金沢市議会 2023-06-26
06月26日-02号
令和 5年 6月 定例月議会 令和5年6月26日(月曜日
)-----------------------------------◯出席議員(38名) 議長 高 誠 副議長 中川俊一 1番 柿本章博 2番 坂 秀明 3番 山本ひかる 4番 黒口啓一郎 5番 川島美和 6番 道上周太 7番 宇夛裕基 8番 高務淳弘 9番 喜成清恵 10番 大西克利 11番 山下明希 12番 坂本順子 13番 稲端明浩 14番 北 幸栽 15番 荒木博文 16番 上田雅大 18番 小間井大祐 19番 坂本泰広 21番 喜多浩一 22番 麦田 徹 23番 前 誠一 24番 広田美代 25番 熊野盛夫 26番 新谷博範 27番 下沢広伸 28番 清水邦彦 29番 粟森 慨 30番 玉野 道 31番 森尾嘉昭 32番 森 一敏 33番 源野和清 34番 野本正人 35番 久保洋子 36番 福田太郎 37番 横越 徹 38番
高村佳伸◯欠席議員(なし
)-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長 村山 卓 副市長 新保博之 副市長 山田啓之 教育長 野口 弘
公営企業管理者 松田滋人
都市政策局長 村角薫明 総務局長 川畑宏樹
文化スポーツ局長 東 利裕 経済局長 鳥倉俊雄
農林水産局長 山森健直 市民局長 紙谷 勉
福祉健康局長 山口和俊
こども未来局長 藤木由里 環境局長 加藤弘行
都市整備局長 坪田英孝 土木局長 坂本敦志 危機管理監 上野浩一
会計管理者 小村正隆 教育次長 上寺武志 消防局長 蔵 義広
市立病院事務局長 松矢憲泰 財政課長
佐野宏昭-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長 森沢英明 担当次長兼
議事調査課長 議事調査課担当課長 上出憲之 安藤哲也 議事係長 中田将人 調査係長 今川良太 主査 前田和紀 主査 竹村太志 主査 辻 卓也 主任 小西孝博
総務課長補佐 多田育代 主査
中村隆俊-----------------------------------◯議事日程(第2号) 令和5年6月26日(月)午前10時開議 日程第1 議案第2号令和5年度金沢市
一般会計補正予算(第2号)ないし議案第15号市道の路線認定について (質疑) 日程第2
一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件 議事日程(第2号)に同じ----------------------------------- 午前10時0分 開議
△開議
○高誠議長 本日の
出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
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△会議時間の延長について
○高誠議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。 なお、上着の着用は御自由に願います。
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△議案上程
○高誠議長 これより、日程第1議案第2号令和5年度金沢市
一般会計補正予算(第2号)ないし議案第15号市道の路線認定について、以上の議案14件を一括して議題といたします。
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△質疑・一般質問
○高誠議長 これより、質疑並びに日程第2一般質問を併せ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 34番
野本正人議員。 〔34番
野本正人議員登壇〕(拍手)
◆
野本正人議員 おはようございます。 質問の機会を得ましたので、
自由民主党金沢市議員会の一員として、以下、数点、質問させていただきます。 最初の質問は、
物価高騰対策についてであります。 先月の
月例経済報告によれば、国内の景気は個人消費の持ち直しを踏まえ、緩やかに回復しているとされています。今後は、
新型コロナ感染症の5類移行により、さらに
社会経済活動が平常化し、消費拡大、
インバウンド需要の回復、雇用・所得環境の改善などの好循環が期待されます。一方で、昨年来続くエネルギー、
食料品価格等の高騰は家計や企業にとって大きな負担となっており、
我が国経済の好循環を実現させていくためには、物価高騰による影響を乗り越えていかなくてはなりません。 本市では、今年度当初予算において、
財政調整基金を取り崩し、本市独自の
物価高騰対策を講じるとともに、4月には、低
所得者向けの国の給付金を速やかに給付するため、市長の専決処分を行うなど、いち早く対策を講じてきました。今回の補正予算においても、
中小企業対策などの効果的な
物価高騰対策を計上していることは、他都市と比較しても先行した取組であり、一定の評価をするものであります。市長は、今回の
補正予算編成において、
物価高騰対策としてどのようなことに重点を置かれたのか、思いをお聞きいたします。 市長は先月の5月定例月議会本会議において、国から
物価高騰対策として自治体の判断で幅広く活用できる約10億円の交付金が配分されることになっており、コロナ禍から
社会経済活動を正常化させていくためにも交付金を活用した対策を講じていきたいと答弁されておりますので、今回の補正予算に計上した
物価高騰対策も国の交付金を活用したものと拝察いたします。一方、石川県では、
コロナ対策として国から支給された
地方創生臨時交付金約300億円のうち、感染者数の減少により不用額が生じたとして約44億円を国に返還したとの報道がありました。国からの自治体に対する交付金は比較的自由に地域の実情に応じた事業に充当できるとお聞きしており、できるだけ有効に活用すべきと考えますが、本市における昨年度からの国の
地方創生臨時交付金の活用状況をお聞きするとともに、今後の
物価高騰対策に対する市長の思いをお伺いし、この質問を終わります。 2点目の質問は、日本郵便旧
金沢有松社宅の跡地利用についてであります。 この跡地をめぐっては、昨年5月、地元の
三馬校下各種団体連絡協議会が金沢市に対して取得を求める要望書を提出するなど、公共施設の誘致について強い意欲を示してきました。これを受け、市長は昨年の6月定例月議会において、土地の取得及び将来的な利活用についての私の質問に対し、所有者とも情報共有しながら、今後の動向を十分注視していきたいとの答弁をされております。報道によれば、
日本郵政グループは先月末までに、この跡地について
国家公務員共済組合連合会、いわゆるKKRに返却し、KKRでは、不動産価値を確認するため、既に
不動産鑑定評価業務の
一般競争入札を公告しており、売却の方向で検討が進められているとのことであります。この土地は国道157号に面する約9,000平方メートルの敷地であり、言わば南部地区の拠点となる重要な場所であります。本定例月議会の
市長提案理由説明において、土地の返還手続の完了に伴い、
南部地区市有施設の利活用を見据え、土地の取得に向けた協議を進めていくとの表明もあり、ここに来て、この課題は大きく前進し、まさに機は熟したと言っても過言ではありません。村山市長には、提案理由で述べられたとおり、再整備時期を迎える教育、福祉等の市有施設が点在するこの地区において、
当該地の利活用を見据えた整備についての思いをぜひ表明していただきたいものですが、明快な御答弁をお願いいたします。 さらに、今後、所有者である
国家公務員共済組合連合会と取得に向けた協議が進められることと思います。相手のあることであり、これからの協議の進捗次第とは思いますが、現時点で想定できる取得までの
スケジュールについてもお尋ねいたします。
三馬校下町会連合会からの具体的な要望内容は、近隣に小学校や保育所があることから、子どもからお年寄りまでが気軽に集えるサロンのような施設が望ましいということであります。
三馬保育所に関しては、市立で最も古い保育所であることから施設の老朽化も進み、園庭や
駐車スペースも十分に確保されないなど、様々な課題を抱えております。私は以前から移転の必要性を訴えてまいりましたが、市長はこの現状をどのように捉えていらっしゃるのか、所見をお伺いいたします。 また、三馬公民館と
デイサービス施設が入居する会館みんまが建つのは伏見川沿いの住宅地の一角で、大通りには面しておらず、道路も狭隘でクランクもあることから、女性や高齢者には特に運転しづらい道となっております。駐車場も少なく、イベントや会合が重なると全くスペースが足りません。恐らくは誰もが行きづらくて、古くて狭いとの感想を抱いていると思います。このような地区の現状を踏まえ、地元の切なる願いである子どもの笑顔と歓声が響き、お年寄りも憩える拠点づくりの実現についての市長の所見をお伺いし、この質問を終わります。 質問の3点目として、海外誘客と
観光イベントについて、幾つかお伺いいたします。
新型コロナウイルス5類移行に伴い、金沢市内も海外からの観光客をはじめ多くの観光客が戻り、新たな
ホテル進出計画も見られるなど、往時のにぎわいを取り戻しつつあることに市民の一人として心からうれしく思うものであります。市長は先月から今月にかけて台湾出張をはじめ多くの大
規模イベントに参加される機会がありました。5月のゴールデンウイークに開催された風と緑の楽都音楽祭2023は好天にも恵まれ、4年ぶりに来場者数も10万人を超えるなど、多くのお客様でにぎわい、大成功を収めました。幾つかの
無料コンサートに御夫婦で出演された市長は今回の楽都音楽祭の感想、来年への期待をまずお伺いをいたします。
音楽祭終了後は、すぐ、金沢市長として4年ぶりとなる
八田與一技師の
墓前祭参列のため台湾を訪問されました。
元台南市長で現在は台湾与党の副総統である頼清徳氏も参列され、300人を超える参加者で盛大に挙行、八田技師の遺徳をしのぶことができたとお聞きしております。市長は
八田技師墓前祭に参列され、八田技師の功績と頼清徳氏の御縁による台南と金沢の交流について、改めてどのような感慨を持たれたのか、お聞きいたします。
墓前祭参列はもとより、今回の台湾訪問の目的は、4月1日から再開されたエバー航空の
小松-台北便を活用した
インバウンド誘致でありました。墓前祭と前後して台南市内の商業施設のイベント、台北市内での
観光セミナーなど、精力的なPR活動を展開されました。台南市内での
歓迎レセプションでは、市長が自ら着物姿で横笛を披露されるなど、金沢の顔として誘客に務められたことは敬意を表するものであります。台湾の方々の金沢という都市への評価、金沢訪問への意欲はどのようなものであったのか、市長にお聞きいたします。 金沢の売りは文化観光であり、ターゲットは富裕層であります。文化体験などを盛り込んだワンランク上の旅を提案し、本市経済の活性化につなげようという狙いはよく理解できますが、
海外富裕層の獲得は他の様々な都市でも狙っており、何らかの差別化が必要なことは言うまでもありません。今年度予算にも
海外富裕層に向けた誘客推進費が幾つか盛り込まれておりますが、その
具体的内容について、所管の局長にお聞きいたします。
インバウンド誘致に向けた金沢の大きな魅力は食であります。5月中旬に開催されたG7富山・
金沢教育大臣会合では、五十間長屋を会場に石川の誇る伝統工芸品を使った器に地元食材をふんだんに使用した和食と地酒が提供され、各国代表からは賛辞の声が上がったとお聞きしております。同席された村山市長はどのようにお感じになったのか。また、今後、海外に向けて本市の食の魅力をどのようにPRしていくお考えか、お聞きいたします。 さて、4年ぶりに通常開催となった第72回百万石まつりは前日の大雨で
子ども提灯太鼓行列が中止になったものの、メイン行事である百万石行列、その後の踊り流しともに好天に恵まれ、大盛況でありました。祭りを楽しむ海外からのお客様の姿も多く見受けられ、多くの観光客や市民の笑顔に私も心浮き立ちました。実行委員長である山田副市長に今回の祭りの成果と課題、さらには、今後、この百万石まつりを海外からの誘客にどうつなげていくおつもりか、ビジョンをお聞かせください。 さらに、今回の百万石まつりには、アメリカの
ハンブルグ高校のジャズバンドが先導隊として当日の盛り上げに一役買っていただきました。金沢と
バッファローが姉妹都市である御縁から参加されたとのことであります。コロナ禍で停滞していた
姉妹都市交流も徐々に復活の兆しが見え始めたことは大変喜ばしく、さらなる発展を願っております。本年はナンシー市
姉妹都市提携50周年
記念交流事業も予定されており、単なる友好親善にとどまらず、こうした欧米からの誘客が
地域活性化という実利にもつながっていくことを期待するものですが、
姉妹都市交流の復活についての市長の強い意欲と所見をお伺いし、この質問を終わります。 質問の4点目として、第3次
金沢交通戦略と
金沢MaaS推進について、幾つかお尋ねいたします。 本年3月に策定された第3次
金沢交通戦略においては、基本方針に交通から暮らしの質やまちの魅力を高めるまちづくりが新たに加わりました。
文化都市金沢の実現を交通面から下支えし、さらに推進しようという趣旨だと理解いたします。そこで、市長に、第3次
金沢交通戦略に込められた思い、特に重点的に取り組みたい
具体的内容についてお伺いいたします。 私のライフワークである新しい
交通システムについては、
検討委員会の提言を受け、新規事業として
公共交通サービス高度化推進事業費1,750万円が計上されております。その内容は、まず、まちの拠点性を高め、人の交流を促す
公共交通サービス高度化実施計画の策定、2つ目として、
バス専用レーン時間帯拡大等に向けた社会実験、3つ目は、バス停における分かりやすい案内表示の社会実験、この3つの柱から成るとのことであります。このうち、
高度化実施計画に書き込まれる具体的な内容、
バス専用レーン時間帯拡大、バス停における分かりやすい案内表示の2つの社会実験の実施時期と具体的な内容について、所管の局長にお聞きいたします。 私は、今後5年間の間に
金沢MaaSをぜひ推進していただきたいと強く願っております。様々な形態の
輸送サービスを再構築し、統合し、使う側にとってサービスを飛躍的に向上させることを目的とするMaaSの取組は公共交通の利用促進や環境負荷の軽減など、将来を見据えた交通戦略の柱の一つになると考えるからであります。今年度の事業計画として幾つか掲げられておりますが、まず、多くの方々から使い勝手が悪いとクレームがある
交通サービスアプリ、のりまっし金沢の改良は必要不可欠であります。私も何度かこのアプリを利用しておりますが、使う側の目線でつくられていないため、操作の分かりづらさ、反応の遅さ、デザインの悪さなど、難渋することもしばしばであります。今年度は
時刻検索機能にバス路線や
遠近情報等を追加するとして予算が計上されておりますが、小手先の機能追加だけではなく、この際、
ITベンチャーや学生などの参画も促し、多少、時間や費用がかかっても将来的な
金沢MaaSの発展を見据えたアプリを新たに構築すればいかがでしょうか、市長の所見をお伺いいたします。 今年度はさらに
北陸鉄道石川線の沿線市町と連携し、石川線の鉄道・バスの
乗り継ぎ円滑化実験を実施する予算も計上されております。昨年度実施した調査により低価格に設定することで大きく需要が増える可能性が明らかになったことで、白山市・野々市市と連携して実施されるものであり、私も大いに期待しているところであります。全体スキーム、割引率、実施時期などの具体的な内容について、所管の局長にお伺いいたします。
公共交通網の整備や利便性の確保は単に日常生活などの移動手段としての役割だけでなく、渋滞の解消、環境負荷の低減、様々な方の外出機会の創出や社会参加の促進など、多面的な効果があり、今後ますます重要性を増してきます。しかし、一方で、運転手の確保が困難になり、運行に支障が生じ、そのことが路線数、便数の減少を招くという負のスパイラルに陥るなど、様々な問題を抱えていることも事実であります。このような課題解決にはこれまで以上に行政の物心両面での支援が重要になってくると思われます。公共交通の確保についての市長の強い思いをお聞きして、この質問を終わります。 質問の最後は、本市の防災対策について幾つかお尋ねいたします。 5月に日本列島を襲った季節外れの台風は各地に大きな被害をもたらしました。地球規模の温暖化とそれに伴う気候変動により、近年は特に梅雨時期になると毎年のように各地でゲリラ豪雨による
線状降水帯が発生し、河川の氾濫、浸水、土砂災害など、全国的に大きな被害が起きております。本市においても、この時期は明日は自分の住む地域も豪雨災害に見舞われるのではないかと心配しながら、毎日の天気予報を見つめる日々が続きます。今月初めに令和5年度金沢市防災会議が開催されました。会長である村山市長は、近年の勃発する豪雨災害の状況をどのように認識し、本市として
即時即応体制の構築にどのように取り組んでいかれるおつもりか、所見をお伺いいたします。 会議では、最初の議題として、金沢市
地域防災計画の改定について何点か質問がありました。法改正や国・県の動きを受けた改定のほかに、本市の取組方針や進捗に応じた独自の改定について説明があったとお聞きしておりますが、その具体的な内容について、所管の局長にお聞きいたします。 私は
リアルタイムな状況把握のためには、人の力だけでは限界があり、これからの時代はAIや映像を駆使した取組が必要不可欠だと考えております。私なりに会議の資料を熟読いたしましたが、この点で特に目を引いたのが道路状況の監視強化という項目であります。道路状況の情報収集及び対応の迅速化を図るとして、豪雨対策としては、まず、豪雨等による地下道の急激な水位上昇を
リアルタイムで監視できる
冠水監視カメラを導入し、
地下道冠水による事故を防止する。また、豪雪対策としては、山間部に新たに
監視カメラを設置し、積雪量を
リアルタイムで確認することにより、迅速な除雪を実施し、冬期間の
道路ネットワークを確保するとしております。今年度当初予算においても、
地下道冠水監視カメラ導入費、
積雪監視カメラ導入費がそれぞれ計上されており、適時適切、一日も早い実施を強く要望するものであります。
地下道監視カメラ、
積雪量監視カメラの導入に係る導入箇所、
実施スケジュール等の具体的な内容について、所管の局長にお聞きいたします。 頻発する自然災害に迅速に対応し、住民の安心・安全を確保することは行政にとっても最も重要な責務であり、まさに一丁目一番地と言っても過言ではありません。本市のリーダーである村山市長に本市における防災・減災対策の推進、住民の安心・安全の確保についての明確なメッセージをお聞きして、私の質問を終わります。(拍手)
○高誠議長 村山市長。 〔村山
卓市長登壇〕
◎
村山卓市長 34番
野本正人議員にお答えいたします。 初めに、
物価高騰対策につきましては、景気の回復に明るい兆しが見える中で、
エネルギー価格をはじめとする物価高騰は市民生活や地域経済に大きな影を落としており、その影響が長期化していることに大変危惧をしております。そのため、当初予算に引き続き、4月にも専決処分により支援策を予算化してきたところでありますが、今般の補正予算におきましても、市民生活の安定と地域経済の活性化につながる対策を講じたいとの思いから、経済的負担が大きくなっている多子世帯等への給付金を追加したほか、事業者に対する
電気料金等の助成を盛り込んだ次第であります。今回の
補正予算編成に向けまして、景気回復の判断が示され、コロナ禍後の日本経済に明るい兆しが見えているからこそ、一刻も早く物価高騰が収まり、市民生活が安定することを願ってやみません。一方で、9月末をもってガソリンや
電気料金等に対する国の対策が終了する予定でありますことから、不透明な状況が続くこと、そして、今後とも、物価の推移、国の動向を注視しながら、必要に応じて
地方創生臨時交付金を活用し、県とも連携を図りながら時勢を捉えた必要な対策を講じてまいりたいと考えています。 日本郵便旧
金沢有松社宅の跡地については、議員おっしゃるとおり、国道157号に面する約9,000平方メートルに及ぶ広大な土地であって、南部地区にとって大切な場所であると認識しております。周辺には、三馬小学校や
三馬保育所、
教育プラザ富樫など、教育や福祉に関する市有施設が点在しておりまして、今後、建物の更新時期も迎えることから、本市としても当該用地を活用した施設の再編整備を見据えた対応が必要になると考えております。これまで情報共有を進めてまいりました所有者である
国家公務員共済組合連合会に対しましては、このような市の考えを伝えながら、取得に向けた協議を本格化させてまいりたいと考えております。現在、
国家公務員共済組合連合会との間で、市へ売却する際の手続や進め方などについて情報交換を行っているところです。協議がまとまれば関係予算を議会にお諮りし、お認めいただければ速やかに取得したいと考えております。
三馬保育所につきましては、築後50年以上が経過しているということに加えまして、
市立保育所の再整備方針において、生活道路に面した危険な交通事情を抱える場所に立地している保育所に分類されております。再整備に当たりましては、移転も考慮しなければならないと認識しております。 地元の
三馬校下各種団体連絡協議会からは、昨年5月、市に対して要望書が提出されておりまして、当該用地への地元の思いも直接お聞きしているところであります。当該用地の利活用策の検討に当たりましては、周辺に点在する市有施設の再編整備も含め、適切な時期に地元の方々と情報交換もさせていただきながら進めていきたいと考えておりますが、まずは
国家公務員共済組合連合会との取得に向けた協議を最優先に進めてまいります。 いしかわ・金沢風と緑の楽都音楽祭は、今年で7回目を迎えましたが、
クラシック音楽のみならず邦楽や合唱、舞踊など、様々なジャンルの芸術に触れることができる春の祭典として、子どもから大人まで幅広い世代に親しまれております。加えて、
アマチュア音楽家も出演する
エリアイベントは、気軽に音楽を聴くことができるということはもちろん、参加できるという楽しみもあります。今回、演奏者として出演の機会を得まして、音楽の持つまちを元気にする力を実感した次第であります。来年の音楽祭は
北陸新幹線敦賀開業後初めての開催となりますことから、これまで以上の来場を期待するとともに、石川・金沢が誇る文化を強く発信してまいりたいと考えています。
八田與一技師の墓前祭には、金沢市としては4年ぶり、私自身は市長として初めて参列できたことを大変うれしく思っています。郷土が生んだ偉人である八田技師が今でも多くの台湾の方々に敬愛されていることを実感し、改めてその御功績に深く感銘を受けました。また、訪問先の台南市政府や市議会など、各所で温かい歓迎と丁寧なおもてなしを受けたことも感動いたしました。これまでの観光、文化、教育などを通じた友好交流活動に尽力された多くの先達の方々に心から敬意を表するとともに、改めてこの交流を次の世代に引き継ぐことの重要性を認識し、今後、さらなる交流促進への思いを強くしたところであります。 台湾とのこれまでの交流活動の成果もあり、コロナ禍前の令和元年においては、台湾からの兼六園入園者数は年間16万人を超え、国別では1位となるなど、金沢は高い評価を受けておりました。コロナ禍の影響も落ち着きまして、4月の
小松-台北便の復活によりまして、台湾からの誘客は4月、5月合計で3万人を超えるなど、順調に回復してきていると感じています。台湾の方々は金沢の四季折々の豊かな食文化や伝統芸能、伝統工芸への関心が高く、今回、私もプレゼンテーションを行った台北での
観光セミナーでは、過去最高の28社の現地旅行社が参加して、活発な商談が行われ、日本への送客意欲の高まりを実感いたしました。7月からは、
小松-台北便が週9便と聞いております。これを追い風にさらなる誘客促進に努めてまいりたいと考えています。 G7富山・
金沢教育大臣会合の地元主催歓迎夕食会につきましては、歴史を感じる金沢城公園を会場に開催いたしまして、加賀鳶はしご登りや金沢素囃子の伝統芸能を披露した後、地酒で乾杯し、旬の地元食材をふんだんに使用した一流料理人による和食を加賀蒔絵や九谷焼などの器に盛りつけ、提供させていただきました。G7各国の閣僚、政府関係者の皆様には、金沢の豊かな食文化を十分堪能されるとともに、個性ある文化に触れる特別なおもてなしを感じていただけたものと思っております。海外に向けて金沢の食文化の魅力を発信することとともに、世界の料理人との相互交流を進めるため、海外料理人の受入れも支援しておりまして、この5月には、4年ぶりに米国のシェフ5名が市内の料亭で研修を行ったところであります。また、今年4月に米国で影響力のあるグルメ雑誌に、次に来る世界屈指の美食のまちの7都市の一つとして金沢が紹介されるなど、国際的な認知度の高まりを感じております。さらに、10月に開催する「未来を彩る食文化都市・金沢を語る」フォーラムでは、各界の一流の識者を招き、金沢の食文化を磨き高め、世界的認知度の向上や国の内外への発信方策について議論を深めたいと考えております。食文化の継承及び振興に関する条例制定10周年を期に、さらなる食の魅力発信に努めてまいりたいと考えております。 続いて、各姉妹都市との交流につきましては、コロナ禍の中にあってもオンラインを活用するなど、友好親善に努めてきたところでありますが、じかに顔が見える交流ということで、相互に理解し合い、信頼の絆を深めることができると考えております。今年度に入って、
バッファロー市のハンブルグ校ジャズバンド団と姉妹都市委員会代表団を今月受け入れましたほか、来月には、ゲント市の代表団が本市を訪問することとなっております。また、
姉妹都市提携50周年を迎えるナンシー市との
記念交流事業の実施も予定しておりますことから、先人たちが培ってきた友好関係をより一層強固にするとともに、交流を通して金沢が世界に誇る文化を発信し、海外からの誘客の促進や
地域活性化につなげていきたいと考えております。 第3次
金沢交通戦略につきまして、公共交通は市民生活はもとより子どもや高齢者、障害のある方などにとって重要な移動手段であり、今後のまちづくりにおいて欠かせない存在であります。このため、第3次
金沢交通戦略では、都心軸を中心としたバスのサービス水準の向上のほか、鉄道、バス、自転車、自家用車などの乗換え拠点となるモビリティーハブの整備、公共交通の不便な郊外における地域運営交通の導入拡大などを盛り込んだところでありまして、これらを通じ、地域の実情に応じた移動手段の確保に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。 デジタル交通サービスのりまっし金沢につきましては、利用者からの厳しい声を踏まえまして、本年10月のリニューアルに向けまして、
時刻検索機能の全面的な改修を北陸鉄道と共に進めております。アプリの操作性や視認性の向上を重視することはもちろん、学生や若い社会人などからの意見も伺いながら、市民が利用しやすい公共交通の情報基盤となるようしっかり取り組んでまいりたいと考えています。 公共交通はコロナ禍の移動需要の激減がコロナ禍前の水準まで戻らないという中、運転手不足に加え、燃料価格の高騰も影響し、厳しい状況に置かれていると認識しております。公共交通は市民生活にとって欠かせない移動手段でありますことから、今回お諮りしているお帰り乗車券やまちなか交通ガイドのデジタル化など、
金沢MaaS等の取組を通じて、バスなどの利用者増を目指してまいりたいと思います。そして、その上で、先般拡充された国の支援制度も活用し、交通事業者などと力を合わせて、公共交通の利便性を高め、市民にとって使いやすく、また、地域の実情に応じた移動手段が確保されるよう、腰を据えて取り組んでまいりたいと考えています。 防災対策につきまして、近年、全国各地で頻発する集中豪雨は、河川の氾濫や浸水、土砂災害の発生とともに、これらに伴うインフラの損傷など、甚大な被害をもたらしております。本市にありましても豪雨が頻発するようになっておりまして、災害発生時の迅速な体制整備の重要性はさらに増してきております。そのため、日頃から金沢地方気象台などの防災関係機関と情報を共有しておりますほか、災害発生時に組織として迅速に初動体制を確立することができるよう、職員防災訓練などを通じて職員の対応力強化に取り組んでおります。今後も頻発する豪雨災害等に迅速、かつ的確に対応するため、様々な面から体制の強化を図ってまいりたいと考えています。 最後に、災害における防災・減災対策の推進は行政の責務であります。これまでも災害に強い施設整備を進める一方で、昨年8月の大雨の際には避難指示を発令して対応するなど、被害を最小限にとどめるために努力してまいりました。しかしながら、行政が行う公助だけでは住民の安全・安心を確保することは難しく、自助・共助の役割も極めて重要であります。今後も自主防災組織をはじめ地域の皆様と連携し、防災力の一層の強化に取り組んでまいりたいと考えています。 私からは以上でございます。
○高誠議長 山田副市長。
◎山田啓之副市長 百万石まつりに関する御質問にお答えいたします。今回初めて実行委員長としてお祭りに関わらせていただき、メイン行事の百万石行列では、金沢駅前での出発式におきまして、出発宣言をさせていただきました。その出発式や沿道、金沢城公園での入城祝祭におきまして、多くの市民や観光客の方々がお祭りを楽しむ姿を見ることができ、大変うれしく思うとともに、無事に終了できたことを何よりも関係各位に感謝を申し上げたいというふうに思っております。4年ぶりにコロナ禍前と同様の制限のない形で開催できたことで、まちのにぎわい創出とともに、本市固有の伝統芸能などの継承にもつながったと感じております。他の行事も含めまして、観客数、参加者数もコロナ禍前に近づくなど、市民生活も戻りつつあるということを改めて実感した次第であります。北陸新幹線敦賀延伸やインバウンドのさらなる回復により沿道の観客数の増加が予想され、より安全・安心に開催することが今後の課題であるというふうに考えております。関係者と共に相談をしながら、安全対策に万全を期した上で来年以降もにぎわいと活力のあるお祭りの開催に努めてまいります。 次に、今後の百万石まつりを海外の誘客にどうつなげていくかということでございます。豪華けんらんな加賀百万石の時代絵巻を繰り広げる百万石行列、加賀鳶はしご登りや加賀獅子の演技のほか、百万石茶会、薪能など、本市固有の伝統文化や伝統芸能は外国人観光客にも興味深く映るものと思っており、アフターコロナを見据えた海外誘客にも有力なコンテンツになるものと考えております。海外からの本市公式観光サイトの百万石まつりに対するアクセス数も増加しており、引き続き、SNSや海外の旅行博などにおいて、金沢や百万石まつりの魅力を大いに発信し、誘客につなげていきたいというふうに思っております。 以上であります。
○高誠議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長
物価高騰対策につきまして、昨年度からの
地方創生臨時交付金の活用の状況についてお尋ねがございました。自治体の判断で活用できる交付金として、この3月に国から配分された約10億円につきましては、4月に専決処分を行った給付金のうち、家計急変世帯の支援等に充当した1億6,000万円と今回お諮りしております
物価高騰対策に充当する7億7,600万円を合わせまして約9億4,000万円を予算に計上いたしました。このほか、昨年度配分された国の交付金約40億円は、33億円を昨年度事業に活用したところであり、残る約7億円につきましては今年度の事業に活用することとしております。 以上でございます。
○高誠議長 鳥倉経済局長。
◎鳥倉俊雄経済局長
海外富裕層に向けました誘客推進についてお答えを申し上げます。本市におきましては、石川県と連携しまして、アメリカに誘客代行事業者を配置するとともに、富裕層に影響力のある有力なメディアを招請し、記事への掲載を図りまして、金沢の世界的な認知度を高めることとしております。また、南砺市、高山市、松本市、白川村と構成いたします北陸・飛騨・信州3つ星街道の取組としまして、イギリスを中心にしました誘客プロモーションを実施するほか、富山市とはプライベートジェットを利用する富裕層の旅行者を取り扱うアメリカの旅行会社を招聘しまして、上質な旅の商品造成に取り組むなど、広域観光の連携も推進してまいります。 以上でございます。
○高誠議長 村角
都市政策局長。
◎村角薫明
都市政策局長 公共交通に係る
高度化実施計画についてお答えいたします。まず、
公共交通サービス高度化実施計画は、地域公共交通活性化再生法に基づく特定事業計画でございまして、連節バス等の導入効果が高い路線やバス待ち環境の向上を図るべき箇所などを定めることを予定しております。 続いて、社会実験についてお答えいたします。まず、
バス専用レーン時間帯拡大実験は、都心軸における定時性・速達性の向上に向けた社会実験を年度内に実施できるよう関係機関と協議を進めているところであります。また、分かりやすい案内表示社会実験につきましては、橋場町交番前バス停をモデルに、この夏頃には開始できるよう準備を進めているところでございます。 また、
北陸鉄道石川線の鉄道・バス
乗り継ぎ円滑化実験につきましては、石川線沿線からまちなかや金沢駅方面への乗り継ぎ利用が最大5割引きで、指定区間内は8時間乗り降り自由となるデジタル乗車券をのりまっし金沢で販売するものでございまして、2種類の乗車券を用意しており、先月から開始し、明年3月末まで実施する予定でございます。 以上です。
○高誠議長 上野危機管理監。
◎上野浩一危機管理監
地域防災計画の改定についてお尋ねがございました。まず、法改正や国・県の動きを受けた改定としましては、災害時における安否不明者の氏名等公表基準の見直し等が主な内容でございます。また、本市の独自の改定としましては、自助・共助を基本とした計画的な備蓄の推進などが主な改定点でございます。 以上でございます。
○高誠議長 13番稲端明浩議員。 〔13番稲端明浩議員登壇〕(拍手)
◆稲端明浩議員 改選後、議員の顔ぶれも大きく変わり、私たち公明会派としても新たな決意を持って、議員各位並びに市長はじめ執行部の皆様と共に、本市の市民福祉の向上と新たなまちづくりに精励してまいる所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。 それでは、発言の機会を得ましたので、公明党金沢市議員会の一員として、以下、数点質問させていただきます。 本年は、10年後の金沢を見据えた新たな都市像を構築する年となります。初めに、現時点で市長が考えておられる新たな都市像についてお伺いします。 昨年度、市内各地域、また、多様な階層の方々から幅広く市民の声を聞かれた市長は、現在の本市の課題や市民のニーズについてどのような思いを持たれたのか、お伺いします。 市長がその際講話された「親和力で奏でる金沢」の中で、市政の系譜について、山出元市長は、文化の質の向上と深掘りをすることにより、都市の品格を磨くまちづくりを行い、山野前市長は、スポーツ文化、建築文化、木の文化都市など、文化の幅を広げる中で世界の交流拠点都市を目指したと話されています。村山市長は、市長選挙のときから親和力で奏でる金沢をテーマとして掲げてこられました。親和力をさらに高めるために必要なものは何であるとお考えか、伺います。さらに、まちづくりにおいて、親和力をもって臨むべき中心課題は何であると考えるのか、伺います。無論、まちづくりの課題は一つではないと思いますが、最も重要な課題は何であるとお考えか。その理由も併せてお伺いします。加えて、新しい都市像を目指す過程やその達成による成果はどのようなものとして市民に還元されるべきとお考えか、御所見をお伺いします。 一方、これからのまちづくりの背景には、コロナ禍以後の社会の変容への対応や少子高齢化・人口減少による行政やその支援の在り方が問い直される時期に来ているという難しい状況があります。また、本市が抱える日本銀行移転後の跡地利用や金沢駅前の近鉄不動産所有地の課題、公共交通の在り方など、まちづくりにおいても大きな課題を先送りせず、一つ一つ答えを出していかなければならないという現実もあります。これらの課題はその影響の大きさから対応の停滞が新たな都市像に向けた様々な施策の成果を半減させることもあるのではないかとの懸念を持つところです。そこで、本市が抱えるまちづくりの大きな課題について、どのような考えで対応するべきとお考えか、御所見を伺います。 市長選挙から今日までの御発言や本年度の予算編成の説明の中で、文化の振興により都市の品格にさらなる磨きをかけるとし、文化の厚みということを述べられています。私は文化に対する造詣が深いわけではないので、文化の厚みをうまく表現できませんが、食に携わってきた年数が長いこともあり、金沢の食における文化の厚みとは、家庭料理の質の高さにあると思っています。「京都の文化は売り物の文化、金沢の文化は使う文化」と言った方がおられるそうです。井上雪さんの「加賀の田舎料理」という本には、金沢の台所で金沢の風土や文化とともに質の高い料理の作り方が受け継がれてきた様子が描かれています。この本にあるように、京都から伝わってきた食文化は加賀藩時代からこの地の台所で庶民の手によって受け継がれてきました。時代を経て培われた家庭料理の質が高いため、料理をなりわいとされる飲食店はその上を目指さなければ商売にならない、こうやってつくられてきたものが金沢の食文化を支えている、これこそ文化の厚みというものではないかと思っています。市長は、この文化の厚みという言葉にどのような思いを込めておられるのか、また、文化の厚みは新たな都市像の策定の中でどのような位置づけを持つものとなるのか、御所見を伺います。 次に、
物価高騰対策についてお伺いします。 3月31日に、会派として生活困窮者支援の早期実施と併せて、電気代、ガス代、特にガス代においては、LPガスを含めた料金の高騰から市民生活を守るべきと要望させていただきました。今定例月議会において、
物価高騰対策が上程されていることは時宜を得たものと高く評価いたします。しかし、県では、LPガスの普及率が全国平均より高いことを考慮し、LPガスを使用している一般世帯へ1件当たり2,300円の補助をすると報道されています。本市では、LPガスを使用している一般世帯への補助はありません。その理由をお伺いします。 一方、本市では、多子世帯と障害のあるお子さんのいる世帯に対しての給付、中小企業や金沢中央卸売市場の事業者、土地改良区や生産組合も含めた幅広い事業者支援を行うとしております。今回のこの施策に込めた市長の思いをお聞かせください。 コロナが落ち着き、観光客の増加に加え、北陸新幹線の敦賀延伸もあり、コロナ禍からの脱却に対して好条件がそろってきております。一方、ここに来て、北陸電力の値上げが決定し、今後も電気代やガス代の高騰が家庭にも企業にも重くのしかかっていくことが予想されます。北陸電力の値上げ幅は39%に圧縮されましたが、高圧電力契約の場合、基本料金の値上げは年額に換算すると大幅なコスト増になる可能性が高くなります。そもそも、この値上げの基準額は既に燃料費の高騰によるサーチャージ分が上乗せされた昨年の12月の料金を基本とするもので、企業や家庭においては前年との比較では39%よりもさらに大きな上げ幅となります。今回上程された議案の対象期間は本年4月から9月までとなっており、国の燃料費高騰に対する補助も同時期に終了となります。そのため、今後も物価の変動や電気・ガス代などの推移を注視し、国・県との連携を強化していくべきと考えますが、特に県との連携は十分なものとなっているのか、伺います。また、状況の変化を見据え、景気の悪化やさらなる光熱費の高騰に際しては、常に先手を打てるよう対策を講じていく必要があると思いますが、御所見を伺います。 次に、第3次
金沢交通戦略についてお伺いします。 本市の交通戦略も第3次となり、また、市民の交通手段の確保に対する要望も大きくなってきており、本計画の具体的な実行が問われる時期を迎えていると思います。第3次戦略は第2次戦略から何が変わっているのか、また、公共交通を主体としたまちづくりにおいて、この5年間で確立すべきものは何であるとお考えか、お伺いします。 これまでの本会議の議論では、新
交通システムの導入や上下分離方式による官民連携の公共交通の持続性確保に関するものが多いように思われます。新
交通システムも上下分離もその結果として公共交通の利用者が増加することが目的であります。国からの補助において、その要件として、公共交通の利用者の増加が求められていると思いますが、どれくらいの利用者増を達成することが求められているのか、お伺いします。 私は、50歳になったら、自家用車に過度に依存しない生活の訓練が必要ではないかと本会議において質問してきました。それは、市民の意識が変わらなければ、公共交通を中心としたまちづくりは進まないと考えるからです。第3次戦略では、この点をどのように考え、どのような施策を講ずることによって自家用車に過度に依存しないまちづくりを進めるのか、伺います。 次に、具体的な施策について、数点お伺いします。まず、チョイソコのエリア拡大について伺います。今般の統一地方選挙においても、地域交通や公共交通の充実を要望する声は大きいものでした。私もチョイソコの運行エリアに程近い住宅地の高齢者から次のような相談をお受けしました。相談者が利用するバス停は1日のバスの本数が少ないため、エリア外でもチョイソコを使えないかとの相談です。そのバス停では、午前中に市内中心部に向かうバスは3本。通勤時間を避けると、9時台に1本しかない現状です。また、最も早く帰ることができる時刻は16時25分。これではバスの利用は進まないと言わざるを得ません。5月の総務常任委員会でも、チョイソコのエリア拡大の報告がありましたが、バス路線が廃止となったところから導入するという方針は今後も続けるのか、バスの便数が極めて少ない地域へも積極的に拡大していくことはできないのか、お伺いします。また、運行実施には町会の負担があり、エリア外の利用は難しいと思いますが、バス減便が進む中、チョイソコの利用拡大の視点からも、エリア外の住民の利用を検討する余地はないのかも併せてお伺いします。 公共交通中心のまちづくりを進めるには、計画の見える化が大切であると考えます。これまでもエリアを拡大したカーフリーデー等の実施を求めてきました。そのために、国土交通省のほこみち事業を活用した公共交通中心のまちづくりの実証実験の開催が必要と考えますが、再度、御所見を伺います。 次に、パーク・アンド・ライドの拡充についてお伺いします。第3次戦略では、モビリティーハブの整備について触れられています。本来は商店街や市の福祉健康センターなど、市民生活の利便性や利用度の高い施設の周辺などから場所の選定をしていくものではないかと思います。実証実験の開催でも触れたように、市民の皆さんが公共交通の未来像を見て体験していくことが大切であると考えます。その点においても、パーク・アンド・ライドをモビリティーハブと見立てて拡充することがよい結果をもたらすのではないかと考えます。そこで、モビリティーハブの果たす役割と将来的にどの程度モビリティーハブの設置が必要とお考えか、伺います。加えて、設置の
スケジュールがあればお示しください。また、設置については、周辺市町との連携も不可欠と考えますが、併せて御所見を伺います。 また、パーク・アンド・ライドの拡充においては、用地の取得が課題となると思いますが、どのような進め方がよいとお考えか、伺います。また、パーク・アンド・ライドの利用促進において、クリアすべき課題についても併せてお聞かせください。 次に、自転車の利用促進について伺います。公共交通中心のまちづくりにおいて、自転車の利用促進は大切な取組であります。ヘルメット着用の努力義務が実施されましたが、自転車の事故や運転マナーの悪さが取り上げられることが多くなっています。先日、デンマーク式自転車教室のお話を伺う機会がありました。全ての世代に対して自転車教室などを行うことは、公共交通中心のまちづくりには有効な取組であり、京都市などの取組を参考に、本市としても取組を促進すべきと考えますが、御所見を伺います。 公共交通も10年後のまちづくりには大きなウエートを占めるものであると思います。その意味からも、自家用車を使わなくても生活ができるエリアの拡大という方針を具体的な目標を持って進めることが必要ではないかと考えますが、市長の御所見をお伺いし、この質問を終わります。 最後に、不登校支援について伺います。 文部科学省は、本年3月31日、誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策、COCOLOプランを発表しました。この中で、令和3年度の調査において、全国の不登校児童・生徒の人数が、小中学校生約24万5,000人、高校生を加えると約30万人となったとしています。そこで、本市における令和3年度の不登校児童・生徒数を伺います。加えて、本市の不登校児童・生徒の中で、いずれの学べる環境にもアクセスできていないと思われる児童・生徒の人数は現在どれくらいになるのか、お伺いします。 COCOLOプランでは、不登校児童・生徒に学びの場を速やかに確保するための取組が5点挙げられています。その中から、校内教育支援センター--スペシャルサポートルームの設置について、別室登校との違い、また、これまでよりどのような点が強化されるのか、お伺いします。 さらに、教育支援センターの支援機能の強化が挙げられています。本市では、支援を必要とする児童・生徒等に対して、
教育プラザ富樫と学校が連携した支援体制が取られていますが、今後はどのようにこの体制を強化していくべきとお考えか、伺います。さらに、この中で、オンラインの活用が取り上げられています。NPO法人カタリバのメタバース登校のほか、埼玉県戸田市、宇都宮市、大垣市など、メタバースを導入した他都市での不登校支援の事例を見ても有効な手段であり、本市としても検討に値するものではないかと思われますが、教育長のお考えを伺います。 次に、高等学校での切れ目のない支援について、中学校から高校等に進学する際、小中学校のようにスクールカウンセラーや心の絆サポーターに相談できず、支援が途切れてしまうことの対策を促しています。これまでもその入り口である高校等への進学の検討段階における通信制高校や金沢中央高校などを含めた情報提供の強化を本会議で提案してきました。これは保護者の皆さんからの強い要望でもあります。生徒と保護者が高校で受けられる支援体制を含め、高校の情報を得ることは大切です。それは児童・生徒の多くが高校には行かなければならないと考えていることからも、学校につながるチャンスでもあるからです。神奈川県教育委員会は、毎年、通信制や定時制高校などの説明会を県内数か所で開催しています。本市においても、不登校支援のため、高校進学段階における生徒や保護者を対象に県・市が連携して通信制や定時制高校への進学を含めた進路説明会の開催をお願いしたいと思いますが、教育長のお考えをお伺いします。 さらに、不登校児童・生徒の保護者への支援強化も取り上げられています。お子さんが不登校になった初期段階では、保護者、特に母親は子どもよりも悩んでしまい、孤立しがちです。支援というよりも、話を聞き、全てを受け止めてもらえることが大きな支えとなります。また、支援情報の周知にも取り組まれておりますが、それでも、もっと早く支援の情報が欲しかったとの声を今でもお聞きすることがあります。これまでの本会議でのやり取りもあり、保護者への支援の必要性については十分御理解いただいていると思いますが、不登校児童・生徒の皆さんの自立においても、大変重要な支援であることから、今後の教育プラザにおける保護者への支援の充実をどのようにお考えか、お伺いします。 さらに、COCOLOプランでは、早期に都道府県及び政令指定都市に不登校特例校の設置を目指すことに加え、将来的には、希望する児童・生徒が居住地によらず通える分室型も含め、全国300校の設置を目指すとしています。本市においても、設置に向けた検討をする時期に来ていると思いますが、お考えを伺います。 最後に、フリースクール等への経済的支援について伺います。本市では、不登校民間支援団体等連携推進費として支援がなされています。もとよりフリースクールの経営は厳しいものであり、物価高騰の影響を受ける中、事業の持続性を高めるための支援が必要であると考えます。民間支援団体おるたネットが調べた全国自治体の支援では、フリースクールを子どもの居場所として業務委託するケースや学習支援やイベントに係る経費の補助などを実施するものも出てきています。今回、子育て支援課では、こども応援ネットワークへの加入団体に活動費の支援が行われることになると思いますが、不登校民間支援団体等連絡会の加入団体にも新たな支援策を講ずることで多様な学びの場の持続性を高める支援について、市長の御所見を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
○高誠議長 村山市長。 〔村山
卓市長登壇〕
◎
村山卓市長 13番稲端明浩議員にお答えいたします。 初めに、新たな都市像につきまして、昨年度開催した意見交換の場では、10年後の金沢に対する御意見はもとより、地域コミュニティーや地区防災のほか、公共交通や
地域活性化など、地域における実情もお聞きし、地域の切実な課題やニーズについて改めて認識させていただきました。金沢では、歴史に培われた伝統文化と新たな文化を融合しつつ、独自の文化を形成し、さらに独特のコミュニティーを生み出してまいりました。そうした土壌に多様性を許容する風土が重なり、連帯と協調の精神が地域社会で培われてきたことで金沢独自の親和力が形成されてきたと思っております。他方、人口減少や少子高齢化が進む中で、地域コミュニティーの維持・活性化をはじめ福祉、教育、環境など、市政の各般にわたり、解決すべき課題が顕在化してきております。何より、これから10年後を見据えた都市像でありますけれども、その先をさらに見据えていかないと、人口減少、少子高齢化が歯止めがかからない、反転していかないというように捉えております。このため、この親和力を基盤にして、民間企業や高等教育機関の知見のほか、若者の柔軟な考え方、また、外部人材・移住者など、外からの視点もこれからのまちづくりに取り入れていくことで、金沢の魅力を磨き高め、次の世代につなげていきたいと考えております。 今年度、新たな都市像の策定とともに、その実現に向けた行動計画を取りまとめることとしておりまして、その中で、成果指標を盛り込んでいきたいと考えています。また、行動計画の策定後においても、社会情勢の変化や指標の達成状況などを踏まえ、毎年度、必要な施策の追加・見直しを行っていきたいと考えており、そうした取組を通じて住みよさを実感できるまちの実現につなげてまいりたいと考えています。 少子高齢化、人口減少の進展は、市政のみならず、我が国が直面する大きな課題と認識しております。新たな都市像と行動計画の策定に当たりましては、全庁横断的にそうした現下の課題を共有するとともに、コロナ禍を経た働き方、住まい方、消費行動などに関する市民意識、価値観の変容のほか、また、北陸新幹線の延伸など、市政を取り巻く環境の変化も踏まえることが重要であります。加えて、国の施策への積極的な呼応や県との連携も密に図りながら、本市が抱えるまちづくりの大きな課題を含め、具体の施策等の検討を進めてまいりたいと考えています。 文化の厚みについて御質問をいただきました。本市の文化は、歴史を礎に、革新の営みが融合する中で、産業とも連環しながら独自に深みを増してまいりました。一方で、地域の風土に根ざし、市民の暮らしに息づく中で、支える裾野が広がり、これらに多様な価値観が加わることで、重層的に発展してきたと思っております。議員は食文化の関係、例に挙げて捉えていただきましたけれども、市民の文化、何よりたしなみというところ、また、生活に根づいたものというのは非常に大きい金沢の文化の特徴であるというように考えております。このことによりまして、今日まで受け継がれてきた文化は市民共通のよりどころとなっており、これを支え、守り、磨き高めてきた多くの人々の活動こそが文化の厚みであると考えております。新たな都市像の策定に当たりましては、このことを踏まえまして、まちづくりや福祉、環境、教育などの各分野においても、年月の中で人と暮らしに関わる全てが文化を形成するという文化の本質に鑑み、まちへの愛着や豊かな心の醸成などを通じて、住みよさが実感できるまちを目指してまいりたいと考えています。 続いて、
物価高騰対策につきまして、本市では、昨年来、生活保護世帯や要介護度の高い高齢者等に対する市独自の光熱費高騰対策を講じてきております。加えて、物価高騰等が続く中、先般、専決処分をした低所得者世帯や子育て世帯への緊急支援給付金を支給しているほか、今補正予算におきまして、経済的な影響の多い多子世帯への給付金予算をお諮りしております。今般の県のLPガス利用世帯に対する支援策は、本市のこれまでの
物価高騰対策の上乗せ支援になるものであり、御理解いただきたいと思います。引き続き、物価高騰等の状況を注視するとともに、国や県の動向を見定め、本市としてなし得る対策を検討しながら、市民生活の安定に資してまいりたいと考えています。 景気の回復に明るい兆しが見える中で、
エネルギー価格をはじめとする物価高騰は市民生活や地域経済に大きな影を落としており、その影響が長期化していることに大変危惧をしております。このため、当初予算に引き続き、4月にも専決処分により支援策を予算化してきたところでありますが、今般の補正予算においても、市民生活の安定に向けて、経済的負担が大きくなっている多子世帯等への給付金を追加したほか、地域経済の活性化につなげていきたいとの思いから、事業者に対する
電気料金等の助成を盛り込んだところであります。こうした対策について、より効果的に対策を講じていくためには、県と市の連携が大事であります。連携を密にしながら、それぞれの役割や財政力を踏まえて必要な施策を実施していくことが重要であります。今回の補正予算では、中小企業等への対応で歩調を合わせ、県の制度に市が上乗せする支援策を計上したところであります。また、国に先んじて当初予算の段階で、本市独自の
物価高騰対策を盛り込んだほか、国の
地方創生臨時交付金を財源として、市民生活の安定に資する施策を講じてきたところであります。今後とも、物価の推移や国の動向を注視しつつ、県との連携も図りながら、時勢を捉えた必要な対策を講じてまいりたいと考えています。 〔議長退席、副議長着席〕 第3次
金沢交通戦略につきましては、これまでの歩行者・公共交通優先のまちづくりを踏襲しつつ、公共シェアサイクル、まちのりを含む自転車も活用し、交通から暮らしの質やまちの魅力を高めるまちづくりを進めていくことを打ち出しております。その実現のためには、公共交通の持続可能性を確保することが重要でありますが、人口減少・高齢社会の進展に加え、コロナ禍による利用の激減、燃料価格の高騰により、鉄道やバスなどの生活交通は厳しい状況に置かれております。このため、公共交通が不便な地域における地域運営交通の導入を進めるほか、
金沢MaaSにより公共交通の利便性を高めるとともに、国の支援制度も活用した北陸鉄道線の持続可能性の確保やバスのサービス水準の向上などに取り組むこととしております。市民意識について、公共交通に対する市民一人一人の意識がまず関心を持ち、持続的な交通の在り方を考え、実践するということが重要と考えております。例えば、公共交通の不便な地域にあっては、地域運営交通の導入を見据え、住民と意見交換を重ねるなど、自らの暮らしと公共交通を考えるきっかけづくりに注力しておりますほか、公共交通に関する意識啓発に向けた各種広報活動に取り組んでおります。加えて、公共交通を利用しやすい環境整備も不可欠であります。
金沢MaaSの取組を通じた鉄道、バス、まちのりなどの利便性の向上のほか、今回お諮りしているお帰り乗車券の取組など、公共交通がより魅力的なものとなるよう様々な施策に取り組んでいるところであります。 チョイソコかなざわは、昨年の西日本JRバスの大規模な路線廃止を受けまして北部地区で導入したものでありますが、市が支援する地域運営交通の運営方式の一つであります。高齢者などの移動手段を確保するため、今後も地域運営交通の導入を支援していくこととしておりますが、地域の実情に応じた移動手段が選択されるということが重要でありまして、市として一律にチョイソコの導入を促す考えはありません。なお、エリア外の住民によるチョイソコの利用につきましては、運行主体として費用負担している地元の意向も聞きながら、どのような対応が可能か研究してまいりたいと思います。 ほこみち制度につきましては、道路空間において、複数年にわたり継続的に歩行者が滞留できるにぎわいの空間を設けるものであります。歩行者、自転車、公共交通を優先したまちづくりを進める上では効果的な手法の一つではないかと考えております。まずは、今年度、社会実験として開催していきたいと考えております。ほこみち制度の先行事例も踏まえながら、商店街などと連携しながら検討してまいりたいと考えています。 モビリティーハブにつきましては、第3次
金沢交通戦略で様々な移動手段が相互に乗換えしやすい交通結節点であるモビリティーハブを各方面に整備する方針を掲げております。鉄道駅やバス停、パーク・アンド・ライド駐車場、駐輪場などを地域の実情に応じて組み合わせて配置したいと考えております。現在、導入箇所・方法の検討を行っているところでありまして、設置数など、具体的にお示しできる状況ではありませんけれども、令和7年度頃から順次整備する計画としております。これに向けて検討を進めるとともに、近隣市町とも連携し、広域的な交通ネットワークの形成に努めてまいりたいと考えています。 また、パーク・アンド・ライドにつきましては、これまでに東金沢駅と森本駅に公設駐車場を整備したほか、用地取得などの課題もあり、周辺市町や商業施設などの施設を活用した駐車場の確保に努めてきたところであります。パーク・アンド・ライドの利用促進のためには、駐車場に近接するバス停等の環境改善に加え、利用者・駐車場提供者・交通事業者それぞれがメリットを享受できることが重要と考えており、より効果的な施策の在り方を研究してまいりたいと考えています。 自転車の交通安全につきまして、本市では、小学3年生の自転車安全教室をはじめ、中学1年生のルール・マナー検定や高校生の通学時における街頭指導を実施するなど、小学生から高校生の児童・生徒を対象とした普及啓発活動に取り組んでおります。他方、ヘルメット着用の努力義務化が実施されたことから、これまでの取組に加え、京都市の事例も踏まえながら、カーフリーデーなどのイベントを活用し、より効果的な自転車の安全教育の実施について検討してまいりたいと考えています。 本市では、第3次
金沢交通戦略と集約都市形成計画に基づいて、中心市街地を核とした都市機能の集積を前提に、公共交通重要路線を軸とした沿線に居住を誘導することで、人口減少下にあっても都市の密度を維持していくこととしております。これらのエリアにつきましては、過度に自家用車に頼らず移動できる環境が確保されるものと考えております。両計画の推進を図ることで、将来的な実現を目指してまいりたいと考えております。 最後に、不登校対策についてであります。不登校児童・生徒への支援については、教育委員会、学校、地域社会、各家庭、NPO、フリースクールなど、多くの関係者が相互に理解や連携をしながら、様々な学びの場や居場所につなげていくことが重要であると考えております。これまでも、本市では、フリースクール通所への理解につながる体験機会の創出活動に対して支援をしております。今後も、本市と不登校民間支援団体等連絡会との丁寧な意見交換などを通じまして、一人一人に応じた支援の充実が図られるよう努めてまいりたいと考えています。 私からは以上です。
○中川俊一副議長 村角
都市政策局長。
◎村角薫明
都市政策局長 第3次
金沢交通戦略に関して、国からの補助要件ともなる公共交通の利用者増の考え方について御質問がございました。第3次戦略では、1日当たりの公共交通の利用者数を令和3年度の8万6,000人から計画最終年度となる令和9年度には、コロナ禍前の水準である12万3,000人以上に回復させることを目標として掲げているところでございます。 以上です。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 不登校対策についてお尋ねがございました。初めに、本市の不登校の実態についてお答えいたします。本市における令和3年度の不登校児童・生徒数は964名でございます。各学校では、学校に登校することができない児童・生徒に対しまして、教員が定期的に家庭訪問等で関わりを持つとともに、オンラインを活用した授業の実施や外部の専門機関への接触など、一人一人に応じた対応を行っておりますが、学校のほか、専門機関等で相談・指導等を受けていないと思われる児童・生徒数は388名であります。 次に、校内教育支援センターへの登校と別室登校の違いについてお答えいたします。本市では、これまでも別室登校する児童・生徒が個々のペースで落ち着いて学ぶことができるように環境整備と人的支援を行ってきており、今回、国からの通知に示された校内教育支援センターへの登校と別室登校の違いはないと捉えております。 次に、教育プラザと学校による今後の支援対策の強化についてお答えいたします。本市では、支援を必要とする児童・生徒等に対して、
教育プラザ富樫と教育プラザ此花において、学校とより丁寧な連携を図りながら、きめ細やかで専門的な相談支援を行っております。また、本市の不登校民間支援団体等連絡会や石川中央都市圏適応指導教室等との連絡会におきましても、多様な支援方法の検討や意見交換等を行っております。引き続き、社会的な自立に向けて支援体制の充実に取り組んでまいります。 次に、不登校支援のためのメタバースの導入についてお答えいたします。不登校支援のため、メタバースを導入した自治体からは、現実社会でのコミュニケーションや実体験が不足しがちになるという課題が見られる一方で、オンライン上の学校に通うことで生活習慣が整ったり、他者とコミュニケーションを取る機会が増えたりするなどの効果が見られると聞いております。仰せのメタバースを導入した不登校対策は不登校の改善に向けた有効な手段の一つとして以前から個人的にも注視しておりますので、今後、その導入に向けて研究を深めてまいります。 次に、不登校支援のための進路説明会の開催についてお答えいたします。これまでも、各学校では、金沢市中学校教育研究会進路指導委員会が作成した進路のしおりを用いて、通信制や定時制を含む石川県内の高等学校の情報を生徒や保護者に周知しております。通信制や定時制高等学校からの情報には、説明会や見学会の実施についても示されておりますが、加えて、学校の実情や生徒の実態を踏まえ、高等学校の先生を招き、説明会を開催している中学校も見られます。今後も、校長会議等を通じて各高等学校の概要や入試等の情報が不登校生徒やその保護者に確実に伝わるよう注意喚起してまいります。 次に、今後の教育プラザでの保護者支援の充実についてお答えいたします。不登校児童・生徒の支援に当たりましては、その保護者を支えるということも大変重要であると認識しております。これまでも教育プラザにおきまして、面接相談や電話相談など、保護者への専門的支援を実施しております。不登校支援リーフレットを作成し、適応指導教室での支援や心の絆サポーター等の家庭訪問、別室登校やフリースクールの情報など、児童・生徒が多様な学びの場や居場所につながるよう、情報の提供に取り組んでおります。引き続き、保護者が真に必要としている情報が得られるように取り組んでまいります。 最後に、不登校特例校の設置についてお答えいたします。現在、金沢市におきましても、不登校児童・生徒が増加傾向にあることは喫緊の課題であると捉えております。仰せの不登校特例校の設置につきましては、不登校の状況を改善する有効な手だての一つと捉えており、国の動向や先行自治体の成果と課題を踏まえつつ、今後も研究を深めてまいります。 以上でございます。
○中川俊一副議長 32番森一敏議員。 〔32番森 一敏議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆森一敏議員 みらい金沢の一員として、以下、御質問させていただきます。 自治力の向上、そして、市民の皆様の多様性、個人の尊厳の尊重、そのためにみらい金沢は新人の3人のメンバーと共に4人で奮闘してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、まず、第1点目の質問です。補正予算における集落営農活性化促進費等について御質問いたします。 今次補正に、国の交付決定内示を受けて、大規模農家、集落営農、加賀野菜、特産果樹及び園芸作物の各生産者に対し、農業資機材の導入を支援する総額5,930万円が計上されました。本事業の具体的な内容をお尋ねするとともに、中でも集落営農活性化促進費に込めた農業施策上の期待についてお答えください。
○中川俊一副議長 山森
農林水産局長。
◎山森健直
農林水産局長 今補正予算に計上しました農業振興費でございますが、いずれも中核的な担い手となる農業経営体や生産部会に対する農業機械や施設の導入を支援するものでございます。中心経営体等機械・施設導入支援費につきましては大規模な農地の担い手の田植え機等の購入を、集落営農活性化促進費につきましては7つの集落営農組織の効率的な耕作に必要なコンバイン等の購入を、また、加賀野菜産地生産基盤強化費など3事業は、加賀太きゅうりやルビーロマン、スイカ、梨、花のストック等の生産拡大と品質向上を図るためのパイプハウス等の設置をそれぞれ支援するものでございます。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎
村山卓市長 農業施策上の期待についてお答えいたします。農業者の高齢化の進展や担い手不足が進む中、地域農業の中心となる担い手を確保するため、本市では、JA等関係機関と協力しながら、これまでも認定農業者や地域の生産者で構成される集落営農組織を育成してきております。個別経営の小規模な農家については固定費が大きく、収益も少なくなりがちであるというのに対しまして、集落営農組織は担い手への農地の集積、機械などの共同利用による労働時間の短縮や生産コストの低減などによりまして所得向上を図ることができることから、今後も、安定的、かつ継続的な農業経営が期待されるものであります。現在、市内には36の集落営農組織がありますけれども、国の手厚い支援の対象となる法人化の推進も含めて、さらなる育成に努めてまいりたいと思います。
○中川俊一副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 日本の農政は大きな転換点に差しかかっていると私も認識をしております。特に地球規模の気候変動への対策、脱炭素、また、食料自給率、その向上、あるいは安全な食材、今日的にはオーガニックというものへの大変な期待が高まってきているわけです。そうした持続可能な今後の農業の在り方、第1次産業の在り方、これについて、国はみどりの食料システム戦略、これを提唱しておりますし、金沢市も石川県と共同で基本計画を策定したということを伺っております。今日は時間がありませんので、今後、また、この金沢の農業政策の在り方につきましてぜひ議論をさせていただきたいと、そう思っております。 2点目に移ります。人権と多様性尊重の施策に関わって申し上げます。 閉会した通常国会で人種と多様性尊重に逆行するとの懸念から、当事者や支援者が強く反対する中、出入国管理及び難民認定法の改正、性的少数者--LGBTなどへの理解増進法が成立しました。今日、紛争国地域ウクライナ、アフガニスタンからの避難民が本市で生活し、その支援にも理解を示してきた本市として、また、LGBTQの人権尊重を呼びかける市民活動の舞台ともなり、同性カップルのパートナーシップ宣誓制度をいち早く導入してきた本市として、これらの立法をどのように受け止めておられるか、村山市長の御所見をまず伺います。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎
村山卓市長 この出入国管理及び難民認定法の改正の中では、国においては、法律の制定に当たって様々な議論があったということは認識しております。今後、国において個々の多様性を認め、人権を尊重した運用がなされるものと考えております。
○中川俊一副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 様々な議論があったということは御理解をなさっておられると思います。その中で、この出入国管理法の問題でいうと、本国への強制送還の可能性が高まる、これは排除の論理が非常に強化をされた、そのように当事者や支援団体は大変懸念を表明しておられます。金沢市も多様性の尊重を掲げておりますので、排除の論理ではなくて包摂する--包み込む、そして、多様性を尊重しながらお互いが高め合っていく、支え合っていく、そういう中で、この在留の方々の共生の問題に取り組んでいくというのが金沢市の責務になっているんじゃないだろうか。その観点に私は立たねばと思います。同様に、性的少数者への理解増進法ですけれども、これは当初の立法の趣旨から逆行するような方向で残念ながら法が成立をした。このことは大変強い抗議が上げられている、御承知のとおりです。金沢にゆかりのある方も極めて強い懸念を表明なさっておられます。個人の尊厳、ここから物事をスタートしていく、こういう人権尊重や個性の多様性尊重、そういう責務というのは自治体にさらに高まっていると思うんですけれども、この認識について、市長に改めて、もう一度、御認識を伺います。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎
村山卓市長 今回、国において、こうした法制度が整えられたということについては、少なくとも一歩前進であるというように思います。各自治体の中では、その対応に差があるという中で、国が一定の基準を設けてきた。その中で、また、自治体によっての個別のその方々が生活する中での対応というものが求められるのであろうというように思っております。そういった意味では、制度化されたことの一つの前進とともに、また、自治体での独自の政策も求められるものであるというように思っています。
○中川俊一副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 今おっしゃられました自治体の独自政策、これに関わって質問を続けます。ダイバーシティ人権政策課と課名からも多様性ある社会の推進を標榜する本市は、性的少数者への理解増進法の成立によってマイナスの影響を受けることはないのか。また、パートナーシップ宣誓制度の拡充、さらには、その条例化や包括的に差別禁止の趣旨を持った条例制定の方向性についても併せてお考えを伺っておきます。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎
村山卓市長 本市では、これまでも金沢市人権教育・啓発行動計画に基づきまして、市民に対してパートナーシップ宣誓制度やLGBT相談を実施しておりますほか、市職員、あるいは教職員向けに多様な性への理解の促進と支援のためのハンドブックを作成するなど、性的マイノリティーへの取組を行ってきております。性の多様性に関する理解の増進について定めた今回の法律制定は、本市施策のさらなる推進につながるというようにも考えております。また、パートナーシップ宣誓制度の導入以来、既に15組が利用しているなど、スムーズな運用がなされているということから、御提案の条例の制定については考えておりませんけれども、今後、引き続き、他の自治体の事例調査、あるいは関係団体等への意見聴取を行うほか、宣誓制度の導入を目指す石川県の動向にも注視しながら、利用できるサービスの拡充について検討していきたいというように思っています。また、本市では、既に金沢市人権教育・啓発行動計画に基づいて、障害のある方や特定の国の出身者などへの差別を禁止する法律に沿った取組を実施しております。包括的な差別禁止条例の制定については今のところ考えておりません。
○中川俊一副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 15組のカップルの方々が宣誓制度を活用なさっておられるということですので、さらなるその拡大、これに向けては法をさらに背景として前進させていきたいと、そういう決意を述べられたものと受け止めておきたいと思います。他の様々な差別の解消に向けてのこの条例化、私は必要であるという考えを持っておりますが、その条例を制定することによって、共通した個人の尊厳というものについて、市民が共通の認識を深めていくことができるようにする、そのことに包括的な条例制定の意味があろうかと思いますので、これは引き続きまた議論をさせていただきたいと思います。 ところで、金沢に各地から集結した32人の外国籍の男女が入管難民法違反の容疑で一斉に摘発されたとの報道がありました。石川県警及び名古屋入管は、元技能実習生、留学生らに対し、不法残留や資格外活動の疑いで強制退去を視野に詳細を事情聴取するとしておりました。外国人技能実習制度は日本の技術移転による国際貢献を目的とする研修制度です。特定技能制度は入管難民法で労働力不足産業を特定して、労働力として受け入れる制度です。人手不足が深刻化する中、事実上の外国人労働者の受入れ数は増加をたどっております。北陸労働局の統計では、ハローワーク金沢管内で働く技能実習生は、昨年10月末で1,369人となっています。特定技能を含め専門的・技術的分野の在留資格者は1,138人です。それぞれ県内在留者の30%、24.9%が金沢管内です。ちなみに、管内の外国人労働者総数は39.9%、受入れ事業所の所在も47.9%を金沢管内が占めております。石川県で外国人在留者の支援に当たってきたNPO法人は、「後を絶たない不法滞在や失踪事件は本人に責任を求める風潮が強いが、本国からの送り出し時の借金、日本での低賃金、劣悪な労働環境、在留制度への本人、受入れ事業者、双方の認識不足、日本語の壁、日本社会での出身母国の文化への無理解などが背景にある。」とした上で、「人権を無視した人身売買かのように見えるようなこの制度を改めるとともに、日本社会における多文化理解とその共生の仕組みを整えれば、こうした事件は減らすことができる。意欲も高く、技術や生活能力を高めて地域に定着し、地域住民として永住もできるようになれば、地域の持続的な経済にも貢献できるようになる。そのための官民学連携による支援施策を充実させ、石川県や金沢市が外国人から選ばれるモデル地域となれたと思う。」とも語っておられます。そこで、お尋ねします。この法人によれば、県内で生活する技能実習生などから、月に100件近くもの相談が寄せられることもあるといいますが、労働政策課からは、これまでにこうした在留者からの労働相談実績はないとのことです。市長はこうした実績をどのように受け止められますか。 また、国際交流課がNPO法人に委託する日本語習得支援事業の拡充やダイバーシティ人権政策、労働政策などとも部局横断した在留者支援施策の今日的な必要性に対する市長の御認識も併せて伺っておきます。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎
村山卓市長 労働実績についてですが、ここ数年は労働政策課相談窓口への在留外国人からの相談実績はありませんでしたが、国における技能実習制度などの在り方の議論に加えまして、今般の本市での入管難民法違反の事案等を契機に相談が増えることも想定されると考えております。引き続き、在留外国人の労働相談につきまして、所管である石川労働局やハローワーク金沢との情報共有をはじめ、国際交流課など、庁内関係課とも連携を図りながら丁寧に対応していきたいというように思っております。 また、在留外国人について、これから、特に労働力が不足していくという中にあって、国策としてどのように外国人を受け入れてくるかということも議論が始まってくるのではないかというように思っています。そういうような中で、日本語習得支援事業については非常に重要だというように思っています。これまで、外国人住民が多く居住している大桑地区と田上地区において日本語学習支援教室を開設しておりまして、参加する外国人住民の方からは、身近な地域での日本語の学習機会や日本人との交流の場として活用しているとお聞きしております。他方、教室の運営に当たりましては、地域団体や大学、ボランティアとの連携は欠かせないということから、今年度新たに関係者による連絡会議を開催するとともに、学生ボランティアの参加促進に向けたモデル事業の実施に取り組んでおります。日本語学習支援教室は、言葉による孤立を防ぐというだけではなくて、多文化共生のまちづくりにもつながるというように考えておりまして、モデル事業の効果を検証して、今後の施策の検討に生かしてまいりたいと考えております。 また、部局横断の必要性についてであります。市民向けに外国人の人権に関する啓発のための講演会の開催、また、外国人住民向けには、日本語習得支援や多言語生活ガイドの発行に取り組んでいます。また、市が実施する女性相談や労働相談では、外国人からの相談も受けるなど、それぞれの担当部署での専門性を生かして対応しております。先ほど申し上げたとおり、これからさらに国際化が進み、外国人住民の増加が予想されるということから、市民と外国人住民が互いの歴史、文化、習慣など、違いを理解し、互いを尊重し、共生していけるように、部局間は当然ですけれども、民間団体との連携もより深めていけるよう検討していきたいと思います。
○中川俊一副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 課題は大変多岐にわたっておりますので、金沢市の自治体としての総合力、これを国や県の機関とも連携をしながら、その力を発揮していく、そのことによって、この金沢市というのは人間らしく生活ができるし、幸せを地域の人たちと共有できる、そういうまちだと、あるいは、そういう県だという、そういう情報が世界各地へ広がっていくということを私は夢見ておりまして、ぜひ、その総合力を持つ自治体としての下支えの事業というものをぜひ拡充していただきたいと、そのことを重ねてお願い申し上げておきたいと思います。 それでは、3点目、教科書採択の手続について質問いたします。 今年度、小学校で使われる教科書に対する採択手続が行われます。また、来年度は中学校です。これに先立ち、本年3月31日付で、文科省初等中等教育局長から通知が出されました。教科書採択における公正確保の徹底について、この通知の趣旨をどう捉えておられるのか、野口教育長にお尋ねします。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 今ほど触れられました3月31日付の教科書採択における公正確保の徹底等についての通知におきましては、教科書採択は採択権者の判断と責任により、綿密な調査研究を踏まえた上で、公正性・透明性に疑念を生じさせることのないよう適切に行われることが必要であると示されております。この通知を踏まえ、本市の子どもたちの実情を考慮して、金沢市教育委員会が責任を持って本市の子どもたちに最もふさわしいと思われる教科書を採択することが必要であると考えております。
○中川俊一副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 通知の趣旨、これについては異存のある者は恐らくないだろうということは思いますが、ここで述べられております--今御答弁にもありましたが、綿密な調査研究を踏まえるということ、そして、公正性・透明性に疑念を生じさせないようにすること、保護者や地域住民に対する説明責任、この3つ、これがキーワードになると思いますが、これらをどうやって担保していかれるか、お尋ねしたいと思います。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 大変大事な質問でありますので、少し長くなりますが、お聞きください。これまでもそうなんですが、本市の教科書採択につきましては、公平かつ公正な教科書採択を行うため、まずは教育委員会は、金沢市立義務教育諸学校教科用図書採択取扱要綱に基づいて、教科用図書選定委員会を設置し、当該選定委員会に採択に係る意見の答申を諮問することにいたしております。次に、諮問を受けた選定委員会は、教科ごとに綿密な調査研究を行う教科用図書調査委員会及び各学校における教科用図書研究委員会の報告と、また、教科書展示会での市民の御意見や採択に係る要望書等を踏まえながら審議し、採択に係る意見を教育委員会に答申することになっております。答申を受けた教育委員会は、その答申内容を基に、全ての教科書を慎重に審議し、教育委員会の責任において採択を行っております。なお、これまでも開かれた採択の推進に向けて、採択の結果及びその理由、教育委員会議の議事録、選定委員会の議事録、調査委員会議の議事録、その他、教科用図書研究のために作成した資料を全て公開してきており、これらを通して、今回の採択におきましても、十分に採択権者としての判断と責任を果たしてまいりたいと考えております。 以上です。
○中川俊一副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 採択までの仕組み、これの御答弁がありました。その中で、私は特に重要だと思いますのは、選定委員会、ここでそれぞれの分野の教育内容、教科、それから教育手法、方法、様々な専門的な知見、経験を持っている、そういう方々によって答申が作成されるわけです。その答申が採択の教育委員会会議に提出されるということなんですが、この答申というものの意味といいますか、なぜ、この答申という制度を設けているのか、このことについて、教育長、どうお考えなんでしょうか。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 教科書採択におきましては、あくまでも採択をする責任は教育委員会にあります。その教育委員の方々が審議をする際に対しまして、そのときの大事な御意見として、そのことを参考にするために答申を頂戴している。そんなふうに考えております。
○中川俊一副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 その教育委員会議で採択を行っていくときに、この答申がどうしんしゃくされたか、それをどのように判断につなげていったか、ここが非常に疑問視されるような採択手続も一部にあるということは申し上げておかなければなりません。ここを透明化をしなければいけない。先ほどの御答弁の中で触れられていなかったのは、教育委員会議が非公開でなされていること。そして、公表された様々な関係資料の中で、この採択の会議における教育委員の発言の名前が伏せられていること。このことが触れられていないんです。この開かれた採択、透明性ある説明責任、この観点からして、この2つのことについて、教育長はどうお考えですか。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 いわゆる会議の公開、それから、議事録上への教育委員の氏名の公表、こういうことについてのお尋ねであったかと思っておりますけれども、教育委員会議等における教科書採択の審議経過につきましては、あくまでも意思形成過程であり、静ひつな採択環境の中で自由闊達に議論を行いたい、また、公平性・中立性を保つ必要がありますことから、会議の公開につきましてはこれまでも行っておりません。また、加えて、教育委員個々人の活動にその後の影響が出る懸念もありますことから、議事録の発言者の掲載についても行ってきておりません。こうしたこれまでの経緯と本年の3月31日付の教科書採択における公正確保の徹底等についてで記されております静ひつな審議環境の確保等の観点から検討を行い、会議の公開・非公開を適切に判断することや、また、同日付で通知が出ておりますが、令和6年度使用教科書の採択事務処理についてで、これも示されておりますけれども、公表の時期・方法等について、不断の改善を図る、このことを基にしながら、会議の公開や議事録への発言者の記載につきましては、今後、教育委員で真摯に話し合ってまいりたいと考えております。
○中川俊一副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 疑念を生じてはいけないということです。そのためにどうあるべきか。今の御答弁の中で、これからさらに真摯に話し合っていく。検討を加えていくという、そういう御答弁と私は理解をいたしますので、ぜひ、そうした立場に立って、より透明化を、より公正さを、説明責任を強化をする、そういう方向でぜひ検討していただきたいと、そのように受け止めておきたいと思います。 ところで、金沢市採択区の教科書採択は、全国からその透明性と公正性をめぐって注目を浴びております。その理由は、記述内容が不適切なために、前回、2020年採択で、全国1%の採択率に落ち込んだ中学校歴史教科書が2015年度から連続採択されていることです。また、その採択が完全密室とも言うべき非公開で行われ、議事録でも発言した教育委員名が伏せられているため、採択を決する教育委員の判断が分からない。これは今申し上げたとおりです。このような教科書がどのような調査研究の結果を根拠として、いかなる議論と判断で採択に至ったのか、理解に苦しむ。こういう声があります。私もそう思っている一人です。この疑問に対して教育長はどうお答えになるか。再度の答弁に近いかもしれませんが、お答えいただきたいと思います。
○中川俊一副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 今の歴史教科書の採択ということについて絞られた御質問であったのではないかなと思っているんですけれども、前回の歴史教科書の採択のその時点で、今回我々が中学校で使用している教科書の採択率が1%、そんなことにつきましては、その段階で全く分かっておりませんでした。そして、その採択に当たられた教育委員の方々は、自分自身が金沢市の教育委員であるとの、大変自覚を大事にされている。そして、他の自治体の採択状況に左右されないで審議に臨まれていたと私は思っています。前回、初めて、自分は、地教行法が変わりましたので、1人の教育委員の立場ではなく全体を統括する立場で進行させていただきましたが、その中で、教育委員の発言はひしひしと感じさせていただいております。そして、私も意見を述べる立場にありますので、必ず子どもたちの学びの姿を思い浮かべながら、よく学校を訪問して、子どもたちの授業の様子を見させていただいていますけれども、そうした姿とか、各発行者の教科書について、自分なりに深く、いろんな観点をつくりながら研究を深め、そして、各教育委員と慎重に審議を行い、公正、かつ適正に判断させていただいたと今でも思っております。今ほど答弁させていただきましたけれども、これから、先ほどの2つの通知を通しながら、会議の公開とか、議事録への発言者の記載につきましては真摯に話し合ってまいりたいと思います。
○中川俊一副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 これから真摯に話し合っていきたいと、教育委員さんたちとも協議をしていきたいと、こういう御趣旨かと思いますので、ぜひそうなさっていただきたいと思いますが、1点、申し上げておきたいのは、2020年ですか。2度目の採択の際、既に全国状況6%だったんです。6%です。これは教育委員さんも御存じだったんじゃないかなということを思います。それは一体なぜなのかということ。今回、さらに1%ですから、さらになぜなのかということを、様々な情報を得る機会も活用していただいて、そのことも含めて、ぜひ適正な採択論議になるように併せて求めておきたいと思います。 端折りますけれども、全国は公開、採択会議そのものを公開する趨勢です。テレビカメラが入る、そういう自治体まであるんです。県内でも既に会議そのものを公開している自治体が一つあります。何の問題もないと、こう言っています。教育委員には社会的責任がありますので、教育委員が一人の教育委員としてどう判断したかということを市民のどなたに問われても答える責務があるんです。これがこれまでの金沢の情報の非公開のやり方というものが、それを閉ざしてしまっているし、その責任を果たさなくても済むようにしている。ここは大いに見直していただかなきゃならないと、そう思います。そのことを申し上げて、次の質問に移ります。 4番目は、市民のつぶやきから、ワンストップ「お悔やみコーナー」設置を切望する声についてです。 かけがえのない家族や親族を失ったときに、痛手を負った遺族の心に重くのしかかるのが死亡・相続に関する諸手続です。私の元にも、御高齢に達した市民から、御自身亡き後の手続で子どもに負担をかけたくない、この煩雑な手続に市役所や関係機関を何度も往復するようなこと、何とかなくせないものかと要望が寄せられております。この死亡・相続手続を市役所内でワンストップで行える、いわゆるお悔やみコーナー設置の動向に注目が集まっております。国は、2020年5月に、お悔やみコーナー設置ガイドラインを自治体に示し、さらには対応ソフト、お悔やみコーナー設置自治体支援ナビを提供し、その設置を促しております。国のモデル事業採択から本格設置に至る自治体の事例も報じられているところです。2022年度の年間死者数は全国で158万人と最多を数え、本市でも、2021年統計、これによりますと、4,824人と増加傾向をたどっております。死亡・相続手続のワンストップ化は多死社会における社会的なニーズになっているのではないでしょうか。そこで、お尋ねします。本市が設置するお悔やみ手続案内窓口の業務内容についてお聞かせください。さらには、国が促すお悔やみコーナーの到達目標に照らし、ワンストップ化への課題と展望をお聞かせいただきたいと思います。
○中川俊一副議長 紙谷市民局長。
◎紙谷勉市民局長 本市では、市民課内に設置したおくやみ手続案内窓口におきまして、ハンドブックを活用した相談案内を行っておりますほか、必要に応じて職員が関係課へ御案内するなど、手続がスムーズに行えるよう努めているところでございます。また、昨年、死亡後の必要な手続を自宅にいながら確認できるよう、本市のホームページの行政情報自動案内システムにおくやみ手続に関する項目を拡充したところでございます。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎
村山卓市長 国のほうの動向を踏まえてということでございます。死亡・相続手続のオンライン化によるワンストップ化に向けて、国のほうでは、現在、課題を整理しているというように承知しております。お悔やみに関する行政手続のワンストップ化ですが、市役所以外にも法務局や年金事務所など多岐にわたります。おのおので手続の範囲も異なり、また、集約した窓口体制の構築やシステムの導入などに課題が多いというように承知しておりますが、国の動向を注視するとともに、他の自治体の運用方法なども参考にしながら、こちらはなるべく御遺族の思いに寄り添った手続が行えるように、本市でのおくやみ手続案内窓口の在り方について検討してまいりたいと考えております。
○中川俊一副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 前向きな御答弁をいただいたというふうに受け止めておきたいと思います。 本市が発行している資料を改めて読みますと、多い方で、お一人20項目必要な手続があるわけです。全てこれをということではないにしても、最大で20、これは相当の数であると思います。そして、その資料の提出がなかなか1回で終わらないと。繰り返しやってこなければならないというようなことがそれぞれについて起こる可能性もあるということで、大変なやはり
負担感、負担そのものが手続を行おうとする方にかかってくるという状況です。これを何とか少しでも軽くしようということで、先行自治体が様々な取組を今進めているという状況があると思います。これは、これもまた社会の趨勢ではないかと、こう思いますので、ぜひ、その具体的な調査、その上で、現行の金沢市に置けば、ワンストップ、一気にいけないかもしれないけれども、この部分を今よりも負担を軽くする、円滑に手続ができるようにサポートしようと、そういう具体的な検討をぜひやっていただきたいと思うわけですが、再度、御答弁をお願いしておきたいと思います。
○中川俊一副議長 村山市長。
◎
村山卓市長 このお悔やみの関係については、何回も手続をすることに慣れているという人はなかなかいらっしゃらない。初めてこの手続をしなければならない方が多い中で、さらに遺族となり、亡くした思いがある中で手続をしなければならない。そういったことから、遺族の方に寄り添って手続を進めていきたいというように思います。このことは、市役所のほうにとっても、手続を円滑化するというメリットもありますし、他自治体の動向も踏まえながら、より効率的な手続をしているところの例も勉強しながら検討してまいりたいと考えています。
○中川俊一副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 市役所とは、市民のお役に立つところ。困ったときは、市役所に行ったら助けてもらえる。いろんな場面があると思いますけれども、この大切な人がお亡くなりになった、その直後、ぜひ、その思いに寄り添った、そういう手続ができるように、ぜひ、鋭意検討を進めていただきたいと、そのことを再度お願いをいたしまして、私の質問はこれで終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○中川俊一副議長 以上で、32番森一敏議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△休憩
○中川俊一副議長 この際、暫時休憩いたします。 午後0時2分 休憩----------------------------------- 午後1時0分 再開
△再開
○高誠議長
出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△質疑・一般質問(続き)
○高誠議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 31番森尾嘉昭議員。 〔31番森尾嘉昭議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆森尾嘉昭議員 私は、日本共産党市議員団の一人として、以下、質問いたします。 最初の質問は、本市平和都市宣言と核兵器廃絶への取組についてです。 本市平和都市宣言は、昭和60年--1985年に議決されました。その中で、核兵器の全面禁止・廃絶は人類全ての願いであり、我々はその実現に向けて不断の努力をしていかなければならないと明記されました。市長は、この本市平和都市宣言をどう受け止めておられますか。そして、核兵器の全面禁止・廃絶に向けての決意を伺います。
○高誠議長 村山市長。
◎
村山卓市長 平和都市宣言、昭和60年、そして、この中では、核兵器を禁止、なくしていくために姉妹都市との交流なども含めて規定されております。議決されております。核兵器の廃絶、そして、世界の恒久平和の実現、さらには戦争はあってはならないということについて、これは先般、G7サミットで各国首脳が、これは広島で開かれ、そして、平和記念資料館などを訪れたということもありましたが、恒久平和への願いというのは世界共通のものであろうというように思っております。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 去る6月12日、スウェーデンにあるストックホルム国際平和研究所が世界の核弾頭について明らかにしました。世界が保有する核弾頭は1万2,512発あり、使用可能な物が9,576発だとしています。研究所のダン所長は、人類史上最も危険な時代に知らず知らずに入ろうとしていると、こう指摘されました。一方、さきに開かれた主要7か国首脳会議で、広島ビジョンがまとめられ、核兵器による核抑止力を公然と宣言しました。これに対して、被爆者団体などから批判が相次いで表明されました。2017年、国連総会で採択された核兵器禁止条約は今年1月現在、92か国が署名し、68か国・地域が批准しています。今年11月、国連で第2回締約国会議が予定されております。核兵器全面禁止・廃絶への取組は世界規模に広がり、力強く前進しています。市長、本市平和都市宣言は、核兵器の全面禁止・廃絶に向けて不断の努力をしていかなければならないとしております。本市の具体的取組について明らかにしていただきたいと思います。
○高誠議長 村山市長。
◎
村山卓市長 本市では、平和都市宣言に基づきまして、毎年夏に、原爆と人間展を開催しておりますほか、
姉妹都市交流、これも若年層からの
姉妹都市交流、さらには自治体国際化協会(クレア)などを通した自治体間交流、さらに、民間での海外交流なども行っておりまして、今後も継続して実施することで、広く市民に平和の尊さと戦争の悲惨さを伝えていきたいと考えています。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 本市は、平和首長会議に参加しております。この会議は1982年に設立され、世界165か国・地域から8,002の都市が加盟し、核兵器廃絶に向けた取組が行われております。昨年10月、加盟都市会議が開かれ、会長である広島市長と副会長の長崎市長による要請文が政府に提出されました。内容は、政府に対して、一刻も早く核兵器禁止条約に署名・批准すること。核兵器禁止条約会議にオブザーバーで参加するよう要請をするといたしました。市長は、平和首長会議による国への要請について、どのように受け止めておられますか。そして、自らも具体的行動が求められていると思いますが、見解を伺います。
○高誠議長 村山市長。
◎
村山卓市長 核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現については、人類共通の悲願であります。今後とも、平和の尊さ、戦争の悲惨さを後世に伝えていかなければならないというように思っております。国への要請につきましては、平和首長会議として既に行ってございます。改めて、市として個別に直接要請する考えはありません。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 本市平和都市宣言に基づいて核兵器廃絶と全面禁止に向けて取り組んでいかれるよう強く求めておきたいというふうに思います。 質問の第2に、市民生活と営業をどのように守っていくか、補正予算と関連して伺います。 北陸電力は電力料金をこの6月から39.7%の値上げを実施しました。これによって、平均家庭では1か月当たり2,500円余りの電気料金が増加することになりました。この5月の消費者物価指数が昨年同月比4.3%上昇し、12か月連続となりました。物価高騰が市民の暮らしを直撃しています。給料はなかなか上がりません。厚生労働省の発表によると、実質賃金は13か月連続のマイナスとなっています。給与総額をベースにすると、1人当たり8万円が減少したことになります。さらに、医療・介護分野の保険料や負担が増加し、市民の暮らしは一層厳しい事態に追い込まれています。市内の事業所では、電気料金や資材等の値上げが経営の困難に拍車をかけています。商品価格への転嫁もできず、事業継続の危機を迎えております。市長はこうした実情をどのように受け止めておられますか、見解を伺います。
○高誠議長 村山市長。
◎
村山卓市長 エネルギー価格をはじめとした物価高騰、また、実質賃金の減少についても、市民生活や市内事業所のほうに大きな影響を与えているというように思っております。また、その影響が長期化しているということに大変危惧しております。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 電気料金の値上げ、物価高騰が続く中、全ての市民と事業所を対象とする支援策が求められていると考えます。国や県の支援策の対象とならない方々や支援の強化が求められている事業所などへの具体策が必要だと思います。我が党市議員団は去る5月26日、市長に対して6項目の緊急支援の提言、申入れを行いました。今回提案された補正予算では、本市独自の子どもを育てる世帯への支援策や事業所に対する本市独自の支援策が提案されております。市長、全ての市民と事業所を対象とする支援策について、どのように考えられ、今回の補正予算を組まれましたか、伺います。
○高誠議長 村山市長。
◎
村山卓市長 昨今の物価の高騰について、広く市民に影響していることは認識しておりますけれども、予算が限られているという中で、その影響を特に強く受けている市民や事業者等を優先的に支援する必要があると考えております。既に当初予算のほうでは、プレミアム商品券事業等をさせていただきましたが、今回の補正予算の中では、これまでの低所得者世帯や福祉施設、学校給食費等への広い支援を行ってきたことに加え、そして、今回の補正予算につきましては、国の交付金を使用して、多子世帯、あるいは高圧電力契約を行っている中小企業等への助成を追加するなど、対策を講じてきておりますことを御理解いただければと思います。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 では、今回の補正予算の財源の問題について、その角度から見てみたいと思います。国の交付金によって、本市が使える財源として10億円あります。さらに、7億円の交付金が残っています。今回、こうした財源を活用し、市民生活と営業を守るために全力を挙げなければならないと考えます。では、今回の補正予算で交付金の活用は7億7,600万円にとどまりました。補正予算の規模が全体で24億円です。本市が全力で財政出動を行い、市民生活と営業を守る施策を打ち出したと、こう言えますか。市長の見解を伺います。
○高誠議長 村山市長。
◎
村山卓市長 本市では、国に先んじて当初予算で
財政調整基金を10億円取り崩しております。その中で、本市独自の
物価高騰対策を盛り込んでおります。さらに4月の専決処分と今回の補正予算を合わせまして、国が本市に配分した
地方創生臨時交付金10億円のうち約9億4,000万円を活用することとしており、市民生活の安定と地域経済の活性化に全力を尽くしているところであります。なお、国からの
地方創生臨時交付金の余剰分である約7億円につきましては、今年度の事業で活用することとしております。今後の物価の推移、また、国の動向を注視しつつ、時勢を捉えた必要な対策を講じてまいりたいと考えています。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 国からの交付金についてはまだ残っていると。7億円もある。まだあると。全力で財源投入を行って、市民生活、営業を守るために本市が取り組まなければならないと考えます。具体的に3つの点について伺っておきたいと思います。 まず、上下水道料金の減免についてです。小松市では、水道料金をこの9月から7か月間、1月当たりの契約で毎月1,000円を減免するということを打ち出しました。本市において、上下水道料金の減免実施ができないのか。
公営企業管理者にまず伺います。
○高誠議長 松田
公営企業管理者。
◎松田滋人
公営企業管理者 小松市では、
物価高騰対策として、国の
地方創生臨時交付金を充当して水道料金の減免を実施するとお聞きしております。本市におきましては、市長部局において、交付金を活用した様々な
物価高騰対策が講じられておりますことから、御提案のあった減免は考えておりません。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 では、市長に伺います。交付金、一般会計で使っちゃったというような発言でした。市長はどう考えますか。できない理由というのは一体何なんですか。
○高誠議長 村山市長。
◎
村山卓市長 予算が限られているという中で、効果的な
物価高騰対策を講じたいという思いの中から、今回の補正予算の中では、とりわけ物価高騰の影響を強く受けている市民や事業者等を対象とした支援策をお諮りしているところであります。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 2つ目に、医療機関等に対する支援策について伺います。県は、今回の補正予算で、病院に対して1床当たり3万円、無床診療所に対しては1施設当たり10万円の支援を打ち出しました。本市としても独自の支援策を行う考えはありませんか。見解を伺います。
○高誠議長 村山市長。
◎
村山卓市長 石川県からは、県医師会からの要望を受けて、医療機関などの病床数や施設類型に応じて光熱費上昇による影響等を算定して、本市を含む県内全域の医療機関等に対して必要な支援を実施することとしたと聞いておりますが、医療提供体制の確保は地域の実情に応じて県が行うということとなっております。本市として支援することは考えておりません。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 3つ目に、学校給食の無償化について伺います。県内では、小中学校を対象に完全無償化を実施する6つの自治体、一部無償化の自治体が2つの自治体と、合わせて、県内19ある自治体で4割の自治体が無償化を実施するに至っています。本市と友好都市である東京都板橋区は今年9月から小中学校での学校給食費無償化の実施を打ち出しました。市長、こうした状況を踏まえて、本市での学校給食費無償化を実施する考えはありませんか、伺います。
○高誠議長 村山市長。
◎
村山卓市長 本市では、教育費の負担軽減や子育て支援の観点から、経済的な理由で就学が困難な場合、就学援助制度により、これまで給食費の全額を支援してきておりますが、これに加え、昨年度に引き続き、食材費の不足分を全額、市で補填する学校給食費物価高騰特別対策費を今年度当初予算に計上し、保護者の経済的負担の軽減を図っているところであります。県内自治体や板橋区等の状況も承知はしておりますけれども、本市で給食無償化ということになると約19億円の恒久的な財源が必要ということで、現時点では給食費の無償化は考えておりません。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 教育長に伺います。全国で広がり、県内でも広がっている学校給食費の無償化は都市間競争の様相だという認識ですか、教育委員会は。子どもたちをめぐる生活環境や義務教育は無償という立場に立ち、財源確保を通じて各地方自治体が学校給食費無償化に取り組んでいることについて、どのような見解でしょうか。
○高誠議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 学校給食費におきましては、給食の実施に必要な経費のうち、保護者は人件費や施設整備費以外の経費を負担することになっておりますけれども、本市におきましては、このうち光熱水費についても負担しており、保護者の御負担は食材費のみとなっております。また、経済的な理由で就学が困難な場合には、就学援助制度によりまして学校給食費の全額を支援しており、現時点で無償化については考えておりません。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 学校給食法を理由に食材費の一部を保護者に負担してお願いしていると述べた問題については、さきの議会でも、これ、るる説明をし、教育委員会もその認識に立ったというふうに考えています。すなわち、国連教育科学文化機関であるユネスコが世界に向けて、学校給食は無償で実施するという要請をしました。しかし、69年前に学校給食法が制定された当時は、国の財政事情から、食材費の一部を保護者に負担をお願いしたいという歴史的経緯があります。既に69年経過している。現在は、文部科学省は学校給食費の無償化は各自治体の判断という見解も示しています。交付金を活用して教育分野の負担軽減策だと、こう打ち出しています。改めて、教育長、子どもたちの健やかな成長を願う立場から、学校給食費無償化への御努力が要る。認識を伺いたいと思います。
○高誠議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 政府は、先般、閣議決定いたしましたこども未来戦略方針におきまして、学校給食費の無償化の実現に向け、取組実態や成果・課題の調査、全国ベースでの学校給食の実態調査の結果を1年以内に公表し、給食実施状況の違いや法制面等も含め、課題の整理を丁寧に行い、具体的方策を検討することといたしておりますことから、その動向を今後、注視してまいりたいと思います。なお、来月、全国都市教育長協議会の理事会が開催されます。その会議の中では、国に対しての次年度要望を審議することとなっておりますので、幾つかの自治体から、学校給食費の無償化をぜひ要望に加えてほしいとの意見が寄せられておりますので、そうした声を聞きながら、役員の一人として意見交換をしっかりやってきたいと思っております。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 質問の第3に、本市中央卸売市場の再整備事業について伺います。 今年1月に再整備計画が示されました。施設の8割の規模、現在地の建て替え、完成まで10年。そこで、どのような市場を新たに建設するかという点について、まず伺っておきたいと思います。一番の問題は、安全・安心な市場機能を持つということだと思います。今日、市場では、全体を冷蔵庫として、屋根が低く、コンパクト、そして、閉鎖型施設と温度管理施設というのが今の市場の基本となっていると思いますが、本市の場合、どのように新しい市場の機能を考えていらっしゃるか、まず伺いたいと思います。
○高誠議長 山森
農林水産局長。
◎山森健直
農林水産局長 新しい市場では、閉鎖型の施設内で商品を流通させるコールドチェーン方式を基本とし、温度管理を行いたいと考えております。しかし、閉鎖型施設の内部全体の空調を行うことは整備コストやランニングコストの上昇にもつながりますから、先進市場での事例や市場内事業者の意見を踏まえて、品目ごとに適した温度管理をするために空間を分けるなど、より効率的な機能を検討してまいりたいと思っています。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 新しく再整備する市場の建設の整備
スケジュールについて伺いたいと思います。
○高誠議長 山森
農林水産局長。
◎山森健直
農林水産局長 具体的な整備
スケジュールは、今年度発注する基本設計にて検討することとしております。基本及び実施設計の完了までに3年程度を要しますが、おおむね令和8年度から、青果棟、水産物棟、関連棟に分けて整備を行い、完成したものから順次供用開始する予定であり、できる限り工期を短縮できるよう努めてまいります。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 運用開始は青果が令和11年度、水産が令和15年度、6年後、10年後となります。事業者はそこまで経営が継続できるか、大きな不安を抱えていると考えます。一定期間での仮設での営業を余儀なくされます。この点について、どのような対策を取られておられますか。伺います。
○高誠議長 山森
農林水産局長。
◎山森健直
農林水産局長 具体的な整備
スケジュールは、基本設計において検討することとしておりますが、仮設店舗での営業は入居する事業者だけでなく、買い出し人等の利用者にも御不便をおかけすることになるため、建設、引っ越し、取壊しのローリング計画を綿密に立ててまいります。できる限り仮設店舗での営業期間の短縮に努め、物流動線や商品の保管場所の確保等を含めて、通常の営業活動に支障が生じないよう、十分に配慮してまいります。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 せんだって、場外関係者のアンケートを実施されたそうです。場内の事業者へのアンケートを実施する考えはありませんか。伺います。
○高誠議長 山森
農林水産局長。
◎山森健直
農林水産局長 加工業者や飲食店などの関連棟入居者に対しまして、再整備後の入居意向について、本年2月に調査を実施し、仲卸事業者対しても、今年3月末に同様の調査を実施したところでございます。再整備が完了した他の市場では、合併や廃業をした事業者もいると聞いております。本市場でも動向を注視する必要があると考えており、定期的に事業者に対する意向調査を実施していきたいと考えております。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 この項の最後に、使用料金の問題です。新しい市場の建設の事業費が約300億円になろうという見通しが示されました。したがって、市場の利用料は数倍に跳ね上がると考えられます。事業者にとっては死活問題と。本年3月に開設された姫路市の市場では、10年間の激変緩和措置が導入されました。本市としてはどのような対策を取られるのか。使用料の見通しとも併せて伺います。
○高誠議長 村山市長。
◎
村山卓市長 再整備後の使用料でありますけれども、まずは再整備の費用をできる限り抑えていくということ、そして、維持管理費を削減する、そういったことも必要だと思います。可能な限り使用料の抑制に努めていきたいと考えております。また、市場関係者からは、使用料の算定に当たって、据置期間なども設定してほしいという要望を受けております。他の市場の例も参考にしながら、今後、検討してまいりたいと考えています。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 他の経験から見ると、新しい市場を造っても、これまでの事業者が参入せず、廃業される方が相次いでいると聞いています。場合によっては半分になる。したがって、事業者の要望や事業者が新しい市場になっても生き残れる策を全力を挙げなければならないと。この認識に立って、市長、事を進めていただきたいというふうに思います。 最後に、サッカー専用施設としての金沢スタジアムについて伺います。 今定例月議会に建設費が2億4,000万円追加する提案がされております。事業費は一体どの程度になるのか、まず明らかにしていただきたいと思います。
○高誠議長 坪田
都市整備局長。
◎坪田英孝
都市整備局長 金沢スタジアムの建設事業費は、当初79億8,000万円でございましたが、急激な資材高騰等に伴いまして2億4,000万円増加し、82億2,000万円となる予定でございます。なお、工事請負契約の一部変更につきましては、本議会の議案として提出しているところでございます。 以上でございます。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 そうすると、金沢スタジアムの建設とともに1,700台の駐車場建設事業、周辺の整備事業、現在ある市民サッカー場の解体工事、その場所に、本田圭佑クライフコートとジュニアスポーツコートの移転・新築と、今後も相次ぐ建設事業が続きます。したがって、金沢スタジアムに関係する事業費は110億円から120億の規模に予想されます。次々に事業費が膨らんでいきます。市長、市民にどう説明されるのでしょうか。
○高誠議長 村山市長。
◎
村山卓市長 必要となる整備費につきまして、毎回、議会に議案としてお諮りさせていただく予定であります。今回、2.4億円増加したことについては、急激な資材高騰等によるものでございました。今後、必要となるものについても、今後は、駐車場や周辺整備、解体事業などが予測されておりますので、また、議会のほうにお諮りさせていただく予定であります。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 改めて、金沢スタジアムの建設に至った経緯について伺っておきたいと思うんです。現在ある市民サッカー場が3,000人規模。なぜ、1万人規模の新しいサッカー場建設に至ったのか。県立陸上競技場が2万人規模に改修され、なぜ、新たなサッカー専用スタジアムを造らなければならなかったのか。敷地内にあったジュニア用のサッカーコートを壊して、その場所に新しい金沢スタジアムを新築するに至ったのかなど、経緯について説明を求めたいと思います。
○高誠議長 村山市長。
◎
村山卓市長 J2リーグの公式戦を開催できる基準が1万人でございますので、1万人規模のスタジアムといたしました。また、県の陸上競技場については、Jリーグ基準を満たしていないということで、また、サッカー専用スタジアムではないということでありましたので、今回、市のほうでこのような整備をさせていただきました。また、運動公園の中で、スタジアムの建設規模を確保できる適地が現在の建設中の場所でございましたので、そちらでの建設ということになりました。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 敷地内にあったジュニア用のサッカーコートは4年以上使用できません。現在の市民サッカー場にある場所に移転・新築するという方針ですが、その
スケジュールを示していただきたいと思います。
○高誠議長 坪田
都市整備局長。
◎坪田英孝
都市整備局長 今年度、跡地におけますクライフコート等の整備の方向性につきましては、今年度、基本計画を策定することとしておりまして、今後の
スケジュールにつきましては、その中で明らかにしたいというふうに考えております。 以上でございます。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 新しい金沢スタジアムが果たしてサッカーファンの期待に応える施設となるか。幾つか伺っておきたいと思います。まず、観客席は1万人で、将来1万5,000人規模を想定していると。そのために、2つあるゴールポストのうち、1つはゴールポストの後ろに観客席がありません。予定では、ここに、将来、5,000人規模の観客席を設置するとしていますが、このことが観客の一体感を奪うことになりませんか。サッカーグラウンドを取り囲んだ観客席がスタジアムとしての一体感をつくり出す。その上では、ゴールポストのうちの1つに観客席がないんです。建設の際、この点での指摘もありました。見解を伺います。
○高誠議長 村山市長。
◎
村山卓市長 確かに今回の建設では、特にアウエー側のチームのゴールポストの裏のところ、そちらの観客席がありません。ただ、一方で、金沢スタジアムの特徴の一つとして、スタンドの最前列からピッチまでの距離が7~9メートルと大変近いということで、選手にとっては応援を力に換える、そのような競技環境、観客にとっては臨場感あふれる観戦環境が共存するということで、こちらによって、スタジアム一体となった、あるいは、選手と観客が一体となった応援ができるのではないかというように思っています。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 この観客席のない場所に大型映像音響システムを設置するとしています。しかし、他の施設はほとんど観客席の上部にこのシステムを設置します。しかも、2か所設置しているスタジアムもあります。音響効果を上げるという視点だと思います。金沢スタジアムでは、仮の施設なのかもしれませんが、県立陸上競技場の2分の1と小さい上に、観客席のない場所に設置されるために、音響効果は大きくそがれるのではないかという指摘があります。説明を求めたいと思います。
○高誠議長 東
文化スポーツ局長。
◎東利裕
文化スポーツ局長 大型映像音響装置は、利用者の高揚感・臨場感を高めるとともに、Jリーグの試合だけではなく、大
規模イベントにも対応可能な快適性、利便性、経済性に優れたものでございます。また、大きさや高さの仕様・規格につきましても、近年、整備された専用スタジアムの中では最大級でございまして、最新機能を有しており、その役割を十分に果たすものと考えてございます。 以上です。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 市長に、県立陸上競技場が2万人収容に施設の改善が行われ、現在、ホームグラウンドで活用されています。そうした状況を踏まえて、なぜ、金沢市が金沢スタジアムを造らなきゃいけなかったのか。これ、二重行政ではないかという指摘がありますが、どうお答えされるでしょう。
○高誠議長 村山市長。
◎
村山卓市長 県立の陸上競技場とともに、市の陸上競技場があると。運動競技場があるということが前提であると思いますけれども、サッカースタジアムについては、県のほうは陸上競技場で、市のほうはサッカー専用スタジアムということで、本来の施設の用途は異なるということであります。また、県や関係団体等と情報共有を図りまして、県・市、それぞれの役割について十分に協議を進めてきたところでありまして、二重行政には当たらないと考えています。
○高誠議長 森尾嘉昭議員
◆森尾嘉昭議員 この項の最後に、去る3月15日、金沢スタジアムの駐車場建設用地について、2筆を土地収用法に基づき、県の収用委員会に土地の補償額について裁決請求を行いました。市民の理解を得て公共事業を行わなければならないのに、とりわけ、土地の所有者には特段の理解と御協力をお願いしなければならないと考えます。そこで、本市は、これまで、道路等の建設に当たって、土地収用法について、用地を取得したことはありますか。担当局長に伺います。
○高誠議長 坂本土木局長。
◎坂本敦志土木局長 本市の道路整備における土地収用法による収用実績は2件でございます。1件目は、昭和40年代に増泉地内において実施しております。また、2件目は、昭和50年代に暁町地内において、所有者不明の土地を取得するために実施しております。 以上でございます。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 今回は、道路ではなく駐車場建設です。公共事業を進めていくという上で、今回の対応は異例だと考えます。3月19日に、県の収用委員会に裁決申請書を本市は提出しました。同時に、明渡し裁決申立てを提出しました。この中に、権利取得裁決となった日から換算して30日ということを盛り込んでいます。すなわち、裁決が行われれば、用地を取得する強権的な対応を行うと。市長、なぜ、もっと話合いを行って、土地収用、取得を指示しなかったのか、伺います。
○高誠議長 村山市長。
◎
村山卓市長 この土地について、この関連でありますけれども、平成10年度に当該公園が都市計画決定された後、順次、用地買収を行ってきておりました。未買収地の今回の2筆につきましても、これまで土地所有者と交渉を重ねてきたところであります。今回は、令和6年2月に予定している金沢スタジアムオープンに向けて必要な土地であるということで、権利者に正当な補償をした上で土地を取得させていただくということを目的に、石川県収用委員会へ土地収用法に基づく手続を行わせていただきました。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 本市の市民運動公園の基本計画を策定し、具体的な施設建設を行ったのは令和3年3月です。それに伴って、駐車場建設ということが歩み出しました。したがって、本格的にこの事業を推進する上で、令和3年以降、地権者との話合いが必要だというふうに考えます。では、なぜ今の時期に土地収用法に基づいて行ったのか。これが問われるのです。歴史的にも2件しかない。そのうち1件は所有者が不明だったからやった。こういう答弁でした。一体なぜ、今回の事業にこの土地収用法まで持ち出して用地取得に及んだのか。このことが問われるのです。改めて、市長は親和力なんていうことを打ち出している。なぜ、土地収用法という強権的な法の下で土地収用に至ったのですか、伺います。
○高誠議長 村山市長。
◎
村山卓市長 今、土地収用法に基づく手続を進めているところではありますけれども、ここに至るまでの間に土地所有者と交渉を重ねてきておりました。一方で、正当な補償額からの乖離があるというところで、なかなか和解まで結びつけられなかったという事情がございます。
○高誠議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 地権者と十分話合いを行って解決をするよう求めて、終わります。(拍手)
○高誠議長 以上で、31番森尾嘉昭議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。 10番大西克利議員。 〔10番大西克利議員登壇〕(拍手)
◆大西克利議員 こんにちは。さきの市議会議員選挙にて当選させていただきました大西克利です。本議会が初めての質問となりますが、創生かなざわ・維新の会の一員として、以下、数点にわたりお尋ねいたします。 私は、幼少の頃より金石で育ってまいりました。金沢、そして金石のまちに育てていただいたと思っております。また、金石の今後のまちづくりについても期待し、関心を寄せているところであります。そこで、ふるさとである金石地区を中心に本市のまちづくりについてお尋ねいたします。 まず、質問の1点目は、地域コミュニティーを基盤としたまちづくりについてです。地域におけるまちづくりについては、その地域の活動の礎となるコミュニティーが非常に大切であり、その役割を担っていると考えます。その一つとして、本市の特徴的なまちづくりである旧町名復活事業があります。藩制期に由来する由緒ある小さなまちが、昭和38年の住居表示事業の実施により整理・統合されました。これまで、地域の方々は町名は変更されても町会名として残すなど、旧町名に愛着を持って大切に育ててまいりました。金石地区では、平成29年度より、金石町校下町会連合会が申出を行い、対象となる町会に対して説明会が開かれ、各町会において、復活の是非について議論を重ね、意思決定をしてきました。中心となってお世話くださった連合町会長をはじめ各町会の役員の皆様の御尽力に改めて敬意を表すものであります。結果的に13の町会が復活をし、私が住む金石御船町も令和2年11月1日に復活いたしました。金石御船町は、藩制時代、御船足軽たちが住んでいたことに由来する町名と言われています。また、市無形民俗文化財の子供奴が継承され、まちの歴史と文化を守り、特色を生かしたコミュニティーづくりを進めております。高齢者の多くは旧町名で地区のことを話されております。若い世代の中には、一部、戸惑いもあったようですが、今は多くの方が旧町名の復活について好意的に受け止めているように感じております。このことからも、旧町名の復活は大変喜ばしいことであり、子どもたちにも誇りと愛着を持ってもらえるよう、このかけがえのない貴重な歴史的文化資産を次の世代へしっかりと伝えていきたいと思います。そこで、お尋ねいたします。金石地区における旧町名復活事業について、成果と課題についてお聞かせください。また、復活した各町会は金沢市と旧町名継承まちづくり協定を締結し、様々な取組を実施しておりますが、これらをどのように評価しておられるのか。併せてお伺いいたします。さらに、金沢市として、平成11年の主計町を皮切りに、これまで27の旧町名が復活しておりますが、現在の取組と今後の展望についてお伺いいたします。 次に、新たに策定された地域コミュニティ活性化推進計画についてです。全国的な課題ではありますが、少子高齢化や人口の減少はさらに大きく困難な問題となっています。金石地区においても、独り暮らしの世帯が年々増加傾向にあり、世帯数の減少や空き家の増加も進んでおり、これらは喫緊の問題と考えます。また、コロナ禍では、祭りや運動会など、コミュニティー活動を思うように実施できず、中止や縮小を余儀なくされてきました。この間に社会のありようや人々の生活、意識などが大きく変わりました。地域コミュニティーの在り方や活動についても影響を及ぼし、住民同士のつながりが希薄化するなど、町会のコミュニティー活動は新たな局面を迎えております。そこで、お尋ねいたします。本市の地域コミュニティーの課題について、どのように捉えているのか、お伺いいたします。また、それらの課題を踏まえ、新たな計画ではどのような点に工夫をし、どう具現化を図っていくのか。併せてお伺いいたします。先般、コロナが5類相当の取扱いとなり、徐々にコロナ禍前と同様に活動を再開する動きが出てきております。地域コミュニティー活動の再開について、どのような状況と受け止めているのか、御所見を伺います。 質問の2点目は、金石に由来する文化についてです。この地域は、古くから港町として栄え、江戸時代を代表する大海運業者の銭屋五兵衛や実業家の安宅弥吉などの偉人を輩出した地域であります。また、昔ながらの景観や港町の風情が今に伝えられており、まちの至るところでその魅力を感じることができます。先般、金沢市文化財保存活用地域計画に基づき、地域に愛され、受け継がれてきた歴史的文化遺産を地域からの提案により認定する地域のお宝認定制度が創設され、その第1号として9件が認定されました。金石地区からは、金石地区の北前船寄港地・船主集落に関わるまち並み、地域に古くから伝わる民謡や謡曲、太鼓などから成る金石地区の伝承芸能の2件が認定を受けております。これらはまさに地域に愛され、育まれ、そして今後も受け継がれていくべき歴史的文化遺産と言え、まさに金石が誇るべきお宝と呼べるものです。そこで、お尋ねいたします。このように地域で歴史的文化遺産の保存と活用に取り組まれている、この活動に対する市長の思いをお伺いいたします。 また、大野湊神社の例祭に併せて演じられる寺中神事能や金石の夏祭りとして知られている大野湊神社の夏季大祭が市の無形民俗文化財に指定されております。これまで3年間、新型コロナの影響で中止、あるいは規模を縮小して開催してきたお祭りが、今年は通常開催する予定と聞いており、地域の財産である神輿行列や悪魔払い、獅子舞といった伝統的な行事の再開を楽しみにしていた一人として、やっと日常が戻ってきたかと非常にうれしく思っています。しかしながら、コロナ禍の影響はやはり大きく、獅子舞や悪魔払いが3年間の中止によって、祭りに向けて練習するはずであった小中学生や高校生がその機会を失うなど、地元に伝わる伝統芸能の継承が懸念される事態であります。そこで、お尋ねいたします。本市では、これらの伝統芸能に対して様々な施策を講じられておりますが、昨今のコロナ禍を原因とするこれらの無形の文化財に対する影響をどう見ておられるのか。また、今後、これらの継承に向けてさらなる支援が必要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。 質問の3点目は、金石地区を中心とした活性化についてです。金石・大野地区は、多くの古いまち並みが保存され、観光客にも人気のスポットであると認識しており、近年は、金石・大野周遊シャトルバスが金沢港口から夏の期間に運行をされています。そこで、お尋ねいたします。金石・大野周遊シャトルバスの利用状況をお聞かせください。また、今年度の運行予定や観光客からの要望などはどのようなものがあるのか、併せてお伺いいたします。 次に、クルーズターミナルに寄港する観光客の誘客についてです。今年はクルーズターミナルに寄港する客船もコロナ禍から大きく回復し、日本海側でトップになるとの新聞記事を拝見いたしました。多くの観光客は兼六園をはじめとする市内中心部の観光地に向かわれるかと思いますが、近くの金石・大野地区にも、こまちなみ保存地区に指定された美しいまち並みが残っており、クルーズ船で来航された方の誘客も大切だと考えております。私自身、金石地区に住んでおりますが、クルーズターミナルから金石・大野地区への誘客については改善の余地があると思っております。大野からくり記念館や金石の銭屋五兵衛記念館などは観光客にとっても大変学びのある施設だと思っております。そこで、お尋ねします。これらの施設を含め、金石・大野地区への誘客について、今後どのように進めていくのか、御所見をお伺いします。 また、公共シェアサイクルまちのりについてもお尋ねいたします。先ほども述べましたように、令和2年6月に、金沢港クルーズターミナルが整備をされ、新たな金沢港の拠点として多くの方々が訪れております。古いまち並みが残る金石・大野地区において、まちのりは狭いまちなかを回遊する際に大変利便性が高い乗り物であると思いますし、私もまちのりを利用されている方を大変多く見かけます。そこで、お尋ねいたします。金石バスターミナル前ポートはどのような狙いで設置されたのか。また、今後のさらなる利用拡大に向けた方針についてお伺いいたします。また、現在、まちのりのポートは金石に1か所、大野に1か所かと思いますが、利活用の状況から、ポートの数が適正であるのか。また、さらには、今後、整備の予定があるのかも併せてお聞かせください。 市民や観光客の足として活躍しているまちのりについては、新聞報道にもありましたとおり、昨年度の利用者数が前年度比54%増の25万人で、市全体としても大変多くの方に利用されております。また、今年の4月1日より、自転車に乗る際の着用は全ての人を対象に努力義務化されました。しかし、まちのりを利用される方については、ヘルメットを着用している方が少ないように見受けられます。そこで、お尋ねいたします。まちのり用のヘルメットは市内6か所にて貸出しを行っているようですが、利用状況についてお聞かせください。また、まちのりのよいところは、いろいろなポートで借りたり、返却できたりすることだと思いますが、ヘルメットは決まった場所に返却が必要だと伺っております。利用者の利便性とヘルメットの着用率向上のため、さらなる対策が必要かと思いますが、御所見をお伺いいたします。 このように、金石のまちづくりについては様々な期待をするところですが、その一方で、金石町校下においては、平成2年から令和2年までの30年間で人口が22.8%も減少し、高齢化率も直近の国勢調査で35%に達するなど、人口減少と少子高齢化が進んでおり、地域の担い手不足と活力の低下が懸念されるところであります。そこで、お尋ねいたします。本市では、今年度、地域力再生課を立ち上げ、まちの魅力や活力を高めていくとしていますが、どのようにして地域の活力を維持、向上しようとしているのか、お伺いいたします。また、最近になって、全国的に地域おこし協力隊の活動が注目され、様々な形で地域の活性化に都市部の人材を活用し、定住につながっている事例を目にしますが、本市での取組状況や金石地区を含む今後の活用の見込みについてお聞かせください。 質問の4点目は、金沢の未来を担う子どもたちのためについての施策についてお伺いいたします。 まずは、子どもの医療費助成についてです。本年度より、入院については18歳までの助成が拡充し、窓口負担がなくなりましたが、いまだに通院においては、15歳、中学校卒業までとなっております。石川県内の自治体においても自己負担がなくなり、18歳までの助成は実現されてきており、子育ての環境において支援の拡充が進んできました。子どもを育てやすい環境の整備は金銭的な負担の軽減だけではなく、根本的な子育ての考え方、市としての姿勢だと感じております。子どもたちが安心して病院に通うことができるように制度の見直しが必要だと考えております。多くの方々からお聞きするのが高校生の年齢は部活動や学習に係る費用も増え、子育て支援を求められる声も多く、医療費が従前よりも増えてしまうと通院をためらってしまうとのことです。住んでいる自治体によって保護者の負担が変わってしまうことは改善すべき課題だというふうに考えます。本市議会においても、多くの方が質問をされておりますが、18歳までの医療費の拡充は多くの市民が望んでいるものだと思います。日本維新の会では、教育、子育てへの徹底投資を政策として具体策に取り組み、出産の費用の無償化や教育の無償化を訴えており、自治体によっては、公立大学の無償化まで取り組んでいます。市の財政の見直しを行うことにより、医療支援の拡充はできないのでしょうか。市民の方からは、なぜ金沢市だけできないのか、そんな疑問も多く伺います。いま一度、医療支援の拡充に向けて対策を考えていくべきと思います。そこで、お尋ねいたします。本市の子どもの医療支援の拡充について、改めて見解をお聞かせください。 次に、子どものネット依存についてお伺いいたします。本市では、GIGAスクール構想によって、子どもたち一人一人にタブレット端末が支給されております。学習用途のために配布されている端末ですが、各家庭において、本来の用途以外でも使用されているとの声もお聞きいたします。現在、子どもたちのネット依存が問題とされています。NHKによれば、最近では特に、中高生のネット依存が問題となっており、依存が疑われる中高生は約93万人と推測されております。ネット依存になると、体や心の健康面のほか、家族や社会における人間関係にも問題が起こります。このような状況になれば、しっかりとした治療を行わなければいけなくなります。まずはネット依存について、子どもたちや保護者に知ってもらい、また、学校などの教育機関においてカウンセリングなどを行っていく必要があるかと思います。そこで、お尋ねいたします。そのような周知やカウンセリングは本市によって行われているのか、お伺いいたします。また、ネット依存が疑われる子どもたちはいるのかも併せてお聞かせください。さらに、ネット依存を防止するために学校教育において、その他の対策は行われているのでしょうか。本市のお考えをお伺いいたします。 質問の最後に、先般、能登地方で大規模な地震がありましたが、本市における緊急事態の情報発信についてお伺いいたします。 先月5日に、石川県能登地方を震源とする地震が発生し、金沢でも震度4を記録しました。住民の皆様には、不安を感じる日々が続いているのではと心配をしております。私たちは報道からの情報により、様々な状況を知ることとなりましたが、緊急時においては、正しい情報を迅速に提供し、必要な方がこれを受け取ることが重要だと考えております。そこで、お尋ねいたします。本市では、金沢ぼうさいドットコムを活用し、様々な情報の発信に努めており、災害情報メールの通知サービスのさらなる充実に期待をしますが、このシステムの登録者数についてお伺いをいたします。また、今回の能登地方の地震の際の本市の広報の対応についても併せてお聞かせください。 また、様々な情報が多くの方に届くことを期待するわけですが、今回、震災への対応に金沢市消防局としても2日間にわたり10隊が出動してくださっております。私たち市民としてもその労に感謝をいたします。このような情報についても、もっと市民の方に伝えられるべきと感じております。金沢市の今後の情報発信について、SNSやLINEといったツールをさらに活用することを期待しますが、情報発信について、本市のお考えをお伺いをし、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○高誠議長 村山市長。 〔村山
卓市長登壇〕
◎
村山卓市長 10番大西克利議員にお答えいたします。 初めに、旧町名復活事業につきまして、金石地区におきましては、町会連合会長はじめ各町会長や地域住民の御理解、御協力の下、13の旧町名が復活したところでございまして、私からも、関係者の皆様に改めて感謝と敬意を申し上げたいと思います。旧町名の復活により、多くの方にとって、まちの名称の由来や歴史、文化などを再認識し、理解を深めるよい機会になったのではないかと思っております。このことにより、地域に対する誇りと愛着が醸成され、住民間の交流が促進されるなど、コミュニティーの形成に大きく寄与したものと考えております。一方で、かけがえのない歴史的文化遺産である藩制期に由来する旧町名を今後の世代にいかに引き継いでいくかが課題であると考えています。旧町名継承まちづくり協定を締結した町会に対しては、旧町名復活後5年間、まちの歴史を生かし、地域内の結びつきや活性化を推進するコミュニティー活動に対して支援を行っております。各町会では、これを活用し、まちの歴史を学ぶDVDや旧町名入りのポロシャツを作成し、町会行事に利用するなど、町名の由来を継承する取組のほか、災害に強いまちづくりや伝統的な地区の祭事の保存活動などを行っており、住民相互の連帯意識の醸成と活気あるまちづくりにつながっていると思っております。現時点におきまして、新たに旧町名を復活するという動きはございませんけれども、市民の関心や記憶が薄れないよう、旧町名になじみのない世代への周知や理解、学びへのアプローチが必要だと考えております。今年度は、子ども向けの出前講座を開催し、藩制期に由来する旧町名の歴史を発信することとしております。これらに加え、今後は幅広い世代に旧町名復活に係る好事例を発信することで、新たな復活に向けた機運の醸成に努めてまいりたいと考えています。 地域コミュニティ活性化推進計画の策定に当たりましては、昨年度実施した町会長アンケートの結果やコロナ禍での社会情勢の変化などから、これまでの人口減少や高齢化の進展といった課題に加え、価値観やライフスタイルの変化、DXの加速化、活動の停滞などによるコミュニティーの在り方自体に対する考え方の変容が表れ、これにどう対応していくかという新たな課題が出てきたと思っております。これらの課題を踏まえまして、時代のニーズに即した新たなコミュニティーの在り方として、シビックテック等のデジタル技術の活用や地域と学生など、多様な主体による連携を促進するなど、コミュニティー組織や活動の持続可能性の向上と、さらなる活性化に向けた取組を進めてまいりたいと考えています。 コミュニティー活動の再開につきましては、昨年度から徐々に再開されてきた地域の夏祭りや運動会などの行事が、今年度は多くの町会連合会において、コロナ禍以前のような形で開催されると聞いております。また、町会が実施する新たな行事等に対して市が支援を行う地域コミュニティ活性化事業につきましても、今年度は過去最多の24事業を採択したところでありまして、地域活動の再開が本格化していることを実感しておりまして、大変うれしく思っております。今後はデジタル技術や若い方の意見を取り入れた新たな活動の展開にも大きく期待をしております。 地域で生まれ、受け継がれてきた有形・無形の歴史文化遺産は今の金沢をつくり上げた大切な文化であると認識をしております。その地域のお宝を受け継いでこられた先人の方々、また、並々ならぬ情熱を持って保存活動に取り組んでおられる地域の皆様に敬意を表するとともに、心のよりどころとして将来にわたって受け継がれ、また、地域の振興に生かされることを期待しております。コロナ禍においては、様々な行事が中止や縮小を余儀なくされまして、無形の文化財の練習や発表の場が減少することで、伝承していく機会そのものが失われるなど、文化の継承における重大な危機であったと認識しております。こうしたことから、昨年、3年ぶりに金沢百万石まつりをほぼ通常どおり開催いたしました。これによりまして、百万石まつりの開催、あるいは地元での祭りの開催なども通じて伝統芸能、無形の文化遺産の継承を行うきっかけになったのではないかというように思っております。また、発表の場としては、2年前から、無形の民俗文化財が一堂に会する伝承芸能共演会、これを多くの方々に触れていただくことができるように、屋外で開催しております。今後も、発表機会の提供はもとより、大野湊神社の夏季大祭など、無形民俗文化財の記録映像の作成についても支援してまいりたいと考えています。 金石・大野への誘客につきましては、金石・大野地区には、伝統的で美しいまち並みのほか、食やクラフトの体験プログラムなど、魅力的なコンテンツがあると考えております。これまでもプロモーションビデオや散策マップなどを製作し、その魅力を発信しております。さらに、近年、カフェやギャラリー、また、クラフトジンの蒸留所など、新たな魅力も加わりまして、その厚みを増していると感じております。引き続き、国の内外に金石・大野地区の魅力をPRしながら、石川県や地元関係者などとも連携し、かいわいの回遊性の向上に努めていきたいと考えています。また、今年に入り、金沢港へのクルーズ港の寄港数も大幅に増えてきておりまして、乗客に対しては、船会社と連携し、寄港前の船内での情報発信やクルーズターミナル等での観光案内所の開設などにより、金石・大野地区への誘客を促していきたいと考えております。 金石バスターミナル前のポートにつきましては、北陸鉄道路線バスの金石バスターミナルに隣接しまして、他の公共交通と組み合わせた利用も可能なことから、観光客の金石地区へのアクセス向上を図り、こまちなみ保存区域や金沢港クルーズターミナルといったエリア内の回遊性向上のために、令和2年に設置したものであります。今後の利用拡大につきましては、昨年度実施した金石地区をまちのりで巡るモニターツアーが好評だったということから、今後もこうした様々な取組と連携しながら、利用促進を図ってまいりたいと考えています。金石や大野のサイクルポート、クルーズターミナルであるとか、大野のからくり記念館などにもポートを増設したところではありますけれども、それぞれの地区内を巡るための手段として利用していただいているということのほか、金石と大野を行き来する利用や金沢港クルーズターミナル、近隣の商業施設との相互利用も見られるといったことで、地区内外を結ぶ移動手段として適切に配置されていると考えております。今年度、令和7年度からの次期まちのりの在り方を検討するということとしておりまして、この中で、ポートの配置についても検討してまいりたいと考えています。 また、まちのりのヘルメットにつきましては、現在、市内6か所で貸出しをしているところでありますが、着用が努力義務となった4月から5月末までの2か月間の利用実績は延べ163個であり、さらなる着用促進が課題であります。加えて、他都市のシェアサイクルと同様、ヘルメットの盗難や破損、衛生対策など、課題も多いことから、どのような対応が可能か、引き続き研究してまいりたいと考えています。他方、ヘルメットの着用を利用者に促すことは大切なことであります。マイヘルメットの持参の呼びかけ、また、アプリ上での着用メッセージの定期的な配信など、啓発に向けた取組についても継続して実施してまいりたいと考えています。 地域力再生課について御質問をいただきました。本市では、町会や公民館、消防団など、コミュニティー活動を通じて連帯や協働の意識が育まれ、地域が活性化してまいりましたが、人口減少や少子高齢化など、地域を取り巻く環境は大きく変化しております。そうした中、民間企業や高等教育機関の知見のほか、若者の柔軟な考え方、また、外部人材、移住者などの視点もまちづくりに生かして、地域の活力を維持・向上させていきたいとの思いから、地域力再生課を新設した次第であります。あわせて、関係課で構成する地域力再生推進プロジェクトを立ち上げたところであります。多様化する地域課題の解決に向けて庁内の連携を密に、地域の魅力・活力の向上に取り組んでいきたいと考えています。 また、地域おこし協力隊につきましては、本市では、中山間地域の活性化を図るということで、これまで、湯涌、三谷、内川、犀川の4地区で地域おこし協力隊を受け入れてきております。農林業の振興や地域資源を生かした商品開発などで力を発揮していただき、この方々は任期後も定住をされているところであります。また、今年度に入りまして、国の制度は改正されました。地域おこし協力隊の活動が文化、スポーツなどの分野にも拡大されたことから、市としても、これに積極的に呼応して、地域おこし協力隊の確保に努めてまいりたいと思っております。地域の特性を生かした魅力や活力の向上を図るとともに、移住・定住の促進にもつながります。地域おこし協力隊が活動する分野とエリア拡大の可能性について、しっかり検討を進めてまいりたいと考えています。 子育て支援医療助成費についてでございます。これまでも予算の選択と集中による施策の重点化を図っていく中で、順次、対象年齢の拡大等を行ってきたことを御理解いただければと思います。今年度は県が補助金の対象年齢等を拡大したことを踏まえ、医療費以外にも費用がかかる入院分について対象年齢を拡大するとともに、自己負担を無料化することとし、10月からの施行に向け準備を進めているところであります。 最後に、防災の関係であります。SNSやLINEといったツールの活用につきまして、昨年度策定した広報基本戦略におきましては、SNSを効果的に利用した情報発信力の強化を基本戦略の一つとして掲げております。緊急性のある災害情報をはじめ市の施策やイベント情報など、各種SNSの特徴に応じた配信に取り組んでいるところであります。引き続き、情報を必要とする方に対して適切なタイミングで的確に内容が伝わるよう、ホームページやテレビ、新聞などの各種媒体とSNSを連携させた広報活動を展開するなど、効果的な情報発信に努めてまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。
○高誠議長 村角
都市政策局長。
◎村角薫明
都市政策局長 金石・大野周遊シャトルバスの利用状況や要望、今年度の運行予定について、お尋ねがございました。金石・大野周遊シャトルバスは、令和元年度より実施をしており、主に7月中旬から9月中旬までの土日、祝日において、毎年度、工夫を凝らしながら運行実験を行っているところでございます。昨年度はデジタル乗車券を初めて導入し、23日間運行した結果、1日当たりの利用者数は前年度比で1.8倍の約40人となり、コロナ禍の影響を受けた令和2年度以降で最多の利用となったところでございます。また、利用者へのアンケート調査では、8割の方に満足との評価をいただいた一方で、運行便数が少ないとの御意見も寄せられていたことから、今年度は地元のイベント開催に合わせてバスを増便することで、利用の促進と利便性の向上につなげていきたいと考えています。港フェスタが開催される来月15日より、今年度の運行実験を開始してまいります。 以上です。
○高誠議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 子どものネット依存につきまして、2点、お尋ねがございました。初めに、子どもたちや保護者に対するネット依存についての周知やカウンセリングについてと、また、ネット依存が疑われる子どもたちについての御質問にお答えいたします。本市では、全小中学校で児童・生徒や保護者を対象にネットいじめ防止講演会を開催しており、その講演会の中では、ネット依存の危険性やインターネット等のルール、マナーについて学ぶ機会を設けております。また、カウンセリングにつきましては、必要に応じて、養護教諭やスクールカウンセラーが対応いたしております。しかし、携帯電話・インターネットアンケート結果では、1日の使用時間について、3時間以上と答える児童・生徒が一定数いることから、ネット依存や生活習慣の乱れにつながらないよう、校長会議を通じて注意喚起を行っております。 次に、学校でのネット依存の防止に向けたその他の対策についてお答えいたします。本市では、ネット依存の防止に向けて、1人1台学習用端末の導入時には、端末活用の目的や意義とともに、健康面への配慮やインターネットの特性などを記載したハンドブックを作成し、配布するとともに、各学校で事前指導するよう周知徹底してまいりました。また、中学校の保健体育科では、ネット依存症について学習しており、使用時間や方法について、見直すことの必要性を学んでおります。加えて、各学校におきましては、情報モラル教育カリキュラム表を作成し、発達段階に即した指導を行っております。 以上でございます。
○高誠議長 上野危機管理監。
◎上野浩一危機管理監 防災情報の発信に関して、金沢ぼうさいドットコムの登録数と奥能登地震への対応についてお尋ねでした。まず、金沢ぼうさいドットコムにつきましては、気象情報や避難情報等を携帯電話やパソコンに配信するメールサービスでありますが、現在の登録数は約2万8,000件となっております。 次に、5月の奥能登地震発生時の本市の対応でございますが、金沢ぼうさいドットコムから地震情報を発信したほか、本市における被害状況について、ホームページやLINEにより速やかに情報発信するとともに、報道機関にも情報提供し、迅速な広報を実施いたしました。 以上でございます。 〔「議長、10番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○高誠議長 10番大西克利議員。
◆大西克利議員 これまで、段階的に対象年齢を拡大をしてきました子どもに対する医療費の助成制度ですけれども、この10月から入院が18歳までとなったことは大変評価できることだと思いますが、あと、残されている部分は通院の18歳までの拡大であります。政府も2030年までが少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスとの認識を示しております。本市の医療費助成の拡充を一刻も早く行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
○高誠議長 村山市長。
◎
村山卓市長 ----------------------------------------------------------------------------------金沢として、子育て支援のためにどのようなことができるか。金沢で独自でできることを行うべきであろうというように思っております。子育て支援には、福祉や保健、教育から文化まで、様々な施策があります。これまで、金沢市では、児童相談所の設置、また、伝統文化を体験できる機会の提供、こども図書館の整備など行ってきておりますし、今年度もひとり親家庭等医療費助成、乳幼児の予防接種助成費、子育てすまいるクーポン事業費の拡充などを行ってきております。現時点で、子育て支援医療費の助成のさらなる拡充は考えておりません。
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△散会
○高誠議長 これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 次の本会議は、明日27日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後2時19分 散会----------------------------------- 〔参考〕----------------------------------- 令和5年度金沢市議会6月定例月議会 発言者順序表発言予定日発言順序議席番号議員名会派等名6月26日(月)134野本正人自民党213稲端明浩公明党332森 一敏みらい金沢431森尾嘉昭日本共産党510大西克利創生金沢維新6月27日(火)621喜多浩一自民党72坂 秀明公明党85川島美和みらい金沢924広田美代日本共産党1025熊野盛夫創生金沢維新1126新谷博範保守こくみん1227下沢広伸さくら会134黒口啓一郎みらい金沢141柿本章博自民党6月28日(水)1516上田雅大自民党1612坂本順子みらい金沢1711山下明希日本共産党1830玉野 道創生金沢維新197宇夛裕基心つなぐ金沢208高務淳弘参政党216道上周太心つなぐ金沢2218小間井大祐自民党...