前払いで受けられない事態が進行しているんではないでしょうか。まず、認定段階で自立と判定され介護保険になってもサービスが受けられなくなった方が全国で12万 7,000人、加賀市でも61人、また特別養護老人施設などでも要支援や自立判定の人は5年後には施設を出なくてはなりません。全国で1万 8,000人、加賀市でも10名おられます。厚生省の一次判定のコンピューター結果を二次判定で変更したのは実に54万件、加賀市でも 180件に上っているようです。一次判定のコンピューター判定のあり方が問われています。 さらに深刻なのは、利用料の一割の自己負担が払えず、これまでのサービスが受けられない事態が生まれていることです。日本経済新聞のケアマネジャーを対象にした調査結果では、限度額の6割しかサービスを利用しない例が70%にも及んでいるとのことです。きんさんぎんさんの蟹江ぎんさんも介護度5だそうですが、そんなにお金は使えないと嘆いているとの報道もありました。加賀市での実態はどうでしょうか。これまでの現状をどのようにとらえられているのか質問をいたします。 私は、これまで繰り返し利用料の一律1割負担の問題を指摘し、減免制度を求めてまいりました。政府は昨年の特別国会で、低所得者の利用料をこれまでの利用者に限って3年間の時限立法で3%に軽減いたしました。それでも年金収入の方にとっては自己負担が大変重くのしかかっています。市内の76歳になるおばあちゃんは、ひとり暮らしで年金収入は1カ月8万円程度です。介護度1ですが、利用料を軽減してもらっても月 4,900円、それでも食事をつくってもらうと高くなるので1日2回はお弁当をとっている。これまでは無料でお掃除などまめにしてもらっていたが、これもできなくなったと言います。そこへ今度の保険料です。年金収入があるからと2段階で10月から半額負担、1回の年金から 2,500円が引かれます。これが来年の10月からは倍になります。家賃、電話料、光熱費、国保税など年金は一つも残りません。本当にもう長生きしたくない、早く死にたいと漏らしておられます。安心できるはずの介護保険で追い詰められる姿があります。全国の自治体ではこうしたことを解消するために利用料や保険料の独自の減免制度を実施する自治体がふえています。低所得者に対する利用料50%減免、あるいは全額補助を打ち出す自治体も生まれています。利用料の減免の拡大と、せめて住民税非課税世帯への保険料そのものの減免についてお考えがないか、私は重ねて質問をするものであります。 質問の4項目は、生活保護について質問いたします。 昨今の不況の中で突然の解雇や病気などで働くことができなくなり、やむを得ず生活保護の相談に市役所へ来る方が後を絶ちません。しかし、来てもつらい思いをさせられて途方に暮れる方々の姿もたくさん見てまいりました。7月現在で加賀市の保護世帯は 318世帯、402 人とのことであります。1カ月の相談件数は4月32名、5月24名、6月20名、一人のケースワーカーが80件を超える保護世帯を担当しているとのことであります。担当しながらの相談業務は本当に大変かと思いますし、ますますの専門性と適格さが求められていると思います。 これからの状況を考えると、生活保護を求める人はまだまだふえるのではないかと私は思います。憲法25条は国民の健康で文化的な生活を営む権利を定めています。病気やけがで働けなくなったとき、困ったときのために保護制度があるわけです。憲法や自治法の立場から見ると、生活保護は本人の申請に基づいて提出され、審査され、その後14日以内に決定通知が通知され、時間がかかるときは30日以内に決定通知が行われるとなっています。しかし、加賀市の行政を見てみますと、相談業務を先行させる余りに保護が決定できる人にしか申請させないという状況になっているんじゃないでしょうか。しかも、中央病院の医師の診断で働けないという結果が出なければなかなか保護を決定しないということになっているようであります。 ある女性が4月に相談に来て医師の診察を受けたものの、その後どうなったかわからず、友達などから資金を工面してきたが仕方なく8月に私のところに相談に見えました。再び市の窓口へ相談に行っていろいろ、また診断が必要だと。4月に相談に来たときに児童扶養手当などを申請していたら、私はこの8月に既に児童扶養手当は支給されていたと思うのです。やはりきちんと書類に基づいて、法律に基づいて申請から決定までやらなければならない。忙しい職務ですからなおのことその必要があると思うのですがいかがでしょうか。医師の結果はあくまでも保護決定の診断材料として、本人の就労状況や身体状況など福祉事務所が責任ある決定をしていただきたいと思い質問をいたします。 5項目めに市職員のアンケート調査についてお伺いいたします。 最近市当局は職員に対して指定した文献での感想文を提出させたり、アンケート調査を行うなど個人の趣味やあるいは思想信条にまで踏み込むような調査を行っているようではありませんか。部長も課長もすべてアンケートの対象になっているようでありますが、市職員は市民全体の奉仕者としてそれぞれの業務分担に基づいて行政サービスに努めるのが仕事です。仕事を離れたらどんな趣味を持とうが、どんな本を読もうが、どこでどんなボランティアをしておろうが、業務とはかけ離れている問題だと私は思います。それを仕事上の上司が個人の問題であるにもかかわらずアンケートで具体的に調査をするというのは、プライバシーの侵害に当たるのではないかと思います。個人の人権やプライバシーが重視される今、なぜこのようなアンケートが必要になってくるんでありましょうか。市のそれぞれの部署には部長や課長が管理職としてきちんと配置されています。職員の個性や能力を生かすも殺すもその管理職の仕事の範囲の中ではないのでしょうか。肝心なのは市民の公僕としてどうその職員が力を発揮することができるかどうか、その体制をとるかどうかではないでしょうか。管理統制につながるようなこのようなアンケートは即刻中止していただきたいと考えますが、見解について質問いたします。 次に、職員採用について質問いたします。 ことしの職員採用試験も既に第一次公募を終え、今月17日に第一次試験が行われることになっておるようであります。ことしの採用は、一般事務職が2名、学芸員が1名、保健婦が1名、消防職員Aが1名、消防職員Bが3名の8名となっています。毎年のことながら大変狭き門になっていることと思います。一般事務職と学芸員、消防職員が大学卒業資格の持つ人が受験資格を得る、保健婦は保健婦資格、消防Bは高校卒業で大学卒業はだめだということになっています。学歴社会、競争社会のゆがみが指摘されて久しいのですが、私は最近人々に大変大きな感動と勇気を与えている大平光代さんの「だからあなたも生き抜いて」という本を読みました。中学卒業でいじめに遭い割腹自殺を図り一命をとりとめたが、極道の世界に身を置くという生活の中で、その後、中学卒業資格しかなかった彼女が猛勉強をして弁護士になるという快挙をやり遂げ、今非行少年等の問題で弁護士として幅広く活躍しているという内容でありました。 子供たちがいじめや暴力などさまざまな理由から学校生活が送れなくなり、人生の途中で回り道をしたり下車せざるを得ない事例が最近ふえていると思います。もし、弁護士試験に大学卒業という資格が求められていたら、今日の大平さんの姿はなかったのではないかと思うのです。学歴社会をなくそうとだれもが言います。しかし、現実は市職員の採用も大学卒業資格や年齢要件で狭い門にされているままではないでしょうか。これでは学歴社会はなくならないと私は思います。まず市職員の受験資格から大学卒業という要件や年齢要件などを見直すお考えがないか質問をするものであります。そうすればもっとさまざまな人材確保につながってくるんではないでしょうか。 最後に市町村合併についてお伺いいたします。 先ほど答弁もありましたけれども、2000年度の自治省の予算には市町村合併推進のための補助金が1億 2,000万円計上されました。これまでの合併は、合併の論議がない市町村にとっては全く無関係な話でした。しかし、今回の補助金は、地方分権の名のもとに合併のパターンを5つの類型に分類して都道府県に合併パターンを作成することを求め、住民の意思とは関係なくすべての市町村が合併パターンに組み込まれることになります。これから議論が大変になってくると思いますが、市長の基本的な見解について質問いたします。 去る7月26日、石川県でも広域行政検討委員会の第1回会合が開かれ、市町村の合併パターンを盛り込んだ報告書を年度内に作成する方針を決めたとのことです。8月8日には県議会地方分権等推進委員会が開かれ、市町村合併の推進の論議が行われたとの報道がありました。私はこうした方向に大変強い疑念を持たざるを得ません。県民 8,000人へのアンケートも始められます。市町村合併は、それぞれの地域での個別の問題として住民みずからが判断し決定すべき問題だと考えます。県民全体へのアンケートはなじまないと思いますし、憲法や
地方自治法から見ても、どのような規模で基礎的自治体を構成するかは合併も分離も住民の自主的判断であると思います。合併論議が上から押しつけされるのではなくて、徹底した住民討議、住民参加を基本と考えますが、改めて市長の見解についてお聞きをし、質問を終わります。
○副議長(西出振君) 大幸市長。
◎市長(大幸甚君) 新後議員の御質問にお答えいたします。 温泉旅館のあり方と地域づくりにつきましては、さきの宮本議員の御質問の中でお答えしたとおりであります。さらにつけ加えるならば、地域の風土を生かし、地域と一体となったまちづくり、地域住民と交流が図れる温泉地づくりだと確信いたしております。それを基本とし、現代のニーズにかなう温泉旅館、温泉観光地づくりのため、住民と行政が協力して整合性のある温泉地まちづくり計画、温泉観光地再生プランなどを策定し、具現化することによって温泉観光地加賀市の活性化が図れるものと確信しておるところであります。そしてその計画実現に向けて、一層の努力をしてまいりたいというふうに思っておるところであります。 次に、財産区のあり方についてお答えをしたいと思います。 今、温泉観光地再生プランを住民と行政が一緒になって策定しております。その中でこれらの観光地は地域の自然、文化、歴史、そして伝統を考え、世界並びに日本に通じる視点で地域全体を魅力ある観光地につくり上げることが大きな課題となっております。したがいまして、共同浴場もその地域の重要な観光資源と位置づけております。 なお、財産区のあり方につきましては、さきの吉江議員の質問にお答えしたとおりであります。 次に、職員採用についてであります。 今日の行政課題は複雑多岐にわたっております。また、時代は転換期でもあり、行政運営も難しい時期に来ておることは御存じのとおりであります。こうしたことから一般職の職員には問題解決に対応できる一定以上の学力が必要と考えられます。また、近年の高学歴化の状況から学歴の資格を設けているところであります。なお、本年度に実施する試験からは従来よりも年齢幅を広げると同時に、職種によっては高校卒業者も対象といたしております。今後とも適応する学歴、年齢など適切な人材の確保に配慮してまいりたいと考えておるところであります。 次に、市町村合併についてお答えを申し上げます。 合併についての考え方は、さきに室谷議員にお答えしたとおりであります。御指摘のとおり国からの押しつけによるのではなく、まさに住民の意思に基づき行うものであることは十分承知をいたしております。 あとは関係部局長から答弁をさせます。
○副議長(西出振君) 大庭総務部長。
◎総務部長(大庭保夫君) まず、湯布院への職員の派遣についてでありますが、職員研修の一環として昨年7月より職員1名を派遣しておることは御案内のとおりでございます。現在、ある中央紙の調査では行きたいところのナンバーワンとして湯布院が取り上げられております。温泉、あるいは観光地として全国的になぜ脚光を浴びているのか、その評価を受ける魅力等について今までに実施してきたこと、今後進めようとしている方向等の情報収集と調査研究に当たっております。定期的に送られてまいります報告では、町の職員として、住民として、人づくり、まちづくりに積極的に参加しその魅力などを学びとっていることがあらわれておりまして、今後の本市温泉地の地域づくり活性化の施策推進に研修の成果が生かされるものと考えております。 次に、市職員の特技等の調査などについてお答えいたします。 職員の長所を知り、適材適所に配置し、組織を効率よく働くようにすることは非常に大切であります。このような観点から現在各所属長が直接聞き取る形で行っております。もちろんこの場合、何よりも個人の自由意思を尊重し、プライバシーの保護にも留意し、慎重に行うことが必要であると考えております。これらの調査は、できる限り職員の特技などを生かし能力を発揮できる機会を与えるとともに、職員がやる気を起こすきっかけをつくり、円滑で効率的な業務の執行を図ることを目的としております。業務に関する読書感想文については、職員の意識や考え方を深めるなどみずからの資質向上を図り、関連する意見や提言を述べる重要な役割を果たしております。職員一人一人の資格や特技、能力を職務に生かすことができれば、直接間接に住民のサービス向上にもつながるものと考えております。 以上です。
○副議長(西出振君) 徳田福祉保健部長。
◎福祉保健部長(徳田弘君) 介護保険についてでありますけども、まず介護サービスの現状ということでございますけれども、介護保険におけます自己負担につきましては原則1割負担となっております。これまでにも御説明してまいりましたとおり、平成11年度から引き続きホームヘルプサービスを利用している高齢者の方や、介護老人福祉施設の入所等において自己負担の軽減が図られているところでございます。また、介護サービスの利用に当たりましては、ケアマネジャーが利用者の家族の要望を十分に反映し、また当然利用者の意向も踏まえましてプランを作成する仕組みとなっております。 現在、議員御指摘のような具体的な苦情、相談は市の窓口の方へは寄せられておりませんけれども、今月末に取りまとめます介護保険満足度調査の結果を踏まえまして、介護サービスの質の向上に努力してまいりたいと考えております。 次に、介護保険料の減免制度等についてでございます。 まず、介護サービスを受けた場合の1割負担額についてでございますけれども、例えばで恐縮なんですが、大まかに申し上げまして月額収入の10万円程度で生活保護世帯になる可能 性のある低所得の方につきましては、どれだけサービスを受けられましても1カ月に1万5,000 円以上の負担はしなくてもよいという上限が定められております。また、生活保護を受けられている方の介護負担につきましては、公費で賄うことになっております。保険料につきましても、今ほど申し上げましたような低所得の方の保険料は基準となる保険料の額の半額となっております。その上ですけれども、災害があったり、あるいは世帯を支えられている方の長期入院などで経済的に家計が苦しくなった場合など、特別の事情がある場合には保険料を減免することとなっております。このように利用者負担や保険料の軽減策について必要な措置を講じておりますので、介護サービス利用者の方々につきましてはこれらを利用していただきたいと考えております。 次に、生活保護についてでございますが、生活保護制度は真に生活に困っている人に最低限度の生活を保障し、自分の力で生活できるように手助けするものでございまして、精いっぱい努力していただいても生活ができないというときに初めて対象となるようなものでございます。その手続でございますけれども、御質問のとおり保護申請を受け付けしまして各種調査を経て認定、あるいは却下の通知というぐあいになっております。しかし、相談内容につきましては、生活保護に関する相談とは限らず、年金、医療、就業、ひいては法律相談に至るまで幅広くあらゆるものが混在しているのが実態でございます。 したがいまして、まず各制度の説明が必要であり、最初の段階から保護申請を受け付けするということは逆に相談者に混乱を与えかねないということから、相談内容を詳しく把握させていただくために申請に至るまでには、慎重に面談を行って事情をお聞きしているところでございます。また、公立病院の医師の検診につきましても、働くことができるかどうかを確認するための手段でありまして、これにつきましても厚生省の指導でもございますので御理解をいただきたいと思います。 以上でございます。
○副議長(西出振君) 宮崎産業環境部長。
◎産業環境部長(宮崎護君) 温泉旅館経営革新事業についてお答えをいたします。 近年多くの観光客は旅館での宿泊だけを目的とするのでなく、訪問した地域の歴史、文化に触れたり、地方の自然環境の中で日常生活のストレスをいやし、リフレッシュすることが可能な温泉観光地を求めております。日帰り客にも十分満足していただけるようなまちづくり、地域づくり、観光地づくりが重要になってきております。そこで今回の支援事業の効果は、旅館と地域の融合を図りながら昼間の来訪客の増加とにぎわいのある温泉観光地を目指して、日帰り客、地元住民も気軽に利用できる開放的な施設整備に、県・市・旅館組合で支援をする効果的な事業であると思っております。なお、審査委員会の認める事業の判断基準はということがございましたけれども、これは先ほど林 俊昭議員の中でもお答えしましたけれども、地域のまちづくり計画との整合性、それから旅館経営の革新につながるか、あるいは地域の観光振興、地域振興に寄与するか、そういったことを見きわめ、審査委員会の合意に基づく総合的な評価で判断されるものと、こういうぐあいに思っております。 次に、両温泉観光協会が実施しております観光宣伝事業についてであります。 平成11年度実績でテレビ、ラジオ、新聞、雑誌等を通じたマスコミ宣伝、主要都市圏での出向宣伝、エージェントとタイアップした企画宣伝、その他宣伝資料等合わせて総事業費は1億 3,200万円になっております。こうした観光宣伝事業の実施に当たり、両温泉観光協会に対して 4,800万円の助成をしているところであります。事業の効果につきましては、間断なく宣伝することによって知名度のアップ、最新情報の提供、新たな顧客の発掘等の誘客効果があり、観光客の減少に歯どめがかかるものと思っております。 次に、伝統的匠の技後継者養成事業についてお答えをいたします。 この後継者養成事業につきましては、現在のところ残念ながら研修生の受け入れには至っておりません。指導者の高齢による体調不良や家族の病気、これは指導者の家族であります、それから応募者の事情など、伝統的技術の継承であるがゆえにやむを得ない理由があってのことであります。今後とも本市の文化的土壌を守るため辛抱強く募集を続けてまいりたいと、このように思っております。 以上です。
○副議長(西出振君)
山谷山代温泉財産区管理会長。
◎
山代温泉財産区管理会長(山谷進弥君) 新後議員の温泉地の財産区のあり方についてお答えをいたします。
山代温泉財産区の現状については、さきに吉江議員にお答えしたとおりであります。温泉地のシンボルであります共同浴場につきましては、市と協議しながら温泉地の活性化のためにも存続をしなければならないと考えております。市にいろいろな面で御支援をいただきたいと思っておる次第でございます。 以上です。
○副議長(西出振君)
東谷片山津財産区管理会長。
◎
片山津財産区管理会長(東谷外余松君)
片山津財産区に係る一連の事柄につきましては、さきに吉江議員にお答えしたとおりであります。共同浴場につきましては、先ほど
山谷山代温泉財産区管理会長が述べられたとおり、思いは同じであります。特に片山津につきましては、地域全体が沈滞しており、市の一層の御支援をお願いしているところでございます。 以上でございます。
△休憩
○副議長(西出振君) この際、暫時休憩いたします。 午後3時13分休憩 平成12年9月14日(木)午後3時36分再開出席議員(21名) 1番 室谷弘幸 2番 岩村正秀 3番 山口忠志 4番 宮本啓子 5番 細野祐治 6番 上出栄雄 7番 西出清次 8番 坂野行平 10番 西出 振 11番 小塩作馬 12番 若林幸子 13番 林 俊昭 14番 山村信一 15番 吉江外代夫 16番 酢田隆司 17番 林 茂信 19番 新後由紀子 21番 川下 勉 22番 宮田 勇 23番 平井 清 24番
矢田郷昭三欠席議員(2名) 9番 谷口久男 18番 村井幸栄
△再開
○議長(村井幸栄君) 会議を再開し、休憩前の議事を続けます。
△質疑・質問(続)
○議長(村井幸栄君) 山口忠志君。
◆(山口忠志君) 平成12年第4回加賀市定例会において、市政一般につき数点について質問をいたします。 質問の中にはこれまで過去において質問をした項目内容もありますが、そのとき当局より検討または取り組んでいきたいと答弁をいただきました。その後、どのように検討し進められているのかという観点から質問をしたいと思います。具体的な答弁をお願いいたしまして質問に入ります。 まず第1点、都市緑化いしかわフェアについてであります。 主会場である金沢市、サブ会場である七尾市では翌年度より、当市では今年度より事業がスタートするようでありますが、七尾市ではフラワーパークのと蘭ノ国を核とし、金沢市では城址公園の整備、菱櫓の復元など県、市を挙げて取り組み、その後の経緯も新聞、ニュースなどに頻繁に紹介され着々と準備が進んでいるのがうかがえます。それに比べると当市はいかがでしょうか。自然への手紙7万通というテーマのもと自然を再発見、再認識、再生し継続性のある事業を目指すという目的は大変重要であろうと思います。そして事業の計画立案、推進は、市民団体を中心に行っていくということでありましたが、現状はどうでありましょうか。 去る7月、片山津地区内に現場事務所を開設したようでありますが、市民はおろか片山津の町民すらほとんどそのことも認識しておらず、現に具体的な広報活動は何もなされていないような感があります。真に市民参加の積極的な呼びかけを図っているのか甚だ疑問が残るところであります。現状と当面の取り組みをお伺いするものであります。 また、この冬からスタートするのであればもう既に市内全域にわたり植樹などの緑化推進事業が展開されているはずでありますが、現在どのようになっているのでありましょうか。そして過去において柴山潟湖畔公園の整備をメーンとしたフェア開催計画があり、その際にも地元の議員にお骨折りをいただき、公園周辺の地権者である地元に土地の提供、借り入れなどの話し合い、協力を調整していたにもかかわらず計画見直し後、何ら説明がないように思います。事業はソフト面が中心で今年度当初の質問の答弁でも、施設整備が必要であれば整備を図っていきたいとの当局の回答がありました。観光誘客の観点からも核となる施設整備がぜひとも必要だと思います。過去の経緯も含め今後の施設整備についてお尋ねいたします。 次に、教育問題について3点お尋ねをいたします。 全国的に17歳問題や中学生のいじめ、暴行など青少年の事件を耳にしない日はなく、少年犯罪の凶悪化、粗暴化、そして低年齢化が顕著になってきているということであり、その要因としてルールを守るという規範意識の低下、地域社会とのかかわりの希薄化、少年を取り巻く環境の仲間同士内での情報化などが挙げられているようでありますが、県内を見ても例外ではなく、8月に金沢市で暴行により中学生4人が逮捕、松任市でも中学生による海でのリンチ事件がこの夏休みにありました。それでは加賀市の現状はどうでありましょう。 1点目、加賀市の現状をどのように把握しておられるのか、状況を教育長に説明を求めます。 教育問題の2点目は、これも今年度当初に学校教育法施行規則等の一部を改正する省令が今年度4月より施行され、その中で学校評議員制度の導入について当市の方針を尋ねたところ、県の動向を見て対応をしていきたいということでありましたが、県では県内のすべての高校において来年度4月より学校評議員制度を導入するようであります。当市の方針と、導入するのであればその時期についてお伺いをしたいと思います。 教育問題の3点目は、心の教育でありますが、先月8月当初の新聞記事で「悩み事子ども110 番の家」を各地区で設けたいという記事を見ました。これまで各地区に主に通学路を重点的に犯罪防止を目的として進められております「子ども 110番の家」というものとは別に、児童生徒の悩み事の相談や語らいの場を設けるとのことであるようですが、子供たちが気軽に相談相手の家に寄り、話をしたり聞いたり、ともに会話したりということで心のケアができるということは大変よいことだろうと思いますが、今後どのようにその計画を進めていくのかお尋ねをいたします。 次に、これまでも、そして今後の加賀市にとっても重要な医療機関である国立、公立の2つの病院について質問いたしたいと思います。 まず初めに、国立石川病院と国立山中病院の問題でありますが、御存じのように昭和60年に厚生省の国立病院療養所の再編成、合理化の方針決定がなされ、平成11年度の再編成計画の見直しを経て 239施設を 153施設に統廃合するというものであります。全国ではこれまで統廃合される86カ所のうち84カ所について協議会が設置され、既に43カ所については決定済み、残りの41カ所についても細部にわたって協議中とのことであり、協議会すら未設置なのはこの国立石川、国立山中の1カ所、そしてもう1カ所金沢の医王病院と若松病院の全国でこの2カ所だけでございます。 当市においてもこれまで何度も石川病院の機能強化と存続を求める意見書も出されております。大幸市長の就任間もない昨年5月の全員協議会の場で他の議員の統廃合の質問に答え、市長は矢田前市長の話ではこの地域を管轄する名古屋の東海医務局では石川病院に統合存続するように聞いているという答弁をしております。その後、山中町では田中町長が誕生され、当初国立山中病院の存続を掲げておられましたが、紆余曲折を経て今月市長との懇談も踏まえて国立山中病院は国からの移譲に方針を転換したとのことであり、これを受け山中町議会では検討特別委員会も設置され協議に入ったようであります。これらも踏まえ、これまでの経緯を含め当市の対応と方針をお答えいただきたいと思います。 そしてもう一つは公立加賀中央病院でありますが、これも今述べた国立病院の統廃合問題とも今後大変大きくかかわってくるとは思いますが、それとは別に昨年中央病院が独自で経営診断を依頼し、その結果が出ているようであります。経営診断によると、外来受診の予約制の拡大や医薬分業の積極的な推進、公立加賀中央病院としての診療範囲とレベルの明確化、職員の意識向上など、サービスの向上や経営の合理化について多くの提言があったようでございます。当市としては、今年度も10月稼動開始となるオーダリングシステム導入の補助予算や、これまで多額の予算計上をしております経営診断を踏まえ、今後どのように病院に指導を図っていくのか、病院施設組合の組合長でもあります市長に質問をいたします。 次に、空き旅館、ホテルについてでありますが、午後の小塩議員を初め、過去にも防犯・防災の観点、その他から質問が何度かございました。私は角度を変えて管理・処分についてお尋ねをいたしたいと思います。 片山津の数軒のホテル等が倒産してからもう既に3年近くがたとうとしております。防犯・防災も大変重要でありますし、景観を損なうためその対策として景観向上の竹さく等の設置を今年度県、市の予算で行うようでありますが、これは単に目隠しというか、対症療法に過ぎず、何ら抜本的な問題解決にはならないのではないでしょうか。市も税金、水道料金の徴収ができず、先ほど市長の説明では税の債権の取り扱いがまだ不明確だとのことでもありますし、債権が多岐にわたり海外にまで及んでいて実情がなかなかつかみづらいということではありましたが、市も債権者の一人であります。裁判所の管理下にあるとはいえ防犯・防災の点はもとより、観光ダメージも相当なものであります。一債権者としても、観光立市加賀市としても裁判所、そして破産管財人にも強く働きかけをして取り壊し、転用、競売などの処分を一刻でも早くしていただきたい。市長の所見をお伺いいたします。 最後に道路整備についてお尋ねいたします。 市は現在、加賀市の中心部を東西に結ぶ幹線道路である国道8号線の交通緩和に向けて国とともにその改良に向け鋭意検討されているようですが、そんな中これらとアクセスする市の南北線として位置づけされている市道C-80号線については、平成8年度より事業に着手されているところですが、市の中心部でもあり市民の早期完成への期待も大きく、現在の進捗状況及び国道 305号線までの開通について見通しをお尋ねをいたしまして、私の質問とさせていただきます。
○議長(村井幸栄君) 大幸市長。
◎市長(大幸甚君) 山口議員の御質問にお答えをいたしたいと思います。 まず、国立石川病院の統廃合問題についてであります。 この問題につきましては、地元区長連合会や老人クラブからの陳情を受け、また本市の医療施設の配置状況から考えて存続を強く希望してきたところであります。また、市議会においても過去4度にわたり意見書の採択がなされておるところであります。こうした国立病院につきましては、今年度末が方針決定の期限となっておりますことから、今後とも国立石川病院の存続に向け厚生省初め関係機関に一層強く働きかけてまいりたいと思っております。なお、国立山中病院に対する山中町の対応について、強い関心を持ってその動向を見きわめていきたいと思っておるところであります。 次に、加賀中央病院の経営診断について、病院組合長である市長としてお答え申し上げたいと思います。 加賀中央病院の健全経営の転換を図るため、経営コンサルティング会社に委託し経営診断を行いました。診断の結果、経営状況は悲観的なものではないが、地域医療の担い手として良質の医療を提供していくには病院の組織管理体制と経営基盤の強化を図り、経営の健全化を確保することが必要不可欠である、その指針が示されておるのであります。あわせて病院としての理念の確立、患者さんに対するサービスについて医師、看護婦など職員の意識改革が必要であると指摘されております。さらに、公立病院であっても収支バランスのとれた経営管理の理念に立って、単年度だけではなく長期的な視点で考える必要があるとも指摘されておるところであります。診断の指摘事項の一つであります患者さんの待ち時間の問題については、10月からオーダリングシステムを導入しその短縮を図ることといたしております。今後とも提示された問題に対し適切な処置を講じ、地域住民のニーズに配慮した病院づくりをすることが私の務めだと強く感じておるところであります。 以下、担当部局長から答弁をさせます。
○議長(村井幸栄君) 宮崎産業環境部長。
◎産業環境部長(宮崎護君) 都市緑化いしかわフェアについてお答えをいたします。 広報活動につきましては、これまで広報「かが」での記事掲載やポスター、広報チラシの掲示、配布で都市緑化フェアの事業内容等の周知に努めてきたところであります。今後とも地元住民はもとより、全市民に緑化フェアの事業内容を普及啓発するため地元のグループ、団体を中心に組織した14の事業運営委員会ごとに事業内容を紹介したパンフレットの作成配布、さらに四季の事業開催前の季節広報紙の発行、ホームページの開設及び県と連携した広報活動を計画しているところであります。また、御指摘の現地事務所の活用、それからふるさとの森づくりなどの緑化事業につきましても地元の皆さん、県や市内の各種団体などフェア関係者と連携し、あわせて普及推進してまいりたいと思っております。 次に、湖畔公園周辺の計画につきましては、民有地の利用も含め構想を描きましたが、できる限り既存施設を活用する、自然環境の保護再生を考慮し、柴山潟をメーンに市内全域を対象としたソフト事業を中心に多様な催しを開催する計画に見直したところであります。 次に、空き旅館、ホテル対策についてお答えをいたします。 中心温泉街での空き旅館は、町の景観、防災、環境衛生上等、観光地として観光客などに不快感を与えており、その解消を図るための景観整備には、特に大型空き旅館が点在する片山津温泉において現在地元関係者と協議を進め、イメージアップを図るための旅館周辺の景観モデル事業を今年度中に実施する計画を立てております。今後とも、地元関係者の皆さんと協力連携して町並み景観整備に努力をしてまいりたいと思っております。 また、空き旅館の対応につきましては、先ほど市長が室谷議員にお答えいたしたとおりであります。ただ建物の管理には管財人など関係者に協力を要請し、防災安全対策には十分注意してまいりたいと思っております。 以上です。
○議長(村井幸栄君) 阿木都市開発部長。
◎都市開発部長(阿木輝明君) 山口議員さんの質問にお答えをいたします。 大聖寺敷地町から下河崎地内の国道 305に至る市道のC-第80号線の進捗状況につきましては、本年度は道路部分の工事で 330メートル、そして橋梁部分の附帯工事を予定しております。平成12年度末の進捗率は、事業費ベースで65%となっております。なお、今後につきましては残りの橋梁の上部工、そして改良舗装工事を進め、平成15年度には供用開始したいと考えております。
○議長(村井幸栄君) 藪谷教育長。
◎教育長(藪谷栄一君) 教育問題3点につきましてお答えをいたしたいと思います。 まず、中学校の荒れの問題であります。 最近全国的に、また金沢方面の中学校の荒れの状況が報道されております。市内中学校の現状把握を行っているかとの質問でございますが、現在のところ特に重大な報告がなく、比較的落ち着いているのではないか、そのように思っております。しかし、学校の荒れの状況やあるいは生徒指導上の問題は増加傾向にあります。したがいまして、いろいろと心配しているところでありますが、いろいろとさまざまな角度からどんな気配りをしたらいいのかというようなことについて、鋭意検討をいたしているところであります。学校におきましては現在、その対応に全勢力を注いでおりますし、全職員が一丸となって取り組むよう生徒指導体制の見直しを行っております。また、教育委員会におきましても、今後の対応について真剣にその対策を考え、校長会、教頭会あるいは生徒指導担当者会等の諸会合で理解を求めているところであります。 なお、各小・中学校単位、あるいは中学校校下単位で、それぞれの地域の児童生徒の健全育成を図る会が組織されております。これらの会の活動がさらに充実するよう指導してまいりたいと、このように考えております。 次に、学校評議員制度の導入についてでありますが、この制度は開かれた活力ある学校、心豊かでたくましい人づくりを目標として、学校長の教育理念や学校経営構想を実現することなどを支援するために、地域に根ざし地域の人々と一体となって教育が行われることができるよう制度化するものであります。県立高等学校につきましは、今ほどお話のとおり平成13年度より全校に設置するということをお聞きしております。本市におきましては学校規模、地域性、これまでの学校運営に対する支援体制等さまざまな観点からそれぞれの学校でどのようにするかというようなことについて、来年2月末までに結論が得られるよう先日校長会でお願いをいたしたところであります。設置の必要性につきましては、学校や地域の意見を最大限に尊重する形をとりたいと考えておりますし、一律にというようなことは今のところ考えていないのが現状であります。 終わりに、悩み 110番にかかわる質問にお答えをいたしたいと思います。 本市におきましては、平成10年度から心の教育推進会議を設置し、子供の健全な育成を図るため各種団体が連携を強化し、地域ぐるみで心の教育に力を注ぎ、学校現場を初め各種団体機関におきましてもこのあり方について総合的な立場から実践指導がなされてきております。しかし、近年学校現場におきましていじめ、不登校あるいは校内暴力等の問題が顕在化しておりますことは御承知のとおりであります。これらの問題を解決するために、平成14年度から完全学校週5日制が実施されることを視野に入れ、地域の教育力の充実を図る必要があると考え、今回御提案したいと考えていることを述べたいと思っております。 それは地域の子は地域で育てるという基本的な考え方のもとに、市独自の教育相談体制としてボランティアによる、これは私の考えている仮の名称でありますが、子供さわやか相談の家というものを市内各地に設置したいということであります。これは地域や近所の子供たちに声をかけたり、あるいは気軽に相談をしたり、子供たちの話をじっくり聞いてあげたりするようなこと等を通して心をいやしたり、そのことによってさわやかな気持ちになれるというようなことを期待しての活動であります。 その活動につきましては、平成13年、来年の4月から始め、協力していただける方の家に看板をかけさせていただきまして、子供たちが立ち寄りやすいようにしたいと考えております。今後、子育て支援活動プロジェクトチームというものも設置してございますので、それとの連携を図ったり、あるいはまた、民生児童委員連絡協議会や子ども会育成連絡協議会を初めとする各種団体や機関の方々に相談し、御協力をお願いしながら具体的な骨子づくりをし、御賛同いただける方を相談員として委嘱していきたいと考えておりますので、何とぞ御理解と御支援をくださるようにお願いを申し上げます。 なお、これは現在市内各地に緊急避難場所として警察サイドで設けられております子ども110 番の家とは、その目的が違うということを御理解をいただけたらと思っております。 以上でございます。ひとつよろしくお願いいたします。
○議長(村井幸栄君) 細野祐治君。
◆(細野祐治君) 第4回定例会に当たり、市政、今回は特に教育と環境問題について質問、提案いたします。当局の前向きな答弁をよろしくお願いいたします。 さて、私はさきの3月定例会において小・中学校における校務員のパート化と市事務職員の引き揚げについて反対意見を述べました。もしこの措置が実行されたならば該当学校の事務業務が支障を来し、教育環境に悪影響が出ることは間違いない。それに対し教育長は、学校における事務職員は県費職員で対応していくことが県内の趨勢であり、本市の場合一挙に削減するには問題もあり段階的な措置がとれないか検討しているという答弁でした。そして、今年度4月から山代中学校と山代小学校から市の事務職員が引き揚げとなりました。思いもよらない結果でした。それは山代小学校は加賀市で一番児童数の多い小学校、山代中学校は加賀市の中学校で生徒が一番多い学校だからです。事務職員を引き揚げるにしても児童数、生徒数の少ない学校、影響の少ない学校から実施するのが常識ではないかと考えたからです。引き揚げてもその該当学校において支障が起きなかったのであればよかったのですが、現実はやはり大きな混乱が起きました。 実際、何に一番影響が出ていたかといえば集金業務です。いろいろな職種の保護者の方がおられ、またその児童数が多いために一回一回の集金が完全に集められるという状況にはなかなかなりません。そのために集金の催促、実際の集金業務にかなりの時間が費やされます。そして事務職員の仕事は、実は集金業務だけが本来のものではありません。授業にかかわる用具・用品の準備も事務職員の仕事です。その児童・生徒の授業に支障が出始めました。小学校、それも一番大きな学校です。事務量が一番多くあるのが山代小学校です。そして教育長も何度か訪問されその実情については把握され、早々と9月から山代小学校に一日6時間勤務のパートの事務職員を配置されました。1学期の状況を判断され、迅速にこの対応をされたことは評価します。しかし、このように4月に実施し9月に訂正する、このような事態が起きたことに対してはその判断が甘かったと言えます。戻したからいいじゃないかというものではありません。4月から8月までの混乱が児童や保護者、職員に及ぼした教育的マイナスは残ります。 次に、3月定例会の答弁では、一挙に削減するには問題もあり段階的な措置がとれないか検討しているということであり、この答弁からは来年度の削減もあると予想されますが、どのようなお考えなのでしょうか。県費職員で対応していくのは県内の趨勢であると言われても、今年度のようにその現場の状況は学校、地域により違います。現在、常勤の市の事務職員が配置されているのは錦城中学校、東和中学校、山代中学校の3校ですが、この3校から市の事務職員を引き揚げるのでしょうか。引き揚げれば現在問題となっていることの繰り返しになると思われます。2000年度の加賀市の教育目標は、ゆとりある心と豊かな教養を備えた人間形成です。スローガンばかりで市の事務職員引き揚げや校務員のパート化は学校からゆとりを奪い、正常な学校活動、運営に支障を来すことでしかありません。学校における教職員配置については県費職員はもちろんのこと、事務職員、校務員、給食調理員、栄養職員の適切な配置についていま一度検討し、結論が出るまでは削減前の状況に戻すことを求め、拙速な実施は避けるべきだと考えます。市長及び教育長の考えを求めます。 次に、学校における荒れに対する取り組み。この質問はさきの山口議員と重複するところもありますが、心の教育の限界について質問したいと思います。 文部省がまとめた1999年度の生徒指導上の諸問題によりますと、公立小・中・高校での児童生徒の校内暴力は初めて3万件の大台を超え過去最悪、校内での暴力行為も 5,500件台で横ばい状態、特に教師への暴力の増加が目立ち、中学校で前回より12%、高校では13%ふえています。子供同士の暴力は3%増、学校器物の破損も3%増、みんなで飼っている動物を傷つけるといった乱暴も起きています。それ以上に目立つのは対人暴力と言われる行為で、他校の見知らぬ子を殴ってけがをさせる、金目当てに通行人を襲うといった見境のない暴力が98年度より52%もふえています。 このように校内で暴力行為が発生した学校の総数は 5,859校で、およそ全国7校に1校で起きている計算になります。この悲劇的数字は何をあらわしているのでしょうか。1997年度末に多発したバタフライナイフに対して文部省は即座に心の教育を進めることを奨励し、一時的にマスコミも心の教育、家庭教育の見直し等を宣伝していました。そうして全国津々浦々に心の教育が進められました。その結果がさきに述べた結果です。児童・生徒の心の荒れは、心の教育では一向に鎮静化できていないのではないでしょうか。石川県内でも同様な状況だと思います。加賀市の状況については、先ほど教育長は今は落ち着いていると報告されましたが、どうも認識の違いがあるようです。つけ加えて本当にこの加賀市の心の教育を今後も実施し続けていくのか報告願います。 現在、審議中の教育改革国民会議の第一分科会は、心の教育の限界を感じたのか、ついに教室の秩序を乱す子供は他の子供の学習権を守るために教室から排除し、問題児だけの教室へ集めて指導するという方向を報告しました。度を超した荒れに対して大人が毅然とした態度をとるのは当然ですが、何が荒れに走らせているのかを突きとめ、その施策を提案するのが国民会議の義務だと私は思います。それを隔離するというのでは、余りにも非教育的、対症療法的で問題の根本がわかっているとは言えません。子供の荒れについては、今までもさまざまな要因が指摘されてきました。親が暴力を振う家庭の子は何かと暴力に走る傾向があるとか、我慢や忍耐といった自己抑制をしつけられていない子はすぐに暴発するとか、朝夕きちんと栄養の均衡がとれた食事をとっていない子供はキレやすいとか、テレビや漫画の影響があるなど、よく言われてきました。 しかし、少し考えて見ればわかるように、上に書かれているような子供がすべて荒れを起こしているわけではありません。荒れの要因にはなっても大きな原因ではないはずです。荒れを引き起こす要因について、教育長さんはどのように本当に考えておられるのでしょうか。 私はこの夏、宮台真司という社会学者の著書を読みました。この宮台さんは現在42歳で大変若いんですが、今思春期の中学生や高校生が引き起こしている一連の事件の要因を学校ストレスにあると指摘されておられます。この学校ストレスをなくす努力をし続けない限り事件はおさまらないし、逆に頻発するだろうと述べています。そうしてこの学校ストレスを減らすための方法も提案されています。幾つかあるのですが、今加賀市でも実施可能なものとして個人カリキュラム化を紹介したいと思います。この個人カリキュラム化というのは、どういう時間にどういう先生のところでどういう授業をどれだけ聞くかということを自分の責任で選ぶというシステムです。このシステムを導入することによって学校ストレスが下がります。 その理由の一つは、例えば学校がつまらないとか不愉快だと思うようなことがあっても、自分のカリキュラムの組み立て方に問題があったのだろうというふうに一たん自分で引き受けて選び直すチャンスが与えられるのです。今であれば、学校が悪い、学校が最低となってしまいますが、選び方が間違っていたんだから選び直せば何とかなるかもしれないと問題を外に転嫁しないで済むわけです。これがストレスを軽減させる非常に大切なポイントです。この自己決定、自己責任が重要だと思います。実際この方法で福島県三春町では教育長が熱心に説得をし、地域ぐるみで同意して実践し、いじめが減少してきていると報告されています。教育の地方分権化が進んできていますが、そうせずともこの個人カリキュラム化は現行の文部省のプログラムでも導入が可能です。この個人カリキュラム化の研究を加賀市でもしてみてはどうでしょうか、提案いたします。 次に、文部省の調査では97年度と99年度を比べると全国で暴力行為が3割近くふえたのに、カウンセラーや相談員が配置されている学校はわずかながら減ったという事実があります。暴力的な傾向を早い段階で見つけ、家庭の事情や友達関係のもつれ、孤独感や劣等感の源を突きとめどうしたらいいかを一緒に考える、子供の興味や関心を引き出してそれぞれの得意分野で自信を持たせる、それには相談員の配置強化もよいでしょうが、まず教員が子供に接する時間の確保が重要です。スローガンではゆとりと豊かさと言っていますが、学校現場では日に日に逆の方向にたどっています。教職員が多忙だから相談員を配置するのでしょうが、本末転倒だと考えます。以前の過渡的社会であれば集団としてまとめられましたが、現在のような成熟社会になっていては一人一人を見ていかなければなりません。このように私は授業と対話がしっかりとできる環境が重要だと考えます。これは教育の原点です。授業をしっかりすること、わからない子供をつくらない授業です。総合学習や選択学習もよいでしょうが、基礎的なこと、基本的なことを一人一人にしっかりと身につけさせる授業です。 もう一つは対話です。一人一人の児童・生徒が何に悩み、何に頑張ろうとしているのかを的確に把握できる状況をつくることです。それが教育の原点です。そのためには一クラスの人数を今は少なくする必要があります。チームティーチングのように一クラスに複数の教員配置ではなく、一クラスの児童・生徒の数を減らす方がよいと考えます。特に思春期でも一番不安定な中学2年生あたりのクラスの人数を少なくする取り組みが重要ではないでしょうか。現在、加賀市の中学校はすべて30人以上のクラスです。すべて30人以下にするのが困難であれば、せめて中学2年生のクラスだけでも30人以下にする努力をしてみてはどうでしょうか。それには5校に1名ずつ配置すればよいのです。すべて中学2年生のクラスは30人以下になります。先進的に加賀市がまず取り組んでみてはどうでしょうか。教育長の考えをお願いいたします。 次に、環境教育について、環境文学として名高い「沈黙の春」を著したレイチェル・カーソンは、著書「センス・オブ・ワンダー」の中で、知ることは感じることの半分も重要でないと書いています。そして、自然の持っている神秘や不思議に目を見張る感性を子供時代にはぐくむことの重要性について述べています。動植物だけでなく石や雨上がりの虹、夕焼けなど自然界は不思議なもので満ちている、この感動は毎日の生活を豊かにしてくれる。それだけではない、外に出ればハチが飛び、草などがある、それに危険もある。自然体験はこれらの危険に対する対処の方法を会得させると書いています。 また、透明な存在である自分。これは神戸で小学生殺人事件を起こした中学生が発したメッセージですが、希薄な存在感は現代の若者に共通の感覚と言われます。そうして自然体験というものは、自然と人間に対する2つの感性をはぐくむ重要な場となります。金沢市は、9年前に廃校となった小学校の校庭やグラウンドを再整備して、子供野外広場を先月から使用開始しました。このように自然とのかかわりを通じて、環境への関心を高めようとする取り組みは1990年代から広がりを見せ、視覚や聴覚、嗅覚など五感を使って自然を感じるネイチャーゲーム、動植物の観察やカヌー、洞窟探検といった冒険活動、農業体験等の子供向け自然体験活動の場は今はブームとなり、自然学校の名のもとに急速に広がっています。これらの活動の多くは民間団体が担っていますが、社会的ニーズの高まりとともに国も取り組みを開始し、98年からスタートしたふるさと自然塾(自治省と環境庁)、99年度からの子供パークレンジャー(環境庁と文部省)などがあります。市町村が廃校などを使って自然体験活動の拠点として整備したのが前者で、子供たちに全国の国立公園で実習してもらおうというのが後者です。 加賀市においても、文部省や環境庁が取り組みを開始する十数年前から青年の家を中心に緑の生活体験を実施し、その先見性は見事だったと思います。しかし、残念なことに文部省や環境庁、自治省が取り組みを強化し始めたころに加賀市は青年の家を廃止しました。そうして、このような自然体験の活動の場の補償ということで加賀市においてはあいりすができました。しかし、実際あいりすでできる自然体験といっても以前の青年の家でできた自然体験と比べてみても勝っているとは言えません。それは実際、教育委員会がかなり強制しても施設利用が進まないという事実が証明しています。現場の先生たちは子供の自然体験については、その効果や有効性については十分認識しています。しかし、あいりすを使用しようとは思いません。 青年の家がなくなってから、他市の小松、金沢、大杉少年自然の家や白山自然の家等、他市の自然施設へと利用が変わりました。あいりすという施設は、児童・生徒の自然体験の施設としては、まずテントやキャンプ施設がありません。本当の自然である海や山や川や動物や植物や歴史や文化など、周りの自然環境が決定的に不足しています。そうして、そのような体験をさせようとしても交通手段がありません。施設内が大人用であること、余りにも人工的で便利過ぎること、今は緑の生活体験施設としてはかなり不十分な施設環境になっています。なくなってみてそのありがたみがわかるもので、青年の家のかわりにあいりすが考えられましたが、どうもそのかわりにはならなかったようです。しかし、実際子供の自然体験や活動は以前よりはもっと重要度、必要度が高まってきていると言えます。現在、子供たちとテントを張ってキャンプするには上木のキャンプ場がありますが、雨や風から避難する施設がありません。あいりすはさきに述べたとおりです。このように、現在小・中学生が加賀市で自然体験や屋外活動をする施設は青年の家があったころより不十分になっています。早急に対策を講ずるべきだと考えます。 その対策の提案として、あいりすを今後も児童・生徒の自然体験施設として充実させていく計画であるならば、まずテントの張れるキャンプ場はどうしても必要です。そこではキャンプファイアもできなければなりません。あと一つは、中央公園では自然があるようで実際はありません。本当の自然を体験、経験させるためには交通手段の充実が必要です。施設利用中は自由に使えるマイクロバスが必要です。あいりすの利用を進めるのであれば、最低このくらいは充実させなければなりません。もしできないのであれば、緊急措置として青年の家を復活させてください。どちらも困難であるというのであれば、他市の施設を加賀市の生徒が使うのですからその他市の施設を援助し、もっと利用しやすい状況になるよう努力してください。市当局の考えをお願いいたします。 最後に環境問題。 加賀市のごみ問題の施設、特にごみの減量化について少しお聞きします。 まず、一般にごみの減量化のためには流通システムが上流から下流、すなわち生産から流通し、消費へとの一方向に流れ、廃棄とそのコストが考慮されていないような現在のような一方向型社会ではなく、生産するときから廃棄の段階を考えて廃棄されたものをリサイクルするという循環型社会の構築が必要だと言われています。そうしてごみ問題への対策と言えばリサイクルが重視されていますが、循環型社会の構築には3Rの原則という優先順位があります。それは、1、減量化(リデュース)、2、再使用(リユース)、3、再資源化(リサイクル)というものです。川の流れのように川上での発生抑制が望ましいということを意味しています。このごみ問題対策の3R原則を加賀市の施策で見てみますと、2番目の再使用においてはとくとく市などで、3番目の再資源化においては分別収集がかなり進み、再使用や再資源化の取り組みは一応進んでいます。そうして、ごみの減量化の観点からも今後もより進めていかなければならない取り組みだと言えます。しかし、1の減量化、特に生ごみの減量化の取り組みについては不十分でもっと進めるべきだと考えます。特に、生ごみ処理機に対する助成金の創設を求めます。 現在、家庭から日常的に排出されるごみは紙と生ごみと容器がその大半を占めています。そうして新聞や雑誌などの紙は分別回収や集団回収、古紙回収業者に出し、容器も分別回収されています。本当はこの容器の減量化にもっと国が対策を進め、リターナブル容器やデポジット容器化にすべきだと考えますが、これは加賀市の問題というよりは国のごみ対策の問題なので今回は省略します。もとに戻して、家庭ごみに占める生ごみの割合は1996年、少し古いんですが、京都市の清掃局の資料によれば濡れた状態でおよそ37.6%が生ごみです。乾いた状態で16.6%、容積比で 7.3%、これは加賀市も同じような状況だろうと推測します。つまり家庭ごみの3分の1は生ごみだということです。 そこで香川県善通寺市は、ことし7月24日に生ごみ処理機を全世帯に貸与するという思い切った生ごみリサイクル計画というものを発表しました。善通寺市は人口約3万 6,000人で加賀市の約半分ぐらいですが、1998年度の可燃ごみ処理量は年間約 5,000トンです。加賀市が大体1万 3,000トンですので、加賀市の方が人数に対するごみの量は多いということです。その 5,000トンのうちのその重量比の50%が善通寺市の場合は生ごみで、この生ごみを処理機で有機肥料化することによって、リサイクル資源として土壌に還元して生ごみをゼロにしようという計画です。この計画でどのくらい経費が節約できるかというと年間で約 9,500万円、その上に焼却炉の老朽化を加速させる要因になっている水分をなくすことにより、焼却施設の延命化にもつながると見込んでいます。そしてあわせて、過剰包装を家庭に持ち帰らない運動も推進し、この2つの取り組みで可燃ごみを現在から約8割減らし、その上温室効果ガスの抑制とともに、処理経費で年間約1億 3,000万円の節約を見込んでいると報道されています。 加賀市の1998年度の可燃ごみの収集量は、先ほど申したように1万 3,000トンで善通寺市の約3倍あります。加賀市でも同様の取り組みをした場合、ごみの減量化ばかりでなく、可燃ごみの収集費用が削減され、焼却処理費も削減され、また焼却炉が保護され、温室効果ガスが抑制されます。また、生ごみから肥料がつくられ、その肥料の有効利用が見込まれます。まさに一石二鳥以上です。その処理経費の削減は善通寺市以上の金額が見込まれると思います。 このように利点の多い生ごみ処理機の普及については、多くの自治体で意欲的に取り組まれています。この生ごみ処理機の購入助成金を調べてみました。ことし8月現在、石川県内では7市20町2村が何らかの購入補助金制度を実施しています。7市を見てみますと、すべて購入価格の3分の1を上限としていますが、小松市、松任市は1万 5,000円、金沢市、七尾市、輪島市、珠洲市は2万円、羽咋市は3万円です。そして加賀市だけが生ごみ処理機の購入助成金が出ていないのです。ちなみに山中町は2万円です。そしてもっとショッキングだったのは、業者の方が加賀市の人に勧めるときは山中町や小松、金沢の親戚の人に買ってもらえばいいよと助言するのだそうです。なぜなら七尾市や松任市は一世帯1台と制限していますが、小松や金沢は制限していないからです。 そこでお聞きしますが、なぜ加賀市はこの生ごみ処理機の購入助成制度を設置しないのでしょうか。何か別の制度を考えているのでしょうか。現在加賀市は、生ごみに対してはコンポストに対して 3,000円、EM菌に対しても補助をしています。しかし、これらの制度ではアパートやマンションなどで土地を所有していない人たちの利用は制限されてしまいます。そこで善通寺市のような全世帯に貸与する制度の創設を提案いたします。貸与しても長期的な見通しではもとは十分とれるはずです。しかし、全戸貸与制度が無理であれば購入に対しての補助金制度の創設は可能だと考えます。七尾市はこの9月補正予算に生ごみ処理機の購入助成対象の台数を50台分ふやし、4月から倍増させました。このように需要は十分あります。生ごみの減量化の取り組みとして全戸貸与か補助金制度の創設を求めます。 次に、生ごみ処理機の普及が進むと乾燥生ごみの処分が問題になります。生ごみ処理機で処理した生ごみは、土とまぜ、しばらく寝かすと良質の肥料になるため田畑や庭を持っている家庭ではすぐに活用できます。しかし、アパートやマンションなどで家に肥料化するスペースがなく処分に困る家庭も出てきます。そのためには、できた乾燥生ごみの回収が必要になってきます。このような家庭の生ごみ処理機の普及のためにも、現在分別回収している一つにこの乾燥生ごみの回収を入れてみてはどうでしょうか。そして焼却するのではなく、市の所有地で堆肥化し、栽培などの肥料として活用できるのではないでしょうか。市長はかねがね加賀市を環境にやさしい都市にすることを宣言されておられます。私もそのことについては大賛成です。しかし、現在の加賀市の生ごみへの取り組みはまことにおくれています。早急に前進させる必要があると考えます。市当局の答弁を求めます。 以上で質問を終わります。
○議長(村井幸栄君) 大幸市長。
◎市長(大幸甚君) 細野議員にお答えを申し上げたいと思います。 生ごみ処理機購入補助についてでございます。 本年6月に循環型社会形成推進基本法を初め、食品リサイクル法などの法体系が整備され、ごみの資源化が一層推進されることになっております。本市におきましては民間の専門家並びに学者に御参加をいただき、有機資源リサイクル検討会を設置し既に検討に入っております。この検討会の意見が今年度中にまとまる予定であります。その検討結果により生ごみ発生の抑制、乾燥生ごみの回収につきまして新たな政策も考えてまいりたいと積極的に思っておるところであります。御了承のほどをお願い申し上げたいと思います。 そのほかは教育長から答弁を求めたいと思います。
○議長(村井幸栄君) 藪谷教育長。
◎教育長(藪谷栄一君) 教育問題にかかわります一連の御質問にお答えをいたしたいと思います。 まず、市職員の引き揚げについてでありますが、去る4月市の人事異動に伴いまして山代小学校、作見小学校及び山代中学校の市の職員それぞれ1名を減員いたしました。その後1学期の間、その状況をいろいろとお聞きしたり、現場を訪れたりいたしまして状況を把握させていただきました。その中で特に山代小学校におきましては、市内で今ほどお話ありましたように最も児童数の大きい学校 830名でありまして、給食費の処理など保護者への対応による地域の特殊性から2学期より臨時職員1名を配置することにしたものであります。 次に、来年度からの市職員の配置につきましてでありますが、さきの議会で申し上げましたとおり、今年度より経過的措置をとっておりますので山代小学校のような特殊事情がない限り、今後削減の方向で対応していきたいと考えております。 次に、学校の荒れに対する質問にお答えをいたしたいと思います。 御承知のとおり、3年前から全市挙げて本格的に心の教育に取り組んでおりますし、内容といたしまして命を大切にする心、感謝する心、そして耐える心と力、こういったものを育成しようということで推進を図っておるところであります。私はそれなりに成果が上がっておると思っております。今年度は市民一人一人の意識をさらに高め、まず身近なところから実践活動や市民運動を進めることが大切という考え方のもとに、8項目の共通実践事項を提示し、全市民に呼びかけているところであります。また、まちづくり推進協議会とかあるいは公民館に対しまして心の教育地域集会を開催をしていただいて、より深めていきたいということでそういう働きかけをしております。今のところ約半数ぐらいの地域でこの集会がなされております。 次に、市内における校内暴力の状況でありますが、先ほど山口議員さんの御質問にお答えいたしましたとおりであります。子供の荒れの原因につきましては、子供自身の性格もありましょうし、家庭、学校、友達関係、あるいは社会の状況等々さまざまな関係による要因があると考えられておりますが、それぞれのケースによって違うことでありますから、一人一人の子供に合った対応が必要であります。したがいまして、親と子、そして先生との対話、心の通じ合い、こういったものを大切にした指導を粘り強く重ねていかなければならない、このように思っておるところであります。 なお、心の教育は多少実践をしたからといって失敗であるとかないとかとそう簡単に判断すべきものではないと私は思っております。幼児期からしっかりとじっくりと時間をかけてなさなければならない性質のものではないかと思っていることをお伝えをいたしておきたいと思います。 次に、学校ストレスをなくするための個人カリキュラム化のことについてお答えをしたいと思います。 宮台真司先生の個人カリキュラム化のシステムにつきまして、自己決定あるいは自己責任を負わせるための一方法であるというようなことでありますが、私はそれなりに効果があるものと考えております。しかし、平成14年度から本格的に実施されます新教育課程におきましては、総合的な学習や選択学習の中で2つのねらいが明記されております。 一つは、みずから課題を見つけ、みずから学び、主体的に判断をし、みずから問題を解決するそういう資質や能力を育てることであります。もう一つは、学び方や物の考え方をしっかりと身につけ、問題の解決や探求活動に主体的、創造的に取り組む態度を育て、自己の生き方を考えることができるようにするということであります。したがいまして、現時点におきましては何よりも教科学習における授業方法にさまざまな工夫を凝らし、先ほど御提案をいただきましたようなことがあってもよろしいと思います。そして基礎、基本を確実に定着をしていかなければならないと思います。総合的な学習や選択学習というのは、その上に立ってなされるものでありますので、そういう趣旨を踏まえた取り組みや実践を確実に行っていくことが大切であると思っております。 次に、クラスの小人数化の問題にお答えをしたいと思います。 先般、平成13年度より始まります第7次公立学校義務教育諸学校教職員配置改善計画が示されました。それによりますと、生活集団としての学級定員数というのは現在の40名のままで変わりません。しかし、国語あるいは算数、数学、英語など基本教科につきましては小人数授業、わずかな数の子供たちですね、そういう授業を行えるよう教員配置がなされるようになってまいりました。目標では、平成17年度までに欧米並みの1学級平均小学校においては18.6人、中学校においては14.6人に近づけたいと、そういう方向で今後進められていくものと思っております。ちなみに加賀市の場合は、小学校では現在一学級平均は22名であります。中学校平均は36名であります。これだけちょっとつけ加えておきます。 そこでこういう状況でありますので、13年度におきまして石川県にもある程度の教員を小人数学級で、そういう学習が進められるようなことのために先生が多少配置されるものと期待をいたしておるところであります。学習集団の人数を縮小し、小人数で授業を行うことで基礎学力の向上と、きめの細かな指導が可能になってくるのではないかと思っております。しかし、当市への配置人数につきましては今のところ未定でありますので、示され次第どの学校からどのように配置するかというようなことを今後検討していきたいと考えております。 最後に自然環境教育実施施設の充実ということについてのお答えでありますが、青年の家が廃止された現在、各学校で創意工夫を生かし、セミナーハウスあいりすの利用を各学校に促してきておりました。御指摘のとおり青年の家でできた自然体験と比べてみますと、内容が若干違うこともあって現在利用度が少ないのが現状でございます。しかし、利用している学校につきましては中央公園の施設を最大限に利用するとともに、バスを利用し市内の各施設を回るなど、実のある体験学習を実施しております。また、毎年実施しておりますフロンティア・アドベンチャーというのがありますが、この場合の例をとりますと、セミナーハウスを拠点といたしまして炭焼き小屋での炭焼き体験、あるいはあそこに縄文等の昔の館がありますが、縄文時代の火起しの体験、あるいは橋立漁港及びその近辺におきまして魚市場体験とか、あるいは地引き網体験、あるいは釣り体験をやっております。また、夜には中央公園の芝生の上での天体観測をやるなど十分自然体験を取り入れたものであって、参加者から喜ばれておるということをお知らせをしておきたいと思います。 なお、確かに自然体験の施設としては不十分なところもあるようであります。各学校がセミナーハウスを大いに利用できるようにテントを設営できないかどうか、その辺の拡充を検討していきたいと、このように思っております。また、セミナーハウスの自然体験に伴う交通手段につきましてはできるだけ便宜を図ってまいりたいと思います。 なお、さきの小塩議員さんの御質問にありました旧青年の家につきましても、青少年の野外活動とかあるいは学習の場として活用できないかどうか、研究をしてまいりたいと、このように思っております。 以上でございます。
○議長(村井幸栄君) 以上をもって通告による質問は終わりました。 ほかに質問はありませんか。 これをもって質疑並びに質問を終結いたします。
△委員会付託
○議長(村井幸栄君) 日程第2、ただいま議題となっております議案第75号から議案第83号までは、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
△特別委員会設置
○議長(村井幸栄君) 日程第3 、議案第84号及び議案第85号の案件についてお諮りいたします。 両案件は8人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託いたしたいと思います。これに御異議はありませんか。 (「異議なし」と言う者あり)
○議長(村井幸栄君) 御異議なしと認めます。よって、両案件については8人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託することに決しました。 ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第7条第1項の規定により、林 茂信君、酢田隆司君、林 俊昭君、若林幸子君、小塩作馬君、西出清次君、上出栄雄君、細野祐治君、以上8名を指名いたします。 お諮りいたします。 ただいま指名いたしました8名の諸君を決算特別委員会の委員に選任することについて、これに御異議ありませんか。 (「異議なし」と言う者あり)
○議長(村井幸栄君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました8名の諸君を決算特別委員会の委員に選任することに決しました。 ただいま選任されました諸君は、後日会合の上、委員長、副委員長を互選され、それぞれの結果を議長まで御報告願います。
△休会決定
○議長(村井幸栄君) 日程第4、休会の件についてお諮りいたします。 議案審査のため、明15日から20日までの6日間休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 (「異議なし」と言う者あり)
○議長(村井幸栄君) 御異議なしと認めます。よって、以上のとおり休会することに決しました。
△閉議
○議長(村井幸栄君) 本日の議事はこれをもって終了いたしました。 次会は9月21日午後3時から会議を開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後4時46分閉議 議事日程(第2号) 平成12年9月14日(木) 午前10時 開議日程第1
市長提出議案第75号から議案第85号まで 一括議題 質疑並びに一般質問 第2 常任委員会付託 第3 決算特別委員会設置・付託 第4 休会決定 閉議 (写) 収加総号外 平成12年9月14日加賀市議会議長 村井幸栄様 加賀市長 大幸 甚 説明員の欠席について(通知) 第4回加賀市議会定例会説明員のうち、次の者が欠席しますので通知します。所属職氏名期日理由土木課課長西出英雄9月14日所用のため 平成12年第4回加賀市議会定例会議案付託表総務委員会議案番号件名議案第75号平成12年度加賀市一般会計補正予算
第1条第1表 歳入歳出予算補正中
歳入 第9款 地方交付税
第17款 繰入金
第18款 繰越金
第19款 諸収入(6項5目中関係分)
第20款 市債
歳出 第3款 民生費(1項8目)
第8款 土木費(5項3目)
第9款 消防費
第13款 諸支出金
第3条第3表 地方債補正議案第80号加賀市低開発地域工業開発促進のための固定資産税の免除に関する条例の一部改正について教育民生委員会議案番号件名議案第75号平成12年度加賀市一般会計補正予算
第1条第1表 歳入歳出予算補正中
歳入 第13款 国庫支出金(2項2目)
第14款 県支出金(2項2目、3目中関係分)
第16款 寄附金
歳出 第2款 総務費(1項16目)
第3款 民生費(1項2目、3目、2項)
第4款 衛生費(1項)
第5款 労働費
第10款 教育費議案第76号平成12年度加賀市国民健康保険特別会計補正予算議案第78号平成12年度加賀市介護保険特別会計補正予算議案第81号加賀市福祉事務所設置条例の一部改正について議案第82号加賀市障害者ホームヘルパー派遣条例の一部改正について経済委員会議案番号件名議案第75号平成12年度加賀市一般会計補正予算
第1条第1表 歳入歳出予算補正中
歳入 第13款 国庫支出金(2項1目)
第14款 県支出金(2項3目中関係分、4目)
第19款 諸収入(6項5目中関係分)
歳出 第2款 総務費(1項4目)
第4款 衛生費(2項、3項)
第6款 農林水産業費
第7款 商工費建設委員会議案番号件名議案第75号平成12年度加賀市一般会計補正予算
第1条第1表 歳入歳出予算補正中
歳入 第14款 県支出金(2項6目)
歳出 第8款 土木費(1項、2項、3項、5項4目、5目)
第2条第2表 債務負担行為補正議案第77号平成12年度加賀市下水道事業特別会計補正予算議案第79号平成12年度加賀市水道事業会計補正予算議案第83号市道路線の認定について(参考) 陳情書等一覧表受理件名陳情・要望者番号年月日5412.7.18産業活性化と加賀地域の社会資本整備に関する要望書加賀商工会議所
会頭 打本弘喜5512.7.25社団法人全国シルバー人材センター事業協会定期総会決議にかかる要請について(社)加賀市シルバー人材センター
理事長 多田 勇...