金沢市議会 2024-03-12
03月12日-03号
令和 6年 3月 定例月議会 令和6年3月12日(火曜日
)-----------------------------------◯出席議員(38名) 議長 高 誠 副議長 上田雅大 1番 道上周太 2番 宇夛裕基 3番 柿本章博 4番 坂 秀明 5番 山本ひかる 6番 黒口啓一郎 7番 川島美和 8番 高務淳弘 9番 喜成清恵 10番 大西克利 11番 山下明希 12番 坂本順子 13番 稲端明浩 14番 北 幸栽 15番 荒木博文 17番 中川俊一 18番 小間井大祐 19番 坂本泰広 21番 喜多浩一 22番 麦田 徹 23番 前 誠一 24番 広田美代 25番 熊野盛夫 26番 新谷博範 27番 下沢広伸 28番 清水邦彦 29番 粟森 慨 30番 玉野 道 31番 森尾嘉昭 32番 森 一敏 33番 源野和清 34番 野本正人 35番 久保洋子 36番 福田太郎 37番 横越 徹 38番
高村佳伸◯欠席議員(なし
)-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長 村山 卓 副市長 新保博之 副市長 山田啓之 教育長 野口 弘
公営企業管理者 松田滋人
都市政策局長 村角薫明 総務局長 川畑宏樹
文化スポーツ局長 東 利裕 経済局長 鳥倉俊雄 農林水産局長 山森健直 市民局長 紙谷 勉 福祉健康局長 山口和俊
こども未来局長 藤木由里 環境局長 加藤弘行 都市整備局長 坪田英孝 土木局長 坂本敦志 危機管理監 上野浩一 会計管理者 小村正隆 教育次長 上寺武志 消防局長 蔵 義広
市立病院事務局長 松矢憲泰 財政課長
佐野宏昭-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長 森沢英明 担当次長兼議事調査課長
議事調査課担当課長 安藤哲也 上出憲之 議事係長 中田将人 調査係長 今川良太 主査 桜田みどり 主査 前田和紀 主査 竹村太志 主査 辻 卓也 主任 小西孝博 書記 奥井 駿 総務課長補佐 多田育代 主査
中村隆俊-----------------------------------◯議事日程(第3号) 令和6年3月12日(火)午前10時開議 日程第1 議案第62号令和6年度金沢市
一般会計予算ないし議案第114
号包括外部監査契約の締結について及び議案第116号令和5年度金沢市
一般会計補正予算(第8号)ないし議案第137号金沢市
税賦課徴収条例の一部改正について (質疑) 日程第2
一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件 議事日程(第3号)に同じ----------------------------------- 午前10時0分 開議
△開議
○高誠議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
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△会議時間の延長について
○高誠議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。
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△議案上程
○高誠議長 これより、日程第1、議案第62号令和6年度金沢市
一般会計予算ないし議案第114
号包括外部監査契約の締結について及び議案第116号令和5年度金沢市
一般会計補正予算(第8号)ないし議案第137号金沢市
税賦課徴収条例の一部改正について、以上の議案75件を一括して議題といたします。
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△質疑・一般質問
○高誠議長 これより、質疑並びに日程第2一般質問を併せ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 3番
柿本章博議員。 〔3番
柿本章博議員登壇〕(拍手)
◆
柿本章博議員 おはようございます。 質問の機会をいただきましたので、
自由民主党金沢市議員会の一員として、以下数点にわたり質問いたします。 初めに、元日に発生した令和6年
能登半島地震でお亡くなりになられた方、被災された方に心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。また、休日、昼夜を問わず復興支援に御尽力されている全ての皆様に深く敬意を表し、
能登半島地震に関する質問を行います。 地震当日、私は、地元の自主防災会の一員として諸江町小学校の避難所の運営に携わりました。発災後、
テレビアナウンサーの命を最優先に逃げてくださいとの緊迫した呼びかけもあり、500名以上の方が一時的に避難されました。高いところを目指し、自主的に学校4階まで上った方も多く見られました。また、車で山側に移動し、大渋滞が起きたことも確認されており、従来の避難訓練ではあまり想定していなかった津波の対応についても考慮すべき点が多かったと感じています。その他、市内では多くの避難所が開設されましたが、避難所である小学校の鍵が開かず、市民が窓を割って入った、多くの備蓄や暖房が十分でなく、避難所が非常に寒かったなど、各避難所ではかなりの混乱があったと聞いています。来年度当初予算において、
地域防災計画及び
防災マニュアルの改定が計上されておりますが、今回の経験や反省を具体的にどのように反映して見直していくかについて伺います。 さて、私たち会派数名は、先月、
東日本大震災復興における中核都市の役割を学ぶため、岩手県盛岡市を行政視察いたしました。東日本大震災で被害の大きかった岩手県三陸地区と盛岡市の距離は約100キロメートルであり、今回の能登地区と金沢と同じ位置関係にあります。
東日本大震災発災の3月11日、主に三陸の被害地域より避難者が盛岡市に避難してきました。最終的には一時避難を含めて約1,000世帯が避難したと推定されています。そして、発災の4か月後、市内避難者への情報提供、一括相談窓口の必要性から、盛岡市独自の事業としてもりおか
復興支援センターを開設しました。時が過ぎ、発災から13年経過した現在、盛岡市には487世帯1,109名が居住しており、そして、その支援や追跡を今も継続しているとのことです。ここで学んだことは、被災自治体からの避難者であっても盛岡市にとっては一市民であり、住民の思いや希望に寄り添いながら支援する姿勢が重要であるということ、また、被災自治体との関係を大切にしながらも、住民への支援は最大限に考える姿勢が必要であるということです。今回の地震の金沢市の役割は盛岡市のケースと合致するかどうかは分かりませんが、いずれにしろ、現在金沢に避難されている方々は金沢市民ではないかもしれませんが、金沢に住まわれる住民であることには違いありません。そして、皆様、能登やふるさとへの思いを持ちつつも、家族、家庭、仕事、学校など、様々な事情から将来的に金沢市民を選択される可能性もあるかと思います。実際に盛岡市でも多くの方々が悩み、その選択肢を選んで今に至っているとのことです。本市では、避難者の受入れ、各種生活支援、そして、本3月定例月議会の初日に可決した
被災者生活家電購入助成費、
能登避難者食事支援費など、独自の被災者支援を実施しておりますが、このような短期的な支援に加え、本市での滞在が1年、2年、さらにはそれ以上になることを想定した中長期的な支援の準備が必要と考えます。また、場合によっては盛岡市のように本市に残る被災者の方々を支援する専任の部署の設置も必要と考えます。それが復興を目指す石川県の県都としての役割ではないでしょうか。本件に関して、市長の考えを伺い、次の質問に移ります。 次に、金沢市都市像のあらゆる分野に横断的に掲げられたデジタル化の推進について数点質問いたします。 今回提示された
未来共創計画においては、あらゆる分野に
デジタル化推進と明記され、新規も含め多数の項目が記載されております。一方、本市では、デジタル関連の項目は国の各種計画や
デジタル田園都市国家構想に呼応し、社会全体にデジタルの効果を波及させるため、金沢市
DXアクションプランを策定し、運用してきました。まず、この2つの計画の関係性について説明をお願いいたします。 今回の
未来共創計画及び来年度当初予算には、各部門でデジタルを活用した施策が多く盛り込まれています。これは単にデジタル化だけではなく、それを基に市民の生活をよりよいものへ変革を目指すDXの実現に向け、大変評価できるものと考えます。以下、共創計画及び予算に記載されているデジタル化、DXに関連した項目について、数点質問いたします。まずは、書かない窓口導入費についてです。市民と行政の接点である窓口業務の効率化の観点で望ましい施策と捉えますが、今回導入予定の書かない窓口の具体的な内容、設置場所、対象の申請や手続、さらには市民側のメリット、どのようなメリットがあるかについて説明を願います。また、
マイナンバーカードの利用を想定しておりますが、市民の皆様は
マイナンバーカードの利用に関して、
セキュリティーへの懸念を持つ方が多数おられます。システムの安全性について問題ないかについても説明願います。 次は、
デジタル活用推進費についてです。生成AIである
チャットGPTの庁内の利用拡大と伺いましたが、具体的な利用内容や機密情報漏洩など、
セキュリティーリスクへの対応方法について説明願います。また、大阪府など他自治体においては、生成AIを用い、高度な
市民向けチャットボットなど、庁外に向けたサービスを実施している地域がありますが、本市では庁外に向けたサービスの展開の可能性があるかについても回答願います。 3点目は、
健康ポイントアプリ導入費についてです。現在運用している紙ベースのわたしの
健康ポイント手帳の
スマートフォン版アプリとのことですが、このアプリ化によりどのようなメリットがあるのか、今回新たな機能が追加される可能性があるのか、また、現状、紙ベースで運用されている方のポイント移行は問題ないのかについて説明願います。 4点目は、
除雪管理システム運用費についてです。これは、GPS機能を使い、除雪の状況を追跡管理するシステムの導入と伺いましたが、その具体的な内容と他自治体にも導入の事例がありますが、本市のシステムが目指す姿や導入後の市民目線でのメリットについて説明願います。また、市民の皆様は本市の管理道路の市道以外にも、当然、国道や県道、そして近隣市町の道路も利用します。その意味では、道路除雪は本市以外の広域な情報連携が必要不可欠です。この実現には、石川県が準備するオープンデータプラットフォームによる県内全域の除雪情報連携も必要に思いますが、本件に関しても見解を求めます。 最後に、
次世代ICT人材育成強化費についてです。デジタルを活用する上でそのリーダーとなる人材を育成していくことは言うまでもなく大変重要です。本市では、中学生以上を対象としたIT部活に加え、今年度はその下の小学生を対象にした金沢ロボ活をスタートさせました。このロボ活の発表の場とも言える第5回
加能ガニロボットコンテストが昨年12月17日に開催されましたが、金沢ロボ活のチームが常勝の小松市のチームを破り、見事優勝を飾っております。これは市長も観戦され、大変喜んでいらっしゃいました。また、今週末の
新幹線開業イベントでは、最新技術のメタバースにも取り組むなど、IT部活、ロボ活の先進的な取組は全国的にも注目されております。このように小学生、中高生の育成の場は確実に成果につながっていると感じますが、IT部活を卒業した生徒が進学し、より一層ICT技術を極めていく、さらには、企業に就職し、DXを推進する、または
スタートアップを起業するなど、継続した育成強化が必要と考えます。今回の予算はその内容に沿ったものと伺っておりますが、具体的にはどのようなものであり、また、
次世代ICT人材育成における本市の目指すべき姿について市長に見解を伺い、次の質問に移ります。 次は、
金沢スタジアムに関して質問いたします。 2月18日、
金沢城北市民運動公園内に整備された北陸初の
サッカー専用スタジアム、
金沢ゴーゴーカレースタジアムのオープニングセレモニーが開催されました。その後、こけら落としの試合となる
ツエーゲン金沢対
カターレ富山戦が2月中旬とは思えない暖かい天候に恵まれ、両チームのサポーター8,566人が大迫力のサッカー観戦を楽しまれました。金沢の新しい
スポーツ文化のスタートとなる記念すべき一日だったと思います。まず、こけら落としを観戦された市長の感想やこのスタジアムへの思いを改めて伺います。 私は、昨年9月の定例月議会にて、
金沢スタジアム周辺の交通安全対策について質問させていただきましたが、その対応として、指定管理者から、
Jリーグ試合開催時の警備計画が公表されております。こけら落としはスタジアムの定員1万人に近い盛況となりましたが、まずは警備員配置などが計画どおり行われたかどうかを伺います。また、その際の駐車場、無料バス、電車、徒歩などの利用者は想定数と比較してどうだったかを伺います。さらに、今回新設した沖町交差点の右折レーンについても、どのような混雑状態であったかを伺います。 Jリーグの試合は、本年は残り17試合、
北陸新幹線地区のダービーマッチや5月の大型連休中の試合もあります。そのほか、Jリーグ以外の大型イベントの開催も計画されていると聞きます。一方で、周辺の田園地帯はこれから農繁期を迎え、付近の交通状況に関しては地域の住民の不安の声も以前から聞こえております。これらの状況を踏まえ、
Jリーグ試合開催時の
スタジアム周辺の交通状況の課題とその対応策について、市長の見解を伺います。
オープニングマッチの後、Jリーグのホーム開幕戦であるFC今治戦が3月3日に実施され、この日は、強風に雪やあられなど、あいにくの天候とはなりましたが、この試合にも3,352人の来場がありました。私は、両試合とも試合後のスタジアムの周辺の状況を確認しましたが、想像以上に徒歩の方が多かったと感じています。スタジアムの
メインスタンドから東西への流れ、すなわち、IRいしかわ鉄道東金沢駅方面と北陸鉄道磯部駅方面、これは歩道がほぼいっぱいでした。特に磯部駅方面は、9月の一般質問で指摘したとおり、歩道が狭いため、歩行者が車道にはみ出して歩かなければいけない状況が確認されました。観客数が少なかった3月3日の試合においてもです。想定していた浅野川線の電車利用以外にも浅野川添いの歩道を南下し、金沢駅方面まで徒歩で向かう方も多かったことが確認されており、その点が影響しているのではと推察します。このような状況を鑑み、やはり周辺歩道の整備が必要と考えますが、いかがでしょうか。市長の見解を伺います。 私は、
金沢スタジアムは「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」の
スポーツ文化の起点である市民のためのスタジアムであるべきと考えます。その実現に向けては、広く市民が接する機会をつくることが重要であり、今回予算計上された
金沢スタジアム周辺活性化事業費は有効な施策と評価できます。その具体的な内容については、一部地元紙の報道もありましたが、改めて説明願います。また、市民の皆様は、市民イベントでは実際のスタジアムのピッチに立ってみたいとの声も聞こえており、ピッチに立てるかどうかについてもお答え願います。 本事業を通じて、市民がスタジアムとの接点を持ち、自分たちのスタジアムである意識を深めていただくことを大いに期待いたしますが、
金沢スタジアムは
スポーツフィールドや観戦以外の機能も有することを忘れてはいけません。試合予定のない日は、VIPルームを含め、会議室としての施設利用が可能です。また、スタジアムは金沢市の防災倉庫としての機能も有しています。そこで、
サッカーフィールドに会議室や防災倉庫などを含めた
市民向けスタジアムツアーの開催を提案いたします。この
スタジアムツアーにより、市民がスタジアムをより身近に感じ、来場や利用の機会を促すとともに、防災に関する意識向上にもつながると考えますが、いかがでしょうか。市長の見解を伺い、
金沢スタジアムに関する質問を終わります。 最後に、市民生活を支える
交通ネットワークについて質問いたします。 まず、昨年議論を行ってきた北陸鉄道石川・浅野川両線の支援についてです。本市においては、みなし上下分離方式の導入に向け特定事業計画の策定が必要ですが、この協議のための
石川中央都市圏地域公共交通協議会が延期になっていると認識しております。本協議会の状況、再開の見通し、また、予定していた国の新たな補助制度の活用や、そもそも石川線存続に向け必要不可欠な車両の更新時期が間に合うかなど、支援全体のスケジュールが問題ないかについて伺います。 次に、来年度予算計上されている
公共交通サービス高度化推進事業費についてです。本事業における新規事業として、複数の移動手段の連結点となる
モビリティーハブの整備に向けた基本設計の着手という項目が上がっております。第3次
金沢交通戦略などにも取り上げられている
モビリティーハブは、
公共交通サービスの高度利用における非常に重要なポイントと考えますが、本市における
モビリティーハブの現状と、今回、基本設計をどのように進めていくかについて伺います。 また、
モビリティーハブの中の一つの重要施策である
パーク・アンド・ライド、これに関して、現在、IRいしかわ鉄道の東金沢駅、森本駅や石川線の額住宅前駅で実施中、さらには、同四十万駅でも、今、実証実験が進んでおります。鉄道線としては未整備の浅野川線はどのようにお考えなのか、回答を求めます。 さらに、前に質問した
石川中央都市圏地域公共交通協議会におけるこれまでの議論は石川線の存続議論が中心でした。浅野川線については当初から存続とのことであり、多くの議論がなされていないと認識しております。しかしながら、浅野川線においても、利便性向上に向け、機能強化や周辺の
交流にぎわい機能など、短期的、中長期的にわたる取組が必要と考えますが、その検討状況についてお答え願います。 最後に、本市の
交通サービスに関する提案を行いたいと思います。来年度の交通施策として様々な事業、施策が盛り込まれております。1、市内のバス、鉄道で、クレジットカード、スマホによるタッチ・
QRコード決済の導入、2、IRいしかわ鉄道線と石川線の
乗り継ぎ円滑化の実証実験、3、金沢市
公共シェアサイクルまちのりは、令和7年4月の供用開始に向けた第3期構築、4、
金沢版MaaSアプリであるのりまっし金沢の利便性、操作性向上、5、
パーク・アンド・ライドの利用促進、これらの施策実現により、市内の交通機能の連携や持続可能な
交通ネットワークの形成が進んでいきますが、私は、これらを組み合わせ、さらに一歩進めることにより、本市のバス、鉄道、
シェアサイクル、さらには
パーク・アンド・ライドの共通の使い放題・乗り放題、すなわち、サブスクのサービス、これが技術面からも運用面からも実現可能と考え、提案いたします。このサービスを使うことにより、例えば、1泊2日で訪れた観光客は、のりまっし金沢で2日間のフリーパスを購入、兼六園、香林坊、東山、近江町、市内の定番スポットを回るだけでなく、バス、
シェアサイクルを使って少し離れたところに気軽に足を延ばし、SNSで気になっていた観光スポットやお店やレストランに気軽に行けるそんな都市。例えば、1か月のサブスク契約をした市民は、晴れた日は、健康のために
シェアサイクル、雨の日はバスで通勤、通勤帰りに少し寄り道をして買物、休日は、
パーク・アンド・ライド地点まで車で行き、駐車時間を気にすることなく、バス、電車、
シェアサイクルを制限なく、その日の気分に応じて自由に使い、通勤とは全く違ったルートを楽しむ。市民も観光客も、全てが移動するという概念を覆すような世界観が広がっていきます。これは、
MaaS先進国のフィンランドなどが進めるMaaS3.0と呼ばれる世界最先端のサービスで、私の知り得る範囲では、日本国内でこのレベルのサービスの実現はありません。今、
金沢版MaaS3.0が本当に手が届くところまで来ていると思います。私は、この
金沢版MaaS3.0が「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」に掲げる魅力づくり、暮らしづくり、人づくり、仕事づくり、都市づくりを横断的に実現する象徴的な施策になり得ると考えますが、いかがでしょうか。市長の見解を伺い、私の質問を終わります。 御清聴いただきましてありがとうございました。(拍手)
○高誠議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 おはようございます。 3番
柿本章博議員にお答えいたします。 今回の
能登半島地震では、これまでに経験したことがない被害が発生するとともに、津波警報が発令され、多くの市民が津波から身を守るため、交通渋滞が起きたほか、一部の避難所においては、開設や運営に混乱が見られるなど、まずは、発災時に多くの課題があったと考えています。また、広範囲かつ甚大な被災地区の迅速な復旧に向けても多くの課題が浮き彫りとなっており、今後、これらの課題に対して検証し、
地域防災計画や
避難所運営マニュアルなどの見直しに反映させたいと考えております。 現在、本市では、総合窓口での各種対応や避難所の運営において、関係課が連携して被災者支援を実施しております。一方で、被災地からの避難が長期化することも想定されます。仮設住宅の建設状況等も見極めなければなりません。能登の被災者を支援するためにどのような体制が有効であるか。これは私の最初の勤務地が岩手県でありました。そして、奥様を亡くした同僚などもおります。そういったこと、岩手県の関係者からもいろいろ話を伺えればというように思っております。これから他都市の事例について、調査、研究しながら、能登からの被災して避難した方々への支援について検討していきたいと考えております。
DXアクションプランについて御質問いただきました。
未来共創計画は、都市像に掲げる5つの分野から成る基本方針ごとに講じるべき主要な施策を取りまとめた市政運営の最上位計画であります。この中で、各分野への横断的視点の一つとして、あらゆる分野におけるデジタル化の推進を掲げています。一方、
DXアクションプランは、デジタルによる社会や地域経済の変革を進めるための方針、また、具体的な取組を定める個別計画として位置づけております。この2つの計画を相互に連携・連動させることで、本市におけるデジタル化を強力に推進していきたいと考えています。 書かない窓口についてであります。
マイナンバーカードの暗証番号や顔認証機能を活用することで、申請者が申請書に氏名等を記載することなく、窓口において対面によるヒアリングだけで証明書等の交付手続が完了するものであります。市民課窓口で導入することとしており、住所変更等に伴う住民異動届をはじめ、住民票の写し、戸籍証明書、
印鑑登録証明書、税に関する証明書等の諸証明のほか、
マイナンバーカードに関する各種手続を予定しております。ただ単に手続が簡素化するというだけではなく、高齢者や障害のある方などにとっても負担の軽減につながります。さらに、待ち時間が短縮されるというということで、窓口の混雑緩和にもつながるものと期待をしております。 続いて、
次世代ICT人材育成強化費についてであります。付加価値の高い新産業の創出に向けて、石川県情報システム工業会--ISAと連携をし、会員企業の技術者によるサポートの下、小学生から大学生までを対象とした
次世代ICT人材育成拠点機能をITビジネスプラザ武蔵に構築したいと考えております。具体的には、これまでの金沢IT部活や金沢ロボ活に加えてメタバースやシビックテックなどをテーマに、IT部活の卒部生や大学生がIT企業と共創する金沢IT部活アカデミーベンチャーを創設し、体系的な人材育成を図ることで、金沢の未来を創り上げる産業人材を育成・輩出し、地場産業の成長・発展につなげたいと考えております。
金沢スタジアムのプレシーズンマッチにつきまして、当日は天候にも恵まれまして、8,500人を超えるたくさんの観客を迎えました。北陸ダービー前哨戦となる1戦が行われ、
金沢スタジアムの完成を大変うれしく思いました。北陸初の
サッカー専用スタジアムが生み出す臨場感を体感するとともに、大勢のサポーターや市民・県民から熱い声援が送られ、
ツエーゲン金沢、カターレ富山、両チームに対する今後の飛躍を期待する気持ちを感じることができました。今後、
金沢スタジアムが子どもの夢と憧れの舞台として、そして、市民に愛されるスポーツ交流拠点となるよう、さらなる機運の醸成と本市
スポーツ文化の推進に努めてまいりたいと考えております。 当日の交通状況につきましては、駐車場の事前予約や無料シャトルバスでの来場を広く呼びかけたことによりまして、一時、会場周辺で渋滞が見られましたけれども、大きな混乱はなかったと承知しております。一方で、自転車や徒歩での来場者に対する交通整理の必要性など、新たな課題も見られたことから、今後、誘導看板の設置や警備員の効率的な配置により、歩行者の安全確保とともに、円滑な来場・退場を徹底するよう、主催者に対して指導してまいります。
スタジアム周辺の歩道整備につきまして、引き続き、大規模イベント開催時の歩行者と車両の通行状況を把握することが必要と考えております。その結果を踏まえ、整備の必要性について検討してまいります。まずは、できる限り歩道のある道路を利用いただくよう周知に努めてまいりますとともに、車道にはみ出して歩かないよう、警備員から来場者に声かけをしていきたいというように思います。 試合のない期間の施設内の見学ツアーであります。スタジアム内の諸室貸出し利用のPR、さらに
ツエーゲン金沢の応援機運の醸成等に有効であると考えております。民間事業者である指定管理者の自主事業として実施できないか、提案してみたいと思います。 北陸鉄道線に関する協議会でありますが、
能登半島地震への対応のため、県や沿線市町との協議が調わず、1月の開催を延期したところであります。北陸鉄道線は市民にとって欠かせない大量輸送機関であります。車両・施設の老朽化など、安定運行のため対処すべき課題が目前に迫っておりますことから、引き続き、令和7年度からのみなし上下分離への移行を見据え、県や沿線自治体等との協議を鋭意進め、早期の合意を目指してまいります。 本市における
モビリティーハブについて、地域の拠点となる鉄道駅やバス停などに
パーク・アンド・ライド駐車場や駐輪場、待合空間などを整備し、様々な交通手段の接続・乗り継ぎがスムーズに行える交通結節点として機能するよう構築したいと考えています。現状では、鉄道駅や主要なバス停が交通手段の乗り継ぎ拠点となっているところであります。これらを活用することはもちろん、これに限らず、地域の実情に応じた拠点も必要と考えており、候補地の選定とともに、設置すべき施設などについて、今後、検討を本格化してまいります。 鉄道沿線での
パーク・アンド・ライドは、利用者の利便性を高め、また、まちなかへの過度な自家用車の流入を防ぐ役割があるため、重要な施策の一つであると認識しております。一方で、北陸鉄道浅野川線については、浅野川の堤防と住宅地との合間に敷設された箇所が多く、駐車場や進入路の空間を確保することが非常に難しいという状況であります。整備が進んでいないと認識しております。
パーク・アンド・ライド駐車場の整備が難しい中で、今後、北陸鉄道浅野川線における
モビリティーハブの構築に向けてどのようなことが可能か、研究してまいりたいと考えています。 浅野川線は本市の公共交通重要路線として大きな役割を担っております。今回の議論においても、利便性向上により、地域の財産として生かしていくことが必要とされております。今後、みなし上下分離の議論と併せ、北陸鉄道線の存在価値を高め、利便性を向上させる取組についても具体策を取りまとめてまいります。なお、鉄道駅の
モビリティーハブ機能の強化や新駅の設置などについては、技術的な観点も含め、中長期を見据えて検討すべき課題であると考えております。 金沢MaaSは、鉄道、バス、まちのりなど、様々な交通手段を組み合わせて利用できるようにすることで、市民の移動や生活の利便性を高めることを目指し、デジタル
交通サービス、のりまっし金沢を軸とした取組を進めてまいりました。また、令和7年度からの第3期まちのりサービスの開始に向け、鉄道とバスとの公共
交通ネットワークの連携強化も進めていきたいと考えております。なお、御提案いただきましたサブスクのサービスは、高い利便性の実現を可能とする仕組みと認識しておりますが、一方で、システム構築に極めて多額の費用が必要となるなどの課題もございます。どのようなことが可能か、引き続き研究してまいりたいと考えております。 私からは以上です。
○高誠議長 紙谷市民局長。
◎紙谷勉市民局長 書かない窓口導入費について、システムの安全性について問題がないか、お尋ねがございました。使用するシステムは、インターネット環境を利用するものではなく、外部に情報漏洩することはございません。あわせて、申請時には、暗証番号の入力や顔認証機能により、厳正な本人確認を行うこととしておりますことから、安全性に問題はございません。
○高誠議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長
チャットGPTの庁内事業拡大や
市民向けチャットボットなど、庁外に向けたサービス展開の可能性について御質問がございました。本年度実施した生成AI試行利用の結果を踏まえ、明年度は全庁的な利用環境を整備するとともに、各課共通の財務会計システムマニュアル等のデータを学習させた庁内向けAIチャットボットを構築する予定であり、職員間の問合せ対応などの事務負担が軽減されることを期待しております。なお、これらの環境は行政機関専用のネットワークでのみ利用可能とするほか、生成AI利用ガイドラインを策定し、個人情報や機密情報の漏洩を防止することとしております。庁外に向けたサービスにつきましては、明年度の庁内向けチャットボットの実施成果を踏まえた上で、市民サービスで展開できるかどうか、見極めてまいりたいと思っております。 以上です。
○高誠議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長
健康ポイント手帳のアプリ化についてお尋ねがございました。アプリの導入によるメリットは、歩行数を自動的に記録できるなど、利便性が向上いたしますほか、新たな機能といたしまして、アプリを通じて対象者の性別や年齢層に応じた情報発信が可能となりますことから、この機能を活用して健康づくりに役立つ情報を周知していくこととしております。加えて、スマホ世代である若年層の利用増加につながることも期待しております。また、紙ベースの
健康ポイント手帳にたまったポイントについてでございますが、これをアプリに移行することは考えておりませんが、手帳は発行から1年間有効であり、その間は、たまったポイントの利用が可能でございます。 以上です。
○高誠議長 坂本土木局長。
◎坂本敦志土木局長 除雪管理システムの質問で、最初に、内容とメリットでございますが、このシステムは、GPS端末を除雪機械に設置することで、除雪作業本部にいながら除雪機械の稼働状況や作業の進捗状況などをリアルタイムに把握することができるシステムでございます。このシステムの活用により、地区ごとの進捗状況に応じた除雪作業の応援体制が構築でき、迅速かつ効率的な除雪作業が可能となるほか、除雪作業状況を把握することで住民からの問合せに対し、作業開始の予想時刻など、正確な情報を伝えることができるものと考えております。 次に、県内全域の情報連携についてでございます。除雪管理システムで得られるGPSのデータは、石川県が準備している広域連携基盤での活用も可能であると認識しており、今後、発信する内容や方法などについて、県や県内他自治体との協議、調整を進めていきたいと考えております。 以上でございます。
○高誠議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 金沢スタジアムにつきまして、まず、試合時の
スタジアム周辺の警備員配置など、計画どおり行われたかとのお尋ねにつきまして、当日は運動公園内はもちろん、近隣商業施設の駐車場出入口や
スタジアム周辺道路に計画どおり33名の警備員を配置し、駐車場整備に当たったと
ツエーゲン金沢から報告を受けております。 続いて、駐車場、無料バス、電車、徒歩などの交通利用者は想定数と比較してどうであったかとのお尋ねにつきましては、駐車場は事前予約による1,313台の利用がございました。シャトルバスによる輸送は約3,000人の想定に対し4,077人の利用があったと聞いております。IRいしかわ鉄道、北陸鉄道浅野川線につきましては、詳細な乗車人数は現時点では把握できないとのことでありましたが、IRいしかわ鉄道からは、通常の1.4倍程度の乗客数であったと聞いております。 次に、
金沢スタジアムの周辺活性化事業について……
○高誠議長 東
文化スポーツ局長に申し上げます。 発言時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。
◎東利裕
文化スポーツ局長 イベントでのスタジアムピッチに立てるかというお問合せですが、
金沢スタジアムをはじめ、城北市民運動公園内における施設で、全てにおきまして、複数競技を体験できるイベント、筋力測定、反射神経テストなど、自身の体力、スポーツの適性を測るスポーツ版人間ドックを実施することで、家族で楽しくスポーツに親しむ機会を提供したいと考えております。 また、元サッカー日本代表選手と地元チームの親善試合や教室等も実施を予定しており……
○高誠議長 発言時間が過ぎておりますので、発言を速やかに終了して下さい。
◎東利裕
文化スポーツ局長 こうしたイベントの中で市民がピッチに立てるよう計画してまいりたいと思っております。 以上です。
○高誠議長 5番山本ひかる議員。 〔5番山本ひかる議員登壇〕(拍手)
◆山本ひかる議員 発言の機会を得ましたので、公明党金沢市議員会の一員として、数点にわたり質問させていただきます。 初めに、1月1日に発生しました
能登半島地震におきまして、犠牲となられました方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災され、大変な状況の中におられる皆様に心からお見舞いを申し上げます。復旧・復興を全力で支えていくことをお誓いし、質問に入らせていただきます。 まず、本市に避難されている
能登半島地震被災者の方への対応について伺います。 発災より2か月がたち、まずは身も守るための2次避難から徐々に生活再建のための住居を決めていかれる段階に入ってきました。被災者の皆様に対しては、本市でも、被災者生活支援総合窓口を開設し、生活再建への相談を広く受け付けており、災害救助法適用による制度の下、生活場所の確保として、賃貸型応急住宅や市営住宅などへの入居が進んでいます。日々の生活場所を確保できることは大変に重要なことだと思います。しかしながら、この大災害が与えたダメージは心身ともに大きなものであり、避難して来られている方々にとって、慣れない土地での生活の変化や様々な不安等を抱えての日常を考えると、まず、第一に、皆さんが孤立してしまうことを避けなければなりません。私も市営住宅を擁するある町会から、「金沢市に避難してこられた皆さんをこれから様々にサポートしていく必要があると思う。まずは集会場に気軽に来てもらえるようなサロンや区長さんによる訪問に力を入れていこうと思うが、市ではどのように考えているのか」とのお声をいただきました。被災者に心を寄せ、自主的に支援に動いてくださっている町会、地域団体、ボランティア等の皆様には感謝しかありません。このように善意で支援活動をしてくださっている方々のお力をお借りしていくことは大変に重要なことだと思います。そこで、能登地域からの避難者の方々が賃貸型応急住宅や市営住宅などへ入居される際に、このような地域コミュニティーにつながっていけるように、本市としてどのようなことをされているのかをお聞かせください。 一方、避難者の方々に必要な支援、そこにつながるための情報を届けるには、避難者の方々を把握することが必要となります。賃貸型応急住宅や市営住宅などに入居された方であれば、本市からの情報提供などについては連携が可能かと思われますが、親類などを頼って個別に避難されている方もおられます。石川県では、現在、公式LINEや電話受付により、連絡先情報などについて避難者からの自主的な登録を進めています。住民票を異動させることなく、広域に、また、何度も居場所が変わる可能性がある避難者の方々を埋もれさせることがないようにと考えたとき、この石川県の登録を推進することは重要であると思われますが、本市で特に留意されていることがあれば、お聞かせください。 過去の災害の検証からも、被災者の方々の生活再建のためには、お一人お一人が抱える多様な課題に対し、関係者が連携して寄り添い、必要な支援を行うことが今後ますます重要となると思われます。公式LINEや電話受付により登録された情報は石川県と関係自治体とで共有され、今後の支援に生かされることになると思われますが、本市で生活されている避難者に対し、どのような支援につないでいけるのかをお聞かせください。 次に、本市の空き家対策について伺います。 少子高齢化などを背景に、空き家が全国で増加しています。放置された空き家は老朽化が進み、近隣への安全面や防犯上の悪影響など、大きな問題をはらんでいることは本市においても例外ではありません。また、このたびの
能登半島地震のような大災害の折には、周辺への被害を拡大させる要因ともなりかねません。国では、2015年に、空家等対策の推進に関する特別措置法が制定され、倒壊のおそれなどが高い場合は、自治体が特定空家に指定でき、改善などの勧告措置を行えることになりました。それを受け、本市でもその翌年に、金沢市空き家等の適切な管理及び活用の推進に関する条例を制定し、本市の特性に応じた対策を実施するため、金沢市空き家等管理・活用計画を策定されています。そして、国は、改正空家対策特別措置法を昨年12月に施行し、空き家が放置され、危険な状態になるのを未然に防ぐため、管理のよくない物件について、特定空家に至る前に新たに管理不全空家に指定し、自治体が早めに指導・勧告できる仕組みが導入されました。本市では、2018年9月に作成した空き家対策のハンドブックを、昨年9月、さらにバージョンアップし、空き家発生予防のハンドブックを作成されています。また、同じ内容が本市のホームページでも見やすく紹介されています。そこで、本市の空き家対策は、今回の法開始を受け、どのような点に重きを置いて取り組まれているのかを伺います。 市民の皆様から御相談をいただく多くは、近隣の空き家についてのお困り事です。町会として町内の空き家の一軒一軒を把握し、役員の交代とともに情報が引き継がれているという例は少なく、被害を心配されている御近所の方だけで悩まれているケースが多く感じます。本市では、個人から相談があった場合、空き家の所有者を調べ、連絡を取り、その後も定期的に現地を見回っておられることも承知しています。しかし、空き家の所有者がすぐに動いてくださることは少なく、近隣の方も御高齢でありながら、御自宅に被害が及ばないよう危険な作業をされている状況は心配です。金沢市空き家等管理・活用計画には、空き家等の所有者等が入院、施設への入所、遠方に居住している等の理由により、自ら当該空き家等の適切な管理を行うことができない場合に対応するため、所有者等に代わって空き家等の適切な管理を行う専門的な知識を有する事業者や家財の整理を行う事業者等、地域に根差したコミュニティービジネスの育成を図るとともに、空き家管理事業についての広報を行うなど、その普及、啓発に努めますとあります。本市のハンドブックには、空き家の管理代行サービスとして、所有者に代わって、事業者が現地を確認して、建物の外観など、写真で状況を知らせてくれるサービスが空き家対策の一つとして紹介されています。また、現在、この空き家管理代行サービスの一つが本市のふるさと納税の返礼品にもなっています。そこで、本市として空き家の所有者に対し、このようなサービス利用の案内をするなど、何か積極的なアプローチをされているのかを伺います。 本市でも、所有者が施設に入所されるなどして空き家が放置されていくケースは増えているように思われます。もし、災害が発生し、何か法的な処理をするときにも、所有者と連携が取れないことが妨げとなることも考えられます。防災・減災の観点からも、相談のあった空き家については、その現状が速やかに所有者側に伝わり、管理不全空家が減少することを望みます。 さて、昨年、本市と地域連携空き家等活用事業の協定を結んだNPO法人が修繕した空き家が地域の交流拠点としてオープンすることを伺いました。本来は空き家を有効活用していけることが最善です。新たに策定された都市像が具現化される中にあって、今後の本市の空き家活用について、市長の御所見を伺います。 次に、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスの感染を防ぐHPVワクチンの接種について伺います。 子宮頸がんの予防として、2013年より小学校6年生から高校1年生までの女子を対象にHPVワクチンの定期接種が始まりました。しかし、接種後に多様な症状が報告され、国は程なく積極的勧奨を停止することになり、その後、接種の有効性が副反応のリスクを上回ることが専門家会議で認められ、2022年4月よりは接種勧奨が再開されました。その間、接種機会を逃した1997年4月2日から2007年4月1日生まれの女性について、キャッチアップとしてHPVワクチンの公費による無料接種ができることとなっています。そのキャッチアップ期間が2025年3月31日までで終了となっており、本市では、昨年末に市LINE公式アカウントでその案内を掲載していただきました。重ねて、新年度の予算で未接種者への個別勧奨の実施と進学や就職等で県外に住まれる方に対しても助成対象としていただいていることに感謝いたします。その未接種者への個別勧奨についてですが、期限終了までに3回の接種を間に合わせることを想定すると、いつ頃の発送を考えておられるのかを伺います。 現在、
能登半島地震で被災されている方については、長期療養の特例と同様に、定期の予防接種については、接種期間に2年間の猶予が与えられることになったと伺っていますが、本市に避難されているHPVワクチンの定期接種対象者はキャッチアップ世代も含め、希望すれば本市でも接種することができるのか、また、1回目の接種等を居住地で済ませている方についてはどうなのか、その対応について伺います。 また、このHPVワクチンについてですが、最近は男性の中咽頭がん等についても、HPVの感染に起因していることが分かってきており、国では、2020年12月に、男性への接種も承認されました。本市においても、男性へのHPVワクチンの接種を行っている医療機関を把握されているでしょうか。HPVワクチンを男性が接種することにより、御自身をがんから守るとともに、パートナーへの感染も防ぐことができ、子宮頸がんの発症も抑えることができると考えます。ぜひ、男性に対してもHPVワクチンで防げるがんがあることを広く周知していただき、今後、男性の接種への公費助成についても検討していただきたいと思いますが、御所見を伺います。 次に、本市の乳幼児健康診査について伺います。 本市では、母子の健やかな健康のための健康診査として、福祉健康センターで行う3か月児、1歳6か月児、3歳児の健康診査のほかに、医療機関に委託する1か月児、6か月児、1歳児、2歳児の健康診査も公費で行われており、合計7回と充実した体制となっています。まず、福祉健康センターで実施されている乳幼児健康診査について、対象となる御家庭にはどのような方法で周知されているのかを伺います。 また、本市では、それぞれの年代での健康診査の受診率も高いものと見受けられますが、福祉健康センターで実施されている3か月児、1歳6か月児、3歳児の健康診査について、未受診のお子さんについてはどのように対応されているのかを伺います。 国においては、2023年度補正予算で出産後から就学前まで切れ目ない健診体制を整備するため、新たに1か月健診と5歳児健診が助成事業となりました。5歳児健診が対象となった背景には発達の障害などを早く発見し、安心の就学につなげることを目指すものとされています。本市では、健康診査で子どもたちの発達に遅れや心配が見えた場合、療育につなげるなど、総合的にどのような支援の体制を取っておられるのでしょうか。また、本市では、5歳児については、現在、希望される方を対象に、就学前発達相談を開設しておられますが、全員が対象となる集団での健診を実施することについてはどのように捉えておられるか、その御所見を伺います。 最後に、若者のオーバードーズについて伺います。 近年、処方箋がなくても、薬局やドラッグストアで購入できる市販薬の乱用・依存や急性中毒が重大な社会問題となりつつあります。乱用されているのは、一般的なせき止めや風邪薬等です。これらには麻薬や覚醒剤と同じような成分がごく少量含まれ、何十錠も一度に服用すると、一時的に気分が落ち着いたり、高揚したりするものの、だんだんと効かなくなるため、服薬量が増え、肝臓や腎臓の重大な障害に至ることもあると言われています。実際に、市販薬の過量服薬--オーバードーズによる救急搬送が2018年から2020年にかけて2.3倍に増加したという報告や精神科医療施設を受診する患者において、市販薬を主たる薬物とする薬物依存症状が2012年から2020年にかけて約6倍に増加したといった報告もあります。国立精神・神経医療研究センターの2022年調査によると、全国の精神科医療施設で薬物依存の治療を受けた10代の患者の主な薬物において、市販薬が全体の65.2%を占めているとのことです。また、市販薬の乱用経験がある高校生の割合は1年間で60人に1人というデータもあり、深刻な状況にあることも明らかになりました。特にここ数年間のコロナ禍では、自粛生活のストレスや孤立感の深まりなど、子どもたちにとってもやり場のない感情があったのではないかと思われ、本市において、子どもたちの状況はどうであったか、オーバードーズにつながるような事例を把握されていたのかをお尋ねいたします。 現在、乱用等のおそれのある市販薬については、その販売制度も見直しをされてきており、購入者が高校生・中学生等であると思われる場合は、その氏名や年齢、使用状況を確認することになっています。金沢市健康教育推進プラン2024にも、7つの重点的健康課題の一つとして、喫煙・飲酒・薬物乱用防止を挙げ、薬の正しい使い方についてを学校で学ばれると思います。本市の中学校、市立工業高校では、オーバードーズを防ぐためにどのような取組をされているのかを伺います。 また、コロナ禍に続き、大震災を経験することになり、本市にも現地で被災し、帰ってきた子どもたちや能登から避難してきている子どもたちもおられるかと思います。また、本市で被災した子どもたちであっても、発災時に感じた不安や恐怖というものの影響は計り知れません。この子どもたちの心のケアについて、本市の小中学校、市立工業高校では、今後も継続的にどのように取り組まれていかれるのかを伺い、私の質問とさせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)
○高誠議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 5番山本ひかる議員にお答えいたします。 初めに、本市に避難してきている方々、様々な形で避難をされているというように思います。市営住宅に来られている方、賃貸型応急住宅に入られている方、また、親戚を頼っていらっしゃる方、車中泊の方もいらっしゃるというように思います。そうした市営住宅等での生活を開始した避難者の方々が慣れない地域で孤立することなく安心して生活するというためにも、地域との交流を持つということ、大切だというように思っております。一方で、町会の方からも、地域に住まわれる避難者との関わり方について相談や問合せもいただいております。こうしたことから、本市では、被災者生活支援総合窓口で相談等に来られる方に対しては、地域の御了解をいただいた上ではありますが、町会連合会などの地域コミュニティーの窓口、あるいは、地域サロンなどの地域福祉に関するお問合せ先を記載したチラシの配布などを行っております。引き続き、避難者に寄り添った支援に努めてまいりたいと思います。 そして、石川県では、避難所を離れ、県内の親戚宅等に避難されている方に対して、自治体からの支援情報を届けるため、連絡先の情報を登録するよう呼びかけております。支援を行っていく上で重要な情報であると認識しております。本市としても、広域避難所から退所される際には、登録を行うように促しをしております。登録された情報については、被災した自治体と共有し、支援金をはじめ、生活を再建する上で必要となる重要な情報を適時提供できるほか、本市で避難生活を送る際の健康管理などにも活用できると考えております。 続いて、空き家対策についてであります。本市は、これまでも空き家が及ぼす生活環境の問題の改善や空き家を移住・定住の受け皿として活用を図ってまいりました。引き続き、発生抑制、管理指導、活用・流通促進の3本の柱を軸に空き家対策を進め、とりわけ地域コミュニティーの活性化が期待できる空き家の発生防止と活用・流通の促進に注力していきたいと考えております。 続いて、男性に対するHPVワクチンの接種についてであります。現在、予防接種法において、市町村長が行う予防接種の対象となっておりませんので、接種を行っている医療機関は把握しておりません。また、周知や公費助成の実施について、昨年度、国で定期接種に位置づけるかどうかの検討が開始されました。今後、有効性や安全性等についての調査・研究も行われると聞いております。その動向を注視してまいりたいと考えています。 乳幼児健康診査につきまして、小学校への入学を迎える時期に子どもの発達に不安を持つ保護者を対象にして、小児科医と臨床心理士による5歳児就学前相談を行っておりますほか、保育所や幼稚園に専門家を派遣し、相談等の支援に努めております。本市では、5歳児を対象とした集団健診は実施しておりませんけれども、今後、国から5歳児健康診査に係るマニュアルが示される予定と聞いております。他の自治体の状況も踏まえて研究してまいりたいと考えております。 私からは以上です。
○高誠議長 坪田都市整備局長。
◎坪田英孝都市整備局長 空き家対策につきまして、今回の法改正を受け、どのような点に重きを置いて取り組まれるかとのお尋ねがございました。改正特措法には、所有者の責務の強化に加え、空き家の活用拡大や管理不全空家に対する指導、勧告措置などが新たに盛り込まれました。本市では、これまでも所有者等に対し適切な管理の指導を行うとともに、専門団体の協力を得ながら、活用や流通を促し、空き家の解消を進めているところでございます。今回の法改正を受けまして、より一層、活用の拡大や流通の促進に重点を置いた取組を進めていきたいというふうに考えております。 次に、空き家管理代行サービスの案内についてのお尋ねがございました。仰せのとおり、昨年11月から空き家の管理の方法の一つとして、ふるさと納税空き家管理サービスを開始したところでございます。このサービスの利用は、市内に居住する空き家の所有者に限定されますことから、管理指導の機会などを捉えまして、直接サービスの案内を行っているところでございます。 以上でございます。
○高誠議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 HPVワクチンのキャッチアップ世代への個別勧奨につきましてお尋ねがございました。HPVワクチンのキャッチアップ接種につきましては、令和6年度末が期限となっております。3回の接種のために6か月程度の期間が必要となりますことや大学生等が夏休みに帰省する際に接種していただくといったことも考慮いたしまして、7月上旬には対象者に対して勧奨はがきを送付する予定でございます。 次に、避難者のワクチン接種についてでございますが、HPVワクチンの定期接種の対象者で
能登半島地震で被災し、本市に避難していている方につきましては、キャッチアップ世代の方や1回目の接種済みの方も含めまして、市内の医療機関において接種することが可能でございます。 続いて、福祉健康センターで実施している乳幼児健康診査につきまして、幾つかお尋ねがございました。乳幼児健康診査の周知につきましては、健診日の約1か月前を目安にお住まいの住所を担当する福祉健康センターから場所、持ち物等を記載した案内文を対象となる御家庭に個別にお送りしております。あわせて、当日、都合がつかない場合も考慮いたしまして、予備の受診日も御案内しております。加えて、本市のホームページや新聞のお知らせ欄等にも健診の予定を掲載しておりますほか、母子健康手帳アプリを活用するなど、広く周知に努めているところでございます。 予定の健診日に受診されない方についてでございますが、再度、新たな健診日について、電話や郵送により通知を行っております。それでも受診されない方につきましては、福祉健康センターの保健師が家庭訪問等を行いまして、子育ての相談を受けるとともに、受診するように促しているところでございます。 また、乳幼児健診の結果、発達に遅れや心配が見られるお子様につきましては、保健師が個別に相談・支援などの対応を行っておりますほか、必要に応じて療育機関を紹介しております。経過を見たほうがよいと思われる方には、保健師が継続的に関わりますとともに、医師や心理士、保育士等専門職による幼児発達相談、5歳児就学前相談につなげ、お子様の特性に合わせた関わりを助言しているところでございます。加えて、幼児相談室や教育プラザの専門相談などの関係機関であったり、医療機関へつなぐなどの適切な時期に必要な支援が受けられるよう、連携を図っているところでございます。 以上です。
○高誠議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 若者のオーバードーズについて、初めに、コロナ禍における本市の子どもたちの状況とこの間のオーバードーズにつながるような事例の有無についてお答えいたします。コロナ禍により生活環境が変化して、生活リズムを乱した児童・生徒や学校生活において様々な制限がある中で交友関係を築くことに難しさを感じていた児童・生徒は見られたと捉えております。なお、コロナ禍の間、オーバードーズにつながる事例はございませんでした。 また、本市立中学校、市立工業高等学校でのオーバードーズを防ぐための取組についてお答えいたします。本市立中学校、市立工業高等学校の保健体育科の授業におきまして、学習指導要領に基づき、市立中学校では、健康な生活と疾病の予防の単元で、市立工業高等学校では、健康を支える環境づくりの単元で、医薬品は使用方法を守り、正しく使う必要があることを指導いたしております。オーバードーズの内容等につきましては、毎年、学校に学校医や学校薬剤師等を招聘して開催している薬物乱用防止教室で薬物に対する正しい知識や乱用の危険性について指導いたしております。 次に、
能登半島地震を経験した子どもたちの心のケアについてお答えいたします。本市では、
能登半島地震発災直後の校長会議におきまして、心のケアに当たる際は子どもたちが発するストレス反応等に正しい知識に基づいて対応するため、学校全体でケース会議を行うなどして組織的に取り組むよう、指導・助言をいたしました。各学校では、
能登半島地震による不安等の早期発見に努め、能登から受け入れた児童・生徒を含めた心のケアに取り組んでおります。また、要請があった学校には速やかに臨床心理士やスクールカウンセラー、専門医等を派遣いたしております。引き続き、
能登半島地震の影響によるストレス反応等の早期発見、早期対応に努め、一人一人の心に寄り添った心のケアに取り組んでいくよう、学校に指導してまいります。 以上でございます。
○高誠議長 6番黒口啓一郎議員。 〔6番黒口啓一郎議員登壇〕(拍手)
◆黒口啓一郎議員 発言の機会を得ましたので、みらい金沢の一員として、当初予算・補正予算に関すること、関連する金沢市政について質問させていただきます。 初めに、令和6年
能登半島地震の発生から2か月余り、5人の安否不明の方々の早期救出を願い、亡くなられた241人の方々の御冥福と被災された多くの方々へのお見舞いを申し上げます。 元日夕方に起こった地震はマグニチュード7.3の地震が13秒の間に連続して起きたという分析もある、過去に類を見ない直下型地震です。能登では復旧が急がれる状況にあり、直面する様々な課題があります。と同時に、今から考えておかなければならない本市での防災・減災についても速やかに取り組むべきことがあろうかと考えています。 その中で、まず、
地域防災計画の見直しについてお尋ねします。防災体制の強化を図るため、
地域防災計画の改定費が予算に盛り込まれました。元日夕方に発生した
能登半島地震で、本市では最大震度5強を観測し、戦後の地震では最大の揺れとなりました。本市では、第3次配備体制が取られ、災害対策本部が設置され、初動対応に当たられました。災害は防災計画の読みどおりの内容になることはないとよく言われ、備えたとおりに事が進まないことは多々あろうと思います。今回の地震をめぐって、今後の災害対応を議論する検証会議を立ち上げるに当たり、当時の対応を検証する必要性はどんな点にあるのでしょうか。計画と実際の違いはどんなものがあったのか、備えが薄かった点、計画のように進められなかった点など、災害対策本部長として、この地震への対応から見えてきた今後の改善課題について、市長にお尋ねいたします。 危機管理体制の強化に当たり、災害時における的確かつ迅速な対応を図るために依頼する防災アドバイザーについてもお聞きします。
能登半島地震対応で、本市の災害時における対応は的確・迅速という視点で何が足りなかったのか。それを改善するためにどのような助言を得ることを想定しているのでしょうか。具体的に招聘する方が決まっていれば、その方を、まだ決まっていない場合には、どんな分野の専門家を望んでいるのか、人物像についてお尋ねします。 この地震が発生した後の経緯の中で、私としては、この質問で2点、お聞きしたいと考えています。1つは避難所の開設、2つ目には観光客を主とした帰宅困難者対策です。1つ目の避難所の開設に当たっては、震度5弱以上の地震が発生した場合は、市内217全ての指定避難所を開設することになっていましたが、開設されたのはおよそ6割に当たる124か所でした。市民の安全確保のために計画した避難所開設が、4割が開設に至らなかったのはどんな要因によるもので、今後の検証には何が課題となるのでしょうか、お伺いします。 2つ目の帰宅困難者対策です。昨年の9月定例月議会の一般質問で、私は、この対策に取り組む必要性を聞きましたが、令和7年の地震被害想定の見直しが出るまで待つという方針でした。その際の答弁では、なお万一、それまでの間に大規模な災害等が発生した場合には、宿泊事業者などの協力協定締結団体をはじめとして関係機関とも連携協力し、迅速かつ適切に対応していくとのことでした。観光客や帰省客、買物客が行き交っていた元日夕方のJR金沢駅周辺では、そのような連携や適切な対応というものが取られたのでしょうか。ユーチューブに投稿されている元日の金沢駅周辺の様子を撮影した動画では、帰宅困難の状態になった人たちが大勢いたことがうかがえるのですが、どういう状況になり、帰宅困難者は何人規模で生じたのか。市で把握している状況をお尋ねいたします。 また、まさにこうした災害時に備えて協力協定を結んだ宿泊事業者との連携やかなざわ災害時等協力事業所に登録した企業に対しては、協力要請などが機能したのでしょうか。危機管理監の見解をお尋ねいたします。 本市における被災地区の復旧についてお尋ねします。 元日の地震によって、粟崎地区では液状化被害、田上新町では道路の崩落、住宅の倒壊、山の上町の天下台団地では、地滑りの危険性が生じて避難指示が出されるなど、市民生活に影響する地震被害がありました。この復旧については、地震に伴う地盤の液状化や崩落などの被災メカニズムの究明に向けた調査・分析を行い、専門家で構成する技術検討会議で復旧工法などを検討するとのことですが、復旧に望ましい方法など、その結論が出るのはいつ頃となるのでしょうか。見通しをお聞かせください。 また、熊本地震など、過去の地震災害でも同様のケースがあるのではないかと思われますが、本市での本格的な復旧に向けて参考にしているケースでは、復旧完了までどれぐらいの期間を要しているのか、お伺いいたします。 地震防災において、この令和6年
能登半島地震で亡くなられた方々の死因を直視しないわけにはいきません。警察庁の1月30日時点のまとめによりますと、この時点での死者238人のうち、死因は圧死が92人で全体の4割弱、窒息・呼吸不全が49人、外傷性ショック等が28人。報道を通じた専門家や医師の見解などを踏まえると、最大震度7を記録した
能登半島地震では、多くの人々が元日夕方の大きな揺れで倒壊した家屋の下敷きとなったことによって命を落としたという見解に至ります。また、高齢化が進み、古くから建つ家屋の耐震化が進みづらい状況があり、倒壊家屋が多くなったことの背景として報道されていました。1981年、昭和56年以降、新耐震基準、そして、2000年基準と呼ばれる現行の耐震基準へと国は住まいの耐震化のレベルを引き上げており、本市においても、住宅の耐震化を進めるために、耐震診断や耐震補強工事の補助金を設け、ずっと市民にその利用を促されてきています。こうした中での地震発生後、耐震診断や耐震補強工事に対する市民の関心度の変化は起こっているのでしょうか。問合せ件数や申込みの状況についてお尋ねします。 金沢大学の地震学の専門家は、
能登半島地震の分析結果を学会で示されており、その中では、地震を起こした活断層のエネルギーは周辺断層に影響を及ぼし、今後、金沢市内での直下型地震が懸念される森本・富樫断層帯については、将来的な地震発生リスクが増したと報告されています。これまでよりも地震発生リスクの懸念が増す中で、万一発生した際に人的被害を少なくしていくための取組として求められることは、住宅の耐震化を限りなく100%に近づけることではないでしょうか。本市のまちなか区域、その中の特別消防対策区域の中には、昭和時代に建てられた木造住宅が密集する地域もあり、地震防災への関心の高まりが予想される今こそ、従来以上に呼びかけを強め、市民の意識を高めてもらうべきときにあるのではないかと考えますが、市長の考えをお伺いいたします。 次に、
能登半島地震で本市に避難され、賃貸型応急住宅、いわゆるみなし仮設住宅に入居された被災者の方々の支援についてお尋ねします。 今、そうした金沢市内でみなし仮設住宅での生活に入られた方々は何世帯、何人おられるのでしょうか、お尋ねします。この数をお聞きするのは3月1日に可決した補正予算で生活家電の購入費用が助成されることとなり、広く行き渡ってほしいと願うことからです。当日の被災者生活支援総合窓口での問合せ状況は、生活家電購入助成や生活必需品の支給を尋ねる相談の割合が大半を占めており、支援を必要とする方々に情報が的確に行き届く状況にあるのか、懸念があります。その日の時点では、民間の賃貸住宅、県営住宅や国家公務員宿舎へ入居した方の情報は本市に共有されていないとのことでした。賃貸型応急住宅、いわゆるみなし仮設住宅に係る手続では、その仕組みを見るに、県が本市のみなし仮設に入られた世帯を把握できていることになるようですが、今日時点においては県から情報共有はされているのでしょうか、お伺いいたします。速やかな情報共有を図ることが支援が行き渡るための重要な基盤となります。みなし仮設に入居した被災者の支援にあっては、県との情報共有をしっかり進めていただきたいと思っております。 この議会の初日、支援の在り方について、市長は、提案理由の説明においては、息の長い支援と、質疑の答弁の中では、被災者に寄り添った支援をとその姿勢を述べられ、全く同感するものです。生活家電の購入費用の助成後に続いて、本市でのみなし仮設住宅に住まわれる被災者の方々には今後どのような支援をされていくのか、どのようなニーズに応えていくのか、市長の所見をお伺いいたします。 次に、今後の人口推移について、その人口は減少が予想され、現役世代の減少などに伴い、税収減となっていることが予想されています。一方では、高齢化社会における団塊世代の方々が75歳以上となり、2025年問題と言われる超高齢化社会へと進んでいきます。この中で、当初予算における石川中央都市圏に係る事業についてお尋ねします。 消防の広域連携です。 消防局の通信指令は、本市とかほく市、津幡町、内灘町の2市2町での共同運用となっていますが、当初予算案では、白山野々市広域消防と連携することを視野に、4市3町での共同運用拡大に向けた通信環境調査が盛り込まれました。この共同運用が具現化した場合、人口規模で言えば、55万人台から72万人台へと政令指定都市並みの規模となり、面積でもかなり広域になってきます。消防行政において、通信指令を広域化することは本市においてはその目的と必要性はどういったところにあるのでしょうか、お尋ねいたします。 次に、行政における様々な場面で進展が見られるDX--デジタルトランスフォーメーションについてお尋ねします。 DXを推し進めていくために、本市では、金沢市
DXアクションプランを策定し、デジタル行政推進リーダーをはじめとするデジタル人材の育成が展開されてきました。今年度において、その成果はどのように現れているのでしょうか。特に迅速な対応が求められたのではないかと思われる
能登半島地震における対応で、DXが功を奏した事例がありましたら、具体的にお聞かせください。 令和6年度の当初予算では、データの活用や分析を施策に生かす事業が観光政策、交通政策のほか、学校教育の分野でも取り入れられています。こうした事業では、当初予算のデジタル人材育成事業費の狙いとして示されている、業務の効率化と市民サービスの向上を図るため、デジタル技術を有効に活用して業務を効率化できる職員を育成することが重要になってくるものと思います。DXについての全庁的な理解度を高めるため、データ利活用ができることは今後の業務の質を高めるために重要性を持っているものと考えます。データを生かすことは利活用の中でさらに踏み込んだ分析ができることで、政策を打ち出す根拠や施策の内容の精度が高まることが期待されるところです。民間ではデータサイエンティストという職業が注目され、デジタル人材の育成におけるキーワードの一つとなっていますが、本市におけるデータ分析力を高めていき、観光など、注力する政策でデータ分析を生かした政策の発展を図ることについてどのようにお考えでしょうか。市長の所見をお伺いします。 最後に、人口減少対策に関して、2点、お聞きいたします。 1つ目は、定住移住の促進です。定住移住促進費の事業では、これまでの住宅取得支援制度を改め、新たな制度を開始する方針が示されています。その狙いとして、まちなかや居住誘導区域等における子育て世帯や移住者の定住の促進と区域外への人口流出防止を図ると打ち出されています。この人口流出防止を図るという表現、つまり、人口の社会減対策が本市の施策に表れてきたのは、過去5年の当初予算資料を遡って調べても今回が初めてではないでしょうか。そこで、人口減少時代における本市での社会減をどう捉えているのか、この点、少子化対策にも関わってくるものと見ておりますが、人口データなどから社会減について把握された点をお聞かせください。また、この観点から、近年の人口流出や世代構成に与えている影響とそこから見える課題を踏まえ、この新たな住宅取得支援制度とともに、今後取り組むべき政策について市長の所見をお伺いいたします。 2つ目に、関係人口についてお尋ねします。新たな都市像の策定に取り組まれる中で、市長は、移住・定住の促進とともに、関係人口の創出を掲げられており、当初予算にその施策が盛り込まれました。総務省の言う関係人口とは、移住した定住人口でもなく、観光に来た交流人口でもない、地域と多様に関わる人々を指すとしています。人口減少・高齢化で地域づくりの担い手不足が生じている地域にとっては、その地域外の人材を呼び込んで、地域づくりの担い手となることを期待されているようです。当初予算案では、金石・大野・森本地区での地域おこし協力隊事業のほか、民間の視点や活力を生かし、関係人口の創出につながるモデル事業を計画されていますが、これはどのような人材の呼び込みを目指すのでしょうか。関係人口の創出をどれくらいの規模で、どんな人材を呼び込むことが金沢のどんな活力につながっていくのか、市長のビジョンをお尋ねし、私からの一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○高誠議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 6番黒口啓一郎議員にお答えいたします。 初めに、今般の地震により、避難所の設置については、開設の方法や冬期における運営方法など、様々な課題が浮き彫りになったことから、検証会議を設置することといたしました。この地震では、これまでに経験したことがない大きな被害が発生しており、災害に強いまちづくりを目指す本市において、地域との協働による安全・安心の確保を図っていく必要があると認識しております。 今回の地震では、時間の経過とともに変化する市民の要望について的確に対応ができない状況があったとも認識しております。防災アドバイザーについては、平時においては、
地域防災計画や
防災マニュアルの改定等に関する支援を、有事に際しては、指揮命令を担う危機管理監に対し様々な助言を行うことを想定しています。人選に当たっては、防災行政や被災地支援等に関して知見のある方を選定したいと考えています。 続いて、今回の地震で地盤の液状化や土砂の崩落などにより、広範囲かつ甚大な被害を受けた各地区においては、復旧に望ましい工法を決定した上で迅速に取り組むとしておりますけれども、地域の方々との丁寧な協議を経た上で進める必要がございますので、一定の期間要するものと想定しております。 住宅の耐震化についてであります。本市の住宅における耐震化については、補助制度を利用した耐震改修などにより、耐震化率は県内でも高い水準にあります。しかしながら、その一方で、旧耐震基準などの木造住宅が密集する地区が多いまちなか区域は、災害拡大のリスクが高いことから、耐震化の重点区域に位置づけ、計画的に戸別訪問を実施するなど、制度の周知に努めてきたところであります。また、住宅の老朽化や所有者の高齢化などの課題がまちなか区域においては顕著に見られるということから、今後は所有者の世代だけでなく、その子ども世代に実家の防災について考えていただくよう、SNS等を活用しながら、さらなる周知を図り、耐震化の促進につなげてまいります。 被災者への支援について、これまでの大規模災害におきましても、応急賃貸住宅に入居するなど、自治体を越えて避難する場合について、その行政サービスの提供が課題であるということがございました。今後、東日本大震災など、広域避難を余儀なくされたケースを参考にするとともに、県や避難元の自治体と協議を重ねて、避難者の方に対しては、例えば、精神的な問題、孤立であるとか、あるいは、健康的な栄養面の課題、そういったところに対しての様々な支援をはじめとして避難者に寄り添った支援を検討してまいりたいと考えています。 続いて、通信指令の広域化につきましては、消防局では、石川中央都市圏を構成する5消防本部の間で、これまでも救急車の相互乗り入れを実施するなど、効率的な消防行政サービスの向上を図ってまいりました。加えて、圏域の指令管制業務については既に、かほく市、津幡町、内灘町と共同運用しております。これに白山野々市広域消防本部が加わり、圏域内で一元化することにより、消防車両を迅速かつ有効に運用するなど、限られた機材、人材を最大限に活用することが可能となり、さらなる住民の安心・安全の向上につながるものと捉えております。 行政のDXにつきまして、これまでに60人のデジタル行政推進リーダーを育成してまいりました。今年度は実際の業務において改善事例が出てきております。例えば、環境局では、廃棄物処理施設への立入検査結果などをその場でタブレットに入力できるアプリを開発し、業務時間や紙文書の削減に貢献をしております。また、
能登半島地震における対応についてでありますが、1月6日から救援物資の受入れを開始しましたが、これに当たりましては、3時間程度、たった3時間程度で受付状況管理アプリを作成いたしました。また、輪島市からの避難者の受入れ開始後には、避難者台帳管理や健康管理のアプリを作成し、現在も運用しているところであります。こうした取組につきましては、先般開催いたしましたDX会議におきまして発表したところ、学識者をはじめとした委員の方から、事務の内製化という自分たちでそのアプリをつくることができるということについて非常に高く評価され、効果が非常に早く発揮されているというように評価をいただいているところでございます。 行政経営プランにおきまして、行政データの活用と伝わる情報発信を基本方針の中に掲げて、データ利活用による施策を推進しております。施策の推進に当たっては、職員が収集データの種類や分析方法、活用方法などについての有用な知識を修得できていることが重要と考えております。明年度実施するデータ利活用に関する職員研修において、その内容を有意義なものにしていきたいと考えています。 人口の社会減の関係です。社会動態について、特に20代から30代の子育て世代の流出については、これは直接生産年齢人口の減少にもつながると考えております。これは市の活力の低下を招くことが懸念されております。そして、生産年齢人口の減少とともに、これは将来の自然減にも直接影響してくるということにも捉えておりまして、この20代から30代の子育て世代をいかに増加させるかということ、これまで以上に若い世代や子育て世代に対する支援策の充実を行って、魅力あふれるまちづくりに取り組む必要があると考えております。このため、具体的な施策として、新たな住宅取得支援制度の創設を行いましたが、それのみならず、地域、各種団体、企業等との連携・協力による子育て環境の充実や教育・福祉の連携による総合支援体制の強化をはじめ、誰もが文化芸術に親しむことができる環境の充実、学びの文化の形成と情操教育の推進など、これは子どもたちが成長した後も金沢で住み続けたいと思うような金沢独自の政策になります。そうした政策を積極果敢に推進していきたいと考えております。 関係人口について、関係人口創出民間提案モデル事業につきましては、民間の持つ視点やネットワークを生かして、県外の在住者と本市の地域や住民とが交流を深める機会などを企画し、実践することとしております。金沢のコミュニティーやまちづくりに継続的に関わっていく人材を呼び込みたいと考えております。様々な形で本市と関わり続ける、とりわけ若い世代の方々、1人でも多く生み出していくということ、これが新たな交流と価値を創造していくとともに、将来的な移住者としても期待できると考えております。そうした関係人口を地域の力につなげていきたいと考えております。 私からは以上です。
○高誠議長 上野危機管理監。
◎上野浩一危機管理監
能登半島地震を受けての防災・減災について、何点かお尋ねでした。まず、発災時の避難所開設における課題検証であります。本市において、地震の際に使用できる避難所には、小学校や公民館など、地域の拠点となる避難所66か所と中学校や高校、大学などの指定避難所146か所の計212か所がございます。今回の地震では、拠点避難所は全て開設しましたが、御指摘のとおり、開設されなかった指定避難所がございました。元日で指定避難所の施設管理者が不在であったことなどから、開設に至らなかったものと考えており、休日や夜間などにおける避難所の開設方法が課題の一つであります。今後、開設されなかった理由などを検証・整理した上で、地域の自主防災組織や施設管理者と連携しながら、連絡体制の強化を図り、迅速な避難所開設につなげてまいります。 次に、金沢駅周辺における帰宅困難者に関して、地震発生時、金沢駅周辺に多くの方が集まっていたことは報道等を通じまして確認しておりますが、その人数までは把握することはできておりません。 また、災害時の官民協力に関して、災害時における協力協定を締結している佐川急便については、本市から協力を要請し、能登被災地への支援物資の搬送に絶大な御協力をいただきました。しかしながら、その他の協力協定を締結している事業者やかなざわ災害時等協力事業所に登録していただいている企業に対しましては要請を行うことはございませんでした。これらのことは、今回の地震を受けて判明した課題であると認識しており、今後、要請に至らなかった理由などを検証・整理した上で、各協力事業者等と連携・協力し、迅速に要請を行うことができる体制の強化に努めてまいります。 次に、熊本地震などにおける被災地区の復旧時期について、お尋ねでした。国土交通省の資料などによれば、
平成28年に発生した熊本地震においても、議員御指摘のとおり、本市と同様に液状化等の被害を受けた地区が複数ございます。これらの被災地区においては、その地区によって異なりますが、既に復旧が完了している地区もあれば、現在継続中の地区もございます。 次に、被災者支援に係る県との情報共有についてもお尋ねがございました。本市では、市営住宅に入居された方々については、既に県と情報の共有を行っており、みなし仮設住宅や県営住宅、国家公務員官舎など、県が把握している情報につきましても支援が行き渡るための重要な基盤となりますことから、今後、情報共有を図ることといたしております。 私からは以上でございます。
○高誠議長 坪田都市整備局長。
◎坪田英孝都市整備局長 住宅の耐震化についての問合せ件数並びに申込み状況についてのお尋ねがございました。地震発生からの2か月間で309件のお問合せがありました。そのうち、3月5日現在で25件の補強工事に先立ち実施いたします耐震診断の申請をいただいております。 次に、みなし仮設住宅に入居した方の状況についてのお尋ねでございます。本市窓口において、能登2市2町のみなし仮設住宅の申請件数は、3月5日現在で787件でございまして、人数は1,923人でございます。 次に、人口データなどから把握できた点についてのお尋ねがございました。市内から県内市町への転出者を見てみますと、世代別の内訳では、20代から30代の世代が過半を占めており、若者世代、子育て世帯に配慮した定住支援が重要であると認識しております。一方で、近隣市町への転出者に着目いたしますと、約7割が本市の居住誘導区域からの転出となっておりまして、これまで以上に居住誘導区域からの流出防止に取り組む必要があるというふうに考えております。 以上でございます。
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△休憩
○高誠議長 この際、暫時休憩いたします。 午前11時48分 休憩----------------------------------- 午後1時0分 再開
△再開
○上田雅大副議長 出席議員数は、ただいまのところ37名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
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△質疑・一般質問(続き)
○上田雅大副議長 休憩前の議事を継続して、質疑並びに一般質問を続行いたします。 25番熊野盛夫議員。 〔25番熊野盛夫議員登壇〕(拍手)
◆熊野盛夫議員 令和6年1月1日に発生した
能登半島地震は、震源地の能登地域はもちろんのこと、本市や県内の各市町、さらに富山県、新潟県、福井県にも甚大な被害を及ぼしました。発災より2か月が経過してもまだなお1万1,000人を超える方々が避難生活を継続されており、被害の大きさと復旧・復興への道のりの険しさを示しています。地元紙のアンケート調査では、避難されている方々の85%が地元に帰りたいとの思いを示しておられました。本市にも多くの方々が避難、移住されていますが、まずその気持ちに寄り添って対応していくことが大切だと思われます。また、今回の地震は、能登半島沖の海底の断層帯が150キロメートルにわたって連動し、その後の余震の震源地も大きく動き、激しい揺れによる道路の損傷や寸断は著しく、復旧工事を大幅に遅らせています。さらに、津波による被害も確認され、火災の発生も相まって、各地で多くの貴い人命が失われました。県都金沢市としてこの地震をどのように受け止めておられるのか、さらにそこからどのように市政を展開していかれるのかは極めて重要です。本市の受け止め、この地震から得られた知見をどうやって生かしていくおつもりなのかお聞かせください。 次に、志賀原子力発電所についてお尋ねいたします。今回の地震は、発生当初より志賀原子力発電所を所管する北陸電力から発表される情報が錯綜しました。さらに、目に見えない放射線量を端的に示すデータも、部分的に欠落していました。県議会では、避難路が想定外の被害を受けたことなどに対し、多くの議論がなされています。地元町長も、施設内における破損や避難経路をはじめとする想定外の被害に触れ、再稼働に対し慎重な意見を述べられています。北陸電力の大株主である本市として、この地震における志賀原子力発電所の対応についてどのように受け止めておられるのか、お聞かせください。 このような議論の中、北陸電力は既に、今回の地震から得られた知見を安全対策に生かし、志賀原子力発電所の再稼働を目指す方向性を示しています。本市としても、市民の安全・安心を守るために、北陸電力の考え方や方針を直接聞き、意見することも大切ではないかと思われます。次回の北陸電力の株主総会に出席することも踏まえ、本市の方針をお聞かせください。 次に、情報の伝達についてお尋ねいたします。携帯電話の普及によって遠隔の地であっても様々なデータが瞬時に送受信できるようになりました。しかし、今回の地震で、各地域の道路の寸断に加え、約850の携帯電話用基地局が停止し、情報伝達のための電波が寸断されたことにより、多くの人々が現実的な隔離状態に加え、情報からの隔離状態に陥りました。県が被害の全貌を把握するために膨大な時間を要したのは、このためではないかと思われます。被災地では、この対策のため、アメリカの宇宙企業が手がける衛星インターネットが活用されました。本市も広い中山間地を抱えそのような対策についても考える必要がないとは言えません。本市として、衛星インターネットの活用についてどのように考えておられるのかお聞きいたします。 次に、避難所に関する質問をいたします。まず、避難所の在り方についてです。避難所の収容人員について、避難所指定されている各学校では、教員数プラス児童・生徒数となっています。したがって、地域人口が多いところは、地域の方が全員、指定避難所に入り切ることはできません。入り切れなかった人は、それぞれの避難所に自主的に避難することになります。今回の地震で言えば、例えば集会場や自宅の納屋、ビニールハウスなどが指定避難所に含まれていない自主避難所です。県の調べによれば、100か所以上の自主避難所が開設されているとのことです。今回の地震でボランティアに参加された方から御意見をいただきました。それは、指定避難所以外に避難されている方が、避難所で提供されている炊き出しや支援物資をいただこうとした際に、指定避難所に避難されている方から苦言を呈され、気分を害し、それ以降指定避難所に足が向かなくなったとのお話です。自宅や家財道具、中には家族も失い尋常ならざる心持ちの方もおられるかと思われますが、指定避難所にいても、それ以外の避難所にいても、同じ市民です。今後、本市でも大規模な災害が発生した場合、避難所の指定の有無にかかわらず、被災された市民にはできるだけ同様の対応を求めますが、本市のお考えをお聞きいたします。できれば、災害が発生する前に本市の対応を明確化すべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、避難所の鍵の管理についてです。今回の地震で多くの避難所で市民が管理者より先に到着し、待ち切れず、窓等を割って中に入ったという話を何例かお聞きしました。また、発災がお正月であったことから、多くの人が非日常の動きをし、自宅にいない人、ふだんは少ないが帰省のため人数で過ごしていた家庭等、各家でも通常の人口バランスと大きく異なっていたと思われます。そのため、避難所にたどり着けなかった鍵の管理者もいたとお聞きします。この教訓を生かし、いち早く鍵の管理について対応しなければなりません。海に近い某町会の新年度の総会でも、避難所の鍵の管理を含めた初動体制について、まだ決まっていないのか、地震や津波が明日来るかもしれんのやぞとの厳しいお言葉も頂戴しました。本市指定避難所の鍵の管理について、どのような方針で、どのように対応していくおつもりなのかお聞きいたします。 次に、避難所の運営についてです。様々な避難所アドバイザーが指摘するのは、運営者の男女比率です。これは性的マイノリティーの方々にとっても重要なことです。内閣府男女共同参画局総務課の防災担当者は、「性的少数者の視点の取組は、自治体ごとに行っていると承知している。現在の指針は、女性の視点を強化して更新したが、性的マイノリティーの視点が大事であることに変わりはない」と話しています。また、平時の立場の弱さは、災害時には増幅されると言われています。本市として、避難所の運営者の男女比率、性的マイノリティーへの対応についてどのように考えているのか、その考えを現実の避難所運営にどのように生かしていくおつもりなのかお聞かせください。 さらに、避難所のトイレについてもお聞きいたします。今回の地震は、道路に加え、上水道管、下水道管の破損が著しく、断水も広範囲にわたり、生活そのものに大きな支障を来しました。特に、トイレの水が流せないという問題は避難所で暮らす人にとって大きなストレスになったとお聞きしています。そんな中、大と小を分けるだけで臭いが激減するといった情報や、実際に大と小を分ける簡易トイレを作成して、各避難所に届ける活動をされる方もおられました。また、全国の自治体から災害用のトイレトレーラーも提供され、これまでの簡易トイレ以外の様々なトイレが能登に集結しました。本市は、災害時を想定して、マンホールトイレの普及に力を入れてこられたと思われますが、そのほかの避難所のトイレについて、どのような対策を考えておられるのかお聞きいたします。 被災地の衛生管理は極めて重要です。事前の十分な対策がいざというときに物を言います。また、トイレトレーラーはイベント時も使用可能で、他都市の災害時にも派遣し使用が可能です。本市として、将来的にトイレトレーラーを配備するおつもりはないのかについてもお尋ねいたします。 次に、大津波警報発令時の交通渋滞と対策についてお尋ねいたします。今回の地震発災後、間もなくのタイミングで石川能登で大津波警報が発令されました。本市を含む石川加賀は津波警報でしたが、市内の海沿いから山沿いに向かう道は、おおむね大渋滞となりました。幸い本市に届いた津波は80センチメートルと、大事には至りませんでした。しかし、この渋滞の状況で大きな津波が来たら、東日本大震災のときのように車ごと流され、被災してしまう可能性も否定できません。本市として、今回の状況をどのように認識し、どのような対策をお考えなのかお尋ねいたします。 次に、障害者、高齢者の避難誘導と避難所の対応についてお聞きいたします。自治体の調査によると、東日本大震災と熊本地震の災害関連死の2割超が障害者でした。人口に占める障害者の割合は9%であることから、2割超がいかに高い数値であるか分かります。これらのデータの基になった自治体では、障害者らへの支援の課題として、6割が戸別訪問のための人手不足、次いで3割が、支援が必要な人の安否確認の方法がなかったことを挙げています。今回の
能登半島地震では、死者の半数が70代から80代の高齢者でした。能登地方は高齢者が多い地域であることは事実ですが、これらの観点から、障害者、高齢者をいかに確実に避難所に誘導するかが、人的被害を少なくするために極めて重要なポイントではないかと思われます。本市のお考えをお聞かせください。 また、誘導した後の避難所での対応も大切です。障害の特性や高齢者の持病など、事前に共有すべき事柄もあるかと思われます。また、専門的ケアが必要な方もおられるかと思います。対応に当たり、本市として、どのような点に留意すべきと考えるかお聞かせください。 障害者らへの支援の課題に挙げられた戸別訪問に対する人手不足や、支援が必要な人の安否確認の方法がなかった点を解決すべく、南海トラフ地震が想定される静岡県富士市では、昨年11月、助けを求める人と救助者をつなぐスマートフォンのアプリを導入しました。きっかけは、2018年の西日本豪雨災害で、岡山県真備町で犠牲になった51人のうち8割超が要支援者だったことです。スマホでSOSを選ぶと、アプリを通じて支援者に位置情報が伝わり、近くにいる人が駆けつける仕組みです。事前に決められた支援者が常にそばにいるとは限らないことを前提にしています。名古屋市でも、同様のアプリをこの3月より運用開始されるとお聞きしています。本市としても、このようなアプリの活用を検討してみてはいかがでしょうか、お考えをお聞きいたします。 次に、避難物資の備蓄についてお聞きいたします。本市の大桑防災拠点広場などの備蓄物資が、1.5次避難所として開設された県のスポーツセンターに運ばれたとの新聞報道がありました。備蓄物資は、被害想定に従って品目や量が定まると言われますが、この
能登半島地震を経て、本市として、避難物資の備蓄をどのようにしていくおつもりなのか。あるいは、既に備蓄が完了されているのであれば、どのような点に留意されたのかお聞かせください。 次に、道路の被害状況と今後の対策についてお尋ねいたします。市内全域にわたり、道路の亀裂や陥没など地震の被害が数多く見られます。一度応急処置を施された場所でも、さらに被害が進行している箇所も散見されます。これまでの被害状況や対応状況、今後の対策についてお聞かせください。 次に、上下水道の耐震化についての質問です。今回の
能登半島地震でダメージが大きい最大の理由の一つは、道路被害と並んで、上水道管の破損による断水と、下水道管の破損により下水処理の難航が継続的に続いていることではないかと思われます。日に日に水道が開通しているとはいえ、3月に入っても1万9,000戸で断水が続いています。生活はもちろんのこと、工場、農業や漁業のなりわいにも水の安定供給は極めて重要です。電気は通っても、水が来ないとなかなか家で暮らせない、水が来ないと仕事にならないというお話を何度も耳にしました。本市の当初予算で、水道震災対策事業費39億941万円、主要管路や配水池、経年化した配水管の耐震化を推進、さらに、下水道震災対策事業費6億7,660万円、拠点避難所や災害拠点病院に接続する路線のほか、防災拠点に接続する路線のマンホール浮上対策等を推進すると示されています。現在の耐震化の進捗状況と併せその詳細をお伺いいたします。 次に、井戸水等を活用した水の確保についてお尋ねいたします。今回の地震で、改めて水の確保の重要性が認識されていますが、水道管の破損による長期の断水に対する備えとして、井戸水の活用に熱視線が向けられています。ある程度の地区の範囲の井戸水、地下水マップも災害時には有効ではないかと思われますが、本市のお考えをお聞かせください。 次に、罹災証明書についてお尋ねいたします。罹災証明書の発行は、その後の義援金や被災者生活再建支援金など、行政支援を申請する際の基本の書類になります。しかし、能登地方をはじめ本市でも、その対応が遅いという声を非常に多くお聞きしました。現在の本市の対応状況をお聞きいたします。 専門家の中には、今回の地震で家屋倒壊以外にも、道路寸断や断水など家屋被害が軽微でも、事実上生活ができない世帯が相当数あることから、建物の破損状況を唯一の指標とする罹災証明について疑問を呈し、抜本的見直しを求める声も上がっています。村山市長からも、全国市長会や中核市市長会にて、これらの罹災証明についての課題を提言し、抜本的見直しを求める声を上げてみてはいかがでしょうか。多くの被災者から賛同されることが予想されますが、お考えをお聞きいたします。 次の質問は、耐震化率向上に向けての取組についての質問です。2月14日に国土交通省と国土技術政策総合研究所及び建築研究所が、
能登半島地震の建物被害の原因の分析と今後の対策の方向性を検討する委員会の開催に当たり公開された調査報告によると、建築年代が古い木造建築物が倒壊または大破していた、輪島市河井町、鳳至町、門前町門前、同道下、珠洲市正院町正院、同宝立町鵜飼、穴水町中心市街(大町)の被害が多く、かつ甚大、津波被害地域の木造建築物が地震で大きく損傷し、津波の波力によってさらに被害が拡大したと考えられるとのことでした。今回の
能登半島地震で死因が公表された犠牲者の8割以上が、上記の報告にあるように、家屋の倒壊が原因でした。長きにわたり激しく揺れましたが、それでも倒壊を免れて建っている家屋もありました。それらは、震度6強から7程度でも倒壊しないとされる耐震基準を満たした建物です。原則、空き家を除く住宅総数のうち、1981年以降の新耐震基準で建てられた住宅と、それ以前の旧耐震基準で建てられた住宅でも、耐震診断で耐震性が認められたり、耐震改修工事を行った住宅のことを指しています。そして、高齢化が進んだ能登地域の家屋では、この耐震化の基準を満たしていないものが多く倒壊したと指摘されています。翻って、本市の住宅耐震化率は、2021年のデータで89%という数字が示されています。石川県内でもかなり高い比率でありますが、もし本市が震源となった場合を想定すると、耐震化率のさらなる向上が求められます。本市のお考えと御対応についてお聞きいたします。 次に、液状化の被害対応と今後の対策についてお伺いいたします。震源地から遠く離れた内灘や、本市粟崎町で激しい液状化現象が発生し、家屋や電柱、道路などに甚大な被害を及ぼしました。これらの被害に対する対応と今後の対策についてお伺いいたします。 次に、文化財被害についてお尋ねいたします。今回の
能登半島地震において、本市においても、多数の文化財の被害があったと認識していますが、どのくらいの文化財に影響があったのか、また、それらの被害に対し、どのように支援していくおつもりなのかお聞きいたします。 先日、地元紙の社説でも、被害の深刻さについて取り上げられておられました。寺社の灯籠や鳥居の被災には、行政からの資金調達が困難であるとは思われますが、クラウドファンディングなどの手法を紹介するなどの支援はできないものでしょうか、お聞きいたします。 次に、前田家墓所の修復についてお尋ねいたします。野田山墓地の国史跡加賀藩主前田家墓所においても、墓84基のうち、藩祖利家公や正室であるお松の方、さらに2代藩主利長公の墓を含む9割程度が被害を受けたと地元紙で報道されました。幸いなことに、昨年の修復箇所については、被害はなかったとお聞きします。現実的にどのような影響があったのかお聞きいたします。また、復旧に向けて今後どのように進めていかれるのかお伺いいたします。 次に、金沢21世紀美術館についてお尋ねいたします。連日、多くの来場者でにぎわっていた金沢21世紀美術館ですが、今回の発災が正月の閉館日であったことは、不幸中の幸いでした。天井のガラス板が何枚も落下したとの報告をいただいたときは、背筋が寒くなりました。現在、無料ゾーンと市民ギャラリーのみ開館していますが、既に6月22日に全館オープンの方針も示されました。全館オープンは非常に喜ばしい報告ですが、これまでどおりのガラスで修繕するのか、アクリル等の他の素材で震災対策を施すのか、気になるところです。本市の御対応についてお聞かせください。 発災後、関連死対策のために、石川県は被災された方々に、2次避難を呼びかけました。本市も受皿として、当初市営住宅を50戸準備されました。さらに国の支援によって、みなし仮設として市内の借家やアパートも、石川県宅地建物取引業協会を通して提供されました。そのかいあってか、関連死は熊本地震のときよりかなり抑えられたのではないかと見ています。そうはいっても、故郷を離れ何度も住まいを変更することは、ストレスでしかありません。受入れ自治体によるきめ細かなケアと対応が必要です。当初、市営住宅で風呂と給湯器がない状態で受入れを始めたときは、多くの手が挙がらなかったとお聞きします。しかし、1月緊急議会を経て、風呂や給湯器の予算化が承認された後は、徐々に市営住宅への入居が増えたとお聞きしています。現在の市営住宅の被災者の入居状況についてお聞きいたします。 また、3月議会の初日に提案、可決された金沢美味クーポンの給付は、金沢らしく、喜ばれるものだと思われますが、避難されている方で、能登の実家の水道が開通し、道路状況もよくなってくると、実家の片づけや様々な手続、親戚や御近所さんとのやり取りなどで、金沢と能登を往復することも増えてくることが考えられます。年金暮らしや、仕事が止まってしまっている方々は、ガソリン代や物価高騰のあおりをもろに受け、さらにそのような状況で今後の人生設計の決断が強いられています。本市として、雇用対策や被災者のサポート体制をどのように考え実行していくおつもりなのかお尋ねいたします。 次に、災害対応に当たった本市職員のケアについてです。2月の末に
能登半島地震の対応のため、1月の残業時間100時間超えの病院職員と教員を除いた県の職員は、全体の4分の1に当たる730人とのことでした。本市も被災地でありながら、県都としての他の被災自治体の様々なフォローをしています。恐らく残業時間も通常のレベルを超え、精神的な疲労も蓄積している職員もおられるのではないかと推察されます。本市のそれら震災対応に当たっておられる職員へのケア体制についてお尋ねいたします。 次に、能登地域との連携についてお尋ねいたします。現在本市は、地元の経済団体が中心となり、金石で開催予定の出張輪島朝市や、近江町市場で既に開催された能登島地域づくり協議会が主催した能登島応援まあそい市などをお支えしていますが、さらなる能登地域との連携や支援など、プッシュ型で展開していく考えはないか、お尋ねいたします。 次の質問は、ドローンの活用と拠点整備についてです。 今回の地震で道路が寸断された状況の中、多くのドローンが活躍しました。能登町当目地区の山間部に飼育肉牛に水を飲ませるために、町から依頼を受けた埼玉県のNPO法人が、水2リットル入りペットボトル12本を積んだドローンが、離着陸スポットから600メートル先の牧場まで40往復させ、半日で960リットルの水を運びました。また、土砂崩れで道路寸断が続いた輪島市沿岸部の鵠巣地区など市内2か所で、DMATの要請を受けた日本UAS産業振興協議会とドローン開発を手がける東京の企業が協力し、重さ3キロの荷物を積んで、7キロ圏内の飛行が可能なドローンを計11回飛ばし、小学校などに避難する約50人分の高齢者の医薬品とおむつなどの衛生用品を届けました。日本UAS産業振興協議会は、小型ドローン開発に力を入れる千葉市の会社とともに、輪島市内で大型商業施設や倒壊家屋など数件の内部調査を実施しました。県は、あらゆる支援の申出を電子申請窓口に一本化したことから、これらの支援も被災後数日たってから行われたということです。そのほかにも、通常の被災現場の撮影等、ドローンが活躍したことは報道等で明らかになっています。さて、本市では旧東浅川小学校を森と市民をつなぐ中継地点として整備する方針を明らかにしていますが、今回の地震を経て、それらの方針を堅持しながらも、ドローンの拠点としての機能を持たすことについて、どのようにお考えなのかお聞きいたします。 本市では、2008年の浅野川水害発生時、道路寸断や孤立集落の発生など極めて緊急な事態を経験しています。これらの災害への備えとしても、ドローン拠点の整備は、気候変動も進行するこの時代、非常に重要な施策だと思われます。これからの技術として、あらゆる方面に可能性を秘めたドローンの拠点整備についてのお考えをお聞きして、次の質問に移ります。 最後の質問はライドシェアについてです。 国が進めようとしているライドシェアについては、それ以前にタクシー業界の規制緩和を求める声、すなわち第二種運転免許取得期間の短期化と多言語化、さらに、地理試験の撤廃を求める声があります。それらの緩和によって、課題であるタクシー運転手不足の解消につなげようというものです。また一方、ライドシェアとタクシーはそもそもビジネスモデルが違い、タクシー業界を基本に考え、その範疇から漏れる無許可の白タクのイメージではなく、運転者も利用者も事前に登録され、運行も料金も全てデータ化される、すなわち、ライドシェアはスマホ、位置情報、データ解析などを駆使したデジタル情報ビジネスで、今後の発展可能性も大きいとの意見もあります。石川県では、新幹線全線開通のタイミングで、加賀市とさらに小松市も、それぞれの自治体で独自に練った形態でタクシー業界とも連携しながら、ライドシェアを開始します。目的として、二次交通の充実と、タクシー運転手不足の課題解決を掲げています。本市も、バス運転手の不足から、路線バスの縮小や本数の減少などの課題を抱えています。このライドシェアが本市の公共交通の課題解決につながる可能性なども含め、どのような見解をお持ちなのかお伺いして、私の質問を終わります。 御清聴いただきありがとうございました。(拍手)
○上田雅大副議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 25番熊野盛夫議員にお答えいたします。 今回の
能登半島地震では、多くの方々が亡くなられております。本市において、同規模の地震が発生した際にも、多数の人的被害の発生が想定されます。このため、いつ起こるとも分からない自然災害に対応すべく、
地域防災計画のみならず、関連マニュアルなどについても、より実効性の高い内容となるよう見直しを進めていく必要があると考えております。 志賀原発につきましては、報道によれば、北陸電力からの情報が一部錯綜していたとされておりますが、国、石川県、志賀町等へ、逐次状況を報告するとともに、ホームページ等においても情報を発信し、その都度、必要な措置を講じているとの報告を受けております。引き続き、施設の安全対策を徹底するほか、関係自治体との連携を図るとともに、改めて、迅速かつ正確な情報を発信するよう要請したところであります。 原子力発電所の再稼働については、住民の理解が得られることが大前提であるというこれまでの考え方に変わりはありません。さらには、今回の地震による新たな知見も含めて、原子力規制委員会で引き続き厳正な審査がなされ、徹底した安全確保の下、国で厳格に再稼働の是非が判断されるものと認識しております。また、株主総会では、提出議案に対する賛同の可否について、毎回、慎重に検討を重ねた上で、議決権を行使しているところであります。 避難所についてであります。現在、避難所の解錠は、避難所の鍵が入っているキーボックスのカードキーを職員である地区支部要員と自主防災組織がそれぞれ所有し、有事の際に解錠するということにしておりますが、今回の地震時には、解錠に時間を要した箇所がございました。今後、今回の地震による課題を検証し、避難所の鍵の管理や、解錠方法についても検討してまいります。 トイレトレーラーについて御質問いただきました。災害時において衛生管理の視点から大変有効であると認識しておりまして、今回も各地域からトイレトレーラーの支援をいただきました。その活用配置につきましては、他都市の事例を参考にしながら研究してまいりたいと考えています。 要介護者や障害者など、避難行動要支援者名簿に記載された方につきましては、明年度から、避難予定の場所や避難する際に必要な支援等を記載した個別避難計画の作成に着手し、要配慮者が確実に避難できるように体制を整備する予定であります。個別避難計画の作成に当たっては、要配慮者が特性に応じた適切なケアを受けられるよう心身状況等を記載するとともに、避難予定の場所の選定等においても留意したいと考えております。 高齢者や障害のある方が災害時に支援を必要としている状況や位置情報を支援者に通知する機能につきましては、人と人とを結び、共助による迅速な救助支援を可能とすることから有効であると捉えております。一方では、個人情報の取扱いなどの懸念もございますので、今後の研究課題とさせていただきます。 続いて、罹災証明書についてであります。なるべく早い発行が求められる中、自然災害による個人の経済的被害の算定に当たって、道路寸断や断水の状況等まで考慮することは非常に難しいと考えております。今もなお申請が続いております罹災証明書について、できる限り早期に発行できるよう努めてまいります。 耐震化率につきましては、今回の
能登半島地震では、旧耐震住宅の倒壊被害について報じられておりますが、本市におきましては、補助制度を利用した耐震改修などにより、耐震化率は県内でも高い水準にございます。その一方で、残る旧耐震住宅については、住宅の老朽化や所有者の高齢化などの課題が、特にまちなか区域において顕著に見られますことから、今後は、所有者世代だけでなく、その子ども世代に実家の防災について考えていただくよう、SNS等を活用しながら、さらなる周知を図り耐震化の促進につなげてまいります。 液状化の被害への対応につきまして、危機管理課に被災地区復旧推進室を設置し、被災メカニズムの究明に必要となる調査・分析を行うとともに、有識者から成る技術検討会議の意見を反映した復旧工法等を検討することとしております。 続きまして、被災者への就労支援につきまして、既に石川県が短期就労に関する相談会を開催しております。本市としても、明年度、市内企業との就労マッチング交流会を早期に開催したいと考えています。あわせて、出張労働相談を同時に行い、可能な限り被災者の状況に即した対応に努めてまいります。また、本市への避難者が、慣れない地域において孤立することなく安心して生活するためにも、地域との交流を持つことは大切だと考えております。被災者生活支援総合窓口に相談等に来られる方に対して、町会連合会など地域コミュニティーの窓口や、地域福祉に関するお問合せ先を掲載したチラシの配布等を行っております。引き続き、被災者に寄り添った支援に努めてまいりたいと考えております。 能登地域への支援としては、能登とタイアップした観光復興キャンペーンをはじめ、市内の経済団体等と能登の団体との連携事業に対する支援制度や、能登地域の中小企業等の本市での一時的な開業への支援制度など、経済的な支援策を今議会にお諮りさせていただきました。また、能登特有の伝統工芸や民俗文化財など、文化の継承についても、本市としてなし得る限りの協力・連携を実施したいと考えてございます。こういったことは、議員のおっしゃるいわゆるプッシュ型に当たると思いますけれども、被災自治体が当面、被災対応で忙しいという中で、被災自治体の求めていらっしゃるであろうということを県都であるからこそできる支援として、知恵を絞って事業化したものでございます。今後とも、能登の復旧・復興に向けて全力で取り組んでまいります。 最後に、ライドシェアについて御質問いただきました。郊外部や深夜帯などで、鉄道やバス、タクシーなどの既存の
公共交通サービスが十分に行き届かない地域・場面における移動手段の確保策の一つになると考えております。本市としては、第3次
金沢交通戦略において掲げる歩行者・自転車・公共交通優先のまちづくりを実現するため、鉄道、バス、タクシーのほか、地域運営交通を含めた
交通ネットワーク全体でのライドシェアの在り方を整理する必要があると考えております。 私からは以上です。
○上田雅大副議長 上野危機管理監。
◎上野浩一危機管理監
能登半島地震について何点かお尋ねでした。まず、大規模な災害が発生した際には、通信網が深刻な被害を受けることも想定されますことから、お尋ねの衛星インターネットの活用につきましては、災害情報等の伝達手段の一つとして研究課題といたします。 次に、避難所の在り方について、大規模な災害が発生した場合、避難所は指定の有無にかかわらず、全て避難者に対し同様の支援を行うことが基本であると認識しております。今回の地震におきましても、堀切町での避難指示発令の際、指定避難所ではない施設を避難所として使用し、避難者に対して食料、飲料水等の支援を実施したところでありますが、これらのことも、今後、避難所の在り方についての検証に加えてまいります。 次に、避難所の運営について、避難所運営においては女性の視点が重要であることから、女性防災士の育成強化に取り組んでおります。また、性的マイノリティーへの対応については、今後、
避難所運営マニュアルの見直しの中で、地域の方々と協議しながら検討してまいります。 次に、避難所のトイレについて、本市では
平成30年度から5か年をかけて、指定避難所に簡易トイレ処理袋セットを配備してきたところです。今年度からさらに、新たな5か年計画により追加配備を開始しております。 次に、津波について、今回の地震では、津波警報が発令され、多くの方が津波被害から身を守るため、道路渋滞が発生するなど混乱が見られました。今後、初期対応を検証するとともに、新たな津波ハザードマップの市民への配布を通じ、避難方法等について周知を図ってまいります。 次に、物資の備蓄について、本市では、アルファ米や飲料水等の防災備蓄品を拠点避難所や防災備蓄倉庫に備えておりますが、今回の震災を教訓に、
地域防災計画の改定に併せ、防災備蓄計画を見直し、必要な物資について備蓄・配備を進めてまいります。 次に、井戸水等を活用した水の確保についてもお尋ねがございました。御指摘のとおり、災害時には井戸水の活用は有効であると考えておりまして、本市では民間企業や、個人が所有します井戸を災害時協力井戸として登録しており、金沢市まちづくり支援情報システムに公表しております。 私からは以上です。
○上田雅大副議長 坂本土木局長。
◎坂本敦志土木局長 道路被害と今後の対策についてでありますが、市道では、発災時から2,000件を超える被害を確認しております。そのうち約8割が、陥没や舗装のひび割れでございまして、そのほか崩土やブロック塀の倒壊、マンホール隆起、倒木などの被害もありました。発災日から随時応急対応を行ってきておりまして、現在でもなお1日20件ぐらいの通報を受けております。随時対応しているところであります。今後の復旧については、下水道などの地下埋設物に被害のある区間については、施設の管理者と施工調整を行いながら進めていくこととしております。また、地下埋設物に被害のない区間については、一定の期間、監視を行い、国による災害査定も受けながら、速やかに復旧工事を進めていく予定でございます。 以上でございます。
○上田雅大副議長 松田
公営企業管理者。
◎松田滋人
公営企業管理者 上下水道の耐震化の状況についてお尋ねがございました。水道施設については、令和4年度末で、管路の耐震化率は87.9%、配水池の耐震化率は70.2%となっております。当初予算では、震災対策事業費として、基幹管路の4キロメートルを含む約14キロメートルの管路の耐震化工事や、犀川配水池の耐震化に向けた実施設計の費用などをお諮りしております。一方、下水道施設につきましては、令和4年度末で、緊急輸送道路や拠点避難所に接続する管路の耐震化率は72.1%、処理場の耐震化率は69%となっております。当初予算では、震災対策事業費として、液状化によるマンホール浮上対策工事や、城北水質管理センター第1水処理施設における耐震補強工事の費用などをお諮りしております。 私のほうからは以上でございます。
○上田雅大副議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 罹災証明書につきまして、1月は4,000件を超える申請がありましたが、島根県からの応援も受けて調査体制を強化するとともに、証明書の発行端末も増台し早期発行に努めてきました。今もなお新規の申請は続いておりますが、3月8日時点で6,478件の申請に対し、約88%の5,716件を発行しており、残る未発行分についても、できる限り早期に対応してまいります。 市職員のケアについてですが、長時間労働によって心身に変調を来すリスクがあることから、これまでも1か月の時間外労働が80時間を超える職員に対し、産業医による面接相談を実施しているほか、今回の地震を受け心身に不安を感じる職員向けに心のケアを呼びかけ、疲労度のチェックや保健室内にある職員相談室の利用を促しているところです。災害対策は長期間に及ぶことが想定されますので、引き続き職員がメンタルヘルスの不調に至らないよう心のケアに努めてまいります。 ドローンにつきましては、今回の
能登半島地震の対応で、本市内での崖地の崩落状況等の確認に使用しているほか、能登の被災地においても、本市の派遣消防職員が土砂ダムの状況確認に使用するなど、ドローンの有用性は十分理解しているところでございます。一方、あらゆる災害現場に持ち運べることがドローンの利点であると考えておりますので、拠点を必要とするような活用は想定しておりませんが、ドローンの新たな活用方法につきましては、他都市の事例や技術の進展状況も踏まえながら、引き続き研究してまいります。 以上です。
○上田雅大副議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 能登半島地震により文化財にどのような影響があったのか、また、どのように支援していくのかとのお尋ねにつきましては、文化財建造物の屋根瓦の落下や壁の崩落、伝統的建造物群保存地区における土塀の倒壊など、多くの被害が確認されております。文化財の修復につきましては、国・県・市の各補助制度の活用を念頭に、所有者と文化財にふさわしい保存・修復方法を協議しながら支援に努めてまいります。 続いて、文化財所有者の修復費用調達について、クラウドファンディングの手法を紹介できないかとのお尋ねでございました。文化財所有者からの要望に応じ、クラウドファンディングの専門家をアドバイザーとして派遣し、資金調達の具体的手法について助言する事業の予算を今般お諮りしているところであり、お認めいただければ、積極的な事業の周知と活用に努めてまいります。 次に、前田家墓所の修復について、地震についてのどんな影響があったかとのお問いですが、前田家墓所については、前田利家の墓や正室である松の墓をはじめ、計63基の墳墓で被害が確認されておりまして、灯籠や墓を囲む玉垣の損壊が顕著でございます。 続いて、復旧に向けての今後の進め方につきましては、まずは倒壊した石造物について、被害状況の正確な把握と記録が必要と考えております。その上で、修理不要の石造物を積み直すなど、着手できるものから順次復旧していきたいと存じます。 次に、21世紀美術館の天井の復旧について、これまでどおりのガラスで行うのか、ほかの素材で対策を施すかのかというお問いでございますが、天井を復旧する際には、建築基準法に適合した上で、展示空間にふさわしい素材を検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○上田雅大副議長 坪田都市整備局長。
◎坪田英孝都市整備局長 被災者の市営住宅の入居状況ですが、3月5日時点におきまして、37世帯が入居済みとなっております。 以上でございます。
○上田雅大副議長 山森農林水産局長。
◎山森健直農林水産局長 旧東浅川小学校でドローンの拠点としての機能を持たすという考えはないかとのお尋ねでございますが、施設の活動において活用することは想定されますが、ドローンの拠点施設とすることまでは考えてございません。 以上です。
○上田雅大副議長 11番山下明希議員。 〔11番山下明希議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆山下明希議員 質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として以下質問いたします。 本市の2024年度一般会計当初予算案では、市税による歳入が845億円となりました。市民の皆さんからお預かりした税金が地方自治の本旨に基づき、住民の福祉向上に広く生かされることをまず冒頭に求めて質問に入ります。 初めに、災害対策基本法に基づく本市の取組についてお尋ねします。 人命や日常生活に甚大な被害をもたらす自然災害に対して、貴い命が失われないよう防ぐ役割がこの間、政治に大きく求められてきました。私たちは、これまでの災害の教訓や課題を共有してこれたのか、
能登半島地震を教訓にしていけるのかが問われます。まず、福祉避難所についてお伺いをします。福祉避難所は、災害対策基本法施行令の中で、災害対策基本法による避難所の指定基準の一つとして規定されています。災害時に、高齢者や障害者、妊産婦、乳幼児その他の特に配慮を必要とする方の二次被害を避け、命を守るためにも、福祉避難所は重要な役割を担います。そこで、本市には市保有の福祉避難所が幾つあり、どれだけの民間施設と協定を結び、どの程度の避難所開設訓練を行ってきたのか、現状をお聞かせください。
○上田雅大副議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 本市の福祉避難所につきましては、市有施設で6施設、協定を締結している施設は81施設でございます。開設の訓練につきましては、
平成29年度から開始しておりまして、これまでに市有施設では延べ7施設、協定締結施設では延べ92施設で実施をしております。 以上です。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 私も今回の地震で初めて一般避難所である学校の体育館に行きました。分かるだけで、要配慮者が数名いらっしゃいました。そのうちの1人は、福祉避難所への移動を希望されましたが、受入れ先が決まらず、御家族で自宅へ戻られるということがありました。そこでお尋ねしますが、今回の地震災害で、市内では福祉避難所は開設されたのか、お聞かせください。
○上田雅大副議長 山口健康福祉局長。
◎山口和俊福祉健康局長 今回の地震の発災後、輪島市から避難してきた要介護高齢者等を受け入れるために、福祉避難所を3施設開設いたしまして、受入れの準備を行っておりましたが、要配慮者の状況等を踏まえまして、通常の施設入所という形に至りましたことから、結果的には、福祉避難所としての利用はございませんでした。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 ある福祉関係者の方から、要介護の利用者を福祉避難所に連れていきたかったけれども、市内のどこが福祉避難所なのか分からずに、自宅避難せざるを得なかったという状況をお聞きしました。本市は福祉避難所を公表しているのでしょうか。公表していないのであれば、その理由を明らかにしてください。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 市有施設の6か所については、災害対策基本法に基づき指定福祉避難所として、告示をしております。その他の施設は、あらかじめ公表すると、受入れ準備が整う前に避難者が集中するなど、運営に支障を来すことが懸念されるため、現在は公表しておりませんが、明年度予定している個別避難計画の策定に合わせて、福祉避難所の公表の在り方についても検討してまいります。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 ぜひ公表の在り方を検討していただきたいと思います。今は要配慮者は一旦1次避難所に避難をして、そこから医師や保健師などが判断して、必要な方が福祉避難所に移動するという取決めになっています。知的障害があるお子さんを持つ保護者の方は、一般避難所では心配なので、福祉避難所に直接避難したいというふうに話されていました。また、災害によっては、リスクのある中、再び移動を強いられるということは、要配慮者にとって大きな負担にもなります。要配慮者が直接福祉避難所へ避難できるような仕組みが必要だと考えますが、見解を伺います。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 一部繰り返しになりますけれども、明年度から避難行動要支援者名簿に記載された方を対象に、避難予定の場所や避難する際に必要な支援などを記載した個別避難計画の作成に着手いたします。要配慮者が確実に避難できるように体制を整備する予定であります。計画の策定に当たっては、避難予定の場所の選定等においても留意したいと考えております。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 要配慮者が安全に避難できるような、そうした運営を、ぜひ仕組みを考えていただきたいと思います。 次に、個別避難計画の作成についてお尋ねします。東日本大震災では、亡くなられた方の6割が60歳以上の高齢者であり、また、障害者の死亡の割合は、被災住民全体と比較して2倍以上だったと言われています。こうした状況を受けて、2013年、災害対策基本法を改正し、避難に手助けが必要な要支援者の名簿作成を市区町村の義務としました。さらに、2021年の改正では、要支援者の個別避難計画作成も市区町村の努力義務というふうになっています。
能登半島地震では、亡くなられた方の7割が60歳以上、個別避難計画の作成については、能登の6市町で要支援者全体の1割の作成率だったということです。個別避難計画の作成は喫緊の課題ではありますが、作成自体が困難だったということも聞いています。本市においても、個別避難計画を作成するに当たり、考えられる課題をお聞かせください。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 作成に当たっての課題につきましては、要支援者から作成についての同意をいただく必要があるということ。さらに、避難する際に必要となる支援者を確保すること。心身の状況を記載するための福祉専門職の参画が必要であること。こういったことが課題と捉えております。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 本市は今年度、個別避難計画作成の検討会を持ち、優先的に計画を作成する対象者の範囲や計画作成に当たっての体制づくりなど、検討してこられました。市内4か所をモデル区域とした計画作成や、福祉専門職による計画作成のモデル事業にも着手しています。避難の実行性も問われるこの個別避難計画ですけれども、これまでの事業から見えた課題も含めて、今後の取組の方針についてお聞かせください。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 個別避難計画では、これまで実施したモデル事業の結果等を踏まえて、今年度、個別避難計画作成検討会において、計画の様式や関係者の協力体制等を取りまとめたところであります。計画の作成に当たっては、民生委員や自主防災組織など、地域の支援者、ケアマネジャーなどの福祉専門職の協力を得て取り組んでいく予定であります。今般の
能登半島地震を踏まえた課題等についても、関係者と検証しながら、一人一人の要支援者に寄り添った計画となるよう意を用いてまいります。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 計画を作成するにおいては、本市の職員の体制ですとか、また、医療・福祉の専門職、そして地区社協や町会、民生委員などマンパワーが必要不可欠となっています。その業務に当たる職員の確保と、また、専門職や町会等に財政的な支援も必要というふうに考えますが、見解を伺います。
○上田雅大副議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 個別避難計画の作成に当たりましては、専任の職員の配置をいたしますとともに、各校下・地区町会連合会が主体となる自主防災組織に対しましては、計画策定1件当たり3,000円の作成費に加えまして、1団体当たり5万円の事務費を支給させていただきますほか、ケアマネジャーや相談支援専門員には、計画1件当たり7,000円の作成費を支給する予定でございます。明年度予算において、お諮りしているところでございます。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 早急な計画の作成も求められていると思いますが、ぜひ地域の合意も含めて丁寧な作成をお願いしたいと思います。 次に、介護保険制度についてお尋ねします。 介護保険制度は、介護の社会化として、そして地方分権の試金石とうたわれて2000年に導入されてから、保険者である自治体の役割が変容しています。公的介護保障であった措置制度から契約という申請主義を導入して、福祉の市場化が進む中で、自治体が自ら高齢者の困難を把握し、求められる支援が何かを考える福祉行政の現場感覚と専門性が失われたという指摘もあります。今回の地震における避難所への対応でも、現場からは、丸投げ過ぎるという声もあり、そのことが露呈したと言わざるを得ません。自治体の福祉行政がいかにして住民の生存権保障のための役割を果たしていけるのか、福祉の最終的な責任は行政にあります。保険者としての役割をどのように考えていますか、お伺いいたします。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 介護保険制度につきましては、サービスを必要とする高齢者が心身の状況に応じて必要なサービスを適切に受けられることが大切であると考えております。制度が安定的に運営されるよう、適正なサービス提供について、事業者へ指導・助言をすること、また、介護人材不足の中で、さらなるサービスの質の向上を図るための人材の確保や定着に取り組むことなどにより、必要なサービスが切れ目なく提供され、地域包括ケアを推進するということが保険者としての役割と考えています。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 ぜひ保険者として適切な役割を果たしていただきたいというふうに思います。 来年度の介護報酬改定率はプラス1.59%、3年平均ではプラス1.54%のプラス改定だというふうに言われますが、訪問介護においては、基本報酬が2~3%引き下げられる予定です。市民や介護関係者からは、抗議と撤回を求める声が相次いでいます。訪問看護はこの間、サービス時間が短縮され、介護報酬も削られてきました。同じ介護職でもとりわけ低賃金で職員不足、さらには職員の高齢化が進む事業所にとっては、報酬の引下げが実施されれば、事業を継続する未来が見えません。本市が2022年に実施した在宅介護実態調査では、在宅介護している方へ、施設等を検討していますかという問いに、検討していないとの回答が72.5%と最も多く、多くの方が在宅生活を望んでいることが分かりました。その在宅を支えるのが訪問介護です。この在宅介護の崩壊とも言われる改定が、市内の介護事業所または利用者にどのような影響を及ぼすと考えるか、お聞かせください。
○上田雅大副議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 今回の介護報酬の改定につきましては、全体でプラスとなっておりますけれども、サービスごとの経営状況も踏まえまして、一部サービスにつきましては、基本報酬が引き下げられたというふうに認識しております。一方では、介護現場で働く方々の処遇改善を着実に行いますために、ベースアップに確実につながる処遇改善加算が見直され、御指摘の訪問介護につきましては、他のサービスに比べて高い加算率とされているところでございます。報酬の改定につきましては、基本報酬だけではなく、全体で見ることも必要というふうに考えております。今後、改定の影響を注視していきたいと思っております。 以上です。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 全国でもヘルパーステーションの赤字経営、廃業が相次いでいます。また、家族の介護を理由に離職する方が、全国で10万人を超える現状があります。その中でさらに追い打ちをかけるような今回の介護報酬改定です。介護保険制度の保険者として制度を維持し、高齢者の命や生活、その家族の生活を守るためにも、この介護報酬改定は撤回と、国に強く求めていただきたいと思いますが、市長、お伺いします。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 今回の報酬改定につきましては、介護保険制度の安定性・持続可能性を高め、全ての世代にとって安心できる制度を構築するとともに、介護人材不足の中で、さらなる介護サービスの質の向上を図るため、処遇改善や生産性向上による職場環境の改善を推進するものと捉えております。国に撤回を求めることは考えておりません。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 介護事業所の存続が問われる現状です。ぜひ撤回を求めていただきたいと求めて次へ移ります。 市営住宅についてお尋ねします。 住まいは人権と言われるように、住まいは憲法によって保障されている権利です。現在における公営住宅の役割についてお伺いします。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 公営住宅は住宅に困窮する低額所得者に低廉な家賃で住宅を提供することで、生活の安定、社会福祉の増進に寄与することを目的としております。住宅のセーフティーネットとして重要な役割を担っていると認識しています。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 本市においても、被災し避難を余儀なくされた方に、市営住宅の空き室を整備し提供しています。整備の要望が強かった風呂釜や給湯器、ガスコンロを設置したことは、大変喜ばれています。本市は所有も管理も直営で行っているからこそ、被災者一人一人の悩みに寄り添いながら住居を提供し、生活の安定を保障できたというふうに考えます。ただ、国の住宅政策を見ると、2006年から、住生活基本法の下で5万戸も公営住宅が減少しました。さらには、2007年の閣議決定によって、入居収入基準が政令月収20万円から15万8,000円と大幅に引き下げられ、安定した住居の供給の推進ではなくて、削減の推進が続く実態があります。資本主義的な政策の下で、住宅確保を自己責任としてきた結果、空き家の増加や、入居者の高い高齢化率で町会役員の担い手がいないなど、地域コミュニティーの維持においても課題が山積しています。今回の予算案には、学生による入居のモデル事業が盛り込まれました。昨年、石川県が県営住宅に学生の入居募集を行ったところですが、本市はどのような目的で事業を進めていくのかお聞かせください。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 議員のおっしゃるとおり、市営住宅で入居者の高齢化が進んだことによって町会活動の担い手が不足している、これが大きな課題となっております。そこで、学生が市営住宅に入居し、町会の一員として地域活動に参加することで、多様な世代間での交流が生まれ、町会活動が活性化することを期待して、まずはモデル事業として取り組むこととしております。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 市営住宅の活性化やコミュニティーの再生につながっていくことを期待したいと思います。ただ、やはり公営住宅の根幹は、住居のセーフティーネットという役割です。昨今、非正規雇用の拡大にも見られる雇用情勢の悪化など、住宅困窮に陥る世帯は高齢者だけではありません。若年層、中高年の単身世帯でも、公営住宅の要求は強くなっています。60歳以下の単身世帯が入居できるよう、対象を拡充する検討を求めますが、見解を伺います。
○上田雅大副議長 坪田都市整備局長。
◎坪田英孝都市整備局長 市営住宅への単身入居につきましては、高齢者、障害のある方、生活保護受給者等、民間賃貸住宅への入居が比較的難しい方を対象に、特に配慮し認めているところでございまして、60歳未満の単身世帯を対象とした制度拡充につきましては、現時点では考えておりません。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 ぜひ、広く制度の拡充を考えていただきたいと思います。市営住宅の整備をどのように行っていくのかということは、まさに本市のまちづくりの考え方がここに表れてきます。本市がぜひ直営で責任を持って安心して住める公営住宅の維持をすることを求めて次の質問に移ります。 次期金沢型学校教育モデルについてお伺いをいたします。 次年度、新たな金沢型学校教育モデルの構築に伴い、小中学校においてデジタル科の新設に向けたカリキュラムに編成すると予算案に盛り込まれました。なぜ、今デジタル科の新設が必要なのか、デジタル科で何を学ぶのか、誰が指導し、誰がどう評価するのか、お聞かせください。
○上田雅大副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 社会全体でデジタル化が進展する中で、新たな時代を生きていく子どもたちには、IoTやビッグデータ、AI等の技術革新に触れ、主体的にデジタル社会と関わる力の育成が不可欠であると考えています。新設するデジタル科におきましては、小学校では、現行のプログラミング学習を基に、ドローンを活用した学習を行うことに加え、生活を豊かにしたり、地域の課題を解決したりする学習を、また中学校では、データを活用して地域や社会の課題を解決する探究学習を行うことに加え、大学、企業と連携し、VR--バーチャルリアリティー、メタバース等の先端技術を体験する学習を想定しております。授業や評価につきましては、基本、学級担任または教科担任が担うことになりますけれども、評価につきましては、数値的な評価ではなく、子どもたちの学習の状況や成果、学習に対する意欲や態度などについて文章で記述することを予定しております。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 次期金沢型学校教育モデルでは、デジタル力、そして読解力、コミュニケーション力を基盤に、児童・生徒の創造力を育むということで、この3つの力をつけるために重点的に各教科の教育課程に位置づけることは、一定の理解ができます。ただ、なぜこのデジタルだけを特化して教科化する必要があるのかということは疑問です。教科化することによる授業時間数への影響や教員の負担についてどうお考えかお聞かせください。
○上田雅大副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 デジタル科の新設に当たりましては、関連する既存の教科で実施するということ、また、複数の教科で年間3時間程度を減じて教育課程を編成できる国の授業時数特例校制度の活用によって、各学年の年間総授業時数は増加いたしません。加えて、授業では、ICT支援員に技術面でのサポート、また、先端技術の体験学習等につきましては、大学や企業の御協力をいただき実施していくことを考えており、教員と子どもたちが共に体験する、今回新しく先端技術を一緒に体験していただきたいと思っています。そうした中で、共に学び、高め合っていけるような授業づくりを今後提案していきたいと考えております。 以上です。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 授業数は増加しないということでしたが、教員の負担は増えるのかなというふうにも感じます。デジタル科を総合の時間に上乗せして位置づけるということを検討しているとお聞きしましたが、総合的な学習の時間は本来、人権や環境、平和など従来の教科枠にはまることなく、子どもたちの意欲によって進められる教科であり、何を学びなさいというふうに押しつけられる教科ではありません。今回のこの位置づけは、総合的な学習の時間の学びの趣旨に反することにはならないか、お伺いします。
○上田雅大副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 総合的な学習の時間に上乗せする、この理由でありますけれども、デジタル科での学習は、教科横断的な視点に立った資質・能力の育成や、探求的な活動の充実に資することが求められている総合的な学習の時間の目的に合っていること、また、本市の小学校では既に総合的な学習の時間を中心として、プログラミング学習を行っていること、また、中学校で先端技術を体験する学習や、データを活用した探求的カリキュラムを編成し、実施する学習に際しては、総合的な学習の時間を活用することが適していることなどがあります。なお、現在、総合的な学習の時間において取り組まれております金沢ふるさと学習、また、環境教育、キャリア教育などにつきましては、その時間数を減ずることはせず、現行のまま継続することにしております。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 本来であれば、カリキュラムの構築というのは、子どもの関心や興味に即したことから、教育的価値を見いだして、目の前にいる児童・生徒との関係の中で、子どもたちと共につくられていくべきではないでしょうか。今回、ちょっとあまりにも拙速過ぎるデジタル科の新設について再検討を求めますが、見解を伺います。
○上田雅大副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 GIGAスクール構想に基づく学習によって、現在の子どもたちは、デジタル機器を有効に使い学びを深めています。そうした子どもたちがこれから生きていく社会におきましては、大きく変化する技術革新に触れながら、新しい価値や最適解を見いだす創造力を育成することが求められていると考えています。そのためにも、主体的にデジタル社会と関わるデジタル力は、その重要な要素の一つであると捉えております。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 それでは、次に、市独自の学力調査についてお伺いします。予算案に市独自の学力調査を実施する学力到達度調査費が盛り込まれました。金沢市は既に、全国学力・学習状況調査、石川県の基礎学力調査を実施しています。市独自の学力調査がなぜ必要なのか、誰が必要と感じて実施するのか、お聞かせください。
○上田雅大副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 児童・生徒の学力の実態や、経年変化を把握することで、児童・生徒のつまずきを解消し、自信を持って日々の授業に臨めるように、授業改善を図ることは、教員の大切な仕事の一つであると私は考えています。特に、児童・生徒がつまずきやすい、そして戸惑いを抱くとされている小学校3年生の算数と、中学校1年生の英語について、本市独自で調査を行っていきたいと考えています。その理由でありますけれども、小学校の算数では、3年生までに数や図形の概念、計算の意味や技能と基礎的、基本的な知識及び技能を獲得する内容が多く含まれていること。もっと端的に言いますと、私、小学校の教員やっているときに4年生を担任することが多かったんですが、担任をしてみて算数の授業をしてみると、割り算ができない。割り算ができないということは、3年生の授業で割り算がしっかりできていないから、4年生になってそれができていない。そのことが4年生に入ってから、小数の掛け算、割り算に影響していったり、その後の分数の掛け算や割り算等にも影響していくということになっています。こういったことに非常に危惧を、自分では感じています。それからもう一つは、中学校の英語なんですが、中学校の先生といろんな話をしておりますと、特に小学校の英語では、話す、聞くという活動が多いんですけれども、ここが中心なんですが、中学校に入りましたら、読むと書くの活動が増えることから、学習が難しくなっている。そうすると、中学校に入ってから、この2つの分野が入ってくることによって、英語学習、非常に子どもとしてはなじみづらくなっているということをお伺いしています。したがって、この2つの教科によって、本市の独自の調査を行いながら、児童・生徒の学力向上につなげていきたい、そんなふうに思っています。早期につまずきを解消してあげたいと思っています。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 もう少し詳しく聞きます。調査のためのテストは、誰がつくって、誰が採点し、誰が分析をするのか、明らかにしてください。
○上田雅大副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 委託業者が学力調査の問題作成とその採点、分析を行うこととしております。その作成段階に当たりましては、教育委員会の指導主事等が加わって、相談させていただきたいと思っています。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 先ほど、小学校3年生の算数と中学校1年生の英語ということでしたが、全員実施となるのか、そして、その調査の結果はどのように公表されるのか、明らかにしてください。
○上田雅大副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 先ほど触れましたが、小学校では3年生の全学級で算数、それから中学校では、1年生の全学級で英語の調査を、現在のところでありますが、12月に1週間程度の期間を設けて、学校が選択した日に実施する予定としております。採点、分析後、各学校には、市全体と当該校の結果に加え、各設問における正答等の状況を記載した個人票を提供し、子どもたちのつまずきの解消に役立てていくことにしております。なお、これ以上の公表は行わないことといたしております。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 つまずきの解消や授業の改善を図るということでしたが、今全国で行われている学力テストでは、学習指導要領どおりに指導できているか、教員に対するチェックや管理につながっていること、また、都道府県別の平均回答率が公表となって、正答率を上げることが最重要課題となって競争を助長している、そうしたことが、教員や児童・生徒への強力な圧力につながっていると、調査自体が問題視されています。ある学者の方は、平均正答率が高いとしても、それが指導や政策による効果なのか、それとも家庭環境や保護者の学歴や年収などによる社会的要因によるものなのか区別ができない、調査であれば全員実施ではなく、抽出方式で可能だと指摘していますし、定着の度合いを知るということであれば、日々のテストで可能ではないでしょうか。全員が同じテストを受ける必要が、もし教育の政策に生かす調査であれば、抽出方式で十分です。市独自の調査を進める場合、国や県の学力調査はどうされるのでしょうか。参加をしないという考えはあるのでしょうか。
○上田雅大副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 本市独自の学力調査と表現されていますけれども、今回予算計上させていただいていますこの調査の目的と、国や県の学力調査の目的は、私は違っているというふうに思っています。市のほうでやる今回の学力調査は、あくまでも、その当該学年の特定された教科のつまずきや戸惑いについて、それを解消しながら改善を図って、そして、子どもたちが自信を持って授業に臨めるためにやるものであります。一方、国や県の学力調査の目的は、これまで何回もこの議場でやり取りをさせていただきましたけれども、あくまでも義務教育の機会均等と、その水準の維持向上の観点から、あくまでも、指導力の充実とか学習状況の改善に役立てるということ、このことを我々しっかりと守ってきたつもりでいます。このことを観点に置きながら、今後もその目的のっとって参加をしていくつもりであります。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 子どもたちにとって恐らく今回の新年度は、初めて体験を、大きな災害の後の新年度ということになります。心に大きな負担を感じている児童・生徒は少なくないというふうに思います。東日本大震災や熊本地震のときは学力テストを中止しました。まず本市がやるべきことは、今子どもたちの声を丁寧に聞くと、そのことが重要ですし、そこにぜひ注力していただきたいというふうに思います。新年度、やっぱり国や県に対しても、学力テストの中止を求めるというのが、本市の立ち位置ではないでしょうか。市独自の学力調査の実施についても、強く見直しを求めます。改めて見解をお願いします。
○上田雅大副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 繰り返しになりますけれども、あくまでも市の学力調査というか、子どもたちの勉強の力を調査するのは、つまずきを発見して、早期に解決をして、自信を持って次の学年で勉強してもらうため、ここにあります。そして、国や県の調査というのは、あくまでも先生方の授業力の向上とか、また、学習状況の改善をするために行うものであります。いろんな震災等がございましたが、その影響下にあっても、今子どもたちはどういう状況であるのかをしっかり把握して、それを次に役立てて、改善をしていく必要が私はあると思っていますので、これについては、継続してやっていきます。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 つまずきを改善するという意味では、私は日々の授業の中や、日々のテストの中でも可能ではないかというふうに思います。今回、予算案では、不登校対策推進費の幾つか新事業がありました。本来ならば、学校は安心して学ぶことができて、安心して先生や友達とつながれる学校であるという場が求められている中で、やっぱり今回この教員の負担が増えて、点数主義をやっぱり助長するんではないかというふうに危惧します。不登校対策と相反するものではないかと改めて市独自の学力調査の中止を求めて、次に移ります。 就学援助制度についてお尋ねします。就学援助制度は、教育を受ける権利、義務教育無償の原則に基づいて、小中学生がお金の心配なく学校へ通えるように、保護者に対して必要な援助を行うものです。就学援助制度の意義について、どんなふうにお考えか、お聞かせください。
○上田雅大副議長 上寺教育次長。
◎上寺武志教育次長 就学援助制度は、経済的な理由により就学が困難な児童・生徒の保護者に対して、小中学校で必要な学用品費や給食費等の支援を行い、経済的な負担を軽減することによりまして、義務教育の円滑な実施を図ることを目的としており、子どもたちの学びを保障する重要な制度でございます。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 ぜひこの制度を多くの保護者の方に利用していただきたいというふうに思います。ただ、この間消費税が10%に増税になったことに加えて、長引く物価高騰は、子育て世帯にも大きな影響を与え、保護者の就学に係る経済的負担も大きくなっています。そこで、支給対象基準を引き上げた自治体や、給食費のみ認定するという区分を新たに設けた自治体も出てきました。本市においても、就学援助の支給対象基準を従来の生活保護基準の1.5倍に引き上げる、または給食費のみ認定する区分を設けるなど、制度の拡充を求めますが、見解を伺います。
○上田雅大副議長 上寺教育次長。
◎上寺武志教育次長 就学援助制度が一般財源化されました
平成17年度以降、認定基準を引き下げる自治体がある中、本市では、世帯の所得額の基準であります生活保護基準の1.3倍未満を維持してきており、引き続き基準の維持に努めていきたいと考えております。御指摘の基準引上げや新たな区分の設定については考えておりません。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 対象となる世帯には、ぜひ漏れることなく利用していただきたいと考えますが、ところが、この間、やっぱり制度を知らずに4年間も過ごしていたという保護者の方がいらっしゃいました。制度の周知には工夫が必要です。制度を知っていても、子どもが何か不利益な影響が働くのではないかと申請をためらったという話も聞きます。保護者が制度を認知し、ためらわず申請できるように、受給を希望する、しないの希望調査票も含めた全員提出に切り替えてはどうかと考えますが、見解を伺います。
○上田雅大副議長 上寺教育次長。
◎上寺武志教育次長 就学援助の申請は、任意提出でありまして、御指摘の申請希望の有無を含めた全員提出への切替えは考えておりません。なお、毎年4月当初に全小中学校の児童・生徒の保護者に対して、就学援助制度の案内チラシを配布いたしております。今後とも、支援を必要とする世帯に制度が行き渡るよう、分かりやすい周知に努めてまいります。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 大分分かりやすい周知になってきているとは思いますけれども、やはりまだ届いていない方いらっしゃいますので、ぜひ周知の方法を工夫していただきたいというふうに思います。 最後に、市立病院の再整備についてお尋ねします。 市立病院は、公益病院として利益最優先ではなく、不採算の政策医療である感染症医療や災害医療を担い、市民の命と健康を守るためになくてはならない医療機関です。そこでお尋ねします。予算案では、再整備に向けて平和町公園を候補地とするというふうに、新病院の候補地が明らかとなりました。候補地を平和町公園に決定した理由を明らかにしてください。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 移転候補地を平和町公園にしたことについては、本市の南部地区の中核病院として果たすべき役割や、あるべき姿を踏まえて、周辺地域での連携登録医療機関の数や公共交通機関など、患者の利便性に加え、
能登半島地震を踏まえた緊急輸送道路までの距離など、大規模災害時の救急輸送対応や、浸水、土砂災害、液状化リスク等の土地の安全性などを総合的に判断いたしました。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 新たな場所では、病床数を減らすのではなく、十分確保するため敷地を拡充する選択ができるのか、また、住民の合意を得ての移転が大前提となりますが、現病院跡地の活用など新たな……
○上田雅大副議長 11番山下明希議員に申し上げます。 発言時間が経過いたしておりますので、速やかに終了されますようお願いいたします。
◆山下明希議員 新たな公園を整備する見通しがあるのかお聞かせください。
○上田雅大副議長 以上で、11番山下明希議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。(拍手)
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△休憩
○上田雅大副議長 この際、暫時休憩いたします。 午後2時22分 休憩----------------------------------- 午後2時35分 再開
△再開
○高誠議長 出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
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△質疑・一般質問(続き)
○高誠議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 29番粟森慨議員。 〔29番粟森 慨議員登壇〕(拍手)
◆粟森慨議員 質問の機会を得ましたので、金沢保守・こくみん議員会の一員として以下数点伺います。 質問の第1は、
能登半島地震からの復旧・復興に向けた取組についてです。 県都の市長として、提案理由説明で述べられた決意を持ってお答えください。まずは、本市の復旧・復興に向けた取組についてです。今定例月議会での補正、当初予算で、この方向性が示されています。本市では、被害の大小を問わず、罹災証明書の申請受付が既に6,000件を超えており、多くの方々が被災しています。そこで、この予算により、復旧・復興へ向けた取組をどのように進めていくのか。また、半壊に至らない世帯については、どう対応されていくのか。市内被災者の生活再建について見解を伺います。 次に、21世紀美術館についてですが、この施設は、本年10月に開館20周年を迎えます。比較的新しいこの施設の展覧会ゾーンで、重さ約90キログラムのガラス天井が落下したほか、複数の天井でゆがみ、ひび、ずれ等の被害が出ました。今回の地震の規模で新耐震基準を満たしている21世紀美術館のガラス天井が落下することは、あってはならない事態です。仮に開館日に落下していれば、重大人身事故が起きていた可能性は否定できません。そのため、今回の補正予算では、各展示室のガラス天井を全て撤去し、天井裏の安全点検を行う予算が計上されています。地域経済に大きく影響を及ぼす21世紀美術館ですが、安全あっての美術館です。そこで改めて、このような事態となった要因、全てのガラス天井を撤去するに至った経緯と理由を伺います。 また、ガラス天井を全て撤去するということは、各展示室の天井がむき出しになります。この状態で美術館の運営を続けていくのか、今後の展望を伺います。 次に、金沢プールについてです。この施設も、新耐震基準後の
平成29年に運用が始まっています。建屋には被害はなかったものの、地震発生直後に、可動床・可動壁の故障が確認され、現在は、破損箇所の調査・特定を急いでいると報告を受けています。この施設は、国際基準を満たすことから、既に多くの合宿・大会予定が入っている中で、本年8月には全国中学校体育大会の会場となっています。また、夏に向けてプールの利用者が増えると想定されることからも、早期の復旧が求められます。調査の進捗と復旧の見通しを伺います。 次に、公共インフラの下水道についてです。今回の地震を受け、液状化が発生した粟崎地区や斜面を造成したつつじが丘、鈴見台、田上新町の団地など、11地区で地盤変状などにより、約1,100戸の断水が発生しました。本市の素早い対応により、上水道は復旧していますが、下水道は、この粟崎地区に加え駅西地区、田上地区、伏見台地区において被害が多く、その対応に追われています。内訳は、汚水の詰まりが約130件、下水道管路上の道路陥没が1,000件以上です。現在は、市民生活に影響が出ないように、仮設管や仮設ポンプ、仮舗装などで対応し、目視による1次調査結果に基づき、被害が想定される管路には、管内カメラを使い2次調査を進めています。まだ2次調査の途中ではありますが、最終的にはどの程度の被害になると想定しているのか伺います。 一方、下水道に起因する道路の陥没や沈下が多発し、今もなお続いており、本格復旧を進めなければ、これら被害は収まりません。そこで、どのようなスケジュール・工法で本格復旧を進め、災害に強いライフラインを構築していくのか、その展望を伺います。 加えて、本市の道路は至るところで波打っており、道路表面も凸凹になっている箇所が多く見られます。本市の舗装についての修繕計画は、今回の震災前からあると聞いていますが、下水道の本格復旧に合わせた計画の見直しについて伺います。 次に、能登被災者への支援についてです。本市は、額谷ふれあい体育館や卯辰山公園健康交流センター千寿閣などで能登被災者を受け入れています。これら施設は、1.5次的避難所として開設し、2次避難所へ移動するまで、一時的に被災者を受け入れると想定していましたが、受入れ人数は減ってはいるものの滞在が長期化しています。発災から2か月以上が経過し、今後も居住先が見つからない状況が続くのであれば、これら避難所での生活環境を改善していくことや、環境のよい施設への転居も必要です。このことについて、県との協議も含め、対応を伺います。 次に、能登被災地への職員派遣体制についてです。本市も被災地で復旧に向けた業務を抱えています。しかしながら、能登方面は、より甚大な被害を受けています。だからこそ、県内最大の都市として、できる限りの支援をすることが本市の責任です。果たすべき役割と職員の派遣体制の現状、そして、新年度以降の支援の在り方を伺います。 質問の第2は、公共交通についてです。 まずは地域運営交通についてです。本市の人口は5年前から減少傾向に転じ、高齢社会が進展する中で、郊外部のバス路線の減便・廃止が続き、これらの地域を中心に、地域運営交通の導入が進んでいます。大浦・川北地区、内川地区といった早期から地域運営交通が導入されたエリアに加え、大規模な路線廃止のあった北部地区では、昨年4月から、AIデマンド交通チョイソコが本格運行されました。また、昨年11月から鈴見・若松地区、本年2月からは犀川地区で地域運営交通の試験運行が始まっています。このように、地域運営交通の導入が進むことは、市民にとって好ましい一方、その導入に向けては、地元の合意形成や運行内容の決定、さらに地元負担額の存在がハードルとなっています。他方、住民からは、地域運営交通が導入されても、運行エリアが限定されていて使い勝手がよくないとの声も聞かれます。例えば、犀川地区の地域運営交通は、田上地区や大桑地区に行けても、県立図書館や金沢大学附属病院に直接行くことができません。そこで、このような課題への対応を伺うとともに、2月から試験運行が始まった犀川地区の導入効果について伺います。 また、市内の地域運営交通について、これまで把握している課題と解決へ向けた方向性、そして、今後の運行エリア拡大についての考えを伺います。 次に、まちなかの公共交通についてです。昨年3月に策定された第3次
金沢交通戦略では、バスのサービス水準の向上に向け、バス待ち環境の向上や運転士不足への対応として、輸送力の大きい連節バスの導入、各方面への乗換え拠点である
モビリティーハブの整備を進めるとしています。確かに、この方針は、バスの減便や廃止が毎年のように行われている状況下で、これまでの
交通ネットワークを守っていく手段としては理解できます。ただし、この取組を行うことで、これまで乗換えなしに目的地へ移動できていた方々は、便利さを失います。また、乗換えにより乗車運賃が高くなることも想定されます。つまり、この取組は、バスのサービス水準の向上に直結するとは考えにくい側面もあります。このような提言や、新交通システムの導入検討など、ハード面の議論は活発に行われていますが、その効果については疑問が多々あります。そこで、これらの取組で、利用者が増加するのか、見解を伺います。 本来、このような議論よりも、公共交通の重要性を市民に理解していただく取組や、利用するきっかけづくりこそが第一に取り組むことではないでしょうか。現在の公共交通網で、事業者と共に、乗客を1割増やす議論と努力が足りていないからこそ、公共交通離れが進んでいるとも考えられます。有識者会議においても、このような議論を活発に行っていただきたいものです。例えば、毎年本市では、カーフリーデーを行っています。このようなイベントに合わせ、運賃無料などを盛り込み、大々的に公共交通の日を設定することが、乗っていただくきっかけづくりになります。そこで、本市のまちなかで行われる行事等に、このような取組を合わせることについて見解を伺います。 質問の第3は、食文化とものづくりについてです。 まずは、世界に誇る食文化都市の実現についてです。
平成25年9月、議員提案による金沢の食文化の継承及び振興に関する条例が成立し、同年12月に、日本の伝統的食文化である和食がユネスコ無形文化遺産に登録されました。昨年秋には、この条例施行10年を記念し、食文化の世界的認知度の向上や、国外への発信方策について議論する食文化フォーラムが本市主催で開催されています。そのほかにも、全日本高校生WASHOKUグランプリ、食文化フェスタ、首都圏のホテルでの金沢産食材フェアなど、多岐にわたる事業を展開しています。そこでまず、これまでの食文化振興の取組をどう評価しているのか伺います。 一方、新たな都市像では、世界が認める食文化都市の実現を主要施策として掲げ、食文化の魅力発信や海外との人材交流の促進等に取り組むとしています。そこで、新年度予算において、どのような取組を進めていくのか伺います。 ところで、金沢の豊かな食文化を発信し、食文化都市としてのブランド力を向上させるには、市内中小企業が持つ優れた食品を積極的に海外へ展開すべきです。近年、日本食は海外で人気が高く、市内食品製造事業者の中にも、海外販路開拓に果敢に取り組む企業も出てきています。そこで、新年度予算において、食品産業の海外展開を促進するためにどのような施策を進めていくのか伺います。 次に、ものづくり産業の継承・発展についてです。中小企業は、本市の経済や暮らしを支える社会の牽引役です。しかし、足元の業況は、物価高騰による収益の減少や生産年齢人口の減少を背景とした深刻な人手不足など、引き続き厳しい状況が続いています。とりわけ人手不足は深刻で、多くの事業者は従業員を募っても人手を確保できず、その対策として賃上げしようにも限界があります。金沢商工会議所の令和5年度第3四半期景況・業況動向調査では、来年度と比べた再来年度の採用難易度は、6割を超える企業が難しくなると予測しています。一方、本市の都市像では、ものづくり産業の継承・発展を柱の一つに掲げています。そこで、本市の健全かつ持続的な発展に大きく寄与してきたものづくり産業の振興を進めるために、新年度予算では、次なる布石としてどのような取組を行うのか伺います。 質問の第4は、教育に関わる課題についてです。 まずは、不登校対策推進費についてです。私は、昨年の9月定例月議会において、不登校の子どもたちの学びの保障について質問しました。教育長はその答弁で、国の不登校対策であるCOCOLOプラン等を踏まえ、誰一人取り残されない学びの保障に向けて、不登校特例校の設置等について研究していくと述べられています。この不登校特例校については、その後、学びの多様化学校という名称に変更されました。まず、この学びの多様化学校は、現在全国に何校あり、どのような特徴や特色ある学校として設置されているのか伺います。また、本市において、この学校を設置する場合、どのような特徴や特色のある学校を目指すのか、併せ伺います。 次に、COCOLOプランにある校内教育支援センターについてです。各学校に設置されている別室や相談室を令和6年度より校内教育支援センターという名称に改めるとともに、その機能強化を図るとのことです。そこで、校内教育支援センターの機能強化として、具体的にどのような対応を行い、成果を導いていくのか伺います。 次に、学校給食費物価高騰特別対策費についてです。食材に係る物価の上昇は、学校給食の提供にも影響を与えています。その対策として、本市は、必要な栄養価が低下しないよう、調理現場で献立や食材の一部変更といった工夫を重ねてきました。また、令和4年度から、物価高騰分を全額公費で負担することによって、保護者負担の軽減も図ってきました。その結果、物価高騰に対する公費負担額の推移は、令和4年度の決算額約1億5,000万円から令和5年度には約2億5,000万円、令和6年度当初予算においては約4億2,000万円と、公費負担を始めた令和4年度と比較して、3倍近くに上昇しております。しかも、公費負担の財源として今年度まで活用していた国からの交付金は、令和6年度の配当が見込まれていません。そこで、交付金の配当見込みがない中で、この対策費を計上するに至った経緯を伺います。 物価は今後も上昇すると見込まれる一方、実質賃金は物価上昇に追いついておらず、この対応は、子育てを支援する観点からも適切だと言えます。今後も物価高騰に対する公費負担を継続するのであれば、給食費支援に対する考え方の整理や事業の名称変更を行うべきです。そのことで、子育て世帯に多額の公費支援が行われていることを発信できると考えますが、見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
○高誠議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 29番粟森慨議員にお答えいたします。 初めに、復旧・復興に向けた状況が日々変化する中で、1月の緊急議会以降に必要となった新たな支援策や、既決予算の追加経費を今回お諮りしております。そのうち早期の執行が必要なものについて、本議会初日に可決をいただいたところであります。まずは、今回お諮りしている予算が認められたならば、その早期執行に努めるとともに、今後も息の長い支援が必要となることから、補正予算等を通じて、段階に応じた支援策を講じるなど、被災者の皆様が一日も早く日常を取り戻せるよう、力を尽くしてまいりたいと考えております。 金沢21世紀美術館では、
能登半島地震により展示室内のガラス天井が落下したほか、無料ゾーンの天井パネルがずれるなどの被害が発生し、安全確保のため休館を余儀なくされました。建物全体の点検を行った結果、耐震性に問題はなく、無料ゾーンの補修にめどが立ったことから、2月6日から美術館の一部で営業を再開したところであります。一方で、展覧会ゾーンの営業を再開するには、来館者の安全確保が不可欠との判断から、展示室内のガラス天井を全て撤去するものであり、地域経済への影響も踏まえ、工期を前倒しし、6月22日での全館開館としたものであります。金沢21世紀美術館は、開館から20年が経過し、外壁や屋上防水をはじめ、空調や給排水設備で経年劣化も見られたことから、もともと大規模修繕工事を実施することを予定しており、今議会に実施設計の予算をお諮りしております。一方、建築基準法に適合した上で、展示環境にふさわしい安全な天井の復旧には、相当の期間を要するということから、こちらは大規模修繕工事に合わせて復旧工事ができるよう、今後検討してまいります。 金沢プールについては、調査では、可動床、可動壁における床連結部品等の破損を多数確認しております。現在、破損箇所の詳細調査により、工事すべき箇所の特定を急いでいるところであります。調査結果が判明し、復旧工事の内容を特定した上で、仮に工事に時間を要する場合であっても、今後予定されている大会等に影響を及ぼさないよう、応急的に可動床を一番下まで戻して注水することで、5月中をめどに仮復旧での使用を再開したいと考えております。 次に、額谷ふれあい体育館をはじめ6か所の避難所においては、これまでもボランティアによる炊き出しや体操教室の実施など、生活環境の改善を図ってきているところでございます。一方で、輪島市での仮設住宅の完成までに時間を要するということが見込まれてございます。そうしたことから、避難所の開設期間は令和6年5月末まで延長する方向で関係者と調整を行っているところであります。県と協議をしながら、適切な入居先が確保できるよう努めてまいりたいと考えております。 本市は、能登の被災自治体と同じく、住民に最も身近な基礎自治体であり、県内最大の都市でもあります。また、石川県市長会会長市でもありますので、果たすべき役割は非常に大きいと考えております。一方で、これまで本市も被災しているという状況にあっても、医療をはじめ、危険度判定や災害廃棄物処理、避難所運営などで、2月末までで延べ765人の職員を派遣してまいりました。現在は、発災直後から支援している消防広域応援部隊のほか、水道修繕工事の指導、給水車による支援活動で職員を派遣しておりますが、甚大な被害を受けた能登地域の復旧・復興には、息の長い支援が必要であることから、被災者や被災自治体の労苦を少しでも軽減するため、引き続き、国や県、県内自治体とも連携しながら、できる限りの応援体制を継続してまいりたいと考えております。 犀川地区のチョイソコでありますが、県立図書館や金沢大学附属病院などの目的地への直接の移動ができないという状況でありますが、これは、国の指導に基づき、既存バス路線との競合を回避する仕組みとなっていることによるものでございます。あくまでも地域運営交通は、公共
交通ネットワークを補完するという位置づけであります。公共交通の不便な地域で、近隣の病院や、商業施設等への住民の移動手段を確保することが目的でございます。その中で2月から始まった試験運行では、当日の30分前まで予約可能であるほか、希望する停留所間を移動できるなど、自由度が高いと認識しております。今後も多くの住民の方々に利用していただけるものと期待をしております。 地域運営交通は地域ごとに異なる移動ニーズを把握し、運行計画として取りまとめることや、試験運行から本格運行に至るまでの合意形成に時間を要すること、また、人的・金銭的な地元の負担が生じること、こういったことは課題だと認識しています。本市としては、職員が地元の会合に何度も足を運び、一連のプロセスを住民とともに、膝詰めで議論いたしますほか、ニーズ調査や運行計画策定への支援を行うことで、地元の負担が極力少なくなるよう努めてきておりますほか、特に公共交通が不便な郊外部での補助率を最大9割とするなどの制度改正を行ってきたところであります。高齢化が進展する中、地域運営交通を必要とするエリアは今後も増えていくと考えております。引き続き、地域に寄り添いながら、地域運営交通の導入支援に取り組んでまいります。 公共交通につきましては、通勤・通学をはじめ、市民の日常的な移動を支える重要な役割を担っておりますほか、輸送力の大きさを生かして、交通渋滞・道路混雑を緩和するなど、多面的な効果を持つ、重要な社会インフラと認識しています。他方で、公共交通の存続自体が危機的な状況にあるということから、こうした流れに歯止めをかけるべく、第3次交通戦略の実践に取り組んでおります。今後とも、
モビリティーハブの整備など、輸送体系の効率化やキャッシュレス決済の導入などによる利便性向上など、様々な施策を多角的に組み合わせることで、公共交通事業者とともに、利用者を増加させていきたいと考えています。 本市では、従来から、歩行者・自転車・公共交通優先のまちづくりなどを広く発信するイベントとして、カーフリーデーを毎年開催するほか、昨年は、土日祝日のまちなかでの買物・飲食客に対して、お帰り乗車券を進呈する取組を実施したところであります。御提案いただきました公共交通を無料とする日を設けることについて、こちらは日頃、公共交通を利用しない市民に、公共交通に目を向けてもらうきっかけとなると思います。一方では、多額の費用がかかること、交通事業者との調整が必要なことなど、課題も多いと考えております。これまで、様々な機会を通じて、公共交通の利用を促す意識醸成に努めてきたところでございますけれども、このたび御提案いただいた取組も含めて、どのようなことが効果的な取組となるのか、今後とも検討を重ねてまいりたいと考えています。 食文化につきまして、金沢の食文化の継承及び振興に関する条例の制定を受けまして、
平成26年に庁内横断組織の金沢の食文化推進本部と、食に関わる団体等で構成する金沢の食文化推進委員会を立ち上げまして、官民協働による様々な取組を進め、金沢の個性である食文化の価値を磨き高めてまいりました。その成果として、昨年、アメリカ--米国の著名なグルメ雑誌に、世界屈指の美食のまちとして特集をされましたほか、先日は、国内の美食都市アワードに選出されるなど、国の内外から一定の評価をいただいていると認識しています。 明年度の事業でありますが、金沢の豊かな食文化を世界に発信し、ブランド力を高めるために、欧州に向けて和食料理人を派遣し、現地でプロモーション活動を実施するほか、次代を担う料理人の発掘、育成を図る全日本高校生WASHOKUグランプリについてでありますけれども、決勝大会出場チームのレシピ賞味会を開催するなど、引き続き、官民一丸となった取組によって、金沢の食文化に磨きをかけて高めてまいりたいと考えています。 本市の基幹産業であるものづくり産業の振興について、明年度は、今後10年間を見据えた次期ものづくり戦略を策定することとしております。ものづくり戦略推進会議の中に専門部会を設置し、喫緊の課題である人材不足への対応等に向けて、早期に対策を取りまとめ、実践していきたいと考えています。また、中小企業等の事業承継に向けて、後継者不足の実態や支援ニーズを調査するほか、中高生と保護者を対象としたキャリアプランセミナーや、ものづくり企業の現場見学会の開催、次世代ICT人材の育成強化により、産業人材の育成・確保を図るなど、多面的な支援を通じて、ものづくり産業の基盤強化に努めてまいります。 学校給食費物価高騰特別対策費について御質問いただきました。食材の物価高騰が続く中、令和4年度以降、給食用食材費と保護者負担分の差額を全額公費で補填し、その財源には、国の交付金を活用してまいりました。明年度につきましては、現在のところ、学校給食費へ充当が可能な交付金の配当は見込まれておりませんが、依然として食材費の高騰が続く状況下において、引き続き保護者負担の軽減が必要と判断し、市独自で物価高騰特別対策を行うこととしております。なお、国に対しては、国庫負担による学校給食費への財政措置を全国市長会・中核市長会や教育委員会と連携しながら、引き続き要望してまいりたいと考えております。 この事業費については、目下の物価高騰の状況を考慮し、保護者負担の軽減を図る観点から、物価高騰対策として暫定かつ緊急的に実施してきたものでございます。明年度、有識者や保護者等から成る学校給食費懇話会を開催します。現在の物価状況などを踏まえ、本来必要な給食費を明確化するとともに、公費負担に係る考え方などについて検討したいと考えています。 私からは以上です。
○高誠議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 半壊に至らない世帯の生活再建への対応につきましてお尋ねがございました。今回の
能登半島地震では、半壊に至らない世帯であっても、応急仮設住宅の入居者は、生活家電購入費助成制度を利用することができます。また、被災の程度によらず、罹災証明書が発行される世帯につきましては、市営住宅の提供も行っているところでございます。 以上です。
○高誠議長 松田
公営企業管理者。
◎松田滋人
公営企業管理者 下水道の被害状況についてお尋ねがございました。現時点で、被害の全容は判明しておりませんが、過去の被災地の例を踏まえますと、2次調査を実施した管路延長60キロメートルのうち2分の1程度は、復旧工事が必要になるのではないかと想定しております。管路の本格復旧につきましては、2次調査の結果に基づき、国の災害査定を受けた上で、6月定例月議会に予算をお諮りし、早急に復旧に取りかかってまいります。復旧の工法につきましては、被災の程度や、管路の深さなどに応じて、地上から掘削して補修する開削方法と、管の内部から補修する非開削工法に分けられますが、被害の程度が大きい場合に行う開削工法では、液状化しにくい改良土を埋め戻しに活用することで、災害に強いライフラインを構築してまいります。 以上でございます。
○高誠議長 坂本土木局長。
◎坂本敦志土木局長 舗装の修繕計画についてであります。市道の緊急輸送道路や幹線道路につきましては、長寿命化修繕計画に基づき、計画的に修繕を実施しております。今回の震災により、発災時から2,000件を超えるひび割れや陥没などの被害を確認していますことから、被害状況等を見極め、地下埋設物の復旧状況を確認しながら、施工範囲や優先順位の見直しを行い、順次、修繕工事を進めていくこととしております。 以上でございます。
○高誠議長 鳥倉経済局長。
◎鳥倉俊雄経済局長 食品産業の海外展開についてお答えいたします。食品をはじめといたします市内のものづくり企業に対する国際見本市への出展助成件数ですが、前年度の8件から今年度は21件と利用が伸びておりまして、企業の海外申請への意欲が高まっていると感じております。とりわけ、コロナ禍明けの今年度に入りまして、食品関連事業者からの海外進出への相談が増えてきており、明年度は、新たにJETRO金沢と連携いたしまして、これから海外展開を目指す事業者向けのセミナーや出張相談会を開催するほか、海外ECサイトを活用した出展支援を継続することとしておりまして、金沢の食文化を支える食品事業者の海外展開を積極的に後押ししてまいりたいと考えております。 以上です。
○高誠議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 初めに、全国にある学びの多様化学校の学校数とその特徴、特色についてお答えいたします。学びの多様化学校、いわゆる不登校特例校は、令和5年4月の時点で、全国に24校設置されており、小学校3校、中学校16校、小中一貫校2校、高等学校3校でございます。学びの多様化学校の特徴や特色といたしましては、不登校児童・生徒の意思を十分に尊重しつつ、個々の状況に応じた支援を行うために、年間の総授業時間数を少なくできるほか、体験活動の時間を多く確保できるなど特別の教育課程を編成できることがございます。 次に、本市での学びの多様化学校においてのどのような特徴や特色のある学校を目指すのかとのお尋ねにお答えいたします。国のCOCOLOプランに示されている、誰一人取り残されない学びの保障と、本市の不登校の状況を踏まえながら、明年度は学びの多様化学校の設置に向けて、有識者等から成る検討会を立ち上げることといたしております。あと、昨年9月の定例月議会が終わりましてから、実際に不登校特例校について視察して、当該の教育長または教職員と意見交換をしてまいりました。その中では、いわゆる登校時間等を遅くするなどの設定に工夫を凝らしたりとか、また、音楽、美術、技術、家庭を統合した新しい特色ある教科を設定するとか、また、習熟度別のクラスの編制、学年の枠を超えたクラス編制などで様々に御苦労、御努力をされている様子がよく伝わってまいりました。検討会では、不登校児童・生徒の一人一人の状況に応じて多様な支援を図ることができるように、国の手引に基づきながら、学校での教育方針、また、個々のニーズに応じた特別な教育課程、必要となる環境整備などについて、具体的な特徴や特色について議論してまいりたいというふうに思っています。 最後にまた、本市での校内教育支援センターの機能強化についてもお尋ねがございました。明年度から全ての学校の相談室を校内教育支援センターに改称し、そこでの支援員を増員かつ派遣時間を拡充するなどして機能強化を図りたいと考えております。このことによって全ての中学校では、登校時から下校時まで支援員による対応が可能となり、一人一人に応じた学習支援や教育相談などの多様な支援ができるようになります。こうしたことをしっかりと生かしながら、不登校児童・生徒の登校への支援や学習、また進学への意欲の回復などにつなげていきたいと考えております。 以上でございます。
○高誠議長 14番北幸栽議員。 〔14番北 幸栽議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆北幸栽議員 それでは、
自由民主党金沢市議員会の一員として質問させていただきます。 地元新聞紙コラムに、百姓の国は立ち上がれるとありました。私も同感であり、ありとあらゆるなりわいを持つ人、すなわち百姓は、今の時代も能登に暮らしていらっしゃったのだとの思いです。能登の復興は必ず、ありとあらゆるなりわいを持つ地域住民である百姓がやってのけてくれる。そして、その応援を精いっぱいさせていただきたいとの思いで、最初に、百姓の持ちたる国の始まりとなった高尾城跡詳細調査と市史跡指定について質問させていただきます。 まずは、今回の
能登半島地震において、七尾市の国史跡七尾城跡や、本市においても多数の文化財の被害があったと認識をしております。高尾城跡での地震被害は確認されているのかお尋ねいたします。
○高誠議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 地震の発生を受けまして発掘調査済みのコジョウ地区を中心に現地確認を行いましたが、地震による具体的な被害は見られませんでした。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 新年度に行われる予定の市史跡指定に向けた詳細調査の具体の方法と、調査エリア、また調査エリアの選定の理由についてお聞かせ願います。
○高誠議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 史跡指定に向けましては、関係する地権者の同意を得る必要がありますことから、まずは地権者を特定するため、公図や登記簿を基に現地調査を行うこととしております。高尾城跡の周辺は、堀切状の遺構や平たん面など、人為的な地形の存在が広範囲に確認できるものの、その性格や造成年代を特定するには、数年にわたる調査が必要と見込まれます。調査エリアにつきましては、まずは今年度の発掘調査によって、中世の山城として確証が得られましたコジョウ地区約2.1ヘクタールについて、市史跡指定に向けて調査を進める予定であります。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 まず地域を絞ってやっていただくということなんで、よろしくお願いします。市史跡指定に向けた進捗と今後のスケジュール、指定時期の目途をお尋ねいたします。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 今年度の発掘調査では、堀切をはじめとする城跡の構造や、出土遺物の検討による年代の確定など、市史跡指定に向けて多くの成果を得ることができたと考えています。明年度は権利者を特定して、指定に必要な同意の取得に向けた協議を進めた上で、令和7年度以降に市文化財保護審議会に諮り、史跡指定を目指したいと考えています。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 それでは、よろしくお願いします。次の質問に移ります。 次に第3期まちのり構築についてお尋ねいたします。 昨年10月に行う工大祭に合わせて北陸鉄道石川線野々市工大前駅と金沢工業大学との2か所に、まちのりポートを設置して、実験を行ったと聞いております。その実験結果、分析、成果についてお尋ねいたします。
○高誠議長 村角都市政策局長。
◎村角薫明
都市政策局長 今回実施いたしました社会実験の利用総数は延べ16回でございました。実施期間が2日間で、2日目となる日曜日が雨でございましたことから、多くの利用につながる結果には至りませんでしたが、石川線野々市工大前駅の臨時ポートでの貸出し、返却も見られましたことから、鉄道利用者の移動手段として、一定の効果があったというふうに考えております。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 工大祭でのまちのり実験には、北陸鉄道石川線沿線自治体である野々市市と白山市の協力も得たと聞いております。石川線利用促進のためには、沿線自治体の連携は不可欠であります。つまりは、石川線の駅とその沿線に、自治体を問わずに、まちのりポートを設置していくことが石川線利用促進や、今後の
モビリティーハブの整備にもつながるのではないかと考えます。第3期まちのり構築に向けて、石川線沿線自治体である野々市市と白山市との連携について、どのようにお考えになっているのかお聞かせ願います。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 今回のポートの設置は実験的ではありましたが、石川線沿線自治体と連携して実施したということに意義があると考えています。まちのりの単独の利用はもとより、鉄道やバスなどと組み合わせた移動を促進していくことは、公共交通の利用環境を向上させ、鉄道線の利用拡大、利便性向上にもつながる取組であると捉えています。次期まちのりの構築を進める中で、沿線自治体とも十分に協議しながら、どのような連携が可能か研究してまいりたいと考えています。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 利用の方は少なかったということですけれども、別の意味があったと思いますんで、ぜひともそれを生かして、今後の展開をしていただきたいと思います。 次に、交通事業者へのキャッシュレス決済導入費支援についてです。 3月16日の北陸新幹線金沢-敦賀間開業に合わせ、北陸鉄道小松・加賀地区の路線バスでは、キャッシュレス決済が先行スタートされます。9月定例月議会においても求めましたが、金沢地区におきましても早期の導入が求められます。利便性の向上はもちろん、鉄道線とバスの乗り継ぎ割引や、将来的なまちのりとの連携も期待されます。金沢地区での導入の進捗状況、今後の計画、キャッシュレス決済の開始時期についてお尋ねいたします。
○高誠議長 村角都市政策局長。
◎村角薫明都市政策局長 北陸鉄道が実施いたしますキャッシュレス決済でございますが、従来のアイカに加えまして、クレジットカードやデビットカードのタッチ決済とともに、デジタル乗車券の二次元コードによる利用が可能となるものでございまして、金沢地区では、令和7年度末までに順次導入される計画となっております。まずは今月16日の北陸新幹線敦賀延伸に合わせまして、来街者が多く利用される城下まち金沢周遊バスでクレジットカードとデビットカードのタッチ決済が利用可能となります。また明年度中には、市内路線バスと小松空港リムジンバスへの導入が完了し、鉄道の石川線と浅野川線につきましては、令和7年度末までに利用開始の予定であると伺っております。 以上です。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 引き続き早期の導入を目指してお願いいたします。 次に、都心軸のバス専用レーン拡大に向けた実験についてです。 まずは、昨年11月に1か月間を通じて行われた平日9時から17時までのバス優先レーンの実験に関して、結果、分析、反省点をお伺いいたします。
○高誠議長 村角都市政策局長。
◎村角薫明都市政策局長 今回の実験では、野町広小路交差点から武蔵交差点の上り方向と、武蔵交差点から犀川大橋北詰交差点の下り方向の2路線でバス優先レーンの実験を行いました。実験期間中は、バスレーンの遵守率につきましては若干高まりましたものの、バスや一般車両の所要時間には大きな変化が見られませんでしたことから、今後実施期間の拡大とともに、関係機関との連携の強化が必要と考えているところでございます。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 それでは、今後の予定と反省点なども踏まえたその内容、また、本格実施に向けた見通しについてお聞かせ願います。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 明年度はさらなる周知を目指し、実験期間を約2か月に拡大して実施することとしています。本格実施に向けては、こうした実験を重ねながら、一般車両をはじめトラック・タクシー事業者等への影響がないことを確認し、県警や道路管理者、運送事業者など関係団体等と十分に協議した上で丁寧に進める必要があると考えています。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 次に、高齢者運転免許証自主返納者への公共交通乗車券購入助成について質問いたします。 昨年10月から助成制度が一部改定され、北鉄のシルバー定期券が実質無料となる金額である1か月7,330円を3か月間助成する選択肢が設けられましたが、新たな制度の利用状況はどのようなものかお伺いいたします。
○高誠議長 村角都市政策局長。
◎村角薫明都市政策局長 制度改正を行いました昨年10月から本年2月までの5か月間で、助成制度の利用者は146名でございまして、旧制度の同時期に比べ35名、約30%の増となっております。内訳は、定期券を選択された方が12名、回数券やアイカの積み増しを選択された方が134名でございました。定期券を選択される方と、回数券やアイカの積み増しを選択される方の割合は、1対9となっておりまして、旧制度とほぼ同様の傾向となっております。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 昨年度の議会でも提案させていただきましたが、定期券を必要とするようなヘビーユーザーだけでなく、ライトユーザーに向けてアイカの積み増しの助成額拡充も求めますが、いかがお考えでしょうか。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 先般の制度改正については、定期券購入に対する助成額を免許証の自主返納から間もない期間に重点化することで、自家用車以外の交通手段を利用する動機づけになることを期待したものであります。アイカへの積み増しの増額ということは、お声としても伺う機会が多いんですが、この制度の全体の利用者についても増加傾向にあるということ、今そういった中では、アイカの積み増しの助成額を拡充することまでは考えてございません。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 次に、交通政策課と歩ける環境推進課の再編の成果についてお伺いします。 モビリティーマネジメントの推進をはじめ、都市計画や市民生活を支えるためにも、交通政策の策定は極めて重要だと認識しております。その中で交通政策課と歩ける環境推進課が1つになり、再編して1年が経過しようとしていますが、今年度再編された成果についてお尋ねいたします。
○高誠議長 村角都市政策局長。
◎村角薫明
都市政策局長 交通政策課と歩ける環境推進課を統合したことによりまして、公共交通に係る複合的な課題の解決に向けて、施策の企画から実施までを一気通貫で取り組む体制が構築できたというふうに考えております。これにより、地域運営交通の導入拡大や金沢MaaSの推進とともに、第3期まちのりの導入や
モビリティーハブの整備に向けた取組など、第3次交通戦略の総合的な推進に努めてきているところでございます。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 再編に当たりまして人員の削減が行われたこともあろうかと思いますが、交通政策課においての人員数と、新年度の人員配置についてどのような認識をお持ちになっているのか、お尋ねいたします。
○高誠議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 現在、交通政策課の職員数は正規職員が12名、石川県警からの派遣職員が1名、会計年度任用職員4名の計17名体制となっております。市民生活や経済活動を支える公共交通に関する施策の推進は、年々重要性を増してきているというふうに認識しておりまして、今後とも、施策の進捗や事業量の推移を注視しながら、職員の適正配置に努めてまいります。 以上です。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 それでは、次の質問に移ります。 次に、犯罪被害者等支援条例制定についてお尋ねいたします。 2月5日に警察庁は犯罪被害者の遺族などに支払われている犯罪被害者等給付金について、支給額を大幅に引き上げる方針を固めるなど、日本国内においても、経済的な支援を含めて犯罪被害者への支援を拡充する動きが広がっております。本市でも、
平成20年6月27日、久安2丁目のアパートにて橋本清勝さん当時22歳が殺害された未解決の金沢市久安独身男性殺人事件があります。この事件の御遺族、また御遺族と活動を共にする殺人事件被害者遺族の会、宙の会の皆様も、犯罪被害者等支援条例制定を求めております。9月定例月議会でも取り上げさせていただき、制定を求めましたが、新年度予算案では、犯罪被害者等を支援するための条例制定に向けた検討会を開催とあります。まずは、この検討会の内容、構成員、開催日程の予定などをお伺いいたします。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 国の犯罪被害者等施策推進会議におきまして、明年度、犯罪被害者等に対する給付金の支給に係る運用の見直しや、弁護士制度の創設など具体的な施策が示されることになっております。本市ではその結果を踏まえ、学識経験や犯罪被害者等の支援に知見を有する者などで構成する検討会を速やかに設置し、条例制定に向けて、既存の見舞金や相談窓口などの各種支援策について、国が示す施策との整合性を検証するとともに、新たな支援策について検討することとしております。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 条例制定に向けた具体のスケジュール等が分かりましたら、お尋ねいたします。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 国が示す犯罪被害者支援施策を踏まえまして、年内の条例制定を目指したいと考えています。それまでの間、検討会の開催状況や条例の素案等を議会に報告するとともに、パブリックコメントなどの手続を行いながら作業を進めてまいります。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 よろしくお願いいたします。 次に、先ほどもありましたけれども、個別避難計画作成事業についてお尋ねをいたします。 簡潔にいきます。作成の進め方、マニュアル、町会関係者等への協力依頼や説明について、どのようなお考えを持っているのか。あわせて、作成に当たっての町会や福祉専門職への財政的支援について、どのようなお考えかお尋ねいたします。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 個別避難計画については、避難行動要支援者名簿に登録された方を対象に、避難予定の場所や避難する際に必要な事項、心身の状況等について記載するものであります。明年度は、土砂災害警戒区域等の災害リスクの高い場所に居住する方に対して優先的に作成したいと考えています。計画の策定に当たっては、現行の避難行動要支援者名簿活用ガイドブックを改定するとともに、民生委員や自主防災組織などの地域の支援者、ケアマネジャーなどの福祉専門職に対して説明会を開催し、協力を求めていきたいと考えております。各校下・地区町会連合会が主体となる自主防災組織に対しては、計画1件当たり3,000円の作成費に加え、1団体当たり5万円の事務費を支給するほか、ケアマネジャーや相談支援専門員には、計画1件当たり7,000円の作成費を支給する予定であり、明年度予算においてお諮りしております。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 次の質問に移ります。 次に、来年度予定しております中学校教科書採択に関し、中でも歴史教科書採択についてお尋ねいたします。 近年、海外を拠点とした大がかりな詐欺事件や強盗殺人事件が多発し、その多くに少年を含む若者の犯罪が増えているように思いますが、市長はこのような犯罪の低年齢化をどのように捉えられていらっしゃいますか、お尋ねいたします。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 インターネット等を通じた様々な情報の氾濫や、スマートフォンの普及など、青少年を取り巻く環境の変化により、青少年の健全な育成を阻害する要因が、徐々に低年齢の子どもの身近に現れてきているということが原因の一つではないかと考えています。このことから、青少年の非行防止への取組を行う中で、特に低年齢の児童・生徒に対する規範意識の醸成が重要と考えています。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 私が思うには、戦後長期間にわたり、人間教育や偉人教育、真実の歴史教育、また、日本人として自信と誇りを持てる教育を怠ってきたことが、昨今の事件にもつながっているのではないかと感じております。昨年12月定例月議会においても同僚議員の前議員が、現在の教科書に記載してある歴史的事実や歴史上の人物に関し、適切に記載がなされているか、また、教科書が教育基本法や学習指導要領に最も沿った内容であるかを項目比較表を作成し、どの教科書の内容が最も優れているのかを項目別に比較する必要があるとの趣旨の質問をいたしましたが、教育長の御答弁によりますと、県や本市の採択方針に基づいた項目別比較表を取り入れていると御答弁をいただきました。そこでお聞きいたしますが、その教科書採択項目別比較表には、神話や大和朝廷に関するものや、二宮尊徳、伊能忠敬、渋沢栄一、八田與一などの偉人、GHQのプレスコード、東京裁判、インドネシア独立戦争などについての項目があるのかをお尋ねいたします。
○高誠議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 本市の教科書採択に際しましては、学習指導要領の解説に示されている内容の取扱いなどが、教科書にどのように反映されているのかを綿密に調査研究できるよう、県や市の採択方針に基づいた調査研究項目を設定するとともに、本市の施策や児童・生徒の実情に適した教科書であるか、問題解決的な学習が充実できるようになっているかなどの項目を加えて、調査研究いたしております。また、本市独自で項目別比較表を作成し、学習指導要領等に基づく領域や分野、単元別に、記載内容や分量等が教科書にどのように反映されているのか、さらに綿密に調査いたしております。なお、仰せの神話、また偉人などにつきましては、今ほど触れました本市独自の項目別比較表に設定した、私たちと歴史に関する事項、身近な地域の歴史に関する事項、古代までの日本に関する事項などについて調査する際に確認させていただいております。 以上です。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 将来の日本を背負っていく子どもたちが誇れる国となれるよう願い、次の質問に移ります。 次に、消防団員加入促進費についてお尋ねします。 消防ポンプ車の運転に必要な準中型免許取得を支援とありますが、対象者の条件と、新年度の予定対象者数、また、恒久的な制度として支援をお考えになっているのかお尋ねいたします。
○高誠議長 蔵消防局長。
◎蔵義広消防局長 対象者の条件については、現在、詳細を検討しているところであります。免許取得後に一定期間消防団員として活動していただくことや、所属する消防分団長の推薦によることなどを想定しており、明年度は15人程度の支援を予定しております。これまでは、普通自動車免許で消防ポンプ自動車を運転することができましたが、道路交通法の改正により、現在は別途、準中型免許が必要となったことから、今後、若い世代の方々に消防団員になってもらうためには、必要不可欠なものであり、今後とも継続して支援してまいりたいというふうに考えております。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 加入してもらうことも大事ですけれども、長く続けてもらうということも大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、災害時のオフロードバイクの利活用についてお尋ねいたします。
能登半島地震を受け、被害状況調査や偵察活動、物資輸送などで悪路においても機動性を持つオフロードバイクの利活用を検討する必要があるのではないかと考えます。東京消防庁では幾つかの消防署に通称クイックアタッカーと呼ばれるオフロードバイクでの2台1組の部隊が配備されるなど、全国各地でも、災害時のオフロードバイクの利活用を想定して配備している消防署や消防団があります。ここで質問ですが、本市消防局ではオフロードバイクの所有配備をしていますか。また、活動や訓練の実績はあるか、お尋ねいたします。
○高誠議長 蔵消防局長。
◎蔵義広消防局長 消防局では、
平成16年に消防用オフロードバイク1台が寄贈され、現在、警防課に配備しているところであります。これまでに火災等の情報収集活動を行うために、10件の災害に出動しているほか、定期的に運転訓練を実施しているところであります。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 本市消防局として、今後のオフロードバイクの利活用に関してどのようなお考えをお持ちか、御所見をお伺いいたします。
○高誠議長 蔵消防局長。
◎蔵義広消防局長
能登半島地震で見られたような孤立集落の被害状況調査については、石川県消防防災ヘリコプターや消防局が所有するドローンで行うことを想定しております。オフロードバイクの利活用については、これまでの使用実績のほか、配置人員の確保、悪路走行時の安全管理の観点などの課題があり、現時点では、新たな配備までは考えておりません。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 それでは、他地域では民間のオフロードバイク団体と災害協定を結び、災害時の支援物資輸送や情報収集に備えている自治体もあります。本市においては、民間オフロードバイク団体等との災害協定に関し、どのようなお考えを持っていらっしゃるのか、お尋ねいたします。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 今回の
能登半島地震では、土砂災害による道路の崩落や、通行止め等が多く発生しておりました。悪路においても高い機動性を持つオフロードバイクの利活用という意味では、一定程度有効であるというように考えております。これまで本市では、火災等の情報収集活動において、消防局が所有するドローンを活用するなどしており、民間オフロードバイク団体等との災害協定の締結については、今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 ぜひ検討いただければと思います。 次に、小学校跡地利活用検討についてです。 旧新竪町小学校などの跡地の利活用策が検討されていくことと存じますが、教育施設の跡地には、同様の教育関連施設を求める地元の声もあることと思います。ここで提案ですが、県市連携の下、県有施設の誘致を検討事項に入れるというのはいかがでしょうか。具体的には、本市高尾町の高尾城跡に建つ石川県教員総合研修センターといしかわ師範塾を本市小学校跡地に誘致を求めるというものです。小学校跡地に教育関連施設を求める地元地域の声と高尾城跡の整備を求める地元地域の声との両方の地元の思いをかなえられる提案だと確信しておりますが、御所見をお伺いいたします。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 石川県教員総合研修センターは山側環状に面していて、非常に交通至便のところに今位置しているというふうに思っております。現在使用している施設でもあります。また、県から移転については考えていないと聞いております。小学校跡地につきましては、明年度、企画調整課内に都市再生推進室を設置し、学校跡地等の利活用に向けた体制を強化するとともに、庁内横断のプロジェクトチームにおいて、関係部署間の連携を密にするほか、地元の声も十分にお聞きしながら、利活用策について検討を進めてまいります。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 地元の声をしっかりと聞いていただいて、また御検討いただきたいなというふうに思います。よろしくお願いします。 次は、長時間労働改善相談窓口開設についてですが、物流2024年問題にもう間もなく直面することとなります。本市におきましての影響と、これまでの対策の成果がありましたら、お聞かせ願います。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 いわゆる物流2024年問題は、物流業界はもとより、大型車両の運転士不足を通じて、バス減便・廃止など、公共交通分野にも大きな影響を与える全国的な課題と認識しております。こうした中、本市では、従業員の時間外労働の縮減につながる働き方改革の推進として、労働環境の改善等に積極的に取り組む優良事業所を表彰し、企業への啓発を促すほか、スマートワークの導入を希望する事業所に対して、環境整備に向けた支援を行っております。明年度、中央卸売市場におきましても、大都市圏の中継地からの積替えを行う事業者を支援して、集荷力を確保するモデル事業を行うこととしております。引き続き、長時間労働の縮減につながる働き方改革の推進に向けた取組を進めてまいります。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 広く世間一般にトラックドライバーなどの自動車運転業務の内容の理解を得ないと、長時間労働の是正は簡単ではなく、市民や荷主に対して理解を求めるため、本市行政もやるべきことはあると感じております。新年度、長時間労働改善相談窓口の開設とありますが、一朝一夕に解決するものではないとは思いますが、相談者はどのような業種や職種、立場の方を想定しているのか、また相談員はどのような方が担当される予定なのかをお伺いいたします。
○高誠議長 鳥倉経済局長。
◎鳥倉俊雄経済局長 明年度、本市異業種研修会館等で行います出張労働相談におきましては、主に自動車運転や建設業等の事業主とトラック運転手や建設作業員等の従業員、双方からの相談を見込んでおります。その内容でありますが、長時間労働の上限規制や、その対応を想定しておりまして、労働基準法等の法令や就業規則について専門知識を有する社会保険労務士を相談員とし、石川労働局とも連携しながら対応することといたしております。 以上です。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 もう本年の4月から上限規制が適用されますので、まだ全ての中小企業を含めても、中小企業なので100%そこに適用できるというわけではございませんので、引き続いての対応をお願いしたいと思います。 それでは次に、南部地区でのプール設置についてです。
平成29年4月、金沢プール供用開始と同時期に、金沢南総合運動公園の金沢市営総合プールが廃止となりました。市内での公設プールは、金沢プールをはじめ、西部市民プール、鳴和台市民プール、また石川県設置のスポセンのプールなどがありますが、南部地区には公設プールがなく、地域間の不均衡は明らかであります。プール施設は、水泳競技に使用されるだけでなく、昨今では水中ウオーキングなど、高齢者の健康増進にも極めて有効な施設であります。南部地区には公設プールがないという地域間不均衡に対して、どのような御所見をお持ちか、お尋ねいたします。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 スポーツ施設について決して偏在しているという認識を持っておりません。どこの地区に何かがないじゃないかとなると、全てのところに、それぞれなければならないという状況になってしまいます。そういった中で、南部地区については、近接している野々市市や白山市でも公設プールを設置しております。石川中央都市圏におけるスポーツ施設の相互利用の観点から解決していく課題であるというふうに考えてございます。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 南部地区は、プールの設置はもちろん、あめるんパークのような屋内遊具施設を求める市民の声があると承知しております。12月定例月議会で可決された日本郵便金沢有松社宅跡地取得を受け、南部地区教育・福祉施設再整備基本構想策定費が計上されておりますが、それと連動させて、金沢南総合運動公園の拡張再整備計画の策定も必要だと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 南部地区教育・福祉施設再整備基本構想の対象となる施設は、今後建物の更新時期を迎える三馬小学校や三馬保育所、教育プラザ富樫を予定しております。金沢南総合運動公園に新たなスポーツ施設を設けるためには、優先順位や都市公園法の制限等の課題も多くございます。現在のところ難しいと考えております。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 今のところはということで、しっかりと今の計画を進めると、必ず頭に入れながら進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 最後に、被災された避難者への支援窓口についてです。 先日、会派有志議員で、東日本大震災の直接的な被害が少なかった内陸部の岩手県盛岡市に視察に行ってまいりました。盛岡市では、発災から4か月の7月11日にもりおか
復興支援センターを設置。緊急雇用創出事業予算による財源的な措置はあるものの、この支援センターは、もともとはまちづくり活動を行っていた市民団体のリーダーが発災後の活動を通し設立した「SAVE IWATE」という、後に法人登記された一般社団法人に委託運営され、アウトリーチ型での避難者の把握や、生活再建の手続支援、ボランティア団体のコーディネートなど、様々な事業を行っているようです。本市におきましても、
能登半島地震の避難者に対して、長期的な支援活動が必要だと考えますが、市民団体や民間ボランティア力の結集ということについて、どのようなお考えをお持ちか、また、支援窓口の民間委託ということについてもどのようにお考えか、お尋ねいたします。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 被災地からの避難が長期化するということも予想されますので、可能な限りの支援活動を継続していく必要があると考えています。これまでも市民団体や民間ボランティアが行う避難所の運営支援や、炊き出し等の活動を市社会福祉協議会のボランティアセンターが窓口となって調整しております。その他、様々な活動を総合的に支援する窓口について民間委託する事例、これは無料化での事例がそういった内容であったと伺いました。他の都市で経験してきた事例の積み重ねがあるというように考えております。そういったことについて、調査研究していきたいと考えております。
○高誠議長 北幸栽議員。
◆北幸栽議員 ぜひとも東日本大震災、熊本、いろんな経験を積み重ねて今の
能登半島地震がまたあると思いますんで、また本市でもできることがまたいろいろあると思いますんで、ぜひともいろんなことを検討しながら、長期間にわたって支援していただければと思いますので、よろしくお願いします。 それでは、質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○高誠議長 以上で14番北幸栽議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。
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△散会
○高誠議長 これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 次の本会議は、明日13日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後3時52分 散会...