金沢市議会 > 2023-12-11 >
12月11日-02号

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  1. 金沢市議会 2023-12-11
    12月11日-02号


    取得元: 金沢市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-11
    令和 5年 12月 定例月議会          令和5年12月11日(月曜日)-----------------------------------◯出席議員(37名)     議長  高  誠     副議長  中川俊一     1番  柿本章博      2番  坂 秀明     3番  山本ひかる     4番  黒口啓一郎     5番  川島美和      6番  道上周太     8番  高務淳弘      9番  喜成清恵     10番  大西克利      11番  山下明希     12番  坂本順子      13番  稲端明浩     14番  北 幸栽      15番  荒木博文     16番  上田雅大      18番  小間井大祐     19番  坂本泰広      21番  喜多浩一     22番  麦田 徹      23番  前 誠一     24番  広田美代      25番  熊野盛夫     26番  新谷博範      27番  下沢広伸     28番  清水邦彦      29番  粟森 慨     30番  玉野 道      31番  森尾嘉昭     32番  森 一敏      33番  源野和清     34番  野本正人      35番  久保洋子     36番  福田太郎      37番  横越 徹     38番  高村佳伸◯欠席議員(1名)     7番  宇夛裕基-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長        村山 卓   副市長       新保博之 副市長       山田啓之 教育長       野口 弘   公営企業管理者   松田滋人 都市政策局長    村角薫明   総務局長      川畑宏樹 文化スポーツ局長  東 利裕   経済局長      鳥倉俊雄 農林水産局長    山森健直   市民局長      紙谷 勉 福祉健康局長    山口和俊   こども未来局長   藤木由里 環境局長      加藤弘行   都市整備局長    坪田英孝 土木局長      坂本敦志   危機管理監     上野浩一 会計管理者     小村正隆   教育次長      上寺武志 消防局長      蔵 義広   市立病院事務局長  松矢憲泰 財政課長      佐野宏昭-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長      森沢英明 担当次長兼議事調査課長      議事調査課担当課長 安藤哲也           上出憲之 議事係長      中田将人   調査係長      今川良太 主査        桜田みどり  主査        前田和紀 主査        竹村太志   主査        辻 卓也 書記        奥井 駿   総務課長補佐    多田育代 主査        中村隆俊-----------------------------------◯議事日程(第2号)  令和5年12月11日(月)午前10時開議 日程第1 議案第57号金沢市手数料条例の一部改正について                        (提案理由説明、質疑) 日程第2 議案第38号令和5年度金沢市一般会計補正予算(第5号)ないし議案第56号河川の指定に関する意見について                               (質疑) 日程第3 一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件  議事日程(第2号)に同じ-----------------------------------     午前10時0分 開議 △開議 ○高誠議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ37名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △会議時間の延長について ○高誠議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議案上程 ○高誠議長 これより、日程第1議案第57号金沢市手数料条例の一部改正についてを議題といたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △提案理由の説明 ○高誠議長 市長から提案理由の説明を求めます。 村山市長。     〔村山 卓市長登壇〕 ◎村山卓市長 おはようございます。 ただいま追加提出いたしました条例案につきまして御説明いたします。 戸籍法の一部改正により、明年3月より、本籍地以外の市区町村でも戸籍証明書の交付が可能となるなど、複数の交付手続が追加されることを受けて、この6日に地方公共団体の手数料の標準に関する政令が改正されたことから、本市手数料条例の一部改正をお諮りするものです。 よろしく御審議、御決議のほどお願い申し上げます。 ○高誠議長 提案理由の説明は終わりました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議案上程、質疑・一般質問 ○高誠議長 これより、議案第57号についての質疑に入るのでありますが、議事の進行上、この際、日程第2議案第38号令和5年度金沢市一般会計補正予算(第5号)ないし議案第56号河川の指定に関する意見について、以上の議案19件も一括して議題とし、これらの質疑並びに日程第3一般質問を併せ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 34番野本正人議員。     〔34番野本正人議員登壇〕(拍手) ◆野本正人議員 おはようございます。 自由民主党金沢市議員会の一員として、質問の機会を得ましたので、以下数点質問させていただきます。 就任2年目を迎えた村山市長は、新しい都市像の策定、いしかわ百万石文化祭への対応、姉妹都市歴訪など、精力的に職務を遂行されてこられました。市長にとって、今年1年はどのような年であったでしょうか。今年を振り返っての所感、その思いを表現する漢字をまずお聞きいたします。 さて、本県では31年ぶりに開催されたいしかわ百万石文化祭2023が、先月、盛会のうちに幕を閉じました。言うまでもなく、国民文化祭は文化のみならず観光、国際交流、福祉、教育、産業など、幅広い分野と連動・連携し、地域の様々な資源を磨き高める国内最大の文化の祭典であります。44日間の会期中、本県の大きな個性である伝統芸能、伝統工芸から、革新的なデジタルアートまで、150を超える多彩なイベントが開催され、同時に行われた全国障害者芸術・文化祭と併せて、全国から来場された方々に大きな感動を与えました。本市においても、ふだん見ることができない皇居三の丸尚蔵館収蔵品展をはじめ、チームラボによる光のアート、金沢21世紀美術館におけるアウトサイダー・アート作品展など、子どもからお年寄りまで楽しめ、文化芸術の魅力を発信する数多くの事業が幅広く展開されたところであります。市長は、このいしかわ百万石文化祭を通じて、今後の市政運営にどのような成果が得られたとお考えでしょうか。所見をお伺いいたします。 大成功のうちに終了した今回の国民文化祭ですが、この高揚感を一過性のものとして終わらせることなく、さらに市民に根づかせていく活動こそが大切であります。例えば、地元で活動するクラシックなどの演奏家が、地域の公民館や学校に出向き、良質な音楽に触れる機会を提供する文化のアウトリーチ活動など、文化の裾野を広げる地道な取組の企画運営、支援拡充といった施策を求めたいと思いますが、お考えをお聞きいたします。 来年はたつ年であります。本市にとっても昇り竜のごとく飛躍する年になればと願うものですが、来年3月に任期の折り返しを迎え、「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」の実現を目指す市長に、国民文化祭で得た成果や経験をさらに発展させていく強い決意をお伺いし、この質問を終わります。 質問の2点目は、都ホテル跡地及び日銀跡地の問題についてであります。 民間シンクタンクブランド総合研究所」が10月に発表した都市の魅力度ランキングで、金沢市が過去最高の4位に入りました。鎌倉や神戸、横浜など、名立たる都市を上回り、昨年の8位から躍進したものであります。他の民間調査機関が実施する様々な都市ランキングにおいても、石川、金沢の順位が軒並み上昇しており、新幹線開業効果の大きさが改めて実感されます。市長はこのランキング結果をどのように受け止めておられるか、また、金沢がここまで全国区の人気を誇るようになった要因をどう分析されておられるのかをお聞きいたします。 その一方で、新幹線開業後に計画された過剰とも思えるホテル建設計画も、コロナ禍を受けて一部凍結または撤退された案件もあったとお聞きしており、コロナ禍からの回復や円安基調を受け、インバウンドを中心に急激に増加している観光需要に対し、その受皿が果たして十分なのかと危惧するものであります。特に、外国人観光客が多く宿泊すると思われる都市型ホテルをはじめ、本市宿泊施設の稼働率は現状どの程度で推移しているのか、今後の需給バランスの見込みと併せ、所管の局長にお尋ねいたします。 さて、今定例月議会開会日の提案理由説明において、市長は、金沢駅前の一等地において5年近く更地の状態が続いている金沢都ホテル跡地を念頭に、県の協力を得ながら、国の都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域制度を活用したいとの思いを述べられました。報道によれば、馳知事も前向きな姿勢を示し、協力の要請があれば県としての役割を果たしていくとのことであります。この土地に関しては、山野前市長時代から何度も近鉄グループとの面談を重ね、更地状態の解消や将来の在り方について、本市の要望を伝えてきた案件であります。村山市長や担当職員も、当然、土地を所有する近鉄不動産との交渉を続けてきたことと思いますが、今回の決断に至るまでの交渉の経緯及び近鉄不動産の現段階での開発意欲について、市長にお尋ねいたします。 私は、更地状態がこのまま放置されるのは、本市にとって極めてゆゆしき事態であり、その意味でも特措法の活用が選択肢の一つであることに賛同の意を表するものであります。特措法の趣旨に照らせば、今回の措置は、金沢駅東口から片町に至るエリアだけに適用される、ある種治外法権的措置であることはよく理解できますが、一方では、本市の景観条例や既存の近隣都市型ホテルとの関係など、まだまだ整理しなければならない課題も山積していると考えます。まず、この点についての市長の所見をお伺いいたします。 特措法を活用するにしても、地元市からの都市再生緊急整備地域への指定申請、準備協議会の設置、整備方針策定を経て、ようやく国が指定するという手続を踏むことが必要であり、事は急を要します。今月中には国への申請を進めていくとのことでありますが、何よりも市長の強いリーダーシップとスピーディーな対応が求められる事案だと認識します。国への候補地申請についての現状でのスケジュール感について、市長の御認識をお聞きいたします。 北陸新幹線県内全線開業が迫っている今、本市の玄関口でありながら、5年近く塩漬けになっているこの都ホテル跡地が、ようやく再生への一歩を踏み出しました。この土地及び金沢駅周辺地区全体の将来像について、今後10年を見据えた金沢市都市像との関連を含め、改めて市長のビジョンをお聞きいたします。 同じくさきの提案理由説明において、市長は、日本銀行金沢支店跡地について、取得を含め市としての責任を果たすと述べられました。10月に開催された日本銀行金沢支店跡地あり方検討懇話会においては、これまでの事例では、売却手続には移転後3年程度かかっているとの市からの説明に、各委員から驚きの声が上がったとのことであります。都ホテル跡地を引き合いに、早急に跡地取得の見通しを示し、具体策の議論を加速すべしとの意見が出されました。先般の懇話会では、当該地に求められる機能の基本的な方向性として、魅力・品格、回遊・交流、多様・滞留、文化・活動の4つのキーワードが示され、活発な議論がされたとのことであります。金沢市都市像との関連を踏まえたときにも、やはり文化のランドマークとしての位置づけが重要であると考えるものであります。目指すべき将来像として掲げられている「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」というキャッチフレーズを具現化する場所として整備することが、最適で最も理にかなっていると考えるものですが、市長の所見をお尋ねいたします。 日銀跡地については、金沢の心臓部に位置する場所であることから、一にも二にもスピード感が求められます。早急に利活用案を提示して、国・県に働きかけていくことが、本市行政トップとしての市長の責務だと認識するものであります。市長の強い決意をお伺いして、この質問を終わります。 質問の3点目は、第9回目を迎えた金沢マラソン大会についてであります。 10月29日の日曜日、第9回目を迎えた金沢マラソン大会が盛大に開催され、秋晴れの空の下、1万3,290人のランナーが城下町金沢を駆け抜けました。新型コロナの5類移行を受けて、沿道の応援も解禁、15万人以上の市民や関係者が途切れることなくランナーにエールを送り続ける姿に、私も胸を熱くした一人であります。マラソンブームとも言える昨今、全国で数多くの自治体マラソン大会が開催されておりますが、ランナー集めに苦戦する大会もあるなど、供給過剰との声も上がっております。一方で、我が金沢マラソンは、定員1万3,000人に対し、エントリー数は昨年より3,000人多い約2万7,000人を数え、2.4倍近くの抽せん倍率を誇っております。今回もゲストランナーとして多くのトップアスリートに大会を盛り上げていただきました。参加された皆様一様に、「途切れることのない応援にパワーをもらった」「金沢城や兼六園などの名所を巡るのが楽しかった」など、大会を満喫しておられる様子が伝わってきました。このように、大成功とも言ってよい成果を収めた今回の金沢マラソンですが、この成功の陰には、医療、介助、案内、警備など、金沢のコミュニティーの力に支えられた多様なボランティアスタッフの献身的な協力があったことは、決して忘れてはなりません。どの程度の規模のボランティアがそれぞれどのような業務に従事されていたのでしょうか、所管の局長にお聞きいたします。 主催者である村山金沢市長には、こうしたボランティアへの感謝を含め、今回の大会を総括してどのような感想を持たれたのでしょうか。さらには、金沢マラソンがここまで人気を集めている理由をどのように分析されておられるでしょうか、所見をお伺いいたします。 また、今回の大会では、沿道応援の解禁のほかにも、4年ぶりとなる海外ランナーの受入れ、おっかけ応援の復活など、幾つかの新たな試みも取り入れられ、800人を超える外国人ランナーが大会の盛り上げに一役買いました。大会前に市役所を表敬訪問された姉妹都市選手団への対応を一任された新保副市長に、海外からの参加ランナーが金沢マラソンをどのように評価して帰国されたのか、あわせて、この金沢マラソンを通じた海外都市との交流の盛り上がりを、今後の誘客促進にどのようにつなげていくお考えかをお聞きいたします。 さて、いよいよ来年は、節目の第10回大会であります。記念の大会を迎えるに当たり、国内外のランナーに選ばれる大会になるために、改良すべき課題は何か、また、来年の大会に向けて、どのようなサプライズを用意して臨まれるおつもりか、その一端を市長にお伺いして、この質問を終わります。 質問の4点目として、私のライフワークである本市の新しい交通システムについて幾つかお尋ねいたします。 私は、先般、金沢都市圏新交通導入議員連盟の視察で、8月26日に開通した芳賀・宇都宮ライトラインに試乗する機会を得ました。報道等でも大きく取り上げられておりますが、この芳賀・宇都宮LRTは、同地区の公共交通ネットワークの基軸となるものとして、構想以来30年の歳月をかけ、我が国初の全線新設により整備された新交通システムであります。事業費684億円のうちの約半分を国の補助で賄い、市町の負担は358億円となっております。黄色と黒を基調とした17両編成の低床式車両は、環境にも優しい再生可能エネルギーでの走行を実現し、乗り心地は極めて快適でありました。様々な開業記念イベントも開催され、驚くほど多くの人出によるにぎわいの創出は、まさに600億円以上とも言われる経済効果を実感させるものでありました。このライトラインの実現により、公共交通全体のネットワークも飛躍的に充実、バス路線の新設、地域交通・デマンド交通の接続、交通結節点の整備など、様々な波及効果を生み出し、まさにLRTがまちを変えることを実感したものであります。村山市長は、この芳賀・宇都宮ライトラインの開業について、どのような思いを抱かれておられるのでしょうか。年度内にもぜひ試乗して、肌感覚としてどのくらい多くの方が利用されているのか、まちはどう変わったのかを体感することで、ぜひ本市への導入についての具体的なイメージを描いていただきたいと願うものですが、市長の前向きな所見をお伺いいたします。 さて、提案理由説明において、市長は、鉄道としての存続が決定した北陸鉄道石川線の行政支援の在り方について、国の支援制度を迅速かつ最大限に活用できるみなし上下分離方式を採用したいという方針を示されました。この方式では、鉄道施設の所有権は交通事業者のままであるため、鉄道施設を自治体に譲渡し、交通事業者が運行を担う、いわゆる公設型上下分離方式より自治体の負担が軽減されるとのことであります。北陸鉄道石川線の廃止は、絶対にあってはなりません。北陸鉄道のさらなる経営努力を第一義としつつも、存続に向けたあらゆる選択肢を早急に比較検討していただきたいものと切に願うものであります。市長には、改めて北陸鉄道石川線の存続についての強い思いをお聞きしますとともに、両方式を比較した場合、本市や関係自治体の負担はどの程度軽減されるのか、両方式のメリット・デメリットは具体的にどのようなものがあるのか、所管の局長から御説明願います。 今、国において、一般ドライバーが自家用車を使って乗客を有償運送する、いわゆるライドシェアをめぐる政府の検討が進められております。現在、過疎地など交通の便が悪い地域に限定して認められている自家用有償旅客運送制度を活用し、適用地域の拡大、タクシーが不足する時間帯への対応などが主眼となっているようであります。海外では、スマートフォンアプリを通じて、乗客とドライバーをつなぐ仕組みが一般的ですが、日本版ライドシェアにおいては、利用者の安全確保や白タク行為の禁止との兼ね合いから、タクシー事業者が介在する仕組みを想定しているようであります。一方で、運転手の健康チェックや車両整備の責任体制をどうするかなど、まだまだ課題が多いというのが現状であります。神奈川県など都市部の幾つかの自治体や、県内では加賀市など、具体的な議論が始まっている自治体もあるようですが、本市においても金沢版MaaS推進の仕組みの一つとして議論されてはいかがでしょうか。賛成や反対のいろいろな意見があることは承知しておりますが、日本版ライドシェアについての市長の率直な所見をお聞きして、私の質問を終わります。(拍手) ○高誠議長 村山市長。     〔村山 卓市長登壇〕 ◎村山卓市長 34番野本正人議員にお答えいたします。 今年は長期化する物価高騰への切れ目ない対策を講じたほか、市政のあらゆる分野を上昇気流に乗せるべく、コロナ禍からの反転攻勢をかけ、地域経済の活性化にも全力で取り組んだところであります。特に、G7富山・金沢教育大臣会合やいしかわ百万石文化祭などの世界的・全国的なイベントを成功裏に終えたことで、世界から選ばれる都市としての階段を一段昇ることができたと考えています。また、今回お諮りする金沢市都市像の策定に当たりましては、暮らしの中に息づく金沢の文化を継承しつつ、時代の要請に応えながら変化していくために、あらゆる分野で金沢独自の取組を探求し、これを新たなまちづくりの文化へと昇華させたいとの私の思いを込めたところであります。こうしたことを踏まえまして、上昇気流、あるいは階段を一段昇る、新たなまちづくりの文化への昇華という中の「昇」という字で今年を表現したいと考えています。改めて今年1年の議員各位並びに市民の皆様方の御協力に、心より感謝を申し上げたいと存じます。 いしかわ百万石文化祭につきましては、全てのプログラムを鑑賞できたわけではありませんが、文化祭の期間中は市内各所で多彩な文化芸術活動が展開され、地域や世代、ジャンルを超えた交流の輪が広がるとともに、私自身も多様な文化を体感することができ、金沢にとってすばらしい機会をいただけたということに、百万石文化祭の関係者、出演の方々に対しましても感謝の気持ちでいっぱいであります。また、本市文化の魅力を広く発信するとともに、市民の皆様にとっても金沢の質の高い文化に触れることで、まちへの愛着と豊かな心を育むことができたのではないかとも感じております。 国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭が一過性のものとならないよう、文化芸術をもっと身近に感じられるような取組が必要であり、アーツカウンシル金沢において、地域への派遣やアーティストバンクを活用したマッチングなど、文化のアウトリーチ活動をさらに強化していきたいと考えております。同時に、アウトリーチ活動ができるアーティストの育成も重要と考えており、あわせて、活動の幅を広げられる環境につきましても、これまで以上に充実させていきたいと考えております。 今回の国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭で得た成果や経験を次の世代に継承し、次のまちづくりに生かしていくということが大変重要でございます。そのためには、文化を心の豊かさの醸成に生かすほか、未来へ継承していくためにデジタル技術を活用するなど、環境の充実を図るとともに、幅広い文化の発信に努めることで、本市が誇る文化水準をさらに高めてまいりたいと考えております。金沢が誇る文化の力を継承・発展させることで、全ての人々と共に心豊かで活力ある未来をつくり、世界の共創文化都市・金沢の実現を目指してまいります。 都市の魅力度ランキングにつきまして、指標を詳細に見てみると、訪れてみたいという指標がこれまでより上位にランクしたほか、住んでみたいのランクや食のおいしさの認知度も高かったようでございます。このことは、直接的には2015年の北陸新幹線金沢開業以来、今回改めて敦賀延伸で金沢のメディアの露出が増えたということが要因でありますけれども、本質的には先人たちが大切に引き継ぎ、磨き高めてきた歴史や伝統、文化とともに、都市景観やまちのたたずまいなどが全国の多くの人の関心を引きつけ、支持されたものと考えております。こうした先人たちが大切にしてきた文化を継承・発展させるとともに、これを好機と捉えて本物の文化の魅力を発信することで、都市のブランド力のさらなる向上に取り組んでまいります。 都ホテル跡地につきまして、平成30年12月に解体工事が完了してから、これまで幾度となく早期の開発を働きかけておりまして、令和4年8月には、私自ら近鉄不動産を訪問しまして、開発の方向性を早期に示すよう要請いたしました。その際、先方から、アフターコロナを見据えた金沢の玄関口にふさわしい開発に向けて、責任を持って進めたいとの意向を確認しております。今年4月以降、新たな都市像を策定するに当たり、中心市街地の活性化と、その骨格となる都心軸の再興について検討を進める中、民間開発の機運を高め、都心軸エリア全体の面的整備の促進につなげていきたいという思いから、都市再生特別措置法の活用を検討してきたところであります。こうした中、本年10月に、都市再生特別措置法の活用に向けて、法に定める役割を担う石川県に対し協力を要請するとともに、近鉄不動産に対し、この特別措置法を活用した開発の意向を確認したところであり、今月中にも、国に対し、特別措置法の活用に向けた準備段階となる候補地域の申請を行いたいと考えております。近鉄不動産に対しては、引き続き具体的なビジョンを早期に描くよう、働きかけてまいります。 都市再生特別措置法では、国から都市再生緊急整備地域の指定を受けることで、その地域内における民間開発事業等に対し、金融・税制上の支援措置が講じられるほか、既存の規制にとらわれず、自由度の高い計画を定めるということができる都市再生特別地区を設定することが可能となります。都市再生緊急整備地域の指定に際しては、産学官金で構成する準備協議会において、地域における開発の考え方や求められる機能などを掲げる地域整備方針を取りまとめる必要があります。その中で、これまでの景観政策との関係性を整理するとともに、本市のまちづくりの考え方を反映させていきたいと考えております。 現在、候補地域の申請に向けて国と協議を進めているところでありまして、年内にも申請できるものと考えております。その際には、速やかに議会に報告いたしたいと考えております。 まちづくりの規範である保全と開発の調和は、世界にも通じる金沢らしさの源泉であり、金沢らしさを継承・発展させるとともに、時代の要請に合わせ変革していくことは、首長の使命であり責任であります。私は、この金沢らしさを際立たせていきたいと考えております。金沢駅から武蔵ヶ辻、南町、香林坊、片町に至る都心軸沿線では、都ホテル跡地、金沢エムザの建て替え、日本銀行金沢支店跡地、片町再開発をはじめ、老朽ビルの再整備等の課題が山積しております。新たな都市像では、都市づくりをテーマとした基本方針となる「活力と個性があふれ、安全で持続可能なまち」におきまして、魅力あふれる中心市街地の活性化と、その骨格となる都心軸の再興を掲げたところであり、それを実現していくためにも、都市再生特別措置法を活用し、民間による早期開発を促してまいります。 日本銀行金沢支店の跡地について、あり方検討懇話会におきましては、「市民に愛される文化的活動の研さんと発表の場」「ランドマークとしては文化がキーワードになる」といった意見があったほか、市民アンケートにおきましても、「金沢の歴史・文化などの魅力や都市の品格・風格を感じられる場」とする意見を多くいただきました。それらを踏まえ、先般開催した検討懇話会でお示しした素案では、跡地に求められる機能の基本的な方向性の一つに、市民・観光客が文化に触れて楽しむことができる機能を盛り込んだところであります。また、周辺に多くの芸術文化施設や歴史文化遺産が集積している跡地の立地特性を踏まえると、共創文化都市・金沢の実現に資する文化的な機能は必要不可欠ではないかと考えております。 現時点において、日本銀行から跡地の売却時期は示されておりませんが、都市像に掲げる中心市街地の活性化や都心軸の再興はもとより、まちのにぎわい創出の観点からも、できるだけ早期に跡地の利活用を図る必要があると考えております。年明け早々にも検討懇話会を開催し、跡地に求められる機能の方向性を取りまとめていきたいと考えており、それを踏まえた上で、跡地の取得を含め、利活用に係る市としての責任を果たしてまいります。 金沢マラソンについて御質問いただきました。金沢マラソンの開催に当たりましては、ボランティアの存在が不可欠であります。今年もおもてなしの心でランナーに接していただきました。また、沿道応援や交通規制などに御理解・御協力をいただいた皆様方にも、改めて心から感謝を申し上げます。今年の大会は、4年ぶりに国外在住ランナーが参加するとともに、沿道応援の自粛を解除し、多くの市民に声を出して応援いただいたことで、ランナーとの交流も生まれ、相乗効果が図られるなど、お互いに満足度が向上するよい大会であったと思っています。金沢マラソンは、多彩な景観を満喫できるコース設定に加え、ボランティアの協力による円滑な大会運営の下、沿道で切れ目のない応援とともに、石川・金沢の特色ある食を楽しめる給食の提供などが、多くのランナーに支持されている理由であると考えております。 金沢マラソンには、これまでも定員を大きく上回る応募をいただいておりますが、今年の参加者の内訳では、40歳未満の方が26.7%、女性の方は23.4%にとどまっておりますことから、ランナーに選ばれ、持続可能なマラソン大会としていくためには、若年層や女性が参加しやすい環境づくりなど、新たな魅力づくりが必要であると考えております。また、ランナーやボランティアからのアンケートを基に、連携する各大学と協力し、経済波及効果とともに満足度や課題についても検証していくことにしております。なお、第10回の記念大会を彩る企画につきましては、ランナーだけでなく、市民・県民の皆様にも大いに楽しんでいただけるよう、様々な角度から検討しているところであります。 続いて、芳賀・宇都宮ライトラインであります。私も、先月乗車する機会がございました。比較的JR宇都宮駅から西部方向、東武宇都宮駅にかけてのところが繁華街として栄えている一方で、JR宇都宮駅から東の方向については、比較的閑散としているというようなイメージがありましたけれども、このたび伺った際に、駅の東口の開発が相当進んでいるなということ、また、交通の便としても非常によくなっているということから、開発の機運が高まっているように感じました。また、乗車中は揺れも少なく静かであり、案内サインや車体のデザインが統一されていること、分かりやすい公共交通として機能していたと感じております。本市でも、新しい交通システムの検討を行ってまいりましたが、まず、第1段階として、バスのサービス水準向上を図ることといたしました。宇都宮市の事例から学ぶべきは学びつつ、モビリティーハブの整備や連節バスの導入などの具体化を図ることで、利便性の向上と利用の促進に努めていくことが重要と考えております。 北陸鉄道石川線の存続については、地域にとって大量輸送機関は今後も必要であり、バスの運転手不足などを踏まえ、鉄道として存続させることを決定したものであります。本市としては、石川線を単に現状のまま存続させるのではなく、地域の財産として、利便性を高めることで、過度に自家用車に依存せずに暮らせるまちづくりを進めることが重要だと考えており、来月の法定協議会における特定事業計画の取りまとめに向けて、行政の支援策や利便性向上策などについて、沿線自治体や北陸鉄道と協議を重ねております。今回のプロセスを通じて、北陸鉄道をはじめ地域の皆様に改めて鉄道線の存在意義に目を向けていただき、石川線が残ってよかったと感じていただける計画にまとめていきたいと考えています。 最後に、ライドシェアにつきましては、スマートフォンのアプリなどを活用し、個人の自家用車の空き座席を他の利用者とシェアすることで、バスやタクシーなどの供給が不足している地域における新たな移動手段として議論されているものと理解しております。御指摘の日本版ライドシェアにつきましては、バスやタクシーなどの運転手不足が喫緊の課題となっている中で、MaaSの取組として、利用者や事業者が利便性を享受できる可能性を持ち合わせているという一方で、安全性の確保などについて解決すべき課題も多いと承知しております。現時点におきましては、期待感を持って、国における議論を見守りたいと考えております。 以上です。 ○高誠議長 新保副市長。 ◎新保博之副市長 金沢マラソンに関しまして、海外との交流や誘客促進についてお尋ねがありました。今年は4年ぶりに海外ランナーを受け入れ、5つの姉妹都市から9名のランナーが出走いたしました。ランナーからは、「沿道で温かい応援を受けて感激した」「金沢のまち並みがすばらしい、また走りたい」との声のほか、同行された方からも、「走る人も応援する人も楽しめるすばらしい大会」と、高い評価をいただいたところでございます。金沢マラソンは、海外誘客の有力な手段として、海外の旅行博や旅行会社にも発信しているところであり、ランナーや同行者には、大会前後の滞在も満喫していただくことで、リピーター層の獲得にもつなげていきたいと考えております。今後とも海外からの誘客を促進するため、金沢マラソンはじめ金沢の魅力を発信してまいります。 ○高誠議長 鳥倉経済局長。 ◎鳥倉俊雄経済局長 金沢市の宿泊施設の稼働率の現状と、それから需給バランスの見込みについてお答え申し上げます。本市全体の宿泊施設の稼働率を把握することは難しいことではございますが、一部の都市型ホテルからの聞き取り調査におきましては、本年11月の稼働率は8割を超えておりまして、コロナ禍前の水準まで回復しておりますが、冬の稼働率については6割程度にとどまっておりますことから、1年間を通じて、季節や曜日による稼働率の変動が大きい状況にあるというふうに認識しております。今年に入り、インバウンド需要は大きく回復しておりまして、引き続き冬季や夜間の旅行商品の充実を図るとともに、北陸新幹線金沢-敦賀間の開業を契機に、国内外の誘客プロモーションに積極的に取組を行いまして、年間を通じた宿泊者数の平準化を図ってまいりたいと考えております。 以上です。
    ○高誠議長 東文化スポーツ局長。 ◎東利裕文化スポーツ局長 金沢マラソンのボランティアについての御質問にお答えいたします。大会の前日までに、ランナーへの配布物の封入、ランナー受付の会場誘導やアスリートビブスの引換え等、約890人のボランティアの皆様に従事いただきました。また、大会当日においては、スタート会場の誘導や手荷物預かり、コース上における走路沿道整理や給水・給食の提供、フィニッシュ会場でのランナーサービスなどに約4,230人、さらに、歩行者の沿道整理等として、約60人の街頭交通安全推進隊が従事されましたほか、救護所やAED隊として約400人の医師・看護師等の医療関係者にも御協力をいただくなど、延べ5,500人を超える皆様に支えていただいたところであります。 以上です。 ○高誠議長 村角都市政策局長。 ◎村角薫明都市政策局長 北陸鉄道鉄道線の存続に係る2つの方式についてお尋ねがございました。2つの方式を比較した場合、土地や鉄道施設等の保有や維持管理に係る費用は同程度でございますが、みなし上下分離方式につきましては、土地や施設などの譲渡を伴わないため、公設型上下分離方式よりも早期に国の支援を受けて、車両・施設の更新や利便性向上策に取りかかることができますほか、施設の維持管理は、そのノウハウや人材を有する北陸鉄道が引き続き行うといった利点があるというふうに考えております。 以上でございます。 ○高誠議長 13番稲端明浩議員。     〔13番稲端明浩議員登壇〕(拍手) ◆稲端明浩議員 発言の機会を得ましたので、公明党金沢市議員会の一員として質問させていただきます。 11月20日、公明会派として、国の総合経済対策に対する迅速な対応を求め、市長に要望させていただきました。特に、住民税非課税世帯への7万円給付の執行については、今定例月議会初日に議案が可決され、物価高騰の影響を最も受けている皆さんに対し、年内の給付がなされることは喜ばしいことであり、迅速な対応に感謝申し上げます。総合経済対策による1人4万円の定額減税の効果を受け切れない世帯については、今後示される方針に従い対応するものとなるようです。この対応についても、子育て世帯への給付を含め、年度内の執行を要望したところです。このうち、子育て世帯への給付が、今定例月議会において、18歳以下の子ども1人に1万円を給付する子育て世帯年度末支援臨時給付金として、いち早く上程されました。これまで市長は、多子世帯や障害のあるお子さんのいる世帯に対する支援を行ってきましたが、今回、所得制限なしに18歳以下の子ども全員に1人1万円を給付することにした理由及び支給の時期と方法について伺います。また、転入者に対しての給付をどうするのかも併せて伺います。 これまで、子育て世代の方などから、市長は子育てにあまり関心がないのでしょうかと度々聞かれることがありました。そんなことはありませんよと答えていますが、今回の施策のおかげで少し説得力が増したと思います。そこで、今回の総合経済対策における子育て世帯への給付は、今回1回限りなのか伺います。 次に、国の総合経済対策の重点支援地方交付金を活用した物価高騰対策についてお伺いします。今回、介護や障害などの福祉施設に対する食材費補助も要望させていただき、これも議案として上程されました。福祉施設への食材費補助は、これまで行ってこなかった施策であります。ある介護施設の理事長さんからは、食材費の高騰が続き、みそ汁の具材さえもお粗末にならざるを得ず、さらには食事代の追加料金もお願いせざるを得ないとお聞きしています。今回のこの施策を提案された理由をお聞かせください。また、本市として、福祉施設の経営状態の認識と、今後もこのような支援を継続する可能性があるのか伺います。 次に、中小企業電気料金等高騰特別対策費として、企業向けの電気・ガス代の支援が5月まで延長されたことについて伺います。6月の本会議でも、工業用高圧ガスに加えて、LPガスについても支援が必要ではないかとお尋ねしました。市長からは、県がLPガスの高騰分の助成を行うため、市として補助は考えていないとの答弁がありました。確かに、LPガスの価格は原価の変動にシビアに連動するものではありませんが、飲食業などの一部の業態、例えばうどん屋やラーメン店など、LPガスをよく使う店舗においては相当の負担が生じているとの声をお聞きします。個人営業の飲食店においては、原材料や経費の高騰を逐次価格に反映することが難しい面があります。いま一度、LPガスを使用している事業者に対して、使用量の条件をつけてでも支援ができないのか伺います。 次に、新しい都市像について伺います。 定例月議会に先立ち、市長は、新しい都市像の策定について、目指すべき将来像である「未来を拓く世界の共創文化都市」に込めた思いを、議会に対して語られました。しかし、行動計画が示されない中では、将来像と施策、そしてその効果がなかなか連動せず、都市像が分かりにくいとの声に、いまだ十分には応えられていないのではないかと感じます。まちづくりの理念が市民と共有されなければ、都市像の具現化は難しいと考えますが、今後どのようにしてこの溝を埋めていかれるのか、市長のお考えを伺います。 とりわけ本市の職員に対しても、都市像の理念や市長の思いが理解されなければなりません。新しい都市像が示されても、職員のマインドは従来どおりで、仕事が何も変わらないとなれば、目標の達成は難しいと考えます。その意味からも、まず職員の皆さんにこそ目指すべき都市像を徹底して理解していただくべきと考えますが、職員との理念の共有とその方法について、市長にお考えを伺います。 次に、市長はこれまでも、本会議における都市像の質問に対して、重要業績評価指標--KPIを導入し、施策の効果を上げていきたいと答弁されています。そこで、KPIの活用について、以下伺います。KPIは、施策に対する達成度合いを数値で示すものと理解していますが、達成しやすい目標にすれば見かけの数値はよくなり、厳しいものにすると評価が下がり、また、職員のモチベーションを下げてしまうことにもなりかねません。市長はKPIの設定をどのように行うべきとお考えか伺います。 次に、タブレットに入れてあります資料1を御覧ください。これは、総務省のホームページにある目標管理型政策評価のロジックモデルです。ロジックモデルは、目標を達成するために必要な要素を体系的に図式化し、事業計画と評価計画を策定するために用いられるものです。KPIは、この図の中の産出--初期のアウトカム、初期成果に当たると思います。行政評価は、初期成果から中期成果、そして最終成果につなげることによって、当初の目標が達成されるとの認識が大切です。その意味から、KPIで示された初期成果の数値には、どのような意味があり、どのような変化や成果をもたらしたのかを検証し、さらに目標達成に向け、どのようにつないでいくかを可視化することが重要であると考えます。そうでなければ、議会としても、次へのアクションに対する評価と判断はできないと考えます。市長は、新しい都市像の施策の推進に当たり、KPIをどのように活用し、目標達成につなげていくべきと考えておられるのか伺います。 また、KPIによる効果を上げていくためには、評価実施自体の目的化、活用されない評価結果、迅速な見直しの困難さなどの課題があるとされています。総務省のホームページに、地方公共団体への評価手法等の情報提供等の支援に関する調査研究という報告書が掲載されています。タブレットの資料2を御覧ください。ここには、KPIを活用し、目標を達成するため、PDCAサイクルを回す上でのC--チェックの問題点と要因、そして、対策が整理されています。この表にまとめられた5つの問題点が生まれる要因を見ると、職員の目的意識の不足、評価結果の目的が不明確、指標が適切でない、適切な目標設定がなされていない、達成が容易な目標を設定している、評価すること自体が目的化し、評価結果に基づき積極的に施策・事務事業の改善・見直しを行う重要性が所管部門に理解されていない、職員の余力が不足、政策評価等の知識・スキルのない外部評価者が評価することで、活用できない評価結果が示されるなどの指摘がなされています。本市においても、KPIを活用する際に、このような要因はないのでしょうか。市長は、この報告書にある課題とその要因を踏まえ、KPIを活用した施策推進に対する課題にどのように対応していかれるのか伺います。 私は、議員になり、市民相談を受けたときなど、本市の施策や対応について、職員の皆さんからの返答や報告に違和感を覚えることがあります。それは、制度はあります、やっています、していますという返答が多いことです。やっているのなら、なぜ市民の方は困ったと言って相談に来られるのでしょうか。制度があっても、使われていなければ、ないのと同じではありませんか。やっていても、何もしてもらえないと言われるのであれば、していないのと同じではありませんか。もちろん行政の支援にはルールがあり、公平・公正な対応が求められます。それを差し引いても、報告というものは、やってみてどうだったのか、そこから生まれた成果と課題は何か、次はどうするべきかを述べることが報告であるという認識の私にとっては、今でも、やっていますだけの返答や報告には違和感を覚えます。そのような報告や対応をする方ばかりではありませんが、基本的に市役所の中には、さきに示したロジックモデルのように、初期成果が生み出す様々な成果や変化、そして、その状況を分析する多様な意見を踏まえながら目標を達成するという文化がない、もしくは問題解決のためのそういうプロセスが根づいていないのではないかと思います。このようなことが常態化しているとすれば、総務省の報告書にあったとおり、施策達成の指標であるKPIは、容易に手段から目的となり、本来の目標達成は難しいものとなると考えます。まずは、このような市役所の中の文化を変えていただきたいと思いますが、市長の御所見を伺います。 次に、今後示される行動計画や具体の施策立案における客観的な指標として、内閣府のRESASで提供されている地域経済指標の活用について伺います。経済施策においては、国や県が主たる役割を担っており、かつ財政規模からも基礎自治体の施策は限定的なものにならざるを得ない部分があると思います。そのため、少ない財政規模で経済活動を活性化させるためには、地域経済の循環がよくなり、稼いだお金が地域外に漏れることが少ない経済状態をつくっていくことが大切であると考えます。この地域における経済状態が簡潔に示されているものが、RESASで提供されている地域経済循環図です。また、本市の経済の実態を見ることができる産業連関表をはじめとした様々な情報も、RESASで提供されています。本市で生み出した付加価値がどのように生み出され、市外へどのような形でどれくらい流出しているのかを見た上で施策につなげることが、今後さらに重要になると考えますが、市長の御所見を伺います。 私たちが日頃感じる経済の動きと、実際の数字が違うことはよくあることです。例えば2013年、2015年、2018年の地域経済循環図を比較すると、民間消費における地域外からの流入、つまり市外から観光客などが本市で消費する金額は、北陸新幹線開業前の2013年には1,458億円、金沢開業の2015年には1,621億円と、163億円増加しているものの、コロナ禍前、開業から3年目の2018年には1,440億円となり、2013年より18億円少なくなっています。自分の目に映る観光客の増加と、地域外からの民間消費額の間に意識のずれを感じました。これでは、にぎわっているが、潤ってはいないとも言えます。理由については簡単には分かりませんが、このような意味からも、数字による経済の動きを分析することが、施策の効果を上げるためにも必要ではないかと思います。そこで提案ですが、観光施策にRESASの情報を活用してはどうかと思います。本年3月に、金沢SDGsツーリズム推進事業者が認定されました。これは、サステーナブルツーリズムを定着させる試みとして、観光に関わる事業者が地域を発展させるための事業としてのスタンスをつくっていくものです。観光に使われたお金が地元にしっかりと還元される、観光での交流を通して地域の文化がさらに発展していくような観光をつくっていくものと理解しています。この取組にRESASの情報を活用してみてはいかがでしょうか。市長の御所見を伺います。 最後の質問は、特別支援教育についてです。 昨年9月、国連による障害者権利条約対日審査が行われました。特別支援教育については、障害のある子どもたちを分離した特別支援教育や、医療に基づく評価により、障害のある子どもたちが通常の教育にアクセスしにくい状況が生まれていると懸念が示されたところです。これに対して、文部科学省は、障害のある子どもたちの幼児期における一貫した支援の重要性を強調。また、2013年学校教育法施行令の改正により、障害のある子どもの学校選択については、本人や保護者の意見をできる限り尊重し、地方教育委員会が総合的に検討・決定する新たな枠組みを構築しており、国連の指摘は当たらないとしています。本市では、令和3年に、第2次金沢市特別支援教育指針が策定されています。この指針の後に行われた国連の対日審査による勧告をどのように受け止めているのか、また、本市の第2次指針に変更すべき点はあるのか否か、さらに、特別支援教育の必要性や有意性についての教育長のお考えを伺います。 加えて、国連の勧告では、障害のある子どもについて、母子保健法による早期発見・早期教育システムが、障害のある子どもたちを診療を通じて社会的隔離に導き、地域社会や包括的な生活の展望を妨げているとの指摘もありました。第2次指針では、幼稚園・保育園・認定こども園、小中高等学校、特別支援学校等の連携による一貫した支援がうたわれています。発達障害の子どもの早期発見・早期教育の仕組みについても、その必要性や有意性についての認識を伺います。 先日、自閉症スペクトラム者同士の小集団活動の意義についてというセミナーに参加しました。この小集団活動は、文科省の支援事業として行われたものです。その中で気になった点がありました。自閉症スペクトラムの子どもが友人づくりを意識する年齢は定型発達の児童より遅く、中学・高校になってからだと、小集団活動の実績を踏まえて紹介されていました。現行の特別支援教育では、小学校では定型発達の子どもと一緒に地域の学校に通っていても、中学になると、学業についていけないなどの理由から、特別支援学校に通うことになるケースが多いと思われます。しかし、これでは本人が友達づくりを意識し始めた頃には、障害のある生徒との交流しかなくなります。社会に出て自立する上で、定型発達の友人がいることはとても大切なことであると思うとともに、これまで受けた市民相談の中で、災害時には地域の同世代の友人がいることが、安心感を生むことにつながると話された保護者の方もいらっしゃいました。これらのことからも、中学・高校におけるインクルーシブ教育こそ必要なのではないかと思いますが、この点についてどのように考えているのか伺います。 次に、学習障害のある児童・生徒の支援について伺います。今年2月、本市以外にお住まいの学習障害のあるお子さんをお持ちの保護者から、高校受験における相談を受けました。学習障害は、パソコンを使うことで授業における障壁を取り除ける効果があることはよく知られています。このお子さんも、中学の先生が理解のある方で、パソコンを活用して授業が受けられるように努力していただいたとのこと。その成果が出て、不登校を克服し、第1志望校にA判定が出るまでになったそうです。しかし、高校入試直前になって、受験時にパソコンが使用できない旨の返答があり、困惑しているとの相談でした。その後、二転三転した挙げ句、受験時のパソコンの使用が許可され、無事第1志望校に合格することができました。二転三転した理由は、パソコンを使用した受験に前例がないこと、また、パソコン受験に関して明確な基準がないことのようでした。本市における学習障害の児童・生徒の授業中の支援はどのようになっているのか、また、高校受験に際しての県教育委員会との連携はどうなっているのか伺います。 学習障害は、専門とする医師が多くはなく、新規患者の受入れも難しい状況があり、また、教育現場での指導スキルも十分でないとお聞きしました。ただ、学習障害はそのタイプによって指導方法も違い、現場の教員任せでは成り立たないと思います。学習障害の児童・生徒に対する指導力向上や適切な相談の強化に取り組んでいただきたいと思いますが、教育長にお考えをお伺いし、私の質問を終わります。(拍手) ○高誠議長 村山市長。     〔村山 卓市長登壇〕 ◎村山卓市長 13番稲端明浩議員にお答えいたします。 初めに、物価高が長引く中、これに最も切実に苦しんでいる低所得者への緊急支援につきまして、さきに議決いただきまして、実施することといたしました。今回お諮りしております子育て世帯年度末支援臨時給付金は、さきの低所得者への支援の対象にはならない世帯を含めた全ての子育て世帯に対し、進学や進級などで出費がかさむ年度末における経済的負担の軽減を図るため、児童1人当たり1万円の給付金を支給するものであります。市としては、国が実施する明年度の定額減税につなぐ切れ目のない支援として、本臨時給付金を支給することといたしました。 なお、現在、国において、低所得の子育て世帯に対し、給付金の追加給付を検討しておりますことから、今後の対応につきましては、まずは国の動向を注視してまいります。 福祉施設に対しましては、コロナ禍での利用控え等の影響に加え、昨年来のエネルギー価格高騰により、大変厳しい経営状況にありますことから、これまで光熱費への支援を行ってまいりました。今般、国から地方自治体に対し、安定した福祉サービスの提供のため、給食などの食材料費への支援の要請がありましたことから、その費用の一部を助成することといたしました。昨今の物価高騰に係る影響等につきましては、臨時的かつ限定的なものとして、国の交付金を活用し、本市が支援を行うものでありますが、本来は福祉施設等の運営費用については、介護報酬などで必要な措置が行われるべきであるものと考えております。今後の国の動向を注視してまいります。 工業用LPガスにつきましては、家庭業務用LPガスと比較して、1契約当たりの使用量が非常に多く、エネルギー価格高騰の影響を大きく受けていることから、県の支援金に上乗せ支給を行っております。家庭業務用LPガスにつきましては、引き続き経済的な影響の多い生活保護世帯や、要介護度の高い高齢者等のいる世帯に対する本市独自の光熱費高騰対策を講じているほか、県においても、料金負担の軽減策を継続すると聞いております。現時点でこれ以上の支援を行うことは考えておりません。 都市像につきましては、昨年度、シンポジウムやワークショップ、地域関係団体との意見交換会などの開催を通して、市民や多様な主体から多くの声をお聞きするとともに、本年度、有識者や若い世代などで構成する検討委員会や、庁内横断の策定本部で協議を重ね、取りまとめたところであります。将来像とした「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」の副題を、「すべての人々と共に、心豊かで活力ある未来を創る」としたように、その実現に向けては、市民の理解と協力は不可欠であることから、明年2月に取りまとめる行動計画の策定に当たり、できるだけ分かりやすく具体の取組をお示しするとともに、都市像の理念や実現にかける思いを様々な機会を捉えてお伝えし、市民の皆様と共有してまいりたいと考えております。     〔議長退席、副議長着席〕 この都市像策定に向けた庁内策定本部では、市長・両副市長の下、教育長及び全局長が参画し、協議を重ねたところであります。その際、幹部職員のみならず、若手職員からも意見を聞くように指示しておりました。10年に一度の大きな計画をつくる大きな議論をする場であるということ、さらに、若手職員の育成とともに、若手職員の意見も取り入れた将来像をつくりたいという思いを持ちました。そして、協議内容等につきましては、全庁的に共有するよう努めてきたところでありまして、策定時点からの共有を図ってきたところであります。今後、庁内策定本部において取りまとめる行動計画におきましても、同様に進めているところであります。その実践に当たっても、都市像に掲げる理念や目標などをしっかり共有しながら、全庁一丸となって取り組んでまいります。 KPI--重要業績評価指標を設定する効果といたしましては、施策の達成状況を可視化できるというほか、PDCAサイクルを通じて見直しや改善を図ることで、より効果的に施策を推進するとともに、目標を共有することで、職員や組織のモチベーションの向上にもつながると認識しております。そうした観点からも、KPIの設定に当たりましては、そうした効果を損なうことがないよう、行動計画に掲げる施策との関連性や、また、将来あるべき姿を見据えた上で、そこから遡って考えるという形で、適正な目標値を設定してまいりたいと考えています。なお、その達成が難しい状況となった場合につきましては、必要に応じて施策の見直し・改善を図るほか、人員等の体制を強化させることで、目標の達成を目指してまいりたいと考えております。 行動計画につきましては、計画の透明性を確保し、説明責任を果たすため、毎年度KPIの達成状況等を把握・検証することとしております。その結果に基づき、社会情勢の変化にも適切に対応しながら、多様化する市民ニーズを踏まえ、効率的・効果的な計画管理を行うため、必要な施策の追加や見直しを行うこととしており、その実践を通じて都市像の実現を目指してまいります。 KPIの活用に関する御意見をいただきました。少子高齢化の進展、生産年齢人口の減少、住民ニーズの多様化・複雑化など、市政を取り巻く環境が大きく変化する中にありまして、施策の的確かつ効果的な推進に取り組んでいくためには、目標を共有することはもちろんではありますが、人材育成による組織力の強化をはじめ、適正な人員配置、施策の選択と集中などにより、より効率的な行財政運営を行うことが必要と考えております。仰せの課題につきましても、こうしたことに注力しながら対応してまいります。 職員の職務に向かう姿勢についての御質問もいただきました。これは、施策の求める方に対してどのように伝え、広報していくかという根本的な大きな課題とともに、職員の人材育成というところの課題があるというふうに考えております。施策の実施に当たりましては、常に成果がどうであったか、また、成果が十分でなかった場合にはその理由を分析し、改善につなげていく視点が重要であると思います。他方、市民の方々からの相談に対しましては、相手の立場に共感し、寄り添った上で、課題解決に向かう姿勢が必要と考えております。未来を予測しにくいという時代の中で、多様な行政サービスを展開していくためには、職員個々の能力を最大限に発揮し、市役所全体の組織力を底上げすることが一層求められております。様々な自治体を経験した立場、あるいは私も副市長として着任する前に着任していた副市長たち、先輩方からも話を聞いている中では、金沢市の職員は非常に優秀だという話もあります。一方で、そういったことを前提にもしながらも、研修の実施、人事評価などの人材育成を通じて、職員の意識改革にも取り組んでまいらないといけないと考えております。 RESASについて御質問いただきました。RESASによる地域経済循環図によりまして、その地域の生産・分配・支出の流れを把握することは、経済施策を検討する上で参考になると思っております。本市としては、こうした情報を踏まえまして、最新の経済情勢を反映した日本銀行の北陸短観調査、あるいは北陸財務局の経済調査などの各種指標に加えて、経済団体や市内の事業者などの生の声を聞きながら、効果的な経済施策の立案や執行に努めているところであります。 効果的な観光施策の立案につきましては、旅行者の動向や観光市場の分析は非常に重要であります。本市では、RESASの観光マップに示される情報のほか、JNTO--日本政府観光局や県などが保有する最新のデータ、また、本市が独自に行うアンケート等の結果を踏まえて、施策の現状や効果を継続的に把握・分析しております。これらを踏まえ、先般の本市の持続可能な観光振興推進計画における数値目標として、国内あるいは国外からの双方の旅行者の観光消費額などを設定しているところであります。 最後に、特別支援教育につきまして、本市では、乳幼児健診や幼児相談室での発達相談、また、保育施設などでの巡回専門相談や統合保育の実施など、発達障害のある子どもに対して乳幼児期から早期対応に努めるとともに、就学前からの教育相談や、小中学校においても専門家による巡回相談を実施するなど、学齢期においても適切に支援させていただいております。子どもの発達の特性に合わせて、早い段階からの正しい知識や適切な関わりを支援することは、非常に重要であると考えております。幼児期から学齢期にかけて切れ目のない相談支援を充実させることで、養育者の不安解消と対象児童の適切な育ちにつなげてまいります。 私からは以上です。 ○中川俊一副議長 藤木こども未来局長。 ◎藤木由里こども未来局長 子育て世帯年度末支援臨時給付金につきまして、支給の時期と方法などの内容についてのお尋ねでございますが、今補正予算の議決日を基準といたしまして、速やかに準備に取りかかります。まずは、児童手当や医療費助成の対象となる児童を養育する世帯に対しまして、申請の要らないプッシュ型で、2月下旬に支給いたします。また、明年2月29日までに生まれる新生児や、市外からの転入児童も支給対象とし、これら世帯には、手続に訪れる市民課や市民センターの窓口におきまして制度を案内し、申請に基づきまして2月下旬から順次支給する予定でございます。あわせて、市公式LINEやホームページ、新聞広報等でも広く周知していきたいと考えております。 以上です。 ○中川俊一副議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 特別支援教育について御質問がございました。初めに、国連の障害者権利委員会からの勧告等について御質問にお答えいたします。国連の障害者権利委員会の勧告は、全ての障害のある児童・生徒に対し、通常の学校を利用する機会の確保等を要請したものであり、その趣旨につきましては尊重し、真摯に受け止めております。このことを踏まえ、本市では、金沢市特別支援教育指針の基本方針に、インクルーシブ教育の視点に立ち、児童・生徒とその保護者の自己決定と選択を尊重することを掲げ、選択した学びの場において、ニーズに応じた多様で細やかな学びを深めることができるよう取り組んでいるほか、障害のある子どもと障害のない子どもが可能な限り同じ場で学ぶための環境整備を図っております。加えて、特別支援教育支援員や医療的ケアのための学校看護師の派遣など、関連施策の充実にも努めており、引き続き特別支援教育の充実を図ってまいります。 次に、中学校・高等学校におけるインクルーシブ教育についての御質問にお答えいたします。障害のある子どもたちにとって、地域における同世代の友人の存在は、子どもたちの社会的な自立につながることから、そうした友人づくりを意識し始める中学校や高等学校におけるインクルーシブ教育は、より重要だと認識しております。これまでも中学校では、障害のある子どもと障害のない子どもが良好な関係性を築きながら、交流授業等で共に過ごし、学んでいる様子を、また、市立工業高等学校におきましては、障害の有無にかかわらず同じ環境で共に学んだり、部活動に参加したりしている様子を、学校訪問の際に多く目にしてまいりました。このように、中学校で築いた子どもたち相互の関係性が、卒業後も継続していくことができるよう、進学先の高等学校へ子どもたちの様子を適切に引き継ぐとともに、インクルーシブ教育に係る保護者や地域との連携につきましても意を用いてまいりたいと考えております。 次に、本市においての学習障害のある児童・生徒への授業中の支援と、高校受験に際しての石川県教育委員会との連携についてお答えいたします。本市では、学習障害の診断やその疑いのある児童・生徒への支援につきましては、本人や保護者からの要望を聞き取った上で、校内委員会において支援内容を検討しております。具体的な事例として、読み書きに困難がある児童・生徒には、教科書へのルビ振りや書く量の軽減、学習用端末による音声教材の活用などを行っており、効果的な支援となっていると認識いたしております。また、学習障害等、特別な配慮が必要な生徒の高校受験に当たりましては、石川県公立高等学校入学者募集要綱に基づき、配慮すべき具体的な事項を確実に申請することや、対象生徒が受験の際に本来の力を十分発揮できるよう、検査の受け方等についてしっかり理解できるよう、各学校に対し指導・助言を行っております。今後とも高校受験に際しましては、特別な配慮等が必要となる生徒に関しましては、石川県教育委員会と情報共有を図ってまいります。 最後に、学習障害の児童・生徒に対する指導力の向上について御質問がございました。特別な配慮や支援を必要とする児童・生徒に対しましては、教職員がその特性について理解を深め、一人一人の教育的ニーズに応じた支援を行えるよう、校内支援体制の充実を図っておりますほか、教職員研修におきましては、特別支援教育に関する研修を拡充することに加えて、学習障害のある児童・生徒一人一人の特性に応じた支援について、学校でいつでも何度でも学べるよう、今年度もオンデマンド動画配信による研修も実施いたしております。明年4月、特別支援教育サポートセンター(仮称)が開設され、併設される芳斎分校におきまして、より実践的な教育研修を行うほか、現在、教育プラザで行っている教職員や保護者に対する就学相談業務を移管し、専任職員を配置することといたしております。学習障害や特別な配慮や支援を必要とする児童・生徒のために、これまで以上に教職員の指導力向上と相談支援の充実に取り組んでまいります。 以上でございます。 ○中川俊一副議長 32番森一敏議員。     〔32番森 一敏議員質問者席へ移動〕(拍手) ◆森一敏議員 みらい金沢の一員としまして、以下数点にわたって質問いたします。 まず、第1点目、金沢市の都市像「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」についてお伺いいたします。 まず、自治体像です。本市は、市民にとっていかなる存在となろうとするのか、これが問われていると思うのです。憲法第92条には、地方自治の本旨が明記されておりますが、市長はこの意義をどのように解釈されておられますか。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 憲法でうたう地方自治の本旨とは、地域のことは地域住民が主体的に決めるという住民自治と、国から独立した団体がその責任において事務を処理するという団体自治、この両面における自治を地方自治体が確立することであり、地方自治の基本原則であるというように理解しております。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 この基本原則はそのとおりだと思います。その中におきまして、最も重視すべき自治の価値、これを市長はどういうふうに表現されるでしょうか。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 住民福祉サービスの向上にあると理解しております。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 もう少し煎じ詰めますと、住民の基本的人権、こういうことになるのではないかと思います。本市の法務専門委員や審議会委員を長く務められるなど、本市の民主的な発展に貢献された鴨野幸雄金沢大学名誉教授は、共著「地方自治の憲法理論の新展開」の中で、地方自治の本旨とは、住民の基本的人権の保障と具現化を責務とすると明らかにされております。ちなみに、世界人権宣言、自決権をうたった国際人権規約、自由権規約、社会権規約、これらから連なる世界大戦後の人権思想の発展を考慮すれば、都市にとって、住民を主体とする自治の確立、憲法前文がうたう平和的生存権、この保障が地方自治の本旨ということもできるのではないでしょうか。今都市像に明示はされていないこうした自治と、平和的生存権に対する都市の責務について、市長の認識を伺います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 住民主体の自治を確立するということは、都市自治体にとって当然の責務であります。一方、憲法前文の、平和のうちに生存する権利につきましては、自治の概念を超えた、国家としての責務と捉えております。本市もその一員としてその役割を果たしていかなければならないと考えています。なお、都市は国とは異なり、国家間の対立や制約からは一線を画すべきものと考えております。自らの個性や価値を国際舞台においても主張することで、世界の人々に選ばれる共創文化都市を目指してまいりたいと考えています。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 平和の対極の言葉を、仮に戦争というふうに置きますと、まさに市長が答弁されたように、国家権力によって戦争というものが発動されるわけですから、それに対して国家を構成している立場の地方、この住民の平和的生存権、これを守らなければならないと、こういう論理になっていくわけです。そうしますと、都市も国家に対して物を言わなければならないし、海を越えた他国の都市に対しても、時には物を言わなければならない。これが住民の平和的生存権を保障するということの自治体としての責務ではないのかと私は認識するんですが、そのあたりもう一度御答弁いただけませんでしょうか。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 ただいま御指摘の国際間の紛争に関することにつきましては、国において十分な議論を重ねた上で適切に対応されているものと認識しております。私として、あるいは金沢市として国に働きかける考えはありません。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 人権と平和の世紀を期待された21世紀が、現在、それに全く逆行するような、大変悲惨な状況が地域によっては招かれていると。このことに対して、自治体も見解を持ち、平和構築のために発言や努力を行う、それが住民の基本的人権や平和的生存権につながると、私はそのように解釈しておりますので、そこは若干ずれがある。ちょっと残念に思います。ところで、今回の都市像の中で、そうした憲法上の規範あるいは自治という概念を住民と共有していくという、そういう文言がはっきりしていないように、私は感じております。例えば、山出市政時の世界都市構想、この中に、世界と相互に交流・協働・連帯することで、世界の豊かさの拡大や平和に貢献する都市を目指す、このように書かれています。第2次基本計画では、人権文化の尊重、文化ですね、この中で、人権の尊重という項目がありまして、「お互いの人権を尊重し合う社会の実現のために、様々な機会を通じて人権教育・啓発を推進するとともに平和の尊さを訴えていきます」、あるいは人権教育・啓発の推進のところで「多様性を受け入れ、尊重するなど、国際化時代にふさわしい人権意識を育てます」、その後に「国際平和の推進」と、こういう文言が、基本計画の中に記載されているわけです。こうした先例のある金沢の自治体、都市としての世界に対する平和的責務、これについて市長はどのように理解なさいますでしょうか。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 憲法上での記載あるいは地方自治法上での記載というのは、当然国の構成員である一自治体として守るべきものであるというように思っています。一方で、今後あるべき社会というところを見据えた中で、共生社会の実現であるとか、あるいは今後の平和的な社会の構築、これは当然のもの、そして前提のものであるというように捉えております。今回の都市像の中では、共生社会について、あるいは多様な生き方について認めるような、そしてそれを支援していくような記載をさせていただいているところであります。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 今後、行動計画の策定に入っていかれるということですので、そこでの議論がさらにまた必要かなと思っておりますが、日本国憲法の前文、この際ですので、若干確認させていただきたいと思うのですが、諸国民との共和による成果、我が国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、さらに後段では、我らは--我らですので国民であり、市民でもある。我らは全国世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。まさに世界に対する責務というものが、都市にも、またその都市を構成する住民にもしっかり存在していると、それが第二次世界大戦の教訓であると。このように、私は、都市や住民の責務というものを理解しなきゃいけないと思っています。ぜひ市長にも、さらに共有していただければと、これは、答弁は求めません。 2番目、金沢方式についてです。基本方針2の「暮らしづくり」の中で、持続可能なコミュニティーを支える基盤の強化として、持続可能な金沢方式に向けた見直しが例示されております。御承知のとおり、公民館や児童館建設をはじめ、金沢方式における地元負担、住民負担の廃止を含め、負担軽減を求める声が相当上げられております。市長は、この金沢方式をどのような制度趣旨を前提認識として見直し方針を掲げておられるのか伺います。今後、基本計画策定の中で、見直しの対象となる事業の種類やタイムテーブルの見通しも併せて伺っておきます。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 金沢方式は、昭和27年、新たな公民館の設置に際しまして、多少の地元負担を伴っても校下ごとに公民館が欲しいとの地域住民の強い要望を受けて、地元が一定割合を負担することによって、当初計画より30館多い公民館を開設したことに始まりまして、その方式が公民館のほか、児童館、消防団で採用されてきました。地域が一定の負担をしながら自主的運営を行うこの金沢方式は、活動の自主性・自立性を担保することで、地域の連帯を強め、協働を育むために大きな役割を果たしてきたと認識しております。一方で、人口減少・少子高齢社会の進展など、市政を取り巻く環境が大きく変化する中で、町会加入率も減少し、地域負担の見直しが必要との声があるということも承知しているところであります。こうしたことを踏まえて、都市像に掲げる持続可能なコミュニティーを支える基盤の強化に向けて、金沢方式の見直しを図る方針を示したところであります。また、事業の種類につきましては、公民館や児童館、消防団に関する施設整備における地元費用負担の在り方などを対象として、庁内横断プロジェクトチームを中心に、現在、検討を重ねております。人口減少・少子高齢社会においても、持続可能な仕組みとする必要があることから、地域団体の皆様からも意見をお聞きしなければならないこと、また、予算にも反映する必要があるということから、見直しの時期については慎重に見極めてまいります。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 先ほど質問しました住民自治、その拠点としての生涯学習を含めた重要な施設、これについては、一定のコンセンサスはあると思います。ただ、お話がありましたように、時代の推移とともに、地元負担あるいは住民負担、これらをどのところで許容できるかできないか。これについての住民意識は、またかなり変わってきていると思います。この質問に差し当たりまして、議会史を少しひもといてみましたら、いわゆるこの地元負担、住民負担、税外負担という言葉で、税を払い、かつ税以外に払う。税外負担です。有料袋の導入の際に、随分この問題で当時の山野市長と私は議論させていただいたんですが、この税外負担の見直しというのは、1960年代、1970年代、何度も繰り返し巻き返し行われているんです。まさに道路にも地元負担というものがあった時代もあったようですし、学校建設にも地元建て替えというような、そういう仕組みがあった。そういう時代を経て今日に至っておりますので、この自治の拠点というものをしっかり皆さんに共有していただくと同時に、その負担の在り方、自治のコスト、これをどう分かち合っていくかということについては、改めて相当深い議論が必要になるんじゃないかと思うのです。そのあたり、見直しに当たって、地域住民とどのような対話、意見の交換をしていくおつもりか、もう一度お答えいただきたいと思います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 この間、この新たな都市像を策定する間においても、また、その後今年度からもタウンミーティングを重ねてまいりました。地域の方々と、これまでも金沢方式についての御議論もいただいたところであります。そして、その中では、金沢方式はやはり金沢ならではのすばらしい方式だというような御意見もいただきました。そういった御意見もあるところと、先ほど申し上げた人口減少・少子高齢化、さらには町会加入率の低下などの現状を踏まえた上での検討を重ねていきたいと考えています。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 地域によりましては、この金沢方式によって物を建て直す、そういう時期がもう差し迫ってきているという場所も、金沢市内に幾つかあるはずです。ですから、そういう意味では、多面的な議論をしながら、ある程度のスピード感も必要になっているだろう、私はそういうふうに認識しています。住民間に溝が深まるような、そういう結論・結末だけは何としても避けなければならない。そういう課題を持って、非常に注目が集まっていますので、しっかり検討し、私たちも議論にしっかり参加していきたい、そう思っています。 次は、都市再生特別措置法の活用についてです。基本方針5「都市づくり」では、骨格となる都心軸の再興に、都市再生特別措置法の活用が掲げられています。緊急整備地域の区域指定により、高度制限と容積率制限を撤廃できれば、開発投資を呼び込めるとの目算ですが、都心軸全体の再整備ビジョンが都市の投資の呼び込みに傾斜し過ぎると、継承するとする金沢市基本構想における金沢の歴史や個性、価値観を基礎とした普遍性を、また、1968年、全国初の伝統環境保存条例の制定を皮切りに、市民の私権制限をも伴いながら、営々として積み上げてきた景観形成やまちづくりにおける保存と開発の調和の原則を損なわないか、懸念いたします。都市再生特別措置法の適用申請に当たって、都心軸における開発の在り方に対する市長の基本認識を伺います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 金沢駅から片町に至る都心軸におきましては、都ホテル跡地だけではなく、老朽ビルの再整備などの課題を解決するためにも、都市再生特別措置法を活用し、民間による開発の機運を高め、都心軸エリア全体の面的整備の促進につなげていきたいと考えています。また、都市再生緊急整備地域の指定に際しましては、産学官金で構成する準備協議会におきまして、地域における開発の考え方や求められる機能などを掲げる地域整備方針を取りまとめる必要があります。その中で、保全と開発の調和を踏まえた本市のまちづくりの考え方を反映させたいと考えています。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 民間投資が必要であるということは事実でありますので、これをいかに呼び込むかということと、金沢市がまさに都市の魅力として、先ほどの質問と御答弁にもありましたけれども、営々と歴史的に積み上げてきた金沢の固有のまちの価値、これをどう両立するか、具体的な手法、これを市民に明らかにし、そして市民の意見も仰ぐ、こういうプロセスが必要だと思います。今回の申請というものがその第一歩ということになるのかもしれませんが、私は、あまり拙速に事を運ぶと禍根が残る、こう思いますので、いかがでしょうか。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 これまで保全と開発の調和を進めてきた、これは、金沢のまちづくりの文化であると考えており、また、まちづくりの基幹であるとも捉えております。そうした、開発をしながらも保全を大事にしていくということ、これを考えるとともに、一方では地域経済の活性化、あるいは都心軸の再生といった課題も大きな課題である、そして、喫緊の課題であるというように考えています。議論を加速化させながら、よりよい結論に向けて、地域整備方針を取りまとめてまいりたいと考えています。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 これは私ども議員にも、まちづくりに対する大きな責任がありますので、しっかり議論させていただきたい。今日はこのあたりでとどめたいと思います。 次は、2点目、会計年度任用職員の処遇の改善についてです。 まず、処遇改善と再度の任用上限の撤廃について伺います。これまで期末手当のみ支給されていた会計年度任用職員に、併せて勤勉手当を支給する条例改正案が提出されました。この条例改正に込めた趣旨についてお聞かせください。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 会計年度任用職員への勤勉手当の支給につきましては、フルタイム勤務職員を除いて、これまでは違法であり、国における非常勤職員においても、勤勉手当の支給が進んでいなかったことから、検討課題とされておりました。本年の地方自治法の改正を受けまして、令和6年度から勤勉手当の支給が可能となりましたが、令和2年度からの会計年度任用職員制度の導入以後、期末手当の支給や公務員共済の加入が可能となるなど、正規職員と同様な取扱いの流れとなってきていることを踏まえ、今回、条例改正案をお諮りした次第であります。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 できるだけ正規職員、非正規職員の均衡を図る、その一環であると私も理解し、歓迎しております。ところで、さきの総務常任委員会で、本市会計年度任用職員に係る再度の任用の上限を撤廃すると報告を受けました。移行期となった2018年以来、無期任用を拒んできた任用方針を、公募と選考を条件としながらも、再度の任用上限撤廃へと転換した理由をお尋ねします。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 会計年度任用職員制度の導入以来、産前産後休暇の有給休暇などの取扱いの変更、また、地方公務員共済制度の適用のほか、期末手当や今定例月議会でお諮りしている勤勉手当の支給など、正規職員の取扱いにより近づく動きが進んできております。また、昨今の人材不足の状況から、看護師や保育士などの資格職はもとより、事務補助の会計年度任用職員の確保も困難となり、行政運営に支障を来す状況が顕在化してきておりますことから、任用期限の見直しを行ったものであります。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 本格導入から3年、また一歩前進したと、私は受け止めております。詳細については、また委員会の場でお尋ねしていきたいと思います。 年間雇用パートタイム非正規職員が815人、短期間雇用非正規職員が712人いらっしゃいます。いずれも学校現場、保育職場が上位を占めております。人手不足が深刻化する両職場では、子どもへの対応を相談する時間の確保すら難しい現在の任用条件であるとの声が届いております。任用改善の余地がないか御所見を伺います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 勤務時間や配置人数の増加などの任用改善につきましては、これまでも所管する部署ごとに職務の内容や業務量などを踏まえ、必要に応じて見直しを図ってきております。引き続き現場の状況などを考慮しながら対応してまいります。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 現場の声をよく聞いていただきながら、対応を検討していただきたいと思っております。 3番目、金沢市の地域農業について伺います。 1番、みどりの食料システム戦略について伺います。「語弊を恐れず言うと、プーチンは1つだけいいことをした。それは、食料自給が大事だということを分からせたことや」、市内の篤農家の言葉です。その食料自給率は、カロリーベースで38%、6割以上は海外依存です。唯一の自給作物--米は、営々とした品種改良の努力により、味と高品質を誇りますが、輸入食材による飽食で米離れが進み、米価の下落と資材高騰で、再生産費すら賄えません。後継者問題の背景でもあります。今夏のような炎暑がニューノーマルとなれば、限定核戦争による核の冬が、日本に7,200万人の餓死者をもたらすとの衝撃的な米国大学の研究報告と同様の事態を招かないとも限りません。こうした深刻な状況に対し、農林水産省は、みどりの食料システム戦略を打ち出しています。本システム戦略の趣旨を、本市としてどのように受け止めておられるか伺います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 環境と調和の取れた食料システムの確立を目指す、国のみどりの食料システム戦略を踏まえまして、本市としても環境に配慮した持続可能な農業の振興と、食料の安定確保に向けた取組を進めてまいります。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 農業に対する関心というものは、急速に今、高まってきていると思います。 みどりの食料システム法に基づく基本計画について伺います。本年3月20日に、石川県と本市を含め19市町が名を連ねる、石川県環境負荷低減事業活動の促進に関する基本計画が策定されています。本市においては、金沢の農業と森づくりプラン2025が、2年余りで計画年次終了を迎えますが、その進捗を照らし合わせ、本市でシステム戦略を実施するに当たっての現状認識と課題を伺います。 ○中川俊一副議長 山森農林水産局長。 ◎山森健直農林水産局長 金沢の農業と森づくりプラン2025における環境保全型農業に取り組む面積の目標はおおむね達成しておりますが、国のみどりの食料システム戦略が求める化学肥料等の使用低減や有機農業の取組面積の拡大の目標は、現状に比べ非常に高く、達成するには作物の収量の減少や除草等の作業量の増加などが伴いますことから、生産者の負担が大きいと考えております。今後、国が求める戦略の実現に当たりましては、環境負荷低減の取組が農作物の付加価値向上につながることや、効率的な栽培技術が確立されることが、本市をはじめ全国的な課題であると認識しているところでございます。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 確かに非常にハードルが高い、しかし、地球の状況は待ってはくれない、これに対処していかなければならない、その強い危機意識を持って事に当たっていかねばならぬのじゃないかと、私はそう考えています。 生産現場からの声があります。本市中山間地で集落営農を営む農業者からは、システム戦略の方向性は、地球規模の問題と地域農業の課題解決に必要だとしながら、この現実から何をどう取り組んでいくのか、それを支える農政が見えない、意見を言う場もないとの苦言を聞きます。現場生産者との意思疎通、目的意識の共有はどう進めるのか伺います。 ○中川俊一副議長 山森農林水産局長。 ◎山森健直農林水産局長 来年1月、各JAの生産組合長会議の開催に合わせまして、国のみどりの食料システム戦略や、これを踏まえた石川県の基本計画の理解を深めるための説明会を行う予定であります。まずは有機農業に向けての国の助成制度を活用した土づくりや、化学肥料の使用量を低減する栽培法など、具体的な先進事例を紹介し、農業者の理解を深めていきたいと考えております。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 恐らくこれから展開される地域説明会、この中で、生産者のかなり厳しい意見なども伺うことになると思います。ぜひそれを糧にして、具体化の力にしていっていただきたいなと、そう思っております。 持続可能な地域農業と安全な食料の生産について伺いますが、今も御答弁がありましたが、多岐にわたる生産現場の問題解決の突破口は、所得補償にもつながる農産物の高付加価値化、中でも有機栽培や自然栽培の手法の導入と市場確保と言われております。石川県が市町と連携して導入する特別栽培米の学校給食提供の意義と課題を伺います。 ○中川俊一副議長 山森農林水産局長。 ◎山森健直農林水産局長 特別栽培米の学校給食への導入を契機に、子どものみならず保護者を含めて、まずは持続可能な環境保全型農業への理解を深めていきたいと思っております。一方、現状では、本市で生産される特別栽培米の量が少なく、長期間の学校給食に十分な量を供給することができないことから、JA等関係団体や農業者の理解と協力を得ながら、需要先の確保と生産量の拡大に努めていきたいと考えております。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 有機化のための具体的な支援、所得補償、このためにどういう仕組みを早急に確立していくか、大変難しい課題なんですけれども、これを追求しなければならないと、私もそのように考えている者の一人です。そこで、答弁の中にも触れられましたが、ある農家の方は、肥料・土壌づくりが決め手なんだと、時間と手間がかかると。これに応える施策が必要だと。例えば中央卸売市場で魚のあらが出てくるけれども、あれは一体どうなっているんだろうかと、その他、農林・畜産・水産業で発生する多様な廃棄資源の活用など、地域特性を生かした循環型の有機肥料の生産に、本市と農業団体、農業者が連携して取り組むような本格的な独自施策が必要かと思いますが、見解を伺います。 ○中川俊一副議長 山森農林水産局長。 ◎山森健直農林水産局長 地域資源を活用した有機肥料につきましては、JA金沢市が金沢競馬場内で排出される馬ふんを、土づくりに効果がある堆肥として製造しております。また、仰せのとおり、水産衛生センターにおいて、魚のあらを原料として製造しました肥料が、農業法人等に販売され、利用されております。持続可能な農業を推進するため、このような有機肥料の生産・利用拡大につきましても、今後、関係団体や農業者とも連携しながら研究を進めていきたいと考えております。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 農林水産省がこういうシステム戦略、こういうものを各自治体に対して、生産者に対して頑張ってやってほしいと、こう言っている以上は、財政的な補償というものはどうしても必要になると思います。これは私どももそういう声を上げていかなきゃなりませんが、自治体としても国に対して、かつてあった個別所得補償制度の復活等々、ぜひ声を上げていっていただきたいと、そう申し上げておきたいと思います。 4点目、子どもアドボカシーに関して質問いたします。 1番、児童福祉法の改正についてです。昨年6月の児童福祉法の改正により、児童の意見聴取等の仕組みの整備、すなわち児童養護施設や一時保護施設の子どもたちへの措置を検討する際、子どもの意見を聞くことが義務づけられました。社会的養護における子どもアドボカシーの法制化です。子どもアドボカシーとは、子どもが意見や考えを表明できるようにサポートすること。子どもアドボカシーを実践する人がアドボケイト。子どもアドボケイトは、子どもが意見を表明する権利を支える存在で、完全に独立を求められる存在です。そこで、児童の意見聴取等に責任を負う児童相談所設置者である本市の責務を、市長はどのように認識しておられるか、課題も含めて伺います。来年度からの実施に向けて、準備はどう進んでいるのかも併せてお尋ねします。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 児童養護の観点から、児童の意見を聴取することはとても大切なことと認識しております。これまでも大人の意見を押しつけることなく、子どもの立場に寄り添いながら思いや悩みを受け止め、子どもが安心して自分の考えを話すことができる環境をつくってきたと思っています。ただ、子どもは信頼している大人にしか本音を話さないことが多く、日頃から子どもと良好な信頼関係をいかに築くかということに、引き続き意を用いたいと思います。そして、本市児童相談所では、これまでも子どもの思いを受け止め、寄り添うことを心がけてきておりますけれども、今般の児童福祉法の改正を踏まえて、これまで以上に、支援が必要な子ども自身の意見が今後の生活に反映されるよう、児童養護施設等とも連携をさらに強化していくこととしております。児童虐待や不適切な養育など、子どもが置かれる厳しい環境等に対して、児童相談所と連携先が、子どもを中心に置いた支援方針の情報共有を図るとともに、支援の役割を明確にしてまいります。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 具体的な準備のプロセスの中で、この子どもアドボケイトに相応する新たな担い手、これ、独立性が非常に重視される、その独立性がゆえに信頼を得ることができる、こういう存在ですので、これらを含めて準備の進捗はどうなっているか、これを伺っておきます。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 意見表明を支援する立場の人間として、これまでも一時保護や施設への措置の際には、児童相談所の心理士が子どもの意見聴取を行ってまいりました。今般の法改正に伴いまして、子どもの最善の利益を考慮するため、意見表明支援員を配置し、事業体制を整えることとされております。この意見表明支援員は、子どもの福祉に関し知識経験を有する者を対象に、都道府県等が行う研修を修了する必要があることから、配置に係る準備も含めまして、県と連携して対応してまいります。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 子どもの意見表明というものが、法律上明示されるという時代になったなということを、私も改めて感じております。子どもアドボカシー、これは、意見表明の権利、これが中核です。同年、昨年の6月、こども基本法が制定されました。その目的は、日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、自立した個人としてその権利の擁護を図ることである。その根拠に据えられている児童の権利条約の一般原則への認識を、教育長に確認します。 ○中川俊一副議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 子どもの権利条約の原則は4つあると認識しています。1つは、生命、生存、発達に対する権利、子どもの最善の利益、差別の禁止、そして、意見を表明する権利であります。このいずれも、将来を担う子どもたちを育むために、学校、家庭や地域など、子どもに触れ合う全ての場において尊重することが重要であると捉えております。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 子どもアドボカシーは、本質的には社会的擁護の場に限定されるわけではない、こういう御答弁でしたね。その際、子どもアドボカシーの理念と子どもの意見表明権の観点から、児童福祉全般に加え、学校教育全般も見直されるべき時代が来たと思うのです。教育長は、子どもアドボカシーについて、どのように認識しておられるか伺います。 ○中川俊一副議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 子どもアドボカシーは、子どもたちの声を聞いて、その権利や利益を守るために、子どもたちが意見を表明する支援を行う活動であり、社会全体が子どもたちの人権や福祉について考える重要な活動であると認識いたしております。本市では、このことにつきまして、学校では、子どもが自分に関係のある事柄について自由に表した意見を、発達段階に応じて十分に考慮しながら、各教科や特別活動、生徒指導などの教育活動に反映しております。また、地域におきましても、地域全体で子どもを育てるという意識の下、その思いに寄り添って、放課後の子どもの居場所づくり活動などが展開されております。今後とも子どもたちが健やかに育っていけるよう、子どもたちの意見を大切にして、学校教育活動や社会教育活動の充実に取り組んでまいります。 ○中川俊一副議長 森一敏議員。 ◆森一敏議員 金沢市でも急速に不登校の児童が増えているという状況が生まれております。学校に子どもの居場所があるのかという根源的な問いがなされている。私は、このアドボカシーという考え方、これを一つのてこにして、そうした根源的な問題について、もう一度子どもに関わる全ての大人が考えるという機会にしなきゃいけないと思います。お時間がなくなりましたので、子どもの権利条例につきましては、また場を改めて御見解を伺っていきたいと、そう思っております。 以上で質問を終わります。(拍手) ○中川俊一副議長 以上で、32番森一敏議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩
    ○中川俊一副議長 この際、暫時休憩いたします。     午後0時2分 休憩-----------------------------------     午後1時0分 再開 △再開 ○中川俊一副議長 出席議員数は、ただいまのところ36名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○中川俊一副議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 31番森尾嘉昭議員。     〔31番森尾嘉昭議員質問者席へ移動〕(拍手) ◆森尾嘉昭議員 私は、日本共産党市議員団のトップバッターとして質問いたします。 最初の質問は、戦争をやめさせ、平和の実現についてです。 イスラエルによるガザ地区への侵攻が北部から南部へと拡大し、空爆と地上部隊による激しい攻撃が続けられています。戦闘が始まってから2か月間のガザ地区での死者は1万7,000人を超えています。一刻も早く停戦を求めます。市長、政府に対してイスラエルに即時停戦を要請するよう求める考えはありませんか。まず伺います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 報道などで戦況の惨状を知るにつけ、心を痛めているところではありますけれども、国際間の紛争におきましては、国において十分な議論を重ねた上で適切に対応されるものと認識しておりまして、国に働きかける考えはありません。本市としては、国際社会の現状を知り、そこから世界平和、人類の生存、命の貴さを学び、そのことを後世に伝えていくことが大切であると考えております。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 イスラエルによるガザ地区への侵攻をやめさせ、即時停戦を求める世論と行動が世界各地で広がっています。事態は深刻です。様々な形で声を上げ、行動が求められます。市長、金沢市は平和都市宣言を発信している立場から、何らかの行動が求められます。検討を求めたいと思います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 平和都市宣言でありますが、本市固有の歴史、文化を発信し、世界の人々と友好関係を深める中で、恒久平和に貢献をしていくということを宣言したものであります。これからも原爆に関するポスター展などの機会を捉えて、平和都市宣言の基本理念を呼びかけてまいります。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 質問の第2に、暮らしと営業を守る緊急対策について伺います。 12月に入って食料品の値上げが続いています。今年2023年1年間で3万2,189品目に上っています。灯油、電気料の値上げなど相まって市民生活は深刻です。賃金が上がらず、実質賃金が18か月マイナスとなり、物価高騰が家計を圧迫する状況が続いています。地域経済を支えている中小企業は、存続・継続の危機を迎えています。市長は、市民生活と地域経済の状況をどのように把握しておられますか、伺います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 景気の回復が緩やかに続くということが期待されている一方で、物価高騰や実質賃金の減少が市民生活の安定や地域経済の成長の足かせとなっており、その影響が長期化しているということに大変危惧しております。そのため、国の総合経済対策に呼応し、重点支援地方交付金を活用した本市独自の物価高騰対策や市民の安全・安心の確保に係る経費を今回の補正予算でお諮りしているところであります。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 暮らしと営業を守る緊急対策として、第1に、市民生活に直結する金沢市の国民健康保険料、介護保険料を引き下げることについてです。国民健康保険会計には約23億円の基金があります。介護保険会計は約29億円の基金があります。介護保険会計は黒字が続き、基金は6年前に比べ、3倍に増加しています。こうした基金を活用して保険料の引下げを実施する考えはありませんか、伺います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 国民健康保険料につきましては、令和6年度につきましては、年明けにも県から示される標準保険料率に準拠しつつ、市民生活の影響にも十分配慮し、基金の有効な活用も含め、適正な負担となるよう設定したいと考えております。また、令和6年度からの次期介護保険事業計画における保険料につきましては、今後3年間に必要なサービスの給付量を適切に見込んで、その費用に見合った額を設定するということにしております。基金につきましては、市民の負担が過大にならないように有効に活用してまいります。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 ここで、議長の許可をいただいて、パネルを示したいと思います。議員のお手元のタブレットにも掲載しております。 (パネルで説明) 介護保険会計の黒字が続き、基金が急増しています。御覧のとおりです。来年度からの第9期事業で、予想される29億円、この基金の財源を活用し、保険料の引下げ実施を求めたいと思います。市長、いかがでしょうか。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 令和6年度からの次期の介護保険事業計画についてであります。現在、基金が第8期末見込みで29億円というようにグラフを出していただきました。この基金についても有効な活用を考えております。その際には、今後3年間というのが、団塊の世代がまた上の世代になってきますので、その世代、さらには、これから必要な給付量というところを適切に見込む必要があるというように思っております。御指摘いただいた基金の有効な活用も含めて、費用に見合った額を設定していきたいと考えています。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 次に、上下水道料金の減免実施について伺います。水道事業会計の昨年度決算では、約7億円の黒字となっています。下水道会計は14年連続黒字で、昨年度決算では約13億円の黒字となっています。市民生活を守る上で上下水道料金の引下げを実施するお考えはないか、公営企業管理者に伺います。 ○中川俊一副議長 松田公営企業管理者。 ◎松田滋人公営企業管理者 上下水道事業につきましては、今ほどお話もありましたような物価高の影響によりまして経費が増加していることに加え、人口減少による料金収入の減少、施設・管路の更新費用の増加など、現在も、それから今後も、経営環境はより一層厳しくなりますことから、料金の引下げは考えておりません。なお、令和4年度決算の未処分利益剰余金につきましては、今後の老朽管更新対策や企業債償還の財源として積み立てることをお諮りしているところでございます。こうしたことによりまして、将来の料金の抑制にもつながることを御理解いただきたいと思います。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 医療と介護の分野について、その支援について伺います。厚生労働省の調査によると、特別養護老人ホームと老人保健施設が初の赤字となっています。介護職員の人手不足は深刻です。抜本的な処遇改善が求められます。医療の分野でも、コロナ補助金がなければ7割の病院が赤字という深刻な事態となっています。県は、医療機関への支援を来年3月まで延長するとしています。金沢市として、医療と介護の分野への支援策について、どのように考えておられるか伺います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 医療分野につきましては、石川県は、光熱費上昇による影響等を算定し、本市を含む県内全域の医療機関等に対しての必要な支援を延長することとしたと聞いております。医療提供体制の確保は、地域の実情に応じて県が行うということとなっておりまして、本市として医療機関への支援は考えておりません。介護分野につきましては、介護事業所に対して、これまでの光熱費の支援に加えまして、今般、国より地方自治体に対し、給食等の食材料費への支援要請がございましたので、今補正予算に特別対策費を計上しております。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 中小企業にとって、物価高騰とともに、この10月に始まったインボイス制度実施が深刻な事態を広げています。金沢市内の事業所の実態調査を行う考えはありませんか。国に対し、インボイス制度の廃止を求める考えはないか、伺います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 中小企業の現状や課題の把握につきましては、平素から経済団体等が実施する景況調査や経済指標のほか、企業訪問をはじめ、中小企業団体や商店街との情報交換を通じて、現状や課題の把握に努めてございます。こうしたことを踏まえ、中小企業の事業継続につきましては、経営改善計画策定への市独自の追加支援をはじめとして、資金繰りの支援では、市制度融資の借換え時の信用保証料の助成などを行っています。また、今般の補正予算におきましても、中小企業の電気料金等に対する支援金の支給継続やプレミアム商品券による物価高騰対策をお諮りするなど、時勢を捉えた必要な対策を講じております。なお、インボイス制度につきましては、売手と買手が消費税の税率や税額を正確に把握することでミスの防止につながる制度として、既に制度が開始されております。市として中止を国に求めるつもりはありません。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 質問の第3に、新しい都市像について伺います。 この都市像の中で打ち出さなければならない点について、2つ伺います。1つは、市民が主人公の立場から、暮らしと営業、地域経済を守り、発展させていくことを柱とすることです。自民党政治の下で、30年の長期にわたって経済が停滞してきました。いわゆる失われた30年という状況が、市民生活と地域経済に深刻な影響をもたらしています。貧富の格差、暮らしの貧困化、非正規雇用の拡大、農業と地域経済の衰退が進み、地域では商店が消え、空き家が目立ち、地域コミュニティーが綻び始め、地域では高齢化と過疎化が急速に進行してきています。新しい都市像では、こうした事態に向き合い、その打開方向を示すことが求められると考えます。市長の見解を伺います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 新たな都市像では、5つの基本方針の中で、「多様な人々が共生し、心豊かに暮らせるまち」を掲げておりまして、市民生活に関わる政策の方向性を示すとともに、「創造・変革により成長するまち」を掲げて、経済の活性化に資する政策の方向性も打ち出しております。本来、市民生活や地域経済は、直接的な政策のほか、各般にわたる取組を総合的に展開することで相乗的に向上していくものであります。これらの方針に基づく各種政策を積極的に推進してまいります。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 もう1つは、100年にわたる百姓が持ちたる国づくりから、500年にわたって培われてきた金沢市の文化と伝統を継承し、次の世代に引き継ぐことが求められます。地元紙が、百姓の持ちたる国の100年をテーマに連載が掲載され、反響を呼んできました。その最終章で、作家の五木寛之氏は、一向一揆100年の歴史には、生命大事、ヒューマニズムがあると述べています。連載の記事の最後に、「百姓の持ちたる国の誇るべき歴史は、言わば誰もが当事者なのだ、そんな分厚い基層の上に加賀百万石という城は建っている」と結んでいます。一方、市長の説明には、前田利家入城以来、440年の間に培われた金沢ならではの文化となっています。百姓の持ちたる100年が消えています。市長の金沢の文化とはこういう認識でしょうか、伺います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 百姓の持ちたる国の100年の歴史はもちろんのこと、その前の百姓の持ちたる国をつくってきた歴史も含め、そして富樫氏の時代も含め、先人たちが脈々とつくってきた歴史の上に今があるというように考えております。そうした中で、その伝統や文化を磨き高めることで金沢の発展につなげていきたいという思いを持っております。歴史を大切にした上で、文化を礎に、多様な人々・主体と共に心豊かで活力ある未来をつくり上げていきたいと考えています。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 であるならば、11月24日、全員協議会で作られたパワーポイントについて、訂正・修正を求めたいと思います。この都市像の中で、重要な課題が盛り込まれていませんでした。3つあります。1つは平和の課題です。金沢市平和都市宣言は、世界の恒久平和と核兵器の全面禁止・廃絶の実現への決意を述べ、金沢市が永遠の平和都市となることを宣言しています。この立場は、今日の世界と日本をめぐる状況を考えると極めて大切なものとなっています。新たな都市像の中で盛り込むことが求められると考えますが、市長の見解を伺います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 世界の恒久平和は人類全ての願いであり、我々は、その実現に向けて不断の努力をしなければならないと考えております。一方、都市は国とは異なり、国家間の対立や制約からは一線を画すべきものと考えております。都市の個性を磨き高め、その個性と価値を国際舞台でも主張することで、世界の人々に選ばれる共創文化都市を目指してまいりたいと考えています。なお、平和都市宣言は、本市固有の歴史、文化を発信し、世界の人々と友好関係を深める中で、恒久平和に貢献をしていくということを宣言したものであり、これからも機会を捉えて平和都市宣言の基本理念を呼びかけてまいります。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 2つ目は、ジェンダー平等についてです。人類がこの地球で暮らし続けていくために2030年までに達成すべき目標--SDGs目標の5つ目が、ジェンダー平等を実現しよう、こうなっています。セクハラ、パワハラをなくし、誰もが尊重され、自由に生きていくことの大切さ、男女の格差をなくし、誰もが尊重される社会の実現、こうした課題を明記し、取り組んでいくことを新たな都市像に取り込んでいく考えはありませんか、伺います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 本市では、SDGsの目標にも掲げられているジェンダー平等の実現に向けまして、今年3月に策定した金沢市男女共同参画推進行動計画に基づきまして、職場における女性活躍の推進や男性の家事・育児の参加促進など、各種施策に取り組んでおります。新たな都市像におきましては、性別などに関わりなく多様性を認め合う共生社会や、誰もが活躍でき働きがいを感じられる環境の実現を目指すこととしております。さらなる具現化に向けた取組を進めてまいります。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 最後に、3つ目は、気候変動への取組についてです。先日、国連気候変動枠組条約第28回締約国会議、いわゆるCOP28が行われました。現状では、パリ協定で掲げられた、今世紀の気温上昇を1.5度抑える目標の達成が難しいと、今世紀の気温は2.1度から2.8度上昇が予想されるとして、二酸化炭素の排出の削減と実行が求められることが確認されました。金沢市として、二酸化炭素排出の削減の取組について、新たな都市像の中で明記する考えはありませんか、伺います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 豊かな自然や風土を継承していくために、脱炭素社会の実現は極めて大切なことであります。本市におきましても、令和2年3月にゼロカーボンシティ宣言を行い、これに向けて様々な取組を進めてきております。新たな都市像の中でも、ゼロカーボンシティ実現に向けた脱炭素化の推進を掲げております。引き続き、温室効果ガスの削減に向けて、金沢市地球温暖化対策実行計画の着実な実践を図ってまいります。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 質問の最後に、都心軸エリアの再開発事業について伺います。 11月1日、地元紙の1面に、「都ホテル跡再開発合意」「金沢市と近鉄グループ特措法活用近く国に申請」と、大きな見出しで報じられました。11月24日開かれた金沢市議会全員協議会で、私は、金沢市にとって重要な案件を新聞報道で知ることになり、市長から市民と市議会への説明と報告がないじゃないかと、市長に説明を求めました。市長は、説明と報告が新聞報道の後になったことを陳謝されました。ところが、12月1日、地元新聞がトップニュースで、「日銀跡地取得の意向」「金沢市長年明け活用策まとめ」と報じました。11月30日、金沢経済同友会と市長との意見交換会の内容を伝えたというものです。12月1日、報じられた記事を手にしながら、金沢市議会本会議で市長の提案説明を聞くことになりました。市長、あなたは、さきの全員協議会での陳謝は口先だけだったということですか。こうしたことが繰り返されるというのは、市長には、市民と市議会に報告・説明し、議論を通じて施策を進めていく、こういう考え方がないんじゃないでしょうか、市長に伺います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 議会と執行部が緊張関係を持ちながらも密接な連携を取るということが、何より大切であると考えております。市政の重要な案件につきましては、しっかりと議会に報告させていただきます。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 10月20日、金沢経済同友会と馳知事との意見交換会が行われ、その内容が翌日の地元紙のトップニュースで報じられました。その中で、金沢都ホテル跡地をめぐり、馳知事は、既存の高さ制限を緩和できる国の都市再生特別措置法の活用について述べたということです。そして、金沢市が跡地を所有する近鉄グループと特措法による開発に合意し、協力の要請があれば県の役割を果たしていくと知事が述べたと報じられました。その11日後、10月31日、市長は、馳知事を訪ね、近鉄グループと特措法を活用して開発を進める方針で合意したと報告されたとのことです。翌日、地元紙がトップニュースで報じました。市長、こうした経緯を考えると、市長は、馳知事の指示を受け、近鉄グループと合意したものと考えます。どうなんですか。一体その合意内容はどんなものなのか、明らかにしていただきたいと思います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 本年4月以降、新たな都市像を策定するに当たって、中心市街地の活性化とその骨格となる都心軸の再興について検討を進めていく中で、民間開発の機運を高め、都心軸エリア全体の面的整備の促進につなげていきたいとの思いから、都市再生特別措置法の活用を検討してきたところであります。こうした中で、本年10月に都市再生特別措置法の活用に向けて、法に定める役割を担う石川県に対して協力を要請するとともに、近鉄不動産に対しては、特別措置法を活用した開発の意向を確認したものであります。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 11月30日、金沢経済同友会と市長との意見交換会の内容が、12月1日の地元紙に報じられました。日銀跡地を金沢市が取得し、年明けに活用案をまとめるというものです。市長、一体こうした方針はどこで議論され、決められたんですか。市民からは、金沢経済同友会との話合いで決められることなのか、唖然としたという声が出されました。市長から説明を求めたいと思います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 まず、初めに申し上げたいところとしては、これは決定事項ということではない、そこで決定したわけではないということを御理解いただければというように思います。日本銀行金沢支店の跡地の利活用を検討するための関係予算につきましては、本年3月の当初議会においてお諮りし、認めていただきました。現時点において、日本銀行から跡地の売却時期は示されておりませんけれども、まちのにぎわい創出の観点からも、できるだけ早期に跡地の利活用を図る必要があると考えております。年明け早々にも検討懇話会を開催いたしまして、跡地に求められる機能の方向性を取りまとめていきたいと考えております。それを踏まえた上で、跡地の取得を含む市としての責任を果たしていきたいと考えております。なお、それに係る関係予算につきましては、しかるべき時期に議会にお諮りいたします。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 市長は、今月中に特措法に基づく都市再生緊急整備地域の候補地とするよう、国の内閣府に申請すると表明しています。その候補区域は、金沢駅、武蔵、香林坊、片町としています。この方針は、金沢駅前の旧都ホテル跡地での再開発、武蔵ヶ辻での再開発事業、そして旧日銀跡地での開発事業、片町での再開発事業、この4つの区域での開発事業を進めるというものです。これは、金沢市の都心軸エリアを集中して大改造する大型開発事業計画です。これらの事業は、数千億円とも言える事業費の投入が予想されます。市民生活と営業そのものが困難な状況が続き、その対策と実行が本市の緊急の課題となっております。こうした状況の中で、都心軸の大改造を進める、どう市長は説明されるのでしょうか。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 都市再生特別措置法では、国から都市再生緊急整備地域の指定を受けることで、その地域内における民間開発事業などに対し、金融・税制上の支援措置が講じられるほか、既存の規制にとらわれず、自由度の高い計画を定めることができる都市再生特別地区の設定が可能となります。金沢駅から片町に至る都心軸におきましては、都ホテル跡地だけでなく、老朽ビルの再整備の課題を解決していくためにも、都市再生特別措置法の活用が必要だと考えております。数千億円の試算については、ちょっとどういう形に計算できるか分かりませんけれども、こちら全てを市が責任を持って行うということではなく、民間による早期の開発を促したいという趣旨でこの地区の設定をしていきたいと考えています。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 特措法をもって進めるということを打ち出しています。これは高さ制限などの規制緩和を可能とするもので、これまで金沢市が市民と共につくり上げてきたまちづくりを根底から覆しかねないものです。しかも、その手法が問題です。市民参加と合意づくりがありません。候補地に指定されると、国・県・経済界で構成される準備協議会が設置され、ここで開発事業内容が検討され、素案を経て国が都市再生緊急整備地域に指定するということになります。まさに国と県と経済界が主導の大型開発事業です。市長の見解を伺います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 都市再生特別措置法の活用は、都心軸沿線の民間による開発を促進するために導入するものであります。その上で、まずは都市再生緊急整備地域の指定に向けた準備段階となる候補地域の設定に向けた国への申請、これを今月中に行います。また、国から候補地域として設定・公表され次第、産学官金で構成する準備協議会を立ち上げ、都市再生緊急整備地域の指定に向けた、地域における開発の考え方、また、求められる機能などを掲げる地域整備方針を取りまとめることとしております。その中で、本市のまちづくりの考え方を反映させていきたいと考えております。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 市長と金沢経済同友会との意見交換会が頻繁に行われ、その意向に沿った方向が次々に市長から示されてきました。一体なぜこういう事態となったのか、市長から説明を求めたいと思います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 金沢経済同友会と市長との意見交換会は、今から24年前、1999年に初めて開催されて以来、年に1回、本市まちづくりに対して様々な提言をいただいてきたところであります。その場において政策を決定するということではないということを御理解いただければと思います。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 村山たかしとともに歩む会という政治団体の令和4年の収支報告書が県選挙管理委員会に提出されました。収入総額は575万1円で、その収入は寄附となっています。個人の寄附の中に福光松太郎氏100万円との記載があります。福光屋代表取締役社長であり、金沢経済同友会の代表幹事の一人です。100万円の寄附はもう一人、県内の代表的建設会社の代表取締役会長で、金沢経済同友会副代表幹事です。市長は御存じでしょうか。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 お二人が経済同友会の関係者であるということは存じ上げています。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 県選挙管理委員会に提出された村山たかしとともに歩む会という政治団体、代表者は、市長、あなたです。会計責任者もあなたなんです。支出として寄附501万7,669円となっています。この支出を受けた者は、村山卓(候補者)となっています。さきの市長選挙で使われたものと考えられます。金沢経済同友会を代表する方々などから集められた寄附が、代表者村山卓となっている政治団体によって集められ、そこから市長、あなたの選挙資金として使われる。問題ありませんか。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 適正な処理が行われており、問題はないと考えています。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 福光松太郎氏は、村山卓市長の連合後援会--親和会の会長ということです。市長選挙でお世話になったということで、その意向で市政運営を進めるとしたら重大だと考えますが、見解を伺います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 村山たかしとともに歩む会に対しては、御指摘いただいた寄附者から、個人から頂いたというものであります。そして、毎年行われる金沢経済同友会との意見交換は、法人の代表的な立場にある経済界の方々と是々非々で議論しておりまして、忌憚のない御意見をいただく場になっていると考えておりまして、個人的な寄附が影響することはありません。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 あなたが設立した政治団体が500万円を超えるお金を集め、その中には経済同友会の代表幹事や副代表幹事が100万円ずつ寄附し、集められたお金500万円等が市長選挙の中で支出されると、あなたが代表者の政治団体があなた自身の市長選挙で使われると、これはどう考えても、市長、市民に説明つくのでしょうか。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 政治資金規正法等の法にのっとって処理しておりまして、全く問題がないと考えております。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 もう1つ、あなた御自身が代表者で会計責任者の政治団体がもう1つあるんです。このことは承知していると思いますが、この政治団体は、どういうところから寄附を得て運営されたものでしょうか。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 政治団体を特定していただいておりませんので、回答することができないことをお許しいただければと思います。
    ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 親和力で奏でる金沢という政治団体の名称で、あなたが代表者であなたが会計責任者と、この政治団体です。ここでも資金が集められ、使われています。どう考えても、今回の一連の金沢経済同友会での懇談を通じた本市の施策に、こうした背景を考えると、大きな政治力、大きな意見、そしてお世話になったからという形で市政に反映していくという方向がつくられたのではないでしょうか、改めて伺います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 政治団体が寄附を集め、それを支出するというのは、当然のことだと考えています。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 金沢経済同友会とこうした資金関係や市長選挙との関係がある以上、これからもまた市長は足しげく金沢経済同友会と意見交換をお進めになられるんですか。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 先ほど御答弁申し上げたとおり、金沢経済同友会との意見交換会は、年1回であります。そして、是々非々で議論し、忌憚のない意見交換をさせていただく貴重な場となっております。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 金沢市都心軸エリアを中心とする特措法による大規模な大型開発事業について、再検討されるように求めたいと思います。最後に市長、見解を伺います。 ○中川俊一副議長 村山市長。 ◎村山卓市長 市内の地域経済を再興させるという意味において、特措法は非常に大事な手段であるというように考えております。これにより、都心軸の再興を図ってまいりたいと考えています。 ○中川俊一副議長 森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 以上で終わります。(拍手) ○中川俊一副議長 以上で、31番森尾嘉昭議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。 30番玉野道議員。     〔30番玉野 道議員登壇〕(拍手) ◆玉野道議員 質問の1点目は、新たな都市像の策定に関してです。 総務省がこの7月に公表した合計特殊出生率は、過去最低の1.26と、人口維持に必要とされる人口置換水準の2.07に遠く及ばない現状に、少子化の進行は危機的な状況で、日本の静かな有事と認識すべきとの声さえある中、人口減少・少子高齢社会で何が起きるのか、事実に基づいた正しい理解と人口減少・少子高齢化に耐え得る社会の創設の必要性が指摘されています。また、社会保障制度と財政の持続可能性の模索に、2024年問題や2025年問題等々、これから起こり得る社会問題を前提とした新たな都市像の論議が求められています。3人に1人が65歳以上の超高齢社会、高齢化に伴う老老介護社会、独り暮らし社会の本格化、空き家や生涯未婚層の増加、地域の居住環境格差と町内会運営の困難さの高まり、公民館や地区社協の運営課題、消防団員や民生委員の定数欠員の常態化など、地域社会の機能維持のおぼつかなさも身近な問題として実感する現実が日に日に迫る中、全国を見渡すと、新たな地域運営組織の設立や地域予算制度を導入している自治体も現れています。こうした厳しい現実を踏まえた上で、10年後の金沢を目標年次とする新たな都市像の策定には、データに立脚した施策立案の下、現行制度の見直しや地域社会の変革を急がなければなりません。そこで、新たな都市像の策定において、市政を取り巻く環境の変化や人口減少・少子高齢化の進展も課題として捉えておられますが、市長が描かれる10年後の新たな都市像における本市の人口減少・少子高齢化等の概要と、行政経営に当たっての諸課題の視点についてお尋ねいたします。 新たな都市像の策定においては、昭和60年度に策定された金沢市基本構想に掲げられた「市民主体」「豊かな人間環境の構築」「国際的文化産業都市」の3つの理念に、金沢の歴史や個性、価値観などを礎とした普遍的な考え方を引き続き継承すると述べられています。     〔副議長退席、議長着席〕 山出市政においては、金沢世界都市構想が策定され、保存と開発をまちづくりの基本に、伝統工芸や伝統芸能の育成に加え、古いまち並みにガラスを用いた近代的な建築物である金沢21世紀美術館、もてなしドームや鼓門に象徴される金沢駅周辺整備など、金沢の名前を世界に広めたレガシーを刻むとともに、現代アートを新たに取り入れ、また、新幹線の駅に能楽の鼓を象徴させるなど、新旧の対比をキーワードに、金沢でしかできない世界都市の具現化に努めてこられたと私は考えます。 いつも言いますが、静かに聞いてください。 また、山野市政では、「世界の交流拠点都市金沢をめざして」が策定され、文化のまちづくりにスポーツという視点を新たに加え、金沢マラソンの開催、各種プロスポーツへの支援、金沢プールの建築とフランスナショナルチームの招致など、国内外からの集客というキーワードをもって交流拠点都市の具現化に向けた取組が行われていたように思います。伝統とは革新の積み重ねであるという言葉があるように、歴代市長は目指すべき都市像の具現化に向け、新たな視点を取り入れることで、金沢を創造・発展させてきたと考えます。そこで、自分はよそ者であるが、よそ者だから分かる金沢のよさがあると村山市長御自身が述べておられますが、どのようなキーワードをもって新たな施策に取り組まれ、世界の共創文化都市の創造と国際的文化産業都市としての伝統を引き継ぎ、発展させるのか、お尋ねいたします。 あわせて、村山市政において完成を見た金沢美術工芸大学や新市民サッカー場を今後どのように活用していくのか、さらには、文化芸術と工芸のアクションプランの見直しや民間との包括連携協定の締結も視野に入れて取り組まれるとの報道もありますが、これらについても新たな都市像の中でどのように位置づけ、施策展開を図ろうとされるのか、お尋ねいたします。 次に、金沢駅前の旧都ホテル跡地についてです。報道によれば、事業者の開発を喚起させるため、既存の高さ制限を緩和できる国の都市再生特別措置法による都市再生緊急整備地域の指定並びに都市再生特別地区の設定を県と共に進めるとしています。本市の景観形成の施策展開と制度は、昭和41年公布の古都保存法に触発された当時の金沢経済同友会が保存と開発委員会を結成し、広報活動を展開、高さ制限についても、金沢経済同友会を母体とした金沢景観トラスト運動の先見の明が生み出した制度です。この制度を一つの礎に、本市の歴史的・文化的景観が長年にわたり形成され、金沢らしさの整ったまち並みや美しい眺望景観の形成が、市民意識との共有の下創出されてきたことを考えると、制限を緩和するには相応の理由と公共的な貢献を求められるはずと推察します。近年、脱炭素社会への転換と2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、木造建築の規定変更を伴う建築基準法の改正や国産木材の利活用拡大による森林産業の健全化など、国の方針に基づく都市の木造・木質化への新たなまちづくりへの取組が普及期に入ったと言われています。折しも、木の文化都市の継承と創出を標榜する本市で、建築とまちづくりを考える、木の文化都市から考える、金沢建築文化フェスタが開催されました。そして、尾張町の旧菓子文化会館を解体し、泉鏡花記念館との一体的な再整備で木の文化都市を象徴する建築物とする方針や、木の文化都市推進計画の取組を進めるための総合的なデザインや表現を統制する機能を検討すると市長が述べられたとの報道もあります。そこで、市長は、金沢の景観と高さ制限が生んできた効果や通りの眺めも含めた眺望景観についてどうお考えなのでしょうか。また、旧都ホテル跡地と世界で最も美しい駅の一つに選出されている金沢駅と鼓門との一体性を念頭に、高さ制限の緩和に値する公共への貢献をどのように求めるお考えなのでしょうか。木の文化都市推進計画の統制機能の検討と併せてお尋ねいたします。 都市再生特別地区の設定には、都市の再生に向けた大きな方針が求められるだけに、一企業の敷地単体で指定されることはないと推察します。幅広い提案内容も評価対象となる中で、全ての履行を都市計画で担保することは至難とも言われています。そこで、同制度の導入によるメリット、デメリットをどのように判断し、どのような政策形成過程を経て決定されるのでしょうか。また、景観審議会を含め、外部委員会による検討など、市民に見える形での提案と手続をどのようにお考えなのでしょうか。また、都市再生緊急整備地域指定への準備協議会や都市再生特別地区設定の対象範囲、都市再生の概要を示す都市再生安全確保計画の策定と手続について、併せてお尋ねいたします。 さて、金沢市都心軸基礎調査が、独立行政法人都市再生機構--URにおいて行われ、まちづくりに関する連携協定も結ばれています。その都心軸に位置する日銀金沢支店跡地について、市長は取得する意向を示し、中心市街地の活性化、都心軸の再興に向け、年明け早々に活用策をまとめると語ったとの報道があります。そこで、跡地取得の手続、取得時期並びに取得想定額、既に実施されている市民アンケート結果や日本銀行金沢支店跡地あり方検討懇話会の意見と要望を踏まえた活用策の取りまとめ手法、取得までの跡地の利活用に関する日銀側との協議の考え方をお尋ねいたします。 また、北陸新幹線敦賀開業を控えた北陸3県をカバーする交通アクセスも整いつつある中、日銀の移転をはじめとした多様な業種、業務の拠点性の高まりと広域都市機能の集積により新たな都心を形成しつつある金沢駅西新都心と、都心軸の機能集積が変わりつつある中心市街地の都心軸の再興と表現された10年後の新たな都市像における都心軸の在り方とまちづくりについて、市長にお尋ねいたします。 次に、老朽化が進む金沢広坂合同庁舎について、石川県と本市が北陸財務局に対して移転を求める要望書には、一帯の歴史空間の風格をさらに高める観点からの将来構想を検討する必要があると記されており、北陸財務局側は、県と市からまちづくりの観点で跡地の利用計画が示され、移転先の用地が確保された上で移転を求められた場合には、国として検討を進めたいとしたとの報道もありました。そこで、馳知事は、市と連携し、建て替えは現在地以外を検討するよう国に申し入れるとの方針を示していますが、日銀跡地との関連も含め、市長のお考えと今後の対応についてお尋ねいたします。 次に、金沢港の目指すべき姿を描く将来ビジョンについて、馳知事は、港湾法に基づく分区制度を活用し、会員制リゾートホテルの進出計画も含め、総合的ににぎわいを創出したいとし、重点戦略と施策案も示されています。金沢港の周辺整備、都市計画の見直し、塩漬け状態にある市所有地も含めた利活用について、以前お尋ねしたこともありますが、同ビジョンの重点戦略と施策案が示されている中での金沢港一帯の整備と、市所有地の利活用も含め、市長のお考えをお尋ねいたします。 また、石川県成長戦略の策定を担う有識者会議は、本多町の旧県立図書館や老朽化が進む近隣の県社会福祉会館、旧職員会館を移転して、跡地一帯を緑地として整備することを提言し、金沢の新しい都市像を発信する材料にすべきとしています。金沢世界都市構想でも、文化観光推進法に基づき、国から認定を受けた兼六園周辺文化の森地域計画が重要視されており、隣接地には民間施設や金沢歌劇座もありますが、このエリアの整備並びに金沢歌劇座整備論議の現状と新たな都市像での位置づけについて、市長にお尋ねいたします。 それら以外にも、茶道会館、県西部緑地公園再整備事業、旧知事公舎、二の丸御殿等々、本市のまちづくり施策とも深く関わる事案に対する馳知事の踏み込んだ発信力が際立ち、金沢市内における県事業に関連し、金沢市に応分の負担を求めるべきではとの県議の声もあると仄聞します。そこで、馳知事と県をはじめ、中央都市圏、姉妹都市、他自治体、金沢市民と、それぞれとの共創の施策方針を明確に示す村山市長の発信力を強く求めますが、市長のお考えをお尋ねいたします。 新たな都市像は10年を目標年次としていることから、その遂行には短期・中期・長期といったロードマップも必要で、当然、財源の裏づけも担保する必要があります。本市の9月定例月議会において、令和5年度の中期財政計画が示されていますが、令和7年度には最大41億円の収支不足が生じるとしています。今後、自治体の基準業務システムの標準化に関する移行費に約20億円から30億円が見込まれており、市立病院再整備事業、卸売市場再整備事業、老朽化する小中学校の建て替え等々に、喫緊の課題であるはずの東部環境エネルギーセンター新工場建設と西部環境エネルギーセンターの整備も不可欠です。それらの財源の確保の観点から、整備手法に関する論議も必要と考えます。市立病院の再整備基本構想検討委員会では、従来方式やECI方式をはじめとした各整備手法の検討・評価を行うとの報道もあります。馳知事は、県西部緑地公園再整備事業に関連し、PFIと従来方式の整備手法の見直しの可能性にも言及しており、URの調査検討業務内容には、整備手法項目も含まれていました。そこで、来年度予算編成は、新たな都市像の具現化に向けた行動計画と予算編成を連動させるとしていますが、先述した各事業の新たな都市像での具現化のためのロードマップ、その財政計画と整備手法における民間活用の検討、URの調査検討結果と連携協定の締結内容について、併せてお尋ねいたします。 質問の2点目は、本市の第7期ごみ処理基本計画に関してです。 本市の第6期ごみ処理基本計画は、令和2年度から令和16年度を計画期間としていましたが、ごみ処理を取り巻く状況が変化したとして、5年ごとの見直しを1年前倒しして、新たな第7期ごみ処理基本計画の策定作業が進められています。近年、使用済み紙おむつごみの処理が、環境やSDGsの関係から社会問題化しつつあります。使用済み紙おむつは、尿や軟便などの水分を含み、重さは4倍になるとされ、紙おむつごみの量が増えると燃やしにくくなり、通常より高い850度以上の温度で焼却しなければならず、焼却炉への負担や助燃材の使用による燃料費の増、二酸化炭素の排出増にもつながることから、環境への悪影響も懸念されます。高齢化の進展に伴い、今後、排出量も増加することが見込まれている紙おむつごみの処理問題を検討していた国土交通省は、ガイドラインの策定を事実上断念しています。また、環境省は、再利用のためのガイドラインを策定していますが、再利用などの技術が十分でなく、リサイクルが容易でないことや、再生コストが高いことから、圧倒的に焼却などで処理されている量が多いとしています。そこで、高齢者人口も年々増加していくことに伴って、紙おむつごみ処理問題は深刻化していくと思われますが、本市はどのように取り組まれるのか、現状と併せてお尋ねいたします。 新たな計画の策定に向けては、この問題等も含め、第6期ごみ処理基本計画のPDCAサイクルによる点検・評価・見直しが必要です。そこで、第6期ごみ処理基本計画の検証と評価、これを踏まえた第7期ごみ処理基本計画の策定において、見直すべき視点についてお尋ねいたします。 本市のごみ焼却処理施設は、東部環境エネルギーセンターと西部環境エネルギーセンターの両施設がありますが、焼却炉の安定稼働は施設整備計画の大前提と言え、人口動態、産業構造、将来計画等も考慮した計画立案が必要です。東部環境エネルギーセンターは、国の施設更新の目安である稼働目標期間30年以上を既に超えており、以前の私の質問時よりもさらに老朽化が進行し、両施設の稼働バランスを欠いていると推察します。東部環境エネルギーセンターの整備に対するこの間の議会答弁は、「これ以上の延命化は莫大な費用がかかることから困難と考える」「建て替え時期については平成30年の後半を見込んでいる」「現在の課題は、用地の取得と、できるだけ処理するごみを少なくし施設をコンパクト化すること」「財源については国庫補助金や交付金をいかに確保するかという点」「2020年度までには施設規模を決めなければならない」であったはずです。そこで、2020年度から既に3年も経過していますが、現時点での検討状況並びに先送りとなっている理由についてお尋ねします。 また、両施設の整備費用に関連し、東部環境エネルギーセンターの更新費用に170億円を要する、中期財政計画において収支不足が生じるとして、家庭ごみの有料化に二、三十億円のコスト削減とごみ袋の収益積立金で財源確保とのはずでした。廃棄物処理施設整備積立金は、令和4年度末現在で約6億円余にしかすぎません。建設費に関して以前の私の質問当時は、平均価格でトン当たり0.8億円と言われていましたが、昨今の資材等の高騰から、現状の見積価格はトン当たり約2億円とも言われており、今後も価格の上乗せをせざるを得ない状況にあると言われています。そこで、東部環境エネルギーセンターの新工場の施設規模確定時期、建設地の選定並びに環境アセスメント、建て替え見込額と財源確保、西部環境エネルギーセンターの基幹的改良工事時期と整備見込額について、現在はどうなっているのでしょうか。また、財源確保をどのように進めていくのでしょうか。市長の見解をお尋ねいたします。 ごみ処理施設の活用策や国の法的位置づけが変化する中、東部、西部、戸室リサイクルプラザの老朽化も進んでいる上、リサイクルの在り方も変化している一方で、収集職員の新規採用の停止や退職者の不補充など、ごみ処理に関する豊富な知識を有する職員が減少し続けています。そこで、保有する施設の有効活用と延命化や新施設の建設整備等の専門部署が必要な時期に来ていると考えますが、そのお考えと、ごみ処理施設と焼却施設を介した新たな産業創出の検討も必要と考えますが、併せてお尋ねし、私の質問を終わります。(拍手) ○高誠議長 村山市長。     〔村山 卓市長登壇〕 ◎村山卓市長 30番玉野道議員にお答えいたします。 初めに、本市の人口動態については、国勢調査及び本市人口ビジョンでは、2020年の人口は約46万3,000人であり、2040年には約4万6,000人減少することが推計値として示されております。また、高齢化率も2020年時点では26.7%でありますが、2040年には34.8%まで上昇する一方、合計特殊出生率についても、近年減少傾向にあるなど、全国と同様に人口減少・少子高齢化が進むことが見込まれております。新たな都市像においては、人口減少・少子高齢化の進展とともに、公共施設の統合や公共交通網の再編、これに伴う地域活力の低下のほか、地域経済をはじめ、福祉、教育、地域コミュニティーなど、あらゆる分野における担い手不足などを課題として捉え、それらの対応を含め、基本方針を取りまとめたところであります。 新たな都市像では、伝統文化のみならず、人と暮らしに関わる広義の文化こそが世界にも通じる金沢らしさの源泉としたところであり、これらを継承・発展させるとともに、時代の要請に合わせて変革していくことで、「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」を実現したいと考えております。「すべての人々と共に、心豊かで活力ある未来を創る」という副題にあるとおり、共創をキーワードに、基本方針に掲げる新たな取組を推進していきたいと考えています。また、このような考え方は、国の内外に通じる個性に満ちた魅力あふれる都市の創造を推進するとした国際的文化産業都市の理念にも合致すると考えております。都市像に掲げた5つの基本方針の横断的視点の一つに、若い世代、民間事業者、移住者など、地域に関わる多様な人々の視点や活力の活用を示しており、民間活力を生かした地域力の再生などの取組において、包括連携協定の締結を生かしていきたいと考えています。都市像の実現に向けた行動計画の策定に当たっては、今年度改定する文化芸術アクションプランや金沢KOGEIアクションプランとも連動させるほか、文化芸術に触れる機会の充実や文化芸術活動の支援などの取組において、金沢美術工芸大学や金沢スタジアムの活用を図ることで、文化都市金沢を磨き高めていきたいと考えています。 本市は、1968年に伝統環境保存条例を制定して以来、保全と開発の調和をまちづくりの規範として、魅力ある景観まちづくりに努めてきたところであります。高さ制限はそのことを実現するための重要な手法であり、市民や事業者の見識と理解に支えられ、歴史的まち並みに配慮した高さとしていることが、観光需要の一因にもなっているところであります。また、豊かな自然や歴史的なまち並みなどを一望する眺望景観は、通りとその背景で構成される通りの眺めや山並みへの眺め、見下ろしの眺め、見晴らしの眺めとともに、市民や来街者に憩いと安らぎをもたらす本市の貴重な財産であると認識しております。既存の規制にとらわれず、自由度の高い計画を定めることができる都市再生特別地区について、民間事業者から提案があった場合には、まずは準備協議会で定めた地域整備方針に沿った計画であることが必須条件であります。その中で、眺望をはじめとした景観政策を踏まえつつ、脱炭素社会の実現や木の文化の推進など、安易な規制緩和とならないよう十分議論し、都心軸の再興に向けた本市のまちづくりの考え方を反映させていきたいと考えております。本市の木の文化都市推進計画では、「木の文化を感じられるくらしとまちをつくる」を目指す姿としており、これを実現するためには、官民が一丸となり、それぞれが調和を図り、木の文化都市のまちづくりを進めていくことが大切であります。今後、準備協議会において地域整備方針の検討を進める中で、都心軸の再興に木の文化が果たす役割をどのように盛り込んでいくか、議論する必要があると考えております。あわせて、金沢会議や景観審議会をはじめ、学生などの若者や関係する事業者などの意見も聞きながら、木の文化を推進する総合的なデザインや表現方法を示していきたいと考えております。 今般、新たな都市像を策定するに当たり、中心市街地の活性化とその骨格となる都心軸の再興について検討を進める中で、民間による開発の機運を高め、都心軸エリア全体の面的整備の促進につなげていきたいとの思いから、都市再生特別措置法の活用を図ることとしたものであります。都市再生特別措置法は、国から都市再生緊急整備地域の指定を受けることで、その地域内における民間開発事業者等に対し、金融・税制上の支援措置が講じられるほか、既存の規制にとらわれず、自由度の高い計画を定めることができる都市再生特別地区の設定が可能となるなど、民間開発が促進されるメリットがあります。なお、都市再生緊急整備地域の指定に際しては、外部委員を含む産学官金で構成する準備協議会において、地域における開発の考え方や求められる機能等を掲げる地域整備方針の策定等について検討を進めることとなります。まずは都市再生緊急整備地域の指定に向けた準備段階となる候補地域の設定に向けた国への申請を今月中にも行います。国から候補地域として設定・公表され次第、国の方針に基づき、産学官金で構成する準備協議会を立ち上げ、都市再生緊急整備地域の指定に向けた地域整備方針等を取りまとめることとなります。それらの手続を経て、国による都市再生緊急整備地域の指定を受けることで、次の段階となる、地域整備方針等に合致する民間の開発事業の提案に基づく都市再生特別地区の設定が可能となるものであります。なお、官民連携で作成する大規模災害における都市の安全確保に向けた都市再生安全確保計画については、都市再生緊急整備地域の指定が前提となることから、今後、その実現性も含め、他都市の事例等を調査してまいります。 日銀の跡地についてでありますが、年明け早々にも検討懇話会を開催し、跡地に求められる機能の方向性を取りまとめていきたいと考えており、それを踏まえた上で、跡地の取得を含め、市としての責任を果たしていきたいと考えております。なお、現時点において、日本銀行から跡地の売却時期は示されておりませんが、しかるべき時期に日本銀行と協議を進めていきたいと考えており、跡地が売却されるまでの利活用についても、まちのにぎわいの創出の観点から、その可能性を含めて日本銀行と相談してまいります。 金沢駅から武蔵ヶ辻、南町、香林坊、片町に至る都心軸は、都ホテルの跡地だけでなく、老朽ビルの再整備等の課題があるほか、北陸新幹線の開業やコロナ禍の影響等により、エリア一帯を取り巻く環境に大きな変化が生じております。こうした状況から、都心軸のまちづくりについては、都市の求心力を高め、魅力と活力のある中心市街地の形成に極めて重要なエリアであることを基本に据えた上で、まち全体への波及効果やエリアとしての価値向上も視野に入れた取組を進めていきたいと考えております。 広坂合同庁舎につきましては、中心市街地の活性化の視点からも重要な場所と認識しており、本年3月、県と共に国に対して庁舎を建て替えする場合は移転を検討するよう要望したところであります。国からは、広坂合庁に関しては、2010年に耐震補強工事が実施されており、今後も相当期間使用できること、また、建て替えに当たっては、県と市からまちづくりの観点で跡地の利用計画が示された場合は、国として必要な検討を進めるとお聞きしております。これからの対応状況も含め、引き続き、国・県と情報交換を行ってまいります。 金沢港につきましては、先般、石川県が策定を進める金沢港将来ビジョンの原案において、金沢港の目指すべき将来像とともに、重点戦略とその施策の方向性が示されたところであります。ビジョンでは、憩い空間に対する県民ニーズの高まりなどの課題に対応するため、緑地レクリエーションゾーンや歴史文化関連ゾーン、交流拠点関連ゾーンなど、金沢港一帯の空間利用計画が示されたところであります。その中で、市所有地の利活用は想定されておりませんが、市としても、金沢港周辺のにぎわい創出は重要な課題と捉えており、将来ビジョンの実現に向けて、引き続き、県との連携を密にしてまいります。 金沢歌劇座につきましては、本年度、建て替えに向けて、現敷地で実現可能な施設規模等を踏まえ、あるべき姿の機能を補足するための手法などについて検討を進めているところであります。金沢歌劇座や旧職員会館、県社会福祉会館、旧県立図書館など、県・市の公共施設が点在し、兼六園周辺文化の森に包含される本多町歴史文化ゾーンの磨き上げにつきましては、新たな都市像の実現に向けた重要施策の一つと位置づけており、県とも情報共有を図りながら、ストーリー性を持たせた周辺一帯の空間づくりに取り組みたいと考えております。 「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」の副題とした「すべての人々と共に、心豊かで活力ある未来を創る」は、自らの信念を明確化したものであります。そうした都市像の実現に向け、明年2月に取りまとめる行動計画の策定に当たっては、共創に向けた具体の施策を取り入れるとともに、その理念や実現にかける思いを、様々な機会を捉えながら広く発信していきたいと考えております。発信とともに、身をもって実現していく、そういった推進力も大事だというように考えております。これから都市像の発信についても併せて行っていきたいと考えております。 行動計画の策定に際しましては、今後本格化する当初予算編成と連動させながら具体の施策を検討してまいります。その中で、大規模な公共事業の整備手法等について検討を進めるとともに、その財政需要を中期財政計画に反映していきたいと考えております。独立行政法人都市再生機構--URとの連携協定については、中心市街地におけるまちづくりや都心軸の活性化などについて相互に連携・協力して取り組むことを目的に、昨年7月に締結したところであり、本年度、日本銀行金沢支店跡地の在り方の検討や都心軸活性化検討調査において連携しているところであります。 第7期ごみ処理基本計画につきまして、現在、使用済み紙おむつを含め、廃棄物の焼却処理は、法令により800度以上で焼却できる施設で処理することが義務づけられております。本市においても、施設基準に合致した環境エネルギーセンターにおいて、廃棄物の状況に応じた適切な運転管理を行っており、焼却炉等への著しい影響は見られておりません。また、国の試算では、今後、使用済み紙おむつの廃棄量が1割程度増加するとしておりますが、現在のところ、その影響は極めて小さいと考えております。一方、使用済み紙おむつの適正処理を図っていくことは大変重要であり、そのためには、再生利用技術に係るコストの低下とともに、本市の実情に即した収集方法や処理施設等の様々な課題について併せて検討する必要があります。新たなごみ処理基本計画では、紙おむつを含め、廃棄物の実態に即した適切な処理方法や資源化等の調査研究等に取り組むこととしており、将来にわたり安定した廃棄物処理が図られるよう、努めてまいります。 第6期ごみ処理基本計画では、指定ごみ袋収集制度導入を機に、家庭系ごみ量の減少が見られる中、ごみ量全体の削減に向けて、事業系ごみの減量化推進や食品ロス削減等の方針を盛り込み、これまでに古紙や生ごみの減量化・資源化、食品ロス削減推進計画の策定と実践等に努め、コロナ禍の中、商工会議所など関係団体等との連携などにより、事業系ごみが減少しました。一方、プラスチック資源循環促進法が令和4年4月1日に施行され、新たに製品プラスチックごみの資源化が努力義務とされたほか、企業活動の活発化に伴い、事業系ごみは増加傾向が見られております。こうした状況の変化とともに、人口減少が進む中、デジタル化の進展に伴う生活様式や企業活動などの変化等による廃棄物の組成・質・量の変化などに的確に対応し、将来にわたり安定したごみ処理体制の確保とゼロカーボンシティかなざわの実現を図るため、引き続き、事業系を中心としたごみ量のさらなる削減と、プラスチックごみ等の資源化の推進を基本に、新たなごみ処理基本計画を策定することとした次第であります。 2018年2月の指定ごみ袋収集制度の導入を機に焼却処理となるごみ量は大幅に減少し、さらなるごみ排出量の削減に取り組むことで施設の延命化を一層図ることが可能となったことから、ごみ量の推移等を十分見極めた上で、必要となる施設の規模等を決定することといたしました。新たな廃棄物処理施設の整備に当たっては、基本構想、環境アセスなどに相当の期間を要するために、これまでに本市が行った施設整備や他都市における近年の整備状況等を踏まえ、現在、ごみ処理基本計画の策定と並行して必要な手続等に係る検討を行っております。 新たに必要となる廃棄物処理施設につきましては、年度末をめどに策定するごみ処理基本計画や既存施設の状況等を踏まえ、立地や環境アセス等も含め、機能や規模等に係る検討を本格化させることとしており、現時点で必要経費や整備スケジュールを示すことは困難であります。専門家や関係者等の意見をお聞きしながら、できるだけ速やかに整備方針を定めてまいりたいと考えております。また、西部環境エネルギーセンターの改良工事は、第6期ごみ処理基本計画において令和8年度頃を予定しておりますが、工事内容によって大きく左右されることから、現時点で詳細な実施時期や工事費用を示すことは難しいと考えております。なお、整備に当たりましては、必要経費の精査を徹底するとともに、財政の平準化や基金の有効活用、国庫補助等の積極的な活用に努め、必要な機能や規模が確保できるよう、意を用いてまいりたいと考えております。 以上です。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △散会 ○高誠議長 これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 次の本会議は、明日12日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。     午後2時22分 散会-----------------------------------  〔参考〕----------------------------------- 令和5年度金沢市議会12月定例月議会              発言者順序表発言予定日発言順序議席番号議員名会派等名12月11日(月)134野本正人自民党213稲端明浩公明党332森 一敏みらい金沢431森尾嘉昭日本共産党530玉野 道創生金沢維新12月12日(火)616上田雅大自民党72坂 秀明公明党84黒口啓一郎みらい金沢911山下明希日本共産党1025熊野盛夫創生金沢維新1126新谷博範保守こくみん1227下沢広伸さくら会1321喜多浩一自民党12月13日(水)1418小間井大祐自民党1512坂本順子みらい金沢1624広田美代日本共産党1710大西克利創生金沢維新187宇夛裕基心つなぐ金沢198高務淳弘参政党206道上周太心つなぐ金沢2123前 誠一自民党...