令和 5年 12月 定例月議会 令和5年12月12日(火曜日
)-----------------------------------◯出席議員(38名) 議長 高 誠 副議長 中川俊一 1番 柿本章博 2番 坂 秀明 3番 山本ひかる 4番 黒口啓一郎 5番 川島美和 6番 道上周太 7番 宇夛裕基 8番 高務淳弘 9番 喜成清恵 10番 大西克利 11番 山下明希 12番 坂本順子 13番 稲端明浩 14番 北 幸栽 15番 荒木博文 16番 上田雅大 18番 小間井大祐 19番 坂本泰広 21番 喜多浩一 22番 麦田 徹 23番 前 誠一 24番 広田美代 25番 熊野盛夫 26番 新谷博範 27番 下沢広伸 28番 清水邦彦 29番 粟森 慨 30番 玉野 道 31番 森尾嘉昭 32番 森 一敏 33番 源野和清 34番 野本正人 35番 久保洋子 36番 福田太郎 37番 横越 徹 38番
高村佳伸◯欠席議員(なし
)-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長 村山 卓 副市長 新保博之 副市長 山田啓之 教育長 野口 弘
公営企業管理者 松田滋人
都市政策局長 村角薫明 総務局長 川畑宏樹
文化スポーツ局長 東 利裕 経済局長 鳥倉俊雄
農林水産局長 山森健直 市民局長 紙谷 勉
福祉健康局長 山口和俊
こども未来局長 藤木由里 環境局長 加藤弘行
都市整備局長 坪田英孝 土木局長 坂本敦志 危機管理監 上野浩一 会計管理者 小村正隆 教育次長 上寺武志 消防局長 蔵 義広
市立病院事務局長 松矢憲泰 財政課長
佐野宏昭-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長 森沢英明 担当次長兼
議事調査課長 議事調査課担当課長 安藤哲也 上出憲之 議事係長 中田将人 調査係長 今川良太 主査 桜田みどり 主査 前田和紀 主査 竹村太志 主査 辻 卓也 書記 奥井 駿
総務課長補佐 多田育代 主査
中村隆俊-----------------------------------◯議事日程(第3号) 令和5年12月12日(火)午前10時開議 日程第1 議案第38号令和5年度金沢市
一般会計補正予算(第5号)ないし議案第57号金沢市手数料条例の一部改正について (質疑) 日程第2
一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件 議事日程(第3号)に同じ----------------------------------- 午前10時0分 開議
△開議
○高誠議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△会議時間の延長について
○高誠議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△議案上程
○高誠議長 これより、日程第1議案第38号令和5年度金沢市
一般会計補正予算(第5号)ないし議案第57号金沢市手数料条例の一部改正について、以上の議案20件を一括して議題といたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△質疑・一般質問
○高誠議長 これより、質疑並びに日程第2一般質問を併せ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 16番上田雅大議員。 〔16番上田雅大議員登壇〕(拍手)
◆上田雅大議員 おはようございます。
自由民主党金沢市議員会の一員として、以下数点にわたり質問いたします。 まずは、
金沢マラソン2023オンラインについてです。
オンライン大会に今年も100キロメートルの部に登録し、トータル140キロメートルを走ることができました。今年は一緒に走る仲間も増え、走る楽しさも感じることができた、そんな
オンラインマラソンとなりました。しかし、最近、気になることがあります。それは過去の大会からの
金沢マラソンTシャツが、度重なる枚数でタンスがいっぱいになっていることです。必要な方はオンラインでも購入が可能ですし、もう
オンラインTシャツは必要ないのではとの声も聞こえます。全国的に見ると
参加Tシャツのない大会もあることから、登録料だけで気軽に参加できる内容に変更ができないのかと思います。それに併せ、開催回数も年に複数回行えば年間通しての開催となり、参加者の増加にもつながるのではと思いますし、
エントリー距離は統一して42.195キロメートルのみでよいのではと思います。分かりやすくシンプルに継続開催することが市民の
金沢マラソンの機運醸成にもつながると思います。今回の
オンラインマラソンにおける反省点や問題点などの課題を併せて市長にお伺いいたします。 また、
金沢マラソンについてですが、今回も
ボランティアの一員として参加させていただきました。その中で参加者の方から御意見をいただいたことは、
フルマラソンは自信がないが
ハーフマラソンや10キロメートルなら完走ができるとのことで、ぜひとも次回大会に企画して取り組んでほしいとのことでした。
ランニングポイントや交通規制の時間帯、また、
ボランティアの確保などの課題が多いと思います。しかし、他都市で
フルマラソンと
ハーフマラソン、そして10キロ
タイムトライアルを同時開催している大会があります。そうであるならば、
金沢マラソンも検討の余地はあるのではと思います。そのことが、今まで以上に多くの方々に金沢に訪れていただき、また、金沢市民の方も気軽に
金沢マラソンに参加しやすい環境の整備ができるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。市長の御所見をお伺いいたします。 次は、ファンランについてです。今年、初の試みとして開催され、私の友人も車椅子で参加しました。話を伺うと、
ゲストランナーの方と一緒に声をかけながら走ることができたことがとてもよかったとのことで、来年もぜひとも開催してほしいとのことでした。そのことが障害者の方の社会参加にもつながりますし、親子で参加することで絆を深めることができるとのことでした。しかし、車椅子で慣れないゴム製のトラックを30分間走り続けることへの抵抗があり、次回開催されるのであれば、親子参加で車椅子を押しての出場や、最後まで気持ちよくゴールができるような工夫を行ってほしいとの要望もありました。今回の
ファンラン開催における課題や問題点などを併せ市長にお伺いし、次の質問に移ります。 次は、
都市計画マスタープランの見直しについてです。 本市では、都市計画法の制定を受け、昭和45年に市街化区域、
市街化調整区域の設定や用途地域の指定など都市計画決定し、以降、複数回にわたり区画整理や工業団地の造成など、
土地利用方針に即した見直しを行ってきました。一方、近年、本市の人口は減少に転じ、高齢化も進行する中、経済の
グローバル化も一層進み、
社会経済情勢は大きく変化しています。流通業界の2024年問題の対応などにより、業界では担い手の確保はもとより、業務の集約化、効率化を図るため、新たな設備投資の必要性が高まっており、そのためのまとまった用地の確保が大きな課題となっております。本市では、現状でまとまった用地となると
市街化調整区域であり、かつ
農業振興地域など農業関係の制限がある土地が大半です。また、本市が所有する工業団地も、現在は業種を限定している
テクノパークのみで、それ以外に企業を受け入れるための用地のストックがない状況となっております。企業の進出は本市の産業の振興に寄与することに加え、働く場所の提供は定住人口や交流人口の確保につながると思いますが、その機会の損失は本市の魅力や活力の向上にとって決して望ましいことではないと思います。この状況を打破するには、
工業物流施設用地の確保が喫緊の課題であると考えていますが、市長の御所見をお伺いします。 また、線引きの基となる現在の
都市計画マスタープランが策定されて数年経過し、また、コロナ禍を経て社会活動やまちの在り方が大きく変化している中、
都市計画マスタープランも見直しが必要ではないかと思いますが、市長の御所見をお伺いし、次の質問に移ります。 次は、本市農業の現状と支援策についてです。
工業団地等用地の確保に伴い、必然的に農地が減少することになりますが、私たちの食を支える農業を守ることも大切で、かつ必要なことです。本市の農業環境は、農業生産者の高齢化、
後継者不足等、農業で生計を立てることが難しいなど厳しい状況にあると認識しております。そこで、本市の農業の現状を確認する意味で、総農家数と農地の面積について、また、遊休農地の過去5年間程度の推移を伺います。 現在の厳しい状況を改善するには、農家個人の努力では限界があり、公共として策を講じる必要があります。高齢化により農業に従事できない方が増えるのが避けられないとするならば、それを補うだけの新たな担い手の確保が必要になると考えます。先日、私の地元で農業に新規就農にと努力されていた女性の方が、金沢では農業は難しく、近隣自治体へ引っ越しますと挨拶に来られました。とても残念なことです。そこで、
認定新規就農者の就農状況について伺うとともに、新規就農に際してどのような支援が行われているのかについても伺います。 次に、農業所得の向上に向けた支援についてです。農業の新たな担い手の確保は、既存農家の
経営規模拡大などが必要だと思いますが、そのためには就農に対するインセンティブが働くこと、すなわち農業所得が向上することが大切であり、これに関する支援も必要だと思います。農業所得の向上に向け、市としてどのような対策を講じているのか、現状を伺います。 先日、金沢・風のめろんの試食会に足を運びました。これは、独自でメロンを水耕栽培にて生産し、
金沢ブランドとして今後全国に販路を拡大したいとの第1回目の試食会で、中山間地で遊休農地を有効活用しての取組であり、近隣の地域住民や県外からの協力者でにぎわっておりました。その様子から、期待感も大きく、観光資源としても大きなポテンシャルがあると感じています。しかし、金沢・風のめろんは、いまだ収穫率が25%と収益性が低く、農家の経営の観点からも軌道に乗るまでには時間がかかるのではと考えます。農の魅力を生かすことで金沢の魅力をさらに向上させることができるのではと考えています。このような取組に対し、本市で何か支援ができないのかと思いますが、市長の御所見をお伺いし、次の質問に移ります。 次は、
城北市民運動公園の
スポーツ交流広場についてです。
スポーツ交流広場は、人工芝が整備され、子どもから大人まで利用可能な多目的広場で、
夜間照明設備もあり、夜9時まで利用可能なため、とても人気のある施設です。先日、交流広場を利用されている方から相談がありました。それは人工芝の傷みです。そもそも人工芝の耐久年数は約10年と言われています。現在、多目的広場を整備してから約8年が経過しました。度重なる使用により、人工芝の地肌が見え、凸凹になり、そこに足をとられ子どもたちが転倒するなど危ないとの御指摘でした。早速、現地確認に行きましたが、想像以上に傷んでいて危ないと感じました。そこでお伺いしますが、まず、現在の
スポーツ交流広場の利用頻度をお伺いします。また、私にいただいた相談と同様の問合せがあるのかないのかもお伺いします。 交流広場は、
ネーミングどおり楽しくスポーツを行い交流する場所であって、けがをする場所であってはいけないと思います。今後、子どもたちがけがなく、安全で楽しく笑顔でスポーツが楽しめる交流広場となるように、施設の改修工事を行うべきだと思いますが、市長の御所見をお伺いし、次の質問に移ります。 次は、除雪についてです。 6月定例月議会にて質問させていただいた第3次路線の出動基準について、今冬から60センチメートルを30センチメートルに見直していただきました。実に32年ぶりとのことで、地元の方々も大変喜んでおります。さて、除雪の補助制度の一つに
地域除排雪補助制度があります。これは、
雪害対策本部が設置された場合、地域で業者などに除排雪作業をお願いし、支払った費用の4分の3を市が支援するもので、活動している地域がたくさんあると聞いております。一方、町会などで消雪装置を整備し維持管理している民間消雪については、整備する際または大規模な修繕を実施する際の工事費に対しての支援はあるものの、電気代等の
ランニングコストや通常の維持管理への支援はないとのことです。先日、急傾斜のある町会から
ロードヒーティングの電気代の件で相談がありました。話を伺うと、
ロードヒーティングの電気代が高額で、全額町費で負担しているとのことです。今年より電気代が高騰し、支払いができるのか心配だとの内容でした。そこでお伺いしますが、民間消雪に対する近年の支援実績があればお伺いします。 町会などで管理する消雪装置は、市道だけに設置されているものもあれば、市道のみならず私道や私有の駐車場も含む場合があり、様々な設備があると聞き及んでいます。人口減少や高齢化などにより、運営する資金も減少し、さらに、ポンプや井戸などの設備が老朽化しているなど、このままでは維持管理できず、稼働できない民間消雪が増えていくのではととても懸念しています。地域除排雪のみならず、民間消雪も地域が主体となって実施する除雪対策である以上、しっかりと支援し、受け継いでいく必要があると考えます。民間消雪に関する支援について、整備費のみならず維持管理費を支援するお考えはないのか市長に御所見をお伺いします。 次は、商店街の活性化策についてです。 額地区では、振興会が主体となって、公民館と協力し、昨年度より南砺市城端地域との文化交流を再スタートしました。額地区と城端地域とは、34年前の公民館周年事業のときに風船を500個飛ばし、その1つを城端地域の方が拾ったことが御縁で交流が始まりましたが、コロナ禍もあり交流が薄れてきたことを受け、今年度より新たに祭りを通じて相互交流を行うことになりました。5月には額地区から14名で城端曳山祭を訪問しましたし、8月20日に開催した
額振興会主催の
サマーフェスティバルに
越中城端麦屋節保存会の方に御出演いただき、祭りを盛り上げていただきました。祭りの後には
保存会メンバー15名と交流会を開催し、親睦も深めることができました。額地区は金沢市の南部に位置し、野々市市や白山市とも隣接しています。今後も、こうした他都市との交流を通じながら交流人口を増やし、魅力ある地域をつくり上げていきたいと思っております。そこで、額地区のように市域を越えた
文化交流活動を行っている地域はどのくらいあるのかお伺いします。また、近隣市町や協定締結している自治体との交流活動に対し市の助成制度がありますが、
地域経済活動が活発化してきた中、持続性を持って取り組むために、こうした地域の市民同士での
相互交流活動への支援の拡充などのお考えはないのかお伺いします。 地域住民が商店街に期待する役割は、買い物の場だけではなく、地域の暮らしを支えた世代の交流の場へと変容していることを実感しています。商店街がこうした地域のニーズにしっかりと応えていくためにも、商店街活動への若者など新たな担い手の参画や周辺商店街との連携など、商店街の持続可能な活動を支える
仕組みづくりが必要だと考えます。こうした中、額地区では近隣の3商店街と連携し、
プレミアム商品券を合同事業として取り組み、また、来年度からは夏祭りを3商店街の連携事業として開催予定など、工夫を行い、商店街のみならず地域活性化について取り組んでおります。このようなイベントに対して様々な工夫を行っている商店街の補助率を今年度同様に3分の1から2分の1に、上限額を200万円から300万円までに引き上げることができないのかと思います。今年度提出された金沢市商店街連盟の要望事項にもありますし、来期も
イベント補助率を現状のままで制度の拡充を継続すべきと考えますが、市長の御所見をお伺いし、次の質問へ移ります。 次は、
デジタル行政推進リーダーの活用についてです。
少子高齢化社会を迎え、職員の働き方改革と市民の多様なニーズへの対応を両立させていくためには、業務を単にシステム化するだけでなく、デジタル化を機に業務自体を見直すことが求められています。そのためには、デジタルに関する知識や技能だけでなく、業務に精通している職員による取組が最も効果的であることから、
デジタル戦略を本格的に実践に移すために、令和7年度までの5年間で100人の
デジタル行政推進リーダーの育成を目指し取り組んでいるとお聞きしております。これらの人材育成の研修を終え、今年度までに約60名のリーダーが生まれたとお聞きしております。
デジタル部署だけでなく、各局に研修を終えた専門人材が配置されていると認識しておりますが、まず、改革はどの程度進んでいるのか進捗状況を伺います。 また、今後この
デジタル行政推進リーダーを活用し、庁内の業務におけるそれぞれの課題解決に向けた取組を行うべきだと思いますが、具体的な改革策を市長にお伺いし、次の質問に移ります。 最後に、公共交通に関してですが、私の住まいする南部地域には北陸鉄道のバス路線や石川線が走り、日頃より地域住民の利用者から様々な御意見をお聞きしております。先般、北陸鉄道の石川線、浅野川線については、これまでも経営努力で何とか維持されてきましたが、コロナ禍によるバスの収益性の悪化により、同社から沿線自治体に対し
上下分離方式の導入による支援の要望がなされました。北陸鉄道は、
朝夕ラッシュ時のたくさんの通勤や通学を支えるとともに、道路の渋滞を緩和する効果があることや、大雪の降った日でも鉄道が安定的に運行されてきたという信頼性などが評価され、8月の首長会議において石川線の鉄道としての存続が決定され、行政の支援の下でどのように石川線、浅野川線の利便性を高めるかという点や、国の支援をどのように活用していくのか、自治体がどのように支援するかなどの検討が進められている状況だとお聞きしております。そこで、まず石川線の鉄道としての存続の決定を受けた市長の所感と、今後の協議に向けて市長がどういった点に力点を置かれるのか御所見をお伺いします。 また、石川線、浅野川線について、多くの市民に利用されるためには抜本的な利便性の向上が必要と考えますが、具体的にどういった取組を検討されているのか、市長にお伺いします。 私は、過去の議会質問で石川線の四十万駅の駅前広場が舗装されておらず、雨の日などに水たまりができて歩きづらいといった市民の声を踏まえ、駅前の舗装の必要性を訴えたところですが、市や北陸鉄道が国の補助金により四十万駅の整備や
パーク・アンド・ライド駐車場としての活用を進めようとしているとの報道がありました。また、
公共シェアサイクルまちのりについても、令和7年度から自転車の台数やポートを鉄道や
バス路線沿線で増やそうとの計画があるとも聞いております。そこで、四十万駅の今後の改良の見通しや四十万駅でのパーク・アンド・ライドシステムの概要、金沢市南部方面におけるまちのりの展開をどのように考えているのか、市長にお伺いします。 今後、ますます高齢者が増加する中、自家用車に頼り過ぎなくても生き生きと暮らせるまちづくりを進めるためには、鉄道やバスといった公共交通の役割が高まるものと考えております。他方で、市民からは、最近は減便や運賃値上げなどにより公共交通が使いづらくなったという悲痛な声も寄せられております。こうした中で、金沢市として交通政策をどのように進めていくのか、最後に市長の意気込みをお伺いし、私の質問を終わります。 御清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手)
○高誠議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 おはようございます。 16番上田雅大議員にお答えいたします。 初めに、
金沢マラソン2023の
オンライン大会につきましては、参加者は減少傾向にありますが、
参加者アンケートでは「来年も参加したい」という意見が約95%を占めております。また、
参加記念グッズについては、Tシャツの継続を希望する方が約7割である一方で、「黒色のTシャツでは晴れた日には暑い」「夜間の視認性に劣る」といった意見も見られました。さらに、距離については「もっと長い設定が欲しい」といった声や、「複数回に分けて走ることができるオンラインは気軽に参加できる」など、様々な声が寄せられております。第10回となる来年の企画を検討する中で、
オンライン大会の在り方についても考えてまいります。
金沢マラソンは多彩な景観を楽しめるコース設定が魅力の一つでありますが、そのことは関係各所の御理解と御協力により成り立っており、交通規制の時間帯をこれ以上延ばすことは難しいと考えております。そのような中で、ハーフや10キロメートルのコースなど、大会当日に
フルマラソン以外の部門を設けるには、スタッフや
ボランティアなどの人員の確保のほか、ランナーの移動手段などの課題もありますことから、他都市の大会を参考にしながら研究してまいります。 大会前日に実施したファンランは、あいにく雨の中での開催となりましたが、大会ゲストらが参加者と一緒に走って盛り上げていただき、本番と同様に
大型映像装置に走る姿を映したほか、給水やフィニッシュを体験してもらうなど、おおむね好評を得たものと考えております。一方で、大会当日の開催を期待するという声もあります。今後、車椅子の参加者の声なども踏まえ、参加者の満足度がより高められるよう検討してまいります。
工業物流施設の確保につきましては、工場や物流施設の集積は本市の産業に厚みを増すことに加え、新たな雇用の創出にもつながり、地域経済の振興に大きく貢献するものであり、まずは
金沢テクノパークへの企業立地を進めてまいります。新たな工業用地の確保に関しては、
市内中小企業を中心に、施設の集約や拡張などへの投資動向を把握することが必要と考えております。その結果を踏まえ、慎重に検討してまいります。 本市の
都市計画マスタープランは、おおむね20年後を見据えた都市の将来像をはじめ、土地利用や都市施設の整備など、まちづくりに関する基本的な方針を示すものであり、おおむね10年ごとに見直しを行っております。現行の
都市計画マスタープランは、令和元年の策定から折り返しとなる5年が経過しようとしていることから、まずはこれまでの成果を検証することが必要であります。その上で、今般策定する新たな都市像の具現化に資するよう、産業や交通、環境などの関連計画とも整合が図られる適切な時期を見極めた上で見直すことといたします。 続いて、農業の魅力について、これまで中山間地域においては、地域が主体となって取り組む特産農産物づくりに対し、試験栽培や販路開拓などの支援を行っており、今年度は薬師谷地区において、キクイモ、ヤーコンの特産化への取組を支援しております。地域活性化にも資する取組であると考えております。今後も、地域から具体的な相談があれば積極的に対応してまいります。 続いて、
城北市民運動公園の
スポーツ交流広場については、これまで部分的な補修を何度も行ってまいりましたが、現状では人工芝の破損箇所の範囲が大きく、部分的な補修では修復し切れないということから、利用者の安全を考慮すれば全面的な改修を検討すべき時期に来ていると考えております。 続いて、町内会などの団体が維持管理する消雪装置につきましては、設置箇所が、金沢市道のみならず、私道や民間の駐車場が含まれているものもあります。また、水源が、地下水や河川水または水道水を使用するものや、電熱等を利用する
ロードヒーティングなどがあり、消雪装置の設置状況や施設の健全化など、まずは管理運営の現状を確認する必要があると考えております。施設の老朽化や管理する方々の担い手不足など、維持管理上の問題が発生するおそれもあります。どのような支援ができるかも含め、維持管理費への支援についても研究課題とさせていただきたいと存じます。 次に、住民交流活動助成制度を活用し、近隣市町と
文化交流活動を行っている地域団体は、直近5年間で額地区を含め7団体ございます。地域における
文化交流活動を促進するとともに、住民レベルでの広域的な交流を活性化することは、地域コミュニティーの活性化や広域交流推進の観点から大切なことと考えております。同助成制度における市民交流事業では、同一活動に対する補助期間を3年を限度としているところでありますが、今後の支援の在り方につきましては予算編成の中で検討してまいります。 商店街イベントに対する補助率等につきましては、コロナ禍における時限措置として拡充してまいりましたが、今年度に入り、多くの商店街イベントが再開した一方で、一部の商店街では担い手不足などの理由によりイベントを開催できなかったと聞いております。補助率等を拡充した経緯を踏まえるとともに、各商店街の現状や課題を把握した上で、持続可能な商店街活動の在り方について、明年度の予算編成の中で検討してまいります。
デジタル行政推進リーダーによる業務改善の事例も出てきております。改善に大きく貢献した職員には、デジタル業務改善表彰を通じて、職員のモチベーションの向上とさらなるデジタル化の取組を促していきたいと考えております。一方、今後はそのような事例の全庁への展開やリーダー同士の連携による相乗効果も期待できますことから、庁内業務における課題を吸い上げた上で、リーダーを中心とした課題解決プロジェクトチームを編制するなど、個人の取組にとどまらず、組織的な対応を強化する中で、よりリーダーが活躍できるような仕組みを構築していきたいと考えております。 次に、北陸鉄道石川線につきまして、地域にとって大量輸送機関は今後も必要であり、バスの運転手不足なども踏まえ、鉄道として存続させることを決定したものでございます。石川線を単に現状のまま存続させるのではなく、地域の財産として利便性を高めることで、過度に自家用車に依存せずに暮らせるまちづくりを進めることが重要であると考えています。来月の法定協議会における特定事業計画の取りまとめに向けまして、行政の支援策や利便性向上策について、沿線自治体や北陸鉄道との協議を現在重ねているところであります。北陸鉄道には、協議の過程などを通じて、地域住民や沿線自治体の思いを真摯に受け止め、バスの減便などによらない経営改革として、サービス向上にしっかりと取り組んでいただきたいと考えています。 より多くの方々に鉄道線を利用していただくためには、利便性を向上させることはもちろんのこと、持続可能な取組としていくことが大切であります。このため、まずは乗車運賃のキャッシュレス化をはじめ、石川線の増便、鉄道・バスなどとの乗継ぎ割引の拡大に取り組むほか、今後の利用者数の推移や周辺環境の動向なども注視しつつ、駅のモビリティーハブ化、地域のコミュニティー拠点としての機能強化についても検討していきたいと考えており、北陸鉄道などとの協議を進めているところであります。 四十万駅の交通結節点機能の強化に向けましては、現在、北陸鉄道とともに、駅に隣接した
パーク・アンド・ライド駐車場の設置を進めております。スマートフォンなどによる駐車場の予約と、のりまっし金沢を利用しデジタル乗車券を購入していただくワンストップの仕組みを想定しております。南部方面におけるまちのりに関しては、先般検討委員会より提言を受けた令和7年度からの次期まちのりの在り方の中で、今後は鉄道やバスと組み合わせた利用促進が見込まれるエリアにもポートを設置することが盛り込まれているところであります。明年度に実施する事業者公募におきまして、具体のポートの設置箇所について提案を求めていきたいと考えております。 公共交通は、通勤、通学、通院、買物など、市民の日常的な移動を支えるという重要な役割を担い、また、単に移動手段としての役割だけでなく、環境負荷の低減や交通渋滞の緩和、まちなかへの外出機会の創出による健康づくりやにぎわいの創出など、多面的な効果を持つ重要な社会インフラと考えています。こうした観点から、本市では公共交通を大切にしたまちづくりに取り組んできたところであり、今般のコロナ禍や燃料価格高騰、運転手不足など、公共交通を取り巻く環境が厳しさを増す中にあっても、公共交通を地域の大切な財産と捉え、交通事業者や行政だけでなく、地域の担い手との連携をさらに強化し、鉄道やバスを支えていけるよう取り組んでまいりたいと考えております。 私からは以上です。
○高誠議長 山森
農林水産局長。
◎山森健直
農林水産局長 農業の現状と支援策について御質問がございました。総農家数と農地の面積でございますが、令和2年の国の農林業センサスによる調査結果では、一定の耕地面積と農産物販売金額を有する本市の総農家数は2,166世帯となっております。また、同様の調査結果における本市の耕地面積は約3,062ヘクタールとなっております。 次に、遊休農地の過去5年間の推移ですが、農業委員会の集計による遊休農地の面積は、平成30年度は5.8ヘクタールで、令和4年度は14.3ヘクタールであり、5年間で8.5ヘクタール増加しております。 次に、
認定新規就農者の就農状況及び新規就農者への支援につきましては、過去、令和4年までの5年間の
認定新規就農者は21名で、そのうち現在は19名が就農しております。レンコンやネギなどの露地野菜やシュンギクなどの施設野菜の栽培に取り組んでいます。新規就農者に対しては、国の制度を活用して、就農前の研修受講を後押しする資金及び就農直後の経営確立を支援する資金としまして、年間150万円を通算で5年間支援しているほか、栽培や経営に関する相談に随時応じております。なお、金沢農業大学校の研修生や修了生に対しては、これらに加え、市独自に農業機械やパイプハウス等への支援も行っているところです。 また、農業所得の向上に向けた対策につきましては、生産性を向上させる農業機械や農業施設等の導入支援に加え、農業センターや実証圃場におきまして、農作物の試験栽培を行い、生産技術の改善や普及を促すことで品質向上や収量増加による農業者の所得の向上を図っております。また、加賀野菜や金沢そだちなど農作物のブランド化を推進することで、市場での評価を高めるとともに、飲食店や販売店と連携したイベントを開催し、消費者への認知度のさらなる向上と需要の拡大に努めるなど、農業者の所得向上につながる取組を行っているところでございます。 以上です。
○高誠議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 城北市民運動公園スポーツ交流広場についての御質問2点のお答えをいたします。まず、
スポーツ交流広場の利用頻度でございますが、今年度4月から9月までの半年間で3万1,666名の利用がございました。また、コロナ禍前である令和元年度の同期間の利用者数は4万2,087名でありまして、コロナ禍前の利用者数までは回復していないものの、多くの方々に御利用いただいているところでございます。 次に、
スポーツ交流広場の人工芝の傷みについての問合せがあるのかというお尋ねにつきましては、近年、市のサッカー協会をはじめ、利用団体や指定管理者からも人工芝の破損や劣化について連絡を受けているところでございます。 以上です。
○高誠議長 坂本土木局長。
◎坂本敦志土木局長 民間消雪に対する近年の支援実績についてでありますが、消雪に関する補助制度は、町内会などの団体に消雪装置の設置または改修する費用について支援するものであり、補助率が4分の3、上限2,600万円としております。過去5年間の補助実績は、15団体、補助額9,500万9,000円でありまして、内訳は、新規設置工事が1団体、2,491万円で、改修工事は14団体、7,009万9,000円であります。 以上でございます。
○高誠議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長
デジタル行政推進リーダーを活用した改革の進捗についてでございますが、これまで、例えば福祉健康局において、事業所との間の紙でのやり取りをデータに切り替え、市と事業所相互の事務の効率化や費用の削減につなげたこと、また、環境局において、廃棄物処理施設への立入検査結果やごみ焼却施設の点検記録をその場でタブレットに直接入力できるアプリを開発し、業務時間や紙文書の削減を実現させたことなど、各所属でのリーダーの活動が目に見える形で効果を発揮し始めているところでございます。 以上です。
○高誠議長 2番坂秀明議員。 〔2番坂 秀明議員登壇〕(拍手)
◆坂秀明議員 発言の機会を得ましたので、公明党金沢市議員会の一員として、以下数点について質問させていただきます。 初めに、人材不足の対策についてお尋ねいたします。 日本の人材不足は年々深刻化しており、様々な業界で対策を講じる必要が出てきております。生産年齢人口に該当する15歳から64歳までの人口については、2020年時点で7,406万人でしたが、2050年には2割以上減り5,540万人、2065年には約4割近く減り4,529万人となる見通しです。厚生労働省の調査の結果、2022年2月時点での産業別人手不足感が高い産業ワースト3は、医療・福祉と建設業と運送・郵便業でした。人材不足の対策として考えられることは、賃金や福利厚生などの労働条件を改善する、若者、女性、シニア層が活躍できる環境にする、IT、テクノロジーを用いて生産性を上げる、外国人人材を雇用するということが挙げられますが、このうち、若者、女性、シニアの活躍と外国人人材について質問させていただきます。先月7日、23歳以下の技能者が41職種で競う技能五輪全国大会の開催に当たり、本市から出場するタイル貼り、配管、建築大工、フラワー装飾、理容の技能者5名に対し村山市長が激励されたとの報道がありました。技術力の向上はもちろん、若者の離職防止など、本人を含め周囲へもよい影響を与えるすばらしい取組であり、このような場を設け、広く周知することは非常に大切です。そこで、若い世代に技能、ものづくりの魅力や大切さを学んでもらう機会を創出するため、本市ではどのような取組を行っていますでしょうか。また、今後拡充していくことも必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、若者、女性、シニアの活躍についてお聞きします。まず、若者については、低賃金や不遇による未来に希望が持てないなどの状況を打開するため、若者が働きやすい社会の構築が必要です。また、女性については、ジェンダーギャップ指数が世界146か国中、日本は125位という状況の中、人口の半分を占める女性の昇進、活躍が妨げられるなどの差異をなくす必要があり、本市では本年4月に男女共同参画推進行動計画「かなざわ未来 奏でプラン2023」が策定され、10年後の目標値が設定されております。計画に基づくかなざわ女性活躍推進会議は、民間企業15社、関係6機関で構成された会議体で、実施事業の情報交換や情報発信を行い水平展開するなど、女性活躍を目的として実施されています。コロナ禍により活動できなかった時期もあったかと思いますが、今後、2年ごとに構成員を交代する予定と聞いており、女性の活躍をより強力に推進していくため、市内の多くの企業の参画を期待しています。さらに、シニアについては、2040年には高齢者人口が35%を占めると言われ、社会のニーズに応じたマッチングなど、これまで培ったスキルを就労につなげる取組が求められています。新たな都市像の「仕事づくり」では、あらゆる世代の多様な人材の活躍と働き方の推進とありますが、これを推進する具体的な取組が必要です。そこで、明年2月には新たな都市像を具現化する行動計画が策定される予定ですが、若者、女性、シニアが働きやすい社会につながる取組を具体的に盛り込む必要があるのではないでしょうか。官民一体となって取り組むことも大切であると考えますが、御所見をお伺いいたします。 加えて、新たな都市像の「人づくり」では、次代の担い手育成とありますが、次の代だけではなく今も大切であり、今の若者の意見を尊重し、政策に反映させる取組が強く求められています。本市では、昨年から未来へつなぐ金沢行動会議を設置し、10年後の金沢を見据えたまちづくりについて若い世代の意見を積極的に取り入れようとしています。また、別の県では、若手職員で構成された若者政策を実行する特別部局を設置し、さらに、市民も参画した若者活躍局を立ち上げています。このような現在の取組を生かしつつ、若者のまちづくりへの参加を促進し、活躍できる具体的な施策を行動計画で示していく必要があると考えますが、重ねて御所見をお伺いいたします。 次に、外国人労働者への支援についての質問です。人材確保として外国人労働者が期待されておりますが、現行の技能実習制度では実習先の転籍が原則認められていないため、雇用主等から暴力やパワハラなどの被害が多くあり、人権侵害の要因となるなど問題となっております。この解決のためにも、政府有識者会議は、外国人技能実習、特定技能の両制度の見直しを1年かけて行い、先月30日に現行制度の技能実習を廃止し、人材確保・育成を目的とした新制度である育成就労を創設する最終報告書を政府に提出いたしました。今後、関連法案として国会に提出される方針で、不遇改善を期待するものであります。また、外国人労働者とその家族を取り巻く問題として、成人では所得格差による困窮、雇用調整という失業のリスク、言葉、文化の違いによる孤立や失業、差別によるパワハラなどの人権侵害、また、外国にルーツを持つ子どもでは、言葉の問題で授業についていけないことから、学習意欲の低下に伴う不登校、経済格差からの差別により孤立し、これに伴う不登校、中退、経済的な理由での進学断念、これらにより子どもには負の連鎖が起こり得ます。また、成人と子ども共通の問題として、言葉、文化の違いから発生するストレス、行政への相談には心理的・物理的ハードルが高いとされております。令和4年12月末時点で石川県内の外国人人口は1万6,598人と過去最多となり、本市では6,311人となっております。そのうち、留学生や永住者など、支援者が身近におり比較的生活に困らない方々を除く特定技能者や実習生の人口は1,380人となり、この方々に支援の強化が必要と考えています。さらに、2018年12月に入管法が改正され、人材確保のため創設された在留資格、特定技能において、1号の在留資格である5年が経過し、明年から1号から2号へとステップアップされる方が増加し、それに伴い家族の帯同ができるようになるため、さらに人口が増えることが予想されます。日本社会は外国人労働者なしでは成り立ちません。良好な関係を維持するためにも、双方の協力が非常に重要です。北海道や鹿児島県、岩手県一関市、千葉県富里市では支援体制の強化に取り組み始めました。そこで、パブリックコメントや県が7月に実施した調査でも、日本語教室を希望される方が非常に多いことが分かっております。また、日本語の習得は外国人労働者本人にも必要ですが、特に労働者の配偶者は1人で孤立している場合が多いとされています。市や県の関係団体でも
ボランティアで行っている日本語教室があるかと思いますが、そうした教室への受講を積極的に呼びかけていただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。 また、外国にルーツを持つ子どもたちについては、高校進学率が日本人と比較し非常に低いことが問題とされています。本市の中学校では、この子どもたちに対して、高校進学に向けてどのような支援の体制やその強化を行っているのでしょうか。また、高校受験の際にはどのような配慮がなされていますでしょうか。加えて、経済的支援の案内についてもお聞かせください。 次に、外国人労働者とその家族、雇用主、地域住民が文化などの差異を超えて相互理解を深める場に多くの参加を促す取組が必要です。単に人を集めて一緒にいるだけでは無意味であり、目標に向かい協力し合いながら学習することで、それぞれの感情が緩和し、相互理解につながりやすいとのことです。このような取組に対して、参加しやすくなるよう工夫し、周知を積極的に図っていただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、金沢市国際交流ミライアクションでも、外国人向け窓口サービス充実、また、金沢市人権教育・啓発行動計画2023の中でも、外国人への相談体制等の充実を掲げておりますが、本市には外国人専用相談窓口が設置されておらず、外国語が話せる職員が対応したり、翻訳機を使用するなど、その都度対応しております。明年以降、外国人家族の増加に伴い、日本人と同様の生活面全般の相談が増えることが予想されます。そこで、生活面をはじめとする各種相談を一義的にはどこで対応されるのでしょうか。また、このような相談を統括する部署が必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。 2点目に、工事請負契約の手続についてお尋ねいたします。 契約書のデジタル化について、昨年10月末時点で既に全国約40の自治体で導入されており、これ以降も電子契約を話題として取り上げられた自治体は10以上あります。電子契約システムは、事業者との契約に関する事務作業をオンラインで行うことができ、業務効率化や経費削減が狙いです。あるクラウドサービスでは、市が契約書をクラウド上にアップロードし、アクセスするためのURLを事業者にメールで送付、事業者が電子署名を行うと契約締結となります。現在の書面による契約では双方の押印が必要で、1週間程度の期間を要するため、やり取りや交通にかかる手間など、主に時間の浪費が目立ちます。電子契約では、最も早い場合、即日もしくは翌日には契約が完了し、契約書も自動でサーバーに保管され、従来の書面保管スペースの削減にもつながります。書類作成や管理に係る業務時間の短縮や交通に関わる経費、郵送料や印紙代などのコスト削減効果も期待でき、両者にとってメリットがあります。メーカーにもよりますが、クラウドサービスの機能には契約書の改ざんを防ぐものや立会人型というものもあります。検討事項としては、一般的な電子契約では、行政機関と契約を結ぶ事業者が1社に限られることから、行政側も発注する事業ごとにクラウド事業者へ委託料が発生するようです。そのため、宮崎市で導入された仕組みは、市がクラウド事業者と契約するのではなく協定を結ぶのが特徴で、業務委託料が発生しないことが利点。また、受注者が複数のクラウドサービスから選択することができることで、民間同士のつながりが広がり、市内のデジタルトランスフォーメーション促進にもつながると期待されているようです。この導入時に協定を結んだのは5社でしたが、導入後も協定先を増やしていく考えとしているようです。そこで、本市でも取り組むべきとの認識はあるかと思いますが、進めてこられなかった要因を教えてください。 そして、社会全体がデジタル化を進めており、これから必要な取組ですので、問題点をクリアし、できるだけ早い導入を求めますが、お考えをお聞かせください。 最後に、文化都市金沢として、平和への取組についてお尋ねいたします。 本年7月末に開催された泉野図書館での「ヒロシマ・ナガサキ 原爆と人間」ポスター展を見てまいりました。この展示場は6メーター掛ける12メーター程度の比較的狭いスペースで、係員のいない無人の簡易的な展示でした。それでも戦争の悲惨さや平和の尊さを実感し、展示の必要性を改めて感じました。被爆や戦争体験者が年々減少する中、このような展示も、物言わぬ証言者としてその実相を語り継ぐ重要な役割を担っており、一人一人の人間、一人一人の意識変革につながり、平和を構築する着実な取組の一つです。現在、世界各地で紛争が起こり、また、日本を取り巻く状況が大きく変化する中、国内でも核についての残念な発言も増えております。本市では、昭和32年に世界連邦平和都市宣言、昭和60年に平和都市宣言が議決され宣言されております。宣言の一文には、「世界の恒久平和と核兵器の全面禁止・廃絶は人類全ての願いであり、我々はその実現に向けて不断の努力をしていかなければならない。世界平和と人類の限りない繁栄を希求し、金沢市が永遠の平和都市となることを内外に宣言する」とあります。さらに、歴史や芸術、教育など、文化の交流はあらゆる差異を超えて心と心を近づけ、結び合う重要な取組です。文化都市金沢を世界に発信している本市としても、平和への取組を充実させていただきたいと思います。本市では、このような展示を1年ごとのローテーションで、玉川、海みらい、泉野図書館の3会場で年に一度開催されており、この展示物としては今回のもの1種類、30枚のみで、そのうち刺激の強いもの6枚は避け、24枚のポスターを展示し、市の平和宣言や姉妹都市公園内の宣言碑についての紹介を加えてあります。そこで、文化都市金沢として、平和への取組につながる展示を、市役所も含め会場を四、五か所程度とし、毎年複数の会場で開催するなど、展示回数を増やす取組をぜひともお願いしたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。あわせて、この展示物の種類を増やし、内容の充実を図っていただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、学校教育現場では、戦争や原爆、平和への教育について、夏季休業中の8月6日、9日前後で、全校登校日や社会、道徳などの教科学習の中で行われていますが、展示を通して学ぶ場がないようです。そこで、まずお聞きしますが、今現在、ニュースで紛争地の映像が毎日のように放送されており、昨年2月の紛争開始前と比較し、子どもたちに心の負担など何か変化は見られていますでしょうか。 このことも考慮し、今後、小中学校の適切な学年の子どもたちに対して、年に一度は展示を通して平和への学びを深めていただきたいと思いますが、御所見をお伺いし、私からの質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○高誠議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 2番坂秀明議員にお答えいたします。 初めに、本市では、ものづくりへの関心を高めるため、小中学生を対象に製造業のお仕事体験や地元企業の工場見学を行っているほか、中学校へは企業のエンジニアなどを講師として派遣しております。さらに、高校生や若者の技能習得者への表彰や、技能五輪など全国大会出場者への激励を行っております。さらに、令和7年度から市立工業高校では、台湾への修学旅行といたしまして優れた技術力を持つ企業への訪問、また、金沢ゆかりの偉人の功績を現地で学習するといった形で、ものづくり教育を行っていきたいと考えております。引き続き、若い世代が将来の職業や進路を考える契機となるよう、ものづくりの現場を知る機会の創出と地元企業の優れた技術や魅力を発信することで、産業人材の育成・確保に努めてまいります。 昨年度、多様な人材の活躍促進に向けた環境づくりや労働生産性の向上に向けた環境づくりなどを基本方針とした第2次金沢版働き方改革推進プランを策定いたしました。新たな都市像の具現化に向けた行動計画の中では、働き方改革推進プランと整合を図った上で、女性キャリアのさらなる登用や副業・兼業人材活用の普及啓発など、働きがいと幸せを感じられるまちの実現に向けた施策を盛り込むこととしておりまして、引き続き、国や経済団体、労働団体などと連携しながら取り組んでまいります。 本市では、未来へつなぐ金沢行動会議の活動に加え、本年度は新たに地域力創造プロジェクトを実施しておりまして、こちらは大学と連携して地域課題の解決や地域の活性化に関する実践型の授業を開講し、学生のまちづくりへの参画促進に取り組んでいるところであります。行動計画では、人づくりの分野におきまして、金沢の未来を創っていく人材の育成に向けた施策を盛り込みまして、これまで以上に若い世代の社会参画の促進やまちへの愛着の醸成に取り組んでいきたいと考えております。加えて、新たな都市像の中では、若い世代をはじめ、移住者、民間事業者など、地域に関わる多様な人々の考えや活力の活用を施策の横断的な共通の視点としております。様々な分野で若い世代の意見や考えを施策に反映してまいります。 本市では、日本語によるコミュニケーションが難しい外国人住民の方々に対しまして、地域における日本語学習支援を行っておりますほか、本市や国際交流財団の
ボランティアが運営する講座や日本語教室を開講している団体を紹介しているところであります。引き続き、関係団体や
ボランティアの方々とも協力しながら、日本語を学ぶ機会やコミュニケーションの場の提供に努めます。そして、日本人、外国人住民双方が暮らしやすい地域づくりに取り組んでまいります。 続いて、外国人家族からの相談につきまして、本市では本年3月に国際交流ミライアクションを策定し、地域の国際化に向けて全庁的な取組を進めております。これを所管する国際交流課が庁内で外国人住民からの相談を統括する役割を担っているほか、市の国際交流財団でも相談を受け付けております。引き続き、庁内の連携を図るとともに、在留資格や雇用など、具体的な相談の内容に応じては、国や県などとも協力しながら丁寧に対応していきたいと考えております。 最後に、平和への取組につきまして、本市ではこれまでも毎年夏に市立図書館において、原爆に関するポスター展を開催してきたところであります。一方で、展示物の種類には限りがありますことから、展示回数や展示物の種類を増やすことにつきましては、展示場所、あるいは開催期間の工夫、関連図書コーナーの設置など、取組ができないか検討してまいりたいと存じます。 私からは以上です。
○高誠議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 外国人労働者とその家族への支援につきまして、まず初めに、本市の中学校において、外国人の子どもたちの高校進学に向けてどのような支援の体制や強化を行っているのかとのお尋ねにお答えいたします。外国籍など日本語指導を必要とする中学生に対しましては、泉中学校に設置している日本語指導教室におきまして、日常会話の基礎や基礎的な日本語を使った教科指導に加え、日本の文化、生活習慣の理解を図るための学習を行っております。また、在籍する学校におきましても、市教育委員会が貸し出した翻訳機を使い、コミュニケーションを図りながら一人一人に応じた丁寧な対応を行っております。加えて、進路説明会や三者懇談におきましては、学校の要望に応じて、母国語を話すことができる日本語指導民間協力員を派遣し、支援しております。 次に、外国人生徒が高校受験を行う際にどのような配慮がなされているのかとのお尋ねにお答えいたします。石川県内の公立高等学校では、これまで外国人生徒等につきましては、出願時に海外在住状況説明書を提出し、希望に応じて漢字にルビを振った学力検査問題での受験を行っております。加えて、定時制を含めた13校におきましては、一定の条件を満たす外国人生徒等を対象に、学力検査を行わずに面接と作文により入学者を選抜する外国人生徒等に係る特別入学を実施することとなっており、この特別入学の募集人員は一般の募集人員とは別に設けるという配慮がなされております。 また、外国人生徒への経済的支援の案内についてもお尋ねがございました。経済的支援につきましては、外国人生徒に特化したものではございませんが、日本国内に住所を有し、判定基準を満たす生徒を対象とした国の高等学校等就学支援金や、保護者が石川県内に居住していることなど一定の条件を満たす場合に出願できる石川県育英資金などがございます。これらの支援制度につきましては、各学校から対象となる外国人生徒及び保護者に資料等が配付されており、引き続き、漏れなく情報が伝わるよう校長会議等を通じて周知してまいります。 学校での平和への取組についてもお尋ねがございました。2022年2月に始まったウクライナでの紛争前と比較し、子どもたちにどのような変化が見られているのかとの御質問にお答えいたします。昨年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、その様子が報道されたことから、子どもたちが凄惨な映像を目にする機会は多くあったと思っております。東日本大震災の際には、災害の様子を映像等で何度も目にし、大きな恐怖心や不安感を持ち、情緒が不安定になっていた子どもがいたことから、ウクライナ侵攻におきましても、凄惨な映像から恐怖心を抱くほか、現地の子どもたちのつらさや悲しみに共感し、悲しい気持ちになった子どもたちがいると思っております。可能な限りその気持ちに寄り添った対応ができるよう、学校と共に努めてまいりたいと思っております。 小中学校の適切な学年の子どもたちに対し、「ヒロシマ・ナガサキ 原爆と人間」ポスター展の展示を通して、平和への学びを深めてほしいがいかがかとの御質問にお答えいたします。本市立の全ての小中学校では、社会科を中心とした教科学習のほか、夏季休業前の集会や、広島、長崎に原爆が投下された8月6日・9日、終戦を迎えた8月15日を中心に平和教育を実施いたしております。子どもたちが学校以外の場におきましても親子で展示を見て平和について学ぶことは有意義であると考えており、御提案のポスター展につきましては、発達段階を踏まえた対応の必要性も含め、学校や保護者に対し周知できればと思っております。引き続き、学校内外におきまして子どもたちが平和について学び、考え、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を身につけていくことができるように取り組んでまいります。 以上でございます。
○高誠議長 村角
都市政策局長。
◎村角薫明
都市政策局長 外国人労働者とその家族、雇用主、地域住民が相互理解を深める場に参加しやすくなる工夫とその周知についてお尋ねがございました。本市や国際交流財団が実施いたします異文化理解のための講座、また交流会などに際しましては、より多くの参加につながるよう、開催する曜日や時間帯の設定のほか、託児スペースを設置するなど工夫を凝らしてきておりまして、引き続き、参加しやすい環境づくりに取り組んでまいります。加えて、ホームページやSNSを活用し、開催の周知を図るとともに、対象となる方々に直接情報が伝わるよう、関係団体等のネットワークを通じた発信にも努めていきたいというふうに考えております。 以上です。
○高誠議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 工事請負契約書のデジタル化を進めてこられなかった要因についてお尋ねがございました。契約手続のペーパーレス化やデジタル化につきましては必要なことと考えております。入札について、これまでも一般競争入札等で電子入札方式を採用し、デジタル化に対応してきたところでございます。契約書につきましては、議員御指摘のとおり、一部の自治体で電子化されていることは承知しておりますが、デジタル化の環境整備が十分に整っていない事業者もいること、既存の電子入札システムや財務会計システムとの連携ができず、複数のシステムがふくそうし、かえって職員の事務量が増えること、県内ではどの自治体もまだ導入していないことなどの理由により、他自治体の状況を調査することにとどめてきた経緯がございます。 続きまして、できるだけ早い導入を求めるが考えはどうかという御質問がございました。工事請負契約書のデジタル化に当たりましては、契約書だけでなく、競争参加資格確認申請書など関係書類のペーパーレス化が必要となりますが、現時点ではこれらも紙ベースで提出されている状況でありまして、まずは、こうした契約手続に必要な関係書類の電子化を優先したいと考えております。その上で、電子契約を導入している先進自治体の課題も調査、分析しながら、本市にとって最適な契約書電子化の手法について検討していきたいと思っております。 以上です。
○高誠議長 4番黒口啓一郎議員。 〔4番黒口啓一郎議員登壇〕(拍手)
◆黒口啓一郎議員 一般質問の機会を得ましたので、みらい金沢の一員として質問させていただきます。 最初は、12月補正予算案に示されました買い物応援商品券事業についてお伺いします。 市民の買物負担の軽減、消費喚起のためと取り組む位置づけがなされているわけですが、今、賃上げが物価高に追いつかない状況が続く中で、この事業で地域経済を下支えしていくに当たっての本市の考え方をお聞きするものです。賃上げ率が24年ぶり高水準の3.2%でも、最新の消費者物価指数では総合指数は2020年を100として107.1、賃上げより物価上昇が上回って、実質賃金が18か月連続マイナスとなっています。帝国データバンクの調べでは、2023年に3万2,395品目、2022年は2万5,768品目、この2年、5万8,000余りの品目が値上げとなりました。この値上げによって月4,000円ほどの家計負担増となる試算に対し、支出額は月373円の増加額だったと公表されていました。考えられることは、消費者の節約意識が強まり、食品値上げの中で買い控えが起こっていることです。そこで、地元の商店街での消費を喚起することは、物価高への対応として必要と感じます。今回は国の臨時交付金を活用しているとはいえ、本市の一般財源を加え4億7,000万円が予算案に計上されており、消費マインドが下がってきた中で、自主財源を捻出しての力のこもった事業ですが、これによる消費喚起にどんな効果を見ておられるでしょうか。また、プレミアム付商品券事業を今後も続けていかれるのか、例えば、実質賃金がプラスに転じるまでなのか、継続を判断する考え方について市長の所見をお伺いします。 次の質問は、先般市長が説明された「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」についてお伺いいたします。 1つ目は、10月に国内初認定された都市生態系再生モデル都市についてです。2023年10月31日、国連環境計画--UNEPに認定を受けたと聞いております。ユネスコ創造都市、東アジア文化都市に続くものとなりますが、今回の都市生態系再生モデル都市の認定をどのように発信して、どんな金沢の価値を伝えていかれるのかお伺いします。 2つ目は、目指す将来像の実現についてです。5つの基本方針に基づく個々のテーマの指針が示されておりますが、実現するには人の育成が重要になってくるのではないかと感じました。取組には、伝統文化の担い手・支え手の育成、高度な専門知識と技能を有する人材の育成、デジタル人材の育成、次を担う産業人材の育成、農水産業における多様な担い手の育成、地域活動での外部人材の誘致、地域を担うリーダーの育成と、この都市像の具現化には人材育成の課題が随所に示されております。一方、少子高齢化で本市でも2020年から2040年にかけて今より約1割の人口減少が見込まれる予測の中、育成する人材の確保そのものが人口減少が進むほど課題になることが懸念されます。後になって、人材が見つからないがために施策が取り組めないということがないように、人材の確保と育成をどう進めていかれるのか、市長の所見をお伺いいたします。 3つ目は、中心市街地の活性化についてです。骨格となる都心軸の再興として、都市再生特別措置法の活用による金沢駅から片町までの都心軸エリアで、民間の投資を促し、再開発を進めていくことについてお伺いします。提案理由説明では、保全と開発の調和をさらに際立たせるとおっしゃられましたが、さらに際立たせると表現された思いとは。そして、金沢の都心軸の将来像をどうイメージされておられるのか市長の所見をお伺いします。 さて、都市再生特別措置法の都市再生緊急整備地域制度の活用となりますと、開発する建物に対して、高さや容積率などの様々な規制が外れることになると理解しております。都ホテル跡地については、金沢の玄関口である金沢駅周辺の景観に大きなインパクトを与える開発となり得るだけに、高さ何メートルの建物となるのかなど気にかかることが生じてきます。本市として、建物の高さや容積率、色彩などについて、本市から近鉄グループへ許容する範囲はどう示していくのでしょうか。既に伝えている、もしくは伝える予定の条件はあるのでしょうか、お聞きいたします。 関連して、金沢駅から片町までの都心軸を国に候補地域として今月中に申請される予定とのことですが、このエリア全体の面的な整備を進めたいとの方針の中で、高さ制限をどの程度にどう許容されていく考えなのか、併せてお尋ねします。 次は、2024年問題についてです。 2024年問題は、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されることによって懸念される問題を指しているわけですが、私は、この機を捉えて宅配ボックスの普及を図ることがその対策の一つになるのではないかと考えております。戸別宅配で長年解消されない再配達の問題です。国土交通省は、近年、多様化するライフスタイルとともに、電子商取引--ECが急速に拡大し、宅配便の取扱い個数が増加している一方、宅配便の再配達はCO2排出量の増加やドライバー不足を深刻化させるなど、重大な社会問題の一つとしています。調べてみますと、県内に宅配便を展開する企業では、今年10月、金沢市内宛ての荷物が月間でおよそ47万8,000個、このうち届け先が不在だった荷物は約5万7,000個ありました。割合にして11.9%だったそうです。この割合を不在率と言うそうですが、石川県全体の不在率は9.4%、北信越では8.2%で、都市部の人口が多い地域を有する本市は2ポイント以上平均より高いと言えます。消費者が商品を手にするまでの最後の配送区間、いわゆるラストワンマイルにあると言われる問題で、宅配ボックスを置くという受け取る側の配慮が広がれば再配達の減少につながります。再配達を減らしていくことは、労働時間の上限規制に呼応するだけでなく、再配達による自動車のCO2排出についてもその抑制につながっていきます。こうした観点から、宅配ボックスの設置を広げることは有効な手だてと考えられますが、市長の所見をお伺いします。 また、宅配ボックスについては、国土交通省が住宅を建てるときやリフォームをするときなど、条件によってはその費用の補助を出していますが、そうした機会がない場合には宅配ボックスを置くことに対しての補助がありません。市として、一般世帯や単身世帯の多いマンション、アパートの所有者や管理者などに対して、宅配ボックスを購入、設置する場合に補助を出すことはできないでしょうか、併せてお伺いします。 次に、2024年問題にも関係する公共交通におけるバスの運転手不足についてです。2020年12月の金沢市路線バス運転手不足対策検討会の検討結果では、今後の退職者数に応じた採用者数が確保できなければ、運転手不足はさらに深刻化と記されましたが、3年後の今まさにそうなっています。3週間前、私は、金沢で働く20代、30代の方々との意見交換会に参加し、今の暮らしに対して感じることをお聞きしました。3つのグループに分かれて話し合い、その発表を聞いたのですが、どのグループからもバスが不便という声が上がっていました。夜のダイヤが不便だという声も聞かれ、9月の減便・廃止の影響は大きいと実感した時でした。村山市長は9月定例月議会の答弁で、現下の深刻な運転手不足の中にあっては、市民生活に欠かせない路線バスの減便や廃止にも影響を来す可能性がある重要な社会課題と述べられています。バス運転手の年齢構成は40代、50代を中心に偏っている中、現状が変わらなければ運転手不足はますます進んでいき、この解消を図らないと負のスパイラルから抜け出せないのではないかと懸念します。一方、運転手不足は全国各地のバス事業者共通の問題となっています。各地でバス会社が採用PRや人材確保への対策を強化し、この秋、東京で開かれたバス運転手採用説明会には、全国から100社が参加したと伝えるニュースもありました。このニュースでは、地方のバス会社に地元の自治体が連携して移住者を呼び込もうとする動きも紹介されていました。これは、バス運転手の人材獲得は、可能性のある人材をめぐって全国のバス事業者が限られたパイを奪い合わざるを得ない状態まで来ているように映ります。こうした状況から、本市としても運転手確保へもう一歩踏み出した動きを取ることを考える必要があるのではないでしょうか。市長の所見をお伺いいたします。また、運転手の確保は息の長い取組が予想されます。運転手不足の問題を乗り越えるために、本市が何を目指して、どんな取組をしているのかを伝え、市民の理解を得る発信を強めていくことも必要かと思われますが、市長はこのことについてどう考えられておられるでしょうか、お伺いいたします。 中小企業のDX支援についてお伺いします。 独立行政法人中小企業基盤整備機構が2022年5月に発表した中小企業のDX推進に関する調査によりますと、DXについて、既に取り組んでいる、今後取組を検討していると答えた企業は合計で24.8%と、調査対象1,000社の4分の1程度しかDXを進めていないことが分かりました。また、DXについて取り組む予定はないと回答した企業は41.1%、必要だと思うが取り組めていないが34.1%と、取り組むための障壁があるかのような結果も出ています。私は先月、中小企業のDX推進に力を入れている山口県や北九州市の事業を視察してきました。山口県のY-BASEの場合、DX推進にノウハウが豊富な企業のバックアップを受けて、ワンストップ型のDX推進事業を展開しておりました。相談を受け、DXに向けて何が必要なのか課題を明確にし、導入するデジタルツールを使いこなせるようにサポートしていくようになっており、DXに悩む経営者や担当者に寄り添う支援となっています。北九州市とも共通していたことは伴走型の支援を重視していることで、担当する専門家が相談内容をよく聞いて、本当に必要な支援策を提案したり、導入したツールが使いこなせるように導入後もサポートしていることです。9月定例月議会において市長は、賃上げに資する本市の施策について、生産性向上につながる支援として中小企業のDX化にも取り組むと述べられていました。本市の場合、中小企業のDX支援では、6月から始まった中小企業向けのDXに特化した相談窓口がありますが、これまで合計49件の相談が寄せられたと聞いています。こうした相談が最終的にデジタルツールを業務に使いこなすところまで到達できたのか、DXと言える解決にまでつながっているのかという点では、現状どんな成果が得られているでしょうか。 また、伴走的な支援も用意されていると聞きましたが、こちらはまだ利用がないようです。本市のDXに特化した支援において、石川県情報システム工業会との連携を強めて、対応できる専門家を増やし、派遣するといった伴走型のスタンスを重視した中小企業DX支援へと強化を図ることについて、市長の所見をお伺いいたします。 次に、子どもの視力低下についてお伺いします。 先日、子どもの視力低下が一層進んだという報道がありました。昨年度の石川県学校保健統計では、裸眼の視力が1.0未満の幼稚園児の比率が38.3%と、5年前との比較で25%ほど大幅に増えており、小・中・高校生の比率も前年を上回って、統計を取り出してから最多とのことでした。裸眼の視力1.0未満の小学生は39.0%なのに対して、1.0未満の中学生は69.4%、小学生から中学生にかけての間に視力が落ちる子の割合が増えている状況をどのように受け止め、分析されているでしょうか、お伺いいたします。 背景には、スマートフォンや携帯ゲーム機器などデジタル機器の普及や外で遊ぶ時間が減っていることなどが一因とも言われています。GIGAスクール構想により、学校でもデジタル機器に触れる時間が増えている中でもあり、子どもたちの視力低下を少しでも防ぐには、家庭でも学校でも子どもたちに意識づけをしていくことになるかと思います。そこで、学校では現在どのような呼びかけや取組がなされているのでしょうか。今後、この課題には従来の取組にさらに何らかの対策を加えられていくのでしょうか、教育長にお伺いいたします。 生成系AIの活用についてお伺いします。 本市の業務に生成系AIを活用できるか。9月定例月議会では、デジタル行政戦略課を中心に、会議録の要約や各種原稿の校正チェック、エクセル関数の生成などで試行的に利用し検証を進めているとのことでしたが、生成系AIの長所、短所の把握が進み、業務に生かせる使い方が見えてきたのでしょうか。組織的な利用ルールと職員のリテラシー向上が課題に挙がり、これらを含め、市役所全体での利用の可能性を見極めていきたいとのことでしたが、導入する判断に至ったのでしょうか。まだであれば、いつ導入の可否を判断されるのでしょうか、市長に所見をお伺いいたします。 AI活用に関して、チャットボットの活用についてもお伺いいたします。本市の公式サイトには、市民生活の利便性向上を図るため、AI技術を活用したチャットボット、行政情報の自動案内システムが載せられてあります。行政サービスの手続や制度に関する質問について、AIチャットボットが会話形式で回答するもので、パソコン、スマートフォンからいつでも利用ができます。市民サービスとして公開されておりますが、使用していて、聞きたいことと答えがかみ合わない、もしくは答えが示されない状況を感じており、これが改良されないかと感じるところがあります。AIのチャットボットですので、AIにこんな質問が来たらこの回答を答えてあげるという情報を学習させてこそ回答のクオリティーが上がってくるものと理解しておりますが、本市のAIチャットボットでは学習状況はどれくらいのものなのでしょうか。利用しようとしますと、表示画面に、まだ皆さんの言葉を勉強中なので、うまく答えられないときはすみませんと書かれてあり、この勉強の終了時期、つまりはAIの回答が市民の質問に答えられるレベルに達する見通しがいつ頃になるのかお伺いいたします。 以上で、私からの一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○高誠議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 4番黒口啓一郎議員にお答えいたします。 初めに、金沢の買い物応援商品券事業は、昨年度から二度にわたり実施し、商品券の発行累計額は約30億円であります。物価高騰が続く中、多くの商店街において商品券の売れ行きは好調であったと聞いております。市民の買物負担の軽減と消費喚起に一定の効果があったと捉えています。今補正予算に計上した商品券の使用期限は来年8月末までとしておりますことから、現時点で再度の支援は予定しておりませんが、今後の経済・物価状況や国の動向を注視してまいります。 今回の都市生態系再生モデル都市への認定は、生物多様性や景観の保全、木の文化都市に係る本市独自の取組や、生物文化多様性の研究等を行っている国連大学オペレーティング・ユニットの活動などが高く評価されモデル都市に認定されたものであります。今後、国連大学オペレーティング・ユニットと連携を密にしながら、国連の機関である国連環境計画--UNEPが開催する国際フォーラムなど様々な場面において、都市生態系再生モデル都市としての本市独自の取組や国連大学の研究成果などを国の内外に発信していきたいと考えています。 次に、人材育成と確保については、人口減少・少子高齢化は、我が国全体が直面する大きな課題であり、国の施策にも積極的に呼応しながら、移住・定住の促進や関係人口の拡大、子育て環境の充実をはじめ、様々な施策を総動員し、将来にわたって活力のある社会を維持することで、金沢の未来を担っていく人材を育成・確保していかなければならないと考えております。 まちづくりの規範である保全と開発の調和は、保全すべき区域と開発すべき区域を歴然と区分けをし、例えば、ビルが立ち並ぶ都心軸の後背地には、歴史遺産や用水、緑の空間が存在するなど、これを条例により担保してきた経緯がございます。今般、開発すべき区域と保存すべき区域それぞれについて、都心軸においては都市再生特別措置法を活用することで民間による開発機運を高め、エリア全体の面的整備の促進を図っていく一方で、都市生態系再生モデル都市として、世界的にも評価を受けた庭園や用水など歴史遺産や緑のインフラ、景観の保全に係る本市独自の取組を引き続き進めていきたいと考えております。 金沢都ホテル跡地につきましては、跡地を所有する近鉄不動産に対して、都市再生特別措置法を活用した開発の意向を確認したところでありますが、現時点で近鉄不動産からは具体的な計画は示されておりません。都ホテル跡地については、県都金沢の玄関口にふさわしく、都市の品格を高める建物となること、また、都市の活力とにぎわいを創出する機能を有し、その効果を都心軸全体へ波及させることで、県・市の発展につながる開発となることが必要と考えております。近鉄不動産に対しては、そうした考えの下、具体的な計画を早期に描くよう働きかけているところであり、引き続き情報交換を密にしてまいります。 都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域の指定に際しては、産学官金で構成する準備協議会において、地域における開発の考え方や求められる機能などを掲げる地域整備方針を取りまとめる必要があります。それらの手続を経て、国による都市再生緊急整備地域の指定を受けることで、次の段階となる地域整備方針等に合致する民間の開発事業の提案に基づく都市再生特別地区の設定が可能となるものであります。なお、準備協議会では、都心軸の再興に向けたエリア全体の整備方針とともに、これまでの景観政策を踏まえつつ、安易な規制緩和とならないよう十分議論し、本市のまちづくりの考え方を反映させていきたいと考えています。 いわゆる物流の2024年問題につきまして、ドライバーの再配達は、人材不足の深刻な流通業界において大きな問題であり、本市のみならず全国的な取組が必要であると認識しています。宅配ボックスの設置は、再配達防止策としてドライバーの労働時間だけでなくCO2削減にもつながる有効な取組の一つであると考えております。 バスの運転士不足は、バスの減便や廃止などによるサービスの低下や公共交通利用の減少といった負の連鎖につながる深刻な社会問題と捉えています。バス運転士の確保に向けて、市としては、親子バス体験ツアーなどを通じて、また、10月のカーフリーデーでの運転士体験なども通じて魅力向上に取り組んでまいりました。これにとどまらず、現下の厳しい状況を踏まえて、どういった施策が効果的であるかについて、交通事業者と共に研究を重ねていきたいと考えています。あわせて、市民の理解を得ていくことも重要と考えております。公共交通の重要性とともに、バス運転士などへの理解を促す取組についても検討してまいります。 次に、中小企業者のDX化につきましては、より多くの事業者に取り組んでいただけるよう、本年6月に、金沢未来のまち創造館に中小企業DX相談窓口を開設いたしました。石川県情報システム工業会から派遣を受けたITコーディネーターの資格を有している専門家1名を配置し、初歩的なデジタル技術の活用を中心に相談に応じています。また、DXを推進する際には、石川県情報システム工業会の会員企業による検討から導入までの一貫したサポートを行う体制を用意しております。今後予定しているミニセミナーの開催、さらには異業種交流会館での出張相談を通じて、引き続き相談窓口を広くPRし、利用実績を高め、円滑で効果的なDXの導入を促してまいりたいと存じます。 私からは以上です。
○高誠議長 坪田
都市整備局長。
◎坪田英孝
都市整備局長 宅配ボックスの購入、設置に対する補助についてのお尋ねがございました。住宅の改修を伴わない宅配ボックスの設置につきましては、盗難防止対策や集合住宅における避難路の確保等課題が多いこと、また、国におきまして再配達防止についての緊急対策が検討されておりますことから、その動向を注視しながら、基礎自治体としてどのような対策ができるか研究していきたいと考えております。 以上でございます。
○高誠議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 子どもの視力低下につきまして3点お尋ねがございました。初めの2点につきましては、この後、上寺教育次長のほうから答弁させていただきます。私のほうからは、子どもの視力の低下を防ぐために現在行っている取組に加えて、さらに何らかの対策を行っていくのかという御質問についてお答えいたします。今年度改訂を進めております金沢市健康教育推進プラン2024を踏まえて、子どもたちの心と体の健康の保持増進を図るために新たなリーフレットを作成する予定であります。その中に視力低下を防ぐ内容を盛り込むこととしておりますので、このリーフレットを活用しながら、児童・生徒及び保護者に周知してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○高誠議長 上寺教育次長。
◎上寺武志教育次長 初めに、小学生から中学生にかけて視力が低下する子どもの割合が増えている状況の受け止めと分析についてお答えいたします。視力低下の低年齢化に加え、学年が上がるにつれ視力が低下する子どもの割合が増えていることにつきましては、憂慮すべきことだと受け止めております。その要因としては、外遊びの機会の減少やデジタル機器の使用時間の増加など生活様式の変化が考えられます。特に、コロナ禍において、近くでスマートフォンやパソコンなどを利用する時間が増えたことが視力の低下につながったのではないかと捉えております。 次に、学校で現在行われている取組についてお答えいたします。学校では、年度当初の視力検査におきまして視力が1.0未満であった児童・生徒に受診勧奨を行っております。また、文部科学省作成の子どもの目の健康を守るための
啓発資料や各学校で発行している保健だよりのほか、目と端末の画面との距離を30センチメートル以上離す、30分に1回は20秒以上画面から目を離して遠くを見るなどについて記載しております、金沢型GIGAスクール構想1人1台端末活用ハンドブックを活用いたしまして、視力低下を防ぐため、正しい姿勢で学習することやデジタル機器の使用時間などについて、児童・生徒及び保護者に指導・啓発を行っております。 以上でございます。
○高誠議長 鳥倉経済局長。
◎鳥倉俊雄経済局長 中小企業のDXの支援におきまして、DXと言える解決にまでつながった成果についてお答えいたします。本年6月の中小企業DX相談窓口の開設以降、現在までに49件の相談がありまして、この相談を受けた後に、デジタル化導入の検討に向けて石川県情報システム工業会の会員企業に引き継いだ事例は3件となっております。 以上でございます。
○高誠議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 生成AIの活用についてお尋ねがございました。6月に生成AIの試行ガイドラインを作成いたしまして、個人情報等の取扱いにも配慮しながら、まずはデジタル行政戦略課を中心に試行を開始しており、さらに範囲を拡大して職員約150人を対象に、先日、利活用のための庁内研修会を開催したところであります。これまでの状況によりますと、業務の効率化に当たり、一定程度の効果があるというふうに考えておりまして、年度内の試行利用結果を踏まえ、今後の庁内利用の在り方について検討してまいります。 以上です。
○高誠議長 村角
都市政策局長。
◎村角薫明
都市政策局長 AIチャットボットの活用についてお尋ねがございました。本市のAIチャットボットは、市民からの問合せが特に多いごみ出しや子育てなどの分野を対象として運用しています。AIがあらかじめ想定している質問とその回答の中から適切な項目を選択して提供するシステムでございます。このため、想定していない質問に対しましては、適切な回答に至らないケースが生じることもありますことから、質問内容を分析するとともに、改良を重ねることでレベルの向上を図り、利便性を高めていきたいというふうに考えております。 以上でございます。
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△休憩
○高誠議長 この際、暫時休憩いたします。 午前11時43分 休憩----------------------------------- 午後1時0分 再開
△再開
○中川俊一副議長 出席議員数は、ただいまのところ37名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
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△質疑・一般質問(続き)
○中川俊一副議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 11番山下明希議員。 〔11番山下明希議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆山下明希議員 質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として、以下質問いたします。 初めに、子どもの権利を保障する施策の充実についてお尋ねします。 まず1点目は、部活動の地域移行についてです。部活動の地域移行は、2022年6月にスポーツ庁から、まずは段階的に休日の部活動を地域のスポーツクラブなどに移行していくという提言がされました。その提言後、全国市長会が人材や施設の確保、費用の負担の問題など条件をどう整えるか、学校、教員、生徒、保護者との合意形成など課題が山積する中で、期間を限定せずに、地域の実情に応じた移行になるようにと緊急意見を提出しています。全国市長会、さらには現場からの声もあり、2022年12月に公表されたガイドラインでは、当初2023年度から2025年度までの3年間を改革集中期間としていたものが、改革推進期間と訂正され、達成期間の目標が修正された形です。多くの課題を抱えるのは金沢市も同様ですが、金沢市における地域移行の方針と取組の現状をお聞かせください。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 金沢市総合教育会議におきまして、7月に教育委員会が行った調査結果の分析を報告するとともに、指導者や活動場所の確保、費用負担の在り方などの課題が挙げられたところであります。これらの内容を整理した上で、方向性を検討してまいります。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 学校の部活動は、自発的で自治的な活動であることによって、人格形成を豊かにする積極的な意義を持ってこれまでも取り組まれてきました。まずは部活動の意義や基本的性質を整理し、子どもの権利の観点から、子どもたちの意見をこの改革に位置づける必要があるのではないでしょうか。金沢市は今年度、休日の部活動の地域移行に関する調査を行いましたが、市の方針に子どもたちの意見が十分反映されていると言えるのでしょうか、お伺いします。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 7月に教育委員会が行った調査は、市内の全小中学校の児童・生徒や保護者のニーズ、教員の意向などを把握するために行った調査であります。国のガイドラインでは、部活動の地域移行に当たっては、地域の子どもたちは学校を含めた地域で育てるという意識の下、地域の実情に応じて多様な環境を一体的に整備することが明記されております。生徒の望ましい成長が保障できるよう取り組んでまいります。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 部活動の地域移行は、学校教育の民営化だという指摘もあります。子どもたちにとって、スポーツや文化に触れる権利を保障する場であったものが、地域移行によって、権利ではなく対価を伴うサービスに成り代わってしまうのではないでしょうか。費用負担の心配は保護者からも子どもたちからも寄せられています。実際に経済産業省の研究会では、受益者負担が提案されています。そこで、金沢市はこれまでどおり部活動を権利としてしっかりと保障していくのかお聞かせください。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 中学校の部活動は、生徒がスポーツや文化芸術などに親しむ機会を確保するとともに、自主的・主体的な参加による活動を通じて、人間関係が構築され、自己肯定感が得られるなど、教育的な意義が大きいと考えています。部活動の地域移行に伴う費用負担につきましては、国は、困窮家庭への支援とともに、可能な限り低廉な会費等の実費程度が望ましいとしております。今後、費用負担の在り方を含め、持続的に活動する仕組みを考えてまいります。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 これまで部活動は教員の超過勤務によって支えられてきました。国は教員の長時間労働を知りながら、人員や予算を増やすこともしてこなかった。その点に反省もなく、部活動をやめれば勤務時間が減るという短絡的で一番お金のかからない改革を押しつけています。地域移行に賛成か反対か、参加するかしないか、教員や保護者、子どもたちの間で地域移行が価値観の対立になってはいけないと考えます。子どもの権利の観点から、丁寧な合意形成の下、土台づくりをしていくことを求めたいと思います。 続いて、2点目は、性教育の充実についてお尋ねします。本市では、子どもの心と体の健康の保持・増進を目指し、金沢市健康教育推進プランを策定し、5年ごとに見直しをしてきています。今年度は見直しの年に当たり、プラン2024の策定に当たっているところです。子どもたちを取り巻く社会の変化・現状を捉え、子どもたちが幸せに生きていく選択ができる力を育めるよう、行政としても十分な取組が必要だと考えます。プランの重点的健康課題の中に、性に関する指導があります。昨今、芸能界での深刻な性被害を含め、子どもや若者への性暴力が社会問題となっており、性に関する正しい知識を得ることが求められています。また、避妊の失敗や性暴力などによる意図しない妊娠を防ぐ緊急避妊薬の販売が一部薬局において試験的に開始されました。性と生殖に関する健康と権利の重要性が広く認識されていくことも求められています。そこで、金沢市は性教育の重要性についてどのように考えているか、お聞かせください。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 性に関する指導につきましては、性的マイノリティーに対する考え方の浸透が進んでいること、子どもの安全に関してスマートフォンやSNSの利用をめぐるトラブルなど、子どもたちを取り巻く環境が大きく変化しておりますことから、重要性を増していると考えております。今後は、今年度改定を進めております金沢市健康教育推進プラン2024に基づきまして、各学校で重点的健康課題の一つである性に関する指導について、学校教育全体を通じて系統的に指導していくこととしております。具体的には、性に関する不安や悩みへの対処の仕方、性被害の防止や対処などについて理解を深めるとともに、子どもたちの心や体、人権の大切さなどについて指導を行い、充実を図っていきたいと考えております。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 性に関する指導の案では、行政の具体的な取組として、命の安全教育について文科省の教材及び指導の手引の活用を図るとあります。そこで、金沢市における性教育の現状と、今後どのようにその教材を活用していくのかお聞かせください。また、教員の研修やそのフォローアップについてもお聞かせください。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 各学校には、性に関する指導に当たって、生命を大切にする考えや自分や相手を尊重する態度を発達段階に応じて身につけるために、仰せの手引に示されている指導案、動画教材、ワークシートなどを活用するよう周知しており、引き続き活用を促してまいります。また、各学校では、健康教育年間計画に基づきまして、養護教諭を中心に校内研修を実施しており、生徒指導委員会等において教材研究や意見交換を行い、組織的な取組を推進いたしております。加えて、学校の要請に応じて産婦人科医や助産師等を派遣し、性に関する指導の充実を図っております。なお、今議員お触れになりました指導の手引を活用して指導を受けた子どもたちからは、自分や相手を大切にしたい、性について正しい判断ができるようになりたい、命の誕生は大変な奇跡であり、自分自身かけがえのない存在であることに気づいたなどの感想があったと聞いており、性に関する理解とともに、命を大事にする態度や他者を尊重する態度が育ってきていると捉えております。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 先ほど教育長からもありましたが、今子どもたちはスマホやネットを通じて様々な性の情報に触れられる環境にあります。幼児期からそうした情報に触れるという場合も少なくありません。科学的な知識や人権意識がないまま、ゆがんだ情報に触れるということは、性暴力や性犯罪の被害者に、もしくは加害者になってしまうという危険が高まります。性暴力の被害や加害について知るには、性行為がどういうものなのか分からなければ被害に気づけません。ただ、現在、学習指導要領には、小学5年生の理科と中学1年生の保健体育で人の受精や妊娠の過程は取り扱わないとする歯止め規定があり、授業で科学的な知識を獲得する妨げになっていると指摘されています。子どもの体の権利を守る点からも、日本の性教育が遅れているという認識はおありでしょうか。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 学習指導要領の受精、妊娠を取り扱うものとし、妊娠の経過は取り扱わないものとするとの記載、また、中学校の学習指導要領解説保健体育科編には、エイズ及び性感染症の予防、生殖に関わる機能の成熟の2つのテーマに関して、保護者の理解を得ることや、学校全体で共通理解を図ることなどに配慮することが大切であるとの記載などの点で、国際的なガイドラインと違いがあるものと承知しておりますが、まずは現行の学習指導要領に基づいて着実な指導に努めていきたいと考えております。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 今日、国際的には包括的性教育が推進され、ユネスコが作成した国際セクシュアリティ教育ガイダンスが世界のスタンダードとなっています。包括的性教育とは、性のことを性交や妊娠、出産だけに限定せず、発達や年齢に適した知識や態度、スキルを身につける教育であり、自分も他者も尊重しながら適切に行動する力を身につけるという、科学と人権とジェンダー平等に基づく性教育です。人間らしく健康で幸せに生きていくための権利を確かなものにする包括的性教育が金沢市においても必要だと考えますが、見解をお聞かせください。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 本市におきましては、今ほど触れましたが、学習指導要領に基づきまして、小学校段階から理科や保健体育、道徳等におきまして、人間関係や価値観、人権など命の貴さやすばらしさ、自分や相手を尊重する態度、一人一人が大事な存在であることなどについて、発達段階に応じて繰り返し学習しております。今議員お触れになりましたが、2009年、ユネスコが世界保健機関--WHOなどと協力して発表いたしました世界の性教育の指針となります国際セクシュアリティ教育ガイダンスでは、身体的な内容だけではなく、差別や暴力、ジェンダーの不平等をなくす方法など、幅広いテーマを包括的に扱うカリキュラムをベースとした教育と学習のプロセスが提唱されていると理解しておりますけれども、包括的性教育の実施につきましては、国の動向も踏まえながら、今後の研究課題とさせていただきたいと思っております。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 私たち大人の多くは、こうした科学的な性教育を受けてきていません。まずは大人の学びが必要だというふうに思います。包括的性教育の実施後、性行動に慎重になるという結果が出ています。性は自分の人生の問題だと思ったという中学生の感想もあります。国が進めるいのちの安全教育は、性犯罪、性暴力に関して学ぶことはできますが、性をネガティブに受け止めてしまいます。いのちの安全教育では不十分な内容を、包括的性教育で付け加えて、人権教育としての性の学びが金沢市においても推進されることを求めていきたいと思います。 3点目は、少人数学級の実現についてです。不登校の児童・生徒数やいじめの認知件数が過去最多となったことを受けて、文科省が10月に不登校・いじめ緊急対策パッケージを公表しました。誰一人取り残されない学びの保障に向けた緊急強化が必要だという内容です。金沢市の2022年度調査結果では、不登校児童・生徒数は小学校で441人、中学校は751人、いじめ認知件数は小学校で253件、中学校では145件という結果です。こうした子どもたちの現状をどのように捉えていますか、お聞かせください。
○中川俊一副議長 上寺教育次長。
◎上寺武志教育次長 不登校につきましては、保護者の学校に対する意識の変化に加え、コロナ禍の影響で良好な交友関係を築くことが難しかったことなど、これまで以上に不登校の要因は多様化・複雑化していることから、不登校児童・生徒数が増加いたしております。令和4年度の本市の不登校児童・生徒数は過去最高を記録しておりまして、極めて憂慮すべき状況であると捉えております。いじめにつきましては、部活動や学校行事などの活動制限が緩和され、接触機会が増加したことに加え、各学校におきまして、いじめの積極的な認知に対する理解が広がったことから、いじめの認知件数は増加傾向にあります。いじめの深刻な被害を防止するために、今後とも積極的な認知と組織的な対応がより一層必要であると捉えております。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 この数値の結果、子どもたちの状況を、やっぱり学校が安心して学ぶ場所になっていないという子どもからのSOSだと受け止める必要があるのではないでしょうか。コロナ禍を経た現在も、子どもたちは不安やストレスをため込んでいます。子どもの気持ちを受け止め、抱えた不安やストレスに共感しながら心身のケアを進めていくには、時間とマンパワーが必要です。不登校の中学生が、たまに学校へ行っても、先生と話す時間もないというふうに言っていました。不登校やいじめを経験する子どもや特別な困難を抱えた子どもは、より心理的・福祉的な面も含めた支援、人的配置が求められます。金沢市においても、子どもをケアする教員も含めた人員体制の強化が必要だと考えますが、見解を伺います。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 私も人員体制の強化は必要だと思います。不登校やいじめ等に対応するための人員体制につきましては、石川県から児童・生徒支援加配や別室登校支援加配の教員、スクールカウンセラーが配置されており、児童・生徒の様々な問題のケアに当たっております。さらに、本市といたしましても、不登校児童・生徒の対応について、心の絆サポーターを派遣するとともに、心と学びの支援員を配置いたしております。今後、ますます複雑化・多様化する生徒指導上の諸問題に対応するため、より一層の人員体制の強化に努めていきたいと考えております。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 子どもへのしっかりとした十分な心身のケアは、子どもの学びを保障する上で大前提だと思います。子どもの尊厳や、そして学びを支える教育が今求められている中で、やはり少人数学級の実現が求められて、そのための公的な財政負担が必要だと考えますが、見解を伺います。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 少人数学級によりまして、教員が一人一人の子どもと向き合う時間をより多く確保できることは大変喜ばしいことだなと受け止めております。少人数学級の拡充に向けましては、さらなる財政負担が必要になりますことから、中核市教育長会や全国都市教育長協議会を通じて、引き続き強く国に働きかけていきたいと思っています。なお、このことにつきましては、今年5月に開催されました全国都市教育長協議会の定期総会の決議の中に加えさせていただいておりまして、既に国へ要望を出させていただいておりますし、同じように中核市教育長会におきましても、国のほうに要望いたしております。しっかりと取り組んでいきたいと思います。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 現在の過度な競争にさらされる教育や理不尽な校則など行き過ぎた管理教育は、子どもを傷つけ、教員も苦しめています。子ども、教員ともに人間として大切にされる教育政策への転換も求めていきたいと思います。 次に、重要土地等調査法についてお尋ねします。 この法律は、国が野田町にある陸上自衛隊金沢駐屯地を重要施設と位置づけ、周囲おおむね1キロメートルを注視区域とし、土地等の利用状況を把握するために調査を行い、重要施設に対して機能阻害行為があれば、土地の使用中止を勧告、命令できるというものです。我が党はこの法律が住民を監視対象にし、憲法が保障するプライバシー権や財産権などの基本的人権を無視する違憲の法律だと指摘し、廃止を求めています。そこでお尋ねします。注視区域の指定には、同法律の第5条の2に内閣総理大臣は、注視区域を指定する場合には、あらかじめ関係行政機関の長に協議するとあります。市長、地方自治体の長としてどんな協議をされたのですか。
○中川俊一副議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 国からは、本年5月12日付で区域の実情を把握するとして、区域の範囲についての案が示されました。本市からは、区域線に係る実情と開発行為等の有無に関する情報提供を行いました。 以上です。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 9月定例月議会で総務局長からも答弁がありましたが、市町村や都道府県の担当者を対象としたオンライン説明会が5月19日に開催されたということです。地方公共団体への意見聴取もあったとお聞きしていますが、その場で金沢市はどんな発言をされたのか、また、ほかの自治体からはどんな意見が出されたのかお聞かせください。
○中川俊一副議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 オンラインの説明会におきましては、まず各自治体からは国の責任で住民説明会等を開催すること、そして、調査の実施状況について広く公表することなどの意見がありました。本市としては、これらと同様の意見であったことから、改めて意見は述べておりません。 以上です。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 各自治体からも、やはり住民の権利を守るという視点で意見が出されたかと思います。改めて、金沢市としても住民への説明会等を国へ再度求めるべきではありませんか。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 説明会などで出された意見につきましては、内閣府が地方公共団体に対する意見聴取の結果として、その意見に対する考え方を明確に示しておりますことから、改めて、国に働きかける考えはありません。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 指定区域に住む住民からは、長くこの地域に住んでいて、どうして突然調査されなければいけないのか、監視されているようで怖い、不動産に影響はないのかなど、疑問や不安の声を聞いています。周辺住民への監視や人権侵害とも言えるこの法律の市民への影響をどのように考えていらっしゃいますか。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 今おっしゃったような不安であるという御意見のあることは承知しておりますが、この法律は国の安全保障のためのものであります。内容は重要施設等に対する機能阻害行為が確認された場合、その行為をやめるよう勧告、命令する等の措置を行う制度でありますので、一般的な生活や事業活動には影響がないと考えています。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 同法第7条には、内閣総理大臣が必要な場合、土地等の利用者その他関係者に関する情報提供を自治体に要請できるとあります。いかに法律に基づく国からの要請であっても、地方公共団体が憲法によって国から独立した団体として規定されていることからも、憲法で保障されている住民のプライバシー権を保護しなければなりません。住民基本台帳や戸籍等を提供する可能性があることを広く住民に周知すること、また、情報提供の要請に当たっては、当該住民の同意を要件とすることを求めますが、見解を伺います。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 本市では、既に国からの協力依頼に基づきまして、国が作成したリーフレットや新聞広報、SNS、ホームページを活用しまして、制度概要や調査の方法などについて周知を図っております。国から情報提供の求めを受けた場合は、法律に基づき、その情報を提供するものとされておりますことから、個人の同意を要件とすべきとは考えておりません。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 住民にとっては、自分の情報が自分の知らないところで市を通じて国へ提供される可能性があるわけです。個人の情報は市の持ち物ではありません。この非常に曖昧で危険な法律から、地方自治の本旨に基づいて、住民の生活、そして人権を守る役割を金沢市には果たしていただきたいと思います。市民への周知と説明会の開催を再度求めて、次の質問に移ります。 最後に、金沢スタジアムについてお尋ねします。 1点目は、ネーミングライツについてです。多額の税金を投入して建設された公共施設に、コスト優先で特定の企業の宣伝や広告に利用することは公共性に反すると考え、9月定例月議会に引き続きネーミングライツ導入の見直しを求めます。そこでお尋ねします。地方自治法第238条の4第1項には「行政財産は、これを貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、出資の目的とし、若しくは信託し、又はこれに私権を設定することができない。」とあります。ネーミングライツは金沢スタジアムという行政財産に対して私権を設定することになりませんか。
○中川俊一副議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 総務省は平成16年に名古屋市からの質問に対して、ネーミングライツは地方自治法上の私権の設定に当たらないとの見解を示しておりまして、以降、多くの自治体がネーミングライツ事業を実施しているところであります。本市におきましても、この解釈のとおり、私権の設定には当たらないと考えております。 以上です。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 金沢スタジアムは金沢
城北市民運動公園の中に位置しています。金沢市公園条例第5条には「はり紙若しくははり札をし、又は広告を表示すること」を行為の禁止としています。企業の広告そのものであるネーミングライツは、金沢市公園条例に違反することになりませんか。
○中川俊一副議長 坪田
都市整備局長。
◎坪田英孝
都市整備局長 ネーミングライツ優先交渉者から具体的な表示方法や内容が示されていないことから、公園条例第5条の禁止行為に該当するかの判断はできない状況でございます。今後示される具体案を見て、適切に対応したいというふうに考えております。 以上でございます。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 公園条例では禁止行為とされていますので、適切な判断をお願いいたします。 金沢スタジアムをホームスタジアムとするクラブチームの公式ページに、ホームスタジアムの登録名称決定のお知らせが掲載されました。ネーミングライツの愛称で登録されていましたが、ネーミングライツ自体はまだ契約前です。市は契約前の登録を許可されたのでしょうか。
○中川俊一副議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 Jリーグは翌年のリーグ戦の開幕カードを12月に発表しておりまして、その前に新ホームスタジアムの登録名称も公表しております。市としましても、既に金沢スタジアムのネーミングライツ優先交渉者とその名称を発表しておりまして、新シーズンに向けてホームタウンチームを支援し、市民の応援機運の醸成を図るため、事前に公表することを認めたものでございます。 以上です。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 あくまでまだ優先交渉権者という段階ですので、契約前のこの判断はいかがかと思います。 そして、まだ明確になっていないことがあります。ネーミングライツパートナーの会長がインサイダー取引の疑いという8月の報道以降、11月末にも報道がありましたが、社会的信用を損なう行為が否定できない状況にあることは現在も変わっていません。事実確認が現段階でできない以上、契約はしないと判断すべきではありませんか。
○中川俊一副議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 現時点では報道以外の情報はなく、不祥事と認定できる根拠もないことから、引き続き状況を注視しつつ、必要に応じてゴーゴーカレーグループにも説明を求めるなど、慎重に協議を進めてまいります。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 ぜひ市民の財産を守るためにも、再度ネーミングライツの見直しを求めて、次の質問に移ります。 2点目は、スタジアムの駐車場についてお伺いします。金沢スタジアムの供用開始に伴い、金沢
城北市民運動公園周辺の渋滞対策等について、金沢スタジアム等交通渋滞対策連絡会議が開催されました。金沢スタジアム利用団体から主催するイベントについて、駐車場利用を有料にしたいという提案がされたわけです。金沢市はその提案にどのように対応されるのでしょうか。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 御提案の内容につきましては、駐車場の利用者から費用負担をいただき、その収入を無料シャトルバスの運行などに充てるというものであります。交通渋滞の緩和や公共交通機関の利用促進への有効な対策であるということから、試験的に導入を認めたものであります。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 試験的に認めたということですが、事実上、公園の駐車場の有料化になりませんか。公共施設の利用料を変更する場合、条例の改正が必要です。今回の駐車場有料化は議決事項に該当しないのでしょうか。
○中川俊一副議長 坪田
都市整備局長。
◎坪田英孝
都市整備局長 今回の料金は、ツエーゲン金沢が渋滞対策として徴収するものでありまして、市へ納入すべき使用料を規定した公園条例の改正は必要ないものでございます。 以上でございます。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 クラブチームのホームページには、既に駐車場有料化の概要が掲載されています。南駐車場、駐車台数1,313台、駐車料金1,000円となっており、ファンクラブ会員には優先対応するとありました。駐車料金の割引はありませんが、年間駐車券を購入できるというものです。渋滞対策と言いながらも、ファンクラブ会員には駐車場利用の優遇をしていて、果たして車利用は減るのでしょうか。お金さえ払えば車で来てよいという仕組みが果たして渋滞緩和に有効なのか疑問です。見解を伺います。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 駐車場の台数を確保することは、利用者の利便性などの観点から一定程度必要であるというように考えております。ツエーゲン金沢は、駐車場の利用料金の徴収や事前予約制とすることで、過剰なマイカーによる来場を抑制することとしております。有効な渋滞対策が図られるものと思います。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 そもそもJリーグの規約の中には、理想のスタジアムとして、アクセスに優れていることということを要件の一つにしています。そして、駐車場に関しては、公共交通機関が充実していない場所では、入場可能数に見合う台数の駐車場を確保することとしています。金沢スタジアムがこの基準を満たして建設されていなければなりません。渋滞対策という名目で駐車場を有料化した玉川こども図書館は、利用しにくいという市民の声があり、無料時間を延長しました。駐車場有料化で図書館利用の減少が見られます。スポーツ観戦をするために駐車場を有料にすることは、新たにそのスポーツに触れる機会を遠ざけてしまうのではないでしょうか。他都市の事例を見ると、金沢スタジアムと同じように交通渋滞の課題、受益者負担の考え方で、公園内の駐車場全てが有料になったという自治体があります。開催される試合は年に19日間です。その僅か19日間の駐車場有料化の容認を前例に、全ての公園利用者に対して駐車料金を取るようになるのではないかと危惧しています。見解を伺います。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 今回の取扱いは、試験的に実施するものであります。また、多くの来場者が想定される大型イベントに限って認めるものになっております。なお、大型イベント開催時においても、金沢プールの利用者など、イベント来場者以外の方の無料駐車場は確保することとしております。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 今回のこの市民サービスの後退とも言える駐車場有料化の許可の見直しを求めまして、私の全ての質問を終わります。(拍手)
○中川俊一副議長 以上で、11番山下明希議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。 25番熊野盛夫議員。 〔25番熊野盛夫議員登壇〕(拍手)
◆熊野盛夫議員 村山市政が誕生し、今大きく動き出そうとしています。その第一歩として、10年後の令和16年、2034年を目標年次とする新たなまちづくりの指針として「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」が今定例月議会に提案されました。 最初の質問は、指針の根幹となる文化に関する質問です。先月23日の勤労感謝の日に金沢歌劇座にてオペラ「禅~ZEN~」が公演されました。総合芸術としてのオペラを本市が誇る世界的仏教哲学者である鈴木大拙と、旧制一中の学友で、こちらもまた世界的な哲学者の西田幾多郎の2人を主人公に、激動の時代を悩みながらも精いっぱい生き抜き、果たすべき自分の役割について切磋琢磨する様子を中心に描かれた作品は、御覧になられた多くの観客から高い評価をいただきました。市長も本作品を全編にわたって御覧いただいたとお聞きしましたが、まず市長御自身の感想をお聞かせください。 一流のソリスト、そしてアンサンブル金沢、地元合唱団、ダンサーの参加に加え、今回は昨年の初演の際にはなかった助演という役割も加わり、バージョン2として上演されましたが、地元紙においては、その効果についても高く評価されていました。同じ会派の大西議員親子とともに、助演として参加させていただいた自分としてもうれしい限りです。さて、このオペラ「禅~ZEN~」ですが、最初の練習は助演と合唱団のみのものでした。次第に参加するメンバーも増え、1週間前には舞台が設営され、歌劇座にて全体での練習となりました。小屋入り前は金沢市民芸術村や県立音楽堂、また空きのタイミングでは金沢歌劇座でも練習が行われました。様々な文化活動の晴れの舞台である発表の場に至るまでには、当然のことながらたくさんの練習や修練の場が必要となります。市長もフルート奏者として多くの舞台に立ち、そのための練習の場も数多く経験されたことと思われますが、この新たな都市像「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」を掲げるに当たり、大中小様々な文化芸術に関する発表、あるいは稽古の場について、今後の必要性、拡充についてのお考えをお聞きいたします。 次に、新たな都市像における人口ビジョンについての質問です。平成27年10月に本市が金沢版総合戦略を発表した際、金沢市人口ビジョンも併せて公表されました。そこに掲載されている本市の人口の長期的見通しでは、2025年、社人研の推計では45万3,493人、パターン2の国準拠出生率では46万1,508人、金沢市の将来展望であるパターン1では46万4,153人となっています。翻って、2023年11月現在の本市の人口は45万7,706人、2025年を待たずして人口減少は著しく進行しています。未曽有のコロナ禍も大きな要因と考えられますが、それでも人口を維持、あるいはいち早く増加させている自治体もあります。本市も市長の言う反転攻勢を仕掛けていかねばなりません。新たな都市像においても、市政を取り巻く環境の変化の一番目に人口減少、さらに少子高齢化を挙げておられます。この新たな都市像が人口減少対策としてどのような効果が得られるとお考えなのか、お尋ねいたします。 市長は新たな都市像の説明会の中で、世界というキーワードをひもとく際、国ではなく都市が選ばれる時代であり、視座を世界に据えることは金沢の自明と言われました。そして、国連環境計画--UNEPが本年10月にシアトル、トロント、グラスゴーなどとともに、本市を都市生態系再生モデル都市として国内で唯一認定したことを説明され、世界への発信をさらに強化していく旨を述べられました。国連大学サステナビリティ高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニットの存在も大きく関わっているのではないかと思われますが、この認定を本市としてどのように受け止めておられるのかについてお尋ねいたします。 昨年12月にカナダのモントリオールで開催された国連の生物多様性条約第15回締約国会議--COP15において、2030年までの生物多様性の陸域、海洋、沿岸域、内陸水域の30%保護を目指す世界目標が決定しました。過去の2010年に名古屋で開催されたCOP10で目標年度を2020年として決められた目標について、全体の12%しか達成されなかったことを受けた今回の目標の設定と、その達成に向けた各国の役割の重さは非常に重要です。東京大学の大学院で生態学を専攻された理学博士で、企業と生物多様性イニシアティブ事務局長の足立直樹氏は、生物多様性の危機にネイチャーポジティブで対処しようという今回の目標について、気候変動への対応であるカーボンニュートラルと並ぶ、これからの時代の世界共通の2大目標になるだろうと述べておられます。そのような文脈で捉えるならば、本市の新たな都市像は、世界の未来に向けた都市像と言っても過言ではないと思われます。壮大なスケールの目標であっても、現実的には小さな実践と取組が重要なことは言うまでもありません。先日、私たちの執務室に市内をよく散歩される植物に詳しい市民の方が来訪されました。彼女の言葉を借りれば、鈴木大拙館の周辺や金沢城公園内外、尾山神社の池にも外来種のヒメリュウキンカが繁殖し、その植生域はどんどん拡大傾向にあるとのこと。また、さらに市民にも愛されるショウブについても、外来種のキショウブが拡大し、地のショウブであるムラサキショウブは金澤神社においては1本も見られなくなったと話しておられました。キショウブも金沢城公園や中村記念美術館やMROをはじめ多くの水辺で繁殖拡大中であること、さらに、浅野川大橋から梅ノ橋辺りにかけて繁殖する外来種のイタチハギや市内全域に見られるセイタカアワダチソウなどもますます繁殖する傾向が見られます。逆に固有種であるナンバンギセルについては、金澤神社に生息しているものは手入れが行き届いていますが、駅西に群生しているものに関しては、管理が全くなされておらず、ため息が出ます。そんな話をされていました。総じて、外来種の植物の花は黄色が多く、色鮮やかなせいで、見る者に不快感を与えるわけではありません。しかし、例えばムラサキショウブの色彩をめでる日本人の色彩感覚によって培ってきた情緒や感性なども微妙に影響を及ぼされるのではないでしょうか。また、生態系のバランスの崩壊は、私たち人間の生命環境にとっても危惧すべきことは言うまでもありません。本市の今後の生態系維持について、また、外来種への対応についてお尋ねいたします。 次に、本市の水防計画と内水ハザードマップについてお尋ねいたします。 まず、激甚化する近年の水害についての市長の所感をお聞かせください。 度重なる線状降水帯の発生や警報の発令、その後報じられる各地の大きな被害の様子に触れるにつけ、気候変動、気候危機、あるいは気候沸騰対策は、全世界の住民にとっても常に念頭に置くべき優先課題ではないかと思われます。本市では、毎年県の計画に基づいた水防計画が作成されています。行政として水害にどのように備え、どのような対策を施すか計画されたその内容について、特に重要水防箇所はどこなのか、あるいはどのような水防工法で対応を考えているのか、あるいはそれらの水防のために用いる資機材倉庫の場所はどこにあるのかといった情報は、広く積極的に市民に周知すべきと考えます。本市のお考えと今後の方針をお伺いいたします。危機管理を考えるとき、事前の情報共有は非常に重要であると思われます。市民の危機感も年々高まっていることも考慮されてお答えください。 また、それらの事前の固定的な情報以外に、重要になってくるのが時系列的に対応を計画するタイムラインです。災害の発生を前提に、防災関係機関が連携して、災害時に発生する状況をあらかじめ想定し、共有した上で、いつ誰が何をするかに着目して、防災行動とその実施主体を時系列で整理した計画であるタイムラインについては、国は個人においてもその作成を推奨しています。いわゆるマイ・タイムラインです。積極的・主体的に防災について考え行動する市民が増えれば、それがまちの防災の大きな力になることは言うまでもありません。しかし、現実的にはやはり行政頼みで動く市民が大半ではないかと推測されます。そういった意味で、行政が作成するタイムラインの共有も、危機意識が高まってきた市民にとって行動を促す原動力の一つになるのではないかと思われますが、本市のお考えをお聞きいたします。 雨が降り出し、状況によっては水没してしまう道路や地域があります。あるいは、河川や用水等が増水し、氾濫する危険が迫ることもあります。現在、本市ではそういった危険区域の周辺に土のうスポットとして土のうを備蓄しています。今後、市民の危機意識の増加に伴い、危険と思われる場所での土のうスポットの設置の要請等も行われることが考えられますが、その際の本市の対応についてお聞かせください。 この質問の最後に、内水ハザードマップについてお聞きいたします。先日、大徳分団員の一員として、防災士の資格試験を受けさせていただきましたが、その際、内水ハザードマップの設問に遭遇いたしました。また、教本には、洪水ハザードマップに加え、内水ハザードマップを作成し、公開している自治体も徐々に増えてきていると書かれていました。私の住まいする大徳地区の高齢者から、さきの選挙のときに言われた言葉を今も忘れません。「熊野さん、最近の雨で怖いのは、川の氾濫もあるけど、内水の氾濫や。大徳みたいに田んぼばっかりのところを埋め立てて造成したまちでは、その心配もせんなんのや。内水がどうなっとるんか、そんな地図も市民の安全のためには必要じゃないか。」高齢者でありながら、まちの歴史を見てきた方の貴重な御意見です。国土交通省も、しっかりとシミュレーションした上で、内水についてのハザードマップ作成と公開を促していますが、本市のお考えをお聞きいたします。 次に、金沢港周辺の整備促進についての質問です。 石川県は今年度、長期的な視点における目指すべき将来像の策定に取り組んでいます。いわゆる将来ビジョンの策定です。同ビジョンの目指すべき将来像として、北陸の経済振興に寄与する金沢港、にぎわい、個性、美しさを兼ね備え、次世代に受け継がれる金沢港、安全安心で持続可能な金沢港、この3つを大きな柱として掲げ、重点戦略など様々な詳細についても案として示されました。現在はパブリックコメントを求める段階まで進み、具体策などを今後詰めていくところまで進捗しているところです。本市も金沢港将来ビジョン検討委員会の委員として参画し、これまでの委員会での議論や推移も把握しておられることと思います。そこで幾つかの点についてお聞きいたします。委員会が示した将来ビジョンは、利用者や関係者、地域の方々をはじめ、各方面の方々からのニーズ調査や聞き取りを基に課題が示されています。物流、クルーズ・賑わい、カーボンニュートラル、レクリエーション・緑・景観、安全・安心の大きく分けて5つの枠組みで詳細が示されています。それらの解決に向けた一丁目一番地である予算獲得のため、二度にわたって金沢港整備促進期成同盟会と合同で行われた金沢開発協議会の中央要望においても、金沢港の整備促進は重点要望として、各関係者に対し、市長からその重要性をしっかりと伝えていただきました。そして、11月に行われた二度目の中央要望の際は、金沢港の整備が項目の1番目に挙げられており、さらに市長より熱く要望の旨と説明が行われました。中央要望を行われた市長御自身のこのビジョンについての所感をお聞かせください。 また、金沢港将来ビジョン検討委員会の第2回の検討会では、委員より、風と波の強い金沢港の特徴を生かした再生可能エネルギーの導入も考えるべきではという意見が出されました。カーボンニュートラルという、これまでにない港湾を目指す上で極めて重要です。ビジョンでは、次世代エネルギーを中心にCNP--カーボンニュートラルポートの計画が定められていますが、あまり見かけることのないダリウス風車などの筒型風力発電機も、安全性も含め、金沢港にふさわしいのではないかと感じますが、お考えをお聞かせください。 また、港を活用した憩いの空間の向上では、港公園や大野お台場公園などの老朽化と時代のニーズとのずれが指摘されています。これらの指摘に対する本市のお考えをお聞かせください。 さらに、重点戦略である緑と歴史文化に包まれた憩いある港づくりでは、臨海部の景観形成ルールも策定し、緑のおもてなしにより自然を堪能できる港を目指しています。市民にとっても緑の憩いの場の確保、緑の景観は重要です。この点についての所感をお聞かせください。 次に、分区の活用についてお尋ねいたします。第2回のビジョン委員会において、馳知事は、「金沢のブランド化を港から進められる可能性を考えれば、将来像はもっと大胆に描いてもよい。金沢市との協議になるが、ビジョン設定により港周辺にもう一つのにぎわい創出を可能にし、また、物流拠点のしつらえも必要となる」と、金沢港周辺の今後の展開への期待を示されました。また、県議会の9月定例会では、今年度中に取りまとめる予定の金沢港将来ビジョンを踏まえ、現在の兼六園周辺に集中している金沢の観光地を分散化するためにも、港湾法に基づく分区制度を活用し、総合的に金沢港周辺のにぎわいを創出したいと答弁されています。これを受けて、本市の分区の活用に向けた思いをお聞かせください。 次に、自動運転バスの活用についてです。金沢港の周辺、特に伝建地区に指定された金石・大野地区は、クルーズ船の旅行者にとっても魅力的な地域です。どうやってこの地域と港を結ぶのかということは、今後クルーズ船の持続的発展の上でも大切な課題です。この地域と港を結ぶ自動運転バスの活用を御検討願えないでしょうか。中央要望の地元選出国会議員との意見交換の場で、長田県議が、市長も同席されているということで提案された、茨城県境町で運行がスタートした自動運転バスです。歴史のまちに最新の技術のバスが走る光景は、新たな金沢のシンボルにもなり得る可能性を秘めていると思われます。市内全域の交通を見渡したときに、チョイソコの活用、ふらっとバスのカーボンニュートラル化、石川線の増便と続いた後は、港と大野・金石を結ぶ自動運転バスが交通施策の拡充としてバランスが取れるのではないでしょうか、御見解をお伺いいたします。 この質問の最後に、金石・大野・大徳地区のまちづくりミーティングで、大野町から提出された課題についてお聞きします。江戸時代より発酵食品であるみそ、しょうゆをつくり、現在もそれらに加え、みそ、しょうゆに関わる新たな製品の生産や販売に多くの方々が関わる同地区でも、本市の第1番目の課題である人口減少・少子高齢化が進行しています。しかし、発酵食品に関わる同地区の事業者はそれにもめげず、地元はもちろんのこと、広く海外にまでプロモーションを行っています。海外でのプロモーションでは、本市の海外販売支援が大きな力になったとのお言葉も頂戴いたしました。そんな大野町の要望は、生産し販売するだけではなく、それらを使用して提供する中規模程度のレストランの誘致です。条件としては、大野地区で、ある程度の腕を持ったシェフを擁する県外資本のレストランの誘致がしたいということでした。しかし、大野町の事業者だけで要望に行っても、門前払いされてしまう、要望活動の際、市も同行していただきたいというものでした。県外資本のレストラン誘致までには、幾多の障壁もあるかと思われますが、実現され、多くの人が大野町を訪れれば、本市の新たな都市像でも訴えている交流人口の拡大にもつながります。本市のお考えをお聞きいたします。 最後の質問は、デジタル活用推進についてです。 新たな都市像においても、あらゆる分野におけるデジタル化の推進がうたわれていますが、今回は高齢者のスマートフォン等の使用に関するデジタル対策、本市チャットボットおとうふくん、インバウンドの防災活用についてお尋ねいたします。これまで我が国のデジタル化の遅れは、高齢者を中心としたデジタルディバイドに対する平等性の配慮の課題が大きな要因でした。しかし、世界的な遅れを挽回すべく、デジタルディバイドへの対応も十分考慮しながら、徐々に施策を進めてまいりました。最初にお伺いする高齢者のスマートフォン等の使用に関するデジタル対策は、国も支援の枠組みを設けて自治体を支えています。しかし、スマホを使いこなす高齢者も次第に増えて、最近では高齢者向けデジタル対策の講習会の申込みがやや減少傾向にあるとお聞きしました。現状をお伺いいたします。 現在行われている講習会では、スマホの電源の入れ方や着信音の消し方など基本的な操作から指導が始まるとお聞きしましたが、最近では新幹線の切符購入やイベントのチケット、講習会等の申込みもスマホのアプリを使って可能となり、時間の節約、購入料の割引といったお得な面も数多くあり、物価高騰対策にもアプリ購入を始めたといった御意見も伺っております。高齢者への講習会も基本のキの字から一歩進めて、生活費の節約につながる使用方法の講習や、デザインや作曲など新たなクリエーティブな活用法の伝授など、幅を広げてみてはいかがでしょうか。高齢者のスマホの幅広い活用は認知症対策にもつながる可能性があると思われます。本市のお考えをお聞かせください。 次に、本市ホームページのチャットボットおとうふくんについての質問です。親しみやすい愛称で、さりげなく画面右下に登場し、市民の検索等のお手伝いをされていますが、これまで市民からどのような感想や御意見を頂戴しておられますか。デジタル空間での本市の顔であるホームページに、親しみやすさと市民に寄り添う姿勢が感じられ、私自身心が温かくなりました。しかし、まだ十分な回答ができているとは思えません。今後のおとうふくんの利便性向上についてのお考えをお聞かせください。 最後に、インバウンドの防災への活用についてです。兼六園来場者数がコロナ禍前の水準を超え、本市のまちなかも活気を帯びてきました。大変喜ばしいことです。しかし、珠洲市の地震も注視していく必要がありますし、森本・富樫断層を控え、さらに気候変動の災害激甚化傾向が全国的に続く中、防災の観点は、市民のみならず観光、特に言語が異なるインバウンドの皆さんにとっても重要な課題です。観光庁では、令和5年度に引き続き、来年度もポストコロナを見据えた受入環境整備促進事業として、災害時における観光危機管理強化の予算づけを行うこととしております。現在、本市でも様々なインバウンドへの防災対策を施しておられますが、こういった予算を活用し、例えばQRコードで多言語で防災情報を提供できるデジタルシステム構築の取組についてお進めになられるおつもりはないかお聞きして、私の質問を終わります。 御清聴いただきましてありがとうございました。(拍手)
○中川俊一副議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 25番熊野盛夫議員にお答えいたします。 初めに、オペラ「禅~ZEN~」につきましては、初演のときに続き、今回も拝聴させていただきました。今回の公演ではすばらしいソリストが名を連ね、ドイツで活躍している指揮者を招き、オーケストラ・アンサンブル金沢の演奏による豪華絢爛な歌劇が繰り広げられ、大変感銘を受けました。加えて、今回は字幕の掲出など、演出も従前に比べて大変に工夫されておりました。また、オーディションで選ばれた地元キャストが助演として出演したこと、市民が合唱団やダンサーなどで参加し、本作品に彩りを添えるなど、郷土愛にも通じる一体感がすばらしかったと思います。2時間半の公演時間がとても短く感じられまして、私自身、至福のひとときを過ごすことができました。 文化芸術に関し、練習を行う場がなければ、文化芸術活動の裾野は広がらないとの思いから、1996年に金沢市民芸術村が開村されました。音楽や演劇等の活動の場として多くの市民に御利用いただいているほか、今年5周年を迎えた俵芸術交流スタジオも同様の目的で設置しております。両施設とも多くの方々に御利用いただいておりますが、これらの利用状況なども踏まえ、さらなる裾野の拡大に向け、発表や練習場所の需要等について研究してまいります。 次に、人口減少は我が国全体が直面する大きな課題であります。本市の人口ビジョンにおきましても、子育て施策の充実による合計特殊出生率の向上とともに、移住・定住の促進など独自施策により、国の推計値より人口の減少をとどめることを将来展望としております。新たな都市像におきましても、人口減少・少子高齢化の進展を課題に置いて、子育て環境の充実や移住・定住の促進、関係人口の拡大のほか、若い世代や民間事業者、移住者などの多様な視点や活力を取り入れながら、金沢の個性である文化をしっかりと将来に継承・発展させていくことで、まちの活力や持続可能性の向上を目指すものであります。 今回の都市生態系再生モデル都市への認定は、生物多様性や景観の保全、木の文化都市に係る本市独自の取組と併せ、本市を拠点に生物文化多様性の研究等を行っている国連大学オペレーティング・ユニットの活動が高く評価され、モデル都市に認定されたものと認識しております。国ではなく都市が選ばれる時代にあって、「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」の実現をする上でも意義のあるものと考えております。 本市はこれまで生物多様性の保全と持続可能な社会の実現を目指し、金沢市生物多様性地域計画の下、豊かな自然を守り多様な生物を大切にする環境づくりや、生物多様性の恵みを未来に継承する人づくりを基本目標に、様々な施策に取り組んできたところであります。特定外来種などから本市の自然環境を守るためには、市民の協力も必要であります。これまでも地域の方々に対し、対象となる植物等を発見した場合の市への連絡や防除作業の依頼を行っておりますが、今年度からはオオカワヂシャやオオハンゴンソウなどの複数の特定外来植物について、分布状況の調査を実施しており、調査結果を踏まえ、専門家とも協議の上、防除作業を進めることとしております。引き続き本市の自然環境の保全と生態系の維持が図られるよう努めてまいります。 水害に関しましては、近年、全国各地で線状降水帯による局地的・継続的な集中豪雨が発生するなど、甚大な被害を及ぼす雨の降り方や今後の気候変動に伴うさらなる激甚化を危惧するところであります。こうした状況に対応するため、国・県が進める流域治水との連携をより一層密にしながら、引き続き本市の総合治水対策に掲げる治水、流域、土地利用、減災・水防の各対策を推進してまいります。 続いて、金沢港についてでございます。先般、石川県が策定を進める金沢港将来ビジョンの原案におきまして、金沢港の目指すべき将来像とともに、重点戦略とその施策の方向性が示されました。金沢港は北陸の海の玄関口として、物や人が行き交う交流の拠点であるとともに、にぎわいの拠点ともなる重要な都市基盤と考えております。このビジョンの実現により、金沢港のさらなる発展や周辺一体を含めた活性化につながるものと期待しております。 策定中の金沢港将来ビジョンでは、憩い空間に対する県民ニーズの高まりなどの課題に対応するため、緑地レクリエーションゾーンや歴史文化関連ゾーン、交流拠点関連ゾーンなど、金沢港一帯の空間利用計画が示されたところであります。市としても、憩いの空間を含め、金沢港周辺のにぎわい創出は重要な課題と考えております。将来ビジョンの実現に向けて、引き続き県との連携を密にしてまいります。 分区制度につきましては、港湾法に基づき、港湾管理者が臨港地区の範囲内で、都市計画法上の用途地域にかかわらず、エリアごとに建築物等の用途を定めるものであります。石川県におきましては、令和3年3月に条例を制定し、同年4月より制度の運用を開始しております。今般示されたビジョンの原案では、今後の開発動向や立地企業の意向なども踏まえた土地利用や規制の在り方について検討を行うとされているところでありまして、引き続きその動向を注視してまいります。 クルーズ船の旅行者が金石・大野地区など周辺観光地を訪れやすい環境を整えることは、地域のにぎわい創出の観点からも重要であると考えております。自動運転バスの運行については、技術的な課題もございますので、他都市における実証実験の動向なども注視したいと思っております。御提案の一つとして受け止めさせていただきます。既存の路線バスやまちのりも含めて、どういった交通ネットワークを形成することが効果的であるか、引き続き研究してまいります。 港町の風情の残る大野地区は、古いしょうゆ蔵を利用した若手作家のギャラリーや工房が開設されるなど、独自のまちづくりに積極的に取り組まれるとともに、発酵食品の製造が盛んな地として、本市の食文化を支える地区でもあると認識しております。本市としては、個々の民間レストランの誘致に直接関わることは難しいですが、今後、具体的な相談があれば、食文化の振興や観光誘客の視点でどのような協力ができるか検討してまいりたいと考えています。 私からは以上です。
○中川俊一副議長 坂本土木局長。
◎坂本敦志土木局長 金沢市水防計画と内水ハザードマップについて、何点か質問がありました。最初に、重要水防箇所と水防工法などの積極的な周知についてでありますが、本市の水防計画をより広く市民に周知したいと考えておりまして、水防法に基づきホームページで公表することに加え、小中学校や報道機関、各校下・地区の自主防災会などに計画書を配布しまして、御意見もいただいているところであります。今後も引き続き水防出前講座などの場を活用し、さらなる周知に努めていきます。 次に、タイムラインの共有についてであります。本市における水害対応タイムラインは、迅速かつ的確な水防活動を図るため、国や県などの防災関係機関と本市が担う役割や市民への避難情報の発令などを時系列に整理したものであります。市民がマイ・タイムラインを作成する上で必要な情報でありますことから、市民に周知することが重要であると考えておりまして、これも引き続き水防出前講座などを通じて啓発してまいります。 また、土のうスポットの拡大についてであります。本市では、これまでも地域と協働した防災・水防対策を推進する観点から、自主防災会や地域の方々と相談しながら、浸水実績や浸水が懸念される箇所などに土のうスポットを設置しております。今後も地域からの要請には積極的に対応してまいります。 最後に、内水ハザードマップの作成と公表についてであります。現在、本市の水害ハザードマップには、外水氾濫による洪水浸水想定区域や内水氾濫の浸水実績に加え、簡易なシミュレーションにより、内水氾濫の浸水が想定される区域と深さに合わせて、発生の仕組みや避難時の注意点なども掲載しております。また、今年度より水防法に基づく内水ハザードマップの作成に向けた詳細なシミュレーションに着手したところでありまして、できる限り早期の作成と公開に努めてまいります。 以上でございます。
○中川俊一副議長 村角
都市政策局長。
◎村角薫明
都市政策局長 石川県の金沢港将来ビジョンにおきますカーボンニュートラルポートの取組に関しまして、筒型風力発電機の御提案、お尋ねがございました。カーボンニュートラルポートを目指す方向性は、本市のゼロカーボンシティーを目指す方針とも合致するところでございますが、その実現に向けましては、施設の安全性はもとより、地域住民の理解と御協力が不可欠と考えております。風力発電機に係る御提案につきましては、県にもお伝えしてまいります。 続きまして、本市のチャットボットキャラクターに関する市民の感想や意見、また今後の利便性向上についてお尋ねがございました。キャラクターの配置は、機械的なイメージを和らげる効果があるというふうに考えております。チャットボットの使用に関しましても、問合せの時間帯を気にせずに気軽に質問ができるなど、おおむねよい評価をいただいているところでございます。これまで、キャラクターの常時表示化や検索対象分野の拡大等に取り組んできたところではございますが、適切な回答に至らないケースが生じることもございますため、質問内容を分析するとともに、改良を重ねることでさらなる利便性の向上に努めてまいります。 以上です。
○中川俊一副議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 高齢者のスマートフォン使用に関する講座等についてお尋ねがございました。国の事業--デジタル活用支援推進事業等を活用いたしまして、本市公民館等で行われているスマートフォン講座の実績は、令和3年度1,322人、令和4年度1,208人であり、今年度は10月までに588人が受講しております。講座の内容につきましては、電源の入れ方等の基本操作だけでなく、マイナポータルの活用やオンライン診療の利用、市の行政手続に係る電子申請の方法など、アプリやウェブサービスの利用方法等も取り入れております。この講座は国の事業で、内容を順次追加する予定であるとお聞きしておりまして、受講者がより幅広いスキルを習得できるよう、講座の周知や実施に努めてまいりたいと考えております。 以上です。
○中川俊一副議長 上野危機管理監。
◎上野浩一危機管理監 防災のデジタル活用についてお尋ねでした。本市では、災害発生のおそれがある場合、ホームページやX(旧ツイッター)、LINEなど様々なツールを活用して情報を発信しております。また、インバウンド対応として、かなざわ多言語防災サイトや観光公式サイトにおいて情報が得られますよう運用しております。まずは、今整備されているこれらウェブサイトやデジタルツールの確実な運用に努め、市民や観光客の皆様に御活用いただきたいと考えており、新たなデジタルツールの導入につきましては、今後の研究課題とさせていただきます。 以上でございます。
○中川俊一副議長 26番新谷博範議員。 〔26番新谷博範議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆新谷博範議員 私の質問は8部構成で、抽象的な言葉や無駄な前説を省き、具体的かつ明確です。的確な答弁をお願いします。今定例月議会も昭和から続く未解決の金沢市行政課題から始めます。 新金沢市都市像基本方針の4(4)金沢産材の普及に関して、市営造林事業は834団地、2,126ヘクタールに及び、かつその半分、約1,100ヘクタールが既に成木、主伐可能面積である、いわゆる市営分収林事業の対応です。 この問題解決なしに、木の文化都市を語ることはできません。令和3年度2月定例月議会で相川市長職務代理者は、推進チームをつくると明言しました。推進チームは機能していますか、伺います。
○中川俊一副議長 山森
農林水産局長。
◎山森健直
農林水産局長 令和4年度には、庁内で市営造林の主伐の課題整理やその対応などについて検討を行い、それを踏まえ、今年度、学識者や林業事業体、木材流通事業者、県関係者による金沢市営造林運用計画検討委員会を設置しております。主伐や再造林を積極的に進めていく経済林や、保全を進める環境林のゾーニング、また、経済林の売払い方法や伐採後の管理、環境林の管理方針など、主伐の本格化に必要な事項を検討しているところでございます。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 日本杉は成長が早く、全国植林の7割を占め、35年から40年で成木になる優秀な木材として国家を挙げて戦後植林事業を開始しました。金沢市も同様です。しかしながら、昭和40年事業開始以来、契約期間40年が続々と満了し、さらなる40年の新しい契約延長を山林所有者に毎年求め続けて18年、主伐による金沢産材供給を停止しています。これは40年間の含み損確定と分収林配当ゼロを回避する契約更改、事業の構造的赤字を将来世代に転嫁しているだけです。令和3年度決算では、この間伐材売払い代金たった1,170万円、販売に要した費用3,450万円、約2,300万円を金沢市がこの赤字補填を単年度で計上しています。令和4年度状況と累積赤字補填額を伺います。
○中川俊一副議長 山森
農林水産局長。
◎山森健直
農林水産局長 令和4年度の間伐に要した費用は約3,800万円であり、一般会計から市営造林事業費として支出しております。間伐材の売払い代金約800万円を収入として一般会計に受け入れています。差額は約3,000万円となります。間伐は主伐とは異なり、非常に経費がかかるため、売払い代金で事業費全額を賄うことはできません。これまでに要した経費についてですが、市営造林開始から長い年月が経過しておりまして、事業費の内訳は把握できませんが、近年の実績では、売払い代金は事業費の約2割から3割でございます。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 もう計算できないほど累積赤字が補填されていると。この外材流入など木材価格の低迷等、主伐できない要因は多々ですが、その中で契約延長に応じない、もう18年たってますからね、山林所有者にはどのように対処していますか。6割の所有権と地上権を持つ金沢市は間伐手入れをしていますか。現況を伺います。
○中川俊一副議長 山森
農林水産局長。
◎山森健直
農林水産局長 令和4年度末の時点で、契約更新率は90%となっております。契約の延長は、当初の契約期間満了時に、さらに40年の契約延長をお願いしているところでございます。40年は長くて応じられないという山林所有者には10年ごとの延長をお願いするなど、要望を伺いながら契約の延長をお願いしているところでございます。また、契約に応じてもらえない団地では、間伐は行っておりません。市営造林の契約では、あらかじめ定めた期間内に主伐することとなっておりますが、目的達成のため期間を変更できることと定めております。これに基づいて契約期間の延長をお願いしております。契約が延長できない場合、地上権は失われますが、立木は土地所有者と本市の共有財産でありまして、管理権は引き続き市が有しております。ただし、立入りには土地所有者の同意が必要であり、間伐が実施できていないのが現状でございます。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 契約履行を求めているんですよ。10%の人は。10年の更改であろうが、何であろうが、契約を履行してほしいと、延長があると、それは決裂ですよ。契約履行を求めているこの所有者の方々を長年放置するのは問題です。正式な交渉の場をつくり、話し合うべきです。最大何年の交渉決裂常態化を含めて見解を伺います。法的根拠ももう一度。
○中川俊一副議長 山森
農林水産局長。
◎山森健直
農林水産局長 今年度末までに市営造林運用計画を策定することとしております。明年度、山林所有者への説明会を開催し、今後の進め方を丁寧に説明していきたいと考えております。契約更新ができていない最も古い団地は、契約満了後16年が経過しております。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 16年放置して、そしてその契約を履行しないからといって、市民の、金沢市の財産で地上権のある杉を間伐もしないで、手入れ不行き届きにして、そしてその交渉がまとまっていない。16年ですよ。そして、現在、この間伐事業もおかしなわけですね。現在もこの間伐事業、金沢市林業予算で執行していますが、この間伐材は実際成木年数35年から45年を経過したものがあり、市場には立派な成木として流通するから、木材価格をさらに低迷させているのが現実です。いわゆる間伐材として伐採・販売費用を財政支援された、ただ同然の杉成木が大量に送り込まれ続けるから、この市場の木材価格を常に破壊し続けています。当然間伐材の扱いですから、山林所有者には1円も利益がありません。切れば切るほど、出荷すればするほど赤字が想定される金沢市営造林です。契約履行を果たせば、さらに金沢市の事業赤字が膨らむ構造です。この構造は、別に金沢市に限らず、全国共通で、ゆえに民間の自伐型林業など切る前から赤字確定事業で、成り立つはずがないと。この負のスパイラル構造を理解しながら、この構造を維持するのみしか今まで手を打ってこなかったのが金沢市林業行政です。ちなみに、石川県は事業を見切り、主伐を開始しています。新都市像の向こう10年で金沢産材の普及促進とはどのような状況で成り立つのか、矛盾です。見解を伺います。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 本市の市営造林は、既に伐採適齢期を迎えているものもあり、そして順次さらに伐採適齢期を迎えてきておりまして、森林資源を有効に活用する必要はあります。また、脱炭素社会の実現に向けて、森林資源を切って使って植えるという循環的な利用が求められており、市営造林の本格的な主伐に向けた準備を進めております。今年度はモデル的に本市が所有する造林地の立木を売払いした結果、約280万円の価格で落札されております。主伐につきましては、間伐と違って一定の収益性も確保できることから、明年度以降本格的に主伐に着手し、金沢産材の普及を図ってまいりたいと考えています。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 令和3年度で2,300万円の赤字補填、令和4年度で3,000万円の赤字補填、そしてまた、主伐と言って計画しているけれども、まだしていないと。戦前、杉というのは、杉花粉の害を知る先人により、本来日当たりの悪い谷間とか僻地に植えるのが常識だったと聞きますし、戦後の広葉樹の炭焼きによる大量伐採対策の杉植林、金になると言われた杉植林事業により、金沢市の生態系が破壊されたことは間違いありません。花粉症対策を含め、この杉をどのようにしていくか、見解を伺います。
○中川俊一副議長 山森
農林水産局長。
◎山森健直
農林水産局長 市営造林の運用計画で経済林にゾーニングした団地は、主伐し、再造林を進めていくこととしております。再造林の際には、山林所有者の意向を確認しながら、花粉の少ない杉や広葉樹を植林していく予定でございます。花粉発生源となる杉の削減に取り組んでまいります。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 今、局長は主伐すると言ったので、来年度から主伐する予定ということで理解してよろしいですね。確認です。いかがですか。
○中川俊一副議長 山森
農林水産局長。
◎山森健直
農林水産局長 来年から開始できるように運用計画の策定に努めてまいります。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 とにかくこの契約更改に応じない、彼らの言い分ももっともでしてね、16年間も放置していた金沢市の林業の、しっかりと来年度に向けて準備と予算獲得をお願いしたいと思います。 次に、環境関連のカメムシ対策についてです。 新都市像には、都市生態系再生モデル都市認定が述べられてます。すばらしいことです。過去私の議会質問でカメムシとオロロなど、人間に明らかな害を及ぼす生態系調査を求めました。今年度から生態系調査費も計上されています。しかしながら、生態系再生されているならば、今年度のカメムシの異常発生はどうして起きるのか、その原因も特定できていないと。改めて生物のカメムシにも食物連鎖があるわけですから、生態系調査、特に金沢市山間部、浅野川、犀川、内川から現地調査、現況把握を求めます。見解を伺います。
○中川俊一副議長 加藤環境局長。
◎加藤弘行環境局長 御指摘のカメムシでございます。一般に落ち葉の下などで越冬いたしまして、気温の上昇とともに活動するということが知られておりますが、暖冬の影響や、産卵場所となる杉などの樹木になる球果が多かったことなどにより、御指摘のような発生につながったものというふうに捉えております。カメムシは国が指定いたします特定外来生物には当たらず、個体数把握の具体的な方法等も確立しておりませんが、カメムシの生態や防除等に詳しい専門家や研究機関とも連携し、情報共有を図るとともに、他自治体の対応状況も参考に、御指摘の大量に発生している地域等の具体的な状況などもお聞きしながら、できる限り立入調査など現状把握に努めてまいりたいと考えております。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 局長、頼みますよ。この現地調査と現状把握。カメムシ、非常に臭いんですよ。緑と黒と茶色と、最近茶色ばかりなんですよ。緑は黒斑病を起こすし、米にも害ですし、そしてJAとも協力してしっかりと現地調査を、そして1年中発生しているわけですよね。今言われたように、最近になって気候温暖化と言いますけれども、カメムシの発生は異常ですよ。とにかくよろしくお願いします。 質問の第3は、フリースクールの定義です。 2022年度文部科学省全国小中学校調査で、不登校児童・生徒が過去最多、先ほど山下議員からもありました。29万9,048人で、前年対比22.1%増です。金沢市も史上最多だそうです。教育長、責任の一端を伺います。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 令和4年度の本市の不登校児童・生徒は、小学校で441人、中学校で751人であり、令和3年度と比較いたしますと、小学校で109人、中学校で119人増加しております。不登校児童・生徒は過去最多となっておりまして、極めて憂慮すべき問題になっているなということを感じます。やはり不登校の現状をしっかりと受け止めて、次年度の施策に未然防止を含めてしっかりと取り組んでいかなくてはいけない、そのように思っております。責任は感じております。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 教育長は立派だと思いますけれども、教育長のときに史上最多が起きているので、今責任の一端を感じていただけましたら、しっかり対策していただきたいなと思います。 次に、フリースクールの定義についてです。私見では、フリースクールなる訳の分からない和製英語は意味不明ですが、その機能、義務教育という国民の3大義務を補完する子どもの居場所確保であるならば、速やかなる設置が必要と考えます。全国的には校内フリースクールなる校内教育支援センター、全国で約1万校が設置されています。文部科学省は全国の公立小中学校6,000校に、さらに新設する方針とのこと。市教育委員会の不登校児童・生徒への現状対応を伺います。
○中川俊一副議長 上寺教育次長。
◎上寺武志教育次長 文部科学省の通知では、各学校に校内教育支援センターを設置することが望ましいとなっております。本市では現在、校内教育支援センターと同じ機能を持つ別室や相談室を全ての小中学校に設置いたしておりまして、自分の学級に入りづらい児童・生徒への支援に取り組んでおります。 以上でございます。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 面白いことを言いますね。同じ機能ということは、ちょっと別の機能もあるのか分からないですけれども、何で名前は統一しないのか。金沢市内小学校54校でしょう。中学校24校。統一の指導要領と要綱は整備されていますか。いかがです。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 金沢市内におきましては、別室という名称や相談室という名称の中で、子どもたちがそこに通いながら、不登校の児童・生徒が勉強しておりますけれども、名前の統一はまだされておりませんので、明年度にかけて校内教育支援センターという名前に統一しながら、しっかりとどの学校でも同じような学びになるように進めていきたいと考えております。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 名称を統一するからには、先ほど言いました指導要領と要綱も整備して、先ほどほかの議員からも指摘があったように、人員と予算措置を、だって学校ごとに生徒数違いますからね。あるところでは2人以上要るでしょうし、あるところは1人で済むかもしれないし、その人員措置と予算措置と指導要領、要綱を整備するということですね。よろしいですか。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 まず、名称につきましては、しっかりと校内教育支援センターに改めますけれども、その機能強化を図りたい、これは絶対しないといけないと思っております。そのためにも心と学びの支援員の増員、または派遣時間の拡充ということについて検討していきたいと考えております。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 ただ名称を統一したからいいわけではないわけでして、この市内小中学校全ての指導要領と、そして要綱、それに見合った基準の人員配置、予算措置をお願いします。とにかく義務教育内容を理解しない児童・生徒を現実社会に送り出すことは、本人の社会参加や経済的自立を阻害するだけでなく、社会の共通認識、常識を形成することや規範維持に問題です。不登校対策の校内教育支援センターによる対策強化、よろしくお願いします。 第4に、新都市像の方針の中に旧小学校校舎の活用がうたわれています。 旧馬場小学校、現兼六小学校校舎、この通告の後、不動寺小学校への統合が決まった現三谷小学校、こういう校舎の活用、今後どういうふうな検討方針と決定時期、活用方針が、どうやって決定されていくのか、それを伺います。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 学校の跡地等の利活用を推進していくために、本年度企画調整課内に跡地利活用担当を配置いたしました。この担当とともに、庁内横断プロジェクトチームを設置したところであります。利活用策を検討するに際しては、各施設の統合や移転等のスケジュールを踏まえつつ、地元のお声をお聞きしながら進めているところであります。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 地元の声を聞いていただけると、よろしくお願いしたいし、特に私の住む地域の現兼六小学校校舎については、移転時期も決定しています。同時に、地元社会福祉協議会と第三善隣館のある社会福祉法人から具体的かつ詳細な活用計画案が提出されています。速やかなる計画承認と、来年度以降の予算措置に対する地元からの具体的な要望が出ていることに対する見解をもう一度伺います。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 兼六小学校につきましては、まちなかに立地していること、そして、敷地面積も広大であるということ、その利活用に当たりましては、まちづくり全体に関わる影響を勘案しなければならないと考えております。地元の団体からは、福祉活動のほか、地域活性化の活動拠点など、地域のための幅広い活動の場として、利活用に関する要望をいただいていることを承知しております。令和7年9月の移転時期を視野に入れつつ、利活用策の検討を部局横断的に進めてまいります。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 このことは兼六小学校区だけでなくて、馬場小学校のこともありますので、しっかりと検討をお願いします。 質問の第5は、中学校のダンス履修と部活地域移行です。 明治維新以来、日本は近世からの脱却、近世、近代、現代と、近代への移行、先進国への仲間入りにはダンスが必要であることを理解し、鹿鳴館外交、要するにダンスホールという社交場を設立。関税自主権回復と治外法権の撤廃を目的とし、条約改正に挑み、当時の大日本帝国という独立国家形成を成し遂げたことは、中学程度の歴史常識です。さて、金沢市教育委員会は、平成24年以来、中学校保健体育科の必修授業にダンス導入以来、日本全国で初の地域ダンス指導員による模範演技・指導が今年度始まりました。その成果と効果を伺います。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 実際にプロの演技を見ることで、多種多様なダンスのすばらしさに触れたいとの要望があり、今年度市立中学校3校のほうから、ボールルームダンスの演技鑑賞及び実技体験への申込みがございました。参加した生徒からは、「ダンスは言葉がなくても、互いの気持ちを伝え合えると分かった」「慣れてきたらリズムに乗って踊ることができて楽しかった」などの感想が寄せられており、学校長からも、運動やスポーツへの多様な関わり方について考える貴重なきっかけとなったと聞いております。プロの講師を招き、演技鑑賞及び実技体験をすることは、相手を尊重する態度やコミュニケーションの大切さを学ぶとともに、仲間と踊ったり、自己を表現したりする楽しさや喜びを味わうきっかけづくりになる効果があると捉えております。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 それでも3校ですよ。平成24年以来、マイムマイムとか、フォークダンスとか、創作ダンスの時代じゃないわけで、世界の海外のスタンダードで言うならば、日本人ぐらいですよ、普通に踊れないのは。教育長の中学校教育への指導力が問われていると思うんですよ。24校あるわけですから、中学校。地域ダンス指導員の団体、金沢市スポーツ協会準加盟の金沢市ボールルームダンス連盟は、年間最低でも6校以上、最大12校のダンス指導体制をつくり、協力すると、市教育委員会並びに各中学校の連絡を待っています。来年度こそは世界の共創文化都市として、世界の共創というのは共通の意味も含めるのか分からないですけれども、世界の常識であるボールルームダンスの基本を少しでも多くの中学生に演技指導できることを期待します。見解を伺います。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 今ほどの御質問の中で、金沢市ボールルームダンス連盟では、指導体制をつくって連絡を待っているというお話がございました。明年度はさらに多くの中学校で、生徒がダンスの価値や特性に触れることで、他者とのコミュニケーションの大切さを学ぶ機会につながってほしいと考えておりまして、プロの演技鑑賞、実技体験の実施につきましては、しっかりと各中学校長に働きかけていきたいと考えております。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 次に、部活の地域移行問題です。先ほども指摘がありました。実際問題として、野球もサッカーもバスケも、3大スポーツは、クラブ化が進んでいて、中学校の部活でやっていない子たちも多いわけですよ、うまい子たちは。そして、この地域の移行問題は、前から言っているけれども、体育部だけじゃなくて、文化部の移行問題もあるわけですよ。これに対して、やっぱりしっかりと、先ほども指摘がありましたけれども、待っているんじゃなくて、攻めていかなければいけない。何でかと、今現実に格差があるわけですよ。少しお金があってうまい子はみんなクラブへ行って、お金払ってやっているわけですから、もう既にクラブ化が進んでいるわけですよ。そして、先ほどからも言っていますけれども、教員のサービス残業で成り立つ、そんな部活なんていうのは、最初からそんなサービス残業に寄りかからなければいけない部活に児童の権利も義務も何もないわけでしてね、ここをしっかりとこの計画、もう一度改めて伺います。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 先般、金沢市総合教育会議でも話題になりました。活動の場所や指導者の確保、費用負担の在り方などの課題が挙げられたところです。こういった内容を整理した上で、あるいは明年度の当初予算に向けて、地域団体や学校等の関係者で構成する協議会の設置を含めて方向性を検討したいと考えております。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 もともとこの部活っておかしいんですよ。ある地域で生まれたら、野球部やサッカー部がないんですよね。あるところへ行ったら、テニス部しかないんですよね。軟式テニスしかね。あるところは卓球とテニスしなさいと。才能があったって埋もれているのが、もともと矛盾を抱えているこの中学校部活動であって、生徒の人数がいなかったら、その部活は廃部になるわけですよね。そして、いつもいつもいい教員がいて、部活動、野球を教えてくれたり、サッカー知っている教員に当たるか当たらないかなんて、本当の偶然の極めてまれな運のいいことしか起きないわけですから、しっかりとこれはやっていただきたいなと思います。そして、文化部も含めて。 次に、質問の第6は市立病院の役割です。 移転先がどこになるかは別として、産婦人科を含む小児医療、特に小児外科など、公立病院として不採算診療部門ですよね、不採算診療部門の強化への見解を伺います。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 公立病院として少子化の中で、産婦人科を含む小児医療を担う意義は非常に大きいと考えております。一方で、小児外科など専門性に特化した診療科は、全国的にも対応できる医師の人数も少なく、設置に向けての課題は大きいと考えております。広域的な課題として、病院事業管理者や関係機関と研究してまいります。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 おかしなこと言いますね。私の見解では、金沢市、金沢大学医学部と金沢医科大学があって、医師の配置数も全国では極めて恵まれた都市なんですよね、医師の数や技術的にも、その先生たちが育っていくわけでして、そこに対して協力していけば、難しい医師の確保もできると思いますし、また、次に、不採算部門も含めて、現在地を含む南部地区移転は、総合病院である大学病院、国立病院、県立中央病院、大型民間病院との、日赤も含めて、診療部門のすみ分けを明確化し、金沢市民の医療提供における専門分野の分担、相互支援体制が不可欠です。できるならば、デジタル化による診療情報の互換性強化を促進し、精密検査、特にPET、MRI、CTスキャンの順番待ちや、それに伴う手術待機時間を減らし、適切かつ速やかなる令和の医療体制を期待します。市立病院の新たなる役割を伺います。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 市立病院は、公立病院また自治体病院として、感染症医療をはじめ災害医療、緊急医療などの政策的医療に責任を持つことが重要な役割と考えております。今後は再整備も見据えて、地域医療支援病院として、金沢大学附属病院や金沢医療センター、地域の医療機関と連携を強化し、南部地域における医療体制の中核的な役割を担うとともに、福祉、健康、子育てなどの行政部門との連携など公立病院ならではの機能を充実させること、これが大きな役割になるというように考えております。デジタル化の関係でございますけれども、診療情報の互換性強化については、国のほうで情報プラットフォームの基盤構築を進めておりまして、この施策に呼応できるように研究してまいりたいというように思いますし、また、各種検査の待機時間につきましては、かかりつけ医からの事前予約によって時間短縮を図るなど、効率的な運用に努めてまいりたいというように思います。なお、御指摘いただいた診療部門のすみ分けというような形になっていくと、各医療機関の方針もございます。これは慎重に取り扱うべき事項であると考えております。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 公立病院の位置づけは変わってくると思うんですよ。やっぱり民間病院とか、役割、すみ分けをきちっとして、何でもあればいいというわけじゃなくて、何でも総合病院じゃなくて、やっぱりしっかりと役割と専門家を持った、責任ある医療体制を目指さなければいけないと思っております。 次の質問ですね、待機時間の経済的ロスを生み出す金沢市道、県道、国道の信号機の連動性についてです。 この連動性、信号機、とてもいらつくときが多いんですよね。歩車分離信号の新規導入、立派なことですわ。歩く人と車が分離の信号ができて。だけれども、全部の方向が止まるんですよ。新規導入は歩行者や観光客に優しいのかもしれませんけれども。また、海側幹線や山側幹線、整備が進むのはすばらしいこと。しかし、その整備の中で、どうも信号機同士の連動タイミングがどうしてもずれてくる道路。普通に考えて、そんなにパターンないんですよ。平日でしょう。平日の中の五十日ね。土日でしょう。この日本の不定期な日曜振り替えの月曜日でしょう。不定期な祝日の対応。そして、通勤、帰宅時間の渋滞。こういうポイントがあるわけですよね。これらに対応する信号機の連動が合理的になっていないんじゃないかなと、そういうパターンに合わせてね。市内多々見受けられると。これらの交通量変動、道路ごとの制限速度を考慮した科学的な、これこそデジタル化、AI解析導入を伴う、こういうデジタル化とタイミング調整が必要と確信しています。金沢市道の信号機、金沢市道、長いですからね。金沢市道の中にはいっぱい信号があるわけですよ。管理体制とタイミング調整の頻度、県道、国道の信号機の連動性への見解を伺います。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 信号機につきましては、市道、県道、国道を問わず、交通管理者である警察が全体を管理しております。その変動のタイミングにつきましては、交通量や渋滞の状況などに応じて調整していると聞いております。今後とも警察や道路管理者となる国・県との協議の場を通じて、市内の交通・道路等に関する情報共有を図ってまいりたいと存じます。議員だけでなく、ここの議場にいる場の多くの方が同じように思っているところが多いというように思いますので、機会を見つけて県警のほうにも申入れして、交通の円滑化に努めてまいりたいと考えております。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 市長の理解ある言葉が大変頼もしいんですけれども、不思議なんですよ。県道と国道でいまだに学生さんがカウンターを入れてるんですよね。カウンター入れて台数チェックしているんですよ。今の時代にカウンターですよ、人間で、アルバイトで。カメラで人の顔まで分かる時代に、何台通ったかの。デジタル化を入れて、先ほど言いました、そんなにポイントはないわけじゃないですか。平日とか通勤とか。特に日曜日振り替えの休日、まだ平日対応の信号機の連動性になっていたり、しっかりとこの県警の調査、本当に県警がカウンター入れて、この経済の車の流動というか、通行量を本当に把握しているのかなと、把握できているのかなと思うんですよ。だって、いまだにカウンター入れている時代ですからね、金沢市は。ぜひともしっかりとやってほしいと思います。交通対策に、私は先進国並みの常時左折可能を導入すべきとは言いませんけれども、左折信号、新規設置増加は必要です。金沢市道信号機の令和における左折、入れられるところは入れるべきだと思うんですけれども、左折信号いかがです。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 信号機に係る課題につきましては、市民からの御意見、御要望も受けまして、市としても状況を把握して、交通管理者である石川県警に対応をお願いしてきたところであります。また、左折信号の新規設置も含めまして、社会情勢や市民生活の変化などに伴い、検討すべき対応につきましては、今後とも警察や国・県との協議の場を通じて情報共有し、市内の交通・道路環境の向上に努めたいと考えてございます。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 いや、先ほどから言ってます歩車分離、兼六園、市役所の前の通りも歩車分離ですよ。いや、いいんですけれどもね、止まるんですよ、全てがね。とにかくしっかりと信号とか、そのタイミングをよく図っていただきたいなと。 次に、この待機時間による経済的ロス、待機時間が長ければ経済的にロスするわけですよ。いらいらもしますし。市内公共バスの定時性確保についてです。 道路運送法に基づけば、旅客自動車運送事業運輸規則によって、公共バスの早発--早く出発するのは禁止されています。つまり遅発は全て合法なんですけれども、しかしながら、この金沢市内、いつもバスは遅れて来ると。遅れてくることが当たり前と考えます。特に北鉄バス、コロナ禍対応として、昨年度13億円に上る財務緊急支援が行われたにもかかわらず、財務支援の見返りとして、私このコロナ後の公共交通復活には北鉄のバス停到着ですよ、定時性確保と現実に対応した時刻表、時刻表がずれてるんですよね、変更を要求するのは当然です。北鉄は路線状況を毎年把握しているわけですから、いいかげん覚えていただいて、デジタル技術を、先ほどと同じですよ、活用した的確なる時刻表の作成並びに早く到着しても待っていてくれればいいんですよ。定時出発ができるんではないかと考えます。バス運賃の支払い方法のデジタル化とか、バス減便、バス路線廃止の問題も大事ですけれども、まずは市民の信頼性を取り戻す、公共交通として定時性を確保するための運行時間の解析とか、バス停での到着時間告知、もう壊れているんですよね、告知のバーが。バス停ごとの時刻表修正を速やかにすべきです。北鉄への申入れを行うことへの見解を伺います。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 運行事業者におきまして、これまでもバスの定時性の確保に努めておりますほか、市としても都心軸等におけるバス専用レーンの確保などに取り組んでおります。一方で、天候や道路の混雑状況などの影響により、やむを得ず遅れるケースがあることも認識しております。御指摘につきましては、バスの定時性を確保し、利用の促進につなげるための取組として、交通事業者にも伝えたいと考えておりますが、一方で、バス接近情報など運行状況を利用者に分かりやすく伝えるためにどのようなことが可能か、引き続き研究してまいります。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 研究している時間はもうないんですよ。もう何十年も前から、公共交通が不便だというのが金沢市民の最大の行政への要望なんですから、最近に始まったような話じゃなくて、すぐにやらなければいけない。何でか。今とにかく北鉄ですよ。これ結局我々が株主でないから、北鉄って民間会社だから、株主の所有じゃないですか。民間会社というのは、株主のために存在するわけですからね。金沢市がどんなにお金出しても、株主でもないから。 最後に、金沢市公共交通をほぼ独占している株式会社北陸鉄道への明確な資本参加が令和の時代必要です。どれだけ手伝ってあげても、彼ら、私らは株主じゃないから、いわゆる物言う株主としてきちっと申し述べないと聞かないんじゃないかなと。安定株主になるべきです。この安定株主の件に関しては、金沢市は北陸電力の安定大株主として、現在でも200万株、40億円以上の資金を眠らせていますし、北鉄の大株主のほうが金沢市行政には重要なんじゃないですか。LRTもBRTも何でも含めてね。相手が株主として発言しない限り、株主として物を言わない限り、民間会社が株主でない者の意見を聞くわけがありません。今まであらゆる財政支援をしても、結局お金が彼らの資本として計上されないから、金沢市の意見は参考意見にすぎなかったんじゃないか。今後のみなし
上下分離方式、またお金だけ出してやると言うんですよね。それはいいのかもしれない。どの方式になるのかは、まだだけれども、みなし
上下分離方式も同じで、北鉄への車両設備への資本は注入するんですよ。ただ、この資本というものが北鉄の財務諸表上累積されたり、何年も蓄積されない。どこに載るのかなと。全然意味が分からないです。私はきちっとこの資本注入とか、設備への資本投入に関しては、未来にきちっと残るべきだと思います。北鉄株のこういう購入、そして今後みなし
上下分離方式でも取られる資本注入ですよね、明らかなる。設備や車両への。これに見合ったきちっとした株式交換といいますか、株主としての地位確保、そして今後の北鉄という民間株式会社ですよね、北鉄への金沢市の申入れする立場における見解を伺います。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 みなし
上下分離方式については、鉄道施設等の維持管理をこれまでと同様に北陸鉄道が担うものの、その費用の一部を自治体が負担することなどを定めた協定を自治体と北陸鉄道との間で締結することで、鉄道事業の持続可能性を確保するものであります。協定では、安全な輸送サービスの確保、利便性を向上させる取組の実施などを定めるとともに、信義に従って誠実に責務を果たすことを約することとしておりまして、履行されない場合にありましては、支援を停止するなどの形で、その実効性を担保したいと考えております。北陸鉄道に対する支援として、株式の購入などの立場もあり、また、他の自治体でもそういった事例もあることは把握しておりますけれども、設備の更新や利便性の向上策など、個別具体の事業に対して支援を行っていくことが市民の理解を得るためにも必要と考えてございます。現状としては、株式の取得に関しては考えてございません。
○中川俊一副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 とにかく発言権を担保することをお願いして質問を終わります。 以上です。(拍手)
○中川俊一副議長 以上で、26番新谷博範議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。
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△休憩
○中川俊一副議長 この際、暫時休憩いたします。 午後2時56分 休憩----------------------------------- 午後3時10分 再開
△再開
○高誠議長 出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
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△質疑・一般質問(続き)
○高誠議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 27番下沢広伸議員。 〔27番下沢広伸議員登壇〕(拍手)
◆下沢広伸議員 質問の時間をいただきましたので、以下数点、発言させていただきます。よろしくお願いいたします。 1問目は、これからの金沢を見据えた10年後の都市像についてお聞きします。 本市では、昨年度より新たな都市像の検討に入り、シンポジウムの開催や地域との意見交換、市民参加型ワークショップを行っています。今年度は検討委員会を設置・開催し、「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢~すべての人々と共に心豊かで活力ある未来を創る~」とした提言書が8月に提出されました。歴代市長の都市像に関わる説明ですが、元山出市長は、世界都市構想と銘打ち、北陸新幹線開業を見据え、人の顔が人それぞれであるように、都市の顔も個性を出すよう、オンリーワンとして金沢駅の鼓門やもてなしドームの建築等を行いました。前山野市長は、世界の交流拠点都市と銘打ち、北陸新幹線開業後や東京オリンピック・パラリンピック2020開催を契機に、インバウンド対策等を進めました。両市長はそれぞれの思いを持って政策立案やビジネスデザインを行ってきたと思います。村山市長はどのような思いを中心に都市像の政策立案・ビジネスデザインを考えているのかお聞きいたします。 次に、石川県の成長戦略の所見と都市像との関係性についてお聞きします。石川県は、デジタル化やカーボンニュートラルの推進といった社会状況の変化を踏まえ、これまで築き上げてきた石川の個性、魅力、基盤を継承し、さらに発展させることに加え、石川県の目指す姿から逆算し、進むべき方向性を示す新たな総合計画として、石川県成長戦略を令和5年9月に策定しました。この石川県成長戦略は、石川県の施策の方向性を総合的かつ体系的にまとめた総合計画の位置づけであり、令和5年度から令和14年度までの10年間を計画期間としています。6つの戦略と2つの横断的戦略を掲げ、県政の課題に取り組むとしていますが、市長はこの石川県の成長戦略をどのように感じたのか御所見をお聞かせください。 石川県の成長戦略と本市の都市像を比べますと、類似の点も多いと感じました。金沢市民はイコール石川県民でもあり、県と市が違う方向を向いていては、どちらに進めばよいか分かりません。今日の都市像策定に当たっては、県と市で何らかの調整がされたと思いますが、県と市が協力して行う施策や、県と市がそれぞれの役割で行う施策がどのようなことがあるのかお聞きいたします。 この質問の最後に、行政評価の定義についてお聞きします。多くの自治体では行政評価に取り組んでいますが、何をどのように評価していくのか、どのような評価基準で評価するのか、目的や評価の対象で大きく変わっていくと思われます。まず、市長は行政評価の定義をどのようにお考えなのかお聞きします。 この質問の意図ですが、今回策定する都市像は、本市の総合的な振興・発展に向けたまちづくりの指針でありますが、併せて地方創生に資する国の総合戦略に呼応する金沢版総合戦略についても推進していかなければなりません。去る10月には第2次金沢版総合戦略の取組状況が発表され、効果検証として、事業ごとにKPI--重要業績評価指標が示されています。市長はこの結果をどのように判断しているのか、御所見をお聞かせください。 現在の第2次金沢版総合戦略は、令和6年度までを計画期間とし、来年2月には次期金沢版総合戦略案の取りまとめが予定されています。しかしながら、これらの評価は交付金を活用する事業であり、対象事業の中には目標値と実績値による数値から既に達成している事業もあり、行政評価により必要なくなった施策を廃止することも求められると考えます。そこで、市長の次期金沢版総合戦略の方針について、変更すべき点も含め、御所見をお聞かせください。 2問目は、文化に関する取組についてお聞きします。 10月14日から11月26日までの44日間、石川県内全域でいしかわ百万石文化祭2023が開催されました。石川ならではの文化資源を活用したイベントや、文化団体による全国大会など、石川県の持つ文化を全国に発信できたのではないかと思います。先般、無事に閉会を迎えましたが、市長の率直な感想と今後の全国大会開催の課題があればお聞かせください。 本市でもいしかわ百万石文化祭の期間中に、地域文化発信事業として16事業を開催、また、文化団体が主催して本市で開催された事業も16事業あったようで、私も幾つか拝見、参加しました。中には、これまで開催し続けてきた事業もあれば、今回を機に新しく取り組まれた事業もあると思います。いしかわ百万石文化祭に併せて、金沢市デジタルミュージアム金沢ミュージアム+の運用が10月13日より開始されました。多彩な所蔵品や3D、ARなど、最先端技術を活用したスペシャルコンテンツを通して、子どもを含む全ての人に文化施設の魅力を伝え、施設の利用促進を図ることとしています。実際に金沢ミュージアム+を見ますと、第1弾として、金沢市立中村記念美術館と前田土佐守家資料館の作品や資料を画像で見ることができ、中には立体・3D化されたものもありました。まずは閲覧状況とPR方法についてお聞かせいただきたいと思います。 今回の作品や資料数は7,023項目としていますが、画像があるのは426項目であり、3D化されたものは16項目でありました。掛け軸や書物などは3D化にそぐわないかもしれませんが、今後は高精細画像での品目拡充や音楽、古文書の掲載が予定され、将来的には文化財や史跡も想定されているとしています。膨大な資料数になると考えますが、毎年どれぐらいの資料を掲載していく予定なのか、また、どのように活用していくつもりなのかお聞きします。 この質問の最後に、金沢市デジタルミュージアム構想の背景には、芸術・文化の分野にもDXの取組が進められていることや、文化振興における新たな取組、デジタル技術を活用し、あらゆる世代が文化に関心を持つような環境づくりとしていますが、持続可能な
仕組みづくりとして、市職員や市文化施設の学芸員がデジタル技術やアーカイブに関する知識を身につけ、低コストによるシステム運用が必要とされています。人材育成や確保も含め、今後どのような取組を計画されているのかお聞きし、この質問を終わります。 3問目は、今回の姉妹都市交流の訪問の成果と今後の課題についてお聞きします。 金沢市は平成27年3月、当時の都市像「世界の交流拠点都市金沢」の実現を目指して、国際交流の総合戦略である金沢市国際交流戦略プランを策定しました。令和4年度に金沢市国際交流戦略プランの計画期間が終了するに当たり、社会情勢の変化に鑑み、金沢SDGsを踏まえた地域の国際化を推進し、多様な人材によって本市が持続可能な発展を続けていくための新たな行動計画として、金沢市国際交流ミライアクションを策定しました。そして、今年度はナンシー市との姉妹都市提携50周年の節目の年でありました。9月から10月にかけ、市長もナンシー市とゲント市を訪問、ナンシー市と全州市の方々が本市にお越しいただきました。そこで、今回の訪問の成果について、市長の感想をお聞かせいただきたいと思います。 私も訪問団の一人として、ナンシー市姉妹都市提携50周年記念式典やゲント市議会への表敬訪問や交流会などに出席してまいりました。これまでの交流で築かれた人脈や異国文化を感じることができ、また、現在の取組である本市の魅力の発信や教育、経済交流が脈々と受け継がれていました。しかしながら、最初の姉妹都市提携から既に50年以上の歴史が経過し、社会の情勢は大きく変化しています。それに応じて姉妹都市の取組も新しい発想に基づくものに進化させていく必要があると思います。地方自治体は少子高齢化による人口減少問題に直面しており、持続可能な地域社会づくりによる地方創生が喫緊の課題になっています。今日における姉妹都市は、国内外の1対1だけではなく、複数自治体間、さらに国内複数自治体と海外自治体など、様々な形態へと発展していると言われています。特に、地域での活躍が期待されるグローバル未来人材の育成において、国内外のネットワークと連携した姉妹都市の活用は極めて有効であり、グローバル時代において姉妹都市交流を地域振興や人材育成策として新たな視点で生かすことが求められると思いますが、今後の姉妹都市交流における目指すべき姿や今後の課題について御所見をお聞かせいただきたいと思います。 4問目は、ふるさと納税についてお聞きします。 本年10月から返礼品に関するルールに一部変更がありました。主な変更内容は、返礼品は3割以内の価格かつ事務費用、送料など必要経費を含め、寄附金額の5割以下とすることや、加工品のうち熟成肉と精米について、原材料が当該地方団体と同一の都道府県内産であるものに限るとなりました。今回のルール厳格化は改悪と表現されることもありますが、返礼品と経費の総額を5割以下とした返礼となれば、地方の税収は増えることになり、地場産のものを返礼品とすることで、地方産業の活性化につながるとも考えられ、本来の目的に沿った形と言えるかもしれません。まずはこのことによる本市の今後の対応とともに、寄附の状況にどのような変化が見られるのかお聞かせください。 今回の質問では、新たなふるさと納税の活用項目として、動物愛護におけるサポート寄附金のお考えがないかお聞かせいただきたいと思います。本市では、平成29年度より犬・猫の殺処分ゼロを目標に掲げ、計画的かつ総合的な施策を図ることとし、動物愛護の拠点を整備するなど取組を進めてきました。そのような中、動物愛護管理法が改正され、令和2年6月1日から施行されたことを機に、令和3年4月1日より金沢市における市民と動物が共生する社会の推進に関する条例を施行しました。全国的にも動物愛護における取組が先んじている本市ですが、他の自治体を見ると、その取組方法でふるさと納税を利用している自治体も多くあります。名古屋市では、「目指せ殺処分ゼロ!犬猫サポート寄附金」を募り、これを財源として、避妊・去勢手術や譲渡
ボランティアへの支援物資等を行っています。昨年度の寄附金は2,000件を超え、7,700万円余とのことで、他の自治体でも同様のプロジェクトに取り組んでいます。本市でも検討の余地があると思いますが、御所見と今後の取組に対して意気込みをお聞かせいただきたいと思います。 ふるさと納税には、さきに述べました個人による寄附と、企業として寄附をする企業版ふるさと納税があります。企業版ふるさと納税とは、国が認定した地方公共団体の地方創生の取組に対し、企業が寄附を行った場合、法人関係税から税額控除する制度です。内閣府地方創生推進事務局が令和3年3月に発表した全国の特徴的な取組を見ますと、石川県からは小松市が文化・芸術・スポーツの分野で産業観光施設整備に、野々市市は産業振興分野として、新しい複合施設、学びの杜ののいちカレードを拠点に創業支援の取組を挙げており、本市もスポーツを通して交流人口の拡大を目指すとして、東京オリンピック・パラリンピックホストタウンを通じた地方創生推進プロジェクトの取組が報告されております。東京オリパラ終了後は、アフターオリンピック交流事業等に変更されておりますが、令和4年度に企業版ふるさと納税の寄附金を活用し実施した3事業の取組内容と今後の寄附金の活用方針についてお考えをお聞かせください。 最後の質問は、地域公共交通についてお聞きします。 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律が本年10月1日より施行されました。このことにより、国土交通省は改正法と各施策を活用し、人口減少が加速する中で地域公共交通のリ・デザイン--再構築の試みを示しています。改正法で創設・拡充された施策の地域公共交通確保維持改善事業は、地域交通事業者によるGX・DX等による経営効率化の取組支援、ローカル鉄道再構築を目的とした地域公共交通再構築調査事業などがあります。本市でも北陸鉄道石川線を中心とした鉄道の存続を含めた協議がされ、今年度中には行政としての関わり方を決定し、事業計画の策定、計画認可などを行うとともに、沿線市町では来年度予算等が議会へ提出されると思います。本市議会でも、これまでの議論を重ね、今年度は特別委員会も設置し、昨日は市長に提言書を提出いたしました。まずは、市長が考える地域公共交通事業者の目指す姿をどのように思うのか、御所見をお聞かせください。 さて、国土交通省は地域公共交通のリ・デザインに当たり、人口減少やコロナ禍の影響で一層厳しい状況であることも踏まえ、最新のデジタル技術等の実施を進めつつ、3つの共創を推進しています。その3つとは、官民の共創、交通事業者間の共創、他分野を含めた共創です。官民の共創では、交通手段の重複していた部分のネットワークを統合することで、エリア一括協定運行を行うこととしています。交通事業者間の共創では、複数の交通事業者が乗換え拠点まで運行し、拠点箇所より共同運行路線を行います。他分野を含めた共創では、交通と介護や教育など地域の様々な関係分野を連携、共同することにより、維持、活性化に取り組むとしています。本市では、金沢市地産地消の再生可能エネルギーによる公共交通の脱炭素化事業として、金沢ふらっとバスのEV車両による運行を目指し、2社の交通事業者とエネルギー事業者の共創パートナーとしてまちづくり・エネルギーと交通を掲げました。確かに脱炭素への取組は必要不可欠な問題であるものの、金沢ふらっとバスは中心市街地を運行する公共交通であるため、この施策が中心市街地における地域公共交通のリ・デザイン--再構築なのかと考えます。そこで、中心市街地と公共交通の考え方について御所見をお聞かせいただきたいと思います。 また、共創モデル実証プロジェクトでは、さきに紹介しました地域の多様な関係者の連携・協働により、維持・活性化に取り組む事業と、地域における交通やまちづくりに取り組む人材の育成に関する仕組みの構築や運営を行う事業があります。これまでも検討委員会などでは、専門的な知識や見識を持つ方々で議論を行ってきましたが、取組の促進・普及に向け、地域における交通やまちづくりに取り組む人材育成も必要であると思います。そこで、現段階における地域交通やまちづくりに取り組む人材育成の考えについてお聞かせいただきたいと思います。 以上、私の質問を終わらせていただきます。御清聴いただきましてありがとうございました。(拍手)
○高誠議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 27番下沢広伸議員にお答えいたします。 初めに、都市像に向けた思いでございますが、人口減少・少子高齢化の進展など社会環境が大きく変化する時代にあって、これからの自治体行政に必要なものは、10年後、20年後の将来をしっかりと見据えることと、多様な主体と連携し、まちづくりの方向性を共有しながら、それを踏まえた政策の立案と実践に当たることと考えております。歴代の市長は、金沢の歴史や伝統、文化などの個性・魅力をまちの資産として捉え、それらを磨き高めることで金沢の発展につなげてきました。こうした文化をまちづくりの礎に据えた上で、民間企業や高等教育機関の知見のほか、若者の柔軟な考え方や外部人材・移住者などの視点をこれからのまちづくりに取り入れていくことで、市政の持続的な発展につなげていきたいと考えております。 県の成長戦略は、石川県全体としてさらに飛躍させるという視点から、横断的視点とするデジタル活用の推進をはじめ、文化のさらなる磨き上げや、ぬくもりのある社会づくり、安全・安心かつ持続可能な地域づくりなどを掲げているほか、計画期間も10年とするなど、本市都市像との親和性も高いことから、県・市のさらなる発展に向けて歩調を合わせていきたいと考えております。また、人口減少・少子高齢化や激甚化・頻発化する自然災害など、各自治体での対応が困難な課題に対しても、引き続き県・市の連携・協力が必要になるものと考えております。 県との間では、様々な政策課題において協力・連携が必要であります。例えば市の日本銀行金沢支店跡地あり方検討懇話会には県の副知事が委員として、また、県の知事公舎利活用検討委員会には本市副市長が委員として参画しております。また、旧職員会館や県社会福祉会館、旧県立図書館など、県・市の公共施設が点在する本多町歴史文化ゾーンの磨き上げなど、特にまちなかエリアの土地利用などに関しては、県・市の連携協力が不可欠と考えております。金沢駅から武蔵ヶ辻、香林坊,片町に至る都心軸における民間開発の機運を高め、このエリア全体の面的整備を促進するための都市再生特別措置法の活用に当たりましては、法に定める役割を担っていただくことを石川県に要請し、御理解を得ているところであり、今後とも役割を分担しながら施策の推進に取り組み、県・市の発展につなげていきたいと考えております。 行政評価についてでありますが、行政の透明性の確保や市民参加の促進、説明責任の向上、多様化する市民ニーズに応える効率的・効果的な行政運営の実現などを目的として、行政が実施する事業等の点検評価を行うものであると考えております。 第2次金沢版総合戦略の令和4年度末までの実施状況では、KPI--重要業績評価指標など数値目標に関しては、全国的な人口減少の進展やコロナ禍の影響もあって、合計特殊出生率や年間入り込み客数などが目標値を下回る一方、
公共シェアサイクルまちのり利用者数をはじめ、コミュニティ防災士数や金沢かがやきブランド認定製品数、石川中央都市圏の連携事業などの数値が順調に上昇しております。先ほど申し上げたコロナ禍の影響等を除きましては、総じて総合戦略が着実に進捗していると考えております。引き続き、経済社会情勢の変化に的確に対応しながら、戦略に掲げる施策の推進に取り組んでまいります。 次期総合戦略の策定に当たりましては、国のデジタル田園都市国家構想総合戦略に呼応し、デジタルの力の活用を横断的に盛り込むとともに、必要な施策を追加することとしております。あわせて、KPIの評価・検証に基づき、既に目標を達成したものも含め、必要な見直しを行いたいと考えております。 いしかわ百万石文化祭につきましては、全てのプログラムを鑑賞できたわけではありませんけれども、文化祭の期間中は市内各所で多彩な文化芸術活動が展開され、地域や世代、ジャンルを超えた交流の輪が広がるとともに、私自身も多様な文化を体験することができ、金沢にとってすばらしい機会をいただけたということに百万石文化祭の関係者や出演者の方々に感謝しております。また、本市文化の魅力を広く発信したほか、市民の皆様にとっても、金沢の質の高い文化に触れることで、まちへの愛着と豊かな心を育むことができたのではないかとも感じております。文化祭では、県や関係機関とともに機運醸成に努めてきており、今後、全国大会を開催する場合においても、開催前から市民の関心を高めていくことが必要であることを認識したほか、期間中も質の高い内容で関心を持続させるとともに、期間後は一過性の盛り上がりに終わらせないことが重要であると捉えております。 金沢ミュージアム+でありますが、所蔵品7万2,000点を今後5年間で公開することとしており、現在7,000点程度公開しておりますが、年度末までにさらに5,000点程度を追加する予定であります。次年度以降も計画的にアーカイブ化を進め、画像や文字データも含め、毎年1万から1万5,000点程度公開していきたいと考えています。カテゴリーや名称での所蔵品検索が可能であり、教育や研究面での活用のほか、今後2次利用の条件整備を行うことで、商品開発やサービスの提供にもつながるのではないかと考えております。 また、金沢ミュージアム+は、多岐にわたる本市コレクションを発信、検索できるポータルサイトの構築とともに、その後の運用に関しても、公募型プロポーザル方式により上限額を設定した上で、安定的に運用できる事業者を選定したところでございます。また、先進的かつ効果的な技術を導入しながら、持続可能な運営が可能となるよう、専門家やクリエーター、作家、学芸員から成る運営委員会を設置しているところでもあります。なお、施設の職員や学芸員に対しては、専門家を講師に招いた研修会などの開催を通じて、アーカイブに関する知識の習得に努めております。 姉妹都市の訪問につきまして、提携50周年を迎えたナンシー市では、食文化、金箔、能楽などを紹介し、金沢の魅力を発信するとともに、金沢美大とナンシー国立高等美術学校の交流の継続に加えて、持続可能な社会の実現に向けての協力などを盛り込んだ新たな協定書を締結し、引き続き多角的な交流を行っていくことを確認することができました。ゲント市については、コロナ禍において姉妹都市提携50周年をオンラインで提携して以来、初の訪問になりましたが、本市と同様にユネスコ創造都市に認定されており、金沢はクラフト、ゲントは音楽という分野の違いはありますが、認定された強みを生かしながら、様々な分野での交流に努めていくことを確認いたしました。長年にわたる交流の歴史とその重みを実感するとともに、今後の姉妹都市交流の推進についても意見を交わすことができ、非常に実りの多い訪問であったと考えております。 この姉妹都市交流を地域振興や人材育成策に生かすことは非常に大切であると考えております。これまでもそのノウハウや関係を生かして、医療、食、美術、音楽、スポーツなど多くの分野での青少年の交流、また、工芸作家の相互交流のほか、フランスのホストタウンとして水泳のナショナルチームの受入れなども行ってまいりました。引き続き、本市の強みや各都市の特徴を踏まえながら、幅広い分野で交流の促進に努めるとともに、若い世代の国際交流の機会を拡充することで、グローバル人材の育成に努め、姉妹都市交流をさらに前進させたいと考えております。姉妹都市との交流には、世界情勢や国家間の課題もございますが、都市間交流、市民同士の交流を継続していくことが何より大切であり、各都市との間で培ってきた信頼関係を生かし、交流を推進してまいりたいと考えております。 ふるさと納税に関しまして、いわゆる地域猫の関係、御質問いただきました。本市においては、平成27年度から飼い主のいない猫の不妊・去勢手術に対して助成しているほか、本年度から新たに地域に専門アドバイザーを派遣するなど、動物愛護の取組を進めてきたところであります。ふるさと納税やクラウドファンディングを活用して動物愛護等に取り組む自治体があることは承知しておりますが、寄附が集まらないケースがあるという課題もあることから、これら他の自治体の取組状況やニーズを踏まえまして、動物愛護に限らず、市の様々な施策に賛同いただける金沢市民等からの寄附を受け入れる仕組みが構築できないか研究してまいりたいと考えております。 企業版ふるさと納税寄附金を活用した事業につきましては、令和4年度は金沢未来のまち創造館におきまして、子供の独創力育成事業として、食や工芸などをテーマに、将来を担う人材育成につなげるプログラムを実施したほか、スタートアップ・新ビジネス創出事業では、新たなビジネスや食・工芸の付加価値の創出を支援してまいりました。また、木の文化都市・金沢創出事業では、尾張町におきまして、新しい木造建築の仮想設計を行い、価格面や設計面、材料調達における課題を明らかにしました。今後も、金沢版総合戦略に関わる事業に活用したいと考えておりまして、応援いただける企業の協力を得て、地方創生のさらなる深化を目指し、各種事業を推進してまいりたいと考えています。 地域における公共交通につきましては、通勤、通学、通院、買物など市民の日常的な移動を支える社会インフラであります。これを担う交通事業者は、住民はもちろん商業者などと連携し、率先して地域コミュニティーの構成員としての役割を果たす必要があると考えています。現在、コロナ禍による移動需要の激減をはじめ、運転士不足や燃料価格の高騰により、公共交通の維持が極めて難しい状況になっていることから、行政としての支援も行いながら、時代に対応した公共交通ネットワークの形成に取り組んでいるところであります。こうした状況を踏まえ、北陸鉄道には減便ではない経営改革として、使ってみたい、使いやすいと思ってもらえる利便性向上策や、路線の維持などに本腰を入れて取り組んでほしいと思っています。 第3次金沢交通戦略では、まちなか、居住誘導区域、郊外、この3つのそれぞれの地域特性に応じた公共交通ネットワークを構築することとしており、中心市街地であるまちなかでは、自家用車の流入を抑制し、徒歩、自転車、バス等の多様な交通モードが便利に利用できる人中心の空間を形成することを目指しております。金沢ふらっとバスは、細い街路が多いまちなかにおいて、現在の路線バスでは走行が困難なエリアの生活の足を確保するため運行しているところであり、今般のEV車両走行実験はそうした街路における排気ガスや騒音の低減など、公共交通の環境配慮への先駆けとして実施するものであります。今後、一般の路線バスの脱炭素化も見据えながら、市内公共交通の環境負荷低減に取り組んでまいります。 公共交通を利用し守るという意識を啓発するために、本市として継続してモビリティーマネジメントに取り組んできたところであります。公共交通を取り巻く環境が厳しさを増す中にあっても、公共交通を地域の大切な財産と捉え、交通事業者や行政だけでなく、地域の担い手との連携をさらに強化し、公共交通の利用促進と普及啓発に努めることで、まちづくりへの関心を高め、未来を担っていく人材の育成にもつなげてまいります。 私からは以上でございます。
○高誠議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 文化に関する取組について、金沢ミュージアム+の閲覧状況とPR方法についてのお尋ねにお答えいたします。金沢ミュージアム+は、国民文化祭の開催に併せ、中村記念美術館と前田土佐守家資料館の2施設で運用を開始しており、閲覧数は11月末までの49日間で約3万ビューとなっております。PRに関しましては、2次元コードを掲載した宣伝ポップを文化施設や観光施設、図書館等で掲示しているほか、金沢文化振興財団や金沢芸術創造財団、金沢市観光協会などのホームページにおいて周知しているところでございます。今月から順次公開する施設を拡充していく予定であり、市公式のホームページやSNSも活用しながら、さらなる周知に努めてまいります。
○高誠議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 ふるさと納税のルール変更に伴う対応と寄附状況についてお尋ねがございました。ふるさと納税に関する基準が厳格化されたことにより、寄附金額の設定を見直さざるを得ない自治体がございましたが、本市においては、これまでもこの基準を満たしていたことから、寄附金額の設定変更は行っておりません。全国的には基準改正に伴いまして、10月1日から寄附金額の設定が引き上げられるとの想定で駆け込み需要があり、本市では寄附金額の設定変更を行っていませんが、今年9月の寄附額は約2億3,200万円と、前年9月の約4,200万円と比べて1億9,000万円の大幅な増加となっております。 以上でございます。
○高誠議長 21番喜多浩一議員。 〔21番喜多浩一議員登壇〕(拍手)
◆喜多浩一議員
自由民主党金沢市議員会の一員として、以下数点質問いたします。 質問の1点目は、金沢職人大学校についてであります。 今年10月に開催された入学式では、本科10期生、修復専攻科9期生が入学されました。この入学者の方々が修了式を迎える3年後には職人大学校も設立30年の節目を迎えます。その四半世紀を超えた着実な実績もあって、文化庁所管の文化財修復に係る技術者の研修を受け入れているほか、火災で主要施設が焼失した首里城の復元に向けた技術者育成システムを検討するための先進的取組としての視察先となるなど、全国的にも一目置かれる存在になってきていると感じます。一方で、本市の東山ひがし、主計町、卯辰山麓、寺町台といった伝統的建造物群保存地区、いわゆる伝建地区に目を向けますと、近年は海外からの訪問者が増え、地域特有の歴史文化資源や伝統芸能、食文化なども含めたインバウンド観光の観点からも非常に注目されてきています。このような伝建地区は、現在、日本全国に126地区も存在します。そこで、職人大学校修了生がその技術と経験を生かすために、全国の歴史的建造物群に対し、修復支援が可能なことを発信できれば、活躍の場が広がる好機になると思いますが、市長の考えをまずはお聞かせ願います。 また、職人大学校で学ばれた修了生は約700名と聞きます。たくみの心と技を継承しているこれらの人材は、今や本市の歴史的まちづくりにとどまらず、これからの我が国における地方創生にも大きく貢献する可能性を秘めた貴重な財産です。一方で、職人大学校を運営する事務局の組織体制は、現在、事務長を含め事務員3名、専門的な研修の企画、運営に係る職員に至っては僅か1名で、定年も近いとお聞きしています。このままでは多くの修了生を生かすことはもちろん、高度な研修による職人の育成事業を続けていくことすら難しいのではないかと感じます。そこで、私は山出元市長が築き上げ、全国的にも唯一無二の組織へと育ってきた職人大学校を、30年と言わずその先へ、さらには永六輔さんが評した文化の危機管理として、持続可能な形で社会貢献できるよう組織体制を整え、強化していく必要があるのではないかと思いますが、本市としてどのような考えがあるのかお聞かせ願い、この質問を終わります。 質問の2点目は、教科担任制など学校現場の働き方改革についてであります。 文部科学省の2024年度予算概算要求が一般会計総額で5兆9,216億円と前年度に比べ11.9%という大幅な増額になりました。教員の長時間勤務が大きな社会問題となる中で、学校現場の働き方改革に重点を置く内容になりました。特に長時間労働が深刻化している小学校では、1人の教員がほとんどの教科を担当する学級担任制が負担増の大きな原因の一つと考えられているため、これまでも進められてきた小学校高学年の一部の教科を専門の教員が教える教科担任制の計画については、全国で2022年度から2025年度までの4年間、950人ずつ計3,800人を配置していく予定でしたが、2024年度はこれまでの倍の1,900人を配置し、計画を完了させる内容となっています。学級担任制がいいのか、教科担任制がいいのか、賛否が分かれるかもしれません。中学校や高校での先生より小学校の担任の先生のほうが強く記憶に残っているのは、ほぼ一日中、同じ担任の先生と時間と空間を共有していたからにほかなりません。一方、私の学生時代に教員を志していた友人が、小学校は全科目教えなければならなくて大変だから、中学校の先生になると話していたのが大変印象に残っていて、教員を全く志したことがなかった私のような人間としては、そんな理由で就職先を決めるんだと、不思議というか、違和感を持ったものです。小学校における教科担任制が広がれば、これからはこんな理由で小学校の教員か、中学校の教員かを決める人が少なくなるのかもしれません。学級担任制の利点は、今ほど述べたように、ほぼ一日中、同じ先生が授業を受け持つことで、生徒と濃密な関係を築けるということがあります。小学生という年齢を考えればよしとすべきと考えますが、小学校における教科担任制導入について、メリット・デメリットも含め、教育長の所見をまずはお聞かせ願います。 小学校が学級担任制をしているため、中学校に入ってからの教科担任制に戸惑う、いわゆる中1ギャップについてよく問題にされるとお聞きします。私自体は戸惑った記憶はないと感じているのですが、生徒や保護者からの声についてお聞かせ願います。 さらに、実際の教員の側からの生の声として、教科担任制に肯定的なのか、否定的なのか、小学校の教育現場では教科担任制を経験していない教員が大半かと思いますが、その意識調査の有無も含めお聞かせ願います。 また、某番組で、既に教科担任制を導入している学校のある教員の一日に密着するドキュメントを放映していました。その中で、教科担任制だと全ての授業時間で教室に行く必要がないため、宿題の採点などこれまで休み時間や放課後でなければやれない仕事をできる時間ができたり、また、複数のクラスの授業を担当していても、授業内容が同じなため、1限から全て違う授業を準備しなければいけない学級担任制に比べ、その準備の負担が明らかに軽減されると報じられていました。教員の負担が軽減されるなら、前向きに進むべきと考えますが、現在の本市内での導入状況や今後の計画について、導入学校数も含めてお聞かせ願います。 最後になりますが、私は3年以上続いたコロナウイルスの影響によるオンライン教育やタブレットを用いた学習の本格的な導入は、江戸、明治時代から続く旧来の寺子屋式教育制度に変革をもたらすいいきっかけになったと思っています。つまり教員がじかに子どもといつもいつも時間と空間を共有する必要はないということです。ユーチューブなどを含むオンラインやタブレットを利用した自学習で、小学校1年生からの学習の大半を賄えると言っても過言ではないのです。ただし、子どもは個々に学力差があり、性格も家庭環境も違い、全ての子どもを一律に考えることはできません。特に、低学年の生徒や学力が低い生徒には、勉強以外の面も含め、従来型の教員の働きが必要でしょう。しかし、ユーチューブなどのオンラインでのすばらしい授業の映像を見た方は、もうお気づきでしょうが、明らかに現場の教員の授業を凌駕しているものが少なくありません。教員の受け持つ授業を減らすために、これらを利用しない手はありませんし、利用しないのは子どもの能力を伸ばす上でかわいそうです。また、タブレットで試験を行えば、教員自身が行っている紙ベースでのテストの作成や採点、または結果の取りまとめなどの負担もなくなります。さらに、タブレットについては、学校での活用法についてもしかりですが、自宅に持ち帰っての家庭での活用についてはどうなのでしょうか。宿題を出す際も紙ベースをなくせば、作成や提出、確認などの作業の簡略化にもつながると思いますが、本市のタブレットの持ち帰り状況などについて、数値も出してお答え願うとともに、タブレットそのものの紛失や破損などについてもお答え願います。 また、今後、デジタル教科書の導入が目前に迫っていることを考えると、タブレットの持ち帰りに対する課題解決は喫緊の問題と考えますが、その課題や解決に向けての取組についてお聞かせ願い、この質問を終わります。 質問の最後は、新たな都市像についてであります。 先月の日経新聞において、本市の住民1人当たりの芸術文化事業費が3,034円と、政令市や中核市などの全国の主要都市の中で断トツの1位であることが特集されていました。この数値は2位である大阪府豊中市の1.6倍に当たり、いかに本市が文化芸術に力を入れているかをデータの面から裏づけているものと言えます。日経新聞においては、毎週土曜日にデータで読む地域再生という特集を組んでいますが、その中で最近、文化や芸術をイベントなどのソフト面から根づかせることにより、地域の魅力を引き上げ、多様な人々の呼び込みを狙う自治体が増えてきていて、都道府県や市町村の芸術文化事業費の合計がここ10年間で3割近く伸びていること、また、その結果として、芸術家と住民の交流や地方からの文化発信を志す若き才能のUターンなどがまちに刺激と彩りをもたらしていることが記されていました。振り返ってみれば、本市がこれほどまでに文化芸術に対し予算をかけ、大切にしてこられたのはなぜでしょうか。江戸時代から連綿と続く文化芸術に対する深い理解のある土壌であったことは当然ですが、その土壌を育て、受け継いできた金沢市民一人一人の努力があったればこそであり、さらにそれ以上に、金沢における文化芸術の大切さを守り、発展させてきたその時代その時代の優れたリーダーがいたからにほかなりません。現在、本市リーダーである村山市長も、文化芸術を守り、育てることを基調とした新たな都市像案の策定を行い、今定例月議会に提出されています。これまでの本市の都市構想を見てみると、古くは昭和45年に徳田市長が金沢市60万都市構想を打ち出したのに始まり、江川市長の21世紀金沢の未来像、山出市長の金沢世界都市構想などがあり、直近では山野市長の世界の交流拠点都市金沢は記憶に新しいところです。そして、これらの歴代市長の都市構想に共通していることは、文化の継承・発展であり、さらにその構想に基づき、全国自治体で初または注目を浴びた文化政策の実施や文化施設の開設が行われていることです。徳田市長がつくった伝統環境保存条例は、全国初のものであり、現在の本市のまちづくりの礎となっていますし、江川市長が開設した卯辰山工芸工房は、本市が長年培ってきたものづくりに対する気風をさらに昇華させるもので、山出市長がつくった金沢21世紀美術館については、もはや説明不要の本市文化芸術を語る上で欠かすことのできないものになりました。さらに、山野市長は木の文化や建築文化に加え、スポーツを文化と捉え、
金沢マラソンを実現させました。特にこの歴代市長の中でも、山出市長については、金沢21世紀美術館だけでなく、鼓門の建築や先ほどの金沢職人大学校の設置、金沢市民芸術村の開村、はたまた重要伝統的建造物群保存地区の選定や旧町名の復活など、枚挙にいとまがなく、金沢のまちづくりを語る上で未来永劫語り継がれるものが少なくありません。山出さんは電信柱の1本まで知っていたと、多くの市民の方々から耳にしてきましたが、先月の文化ホールでの講演もしかり、名市長と金沢市民誰もが口をそろえるのもうなずけます。未来の金沢がどうあるべきかを考えるならば、山出さんのような金沢の生き字引とも言える傑出した人物から、我々はもっと教えを乞うべきなのかもしれません。特に、金沢歴が短い村山市長は、じかに何回でも教えを乞い、その経験や知恵を肌で感じ、現在や未来の金沢に生かすべきと考えます。今回の新たな都市像作成に当たって、歴代市長のまちづくりから何を学び、どういう点を取り入れたのかお聞かせ願います。 また、先般、文化芸術アクションプランの骨子案についての報告がありましたが、基本理念にはこのアクションプランの実践を通じて、20年先、30年先には世界から憧れを抱かれる文化都市となるよう取り組んでいくことが示されております。骨子案に示された4つの方向性の一つに活動環境の充実が掲げられ、関連施設には金沢21世紀美術館の魅力向上、金沢スタジアムを活用したスポーツ文化の推進などが明記されていました。歴代の市長に共通している文化の継承・発展について気になったことは、金沢市民芸術村です。山野前市長も一番好きな場所と語っていた金沢市民芸術村は、金沢の文化芸術活動の拠点として、山出市長時代の1996年、紡績工場跡地を再生し、開設した施設であります。今もなお文化芸術活動に親しむ多くの市民が利用しており、3年後には30周年を迎えます。1920年代に建造された紡績工場の建物を再生していることから、施設の老朽化も進んでいるのではないかと危惧しているところであります。村山市長の市民芸術村に対する思いと、30周年に向けて何か考えておられることがあればお聞かせ願います。 歴代の都市構想については、金沢の歴史と文化を基調としていることは共通していますが、それぞれ時代背景が全く違います。1990年の江川市長までは、好景気で人口も順調に伸びている時代でしたが、その後の山出市長の時代からは、不景気で人口減少の時代に突入しています。例えば、江川市長の時代までは、小学校や中学校がまだまだ増設されていきましたが、山出市長の頃には中央小学校や明成小学校のような学校統合が課題となりました。当然、今の時代は人口減少、
少子高齢化社会であり、税収もなかなか伸びず、課題が多い時代です。今回の都市構想は、10年後の金沢を見据えた都市像ということですが、文化というものを基調としている観点からも、10年先のまちづくりしか想像しないでいいのでしょうか。未来永劫とは言いませんが、現在の急激な人口減少や少子高齢化などの長期的な課題が多いこの時代において、少なくとも何十年先を見据えたまちづくりを志向するのが当然と考えますが、目標年次を10年先とした理由についてお答え願います。 私はこれまで述べた歴代市長に共通していることがあると思っています。それは前例がなく、困難であると思われたことにも挑戦していることです。例えば山出市長が行った金沢21世紀美術館の建設などはその代表ではないでしょうか。建設当時は伝統のまちに現代美術などふさわしくないと、かなり強い反対があったと聞いていますし、著書「金沢の気骨」の中で、「周囲の目は冷たく、私を嘲笑しているように感じました」と書かれているほどです。また、江川市長の卯辰山工芸工房開設の際は、金沢市出身でもない人間にもなぜ税金を渡さなければならないのかと内向きな批判も多かったと聞いています。村山市長は今回の新たな都市像策定においては、概念的なことがほとんどで、具体的な政策が示されていません。先ほど述べた市民芸術村のように具体的な施策が必要であります。来年早々には任期の折り返しにかかるこの時期、もはや親和力というような抽象的な言葉では事足りなくなります。前例がなくても、これぞ村山市長という政策とカラーをそろそろ出していかなければならないのではないでしょうか。現在、当初予算編成なども行われていると思いますが、任期の折り返しとなる来年度に向けた新たな取組や歴代の市長と違う村山カラーについて、最後にお聞かせ願い、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○高誠議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 21番喜多浩一議員にお答えいたします。 初めに、金沢職人大学校は、歴史に責任を持つべきまちとして、また、手仕事のまちとして、金沢がこれからも継承、発展していくために、たくみの技の継承と日本の伝統美を体得した職人を育てることを目的に、9つの業種の皆さんの御協力を得て公益社団法人として運営しているところであります。昨年度、全国の重伝建を有する自治体で構成される全国伝統的建造物群保存地区協議会の会長に金沢市長として就任いたしました。会長職として、加盟している自治体との意見交換の中で、歴史的建造物の修復に関わる職人が高齢化し、その後継者も各地区で不足しているというお話を聞く機会が増えました。そうしたこともあり、多都市からの視察先や研修先としての交流も増えてきております。私もかねてから職人大学校修了生の活躍の場を広げたいと考えていたところでもありました。まずは今年度、アーカイブ化している修了生及び講師陣の経歴や実績を発信することで、活躍の場を広げる支援をしてまいります。 伝統的建造物群保存地区などにおける歴史的建造物の保存・活用が今後ますます難しくなる中で、金沢職人大学校の役割はさらに重要になると考えております。多くの修了生が、学んだ技術を生かして活躍し続けるためには、全国への発信とともに、新たな需要の発掘など、将来を見据えた運営体制を構築していくことも重要であり、そのための組織の在り方を研究してまいりたいと考えています。 続いて、金沢市都市像の関係の御質問をいただきました。歴代の市長は、金沢の歴史や伝統、文化などの個性・魅力をまちの資産として捉え、それを磨き高めることで金沢の発展につなげてきたと理解しております。また、まちづくりの分野では、保全すべきエリアと開発すべきエリアを区分けし、都心軸においては市街地再開発事業等を推進する一方、ビルが立ち並ぶ後背地には、歴史遺産や用水、緑の空間が存在する金沢のすばらしい景観を維持・継承するなど、保全と開発の調和を図りながら、多面的かつ重層的な施策を展開してきたところであります。これらは世界に通じる金沢らしさの源泉であり、先人たちのレガシーとも言えます。こうしたまちづくりの文化を継承・発展させるとともに、時代の要請に合わせて変革していくことが私の使命であり、責任であると考えており、新たな都市像の策定に際しましても、ここに心を砕いたところであります。 市民芸術村に対しての思いについて御質問いただきました。私の母方の祖父は当該紡績所の出身であり、また、金沢ではありませんが、そのほかの地域で工場長をしておりました。そうしたことから、金沢の工場にも度々訪れたのではないかというように思っています。そうした中で、金沢市民芸術村、その跡地として活用された中では、非常に思いが強い場所であります。金沢市民芸術村は1996年開村以来、市民が運営主体となり、24時間・365日利用可能な施設として、市民の多様な文化芸術活動を支えてきた重要な拠点であり、私もふだんから利用させていただいております。施設の稼働率が高く、必要に応じて修繕工事を実施しながら、機能を維持してきたところでありますが、先般も夜間使用しているとなかなか気づかないんですけれども、昼間見てみると、建物とともに設備も含めて、これは近い将来大規模な改修が必要となるものと考えました。本市の現代建築レガシーにも位置づけられており、外観を維持しながらの改修に合わせて、新たな機能を追加できないか考えてまいりたいと存じます。 都市像の目標年次について、都市経営には常に超長期的な視野を持って進める必要があると考えておりますが、人口減少・少子高齢社会の進展をはじめ、人々の価値観の変化やDXをはじめとする情報通信技術の発展など、取り巻く環境の変化するスピードの速さを踏まえると、視点は20年先、30年先を見据えつつも、現実的な将来像を見据えることのできる、おおむね10年後を目標年次にして目指すべき姿を描くこととしたところでございます。現在、策定を進めている行動計画におきましても、都市像に合わせた計画期間とするとともに、環境の変化等に適切に対応していくため、毎年度時点修正をかけていくことで、都市像の実現を目指したいと考えております。 この都市像の実現に向けた行動計画の策定におきましては、明年度予算編成と連動させながら、具体の施策について検討を重ねているところであります。その中で、都心軸の再興に向けた都市再生特別措置法の活用や、持続可能なコミュニティーを支える基盤の強化に向けた金沢方式の見直しなどについて、新たな取組として盛り込んでいきたいと考えております。歴代市長とは市政を取り巻く環境は異なっているものの、これまでのまちづくりの文化を継承していくとともに、時代の要請に合わせ、変革させながら、福祉、環境、教育などの分野でも金沢独自の取組を探求し、新たなまちづくりの文化へと昇華させることで、世界の共創文化都市・金沢の実現を目指したいと考えてございます。 私からは以上です。
○高誠議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 教科担任制など、学校での働き方改革についてお尋ねがございました。初めに、小学校における教科担任制導入について、メリット・デメリットも含めてお答えさせていただきます。小学校で専科教員として理科を教えておりました私の経験からも、一つの教科に集中して、教科の系統性を踏まえて授業準備を行いながら、効率的かつ質の高い授業ができる点、また、担任などとともに多くの教員で一人一人の児童を多面的に理解し、指導に生かせる点、教科担任制を取る中学校生活へ順応しやすくなる点などが小学校での教科担任制のよさであると感じております。一方で、教科担任制では、同じ学年の複数の学級で同じ学習内容を指導することになりますが、学級ごとに児童の実態は異なりますことから、実態に即して教材・教具の準備を行うことや、指導方法を変えながら、その時間の目当ての達成に向けて授業を行うなど、専科教員の苦労は多く、そのことに対応できる優秀な教員の確保が重要であると私は思っております。 次に、いわゆる中1ギャップについて、生徒や保護者からどのような声が寄せられているのかとの御質問にお答えいたします。生徒からは、中学校入学後の学習負担の増加に加え、異なる小学校出身者間の人間関係や、部活動などでの先輩との関係などが中1ギャップにつながるとの声を聞いております。また、保護者からは、教科担任制によって担任の目が行き届かない時間が増え、子どもの変化に気づきにくくなっているのではないかという声をお伺いしています。そうした声を払拭するために、金沢型小中一貫教育の実践を通じて、これまで以上に小中学校間における連携強化に取り組んでまいります。 次に、意識調査の有無も含めて、教員は小学校の教科担任制に肯定的なのか、否定的なのかとの御質問にお答えさせていただきます。教員を対象とした小学校での教科担任制に関する意識調査は行っておりませんが、既に教科担任制が導入されている小学校の校長からは、教科の専門性が高い指導を受け、子どもたちの学ぶ意欲や理解度に向上が見られたことや、教員全体の1週間当たりの持ち時間数が軽減され、教員の負担軽減が進んだこと、複数の教員による多面的な指導・支援が可能になったことなど、おおむね肯定的な意見が寄せられていると認識いたしております。 次に、教科担任制の導入状況や今後の計画、また導入学校数についてもお答えいたします。石川県教育委員会による小学校での教科担任制の教員配置は、令和2年度から始まり、年々配置校が増えております。本市では令和5年度14校に配置されており、全ての学校で理科が選択されております。小学校での教科担任制は、さらなる教育の質の向上や教員の働き方改革の推進には有用であり、学校からの要望を踏まえながら、石川県教育委員会に配置の拡充を要望してまいります。 次に、タブレットの持ち帰りについてお尋ねがございました。本市の学習用端末の持ち帰り状況と紛失や破損などの状況についても併せてお答えいたします。学習用端末の家庭への持ち帰りにつきましては、夏季休業や冬季休業等の長期休業期間、子どもたちが自主的な学習を進めることができるように、学校ごとに期間を設定し、全ての小中学校で実施いたしております。それ以外の期間におきましては、学校全体や学年単位で週1回以上持ち帰りを行っている学校は、小学校で27校、中学校で5校であります。それ以外の学校におきましても、家庭学習などで学習用端末の使用が必要な場合は、積極的に持ち帰りを実施いたしております。なお、今年4月から10月までの間、学習用端末の紛失はございませんが、故障は652件あったと報告を受けております。 次に、学習用端末の持ち帰りに対する課題や解決に向けての取組についてお答えいたします。学習用端末の活用に当たっての課題といたしましては、文部科学省の通知にありますように、子どもたちが端末を扱う際のルールづくり、健康面の配慮、端末・インターネットの特性と個人情報の扱い方、トラブルが起きた場合の連絡や問合せ方法等の情報共有などがあると思っております。今後、学習用端末の日常的な持ち帰りをさらに推進していくために、保護者に対しましては、学習用端末を家庭学習で有効に利活用することへの理解を深めていきますとともに、学校に対しましては、校長会議や担当者連絡会等を通じて、発達段階に応じた情報モラル指導の徹底や授業と家庭学習を連動させた取組を周知してまいりたいと考えております。 以上でございます。
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△散会
○高誠議長 これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 次の本会議は、明日13日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後4時22分 散会...