金沢市議会 2023-09-12
09月12日-03号
令和 5年 9月 定例月議会 令和5年9月12日(火曜日
)-----------------------------------◯出席議員(38名) 議長 高 誠 副議長 中川俊一 1番 柿本章博 2番 坂 秀明 3番 山本ひかる 4番 黒口啓一郎 5番 川島美和 6番 道上周太 7番 宇夛裕基 8番 高務淳弘 9番 喜成清恵 10番 大西克利 11番 山下明希 12番 坂本順子 13番 稲端明浩 14番 北 幸栽 15番 荒木博文 16番 上田雅大 18番 小間井大祐 19番 坂本泰広 21番 喜多浩一 22番 麦田 徹 23番 前 誠一 24番 広田美代 25番 熊野盛夫 26番 新谷博範 27番 下沢広伸 28番 清水邦彦 29番 粟森 慨 30番 玉野 道 31番 森尾嘉昭 32番 森 一敏 33番 源野和清 34番 野本正人 35番 久保洋子 36番 福田太郎 37番 横越 徹 38番
高村佳伸◯欠席議員(なし
)-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長 村山 卓 副市長 新保博之 副市長 山田啓之 教育長 野口 弘 公営企業管理者 松田滋人 都市政策局長 村角薫明 総務局長 川畑宏樹
文化スポーツ局長 東 利裕 経済局長 鳥倉俊雄 農林水産局長 山森健直 卸売市場長 桑原秀忠 市民局長 紙谷 勉 福祉健康局長 山口和俊 こども未来局長 藤木由里 環境局長 加藤弘行 都市整備局長 坪田英孝 土木局長 坂本敦志 危機管理監 上野浩一 会計管理者 小村正隆 教育次長 上寺武志 消防局長 蔵 義広
市立病院事務局長 松矢憲泰 財政課長 佐野宏昭
選挙管理委員会書記長 山下慎一-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長 森沢英明 担当次長兼議事調査課長
議事調査課担当課長 安藤哲也 上出憲之 議事係長 中田将人 調査係長 今川良太 主査 桜田みどり 主査 前田和紀 主査 竹村太志 主査 辻 卓也 書記 奥井 駿 総務課長補佐 多田育代 主査
中村隆俊-----------------------------------◯議事日程(第3号) 令和5年9月12日(火)午前10時開議 日程第1 議案第17号令和5年度金沢市
一般会計補正予算(第3号)ないし議案第33号市道の路線廃止について (質疑) 日程第2
一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件 議事日程(第3号)に同じ----------------------------------- 午前10時0分 開議
△開議
○高誠議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
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△会議時間の延長について
○高誠議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。 説明のため、新たに出席を求めた者は、お手元に配付のとおりでありますので、御報告いたします。 なお、上着の着用は御自由に願います。 〔説明員の氏名は
本号末尾参照〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△議案上程
○高誠議長 これより、日程第1議案第17号令和5年度金沢市
一般会計補正予算(第3号)ないし議案第33号市道の路線廃止について、以上の議案17件を一括して議題といたします。
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△質疑・一般質問
○高誠議長 これより、質疑並びに日程第2一般質問を併せ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 35番久保洋子議員。 〔35番
久保洋子議員登壇〕(拍手)
◆久保洋子議員 おはようございます。 発言の機会を得ましたので、
自由民主党金沢市議員会の一員として、以下数点にわたり質問させていただきます。 質問の1点目は、
北陸新幹線金沢-敦賀間開業についてです。 今年3月で、北陸新幹線の金沢開業から9年目に入りました。コロナ禍から
アフターコロナへの転換に伴い、金沢駅、近江町市場や21世紀美術館など、人出も多く、観光客でにぎわっています。金沢に限らず、全国各地に旅行に出かけるようになり、コロナの影響を取り戻しつつある日常が見えてきます。さて、北陸新幹線の敦賀までの延伸は、2024年3月の完成で建設が進められていましたが、先般、3月16日開業との方針が発表されました。あと半年余りとなりましたが、今回補正で、
北陸新幹線金沢-敦賀間開業歓迎おもてなしイベント開催の予算が計上されています。7日には、
カウントダウンボードの除幕式が行われ、市長も出席されました。今後、金沢駅など県内5か所に設置されると聞いておりますが、さらなる機運の盛り上げが必要と感じております。開業日に向けた機運醸成をどのように進めていく予定なのかお聞かせください。 また、
金沢-敦賀間開業は、第2の開業効果をもたらす大きなチャンスであるとも言われています。本市の観光や経済活動に波及効果をもたらす第2の開業を逃がさず、本市の魅力の発信について市長の御所見をお伺いします。 とはいえ、この敦賀開業に伴い、東京駅ホームのかがやき発車案内掲示板は敦賀駅行きになり、金沢は、今までと違い通過駅の一つかと思うと、北陸新幹線の金沢駅の担う魅力、終着駅効果がなくなるのではという懸念があります。この点においての市長の御所見をお伺いします。 次に、インバウンドと冬の観光需要の喚起についてです。 観光庁は、インバウンドの本格的な回復を図るため、国、地方公共団体や民間事業者等の連携で実施する、特別な
体験コンテンツイベントなどの創出等を支援する
観光再始動事業の第2次公募を実施し、6月末に本市など246件の採択事業が決定されました。今回の補正ではその事業、冬の
金沢観光ナイトコンテンツ造成事業費として予算3,500万円が新規に挙げられていますが、この点、数点お伺いします。この冬の観光は、具体的にいつ実施するのか、期間の設定をしているのかお聞きします。また、夜間観光や食をテーマとしたことですが、本市の冬期間の観光など、現状どのように分析していますか。お聞きします。 今まで、訪日外国人に対する夜を楽しむコンテンツは少ないように思っていますが、金沢ならではの強みを生かす工夫で、補助金を活用して、ナイトタイムエコノミーの活性化を図るためにも、官民連携での取組には期待度が高まります。そこで、冬の
金沢観光ナイトコンテンツ造成事業で
インバウンド需要の取り込みを図るために検討していますイベント内容や事業の概要についてお聞きします。なお、事業による誘客効果についてどのようにお考えなのかを併せてお聞きします。 ところで、今年はコロナ禍からようやく旅行、観光にと人々が動き始め、本市でもあちらこちらで外国人観光客を何人も何組も目にするのは珍しくない日々となりました。そしてこの夏、外国人観光客の日本で求める観光の姿は、買物や、体験やグルメを楽しむコトから、今この瞬間、そこに来なければ体験できない、主体的に参加することを求めるトキの過ごし方に価値を見いだすようになってきていると報道等で取り上げられるようになりました。地方を訪れるインバウンドの姿がコト消費からトキ消費にとの変化は
アフターコロナの観光スタイルの傾向であるとも伝えていました。このことはまた、受入れ側も観光スタイルを変えていかなければならないのだと感じさせられました。そこで、本市における
インバウンド観光は経済効果を図り、持続可能な観光へと構築して、誘客拡大につなげていくことを望みますが、市長の御所見をお伺いします。 質問の3点目は、
地域おこし協力隊の活用について伺います。 本年度、都市政策局に地域力再生課が新設されました。民間との連携や外部人材、移住者の活用などの視点で、地域のまちづくりを進める施策を実施することも、地域力再生課の重要な取組の一つと存じます。ところで、都市部から地方に住民票を異動し、生活拠点を移して、一定期間地域に居住して、
地域おこし協力隊として地域ブランドや地域産品の開発、農林水産業の従事など、地域協力活動を行いながら、その地域への定着、定住を図る国の制度、これが
地域おこし協力隊であります。本市の協力隊の活動は、農業水産振興課や森林再生課が地域の活性化に向けてそれぞれ協力隊員を受入れており、任期満了後も定住して起業するなど、実績があることは多くの関係者が知ることです。さて、地域力再生課は、今回補正予算に
地域おこし協力隊活用まちづくりモデル事業として、金石、大野、森本地区に来年4月から活躍していただくための募集事業費を計上してあります。まず、今回、なぜ金石、大野、森本地区をモデル地区としたのでしょうか、お聞きしたいと存じます。 また、移住して活躍していただき、その後定住にまでつなげるには、受入れ側の地区と求める人材について事前にしっかりした調整が必要と考えます。本市が募集する協力隊員には、どのような人材をお考えなのでしょうか、お聞きします。 令和4年度の
地域おこし協力隊の隊員数は、全国で6,000人を超える方々が活動し、効果を上げているとお聞きしています。県内においてはこれまで60人を超える協力隊員が活動しており、その7割以上の方が任期を終えた後も県内に定着や同じ地域に定住しているとのことです。このように、全国の自治体が
地域おこし協力隊の制度を活用して募集している中、本市の
地域おこし協力隊の成り手となり得る対策と活躍が期待できる求める人材に実際来てもらうには、広報や周知において効果的な方法で進めることも重要視されます。そこで、この点の取組についてお聞かせください。 さきに触れましたが、本市ではこれまで湯涌地区、三谷地区、内川地区において3人の協力隊員を受入れ、地域資源を生かした特産品の開発や朝市の開催など、中山間地域のにぎわいの創出などの活動で地域活性化の実績を上げています。また、現在は1名の隊員が犀川地区で活動しています。このように地域で活躍の上、市内に定住している協力隊OBの方々と本市との協力関係が今後の協力隊の拡大にもつながると考えます。これからの協力関係について、また、今後の
地域おこし協力隊の導入活用について、市長の御所見をお伺いします。 質問の4点目は、
金沢スタジアム整備と
プロスポーツチームの支援について伺います。 本市では2014年にJ2昇格した
サッカープロチームツエーゲン金沢が活躍しています。現在、活動の本拠地となる
金沢スタジアムが
城北市民運動公園内に、来年2月のオープンに向けて約82億2,000万円かけて建設、私は先月8月24日、完成間近な
金沢スタジアムの建設現場の議員の見学会に参加しました。北陸初となる入場可能者数1万人以上、座席は8,000席以上ある観客席に屋根などの必須とされる設備規模のJリーグ基準の
サッカー専用スタジアムです。また、
金沢スタジアムは、県内初となる
ネーミングライツ施設として、
愛称金沢ゴーゴーカレースタジアムと発表されましたし、すばらしく立派な
サッカー専用スタジアムのほぼ完成の姿を見ることができました。初めに、このスタジアムの誇れる設備や施設の本市独自の特徴などをお聞かせください。 また、
ふるさと納税制度によるクラウドファンディングの寄附金の活用についてもお聞きします。 なお、
金沢スタジアムは試合のない日や特にサッカーのオフシーズンの活用について、どのようなお考えでいますか、お聞かせください。 本市は
ツエーゲン金沢J2参入から様々な支援を進めて今に至っています。今シーズンの
ツエーゲン金沢は、今まさに
残留ボーダーラインの危機に。本当に完成間近にしてやきもきするのですが、この心配をかき消すよう残り試合を勝ち取り、巻き返しに全力で頑張っていただきたいものです。新スタジアムが本市のスポーツ振興に寄与するためにも、
ツエーゲン金沢の成績に注視しつつ、今後、観客数増加の取組も課題になると存じます。またスタジアムの魅力向上及びにぎわいの創出に向けた活用方針についても併せてお聞きします。 次に、金沢ポートについて伺います。この夏、北陸初の
プロ卓球チーム金沢ポートの熱戦が地方紙にも大きく取り上げられています。卓球Tリーグは、オリンピックで活躍した卓球選手などがチームメンバーに集結して、現在、男子6チーム、女子6チームの12球団と聞いています。金沢ポートは今シーズン新規参戦した男子のチームです。私は8月12日、金沢市総合体育館でのホーム開幕戦に御招待いただき、サーブがよく見える席で観戦しました。まさにサーブの瞬間の会場内全体の緊張感を味わい、
連続ポイントプレーに喜んだり、レシーブミスにため息をついたり、また、卓球ってこんなに応援するのかと驚くほど応援も会場一体でした。開幕戦の翌日の地元新聞は、「1,200人芽吹く卓球熱」の大見出しの記事と写真が大きく掲載されていました。さて、当日、村山市長はホーム開幕に当たり、始球式を務め御挨拶されましたし、また、選手席横間近での観戦はいかがだったでしょうか、所感等をお伺いいたしたいと存じます。 金沢ポートの西東監督は、地元の大学を卒業し、石川県出身元日本代表の松平健太選手や、本市などゆかりある選手を中心にチーム編成をしています。金沢市を拠点にする地域密着を掲げている点は、私は注目しているところです。初めてのTリーグ戦は、興味深いこともあり、8月に4回の
ホームマッチ試合の新聞報道が伝える市民、県民への発信力はとても魅力的でありました。ピンポンとして楽しんだ世代の方々、学生時代は卓球部だった方々のみならず、今回、
プロ卓球リーグに関心を持たれた市民も少なからずいたのではないでしょうか。地域密着を掲げる新たな
卓球プロチーム金沢ポートに対して、応援する機運を高めていくためにも、本市はどのような支援、取組ができるのか、お考えをお伺いします。 なお、11月にもホーム戦が予定されていますし、本市の卓球人口や応援団の拡大につなげ、新たな歴史をつくり出していくことに期待もしています。そこで、本市で活動するサッカーや野球や卓球などの
プロスポーツチームに期待する地域貢献や、本市にプロスポーツが果たす経済的社会的な地域活性効果について、村山市長の御所見をお伺いしたいと存じます。 質問の5点目は、認知症対策について伺います。 毎年9月21日は、認知症への理解を広げる
世界アルツハイマーデーです。6月には2023年の標語「もっと知ろうもっと語ろう認知症」が発表されました。2025年には団塊の世代が全て75歳以上となり、超がつく超高齢社会になります。それとともに、認知症の人が年々増加し、厚労省の資料によると、2025年には認知症者数は約700万人になると推計されています。要介護の高齢者数は前期高齢者よりも後期高齢者が多く、認知症症状は80歳以上の高齢者の出現率が高くなっている現状です。さて、本市では
認知症総合支援事業として、
認知症サポーター養成、
オレンジパートナーの養成、
話し相手ボランティアの養成など、人材育成が予算化されています。認知症の方々の増加する中、認知症になっても不安のないまちづくりを実現するため、地域で活動する
認知症サポーターなどの養成は必然ですが、それぞれの養成の数値目標はあるのか、併せてその現状もお聞きします。 本当に認知症は誰もがなり得るもので、友人、知人や家族が認知機能低下の現れに直面することも高齢者世代では特別なことではなく、身近なことと考えざるを得ないと存じます。そして、多くの高齢者自身が予防も含めた認知症の備えが重要と分かっていながら、皆さんが認知症予防を意識して日常生活を送っているのかというと、そうでもないように見受けられます。一番大切なことは、認知症は他人事ではなく、身近なこととしての意識づけであると考えます。認知症に深い関心を持つため、より一層の正確な知識の普及啓発が必要ではないでしょうか。そこで、地域などへの理解啓発の情報発信についての取組をお聞かせください。また、高齢者自身が認知機能の状況気づきのための認知症予防に向けての取組もお伺いします。 次に、若年性認知症についてですが、65歳未満で発症した方は若年性認知症と称されます。発症年齢が若く50代が多いことや、女性より男性の発症が多いことも知られています。社会的に仕事をしている現役世代であることが御本人の苦しみのみならず、家族の生活への影響が大きいことで高齢者の認知症とは異なる問題が生じます。なお、若年性認知症は進行が早いとも聞いています。若年性認知症と医療機関で診断された折、今後の就労の在り方やそれに伴う経済的な問題、日常生活の支援や生活の再設計など、個々人様々、抱える問題の相談対応について、どのようになっていますか、お聞きします。さらに、問題解決に向けての支える体制や取組についても併せてお聞かせください。 認知症増加という社会状況の中、先般6月の国会で認知症基本法が成立し、6月16日に公布されました。
認知症施策推進大綱の発表から3年余りを経過し、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせるよう共生社会の実現を推進するために、認知症やその家族の支援に関する制度としても、この法案の成立はとても意義深いものと考えます。さらに、8月21日に厚労省は、
認知症薬レカネマブの製造販売も了承しました。アルツハイマーの進行を遅らせる治療薬の新薬に期待するのですが、実際の治療に至るまでは、投与のため、患者の検査施設や高額な価格など、様々な課題の対処も注目されています。そこで、国を挙げて認知症対策に取り組むことに対しての村山市長の御見解を伺います。 私の思いですが、認知症の人との共生社会づくりの視点は大切であり、今後に向けて、認知症の人や家族への支援に即した施策の展開について、より一層の地域ぐるみの支援の活発化を求めるものです。最後に、市長には
本市認知症対策の充実に向けて、次年度予算に反映していくお考えもお伺いいたしまして、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○高誠議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 35番久保洋子議員にお答えいたします。 初めに、
北陸新幹線金沢-敦賀間についてでございますが、先月末、JRから開業日が来年3月16日と発表されたことで、本市を含めた沿線で開業機運が大きく盛り上がってきたと感じております。本市では、まず今週末、金沢JAZZ STREETが開催され、また金沢おどりが開催されます。また、来月からはいしかわ百万石文化祭2023が開催され、この期間中の
KOGEIフェスタ、食文化フェスタでは、開業PRブースを設けるほか、10月29日開催の
金沢マラソン等のイベントを通じ、さらなる機運の醸成を図ってまいります。また、市民参加による
おもてなしバナーフラッグを金沢駅の東西広場に掲出するほか、開業をPRする
大型タペストリーをもてなしドームや市役所庁舎前広場に掲出することとしております。
公式ホームページやSNS等での発信をはじめ、JRや石川県、関係自治体などと連携した情報発信により、開業日に向けて切れ目なく機運を高めてまいります。 今般の敦賀延伸は、金沢や石川、北陸が注目を集め、メディアの取扱い機会が増えるだけでなく、北陸エリア全体の移動利便性が飛躍的に向上することから、金沢を拠点とした広域観光を発信する好機と捉えております。8月下旬に東京駅で金沢の観光事業者と首都圏の旅行会社やメディアを招いての本市の観光セミナーを開催いたしました。コロナ禍後、初めてとなる大規模な商談会であり、参加事業者から、旅行商品化などの具体的な成果につながったと聞いております。本市にとって第2の開業という絶好の機会を捉えまして、北陸・飛騨・信州3つ星街道と連携して出展する
ツーリズムEXPOジャパンや、JRグループが主催する
全国宣伝販売促進会議などを通じて、金沢の魅力を国の内外に発信してまいります。 北陸新幹線の敦賀開業に伴い、金沢の終着駅効果がなくなるのではないかと御懸念がありますが、
金沢-敦賀間開業により、むしろ加賀・能登や北陸、さらには、飛騨・信州を含めた広域エリアの拠点駅としての役割がより増すと思っております。今後は、さらに金沢の拠点性を高め、広域観光、長期周遊観光を推進してまいりたいと考えています。さらには、大阪までの全線開業も見据え、日本海国土軸における主要都市として、交流人口の拡大や広域観光の推進に着実に取り組み、第2の開業効果を最大限に生かしてまいります。 続きまして、誘客の拡大につきまして、本年の国別の兼六園の入園者数の状況でございますが、アメリカがコロナ禍前の約1.5倍となるなど、本市が重点市場としている欧米豪からの来訪者は、既にコロナ禍前を超えており、インバウンドの回復は想定以上のスピードで進んでいると思っています。国の
観光立国推進基本計画では、持続可能な観光、消費額拡大、地方誘客促進の3つを柱とし、国内の交流拡大に加え、インバウンドでの
観光消費額拡大と持続可能な
観光地域づくりを目指すとしております。本市でもさらにモノ消費からコト消費、トキ消費につながっていく文化観光体験の
コンテンツ造成を推進していくとともに、市民生活と観光の調和を図り、持続可能かつ地域経済の活性化に資する観光振興に努めてまいります。 次に、
地域おこし協力隊につきまして、新たに着任する人材が地域と連携しながら
まちづくり活動を実践するとともに、任期後、引き続き定住するためには、協力隊OBの助言やサポートが有効であります。このため、モデル地区では、現役の協力隊と定住している協力隊OBによるサポート体制を構築していくこととしております。
地域おこし協力隊には、大都市圏から移住し、地域の
まちづくり活動に意欲的な方が多いことから、そうした外部の視点を生かして、地域の活性化を図っていきたいと考えており、引き続き、協力隊が活動するエリアと分野の拡大に向けて検討を進めていきたいと考えております。
金沢スタジアムにつきましては、スタンドからピッチまでの最短距離が7メートルという臨場感あふれるスタンドや、全ての観客席に屋根を配置しているほか、車椅子席、授乳室、多目的トイレの整備など、
ユニバーサルデザインにも配慮し、全ての人が快適に利用できる観戦環境を整えております。また、金沢らしいおもてなしを表現する
ウエルカムゲートや、ペデストリアンデッキの整備など、夢と憧れを創出する魅力的な施設となっております。一方で、防災備蓄倉庫を備え、災害時の活動拠点となる安全・安心のまちづくりを支える施設である点も大きな特徴であると考えています。 試合のない日や、オフシーズンなどのスタジアムの活用につきましては、芝生の養生が第一だと考えておりますが、大型映像装置を利用したパブリックビューイングなど、芝生への負担が少ない利用方法を指定管理者と協議し、スタジアムの稼働率向上に努めていきたいと考えています。また、
金沢スタジアムには、会議利用できるスペースのほかに、スカイボックスやプレミアムラウンジなど、パーティーやセミナーなどの開催が可能なスペースもあり、様々なスタイルでの活用を促してまいりたいと考えています。 観客数の増加におきましては、
ツエーゲン金沢の認知度については高いものの、さらに多くの市民の方々に観戦してもらうための取組が課題であると考えております。先ほど申し上げましたとおり、臨場感のあふれる観戦環境の下で、トップ選手の白熱した戦いを観戦することが、何よりもチームとスタジアムの魅力を体感でき、繰り返し御来場いただけるきっかけになると思っております。
ツエーゲン金沢や指定管理者と共に、来場者の増加につながる会場づくりやイベントの開催、PR活動に積極的に取り組んでまいりたいと考えています。 卓球Tリーグ金沢ポートの開幕戦につきましては、1,200人もの大勢の観客の中で、トップ選手の息遣いが聞こえるほどの臨場感あふれる中で観戦させていただきまして、そのプレーの迫力に圧倒されるとともに、大変感動いたしました。田中選手、松平選手の活躍によって最終ゲームまでもつれるという接戦になりました。思わず立ち上がって声援を送った次第でありまして、改めてスポーツ観戦の醍醐味についても感じたところであります。今回、Tリーグを観戦し、卓球の面白さにも地域を活性化する大きな可能性があると感じたところであります。ぜひ、市民の皆様方にも一度観戦にお越しいただきたいと思っております。 機運を高めていくための支援、取組であります。本市では、金沢ポートを、本市を中心に活動を行うホームタウンチームとして、7月に認定したところであります。今後、試合会場となる施設利用の支援や、金沢市プロスポーツ応援デーの開催による会場に足を運ぶ機会の提供、また、小学校への出前講座などの開催による子どもとの交流を通じた応援機運の醸成など、地域スポーツ文化の活性化に寄与する取組を行うこととしております。 プロスポーツの振興に関しまして、金沢市スポーツ文化推進条例にございますとおり、スポーツは人々に夢や希望、感動を与えることで、人と人との交流を促進し、連帯意識を醸成するものであり、市民生活の向上や地域社会の健全な発展に欠かせないものであると考えています。特にプロスポーツをはじめとするホームタウンチームの活躍は、地域の活力や一体感の醸成に加え、協賛企業の参画や、スポーツツーリズムなどによる来街者の増加による経済効果も含め、地域の活性化に大きく寄与することから、スポーツによるまちづくりの推進に貢献するものと期待しております。金沢市としても、市民との交流機会の提供など、なし得る限りの支援を行うなど、共に連携しながら役割を果たしてまいりたいと考えております。 最後に、認知症対策につきまして、急速に少子高齢化が進む中、地域共生社会に向けた認知症の方を支える取組は重要と考えており、本市としても、国と呼応した施策を推進する必要があると考えております。明年度予算に向けましては、国の動向も注視しながら、認知症の方やその御家族を支える体制の強化など、本市独自の施策の充実に向けて検討してまいりたいと考えています。 私からは以上です。
○高誠議長 鳥倉経済局長。
◎鳥倉俊雄経済局長 今ほど、冬の観光ナイトコンテンツ事業について数点の御質問がございました。まず初めに、事業の実施期間と本市の冬期間の観光の現状についてお答え申し上げます。金沢の冬は旬を迎える海の幸などの食、雪つりなどの美しい景観、地域に根づいた祭事や食文化を生かしたイベント等、観光資源が充実している時期でございます。本事業はこれらの冬期の観光資源を活用しまして、閑散期となる冬期の観光需要の掘り起こしのスタートといたしまして、11月下旬から2週間程度実施することといたしております。冬期の観光客は増加傾向にありますものの、観光コンテンツやその魅力を踏まえますと、まだ伸び代は大きいと考えておりまして、コロナ後のインバウンド回復という好機を生かしまして、冬の金沢の誘客をさらに推進してまいりたいと考えております。 次に、事業の概要と誘客効果についてお答えいたします。日本文化に興味のある外国人観光客の集客を目指し、起点となる尾山神社での特別拝観など、独自の文化体験を行うほか、まちなかの飲食店等と協力いたしまして、金沢の食文化を中心にしました歴史、文化のまち巡りを楽しむ特別プログラムを展開することといたしております。また、英語版デジタルパンフレットを制作しまして、飲食店や、まちなかのライトアップスポットなどの見どころを紹介しまして、夜のまち巡りを楽しんでもらえるように考えてございます。日本独自の文化体験は、欧米豪の旅行者を中心に関心が高く、夜を楽しむコンテンツのニーズも高いことから、宿泊を伴う金沢への誘客促進につながるものと期待いたしております。 以上です。
○高誠議長 村角都市政策局長。
◎村角薫明都市政策局長
地域おこし協力隊募集に関しまして数点お答え申し上げます。モデル地区として選定した金石、大野、森本の3地区は、それぞれが外部人材の受入れによる地域への波及効果が期待できると考えています。金石・大野地区は、金沢21世紀美術館のプログラムで、国内外のアーティストが滞在し、地域の方々と協力して制作活動を行ってきた実績がございます。また、森本地区では、
地域おこし協力隊のOBが定期的なイベント等の運営に参画しているなど、外部人材と連携して、地域の活性化に取り組んできた実績がございます。あわせて、各地区に受入れの意向を確認した上で、今回、モデル地区と選定したものでございます。 次に、募集する人材につきましては、それぞれの地区と協議を重ねてきております。地域資源を生かした地域の活性化に主体的・意欲的に取り組めるとともに、任期後には地区内に定住することを視野に入れている人材を募集したいと考えております。 続いて、広報・周知に関してでございますが、市ホームページによる広報はもちろんのこと、
地域おこし協力隊の募集に関する情報をダイレクトに伝えるため、地方への移住や、
まちづくり活動への関心が高い方に対するインターネット広告やマッチングサイトなどを活用し、効果的な発信を行っていきたいと考えています。また、首都圏で開催される移住フェア等に職員が出向き、対面での相談会を実施するほか、既に本市へ移住し、活躍している方々を通じて情報発信するなど、様々な媒体や機会、ネットワーク等を通じて、意欲のある人材を募集してまいります。 以上でございます。
○高誠議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 金沢スタジアムのクラウドファンディングの寄附金の活用についてお答えいたします。クラウドファンディングの寄附金は、市民の当事者意識や参加意識を高め、機運の醸成を図るものとして実施したものでございます。目標を大幅に上回りました5,600万円の寄附金につきましては、多様な観戦スタイルを創出するため、家族やグループで観戦できるバラエティーシートやキッズスペースなど、来場者が楽しめる施設整備の充実を図ることとしております。 以上です。
○高誠議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 認知症対策につきまして幾つかお尋ねがありました。まず、
認知症サポーターの養成の数値目標ですけれども、
認知症サポーターにつきましては、長寿安心プラン2021におきまして、令和6年3月末までに4万2,354人を養成するという目標を持っております。令和5年3月末現在において、3万8,754人を養成したところでございます。 続いて、地域等への情報発信や認知症予防に向けた取組についてでございますけれども、認知症の理解啓発につきましては、
認知症サポーターの養成講座に加えまして、地域包括支援センターにおける認知症予防教室の開催や、いつでもどこでも脳活プログラムの動画配信などを通じて、認知症を学ぶ機会を提供しているところでございます。今後とも様々な機会を通じ、市民に対する認知症への関心や正確な知識の普及啓発に取り組んでまいります。また、認知症の疑いのある高齢者の気づきを促すため、70歳、73歳、76歳の方を対象に物忘れ検診を実施しております。引き続き、着実に予防につなげる取組を推進してまいります。 もう1点、若年性認知症の方への取組についてでございますが、若年性認知症の方へは、専門医療機関や国が開設するコールセンターを案内いたしますほか、身近に相談できる窓口として、若年性認知症カフェを開催し、認知症の方やその家族を支援する個人や企業につなげるなど、その方のニーズに応じた各種サービスの情報を提供しているところであります。今後とも、本人の状況や置かれた環境に応じた支援を進めてまいります。 以上です。
○高誠議長 3番山本ひかる議員。 〔3番山本ひかる議員登壇〕(拍手)
◆山本ひかる議員 発言の機会を得ましたので、公明党金沢市議員会の一員として、以下、数点にわたり質問させていただきます。 まず、本市のがん対策に関連して伺います。 本年3月、政府は今後6年間のがん対策の方向性を示した第4期がん対策推進基本計画を閣議決定しました。全体目標として、誰一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指すを掲げ、検診受診率6割への向上を挙げています。また、日本対がん協会は、毎年9月をがん征圧月間と定め、がんに関する正しい知識やがん検診の重要性などを訴える集中的な活動期間としています。ここ数年のコロナ禍における検診については、受診者数も減少傾向であると報道されています。そこで、まず、本市のがん検診の受診率の実績について、コロナ禍前と比較してどのような状況かを伺います。 その中で、全国的にほかの部位と比べて受診率が低いとされている女性特有のがん検診について伺います。本市の乳がん及び子宮頸がんの検診受診率は、男女に共通したがん検診の受診率と比べると、どのような傾向があるでしょうか。 特に、子宮頸がんはHPVワクチン接種による予防と、検診での早期発見、早期治療があれば、制圧可能ながんであると言われています。子宮頸がん検診は20歳からが受診対象年齢となっていますが、年齢によっての本市の受診傾向はどうなっているかを伺います。 子宮頸がんは、感染から発症まで5年から10年かかり、早期には自覚症状がないと言われています。小学校6年生から高校1年生までが対象となるHPVワクチンの定期接種がこの9年弱、積極的な勧奨を差し控えられていたことを思うと、キャッチアップの対象となる世代も含めたワクチン接種の個別勧奨の実施とともに、若年世代の皆さんが、子宮頸がん検診を受診しやすい環境を整えることが大切だと思います。本市のがん検診には、個人で医療機関を選んで受診するすこやか検診と集団検診があります。初めて受診する方であっても、その不安を軽くするために、例えば、集団検診では子宮頸がん検診を女性医師が担当するレディース検診日が設定されています。しかし、今年度のその日数は、全体の検診日が54日ある中での3日のみです。ウェブでの予約状況を見ても、レディース検診日の予約は早くから埋まっています。これは受診したい方にとっての選択肢が狭まっていないのか、そのニーズを確かめ日数を増やすべきだと思いますが、御所見を伺います。 また、子育て世代の皆さんが検診を受けやすくするために、本市では無料の保育サービスを行っています。大変によい取組だと思いますが、年間どれくらいの方が利用されているのかを伺います。 さらに、せっかくの無料保育サービスを検診に関する情報としてだけでなく、子育てに関する情報の中でも紹介することにより、母親本人のがん検診受診の動機づけを高めていけないかと思いますが、御所見を伺います。加えて、第4期がん対策推進基本計画では、がん検診の受診率向上の鍵は、職場で行われる職域健診にあるとされ、中でも、女性特有のがん検診は実施している職場が少ないことも指摘しています。職場で乳がん、子宮頸がん検診を受診できない方が、本市では集団検診でなら受診することができます。そのような方の受皿となることも考えると、現在の集団検診における乳がん、子宮頸がん検診は、肺や大腸がん検診よりも受付時間が限定されているため、より受診しやすい体制を考えていただきたく思いますが、御所見を伺います。 次に、アピアランスケアとしての入浴着着用について伺います。本市におきまして、本年4月よりがん患者のアピアランスケア支援事業として、がん治療に伴う外見変化へのウィッグや補正具への助成が始まったことは大変に喜ばしいことです。当事者の方からも経済的な支援のみならず、時に孤独を感じる闘病生活への大きな励ましに感じられたとの声もいただいています。一方、乳がんで乳房の切除手術を行った若いお母さんからは、手術後できなくなってしまったことの一つが大浴場での入浴であることを伺いました。ただ、その方からはこんなことも伺いました。ある温泉施設に宿泊したときに、入浴着を着用して温泉をお楽しみくださいとのコメントが添えられ、傷痕を覆うことができる入浴着というものが備えてあったそうです。おかげで、諦めていた大浴場へ子どもと一緒に入浴することができ、忘れられない思い出になった。入浴着での入浴がどこでも認められたら、ほかに喜ぶ人がいるのではないかとのお声でした。私も乳がん経験者ですが、今まで入浴施設で着用している方を見かけたことはなく、入浴着の存在もこの相談を受けて初めて知りました。入浴着の着用については、早くは2018年6月に、厚生労働省健康局がん・疾病対策課より、全国のがん対策主管課あてに、公衆浴場における入浴着を着用した入浴等への理解の促進についてとの事務連絡が出ています。また、昨年12月には、厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生課より、本市にも周知状況の調査があったかと思われます。確かに、本市のホームページには、厚生労働省作成の入浴着理解促進ポスターとともに、「アピアランスケアの支援の一環として、公衆浴場において、入浴着を着用した入浴等に御理解、御配慮をお願いします」と掲載されています。これは入浴施設の利用客側への周知にはなるかと思うのですが、入浴施設への周知はどのようにされているのでしょうか。また、このようなポスターを実際に掲示してくださっている施設があるのかを伺います。 ちょうど昨年、奈良県にある大学での研究開発から商品化された入浴着がグッドデザイン賞を取りました。お湯が汚れないように、水をはじく素材で作られており、使い捨てで比較的安価です。利用者も手に入れやすいと思われ、入浴着について認知される広がりが新たに出てきていると言えます。観光都市である本市にとっても、国内外からの観光客が戻りつつあるこのタイミングで、ユニバーサルツーリズム推進の一環とも言える入浴着に対する理解と協力が広がることは大切なことではないかと思います。今後、乳がん患者の皆さんも入浴を楽しめるように、宿泊施設を含めた入浴施設に対し、入浴着の着用への理解と協力を周知徹底していただきたく思いますが、市長の御所見を伺います。 次に、学校におけるがん教育について伺います。がん対策には、がん予防、がん医療、がんとの共生と、それぞれの分野の取組がありますが、これらを支える基盤とも言えるのががん教育であると思っています。私自身、乳がん検診によりがんが早期で見つかりました。受診のきっかけは、それぞれの年代でがんと闘っていた友人や先輩が真剣になって検診の重要性を語ってくれたからでした。がんが見つかったときにも、先に手術を控えた友人が、次はこんな検査がある、こんな治療が始まるなどと教えてくれたことで、詳しい知識のなかった私でしたが、過剰な不安を打ち払い、治療に専念できたのだと思います。切除手術の後、放射線治療に通っていたときにも、朝早く治療を受け、そのまま出勤される方たちが多いことも知りました。がんは早期発見、早期治療が大切であり、また、見つかったからといって終わりではないと、経験すればそう思えます。がんについて正しい知識を得る機会は、早ければ早いほどがんから身を守ることになると思われます。そこで、本市でも小中学校の保健教科でがん教育をされていると伺っていますが、どのようなことを目的に、また、何を教材に、そして、今までにどれくらいの方が教育を受けられているのでしょうか。また、学ばれたことにより、子どもたちからどのような感想が聞かれているのか、お伺いします。 加えて、国の第4期がん対策推進基本計画の中では新たに、学校でのがん教育に、医療従事者やがん患者・経験者等の外部講師も積極的に活用することを進めています。その点についての御所見を伺います。 次に、学校での生理用品の常備について伺います。 昨年度より金沢市立の中学校、工業高校では、今まで保健室で手渡しされていた生理用品を、トイレにも常備していただくようになりました。そこで伺います。新たにトイレに常備されたことにより、どのような変化が見られたでしょうか。 また、この生理用品のトイレへの常備を小学校では引き続き保健室での配置という体制を取られました。このことについては、子どもたちの発達段階を踏まえながら、一人一人の体調や家庭状況に応じた対応を大切にしていくためであったかと思われ、私自身、大変に重要なことだと思っています。その上でも、やはり他人に相談しづらかったり、急を要したりという状況は、年齢にかかわらず起こり得るかと思います。一人一人の心情を尊重し、ぜひ小学校でも、保健室に加えトイレにも生理用品を常備していただきたいと思いますが、御所見を伺います。 次に、市営住宅について伺います。 少子高齢化や人口減少という時代の大きな変化にあっても、住宅困窮者に対して的確に住宅を提供するという市営住宅の役割を果たすために、本市では、2016年に高齢化等に対応した市営住宅のあり方検討会を行っています。その中で、各課題に対し解決に向けた対策を実行してこられました。まず、建物の老朽化と安全・安心の確保については、当時、耐震不足住宅が14棟ありましたが、現在、その半分は工事が完了し、残りも計画は決まっていると伺いました。次に、各戸の居住性の向上として、浴室の整備、また、家族も小規模化していることから、住宅の建て替え時には少人数世帯用住戸を増やすなど、住民のニーズに合わせた整備を行ってこられました。あわせて、コミュニティー再生のため、若年世帯の家族にも入居してもらえるように、若年夫婦や子育て世代の所得制限を緩和。ほかにも高齢化が顕著な団地において、子育て世帯の募集枠を新設したりと、多様な世代が住むことで、コミュニティー活動の活性化が図られるように取り組まれていると伺っています。そこで、市営住宅のあり方検討会で整理された運営方針のうち、コミュニティーの再生について、その取組状況を伺います。 私が相談をお受けしたある市営住宅では、若年層が増加しているとは言えず、徐々に空き家も増加しています。その中で区長をされている86歳の方は、何棟かを任され、各棟の責任者である班長と連携を取り、市や町会からのお知らせ、防犯、会計など、役割は多岐にわたっています。コミュニティーづくりにも懸命に取り組まれていますが、その責任と負担はいかばかりかと思います。また、団地内の空き家の増加は、共用部分の経費、住宅周りの清掃等、入居世帯の経済的、体力的負担の増加につながるとともに、防犯や災害時の避難体制などの問題もあります。このような市営住宅における入居者の高齢化、空き家の増加を改善するため、本市ではどのような対策に取り組んでおられるのか伺います。 最後に、投票所における支援について伺います。 政治に対して意見を持っておられる有権者は多い反面、毎回の選挙の投票率には反映されていない現状があります。投票率の低迷は続いており、私もその責任を担う一人として、信頼に値する議員であることを心するものです。一方で、その貴い1票を意思を持って投じるため、投票所に足を運ばれる市民の皆さんが、投票を終え気持ちよく帰っていただけることは、次の投票行動にもつながっていくのではないかと思われます。最近、本市での投票に際してのこんなお声をいただきました。その方は目に色覚異常があり、投票用紙や文字の色によって読むことにストレスがかかるそうです。投票所を訪れたとき、一見して分かる障害ではないため、次々と事が進んで行き、補助をお願いするタイミングがなく、つらかったと言われていました。何回も投票している私たちでさえ投票所は緊張する場所です。まして初めて投票する方、障害をお持ちの方、高齢者の方など、そのお気持ちを考えると全ての方が安心して投票できるサポートを準備していくことが大切です。そこで、現在本市では、投票のサポートを希望される方に対し、どのように対応されているか、お伺いします。 そして、ここで私が提案したいのが、今、全国的にも広がりを見せている投票支援カード、または選挙支援カードというものです。このカードは、アンケートのようなチェック形式で、投票所でサポートしてほしい内容を前もって記入し、当日投票所の係員に渡すことで、記入内容に応じたサポートをしてもらうというものです。項目として、コミュニケーションの方法の例では、指さしがよい、大きな声で話してほしいなど、また、係員にしてほしいことの例では、代筆、移動の付添いなど、自治体によってその項目も工夫されています。このカードは、市のホームページから誰でも印刷できるようになっています。事前に印刷する環境にない方、また、カードのことを知らずに投票所にこられた方には記入していただく必要はなく、代わりにイラスト入りのコミュニケーションボードを係員の手元に用意し、必要に応じて意思を表してもらう仕組みです。投票支援カードとコミュニケーションボードを導入することで、各投票所、期日前投票所での心細やかなサポートをお願いできればと考えます。その御所見を伺い、私の質問とさせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)
○高誠議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 3番山本ひかる議員にお答えいたします。 初めに、レディース検診の拡充につきまして、集団検診については、これまでも開設日数を増やすなど、受診環境の見直しを行ってきております。引き続き、女性が受診しやすい環境の整備を含め、適切な集団検診の在り方について検討してまいりたいと考えております。 続いて、集団検診における子宮頸がん検診につきまして、金沢市医師会を通じて、市内の医療機関から医師を派遣していただいております。派遣元の医療機関における診療に支障がないよう配慮する必要があるため、受付時間を限定せざるを得ないということを御理解いただければと存じます。なお、乳がん検診には、医師の配置が必要ないということから、現在、子宮頸がん検診と同じとしている受付時間を延長することができないか検討していきたいと考えています。 続いて、がん患者アピアランスケアについて、入浴着を着用した乳がん患者の方が入浴しやすいようにということのお話がございました。御指摘のとおり入浴着に対する理解と協力が広がるということは、がん患者の生活の質の向上につながるという意味で、大変大事なことだというふうに考えております。今後、公衆浴場施設のほか、大浴場等がある宿泊施設についても、立入検査などの機会を捉えまして、入浴着理解促進のポスターの掲示を促すなど、アピアランスケアのより一層の周知啓発に努めてまいりたいと考えております。 私からは以上です。
○高誠議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 本市が実施する検診について幾つかお尋ねがございました。まず、がん検診の受診率の状況で、コロナ禍前との比較ですけれども、本市のすこやか検診における令和4年度のがん検診受診率ですが、胃がん検診は17.9%、肺がん検診24.9%、大腸がん検診20.8%、乳がん検診9.4%、子宮頸がん検診8.5%でございまして、コロナ禍前の受診率にはまだ戻っていない状況ではございますが、徐々に回復傾向にあるというふうに捉えております。 続いて、乳がん検診や子宮頸がん検診の受診率と胃や肺など男女共通の検診の受診率の差でございますけれども、2年に1回の受診となる乳がん検診及び子宮頸がん検診と、毎年受診できる胃がん、肺がん検診などと単純に受診率を比較するものではないというふうには認識しておりますが、すこやか検診の令和4年度単年度で比較いたしますと、乳がん、子宮頸がん検診の受診率は、男女共通のがん検診のおおむね半分以下の数値となっております。 続いて、子宮頸がん検診の年齢による受診傾向ですが、すこやか検診における子宮頸がん検診は20歳から60歳までを受診対象年齢としております。令和4年度の年代ごとの受診率でございますが、20歳代が5.7%、30歳代が7.2%、40歳代が10.5%、50歳代以上が10.1%となっておりまして、若年層が比較的低い傾向にあると認識しております。 集団検診時の無料保育サービスの利用状況でございますが、コロナ禍前の令和元年度は270人を超える利用がありましたが、その後は100人前後と推移しておりまして、令和4年度におきましては、12回の実施で利用者数は93人でございました。この集団検診における無料保育サービスにつきましては、これまでも、乳幼児健康診査の際にお知らせいたしますとともに、子育てに関する情報を提供しております母子健康手帳アプリなどを活用して周知を図ってきたところであります。今後も、本年度から運用を開始したかなざわ子育てすまいるクーポンアプリの活用など様々な機会を捉えて、集団検診における無料保育サービスを周知することで、母親本人のがん検診の受診を促進してまいりたいと思っております。 続いて、アピアランスケアとしての乳がん患者への入浴着着用の周知についてでございますけれども、本市では、おおむね年1回実施しております公衆浴場施設への衛生状況などの立入検査、こういった機会にアピアランスケアの周知を行っております。また、市内に71ある公衆浴場施設のうち、入浴着理解促進ポスターが掲示されている施設は、現在7か所あると把握しております。 以上でございます。
○高誠議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 初めに、学校におけるがん教育についてお答えいたします。本市小中学校で行っているがん教育の目的と教材など、また、子どもたちからの感想についてお尋ねがございました。がん教育の目的は、がんについて正しく理解するとともに、健康と命の大切さについて主体的に考えることができるようにすることであります。各学校では、学習指導要領に基づきまして、小学校6年生と中学校2年生ががんについて学んでおり、本市におきましては、毎年、中学校を卒業する約4,000名の生徒が小中学校で2度学んでいることになります。小学校体育科及び中学校では保健体育科の授業において、生活習慣病の一つとしてがんを取り上げ、主に教科書を活用し、健康な生活と疾病の予防などについて指導しております。学習を通して、児童・生徒からは、がんを予防するために自らの生活習慣を見直したい、健康診断やがん検診を積極的に受けたいなどの感想が上がっており、引き続き、発達段階に応じたがん教育に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、学校のがん教育への外部講師の活用についてお尋ねがございました。平成28年度及び令和4年、5年度には、石川県のがん教育に関する研究推進校として、本市中学校3校がそれぞれ1年間の実践研究に取り組んできており、その際、外部から招いた講師と共に、がん教育に関する推進協議会を組織し、がん教育に関する授業を行っております。加えて、教職員のがん教育に関する講演会への参加を促しております。今後も児童・生徒ががん予防やがん検診による早期発見の重要性を認識し、がんを正しく理解できるよう、県作成の外部講師リストを積極的に活用しながら、がん教育を推進したいと考えております。 市立小中学校でのトイレの生理用品の常備について御質問がございました。初めに、市立中学校や、市立工業高等学校に生理用品をトイレに常備したことによる変化についてお答えいたします。中学校や高等学校への生理用品の配備により、管理職や養護教諭からは、急に必要になったとき安心して使用できた、周囲の目を気にしなくなったなどの生徒の声や、保健室に常備してある生理用品よりも、トイレに常備した生理用品の使用数が多くなったなどの報告を受けております。思春期にある子どもたちへの心情に配慮し、安心して学校生活を送ることができる環境が整ってきていると捉えております。 小学校のトイレにも、生理用品を常備していただきたいと思うがいかがかとの御質問がございました。小学校では、現在、突然の初潮や生理に適切に対応するため、また、児童との会話を通して状況を確認するため、養護教諭等に申出があった場合に、保健室に常備した生理用品を手渡しております。ただ、小学校の管理職や養護教諭などからも、中学校と同様に、児童が心理的な負担を感じることなく、安心して学校生活が送れるよう、保健室に加え、主に高学年が使用するトイレを中心に、生理用品を常備してほしいとの声がありますので、今後、検討していきたいと考えております。 以上でございます。
○高誠議長 坪田都市整備局長。
◎坪田英孝都市整備局長 市営住宅のコミュニティーについてのお尋ねがございました。コミュニティーの再生には、多様な世代が同じ団地に住んでいただくとともに、住民同士が交流していただくことが重要であると考えております。このため、交流の場として、集会所につきましては、柔軟な利用が可能となるように、管理運営を住民で構成する組織に委託しておりまして、子ども食堂や日本語教室等に利用いただいております。また、ハード面につきましては、市が直接整備を行っておりまして、多様な世代が集会所を使いやすくなるように、トイレの改修や手すりの設置等を行い、利便性の向上に取り組んでいるところでございます。 次に、高齢化、空き家の対策についてですが、金沢市営住宅条例では、60歳以上の方の入居要件が緩和されておりますことから、民間の賃貸住宅で入居を敬遠される高齢者の応募が多くなり、その結果、市営住宅の高齢化率が高くなっております。一方で、若年世帯の入居は、高齢の方が多いコミュニティーを支え、また、活性化させる上で重要と考えておりますことから、若年世代等に限定した入居の募集や、収入要件の緩和によりまして、入居を推進しているところでございます。空き家、空き部屋の対策につきましては、市営住宅は、築年数が古いことから現在の居住水準に合っておらず、そのことで応募を敬遠される住戸が多くありますことから、浴室整備やバリアフリー化、リニューアル工事を計画的に行いまして、居住水準の改善に取り組んでいるところでございます。 以上でございます。
○高誠議長 山下
選挙管理委員会書記長。
◎山下慎一
選挙管理委員会書記長 投票所における支援について2点お尋ねがございました。まず、投票のサポートが必要な方に対し、どのような対応を行っているのかということについてでございますが、これまでも段差解消のため、スロープの設置や車椅子を準備するほか、必要に応じて、土足のまま入場が可能となるよう対応しているところでございます。これに加え、自ら投票用紙への記載が困難な方が代理投票を行う場合などに対処するため、十分な職員を配置するとともに、意思の確認方法や、配慮すべき項目を職員に周知するなど、きめ細やかな支援ができる体制を整えているところでございます。 次に、投票支援カードやコミュニケーションボードの導入についてでございますが、選挙管理委員会といたしましては、障害のある方だけではなく、全ての有権者が投票しやすい環境を整えていくことが大変重要と考えております。御提案のありましたコミュニケーションボード等につきましても、その一環として導入したいと考えております。今後とも、これらを含めまして、投票環境の向上に努めてまいります。 以上でございます。
○高誠議長 12番坂本順子議員。 〔12番坂本順子議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆坂本順子議員 みらい金沢の一員として、以下、数点にわたり質問いたします。 初めに、公共交通について伺います。 新型コロナウイルスの5類移行により、人の動きは回復傾向にあります。しかし、2020年から新型コロナウイルスが爆発的に感染拡大したことや、燃料価格の高騰が続いている影響により、公共交通事業者は大変厳しい経営状態に陥りました。北陸鉄道においても、路線バスや高速バスの収益減により、浅野川線と石川線の鉄道線の赤字を補填する経営スタイルが厳しくなり、県や市、町からの緊急支援によって運行を継続してきたと聞いております。現在、4市2町と県などから構成される石川中央都市圏地域公共交通協議会において、地域公共交通の在り方についての検討が進められています。8月30日の北陸鉄道線のあり方に関する沿線自治体首長会議では、石川線の存続が決定しました。国の新たな支援制度、社会資本整備総合交付金の地域公共交通再構築事業は、鉄道車両や施設を北陸鉄道が保有したままでも利用できるため、上下分離方式をしない方向で進めようとしています。しかし、北陸鉄道は、住民に不可欠な公共交通を守るため、石川線、浅野川線の運行を継続したいとの強い意向があり、サービス向上への余力を確保するため、行政の支援による上下分離方式の導入を求めています。市長は、交通事業者の思いをどう受け止めておいでですか、お伺いします。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 先日の沿線自治体の首長会議では、石川線の鉄道としての存続が合意されました。今後、北陸鉄道線の持続可能性確保に向けた利便性向上策や、行政の関わり方を議論していくことになります。ただ、単に現状のまま存続させるというのではなく、市民の財産としての利便性を高めていくということが大切であります。この機会に、北陸鉄道、行政、利用者それぞれが意識を変えて、公共交通を使って暮らせてよかったと思えるような大きな改革になることを期待したいと考えています。来年1月の法定協議会に向けて、他の沿線自治体と共に、上下分離方式を含め検討を進めていくこととなりますが、適切な形で必要な支援を行えるよう、議論を重ねてまいりたいと考えています。
○高誠議長 坂本順子議員。
◆坂本順子議員 先日のニュースでは、大阪府の南河内地域の金剛自動車が運転手不足、売上げの低迷などで路線バスを廃止するとのニュースがありました。そういうことにならないように、また話を進めていってほしいと思います。 次の質問に移ります。今年の5月に国内で10番目のユネスコ世界ジオパークに認定された白山手取川ジオパークを活用し、白山市と連携協力することで、金沢市と白山市を結んでいる石川線を観光に生かすことの市の見解を伺いたいと思います。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 石川線につきましては、通勤通学だけでなく、観光客の移動手段としての役割も期待しているところであります。今年度、白山市、野々市市と連携して、バスなどとの乗り継ぎ割引を実施しておりますほか、観光クーポンを含む企画乗車券が販売されているところでもあります。今後、石川線の利便性向上策を検討する中で、白山市と連携しながら、白山手取川ジオパークなど、観光客への対応も考えていきたいと考えています。
○高誠議長 坂本順子議員。
◆坂本順子議員 ありがとうございます。昨日の答弁では、県とは仲よくうまくやっているということなので、この近隣市町とも連携して取り組むことをお願いいたします。 公共交通というのは、通勤や通学、買物など、子どもから高齢者まで、市民の皆さんの生活にはなくてはならないものです。また、自家用車への依存が増えることによる環境への悪影響を防ぎ、渋滞の緩和を図っていくためにも、公共交通の役割は重要度を増すばかりです。これまで、毎年のように利用客の減少によって、地方部を中心に、路線の減便や廃止が行われてきましたが、コロナ禍の影響や、深刻な運転手不足によって、減便や最終バスの繰上げなど中心部にまで影響が広がりつつあります。郊外に住んでいる市民の方や、運転免許を返納された高齢者の方の移動の確保も重要な課題です。市民生活に影響を及ぼさないことを第一に考え、地域の方の移動手段を守っていく取組が重要であり、国・県・関係市町などと連携しながら、持続可能な交通体系を構築していかなければなりませんが、今、運転手不足が深刻です。バス運転手になるためには大型2種免許が必要です。その免許の取得費用には50万円ほどかかります。大型2種免許の保有者数は全国的に減っており、石川県においては、この10年で2割減少し、保有者のほとんどが中高年で、40歳以下の保有率は1割程度です。北陸鉄道においても、金沢市とその周辺地区の路線バス運転手は、本来346人必要ですが、4月1日時点では316人で30人足りていない状況です。今、北陸鉄道が免許取得の費用を全額負担していますが、市民のための公共交通である意味から考えると、市としても補助するということに関しての見解を伺います。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 令和2年度の金沢市運転手不足対策検討会におきまして、交通事業者の責任として、交通事業者が主体となって取り組むべきということにされました。そういった経緯がございまして、市としては、大型2種免許の取得費用への支援はこれまで行っておりません。令和2年度の検討会でそのような経過がなされました。市の役割は、機運醸成や環境整備と考えております。学生などを対象としたバス運転手の体験ツアーなどを行っております。一方、今後、公共交通の維持確保策を検討する中で、支援の在り方について研究していきたいと考えています。
○高誠議長 坂本順子議員。
◆坂本順子議員 令和2年度の話合いということで、コロナ禍でその当時の計画とは違ってきているところもありますので、再検討する余地はあるかと思います。2024年4月から労働時間に関する規制が変更となることにより、労働者の過重な労働時間や、運転疲労の軽減が期待されますが、同時に運行スケジュールの調整や人員の確保に課題が生じます。運転手確保のためにも、市として再検討をお願いして、次の質問に移ります。 次は、教育についてです。 8月28日に中央教育審議会の特別部会が長時間労働是正に向けた緊急提言をまとめ、永岡文科大臣に提出しました。その提言の中には、年間の授業時数が国の基準を大きく超える学校に改善を促すとあります。全国では、2022年度の教育課程の計画段階で、標準授業時数の1,015時間を大きく上回る1,086時間以上の学校が小中学校とも3校に1校ありました。金沢市内の小学校5年生と中学校2年生が2023年度の計画段階において、1,086時間を超えている学校数とその平均授業時数、そして、2022年度の平均実施授業時数を伺います。
○高誠議長 上寺教育次長。
◎上寺武志教育次長 令和5年度の計画段階におきまして、授業時数が1,086時間を上回る学校はなく、平均授業時数につきましては、小学校5年生は英語ショートタイムを含め1,027時間、中学校2年生は1,015時間でございます。また、令和4年度の平均授業時数は、小学校5年生は1,090時間、中学校2年生は1,092時間でございました。
○高誠議長 坂本順子議員。
◆坂本順子議員 計画段階では大きく超えている学校はないということですが、2022年度の実施授業時数は1,086時間を平均で上回っているということは、やはり心配です。文部科学省によりますと、標準授業時数は、計画段階で授業時数が足りていれば、災害や流行性疾患による学級閉鎖等の不測の事態に備えることのみを過剰に意識して、標準授業時数を大幅に上回って教育課程を編成する必要はないとしています。今年度途中からでも改善を進めるべきとしています。金沢市内の小中学校では、流行性疾患等による学級閉鎖や学年閉鎖になったときにも対応できるように上乗せしたので、そういう1,086時間を超えた実態があるのでしょうか、お伺いします。
○高誠議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 坂本議員も教員を勤めていらっしゃいましたので、学校というところは、1年間、小学校1年生は34週、そして、2年生以上から中学校3年生までは35週を基にして、それぞれの1週間当たりの時数を掛け算した時数が1年間のいわゆる標準時数ということになります。ただ、1年間というのは35週で終わるものではなくて、それ以上の約40週ほど授業が行われますので、その余った週の掛け算した時数がこの数字に反映されていることを御理解いただきたいと思います。 以上です。
○高誠議長 坂本順子議員。
◆坂本順子議員 1,015時間を大きく上回る必要はないということを学校現場ではあまり知られていないというか、1,015時間にこだわってやはり上乗せをしている実態があるので、今後、今はコロナもはやっていますが、今年度の授業実施時数を上乗せすることがないように周知をお願いしたいと思います。 次に、中央教育審議会の緊急提言の中の地域、保護者、首長部局等との連携協働の部分では、保護者の過剰な要求に組織的に対応し、教育委員会も支援体制の構築が重要であるとされています。教育委員会として、どのような支援体制を考えていますか、お伺いします。
○高誠議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 本市におきましては、平成25年度に設置いたしました生徒指導支援室に専任指導主事に加え、警察OBを危機管理アドバイザーとして配置しております。そして、生徒指導上の様々な問題や事故等の発生について、学校が適切に対応できるよう指導助言を行ってきております。また、学校のみで対応することが難しい事案に対しましては、必要に応じて警察や児童相談所、教育プラザなどの関係機関とも連携するなどして、生徒指導支援室が直接対応に当たっております。今後とも、教育委員会として、心して困難を抱える学校を積極的に支援してまいりたいと考えております。 以上です。
○高誠議長 坂本順子議員。
◆坂本順子議員 この緊急提言は長時間労働是正のための対策なので、学校現場に新たな負担を強いることなく進めていくようにお願いいたします。 次は、中学校の部活動の地域移行についてお尋ねします。今年はかつてないほど非常に暑い夏でした。7月末には、山形県米沢市の中学校1年生が部活動からの帰宅途中に、8月下旬には、北海道伊達市の小学校2年生が体育の授業後に熱中症と見られる症状で倒れ亡くなったという悲しい事件がありました。金沢市内の小中学校は、8月下旬から2学期が始まった学校もあります。6月26日から昨日までの授業が行われた日で30度を超えなかった日はたった2日だけです。簡易クーラーが設置されている特別教室でも、体温を超える37度の中で授業が行われていた日もありました。この後も残暑が続く予報です。この2学期には運動会があったり、先週末には新人大会もありました。今週末にも新人大会が行われます。その部活動の地域移行については、国のガイドラインによると、2023年度からの3年間を改革推進期間とし、地域の実情に応じて可能な限り早期に実現を目指すとされています。今年度、金沢市では、児童・生徒、保護者のニーズや、教員の意向を把握するための調査を行いました。石川県内では既に8市町が地域移行、または地域連携の取組を実施しています。指導員や活動場所など、課題はたくさんあるかと思いますが、部活動の地域移行に関して、金沢市は今どのような現状で、今後どのように進めていくのか、お伺いします。
○高誠議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 教育委員会におきまして、児童・生徒のニーズや保護者の思いなどを把握するために、小学校5年生から中学校2年生までの児童・生徒とその保護者、中学校教員を対象に調査を行ったところであります。地域に移行するということは、学校以外の場所での活動となる場合のほか、指導者も部活動の顧問以外となることが想定されますことから、児童・生徒の送迎や費用負担、指導者の選定、確保などが課題として挙げられます。今後、こうした点につきまして、教育委員会と文化スポーツ局で情報共有を図りながら進めていきたいと考えてございます。
○高誠議長 坂本順子議員。
◆坂本順子議員 教職員が不安に思っていますので、できるだけ早く見通しが持てるように、早期に方向性を示していただくようお願いいたします。 次ですが、金沢市には県立高等学校11校、私立高等学校5校と国立高等学校1校、金沢市設置の唯一の金沢市立工業高等学校があります。金沢市立工業高等学校は、ものづくりコンテストへの出場や、高校生が取得することは難しいとされている2級及び3級の技能検定などの資格取得の活動が盛んであり、地域や企業から高い評価を受けています。また、21世紀日本のものづくりを担う工業人材を育成することを目的としていることから、地域産業のニーズに合った教育が展開されていて、卒業生は様々なところで活躍しています。未来の人財を育成する上でも、金沢市にとっては大事な高等学校であるので、幾つか質問させていただきます。金沢市立工業高等学校の職員構成について伺います。
○高誠議長 上寺教育次長。
◎上寺武志教育次長 市立工業高校の教員数は、正規職員が56人、欠員補充の臨任または非常勤講師が15人でございます。このほかに育休等の代替講師が3人配置されており、合計74人で構成されております。
○高誠議長 坂本順子議員。
◆坂本順子議員 では正規教員の割合は8割程度なのですが、任用上の判断はどのようなところにあるのですか、伺います。
○高誠議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 市立工業高等学校におきましては、今の段階で正規の教員の割合は約80%というふうになっておりまして、講師が20%ということになります。一定の水準の教育の質の維持を確保していくためには、教員の年齢構成とか、経験年数等のバランスを十分に考慮していく必要があろうかと思っております。先ほどお触れになりましたが、ものづくり産業で活躍する人材育成を目指す市立工業高等学校におきましては、特に工業系科目での技術力の段階的な継承が必要不可欠でありますので、中長期的な視点に立って採用計画を行っており、採用試験を併せて実施しております。しかしながら、工業系科目の教員を目指す、養成している大学が少なくなっている現状もあります。ここ数年応募が少なく、苦慮しておりますが、一生懸命、講師の配置も踏まえて頑張っていきたいと思っております。
○高誠議長 坂本順子議員。
◆坂本順子議員 講師は期間限定での契約なので、来年はどこに配置されるのか、試験勉強もあり、不安を抱えています。正規教員であれば安心して授業に専念でき、生徒とも継続的に関わることができます。産休や病休の代替講師等もありますが、正規教員の採用枠を増やす方向で検討をお願いします。 次の質問に移ります。金沢市立工業高等学校の教職員は、2009年度から金沢市の独自採用が始まりました。この15年間の独自採用者の定年前の退職者が20%もいます。退職の理由はいろいろあるかと思います。先般の文部科学省の学校教員統計調査の中間報告によると、全国的に精神疾患で離職した教員が2021年度は過去最多の953人であると発表されました。離職に至ることなく、病気の回復を待って仕事に復帰できることが何よりであると思います。そこで、精神疾患となる病気休職になった教員がいた場合の対応についてお聞きします。病気休職の教員が職場に復帰する上で、復帰プログラムの仕組みがあると聞いています。金沢市立工業高等学校においては、どのような復帰プログラムを設けていますか、伺います。
○高誠議長 上寺教育次長。
◎上寺武志教育次長 復帰プログラムにつきましては、職場に復帰できるかどうかを含めまして、医師の判断をいただくため、休職期間に実施いたしております。具体的には、本市の人事課が作成した職場復帰の手引を基本としながら、石川県教育委員会作成の職場復帰支援プログラムも参考に、職場復帰の支援を行っておりまして、おおむね休職が明ける前の1か月から3か月程度、当該職員に対して、復帰プログラムを実施することといたしております。
○高誠議長 坂本順子議員。
◆坂本順子議員 医師が療養を必要だと認めたその休職期間中に復帰プログラムが行われているということで、それは当事者にとってはかなりハードルが高く、プレッシャーになっているのが現実です。個人的な理由でお答えは難しいかもしれませんが、復帰後の対応が十分でなかったために、休職したり離職している現状を知り、病気になりたいと思っている人はいないので、心身ともに健康で働きたいとみんなが思っています。休職や離職しなくても働けるような職場環境づくり、また、十分な対応をお願いいたします。 県立高等学校や公立小中学校であれば、他校への人事異動によって、心機一転を図ることもできますが、金沢市立工業高等学校では、そのような異動についてはどのようなお考えを持っていますか、伺います。
○高誠議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 平成20年度から本市におきましては、金沢市立工業高等学校におきまして、独自採用試験を行っております。実施している教員の方々におきましては、人事異動がないことを前提に応募いただいております。就業後は、学校に誇りを持って、学校教育目標に沿って、熱意を持って御指導いただいております。毎年のように、しつこいぐらい学校訪問させていただいておりますけれども、本当に採用されている先生方は、学校一丸となって、このものづくりの学校をしっかりとつくり上げていこう、そんな決意をしっかりと感じ取ることができております。今後しっかりと教育委員会で支えていきたいと思っております。
○高誠議長 坂本順子議員。
◆坂本順子議員 金沢市立工業高等学校の選考試験の実施案内の中には、教員の資質向上のためにも、私立高等学校等との人事交流が実施された場合、数年間にわたる他校での勤務を求められる場合があることにあらかじめ同意できる方と明記されています。しかし、今までその人事交流が実施されたことがないのはなぜでしょうか。今後、実施する予定はあるのでしょうか、お聞かせください。
○高誠議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 市立工業高等学校の教員採用では、人事異動がないことを前提に応募いただいておりますが、人事交流により、必ずしも当校のみの勤務とは限らないという認識を持っていただくために、試験案内にはお示ししているところでございます。これまで、教員の資質向上を図るため、他の中核市や近隣都市の高校への派遣研修は行っておりますが、人事交流は相手方の学校との合意がないと成立しないものであることから、実現しておりません。人事交流につきましては、教員の資質向上のための選択肢の一つであると認識しておりまして、今後、中核市教育長会におきましても、再度実施できないか呼びかけてみたいと考えております。
○高誠議長 坂本順子議員。
◆坂本順子議員 教育長の言うとおり、教員の資質向上のためにも、また、検討をお願いいたします。 今、大学生の2人に1人が奨学金を借りていると言われています。他県では、教員確保の策として、日本学生支援機構で借りた奨学金の返金額に応じ、最大144万円を支給する制度を新設した自治体があります。金沢市も同じように、教員確保の策として、金沢市内の高等学校を卒業し、金沢市立工業高等学校の教員として勤務すれば、奨学金の返還を支援する制度を創設するというのはいかがでしょうか、お伺いします。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 教員不足を解消するために、他県で奨学金の返還を支援する制度を設けていることは承知しております。先般、文部科学省が明年度予算の概算要求におきまして、教師人材確保の方策として、奨学金の返還支援を検討するとしております。まずは、その動向を注視したいと考えています。
○高誠議長 坂本順子議員。
◆坂本順子議員 学生にとっては、奨学金は進学するための重要な手段であり、若い人がその返金は、30年間賃金が上がっていない現実では、すごく大変なことなので、また検討をお願いいたします。 次は、金沢市子ども生活応援プランについてお聞きします。 本市は、2019年に金沢市子どもの貧困対策基本計画を策定し、これに基づき、7月から金沢市独自の施策として、子どもソーシャルワーカーを設置しました。現在、社会福祉士や精神保健福祉士、保健師、保育士等の資格を持つ会計年度任用職員4人で、貧困などの困難な状況にある子ども、家庭に対する様々な相談、支援やネットワークづくりを担っています。小中学校の教育機関、保育所、認定こども園、放課後児童クラブを訪問するなど、積極的に地域との連携、協力推進のための活動を行っています。その近年の相談件数についてお伺いします。
○高誠議長 藤木こども未来局長。
◎藤木由里こども未来局長 子どもソーシャルワーカーへのこれまでの相談件数ですが、令和元年度は86件、令和2年度は89件、令和3年度は81件と横ばいでございましたが、令和4年度は136件、令和5年度は8月末現在で107件と増加傾向にございます。
○高誠議長 坂本順子議員。
◆坂本順子議員 令和4年度からは相談件数が増えたということですが、それを4人の子どもソーシャルワーカーで支援しているのが今の現状です。しかし、本市の児童扶養手当受給世帯の独り親世帯はおよそ3,000世帯あります。独り親でなくても困難な状況にある世帯もあります。生活に困難を抱えている子どもや家庭に早期に気づき、適切な支援につなげていけるように、支援体制の充実を図ることが大切です。当事者と子どもソーシャルワーカーが1回会って関係がつくれるわけではなく、時間をかけてようやく信頼関係ができていきます。子どもソーシャルワーカーの職員は、会計年度任用職員なので、最大で5年間だけ更新できますが、仕事の継続性やスキルを考えると、10年が必要だと考えます。今後の人員配置や任用年数についてどうお考えでしょうか、お伺いします。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 困難を抱える子どもや家庭への支援に対する体制については、昨年度から児童家庭相談室長を専任で配置しております。また、本年度は、弁護士資格のある職員の採用、また、独り親支援に係る正規職員の増員といったところで、ここ去年、今年と、体制をかなり充実させてきておりまして、今のところ、子どもソーシャルワーカーを含めて、充実した体制が整えられていると考えております。なお、会計年度任用職員の任用の年数についてですが、高い専門性や育成に時間を要するなど、人材の確保が難しい限られた一部の職種については、再度の任用を認めて10年としているところでありますが、引き続き、人材確保の観点なども考慮しながら研究してまいりたいと考えています。
○高誠議長 坂本順子議員。
◆坂本順子議員 さらに充実するように、またお願いします。 関係団体や行政は、子どもソーシャルワーカーの存在を十分知っているかと思いますが、地域や学校には、まだまだ知られていないのが現状です。また、どこに相談したらよいのか分からない当事者がたくさんいます。当事者やその周りの人にまずは知ってもらうこと、地域、学校、関係団体、行政などのさらなる連携が必要と考えます。そのためには、例えば学校において、子どもソーシャルワーカーのパンフレットを保護者懇談などで配布するとか、金沢市の公式LINEに載せるとか、いろいろ知ってもらう方策はあるかと思いますが、今後、どのように周知しようとお考えでしょうか、お伺いします。
○高誠議長 藤木こども未来局長。
◎藤木由里こども未来局長 子どもソーシャルワーカーは、これまでも小中学校や保育所、放課後児童クラブなどを訪問しまして、制度の周知やパンフレットの配布を行っておりますほか、主任児童委員や金沢こども応援ネットワークなどの関係機関の研修会などを通じまして、支援が必要な子どもや家庭に気づきましたら、子どもソーシャルワーカーにつないでもらうよう、呼びかけを行っております。加えまして、今月末より始めます市公式LINEを活用した独り親家庭に対する支援情報の発信の中でも、子どもソーシャルワーカーの活動を周知していくこととしておりまして、必要とする方々に支援が行き届きますよう、関係機関とも連携しながら取組を進めてまいりたいと思っております。
○高誠議長 坂本順子議員。
◆坂本順子議員 ありがとうございます。必要な人に支援が届くようにまた周知をお願いします。 次は、カラスのふん害についてお聞きします。 金沢市中心部の香林坊、広坂周辺のカラスのふん害がこの夏さらにひどくなっています。下を見ると、路面は白くなり、臭いも漂ってきます。夕方、上を見ると、カラスの黒い大群でいっぱいです。市は、カラス対策として、カラスの嫌がる音が発生する特殊波動装置を街路樹に取り付けることや、建物の屋上、樹木へのテグス設置などによって、追い払いを行い、効果があったが、カラスの営巣時期を迎える春先には、中心部の個体数が減少することから、装置の稼働を取りやめたと聞いています。そこで、まずはカラスの生息数について伺います。
○高誠議長 加藤環境局長。
◎加藤弘行環境局長 カラスの生息数についてのお尋ねでございます。本市が毎年実施させていただいております金沢城周辺のカラスの個体数調査の結果では、平成15年度、約1万羽のカラスが確認されておりますが、その後、徐々に減少しておりました。昨年度は約3,700羽を確認しておるところでございます。
○高誠議長 坂本順子議員。
◆坂本順子議員 この秋は大きなイベントが控えています。金沢市内外から多くの人の往来が予想されます。イベントを成功させるためにも、環境整備のほうにも力を入れ、しっかりと対策を講じていかなければなりません。今年度カラスの鳴き声を利用して誘導する新たなモデル事業を行うと伺っていますが、どのような事業かお尋ねします。
○高誠議長 加藤環境局長。
◎加藤弘行環境局長 カラスによる騒音やふん害対策といたしまして、今年度新たに導入する音声装置は、カラスが餌を見つけたときに発する鳴き声によりまして、カラスを誘導する効果がございます。カラスのねぐらとなっている金沢城公園内に設置させていただく予定でございます。これまで実施させていただいておりますビル屋上等へのテグスの設置や特殊波動装置による追い払い効果に加えまして、ねぐらへの誘導策を実施することで、市内中心部の建物や街路樹等からの追い払い効果をさらに高めまして、周辺環境の向上につなげてまいりたいと考えております。
○高誠議長 坂本順子議員。
◆坂本順子議員 カラスも大変賢いので、いろんな方法が必要かと思います。ほかの自治体では、ここは危険だよというカラスの鳴き声を利用して、追い払っている自治体もあります。来月行われるいしかわ百万石文化祭や、金沢マラソン、まちもたくさんの来場者が来ますから、まちもきれいだし金沢にまた来たいねと言ってもらえる声が聞かれることを期待しまして、私の一般質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○高誠議長 以上で、12番坂本順子議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。
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△休憩
○高誠議長 この際、暫時休憩いたします。 午前11時56分 休憩----------------------------------- 午後1時0分 再開
△再開
○中川俊一副議長 出席議員数は、ただいまのところ37名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
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△質疑・一般質問(続き)
○中川俊一副議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 11番山下明希議員。 〔11番山下明希議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆山下明希議員 質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として質問いたします。 1点目は、建設中の
金沢スタジアムについてお尋ねします。 まず、端的にお伺いします。来年2月に供用開始となる
金沢スタジアムは、誰のためのスタジアムでしょうか。市長、明確にお答えください。
○中川俊一副議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 金沢スタジアムは、市民のためのスタジアムであります。アマチュアの全国大会等一般市民の利用のほか、
ツエーゲン金沢のホームスタジアムとしての利用を想定しているところでございます。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 市長にも見解をお伺いしたかったのですが、市民のためのスタジアムだということでお伺いできましたので、安心しております。 では、
金沢スタジアムが建設に至った経緯から、改めて質問いたします。市民サッカー場は、当初、改修の計画でしたが、この改修計画が移設、再整備になったのはなぜでしょうか。
○中川俊一副議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 当初は現在の市民サッカー場での改修を予定しておりましたが、観客等へのおもてなし空間の確保やJリーグ基準にも対応するため、スポーツ推進審議会での審議を経て施設整備計画を変更し、
城北市民運動公園内での移転、再整備としたものでございます。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 スポーツ審議会の審議を経てということでしたが、当時、常任委員会では口頭の報告であって、議会での十分な議論や市民的な合意形成が大変不十分だったと感じております。
ツエーゲン金沢は、石川県全域をホームタウンとしています。現在、
ツエーゲン金沢のホームグラウンドは、県西部緑地公園陸上競技場です。その陸上競技場は、観客席は2万席あり、芝の張り替えや大型映像装置など、更新工事を行っています。こうした環境があった中で、金沢市が単独でJリーグ基準を満たすスタジアムを造る必要があったのでしょうか。県や周辺市町との協議は十分に行われたのか、お聞かせください。
○中川俊一副議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 Jリーグ基準に適合したサッカー場の建設に当たりまして、県西部緑地公園陸上競技場は、本来の用途が陸上競技であり、観客席を覆う屋根がないなど、Jリーグの基準を満たさない部分もあることから、県や県市のサッカー協会、
ツエーゲン金沢とも協議を重ねるとともに、議会及び市民の皆様の理解を得ながら進めてきたところであります。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 Jリーグ基準を満たすという前提があることから、やはりこの
金沢スタジアムの建築に当たって、市民を置き去りにしてきた事業の進め方だと指摘しなければなりません。金沢市スポーツ文化推進条例第4条には、基本理念にのっとってスポーツ文化の推進に関する施策を総合的かつ計画的に策定、実施し、その施策の実施に当たっては、市民、事業者及びスポーツ関係団体の意見を十分に反映させることに努めると、市の役割としてあります。ここに市民が含まれるということを十分念頭に置いて、今後の駐車場整備とかジュニア用のサッカーコートの移転、新築もありますので、大きな事業費が、110億円、そして120億円に膨らむ予定です。ぜひこの一連の事業を市民の合意の下、進めていただきたいと思います。 次に、指定管理についてお伺いします。
金沢スタジアムの指定管理者の募集は、2023年4月3日から始まり、応募締切りは6月9日でありました。5月10日には応募者説明会が行われています。説明会には何団体参加されて、応募は何団体あったのでしょうか。
○中川俊一副議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 説明会には12社が参加し、そのうち1社の応募がございました。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 この間、指定管理を募集しても、応募が1団体しかないという状況が続いています。選定会でもこれは課題とされてきましたが、今回も1団体だったというわけです。今定例月議会で指定管理者の指定について市長から提案がされていますが、選定された共同事業体の構成団体をお聞かせください。
○中川俊一副議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 株式会社石川ツエーゲン、株式会社ケィ・シィ・エス、公益財団法人金沢市スポーツ事業団の3社による共同事業体でございます。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員
ツエーゲン金沢を運営する株式会社石川ツエーゲンも構成団体ということです。株式会社石川ツエーゲンというと、市長は2022年4月から取締役に就任されていましたが、現在は退任されています。いつ退任されたのでしょうか。そして、退任した理由をお聞かせください。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 ただいま2022年4月からということでおっしゃいましたけれども、その前、副市長だった時代にも、株式会社石川ツエーゲンの取締役となっておりました。その後、市長に就任してから再度取締役に就任したわけですけれども、今年4月19日--2023年の4月19日に辞任届を株式会社石川ツエーゲンに提出いたしまして、4月25日の定時株主総会で承認されました。市長が取締役である株式会社石川ツエーゲンが指定管理公募に参加を希望する場合、取締役を継続すべきではないと判断し、退任いたしました。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 市長が直前まで取締役を務めていた会社が含まれる共同事業体が、応募1社という状況で選定されました。透明性を疑われかねない状況ではないでしょうか。公平性、中立性の確保という視点で見ると、大変いびつな選定とは言えませんか。市長、いかがでしょうか。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長
金沢スタジアム共同事業体の応募資格については、指定申出書の提出日に全て応募資格が満たされているということを事務局が確認し、外部委員を含めた指定管理者選定会でも了承されております。選定会におきましては、書類審査と面接審査の2段階で厳正に審査が行われ、その結果を受けて選定しているということから、過程を含めて問題があったとは考えておりません。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 過程を含めて問題がないということでしたが、指定管理で応募された方が1団体ということは、評価はできても比較はできないという状況があると思います。やはり応募される方が増えるという状況も、金沢市はつくっていかなければならないかと思います。今回の指定管理は、
ツエーゲン金沢による
ツエーゲン金沢のための運用にならないかと思っております。公共性を保ち、利用者、そして市民の声が反映される公平中立な運営が担保されるのか懸念されます。指定管理制度には様々な問題が指摘されていますので、公共施設の管理・運営は行政が責任を持って行うことを求めます。 次に、ネーミングライツの導入についてお尋ねします。近年、全国の自治体において、公共施設の名称に企業や団体等が愛称の命名権を購入するネーミングライツが導入されています。本市においては
金沢スタジアムへのネーミングライツが初の導入となりますが、何を目的に導入されたのかお聞かせください。
○中川俊一副議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 新サッカー場の完成を契機に、ホームタウンチームの支援や応援機運を高めるとともに、新たな財源を確保し、施設の良好な管理・運営を維持することを目的としております。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 先行自治体では、ガイドラインを作成している自治体や、個別条例を制定していたり、議会基本条例でネーミングライツの議会の承認を必要としている自治体もあります。本市では何を基準に進めているのでしょうか。
○中川俊一副議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 昨年12月にネーミングライツの導入可能性調査をした際に、既にネーミングライツを導入しているスタジアムのうち、ガイドライン等が策定されていない施設が7割の状況であり、導入済みの自治体の募集要項等を参考に進めたものであります。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 ガイドラインを作成せずに進めているということは、大変大きな問題かと思います。先行自治体では、市民や議会の合意を得ていないと市民が反対署名を提出した事例や、裁判となって自治体が損害賠償を支払ったという事例もあります。また、命名権を取得した企業に不祥事があり、愛称が次々と変更になった施設もあります。先日、ネーミングライツの優先交渉者が株式会社ゴーゴーカレーグループに決定しましたが、決定後、神戸市にある日本製麻という会社が、同社の取締役がインサイダー取引規制に違反した疑いがあるとして、特別調査委員会を設置したと報道がありました。その取締役は、株式会社ゴーゴーカレーグループの会長だということです。本市は、この報道の事実確認はされたのでしょうか。
○中川俊一副議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 現時点では報道以外の情報はなく、ゴーゴーカレーグループからの報告も受けておりません。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 事実確認せずに交渉、契約を進めていかれるのでしょうか。
○中川俊一副議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 ネーミングライツの契約の交渉に当たりましては、今定例月議会で指定管理者のお諮りをしております。それが御承認いただけましたら、まずは指定管理者との協議を始め、その後ネーミングライツの優先交渉者との協議に入るかというふうに思っておりますので、現在の状況では特に状況を注視したいというふうに思っております。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 ガイドラインを作成していないという弊害が、今現れているのではないかと思います。本市がやっぱり不利益を被らないように、交渉を進めずに、まずは事実確認を行っていただきたいと思います。 市長は、記者会見で
金沢スタジアムの愛称について、正直カレーなのかと感想を述べていました。同じように感想を持った市民は少なくないと思います。ゴーゴーカレーグループには、店舗の名前にスタジアムとつく店舗が全国で50店舗あります。近隣で言うと、ゴーゴーカレー金沢県庁前スタジアムという店舗があります。金沢ゴーゴーカレースタジアムという
金沢スタジアムの愛称に対して、市民から新しいカレーの店舗ができたようだという声もあります。金沢市民の財産がこのような広告扱いでよいのでしょうか。市長、いかがですか。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 ネーミングライツというものは、企業にとっては地域貢献によるイメージアップと、もちろん宣伝効果があるというように思っております。施設にとっては維持費の軽減効果という、双方にとって利益がある、メリットがあるものと考えています。
金沢スタジアムにおきましては、ホームタウンチームの支援や応援機運を高めることを目的としておりまして、公共性の高い事業と認識しております。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 施設維持管理の新たな収入源の確保というふうに言いますが、そのことで本市におけるスポーツ推進事業に本来必要な予算が削減されることはあってはなりません。そして、本市のネーミングライツは、特定企業が提案をした愛称に対して、議会の議決も必要とせず、市民的な合意形成を図る手だてもない状況であることは、重大な問題だと考えます。今回の導入を前例に、ネーミングライツを本市で推進していくおつもりでしょうか。今回の導入の見直しも求めますが、いかがでしょうか。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 現在、ネーミングライツの導入を検討している施設はほかにはありません。今後、
金沢スタジアムのように建て替え、あるいは大規模改修などをきっかけにして機能や位置づけが大きく変わるような施設については、効果等を今回も検証いたしましたけれども、改めてその施設について効果等を検証した上で、導入の可否を検討したいと考えております。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 これまで金沢のスポーツ文化を応援してきた企業や市民の皆さんは多数いらっしゃいます。税金を使用して建設している公共施設を特定の企業が広告や宣伝に使用するということは、公共性に大きく反します。再度ネーミングライツの導入の見直しを求めて、次の質問に移ります。 2点目は、介護保険制度についてお尋ねします。 介護の社会化を掲げて2000年にスタートした介護保険制度は、3年ごとの改正を繰り返す中で保険料は2倍以上になり、市民の負担が増えてきました。その上、介護費用が個人の負担能力を大きく超えて、経済的な事情によってサービスの利用が困難になっているケースが後を絶ちません。昨年末、岸田政権は、2024年の第9期改定に向けて結論を先送りしましたが、見直しを検討していた中身といえば、利用料2割負担の対象拡大や一定所得のある65歳以上の方の保険料の引上げ、多床室の有料化、ケアプラン作成の有料化などです。これらが実施されることになれば、物価高騰に苦しむ高齢者やその家族はさらに負担を強いられ、利用控えや重度化を招くことが懸念されます。市長、こうした政府の介護保険制度の改悪に対して、市民への負担増とサービス削減を押しつける見直しではなく、誰もが安心して介護を受けられる制度にと、国の財政負担の拡充も含めて国へ求めるべきと考えますが、市長の見解をお聞かせください。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 介護保険制度につきましては、サービスを必要とする高齢者の方が、心身の状況に応じて必要なサービスを適切に受けられるということが大切であると考えております。制度改正につきましては、国に対して全国市長会を通じて自治体への情報提供や意見聴取を十分に行うこと、そして、利用者の負担増やサービスの見直しは慎重に検討することなどについて要望しているところであります。引き続き、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 ぜひ国の要望を引き続き求めていただきたいと思います。 来年度から実施予定である第9期介護保険事業計画長寿安心プラン2024において、基本指針を策定するに当たり、やはり利用者や介護現場の実態、要求を反映させて、市民が安心して年を重ね、尊厳ある高齢期を過ごすことができる計画にすることが求められます。本市の長寿安心プラン2024の策定に当たり、利用者や介護現場の実態、要求を反映できる仕組みになっているのかお聞かせください。
○中川俊一副議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 長寿安心プラン2024の策定に当たりましては、今年の2月から有識者であったり公募委員の方などから成るワーキング会議を設置しておりまして、おおむね月1回、そうした会議を開催しております。これまで実施してきた具体的な取組であったり、次期計画に向けての取り組むべき課題につきまして、様々な方から御意見をお伺いしているところでございます。また、今後開催を予定しております市民フォーラムであったり、市民アンケートでは、利用者の方の御意見を直接伺う、そういった場も設けていきたいというふうに思っておりますほか、新たなプランにつきまして、ウェブを使った動画による説明であったり、もちろんパブリックコメント、そういったことを実施するなど、市民の意見を幅広くお聞きする予定としております。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 ぜひ十分に実態や要求を組み入れて策定していただきたいと思います。 介護事業所はこの間、恒常的な人員不足の上に、新型コロナ感染症の対応も含めて既に限界を超え、大変深刻な状況です。介護職員の確保は、制度を維持する上でも重要な課題です。第8期事業計画での介護職員の確保における計画と、その実施状況はどうなっていますか。それを踏まえ、第9期事業計画でどのように組み入れていくのかお聞かせください。
○中川俊一副議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 第8期計画では、団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据えまして、新規介護人材の確保を図るため、介護の仕事の魅力向上を発信するかなざわ介護ラボの取組であったり、UJIターンを支援する制度の創設、人材の定着支援を図るために、ケアメンターの派遣やキャリアアップ研修の支援を行うなどの多様な取組を実施してまいりました。第9期の計画におきましても、介護人材の確保に向け、引き続き人材育成の支援や介護職の魅力向上の推進に努めますとともに、国においては、今後介護人材確保や介護現場の生産性向上に向けた取組を総合的に実施する、そういうふうにもされておりますので、国・県とも連携しながら人材の確保に努めてまいりたいと思います。 以上です。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 介護職員の離職の要因の一つに、やっぱり賃金が安いという点もあると思います。保険料や利用料に跳ね返らない公的責任での介護職員への賃上げと、事業所任せにしない人員配置をぜひ自治体の責任で進めていただきたいと思います。 そして、本市の介護給付費準備基金の今年度末残高は、見込みで24億円余りあります。6月定例月議会で市長は、市民の負担が過大にならないよう有効に活用すると答弁されました。第9期事業計画では、高過ぎる介護保険料の引下げこそ検討すべきと考えますが、見解をお聞かせください。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 前回の定例月議会の答弁と同じになって大変恐縮ですけれども、第9期介護保険事業計画における令和6年度からの介護保険料につきましては、今後3年間に必要なサービスの給付量を適切に見込み、その費用に見合った額を設定することとしております。基金につきましては、市民の負担が過大にならないように、有効に活用していきたいと考えています。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 市民の負担が軽減されるように、十分な検討をお願いしたいと思います。 3点目は、配食サービスについてです。 厚生労働省は、2017年に適切な配食を通じた地域高齢者等の健康支援を推進するガイドラインを、国として初めて公表しました。高齢になるほど低栄養になりやすく、死亡や健康余命の短縮のリスクになる、良質な食事が安定的に提供されるよう体制の整備に努めることなどを指摘し、様々な支援の整備を強調しています。このことからも、本市の配食サービス事業は大変重要な事業だと考えます。そこで、本市における配食サービス事業の現状についてお聞かせください。
○中川俊一副議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 配食サービス事業につきましては、まず、利用の状況ですけれども、令和5年7月末現在、事業者数が15ございまして、実利用人数は867名となっております。サービスの内容でございますけれども、高齢者世帯等を対象に定期的に訪問して食事を提供するとともに、利用者の安否を確認する、そういったものとなっております。 以上です。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 委託料についてもお伺いしてよろしいですか。
○中川俊一副議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 委託料につきましては、1世帯当たり150円となっております。それ以外に、利用者の負担といたしまして、基本食で510円の利用料を頂いております。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 金沢市の委託料は、見守りに対してというふうに伺っています。県内の市町と比較しても、本市の助成金額は最低の金額です。配食サービス事業者から、長引く物価の高騰、ガソリン代の値上がりの中で、事業の維持が大変厳しいと伺っています。1食当たりの食材単価を消費税増税後も何とか230円から250円程度に抑えてきたものが、今は350円から380円にまで上がっているとのことです。そこに電気料金、ガソリン代の値上がりが加わって、さらに事業を圧迫しています。配食サービスを高齢者の食の社会的保障と捉えて、配食事業委託料の見直しや物価高騰に対する公的支援が必要と考えますが、いかがでしょうか。
○中川俊一副議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 本市の配食サービス事業でございますけれども、安否確認に要する人件費等の経費を市が負担して、食費等に係る経費を利用料として負担していただいております。食材の物価高騰等に伴う利用料などの見直しにつきましては、利用者の負担感に配慮する必要もありますことから、国の物価高騰対策であったり、他都市の状況等も注視しながら慎重に検討していきたいと考えております。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 高齢者の健康と生活を支えている事業を存続するためにも、金沢市が公的役割を果たしていただきたいと思います。 4点目は、教科用図書の採択について伺います。 6月定例月議会でも教科書採択会議の公開を求めたところですが、教科書採択会議非公開の決定が発表されました。教育委員と真摯に話し合っていくという教育長の答弁だったと思います。どのような話合いの中で非公開の決定に至ったのか、お伺いいたします。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 7月末までに開催いたしました教育委員会議におきまして、さきの教科書採択に係ります文部科学省からの通知、また、6月定例月議会での請願に対する審議結果、また、公開を求める団体からの要望、そうしたものを事務局のほうから説明がありました。そうしたものを踏まえながら、教科書採択に係る会議を公開するかどうか、このことについて真摯に話合いをさせていただきました。その結果、教科書採択に係る教育委員会議は、意思形成過程であること、また、静ひつな採択環境の中で自由闊達な議論を行うこと、また、公平性、中立性を保つ必要があること、こうしたことから会議は非公開とすることとしたものでございます。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 6月定例月議会に提出された採択会議の公開を求める市民からの請願は、付託された文教消防常任委員会で採択すべきと決定されました。この決定は、民主主義の根幹でもある市民の知る権利を保障した実に意義のある決定だと思います。常任委員会での決定を教育委員の中でどのように受け止めて判断されたのかお聞かせください。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 会議の公開か非公開かを話し合う教育委員会議におきましては、今ほども触れましたけれども、協議に入る前に、6月定例月議会における教科書採択の質問とそれに対する答弁、仰せの請願に対する文教消防常任委員会と本会議での採決結果、そして教科書採択に関する国からの通知、また、他の中核市の状況について、事務局のほうから説明を行いました。教育委員会議におきましては、教育委員個々人がこれらの事実を踏まえた上で、公開か非公開について真摯に話し合ったものであります。なお、議事録等につきましては、なるべく早く公開できるように、これから準備を進めてまいりたいと思っております。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 会議の公開という点で言うと、不登校対策をテーマに開かれた先日の総合教育会議では、傍聴席15席が満席になるほどで、傍聴できずに帰られる方がいるほどでした。傍聴した方に聞きますと、不登校対策についてどんな話合いがされているか知れてよかったというふうに話されていました。まさに会議の公開というのは、市民の知る権利を保障して、市政への参加を保障する貴重な機会だというふうに考えます。教科書採択会議にもこうした姿勢が求められていると考えますが、教育長の見解を伺います。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 山下議員も御存じだと思っておりますけれども、地方教育行政の組織及び運営に関する法律という法律がございます。その第1条の4第6項には、総合教育会議は、公開する。ただし、個人の秘密を保つため必要があると認めるとき、又は会議の公正が害されるおそれがあると認めるときその他公益上必要があると認めるときは、この限りでないとうたわれています。また、同じように、この第14条第7項には、教育委員会の会議は、公開する。ただし、人事に関する事件その他の事件について、教育長又は委員の発議により、出席者の三分の二以上の多数で議決したときは、これを公開しないことができるとなっています。総合教育会議と教育委員会議は法律上公開が原則とされておりますが、一方で、双方とも一定の要件の下で非公開とすることが認められております。今般の教科書採択に係る教育委員会議につきましては、繰り返しになりますけれども、さきの教科書採択に係る文部科学省の通知等を踏まえ、教科書採択に係る会議を公開するかどうかを教育委員会議で真摯に話合いを行った結果、意思形成過程であり、静ひつな採択環境の中で自由闊達な議論を行うことや、公平性・中立性を保つ必要があることから、非公開とすることに決したものでございます。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 昨日、採択会議での発言者名を議事録に明記すると、教育長からの答弁がありました。市民の要望でもありましたし、透明性のある採択に向けて一歩前進だというふうに評価しているところです。ただ、教育委員会は議事録を公開しているから説明責任を果たしているというふうに言っていますが、説明責任と公正で透明性のある会議の運営とは同一ではありません。来年は中学生の教科書採択も予定されていますので、採択会議公開への再度前向きな検討を求めて、次の質問に移ります。 最後は、学校給食についてお尋ねします。 学校給食法では、食を通じた子どもの心身の健全な発達を目的として、食育の推進をうたっています。保護者の労働状況や経済的な理由によって、給食が唯一の栄養源という子どもたちもいます。成長期の子どもたちの健康と人間的発達を保障する学校給食は大変重要であり、教育としての学校給食の充実が求められると考えますが、学校給食の役割について教育長はどのようにお考えですか、お聞かせください。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 今山下議員おっしゃいましたとおり、私も学校給食はとても重要なものだと思っています。学校給食は、児童・生徒の心身の健全な発達に資するほか、栄養教諭による教科等の指導を一体として推進することで、食に関する正しい理解と適切な判断力を養うことを目的としまして、学校給食において、繰り返しになりますが、重要な役割を果たしていると考えております。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 子どもたちにとっても、社会的にも大変大きな役割を担う学校給食ですので、本市としても教育の一環にとどまらずに、教育の中心に置く気概でぜひ取組をしていただきたいと思います。 次に、共同調理場の整備についてお尋ねします。2021年文科省の調査状況では、学校給食における調理方式は、全国の小学校では単独調理場が46.3%、共同調理場が52.3%と、おおよそ半数の割合です。そこで、本市における調理方式の現状をお聞かせください。
○中川俊一副議長 上寺教育次長。
◎上寺武志教育次長 本市の学校給食は、現在、学校内に調理場を設置する単独調理場4施設と共同調理場13施設で業務を行っております。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 全国的に見ても、本市は極端に単独調理場が少なく、4校ある単独調理場も、現在の新共同調理場建設計画にある泉本町地内での1日8,000食規模の共同調理場建設の中に集約化され、本市から単独調理場がなくなってしまうという現状です。一方、全国では、食と地域を支えるという観点から、共同調理場から単独調理場へ転換を進める自治体も見受けられます。本市はこの建設計画を進めるに当たって、単独調理場であった4校の保護者や児童、給食調理員、教員等からの意見を集約し、反映させ、計画を進めてきたのでしょうか、お伺いします。
○中川俊一副議長 上寺教育次長。
◎上寺武志教育次長 泉本町地内に設置する新たな共同調理場へ4校の単独調理場を統合することは、令和2年に策定した新たな学校給食調理場再整備計画に盛り込まれております。この計画の策定に当たり、有識者や調理場関係者、保護者、学校関係者から成る懇話会を設置いたしまして、再整備の具体的な方向性等について検討を行いました。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 本市はさらにもう1か所、駅西臨海地区に1日1万1,000食規模の巨大な調理場建設を打ち出しています。共同調理場は食中毒発生時などの被害が大きく、道路事情や災害があった場合にも給食提供に大きく影響いたします。1万食を超える共同調理場では、前日に野菜をカットして水につけておくなど、栄養面で課題があることも指摘されています。食品ロスなどの環境問題や地産地消の食材を利用する地域経済の観点、そして学校が避難所となる防災の観点からも、単独調理場の役割に今注目が置かれている中で、単なる経済的効率を最優先に共同調理場計画を進めてしまっては、給食だけではなく、学校教育、地域そのものが貧しくなるのではないでしょうか。新共同調理場建設計画の見直しを求めますが、見解を伺います。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 本市におきましては、単独調理場の老朽化が進み、敷地等の制約から改修等による調理能力の向上が難しく、効率的な運営を行うことが困難でありますことから、近代的な設備を導入し、衛生管理及び労働安全の面に配慮した共同調理場を採用いたしております。年間献立による給食を通じた計画的学習の推進や特色ある給食を通じた地元食材、食文化の理解など、栄養教諭を中心に児童・生徒、教職員が一体となって、食品ロス対策や食育の推進に取り組んでおりますことから、調理場の方式に関係なく、学校給食の充実が図られると考えています。 なお、災害時のリスクについてもちょっとお触れになりましたので、今回、工事請負契約等お諮りしております南部共同調理場--仮称でありますけれども、ここにおきましても、豪雨災害等でも調理機能が停止しないように様々な工夫を行って、災害時でも給食を止めない工夫をしております。また、様々な食中毒等にもお触れになりました。しっかりとモニタリングなどで食材の温度や調理状況などを検査できる機器なども導入していきたいと思っておりますので、そうした点でも、これからこの共同調理場方式についてはこのまま進めていきたいと考えております。
○中川俊一副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 単独調理場、共同調理場、それぞれメリットはあるかと思いますけれども、ぜひ共同調理場ありきではなくて、共同調理場から単独調理場への切替えを行った自治体の状況をよく調査研究していただいて、新共同調理場建設の計画の再度見直しを求めて、私からの全ての質問を終わります。(拍手)
○中川俊一副議長 以上で、11番山下明希議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。 30番玉野道議員。 〔30番玉野 道議員登壇〕(拍手)
◆玉野道議員 質問の1点目は、本市の社会福祉協議会と放課後児童健全育成事業に関してです。 地域共生社会の実現に向け、各地域において、地域生活の課題に対応する包括的な支援体制の整備に向け、地域力の強化と他団体との協働、推進体制の構築を図るとして、地域福祉計画並びに地域福祉活動計画が策定され、今や地域福祉時代の到来と言われています。前者は、行政による地域福祉推進のための理想と仕組みを定める計画であり、後者は、地域住民の活動を中心とした計画として、計画の策定過程からも多様な主体による実践的な活動・行動計画で、両計画は一体化した計画と捉えられています。その地域福祉活動計画の推進の中心的役割を担う市町村社会福祉協議会は、社会福祉法第109条に規定された団体で、その理念から民間非営利団体との定義づけがされてはいますが、自主財源に乏しく、その多くが行政からの補助金で運営されています。本来は公私協働、すなわち公的機関と民間の両方のメリットを生かした事業展開が期待されていますが、現実は行政との深い関わりの中で受託事業の執行が多く、人事、業務、財政の面から民間性と主体性を失い、行政の下請ともやゆされ、外郭団体的な位置づけであることは否めないとの声もあります。本市においても、ある時期から理事長が市のOBであることから、市社会福祉協議会と行政との力関係や組織運営上の問題を抱えているのではないのでしょうか。しかも、福祉行政における第二福祉健康局との位置づけを担っているかのごとく、多くの委託事業、補助事業の受皿となっている状況からも、本来の民間性と主体性の追求をいかに行っていけるのか、現状を可視化する事業手法と運営体制の見直しが必要との指摘もあります。 静かにお聞きください。 そこで、本市における地域力の再生論議と施策の実施における市社会福祉協議会の位置づけと役割、運営体制の問題点と組織課題をどのように捉えておられるのでしょうか。それらの解消策並びに内包している問題点と課題の可視化並びにそれらの解決へのお考えを併せてお尋ねいたします。 一方、本市では、おおむね小学校区単位に地区社会福祉協議会が組織され、その法的裏づけがない中で、児童・母子福祉、高齢者福祉、障害者福祉など、その業務は福祉全般にわたり、見守りや声がけ活動、健康に関する講座、広報紙の発行、ふれあいサロンやふれあい食堂など、地域住民を対象に各事業を実施しており、地区社協事業なのか、民生委員法第20条において組織されている民生委員児童委員協議会や他団体事業なのか、区別がつかない状況になっているとの指摘もあります。地区社協は、地域の身近な福祉の窓口であり、地域福祉活動の中心としてその期待は大きいものの、組織体制は町会や民生委員児童委員など、地域福祉関係者の代表者による充て職で構成されており、専任での活動者がいないことやその担い手不足、事務局専任の有給職員の配置の必要性、自由に使用できる拠点の確保と整備、活動の地域格差拡大など、組織体制と運営上の問題点が数多く指摘されており、こうした課題はこれまでも市社協、地区社協のアンケートや地区社協会長会議でも議題となっていることからも明らかです。また、NPOや障害者団体等、地域の様々な団体組織が独自に新たな課題に取り組む活動が活発化するなど、地区社協を取り巻く環境も変わりつつあることから、他団体との関係等を明確にした上で活動支援への転換を図る必要性も指摘されています。加えて、地区社会福祉協議会の事業については、市社会福祉協議会を経由する形で、市からの委託事業、補助事業が多く、かつ、一律的に全ての地区で実施することが求められている事業も少なくはありません。しかし、近年の人口減少、少子高齢化の進展に地域差があることを踏まえると、高齢者人口等要援護者数を基準とするなど、市の予算編成段階での事業の受皿となっている市社会福祉協議会や地区社会福祉協議会との意見のすり合わせが重要と考えますが、市と市社会福祉協議会と地区社会福祉協議会の連携がうまく機能していないとの指摘も少なくないと仄聞しています。そこで、アンケート等の結果の受け止めと施策や計画等への反映並びに市、市社協、地区社協間での組織の関係性及び委託事業の在り方、その実施に関する責任、二重委託契約とも言える手法について、基本的なお考えをお尋ねすると同時に、地域を考慮した委託方法の見直しの考えについて、併せてお尋ねいたします。 次に、地区社会福祉協議会の事業の中でも特に予算規模の大きい放課後児童健全育成事業についてお尋ねいたします。こども家庭庁の関連予算の中で、児童福祉法に基づく放課後児童健全育成事業として、厚生労働省と文部科学省の連携の下、子どもの居場所づくりとして策定された新・放課後子ども総合プランは、放課後児童クラブにおける待機児童の早期解消など4つの目標を掲げ、全ての児童の安全・安心な居場所の確保に向け、福祉と教育の連携・協力による協働の下、令和5年度末までの事業展開が示されています。また、国の放課後児童クラブ、児童館等の施設・運営に関する課題と方策の検討会においても、3つの視点で子どもの育つ場の多様な対応の必要性と総合的な放課後児童対策を推進することを求めていますが、教育と福祉の縦割りにより当初の予想どおりには進んでおりません。 再度静かにお聞きください。 また、事業が依然として女性の就労促進のために量的・大規模施設の整備に力点が置かれており、国の進める「こどもまんなか社会」の実現に向け、真の利用者たる子どもにとってどうあるべきかの議論が不十分であるとの指摘もあります。子どもを取り巻く家庭環境が大きく変化している中、放課後の子どもの居場所づくりにおいて、子どもたちが健やかに育ち、保護者が安心して子どもを預けることができる環境を整えるため、遵守すべき基準や運営指針が定められ、子ども・子育て支援法で市町村事業に位置づけられていることにもかかわらず、地区ごとの整備にばらつきが大きいことや、依然として基準や要件に合致しない既存不適格な施設が存在し、公的責任の放棄とも取られかねない実態が本市においても散見されます。加えて、指導員のなり手不足、人材確保、処遇改善等の課題、保育の質を担保する省令基準や運営指針の遵守、質の向上につながるプログラムの充実の必要性、放課後保育を求める需要に実態が追いついていない等、様々な現状と問題が各地で明らかになっています。そこで、本市の放課後児童健全育成事業の現状と問題点、課題と改善への取組についてお尋ねいたします。 本市においては、かなざわ子育て夢プランが令和2年度から令和6年度までの5年間を計画期間として定められ、その目標とする指標が掲げられていますが、第三者評価の義務化など、様々な角度からの放課後児童対策の見直しが必要と考えます。そこで、新たなかなざわ子育て夢プラン策定における放課後児童健全育成事業の今後の方向性についてお尋ねいたします。 また、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の施行に伴い、放課後児童健全育成事業者は適切な支援を行う責務を有することになり、障害のある子どものインクルージョンの推進に関して、放課後児童クラブにおける障害のある子どもの受入れに様々な課題があると言われていますが、その取組についてもお尋ねいたします。 新・放課後子ども総合プランの事業計画の主体は市町村で、同計画に基づく放課後児童クラブと放課後子ども教室の実施についても、市町村、もしくは市町村が適切と認めた者に対して委託等を行うとしています。本市の同事業の運営体制の仕組みは、その多くが市社会福祉協議会と金沢市の間で委託契約が結ばれ、実際の運営については、市社協を通して地区社協が受託事業者として事業を行う仕組みとなっています。運営主体がいずれであろうとも、定められた法令を遵守し、放課後児童クラブ運営指針に基づいて運営されること、実施主体である行政が放課後児童クラブをよりよくするため、主体性と責任を持って事業展開することが求められており、放課後児童クラブの設置に関しては、市も積極的にその役割を果たさなければなりません。令和5年度当初予算において、児童クラブ会計事務、労務管理の支援事業費が計上されておりますが、今後、児童を取り巻く環境は大きく変化していくことが推測されることからも、放課後児童健全育成事業も柔軟かつ迅速に対応していくことが求められますし、市の方針が運営組織に反映されやすい環境を整えていくことが必要です。加えて、保護者からの保育料の徴収など、市からの委託事業とはいえ、実質的には保育などの福祉事業と変わらない現状に鑑み、保護者への説明責任も含めて、これまで以上に運営の透明性、適法性が求められています。しかし、放課後児童健全育成事業では、地区社協が法人格を有していないため、不動産の取得や雇用などの契約が個人保証で行われていること、団体による内部監査及び市の監査が十分でなかったことから、これまで不祥事事案が発生するなど、諸問題も浮き彫りになっています。こうした問題点を解消するためには、地区社協が法人格を持つことで、事務局専任有給職員の確保が進み、組織力の向上や運営状況の把握などが確実に行われ、会計等の事務処理の正確性が図られ、働く職員の処遇改善と円滑化が進むのではないのでしょうか。また、本市では切れ目のない子育て支援に関する包括的な役割を果たすといった観点から、認可保育所、認定こども園等が放課後児童クラブを運営しているケースも増えてきていると聞きますが、仮に地区社協が法人格を持てないのであれば、将来的には地区社協が運営する放課後児童クラブを認可保育所等へ運営主体を移行することや、一部で児童館と放課後児童クラブが混在している現状に関しても、関係団体を交えた検討も必要ではないのでしょうか。そこで、放課後児童健全育成事業における地区社協の法人化及び今後の運営体制を含め、あるべき姿についてお尋ねいたします。 加えて、地域福祉計画、地域福祉活動計画の改定に伴い、今後さらに市からの委託事業が多岐になることが予測され、地区社協に様々な対応が求められると思われる中、地区社協の現況体制の下ではその実施が無理と思われる地区社協もあるのではなかろうかと推測しますが、各地区社協への支援と協力並びに負担軽減、子どもの育つ場として地区社協も運営に関わっている児童館のガイドラインの改正を踏まえた対応と今後の整備の方向性について、お考えをお尋ねいたします。 質問の2点目は、本市の中央卸売市場再整備工事基本設計業務に関してです。 市長は、この7月に、本市中央卸売市場と公設花き卸売市場の取引量拡大に向け、九州各地へ訪問し、出荷要請活動を行ったとの報道がありました。卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の改正によって、従来の卸売市場の中央・地方や公設・民営といったカテゴリーそのものの垣根がなくなりつつある中、市場経由率の低下、取扱高の減少傾向の推移などから、今後も卸売市場をめぐる再編や淘汰が進むことが予測されています。このことから、卸売市場の開設者は、今までの待ちの姿勢から、自らが集荷に努め、積極的に打って出る姿勢に切り替える必要があると言われており、取扱高の改善や市場機能の維持・活性化などについて、卸売業者、仲卸業者、生産者、売買参加者、小売業者、運送業者、加工業者、関連事業者など、多くの事業者が様々な立場から関わる複雑多岐な関係を有する事業者と一体となった円滑な連携と運営が求められています。卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の両法の改正における主要な課題が、物流と情報による効率化と活性化にあると言われる中、開設者が従前と同様のやり方で卸売市場を運営すれば、大都市卸売市場を除いて、多くの中央卸売市場の開設者はもとより、卸売業者や仲卸業者の大半が撤退や廃業に追い込まれるおそれがあるとの声もあります。こうしたことから、卸売市場の常識は場外の非常識とも言われることの認識から始めなければならず、損をしない開設者から利益を目指せる開設者に、商品は持ち込まれるもの、小売業者は買い付けに来るものという考え方から脱却しなければ、卸売市場の再整備が行われても新たな事業戦略は遂行できないとの厳しい指摘もあります。そこで、法改正により様々な権限と責任を負うこととなり、開設者に求められる役割が重みを増していますが、市長の九州各地への取引量拡大の出荷要請活動は、こうした事柄も念頭に置かれたものと推察しますが、出荷要請活動並びにその成果と改正法時代における本市の卸売市場の開設者としての責務と経営展望について、併せてお尋ねいたします。 本市の中央卸売市場の再整備事業に向け、中央卸売市場再整備工事基本設計業務に係る公募型プロポーザルの実施要領の下、応募があった2者に対する審査の結果、最適設計者が決定されました。ただ、市から公表された内容は、最適設計者の名称並びに2者からの応募があったこと、選定委員名と選定委員の一部の講評だけであり、応募があったもう1者の名称や審議内容、評価基準、採点結果などの公表はされていません。選考審査は公平に行われたものと理解しておりますが、市場関係者との信頼関係が構築されてこそ基本設計の成否にかかっていると考えると、少なくとも応募者名や講評が開示されてもよいのではないかと感じています。そこで、物流機能と情報機能の強化による効率化と活性化がメインであるはずの卸売市場再整備工事基本設計業務の公募型プロポーザルと選定委員の選考の在り方、情報開示に関する考え方について、総務局長にお尋ねいたします。 選定委員会での講評内容に関して、営業と工事の両立を図る観点から具体的な検討が行われ、設計段階での修正箇所が少なく、柔軟性があり、物流の2024年問題への対応と北陸のハブ拠点として必要となるストックポイント--物流の中継基地を提案した点を評価したとの報道がありました。そこで、ストックポイントの整備に関しては、市場関係者との協議はこれから始まるものと考えますが、ストックポイントに対する市場関係者の捉え方も様々であることから、改めて本市卸売市場の再整備事業における特色と留意点並びに国の交付金の交付申請を念頭に置いた事業計画と食品流通合理化計画の作成、ストックポイントの施設内容と規模及びローリング方式整備手法との関係性並びに使用料への影響について、桑原市場長にお尋ねいたします。 また、建設工事費は約220億円とされていますが、昨今の生鮮食料品における物流環境の激化から、本市卸売市場の卸売会社、仲卸会社の経営は今まで以上の厳しさに直面すると仄聞しており、それに伴い市場会計も悪化傾向に向かうことが予測される中、再整備事業後の減価償却費、企業債--借入金に対する元利償還金の支払いなどの経費の増加が今後生じますが、これらの収支見込み、財政計画について、所管の山田副市長にお尋ねいたします。 本市の中央卸売市場の特色の一つに、立地環境があると思います。金沢駅より車で約10分、金沢港からも近く、用途地域は商業地域で、周辺幹線道路沿いは準工業地域であり、個人住宅や共同住宅等の比率が高く、周辺の住環境に与える影響も大きいと考えます。そこで、金沢市のまちづくりの観点から、卸売市場再整備事業の位置づけと、どのような点に配慮すべきか、都市整備局長にお尋ねいたします。 また、近年にぎわいを見せる金沢港クルーズターミナルと金沢駅を結ぶエリアには、金融機関や大企業の進出などによる新たな拠点づくりが続いており、加えて、区画整理事業によって新たな業種ゾーンも形成されるなど、同地区における開発が加速し、まち並みも大きく変貌しつつある中、中央卸売市場再整備事業がどのような方向づけであるべきとお考えなのか、都市政策局長にお尋ねいたします。 本市卸売市場は、開設当初から関連店舗が周辺に配置され、2007年には関連事業者と周辺店舗による金沢中央市場通り商店会が発足し、周辺店舗も含めた活動が行われ、最近では観光客の姿も見られるようになりました。しかし、市場通り沿いの民間施設の店舗は老朽化が進んでおり、再整備事業を機に中小企業振興策として市場通り商店会の活性化に取り組むべきと考えますが、経済局長のお考えをお尋ねいたします。 また、市場再整備事業を成就させるために最も大切なことは、そこで働く方々の意向を最大限に反映させることが重要ですし、決定された設計者と市場関係者、開設者の三位一体となった論議が不可欠です。どのような頻度で協議を進め、合意形成を図っていかれるお考えなのか、桑原市場長にお尋ねいたします。 ところで、県は、文化庁に呼応して、全国で初めて県食文化推進本部を設置し、石川県の豊かな食文化を活用して産業振興を図ることや、食文化の無形文化財の登録を探るとしています。本市では、食文化のまち金沢の地位や存在感を高めるための計画改定論議が行われておりますが、どのような体制で食文化政策に取り組み、産業振興に結びつけるのか、また、その中で卸売市場をどのように位置づけ、活用するのか、市長にお尋ねし、私の質問を終わります。(拍手)
○中川俊一副議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 30番玉野道議員にお答えいたします。 初めに、社会福祉協議会の関係で、非常に深い問題趣旨をいただきました。市社会福祉協議会は、社会福祉法に規定された市町村社会福祉協議会であり、地域の人々が住み慣れたまちで安心して生活することのできる福祉のまちづくりの実現を目指し、地域住民や福祉・保健・医療・教育機関など、様々な人の参加と協力を得て活動しております。本市としても、地域福祉の推進を図るため、必要に応じ、業務委託を行っているところであります。運営に当たりましては、法令に基づき、市内の社会福祉事業者や社会福祉に関する活動を行う者が参加した理事会、評議員会にて適切に行われていると認識しております。 地区社会福祉協議会への委託事業については、市社会福祉協議会を介し、世帯数、民生委員数や高齢者の割合に応じて事務局経費の一部を支給しているほか、地域福祉支援コーディネーター配置事業や地域サロン事業などでは、設置状況や開催数などに応じて委託料を算定しております。なお、事業執行に当たりましては、これまでも市社会福祉協議会及び地区社会福祉協議会と協議しながら丁寧に進めてきております。引き続き、地域の実情に配慮していきたいと考えております。地区社会福祉協議会は、地域住民全体が主体となって構成され、本市の地域福祉活動の中心的役割を果たしていただいております。コミュニティーの維持や善隣思想の発展、公私協働によるまちづくりなどを基本理念とし、支え合いながら心豊かに暮らせるまちの実現を目指す地域福祉計画の実現に向け、さらなる連携を図りながら取り組んでまいります。 放課後児童クラブの利用児童については、増加傾向にあります。受入れ児童数を増やしたいところではありますが、施設や支援員の確保などの課題から、個々の児童クラブで待機児童数や施設環境などについて差が生じているケースがあることは存じております。本市では、地域が主体となって運営している児童クラブが多く、それぞれの実情によりすぐに課題を解決するということは難しい状況でありますが、児童クラブの新増設等に係る経費を支援するとともに、職員の処遇改善や労務事務等の外部委託化を図ることで、地域偏在の解消や人材確保につなげてまいります。 先般、政府が取りまとめたこども未来戦略方針におきましては、新・放課後子ども総合プランに基づき、全ての子どもが放課後を安全・安心に過ごせるよう受皿の拡大を着実に進めるとしておりまして、本市としても、国と歩調を合わせ、待機児童の解消に向け、児童クラブの整備を進めていきたいと考えています。本市では、これまでも運営主体の拡充に加え、施設整備への支援や運営体制の強化に取り組むなど、放課後児童健全育成事業の充実に努めてきております。次期かなざわ子育て夢プラン策定の中で、地域の方々や子育て家庭などの意見も聞きながら、さらなる施策の推進等について議論してまいります。 放課後児童クラブにおける障害のある児童の受入れにつきましては、本市では、職員の加配制度を設けているほか、発達に遅れがあるなど特別な支援を要する児童には、専門家が訪問し、個別支援計画を作成するとともに、職員や保護者からの相談にも応じております。障害のある児童の受入れには、インクルーシブな考え方を理解することが大変重要でございます。児童クラブの運営者や職員に対し、各種研修会への積極的な参加を呼びかけるなど、受入れ側の意識啓発にも継続して取り組んでまいります。 本市の放課後児童クラブは、従来より地域が主体となって取り組んでいただいておりまして、地区の社会福祉協議会は、地域の実情に最も精通した団体でもあることから、引き続き、地域に根差した運営を支援してまいります。具体的には、地区社会福祉協議会が児童クラブを適正かつ円滑に運営できるよう、運営や会計の手引、自己点検シートを作成し、配布したほか、指導監査などを通じて会計の透明性確保や法律遵守などを指導助言しており、保護者が安心して利用できるよう努めております。また、地区社会福祉協議会の法人格の取得や社会福祉法人など、他の運営主体への事業移管に向けて、相談に対して丁寧に対応してまいりたいと考えております。 各地域の状況を熟知している地区社会福祉協議会は、地域福祉を推進する上で重要なパートナーと考えております。本市の施策を進めるに当たっては、地域の実態に即した支援を行ってまいりたいと考えています。児童館につきましては、18歳未満の全ての子どもを対象とし、子どもが自らの意思で来館することができ、様々な遊びや学習などを体験できることから、国においても子どもが安心して過ごすことができる地域の居場所の一つとして、その役割が期待されております。さらに、本市の地区児童館は、子育て支援やコミュニティー活動の拠点としての機能も備えており、それぞれの地域において、子どもの居場所や世代間交流の場として重要な役割を担ってまいりました。こうしたことから、地区児童館の整備については、設置を望む地域の総意が第一と考えております。引き続き、要望のある地域において、地域の方々の協力を得ながら進めてまいります。 続いて、中央卸売市場の出荷要請活動の関係でございますが、今般行いました九州地方での水産物と花卉の出荷要請活動は、間近に迫った物流の2024年問題を背景にもいたしまして、昨年の高知県での青果の出荷要請に続いて行ったものであり、市場の将来を見据えた取扱量の拡大が目的であります。人口減少、取扱高の減少、流通形態の変化など、卸売市場の経営環境が厳しさを増す中で、安定的に集荷するためには、生産者や物流業者との信頼関係の構築が極めて重要であります。現時点ではまだ数値的な成果は現れておりませんが、市場関係者や産地からは積極的な姿勢を評価いただいていると思っています。改正市場法は、規制緩和により多様な取引を容認するものであります。また、改正食品流通構造改善促進法は、品質・衛生管理の強化や情報通信技術の導入などの場内物流の合理化を図るものであります。いずれも卸売市場の変革が求められており、これらの機能を今回の市場の再整備に反映させ、北陸のハブ拠点となる一体型総合市場を目指してまいりたいと考えております。 最後に、食文化政策における中央卸売市場の位置づけについて御質問をいただきました。平成25年に金沢の食文化の継承及び振興に関する条例を制定し、平成26年には民間団体等で組織する金沢の食文化推進委員会を設置、平成27年には、食文化のまちの価値を高める各種事業を展開するため、金沢の食文化の魅力発信行動計画を策定いたしました。現在、明年度からの第4期の行動計画の策定に向けて、関係団体から意見を聴取しているところであります。さらに、今年度は食文化条例の制定から10周年となりますことから、10月には食にまつわる有識者を招いた食文化フォーラムを開催するとともに、いしかわ百万石文化祭2023の地域文化発信事業として食文化フェスタを開催し、金沢の食の豊かさと奥深さを市民や観光客に発信することとしております。また、本市の食を流通の面で支えている中央卸売市場では、加賀野菜や海の幸等の地元食材の消費回復・拡大の取組を進めてきております。引き続き、関係者との協働により、食文化の継承・発展を図る取組を進めてまいります。 以上です。
○中川俊一副議長 山田副市長。
◎山田啓之副市長 中央卸売市場の再整備事業後の経費増加等を踏まえました収支見込み、財政計画につきまして、お答えさせていただきます。市場の再整備につきましては、施設の規模や整備スケジュール等から、相当規模の事業費用が必要になることが想定されます。そのため、可能な限り国庫補助金を活用したいというふうに考えておりますが、相当額の企業債の借入れも必要になります。このことから、減価償却費や企業債の元利償還金が増加することになりますが、中央卸売市場事業特別会計の減債積立金に加えまして、昨年度末に積み立てました市場病院施設再整備積立基金を活用することとしており、公営企業としての収支を十分見極めながら今後設計業務を進めてまいります。その中で、市場関係者とも協議を行いながら、再整備後の施設の管理費用やこれに基づく使用料の設定などを検討していくということになりますが、市場関係者からの要望にも十分配慮しながら、長期的な収支均衡が図られる計画を策定していきたいというふうに考えております。 以上でございます。
○中川俊一副議長 桑原卸売市場長。
◎桑原秀忠卸売市場長 中央卸売市場再整備基本設計業務委託に関して、公募型プロポーザルと選定委員選考の在り方についてのお尋ねがありました。当市場の再整備は、価格面だけではなく、事業を継続しながらの現地建て替えや卸売市場の特性を踏まえた効率的な施設設備の提案が求められること、また、駅西地区のまちづくりやにぎわい創出に寄与する施設とすることから、公募型プロポーザルを実施したものであります。選定委員については、市場に求められる機能を的確に提案できる設計者を見極めるため、市場内事業者の代表をはじめ、食品流通、衛生管理、まちづくり、建築に関する学識経験者や行政担当者としたものであります。 次に、再整備事業における特色と留意点、事業計画と食品流通合理化計画の作成、ストックポイントの施設内容と規模、ローリング方式整備手法との関連性と使用料への影響についてですが、本市場の再整備は、事業を継続しながら現地建て替えを行うことから、整備期間と仮設営業期間の短縮、費用の削減等を最大限に図りながら、解体と建設の順序、施設配置などを決定することとなります。事業計画については、農林水産省の交付金をはじめ、経済産業省や環境省などの関連する補助金の対象ともなり得る内容とし、これらに対応するデジタル技術を活用した場内物流の効率化を念頭に、食品等流通法の要請に応える食品流通合理化計画を作成する予定であります。物流の中継基地--ストックポイントについては、新市場の集荷戦略の重要事項であると考えており、ローリング計画の策定や使用料の算定への影響を考慮しながら、規模や内容、事業費等について、基本設計の中で検討してまいります。 次に、設計者と市場関係者、開設者の三位一体となった合意形成についてですが、現在、実務担当者と市場事務局のプロジェクトチームによる検討会が、青果部、水産物部ともに週1回の頻度で開催されており、今回選定された設計者は今後出席していくということになります。また、方針や計画、レイアウトや区画割などの重要事項については、卸会社の経営陣と仲卸組合の理事等による会議での議論を踏まえ、決定することになります。これらを重層的に検討を重ね、市場事業者、開設者、設計者の共通認識の下で設計案を取りまとめていくこととしております。 以上です。
○中川俊一副議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 公募型プロポーザルの情報開示についてですが、プロポーザル実施後の審査結果に関する公表内容につきましては、基本的にプロポーザルを実施した所管課が判断し、決定することになりますが、特定者以外の応募者名や講評につきましては、その情報を開示することで法人の権利や競争上の地位、その他正当な利益を害するおそれがあるため、公開はしておりません。 以上です。
○中川俊一副議長 坪田都市整備局長。
◎坪田英孝都市整備局長 まちづくりの観点からのお尋ねがございました。中央卸売市場のある地区は、都市計画マスタープラン2019におきまして、新たな都市機能の集積やにぎわい創出を図るとともに、新たなまちづくりを牽引する重点地区に位置づけられております。また、住宅や業務施設が共存しています地域でありますことから、再整備に当たっては、住環境との調和に配慮することが大切であると考えております。 以上でございます。
○中川俊一副議長 村角都市政策局長。
◎村角薫明都市政策局長 市場の再整備の方向づけでございます。これまでに開発された都市基盤との相乗効果を高め、さらなる都市機能の向上と地域の活性化に資していくことが大切だと思っています。 以上です。
○中川俊一副議長 29番粟森慨議員。 〔29番粟森 慨議員登壇〕(拍手)
◆粟森慨議員 金沢保守・こくみん議員会の一員として、以下数点、お伺いします。 質問の第1は、本市の公共建築物の在り方についてであります。 近年、公共建築物について、その維持管理が課題になっているのは周知のとおりであります。特に、戦後の人口増加に合わせ、本市においても学校や保育所、道路などのインフラ整備を進め、都市機能と市民生活の向上を図ってきました。同時に、芸術文化に重きを置く本市では、積極的にこれら施設の整備を行ってきたところです。一方で、RC・SRC造の建築物の法定耐用年数が建築年次によって定められている中で、その年数を経過している本市の公共建築物も数多くあります。耐用年数が過ぎているものは、何らかの対応を取らねば、耐震状況や経年劣化などで危険を伴い、公共施設として問題がありますので、その取扱いは慎重かつ計画的に進めなければなりません。そのため、本市は国が定めたインフラ長寿命化基本計画を踏まえ、平成29年3月に公共建築物とインフラ施設、全ての公共施設を対象にした金沢市公共施設等総合管理計画を策定するとともに、再整備のための財政需要の平準化等を図るため、新公共施設等総合管理計画を基に対応されていると認識しております。そこで、まず、この金沢市公共施設等総合管理計画がどのように機能し、再整備の計画が進んでいるのか、お伺いします。 さて、この総合管理計画によると、本市が保有する公共建築物は令和3年度末で914施設に上り、その更新は容易なものではなく、息の長い取組が求められてくると考えます。ここで課題となるのが、改修か建て替えかの判断です。これだけ多くの施設についてそれぞれ議論を行うことの労力を考えると、何らかの統一した基準を設け、それに沿って判断すべきと考えますが、このような基準を設ける必要性について、市長のお考えをお聞かせください。 ところで、戦後、高度経済成長期、昭和後期に建てられた建築物には、意欲的な意匠を施されたものが数多く残っております。このたび柳宗理デザインミュージアムとしての活用・保存が決まった故谷口吉郎氏が設計した教育研修館のほかにも、金沢歌劇座や金沢市文化ホールのような文化施設があります。一方、全国的に学校や団地などの機能を重視した建築物でも、その時代の空気を感じられる空間として後世に伝えていこうという取組が始まっております。例えば、東京都北区にある旧赤羽台団地の4棟は、戦後の住環境を示す文化資源としての保存・活用が決まり、令和元年には国の登録有形文化財に指定されました。これまで本市は既存建築物のリノベーションを行い、歴史的な建築物を大切にしてきましたが、昭和も終わりを迎えてから35年が経過する今日、このような戦後、昭和の建物をより広く再評価する時期に入っており、今後も継続して取り組むべきであります。世界や日本の観光地を見ても、築100年以上が経過した建築物がそれぞれのまちのシンボルとして残っております。これらのことから、今後も既存の建築物を活用しつつ、新しい建築物を建てる場合はできるだけ耐用年数が長くなるよう、そして後世に歴史資産として残していくという観点が、自らの歴史に責任を持つべきまち金沢にふさわしいものと考えますが、所見をお伺いします。 質問の第2は、障害者福祉施策についてであります。障害のある方の多様な意見や声を今後の施策に反映していただきたく、質問いたします。 本市は、今年度、令和6年度から令和8年度までの3年間を計画期間とする第7期金沢市障害福祉計画並びに第3期金沢市障害児福祉計画を策定するとしております。本計画では、障害福祉サービス利用者の課題やニーズを把握し、サービス提供体制の確保や相談支援体制の充実を図るために数値目標等を設定するものと理解しております。そこで、まず、現計画である第6期金沢市障害福祉計画及び第2期金沢市障害児福祉計画の検証結果と評価についてお聞かせください。 一方、これまでの計画は、市民に認知されているとは言い難く、施策を進めるには、計画内容を広く市民へ浸透させ、理解を得ていく必要があると考えます。そこで、次期計画については、現在、策定に向けた準備を進めておられますが、現時点での計画の方向性を伺うとともに、現計画をどのように進化させるのか、また、市民に向けた情報発信の強化についてどのように取り組まれていくのか、お聞かせください。 さて、障害者自立支援給付費が年々増加しておりますが、これは障害福祉サービスを利用しやすい環境に整備してきた結果とも言えます。このように需要が増加する一方、先般、障害福祉サービス利用計画を作成する相談支援専門員が不足し、新規利用者の相談が受け付けられないほか、親身な相談サービスが行き届かないなどの声を聞きました。障害福祉計画の中では、サービス相談支援体制の充実や強化を重点施策に掲げており、このことからすると、相談支援専門員の人材確保は喫緊の課題となりますが、その対策についてお聞かせください。 次に、障害のある方の地域移行についてであります。国は、障害のある方が入所施設から地域社会で生活する地域移行を進めておりますが、厚生労働省が昨年度公表した調査結果によれば、2020年末までの4年間で、全国の入所している障害のある方の約5%に当たる6,300人しか自宅やグループホームに移っていないことが明らかになっております。そこで、全国的に地域移行が進まない状況において、本市の障害のある方の地域移行の現状と課題をどう把握しておられるのか、お聞かせください。 一方、地域移行が進展しない理由の一つに、障害のある方の家族が入所施設での生活を望んでいるケースが多いともお聞きしております。介護の入所施設と違い、障害者入所施設は知的や身体など特定の障害分野に特化していることから、入所者も限定されます。さらに、障害のある子の支えとなってきた親が高齢となり、この先に不安を感じている方の声をよく耳にします。これらのことから、障害のある方の施設入所を望む家族のニーズを今後どのように反映し、入所施設の充実につなげていかれるのか、見解をお伺いします。 次に、共生型障害福祉サービスについてであります。障害のある方が65歳以上になると、障害福祉サービスから介護保険サービスに移行しますが、共生型障害福祉サービスは、65歳以上でも訪問介護や通所介護などのサービスをこれまでと同じ事業所で継続利用できる制度であります。高齢者と障害のある方や児童という枠組みにとらわれず、多様化、複雑化していく福祉ニーズに対応できるメリットがあることから、障害福祉計画にも位置づけられております。そこで、この共生型障害福祉サービスを今後積極的に導入していかれるのか、施策展開についての考えをお聞かせください。 また、制度の違いがあることは十分承知しておりますが、これからの人手不足等を考えると、入所の介護サービス事業所の空き室を活用して障害のある方が入所できる本市独自の制度があってもよいのかと考えますが、この点について市長の見解をお伺いします。 質問の第3は、学校を取り巻く課題についてであります。 気象庁は、今年の夏について、過去126年で最も暑かったとの統計を公表しました。このような天候の影響で全国の学校で熱中症の発生が相次いだことから、文部科学省は7月31日付で部活動を行うかどうかの基準をあらかじめ決めておくことと、2学期がスタートするまでに学校での熱中症対策の徹底を求めることについて、全国の教育委員会に通知しました。これを受けて、本市教育委員会は熱中症予防のため、各小中学校に対してどのような指導を行ったのか、また、学校は具体的に部活動を含め、どのような熱中症対策を行ってきたのか、お聞かせください。 次に、部活動の地域移行についてであります。国は、中学校の部活動について、まずは休日の部活動を学校から地域クラブ活動へと移行する方針を示し、令和5年から令和7年までの3年間を改革推進期間としていますが、これは地域の実情によって差が出てくると考えられます。県内では、4月に小松市内の別々の中学校の剣道部が休日に市立武道館に集まり、合同で練習をしている様子が新聞やニュースで取り上げられていました。今後、小松市のように具体化させるため、本市教育委員会は全小中学校を対象に地域移行に係る調査を行ったと聞いております。この結果については、教育委員会と文化スポーツ局が情報を共有していくとのことですが、調査結果をどのように活用し、地域移行を進めていくのか、お伺いします。また、地域に移行していくには、受皿となる地域クラブ活動の整備が重要ですが、そのことも含め検討すべき課題があれば、併せてお聞かせください。 次に、子どもの学びの保障についてであります。令和3年度に国が行った調査結果によると、全国の小中学校で不登校となっている児童・生徒は約24.5万人に上り、過去最多でありました。国と同様に、本市の不登校児童・生徒数は年々増加傾向にあり、統計上、現在、中学校では1クラスに約2名不登校の生徒が存在することから、総合教育会議でも議論されております。そこで、まず、このように不登校となる児童・生徒が増加している要因をどのように分析しているのか、お聞かせいただきたいと思います。 さて、この不登校の状況を踏まえ、国は、本年3月に「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」を示しております。不登校の児童・生徒であろうとも学びが保障されなければなりませんし、そのためには、学校、行政、民間などがより一層連携を強化していくことが求められてきます。県では、石川県立あすなろ中学校の令和7年4月開校に向けた準備を進めておりますが、これに呼応しながら学びを保障していくことも必要になってくると考えます。子どもの学びの保障に対し、今後どのように取り組んでいかれるのか、明確にお答えください。 質問の第4は、環境行政をめぐる課題についてであります。 国連のグテーレス事務総長は、この7月に急激な温暖化の進展を受けて、各国政府などにより強力な対策を至急取るよう促しました。ところで、本市においては、環境に関する主な計画として、金沢市環境基本計画と金沢市地球温暖化対策実行計画がありますが、地球温暖化対策実行計画が定期的に更新されているのに対して、環境基本計画は平成29年度末の策定以来、変わっておりません。この計画の期間はもともと10年間でありますが、国連事務総長の発言やここ数年の猛暑で明らかになっている地球や日本の気候変動を考えると、環境基本計画の見直し要件である国内外の社会情勢の変化や科学技術の進展、本市における環境や社会構造などに大きな変化が起きていることは明白であります。そこで、本市の環境施策の柱となっている環境基本計画の中間見直しを行うべきだと考えますが、見解をお伺いします。 さて、地球温暖化の進行は、ゲリラ豪雨やスーパー台風の発生を引き起こし、その復旧には多大な労力を要することになります。このような災害が発生した際、自治体によっては被災地へ復旧・復興のために職員を派遣していますが、その先頭で活躍されるのが技能労務職であり、本市職員もこれまで派遣されてきました。しかし、平成20年に策定された金沢市技能労務職員等の給与等の見直しに向けた取組方針や金沢市中期人事計画を基に、技能労務職の新規採用は行われず、市長部局では、平成25年の376人から本年には237人へと激減し、構成年齢も高くなってきております。そこで、災害派遣に対する方針と派遣体制、また、本市環境局職員を含めた技能労務職の今後の採用について、見解をお聞かせください。 一方、環境局の施設についてでありますが、技能労務職員が減少した結果、市内に2か所ある管理センターの管理棟などでは、スペースに余裕ができているとも感じられます。そこで、これらの施設について、現在の利用状況をお聞きするとともに、今後想定される利活用も含め、どう考えているのかお伺いします。 また、この管理センターは、資源搬入ステーションになるなど、当初には想定していなかったサービスも行われております。管理センターでの資源ごみ搬入は、通常のごみ収集を行わない週末に限られていますが、最近、西部環境エネルギーセンター横の資源搬入ステーションが混雑していることから、両管理センターで機能分散を図るなどの対応も考えられますが、見解をお伺いし、質問を終わります。(拍手)
○中川俊一副議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 29番粟森慨議員にお答えいたします。 初めに、公共施設等総合管理計画につきましては、計画の策定前にあっては各施設の建て替え時期が不明瞭でありましたが、本計画を策定したことで施設の長寿命化、あるいは維持補修、また施設の建て替え、改修時期について方針を示すことができたと考えております。中期財政計画への反映や予算編成などを通じて、本計画の着実な実践に努めてきているところであります。この計画は、本市公共施設の統一的な基準としておりますが、各施設には個別の要因などもありますことから、それらを総合的に勘案して改修、建て替えなどを計画的に進めているところであります。 既存建築物の活用につきまして、本市では、令和4年3月に、現代建築レガシー保存・継承のためのガイドラインを策定しております。金沢21世紀美術館や玉川図書館、市民芸術村など、建築的価値が高く、本市の建築文化の中心を担う重要な現代建築物を現代建築レガシーとして位置づけ、建築的価値の保存・継承の方向性や具体的な手段を取りまとめているところであります。今後ともガイドラインに沿った取組を通じて、国の内外から評価の高い現代建築を後世に継承し、本市の重層的で魅力的な建築文化の形成に努めてまいりたいと考えております。 続いて、障害福祉計画及び障害児福祉計画につきまして、次期計画では、国の基本方針も踏まえ、地域生活の継続や就労支援の強化、障害児支援の拡充を図るほか、サービス従事者に対する支援の充実なども図りたいと考えています。障害のある方もない方も地域において安全に安心して暮らせる共生社会の実現に向け、障害福祉計画に関する理解と関心を高めていく必要があります。ホームページでの周知や市民フォーラム、事業所連絡会など、様々な機会を捉えて障害のある方やその御家族、地域住民、障害者支援に関わる方々など、広く情報発信していきたいと考えております。 続いて、計画策定の基礎資料とするために行ったアンケート調査からは、入所施設を望むニーズがあるということは把握しております。施設での支援が必要な方に対しては、個々の状況に応じた意思決定支援を行い、適切なサービスの提供や施設における支援の質の向上に取り組む必要があります。今後、日常生活において常に支援が必要な強度行動障害者に対する理解促進を図る施設職員向けの研修を実施するなど、障害特性を理解した専門的人材を育成することで、入所施設の充実につなげてまいります。 共生型サービスにつきましては、介護や障害といった枠組みにはとらわれず、多様化、複雑化する福祉ニーズに臨機応変に対応することができると期待されておりますが、全国的にまだ事業者が少なく、本市では、障害福祉サービスで2件、介護保険サービスで1件となっております。まずは事業者に現場の実態を確認し、障害者自立支援協議会や関係団体などの御意見も伺いながら、今後の対応を検討してまいりたいと考えております。 障害のある方が障害福祉サービスとして、介護保険施設の空き室に入所するという御提案でございます。人的資源の有効活用の一つであると理解はしておりますが、施設に入所されている方の地域生活への移行を促進しているということ、また、入所サービスが共生型サービスの対象となっていないということなどから、本市独自の制度を導入することは現在のところ難しいと考えております。 続いて、環境基本計画についてでございます。現在、国においては、地球規模での急激な環境変化を背景に、カーボンニュートラルや循環経済への移行、また、自然再興の取組の観点から、脱炭素社会の実現と経済や社会活動との一体的な向上を図るということで、新たな第6次環境基本計画の策定に向けた取りまとめを行っているところと承知しております。本市の環境基本計画におきましても、国の新たな第6次環境基本計画の内容とともに、本市の状況等を踏まえて、ゼロカーボンシティかなざわの実現に向けた必要な見直しについて検討したいと考えております。 災害派遣につきましては、石川県内市災害時相互応援協定や中核市災害相互応援に関する協定などに基づいて、被災自治体から職員の派遣要請がある場合は、その要請にできる限り応えるということとしております。要請内容に応じまして派遣する職員を選定し、必要な資機材等も準備するとともに、人員の交代時期などについても調整を図っているところであります。 私からは以上です。
○中川俊一副議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 障害福祉計画及び障害児福祉計画の検証と評価につきましてお尋ねがありました。現計画につきましては、昨年度実施したサービス利用者を対象にしたアンケート調査で、3年前の計画開始時のものと比べまして、サービスの利用満足度が10ポイント以上上昇しておりまして、一定の評価は得ているというふうに考えております。一方、一般就労への移行に関する数値目標におきましては、令和5年度末の目標値115人以上に対しまして、80人程度となる見込みとなっております。コロナ禍の影響もあり、達成は難しい状況となっております。 続いて、相談支援専門員の人材確保の対策についてでございますが、相談支援専門員は、現在、市内の52か所の相談支援事業所に113名おります。障害福祉サービスの利用者の増加に伴って、専門員1人当たりの相談件数も年々増えているような状況でございます。相談支援専門員となるには、実務経験と相談支援従事者研修の受講が要件となっておりますことから、研修や資格取得等の費用を助成する障害福祉職員キャリアアップ支援事業等を実施し、人材確保に向けて取り組んでいきたいと考えております。 続いて、障害のある方の地域移行の現状と課題についてでございますが、本市では、障害福祉施設整備方針に基づきまして、地域移行の受皿となるグループホーム等の優先的な整備により、施設入居者の地域生活への移行を進めておりますが、障害福祉計画に定める令和元年度末の施設入居者数446人から令和5年度末までに27人の地域移行を目指すという数値目標に対しまして、令和4年度末時点で4人となっておりますので、こちらのほうも達成は難しい状況となっております。これにつきましては、障害のある方の重度化、高齢化が進んでいることが大きな要因であるというふうに捉えておりまして、今後はグループホーム等の整備とともに機能拡充を図ることで、施設入居者の地域生活への移行を進めていきたいというふうに考えております。 以上です。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 学校を取り巻く諸課題につきまして、初めに、熱中症を予防するために各小中学校に対しどのような指導を行ったのか、また、学校は部活動を含め、どのような熱中症対策を行ってきたのかとの御質問にお答えいたします。熱中症予防につきましては、4月下旬より、毎月各学校へ発出している通知等により注意喚起を行いますとともに、校長会議の場において繰り返し指導しております。9月以降の気温も高いことが予想されますことから、2学期の始業前には、休業明けの熱中症対策に万全を期すとともに、9月中に運動会を予定している小中学校には、運動会の時期を変更することなどについて指導したところでございます。各学校は、暑さ指数や熱中症警戒アラートの状況等に基づいて、活動時や活動前後の適切な水分と塩分の補給のほか、予定をしていた教育活動の中止、変更などの熱中症対策を行っております。 次に、不登校となる児童・生徒が増加している要因をどのように分析しているのかとのお尋ねでございました。不登校の要因といたしましては、令和3年度に実施されました国の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査に当たっての本市の集計結果では、「無気力・不安」が最も多く、次いで「いじめを除く友人関係をめぐる問題」が多くなっております。また、近年では、新型コロナウイルス感染症の影響により、生活リズムの乱れや良好な交友関係を築くことの難しさなどからくる登校意欲の低下など、これまで以上に不登校の要因が多様化、複雑化していると認識いたしております。 また、子どもの学びの保障に対する今後の取組についてでございますが、本市では、不登校児童・生徒への学びの保障といたしまして、個々の状況に応じて、プリント等による学習に加え、1人1台学習用端末を使い、オンラインを活用した授業を行っております。また、別室登校の児童・生徒には、心と学びの支援員を配置し、個々のペースで落ち着いて学ぶことができるように支援いたしております。加えて、登校が難しい児童・生徒には、適応指導教室やフリースクール等との連携を図ることで、それぞれの児童・生徒に応じた学びの保障に努めております。私は、常に誰一人取り残されない学びの保障に向けて全力で取り組んでいきたいと思っております。不登校児童・生徒の個々のニーズに応じた支援の充実が図られますように、今後は国の不登校対策であるCOCOLOプランなどを踏まえ、不登校特例校の設置やメタバースを導入した不登校対策について研究してまいります。これはしっかりと進めていかなくてはならない、そんなふうに思っております。 以上でございます。
○中川俊一副議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 部活動の地域移行についての調査結果をどう活用して地域移行を進めていくのか、受け手側となる地域クラブの活動の整備を含めた検討すべき課題についてでございますが、今回、教育委員会で行いました調査は、児童・生徒及び保護者のニーズや教員の意向、活動場所や費用負担など、様々な課題を把握するために行ったものでありまして、その内容につきましては、教育委員会と文化スポーツ局で共有しております。地域移行による活動場所は学校以外の場合もあり、指導者も部活動の顧問以外となることが想定されます。こうした点を踏まえますと、活動場所までの移動手段や費用負担のほか、指導者の選定、確保などが課題として考えられるものでございます。 以上です。
○中川俊一副議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 環境局の職員を含めました技能労務職の今後の採用についてお尋ねがございました。技能労務職の従事する業務につきましては、民間活力の導入を図り、良質なサービスを提供するため、随時外部委託化等を進めているところでありまして、職員組合の理解を得た上で退職者不補充を原則としておりますことから、今後の採用については考えておりません。 以上でございます。
○中川俊一副議長 加藤環境局長。
◎加藤弘行環境局長 管理センターについてお尋ねいただきました。現在の東西管理センター施設の利用状況と今後の利活用についての考えでございます。東西管理センター施設では、現在、土曜日、日曜日には資源搬入ステーションの開設を行うとともに、平日、こちらはごみ収集業務に当たる車両の維持管理、ごみ収集業者への指導、助言のほか、職員の待機、研修等の施設として利用しておりまして、地域からのごみステーションの設置申請の受付業務や必要備品等の貸出手続等の業務を行っております。現在のところ、管理センター施設の利用について変更することは考えてはおりませんが、今年度、ごみ処理量の推移や製品プラスチックの分別収集、資源化等を踏まえましたごみ処理基本計画の策定に着手しておりまして、その結果を待って、管理センターを含めましてごみ処理施設の必要な施設規模や運用の在り方等について、これまでの各施設の実情、利用状況等も踏まえて検討することとしております。 また、東西管理センターで平日にも資源ごみの搬入を可能とするなどの機能分散ができないかというお問合せでございます。東西管理センターの主たる業務は、ごみ収集の拠点施設として、定期ごみや有料粗大ごみ、要援護者ごみ出しサポートなどに係る収集運搬でございます。平日は多くの業務用車両が頻繁に出入りいたしますことから、業務の円滑な遂行と事故防止の観点から資源搬入は週末に限定しておりまして、平日での開設は難しいというふうに捉えております。なお、西部環境エネルギーセンター横の資源搬入ステーションにつきましては、本年度、混雑が見込まれる時期におきまして、施設敷地内の搬入経路の変更、交通誘導員の配置、ライブ映像の配信などを行いまして、混雑の緩和を図るとともに搬入車の安全確保と事故の防止に努めているところでございます。 〔「議長、29番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○中川俊一副議長 29番粟森慨議員。
◆粟森慨議員 まず、障害福祉施策についてですけれども、質の高いサービスをこれからも行っていきたいということでありました。ですけれども、相談支援専門員が今113名ということで、育成のために支援しているということでありますけれども、例えば、数を増やしていくために、現在資格を持っている人に再度声をかけたりだとか、幅広く人材確保をしていくことが大事だと思うのですけれども、いかがお考えかお聞かせください。 あと、災害派遣についてですけれども、技能労務職員の数が減っております。災害派遣の際に先頭で働かれるのは、技能労務職員の方々でございます。ですけれども、これから数を増やしていかないということになりますけれども、そうしましたら、どんどん職員の高齢化が進んで、いずれかの時期に災害派遣ができなくなる可能性があると思うのですけれども、もう一切増やさないで災害派遣には今後行かない方針であるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○中川俊一副議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 障害福祉の相談支援専門員の確保につきましてですけれども、キャリアアップ支援に加えまして、あらゆる面で相談支援専門員の確保に努めていきたいと考えております。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎村山卓市長 災害派遣に関してでありますけれども、災害派遣に備えて職員を採用するということは、なかなか難しいと考えております。その際に派遣できる職員を、その都度相手方の要望に適した職員を選んで派遣するしかないというように考えてございますので、御理解いただければと思います。
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△休憩
○中川俊一副議長 この際、暫時休憩いたします。 午後3時1分 休憩----------------------------------- 午後3時15分 再開
△再開
○高誠議長 出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
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△質疑・一般質問(続き)
○高誠議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 28番清水邦彦議員。 〔28番清水邦彦議員登壇〕(拍手)
◆清水邦彦議員 発言の機会を得ましたので、以下数点にわたり質問します。 今年も全国的に激甚化した自然災害が頻発しており、本県でも珠洲市の地震災害や津幡町、かほく市の線状降水帯による豪雨災害、土砂災害が発生し、その被害が地域住民の日常生活に多大な支障を来しています。被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧と復興を願って質問に入ります。 まず、本市が目指すべき新たな都市像についてお尋ねします。 現在の世界の交流拠点都市金沢をめざしてとして掲げた都市像は、平成25年3月に策定され、それ以降10年間を見据えて講じるべき施策、重点戦略計画が取りまとめられました。この計画では、本市が取り組むべき8項目の主要施策と、主要施策のうち本市が交流拠点都市金沢を目指す上で特に重点的に取り組む5つの重点方針で構成されており、令和5年度末までの計画となっています。そこで、本年2月に取りまとめられた重点戦略計画の改訂版が作成されていますが、この計画の達成状況を伺うとともに、今年度末までで完了する計画への評価について、見解を伺います。 先日、新たな都市像策定に向けて設置された有識者で構成する新たな都市像検討委員会から、8月末に検討結果を取りまとめた提言書が提出されました。この提言書によると、市政を取り巻く環境の変化として、人口減少・少子高齢化、コロナ禍後の人の価値観や行動の変化、SDGsの達成、北陸新幹線敦賀延伸を契機に激化する都市間競争、気候変動の影響や頻発する自然災害に備えた防災・減災機能の強化を挙げて、本市の全ての人々と共に心豊かで活力ある未来をつくるため、将来像として、「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」を掲げ、その実現に向けて本市の文化を強みに多様な分野への活用、若い世代、移住者、民間事業者など、地域に関わる多様な人々の視点や活力の活用、あらゆる分野におけるデジタル化の推進を横断的な共通の視点として、魅力づくり、暮らしづくり、人づくり、仕事づくり、都市づくりの5つの基本方針が示されています。こうしたことを踏まえて、この提言書についてパブリックコメントで市民の意見を聞き、庁内策定本部で最終案を取りまとめ、今年度中に次の新たな都市像とその実現に向けた行動計画を策定することとなっており、12月定例月議会には議案上程すると市長提案説明で述べられています。また、新たな都市像策定の趣旨では、昭和60年に策定し、市政運営の最上位の基本理念として継承してきた金沢市基本構想の理念を、金沢の歴史や個性、価値観などを礎とした普遍的な考え方としてこれを引き続き継承していくとしていますが、これまでの都市像については触れられておりません。今後、本格的な作業に入っていく中で、現在の都市像を検証した上で策定するべきと思いますが、御所見をお伺いします。 さらに、新たな都市像に基づいて、年度末には行動計画も作成しなければなりません。現在進行中の重点戦略計画の締めくくりもしながら、新たな行動計画の作成も進めていかなければならない工程で、どういう点に留意するのか伺います。 次に、危機管理について、以下数点お尋ねします。 1点目は、災害情報についてお聞きします。今年の夏に日本に影響を及ぼした強大な台風は、その進路上の地域で暴風雨による被害をもたらすだけではなく、地理的に離れた地域でも豪雨災害や土砂災害を発生させました。質問の冒頭で述べたとおり、県内でも5月5日に珠洲市で最大震度6強の地震による家屋倒壊や道路の液状化現象による被害が生じ、また、7月12日夜から13日未明には、津幡町やかほく市で線状降水帯の発生により顕著な大雨に関する気象情報が発表され、記録的豪雨による中小河川の氾濫や土砂崩れで道路が寸断されるなど、住民生活に甚大な被害をもたらしました。本市でも、幹線道路が通行止めになるなど、河川や農林業施設などで被害が発生しました。こうした気象状況に、災害発生の予測に応じて住民に災害避難情報が発せられ、避難行動を促しています。一方では、気象庁が発するキキクルや自治体が発する災害警戒情報、避難情報が同時に発せられると、緊急時で混乱している市民からは、どの情報を信じて避難行動を取ればよいのか、市民の戸惑いの声が上がっています。最終的には自分の命は自らが守るということで、自らが避難の判断をしなければならないとすれば、瞬時の判断が生死を分けることもあり、様々な発信元から発せられる情報を一本化し、より早く、確かで分かりやすい情報が求められます。その上で、タイムラインによる先手先手の対応が必要と考えますが、御所見を伺います。 最近は、瞬時に天候が激変する気象状況が頻発する中で、甚大な被害が想定される災害について、今まで以上の対応が求められるのではないかと考えます。これを踏まえて、今後の避難情報の発出から避難行動を促すまでの避難行動のガイドライン、避難所開設のタイミングについて見直す考えはないか、伺います。 また、災害情報はエリアが指定されており、エリア外の災害情報が必要な市民に対して災害情報を受け取ることができるようにするにはどうすればよいか、伺います。 2点目に、災害対策本部についてお聞きします。本市でも、災害発生後、または災害発生が想定される場合には、市長を本部長とする災害対策本部が設置されますが、災害発生は予知が難しく、発生後の災害対応は緊急を要します。有事には災害情報をより正確に、より早く収集し、その状況を把握し、対応策を素早く的確に指示するまでの初動体制の優劣が、災害をより小規模にとどめ、市民の生命、財産を守ることにつながると考えます。そこで、本市の危機管理監室と危機管理課、危機管理センターは第二本庁舎にありますが、市長執務室は第一本庁舎に位置しており、本市で大規模な災害が発生した、または災害発生の危険性がある場合に、災害対策本部長が第二本庁舎の対策本部まで迅速に移動し、素早い対応と連携が取れるのか、大雨時には、第二本庁舎は3メートルの浸水想定がある中、時間的にも距離的にも必ずしも最適な環境ではないと考えるものですが、御所見を伺います。 他自治体の庁舎内の配置図を見ると、市長執務室と危機管理部局は同じフロアに位置している自治体が多いようです。その理由は、万が一の対応には正確性とスピードが求められる対面での情報伝達と指揮命令を重要視していると考えられますが、これを踏まえて、本市が緊急事態に至る時点で立ち上げる災害対策本部の初動体制において最大限機能を発揮するため、庁内配置を工夫すべきと考えるものですが、見解を伺います。 3点目は、救急対応についてお聞きします。今年の夏は全国各地で猛暑日が続き、各地で観測史上最も高い気温を記録しました。金沢地方気象台によると、地球温暖化に加えて、太平洋高気圧の張り出しにより太平洋側からの湿った空気が山越えで熱風となる、いわゆるフェーン現象が発現したことにより、猛暑と熱帯夜が長期にわたって続いたと指摘しています。石川県では熱中症警戒アラートが発出される頻度が多くなり、8月末まで33回と、まさに人命に関わる災害級の猛暑だと言われております。それに比例して、熱中症による救急件数が増えたようですが、この夏、本市で救急要請があった熱中症救急搬送件数について、昨年との比較と救急業務の現状について、併せて伺います。 また、熱中症の発症者に加え、新型コロナウイルス感染症に罹患した患者も加わり、救急体制も逼迫したのではないかと思いますが、救急体制を確保するためどのような対応を行ったのか、伺います。 次に、人口減少地域の課題についてお尋ねします。 日本の少子高齢化の進展がもたらす急速な人口減少は、社会保障負担の増加や生産人口の減少による経済活動の
停滞を招き、地域コミュニティーでの市民生活へも大きな影響を及ぼすとされています。とりわけ次世代に生きる10代から20代を含めた子育て世代にとって、将来の生活設計に大きな不安要因となり、さらなる少子化が進展する状況です。特に地方の市町村単位ではより深刻で、本市でもここ数年間に顕著に人口減少が進んでいる地域があります。高齢化が進む中山間地域は農林業の担い手もいなくなり、山林の荒廃や農地の耕作放棄地が増えるに従い、鳥獣被害も拡大しています。さらに、この地域の人口減少は少子化とともに加速しています。最初に、乳幼児が少なく、保育所が定員割れし、集団保育に欠けることから保育所が閉所となり、次に、児童・生徒が減少した小学校も存続ができるのかという問題に発展し、ひいては地域自体が消滅するのではないかという地域住民の危機感と不安が増大しています。続いて、公共交通機関の民間事業者が、乗車率の低迷から採算が取れないことを理由にバス路線の廃止や縮小をすることにより、地域の高齢者が必要としている移動手段が奪われ、地域で生活することが困難になっている地域があります。こうした地域の現状に対する認識について、御所見をお伺いします。 本市は、コンパクトシティーを形成するため、中心市街地に人口を集約する方針ですが、こうした問題を抱えながら郊外地域で生活している市民に対しても目を向ける必要があると考えるのですが、御所見を伺います。 一方で、自然豊かな地域の魅力は、首都圏など都市部で生活する人たちから優良な住環境にあるとの評価で、羨望のまなざしで見られています。デジタル社会になって地方への移住生活を望む傾向がある中、地域とのマッチングを図り、移住・定住につなげている自治体もあるようです。本市が取り組むには、都市計画による土地利用の制約があり、ハードルが高いことはこれまでも何度も説明されてきましたが、地域のデジタル化を推進させることで人口減少を食い止め、地域を守るための実情に応じた見直しが必要と考えますが、見解を伺います。 最後に、ふるさと偉人教育についてお尋ねします。 金沢ふるさと偉人館には、金沢ゆかりの偉人の顕彰とともに、歴史的な功績について写真や資料が保存・展示されています。今では38名の偉人が顕彰されています。令和4年には開館30周年を迎え、記念冊子が刊行されました。今後は隣接する金沢歌劇座の建て替えとともに、施設がリニューアルされるようです。これを機に金沢の偉人の足跡について改めて調査を行い、資料も充実されることを期待するものですが、新たな金沢ゆかりの偉人の調査と顕彰も含めて、今後の方針を伺います。 金沢市立小学校では、平成23年度から偉人に学ぶ金沢「絆」教育推進事業の実施により金沢の偉人に関する学習が始まり、平成28年度から4年生の学習内容に、金沢ふるさと学習として金沢の偉人について学ぶ単元が設定されました。中学校でも、平成24年度から10年間、偉人に学ぶ自分の生き方・夢作文コンクールを実施して、多くの作品が集められました。その作品集には、偉人から学び、自分の生き方を考え、将来の夢に向かおうとする中学生の思いがつづられていました。平成4年度から作文コンクールを現代の偉人に学ぶ生き方講座に再編して講演会が開催されているようですが、今後の本市の偉人教育について伺います。 金沢の偉人教育により、子どもたちにとって人生の指針となる金沢の偉人が身近にいたこと、その生い立ちや経歴を知ることは、金沢の偉人を誇りに思い、自分のよさに気づき、自分の目標に生かそうとして自らを奮い立たせて自信を持っていくことにつながる大切な教育だと考えます。そこで、金沢の偉人の中でも、私の過去の一般質問でも取り上げた野口遵翁について、再び触れたいと思います。というのも、本年7月26日は野口遵翁生誕150周年記念の年であり、さらに、旭化成の創業者として宮崎県延岡市に拠点を移して以来、令和4年には創業100周年の節目の年であったからです。旭化成創業100周年事業の一つとして、昭和30年、当初の建設にも関わり、60年以上が経過して老朽化した延岡市公会堂、野口記念館を再整備するため、今回も旭化成は建設費用の一部、30億円を寄附して、昨年12月に公会堂がリニューアルオープンしました。建設資材も杉、ヒノキ等の延岡産木材をふんだんに使用して整備された記念館は、名称が野口遵記念館と改められました。ちなみに、この記念館の名誉館長には、リチウムイオン電池の開発を推進した功績でノーベル化学賞を受賞した旭化成名誉フェローの吉野彰博士が就任しています。今年7月26日には、野口遵顕彰会が主催して、延岡市長も臨席する中、この記念館が完成して初めての野口遵翁の生誕祭が、生誕150年記念として盛大に式典が挙行されました。そもそも延岡振興の母として顕彰されている野口遵翁は、現在の金沢市玉川町で加賀藩士野口之布の長男に生まれ、生後間もなく加賀藩江戸屋敷に出仕することになった父と共に引っ越しすることになったのですが、生誕祭でも開会式冒頭に野口遵翁の生い立ち紹介から始められています。どれほど野口遵翁に対して強い尊敬と感謝が込められているのかを感じられる生誕祭の記念式典となったようです。この記念館には、野口遵翁の生涯を年譜とともに分かりやすいイラストのパネルを展示して、人となりや成長の過程、現在の旭化成を創業した実業家としての功績、病床に伏せたときに全私財を寄附して、現在の板橋区にある野口研究所を設立したことなどを紹介する常設ギャラリーが設置されています。開館中は誰でも観覧できるようになっています。このように延岡市では、野口遵顕彰会が中心となって主催する生誕祭を毎年開催して顕彰しているだけでなく、未来の子どもたちの成長を支援するため、ジュニア科学者の翼事業で、野口研究所など東京都内研究施設5か所に科学に関心の高い中学生を派遣する事業も展開しています。延岡市も、野口遵翁が残したものを未来に伝える役割を果たすため、記念館で子どもたちに科学教室や実験を館内イベントとして開催しています。こうした野口遵翁を顕彰する延岡市や野口遵顕彰会の取組を参考にして、本市においても金沢の偉人、野口遵翁の名をさらに広めることで、市民をはじめ、将来金沢を担う子どもたちにまちへの愛着や誇り、いわゆるシビックプライドを醸成する取組ができないか、あわせて、この機会に延岡市や野口遵顕彰会と情報交換の交流ができないか伺います。さらに、金沢マラソンのスポンサーである旭化成との関係をつなぐことで、今後、本市との連携ができないか伺って、私の質問を終わります。(拍手)
○高誠議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 28番清水邦彦議員にお答えいたします。 初めに、重点戦略計画につきましては、令和4年度末の時点で191の事業が完了しているところであり、計画期間終了後においても継続すべき234の事業を含め、おおむね計画どおりに進捗してきていると考えています。新たな都市像を踏まえ、今年度末までに取りまとめる行動計画においても、これまでの事業の継続性についても留意する必要があると考えており、重点戦略計画で実施してきた事業も精査した上で、計画への反映を検討していくこととしております。 これまでの都市像である世界の交流拠点都市金沢については、その実現に向けた重点戦略計画を毎年度改定する中で、進捗状況等の確認、検証を行ってきたところであります。今般策定する都市像については、市政を取り巻く環境の変化等を踏まえ、新たなまちづくりの指針とするものであり、その実現に向けた行動計画を年度内に取りまとめていくこととしております。これまでの計画の最終的な進捗も勘案しつつ、新たな行動計画では、数値等に基づく客観的な検証が行えるよう、いわゆるKPI--重要業績評価指標を新たに設定し、毎年度指標の達成状況等を確認していきたいと考えております。 続いて、災害発生時における初動対応につきましては、議員の考えと全く同感でありまして、どのように対応するかが被害の軽減やその後の対応に大きな影響を及ぼすと考えています。また、発災直後から情報収集に注力し、関係機関等と速やかに情報共有を図ることは極めて重要であります。今後も職員防災訓練等を通じて一層の体制強化に努めてまいります。 災害対策本部が設置される危機管理センターは第二本庁舎2階にあり、最大想定規模の降雨においても浸水することはなく、災害時の司令塔として機能すると考えております。また、本市では、災害の発生が予測される時点から様々な情報共有ツールを活用し、関係部局と密な連携を取り、迅速に対応しております。しかしながら、大規模災害が発生し、長期にわたり災害対応を継続するという場合には、市長執務室を第二本庁舎内に設置するといった対応で、災害対応体制の柔軟な運用について検討してまいりたいと考えています。 次に、主に中山間地域において、人口減少や少子高齢化の進展によって、これまで培われてきた地域コミュニティーの絆や伝統文化の継承、高齢者への生活支援、災害時における共助などの維持が難しくなってきていること、また、これとともに地域の魅力や活力の低下につながっているということは、大変危惧しております。 一方で、地域力の低下は郊外部のみではなく、中心市街地においても見られる全市的な課題ともなっております。昨年度開催したまちづくりミーティングにおいても、地域活性化に向けた切実な声をお聞きしているところであります。移住の促進や関係人口の増加に向けた新たな取組として、外部人材をはじめ、民間事業者や高等教育機関、学生、若い世代の視点や活力を生かしたまちづくりを進めていきたいと考えております。
地域おこし協力隊の活用もその一環であり、今般、森本、金石、大野地区をモデルとして、明年4月の活動開始に向けて募集を始めたいと考えております。加えて、今後、活動エリアや分野の拡大についても検討し、地域力の向上につなげてまいります。 本市では、都市計画マスタープランに掲げる田園地域や中山間地域のまちづくり方針に基づいて、これまでも既存建築物の賃貸住宅としての利用を可能とするなど、開発許可基準の一部見直しを行ってきたところであります。現在、湯涌地区をモデルとして、新たな担い手の定住や地域特性を生かした施設の立地などを可能にする都市計画制度を活用した仕組みを検討しているところであります。まずは、この取組を進めることで、地域活力やコミュニティーの維持を図ってまいりたいと考えています。 最後に、野口遵につきましては、平成30年に常設展示コーナーを設け、顕彰に努めているところであります。市内の児童・生徒にもっと知ってもらうため、出前講座や団体見学でも紹介するなど、取組を進めております。延岡市とは、顕彰会を通じて野口遵記念館開館時に情報交換や展覧会資料の貸借など交流を行っており、引き続き、連携していきたいと考えております。また、野口遵が創業者である旭化成株式会社とは、平成29年に野口遵展を開催した際には御協力をいただいております。今後も必要に応じて資料の提供を受けるなど、連携できればと考えております。 私からは以上です。
○高誠議長 上野危機管理監。
◎上野浩一危機管理監 災害対応について何点かお尋ねでした。まず、本市では、災害発生のおそれがある場合、様々な情報から総合的に判断し、金沢ぼうさいドットコム、LINE、ホームページ等により、速やかに避難情報を発信するとともに、報道機関にも情報提供しております。なお、マイ・タイムラインを作成し、災害に備え、御自身や御家族の行動を時系列で決めておくことは、早い段階での適切な避難行動の開始につながるものであり、仰せのとおり、極めて有効です。今後、金沢かがやき発信講座などを通じまして、その必要性を広く周知してまいります。 次に、本市では、国のガイドラインに基づきまして、地域防災計画に避難指示の発令基準を定めており、今後も豪雨等により災害発生のおそれがある場合には、住民の皆様が早期に避難行動を開始できますよう、関係部局とも連携の上、迅速に避難所を開設するとともに、適時適切な避難情報の発令に努めてまいります。また、ハザードマップなどで御自宅の安全が確認できれば在宅避難も選択肢であること、安全な地域の親戚・知人宅やその他施設等への避難が有効であることなど、適切な避難行動についてもあらゆる機会を通じて周知してまいります。 次に、本市が発信する災害情報のうち、金沢ぼうさいドットコムについては、お住まいの校下・地区だけではなく、市内全域の情報を受け取ることが可能となっております。また、県内他自治体で発生した災害の情報については、石川県防災ポータルサイトで確認することができます。今後も市民の皆様が必要とする災害情報について、関係機関と連携を密にし、より迅速で分かりやすい情報発信に努めてまいります。 以上でございます。
○高誠議長 蔵消防局長。
◎蔵義広消防局長 熱中症搬送件数について、昨年との比較並びに救急業務の現状についてお尋ねがございました。本年8月末までの熱中症による救急搬送件数は226件で、昨年と比較して67件の増加となっております。今年の救急出動件数については、7月は2,222件、8月は2,447件と、2か月連続で月間の過去最高の件数を更新したところであり、1月から8月までの救急出動総数についても1万5,081件となっており、年間を通じて過去最高の件数となる見通しであります。救急搬送の内訳といたしましては、体調不良などの急病が最も多く、全体の約70%を占めておりますが、新型コロナウイルス感染症患者の搬送も増加傾向となっており、救急出動件数の増加の要因の一因となっております。 次に、救急体制を確保するためどのような対応を行ったのか、お尋ねがございました。本年6月に金石消防署臨港出張所に救急隊を1隊増隊し、11隊体制での運用を開始したところであります。加えて、この夏の熱中症患者及び新型コロナウイルス感染症患者の増加に伴い、さらに最大2隊を臨時に増隊し、13隊体制で運用を行うことで、救急業務の逼迫の回避を図ってきたところであります。 以上でございます。
○高誠議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 金沢ふるさと偉人館について、新たな金沢ゆかりの偉人の調査と顕彰を含めた今後の方針につきましてお尋ねがございました。ふるさと偉人館は、郷土が生んだ優れた偉人を顕彰し、その業績を広く伝えるとともに、市民がこれらの偉人に親しみ、学ぶために設置された施設でありまして、本年4月に5名を追加し、現在38名を顕彰しております。近代以降、国の内外に優れた業績を残した金沢ゆかりの人物であるほか、顕彰するための展示資料が存在することなどを顕彰基準としておりまして、引き続き、調査研究を進め、郷土愛を育むふるさと学習の拠点として郷土の偉人を紹介できるよう、取り組んでいきたいと存じます。 以上です。
○高誠議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 本市で行っている学校でのふるさと偉人教育の今後についてお尋ねがございました。本市では、ふるさと偉人教育を小学校の教育課程に位置づけるとともに、文化施設を訪れる見学バスの費用を負担することで、多くの小学校が金沢ふるさと偉人館を訪れるなど、偉人の業績等に触れる機会を設けております。また、中学校におきましては、現代の偉人に学ぶ生き方講座を実施しております。今後も金沢の子どもたちが金沢への愛着と誇りを持ち、まちづくりの担い手に育っていくよう、社会科の授業はもとより、地域の史跡見学やふるさと偉人館の活用などを通し、ふるさと金沢や地域の発展に尽くした先人、金沢にゆかりのある現代の偉人を通して、ふるさと偉人教育を推進してまいります。 以上でございます。
○高誠議長 7番宇夛裕基議員。 〔7番宇夛裕基議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆宇夛裕基議員 会派心つなぐ金沢の一員として、質問の機会を得ましたので、以下数点、質問させていただきます。 まず、1つ目は、未病対策や介護予防対策についてでございます。 高齢者の健康寿命を延ばし、生活の質を高めていくためには、地域全体で未病対策や介護予防対策に取り組む必要があります。さらに大切なことは、対象となる市民一人一人のヘルスリテラシーを上げていくことです。ヘルスリテラシーとは、世界保健機関WHOの定義によれば、健康を維持促進するために情報へアクセスして理解し、その情報を活用する動機づけと能力を決定する認知的・社会的スキルを意味するとなっております。つまり、世の中にあふれている健康に関する情報を正しく入手し、理解し、評価し、活用する能力のことです。このヘルスリテラシーは、体調を崩したり病気になったりしたときの正しい対処や、未病を維持し健やかな生活を送ることに影響を与えます。どんなに行政や医療者が情報を発信したとしても、市民のヘルスリテラシーの向上なくして健康福祉政策はなかなか進まないものと考えます。そのためには、医療・介護・福祉や保健に関わる政策、教育、そして健康に関するイベントなどを一方通行な取組にならないよう、市民の立場に立って開催する必要があります。端的に言いますと、市民が参加してみたいな、話を聞いてみたいな、実践してみたいなという仕掛けが必要だと考えております。新たな金沢健康プラン、長寿安心プランの作成に当たり、この市民のヘルスリテラシーの向上に向けた市長の御所見をお伺いいたします。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 健康に関する正しい情報を入手し、理解して活用する能力を高めるということは、大変重要であると考えております。これは未病対策や健康寿命の延伸につながる要素の一つであると考えております。このため、新たな金沢健康プラン及び長寿安心プランの策定に当たりましては、高齢化の進展を見据え、未病対策や介護予防施策の充実など、引き続き、健康寿命の延伸に取り組むとともに、地域包括ケアの推進に努めることとしております。
○高誠議長 宇夛裕基議員。
◆宇夛裕基議員 ありがとうございます。SNSを利用して発信している方なんかはよく御存じかと思いますけれども、エンゲージメントという言葉があるんですね。それは、どれだけの方がSNSを見ていたかではなくて、その上で「いいね!」を押したりとか、リンクに飛んだりとか、アクションする、そういった指標になるわけです。この市民のヘルスリテラシーの向上、健康施策についても、一方通行ではなくていかに市民が参加するか、そういったことが重要な指標になってくると思います。 それを踏まえまして、次の質問に移りますが、市民の健康寿命を延ばしていくためには、いかに幅広い層の地域住民に対して社会参加の機会を設けるかが重要であります。社会とのつながりを持つことが介護予防に効果的であるということは、根拠をもって広く知られているからであります。社会とのつながりを創造するために、地域の公民館や社会福祉協議会などが様々なイベントを開催しておりますが、いつも参加者が似通っているという印象があります。ところが、先日、地域の社会福祉協議会が公民館で開催した健康マージャン教室に参加してきましたところ、それまでとは全く違った層の方々が参加されており、大変驚きました。参加者の方は楽しそうにコミュニケーションを取っておりましたし、また、頭や指の体操にもなるわけであります。まだまだこの金沢市ではこの健康マージャンを開催する地域は少ないと思いますが、このようないつも参加していない方々が参加する企画というのは、市民の介護予防をさらに促すことができると考えますし、このような仕掛けが市民のヘルスリテラシーの向上に寄与すると考えますが、市の支援策についての見解を伺います。
○高誠議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 地域におきましては、地区社会福祉協議会が地域サロンを運営しており、介護予防の拠点として様々な取組を行っております。この健康マージャンもその一環として地域サロンのほうで行われているものでございまして、健康寿命の延伸であったり、社会参加の促進などに非常に効果的であるというふうに認識しております。今後とも地域サロンの運営を通じ、支援してまいります。
○高誠議長 宇夛裕基議員。
◆宇夛裕基議員 ありがとうございます。健康マージャンはもちろんのこと、それだけではなくて、ふだんの参加者ではない方を拾い上げるような、そういった仕組みを支援していただくことが、重層的に介護予防を促していくということにつながると思いますので、ぜひお願いいたします。 そして、介護予防におけるフレイルチェックの重要性についてお伺いいたします。フレイルチェックなどを用いて市民に自らの状況を自認、自覚してもらい、自らの介護予防対策を考えていただくということは非常に重要であります。金沢市でもフレイル予防事業として、金沢・健康を守る市民の会とともに、フレイルチェックを健康プラザ大手町、福祉健康センター、そして公民館等で開催しており、非常に重要な取組であると感じております。そこで、令和4年度に開催したフレイルチェックについて、開催回数、開催場所、受講者数とともに、フレイルの兆候があった方の人数をお尋ねいたします。
○高誠議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 令和4年度は20回のフレイルチェックを行っておりまして、福祉健康センターで4回、健康プラザ大手町で7回、地域の公民館や寺院等で9回実施しております。受講者数は189人でございまして、このうち約85%に当たる161人の方に、チェックを行った16項目のうちのいずれかにおいてフレイルの兆候が見られるというような結果でございました。
○高誠議長 宇夛裕基議員。
◆宇夛裕基議員 189名のうち161名が、何らかのチェックがあったということであります。全て、1個ついていたからといってフレイルの兆候があるという判断も非常に難しいかと思いますが、こういった兆候があった方を拾い上げていくということも、非常にこのフレイルチェックでは重要な役割かと考えております。先日、大学の薬学部の協力をいただき、地元の公民館で介護予防についてのイベントを企画しました。金沢市が実施しているフレイルチェックの基準ではなく、厚生労働省の基本チェックリストの基準を用いましたが、参加者27名に対して、何らかの介護予防対策が必要な方が16名見つかりました。これは参加者全体の約6割に該当いたします。この6割の方々に対して今後取るべき生活上の対策、自治体等のサポート体制、不安になった場合の連絡先をお伝えしたところ、そのうち2名の方からは、地域包括支援センターを紹介してほしいといった依頼もありました。このような方には、早期に専門職による支援を行うことや、地域のケアマネジャーや地域包括支援センターにつなげていくということが可能になります。フレイルチェックにおいても、市民が自らの状態を知り、自ら対策を取ろうとするアクションを増やしていくことは、まさに冒頭お伝えしたヘルスリテラシーの向上につながります。例えば、金沢市ではフレイルサポーターを養成し、フレイルチェックの企画運営を担っていただく取組をしておりますが、このことはフレイルサポーター自身の社会参加につながり、ひいては介護予防につながっていくわけです。フレイルサポーターの人数推移も、市民のヘルスリテラシーをはかる一つの指標かと考えます。フレイルサポーターの数を増やしていくことは、介護予防施策を推進していく金沢市としても重要であり、市民のヘルスリテラシーの向上につながると考えますが、この観点について御所見をお伺いいたします。
○高誠議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 フレイルサポーターですが、養成講座を修了した市民ボランティアになります。これまでに97人養成し、フレイルチェックの運営のほか、フレイル予防に関する普及啓発活動を実施していただいております。本市の介護予防施策の推進において、重要な役割を担っていただいております。さらに、フレイルサポーターの多くが高齢者でございますことから、フレイル予防について自らが理解し、実践することで、サポーター自身の健康増進につながっているというようなことも期待していることでございます。
○高誠議長 宇夛裕基議員。
◆宇夛裕基議員 97名ということでございます。このフレイルサポーター自身は高齢者の方も多いということで、その方々が健康増進をしていくということもあります。この人数を増やしていくということも非常に重要でありますし、成果指標、数値指標、そしてKPIとしても、ぜひこういった数値目標もつくっていただくようにお願いして、次の質問に移ります。 金沢市でもフレイルチェックの開催場所としている市内数か所の各福祉健康センターのイベントに参加される方は、比較的意欲があり、遠方であっても自力で家から出て参加される方が多いと考えます。本来的には意欲が低い方、なかなか自宅から遠い場所には行けない方にもフレイルチェックを実施する環境を整えていく必要があります。先ほど申し上げた地元の公民館のイベントを通して、何らかの介護予防対策が必要な方を積極的に見つけていくためには、より地域に密着しており、市民が通い慣れている公民館等をさらに活用する必要性を感じました。金沢市のフレイルチェックでも、これまでと異なる参加者層を掘り出して実施していくということも重要かと考えます。しかし一方で、フレイルチェックには測定に係るスタッフの人数が多く必要であり、運営にマンパワーが必要であるという課題もあります。この金沢市内で介護予防施策をさらに広げていくためには、例えば、地域の大学等の高等教育機関とも協働することにより、地域の実態に合わせた形で企画を開催することや、その効果を検証していくことも可能ではないかと考えます。これらのことより、大学などの高等教育機関とも協働しながら、より生活圏に密着した場所、例えば公民館、小学校、薬局、地域所有の会館等で介護予防施策を実施していくことを提案いたしますが、今後の展望をお伺いいたします。
○高誠議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 本市では、介護予防の取組といたしまして、医師会や歯科医師会、薬剤師会などの医療系の団体であったり、町会、公民館などの地域団体の代表者により構成する金沢・健康を守る市民の会を設置しております。行政と地域住民との連携により、市民の健康増進を図っております。具体的には、公民館などと連携した健康講座や体操などを行ういきいき健康教室、地域の老人クラブと連携して取り組むフレイル予防事業など、本市の強みであります地域コミュニティーの力を生かした取組を行っているところでございます。今後とも本市の地域特性を踏まえるとともに、高等教育機関や企業などとも連携しながら、介護予防施策の充実に努めてまいります。
○高誠議長 宇夛裕基議員。
◆宇夛裕基議員 ありがとうございます。市民のヘルスリテラシーの向上のために、市民が参加したくなるような仕掛け、そして生活圏に密着した取組を行って、数値目標を明確にして、PDCAサイクルを回していく取組を今後ともお願いいたします。 次は、2点目でございます。障害がある人への支援策についてでございます。 現在、金沢市には16の市営住宅があり、全部で3,381戸になります。そのうち身体障害者世帯向け住宅は31戸ある状況です。この身体障害者世帯向け住宅は、間口が広い、手すりがついている、トイレが広い、段差がないなど、特に
ユニバーサルデザイン化が進んでいることが特徴で、身体障害がある方には生活しやすい設計になっています。しかし、身体障害者と一くくりに言っても、障害の場所や程度は様々であり、手すりがどの高さについているのか、トイレは部屋の左についているのか、右についているのか、そして車椅子でお風呂場に入れるかなど、本当に生活しやすいかどうかは該当の部屋を十分に確認しないと判断ができません。また、訪問介護士や訪問看護師、ヘルパーの方など、多くの支援者が訪れる可能性があるため、その方々にとっても介助時に使いにくくないかを確認する必要もあります。現在、金沢市の市営住宅では、申請書類提出後に初めて室内に入り、中の様子を確認することができる仕組みになっておりますが、障害がある方にとっては、申請書類作成やその書類の提出も大きな労力がかかるわけであります。せめて身体障害がある方に関しては、申請前に下見をすることができるように条件緩和をすることが、障害をお持ちの方に優しいまちづくりにつながると考えますが、御所見を伺います。
○高誠議長 坪田都市整備局長。
◎坪田英孝都市整備局長 市営住宅では、修繕工事を行った上で空き部屋の募集を実施しておりますので、修繕工事期間中に当たる事前の見学は行っておりません。間取り図のみの提供としております。しかしながら、御指摘のように、障害のある方にとりましては、部屋の中の状況を確認することは応募する上での重要な判断材料となりますことから、障害者向け住宅につきましては、早期発注などの工事期間の調整を図りながら、申請の前に確認できるように対応したいというふうに考えております。 以上でございます。
○高誠議長 宇夛裕基議員。
◆宇夛裕基議員 ありがとうございます。下見条件の緩和はもちろんですけれども、障害がある方、介助する方の目線に立った行政サービスをお願いしたいというふうに思います。 さらに、そういった行政サービスについては、全庁的に心遣いをしていく必要があるのではないかと考えております。障害福祉課では、視覚障害がある方への郵送物を入れる封筒に手作業で点字サインを入れて、差出人が分かるような心遣いをしています。視覚障害の方からは、大変ありがたく感謝しているという声をいただいておりますが、一方で、ほかの担当課から届く郵送物に関しては、点字サインがなくて識別が困難なわけであります。また、障害がある方に配布する資料やパンフレットなども、まだまだ文字が小さかったり、色覚的にも見えにくいデザインが残っていたりと、まだまだ課題が残っています。先ほどの手作業で点字サインを入れるような努力ではないのですけれども、こういった心遣いについては全庁的に拡大、支援しながら、
ユニバーサルデザインを意識していく雰囲気づくり、行動を進めていくことが大切だと思いますが、市長の所見を伺います。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 本市では、障害者差別解消法に基づきまして、障害を理由とする差別の解消の推進に関する金沢市職員対応要領を定めております。これまで法令の趣旨、障害特性に応じた対応、合理的配慮について、職員研修を通じ、周知と啓発に努めてまいりました。今後も誰もが見やすい文字の大きさや色使いなど、
ユニバーサルデザインに関するガイドラインの策定などの取組を進めてまいりたいと考えています。
○高誠議長 宇夛裕基議員。
◆宇夛裕基議員 ありがとうございます。なかなか一日で終わるものではなくて、これは継続していかなければいけない課題だと思いますので、そういった心遣いの雰囲気の醸成というものも、しっかりと継続していただければと思います。 次、3点目の質問に移ります。児童の通学路の安全確保についてであります。 2018年の6月に大阪府北部で発生した地震によりまして、震度6弱の激しい揺れを観測した高槻市では、小学校に設置されたブロック塀が倒れ、通学途中であった小学校4年生が下敷きになって死亡したという事故がありました。その3か月後には、金沢市でも金沢市における危険ブロック塀の除却に関する補助制度を拡充し、通学路に面する危険ブロック塀の除却費への補助単価及び限度額を引き上げています。あの事故から5年余りが経過いたしました。2023年5月には奥能登地震が発生するなど、ここ金沢市でもいつ何どき災害が発生するかは分かりません。先日、私は、大阪府の高槻市役所に行ってまいりまして、意見交換をしてまいりました。高槻市としては、この問題を風化させずに先頭を切って取り組んでいきたいという言葉をいただき、その強い姿勢が感じられたところであります。私も、これは風化はさせてはならない、二度と同じ事故を起こしてはならないという思いで、今回一般質問に取り上げさせていただきます。そこで、まず、本市における通学路に面する危険ブロック塀の除却に関する補助制度の使用実績についてお伺いいたします。
○高誠議長 坪田都市整備局長。
◎坪田英孝都市整備局長 平成30年の大阪府北部地震を受けまして、除却促進のため補助限度額を倍増するなど、制度の見直しを行ったところ、見直しから令和4年度までの5年間での利用実績は、年平均30件程度となっております。 以上でございます。
○高誠議長 宇夛裕基議員。
◆宇夛裕基議員 実は、大阪北部地震の前と比較すると、この使用実績が大幅に伸びているということをお伺いいたしました。この30件という件数、伸びているという件に関しては、これは非常に執行部の皆様方の御努力のおかげだというふうに思うわけですが、一方で、課題もあるのではないかなというふうに考えております。現場となった高槻市では、市保有施設については、ほぼ全てのブロック塀の除却が終了したという話でございました。金沢市におきましても、市保有施設につきましては、全ての危険ブロック塀の除却が終了していると承知しております。こちらについては、引き続きの維持管理を求めるものでございます。しかし、一方で、高槻市では、民間が保有している危険ブロック塀の除却はなかなか進んでおらず、対策に苦慮されておりました。民間の危険ブロック塀の除却については、所有者の理解を求める必要があります。撤去費、そして新しい塀の設置費などにつきましては、所有者が負担する部分もございますので、なかなかこれは一朝一夕に進むものではないというふうに考えております。金沢市の通学路における危険ブロック塀の把握の現状や除却状況をお伺いするとともに、少しでも除却を進展させるための方針についてお伺いいたします。
○高誠議長 坪田都市整備局長。
◎坪田英孝都市整備局長 大阪府北部地震を契機に実施いたしました通学路等の一斉点検に基づき、これまで所有者に改善を促してきましたが、代わりとなる工作物の設置に費用がかかるなどの理由によりまして、一斉点検で改善が必要とされたブロック塀に対する是正率は、令和5年9月現在で約36%にとどまっている状況でございます。このことから、昨年度には、費用負担の軽減策といたしまして、ブロック塀の一部を残す除却についても、安全が確保される場合には補助対象とする制度改正を行ったところでありまして、引き続き、所有者に補助制度を活用した除却を促すとともに、今後は耐震化でありますとか、空き家などのほかの対策と組み合わせた効果的な取組ができないか、調査研究してまいりたいと考えております。 以上です。
○高誠議長 宇夛裕基議員。
◆宇夛裕基議員 ありがとうございます。高槻市でもこれはなかなか進んでいないということで、様々なアイデアを出しながら進めているというところでございます。今おっしゃった制度改革も含めまして、効果を検証しながら、この不幸な事故が起こらないように今後も続けていっていただければと思うわけでありますが、私が一番実は心配しているのは、次の質問になります。 実は、大阪北部地震の震源地となった大阪府の自治体をはじめ、ブロック塀の除却についての補助制度を縮小、中止している自治体が増加しているわけです。これは、補助制度の使用実績の少なさや事故から年月が経過していることによる社会的関心の低下が起因しているというふうに感じます。しかし、私たちは痛ましい事故の記憶を忘れてはなりませんし、教訓として持ち続けるべきであります。金沢市では、補助制度の縮小や中止をするのではなく、いかに危険ブロック塀の除却を進めるかということを考えていく必要があると存じますが、この補助制度自体について、金沢市の今後の方針をお伺いいたします。
○高誠議長 坪田都市整備局長。
◎坪田英孝都市整備局長 危険なブロック塀の除却を促し、市民の安全を確保することを目的としている本補助制度につきましては、年間30件程度の利用がありますこと、また、通学路において危険ブロック塀が存在している状況におきましては、利用促進に向け、適宜見直しを行いながら制度を維持していきたいと考えております。 以上です。
○高誠議長 宇夛裕基議員。
◆宇夛裕基議員 ありがとうございます。通学路に残る残りの危険ブロック塀につきましても、少しずつその除却が進んでいくことをお願いして、次の質問に移ります。 次は、4番目です。民間企業との包括連携協定についてでございます。 官民連携事業の一つ、民間企業との包括連携協定についてであります。過去、全国の自治体でも次々と本協定が結ばれてきた経緯があり、決して珍しいものではなくなりました。金沢市でも、令和5年3月より民間3社との締結が行われました。民間企業との包括連携協定について、現状どのような事業が進んでいるのか、本市として今後どのようにまちづくりに活用していくのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 包括連携協定を締結しました3社とは、地域社会の持続的な発展と市民サービスの向上に資する取組を進めております。個別に申し上げますと、株式会社北國銀行とは、人事交流によるデジタル人材の育成や行政のデジタル化の推進など、株式会社北國新聞社とは、新聞配達員による地域の見守り活動や市などが主催するイベント等への後援・協力など、また、第一生命保険株式会社とは、外交員による高齢者の見守り活動などを進めております。今後とも、独自の知見や行動力、ネットワークなど、民間事業者が有する強みを生かしながら、協働の取組を積極的に進めて地域力の向上につなげていきたいと考えています。
○高誠議長 宇夛裕基議員。
◆宇夛裕基議員 今民間3社との具体的な進み具合、進捗状況を教えていただきました。課題もあるのかなというふうに、私は、実は思っております。本協定というのは、締結が目的ではなくて、締結後の活動内容が重要であるということは、もちろん言うまでもございません。実は、協定を締結したものの、その後、さらに金沢市、そしてこの民間企業がお互いに支え合って貢献をしていくためには、どのようにすればよいか悩んでいるという声も、実際にこの企業からいただきました。包括連携協定とは、文字どおりまちづくりについて幅広い分野で包括的に協働していくという趣旨であり、ともすれば抽象的な協定にもなりがちです。これは他の自治体でも協定は結んだものの、実際の活動が難しく、持続できないため、そもそも包括連携協定を結ぶことをやめているという声も聞いております。このような事態を避けるためにも、包括連携協定を結ぶ前には、金沢市が何をその民間企業に求めているのか、そういったことも含めまして、明確に市の姿勢も示した上で、民間企業、そして市民、そして金沢市がウィン・ウィンとなるような具体的なアクションプランを複数定めておくということが、持続可能な協定となるための一歩であると考えますが、今後の展望をお伺いいたします。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 包括連携協定の締結に当たっては、大変ありがたいことに、多数の企業さんから結びたいというようなお声がけをいただきました。一方で、我々としては、民間の力をいただいて事業を進められるということは大変ありがたいのですけれども、具体的にどのようなことができるかということを確認させていただいた上で、締結させていただいております。ですので、議員がおっしゃられるような具体的にどうしたらよいか分からないという事業者は、恐らくこの3社の中にはいないだろうというように思っております。いるのであれば、締結を考えなければいけないという事態かというように思いますが、包括連携協定を締結する際には、特定の分野でまず本市との連携協定を締結し、その取組を2年以上続けてきたという実績がある企業との間で、さらに、複数の分野で連携が見込まれるという一定の条件の下で締結しております。言うまでもなく、締結後の取組が何よりも重要であります。包括協定を締結する際には、具体的な連携の可能性を事前に確認しているほか、締結後は取組の進捗に合わせて協議を定期的に行うとともに、必要に応じて実績報告を求めることとしております。今後とも持続可能な制度となるよう、取り組んでまいります。
○高誠議長 宇夛裕基議員。
◆宇夛裕基議員 ありがとうございます。具体的なアクションプランを複数定めておくことが重要であるというふうに申し上げたのは、包括協定というのは、複数項目について、例えばまちづくりに関することとか、高齢者に関することとか、そういった複数の項目についての協定を結ぶと思うのですけれども、その中で、例えば5項目結んだとして、その5つについて、なかなか1番目はできているけれども、2、3、4、5はどうしようとか、そういった悩みはあるというふうに聞いておりますので、私は、複数を定めていただければいかがかというふうにお伺いいたしましたが、市長の御所見を伺います。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 当然のことながら、1つの項目で締結した、特定項目で締結した上で複数が必要になるということで、連携協定を包括的に結ばせていただいたということでございます。複数の事業での連携ということが前提になっております。
○高誠議長 宇夛裕基議員。
◆宇夛裕基議員 ありがとうございます。実際に包括連携協定を締結した民間企業は、それぞれが様々な強みを持っておりますので、そういった複数の項目について、しっかりと締結した後もアクションして、それを持続させていくような仕組みが重要であると思いますし、そういったことを進めていくことが市民に対して多角的、重層的アプローチができるというふうに確信しておりますので、協定が実のあるものになるよう、努力していただくようにお願いいたします。 続きまして、5つ目の質問に移ります。
金沢スタジアムのPR施策についてであります。
金沢スタジアムについては、来年度から
ツエーゲン金沢の本拠地として供用が開始されます。多くの市民が来場し、スポーツ観戦をする場になるというふうに思います。先日、スタジアムを視察させていただきました。私は、個人的にもサッカー観戦が大好きで、県内外の
サッカー専用スタジアムにもよく行くことがあります。そんな中でも、
金沢スタジアムは、ほか国内
サッカー専用スタジアムにはない工夫が多く凝らされており、ほかの自治体から金沢市にやってくるアウエーサポーターにも胸を張って自慢ができるスタジアムであるというふうに思います。金沢市として多くの資金を投下して建築したこの
金沢スタジアムは、本市のスポーツ文化の醸成、公共交通機関活用文化の醸成、スタジアム周辺や駅周辺の誘客等に有効に活用する責務があると考えております。ほかの国内サッカースタジアムに行けば、試合の日には駅、商店街、公共交通機関がホームチームカラー一色に染まっています。試合がない日でも、ポスター、フラッグ、看板などが並んでおり、まち全体で応援する機運を醸成しています。サポーターがホームチームの応援をすることで、そのまちへの誇りや愛着を育み、それが文化となり、子や孫へ引き継がれていきます。今が多くの市民に
金沢スタジアムの魅力を感じていただき、ホームチームの応援をしていただく千載一遇のチャンスだと感じます。このスポーツ文化を根づかせるために、この
金沢スタジアムのPR施策について、そしてこのPRに使えるデジタル田園都市国家構想交付金の活用方針について、お伺いいたします。
○高誠議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 ツエーゲン金沢のホームスタジアムとしての利用はもとより、小学生から一般までの主要なサッカー大会の決勝戦での活用など、多くの人に夢と希望を与えることのできるスタジアムとなるよう、
ツエーゲン金沢や指定管理者、関係団体とともに施設の活用策の検討やPR活動を図ってまいります。また、Jリーガーなどのトップアスリートと子どもたちが交流できるようなイベントの開催など、デジタル田園都市国家構想交付金の活用も含め、検討していきたいと存じます。
○高誠議長 宇夛裕基議員。
◆宇夛裕基議員 このデジタル田園都市国家構想交付金の活用については、単年ではなくて継続課題として捉えていただけると、このスポーツ文化を根づかせるためにも重要かなというふうに存じますので、お願いいたします。 そして、スポーツ文化醸成とともに公共交通機関の利活用、そして利活用していく文化についても考える必要があるというふうに考えています。試合の日にはマイカーではなく、公共交通機関の利用を推進することが、渋滞の緩和、駐車場混雑の緩和など、地域住民やサポーターの満足度を上げることにつながると考えます。例えば、IRいしかわ鉄道線東金沢駅、北陸鉄道浅野川線磯部駅、JR金沢駅など、近隣の鉄道駅から徒歩でスタジアムまで行くことも想定されます。先ほども申し上げたとおり、駅周辺、公共交通機関自体、そしてスタジアムまでの道が一体となって機運を盛り上げていくことができれば、公共交通機関を活用する文化が市民に根差していくのではないかと考えます。
金沢スタジアム供用に当たり、公共交通機関の活用推進の文化の醸成についての方針を伺います。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 スタジアム周辺の交通環境が悪化しないよう、公共交通機関の利用を促していかなければならないというように思っております。特に多くの来場者が想定されるJリーグ公式戦の開催時などは、シャトルバスの運行、また、公共交通機関の利用を促す広報など、スタジアム周辺の混雑緩和のために、指定管理者や大会の主催者、市が連携しながら公共交通機関の利用促進を図ってまいります。
○高誠議長 宇夛裕基議員。
◆宇夛裕基議員 これからの高齢化社会も含めまして、いかに市民が公共交通機関を当たり前に利用できるか、そういった文化をつくっていくことが重要でありますので、この
金沢スタジアムの供用の機会をしっかりとつかまえていただきたいと思います。 そして、最後に、
金沢スタジアムに訪れるサポーターの誘客についてでございます。スタジアム周辺、駅周辺には、試合前後のサポーターが多く集まることが予測されます。ここで、サポーターのニーズに沿った飲食店やグッズ販売店などがあれば、サポーターの満足度も向上し、スポーツ文化、公共交通機関活用の文化の醸成にもつながりますし、地域経済の発展にも寄与すると考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 現在も県の西部緑地公園で試合を行っておりますが、
ツエーゲン金沢の試合前後には、様々なブースが公園内に出店しておりまして、サポーターをはじめとする来場者同士の交流を促進するなど、大いににぎわっているというふうに感じております。
金沢スタジアムにおきましても、にぎわい広場のスペースを活用した魅力あるイベントの開催、またブース出店によってにぎわいが創出され、観客の満足度が高まることを期待しております。同時に、
金沢スタジアムの人の流れが周辺地域にどのような影響を与えるかということにも関心を持って注視したいと考えています。
○高誠議長 宇夛裕基議員。
◆宇夛裕基議員
金沢スタジアムのPR施策につきましては、地元
プロスポーツチームの応援はもちろんですけれども、地域経済の発展という観点からも、金沢市にとっては非常に重要なことであります。一サポーターとしても大変期待するものでございますので、ぜひこのPR施策については、しっかりと単年ではなくて継続していただきたいというふうに考えております。 これで私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○高誠議長 以上で、7番宇夛裕基議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。 19番坂本泰広議員。 〔19番坂本泰広議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆坂本泰広議員
自由民主党金沢市議員会の一員として、質問の機会を得ましたので、以下数点にわたり質問させていただきます。 今年は記録的な猛暑といったところ、そして連日度重なる集中豪雨といったことで、自然災害の脅威について非常に多くの県民が関心を抱いたんじゃないかなというふうに思いますし、関東大震災から100年ということで、様々な記念、あるいは記録的なイベントが行われているといったところで、市民の防災に関する意識が少しは高まっている時期に来ているのかなというふうなことも感じております。 質問の1点目は、災害ハザードエリアに位置する公共施設についてです。 国は、頻発・激甚化する自然災害に対応するため、災害ハザードエリアにおける開発抑制、移転の促進、そして立地適正化計画の強化など、安全なまちづくりのために総合的な対策を講じることを目的として、令和2年6月に都市計画法及び都市再生特別措置法の改正を行いました。そこで、本市の公共施設のうち、津波、水害、土砂災害ハザードエリアに位置するものは全体でどれぐらいになるのか、お答えください。
○高誠議長 上野危機管理監。
◎上野浩一危機管理監 災害ハザードエリア内に位置します建物や公園などの公共施設は、全体で1,043か所ございます。
○高誠議長 坂本泰広議員。
◆坂本泰広議員 1,043か所。それでは、それらの施設のうち、学校や保育施設、そして高齢者や障害者の福祉施設が含まれる割合はどれぐらいになるでしょうか。
○高誠議長 上野危機管理監。
◎上野浩一危機管理監 公共施設のうち、学校施設で約6割、保育施設については約7割、高齢者等の福祉施設では約5割が災害ハザードエリア内に位置しております。
○高誠議長 坂本泰広議員。
◆坂本泰広議員 非常に高い割合でそういった施設が含まれるというのも、納得できるのではないかなというのは何かと言いますと、県が発表しております浸水想定区域図、これを御覧になった方もおいでるかもしれないですけれども、また改めて御覧いただければよいと思うのですけれども、金沢市においては、犀川水系、大野川水系合わせて9つの川が流れているということで、金沢は災害の少ないまちというふうなイメージはありますが、その災害を起こす要素が非常に大きい可能性を含んでいるまちだということがこのデータからも明らかであるとおり、今の1,043か所、そして約5割の施設がそういったエリア内に位置するということは、金沢の土地というのはそういう場所なんだということをいま一度確認できたのではないかなというふうに思います。それでは、そうした施設のうち、現在のハザードマップが整備されて以降、建設されたものについては、どのような対策がなされているのでしょうか、お聞かせください。
○高誠議長 上野危機管理監。
◎上野浩一危機管理監 現在のハザードマップ整備後に建設をした施設には、犀桜小学校、朝霧台小学校、金沢市役所第二本庁舎などがございます。これらの施設では、水害リスクを考慮し、建物レイアウトの工夫や電源設備等の2階以上への配置など、対策を講じております。
○高誠議長 坂本泰広議員。
◆坂本泰広議員 今ほど、最近の施設を例にそういった対策がなされているというふうなことがありました。それでは、現在のハザードマップが整備されて以降、該当するエリアに含まれている既存の施設についてはどのような対策を取ってきたのか、また、あるいは今後どのような対応、対策をしていくのか、お聞かせください。
○高誠議長 上野危機管理監。
◎上野浩一危機管理監 現在のハザードマップ整備によって、該当エリアに含まれた既存の施設につきましては、施設の出入口等への止水板の設置や非常用電源装置を浸水しない高さに移設するなど、施設の配置状況に応じて適宜対策を講じ、機能維持に努めてまいりました。一方、措置が講じられていない施設につきましては、今後施設の建て替えや改修等に合わせまして対策を講じ、災害リスクの軽減を図ってまいります。 以上でございます。
○高誠議長 坂本泰広議員。
◆坂本泰広議員 今ほどあったとおり、止水板を設置したりとか、そういった現状に合わせた改修を行っていく、これは非常に大事なことだというふうに思います。建てたらそれきりじゃなくて、いわゆる今風の言い方にすると、アップデートしていくというふうなことは必要だというふうに思いますし、今ほど言われた庁舎も、犀桜小であったり、朝霧台小学校、あるいは第二本庁舎にしても、水がつく可能性があると、言い方を変えると、水がついてもいいようなつくりにしているといっても過言ではないのかなというふうに思います。そのようなことを考えていかなければいけないというのは、冒頭にも申し上げましたとおり、最近雨の降り方というのが非常に異常という言い方、これが当たり前になっていくのかなと考えると、恐ろしい状況にあるわけであります。今年7月の大雨ですけれども、線状降水帯が発生して、お隣の津幡町やかほく市などの近隣の自治体で大きな被害がもたらされました。昨年8月の大雨では、金沢においても伏見川が危険水位に達し、避難指示が発せられるなど、自然災害のリスクが顕在化してきました。堤防強化や崖地対策などは膨大な費用と時間がかかるため、決して容易に行うことはできませんし、それを行っても100%の安心ということにはなりません。そして今、公共施設の建て替えが増えている時期に差しかかっています。そうした中、用地の選定を行う上で、災害ハザードエリアにかかる場合には、災害リスクに対してどのような措置が必要になるとお考えですか。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 公共施設の用地選定に当たりましては、水害や土砂災害のおそれがないエリアを選定することが重要であります。やむを得ず災害ハザードエリアにかかる場合は、建物の配置に考慮するとともに、施設上重要となる電源設備などを浸水深さ以上の上層階に配置するなど、災害リスクの低減を図る必要があると考えています。
○高誠議長 坂本泰広議員。
◆坂本泰広議員 そういう配慮が、先ほども言いましたけれども、金沢全体がほぼそういう場所、そうでない場所というのはいわゆる台地と言われるところですよね。小立野台地であったり寺町台地であったり、あるいは卯辰山の一部であったりというふうなことで、金沢のほぼ全体が浸水を想定しなくちゃいけないというふうな地籍にあるということであります。JRの今新幹線が敦賀までの開通がありますけれども、在来線に乗っていて窓の外を見ると、新幹線の橋脚、橋梁がずっと続いています。あの橋脚、橋梁を見ていると、よく見ると一定の間隔じゃなくて、間隔がばらばらであったり、あるいは場所によっては構造が全然違うというふうなことになっています。あれは一応私も調べてみると、なぜかということが分かりました。いわゆるその構造物が建っている下の状況に合わせて、その場所場所に合わせて全部造り変えているので一定の構造でないというのが、今度そういうふうな形で、サンダーバードに乗るときに見ていただければ分かると思うのですけれども、そんな状況になっていますから、公共の施設も含めてやはりその場所に応じた建て方、少しでも今リスクを低く下げるという話がありましたけれども、そんなことが当然のように必要になってくるし、それを普通に視野に入れていかなくちゃいけないというふうな状況がもう当たり前になってきています。ここで少し、ちょっと前置きが長くて申し訳ないですけれども、2019年に東日本を中心に大きな被害をもたらした台風19号、記憶に新しいところでありますが、長野県では千曲川が氾濫しました。甚大な被害が発生しました。新幹線車両基地に並ぶ北陸新幹線が水没している光景は、皆さんもよく覚えているというふうに思います。JR東日本による当時の発表では、鉄道施設の復旧に約165億円、そして水没した車両が10編成、全部で120両、ちなみに当時の簿価で約148億円、これが全て廃車となり、その処理費用は約120億円と膨大な費用がかかっています。それだけではありません。運休や駅ビルの休業等で売上げは約180億円減ったということであります。新幹線車両基地は、長野市赤沼という地区に位置していますが、地名が示すとおり、一帯はもともと水田地帯でした。過去に度々氾濫による水害に遭ってきた場所でした。車両基地建設に当たって、鉄道・運輸機構--旧日本鉄道建設公団は、1982年に長野県が作成した浸水被害実績図を参考に盛土をしたと説明していました。1982年以前の水害で最も深かった浸水よりも90センチ高くなるように盛土をしたということでした。しかし、その後、長野市が百年に一度の大雨、計画規模降雨として、千曲川流域全体で2日間で186ミリメートルという想定を立てました。これを想定した防災マップでは、その新幹線車両基地は5メートル以上の浸水が見込まれる区域に含まれていました。そんな中やってきたのが2019年の台風19号による大雨です。当時の国交省北陸地方整備局の速報値では、千曲川の立ヶ花地点から上流域の2日間の雨量は計画降雨とほぼ同じ186.6ミリメートル、国土地理院の推定で浸水は車両基地近くで深さ4.3メートルとなり、事前想定に近い、それは建設当時の想定値を完全に上回っていました。こうした例から見ても、数々の知見を踏まえて基準が変わる中での対応というのはとても困難であるというふうに言えます。将来想定するものが新たな基準が発せられることによって再考を余儀なくされることがあると思いますが、本市としてこのことをどのように捉えていくのか、このお考えをお聞かせください。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 2019年の台風の被害、これは非常に大きく、長野県だけではなく、金沢への観光客も全く来なくなったというような、10日間ほど止まったというように思います。大規模災害の発生などによって各種災害における想定基準が見直されるということは、今後も十分にあるかというように思っております。気象状況が大きく変化してきたという中で、今後その時点における新たな基準、その都度対応する必要があるというように認識しております。
○高誠議長 坂本泰広議員。
◆坂本泰広議員 相手が自然相手ですから、我々はどうしても受け身になるしかないということなので、そこは柔軟に対応していくということが大事です。もちろん財源的に余裕がそんなにあるわけではない中で、費用の負担というのも非常に大きいわけですから、ある程度選択と集中をしていくということも大事になるというふうに思います。 そんな中、7月31日の朝刊各紙に、災害拠点病院の3割が浸水域にあるというふうな記事が掲載されました。災害時に傷病者の受入れなどの緊急対応を行う災害拠点病院のうち、少なくとも29%の221の施設が、国などが示す河川による洪水浸水想定区域に立地、また、非災害拠点病院にあっても28%が洪水浸水想定区域内に立地することが厚労省の研究班の調査で明らかになりました。そうした中、現在建て替えが検討されている金沢市立病院の再整備について気になるのは、これまで述べてきた災害リスクへの対応です。令和2年2月にまとめられた市立病院の今後の在り方に関する提言書の中では、候補地が決まれば基本構想に着手していくことが可能になるというふうに、建設スケジュールの項目の中で記述がなされています。そして、市長は、6月定例月議会の提案理由説明の中で、基本構想の策定に向けた委員会を設置し、議論を開始したと述べています。つまり候補地が決まり、具体的検討の時期に入ったということになります。提言書にもあるとおり、市立病院の外来患者は、その居住場所である南部や南部近郊地区、そして山側環状を経由した東部地区からの患者が多く、この3地区からの通院患者で全体の4分の3を占めているとしています。つまり、これらの圏域の通院患者にとっては生活圏の一部になっているわけであります。現在の市立病院は、市中心部からも近く、交通の利便性、周囲の環境もよく、そして何より地震以外の災害リスクがほとんどない理想的な立地と言えます。新しい病院にもこうした環境で整備されることが望まれますが、どのような検討がなされているのでしょうか。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 今年度、市立病院の再整備におきまして、新病院に求められる機能や施設規模を検討しておりまして、年度内に基本構想として取りまとめる予定であります。あわせて、整備場所についても検討していくこととしておりますが、病院事業を継続しなければならないということから、現在地での建て替えは難しく、移転が必要であると考えております。この移転の候補地につきましては、交通の利便性や敷地の規模・条件、さらに、今般の市立病院につきましては、周辺病院との位置関係なども考慮する必要があります。また、施設の性格上、災害リスク等安全性も求められるということから、今後、総合的な視点から検討を行い、選定してまいります。
○高誠議長 坂本泰広議員。
◆坂本泰広議員 拠点病院としての非常に重要な位置づけもありますから、今ほどの病院としての機能はもちろんなんですけれども、いざ災害が起きたときにそういったもののリスクがない場所であったほうが、ほかの病院なんかが被害を受けて収容できないというふうな状況になりかねませんから、そうしたところで、この新しい市立病院については、少なくともそういう自然災害のリスクを考慮しなくていいような場所、こんなところで整備していただく必要があると思いまして、これは病院に限らず、全ての施設において言えることだというふうに思います。 それでは、質問を変えます。公共交通の利用促進とまちづくりについてであります。 北陸鉄道石川線の存廃について注目が集まる中、8月3日の全国紙地方版に、「北鉄石川線存続へ」「金沢市など沿線自治体上下分離念頭」といった見出しの記事が掲載されました。そして、8月30日には馳知事をオブザーバーに、本市を含む4市町が存続に向けた方針を打ち出しました。公共交通の再編は、環境問題、高齢化や市街地の再生・発展など、様々な観点からその必要性が言われてきましたが、用地確保や費用の問題、広域にわたる連携の必要性など、遅々として進んできませんでした。そうしたところにさきに述べた報道がなされ、具体的に動き出すような兆しが感じられたわけですが、本市としてこの大きな課題に取り組む基本的な考え方は、新金沢交通戦略から引き継がれ、第2次金沢交通戦略では、まちなかを核にネットワークでつなぐまちづくりを新たな考え方とし、歩行者と公共交通優先のまちづくりを継続する考え方として、その計画期間7年がたちました。これまでの具体的成果をお聞かせください。
○高誠議長 村角都市政策局長。
◎村角薫明都市政策局長 第2次金沢交通戦略では、バス専用レーンの拡充によります都心軸のバスの所要時間の短縮、また、東金沢駅、森本駅の駐車場の整備によりますパーク・アンド・ライドの設置台数の増加等を実現したところでございます。ただ、一方で、コロナ禍での移動需要の大幅な減少に伴いまして、鉄道・バス利用者数など、達成できなかった目標もあったところでございます。
○高誠議長 坂本泰広議員。
◆坂本泰広議員 今ほど達成できたこと、できなかったことという中で、第2次金沢交通戦略における成果指標の評価というのがあるんですけれども、これを見ますと、丸が1つ、残るはバツが4つ、三角が4つということで、一部達成した、あるいは達成できなかった、むしろ達成できなかった、非常に僅かにとどまったというところが多いと、コロナ禍ということを差し引いても、いかにこれが公共交通を軸としたまちづくり政策を進めていく上で、非常に難しい課題が多いのかなということの裏づけでもあるというふうに思います。そんな中、今年3月に第3次金沢交通戦略が打ち出されました。3月定例月議会においても、これに関する答弁で、都心軸を中心としたバス待ち環境の向上や連節バス等の導入などのサービス水準向上に加え、鉄道、バス、自転車などの乗換拠点となるいわゆるモビリティーハブを各方面に整備し、公共交通を利用しやすい環境を整備することに力点を置いているというお答えがありました。では、具体的にそのモビリティーハブをどのような形で整備していくのかお聞かせください。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 モビリティーハブにつきましては、地域の実情に応じて鉄道駅やバス停、パーク・アンド・ライド駐車場、駐輪場などを組み合わせた形で整備したいと考えております。現在、整備すべき箇所、方法の検討を行っているところでございます。設置数など具体的にお示しできる状況にはありませんけれども、既存の公共施設などとの連携も含めて検討を進めてまいります。
○高誠議長 坂本泰広議員。
◆坂本泰広議員 モビリティーハブといっても、その場所、地域によって全く一様ではないというふうに思いますし、いろんな形態があるんだろうというふうに思います。民間のショッピングモール、あるいは地域の公共施設、あるいは民間の他の施設も含めていろいろな形があるのかなというふうに思いますので、一例を示してそういった形のモビリティーハブというものを具体的に市民に理解してもらうということが大事だというふうに思います。そして、そこに行くことによって交通結節点、そこに行くことによって公共交通にシフトするんだということを意識づけてもらうことが必要だと思いますので、できるだけ早くそういう具体的な姿を提示されることを望みます。 次に、金沢市の第3次金沢交通戦略の実現に向けた重要成果指標では、市内の平日の公共交通分担率を5年後の令和9年度には9%以上としています。しかし、平成30年のこの公共交通分担率が9%なんですよ。これはかなり控え目な目標値というよりも、意地悪く言うと、意気込みに欠ける目標値だと思いますが、いかがですか。
○高誠議長 村角都市政策局長。
◎村角薫明都市政策局長 コロナ禍に伴います移動需要の激減によりまして、路線バスの減便、あるいは廃止というものが相次いでおります。公共交通を取り巻く環境が厳しい状況にある中にありまして、まずは現在の分担率を下回ることがないよう、目標を設定した次第でございます。バスのサービス水準の向上や北陸鉄道線の持続可能性の確保を図りつつ、モビリティーハブの整備や地域運営交通の導入拡大などに積極的に取り組むことで、公共交通分担率の維持向上に努めてまいります。
○高誠議長 坂本泰広議員。
◆坂本泰広議員 いろんな要素が加わってこの公共交通の分担率というものは影響を受けるというふうなところであります。特にこの三、四年続いたコロナというのは非常に大きかったのかなというふうなことも思いますし、一方で、今言うように、人手不足から減便の影響もあったり、なかなかそういったところの設置を考えると、確かに現状維持というのは非常に妥当な数字なのかなと思いますけれども、目標値として掲げるのであればもう少し、それは無意味に数字を広げる必要はないんですけれども、もっと理想、ここには行きたいよねという目標を掲げるという意味では、ちょっとインパクトが弱いんじゃないかなというふうなことも思いますから、これは実現に当たっては、最終的には、結果的には、いや目標値は控え目だったけれども、こんなに達成できましたよというふうなところに持っていっていただきたいなというふうに思います。 次に、関西大学の宇都宮教授--金沢においても何度か御講演いただいておりますけれども、宇都宮教授によると、2013年に欧州委員会において提示されたSUMP--サステーナブル・アーバン・モビリティー・プラン、日本語で言いますと、持続可能な都市モビリティー計画といったところの頭文字を取ってSUMPと言いますけれども、既に一定の成果を出しているということです。SUMPの特徴は、従来ながらの需要追従型ではなく、まずビジョンと目的を決めてから交通施策を策定するバックキャスティング型であることが特徴です。環境制約や社会公正を考慮しながら地域の幸福感や充実感を高め、人々がこれまで以上に社会と関わりを持ち、生き生きと暮らせるようにすることをその基本的な考え方としています。以前にも述べたことがありますが、道路の幅を広げたり、あるいは様々な施策を実現するためには膨大な予算と時間が必要ですし、道路を広げても将来の維持コストとして跳ね返ってくるということも言えます。職場へのマイカー通勤を規制しても、マイカーで家族に送ってもらっていたら交通量などは減りません。最も低いコストで効果があるのは、何よりも市民の意識改革であるというふうに思います。鉄道事業やバス事業は、単体で見れば収益率はあまり高くなく、昨今の燃料代高騰、人件費高騰もありますが、考えればなおさらです。公共交通はビルで言えばエスカレーターやエレベーターのように人を運ぶための装置であり、欠くことのできないものであります。都市において人の流れを担う装置である公共交通への誘導というのは、隣接する市町と連携して一体となった大胆な発想と実効性のある本気の取組が求められますが、市としていかがお考えですか。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 幸いなことに、県とだけではなくて、隣接する市町とも首長とよい関係を築けているというように思っております。そういった中で、石川中央都市圏の4市2町では、日常的に市町をまたぐ人口も多いということで、連携してパーク・アンド・ライド駐車場を拡大してまいりました。また、石川中央都市圏地域公共交通協議会におきましては、北陸鉄道線の持続可能性確保などについても議論を進めてまいりました。明年3月、北陸新幹線の敦賀延伸がありますし、これに伴うIRいしかわ鉄道の金沢以西区間の開業もございます。これも見据えまして、引き続き広域的な視点から公共交通の利便性の向上に連携して取り組んでまいりたいと考えています。
○高誠議長 坂本泰広議員。
◆坂本泰広議員 非常にこの4市2町の連携というのは、何事においてもそうなんですけれども、特にこの公共交通というのはスケールメリットを生かす必要があると思いますので、そういった意味では、密接な取組ということが大事ですし、私も例えば能登のほうの行き帰りなんかで七尾線なんかを見ていると、それぞれの駅の近くにパーク・アンド・ライドの駐車場が整備されているなという様子を見て、非常に統一した取組ができてきているんだろうなというふうなことを実感しているところでもありますし、今後もそれをしっかりと推進していただきたいというふうに思います。 この質問の冒頭で、石川線、浅野川線の存続を全会一致で決定したと述べましたが、今後、国の支援を受けるための特定事業計画を策定し、年明け1月に法定協議会に臨み、この法定協議会で石川線、浅野川線に対する本市の関わり方が決定しますが、それについて幾つか伺いたいと思います。まず1つ目は、上下分離方式による鉄道存続を望む北陸鉄道に対して、その場合、車両や施設など北陸鉄道と本市の具体的な責任分担をどのようにするのでしょうか。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 北陸鉄道からは、車両や施設を行政が保有する上下分離方式の導入が要望されておりますが、国の新たな支援制度につきましては、この上下分離方式に限らずに活用することが可能となる見込みであります。こうした状況も踏まえまして、沿線自治体と北陸鉄道と十分協議して、具体的な行政の関わり方を取りまとめていくこととしており、明年1月の法定協議会で決定したいと考えています。
○高誠議長 坂本泰広議員。
◆坂本泰広議員 これから法定協議会に臨むということで、当然、具体的な思いというのは市として持っているということなので、今後、協議に臨む上で、今からこの中身についてなかなか答えるのは非常に難しいんだろうなと思いますが、その腹案がある、もちろんあってのことだというふうに思いますので、可能な限りお答えいただければなというふうに思います。 2つ目です。国・県、沿線市町との分担割合と想定する財政負担についてですけれども、金額的には一体どの程度を見込んでいるのでしょうか。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 今後、沿線自治体で議論し、来年の1月の法定協議会で特定事業計画をお諮りすることとしており、計画の国認定を受けて新たな支援制度の活用が可能となるものであります。その場合は、国の補助率は事業費の2分の1にかさ上げされ、車両や安全施設の更新に係る自治体の負担額は、単純計算では、令和7年度からの11年間で約22億円軽減される見込みであります。一方で、鉄道線の持続可能性を確保するために、維持運営費や利便性向上策の支援が別途必要となると想定しております。そのことに対する行政の関わり方については、この特定事業計画策定に向けた議論に併せて検討してまいります。
○高誠議長 坂本泰広議員。
◆坂本泰広議員 国の支援制度を用いることによって22億円の軽減ができるというふうなことがありました。当然、鉄道事業というのは非常に大きな、広大なと言いますか、長大なと言いますか、その沿線距離に応じてなんですけれども、非常に大きな費用負担がかかるという部分で、設置者としては非常にそういった部分の固定費といいますか、非常に大きくかかるというのが鉄道事業の特徴だと思いますから、その中で新たな支援制度を用いることによって、ここに関わる自治体の負担が減るということはもちろん大事なことではありますし、サービス維持というのは外せない、こんな中では、しっかりと今後の法定協議会でこの部分について詰めていただきたいというふうに思います。 そして、これまで北陸鉄道に対して様々な支援を行ってきたわけですが、鉄道が上下分離となった場合、これらの支援についてはどのようにするのでしょうか。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 これまで行ってまいりました郊外の路線バスへの赤字補助、あるいはキャッシュレス決済システムの導入等の利便性向上策などは、公共交通の持続可能性を確保するための支援でございます。これまでと同様、必要に応じて対応してまいりたいと考えています。
○高誠議長 坂本泰広議員。
◆坂本泰広議員 公共交通、民間だけで支えていくにはもうかなりの限界と言いますか、特にまちのスケールにもよると思うのですけれども、金沢ぐらいの規模では非常にもう大変になってきているというのはいろいろな報道でも知るところでありますし、行政が支援を行う以上、やはり先ほども言いましたけれども、市民の公共交通への誘導というものをしっかりと進めていかなければこの投資は無駄になるわけでありますから、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。 今回、行政として公共交通に対して大きな財政支援を行うというふうな決断をしたわけですが、今後北陸鉄道と本市の役割分担を明確にしていく中で、鉄道事業以外のバス路線の再編、こういったものについても視野に入れているのかお聞かせください。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 路線バスは通勤・通学をはじめとして、市民の日常生活を支える大切な存在であります。その利便性を向上させ、多くの住民の利用を促すための取組を検討してまいりたいと思いますが、現下のバス運転手の不足という状況を考えますと、鉄道と路線バスの役割分担も考える必要があると思います。このことを含めまして、沿線自治体や北陸鉄道との間での協議の中で議論をしてまいります。
○高誠議長 坂本泰広議員。
◆坂本泰広議員 やっぱりお金を出す以上、口を出すというのも必要かなというふうに思います。しっかりとお金を出す以上、しっかりと投資する以上、金沢市としてしっかりと主体的に意見を述べていっていただいて、思う方向に進めていくということが必要であります。前市長の掲げたビジョンの目玉でもあったはずの都市交通の改革というのは、いまだやっぱり具体的な姿がまだまだ見えてこないということで、その期待は少し薄らぎつつあった、諦めといら立ちが募るばかりといったため息も聞こえてきます。市民のみならず、金沢に注目している人たちに、住みたい、住み続けたいと思うまちづくりに欠かせない公共交通の在り方については、しっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、北陸鉄道の赤字解消が目的ではなく、公共交通の在り方というのは、途中で述べましたけれども、交流人口の拡大であったり、そしてそれが消費拡大につながり、そしてそれが金沢市の税収につながると、そういう人口減少社会では生命線となるわけですから、市にとっては50年、100年単位の取組として、この公共交通の再編に取り組んでいただきたいというふうに思います。 それでは、最後のテーマであります。性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律公布・施行による本市の今後の取組についてです。 去る6月23日、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律、いわゆるLGBT理解増進法が公布・施行されました。この法律に関しては与党内でも様々な議論が交わされ、採決に至るまで非常に大きな物議を醸したものでもあります。私自身は、そもそも我が国においてはいにしえの時代からこうしたことに理解がされ、かつ寛容な国民性が培われてきたものと理解していますので、当初は法制化の必要について疑問を持つ者の一人でしたが、政府は問題の多い差別禁止法ではなく、理解増進法として法制化を行いました。まずはこうした法律が制定されたことについて、市長の感想をお聞かせください。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 性的マイノリティーの方々の人権が尊重され、差別がなく、住みよい社会をつくるということが大切だと考えております。そのためにも、まず、全ての国民が性的マイノリティーの方々の実情についての正しい理解と認識の促進を図るということがあり、そういうことが必要だと考えております。今回の法律の制定がそのきっかけになるものと考えております。
○高誠議長 坂本泰広議員。
◆坂本泰広議員 私は、本市が取るパートナーシップ宣誓制度について、2年前にもこの議場で質問をしました。当時、私はこう発言しています。私は、性的少数者について理解をしているつもりですし、存在も否定しません。むしろ今まで悩みを抱えながら声を上げることができなかった人たちに、まさに一隅を照らすと言っていい制度が全国的に広がりつつあることはとても大切なことだとも思っていますと、この発言の意味するところは何かと言えば、様々な権利意識の声が高まる中において、基準となる定めが必要であるというふうに私は考えたからです。本市パートナーシップ宣誓制度について、施行から2年を経て、この具体的成果をお聞かせください。
○高誠議長 紙谷市民局長。
◎紙谷勉市民局長 本市のパートナーシップ宣誓制度につきましては、令和3年7月の導入以降、17組が利用しております。利用された方からは、病院での告知を受けられることや保険金の受取人として認められた、家族になったと実感することができたとの声をお聞きしております。また、金沢市人権教育・啓発行動計画2023の策定に当たり、令和3年12月に実施いたしました市民意識調査の結果では、性的マイノリティーの人権問題に関心のある人が10年前の調査に比べて10ポイント以上上昇するなど、宣誓制度の導入効果があったと捉えています。
○高誠議長 坂本泰広議員。
◆坂本泰広議員 まさに一隅を照らす、今までそういったことに対して非常につらい思いをしてきた人たちも救われてきているというふうな成果が、僅かかもしれないけれどもあるということは確認しました。 今回、いわゆるLGBT理解増進法が整備されたことで、今後の動向が気になるのが、様々な現場の取組です。知識の着実な普及等について、法律の第10条第3項において、学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校の児童等に対して性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する理解を深めるため、家庭及び地域住民その他の関係者の協力を得つつ、教育または啓発、教育環境に関する相談体制の整備その他必要な処置を講ずるよう努めるものとするとしています。教育長にお尋ねします。これを受けて、本市の設置する学校における今後の指導について、どのようにお考えでしょうか。
○高誠議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 本市におきましては、これまでも各学校での人権教育などを通して、児童・生徒の発達段階に応じて多様性に対する理解を深め、自他の人権の尊重等の態度を育む取組を進めるとともに、性的指向及びジェンダーアイデンティティーの多様性についてきめ細かく対応できるよう、教職員研修を行い、児童・生徒が相談しやすい環境の整備を進めております。また、8月に実施しました人権教育推進会議におきまして、全小中学校の担当者にこの法律の内容を伝達し、自校の教職員へ周知啓発するように求めたところでございます。今後も教職員間の情報の共有を密にし、各学校において悩みや不安を抱える児童・生徒が安心して過ごせることができるよう指導してまいります。
○高誠議長 坂本泰広議員。
◆坂本泰広議員 教育長、このLGBTに関しては非常にデリケートなところを含むわけですから、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。今ほど言いましたこの条文の中に、「その他の関係者」というのもありますが、それをどのように想定しているのでしょうか。
○高誠議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 教育委員会では、「その他の関係者」につきましては、学校が児童・生徒の個々の状況に応じて相談・協力を求める学校医等の医療関係者やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、児童相談所の職員などを想定しております。
○高誠議長 坂本泰広議員。
◆坂本泰広議員 いわゆる一般的に危惧されているのは、その他の関係者の中に特定の思想やそれに基づく団体の活動が入ってくるんじゃないかと、欧米の例なんかを取り上げて非常に危惧する声もあります。 最後に、ちょっと時間が足りませんけれども、今後このことについて、金沢は、この制度についてどのようにしていくつもりがあるのかということを、最後に市長にお尋ねしたいというふうに思います。
○高誠議長 村山市長。
◎村山卓市長 LGBT、Qも含めてかもしれませんが、相手の立場を想定して、想像して、その人権の立場で考えるということが大事だというように思います。これからも取組を進めてまいります。(拍手)
○高誠議長 以上で、19番坂本泰広議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。
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△散会
○高誠議長 これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 次の本会議は、明日13日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後5時9分 散会----------------------------------- 〔参考〕----------------------------------- (写) 金議議調第140号 令和5年9月5日 (2023年) 金沢市長 村山 卓様 金沢市議会議長 高 誠 議場への出席要求について 地方自治法第121条第1項の規定により、令和5年度金沢市議会9月定例月議会における9月12日の本会議に説明のため次の者の出席を求めます。卸売市場長 桑原秀忠
選挙管理委員会書記長 山下慎一...