令和 6年 3月 定例月議会 令和6年3月11日(月曜日
)-----------------------------------◯出席議員(38名) 議長 高 誠 副議長 上田雅大 1番 道上周太 2番 宇夛裕基 3番 柿本章博 4番 坂 秀明 5番 山本ひかる 6番 黒口啓一郎 7番 川島美和 8番 高務淳弘 9番 喜成清恵 10番 大西克利 11番 山下明希 12番 坂本順子 13番 稲端明浩 14番 北 幸栽 15番 荒木博文 17番 中川俊一 18番 小間井大祐 19番 坂本泰広 21番 喜多浩一 22番 麦田 徹 23番 前 誠一 24番 広田美代 25番 熊野盛夫 26番 新谷博範 27番 下沢広伸 28番 清水邦彦 29番 粟森 慨 30番 玉野 道 31番 森尾嘉昭 32番 森 一敏 33番 源野和清 34番 野本正人 35番 久保洋子 36番 福田太郎 37番 横越 徹 38番
高村佳伸◯欠席議員(なし
)-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長 村山 卓 副市長 新保博之 副市長 山田啓之 教育長 野口 弘
公営企業管理者 松田滋人
病院事業管理者 高田重男
都市政策局長 村角薫明 総務局長 川畑宏樹
文化スポーツ局長 東 利裕 経済局長 鳥倉俊雄
農林水産局長 山森健直 市民局長 紙谷 勉
福祉健康局長 山口和俊
こども未来局長 藤木由里 環境局長 加藤弘行
都市整備局長 坪田英孝 土木局長 坂本敦志 危機管理監 上野浩一 会計管理者 小村正隆 教育次長 上寺武志 消防局長 蔵 義広
市立病院事務局長 松矢憲泰 財政課長
佐野宏昭-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長 森沢英明 担当次長兼
議事調査課長 議事調査課担当課長 安藤哲也 上出憲之 議事係長 中田将人 調査係長 今川良太 主査 桜田みどり 主査 前田和紀 主査 竹村太志 主査 辻 卓也 主任 小西孝博 書記 奥井 駿
総務課長補佐 多田育代 主査
中村隆俊-----------------------------------◯議事日程(第2号) 令和6年3月11日(月)午前10時開議 日程第1 議案第137号金沢市
税賦課徴収条例の一部改正について (
提案理由説明、質疑) 日程第2 議案第62号令和6年度金沢市
一般会計予算ないし議案第114
号包括外部監査契約の締結について及び議案第116号令和5年度金沢市
一般会計補正予算(第8号)ないし議案第136号市道の路線認定について (質疑) 日程第3
一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件 議事日程(第2号)に同じ----------------------------------- 午前10時0分 開議
△開議
○高誠議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
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△会議時間の延長について
○高誠議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。
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△
東日本大震災の犠牲者に対する黙祷
○高誠議長 日程に先立ちまして、一言申し上げます。東北地方を中心に未曽有の被害をもたらした
東日本大震災の発生から本日で13年を迎えます。改めて、犠牲となられました方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された多くの方々に心からお見舞いを申し上げる次第であります。 ここで、犠牲となられました方々の御冥福を祈り、黙祷をささげたいと思いますので、全員御起立を願います。 黙祷。 〔黙祷〕
○高誠議長 黙祷を終わります。 御着席ください。
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△諸報告
○高誠議長 説明のため新たに出席を求めた者は、お手元に配付のとおりでありますので、御報告いたします。 〔説明員の氏名は
本号末尾参照〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△議案上程
○高誠議長 これより、日程第1議案第137号金沢市
税賦課徴収条例の一部改正についてを議題といたします。
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△提案理由の説明
○高誠議長 市長から提案理由の説明を求めます。 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 おはようございます。 ただいま追加提出いたしました条例案につきまして御説明いたします。 先月21日に、令和6年
能登半島地震により住宅などの資産に損失が生じた被災者を税制面で支援する地方税法等が一部改正されたことを受け、個人市民税を軽減する雑損控除を1年前倒しで令和6年度分から適用するための金沢市
税賦課徴収条例の一部改正をお諮りするものです。 よろしく御審議、御決議のほどお願い申し上げます。
○高誠議長 提案理由の説明は終わりました。
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△議案上程、質疑・一般質問
○高誠議長 これより、議案第137号についての質疑に入るのでありますが、議事の進行上、この際、日程第2議案第62号令和6年度金沢市
一般会計予算ないし議案第114
号包括外部監査契約の締結について及び議案第116号令和5年度金沢市
一般会計補正予算(第8号)ないし議案第136号市道の路線認定について、以上の議案74件も一括して議題とし、これらの質疑並びに日程第3一般質問を併せ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 36番
福田太郎議員。 〔36番
福田太郎議員登壇〕(拍手)
◆
福田太郎議員 おはようございます。 令和5年度3月定例月議会に当たり、
自由民主党金沢市議員会を代表して質問いたします。 その前に、
東日本大震災から本日3月11日で13年がたち、
能登半島地震から2か月が過ぎました。両災害で犠牲になられた方々に哀悼の意を表しますとともに、いまだ発見されていない行方不明の方々の一日も早い救出を願うところであります。 質問の第1は、新年度当初予算についてであります。 今回の当初予算は、人口減少・少子高齢化の進展、
新型コロナウイルスによる人々の価値観の変化、そして、令和6年
能登半島地震の発生など、激動する時代の中、市長が渾身の思いで策定した金沢市都市像の実践元年にふさわしい、満を持した積極的な予算になるであろうと、我が会派では期待していたところであります。そうした中、市長は「心豊かで活力ある未来の金沢に向けて踏み出す 共創推進予算」と銘打ち、新年度予算案を提出されました。
能登半島地震対策や地域経済の活性化に意を用いながらも、新たな都市像の5つの基本方針を重点施策とし、都心軸の再興や子育て施策をはじめ、福祉、環境、教育など、あらゆる分野に新規施策を盛り込みながら、文化をキーワードに民間や若い世代の活用、デジタル化の手法を取り入れるなど、村山市長が掲げる都市像の具現化にふさわしい総合的な気配りがなされております。その結果、
一般会計予算規模は1,904億円と過去最大規模の積極予算となっており、我が会派としては高く評価するものであります。そこで、まず初めに市長1期目の任期の折り返しとなる新年度予算の編成に当たり、どのような点に特に意を用いられたのか、予算に込められた市長の強い思いをお聞かせください。 一方で、当初予算の規模は、令和元年より5年連続で過去最大を更新しています。市税は実質過去最大となったところでありますが、今後、少子化が進む中で、市税が増え続けるとは思えないのであります。社会保障費や老朽化した
公共施設対策に地震対策も加わり、今後も多くの財政需要が見込まれる中で、将来世代に大きな負担を強いることはあってはなりません。地震対策や
物価高騰対策で
財政調整基金を取り崩しているようですが、基金にも限りがあります。そこで、本市の現在の財政はどのような状況にあるのか、今後、財政の健全性をどう保っていくのかお伺いいたします。 次に、宿泊税についてです。条例の規定では、5年ごとに制度について検討を加え、必要があると認めるときは、検討結果に基づき所要の措置を講ずるとされております。今年度、5年目を迎えるに当たり、本市では、昨年度から検討作業をスタートさせていましたが、最初のうちは検討手法が拙速かつ安易に思えてなりませんでした。しかしながら、私自身、
総務常任委員会において、宿泊料金が比較的安い施設を求める長期滞在のビジネス客が市外の宿泊施設に流れている現状を訴えるなど、宿泊税の在り方を論じてきましたが、委員会での意見をしっかりと
調査検討会議に伝えていただき、最終的には丁寧な議論がなされたものと考えております。結果、税率・税額については、免税点を設定し、その金額は1泊5,000円未満が妥当との報告が
調査検討会議から示されました。加えて、報告には、コロナ禍や震災の影響を考慮して、適切な見直しの時期を検討するようにとされておりましたが、早速、宿泊税条例の改正案が本定例月議会に提案されています。まずは、スピード感を持って提案された市長の思いをお聞かせください。 一方、
調査検討会議の報告書には、宿泊税の使途について広く公表すべきとの記載があります。宿泊税は、持続可能な観光振興などを図る施策に要する費用に充てるため課税しているものでありますが、令和6年度の当初予算資料の中には、宿泊税の活用として、条例で示される3本の柱に沿って総額8億9,000万円の活用策が示されています。この中には、能登の魅力発信など地震
関連の施策が含まれています。確かに、
能登半島地震が発生したこの機に、宿泊税を活用し、能登を支援することは、誠に時宜を得た手法だと思いますが、
能登半島地震対策に宿泊税を活用するに至った経緯と使途の妥当性についてお伺いいたします。 質問の第2は、
未来共創計画についてであります。 今回、新年度予算に合わせ、金沢市都市像の実現に向けた
未来共創計画が示されました。これは本市が目指すべき将来像である「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」の実現に向けて、都市像に掲げる「魅力づくり」「
暮らしづくり」など5つの分野から成る基本方針に沿って、現下の課題解決に向けた施策を盛り込む一方で、今後の
社会経済情勢や市民ニーズの変化にも柔軟に対応していく計画となっており、市長の都市像の実現に向けた意気込みを感じるものとして評価するものであります。そこで、まずは
未来共創計画にかける市長の思いと、計画を策定する上で、特に工夫された点についてお伺いいたします。 次に、
未来共創計画に掲げられている施策についてお伺いいたします。最初は、
都市再生特別措置法の活用についてであります。
都市再生緊急整備地域の指定に向けて、先月、国からその候補地域としての設定がなされました。本市では、これを受け、新年度、産学官金で構成する準備協議会を立ち上げ、地域指定に向けた取組を進めていくこととしております。
都ホテル跡地をはじめ、金沢駅から武蔵ヶ辻、南町、香林坊、片町に至る都心軸における開発がどうなっていくのか、多くの市民が関心を寄せているところであります。そこで、以下数点お伺いいたします。 まず、準備協議会についてですが、委員の構成と協議内容について、
都市再生緊急整備地域の指定に向けたスケジュールを併せてお伺いいたします。 次に、都心軸の中心に位置する
日本銀行金沢支店跡地の利活用についてであります。旧
日本銀行金沢支店は、明治42年に香林坊に開設され、昭和29年に現在の建物が建設されました。この建物を中心に、周辺には銀行や保険会社などが軒を並べ、戦後は県外の大手の商社や会社の支店などの進出により高層ビルが林立し、金沢の
一大オフィス街を形成するなど、
日銀金沢支店は、本市の発展に大きな役割を果たしてきたところであります。そして、この跡地については、県都の中心に位置する立地の重要性等を踏まえ、本年度、
日本銀行金沢支店跡地あり方検討懇話会において検討が重ねられ、先般、跡地に求められる機能についての方向性と今後の取組が示されたところであります。跡地に求められる機能では、まちのにぎわいや回遊性の向上、市民の文化活動の象徴となる場の創出などが示されたところであり、それらの機能を備えた
跡地の利活用の早期実現を大いに期待するものであります。懇話会の取りまとめでは、金沢市が跡地を取得し、早期の利活用を検討する必要があるとされています。市長は、さきの提案理由の説明の中で、跡地を取得する方針を示されたところでありますが、改めて跡地の取得に対する市長の強い思いについてお伺いいたします。 また、本格整備に着手するまでの間、現在の建物の暫定利用も視野に入れた整備手法について検討する必要があるとされております。私は、7回の私自身の選挙を経験し、過去1回目から6回目まで、選挙が終わった後、供託金を振込にせず、
日銀金沢支店へ受け取りに行くことが楽しみでありました。しかし、御時世でしょうか、法務局へ供託金を納めに行きますと、あからさまに振込のほうが便利で早いですよと勧められ、昨年の選挙後の供託金返金は振込を選択いたしました。
日銀金沢支店への訪問は4年に一度の経験でもあり、店内は歴史が感じられ、シンプルながらも、どっしりとしたたたずまいで、金庫室などほかの場所は見られませんでしたが、市民の方々には、一般公開されればぜひ店内を見てみたいという方々も多くいらっしゃると思うのであります。一般開放などを含め、暫定利用に対する市長のお考えについてお聞かせください。 次に、持続可能な金沢方式への見直しについて伺います。本市では、古くから町会や善隣館など、相互扶助の精神による自治活動が盛んであり、昭和27年、新たな公民館の設置に際し、多少の地元負担を伴っても、校下ごとに公民館が欲しいという地域住民の強い要望を受け、地元が一定割合を負担することにより、当初計画より30館多い公民館が開設されました。こうした、費用の一定割合を地元が負担し、地元が運営を行う金沢方式は、公民館だけではなく、児童館や消防団などにおいて広く採用されるなど、他都市に類を見ない本市独自のコミュニティーの醸成に大きな役割を果たしてきました。一方で、町会加入率の減少や物価高騰などにより、地元負担の増加が大きな課題となっています。市長は就任以来、様々な機会を通じて、多くの市民の方々から御意見をお聞きすることを大切にしてこられました。そうしたことから、
未来共創計画において、持続可能な金沢方式への見直しを主要施策として位置づけたものと考えますが、金沢方式の見直しについての市長の考えをお伺いいたします。 質問の3点目は、令和6年
能登半島地震についてであります。 元日に発生した
能登半島地震は、輪島市・珠洲市など能登地方を中心に、これまでにない甚大な被害をもたらし、大きな爪痕を残しました。能登地方では、地震による建物の倒壊などにより240人を超える多くの方がお亡くなりになり、2か月以上たった今もなお多くの方が避難所生活を余儀なくされております。本市の被害も決して少なくなく、震度5強の揺れによる土砂崩れや地面の隆起などにより、家屋の倒壊や断水などの被害が発生し、罹災証明の申請件数は6,000件を超えました。本市では、平成20年の浅野川水害や令和4年8月豪雨による水害はありましたが、令和5年5月の震度4の地震以外は、大きな揺れを観測する地震はこれまで発生しておらず、市民の中には、金沢は災害が少ない地域と認識されている方が多いと思います。しかし、森本・富樫断層帯を抱える本市においても、災害に対するこれまでの考え方を変えなければなりません。先般、市長は、石川県市長会会長として、珠洲市・輪島市・七尾市を訪問されましたが、今回の地震による大災害を受けて、まずは、市長の所感についてお伺いいたします。 本市は、石川県の要請を受け、額谷ふれあい体育館や
老人センターなど6か所の施設で、輪島市から300人を超える避難者を受け入れました。これらの避難所では、地元町会や各種団体による炊き出しなどが行われており、避難者に対して手厚い支援が行われています。ただ、避難所生活も2か月が経過し、避難されている方々は、いまだに
ライフラインが復旧せず、避難所生活が続く輪島市に帰ることができるのかと不安に思われる方が増えてきているのではないでしょうか。県内最大の自治体として、また、
県市長会会長市としても、能登地区に対し、最大限の支援を行っていくことが求められていると思いますが、今後の方向性についてお伺いいたします。 一方、本市においても、市内各所で道路の陥没やひび割れ、断水が発生したほか、学校施設や文化施設、第一本庁舎など、多くの施設で被害がありました。金沢21世紀美術館では、来館者の安全確保のため、地震で落下し、損壊した天井のガラス板800枚以上を全て取り外すこととなり、全館再開は6月22日になると発表されましたが、観光客の方々が多く訪れるゴールデンウイークまでの全館開館はできないのでしょうか、お聞きします。 田上新町地内では大規模な宅地の崩落により複数の家屋が倒壊、山の上町では宅地の擁壁が損傷するなどし、一時避難指示が発令されました。堀切町でも宅地内に亀裂が発生し、避難指示が発令されていましたが、いずれも先月末までに解除となりました。また、粟崎地区では、広い範囲にわたり液状化に起因する道路の隆起や宅地の沈下が多数発生したほか、上下水道や北陸電力の電柱などの
ライフラインも広い範囲で損傷が確認されました。このような状況であることから、先日、粟崎町において地元説明会が開催されたとお聞きしております。この説明会でどのようなことを説明し、住民の方からはどのような質問があったのか、その内容についてお伺いいたします。 このように、市内の至るところで被害が発生している中、金沢市都市像においては、災害に強く効率的で質の高い都市運営の実践を都市づくりの方針として掲げ、今回の地震における対応を検証し、防災体制の強化を図るとしています。また、被害を受けた各地区の迅速な復旧を推進するための体制を整備するとしています。本市の被災地区の一日も早い復旧・復興に向け、どのような体制で、どのような施策を進めていかれるのかお伺いするとともに、復旧・復興に向けた市長の強い思いをお聞かせください。 質問の第4は、
金沢市立病院の再整備についてであります。
金沢市立病院は、明治33年に野町に開設された金沢市
伝染病隔離所に始まり、120年の歴史を持つ伝統のある病院で、昭和34年に現在の平和町に移転しました。公立病院として、結核・感染症医療、救急医療、災害医療といった政策的医療を担うほか、
新型コロナウイルス感染症への対応においては、県内でいち早く入院患者の受入れを始め、その後も積極的な病床確保や発熱外来の設置、PCR検査、
ワクチン接種などで中核的な役割を果たすなど、市民や地域住民にとってはなくてはならない病院となっています。その市立病院は、昭和63年に建て替えされてから35年以上が経過し、躯体や配管・排水設備の劣化など、建物・設備の老朽化が進むことから、現在、再整備について検討されております。今年度、
金沢市立病院再
整備基本構想検討委員会が設置され、再
整備基本構想の素案では、新病院の整備の方向性として、コンセプトを地域住民とともにつくる
未来型自治体病院とされましたが、その新病院の移転候補地について、平和町2丁目にある平和町公園とすることが発表されました。令和2年の市立病院の今後のあり方に関する提言書では、市の南部や
南部近郊地区において、新たな適地を検討していくことが必要との提言でしたが、平和町公園を移転候補地とした理由をお聞かせください。 現在の病院は内科・外科・脳神経外科など21の診療科、306病床を有し、急性期医療から
在宅復帰支援までの医療を提供しています。再
整備基本構想においては、市民の生命と健康を守るため、地域のニーズを反映し、市民に信頼される質の高い病院を目指すという基本理念を引き継ぐとともに、新病院の病床数は現在と同程度と想定しているほか、
市民向け講座の開催や高齢者が交流できる集いの場、福祉・健康部門等の
行政サービスの提供など、新たな機能拡充も考えておられるようであります。一方、
石川県立中央病院など、近年建設された病院は、病室など病院施設全体が非常にゆったりとしたスペースになっていますが、移転候補地の平和町公園の敷地面積は9,200平米余りと、現在の病院の敷地面積の約1万1,500平米と比べますと、狭小となることから、基本構想に掲げる新病院建設には少々狭いのではないかと思いますが、市長のお考えをお聞きいたします。 また、移転候補地となる平和町公園については、災害時の避難場所や地域の憩いの場のほか、地元の夏祭り、盆踊りなどのイベント開催や、近隣の
認定こども園の園児のお散歩などにも活用され、地域住民にとって大切な公園だと思いますが、平和町公園が果たしてきた役割・機能についてはどうされるのかお伺いいたします。 質問の第5は、
北陸新幹線金沢-敦賀間開業についてであります。 いよいよ
北陸新幹線金沢-敦賀間開業が5日後となりました。本市にとって、今回の北陸新幹線第2の開業は、金沢のまちのさらなる発展と地域経済の活性化の絶好の機会であります。同時に、
能登半島地震後も金沢が安心して観光できる現状を全国に正確に発信する機会でもあります。また、国による
観光支援事業--北陸応援割の実施も予定されている中、
経済波及効果を最大限に取り込み、地震による影響を受けている飲食業や料飲業も含め、市内経済の活性化を図るとともに、能登の復興支援にもつなげていければと思いますが、今回の開業を迎えるに当たり、市長が寄せる期待をお聞かせください。 今回の
金沢-敦賀間開業により、富山・石川・福井の3県が北陸新幹線で結ばれ、金沢から富山・福井両市には、おのおの30分以内で移動が可能となります。移動時間の短縮を有効に活用することにより、これまで足が向かなかった旅先を訪れることもできます。北陸エリア全体での観光資源の魅力を発信することにより、周遊型観光の促進が大いに期待されます。折しも、先月、高岡市において、加賀藩のつながりをテーマにした
観光シンポジウムが開催され、
広域観光促進の機運がさらに盛り上がっていますが、北陸エリアの今後の広域連携について、市長の御所見をお伺いいたします。 また、コロナ前を上回る集客が見込まれる
インバウンド誘客をはじめ、今回の
北陸新幹線金沢-敦賀間開業を最大限に生かすために、本市が取り組むべき持続可能な観光戦略についてお伺いいたします。 開業の約1週間後の3月24日には、新たな金沢クラフト首都圏魅力発信拠点となるKOGEI Art Gallery銀座の金沢が移転オープンに向けて準備を進めているようです。新たな施設は、交通の利便性がよく、にぎわいのある銀座5丁目に立地し、行き交う方々の目に入りやすい場所であるとされています。特に、路面店に生まれ変わることにより、本市の強みである工芸を生かした国内外への発信力強化に向けた市長の意気込みも感じるところであります。移転後は、工芸ファンに浸透している銀座の金沢の名称を受け継ぎながら、さらなる工芸ファンの獲得に向けて本格的なギャラリーを目指すと聞いております。北陸新幹線の延伸効果を最大限に波及させるためにも、銀座の金沢には、本市工芸の魅力を国内外に発信する拠点として、さらなる機能強化が期待されているところでありますが、具体の施策と新たな施設にかける市長の思いをお伺いします。 さて、伝統工芸は、言うまでもなく、金沢を代表する産業であります。しかしながら、生活様式の変化による需要の減少や後継者不足といった課題を抱えており、技術の伝承が危ぶまれている工芸品もあります。さらに、昨今のコロナ禍や
能登半島地震により、伝統工芸品産業にも多大なる影響があったと伺っており、今後の不透明感に不安も感じております。一方、報道で目にする被災した輪島塗や珠洲焼への応援に、伝統工芸に対する期待感も持っております。本市の個性であり、世界に誇るべき伝統工芸品の振興において、クラフト創造都市として、銀座の金沢の移転開業を契機に、金沢の誇るべき伝統工芸産業の振興をどのように推進していくのか、当初予算に込められた市長の思いをお伺いします。 質問の第6は、学校跡地等の利活用です。 現在、まちなかにおいては、旧新竪町小学校の仮校舎の供用が今月末に終了し、来月には明成小学校への統合が行われる馬場小学校が閉校となります。また、令和7年9月には、小将町中学校校舎への移転が予定されている兼六小学校があります。人口減少・少子化が進展する中、良好な教育環境の構築に向けて、学校統合は必要なことと思われる一方で、統合による地域活力の低下が懸念されるところであります。地域にとって、学校跡地は大きな関心事であり、積極的にその利活用を進めるべきと考えますが、学校
跡地の利活用に係る検討をどのように進めていくおつもりかお聞かせください。 次に、跡地に
関連して、金沢美術工芸大学の旧キャンパスについてお聞きいたします。新年度予算において、建物の解体工事費と崖地安全対策工事費が計上されました。当該跡地には、旧金沢大学工学部跡地のように、長期にわたり巨大廃墟を出現させるのを絶対に避けなければならないと常に申し上げてきたところであり、今回の予算は、地域の住民の方々にとって安心につながるものと思います。一方、跡地の売却については、取得の意向を示している金沢大学への売却に向けた必要な手続を進めていくとお聞きしているところであり、その際には、地元の方々の意見もしっかりと聞いていただきたいと考えておりますが、今後、建物の解体や崖地対策、跡地の売却をどのように進めていかれるのかお伺いいたします。 最後になりますが、これまで金沢市勢発展に御尽力され、この3月末をもって退職される市職員の方々に改めて感謝を申し上げます。また、本年から定年延長により、役職定年を迎えるものの引き続き市役所勤務をされる職員もおられると聞いています。いずれにしろ、新たな場所で引き続き御活躍されることを祈念しまして、私の代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○高誠議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 36番
福田太郎議員にお答えいたします。 令和6年度予算は、都市像の具現化に踏み出す大切な予算となる一方で、元日の発災以来、被災したインフラの復旧や被災者への支援に努めており、大変難しい編成を余儀なくされました。震災対策では、1月の緊急議会に引き続き、必要な追加の予算を最終補正予算と当初予算に計上したところであり、その財源として、緊急かつ臨時的な措置として
財政調整基金を取り崩すとともに、特に能登地域への支援については、宿泊税を活用することといたしました。その上で、
未来共創計画との連動を図りながら、都心軸の再興や市民の文化芸術に触れる機会の充実、全ての子どもの健やかな成長、ゼロカーボンシティーの実現など、心豊かで活力ある未来の金沢に向けた施策に取り組むこととした次第でございます。今、できる限りの予算を盛り込めたと考えています。 これまで、中期財政計画の実践に努めてきたことにより、明年度予算では、公債費及び市債現在高は、いずれも減少しており、また、地方債依存度や実質公債費比率も、地方財政計画や中核市平均を下回るなど、健全財政を維持しております。しかしながら、今後、少子高齢化の進行による社会保障費の増加や、公共施設の老朽化対策などの多額の財政需要に加え、被災した公共インフラの本格復旧に係る追加経費や、
財政調整基金の適正規模の確保など、地震による影響を見極める必要もあり、明年度の中期財政計画の時点修正に当たっては、そうした点を計画に盛り込むことで、引き続き、中長期的な視点に立った財政運営に努めてまいります。 宿泊税につきまして、
調査検討会議からは、免税点などの税制面にとどまらず、宿泊税の使途や宿泊事業者の負担軽減にまで至る幅広い内容の提言をいただいたところであります。この提言を真摯に受け止め、なるべく早く実現に移したいという思いがございました。一方で、宿泊事業者の準備や移行までの周知期間について半年程度を確保することとした上で、今定例月議会において条例改正案をお諮りした次第であります。そのほか、宿泊税の主な使途を記したパンフレットの作成など、提言を踏まえた取組についても進めており、引き続き、制度の円滑な運用に努めてまいります。 主に能登地域の被災地での仕事や応援のために宿泊している方が納める宿泊税につきましては、1月の発災以降、様々な方々が国や自治体などから、金沢を拠点にして能登地域に入っていただいております。そういったことから、なるべく被災地のために還元したいという思いから、今回、能登地域を含めた広域観光を推進するための施策に宿泊税を活用することといたしました。具体的には、被災した宿泊施設への支援や能登の魅力発信に関する施策でありまして、これらは、宿泊税条例の第1条に規定されている金沢の歴史、伝統、文化など固有の魅力を高めるとともに、市民生活と調和した持続可能な観光の振興を図る施策に充てるといった目的とそごを来すものではなく、また、被災地での仕事や応援のために金沢に宿泊し納税された方からも、御理解いただけるものではないかと考えております。 任期の折り返しとなる市長就任2年を迎えるこの時期に、本市の新たなまちづくりの指針となる都市像とともに、その行動計画となる
未来共創計画を策定することができ、金沢の未来のあるべき姿への思いを新たにしているところであります。計画では、都市像に掲げる5つの基本方針ごとに講じるべき主要な施策を取りまとめたところでありますが、これと連動させた予算編成を進めていた矢先に
能登半島地震が発災したということから、この地震を教訓として、災害対応力の強化と公共インフラの強靱化に向けた施策をさらに追加した次第であります。来月早々にも、私を本部長とする庁内横断の共創文化都市推進本部を設置し、全庁一丸となって、計画の着実な実践に取り組むこととしております。先人たちから受け継いだ金沢ならではの都市像の具現化に向けて、全ての人々と共に、心豊かで活力ある未来をつくってまいりたいと考えています。
未来共創計画の実効性を高めるため、10年間の計画期間を、計画の進捗を早期に捉えるための前進期を2年間、そして施策を充実させる4年間の充実期、計画を発展させる4年間の発展期の3段階に設定いたしました。また、文化の強みや多様な人々の視点、デジタル化の推進など、横断的視点を意識した施策を組み込むことで、これまでの施策に比べて、金沢ならではの厚みを加えられたほか、新たな可能性の広がりが期待できるとともに、市民サービスについても向上できるものと考えています。計画を着実に推進するため、KPI--重要業績評価指標として、取組の直接的な成果や進捗状況を示す施策指標だけではなく、市民の評価を計画の実践に生かすための市民意識指標を設定したほか、前進期及び充実期における評価やKPIの中間目標値の達成状況を勘案しつつ、適宜計画を見直すとともに、毎年度、予算との連動を図りながら、施策の追加・見直しを行うことで、環境の変化等に柔軟に対応できる計画としたところであります。
都市再生特別措置法の準備協議会の設置・運営につきましては、本市が主体的かつ責任を持って取り組むこととしております。構成は、国の基本方針に基づき、経済団体や学識経験者、国・県、金融機関など、産学官金からの委員に加え、これまで本市のまちづくりに重要な役割を担ってきた都市計画審議会や景観審議会の委員のほか、地域団体や若い世代の代表の参画も要請したいと考えており、委員数は20名程度となる予定であります。準備協議会では、
都市再生緊急整備地域として指定するエリアや地域における開発の考え方・求められる機能等を掲げる地域整備方針のほか、民間投資の呼び込みに必要な事項などを協議することとしております。来月中にも準備協議会を立ち上げ、協議を重ねた上で、
都市再生緊急整備地域の指定に向けた国への申請手続を明年度内に行いたいと考えています。
日本銀行金沢支店跡地の利活用は、都市像に掲げた都心軸の再興を図る上で重要な施策として位置づけております。
日本銀行金沢支店跡地あり方検討懇話会で取りまとめられた跡地に求められる4つの機能は、総じて公共性・公益性が高く、これを具現化するためには、市が跡地を取得し、早期の利活用を図っていくことが本市の果たすべき責任であると考えております。現在、日本銀行との間で常に情報交換を行っておりまして、今後、売却の時期が示され次第、速やかに取得に向けた協議が進められるよう、具体の整備手法等についても検討を進めてまいります。
日本銀行金沢支店跡地あり方検討懇話会では、多くの委員から、現建物の市民への公開や活用を望む意見があったほか、取りまとめられた懇話会の報告書においても、現建物の暫定利用の必要性が求められたところであります。跡地に求められる機能を実現する本格整備を行うとすれば、一定程度の時間を要することになると考えております。そのため、本格整備の方針を検討しながらも、まずは、
跡地の利活用について、市民の関心を高める観点から、現建物の暫定利用を視野に入れた整備手法等について検討を進めていきたいと考えています。 次に、地域が一定の負担をしながら自主的運営を行う金沢方式は、活動の自主性・自立性を担保することで、地域の連帯を強め、協働を育むために大きな役割を果たしてきたと認識しております。この方式の理念は、まちづくりの文化として、将来にわたって継承すべきものと考えています。一方、人口減少・少子高齢化の進展とともに、町会加入率も減少し、地域を取り巻く環境が変化する中、地元負担の見直しが必要との声をお聞きしているところであり、地域コミュニティーを支える基盤を強化する上でも、持続可能な金沢方式への見直しが必要と考えています。明年度、地域団体や若い世代の代表者、有識者等で構成する懇話会を設置し、地元負担の軽減を含めた金沢方式の在り方等について検討を重ね、令和7年4月からの適用開始を目指していきたいと考えています。 先月27日に珠洲市・輪島市・七尾市を訪問した際、想像をはるかに超える光景を目の当たりにし、改めて今回の地震とその被害の大きさを身をもって感じたところであります。珠洲市・輪島市・七尾市の被災自治体からは、被災した職員のお話などを直接お聞きするとともに、市民の生活環境についてもその窮状がうかがわれ、大変な御労苦を感じたところであります。本市におきましても、同規模の地震が発生する可能性があることから、いつ起こるとも分からない自然災害に対応すべく、地域防災計画のみならず、
関連マニュアルなどについても、より実効性の高い内容となるよう見直しを進めてまいります。 被害が甚大な能登地域の復旧・復興に向けては、県都金沢としての役割と責任は大きいと考え、発災から間もない1月4日に、能登被災地支援本部を立ち上げ、救援物資の支援から着手し、今月下旬には第6期の受付を予定しております。また、額谷ふれあい体育館に能登被災者受入れ本部を設け、6つの避難所に、輪島市から300人を超える避難者を受け入れました。現在も200人を超える方々が避難していることに加え、輪島市での仮設住宅の完成までにまだ時間を要すると見込まれますことから、避難所の開設期間を5月末まで延長する方向で関係者と調整を行っているところであります。このほか、能登被災者の生業支援や、能登特有の伝統工芸・民俗文化財への支援などにも意を用いていきたいと考えております。被災地の自治体は、目の前の課題への対応に追われているという現状を鑑みると、県都金沢としての中長期的な役割が必要になると認識しております。なし得る限りの支援を行う責務があるものと考えております。全力で支援に取り組んでまいりたいと思っています。 被災した金沢21世紀美術館の早期開館に向けましては、展示室全てのガラス天井の撤去作業について、できる限りの工期短縮を調整してまいりました。天井高は高いところで12メートルありまして、作業員は、足場を設置し、重さ90キログラムのガラスの撤去を行うこととなり、安全かつ慎重な撤去作業を考慮した結果、6月22日での全館開館となったものであります。なお、2月6日から市民ギャラリーのほか、一部を除いた無料ゾーンの営業を再開しております。できるだけ多くの方々に来館いただきたいという思いから、全館開館までの間、無料ゾーンでの作品展示を行っているところであります。 元日に発生した
能登半島地震により、地盤の液状化や土砂の崩落などの広範囲かつ甚大な被害を受けた市内各地区におきまして、一日も早く、着実な復旧・復興を図るために、明年度、危機管理課内に被災地区復旧推進室を設置することといたしました。推進室では、被災メカニズムの究明に必要となる調査・分析を行うとともに、有識者から成る技術検討会議を設置し、そこでの意見を反映した復旧工法を検討することとしております。被災者の皆様が一日も早く日常を取り戻せるよう、復旧・復興に向けて全力を傾ける所存であります。
金沢市立病院につきましては、建物・設備の老朽化に加え、コロナ禍を経て、感染症拡大時における公立病院の役割の重要性が再認識されるなど、医療を取り巻く環境が大きく変化したことを踏まえ、今年度、外部有識者で構成する検討会を設け、様々な観点から議論を重ね、今般、基本構想を策定いたしました。その中で、移転候補地については、本市の南部地区の中核病院として果たす役割やあるべき姿等を踏まえ、周辺地域での連携登録医療機関の数や、公共交通機関などの患者の利便性に加え、さらに
能登半島地震を踏まえて、緊急輸送道路までの距離など、大規模災害時の緊急輸送対応や、浸水、土砂災害、液状化リスク等の土地の安全性などについても総合的に判断し、現在の病院の向かい側にある平和町公園としたものであります。今後、所有者である北陸財務局と取得に向けた協議を進めてまいります。 平和町公園の敷地面積は、現在の市立病院本館が建つ敷地と比べると幾分小さいですが、形状がほぼ整形地であるということから、効率的な建物配置が可能であると考えております。明年度策定する基本計画におきまして、必要とする医療機能を検討することとしております。新病院の機能拡大等が必要となった場合には、現在の病院敷地の一部活用や周辺の用地取得についても検討してまいります。 平和町公園で行われた地域のイベントには私も参加しておりまして、地域の方々にとって大変大事な場所であると感じております。移転再整備に併せて、現在の市立病院敷地の活用も含め、公園機能の代替について検討することとしております。町会や商店街など地元関係者と相談してまいります。 北陸新幹線金沢-敦賀間の開業を迎えまして、北陸が一つになり、エリア全体の浮揚と発展につながるものと大いに期待しているとともに、金沢の歴史と伝統に裏打ちされた本物の魅力を国の内外に発信する絶好の機会になると捉えております。第2の開業効果を最大限に取り込むためには、JRグループが実施する北陸デスティネーションキャンペーンなどを通じて、首都圏はもとより、開業による時間短縮効果が期待される関西・中京圏エリアの誘客プロモーションを強化することにより、さらなる交流人口の拡大に取り組み、都市の持続的な発展と地域経済の活性化につなげてまいります。また、
能登半島地震からの石川県の復興に向けて、国のいしかわ応援旅行割が実施されることとなりました。金沢の元気が石川・能登の元気につながっていくと確信しております。多くの観光客に来訪いただき、本市のにぎわい創出につなげていきたいと考えています。 金沢を拠点とした広域観光の推進に向けては、これまでも、加賀藩の歴史を共有する主に富山県西部エリアや、北陸・飛騨・信州3つ星街道などと、広域連携に取り組み、着実に連携の成果を上げてきたところであります。今年に入り、高岡市や黒部市とそれぞれが持つ歴史や自然などの多彩な観光資源を生かした連携事業が実施されるとともに、さらには、今回の新幹線延伸により、アクセスが容易になる南加賀や福井方面の自治体を含めた、より広域の連携を推進する好機であると捉えております。今後とも、各自治体や地域が持つ観光資源を生かした文化観光の推進に向け、広域で楽しめる観光コンテンツの造成や連携によるプロモーションを展開し、エリア全体での旅行者の周遊と長期滞在につなげてまいります。 コロナ禍が収束し、国の内外から観光需要が高まる中で、持続可能な観光の実現には、金沢市民が大切にしてきた文化や暮らしの価値を市民と旅行者が共有し、共に高めていく機会を充実させることが必要であります。そのため、旅行者への旅のマナーの周知や、市民の観光受容力の向上など、市民生活と調和した観光を推進することに意を用いてまいりたいと考えています。さらに、明年度は宿泊データなどを分析し、事業者と共有する新たな枠組みを構築するなど、観光DXを促進することとしており、観光事業者の生産性や、旅行者の受入れ環境及び利便性を向上させ、より効果的で地域経済に寄与する持続可能な観光振興に取り組んでまいります。 今月24日に移転開設するKOGEI Art Gallery銀座の金沢は、首都圏での新たな魅力発信拠点として、金沢の工芸を世界に向けて発信する本格的なギャラリーを展開することとしております。金沢美術工芸大学や卯辰山工芸工房等との連携を強化し、若手作家によるアート作品の企画展を拡充するほか、店舗内のデジタルサイネージを活用した作家や作品の紹介に取り組むことで、工芸アート作品の販売機能を強化してまいります。さらに、移転場所の周辺は、多くの工芸ファンが訪れるギャラリーが集積しており、銀座の金沢において、若手作家の展示・販売機会を積極的に提供することで、活動の場が広がり、新たな販路開拓にもつながると考えております。ここを拠点に、世界に向けて飛躍することを期待しております。 コロナ禍を経て、工芸を取り巻く環境や生活様式の変化に対応するため、金沢KOGEIアクションプランを改定し、金沢の工芸の持続的な発展に向け、施策の強化を図ることとしております。明年度は、北陸新幹線の敦賀延伸により、工芸業界においても、ビジネスにつながる絶好の機会であると捉え、首都圏で工芸と食文化を体験できるプロモーションを実施するほか、デジタル工芸展に金沢美術工芸大学出身者の作品や、金沢市工芸展の入選作品を掲載するなど、魅力発信を強化することで、販路拡大やブランド力向上を推進してまいります。さらに、若手工芸作家の海外公募展への出展を支援するほか、マーケティングやデザインなどの専門家派遣を通じ、経営力向上を目指す伴走型支援を新たに行うなど、次代を担う後継者育成にも注力することで、金沢の個性である伝統工芸品産業の継承と振興に取り組んでまいります。 学校跡地は、地域コミュニティーの活性化にとって大変重要な場所であるとともに、敷地面積が広大であることから、その利活用に当たっては、本市のまちづくり全体に関わる影響を勘案しなければならないと考えています。このため、明年度、企画調整課内に都市再生推進室を設置し、学校跡地等の利活用に向けた体制を強化するとともに、庁内横断プロジェクトチームにおいて、関係部署間の連携を密にするほか、地元の声も十分にお聞きしながら、利活用策についての検討を進めてまいります。 その中で、金沢美術工芸大学の旧キャンパスにつきましては、建物が廃墟化することがないよう、明年度、建物の解体工事に着手するとともに、敷地内の崖地の安全対策工事を実施し、周辺住民の安全・安心を確保していくこととしております。工事期間は、跡地整備を含め3年程度必要となりますが、工事完了後は、新キャンパスの整備に向けて取得の意向を示している金沢大学へ売却したいと考えております。現在、金沢大学において整備計画の策定を進めているところであります。適宜地元への説明の場を設けるなど、地元の意見をお聞きしながら、売却に向けた手続を丁寧に進めていきたいと考えています。 私からは以上です。
○高誠議長 上野危機管理監。 〔上野浩一危機管理監登壇〕
◎上野浩一危機管理監
能登半島地震による市内被災地区への対応について、粟崎町において開催された地元説明会で、本市からはどのようなことを説明し、また、住民の皆様からはどのような御質問があったのかとのお尋ねがございました。粟崎地区においては、2月に計4回にわたり、関係課から職員が出席し、説明会を開催いたしました。本市からは、住宅支援、生活支援のほか、地域の復旧に関する事項について御説明させていただきました。住民の皆様からは、罹災証明による支援の内容や、液状化が発生した宅地と隆起した道路の状況を踏まえ、復旧の方法や復旧に要する期間について御質問がございました。 以上でございます。
○高誠議長 33番源野和清議員。 〔33番源野和清議員登壇〕(拍手)
◆源野和清議員 質問に入る前に、
東日本大震災より13年を経て、改めまして被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。そして、
能登半島地震において、お亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、今なお被災生活をされている方々に心よりお見舞い申し上げます。 令和5年度3月定例月議会に当たり、公明党金沢市議員会を代表して質問いたします。 質問の最初は、新年度予算編成についてであります。 令和5年度は、コロナの5類移行を踏まえた経済再生の予算編成で臨み、
一般会計予算は、過去最大規模となりました。そして、令和6年度一般会計当初予算は、昨年に引き続き、過去最大規模を更新する積極予算となっています。予算編成過程の1月1日に発生した
能登半島地震の災害復旧費を盛り込んだ予算となっており、昨年から引き続き、
物価高騰対策関連給付金や、今年の秋から支給対象等が拡大される児童手当の増額分も含まれています。また、歳入では、市税収入で定額減税の影響を加味すると、実質過去最大の市税収入となっています。まずは、この1年の出来事を交えて、新年度予算編成の所感をお聞かせください。 村山市長が市長就任以降、準備を進めてこられた新たな都市像の計画が
未来共創計画として示されました。「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」との表題で、5つの分野から成る基本方針とともに、各分野の横断的視点として、文化の活用、多様な人々の視点・活力の活用、デジタル化の推進を掲げています。
未来共創計画は、行動計画の位置づけとなりますが、各分野の横断的視点が新年度予算においてどのように用いられているのか、事例をもってお示しください。 公明党金沢市議員会より村山市長へ、昨年11月20日に
物価高騰対策と経済再生に向けた提言を、昨年12月18日には2024年度予算編成要望を提出させていただきました。今回の新年度予算編成で、我が会派の要望をどのように反映していただけたのかお伺いいたします。
能登半島地震による復旧・復興について伺います。
能登半島地震の発災以降、日を追うごとに甚大な被害が明らかとなり、多岐にわたる課題が山積しています。復旧・復興には多大な労力と予算を持って臨むことが必要であります。本市においても、罹災証明、被災証明の発行には、3月5日現在で6,022件の申請があり、住まいや事業所に深刻な影響を及ぼしています。新年度予算においては、生活再建への支援
関連の予算が計上され、被災者に寄り添う施策が準備されています。生活基盤である住まいの再建について、被災者にとっては、早期の見通しを立てていきたいとの思いがあるのは、当然のことと考えます。今回の地震では、局地的に被害を受けた地域が見られました。崖崩れや液状化など、災害の内容はそれぞれでありますが、市内の被害としては、それぞれ一定の範囲で起こった災害となりました。これまで、他自治体での災害対応の事例を確認すると、継続的な復旧支援の担当窓口を設置して対応しているケースがありました。今回の予算において、危機管理課に被災地区復旧推進室を設置することとしていますが、本市における被災地区復旧推進室が継続的な復旧支援の担当窓口を担うものと期待するものであります。被災地区復旧推進室の人員体制と、この推進室の役割について伺います。 今後、公共事業の進展とともに顕在化してくる課題が、被災宅地の復旧についてであります。熊本地震では、原則として公共事業の対象とならない被災した宅地について、被災者等の負担軽減を図り、生活再建を支援するために、被災者等が行う宅地の復旧工事等に要する経費の一部を支援する制度が用意されました。ただし、熊本県では、復興基金を財源とした事業につき、一定の条件をもって基礎自治体間での差が生じないように、支援の対象工事と支援額を定めた内容となっています。今後、被災地区の復旧に当たり、市内においても、盛土造成地の崩落対策、擁壁の復旧、地盤改良工事、宅地の陥没・地割れの復旧など、多岐に及ぶ宅地復旧工事が予想されます。市内はもとより、隣接する近隣自治体間においても、不公平感が生じないような復旧の在り方が重要かと考えます。公共事業による宅地被害の復旧・復興と被災した宅地の復旧の在り方について、財源を含めて御所見を伺います。 地区単位での復旧においては、行政の計画のみならず、当該地域の方々との合意形成の時間も必要になってきます。早期の復旧を望む声がある反面、個々の事情により、復旧の手法に理解と合意を形成するには、ある程度の期間を要すると考えられます。災害救助法の適用を受けた被災者には、最長で入居日から2年間の住宅費の補助制度がありますが、新たに住居を建て替えて入居できるようになるまでには、2年を超える場合も考えられます。賃貸型応急住宅の支援期間に限りがあることから、期間延長なども視野に入れた被災者支援について、御所見を伺います。 道路及び上下水道について伺います。
能登半島地震の発災以降、日を追うごとに市内の至るところで、道路陥没やマンホールの隆起などが見られ、都度、担当課により、緊急性の要するものを優先的に応急修理が行われています。道路の下には、上下水道の埋設物も多く、今後の修繕計画には、道路修繕のみならず、上下水道の破損箇所も正確に把握の上、修繕計画が必要となってきます。上水道については、おおむね復旧は進んでおり、被害の甚大な地域の本復旧が待たれる状況であり、修繕計画の策定には、下水道の状況の掌握が課題となっていると考えます。現段階で、下水道等の破損状況の調査を進めていると承知していますが、調査の進捗状況と復旧の見通しについて伺います。あわせて、道路の復旧の見通しについても伺います。
能登半島地震の発災以降、県内各地で上水道が復旧していく中で、下水道の破損と、その復旧の見通しが大きな課題となっています。金沢市内でも、下水道管に起因する道路陥没やマンホール浮上による被害が多く見られます。下水道の震災対策と将来の維持更新を見据えた対策が重要な課題であることが顕在化しました。本市の下水道の震災対策の施策と、将来を見据えた維持管理についての方針について伺います。 次に、都市づくりについて伺います。
都市再生特別措置法の活用や、
日本銀行金沢支店跡地の利活用などに取り組み、骨格となる都心軸の再興を目指すこととしています。
未来共創計画では、令和6年度から7年度にかけて、準備協議会を設立していくと示されています。準備協議会の設立について、参加者、規模、協議会の運営主体について伺います。
都市再生緊急整備地域の指定により、民間による開発の機運を高め、金沢駅から武蔵ヶ辻、南町、香林坊、片町に至る都心軸エリア全体の面的整備を促進し、都心軸エリアの価値向上として、官民連携による居心地がよく、滞在し、歩きたくなる公共空間の創出を図るとしており、令和6年度から7年度にかけて検討されるとのことでありますが、官民連携による都市の青写真を描くこととなり、都市づくりのパートナーとなる民間企業を選ぶこととなります。官民連携のパートナーとなる民間企業に求めていく要件について伺います。 都心軸エリアの再興において、県外からの来街者のみならず、住む人、働く人にとって居心地がよく、滞在し、歩きたくなる公共空間の創出が重要になります。郊外のショッピングモールの居心地のよさを体験している市民にとっては、郊外のショッピングモールに比べて不足している要素を補うことや、郊外のショッピングモールにはない何かをまちとして備えることができなければ、安定した人の流れは確保できないと考えます。都心軸の再興において、市長は何を重視しておられるのか、御所見を伺います。 新年度予算において、様々な交通手段の結節点となるモビリティーハブの整備に向け、基本設計に着手するとしています。方面別に中継地点となるハブを設けて、まちなかと郊外が行き来しやすくなる仕組みを構築し、2025年度から順次整備するよう場所や詳細な機能を検討すると伺っています。中継地点となるモビリティーハブには、鉄道、バス、地域運営交通、公共シェアサイクルまちのり、自家用車、自転車など、あらゆる交通手段が接続するとのことですが、金沢駅を中心とするバス路線が放射線状に伸びる既存のバス路線について、今後、中継拠点となるモビリティーハブを設けることで、バス路線の再編について、民間事業者との協議を実施する考えはあるのか、御所見を伺います。 市民サービスの向上とデジタル化について伺います。 新年度予算において、市民課の窓口サービスの充実が図られることを伺っています。マイナンバーカードの普及を受けて、マイナンバーカードを活用することで、受付段階から変わるとのことです。マイナンバーカードの活用により、新たに利便性向上が期待される書かない窓口について、内容と開始時期を伺います。 一方で、手続のワンストップ化もこれまでの課題でありました。お悔やみの手続では、複数の課にまたがる手続をハンドブックでの紹介や御案内する体制はありますが、現実的には、手続する方が個々の状況に応じて、手続の必要な窓口を回るものであり、手続される市民の声からは、利便性向上の要望を伺ってまいりました。今回、お悔やみ手続サービスが充実されるための予算が計上されていますが、その内容と開始時期を伺います。 地域コミュニティーの活性化について、町内会活動等にICT化を推進し、地域コミュニティーを活性化する取組として、地域活動発信アプリの活用を促進すると伺っています。既に導入している町会連合会、町会等もあり、改めて、その運用方法についての情報共有が重要かと考えます。アプリの活用事例を紹介する講座を町会等で開催されるとのことですが、これまでの導入実績を踏まえて、地域コミュニティー活性化にどのように役立てているのか、成果と課題について伺います。 新年度予算において、未導入町会連合会に試用版アプリを提供するとのことですが、これまでの利用実績から見えてくる課題もあるかと思います。試用版アプリの提供に際して、どのような内容にして未導入町会連合会に案内していくのか伺います。 社会においてデジタル化の進展で、町内会活動にもICTを活用する方々が増えつつある中で、地域課題を解決する一助に用いることを期待する方々もおいでるかと思います。地域課題について、ICTを活用して共有する場の提供としての取組を計画しているとのことですが、その取組内容を伺います。 次に、子育て支援について伺います。 国においては、こども未来戦略加速化プランにおいて、全ての子ども・子育て世帯を対象とする支援の拡充策として、保育所においては、量から質の向上として、76年ぶりの4歳児・5歳児における配置改善の実施や、保育士等のさらなる処遇改善を進めてきており、「小1の壁」打破に向けた放課後児童クラブの質・量の拡充も進めています。また、国のこども未来戦略加速化プランにおいて、多様な支援ニーズへの対応として、貧困、虐待防止、障害児・医療的ケア児、ヤングケアラー等への支援強化、児童扶養手当の拡充、補装具費支援の所得制限の撤廃などが段階的に実施されています。本市においては、
未来共創計画において、子ども・子育て世帯を対象としている施策の方針として、妊娠・出産から子どもの成長に合わせた切れ目のない支援が示されています。その取組の方向性には、地域・各種団体・企業等との連携・協力による子育て環境の充実、全ての子どもの健やかな成長の支援、教育・福祉の連携による総合支援体制の強化があります。主要施策の取組状況を評価するKPI--重要業績評価指標において、放課後児童クラブ受入れ児童数、医療的ケア児の受入れが可能な保育所等の施設数、子育てや子どもの育ちに関する相談件数を施策指標と定めた理由と、それぞれの施策の取組内容について伺います。 全ての子どもの健やかな成長の支援を進める上で、行政だけではきめ細やかな対応が行き届かないことも考えられます。本市として、これまで地域・各種団体・企業等、幅広い連携やネットワークを築き上げながら進めている施策もあると思います。新年度において、どのような施策をどんな内容にて充実させているのか伺います。 今後、国が策定しているこども未来戦略加速化プランにおいて、切れ目なく全ての子育て世帯を支援する施策の一つに、仮称ではありますが、こども誰でも通園制度の創設が示されており、月の一定時間までの利用可能枠の中、時間単位等で柔軟に通園が可能な仕組みとして、2024年度から本格実施を見据えた試行的事業を実施するとされており、現段階では、2025年度から制度化、2026年度から全国での自治体にて給付化の検討がされているようであります。本市においては、新たなかなざわ子育て夢プランの策定の中で議論されるべき課題の一つと考えますが、保育利用申込みの段階で地域偏在が生じている現実を捉えると、この数年で新たな国の制度を実施するには、準備期間が短いと言わざるを得ません。仮称こども誰でも通園制度の将来的な実施に関して、市長の御所見を伺います。 次に、次世代ICT人材の育成について伺います。 本市では、これまで民間企業の協力を得て、小学生を対象としたロボ活の開催、中高生を対象としたIT部活の開催を継続しています。これまでの参加者のみならず、次世代ICT人材の育成として、新たに大学生を対象とした事業を計画すると聞いています。次世代ICT人材育成強化費の新たな事業内容と期待される効果について伺います。 ITビジネスプラザ武蔵を中心に活動を展開されるようですが、様々な技術を持った企業や人材の交流が新たな価値を見いだすことにつながり、ひいては、ICT分野の活躍の場を金沢に求める新たな人材発掘、育成の機会となることを期待します。地域経済を牽引する新たな産業の創出には、民間企業との連携は必要不可欠であり、人材育成拠点の構築は重要な取組となります。今後、ITビジネスプラザ武蔵にて計画されている新たな事業と期待される効果について伺います。 次は、新金沢型学校教育モデルを中心に伺います。 本市では、予測困難な変化や急速に進行する多様化に対し、未来をつくるために必要な力を身につけた金沢の子どもたちを育成するため、新しい時代が求める学びの在り方を踏まえ構築している新金沢型学校教育モデルについて、以下数点にわたり伺います。 まずは、知・徳・体の調和の取れた子どもの育成や、金沢への愛着と誇りを持てる教育を推進する現行の金沢型学校教育モデルについて、その成果と課題について伺います。 新金沢型学校教育モデルにおいては、自学・共創の学びを通して、創造力を育むとしていますが、自学・共創の学びとはどのような学びか伺います。また、なぜ子どもたちに創造力を育む必要があるのか、あわせて、創造力を身につけた子どもたちとはどういう子どもなのか伺います。 あわせて、創造力を育むための基盤として、デジタル力、読解力、コミュニケーション力の3つが示されています。デジタル力を身につけるために、デジタル科を新設するとのことですが、年間の授業時数は増加しないのか、また、誰がどのような内容で授業を行うのか伺います。 新モデルの方向性や、身につけていきたい力、その内容は、主要施策や取組の方向性で示されていますが、実際に教育現場にて実践していくのは、教員となります。新モデルの内容を十分に理解し、実践していくことが子どもたちの学びの充実に欠かせないと思いますが、新年度より、どのように学校教育の現場や、その主な担い手となる教員に周知していくのか伺います。 次に、不登校対策について伺います。 全国の小中学校における不登校の児童・生徒数は年々増加しており、令和4年度は約30万人と過去最多となっています。このような状況を踏まえ、文部科学省は、令和5年3月31日に、誰一人取り残されない学びの保障を社会全体で実現していこうとCOCOLOプランを発表しました。COCOLOプランには、主な取組として、学びの多様化学校の設置促進と校内教育支援センターの設置促進を挙げています。本市においては、
未来共創計画の主要施策として、不登校児童・生徒の学びの保障、校内教育支援センターの設置が示されています。今後、金沢市における学びの多様化学校の設置について、これまでの経緯と、今後どのような段取り、スケジュールになるのか伺います。 令和6年度から、これまで別室や支援室と言っていた教室を校内教育支援センターと名称を改めるようでありますが、名称変更した校内教育支援センターに対して、どのような役割や効果を期待しているのか伺います。 ところで、不登校の未然防止も大切な取組であります。COCOLOプランでは、1人1台学習用端末を活用した心や体調の変化の早期発見を推進しており、相談支援のきっかけづくりを増やすため、毎日の健康観察にICTを活用することとしています。本市における学習用端末を活用した児童・生徒の心の健康観察についての取組を伺います。 これまで、本市教育委員会として、国の不登校対策であるCOCOLOプランなどを踏まえ、先ほど不登校特例校の設置について伺いましたが、そのほかメタバースについても研究してきたことと思います。このことについて、これまでの経過と今後の見通しについて伺います。 次に、教育環境の充実について伺います。
未来共創計画の取組の一つに、誰一人取り残さない子どもの学びへの支援が示されています。あわせて、魅力ある教育施設の整備と学習環境の充実も示されています。さきに不登校児童・生徒への取組について伺いました。同様に、特別支援教育においても、ICT活用の推進は重要な取組となります。本市では、特別支援教育サポートセンターがその主な役割を担うものと思いますが、特別支援教育におけるICTを活用した取組について伺います。 これまで、教職員の働き方改革が国を挙げての課題となってきました。デジタル化による教職員の負担軽減も進めているところでありますが、新年度より、学校教育事務デジタル化推進費が予算計上されています。この内容について伺います。あわせて、デジタル通学路マップ等活用推進費が予算計上されていますが、導入の目的と運用について伺います。 学校施設の老朽化対策・防災機能強化の推進について伺います。 昨年4月26日に福岡県北九州市、10月17日に埼玉県久喜市において、学校施設の老朽化に起因する外壁の落下事故が発生しました。いずれの校舎も築40年以上経過していて、老朽化が進んでいたことが判明しています。老朽化した学校施設で外壁が落下する事故が相次いでおり、今後、重大な事故につながるおそれも否めない状況となっています。一方で、
能登半島地震において、多くの学校施設が地域住民の命を守るための避難所となっており、学校施設の防災に果たす役割が改めて明確になりました。その上で、外壁落下防止やトイレの洋式化、特別教室及び体育館のエアコン設置等、学校施設の老朽化対策・防災機能強化は、早期に対処しなければならない重要課題となっています。久喜市の事故を受けて、文部科学省は、緊急点検として、建築基準法第12条に基づく調査・点検により、要改善箇所を把握、さらに12月には、法令等に基づく専門家による点検の適切な実施、日常的な点検等で異常を発見した場合には専門家に相談する等、学校施設の維持管理の徹底を図る旨、全国の教育委員会へ通知されています。これら学校施設の老朽化対策や防災機能強化、特別教室及び体育館の空調設置・バックアップ電源の整備やトイレの洋式化等の財政的課題を多くの自治体が抱えています。このため、文部科学省としては、令和3年度から令和7年度までの国土強靱化5か年加速化対策の取組として推進しています。国の支援メニューは、長寿命化改良事業、防災機能強化事業--学校施設環境改善交付金がありますが、本市におけるこれらの事業費の活用状況と整備状況について伺います。 本年1月に発生した震度7級の令和6年
能登半島地震においては、校舎は1校も倒壊せず、大きな被害を防ぐことができました。今なお、県内の被災地で校舎が避難所として活用され、さらには仮設住宅の建設の進捗状況を見ると、今夏の暑さ対策が重要課題となります。本市においても、今回の地震の教訓から、特別教室及び体育館の空調設備の設置が重要かと思いますが、御所見を伺います。 ところで、今回の
能登半島地震発災直後において津波警報が発令され、海側地域の避難所である学校施設においては、避難所開設の体制についての見直しの必要性について聞いております。今回の経験から、津波警報発令に伴う避難所開設の在り方について見直しをされているのか伺いまして、私の質問を終わります。(拍手)
○高誠議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 33番源野和清議員にお答えいたします。 初めに、令和5年度は、コロナ禍から脱却し、社会経済活動を活発化させるなど、反転攻勢をかけるべく、喫緊の課題であった
物価高騰対策に取り組みながら、将来を見据え、10年後を目標年次とする金沢市都市像やその実践に向けた行動計画を取りまとめるとともに、これと連動させた予算編成を進めてきたところであります。一方で、元日の発災以降は、被災したインフラの復旧や被災者への支援に取り組みながら、金沢から活力を生み出し、能登にも波及させたいとの思いから、地震からの復旧・復興に向けた対策はもちろんのこと、都市像の具現化に向けて、今できる限りの施策を盛り込むべく編成作業を進めてきたところであり、その結果、
未来共創計画の実践元年にふさわしい予算を新年度予算として盛り込めたと考えてございます。 都市像の具現化に当たりましては、横断的視点を活用することで、施策に金沢ならではの厚みが生まれるほか、新たな可能性が広がり、市民サービスの向上などの効果が期待できることから、新年度予算でも、これらの視点を積極的に盛り込んだところであります。文化芸術体験による情操教育の拡充や、文化観光の推進は、文化の強みを多様な分野で活用した金沢ならではの施策であり、また、学生等との連携機会の促進や地域おこし協力隊の拡大は、若者や移住者など多様な人々の視点や活力を活用した施策であります。また、ゼロカーボンの推進や、関係人口の創出に向けましては、民間事業者の視点や活力を活用することで、様々な可能性が広がることを期待しております。さらに、デジタル化の推進といたしましては、マイナンバーカードを活用した書かない窓口や、未病対策としての健康ポイントアプリの導入などの施策により、市民サービスを向上していきたいと考えています。 会派要望につきまして、当初予算案では、市独自の
物価高騰対策として、学校給食と保育所等の副食に係る食材費高騰分を全額公費で負担するほか、低所得者等に対する給付金の迅速かつ円滑な給付体制を構築いたしました。また、子どもの居場所づくり助成制度の拡充や、医療的ケア児の受入れ拡大、不登校対策の強化、小中学校の特別教室への空調の整備など、子ども施策の充実に努めたほか、市有施設への太陽光発電設備の整備促進や、再生可能エネルギーの活用拡大にも取り組むこととしたところであります。このほか、お悔やみ手続におけるワンストップ窓口の導入や、成年後見制度の充実、避難行動要支援者に対する個別避難計画の策定着手など、御要望に真摯にお応えし、予算化したところであります。 被災地区復旧推進室につきましては、元日に発生した
能登半島地震により、地盤の液状化や土砂の崩落など、広範囲かつ甚大な被害を受けた各地区において、早期の復旧を図るため、危機管理課内に被災地区復旧推進室を設置することといたしました。推進室には室長と室員を専任で配置するほか、関係部局からの兼務職員も含め、庁内で連携しながら復旧業務に当たることとしており、被災メカニズムの究明に必要となる調査・分析を行うとともに、有識者から成る技術検討会議の意見を反映した復旧工法等を検討することとしております。 今回の地震におきましては、道路だけでなく、宅地部分にも大きな被害が発生しており、これらの地区における復旧・復興について、迅速に取り組むこととしておりますけれども、何より地域の方々との協議が大切な中、これまでの他の災害での自治体の事例などに照らしますと、一定期間を要するというように考えております。なお、被災地区の復旧・復興の財源につきましては、なるべく国の補助事業が活用できるよう検討を進めてまいります。 賃貸型応急住宅の支援につきましては、被災地区の復興までの期間、被災者の生活を確保するため、他の都市の事例なども参考にしながら、状況に応じて支援期間を延長するなど、被災者に寄り添い、柔軟に対応していく必要があると考えております。 続いて、
都市再生特別措置法の活用についてであります。
未来共創計画において、都心軸の再興を図るための主要施策として位置づけており、準備協議会の設置・運営については、本市が主体的かつ責任を持って取り組むこととしております。準備協議会の構成は、国の基本方針に基づき、経済団体や学識経験者、国・県、金融機関など、産学官金からの委員に加え、これまで本市のまちづくりに重要な役割を担ってきた都市計画審議会と景観審議会の委員のほか、地域団体や若い世代の代表の参画も要請したいと考えておりまして、委員数は20名程度となる予定であります。 都心軸エリアの価値を向上させるためには、民間による面的整備に併せ、市民や来街者にとって快適で魅力的な公共空間の創出が必要と考えています。明年度、
都市再生特別措置法の活用に向けた取組に併せ、官民連携による公共空間の創出の在り方や手法などについて調査検討することとしておりまして、その際には、本市との間で都心軸の活性化などに関する協定を締結している独立行政法人都市再生機構や、先進事例・ノウハウに精通する民間企業等との連携も視野に検討を進めてまいります。 都心軸の環境の変化として、
都ホテル跡地や
日本銀行金沢支店跡地だけでなく、民間老朽ビルの再整備が課題となっているほか、北陸新幹線の開業や、コロナ禍の影響などにより、エリア一帯を取り巻く環境に大きな変化が生じていると認識しております。周辺地域での大規模店舗などの進出もありましたが、その大規模店舗と特徴を異にしているというところとしては、公共交通のやはり中心であるということ、そして、まちなか、中心地であるということが大きい違いであると認識しております。そして多彩な文化に触れることができる環境も備わっているというのがこの都心軸であると考えています。このため、都心軸の再興に当たりましては、求心力のある魅力あふれるエリアとして構築していくことを重視したいと考えています。
都市再生特別措置法の活用や官民連携による都心軸エリアの価値向上を通じて、本市のまちづくりの規範である保全と開発の調和を発展させ、「未来を開く世界の共創文化都市・金沢」にふさわしい、品格と魅力のあふれる都市空間の形成を目指してまいります。 バス路線の再編については、朝夕のラッシュ時における路線・運転士の数の維持や、新たな労働基準法令への対応などの課題があり、バス路線の廃止・減便が生じている現状では、再編は難しいと考えております。このため、公共交通の利便性を高め、利用を促進していくことに重点を置くため、交通事業者との協議を重ねながら、新たな交通結節点となるモビリティーハブの整備に向けた取組を進めるとともに、路線バスの行き届かない地域の移動ニーズに対しては、地域運営交通の導入支援を通じて、交通ネットワークの確保を目指していきたいと考えています。 今年の秋に導入予定の市民課の書かない窓口では、マイナンバーカードの暗証番号や顔認証機能を活用することで、申請者が申請書に氏名等を記載することなく、窓口において、対面によるヒアリングだけで、証明書等の交付手続などが完了するものであります。対象となる手続については、市民課の窓口での住所変更等に伴う住民異動届をはじめ、住民票の写し、戸籍証明書、印鑑登録証明書、税に関する証明書等の諸証明のほか、マイナンバーカードに関する各種手続を予定しております。 お亡くなりになった方に係る手続につきましては、これまで、市役所内の多くの部署での手続が必要でございました。こちらについて、事前予約制を導入することで、予約時に聴取した亡くなった方に関する情報を関係課で共有して、あらかじめ必要な書類を準備することで、来庁当日には、御遺族が庁舎内を移動することなく、1つの窓口で各種手続がワンストップで完了させるものとしたいと考えています。あわせて、パソコンやスマートフォンなどから、質問項目に事前に答えていただくことで、必要な手続や担当課の連絡先などが容易に確認できるガイドシステムを導入することとしており、今年の夏頃の開始に向けて、準備を進めてまいります。 地域活動発信アプリ結ネットは、現在40の校下・地区において利用されておりまして、情報伝達や会議等の出欠確認が容易となったほか、紙の回覧版と異なり、いつでも情報を見返すことができるなど、利便性の向上と地域の活性化に役立っていると伺っています。また、今般の令和6年
能登半島地震の際には、結ネットを活用することで、迅速な安否確認を行うことができたとの声もいただいております。一方、課題として、地域におけるデジタル化に対応できる人材の確保が必要であると認識しております。新たにステップアップ講座を開催するなど、地域デジタルリーダーの養成を通じて、結ネットの普及など、町会活動のデジタル化を支援してまいります。 一旦休止していた試用版アプリを明年度、改めて結ネットを導入していない町会連合会を対象に提供し、まずは、連合町会長や、単位町会長等の役員間で御利用いただき、その機能や活用方法を知っていただきたいと考えています。提供に当たっては、平時の結ネット活用の好事例や利便性と併せ、今般の地震の際の活用事例なども紹介しながら、その有用性を御理解いただくことで、さらなる普及につなげてまいりたいと考えています。 本市では、地域課題の可視化と解決を目的として、昨年7月からウェブ上に地域課題解決プラットフォーム・マッチ箱を開設しており、これまでに24の課題が投稿され、利用者間で様々な意見交換や、課題解決の提案が行われております。明年度は、シビックテックミーティングなどのイベント等におきまして、課題を持った市民や団体と解決に向けた様々な知見や経験を持つ方々とがつながるための交流会を開催し、マッチ箱のさらなる周知と多様な手法による課題解決の取組を促してまいりたいと考えています。 子育て支援につきまして、誰もが安心して子育てができる社会を実現する上で、全国的にも児童クラブにおける待機児童の発生や、様々な困難を抱える児童への保育ニーズの高まり、子どもの育ちに関する悩みの多様化などが課題となってきておりまして、この課題解決に向けた施策を市として積極的に推進するため、
未来共創計画に3つの指標を掲げたものであります。明年度は、児童クラブにおいて、支援員の処遇改善を図るとともに、施設の新設等に係る施設使用料の助成を拡充するほか、5つの保育所等で医療的ケア児の受入れを本格実施することとしております。また、妊産婦や子育て世帯、子どもを一体的に支援するこども家庭センターの運営を開始し、虐待への予防的対応や、個々の家庭状況に応じた支援を行うこととしております。 子どもの居場所づくりを推進するため、地域・各種団体が運営する子ども食堂や学習支援教室などに対する助成制度の拡充を図ることとしておりますほか、金沢こども応援ネットワークの参加団体を支援する企業サポーター制度について、認定企業を増やし、支援の輪を広げるため、積極的に周知したいと考えています。加えて、独り親家庭等を必要な支援につなげる拠点型子ども宅食を来年度から本格実施することとしており、地域から切れ目なくつながる支援体制の構築に向けて、これまでのモデル事業で培った地域や支援団体、応援企業との連携をさらに深めてまいりたいと考えています。 就労要件を問わず、時間単位等で柔軟に利用できるこども誰でも通園制度(仮称)は、未就園児が同世代と関わりながら成長できる機会や、保護者の育児負担や孤立感の解消といった支援につながる制度である一方で、保育士の確保など、子どもの受入れ体制の整備が課題であると認識しております。現在、新たなかなざわ子育て夢プラン策定に係る事業計画ワーキングにおいて、保育の量の見込みと併せて議論しているところであります。令和8年度の実施を目指しまして、モデル実施している先行自治体の取組等を参考に、明年度以降、準備を進めていきたいと考えています。 付加価値の高い新産業の創出に向けまして、石川県情報システム工業会--ISAと連携し、会員企業の技術者によるサポートの下、これまで情報活用能力の育成を図る金沢IT部活や、ロボットプログラミング技術を学ぶ金沢ロボ活を設置し、デジタル人材の育成を進めてまいりました。明年度、メタバースやシビックテック等をテーマに、IT部活の卒部生や大学生がIT企業と共創する金沢IT部活アカデミーベンチャーを創設し、IT部活、ロボ活を含めた3つの活動拠点をITビジネスプラザ武蔵に集約することとしております。体系的な人材育成の強化を図ることで、金沢の未来をつくり上げる産業人材を育成・輩出し、地場産業の成長・発展につなげてまいりたいと考えています。 本年、開館20周年を迎えるITビジネスプラザ武蔵では、これまでディレクターによる交流活性化事業のほか、ワークショップや起業相談会、トップクリエーターによるイベント等の開催を通じ、新産業創出の第一歩となる創造の場、ビジネスの場、交流の場としての機能を担ってまいりました。明年度は、ISAの支援もいただきながら、最先端のデジタル機器の展示や操作を体験する中小企業デジタル技術体験事業を開催するほか、新たに生成AI、メタバース、DX等の最新技術を学ぶセミナーの開催を予定しておりまして、中小企業の生産性向上や、新ビジネス創出につながるデジタル化を支援してまいりたいと考えております。 最後に、学校の避難所開設に関しまして、今回の地震で津波警報が発令された際に、多くの市民が津波から身を守るために、交通渋滞が起きたほか、一部の避難所におきましては、開設や運営に混乱が見られるなど多くの課題がございました。津波到達までの時間における避難方法や避難場所、避難所開設方法などについて検証することが必要であると考えておりまして、その上で、地域防災計画や避難所運営マニュアルなどの見直しを実施してまいりたいと考えています。 私からは以上です。
○高誠議長 松田
公営企業管理者。 〔松田滋人
公営企業管理者登壇〕
◎松田滋人
公営企業管理者 下水道につきまして、2点お尋ねがございました。最初に、調査の進捗状況と復旧の見通しについてお答えいたします。下水道については、道路陥没や流下不良のあった箇所を中心に、市内の約270キロメートルの管路において、1月中頃までに目視による1次調査を終えたところでございます。その結果を踏まえ、被害が想定される約60キロメートルの管路について、直ちに管内カメラによる詳細な2次調査を開始したほか、今月には主要幹線道路下の空洞調査も開始したところでございます。今月中に完了します2次調査の結果に基づき、国の災害査定を受けた上で、6月定例月議会に災害復旧に係る予算をお諮りしまして、早急に復旧に取りかかってまいります。 次に、震災対策に対する施策と、将来を見据えた維持管理の方針についてお尋ねがございました。下水道の震災対策では、今回の地震で見られるように、地盤の液状化に対する管路の耐震化が重要でございます。本市では、下水道総合地震対策計画に基づき、緊急輸送道路や拠点避難所下流の管路を重要幹線と位置づけ、液状化によるマンホール浮上対策などを進めてきたところであり、今回の被害も踏まえ、対策を加速してまいります。また、これと並行して、下水道ストックマネジメント計画に基づき、管内のカメラ調査や、道路下の空洞調査を実施するなど、将来を見据えた適切な維持管理にも努めてまいります。 以上でございます。
○高誠議長 坂本土木局長。 〔坂本敦志土木局長登壇〕
◎坂本敦志土木局長 私のほうからは、道路の復旧の見通しについてお答えいたします。市道につきましては、地震発災時から2,000件を超えるひび割れや陥没などを確認しております。また、現在でも1日20件ぐらいの通報を受けておりまして、順次応急復旧工事を実施しながら、通行の安全確保を図っているところであります。今後の復旧につきましては、下水道の地下埋設物に被害がある区間は、施設の管理者と施工調整を行いながら進めていくこととしております。また、地下埋設物に被害のない区間については、一定の期間監視を行い、国による災害査定も受けながら、速やかに復旧工事を進めていく予定としております。 以上でございます。
○高誠議長 野口教育長。 〔野口 弘教育長登壇〕
◎野口弘教育長 初めに、新金沢型学校教育モデルについての御質問からお答えいたします。まずは、現行の金沢型学校教育モデルの成果と課題についてでございますが、現行の金沢型学校教育モデルにつきましては、何を学ぶのかという視点で、各教科等の学習内容を明確にした金沢型学習プログラム、またどのように学ぶかという視点で、学び方の基本と指導の基本を示した金沢型学習スタイルを示したことで、全ての学校において主体的・対話的で深い学びを目指した授業づくりが行われていることが成果として挙げられると考えております。一方で、その後に開始されたGIGAスクール構想が目指すデジタル社会に主体的に対応する資質・能力のさらなる向上に加え、自分で考え、行動するための読解力・コミュニケーション力を基盤とする創造力や論理的思考力を養うことがこれからの教育の充実により必要になると捉えております。 次に、新金沢型学校教育モデルにおける自学・共創の学びについてお答えいたします。新金沢型学校教育モデルにおきましても、引き続き、主体的・対話的で深い学びを通して、資質・能力の育成を図ることが重要であると考えております。その実現に向けて、子どもたちが様々な課題を自分のこととして受け止め、解決を図る個別最適な学びと、多様な他者と協働しながら解決を図る協働的な学びを自学・共創の学びとし、それぞれの学びを一体的に捉え、充実を図りながら、新しい価値や最適解を見いだす創造力を育んでまいります。また、子どもたちに創造力を育む必要性と創造力を身につけた子どもの姿についてでございますが、新たな時代を生きていく子どもたちには、IoTやビッグデータ、AI等の技術革新が進展する中で、デジタルの利点を効果的に活用することに加え、歴史や伝統文化等に触れ、豊かな感性を働かせることによって、新たな価値や最適解を見いだす創造力が不可欠であると考えています。創造力を身につけた子どもたちとは、課題を見つけ、解決に向けて深く考える子、自分も友達も大切にし、協力しながら活動する子、感性を働かせながら、様々な課題に粘り強く挑戦する子であると考えております。 新設するデジタル科についてもお尋ねがございました。デジタル科の詳細なカリキュラムにつきましては、明年度編成していくことにしており、現在のところ、小学校のデジタル科では、現行のプログラミング教育を基に、ドローンを活用した学習などを想定しております。また、中学校では、多様なデータを活用して、地域や社会の課題を解決する探求学習や、VR--バーチャルリアリティー、メタバース等の先端技術を体験する学習などを想定いたしております。新設するデジタル科では、小中学校とも、
関連する既存の教科での実施と、複数の教科で年間3時間程度減じて教育課程を編成できる国の授業時数特例校制度の活用により、各学年の年間総授業時間数は増加することはございません。授業につきましては、学級担任や教科担任等が担うことになりますが、各学校に派遣されているICT支援員が技術面のサポートを、また、先端技術の体験学習等につきましては、大学や企業に協力いただき、実施していきたいと考えております。 学校現場や教員への周知につきましてお答えいたします。まずは、学校教育の現場や教員に、新金沢型学校教育モデルで育成する力や目的、具体的な取組について周知していく必要があると考えております。そのため、明年度は、管理職や学校の中核を担う教員を対象とした連絡会を開催し、より詳細な取組の内容や授業の在り方について伝える予定でございます。 次に、不登校対策についてもお尋ねがございました。学びの多様化学校の設置についての御質問にお答えいたします。本年度視察いたしました他の自治体の学びの多様化学校、いわゆる不登校特例校では、学校を設置するまでに、教育方針や教育課程、環境整備などを検討するとともに、地域住民への説明会などを開催してきたと聞いております。本市におきましては、不登校児童・生徒が増加する中、不登校対策の推進は喫緊の課題であると捉えており、明年度は、有識者等から成る学びの多様化学校の設置に向けた検討会を立ち上げることといたしております。先進自治体の事例を参考にするとともに、国の手引に基づいて、学校での教育方針や、個々のニーズに応じた特別な教育課程、必要とする環境整備などについて議論を深めていきたいと考えております。 校内教育支援センターについても御質問がございました。校内教育支援センターとは、児童・生徒が学校には行けるが自分の学級には入れないときや、少しの時間でも、学校へ登校し、過ごしたいときなどに利用できる児童・生徒の居場所のことであり、児童・生徒のペースに合わせた学習支援や悩み相談等を行い、児童・生徒の気持ちに応える多様な学びの場として役割を持っています。明年度は、全ての学校の相談室等を校内教育支援センターに改称し、支援員を全中学校に配置するなど、支援員の増員と、派遣時間の拡充を図ることとしており、これまで以上に、自分に合ったペースで学習・生活できる落ち着いた環境をつくることで、学習の遅れと、それに基づく不安の解消や学習意欲の回復などにつなげていきたいと考えております。 心の健康観察についても御質問がございました。1人1台学習用端末を活用した心の健康観察とは、児童・生徒の心や体調の変化を把握し、メンタルヘルスの悪化や、児童・生徒が発するSOSの早期発見・早期支援につなげるものであり、本年度は小学校2校、中学校2校で実証事業を行いました。明年度は、実証事業で明らかになったタイピングによる文章入力が低学年の児童には難しいことや、児童・生徒が相談相手を選択できないことなどを改善した新しいシステムを活用し、全校で心の健康観察を実施することで、さらなる不登校の未然防止に取り組んでまいります。 メタバースについても御質問がございました。本年度、不登校対策にメタバースを導入するなど、先進的な取組を行っている宇都宮市・さいたま市を視察し、現状等について調査を行ってまいりました。誰一人取り残されない学びの保障に向け、不登校児童・生徒一人一人の状況に応じた多様な支援は大切であり、将来の社会的自立に向けて、メタバースを活用した効果的な支援の在り方などにつきまして、引き続き研究を深めてまいります。 教育環境の充実についても、何点かお尋ねがございました。初めに、特別支援教育におけるICT活用についてお答えいたします。来月開設する特別支援教育サポートセンターでは、特別な配慮や支援を必要とする児童・生徒を対象に、指導内容や指導計画の作成等について、一体的にサポートする支援ソフトを新たに導入することに加え、読み書きが困難な児童・生徒には、ICTを活用した読み書き支援プログラムを実施することとしております。新たな拠点におきましては、ICTを積極的に活用した多様な学びの充実に努めますとともに、併設する中央小学校芳斎分校、長町中学校芳斎分校と連携しながら、実践的研修等を行うなど、多様性を受け入れ、児童・生徒一人一人の個性や才能を引き出していく特別支援教育を推進してまいります。 学校教育事務デジタル化、通学路マップのお尋ねにつきまして、私のほうからは、学校教育事務デジタル化推進費の内容についてお答えいたします。教員の業務負担を軽減し、生み出された時間を有効に活用するため、明年度は、学校教育事務のデジタル化を進めていきたいと考えております。1つは、学校と保護者との情報共有を行う保護者連絡システムであり、従来の学校から保護者への情報発信に加え、保護者から学校への欠席連絡等に効率化を図ってまいります。もう1つは、パソコン上で、テストの採点を行うデジタル採点支援システムであり、画像データとして取り込んだ解答用紙を自動的に採点することで、採点や集計にかかる時間の短縮が見込めます。これら2つのシステムを通して、さらなる教育の質の向上を図ってまいります。 以上でございます。
○高誠議長 上寺教育次長。 〔上寺武志教育次長登壇〕
◎上寺武志教育次長 初めに、デジタル通学路マップ等活用推進費の導入目的と運用についてお答えいたします。現在、各学校が紙媒体で独自に管理している通学路や通学区域図を教育委員会や地域、保護者と情報共有できるようデジタル化に取り組むものでございます。この事業では、明年度、通学路や通学区域をデータ化したデジタル通学路マップを作成し、オープンデータとして広く市民に公開する予定としております。令和7年度には、シビックテックに携わる団体等と連携し、地域や学校でそのデータを活用できるアプリの導入を考えておりまして、安全確認が必要な場所等の情報を適時共有するなど、通学路の安全確保に取り組んでまいります。 次に、学校施設における国の支援メニュー、長寿命化改良事業、防災機能強化事業の活用状況と整備状況についてお答えいたします。学校施設は、子どもたちの学習・生活の場であるとともに、災害時には避難場所としての役割を担うため、適切に維持管理することが重要であります。本市では、国の補助制度を活用しながら、建物の耐久性を高める屋上防水や、外壁等の改修を実施してきておりまして、兼六小学校が移転する旧小将町中学校の校舎整備におきましても、
ライフラインの更新を含めた大規模な改修を行い、施設の長寿命化を図っていくことといたしております。地震など発災時に児童・生徒を事故等から防ぐため、明年度から御指摘の国庫補助を活用し、計画的に学校の長寿命化改良事業にも着手していくこととしておりまして、引き続き、施設の安全性と機能性の確保に取り組んでまいります。 続いて、学校の特別教室及び体育館の空調設備の設置についてお答えいたします。全ての小中学校の普通教室への空調設備の整備が完了したことから、明年度からは、特別教室への計画的な整備に向けて、実施設計に着手することとしております。今回の
能登半島地震では、本市にも津波警報が発令され、多くの方々が学校の体育館より上層階の教室に避難した現状から、整備完了後は、普通教室と併せ、避難時の使用も可能になります。御提案の体育館への空調設備の整備に当たりましては、国庫補助の条件として、大規模な断熱工事を要件としていることから、導入手法と併せ、他都市の事例を検証するなど、今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。 私からは以上でございます。
○高誠議長 この際、暫時休憩いたします。 午後0時9分 休憩----------------------------------- 午後1時0分 再開
△再開
○上田雅大副議長 出席議員数は、ただいまのところ37名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△質疑・一般質問(続き)
○上田雅大副議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 32番森一敏議員。 〔32番森 一敏議員登壇〕(拍手)
◆森一敏議員 みらい金沢を代表し質問いたします。 本日は、忘れてはならない
東日本大震災発災の日です。原発震災をも引き起こした13年間の苦闘、私たちも心に刻んでおかねばなりません。そして1月1日の16時10分、この
能登半島地震で石川の地域社会は一変いたしました。尋常ではない揺れが収まったときに頭をよぎったのは、奥能登はどうなっているんだろうということでした。あの一瞬に、そして今日まで続く困難を極める避難生活から、お亡くなりになられた241人もの犠牲者の方々、被災された全ての皆様に改めて哀悼とお見舞いを申し上げます。本市においては、市長をはじめ職員の皆様が昼夜を分かたず奔走されてきた御労苦にねぎらいを申し上げるところです。これだけの大地震でも、金沢市直下の森本・富樫断層帯が動いたわけではありません。備えを強めねばなりません。震災対応全般に教訓とすべき点があろうと思いますが、会派同僚議員がそれぞれの観点から一般質問等で議論してまいります。私からは、以下数点にわたり質問いたします。 まず第1に、災害救助の教訓とまちの再生の課題についてです。 その1、スフィア基準に照らして質問いたします。私は、避難所におけるスフィア基準に注目いたします。スフィア基準とは人道憲章と人道支援における国際基準です。端緒は1997年アフリカ・ルワンダで起きた大虐殺の影響を受けた難民支援で見られた課題解決の活動ですが、自然災害における避難にも適用される考え方です。尊厳ある生活への権利、人道支援を受ける権利、保護と安全への権利、これを支える安全・尊厳・権利の保障、ニーズに応じた差別なき支援、心身の回復支援、自らの権利を主張できることを原則としております。本市避難所マニュアルにもその視点が反映されておりますが、このスフィア基準に照らして、本市が設置した避難所の運営、2次避難者を受け入れてきた避難所運営の実際を市長はどう評価し、課題を見いだしておられますか。 第2に、広域連携についてです。広域避難者を支える県市連携、被災自治体との連携を実践するのは能登被災地支援本部の役割であろうと思いますが、それがどのように機能してきたでしょうか。能登の被災地へ支援に入ったり、避難者と連絡を取り合っている市民や金沢市内に2次避難してきた避難者と接している市民からは、金沢市の対応が見えない、遅いといった苦言を耳にすることがあります。一元的に調整に当たる県との情報共有、意思共有、また支援する被災自治体との意思疎通などの機能、さらには被災対応に当たる関係部局との庁内の情報共有、支援事業の企画実施に当たっての主体性に課題はなかったのか、現段階でのその評価について御所見を伺います。 3点目、被災地区復旧推進室の設置についてです。今回の
能登半島地震は、本市の住宅街にも甚大な被害をもたらしました。とりわけ田上新町の盛土を含む宅地造成地での大規模な崩落、粟崎町地内では広範囲に及ぶ激しい液状化により、道路・上下水道など社会インフラはもとより、小学校や数多くの住宅、敷地が沈下・隆起しました。改めて、半壊以上の損壊家屋は何棟に及んでいるのかお尋ねします。 市長はじめ市当局は、被災住民の先行き不安が深いことを御承知のことと思います。私も粟崎町現地には数回伺っており、届いた罹災証明を目にしながら、住宅再建に対し途方に暮れておられる様子にも接してきたところです。被災地区で面として復旧を図り、社会インフラ、住居を含めてまちを再建する見通しを持つには、損壊の原因を科学的に究明し、どのような対策が技術的に適切か、それにどれほどの投資が必要なのか、地区全体を俯瞰した展望を明確に示すことが必要です。本市が徹底して地盤対策を施した瑞樹団地は、今地震で被害が少なかったと聞いております。当初予算案では、迅速な復旧を推進するため危機管理課内に被災地区復旧推進室を設置し、被災メカニズムの調査分析、復旧工法の検討を行うとしております。この被災地区復旧推進室並びに専門家による技術検討会議の陣容、検討事項とそのスケジュールをどのように想定しているか伺っておきます。 4点目、災害救助法における福祉の視点からの課題についてです。発災から40日経過した2月10日、精神保健福祉制度の発展を目指すシンポジウムが開催されました。そこでは、被災地の避難所で障害のある人が直面している困難、被災しながらも支援に当たる施設職員の苦悩が語られました。また、金沢においても発災からしばらくして視覚障害のある人から、発災直後の極度の不安にあるとき安否確認すらなかったのは疑問だとの意見が伝えられてきました。こうした災害時に弱い立場に立たされ、避難が長期化するほど福祉ニーズが持続的に必要となる方々を支える仕組みの構築が喫緊の課題であると痛感させられております。先週、全都道府県に災害支援福祉チームDWATが設置済みであるものの、支援を受ける際の連携など受援体制は、石川県を含め半数の自治体で未検討だったとの報道がありました。本市においても、地域包括支援センターの圏域に1つは福祉避難所を開設することとしており、開設訓練を行っておりますが、実施自治体としては、一般の避難所を含め、福祉的支援を担うマンパワーや財政面など課題も少なくないと思われます。背景には、災害救助法における救助の種類に福祉が欠落しているということが改めて指摘されております。すなわち、災害救助法第4条、救助の種類、医療及び助産の項目に福祉を加える法改正の必要性です。この災害救助における福祉課題の現状に対する市長の認識を伺うとともに、法改正に対する御所見をお聞かせください。 この質問の第5に、外国人市民の救援に関する課題について質問いたします。
能登半島地震において、外国人労働者の避難はどのような状況にあるのか。報道の機会も少なく、支援に当たってきたNPO法人の代表者に実態を伺いました。能登地区で技能実習生たちが働く事業所の多くが、住まいとともに被災しました。迅速に避難が必要となったのは日本人住民と同様です。しかし、第1に直面したのは、言葉の壁による避難者間の意思疎通の困難さ、日本語で書かれた避難所内外の情報伝達物が読めないといった情報孤立の問題です。金沢市周辺を拠点に多文化共生に取り組む外国人市民や連携するNPO、日本人市民が能登にまで広げていたSNSによる情報ネットワークが、この状況の打開に力になったと聞きます。在留資格の条件である再就労が今後の最大の課題ですが、技能実習制度から育成就労制度へと制度改定の動きにある中でも、やはり基礎は言葉の壁を取り除く日本語支援や学習支援の拡充です。言葉と異文化理解が地域コミュニティーで進むことが災害時の相互支援につながっていくものと思います。当初予算では、これまでモデル事業として進めてきた大学・地域連携日本語学習支援事業を本格実施させることが盛り込まれております。深刻な人手不足が広範な分野に広がる中、日本社会に根強くある偏見、閉鎖性が障壁となって、外国人労働者から日本が選ばれなくなりつつあるとの危惧が聞かれます。多文化共生の地域コミュニティーを醸成する本事業に災害対策としての意味も加わっているように思います。本事業の本格実施に寄せる期待について、市長の御所見を伺います。 質問の第2は、2024年度予算編成についてです。 その1点目、共創推進予算についてお伺いします。2024年度当初予算は「心豊かで活力ある未来の金沢に向けて踏み出す 共創推進予算」と銘打ち、一般会計で1,900億円を超え、特別会計、企業会計を含む全会計で3,429億円余の大型予算となりました。一般会計は、
物価高騰対策関連給付金分を除く実質で2.2%増、1,859億円と過去最大予算となっています。地方財政計画は前年比1.7%増ですが、それをも上回る予算規模となった要因はどこにあるのでしょうか。 当初予算編成は1月1日の地震発災以降に、副市長、市長査定の時期を迎えたわけですが、新たな都市像の実現に向けた行動計画として策定した
未来共創計画を裏づける初めての予算編成に、迅速さが求められる震災対策、自治体間連携による広域での命を支える施策、被災したまちの再建に向けての課題が分かちがたく加わったものと思います。編成した予算への評価とともに、予算案の調整完了までに日にちがない中、市長は目指す予算の姿に向かっていかなるリーダーシップを発揮されたのか、その思いを含め伺います。 2点目に、歳入予算の評価について伺います。地方財政計画による地方財政対策全般では、社会保障費や防衛費の急激な増額による影響が危惧されましたが、一般財源の総額は前年度を上回る水準が確保されました。地方交付税総額は0.3兆円の増ですが、後年度に国が交付税措置する臨時財政対策債の発行は半分に抑えられました。本市においては地方財政計画から試算した地方交付税は25.6%増、129億円を見込み、臨時財政対策債を20%、3億円減額して12億円を充て、141億円としました。市税の見込みと併せ、本市の歳入予算編成から見て2024年度の地方財政対策をどう評価しておられますか。 実施予定の定額減税による個人市民税減収分17億6,000万円は、地方特例交付金で全額補填されるようですが、所得税減収による地方交付税への減額影響や災害対策の財源となる特別交付税の配分など、財源確保に不安材料はありませんか。見解を伺います。 地方の固有財源である地方交付税は、国の政策によって影響を受けるものであってはなりません。地方分権と財源保障の機能を強化する観点から、全国市長会をはじめ地方団体は、近年、国へどのような要請を行っているかも併せてお聞かせください。 3点目の質問、国の指示権に関する地方自治法改正についてお伺いします。 昨年末に第33次地方制度調査会が、大規模な災害、感染症の蔓延等の国民の安全に重大な影響を及ぼす事態への対応に関し、地方自治法を改正し、国の補充的な指示の制度を創設するよう答申したことを受けて、政府は、この1日に地方自治法の改正案を閣議決定しました。私は、地方分権の後退、中央集権への逆戻りを懸念いたします。そもそも2000年の地方分権一括法施行により、地方公共団体を国の下部機関と位置づける機関委任事務は廃止され、国と地方公共団体は対等・協力の関係になりました。指示を含め、国の関与は個別法に基づき必要最小限のものとし、自治体の自主性及び自立性に配慮しなければなりません。これは地方自治体の悲願でありました。ところが、創設する国の指示権は、非常時であれば自治事務にも個別法によらずとも発動でき、地方は従う義務を負います。指示権を認める要件は、現行の国民の生命、身体または財産の保護のため緊急に自治事務の的確な処理を確保する必要がある場合等、特に必要と認められる場合から、国の判断により発動できるよう緩和するものとなっております。改正理由とされる災害対応は、災害の特性から基本的な対応自治体を市町村とした上で、その規模等に応じて都道府県の関与、国の関与を可能とし、それぞれの責務や権限等を定めております。これまで災害ごとの特殊性や教訓等を踏まえて緻密に積み上げられてきた現在の枠組みの意味を考慮すれば、強化が必要なことは国の指示権ではなく、広域的な連携調整や技術的支援、十分な財源確保といった補完機能ではないんでしょうか。全国市長会長及び全国町村会長が求めてきた自治事務に関する国の指示権が必要であることの根拠は果たして示されたと言えるのか。拙速は禍根を残します。地方の独立性と分権の観点から、自治体の参加による徹底した審議が不可欠です。国の指示権を拡充する地方自治法改正に対する市長の受け止めを伺うとともに、地方団体としての対処に関するお考えをお聞かせください。 質問の第4は、
ライフラインの維持管理と公共性の確保についてです。 その1は、金沢エナジーの経営確認です。金沢市のガス事業・発電事業を金沢エナジー株式会社に譲渡してから4月1日で丸2年を迎えます。市民の共有資産である両
ライフライン事業の公共性と持続性を重視する立場から、私はこの譲渡議案に反対しました。この問題関心から、本市が行っている金沢エナジーとの経営確認の内容に関心を寄せてきました。企業局から提供いただいた昨年11月の第6回までの情報交換連絡会資料を踏まえ、以下に絞って
公営企業管理者にお尋ねします。 まず、ガス事業の基礎をなす顧客数ですが、発足年度当初の5万7,522件からの減少は止まらず、昨年9月時点で5万6,325件と1,000件以上の減少です。10年間公営事業時より価格を上げないことを約し、平均0.4%値下げしているにもかかわらず減少に歯止めがかからない要因について、本市はどのように説明を受けているのでしょうか。 単年度黒字化は2026年度の計画ですが、初年度は4億9,800万円の赤字、昨年度上半期でも2億4,800万円の赤字です。この先の黒字化を見通せるのかとの識者の指摘も耳にしますが、この状況を本市としてどう評価しておられますか。 本市派遣職員の動向はいかがでしょうか。3年間の派遣期間の3分の2が経過し、技術を生かせる本市部門への復職状況、金沢エナジーにとどまる職員の動向はいかがでしょう。 新会社としての採用職員への技術継承の研修には力を入れているようですが、要員の充足が十分ではないように見えます。専門的知見豊富な派遣職員の本市への復帰が進めば、保安管理の維持継承に不安はないのか、本市として会社の要員体制をどう評価しておられますか。 次に、水道施設再
整備基本構想と末浄水場緩速ろ過施設保全費について伺います。この年度末に策定する水道施設再
整備基本構想に関わって、その基調は、50年の長期的視点から給水需要の減少を見込みつつ、非常時の危機管理対応も可能となる施設規模へのダウンサイジングであると理解しております。年末年始に実施されたパブリックコメントでは、本市を襲った震度5強の地震を経験し、耐震想定の見直しが必要ではないかとの意見が出されていますが、改めて震度7に耐えられる耐震性の担保をどのように検証しているのかお答えください。 また、市民が廃止を惜しんだ金沢の水をつくってきた末浄水場緩速ろ過池の今後にも関心が寄せられております。再
整備基本構想骨子では、名勝の本質的価値を優先し、適切な維持修繕により現役の水道施設として維持するが、非常時の予備力として、施設規模算定の考え方からは除くと、やや分かりづらい書きぶりです。昨年10月31日、国連環境計画は19の都市を都市生態系再生モデル都市として選定しましたが、日本では唯一金沢が選定されました。金沢に関する詳細な情報を見ますと、表題に保存と開発の調和の英語が掲載されております。末浄水場園地は歴史的文化資産であるとともに、生態系の多様性につながる資産としても価値が高まっているように思います。当初予算案に末浄水場緩速ろ過施設維持保全計画策定に向けた事前調査費が計上されております。耐震補強も視野に入れていくのかを含めて、今後どのように対応していくのか明快にお答えください。 第3に、下水道事業のウオーターPPP導入可能性調査についてです。当初予算案に、国の施策に基づき、下水道施設の管理と更新を一体的に委託するウオーターPPPの導入の可能性を調査するとあります。令和5年改訂版内閣府資料によると、PPP/PFI事業の規模を令和4年度からの10年間で30兆円を目指して、質・量両面から充実を図るとして、PPP/PFI推進アクションプランを改定しております。アクションプランでは、ウオーターPPPの導入による水道分野での官民連携事業について、10年目標を水道100件、下水道100件、工業用水道25件としております。ちなみに、ウオーターPPPは公共施設等運営事業、いわゆる運営権を売却するコンセッションのほか、コンセッションに段階的に移行するための官民連携方式として、長期契約で管理と更新を一体的にマネジメントする方式と説明されています。下水道を所管する国土交通省は、社会資本整備総合交付金交付要綱、交付対象事業の要件に、地方公共団体が汚水管の改築を実施する場合は、令和9年度以降については公共施設等運営事業--コンセッション及び同方式に準ずる効果が期待できる官民連携方式--ウオーターPPPの導入を決定済みである場合のみを交付の対象にするとしました。あからさまな政策誘導です。注目すべきは、この方式で原則10年の後、公共施設等運営事業、すなわち民営化手法であるコンセッション方式に移行するとしている点です。まず、
公営企業管理者に伺います。企業局が行うウオーターPPPの導入可能性調査はいかなる目的、どのような事項、どのような手法で行われるものかお答えください。 次に、市長に伺います。この調査の後にウオーターPPPを導入すれば、近い将来に下水道事業の運営権を売却するコンセッション方式の導入を決意するのも同然だと受け止めますが、市長の見解を伺います。 さらには、本年4月より水道事業は厚生労働省から国土交通省に移管されることが決まっております。これをめぐり日経新聞は、「水道業務の移管を受けて、上下水道一体でのウオーターPPPへの期待が高まっている。鉄製水道管で国内シェアトップ企業はウオーターPPP市場の開拓を狙う。水道分野では国が新方式ウオーターPPPを打ち出すなど、市場拡大が見込まれる。」と報じております。下水道事業にウオーターPPPを導入すれば、水の民営化に回路をつなぎ、国策から強い圧力を受けることになるのではないですか。
ライフラインを民間の利潤追求の投資の対象に開くことのリスクは、ヨーロッパにおける水道の再公営化の広がりが明らかにしております。水の民営化は考えてはいないとの姿勢に揺るぎはないのか、改めて御所見を伺います。 最後に、都心軸再整備の在り方について伺います。 本市の都心軸エリアに対し、国が都市再生緊急整備候補地域の設定を行ったことを受けて、緊急整備地域指定を目指して産学金により構成する準備協議会を設置する予算が計上されました。そこでは政令指定すべきエリアの素案、地域整備方針の素案が検討されることになります。このエリアは本市の骨格の背骨であり、まさに顔というべきエリアです。私は犀川河畔で生まれ育った人間ですから、このエリアは慣れ親しんだ場所でもあります。他方、南部丘陵から移動しながら、犀川、浅野川により形成された河岸段丘の起伏に富んだ独特の地形を俯瞰する機会にも恵まれ、居丈高ではない、節度ある中心市街地が臨めるのです。都心軸を歩けばビルの合間から卯辰山、兼六園、金沢城公園の緑もかいま見ることができます。めり張りのあるまちのおかげです。国連環境計画が金沢を都市生態系再生モデル都市として選定したことから、保存と開発の調和のまちづくりが、いかに高い価値を有するのか教えられる思いがいたします。予算概要には都心軸エリアの価値を高めるための公共空間の創出を検討するとあります。では、ここでいう都心軸エリアの公共空間における価値とはどのようなイメージで語られるものでしょうか。市長にとっての公共空間における価値とはいかなるものか。そのためにいかなる人選でもって準備協議会を組織するのか、併せて伺います。 緊急整備地域指定の手続が国・県が主導する枠組みとなっている中で、準備協議会は金沢市の主体として重要な役割を担うものと考えます。民間投資を呼び込む動機づけと歴史文化都市としての都市格をめぐって激しいせめぎ合いが起こってくるのは間違いありません。保存と開発の調和を守り抜くには相当の覚悟が要ると思うのです。金沢駅前は能登にとっても玄関口、人を威嚇するような豪壮な建物より、人を招き入れ、癒す空間があってもいい、どこにでもあるようなまちになってほしくない、被災した奥能登から、こうしたまなざしで再整備の行く末に注目している方もいらっしゃいます。また、石川線・浅野川線のみなし上下分離による存続活性化策では、IRいしかわに移管される線路への石川線の乗り入れ、中長期的検討課題ではありますが、石川線の香林坊までの鉄道延伸が記載されております。日銀跡地の再整備には都心軸の新交通システムとの連関についても議論を行うべきです。市民の英知も集めなければなりません。いかに市民に開かれ、市民が参加する保存と開発の調和の再整備を実現するのか、改めて市長の覚悟を伺って、この質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○上田雅大副議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 32番森一敏議員にお答えいたします。 初めに、今般の地震により、避難所の設置については開設の方法や冬期における運営方法など様々な課題が浮き彫りになったところであり、今後のマニュアル改定に当たっては、避難者の健康が維持されることも含め、避難所の質の向上を視野に取り組んでまいります。他方、能登の被災者を受け入れた避難所運営に関しては、被災者に寄り添い、プライバシーに配慮した空間の確保とともに、健康面に配慮し、栄養バランスのよい食事を提供したほか、保健師による健康観察の実施など、長期にわたる避難所生活でもなるべく御不便をおかけすることがないようお過ごしいただくべく配慮してまいりました。 本市では、発災後、速やかに県や関係機関等との調整の上、独自に能登被災地に向けた救援物資の搬出に着手するとともに、県からの要請を受け、額谷ふれあい体育館をはじめ6つの避難所に輪島市から避難者を受け入れました。また、被災者支援の総合窓口での対応やホテル・旅館等に避難されている方々への健康観察など、県や被災自治体と情報を共有するとともに、関係課が連携しながら主体的に支援してきたところであります。そうした中、御不便をおかけすることもあるかと思いますが、引き続き、被災者の皆様が一日も早く日常を取り戻せるよう、被災者に寄り添いながら段階に応じた支援に力を尽くしてまいりたいと考えております。 元日に発生した
能登半島地震により、広範囲かつ甚大な被害を受けた地区の早期復旧を図るため、危機管理課内に被災地区復旧推進室を設置することといたしました。推進室には室長と室員を専任で配置するほか、関係部局からの兼務職員も含め、庁内で連携しながら復旧業務に当たることとしており、被災メカニズムの究明に必要となる調査・分析を行うとともに、有識者から成る技術検討会議の意見を反映した復旧工法等を検討することとしております。なお、これらの地区における復旧・復興については迅速に取り組みたいと考えておりますが、地域の方々との協議が非常に重要になります。そのための時間を要することとも考えております。 これまでも高齢者や身体に障害のある方から、災害時の受入れ体制に対して様々な御意見をいただいておりますが、今回改めて、避難所にスロープやエレベーターの設置がないなど、バリアフリーに対応していないという声があったほか、知的障害や精神に障害のある方については環境変化への対応が難しいことや周囲への気遣いから1次避難所への避難をためらうことがあったと聞いております。また、災害時に特に支援が必要とされる視覚や聴覚に障害のある方への情報・コミュニケーション支援にも課題があると認識しております。こうしたことから災害救助法改正の必要性は理解しております。これから国の動向を注視してまいりたいと考えております。本市としては、明年度予定している地域防災計画や避難所運営マニュアル等の見直しの中で、これらの福祉課題について検討してまいります。 今年度実施いたしましたモデル事業が契機となって、大桑地区におきましては学生ボランティアグループと地元町会との間で連携協定を結んでおります。締結後は、日本語の指導とともに町会の夏祭りや防災訓練に学生が参加するなど、日本人と外国人住民が相互理解を深める取組を行っております。平時での生活はもとより、災害時においては、言葉が障壁となって外国人住民が孤立しないように、日本語の理解とともに、地域において、日本人・外国人住民同士が常日頃からお互いに顔の見える関係であることが大切であると考えております。大学・地域連携日本語学習支援事業の本格実施を通じて、そうした地域づくりが促進されることを期待しております。 令和6年度当初予算は、児童手当の支給年齢拡大や障害者自立支援費、生活保護費といった扶助費の増加を反映したほか、国の経済対策に積極的に呼応し、最終補正予算と合わせ、中期財政計画を上回る公共事業規模を確保したところであります。加えて、
能登半島地震からの段階に応じた復旧・復興に係る経費を確保するとともに、都市像の実践元年にふさわしい予算を意識し、
未来共創計画に掲げる施策の積極的な予算化に取り組んだ結果、地方財政計画を上回る積極予算となったものであります。 令和6年度予算は、地震からの復旧・復興に向けた対策はもちろんのこと、都市像の具現化に向けた
未来共創計画と連動を図りながら、都心軸の再興や市民の文化芸術に触れる機会の充実、全ての子どもの健やかな成長、ゼロカーボンシティーの実現など、心豊かで活力ある未来の金沢に向け、今できる限りの施策を盛り込んだところであり、
未来共創計画の実践元年にふさわしい予算となったと考えております。一方、元日の発災以来、
未来共創計画の策定と予算編成に、そして地震対応に並行して取り組むこととなり、いずれも迅速な対応が求められる中で、これらを実行に移し、このような予算をお諮りできたと考えております。1月に補正予算を編成することや、宿泊税の活用、能登地域の振興などで私から指示することはありましたが、これは私のリーダーシップというよりも、日々、志を共にする職員との意見交換を通じて、何度も追加修正しながら築き上げた成果であります。このような大変な予算をまとめ上げた職員皆さんに対して大いに評価したいと考えております。 市税につきましては、直近の課税状況を反映した結果、個人市民税では、給与所得の増等により、定額減税影響分を除き増額となったほか、地価の上昇等による固定資産税の増額と合わせ、実質で過去最大となりました。また、譲与税や地方消費税等の交付金、実質的な地方交付税額は、今年度の決算見込みや地方財政計画に基づき算出しており、結果として過去最大の予算規模を確保する上で必要な財源が確保できたと考えております。算定の基礎となった令和6年度の地方財政計画では、地方交付税等の一般財源総額が1.0%の増となったほか、子ども・子育て政策の強化に係る地方財源が確保されるなど、地方団体からの要望も踏まえたものとなっており、評価すべきものと考えております。 所得税の減税による地方交付税への影響につきましては、国において繰越金や自然増収による法定率分の増により対応がなされたところでありまして、結果として、地方交付税の増など一般財源総額が増加となり、本市の予算編成への影響はなかったと考えています。一方で、今後、公共インフラの本格復旧経費として多額の予算が必要となり、その財源となる地方債の償還が将来の財政に及ぼす影響が危惧されるとともに、実態に即した被災者支援を行う中で、国や県の補助対象とならない市単独事業も増えていることから、特別交付税の増額も含め、国や県に対し追加の財政措置を訴えていくなど、必要な財源を確保しながら、引き続き地震からの復旧・復興にしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。 毎年国に対して、歳入に関しては全国市長会を通じて権限の移譲、義務づけ・枠づけの見直しのほか、税源移譲による国と地方の税源配分5対5の実現など、真の分権型社会の実現に向けた要請を行っております。国と地方の協議の場等を通じて、国と対等な立場で意見を交わしているところであります。今後、我が国の持続的な発展のために地方創生が求められる中で、各自治体の主体性、自主性を高めることが一層重要となっていくことから、こうした協議の場を重ね、国から実効性を引き出していくためにも、引き続き全国市長会等を通じて国に強く働きかけてまいりたいと考えております。 国の指示権について、今回示された地方自治法の改正案であります。私は前職が総務省でありました。そして、その総務省に入るに当たっては自治省が改組して総務省となりました。国の中で、内閣の中でも地方分権を訴えていく、そのような立場の役所が出身であります。そうした中にあって今回の改正案を考えるには、あくまでも新型コロナ時の対応の課題を踏まえて、想定外の事態が発生した際の国民の安全確保に向けての迅速な対応が取れるように、感染症や災害など重大な事態が発生した場合に限って国が自治体に対し必要な指示を行えるとするものであります。この不確実な時代にあって必要なものと考えております。この法案をめぐりましては、地方自治の本旨にのっとって必要最小限度の範囲とするように、地方からはかねてから要請してきたところであります。結果として、国と地方の関係は対等・協力と定めた地方分権の原則が維持されるとともに、国が指示を行う際には、あらかじめ自治体に現場の状況が分かる資料や意見の提出を求めることが明記されるなど、こちらは適切な改正案であると考えております。 続きまして、ウオーターPPPについての御質問をいただきました。国におきましては、地方自治体が下水道施設の管理と更新を一体的に委託するレベル3.5に移行した後、レベル4に当たるコンセッション方式を選択肢として検討してほしいとの見解を示しておりますが、本市として現時点においてコンセッション方式の導入までは考えておりません。 また、水道事業については民営化は考えていません。 都心軸エリアの価値を向上させるため、市民や来街者が居心地よく滞在し、歩きたくなる空間など、快適で魅力的な公共空間の創出が必要と考えております。
都市再生特別措置法の活用に向けた取組に併せ、官民連携による公共空間の創出の在り方や手法等について調査検討を進めることとしています。準備協議会の構成は、国の基本方針に基づき、経済団体や学識経験者、国・県、金融機関など産学官金からの委員に加え、これまで本市のまちづくりに重要な役割を担ってきた都市計画審議会と景観審議会の委員のほか、地域団体や若い世代の代表の参画も要請したいと考えております。委員数は20名程度となる予定であります。 まちづくりの規範である保全と開発の調和は、世界に通じる金沢らしさの源泉であり、金沢らしさを継承・発展させるとともに、時代の要請に合わせてまちを変革し、発展させていくことは首長である私の使命であり責任であると考えております。私は、この金沢らしさを際立たせていきたいと考えています。このため、
都市再生特別措置法の活用に向けた準備協議会において、地域団体や若い世代からの委員参画を求め、意見を反映させていくほか、官民連携による都心軸エリアの価値向上を通じて本市のまちづくりの規範である保全と開発の調和を発展させ、「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」にふさわしい、品格と魅力のあふれる都市空間の形成を目指していきたいと考えています。 私からは以上です。
○上田雅大副議長 川畑総務局長。 〔川畑宏樹総務局長登壇〕
◎川畑宏樹総務局長 田上新町、粟崎町の半壊以上の損壊家屋棟数についてお尋ねがございました。建物被害認定調査により被害の程度が半壊以上と判定しました損壊家屋は、3月8日時点で田上新町では6棟、粟崎町では123棟でございます。 以上でございます。
○上田雅大副議長 松田
公営企業管理者。 〔松田滋人
公営企業管理者登壇〕
◎松田滋人
公営企業管理者 金沢エナジーのことについて何点か質問いただきました。ガスの顧客数につきましては、事業譲渡前の減少傾向が譲渡後も続いており、主な要因はオール電化など他の熱源への変更等によるものと聞いております。こうした状況の中、先月末に開催した金沢エナジーとの情報交換連絡会では、民間のノウハウを活用した営業活動の結果、第3四半期で顧客数が増加したとの報告を受けたところでございます。 それから経営状況、赤字が続く状況のお話です。金沢エナジーにおきましては、ガス・発電事業の譲渡価格と資産価格との差額を毎年度のれん償却として費用計上している影響により、現時点では赤字になっていると聞いております。現在、御質問にもありましたように、2026年度の単年度黒字化に向けて、ガスや電気の多様な料金プランを提供するとともに、都市ガス供給区域を野々市市へ拡大し、新規需要の開拓に努めるなど、民間企業ならではのサービスを展開し、収益基盤の強化を図っているものと捉えております。引き続き、定期的に開催する情報交換連絡会や外部有識者からの意見聴取を通じて経営状況を確認してまいります。 それから派遣職員のことでございます。昨年度派遣期間を終えた職員は22人であり、このうち21人が市へ復職し、1人が本人の希望により金沢エナジーに転籍したところでございます。復職した職員については、各職員の技術技能や職務経験を十分考慮の上、市全体の中で適正な配置に努めた結果、企業局に16人、市長部局に5人配置しております。今年度末に派遣期間を満了する職員については、現在、人事異動作業の中で検討しているところでございます。 それから金沢エナジーでは市職員の派遣期間満了に合わせ、3年間で80名の社員を採用する計画で、令和4年度は27名を採用し、令和5年度も27名を採用予定と聞いております。要員の確保は順調に進んでいると認識しております。また、供給・保安体制の維持強化を図るため、社員への教育訓練や研修等を計画的に実施しており、本市や出資元の派遣職員からの技術技能や知識が着実に継承されているものと考えております。 続きまして、水道施設の耐震性のことについてお尋ねがございました。本市の地域防災計画では、森本・富樫断層帯による地震により、金沢市内で最大震度7の地震動が想定されており、本市の水道施設についてもこの想定に基づき個別に耐震診断や設計を行った上で耐震化を進めておりますことから、完了後の施設の耐震性は確保されていると考えております。引き続き、早期の耐震化に取り組んでまいります。 それから、末の浄水場の緩速ろ過施設のことでございます。これにつきましては、名勝としての本質的価値への配慮から耐震補強が困難であるため、名勝価値を優先しながら、現役の水道施設として適切に維持修繕することとしており、明年度は維持保全計画の策定に向けた事前調査として、コンクリートの劣化状況の調査や補修策の検討のための機能診断を計画しております。 それから、下水道事業のウオーターPPP導入可能性調査のことでございます。令和9年度以降、下水道事業におけるウオーターPPPの導入が汚水管改築事業における国の交付金の要件となることから、国の施策に沿って、明年度導入可能性調査を行うものであります。導入可能性調査は、官民連携方式の知見を有するコンサルタント会社に委託することとしており、主要な処理区の下水道施設と管路を対象とし、現状分析や課題整理をした上で、費用対効果やマーケティング調査等を踏まえ、対象施設や導入手法等の検討を行うこととしております。 私からは以上でございます。 〔「議長、32番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○上田雅大副議長 32番森一敏議員。
◆森一敏議員 御答弁どうもありがとうございました。 私の質問の中の自治法の改正について再質問いたしますが、地方がその主体性、独立性を侵されないようにするための歯止めがこの中に盛り込まれたと、おおむねそのような評価をなさった。そして、今後の不確実な時代を考えると、想定外に対応する自治法上の国の指示権は必要であると、このような認識を示されたと思います。私の手元に全国知事会の会長名の、閣議決定を受けてという文書が資料としてあるんですけれども、この中で、地方公共団体に意見等求めるなど適切な措置を講ずるよう努めなければならないことが規定されております。このように指摘しております。これはいわゆる努力義務というものなんですね。この努力義務というものが本当に果たされていくのかというところにまず懸念があります。もう1点、この知事会の声明の中では、法案上必ずしも明記されていないと考えられる点もある、国の補完・補充的な指示が地方自治の本旨に反し安易に行使されることがない旨が確実に担保されるよう、事前に適切な協議・調整を行う運用の明確化などが図られるよう強く求める、このように声明を発出しているんですね。ですから、この努力義務というものが歯止めになるのかという点と必ずしも明記されていない点があると、このことについて市長の認識を改めて伺いたいし、ここで示されている課題というのは、地方自治の本旨に深く関わる問題を提起しているわけですから、地方団体として、法案が実際に提出されて審議されていく過程で何らかのアクションが求められてくるのではないかと思いますが、その御認識について改めてお伺いしたいと思います。
○上田雅大副議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 今回の法改正の目的は、あくまでも想定外の事態が発生した際の国民の安全を確保することであります。これは国と地方自治体双方の最大かつ共通の目的であったというように考えています。努力義務であったとしても、これは国が努力義務を守らないということが果たしてあるかどうかということ、そして、仮に国が地方公共団体の意思に違うような行動をした場合には、地方公共団体が一緒に一斉に反対に上がるということを考えると、事態としてなかなか想定しづらいのではないかというように考えています。地方分権の原則の下で、事前の意見提出なども盛り込まれたということで、国との十分な意思疎通を図ることでそういった不安は避けられるのではないかというように思います。今回の地方自治法改正、国と地方の役割を補完し合う関係を強化するきっかけになればと考えておりますが、今後、国の審議が本格化いたしますので、その状況を注視してまいりたいと考えています。 以上です。 〔「議長、32番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○上田雅大副議長 32番森一敏議員。
◆森一敏議員 補完的な機能をさらに強化すると、そのための法改正に本当になっていくのか、ちょっと楽観的ではないかという思いがいたします。注視されるということなので、地方団体として、やはり組織的にきちっと対応していただきたい。そのことは要望として申し上げたいと思います。 質問ですが、
公営企業管理者がウオーターPPPについて答弁なさいました。私の理解では、10年ほど経過したら3.5から4、いわゆるコンセッションに移行するという前提でこのウオーターPPPが制度設計されていると、このように認識しております。したがって、ウオーターPPPを、これは可能性調査ですから導入すると決まった話では現在はありませんが、これを導入するということは、しかるべき年数がたったときにこれがコンセッションに移行すると、このように制度設計されているんではないでしょうか。そういうことを前提にした導入可能性調査を行うということなのか、もう一度明確に御答弁ください。
○上田雅大副議長 松田
公営企業管理者。 〔松田滋人
公営企業管理者登壇〕
◎松田滋人
公営企業管理者 内閣府の資料で恐らく御覧になったんだろうと思いますけれども、そのように記載されております、内閣府の資料では。ただ、下水道事業を所管する国土交通省からは、その記載の趣旨は、レベル3.5の後継として、レベル4に当たるコンセッション方式導入の検討を促したものであるとの見解が示されております。また、移行しない場合のペナルティーもないと聞いております。本市では明年度、レベル3.5の導入に対する可能性調査を行うこととしておりますが、先ほど市長が答弁いたしましたとおり、現時点においてコンセッション方式の導入までは考えておりません。 以上でございます。
○上田雅大副議長 30番玉野道議員。 〔30番玉野 道議員登壇〕(拍手)
◆玉野道議員 質問の1点目は、
能登半島地震と当初予算案に関してです。
日本銀行金沢支店は、2月の金融経済月報を発表し、
能登半島地震の影響により、強い下押しの動きが見られるとし、北陸財務局は北陸3県の2月の景気について、
能登半島地震の影響により弱含んでいるとの判断を示しています。馳石川県知事は、2024年度当初予算編成に関し、
能登半島地震対策費をはじめ、北陸新幹線開業対策費などの必要不可欠なものに限定した骨格予算とし、それ以外の施策は6月補正で対応するとして、今後10年間の県政方針の成長戦略についても見直しを図る考えを表明しています。一方、市長は昨年10月に令和6年度予算編成方針に関し、新たな都市像の実践元年と位置づけた中での施策立案と中期財政計画・公共施設等総合管理計画などの着実な実践といった基本的な考え方を示し、12月定例月議会においてもその基本方針を示しています。そこで、国の
能登半島地震政策パッケージでの北陸応援割の実施や、地域経済の回復に向けた本市のプレミアム商品券発行支援拡充等が表明されていますが、
能登半島地震に伴う今後の本市の景気動向と県の予算編成方針や成長戦略の見直しに伴う新たな都市像の具現化への影響、令和6年度予算編成方針の修正点並びに県との共創施策の取組に対するお考えをお尋ねいたします。 加えて、本市においても第一本庁舎や21世紀美術館をはじめ歴史的資産やスポーツ施設も含め、様々な分野での被害状況が明らかになっていますが、中期財政計画や公共施設整備計画への影響と対応についてもお尋ねいたします。 このたびの
能登半島地震において、自治体の業務継続計画--BCPの実効性や災害時に避難所となる学校施設の安全対策が重要な課題として浮き彫りになっており、災害の種類や発生する時間帯、気象状況などによって被害の様相は大きく変化することから、BCPの実効性を高めるための不断の見直しが不可欠となっています。そこで国は、BCPの6要素を網羅した計画策定を求めていますが、
能登半島地震を教訓とした本市の地域防災計画とBCPの検証、災害時に避難所となる学校施設の防災機能の拡充など、新たな課題と対応についてもお尋ねいたします。 また、執行体制の改編に伴い、室を3増としていますが、特に都市再生推進室については複数の局を横断することから、課内室ではなく共創文化都市推進本部と同様の体制とすべきと考えますが、本部体制と室の設置に対するお考えをお尋ねいたします。 質問の2点目は、診療報酬の改定と
金沢市立病院に関してです。
金沢市立病院の再整備事業基本構想と病院経営強化プランの策定の中、
能登半島地震で被災した高齢者の医療・介護支援を必要とされる患者らの受入れにより、石川県内の医療機関では病床が逼迫し、満床状態が続いています。在宅医療、訪問看護、訪問介護といった自宅がベースの高齢者向けサービスが災害で停止し、症状が回復しても自宅や施設が被災し戻ることができない方や、退院が可能となっても介助が必要で行き先が決まらない方が多いことから、病院の介護施設化という状況に陥り、一般診療への影響も懸念され、
能登半島地震は超高齢社会の被災者支援との課題を突きつけていると言われており、避難生活の長期化を見据えた支援と災害
関連死を防ぐ観点からも、これらへの対応の必要性が指摘されています。そこで、市立病院の受入れ状況並びに被災者の退院・転院先として、この3月末に廃止となる介護療養型医療施設に代わる介護医療院の増設、厚生労働省が要請している地域包括医療病棟の新設や看護職員の在籍出向の仕組みと併せてお考えをお尋ねいたします。 令和6年度は、医療保険の診療報酬、介護保険の介護報酬、障害福祉サービスの報酬と、3制度の報酬改定が同時に行われるトリプル改定となり、社会保障を支える担い手の賃上げを実施するためにも、過去10年間で最も高い改定率となっています。国は、報酬改定に当たっての基本認識として、1、物価高騰、賃金上昇、経営状況、人材確保、患者負担、保険料負担の影響を踏まえた対応、2、全世代型社会保障の実現や医療・介護・障害福祉サービスの連携強化、新興感染症等の対応と医療を取り巻く課題への対応、3、医療DXやイノベーション推進等による質の高い医療の実現、4、社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和の4点を示しています。そこで、トリプル改定等に伴い上記で述べた制度の動向は、市立病院の経営強化プランの策定においても多大な影響を及ぼすものと推察しますが、国が示す基本認識に対するお考えと今後の人口動態といった外部環境変化を見据えた市立病院の将来方針の策定について、高田
病院事業管理者のお考えをお尋ねいたします。 今回の診療報酬改定に当たっての具体の方向性として、1、患者の状態及び必要と考えられる医療機能に応じた入院医療、2、外来医療の機能分化・強化等、3、質の高い在宅医療・訪問介護の確保等が示されています。また、この4月から医師の時間外労働の上限規制が適用されることから、診療報酬改定の対応がより実効性のあるものとなるよう、地域医療体制確保加算の要件見直し、医療の負担軽減策として、特定行為研修修了看護師の配置による業務分担、作業補助の体制加算、手術・処置の時間外加算等に看護師の業務負担の軽減推進を図るためのICT、AI、IoT等の活用が求められています。また、医療扶助のオンライン資格確認への対応についてはこの3月に予定されており、2024年度には紙の保険証の廃止とマイナ保険証の一体化や、数年後には電子カルテ情報共有サービスで3文書6情報を共有できる仕組みが促進されると言われています。そこで、医療のDX化については、国の医療DXの推進に関する工程表が既に示されており、今後それに基づいて実行されると思いますが、市立病院における医療DXの推進及び働き方改革への対応についてお尋ねいたします。 先般総務省は、公立病院の新築・建て替えなどに対して、資材価格高騰による建設費の上昇を踏まえ、公立病院の建設単価を引上げした病院事業債の発行を認め、その償還については普通交付税の措置の対象として、国土交通省は公共工事事業費を積算する際の労務単価をこの3月から引き上げています。そこで、市立病院の再整備事業について、平和町公園への移転案での基本計画策定の方針が示されましたが、基本構想における診療科目や病床数などの医療供給体制の概要、再整備事業費並びに病院事業債の発行、今後のスケジュールについて併せてお尋ねいたします。 質問の3点目は、介護保険制度の改正と長寿安心プラン2024の策定に関してです。 今回の介護保険制度の改正は、2025年に団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年問題に向けた改正でしたが、負担増や給付増、新サービスの創設などの実施に関わる重要なテーマが次々と見送られた中、生産性の向上の取組や科学的介護の推進など、介護保険は新たな局面に入ったと言われています。また、今回の報酬改定で職員の賃金底上げに重点配分するとともに、次期計画期間内に迎える2025年問題に向けた地域包括ケアシステムの構築や地域共生社会の実現を目指す取組を加速させることに重点が置かれており、介護人材の確保のためには介護職員の処遇改善が確実に実施されなければなりません。他方、生産性向上の取組を強化するため、施設系サービスに対し、現場の状況を踏まえた対策を検討する委員会の設置が義務づけられ、働きやすい職場環境づくりも求められています。ただ、処遇改善加算の手続が煩雑で、小規模事業所での対応が難しいことに加え、在宅介護を支える訪問介護サービスの基本報酬が全て引き下げられたことにより、担い手不足が加速し、訪問介護は崩壊すると危惧されています。厚生労働省と近い関係にあると言われている全国社会福祉協議会も、今回の改定は、国が目指す住み慣れた地域で安心した生活を続けられるという姿とは全く反対と指摘し、異例の抗議を表明しています。そこで、介護報酬の基礎額引上げの限界が見え始めている中、介護報酬改定と介護保険制度の改正をどのように捉え、主な改正ポイントと言われている、1、地域包括ケアシステムの深化・推進、2、自立支援、重度化防止に向けた対応、3、良質な介護サービスの確保に向けた働きやすい職場づくり、4、制度の安定化、持続可能な確保等の取組を長寿安心プラン2024に具体にどのように反映されたのかお尋ねいたします。 静かに聞いてください。 社会保障問題は、少子高齢化が進行するにつれ、今後、世代間の負担の公平性がますます深刻になっていくことが想定されており、後期高齢者医療制度と健康保険制度の関係など、それぞれの世代にとって納得感のある制度設計が求められています。また、受給者の範囲は介護保険制度だけで決められることではなく、障害者福祉制度との関係性が重要で、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施という視点からも医療制度との関係性も重要になりますし、高齢化が進み、社会構造が変化する中、暮らしの基盤となる住まいの確保も社会保障政策における重要な柱の一つです。政府は、生活困窮者自立支援法と生活保護法などの改正案を決定し、住居確保給付金の対象者の拡大や自立相談支援事業に住まいに関する相談機能を加え、縦割りを廃し、入居時から退去時までの見守り支援について自治体の努力義務としています。そこで、本市の介護保険料と利用者負担の考え方、高齢者を取り巻く各種制度を有機的に連携させる施策展開並びに生活困窮者自立支援法、生活保護法などの改正に伴う支援体制の整備・拡充について、併せてお尋ねいたします。 2024年度には、金沢方式と呼ばれる公民館・児童館・消防団の施設整備における地元負担の在り方等の検討が始められると仄聞しますが、福祉分野における地区社会福祉協議会の在り方についても検討されるのかお尋ねいたします。 質問の4点目は、障害福祉サービス等報酬の改定と第7期障害福祉計画の策定に関してです。
能登半島地震で、環境の変化に弱い障害者の多くが避難せず施設にとどまっていたことから、障害者が被災した際にどう支えていくかが課題となっています。今回の障害福祉サービス等報酬改定では、1、障害者が希望する地域生活を実現する地域づくり、2、社会の変化等に伴う障害児・障害者ニーズへのきめ細かな対応、3、持続可能で質の高い障害福祉サービス等の実現のための報酬の見直し等の基本方針が示され、障害福祉分野においても、ほかの職種と比べて賃金が低く、人手不足が課題となっていることから、職員の処遇改善に当たっての報酬の加算率を引き上げ、専門性の高い人材配置に重点を置いた報酬の新設や、地域で中核的な役割を果たす児童発達支援センターと事業所や保育所との連携や家族への支援の取組などについても新たに報酬が加算され、その対象も拡大されています。また、診療報酬、介護報酬の同時改定である機会を捉えて、多様な障害特性にも配慮しつつ、保健・医療・福祉及びその他の施策との連携の推進を図る必要があるとしています。他方で、施設入所者の地域移行を進めるため、施設外サービスなどの意向を確認する担当者を配置することとし、担当者が未整備の場合には減算措置が取られています。そこで、重度障害者向け施設での定期評価の実施の遅れが指摘されていますが、第6期障害福祉計画並びに第2期障害児福祉計画の検証を踏まえ、今回の障害福祉サービス等報酬の改定をどのように捉えておられるのかお尋ねいたします。 また、令和6年度から8年度までの第7期障害福祉計画及び第3期障害児福祉計画を作成するための基本方針が示され、障害の有無にかかわらず働きやすい職場づくりの理念に基づき法定雇用率が引き上げられています。発達障害の認知の広がりや女性の就労率の上昇に伴う預かりニーズの増加による児童発達支援や放課後等デイサービスの量が大きく拡充している中にあって、支援の質の確保、インクルージョンの推進が重要な課題となっており、児童発達支援センターの中核的役割の発揮をはじめ、地域の支援体制の強化を図るための方策も推進しなければなりません。そこで、本市の第7期障害福祉計画・第3期障害児福祉計画の策定と先述した取組について、併せてお尋ねいたします。 質問の5点目は、金沢市中央卸売市場に関してです。
能登半島地震の被害状況が明らかになるにつれ、本市の食文化を支える農林水産業をはじめ、地域産業も深刻な被害を受けており、事業再建やなりわい支援、観光資源の再生と観光復興の取組など、中小・零細企業への復旧支援とともに雇用維持への支援も重要になっています。そこで、
能登半島地震の被災に伴う金沢市中央卸売市場と卸売市場事業関係者への影響をどのように捉え、震災被害や影響を受けている事業者等の支援策についてお尋ねいたします。 新年度施策方針案において、豊かな食文化を支える物流環境の整備が掲げられていますが、本市卸売市場再整備事業の基本設計において、新たな市場の施設規模のほか、概算事業費、ローリング計画などもまとめ、2024年度下半期以降には実施設計に移行することになっています。卸売市場の再整備事業に
関連し、2022年12月に市長に卸売市場関係者から12項目の要望書と確認書が提出されています。その一つに、供用開始時期のさらなる早期化及び仮店舗での操業期間の短期化を図ることと、市場の将来的な情勢の変化に備えて建物内に予備スペースを確保することとの記述があります。これは今回の再整備事業における施設規模を現在の80%とする方針とともに、将来の衛生管理や冷蔵機能並びに物流形態が変化した場合にも対応可能となるゆとりスペースの確保を開設者に求めたものと理解しています。また、そのゆとりスペースについては、当面の期間は使用料が発生することなく、時節での入出荷量の変動の際には柔軟な利活用が許容されるものと理解しております。そこで、先般、基本設計における青果・水産の施設配置計画が示されたと仄聞しますが、ゆとりスペースの確保面積並びに運用について、どのようなお考えなのか、また、供用開始時期のさらなる早期化と仮店舗での操業期間の短期化への取組と基本設計の進捗状況について、併せてお尋ねいたします。 また、管理費の圧縮については、市場会計の管理費には市場事務局職員費が含まれており、財源は市場使用料と一般会計補助金が充てられることになっています。ただ、現在、複数の長期休職者が発生していることから、使用料と職員費、人員補充の在り方も含め、市場事業者に不利益とならない対処も必要と考えます。そこで、本来は長期休職者の職員費は市場会計に負担させるべきではないと考えますし、整備事業の遂行に支障を来すことのない実働職員を確保すべきと考えますが、併せてお尋ねいたします。 本市中央卸売市場再整備事業の最大の課題は、狭い敷地でのローリング方式による再整備にあると言われています。現卸売市場での屋外通路や駐車場での大量の荷さばき・積替え・転配送等の現状から、ローリング計画の策定と工事の開始にはこの現実を勘案した相応の種地の確保が必要と考えます。また、既存建物の解体と新たな建物を建設しつつ、仮店舗や仮駐車場の確保による、これまでと同様の車両動線の確保、工事車両の駐車場の確保、入出荷時における車両交通のふくそうの整理が課題と考えます。そのため、卸売市場に隣接している複数の市場関係建築物の買収や借り上げ等も視野に入れた種地の確保が必要と考えますが、ローリング計画の策定と種地の確保は大丈夫なのでしょうか。そこで、予算案において、基本設計を完了し実施設計に必要な土質調査費が計上されていますが、耐用年数を超えている埋設管の敷設や市場内用水路の取扱い、埋蔵文化財包蔵地など、ローリング計画の策定に関わる重要項目、補助金等確保の内訳並びに卸売市場整備基金の使途、市場内事業者への支援制度について、併せてお尋ねいたします。 一方、物流費の高騰をはじめ、卸売市場再整備事業を取り巻く環境が急激に変化しており、卸・仲卸業者の取扱金額や売上利益率・営業利益率等の収益性も急激に悪化していると思われますし、ローリング方式による10年間の長期工事期間中における卸売市場を取り巻く環境と市場関係事業者の経営指標の悪化が推察されることから、再整備事業後の使用料に応え得る市場関係事業者の入居は担保されているのでしょうか。確認書での使用料についての確証も含め、現在地での建て替えや整備スケジュールに対する不安要素が増していることから、現在地での再整備事業に疑念を呈する声もあると仄聞しますが、大丈夫なのでしょうか。そこで、建設工事費を220億円と算定していますが、総務省や国土交通省の公共工事費の積算算定方法の見直しや
能登半島地震、物流2024年問題等々、卸売市場再整備事業を取り巻く環境変化に伴う論議に必要な視点と考察、概算整備費総額、減価償却を終えている建物の解体費、耐用年数を超えている埋設管の更新費等々と、使用料算出の考え方についてお尋ねいたします。 本市の卸売市場の再整備事業において、物流2024年問題に対応した中継基地と北陸のハブ拠点としての機能強化を目指すとしています。農林水産省は、食の物流拠点として卸売市場に求められる今日的な課題への対応と物流2024年問題に対処した物流改革の実現を図るとして、産地・卸売市場・食品流通業者等による、1、物流の標準化、標準仕様のパレットの導入、2、デジタル化、データ連携、納品伝票の電子化、トラック予約システム、3、モーダルシフト等の導入、4、物流の効率化やコールドチェーン化に必要な設備・機器の導入、5、中継物流拠点化の推進を挙げています。また、取引情報の電子データ交換を図るEDI等の情報通信技術の導入の遅れが指摘され、ブロックチェーン、IoT、人工知能などの新たな情報通信技術の導入による作業負担の軽減や効率化を図るとしています。そこで、本市卸売市場の食の物流拠点としての今日的に求められる課題への取組、物流2024年問題への対処に不可欠と言われる情報通信技術・DX化、物流の拠点化を高める機能強化の取組について、併せてお尋ねいたします。 新年度の新たな都市像における
未来共創計画において、「創造・変革により成長するまち~仕事づくり~」の基本方針が掲げられ、施策も進められています。近年、物流機能施設が都市における人や企業の活動が成り立つための必要不可欠な施設として再認識され、地域経済の付加価値の牽引役として、物流機能施設の立地自体が他の産業を呼び込むきっかけになるとしています。農林水産省は、卸売市場の再整備に当たり、市場外で取引される食材の中継輸送場所としての活用など、食材を売る卸売市場だけでなく、2024年問題の解消に向けた取組で業界の垣根を越えた連携が進み、食の物流拠点としての機能の優劣が卸売市場の選別化を促進させるとしています。国土交通省は、物流総合効率化法の制度改正を行い、物流革新緊急パッケージを策定、商慣行の見直しや物流の効率化等を含めた抜本的・総合的な対策として、事業用資産に係る税制特例措置や市街化調整区域等における規制緩和など、物流危機対策を本格的に始動させています。これらの動向に呼応し、物流2024年問題に対応した流通業務総合効率化法、貨物自動車運送事業法の改正により、異業種タッグによるトラック融通や共同配送による物流の協業化など、物流連携も卸売市場間で広まっています。また、経済産業省は、地域未来投資促進法を活用した開発許可関係手続に関わる配慮の対象施設として、次世代モビリティーに対応した物流施設を地域経済牽引事業の対象施設として食品
関連物流施設も明記しています。都市計画法上の市街化調整区域における開発を許可して差し支えないともしております。そこで、選ばれるまちづくりにおける物流拠点整備の位置づけが大きく変化する中、農林水産省、国土交通省、経済産業省の方向性を受けて、本市における物流機能施設の立地に伴う選ばれるまちづくりと
未来共創計画における市街化調整区域・農地等の土地利用の在り方と、新たな工業団地に物流施設が含まれていますが、新たな工業団地の在り方の検討と併せてお考えをお尋ねし、私の質問を終わります。(拍手)
○上田雅大副議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 30番玉野道議員にお答えいたします。 震災以降、飲食店などでの消費が冷え込んでいることから、北陸新幹線敦賀開業に合わせた国の北陸応援割とともに、先般お認めいただいた追加のプレミアム商品券の発行により、観光客や市民の消費意欲を向上させることで地域経済の活性化につなげていきたいと考えています。他方、震災により県の成長戦略や予算に影響が出ておりますが、本市とすれば、都市像の実現に向けた
未来共創計画で、県の成長戦略の見直しに先駆けて、地震を教訓とした災害対応力の強化を掲げ、これに連動した予算でも地震への対応を検証し、防災体制の強化を図る施策を盛り込んだところであります。もちろん市の重要施策の推進には、震災対応をはじめ県との連携が不可欠であることから、引き続き県の成長戦略や予算の動向を注視しながら、活力ある金沢・石川に向けた施策に取り組んでまいります。 今回の地震により、学校施設や保育所、文化施設などが被災いたしましたが、建て替えや大規模改修が必要となるほどの損壊はなく、公共施設等総合管理計画の見直しまでは必要ないと考えています。一方、粟崎町地内の液状化や田上新町地内の斜面崩落などの本格復旧には多額の予算が必要となることが想定され、その財源として借り入れる地方債の償還が将来の財政に及ぼす影響について注視する必要があります。そうした点を中期財政計画の時点修正の中に盛り込むことで、引き続き健全財政を堅持したいと考えています。 今回の地震におきましては、同時に津波警報が発令され、多くの市民が津波から身を守るため交通渋滞が起きたほか、一部の避難所においては開設や運営に混乱が見られるなど、発災時に多くの課題があったと考えています。これらのことを踏まえ、被害状況や災害対応などについて検証し、地域防災計画やBCPはもとより、各種防災マニュアルを実効性の高い内容に改定することが重要であると考えています。特に避難所については、迅速な開設方法の検討や防災備蓄の見直しなど防災機能の拡充について検討してまいります。 都市再生推進室について御質問いただきました。課内の室は、迅速に対応すべき課題に対し、施策をより重点的に実施する必要がある場合に設置することとしております。都市再生推進室につきましては、
都市再生緊急整備地域の指定のほか、
日本銀行金沢支店跡地や学校跡地などの利活用に取り組む組織として、政策の総合調整を担う企画調整課内に設置するものであります。都市像の着実な実践に向けて、
未来共創計画やその事業の進捗管理等を行う共創文化都市推進本部とは目的を異にする組織として設置したいと考えています。 次に、御質問をいただいた中で介護医療院について答弁いたします。市内の介護医療院につきましては、これまで空床があり、また、昨年5月、県が実施した調査では、医療療養病床を有する医療機関からの転換意向もなかったことから、次期の介護保険事業計画では新たな整備は見込んでおりません。被災者の退院・転院先は、その方の状態に応じて様々でございます。療養型の医療施設や特別養護老人ホーム、老人保健施設などの介護保険施設も含めて対応していく必要があると考えております。 次に、今般、市立病院について取りまとめた基本構想における病床数でありますが、現状と同程度を想定しておりますが、現在石川県が策定している県内全体の医療計画との整合を図る必要があります。明年度策定する基本計画におきまして、必要とする医療機能を検討することとしております。これらを踏まえながら、新病院の具体的な施設規模のほか、整備に係る経費や病院事業債を含めた財源なども検討する予定であります。整備スケジュールにつきましても、具体的には基本計画で示すこととなりますが、基本計画策定を経て、基本・実施設計と進めていくことになります。スピード感を持って取り組んでいきたいと考えています。 今般の介護保険制度の改定では、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、地域の包括的な支援やサービス提供体制の構築の推進のほか、深刻な介護人材不足への対応、現場の生産性向上の推進などが図られています。それを受け、本市の長寿安心プラン2024では、地域包括ケアシステムの基盤となる新たな日常生活圏域の再編に併せ、地域包括支援センターの体制充実を図るとともに、介護職員の人材確保のための新たな就業支援やカスタマーハラスメント対策などに取り組むこととしております。また、介護現場でのICT化による職員の負担軽減のほか、介護サービス基盤の整備や業務継続計画--BCPの適切な運用支援による対応力向上などを盛り込んだところであります。 介護保険料につきましては、昨今の物価高騰や介護認定者の増加などによる給付費の増大が見込まれる中、市民生活の影響に配慮するため、介護給付費準備基金の取崩しにより保険料を据え置くことといたしました。なお、低所得者については、介護保険制度の持続可能性を確保し、負担能力に応じた保険料となるよう、引き続き軽減措置を講じています。また、今後支援が必要となる高齢者に対して、必要なサービスが切れ目なく提供され、地域で安定した生活が送れるよう、住まい確保のための相談や見守り等の生活支援サービスの充実、地域包括支援センターのさらなる機能強化などにより、地域における支援体制の拡充を図ることとしております。 いわゆる金沢方式の見直しにつきましては、主に公民館・児童館・消防団の施設整備における地元負担の軽減等を含めた在り方について、地域の御意見をお聞きしながら検討を進めたいと考えており、地区社会福祉協議会の在り方についてはこの検討には含めておりません。 今回の障害福祉サービス等の報酬改定は、障害福祉分野の人材確保のための処遇改善を行うとともに、障害者が希望する地域生活の実現に向けて、サービスの質の確保・向上を図る観点から実施されるものであり、障害のある人の高齢化、障害の重度化への対応やグループホームから一人暮らしに向けた支援の充実を図るほか、障害者本人の意思を尊重した意思決定支援を推進することで、障害のある人の意向に沿った地域移行が進展していくと考えています。その観点から、本市が現行の計画の下、障害のある人の生活を地域全体で支える地域生活支援拠点の面的整備を進めるため、これまで重点的に取り組んできた拠点事業所の登録の推進、相談支援体制の充実・強化、障害福祉サービス人材の確保、グループホームの整備などと合致するものと捉えております。 次期計画では、国の基本方針を踏まえ、引き続き地域生活支援拠点の推進や相談支援体制の充実・強化に取り組むほか、児童発達支援センターを中核とする地域支援体制の強化、支援者への支援などを重点施策として掲げております。地域生活支援拠点を推進するコーディネーターの配置、障害福祉サービスの質の向上や強度行動障害のある方への理解促進を図るための研修会などの新たな取組を通じて、地域の支援体制の強化を図っていきたいと考えています。 金沢市中央卸売市場の
能登半島地震による影響についてでありますが、能登の漁港が甚大な被害を受けたことから、事業者からは本市場で近海の朝採れ鮮魚を扱う2番競りは当分行えないことや、能登の特産野菜や山菜の出荷減少が懸念されること、また、能登の飲食店等の消費減少が見込まれることなど、集荷と販売の両面で打撃を受けており、取扱高の確保について先行きが見通せない状況にあると聞いています。こうした状況の中、地域経済の活性化を喫緊の課題と捉え、中小企業への支援策を今定例月議会にお諮りいたしました。中小企業振興特別資金に
能登半島地震支援分を設けるほか、消費喚起策であるプレミアム率を上乗せした金沢の買い物応援商品券事業の実施を通して、飲食業界だけでなく、食材の生産者や卸売・物流に関わる流通業者など、幅広い業種に経済効果を行き渡らせていきたいと考えております。 最後に、地域未来投資促進法に基づく開発規制の特例措置等につきましては、本市の都市計画マスタープランとの調和や優良農地の確保に係る政策との整合性の確保などの土地利用を前提条件としつつ、開発の必然性・必要性を確認しつつ各種法令の手続を進めていくものと考えております。御指摘の物流機能施設の本市への立地等に関する相談があれば、関係部局が連携して対応していくことになると考えています。また、新たな工業団地につきまして、本市のものづくり産業の基盤強化や産業集積の促進という面におきまして、引き続き整備に向けた検討が必要と認識しております。明年度、まずは市内企業を中心に工業用地のニーズ調査を実施することとしております。 私からは以上です。
○上田雅大副議長 高田
病院事業管理者。 〔高田重男
病院事業管理者登壇〕
◎高田重男
病院事業管理者 地域包括医療病棟の新設についてお尋ねがございました。地域包括医療病棟は、増加する高齢者の救急患者等に対応するため、今回の診療報酬改定において新設されたものであり、リハビリテーション、栄養管理、入退院支援、在宅復帰等の機能を包括的に担う病棟となっております。今後、高齢者人口の増加傾向が続いていくことからも、高齢者医療を守ることは大変重要であると考えており、市立病院では今回の診療報酬改定で示された施設基準等の要件を見極めながら検討しているところであります。看護職員の在籍出向についてお尋ねがございました。
能登半島地震で被災した看護職員の離職が増加している中、離職防止に向けた取組として、能登半島北部の病院の状況が改善されるまでの間、県南部の公立病院に一時的に異動し、状況が改善した後に再び元の病院に戻る在籍出向の仕組みが検討されていると聞いております。今後、県等からの依頼があった際には、できる限り協力していきたいと考えております。 国が示す基本認識に対する考えと今後の人口動態といった外部環境変化を見据えた市立病院の将来方針の策定についてお尋ねがございました。国が示す基本認識については今日的な課題であり、人材の確保、医療・介護等との連携強化、新興感染症の対応、医療DXなど、市立病院においてもしっかりと取り組んでいかねばならないと考えています。加えて、入院患者の減少や外部環境の変化により、病院の運営については厳しい状況にありますが、このようなときだからこそ、金沢市の自治体病院としての特性を明確にし、市民の健康を守るとりでとしての役割を果たすべきと考えております。救急、感染症、災害といった政策的医療の推進はもとより、福祉・保健行政との連携、かかりつけ医、介護・福祉施設とのデジタル機器等を用いた連携強化、医療人材の育成などを進め、地域住民を主体とした地域密着型急性期病院を目指していきたいと考えております。 以上です。
○上田雅大副議長 松矢
市立病院事務局長。 〔松矢憲泰
市立病院事務局長登壇〕
◎松矢憲泰
市立病院事務局長 市立病院の被災患者の受入れ状況についてお答えいたします。3月10日時点で能登などの被災地から103名の入院患者を受け入れ、病状が回復された方は自宅や高齢者施設等に移り、現在12名の方が入院治療を行っております。 続きまして、市立病院における医療DX化の推進及び働き方改革への対応についてお答えいたします。医療DX化の推進につきましては、かかりつけ医や介護・福祉施設との情報共有を検討するほか、来年度は電子処方箋の導入やオンライン資格確認の拡充を図るとともに、新病院の医療DXについて基本計画の中で検討していくこととしております。働き方改革につきましては、夜間や休日の救急における勤務体系の見直しや特定行為看護師の計画的な養成など、医師の負担軽減を進めていくこととしております。また、入院病棟における看護師の勤務体制を3交代制から2交代制勤務に変更することにより、勤務間インターバルの確保や休暇を取得しやすい環境を構築し、看護師の負担軽減にも取り組んでまいります。 以上でございます。
○上田雅大副議長 山森
農林水産局長。 〔山森健直
農林水産局長登壇〕
◎山森健直
農林水産局長 金沢市中央卸売市場再整備事業に関して御質問がございました。初めに、市場事業者から要望のありました予備スペースにつきましては、温度管理や包装、加工などの食品流通形態の変化に対応できるよう、また、災害時における生鮮食品の備蓄スペースを確保するためにも、一定のスペースを設ける予定としております。また、季節的に在庫量が増える商品に対応するための一時的な貸付スペースとしての運用も考えており、面積などについては市場事業者と調整しているところでございます。基本設計の進捗状況ですが、現在、市場事業者の要望を反映させた配置計画案を基に、仮設期間や工期の短縮化、引っ越しの負担軽減を考慮し、営業と工事を両立するローリング計画を含めて、市場事業者、設計者と鋭意協議を行いながら作業を進めているところでございます。秋頃をめどに取りまとめていきたいと考えております。 次に、人件費につきましてお尋ねがございました。市場再整備事業は、専門性を要するだけではなく、利害関係者が多く交渉の難易度が高いことから、適性のある職員の配置に努めております。市の基準では人件費の3割相当を一般会計が補助することとなっておりますが、御指摘の長期休職が生じた場合の人件費の取扱いにつきましては今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。 また、ローリング計画における重要項目、補助金等の確保、市場内事業者への支援制度等についてお尋ねがございました。営業と工事を両立させながら工事を進めるためには、駐車場の確保や商品の搬送、物流の動線の確保、それに伴い必要となる場外での敷地の確保などが必要になると考えております。また、場内敷地の埋設物につきましては再整備を機に更新する予定でありますが、用水路については現行どおり利用する方針です。なお、埋蔵文化財調査につきましては、工期への影響を考慮し、今後、関係者と調査箇所や時期を調整していくこととしております。市場再整備事業に係る補助金等の財源につきましては、市場会計の健全性を確保するため、国交付金と建設企業債を充当することとしておりまして、企業債の償還の一部に再整備積立基金を充当する予定であります。また、市場事業者から要望がございました再整備中の仮設営業等に係る費用等への支援の詳細につきましては、どのようなことができるか今後検討してまいります。 次に、市場を取り巻く環境変化への考察、建物解体費や埋設管の取扱い、整備費総額と使用料算出についてお尋ねがございました。
能登半島地震による取扱高の減少や、資材・人手不足による工期の延長、また、建設資材費や労務費単価の上昇も懸念されますが、市場事業者の一致した意見としまして、生鮮食品を安定的に届ける使命を果たすために、市場再整備は計画どおりに進めることを確認しております。現在、基本設計の策定中であり、概算整備費総額でありますとか使用料の算出につきましては、まだお示しすることができないことを御理解願いたいと存じます。なお、御指摘の建物の解体や埋設管の更新等の費用も建設費用としまして使用料の対象となりますが、会計上、資産に計上し建設企業債を充当することで事業者からの使用料を軽減することとしております。 また、食の物流拠点として市場に求められている課題への対応、DX化と物流の拠点化を高める機能強化についてお尋ねがございました。物流2024年問題への対応や今後の物流の革新については、生産から消費までの全ての関係者が一気通貫で取り組む必要があり、一方で設備導入やシステム整備には多額の費用を要しますことから、環境が整った部分から順次取り入れていきたいと考えております。明年度は商品管理の効率化と省人化を図るため、新たな市場での本格導入を視野に、現市場にて電動自動搬送機--AGVの導入実験を行うこととしております。また、2024年問題への対応策の一つとして、大都市圏の中継地からの積替えを行う事業者を支援し、集荷力を確保するモデル事業を行うこととしております。 私からは以上でございます。 〔「議長、30番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○上田雅大副議長 30番玉野道議員。
◆玉野道議員 市長、今の介護報酬の改定で、全国の社会福祉協議会が、いわゆる訪問事業というのはある意味では全滅するのではないかと。それは訪問事業全部の報酬が下がったからですよ。地域でそれを担っているのが社会福祉協議会の皆さんです。御存じのように、金沢方式のね、善隣館と言っていますけれども、善隣館の事業お分かりでしょう。ほとんどデイサービスから撤退していますよ。そういう現状を踏まえて、ただ単に建物の補助率じゃなくて、金沢方式を根幹から考える、地域包括も地域で支えている、そういう社会保障の在り方もきちっと論議していただきたいと思います。 もう1点、中央市場です。市長の答弁の中で、物流施設で相談があれば相談に乗るという話がありましたけれども、市長の頭の中では卸売市場も物流施設の一つだという認識がありますか、ありませんか、お答えください。
○上田雅大副議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 先ほど2点御質問いただきました。 金沢方式の見直しについての議論であります。今回、金沢方式の見直しの中では、公民館・児童館・消防団の施設整備についての地元負担の軽減ということで検討しております。社会福祉協議会の在り方ということについての論点はあるというように思いますけれども、今回の議論でそこまで含めてしまうと非常に幅広くなっていくというように考えておりますので、今回の検討の中ではこの検討に含まれておりません。 そして、市場についての卸売の捉え方であります。市場は非常に多岐にわたる機能を備えているというように思っています。そして、もちろん物流2024年問題等々の影響を受けるというところでありますけれども、流通の中には入るというように意識しておりますけれども、これを物流と捉えるかどうかはその局面によって捉え方が違うかというように考えています。 以上です。 〔「議長、30番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○上田雅大副議長 30番玉野道議員。
◆玉野道議員 要望ですから言いませんけれども、社会福祉協議会、きちっと論議してください。新谷議員からも指摘ありましたので、ぜひお願いします。 もう1つ、中央市場。
農林水産局長、確認書は御存じですね、使用料に関する。そこが一番今論議なんですよ。今の局長の答弁ですと、あの確認書は一体何だったんですかという話になります。12項目の要望書と確認書をベースに再整備事業に入ったんですよ。それに対処できないとか履行できないというような話だったら問題ですから、もう1回きちっとした答弁をお願いします。 もう1つ、要望です、市長。ありとあらゆる法律の中には食品というのが入っています。物流拠点という位置づけもあります。そういう曖昧な形の答弁は私はちょっと考えてほしいなというふうに思います。答弁は
農林水産局長お願いします。要望ですから、市長には求めません。
○上田雅大副議長 山森
農林水産局長。 〔山森健直
農林水産局長登壇〕
◎山森健直
農林水産局長 事業者の方が営業ができるような形での使用料となるように、現在協議を進めておるところでございます。御要望のあった点を踏まえまして、今後とも鋭意取り組んでいきたいと思っております。 以上です。
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△休憩
○上田雅大副議長 この際、暫時休憩いたします。 午後2時56分 休憩----------------------------------- 午後3時10分 再開
△再開
○高誠議長 出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
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△質疑・一般質問(続き)
○高誠議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 24番広田美代議員。 〔24番広田美代議員登壇〕(拍手)
◆広田美代議員 質問の機会を得ましたので、日本共産党金沢市議員団を代表して質問いたします。 本日は、2024年
能登半島地震発災から2か月余り、
東日本大震災から13年が経過しました。改めて、被災された全ての皆様にお悔やみとお見舞いを申し上げます。私は、
東日本大震災の発災直後に議員になりました。政治の役割は人々の命と暮らしを守ることだと実感しながら今に至ります。今回の震災で、一刻も早く被災者の思いに沿った復旧と復興が進むよう、全力で取り組む決意です。 初めに、
能登半島地震に
関連して伺います。 まずは、断層の評価と被害想定、防災計画の見直しについてです。災害対策基本法では、地方自治体が地域防災計画を作成し、毎年検討を加え、必要なときは修正する義務があります。今回の地震が起きた時点での石川県の地域防災計画・地震災害対策編は、30年前の地震被害想定調査を基に、今回の北方沖の震源について、断層規模は長さ50キロメートル、マグニチュード7.0、最大震度6弱と想定していましたが、1月1日、実際起きた地震の規模は、エネルギーは8倍のマグニチュード7.6、最大震度7、震源断層は150キロメートルにもなるとされています。県内全体の被害予想も死者7名、建物全壊120棟とされていましたが、御存じのとおり桁違いの被害となりました。金沢市についての想定は、震度は5強と同様ですが、建物全壊や死者・負傷者ともゼロと想定されていたところ、今回の住家被害は3月5日時点で6,000棟を超えています。決して読みが甘かったわけではなく、今回の北方沖の震源については、2010年に国が新たな断層を示し、石川県もマグニチュード8.1の地震が生じ得ると試算していたにもかかわらず、県は津波災害対策編は見直したものの、セットであるはずの地震災害対策編は2025年度までに見直すとして遅れていたのです。馳知事は、被害想定の見直しには国の長期評価の調査が必要で、待っていたとしていますが、最新の知見が得られた時点で見直すことが必要です。本市でも国が示した新たな断層評価について御存じだったはずですが、県に計画の見直しを急ぐよう求めなかったのでしょうか。 市長、今後は早急に新たな知見を基に被害想定を見直し、地域防災計画に反映することが必要です。石川県も本市も地域防災計画を見直すとしていますが、本市は来年度、そしてそれ以降どのような動きになるのか明らかにしてください。 本市にとっての最大の懸念は、森本・富樫断層帯による都市直下型地震です。昨年受けた防災士の講習でも、いつ起こってもおかしくないと学びました。金沢市はこれまで、この断層帯について、金沢市震災アセスメント調査を1995年度から行い、1998年度に金沢市地域防災計画・震災対策編を策定し、その後も随時見直しをしてきたとしています。それでは、現在の地域防災計画・震災対策編は、最新の調査や評価、被害想定を基にしたものと理解してよいのか。まだ盛り込まれていない最新知見があれば、早急に反映させるべきではありませんか。 住宅の耐震化について伺います。今回の地震では住宅の倒壊が相次ぎ、死因の多くが倒壊した家屋の下敷きになったとされています。倒壊した要因の一つが木造住宅の耐震化不足です。現在、金沢市内の住宅耐震化は、2021年3月現在で89.9%、未耐震は2万1,000戸に及びます。金沢市建築物耐震改修促進計画では2026年に95%を目標としていますが、もっと早くに100%に近づける必要があるのではないでしょうか。新年度にこの計画を改定するとのことですが、何か新たな方針があるのか伺います。 また、高齢化率が高いと耐震化率が低いという相関関係があります。まちなか区域はその傾向があり、高齢の方からは、耐震化には多額の費用がかかり、今さら費用をかけられないというお声を伺います。しかし、少しでも耐震化を前に進めるため、他都市では今回の地震を機に助成額の上限を引き上げる動きがあります。本市も引き上げるお考えはないのか、明らかにしてください。 志賀原発についてです。 今回の地震で志賀原発は震度5強の揺れ、敷地前の海域で最大3メートルの津波が観測されました。公表されているだけでも、変圧器が破損して大量の油が漏れ、5回線ある外部電源のうち2回線が使用不能になり、周辺のモニタリングポストの一部も測定不能になるなど重大なトラブルが起きています。北陸電力は2014年に2号機の再稼働に向けた審査を申請し、能登半島北側で活断層が96キロメートル連動すると想定していました。ところが、今回の地震では150キロメートルの断層が連動したとされ、断層評価の前提も崩れたのです。そして、この地震によって、陸路は道路の寸断、海路は海底の隆起などで、住民の避難計画に実効性がないことも明確になりました。本市は志賀原発から半径50キロメートル以内を含み、原子力災害対策計画を策定しています。いざというときは市民に安定ヨウ素剤の配布・服用指示も必要となり、半径30キロメートルのUPZ内の広域避難者、およそ8万8,621名を71か所で受入れを行う計画もあります。今回はどの段階まで動きが取られたのか、今回の地震だけでも本市の対応は精いっぱいのように見受けましたが、それに加え、原子力災害の対応が可能だったと考えるのか、明らかにしてください。 能登半島では過去に珠洲原発が計画されました。住民の粘り強い闘いで凍結となりましたが、高屋という原発予定候補地は、この地震で市街につながる全ての道路が土砂崩れで断絶、海岸は隆起し、船も出せない孤立集落となりました。市長、日本の国土は世界の400分の1でしかありませんが、世界で起こる地震の10分の1が発生する超地震大国です。原発を推進する政府の政策は見直しが必要だと考えますが、いかがですか。 避難行動や避難所について伺います。 今回、本市では避難所数は最大124か所、避難者数は最大1万300名の利用のほか、津波から逃れようと高台に車でおられた方など、いまだかつてない状況でした。避難と避難所運営について多くの方が経験し、計画やマニュアルが現実に即していなかったり、そもそも知らないことに気づかされたのではないでしょうか。本市としては現時点でどのようなことが課題として挙げられるのか伺います。 私も近くの学校の避難所運営に当たりました。地区支部要員が早めに駆けつけ、開設は早かったと思いますが、地域の方々は、誰が鍵を持っているのか分からず不安そうにしていましたし、各地での状況を聞くにつけ、避難所開設の仕組みが市民にはほとんど伝わっていないことを実感しました。まずは、震度5弱以上で全ての指定避難所が開設されることになっていますが、今回の地震で全ての避難所が開設できたのか。できなかったのはなぜなのか。また、開設までの開錠などの取決めはマニュアルではどうなっているのかも含め、明らかにしてください。 次に、避難所での冷暖房設備についてです。計画では、避難所ではストーブは1つか2つとされており、広い体育館ではなかなか温まりません。避難された皆さんも、毛布にくるまっても寒いと話されていました。御高齢の方や障害をお持ちの方もおられ、心配な状況でした。本市のマニュアルでは室温について詳しくは書かれていませんが、内閣府の避難所運営ガイドラインには、暑さ・寒さ対策の検討についての項目に冷暖房器具を確保とあります。しかしながら、体育館等ではスポット的な冷暖房器具の用意であり、避難所としてよい環境にするためには、エアコン設置など改善が必要と考えますが、いかがですか。 子どもたちのため、避難所としても体育館の冷暖房空調設備は必要不可欠です。文科省の学校施設環境改善交付金は、通常3分の1を補助する国庫補助事業ですが、体育館については2023年度から2025年度までの3年間に限り2分の1へ引き上げられています。ぜひ早期の検討と決断を求めますが、いかがですか。 また、避難所に関してはほかにも様々な課題が浮き彫りになりました。市長、計画やマニュアルについて今後どのように見直していくのか、幅広く市民の意見を募集すべきではないでしょうか。 そして、今回の経験で、自分の地域ではどのようなリスクがあるのか、避難の流れ、指定避難場所はどこなのか、多くの市民に知られていないことも実感しました。やはり日頃からの防災訓練が必要不可欠です。法的には義務づけがなく、実施が地域任せになっていますが、まずは実施の現状はどうなっているのか。そして、本市と地域が一緒になって毎年計画的に行うべきではないか求めますが、いかがでしょうか。 震災対応で行政職員の不足も浮き彫りになりました。 能登方面では、職員自身も被災しながら役所に泊まり込み、代わりがおらず不眠不休で疲弊している様子が報道でも映し出されました。市町村の合併、定数削減によって職員が減らされ、ぎりぎりの体制。消防や保健所も市町ごとにはなく、広域化されています。効率化一辺倒は災害に弱いということが露呈しました。本市でも大規模災害が起きたときに職員の基本的な体制は万全なのでしょうか。特に危機管理や消防、土木、医療・福祉、保健所などは必須と考えます。しかし、新年度編成の増員計画では、例えば災害対策の中心である危機管理課は2名、がけ地対策室は1名、道路管理課1名、内水整備課2名にとどまっています。そして生活支援課は1名増員ですが、職員1人当たり受給者80名という国基準を超えています。また、消防職員は国の整備指針に照らすと、今年度6名増員しますが、およそ1割の不足です。一方で新年度予算では、公共インフラ包括的民間委託検討費、下水道事業のウオーターPPPの導入可能性調査など提案、PFI活用ガイドラインまで策定するとしています。市長、災害対策基本法は、国と地方自治体に対し、災害から国民を守るための重い責務を規定しています。民営化ばかりで、この責任が果たされるのですか。災害時でも市民の命と暮らしを守るため、民営化ではなく、必要な部署の増員を行うべきではないでしょうか。 また、保健所の保健師は3人の減員です。別の部署に配置するということですが、その代わりに保健所の代表電話をAIにするというものです。コロナ禍のような緊急時に備えてということですが、緊急時ならなおさら人間が見極める必要があります。保健師さんの御苦労も分かりますが、まずは交換手を置くなど工夫の余地があるはずですし、何より保健師を増員するべきですが、いかがですか。 次に、市民の暮らしと予算編成について伺います。 賃金の伸びが物価上昇に追いつかず、目減りが続いています。実質賃金が1996年をピークに低下し、暮らしに困難をもたらしたことが、失われた30年と呼ばれる経済の停滞を生んでいます。そこを襲ったのが急激な物価高、さらに
能登半島地震の被害が追い打ちをかけています。一方で大企業は大幅に利益を増やし、この30年間で内部留保は520兆円を超え、過去最高です。失われた30年は自然減少では決してありません。自民党政治が大企業向けの減税と一体に消費税増税、インバウンドを押しつけ、暮らしに大打撃を与えてきました。働く人の4割を非正規ワーカーにした結果、賃金が上がらない国になったのです。若い世代は重過ぎる教育費負担と奨学金返済で苦しみ、年金・医療・介護の給付減・負担増は全ての世代に不安と犠牲をもたらしています。これらの根っこには、財界・大企業のもうけ最優先、後は野となれ山となれの政治のゆがみがあります。裏金事件で明るみに出た金権腐敗も、この政治のゆがみと一体のものです。市長は、失われた30年と市民の暮らしの大変さについてどうお考えでしょうか。そして、裏金とともに企業・団体からの献金について廃止の議論がされていますが、市長はどのようにお考えでしょうか。 このような中、市民の暮らしを守るため、これまで市民から要望の多い点について、どのように本市が検討されたのか具体的に伺います。 まずは国民健康保険料についてです。賦課限度額の引上げ以外は据え置かれました。これまでも、高過ぎる保険料の引下げに基金の活用を求めてきました。今回、県の標準保険料率に対し、どのような対応をしたのか、引き下げることはできなかったのか伺います。 次に、介護保険料についてです。今回、第9期の保険料となりますが、基準月額は今期から据え置かれました。介護給付が増える中、どのように基金を取り崩し対応したのか、引き下げることはできなかったのか明らかにしてください。 保育については、新年度から保育士1人が担当する子どもの人数の国基準が、4・5歳児では30人から25人、3歳児では20人から15人に改善されます。本市では、それを受け、さらに4・5歳児で20対1へ引き上げた園への助成が提案されました。しかしながら、国の4・5歳児の配置基準加算について、チーム保育推進加算をしている施設は対象外となり、現場からは疑問の声が上がっています。これらの加算は別物です。市長、国へ対象外としないよう求めていただきたいと考えますが、いかがですか。 放課後児童クラブ、いわゆる学童保育については、求めてきた支援員の処遇改善が提案されました。まず、どの程度の引上げになるのか伺います。 また、施設使用料についても引上げがされました。待機児童解消のためとしていますが、どのような動きを期待しているのか明らかにしてください。 子どもの医療費助成制度についてですが、通院の対象年齢拡大はありませんでした。石川県内で唯一本市だけが18歳まで到達しておりません。今回の予算編成段階でどのような検討がされたのか。もし通院についても18歳まで拡大し、窓口負担をなくすと追加の費用は幾らになるのか明らかにしてください。そして早急に拡大を求めますが、いかがでしょうか。 加齢に伴う補聴器購入補助制度についてです。新年度に予算化はされていません。これまで市長の答弁は、制度については全国市長会を通じて国に求めているものの、本市においては研究するというものでした。今回の予算編成に当たり、どのような検討をされ、研究に向けて何か具体化されたのか伺います。 新年度、新たな対策として熱中症対策が盛り込まれました。公共施設の一画に、避暑休憩スペースを設置するとしていますが、具体的にどの施設にどんな機能を備えるのか明らかにしてください。 除雪については、除雪路線の拡大のために除雪オペレーター育成支援や第3次路線の基準緩和など取り組まれています。新年度では、さらに車両系建設機械運転技能講習済みの方の大型特殊免許取得の経費を支援の対象にし、GPSでの除雪管理システムを導入するとしています。これらの拡充で除雪路線の拡大をどの程度見込んでいるのか。また、民間消融雪施設の現況調査を行うとしていますが、その目的と地域などで運営が困難になっている実態に対し支援も検討するのかお聞きします。 次に、マイナンバーカードと保険証との一体化についてです。本市は国民健康保険の被保険者証等を今年12月2日に廃止するとしています。まずは保険証についてですが、本市の国保加入者のうち、マイナンバーにひもづけていない方は4割に及びます。そこで、廃止以降はマイナ保険証を取得していない方には資格確認書というものが発行されるようですが、これは申請しないと発行されないのか。また、マイナ保険証をお持ちの方に発行される予定の資格情報のお知らせの発行目的とどのようなものか明らかにしてください。 市長、昨年の議会でも申し上げたとおり、医療機関でのマイナ保険証利用に関しては、いまだトラブルが続いています。さらに、マイナ保険証の利用率については、昨年11月時点での国家公務員全体の利用率は4.36%、国民全体の4.33%とほぼ同水準です。さらに、マイナ保険証を所管する厚生労働省の利用率ですら4.88%です。にもかかわらず、先月末には厚生労働省から医療機関に対し、利用率の増加によって支援金を支給することや患者さんへの声かけを促しています。トラブルの解消もしていないのに、どうしてお勧めすることができるでしょうか。市長、そもそもマイナンバーカードの取得は任意です。このまま保険証が廃止されれば、保険に加入しているのに保険診療が受けられない事態になりかねません。市長、保険証存続の声を上げるよう求めますが、いかがですか。 あわせて、本市は新年度からマイナ保険証を円滑に進めるためとして、医療保険課を福祉健康局から市民局に移管し保険年課にするとしています。本市では、保険料が高くて払えず、滞納世帯が15%にも上り、医療が受けられるか不安を抱える市民もいます。医療保険課はマイナ保険証に邁進する部署ではなく、皆保険の実現、命を守る部署であるべきです。そもそも管轄は厚生労働省であり、福祉健康局内で連携が必要です。市民局への移管は見直すよう求めますが、いかがですか。 金沢方式の見直しについてです。金沢方式あり方検討費230万円が提案され、2025年4月からの適用開始を目指し、公民館・児童館・消防団の施設整備における地元負担の軽減等について検討するとしています。まず、検討費について、コミュニティ基金を充てたのはどうしてなのか。さらに、検討会のメンバーは誰が担うのか、様々な住民の立場に立った方を選出するべきですし、市民全体にアンケートや公聴会なども開くべきと考えますが、いかがですか。 また、地元負担について2つ伺います。まずは、本市が負担割合を設定し、地域に負担を求めることについて、どのような法的根拠があるのか。次に、建て替えの実施については本市が行い、完成後に地元には4分の1の負担金を求め、本市の歳入に寄附金として入れていますが、これは地方財政法の第4条の5、地方公共団体は、住民に対し寄附金を割り当てて強制的に徴収するようなことをしてはならないに抵触しないのでしょうか。明らかにしてください。 また、公民館は運営費についても地元負担があり、貸館収入が必要な実態から、地元住民の利用についても一定の使用料金がかかる地域もあります。市民が自由に使えるように、公民館の運営費についても見直しが必要ではないでしょうか。 こうした住民の負担も多く、暮らし・福祉の充実もまだまだであるにもかかわらず大型開発が進められようとしています。最後に、都心軸の開発についてです。 本市では今回、
都市再生特別措置法を活用し、都心軸エリア全体の面的整備を促進するとして、
都市再生緊急整備地域の指定を目指し、新年度から準備協議会を設立、地域整備方針を取りまとめるとしています。まず、本市は具体的に何を整備するのか表明していませんが、少なくとも考えられるのは金沢駅前の旧
都ホテル跡地での開発、武蔵ヶ辻での開発、そして旧日銀跡地での開発、片町での開発ということでよろしいでしょうか。 昨年末の
総務常任委員会への報告と質疑で、これまでの経緯が明らかになりました。本市は5年前から旧
都ホテル跡地について、所有する近鉄不動産に開発を働きかけてきた。昨年4月からは特措法の活用について内部で検討を行い、昨年10月19日に近鉄不動産に意向を確認し、偶然にも翌日、旧
都ホテル跡地における特措法の活用について県知事から発言があり、10月30日に市長から県知事に対し特措法について協力を要請し、了承を得て国へ申請となったとのことです。これまで議会に報告がなかったことについてはただしてきましたが、今回伺いたいのは、こうした特措法の活用は、国へ申請する前にあらかじめ場所を特定し、その地権者に開発の意向を確認するのが正しいやり方なのかということです。明らかにしてください。 そして、12月の
総務常任委員会では、委員にこれまでなぜ近鉄不動産に特措法の話をしなかったのかと問われ、執行部から、特措法の制度は把握していたが
都ホテル跡地単独では活用できない、制度の活用には相当な面積が必要で、
都ホテル跡地がある街区のみでの特措法の活用は難しいと整理しているとの答弁でした。つまり、
都ホテル跡地はもともと個別に開発を行う予定だったが、特措法を活用するために都心軸の面的整備として抱き合わせにしたということでよいですか。 これまでの国交省の議論では、地方都市では大都市に比べ需要が小さいことに起因し採算が合いにくく、リスクも高くなりがちであることから、純粋な民間経済活動による投資は限定的とされてきました。本市でも残念ながら多額の税金を投入した再開発事業にでさえ課題が残っています。金沢駅武蔵北地区市街地再開発事業では、駅前のライブ1やリファーレには保留床が残ったまま、37年もの間、一般会計を投入し続けています。片町の再開発では、建設費54億円に対し34億円の税金を投入し、テナント誘致では当初1億円の補助で2つの有名店舗を誘致しましたが、期間を過ぎると撤退しました。開発に対して需要が満足でない現状が続いています。この現状についてどう整理されているのでしょうか。 それに対し、この特措法においては、
都市再生緊急整備地域の設定、民間都市再生事業など税制優遇と規制緩和で民間開発を支援し、そこに公的な市街地再開発事業などの公共投資を組み込み、民間大企業、大手不動産、ディベロッパーが進める大規模開発を支援するということが全国で行われています。税制優遇を受けながら、これまで市民が守ってきた既存の都市計画や土地利用規制をも取っ払い、民間が保留床を最大化するため巨大なビルを建てることができるのです。よって、本市の
都市再生緊急整備地域への指定を目指した今の動きは、こうした規制緩和や税制面で優遇しなければ民間は動かないと判断した上のことなのですか。 また、開発の手法について、どの制度を利用していくか、これは開発主体が検討されることと思いますが、多額の税金投入がある市街地再開発事業の手法も取られるのか明らかにしてください。 そして、高さ制限や容積率の緩和を行えるのはどのような事業についてなのか明らかにしてください。 市長、都市計画や再開発は公共の福祉の増進・寄与を前提としたものでなくてはならず、都市計画法や都市再開発法にもそう書き込まれています。この事業が誰のための事業なのか問われています。都市計画を守り、守らせること、市民と共に市民のためのまちづくりを行うことが市長の務めではないですか。 今回、老朽ビルの再整備も同時に行うとしていますが、まずは地権者がいる話です。皆さんがどのような現状と方針をお持ちか調査はされたのでしょうか。 市長、面的な、過大な開発を行い、どの都市にもあるような店舗が立ち並ぶ都市にするのではなく、市民や地元業者さんと共に、耐震基準を満たしていないビルや家屋の耐震対策などに地道に取り組み、金沢としての歴史や個性を磨く取組にできないのでしょうか。 大型開発ではなく、市民の命と暮らしを守り、市民と共に災害に強いまちづくりを進めることこそ求め、質問を終わります。(拍手)
○高誠議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 24番広田美代議員にお答えします。 本市では、阪神・淡路大震災を契機として平成10年度に地域防災計画を策定し、その後、森本・富樫断層帯における国からの新たな評価の公表や、
東日本大震災を受けての津波被害予測など、その時点での最新の知見に基づき、数回にわたり大幅な見直しを実施しています。他方、県の地域防災計画が見直されない中でも、本市の地域防災計画を随時見直しており、独自に防災体制の強化を図ってきたところであります。県においては令和5年度から地震被害想定を見直しているところであり、その作業中であります。今後とも県との連携を深めてまいりたいと考えています。 今回の地震を踏まえ、被害状況や災害対応について検証し、より実効性の高い内容として地域防災計画を改定することが重要であると考えております。明年度、有識者や地域代表から成る検証会議を設置し、会議の意見を踏まえ改定を進めることとしております。 現在の地域防災計画は、平成17年から18年にかけて実施した金沢市地震被害想定調査における森本・富樫断層帯の評価を基に平成24年度に策定したものであり、その後、国から断層帯の新たな評価は発表されておりません。以降は時点修正を実施しており、直近では熊本地震を受けて平成29年度に地区防災計画策定に関する事項について見直すなど、適宜改定を実施してきたところであります。 次に、志賀原発につきましては、地震発生当日の夜に開催された本市の第2回災害対策本部会議の場において、志賀原発について異常がないことが報告されており、以降、状況確認を継続する体制といたしました。他方、現状の本市の地域防災計画では志賀原発が被災した場合の広域避難者受入れについて明記しておりますが、本市と同時に大規模な被災があった場合に備えて、今回の地震を教訓として課題を整理した上で、地域防災計画の見直しの中で検討していきたいと考えています。 原発の推進については、国のエネルギー政策の根幹に関わるもので、一義的には国において議論されるものと考えており、引き続き国の動向を注視してまいります。 避難行動についてでありますが、今回の地震では震度5強を観測するとともに、津波警報も発令され、多くの方が津波被害から身を守るため、道路渋滞のほか、一部の避難所において混乱が見られました。また、開設までに時間を要した避難所がございましたほか、冬期における運営方法などが課題であると判明いたしました。 本市では以前から、避難所となる小学校及び中学校にはスポット的な冷暖房器具を配備しておりますけれども、気温の状況によっては、冷暖房を完備している普通教室に避難住民を案内するなど柔軟な対応に努めてまいりたいと考えております。 避難所運営等各種マニュアルにつきましては、今後、学識経験者や地域代表からの意見を聴取し、検証会議において課題等の整理・検討を行い、実効性の高い内容に改定することとしております。 防災訓練については、本市では地域の自主防災組織がそれぞれの地域特性に応じた防災計画を策定しております。その計画に基づき、防災訓練や防災講座を実施しています。これまでも防災訓練の実施を促すとともに、地域からの要請に応じて協力してきたところであります。今後も地域への協力を継続してまいります。 職員配置につきまして、本市ではこれまでも民間活力の導入を図り、良質な公共サービスを提供するため、可能な業務につきましては随時外部委託化等を進めています。職員につきましては、業務の見直しや効率化による減員に併せ、必要な部署へは増員を行うなど、適正な定員管理に努めてきたところであります。明年度は災害対応の強化や救急隊の増隊等で増員を予定しております。 保健所の保健師については、新型コロナの5類移行により減員とする一方で、保健師自体については増員としております。こども家庭センターの運営や後期高齢者保健・介護予防推進事業の実施などによって5名増員することとしております。引き続き、業務の見直しや効率化を図りながら適正な配置に努めてまいります。なお、行政のデジタル化は複雑化・多様化する行政ニーズに対応するため必要不可欠な流れであり、業務効率化が図られることによって、きめ細やかな市民サービスの提供にもつながると考えております。積極的に導入してまいりたいと考えています。 市政運営につきまして、これまでバブル崩壊やリーマンショック、
新型コロナウイルス感染症拡大など、社会経済活動に大きな影響を及ぼす事態が発生した際も、基礎自治体である市として市民生活の安全と安心を最優先に、なし得る限りの対策を講じてきたと承知しております。引き続き、そのことに意を用いながら市政運営に全力で取り組んでまいりたいと考えています。一方で政治資金の取扱いについては、法律に基づき適切に管理されるべきものであります。私も政治家の一人として肝に銘じ、職務に精励してまいりたいと考えています。 国民健康保険料については、県から示された標準保険料率を基本としておりますが、今回は市民生活への影響に配慮して料率を据え置くことといたしました。明年度は保険料負担の軽減のために約9億9,000万円の基金取崩しを行うこととしております。さらなる保険料の引下げのために基金を活用することは考えておりません。 第9期の介護保険料については、市民の負担が過大にならないよう、市民生活の影響に配慮し、今年度末の介護給付費準備基金の残高見込みでございます約29億円のうち約26億円を今後3年間で計画的に取り崩すことによって基準月額を据え置くことといたしました。今後、高齢化の進展に伴って要介護認定者が増え、介護給付費の増加が見込まれるという中にあって引下げは考えておりません。 保育の関係であります。今般、国において76年ぶりに4・5歳児の配置基準が改善されるということは、保育の質の向上につながるものと考えております。さらなる保育環境の充実を図るため、保育士の定数改善に向けた財政措置については、引き続き国に要望してまいりたいと考えています。 続いて、子どもの医療費助成制度であります。明年度の子育て支援施策として、新たにこども家庭センターの運営を開始するほか、拠点型子ども宅食の本格実施、児童クラブの新設などに係る施設使用料の助成の拡充などをお諮りしております。子育て支援医療助成費のさらなる拡充は行う予定はありません。なお、御指摘の通院に係る助成対象を18歳まで拡大し、窓口負担を無料化した場合の必要となる費用については、年間で約4億8,000万円と見込まれております。 加齢性難聴者を対象とした補聴器購入補助制度について、中核市の状況を確認したところ、補助制度を持っているのは62市中8市と少ない状況であり、また、本来は国が対応すべきものであると考えていることから、全国市長会を通じて国に対して補助制度の創設を要望しております。その動向を注視しているところであります。 続いて、マイナ保険証につきましては、これまでも本会議において申し上げたとおり、マイナンバーカードの保険証利用により、診療時に過去の健診結果や薬剤情報が共有でき、適切な医療につながるなど、市民の利便性が非常に高まると考えています。国においては、こうしたメリット等を考慮して健康保険証を廃止することとしたものと認識しております。国に対して保険証の存続を求めていくことは考えておりません。 国民健康保険制度の国の所管は厚生労働省でありますが、本市ではこれまでも必要に応じて部局横断的に関係課が連携し、本制度を適正に運用してきたところであります。今回の市民局への移管につきましては、マイナンバーカードと健康保険証の一体化を円滑に進めるためのものでありますが、過去には市民局で国民健康保険制度を所管していたということもあります。引き続き、関係課が連携することで業務への支障はないと考えています。 金沢方式は、地元からの要望により公民館等の地域主導による運営、多くのボランティアに支えられた活動、運営費や建設費の地元負担を特徴とした方式であります。地域の連帯を強め、協働を育む上で地域コミュニティーの醸成や発展にこれまで大きな役割を果たしてまいりました。御指摘の検討費については、公民館等の施設整備における地元負担の軽減等を含めた金沢方式の在り方を検討するものであります。地域コミュニティー組織の持続可能性の向上に資する事業と判断し、地域コミュニティ活性化推進審議会での審議を経て基金充当事業としたものであります。明年度に設置する懇話会は、地域団体や若い世代の代表者、有識者等で構成したいと考えており、その中で多くの御意見をお聞きしてまいりたいと考えています。これまでも、まちづくりミーティング等を通じて地元負担の見直しが必要との声をお聞きしたところであり、市民全体を対象としたアンケートや公聴会の実施までは考えておりません。 本市における公民館や児童館等の整備は、設置を望む地域の総意に基づき、建設工事等に地元負担が生じることを了承の上、作成いただいた地元からの要望書に従い、地域の方々と協議しながら本市独自の方式で進めてきたものであります。また、建設工事等に係る地元負担分は、事業完了後、地元からの寄附申出書に基づき、寄附金として採納しております。本市の寄附採納事務処理要綱に沿って、地元の合意の上行っているものであります。 懇話会では主に公民館・児童館・消防団の施設整備における地元負担の軽減等を含めた在り方について検討を進めていくこととしております。なお、公民館の運営費についても、在り方の検討に密接に関係していくことから、懇話会の御意見も十分お聞きしながら精査していきたいと考えています。 金沢駅から片町に至る都心軸においては、
都ホテル跡地の開発だけでなく、老朽ビルの再整備等が課題となっていることから、
都市再生特別措置法を活用することにより、民間による開発の機運を高め、都心軸エリア全体の面的整備の促進につなげていきたいと考えております。 国が定める指定基準では、
都市再生緊急整備地域については、早期に実施されることが見込まれる都市再開発事業等の区域に加え、土地所有者の意向に基づく都市開発事業等の機運の存在が認められる地域とされております。このため、土地所有者から開発の意向を確認した上で国への申請を行う必要があり、
都ホテル跡地を所有する近鉄不動産に対してもあらかじめ意向を確認したものであります。 本年度、新たな都市像の策定を進める過程において、都心軸の再興を検討する中、
都ホテル跡地だけでなく、老朽ビルの再整備等が課題となっていることを踏まえ、特措法を活用することにより、民間による開発の機運を高め、都心軸エリア全体の面的整備の促進を図ることとしたものであります。 都心軸の再興を図る上では民間による開発機運の醸成が必要と考え、
都市再生緊急整備地域の指定を目指すものとしたことであります。 建物の更新など開発に当たっては、権利者自らが建築計画や資金調達を検討し、その中で単独での建て替えや再開発による共同化など、計画を実現可能とする事業手法を選定するものであり、まずは民間での動きを注視していきたいと考えています。なお、片町四番組海側・山側両地区においては、権利者間で議論を重ねた結果、市街地再開発事業の手法を選択したものであります。
都市再生緊急整備地域において、容積率や高さ制限など既存の規制にとらわれず都市開発事業を実施することができるようになるには、都市再生特別地区の設定が必要になります。なお、この設定には、明年度立ち上げる準備協議会において作成する開発の考え方や求められる機能等を掲げる地域整備方針に沿うことが求められるとともに、その設定には市の意見を踏まえた県の都市計画決定が必要となります。 金沢市都市像に掲げる都心軸の再興に向けて、
都市再生特別措置法の活用を図るとともに、官民連携による都心軸エリアの価値向上を通じて、本市のまちづくりの規範である保全と開発の調和を発展させ、「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」にふさわしい品格と魅力のあふれる都市空間の形成を目指していきたいと考えています。金沢市都市像の実現に向けた取組は、「すべての人々と共に、心豊かで活力ある未来を創る」ということであります。市政の発展と市民福祉の向上につながるものと考えています。 建物の更新には権利者の意向が重要と認識しております。今定例月議会でお諮りしている明年度予算で都心軸沿線の権利者に対して意向調査をするとともに、建物の耐震化や空き店舗の有無など現状を把握することとしております。
能登半島地震の発生を機に、改めて老朽ビルの建て替えを促進する必要があると思った次第でございます。
都市再生特別措置法を活用した都心軸の再興に積極果敢に取り組んでまいりたいと考えています。 私からは以上です。
○高誠議長 坪田
都市整備局長。 〔坪田英孝
都市整備局長登壇〕
◎坪田英孝
都市整備局長 耐震化につきまして、まずは耐震改修促進計画の改定に当たり、新たな方針があるのかとのお尋ねがございました。次期の耐震改修促進計画には令和6年度に基礎調査、7年度に改定作業を行う予定としております。基礎調査の結果や社会情勢の変化、今後見直される地域防災計画、さらには
能登半島地震を受けての国の動向を踏まえまして、計画の策定作業を進める中で方針を定めていきたいというふうに考えております。 続きまして、耐震化の助成額についてのお尋ねがございました。木造住宅の耐震化に係る支援制度は、令和元年度に補助率10分の10、限度額を200万円に引き上げたところでありまして、全国でも手厚い内容で運用しております。現段階で助成額の引上げは考えてはおりません。 次に、都心軸の開発について、これまでの再開発事業についてどう整理されているかとのお尋ねがございました。再開発事業は、防災性の向上、住環境の改善に加えまして、まちの活性化を目的としておりまして、駅武蔵北地区や片町地区での再開発ビルにおきましては、これまでもテナントの入替えはあるものの継続的に入居している状況であり、都心軸のにぎわい創出に寄与しているものと考えております。 以上でございます。
○高誠議長 上野危機管理監。 〔上野浩一危機管理監登壇〕
◎上野浩一危機管理監 避難所運営マニュアルについてお尋ねがございました。本市において地震の際に使用できる避難所には、小学校や公民館など地域の拠点となる避難所66か所と中学校や高校、大学などの指定避難所146か所の計212か所がございます。そのうち今回の地震で開設されましたのは、全ての拠点避難所と指定避難所58か所であり、開設されなかった指定避難所につきましては、元日で施設管理者が不在であったなどの理由で開設に至らなかったものと考えております。避難所運営マニュアルにおきましては、拠点避難所では市職員や自主防災組織が、指定避難所では施設管理者などが鍵を開けることとしておりますが、今後の見直しでは、今回避難所が開設されなかった理由などを検証・整理した上で、地域の自主防災組織や施設管理者と連携しながら連絡体制の強化を図り、迅速な避難所開設につなげてまいります。 以上でございます。
○高誠議長 上寺教育次長。 〔上寺武志教育次長登壇〕
◎上寺武志教育次長 学校体育館の空調設備の整備についてお答えいたします。全ての小中学校の普通教室への空調設備の整備が完了したことから、明年度からは特別教室への計画的な整備に向けて実施設計に着手することとしており、整備完了後は普通教室と併せ、避難時の使用も可能になります。体育館への空調設備の整備に当たりましては、国庫補助の条件としまして、大規模な断熱工事を要件としていることから、導入の手法と併せ、他都市の事例を検証するなど、今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。 私からは以上でございます。
○高誠議長 藤木
こども未来局長。 〔藤木由里
こども未来局長登壇〕
◎藤木由里
こども未来局長 新年度予算におけます放課後児童支援員の処遇改善につきましてですが、今回お諮りしております月額給与と賞与の改善によりまして、児童クラブの運営委託料に含まれます人件費の年額積算は、1人当たり、本年度の約204万円から来年度は約250万円に引上げとなります。 続きまして、児童クラブの新設等に係ります施設使用料の助成制度の拡充につきまして、本市の児童クラブの7割以上が地域団体により運営されていることもございまして、施設使用料の助成を拡充することで児童クラブの新設やよりよい環境への移転を促し、待機児童の解消と保育環境の向上につなげたいと考えております。 私からは以上です。
○高誠議長 山口
福祉健康局長。 〔山口和俊
福祉健康局長登壇〕
◎山口和俊
福祉健康局長 新年度予算における熱中症対策の施設や機能についてお尋ねがございました。熱中症対策につきましては、本庁舎に加えまして駅西・泉野・元町の各福祉健康センターや健康プラザ大手町などに避暑休憩スペースを設置いたしまして、夏場の高温時に市民が気軽に暑さをしのぐことができるように、テーブルや椅子を設置いたしますほか、うちわや冷却シート、また応急用としての飲料などを配備する予定でございます。 続いて、マイナ保険証に関して、資格確認書と資格情報のお知らせについてのお尋ねでございますけれども、資格確認書は、原則、本人の申請に基づき交付することとされておりますが、当分の間はマイナ保険証を保有していない者、その他保険者が必要と認めた者につきましては、本人の申請によらず保険者が交付することとされており、本市の国民健康保険におきましても、国の通知等に基づき対応してまいります。また、資格情報のお知らせにつきましては、健康保険証の廃止に伴いまして、マイナ保険証の保有者が御自身の被保険者資格等を簡易に把握できるように、新規の資格取得時や負担割合の変更時等に交付されるものでございまして、A4判の大きさで資格情報の内容等が記載されているものでございます。 私からは以上です。
○高誠議長 坂本土木局長。 〔坂本敦志土木局長登壇〕
◎坂本敦志土木局長 除雪につきまして2点質問がございました。最初に、支援制度の拡充やシステムの導入によって除雪路線の拡大をどの程度見込んでいるかという点でございます。明年度、除雪オペレーター支援制度を拡充する予定ではありますが、現状の体制では除雪路線を拡大することは難しいと考えております。毎年実施しております除雪業者へのアンケートで、除雪業者の数やオペレーターの人数などを確認した上で路線の拡大について判断していきたいと考えております。なお、除雪管理システムは除雪体制の効率化や住民からの問合せなどに正確な情報を細やかに伝えるため導入するものでありまして、システムの導入による運用実績の検証とともに、引き続き除雪業者の掘り起こしに努めてまいります。 次に、民間消融雪施設現況調査の調査目的についてでございます。民間消融雪施設の現況調査は、民間の消雪組合などで管理しております施設の老朽化や管理者の高齢化、担い手不足などの課題が顕在化しておりますことから、施設の健全度や管理状況を調査するものであります。まずは、その調査結果を施設の長寿命化や継続的な管理運営方法の検討資料とするほか、併せて技術的なアドバイスを行うこととしております。 以上でございます。 〔「議長、24番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○高誠議長 24番広田美代議員。
◆広田美代議員 答弁ありがとうございます。 まず1点目は原発について、1月1日夜に北陸電力から異常はないと確認したということですが、先ほど申し上げたとおり、数々の深刻なトラブルが起きて、外部電源についてはまだ復旧にも至っていないはずです。ちょっとそれだけの危機管理ということではとても残念な御答弁だったと思います。もし何か追加があればお願いします。 そして、この震災を経験して私は、危機管理課、現在9名なんですね。今回2名増員するということですけれども、やはり足りないんではないかと。人口46万人を超えるこの都市において、もっと増員すべきです。女性も含めて増員を改めて求めますけれども、危機管理はそれを1点。 もう1つが、失われた30年の中で市民の暮らしの大変さは増しました。もう大企業によってトリクルダウンが起きないことも明らかになったわけです。私は、この地方都市の疲弊もその結果だと思っています。市長は適切に対応してきたというふうにもおっしゃいますけれども、一部拡充もありましたが、これまで全体の御答弁聞いていて、やっぱりいまだ古い、大型開発、観光を呼び込むことに邁進して、市民の医療や介護、福祉は後回しだと言わざるを得ません。しかし市長、医療や福祉も経済なんですね。そこに従事者がいます。金沢市では第3位の雇用者数、女性については第1位です。そして、この事業があるからこそ、家族で抱え込まず、働き、経済活動ができると。こうした視点をお持ちになったことはありますか。お願いします。
○高誠議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 3点再質問をいただきました。 1つ目が原発の関係であります。我々として原発の被害がないかどうか、あるいはそれによって住民に被害が及ぶかどうかということが1つ目、そして志賀原発からの避難者をどう受け入れるか、その2つの心配をしなければならないというところであります。まず、最初に異常がないということが報告されました。その後、幾つか訂正はあったというところもありますけれども、それによる影響があるかどうかということも確認しながら対応してきたというところであります。 続いて、危機管理部局の増強についてということも御質問いただきました。非常に重要な課題であるというように思っております。一方で危機管理については、いざというときにどういった対応をするかということのなるべく早い意思決定と、そして情報収集が必要になるというところであります。情報収集については、複数の部局にわたるところが収集いたしますし、現場の対応ということでは消防のほうの体制の充実ということで、今回も増隊させていただいているという中であります。時期を見ながら、そして必要に応じて、今回は危機管理課の中に対策室も設けたという中でありますけれども、その場面にふさわしい人員を配置できるように整えていきたいと考えています。 そして、市民の生活について、これは基本方針のうちの1つに大きく位置づけております。暮らしを守ることが何より大事だというところ、それを位置づけながら、そして多方面での経済振興も行わなければならないという中での政策になっております。バランスを取った形として政策を今回打ち出させていただきました。これはもしかしたら議員の意向とずれがあるかもしれませんけれども、本市として行えるところについて、全て政策として来年度予算に盛り込ませていただいたと認識しております。 以上です。 〔「議長、24番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○高誠議長 24番広田美代議員。
◆広田美代議員 まず原発ですけれども、モニタリングポストが止まっていたんですよね。誰が安全を確認できるのか、私は、石川県ももちろんですけれども、金沢市も50キロメートル圏内に市民がいるわけです。多くの避難を受け入れるわけですから、もっと本気で追及してほしいと思います。これから県と一緒に内部をしっかり公開させる、このことを求めていただきたいと思います。公開していただきたい。お願いします。 そして、暮らしを守ることは大切ということでおっしゃっていましたけれども、私の観点は、医療、福祉も経済なんだということなんです。ヨーロッパ諸国はそういうふうに考えているというふうに聞いたことがあります。そこで1点、子どもの医療費助成制度ですね、これが本当になぜ進まないのか。何で県内で金沢市だけなのかと疑問が大きいわけです。もちろん国保とか介護は国のこともあるのでなかなか大変なんですが、この子どもの医療費は本市としてやれるわけです。先ほど御答弁ありました。あと4億8,000万円で18歳まで窓口無料で拡大できるということでした。そして、検討の中にあったのか分かりませんけれども、この新年度から国民健康保険の国庫負担金の減額調整について、18歳未満までを対象に、これはペナルティーと呼ばれています。廃止されるんです。だったら絶対に皆さん18歳まで拡大できるんじゃないですかというふうに今全国で広がっているんです。ぜひ決断を求めますが、いかがですか。
○高誠議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 24番広田美代議員の再質問に対してお答えいたします。 原発について、当時その災害対応に当たっている中で、これももちろん見なければならないところということでケアしておりました。そして、今後の内容について、これも北陸電力さんに対してもその都度情報をいただいているところでもあります。一部御指摘のところもあったかもと思いますけれども、震災後の混乱の中、市民の安全を守るために重要なところとしてはしっかりと把握し、そして情報収集していきたいというように考えています。 子ども医療費について、これは入院についての医療費の助成制度を先般見直させていただきました。そして、通院についてもということだと思いますけれども、現状として低所得者への配慮を行っていることに加え、そして子育て施策としての充実を様々な観点から行っております。子育て世帯に対して、より魅力的な、そして金沢で子育てしたいと思えるような、そういった環境を整えていくことをまず市として行っていきたいというように思っています。そして医療費の助成などについては、本来国のほうのレベルで考えるべき話だというふうに考えております。全国市長会などを通じた要望についても併せて行っていきたいと考えています。 以上です。
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△散会
○高誠議長 これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 次の本会議は、明日12日午前10時から開きます。 本日は、これにて散会いたします。 午後4時18分 散会----------------------------------- 〔参照〕----------------------------------- (写) 金議議調第316号 令和6年3月5日 (2024年) 金沢市長 村山 卓様 金沢市議会議長 高 誠 議場への出席要求について 地方自治法第121条第1項の規定により、令和5年度金沢市議会3月定例月議会における3月11日の本会議に説明のため次の者の出席を求めます。
病院事業管理者 高田重男----------------------------------- 〔参考〕----------------------------------- 令和5年度金沢市議会3月定例月議会 発言者順序表発言予定日発言順序議席番号議員名会派等名3月11日(月)136福田太郎自民党233源野和清公明党332森 一敏みらい金沢430玉野 道創生かなざわ524広田美代日本共産党3月12日(火)63柿本章博自民党75山本ひかる公明党86黒口啓一郎みらい金沢925熊野盛夫創生かなざわ1011山下明希日本共産党1129粟森 慨保守こくみん1214北 幸栽自民党3月13日(水)1315荒木博文自民党147川島美和みらい金沢1510大西克利創生かなざわ1626新谷博範保守こくみん1728清水邦彦さくら会188高務淳弘創生かなざわ1917中川俊一自民党...