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◎
会議録署名議員の指名
5 ◯議長(
出戸清克君) 日程第1、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において
吉 村 範 明 君
梅 田 利 和 君
を指名いたします。
───────── ◇ ─────────
◎会期の決定
6 ◯議長(
出戸清克君) 日程第2、会期の決定を議題といたします。
お諮りいたします。
今期定例会の会期は、本日から12月20日までの22日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と言う人あり〕
7 ◯議長(
出戸清克君) 御異議なしと認めます。
よって、会期は22日間と決定いたしました。
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◎
市長提出議案第65号~議案第75号
の上程、説明
8 ◯議長(
出戸清克君) 日程第3、
市長提出議案第65号 令和元
年度小松市
一般会計補正予算(第3号)外10件を一括して議題といたします。
市長より提案理由の説明を求めます。
市長、
和田愼司君。
〔市長
和田愼司君登壇〕
9 ◯市長(
和田愼司君) おはようございます。
令和元年第5回
市議会定例会の開会に当たり、提出いたしました議案の概要と今後の市政運営に対する所信の一端を申し上げます。
過去最多の13都県に
大雨特別警報が発令された台風19号は、東日本の広い範囲に甚大な被害をもたらしました。河川の決壊や越水は300近い河川の流域に及び、多くの方が犠牲になられ、また建物被害は9万棟を超え、多数の方が避難生活を送られています。
現在、激甚災害、非常災害の指定を受け、国、自治体、企業、ボランティアの方などによる復旧作業が続いており、本市からも応援職員を派遣させていただいております。一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
地球温暖化などを背景に水害のリスクは年々高まっているようです。国連によると、豪雨や洪水など
気候関連の自然災害はこの40年で2倍以上にふえており、日本においても国の統計では
氾濫危険水位を超えた国や
都道府県管理の河川は、平成26年の83河川から平成30年には475河川と4年間で5倍以上にふえています。地球規模において気候変動による極端な気象現象が起こり、大規模な水害、火災が頻発しています。過去の経験にとらわれず、命を守るためにどう行動すべきか、一人一人が真剣に考えるときに来ていると感じています。
本市においては、国による河川改修のほか、排水路の整備、
排水ポンプの増強などのハード面の強化はもとより、
災害関連情報の迅速な提供、
避難所運営組織の強化、住民による防災訓練の実施など、
市民共創の力で
地域防災力を高めてきましたが、一人一人の意識啓発も含めて、市民の安全が一段と高まるよう
関係機関や地域の皆様とともに取り組んでまいります。
さて、7月から9月期のGDPは
前期比年率0.2%増と低い伸びにとどまりました。4期連続のプラスを保ちましたが成長の鈍化は鮮明となり、
世界経済の減速を受け、外需は2期連続のマイナスとなっています。財務省の貿易統計でも輸出は9月まで10カ月連続で前年割れとなっています。今後も
米中貿易交渉の行方や消費増税後の
消費動向など内外ともに不安要素があり、景気の
牽引役不在が懸念されています。このほか、英国のEU離脱問題や緊迫化する中東情勢、
日韓関係などさまざまな懸念材料があり、景気動向を注意深く見ていく状況にあります。
ここで、現時点における令和2年度の
財政見通しについて説明いたします。
歳入のうち、
法人市民税については、本市の基幹産業である
鉄工関係が外需の落ち込みなどから在庫調整の段階に入っていること。国が進める税体系の
直間比率見直しにより、
法人税割の税率が引き下げられたことなどから、今年度当初予算に比べ8億円の減収を見込みました。
個人市民税は、賃金の上昇が見られるものの労働時間の減少傾向を踏まえ前年度並み。
固定資産税は、
住宅着工件数の伸びなどを踏まえ2億円余の増と見込み、市税全体では今年度当初予算より6億円余少ない161億円余と推計しています。
地方交付税については、総務省の
概算要求段階では、
地方公共団体に実際に配分する
出口ベースで、今年度当初予算より約6,000億円多い16兆1,809億円とする方針を固めています。本市においては、市税の減収、
公立小松大学に係る算定、
幼児教育・保育の無償化に係る
市負担分などを反映し、
臨時財政対策債を含む
実質ベースで3億5,000万円の増額を見込んでいます。
交付金関係では、ことし10月からの
消費税率改定に伴い、
地方消費税交付金が3億円増の25億円余、
法人市民税法人税割の
税率引き下げに対する補填財源として新設される
法人事業税交付金は不確定ですが2億3,000万円程度と推計しています。国が進める税体系の見直しの中、地方自治体の
収入構造が大きく転換しており、その影響を見きわめながら財政基盤を確保していく必要があります。
国・県補助金については、政策や予算等の動向を的確に把握した上で積極的に活用するほか、民間資金の導入、保有資産の有効活用など、財源の確保に努めてまいります。
歳出面では、人件費は退職手当が減少するものの、来年度から導入される
会計年度任用職員の給与はこれまでの物件費から人件費として計上されることから6億円余増加すると推計しています。市債の償還である公債費は、
大型事業の償還完了のほか、繰り上げ償還、借りかえによる利子負担の軽減により減少しており、来年度は今年度当初予算に比して約1億1,000万円の減額を見込んでいます。一方、
社会保障関連経費は
幼児教育・保育の無償化の通年化に伴う
児童運営費、障害者の
自立支援給付などの扶助費の増加のほか、高齢化の進展により介護保険などへの繰出金も増加する見込みです。また、消費税の負担増や労務単価の高騰などにより、委託料や光熱水費などの物件費、
工事請負費なども増加いたします。
収入構造の転換や費用の増加等により、難しい
財政運営を強いられますが、引き続きあらゆる財源の確保に努めるとともに、固定費の圧縮や施策の選択と集中を行い、健全財政の堅持を図りながら、まちの発展や市民の
暮らし充実に取り組んでまいります。
では、最近の主な市政の執行状況についてです。
アジア初開催の
ラグビーワールドカップは、
国際統括団体ワールドラグビーからこれまでで最もすばらしい大会と、ホスト国として高い評価を受けられました。
日本代表は初のベスト8入りをなし遂げました。
小松駅前において日本戦全ての試合で開催されたパブリックビューイングでは、5日間で延べ5,000人を超える人々が熱い声援を送り感動を分かち合いました。さまざまな選手たちで構成されるチームが一つになって目標を達成する姿は、多様性を尊重する大切さを伝え、スポーツが持つ力の可能性を改めて示すものとなったと感じています。
東京オリンピック・
パラリンピック開幕まで8カ月、小松市ゆかりの選手では、県勢第1号の
カヌースプリントの松下選手、木場潟を練習拠点とするパラカヌーの
瀬立モニカ選手に続き、9月にドーハで開催された陸上の
世界選手権において男子50キロ競歩で
小松高校OBの
鈴木選手が優勝し、五輪代表に内定しました。
鈴木選手は、長い間の故障を乗り越え、復活を遂げました。トップウオーカーとして挑む東京大会では、美しい
ウオーキングスタイルで
メダル獲得が期待されています。
現在、東京・
有明体操競技場で行われている
トランポリン世界選手権では、岸姉弟が代表の切符をかけた戦いに挑んでいます。厳しい練習の成果を発揮し、すばらしい演技と
出場権獲得の吉報を期待し、地元から熱い声援を送りましょう。
12月20日からは、
パラリンピック日本代表の
最終選考会を兼ねたボッチャの
日本選手権が愛知県で開催されます。
強化指定選手として
世界大会で好成績をおさめてきた田中選手が、親子二人三脚で追い続けた夢に向かって試合に臨みます。本市として初となる
パラリンピック出場に向け、市民挙げて応援しましょう。
さて、先月、北陸3県では初めて、国より選手との交流を機に障害のある方にやさしい
まちづくりを進める
共生社会ホストタウンに選ばれました。こまつやさしい
まち推進プランを策定し、
木場潟カヌー競技場での
スロープ設置や公共施設の
バリアフリー化など、障害のある方への配慮はもとより、全ての人にやさしい
まちづくりを推進してきたことが評価されたことは喜ばしく、これからも共創の精神で心の
バリアフリーや
ユニバーサルデザインのやさしい
まちづくりを進め、誰もが活躍できる
共生社会を実現してまいりましょう。
シニアの生きがいや
健康づくり、地域活動などを行う
老人クラブは、全国的には60歳以上の加入率が13%程度にとどまるのに対して、本市では約46%と大変多くの方が参加し、いきいきサロンを初めさまざまな活動に取り組まれ、いきいきシニア率も約70%まで高まってきました。このたび、令和という新しい時代を迎え、また小松市
老人クラブ連合会創立60周年という節目を記念して、
老人クラブの活躍名称をはつらつ
シニアクラブ小松と制定しました。人生100年時代とも言われる中、持続性のある
地域づくりに全世代がともに取り組んでいくためには、シニアの役割が大きなパワーとなります。名称制定を機に、これからも生涯を通じて学びを広げ、地域の担い手としてますます御活躍されますよう期待しております。
さて、
小松空港の今年度上半期の利用状況については、国内線は前年比4%増の82万7,000人となり、全6路線で前年実績を上回りました。羽田便は
ビジネス向けが堅調に推移し、那覇便は高校総体の開催や観光需要の増加で大きく伸びました。国際線は、運休となっていたソウル便、航空会社のストライキによる欠航の影響があった台北便が前年を下回っていますが、今春から週2便でスタートした香港便は利用者数2万2,000人、搭乗率77%と高水準を維持し、上海便も
インバウンドの伸びを受けて7月からの臨時便が追加されるなど堅調に推移しました。国際線全体では2%減の13万人、国内線、国際線を合わせた総計では3%増の95万7,000人となりました。
なお、上海便については、日中間の
路線枠制限の撤廃を受け、10月27日から週4便から週6便体制となり、好調な滑り出しを見せています。今後も
デーリー化実現に向け
関係機関と取り組んでまいります。
北陸新幹線金沢-敦賀間の整備で、県境の
加賀トンネルが貫通、国道305号の
北浅井交差点をまたぐ橋桁が架設されたほか、梯川を横断する橋梁の架設工事も進められ、新幹線のルートが見えてきました。
新幹線駅舎建築工事については、2023年春の開業に向け工事が進められています。駅舎整備にあわせて行う駅東西の広場や
駅プロムナードの整備については、
JR西日本や鉄道・
運輸機構と協議を続けており、今後、小松駅
周辺デザイン検討会を開催の上、今年度中に基本構想をまとめる予定です。また、
小松空港との接続、レンタカーやレンタサイクルなどの2次交通の充実も含め、今後、
JR西日本や鉄道・
運輸機構、
交通事業者などと連携、協議し、多くの人や文化が行き交う南加賀の
ターミナルにふさわしい便利で魅力的な駅となるよう機能の充実を図ってまいります。
一方、
地域高規格道路小松白川連絡道路として要望されている
小松空港と飛騨地方を結ぶ国道は、国と石川、岐阜両県によるルート等の検討が行われる見通しが出てまいりましたが、実現までには高いハードルもあります。拡大する
インバウンドや国際貨物を含む物流面、災害時の
代替補完機能など、両県や
東海北陸地方にとって意義のあるプロジェクトであり、特に国際空港、新幹線駅の二大
ターミナルが近接する本市にとっては、高
規格道路の起点となることは、観光や経済面などにおいて大きくチャンスが広がることとなることから、国会議員や両県を初めとする
関係自治体と連携し、国に対して働きかけてまいります。
市民生活を支える
地域交通に関する新たな取り組みとして、
日野自動車株式会社、
株式会社ローランド・ベルガーと連携し、2地区で
実証実験を開始しました。
矢田野地区では、買い物や通院を想定したワゴン、らくバスやたの、
小松鉄工団地では、通勤、
買い物向けの
シャトルバス、らくらく通勤を運行しています。超
高齢社会や多
文化共生社会が進展し、マイカーを手放した高齢者や日本の運転免許を持たない外国人などがふえていく中、今後、
実証実験での課題などを踏まえて、市民の暮らしをサポートする新たなモビリティサービスの提供を目指します。
また、
新幹線開業や
小松空港のさらなる国際化を見据えた小松駅と
小松空港を結ぶ新技術による
都市交通機能の強化についても視野に、新たな時代にふさわしい利便性の高い
地域交通の構築に向けて取り組んでまいります。
ことし、5周年の節目を迎えた科学と
ひとづくりの拠点、
サイエンスヒルズこまつは、先月26日、
宇宙飛行士で
公立小松大学学長特別補佐の山崎直子さんに、ひとと
ものづくり科学館館長に御就任いただきました。山崎さんには、宇宙や科学のおもしろさを体験する場を提供し、
地域活性化を目指す
サイエンスヒルズこまつのビジョンに共感をいただいており、就任の際には2010年に世界で初めて宇宙で着飾った貴重な着物を寄贈いただきました。山崎さんは子供のころ、名誉館長、松本零士さんのアニメに憧れ、地元のプラネタリウムに足しげく通い、
宇宙飛行士になる夢を抱きました。新たに、(仮称)
ヒルズ科学賞の創設も検討しており、これからもたくさんの夢が生まれ育ち、来館される青少年が成長できるよう、さまざまなパートナーとともに取り組んでまいります。
9月に発表された基準地価では、商業地の
平均変動率で1.1%上昇し、バブル期以来28年ぶりにプラスに転じました。小松駅周辺においても大学の開学などにより新たな人の流れが生まれ、小松駅の乗車人数は増加、駅周辺の
歩行者通行量も3年前との比較で1日当たり4倍の3,200人までふえています。それを反映し、駅周辺の
不動産関連の需要が高まっており、地価は日の出町でプラス5.2%と高い伸びを示しました。小松駅東では、来年12月の開業を目指して新たな
都市宿泊型ホテルの建設工事が始まりました。今後も引き続き民間投資を呼び込めるよう、活力ある魅力的な
まちづくりを進めてまいります。
市民総参加で推進している
フローラルこまつでは、このたび全国花の
まちづくりコンクールにおいて自治体では最高の評価となる花の
まちづくり優秀賞を受賞。1期、2期の
フローラルこまつ推進プランを作成し、
市民共創、オール小松で、計画的、着実に取り組んできたことが認められたことは喜ばしいことであり、これをはずみに北陸で一番の花と緑が美しいまちを目指してまいりましょう。
小松能美鉄道連携の一環としての
共同事業、産地の
総合芸術祭KUTANismは、初年度の取り組みとして、九谷焼の
世界ブランド化に向けた今後の方向性を展望するシンポジウムや新たな切り口による
作品展覧会、
九谷焼作家と
トップシェフとのコラボレーションなどによる期間を通じてさまざまなプログラムを展開し、1万2,000人の方に参加いただきました。今後、
北陸新幹線小松開業、加賀立國1200年、さらに大阪・関西万博を見据えて5カ年計画で展開していき、両市それぞれの強みを生かした新たな価値の創造やツーリズムとして両市一体となった
プロモーションを展開してまいります。
さて、先週、
松尾芭蕉翁が奥の細道の旅に出て330年の節目を記念し、国指定名勝おくのほそ道の風景地の
関係自治体が本市に集い、奥の
細道こまつ330年祭が開催されました。
粟津演舞場を主会場に、奥の細道の旅の文学を楽しむ朗読や演奏、講演が行われたほか、ことしから新たに創設された英語俳句、
スリーラインポエムを含む
ビジュアル俳句コンテスト表彰式や記念の
キャラバン隊セレモニーが行われました。
11月は、
義経公生誕860年の
記念事業として義経・弁慶・
静等合同サミット、本覚寺を会場とした
寺町サミット、
松陽中学校の生徒による
中学校古典教室「勧進帳」上演などが開催され、小松が歴史物語で一色に染まりました。大交流時代を迎え、異
文化交流が進展する中、みずからの伝統や文化を大切に守り継承していくとともに、豊かな資源やネットワークを生かし、情報発信、
プロモーションを進めてまいります。
さて、芭蕉翁は、不変の真理、本質を知らなければ基礎が確立せず、変化、変革を知らなければ新たな進展がないという不易流行を説いたとされます。このことは、文化や経済、社会、人間形成など、あらゆる事柄にも当てはまるものと考えます。
今、我が国の社会、経済は、人口減少や少子・超高齢化、
世界経済の
グローバル化、第4次産業革命とも言われる技術革新など大きな転換期を迎えています。かつてないスピードで変わりゆく社会においては、残念ながら過去の成功体験や先行事例にこだわってはいけません。さまざまな課題は、ピンチではなく未知のチャンスと捉え、みずから考え、前向きにチャレンジしていく姿勢こそが力強く未来を切り開いていくのではないでしょうか。そのためには、物事の本質を知り、さらに時代の変化を的確に捉え、将来を見通す力を養うためのたゆまない学びが大切になります。
小松駅周辺は、科学、歴史、文化、外国語、多文化など幅広いジャンルを学び、体験できる学びのゾーンが形成され、また市全域に
ものづくりや医療、看護、芸術、里山、自然などさまざまな学びのフィールドが広がっています。こうした学び、体験を通じて一人一人が成長するとともに、本市の強み、共創の精神で
市民パワーを結集し、まちの魅力をさらに高め、大切な
ふるさとこまつを次の世代につないでまいりましょう。
それでは、今議会に提出いたしました議案の概要について説明いたします。
本議会に提出いたしました議案は、予算案8件、条例案1件、その他の議案2件、合計11件です。
初めに、
補正予算案の概要についてです。
補正額は、
一般会計4億1,817万円、
特別会計2億9,810万2,000円、
企業会計660万円、合計7億2,287万2,000円。その他
債務負担行為額として4億8,000万円を計上しております。補正後の
予算累計額は、
一般会計で454億3,864万円、全会計の合計では997億3,783万8,000円となります。
次に、
補正予算案に計上いたしました主な施策について説明いたします。
第1に、「9月・10月の災害を受けて(第1次)」です。
本市では、これまでハード、
ソフト両面から
市民共創で総合的に防災・減災対策に取り組んできましたが、想定を超える今秋の台風被害の状況を踏まえながら、引き続き対策を進めてまいります。今回の災害では、多くの地域で浸水等による停電や断水が発生するなどライフラインが停止するリスクが浮き彫りになりました。
本市においては、
防災関連の通信設備を備え
防災対策本部が置かれる市庁舎、
災害拠点病院の指定を受けている
市民病院の非
常用電源が地下にあり、浸水のリスクもあり得ることから、今回の
補正予算において建物への浸入を防ぐ
浸水防止板を配備いたします。また、
下水道ポンプ場の停電に備え可
搬式非常用電源設備を増強、
避難所等の
電源対策としては市が保有するPHV(プラグインハイブリッド)バスの活用のほか、
電気自動車活用に係る民間企業との連携体制の構築に向けて取り組んでいます。
第2に、「「市制80周年」「
東京オリパラ」に向けて」です。
来年2月8日、9日の2日間、こまつ
芸術劇場うららにおいて、
市川海老蔵小松特別公演が開催されます。今回の公演は、うららのほか
名古屋御園座、京都南座など全国5会場で開催されるもので、小松では3回公演の予定です。来年5月の13代目
市川團十郎白猿襲名を控える中、海老蔵さんとしての締めの「勧進帳」公演となるものであり、折しも七世
團十郎丈の「勧進帳」初演から180年という記念の年に小松で開催される貴重な舞台を御鑑賞いただきたいと思います。
こまつ
芸術劇場うららは、開館以来15周年を迎え、さまざまな公演、コンサートなどに利用されてきましたが、市制80周年を迎えるに当たり、
子供歌舞伎の指導などに御尽力いただいた12代目
市川團十郎丈の追悼を初め、海老蔵丈の13代目
團十郎白猿襲名を機に、市川宗家を中心とした
歌舞伎関連の
常設展示コーナーを設置することとし、今回、設計費を計上しています。これからも成田屋さんとの御縁を大切に、「歌舞伎のまち こまつ」の魅力を高めてまいります。
来年は、
前田利常公が小松城に入城して380年の節目に当たることから、年間を通じてさまざまな記念行事の開催を予定しております。4月19日には市制80周年のオープニングとして、利常公と仙叟宗室が築かれた小松の茶道文化の継承と発展、広く茶文化に親しむ機会の創出を目的に、芦城公園において利常公への献茶式、また仙叟屋敷ならびに玄庵において記念茶会を開催することとし、所要の経費を計上しています。あわせて博物館では市制80周年をたどる特別展、
宮本三郎美術館では
大京コレクションを開催し、文化の華咲く大小松を飾ります。
東京オリンピック・パラリンピックについては、カヌーや競歩のほか、トランポリン、ボッチャ、ボート、ハンドボールなどの競技で出場を期待しています。また、本市は全国でも有数の8カ国のホストタウンに指定され、事前合宿のサポート体制を充実させているところであり、今回、JR小松駅や
小松空港、
木場潟カヌー競技場などにバナーフラッグやタペストリー、横断幕を掲げるための経費について計上しています。このほかカウントダウンボードの設置、五輪マークをかたどったイルミネーションや花壇の設置により、東京大会に向けて大会の成功とオリンピックムーブメントを市民とともに推進してまいります。
スポーツ施設の整備を計画的に推進しているところであり、末広屋外水泳プールは来年度の北信越高校総合体育大会の会場となることが予定されており、今回、スタート台や飛板飛び込みのスプリングボードの更新のほかプール槽の改修などを行い、競技環境の充実、競技力の向上とスポーツ振興を図ってまいります。
第3に、「「
北陸新幹線小松開業」「加賀立國1200年」に向けて」です。
北陸新幹線小松開業の2023年は、加賀立國1200年の大きな節目の年でもあります。加賀の国誕生とともに新しく能美郡が立てられ、国の政治と経済、文化の中枢を担う国府が置かれました。古代能美郡に位置する小松、能美両市には北陸最大級の古墳群が集積し、加賀の国成立に関連する遺跡も数多く点在していることから、その魅力を両市一体となって発信する新たな取り組みとして加賀国古代ロマンプロジェクトを展開してまいります。2023年には、加賀立国1200年祭の開催を予定しており、今回、小松駅を起点として河田山古墳群史跡資料館、来秋完成予定となっている能美市の新博物館のほか、両市に点在するさまざまな歴史遺産を結ぶ(仮称)加賀国府歴史回廊基本構想を策定することとし、所要の経費を計上しています。
小松マテーレ株式会社様からの企業版ふるさと納税を活用し整備されたCERABO KUTANIは、5月の開館から半年間で7,000人近い利用がありました。今回、再び小松マテーレ株式会社様からの企業版ふるさと納税の申し出をいただいたことを受け、石川県九谷窯元工業協同組合へ補助し、もう1カ所の製土所の環境整備やオリジナル商品の開発、産業観光の推進などに活用させていただくこととし、拡大する交流人口、
インバウンドを見据えて、九谷焼のブランド化に向けて取り組んでまいります。
国から無償貸与いただく初代政府専用機の貴賓室は、航空プラザ2階に執務机や大型モニターなどを再現展示することとし、整備に係る経費を計上しています。1993年の運用開始以来、皇室や政府要人に加え在留邦人の輸送、国際平和協力活動などの任務で多くの国や地域にさまざまな形で活躍してきた政府専用機は歴史的価値が高く、国内外の旅行者から高い評価を受けている航空プラザの価値、「乗りもののまち・こまつ」の魅力がさらに高まるものと考えています。
安宅新地区土地区画整理事業については、6月補正において債務負担行為の設定を行い、土地開発公社による用地取得を開始していますが、新たに地権者との調整が整ったことから、さらに用地取得を進めるとともに、区域内にある建物や
工作物の補償に必要な経費として債務負担行為の追加設定と補償費用について計上しています。今回の補正計上により、民有地12ヘクタールのうちおおむね半分の取得が可能となるもので、今後も防衛省を初め
関係機関と協議し、空港、鉄道、高速道路が近接する恵まれた立地条件を生かし、新たな産業創出に向け取り組んでまいります。
第4に、「子育て環境の充実」です。
現在、
市民病院に病児保育ルームを設置しておりますが、来年2月末を目途に南部いきいきオアシス内にも新たに病児保育ルームを設置することとし、改修費用や保育士等の雇用に係る経費を計上しています。医師や看護師、さらに病後児保育を行っているこども園とも連携し、より身近で安心の子育て環境の充実を図ってまいります。
保育所の統廃合・民営化は、計画に基づき平成18年度から推進してきました。最終段階となる金野保育所と瀬領保育所の統合については松東中学校西側において整備することとし、用地取得費、地質調査費等について計上しています。令和4年春の開園を目指し、「日本一元気な里山っ子を育む」をコンセプトに取り組んでまいります。
のしろ児童館については、放課後児童クラブの利用者増加や施設の老朽化などからリニューアルに向けて地域と協議を重ねてきましたが、現在の建物の隣接地において建てかえする方針といたしました。今回、用地取得費、地質調査費等について計上し、令和4年春の開館を目途に整備を進めてまいります。延床面積も約1.3倍に拡大し、児童だけではなく多世代交流の拠点とするほか、防災拠点としての活用も含め検討してまいります。
保育士の職場環境の改善に向けては、給食の配膳や園内外の整理、外国人の保護者とのコミュニケーションなど、保育に係る周辺業務を行う職員配置に必要な費用について助成することとし、また福祉、雇用連携の観点から、特に障害のある方を雇用した場合には市単独事業として上乗せ助成します。
第5に、「身近な暮らしの充実」です。
市民生活を支える身近な
地域交通については、現在2地区で実施している
実証実験の結果や路線バス、コミュニティバスの利用実態などを踏まえ、また
新幹線開業を見据えたJR小松駅の
ターミナル機能の強化も視野に、新たな時代にふさわしい利便性の高い
地域交通の構築に向け調査を進めてまいります。
やさしい
まちづくりの推進については、2012年に幸せへの「道しるべ」を策定し進めてきています。2017年にはやさしい
まち推進プランを策定し、トイレの洋式化など公共施設の
バリアフリー化、
バリアフリーマップの作成などを行ってきましたが、SDGs未来都市や
共生社会ホストタウンの認定を受け、さらに取り組みをレベルアップさせるため、「誰一人取り残さない」「オール・フォー・ワン」「共創」をキーワードに、やさしい
まちづくり2ndステージに向けて取り組んでまいります。
市民生活に密着した道路の整備については、側溝改築、舗装補修、排水路改築などについて債務負担行為を活用し、発注時期の平準化を図り、地域の皆様の要望に対応したきめ細やかな整備を進めてまいります。
さらに現在、大型の
補正予算編成が国において検討されており、本市のインフラ整備に活用できるよう情報収集に努めています。
最後に、このたび市民の方から多額の寄附をいただきました。御意向に沿い、音楽賞や科学賞の創設を初め、伝統文化、大学の振興など、人づくりのために活用させていただきます。
以上の財源として、国庫支出金、県支出金、市債、寄附金などの特定財源のほか、一般財源として前年度繰越金6,632万8,000円を充てております。
条例案といたしましては、小松市一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例についてを提出しております。本条例は、人事院勧告による国家公務員給与改定に伴い給与改定を行うもので、若手職員を中心とした給料の引き上げ、勤勉手当の引き上げ、住居手当の見直しなどを行うものです。
さて、来年は市制80周年を迎える大きな節目の年となります。1月からプロローグを開始し、4月のオープニングセレモニーを皮切りに
記念事業を展開します。今回、株式会社サンリオ所属のデザイナーが本市出身である御縁により、人気キャラクター、ポムポムプリンともコラボレーションすることといたしました。全国的に愛されるキャラクターが加わることで子供たちや御家族に親しまれる事業となることを期待しております。
また、この80周年を機に、子供たちの音楽や科学に対する頑張りをたたえる新たな褒賞を創設します。スポーツや芸術、科学などを通して、子供たちが未来に夢を描き、希望を抱いて成長するきっかけとなるよう
記念事業に取り組んでまいります。さらに、
フローラルこまつとして、通年で花いっぱいの
まちづくり企画も実施していきます。
市制80周年が、2023年春の
北陸新幹線小松開業、次の10年、20年につながる未来への道しるべとなるよう、皆さんで盛り上げてまいりましょう。