昨年4月の
公立小松大学の開学は、全国から多くの若者を呼び込むなど新たな人の流れを生み、民間の
不動産開発が活発化し、経済の好循環をもたらしています。また、多くの大学、
研究機関、企業、そして市民や地域、ボランティアの皆様との連携、共創によりさまざまな分野で多くのプロジェクトに
取り組み、小松市のハード、
ソフト面において応援いただける
関係人口も着実にふえています。
こうした
取り組みの成果として、先人から受け継ぎ、
市民共創で磨き上げてきた
地域資源・文化が、
日本遺産のほかSAVOR JAPAN、beyond2020プログラムに認定され、ことし7月には環境や教育、貧困など
世界共通の課題の解決に向け、さまざまな
ステークホルダーとともに取り組む
SDGs未来都市に選定されるなど、まちの
ブランド力、イメージが高まっています。
一方で、
会計年度ごとに元金及び利子を含めた
プライマリーバランスの
黒字化を10年間にわたり続けてきたことで
市債残高を圧縮し、
財政健全化も着実に進んでいます。
未来に目を向けますと、本市は歴史の大きな節目に立っています。
東京オリンピック・
パラリンピック開幕まで1年を切りました。また、来年は利常公が小松に入城して380年、そして
市制施行80周年の節目でもあります。3年半後に迫った
北陸新幹線小松開業の2023年には加賀の国立国1200年を迎えます。時代が大きく変化する中、こうした節目を成長や飛躍の転換点と捉え、誇れる自然、食、文化、産業と地域のきずなに恵まれた小松のパワーを結集し、みんなの笑顔膨らむ未来へ向かって
まちづくりを加速させていきましょう。
では、最近の主な市政の
執行状況についてであります。
北陸新幹線金沢-敦賀間の整備については、市内の
道路横断部の橋梁もかけられ、国道305
号横断部でも今秋の架橋に向け準備が進められています。来年度以降、
軌道工事や
電気工事が本格化し、全ての
建設工事が完了した後、車両の試運転が始まることになっています。今後も
北陸新幹線小松開業に向けて、
沿線町内の皆様の御理解と御協力をいただきながら、石川県及び鉄道・
運輸機構と連携し、事業の円滑な進捗に努めてまいります。
JR小松駅の
東西広場や
駅プロムナードについては、現在、
JR西日本や鉄道・
運輸機構と協議中であり、この秋に小松駅
周辺デザイン検討会を開催し、
基本構想をまとめる予定です。また、
小松空港との接続、レンタカーやレンタサイクルなどの2次交通の充実などに向け、今後、
JR西日本や鉄道・
運輸機構、
交通事業者などと連携、協議し、多くの人や文化が行き交う
南加賀のターミナルにふさわしい便利で魅力的な駅となるよう
機能充実を図ってまいります。
なお、
新幹線工事に伴い、
東口広場については今月17日から
新幹線開業間近まで、現在の
送迎者乗降場、マイクロ・
中型バス乗り場、
タクシー乗り場の位置が変わります。新しく生まれ変わる小松駅に御期待いただき、工事中の
暫定利用について御理解をお願いいたします。
さて先月、
市川海老蔵さんの妹、市川ぼたんさんが4代目
市川翠扇を、長女、麗禾さんが4代目市川ぼたんを同時襲名される
市川會襲名披露公演が東京において華々しく開催され、すばらしい演技に満場のお客様が魅了されました。
市川翠扇さんには、
市民歌舞伎や
日本舞踊の御指導のため小松にお越しいただいており、このたびの襲名に対し心よりお祝いと今後の御活躍をお祈りいたします。
市制80周年に当たる来年5月には、
市川海老蔵さんが13代目
市川團十郎白猿を、勸玄さんが8代目
市川新之助を襲名される予定であり、市を挙げて祝福させていただき、
市川宗家のますますの発展をお祈りしますとともに、改めて成田屋との御縁を大切に、「歌舞伎のまち こまつ」の
ブランドを高めてまいります。
九谷焼を
世界ブランドにするため、能美市との連携により
九谷産地の
総合芸術祭KUTANismを開催いたします。今後5カ年の計画で、作家、
業界団体、行政が連携し、工芸と食、ICTなど異
文化交流による
イノベーションに挑戦し、新たな価値の創造を目指します。今年度は今月6日から来月14日にかけて
九谷焼の祭典を開催し、期間中、
東京藝術大学美術館館長、
秋元雄史教授がキュレーションされる
展覧会や
公立小松大学の
学生ガイドによる
九谷焼の拠点をめぐるツアーなどを行います。
今月15日にはシンポジウム「KUTANIと加賀國1200年」をこまつ
芸術劇場うららで開催します。
新幹線開業や
加賀立国1200年の大きな節目を見据えて、
両市共通の大切な資源である
九谷焼について、それぞれの強みや持ち味を生かし、
地域ブランドとして世界に向けて発信してまいります。
全国産業観光推進協議会の
専用サイトにおいて全国の
産業観光10コースに選定され、
教育旅行として
日本遺産石の
文化構成文化財の
花坂陶石山や
CERABO KUTANI、
世界的建設機械メーカー発祥の地として
遊泉寺銅山跡や
生産拠点をめぐるコースが紹介されています。先月開催された
CERABO KUTANIでのワークショップでは
南加賀の観光
関係者ら約30人が集まり、今後、
産業観光の受け皿となるための
地域資源の活用について理解を深めました。
訪日外国人旅行者は2019年上半期に1,663万人を記録し、過去最高を更新しました。
東京オリンピック・
パラリンピックや
新幹線開業を間近に控え、インバウンドのさらなる拡大が見込まれる中、いにしえより石の文化など固有の
地域資源を生かし、知恵と工夫で発展を遂げ、
ものづくりのDNAが今も息づいているこの地域の特性を生かして、今後、
経済団体を含めて
南加賀が一体となり誘客に取り組んでまいります。しかしながら
国際空港を擁する本市としては、仁川便の一時休止や香港の混乱など
国際情勢に左右されがちな点もあり、十分に考慮していく必要があります。
粟津温泉開湯1300年を記念して平成28年度から整備を進めてきました
交流広場は、植栽やあずまや、
サイクルポートも整備されました。先月、おっしょべ祭りの中で
完成式典が行われ、広場の名称があわづおっしょべ広場踊ろっさに決まりました。大
交流時代を迎える中、1300年の歴史に培われた大王寺や
白山神社とともに、広場が
粟津温泉の新たな交流や出会い、恋結びの
シンボルとして大いに活用されますよう期待しております。
日本遺産認定を受け、
地方創生推進交付金を活用し整備を進めてきました
北前船寄港地の
シンボル、
安宅湊常夜灯の完成を祝いました。制作に当たりましては、滝ケ原と大杉の石材の濃淡で石文化の楽しさを生み出し、宝珠とかさは地元の
石材彫刻士、中谷篁さんに手がけていただきました。積み方も
小松城や
ぐら台石垣と同じ切り込みはぎを採用しました。夕暮れからはライトアップと5色の明かりがともり、往時をしのばせる
安宅湊の景観を色鮮やかに再現しています。
安宅地区は、
梯川左岸でも
勧進帳ものがたり館、
安宅公園のリニューアルを進めております。また、「勧進帳」の舞台、安宅の関、
難関突破の
パワースポット、
安宅住吉神社など、名所旧跡に恵まれ、歴史、文化に彩られた魅力的なエリアでもあります。
さて、昨年度より整備しておりました
公立小松大学末広キャンパスは今月26日に竣工の予定です。あわせて
粟津キャンパスの改修も進めており、10月からは
保健医療学部、
生産システム科学部の2年生が各
キャンパスで本格的に
専門課程を学ぶことになります。両
キャンパスは、それぞれ
広域医療の拠点である
市民病院や
国内有数の
ものづくりの集積地に隣接し、医療や生産の現場近くで学び、研究できるすばらしい環境にあり、ここから多くの優秀な
グローカル人材が輩出されることを期待しています。
また、
末広キャンパスは、食育や健康を意識したメニューを提供するカフェや医学系の専門書が充実した図書室など、地域にも広く開かれた
キャンパスとなります。市民の皆様にも大いに御利用いただき、
公立小松大学が地域に愛される大学へと成長するよう支援していきましょう。
7月22日に、日野自動車株式会社と地域公共交通を活かした
まちづくりに関する協定を締結しました。高齢化の進行や就労形態の多様化、公共交通における運転手不足など諸情勢を踏まえ、11月ごろから市内2地区をモデルとしてデマンド型交通の実証実験を行います。アンケート結果を踏まえ、現在、矢田野地区では買い物や通院、通学を目的に、小松鉄工団地では駅や商業施設を結ぶ通勤、買い物を目的に、運行ルートや運行時間の協議を進めており、実証実験での課題などを踏まえて本格的な運用を目指します。
また、
新幹線開業や
小松空港のさらなる国際化を見据えた、小松駅と
小松空港を結ぶ新技術による都市交通機能の強化についても連携し、新たな時代にふさわしい、利便性の高い地域公共交通の構築に向けて取り組んでまいります。
4月に締結しました包括協定に基づき日本大学芸術学部との連携プロジェクト第1弾として、先月、小松市立高校夏のスペシャル合同授業が行われました。市立高校からは42名の生徒が、大学からは23名の教員、学生が参加し、SNS等で映える動画や静止画の撮影テクニックを学ぶワークショップ、小松産の石と
九谷焼から生み出すアースミュージック(地球楽器)ワークショップなどが行われました。AIなどデジタル革命が進む中、これからの必要なスキルとして、観察する力、考える力、創造する力などが求められ、アートやデザインの重要性が注目されています。今後もさまざまな分野での連携を図り、人づくりや
まちづくりに生かしてまいります。
美術工芸の基礎、デッサンに光を当て、ビエンナーレで開催しています宮本三郎記念デッサン大賞展「明日の表現を拓く」は第5回を迎え、全国的な認知度の高まりを受けて、652人から過去最高の計979点と1,000点に迫る応募がありました。狭き門となった入賞・入選作品50点を展示した特別展は、小松展が今月28日から宮本三郎美術館で、東京巡回展は来年1月15日から世田谷美術館分館宮本三郎記念美術館で開催されますので、ぜひ多くの方に御鑑賞いただきたいと考えています。
さて、ラグビーワールドカップが今月20日に開幕します。小松市ラグビー協会が中心となり準備を進めてまいりましたパブリックビューイングは、開幕戦のロシア戦を皮切りに予選4試合で開催します。イベントは、小松駅前の市民公園野外特設ステージなどで行い、ライブステージやグルメコーナー、キッズコーナーもあり、多くの市民が楽しめる内容となっています。ぜひ小松から日本代表に熱いエールを届けましょう。
開幕まで1年、
東京オリンピック・
パラリンピックはさまざまな競技種目において出場権をかけた熱い戦いが繰り広げられています。地元出身選手では、カヌーに続きトランポリンで岸彩乃選手・大貴選手が11月の世界選手権に出場、ボートでは宮浦真之選手が来年4月の大陸予選に出場し、
東京大会への切符をかけ挑みます。また近年、オリンピック出場がかなわなかった競技にも
東京大会には出場権が与えられており、ハンドボールなど小松市ゆかりの選手の出場を願っております。ボッチャでは、世界大会で活躍している田中恵子選手の本市出身選手としては初となる
パラリンピック出場に大いに期待しているところです。
地元選手の活躍はもとより、本市では木場潟カヌー競技場を拠点に日本を含む世界9カ国のカヌースプリント・パラカヌー
チームのキャンプが行われます。今月には、東京・海の森水上競技場で開催されるテストイベントの事前合宿として英国、カナダ、ノルウェー、ニュージーランドからの
チームが来訪し、前回のブラジルリオ大会を初め世界選手権で活躍している多くのメダリストが木場潟に集結します。合宿期間中は、園児との交流を初め
トレーニング方法やカヌーの技術を学ぶ交流会を開催するほか、五輪をイメージした花壇や宿泊先でのフローラルで選手を出迎え、
スポーツ市民サポーターとともに歓迎ムードを盛り上げてまいります。
それでは、今議会に提出いたしました議案の概要について説明申し上げます。
本議会に提出いたしました議案は、既に承認いただきました契約案件2件を含め予算案2件、条例案5件、その他の議案7件、合計14件です。
初めに、補正予算案の概要についてです。
補正額は、一般会計1億1,038万2,000円、特別会計8,241万6,000円、合計1億9,279万8,000円。補正後の予算累計額は、一般会計で450億2,047万円、全会計の合計では990億1,496万6,000円となります。
次に、補正予算案に計上いたしました主な施策について説明いたします。
第1に、「2020年「市制80周年」に向けて(第1次)」です。
来年は、本市が市制を施行して80年の節目を迎えます。現在、80周年を機に、まちがステップアップする未来志向のプログラムや政策を検討しており、今回、第1次分としてスタートに必要な費用を計上しています。
本市では、既に
予算編成において
SDGsの視点を取り入れておりますが、今回、政府より
SDGs未来都市に選定されたことを受け、さらに地域全体で推進していくため、
SDGsの意義やそれぞれの役割などについて広く普及啓発し、企業、団体、市民の皆様などさまざまな
ステークホルダーとの共創により
取り組みを展開してまいります。
市制70周年の際には、木場潟において白山眺望ツーデーウオークを開催し、県外からも含め多くのウオーキング愛好家や市民の皆様に楽しんでいただきました。80周年の来年10月に、木場潟周辺及び市中心部と梯川ミズベリングをめぐるコースで記念のツーデーウオークの開催を予定しています。松尾芭蕉が説いた「不易流行」をテーマに、ショートからロングまでさまざまなコースを設定するとともに、小松が誇る豊かな自然と歴史、おいしい食事を堪能していただけるようなプログラムを検討しています。今回、企画調査や実施計画書の作成に必要な経費を計上しています。なお、80周年プレイベントとして、芭蕉来松330年を記念し、来月14日に芭蕉ウオークを開催いたします。
来年は、前田利常公が
小松城に入城して380年の節目に当たることから、年間を通じて記念茶会や伝統芸能奉納、利常入城再現セレモニーなどさまざまな記念行事の開催を計画しており、博物館においても利常公の業績をたどる特別展を開催する予定です。今回、この記念事業に先立ち、PRパンフレット作成や事前準備に係る経費について計上しています。市制80周年を機に、小松の産業、文化の礎を築き、本市発展の祖となった利常公の遺徳をたたえ、その功績に改めて感謝の意をあらわすとともに、
ものづくり、人づくりの精神を次の世代に継承してまいります。
第2に、「安全・安心・やさしい
まちづくりの推進」です。
本市では、こまつやさしいまち推進プランの
取り組みの一つとして、小松版やさしいトイレのあり方を策定し整備を進めてきております。
東京オリンピック・
パラリンピックや
新幹線開業を前に、おもてなしのレベルをさらに高めるため、こまつ
芸術劇場うららの全てのトイレに温水洗浄便座を設置するなど、利用者が多い観光文化施設のトイレ改修を行います。
4月より救急車5台体制が整い、現場到着時間の短縮が図られていますが、今回、救急車両の寄贈を受け、中消防署の「利常号」の更新を前倒しすることとし、車両に搭載する救急資機材を整備いたします。また、新たな
取り組みとして、10月より
市民病院内に救急隊員ワークステーションの設置を予定しています。日常的に救急隊員の救命処置訓練ができること、病院に待機させた救急車からの出動が可能となり現場到着時間の短縮が図られること、また病院側にとっても医療スタッフの救急同乗が可能となるなど、救急体制及び地域医療体制の強化につながるものと考えています。
散歩中の保育園児らが巻き込まれた県外の痛ましい交通事故を受け、7月に小松警察署、県
南加賀土木総合事務所、こども園と合同で緊急点検を実施しました。その結果を踏まえ、今回、キッズゾーンの安全対策の第1次緊急対応分として、ドライバーの注意喚起を促すグリーンベルトやガードレールの設置などを行います。今後、国の支援メニューの動向を踏まえ、さらなる対応を進めてまいります。
第3に、「
スポーツ環境の充実」です。
市では、誰もが気軽に安心して
スポーツ活動に取り組めるよう競技者にやさしい環境を整備しています。今回、小松運動公園内S・フォーティーンコートにリカバリールームを備えたクラブハウスを整備するとともに、地区体育館等にクールダウン対策としてスポットクーラーやクールファンを設置いたします。また、弁慶スタジアムに防球ネットを設置いたします。今後も、
スポーツの力を高め、子供からシニアまで誰もが快適で安心して
スポーツを楽しめる環境を整備してまいります。
以上の財源として、国庫支出金、市債、寄附金などの特定財源のほか、一般財源として前年度繰越金2,073万円を充てております。
条例案では、小松市会計年度任用職員の給与等に関する条例についてなど5件、その他の議案では、
工事請負契約についてなど7件を提出いたしております。
さまざまな分野で地方行政の担い手となっている臨時・非常勤職員の適正な任用・勤務条件を確保することを目的に、地方公務員法及び
地方自治法が改正され、特別職非常勤職員及び臨時的任用職員の任用要件の明確化とあわせ、新たに会計年度任用職員制度が創設されました。
小松市会計年度任用職員の給与等に関する条例については、制度創設に伴い、当該職員に係る給与、諸手当に関する規定について定めるとともに関連条例について所要の改正を行うものです。制度は来年4月からの施行となり、今後、各所属の職務状況を確認するとともに、現在の臨時・嘱託職員への制度説明や意向調査を経て、募集、選考の手続を行う予定です。本人の意欲や能力を十分に発揮して、これまで以上に活躍していただけるよう適切に制度運用し、市民サービスの向上に努めてまいります。
その他の議案等につきましては、本日からの日程に従い、担当部課長より説明いたしますので、私からの説明は省略いたします。
ここで、平成30年度一般会計決算の概要について御報告いたします。
平成30年度の日本経済は、後半、輸出に弱い動きがあらわれ出したものの、企業収益が過去最高を記録する中で設備投資が増加するとともに、雇用・所得環境の改善により個人消費の持ち直しが続くなど、総じて緩やかな回復が続きました。
こうした背景もあり、本市の市税収入は、前年度比8億7,000万円余の増収となった法人市民税を初め個人市民税、固定資産税が伸び、全体で前年度比11億8,000万円余の増収となりました。実質普通交付税は、市税の伸びが交付税算定のマイナス要素になったものの、大学開設による財政需要の増大を受けて前年度比4億円余の増となりました。このほか、クリーンセンターの建設に係る国庫補助金の減少などにより、歳入合計では前年度比12億6,000万円余の減となりました。
歳出については、交付税で措置される大学運営交付金の交付などにより補助費等が増加しましたが、職員人件費の減少や3カ年計画で進めてきたクリーンセンターの建設が最終年度となったことなどにより普通建設事業費が前年度比12億円余の減となりました。さらに、効率的な予算執行、固定費削減を努めた結果、4億円の市債繰り上げ償還を実施した上で5億2,000万円余の黒字決算となりました。
市債残高についても、発行額の抑制や繰り上げ償還などにより、全会計で1,218億円余と前年度より約12億円改善し、平成21年度末
市債残高に対して、10年間で200億円圧縮するという目標を前倒しで達成し、9年間で約216億円を圧縮いたしました。これからも引き続き財政の健全化に
取り組み、利子負担の軽減も含めて将来負担の軽減を図ってまいります。
なお、
財政健全化法に基づく健全化判断比率については、負債に関するフロー指標である実質公債費比率は、市債の償還が進んでいることに加え、大学の開設による標準財政規模の拡大もあり、前年度の16.0%から15.6%と0.4ポイント改善。
市債残高や債務など負債に関するストック指標である将来負担比率も前年度の162.0%から150.6%と11.4ポイント改善いたしました。将来負担比率については、
市債残高の圧縮に努めてきたことから、ピークの平成20年度決算から約80ポイント改善しております。今後も引き続き中長期的な視点から財政の健全運営を図ってまいります。
今後の世界経済の見通しは、過熱する米中貿易摩擦、中国経済の減速、不安定な金融市場、英国の合意なきEU離脱、IT需要の下振れ、欧州の景気低迷と南欧州の財政不安の高まり、中東リスクと原油価格上昇などさまざまなリスク要因を抱え、減速基調が続くとみられています。
日本経済においても中国経済の減速などから輸出が落ち込み、生産調整の動きも見られるなど警戒感が強まっています。地域経済については、市内に
生産拠点を置く大手企業が在庫調整のための生産調整に入るなど、
ものづくり関連でマイナス要素があり、また大韓航空の運航休止を受けてインバウンド需要の減少も予測され、地域経済への影響が懸念されます。市としては、変動要素の大きい法人市民税を中心に歳入の動向を慎重に見きわめてまいります。
さて、10月から実施される幼児教育・保育の無償化については、3歳から5歳までの児童及び住民税非課税世帯の2歳以下の児童の保育料が無償となります。保育料以外の通園バス利用料や園の行事費、食材料費など実費を負担いただくことになりますが、副食費については、年収360万円未満の世帯に加え、これまでどおり年収にかかわらず18歳以下の第3子以降を無償といたします。
10月1日からの消費税率改定に伴うプレミアム付商品券の販売が昨日より始まりました。対象の方は住民税非課税世帯及び学齢3歳未満の子育て世帯で、販売場所は、市役所エントランスホール、駅前行政サービスセンター、南部行政サービスセンターなどとなっています。商品券の販売は来年2月末日まで、商品券の利用は市内600店舗を超えるお店で10月1日から来年3月31日までとなっておりますので、対象の方はお早めに手続をお願いいたします。
地球規模でさまざまな課題解決に向けて取り組む
SDGsは、国際連合が提唱し、
全会一致で採択された
世界共通の目標です。世界は今、未来を見据えた新たな経済社会、そして環境保全に向けて動き始め、日本も国を挙げて強力に推し進めています。これまで時代を先取りした
ビジョンを掲げ、
まちづくり、人づくりを進めてきた本市は、さきにも述べましたが本年7月、先導的モデルである
SDGs未来都市に選ばれました。今や私たちの実践する政策は世界の課題解決にもつながっています。世界の中の小松市という意識を持ち、地球に貢献できる
まちづくり、人づくりを展開するとともに、この
SDGsを大きな柱として、
まちづくりの新しい展望である2040年をゴールとする(仮称)20年
ビジョンやこまつ創生戦略の策定を進めてまいります。
来年2020年は、世界が日本に注目される
東京オリンピック・
パラリンピックが開催され、また市制80周年の記念の年となります。さらに2023年には、いよいよ新幹線大
交流時代を迎えます。まちの未来を左右する大転換期であり、この切れ目なく訪れるチャンスに、まちが発展し、家族みんなの暮らしが充実するよう、市制80周年を軸とした3カ年(2019年~2021年)を第1期、
新幹線開業を軸とした3カ年(2022年~2024年)を第2期と位置づけ、未来志向で
まちづくり政策を集中実行していきます。
私たちの小松市には、悠久の歴史の中で育まれてきた歌舞伎に代表される伝統文化、木場潟を初めとした自然景観、石の文化や食文化、伝統産業
九谷焼、子供からシニアまで切れ目ない学びなど、数多くの魅力と強みがあります。また、企業や大学、各種専門機関など心強い
まちづくりのパートナーもいます。この市制80周年を中心とした第1期に展開する
まちづくりは、第2期の新幹線大
交流時代のステージに向け、これまで以上にまちのイメージと
ブランド力を高めていきます。
今まさに時代は変わろうとしております。世界的な大変革期の中、日本の真ん中に位置し、ポテンシャルの高い本市が、未来に向かって力強く、そして持続的に発展していくよう、ともにふるさとの未来づくりを進めようではありませんか。
終わりに、7月の京都アニメーションの惨事や先週の警戒レベル5の九州北部の突然の豪雨被害を初め、豚コレラなど新たな不安が発生しております。市民生活の安心・安全をこれまで以上に守っていくための不断の予防活動を一丸となって展開していかなければなりません。これまでオール小松市民とともに培ってきました防災、防火、防犯、交通安全活動などにおける自助、共助、公助を高めてまいりましょう。
以上で
提案理由の説明を終わりますが、御審議の上、全議案について原案どおり可決いただきますようよろしくお願いいたします。
───────── ◇ ─────────
◎次会日程報告
20
◯議長(
出戸清克君) 以上で、本日の議事日程は終了いたしました。
お諮りいたします。
明3日から8日までは議案調査のため休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と言う人あり〕
21
◯議長(
出戸清克君) 御異議なしと認めます。
よって、明3日から8日までは議案調査のため休会することに決しました。
次会は、9月9日午前9時30分から会議を開き、
市長提出議案に対する質疑並びに市政一般に対する質問を行います。
───────── ◇ ─────────
◎散会の宣告
22
◯議長(
出戸清克君) 本日はこれにて散会いたします。
散会 午後 0時07分
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