平成 7年 9月 定例会(第4回) 平成7年9月18日(月)午前10時00分
開議出席議員(24名) 1番 小塩作馬 2番 西出清次 3番 西出 振 4番 坂野行平 5番 谷口久男 6番 山村信一 7番 斉官邦夫 8番 若林幸子 9番 林 俊昭 10番 山本外美三 11番 酢田隆司 12番 林 茂信 13番 宮本儀一 14番 中村長一郎 15番
吉江外代夫 16番 川下 勉 17番 田中 正 18番 高辻乃三 19番 村井幸栄 20番 宮田 勇 21番 平井 清 22番 湯尻清一朗 23番 山下孝久 24番
矢田郷昭三欠席議員(0名)
△開議
○議長(田中正君) これより本日の会議を開きます。
△議長諸報告
○議長(田中正君) 諸般の口頭報告は、これを省略いたします。
△会議時間延長
○議長(田中正君) この際、本日の会議時間はあらかじめこれを延長いたします。
△質疑・質問
○議長(田中正君) 日程に入り、市長提出の議案第46号から第57号を一括議題とし、これに対する質疑並びに市政一般に対する質問を許します。 通告がありましたので、順次質問を許します。 林茂信君。
◆(林茂信君) 平成7年第4回加賀市定例会において政新クラブを代表し、矢田市長に対しまして要望を含め市政一般についてただすとともに、関係当局の明快な答弁を期待するものであります。 まず初めに、我が国は第2次大戦で 310万柱のとうとい命が失われ、終戦から逆境に強い国民力で驚異的な復興を遂げ、現在の経済大国と言われるまでの国力をつけたのであります。しかし戦場となった被害国、アジア諸国の戦後処理を片づけることもなく、うやむやの中で経済優先、非武装中立で、国際貢献についても経済援助だけで進んできており、節目である戦後50年を迎えるに当たり、政府としては精一杯の誠意と補償を行い、今後の国交改善、経済交流の促進が急務ではなかろうかと考えます。力だけではなく、誠実で調和のある外交が肝要であると思われます。第2次大戦の過ちと叫ばれた
侵略覇権主義行為の教訓を示すよい機会であると考えます。改めて政治の重要性、方向性が問われ、物から心の時代へと大きなうねりのごとく移行しつつある中、新しい時代に対応でき得る加賀市として伸展を願い、質問に入ります。 第1点は道路問題についてであります。 道路は人類の歴史とともに始まり、時代の要請、経済的、社会的な環境の変遷、技術の進歩等と相まって大きな変貌を遂げてきたところであります。私たちの暮らしを基本から支える
根幹的基盤施設であることから、その早急な整備が切望されておりますことは今さら申し上げるまでもありません。 特に、昭和30年代より今日に至るモータリゼーションの進展は目覚ましいものがあり、今日我が国における
自動車保有台数は2人に1台、
運転免許保有者は2人に1人と言われ、車に支えられた生活様式が完全に定着したものと思われるところであります。しかしながら、一方では交通渋滞の深刻化、交通事故の多発、
環境問題等が顕著になり、また道路の量的な不足や質的なおくれは、私たちの社会活動を阻害する要因の一つになっているとも言われております。北陸温泉郷の中心的な存在に位置する加賀市内には、県内外から流入する車両も数多く、国道8号線を初めとする幹線道路においては、しばしば渋滞が見られるのが現状であります。また、市街地が分散し、全国的にも極めてまれな都市形態を持つ
多核分散都市加賀市においては、その市街地間を連絡する道路整備を望む市民の声はかねてより高いものがあります。道路整備にかける期待、要望はより一層高まってきているところであります。 近年、国道8号線における
南郷拡幅事業、
主要地方道小松加賀線における各種事業を初め、念願でありました山手線の幹線道路である特に
南加賀道路の
事業着手等は目を見張るものがあり、国県事業の進展、
都市計画道路等の
市施行事業の推進も見られ、行政当局の努力に対して心から敬意を表するところであります。しかしながら、いま一度冷静に本市全域の現状を見ますと、かなり総花的に事業展開がなされているようであり、その投資効果の面から若干の心配をしているわけであります。 そこで質問の第1点でありますが、加賀市における道路整備を推進するに当たっての市長の基本的な方針、考え方について、この際ですので確認をしておきたいと存じます。 質問の第2点は、広域プロジェクト越前加賀みずといで湯の
文化連邦プラン並びに
南加賀地方拠点都市地域整備についてであります。 これらの2つの計画書を拝見しますと、かなりな数の路線が網羅されておりますが、現時点での事業化の状況、見通しについてお尋ねをいたします。また、本市が事業主体となっているものもあるわけでありますが、すべてが国の
補助対象事業というわけにもまいらないと思うところでありますが、計画推進に当たり、市の単独事業として重点的な予算配分をされる考えがあるのかどうか、あわせてお尋ねをいたします。 さきに申し上げたとおり、道路整備に対する市民の思い入れには大変根強いものがあります。ゆえに、両計画に対する期待感も非常に高いことからも、なお一層の努力をお願いするものであります。 次に、景観整備についてであります。 近年の経済の安定成長期への移行に伴い、市民の豊かさ、ゆとりを求める意識も、物質中心から心の時代へと方向が移りつつある中、より快適な環境を求める時代へと変わってきております。このような時代の流れ、意識の高まりに伴い、
まちづくりにおいても従来からの利便性、効率性に加えて、美しさや潤いが求められるようになり、特に景観に対する関心が非常に高まってきております。各自治体においても地域の歴史性、自然性を重視した個性ある
まちづくりとしての景観整備、
町並み整備等の取り組みがなされているところでありますが、本市においても貴重な
歴史的景観が数多く残る地区として、これらの景観の保全と
計画的整備が必要ということで、平成4年度に
歴史的景観整備の調査を実施し、その重点的な整備地区として、橋立の北前船の里と大聖寺の
山の下寺院群の整備を進める方針が打ち出され、その積極的な推進を望むものであります。 しかし、これらの事業の推進は特定地域での整備であり、地域住民の理解、協力のもとでの
ルールづくり、
計画づくりが大切であり、特に
歴史的町並みを保護、保存する中で、時代に対応した住民の快適な生活環境を十分に考慮することも必要でありますし、行政側の景観に対するいろいろな規則、誘導に対する住民側の立場に立っての助成制度も貴重になってくるのではないかと考えます。また、中には保存すべき家屋等より改良、補修に耐え切れず、土地、家屋の買い取りの申し出も出てくることが予想されますが、まずこれらに対する市長の見解を賜りたいと思います。また、今年度より事業着手がなされる
橋立北前船の
里景観整備の進捗状況とあわせて、先般、地元、
森建設大臣への現地での陳情にもありました
大聖寺山の下寺院群の景観整備の今後の見通しについてもお尋ねをいたしたいと思います。 次に、
加賀温泉駅前特定商業集積事業とあわせて整備をされる
交通網整備についてであります。
加賀温泉駅前で整備が予定されております加賀市
特定商業集積事業は、商業の核づくりを図り、消費者の市外流出に歯どめをかけ、市内の商業の活性化を支援する事業として、地域住民を初め多くの方々がその事業成功を期待しております。一方、市におかれましても、昭和45年10月の加賀温泉駅の開設から二十数年の歳月を経て、ようやく新幹線の停車駅となることも予定され、
加賀温泉駅前広場の魅力ある
まちづくりを推進するため、
地元作見地区地区計画の策定や駅前広場の整備、公共下水道の整備、
市民アートギャラリーの配置等、公共施設の整備に市長みずから率先して努力されておりますことは、市民の一人といたしまして大いに評価をされるものであると推察いたします。 そこで質問でありますが、インフラの整備、とりわけ道路網の整備の見通しであります。私は
加賀温泉駅前の整備、いや加賀市の玄関口となる地域の
まちづくりを進める観点から見た場合には、大聖寺、山代、片山津、動橋等の各地区はもとより、福井県や小松市等からも容易にアクセスできる交通機能の強化が最も重要なことと考えるわけであります。私の調査によりますと、
加賀温泉駅前の商業集積が完成しますと、現況の交通量に比べて、平日で約 2,300台、休日で約 5,700台の車両の
乗り入れ増加が予測されることになっております。さらに
加賀温泉駅前と2キロほど離れたところにも商業集積が計画され、現在着々と造成工事が進められておりますが、この2つの商業集積をつなぐ道路は、現時点では市道1本が直線道路として機能しております。しかしながら、この2つの商業集積が開店いたしますと、例えば現在の小松市の状況と同様な展開となるわけであります。小松市の場合、国道沿線という状況の中で、土、日の週末や平日の夕方には、
商業集積利用者と
通勤ラッシュが相まって、相当の混雑を呈しておりますことは周知のことと存じます。このような状況が今回の事業地区で起こりますと、
加賀温泉郷の玄関口、加賀市の中心地区としての交通機能が失われ、周辺地域に及ぼす影響も多大な方面に波及していくと考えられます。また、
商業活性化の観点から見ますと、
商業集積利用者、特に駅の北側に位置する
大型住宅団地や
大聖寺地区からの
アクセス道路機能の計画強化も重要ではないかと考えております。
温泉駅前作見地区地区計画等も策定されており、その整備方針と見通しについて将来的に予見されることも踏まえて市長に質問をいたします。 次に、
環境美化センターについてであります。 長年の懸案でありました
環境美化センターにつきまして、平成5年度から総額 116億円の巨費を投じて、市長さんを先頭に市当局の献身的な努力によりまして工事が順調に進められていることに対しまして深く敬意を表するところであります。しかしながら、これまでは施設の建設に全力投球をされていたと思われますが、今後は試運転等を経て、来年4月から本格的に稼働すると聞いておりますが、現在の清掃工場に比較して、より高度な技術が導入されている
ごみ焼却施設や、県内初めて設置されます
リサイクルプラザを運転する職員は確保されているのかをお尋ねいたします。幾ら最新の技術が導入されましても、それを操作するのは人であります。そして十分な
運転操作教育がなされて、初めてこの施設が能力を発揮するわけであります。職員に対する十分な教育を望むところであります。 次に、粗大ごみの収集についてであります。 粗大ごみについては、現在はまだ収集は行われておりませんが、市民が
廃棄物処分場へ直接に搬入したり、あるいは
町内清掃等で各町ごとに一括して処分場へ運ばれております。しかし
環境美化センターが稼働いたしますと、
リサイクルプラザに粗大ごみが搬入されると聞いております。今建設中である
リサイクルプラザへ市民が一人一人、休日等に粗大ごみを搬入しますと、限られたスペースに車が集中して相当の混雑が予想され、かつ受入側の職員もその対応に困難を生ずることが懸念されます。 そこで私は
環境美化センターの運転開始を機会に、市内から発生する粗大ごみを年に数回定期的に各町を収集されてはいかがなものかと考える次第であります。計画的に収集し、また計画的に処理することを提言をいたします。巨額な資金を投入した施設でありますので、施設が長期間使用できるよう検討していただきたいと考えるところであります。
リサイクルプラザにおける再利用の収集方法及び修理についてであります。
リサイクルプラザの中でも再利用品の修理について質問をいたします。この
リサイクルプラザは、不要になったものすべてをごみとして処理するのではなく、まだ使えるものは再び使用してもらうことで、市民に物を大切にする心を養い、ごみの減量化に寄与するものであると考えております。したがって、ここで取り扱う
粗大ごみ等の収集方法にも工夫が必要と思われます。ごみとしてこの施設に運ばれれば取り扱いが雑になり、せっかくの再利用できる品物にもきずがついたり壊れたりいたします。そのため、再び利用できるものは大事に収集するよう心がけ、対応をいただきたいと考えるところであります。また、ここで作業をする職員についても相当の技術を持った職員が必要と考えますが、そのめどは立っているのかもあわせて質問をいたします。そして修理された再利用できる品物についても、どのような形で市民に還元できるのか十分な検討をいただきたいと考えるところであります。 第3点目は、資源ごみの
地元還元金の増額についてであります。 昨年4月から全市で資源ごみの分別収集が実施され、はや1年半になろうとしている今日、市当局の努力と全市民の皆さんの御協力によりまして、所期の目標は達成されていると高く評価をいたしているところであります。しかしその反面、町の区長さんや役員さんの負担は相当に大きく、天候にかかわらず大変な努力を費やされていると聞いております。それに昨年度については、これだけ協力してきて、1年間に 2,000円にもならない町内があったとも聞いております。資源ごみの収集に御努力をいただいた市民の意欲も半減するとも言われております。ごみを減らすことは市にとって相当な処理費の軽減につながっているはずでございます。
リサイクルを進めることは、目先にとらわれずに、大きな地球資源や環境の問題に対応することであり、重要な課題であります。私たちの環境を守るために
資源ごみ収集が長続きをするためにも、
リサイクルの奨励金としての性格を持つ還元金の増額をぜひ検討してみることが肝要かと考えます。 次に、保育行政についてであります。
緊急保育対策等5カ年事業の推進について若干質問いたします。 高齢化あるいは
少子化社会の到来が叫ばれて久しく、行政においてもその対応に努力されていることは国民だれしもが認めるところであります。さて、我が国の平成5年度の
合計特殊出生率は史上最低の1.46人を記録し、人口を維持するために必要とされる2.08人を大きく下回っているとの新聞報道を記憶されている方もあろうかと存じます。少子化は子供の自主性や社会性が育ちにくく、
社会保障費用にかかわる現役世代の負担が増大し、あるいは社会の
活力低下等の影響が懸念される等の状況を踏まえ、子供自身が健やかに育っていける社会、子育てに喜びや楽しみを持ち、安心して子供を産み、育てることができる
子育て支援社会を形成していくことが必要であるということから、少子化への対応として今後の
子育て支援のための施策の基本的方向について、いわゆる
エンゼルプランが文部、厚生、労働、建設の4大臣の合意により、平成6年12月16日に誕生したと聞いております。また2日後の18日には、
エンゼルプランの施策の具体化の一環として、近年の
保育ニーズの多様化に対応し、緊急に保育対策を促進するために
緊急保育対策等5カ年事業について大蔵、厚生、自治の3大臣が合意をしたという熱の入れようであるとも聞いております。 そこで、これら国の一連の施策に対して、本市としては積極的な推進をすべきものと思い質問をするものであります。平成7年度よりスタートしている本事業の
取り組み状況、今後の計画等について、
財源措置等も含めてどのような方向で考えておられるのかを質問をいたします。 最後に、スポーツの振興についてであります。 平成3年に戦後2回目の石川国体が県内41市町村で開催され、全競技において
男女総合優勝という輝かしい成果を上げ、本市の代表選手も郷土の名誉と誇りを担い活躍されたことは記憶に新しいことと存じます。はや4年の歳月が流れ、本年8月に加賀市を主会場として
県民体育大会が催され、39競技において各市町村の選手が力と技を競ったのでありますが、大会はおおむね成功に終わったことを加賀市体育協会の一員といたしまして感謝をするとともに、大会の開催に尽力されました関係各位に、この場をおかりいたしまして感謝を申し上げる次第であります。 9年ぶりの開催ということで、市当局初め体育協会、各
学校関係者等の方々は誠意を持って対応され、他市町村の選手、役員に好印象を持ってお帰りいただいたものと思っております。ただし、一つ気になることがございます。これは県体に限らず一般市民の応援、盛り上がりがいま一つ欠けていたことであります。市ではスポーツの推進を図るため、中央公園を中心とした体育施設の整備を初め、
学校施設等を開放しており、設備的にはおおむね充足されていると思っておりますが、問題は
スポーツ人口の底辺拡充にあります。すなわち、市民一人一人に自主的に参加するような情熱や感動を持っていただきたいということであります。例えば、静岡県清水市の
サッカー競技、お隣の福井県の鯖江市の体操競技のように全国的に誇れる
シンボルスポーツを育て、市民の意識高揚を促すことも一考かと存じます。 そこでお尋ねいたしますが、日常生活の利便さに反して
スポーツ活動が減少傾向にある今日、本市の一般市民に対する
スポーツ活動の推進の現状並びに中体連、あるいは高体連加盟の各種競技の
指導者育成、あるいは
スポーツ教室クラブ等で少年選手が育成されておりますが、中学、高校で
クラブ活動等の受け皿がなく選手の育成が中断されており、
受け皿づくりと今後の方針、対策についてお尋ねをいたします。 以上をもって質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○議長(田中正君) 矢田市長。
◎市長(
矢田松太郎君) 政新クラブの代表質問にお答えをいたしたいと思います。 まず、道路整備を進めるに当たっての基本的な考え方でありますが、お話のとおり道路というのは人々の生活、社会活動の根幹を支えるものでありまして、これまでも重点事業の一つとして取り組んでまいったところであります。今後もこの考え方にはかわりはございません。 そこで、具体的な道路整備の方針、考え方でありますけれども、先年策定をし、議会にも御了承を得ました加賀市
土地利用計画にあります
幹線道路配置モデルをもとにいたしまして、国県道も含めた市内の道路網の骨格を示す加賀市
主要幹線道路網図を作成をいたしております。基本的には、この道路網に位置づけられた路線について体系的な
ネットワークづくりを順次進めておるところでございます。また、これと同時に市街地におきましては
都市計画道路の整備について、優先度、事業化の熟度を勘案をしながら鋭意進めておるところでございます。 次に、
広域共同プロジェクト並びに
地方拠点都市地域整備計画の中での
道路整備事業化の現況と見通しについてお答えをいたします。 まず、
広域共同プロジェクトでの加賀市関係分といたしましては、13路線、事業箇所にいたしましては15カ所、総延長1万 6,000メートル余りが挙げられておりまして、このうち事業着手をいたしておりますものは、既に完成をしたものを含めまして12カ所、延長1万3,000メートル余りでございます。事業化率は約80%であります。 次に、
地方拠点都市地域整備計画に挙げておりますものは22路線、27事業箇所、総延長5万 1,500メートル余りであります。このうち事業着手をいたしておりますものは14カ所、延長2万 4,100メートル余りとなっております。事業化率は約45%となっております。まだ着手に至らないものにつきましては、早期着工に向け関係機関と協議をいたしておるところであります。来年度には一部事業着手するものもあろうかと思っております。なお一層努力を続けてまいりたいと思っております。 また、
広域共同プロジェクトや
地方拠点都市地域整備計画の中で市が事業主体である道路については、
市単独事業として取り組む考えがあるかという御質問でございますが、基本的にはこれらの道路というのは幹線道路でございます。延長も長く、多大な整備予算が必要であります。基本的には
国庫補助事業あるいは
地方道路整備臨時交付金あるいは
地方特定道路整備事業などの制度を積極的に活用しまして、緊急な対応、早急な完成を目指すことといたしております。事業の規模、内容、目的等を勘案をいたしまして、その道路にふさわしい事業手法を選択をし、取り組んでいきたいと思っております。 次に、景観整備、北前船の
里景観整備の進捗状況でありますけれども、昨年度の基本設計の策定に引き続きまして、ことしはこれらをもとにいたしまして
景観づくりのための条例、規則等の策定を進めております。先般、地域住民みずからが北前船の
里づくり委員会を組織をされました。行政と地域の窓口として今後の
景観形成基準など、この委員会と協議をしながら12月には条例案をお諮りをいたす予定でございます。 大聖寺の
山の下寺院群の今後の見通しでありますけれども、
先ほどお話しのとおり、先般、
森建設大臣の現地視察に
建設省担当局長も同行され、計画について直接説明をいたしまして、早期採択について陳情を申し上げました。北前船の
里景観整備事業とあわせまして大きな期待をいたしておるところであります。また、この景観整備を進める上での
歴史的建築物の買い取りの申し出や一部助成制度につきましても、今、鋭意煮詰めておるところでございます。 次に、
加賀温泉駅前の
交通混雑緩和のための道路網の整備計画でありますけれども、交通の分散を図るために
加賀温泉駅前通りから計画地の東側を通って、
県道片山津山代線に至る幅員18メートルの
都市計画道路を新たに位置づけております。一部を
特定商業集積整備事業の中で実施をすることにいたしております。また、別の流通産業の進出に対する
交通混雑緩和のための施策といたしまして、国道8号線から計画地への
アクセス道路である市道C第248 号線について、今年度、小菅波地内での
交差点改良事業を完成すべく、今努力をいたしております。また、同路線の国道8号線の取りつけ部分については平成8年度から事業に着手をいたしたいと、調査並びに関係者等への協力要請を現在進めておるところでございます。 このほか、周辺道路の交通混雑を緩和するために、下河崎町地内、国道 305号線、敷地第2跨線橋を結ぶ市道C80号線を
南北軸幹線道路として整備する計画もございます。あわせて平成8年度から事業化をするために関係機関と協議を進めております。 次に、大聖寺から
加賀温泉駅前への
アクセス道路計画でございますが、
大聖寺市街地から加賀温泉駅への直通道路として、また
東西軸幹線道路の
交通混雑緩和のためにも、その必要性は十分認識をいたしておるところでございます。県においてルートを含めた整備計画の策定を行っておりますが、この路線の実施につきましては、御案内のとおり河川やJRの横断、家屋の移転等々難問が山積をいたしておりまして、技術的にかなりの検討を要する路線であります。精力的に計画事業化に向けての努力を続けておるわけでございますが、まだしばらく時間を要するというふうに聞いております。今後も早期事業化に向けて強く県、国等々に要望してまいりたいと思っております。 次に、
環境美化センターのごみ処理施設につきましては平成8年1月上旬から、また
リサイクルプラザにつきましては2月上旬から、調整試運転とメーカーによる指導運転の各期間を両施設ともに3月末まで予定をいたしております。この試運転期間中に、現在処理施設に配置をされております職員を対象にしまして技術習得を計画をしております。また、これまでに類似する先進地視察も終えておるところであります。さらに、ボイラー、電気等の専門技術者、運転員の確保等につきましては、一部民間委託等も考えております。新しい施設の円滑な操業が支障のないように努力をしてまいりたいと思っております。 次に、
リサイクルプラザの効果的な稼働についてお答えをいたしたいと存じますが、粗大ごみにつきましては、現在、町内ごとにまとめて搬入あるいは個人で直接搬入していただいております。今後の新しい
リサイクルプラザの処理能力にあわせた粗大ごみの計画収集並びにその方法、体制等につきましては、御提言の内容も含めましてただいま検討を進めておるところでございます。 次に、
リサイクルプラザにおける再生品の工作等についてでありますが、これは単にごみとして処理するだけではなく、不用品の補修、再生を行って、市民の皆さん方に再利用していただくことが目的となっております。再生利用が可能な物品が利用価値のある状態で搬入されますように、これまた計画的に収集をしたいと思っておりますし、シルバー人材センター等の協力も得て、専門的な技能を利用しまして修理等を行って、市民の皆さん方に広く利用していただきたいと、そういう方法を今検討を進めております。 それから、次に
地元還元金の問題であります。 区長さんや役員の皆さんあるいは指導員の皆さんの御苦労に対しまして本当にありがたいと思っております。市が各地区にお支払いいたしております資源ごみの還元金については、現在のところ瓶、アルミ缶等の売り上げをそのまま地元に還元をいたしておるわけでございますが、経済的な価値変動に伴いまして価格の低迷が続いておりました。結果的に市民の皆さんの期待に沿えないということになっておると思います。資源ごみの分別収集は平成4年から3年かけて全市域へ拡大をしてまいった事業でございます。なお一層環境への市民の意識の高揚と
リサイクル社会の構築に向けて継続をしていかなければならない重要な事業であると思っております。その作業を進めると同時に、還元金につきましては、現在の建設中の
リサイクルプラザでの資源化物の品質の向上によりまして、何とか付加価値の増加に努めまして、売上金の確保を図って、市民の皆さんの御苦労に対応していきたいと思っておるところでございます。 次に、保育事業の問題でございますが、
少子化社会に対応するために、今年度から
緊急保育対策等5カ年事業として、国では累計で 6,000億円の事業費を投入をし、保育対策がスタートいたしております。加賀市におきましてもこの保育対策を受けまして、既に事前に産後休暇、育児休業明けの保育について入所予約を受ける事業であるとか、あるいは低年齢児保育推進事業、開所時間延長促進事業等の7事業を7カ所の保育園で実施をいたしております。事業によりましては、3分の2補助から4分の3の国県補助になっております。ちなみに厚生省の来年度、平成8年度の当該事業の概算要求では、7年度比 7.6%増になったと聞いております。今後も国、県の施策を積極的に取り入れまして特別事業を実施し、
子育て支援のための施策を推進をしてまいりたいと思っております。
○議長(田中正君) 藪谷教育長。
◎教育長(藪谷栄一君) スポーツ振興についてお答えをいたします。 去る8月5日、6日、加賀市を主会場にして行われました
県民体育大会では、本市選手の活躍が目覚ましく、よい成績をおさめる中で無事終了できましたことを喜んでおり、皆様方の御支援、御協力に対して厚く御礼申し上げたいと思います。 本大会の受入体制につきましては、市職員86名を初め、体育協会、婦人団体連絡協議会、医師会、防犯交通推進隊、小中学生及びスポーツ少年団等、多くのボランティアの方々の協力を得て実施させていただきました。また、一般市民に対しては各町内会、市広報、マスメディア等を通じて広くPRをさせていただいたのでありますが、御指摘のとおりの面もあり、市民一人一人の参画意識の問題もあったのではないかと思っております。したがいまして市といたしましては、今後とも施設の整備、指導者の育成、底辺の拡大、参画意識の高揚等に意を注いでまいりたいと思っているところであります。 御提言のありましたシンボル的なメーンスポーツの育成につきましては、各種スポーツ団体の動向や市民意識の調査等により、腰を据え将来的課題として検討いたしてまいりたいと考えております。また、現在少年スポーツクラブの育成を推進し、特にサッカーを初めとする競技が充実してきている状況の中、中高校生になってもこれを助長する必要があると考えております。そのために中高校での部活動助成や市体育協会の専門的知識や技能を持った指導者のもとでのスポーツクラブ等の充実が必要と思っております。 なお、一般市民に対する基本的な方針といたしましては、生涯スポーツや健康づくりを推進する立場から、市民各層が幅広く参加できるニュースポーツを奨励し、スポーツに対する意識の高揚に努めてまいりたいと思っているところであります。 以上でございます。
○議長(田中正君) 林俊昭君。
◆(林俊昭君) 当本会議に質問の機会をいただきましたので、通告とは若干項目が前後するところもありますけれども、通告どおり質問をさせていただきたいと思います。革新クラブを代表しての市民生活の安定と市政のさらなる発展を願う立場から、数点について質問をいたします。当局の誠意ある御答弁をお願いをいたします。 まず質問の第1番目に、福祉問題についてお尋ねをいたします。 私は、この問題を市議会議員として第一の関心事としていますが、ほかの方々からは、話としてはわかるが、実感として沸いてこないとの感想を多々聞くことがあります。つまり障害者や高齢者の問題は、今の自分に関係のない他人事としてとらえられているように思われます。しかし、交通事故や労働災害は日常茶飯事であり、また環境汚染、薬害などによる健康破壊の危険性に心をいたせば、だれもがきょうの我が身の問題として、障害者諸問題に取り組むべきだと私は思います。また高齢者問題にいたしましても、だれもが最後まで家族に迷惑をかけないで生きていたいという希望を持つ限り、それぞれの家庭が抱えているまさに現実の問題なのであります。そんな意味から、緊急の課題として福祉の諸施策に積極的に取り組む必要があると考えるものであります。そんな視点、観点に立ちまして、まず保健センターの建設の問題について質問をいたします。 御存じのとおり当市の保健センターは、昭和56年10月に 5,600万円の国及び県の助成を受けて建設し、その後も 550万円をかけて改修するとともに、平成4年には、これまで手狭であった機能訓練の拡充を行うなど、機能の充実を図ってきたところでございます。しかし、高齢化率16.2%という、加賀市の16.2%という全国平均を上回った当市の数値に示される高齢化社会の進展という状況から考えるならば、現有施設の改善といった場当たり的な考え方でなくして、これからますます充実しなければならない保健サービスに対応した施設からはほど遠いものになっていくのも時間の問題だと思っております。もはや、いや現にセンター内に乳幼児健診のための待合室がないことから、健診の際にフロアが分割され、受診者に大変御迷惑をおかけしているとのことであります。機能訓練についてもさまざまな工夫を凝らして実施しているものの、やはり部屋が手狭なため、訓練の必要な人を自宅待機させている現状であります。これではせっかく快方に向かっている方を寝たきりや再入院へと逆戻りさせることになってしまうのではないでしょうか。また、当センターの事務室も所員が所長を初め保健婦、栄養士、臨時看護婦の方を含め19名以上となって、到底一つの部屋に入り切れず、臨時看護婦の方は2階の狭い一室を事務室としているそうでございます。これでは仕事を進める上で支障を来さないはずがございません。 過日、当局は私の質問に対して、「平成6年中をめどに法の改正を含めて地域保健の総合的見直しが図られると聞いております。市といたしましても今後その結果を踏まえて対応したいと思っているところでございます。」と答弁をされております。しかし、今日既に地域保健法が改正されている状況にあるにもかかわらず、何ら今後の保健センターの改善計画は当局から提示されておりません。私は、平成9年度に県の保健所から市に移管されてくる業務や今後急激に進む高齢化社会、さらに保健と福祉と医療との効率的な運用をも視野に入れて考えるならば、新たな土地で本格的な機能を備えた保健センターを建設するべきだと思います。 厚生省は、2025年を高齢化の社会のピークととらえ、今から新ゴールドプランをつくりかえるなどの作業に入っておりますが、当市の対応にはそのような緊迫感が感じられないのは私だけでございましょうか。2025年に向かってぼちぼちと施策を積み上げるのではなくて、2025年から今何をなすべきかという現実の対応が問われているのでしょう。当局の考えをお聞きしたいと思います。 次に、保健婦の増員計画についてお尋ねをいたします。 既に老人福祉計画では、平成11年度までに保健婦3名及び栄養士、作業療法士、理学療法士などを採用することになっております。しかし、現在ですら保健婦、栄養士が足りないため、健康相談の日などには、もっと保健婦はいないのか、もっと時間をかけてできないのかといった苦情が飛び交っておりますし、相談者が途中で帰ってしまわれる場合もあるやに聞いております。このような現状に加えて、9年度からは地域保健法の改正により3歳児健診、栄養相談などの莫大な業務が保健所より業務移管されますが、この業務は9年4月から即実施しなければならない問題なのであります。それまでに万全の準備が必要だと思います。厚生省健康政策局の基準によれば、保健婦配置の目安は、10万人未満の都市で13名となっております。当市では最低でもあと4名足りないことになりますし、また、現在山代保健所に在籍している栄養担当者3名分も、保健所業務の移管によって市の管轄になると思いますが、これらの方々の採用について当局はどのように考えているのかをお尋ねをいたします。 さらに看護婦について、当局はかつて訪問看護問題については需要がないからということで、その増員について消極的な態度をとり続けてきました。その結果、貴重な現職看護婦まで失ってしまうこととなったことは御存じのとおりでございます。しかし、現在はどうでございましょう。臨時の看護婦さん8名が大車輪で働いて、まだ十分にニーズにこたえられているとはいえない状況でございます。今後さらに訪問看護の業務も加わるでしょう。どうしても正規採用の職員として常勤の看護婦が必要だと考えられますが、当局の見解はいかがかお尋ねをするものでございます。 この問題の最後に、当市の健康診査の実施内容についてお尋ねをいたします。 私はかねてから、市民の健康診査の受診人数や受診率について知りたいと思っておったのでありますが、調査してみますと、5年度の受診者総数が 4,653人で、そのうち異常なしと診断された方が 669人、6年度の場合で総数 4,650人で、異常なしと診断された方が 471人となっております。比率にすると、5年度は7人中6人が、あるいは6年度は10人中9人が何らかの異常を持っているということになります。そこで、まず今年度の受診者総数と、そのうちの異常なし判定者の数と比率をお聞かせいただくとともに、この結果をどう分析されておられるのか明らかにしていただきたいと思います。 次に、当市の基本健康診査受診率を見てみますと24.0%となっており、国の老人保健事業平成7年度の目標数値42.0%にはるかに及びません。この受診率の低さの原因はどこにあると分析しておられるのでしょうか、あわせてお答えをいただきたいと思います。また、さきの質問とかかわりがあると考えられますので、受診料の個人負担についてお尋ねをいたします。 県内でも松任、羽咋が無料となっていることと同時に、当市の負担金が県内でトップであります。この事実をどうお考えでございましょうか。私は市民の健康保持を行政の責任だととらえるならば、受診料は当然無料にすべきであり、そのことによって一人でも多くの方が受診できる体制をつくり上げるべきだと考えますが、いかがなものでしょうか。 質問の第2番目は、情報公開についてであります。 情報公開制度は、御案内のとおり82年山形県金山町で制定されたのを皮切りに、今では265 市区町村、41都道府県、総数にして 300を超える自治体ででき上がっていると言われております。また、その制度活用については、例えば大阪府のように市民の知る権利を全面に押し出して、年間3万 8,000件と積極的な地域もあるかと思えば、つくりっ放しで具体的な取り組みを行わないため、年間たった数件の利用があるだけという自治体もあるそうでございます。このように格差はあるものの、この制度は次第に各自治体において定着してきているのは間違いありません。 さて、当市の情報公開制度について、私は一度過去に質問したことがありますが、本定例会市長提出議案説明では、市長は、市政において見識のある個人や団体の代表で組織する懇話会を設置し、審議しております。この答申は11月ごろとなる見込みでありますので、条例案は12月に提出したいと考えております旨、説明をされました。そして私たち議員には、情報公開制度骨子素案なるものを中間報告的な立場といいますか、そういう形でもう既にいただいていることも事実であります。 そこで、早速いただいた資料を熟読をしてみました。幾つか気づいた点がありますので質問したいと思います。 その1つ目は、第1章の1の制度化の必要性の部分に、「住民の知る権利を保障し」との文面を入れるべきではないかということであります。そのことにより、この制度が憲法に保障されている権利であることが明確になると考えるからであります。 2つ目には、第2章情報公開制度の内容の1の実施機関のところに議会が入っていることであります。市民に公開された議会を目指すためにもぜひとも必要なことと考えますし、骨子素案のこの点は高く評価されると私は思います。 3つ目は、情報公開審査会の組織編成についてであります。この審査会の委員には、環境、景観、人権問題など専門的な知識が求められ、その任にたえ得る方による構成は当然のことであります。同時に、問題によって不服審査など訴訟にまで発展していく事柄もあると考えます。これらの問題を真摯に誠実に受けとめ、取り組んでいただけるような方の参加も要請されるべきだと思います。既に条例を制定したほかの自治体では、大学教授、弁護士、ジャーナリストのほか、地域行政の事情に詳しい、例えば第三者的立場を堅持している団体役員や超ベテランの行政OBの方などが任命されているそうでございます。当市の場合も慎重かつ大胆な人選をお願いするものであります。 以上、3点にわたって私の私見を述べましたが、この見解に対して当局の意見をお伺いいたしたいと思います。 質問の第3番目は、都市計画についてお尋ねをいたします。 92年の第 123回国会で都市計画法と建築基準法が約20年ぶりに大改正をされました。この法改正を受けて各市町村は、今、都市の骨格を決めるマスタープランづくりに汗を流しておるところでございます。従来のプランは、地域における
まちづくりのあり方を具体的に明示するものではありませんでした。したがって今回の改正では、地域における
まちづくりのあり方を具体的に明示するものとして、市町村に新たなマスタープランを策定することを義務づけたものでございます。正式には「市町村の都市計画に関する基本的な方針」と言い、1、当該基本方針を定めるときは、公聴会の開催などによって住民の意見を反映させること。2、当該基本方針を定めたときはこれを公表し、都道府県に通知すること。3、市町村が都市計画を定めるときは、当該基本方針に則したものとすることなどが盛り込まれております。 改正の概要の一部を紹介しますと、開発許可制度の見直しについては、今まではデパート、ホテルなどの自己業務の開発行為については、道路などに関する基準の適用がありませんでした。しかしこれらの施設が周辺に交通渋滞を生じさせている場合があることから、自己業務の開発行為については、道路などに関する基準を適用することとしております。また、都市計画区域外の区域における建築規制についても、都市計画区域外の区域であっても、都道府県知事が指定する区域においては、地方公共団体の条例によって建築物またはその敷地と道路の関係、容積率、建築物の高さなどについては必要な制限を定めることができることとし、その他、用途地域制度の整備、誘導容積制度の創設、市街化調整区域における地区計画など改正点も多岐にわたっております。 既に都市基本計画市町村マスタープランを私、作成している自治体を建設省から紹介を受けました。東京台東区のマスタープランと、そして鎌倉市を紹介いただきました。鎌倉市の事例に基づきまして報告をしていきたいと思います。この条例は7章34条からなり、基本理念として、1、
まちづくりは市民参画によって行う。2、土地基本法の理念を踏まえる。3、古都保存法の目的を踏まえる。4、鎌倉市環境基本条例の理念を踏まえるという4つの柱からなっております。条文では、開発に対しては市と業者の協議義務づけを盛り込んだほか、大規模開発については計画の当初から市民参画させ、英知を集めた
まちづくりを目指すと、いわば市民が主役の
まちづくりを考えております。また、市民の自主的な
まちづくりを支援をする規定も創設しております。この規定は、市民が自主的に
まちづくり計画を策定し、市に提案するというもので、これを受けた市では専門家を派遣するなど、市民の主体的取り組みを積極的に支援することを明文化いたしております。 当市においては、既に都市計画に関する基本的な方針の策定段階に入っていると思いますが、いつごろまでに作成するのかということと、このマスタープランの目標年次をおおむね20年としておりますが、市の総合計画と
土地利用計画との整合性を現在どのように考えているかを、まずお尋ねをするものであります。策定に当たっては、これだけ長期にわたり加賀市の将来像の根幹をなすプランづくりと事業であります。当然、企画課と都市整備課を中心とした独立した専任プロジェクトチームが必要となりますが、どのように考えておるのかもあわせてお尋ねをいたしたいと思います。また、広い範囲での市民の声を聞くため公聴会を開くことが義務づけられております。このことも含め、どのような規模と内容を考えているのかをお尋ねをいたします。 次に、マスタープラン策定の委員会についてお尋ねをいたします。 当市の各種委員会はいろいろありますが、この種の委員会は、市内の各種団体の代表が金太郎あめのように名を連ねている傾向が強いのではないかと私は常々考えております。しかし今回のマスタープラン策定の検討委員会の委員の構成については、従来の委員会のように軽々に考えてはならないと思います。なぜならば20年もの加賀市の将来像を過ちのないように、専門的なさまざまな観点からとらえていかなければならないからであります。都市整備の方針の中には、当然現在の土地利用や市街地整備の問題点の調査検討も踏まえて新たな方針を打ち出さなければならないでしょう。そのほか公共施設の整備や自然環境の保全や景観形成に関した観点や、地震などの防災に対応する
まちづくりの具体的な事柄についても検討しなければならないものであります。どれ一つとって見ても、かなりの専門的な知識と幅広い見識を有した委員によって構成されなければならないと考えます。そのような委員による人を市民に限定するのでなく、広く県内はもとより県外にまで人材を要請しなければならないと考えますが、当局はどのように考えているかをお尋ねをいたします。 倉光弘己神戸大学教授は、マスタープランの策定に当たって、市民に自由に議論してもらい、プロが絵を書き、行政が誘導するという原則を示すことが必要だと述べております。この言葉をかりますならば、市民には公聴会で意見や提言を出していただき、専門家、学識経験者に絵を書いていただく、この方法を基本に進めるべきと考えますが、当局はどのように考えるのかをお尋ねをいたします。 質問の4番目は、加賀市の農業問題についてお尋ねをいたします。 昨年10月、政府与党は、米市場の部分開放などを決定したウルグアイ・ラウンドの農業合意に対応するための国内対策として、今後の農業対策の総事業費の規模を6兆 100億円と大幅にアップし、そのほか別枠で農山漁村ふるさと事業と銘打って、1兆 2,000億円の地方単独施策を実施しております。これほどまでの事業費をつぎ込んでいるのは、ラウンド後の情勢に対応し、国内の農業をどう守っていくかが、単に生産者だけではなく国民全体の問題だとの危機感からだといえるでしょう。このような政府のラウンド対策や新食糧法の改正などによる農業施策の変化は、従来の施策の根本的、抜本的見直しを通して、今後の日本農業の新しい展望を開こうとする産みの苦しみだということでございます。この全国状況を踏まえて、我が加賀市も真剣に英知を結集して、今後の農業のあり方を具体的に模索していかなければならない瀬戸際に立たされておるのでございます。この認識を共通のものとして、今回の市長提案の中にあります南部ライスセンター貯留施設整備助成費についてお尋ねをいたします。 私は、この事業について決して反対するものではありません。この事業の背景に、これら施設を利用する生産農家の件数と、その生産量及び今後の利用見通しなど、市としての今後の農業構想がどのように打ち出されているかを聞きたいのであります。私がなぜこのような質問をするかといえば、既に青森県では、リンゴの生産農家がJAを通して出荷する割合は20%程度にすぎなくなっている状態であることを、青森県に住む私の友人に聞いたことがあります。御存じのようにリンゴは米よりも先に自由化の対象となり、しかも商品価値の対象に位置づけられてからは、JAよりも商社などが買いつけをすることによってJAへの出荷割合が減少しているのであります。そしてこのようなJA離れの現象は何もリンゴのみにとどまるのではなく、今後は米にまで到来する可能性があるからであります。なぜなら、今後米自体が商品となり、特別表示米を中心に販売競争が激化し、特色ある米を持たないJAは競争から落ちこぼれていくことにもなりかねないからであります。また先般の新聞で、能美郡寺井町で27ヘクタールの水田を耕作し、特産米で消費者との連携を深めている専業農家の竹本さんが、さまざまな農家から集めて混ぜ合わせて売る米と、生産者の顔が見える米のどちらを選ぶかは消費者次第だというコメントを述べております。また別の生産者は、自分で販売できるよう乾燥機などを持っていた方がよいのだろうかと米流通情報会社に問い合わせをしているとの記事も紹介されておりました。このような新聞報道を待つまでもなく、現在これまでの農家のあり方が曲がり角に来ていることは事実であります。その意味で、今回のライスセンターの助成予算の決定に至るまでの論議の中に、今後のライスセンター利用農家の見通しをも含めて、農業構想が話題になったのかをお尋ねしたいのであります。まさに国民的課題としてこの問題について御答弁をお願いしたいと思います。 次に、農業後継者や新規就農者の確保に対して当局はどのようにお考えなのかということであります。 ふるさと事業を含め、今後は農水省からの事業も数多く出されてくると思います。当市の農林水産課の現行の職員体制でそれらの事業が推進できるのかどうか。もしできないとするなら、職員の定数を見直すべきだと考えますが、そのような計画があるのかをお聞きしたいと思います。 ちなみに、JAがことし8月から葬祭業を開始したということで、JAは本来農業協同組合法の精神にのっとりその事業を行うものであるとすれば、その第1条にある農業生産力の増進と、農民の経済的、社会的地位の向上を図り、あわせて国民経済の発展を期するという目的とはいささかずれているような気が私はいたしております。JAも企業である以上、経営の多角化を図ることは問題はないでございましょう。先ほど述べたようにJAの存在意義が問われている現在、もっと根本的な事業プランが必要なのではないかと考えるところでございます。このような動きに対して、市当局の見解はいかがなものでございましょう、お聞きしたいと思います。 さらにJAの葬祭業開始にかかわって、市所有の霊柩車の問題についてお尋ねをいたします。もはや耐用年数が来ている市所有の霊柩車は、JAも独自の霊柩車を持つやに聞いておりますが、このことによりまして、はや不必要とされる可能性があります。しかし以前から問題にしてきたように、霊柩車の完全民営化にはいろいろな問題が発生してくるはずであります。やはり市所有の霊柩車は必要であり、耐用年数が来ているなら当然買いかえるべきだと考えますが、当局の御判断とその根拠についてお尋ねをし、この項について質問を終わります。 質問の第5点目は、国立病院再編成の問題についてであります。 この再編成問題は、1986年に臨時行政調査会の答申を受けた厚生省が、国立病院や国立療養所の再編成を進めるため、全国にある 239施設を10年間に3割減の 165施設に整理すると発表したことに端を発しております。この中に国立山中病院と国立療養所石川病院との統合及び国立療養所医王病院と国立療養所金沢若松病院との統合方針が含まれていることは御存じのとおりでございます。当時石川県の市町村議会と県議会すべてが反対決議を実施しています。また、全国的にも自治体総数の88%にわたる 2,913自治体が反対を表明しております。このため今日までに再編成が完了したのはわずか10カ所にすぎません。しかし、ことしに入って厚生省は、国立病院、療養所の政策医療再編成に関する懇話会の中間報告をまとめ、これまでの経過を踏まえて、現行の国立病院などの再編成に伴う特別措置法が、統合後の敷地の売却や譲渡先を限定していることを見直し、財団法人が経営する民間病院への譲渡や特別養護老人ホームへの転換も認めることで、この再編成を促進していこうと動き始めました。これはゆゆしき事態であります。 そこで市長にお尋ねをいたします。市民の健康と安全を守らなければならない立場にある市長として、この再編成問題についてどうお考えなのでございましょうか。また、厚生省は統廃合を実施するに当たって、統廃合後の地域医療の確保を初めとして、地域医療にできる限り支障を来さないように都道府県など地元関係者と十分協議を行うと言っていますが、国立山中病院と国立療養所石川病院との統合について、これまでどのような協議がなされ、その場でどのような対応をされてきたのでございましょうか。厚生省は、再編計画は基本的に病院、療養所の機能、経営効率の両面から、原則として近接する 300床未満の小規模施設を統合して規模を拡大する考えであるといたしております。この基本構想自体、高齢化率が2025年には3割を超え、国民医療費も総額で 141兆円、そこの中に占める老人医療費の割合が50%を超えると試算されている現状の中で、単に経営効率から統合を進めることは言語道断でございます。かえって今後ますます増大する医療費の適正化に向けて、国立、公立の病院の拡充こそが急務なのではないでしょうか。 ちなみに、国立山中病院のベッド数は 351床で、山中町の中核的な医療施設として地域住民への医療貢献度の高さは御存じのとおりでございます。国立療養所石川病院においてもベッド数は 290床あり、結核医療施設として県内での中心的機能を果しているほか、脳卒中などの患者の専用病棟や重度障害児のあかしや病棟を持ち、地域医療施設として十分にその役割を果たしていると考えております。どの側面から押さえてみましても、この2つの病院、療養所は統合対象とすべきではないでございましょう。この点について市長はどのように考えておられるのか、その御判断をお聞かせいただきたいと思います。 いずれにいたしましても今年11月には国立病院、療養所に関する懇話会の本答申が出される予定になっております。事態は急を告げております。早急に国立山中病院と国立療養所石川病院との統合には反対の旨を厚生省などあらゆる機関に対し伝えるべきだと考えますが、いかがかをお尋ねし、この件に関する質問を終わります。 質問の最後に、本年度補正予算案に計上された柴山潟噴水と万松園遠望台の設置についてお尋ねをいたします。 先日、市民の方に呼びとめられまして、喫茶店で市政について談義を交わす機会がありました。その方は先般報道されました新聞記事を読まれたらしく、開口一番「加賀市は財政難と言いながら、幾つ美術館を建設するのですか。」と、また「柴山潟の噴水と万松園の遠望台をつくることが載っていましたが、この工事は自然景観を崩すことになりませんか。これからむしろ残された自然に手を加えないことの方が観光加賀の発展につながると思うのですが」と強い口調で話されました。私も、今回提示された計画書にその目的として、温泉のイメージアップを図り、誘客促進及び市民と旅行客との触れ合いの機会を増加させるとともに、市民の憩いや散策のための空間を整備し、ゆとりと潤いのある
まちづくりを推進すると書かれておるのを何度も読み返してみました。空漠な気持ちにならざるを得ないのでありますけれども、私自身、加賀市で一番好きな風景は柴山潟から遠望できる白山の姿でございます。このことは私一人だけに限らず、加賀市に長年住み続けておられる方々が柴山潟を愛し、写真に撮り絵に書いておられることからも考えてもわかることでございます。都会で人工的につくられた樹木や公園や噴水など、見た目の美しさや合理性ばかりが追求された人工建造物にいやされない人々が、自然本来の美しさを求めて加賀市にやってこられるのであります。今後ますます人間の手の入っていない自然としての柴山潟の存在意義が高まってくるはずであります。もしも今、中谷宇吉郎氏が生存されているならば、この計画は一笑に付されたと思います。市長、あなた自身幼少時代から、柴山潟の四季が醸し出す自然美に心打たれながら育ってこられたのだと思います。本気で柴山潟の中心に70メートルの高さまで吹き上げる噴水が片山津温泉のイメージアップやゆとり、潤いを生み出すと思っておられるのでございましょうか。従来から湖畔の宿として柴山潟の優美さを全面に押し出して観光宣伝をしてきた片山津温泉のキャッチフレーズが、柴山潟噴水の宿になり下がることをよしとされるのでございましょうか、お答えいただきたいと思います。 なお、この噴水建設計画が柴山潟の浄化の一端を担うとも述べてありますが、その科学的根拠は希薄なものでございます。もし本気で柴山潟浄化を考えるならば、噴水計画の資金を全部その浄化計画に充てるべきでございましょう。いずれにしても柴山潟は、一人観光業者の占有物ではありません。加賀市の内外を問わず、柴山潟を愛する人々のものでございます。市民の財産でもございます。 同じことが万松園の遠望台についても言えるのでございます。現在ですら高層旅館によってその景観が損なわれている状況の中で、さらに12.3メートルもの高さのある遠望台を建設することでどのような価値が生まれるのでございましょうか。私はこの遠望台のイメージ図を見て、開湯1300年の歴史を持った山代温泉には余りにも軽薄な建造物にすぎないかと疑念を持つものでございます。どこかの児童公園にあってもおかしくないようなものであり、市民の憩いや散策のための空間にふさわしいものとは到底思えるものでございません。昔の万松園三ケ月台の写真を見てみると、自然と調和したすばらしいものであったことが想像されております。山代温泉の長い歴史と万松園の自然景観にマッチしたものへ根本的に見直すべきではないかと考えますが、市長の見解をお尋ねするものでございます。 翻って考えるならば、このような噴水や遠望台が軽々と発想される原因として、当市にあって景観保全条例や環境保全条例が制定されていないところにあると考えます。かつて私は
山の下寺院群や北前船の里に関して環境条例の制定を提案したことがあります。先ほど市長答弁の中で、12月に北前船については云々という話もありましたけれども、その後も条例化の動きはなく、全く今回のような事業だけが先走ってしまうことに大きな憤りを感じざるを得ないところであります。 さらにこの計画について重大な疑問があります。それはこの計画について当初予算で助成費として計上されていたはずでございましたが、突然市の施行事業に切りかわったということでございます。当初、片山津と山代温泉の両温泉観光協会が事業主体となって計画されていながら、今回事業主体を市に変更することの経緯を明らかにしていただきたいと思います。単に県費補助対象となったからということでは済まない問題であります。今年度の両温泉観光協会の負担金 900万円を含んでいるとはいえ、2つの総事業費合計で1億 5,000万円にも達し、起債を充当する市の予算は 8,500万円にもなっております。このことについて説明をいただき、きょうの私の質問を終わります。
○議長(田中正君) 矢田市長。
◎市長(
矢田松太郎君) 林議員にお答えを申し上げます。 まず保健センターでございますが、平成4年度に事務室及び機能訓練室を改修をいたしました。機能訓練参加者の増加に伴いまして、訓練室の狭隘、それから地域保健法の制定に係る3歳児の健診、栄養改善等の保育所業務からの委譲、さらに高齢者の増加に伴う事業の増大などによりまして、現在の保健センターについて市民の一層の福祉の向上のために種々現状では問題があるように思っております。一層施設の充実強化について改善、改良を含めて検討をしていかなければならないと思っております。 総合的な保健センターの建設につきましては、今直ちにというわけにもまいりませんので、必要な施設であるということは十分認識をいたしておりますので、一層の検討を進めてまいりたいと思っております。 次に、保健婦、栄養士の増員の問題でありますけれども、先ほど述べました保健所業務から委譲する母子保健事業等が新たに始まる平成9年度で対応したいと思っております。なお現在ですが、臨時職員は看護婦8人、事務職員1人を雇用しておりまして、その看護婦の内訳は、予防接種、母子保健で5人、機能訓練で2人、訪問指導で1人であります。それぞれ担当保健婦の指示で職務の遂行に万全を期しておるところでございます。 そこで、平成7年度の基本健診の受診者総数でありますけれども、 3,646人で、異常なしが 661人であったというふうに報告がございます。受診率は13.6%ということでございます。 次に、健診時の一部負担額の徴収基準というのは、今まで健診費用から補助基準額を差し引きまして、市と本人がそれぞれ2分の1を負担することとしておりました。医療費の削減、住民の健康を守るために、今のところ受診率が13%程度でありますので、さらに上げる必要がございますので、一部負担額については見直さなければならないのではないかというふうに思っております。 次に、情報公開制度における基本姿勢についてお答えをいたします。 行政情報というのは市民共有のものでありまして、その公開を通じて市民の市政に対する関心と市政への参加を促し、その結果として地方自治の本旨を実現することにあります。そこで、情報公開制度においては知る権利を考慮に入れて、広く行政情報を公開するという姿勢が大切だと思いますが、釈迦に説法かもしれませんが、憲法には基本的人権としてのプライバシーを保護する最も根源的な人権権利も存在するわけであります。この個人に関する権利は、一たん侵害をされますと取り返しのできない事態が生じたり、また回復が容易でないということがございます。条例の制定に当たっては、両権利の調整を図りながら慎重にしなければならないと思っております。なお、各条例についての御提言がございましたが、これらにつきましては審議会等々で御検討を願うことといたしたいと思います。 次に、審査会委員の構成でありますけれども、情報公開請求の決定の結果について不服のある人に対しては、不服申し立ての内容を調査し審議する機関として、第三者で構成する審査会が必要であります。その委員構成につきましては、まだ人選等々に入ってはおりません。しかし制度の趣旨にかんがみ、公平で人格、識見とも豊富な人をお願いをしなければならないと思っておるところであります。 次に、都市計画マスタープランの策定でありますが、これは本年度から3年間で実施をする予定でございます。まず検討委員会の委員構成でありますが、都市計画マスタープランの目標年次が20年先の
まちづくりに及びますので、委員の構成というのは、お話がございました市民代表を初めとしてですね、各界各層の代表のみならず、学識経験者、都市計画専門職等から選考しなければならないと思います。提言、指導をいただきながら、その場所で適切なプランができ上がることを期待をいたしております。 次に、総合計画と
土地利用計画との関連でありますけれども、加賀市総合計画、加賀市
土地利用計画、南加賀地方拠点都市地域基本計画等々の調整、整合性を十分図らなければならない、そして策定をしていくということが必要であろうと思っております。また公聴会の開催についてでありますけれども、住民の意見の反映、
まちづくりへの理解と参加、協力を得ることが当然のことながら極めて大事でございます。公聴会や説明会など地域の実情に応じて実効のある措置を講じたいと思っております。なお、事務局の体制でありますけれども、大きなプロジェクトでございますので、全庁的な取り組みが必要であると思っております。都市計画担当部局と企画担当部局との事務局体制を確立して計画策定に取り組みたいというふうに思っております。 次に、農業問題でございます。 加賀市の将来展望、農業の将来展望いかんということでございますが、昨年12月に新食糧法が制定をされました。本年の11月から施行されるという予定になっておるわけであります。新食糧法では、従来の政府による米の全量管理から、民間流通による自主流通米を主体とする制度として、生産調整や中長期的観点に立った備蓄の実施及びミニマム・アクセスの受け入れに伴う輸入米の取り扱いを法律上明確に位置づけて、国全体の需給調整を図ることとしております。また、生産調整をするに当たっては、従来の割当的手法から、生産者の意向を尊重した方法にかえられます。政府米は生産調整を実施をした人からのみ買い上げるという制限もつけ加わっておるところでございます。問題は、需要に見合った生産を行い、適正な価格を維持するということであろうと思います。したがって、今後も生産調整は続くというふうに考えております。来年度の減反面積の内示はまだありませんけれども、昨年の水稲作況指数の全国平均は 110でありますので、本年度の当市の割当面積 456ヘクタールにさらに10%程度の上乗せになるのではないかというふうな予想を県が見込んでおるところでございます。 農業人口の減少問題も大事でありますが、平成5年度に策定をしました農業基本構想に基づき、水稲専業経営、水稲と果樹の複合経営を初めとして、9種類の営農類型によりますところの経営規模、生産方式、管理方法等、効率的かつ安定的な農業経営の指標を定めております。さらに後継者不足を補うための中核農家を中心にいたしました農地の流動化を進めまして、意欲的農家への支援と企業的経営を推進する経営感覚にすぐれた経営体の育成、指導を進めております。集落営農、法人化、農作業受委託等の組織化を図ることによりまして、農業人口の減少に対応していくということになっております。 農業に対する新しい局面を迎えております。約95%が自主流通米であることを考えますと、県内の各生産地域はもとより、全国的な産地間競争が一層激化するというふうに思います。うまい米は売れる、うまくない米は売れないという状況になってくるだろうと思います。これらの農業農村が抱えるさまざまな課題に対処して、力強い農業構造、活力ある農村地域を形成するための具体的事業としては、御承知のとおり低コスト、大区画ほ場整備事業であるとか、あるいは大型機械導入による経営体の育成のための集落営農計画推進事業、あるいは経営管理の強化を図るための農業経営管理指導事業というのがございますし、さらに先ほど申しました産地間競争に打ち勝つためのうまい米づくり施設整備事業もあるわけでございまして、加賀市農協に助成をするライスセンターもその一環の事業でございます。さらに、うまい米生産流通促進事業、観光農業等の推進もいたしておるところでございます。今後とも農業が職業として産業としてやりがいのあるものにするために、基本構想に基づいて関係機関と連携をしながら取り組んでまいる所存であります。 次に、加賀市農業協同組合の葬祭事業についてでありますが、なかなかコメントしにくい問題であります。農協は組合員の強い要望に基づいて葬祭事業に取り組むため、本年2月の通常総代会において新しい会社の設立を決定をし、8月からJAサービス株式会社として事業を開始したと聞き及んでおります。この事業は組合員の相互扶助を基本として、生活改善、合理化を図ることを目的として取り組んだものであるというふうに私は思っております。 市内の霊柩車でありますが、現在3業者がそれぞれ1台ずつ保有をしておりまして、営業をされております。年内にはJAサービス株式会社も購入をする予定と聞いております。民間活力の導入あるいはそういうものも含めまして、来年9月に更新時期を迎える市の霊柩車につきましては、廃車を含めた方向で検討をしております。なお、廃車になりました場合ですが、まず各業者間での相互協力体制を確立してもらうことが必要だろうと思いますし、さらに市としましては、低料金での運行を要請をいたしたいと思っております。なお、さらに生活保護法に準ずる要援護世帯に対する料金の補助制度、これも検討したいと思っておるところでございます。福祉政策の一環であろうと思っております。 次に、国立病院の見直しの問題でありますが、厚生省では逐次その統廃合を実施をして、昭和61年から今日までに21施設を10施設に統合いたしました。そして2施設については移譲を行ったと、ほかのところへ譲り移したということでございます。しかし、石川病院の統廃合につきましては、今までのところ具体的な方策について案内がございません。原則的には国立病院の統廃合につきましては厚生省自体が解決すべき問題だと思っておりますが、市としては石川病院の地域医療に果たす役割について、厚生省や当該医務局等々に要望をしてまいったところでございます。ただ、ことしの6月の中間報告が審議会から出されました。その内容というのは、国立医療機関は主として広域を対象にした高度、または専門医療、
臨床研究といった政策医療を進めるべきだと、こういうふうに示されておるところでございます。そこで、地域医療の重要性を伝えるだけではなかなか問題解決できないわけでございまして、石川病院がこの国の目指す結核とか重度心身障害児あるいは脳卒中後遺症患者特定の疾患を対象とした専門医療施設の中心施設として整備されるように、国等の関係機関に要望していくことが必要ではないかというふうに思っておるところでございます。 最後に、柴山潟と万松園の三ケ月台について御質問がございました。 都市景観に対する考え方でありますけれども、市には先人の豊かな感性とたゆみない努力によって築き上げられました独自の文化や歴史、観光としての魅力ある雰囲気などの財産があります。これらと天与の恵まれた海、湖、山とともに変化に富んだ四季の移り変わりの中で独自の都市景観を形成をしていく必要があると思っております。次代を担う子供たちがふるさとを愛し、未来に夢と誇りが持てるように加賀市の個性と文化を育てました。さらに好ましい都市景観を後世に残し、ゆとりと活力のある
まちづくりをすることが、今我々に求められていると思っております。 市民一人一人の生活意識や価値観というものが背景にあって景観というものは形成されておると思います。市民文化を反映をした総合的なこの都市としての印象、それから姿というのは、この景観というふうな言葉の中であらわされるものだと私は思います。具体的な万松園の整備でありますけれども、万松園というのは明治31年から、地域の住民や浴客の散策路として逐次整備をされてきましたけれども、時代の変化に伴いまして、一時期整備、管理がおろそかにされてまいりました。そこで、住民みずから平成4年に、山代温泉が昔のにぎわった憩いの場所の復活を目指して山代八景を選定をしたわけです。万松園はその中の一つに数えられ、平成6年度には温泉街から頂上への遊歩道の整備が行われました。今年度は地域の要望もあり遠望台の整備を行うものであります。もちろん風致地区の基準を満たすとともに、周辺景観との調和を十分配慮して整備をするというふうに考えております。 それから湯の元公園の噴水施設の設備設置でありますけれども、これは柴山潟の恵まれた自然環境を活用し、自然景観と一体的な親水空間をつくるものであります。浮御堂同様のものであろうと思います。市民や旅行者の憩いの空間を整備をしていこうと思っております。私自身も、また地域に住む住民の皆さん方も、この施設整備については地域の活性化に対する期待を持っておられると思っております。 噴水の浄化作用でありますけれども、水面の温度を低下をさせまして、プランクトンの増殖を抑えるとともに、水中の溶存酸素量が増加する等の効果があります。各地の湖沼において設置をされており、成果があると聞いております。量的なものについては現在調査中であります。 概算設計の費用については、従来からの整備計画や業者の見積もり等を参考にして作成したものでありまして、観光協会等に対して助成をしたものではありません。今年度の事業費については、山代温泉が 3,000万円、片山津温泉は7年、8年の事業で、7年度は 6,000万円、8年度は債務負担として 6,000万円を計上しております。負担区分については、県の制度改正があり、県が3分の1、地元が10分の1、残りを市が、75%が地方交付税で措置をされる地域総合整備債によって賄ってまいりたいと思っております。
△休憩
○議長(田中正君) この際、暫時休憩いたします。 午前11時53分休憩 平成7年9月18日(月)午後1時1分再開出席議員(23名) 1番 小塩作馬 2番 西出清次 3番 西出 振 4番 坂野行平 5番 谷口久男 6番 山村信一 7番 斉官邦夫 8番 若林幸子 9番 林 俊昭 10番 山本外美三 11番 酢田隆司 12番 林 茂信 13番 宮本儀一 14番 中村長一郎 15番
吉江外代夫 16番 川下 勉 18番 高辻乃三 19番 村井幸栄 20番 宮田 勇 21番 平井 清 22番 湯尻清一朗 23番 山下孝久 24番
矢田郷昭三欠席議員(1名) 17番 田中 正
△開議
○副議長(宮本儀一君) これより会議を開きます。
△質疑・質問(続)
○副議長(宮本儀一君) 休憩前の議事を続けます。 高辻乃三君。
◆(高辻乃三君) 平成7年9月定例会に当たり、市民クラブを代表して質問をいたします。 質問に先立ち、本年のこれまでを振り返ってみますと、戦後50年の歴史の中でことしほど激変、変革の年はなかったのではないか、そのように思われます。ことし正月、市の新春互礼会の席上、商工会議所の山田会頭が、亥の年は激変の多い年であり、心して事に当たらねば、そのようにごあいさつをされておりました。全くそのとおりになり、10日余り過ぎて阪神大震災が起こり、 5,500人余のとうとい人命が奪われました。また、異常な信じがたい一連のオウム事件、さらに銃による無神経な殺傷事件の氾濫、昨日もまたありました。政治の不安定、そして変革、相次ぐ金融機関の経営破綻等、世情の落ちつく暇のないくらい次から次へとであります。幸い加賀市におきましては世情不安はなく、阪神大震災や円安による経済的な影響はありました。けれども、矢田市長の積極的な市政遂行により、今9月補正では全会計累計総額 500億円を超えるという一つの節目を突破されたところであります。矢田市長の御努力に対し深く敬意を表するところであります。 8日の本会議におきまして、矢田市長は議案説明の折、大型プロジェクト事業である下水道及び美化センターの整備状況について、流域下水道事業の第1次認可区域整備も計画どおり進捗し、12月一部供用を開始し、
環境美化センターにおいても予定どおり工事が進み、来年4月本格稼働すると説明されております。そして、新たに
加賀温泉駅前商業集積整備事業の計画も着々と進めておられます。また、道路等社会資本の整備を進める面から、国に呼応した事業や経済対策を積極的に進めてまいると述べられております。これらのさらなる積極姿勢に対し非常な御期待と歓迎の意を表しながら質問に移りたいと思います。 加賀市は今さら申し上げるまでもなく観光都市を標榜し、現実的に市の財政も観光関連の景気動向により左右されること非常に大であります。ここ近年の山代、片山津両温泉を中心とした観光客数は、平成元年の 300万人台から、最近は二百五、六十万人台に減少しております。さらに本年は阪神大震災の影響で、2月、3月と予約取り消しが相次ぎ、以後の予約状況も円高の影響も相まって、例年より落ち込んでいたと聞いております。9月補正により、山代温泉には万松園の遠望台設置、片山津温泉では柴山潟に水質浄化も兼ねた噴水を設置計画され、両温泉の誘客促進に努力されております。先ほど、林俊昭議員が違う角度から質問されておりましたが、私はこの新しい努力に対しても、また大いに賛成の意を表する一人であります。観光関連となると、考えれば考えるほど本当に幅広く、奥深く難しいものだとつくづく思います。一方考え方を変えてみますと、これまた観光ほど本当に楽しいものではないか、そのように思います。 先般、みずといで湯の文化連邦、そのパンフレットを読ませていただきました。加賀市や三国町等の1市5町の県境を越えた観光保養ゾーンを目指した広域プロジェクト事業の一環でありましょうが、パンフレットの色彩感とその情緒があふれ、簡潔に各市町が紹介されたできばえのよいガイドブックであります。加賀市は歴史、そして文化、自然、まち、これをメーンタイトルに掲げてあり、近年の観光傾向、とりわけ若者、家族連れ向けのキャッチフレーズは的を射たものであるとつくづく感心をし、加賀市はこのキャッチフレーズを十分生かせ得る歴史、文化、自然の豊富な市であると存じます。私はここに挙げられた歴史、文化、自然の項について、提案と質問をしてまいりたいと思います。 まず、歴史の項でございますが、現在加賀市におきまして点在する遺跡や史跡が整備され、観光と結びつけられているのは、昨年1億 6,000万円をかけ整備されました手塚山公園だけではないかと、そのように思われます。ところがその手塚山公園も整備されて以来、観光客を迎え入れるほど、それほどのきちんとした管理はされていないように思われます。せっかくのすばらしい財産でございます。どうか気配りをお願いし、観光客のすばらしい憩いの場所にもなるようにお願いしたいものであります。 ほかに、昭和40年代に整備されました法皇山横穴古墳群や、北陸でも貴重だとされております狐山古墳があります。現在でも少々観光面との接点があるように思われますが、山代温泉圏の観光に大いに役立ててみてはいかがなものかと、かように思っているところであります。同等の価値がありながら大変お粗末なのが、片山津町にございます玉造遺跡でございます。原石から勾玉までの一貫した工程跡のある大事な遺跡であり、現地の案内板には、昭和61年市指定史跡とあります。せんだっても3年半、4年くらい前ですか、一度参りまして、今度はどうなっているのかなと、そう思って参りました。やはり片山津町の方へ参りますと、どこから入っていいのか全然わからなくなり、やはりあたりの町の人に「玉造遺跡はどこへ行くんだろう」、そのように聞いてまいった経緯があります。市長も片山津温泉の在住でございます。ですが、多分玉造遺跡はすっと行けるような、そういう行程、道の行程を御存じないのではないかと、かように思います。若林さんも多分そうではないかと、そんなふうに思うところであります。そういうわけでございます。 実盛塚もやはりしかりでございます。立派な広い駐車場があるんです。そして由来の書いた立派な看板がございます。ですけれども道案内ということになると、ごく簡素な看板が一つ、このかぎの字のような矢印が書いてあるわけです。そしてそこを離れてあたりをずっと注意深く見ますと、ほかの家の建物のところにちょこっとその看板が掲げてあるんです。そしてそこへ参りますと、「駐車はしないでください、向こうへ行って駐車してください、こちらが実盛塚」と、そういうふうに書いてございます。確かにそれに従って実盛塚へ参りますと、首かけの松のすばらしい手入れの仕方、それから枯れないように本当にうまく手入れをして、そして保存してあるんです。そして回りは石でちゃんと囲って、本当にすばらしいいい形に保存されております。あたりを見回すと東屋もあり、そして下には細かい玉砂利を敷いて、本当に何ともいえないやはり実盛塚だなと、そういう感じを受ける形になっておりました。だけれども、そこへ行くまでの道が実は余りよくないんです。多分民地のところを歩いて、そして寸借をしているような形の道路ではないかと、そのように思われますので、どうか玉造遺跡と、そして実盛塚の道路は少しでもよくして、訪れる方に難儀をかけないように何とか整備されないものかと、かように感じて帰ったわけでございます。 また、私そこでちょっと考えさせていただいたんですが、手塚山の首洗池と、そして実盛塚というのは本当に切っても切れない深い関連があるんです。ですからちょうど手塚山も随分きれいに整備されたところでございます。そこに実盛塚の案内板、地図などをやはり掲げて、そして実盛塚はここにあるんだぞというふうに訪れる方に知らせてあげればいかがなものかと、かように思ったところでございます。その点につきまして、市長の考え方をお尋ねするところであります。そうすることによって、歴史と観光の結びつきができ、片山津温泉を中心とした観光圏がより一層広まり、貢献するものと思われます。 次に、動橋地区にある七曲りについてであります。 現在、当時の面影を残しておる場所はほんのところどころでございますが、わかりにくいのが現状であります。そしてその一部の七曲りは、現在民間のごみ焼却場と隣接し、境界すらわかりにくい荒れ果てた状態になっております。動橋町といえば、当時宿場町として栄え、今は矢田郷議員、川下議員の努力、そして当局の努力によってぐず焼きまつりという祭りを保存し、世界に知らしめたところであります。そして、今補正にも載っております赤平市との交流、友好都市の提携等、有形、無形のまちおこしに力を入れながら、加賀市の宣伝とイメージアップに努力しておられるところであります。動橋の七曲りは殊のほか有名で、往時をしのぶ保存すべき名所旧跡であると思われます。そこで提案と質問を兼ね、道路の両側に昔は松の木だったかもしれません。ですが今は周りに家も建つようになりました。そこで桜の木を植樹しながら、七曲りとしての整備、保存をする考えがないか、そのことについてお尋ねするものであります。 本年3月定例会におきまして、川下議員の質問に矢田市長は、「
歴史的景観整備事業については、重点区域として北前船の里及び
山の下寺院群地域以外での整備は考えていないが、自然景観として保全整備を要すると考えられるような地域等については、今後も取り組まねば」と申されております。そこで私は強く期待をし、七曲りの質問をさせていただきます。 北前船の里、
山の下寺院群地域の
歴史的景観整備につきましては、先ほど林茂信議員も質問されておりましたが、林議員の場合は道路でございます。私は観光面についてでございます。せんだって11日、
森建設大臣が加賀市に視察にこられました折、市長は、両地域につきまして非常に事細やかに詳細に説明され、御支援の要望をなされておられました。そして先ほどの市長の御答弁にもありましたように、大いに期待しているとおっしゃっておられました。私も同感でございます。大いに期待を寄せ、今回の質問の中より、急遽北前船、それから
山の下寺院群につきましては割愛させていただきます。 さきの9月9日、土曜日の朝、NHKの旅のコーナー「加賀市」で放映、紹介されておりましたのも、歴史的要素である北前船の里や、絵馬の数々がテーマであり、そして紹介されておりました。私はその旅のコーナー「加賀市」を見ておりまして、本当に重みと、そして深みのある番組であるなと、かように感じておった次第でございます。歴史が歴史を生み、歴史が観光を生むという思いをより一層深くして、市長の歴史と観光に対する所感をお尋ねし、文化の項に移らせていただきます。 文化は、基本的には歴史と相通じておりますが、さきの加賀市のみずといで湯の文化連邦、そのキャッチフレーズに従いまして区分しながら質問をしたいと思います。 文化となりますと、これまた非常に範囲が広くなりますが、観光関係に関連し、特に人に関する文化としてとらえてみたいと思います。加賀市にゆかりのある日本的な文化と科学の人、この人はやはり中谷宇吉郎博士が筆頭であると思います。昨年11月、中谷宇吉郎雪の科学館がオープンを見ました。入館者数も当初見込みより相当数多いようであります。ことしの夏も8月1カ月で 6,500人余りの入館者があったと聞きます。そして入館者すべての方々に加賀市の文化水準とイメージのアップに役立ったのではないかと、かように思っておるところであります。 そこで、第2の文化に関する人を考えてみますと、私は大聖寺出身の作家、深田久弥先生ではないかと思います。深田久弥氏は多くの文学作品の評価もさることながら、何よりも山岳作家としてその名を全国にとどろかせ、氏みずから登山された全国の山々から、名峰として選ばれた日本百名山は余りにも有名であります。NHKの放送でも連続されて、その日本百名山を紹介して放映されておりました。けさの新聞では、そのNHKの放送された百名山のビデオ、たしか5万幾らでしたか、5万 8,000円ぐらいでしたか 6,000円でしたか売っているというビデオが、20巻で出ておりました。現在我が国の登山愛好者や山を愛する者は約1,000 万人から 2,000万人、それくらいはいるのではないかと、そのように言われております。山を愛する者は深田久弥を知らぬ者なしと、そして深田久弥を知る者は日本百名山を知らぬ者なしと、それくらいに有名で皆に知られております。 そこで提案でございますが、深田文学と日本百名山を紹介する深田記念館が加賀市には必要であるのではないかと、そのように思います。そして、深田氏がこよなく愛しましたふるさとの鞍掛山、富士写ケ岳、白山等が一望できるような中央公園の場所か、それとも放牧場跡地、来年清掃工場が取り壊される予定でございますが、その場所に活性化センターや研修センター、そして今、市長が力こぶを入れて頑張っておられる観光大学、このような施設と一緒に、現在のハイテクや各地の百名山所在地を結んだようなマルチメディアを活用、駆使して、そこにいながらにして日本の百名山を展観でき、そして踏破した気分が味わえるようなすばらしい施設をつくってみてはどうかと、これがまた観光に役立つのではないかと、このような夢のような構想も考えております。だけれども、夢ではないと思います。現実に中谷宇吉郎科学館におきましては雪まで製造しております。そういう施設を建設されたのでありますから、ぜひとも日本の百名山を紹介する加賀市の山岳作家、深田久弥氏のためにも記念館を建ててみてはと提案するものでありますが、その点につきまして市長のこの考え方の是非についてお伺いするものであります。 この館を建設することによって、それは管理費も大変かさむでございましょう。ですが、加賀市の文化評価がさらに高まりながら、中谷記念館との相乗効果も生みながら、全国津々浦々にPRされ、非常に貢献すると信じておるところであります。 次の、人につきまして、魯山人についてでございます。北大路魯山人についてであります。 山代温泉では開湯1300年に当たり諸事業が企画され催されておりますが、その中にたしか近々、山代温泉観光センター跡地利用計画が決着を見ると思われます。そこで、その跡地利用計画が現在どのような進行度を示しているか、それをお尋ねするものであります。 先の6月定例会におきまして、吉江議員の質問に対し矢田市長は、「魯山人の遺品の展示館とか、地方都市には特性の持った館が一番いいのではないか」と賛意を表明され、御答弁をされておりました。また、山代温泉財産区管理会長の山谷さんは、御答弁では、「やましろ温泉湯けむり界隈計画が立案されており、基本的には賛成をしている」、かように述べておられます。この機の熟しつつあるとき、市として大いに牽引力を発揮されながら、山代温泉のさらなる活性化はもとより、市全体の集客力向上のためにも中谷宇吉郎雪の科学館、そして今言いました深田久弥記念館、そして魯山人の館と三位一体連携させることにより、より一層効果を期待できる上から質問するところであります。 次に、自然の項についてであります。 去る9月1日金曜日、北國新聞の朝刊に、「国定公園に指定されている加賀市橋立町の加佐の岬近くの泉浜の海岸線で、近年がけ崩れが頻繁に起きている。地元の人たちが毎年海水浴を楽しみ、同町出身の截金人間国宝故西出大三氏も愛した景勝の地であり、今のさま変わりに町の住民も頭を痛めておる」、かように載っておりました。 泉浜の岩盤の質を実は行って見てみました。意外に固かったんです。ですから頻繁に崩れる、かように書いてあったが、頻繁さは余りないのではないかなと。だけれども、多くなくても崩れているのは事実であります。地元の方々が昔の美しい景色が随分さま変わりしていると言われるのも理解できるところでありますが、その泉浜の対応についてもお尋ねするものであります。 この泉浜よりももっと頻繁に崩れの激しいのが天崎ではないかと思われます。天崎の下の海岸には消波ブロックが1列並べてございます。ですが岸に随分近いものですから、近過ぎるのではないかと、そんなふうな感じをしておりました。せめてもう1列か2列、二、三十メートル先のところに消波ブロックが必要ではないか、そして一度や二度消波をしながら波を岸に近づければ、それだけ弱まるのではないかと、かように思っておったところであります。私の見たところによりますと、泉浜よりも天崎の土質、岩質でございますが、これは随分数倍柔らかいのではないかと、ですからそれこそ浸食が激しく、将来天崎の大地がなくなってしまうのではないかと、かような感じを受けながら帰ってまいりました。 天崎はちょうど私が中学の3年のときでございましたが、今は加賀市でございますが、当時江沼郡でございました。その江沼郡内の相撲大会が天崎の広場で行われておりました。その当時、私もその天崎に行った記憶がございます。そういう中学生の相撲大会ができるほどすばらしく整備がされ、そして今になっても思い出の場所であります。そしてせんだって、また行ってまいりましたら、今は雑木、それから竹、雑草が生い茂り、昔の面影は全然ございません。天崎も今の新港、新しい港と隣接した景勝の地であります。そして今の船だまり、旧港でございますが、そこを保護するには本当に重要な大地であります。今の新港のすぐ隣にございます。観光も兼ねながら景勝の地として天崎の整備と、そしてがけ崩れの対策についてお尋ねするものであります。 次に、隣の山でございますが、見山というのがございます。この見山は通称そこの土地の人は遊園地、遊園地と呼んでおられます。その由来を聞きますと、以前、橋立の実業家の有志の方が、そこに私費を投じて遊園地をつくられたそうでございます。約 2,000坪ほどありながら、今は天崎と同じように雑木と竹と雑草が生い茂った台地になっております。そしてずっと見回してみますと、ところどころに昔の遊園地をしのばせるような桜の木がぽつぽつと見えます。そこの場所から実は私、海岸線を、日本海を眺めてみましたら、加佐の岬から眺めるよりも随分数段きれいだよという、そういうことを聞いておりましたので、私もそこの藪の中へ入っていきながら日本海を眺めさせていただきました。確かに加佐の岬から眺める景色よりも数段絶景であり、そしてまた海底を見ますとすごく岩礁がくっきりと見えるんです。ですから、いや、きれいな海だなということで話しておりましたら、「橋立海岸ではこの見山の下の海岸が見えるというのは、これは一番の特色で、とてもではないが、こういうところはほかの橋立海岸にはないんだよ」と、そういうふうに言っておられました。 見山はその地権者が70人余りおられるそうでございます。ですが、ではそんなに個人所有が多いのだったらどうするんだろうという話をしておりましたら、「整備をするんならそんなものは異存あるわけないだろう」と、そういうふうに言われたところでございます。そこで、北前船の里と観光との兼ね合いからもぜひ整備するべきであると思われますが、それに対する考え方について質問するものであります。越前加賀国定公園である地でもあります。国に適当なメニューがあるかないか、ぜひ景勝の地を保存していただきたく期待するものであります。 次に、県では9月補正で輪島のエコロジーキャンプ場の、これは仮称でございます、整備計画費を計上したと報道されております。自然を生かしたオートキャンプ場を核として、そうぞうの森、さえずりの森、ふれあいの森など7つの自然体験ゾーンを設ける計画のようであります。昨今の我が国のレジャー志向は車社会の進展とあわせ、自然に触れるアウトドアレジャーが非常に高まってきております。こうした背景の中で環境庁が進めておられる事業であり、全国8カ所で実施しているとあります。北陸3県では輪島市の赤崎地区が初めてであり、自然体験ができ環境に優しいキャンプ場として、樹木の伐採や地形の変更を避け、自然景観を生かした整備が行われるとあります。 輪島は能登半島国定公園の中での設置計画であり、当加賀市も輪島に負けない立地条件を備えた景勝の地である越前加賀国定公園があります。こうした事業こそ広域プロジェクト事業にふさわしいと思われます。ただ環境庁の事業で、県内2カ所の同一メニューはもちろん無理と思われますが、ほかの補助メニューを探してみてでも、計画立案してみる考えがないかをお尋ねするものであります。 次に、また県は、石川自然百景に指定した総延長 450キロメートルに及ぶ「みち」の整備計画を発表いたしております。県内 100の景勝地を結ぶ散歩道の整備をし、百景を順にたどる47のコースを設定し、観光ルートをつくるとあります。県内全市町村を網羅する自然歩道の整備は全国的にも珍しく、観光振興や地域住民との交流の道とする考えであるとされております。この中で、加賀市では鹿島の森と北前船ロマンのみちが織り込まれております。そこで、この「みち」に対する市の対応、県に対する対応をお尋ねするものであります。また、いつごろの予定なのか、後の維持管理はどちらで面倒を見るようになるのか、その点についてもあわせてお聞かせ願えればと思います。 次に、農業と観光についてであります。 これは、みずといで湯の文化連邦の自然の項に含まれるところでありますが、体験をも含む観点から切り離して考えて質問をしてみたいと思います。 8月23日の新聞報道では、県は県内各地に点在する農林水産業体験施設を結びつけ、観光コースとしてアピールし、自然や野外活動に対する関心の高まりに注目しながら、農山漁村を観光名所として売り出す支援をするグリーンネットワーク推進協議会を設立したと報道されております。このグリーンネットワーク構想に対し、加賀市はどう理解し、そして働きかけていくのかをお尋ねするものであります。 去る5月9日、「北陸の経済」という欄におきまして、農業と観光の協調という表題でもって、当市の桑産業部長が投稿されておりました。非常な興味を持ちながら読ませていただき、これからの観光のあり方について勉強させられたところであります。内容は、「生活環境の劣悪化から発生した自然志向、本物志向、ふるさと志向は一段と強まっており、移住は簡単ではないので、気休めとして観光地選びに大型観光地志向から体験や心温まる触れ合い観光へと変わりつつある。これらの滞在型観光の一翼に観光農業の介入の余地が予想される」とあります。今度県の打ち出しましたグリーンネットワーク構想は桑部長の随想のとおりであり、全くかわりはないのではないかと、かように思われます。 そこで、産業部長にお聞きしたいのでございますが、加賀市独自の農業と観光について所見をお聞かせ願えればと思うところであります。 以上、観光に関連して質問してまいりましたが、ひとえに加賀市の観光の発展と水準アップを願ってのものであり、石川県の観光をリードする加賀市の、ましてや観光関係のオーソリティーであられます矢田市長の前向きの御答弁をお願いいたしまして、次の老朽水道管布設替えについて移りたいと思います。 8月12日、新聞報道では、阪神大震災で壊滅的な打撃を受けた水道の耐震策を検討していた厚生省水道耐震化施策検討会が提出した報告書の中で、老朽化した水道管など耐震性の劣る水道管を今世紀中にも交換し、今世紀中ということになると5年なんです。この5カ年で、つまり今世紀中にも交換し、広域的災害体制を整備する旨の報告書をまとめ、厚生省に提出したとあります。加賀市の総合計画によりますと、今世紀中、5カ年では、約5万メートルぐらいではなかったかと思います。その今世紀中の老朽管の整備は到底無理ではないか。これから20年以上は有余にかかるのではないかと、かような計算をしたところでございます。 そこで、加賀市はその厚生省の検討会が提出した報告書に従って整備をするならば、どのように対応されるかお尋ねするものであります。また、その資金確保についても企業会計では到底無理と思われます。その点につきましてもあわせてお尋ねするものであります。 次に、公立加賀中央病院についてであります。 中央病院のあり方についてはハード面、そしてソフト面にわたり、これまで幾度となく議会の場で質問され、要望されてきたところであります。現在中央病院は第2期工事の改築中であり、昨年、一昨年も続けて赤字経営でありました。全国の自治体病院の92.4%がマイナスの赤字経営であるとのことでありますから、加賀中央病院も御多分に漏れずであります。自治体病院の宿命だ、ただそれだけで片づけないで、加賀中央病院独自の分析をしながら経営改善をしなければならないのではないかと、かように思うところであります。もっとも病院内では院長を初め全員が経費の節減に努力されておる、そのように聞いたことがあります。ですが、収入が伸びなければ、おのずと経費節減には限界がございます。3月定例会において矢田市長は、「病院会計は企業会計である以上、赤字決算となっても補てんは考えられない」、かように答弁されております。これは性格上困難であるのは重々承知いたしておるところでございますが、過度の経費節減は間接的に医療施設の低下を招き、そしてまたそれが患者の減少に波及するおそれがあると思われます。 そこで、まず現在改築中ではございますが、その影響があると思われる中で、対前年比の患者数はどういう状況であるか。そして入院、外来ともにあわせてどういうふうな状況になっているかをお尋ねいたします。また、これにあわせまして病院会計はどういうふうな状態になっておるか、これについてもお尋ねするものであります。 病院会計では、入院収入のウエートが非常に大きいと思われます。平成元年に加賀中央病院の増床の件がございました。医師会との取り決めで、当時の関係の方々は非常な努力をされたと、かように聞いております。その中で20床が普通の病状の方には提供しないで、ICU、つまり集中管理治療のところに使用しろという条件づきだそうでございます。集中管理というのはそんなに20床もいるのかなということで、実はけさ中央病院に電話して聞いてみました。そうしたら、いや、そんなに要らないんだよと、まあよほど要っても3つか4つぐらいではないかなと、そんなふうに実は聞いたところでございます。去年もおととしもその前もでございますが、中央病院に入院して少し治ったらすぐ退院しろ、ベッドをあけなければいけないと、そういうふうなことを言われると、そういう苦情をよく聞いておったことがございます。せっかくつくった病室であり、そしてベッドが備えてございます。そのベッドを利用しないということは大変な赤字の要因ではないか、そして加えて、また大きなむだである、私はそのように思います。 当時、医師会とのICUの取り決めがあったことはやむを得ませんが、当時からもう随分何年もたっております。そして、現在自治体病院は92.4%という赤字を計上しているような状態でございます。そういう中で、加賀市も平成5年は1億 6,000万円くらい、6年は3億3,000 万円くらいの赤字ですか、そのような形になっております。ぜひとも経費節減とかそういうことではなく、もっと前向きな形であいているそのベッドを利用しながら、赤字経営の解消に努めるのが、また加賀市のためではないか、かようなふうな思いで質問をさせていただきました。市長でありながら、また組合長でもございます。どうかその観点から市長の考え方をお尋ねいたしながら、私の質問を終わらせていただきます。
○副議長(宮本儀一君) 矢田市長。
◎市長(
矢田松太郎君) まず、観光問題についてお答えをいたしたいと存じますが、余暇時間の増加に伴いまして、一過性の観光から滞在型、保養型と、観光志向の変化が見られるようになりました。歴史、文化といったものが観光資源として見直されてきておるわけでございます。北前船の里や
山の下寺院群等の景観整備事業以外の加賀市内に点在する文化財等々についても、まだまだ整備が必要であろうと思っております。案内板であるとか、あるいは経路等が残っておるわけでございますが、一層整備に努力をしてまいりたいと思います。玉造遺跡あるいは実盛塚、そして七曲り等々のそれぞれの遺跡等々につきましては、それぞれの特性を十分生かした整備をしていく必要があろうかと思っております。 次に、深田久弥氏の問題でございますが、山の文学者として広く全国に知られております。特に氏の名著とされております日本百名山が復刻されまして、NHKの衛生放送で同名の番組が長く放映され、全国的にブームになっておりますことは、地元加賀市といたしましても大変うれしく思っております。御承知のとおり加賀市の活性化のために北前船の里資料館や中谷宇吉郎雪の科学館などのように特色とテーマを持った施設を設置をし、科学、文化、芸術等の創造、発展、向上に努力をしておりますが、深田先生の記念館ということになりますと、関係資料の収集等々多くの問題を抱えております。検討してみたいと思いますが、現在のところ、なかなかその資料の収集が困難であろうかというふうに思っておるところでございます。 次に、魯山人の館の構想でありますけれども、これは山代温泉の旧観光センターの跡地利用について6月議会においても御説明を申し上げたところでございますが、その後、山代温泉区長会を初め各種団体の代表者から、やましろ温泉湯けむり界隈、仮称でありますけれども、これについての計画の御提案をいただきました。これは来年の山代温泉開湯1300年祭事業の一環として計画されたものでありまして、温泉の文化と温泉情緒を演出をして、市民や観光客がともに利用できる地域振興のための施設であるというふうに私は理解をいたしております。この計画には幾つかの、皆さん方と話しております時点でも合意をしたところでありますが、問題点が少し残っております。これを整理しなければなりません。 第1点というのは、具体的な計画をもっとお示しをして、住民の合意が必要であるということが第1点です。第2点というのは、土地の所有権が現在、山代温泉財産区となっておりまして、施設を建設する場合に、財産区が事業主体になることは難しいというふうに思えます。土地の譲渡であるとか貸借等の方法についても検討が必要だと思います。第3点は、資金計画及び事業主体と運営主体を何にするかという問題がございます。この事業計画について、現在補助事業メニューを探しております。補助事業メニューの選定とあわせまして、庁内の関係部局で検討をしております。今後十分関係機関と協議をいたしまして、実現に向けて努力をしていきたいと思っております。 次に、越前加賀国定公園でございますが、天崎から泉浜、それに見山、加佐の岬付近に至る橋立の海岸は、日本海にそそり立つ断崖としてその風景は荒々しく、日本海を連想するにふさわしいものだと思っております。これこそ自然保護を第一義に考えていかなければならない場所でなかろうかと思っております。ただ、自然の風雨であるとか波しぶき等によりまして崩壊が進みつつあることにつきましては心を本当に痛めておりますが、海岸保全対策につきましては、これはあの一帯は県事業の範囲でございます。県に強く要望してまいりたいと思っております。県においても前向きに御検討いただいておりますが、漁業権等の問題がちょっと絡んでおりまして、困難な問題もあるというふうに聞いておるところでございます。積極的に市も県事業に御協力を申し上げていかなければならないと思っておるところでございます。 次に、オートキャンプ場の問題でございますが、気軽な旅行形態として、そしてさらにまた自然と親しめるレジャー施設として定着化をいたしております。利用者の大半を占める若者志向にこたえる観光資源としての整備を図っていくべきだと思いますが、そのためには主要観光地や交通要所とのアクセス、駐車場やトイレの完備など、いわゆる生活利便性を維持したオアシス的な自然体験施設でなければならないのは当然であります。施設整備については県を含め関係市町村等とも十分協議をしていく必要があります。今後県が主体性をとって適正な配置、規模、機能等を検討して、県が整備するように働きかけてまいりたいというふうに思っております。適地の推挙もさせていただきたいと思っておるところでございます。 次に、石川の自然百景、これは昨年石川県が指定をしたものでございます。その中に加賀市では柴山潟、加佐の岬、長者屋敷跡、鴨池、塩屋海岸及び鹿島の森の6カ所が選ばれておりまして、その「自然百景をめぐるみち」については、本年環境庁がルート決定をした中部北陸自然歩道の愛称として県が名づけたものであります。その中の鹿島の森と北前船ロマンのみちというのがあるわけでありますが、それにつきましては、先ほど申しました6カ所の景観とですね、六景と、それから新保海岸から塩屋海岸までの海岸線にあるサイクリングロードと自然遊歩道をつないだものであります。これらについては、これまた県が事業主体となって国の補助を受けながら自然保護意識を高め、観光振興等を図る目的のため順次、整備を進めることになっております。市内の自然遊歩道の改修や周辺関連施設の整備を県に対して働きかけていくというふうに考えております。 次に、農林水産業、特に中山間農村の振興についてでございますが、石川県が計画をしております中山間地の活性化を図る農林水産業を観光資源として生かすグリーンネットワーク構想を立てられたわけでありますが、加賀市としては先んじて実は実施をしておるというふうに私は思っております。と申しますのは、農業と観光を結びつけました加賀フルーツランドの構想でありまして、平成4年から取り組みまして事業化を進めてまいったところでございます。今後とも石川県のグリーンネットワーク構想というものを十分勘案をしながら、自然志向、本物志向等が一段と強まってまいると思いますので、新しい発想による農林水産業と観光産業との異業種交流を促進をさせていきたいと、国、県にも強く要望してまいりたいと思っておるところでございます。 次に、老朽管の布設替えの問題でございます。 厚生省が阪神淡路大震災の後に、この水道被害の経験を踏まえまして設置をしました水道耐震化施策検討会の報告書がございます。その報告書の中で、緊急を要する弱点対策として、石綿セメント管等の地震に弱い水道配管を今世紀中をめどに更新を終えることを目標とすることとし、多大な投資を必要とする水道の耐震向上対策に伴う水道料金の増高に対し、国の支援強化と市及び県の一般会計による支援が必要とされるという内容になっておるわけでございます。 加賀市では、平成6年度までに御承知のとおり22キロメートルの老朽管の布設替えを完了いたしました。当然のことながら費用においても一般会計から上積み事業費の4分の1を水道会計に繰り入れをいたしております。残る 140キロメートル、
先ほどお話しのとおり、随分更新するには時間がかかるのではないかという御指摘でございます。そのとおりだと私は思いますが、厚生省からこういう報告書が出た以上は、さらに一層の補助制度の拡大があるのではないかということを期待をいたしておりまして、厚生省の事業に対する態度というものを見きわめながら努力をしてまいりたいと思っております。 次に、中央病院の現状でございますが、4月から8月までの延べ患者数が2万 8,304人でありまして、前年度と比較しますと 1,316人少なくなっております。比率では 4.4%の減少であります。これはいろいろな原因が考えられますが、改築工事による仮設病棟、騒音等の入院環境の悪化が原因と考えておりまして、この傾向がまだしばらく続くのではないかというふうに思っております。患者数の減少に伴いまして当然入院収益も減収であります。7月までの累計額が5億 4,748万 7,000円でありまして、前年度対比で 6,900万円の減収となっておるところでございます。 なぜ自治体病院が赤字なのかという原因でありますが、これにつきましては特殊医療、高度医療、僻地医療等の部門を受け持つという使命を受けておるからだと言われております。さらに高齢化による医療構造の変化に伴いまして、入院患者数の減少、それから診療報酬の改定幅の縮小、消費税の導入等々が収支悪化の原因となっておると言われております。さらに加賀中央病院では工事中による患者の減少もありまして、赤字決算を余儀なくされておるのが現状であります。改築完了後はかなり回復するのではないかというふうな期待を持っておるところであります。 20床の凍結の問題というか20床の問題でございますが、平成元年4月、西棟増築のときに60床の増床の許可を得て、そのうち20床を市医師会との協議の中で、地域の中核医療施設としての機能を持たすために、ICU、集中強化治療室であります。それからCCU、心臓病集中治療室用の病床として位置づけをしてまいったわけであります。なかなかそのCCU、それからICUに病院機能が追いつくかということになりますと極めて困難な状況でございまして、現施設の状況のままで使用するということはまだまだ検討しなければならない余地があるわけであります。それを一般病床にするかどうかという問題でありますけれども、これは他の医療機関との関連がございます。あるいはその増床のときの状況もありまして、慎重にこれは対処をしていかなければならないというふうに思っておるところでございます。
○副議長(宮本儀一君) 若林幸子君。
◆(若林幸子君) 平成7年第4回定例会におきまして、市民の声々を聞きながら個人質問をいたします。 9月4日、警察に摘発されました市内女子中学生のテレクラによる被害の発生は、相手が福井県の義務教育の現役の教頭ということで、社会に与えた衝撃は多大なものがあると思います。県外だからいいだろうと本人が申したそうで、まことにひきょうなことであります。他山の石として、本市においても教育長以下教育関係者におかれましては、みずからを律していただきたいと思うわけであります。また、家庭教育のさらなる充実と、授業におきます道徳教科の確実な消化ということを強く教育長にお願いしたいと思います。私はその関係と見られますテレクラといったような看板を、大聖寺方面と片山津温泉内におきまして気づきまして、警察にお願いして撤去していただいた経験がございます。青少年健全育成への環境浄化運動は地域全体としてとらえ、違法な広告物、チラシ、自販機等の撤去等に官民一体で監視を強化していくべきだと思うわけでありますが、本市において一般市民の関心がいま一つ薄いのではないかと感ずるわけであります。育友会、育成委員、補導員といった方々だけでこの問題は解決できません。市民会議のようなものを行政側から呼びかける必要があるのではないでしょうか。 私は、平成2年12月議会におきまして、ダイヤルQ2 に対する抗議の行動を起こすようこの議会で申し入れをしておりますが、当時全国的な抗議運動が起こり、NTTも審査を厳しくして、割と今おさまっているようであります。今回はフリーダイヤルが元凶であります。Q2 でなくてフリーダイヤルが問題だそうであります。各家庭に配布されておりますハローページ、電話帳でございますが、それに堂々と明らかにそれとわかる名称が種々掲載されております。テレホンクラブHとか何とかクラブ女性専用、ミセス専用等々、0120には審査がないのだそうであります。また本市におかれましても、2カ所そういったプリペードカードの自販機があるそうでありまして、確認に出かけましたところ、やはりありました。NTTといった公共の、幾ら民営になったと申しましても公共のものであります、利用回数さえ上がればだれにでも回線を売るのか。当市としても抗議、申し入れをすべきではないかと感じましたのでお尋ねをいたします。 次、かねてより女性団体等が切望してまいりました生涯学習センターの建設が、清掃工場跡地利用という中で検討がされているようであり、大変一同喜んでおりますが、中央公園と一体となった設備になれば、文化・学習・スポーツ・ボランティアの拠点として、他市の追従を許さぬ最高の生涯学習センターとして広く市民に活用されるものと大いに期待を寄せるものであります。私は同時にその構想の中に、ぜひ 500から 600席の室内音楽ホールを併設して、さらに文化度を高めていただきたいと思うわけであります。皆さんは文化会館があるではないかとおっしゃるかもしれませんが、本格的な音響設備が設置されていないのであります。現在本市では片山津のテリーナホールにおきまして、観光協会が音響板を敷設いたしました。それが唯一それらしきものといえます。各種発表会等に大いに利用されておりますが、 100から 200席でありまして、平面にいすを並べるだけでありますので、本格的な音楽愛好家には物足らないものがあります。 現在、全国に親子劇場という組織があり、加賀市にも 650名余りの会員がいらっしゃるそうで、全く自主的に、プロによる音楽、劇、人形劇等、年6回開催して、親子ともども鑑賞しておられるそうでありますが、毎回会場に苦労すると聞いています。テリーナホールはいつも予約でいっぱい、文化会館は大き過ぎるということで市民会館を使用していらっしゃいますが、やはり平面でありますので、牛乳パック等で段差の観客席を手づくりでしている苦労があるということを聞きました。こういった市民の文化の芽はもっと本格的な劇場ではぐくんでいかなくてはならないと思います。先日、根上の文化ホールを視察してまいりましたが、親子鑑賞室等も備えつけてありまして、また東京、大阪の公演が大画面でリアルタイムで鑑賞できるといった、そういった機械も備えた立派なものでありました。文化都市を標榜する本市におきましても、メモリアルホールの建設を切に願うものであります。生涯学習センターに音楽堂を同時着工できるように提言いたしたいと思います。 次、中央公園の芝生広場の一角にございます野外音楽堂でありますが、近年の利用状況は、市主催のグリーンフェスティバル、れ・クリエイトかが以外には、消防のラッパ隊の強化訓練のみといった状況であります。使用申し込みがあっても、現地を見て辞退される例があると聞きましたので、冬の利賀村で3日間で 150万人も集めたイベント屋さんに、野外音楽堂の条件はいかがとお聞きしましたところ、まず音、光、そして舞台まで大型トラックが横づけ可能なことと言われました。大型トラックの横づけも難しいようですが、オーディオの発達で大変音量の大きな大型機械が最近好まれまして、第一に電力容量が足りないのではないか。現在市の行事、グリーンフェスティバル等の式典にいたしましても、テントの方まで舞台の声が聞こえてこないといつも感じております。先日、アスペン音楽祭が開催されました。県では恒例にしたいというような談話も発表されておりましたが、私は市の芝生広場を埋め尽くすほどの加賀音楽祭を開催できるような場にできないかということを提案いたしたいと思います。 山代、片山津両温泉地のちょうど中間点であります。さきに提案いたしました室内音楽ホールと野外音楽ステージをリンクして、市民はもとより世界に発信できるような音楽祭に発展させることも可能でないかと思うわけであります。今、両温泉地は温度差はありますが、疲弊し切っております。全国的な傾向として宴会と団体主体、お色気等を売りとしてきた温泉地が軒並みダウンしていると聞いております。かわって女性に好まれる健康・文化・よい買い物のできる温泉地というのがどんどん浮上していると聞いておりますが、私は、県も市もこの大きな経済効果を生み出す
加賀温泉郷に対し、自主財源があるといって投資を怠ってきたつけが今回ってきているのではないかと思っております。 石川県は北陸3県でも観光客数が最下位に位置するまでに下落をしております。例えばたばこ、酒、入湯税、固定資産税、1ホテルでの 100名以上の雇用の場、出入り業者の利潤、そしてその従業員の生活による消費、電気料、水道料エトセトラ、今それが崩壊の危機にさらされていると言っても過言ではないのではなかろうかと。昨今、 1,000メートル以上掘ればどこでも熱水が出るのだそうで、新しい温泉が次々と脚光を浴びております。その中で既存の温泉地はいかに生き残るか。女性に支持される観光地としてイメージチェンジを図るためには、山代だ、片山津だと売り込むより、加賀市そのものをアピールする継続した大きなイベントが必要かと考えます。女性と若者を呼び込む一助として、両音楽堂を充実させ、アスペン音楽祭に匹敵したレッツ・かが音楽祭を開催できるように提案いたします。 なお、今回の補正で地元の要望による遠望台、そして特に柴山潟の噴水設置は20年来の住民の願いであり、少々時期を逸した感もありますが、水質浄化の面からも効果が期待できるところから、大いに賛意を表したいと思います。 市営霊柩車につきましては先ほどお答えを聞きましたから省略いたしまして、ただ、現在料金は市が 6,000円ということで、民間1万 5,000円でおさまっておりますが、小松市では3万円よりということで、市の車によって利用料上昇の抑止力になっているのではないかと考えるところから、廃車にした場合、急激な料金アップにつながらないよう十分配慮していただきたいと思います。特に低所得者に対する援助等も拡大されるように切に願うものであります。霊柩車に関してはさきにお答えをお聞きいたしましたので、御返事は遠慮させていただきます。 以上で私の質問を終えたいと思います。
○副議長(宮本儀一君) 矢田市長。
◎市長(
矢田松太郎君) まず清掃工場の跡地利用でございますが、建設中の
環境美化センターが計画どおり平成8年4月に本格稼働いたしますと、現有の清掃工場は同時期に供用を終了いたします。その後早目に取り壊す予定をいたしております。跡地の利用につきましては、今後基本計画を策定をしたいと考えておりますが、計画の策定に当たって、今お話しの小劇場、音楽堂等々を含めまして、生涯学習のニーズをまず的確に把握をしなければならないと思います。その辺にしっかりと配慮して、中央公園、そして各種スポーツ施設等の有機的な連結も大事であろうと思っております。宿泊機能も備えた複合施設の建設を念頭に置いておるところでございます。施設の名称及び機能につきましても、今後議会を初め、各種団体等の御意見を踏まえて十分検討させていただきたいと存じます。 次に、中央公園の野外音楽堂に関する一連の質問でありますけれども、この音楽堂、当時建設されたときの目的というのは、市民が主催する小規模な音楽会あるいは子供たちの野外劇場等の利用を目的としたものでございまして、大規模なイベント対応については困難であるというふうに思っております。したがって、消費電力の大きいものであるとか、あるいは規模の大きいイベントに対しましては、仮設電力、仮設舞台で対応してまいりたいと思っております。それがまた一般的のようでもございます。したがって現有施設については、あくまでも芝生広場の一環として、芝生広場と一体になった施設として運営をしていきたいというふうに思っております。大型自動車の進入路の問題につきましては、多少整備は、改造整備は必要かとも思いますが、正面の入り口広場と連絡路の通路によりまして可能であるというふうに考えておるところでございます。
○副議長(宮本儀一君) 藪谷教育長。
◎教育長(藪谷栄一君) 青少年の健全育成についてお答えをいたします。 去る9月4日に報道されましたテレホンクラブ事件に、本市の女子中学生が関係しておりましたということに深く憂慮の念を抱くとともに、甚だ残念なことと思っております。御存じのように最近の女子中学生の性に関する意識は、商品化された性情報の氾濫とかかわり、以前とは大きく変化してきておりますが、大部分の生徒は正しい判断力を持ち、健全な生き方をいたしております。要は、いかがわしい性情報に惑わされることのない正しい判断力を持ち、行動ができる児童生徒の育成が極めて重要であると思っております。したがいまして心の教育の大切さを再認識し、御指摘のとおり道徳教育の充実を図っていかなければならないと考えております。 このため、今回の事件につきましてはどの学校にも該当してもおかしくない問題行動であるという認識のもとに、教職員の信用失墜行為防止を含めまして、通達をもって市内23校に指導の徹底をお願いするとともに、校長会、教頭会、校指連、校指連というのは校外指導連盟ということでございますが、そういう会合で強く訴えているところであります。なお、環境浄化の面からの働きかけでありますが、青少年問題協議会を中心とする環境浄化要請活動、加賀市青少年育成センターによる巡視、広報、啓発活動、警察との連携、そして加賀市育友会連合会及び各中学校校下生徒指導連絡協議会による非行防止活動など、加賀市の実情に合った運動を展開していただいているところであります。市民会議の設置をという提言でありますが、今後はこれらの組織の再点検と強化を図りながら、さらには各地区の
まちづくり推進協議会等とも連携をしながら、十分な働きがなされるようお願いをし、非行防止強化に努めてまいりたいと考えているところであります。 次に、中央公園野外音楽堂にかかわるイベント利用についてお答えをいたしたいと思います。近年市民コーラス等の音楽団体の活動が盛んになっていることは御承知のとおりであります。こうした団体の育成が図られ、市民の音楽的情操の高まりを期待しているところであります。このためのイベントの開催ということでありますが、音楽団体の自主的な活動や市民ニーズの動向を見定めながら、関係団体への働きかけをしてまいりたいと、このように考えております。 以上でございます。
○副議長(宮本儀一君) 宮田勇君。
◆(宮田勇君) 第4回の定例会に当たり、私は上程されております議案の中から、加賀市政が当面をしておる課題の2点について、市長の見解をただしてまいりたいと思います。 最初の問題は、一般会計補正予算案のうち、加賀市アートギャラリー整備事業費 2,640万円に関して疑義を感じますので、数点についてお尋ねをいたしたいと思います。 長年の懸案でありました
加賀温泉駅前の整備が図られて、事業の見通しが立ってきたことは大いに歓迎をするところであり、一日も早い完成が待たれるところであります。さて、これら事業遂行のため、
特定商業集積事業の適用を受けて開発が進められること、またその整備区域内に市が行う公共施設整備が必要条件となっているというところまでは、当局の説明で理解ができるのであります。しかし、その対象となる公共施設がなぜアートギャラリーであるのかと、私にはそこがわかりませんので、まず質問をいたしたいと思います。 第1に、アートギャラリーの定義があいまいであります。近年、急激にふえてきたこの種のいわゆる片仮名言葉は、浅学非才な私にとってまことに意味不明瞭で、何かしらごまかされている感じのするものが多いのでありますが、特にこのアートギャラリーなどはその典型であろうかと思います。私の持つ知識では、単純に美術館と思っていたのでありますが、どうもその辺が違うようであります。美術館とアートギャラリーはどう違うのか、まずこの点をお教え願いたいと思います。 次に、事業着手に当たっては、まずその事業の全体構想があって、そのための総事業費が概算で想定がされて、それに基づいて設計費が算定されるものと理解をしております。そしてその設計費の総事業費に対する計数はある一定の範囲内にあると聞き及んでおります。したがって今回計上されております 2,640万円の設計調査費から考えると、温泉駅前に立地する公共施設はおよそ数億円の単位と予想されるのだそうであります。ここが問題です。数億円以上の、場合によっては10億円に達するかもしれないという公共施設を、具体的にどんな施設を持ってくるのかと、何を建てるのかと、これが議案提出の10日前まで明らかにされなかったのであります。すなわち石川県加賀陶芸美術館建設構想が3案をもって示されたのが5月の中旬でありますが、この時点では総合美術館に関しては、問題のアートギャラリーも含めて何ら触れられていないのであります。その後、6月の経済委員協議会では、商業集積事業における公共施設部門について市民ギャラリーを想定していると、その意向が示されたと聞いておりますが、少なくとも私は商業集積に関連をする、このことは加賀市の経済発展に寄与する産業展示館のようなものであろうと受けとめていたのであります。それが8月30日の教育民生委員協議会で、初めてアートギャラリーと化けて名前が出てきたのであります。したがって私はこの間、当局が商業集積事業における公共施設整備についてどのような機関でいかなる検討がなされて、そして結論を得られたのか、その経過について説明を求めるものであります。 さらに、公共施設の設置は、オープンに先立って設置条例として議会の議決を要するものと理解をしております。したがってその施設の内容や目的など基本にかかわる問題は、当然のことながら建設に先立って議会に諮られ、市民に明らかにされるべきと考えます。この点について市長の見解を求めるものであります。 市長は、アートギャラリー整備費として 2,600万円余を提案することで、具体的な施設整備の提案にかえようと考えておいでなのかもしれませんが、大きな経費を伴う公共施設をどうするか、そのことに議会が議論する暇もない、いとまもない状態で結論を迫るやり方はまさに暴挙であり、憤りを禁じ得ないのであります。これを黙認するほど市民は鷹揚でないと思うのであります。この点を市長は市民に対してどのように説明をされ、理解を求められるのか質問をいたします。 さて、数年来関係者の間では、現在の加賀市美術館では管理運営面で不備が多く、新しい美術館の建設を要望する声が多くあることは私も聞いておりました。できるだけ早い時期にそれが実現することを願ってもおりました。他方、近年になって古九谷を中心とする県立陶芸美術館建設の機運が急激に盛り上がってきたことも聞いておりました。そんな状況下にあって美術館という施設は、その収蔵品や展示作品をそろえるにも、我々の予測できない高額な予算が必要であることはもちろん、それぞれの作品に見合った管理のあり方が求められます。さらには企画、運営の費用や学芸員など人的費用も含めて、いわゆるランニングコストは他の公共施設とは比較にならないほど多いものが必要であることも知って、私は、果たして人口7万人の加賀市に2つの美術館が存続し得るのかどうか強い疑念を持っていたのであります。果たせるかな、新美術館建設検討懇話会等々、各種の諮問機関でも容易に結論を見出すことができず、現在に至っていると認識をしているのであります。市長は、本議会において何度か質問に答える中で美術館に対する方向を示しておいでになりますが、それは基本的な考え方、方法を市長の私見として述べておいでになっているのであって、諮問機関や関係者の意見を踏まえて、それらをまとめた中で加賀市としての明確な結論を出されたことは私の記憶にはないのであります。 そこで市長にお尋ねをいたしますが、今回のアートギャラリーのように、泥棒をつかまえて縄をなうのごとき対応で、果たして将来とも加賀市の施設として誇り得る万全のものが建設できるのかどうか。また、このアートギャラリーはあくまでギャラリーとして存在させ、これとは別に総合美術館を持つお考えであるのかどうか質問をいたします。 さらに私は、2つの美術館が仮に存在する場合でも、その企画、管理、運営については一元化されるべきものと考えるのでありますが、市長はテーマ美術館と総合美術館の管理運営のあり方を基本的にどのように考えておいでになるのか質問をいたします。 このように加賀市として美術館という公共施設のあり方について、その基本的な線も定まらず、いわゆる2つの美術館論争が結論を得ていない状況にあって、今回のアートギャラリー提案はまことに唐突であり、欺瞞に満ちた運び方に強い不信の念を抱かざるを得ないのであります。 さて、この加賀市庁舎の一室にある拓本が額にして掲げられてあります。これは旧二本松藩、現在の福島県二本松市に今も残る戒石銘碑と言われるものの拓本であります。どのような経緯でこれが加賀市役所に掲げられてきたかはつまびらかでありませんけれども、その碑文には、「爾俸爾禄民膏民脂下民易虐上天欺難」とあります。この意味は現代風に言えば、行政に係る経費はすべて市民の汗と油の結晶であると。したがって、市民を忘れた政治をすれば、天はこれを見逃さないであろうということでしょうか、私は勝手にそう解釈して、折に触れ自分を戒めておるのでありますが、旧二本松藩も藩主がこれを国をおさめる要諦としたのであろうかと思います。市長はかねてより「寄らしむべし、知らしむべし」をその政治信条としておいでになりますが、戒石銘碑のこの碑文と一脈通ずるものがあります。 しかし、市長はこの春3選を果たされてから、その政治信条を捨て去って、市民ばかりでなく民主主義をも忘れた姿勢をとっておいでになるように思えてならないのであります。情報公開条例に係る不手際もそうであります。午前中の審議で、我が革新クラブを代表して林議員の質問にもありました観光施設整備費の問題もそうであります。そして、今私が指摘をしているアートギャラリーの建設がその最たるものであります。市長のもとで十分な検討がなされたとは思われないものが極めてずさんな形のまま提案され、多額の経費がそこに投入されようとしている現実は、まさしく市長、上天欺きがたしでありましょう。市長の政治姿勢に批判を加えながら、この私の指摘に対する所見をお伺いしたいと思います。同時に、このアートギャラリー計画を一時凍結ないしは見直す用意がないのか質問をいたします。 次の質問に移ります。 同じく一般会計補正予算案の中に清掃工場施設整備費 410万円が計上されております。説明によりますと、現在の清掃工場の一部を取り壊すための解体撤去委託費とのことであります。明春4月、新しい美化センターの稼働に伴い、その役割を終える現在の清掃工場がいよいよ姿を消す前兆であると思えば、この施設に対して長年の労をねぎらいたい気持ちと同時に、建設当時のさまざまな事件が思い出されて、感無量のものがあります。加賀市のごみ処理問題の移り変わりを見る思いがするのであります。 さて、新しい美化センターでありますが、この施設もまた産声を上げる前から前途に早くも課題を抱えているようであります。美化センターはその計画の段階で平成5年に見直しがなされて、処理能力を1割程度縮小した設備に変更され、また併設される
リサイクルプラザも同じく当初計画より3割近い縮小に計画変更されたのであります。これは時同じくして石川県が県内3地区にクリーンセンターと称する産業廃棄物処理施設整備計画を立て、そのうちの一つを小松市内で計画したことに始まるのであります。 加賀市内から生み出される廃棄物の一部を、この県のクリーンセンターで処理する前提で計画の見直しがなされ、縮小変更された処理量に基づいて、新しい美化センターと
リサイクルプラザが建設されつつある現状にあって、それでは県が計画した産業廃棄物処理施設はといえば、立地が予定される地域の同意が得られないまま今日に至っております。地元に聞くところでは、県の希望を受け入れる意思はほとんどないやに伝えられております。もしこの県のクリーンセンターが将来とも建設できないと仮定をするなら、加賀市のごみ処理対策は改めて計画変更が迫られることになるわけであり、加賀市にとって重大な問題であります。 そこで市長にお尋ねをしたいのでありますが、県が計画した小松市内でのクリーンセンター建設の見通しについて、市長はどのように判断をしておいでになるか質問いたします。ここで私は、市長から単に県のコメントを聞くことを求めているのではございません。それを踏まえて市長がどんな見通しをされているのか、市長の率直な判断をお聞きしたいと思います。 さらに、加賀市のごみ処理計画に基づいてその処理能力を見た場合、新しい施設の稼働当初は、つまり平成8年にはもちろん処理能力がごみ量を上回っているでしょうけれども、これが何年か後にはごみ集積量と処理量が等しくなるものと思われます。美化センターと
リサイクルプラザ、それぞれに何年後にそんな事態が予測されるのか。すなわち県のクリーンセンター建設のおくれを何年後まで待つことができるのか質問をいたします。県の処理施設が建設できない場合は、加賀市のごみ問題はいずれ大きな壁に行く手を阻まれるときが来るわけであります。そのことを考えると県の責任はまことに重大であります。市長は今県に対してこの問題の対処をどのように求めておいでになるのか質問をいたします。 ことしになって加賀市のごみ問題はさらにやっかいな問題を抱えました。山中町が熊坂町地内における最終処分場の継続使用とあわせて
リサイクルプラザの新たな使用を要望していると聞いております。これは当市の平成8年からのごみ処理計画には入っていないはずでありますから、これにどう対応していくか、これも加賀市のごみ処理計画にとって大きな問題であります。平成3年当時の山中町との約束で、その期限は明示してあるからということで山中町の要望を拒否することは、これは簡単でありますが、それでは日ごろ何かとつき合いのあるお隣に対して余りにもつれない返事ということになります。さりとて山中町の喜ぶ答えを出せば我が身が沈むということになります。一方で、最初は思わせぶりであった県が、今はまことに頼りない限りであります。この問題に市長はどのように対応されるのか質問をいたします。 「義を見てせざるは勇無きなり」という言葉もあります。困っている山中町に友情を示す必要もありましょうし、一方では県に対して本気で怒りをぶつける、そんな気概を持つことも必要でありましょう。しかしながら、最も大事にすべきは熊坂町の意向であり、地元住民の意向は最大限尊重されるべきであります。この三者に誤りなく対応されながら、加賀市のごみ問題の解決を図るのは並大抵ではなく、矢田市長の真価が問われる事態であります。市長の極めて高度な政治手腕が求められます。さきの質問で見たような場当たり的な生半可な態度では解決は見えてこないのであります。この点における市長の所見と決意のほどをお伺いしたいと思います。 そこで、現時点で私は、石川県は既に小松市内でのクリーンセンター建設をあきらめたのではないかと考えているのでありますけれども、そうなると最も困るのは加賀市であります。そこで市長、私は一日も早く次の対応を考えるべきではないかと思います。県の責任は責任として強くこれを追及しながら、南加賀全体がみずからのために広域圏でこれに対処する道を探るべきではないかと思うのであります。県の計画挫折によって最も大きな影響を受ける加賀市が今のうちにその機運を盛り上げる役割を果たすべきだと考えるのでありますが、この点における市長の見解を求めて、私の今回の質問を終わります。
○副議長(宮本儀一君) 矢田市長。
◎市長(
矢田松太郎君) 昭和53年の秋にオープンをいたしまして広く市民から親しまれております市美術館につきましては、平成元年でありますから、もう7年前になりますが、加賀市の美術協会を初めとして美術関係諸団体から、現有施設では昨今の美術作品の大型化であるとか、生涯学習時代における市民の多様な要求を満たすために、ぜひとも新しい施設をつくってほしいとの要望がございました。これは言いかえれば、美術館の持つギャラリー機能を充実をしてほしいという要望であったわけであります。 そこで、加賀市として本当にこの市民から求められるこれからの美術館というものはいかにあるべきかというようなことを検討、審議をしていただくために、平成4年2月に加賀市新美術館建設検討懇話会を設置をしまして、これまでに8回会合を重ねてまいりました。その過程におきまして、この現美術館の持っておりますギャラリー機能が低いということから検討委員会が始まったわけでありますが、そのためにも開館当初から常設展示されておる古九谷の流れ展を中心にいたします古九谷、それから吉田屋、現在の九谷のところまで作家がおるわけでございますが、その常設展示を独立させてはどうかという提言もございました。それで石川県加賀陶芸美術館の建設を県にお願いをすることにいたしたわけでございます。 石川県の美術館の特性、県の県営美術館の特性というのは、加賀の工芸を中心にいたしましてそれを展示するとともに、いわゆる大型展示等々のギャラリー的な仕事をしておるわけであります。加賀市の現有の美術館というのは古九谷の流れ展を中心にいたします、館蔵物もそれが多いわけでございますし、今までの美術購入基金の上でそれを買ってまいりました。それでも多くのものには、たくさん集まったとは申しませんけれども、充実を図ってきたわけであります。その機能といわゆる大型展示機能、大型の美術品の展示をする機能、それから市民の文化性を向上させる機能と、こういうものは持ったわけでございますが、その常設展で考えておりました古九谷の流れ展というものをテーマ美術館として別に設置をするということになりますと、本来から市民から要求のありましたいわゆる展示機能、ギャラリー機能が低下をいたしておると、この問題をどうしても解決をしなければならない、長い間の懸案事項になっておったわけでございます。 もう一編繰り返すこにとなりますけれども、加賀市というのは御案内のとおり、非常に美術の愛好家がたくさんおられます。絵画、書道、工芸、写真、あらゆる分野にわたって非常に市民の皆さんが美術を愛し、創作活動も活発に行われておるというわけでございます。市民の文化の向上を図る、それからそれらの方々の作品を展示する芸術美術ギャラリーというものが不足をいたしますので、このギャラリーの設置、アートギャラリーというのは必要であるというふうに思います。指摘をされておったところでございます。 さらに、このテーマ美術館が加賀市のような都市にとって、あるいはテーマ博物館というのは加賀市のような都市形態にとっていかに必要であるかということは再三申し上げてきたとおりでございます。地域に密着をし、小粒でもぴりっと辛い博物館や美術館というのは、加賀市の活性化にとって、発展にとって、文化の向上にとって非常に大事なことであるということも申し上げてきたつもりでございます。 さらに一方、事業着手に向けて体制が整って、本年度から積極的に推進する
加賀温泉駅前特定商業集積整備事業に関連をいたしまして、市が支援整備する公共施設として、駅前の広場整備等々のインフラ整備のほかに、事業関係者及び地域からの要望の強い文化教養施設の設置も以前からの懸案であったことは御承知のとおりだと思います。そこで、これらの経緯を踏まえて地域の要望、財源的な問題、新美術館建設検討懇話会の意見の集約、あるいは市内部での種々の議論を経まして検討の結果、アートギャラリーを建設するということに決断をしたわけでございます。したがってその考え方からすれば、当然、総合美術館を別に建設するようなことは全く考えられないことだと思っております。 そこで、アートギャラリーの規模でございますけれども、約 1,600平方メートルでございまして、6億円程度を見込んでおります。内容等々については細部にわたって今後詰めていかなければならないと思っておりますが、商業集積事業との円滑な推進を図るために、この8月末に議会の関係委員協議会を開催をしていただきまして御説明を申し上げ、さらに今議会に設計費を計上をした次第でございます。 なお、施設の設置条例等につきましては、従来どおり施設の建設が完了して、利用、使用できる段階において議会にお諮りすることといたしております。念を押すようで恐縮でございますけれども、この
加賀温泉駅前の
特定商業集積事業というのは、この事業の目的を達成するために行政としても公共施設の整備が必要条件になっておることは御承知のとおりでございます。そこで、公共施設の整備をするに当たって、地域文化の維持や地域のアメニティあるいはコミュニティ等を向上させて、商業施設との相乗効果が期待できる施設を長年検討してまいったわけでございます。関係者の議論の中からアートギャラリーの施設の構想が出されたものでございます。さらに、この本事業を進めていくために開発行為や基本構想等の県知事認可申請を急がなければなりません。計画に沿ったタイムスケジュール等々もあわせまして、このアートギャラリー構想をつくったということでございます。 次に、私の政治姿勢についてでございますが、政治姿勢につきましては、御案内のとおり当初から「知らしむべし、寄らしむべし」という政治姿勢には変わりはございません。今後ともこの姿勢は貫いてまいらなければならないと思っておるところでございます。ただ、3期目に当たりましてそれぞれの施策を行う場合、市長は市政の発展につながり、市民が幸福であるというふうに考えたならば、勇猛邁進、その信念に向かって突き進めというような御意見も承ったこともあるということをつけ加えさせていただきたいと思います。 次に、産業廃棄物の問題についてお答えをさせていただきたいと思います。 県の環境部から、第三セクター方式によるクリーンセンター構想について、現在、羽咋市において地元の理解を得て、基本計画策定のための地形、地質調査を行っておりますと、南加賀地区におけるクリーンセンター構想については、これまで小松市において地元説明会を開催するなど、住民の理解と協力を得るように努めてきたところでありますが、十分な御理解を得られず現在に至っており、今後とも関係市町とともに検討を続けたいという返答がございます。加賀市としても
先ほどお話しのように、南加賀地区のクリーンセンター構想によって、
環境美化センターの処理能力を縮小をしたという経緯がございます。したがって県に対して早期に建設されるように強く要望をしてまいりたいと思っております。県もですね、関係市町とも検討を続け、一生懸命に今努力をされておる最中でございまして、その最中に、できないのではないかという想定の上に立った議論というのは、私としてはできないと思っております。 そこで、それではまだまだクリーンセンターができるまで時間がかかるではないかということなんですが、その点についてはお話しのとおり大変心配をいたしております。今まで以上に産業廃棄物については、事業者に対しましては、民間許可業者での処分の徹底をお願いをする、あるいは搬入制限によって適正な処理をしたい。市民の皆さん方に対しましては、ごみの減量化、再利用化等を積極的に促進をしたいと、こういう形で対応をしていかなければならないと、やむを得ないなと思っておるところでございます。他市町村と比べれば、加賀市が
リサイクルセンターを先駆けて建設したことによって、市民への影響は他市町村から比べれば多少は少なくなるのではないかというふうに思っております。 それから、山中町からの受け入れでありますが、再三山中町あるいは議会から申し入れがございました。しかし、建設当時に既に山中町を含めた加賀市と熊坂町三者で契約が結んでございます。そんな中で再び受け入れていただくことを依頼するわけでございますので、先ほどのお話のように、十分に熊坂町の意向というものを尊重してまいらなければなりません。また加賀市としても能力の限度もございます。しかし隣町のことでございますので、何とか解決するように、熊坂町と山中町の中に入って調整をするということにつきまして、両者の理解を今得たところでございます。精力的に努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。
△休憩
○副議長(宮本儀一君) この際、暫時休憩いたします。 午後3時9分休憩 平成7年9月18日(月)午後3時31分再開出席議員(24名) 1番 小塩作馬 2番 西出清次 3番 西出 振 4番 坂野行平 5番 谷口久男 6番 山村信一 7番 斉官邦夫 8番 若林幸子 9番 林 俊昭 10番 山本外美三 11番 酢田隆司 12番 林 茂信 13番 宮本儀一 14番 中村長一郎 15番
吉江外代夫 16番 川下 勉 17番 田中 正 18番 高辻乃三 19番 村井幸栄 20番 宮田 勇 21番 平井 清 22番 湯尻清一朗 23番 山下孝久 24番
矢田郷昭三欠席議員(0名)
△開議
○議長(田中正君) これより会議を開きます。
△質疑・質問(続)
○議長(田中正君) 休憩前の議事を続けます。 斉官邦夫君。
◆(斉官邦夫君) 平成7年9月定例議会において、幾つかの問題につき市当局の見解をお聞きしたいと思います。 市長は今議会の提案説明の中で、国の経済状況について話されてはおられますが、肝心の本市の経済状況についてどのような認識をお持ちなのか、まずお尋ねをいたしたいと思います。 今月の経済企画庁の月例経済報告にも、景気は足踏み状態が長引く中で、弱含みで推移していると大変厳しい判断をされております。こんな状況の中で、本市の歳入も市税が平成4年に約 108億 6,000万円ありましたが、本年度予算で97億円であり、約11億 6,000万円減少いたしております。そして、そのうち法人市民税が平成2年度の約11億 2,000万円から今年度は約6億 4,000万円と、この5年間で何と43%もの落ち込みをいたしております。この法人税の大幅な落ち込みにもかかわらず、本年度の本市予算の合計が 500億円を超える大型になっております。ことしはこの財源措置を起債にて多くの部分を考えておられますが、今後の財源措置をどのようにお考えなのか、まずお聞きをいたしたいと思います。 現状の本市における起債の大きな理由は、下水道事業やごみ焼却場施設等必要な大型社会資本であることも十分理解しております。また、起債にもいろいろな条件の起債があることも承知しております。しかし、時代は大きく変化をいたしております。右上がりの拡大経済の中で生きてきた我々には、所得や価値が下がるかもしれない右下がりの経済を予想することは大変難しいことです。後世に多大の負担をかける物主義の行政はもはや大きく転換する必要があると考えます。このような中で行政における起債事業も考え方を大きく変える必要があるのでないかと考えます。今日的な起債事業の意義と問題点について市長のお考えをお尋ねいたします。 次に、産業政策についてお尋ねしたいと思います。 国際化の中で、市内における製造業の空洞化、また、観光産業も含めいろいろな業種で不況感が一層強まっている現在、積極的に産業振興をしようという施策が全く見られないことに大きな危惧を感じます。昨年6月、私の産業活性化センターについての質問に対し、「決して箱物を急いでいるわけではありません。少なくとも人材養成あるいは新商品、新技術の開発、研究というのはソフト事業であると私は思っているところであります」と、少し意味不明瞭な答弁ではございましたが、翌日の新聞には大きく「産業活性化のためにソフト事業や組織機能を充実」と報道されていました。私もまたそのように理解をしておりました。しかし先ほどの法人税の大幅な落ち込みにもかかわらず、本市の根幹をなすこの産業振興に市長は何を具体的に行おうとしているのか、全く私には見えません。本市の産業振興策についての市長の考え方をお尋ねいたします。 次に、小塩辻工場団地の整備と企業誘致の見込みについてお尋ねをいたしたいと思います。 現在、日本の経済が大変な時期に来ていると言われており、特に製造業がどうして国内に残れるか、日本の政治の力が問われているときであります。私は過去何度もこの議会において、こういう時代に備えた団地づくりの必要性を訴えてまいりました。団地造成の計画を立てるには、当然基礎調査を行った上での着手だと考えております。しかし、今回用地需要のアンケート調査を実施されるという予算計上がされております。何とも泥縄式の感じがしてなりません。工場団地整備は土地公社事業として推進されていると思いますが、現状では団地が完成をしても、相当な空き地が残るのでないかと心配いたします。土地公社の金利負担からますます譲渡単価の高騰を招き、企業誘致が一層難しくなると、このような状態は絶対避けなければなりません。 そこで、平成8年度完成予定と聞いておりますが、この工場団地整備の進捗状況をお聞かせいただきたいと思います。また、将来の土地公社への金利負担の見通しと単価への影響の見込みについてもお尋ねをいたしたいと思います。そして、何よりも大事なこの現況下の中で企業誘致は至難のわざでないかと考えます。早急に専門スタッフを設け、重点的に営業、セールスを始めないと、大変な手おくれになると考えますが、このことについても市長の見解をお尋ねいたしたいと思います。 次に、アートギャラリーについてお尋ねをいたします。 質問の第1点は、先ほどの高辻議員の質問とも重複いたしますので割愛をします。それ以外にテーマ館の配置の予定があればお尋ねをいたしたいと思います。 質問の第2点も、宮田議員と重複するところがございますが、お尋ねをしたいと思います。 このようなアートギャラリーのような教育・文化施設のあり方について当局の基本的な考え方をお聞きしたいと思います。教育・文化施設はいずれもないよりあった方がいいということは理解できます。行政として絶対必要な施設、また観光資源となって、使用料収入だけでも十分やっていける施設もあるかと考えます。私は人口7万人のこの加賀市では教育・文化施設は、この運営方法を真剣に考えてものづくりをする必要があると思います。運営費でも使用料収入を差し引いて一般会計からどの程度の持ち出しが必要かが大事でないかと思います。本市の場合、人件費を除いた運営費と使用料収入の割合は、北前船の里資料館が88.9%で、そのほかの施設はほとんど一般会計からの持ち出し分が多くなっております。 そこで、今回計画されておるアートギャラリーについて、特別展の展示も多く計画されておると聞きますが、この運営費と使用料収入の見込みをまずお尋ねいたしたいと思います。 それから、今回市が計画している美術館アートギャラリーとは別に、先ほどから話が出ております県が建設を予定している陶芸美術館があります。県がさきに建設いたしました輪島の漆芸美術館は、運営は財団で行っており、市職員が6名出向し、全体19名で運営をいたしております。市から年間約8,000万円の運営費補助をいただき、美術品購入は市が年間3,000 万円の予算を持っているということであります。また、昨年オープンいたしました七尾のアート館、美術館です。アート館はやはり財団運営で、こちらも市から6名の職員が出向し、12名で運営をしております。年間市から1億二、三千万円の運営費補助をいただいているようでございます。今まで加賀市が美術館運営費として計上している予算 2,000万円程度であったことから比べると、大変な負担増を覚悟することが必要です。私は美術館の建設に決して反対するものではありませんが、もっと基本的な
まちづくりのビジョンの中で、教育・文化施設のあり方の検討が必要であるとも思いますし、運営費を積算する確度の高い事業シミュレーションを行い、もっともっと議論が必要でないかと考えます。加えて市内産業が一層強まる不況感の中、文化に理解のある市民にも、この時期に加賀市に果たして2つもの美術館が必要なのかとの疑問の声も聞かれます。そこで、今回のアートギャラリーの運営費とともに、今後予定される陶芸美術館、現在地に残る歴史民俗資料館の運営費の見込みをお尋ねいたしたいと思います。 最後に、市職員の配置転換についてお尋ねをいたします。 現在の市職員は、一部の職員を除いて、どのような部署に行ってもそれなりに職種を全うする教育をされておると思います。私は今の時代、役所のこのシステムが一番役所をだめにしている要因でないかと考えます。時代は大変な変化をいたしております。過去の事例や実績のみ頼りにしているこのシステムこそ、新しい発想や創造を阻んでいると考えます。現在の行政需要は極めて専門化、高度化しており、特に産業・福祉・環境等の分野では日常的に専門家を配置し、対応すべきでないかと考えます。経済界の知識の浅い職員に産業政策を出せというのも無理な話でございます。マニュアルやお手本がない市独自のオリジナルは、今のシステムではほとんど出てこないのでないかと考えます。各分野で専門的に勉強し、教育され、その分野で気概と自信を持って対応できる職員を育成すべきであり、簡単に人事異動させるべきでないと考えますが、市長の見解をお伺いいたします。 また、同じような考え方から、重要プロジェクトの推進に当たっても、情熱を持って最後まで業務を遂行させるような人事配置が大切であると考えます。事務引き継ぎにあらわれない苦労が人事異動によって断ち切られてしまい、結果として責任の所在があいまいとなり、その事業に対しての情熱を希薄にさせるのでないかと考えます。この点も含め市長のお考えを承りたいと思います。 以上をもって質問を終わらせていただきます。
○議長(田中正君) 矢田市長。
◎市長(
矢田松太郎君) 加賀市の経済状況でございますが、第1次産業は生産調整と後継者不足、第2次産業では急激な円高による設備投資の手控え、雇用調整あるいは販売価格の低下、第3次産業では、特にことし1月の阪神大震災による観光客の激減、消費単価の低下等によりまして、深刻な経済不況下にあるというふうに認識をいたしております。そういう不況下の状況の中で、市税の決算額は平成5年度、6年度と2年連続して前年度を下回ったところでありますけれども、本年度の法人市民税は当然この業種によってばらつきはあるものの、現在の推移から見まして、前年度とほぼ同額程度を確保できるのではないかと思っております。入湯税のように落ち込むものもありますけれども、固定資産税などは伸びが見込まれますので、市税全体では前年度を若干上回るのではないかというふうに思っております。一般財源の主柱をなす市税の状況から見まして、当初見込み計上した予算額というのは確保できるというふうに思っております。 次に、起債事業であります。 本年度の市債の発行予定額は、一般会計の9月補正予算後では55億円余りになります。構成比で見ますと18%でありまして、前年度とほぼ同程度であります。
先ほどお話しのように、近年この
環境美化センターであるとか道路整備等の公共事業の投資、さらには減税補てんなどによりまして起債の発行額が増加をいたしておりますが、いずれも償還費が交付税に算入される有利な起債であります。後年度負担が増加をしておるという状況ではないわけであります。有利な起債によって後年度負担の増加を防いでおるということでございます。 また、今後国、県の補助金の確保については一層努力をいたしますけれども、独自施策を推進するためには、国の経済対策に呼応いたしました
まちづくり事業債などの起債を活用して財源の確保を図って、事業の促進と効果を上げていきたいと思っております。特に昨今の不況下の中で公共事業の果たす役割が大きいわけでございまして、起債というものを活用しながら事業費の拡大を図り、景気を回復していかなければならないというのが当面の課題ではないかと思っております。もちろん市債の残高であるとか将来の償還金を念頭に置きまして、事業の必要性というものを十分見きわめながら起債を弾力的に活用しながら健全財政、この維持はしていかなければならないと思っておるところでございます。 そこで、当市におきますところの経済対策について御説明をさせていただきますが、基本的には、地方自治の経済対策というのは区域が限定をされておるということ、及び集積をされておる業種によって、どうしても制約される施策とならざるを得ない面があるということを御理解をいただきたいと思うんです。特に今日の不況下における経済対策は、先ほど申しましたように重要であるという認識を持っておりまして、これは産業界の皆さんと同一な意見であろうと私は思っております。このために、具体的には公共事業の早期発注であるとか、国、県の施策に即応できる体制を整えておくことが必要であります。先般、商工会議所から各産業界の状況報告をお聞きをいたしました。特に中小企業を対象にした助成制度、融資制度の改善の要望が強うございました。今、融資制度の改定を検討をいたしておるところでございます。さらに短期的な問題だけではなしに、中長期的に経済政策を考えていかなければならないことは当然でありまして、産業基盤、加賀市にあります諸産業の基盤を安定させることが必要だと思っております。そのためにこれまでいろいろな提言、ビジョンをいただいております。優先度合いを考慮した検討を行って、具体化に向けた運動を展開する必要があると思っております。時代の変化が激しいものでありますので、なかなか難しいことではありますけれども、十分各界の意見を聞きながら、中長期的な展望を開くことが必要であろうと思っております。 さらにこの加賀市でありますけれども、加賀市の産業というのは1次、2次、3次、多くの業種が営まれておりますが、例えば今日まで、1次産業については観光と農業が結びついたフルーツランド事業の振興であるとか、あるいは2次産業につきましては、市内に建設される施設に対しまして、市内でつくられた生産品であるとか資材を導入する要請をいたしたり、3次産業については観光客誘致のための宣伝活動であるとか、あるいは町並み等の修景整備等を実施をしてまいったところでございます。さらに業界の活性化につながるための人材養成、デザイン開発、情報ネットワークの構築等を同一業種だけでなく異業種間交流も考えたソフト事業の取り組みを積極的に進めなければならないと思っておるところでございます。 それから次に、工場誘致の問題でございます。 今日の構造的な不況の中で、この企業誘致というのは本当に大変なことでございます。このためにさらに十分な市場調査を行いたい、企業誘致を行いたいということで、今回その調査費の補正を計上させていただいたところでございます。現在の小塩辻工場団地の進捗状況でございますけれども、用地交渉が進んでおります。早急に残っております用地交渉を完了する予定でございます。これと並行いたしまして今実施設計をしておりますが、終わり次第この認可申請を行う予定でございます。ただ、譲渡価格というのは原則として用地費や造成費などを含んで計算することといたしております。したがってそういたしますれば、当然一日も早い企業誘致の成功が望まれるわけでありますけれども、その間の金利負担というものを考えてまいりますと、用地取得後造成までの間に県内外からの優良な企業の誘致を確保をしなければならないと思っております。その企業のある程度見きわめというか、確保が出た時点で造成工事に着工したいというふうに思っております。企業誘致についてさきにも述べましたように、調査の後、市場分析を行い、可能性のある企業についてはトップセールス、私自身のセールスはもちろんのこと、部内におきますところの職員体制を確立して、積極的な誘致運動を展開していきたいというふうに思っておるところでございます。 テーマ館の今後の予定についてでございますが、地方都市にありましては、小粒でもぴりっと辛い地域の特性、特色を持った美術館なり博物館が必要であろうと考えております。さきの議会でも申し上げたつもりでございます。現在、地元において検討されておりますこの山代温泉の北大路魯山人の遺品等の展示施設などもその一つであろうと思っておりますが、これらの施設の設置に当たりましては、計画が具体化した段階で関係者の皆さんや議会の皆さんにもお諮りをさせていただきたいと思っております。 次に、アートギャラリーにつきましては、有識者の多数の方々から建設的な御意見をちょうだいしておりますので、これらを十分尊重しながら実施設計を行って、運営内容や方法等細部の検討を行う中で運営費の算出を行ってまいりたいと思っております。 ちなみに、現在の美術館は本年度予算で 4,400万円の運営費を計上してございます。現在地に残る歴史民俗資料館は大聖寺藩の藩政資料等を中心に展示をしておりますが、これに加えまして中央公園の収蔵庫に保存をされておる民俗資料、考古資料の展示を考えておるところでございます。石川県加賀陶芸美術館につきましては、その建設を県にお願いしておるところでございまして、実施設計の内容や運営計画の立案等を考える中で運営費の見積もりを行ってまいりたいと思っております。 総論的に申しますと、基本的に申しますと、公の施設の整備充実につきましては、これまで精力的に進めてまいりました。今後についても市民の多様な要望にこたえていかなければならないと思っております。施設の充実をすればするほど、当然のことながら管理運営費が増大することは当然のことでございます。このために施設の管理に当たりましては、
先ほどお話しの財団等の形成がございます。これは既に検討を進めておりますが、運営の合理化に努めていかなければなりませんし、経費の節減を図っていくことはもちろんのことだと思っておるところでございます。ただ、市勢の発展とか市民の福祉向上あるいは市民文化の向上のために、採算性や経済効果のみを追求できないサービス行政としての施設も必要であります。小中高校生や美術愛好者の創作活動発表の場であり、新しい文化創造の核と位置づけておりますこのアートギャラリーもその一つというふうに思っておるところでございます。 それから次に、人事の問題についてお答えをいたしたいと思いますが、県、国と違いまして市、町政というのは、市民に密着した行政体でございます。したがってこの市民生活のすべての面に直接、間接大きくかかわるものでございます。特に近年の多様化する住民ニーズに適切に対応するために意欲、能力のある職員を各部署に登用し、定期異動時に適材適所の配置を行っておるつもりでございます。また、福祉・産業・環境等の分野のみならず専門的資格や知識が求められる各業務担当者には、必要な研修を行って人材育成を図っておるところでございます。ただ、特にこの経済、労働問題対策等につきましては、その活動に従事をしていらっしゃる方が一番専門家でありまして、そういう方々の御意見というのを十分聞いていかなければならないというふうに思っております。さらに職員の人員配置につきましては、年度間のこの事務事業量等を念頭に入れるとともに、各部署の実態を十分に検討しまして、適正な定員管理に努めております。 特に重要プロジェクトの推進に当たっては、中心となって事業を推進する人材を登用しまして、円滑に事業を遂行することといたしております。しかし、組織の活性化のために定期異動も必要でありまして、業務に支障の来すことのないように後任者の養成にも配慮して、事務の停滞につながらないように努めております。今後とも各分野のスペシャリストや重要プロジェクトのキーマンの必要性と養成につきましては職員管理の基本課題であろうと思っております。幅広く意欲、能力のある職員の登用を図ってまいりたいと思っておるところでございます。
○議長(田中正君) 斉官邦夫君。
◆(斉官邦夫君) 私は、今ほど市長の答弁について再度質問をさせていただきたいと思います。 アートギャラリーの運営費がどれくらいになるかと、これは実は前日行われました委員協議会でもお聞きをしました。できてから今検討中であるということでございましたが、私はこの6億円もかけて建てるこの美術館、そして年間の運営費が幾らともわからないような美術館に本当に疑問を感じるわけでございます。先ほども申しましたように、美術館は大変金のかかる教育・文化施設でございます。美術館の持つ意義、目的、それは市長のおっしゃるとおり大変必要な施設であることは言うまでもありません。しかしその配分の問題が私は大変重要でないかというふうに思います。再度アートギャラリーの運営費のシミュレーションが行われてないのかどうか、その事業費の明細をお聞きいたしたいと思います。
○議長(田中正君) 矢田市長。
◎市長(
矢田松太郎君) 事業費につきましては、本議会に提案しております設計費を提案しておるわけでございますので、大体規模については 1,600平米ぐらいというふうに申し上げました。それに基づいて正確な事業費というものは決定をされていくわけでございます。問題は運営費でありますが、運営費の問題については先ほど答弁申し上げましたように、今の現状の美術館では 4,400万円ぐらいかかっておるわけでございます。それらの運営費の今後の見通しにつきましては、先の委員協議会でもお話しさせていただいたように、今検討中でありまして、これらについては今後施設がこの美術館のみならずいろいろできてくるわけであります。またしていかなければならないと思いますが、それらについての合理化については十分その時点で検討をさせていただくという形になっておるということでございます。
○議長(田中正君) 谷口久男君。
◆(谷口久男君) 議会質問に先立ちまして、私たち1期議員は、2期の有志の方を含め、6月から8月にかけて5日間にわたり市政研修会を実施いたしました。その研修に際しましては、業務多忙の中を私たちに御協力をいただきました関係部課長の皆様及びこの研修に御協力をいただきました各位に対し厚く御礼申し上げます。おかげさまで加賀市の全容についてさらに認識を深めることがかない、今後の議員活動にぜひ生かしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。その研修を踏まえ幾つかについて質問をいたしますので、市長を初め関係当局の適切な御回答をお願いいたします。 その1つは、上水道及び下水道の整備についてであります。 現在、各地域で下水道整備事業が進行中であり、市民の方々も将来の環境浄化を目指して、工事中の不都合を克服されようとしております。しかし、現実には日常生活の中で不便が多く、何とかならないかといった事態が数多く見受けられます。加賀市の下水道工事は完成までに35年の歳月が必要であり、上水道の配管設備の改良事業には17年を要すると聞いております。この長い年月にわたり市民の皆様に不便を耐えてもらわなければ上下水道の完全な整備が難しいので、この事業への十分な理解と協力が不可欠な条件と考えます。今の時点では過去の経験もありましょうし、将来の計画も見える時期でもあると思いますので、ぜひ適切な市民とのコンセンサスのとり方について、さらに十分な配慮をお願いしたいと思いますが、現状と計画などについて御回答をお願いいたします。 第2点は、消防、防災の強化についてであります。 本年はもう言い尽くされた感があります阪神大震災で始まりましたが、私もそのような先入観を持って当市の消防、防災体制を見ております。また、9月は関東大震災の教訓を忘れないよう設定された防災記念の時期でもあります。この時期に当たり、当市の体制の中で消防職員の増強が必要かと思われますが、特に救急車に乗務する救命士の人員が適切かどうかという点であります。聞くところでは兼務の職員が対応しているとのことですが、不測の事態に備える体制としてそれでよいのかどうかお尋ねしたいところであります。 また、本年は山代温泉にかねてから要望のあった消防分団車庫が建設されることになり、温泉地にふさわしいデザインで、消防活動に日夜努力を続けられる消防団員の方々の基地として十分な機能を発揮することを期待しております。しかし、団員の方たちと話をしておりますと、第2分団の車庫もぜひ必要とのことでありました。現在では山代分署に同居の状態ですが、非常事態の場合に消防団員の方がいち早く駆けつける場合、直近距離に消防拠点があることと、万一分署の機能に事故があった場合などには、やはり分団ごとの車庫が必要とのことであります。現状では山代温泉にさらに1カ所と大聖寺に1カ所が必要と聞いておりますが、この対策についてどう対処されるのかお尋ねいたします。 次に、新用途地域制度について要望を兼ねて質問をいたします。 昭和48年に都市計画法に基づいて制定された用途地域が今回見直されることになりましたが、前回の設定後に種々不都合であったことも聞き及んでおりますので、ぜひ慎重に対応していただきたいと思います。近い将来に建設される予定の
南加賀道路やその他の道路新設改良等、今後の状況の変化もまた20年前以上のものがあります。今回の改正は住居地域が3段階から5段階に細分化され、高層住宅、店舗、事務所、自動車関連施設が住居地域で許容範囲がやや広まった感じがいたしますが、法律で規制後は変更は不可能ですから、制定時には地域住民の意思を十分尊重し、緻密に検討されるよう特にお願いしたいところであります。その取り組み方についてはいかがお考えでしょうか、お尋ねいたします。 最後に、ごみ収集の集積場対策についてお尋ねいたします。 さきに述べました研修の中で、来年完成予定の美化センターも視察してまいりました。すばらしい施設で能力的にもすぐれた施設と聞いており、期待をしております。しかし、永久の課題であるごみ問題は、多少の変化はありましょうが、やはり問題点を多く含んでいることにかわりはありません。特に市街地では可燃ごみ、不燃ごみ、資源ごみなどともに、集積場所や指導で困難を極めております。基本的にはモラルやルールの問題かと思われますが、いま一度現状に即した対策を検討する必要があるかと思われます。 例えば、昨年、資源ごみ回収のために交付された指導員手当は、それに相当する回収資源の還元額が予想以下であったようで、軌道に乗るまではその手当を継続し、集積場所も設置しやすい環境をつくるなど、きめの細かい配慮が欲しいものであります。私もごみ問題先進地の講演等を聴講する機会がありましたが、完成されたシステムや結果だけでは本当の苦心が見えてきません。軌道に乗るまでの努力は陰に隠れがちですが、その過程こそ研究に値するものと考えます。どうか辛抱強くごみ問題に取り組んでいただきますよう願いを込めて、対策をお尋ねいたします。 以上をもって私の質問を終わります。
○議長(田中正君) 矢田市長。
◎市長(
矢田松太郎君) 下水道整備の実施に当たって、年度当初の「広報かが」に予定区域を掲載をいたしております。それとともに、工事が始まる時点でも再度掲載をして、地元には工事説明会等も行って市民への周知を図っておるところでございます。工事直前の説明会では十分な理解が得られない場合もあるようでありまして、今後は年度の早い時期に工事計画の説明会を行って、地元とのコンセンサスを深めるように努力をしたいと思っております。関係する上水道の整備につきましても下水道同様であります。 次に、消防防災についてでありますけれども、さきの阪神淡路大震災のような広範囲にわたる大規模災害に対処するには、この消防職員及び団員だけでは到底賄い切れるものではないということが証明されております。御承知のとおりだと思います。このことにかんがみまして、当市では既に市内各町内ごとに結成をされております自衛消防隊の協力を得て、自主防災組織の拡大を図っておるところでございます。消防団員の増員等は考えておらないわけでございます。ただ消防職員については、近年の災害の現状と救急需要を踏まえまして、住民ニーズに沿った対処を図っていかなければならない、職務の専門分野を強化をしていく必要があると思っております。 次に、市街地での消防分団車庫の新設についてでありますけれども、老朽化をいたしました車庫の改築整備とあわせまして、出動初動体制に最も有利な場所に用地が確保できるかどうかと、見込まれた時点で検討してまいりたいと思っております。 次に、用途地域の設定についてお答えをいたしますが、加賀市の用途地域につきましては、昭和48年に都市計画決定を行いまして、その後開発計画や都市施設の整備、また農用地との整合性を図るため、部分的な変更を重ねてまいりました。今回の見直しというのは、都市計画法、建築基準法の一部が改正をされて、現行の住居系用途地域3種類が7種類に細分化をされたことによるものであります。これはさきのバブルの影響で、事務所、店舗等が住宅地に無秩序に進出したことによる住宅地の地価上昇、住環境の悪化に対応するための変更でありまして、良好な住環境を目指すという国の方針に基づく制度的な移行であります。今回はこれらの制度的な移行のほか、いわゆる3種類から7種類に細分化されたという制度的な移行のほか、一部工場跡地など土地利用の転換が図られて、現状と合わない地区及び幹線道路沿いや商業系の土地利用の増進を図るべき地域に限った見直しにとどめてあります。全市的な用途地域の見直しにつきましては、本年度から着手をいたしました都市計画マスタープランの中で、将来の
土地利用計画、20年後の
土地利用計画の方針等を定めてまいりたいと思っております。当然いろいろな議論を積み重ねていかなければならないというふうに思っておるところでございます。
○議長(田中正君) 小坂市民環境部長。
◎市民環境部長(小坂武志君) ごみ収集における集積場対策についてお答えを申し上げます。 まず、集積場の整備についてでございますが、平成6年度より町や区等の負担をできるだけ少なくするために補助要綱を定めまして、現在実施をいたしております。今後もこれらの助成制度を活用していただくために、区長会並びに「広報かが」を通じまして周知を図ってまいりたいと考えております。 次に、御指摘の集積場の確保等についてでございますが、現在、一部の市街地におきまして各戸収集や、やむなく毎年度ごとに区長宅前を集積場として当てている地区がございます。これらの地区につきまして、本当に集積場としての適当な空き地等がないかどうか、実態を調査してまいりたいと思います。さらに、現在野積み方式をとっておりますが、この野積み方式からボックス方式に変更することができないかどうか、こういう方策もあわせて考えてみたいと思います。そして関係者の御協力をいただきながら、それぞれの地区の実情にかなった集積場が設置できないか検討してまいりたいと思っております。 また、分別指導員助成の継続等につきましては、資源ごみの分別の指導と徹底の普及のために設置したものでございます。全体としては定着化が図られておると思っておりますが、なお分別の徹底されない地区においては、改めて説明会を開催するなど、区長さんを初め地区住民の御理解と御協力をいただきながら、さらに徹底が図られないか努力してまいりたいと思っております。
△閉議
○議長(田中正君) 本日の議事はこれをもって終了いたしました。 次回は9月19日、午前10時から会議を開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後4時26分閉議 議事日程(第2号) 平成7年9月18日(月) 午前10時 開議 日程第1 市長提出議案第46号から第57号まで 一括議題 質疑並びに一般質問 閉議議長報告第10号 説明員の欠席について 次のとおり説明員から欠席する旨、通知があったので報告します。 平成7年9月18日 加賀市議会議長 田中正 記 1.欠席者 辻良一 月日 9月18日 事由 所用のため...