金沢市議会 > 2023-03-09 >
03月09日-02号

  • "子育て支援医療費助成"(/)
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  1. 金沢市議会 2023-03-09
    03月09日-02号


    取得元: 金沢市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-11
    令和 5年  3月 定例月議会          令和5年3月9日(木曜日)-----------------------------------◯出席議員(36名)     議長  宮崎雅人     副議長  麦田 徹     1番  橋本光生      2番  荒木博文     3番  田中美絵子     4番  喜成清恵     5番  上原慶子      6番  稲端明浩     7番  北 幸栽      8番  熊野盛夫     9番  大桑初枝      10番  新谷博範     13番  上田雅大      14番  中川俊一     15番  坂本泰広      16番  高  誠     17番  喜多浩一      18番  前 誠一     20番  久保洋子      22番  野本正人     23番  下沢広伸      24番  山本由起子     25番  源野和清      26番  粟森 慨     27番  広田美代      28番  玉野 道     29番  森尾嘉昭      30番  澤飯英樹     31番  秋島 太      32番  中西利雄     33番  清水邦彦      34番  黒沢和規     35番  松村理治      36番  福田太郎     37番  横越 徹      38番  高村佳伸◯欠席議員(なし)◯欠員  11番、19番-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長        村山 卓   副市長       相川一郎 副市長       山田啓之 教育長       野口 弘   公営企業管理者   平嶋正実 都市政策局長    新保博之   総務局長      松田滋人 文化スポーツ局長  東 利裕   経済局長      鳥倉俊雄 農林水産局長    山森健直   市民局長      松田俊司 福祉健康局長    高柳晃一   こども未来局長   藤木由里 環境局長      加藤弘行   都市整備局長    坪田英孝 土木局長      坂本敦志   危機管理監     上野浩一 会計管理者     朝倉 豊   消防局長      蔵 義広 市立病院事務局長  荒舘 誠   財政課長      津田 宏-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長      森沢英明 担当次長兼議事調査課長      議事調査課担当課長 安藤哲也           上出憲之 議事係長      中田将人   調査係長      今川良太 主査        桜田みどり  主査        前田和紀 主査        北本剛太   主任        竹村太志 主任        小西孝博   主任        辻 卓也 総務課長補佐    多田育代   主査        打越洋平-----------------------------------◯議事日程(第2号)  令和5年3月9日(木)午前10時開議 日程第1 議案第53号令和5年度金沢市一般会計予算ないし議案第116号河川の指定に関する意見について                               (質疑) 日程第2 一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件  議事日程(第2号)に同じ-----------------------------------     午前10時0分 開議 △開議 ○宮崎雅人議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ36名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △会議時間の延長について ○宮崎雅人議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議案上程 ○宮崎雅人議長 これより、日程第1議案第53号令和5年度金沢市一般会計予算ないし議案第116号河川の指定に関する意見について、以上の議案64件を一括して議題といたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問 ○宮崎雅人議長 これより、質疑並びに日程第2一般質問を併せ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 37番横越徹議員。     〔37番横越 徹議員登壇〕(拍手) ◆横越徹議員 令和4年度3月定例月議会に当たり、自由民主党金沢市議員会を代表して質問いたします。 質問に先立ち、先月6日、トルコ南部で発生した大地震により犠牲になられた多くの方々に哀悼の意を表しますとともに、いまだ不自由な生活を余儀なくされている方々に対して、心よりお見舞い申し上げます。そして、我が国を含め、現地で災害復旧や医療活動を行われている多くの国の方々に心から敬意を表します。 質問の第1は、新年度当初予算についてです。 昨年3月13日、過去最多に並ぶ5人の候補者による市長選を制し、村山市政がスタートしてから間もなく1年がたとうとしております。まずはこの1年を振り返って、市長の所感をお聞かせください。 そして、先般、市長は就任後初となる当初予算を、「市民の暮らしを守り 世界に誇る文化都市をめざす総合推進予算」として提案されました。予算の内容を拝見しますと、現下の厳しい経済状況に配慮して、国の経済対策に積極的に呼応し、前年度を上回り、中核市でも上位となる244億円の公共事業費を確保されており、地域経済の活性化を願う市民にとって、大変心強い予算となっております。また、市独自の物価高騰対策を盛り込むなど、市民生活にも十分配慮されているほか、福祉、環境、教育など市政の各般にわたって多くの新規施策が盛り込まれており、一般会計総額で過去最大となる1,819億円余の積極的な予算となっております。市長の意気込みと行政手腕が十分に発揮された、文字どおり総合推進予算であり、市長の初めての当初予算として高く評価するものであります。そこで、最初に、今回の当初予算では、どのような点に重点を置かれたのか、当初予算に込められた市長の思いをお伺いいたします。 一方、公共事業費の増額は、市債残高の増加につながり、将来世代への負担の先送りが心配されるところであります。人口減少時代にあって、将来世代に過度な負担を残すことはできません。そこで、今後の市債残高の見込みと、財政の健全性の見通しについてお伺いします。 さて、市長は、世界に誇る文化都市金沢の実現を選挙公約として掲げており、当初予算にはその実現に向けて、この秋に開催される国民文化祭に関する事業のほか、新規施策が数多く盛り込まれています。そこで、今回の数多くある文化施策において、市長の最も力を入れている新規事業は何か、その事業に対する思いと併せてお伺いします。 ところで、岸田総理は、少子化に歯止めがかからない我が国の現状を踏まえ、少子化対策は待ったなしであるとして、異次元の対策を行う宣言をしました。今回の本市の当初予算でも、出産・育児への支援や、子どもの居場所づくりのための支援、独り親家庭への施策の充実のほか、障害のある子どもやヤングケアラーへの支援など、幅広い観点から多くの新規施策が盛り込まれております。これに加え、今回これまで本議場でも議論のあった子育て支援医療助成費の対象が18歳の入院分まで拡大されました。15歳まで対象を拡大された山野前市長は、子育て施策については、本市の施策全体で評価されるべきと、これ以上の対象年齢拡大については否定的でありましたが、今回、市長が子育て支援医療助成費の対象を拡大された理由をお伺いします。 一方、馳知事は、子育て支援医療助成費に対する県の補助対象を拡大し、市・町に対して負担が軽減された分をどのような施策に充てたのか明らかにするよう求めています。本市においては、今回の子育て支援医療助成費の対象拡大に活用されたとの報道がありましたが、ほかにどのような事業に活用されたのかお伺いします。 ところで、過去最大の規模となった当初予算でありますが、これを支える市税収入も過去最高額となりました。物価高騰の影響があるとはいえ、景気は緩やかに回復しており、国・地方を挙げての各種政策の効果も相まって、これからも市税収入の増加が期待されるところであります。今回の市税収入が過去最高額となった要因についてお伺いします。 一方、市税の中でも顕著な伸びを示しているのが宿泊税であります。全国旅行支援や本市独自の五感にごちそう金沢宿泊キャンペーンなどに伴う旅行需要の高まりとともに、税収も着実に回復しています。平成31年度から導入された本市の宿泊税でありますが、目的税として持続可能な観光振興のため、大変有効に活用されてきたと思っています。そこで、市長は、宿泊税の意義についてどのように考えておられるのか、改めてお伺いします。 新年度は宿泊税の導入から5年目を迎え、宿泊税条例の附則に規定されている5年ごとの検討を行う年に当たります。先行自治体である東京都や大阪府、京都市は継続されており、また、本市が宿泊税を導入した後、福岡市、北九州市などでも導入されています。そこで、新年度、宿泊税については、どのように検証していくお考えかお伺いします。 さて、昨年4月に、本市企業局のガス・発電事業が金沢エナジー株式会社に譲渡されました。譲渡後もガス・発電事業は円滑に運営されていると聞いております。残った課題は、譲渡に伴う対価収入の扱いであります。市長はこれまで譲渡に伴う対価収入については、中長期の市政運営を踏まえて検討した上で、令和4年度最終補正予算で示すと御答弁されてきました。そして、今回提案された最終補正予算では、市場病院施設再整備積立基金と水道施設再整備積立基金を創設するとともに、教育福祉施設等整備積立基金と財政調整基金を増額し、対価収入の全額を基金に積み立てる予算が計上されています。基金への積立ては、中長期の市政運営と将来世代の負担軽減に資するものでありますが、今回、事業譲渡に伴う対価収入を4つの基金に積み立てることとしました理由をお聞かせください。 一方、新たに創設した2つの積立基金は、再整備とはいえ、独立採算制の原則から言えば、それぞれの特別会計で経費を賄うべきとの考え方もあります。そこで、こうした特別会計の再整備に充てる基金を創設することとした理由をお伺いします。 次に、地域力の再生についてであります。新年度の機構改革の1つとして、都市政策局に地域力再生課が新設されます。外部からの新たな視点を生かし、地域の魅力や活力を高める狙いがあり、市長の肝煎りともお聞きしておりますが、まずは、地域力再生課を新設した市長の考えについてお伺いします。 また、新年度予算に、地域力再生に関する新規施策が盛り込まれました。市長は今年度、若い世代のアイデアを市政に生かしていくため、未来へつなぐ金沢行動会議を立ち上げておられますが、新規施策にも大学や学生との連携を進めていく姿勢が強く反映されています。市長は香川大学大学院の教授としての経歴もお持ちです。定住促進や観光振興など、地域の課題解決に学生と共に取り組まれてきたと伺っております。そうした経験も踏まえて、今回の連携事業の予算化につながっているものと思っております。そこで、地域力再生課において取り組まれる大学や学生との連携事業は、具体的にはどのようなことを考えているのかお伺いします。 質問の第2は、新たな都市像の策定についてであります。 市長は、文化資源に磨きをかける従来の路線を継承しながらも、市民や観光客が文化に触れる機会を増やし、間口を広げる取組を強化されてきました。村山カラーとも言える文化を軸とした政策の打ち出しは、市民にとっても期待できるものであり、様々な機会を通じて文化の重要性を語る姿を拝見し、市政のかじ取りを担っていく市長の気概を強く感じているところであります。文化に関しては、強い思いを持っておられる市長でありますが、都市像となれば、文化以外の要素も必要となります。今年度、市長は、8月に開催された10年後の金沢を考えるシンポジウムを皮切りに、金沢の未来を語る会やまちづくりミーティング、市民参加型のワークショップなどを開催されてきました。市民や地域団体などの多様な主体から様々な声をお聞きしてこられたと伺っております。まちの将来に対する意見や提案をはじめ、現在の課題や市への要望もあったのではないかと推察いたしますが、市長はそうした市民や地域団体などからの意見をどのように受け止められ、都市像にどのように反映していくお考えかお伺いします。あわせて、策定までのスケジュールについてもお聞きいたします。 人口減少や少子化など、市政を取り巻く環境が大きく変化している中にあっての、10年後の金沢の在るべき姿を定める都市像であります。これから策定に向けた検討が本格化していくものと思いますが、より具体の検討を進めるためにも、新たな都市像に対する市長の強い思いをお聞かせください。 質問の第3は、日本銀行金沢支店の移転後の跡地についてであります。 日本銀行金沢支店は、本年秋には新しい支店が駅西に完成し、その後、移転に向けた準備が進められるとお聞きしております。日本銀行金沢支店が現在立地している場所は、北陸随一の商業エリアであり、都心軸の要所でもあります。市民はもとより観光客やビジネスマンが数多く往来するとともに、一般車両やバスなど自動車の交通量も多く、金沢のまちの勢いを反映している場所ではないかと思っていますが、現在の日本銀行金沢支店の立地する場所の重要性について、改めて市長に見解をお伺いいたします。 移転後の跡地の利活用については、これまで市長は、市として主体的に関わっていく考えを示してきており、新年度予算には日本銀行金沢支店跡地あり方検討費が盛り込まれ、検討組織を設置し、利活用の在り方を検討していくとされていますが、跡地の利活用については、経済界だけではなく、地元の住民や商店街の皆さんも非常に高い関心を持っています。また、県都金沢の中心部という位置づけから、石川県としての考えも必要になってくるのではないかと思っています。そうした方々としっかりコミュニケーションを図りながら、意見交換を重ねていくことが重要ではないかと思いますが、新年度に設置する検討組織について、どのようなメンバー構成を考えておられるのかお伺いします。 質問の第4は、交通政策についてであります。 今年度、交通政策は大きな転換点を迎えています。コロナ禍における利用者の激減、燃料価格の高騰という厳しい状況の中で、新しい交通システム導入検討委員会からは、まずはバスのサービス水準を向上させるべきとの提言を受け、新年度予算には公共交通サービスの高度化を推進する予算も見受けられました。また、北部地域でのバス路線の廃止に端を発したAIデマンド交通チョイソコかなざわの試験運行など、今後さらに重要性を増すと見られる地域運営交通にも、新しい展開が見られています。地域運営交通では、路線バスの不便な郊外を重点区域とし、支援の拡充も提案されています。年度内に策定される第3次金沢交通戦略においては、時代の変化に的確に対応するための方針がまとめられるものと考えますが、幅広く展開されている交通施策の中で、市長が特に重要視されているものは何かお伺いします。 他方、市・町をまたぐ広域的な交通に目を向けますと、特に厳しい経営状況に置かれている北陸鉄道からの要望を踏まえ、石川線、浅野川線の在り方について、石川中央都市圏における法定協議会の場で議論が続いています。鉄道は、バスに比べて輸送力が大きいだけではなく、大雪の際も時間どおりの運行ができるなど、信頼性が高い一方で、維持費も高いという課題があります。高校生、お年寄りなど車を運転できない方はもちろん、日々の通勤、輸送をこれからも支えていくことが重要なのは言うまでもありませんが、それを交通事業者だけでは担い切れない状況に陥っている中で、市としてどのようなスタンスでこの問題に取り組んでいかれるのか、市長のお考えをお伺いします。 質問の第5は、本市の除雪対応についてであります。 金沢地方気象台の予報では、今シーズンの降雪量は平年並みか、それより多い見込みとのことでしたが、今のところ平年を下回る年となるようです。1月24日からの最強寒波の際でも、1日の最大降雪量は19センチメートルで、本市としては大雪と呼ぶほどではなかったと思いますが、ふらっとバスは4つのルートいずれも雪による路面状況悪化のためという理由から、迂回ルートでの運行となりました。此花ルートでは、小橋町、馬場児童公園、昌永町、浅野本町の4つのバス停に停車せず、北陸鉄道の小橋町と浅野町小学校の2つのバス停を臨時バス停とし運行されたわけですが、路面状況悪化の大きな要因は、消雪装置が正常に作動しなかったからではないでしょうか。いつも使っているバス停を利用できなかった方は大変苦労されたわけですが、此花ルートの消雪装置の点検状況はどうであったのか、故障の原因は何であったのか、また、今後の改善策をお聞きします。 本市の除雪は、行政だけではなく地域の方々の協力なしでは成り立ちません。今年度、本市では、町会に対する除雪機の購入や消雪装置の設置に対する補助率を、3分の2から4分の3に引き上げました。このことにつきましては感謝を申し上げます。しかしながら、町会では4分の1の負担でも厳しい現状にあります。2年後の2025年には団塊の世代が全て75歳以上となり、国民の約4人に1人が後期高齢者となる超高齢化社会を迎えます。つまり、町会加入者においても、生活に余裕がない高齢者が多くなり、現役世代の方と同様の負担をお願いすることが難しくなっているのです。除雪機や消雪用水中ポンプなどについて、老朽化により買換えの時期が来てはいるものの、町会としては自己負担を確保できずに悩んでいるのです。加えて、物価の高騰により、今後の機械価格の上昇が懸念されます。そこでお聞きします。除雪機の購入費補助の補助率は4分の3ですが、公衆街路灯の電気料補助は5分の4です。そのほか町会に対する補助として、例えばコミュニティーセンターの新築の補助率は2分の1ですが、町会に対する補助事業の補助率の違いについて、本市の基本的な考え方をお伺いします。 除雪は、冬の金沢にとって必須のものでありますが、年々高齢者のみの世帯が増え、家の前の除雪だけでもままならないところが出てきています。超高齢化社会を迎えるに当たり、町会に対する除雪機等の補助制度や補助率も含め、本市の除雪対応をさらに強化する時期に来ていると考えますが、市長の御所見をお伺いします。 質問の第6は、金沢の夜の魅力発信についてであります。 5月に新型コロナの位置づけが、季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられる期待から、北陸新幹線や小松空港の国内線利用が伸びており、いよいよ観光が本格回復していくと期待するものであります。また、北陸新幹線敦賀延伸により、関西からのさらなる誘客も期待できます。折しも、国では新たな観光立国推進基本計画を議論しており、2025年度には訪日客数をコロナ前の3,188万人超え、1人当たり消費額については25%増の20万円を目標にする計画案が示されております。消費額の増には滞在型観光の推進が欠かせません。昼間の観光客が幾ら多くても、宿泊客が多くなければ地元経済は潤いません。このため、必要な施策として、夜観光の充実が指摘されています。市内では、夜の魅力創出の一環として、従来から各所でライトアップが行われています。今年は1月下旬から2月下旬の週末に兼六園でライトアップが行われたほか、冬の夜のマジカルセッションと題し、玉泉院丸庭園やしいのき迎賓館でも趣向を凝らしたライトアップが行われ、行き交う人の目を楽しませてくれました。これらは、観光案内所でもチラシが置かれ、PRされていましたが、いずれも県の施設であります。一方、本市でも、鼓門をはじめ中の橋、梅ノ橋をライトアップするなど、夜間景観の充実には力を入れておられますが、観光案内所でその案内を目にすることはできませんでした。どのような形で本市の夜間景観を観光客にPRされているのでしょうか、お伺いします。 また、当初予算にはまちの歴史や文化を感じられる新たな夜間景観アクションプログラムの策定費が計上されています。この目的と、現在の夜間景観アクションプログラムの総括をお聞かせください。 ところで、これらの金沢らしい落ち着いた夜間景観に対を成すものは、北陸最大の繁華街と言われる片町のネオンの明かりの景観であります。落ち着いた夜間景観が静だとすれば、片町の夜間景観は動の景観です。この2つの景観がそろってこそ、金沢の夜の魅力となるのではないでしょうか。この片町が、コロナ禍で元気がありません。特に二次会、三次会で利用されるラウンジ、スナックなどのお店です。市税収入は過去最高でありますが、このことは、片町には波及していません。片町の明かりが暗くなれば、それは本市の活力が失われることにつながります。観光の回復には片町の回復が急務です。そこで、数点お伺いします。まず、市長は、片町の夜間景観についてどのような考えをお持ちでしょうか。また、今の片町の苦境をどのように捉えていますでしょうか、併せてお伺いします。 次に、片町の魅力発信です。石川県観光連盟のホームページでは、日本海の幸として、百万石の鮨を紹介し、ここをクリックすると、石川県鮨商生活衛生同業組合のホームページで、県内のすし店の紹介を見ることができます。片町には生活衛生同業組合があり、片町の安全・安心、衛生水準の向上に努められています。金沢市観光協会において、安全な夜の片町に資している店を発信できないでしょうか。観光協会では、カニを提供する飲食店や、クラフトを体験できるお店を紹介していますが、紹介できる、できないの基準をお伺いします。 観光客が他都市へ行ってお店を選ぶ際、まず重要視するのは安心感です。観光協会が発信してくれれば、安心感を獲得し、利用の増加に結びつき、結果、本市の夜観光の充実につながると考えますが、市長の御所見をお伺いします。 最後に、これまで金沢市勢発展に御尽力され、この3月末をもって退職される市職員の方々に改めて感謝を申し上げます。新たな場所でも引き続き御活躍されることを祈念しまして、私の代表質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。(拍手) ○宮崎雅人議長 村山市長。     〔村山 卓市長登壇〕 ◎村山卓市長 37番横越徹議員の質問にお答えいたします。 市長就任から間もなく1年となりますが、この間、最優先課題であった新型コロナウイルス感染症への対応と地域経済の回復はもとより、昨年8月の大雨災害への対応や物価高騰対策など、市政のかじ取り役としての責任の重さを痛感しながら、市民生活の安全・安心の確保を第一に、常に緊張感を持って職務に精励してきたところであります。また、私が掲げた施策をより効果的なものとするために、10年後の金沢を考えるシンポジウムをはじめ、金沢の未来を語る会やまちづくりミーティング、市民参加型のワークショップなどに足を運び、多様な立場の方々から新たな都市像の策定に向けた御意見を伺ってきたところであります。今回の当初予算にも、そうした御意見を多少なりとも反映できたものと考えております。改めてこの1年の議員各位並びに市民の皆様方の御協力に心より感謝いたしたいと思います。 当初予算編成では、現下の市民生活や社会経済情勢に配慮し、市独自の物価高騰対策を講じるとともに、保育料や国民健康保険料など各種料金を据え置くほか、中核市トップクラスの水準となる公共事業費を確保するなど、地域経済を下支えしていく対応にも努めたところであります。その上で、世界に誇る文化都市金沢の実現を目指し、文化に厚みを加えていく視点を重視し、中学生の鑑賞機会の拡大、保育施設での情操教育の推進をはじめ、市政の各般にわたり新規施策を盛り込み、まちの魅力と個性を次の世代につなげ、発展させていくための布石を打ってまいりました。加えて、厳しい財政環境にあることを踏まえ、施策の重点化や基金の活用を図ることで財政の健全性を確保するとともに、経済的に反転攻勢を仕掛ける段階にあるとの判断から、地域力の再生や跡地の活用、施設の再整備など、将来的な課題に積極的に取り組む予算案をお示しできたと考えております。 財政の健全性の確保に向けましては、最終補正予算と当初予算を一体的に編成することで、公共事業費の確保だけではなく、市債の計画的な繰上償還費20億円にも配慮したところであります。こうした中期財政計画の着実な実践により、市債残高、市債発行額、公債費、これら全てが減少傾向にあります。明年度には臨時財政対策債を除く通常の市債残高が、ピーク時の平成16年度と比べ半分以下になる見込みであります。本市の財政状況は、今のところ健全でありますが、今後、少子高齢化の進行による社会保障費の増加や、公共施設の老朽化対策など、多額の財政需要が見込まれることから、引き続き中期財政計画と公共施設等総合管理計画の実践を通じて、中長期的な視点に立った計画的かつ安定的な行財政運営に努め、今後とも財政の健全性を堅持していきたいと考えております。 文化政策につきまして、私から見た金沢の強みは、美術や工芸に携わる人が多いこと、そして、伝統や文化を大事にする心が育まれていることだと思っております。これらは先人たちから受け継がれてきたものでありますけれども、時の市長であった山出保元市長は、その文化の質の向上を図り、また、山野之義前市長は、文化の幅を広げてきたと理解しております。そして、コロナ禍であるがゆえに、人々は心の豊かさや温かさを求めており、私は、文化をより身近なものにしなければならないと思っております。その上で、来年度の当初予算編成に当たって特に意を用いたのが、文化の裾野を広げること、文化により教養の幅を広げることであります。そのために、保育所や幼稚園などに通う子どもたちに、芸術文化プログラムを通じて自尊感情を育む情操教育を推進したい、また、市内の全ての中学生に、金沢が誇るオーケストラや金沢素囃子などの芸術文化に触れてもらい、教養の幅を広げ、まちへの愛着を醸成したいと考えております。 子育て支援医療費助成については、これまでの市政運営の中でも、子育て支援策の重点施策として、予算の選択と集中による施策の重点化を図っていく中で、順次対象年齢の拡大等を行ってきた経緯がございます。明年度予算編成におきまして、未来を創る子どもへの投資を重点施策の1つと掲げております。今回、石川県が対象年齢等を拡大したことも踏まえ、入院分について対象を18歳まで拡大し、自己負担を無料化したものであります。 県が今回拡充した対象年齢等については、既に本市の子育て支援医療助成費の対象であったことから、予算編成上、県の補助金の増額分は、子育て支援医療助成費の現行制度分に充当することとなります。その上で、子育て支援医療助成費の入院分の年齢拡大等のほか、ひとり親家庭等医療助成費の子どもの自己負担分無料化、乳幼児の予防接種助成費、かなざわ子育てすまいるクーポン事業費、まちの子育て保健室の開設費など、子育て支援の拡充に有効に活用することとしております。 宿泊税につきましては、条例に規定しているように、まちの個性に磨きをかける歴史・伝統・文化の振興、観光客の受入れ環境の充実、市民生活と調和した持続可能な観光の振興の3つを柱とした事業に活用してきております。本市の歴史・伝統・文化などの固有の魅力を高めるとともに、市民生活と調和した持続可能な観光の振興に大きく貢献してきた大切な財源であると考えております。 宿泊税制度が円滑に運用されていることを検証するため、先行自治体の取組を参考として、今年度、納税者である宿泊者や特別徴収義務者である宿泊事業者、市民を対象としたアンケート調査を実施したほか、観光関係団体や有識者を対象としたヒアリング調査を行ってきたところであります。調査の結果、納税者である宿泊者に、宿泊税制度はおおむね理解が得られているものの、認知度が4割程度だったことを踏まえ、新年度、宿泊税条例施行後の状況に関する検討会議を開催し、制度の円滑な運用に向けまして、各分野の有識者から御意見をいただきたいと考えております。 ガス・発電事業の譲渡対価収入につきましては、市民生活の安定と安全・安心の確保に役立てたいとの思いから、市場や病院、水道施設、小中学校の再整備や安定的な財政基盤の構築に充てるため、4つの基金に積み立てることとした次第でございます。公営企業会計は独立採算性が原則でありますが、中央卸売市場及び市立病院の再整備には国の繰り出し基準に基づき、借り入れた資金の半分を返済の際に一般会計が負担することとなるほか、水道施設につきましても、再整備による安全性の確保や将来の水道料金引上げの抑制につながるということから、今回、基金の創設をお諮りしているところであります。 地域力再生課について御質問をいただきました。本市では、町会や公民館、消防団などのコミュニティー活動を通じて、連帯や協働の意識が育まれ、地域の活力が向上してまいりましたが、人口減少や少子高齢化など地域を取り巻く環境が変化する中で、活力を失いつつある地域も見受けられるようになってまいりました。このため、民間企業や高等教育機関の知見のほか、若者の柔軟な考え方や、外部人材、移住者などの視点を活用し、地域の活力を回復させたいと考え、地域力再生課を新設することとした次第であります。加えて、地域課題は多岐にわたり複雑化していることから、関係部署から成る庁内横断のプロジェクトチームもこれに併せ立ち上げることとしており、新たな発想を生かした地域活力の再生に取り組んでいきたいと考えております。 さらには、大学の知見と学生のアイデア、行動力を生かすため、大学と連携し、学生が地域やまちなかでの活動を通じて地域課題の解決に取り組む実践型の授業を開講することとしております。横越議員御指摘の香川大学地域マネジメント研究科に在籍時代に、学生と共に地域のフィールドワークを行い、それによって地域の課題が解決するとともに、学生にとっては学びの場になり、成長の場になる。そういったことを体験しました。また、地域への愛着が湧くということも、その派生的効果として見受けられました。こうしたことから、大学、学生との地域活動を行い、そして、課題解決を行っていくということは非常に重要であるというようにも感じた次第であります。また、学生のまちづくりへの参画方策をはじめ、生産年齢人口の確保に向けた学生の定住促進策、大学卒業後の関係人口の拡大策などについて、地方自治研究機構と共同で調査研究を行っていくこととしておりまして、これらを通じて大学や学生と地域をつなぐ仕組みを構築していきたいと考えております。加えて、大学の社会人向けリスキリング講座の受講を支援するなど、地域に必要な人材の確保にもつなげてまいりたいと考えております。 新たな都市像の策定に向けまして、昨年の夏以降開催してきた意見交換の場では、これからのまちづくりに対する御意見はもとより、市民生活や地域における実情もお聞きし、地域の課題について改めて認識させていただきました。そうした意見や地域の課題も踏まえ、明年度、有識者や関係団体の代表者等から成る検討委員会を立ち上げ、検討を進めたいと考えております。まずはスケジュールとしましては、準備会合を今月下旬に開催することとしております。また、並行して庁内でも策定本部を設置することとしており、全庁一丸となって取り組んでいきたいと考えております。また、秋頃をめどに取りまとめ、パブリックコメント等の手続を経て、12月定例月議会に本市の新たな都市像をお諮りしたいと考えております。お認めいただければ、年度末までに具現化に向けた行動計画を策定したいと考えております。 金沢では、歴史に培われた伝統文化と新たな文化を融合しつつ、独自の文化を形成し、さらに独特のコミュニティーを生み出してきたと考えております。そうした文化の土壌や多様性を許容する風土が本市の強みであり、先を見通せない難しい時代にあっても、しっかりと将来につないでいくことが私の責務だと考えております。文化をまちづくりの礎に据えた上で、若い世代が働きたい、住みたい、子育てしたいとイメージできるまちになることが大切であると考えており、生活の安全・安心はもとより、まちの個性や魅力を磨き高め、そして、広げることで、住みよさを実感できるまちを目指したいと考えております。また、これまでの多様な主体との意見交換とともに、これからの検討委員会での議論などにより内容を収れんさせていくこととしておりますが、議論のプロセスも大事にすることで、都市像を市民と共有してつなげていきたいと考えております。 日本銀行金沢支店が立地している香林坊周辺につきましては、県都の中心であり、都心の風格を感じることができるエリアと考えております。また、商店街とビジネス街をつなぐとともに、交通の要衝でもあり、多くの人々が行き交う場所でもあります。加えて、周辺には多くの芸術文化施設や歴史文化資産が集積しており、本市の発展に極めて重要な場所であると考えております。 明年度設置する日本銀行金沢支店跡地あり方検討懇話会は、有識者や経済界の代表、地元関係者のほか、石川県からは徳田副知事にも参画いただくことになりました。また、若い世代の意見を反映するため、未来へつなぐ金沢行動会議の代表者にも加わっていただき、全体で10名程度の委員で構成することにしております。加えて、まちづくりに関する連携協定を締結し、都心軸の今後の在り方について、連携しながら調査検討を重ねている独立行政法人都市再生機構URにもオブザーバーとして参画していただく予定であります。 公共交通につきましては、通勤通学、買物など市民生活はもとより、子どもや高齢者、障害のある方などにとって重要な移動手段であり、持続可能性の確保は急務であります。このような認識の下、第3次金沢交通戦略では、都心軸を中心としたバス待ち環境の向上や、連節バス等の導入などのサービス水準向上に加え、鉄道、バス、自転車などの乗換拠点となる、いわゆるモビリティーハブを各方面に整備し、公共交通を利用しやすい環境を整備することに力点を置いております。また、路線バスの不便な郊外では、日常的な移動手段を確保するため、地元負担の軽減に配慮しながら、地域運営交通の導入拡大に向けた重点的な支援を行っていきたいと考えております。 北陸鉄道石川線・浅野川線は、大量輸送を支える公共交通として重要な役割を果たしておりますが、コロナ禍による人流の減少や燃料価格の高騰に加え、車両や施設の老朽化などの課題もあり、大変厳しい状況に置かれていると認識しております。このため、現在、石川中央都市圏の関係自治体と共に、北陸鉄道から要望のあった上下分離方式の導入も含めた鉄道の存続や、BRT化などの選択肢について、意識調査やデータ分析を行いながら協議を進めているところであります。本市としては、市民生活に影響を及ぼすことのないよう、明年度中に鉄道線の在り方の方向性を打ち出した上で、特定事業計画の策定につなげていきたいと考えております。 除雪に関連し、町会への補助率について御質問いただきました。少子高齢化の進展により、現役世代が減少する中で、将来世代の負担を重くすることなく、まちの発展と住みやすさを求めていく必要があり、人的、金銭的なコミュニティーへの負担についても、そのような状況を考慮し、今後協議していく必要があると考えております。本市では、令和2年度に地域コミュニティ活性化基金を活用し、コミュニティー関連施設の整備等に対する助成を、他の公民館や児童館、消防団の施設整備と合わせ4分の3に拡充いたしました。なお、御指摘があった補助率との差については、県補助金の差によるものでありまして、地元負担は一律4分の1となっております。なお、公衆街路灯の電気料補助については、市民生活の安全・安心確保の観点から、従前より5分の4の補助率としているほか、地域の実情等に鑑み、世帯数の少ない地域については加算を行っていることを御理解いただければと思います。 除雪につきまして、ここ数年まとまった降雪が多く、地域の高齢化も進み、除雪に対するニーズも高まっている中、本市では、平成30年度から本年度までの間、新たに地域除排雪活動費補助の新設、除雪機械等購入費補助などの拡充、また、除雪作業の出動基準や雪害対策本部の設置基準の見直しなどに取り組みまして、除雪計画の改定を行ってまいりました。あわせて、除雪体制を維持・強化するため、除雪業者の確保が何よりも重要と考え、業者の掘り起こしを行い、今議会においては、除雪オペレーターの育成に対する支援策をお諮りしているところであります。今後も、市民の生活環境の変化に合わせ、除雪路線や除雪体制の見直しを検討していくなど、本市の除雪対応の強化に努めてまいりたいと考えております。 夜間景観につきまして、現在の夜間景観アクションプログラムにおきましては、金沢駅の鼓門など、建造物を主体にライトアップすることで、夜の金沢の新しい名所を創出するとともに、公園内の小径や坂などのライトアップにより、夜間景観を楽しみながら歩くことのできるルートを整備いたしました。新たな夜間景観アクションプログラムでは、これまでの歩行回遊ルート内での連続性を強化し、6つのルートを有機的につなぐことを目的に、屋外の展示物などの新たな要素を掘り起こしライトアップすることにより、夜間景観の回遊性をさらに向上させ、まちの活性化とにぎわいにつなげていきたいと考えております。 片町につきましては、金沢市における夜間景観の形成に関する条例におきまして、にぎわい景観創出区域に位置づけ、周辺のまち並みや安全に配慮しつつ、夜間のにぎわいを創出し、都市の魅力を高める創造性や演出性にあふれた品格のある夜間景観の形成を図ることを目指しております。片町などの繁華街においては、店の窓やショーウインドーから漏れる明かりが、にぎわいと華やかさを演出するものであると同時に、広告への照明やイルミネーションなど、まちの明かりと調和したものであることが大切であると考えております。片町で見られる調和の取れた様々な明かりは、御指摘のようなまちの活力につながる動の景観として、魅力の向上につなげていく大切さも含め、金沢の夜間景観の重要な要素であると考えております。 新型コロナウイルスの感染拡大によりまして、飲食店等は大きく影響を受けたと認識しております。特に、商業の中心地である片町かいわいのにぎわいの早期回復は、本市の地域経済の振興の面で重要であり、これまでも県の助成制度に市独自で上乗せした飲食店まん延防止等緊急支援金や事業復活臨時支援金により、事業継続を支援してきたところであります。現在、旅行需要は着実に回復基調にありまして、5月には新型コロナの感染症法上の分類が5類に引き下げられることに加え、いしかわ百万石文化祭や百万石まつり、JAZZ STREET、金沢マラソンといった本市イベントも通常開催を予定しているほか、学会や全国大会等のコンベンションも多く予定されていると聞いております。今後、社会経済活動が活発となることにより、夜のまちにも観光客や市民が増えることを期待しております。 金沢市観光協会におきましては、冬の旅キャンペーンや観光客にお勧めする食の特集として紹介している店舗については、協会に加盟する事業者としております。本市の観光公式サイト金沢旅物語では、グルメチケット金沢美味の参加店約270件を紹介しておりまして、この中には片町の飲食店にも御参加いただいております。夜の繁華街に観光客が増えることはまちのにぎわいにつながると考えておりまして、金沢駅や中央観光案内所などでは、石川県社交料飲生活衛生同業組合等の団体や、民間が作成した飲食店ガイドを設置し、観光客に配布してございます。引き続き情報発信に努めてまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○宮崎雅人議長 松田総務局長。     〔松田滋人総務局長登壇〕 ◎松田滋人総務局長 市税収入が過去最大となった要因についてお尋ねでございました。コロナ禍で国・地方が講じた経済対策が効果を及ぼしており、あわせて、企業努力による業績回復、それから投資の拡大、コロナ禍から脱却しつつある消費の回復基調などに要因があると考えております。具体的には、雇用の持ち直しによる給与所得の増加や、堅調な企業業績による個人・法人市民税の増加、令和4年中に建築された大規模家屋などによる固定資産税の増加、観光需要の回復による宿泊税の増加などにより、全体として約25億円増の約850億円を市税収入として見込んでいるところでございます。 以上でございます。 ○宮崎雅人議長 坂本土木局長。     〔坂本敦志土木局長登壇〕 ◎坂本敦志土木局長 ふらっとバス此花ルートの消雪装置についての質問でありますが、消雪装置の点検は、本市の全路線を11月と1月に年2回、おのおの約1か月間かけて行っております。なお、此花ルートの点検におきましては、昨年11月14日の点検で異常は確認されませんでしたが、12月19日に揚水ポンプの故障が発生し、部品交換に時間を要しましたので、1月の点検は行えず、修理完了後の2月15日に行いました。なお、ポンプ修理期間中の除雪は、機械除雪に切り替えて対応してきましたが、降雪が強かった日はふらっとバスの定時運行が困難であり、迂回ルートでの運行となりました。今後は消雪装置の故障などに対応するために、夜間に除雪作業を行うなど、機械除雪によるバックアップ体制を強化し、関係課と連携を図りながら、ふらっとバス路線など公共交通機関の運行に支障とならないよう、迅速な対応に努めていきます。 以上でございます。 ○宮崎雅人議長 坪田都市整備局長。     〔坪田英孝都市整備局長登壇〕 ◎坪田英孝都市整備局長 本市の夜間景観のPRについてのお尋ねがございました。コロナ禍における行動制限もありまして、観光客へのPRを自粛しておりましたが、これまで本市がライトアップしてきました金沢駅の鼓門や白鳥路などの夜の様子が分かる写真や、金沢の夜の風情を感じるようにライトアップ整備した箇所を巡る歩行回遊ルートなどを、昨年から市のホームページに紹介しているところでございます。加えまして、ひがし茶屋街や国立工芸館等のライトアップスポットを巡る金沢ライトアップバスが土曜日を中心に運行されております。観光客の方に夜のまち歩きや魅力ある夜間景観をより一層楽しんでいただけるよう、観光施策とも連携を深めながらPRに工夫を凝らしていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○宮崎雅人議長 換気のため、しばらくお待ちください。 32番中西利雄議員。     〔32番中西利雄議員登壇〕(拍手) ◆中西利雄議員 みらい金沢を代表して、以下数点質問いたします。 最初に申し上げますが、市長の答弁は若干早口でありますので、フルート演奏のように優雅な答弁をしていただきますようお願いしておきたいと思います。 質問の1点目は、新たな都市像と未来の金沢についてであります。 村山市長が誕生して間もなく1年となります。新たな都市像を策定するべく、各種団体との意見交換をはじめ、若者からの意見聴取など、幅広い層からの意見をまとめ、今後たたき台が提示され、さらなる意見集約を行っていくものと考えられます。私が議員になりました平成3年は、前江川市長時代の21世紀金沢の未来像がありました。その後、山出市長による金沢世界都市構想、そして、山野市長による世界の交流拠点都市と変遷してきました。いずれも金沢の歴史、伝統、学術、文化を磨き高めること、そして、世界を視座に置くことも共通していたと思います。その中でも、山出市長は、市民が住みよいまち、市民が住んでよいと思えるまちを第一義に考え、福祉と環境と教育を中心課題に取り組んでいたという印象を持っております。昨年8月に開催された10年後の金沢を考えるシンポジウムでは、文化一色の内容であり、少々期待外れであったという声も聞こえるところであります。そこで、村山市長は、新たな都市像の基本的方向性をどのように考えているのか、また、福祉、環境、教育をどのように位置づけていくお考えかお尋ねいたします。 さて、金沢の歴史や文化に立脚した政策を行っていくことはもちろんでありますが、そこにどのような新しいことを付け加えていくかということが首長の腕の見せどころとも言えるのではないでしょうか。私の印象ですが、山野市長は、スポーツをまちづくりの視点に入れ、フルマラソンの開催やスポーツ文化条例の制定といったことを残していったと思っております。村山市長は、どのような新しいことを付け加え、未来の金沢を形成していくお考えなのかお尋ねいたします。 また、世界を視座に置くことについてですが、新型コロナウイルス感染症の蔓延により世界は一変したほか、ロシアのウクライナ侵攻や東アジアでの中国の動きなども注意が必要であります。片や、インターネットなどで世界と個人が直接つながる状況が当たり前となっています。このような状況を踏まえ、どのように世界と対峙していくかを考える必要があると思うのであります。世界に誇る文化都市金沢を掲げる市長にとって、世界と金沢の関係をどのように考え、新たな都市像に入れていくのかお尋ねいたします。 質問の2点目は、新年度予算についてであります。 市長就任後初めてとなる通年予算の編成に当たられ、過去最大規模の予算額となりましたが、まずは率直な感想をお尋ねいたします。 さて、多くの新規予算が見受けられ、また、随所に心配りを感じるのでありますが、村山市長の特徴がいま一つ見えないのであります。文化を中心に据えられることは分かりますが、村山カラーはどこに出ていると御自身では思っているのかお尋ねいたします。 まず、文化についてですが、やはり金沢にとって重要な施策であります。そして、市民の生活の全てが文化に結びついているようにも感じます。その中でも、金沢を象徴する文化の1つに、50年もの歴史を重ねてきた鏡花文学賞があります。五木寛之氏の助言により創設されたこの賞は、市民の熱意によって支えられ、国内有数の文学賞として認識されるものであります。小さくともきらりと光る、まさに鏡花文学賞はその言葉が似合う賞であり、金沢はこの文学賞と共に歩んできたと言っても過言ではないと思っております。地方の文学賞が廃止されてきた中、この鏡花文学賞をさらに高めていくためには、副賞を増額し、全国からこの賞に注目が集まる仕掛けも必要ではないかと思っていたのでありますが、さすが村山市長、50周年を契機に副賞の増額を当初予算に盛り込み、世界に誇る文化都市を目指す村山市長の意気込みを感じるのですが、改めて市長の意気込みをお尋ねいたします。 一方、金沢21世紀美術館も金沢が誇る施設の1つであります。来年、開館20年を迎えるとのことで、大変感慨深いものがありますが、当時は伝統文化、伝統工芸が盛んなこの地に、現代アートの美術館が必要なのか、賛否両論があったことは皆さんも御承知のとおりであります。まずは、20周年記念事業準備費が計上されていますが、現時点でどのようなことを考えているのかお尋ねいたします。 さて、様々な議論を経て誕生した金沢21世紀美術館ですが、記憶では、当初年間30万人の来館見込みでありましたが、いざ開館すると、年間150万人、北陸新幹線金沢開業により年間250万人となるなど、国内外を問わず高い評価を得るようになったわけであります。ところが当初予算を見ますと、21世紀美術館20周年記念事業準備費に、外部識者による事業評価を実施すると記載されています。21世紀美術館の今日の姿を見ますと、今さら何を評価するのかと思うのであります。そこで、市長は、金沢21世紀美術館をどう評価しているのか、来年度、外部識者による評価では、どのようなことを評価するのか、外部識者とはどのような人を指すのか、その評価を今後どのように生かしていくのか、市長の率直な考えをお伺いいたします。 次に、私は、市民が住みよいまちの重要な要素であり、かつ行政が進めるべき基盤は、山出市長が述べていた福祉、環境、教育の3分野ではないかと思うのであります。そこで、まずは福祉についてですが、子育て支援、障害者支援、介護支援、そして元気な高齢者への支援など、福祉分野は幅広く、そして、お一人お一人の事情が異なることから、丁寧な対応が求められているかと思います。また、障害の有無などにかかわらず、全ての人々が共に市民生活を送っていく共生社会の考え方が、予算の重点項目に挙げられており、浸透してきているように感じるのであります。そこで、市長は、共生社会の実現に当たって、どのような点に意を用い、新年度予算の編成に当たられたのかお尋ねいたします。 さて、3年間続いた新型コロナウイルス感染症の影響もあり、特に高齢者支援については、社会的孤立や8050問題などが顕著化する一方、地域福祉においてはボランティアによる地域の支援体制を維持することに、大変難しい局面を迎えております。このような中、本市は地域共生社会の実現に向けて、金沢版重層的支援体制整備事業に着手され、金沢版の言葉からは、全国に類のない本市独自な取組であり、重層的の言葉からは支援体制の手厚さが伝わり、地域の福祉力向上に取り組む意欲が見られるところであります。そこで、事業開始から1年が経過した本事業において、金沢版や重層的の言葉にふさわしい効果は得られたのか、事業の評価とともにお尋ねいたします。 さて、私ごとではありますが、平成16年から金沢市聴力障害者福祉協会の皆様と共に、活動を共にしてまいりました。当時は、金沢市の委託事業である手話通訳者派遣事業を開始するほか、小規模作業所ろうあハウスが現在の拠点である野町に移り、事業を拡充されるなど、聴覚に障害のある方の社会参加の促進に向け、大きく歩みを加速した時期に重なります。この議場において、平成17年3月議会で初めての手話通訳付きの議会傍聴が実現したことを皮切りに、聴覚に障害のある方への意思疎通に関する様々な支援策が進められてきました。そして、平成29年6月26日には、先輩議員、同僚議員の御協力をいただき、この議場において、全会一致で金沢市手話言語条例が成立いたしました。聴覚に障害のある方や、手話関係者の傍聴席での歓喜の場面は、今でも私の脳裏に刻まれています。フルートに負けず劣らず、手話での自己紹介が上手であると評判な村山市長でございますが、共生社会の実現に向けて、手話の普及啓発にどのように取り組まれていくのか、改めて市長の決意をお尋ねいたします。 次に、障害者の観点からの文化についてですが、障害者文化芸術推進法の理念のとおり、障害のある方が文化活動に積極的に参加できるよう、環境整備を進めていくことが、共生社会の実現への一歩であります。まずは事業の企画段階から、障害のある方が参加する環境をつくり、障害のある方の意見を取り入れていく必要があるのではないでしょうか。いしかわ百万石文化祭関連事業や、明年度の新たな文化事業の実施に当たり、企画段階から障害のある人が参画し、企画を検討していく機会を設ける考えはあるのか、市長にお尋ねいたします。 次に、環境についてです。地球規模の視点が必要な温室効果ガス削減から、身近な植物、そして植生の変化による獣害が発生し、農作物だけでなく、人への被害も報告され、極論ではありますが、食料にも関係する重要な視点でもあります。日々の生活と地球環境のバランスを取りつつ、将来を見据えた取組が必要であり、行政が率先して市民を巻き込んで施策を進めていく必要がある分野ではないかと思うのでありますが、新年度予算には環境面に対してどのような意を用いたのかお尋ねいたします。 その温室効果ガス削減について、国を挙げて進めているところですが、どのように金沢らしさを出し、市民に浸透していくことができるかが鍵になるかと思いますが、環境分野における金沢らしさについて、市長の見解をお尋ねいたします。     〔議長退席、副議長着席〕 また、平均気温の上昇に伴い、植生が変化することにより、動物の行動にも変化が生じ、鳥獣害の原因となる動物の数が増えたり、種類が変化することも考えられます。現在においても、鳥獣害を防ぐことが難しいことから、これ以上数が増えたり種類が増えたりすることは勘弁願いたいところであります。そこで、鳥獣害に対する環境局と農林水産局とで連携はどうなっているのか、また、鳥獣害対策や熊対策に7,000万円余りの予算が計上されている一方、さらなる充実が必要と考えますが、見解をお尋ねいたします。 次に、教育についてです。平成24年4月に野口教育長が就任し、11年が経過しようとしております。教育問題は、私が初当選した平成3年6月定例会において、初めて質問の機会を得た最初の項目が教育でありました。その際、登校拒否や高校中退の問題を取り上げ、教育の教はあっても育はないと発言したことを思い出します。この考えは、30年以上経過した今日においても同様であり、いかに育むことの難しさを痛感いたすものであります。野口教育長におかれては、この育むことを大事にされてきているように感じるのでありますが、育むことに対する教育長の考え方をお尋ねいたします。 また、私としては、スポーツの振興、とりわけ相撲の振興に力を注いでまいりました。全日本大学選抜相撲大会の金沢開催を実現させた者としては、卯辰山相撲場は今年度末をめどに大規模改修が行われており、高校相撲、そして大学相撲にとって金沢は聖地であり、そして、全国から憧れる地となってほしいと思っております。金沢における相撲振興に対する教育長、そして市長の思いをお尋ねいたします。 質問の3点目は、まちづくりと県・市連携についてであります。これまで再三にわたり、県と市の連携を申し上げてきましたが、喫緊の課題について幾つか質問したいと思います。 まず、金沢歌劇座の建て替えと本多町文化ゾーン、そして知事公舎ですが、現在地での建て替え方針となりました歌劇座については、ホールとしては県内最大の約2,000人が入ることのできる施設であり、公共による利用だけではなく、民間による興行も多く行われ、市民・県民に親しまれてきました。さて、その歌劇座向かいに位置する県社会福祉会館等については、移転も含め建て替えの方向で検討する旨の報道がなされております。本市としても、本多町文化ゾーンに位置し、中村記念美術館もありますことから、現在地での建て替え、あるいは移転のどちらであっても、本市のまちづくりに大きく関わってまいります。さらに、少し離れてはいますが、知事公舎についても活用策を検討するようであります。いずれも県の施設ではありますが、一斉に建て替えや移転となりますと、大きくさま変わりすることになります。建物単体での検討に加え、トータルで景観、色彩、デザインを考えていくことが、この地域にはふさわしいですし、必要になると思います。この本多町周辺における県との連携について、定期的な連絡会議、あるいはトータルで考える有識者会議を共同で設置することなどについて、御所見をお尋ねいたします。 次に、日銀移転後の検討ですが、本年秋にも駅西への移転が予定されており、6月定例月議会でも質問いたしましたが、その後、市としての検討はどうなっているのか、また、県との連携は具体的にどのような形で行われているのか、さらには、経済界との連携について、私には見えないのであります。もちろん相手方があり、言えることと言えないことがあるのは承知いたしますが、移転まで1年を切っており、スピード感を持って当たる必要があるのではないかと思うのであります。この件について、現状と今後のスケジュール、そして県などとの連携について、市長にお尋ねいたします。 次に、東京のアンテナショップについてですが、県は、有楽町から八重洲に移転する予定をしております。本市の銀座の金沢については、現在の県のアンテナショップから割と近く、連携しやすい環境にあったと思っております。しかし、県が移転することになり、また、銀座の金沢の賃貸借契約が来年6月までと聞いており、これらを踏まえ、検討費の予算が計上されていると推測いたします。一方、市としては、県のアンテナショップの運営負担金として2,500万円余も支払っており、県と市と別々にショップを持つ必要性も検討しなければなりません。そこで、県とどのような調整をされているのかお尋ねするとともに、引き続き市独自のアンテナショップを持つのであれば、県との違いや必要性などについてどのように考えているのかお尋ねいたします。 なお、北陸3県では、新たに大阪にアンテナショップを開設するとの報道がなされておりましたが、本市として何か対応を考えているのかお尋ねいたします。 質問の4点目は、職員の働く意欲についてです。これまでの議員活動において、多くの市職員と関わってきました。多種多様であることはもちろん、多芸多才な職員も多く、広い意味で文化都市金沢を支える一助となっていると思っております。また、昔は1期議員を叱る部長や課長もおり、内心思うところはありましたが、これも私のことを思ってくれてのことと理解してきたことが、今につながっていると思います。そういう私から、職員の皆さんにエールを込めて質問いたします。 まずは、新規採用職員についてです。全国的には民間での採用が活発化してきたこともあり、近年は新規採用職員の応募者数が減ってきているとの報道がありました。特に土木などの技術職、専門職での応募が少ないともお聞きします。本市では、東京や京都での採用試験を行うなど、応募しやすい環境を整えておりますが、その成果が出ているのか、まずはお尋ねいたします。 また、せっかく採用されたとしても、途中で辞めていく職員も少なからずいるとのことであります。いろいろと事情はあろうと思いますが、職員が辞めた理由が分かればお聞かせ願うとともに、辞めないような工夫はないのかお尋ねいたします。 次に、主査や管理職への昇任試験についてです。聞くところによると、大都市を中心に昇任試験を受ける職員が少なくなってきているとのことであります。理由は不明ですが、昇任することで責任が重くなり、様々な事象への対応も必要であり、自分の働き方とのギャップが大きいことが理由ではないかと推測いたすものであります。その中には議員からの圧力もあるかもしれませんし、その一端が私にもあるのであれば、反省したいと思います。しかし、優秀な職員が昇任試験を受けずにいることは、市にとっては損失であります。現状では問題ないのかもしれませんが、今後を見据えて何らかの方策を講じる必要があるのではないかと思うのであります。この点についてお考えをお尋ねいたします。 次に、定年の延長についてです。来年度より定年が順次延長され、最終的には65歳が定年となります。60歳となった年度末で管理職の役職から降ろされ、一般職員として残りの5年間を働くことになります。この議場にいる局長の中にも、一般職員として数年働くことになる方もいらっしゃるかと思います。どのような働き方になるのか、内心は戦々恐々としているのではないかと推察いたすものであります。そこで、60歳になった後の働き方はどのようになるのか、管理職と非管理職についてそれぞれお尋ねいたします。 また、定年後の働き方いかんによっては、職員のやる気を引き出し、管理職や主査への昇任試験受験者の増加につながり、ひいては市民の福祉向上に寄与することを期待いたしますが、この議場において最も長く職員を勤めてこられた相川副市長に、定年後の働き方について見解をお尋ねいたします。 さて、私は、今任期を最後に8期32年の議員生活に別れを告げる決意をいたしました。今、こうしてここにいられるのも、多くの市民の皆様、議員各位、執行部各位のおかげであり、この席を借りて改めて感謝とお礼を申し上げたいと思います。私は、この議員生活の中で、3つの山に出会いました。敬称は省略させていただきますが、山出の山、山野の山、そして村山の山の3つです。富士山、立山、白山の日本三名山のように、後世の金沢市民が振り返ったとき、あの3人こそが金沢市政の三名山だったと言われるような、そんなまちづくりと金沢らしさのさらなる醸成に御期待を申し上げ、村山市長をはじめとする執行部の皆さんの御健闘を心からお祈りいたします。また、この3月末をもって退職される職員の方におかれましては、ねぎらいを申し上げるとともに、どうぞ御健勝にて過ごされますようお祈りいたします。最後に、私と同様に、今定例会を最後に勇退される議員各位におかれましては、ますますの御活躍と御健勝を、そして引き続き市政に参画されんとする議員各位におかれましては、勝利の栄冠を勝ち取られ、再びこの議場に戻られるよう御健闘を心からお祈りいたしまして、32年間の締めくくりとさせていただきます。長い間本当にありがとうございました。(拍手)
    ○麦田徹副議長 村山市長。     〔村山 卓市長登壇〕 ◎村山卓市長 32番中西利雄議員にお答えいたします。 初めに、新たな都市像につきまして、金沢では、歴史に培われた伝統文化と新たな文化を融合しつつ、独自の文化を形成し、さらに独特のコミュニティーを生み出してまいりました。そうした文化の土壌や多様性を許容する風土が本市の強みであり、先を見通せない難しい時代にあっても、しっかりと将来につないでいくことが私の責務であります。都市像では、文化をまちづくりの礎に据えた上で、若い世代が働きたい、住みたい、子育てしたいとイメージできるまちになることが大切であると考えており、福祉、環境、教育の充実は、そのようなまちを目指す上でも、また、生活の安全・安心を確保する観点からも欠かせない分野であります。その上で、市民が住みよさを実感できるまちを目指したいと考えており、検討委員会での議論も踏まえ、都市像に反映させていきたいと考えております。 コロナ禍の影響を受け、人々の価値観が変容する中にあって、文化をまちづくりの礎に据えたいと思ったのは、先人から受け継がれた金沢の個性であり、魅力であることはもちろん、未来の金沢にあっても、市民の生活や幸せを向上させるよりどころになると考えているからであります。山出市政では文化の質の向上や深掘りがされ、山野市政ではスポーツ文化や建築文化など、文化の幅が広がりました。私は、心の豊かさが問われる時代だからこそ、市民が文化をより身近に感じることができれば、住みよさ、暮らしやすさにもつながると考えております。文化は、未就学児の自己肯定力を高めることに役立ち、小中学生の教養の幅を広げ、金沢への愛着の醸成にもつながると確信しております。また、来街者には都市の品格やほかの地域とは違う文化水準が感じられるなど、都市の差別化にも寄与するものであります。まずは、文化に触れる機会を創出することに力を尽くしてまいりたいと考えております。 世界との関係では、本市には芸術、芸能、食など幅広い文化があり、多くの担い手や支え手が存在する国内で唯一無二の文化都市であると思っております。他方、世界に目を向ければ、世界初のクラフト分野でのユネスコ創造都市の認定、海外から注目される金沢21世紀美術館や鈴木大拙館などの文化施設、ユネスコ無形文化遺産に登録された縁付金箔製造技術、先般は金沢発のアニメ作品のアニー賞の受賞など、多岐にわたる世界に認められた文化的資源が存在し、国の内外にも金沢を発信する大きな原動力となっております。このようなことから、視座を世界に、本市の文化をより磨き高め、世界に誇る文化都市金沢の実現を目指したいと考えており、新たな都市像の大きな柱としていきたいと考えております。 新年度予算につきましては、高齢社会の進行による社会保障費や公共施設の老朽化対策などの財政需要の増加に対応する一方で、歳入に大きな伸びは期待できず、厳しい財政環境における予算編成となりました。そうした中、現下の市民生活や社会経済情勢に配慮し、市独自の物価高騰対策を講じるとともに、地域経済の活性化のため、中核市トップクラスの水準となる公共事業費を確保するなど、時世を捉えた対応に努めた結果、過去最大規模の予算となりました。 その上で、世界に誇る文化都市金沢を実現すべく、3つの大きな行事のレガシーを残すための新たな施策をはじめ、私のこれまでの行政経験を生かし、子育て支援や情操教育、未病対策など、あらゆる分野で新規施策を盛り込んだほか、基金の有効活用などを、中長期を見据えた行財政運営に心がけまして、私のカラーをいささかなりとも出せたかというように考えております。 泉鏡花文学賞につきましては、近年多くの地方文学賞が廃止・衰退する中、歴代の選考委員の方々の御尽力と熱心な市民の支えの下、50回の節目を迎えられたことに大変感謝しております。50回の後どのようにしていくか、これは庁内でも議論を重ねたところでありますけれども、これを契機にさらに賞に磨きをかけていくべきであろうということで、唯一無二の文学賞を目指して、次の50年に向けて、今回副賞の増額を決断し、提案させていただいたものであります。また、来年度は泉鏡花生誕150年を迎えることから、泉鏡花記念館において、鏡花の遺族や慶應義塾図書館が所蔵する遺品を一堂に集めた国内初の特別展を、国民文化祭の開催時期に合わせ開催することとしております。鏡花文学賞50周年記念誌の発行と併せ、先人たちから受け継ぐ本市の大きな文化遺産である泉鏡花文学賞並びに泉鏡花の魅力をさらに発信していきたいと考えております。 金沢21世紀美術館は、特徴的な建物の意匠に加え、参加交流型の美術館、世界に開く美術館、子どもたちとともに成長する美術館などのコンセプトの下に企画された多種多様な展覧会の開催などにより、本市の新しい文化の創造とまちのにぎわいの創出に大きく寄与しております。今後もその魅力に磨きをかけながら、成長・発展させなければならないと思っており、その1つの契機が令和6年度に迎える開館20周年であると捉えております。来年度は、記念事業の実施に向けた準備会を設け、10周年事業の検証を行い、文化芸術に限らず幅広い分野の方から意見をいただきながら、その内容について検討を重ねていきたいと考えております。未来に向けた新たなスタートができるよう取り組んでいきたいと考えております。 21世紀美術館は、開館以来、国の内外から多くの方々に来館いただいており、金沢を世界に発信することができる施設だと高く評価しております。また、現在は長谷川館長の下、非常に精力的な企画展などを展開していただいておりますが、今回の外部評価につきましては、文化芸術の関係者や経済界、学識者などに加わっていただき、美術館がもたらす経済波及効果や展覧会における評価など、様々な視点から客観的に評価していただきたいと考えております。この評価によりまして、金沢21世紀美術館がこの先も持続的に高い評価をいただけるよう、今後の事業展開に反映させてまいりますほか、施設の計画的な更新のための中長期修繕計画の策定や、これまで収集してきたコレクション作品の活用などにも生かしていきたいと考えております。 共生社会の実現に向けまして、昨年12月、本市と金沢市障害者施策推進協議会は、障害を理由とする差別の解消や社会的な障壁の除去、障害のある人とない人の相互理解と支え合う環境づくりなどを目指す共生社会を推進する金沢共同宣言を行いました。明年度はこの宣言に基づき、新しい障害福祉計画及び障害児福祉計画を策定して、ノーマライゼーションプラン金沢2021の各施策を推進するほか、いしかわ百万石文化祭2023に合わせた、市民団体や障害者団体などと連携した心のユニバーサルデザインを推進するイベントを実施することとしております。金沢共同宣言を踏まえ、委嘱した共生社会推進サポーターとも連携し、共生社会の実現に全力で取り組んでまいりたいと考えております。 金沢版重層的支援体制整備事業につきましては、本事業における支援の中心的な役割を担う支え合いソーシャルワーカーの下に、本年2月末現在で72件の相談が寄せられており、そのうち6件については、個々のケースに応じて関係機関と協議を行い、支援プランを作成して支援を行っているところであります。支援の対象者は地域で孤立していることが多く、本人との関係性を構築することが困難なため、支援に至るまでに時間を要するケースが多くありますが、支え合いソーシャルワーカーと地区社会福祉協議会などが協力して支援した結果、社会的に孤立していた高齢者が地域と関わりを持つことができた事例もあるというように聞いております。金沢の豊かな地域福祉の土壌を生かした支援ということが、この金沢版につながっていると思っております。これにより、課題解決に向けて進むことにつなげていきたいと考えております。 手話の普及についてでございます。手話は、聴覚に障害がある方が情報を取得したり、人と人との意思疎通を図るなど、日常生活や社会生活を送る上で欠かすことのできない言語の1つであります。共生社会実現のために手話に対する理解の促進や普及に努めることは、本市の重要な役割と認識しております。明年度は、手話言語の国際デーやいしかわ百万石文化祭2023の開催に合わせ、市民の手話への理解を促進するため、手話を体験するイベントブースを設置するなど、新たな取組を予定しております。今後とも金沢市聴力障害者福祉協会と連携しながら、手話による円滑な意思疎通ができる環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。 新たな文化事業の実施に当たりまして、障害のある方が文化活動に参加することは、本人の人生や生活のみならず、周りで支える人たちにも幸福感をもたらすと思っております。いしかわ百万石文化祭2023では、県内初となる全国障害者芸術・文化祭も行われます。これまでのアウトサイダーアート展を充実させ、作家のデザインを活用した被服の展示会を新たに開催するほか、共生社会の理解を深める心のユニバーサルデザイン推進フェスタを開催することとしておりまして、それぞれ検討段階から障害者団体の方と議論させていただいております。また、本市の実行委員会には障害者団体の方にも参画いただいておりまして、会場のバリアフリー調査や手話通訳者の配置などについても御意見をお聞きしながら準備を進めてまいりたいと考えております。 環境施策につきまして、本市が有する豊かな自然環境と良好な生活環境を保全し、将来の世代に引き継いでいくことは、極めて大事なことだと考えております。市民一人一人はもとより、未来を担う子どもたちのためにも、環境負荷の低減と循環型社会の構築を一層進めるとともに、市民生活にも配慮していかなければならないと思っております。そのため、新年度当初予算案におきましては、ゼロカーボンシティかなざわの実現に向け、地球温暖化対策実行計画に基づき、民間事業者や家庭での脱炭素化や省エネルギー化に向けた支援制度を拡充するほか、災害時に避難所となる小学校への太陽光発電設備の設置や、再生可能エネルギー電力を利用する市有施設を拡大することといたしました。また、フードドライブ窓口の拡充や食品ロス削減全国大会の開催を通じた食品ロスの削減、ごみの減量化・資源化の促進、まちなかのカラスや有害な小動物や外来植物への対策強化など、市民生活に直結した対策から地球的課題まで、将来を見据えた必要な環境施策を盛り込んでおり、予算をお認めいただければ、市民や事業者、関係団体等の協力を得ながら着実に実施していきたいと考えております。 また、金沢らしさについてでございますが、本市の豊かな自然環境や斜面緑地等の良好な景観は、本市の特徴である伝統文化の発展を支え、育んできたかけがえのないものであり、市民の暮らしに潤いと安らぎをもたらしております。また、長い歴史の中で育まれてきた高い連帯意識と相互扶助の精神に基づく、町会など地域コミュニティーの御協力によるごみステーションの管理や、古紙集団回収などの自主的な取組など、本市の良好な生活環境は住民の方々の高い環境意識によって保たれていると考えております。こうした本市における環境保全の意義や、これまで培われてきた金沢独自の環境意識を大切にし、市民や関係団体、学生等との協働による取組をさらに深め、本市の特徴である豊かな自然環境の保全をはじめ、環境施策に着実に取り組み、浸透させていきたいと考えております。 鳥獣害被害につきましては、環境局と農林水産局において連絡会議を開催し、情報共有や適切な役割分担を図り、緊密に連携し、必要な対策を講じてきております。また、防護柵の設置や緩衝帯の整備、放置果樹の除去など、地域ぐるみによる獣害防止対策への支援制度も充実してきたところであります。熊の出没につきましては、餌となる木の実等の環境要因に影響を受けることから、ツキノワグマ出没警戒情報が発出された今年度は、捕獲おりを増設するなど追加の対策を取ってきており、今後も猟友会等とも連携し、機動的に対応を講じてまいりたいと考えております。なお、必要となる予算につきましては、御心配のないよう、また対策に遅れが生じないよう確保していきたいと考えております。 続いて、相撲の振興につきまして、大相撲の横綱、大関のほか、多くの関取を輩出しており、相撲王国石川と呼ばれるなど相撲が大変盛んな地域だと認識しております。その礎は、金沢市及び石川県相撲連盟の御尽力により、昭和46年から続く百万石まつり奉賛親善少年相撲金沢大会や、卯辰山相撲場で開催される百年以上の歴史と伝統を誇る高校相撲金沢大会、また、今年13回目となる全日本大学選抜相撲金沢大会など、アマチュアトップレベルの熱い戦いを間近に見ることができることではないかと思っております。今後もこれらの大会の開催支援を通して相撲の振興に取り組み、スポーツ文化として守り高めていきたいと考えております。 本多町周辺につきましては、歴史文化ゾーンとして県・市の施設が立地するとともに、歴史文化資産が集積しており、歴史・文化を重層的に感じ、豊かな自然に触れながら、周辺地域と回遊ができる質の高いエリアであります。県の社会福祉会館と知事公舎に関しては、県の施設であります。今後の取扱いについては一義的には県の判断となりますが、知事公舎の利活用につきましては、今月下旬にも設置される県の検討委員会に市も参画してほしい旨、知事から要請を受けておりまして、市としてもその議論に積極的に加わっていきたいと考えております。今後とも様々な機会を通して県と情報を共有するとともに、連携を密にしていきたいと考えております。 日本銀行金沢支店は、この秋にも駅西地区の新支店が完成し、その後、移転に向けた準備が進められるとお聞きしております。今の日銀金沢支店がある香林坊周辺は、県都の中心に位置する重要な場所であることから、市として明年度、検討懇話会を設置し、利活用の在り方を検討していくこととしております。検討懇話会には有識者や経済界の代表者、地元関係者のほか、石川県から徳田副知事にも参画していただくこととなりました。また、若い世代の意見を反映するため、未来へつなぐ金沢行動会議の代表者にも加わっていただき、検討を進めていきたいと考えております。 首都圏における魅力発信拠点につきまして、これまでも石川県が開催するアンテナショップ運営協議会に参加するとともに、県が運営するいしかわ百万石物語江戸本店と本市が運営するdining gallery銀座の金沢の双方の来店者に対して、相互に施設を紹介するなど、情報交換を行いながら連携を図ってきております。本市の銀座の金沢は、金沢の工芸の魅力発信を目的としているのに対し、現在の県のアンテナショップは県内各地の物産品などの販売が中心であることから、両者の目的は異なっていると認識しております。北陸新幹線の敦賀延伸を見据え、首都圏での拠点は必要と考えておりまして、引き続き県と連携しながら魅力発信に努めてまいりたいと思います。 関西圏に対しましては、石川県では新たに北陸3県連携による関西圏での情報発信拠点を大型複合施設内に整備し、北陸の魅力を一体的・効果的に発信すると聞いております。本市としても、来年春の北陸新幹線敦賀延伸や、再来年の大阪・関西万博の開催を見据え、関西圏での情報発信がより一層重要となることから、観光誘客や伝統工芸などの魅力発信について、県と連携を図ってまいりたいと考えております。 職員採用について御質問をいただきました。本市では、コロナ禍における受験生の利便性に配慮して、令和2年から東京で、令和3年からは京都でも採用試験を開始したところであります。各会場の受験者は、令和4年はやや減少しましたが、毎年確実に入庁につながっておりまして、成果はあると考えております。 途中退職する理由につきましては、転職や結婚による県外への転出、健康状況はじめ自身のステップアップなど様々であります。途中退職する職員がいることは大変残念であります。こうした職員を減らすためにも、働きやすい職場環境を整えることが大切だと考えており、時差出勤やテレワーク、男性の育児休業取得の促進など、多様な働き方により仕事と家庭が両立できる働き方改革を進めてきたところであります。これに加え、業務改善のため、事業の廃止や改善に向けた提案の募集や、デジタル技術を活用した効率化を進めるとともに、リスキリングや資格取得への支援など学ぶ機会を提供し、職務に意欲と情熱を持った職員を育成していきたいと考えております。 昇任試験につきまして、本市におきましては、受験する職員が少なくなっているということはございませんが、他の自治体で見られるように、責任の重さや仕事の大変さから昇任を望まない職員が増えているとすれば、これは憂慮すべきことであると感じております。職員にとって、昇任後の上司の姿が生き生きと魅力的だと感じられることが大切であり、引き続き仕事はもちろんリーダーシップやマネジメントに関する研修などを通じて、若手職員のロールモデルとなるような管理職を育成していきたいと考えております。 定年延長につきまして、管理職は役職定年制により非管理職である補佐級として延長後の定年まで働くこととなりますが、これまで外郭団体等へ推薦し、65歳までの再雇用として仕事を継続してきた経緯もありまして、そのことも含め、来年度以降は、役職定年後の職について職員の意向も確認しながら、働きやすい職場環境を整えるべく対応していきたいと考えております。非管理職は、これまでも再任用で一般職員の業務に従事してまいりましたが、定年延長後も引き続き非管理職の一般職員として働くこととなるため、大きな変化はないと考えてございます。 以上でございますが、最後に、中西議員におかれましては、議長職もお務めになられまして、8期32年にわたり金沢市議会に多大な御尽力をいただきました。また、共生する地域社会を実現することを目的とした金沢市手話言語条例の成立に貢献されたことなど、心より敬意を評します。今後とも御健勝にお過ごしいただき、大所高所から市政に御助言をいただきますことをお願い申し上げまして、私からの答弁とさせていただきます。ありがとうございました。 ○麦田徹副議長 野口教育長。     〔野口 弘教育長登壇〕 ◎野口弘教育長 教育につきまして、2点お尋ねがございました。初めに、育むことに対する私の思いについてお答えさせていただきます。少子高齢化や人口減少、グローバル化の進展、また、自然災害や感染症の影響など、現代は既に将来の予測が困難な時代に突入していると思っております。今の子どもたちが大人になり、社会を支える中心となっている2040年以降の社会を見据えたとき、子どもたちには現時点で予測される社会の課題や変化に対応していくために、他者を尊重しながら自らの行動を適切に判断して実行する力を身につけていくこと、また、予測できない未来に向けて、自らが社会をつくり出していこうとする主体的な態度を育成していくことが求められています。学校教育において、教師は子どもの先を生きてきた先生として、知識や技能を教えるだけにとどまることなく、常に共に考え支援する伴走者であってほしいと願っています。家庭や地域と一体となって、子どもたちがこれからの未来を力強く切り開いていくための力や心を育んでいくことが大変重要であると考えており、これからもこのことに意を用いながら教育行政に取り組んでまいります。 次に、金沢における相撲振興に対する私の思いについてお答えさせていただきます。相撲は、我が国固有の伝統文化であり、相手を尊重し、礼法を重んじる武道であります。私は、毎年、石川県卯辰山相撲場で行われる高校相撲金沢大会を観戦し、生徒の迫力ある姿に感動を覚えております。金沢には、地域のクラブや部活動での熱心な指導に支えられ、相撲の振興・発展が図られてきた風土があると考えており、そうした中で育った地元出身の力士が角界で活躍する姿に接したり、出身校を訪れてくれることで、相撲を身近に感じ関心を抱いている子どもたちは少なくないと思っております。今後も金沢の子どもたちが、全国中学校体育大会や全国高等学校総合体育大会などの相撲競技で活躍できるよう応援していきたいと考えており、これからも角界で活躍する力士が金沢から多く育ち、この金沢が相撲王国と称せられるようになっていくことを心から願っております。 以上でございます。 ○麦田徹副議長 相川副市長。     〔相川一郎副市長登壇〕 ◎相川一郎副市長 定年後の働き方についてお尋ねがございましたので、お答えさせていただきます。健康寿命が延び、定年後も元気で働く意欲のある人、また、御自身がやりたいことに生きがいを見いだす人が増えているというふうに感じております。市職員は、人のために仕事をしたいとの思いを持っております。定年後も健康で、さらに生きがいを持って仕事や地域活動などで御活躍いただきたいと思っておりますし、また、これから役職定年を迎える管理職や、定年延長を迎える職員の再就職等につきましては、働きやすい環境で勤務ができますよう、部外団体等を含め配置等について、丁寧に対応していくことが大切であるというふうに考えております。この場をお借りし、議員のこれまでの御指導に感謝を申し上げるとともに、今後とも市職員に対する熱い応援をお願いし、答弁とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩 ○麦田徹副議長 この際、暫時休憩いたします。     午後0時4分 休憩-----------------------------------     午後1時0分 再開 △再開 ○宮崎雅人議長 出席議員数は、ただいまのところ36名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○宮崎雅人議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 25番源野和清議員。     〔25番源野和清議員登壇〕(拍手) ◆源野和清議員 令和4年度3月定例月議会に当たり、公明党金沢市議員会を代表して質問いたします。 質問の最初は、新年度予算編成についてであります。 令和に入り、一般会計予算は毎年過去最大の規模を更新する予算となっており、令和5年度一般会計当初予算は過去最大規模となっています。新型コロナウイルスの影響で、令和2年、3年と市税の収入は減少がありましたが、地方創生臨時交付金による歳入もあり、一般会計においては5年連続の伸びを示す傾向となっています。村山市長におかれては、副市長時代を含めて、毎年伸び行く予算編成を経験されていますが、コロナ禍における予算編成であり、歳入歳出ともに毎年度が前例なき予算編成であったと推察いたします。ちょうど1年前、即戦力を期待されて市長選挙にて当選以降、急激に変わり行くコロナ対応に意を用いながらも、物価高騰が市民生活に大きな影響を及ぼす状況の中、市長として最初の予算編成において、コロナ禍前にはなかった物価高騰対策を盛り込んでの市民生活に配慮した予算編成と見受けられます。令和2年、3年、4年の3か年は、地方創生臨時交付金を活用した経済対策や物価高騰対策を講じてきましたが、令和5年度においては、今回の物価高騰対策23事業、11億1,794万円規模について、歳入歳出をどのように考慮して、これら23事業の予算を編成されたのか伺います。 今回の予算で、市税収入が実質で過去最高となった要因についてもお伺いいたします。 予算書を見て、最初に確認したところが、学校給食費、保育所等副食費における物価高騰特別対策費です。市独自予算を用いて継続し、保護者負担への配慮がなされた予算確保をした点について安堵いたしました。基礎自治体の予算は、地元事業者への影響が大きく、急な変更は事業者のみならず市民生活にも影響を与えます。福祉光熱費助成金、福祉施設光熱費にも市独自として予算対応していることについても配慮がなされており、今後も必要な予算は市独自財源になっても継続していくことを望みます。昨年12月、公明党金沢市議員会より、村山市長に、2023年度予算編成要望を提出させていただきました。今回の新年度予算編成で、我が会派の要望をどのように反映していただけるのかお伺いいたします。 次に、世界に誇る文化都市金沢の実現について伺います。 市長施政方針において、新年度はコロナ禍から脱却し、新たな時代を迎えるにふさわしい3つの大きな行事が予定されているとして、G7富山・金沢教育大臣会合、いしかわ百万石文化祭2023、明春に予定されている北陸新幹線敦賀延伸に言及されています。これらの3つの大きな行事を通じて、社会経済活動を活発化させるとともに、本市の文化の魅力を国の内外に発信していくことが、交流人口の拡大、移住・定住の促進とまちの発展につながるとの考えを伺いました。コロナ禍で社会経済活動は大きく制限され、この間、本市でも文化的な営みがあらゆる場面で自粛や制限を余儀なくされ、経験や体験を通じて継承されるべき人から人への伝承も場合によっては途切れていることが予想されます。市長施政方針にて「3年余にわたるコロナ禍は、私たちの生活だけでなく、考え方にも大きな影響を与え」との言葉に深く同感しています。しかしながら、コロナ禍の開催ではありましたが、昨年6月に3年ぶりとなる金沢百万石まつりの開催を村山市長は決断されました。参加された方々、加賀鳶はしご登りや獅子舞など、伝統芸能の関係者の皆様、そして金沢市民にとっても、この祭りをきっかけに各地域で再度イベントを再開しようとの機運が醸成されました。本年はG7富山・金沢教育大臣会合の終了後、間もなく、金沢百万石まつりを迎えます。昨年の百万石行列については、観衆を含めて34万人の参加でしたが、このほか踊り流し、加賀友禅燈ろう流しなど、3日間を通じて観客数は46万人となりました。本年について、市長のお言葉を借りて言うならば、反転攻勢をかけるときが来たというにふさわしい百万石まつりになることを願いますが、実行委員長を務められる副市長に金沢百万石まつりにかける意気込みと本年の見どころについてお聞かせ願います。 村山市長の施政方針より、金沢のまちの本質的な魅力は、藩制期以来培われてきた文化にあると考えられ、本市の唯一無二の個性である文化の影響は、まちづくりのみならず市民生活の各般に及び、都市像の策定に合わせ、文化戦略の基本となる文化芸術と工芸のアクションプランを改定することとされています。本市における文化芸術と工芸の関係者は多く、この1年間で市長は多くの関係者と意見交換をされてきていると思います。まずは文化芸術アクションプランの見直しに当たり、どのような点に留意して見直しを進めていかれるのか伺います。 今回、多種多様な事業が予算化されました。いしかわ百万石文化祭の開催が重なったこともあるにせよ、それ以上に新規の文化関連の事業が示されています。これらの新規事業について、これまでにはあまり見ることがなかった分野も見られます。具体的には、保育所等情操教育や中学校全生徒を対象にした文化体験であり、市民が文化を身近に触れる機会をつくる上で、大人の間で文化の継承をしていくだけでなく、教育課程において文化体験の充実を図り、金沢の子どもの未来を育むことについて予算化、事業化されていますが、その事業の担い手はどのような方々に協力をお願いしていくのか、具体例をもってお示しください。 金沢の文化において、縁付金箔をはじめとした金箔に関する工芸は、他都市にない特徴であります。さらには、金箔のみならず、幅広い伝統工芸において担い手育成や需要拡大の多種多様な取組があって、金沢クラフトとして魅力を国内外に発信してきました。金沢にて来街者を待つだけでなく、首都圏においても拠点を構え、魅力発信に努めてきましたが、今後は新たな立地場所を求めていくこととなります。求められる具体的な要件は、今後の検討に委ねられるとしても、他都市の発信拠点が相次いで東京から撤退するニュースを見るにつけ、従来の枠を超える拠点施設開設を期待しますが、新たな視点として、立地を含めどのような点に留意して検討が重ねられていくのか伺います。 文化都市としての価値を世界に広めるには、いま一度金沢市の持つ文化施設の所蔵品を適切に評価し、情報発信に努めることが必要です。金沢21世紀美術館をはじめとして、これまでの所蔵品を世界中の誰もが鑑賞できる環境整備をしていくことは、先人の方々が大切に守り続けてきた作品に敬意を持って接することにつながると考えます。デジタルミュージアム構築についてどのような作品を公開していくのか、発進手法と新たな工夫について併せて伺います。 3月1日に金沢美術工芸大学の現キャンパスでは最後となる卒業式が挙行されました。コロナ禍の3年間をはじき飛ばすかのような卒業生の活力みなぎる姿をニュースで拝見し、来年の卒業式は新キャンパスでどのような卒業式が開催されるか期待されます。金沢の文化都市としての礎とも言えるのが、金沢美術工芸大学の存在でありますが、新キャンパス移転に合わせた記念事業等が予算化されています。令和5年10月、移転開学にてスケジュール化されており、現在急ピッチで工事が行われています。工事関係者の方々の御苦労に感謝申し上げます。新キャンパスは、年度途中の開学となりますが、開学記念行事をはじめとして広く周知を図っていただきたいと思います。本年秋の開学に際してのプロモーションについて伺います。 学生にとって真新しいキャンパスは、学ぶ意欲を伸ばしていく機会となりますが、学生にとっては学ぶ環境がどのようになっていくのかが関心のあるところです。教育施設、教育環境において特筆すべき点、特に意を用いた点についても伺います。 次に、地域経済の再生と活性化について伺います。 コロナ禍からの世界経済の回復に伴う需要増などで、原油価格高騰が2021年度後半より顕在化しています。また、2022年2月24日に発生したロシアによるウクライナ侵攻は、今なお事態好転の見通しが立たず、悪化する現地の人道状況や問い直される国際秩序の在り方など、様々な次元で大きな衝撃を国際社会に与え続けています。一方で、国内の経済状況にも影響が及び、原油価格高騰で影響を受ける生活者や事業者への負担軽減策は喫緊の課題となっています。本市においては、最終補正予算への前倒し分と合わせ、一般会計で前年度を上回る244億円の公共事業規模を確保し、地域経済の再生と活性化を重点に202事業を予算化しています。産業の活性化は、時代に即した、時代の先を見据えた施策が必要かと考えます。産業活性化施策の各事業を確認すると、中小企業向け、若者、女性、ジュニアとそれぞれに施策が見受けられます。次代を担う未来への投資が重要でありますが、児童・生徒を対象にした高度な情報活用能力を育成する上で、継続的かつ安定した取組が必要となります。これまでの取組から見えてきた課題や経験を含め、継続的に発展させていくべき事業について、今回の予算編成を踏まえ、今後どのように施策を進めていくのか伺います。 コロナ禍により、人材不足がより一層顕在化した職種として、保育士、看護師、福祉関係職員などの、いわゆるエッセンシャルワーカーといわれる方々です。今回、県外からの人材確保を図るため、UJIターンに資する転居費用等の助成が予算化されています。さきの9月定例月議会において、私は、UJIターンにつながる施策として、より多くの企業に中小企業人材確保奨学金返還支援制度を利用していただき、職種や採用者数の間口を広げていくこと、居住要件の見直しをすることを提案いたしました。このような支援制度を利用していただくことが、首都圏で働く若者を本市に呼び込むことにつながると思いますが、今回の当初予算において、中小企業の人材確保や若者のUJIターンにつながるような制度改正や新たな取組があるのか伺います。 次に、安心して暮らせる福祉社会の形成について伺います。 地域包括支援センターの新圏域への移行に向けて、事業者公募の実施について予算が計上されています。公募する対象圏域と新しい事業者への移行スケジュールについて伺います。 金沢版重層的支援体制について、人員体制を増やし、個人や世帯が抱える複雑多様な課題に対し、各種相談支援を行っていくための予算化がなされています。新規事業の要支援者の居場所づくりや、社会参加の機会を確保するためのモデル事業について、その目標とするところ及び事業内容について伺います。 コロナ禍が3年余り続き、ようやく地域活動も戻りつつある中で、御高齢の方々の介護予防活動ができない環境が続いてきました。介護支援ボランティア事業における施設等でのボランティア活動の現状と、ポイント付与事業の状況について伺います。 コロナ禍前にはフレイル予防に対して積極的に事業展開がなされていました。社会経済活動の回復に合わせて、今後のフレイル予防事業の実施について伺います。 災害時に避難の支援が必要な高齢者や障害者などの要支援者の個別避難計画づくりについて、令和3年9月定例月議会にて、避難行動要支援者等支援体制検討費として予算化され、以降、専門家を交えて検討が重ねられてきたと承知しています。今回の予算にて、個別避難計画掲載内容検討会が設置されるとのことですが、これまで検討されてきた内容と、今回の予算に対して期待される成果について伺います。 次に、子育て支援について伺います。 先日、県議会において、2023年度から乳幼児医療費助成制度を拡充することに関し、石川県内19市町が示した新たな子育て支援策が、総額3億2,000万円となったことが知事答弁にありました。県の対象年齢を、通院で入院と同じ就学時前までに引き上げ、所得制限を撤廃し、市町の負担額が軽減されることで、市町の実情に応じた子育て支援策の充実を図る財源となっています。本市の予算編成過程において、どのように検討が重ねられ、どの事業に予算化されたのか、予算額も含めて伺います。 あわせて、独り親家庭の子どもの入院及び通院に係る費用について、窓口負担を無料化するための関係条例の一部改正が諮られています。この条例改正に至った背景と経緯について伺います。 さきの12月定例月議会において、私も含め何人かの議員からも質問がありました子ども食堂の運営を含む子どもの居場所づくりに対して、新たに子ども居場所づくり総合支援事業として支援内容が拡充されました。事業の目指すところと拡充内容について伺います。 新規事業にひとり親家庭情報発信機能強化について予算化されています。本市では、子どもたちの居場所となる活動、子ども食堂、学習支援活動、子どもカフェなどや、その他子どもの生活を支援する活動、情報提供、相談、支援などを行っている団体等がネットワークを形成して、団体同士の交流を持ち、支援情報の発信への協力、情報交換等を行っており、金沢こども応援ネットワークとして、地域から支援をつなげていく体制があります。これらを踏まえて、具体的な取組について伺います。 次に、交通政策について伺います。 去る1月のある会合で、バス事業者をはじめとする県内の観光関係者のコロナ禍の状況について伺う機会がありました。バス事業者においては、この3年間、いわゆる人流が抑制されてきて、燃料高も加わり、未曽有の危機を迎えているとのこと。この2年間、令和2年度、令和3年度の2年間の赤字は、この先これまでの分を取り戻すにはもう10年以上、もしかして20年ぐらいはかかるのではとの見通し。加えてバスの運転士不足で運行の維持に苦慮し、コロナ禍の感染の大波の際には現場で一部濃厚接触者や実際に感染して7日間出てこられないことが繰り返されており、バス路線も一部運休をしていたこともある中、生活路線を守るために一部の定期観光バスを運休せざるを得ないとの検討も重ねてきたことなど、公共交通の維持には前途多難であることを伺いました。議会においても、昨年開催した都市交通特別委員会において、外部講師より地元の交通事業者の経営内容について、具体的には当該の事業者の内部補助で支えられてきた不採算路線について、従来での利用促進策だけで経営難を乗り越えることは困難を極めることなど、自治体と連携した路線再編や運賃体系の制度設計などの必要性についての提言を含む多様な御意見をいただきました。それらを含む調査結果を取りまとめて、都市交通特別委員会として昨年12月に市長への提言書が出されています。新年度の予算概要にて、都市交通体系構築費が計上され、本市としての公共交通の在り方が示されています。これまで金沢MaaS推進事業として、多様な移動手段と他分野のサービスをつなぐ交通サービスアプリであるのりまっし金沢がありますが、これまでのダウンロード件数、これまでに見えてきた課題について伺いますとともに、新年度予算にて拡充される内容とスケジュールについて、具体的にお示しください。 利用者のニーズをより詳細に把握することも重要です。交通データの活用においてはどのような点に留意してデータ分析が行われ、公共交通にどのように活用されるか、今後の見通しについて伺います。 バス利用者の方々やバスの利用をされない方々からの御意見を伺う中で、コロナ禍以前も含めて雨、雪の待ち時間について、複数のバスが同一路線を走るところでは行き先が分かりにくいなどをはじめとして、利用者離れにつながると思われることがありました。バスのサービス水準向上を図る上でどのように進めていくのか、今後の計画について伺います。 第3次金沢交通戦略及び石川中央都市圏地域公共交通計画の策定に向けて、協議会の設置や議論を進めているところでありますが、石川中央都市圏の4市2町の枠組みで、北陸鉄道線の持続可能性を検討していくとのことですが、議論を進めている間にも、経営環境の厳しさは増す状況です。検討と特定事業計画の進め方について、スケジュールを交えて伺います。 一方で、郊外部における生活者、とりわけ御高齢の方々にとって、病院や買物など日常生活で公共交通を利用される方の視点に立つと、北部地区のAIデマンドに見られる地域運営交通への期待は高まります。北部地区のAIデマンド交通の本格運行へ向けて支援するに当たり、これまでの課題についてと、今後の見通しについて伺います。 地域運営交通に興味や関心があって、いざ検討しようとなると、対象区域から調べることとなります。これまで市内の各ブロックに分けて説明会を市として実施してきているとのことですが、まずは区域指定についての説明を実施してきての所感を伺います。 新たに協賛金収入を地元負担軽減に反映させるとのことですが、併せて収入基準の見直しも行われており、地元負担の軽減が重ねて示されています。これらの施策による今後の地域運営交通の考え方についてお示しください。 高齢者の運転免許証自主返納を支援する予算について、今回、最初の3か月間を月額7,330円としていますが、その理由と期待される効果について伺います。 近年、公共シェアサイクルまちのりの自転車を見る機会が増えました。冬でも天気のよい日には目にする機会が増えたように感じます。エリアにおいても、まちなかだけではなく、金沢港クルーズターミナル周辺地域や県庁周辺でもよく見かけるようになりました。バス路線ではつながらない地域を、まちのりの自転車で移動する風景を見ると、公共交通としてのまちのりの果たす役割について、可能性も含めて改めて考えさせられます。エリア拡大に向けて、今後の進め方について伺います。 質問の最後は、マイナンバーカードの活用について伺います。 新聞報道によると、昨年6月末時点で5,950万件だった申請数は、本年2月28日時点で9,300万件となり、人口の73%を超えました。今後、申請した方々の手元に順次マイナンバーカードが届き、各種手続に使用されることとなります。運転免許保有者数が約8,190万人であることを考慮すると、市民生活の中で広く行き渡り始めていると考えます。総務省がマイナンバーカード取得者に1人当たり最大2万円分のポイントを付与するマイナポイント事業第2弾を実施して、ポイント事業の対象となるマイナンバーカード申請期限を本年2月末まで延長し、本市においてもマイナポイント付与事業を本庁舎のみならず、休日の商業施設にも広げるなど、マイナンバーカードの取得の後押しをしてきているところです。マイナンバーカードの普及においては、普及後の利用価値を高めていくことが重要です。例えば保険証との一体利用では、本年2月5日時点で、本市において病院、クリニック、歯科診療所、薬局など966施設のうち、491施設にて対応しており、既に50.8%の施設で保険証の一体利用が可能となっています。また、確定申告においても、マイナンバーカードの活用で、税務署や行政の窓口へ出向くことなく手続を行えるなど、活用の幅が広がっています。マイナンバーカードはデジタル社会の基盤となるツールであり、国民の暮らしを便利にするのはもちろんのこと、行政事務の効率化による経費節減が期待されるなど、今後の行政事務には欠かせないツールとなっています。マイナンバーカードの普及はあくまでも手段であり、今後の活用が重要であります。新年度よりマイナンバーカードの機能を活用し、市民サービスを向上させるための情報基盤を整備するとのことですが、図書館での利用から始まり、今後の利活用についての展望を伺います。 デジタル社会の基盤となるマイナンバーカードの申請状況から、使い手となる市民の手元に広く行き届き始めているときに来ていると思います。基盤整備の進展に併せて、随時市民の利便性向上に努めていくことを期待して、代表質問を終わります。(拍手) ○宮崎雅人議長 村山市長。     〔村山 卓市長登壇〕 ◎村山卓市長 25番源野和清議員にお答えいたします。 令和5年度の当初予算編成は、歳入面で、コロナ禍の3年間にわたり交付されてきた国の地方創生臨時交付金が終了する一方、歳出面では、高齢社会の進行による社会保障費や公共施設の老朽化対策などの財政需要が増加するなど、厳しい財政環境における予算編成となりました。そうした中、商店街が実施するプレミアム商品券の発行支援や生活保護世帯、福祉施設等に対する夏期光熱費の助成、学校給食等の食材費高騰分の全額公費負担など、現下の市民生活や社会経済情勢に配慮した市独自の物価高騰対策を講じるため、最終補正予算においてガス・発電事業の譲渡対価収入を活用し、財政調整基金を積み増しする一方、当初予算において緊急かつ臨時的な措置として10億円を取り崩すなど、基金の有効活用を図ることにより財源を確保したところでございます。 令和5年度当初予算案では、市民生活に配慮し、市独自の物価高騰対策を講じたほか、福祉健康局では、子育て支援医療助成費の入院分について、対象年齢を18歳まで拡大するとともに、窓口負担を無料化したほか、ひとり親家庭等医療助成費の子どもの入院・通院分についても窓口負担を無料化したところであります。また、こども未来局では、子どもの見守りを強化するため、伴走型支援を行う団体への支援制度を拡充するほか、ヤングケアラーの負担軽減を図るため、家事支援ヘルパーを派遣するなど、支援体制を構築したところであります。このほか、住民主体で運営するバス等の運行支援制度の拡充や、森林環境譲与税を活用した里山の環境保全対策など、会派からの要望について真摯に応えさせていただいたつもりであります。 金沢市文化芸術アクションプランにつきましては、文化芸術の多様な価値を生かし、実践的な政策を展開していくため、令和3年3月に策定し、実践してきたところであります。しかしながら、コロナ禍で人々の価値観が変わり、ニーズが多様化してきたことに加え、社会におけるデジタル化の進展も著しく、文化を取り巻く環境が大きく変化したと思っております。こうした時代の変化の中で、人々は心の豊かさや温かさを求めていると感じており、本市の強みである質の高い文化を国の内外に発信することで、市民、来街者がともに喜びと幸せが感じられるよう、今回プランを改定することといたしました。新たな都市像と連動させながら改定作業を進めてまいりたいと考えております。 教育課程におきましては、主に市内を活動拠点にしているプロの演奏家や芸術家の方々に、明年度アーツカウンシル金沢に開設するアーティストバンクに登録いただきたいと考えております。これらの方々を保育所や幼稚園等へ派遣し、子どもたちが音楽鑑賞や創作などの文化芸術に触れることで、自尊感情を育む情操教育を推進していきたいと考えております。また、これまでの金沢能楽会に加え、オーケストラ・アンサンブル金沢や金沢素囃子保存会といった音楽や芸能の第一線で活躍されている方々の協力を得て、市内の全ての中学生に芸術文化を体感できる機会を提供することとしております。これらを通じ、子どもたちの教養の幅を広げ、まちへの愛着を醸成していきたいと考えております。 続いて、これまでも工芸の魅力発信につきましては、これまでもdining gallery銀座の金沢を首都圏の拠点として、本市の多様な工芸の魅力を国の内外に発信してまいりましたが、入居するキラリトギンザとの賃貸借契約期間や、テナントの現状等を踏まえるとともに、北陸新幹線の敦賀延伸も見据え、新たな場所での開設に向けて候補物件の選定を進めているところであります。インバウンドの回復による外国人観光客や新たなターゲットとなる若年層など、金沢の工芸ファンを増加させ、さらなる工芸品の販路拡大を図るとともに、県や金沢美大、卯辰山工芸工房とも連携しながら、本市工芸の魅力発信やブランド力の向上につながるよう検討を進めてまいりたいと考えております。 デジタルミュージアムにつきましては、その構築に向けた基本方針やアーカイブ化の基準、ミュージアムの発信方法や運営などに係る検討会からの提言を踏まえ、本市文化施設の所蔵品約10万点を計画的、段階的にアーカイブ化し、著作権などをクリアした上で順次公開していくこととしております。デジタルミュージアムでは、3DモデルのAR化など、デジタル技術を効果的に活用することで、現実の展示では見ることができない作品の裏側を鑑賞すること、複数施設の所蔵品を仮想空間に集めた展覧会を開催することなどが可能でございます。国民文化祭での暫定運用、明年度末の本格運用に向けて、より魅力的な発信ができるよう、準備作業を進めてまいりたいと考えております。 金沢美術工芸大学につきましては、今年度、学生がデザインしたラッピングバスの運行や、東京、福岡、広島における初めての出張オープンキャンパスの開催、dining gallery銀座の金沢での企画展の開催などを通じて、新キャンパスへの移転の周知を図ってまいりました。明年度は今年度作成した大学のブランドデザインガイドラインを活用し、ホームページや大学案内冊子を刷新するほか、記念講演や国外でも評価の高い本学卒業生に係る展覧会の開催など、大学の特色を生かしたプロモーションを実施することで、大学のブランド化を強化するとともに、移転開学を国の内外に発信していきたいと考えております。 また、新たなキャンパスには新たな芸術作品を生み出す人材育成を目指す共通工房を新設いたしました。共通工房は、全ての学生が専攻という縦割りの領域を超えて利用することができ、横断的な技術の交わりや学生間の交流の促進につながるとともに、クリエーティブなアイデアを元に多様で複合的な表現ができるよう、専門的な工具や機材を集約するなど、設備環境を整えました。さらに、53の工房に専任の技術専門員が配置され、学生に対して素材の取扱指導や機器の使用補助とともに安全講習を実施することとしており、ハード・ソフト両面から安全で利用しやすい教育環境を形成することとしております。 次世代の人材育成につきましては、本市ではこれまでも小学生を中心に初歩的なプログラミング教室を定期的に開催し、幼少期から興味や関心を高める機会の提供に努めております。加えて、高度な情報活用能力の育成には継続的な取組が必要でありますことから、現在、石川県情報システム工業会と連携し、中高生向けの金沢IT部活を実施しており、明年度は新たに小学生向けロボットプログラミング講座をカリキュラムに加えることとしております。将来を担う若者への投資は重要であり、引き続き産業界との連携を図りながら、次世代の人材育成に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 地域産業の人材確保に資する中小企業による奨学金返還支援制度について御質問をいただきました。よりよい職場環境の構築を目指し、対象要件を市外に居住する従業員にまで拡大する制度改正を行うこととしております。また、UJIターンの促進については、これまでの支援制度に加え、県外から障害福祉施設に就職する方の転居費用などに対する助成制度を新設するほか、東京圏から親子で移住する転職者への移住支援金の加算額を拡充することとしております。加えて、首都圏で働く若者を対象とした企業説明会や、先輩移住者との交流会などを新たに開催することとしており、支援制度のPRと利用を促し、本市への移住促進と若い世代の地元就職への取組を進めてまいりたいと考えております。 続いて、高齢者を対象としたフレイル予防教室について御質問をいただきました。コロナが発生した当初は、中止や延期せざるを得ない状況でありましたが、昨年度から順次再開しており、今年度は介護予防エリアを設けた新しい泉野福祉健康センターを会場として、開催回数を大幅に増やしたところであります。明年度は、市民がフレイル予防に取り組む機会のさらなる拡大を図るため、新たに65歳以上の方を対象に、自分の心と体の虚弱の状況を確認するとともに、フレイル予防について学ぶイベントを開催いたします。さらに、65歳未満の方も対象とする運動教室を開催するなど、フレイル予防の普及に取り組んでいくことにしております。 要支援者の個別避難計画の策定につきまして、これまで避難行動要支援者等支援体制検討会におきまして、効果的、効率的な計画策定に向け、計画を作成すべき避難行動要支援者の範囲や、作成の優先順位などの検討を進めてきたところであります。検討結果を踏まえ、これまで一律に避難行動要支援者名簿に登載してきた75歳以上の方については、本人の意志や避難能力など、個々の状況に基づいて名簿に登載することとし、今議会に関係条例の改正をお諮りしているところであります。明年度は個別避難計画に係る検討会を開催し、現在実施している福祉専門職による計画作成モデル事業の結果を踏まえた上で、計画の具体的な掲載事項について検討していくこととしております。実効性のある計画の策定につなげていきたいと考えております。 子育て支援の充実に向けましては、明年度予算編成において、未来を創る子どもへの投資を重点施策の1つとして掲げております。石川県が今回拡充した対象年齢等については、既に本市の子育て支援医療助成費の対象であることから、予算編成上、県の補助金の増額分は、子育て支援医療助成費の現行制度分に充当することとなります。その上で、子育て支援医療助成費の入院分の年齢拡大と自己負担の無料化、ひとり親家庭等医療助成費の子どもの自己負担分の無料化のほか、乳幼児の予防接種助成費、かなざわ子育てすまいるクーポン事業費、まちの子育て保健室の開設費など、子育て支援の拡充に有効に活用させていただいておりまして、その予算額は合わせて約8,000万円となります。 独り親家庭の子ども医療費につきましては、本市では、金沢市子ども生活応援プランに基づき、独り親家庭の親と子が安心して暮らせるよう、総合的な支援体制づくりを推進しているところでありまして、相対的に貧困率が高い独り親家庭への支援は特に重要であると考えています。本市が一昨年に行った子どもの生活実態調査によりますと、独り親家庭においては、金銭的な理由から子どもを医療機関に受診させなかった割合がふたり親家庭に比べて多かったことを踏まえまして、今回、ひとり親家庭等医療費助成における自己負担を無料化するため、必要な条例改正を行うこととしております。 子どもの居場所づくり総合支援事業につきましては、これまでの子ども食堂や学習支援に加え、悩み相談といった取組についても対象といたしました。また、初期投資に係る経費のほか、新たに人件費や会場借上費などの運営費についても支援することといたしました。今回の制度創設により、家庭でも学校でもない第3の場所として、全ての子どもにとって安全で安心して過ごせる居場所が、地域の中でより多く開設されることを促し、子どもの健やかな成長と子育てに優しい社会の実現を目指していきたいと考えております。 金沢こども応援ネットワークにつきましては、ホームページや子どもの居場所マップの配布などにより、参加団体の活動内容などを広く周知してきたことで、現在、子ども食堂など40団体が参加しており、地域での子育て支援の輪が広がってきていると思います。一方、独り親家庭におきましては、仕事と育児の両立において時間的な制約があり、必要な情報にたどり着けていないといった課題がありますことから、今回、市の公式LINEを活用し、行政の支援制度や地域の子ども食堂などの活動内容を直接届ける仕組みを構築することで、必要な支援につなげていきたいと考えております。 のりまっし金沢につきましては、ダウンロード数が2月末時点で7万件を超えておりまして、市民や来街者に徐々に周知が図られてきたと感じております。一方で、バスの時刻検索機能の改善を求める声が寄せられておりまして、交通事業者等と連携し、必要な改修を行うこととしております。具体的には、検索できる範囲の拡大や操作性の向上とともに、バス接近情報やまちのりポートの表示を追加するほか、交通ガイド機能も向上させたいと考えておりまして、年内の改修を目指しスピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。 交通データの活用につきましては、路線バスやまちのり、人流などのデータを地図上で可視化し分析するなど、根拠に基づく公共交通の利用促進策を検討することとしております。具体的には、鉄道やバスなどと、自転車、自家用車などとの乗り継ぎ拠点となる、いわゆるモビリティーハブの適地選定や、連節バスを活用すべき路線等の検討を行うことを想定しております。 公共交通の持続可能性を確保するためには多くの方に利用していただくことが重要と考えておりまして、交通事業者等と緊密な連携を図りながら、バスのサービス水準向上に取り組んでまいります。まずは必要な社会実験を実施しながら、利便性向上に向けた実施計画を策定したいと考えており、複数のバス事業者の路線を一元的に表示する案内標示をモデル的に設置するほか、これと並行して、バス専用レーンの強化によるスムーズな運行や、連節バスの導入などを盛り込んでいきたいと考えています。 北陸鉄道石川線・浅野川線は、大量輸送を支える公共交通として重要な役割を果たしておりますが、コロナ禍による人流の減少や燃料価格の高騰に加え、車両や施設の老朽化などの課題もあり、大変厳しい状況に置かれていると認識しています。このため、現在、石川中央都市圏の関係自治体と共に、北陸鉄道から要望のあった上下分離方式の導入も含めた鉄道の存続や、BRT化などの選択肢について、意識調査やデータ分析を行いながら協議を進めているところであります。本市としては、市民生活に影響を及ぼすことのないよう、明年度中に鉄道線の在り方の方向性を打ち出した上で、特定事業計画の策定につなげてまいりたいと考えております。 地域運営交通チョイソコに係る地域の説明会におきましては、移動手段の確保の切実さとともに、地域運営交通導入の際の地元負担の軽減などの要望がありました。私が参加した市民団体との意見交換の場でも同様な意見をお聞きし、地域における交通の課題を再認識したところであります。こうした声も踏まえ、協賛金収入を地元負担の軽減に反映できるよう制度を改善したところであります。このことにより、地域運営交通を導入しやすくなることから、積極的な周知に努めるとともに、地域の実情に合わせた柔軟な移動手段が確保できるよう支援してまいりたいと考えています。 また、高齢者の運転免許証自主返納者に対しては、申請により公共交通機関の定期券、回数券への助成や、ICaへの積み増しなどの支援を行ってまいりましたが、公共交通をより利用しやすい環境とするため、明年度から、申請後3か月間、北陸鉄道が運行する路線バス、鉄道で利用できるシルバー定期券の購入金額を助成することとしております。これにより、実質無料で公共交通を利用できることとなります。また、地域運営交通の利用についても同様に、3か月間は自己負担なく利用できるように支援することとしており、郊外からの移動の利便性向上にも資していきたいと考えています。 公共シェアサイクルまちのりは、まちなかにおける観光客が移動する手段としてスタートいたしましたが、コロナ禍において市民の方の利用が増える中、利用エリアのまちなかからの拡大の要請が徐々に高まっている状況にあります。明年度、まちのりの今後の運営の在り方や利便性向上について検討することとしており、その中で、利用者の移動データを活用した実証実験を通じて、バスや鉄道など主要な公共交通手段との連携策とともに、利用エリアの拡大についても検討したいと考えております。 最後に、マイナンバーカードに係る御質問をいただきました。このカードに係る、新たに構築するスマートサービスは、マイナンバーカードの本人確認機能を活用し、市民向けに市が発行しているカードをスマートフォンで一元化するものであります。まずは図書館カードなどから活用を開始し、文化施設や体育施設が発行する会員証や利用券なども、指定管理者との連携を図り、対象として拡大していきたいと考えています。マイナンバーカードがこれからのデジタル社会の基盤となることを踏まえ、利用しやすい環境が広がるよう活用策を検討し、市民生活の利便性向上につなげていきたいと考えております。 以上でございます。 ○宮崎雅人議長 山田副市長。     〔山田啓之副市長登壇〕 ◎山田啓之副市長 百万石まつりの実行委員長への御質問にお答えさせていただきます。経済局長時代の2年間、令和2年、令和3年は、副実行委員長という立場でございましたが、新型コロナの感染拡大により中止という判断をさせていただきました。そして昨年は、副市長就任前の開催でありましたことから、今年初めて直接祭りの仕事をすることになり、緊張感を持ちますとともに、大変大きな責任を感じているところであります。他の実行委員の方々やスタッフの方々、そしてお祭りに参加していただく方々など、祭りに関係する全ての皆様の御協力をいただきながら、これから準備を遺漏なく進め、祭りが成功裏に終えられるよう、全力で取り組んでいく所存であります。今年の百万石行列には利家公役に歌舞伎俳優の市川右團次さん、お松の方役には女優の紺野まひるさんをお迎えするということとしており、勇壮かつあでやかなお2人の姿が祭りを盛り上げてくださるということに大いに期待しているところであります。また、秋のいしかわ百万石文化祭や来春の北陸新幹線敦賀延伸のPRも行うほか、今回は姉妹都市のバッファロー市から、ハンブルグ高校ジャズバンドをお迎えし、行列に花を添えていただくこととしております。今年の祭りはコロナ禍以前の通常の形での開催ができるよう準備を進めており、市民の方々、観光でお越しの方々、そして祭りの参加者も大いに楽しんでいただき、まちのにぎわい創出につなげていきたいというふうに考えております。 以上であります。 ○宮崎雅人議長 松田総務局長。     〔松田滋人総務局長登壇〕 ◎松田滋人総務局長 市税収入が実質で過去最高額となった要因についてお尋ねでございました。コロナ禍で、国・地方が講じた経済対策が効果を及ぼしておりまして、あわせて、企業努力による業績回復や投資の拡大、コロナ禍から脱却しつつある消費の回復基調などに要因があると考えております。具体的には、雇用の持ち直しによる給与所得の増加や堅調な企業業績による個人・法人市民税の増加、令和4年中に建築された大規模家屋などによる固定資産税の増加、観光需要の回復による宿泊税の増加などにより、全体として約25億円増の約850億円を市税収入と見込んでおります。 以上でございます。 ○宮崎雅人議長 高柳福祉健康局長。     〔高柳晃一福祉健康局長登壇〕 ◎高柳晃一福祉健康局長 初めに、地域包括支援センターの事業者公募についてです。令和6年度から、これまで19圏域あった本市の日常生活圏域を20圏域に再編することとしておりますが、各圏域に設置する地域包括支援センターの運営事業者の選定については、地域包括支援センターのより質の高い運営を確保する観点から、公募型プロポーザル方式により20圏域全てを選考対象とすることとしています。移行スケジュールにつきましては、明年度の上半期に事業者の選定を行い、下半期において選定された事業者が、令和6年4月の事業開始に向けセンターの開設準備を行うこととなります。なお、運営事業者が変更となった場合は、その準備期間に業務の引継ぎを行っていただくことになります。4月以降の業務に支障が出ないよう、市としても支援してまいります。 次に、重層的支援体制における要支援者の居場所づくりなどのモデル事業についてですが、ひきこもりの方など、支え合いソーシャルワーカーが関わっている人たちを中心とした、演劇活動やボランティア活動を行うサークルを立ち上げることとしておりまして、定期的な活動を行うことで居場所の確保につなげるとともに、生きがいの発見や社会参加への意欲向上を図ることを目指しております。 もう一点、介護支援ボランティアの活動とポイント付与の状況についてです。コロナ禍におきまして、介護施設では、家族の面会をはじめ外部から施設への立入りが制限されておりまして、介護支援ボランティアにつきましてもほとんど活動ができない状況が続いております。令和元年度には登録者数は161人で、受入れ施設も60か所ありましたが、現在では登録者は34人、受入れ施設は1か所という状況であります。また、200ポイント達成者に交付しております金沢元気わくわくクーポンも、今年度交付した達成者は1人にとどまっております。現在、施設に対しまして、オンラインによる活動、あるいは施設利用者への手紙の送付など、訪問以外の方法による支援の受入れの意向調査を実施しているところでありまして、この結果も踏まえまして、今後のボランティア活動の推進策について検討していきます。 私からは以上です。 ○宮崎雅人議長 新保都市政策局長。     〔新保博之都市政策局長登壇〕 ◎新保博之都市政策局長 北部地区のAIデマンド交通チョイソコについてお尋ねがございました。地域運営交通チョイソコでありますが、北部地区の6つの連合町会が主体となり、昨年7月から試験運行を実施してきているところでございます。2月末までの8か月間で、登録者数は約1,300人、延べ利用人数は約2,400人に達し、1日の平均利用人数も増加傾向が続いているところでございます。利用者からは、また使いたいとの声をいただいているものの、持続可能な交通手段とするためにはさらなる利用が必要でありまして、地域との連携をさらに深め、利用者の確保に向けて周知に努めてまいります。 以上でございます。 ○宮崎雅人議長 換気のため、しばらくお待ちください。 34番黒沢和規議員。     〔34番黒沢和規議員登壇〕(拍手) ◆黒沢和規議員 令和5年度の当初予算を審議する3月定例月議会に当たり、市議会自民党を代表いたしまして、当面する市政の主要課題と、今回初の本格的当初予算編成に取り組まれました市長の市政への思いにつきまして、以下質問いたします。 その第1点は、来年度予算の性格についてであります。 市長は、来年度の予算について、「市民の暮らしを守り 世界に誇る文化都市をめざす総合推進予算」と銘打たれたのでありますが、まず、この世界に誇る文化都市とはどのような概念なのかお尋ねいたしたいと存じます。 私は、文化とは、長い間の人間の営みにより、様々に生み出されてきたその地域、地方、国などの有形無形のある種特殊なものであったり、態様をいうもの、結果として、つくり上げられてきたものと理解しているのであります。そのようなことからいたしますと、日本でも特筆すべき文化を持つ金沢市は、既に世界に誇り得る文化都市と言えるのではないかと自負し、思うところであります。市長の思い描く文化都市とはどのようなものでありましょうか。そして、世界に誇る文化都市を目指すということでありますが、僭越ながら、むしろそれはさらに世界に誇る文化都市をつくり上げるというものではないかと存ずるのであります。市長は、今後の金沢の文化に対する施策の基本を何において進めようとされているのか、まずお伺いするものであります。 私は、金沢市がさらなる文化都市を目指していくということであるなら、本市が持っている文化の土壌をさらに熟成させ、そこからそれらの種々の文化を発展させ、また新たな金沢の文化を生み出していく土壌をつくり上げていくことだと考えております。来年度の予算にはそうしたものを育て上げていく施策が織り込まれているとも拝察しているところでありますが、市長にはその目玉となる、言わばセールスポイントともいうべきものを挙げられるとすれば何なのか、併せてお伺いするものであります。 歴代の私の知る市長は、金沢市を伝統を踏まえた文化都市として発展させ、結果としてそのことが市民生活を豊かにするという共通した理念を根底に持ち、市政を推進してきたと考えております。昭和の高度経済成長期においても、時に全国の熱い視線を浴びていた新産業都市建設構想には目もくれず、徳田市長は、伝統環境保存条例を全国に先駆けて制定し、金沢の伝統的景観を保存・維持しようとしました。岡市長は、文化のソフト面に目を向け、泉鏡花文学賞を制定いたしました。江川市長は、卯辰山工芸工房を造り、金沢市文化ホールを建設しました。山出市長は、現代の金沢市の文化の新しい象徴ともすべく21世紀美術館を造り、市民芸術村や職人大学校なども造り上げました。今日、それらのものが金沢の深く裾野の広い文化を見える化したものとして現出されてきたものと理解しているものであります。しかし、こうした先人たちがつくり上げた文化的資産も、そのままではやがてその輝きが失われていく日が来るのであります。現代に生きる者は、さらにこれまでの金沢の文化に磨きをかけ、発展させ、継承していかなければならない責務を負っていることは申すまでもありません。市長はそうした点について、どのような所見をお持ちになっているのか、あわせて、世界に誇る文化都市を目指すことが、市民の幸せと豊かな暮らしの向上にどう資していくとお考えなのか、思いのほどを御披瀝願えればと思うのであります。 来年度の本市予算に関しまして、部門別主要事業としてまず初めに取り上げられているのは、木の文化都市・金沢の創出事業であります。この趣旨は、木にこだわったまちづくりを推進し、木の文化都市・金沢をつくり上げるための予算と説明がされているわけでありますが、自らの不明を恥じながら、私には今もって木の文化都市というイメージがきちんとして浮かび上がってこないのであります。木材であったり、木質系の建築材が多く使用される建築物が造られることが、結果として、国からの指定を受けている金沢の文化的景観、城下町の伝統と文化、あるいは歴史都市にさらなる磨きがかけられることになるという意図があることは理解できるところでありますが、市長の目指す木の文化都市とは、金沢の文化的景観の維持と創出の中でどのようなイメージと意義を持っているのでありましょうか。改めてお尋ねいたすものであります。 予算を拝見いたしますと、そのための施策として、具体的に幾つかが計上されており、しかも各種予算の初めに取り上げられていることからして、その思い入れは相当に強いものがあると拝察するところでありますが、具体的にどのような施策を展開されようとしているのかお伺いいたしますとともに、この施策を推進していく上では、金沢産木材の供給や住宅産業をはじめとする建築業界等の需要を喚起し、それらに付随する業界や市民意識の啓発も不可欠と存じますが、併せてお伺いいたします。 また、来年度予算に関しまして、次にお尋ねいたしますのは、これまでも何度となく俎上に上っております、主要市施設の再整備や跡地の問題であります。 本年度の最終補正予算では、ガス・発電事業の譲渡益を活用しての中央卸売市場や市立病院の再整備のための積立基金の創設が盛り込まれました。このことにより、いよいよ懸案の幾つかの事業が具体的に動き始めるという印象を持ったところでありますが、歌劇座の建て替えにつきましては、現在地での改築とする方向になりました。これに伴い、日本銀行金沢支店跡地の利用につきましては、別の形での検討に委ねられることになります。歌劇座は、現在の規模での現在地での建て替えは難しいということは、かねて指摘されてきたところでありますが、そうであるといたしますと、当然にふるさと偉人館の敷地も視野に入れなければなりませんし、一方では、旧県立図書館、現在は社会福祉研修センターとされていますが、これらとの一体的な開発整備も検討されなければならないと考えられます。また、日銀跡地につきましては、香林坊という金沢市の一等地に存在しているわけでありますから、その立地条件を最大限に生かした利用が求められますことは、私が今さら申し上げるまでもないことであります。であるとするならば、多くの集客を見込む施設建築物、すなわち経済と文化に関わる建物を想定するのは短絡的でありましょうか。一例を挙げるならば、以前にも申し上げたところでありますが、茶道や華道、食など、金沢や石川県の生活文化を中心とした文化、芸術、芸能関係を顕彰・紹介し、活動拠点となる場所の設置が期待されますし、工芸等の若い職人や作家たちの作品を紹介し、販売できる場所があってもよいと存じます。特に美大等の出身者で絵画関係の作品発表等の場所が少ないとの声もあるところでもあります。また、ふるさと偉人館が歌劇座の改築で動かさざるを得ないとするならば、ふるさと偉人館について、新しい視点で、その中に入れるという発想があってもよいかもしれません。その方向性については、早急な検討が必要であり、できるだけ早く着手すべき課題であるとも存じております。また、歌劇座にいたしましても、日銀跡地にいたしましても、一方で石川県との連携は不可欠であります。幸いにして村山市長と馳県知事の関係は極めて良好な状況にあるとお聞きいたしておりますので、県等とも十分に連携を図り、後顧の憂いを残すことのない施設を造り上げていただきたいと願っておりますが、この際、市長の御所見をお聞きいたします。 また、今般の予算には鈴木大拙館の大規模改修について計上されておりますが、開館して10年ほどしかたっていない施設でありますが、改修の意図、内容等についてお示しいただきたいと存じます。申し上げるまでもなく、鈴木大拙館は、仏教哲学者である鈴木大拙を顕彰し、思想等を知ることのできる人物博物館でありますが、谷口吉生氏の設計になる建物は、水鏡の庭と思索空間棟をはじめとして、内外から高い評価を得ているものであり、5年前にはトリップアドバイザーの日本の博物館ランキングの3位にも選ばれております。そんなことからも、そのありようというのは大変関心が持たれるところであります。ぜひその意図するところを示してください。 ところで、今日の国・地方を問わない最大の課題は、少子化対策であることは申すまでもありません。本市来年度予算におきましても、市長は、未来を創る子どもへの投資として種々の施策を盛り込まれております。国におきましても、岸田総理が異次元の少子化対策という表現で、抜本的な政策を進めようとしており、地方においても異次元の少子化対策の実施が求められております。さきに公表されました令和4年の出生児数は、将来、日本の社会経済を維持していく上で危機的数字と言われる80万人を割りました。本市においても異次元の子ども施策の実施について、市長の決断が求められている状況にあると思うのでありますが、御所見をお聞かせください。 また、この4月にはこども家庭庁が発足し、こども基本法も施行となります。こども基本法では、市町村においても国・都道府県の策定を踏まえて、こども施策についての計画策定がうたわれているのでありますが、本市の現在の基本的考え方及び取組状況についてもお示しいただければと存じます。 さて、私ごとで恐縮に存じますが、私は、来月行われる市議会議員選挙には立候補しないことといたしました。したがいまして、本議場で私が質問に立つことはこれが最後になります。市役所職員として30年、議員として20年、都合50年、金沢市役所という建物の中にいたことになります。そのうち職員としての30年のうち、20年余は議会事務局職員としての勤務をしており、40年余にわたり、立場は異なりますが、本議場で市議会を見てきたことになります。今、この壇上に立ちまして、この間の様々なことが走馬灯のごとく脳裏を駆け巡り、感慨深いものを感じております。年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからずであります。そうした中で、昨今、地方議会の在り方について、巷間話題とされることが多くなったように感じられるところであります。その中には、地方議会不要論があったり、地方議会及び議員の劣化論があります。そうした話が出されることについては、私自身もその一端に関わる者として、いささかなりともその責任を感じ、そうした指摘を受けることに自らを恥じ、襟を正していかなければならないという思いもいたしております。そうした議論が取り沙汰される要因の1つに、制度的には地方自治体の基本として、二元代表制の一翼を担う議決機関としての議会ですが、実質的には、次第に権限の重みが増している首長に対して、それに反比例するかのごとく、だんだんとその影が薄れてきていることにもあると思えるのであります。長年、総務省のキャリア官僚として勤められ、地方自治体での勤務を経験され、さらには大学の教壇にも立たれた市長には、一般論としてこの点どう認識され、議会の存立意義についてお考えになっていらっしゃいますでしょうか。そして、私ども金沢市議会に対して、その役割としてどのような期待をされ、評価をされているのか、率直な感想をお聞かせいただければと存ずるのであります。     〔議長退席、副議長着席〕 また、市政の解決すべき諸課題の中には懸案事項として長く引き継がれてきているものも少なからずあります。 今ほどもありましたが、北陸鉄道石川線と浅野川線をどう結びつけるのか、そのための手段は何なのか、この課題は、私が市職員として勤務した頃から取り上げ続けられてきたものでありますが、今日に至りましてもなお結論を出し得ないままとなっております。その間、地下鉄やモノレールなど幾つかの案が俎上に上ったりいたしましたが、いずれも実現に至らず、昨今ではLRTやBRTなどの新交通システム導入について調査検討が進められてきたところであります。その一方で、人口減少や利用者の減少など、社会的環境も時々刻々と変化してきていることも事実であります。そのような中、来年度予算を拝見いたしますと、これまでのように新交通システム導入に関わる直接的な予算計上が見当たらないやにも私には思えるのであります。そのことは、石川中央都市圏としての交通の在り方を検討する協議会の議論に行く末を見ることもあるのではないかと思うところでありますが、本市としてかねてから議論されてきた都市の装置としての社会資本の整備の1つとしての視点での新交通システム導入の考え方は、消え去ってしまったのではないかという感さえ持ってしまうのでありますが、この点、市長はどのような認識を持たれているのかお尋ねいたします。 また、昨年も取り上げさせていただきましたが、公民館の建設や消防団等に関わる住民負担などは、社会的状況や価値観の変化等からいたしまして、今日、市政運営において必要性の根拠が薄くなっているのではないでしょうか。 あるいは、老朽化等著しく、非住居で、付近住民に不安を与えているような建築物は、行政措置として解体撤去するという姿勢も必要であります。長期間にわたる地域近隣住民の切実な要望としてあるにもかかわらず、遅々として状況は改善せず、解決されない問題について百年河清を待つに等しい状況は、日々不快な思いを持ち、不安にさいなまれながら暮らしている市民にとりましては耐え難いものがあります。市政を預かる市長として、政治的あるいは政治姿勢として行わない、あるいは行い得ないのであれば、その理由等について、関係住民にきちんと説明することは当然でありますが、同時にそうした問題の解決の在り方としては、工夫を重ねて撤去するなどの対応も必要であります。市政執行責任者としての市長の政治的決断と強力な実行力が求められます。そうした事案等は、市政の上では大なり小なり存在することかと存じますが、市長の判断と思いについてお聞かせいただけたらと存じます。 市長は、来年度の機構改革の1つとして、都市政策局内に地域力再生課を新設し、大学や民間企業との連携、若者や外部人材等の活用を総合的に推進したいとされております。そうしたところから、どのような発想が生まれ、市政に反映されていくのか、大変興味のあることであります。その一方で、3,000人を超える職員が市役所には存在しております。市役所の仕事は、究極は市民と直接接するところ、そのほとんどがマンパワー、職員力によるところにあるかと思います。意見は意見として、提言は提言として真摯に受け止め、実施に向けて対応されていかなければなりませんが、市職員と一体となって職務を遂行されていく市長にあっては、職員等内部から出されてくる実体験、あるいは金沢をふるさととしている職員等から出されてくる意見・提言等にも真摯に耳を傾け、これらを吸い上げ、市政執行に当たっていくことも肝要かと思われます。市長の御所見はいかがでありましょうか、お伺いしておきたいと存じます。 50年前、私は、衆議院速記者養成所を経て、金沢市議会の速記者として金沢市にまいりました。金沢駅に降り立ちましたとき、雪が降りしきっていたこともありますが、金沢駅前は何ともうら寂しく、これが県庁所在地の玄関口なのかとわびしさのような思いに駆られたことを今でも覚えております。その頃、東京駅から金沢駅までは、米原経由で新幹線と在来線を乗り継ぎ6時間近く、その後、上越新幹線が開通して長岡経由で5時間ほどとなり、ほくほく線が開通して越後湯沢乗換えで最短で4時間弱、それが、北陸新幹線が金沢まで開業したことにより、2時間半ほどの時間距離となりました。当時は小説「雪国」のごとく、長いトンネルを抜けると雪国であったというとおり、冬は日本海側に出ると空は鉛色、そこから雪が舞い、車窓から見えるまちの姿は何となく暗く寂しく見えたものでありました。それが、東京との時間距離が劇的に短縮されたことにより、そうした思いは実感としてはほとんど消えてしまったように思えるところであります。この感覚こそが、今日首都圏から多くの観光客が金沢を訪れる1つの要因にもなっているのではと思えるのであります。そして50年前、殊のほか寂しく思えた金沢駅周辺は、先達たちの地道な努力により、駅舎そのものを含めて伝統と文化の薫り高く、しかも品格のある近代的な景観に変わるところとなりました。来年の春にはその新幹線も敦賀まで延伸されることになります。そうなれば、関西圏からもさらに多くの観光客が訪れてくることになるでありましょう。願わくは、この新幹線がさらに西に延び、一日も早く大阪まで到達してほしいものであります。しかし、敦賀以西の着工の先行きは、今日、京都府の現在の状況からして暗雲が立ち込めております。そうした現況に鑑み、昨今におきましては、再び米原ルートへの変更論も聞かれるようにもなっております。市長には北陸新幹線の大阪延伸の現況についてどう捉えられ、沿線主要自治体首長として早期の着工にどう向き合われようとしているのかお尋ねいたします。 私は、ルートが既に決定されていることを十分承知している上で、あえて申し上げるのでありますが、場合によっては米原ルートというものが、工期、経費、さらには名古屋方面への利便性等からしても現実的な選択としてもあり得るのではないかと改めて考えてもいるものでありますが、この点を含めて、敦賀以西の新幹線着工問題について、市長の所感をお聞かせいただくことをお願いいたしまして、質問を終えたいと存じます。 私も、元は「遠所もん」でありました。しかし、今日では、金沢市を、金沢市民を愛することでは、金沢をふるさととする市民の皆様の人後に落ちるものではないと自負もいたしております。金沢生まれの金沢人ではありませんが、もう半世紀余も金沢に住み、それに極めて近い、こんな言葉はありませんが、「近所もん」として、金沢市の永遠の発展と市民の皆様の幸せが続くことを心から願っている一人であります。そして、今日まで市民の皆様はもとより、議員各位、市長をはじめとする市職員の皆様、また各界各層の皆様から賜りました御厚情と御厚意に心から感謝と御礼を申し上げ、降壇させていただくものであります。誠にありがとうございました。(拍手) ○麦田徹副議長 村山市長。     〔村山 卓市長登壇〕 ◎村山卓市長 34番黒沢和規議員にお答えいたします。 初めに、世界に誇る文化都市について御質問をいただきました。本市には藩制期から脈々と受け継がれてきた芸能や芸術などの伝統的な文化が存在し、それらを守り、磨き高めてきた歴史の中で、革新的な営みにより付加価値を高めてきました。加えて近年、スポーツや建築などを文化として捉え、広がりを見せております。こうした、人の温かみが伝わり、心を豊かにしてくれる本市の幅広い文化に触れることで、市民は深い教養と品位を身につけ、まちへの愛着と豊かな心を育むことができ、来街者は文化の薫りと美しいまちなみから都市の品格を感じることができると思っています。これら本市の文化を磨き高め、都市のブランド力を向上させ、国の内外にこれまで以上に発信することで、これは金沢に暮らす市民が誇りに思うと同時に、市外、県外、国外からも脚光を浴びるような、世界に誇る文化都市金沢ができると思っております。 本市の文化に触れることで、その美しさや楽しさを通して、感動や安らぎ、生きる喜びを得ることができ、人生が豊かになると認識しております。3年余りのコロナ禍を経験したことで、このことがより顕著になってきたものと思います。その上で、明年度予算編成に当たり特に意を用いたのが、文化の裾野を広げること、文化により教養の幅を広げることでございます。保育所や幼稚園などで、芸術文化プログラムを通して子どもたちの自尊感情を育む情操教育を推進するとともに、中学生が県立音楽堂でのフルオーケストラ鑑賞や各学校での金沢素囃子の演奏の体験によりまして、教養の幅を広げ、まちへの愛着を醸成したいと考えております。 金沢の文化に係る責務、これに係る所見と市民にもたらす効果について御質問をいただきました。本市の魅力は、藩制期以来培われてきた文化であり、唯一無二の個性としてまちづくりのみならず、市民の生活に広く深く及んでおり、この文化を大切にしながら、さらに磨き高めていくことは、金沢に生きる私たちの使命であると考えております。コロナ禍によって人々の価値観が変わり、心の豊かさや温かさを求めるようになったと認識しておりますが、金沢が誇る文化水準の高さを、市民はもとより国の内外に発信し、住む人、訪れる人の双方が喜びや幸せを感じることができるよう、文化都市金沢のさらなる発展に向けて取り組むことが、このまちに暮らすことの誇りを感じ、また、市民に心の充足と潤いをもたらすことにつながると思っております。 木の文化都市・金沢の継承と創出は、まちなみや生活に木を幅広く取り入れることによって、木が持つ優れた特性を生かし、かつ木の質感にこだわった持続可能なまちづくりのことであります。金沢の文化的景観は、藩制期に由来する都市構造や生活文化を継承し、保全・活用することを目的としており、木の文化都市の継承はその趣旨に沿ったものであります。また、集成材などを活用した新たな技術により、中高層建築物の木造化や木質化を図る創出も、木の文化都市の取組であり、これからの本市のまちづくりにおいて品格と魅力をより一層高めていくことができる極めて意義深いものであると考えております。 木の文化都市・金沢の目指す姿として、木の文化を感じられる暮らしとまちをつくるを掲げ、木に関わり仕事やなりわいにすることや、公共施設や民間施設において木を積極的に利用すること、また、森とまちの好循環をつくることなどに関する施策を、総合的かつ計画的に展開していくこととしております。加えて、木を取り入れることにより、環境負荷の低減や地域経済の活性化にもつなげていくなど、幅広い分野において施策を展開し、持続可能な社会の実現を目指しております。 この持続可能なまちづくりとして、木の文化都市・金沢を実現していくためには、木をめぐる安定した需要と供給のバランスが大切であると考えております。いわゆる川上から川下に至るまでの多くの関係者の連携、協力が必要不可欠であります。森林や里山の適切な保全のみならず、需要に応じた持続可能な木材の生産や加工などの円滑な供給と、それを活用するまちの形成が大きな課題であり、それぞれの分野において効果的に施策を展開していかなければなりません。加えて、木の文化都市を支える市民意識の醸成も大切であり、あらゆる機会を通して啓発に努め、市民、事業者、市が一体となり施策を展開していくことで、木の文化都市の実現につなげていきたいと考えています。 金沢歌劇座につきましては、明年度、現敷地における実現可能な施設規模等を踏まえ、令和元年度に取りまとめたあるべき姿の機能を補足する手法について、調査検討を重ねてまいります。他方、日本銀行金沢支店の移転後の跡地につきましては、明年度、石川県をはじめ有識者、経済界の代表者、地元関係者のほか、若い世代に加わっていただき、利活用の在り方について検討していくこととしております。歌劇座は、県有施設に近接しております。また、日銀金沢支店は県都の発展に重要な場所でありますことから、県と情報を共有し、連携を密にしながら検討を進めていきたいと考えております。 また、鈴木大拙館は、金沢が生んだ仏教哲学者鈴木大拙の考えや足跡を広く国の内外の人々に伝えることで、大拙について理解を深めるとともに、来館者自らが思索する場として利用することを目的に、名誉市民であり世界的な建築家である谷口吉生氏の設計によって、平成23年10月に開館いたしました。鈴木大拙が東洋の思想を世界に広めたことや、谷口建築が醸し出すたたずまいや静けさが注目を集め、開館以来、想定を大きく超える来館者があったことから、劣化が進みました。現代建築レガシーとして施設の保存継承の観点から、思索空間や回廊などの外壁、フローリングや展示照明など、建築的な価値を損なうことがないよう改修工事を実施するものであります。 少子化対策につきましては、本市ではこれまでも独自の取組を展開しながら、子育てしやすい環境を整えてきたところでありますが、依然として少子化に歯止めがかからない現状を大変憂慮しているところであります。現在、政府では、こども政策の強化に関する関係府省会議の中で、児童手当を中心とした経済的支援の充実や、幼児教育・保育の量・質両面からの強化等について議論されており、6月に策定する骨太の方針で、子ども・子育て予算の大枠を示すとしております。少子化対策は、国と地方が一丸となって取り組むべき最重要課題でありますことから、本市としては、4月のこども家庭庁の発足と、その後の施策など、今後の国の動向を注視しながら、子育て支援の充実はもとより、就労環境の整備や働き方改革の推進、住宅政策など、これら関係する部局が連携して総合的に取り組むということが重要であると考えております。 市町村子ども計画につきましては、既存の次世代育成支援対策推進法に基づく市町村計画などと一体として作成できることから、明年度より策定に着手する次期子育て夢プランの中で検討していくこととしております。子育て夢プランの策定に当たりましては、こどもまんなか社会の実現に向けて、子育て世帯に加え、未来を担う若者の意見をこれまで以上に反映したいと考えており、新たに学生ワーキングチームの設置やウェブによるアンケートを実施することとしております。 地方議会に関しての思いということでございました。憲法で規定された二元代表制として、選挙で選ばれた長と議員が相互に対等な立場で、過度なことではなく、適度な牽制と協調を図りながら市政運営を行っていくということが、地方自治における議会制民主主義の根本原理であるというように考えております。また、それに際しては、のりを越えず、長は執行機関として、議会は議事機関としてのそれぞれの役割を果たしていくということが肝要であると考えております。金沢市議会におかれましては、市民の多様な意見を市政に反映させるべく、議会基本条例の制定に尽力されるなど、これまで不断の努力を重ねてこられました。市長部局としてもそうした精神を大切にしながら議会と議論を深め、共に市政の発展と市民福祉の向上に努めていくことが大切であり、引き続き議員各位の御協力をお願いしたいと思います。 新しい交通システムにつきましては、昨年の夏に検討委員会から受け取った提言書では、引き続き新しい交通システムは都市の装置として本市の発展に必要な社会資本であるとの認識が示されております。一方で、コロナ禍で公共交通利用者が減少し、市民が支える公共交通という意識が共有されにくい状況では、中長期的な公共交通の動向を見通しづらく、LRTかBRTかという二者択一の結論を急がなかったものであります。今後は、交通事業者等と連携しながら、まずはバスのサービス水準向上による需要の回復とともに、さらなる利用促進に力を尽くしてまいりたいと考えております。 いわゆる金沢方式につきまして、人口減少、少子高齢社会の進展と、価値観の変容、住まい方、あるいは働き方が変化する中で、住民負担の見直しを求める声があることは十分承知しておりまして、まちづくりミーティングの場でもお聞きしているところであります。他方、公民館や消防団などにおいて、地域が一定の負担をしながら運営する金沢方式につきましては、活動の自主性・自立性を担保することで地域の連帯を強め、協働を育むために大きな役割を果たしてきており、本市のコミュニティーの醸成には欠かせない仕組みだと思っております。現在は、庁内横断のプロジェクトチームにおきまして、住民負担を含め課題を整理し、検討を重ねているところであります。明年度取りまとめる新たな都市像に、金沢方式の今後の方向性を反映させていきたいと考えております。 また、地域の課題となっている危険な空き家につきましては、周辺環境に与える影響は大きく、一刻も早い解消が望まれていると認識しております。一方で、個人の財産に行政が関与していくには限界がございます。個人財産としての財産処分、市民の公平感や財源の確保など解決すべき課題も多く、処分に当たっては公正で適法な対応が行政に求められます。引き続き所有者に対し適切な管理を強く指導するとともに、弁護士や不動産関係者等で構成する金沢市空き家等活用・流通促進体制の協力の下、空き家の流通を促進させ、管理が行き届かない老朽建築物の抑制に努めるほか、国による法改正や不適切な管理者に対する指導基準等の動向を注視してまいりたいと考えております。 地域力再生課に係る機構改革についてでございます。人口減少や少子高齢化など、地域を取り巻く環境は大きく変化する中で、民間企業や高等教育機関の知見のほか、若者の柔軟な考え方や外部人材、移住者などの視点を活用して地域の活力を回復させたいと考え、地域力再生課を新設することとした次第であります。これと併せて、庁内の横断的なプロジェクトチームを立ち上げ、関係部署の職員が連携して地域課題の解決に取り組んでいくこととしております。また私は、役所の職員が税金を主にする給与を頂いて仕事をするという中身としては、もう役所の職員の頭を使って付加価値を高めていくことが一番の価値であろうというように思っております。そういった中では、職員、特に若手の職員がこの検討に深く関わってくることが大事であるというように思っています。職員と若い世代との意見交換なども実施していきたいと思っておりまして、職員力を最大限に生かして地域活力の再生に取り組んでいきたいと考えております。 北陸新幹線について、地方への経済波及効果が大きく、投資効果に優れており、沿線地域の発展のみならず、地方創生の推進と日本経済の再生のためにも必要不可欠であると考えております。また、有事の際に東海道新幹線の機能を補完する役割を担っており、大阪までの早期全線開業を実現させるべきであると思っております。そうした中、環境影響評価の遅れ等により、令和5年度当初の敦賀以西の着工が先送りとなったことは大変残念に思っております。本市が参加する北陸新幹線関係都市連絡協議会におきましても、今年1月、国等に対して緊急要望を行いました。引き続き北信越沿線住民の悲願である全線開業に向けて関係都市と連携し、早期着工を国に強く求めていきたいと考えております。 また、北陸新幹線の敦賀以西のルートは、平成29年3月の与党プロジェクトチームで決定された小浜ルートを前提に、環境影響評価や施工上の課題の検討が進められていたところであります。今般、敦賀以西の着工が先送りされたものの、直ちに米原ルートへ変更されるというものではなく、まずは調査の実施と課題解決に向けた議論を重ねて、早期着工に向けて全力を挙げていくことが必要と考えてございます。 最後に、黒沢議員におかれましては、議長職もお務めになられ、また、5期20年にわたりまして、そして市議会の事務局も含めますと40年以上にわたって金沢市議会に多大な御尽力をいただきました。また、議会改革の一層の推進を目指した議会基本条例の制定にも御尽力されたことに、心から敬意を表したいと思います。今後とも御健勝にお過ごしいただきまして、今後、市政に対して大所高所から御助言いただきますことをお願い申し上げまして、私からの答弁といたします。ありがとうございました。     〔「議長、34番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○麦田徹副議長 34番黒沢和規議員。 ◆黒沢和規議員 いろいろ御答弁ありがとうございます。2点確認させていただきたいと存じます。 まず1点目は、鈴木大拙館でございますが、改築といいますか、大改修につきまして、今、市長から御答弁をいただきました。かなり傷みが激しいということでございますので、そこを中心にというお話であったかというふうに思うわけでありますが、鈴木大拙につきましては、ふるさと偉人館にも展示物が1つのコーナーとしてあるわけでございます。これは、現在2つに分かれているわけでありますが、この大拙館の大幅改修に当たり、今後のことも考えますと、ふるさと偉人館から資料等を持っていって、そちらで統一化を図るということも必要なのかなというふうに思うわけでありますが、その辺のところについて、今回そうしたことも含めて、スペース的に対応するのかどうかお考えをいただきたいということが1点でございます。 もう1点は、今ほど最後に御答弁いただきました北陸新幹線の敦賀以西の問題でございますが、着工が遅れたという、できなかったということもあるわけでございますが、そのルート的にはやはり京都府の問題が大きくあるというふうに、私は理解しておるわけでございまして、京都府に対してやはり沿線の主要自治体の首長として、何らかの働きかけをして、そこを打開するということも必要なのではないかというふうに思っているところでありますが、その点についての御答弁をいただきたいと存じます。 以上でございます。 ○麦田徹副議長 村山市長。     〔村山 卓市長登壇〕 ◎村山卓市長 2点再質問をいただきました。 鈴木大拙館とふるさと偉人館に顕彰されている鈴木大拙の展示の移設も含めた検討のお話であります。鈴木大拙館を建設するときに、様々な議論があったというように思いますし、これを建設するときに、中身をどうしていくかという際に、鈴木大拙の紹介というようなものではなく、その大拙の思想と、あと禅の思想、さらには鈴木大拙に係る思想空間というものを大切にした、そういった建築物として鈴木大拙館を建設されたというように承知しております。ですので、様々な偉人を顕彰しているふるさと偉人館の中に、逆に鈴木大拙の紹介がないのは、それもよくないというようにも思います。それぞれ異なる趣旨の建築物だというように理解しております。ですので、現在のところ移設するということは考えておりません。 また、ルートにつきまして、京都府に直接働きかけてはどうかというお話をいただきました。北陸新幹線の敦賀以西の期成同盟なども参加させていただいた中で、こちらの建設に至っては、主に国と県の役割ということでありまして、市のほうは駅舎の整備、あるいは駅のにぎわいづくりというところであります。ですので、一義的には県の役割というように考えておりますが、県に対しても、もう県のほうも十分承知なところではありますけれども、地元の主としてそういった思いを京都府あるいは国のほうに伝えていただきたい、そういったことを申し入れたいというように思います。 以上です。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩 ○麦田徹副議長 この際、暫時休憩いたします。     午後2時51分 休憩-----------------------------------     午後3時10分 再開 △再開 ○麦田徹副議長 出席議員数は、ただいまのところ34名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○麦田徹副議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 29番森尾嘉昭議員。     〔29番森尾嘉昭議員登壇〕(拍手) ◆森尾嘉昭議員 私は、日本共産党市議員団を代表して、以下質問いたします。 最初の質問は、市民の安心・安全を図る上で何をなすべきか、2つの点について伺います。 第一は、平和を守ることです。防衛省が、全国300の自衛隊基地に保有している2万3,000棟の強靱化計画を進めるとして、国会で取り上げられました。その内容は、化学、生物、核兵器などによる攻撃を想定し、自衛隊の施設が耐えられるようにするというもので、これは日本全土を戦場化しようとするもので、すさまじい基地強化への実態が明らかとなりました。具体的には各種脅威に対する施設の強靱化を進めるとして、主要司令部等の地下化、主要施設における敵攻撃を受けた場合の対策を行うというもので、その中には核兵器攻撃被害も想定しています。対象となる自衛隊基地の1つとして、陸上自衛隊金沢駐屯地が含まれています。岸田内閣が打ち出した反撃能力、すなわち敵基地攻撃能力を持つ防衛力の整備が既に始まっています。その岸田内閣が、巡航ミサイルトマホークを最大400発アメリカから購入することを明らかにしました。このトマホークは、1発が約5億円で、新年度国の予算案では、総額2,113億円が計上されています。このトマホークは、射程距離が1,600キロメートルあります。東京から北朝鮮の平壌までの距離1,290キロメートル、台湾の台北までの距離1,157キロメートルですから、その射程内にこうした都市があることとなります。このトマホークは、アメリカが湾岸戦争、イラク戦争の際に、相手国に対して多数を一斉に発射する攻撃として使われました。自衛隊幹部は、アメリカと協力して使用する可能性に言及しています。まさに戦争するための準備が進んでいます。岸田政権は、防衛費を国内総生産(GDP)比2%以上に増やす方針を打ち出しています。そうすると、日本の防衛費は世界の軍事費比較ではアメリカ、中国に次ぐ世界第3位となります。5年間で43兆円もの防衛費増額を打ち出しました。実は、ローン支払いを合わせると約60兆円となります。その中身が次々に明らかとなってきました。長距離ミサイルの開発・取得、イージスシステム搭載艦などミサイル防衛、攻撃用や多用途の無人機の取得、南西方面への輸送力や補給拠点の整備などです。こうした大軍拡・大増税を進める政治に対して、国民は世論調査を通じてノーの声を発しています。昨年12月の世論調査結果によると、岸田内閣の支持率は37%と低迷し、防衛費のための増税には約7割が評価しないとしました。市長は、提案説明の中で、平和と人命の貴さについて述べられました。戦争か平和か、日本の進路が大きく問われる事態に対してどのように臨まれるのか見解を伺います。 広島平和音楽祭で「一本の鉛筆」という歌が披露されました。歌ったのは美空ひばりさんでした。その歌には、「一本の鉛筆があれば戦争はいやだと私は書く」との歌詞があります。また、本市平和都市宣言は次のように述べています。「世界の恒久平和と核兵器の全面禁止・廃絶は、人類全ての願いであり、われわれはその実現に向けて不断の努力をしていかなければならない」と宣言しています。市長、この宣言の立場から、不断の努力として本市はどのように取り組んでおられるのか、新年度予算で具体化されるものがあれば明らかにしていただきたいと思います。 第2は、市民の命、生活と営業を守ることです。具体的に3点伺います。 まず、コロナ感染対策です。コロナ感染者は全国で3,000万人を超え、死者数は7万2,000人に上っています。石川県では約28万人が感染し、死者数は約500人となっています。いまだ医療現場や介護施設ではコロナ感染による影響が続き、その対策には現場は大変です。こうした中、岸田内閣は、この5月8日から、感染症法の2類から、季節性インフルエンザと同じ5類にすることを打ち出しました。これによって、公的支援が段階的に縮小することになります。無料検査がなくなります。コロナ感染がなくなったわけではありません。第8波での死者数が増え、この1年余りで死者数は5万人増となっています。季節性インフルエンザによる死者数は1年間で3,000人ぐらいですから、その危険性は季節性インフルエンザと同等とは言えません。市民の命と健康を守る上で引き続きコロナ感染対策が重要です。入院体制を確保し、介護施設等でのクラスターの発生を防ぐ対策と支援が求められます。市長から今後の対策と具体化について明らかにしていただきたいと思います。また、保健所の対策強化について伺います。 2つに、国民健康保険料と介護保険料の引下げについて伺います。物価高騰、電気料の値上がりなど、市民生活をめぐる状況は深刻です。市民生活を守る上で負担感が強い国民健康保険料と介護保険料を引き下げるよう求めるものです。国民健康保険財政調整基金は、令和4年度末に31.7億円あり、新年度保険料率を据置きするとして、基金から8.7億円を取り崩しても、23億円の基金があります。この基金を活用し、年間1世帯当たり2万円の保険料を引き下げることは可能です。見解を伺います。 介護給付費準備基金は、この間、会計の黒字が続き、令和4年度末、基金残高は28.5億円となりました。第6期の基金残高が8.7億円でしたから、基金残高は3倍に膨れ上がっています。こうした基金を活用し、保険料を引き下げるべきではありませんか。見解を伺います。 第3に、中小企業への支援策についてです。物価高騰が続き、経済の低迷の中、中小企業、中でも小規模事業所は経営の存続の危機に直面しています。当面する支援策として、コロナ感染対策として実施された融資であるゼロゼロ融資がその返済時期を迎えています。したがって、この返済時期を延期してほしいとの強い要望があります。さらにこの10月から実施されるインボイスについて、不安と批判の声が広がっています。延期や中止をぜひとも国に届けてほしいとの声が広がっています。市長、本市の経済を支えてきた中小企業の経営を守り、存続していけるように、こうした要望を国に求めていただきたいと思います。見解を伺います。 また、本市として、住宅リフォーム助成制度や店舗リニューアル助成制度を創設し、市民と小規模商店の要望に応えるとともに、中小企業への仕事出しにもつながるよう求めるものです。市長の見解を伺います。 質問の第3に、市民要望にどのように応えるのか、次の3点について伺います。 第1は、子ども医療費助成制度についてです。新年度予算では、この10月から、ひとり親家庭等医療費助成制度は、外来、入院ともに窓口無料化にすることを打ち出しました。また、子ども医療費助成制度については、入院した場合、対象を15歳までを18歳まで拡大し、1日1,000円の自己負担がなくなり、無料化するとしました。市長、この制度拡充が必要だとして、18歳までを対象とし、無料化することを打ち出したことになります。ですから、早急に外来についても同様の対応をすべきではありませんか。野々市市をはじめ周辺の自治体が対象を18歳までとし、外来、入院ともに無料化を打ち出しています。市長の決断が求められています。見解を伺います。 第2に、小中学校の学校給食費の無償化です。今回、新年度当初予算では見送られました。文部科学省の調査によると、子どもの学習に関わる費用は、学校に関わって小学生が年間約10万円、中学校が年間約17万円の負担となっています。そのうち、給食費は小学校で約4割、中学校では約2割を占めています。就学援助制度がありますが、その利用は令和3年度、本市では14.73%となっています。1割台の利用にとどまっています。したがって、全ての児童・生徒を対象とする学校給食費の無償化は、どの子もひとしく教育を受ける権利を保障し、未来ある子どもたちの成長を願う立場から、その実施が強く求められています。市長、何が実施への妨げになっているのですか。説明を求めたいと思います。市民の福祉向上に向け、やるべき事業ではありませんか。その決断を求めたいと思います。 学校給食に関わって重大な問題は、本市が8,000食の巨大な共同調理場建設に踏み出したことです。さらに、駅西地域に1万1,000食もの超巨大共同調理場建設を打ち出しています。全国では、単独校方式と共同調理場方式が半分半分であり、共同調理場の小規模化や単独校方式へと切替えが検討されています。しかし、本市では、4つしか残っていない単独校をなくし、全て共同調理場に切り替え、しかも巨大共同調理場を建設しようとしています。本市教育委員会はどのように説明されるのですか。巨大な共同調理場建設を中止することを求めたいと思います。見解を伺います。 第3に、加齢性難聴者に対する補聴器購入に対する助成制度創設についてです。加齢性難聴者は10人に1人、高齢者の3人に1人と言われています。認知症との関係についても最近明らかにされました。45歳から65歳で聴力が低下すると、認知症の発生リスクが1.9倍になるとの内容です。補聴器購入助成制度創設について、さきの12月定例月議会で、我が党の広田市議が取り上げました。これに対して市長は、高齢者が補聴器を利用することは、社会参加の促進や生活の質の向上にも資するものであると理解しております。一方、本来は国の補装具の給付で対応すべきものであると思っておりまして、引き続き国や他都市の状況を注視しながら研究してまいりたいと、こういう答弁をされました。具体的な取組が求められています。市長、本市医師会をはじめ、関係者との協議の場を設け、聴力検査の受診率の向上、補聴器購入に対する助成制度の創設など、加齢性難聴者に対する支援策を検討することを求めたいと思います。見解を伺います。 質問の第4に、本市中央卸売市場の現在地での新築事業について伺います。 本市はこの間、この施設が老朽化したにもかかわらず、建て替えを先送りしてきました。富山市など周辺での市場がリニューアルされる中、本市の施設と機能が立ち後れる事態となってきました。さらに、コロナ禍と物価高騰、景気後退が追い打ちをかけ、市場をめぐる環境は一層厳しくなり、市場関係者が運営の危機に直面しています。こうした状況の下で、本市中央卸売市場の現在地での新築事業が検討されてきましたが、関係者から大きな不安と課題解決の声が寄せられています。市長御自身が副市長としてこの課題に取り組んできたことからも、市としての責任を深く認識されているはずであります。生産者と市民生活をつなぐ大切な市場がこの役割を発揮できるように、現在地での新築事業を進めていかなければなりません。市長、この課題に取り組む決意と見解を伺います。 昨年12月26日、本市場の卸、仲卸を代表する5名の方々が、市長に要望書を提出いたしました。その内容は、第1に、市場の供用開始時期の早期化、第2に、仮設店舗での操業期間の短期化、第3に、使用料の軽減に向けた検討や各種支援の実施など12項目となっています。市長は、本会議の提案説明の中で、次のように述べています。市場事業者との協議を経て基本計画を取りまとめ、基本設計に着手していきますと述べられました。市長は、市場関係者から市長に提出された要望にどのように応えられるのか、具体的に明らかにしていただきたいと思います。 本市場を所管する局長に伺います。現在、市場には9か所の井戸があり、市場の水を供給しています。ところが、今回の現在地での新築事業では、この井戸が維持されなくなる可能性があります。本市の水道を利用すると、利用料金が数倍に跳ね上がります。水産関係者にとっては死活的問題です。どのような対策を検討されているのか明らかにしていただきたいと思います。 質問の第5に、本市ガス事業・発電事業の売却に伴う約300億円の活用について伺います。 本市ガス事業・発電事業を金沢エナジー株式会社に昨年4月売却し、その売却額300億円について、清算特別会計を設けて対応してきました。今回この清算特別会計を閉じるとして、清算を終え、残った284億5,800万円を一般会計に繰り入れました。そして今回、本市中央卸売市場と本市市立病院の再整備事業基金を創設し、この基金に80億円、小中学校の再整備に向け教育福祉再整備事業基金に80億円、そして財政調整基金に残りの44億5,800万円を積み立てるとしました。さらに一般会計から本市企業局の水道会計に補助金として80億円を支出し、企業局は水道会計の中で、老朽化する水道施設の再整備に充てる基金とするとしました。そこで、独立する公営企業の事業売却によって得た300億円を一般会計に繰り入れ、その活用方針を市長が方針を打ち出し、その一般会計から企業局に補助金という名目で80億円が支出され、企業局はこれを水道会計の基金として活用するというものです。一体売却に伴う300億円はどこが所管するのか。その活用方針と財政処理は根拠があるのか明らかにしていただきたいと思います。 公営企業管理者に伺います。本市ガス事業・発電事業の売却に伴う300億円の活用は、本来企業局として市民の生活向上に向け公営事業の維持発展に活用するのが適切ではありませんか。見解を伺います。したがって、第1に、市民生活を守る上で、上下水道料金の減免を実施すること、第2に、公営事業の維持・継続を進めていくために、財政活用を考えるべきではありませんか。中でもおいしくて安い自己水による水道事業の維持発展に向けた活用こそ考えるべきではありませんか。その見解を伺います。今回、売却に伴う財源を全て一般会計に繰り出し、その運用は市長に委ね、その財源のうち80億円を補助金として受け取り、水道事業において老朽化する水道施設の再整備に充てる基金に80億円を充てるとの対応について、適切な財政運用ですか。説明を求めたいと思います。 この項の最後に、市長に伺います。本市ガス事業・発電事業を民間に売却したことで、今度は水道事業についても民営化するのではないかと市民から心配する声があります。これまで本市は、水道事業の民営化はしないということを表明してきました。市長の見解をお聞きしたいと思います。 質問の最後に、本市が世界平和統一家庭連合金沢家庭教会と交わした合意書を解除することについて伺います。 平成元年7月、本市浅野町校下に施設がある世界平和統一家庭連合金沢家庭教会が、本市公園等里親事業に登録申請し、本市は合意書を取り交わしました。本市公園等里親事業は、公園の清掃などのボランティア活動を行うとして登録するもので、清掃など活動を行う際に、申請があれば清掃用具などを貸与するもので、この旧統一教会からは、一度も申請はなかったと聞いています。これに対して、地元浅野町住民から、旧統一教会が霊感商法や高額寄附、合同結婚式など反社会的団体として批判が広がっていること、そして、この旧統一教会の施設が地元にあるだけに、本市が社会奉仕活動であることをもってこの団体と合意書を交わしていることは、問題のない団体であるというお墨つきを与えかねず、さらなる被害拡大にもつながるとして、合意書の解除を求めてまいりました。去る3月2日には2回目の署名合わせて378筆が市長に届けられました。本市は新年度からこれまでの本市公園等里親事業を廃止し、新たな事業に切り替えることを打ち出しました。市長から、本市が旧統一教会と交わした合意書はどうなるのか。これまでの事業を廃止し、新たな事業を打ち出した経緯について、市長から説明をいただきたいと思います。また、これまで登録した団体などへの説明はどのようにされるのか、今後の取扱いについて、担当する局長から説明を求めたいと思います。 以上をもって代表質問を終わります。(拍手) ○麦田徹副議長 村山市長。     〔村山 卓市長登壇〕 ◎村山卓市長 29番森尾嘉昭議員の御質問にお答えいたします。 初めに、平和に関しての御質問でございます。ロシアによるウクライナ侵攻を機に、平和と人命の貴さを再認識しているところであります。我が国の安全保障に関する問題につきましては、国民の安全や暮らしを守る観点からも、国において十分な議論を重ねた上で、国民の理解を得て適切に対応されるものと認識しております。 本市では、平和都市宣言に基づき、毎年夏の原爆と人間展の開催などを通して、広く市民に平和の尊さと戦争の悲惨さを伝えております。また、姉妹都市交流や自治体国際化協会(CLAIR)などを通した自治体間交流、民間での海外交流などを継続実施していくことで、戦争はいかなる理由があろうとあってはならないことを意識として共有し、世界の恒久平和につなげていきたいと考えております。 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが変更される5月8日以降においても、感染が拡大しやすい高齢者施設等に対して、保健所が早期に介入して支援を行うこととしております。加えて今回の当初予算案では、協力医療機関の支援を受けることが困難な施設に対して、医師会の協力の下、医師を派遣するための経費を計上しております。これにより、感染拡大を防止し、重症化リスクが高い高齢者等を守るとともに、医療機関の負担も軽減していくこととしております。 続いて、国民健康保険料につきましては、県から示された標準保険料率を基本としておりますが、現下の市民生活への影響に配慮し、明年度は約8億7,000万円の基金の取崩しなどを行うことにより、国民健康保険料を据え置くこととしております。基金につきましては、保険料の引上げが必要となった場合の負担緩和財源として、効果的な活用を図っていくこととしておりまして、さらなる保険料の引下げのために基金を活用することは考えておりません。 介護保険につきましては、高齢者人口は今後も増加していくと見込まれ、令和6年度からの次期介護保険事業計画の期間においては、団塊の世代が75歳以上となり、サービス給付費がさらに増加すると思われます。基金については、次期計画期間の保険料を設定する際に有効に活用していきたいと考えています。 中小企業支援につきまして、無利子・無担保融資の返済は既に本格化を迎えておりますが、現在、国・県において民間金融機関の融資からの借換えに対応した新たな融資や保証制度を創設したところであります。また、インボイス制度について、国は仕入れ控除の特例などの支援策や負担軽減措置を講じてきたことに加え、先月末にも万全の対応を続けることで、予定どおり本年10月から導入する考えを表明しております。これまでも全国市長会などを通じて、国に対し必要な措置を講じるよう要望してきており、無利子・無担保融資の返済延期やインボイスの中止を求めることは考えておりませんが、引き続き国の動向を注視しながら、事業者の声に寄り添い、対応してまいりたいと考えています。 住宅関係につきましては、これまでも空き家購入者の内部改修や町家再生の改修工事、住宅の耐震工事など、目的に応じた多様な住宅リフォーム支援制度を設けております。また、新年度予算におきましても、商店街の空き店舗への出店促進を図る奨励金制度の期間延長や、まちなかの食料品店の継続や新たな出店を促すための店舗の設備整備に対する助成制度の創設をお諮りしております。なお、目的に応じた住宅や店舗の改修支援制度を幅広く設けておりまして、一般的なリフォームに対する助成制度の創設は考えておりません。 子育て支援医療助成費につきましては、今回、県が補助金の対象年齢等を拡大したことを踏まえ、医療費以外にも費用がかかる入院について対象年齢を拡大するとともに、自己負担を無料化したものであります。このほか、ひとり親家庭等医療助成費の子どもの自己負担分無料化や、乳幼児の予防接種助成費、かなざわ子育てすまいるクーポン事業費など、子育て支援の拡充に有効に活用することとしており、子育て支援医療助成費の外来分の拡大につきましては、現時点で考えておりません。 一方、給食につきましては、本市では、教育費の負担軽減や子育て支援の観点から、経済的な理由で就学が困難な場合は、就学援助制度によりこれまで給食費の全額を支援しています。また、全国的な物価高騰の中、保護者の経済的負担の軽減を図るため、本年度に引き続き、食材費の不足分を全額市で補填いたします学校給食費物価高騰特別対策費を令和5年度当初予算案にお諮りしているところでありまして、現時点で学校給食費の無償化は考えておりません。 続いて、加齢性難聴についての御質問をいただきました。高齢者が補聴器を利用することは、社会参加の促進や生活の質の向上に資するものと理解しておりますが、本来は国の補装具の給付で対応すべきであると思っており、引き続き国や他都市の状況を注視しながら研究するというスタンスに変わりはありません。なお、医師会とは様々な機会を通じて意見交換をしております。改めて協議の場を設けることまでは考えておりません。 中央卸売市場につきまして、供用開始時期の早期化及び仮設店舗での操業期間の短期化につきましては、明年度、基本設計において、施設規模や配置、工事手法などと併せて検討してまいりたいと考えております。なお、設計者はプロポーザル方式で決定することとしており、民間事業者のノウハウや創意工夫を生かした技術提案により、工期短縮が図られるよう工夫していきたいと考えています。使用料については、施設の効率的運用による規模の縮小や構造の簡素化などにより、再整備費用を圧縮するほか、事務等の合理化による維持管理費の削減や、余剰地の貸付けによる新たな収入源の確保などに努め、負担軽減を図っていきたいと考えています。これらを踏まえ、市場再整備に当たりましては、市場内の事業者としっかり連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。 ガス・発電事業の譲渡対価収入でありますが、清算業務の終了により、その全額を一般会計に繰り出し、清算特別会計を廃止するものであり、これは、財政運用上は適切であると考えておりますし、ガス事業を譲渡した先行自治体とも同様の対応であります。譲渡対価収入の活用につきましては、市民生活の安定と安全・安心の確保に役立てたいとの思いから、市場や病院、水道施設、小中学校の再整備や安定的な財政基盤の構築に充てるため、4つの基金に積み立てることとした次第でございます。 なお、御懸念のございました水道事業の民営化については考えておりません。 最後に、公園等里親事業についてでございますが、当初予算案でお諮りしているみんなの公園クリーンスマイル事業により新事業に移行するため、本事業をお認めいただければ、公園等里親事業は廃止し、事業は終了することになります。よって、公園等里親事業で交わした合意書も終了を通知することとしております。 以上でございます。 ○麦田徹副議長 野口教育長。     〔野口 弘教育長登壇〕 ◎野口弘教育長 学校給食を提供する単独校調理場と共同調理場の設置状況についての御質問がございました。学校給食において最も大切なことは、安全・安心な給食を提供することであり、そのためには国が定める学校給食衛生管理基準を満たすとともに、今後需要が高まる学校の改築や改修の際にも、給食の提供を止めないことが重要であると思っております。本市の単独校調理場は老朽化が進み、施設や敷地が狭く、最新の衛生管理基準を満たす再整備ができない状況でありますことから、令和元年度に策定した新たな学校給食調理場再整備計画において、引き続き共同調理場方式を基本としたものでございます。また、小規模共同調理場におきましても設備が老朽化しており、それに伴い作業面での負担が大きいことから、新たな施設の整備に際しましては、労働環境の向上にも取り組みながら、この計画に基づいて集約化を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○麦田徹副議長 山森農林水産局長。     〔山森健直農林水産局長登壇〕 ◎山森健直農林水産局長 中央卸売市場の再整備後の水の供給についてお尋ねがございました。井戸水については、現在、加工など業務用を含めた飲用水のほか、消雪用として使用しており、御指摘のとおり経済性にも優れていることから、再整備後も利用したいと考えております。一方で、維持管理の問題もありますことから、使用水量の削減も必要と考えており、消雪設備が必要な場所を減らす工夫でありますとか、用途に応じた雨水の活用などについても、今後検討してまいります。 以上でございます。 ○麦田徹副議長 平嶋公営企業管理者。     〔平嶋正実公営企業管理者登壇〕 ◎平嶋正実公営企業管理者 ガス・発電事業の売却収入につきまして、上下水道料金の減免、それから水道事業の存続・発展のために使うべきという御指摘にお答えいたします。上下水道事業につきましては、人口減少社会の進展等によりまして、さらなる水需要の減少が予測される中、施設、管路の更新や耐震化に多額の投資を要するなど、事業を取り巻く環境は一段と厳しくなると考えております。とりわけ施設・管路の経年化が進んでおります水道事業での対応が急がれておりまして、今回お諮りしている水道施設再整備積立基金を活用いたしまして、企業債残高の抑制や収支向上につなげることで、将来世代の負担軽減や経営基盤の強化を図るものでございます。したがいまして、譲渡対価収入を原資とする上下水道料金の減免は考えておりません。 ○麦田徹副議長 坪田都市整備局長。     〔坪田英孝都市整備局長登壇〕 ◎坪田英孝都市整備局長 新たな事業の経緯についてお尋ねがございました。現行の公園等里親事業におきましては、登録されている団体から、合意書に基づく永続的な活動が求められても、高齢化などで活動を続けることができないといった声があったことや、また、本市でも活動に対する清掃用具の支給だけでは活動状況が把握しづらいなどの課題がありました。そのことから、清掃用具の支給を活動に即した柔軟な方法に変更し、団体ごとに、よりボランティア活動に取り組みやすくしたほか、活動の報告を受けることで状況の把握ができるよう、新たな制度を創設いたしました。今後とも必要な支援のさらなる充実に努めていきたいと考えております。 続きまして、登録団体への説明についてのお尋ねがございました。既に御協力いただいている里親登録団体に対しましては、新事業の御案内を送付するほか、幅広い団体に清掃ボランティアに御協力いただけるよう、ホームページやSNSを活用したPRに努めていきたいと考えております。 以上でございます。     〔「議長、29番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○麦田徹副議長 29番森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 市長に伺います。学校給食費無償化に向けて、一体実施に向けて何が妨げとなっているのかと、この基本的な見解を伺ったものですが、答弁を求めたいと思います。 そして、もう一点、介護保険料の引下げの問題について指摘いたしました。本市の会計を見ますと、第6期の終了時の基金残高と今日の基金残高を見ますと、何と3倍も膨れ上がっているんです。一体介護事業は基金を増やすためにあるんですか。この点について、国は、計画期間の終了時の介護給付準備金の剰余金は、次期計画期間に歳入として繰り入れ、保険料上昇抑制に充てることが1つの考えであるということを示しています。一体本市はこの基金について、保険料の引下げに使うという考えは持っていないということなんですか。その点伺います。 ○麦田徹副議長 村山市長。     〔村山 卓市長登壇〕 ◎村山卓市長 最初に、学校給食費の無償化についての御質問をいただきました。現在、中核市で児童・生徒を対象とした無償化を実施している都市は1市にとどまっており、その予算額は約10億円と聞いております。本市では、毎年約19億円の恒久的な財源が必要となります。繰り返しになりますが、経済的な理由で就学が困難な場合は、就学援助制度により給食費の全額を支援しておりまして、現時点で学校給食費の無償化は考えておりません。 また、介護保険の積立金が増加した要因、これは、様々な要因があるかもしれませんが、1つはコロナ禍でのサービスの利用控えなどもあったかというように思っております。令和6年度からの次期介護保険事業計画における保険料につきましては、必要なサービスの給付費を適切に推計した上で、市民の負担が過大にならないよう、介護給付費準備基金についても有効に活用していきたいと考えております。     〔「議長、29番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○麦田徹副議長 29番森尾嘉昭議員。 ◆森尾嘉昭議員 市長の今の答弁からすると、介護保険料の問題について、基金を活用し、保険料の引下げを検討するという前向きの答弁だと受け止めてよろしいですか。改めて確認したいと思います。 もう一点、今回の新型コロナ感染で、法的位置づけが第5類に引き下げるという、国が方針を出しています。介護施設に対して、入居者が陽性で入院できない場合について、施設で療養した場合に支給している補助金は、国は当面継続すると。そして、職員への無料検査も続けるということを打ち出しています。では、本市が介護施設でのクラスターの発生の際に、これまでの保健所の支援は継続されるという答弁がありました。そうすると、職員に対する無料検査はどのように実施されるんですか。新たに社会福祉施設に医師を派遣するという答弁もありました。具体的な点を併せて、これは担当局長に伺います。 ○麦田徹副議長 村山市長。     〔村山 卓市長登壇〕 ◎村山卓市長 介護保険料の関係の御質問にお答えいたします。令和6年度からの保険料についてということでございますが、介護給付費準備基金を有効に活用して検討していきたいというように思っております。 ○麦田徹副議長 高柳福祉健康局長。     〔高柳晃一福祉健康局長登壇〕 ◎高柳晃一福祉健康局長 まず、高齢者施設等の職員に対します新型コロナの無料検査についてでございます。こういうことも含めまして、国からは近く新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけ変更に伴います具体的な内容を示すこととなっておりまして、本市におきましてもこれを踏まえて対応していくということとなります。御指摘の高齢者施設等の職員に対する無料検査についても、詳細が示されれば適切に対応していきたいというふうに思います。 次に、高齢者施設への医師の派遣等の事業についてでございます。各高齢者施設等には協力医療機関が定められておりますけれども、これまで感染が拡大したといった局面におきまして、協力医療機関の支援を受けることができないといった場合もございまして、その際に、救急車を要請した施設もございました。このことから、今後同様な事態になった場合は、施設からの要請に基づきまして、金沢市医師会を通じて支援の医師を派遣するという事業を、今、予算案でお諮りしているところでございます。これによりまして、感染拡大を防止しまして、重症化リスクの高い高齢者の方の命を守るとともに、医療機関の負担軽減にも資していきたいというふうに考えております。 ○麦田徹副議長 換気のため、しばらくお待ちください。 30番澤飯英樹議員。     〔30番澤飯英樹議員登壇〕(拍手) ◆澤飯英樹議員 金沢保守議員会を代表して、本日の代表質問のトリを務めさせていただきます。 まず、質問の第1は、新年度当初予算についてです。 村山市長は、昨年、金沢市長に当選されてからこれまで、新型コロナウイルス感染症への対応と地域経済の回復を最優先課題として、市政運営に当たってこられました。先般、政府は、今年5月8日に新型コロナウイルスの感染症法上の分類を季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げることを発表しており、市民の暮らしと企業活動にとって大きな制約となっていたコロナへの対応も、大きな転機を迎えています。今こそ反転攻勢をかけるときであり、そうした状況の下で編成された新年度当初予算は、村山市政にとって初の通年予算となります。予算規模が過去最大となるなど、積極的な予算と高く評価しておりますが、今回の予算編成において注力された点や苦労された点についてお伺いいたします。 ところで、市長は、世界に誇る文化都市金沢の実現を選挙公約に掲げ、新年度、新たな都市像の策定とともに、文化戦略の基本となる文化芸術アクションプランやKOGEIアクションプランを改定するなど、早速村山カラーを打ち出しておられます。文化施策については、常々文化で町を元気にしたいと言っておられた山出市長はもちろんのこと、山野市長も新たに建築文化やスポーツ文化、木の文化都市などの発信に力を入れてこられました。こうした点も踏まえ、村山市政における文化施策と、これまでの山出市政、山野市政における文化施策の違いはどのようなところにあるとお考えなのかお聞かせください。 新年度予算では、市税収入が過去最高額となりました。コロナ禍からの経済回復にはまだ時間がかかると考えていましたが、石川県の税収も過去最高額と聞いており、税収面では既に回復していると言えるのではないでしょうか。そこで、本市の市税収入が過去最高額となった要因について、所管の局長にお伺いします。 ところで、本市では、補助金の交付を通じて、市民団体などの活動を支援しています。私も獅子舞などの地域活動や地域商店街のイベントに対する補助金は、地域コミュニティーの活性化のためになくてはならないものだと思います。ただ、その一方で、補助金頼りで自立できなくなっている団体を見ると、補助金本来の目的から外れているのではないかと思っています。補助金を交付するだけでなく、交付した後の効果を十分見極め、制度を見直すことも大切ではないでしょうか。古いことわざに、人に授けるに魚をもってするは、人に授けるに漁をもってするにしかずとあります。国や地方自治体で様々な補助制度の創設に携わってこられた市長に、補助金についての考え方をお伺いいたします。 また、人口減少時代を迎えて心配されるのは、公共施設の老朽化対策です。今ある全ての施設を建て替えることは、人口が減少していく中で必要性や財政的に考えて難しいとされています。今後、公共施設の縮小や統廃合は避けられないと考えますが、市長は今後の公共施設の在り方についてどのように考えられているのかお尋ねします。 質問の2点目は、世界に誇る文化都市金沢におけるイベント誘致とその対策についてです。 まずは、金沢文化スポーツコミッションについてです。金沢の文化とスポーツによる地域コミュニティー、地域経済の活性化、文化とスポーツの活用・振興、そして金沢ブランドの醸成・発信を目的として平成30年7月に発足され、全国に約200のコミッションが存在する中、文化とスポーツをコラボレーションさせる取組により、大会誘致を行い、交流人口の拡大を図ることが特色と聞いております。開会式などで太鼓や獅子舞、加賀鳶はしご登りを披露し、金沢らしさを演出するとともに、会場ではお茶会や金箔張り体験など、金沢の文化を全国に発信しています。大会の参加者からも大好評を得ており、主催者が開催地を選定する際の大きな要因になっているのではないかと思います。また、1月、将棋の王将戦が金沢で初めて開催されました。金沢での開催が発表されて以来、子どもの将棋大会や盛り上げるイベントが行われ、金沢に注目が集まりました。それもそのはず、将棋界の天才、藤井聡太王将と将棋界のレジェンドで国民栄誉賞を受賞した羽生善治九段による世紀の一戦が、ここ金沢で開催されることになったわけであります。このような全国から注目の集まるイベントや大会の誘致ができれば、まちの活力も生まれるのではないかと思います。コミッションにおいては、令和元年度は22大会、延べ約9,300人の宿泊数がありましたが、その後はコロナ禍の影響で実績が落ち込んだものの、今年度は53大会、3万人を超える宿泊数を誘致されたとお聞きしております。新年度、文化スポーツコミッションが誘致する全国規模の文化スポーツイベントや大会がどの程度予定されているのかお聞かせください。 一方、新型コロナの5類への引下げは、当然出入国に関してもこれまで以上に緩和されることとなり、日本へのインバウンドも増えていくことが予想されます。また、金沢港クルーズターミナルが開業して以来、初めて外国客船が寄港するとの報道もあり、徐々にコロナ前の状況に戻りつつあります。今年の金沢マラソンもコロナ前の定員1万3,000人に戻し、4年ぶりに海外ランナーの出走を復活させるとのことです。現在、金沢文化スポーツコミッションでは、主に全国規模の大会やイベントを誘致されているようですが、国外にも目を向け、国際大会の誘致にも力を入れることで、世界に誇る文化都市金沢の実現につながると思いますが、市長の御見解をお伺いします。 さて、5月に県内初となる政府主催の国際会議G7富山・金沢教育大臣会合が開催されます。G7関係閣僚会合では、国内初の共同開催となり、5月12日金曜日から15日月曜日までの日程で行われ、本市では後半の2日間となっています。先月、金沢美術工芸大学と富山大学の学生が協力して作成した公式ポスターが発表されました。まさに両県・両市が一体で開催していくという意気込みを感じるところです。引き続き連携を密に大きな成果を生み出していただきたいと思います。一方、昨今襲撃事件や強盗事件などのニュースが連日のように報道されている中で、会合当日の警備体制はどのようになっているのでしょうか。G7の関係閣僚会合となれば、各国の大臣をはじめ、その同伴者や政府関係者など、海外の要人をお迎えすることとなり、政府主催の国際会議の開催実績のない石川・金沢にとって、その対応は大きな課題ではないでしょうか。石川・金沢の歴史、伝統、文化に触れていただくことはもちろんですが、開催市として安全で安心な環境を整えることが最大のおもてなしではないかと思います。警備については、国や県の役割が大きいかとは思いますが、国内外からお越しになる会合出席者の会議会場や宿泊先、視察場所などにおける警備を含めた受入れ体制の整備をどのように考えているのかお伺いいたします。 また、10月には国内最大の文化イベント、いしかわ百万石文化祭が開催されます。世界に誇る文化都市金沢を目指す本市にとって、個性豊かな文化の魅力を国内外に発信する絶好の機会であると考えています。既に県や各市町において、準備が着々と進められており、県においては、金沢城公園での光のアート展示を行うとのことです。本市においても、子どもたちが文化を体験するわくわく子ども国民文化祭をはじめ、多くの事業が予算計上され、先般もプレイベントを実施し、秋の本番に向けて着々と準備が進んでいることと思います。様々な文化関連の予算が計上されていますが、本番まであと7か月余り、どのように開催機運の醸成を図っていくのかお伺いします。 また、文化祭の期間中には国内外を問わず多くの方が本市を訪れることと思いますが、開催期間中、約3,000人規模で開催される全国女性消防団員活性化石川大会も予定されています。やはり心配なのは、宿泊を含めた受入れ体制ではないでしょうか。全国からお越しになる出演者等の宿泊を含めた受入れ態勢はどのようになっているのかお聞かせください。 質問の3点目は、北陸新幹線福井・敦賀開業と観光誘客についてです。 昨年10月、全国旅行支援の開始や新型コロナの水際対策の大幅な緩和などにより、国内外から金沢への観光客が増加しており、最近は卒業旅行の学生も多く見られるようになってきました。また、報道によると、宿泊施設や鉄道、航空機の利用者が、コロナ前の8割程度まで戻ってきているほか、兼六園を訪れる外国人観光客が大幅に増え、コロナ禍で激減した令和3年の約5,000人に比べ、令和4年は約7.5倍の約3万8,000人と急回復している状況であります。加えて、5月8日からの新型コロナの位置づけの引下げにより旅行意欲が高まり、金沢への来訪者がさらに増加することが予想されます。個人的には来訪者が増加することはよいことだと思いますが、コロナ前のような人気観光地では、旅行者の集中により混雑、交通渋滞、民家への立入りなどの旅行者のマナー違反により、観光地が集中する中心市街地に居住する市民生活に影響が生じることが懸念されます。市民にとって暮らしやすいことが大事であると考えますが、市としてその対応はどのように考えているのかお伺いします。 京都では、観光地の混雑は、観光地が持つ本来の美しい景観を損なわせ、観光客の満足度や再来訪意向の低下につながるほか、観光地周辺の住民生活にも影響を与え、観光客に対する受入れ意欲の低下を招くことで、おもてなしの心を失うきっかけとなるおそれがあることから、混雑緩和に取り組んでいます。同様に、金沢においても、混雑により金沢が培ってきた歴史的なまち並みや伝統文化等の魅力について、観光客が十分に楽しむことができず、満足度や再来訪の低下につながると思います。また、3月に改定する観光立国推進計画案では、訪日外国人客の集中が観光公害を招いた教訓を受けて、観光客数を増やすだけではなく、富裕旅行者層の誘致や地方での宿泊を上積みするなど、質の向上を図ることとしています。本市にとって、観光客の満足度の低下につながらない望ましい観光誘客についてどのように考えているのかお伺いいたします。 以前、本会議場でも質問しましたが、北陸新幹線の金沢開業以降、大幅な時間短縮の効果に加え、首都圏からの観光誘客に力を入れてきたことにより、首都圏とのつながりは盛んになりました。逆に、新幹線開業前まで北陸地方と結びつきが強かった関西圏や中京圏とのつながりは弱まってきたのではないかと思っています。北陸新幹線の敦賀までの延伸工事については、高架橋、トンネルなどの土木工事や、レールを敷設する軌道工事がおおむね完了し、延伸区間の6駅の駅舎も全景が見られるようになり、いよいよ敦賀延伸が間近に迫ってきたと実感しております。2024年春には金沢から敦賀までが約30分短縮されることにより、関西圏や中京圏がより近くなるほか、北陸3県も1時間圏内でつながることとなり、これまで以上に新幹線の沿線都市と連携した広域観光が可能となります。また、2025年には大阪・関西万博も開催され、多くの外国人旅行者が日本を訪れます。この絶好の機会に、本市も大阪や京都、名古屋などからの観光誘客に力を入れていくべきだと考えます。石川県は、富山県と福井県と合同の情報発信拠点を大阪駅周辺に設け、3県の食や文化、自然といった魅力をPRしていくこととしていますが、本市はソフト面で関西圏や中京圏からの誘客強化を図るべきと考えますが、どのような取組を行っていくのかお伺いします。 次に、東京にある金沢の魅力発信拠点、銀座の金沢についてお聞きします。金沢の工芸や食文化の魅力を総合的に伝える役割と、金沢ファンが集まり交流する役割を担うことを目的に、平成26年10月、銀座1丁目の商業施設の6階に開設され、この3月で8年4か月が経過します。新型コロナの影響はあったものの、北陸新幹線開業後は多くの観光客も金沢を訪れるようになるなど、大きな効果があったと思います。こうした中、入居する商業施設との賃貸借契約期間が、令和6年6月末に満了となることから、昨年から本市においても検討会を立ち上げ、今後の拠点施設の在り方について検討を行っているとお聞きしております。現時点における検討会での進捗状況についてお伺いいたします。 また、先月同時期に、銀座2丁目にオープンした石川県のアンテナショップが、来年3月に東京駅八重洲口近くの新築ビルに移転する旨の報道がありました。本市は新年度においても、引き続き今後の首都圏魅力発信拠点の在り方について検討していくとのことでありますが、本市の拠点施設は他の自治体が設置しているアンテナショップとは異なり、独自の個性と魅力を磨き上げ、そのブランド力を高めながら、国の内外に発信していくことが大切です。新しい拠点施設が目指す今後の方向性や展望についてもお伺いいたします。 質問の4点目は、駅西地区におけるまちづくりについてです。 北陸新幹線の金沢開業から、早いもので8年がたとうとしております。これまで金沢駅の駅東地区では、新幹線開業に向けて、駅舎を含め長い年月をかけて整備が行われてきました。金沢駅は世界で最も美しい駅14選の1つに選ばれるなど、多くの人々が行き交い、にぎわいが生まれています。また、多くの観光地が駅東方面にあることもあり、バスやタクシーを利用する観光客も多く、もてなしドームや鼓門は人気の撮影スポットにもなっています。一方、駅西地区では、駅西広場の再整備が行われ、周辺にはホテルの立地が進みました。また、金沢駅から金沢港に至る都心軸沿線では、県立中央病院の建て替えやクルーズターミナルの整備、区画整理事業のほか、県庁をはじめこれまで駅東地区に所在してきた銀行や新聞社、放送局が移転してきたほか、最近では日本銀行金沢支店の移転整備が本格化しています。まちの姿はここ10年で大きくさま変わりし、近代化が進んできています。しかしながら、まちのにぎわいという面に関しては、まだまだ駅東地区には及ばないというのが現状であります。まず、市長はこれまでの駅西地区のまちづくりをどのように評価しているのかお伺いします。 昨年11月には、金沢外環状道路海側幹線の大河端町から福久町までの山側2車線が暫定供用として開通しました。この開通により、海側幹線と山側幹線が国道8号を介して接続され、外環状道路のルートを一周できるようになりました。そして、駅西地区においても、道路事情が大きく変わってきている中ではありますが、現在、南新保では区画整理事業が行われています。この地域は、国道8号、海側幹線、通称50メーター道路と言われている金沢駅港線などの主要な道路に囲まれた地域で、交通の便が非常によく、周辺には県庁、金沢駅西合同庁舎、駅西保健所などの行政機関が多く所在し、また、業務施設や商業施設も集積しています。土地利用計画を見てみますと、幹線道路や公園など都市基盤を整備し、都市生活の利便性向上を図るとともに、周辺に集積している都市機能と整合の取れた適正な土地利用を誘導することにより、金沢西部副都心の一翼を担う地区として、良好な市街地の形成を目指すとしています。事業地内は、医療福祉や健康交流、一般住宅、そして国道沿道のゾーニングがされており、今後のまちの発展に駅西地区の市民や企業などは大きな期待を寄せているところです。これから駅西地区はさらに変わっていくと思いますが、市長は駅西地区のまちづくりについて、今後どのようにしていきたいのか、どうあるべきと考えているのかをお伺いします。 ところで、外環状道路海側幹線の大河端町から福久町までの4期区間の暫定供用によって、金沢都市圏の交通の円滑化が図られ、利便性が高まったという声を多く聞きます。一方で、大河端町地内においては、今までなかった渋滞も見受けられるようになりました。この海側幹線の開通が多くの人や物を呼び込み、駅西地区の活力を高め、そこに暮らす市民にとって住みよいまちとなることが一番だと思います。その開通効果を十分に発揮するためにも、引き続き様々な対策が必要かと思いますが、市長に今回の海側幹線の暫定供用による効果についてお聞きするとともに、今後の道路整備の対応についてお伺いいたします。 質問の5点目は、消防防災についてです。 先月2月6日に、トルコ南部のシリア国境近くで発生したマグニチュード7.8の大規模地震は、トルコ、シリア両国に甚大な被害をもたらし、死者はトルコと隣国シリア合わせて5万人を超え、倒壊した建物も少なくとも17万3,000棟に上っているとのことです。改めてお亡くなりになられた方々に衷心より哀悼の意を表するとともに、一日も早い復興を祈るばかりです。12年前の2011年に起きたマグニチュード9を観測した東日本大震災の災害を目の当たりにしてきた私どもにとって、今回のトルコ・シリア地震は他人事ではなく、改めて大規模自然災害に対する心構えと備えをいま一度再確認する必要があります。災害に対する備えの1つとして、自主防災組織の充実強化が挙げられます。本市では、市内62の校下・地区全てに自主防災組織があり、住民が参加する防災訓練や研修を行ったり、災害発生時に使用する防災資機材を配備したりするなど、災害への備えが進んでいます。その中でも、とりわけ防災士の存在が大変重要になってくると考えております。平時には地域における防災活動を行い、災害発生時には避難の呼びかけなどを行うとともに、避難所の開設や運営に力を発揮してくれます。いざというとき防災や災害対応に関する知識と技術を持った防災士が多くいることで、住民の皆さんには心強く感じられることでしょう。そこで、自主防災組織の強化には防災士の育成・強化が必要不可欠と考えますが、本市の取組状況についてお伺いいたします。 さて、先般、石川県知事と県内の女性消防団員との懇談の場において、知事から女性消防団員に対して、防災士資格の取得を求められたとのことです。この話を聞き、私は、知事の防災に対する理解力がその程度だったのかとがっかりしました。県内における防災士育成の目標達成に向けて一生懸命なのは理解するとしても、そもそも消防団員と防災士とは、災害に対する思いは一緒だとしても、活動内容が全く異なります。平時における連携や一緒に活動することは全く構わないのですが、いざ災害が発災となると、防災士は避難誘導や避難所の開設・運営に当たりますが、消防団員は災害現場へと向かわなければなりません。自主防災組織に消防団員が防災士の一員として組織の役員に登録がなされた場合、いざというときそれぞれに混乱を来すことが容易に予想されます。消防団員が防災士の資格を取得することに対して異議を唱えるものではありませんが、地域における防災力の向上を目指す上で、消防団や自主防災組織それぞれが円滑に活動できる状況をつくり出していくことは非常に重要なことです。本市では、消防団や自主防災組織の役割をどのように捉えていらっしゃるのかお聞かせ願います。 最後に、消防についてお伺いします。今年に入り、全国で毎日のように火災が発生し、多くの犠牲者が出ております。特に石川県内では、2月だけで14件の火災が発生しており、それも能登地区において異常なくらい連続して火災が発生しております。地元消防団では夜回りも行っていると聞いております。2月2日に津幡町で発生した火災では、私も懇意にさせてもらっていた津幡町議が亡くなりました。本当に残念でなりません。肌感覚では、今年に入って昨年と同時期に比べて格段に火災件数並びに死者数が増えていると感じていますし、特に火災による犠牲者に御高齢の方が多いようにも感じています。今年に入ってからの県内と本市の火災件数と死者数、そして住宅火災における出火原因の特徴等を、現状ではどのように捉えているのかお伺いいたします。 火災による犠牲者を出さないための有効な手段として、住宅用火災警報器があります。火災による逃げ遅れを防ぐことを目的として、住宅内で発生する火災をいち早くキャッチし、警報ブザーや音声により知らせる住宅用火災警報器が、一般住宅に平成23年6月に設置が義務化されました。本市においては、全国的な設置基準を前倒しし、平成20年6月から義務化されました。当時は、婦人防火クラブや町会連合会の皆さんの協力を得て、全国有数の設置率を誇っていました。この住宅用火災警報器の電池の寿命は約10年と言われており、現在は電池の交換や機器の更新が図られておりますが、更新等がスムーズに行われておらないのが現状です。このことについては、以前にも本議場で取り上げてきましたが、これまでも住宅用火災警報器の普及更新を図るため、消防局職員や消防団員が高齢者宅を回ったり、地区民生委員の手を借りたりと、いろいろと御努力をされております。その上で、火災による犠牲者を出さないために、より有効な効果を発揮する連動型の住宅用火災警報器の設置を普及させる取組が必要であると思うのですが、今後の取組をお伺いします。 さて、本市における令和4年中の火災・救急・救助出動の概要を見てみますと、火災出動や救助出動は減少または横ばいの傾向にあるものの、救急出動は2万件を超えており、令和元年12月に三和出張所に10台目の救急車が配備されたときと比べて、約2,000件増えております。今回、新年度予算において、本市消防局に11隊目となる新たな救急隊を金石消防署臨港出張所に配備するとのことですが、誠に時宜を得た救急隊の配備だと思っております。しかし、前回の三和出張所への配備以来4年ぶりということで、救急隊の増隊には救急隊員の育成など時間と経費が予想以上にかかるとお聞きしております。先ほど申し上げました救急出動件数が増加の一途をたどるとなると、早晩さらなる救急隊の増隊が必要となってまいります。今回の救急隊の臨港出張所への配備によってどのような効果が期待されるのか、そして、今後救急隊の配備についてどのように考えているのかお聞かせ願います。 また、総務省消防庁の発表によりますと、医療機関に救急患者の受入れを3回以上断られるなどの救急搬送困難事案が、1月9日から15日までの1週間に、全国の主な52消防本部において4週連続で最多を更新したとのことです。新型コロナ関連の患者の急増が要因の1つと考えられますが、救急搬送困難事案は患者の命にも関わることであり、極力避けなければなりません。本市における救急搬送困難事案の実態とその要因、そして、救急搬送困難事案の解消に向けた取組をお伺いいたします。 次が、最後の質問となります。私は、市民の安全・安心を守る消防団に入団以来、38年余り活動してまいりました。災害の複雑多様化、大規模化に伴い、消防や消防団に寄せられる期待は年々大きくなってきていると実感しているところです。市民の安全・安心の負託に応える消防について、市長はどのように思っていらっしゃるのか、市長の思いをお聞かせ願います。 以上、私の金沢市議会議員として最後の質問となるわけでありますが、これまで私を大所高所から御指導いただき、共に歩んでいただきました歴代の市長をはじめとする市職員の皆さんに心から感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。また、議員各位にも、長年にわたるお付き合いをいただき、感謝を申し上げたいと思います。この4月に統一地方選、市議会議員選挙をしっかりと勝ち抜いていただき、再び市政に携わられる皆様方には金沢市議会の権威と…… ○麦田徹副議長 澤飯英樹議員に申し上げます。発言時間が経過いたしておりますので、速やかに終了されますようお願いいたします。 ◆澤飯英樹議員 品位をしっかりと守っていただき、日々研さんを積み重ねられるようお願い申し上げ、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○麦田徹副議長 村山市長。     〔村山 卓市長登壇〕 ◎村山卓市長 30番澤飯英樹議員にお答えいたします。 初めに、当初予算編成では、現下の市民生活や社会経済情勢に配慮し、市独自の物価高騰対策を講じるとともに、保育料や国民健康保険料など各種料金を据え置くほか、地域経済の活性化のため、中核市トップクラスの水準となる公共事業予算を確保するなど、時勢を捉えた対応に努めたところであります。その上で、世界に誇る文化都市金沢の実現を始め、市政の各般にわたり新規施策を盛り込み、まちの魅力と個性を次の世代につなげ、発展させていくための布石を打ってまいりました。加えて、厳しい財政環境にあることを踏まえ、施策の重点化や年度間調整を図るとともに、基金を有効活用することにより、財政の健全性も確保したところでございます。 文化政策につきまして、山出保元市長は、市民芸術村や21世紀美術館の整備、職人大学校や卯辰山工芸工房における人材育成などを通じ、ハード・ソフト両面で質の高い文化を探求され、また、山野之義前市長は、スポーツや建築などを新たに文化として捉え、木の文化の推進を図るなど、文化の幅を広げたと思っております。ただ、この3年余り、このコロナ禍を経験したことで、人々は心の豊かさや温かさを求めていると感じており、本市の強みである質の高い文化に触れることで、市民にはまちへの愛着と豊かな心を育んでいただきたい、また、来街者には都市の品格を感じていただきたいと思っております。文化でまちを元気にする市政の系譜を継承しながら、さらに磨き高めることに注力し、世界に誇る文化都市金沢の実現に向け、全力で取り組んでまいりたいと考えております。 企業や団体への補助金につきましては、行政効果を踏まえて検討すべきことはもちろんですけれども、これまで勤務した自治体での経験などからは、長年同様の補助金、交付金を受け続けると、それがないと存続できないというような団体も見られました。一方、本市では、補助金による弊害を防止するため、平成19年に補助金の見直し基準を定め、公益上の必要性や費用対効果、社会経済情勢との適合性、行政と市民との役割分担などを総合的に判断することにより、行政評価などを通じて補助金の検証を行い、廃止・見直しを進めてきたところであります。また、民間事業者等を対象とした補助金については、将来的な自立を促すため、補助対象経費を初期導入費等に限定するほか、段階的な補助率の縮小や終期の設定を行っており、今後ともそういったことも踏まえながら、補助金が効果的かつ適正に執行されているかどうか検証してまいりたいと考えております。     〔副議長退席、議長着席〕 公共施設につきましては、少子高齢化に伴う人口減少時代にあって、必要性が低下した施設の縮小や統廃合は不可欠でございます。こうした施設の統廃合等を円滑に進めていくためには、利用者や地域の方々と議論を重ね、十分に理解を得ていくことが大切であると考えております。一方で、財源が限られる中、適切な改修や修繕を行い、施設の超寿命化を図っていくことも必要であると考えておりまして、新年度は、次期公共施設等総合管理計画を策定するとともに、詳細な技術的ガイドラインを作成し、施設のライフサイクルに合わせた改修などを通じて、公共施設の適正な管理に努めていきたいと考えております。 文化スポーツコミッションにつきましては、年々誘致件数あるいは参加人数が増えているということであります。国際大会の誘致に向けましては、コロナ禍の間、誘致活動を控えてきたと聞いております。昨年10月に新型コロナウイルス感染症に関する水際措置が緩和され、今年5月には感染症法上の5類への移行となることを受け、今後、国際大会の誘致活動にも取り組んでほしいと思っております。国際大会は、市民が高いレベルの技術などを見られる機会でもあり、多くの人に感動や希望を与え、かつ競技力や演技力の向上に資する、そのほかにも参加される各国の選手団、あるいはコーチの方も含め、関係者の方々に広く金沢の文化を体験し、知っていただく機会でもあると考えております。本市の交流人口の拡大にもさらに大きく寄与するものと把握しております。 G7教育大臣会合につきまして、金沢を訪れるG7の教育大臣会合の関係者には、未来を担う子どもの教育に関することはもとより、本市の魅力である歴史や伝統文化に触れていただく機会を提供するなど、本市ならではのおもてなしに努めていきたいと考えております。また、要人警護に万全を期すため、昨年11月、石川県警察本部内に、警備の総合的な対策を担う部署が新設されたほか、先月開催されたいしかわテロ対策ネットワーク委員会におきまして、警備情勢等が行政や関係者に情報共有されたところであります。なお、警備上、会合出席者の宿泊・視察場所などは公表できないとお聞きしておりますが、引き続き国・県等との連携を密にしながら、受入れ体制の整備に取り組んでまいりたいと考えています。 いしかわ百万石文化祭に向けまして、ゴールデンウイーク期間を中心に開催されるいしかわ・金沢風と緑の楽都音楽祭を皮切りに、6月には金沢百万石まつりが、8月にはアカペラ・タウン、9月には全国学生大茶会とJAZZ STREETが予定されておりまして、これらのイベントなどを通じて機運情勢を図っていきたいと考えています。加えて、本市独自のポータルサイトを立ち上げるほか、北陸新幹線敦賀延伸を見据えた首都圏、関西圏、中京圏での観光キャンペーンと併せたPR活動も実施していきたいと考えています。また、百万石文化祭の開催1か月前には、庁舎前広場において、文化団体などによるステージパフォーマンスを実施し、PRブースを設けるほか、開催期間中は都心軸沿線などに飾り花を設置し、来街者をお迎えすることとしております。県や各種団体などと連携しながら準備を進めてまいりたいと考えております。 全国からの参加者などの受入れにつきましては、県においてトラベルセンターを設置し、宿泊や交通手段などをサポートする予定と聞いております。本市におきましても、出演する文化団体に対して、滞在日程や参加人数など事前に調査する予定でございます。引き続き県や関係機関などと連携を密にしながら、出演される方、訪れる方の双方が気持ちよく文化祭に参加できるよう、準備に万全を期してまいりたいと考えております。 北陸新幹線の金沢開業後、旅行者の集中による混雑や交通渋滞の発生など、市民生活への影響が生じたことから、これは、コロナ前の段階で予算化して、そしてその後、実際の検討はコロナ禍になってしまいました。持続可能な観光振興計画を令和3年3月に策定いたしました。その中では、市民と旅行者が共に金沢の魅力を共感できるまちを目指して、相互理解の促進に努めております。市民には旅行者を快く受け入れる観光受容力を高めるための金沢の魅力を再認識し、地元観光を楽しむためのマイクロツーリズムを推進するとともに、旅行者には金沢で心地よく過ごすための観光マナーや、金沢における慣習などを啓発するパンフレットや動画により、その周知を図っております。今後、海外からの旅行者の増加が想定されることから、観光に関する市民意識調査を継続的に実施するとともに、観光事業者等の協力を得ながら取組を進めてまいりたいと考えています。 現在、旅行者が混雑を避けながら快適に市内観光できるように、東山や近江町市場など、市内12か所の観光スポットにおける時間帯別の混雑度を予測するかなざわ観光快適度マップを作成しており、今月中にも市の観光公式サイトで公開することとしております。また、本市の魅力である伝統文化や歴史的な建築物、庭園などの文化について、職人の技に直接触れる機会の提供や、大学教授や学芸員などの専門家による解説を盛り込んだ質の高い文化観光を進めるほか、早朝や夜間の時間帯など、日常とは違う特別感のある体験コンテンツの造成も促していきたいと考えております。今後とも旅行者の満足が高まる施策の充実に努めてまいりたいと考えています。 北陸新幹線敦賀延伸を見据えた関西圏や中京圏からの観光誘客についてであります。関西圏、中京圏からの時間距離が30分短くなる。そして、関西圏からの距離、特に金沢からというよりも、関西圏にお住まいの方にとって30分短くなるというのは、非常に大きな効果でもありますし、これまで運休の多かったサンダーバードが北陸新幹線に代わるということによる運休のリスクも減るのではないかというように思っております。これは大きなチャンスだと思っております。新たに発信力が高いエリア情報誌などの活用、あるいは物産展開催に合わせた観光PRを行うほか、JRと連携して、大阪駅構内のデジタルサイネージや電車の車内ビジョンを活用した情報発信に加え、JRディスティネーションキャンペーンと連携した誘客プロモーションの展開など、強化を図っていくこととしております。加えて、沿線自治体などと連携した広域観光を進めていく絶好の機会とも捉えておりまして、昨年11月には、北陸・飛騨・信州3つ星街道観光協議会において構成する自治体の首長と、今後関西からの誘客を積極的に進めることについて確認したほか、明年度は、福井市と富山市と連携した観光PRや高岡市との広域文化観光ルートの設定などにも取り組むこととしております。 銀座の金沢につきまして、クラフト創造都市のさらなる推進を目指し、首都圏における新たな発信拠点施設の在り方について、昨年10月、学識・専門家から成る検討会を開催しました。検討会におきましては、北陸新幹線の敦賀延伸を見据えて、引き続き首都圏での魅力発信拠点は必要との認識で一致をしたところであります。物件の選定につきましては、決定までは過程も含め非公開としておりますが、現在入居するキラリトギンザとの賃貸借契約期間やテナントの現状などを踏まえ、新たな場所での開設を視野に議論を行っており、早期の候補物件の選定に向け検討作業を進めたいと考えております。 また、検討委員からは、ギャラリーは作品の展示販売に加え、地元の作家や職人を紹介する場であることから、継続が必要だが、ダイニングについては、北陸新幹線開業後は多くの観光客が来訪するなど、金沢の食文化に直接触れる機会も増えており、一定の役割を果たしたとの意見もいただいたことから、これらを踏まえ、施設の方向性を検討しているところであります。インバウンドの回復による外国人観光客や、新たなターゲットとなる若年層など、金沢の工芸に対するファンを増加させ、さらなる工芸品の販路拡大を図るとともに、県や金沢美大、卯辰山工芸工房とも連携しながら、本市の工芸の魅力発信やブランド力の向上につながるよう検討を進めていきたいと考えています。 駅西地区につきましては、1970年代から土地区画整理事業などにより基盤整備が行われ、金沢駅や北陸自動車道、金沢港、金沢外環状道路などの広域交通基盤へのアクセスに優れた都市機能を備えた新都心として整備が進められてまいりました。とりわけ、金沢駅から金沢港に至る都心軸周辺は、都市機能の集積やにぎわいの創出を図る重要な区域であり、新たなまちづくりを牽引する区域として、都市マスタープランでは重点地区に設定されております。このような都市機能が整ってきたことで、近年では外資系ホテルや企業、商業施設などの進出も相次ぐなど、本市のまちづくりにとって重要な区域であると認識しております。 今後についてですが、日本銀行金沢支店の移転や中央卸売市場の再整備が控えるなど、さらなる都市機能の向上が見込まれるという一方で、これまでの土地区画整理事業により、人口が増加し続けている地域もあり、良好な住環境整備にも注力する必要があると考えています。今後はハード整備中心の都市基盤の開発から、開発された都市基盤を活用したソフト施策を重視する地域の振興に、まちづくりの重点をシフトしていく必要があると考えており、引き続き駅西新都心にふさわしいまちづくりに努めてまいりたいと考えています。 海側幹線開通後は、海側幹線の周辺道路である市道問屋松寺線で渋滞の緩和が確認されている一方で、大河端町南交差点などで新たな渋滞が発生していることも、石川県道路安全・円滑化検討委員会で報告されております。これらの状況から、本市では周辺市道における交通状況の把握に努め、県や警察と連携し、信号の調整など対応策について協議していきたいと考えています。また、駅西地区の利便性向上につながる地域内幹線道路として、北安江出雲線の整備についても着実に進めてきております。今後は、金沢都市圏における交通の円滑化に向けて、海側幹線4期区間の4車線化について、県と連携し着実に取り組んでいきたい、そして、海側幹線本線部の整備や金沢東部環状道路の4車線化の早期実現についても国に要望してまいりたいと考えています。 消防防災について、本市では地域防災力の向上を図るため、自主防災組織の協力を得て、令和3年度末までに1,205名の方が防災士の資格を取得し、かなざわコミュニティ防災士として活動しており、今年度も多くの方々に資格を取得していただいている状況であります。資格を取得されたかなざわコミュニティ防災士に対し、市や県が開催する研修会への参加を積極的に呼びかけ、防災に関する知識や技術の習得、地域における防災訓練への参画に取り組んでいただいており、今後とも地域の防災リーダーとしての活躍を期待しております。 消防団や自主防災組織につきましては、大規模災害において公的機関が行う公助の対応だけでなく、自分の命は自分で守るという自助や、自分たちの地域は自分たちで守るという共助による対応が必要になります。その際、現場の災害対応を行う消防団、そして住民の安全確保を担う自主防災組織の方々には、地域の安全・安心を確保するためそれぞれ重要な役割を果たしていただいていると考えています。これまでも消防団や自主防災組織がそれぞれの立場で互いに協力し、地域における防災力向上のため活動していただいていることに感謝しており、市としても地域防災力のさらなる強化に向けて支援を継続してまいりたいと考えています。 連動型の住宅用火災警報器につきまして、これは、ほかの部屋にいても火災に気づくことができるため、逃げ遅れの防止により高い効果が期待できる機器として認識しております。本市としては、昨年示された国の基本方針に基づきまして、住宅用火災警報器の設置・維持管理の推進に加え、今後、効果などを記載したリーフレットを作成し、高齢者をはじめ市民の皆様に配布するほか、ホームページなどを通じ、その有効性について広く周知を図りながら、普及の促進に努めてまいりたいと考えています。 金石消防署臨港出張所に新たに救急隊を配備することによりまして、近岡・粟崎地区周辺における現場到着時間の短縮が図られ、市内全域において均衡ある救急サービスの提供が可能になるものと考えています。また、加えて本市全体における救急隊1隊当たりの負担が軽減されることで、迅速な救急体制が確保でき、さらなる救命率の向上につながるものと考えております。今後ですが、まずは今般の救急隊増隊による現場到着時間の短縮効果や、各救急隊の出動件数の検証が重要と考えております。今後も高齢化社会の進展に伴い、救急需要は増加傾向が続くと予想されますので、適切な時期にさらなる増隊の必要性についても検討してまいりたいと考えています。 最後に、消防に対する思いでございます。私は、総務省在籍時に、総務省消防庁で勤務したこともありました。その際、防災関係の仕事、情報関係あるいは緊急消防援助隊の派遣なども含めて担当していた部署におりまして、実際に新潟の中越地震の際に対応したこともございました。そういった個人的な思い、そして市民、県民、国民を守るという、非常に大切で、そして分かりやすい目的のために命をささげながらも頑張っている、そういった消防の方々の力に、身も震える思いで国で仕事をしておりました。そういった中で、金沢市でも勤務しまして、基礎自治体として消防の役割をさらに痛感したところであります。安全・安心は市民生活の基盤となるものであります。市民の生命、身体、財産を守るため、社会環境、都市環境の変化を機敏に捉え、適時適切な消防救急体制の強化に努めているというところでありますが、他方、大規模災害発生時には地元に密着した消防団の活躍も必要不可欠であります。消防団は、そういった意味では地域防災の中核を担う重要な存在であると認識しています。今後も消防団の魅力の向上、団員の確保対策に向けた取組を鋭意進め、地域防災力の充実強化を図るとともに、そして市の消防につきましても、充実強化を図っていき、防災力の向上に努めてまいりたいと考えております。 最後に、澤飯議員におかれましては、副議長職もお務めになられまして、8期32年間、金沢市議会に多大な御尽力をいただきました。また、市民の安全・安心を守る消防団活動には38年余りにわたって貢献いただきました。心から感謝を申し上げます。今後とも御健勝にお過ごしになり、大所高所から市政に対して御助言を賜ればと思ってございます。こちらをお願い申し上げて、私からの答弁とさせていただきます。ありがとうございました。 ○宮崎雅人議長 松田総務局長。     〔松田滋人総務局長登壇〕 ◎松田滋人総務局長 市税収入が過去最大となった要因でございますが、コロナ禍で国・地方が講じた経済対策の効果が現れております。あわせて、企業努力による業績回復や投資の拡大、コロナ禍から脱却しつつある消費の回復基調などに要因があると考えております。具体的には、雇用の持ち直しによる給与所得の増加や、堅調な企業業績による個人・法人市民税の増加、令和4年中に建築された大規模家屋などによる固定資産税の増加、観光需要の回復による宿泊税の増加などにより、全体として約25億円増の約850億円を市税収入として見込んでおります。 以上でございます。 ○宮崎雅人議長 東文化スポーツ局長。     〔東 利裕文化スポーツ局長登壇〕 ◎東利裕文化スポーツ局長 新年度の金沢文化スポーツコミッションが誘致するイベントや大会の開催予定についてお答えいたします。2月末現在、令和5年度の大会誘致件数は45大会で、前年の同時期より4件多くなっております。今後もさらに件数が増える見込みでございます。このことから、新年度も多くの方に金沢へお越しいただけるものと期待いたしております。 以上でございます。 ○宮崎雅人議長 蔵消防局長。     〔蔵 義広消防局長登壇〕 ◎蔵義広消防局長 県内と本市の火災件数と死者数についてお尋ねがございました。今年に入ってから昨日までに、県内では49件の火災が発生しており、昨年同時期と比較すると10件の増加、死者は1人減少して10人となっております。また、本市においては15件の火災が発生しており、昨年同時期と比較すると3件の増加、死者は1人減少して2人となっております。次に、住宅火災における出火原因の特徴等につきましては、近年、本市における住宅火災の出火原因は、こんろ、暖房器具、電気機器が上位を占めております。また、過去10年間の住宅火災の死者は24人となっており、このうち65歳以上の高齢者が20人を占め、その割合は83.3%と高い状況にあります。こうした現状は、全国的にも同様の傾向にあり、今後の高齢化社会の進展を考えると、特に高齢者の生活環境や身体的な特徴に応じた防火対策が重要であると考えております。 救急搬送困難事案の実態とその要因についてお尋ねがございました。本市における救急搬送困難事案は、令和4年は612件発生しており、コロナ禍前となる令和元年の107件と比較すると、約6倍に増加しております。救急搬送困難事案が増加した要因は、新型コロナウイルス感染症の拡大による患者の受入れ病床数の不足など、医療機関の負担増大が大きな要因と捉えておるところでございます。次に、救急搬送困難事案の解消に向けた取組についてでございますが、金沢市保健所や石川県医療調整本部と救急受入れ体制の確保に向け連携を図るとともに、様々な機会を通じて市民の皆様に救急車の適正利用を呼びかけてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △散会 ○宮崎雅人議長 これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 次の本会議は、明日10日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。     午後5時6分 散会-----------------------------------  〔参照〕----------------------------------- 令和4年度金沢市議会3月定例月議会              発言者順序表発言予定日発言順序議席番号議員名会派等名3月9日(木)137横越 徹自民党232中西利雄みらい325源野和清公明党434黒沢和規市議会自民党529森尾嘉昭日本共産党630澤飯英樹金沢保守3月10日(金)71橋本光生自民党824山本由起子みらい96稲端明浩公明党1027広田美代日本共産党1110新谷博範金沢保守1228玉野 道創生かなざわ1316高  誠自民党3月13日(月)1414中川俊一自民党154喜成清恵みらい1626粟森 慨金沢保守178熊野盛夫創生かなざわ187北 幸栽多聞会1917喜多浩一自民党...