金沢市議会 > 2022-12-14 >
12月14日-04号

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  1. 金沢市議会 2022-12-14
    12月14日-04号


    取得元: 金沢市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-11
    令和 4年 12月 定例月議会          令和4年12月14日(水曜日)-----------------------------------◯出席議員(36名)     議長  高岩勝人     副議長  麦田 徹     1番  橋本光生      2番  荒木博文     3番  田中美絵子     4番  喜成清恵     5番  上原慶子      6番  稲端明浩     7番  北 幸栽      8番  熊野盛夫     9番  大桑初枝      10番  新谷博範     13番  上田雅大      14番  中川俊一     15番  坂本泰広      16番  高  誠     17番  喜多浩一      18番  前 誠一     20番  久保洋子      21番  宮崎雅人     22番  野本正人      23番  下沢広伸     24番  山本由起子     25番  源野和清     26番  粟森 慨      27番  広田美代     28番  玉野 道      29番  森尾嘉昭     30番  澤飯英樹      32番  中西利雄     33番  清水邦彦      34番  黒沢和規     35番  松村理治      36番  福田太郎     37番  横越 徹      38番  高村佳伸◯欠席議員(1名)     31番  秋島 太◯欠員  11番-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長        村山 卓   副市長       相川一郎 副市長       山田啓之 教育長       野口 弘   公営企業管理者   平嶋正実 都市政策局長    新保博之   総務局長      松田滋人 文化スポーツ局長  東 利裕   経済局長      鳥倉俊雄 農林水産局長    山森健直   市民局長      松田俊司 福祉健康局長    高柳晃一   こども未来局長   藤木由里 環境局長      加藤弘行   都市整備局長    坪田英孝 土木局長      坂本敦志   危機管理監     上野浩一 会計管理者     朝倉 豊   消防局長      蔵 義広 市立病院事務局長  荒舘 誠   財政課長      津田 宏-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長      森沢英明 担当次長兼議事調査課長      議事調査課担当課長 安藤哲也           上出憲之 議事係長      中田将人   調査係長      今川良太 主査        桜田みどり  主査        前田和紀 主査        北本剛太   主任        小西孝博 総務課長補佐    多田育代   主査        打越洋平-----------------------------------◯議事日程(第4号)  令和4年12月14日(水)午前10時開議 日程第1 議案第41号令和4年度金沢市一般会計補正予算(第6号)ないし議案第51号市道の路線変更について                         (質疑、委員会付託) 日程第2 一般質問 日程第3 認定第1号 令和3年度金沢市歳入歳出決算認定について                      (委員長報告、討論、採決) 日程第4 議案第37号 令和3年度金沢市公営企業特別会計処分利益剰余金の処分について      認定第2号 令和3年度金沢市公営企業特別会計決算認定について                      (委員長報告、討論、採決)-----------------------------------◯本日の会議に付した事件  議事日程(第4号)に同じ-----------------------------------     午前10時0分 開議 △開議 ○高岩勝人議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ36名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △会議時間の延長について ○高岩勝人議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議案上程 ○高岩勝人議長 これより、日程第1議案第41号令和4年度金沢市一般会計補正予算(第6号)ないし議案第51号市道の路線変更について、以上の議案11件を一括して議題といたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問 ○高岩勝人議長 これより、質疑並びに日程第2一般質問を併せ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 15番坂本泰広議員。     〔15番坂本泰広議員質問者席へ移動〕(拍手) ◆坂本泰広議員 質問の機会を得ましたので、何点か質問させていただきます。自由民主党金沢市議員会の坂本泰広です。 まずは、安全保障教育について。 テレビやネットの映像で、戦争のリアルをいや応なく映し出すロシアのウクライナ侵攻や、北朝鮮が繰り返すミサイルの発射。子どもたちに戦争をどう伝え、何を学ばせるのかは、国や地域に開きがあると言われています。我が国の教育現場では、欧州や他の東アジアと比べて観念論的な平和志向に偏りがちで、自衛の視点も乏しいとされ、識者から見直しを求める声も上がっています。北朝鮮の弾道ミサイルの脅威が高まるまで、戦後長らく国外からの直接的な脅威を受けず、平和を享受してきた我が国ですが、今年になってウクライナ侵攻の影響が様々なことに影を落としております。学校では、そうしたことをテーマに学習をすることがあるのでしょうか。野口教育長にお伺いいたします。 ○高岩勝人議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 お答えいたします。 ロシアによるウクライナへの侵攻や、北朝鮮が繰り返しミサイルを発射していることにつきましては、本市児童・生徒もテレビや新聞等の報道で見聞きしていると思っております。学校ではこうした報道につきまして、朝の会や終わりの会等で、新聞記事などを活用し、トピック的に取り上げて話し合うことはあると思っておりますが、特別に時間とテーマを設定し、なぜそのようなことが行われるのかなどについて学習することは少ないのではないかと思っています。なお、社会科の歴史分野では、過去にあった戦争を通して、戦争に関わった国々の考え方や、出兵した兵士たちの思い、戦時下での人々の暮らし、平和を大切にしなければならないという人々の思いなどについて学ぶとともに、公民の分野では、日本国憲法を基にして我が国の自衛の在り方、考え方などについて学んでおります。 ○高岩勝人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 日清戦争、日露戦争、二度にわたる世界大戦などでは、兵士だけではなく民間人においても多くの犠牲者を数えました。一方で、本市は直接の戦災を免れてきました。そうした本市であるからこそ、将来を託す子どもたちに、平和を実現するためのたゆまぬ努力の尊さを教育することが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○高岩勝人議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 私も、平和を実現するためには、私たち一人一人のたゆまぬ努力が必要であると思っています。本市も平和へのたゆまぬ努力を決して忘れてはならないとして、本市が永遠の平和都市になることを宣言した平和都市宣言がありますが、そのことが大きな表れであると思っています。そのために、私は教育長という立場から、子どもたちが平和を尊び、恒久的に世界平和を維持していかなければならないという心の醸成を図るために、これまでも学校の協力を得ながら積極的に平和教育に取り組んでまいりましたし、これからも取り組んでまいりたいと思っております。 ○高岩勝人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 ありがとうございます。 ここからは、政治家としての村山市長に伺います。産経新聞の記事で、国連専門機関の元職員、著書「世界のニュースを日本人は何も知らない」シリーズで知られる英国ロンドン在住の谷本真由美さんのコメントが紹介されていました。谷本氏はウクライナの状況に関して、英国民の関心は極めて高く、英国防省はウクライナ情勢を独自の戦況分析を交えて日々公表しており、英国民の関心の高さについて、ウクライナとの地理的な近さだけではなく、戦争をめぐる教育に起因するというふうに見ています。谷本氏の長男が通った幼稚園では、まず、英国の偉大さを教育し、保護者と一緒に第二次世界大戦でドイツが敗戦した理由を発表する授業のほか、第一次世界大戦を学ぶシールブックもあったそうです。西洋の歴史では戦争が当たり前、歴史は繰り返すと知っており、幼少期から戦争の勝因と敗因を学び、リスクに備える意識も強いと谷本氏は述べています。市長、こうした部分が我が国の基礎的な教育において欠落しているというふうに思いませんか。 ○高岩勝人議長 村山市長。 ◎村山卓市長 英国の教育につきましては、歴史観の違いも含めて詳細は存じ上げないので、比較はできませんけれども、我が国の教育におきましては、過去の戦争から多くの教訓を学び、また、これからの教育においても平和の大切さとその教訓は語り継がれていくべきものと考えております。
    高岩勝人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 先ほど教育長の答弁の中でも、金沢市が平和都市宣言をしているというふうな話がありました。平和都市宣言の中には、今ほどありましたとおり、こういったことを後世に伝えていくことは我々市民に課せられた使命であるというふうなことが書かれております。これは、何も後ろ向きになる話だけではなくて、積極的に平和をどう実現していくかということも1つの大事な要素だというふうに思っております。 資料を御覧いただきたいというふうに思います。あらかじめ議長にお断りして資料を提出させていただいております。各国・地域の個人に、政治や経済、安全保障のほか、各分野に関する価値観を問う世界価値観調査によれば、「戦争が起きた場合、祖国を守るために戦う」と答えた人は、韓国67.4%、英国64.5%、米国59.6%、スイス59.9%、台湾76.9%、中国88.6%、そして日本と同じ敗戦国であるドイツは44.8%、そして日本は調査国の中で最低の13.2%と、もはや愕然とする数字であります。戦後の学校教育における成果がこれだというふうに思います。この結果について、市長の御所見をお伺いします。 ○高岩勝人議長 村山市長。 ◎村山卓市長 ただいまの資料での調査結果、「はい」と答えた人の割合が少ないこと、そして「分からない」と答えた人の割合が調査国中で一番多いということも課題かというように思っております。日本人の多くは、過去の経験によって戦争の悲惨さや平和の大切さを十分認識しているということ、これもこうした結果にも表れているというように思っております。 ○高岩勝人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 私も、今、市長がおっしゃった「分からない」と答えた人の割合も非常に多いと、これは、各国のデータと比べたときに、戦うかと言って「はい」と答えた人の数の少なさと同じぐらいの衝撃がある数字なんです。ほかの国のデータを見ると、「分からない」と答える人の割合が非常に少ない。ほとんどゼロというふうなところもある中で、いかに判断する材料を持っていないかというふうなことの証左じゃないかなというふうに思います。今からも述べますけれども、核保有国のロシアが小国のウクライナに進行するさまは、改めて自衛能力の向上が欠かせないとの認識に至らしめました。平和を叫ぶだけで平和が得られるわけでもなく、今日、軍事力は戦争をしないための抑止力の性格が色濃く、教育にも国際社会の現実に立脚した視点が必要だと考えます。教育問題に詳しい麗澤大学の八木秀次教授は、産経新聞の記事の中で、連合国軍総司令部--GHQによる戦後日本の占領政策に起因する敗戦後遺症だと指摘しています。そして、巧みな占領政策とGHQに忖度する日本人の中で、さきの大戦への贖罪意識が強くなっており、抜けられなくなっていった。軍国主義の否定を超えて国家としての普遍的な防衛の認識も消え、教育現場においても国を守るという発想自体が悪になっているとも述べています。私は、この意見に全く同感するものであります。国防について考えさせないというのは、このグラフにも表れていますけれども、バランスの取れた知識の裏づけがなく、危機に直面していく中で、結果的に思考停止に陥ってしまう人間を育てていることになっています。教え子を二度と戦場に送らないと言うのであれば、今、教育の現場で行われていることは全く矛盾するというふうに考えます。この点も含めて、市長の率直な御感想をお聞かせください。 ○高岩勝人議長 村山市長。 ◎村山卓市長 教育現場においても、現在のロシアによるウクライナへの侵攻など、国際社会の現状を知って、そこから世界平和、人類の生存、命の尊さを学ぶということは非常に大切であるというように思います。今であるからこそ過去の戦争について学び、また、その教訓を生かしていくこと、併せて国際情勢についての見識を広めていくということも必要であるというように思っております。 ○高岩勝人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 こういう姿勢をずっと続けると、こんな話は国でやれというふうな声が聞こえてきそうですが、我が国では包括授権方式というものが取り入れられて、国の施策を地方自治体が担っているというふうな中で、地方自治体が独自に立案した条例などがほかの自治体や国に影響を及ぼすことも多くあります。1968年に本市が全国に先駆けて制定した金沢市伝統環境保存条例もその1つであります。国家間や教育の問題に関しても、地方からどんどん声を上げていくべきではないかというふうに思って、次の質問に移ります。 AEDの普及についてです。 AEDについて、私が所属する十一屋校下防災士グループでは、昨年の7月に校下のAED設置状況の調査を行いました。最終的には本市の防災マップに付加したものを、ウェブで閲覧が可能なようなデータ化まで行いました。この調査によって幾つかの課題が浮かび上がってきました。1つは、幾つもの空白地帯が存在すること。もう1つは、近傍にAEDがあっても、休日や夜間などには施設が閉まっていて使用できない場所があるということでした。一秒を争う緊急事態に、初期手当てとして心肺蘇生が行えるかどうかは、患者の生死はもちろん予後にも大きく影響します。東京都大田区では、地域の安全と安心のために、民間団体等がAEDを購入し、区内の自らの施設に24時間誰でも使える状態で設置する際の費用を補助しています。町会や自治会等に対しては初期費用の2分の1、上限35万6,000円、消耗品交換費用の2分の1などを補助しています。そこで、AED設置を希望する町会に対し助成を行い、市民の安全・安心向上につなげてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。 ○高岩勝人議長 村山市長。 ◎村山卓市長 AEDにつきましては、公共施設をはじめ店舗やホテルなど既に数多く設置されておりまして、ほとんどのAEDは市民の利用が可能でございます。現時点でAEDの設置に対する助成までは考えてございません。AEDの設置場所、全国のものが掲載されているアプリやホームページが現状でございます。これによって利用可能な時間も知ることができるというアプリでございますので、この登録や活用を促していきたいというように思っております。 ○高岩勝人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 現状では考えていないということでありますが、実際に調査をしたところ、もちろん使っていただいて結構ですよというところもあれば、いや、もうここは施設用として捉えていて、一般にお貸しすることは考えていないというふうなこともあったということも現状でありますので、その辺はしっかりと、こういう実態があるということを把握していただきたいというふうに思います。 AED調査によって浮かび上がったもう1つの課題として、管理の問題があります。いつでも取り出せる場所に設置されているものがほとんどなのですが、中には棚にしまわれているものがありました。また、小児用のパッドが入っているかと問うと、開けたことがないので分からないといった答えが返ってくるなど、どちらも万が一のことを考えたときに若干の不安を覚えるものでした。設置場所や使用方法はもちろん、内容品の点検や確認など監督指導の徹底を図る必要があると考えますが、いかがでしょうか。 ○高岩勝人議長 村山市長。 ◎村山卓市長 AEDの適切な管理などにつきましては、国から都道府県や関係団体等を通じて、各設置者に対してAEDの適切な管理徹底がされるよう周知されてございます。本市としましては、AEDの設置場所や使用方法を含めて、AEDが有効に活用されるように、今後ホームページなどを通じて周知を行ってまいりたいと考えております。 ○高岩勝人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 市内での一般市民によるAED救命の実績は、そう多くはないというふうに思いますが、私が考えるのは、平時よりもむしろ災害発生時におけるリスクです。平時であれば、消防局の救助隊が駆けつけ、救命処置を施すものを、災害で同時多発的に患者が発生したときにはいかに対処するかということです。以前に、自助・共助のために、住民自らが消火栓に設置して使用できるスタンドパイプの必要性を訴えましたが、あらゆる災害現場ではその場に居合わせた人が救助者になります。災害に強いまちづくりは、防災関係の機関だけではなく、何よりも市民の意識レベルを高め、その参加を促すことが大切だと考えます。スタンドパイプの設置等も含めての再考を求めるとともに、市長の御所見を伺います。 ○高岩勝人議長 村山市長。 ◎村山卓市長 災害時における危機意識の持ち方については、議員と同じように思っております。災害に強いまちづくりには、自助・共助の力が不可欠と思います。市民の意識向上と参画が極めて重要であると認識しております。スタンドパイプについてお触れでございました。住民がスタンドパイプを用いて消火栓を使用するという場合には、重量のある蓋を開け閉めしなければいけない、あるいは水圧がかかるので、その消火栓の操作などの安全確保が懸念されるところであります。一方で、導入している市町村もあることも承知してございます。今後、関係部局と様々な課題について研究を進めたいと考えております。 ○高岩勝人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 今ほどほかの都市でも設置が進んでいる部分があるというふうな話がありました。私が見に行った東京世田谷では、町民の方が消防局あるいは消防団の方と共にその訓練に当たっているというふうな様子でありましたし、災害時において、救急隊あるいは消防ポンプ車が現地に駆けつけることができない場合、隊員だけが現地に前進して、そこにアイテムであるスタンドパイプなり消火ホースが設置されていれば、それで消火が可能になってくるということもありますので、今後そういったことも含めて広く検討していただきたいというふうに思います。 次に、防災士について。 災害に対して、民間防衛という考え方が全くと言っていいほど乏しい我が国においては、危機管理について論じても、被災経験がない地域や人にとっては他人事です。それどころか、いたずらに危機をあおらないでほしいとさえ言われることもあります。不謹慎な言い方かもしれませんが、こんな状況であれば一度痛い目に遭ったほうがいいのかなということも思ってしまうほどです。そんな中、防災士が地域で地道に啓発活動を続けています。この議場にいる議員にも、防災士として活動している人がいますが、私も一人の防災士として県防災士会校下自主防災会の活動に参加しています。その現場で感じたり、意見交換の中で聞こえてきたりすることがあります。その多くは、個人や団体で様々に活動していく中で、熱心に取り組み、真剣になるほどぶつかる壁、身分的なことです。民生委員や消防団員などは、法律で規定された非常勤の特別職地方公務員であるのに対し、防災士は純粋なボランティアです。しかし、地域の住民からはそうした区別なしに扱われます。身分的な位置づけは自治体レベルで克服できる課題ではありませんが、例えば避難行動要支援者をどのように支援するかを町会で計画し、話し合う上で、防災士に期待される役割は大きいと考えます。こうしたことを考えるときに、本市では、防災士の位置づけや役割をどのように捉えているのでしょうか。そして、それらを将来どのようにしたいと考えているのか、危機管理監にお聞きします。 ○高岩勝人議長 上野危機管理監。 ◎上野浩一危機管理監 本市では、地域防災力の向上を図るため、自主防災組織の協力を得て防災士を育成しております。資格を取得されたかなざわコミュニティ防災士には、防災に関する知識・技術の普及や意識の啓発、防災訓練等に意欲的に取り組んでいただいており、今後とも各校下・地区における防災リーダーとして御活躍いただきたいと考えております。 以上です。 ○高岩勝人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 警察や消防、自衛隊は職業ですから、災害時における任務は命令によって遂行されます。防災士は防災リーダーであるが、あくまでもボランティアです。ボランティアは、一般的に金銭的には無報酬であり、精神的な報酬を得るための活動であるというふうな定義がなされています。しかしながら、地域を支える様々な担い手が不足しているのは言うまでもない中、こうした状況を変えていくためにも、無報酬という考え方を変えて、何かしらのインセンティブを働かせることによって、意欲のある人が参加しやすい環境を整えることが必要ではないかと考えますが、それについてのお考えをお聞かせください。 ○高岩勝人議長 村山市長。 ◎村山卓市長 本市では、地域住民が自分たちの地域は自分たちで守るという連帯感に基づいて、平成11年度までに市内全域で自主防災組織が構成され、活動されてきております。さらに、平成18年度からは、自主防災組織の御協力を得て防災士を育成し、地域で活動していただいております。こういった活動は、高い意識の下でボランティアで行われております。各地域に配備する防災資機材の購入あるいは防災士の資格取得に係る費用の一部は助成させていただいておって、地域や個人に係る負担の軽減を図って活動の支援に努めてきました。こうした歴史的な経緯も考えながら、これからも地域の意見をお聞きしながら、地域を守っていただくために、意欲のある方が参加しやすい環境を整えてまいりたいと考えております。 ○高岩勝人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 谷本前知事は、防災士の養成に力を入れてきました。北信越5県の今年10月時点での防災士認証登録者数は、福井県が3,889人、富山県が2,086人、新潟県が5,438人、長野県で3,252人、石川県は8,446人と、突出して多い数字となっております。今ほど市長がおっしゃいました受講のための費用の補助率、こういったものの違いがあるので、一律にこの北信越で比較はできませんが、この数字だけ見ると石川県はとても多いというふうに言えます。人口10万人当たりでは全国4位の数字というふうになっております。問題は、養成した防災士をどのようにフォローアップしていくかということだと思いますし、資格取得後に全く活動していない人、事実上リタイアしている人をどう把握しているのか、本市の取組についてお聞かせください。 ○高岩勝人議長 村山市長。 ◎村山卓市長 本市では、令和2年度にかなざわコミュニティ防災士ネットワークを設立いたしました。防災士としての新たな知識・技術の習得や、近隣地域の防災士との連携を図るなど、積極的に活動ができる環境づくりを進めております。一方で、資格取得後に防災士の活動に参加していない方や、高齢等の理由によりリタイアされた方もおられることを承知しております。今後、自主防災組織と連携し、市や県が開催する研修会等への参加を積極的に呼びかけまして、その参加を通じて防災士間の交流を図るとともに、地域における防災活動の重要性を伝えてまいりたいと考えております。 ○高岩勝人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 役立つ防災士の確保については、地域の防災力を高める上で重要な1つの要素だというふうに思います。危機管理においては、地域に理解者を増やすことにもつながりますから、真剣に取り組んでいただきたいというふうに思います。昨日、野本議員の質問でも、保護司のことを例に、今ほど新谷議員のやじもありましたけれども、保護司のことを例に地域の担い手の確保が喫緊の課題であるということは、これはもう明確、明らかなことでありますから、こういった担い手を確保するための方策と並行して、市民個々の防災意識の醸成や能力付与も必要だというふうに考えております。例えば、金沢検定みたいなものがありますけれども、金沢検定ならぬ金沢防災検定みたいなものを行うとか、そういったアイデアを駆使して取り組んでいただきたいというふうに思います。 それでは、質問の最後に、磯田謙雄技師の顕彰についてです。 日本統治時代の台湾で顕著な活躍をした金沢市出身の人物として、八田與一と磯田謙雄という二人の土木技師の名前が挙げられます。八田技師については、台南における烏山頭ダムの建設に当たったことで知られています。一方の磯田技師は、1892年に金沢市上松原町、現在の尾山町に生まれ、新竪町小学校、小将町高等小学校、石川県第一尋常中学校、第四高等学校第二部工科、東京帝国大学工科大学土木学科を経て、1918年、26歳のときに臨時台湾総督府工事部、後の台湾総督府土木局に就職、その後、7つ先輩の八田與一技師の下で、嘉南大シュウの調査計画への参加をはじめとして各種事業に従事し、1932年、39歳のときに事業の主任として台湾中部台中市新社地区を中心とした地域に水を注ぐ全長16.6キロメートルの農業用水路「白冷シュウ」を完成させました。この水路は、90年以上たった今でも現地に水を供給し続けており、2013年にはその業績をたたえ、記念公園に磯田謙雄像が建立されました。磯田技師が戦後住まいをした寺町をエリアに含む地元の城南公民館では、公民館創立60周年の事業として編集委員会を組織し、ブックレットの編集に取り組むなど、磯田技師の顕彰活動を行ってきました。毎年、地元の十一屋小、泉野小、長坂台小、そして金大附属小の4年生に配られています。ぜひ広く金沢市民、そして修学旅行や観光で金沢を訪れる人たちに知ってもらうためにも、金沢ふるさと偉人館に加え顕彰するべきであると思うところですが、市長の考えをお聞かせください。 ○高岩勝人議長 村山市長。 ◎村山卓市長 現在、金沢ふるさと偉人館では、烏山頭ダム建設など台湾における治水事業に尽力した八田與一技師の功績を紹介しているところであります。磯田謙雄技師につきましても、農業用水路「白冷シュウ」の建設に力を尽くし、今も現地で水利の父として尊敬を集め、たたえられ、本市が誇るべき偉人だとも理解しております。地元の公民館や学校などで熱心に顕彰活動が行われていることも承知しております。今ほど、観光の面のお話もいただきました。台湾との直行便がまた復活するという流れでもあります。こういったことも契機となるかと思いますが、今後、ふるさと偉人館での展示の可能性について、これは資料の有無も含めて、地元の方々の協力を得ながら調査を実施していきたいと考えております。 ○高岩勝人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 金沢市と台湾の台中、台南との友好交流については、これまでも同じ会派の喜多議員や、そして澤飯議員、安達前議員も御尽力されてきました。そのつながりをさらに発展させていくことにもなりますから、しっかりとした形で顕彰していただきたいというふうに思います。八田技師と並ぶ、そういった形でしっかりと磯田技師の顕彰も行うということをお願いして、私の質問を終わりにさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○高岩勝人議長 以上で、15番坂本泰広議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。 換気のため、しばらくお待ちください。 8番熊野盛夫議員。     〔8番熊野盛夫議員登壇〕(拍手) ◆熊野盛夫議員 重症化率は極めて低いとはいえ、新型コロナウイルス感染症の第8波の襲来とも言える感染状況、ロシアのウクライナ侵攻による世界的なエネルギーの逼迫と物価高騰、急激な円安市場、物価高騰へ十分な対応ができない労働者の賃金の状況等、多くの市民の生活にとって厳しい状況が続いています。本市が少しでも市民に寄り添い、安全・安心な暮らしを支えるよう求めて、質問させていただきます。 こんにちは。創生かなざわの熊野盛夫です。 最初の質問は、子育て世帯への支援についてお尋ねいたします。 本市も子育て世帯に対し多くの支援策を講じております。重々承知しておりますが、このところ子育てをされている多くのお母様方から質問をいただいております。それは、石川県で金沢市だけ何で18歳まで医療費の助成をしてくれないんですかという声です。本市は、前山野之義市長の下、15歳までの医療費助成は拡充されましたが、お母様方からいただくのは、高校に行ってからが一番お金かかるんやわ、食べる量も増えるし、おしゃれもせんなんし、部活も塾も大変なんやわとの声です。さらに、先月公開されたNPO法人キッズドアのアンケートによると、今般の大幅な物価上昇により、生活に困窮する子育て家庭の半分が子どもの心身の成長に悪影響が出ていると感じていることが示されました。高校生がいる生活困窮世帯では、54%が塾や予備校に行けないと答えています。石川県は、2023年度から子どもの医療費助成制度の対象を、通院3歳までのところを就学前まで引き上げ、親の所得制限の撤廃も発表しています。村山市長が市長になってよく言われる言葉に県・市連携がありますが、ここは馳知事が先を進んでおります。子育て世帯にとっての大きな願いである医療費助成の18歳未満までの拡大について、市長の率直なお考えをお聞かせください。 次に、部活動地域移行に伴う子ども習い事手当の検討についてお尋ねいたします。先日、地元紙に、今年度の市立中学校の部活動加入率が、部外クラブ所属が原因で89%まで減少してきたという記事を閲覧いたしました。89%というのは、今月1日に市総合教育会議で示された数値です。そして、野口教育長が述べられた地域移行に向けた協議会の設置の重要性と、早急に課題の把握が必要である旨の言葉が掲載されておりました。私も数年前に大徳中学校のPTAの会長を務めさせていただき、校長先生や役員の皆さんと様々な活動をさせていただきました。学内の事故等には、学校から加入している日本スポーツ振興センターやPTAで加入する保険で対応できますが、地域移行してしまうと保険もどのようになるのかは課題の1つと思われます。また、1つの学校で活動が成立せず、近隣の学校との共同の活動になる場合の移動や交通の問題なども課題として挙げられるのではないかと思われます。いずれにしても、地域移行に伴い、保護者の金銭的負担の増大を懸念される声も届いております。それらの声に応え、全ての生徒がそれぞれの希望の活動ができるようにするための支えとして、習い事手当の創設についても検討してみてはいかがでしょうか。冒頭にも述べましたが、混沌とした世界情勢から経済的に好転する兆しはまだまだ見えておりません。そのような時期だからこそ、子ども習い事手当の施策は子育て世帯の大きな支援につながることを確信して、次の質問に移ります。 次の質問は、高齢者福祉施策に関する質問です。 まず、福祉ごみ袋の創設についてです。在宅の高齢者の市民にとって、ヘルパーさんは生活を支えてくれる大きな力です。訪問時の挨拶、声かけ、買物、掃除など、その働きに感謝の声が途切れることはありません。非常に順調にいっているように思われる在宅高齢者の暮らしですが、ヘルパーさんや在宅の高齢者さんから求められる声、課題があります。それは、ごみ出しの問題です。金沢市は基本的に午前8時30分までにごみを出すルールになっています。しかし、その時間にヘルパーさんに来てもらえば、買物等の用事が頼めません。そんな課題の克服のために、何時にごみを出してもよい福祉ごみ袋の創設について提案してほしいというお声をいただきました。これまでと同じごみ袋でごみ出しすれば、一般の市民の方も何時になってもごみを出してもよいのかと勘違いしてしまい、ごみ収集に混乱を来します。そこで、明らかにこれまでの有料ごみ袋と別の色彩の福祉ごみ袋ができれば、御自身でごみ出しができない在宅高齢者の皆様から大いに喜ばれるのではないかと思われますが、いかがでしょうか。市長の御見解をお伺いいたします。 次に、市営緑住宅H棟のエレベーター改修工事についてお伺いいたします。先般、H4棟にお住まいの高齢者の方が、私の事務所にいらっしゃいました。12月3日の回覧で、12月13日から2月14日までの期間、エレベーターの全面改修工事のことを知りました。寒風吹きすさぶこの時期になぜという声でした。H4棟は11階建てで、高層階になればなるほど風の勢いが増します。当然雪や雨が降れば激しく吹き込んできます。2台あるエレベーターを順番に改修するので、どちらか1つを使用してくださいとの説明でした。御高齢の方にとって僅か数十メートルであっても、雨雪が降るこれからの季節のタイミングでの移動や灯油などの持ち運びは大きな負担になると思われます。車椅子で透析に向かわれる方、デイサービスのお迎えのスタッフの皆さんも大変だと思いますとの声もお聞きいたしました。なぜこの時期の工事なのか、御高齢の入居者が多い市営住宅で、市民に配慮し別の時期を選べなかったのかお尋ねいたします。 また、火災等の避難時においては、停電等のおそれから、基本的にエレベーターの使用はできませんが、今回の工事に併せて入居者に対し避難経路の周知を行っているのかについてお尋ねいたします。 次は、まちづくりについての質問です。 先月19日に、金沢大河端町-福久町間の海側幹線道路開通式が行われ、無事に金沢市の外環状道路がつながりました。駅西に新都心が広がるビジョンを持ち、市政を進められた故徳田與吉郎元市長のかつてのまちづくりのイメージが一歩具現化されました。そして、村山市長が就任されて、10年後の金沢を考えるシンポジウムが開かれました。その中で市長は、「親和力で奏でる金沢」とのタイトルで御講演されましたが、もっともっと市長がまちづくりに対してどのようなビジョンを持ち、どのような気持ちで推進されるおつもりなのか聞いてみたいといった声を、参加された何名かの市民の方からいただきました。まず、市長御自身のまちづくりに対するお気持ちをお聞かせください。 次に、中央卸売市場のまちづくりにおける位置づけについてお尋ねいたします。現在、再整備の計画段階の中央卸売市場は、約56年間にわたって金沢市民や周辺自治体、さらに金沢を訪れる多くの人々の食を支えてきました。そこで働く人々は、ほとんどの市民がまだ深い眠りの中で夢を見ているような時間から、暑い夏も寒い冬も起床し、働き、新鮮な鮮魚や青果を届けてくださいました。そして、食文化という言葉も生まれ、多くの飲食や観光の産業を支える大黒柱として貢献してまいりました。極寒の夜明けにも、冷水、冷氷、冷風の中、黙々と仕事をされてまいりました。仕事にはそれぞれの苦労がありますが、市場の仕事における苦労に関しては、恐らく経験された人にしか分からない厳しさがあると思われます。さて、市場法も改正され、インターネット、スマホの圧倒的な普及率の中、流通そのものの大変革期と言われる今、本市の中央卸売市場のまちづくりにおける位置づけについて、市長のお考えをお聞きいたします。 次に、通学路の安全確保についてお尋ねいたします。まちは人がいてこそ活気があり、さらに子どもたちの存在が多くの大人たちに元気を与えます。子どもたちの安全・安心はまちの未来であり、まちづくりの根幹ではないかと思われます。残念なことに、昨今、子どもの自動車による事故が多発しております。関係する家庭、学校、地域の皆様の憂慮する声をお聞きするにつけ、何とかしなければという思いが込み上げます。昨年、警察や地域の関係者、道路管理課さん等で、市内通学路等の危険箇所の洗い出しをされ、御対応をいただきましたが、安全・安心の飽くなき追求の姿勢は滞ってはいけません。まちづくりの観点から、歩行者の安全確保についてのお考えをお聞かせください。 次に、伝統的建造物群保存地区保存条例についてお尋ねいたします。コロナ感染症の重症化リスクの低減やGoToキャンペーンの再開に伴い、市内観光客の数も徐々に増えてまいりました。人の集まる場所は当然お金も落とされることから、多くの商売関係事業者にとって金沢は魅力的なまちとして映ると思われます。特に伝統的建造物群保存地区は、戦災を免れた古きよき金沢に浸れる人気のまちとして多くの人が訪れています。この地区を守るために、さきの条例が制定されたと理解しておりますが、まちづくりの観点から今後この条例をどのように生かして、市民の生活やまちの風情をどのように守っていくおつもりなのかお聞かせください。 次に、文化政策についてお尋ねいたします。 最初に、金沢美術工芸大学移転に伴う目玉施策についてです。先日、完成間近の新校舎の視察に行ってまいりました。あらゆる細部やつくりにこだわりを持たれ、御近所への配慮、県立図書館との連続性、制作に打ち込める環境づくりなど、どちらに目を移してもそのすばらしさに圧倒されました。現在、百万石ビブリオバウムが話題をさらっていますが、来年の10月には金沢には美大ありの声が世界中から響き渡ってくる予感がしました。学内の階段を伴うメインフロアは、大英博物館かルーブル美術館にいるのではないかと思わせる広々とした開放的な、魅力的なスペースでした。さて、移転に伴う目玉事業として、ここで金沢美大の卒業生で世界的画家の故鴨居玲氏の展覧会をしてはいかがでしょうか。市内在住の鴨居作品をお持ちの方から御提案をいただきました。学生にとっても、市民にとっても、また金沢を訪れる芸術愛好家の方々にとっても喜ばしい企画ではないかと思われます。さらに、9月7日の鴨居玲氏の命日にちなんだ展覧会を、毎年あるいは隔年での開催についても御提案をいただいております。圧倒的な存在感と世界のあちら側からえぐられるような感覚を与える作品の数々、想像するだけでわくわくぞくぞくが止まりません。お考えをお聞かせください。 次の質問は、日銀跡地の演劇ホールとしての活用についてです。先日、地元紙において、金沢経済同友会と市長が意見交換した旨の記事が掲載されました。そして、歌劇座の建て替えは、市長が年度末までに方向性を示すとし、日銀跡地は経済同友会から、ホール機能を持つ施設の設置の案が出されました。音楽堂、能楽堂、文化ホール、アートホール、歌劇座などを有し、様々な文化活動が盛んな金沢ですが、演劇に特化した、あるいは演劇を主としたある程度の大きさのホールがまちなかにあればいいといった意見もよくお聞きします。また、昨年、市が行った文化についてのアンケートでは、まちなかに演劇やダンスイベントのできるある程度の大きさのホールが欲しいといった意見も多々あったとお聞きしています。そういった御意見を踏まえて、日銀跡地の演劇ホールとしての活用についての市長のお考えをお聞きいたします。また、この質問をするという話をした後に、ある市民の方から、日銀跡地のそばにはかつてそういった芝居小屋があったというお話も聞いております。歴史都市金沢の深みを感じました。 続きまして、アーツカウンシル金沢についての質問です。アーツカウンシル金沢は、本市が令和3年3月に策定した金沢市文化芸術アクションプランの基本理念である「文化芸術にさらに磨きをかけ、未来へつなぐ世界の文化都市金沢」の実現に向け、多才な文化芸術の担い手・支え手の取組を支援し、誰もが芸術文化に親しみ、活動しやすい環境を醸成するための事業プログラムとして、公益財団法人金沢芸術創造財団が運営するものです。文化芸術の継続的な振興・発展に向け、市民、文化芸術団体、実演家、文化施設、教育機関、民間企業等の多様な主体の連携、協働を促すプラットフォームとして、文化芸術を通して人と人がつながる新しい価値やネットワークの構築を目指しています。そして、ほぼ時を同じくして、金沢市のほかに名古屋市、福岡市、長野県、さいたま市でアーツカウンシル推進を担うために、クリエイティブ・リンク・ナゴヤ、アーツカウンシル福岡、信州アーツカウンシル、アーツカウンシルさいたまがそれぞれ立ち上げられました。短期間ではありますが、これまで着実に実績を積み上げてきたアーツカウンシル金沢ですが、他都市のアーツカウンシルと比較し、人的な資源がやや不足しているように思われます。文化をまちの発展のキーとして捉える本市として、さらなる拡充が求められるのではないかと思われますがいかがでしょうか。お考えをお聞きいたします。 次に、国民文化祭いしかわ百万石文化祭2023についての質問です。来年10月24日から11月26日までを会期として、県内全域で開催されますが、その基本方針の1番目に県民総参加の文化の祭典とうたっていますが、本市として金沢市民全員の参加をどのように促すおつもりなのかお聞かせください。また、文化と地場産業の連携についてもお考えをお聞かせください。 次は、北陸電力の電気料金値上げについての質問です。 北陸電力は10月に、燃料高騰のため、過去最大となる900億円の赤字を計上する予想をし、4月より43年ぶりの電力料金の抜本値上げを表明しました。志賀原子力発電所の再稼働ありきで、企業戦略のなさや、経営の怠慢のツケを消費者に回すなといった声や、役員数の削減や役員の報酬の大幅な削減もなく価格転嫁する姿勢に、総括原価方式で守られた組織ならではのやり方といった皮肉を込めた意見、さらに、オール電化の住民から値上げするやり方に疑問を感じていたが、さらに追い打ちかと嘆く市民の声もお聞きします。こういった声を受けて、北陸電力の今回の電力料金値上げに対する市長の見解をまずお聞かせください。 次に、脱原発を目指す市民団体が、毎年、北陸電力の株主である金沢市に対し、株主総会の出席と脱原発議案等に対する賛成を求めていますが、今年の株主総会への出席の有無についてお尋ねいたします。また、その理由についてもお聞かせください。 そして、ロシアのウクライナ侵攻が終息の気配を見せることなく続く中、石炭、ガス価格の世界的高騰を受けて、政府は原発再稼働容認の方針を示しました。東日本大震災による福島第一原子力発電所の爆発事故の収束の見通しも定まらない状況の中、また、福島県内に出された原子力非常事態宣言も発令中のままの状態で、再稼働を容認する方針を示す政府の見解についてのお考えをお聞きいたします。 また、珠洲市の地層の下部にある流体の動きが珠洲地震を引き起こし、さらに東北や国内各地の地震が頻発し、太平洋の東南アジア諸島をはじめ海外においても地震や噴火の規模が大きくなっている状況について、どのように感じておられるのかお聞かせください。 県は、電力価格高騰を受けて、県民に対する緩和策として来年度の予算に盛り込む方針を示しました。本市として、今後の対応についてお聞かせください。また、脱炭素先行地域として手を挙げ、国の予算を獲得し、カーボンニュートラル推進の施策を積極的に進めることも極めて重要と考えますが、本市の対応についてお聞かせください。 次の質問は、性教育についてです。 今年の10月、某全国紙に、東京都の認定NPO法人ReBitがLGBTQなどの性的少数者の若者の意識調査で、10代の半数近くがこの1年間に自殺を考え、7人に1人が自殺未遂をしていたとの調査結果をまとめた記事が掲載されました。10代はまさに自分探しの年頃ですから、自殺について考えることがあってもおかしくはないと思われますが、実際に未遂行為に及んだ割合が7人に1人ということにかなりの衝撃を受けました。しかし、自分たちが小中学生だった頃は、性教育の場で性の多様性について教えられた記憶はありません。当時のLGBTQの児童・生徒たちは、現在よりもさらに多くの悩みを抱えていたことが推察されます。しかし、時が流れて、本市も国連が掲げる誰一人取り残さないSDGs社会の実現を目指し、県内でもいち早くパートナーシップ宣誓制度を取り入れ、性の多様性が認められる社会実現のために積極的に施策を進めています。そんな金沢市が、人権尊重の観点からどのように性教育を行っているのかお尋ねいたします。 私の性教育の記憶では、女子児童だけ別に集められ、秘密の授業を受けていたような気がしています。生理という実際に肉体の大きな変化について、集中して学ぶという意味合いかと推察します。また、それだけ女性の体がナイーブで神秘的な存在であるということを各自にしっかりと認識してほしいというスタンスではないかと思われます。実際に、この女性の肉体のナイーブさや個人差について、あるいは妊娠出産の適齢期なども含めて、男子児童・生徒もしっかりと認識し、人間の肉体の神秘さや崇高さについて思いを巡らせることは、昨今社会で多発する性暴力や性被害を食い止める大きな鍵になるのではないかとの御意見を市民の方から頂戴いたしました。御見解をお伺いいたします。将来にわたって自分自身の人生に、そして思いやりのある社会の発展に大きな意味のある教育の根幹が性教育ではないかと思われます。本市教育長として、性教育について、人権尊重の観点も含め、今後どのように進めていくおつもりなのかについてお尋ねして、最後の質問に移ります。 最後の質問は、メタバースについてです。 本年10月に幕張メッセにて、3年ぶりに対面にてCEATECが開催されました。CEATECは企業や研究機関、大学などが参加して、最新のITや関連機器を紹介する国際展示会です。Meta日本法人の味澤代表が、メタバースは日本国内で2035年までに12兆円から24兆円もの経済効果を生むとの試算を紹介し、今後、教育や医療などの生活に密着したサービスも普及していくとの趣旨の講演をされました。また、NTTもメタバース事業に600億円を投資すると報じられました。東京大学にも9月にDX人材育成を目指し、メタバース工学部が誕生しました。大きなうねりを感じますが、まず、このメタバースの可能性についての考えを、また、本市として、メタバースにどのように取り組んでいくおつもりなのかお聞かせください。 以上で私の質問を終わります。御清聴いただきありがとうございました。(拍手) ○高岩勝人議長 村山市長。     〔村山 卓市長登壇〕 ◎村山卓市長 8番熊野盛夫議員にお答えいたします。 はじめに、子育て世帯への支援策についての御質問をいただきました。県・市の連携については、これは張り合うものではなくて、どちらが先行ということではなくて、共に進めるものだというように思っておりますし、また、石川県内でも金沢市しか行っていない子ども施策、多数あります。小学校4年生への金沢21世紀美術館のミュージアムクルーズであったり、中学3年生への観能教室、そういったものも特徴的なものと捉えております。こういったことも含めまして、今回の県の補助対象拡大に伴う本市の負担減少分の使途につきましては、県から子育て施策に活用するよう要請が来ていることも踏まえまして、どのような施策に活用するか、明年度の当初予算の編成作業の中で検討してまいりたいと考えております。 続いて、福祉ごみ袋についての御質問をいただきました。家庭から排出されるごみにつきましては、衛生上できるだけ早い処理を求められているため、ごみステーションから回収したごみは原則として午前中に焼却施設等への搬入を完了することとしております。現在のごみ出し時間のルールは、回収から焼却施設への搬入までに要する時間のほか、ごみステーションを管理している地域の方々の御負担も考慮して設定したものでございまして、変更することは考えておりません。家族や近隣住民の方などから協力を得ることができず、ごみステーションへのごみ出しが困難な世帯を支援するため、要援護者ごみ出しサポート事業を実施しておりまして、引き続き支援を必要とする世帯が適切に利用できるよう努めていきたいと考えております。 続いて、まちづくりへの思いについて御質問をいただきました。金沢では、伝統と新たな文化を融合し、独自の文化を形成し、さらに独特のコミュニティーを生み出してまいりました。これは金沢の強みであり、価値観が変化したコロナ後の社会でも、人と人とのつながりを大事にし、心の豊かさが感じられる金沢を、次の世代につないでいきたいと考えております。とりわけ若い世代が働きたい、住みたい、子育てしたいとイメージできるまちになることが大切だと考えておりまして、安全・安心や暮らしを守ることはもとより、金沢の魅力を磨き高め、そして広げることで、市民が住みよさを実感できるまちの姿を描きたいと考えております。 中央卸売市場が立地する場所は、都市計画マスタープランにおいて、新たな都市機能の集積やにぎわいの創出を図るまちづくりが必要な重点地区に位置づけられております。中央卸売市場は、金沢の食を支える生鮮食料品の生産から消費に至る全てのプロセスに関わる方々にとって、欠かすことのできない重要な公共インフラであります。金沢の魅力ある食文化を発信・体験する機能も併せ持つにぎわいのある施設となるよう、中央卸売市場の再整備の中で検討してまいりたいと考えております。 通学路につきましては、これまでも学校や警察、地域住民などと合同点検を行い、危険箇所の安全対策を実施してまいりました。また、事故発生に伴い、児童・生徒の安全確保について、学校等関係者と協議し、改めて対策を講じてきたところであります。引き続き地域の皆様や関係機関と連携し、歩行者が安心して利用できる歩行空間の確保に努めるとともに、ドライバーの方々にも安全運転の徹底を促してまいりたいと考えております。 伝統的建造物群保存地区保存条例は、昭和52年に、本市の歴史的なたたずまいを継承したまち並みである伝統的建造物群保存地区を守るべく制定されたものであります。市内には4か所の伝統的建造物群保存地区がありまして、そのまち並みを守り、育て、継承するための施策等を、その地区で生活、活動している方々の協力を得ながら実施しております。しかしながら、近年、本市への観光客が増える中、歴史まちづくりに対する理解が不十分な県外資本等の参入が懸念されていることから、条例の趣旨にのっとった保存措置のほか、必要に応じ地域団体等とまちづくり協定を締結し、地域住民と共にまちの風情を守っていけるよう努めているところであります。 続いて、文化施策について御質問いただきました。金沢美術工芸大学の新キャンパスにつきましては、美術館、図書館棟に加え、アートコモンズと呼ばれる展示スペースを随所に配置するなど、学生のみならず市民の皆さんが様々な芸術作品に触れることができる環境を整備することとしております。私も現場を視察いたしましたけれども、来年10月の新キャンパスの開学に向けて順調に整備が進んでおりまして、地域や世界に開かれた美の探求と創造のコミュニティーとして、さらに金沢美術工芸大学が飛躍することに期待が大きく膨らんだところであります。御提案いただきました鴨居玲展覧会の開催につきましては、過去美大で開催したこともあると聞いてございますので、市議会においてそのような意見があったことを美大に伝えたいと考えております。 日銀の跡地に関しましては、現在、金沢歌劇座の候補地として、現敷地と日銀金沢支店の跡地の総合的な比較を進めておりまして、歌劇座の建て替え用地としての結論につきましては、本年度末までに一定の方向性を出したいと考えております。その上で、日銀金沢支店の跡地に関しては、明年度にも有識者や経済界の代表、地元関係者などで構成する組織を立ち上げ、跡地利用の方向性を検討してまいりたいと考えております。 アーツカウンシル金沢は、本年7月、金沢芸術創造財団内に開設したところでありまして、アートや工芸、音楽の専門家など、8名で構成する運営会議を設け、イベント情報や支援内容等について情報共有を図っております。また、演劇やアートなど、3名のディレクターによるワンストップでの相談を行っているほか、ランチタイムコンサートを本格実施するとともに、来月には市民演奏家が主役となる演奏会を開催することとしております。誰もが文化芸術に親しめる環境が醸成できるよう、明年度以降、さらなる事業の強化充実を図りたいと考えておりまして、必要に応じて体制の整備についても研究してまいりたいと考えております。 いしかわ百万石文化祭2023につきまして、本市では、本年8月に続き、明年2月にプレイベントを開催するほか、金沢マラソンやKOGEIフェスタなどでのPRや、市ホームページやSNS等での情報発信を行っているところであります。子どもから高齢者、障害のある方など、全ての市民が文化の担い手や鑑賞者として主体的に参加していただけるよう、県や文化団体等とも協力しながら、国民文化祭の機運の醸成に努めてまいりたいと考えております。また、本市の実行委員会では、文化・芸術面のみならず、経済、観光、福祉、教育など様々な分野の方々にも議論に加わっていただいております。本市主催の事業におきましては、工芸や食文化を含め、重層的で個性豊かな文化を発信することとしておりまして、多くの企業や団体等の協力も得ながら、遺漏なく準備を進めていきたいと考えております。 電気料金の値上げについてでございますが、家計や企業活動に影響を及ぼすと考えております。今後、国の電力・ガス取引監視等委員会などで、値上げについて妥当性が審査されることから、その推移を注視してまいりたいと考えております。 また、株主総会につきましては、公務のため出席はできておりませんが、提出議案に対する賛同の可否については、毎回慎重に検討を重ねた上で、インターネットにより議決権を行使しているところであります。 原子力発電所の再稼働につきましては、住民の理解を得られることが大前提であります。原子力規制委員会の審査を経て、徹底した安全確保の下、国で厳格に再稼働の是非が判断されるものと認識しております。 また、能登地方では、令和2年12月頃から地震活動が活発化し、今年6月には珠洲市で最大深度6弱を観測する地震が発生しております。現在も奥能登地方を震源とする地震が継続しており、状況を注視し、さらなる市民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。 電力価格の高騰対策につきましては、先般成立した国の補正予算に盛り込まれ、来年1月から実施される電気料金負担の激変緩和措置の状況などを注視するとともに、今後、国や県の動向なども踏まえて、明年度当初予算編成の中で検討してまいりたいと考えております。 また、国が定める脱炭素先行地域の指定には、一定の地域等において再生可能エネルギーを最大限導入し、当該地域内における温室効果ガス排出量を実質ゼロとすることが必要であります。そのためには、住民や事業者の理解と協力を得て進めていく必要がございます。現在、様々な民間事業者との意見交換や情報収集を行っており、引き続き他自治体の先行事例なども参考に、地元企業や金融機関などの御協力も得ながら、本市の地域特性を踏まえた市民生活の質の向上につながる取組を検討してまいりたいと考えております。 最後に、メタバースについての御質問をいただきました。通信環境の高速化や機器性能の飛躍的な向上により、メタバースと呼ばれる仮想空間が近年注目を浴びております。単なるゲームの世界ではなく、場所を選ばない新たなコミュニティー空間として利用者が増えておりますことから、行政分野では関係人口の創出や地域の魅力発進といった地方創生との親和性が高いと言われているほか、高い没入感から、体験型の授業や実地研修への活用も期待されるところであります。本年度、DX会議におきまして、メタバースをはじめとした次世代インターネット環境についての議論を深めたところでありまして、他の自治体の事例等も踏まえ、今年度策定するDXに関するプランの中で、どのようなことが可能か考えてまいりたいと考えてございます。 私からは以上でございます。 ○高岩勝人議長 東文化スポーツ局長。 ◎東利裕文化スポーツ局長 部活動の地域移行に伴う習い事手当の創出についての質問にお答えいたします。国におきましては、休日における部活動の地域移行は、新たな地域クラブ活動として位置づけておりまして、令和5年度から令和7年度の3年間を改革集中期間として重点的に取り組みつつ、地域の実情に応じて可能な限り早期の実現を目指すとしております。この中で経済的に困窮する世帯に対しては、国と地方公共団体において支援を行う方針が示されておりますが、費用負担の在り方など詳細については記されていないことから、引き続き国の動向を注視していきたいと存じます。 以上です。 ○高岩勝人議長 坪田都市整備局長。 ◎坪田英孝都市整備局長 緑住宅のエレベーターの改修時期についてのお尋ねがございました。緑住宅H棟のエレベーターの改修工事につきましては、施工業者の決定後、工場でのエレベーター製作に6か月の期間が必要でありまして、御利用いただく住民の方々のためにも、安全なエレベーターをできるだけ早期に設置したいとの思いから、製作が完了し、現地での設置がこの時期となりましたことについては御理解願いたいというふうに思います。 続きまして、避難経路の周知についてのお尋ねがございました。火災等の避難対応につきましては、これまでも消火器の位置でありますとか、避難経路の確認などを、チラシを配布し住民の方々にお知らせしているところでございます。なお、御指摘のとおり、非常時のエレベーターの使用につきましては、閉じ込め等の二次災害の原因となりますため、速やかに火災時等の避難に際してはエレベーターを使用できない旨、今回の改修工事の対応に併せまして、住民の方々にチラシを配布し周知していきたいと考えております。 以上でございます。 ○高岩勝人議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 性教育について3点お尋ねがございました。初めに、本市では、人権尊重の立場からどのように性教育を行っているのかということについてお答えいたします。本市では、性教育におきましては、例えば保健体育科での性同一性障害への理解を深める学習や、道徳科での誰もが自分らしく生きることをテーマに自分の性について考える学習など、児童・生徒は性の多様性について学んでおります。それらの学習では、人権尊重の観点から、自分の大切さとともに他の人の大切さを認めることについて気づくことを重視して取り組んでおります。 次に、男子児童・生徒の性教育についてお尋ねがございました。小中学校では、男女を問わず第二次性徴の学習を通して、新しい命を生み出すための大切な準備として、体の働きに変化が起こることを学ぶとともに、異性の尊重、性に関する情報への対処など、適切な態度や行動の選択が必要となることを学んでおり、これらの学習は、仰せのように性犯罪の抑止力にもつながっていくものと考えております。 次に、今後どのように性教育を進めていくのかとのお尋ねがございました。性教育では、まずは正しい知識を身につけることが大切であると思っておりますが、さらにそれらの知識を実践的な行動につなげていくことが大変大事であると考えております。例えば、LGBTQの人たちが自分らしく生活していることを差別や偏見なく受け止めるなど、誰一人取り残さないSDGs社会の実現のために、今後とも性教育の充実を図っていきたいと考えております。 以上でございます。     〔「議長、8番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○高岩勝人議長 8番熊野盛夫議員。 ◆熊野盛夫議員 ありがとうございます。 令和4年6月議会で、金沢保守の粟森議員から、また、今議会では公明党源野議員、共産党広田議員、昨日、自民党の上田議員から、医療費拡大のそれぞれの質問がなされました。これは、もう金沢市議会全体の総意と言っても過言でないくらい、多くの市民もそれを要望しているということの表れではないかと思われますけれども、そういった議会全体からそういう質問が出ていることについての市長の受け止め、お聞かせください。 ○高岩勝人議長 今の医療費の件というのは、発言通告はありますか。     〔「18歳」と呼ぶ者あり〕 じゃ、村山市長。 ◎村山卓市長 先ほど申し上げたとおり、明年度の予算の中で検討してまいります。 ○高岩勝人議長 換気のため、しばらくお待ちください。     〔議長退席、副議長着席〕 ○麦田徹副議長 7番北幸栽議員。     〔7番北 幸栽議員登壇〕(拍手) ◆北幸栽議員 それでは、質問させていただきます。 まずは新交通システムと北陸鉄道石川線についてです。 6月定例月議会では、白山麓、本市中心市街地、金沢港まで、上下分離方式で維持管理費の小さいBRT--バス高速輸送システムでつなげ、連節バスを走らせればどうかと、そして、9月定例月議会では、自動運転バスについて質問させていただきましたが、現在は特に北陸鉄道石川線の今後の在り方について議論になっていることと存じます。御承知のとおり、石川線は白山市の鶴来駅から本市の野町駅までの鉄道路線となっており、本市中心街まで移動するためには、野町駅でバスに乗換えの必要があります。そこで、乗車運賃に関してですが、例えば額住宅前駅から野町駅までは鉄道運賃が360円、そして、野町駅からバスに乗換えして香林坊までが200円、合計560円の運賃。全く同じ場所である額住宅駅バス停から同じく香林坊までバスで移動すると420円。鉄道とバスを乗り換えて移動したほうが140円も運賃が高くなります。これでは鉄道の利用が進むとは思えません。金沢MaaSコンソーシアムのプロジェクト、デジタル交通サービスのりまっし金沢で乗換え割引を行っているようですが、利用のためには時間や往復での利用など制限があり、利用者数も伸び悩んでいるようです。石川線をBRT化し、バス専用道路化することにより、バス運賃で本市中心部まで移動することができるようにすることが、公共交通利用促進につながるのではないかと考えますが、市長の御所見をお伺いします。 8月に国交省が、今年度中にBRT導入のガイドラインを策定するとの報道がありましたが、翌9月にはBRT等導入に関するガイドラインが策定されました。このことからも、全国で公共交通の在り方をめぐり早急に結論を出す必要がある事案があると思われますが、石川線も例外ではありません。鉄道の存続をめぐり上下分離方式導入の是非や鉄道車両更新時期も迫っているようです。ここで提案ですが、期限を区切り、現状のまま鉄道を時限的に上下分離方式で運行継続するというのはいかがでしょうか。そして、鉄道車両の更新は行わずに、直近の車両耐用の限りをもって鉄道運行を終了し、その後、公設で石川線をBRT化する改修工事に入るというスケジュールはどうかと考えます。時間を確保することにより、県民・市民の皆さんへ周知する時間や、改修工事中の代替運行の計画、設計等の時間も確保できるのではないかと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。 また、この確保した数年の期間に、自動運転バスの開発が進むのではないでしょうか。12月5日からはJR東日本が宮城県の気仙沼線BRTで自動運転レベル2の自動運転バスの実用化が始まっています。また、JR西日本では、自動運転バスが隊列して走行する実証実験が行われ、2020年代半ばの実用化を目指しているようです。双方ともBRT路線を前提としたものであります。直近では東広島市がBRTの導入と自動運転バスを運行させる計画を発表しました。本市でも金沢大学との連携の下、自動運転に関する研究が行われており、来年度以降に実証実験を行うための地域選定にも取りかかっているようです。国会では改正道路交通法が可決されており、2022年度内には特定条件下で完全自動運転が可能な自動運転レべル4が解禁されます。BRTガイドラインの中にも、BRT運行の自動化により運転手への負担軽減、運転手不足の解消、運行本数の増加などが期待されることから、技術の開発動向を踏まえ、自動運転の導入を検討することが重要であるとあります。自動運転バスは運転手不足の切り札であり、石川線をBRT化した場合においても、有人運転と無人運転を併用することにより、朝の通勤・通学ラッシュや市内中心部への乗り入れにも対応ができるのではないかと考えます。自動運転バス導入を前提とした石川線BRT化についてどのようにお考えになるか、市長のお考えをお聞かせください。 盛んにDXの推進が言われております。これには交通インフラも含まれており、石川線沿線の田園地帯に自動運転バスを走行させることが、まさにデジタル田園都市を体現することになります。新交通システムと自動運転を導入し、DX化を図ることで、新たな需要が生み出せるのではないでしょうか。このことにより、カーボンニュートラル実現にもつながっていくのではないでしょうか。このことについて、市長のお考えをお聞かせください。 石川線の需要調査で、BRT化した場合は移動時間が1.5倍になるとの試算がありました。現状の鉄道の運行本数は、朝のラッシュ時で片道1時間3本、その他の時間帯は全て片道1時間に1本ないし2本の運行でしかなく、BRT化し自動運転バスを導入することにより運行本数を増やすことができることや、単に鉄路から道路に置き換わるということだけでなく、本市中心街に直結するという大きなメリットがあります。利用者の利便性を向上させて、移動時間が延びることのデメリット以上にメリットを高めることが可能だと思いますが、いかがでしょうか。所見をお伺いします。 昭和50年代、私の幼少時代は、石川線の沿線地域は活気がありました。額住宅の駅前にはアーケードがあり、多くの商店がにぎわい、人があふれていました。その後はモータリゼーションと少子高齢化の流れで、現在は数件の商店が営業を頑張られておられる状態です。石川線を新しく生まれ変わらせることは、沿線地域に活力を取り戻すことにもつながると思います。また、額住宅前駅はモビリティーハブとして、将来的には郊外地区を循環する自動運転バスの接続駅とするなど、活用が望まれます。さらに本市のみならず、石川線沿線の野々市市、白山市へと交流人口を増やし、新たな人の流れをつくっていくことは、県都である本市の役割であるかと考えます。このことからも、新交通システムBRT導入を、まずは北陸鉄道石川線に適用させることが有効だと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。 この質問の最後ですが、これまでの質問は、石川線のBRT化と自動運転バス導入を提案する立場からでしたが、いずれにしても石川線はどのような形であれ存続させていく必要があります。仮に現状のまま上下分離方式で恒久的に運行を継続すると、野々市市、白山市を含めた沿線地域にどのような将来像が描けるものなのかをお伺いします。また、そのほかに、石川線を持続可能な公共交通として継続させる手だてがあるのかをお尋ねします。 次に、ワンヘルス(One Health)について質問します。 本市では聞き慣れないワンヘルスという言葉ですが、人の健康、動物の健康、環境の健全性を1つの健康と捉え、一体的に守っていく考え方、理念です。人や動物、そしてそれらを取り巻く環境が直面している様々な課題に対して、医師や獣医師、研究者だけでなく、行政や企業、市民も一緒になって解決していこうという社会活動です。ワンヘルスには6つの基本方針があり、人獣共通感染症対策、薬剤耐性菌対策、環境保護、人と動物の共生社会づくり、健康づくり、環境と人と動物のよりよい関係づくりの柱から成ります。この理念は、平成5年に開催された世界獣医師会世界大会で採択された、人と動物の共通感染症の防疫推進や人と動物の絆を確立するとともに平和な社会発展と環境保全に努めるというベルリン宣言が端緒とされています。日本でも、日本医師会と日本獣医師会が連携し、ワンヘルスの理念の実践に向けた取組が進められてきたようです。平成28年11月、福岡県で開催された「第2回世界獣医師会-世界医師会“One Health”に関する国際会議」にて福岡宣言が採択され、それ以降、福岡県では、令和2年12月に全国初の福岡県ワンヘルス推進基本条例が成立、本年3月にはワンヘルスの推進の施策を体系的に整理した福岡県ワンヘルス推進行動計画を策定、10月にはワンヘルスの取組の実効性を確保するため、ワンヘルスの実践促進に関する条例が成立したところのようです。このように、福岡県ではワンヘルスの推進を県挙げて取り組んでおり、私も福岡県獣医師会の関係者からお話を伺い、ワンヘルスの理念に非常に共感した一人です。新型コロナウイルスも発生源には諸説ありますが、人獣共通感染症であり、鳥インフルやMERS、SARS、また次なる新興感染症が発生するやもしれません。人口増加、森林開発や農地化等の土地利用の変化、これらに伴う生態系の劣化と気候変動等によって、人と動物との関係が変化したために、元来野生動物が持っていた病原体が、様々なプロセスを経て人にも感染するようになったものと考えられています。一方、家庭動物は家族の一員、生活の伴侶として国民生活に深く浸透するとともに、人の医療や介護、福祉や学校教育分野にも進出し、その担うべき社会的役割は重みを増し、一層多様化しています。これらの健全な状態を一体的に守らなければならない、これがワンヘルスの理念です。人と動物の健康、環境の健全性は別々に存在するのではなく、一体と考える理念は、海岸部、市街地、山間部問わずにまちづくりにも大切なものであり、また、感染症の対策や研究、動物愛護や教育にも大切な理念と考えます。このワンヘルスの理念を、本市も取り入れ、施策に反映していくことができればと考えますが、市長の御所見をお伺いします。 また、児童・生徒の教育にも大切なことと考えます。福岡県教育委員会では、小中高生向けのリーフレットの作成、配布をするなど、ワンヘルス教育推進事業を実施しているようであり、このことについて教育長に御所見をお伺いします。 次に、高尾城跡の調査の進捗と今後の予定、山城整備についてお伺いします。 9月定例月議会の答弁でもありました高尾城跡の市指定史跡に向けた航空機等によるレーザー測量調査について、現在の進捗状況をお伺いします。調査がまだ未実施であれば、予定日時をお尋ねします。また、レーザー調査は航空機を使用しての調査なのか、またはドローン等を使用したものなのか、具体的な調査方法をお示しください。レーザー測量調査済みであれば、測量の日時、天候、当日の様子、調査方法、調査範囲、調査結果をお示しください。また、データ解析や今後のスケジュールも併せて担当局長にお尋ねします。 10月31日には、金沢市と金沢市教育委員会が主催の令和4年度かなざわ市民アカデミー「山城から読み解く戦国金沢の歴史」が開催され、講師には日本の中世城郭への造詣が深い落語家の春風亭昇太さんと、奈良大学教授の千田嘉博さんが招かれ、金沢市文化ホールの会場は満席の市民であふれていました。私も拝聴させていただきましたが、何より市民の皆様に山城に関する理解を深めていただけたのではないかと感じ、大変有意義な講座であったと思います。市長も拝聴されていましたので、御感想がありましたらお聞かせください。 今回の講座は、国指定史跡である加越国境城跡群及び道にスポットを当てたもので、松根城や切山城が取り上げられていました。ただ残念なのは、同じ本市の山城である高尾城は取り上げられることはなく、高尾城が市指定史跡として日の目を見る日が来ることを願うばかりです。一向一揆衆が高尾城で守護富樫氏を打ち破り、加賀一国を支配した、このことは、各種ある中学歴史教科書のほとんどに記載があります。この一向衆が後の金沢城の一画に1546年につくった金沢御堂と呼ばれる寺院が、加賀国の信仰、軍事の中核となりました。本庁舎から見える金沢城の基礎をつくったのは一向衆であり、加賀百万石の歴史とともに加賀一向一揆の歴史もしっかりと発信していく必要があります。ただ、加賀一向一揆が高尾城で起きたことを知らない市民がまだまだ多くおられます。そのためにも、一向一揆が成就した高尾城は、指定史跡を問わず、既にその場所に歴史的な価値があり、残された史跡の調査と併せて、同時に整備への研究も進めていく必要があると考えますが、市長の御所見をお尋ねします。 山城の整備に関しては、先ほど質問させていただいたワンヘルスの理念を取り入れた整備もよいのではと考えます。人と動物の健康、環境の健全性は1つであるというワンヘルスの理念は、自然豊かな山城の整備と非常に親和性があると思います。福岡県では11月に、ワンヘルスの森ミュージアムが整備されており、本市におきましても山城の整備にワンヘルスの理念を取り入れることについて御所見をお伺いします。 次に、南部地区の治安や防犯について質問します。 本市には、未解決の殺人事件でよく知られている事件が2件あります。1件は、公訴時効が成立していますが、平成4年に発生した三十苅のスイミングスクール駐車場でスイミングコーチの遺体が見つかった事件、もう一件の事件は、平成20年に発生した久安でのアパート殺人事件です。この両事件とも金沢中警察署管轄である本市南部地区で発生しております。両事件とも地理的には隣接する野々市市との境で発生しており、現場から数百メートル移動すれば野々市市に入り、警察署の管轄は旧松任署管轄、現在の白山警察署管轄に入ってしまう位置です。金沢中警察署の管轄は、本市繁華街の片町、香林坊や観光地広坂を抱え、また、城東地区、二俣、湯涌、末方面から城南、南部地区、山間部を含めて管轄範囲です。御承知のとおり、事件や交通事故等の対応も含め、捜査には初動が大切なことは言うまでもありません。中署の管轄の負担や範囲が、本市の他の東署や西署に比べて大き過ぎやしないか、また、このことが事件の解決などに影響が出ているのではないかと感じてしまいます。本市では、夜間における犯罪の防止や運行の安全確保のために、防犯灯設置や犯罪や事故の未然防止のために防犯カメラ設置の補助など、行政の視点において治安や防犯に関して様々な施策を講じておられます。そこでお尋ねしたいのですが、市民の安全・安心を守る立場から、警察との連携についてどのようなことを行っているか、また、どのようにお考えになっているのか、市長にお聞きいたします。 また、金沢中警察署管轄と隣接する白山警察署の管轄範囲も非常に広大なもので、白山の頂上から日本海までを有する白山市と野々市市を含むものです。本市南部地区は隣接する野々市市と生活圏を共にしております。平成元年12月から平成5年3月まで、三馬交番を金沢中警察署と旧松任警察署とで合同運営をしていましたが、2警察署より1警察署で運用したほうが適正と判断されて、合同運用は廃止されました。しかし、一方で、金沢市消防局と白山野々市広域消防本部では、救急車の相互乗り入れを開始するなど、自治体の垣根が低くなっています。また、本市と隣接する野々市市は、人口増加や商業地の発展は著しいものであり、野々市市の人口約5万人、そして、三馬、とがし交番、大額交番の受け待ち区域の約5万人、計10万人、この人口10万人を管轄とする野々市金沢警察署の設置を、野々市市と協力して行うことができないものかと考えます。本市においては、野々市市、白山市を含む4市2町で連携協約を締結するとともに、石川中央都市圏ビジョンを策定し、行政区分を越えた安全・安心なまちづくりについて、多様な分野において連携していると思いますが、具体的にどのような取組を行っているのかお伺いします。 次に、運転免許証自主返納者への公共交通乗車券購入助成について質問します。 高齢者の皆様が免許返納を検討されている話は聞きますが、実際には気持ちはあるものの、なかなか返納へと重い腰が上がらないのが実情ではないでしょうか。その原因としては、公共交通の整備も挙げられますが、免許自主返納者への助成制度自体をよく知らない、または手続の煩雑さも1つの原因ではないかと思います。通常、免許返納するための手続は、免許センターや警察署、または予約して交番へ出向いての手続が1つ目。また、助成を受けるために来庁、または市民センターでの手続が2つ目。そして、さらに交付された助成券を持ち、バス・鉄道会社の窓口に出向いての手続が3つ目。この3つの一連の手続を、運転免許を所持していない状態で行わなければならず、これが免許返納への障害の1つにもなっているのではないでしょうか。本市では、本年4月から75歳以上の運転免許証自主返納者への助成対象に、北陸鉄道のアイカの積み増しが加わったようです。これは非常によいことだと思います。このアイカなどの積み増しをはじめ、手続のサービス向上、また、発展拡充させていくおつもりはないでしょうか。例えばデポジットの関係もありますが、チャージ済みのアイカを申請者に発送する、またはバス車内でも助成券でチャージできるようにするなどです。このことによって、バス・鉄道会社窓口に出向いての手続をなくすことができ、一連の手続の1つを省くことができます。高齢ドライバーには公共交通を長く利用したことがない方もおられますので、免許返納と引換えに助成申請すると、チャージ済みのアイカが送られてくるとなれば、それが免許返納と公共交通利用の動機づけになるのではないかと思います。市長の御所見をお伺いします。また、アイカの積み増し制度の助成金額を拡充していくおつもりがないのかもお尋ねいたします。 最後に、北朝鮮人権侵害問題啓発週間と北朝鮮向けラジオ公開収録について質問します。 特定失踪者、いわゆる北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者の警察が捜査・調査をしている人数は、8月5日現在、全国で871名に上ります。石川県警が所管している人数は30名おられ、そのうち家族が承諾されて公開されている方は10名、また、民間団体の特定失踪者問題調査会でも、御家族が承諾されて公開されている方は、石川県関係者で6名おられます。また、政府が拉致されたに違いないと認定している拉致被害者は17名。民間団体の救う会全国協議会では、石川県で昭和38年に拉致された寺越昭二さん、寺越外雄さん、寺越武志さんら3名を含む7名を別に認定し、計24名が拉致被害者であるとしています。今日まで日本政府は、拉致認定している17名以外にも、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者が存在しているとの認識の下、拉致問題の全面解決に向けて、拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国のために全力を尽くし、また、拉致に関する真相究明及び拉致実行犯の引渡しを求めていく方針を取っています。しかし、北朝鮮の誠意ある対応は全くなく、拉致問題を解決するどころか、核所有、核爆弾搭載の弾道ミサイル開発に明け暮れており、世界の平和秩序を壊す所業を行っているのが実情であります。国民ができることは、解決されるその日まで、いつまでも諦めることなく、忘れることなく声を上げていくしかありません。そのために、政府も啓発事業を行っており、毎年12月10日から16日までの北朝鮮人権侵害問題啓発週間には、国と地方自治体が行事を行っております。県内でも12日から14日までの間、金沢駅もてなしドームにおいて写真パネル展示と啓発チラシ配布が行われております。市長には、この北朝鮮人権侵害問題啓発週間においての本市の取組と、北朝鮮で暮らす拉致被害者に対してどのような思いを持たれているのかお伺いします。 そして、1月28日には、金沢市アートホールにおいて、政府主催の北朝鮮向けラジオ「ふるさとの風」「しおかぜ」共同公開収録in金沢が行われます。北朝鮮に拉致されている日本人向けに短波放送を行っているものであります。今回の金沢市での公開収録には、市長と知事にも北朝鮮に拉致されている日本人に向けて呼びかけをしていただきたく、公開収録の依頼を受けているかと思います。市長にはぜひとも会場の壇上から、北朝鮮に拉致されているかもしれない金沢市民、石川県民、日本国民の方にメッセージを送っていただきたいと考えます。市長においては、どのような気持ちで、また、どのような対応をされるお考えかをお尋ねして、私の質問を終わります。(拍手) ○麦田徹副議長 村山市長。     〔村山 卓市長登壇〕 ◎村山卓市長 7番北幸栽議員にお答えいたします。 初めに、北陸鉄道石川線の在り方につきましては、県や関係市町などが参画する法定協議会において、BRT化も含め必要な公共交通を確保するための検討を行っているところであります。引き続き県や沿線市町とも連携し、最新の需要調査の結果なども踏まえつつ、慎重に検討を進めたいと考えております。 自動運転バスについては、実用化を目指した実証実験や、段階的な導入の検討などが各地で行われていることは承知しております。歩行者や自転車が錯綜する市街地はもちろん、専用道における完全自動運転も技術開発の途上である中、時間的な制約や技術開発の動向を踏まえて議論する必要がございます。なお、大量輸送が可能な公共交通は、環境負荷の低い移動手段であり、近隣自治体との交流人口の増加にも有効なものであると考えており、今年度の策定を予定している第3次金沢交通戦略においても、「歩行者・自転車・公共交通優先のまちづくり」を位置づけたいと考えております。 大量輸送機関としての公共交通は、地域にとって今後も必要であり、沿線地域の将来の姿も見据え、鉄道線の存続、バス転換やBRT化などについて、石川中央都市圏地域公共交通協議会を設置し、県や関係市町と共に検討しているところであります。来年度はこの協議の結果を踏まえ、法律に基づく特定事業計画を策定していくこととしており、市民生活に影響を及ぼさないよう、持続可能な公共交通ネットワークの構築に取り組んでまいりたいと考えております。 ワンヘルスという考え方について、本市では保健所で人獣共通のものも含め、感染症の発生動向の把握に努めているほか、市民と動物が共生する社会の推進に関する条例に基づき、動物愛護と適正飼育を推進しているところであります。今後とも感染症の予防と動物愛護の推進に努め、市民と動物が健康で幸せに暮らす社会の実現を目指していきたいと考えております。 続いて、かなざわ市民アカデミーについてですが、山城は市街地から離れており、脚光を浴びることは少ないですが、今般の市民アカデミーでは、魅力ある講師の方々をお招きでき、日頃から保全活動に携わっておられる地元ボランティアの方々の活動にも触れながら、山城の魅力についてユーモアを交えて分かりやすく御講演いただいたと考えております。金沢城とは異なる、また戦国の実際に戦いがあった城としての魅力があるというようにも思っております。史跡としての価値をより多くの市民に知っていただくよい機会になったと考えております。 高尾城跡につきましては、現在、加越国境城跡群及び道について、有識者からの意見をいただきながら、効果的な整備に向けた検討を行っているところでございます。高尾城跡についても、全国で行われている山城整備事例も参考にしつつ、その歴史的価値を踏まえて研究していきたいと考えております。 また、本市では、これまでも公共施設整備に関して、可能な限り周辺環境への配慮と調和を図ることを重要視してきております。効果的な整備に向けた検討を行っている加越国境城跡群につきましても、遺構の保全に加え、野生動物の生息区域内にあることから、その自然環境や生態系にも十分配慮する必要があると考えております。 続いて、警察との連携についてでございますが、本市と石川県警は、定期的に連絡会議を開催しております。今年度は10月に県警本部長をはじめ各部長、金沢中・東・西の各署長などを迎え、凶悪犯罪への対応、交通安全の推進、災害対策への連携強化など、市民の安全・安心の確保に向けた様々な課題への対応について意見交換を行いました。犯罪や交通事故、さらには自然災害などから市民を守るには、県警との協力が必要不可欠であります。今後とも引き続き防犯パトロールや交通安全指導など、県警と連携し安全で安心なまちづくりを推進してまいりたいと考えております。 また、本市では平成27年度、連携中枢都市宣言を行い、白山市や野々市市を含む4市2町で連携協約を締結し、石川中央都市圏ビジョンを策定いたしました。連携中枢都市圏では、救急業務における協力体制の推進や、災害時の相互支援による防災体制の強化など、住民が安心して暮らすことができるよう連携して取り組んでおります。 運転免許証の自主返納に関しての御質問でございます。超高齢社会がさらに進む中で、運転免許証を返納される方に日常的に公共交通を利用していただくことは、公共交通を支える観点からも重要と考えており、返納者への公共交通の利用支援については、より利用しやすい制度となるよう、これまでも改善を行ってまいりました。御提案のチャージ済みのアイカの郵送につきましては、新規利用者が事前に負担するデポジットの取扱いなど課題が多いと考えておりますが、引き続き申請方法や新たな支援策について検討してまいりたいと考えております。 本市では毎年、北朝鮮人権侵害問題啓発週間に併せ、拉致問題に関するパネル展や街頭キャンペーンなどの啓発活動を行ってきたところであります。来月28日には、国が特定失踪者問題調査会と開催する北朝鮮向けラジオ放送の共同公開収録に私も参加することとしております。拉致問題は、国家主権に関わる問題であり、国民の生命と安全に関わる重大な人権問題でございます。一日も早い解決を心から願っており、当日は私もこうした思いを伝えたいと考えてございます。 以上でございます。 ○麦田徹副議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 児童・生徒へのワンヘルス教育についてお尋ねがございました。人の健康、動物の健康、環境保全を1つの健康として捉え、それを一体的に守っていくワンヘルスは、未来を担う児童・生徒に大切にしてほしい考え方であると思っています。ワンヘルスという表現を取っておりませんけれども、同じ考え方に立ちまして、その実現のために、本市小中学校では理科や総合的な学習の時間を中心にして、生き物は環境とどのように関わっているのか、私たちは環境とどのように関わっていけばよいのかなどについて学んでおるところでございます。また、私たちが他の生き物と共に未来にわたり地球で暮らし続けていくために、環境保全の大切さを理解し、自らができることを考え、積極的に取り組んでいるところであり、これからも継続して指導してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○麦田徹副議長 東文化スポーツ局長。 ◎東利裕文化スポーツ局長 高尾城跡の航空レーザー測量調査の進捗状況等についてお答えいたします。11月25日に有人ヘリコプターにて高尾城跡の通称コジョウ地区を中心とした約7.2ヘクタールの範囲においてレーザー測量を実施いたしました。委託事業者から、当日の天候は晴れで、作業は順調に進み、データも問題なく取得できたと聞いております。今後、データの解析作業を本格化させまして、今年度末までには遺構の全体像を把握できるものと考えてございます。調査結果を踏まえ、明年度は築城の年代や遺構の規模を確認するための発掘調査に着手したいと考えておりまして、市史跡指定に向けまして取組を進めてまいります。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩 ○麦田徹副議長 この際、暫時休憩いたします。     午前11時47分 休憩-----------------------------------     午後1時0分 再開 △再開 ○麦田徹副議長 出席議員数は、ただいまのところ34名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○麦田徹副議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 17番喜多浩一議員。     〔17番喜多浩一議員登壇〕(拍手) ◆喜多浩一議員 自由民主党金沢市議員会の一員として、以下数点質問させていただきます。 質問の1点目は、行政改革についてであります。 市役所のサービスを充実し、かつ持続可能なものとなるためには、健全な行財政運営が欠かせません。そのための重要な手段が行政改革であります。古くは1979年の総定員法や定員削減計画の策定に始まり、以来、国の主導の下、多くの自治体が行政改革大綱を策定し、自治体の減量化、効率化、歳出抑制はもとより、事務事業の見直し、組織・機構の見直し、定員・給与の適正化、行政の情報化といった取組を進めています。本市においても、1985年、昭和60年になりますが、最初の行政改革大綱が策定されました。その後、期間を区切りながら、現在は第7次の行政改革大綱に取り組んでいます。そこで、まずはその間の本市における行政改革の主な成果をお尋ねします。 今回、次期の行政改革大綱の策定に当たり、これを刷新し、新たに行政経営プランとする旨の骨子案が示されました。少子高齢社会を迎え、課題が山積する中で、行政改革の在り方も変わっていかなければなりません。骨子案の中身を見ると、質の高い市民サービスをつくり続けるために、ヒト、モノ、カネ、情報を最大限活用する企業戦略の概念を取り入れ、選択と集中により量から質への転換を図ることとしています。今あるものを最大限生かすという企業では当たり前のことでありますが、改めて行政がこのことをうたうことには意義深いものがあると思います。物が余っているとも言われるこの時代に、量から質への転換をぜひ進めていただきたいと思いますが、人口が減少するとはいえ、高齢者は増える、単身世帯も増える、地域コミュニティーの核とも言える町会や公民館の後継者が少ない、そうした状況の中で、行政に求められる責任は一層増してきています。加えて、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によれば、金沢市の生産年齢人口は、2040年までに約2割、5万7,000人も減少することとなっています。市役所職員の約20倍もの働き手がこの金沢全体で減少するのに、市役所の職員だけ現状のまま、もしくは増やしていくということは、雇用の確保の面からも本市の経済面からもとても現実的とは言えません。一方で、市民ニーズの多様化、高度化などにより、仕事の量もそれに伴う責務も増え続けているこのような状況で、本当に職員を増やさずに対応できるのかとの不安もあります。そこで、こうした状況を打破するため、金沢市役所の職員数などについて、このプランではどのような対策を盛り込まれる予定なのかお聞きします。 一方、こうした状況を踏まえれば、我々議員も市民も何でも行政にお願いするのではなく、自分たちでできることはできるだけ自分自身で解決していかなければなりません。しかしながら、市民レベルの自助、共助には限りがありますので、やはりこれからは民間企業の力が重要となるのではないでしょうか。これまでの行政改革の官民連携とは、主に職員が行ってきたことを民間に委託するというような取組に主眼を置いてこられたのではないかと思いますが、単なる民への置き換えのみでは、これからの生産年齢人口の減少に対応していくことは難しいと考えられます。利益を追求する企業と公益を追求する行政はそもそも相入れないものなのかもしれませんが、そんなことは言っていられません。今回、企業理念を取り入れるとした行政経営プランでは、様々な取組に企業とのコラボレーションを進められたらと思いますが、プランにおける民間活力の導入についての考えをお聞きします。 新型コロナウイルス感染症の拡大を機に世の中が大きく変わろうとしている今、行政はもちろんのこと、議会も市民も一緒になり、未来の金沢のために何かを変えていく絶好のチャンスではないかと私は考えます。そのような絶好のタイミングで今回お示しになられた行政経営プランにかける村山市長の思いをお聞きし、この質問を終わります。 質問の2点目は、森林環境税や森林環境譲与税などについてであります。 森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律が温室効果ガス排出削減目標の達成や森林整備などに必要な地方財源を安定的に確保する観点から創設されたのが2019年3月。その翌年度から、森林環境譲与税がまずは導入されました。森林環境譲与税については、間伐や担い手の育成、木材利用の促進や普及啓発などの森林整備及びその促進に関する費用に充てることとされており、山村地域においてこれまで手入れが十分に行われてこなかった森林の整備が進展するとともに、都市部の市町などが山村地域で生産された木材を利用することや山村地域との交流を通じた森林整備に取り組むことで、都市住民の森林、林業に対する理解の醸成及び山村の振興などにつながることが期待されてきました。このような中、制度開始から3年以上が過ぎた現在、予算配分上の問題点が露呈してきています。森林面積が少ない都市部を中心に予算が未消化となっている自治体が続出している反面、林業が盛んな中山間地域の自治体を中心に財源不足となっているところが多く、総務省と林野庁が2021年度にまとめた調査では、全国の自治体に対する配分総額500億円のうち、その54%に当たる272億円が未執行で基金にほぼ積み立てられている状況であったとのことです。本市は面積の6割を森林が占めており、地元産材への需要も伸びてきていると言われていますが、これまでの取組状況やその評価、予算の執行状況について、市長の見解をお聞かせ願います。また、森林環境譲与税の配分額について、本市として十分と考えているのか、山林所有者や中山間地域の方々の声を踏まえ、市長の見解をお聞かせ願います。 森林環境譲与税の配分基準については、森林の面積や林業従事者、人口などにより決められているようですが、人口による基準割合が大きいため、東京23区のような森林がほとんどない自治体でも、人口は少ないが森林面積がほとんどを占める地区よりも配分額が多くなりがちです。そのため、制度発足当初から、全国から数多くの配分方法の変更要望が出されてきました。これを受け、先月、政府与党から、2024年度をめどに新たな配分方法を導入し、山間部など森林が多い地域の取り分を上積みする意向が示されました。現在、配分比率に占める人口要因は30%のようですが、実際のニーズに照らせば5%から10%程度が妥当と考えられているようですし、都市部から中山間地へ財源を回しやすくするため、市町村単位から都道府県中心に配分を改めるべきとの意見も出ているようです。本市にとっても影響を与える可能性がありますが、この点についてもお伺いいたします。 本市は、木の文化都市金沢を目指し、木を用いた建築物に対する補助制度の創設や第二本庁舎や金沢美術工芸大学の新設など、公共施設においても地元産材の積極的な活用を行ってきました。森林環境譲与税を有効に活用し、森林整備などを行い、国が目指す脱炭素社会の実現に寄与していると言えます。そのような中、本市が森林環境譲与税を用いて現段階において来年度以降、取組を強化していこうと考えている新たな施策がありましたらお聞かせ願います。 また、2024年度から新たに森林環境税が導入されます。森林環境税は住民税に1,000円を上乗せして徴収されますが、国税です。現在、東日本大震災の復興に充てている財源を付け替えるため、市民の負担感は変わりませんが、森林環境譲与税が国庫から支出されているのとは異なり、国民が直接負担することとなります。森林環境税の導入により、国の特定目的税として600億円余りの財源が増えることになります。森林環境譲与税の使途についてはオープンにされていますが、森林環境税の導入でその使い道、使い方が今まで以上に厳しく問われることとなるのです。森林環境税の導入については、市民にはまだほとんど周知されていないと思いますが、林業の業界団体とのコラボした取組など、導入までの1年余りの期間で実行予定の市民に対する説明や周知活動についてお聞かせ願い、この質問を終わります。 質問の3点目は、デジタル教科書などの導入についてであります。 2024年度から小学5年生から中学3年生までの英語の授業にデジタル教科書を導入することが、8月に文部科学省から発表されました。さらには、早ければ翌年の2025年度には算数や数学にも導入することが決まり、順次他教科への拡大も検討するようです。デジタル教科書については、既に2021年度に、小中学校合わせて約1万2,000校が参加して実証事業が行われました。例えば、英語の授業では、ネーティブスピーカーによる音声機能を使い、自分が確認したい単語や文章の発音を繰り返し聞いたり、算数の授業では、各自が答案を端末上に書き込み、他の児童と共有して議論するなどの取組が報告されています。このように、児童・生徒側の主体的な学習に活用できたとの声が聞かれた反面、課題も多く、特に先生側の活用方法にばらつきがあり、効果的な活用方法が分からないとの声が多かったようです。確かに、GIGAスクール構想に基づき、1人1台端末を用いて授業が行われているとはいえ、紙の教科書やノートがある限りそれは補助道具であり、従来型のアナログ的な授業の踏襲が可能です。しかし、デジタル教科書が導入されれば、補助的にしか使う必要のなかった端末自体を主役にしなければ、授業自体が成立しないことになります。先生方の戸惑いは、1人1台端末導入以上なのかもしれません。現在、本市においては、ICT版金沢型学習スタイルを模索し、推進していますが、デジタル教科書の導入は、その根本をもう一度考え直さなければならない大きな変化と考えますが、本市内の小中学校の実証実験の結果や分析などを踏まえ、デジタル教科書導入に対する教育長の見解をまずはお聞かせ願います。 また、2024年度から英語教科においてデジタル教科書が導入されることとなると、本市が世界都市金沢を目指し、平成16年から取り組んできた小中一貫英語教育にも少なからず影響が出てくると考えますが、担当教員と英語インストラクターなどとのTT授業や現在行っている独自の教材開発などは、今後どうされるおつもりなのかお聞かせ願います。 さらに、英語教育については、読んだり聞いたりする能力もさることながら、話す能力の向上が必要であることは我々の時代からも言われ続けていることであります。先々月の10月に、宮村英語奨励賞の授賞式に参加させていただきましたが、受賞された生徒の話す力は当然のごとくすばらしく、驚くばかりでした。私は、来賓紹介でコングラチュレーションと一言挨拶したのですが、受賞した生徒の中に私の息子と同じ学校の子が何人もいたようで、その子たちにおまえの父ちゃん発音変だったよと言われたとのことです。この年になって英語の発音の勉強をちゃんとしておくべきだったと改めて後悔させられました。報道などで大きく取り上げられていましたが、先月下旬に、都立高校入試の英語科目の中で、話す能力を測定するスピーキングテストが行われました。英語が世界の中心言語であり続けることを考えれば、今さらといった感は否めませんが、少子化で受験生の数も激減しており、現場レベルでも導入は可能と考えますが、本市中学校教育をつかさどる立場としての教育長のお考えをお聞かせ願います。 デジタル教科書の導入は、明治時代以来の寺子屋式のような、師匠が弟子に教え諭す教育方式を根本から変える要素を含んでいます。なぜなら、先ほどの英語のデジタル教科書でも述べたように、ネーティブの音声を即聞けるだけでなく、音声で文法などの解説も聞けるわけですから、先生の役割はおのずと変わってきます。先生が生徒に教えるという役割から、デジタル教科書では理解しにくかったり足りない部分を補ったりする、ある意味のサポーターとしての役割に変わっていくのです。現在、先生の働き方改革が叫ばれていますが、デジタル教科書の導入はその改善を進めるものでもあると考えますが、いかがお考えかお聞かせ願います。 現在、金沢型学習スタイルとして主体的な学び、対話的な学び、深い学びを学校現場は実践しているようですが、デジタル教科書の導入により、生徒側は、今まで以上に先生から教えてもらうというより、より自分自身で貪欲に学ぶ主体性が求められます。また、最近のプログラミング教育などの際にもよく見られるように、学校のカリキュラムに関係なく、どんどんと自分のペースで先取り学習する生徒も増えるのかもしれませんし、生徒間の学力格差は今まで以上になることが予想されます。私が戦後から続く日本の教育を見て疑問に思うことは、なぜ明らかに才能があり、学力の高い生徒に平均的な教育しかさせないのかということです。世界の中で経済的な地位が下がり、少子高齢化が進み、資源のない日本が今後生き残り、繁栄を続けるためには、これまでのような護送船団的な、みんなで渡れば怖くない的な教育では、世界に負けないような日本をしょって立つ人材は育ちません。欧米や中国、シンガポールなどの例を出すまでもなく、これからは才能ある子どもたちに先進的な教育を施し、真に日本を引っ張っていく人材を育てる教育が必要不可欠です。今のままの教育システムでは、世界の中での日本の地位はますます低下していくことでしょう。デジタル教育の導入には、そのような大いなる可能性があると考えますが、今後の教育の在り方について教育長の見解をお聞かせ願い、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○麦田徹副議長 村山市長。     〔村山 卓市長登壇〕 ◎村山卓市長 17番喜多浩一議員にお答えいたします。 本市では、昭和60年から現在に至るまで7次にわたって行政改革大綱を策定し、この間、数多くの改革に取り組み、健全財政を堅持しながら行政サービスの充実に努めてきたところであります。主な成果といたしましては、国の経済対策に積極的に呼応しながらも、中期財政計画を策定し、繰上償還の実施や公共事業費規模の適正化により、バブル景気崩壊から現在のコロナ禍まで財政の健全性を確保してきたほか、職員定数の削減や民間活力の導入、外郭団体の統廃合など、行政のスリム化にも努めてまいりました。また、行政評価による事務事業の見直しなどを通じて事業のスクラップ・アンド・ビルドを進め、常に時代に即した行政サービスを提供してきたと考えております。 職員数については、国の集中改革プランに呼応し、平成17年度からの5年間で約1割削減してきたところであり、中核市の中でも人口当たりの職員数は最も少ないです。その後は、業務の見直しや効率化による減員に併せ、必要な部署への増員を行うなど、適正な定員管理に努めてきたところであり、その方針は今回のプランでも継承したいと考えております。一方で、様々な行政課題に対応していくためには、職員個々の能力と意欲を高めていくことが重要であると考えており、新たなプランにはこうした人材育成の強化策についても盛り込んでいきたいと考えております。 官民連携につきましては、これまでも指定管理者制度や公共施設のLED化等に民間のノウハウや資金を活用してきたほか、現在進めているデジタル人材の育成においてもIT企業の知見をお借りしているところであります。今後、財源や人員がより一層限られてくる中、前例にとらわれない新しい発想が必要となってくることから、デジタル化をはじめ、財源の確保や施設の有効活用など、様々な分野において民間の知見や開発力を生かした取組を今回のプランに盛り込むことができればと思っております。 コロナ禍において社会経済活動は大きく変化しており、行政においてもデジタル化をはじめ、手法の転換期にあると感じております。人口減少・超高齢社会にあって様々な行政課題に的確に対応していくためには、これまでの発想にとらわれない仕組みづくりが重要と考え、今回、これまでの行政改革大綱を行政経営プランとして再構築することとしたものであります。限られた財源、マンパワーを最大限活用するとともに、地域の方々はもちろんのこと、若者や民間企業、高等教育機関との連携をより一層進めていくことで、時代に即した質の高い行政サービスを提供していきたいと考えております。 森林環境譲与税を活用した持続可能な森林経営は、温室効果ガスの排出削減やSDGsを推進する観点から積極的に取り組むべき課題と考えており、これまで森林を適正に管理するための基礎となる山林の位置や所有者が分かる地図情報システムの整備を進めてまいりました。市内の森林が将来にわたり良好に管理されるよう、所有者に対して今後の森林管理の意向について順次聞き取りも行ってきているところであります。他方、森林保全に対する市民の理解を深めるため、森に親しむ各種のイベントを開催するほか、林業大学校の充実などによる人材育成にも努めてきております。また、公共施設での内装材に木材利用を進めてきており、木の文化都市金沢の継承と創出にも一定の効果があると認識しております。森林環境譲与税につきましては、全額をこれらの事業に充当しております。 その配分ということで御質問いただきました。森林の適正な管理を確保するためには、所有者自らが山林を管理することが難しい場合に、他の林業経営体や市が管理できるよう、森林経営管理制度が設立されました。本市が行った山林所有者に対する意向調査におきましては、大半の方がこの制度の活用を希望している状況であります。これに加え、自然災害防止などの観点から市が森林を管理せざるを得ない場合もあり、森林環境譲与税はその財源となり得るものであります。本市においても今後多くの需要が見込まれることから、十分な財源の確保が必要になると考えております。 新たな施策につきましては、森林の地図情報システムの整備に続き、市や林業経営体が効率的に森林管理を行えるよう、資源量や樹種などの詳細な森林情報を整備したいと考えております。また、市営造林については、森林資源の有効活用と金沢産材の利用を促進するため、主伐に向けて具体的な準備を進めていきたいと考えております。森林環境譲与税の活用検討会から、森林や林業に関する多様な人材が情報交換や協働して活動を行えるような場の必要性が提言されておりますことから、その具現化策につきましても明年度の予算編成の中で検討してまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○麦田徹副議長 山森農林水産局長。 ◎山森健直農林水産局長 森林環境譲与税の新たな配分方法の導入の本市に与える影響についてお尋ねがございました。国は、森林環境譲与税の配分額の増額に併せまして、配分方法を見直す方向で検討に入ったと聞いております。先般行われました国の担当者との意見交換の場におきまして、本市では、これまで森林環境譲与税を積極的に活用しており、今後より多くの財源が必要になるということを伝えたところでございます。国の動向を注視しながら、引き続き、財源の確保に努めてまいります。 また、森林環境税の市民に対する周知につきましては、森林環境税の目的や活用方法につきましては、これまで国や県における広報のほか、本市のホームページ等での周知やシンポジウムの開催、また、子どもたちを対象とした森育などのイベントなどを通じまして、その周知に努めてきております。金沢林業大学校におきましては、即戦力となる人材の育成のためのコースを新設したり、林業に興味のある方を対象に新しい林業の形としての自伐型林業実践講座を開催するなど、森林組合等と協働しまして森林環境譲与税を活用した新たな事業も行ってございます。明年度につきましては、森林環境譲与税と森林環境税の活用方法などにつきまして、町会での班回覧を行うこととしており、さらなる周知に努めてまいります。 ○麦田徹副議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 デジタル教科書の導入などにつきまして、何点かお尋ねがございました。初めに、デジタル教科書の導入に対する私の考えについてお答えさせていただきます。令和3年度には、小学校20校、中学校12校に、1教科もしくは2教科のデジタル教科書が提供されましたが、その活用につきましては、その様子を見ておりますと、一層効果的で実践的な研究を進めていく必要があると考えております。学校訪問では、デジタル教科書を使用した授業を参観することが増えてまいりましたが、例えば、英語では読み上げ機能を活用し、英文や単語を自分に合った速度で繰り返し聞くことができるなど、デジタル教科書ならではのよさがあると実感しています。現在、国において策定が進められております次期教育振興基本計画には、デジタルとリアルの最適な組合せという観点が示されておりまして、今後の学習では、ICT機器を駆使し、デジタル教科書等のコンテンツなどを有効に活用しながら学ぶデジタルのよさと、先生や他の生徒と直接関わって学ぶリアルのよさなどを適切に組み合わせていくことが大変重要であると考えております。 次に、現在行っております担当教員と英語インストラクター等とのTT授業や、独自の教材開発などの今後について御質問がございました。本市における英語のTT授業につきましては、児童・生徒が担当教員と英語インストラクター等とのやり取りを間近で見たり、自分自身が実際にやり取りしたりするなどして、相手の動作や表情等を手がかりにしたリアルな体験を通じてコミュニケーション力を身につけていくことを目指しております。今後もこうしたことを大切にしていきたいと考えておりますが、「Sounds Good KANAZAWA!」や「This is KANAZAWA」など、独自に開発した教材等を含めた本市の英語教育全体につきましては、デジタルとリアルの最適な組合せを念頭に置きながら、いろいろなこれまでも大きな変革がありましたので、現行の金沢型学校教育モデル、そろそろ改定していかなくちゃいけないと思っておりますので、次期金沢型学校教育モデルの策定を進める中で検討していきたいと考えております。 英語スピーキングテストについてもお尋ねがございました。仰せのとおり、整備した1人1台学習用端末を活用することによって、授業で話す力を評価することが可能となりましたことから、本年9月に、石川県教育委員会から提供されました学習用端末を活用した英語の「話すこと」の教材について、全ての中学校で試行したところでございます。その際、一度に多くの生徒が話すことになって、コンピューター自身が正確に生徒の話す声を捉えることが難しいなど、実施方法に課題が見られました。まずは来年4月に実施予定の全国学力学習状況調査に英語の「話すこと」の調査も実施される見込みでありますことから、円滑に調査が実施できるように準備を進めていきたいと考えております。 また、デジタル教科書の導入は、教員の働き方改革を進めるものであるがいかがかとの御質問もございました。デジタル教科書の導入によりまして、これまで黒板に拡大印刷して提示していた資料などは、大型テレビにすぐ映し出して提示することができたり、ワークシートなどの教材もデジタル教科書から簡単に準備ができたりするなど、教員の授業準備や進行が大幅に効率化されることから、教員の働き方改革を進めるための一助になると考えております。 最後になりますが、デジタル教科書導入による今後の教育の在り方についてお尋ねがございました。次期教育振興基本計画におきましては、これからの時代を、望む未来を私たち自身で示し、つくり上げていくことが求められる時代として、誰もがいつでもどこからでも誰とでも自分らしく学ぶことができ、誰一人取り残されず、一人一人の可能性が最大限に引き出され、一人一人の多様な幸せであるとともに社会全体の幸せでもあるウェルビーイングの実現について言及がされております。今後は、児童・生徒の背景や、特性・意欲の多様性に対応した教育がより一層求められているところでありまして、デジタル教科書はその実現に寄与するものと考えております。本市におきましても、ウェルビーイングの実現に向け、デジタルとリアルの最適な組合せによる令和の時代にふさわしい次期金沢型学校教育モデルについて、検討を進めていきたいと考えております。 以上でございます。 ○麦田徹副議長 換気のため、しばらくお待ちください。 28番玉野道議員。     〔28番玉野 道議員登壇〕(拍手) ◆玉野道議員 質問の1点目は、こども基本法の成立とこども家庭庁の発足に関してです。 厚生労働省が発表した2021年の人口動態統計で、合計特殊出生率が1.30と6年連続で低下、出生数が過去最少の約81万人に落ち込み、結婚件数も急減し、若い世代の結婚や出産への意欲が大きく低下しているとしています。若い世代が将来に明るい希望を持ち、人生設計に関する自分の希望をかなえられるように、あらゆる手を打たなければなりません。一方、物価高にもかかわらず、2022年度の公的年金額は0.4%減額となっており、制度を支える現役世代の賃金も増えず、生活は苦しくなるばかりです。社会全体を持続可能なものに変えるには、将来世代を増やす少子化対策が深刻な問題であることを強く意識しなければなりませんが、何十年と対策が打たれてきた少子化が改善される気配がないことは、長年の政策の不十分さと不適切さの反映でもあり、少子化対策の成果が出ているとは言い難い現状の不備を検証し、改善策や財源確保などの課題についても論議を深める必要があります。国の総合経済対策は、全ての妊婦、子ども、子育て世代に対する支援を充実させると明記し、妊娠時から出産、子育てまで一貫した伴走型相談支援の充実を図るとし、実施主体として子育て世代包括支援センターが想定されています。そこで、市長は、金沢にしかできない子育て政策を考えると述べておられますが、本市の少子化対策関連数値の推移の分析、金沢型子育て支援の検証、課題と充実策、国の総合経済対策における本市の取組についてお尋ねいたします。 子ども政策の基本理念が明記されたこども基本法が令和4年6月に成立し、令和5年4月1日に公布されます。様々な子ども政策を強化・加速し、実効性を高める基盤となる法律で、少子化対策、貧困対策など別々の規定をこども大綱として一つにまとめ、具体的な目標と達成時期を定め、必要な財源措置を講ずる努力義務も盛り込まれました。このこども基本法に盛り込まれた具体策の推進を担い、子ども政策の司令塔となるこども家庭庁は、来年4月に発足しますが、少子化対策、子どもの貧困、虐待、いじめ、独り親支援や保育サポートなど、子どもとその保護者を取り巻く問題の政府内にまたがる担当部局の統合と調整機能を集約し、子ども関連の施策を一元的に担い、縦割り行政の弊害を打破し、子ども政策の幅広い問題を主導するとしています。一方、不登校の児童・生徒が前年度から25%増の過去最多となる中、文部科学省の問題行動・不登校調査は、学びの多様化と実態を反映していないとの教育現場の声もあると言われています。そこで、こども基本法の成立とこども家庭庁の発足に伴う行政の縦割りを排した強力な体制づくり並びに自殺や虐待、いじめ、貧困、不登校など、子ども政策に関する問題の深刻化、多様化に対する本市の具体の対策についてお尋ねいたします。 少子化を国難と位置づけた国は、待機児童ゼロと保育料の無償化を保育政策の目玉政策に掲げていましたが、地域ごとの課題の違いや今の制度では対応できない課題の解決のため、サービスを必要とする人が柔軟に使える仕組みづくりに取り組んでいます。また、女性の就業率が上昇傾向にあることを踏まえ、丁寧な要望把握に努め、多様なニーズに対応できる制度設計など保育の質の向上に軸足を移し、隠れ待機児童の解消や将来人口を見据えた保育所の在り方、保育現場の負担軽減を図るための配置基準見直し、待遇改善などに早急に取り組むことが必要です。政府は、令和5年度予算の概算要求に、幼稚園にも保育園にも通っていない子どもを定期的に預かる未就園児事業や医療的ケア児支援法の施行に伴う医療的ケア児の受入れ、児童発達支援事業所の併設など、様々な事情を抱える子どもたちを受け入れる多機能化により、付加価値を高めた保育の質の向上や施設整備の多機能化への検討が各地で動き出しています。そこで、こうした動向も踏まえ、本市の保護者ニーズを踏まえた施設整備と保育の質の向上、多機能化を念頭とした定員拡充、子育て夢プランの内容見直し、みなし保育士や保育士の配置基準見直しと待遇改善についてのお考えをお尋ねいたします。 妊婦健診から産後ケアまで切れ目のないサポート体制の充実策の一環として、政府は、来年度、子育ての経済的負担の軽減を狙いとする出産育児一時金の大幅増の方針を示し、切れ目のない伴走型支援やクーポン配布の負担軽減策など、新たな事業を柱に位置づけています。厚生労働省によると、公的病院での出産費用の全国平均額は、正常分娩で約45.5万円と出産育児一時金の42万円を上回っており、しかも出産は自由診療のため、診療価格は医療機関が自由に決められることから年々上昇傾向にあり、重い経済負担となっていることで出産費用に対する切実な声が強くなっています。妊婦健診についても14回程度行うとの基準が示されていますが、自治体の助成額はまちまちで、しかも医療機関による差もあることから、自己負担が生じるケースが多いと言われています。そこで、妊娠・出産費用の自己負担の軽減、出産育児一時金の増額、直接支払制度の導入など、自治体の判断に委ねられた支援策もありますが、本市における社会で支えるという雰囲気づくりと、誰でも安心して産める社会づくりに対する具体の取組についてお尋ねいたします。 新型コロナウイルス禍で出産や育児をめぐる環境の厳しさが増す中、国は、児童福祉法に基づく特定妊婦への支援や、周囲の手助けを受けられず孤立した中での「孤育て」と呼ばれる課題の洗い出し、改正母子保健法で法制化された産後ケア環境の改善、支援の充実に向けた指針の策定のため、全自治体を対象に2022年度中に実態調査を行い、産後ケア環境整備指針の策定や困難妊婦の支援を本格化させるとしています。産後ケアは、宿泊型、デイサービス型、アウトリーチ型があり、自治体での違いや利用料も異なっており、また、母子を孤立させないため、予防的な視点での体制整備が肝要との指摘があります。そこで、本市での特定妊婦・困窮妊婦の支援、産後ケアの充実と指針の策定についてお尋ねいたします。 県内の児童相談所が2021年に対応した児童虐待の件数は6年連続で過去最多を更新、身体的虐待、養育放棄、性的虐待、心理的虐待の4類型のうち、県内では心理的虐待が最多となっています。政府は児童虐待の集計を開始して以降、31年連続で最多を更新、命に関わる深刻な事件が後を絶たないことから、こども家庭庁の設置を見据え、児童相談所の体制を量と質の両面から強化する新たな総合対策を決定しています。この6月に改正児童福祉法が成立し、親子のための支援メニューが増え、児童相談所や自治体の体制強化を計画的に進めるため、国は年内に児童虐待防止対策総合強化プランの策定をするとしており、子育て世帯訪問事業の円滑実施や児童養護施設や里親家庭で育った赤子の自立支援に関しての規定の見直し、ケアリーバーへのサポート支援を強化しています。そこで、改正児童福祉法の下、本市の児童虐待に関する新総合対策、児童相談所の量と質の取組、ICTやAIを活用した体制整備、ケアリーバーへのサポート支援の強化についてお尋ねいたします。 大人に代わり日常的な家事や家族の世話をするヤングケアラーの早期発見が社会的課題となる中、支援対策強化に向け、窓口が異なる行政支援の全体に目配りし、生活改善までフォローを続けるため、厚生労働省は、学校などで把握されたケアラー情報を各自治体の一部門に集約する新たな枠組み等の策定のための手引書作成を目指しています。ヤングケアラーに関して石川県の実態調査結果や本市の意識調査が公表されていますが、社会全体でヤングケアラーを生み出す背景に目を向け、子どもが相談しやすいような環境づくりや本人や家族が必要とする支援もワンストップでつなげる仕組みが必要となっています。様々な理由で支援を必要とする子どもを地域ぐるみで見守る要保護児童対策地域協議会が組織されていますが、ヤングケアラーの対応部門は行政機関の縦割りでそれぞれの担当者任せになっている側面があるとの指摘や、連携不足の解消が課題との指摘もあります。そこで、馳県知事は条例を改定し、ヤングケアラーの本格支援を明記する考えを示していますが、本市のヤングケアラーの体制の整備と課題と対策に向けたマニュアル作成についてお尋ねいたします。 質問の2点目は、世界に誇る文化都市金沢に関してです。 文化芸術基本法の策定、障害者文化芸術活動推進法の施行、文化財保護法の改定、博物館法の改正、文化観光推進法の施行、盆踊りや念仏踊りの風流踊がユネスコの無形文化遺産登録決定など、国の文化芸術関連法の動向や伝統行事の継承機運が高まる中、本市のまちづくり戦略において文化政策が重要と考えます。しかし、コロナ禍における文化芸術活動は、非常事態宣言やその解除後の収容人数や収容率などの観客制限の自粛緩和が段階的であったことなど、多くの文化芸術関係者が様々な被害や影響を受け、今もなお、収入減や活動再開への不安など、関係者の苦境や活動基盤の脆弱さ、行政の現状把握の不十分さが露呈しており、文化政策をより根底から見直す必要があると言われています。他方、芸術文化分野におけるデジタル化、オンライン化を推し進める契機となり、文化領域における新たな文化産業の創造やデジタル技術活用の可能性を促進させたとも言われています。そこで、本市のコロナ禍における文化政策の検証と課題、アフターコロナの文化政策はどのようなものになっていくべきとお考えなのか、文化政策における新たな産業の創造と併せてお尋ねいたします。 本市の伝統的な文化の魅力の底上げと新たな文化の創造について検討する世界に誇る文化都市金沢推進本部が設置され、来年度予算に反映する論議が重ねられていることと思います。文化芸術基本法が施行され20年余、この間、国の文化芸術政策の基本的な方向性を示した文化芸術推進基本計画が策定され、文化芸術に関わる人からの期待が上がる一方、法の理念は立派だが、文化芸術の重要性を社会に根づかせる力や振興への実効性はやや乏しかったとの指摘もあります。また、公立の博物館や美術・図書館や文化会館などの管理が指定管理者に移行され、文化芸術の事業もまた管理者側に丸投げされている状況も生じているとの指摘もあります。その要因として、地方自治体の文化政策における担当職員の短い周期での異動や文化政策の目標の曖昧さ、指定管理者制度の導入に伴う文化政策の中核的役割を担う文化振興財団等の位置づけと役割の変化、本来文化振興財団が行うべき文化施策や事業と指定管理業務との関連性を十分に検討を要する事案が生じているとも言われています。財団アンケートでも、従前から幾度となく指摘されている様々な問題点や課題を抱えたままでは、財団としての存続に危機感を感じているとする財団の割合は9割を超え、広域文化行政の取組に関しても希薄化しているとの調査結果がまとめられています。そこで、市長は、金沢芸術創造財団と金沢文化振興財団の在り方や文化政策において、従来から指摘されている様々な問題点と課題をどのように捉え、改善に取り組まれるのかお尋ねいたします。 文化芸術基本法に基づき、本市では、世界の交流拠点都市金沢を上位計画に、金沢市文化芸術アクションプランが令和3年度から令和12年度までの10年間とする長期計画として策定されていますが、コロナ禍は社会全体の活動自粛や文化芸術活動に影響を与え続けており、ウィズコロナ社会での文化芸術の在り方の検証と評価、今後の取り組むべき課題の明確化も必要となっています。そこで、金沢市文化芸術アクションプランの取組の検証と評価、今後の取組課題、世界に誇る文化都市金沢の実現と金沢文化芸術アクションプランとの整合性、来年度に本格化を目指すとしたアーツカウンシル金沢の取組について、併せてお尋ねいたします。 また、国の観光立国推進基本計画に基づき、金沢市持続可能な観光振興推進計画2021が令和3年度から令和7年度までの5年間を計画期間として策定されていますが、国の計画期間が終了しているものの、コロナ禍の影響を抜きに中期的な目標や施策を語れないとして改定が先送りされています。そこで、本市計画においては、進捗状況を踏まえながら毎年の検証を行い、効果的な施策の実施を行うとしておりますが、検証の結果と効果的な施策の実施についてお尋ねいたします。 文化観光推進法は、文化の振興を観光の振興と地域活性化につなげ、これによる経済効果を文化の振興に再投資される好循環を創出し、観光振興と文化財保護との対立概念でなく、観光と文化の親和性を高めるため、関連分野における施策と有機的な連携を図るとしています。本市では、兼六園周辺を中心とした半径約1キロメートルの文化施設や歴史的建造物が集積する文化ゾーンで実施する石川県が申請した兼六園周辺文化の森地域計画が国から認定を受けています。地域計画における認定事業の実施には、国の補助金や法律上の特例措置などがあり、拠点施設を生かした長期の滞在型観光やリピーターの拡大につなげる文化観光のモニターツアーが実施され、文化施設の魅力発信と施設の利用促進を図るため、所蔵する美術品をインターネット上で公開するデジタルミュージアムの構築に向けた検討調査の着手やアーカイブ化の取組を進めるとしています。一方、文化庁は、自治体で予算を管理する財務部局は文化財の強みが分からず、文化部局は資金調達のノウハウを十分に持っていないと指摘しており、民間や企業から資金を集めて事業を進めるクラウドファンディングのモデル事業をはじめ、自治体向けのガイドブックを作成するとしています。そこで、県は、2024年春の北陸新幹線石川県内全線開業を見据え、文化観光の推進を柱に据えていますが、本市の文化観光推進法の理念に基づく施策の取組とクラウドファンディングに対するお考えをお尋ねいたします。 前市政での玉虫色で方向性も定まらない文化政策関連事案がある中、市長や馳石川県知事と金沢経済同友会での意見交換会で、金沢歌劇座の建て替えや日銀金沢支店の跡地に関して新たな方向性と意向が示されたように思われる中、市長は茶室一種庵の復元にも言及されていますが、国立工芸館の独立、金沢市職員会館に隣接する県社会福祉会館、空き家となっている知事公舎、旧横山邸、旧副知事公舎の一体的エリア、金沢広坂合同庁舎、茶道会館の整備等々に関して馳県知事の踏み込んだ発言がある一方で、市長の意向がなかなか伝わってはきません。市長も知事との意思疎通を図り、県・市の連携の下、明確なお考えを明らかにし、具体の論議を進展させなければなりません。市長は、日銀跡地など課題とされる都心軸の今後のあるべき姿の検討調査やまちづくりに関する連携協定を独立行政法人都市再生機構と締結しておりますが、一方で、金沢市の動きが鈍いとの報道もあります。そこで、世界に誇る文化都市金沢の施策と少なからず関連すると思われる前述した一連の各事案への取組と、馳石川県知事との意思疎通と連携並びに機構と連携協定の詳細についてお尋ねし、私の質問を終わります。(拍手) ○麦田徹副議長 村山市長。     〔村山 卓市長登壇〕 ◎村山卓市長 28番玉野道議員にお答えいたします。 初めに、子ども施策についてでございますが、国の人口動態統計によると、新型コロナウイルス下で結婚や妊娠を控える傾向にあったことも影響し、昨年の出生数は過去最少で、合計特殊出生率も減少しており、本市においても同様の状況にあるものと認識しております。少子化対策は、国・地方を通じた喫緊の課題であり、本市では、これまでも未来を担う子どもを健やかに育むため、待機児童のない保育環境づくりを進めるとともに、医療機関での病児一時保育の充実や4市2町で金沢広域急病センターを共同運営するなど、安心して子育てできる環境の充実に努めてきたところであります。さらに、本市の強みである文化を子ども施策に生かすことで、児童の豊かな感性と情操を育むとともに、地域経済の活性化による雇用の確保とワーク・ライフ・バランスの推進に全力で取り組み、子育てをしたいと思えるまち金沢を目指していきたいと考えております。 今回、国において妊産婦への経済的支援と伴走型相談支援を一体として実施する事業が創設されたことを受け、今議会に妊娠時と出産時にそれぞれ5万円を支給する予算案を上程しております。経済的支援に当たっては、妊娠中も含めて妊産婦との面談の機会を設けることが求められていることから、これまでの妊娠届の提出時や産後の赤ちゃん訪問時に加えて保健師等が妊産婦に面談する機会を増やすなど、より一層の支援の充実を図ることとしております。 国では来年4月にこども家庭庁が発足いたしますが、本市においてはそれよりも4年前の令和元年度にこども未来部を新設、2年後の令和3年度にはこども未来局に格上げし、子ども施策を総合的かつ重点的に推進する体制を整えてきたほか、教育プラザにおいて、学校や医療機関、警察、地域団体など関係機関との連携を密にしながら、児童虐待、不登校等に対し、きめ細やかで専門的な相談支援を行っております。加えて、子ども食堂や地域の学習拠点への支援などを通じ、経済的に困難な家庭や独り親家庭などに対する地域から切れ目なくつながる重層的な支援体制の構築を目指す取組も積極的に進めているところであります。これら子どもや子育て家庭への支援を行うには、妊娠、出産、育児などのライフステージにおける対応が重要であることから、こども未来局や福祉健康局、教育委員会等の関連部局のさらなる連携強化も図ってまいりたいと考えています。 保育士の配置に関しましては、本市では、保育需要に合わせた施設整備などに補助しているほか、保育士の業務負担軽減に向けたICT化への支援など、保育の質の向上を図っております。また、市独自で国基準を上回る保育士の配置を行うとともに、国の方針を踏まえた保育士等の処遇改善にも努めているところであります。また、保育施設の多機能化については、未就園児を対象とした育児相談の充実に取り組んでいるほか、医療的ケア児の受入れに向けた検討も行っております。明年度から次期子育て夢プランの策定作業に取りかかることとしており、子どもの視点に立った健やかな成長の促進や保育の質の向上などに関する施策のさらなる充実に向け、取組を進めていきたいと考えております。 出産及び子育て環境につきましては、本市では、14回の妊婦健診に加えて、出産予定日以降や産後1か月後の健診費用についても助成するなど、妊娠と出産に係る負担の軽減に努めてきております。また、出産育児一時金について国は来年4月から増額する方針を示しており、本市の国民健康保険加入者の支給額についても、健康保険法施行令等の改正を受け、増額することとなります。財源の一部については、子育てを社会全体で支援する観点から、後期高齢者医療制度からの拠出により、高齢者世代も負担する案が出ております。誰もが安心して出産できる社会をつくっていくためには、社会全体で支える雰囲気づくりは大切であると考えており、今後の国の議論を注視するとともに、引き続き、本市として安心して出産、子育てできる環境の整備に努めてまいりたいと考えております。 また、本市では、若年や未婚、生活が困窮している妊婦一人一人に担当の保健師を決め、本人との継続的な関わりを持ち、気軽に相談できる関係の構築に努めるとともに、医療機関や福祉の関係者とも連携し、必要な支援を実施しております。     〔副議長退席、議長着席〕 また、産後ケアについては、今年度助産院で行っているデイサービス型について、対象を産後6か月未満の母子から産後1歳未満に拡大したほか、育児指導や乳房ケアなどのサービスを助産師から受けられるかかりつけ助産師推進事業を開始したところであります。国は、今年度中に産後ケアの実施に関する自治体向けの指針を策定することとしており、本市としても、新たな指針に基づいて、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援の提供体制を構築していきたいと考えております。 児童虐待に関しましては、本市の児童相談所においては、今年度人口3万人に1人児童福祉司を配置するという国の基準を達成するとともに、国や県が実施する専門研修の受講や実際に対応した事例の検証などを通じ、相談能力の向上に努めております。また、AI技術などを積極的に活用することで、増加傾向にある児童相談に対して迅速かつ的確に対応できる体制整備にも努めております。児童養護施設などを退所したケアリーバーについては、社会的孤立や貧困の連鎖などの課題とも大きく関わってくることから、入所中からのサポートが大事であると認識しております。そのため、それぞれの施設に担当職員を配置し、児童の自立生活への不安などに関して、退所前から退所後に至るまで定期的な相談支援を行っております。引き続き、児童の気持ちを大切にしながら施設等と連携し、丁寧に対応してまいりたいと考えております。 本市におけるヤングケアラーの対応窓口は、こども相談センターが担っており、必要に応じて介護保険や障害福祉等関係課はもとより、金沢こども見守りネットワークを構成する学校や警察、地域団体とも連携しながら支援を行っているところであります。本年8月に、介護が必要な家庭や子どもの見守りを支援している民生委員児童委員や介護支援事業所を対象に実施した意識調査では、ヤングケアラーを正しく理解することや、そうした子どもの把握と支援策の構築などの課題が示されました。調査結果を踏まえ、家族の世話をする子どもの思いや悩みを受け止め、それぞれの立場に寄り添いながら子どもたちに必要な支援が届くよう、ヤングケアラー支援に関する検討会での意見をいただきながら、マニュアル作成を含めた対応策について検討してまいりたいと考えております。 世界に誇る文化都市金沢に関しまして、このコロナ禍、全国的には芸術家、文化に関わる方々の生活は苦しかったというように思ってございます。これまでの文化芸術活動は、人前での演奏や美術作品を直接鑑賞することが通常でありましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大を機に、インターネットでの動画を含めた配信やオンライン会議システムを組み合わせたハイブリッド公演など、デジタル技術を活用した取組が現れ、今後さらにこのような取組は加速していくものと考えております。今後も文化芸術活動のデジタル化や美術作品のアーカイブ化などデジタル技術の活用が進むほか、文化芸術資源を生かした付加価値の高い商品開発や新たなサービスの提供など、革新的なイノベーションの創出が期待できると思っております。 金沢芸術創造財団は、芸術文化の創造に関する事業の実施を通じ、芸術文化の醸成を図ること、また、金沢文化振興財団は、文化施設の管理運営を通じ、伝統文化の継承と振興を図ることをそれぞれ目的としており、今後も文化都市としての発展に寄与する必要な組織であります。一方で、施設のほとんどが開館後20年以上が経過し、建物や設備の老朽化が顕著なほか、学芸員の適切な配置などの課題もあると認識しております。施設の老朽化への対応については、建物調査の実施や計画的な対応策の検討が必要だと思っております。また、学芸員など人員の配置等についても、世代間における知識や技術の継承とデジタル化を見据えた人材確保が必要であると認識しております。いずれも中期的な課題と捉えており、必要な検討を進めてまいりたいと考えております。 文化芸術アクションプランは、本市の文化芸術の持つ多様な価値を生かした実践的な取組を推進していく指針として策定したものでありますが、その際の課題として、文化芸術活動に関する相談体制の構築が挙げられておりました。そのため、本年7月、本市における多彩な文化芸術活動の取組を支援し、誰もが文化芸術に親しめる環境を醸成するため、金沢芸術創造財団内にアーツカウンシル金沢を開設し、ワンストップでの相談体制を整備したほか、ランチタイムコンサートなどを開催しております。明年度以降、相談体制の強化や芸術家の派遣など、機能の充実を図ってまいりたいと考えております。世界に誇る文化都市金沢の実現に向けましては、庁内に推進本部を立ち上げ、全庁一丸となって施策の形成に取り組んでいるところであり、これを踏まえて、現行の文化芸術アクションプランについても、時代の変化に対応した必要な見直しを検討してまいりたいと考えております。 金沢市持続可能な観光振興推進計画2021につきまして、計画策定時の数値目標は、新型コロナウイルス感染症の拡大により本市への来訪者が大幅に落ち込んだということから、暫定値としております。今後、収束状況や宿泊者数の推移などをモニタリングすることで、目標値の見直しをする予定としております。コロナ禍にあっても本市独自の宿泊キャンペーンの実施や修学旅行の誘致など、国内誘客に努めたほか、アフターコロナを見据え、宿泊施設の改修補助など、受入れ環境の充実を図ってまいりました。ここに来て、全国旅行支援や訪日観光の再開により本市への旅行需要も高まっており、さらに、閑散期の旅行需要の喚起策として、来月から本市独自の冬期の宿泊キャンペーンを開始することとしております。加えて、来年秋のいしかわ百万石文化祭や令和6年春の北陸新幹線延伸などを好機と捉え、国の内外へのプロモーションを強化することとしておりまして、さらなる誘客促進に努めていきたいと考えております。 本市においては、質の高い金沢の文化に触れる観光、いわゆる文化観光を実践することが、文化都市金沢のステータスを高め、長期の滞在型観光やリピーター拡大につなげられるものと考えておりまして、文化施設の活用や学芸員との連携などにより、文化観光ツアーの造成に取り組んでいるところであります。また、クラウドファンディングにつきましては、現在、市民サッカー場整備事業において、観戦環境充実のための整備などに充てるため、ふるさと納税制度による本市初のクラウドファンディングを実施しており、目標を上回る寄附が寄せられております。クラウドファンディングは、スポーツのほか、文化芸術や観光施策の実施にも有効な手段の一つになると考えており、その活用について検討してまいりたいと考えております。 本市の都心における土地利用に関しましては、県・市双方にとって重要な事案であることから、知事とは様々な機会を捉えて情報共有しながら対応していかなければならないと考えております。金沢歌劇座の建て替え用地の結論につきましては、本年度末までに一定の方向性を出したいと考えており、その上で、日本銀行金沢支店の跡地については、県に参画を要請した上で、明年度にも活用の方向性を検討する組織を立ち上げたいと考えております。県社会福祉会館、その他県用地の建物が多く御指摘いただきました。一義的にはそれらについては県の判断となりますが、本多町歴史文化ゾーンを形成する大切なエリアにあり、本市施設との一体的な利活用を含め、県と情報共有を図るとともに、その動向を見据えながら茶室一種庵の復元を検討してまいりたいと考えております。そのほか、知事公舎周辺、広坂合同庁舎なども市民の関心が高い事項であり、県との情報共有に努めたいと考えております。 独立行政法人都市再生機構--URとは、中心市街地におけるまちづくりや都心軸の活性化などについて相互に連携協力して取り組むことを目的に、本年7月に連携協定を締結したところであります。協定を締結することで、都市再生機構が有する知見やノウハウなど、全国的な視点と高度な専門性を取り込むことが可能となるとともに、様々な機会に意見や助言をいただけることから、具体的なまちづくり手法の検討ができるものと期待しているところでございます。今年度実施している都心軸活性化検討調査では、経済社会情勢の変化等を踏まえつつ、都心軸における利用形態の分析等を行っているほか、日本銀行金沢支店の跡地についても、全国の先進事例を踏まえ、助言を得ながら調査を進めているところでございます。 私からは以上でございます。 ○高岩勝人議長 換気のため、しばらくお待ちください。 18番前誠一議員。     〔18番前 誠一議員登壇〕(拍手) ◆前誠一議員 今議会の最後の質問者のトリを自由民主党金沢市議員会の一員として務めさせていただきます。 まず初めに、村山市長にお尋ねいたします。市長は、3月に当選してはや9か月経過いたしました。この間、6月定例月議会と9月定例月議会の2回を経験され、日々の活動もかなり精力的に頑張っていると思います。とりわけ8月から始められた市長自らが出向いて親和力を前面に出した出前講座のまちづくりミーティングと金沢の未来を語る会を実施され、大変御苦労さまでございました。そこで、市民と直接対話し、そこで受けた市長の思いをお聞かせください。 まちづくりミーティングは、市内9ブロックに分け、連合町会長や各町会長を対象とし、また、金沢の未来を語る会は、市内4ブロックで公民館長や婦人会を対象とした講座でした。私もおのおのの会場で傍聴させていただきました。そのときには、その地区ならではの深刻な問題や、また金沢マラソンでの応援体制や沿道の店の営業問題等、かなり辛辣な問題も出されました。そこで、市長は、今から来年度予算に係る大事な時期を迎えています。これらの会場での市長が表明した市政への思いや、また、村山カラーの親和力をどのようなポイントでいかに予算編成に取り組んでいくのか、お尋ねいたします。 また、現在、金沢経済同友会などとの意見交換会を行っていますが、今後はその裾野を広げ、例えば、農林水産業やスポーツ団体、幼稚園、保育園など、多岐にわたっての意見交換もすればよいと思いますが、どうでしょうか。また、市長は、各会場で「私は新参者です」ということをよく言っていますが、今後はやめたほうがよいと思います。自信を持っていただきたいと思います。市民は、私たちが選んだ市長であって、とても温かい気持ちで接しております。 次に、危機管理、避難所についてお尋ねいたします。 近年、全国的にゲリラ豪雨、地震、台風などによる大規模な災害が多発しており、避難所の重要性が再認識されております。我が金沢市でも、平成30年9月の台風21号のとき、初めて市内全域に避難勧告が発令され、各校下を中心に68か所で拠点避難所が開設されました。その後、大雨警報などで4回拠点避難所が開設されました。とりわけ今年は8月、9月に大雨警報や土砂災害警戒情報による避難指示、自主避難が合わせて3回も出されました。その中でも、8月4日の大雨による土砂災害、水害、氾濫は記憶に新しいものです。そんな中、私も防災士の一人でありますので、避難所が開設されるたびに地元の避難所を巡回して現場の様子を確認しております。そのときに感じたのが、避難所機能の格差です。例えば、まず避難所の小学校まで行ったが、避難所の表示看板があるところないところで場所が分かりにくい。次に、情報をつかむためのラジオはあるが、テレビのあるところないところなどです。また、市役所の支部要員はいるが、地元の自主防災会の人が駆けつけていない地区もありました。実際、近年の避難指示が発令された3回のとき、森本地区では避難された地区はいずれも6か所のうち2か所でありました。そしてまた、人数も数人でありました。このような格差についてどのように考えているのかお尋ねいたします。 また、今まで避難指示が発令されたのは夏場でしたが、今からはより厳しい冬場に向かいます。そこで、少人数の場合は、広い体育館よりも冷暖房もあり、情報収集手段もある公民館での避難も柔軟に考えてもよいのではないでしょうか。これについてはどのように考えているのか、お尋ねいたします。 次に、その避難指示の連絡です。まず、市役所の危機管理課から各地区の自主防災会の会長へ連絡が入ります。問題は、各地区の防災会会長から各町会長への第2次連絡です。これらについては、かなり地区による温度差があるように思われます。今後、各末端の町会長に情報が伝わっているのかの確認について、これらの対策としてどのように徹底していくのかお尋ねいたします。 次に、同報防災無線についてお尋ねいたします。現在、同報防災無線は市内に199基設置されており、また、中山間地の集落には、電光情報表示システムが159台設置されております。そこで、私の町会もそうですが、現在、全く聞こえないところや聞こえにくい地区など難聴地区はどれくらいあるのか、また、それに対して今後どのように改善していくのか、また、計画についてお尋ねいたします。 次に、農業対策についてお尋ねいたします。 まず、金沢市の農業従事者は、生産組合数309組合で、農家戸数は約3,800軒です。そのうち中山間地の集落数は116生産組合で、農家戸数は約1,200軒です。また、最近の10年間で、農地面積は山間部、平野部合わせて金沢市全体で約350ヘクタールも減少しております。東京ドームの約76個分です。とりわけ中山間地では約200ヘクタール、東京ドーム約44個分も減少している次第でございます。これ以上の農地の荒廃、減少は何としてでも歯止めをかけねばなりません。この一番の要因としては、高齢化と草刈りなどの重労働、そして米価の下落です。特に昨年の米価は過去最低に近い1万円ちょっとで、過去最高値でありました約2万4,000円強の半分以下の4割強です。これでは再生産価格を維持できるはずもありません。さらに、今年に入って世界的な穀物需要の増加やエネルギー価格の上昇に加え、ロシアによるウクライナ侵略等の影響により、化学肥料の原料の国際価格が大幅に上昇し、肥料価格が急騰しております。皆さんも御存じかと思いますが、肥料の原料、特に肥料の三要素である窒素、リン酸、カリウムはほとんどが輸入に頼っております。ちなみに、金沢市の主要農産物の肥料高騰率は、米で141%、スイカで140%、大根で153%、五郎島金時で148%となっております。この肥料高騰対策については、一部条件がありますが、前年度と今年度の価格上昇分の差額に対して国が70%、県が15%、金沢市が5%を補填するとの発表がありました。しかし、他の市町では、金沢市よりも上の7%から10%を補填するそうです。金沢市も他の市町のようにもう少し上乗せしていただきたいと思います。さきに述べました米価の下落対策については、今年6月定例月議会で中西議員や大桑議員の質問で、米価下落対策はどうするのかについては、補正予算で農業共済組合で扱っている農業経営収入保険料の助成で対応すると答弁がありました。しかし、その後、新規で何人が加入したのか。米だけの生産者に限っては、たった5人だけの増加です。加入には青色申告者でなければ加入できないとの条件があります。現在、金沢の米農家は約2,800人ほどで、集落営農組合や営農グループ加入者は約680人ほどです。残りの約2,100人ほどの人から見れば、ほとんど対象外でありました。野菜や果樹などを含め、全農家への肥料価格高騰については、先ほど述べましたとおり対策を打っていただきましたが、そこで、再度お尋ねいたします。農地荒廃、農業離れのほとんどの割合を占めている米農家に対し、再生産価格を維持するためにも、米価下落対策として金沢市の対策をお尋ねいたします。ちなみに、他の市町は作付面積や出荷数を基準として補助対策を実施しております。 次に、中山間地の農地保全に一番の効果がある防草シート補助対策についてお尋ねいたします。この問題については、6月定例月議会の連合審査会でも発言させていただきました。また、12月2日の今議会の初日に、JA金沢市の組合長以下役員の方々が市長に対し、中山間地のほとんどの生産組合長の要望を取りまとめて提出されました。現在、全国的に中山間地の水田の持つ多面的機能、特に田んぼダムの貯水機能が下流地域の洪水に効果があると再認識されております。また、防草シートの効果は、中山間地農業の一番の労力軽減にもなります。これにより、農業離れや農地荒廃の防止、水害や土砂災害などの本当の意味での水田の持つ多面的機能が発揮されるのではないかと思います。中山間地農家の総意の下で出された要望書を真摯に受け止め、補助対策を行っていただきたいと願うものでございます。予算の関係上、一度に無理なら県内有数の種もみ生産地区や水田の構造改善事業を実施した地区、また、集落営農やグループ営農を行っている集落に優先的に順位をつけて行う方法もあるのではないでしょうか。なお、6月の答弁では、防草シート対策は中山間地域等直接支払制度で取り組んでほしいとのことではありましたが、この制度は集落の水路や農道などの公的な補修改善に使い、その経費は個人の出役に対し支払うことが可能なものであります。全員一致が原則で、個人ごとにばらつきがあったり、する人、しない人が出てきたときなど、公平さに欠ける場合があると、今話題になっている宝達志水町のような問題が出てくるのではないでしょうか。 次に、国土交通省が、全国の自治体を対象に、下水道の汚泥から肥料の原料となるリンを回収する新技術を考案、開発する事業の公募を来年1月から開始すると発表されました。これは民間企業と共同で行うことを要件として、これに係る設備費や運営費の全てを国が賄う事業です。これは既存の施設を利用し、安価で高い回収率を目標とする事業です。現在、この事業を行っているのは、島根県と神戸市など6施設で行われているとのことです。さきにも述べましたように、肥料の原料はほとんど輸入に頼っている現在、SDGsにあるように循環型社会を目指している今、金沢市も産学官の力を合わせ、応募すべきだと思います。また、金沢には全農いしかわのBB肥料の工場もあります。これについてのお考えをお尋ねいたします。 次に、金沢市内で唯一イノシシや熊の解体処理を行っているジビエ工房三谷の今後についてお尋ねいたします。 この工房は、2015年、平成27年に自然の命を無駄にしてはならないとの思いで、市当局やJAの補助や指導の下で始まり、はや7年が経過いたしました。これまで処理した肉は、地元の飲食店、レストランやJAの直売所で販売されてきました。この間、豚熱、通称豚コレラも流行し、捕獲数も若干減少しましたが、最近になってまた増加傾向にあります。現在も、肉は検査後陰性となった肉だけが処理されております。当時、この施設は70歳前後の人たちが中心となって組織をつくり、活動してまいりました。皆さん80歳近くになるにつれ、気力、体力の限界を感じられてきたとのことです。今後二、三年は頑張れるが、その後は後継者も見えてこない中、非常に不安を感じているそうです。そこで、当局は工房の将来についてどのように考えているのかお尋ねいたします。 あわせて、地元要望で、野菜や果樹などを狙う一番厄介なハクビシンやタヌキ、アナグマ等もおりにかかったときには処理しているわけですが、イノシシ、熊については駆除の助成金が支払われておりますが、これら小動物についても作業料的な助成が出ないか、お尋ねいたします。 次に、森本駅前及び森本地区の活性化について、数点お尋ねいたします。 森本駅東広場は、昨年3月に供用を開始して以来、駅前商店街や地元の皆さんでもりえき広場活用協議会を組織し、月1回朝市や軽トラ市、キッチンカーが集まるイベントなど、また、地元の中学校や高校の吹奏楽の演奏やアマチュアバンドの音楽イベントなども併せて開催し、にぎわいの創出のため皆さん頑張っておられます。また、今年の夏には、商店街のおかみさんの皆さんや商工会青年部で盆踊り大会を開催したところ、かつてない盛り上がりで地域の皆さんに楽しんでいただきました。こういった活動の中、森本商工会や森本駅前商店街、森本地区全員協議会などで、かつて石川製作所があった頃のにぎわいをもう一度取り戻そうという思いで盛り上がっております。それには地元だけでなく、行政の力もいただかなければならないと思います。そこで、まず、森本市民センターの移設、新築です。現在の森本市民センターは、昭和52年に改築され、現在45年経過しております。あわせて、駅西消防署森本出張所も併設されており、大変手狭で、駐車場も後ろにはありますが、前の駐車場には3台程度しか駐車できません。また、さきにも述べましたように、災害時には2階が自主避難所となっておりますが、階段も狭く、皆さんからはとても避難する場所ではないとの声も聞こえます。昔から森本地区の中心は何といっても森本駅前です。森本地区住民の総意をもって、どうか市民センターの移設、新築を森本駅前にお願いいたします。なお、場所等の提供は、地元の皆さんは全力を挙げて協力するとのことです。こんな中、10月半ばに森本の老舗マーケットである3店舗が閉店するとの報道発表があり、一時は皆さん大変心配しましたが、おかげさまで私も含め、地権者の方のお願いで、クスリのアオキさんが3店舗とも継続していただけるとのことです。買物難民も出ないで済むようになり、皆さん一安心しているところでございます。 さて、今森本地区全体を見ますと、湖南地区は水害の問題、花園地区は農業公園の問題、また、山手のほうは過疎化の問題など、課題が山積しております。特に三谷・旭日地区は少子高齢化、人口減少、そして追い打ちをかけるように公共交通、JRバスの廃止が実施されました。また、私の薬師谷地区でも駐在所の廃止、JRバスの減便、さらにまた、薬師谷保育所が森本の双葉保育所と統合され、地元からなくなろうとしております。JRバスが減便、廃止となったところでは、デマンド交通のチョイソコが試験運行されていますが、これについても地元負担や今後対象地区拡大の問題もあります。これについてどうお考えなのかお尋ねいたします。 市長、テクノパークなど工業団地は来たけれども、残ったのは交通渋滞だけです。市長、行政が公共施設を廃止し、過疎化に追い打ちをかけることはこれ以上やめていただきたい。その代わりと言ったら何ですが、今まで要望していた図書館など、公共的施設を市民センターに併設してもよいのではないでしょうか。しかし、森本地区活性化については、将来的に可能性がなくなったわけでもないことがあります。つまり、森本インターや梅田・今町インター周辺、つまり交通の要所の活用です。インター周辺は今まで多くの民間企業からの引き合いがありましたが、市街化調整区域という制限があり、全てが撤退してしまいました。全てを解除し、行政で面倒を見ろと言っているわけではありません。せめて各インターから半径500メートルの範囲で制限を解除し、今こそ民間活力の力の下で地域活性化をやろうではありませんか。これは森本地区全員の総意の意見でございます。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○高岩勝人議長 村山市長。     〔村山 卓市長登壇〕 ◎村山卓市長 18番前誠一議員にお答えいたします。 まちづくりミーティング、あるいは金沢の未来を語る会につきまして、こちらは新たな都市像の策定に向けて、8月のシンポジウムを皮切りに、これまで両方合わせて13回にわたって町会連合会の役員の皆さんや公民館、校下婦人会の皆さんと意見交換を重ねてまいりました。意見交換の場では、10年後の金沢に対する御意見はもちろん、地域コミュニティーや地区防災のほか、公共交通や地域活性化、そして各地区に関わる課題など、切実な御実情を直接お聞きしたところであります。地域の課題について再認識した次第であります。 また、この議場はもとより、まちづくりミーティングなどこれまで様々な場で伺ってきた御意見を基に、これから当初予算編成に臨んでいきたいと考えております。このまちづくりミーティングの場では、このミーティングに出るのは初めての機会ですという言い方、そして、金沢の外から見た視点も地域活性化には大事だということで、よそ者目線という言い方をさせていただきました。ただ、私も金沢に来て3年9か月、そろそろそういうことも言えない時期になってきているかなというように思いますので、前議員の御忠告も受け入れて、これからは新参者とは言わないようにしたいというように思っております。 さて、都市像の策定に当たりましては、様々な立場や考え方の意見を聞きながら進めたいという思いから、まちづくりミーティングや金沢の未来を語る会を開催したほか、引き続き、魅力づくりや暮らしづくりなどの個別テーマを設定した市民参加型のワークショップを開催することとしております。また、なるべく多く各種関係団体からの意見聴取も行いたいと考えておりまして、市民をはじめ、多様な主体からの様々な意見を新たな都市像の策定に反映させていきたいと考えております。 避難所につきまして、避難所ごとの開設時における格差の解消に向けましては、今年度、避難所を開設するための手順を明示したマニュアルや表示看板、掲示物等の備品を収納した初動対応ボックスを、全ての避難所に配置する予定としております。また、11月に実施した本市職員防災訓練では、今年度から新たに自主防災組織に参加を呼びかけ、地区支部要員との連携による避難所開設・運営訓練を実施いたしました。今後とも地域の皆様の意見をお聞きしながら、避難所運営の充実に努めてまいりたいと考えております。 また、少人数であった場合でございますが、地域の拠点となる避難所は、様々な災害に備えるため、一定の人数を収容できる施設である小学校などを指定しております。災害の状況などにより避難者が少ない場合などにつきましては、御指摘のような柔軟な対応も検討してまいりたいと思います。 自主防災組織の会長から各町会長への連絡につきましては、詳細は把握しておらず、各地区で定めた連絡体制により速やかに行われていると思っております。今後とも避難情報の伝達については、地域の皆様に御協力をいただきながら、迅速かつ確実に伝わるよう、様々な手法を駆使するほか、発信系統の複線化にも努めてまいりたいと考えております。 同報防災無線につきましては、状況に応じて拡声器の方向や角度の調整などを随時行っておりますが、19校下・地区の中山間地域で音声が届きにくい箇所があるともお聞きしております。なお、同報防災無線が聞き取れなかった場合については、電話案内サービスやテレビのデータ放送のほか、金沢ぼうさいドットコム、SNSなどで確認していただくようお願いしており、周知に努めてまいりたいと考えております。 本市の肥料高騰対策につきましては、金沢市農協と金沢中央農協の要望に応じまして、国の支援策に直ちに呼応して実施したものであります。そういったことから、その後対策を講じられた自治体はより高い率での支援という形になりました。農家の方々にとって、肥料の高騰というのはこれまでに類を見なかったことだということは承知しております。今後、春肥につきましても、肥料価格の推移を把握するとともに、国・県、あるいは他の市町の動向も注視して、適切に支援してまいりたいと考えております。 米価下落対策についてであります。再生産価格維持のための米価下落対策として、国がこれまで米市場の需給調整のために水田活用の直接支払交付金による主食米から飼料米、あるいは加工米などへの転作の奨励を行ってまいりました。本市においては、この方針にのっとり、JA等と協議しながら転作等の生産支援をしてきております。また、国が推奨する農業経営収入保険制度は、農産物の価格下落時に補填を受けられるならし対策と同様に、農家の収入安定化を図るための制度であります。本市においては、その保険への加入支援を行ったところであります。その他、学校給食において金沢産の一等米を適用するなど、消費の拡大にも努めてきております。今後とも安定的な農業経営が図られるよう、国・県の動向を踏まえながら農業者への支援をしていきたいと考えております。 防草シートについて御質問いただきました。中山間地域では、平地に比べ農地ののり面の面積が多いことに加え、高齢化や担い手の不足などにより、草刈りの作業が大きな負担となっていることを承知しております。農地ののり面への防草シートを設置することで農業者の労力の軽減が図られ、営農の継続と良好な農地を維持する効果が期待できるものと考えられますが、費用も高額なことから、国に対しては中山間地域等直接支払制度の事業対象とするよう要望しますとともに、本市としても、今後どのような支援ができるか検討してまいりたいと考えております。 イノシシ等の獣肉を食用に活用することは、地域資源の有効活用や地域活性化という観点から大切な取組だと考えております。ジビエ工房三谷では、運営者が高齢化し、活動に不安があることは聞いておりますが、今年度、猟友会の若手1名がイノシシの解体技術等の研修を受け、一緒に活動しているとも聞いておりまして、今後担い手となってくれることを期待しております。施設の継続的な運営のためには、ただ個人だけでは限界があると考えております。猟友会や地元の方などと連携して運営することが好ましいと考えており、行政としてはどのような支援ができるかについて検討してまいりたいと考えております。 森本市民センターにつきましては、この地域における重要な拠点施設として認識しております。一方で、耐震補強工事を実施し、建物の安全性には問題がないことから、直ちには移転、建て替えすることは考えておりません。一方、森本市民センターの移転、建て替えを契機に地区を活性化したいという思いは、地元の方々からも直接お聞きしております。人口減少が進む中で公共施設の再編が必要となりますことから、森本市民センターの今後の在り方についても、地区全体における公共施設の再編の中で今後研究してまいりたいと考えております。 北部地域で運行している地域運営交通チョイソコにつきましては、明年度からの本格運行を見据え、現在、住民負担の軽減のための制度の見直しを検討しているところでありまして、今後、地元の皆様との協議を本格化させていきたいと考えております。対象地域の拡大につきましては、住民のニーズを踏まえ、必要な場所で地域運営交通の導入が進むことが重要と考えております。市としては、地元の皆様をしっかりとサポートし、地域の実情に応じた公共交通ネットワークの構築を図ってまいりたいと考えております。 森本地区の市街化調整区域、御指摘の地区につきましては、市街化を抑制する市街化調整区域であるとともに、多くが農業の振興を図る農用地区域に指定されているということから、制限の解除は非常に難しいという状況であることは御理解いただきたいと思います。また、市街化調整区域であっても、農用地区域の区域外、もしくは除外がなされた区域にあって一定の条件を満たした施設に限り開発が可能ということも、併せて御理解いただきたいと思います。一方で、森本地区において民間活力の導入や公共施設の再編等を図ることで地域の活性化につなげていくということは、喫緊の課題であると認識しております。様々な可能性を検討する中で、地域の皆さんとも連携し、御協力をいただきながら、解決に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○高岩勝人議長 平嶋公営企業管理者。 ◎平嶋正実公営企業管理者 国が予定しております下水道汚泥からのリン回収に関する事業への市としての応募についてお答えいたします。今回、国が公募する事業は、低コストでのリン回収技術の確立など、課題解決に向けた実証事業であると認識しております。まずは事業主体の構成、設備の設置者、実証期間、そして終了後の設備の取扱いなど、今後示されます公募条件等の詳細な内容を確認してまいります。 ○高岩勝人議長 山森農林水産局長。 ◎山森健直農林水産局長 イノシシ等の捕獲おりにかかった小動物の処分等に助成ができないかとのお尋ねがございました。捕獲おりにかかった小動物につきましては、猟友会からの要望を踏まえまして、本年9月からイノシシの幼獣と同様に市が回収しておりますが、小動物の殺処分に係る費用につきましては、現在委託料に含まれておりませんことから、今後の捕獲状況を見極めまして猟友会と相談していきたいと考えております。 以上です。 ○高岩勝人議長 以上をもって、質疑並びに一般質問は終わりました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~委員会付託高岩勝人議長 ただいま議題となっております議案第41号ないし議案第51号の各件は、お手元に配付いたしてあります議案審査付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。     〔議案審査付託表は本号末尾参照〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △請願・陳情の委員会付託高岩勝人議長 なお、今定例月議会におきまして本日までに受理いたしました請願・陳情の各件は、お手元に配付いたしてあります請願・陳情文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会または議会運営委員会に付託いたします。 換気のため、しばらくお待ちください。     〔請願・陳情文書表は本号末尾参照〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議案上程 ○高岩勝人議長 次に、日程第3認定第1号令和3年度金沢市歳入歳出決算認定についてを議題といたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~委員長報告高岩勝人議長 これより、本件に対する委員長の報告を求めます。 一般会計等決算審査特別委員会委員長松村理治議員。     〔一般会計等決算審査特別委員会委員長松村理治議員登壇〕(拍手) ◆松村理治一般会計等決算審査特別委員会委員長 ただいま議題となりました認定第1号令和3年度金沢市歳入歳出決算認定につきまして、一般会計等決算審査特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、令和3年度金沢市一般会計歳入歳出決算のほか10特別会計の歳入歳出決算認定であり、さきの令和4年度9月定例月議会で当委員会に付託され、審査することとされました。 これら各会計の決算審査につきましては、9月14日から12月2日までにわたって委員会を開催し、決算書及び附属書類などに基づき、関係当局から詳細な説明を聴取し、終始慎重なる審査を行ってまいりました。 また、予算執行による行政効果の確認のため、中央小学校、玉川こども図書館及び公文書館の現地視察を行いました。 その結果、認定第1号令和3年度金沢市歳入歳出決算認定につきましては、賛成多数をもって、これを認定すべきものと決しました。 なお、審査の過程におきまして、 1つ、財源の確保及び健全な財政運営として、新型コロナウイルス対策や社会インフラの老朽化進行に加え、ロシアのウクライナ侵攻等を要因とするエネルギー価格や物価の高騰など、先行きの見えない状況が続いている中で、市民の安心・安全な暮らしを守ることは極めて重要である。今後の市政推進に必要な財源を確保するため、デジタル化を推進するなど、市税収納率等のさらなる向上に努めること。また、公共施設の老朽化対策など多額の財政需要に対応するため、引き続き、中期財政計画の実践等により健全な財政運営に努めること。 2つ、事務事業の適切な執行として、各種事務事業の取組について、その目的や効果を十分に見極め、効率的かつ計画的な執行に努めること。また、外郭団体等への現役職員の派遣及び随意契約の在り方並びに分収林の契約に係る諸課題について、当委員会における議論を踏まえて適時適切な対応に努めること。 以上の要望事項が付されましたので、併せて御報告いたします。 以上をもちまして、一般会計等決算審査特別委員会の委員長報告を終わります。(拍手) ○高岩勝人議長 委員長報告は終わりました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △討論 ○高岩勝人議長 これより、委員長報告に対する質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告がありませんので、直ちに討論に入ります。 通告がありますので、発言を許します。 9番大桑初枝議員。     〔9番大桑初枝議員登壇〕(拍手) ◆大桑初枝議員 私は、認定第1号令和3年度金沢市歳入歳出決算認定について、認定できないことを表明し、その主な理由を述べ、討論いたします。 令和3年度は、新型コロナウイルス変異株--オミクロン株が猛威を振るい、観光、飲食産業をはじめ、多様な職種で休業や時短などが余儀なくされ、市民生活に大きな影響をもたらしました。また、コロナ禍に加え、急激な物価上昇も多くの市民の生活を直撃しました。今回上程された令和3年度の決算は、一般会計及び10の特別会計を合わせた総決算額では、歳入が3,210億9,000万円余で歳出が3,115億7,500万円余、新年度に繰り越すべき財源39億9,300万円余を控除した実質収入は55億2,200万円余の黒字となっています。 決算に反対する第1の理由は、不要不急の大型公共事業を推進しようとしていることです。金沢港建設では、大手企業であるコマツの工場を誘致するとして、大浜岸壁では大水深岸壁の事業が進められてきました。また、クルーズ船誘致のためとして、無量寺岸壁改良事業と施設整備などの事業が行われ、令和3年度決算では6億2,200万円余が投入されています。しかし、コロナウイルスの感染は収束が見通せず、クルーズ船誘致は困難な状況が続いています。このような巨額の税金投入は即刻やめるべきです。 城北市民運動公園整備事業では、市民サッカー場の再整備の周辺実施設計等で9億5,721万円が含まれています。このサッカー場は、現在地で改築予定だったにもかかわらず、公園敷地内にあるジュニアスポーツコートとクライフコートの敷地に移転するものです。当初、事業費が75億円だったものが80億円となり、さらにジュニアスポーツコートとクライフコートなどの移転、新築を含めると、総額100億円規模となろうとしています。コロナ禍の下、市民生活の状況から考えても、巨額の費用を投じてのサッカー場の整備事業は再検討すべきです。 学校給食の共同調理場に関わる点です。新共同調理場建設事業として、市内泉本町地内に8,000食の新共同調理場建設事業基本設計費1,441万円が決算に含まれています。今後、新たな学校給食調理場整備計画に基づき、泉本町地内のほか、駅西臨海に1万1,000食と大規模共同調理場を新たに建設し、4つある単独調理場をなくし、鞍月共同調理場と8つある学校併設の調理場を廃止するとしています。大規模化して業務の効率化を優先するのではなく、本市が誇る食の教育、地産地消、直接雇用、災害からのリスクを減らすなど、子どもたちに温かくおいしい学校給食を提供する責任や地域経済にとってよりよい給食にするため、単独方式こそ増やすべきです。 反対する第2の理由は、災害級とも言えるコロナ禍の緊急事態に、一番対策が求められる社会的弱者や地域経済の要である市内の中小業者への支援策が十分実施されなかったということです。コロナ禍で立ち行かなくなった中小業者、市民の方は、生活のために社会福祉協議会が実施した特例貸付事業や住居確保給付金事業などを頼りにしました。住居確保給付金事業は、昨年より大幅に減りましたが、2,283件と、依然家賃のお支払いも困難な状況は続いています。度重なる新型コロナウイルスの影響で経営難に直面している事業者に対し、持続化給付金や家賃支援給付金など今回限りの支援ではなく、本市独自の直接支援もさらに強化し、事業と雇用が継続できるよう、施策の転換が求められます。 医療機関や介護事業所でも、新型コロナ感染拡大で深刻な影響を受けました。こうした状況下にあって、受診抑制、事業の縮小、休止などにより、大きな減収が生じました。医療機関、事業所などからは、減収による補填の実施を求める声が上がっています。医療や介護水準を低下させないためにも、財政支援、従事者への待遇の抜本的改善、検査体制の拡大・拡充が求められます。 本市の新型コロナ感染症が広がる中で、対策の最前線に立ってきた保健所の体制強化が求められてきました。もともと保健師の定数が少ないことから、相次ぐクラスター発生に医療や保健所の現場が逼迫する状態が続き、感染への市民の不安が広がりました。我が党は、保健所の体制強化、医療や介護施設への補填、PCR検査を広く定期的に実施することなど、具体的な提案を行ってきました。その具現化として、正規保健師や会計年度任用職員、合わせて5名の保健所職員の増員が行われましたが、抜本的な改善こそ必要です。 市営住宅についても触れておきます。市営住宅の修繕が遅れ、空き部屋解消が進んでいません。保証人要件の廃止や給湯器、浴槽の設置などの改善が必要です。また、若年世帯の入居要望に応えるためにも、入居条件の緩和や給湯器、浴槽の設置をスピード感を持って進めるべきです。 個人番号カード、いわゆるマイナンバーカードの交付事業の推進に反対です。制度開始から令和3年度までの8年間のマイナンバーシステム整備費とマイナンバーカード交付事業費の累計は9億2,000万円に上ります。この事業の狙いは、政府が国民一人一人に生涯変わらない番号をつけて、資産、医療、教育などの個人情報を一元化して連携、活用しようとするものです。これ自体プライバシーの侵害の危険を持つ重大な問題です。政府は、2022年度末までに全ての国民にマイナンバーカードを行き渡らせることを目標とし、健康保険利用、マイナポイントなど、国民がカードを使わざるを得ない状況をつくり出しています。こうした中、政府は新設されたデジタル庁に旗を振らせてさらなるデジタル化を推進しようとしていますが、高齢者や障害のある方々などデジタルに対応できない住民が置き去りにされるのではないか、個人データが企業間での取引の対象にならないのか、個人情報がどこまで守られるのかなどといった問題が指摘されています。今後、市民の目線に立ち、しっかりとした検討が求められます。 次に、介護保険特別会計決算認定について反対です。令和3年度は保険料が据え置かれたものの、基本月額6,590円は介護保険制度が始まった当初に比べ2倍となっています。基金を投入したものの、結果として6億9,198万円の黒字になり、介護給付費準備基金へ4億9,320万円余を積み立てています。基金の残高は29億1,000万円に膨れ上がっています。高過ぎる保険料の引下げを求める声は切実です。こうした声に応える立場からも反対です。 令和3年度金沢市国民健康保険特別会計決算認定についても反対です。令和3年度末の国保財政調整基金は31億1,885万円となっています。国保の加入者は非正規や年金生活者などの低所得者が約8割を占めている実態からしても、基金を使い、国保料の引下げを決断すべきです。高過ぎる国保料の原因となっている均等割の廃止を国に要請するとともに、本市独自に未就学児の均等割の全額免除、減免を実施することを決断すべきです。また、国保料が高過ぎて払いたくても払えず、滞納した人に対する資格証明書の発行は609件で、短期保険証の発行は1,907件でした。これは医療にかかる機会を奪うもので、病気の重症化、命を失うことにもなりかねません。資格証明書、短期保険証の発行はやめるべきです。 以上、討論といたします。(拍手)
    高岩勝人議長 討論は終わりました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △採決 ○高岩勝人議長 これより、採決いたします。 お諮りいたします。 認定第1号は、ただいまの委員長報告のとおり、これを認定することに賛成の議員の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 ○高岩勝人議長 起立多数であります。 よって、本件は、これを認定することに決しました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議案上程 ○高岩勝人議長 次に、日程第4議案第37号令和3年度金沢市公営企業特別会計処分利益剰余金の処分について及び認定第2号令和3年度金沢市公営企業特別会計決算認定についてを議題といたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~委員長報告高岩勝人議長 これより、本件に対する委員長の報告を求めます。 企業会計決算審査特別委員会委員長宮崎雅人議員。     〔企業会計決算審査特別委員会委員長宮崎雅人議員登壇〕(拍手) ◆宮崎雅人企業会計決算審査特別委員会委員長 ただいま議題となりました議案第37号令和3年度金沢市公営企業特別会計処分利益剰余金の処分について及び認定第2号令和3年度金沢市公営企業特別会計決算認定につきまして、企業会計決算審査特別委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 本件は、令和3年度公営企業特別会計処分利益剰余金の処分並びに令和3年度ガス事業、水道事業、発電事業、工業用水道事業、病院事業、中央卸売市場事業、下水道事業及び公設花き地方卸売市場事業の8会計の決算認定であります。 これら各会計決算の審査につきましては、9月14日から11月25日までにわたり委員会を開催し、決算書及び附属書類などに基づき、関係当局から詳細な説明を聴取し、終始慎重なる審査を行ってまいりました。 また、予算執行による行政効果の確認のため、企業局臨海水質管理センター、中央卸売市場及び公設花き地方卸売市場の現地視察を行ってまいりました。 その結果、議案第37号令和3年度金沢市公営企業特別会計処分利益剰余金の処分につきましては、全会一致をもってこれを可決すべきものと決し、認定第2号令和3年度金沢市公営企業特別会計決算認定につきましては、賛成多数をもってこれを認定すべきものと決した次第であります。 なお、審査の過程におきまして、 1、ガス事業・発電事業については、本年4月に金沢エナジー株式会社へ事業譲渡され、特別会計は令和3年度をもって終了した。業務の円滑な移行と経営状況の把握に努めるとともに、現在、清算特別会計において行われている清算事務を遺漏のないように進めること。 2、水道事業については、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、基本料金の減免を行った前年度に比べ、収益は増加した。しかしながら、人口減少社会の到来や節水型社会への移行に伴い、収益の大幅な増加が見込まれないことに加え、今後、老朽管対策等に多額の費用を要するため、新たに策定された金沢市企業局経営戦略2022に基づき、さらなる健全経営への取組を推進すること。加えて、県に対し、県水受水単価及び責任水量の引下げを市長会等を通じ、引き続いて働きかけること。 3、病院事業については、新型コロナウイルス感染症対策に係る国や県からの補助金収入等により2年連続の黒字決算となったが、入院患者数は減少しており、新型コロナウイルス感染症の影響は長期化している。ウィズコロナ時代を見据え、一般診療とコロナ対策を両立できるような体制を整備し、職員の処遇改善や働き方改革を進めることに加え、人員の確保に取り組むことで公的病院としての使命を果たすとともに、経営の健全化を進めること。 4、中央卸売市場事業については、再整備基本構想を踏まえ、実際に利用する関係者との協議を進め、過剰な設備により将来の負担が大きくなることのないように再整備を進めること。 以上の要望事項が付されましたので、併せて御報告いたします。 以上をもちまして、企業会計決算審査特別委員会の委員長報告を終わります。(拍手) ○高岩勝人議長 委員長報告は終わりました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △討論 ○高岩勝人議長 これより、委員長報告に対する質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告がありませんので、直ちに討論に入ります。 通告がありますので、発言を許します。 29番森尾嘉昭議員。     〔29番森尾嘉昭議員登壇〕(拍手) ◆森尾嘉昭議員 私は、日本共産党市議員団を代表して、認定第2号令和3年度金沢市公営企業特別会計決算認定について、認定できないことを表明し、その主な理由について以下述べたいと思います。 第1は、本市ガス事業・発電事業についてです。この2つの事業は、令和4年4月1日をもって金沢エナジー株式会社へ売却されました。したがって、この2つの会計決算はこれが最後となります。決算から見ても、この2つの事業を売却する必要は見当たりませんでした。ガス事業です。令和3年度ガス事業の黒字額は10億2,900万円となり、11年連続の黒字が計上されました。したがって、累積欠損金は約120億円まで増加しましたが、令和3年度決算では27億円まで減少となりました。発電事業です。令和3年度発電事業の黒字額は3億6,900万円となりました。この間、毎年の黒字で累積欠損金はゼロ、今年度末の未処分利益剰余金は8億9,400万円に上りました。5つの発電所によって生み出された電力は、一般家庭の4万戸分に相当し、これを北陸電力に売電してきました。その電力料収益は、令和3年度決算で11億9,043万円となりました。発電事業は水力発電によるクリーンなエネルギーとして本市が誇るべき事業であり、ガス事業とともに100年間にわたって運営されてきた市民の財産であります。この2つの事業はこの10年来黒字経営となっていることからしても、民間に売却する理由は見当たりません。本市企業局は2016年、今後10年間の経営戦略の方針の中で、ガス・発電など5つの市営事業を継続していくことを打ち出しながら、市民と議会との約束を破り、強引にガス事業・発電事業譲渡方針へと突き進んできました。その譲渡方針をめぐって、この間、市民からも議会からも数々の問題が指摘されてまいりました。今回の決算審査の中で問題が指摘されたのは、本市ガス事業・発電事業譲渡に関わって、本市の北陸電力との電力需給契約の途中解約についてです。令和3年度内に覚書を交わし、令和4年度に入った4月28日、本市は、北陸電力に解約補償金として12億3,720万円を支払いました。この解約補償金について、本市は、国のガイドラインに基づいたと説明してきました。しかし、国のガイドラインはあくまでも発電事業を継続運営することを前提とし、発電事業による電力の売電契約について、随意契約から一般競争入札に切り替えるよう促したのがこのガイドラインです。したがって、本市の発電事業譲渡の場合は適用するものではありません。しかも、今回の補償について、国のガイドラインに基づいて行うことは国の了解を得ていると述べてきましたが、そうした事実は全くありませんでした。本市企業局が北陸電力に解約補償金として12億3,720万円を支払ったという説明と根拠は、ことごとく崩れ去りました。では、どのような話合いが行われたのか、説明が求められました。ところが、北陸電力との話合いについて、記録もない、報告書もないとしてきました。これは重大な問題であります。市民と議会に対する背信行為とも言えるもので、許されることではありません。文書作成が明記されている本市公文書等の管理に関する条例に違反していることが、この決算委員会で取り上げられました。しかし、本市企業局は、あくまでも問題はないとの見解を押し通しました。話合いの記録も報告書もないというのは、市民と議会に対しての説明責任を放棄するもので、許されることではありません。この解約補償金の支払いの正当性がないことが明白となったものです。前代未聞の対応を厳しく批判するとともに、公営企業管理者の責任が問われていることを指摘しておきたいと思います。 第2に、水道事業は、令和3年度決算で7億9,600万円余の黒字となりました。県水の契約水量や責任水量制が引き下げられたことによるもので、本来、水道料金の引下げを実施し、市民に還元すべきであり、引き続き、県水受水契約の見直しに向けて取り組むよう、求めておきたいと思います。本市水道事業は、自己水に比べ4倍も高い県水を契約水量の6割を受け入れる責任水量制によって受け入れる一方、安くておいしい自己水を配水能力の3割しか使っていません。膨大な県水を受け入れる状況を改め、安くておいしい自己水を基本とする水道行政に切り替えれば、大幅に水道料金を引き下げることは可能です。 第3に、工業用水道事業についてです。先端産業を立地するとして造成された工業用地、金沢テクノパークは、平成4年、着工・造成が始まって以来、30年が経過しています。現在、用地の2割に当たる3区画、6.1ヘクタールが立地されないままとなっています。これは東京ドーム1.3個分に相当します。参入した企業への工業用水道事業は、実質3社が利用していますが、毎年赤字、その赤字を一般会計で補填し続けています。令和3年度決算では3,186万円に上っています。市政の失敗とも言うべき事業に対して、市民の税金をもって補填し続けることは許されることではありません。このことを述べ、討論といたします。(拍手) ○高岩勝人議長 討論は終わりました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △採決 ○高岩勝人議長 これより、採決いたします。 まず、議題のうち、議案第37号について採決いたします。 本件に対する委員会の決定は、可決であります。 お諮りいたします。 本件は、委員会の決定どおり可決することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○高岩勝人議長 御異議なしと認めます。 よって、本件は原案のとおり可決することに決しました。----------------------------------- ○高岩勝人議長 次に、認定第2号について採決いたします。 お諮りいたします。 認定第2号は、ただいまの委員長報告のとおり、これを認定することに賛成の議員の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 ○高岩勝人議長 起立多数であります。 よって、本件は、これを認定することに決しました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休会について ○高岩勝人議長 以上をもって、本日の日程は終了いたしました。 お諮りいたします。 明日15日は委員会審査のため休会といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○高岩勝人議長 御異議なしと認めます。 よって、この際、御通知申し上げます。 次の本会議は、16日午後1時から開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △散会 ○高岩勝人議長 本日はこれにて散会いたします。     午後3時28分 散会-----------------------------------  〔参照〕-----------------------------------     令和4年度金沢市議会12月定例月議会議案審査付託表-----------------------------------            総務常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第41号令和4年度金沢市一般会計補正予算(第6号)  第1条 歳入歳出予算の補正   歳入 全部…………………………………………………………………24  歳出 1款 議会費………………………………………………………314     2款 総務費………………………………………………………        (1項総務管理費中1目一般管理費の一部、7目企画費の一部、10目文化振興費の全部、11目文化施設費の全部及び14目諸費の全部並びに3項戸籍住民基本台帳費の全部を除く。)315     10款 教育費       5項 大学費……………………………………………………538 第2条 繰越明許費の補正      2款 総務費………………………………………………………5      10款 教育費………………………………………………………5  第3条 地方債の補正………………………………………………………647議案第45号特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正について…………………22 議案第46号職員の給与に関する条例及び金沢市会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部改正について…………………………………………25 議案第47号金沢市における自転車の安全な利用の促進に関する条例の一部改正について………………………………………………………………………………45 議案第48号「工事請負契約の締結について」の一部変更について(金沢美術工芸大学建設工事(給排水衛生設備工事その1))………………………………46 議案第49号「工事請負契約の締結について」の一部変更について(金沢美術工芸大学建設工事(電気設備工事その1))………………………………………47             経済環境常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第41号令和4年度金沢市一般会計補正予算(第6号)  第1条 歳入歳出予算の補正   歳出 4款 衛生費       2項 環境衛生費        1目 環境衛生総務費の一部………………………………424       2目 環境保全費……………………………………………425      3項 清掃費……………………………………………………425     5款 労働費………………………………………………………427     6款 農林水産業費………………………………………………428     7款 商工費………………………………………………………430     11款 災害復旧費       1項 災害復旧費        1目 農林業施設災害復旧費………………………………541 第2条 繰越明許費の補正      4款 衛生費(環境保全事業及びごみ処理事業)……………5      7款 商工費………………………………………………………5 議案第44号金沢市における再生可能エネルギー発電設備の適正な設置及び管理に関する条例制定について…………………………………………………………10             市民福祉常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第41号令和4年度金沢市一般会計補正予算(第6号)  第1条 歳入歳出予算の補正   歳出 2款 総務費       1項 総務管理費        1目 一般管理費の一部……………………………………315       14目 諸費……………………………………………………316      3項 戸籍住民基本台帳費……………………………………317     3款 民生費………………………………………………………319     4款 衛生費………………………………………………………        (2項環境衛生費中1目環境衛生総務費の一部及び2目環境保全費の全部並びに3項清掃費の全部を除く。)423     10款 教育費       1項 教育総務費        2目 教育指導費の一部……………………………………436       3目 私学振興費……………………………………………436      6項 社会教育費        1目 社会教育総務費の一部………………………………538     11款 災害復旧費       1項 災害復旧費        3目 公共施設災害復旧費…………………………………541 第2条 繰越明許費の補正      4款 衛生費(環境保全事業及びごみ処理事業を除く。)…5             建設企業常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第41号令和4年度金沢市一般会計補正予算(第6号)  第1条 歳入歳出予算の補正   歳出 8款 土木費………………………………………………………        (5項都市計画費中7目公園費の一部を除く。) 4 31     11款 災害復旧費       1項 災害復旧費        2目 土木施設災害復旧費…………………………………541 第2条 繰越明許費の補正      8款 土木費………………………………………………………5 議案第42号令和4年度金沢市水道事業特別会計補正予算(第2号)…………………748議案第43号令和4年度金沢市下水道事業特別会計補正予算(第2号)………………855議案第50号市道の路線認定について………………………………………………………48 議案第51号市道の路線変更について………………………………………………………49             文教消防常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第41号令和4年度金沢市一般会計補正予算(第6号)  第1条 歳入歳出予算の補正   歳出 2款 総務費       1項 総務管理費        1目 一般管理費の一部……………………………………315       7目 企画費の一部…………………………………………315       10目 文化振興費……………………………………………316       11目 文化施設費……………………………………………316     8款 土木費       5項 都市計画費        7目 公園費の一部…………………………………………433     9款 消防費………………………………………………………435     10款 教育費………………………………………………………        (1項教育総務費中2目教育指導費の一部及び3目私学振興費の全部、5項大学費の全部並びに6項社会教育費中1目社会教育総務費の一部を除く。)436     令和4年度金沢市議会12月定例月議会請願・陳情文書表----------------------------------- 1 新たに受理した請願(2件)・陳情(5件)番号請願件名請願人紹介議員受理年月日請願要旨付託委員会第15号国に対し、「消費税インボイス制度の実施中止を求める意見書」の提出を求める請願金沢民主商工会 会長 加藤忠男大桑初枝 広田美代 森尾嘉昭4.11.28総務請願趣旨  新型コロナ感染症の収束や景気回復が見通せない中で、2023年10月からのインボイス制度(適格請求書等保存方式)実施に向け、2021年10月1日からインボイス発行事業者の登録申請が始まっている。  免税業者を取引から排除しかねないインボイス制度は、事業者間の取引慣行を壊し、免税点制度を実質的に廃止するものである。仕入れや経費に含まれる消費税を価格や単価に転嫁できなければ、小規模事業者や個人事業主の経営は成り立たない。  コロナ禍で時短・自粛営業を余儀なくされ、地域経済が疲弊する下で、中小企業の経営危機が深まっており、インボイス制度に対応できる状況ではない。  中小企業団体や税理士団体などから、「凍結」「延期」「見直し」の表明がされ、現状での実施に踏み切ることに懸念の声が出されている。  地域経済を発展させていく上で、地域に根差して活動する中小業者の存在は不可欠である。  よって、地方自治法第124条の規定により以下請願する。 請願事項  1.「消費税インボイス制度の実施中止を求める意見書」を国に提出していただくこと。番号請願件名請願人紹介議員受理年月日請願要旨付託委員会第16号小中学校の給食費の無償化を求める請願書新日本婦人の会金沢支部 支部長 中内晃子大桑初枝 広田美代 森尾嘉昭4.12.1文教消防請願趣旨  長引くコロナ禍と深刻な物価高が暮らしを直撃している。さらに、今年10月からの児童手当特例給付の廃止など、子育て中の世帯への負担が一層重くのしかかっている。子どもの貧困が広がる中、子どもの健康と命を守る役割を担っている給食の重要性が再認識され、学校給食費無償化と、地場産や国産の有機食材を取り入れた学校給食が求められている。  学校給食法第11条では、学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費と運営経費などは学校の設置者が負担し、それ以外の経費を学校給食費として保護者が負担することと定められている。しかし、文部科学省の通知や国会質問から、各自治体が全額補助することを否定しないとの見解が示されている。これは首相も否定しなかった。  子どもたちの健やかな成長を保障するためにも、学校給食への公的補助を強めることが求められている。憲法第26条「義務教育は無償とする」との立場から、「小中学校の給食費無償化」を実施するよう請願する。 請願項目  1.小中学校の給食費の無償化を行ってください。番号陳情件名陳情人受理年月日陳情要旨付託委員会第20号政務活動費の条例改正についての陳情書市民オンブズマン石川 代表幹事 林木則夫4.11.21議会運営陳情趣旨  金沢市議会政務活動費の交付に関する条例(以下「金沢市条例」という。)は、全国市議会議長会が策定した議員用の「◯◯市(区)議会政務活動費の交付に関する条例案(例)」(以下「全国市議会案」という。)の「政務活動に要する経費」である「項目」には規定されていない会派共用費及び共通経費の2項目を加えた金沢市条例を平成24年12月定例会において議決し、金沢市が金沢市条例を制定したものである。  金沢市条例第8条第2項別表で規定している会派共用費及び共通経費の2項目は、全国市議会案の「政務活動費を充てることができる経費の範囲」の「政務活動に要する経費」である「政務活動」に該当していないゆえに、全国市議会案の「項目」からは除外しているものであるから、政務活動に要する経費の項目とはできないのである。  法律規定が異なる政務調査費の経費を政務活動費の経費とすることは、「法律の範囲内で条例を制定できる」と規定している憲法第94条規定違反となるゆえに、「会派共用費」及び「共通経費」の2項目を加えた金沢市条例は憲法違反である。よって、地方自治法第96条第1項第1号規定の議会の権限に基づき、金沢市条例は改正するべきものである。  「政務活動費は、別表に定める政務活動に要する経費を充てることができるものとする」金沢市条例規定の下での支出実態は「政務活動に要する経費」ではないゆえに、市民オンブズマン石川は、2020年10月7日、当時の金沢市議会議長に金沢市条例改正要望書を提出した後、2021年3月定例月議会以降の各定例月議会において陳情書を提出しているのであるが、金沢市議会は、いずれの陳情書も、不採択としている。  それゆえ、市民オンブズマン石川は、再度、金沢市条例の改正を求める陳情を行う。 陳情理由  政務調査費を政務活動費とした地方自治法を改正した平成24年11月、「政務活動費を充てることができる経費の範囲は、条例で定めなければならない」金沢市条例を制定することを目的とした政務活動費検討会の場において、当時の桶川議会事務局長が報告しているとおり、全国市議会議長会の検討会の「結論」は同会が策定した全国市議会案であるゆえに、全国市議会案においては「政務活動に要する経費」である項目から除外した上記2項目を規定していないこと。  それゆえ、政務活動に要する経費ではない上記2項目削除の条例改正をする必要があること。 陳情内容  金沢市条例第8条第2項別表の会派共用費及び共通経費の2項目を削除するための金沢市条例改正をおこなうこと。番号陳情件名陳情人受理年月日陳情要旨付託委員会第21号金沢市におけるコミュニティバスの導入促進に関する陳情書金沢市にコミュニティバスを走らせる会 代表 竹味能成4.11.28総務陳情趣旨  金沢市では現在、「第3次金沢交通戦略」を策定中であり、その中で「コミュニティバス」に関する施策として、「地域運営交通」や「フィーダー交通」についての検討が行われている(「骨子案」による)。  「第2次金沢交通戦略」の策定後、地域社会における高齢化が急速に進行し、高齢ドライバーによる交通事故の多発などを背景として、高齢者の自動車運転免許の返納促進が大きな課題になっている。従来から運転免許を持たない人に加え、運転免許をこれから返納しようとする住民にとって、自家用自動車を利用できないことにより、買い物や通院など地域での住民生活に困難が生じることに不安が高まっている。このような状況は、「まちなか」地区だけではなく、公共交通利用上の格差が大きい郊外地域でより多く生じており、金沢市の全域で地域内の移動に関わる交通困難者が増大している。  金沢市郊外地域では「ふらっとバス」の路線がなく、公共交通の利用に関する格差が生じており、コミュニティバスの導入を求める住民の要望が大きくなっている。また、「地域運営交通運行費補助制度」に基づくコミュニティバスが3地域で運行されているが、それ以外の地域ではまだ導入が進んでいない。金沢市郊外地域で、住民生活にとって不可欠な公共交通の改善・充実を図り、運転免許返納の条件整備を行うためにも、コミュニティバスの導入促進が必要である。 陳情項目  1.金沢市の郊外地域において、コミュニティバスのさらなる導入・充実を行って下さい。番号陳情件名陳情人受理年月日陳情要旨付託委員会第22号の1民主主義・立憲主義の基盤である思想・良心の自由、請願権等を守るための陳情塩谷みつ子
    ほか4名4.11.30総務陳情趣旨  現在、マスコミ等で政治家に対し、特定の宗教団体及びその関連団体との関係を断つよう求める論調が繰り返され、令和4年9月には富山市議会において「特定の宗教団体及びその関連団体との関係を一切断つ」という決議がなされ、同様の決議案が複数の地方議会に提起されている。しかし、それぞれのポリシーが尊重されるべき民間団体においてはともかく、全ての市民に対して中立・公平たるべき地方公共団体の機関である市長や市議会が特定の宗教及びその関連団体との関係を遮断することは、地域内の関連団体や信者らの憲法第19条の思想・良心の自由、憲法第20条第1項の信教の自由に対する侵害となることはもちろん、憲法第16条で保障されている請願権の侵害となり、憲法第14条第1項で保障されている法の下の平等に違反することになる。これらの基本的人権は、いずれも民主主義の根幹と立憲主義の基盤を形成するものであり、地方公共団体の機関である地方議会がこれらを侵害することは、我が国の民主主義と立憲主義を危うくするものである。かかる見地に立ち、金沢市議会の代表者たる金沢市議会議長に対し、次のとおり陳情する。 陳情理由の要約  1.首長や地方議会において特定の宗教団体及びその関連団体との関係を遮断する旨の宣言・決議、地方議員を含む市民の信仰を質問し又は調査することは日本国憲法の定める信教の自由及び思想・良心の自由に違背することは明らかである。 2.特定の宗教団体及びその関連団体との関係を遮断する旨の宣言・決議は、請願権の主体たる法人及び信徒との関係や接触も遮断するものであり、その請願権を侵害するものであることは明らかである。  3.地方議会等の地方公共団体の機関が、特定の宗教団体及びその関連団体との関係を遮断することで、特定の宗教団体の信仰、世界観、儀式もしくは宗教活動を理由に、思想・良心の自由、信教の自由、請願権について規制し、差別的取扱いをすることが「法の下の平等」に違背するものであることは明らかである。  4.首長及び地方議会において特定の宗教団体及びその関連団体との関係を遮断する宣言・決議を行い、あるいは、地方議会や地方公共団体において、特定の宗教団体の信仰を質問ないし調査することは、一般市民である信者らの思想・良心の自由と信教の自由を侵害し、信者らの請願権を剥奪するものであり、宗教を理由とする差別であり、法の下の平等に違背することは明らかである。 陳情項目  1.金沢市において特定の宗教法人及びその関連団体(ただし、反社会的団体との法的根拠がある団体は除く)との関係を遮断する内容の宣言・決議をしないこと  2.金沢市において市議会議員を含む公人及び私人に対し、特定の宗教に対する信仰の有無を問うたり、その団体との関係を調査・質問したりしないこと番号陳情件名陳情人受理年月日陳情要旨付託委員会第22号の2民主主義・立憲主義の基盤である思想・良心の自由、請願権等を守るための陳情塩谷みつ子 ほか4名4.11.30議会運営陳情趣旨  現在、マスコミ等で政治家に対し、特定の宗教団体及びその関連団体との関係を断つよう求める論調が繰り返され、令和4年9月には富山市議会において「特定の宗教団体及びその関連団体との関係を一切断つ」という決議がなされ、同様の決議案が複数の地方議会に提起されている。しかし、それぞれのポリシーが尊重されるべき民間団体においてはともかく、全ての市民に対して中立・公平たるべき地方公共団体の機関である市長や市議会が特定の宗教及びその関連団体との関係を遮断することは、地域内の関連団体や信者らの憲法第19条の思想・良心の自由、憲法第20条第1項の信教の自由に対する侵害となることはもちろん、憲法第16条で保障されている請願権の侵害となり、憲法第14条第1項で保障されている法の下の平等に違反することになる。これらの基本的人権は、いずれも民主主義の根幹と立憲主義の基盤を形成するものであり、地方公共団体の機関である地方議会がこれらを侵害することは、我が国の民主主義と立憲主義を危うくするものである。かかる見地に立ち、金沢市議会の代表者たる金沢市議会議長に対し、次のとおり陳情する。 陳情理由の要約  1.首長や地方議会において特定の宗教団体及びその関連団体との関係を遮断する旨の宣言・決議、地方議員を含む市民の信仰を質問し又は調査することは日本国憲法の定める信教の自由及び思想・良心の自由に違背することは明らかである。 2.特定の宗教団体及びその関連団体との関係を遮断する旨の宣言・決議は、請願権の主体たる法人及び信徒との関係や接触も遮断するものであり、その請願権を侵害するものであることは明らかである。  3.地方議会等の地方公共団体の機関が、特定の宗教団体及びその関連団体との関係を遮断することで、特定の宗教団体の信仰、世界観、儀式もしくは宗教活動を理由に、思想・良心の自由、信教の自由、請願権について規制し、差別的取扱いをすることが「法の下の平等」に違背するものであることは明らかである。  4.首長及び地方議会において特定の宗教団体及びその関連団体との関係を遮断する宣言・決議を行い、あるいは、地方議会や地方公共団体において、特定の宗教団体の信仰を質問ないし調査することは、一般市民である信者らの思想・良心の自由と信教の自由を侵害し、信者らの請願権を剥奪するものであり、宗教を理由とする差別であり、法の下の平等に違背することは明らかである。 陳情項目  1.金沢市議会において特定の宗教法人及びその関連団体(ただし、反社会的団体との法的根拠がある団体は除く)との関係を遮断する内容の宣言・決議をしないこと  2.金沢市議会において市議会議員を含む公人及び私人に対し、特定の宗教に対する信仰の有無を問うたり、その団体との関係を調査・質問したりしないこと番号陳情件名陳情人受理年月日陳情要旨付託委員会第23号金沢市が浅野町校下にある世界平和統一家庭連合金沢家庭教会と交わした本市公園里親事業による合意書の解除を求める陳情書佐藤 清4.12.1建設企業陳情趣旨  世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は、霊感商法や合同結婚式、信者からの高額献金に駆り立てるなど社会的問題を引き起こしてきた反社会的集団である。この22日には、文化庁は、宗教法人法に基づく解散請求の提出を視野に質問権の行使を行った。  したがって、行政が、社会的奉仕活動であることをもって容認することは、この団体が社会的に承認されており、問題のない団体であるという「お墨付き」を与え、さらなる被害拡大につながるものである。  したがって、本市がこの団体と交わした本市公園里親事業による合意書の解除を求める陳情書を提出する。 陳情事項  本市に対して、浅野町校下にある世界平和統一家庭連合金沢家庭教会と交わした本市公園里親事業による合意書の解除を求める。...