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12月15日-04号

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  1. 金沢市議会 2021-12-15
    12月15日-04号


    取得元: 金沢市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-11
    令和 3年 12月 定例月議会          令和3年12月15日(水曜日)-----------------------------------◯出席議員(37名)     議長  久保洋子      副議長 前 誠一     1番  荒木博文      2番  田中美絵子     3番  喜成清恵      4番  上原慶子     5番  稲端明浩      6番  熊野盛夫     7番  大桑初枝      8番  粟森 慨     9番  新谷博範      10番  麦田 徹     11番  上田雅大      12番  中川俊一     13番  小間井大祐     14番  坂本泰広     15番  高  誠      16番  喜多浩一     18番  高岩勝人      20番  宮崎雅人     21番  松村理治      22番  下沢広伸     23番  山本由起子     24番  森 一敏     26番  源野和清      27番  広田美代     28番  玉野 道      29番  森尾嘉昭     30番  秋島 太      31番  澤飯英樹     32番  中西利雄      33番  清水邦彦     34番  黒沢和規      35番  野本正人     36番  福田太郎      37番  横越 徹     38番  高村佳伸◯欠席議員(なし)◯欠員  25番-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長        山野之義   副市長       相川一郎 副市長       村山 卓 教育長       野口 弘   公営企業管理者   平嶋正実 都市政策局長    鳥倉俊雄   総務局長      松田滋人 文化スポーツ局長  山森健直   経済局長      山田啓之 農林水産局長    長谷進一   市民局長      松田俊司 福祉健康局長    高柳晃一   こども未来局長心得 藤木由里 環境局長      吉田康敏   都市整備局長    坪田英孝 土木局長      坂本敦志   危機管理監     上野浩一 会計管理者     中坂暢江   消防局長      喜田 徹 市立病院事務局長  荒舘 誠   財政課長      津田 宏-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長      東 利裕 担当次長兼議事調査課長      議事調査課担当課長 安藤哲也           小村正隆 議事係長      山口賢一   調査係長      今川良太 主査        富川朗人   主査        前田和紀 主査        北本剛太   主任        竹村太志 主任        辻 卓也   書記        小西孝博 総務課長補佐    多田育代   主査        打越洋平-----------------------------------◯議事日程(第4号)  令和3年12月15日(水)午前10時開議 日程第1 議案第48号令和3年度金沢市一般会計補正予算(第8号)ないし議案第57号市道の路線変更について                         (質疑、委員会付託) 日程第2 一般質問 日程第3 認定第1号 令和2年度金沢市歳入歳出決算認定について                      (委員長報告、討論、採決) 日程第4 議案第43号 令和2年度金沢市公営企業特別会計処分利益剰余金の処分について      認定第2号 令和2年度金沢市公営企業特別会計決算認定について                      (委員長報告、討論、採決)-----------------------------------◯本日の会議に付した事件  議事日程(第4号)に同じ-----------------------------------     午前10時0分 開議 △開議 ○久保洋子議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ37名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △会議時間の延長について ○久保洋子議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議案上程 ○久保洋子議長 これより、日程第1議案第48号令和3年度金沢市一般会計補正予算(第8号)ないし議案第57号市道の路線変更について、以上の議案10件を一括して議題といたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問 ○久保洋子議長 これより、質疑並びに日程第2一般質問を併せ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 1番荒木博文議員。     〔1番荒木博文議員登壇〕(拍手) ◆荒木博文議員 おはようございます。 発言の機会を得ましたので、以下質問をいたします。 1つ目の質問は、コロナ禍における子育て支援についてです。 核家族化が進み、親自身が育った場所ではない場所で子育てをするアウエー育児や夫婦のどちらか一方に家事や育児の負担がかかっている状態のワンオペ育児など、知り合いのいない土地で母親が感じる孤立感、手助けが得にくい中での子育ての不安感等で、そもそも孤立しやすい子育て家庭の課題等が、新型コロナウイルス感染症の拡大により、産前産後の子育て家庭においても大きな影響を与えています。とりわけ、コロナ禍により里帰り出産をはじめ親族による立会い出産や入院時の面会もできず、さらには行政等による産前産後の学びの場の実施ができなかったことが挙げられます。また、ある民間調査によると、「感染拡大で産前産後に不安、大変だったことがある」が66%、「自分の心身メンテナンスをしたいと感じるようになった」が70%、「他人と対面よりオンラインや電話がしたい」が44%など、生活意識にも大きな変化がうかがえます。ほかの調査でも、コロナ禍によって、「現在、出産や子育てに不安やストレス、孤独を感じる」が81%、「友人、知人とのコミュニケーションをとる機会が減った」が71%など子育てによる孤立感が高まっており、不安やストレスを感じている人のうち75%が2人目の壁を感じるなど、第2子以降の出産意識への大きな影響を及ぼしています。また、孤立しやすい子育て家庭については、母親の産後鬱やそれに伴う子どもへの虐待や自殺などが社会問題になっていると聞くことが多くなっています。特に、コロナ禍で出産された母親の孤立は深刻です。令和2年度中には新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、福祉健康センターが実施する健康教育のための講座や産前・産後サポート事業などは全て実施されなかったため、出産の喜びから一転、社会から取り残された感を持ちながら育児を続けるしかありませんでした。このため、本市においては子育て家庭の孤立が進んだのではないかと懸念しますが、市長の御所見をお伺いします。 民間では、こうした状況下であってもオンライン等を活用して事業の継承を図っています。私は、コロナ禍であっても止めてはいけない支援があると常々思っています。市長もよく、コロナ禍であっても止めないほうにかじを切って、どうやったらできるのか、そのようにもよく聞くこともありましたし、実際にこれまでも相当な御努力をされてこられたと認識しております。幸いにも新型コロナウイルスの第5波については現在収束しつつありますが、報道でもありますように、南アフリカなどで確認され欧州で拡大しているオミクロン株の感染が懸念すべき変異株として警戒度が増しています。ウィズコロナを生きていく今、本市においても子育て家庭が孤立することがないよう、止めない支援サービスの在り方を中心とした具体的議論を進めていく必要がとても重要と考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、産前産後の子育て家庭における新たな相談体制の構築について幾つかお尋ねいたします。本市にかかわらず、各自治体の例を見ると妊娠期から出産後にかけて地域の実情に応じた様々な支援サービスが行われていることがうかがえます。ある自治体では母子保健手帳を交付する際に必ず地域子育て支援の見学を勧めるなど、また、ある自治体では母親学級や両親学級に参加した家庭に対して、地域の子育て支援施設・サービスにつながった際にちょっとした育児用品を提供するなど、様々な工夫が見られます。私は、こうした現場での工夫が求められる一方で、子育て家庭にとって日頃利用しやすい場所での敷居の低い相談体制の構築もより重要性を増していると考えています。本市においては、民間が主体の協働のまちづくりチャレンジ事業を通して、子育て家庭の孤立や、また、それに伴う産後鬱による虐待や自殺等を防ぐための取組が、令和2年度より産後指導士による母親と父親を対象とした産後ケア事業が現在に至るまで行われています。コロナ禍であっても毎回定員を上回る参加の問合せがあるとも伺っております。まさにコロナ禍でも止めない視点を活用した事業の一つと認識しておりますが、率直にこのチャレンジ事業の評価と効果、さらには永続性の問題についてお伺いするとともに、このような地域の人材でもある産後指導士と保健師等による関係機関が日頃から連携を構築し、誰もが気軽に利用しやすい場所でのサービス体制づくりがより求められていると思いますが、見解をお伺いします。行政にしかできないことがあるように、民間事業者にしかできないこともあることを改めて申し添えいたします。また、市長がよくおっしゃられる官民協働の在り方を体系化したものとして、このチャレンジ事業を日頃利用しやすい場所での敷居の低い相談体制として、本格的な本市主催事業として導入実施するお考えはないのか、加えてお伺いします。 また、新たな相談体制として、孤立した家庭でいらいらして追い詰められている親らがその場で相談ができるような24時間電話相談やSNSによる相談窓口開設も今後は必要と考えます。本市においては今年度、金沢市女性安心生活支え合い支援事業の一環として、10月1日から11月30日の約2か月間、石川県初のSNS相談窓口を開設いたしました。これはコロナ禍に日々の生活面や精神面で孤立しがちな女性に向けて、SNS相談に特化した心理カウンセラーが相談に乗られる事業です。女性の自殺者が昨年全国で約1,700人に上り、前年まで5年間の平均より3割増えたことが分かっていることからも、困ったときにSOSを出しやすい社会環境を今後より整えることはいずれにせよ急務と思うことから、改めて今年度のこのSNS相談を用いた事業を来年度に向けた孤立を防ぐための子育て家庭支援に生かすことはできないのか見解をお伺いいたします。 また、コロナ禍により妊娠期から親族の世話への期待が難しくなった現状を契機に、本市の産後ケア事業等の公的支援を拡充するお考えはないのかお伺いいたします。とりわけ、切れ目のない子育て支援で知られる福井県高松町では、町の民宿や旅館と連携しての産後ケア事業等が子育てを支えるまちづくりのきっかけにもつながるとして、その試みが注目を集めています。ちなみに2019年には厚生労働省が主催する第8回健康寿命をのばそう!アワードの母子保健分野厚生労働大臣賞自治体部門優秀賞を受賞され、その決め手となったのが産後デイサービスの取組とのことです。このような官民連携による取組は、子育て家庭が地域のまちづくりに活気をもたらすことにつながる例として、ぜひ参考にしていただきたいと申し添えいたします。 コロナ禍による妊娠・出産を経験された当時者をはじめ、この親族らはこれまでにないくらいに自治体のホームページを閲覧された家庭が多かったことが予想されます。妊娠期をはじめ、また、出産からその後の切れ目のない支援がどのように実施されているのか、当事者視線に沿った情報の提供がコロナ下にあってより求められていたかと存じます。孤独・孤立や産後鬱などの深刻な事態に陥ることを防止するためにも、特にアウエー育児ワンオペ育児に携わる子育て家庭においては、事前に産前産後の母親の心や体の特有の変化に伴う知識や心身のケア方法の啓蒙をはじめとした必要な情報を届け、特段の配慮に基づいた分かりやすい情報発信の在り方がより必要と思いますが、見解をお伺いします。 本市では、子育て家庭において福祉健康センターの総合窓口なども含めて妊娠・出産・子育て等に関わる様々なサービスが受けられるよう、その支援体制が設けられています。中でも本市はまだ約3割の自治体しか取り組んでいないと言われている産前・産後ママヘルパー事業を平成12年から実施されております。これは主に母親の体力が回復するまでの間、育児や家事の援助を必要とする御家庭にヘルパーを派遣し、安心して育児や日常生活を送ることができるよう支援する制度です。制度開始から、出産後、体の回復が十分でない産褥期の家庭を対象に、平成27年度からは産前の家庭にも対象とされ今日に至っています。コロナ禍により親族の世話への期待が難しくなった現状を鑑みても、また、利用料からも比較的安価であり、全ての希望する家庭が利用できる可能性がある非常に有用な取組の一つと考えます。改めて、本制度を取り入れた経緯とこれまでの実績、また、コロナ禍で得られた課題についてお伺いいたします。 この質問の最後は、乳幼児健診の在り方についてです。先日、ある子育て家庭の母親が集う会合で御意見をいただきました。金沢市の乳幼児健診ではリラックスして話すことができないため安心感が得られないという切実な内容でした。年間出生数が4桁の場合、乳幼児健診では靴を脱がずに土足のまま健診会場を回るスタイルが多く、出生数が3桁の場合、靴を脱いで座布団に座り保健師と話す場面がある傾向があるようです。本市は年間約3,000人なので前者の対応に当たります。ちなみに近隣の白山市や内灘町などは後者の対応となります。地域の実情や保健師の配置人数等については重々承知しておりますが、特にアウエー育児ワンオペ育児などにより不安や孤立しやすい子育て家庭にとって、健診時にも不安がなく安心感を得られる環境は欠かせないものと考えます。健診時の安心感を得られる環境とは、私だったら、母親の目を見て話すや、荷物を持ってあげる、または一瞬でもいいから母親の代わりに赤ちゃんを抱っこしてあげるなど、至って簡単なことからでよいと思っています。この簡単なことがとても大切で、これが当たり前になるだけでも母親は社会に守られていると感じられると思います。改めて、コロナ禍の乳幼児健診の体制と母親が愛情を感じられる本市の目指す乳幼児健診の在り方及び今後の課題についてお伺いします。また、乳幼児健診では健診結果で支援不要、要支援の2つに振り分けられます。行政が介入するのは要支援と判断された母親と子どものみです。しかしながら、子どもの成長に問題がなくても、子育てに不安を抱え、また、出産による体へのダメージが回復していない母親にとっては要支援の場合もあることが考えられます。改めて、子どもの状態、母親の状態を分けて判断できるような仕組みづくりの構築も今後の重要課題と捉えますが、見解をお伺いしてこの質問を終わります。 次の質問は、今年度、再整備の実施設計に着手している玉川公園についてです。 このことについては、さきの9月定例月議会においても取り上げさせていただきましたが、引き続き幾つか質問をさせていただきます。いわゆるインクルーシブパークについては、障害のある子どもが今まで乗ることができなかったブランコに乗ることができる。また、遊具にスロープが付いているので歩行器のまま利用できるなど、改めて、子どもたちが安心・安全で、より快適な環境で遊び、また、学べるようなインクルーシブやユニバーサルの視点を取り入れた環境づくりを進めることが必要と考えます。まずは、多様なニーズに応えるため、現時点におけるインクルーシブな遊具はどのような種類が検討されているのか。また、その機能と目的、期待される効果についてお伺いいたします。 今後、市内への拡充が期待されるインクルーシブパークの整備や遊具の基準等については、現在、国の指針やガイドラインが示されていないものと聞いておりますが、玉川公園の遊具の選定基準や決定までの過程についてお尋ねするとともに、本市独自のガイドラインを定めるおつもりはないのか御所見を伺います。 いろいろな子どもたちが遊び、そこで助け合い、また、楽しみながら育っていく場所になってほしいと多くの親御さんや保護者らは期待されているものと思います。また、インクルーシブと言葉で言っても分かりづらい面もあるように思う市民も多いのではないでしょうか。子どもたちをはじめ、障害がある人もない人も、多くの市民が共に学び、共に遊び、生活をしていくことが当たり前という社会になってほしいとの願いを込めて、再整備される玉川公園については、市民により関心を持ってもらうためにも、分かりやすく、なじみやすい愛称を募集すべきと思いますが、いかがでしょうか。あわせて、相互に人格と個性を尊重する共生社会への橋渡しとしてインクルーシブパークが果たす役割について、市長の思いをお聞きして、全ての質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○久保洋子議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 1番荒木議員にお答えいたします。 まず、コロナ禍における子育て支援についてであります。 福祉健康センターで行っています妊産婦を対象とした健康教室については、昨年度、対象者への感染リスクを考慮し全て中止いたしました。荒木議員御指摘のように、私は去年、毎日のようにWHOや厚労省、専門家会議ホームページや記者会見を注視しながら、できることはできる限りやっていこうということで、学校の休業につきましても、現場と意見交換をしながら慎重に取り組んできました。いろんな中止等々につきましても、ここは可能な限りの、その間に積み重なった知見に基づいてできるだけ動かしていくということを心がけてきました。ただ、そんな私でも、妊産婦さんであったり赤ちゃんをお持ちの若いお父さんお母さんが関わることにつきましては、より一層慎重にしなければいけないという思いを持っておりました。全てを中止にしたことについては御理解をいただければというふうに思っています。ただ、私も先般、小さいお子さんをお持ちの若いお母さん方と意見交換する場がありました。大変苦しかったということもお聞きいたしました。お母さん同士コミュニケーションであったりだとか、また、ワンオペとかという表現もありましたけれども、まさにそんな状態でメンタルが大変厳しくなったという声も直接お聞きいたしました。育児に対する不安が広がったのではないかというふうに危惧しているところでもあります。今年度ですけれども、様々な事業につきましては、例えば1教室当たりの定員を減らすなど、感染対策を行いながら開催しているところであります。ただ、人数を減らすということは、残念ながら希望はしたけれども参加できない方もいらっしゃったことも事実だというふうに思っています。可能な限りのサポートをしてきたつもりでおりますし、これからもしていかなければいけないというふうに思っています。子育て家庭の孤立ということができる限りないように、様々な工夫を行いながら、できるだけ事業は継続していきたいというふうに思っています。回数を増やすことであったり、また、オンラインで事業を行うということであったりしながら工夫していきたいと考えています。 協働のまちづくりチャレンジ事業におきまして、産後ケア事業の評価についてお尋ねがございました。以前もこの本会議場で申し上げましたけれども、これこそオンラインで私は産後ケア事業のチャレンジ事業のプレゼンを拝見いたしました。私にも胸に響くプレゼンであったというふうに思っています。担当部署も全く同じ思いを持たれたようで、採択ということになって工夫しながら行っていただいているんだというふうに思っています。私は、御理解をいただいた上で見学もさせていただきました。簡単な運動であったりグループワークを通じて、産後の健康と体力の回復の大切さ、出産や育児に不慣れなお母さんとその御家族に意識づけを行う機会であるとともに、同じ境遇である方々が悩みや不安を話し合うことによって心の負担を軽減することができる貴重な場であったというふうに思っていますし、機会があってそこに参加した若いお母さんと意見交換をする場面もありました。そのお母さん方も本当に、気分転換もそうだし、いろんなことを教えていただいた、ぜひ広げてほしいということもおっしゃっておられました。永続性のことについてお触れでございました。頑張っていらっしゃる方も何人もいらっしゃいます。ただ、これを継続していく、そして行政が直接関わっていくとなりますと、どうしても担い手の育成であったりだとか、様々な実施団体が増えていくということが大切なことなんではないかというふうに思っています。その過程の中で行政ができることは精いっぱいさせていただきたいというふうに思っています。 また、場所のことについてと市が主催するということについてお尋ねがございました。産後指導士の方々との連携につきましては、今年度、金沢市立保育所子育て夢ステーションにおいて産後ケア講座を実施したところであります。本市の産後支援につきましては、このほか、産婦人科医や助産師、主任児童委員など多様な方々と連携しているところであります。それぞれの団体や地域において自主的な活動も行われているということも聞き及んでいます。誰もが気軽に利用しやすい子育て支援体制づくりが、少しずつではありますけれども進められてきているというふうに思っています。本市主催事業となりますと、市だけで行うことはなかなか難しいというふうに思っています。先ほど申し上げましたように、担い手であったりだとか主催する事業主体が増えてくる中で、本市と連携して、時には委託ということもできるのかもしれません。時には一緒に行っていくということもできるのかもしれません。また、後援事業という形で行っていくこともできるのかもしれません。いろんな在り方を工夫しながら、妊産婦さんや若いお母さん方お父さん方が安心して子育てをできる、そんな環境を一緒につくっていければというふうに考えています。 SNS相談を用いた金沢市女性安心生活支え合い支援事業のことについてお尋ねがございました。コロナ禍において、子育て家庭等の困難、不安を抱える女性に対する支援は大変重要であり、SNS相談についてもその一つとして私は大いに意義があったと思っています。先般、その取組をしていただいた方が御報告にお越しいただきました。いろんな現場の御意見もお聞きをさせていただきました。献身的な取組に心から敬意を表したいというふうに思っています。同じようなことをされていらっしゃるそれぞれの団体の皆さん、また、この支え合い支援事業で様々な視点から取り組んでいただいている団体の方もいらっしゃいますので、皆さん方の御意見をお聞きしながら、今後どんなことができるのか、その中でSNS相談のことにつきましても今後の研究課題とさせていただければというふうに思っています。 公的支援の拡充についてお尋ねがございました。育児疲れや不安が大きい産後間もない時期の産婦への支援を強化することは大変重要なことだと考えています。本市では今年度、産後ケア事業の対象者を産後4か月未満の母子から6か月未満の母子に拡大したところであります。対象者の拡大、相談体制の充実などについては大切なことだと思っています。さらに検討したいというふうに考えています。アワードの受賞のことにもお触れでございました。そんなところにもいろんなヒントがあるかというふうに思いますので、そのことについても勉強させていただければと思っています。 情報発信の在り方についてお尋ねがございました。本市では、母子健康手帳交付時に保健師が全ての妊婦の方と直接面談し、出産に関わる保健指導や産前産後に利用できるサービスなどの説明を丁寧に行ってきています。あわせて、子どもの成長過程に応じた予防接種や健診などの情報を定期的に配信しています母子手帳アプリを紹介し、利用を勧めているところでもあります。母子手帳アプリにつきましては、子育て支援サービスや子どもとの関わり方などについて、より分かりやすい情報発信に向け機能強化を検討しており、妊娠中から出産・育児までの適切な時期に必要な情報が届けられるようにこれから努めていきたいというふうに思っています。本市のSNSを使っての情報の発信の在り方も工夫していくことによって、広く市民の皆さんに情報を伝えるという手法もあれば、ターゲットを絞った形での情報発信の在り方というものも今研究させていただいているところでありますので、そんな中で御指摘のことにお応えできればというふうに思っています。 乳幼児健診の在り方についてお尋ねがございました。乳幼児健診は、乳幼児の健康状態を把握し、疾病の早期発見、早期治療につなげるとともに、保護者の育児に対する不安や悩みの相談を受ける場でもあると考えています。そのため、保護者が安心して受けることができる環境づくりも重要であると思っています。1歳6か月児と3歳児の健診時には、必要に応じて、ゆったりとした雰囲気の中で心理士による相談を実施しています。現在、コロナ禍であります。感染防止対策として3密を回避するため、健診の回数を増やすことで1回当たりの定員も少なくしているところであります。以前に比べて時間的・空間的にもゆったりとした環境になっていると考えています。今後とも、現場の方、お母さん方や現場の職員の意見も聞きながら、保護者が話をしやすい雰囲気づくり、環境づくりに心がけてまいります。 乳幼児健診での母親の状態を分けて判断する、そんな仕組みづくりがあってもいいんではないかということです。現在、乳幼児健診において保護者に対する支援の必要性について確認しており、福祉健康センターで健診に当たる専門職が、子どもと母親のそれぞれの状態について情報を整理し、適切な判断に努めているところであります。今後とも乳幼児健診を通じた保護者支援を充実してまいります。 玉川公園のことについて何点かお尋ねがございました。 障害の有無にかかわらず使いやすい椅子型のブランコ、にぎやかな場所が苦手な子ども等を対象とした静かな空間を創出するシェルター型の遊具、車椅子の方が利用しやすい複合遊具、そういうものの設置も今考えているところであります。様々な機能を有する遊具を配置することで、誰もが分け隔てなく遊べ、憩える公園となることを期待しています。 独自のガイドラインが必要ではないかと、その遊具の決定までの過程について、遊具に関しましては、国が定めている安全確保の指針を遵守することは当然のことでありますが、利用者となる地域の住民をはじめ、近隣に特別支援教育サポートセンター、今まだ仮称ではありますけれども、その整備を予定していますことから、その教育に関わる方々の意見も伺ってきているところでもあります。専門業者と協議を行い、最適な遊具を選定したところであります。 本市独自のガイドラインを設けてもいいんではないかということでした。今ほど申し上げました国の動向であったりだとか先進事例、また、利用されるであろう方たちやその関係者の御意見もお聞きしながら、その都度その都度、地域の実情に合った公園を整備する際に必要な機能を取り入れていけるように、さらに工夫していきたいというふうに考えています。一つ一つ、そのエリアであったり、エリアで利用されるであろう方の実情を考えながら取り組んでいくことが大切なんではないかというふうに考えています。 玉川公園の愛称のことについてお尋ねがございました。玉川図書館、そして玉川こども図書館、私は相当多くの皆さんに御理解いただいているというふうに思っています。隣接する公園も玉川公園という名称で、近隣の方はもちろん、図書館を利用される多くの市民の皆さんにも親しまれている名前なんではないかなというふうに思っています。今すぐにということは考えておりませんけれども、愛称のことにつきましては、今、一定の落ち着きのある名称ということもありますので、研究課題とさせていただければというふうに思っています。 玉川公園も含めた、これから増えていくであろうインクルーシブパークの役割のことについて、また期待についてお尋ねがございました。やはり先ほど申し上げましたように誰もが楽しく憩える公園であるということ、子どもたちが遊びを通じて様々な能力を成長させ、向上させるものとして意義があるというふうに思っています。昨年度、夢ある公園再生・活用計画を策定いたしました。大規模な公園の機能強化として、今御指摘いただきましたようなインクルーシブ機能の強化も掲げているところであります。公園の再整備等の機会を捉えまして、先ほど申し上げましたように地域地域で事情が、その様々な環境も変わってきます。広さも変わってきますので、一つ一つ丁寧な検証をしていきたいというふうに思っています。ただ、どんな場所であろうが、どういう広さであろうがインクルーシブパークの理念というものは大切だというふうに思いますし、そういう視点も積極的に検討もし、共生社会の実現に向けた一助としていければというふうに考えています。 私のほうからは以上です。 ○久保洋子議長 藤木こども未来局長。 ◎藤木由里こども未来局長心得 産前・産後ママヘルパー事業につきまして、この制度を取り入れた経緯でございますが、出産後は母親と子どもにとって大事な時期でございまして、特に産後間もない時期は母体の回復が十分ではなく、育児不安等になりがちでありますことから、身近に子育ての支援者がいない核家族などの家庭にヘルパーを派遣しまして、育児や家事の援助を行いますことで子育てに係る心身の負担を軽減できるよう事業を開始したものでございます。 これまでの利用実績でございますが、令和元年度は1,024回、令和2年度は1,106回で、令和3年度につきましては11月末現在で既に947回の利用がございます。コロナ禍で出生数が減少しております中、当事業の利用は増加している状況でございます。 また、コロナ禍で得られた課題についてですが、新型コロナウイルス感染症の流行によりまして、里帰り出産ができないことや身近に子育ての支援をできる方がいない状況が長期化しております。このため、産前・産後ママヘルパーに対する需要が増えておりますことに加えまして、ヘルパーそのものの平均年齢も上がってきておりまして、今後の担い手不足が課題となっているところでございます。 以上でございます。 ○久保洋子議長 換気のため、しばらくお待ちください。 3番喜成清恵議員。     〔3番喜成清恵議員質問者席へ移動〕(拍手) ◆喜成清恵議員 12月定例月議会において、みらい金沢の一員として発言の機会を得ましたので、数点にわたり質問いたします。 最初は、公共施設における生理用品設置についてです。 本市は、今年6月14日から1か月に1人当たり2パックの生理用ナプキンの無償提供を行っております。私の周りでも利用される方がおられ、大変助かったというお声をお聞きしました。窓口に訪れたのが1人であったとしても、御家族分を相談の上でお渡しする対応を金沢市は取っておられたようですが、御家族分をまとめて受け取られた世帯はどれぐらいありましたでしょうかお聞かせください。 ○久保洋子議長 松田市民局長。 ◎松田俊司市民局長 昼用と夜用の2パックを1セットにして1,080セットを用意して、これまで95%を配布したところでございます。統計は残念ながら取っていないんですが、御家族の分も合わせて受け取られたという方もいらっしゃったと聞いております。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 統計を取っておられないということなんですけれども、私が関わっておりますシングルマザーの方、通常、役所のところではいろんな証明書を出してじゃないと物を受け取ることができない中、恥ずかしい思いをせずに家族の分もナプキンを受け取ることができたということで喜んでおられました。ありがとうございます。 この生理用ナプキンのお渡しを通じて行政相談につながった事例はありましたでしょうかお伺いいたします。
    久保洋子議長 松田市民局長。 ◎松田俊司市民局長 生理用品を配布する際には、37か所の各種相談窓口を掲載したチラシを同梱しております。市の女性相談支援室、2階にある相談室のほうには、そのチラシを見て電話をかけられたという方も1名いらっしゃったと聞いております。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 恐らく、そのお渡しするときに、何かお悩み事がありますかという、そういうお声かけをせずにお渡しできたからこそ受け取りに来る方が増えたんだと思います。統計を取っておられないということですが、そのことによって敷居がすごく低くなったんだと思います。私は、この事業が来年度も継続することを希望いたしております。 そして、以前に質問させていただいた小学校、中学校、高等学校の個室トイレに生理用ナプキンを配置してほしいという件ですが、その後、教育委員会ではどのような研究がされたのかお伺いいたします。 ○久保洋子議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 国の通知や教育的見地、社会情勢等も踏まえながら、この10月より試験的に中学校4校でトイレに生理用品を常備して、使用状況、また、トイレへの常備に対する率直な思い、また、生理用品を使った生徒の声を聞くなどの調査を行いました。その結果、保健室に常備してある生理用品の使用数に比べて使用数が多い、そのほか、生徒からは、人に言うのは恥ずかしいとか、また、生理用品をトイレに持ち込む姿を他人に見られることに抵抗がある、また、急に必要になったとき安心であるとの多くの声が寄せられております。 以上です。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 今、調査を行っていただいたのは中学校とありました。なぜ小学校は調査対象にならなかったのでしょうか。1997年から2008年までの日本での統計ですが、初潮を迎えるのが一番多いのが約35%で小学校6年生、2番目に25%で中学校1年生、3番目が約20%で小学校5年生です。ここからも分かるように、小学校5年生、6年生で多く初潮を迎える生徒がいます。 ここからは保健室と個室トイレ設置の場合の生理用品、生理ナプキンの利用状況を比較する質問をさせていただきます。現在、金沢市内の小中学校において、トイレではなく生理用ナプキンを保健室に配置しているということでした。そこでお尋ねいたします。今年10月から金沢市内の中学校の保健室で提供された生理用ナプキンの月平均の枚数を教えてください。また、その際に受けた相談件数、解決件数、継続件数があれば教えてください。 ○久保洋子議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 今年10月から市内中学校の保健室で提供された生理用品の枚数につきましては、10月は52枚、11月は70枚であり、月平均枚数は61枚でございました。また、相談件数につきましては4件でありまして、そのうち解決件数は2件、継続件数は2件でございました。 以上でございます。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 月平均で61枚ということは、中学校1校当たりにすると月平均何枚というふうになりますでしょうか。 ○久保洋子議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 市内に中学校は24校1分校ございますので、大体2.5枚になります。 以上でございます。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 次に、本市の事業として金沢市女性安心生活支え合い事業を行う団体のうち、市内の中学校1か所にトイレ内に生理用ナプキンを設置して利用状況を調査している団体がおられると思います。その団体の調査開始時期とこれまでの実績がお分かりであれば教えてください。 ○久保洋子議長 松田市民局長。 ◎松田俊司市民局長 調査につきましては10月13日から開始し、先週までに昼用32枚、夜用24枚の計56枚を配布していると聞いております。 以上です。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 つまり、この1校で月平均28枚の利用が少なくともあったということで、やはり先ほど教育長がおっしゃられたとおり、保健室に生理用ナプキンを受け取りに来るよりも個室トイレに設置したほうが利用は多かったとの答弁のとおりだと思います。個室のトイレに生理用ナプキンが設置されているほうが、本当に生徒は手に取りやすいです。昨日の山本議員の質問に対しての答弁で、学校保健室での生理用ナプキン提供が小学校で176個、中学校で199個とありました。この結果からも、中学校と同様に小学校においても生理用ナプキンが必要とされていることは十分推測できるはずです。 東京都立学校250校で9月から公費で生理用ナプキンを購入し女子トイレに設置し始めました。約3か月たった結果は、保健室で生理用ナプキンを手渡しでしていたときに比べ、女子トイレに配置することにより160倍の利用があったそうです。各学校や東京都教育委員会は、アンケートを実施してはいないので、どれだけの生徒が経済的理由でナプキンを購入できない状況にあるのか分からないとしています。しかし、少なからずニーズがあると感じたとしています。トイレットペーパーが男女ともに必要なように、生理がある生徒にとって生理用品は必需品なのです。トイレットペーパーは、困窮しているかどうか、男女関係なしに使用できるのに、なぜ生理というものを背負わされている女子児童・生徒が、困窮かどうかで生理用品が使えるかどうか分かれるのでしょうか。このたびの金沢市内の中学校及び金沢市立工業高等学校でのトイレ内に生理用ナプキンを設置するとの英断に感謝いたしております。また、男性である源野議員がこの問題に向き合ってくださったこともジェンダー平等への大事な一歩だと思っております。さらなる英断として、小学校トイレ内に生理用ナプキンを設置することを求めますが、野口教育長の見解をお伺いいたします。 ○久保洋子議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 36年間小学校に勤めました。その36年間勤めた経験というか思いも込めながら、ここから少し答弁させていただきたいと思っています。 小学校4年時におきまして、初潮とか生理についてのことを子どもたちに指導しています。そのことを学んでいたとしても、やはり、先ほど喜成議員お触れになったとおり、子ども一人一人が、初潮を迎えるときとか、また、月の生理はいつ迎えるのか、そんなようなところについて、実際にそうなったときに、学問として学んでいたとしても、そうなったときにやっぱり戸惑いを覚えるんではないかな、私はそんなふうに思っています。やはり小学校につきましてはそうした児童の発達段階を踏まえながら、突然の初潮とか生理に適切に対応する必要があります。個々の体調に応じた対応や指導につなげる必要もありますので、保健室に配置していきたいと考えています。なお、やはり必要とする児童はおりますので、そうした児童には適切に行き渡るように配慮していきたいと思っています。 以上でございます。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 できましたら、さらにもう一歩本当は進んでいただきたいと思っております。 今まで述べたとおり、生理用品は生理がある女性には必需品です。中学校のトイレ内に生理用ナプキンを配置し調査しているさきの団体は、学校だけでなく金沢市内の数か所の施設の個室トイレにも生理用ナプキンを設置し、なおかつアンケートを実施しておられるようですが、市内何か所で実施されていますか。また、生理用ナプキンの提供の頻度と利用状況について、どのような報告がされているかお伺いいたします。また、そのほかの受託団体で行われている相談会ではどのような相談傾向があったかも併せてお伺いいたします。 ○久保洋子議長 松田市民局長。 ◎松田俊司市民局長 御指摘の受託団体は市内7か所に設置いたしまして、二次元コードを用いたウェブアンケートを実施していると聞いております。7か所のうち5か所につきましては週に1回、残りの2か所につきましては月に1回補充しているという報告を受けております。支援事業については現在実施中ではありますが、これまでに精神的な問題、人間関係、夫との関係などの相談が寄せられたと聞いております。 以上です。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 今の二次元コードを用いたアンケートの中には、スコットランドのような生理用品を全ての人に無料で提供する取組についての問いはありましたでしょうか。もし問いがあった場合は、どのような結果であったかお伺いいたします。 ○久保洋子議長 松田市民局長。 ◎松田俊司市民局長 アンケートに御指摘のような問いはありまして、日本でも同様に無料で生理用品を提供してほしいという回答は8割以上あったと聞いております。 以上です。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 女性が生理を逃れるためには、ピルで生理をコントロールする、子宮を摘出するなど、女性の体への負担と金銭的負担、精神的負担が非常に大きいです。例えば、男性の皆さんに想像していただきたいです。トイレでトイレットペーパーを使用したいとき、あなたは困窮していますか、必要な支援があればつなぎますよとトイレットペーパーを使いたいと思った都度都度誰かに尋ねられることをどう感じますか。山野市長はどのように感じられますか。精神的負担は感じられませんか。 ○久保洋子議長 山野市長。 ◎山野之義市長 男性であろうが女性であろうが、年齢は関係なく、障害の有無も関係なく、どなたもが公平公正に生活することができる、そんな環境をつくっていくことは大切なんだというふうに思っています。いろんな意味で弱い立場にある方たちに対しては行政がサポートをしていくことが大切なんだというふうに思っています。そんな社会をつくっていきたいと思っています。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 子孫を残す使命のために女性にだけ与えられた生理。日本の多くのトイレでトイレットペーパーが無料で使用できるように、生理用ナプキンも無料で使用できるようになることを私も願って、この質問を終えます。 次に、ヤングケアラーについてお尋ねいたします。 今年、金沢市ではヤングケアラーについて周知を始めたそうですが、どのような取組がされているか教えてください。 ○久保洋子議長 藤木こども未来局長。 ◎藤木由里こども未来局長心得 本年9月からヤングケアラーの周知啓発用に約5,000枚のパンフレットを作成いたしまして、福祉健康局及びこども未来局の各課、それから民生委員・児童委員、小中学校、そしてPTA協議会、地域包括支援センターなどに配布いたしましたほか、本市のホームページのほうにも掲載させていただいております。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 本年11月18日に金沢市こども相談センターが、あるプロスポーツ団体の勉強会にてヤングケアラーについて説明を行ったそうですが、本市がヤングケアラー周知のために行う勉強会や講演の実績と、これからの目標などがあれば教えてください。 ○久保洋子議長 藤木こども未来局長。 ◎藤木由里こども未来局長心得 仰せのプロスポーツ団体の勉強会においても講演会を行いましたほか、金沢子ども見守りネットワークの代表者会議におきまして、ヤングケアラーについてと題しまして大学講師による講演会を実施いたしました。国は、令和4年度から3年間をヤングケアラー認知度向上期間と位置づけておりますことから、本市におきましても、ヤングケアラーについて正しい理解をしていただくことに留意しながら、引き続き認知度向上に取り組んでまいりたいと考えております。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 ありがとうございます。 本市が子どもと接する立場にある学校や地区の民生委員など支援する側にアプローチすることも大切なんですが、一見関係が薄いと思われる方々にヤングケアラーを認識していただきたいと思っております。なぜなら、家族の世話をすることが小さい頃から日常的にあり、大学を休学せざるを得なかったということが理解されず、怠けていたと、休学を怠けていたと就職面談の際に判断され、なかなか就職できなかったという事例もあります。企業など社会全体でヤングケアラーについて認識する必要があると考えます。重度のヤングケアラーの実態をもっと知っていただきたい。 「ヤングでは終わらないヤングケアラー」という、元ヤングケアラーの方々によってつづられた書籍があります。いじめから不登校になり、そこから統合失調症を発症した姉を持つ著者は、「学校から帰ってくると家に姉が包丁を持ち出して暴れている」こんな壮絶なヤングケアラーの日常がこの書籍の中にはつづられています。市民だけでなく、議員の中でも、ヤングケアラーをただの兄弟の世話や家族の介護、家族の世話をするのは家族として当たり前としか認識しない方が多い。当事者でなくとも、社会からはじき出された経験をした者だからこそ他の社会問題に課題に想像をめぐらすことができます。例えば、自殺というのは非常に無責任な行いであり、美化されるものではないと考えています、こうおっしゃる方がおられます。私は、この言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になりました。なぜなら、私は以前から公表しておりますが、小学校2年生のときに小学校内のトイレで見知らぬ男性から性暴力を受けました。なぜ私がこんな目に遭わなければならないのか。自分としては性暴力を受けたことをなかったことにしたい。しかし、私の体は見知らぬ男性に小学校2年生のときに汚されたのです。記憶や出来事をなかったことにすることがかなわないならと自殺の道を選んでしまうことは、決して自分を美化したいからではありません。消えたいんです。誰にも相談できなかったんです。そんな私が生き恥をさらしてでも現在も生きていなければならなかった意味としては、このように私がカミングアウトすることによって、声を上げられずに恐怖や偏見と闘っている当事者に寄り添うことなんだと、今は常に自分に言い聞かせています。耐えています。当事者がつらいと言っているのに、それに耳を傾けることができない方が、現実に社会で起きている行動や行為を安易に批判するのはいかがなものかと思います。社会問題を理解するには、少なくとも当事者の声に耳を傾け、研究を重ねる必要があると思います。ヤングケアラーも社会問題であり、まだまだ周知がされていません。 ヤングケアラーのうち、自分も子どもなのに親の代わりとなって兄弟の世話をする存在になってしまう兄弟をきょうだいヤングケアラーといいます。きょうだいヤングケアラーの一人は本の中でこう述べています。スクールカウンセラーに相談すると、私は君の心の整理のお手伝いはできても君の家庭には何もしてあげられない。スクールカウンセラーにこう告げられたそうです。ここでお尋ねいたします。金沢市内の児童・生徒がヤングケアラーとしての相談をスクールカウンセラーに打ち明けたとき、どのような対応を想定しておられるのかお伺いします。 ○久保洋子議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 スクールカウンセラーは、子どもたちの友人関係、また、学業、家庭の悩みなどに対して、それぞれ専門的な知識に基づきながら子どもたちや保護者の方々の相談に対応しております。相談に際しましては、家庭状況や生活環境に起因する問題を抱える子どもに対しましては、本人に寄り添った対応に努めながら、学校と教育委員会が連絡を密にしながら、様々な状況の子どもたちが孤立することなく、安心して、よりよい学校生活を送ることができるよう、こども未来局と連携を深め、速やかな支援につなげることといたしております。 以上です。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 ありがとうございます。 教育委員会とこども未来局、そのほか福祉の関係であったりとか、経済的な理由で問題が解決できないという場合もあります。そういうところは市役所の中での垣根を越えて対応していただけると思ってよろしいでしょうか。 ○久保洋子議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 今ほど答弁させていただきましたとおり、必要なところについてはきちんと連携を取りながら対応させていただきます。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 ぜひとも、声を絞り出して恐らくカウンセラーの方に相談したんだと思うので、対応をよろしくお願いいたします。 また、きょうだいヤングケアラーの著者は、カウンセリングを受けるために日中クラスを抜け出さなければならなかったと、授業を抜け出すときに、同級生から何か問題があるんじゃないかという目で見られたために、屈辱的な思いをしたと著者は語っています。そこでお尋ねします。本市の児童・生徒がスクールカウンセラーに相談する際の対応時間などはどのようになっていますでしょうか。 ○久保洋子議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 児童・生徒が相談を希望する場合は、事前に担任や養護教諭等に申出を行い、希望に応じてスクールカウンセラーが事前に予約表を作成するなどして時間を設定させていただいております。また、相談する時間につきましては、児童・生徒の思いを尊重しながら、休み時間や放課後等を活用するなど、各学校できめ細やかな対応を行わせていただいております。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 ありがとうございます。 指導に当たられる方、相談に乗られる方、大変だと思うのですけれども、ぜひとも寄り添っていただけたらと思います。 また、元ヤングケアラーであり、現在も兄弟の面倒を見ている著書の一人は、自分がヤングケアラーだと気づき、また、そのことに向き合うことができたのは、進学し実家を離れたことがきっかけだったと。つまり、18歳を超えてから冷静に考えることができたと語っています。ですから、18歳未満の当事者を見つけることが難しいのだと想像できます。著者は大学へ進学し、作業療法士や介護士の道に進むことができましたが、進学できるヤングケアラーばかりではないと思います。ヤングケアラーは、18歳を超えたらケアラーを卒業するわけではありません。自分の家の事情を隠そうと社会との関係を避けるヤングケアラーもいらっしゃると想像できます。そこでお尋ねします。障害のある御家族を見守るヤングケアラーに対し、障害福祉サービスを有効活用した支援を講じる必要があると思いますが、いかがでしょうか。 ○久保洋子議長 山野市長。 ◎山野之義市長 障害福祉サービスでは、障害のある人の介護や家事を援助する居宅介護をはじめ、一時預かりを行う短期入所や日中一時支援などのサービスにより家族の負担軽減を図ることができます。障害福祉サービスは障害者手帳の有無にかかわらず利用できますことから、ヤングケアラーとその御家族にこうした制度を知っていただき、利用を進めていくことがヤングケアラー支援に結果としてつながってくるんだと思っています。学校や民生委員・児童委員、ネットワークの皆さん方の力も借りながら、そういう方たちの力をお借りしながら障害福祉サービスの周知に努めてまいります。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 一見こういう障害に関わるサービスというのは、先ほど市長もおっしゃっていただいたみたいに、手帳の有無ということ、手帳がないと利用できないんだと思い込んでいる方がおられると思いますので、ぜひそのサービスがあるということを周知していただけるとありがたいです。 私が出会ったヤングケアラーは、小学校、中学校と不登校で、形式卒業をした方でした。私が関わる子ども食堂に山野市長が訪れていただいたとき、そのお子さんが来ていました。ですので、こういう境遇の子どもがいますよとそのときお話しさせていただきました。もうヤングではない元ヤングケアラーへの支援として、公立夜間中学は必要な機関です。新しい石川県知事の下、公立夜間中学校設置に向けて前進することを期待しております。金沢市でも不登校生徒が増加しております。公立夜間中学校設置について、野口教育長の見解をお伺いいたします。 ○久保洋子議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 公立夜間中学校の設置につきましては、前総理大臣が、今後5年間で全ての都道府県・指定都市に夜間中学校が少なくとも1つ設置される、このことを目指し、全国知事会や指定都市市長会の協力を得て取り組んでいきたいと答弁をされていました。その実現には、県費負担教職員の配置、また、特別な教育課程の編成、指導方法の確立など課題が多く、また、その設置場所は就学を希望する方々の人数や住所地、交通状況、また通学環境、立地条件等の面から十分な検討が必要であると考えており、県全体で検討していく必要があると思っております。 以上です。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 今年2月に金沢市に自主夜間中学ができました。最初の頃は生徒がたくさん来てくださっていました。しかし、このコロナの影響で通える方の足が遠のいていっております。夜間中学という制度があるんだよということを本当にまず知っていただきたい。そして、声を上げていただくことによって、今、野口教育長がおっしゃられたように、どの場所に設置するのが利用する方にとっていいのだろうかと、そのための課題は何なんだろうかということが見えてくるんだと思うのです。まず、当事者の声を聞くためにも、協議会もそうですし、周知をするということ、石川県の動きを待つのではなく、金沢市としてぜひ一歩を踏み出していただければと思っております。こんな制度が、夜間中学という制度があること自身、本当に知られておりません。ヤングケアラーと同様、知られていません。ぜひ金沢市において周知を御検討いただければと思いますが、野口教育長の見解をお伺いいたします。 ○久保洋子議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 これまでもこの議場で夜間中学校については何回も質問が行われましたし、答弁もさせていただいております。逐一そうしたやり取りにつきましては報道を通して皆さん、市民の方々にも伝わっているんではないかと思っておりますし、私、決してこの問題については全く見て見ぬふりする、そんな感じはないんです。前の議会でも答弁いたしましたとおり、やはり県内にはたくさんの教育委員会がございます。その教育委員会の教育長と共に真摯にこの問題に向かい合っていきたいと思っています。前回の議会で答弁させていただきましたけれども、県の教育委員会の連合会という会がありまして、そこに参加している教育長ともこの問題について話をさせていただきました。その折に各教育長からは、いわゆる今回の国勢調査が行われましたけれども、そうした中の情報等もしっかり見極めた上でやはり議論していくべきではないのか、そういう声も上がりましたので、これからまたそういった声も踏まえながら議論を進めていければと思っております。 以上です。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 ぜひ、教育者の側の立場からだけではなく、当事者の側の立場からの意見も参考にしていただいて、この問題を本当に考えていただきたいと思います。 夜間中学のイベントがある際に、石川県の19市町、教育委員会、社会福祉協議会、それぞれ回らせていただいて意見交換させていただきました。温度差が本当にあるなというのを私も実感しております。この温度差があるのは、やはり夜間中学のことについて周知がなされていないからであろう。そして、本当に必要とする方が、こんな制度があるということが分からずにいて声が上げられないんだと思います。私たち民間の動きとしても活動を続けてまいりますが、ぜひとも先ほど野口教育長がおっしゃっていただいたように夜間中学について研究を進めていただければ幸いです。 もう1つ、来年度予算に向けて厚生労働省と文部科学省は、ヤングケアラーの支援体制強化事業を国に提案しております。その中にはピアサポーターなどの支援団体も視野に入れております。そこでお尋ねいたします。現在、本市はヤングケアラーに特化した支援団体とつながっておられますでしょうか。つながっているとすれば、どのような支援と連携をしているのか。つながっていないのであれば、今後、支援や連携を考えているかお伺いいたします。 ○久保洋子議長 山野市長。 ◎山野之義市長 喜成議員から発言通告をいただきまして、私も確認をさせていただきました。現在、本市ではヤングケアラーに特化した支援団体とはつながりはありません。今まだ十分担当部署も含めて調べ切っているわけではありませんけれども、金沢市内にあるかどうかもまだ十分分かっておりません。そのような支援団体が金沢市とコミュニケーションが取れる距離であったりだとか、今日び、いろんなSNS等でもつながることもできるかというふうに思いますので、どういう支援団体があって、どういう活動をされていて、金沢市とどんな連携ができるか、そういうことを調べるところからまず始めさせていただければと思っています。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 少しずつ前進し始めたヤングケアラー支援、これからさらに充実したものになるように、私も研究を進めてまいりますし、民間団体として実行していくつもりであります。年明け早々には、当事者であったり研究者であったりで考える会などを立ち上げていくつもりでございます。 最後に、低出生体重児についての質問をいたします。 日本の赤ちゃんの出生時の平均体重は約3キログラム、平均身長は約50センチメートルです。そのうち、2.5キログラム未満で出生した赤ちゃんを、昔は未熟児といっていましたが今は低出生体重児、1キログラム未満で生まれた赤ちゃんを超低出生体重児といいます。厚生労働省の人口動態によると、低出生体重児が全出生数に占める割合は、1985年には5.5%、2020年には9.2%と増加傾向にあります。石川県において令和2年度の総出生数7,712人に対して、2.5キログラム未満で生まれた赤ちゃんが651人、1.5キログラム未満の赤ちゃんは54人、1キログラム未満の赤ちゃんは27人です。石川県では総出生数の9.5%が低出生体重児ということが分かります。そこでお尋ねします。金沢市は低出生体重児の保護者に対してどのようなサポートをされていますでしょうか。 ○久保洋子議長 高柳福祉健康局長。 ◎高柳晃一福祉健康局長 本市では、2,500グラム未満でお生まれになった低出生体重児のいる御家庭に、お子さんの退院後、速やかに保健師が家庭訪問いたしまして、健康状態の確認とともに保護者の方に低出生体重児の発育・発達の特徴や留意点などについて説明しております。その際に、低出生体重児に関する小冊子をお渡しするとともに保護者の方からの相談にも応じているところであります。また、その後も継続して訪問等のフォローも行っております。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 では、もう1つお伺いいたします。 金沢市が交付する母子健康手帳の中に成長の記録をするグラフがあると思います。そのグラフには、体重は何キログラム以上、身長は何センチメートル以上から記入することが可能かお尋ねいたします。 ○久保洋子議長 高柳福祉健康局長。 ◎高柳晃一福祉健康局長 母子健康手帳の内容につきましては、国の母子保健法施行規則に規定されております。手帳の中にあります身体発育曲線を記入するグラフも、この規則により全国で統一されておりまして、体重は1キログラムから身長は40センチメートルから記入できるようになっております。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 つまり、1キログラム未満、身長で言うと40センチメートル以下の赤ちゃんは記入ができない母子健康手帳になっていると。1キログラム未満で生まれた赤ちゃんは、この手のひらにおさまるぐらい小さいです。でも、確かにここに命があります。しかし、この母子健康手帳では体重や身長を書こうと思っても目盛りがない、記入しづらいなど、低出生体重児保護者の声があります。寝返りが打てますかなど一般的成長記録を記入する欄が母子健康手帳にはありますが、小さく生まれてきた赤ちゃんの保護者は、その成長記録に対し、いいえと記入することが続きます。自分の子どもの成長を客観的に見ることを今の母子健康手帳では見失ってしまうことがあります。そんな中、この保護者たちの声を受けて、リトルベビーハンドブックを作成する動きが全国的に始まっております。リトルベビーハンドブックとは、低出生体重児の成長の記録を細かく記録できる冊子のことです。全国6県5市で運用され、検討を始めている自治体も増えています。ただ、石川県内の低出生体重児保護者の方は、石川県内の各市町独自のリトルベビーハンドブックの作成ではなく、石川県において作成されることを望んでおられます。なぜなら、県内で交付される自治体と交付されない自治体の差が出てくることを保護者の方は心配するからです。ぜひ本市から石川県へリトルベビーハンドブック導入を強く求めていただき、小さく小さく生まれた赤ちゃんを持つ保護者、とりわけお母さんたちに寄り添っていただきたいと思いますが、市長の見解をお伺いいたします。 ○久保洋子議長 山野市長。 ◎山野之義市長 今ほど喜成議員のお言葉をお聞きいたしまして、改めて、保護者の方々が大変つらい思いをされながらも、この子たちをしっかり守っていかなくちゃいけない、そんな思いでいらっしゃるということを本当に感じさせていただきました。手帳の作成は大変大切だというふうに思っています。今御指摘いただきましたように、金沢市に病院が多くあります。金沢市で生まれる赤ちゃんも金沢市外に住所があっても多くいらっしゃいますし、県内、少なくともやはり御指摘ありましたように県内で統一されたものが望ましいというふうに私も思っています。今後、県に強く働きかけていきたいというふうに思います。 ○久保洋子議長 喜成清恵議員。 ◆喜成清恵議員 ありがとうございます。 先日、小間井議員も登壇して開催された未来へつなぐシンポジウムにて、安居知世県議会議員もリトルベビーハンドブックのことを紹介していましたし、12月8日の白山市議会においても、公明党の田代議員がリトルベビーハンドブックについて取り上げておりました。この支援が広がることを望んで、私の質問を終わらせていただきます。(拍手) ○久保洋子議長 以上で、3番喜成清恵議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。 換気のため、しばらくお待ちください。     〔議長退席、副議長着席〕 ○前誠一副議長 27番広田美代議員。     〔27番広田美代議員質問者席へ移動〕(拍手) ◆広田美代議員 質問の機会を得ましたので、日本共産党金沢市議員団の一員として、以下質問いたします。 2018年度に行われた金沢市子どもの生活実態調査が、今年度は独り親の調査と併せ7月中に6,000世帯に郵送にて行われ、その結果が一部公表されています。私も結果を見させていただきました。大まかな受け止めとして、まずは、国民生活基礎調査から割り出した低所得の基準が2018年度から10%近く下がっているもとにおいての分析だということを前提にして、本市が生活困窮世帯とする層は、回答者から不明を除いた母数で計算すると15%、その困窮世帯の7割が独り親という結果です。そして、子どもの年齢が上がるごとに生活困窮層の割合が増えている。コロナ禍ということもあり、また、対象の変更もあったということで前回よりよくない項目が多い。比較の点では、独り親世帯・生活困窮世帯の親も子も、そうでない世帯より経済的な問題を抱えている。そして、コロナでより影響を受けている。ただ、非生活困窮世帯とする層も経済的に苦しい世帯もある。さらに、子どもの貧困は親の貧困であり、貧困の連鎖がこのアンケートに如実に表れているというものです。まずは、市長の受け止めをお聞かせください。 ○前誠一副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 これまでも本市は、子どもソーシャルワーカーの配置、学習支援事業も行ってまいりました。また、子どもをサポートするネットワーク化も進めてまいりました。離婚時の養育費取決め割合も10%上昇、様々な施策を行うことによって上昇もしてきました。一定の効果は表れてきているんだと思ってはいますけれども、今ほど御指摘ありましたように、生活困窮者では独り親世帯が多いということ、また、特にコロナ禍があって、なおさらストレスであったりだとか精神的なもの、生活そのものもそうですけれども、そういうものの負担というものも大変大きくなっているというふうに思っています。大変憂慮すべきことだというふうに思っています。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 本当に子どもさんを育てる世帯の過酷な生活実態が見えたかなと思いますし、独り親・生活困窮世帯は比較するとさらにひどいということが分かりました。市長は今、どちらかというとプラスアルファの支援のほうをおっしゃられましたけれども、私は、今回の質問ではやはり行政としての役割、保障という立場で質問を重ねていきたいと思います。 次に、この実態調査は、次期子どもの生活応援プラン(仮称)の基礎になるものです。次期プランは、これまでの金沢市子どもの貧困対策基本計画2018、金沢市ひとり親家庭等自立促進計画2017を統合させ次期計画となるものです。よって、この実態調査は現計画の方針やそれにひもづく各施策が達成したのかどうかという指標になります。市長は、この調査を見て、現計画、施策をどのように評価しているでしょうか。 ○前誠一副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 両計画の施策の進捗につきましては、毎年状況を金沢市子ども・子育て審議会に報告し、施策推進における評価について助言・提言を受けているところであります。おおむね遂行、達成できているというふうに理解はしています。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 毎年状況調査していると。それも確かに大事ですけれども、今回、7月に当事者の声を聞くという取組が金沢市自身で行われたわけですから、それを基に評価を、今、計画策定委員会も開かれておりますし、それを基に、実態調査を基に評価するということが私は極めて大事だろうというふうに思っております。 ところで、2018年度当時の計画策定の経過を見ますと、11月末に調査を確定させてから本市の子どもの貧困の現状と課題の整理、いわば評価を行い、骨子案の議論を行っています。しかし、一方で今年度の計画策定委員会では、私の知る限り、この実態調査の集計や分析がまだ完成、確定していない中で骨子案がつくられているように見受けられます。まずは実態調査の分析を念入りに行い、確定させ、委員の皆さんにきちんと示してから計画の評価や骨子作成作業に移行するべきではないですか。 ○前誠一副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 調査結果や現計画につきましては、これは仮称でありますけれども、子ども生活応援プラン策定委員会において議論をいただいて、それを踏まえ、施策や制度の充実を図り、その方向性等を示した次期計画の骨子案を取りまとめ、パブリックコメントを予定しているところであります。市民の御意見をお聞きしながら取り組んでいかなければいけないと思っています。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 私が言っているのは手順が後先になっているということで、まず調査結果、市民の大事なお声が取りまとめられた調査結果を確定させてから評価して骨子作成に移るべきではないかというものです。まだ委員に完成された調査結果が渡されていません。その点をどのようにお考えでしょうか。 ○前誠一副議長 山野市長。
    ◎山野之義市長 今回の実態調査を分析し、課題を洗い出した上で、策定委員会から御意見をいただき、今般、プランの骨子案をまとめたところであります。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 もう骨子案のプランまとめられたとおっしゃいますけれども、少なくとも私はヒアリングの中でまだ自由記述を一つも見ていません。アンケートには自由記述欄もありまして、大切な市民の生の声を聞けるチャンスです。それについてまだ議会にも示せていない。そして、貧困率、独り親や困窮層を比較するような資料もまだ全然足りていないんですよね。それが出てからではないと評価もできないし、骨子案もできないというふうに考えるものですが、局長、いかがですか。 ○前誠一副議長 藤木こども未来局長。 ◎藤木由里こども未来局長心得 策定委員会につきまして、10月の末頃に開催いたしまして、そのときに提出しました調査結果報告書、こちらのほうを策定委員会からも御意見、それから記載内容についての、ここはちょっと表記が違うんではないかとか、あるいは分析の方法をもう少ししたほうがいいんではないかというような、一部の誤りとかも含めまして指摘をされておりまして、そういった誤った箇所を含めまして確認をした上で最終的な骨子案を今まとめておるところでありまして、最終案が今もうできているという中で、分析というものをもう一度やり直すというよりも、議員おっしゃられましたとおり、必要な、また、いろんなデータなど、御意見など、そういったものにつきまして、必要に応じてまたピックアップしながら、今後の最終案を作成する中でパブリックコメントも含めましてまとめに入っていきたいと考えております。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 予定では、もう12月末にパブリックコメントというふうに委員会でも報告をされています。ただ、私は今言った集計・分析では不十分だと考えています。骨子案、もうできているということですけれども、せめて委員会の皆様に、名前も載るわけですからね、最後に計画の。完成された調査報告書を速やかに渡すように求めますけれども、その点だけでもいかがでしょうか。 ○前誠一副議長 藤木こども未来局長。 ◎藤木由里こども未来局長心得 調査報告書につきましては、一度常任委員会のほうでもお示しをさせていただいておりまして、それを基に作成をいたしました調査結果報告も含めた骨子案につきましてお示しをしたいと考えております。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 本当に大事な調査だと思うのです。年収や本当に心情的なことまで包み隠さず書いてくださった6,000世帯の中の40.1%の回収率の方々にしてみれば、本当にしっかり生かしてほしいという思いで書かれているはずです。それがやっぱりまだ途中段階で、評価であるとか骨子作業に移るというのは、私は、市民に対して誠実さもないですし手順として間違っているというふうに思います。度重ねて、委員の皆様には完成された調査結果を速やかに渡すように求めておきたいと思います。 今回、前回と違うのが、前回は金沢大学の先生が大いに分析をされていたと思うのですが、今回、その集計からはコンサルの会社が入られてやっているということなんですね。だからなかなかスケジュールがかみ合っていかないんじゃないかというふうに私は思っているんですけれども、やはりコンサル、いや本当に確認も含めて行ったり来たりがあると思うのですよ。ということで、私はやはりこういった福祉施策、まちづくりもそうですけれども、市の職員自身が地域分析や計画策定がしっかり行えることが大事ではないかというふうに考えます。そのためにやはり増員が必要ですし、能力を鍛える教育研修も行っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 ○前誠一副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 今回の策定委員会には、地域の福祉活動を行っている団体、地元の大学からも複数の有識者の方にも加わっていただいています。実態調査から見えた現状や課題について御意見もいただいているところでもあります。大学と連携する中で、職員自身のスキルアップも図られると思っておりまして、職員が日々の業務から培った知見を生かすことが、より効果的な調査分析や計画策定業務につながっていくと考えています。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 すみません、職員の能力向上もそうですけれども、やはり前回同様、地元の大学と協働して行っていくべきだということも併せてお聞きしたいと思います。 ○前誠一副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 今ほど申し上げましたように、地元の大学の有識者の方にも複数入っていただいておりまして、その知見もいただきながら取り組んでいるところであります。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 ガス・発電のやり取りをみてもお分かりのように、やはりコンサルの皆さんがつくって資料にして、方針、計画、たたき台をつくっていくというのは相当影響されるというか、やはりそこの要の部分を本市の職員であるとか地元の大学との連携でやっていくことが市民にとっても必要ですし、コンサルだと1年きりですからね、関わりは。次、入札で誰が取るか分からないという中で、やはり職員が、ずっと金沢市で働く、市民のことを考えて働く職員がそういう作業に関わっていく、そして地元の大学の皆さんと共に研究していくという、そういう姿勢が私は大事だと思うのです。その点いかがですか。 ○前誠一副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 地元の大学で地域のことを研究されていらっしゃる先生方の御意見は大切だというふうに思っています。しかも複数の方に関わっていただくことによって、より幅広い知見を得ることができるんだというふうに思っています。職員も、地元の大学の方ですから日常的にいろんな勉強会等々もすることによって職員の資質も高まっていくことになるというふうに思いますので、そういうことはこれからもしっかりやっていかなくちゃいけないと思っています。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 私は、こういった計画策定についてはコンサル会社よりも職員、そして地元の研究機関、大学などと連携して行うことを強く求めておきたいと思います。 次に、この実態調査を基に、行政の役割として保障すべき子どもの施策、制度について提案をしたいと思います。 (パネルで説明) まず、経済状況に関わってです。問30のグラフを見てください。傍聴者の方には大変小さくて申し訳ありません。議員の皆さん、行政の皆さんはタブレットから広げて見ていただけると助かります。 毎月の収支は保護者全体でも約28%が赤字と答え、さらに、独り親・困窮世帯では、そうでない世帯に比べ赤字の割合が高い。ここには書いていませんけれども、カードローンなどで補っている状況。そうした中、この1年、食料を買えない、光熱水費や家賃、保険料、保育料、学費、給食費が払えないことがあった割合も、独り親・困窮世帯はそうでない世帯より高い。子どもの物品所有状況も、自分だけの本がない、スマホがない、宿題できる場所がない、おもちゃや自転車がないなど、独り親・困窮世帯はそうでない世帯に比べ高い状況です。そこで伺いますが、雇用状況との関係では、独り親・困窮世帯はそうでない世帯に比べ正職員が少なく、独り親は言うまでもなく1馬力です。こうした就労状況が経済状況に影響していると言えます。非正規職員の正規化、女性が多く働いている保育・介護・障害など福祉分野の賃金の大幅な引上げが必要ではないでしょうか。 ○前誠一副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 本市におきましては、非正規職員を正規職員に移っていただくための様々な支援も行っています。雇用主に対しても、そういう奨励制度を設けて取組を促しているところであります。様々な、特に女性が多い保育・介護・障害などの福祉分野におきましても、職員の給与水準の改善を図るため、これまでも国の制度を活用し処遇改善事業を行ってきているところでもあります。総理も、公定価格を引き上げることによって、そういう福祉の分野の方たちの働く環境を充実するというふうにおっしゃっておられます。独り親家庭はもちろんそういう福祉の分野以外にもたくさんいらっしゃいますけれども、先ほど申し上げたような様々な施策を周知していくことによって、非正規から正規の職員になっていくように、そしてその処遇が改善されるように国に求めていきたいと思いますし、市としてもなし得ることを取り組んでいきたいと考えています。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 市長もお気づきだと思いますけれども、政府が示している月9,000円アップですね、これは一桁足りないというふうに言われています。ぜひ地方からも声を上げていくよう求めていきたいと思います。 ただ、正規職員になろうとも、残業や出張などの働き方を受け入れないと難しい側面もあり、独り親や女性は自由に職業選択ができていないというのが実態です。私が関わった独り親でも、働いても生活保護基準に満たないという方もいらっしゃいます。最低賃金の引上げはもちろんなんですけれども、企業の柔軟性と労働者の生活を保障する責任を市長としてはどう考えますでしょうか。 ○前誠一副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 先ほど、非正規から正規に移るために雇用主に対しても奨励制度を設けているというふうに申し上げましたけれども、大変これからも力を入れていかなくちゃいけないところだというふうに思っています。労働団体や経済団体、多くの方のお力をお借りいたしまして、金沢市雇用対策連絡会というものを設けまして、その企業の皆さんであったりだとか各労働団体の皆さんとの情報共有を図り、意見交換を行っているところであります。引き続き、雇用主に対しても、また、いろんな企業関係者に対しても、働きやすい職場環境を提供するように働きかけていきたいというふうに思いますし、そのことは、今議論しているこのテーマだけではなくて、広いテーマにも必ずプラスになるということをお伝えしていきながら、ぜひ取り組んでいきたいと思っています。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 また、現時点で難しい場合は、私は必ずしも仕事を優先せず、子どもと親の生活を第一に考える選択肢もぜひ相談の上では導いていただきたいと思います。 次に、年齢別では生活困窮世帯の割合が子の年齢が増すごとに高くなっている。16~17歳の子ども世帯では割合が21.2%と最も高くなるんです。16~17歳の場合は、非生活困窮層でも31%が先ほどの収支で赤字。これは児童手当や各種手当など高校生に対する施策が少ないからだと考えますが、どのように分析されているでしょうか。 ○前誠一副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 実感としても申し上げますけれども、小学校、中学校は基本的に歩いて通学できるところです。高校になると多くの場合、自転車であったり公共交通を利用されることも多いんではないかと思います。部活動におきましても幅広い活動にもなってきます。学習教材においても、より専門的なものを利用されることが多くなってくるんではないかというふうに思っています。また、学校以外の生活活動の範囲も広がってくる中で、どうしても費用がかさんでくるんではないかということも思われます。いろんな環境が相まって、年齢が上がるにつれて生活費が上がってくるんだというふうに思っています。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 今回の実態調査は、収入面は公的な年金であるとか手当を差し引いた収入で申告してもらっていますので、ちょっと高校生の世帯の収入が下がっているかどうかというのが分からず、今、市長が言われたような支出についてはやっぱりかさむんだという分析ができるかなというふうに思いますが、やはり感覚としても、手当が実際になくなるわけですから、児童手当もなくなりますし、そういった点からもぜひアプローチしてほしいと思います。 次に、医療へのアクセスということで御質問します。子どもを受診させようと思ったがさせなかったことがあったかという保護者への設問があります。問17、18のグラフを見てください。あったという割合は子の年齢にあまり差はないものの、理由に違いが生じています。特に、医療機関で自己負担分を支払うことができないと思ったためが、低年齢の子と比べ16~17歳の保護者では10.2%、10倍ほど多くなっているんです。本市では中3までは子ども医療費助成制度があり、その範囲内の子の世帯については自己負担がネックになってこの理由を挙げるんだと考えられますが、16~17歳は、高校生はそもそも制度の対象外であり、児童扶養手当対象世帯以外は医療費がしっかりかかるため、この受診抑制が引き起こされていると考えます。本市は県内で唯一、対象年齢が15歳までと低く、自己負担があるのも県内で4市だけの中の1つです。まずは、18歳まで安心して医療にかかり、健康権が保障されるよう、本市の子ども医療費助成制度の対象を18歳まで広げることを求めますが、いかがでしょうか。その必要経費も含めお答えください。 ○前誠一副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 一義的には国が全国一律に対応すべきテーマだというふうに思っていますし、都道府県においても様々なサポートがあってしかるべきだというふうに思っています。子ども医療費のことにつきましては、医療費もそうですけれども、金沢市におきましては様々な子育て施策が、ハード、ソフト含めて充実しているところであります。総合的に判断することが大切なんではないかというふうに思っています。医療費の助成対象を通院・入院とも18歳まで拡大した場合、概算ですけれども毎年約2億1,000万円の負担が増えることが見込まれます。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 16~17歳の世帯は困窮層がどの世帯よりも多い、生活が苦しいという実態は明らかです。そして、自立への旅立ちのとき、貧困の連鎖をなくす大事なタイミングとも言えます。今回のデータで、家計が苦しくて、しわ寄せが医療というところにも表れている。この背景には、高校生世帯への子育てに関する制度の少なさがあるわけです。この実態をもって施策に生かすのが、私は本来の行政の役割ではないかと考えます。 東京都の子どもの生活実態調査、平成28年度ですけれども、結果報告書を見てみました。そちらにも同じ設問があって、16~17歳の受診抑制の理由、支払いができないというのが東京都の場合も低年齢の理由より多いんですけれども、それをきちんと医療費助成制度が15歳までなのが1つの要因だとしっかり分析して書かれているんです。まずは、そのような評価だけでもきちんと行うよう求めますが、いかがでしょうか。 ○前誠一副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 この議会での議論もその声だというふうに思っていますし、今、東京都の事例をお話しいただきましたけれども、様々な自治体の事例であったりだとか、また、当事者、石川県医師会等々の皆さんからの御意見も大切なものだというふうに思っていますし、先ほど申し上げましたように金沢市には様々な施策があります。そういうことを総合的に勘案しながら判断していかなければいけないと思っています。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 私は、実態調査の結果報告書にきちんとした評価を書いてほしいということを言っているだけなんです。それは明らかな事実なので、そういうふうに分析、1つの要因という表現でもいいですよ。それをしっかり書いてほしいと。局長、いかがですか。 ○前誠一副議長 藤木こども未来局長。 ◎藤木由里こども未来局長心得 今御指摘のことも含めまして、また策定委員会の委員さんのほうと話をさせていただきます。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 お願いいたします。 次に、県との関係についてもお聞きします。2015年にようやく石川県が償還払いから窓口無料化を認める要綱を改訂しました。しかし、まだ対象年齢が通院で3歳未満、入院で就学前と全国最低クラスです。この点について市長はどのように評価しているのか。併せて、中3まで県にも対象を広げるよう求めるべきではないか伺いますが、いかがでしょうか。 ○前誠一副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 全国市長会におきましてもよく議論されるんですけれども、これはやはり一義的には国が統一してやっていくべきものだというふうに私も思っていますし、全国市長会でもそういう意見が圧倒的だというふうに思っていますし、国にもその旨を伝えているところであります。ただ、現実に今そうなっていない以上、まずは都道府県にということになります。石川県市長会からも毎年県に対する要望において、そこを充実してほしいということを申し上げているところであります。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 選挙なども近づいておりますので、ぜひ金沢市の子ども医療費助成制度が自己負担なしの18歳まで無料となるよう引き続き求めていきます。 次に、教育にかかる費用への負担という点で問39と問25のグラフを見てください。どの年齢の子の保護者でも、今必要とすることについて、教育にかかる負担の軽減が断トツで選ばれているという結果です。さらに、学用品の支給が受けられることも特に独り親・困窮層で多く選ばれています。子育てにかかる費用について聞いた設問に対しても、保育料・授業料・学校納付金の1か月当たりの支出が最も大きくなり、16~17歳については、学校へ上がると学校設備費や教科書代、お昼代に交通費など、ぐっと諸経費が上がるグラフが見てとれると思います。 ちょっと質問飛ばしますが、問4以降のグラフを見てください。こうした負担の下で、問題は子どもの学力や進学希望に大きな影響が出ているということです。調査結果では、独り親・生活困窮世帯の子は、そうでない子どもより授業が分からない子が多く、自分の成績が低いと答えています。大学進学希望も少なく、その理由として、家にお金がないと思うから、早く働く必要があるからと子ども自身が選ぶ割合が独り親・生活困窮世帯の子はそうでない子よりも多くなっています。特に16~17歳の進学希望については、おおよそ10%が経済的な理由で予定していないとあるのです。また、頑張れば報われる、自分は価値のある人間だ、将来が楽しみだといった感覚が、独り親世帯・生活困窮世帯の子どもがそうでない子どもに比べ低くなっているのも現実です。家庭の経済状況が学習や進学面などに影響しているのは明らかであります。教育長、まずは教育現場で授業についていけない子がいる状況を改善するため、教師の多忙さはもちろん理解しますが、こうした実態を直視していただき、丁寧な授業運営と進路指導を求めますが、いかがでしょうか。 ○前誠一副議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 やはりこれまでもこの議会でも答弁させていただいておりますけれども、経済状況によって学びが止まってはいけない、そういうふうに思っています。やはりそうした意味でも本市では全ての子どもたちの可能性を引き出すために、これまで以上に子どもたちの成長やつまずき、悩みなどの理解に努めながら、一人一人の興味・関心等を踏まえて、きめ細かく指導・支援することや少人数学習、ICTの活用等によって、きめ細やかな指導を目指し、授業改善に日々取り組んでおります。加えて、将来のキャリアや職業、生活などに夢や希望を持って学び続けることができるように、進学や就職などの進路指導におきましても、家庭や関係機関と連携を図りながら、しっかりと支援してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 そして、制度についてですが、経済的な格差が学習面に及ばないよう、就学援助の対象範囲は拡大すべきです。今は旧生活保護基準の1.3倍になっていますが、まず、維持されるのかということの確認と1.5倍に引き上げるよう求めますが、いかがでしょうか。併せまして、今回の調査で困窮世帯と分類された方が就学援助をしっかり受けられているのかということをクロス集計して分析すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ○前誠一副議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 まず、就学援助制度の支給基準についてお答えしたいと思います。就学援助制度が一般財源化された平成17年度以降におきましては、認定基準を引き下げる自治体がある中で、本市では世帯の所得額の基準であります生活保護基準の1.3倍未満を維持しております。また、国が生活保護基準の引下げを行いました平成25年以降におきましても、そうした影響が出ないよう、本市では見直し前の基準を維持しており、今後とも引き続き基準の維持に努めていきたいと考えております。1.5倍はなかなか厳しいかなというふうに思います。 また、いわゆる就学援助制度がしっかりと行き渡っているかどうかということでありますけれども、希望する世帯が申告漏れとならないように、毎年4月当初に全小中学校の児童・生徒の保護者に対しまして就学援助制度の案内チラシを配布いたしておりますほか、市のホームページや新聞広報等を通じて幅広く周知を図っております。また、新小学校1年生の保護者に対しましては、就学前健康診断に合わせ制度説明を行わせていただいています。さらに、就学援助のチラシにつきましても、これまでも文字を大きくしたり分かりやすいレイアウトにするなど様々な改善に努めてまいったところであります。これからさらにこれを拡大するとか様々なことについてはまだこれから考えていきますけれども、今後とも学校や関係部局と連携しながら、制度を必要とする世帯に誤解がなく分かりやすい周知に努めていきたいと考えております。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 旧生活保護基準の1.3倍は維持するという言明がされたこと、また、希望調査についても考えていくということですので、ぜひよろしくお願いいたします。全員申請もしくは全員に希望を調査する。このことで、受けられるのに受けられない人を防げると思います。アンケートにも、制度を知らなかったという方がやはり実際出ています。そういう実態を見て、ぜひ改善をお願いします。 次に、学童保育についてですけれども、今回のアンケートで初めて学童保育の設問が入りました。小2と小5の保護者の利用していない方の理由では、利用したいが定員のため入れなかった、利用したいが高学年による制限のため入れなかったが48名いらっしゃり、回答者は市内の一部世帯に限られているはずが、市が毎年報告する待機児童数20名前後よりはるかに多くなるという実態です。利用したいが利用料が高額のためという理由については49名とさらに多く、生活困窮層では23.7%にも上るんです。そこで、学童保育に入れない実態についてはもう明らかですから、施設老朽化の対応も含め、整備計画を市が作成するよう求めます。さらに、利用料が高額で入れないという声については、運営費の半分が利用料である現状から、委託料の引上げを求めますが、いかがでしょうか。 ○前誠一副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 児童クラブの整備につきましては、子育て夢プラン2020の中で量の見込みを立てており、今後も地域の状況の変化や各児童クラブの意見なども勘案し、個別に対応してまいります。 利用料のことについてもお尋ねでございました。この放課後児童クラブの運営費は、本市からの委託費がおおむね5割から6割、残りを利用者の負担としているところであります。利用料は各クラブが定めていますことから、委託費の一律の引上げというものは難しいんではないかというふうに思っています。現在ですけれども、独り親家庭を対象に月額3,000円を上限とした利用料の減額制度を設けており、さらなる負担軽減につきましては今後の検討課題とさせていただければと思います。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 厚労省においても、整備計画の策定ということは位置づけられています、学童保育についても。ぜひとも進めるように求めておきたいと思います。 最後に、市役所に身近に相談できる体制をということで求めますが、今回の実態調査では、頼れる人がいないという回答が独り親・生活困窮世帯で多くなっています。だからといって、地域で身近な支援をという方針が打ち出されてきましたが、私は、まずはこの金沢市役所が市民にもっと身近で頼られる存在になるべきだと考えます。以前に庁舎内横断で子ども世帯に関わるための子どもの貧困対策のチームがつくられています。その実績はどれくらいあるのか。ケース検討は行われているのか教えてください。私は、そこに先ほど言った大学等の研究機関も入って発展させるべきだと思います。 さらに、やはり窓口に長期で関われる正職員を配置してほしい。それは生活支援課だけではない女性相談員、子どもの窓口、保健福祉の窓口は正規で長期に対応していく。そして福祉制度は毎年変わるんですね。なので毎年、デジタルの研修もいいですけれども、福祉の研修をきちんと全職員に位置づけてやっていく、このことを求めますが、いかがでしょうか。 ○前誠一副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 行政が一義的に対応すべきということは、私もそのとおりだというふうに思っています。ただ、私もいろんな方とお話しする機会がありますけれども、敷居が高いという表現、金沢市がとかという意味ではなくて、行政にという意味だというふうに思っていますけれども、言われています。やはり地域の実情を一番御存じの地域の皆さん方の力がまずは情報を把握するという意味から大切ではないかというふうに思っています。そんな中でネットワークもつくらせていただきました。子どもの貧困対策チームも本市の中でもつくらせていただきまして、家庭訪問であったりだとか専門の相談支援部門や福祉や教育等の支援サービスとつなぐ役割を担っているところでもあります。地域の皆さんと連携しながら、しっかり取り組んでいきたいというふうに思っています。 窓口ですけれども、私は、正規であろうが会計年度任用職員であろうが、親身な相談体応を行い、市民からの信頼が厚い職員が対応することは望ましいというふうに思っています。これは正規であろうが会計年度任用職員であろうが全く同じだというふうに思っていますし、会計年度任用職員の方も親身に取り組んでいる方もたくさんいらっしゃいます。ただ、そこは今御指摘ありましたように、研修をしっかりすることによって、その質をずっと高めていかなければいけないという思いは全く同じでありますので、そこはこれからもしっかり取り組んでいきたいというふうに思っています。 ○前誠一副議長 広田美代議員。 ◆広田美代議員 私は、会計年度任用職員が親身になっていないということを言っているわけではありません。長期に仕組みとして関われるのは正規職員だと。そして最後に責任を取れるのは正規職員なんですね。その点で言っているんです。仕組みの問題です。そして、とにかく市が主軸になって保障を行うということを私は求めています。 最後に、次期計画の(仮称)子ども生活応援プランというのは、私はこれ生命保険会社の名前かと思いました。行政がやるべきは応援ではなく、行政の責任で子ども世帯全体の生活・権利を保障していくんだという計画と名称にするべきだと最後に求めて、質問を終わります。(拍手) ○前誠一副議長 以上で、27番広田美代議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩 ○前誠一副議長 この際、暫時休憩いたします。     午後0時2分 休憩-----------------------------------     午後1時1分 再開 △再開 ○前誠一副議長 出席議員数は、ただいまのところ36名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○前誠一副議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 28番玉野道議員。     〔28番玉野 道議員登壇〕(拍手) ◆玉野道議員 質問の1点目は、改正卸売市場法施行とウィズコロナ・アフターコロナを見据えた本市中央卸売市場の経営展望並びに再整備基本計画に関してです。 本市中央卸売市場は、現地での建て替え再整備方針の下、この6月に再整備基本構想が策定され、8月には令和4年3月25日までを契約期間とする再整備基本計画策定の業務委託が締結されました。昨年6月の改正卸売市場法の施行は、市場開設者の在り方と役割を劇的に変化させ、その方向性が問われる中、取引形態の変化に対応した経営戦略と新たな市場業務関連の条例、規則、要綱の下、市場機能の高度化方策や具体の施設整備と財源確保に加え、法制度から外れた手数料や奨励金対応等々、様々な課題が山積しています。一方、コロナ禍の緊急事態宣言は、外出自粛や飲食店等の休業、営業時間短縮など、市民生活、地域経済に大きな影響を及ぼし、改正法が想定もしていなかった流通消費の川上から川下のあらゆる段階で急激な変化を生じさせ、農林水産省のうまいもんドットコムとの連携など、通販サイトをはじめとする消費者と食品産業がダイレクトにつながる流通消費形態が伸長しており、建て替えを控えていても、食を預かる現有施設の整備・保守に消極的になってはなりません。そこで、コロナ禍での市場機能維持のための支援要望への対応とネット販売、輸出、食品衛生法改正に伴うHACCPの導入など、新流通時代への取組について、改正法施行及び新たな条例等での本市卸売市場の運営業務の改革と取組、加工、配送、ピッキング等の機能強化の具現化など、ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた経営展望と併せてお尋ねいたします。 さて、流通の社会インフラを担う卸売市場ですが、産地の大型化や需要形態の変化等に伴う産直取引や通販、コンビニなど多様な流通形態の伸長と販売チャンネルの多様化など、本市卸売市場の現状は、青果部、水産物部、花き市場の取扱いの数量のピーク時比では、それぞれ29.4%、61.2%、42.3%と減少し、卸売市場の役割は減退しつつあり、今後の社会情勢を注視することが必要になっています。一方、卸売市場法の条文は、83条から19条に減少し、第三者販売の禁止や直荷引きの禁止、商物一致の市場三原則の自由化・規制緩和は、伝統的な市場取引を変容させ、業務規程要件や市場ごとの取引ルールなど全てが開設者に委ねられ、取引量や形態に呼応する流通・加工等の機能強化の具現化、環境への配慮、SDGs等の社会的要請の高まりもあって、市場関係事業者と問題意識を共有することが重要です。農林水産省は、卸売市場の新しい基本方針を示し、市場法と食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律に基づく卸売市場の近代化整備促進や機能の高度化事業等の合理化計画の認定を条件に様々な財政支援措置を講ずるとし、また、総務省は、住民生活に重要なサービス提供を将来にわたって安定的に継続できるよう、将来取扱数量の推計などを基に適正な施設規模を算定し、令和2年度までに大まかな計画案での投資試算及び財政試算を含む経営戦略の策定・改定を要請しています。そこで、平成28年3月策定の金沢市中央卸売市場中長期経営戦略は、平成37年度(令和8年)までの10年間を計画期間とし、社会情勢の変動や計画の進捗状況に応じ見直しを行うとしていますが、戦略における各指標の動向、農林水産省の合理化計画認定への対応、総務省の投資試算・財政試算を含む経営戦略の策定・改定の取組について併せてお尋ねいたします。 卸と仲卸の垣根を取り払う改正卸売市場法は、卸売市場の中央と地方の違いとともに、市場取引・市場外取引の区分も曖昧にし、中央・地方の看板にかかわらない市場間競争の激化、帳合いと物流手配による直荷引きの拡大、市場整備への民間資金の必要性の高まりなどから、改正法の下、未来への不安や卸売市場不要論も根強くあり、公設公営、公設民営、民設民営など、本市の中央卸売市場の10年20年先の未来図、事業スキームをどのように描くか重大な局面にあります。将来需要に柔軟に呼応する持続可能な施設規模の下、IT対応、5G、6G等の先端技術を見据えた設備に加え、基幹的インフラとして必要不可欠な完全密閉型コールドチェーン、自動搬送、自動運転機能などの対応とともにカット、フィレ加工、小分け包装など、何よりも品質・衛生管理体制の強化は必須です。整備基本構想では、施設の在り方として、金沢の食文化の発信や市場の市民理解につながるにぎわいある施設として、産地から消費者に至るフードチェーンを見据えた付加価値やHACCP対応など、市場関係者だけでなく行政全体で戦略をまとめることが肝要です。また、防災拠点整備など、流通施設を超えた社会インフラとしての存在価値を高め、事業者や消費者ニーズに対応した業務動線の構築やスペースの活用など、まちの個性と魅力づくりに貢献する整備には都市計画との一体性が求められ、建築基準法は、卸売市場は都市計画においてその敷地の位置が決定しているものでなければ新築または増築してはならないと、用途地域で制限される一般の建築物よりもさらに厳しい制限があることから、都市計画審議会の手続も必要と推察します。そこで、商業地域・高度地区である中央卸売市場の未来図をどのように描き、どのような外部民間テナント等を受入れ、にぎわい施設とするのか。また、地域貢献に向けた駅西地区のまちづくりにつなげるかについて、にぎわい施設の定義と施設のイメージ、留意すべき関連法及びセクションとの連携、条例与件、必要となる手続と併せてお尋ねいたします。 さて、再整備の最大課題とも言える狭隘な市場用地と周辺地域の環境は再整備の難しさを高めており、加えて、営業を継続しながらの現在地での建て替えはローリング工事に伴う仮設店舗等の用地確保、埋蔵文化財調査など、再整備の莫大な事業費と長期化は避けられません。市場関係者が負担する施設使用料等で賄う独立採算制の市場会計は、使用料収入や基準内繰入金での市場運営が理想であるものの、施設整備費償還から再整備後数十年間は厳しい財政状況が続くことが想定され、市場使用料をもって充てることのできない経費への市独自の繰り出し、繰出基準を上回る建設企業債の元利償還金への繰入れなど、さきの9月定例月議会での私の質問、特別会計と一般会計に係る市長答弁もありますが、施設使用料高騰への懸念払拭と抑制に向けた工夫が求められています。人口減少、少子高齢社会の進展など、将来展望を見通すことが難しい今日、できる限りの整備費抑制とともに、国の交付金等の財源確保や一般会計からの繰入れなど、投資と財源を試算し、将来の事業収入を過大に評価することなく、健全経営のためのシミュレーションの下、再整備の目的とあるべき姿、事業スケジュールと新市場完成時期も明確にしなければなりません。私は、昨年の12月定例月議会をはじめ、中央卸売市場の今後について、社会インフラとまちづくりの観点から質問を重ねてきましたが、コロナ禍は新たに様々な課題を突きつけ、従前の老朽化による建て替えの発想や再整備業務受託者作成の構想や計画をうのみにすることなく、さらには、行政が計画し、業界が使用料を払って使うという従来型からの発想の転換をしなければ、数百億円規模と推測される莫大な投資となる本市中央卸売市場の発展と継続的な存続は望めません。施設整備の充実度と使用料の均衡、バランスは容易ではありませんが、施設整備は施設使用料に跳ね返り、整備後の急激な使用料上昇は市場関係事業者の経営を圧迫しかねないことからも、変容する流通消費形態と将来需要を見据え、取引数量等の目標を精査し、適正な施設規模、コンパクト化を図るとともに、開設者と市場関係者との整備分担を明確にし、新たな収入源の確保による事業収支の健全化策など、何よりも市場関係事業者との情報共有と未来志向の論議、理解が必要です。そこで、市場事業関係者との慎重な協議と調整の下、適正規模の整備と持続かつ健全な市場会計の実現に向けた使用料抑制策や繰出基準の在り方について、事業収支の健全化に向けた新たな収入源の取組、事業スケジュール並びに新市場完成時期とともに併せてお尋ねいたします。 改正卸売市場法は、卸売市場の独自性と同時に、開設者が市場の健全経営についての責任を持つことを求め、当然開設者はその経営体にふさわしい人材確保の下、施設を所有し賃貸する不動産管理ではなく、卸売市場の業務、経営、財務全般を担う新しい次元に立つことを肝に銘じなければなりません。本市の地方公営企業法の適用業種であるガスや発電事業は、経営戦略の見直しなく在り方検討から民営化に、卸売市場事業は公営企業法、地方自治法、地方財政法等の関連から事業展開が難しい側面もあり、花き市場の統合、現地建て替え、公設堅持と向かっていますが、富山市の公設地方卸売市場の建て替えは2025年度の全面オープンを目指し、リスクを抑えた企業連合体での事業が進められており、自治体条例で対極をなす東京と京都の卸売市場の取組は、改正市場法の成否をはかる試金石と言われています。そこで、改正法施行とコロナ禍から商流の変化が顕著になっている中、開設者の在り方と役割をどのように考え、経営体の運営にふさわしい人材を確保し育成するのか。執行体制整備と併せてお尋ねいたします。 質問の2点目は、所有者不明の土地・空き家問題に関してです。 宅地や農地、山林など所有者不明の土地・空き家は増え続け、既にその総面積は九州を上回り、今後、北海道に相当する面積に達するとの衝撃的な数字も明らかになっています。所有者不明の土地・空き家の存在は、再開発や公共利用を進める際の支障や固定資産税、都市計画税徴収などの妨げによる経済的な逸失に、近隣住民への迷惑や住環境悪化など社会問題化しており、この問題を放置することは次世代に大きな負担を強いることになりかねません。総務省の「平成30年住宅・土地統計調査住宅数概数集計」では、総住宅数に占める空き家率は13.6%と、空き家数増加のいずれも過去最高で、人口減少と高齢者の増加に伴い、不動産ならぬ負の動産、負動産という言葉が生まれ、土地家屋の所有を負担と感じる人が4割を超えるという調査結果もあります。土地所有権は厳格に保護されており、土地の境界確定には隣接する所有者全員の同意が必要で、一人でも所有者が不明であれば滞ってしまうことから、改正土地基本法では、土地所有者について、土地の利用及び管理並びに取引を行う責務を有すると新たに明記し、地域や自治体が担う役割も規定されましたが、所有権放棄により固定資産税や都市計画税負担を免れるとともに管理責任も安易に放棄できるため、規律の喪失、倫理観の欠如により自治体の支出増も生じかねない懸念もあります。所有者不明の土地・空き家の増加の原因には、相続登記や遺産分割がされないまま放置されたり、相続人が多数存在し所有者が決まらないことも挙げられ、改正土地基本法の目指すところは、地域が土地の在り方を考え、地域コミュニティーを支える仕組みづくりの機会にしたいとしています。所有者不明の土地と空き家は一体的な問題でもあることから、所有者不明土地の利用の円滑等に関する特別措置法と空き家対策特別措置法は、個別の空き家等の状況を把握できるのは住民に最も身近な自治体であるとし、自治体が所有者不明の土地・空き家問題に対して主体的な役割を果たすと位置づけています。本市も国土交通省のモデル事業の採択を受け、金沢市空き家等活用・流通促進体制の構築など、空き家・空き地の活用・流通の促進が図られていますが、定量的な実態把握と問題全体の構造分析、抜本的な対策が求められています。総務省は、建築・住宅・景観・まちづくり部局、法務部局、消防部局、防災・危機管理部局、環境部局、水道部局、商工部局、財政部局等の関係部局が連携して、できる対策と対応できる体制の構築が望ましいとの基本方針を示し、担当部局が建設・建築部局の場合、実態調査を民間委託している自治体が多く、総務部局が担当を担っている自治体では、実態把握のために全戸調査を実施し、関係部局連携組織も設置されているとしています。本市でも、空き家が倒壊し長期間の放置状態により隣接住宅が被害を被り、住人が転居を余儀なくされた事案など、市内各所で一向に改善を見ない案件や新たな事例の増加など、複雑な権利関係や問題解消の困難性がかいま見えます。そこで、この間の制度運用、現状把握と解消への手だて、連携体制構築協議等、市民の立場に立った総合的な施策と役立つ制度づくりについてお尋ねをいたします。 日本は既に超高齢社会に突入し、今後、大量相続の時代が到来し、事態の深刻化が迫っており、相続登記を正常化し、遺産分割等をより円滑にできる環境を整備するだけでなく、国土の保全を喫緊の課題として、体制整備と対策の本格化に向けて民法及び不動産登記法が改正され、相続登記の義務化と所有権放棄の制度化など、この4月に約40年ぶりに法制度が大きく見直されました。ただ、法整備や制度化が進んでも、本市の城下町特有の狭隘、袋小路等に起因する空き地・空き家・長屋家屋など、現実は困難性を極める厳しい事例も多く、相続登記しないまま世代交代が進めば、さらに相続人が増加し、権利関係や手続も複雑になり、所有者の特定に時間と費用もかかり、さらに登記が進まず持ち主不明の土地・空き家が増加するという悪循環を生んでいます。一方、略式代執行により危険な空き家を自治体が除去できる定めがあるものの、自治体が費用を回収できないことが多く、解体後の土地が空き地として残ってしまう問題もあります。そこで、所有者不明の土地・空き家問題の関連法の成立と新たな制度化に伴う所有者不明の土地・空き家の発生の予防と利活用の円滑化の両面から総合的な体制整備と施策の取組についてお尋ねいたします。 さて、国土交通省は、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法において、所有者不明土地を市町村が公共目的で利用できる範囲を広げたり、管理不全の土地に対する指導や勧告、代執行など、行政的措置の仕組みや地域福祉増進事業の使用期間の延長、不動産IDやランドバンクの規定など、法的な位置づけを明確にするとしています。また、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく特定空き家について、将来的な倒壊のおそれを予見できる場合も幅広く特定空き家の対象との考え方を明確にし、不動産登記情報や戸籍、固定資産税台帳の確認といった空き家所有者特定に向けた調査方法も整理し、特措法適用の具体事例や解釈も明らかにするとしています。さらに、未利用地や耕作放棄地などを適切に管理するため、国土の管理構想を公表し、市町村に対して土地の将来像と対応方針を盛り込んだ管理構想図について、小学校区単位などよりきめ細かい範囲での作成を奨励しています。これらは人口減少、超少子高齢時代の土地や空き家の権利関係の集約に向けた制度づくりであり、法改正に伴う新制度の運用実態を把握しながら、不断の見直しによる実効性ある制度として定着させることが必要です。そこで、減り続ける金澤町家、朽ちつつある空き家の増加の事象が顕著となる中、木の文化都市・金沢の構築への具体の取組、所有者不明土地と空き家対策に関する両特措法施行に向けた対応、管理構想図の作成、関連条例の整備について併せてお尋ねし、私の質問を終わります。(拍手) ○前誠一副議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 28番玉野議員にお答えいたします。 改正卸売市場法のことに関しまして何点かお尋ねがございました。 まずは、コロナ禍の支援要望についてであります。市場関係者から先般、思いの丈をお聞かせいただきました。状況もお聞かせいただきました。昨年度は市場施設使用料の猶予及び減免を行ったところであります。今年度は本市にまん延防止等重点措置が適用されたことを受け、改めて新型コロナウイルス感染拡大に伴います使用料の減免制度を創設し、減免措置を講ずるとともに、今後、本市が緊急事態措置等を実施すべき区域に指定された場合にも、この減免措置を講ずることとしたものであります。 新しい市場法の中で、機能強化の具現化のことについて、さらにはウィズコロナ・アフターコロナを見据えた経営展望についてお尋ねがございました。物流の効率化、販売力の強化を図っていくためにも、昨年度ですけれども、卸売業者による配送センターの整備に支援を行いました。今年度ですけれども、仲卸業者による定温管理設備の導入、富裕層向けの商品の販促活動の支援を行っています。ウィズコロナ、アフターコロナの経営展望に向けましては、引き続き、中長期経営戦略に掲げる北陸の中核市場として集荷機能及び販売機能を強化するとともに、効率的な市場運営を推進することにより健全経営を維持するという経営方針を基本とし、量販店対応の強化などの新たな課題に対し適切に対応していきたいと思っています。新型コロナウイルスウィズコロナということを考えた場合、また緊急事態宣言等々の可能性も捨て切れません。卸売市場が事業の継続を求められていることは誰もが強く思っていることであります。不測の事態に備え、万全を期してまいります。 経営戦略における各指標の動向についてであります。中長期経営戦略における指標について、戦略策定後5年間の実績で比較しますと、総収益を総費用で割った収支比率は計画値を下回っています。ただ、企業債残高は計画値以下に抑制されていますほか、収益的収支は連続して黒字を確保しています。一方、職員1人当たりの取扱数量、取扱金額は、コロナ禍による取扱高の減少、市場外流通の増加などにより計画値を下回っているのが現状であります。 農林水産省の合理化計画への対応ですけれども、市場の再整備などに際し国からの財政支援を受けるためには、食品等流通合理化計画を作成し、農林水産大臣の認定を受けることが要件とされています。本市においても事業の進捗に合わせて計画の策定作業に着手し、申請の準備が整い次第、正式な認定手続を進めてまいります。 総務省の投資試算、財政試算を含む経営戦略の策定・改定についてお尋ねがございました。経営戦略の柱は、公営企業の健全経営に向けた取組と将来の収支見通しであり、健全経営に向けた取組については、戦略に掲げられた集荷・販売機能の強化といった基本方針や、産地の開拓、衛生管理の向上などの重要施策の内容が不断に取り組むべき事柄でありますことから、策定から5年を経過した現時点においても大きく変更すべき点は見当たらないと考えています。ただ、市場会計の将来の収支見通しにつきましては、市場再整備の規模や事業手法によって大きく変動するため、事業の進捗に合わせ、適切な時期に改定していくことが必要だと考えています。     〔副議長退席、議長着席〕 中央卸売市場の未来図、さらには外部民間テナント等を含めたにぎわい施設の定義とそのイメージです。都市計画マスタープランにおいて、駅西新都心の都心軸周辺として、都市機能の集積、にぎわいを高める区域として本市場は含まれています。流通機能の拠点として強化を図ることとされていることを踏まえ、本年6月に策定した再整備基本構想において、本市場の将来像を「金沢の豊かな食と文化を支え、北陸のハブ拠点となる一体型総合市場」としたところであります。未来図としてそういうことをイメージしています。当該基本構想において、金沢の食文化の発信、体験、市場の機能・役割に対する理解を促していくということ、市場のブランド化を高めていくことを目的とした、にぎわいを創出できる機能が必要だと思っています。見学通路や物販・飲食施設なども想定しています。外部のお力が必要だと、民間の力も必要だというふうに思っていまして、外部民間テナントの導入も含め、引き続き検討を進めてまいります。 留意すべき関連法等々についてですけれども、再整備に当たって手続等が必要となる関係法令等につきましては、現在策定しています再整備基本計画の中でも整理することとしていますが、都市計画法をはじめ、水質汚濁防止法、土壌汚染対策法、下水道法に基づく大量排水計画の協議など多岐にわたりますことから、関係部署と十分に協議・連携し適切に対応してまいります。 使用料抑制も考えていかなければならない、事業収支の健全化に向けた新たな収入源のことですけれども、使用料負担の抑制をするということは開設者である市にとっても至上命題であると思っています。施設整備費の抑制に向け、ダウンサイジングやできるだけ簡素な仕様とするほか、施設の共同利用、集約化などに努めてまいります。市場会計においては、総務省の繰出基準に基づき一般会計の繰出金を受け入れており、引き続き、適切な規模の繰出金を受けながらも、市場関係者に過大な負担が生じないよう対応してまいります。収入源の確保につきましては、先ほどテナントのお話も少しいたしました。他市場で見られるように、余剰地を活用することも含めて様々な手法を検討してまいります。 スケジュールのことについてお尋ねがございました。再整備基本計画の策定を今進めています。関係者の御意見、要望をお聞きしながら、再整備後の施設規模、施設配置、必要な設備・機能、さらには事業手法について、また、近年、他市場で採用されている官民連携型などの手法を採用するのかなどについても検討をしているところであり、これらの結果を踏まえ、事業スケジュールをお示ししたいというふうに思っています。 人材のことについてもお尋ねがございました。平成30年度に開催した卸売市場の在り方検討会では、本市場の役割を安全・安心な生鮮食料品を安定供給する公共インフラとして、高い公共性を確保するとともに本市が誇る豊かな食文化の継承・発展に大きく寄与していくこととし、引き続き公設としたところであり、この方針は今後も変わることはありません。そして、この方針を推進する人材の確保・育成、体制整備につきましては、再整備も踏まえ、必要な職種、資格を有した職員の配置、資格の取得、研修など、引き続き積極的に取り組み、適切な執行体制を確保してまいります。 所有者不明の土地、いわゆる空き地や空き家のことについてお尋ねがございました。空家特措法の施行を受け、相談窓口の一元化、相談案件のデータベース化を導入し、これまで約1,200件の空き家の状況を把握しているところであります。加えて、いわゆる空き家条例を施行し、空き家の除去・リフォーム費用などの支援制度を創設いたしました。御指摘ありましたように、相続、土地の境界など、問題は多岐にわたりますことから、昨年10月ですけれども、弁護士、不動産関係者等で構成いたします金沢市空き家等活用・流通促進体制を組織し、相談者の立場に立った丁寧な対応に努め、不動産の売却などにより、これまで4件の空き家の活用につながったところであります。4件についてはいろんな御意見があるかと思いますけれども、私は、これだけ複雑な案件を先ほど申し上げました専門家の方がお集まりいただいたからこそ4件もの活用につながったんだというふうに思っています。引き続き、多くの方の御意見もお聞きしながら進めていかなければいけないというふうに思っています。 所有者不明の土地・空き家問題の関連法の成立、さらには発生の予防、利活用の円滑化の両面から総合的な体制整備が必要ではないかということでした。管理不全の空き家等には、未登記のもの、相続登記が行われず所有者を特定できないものが多いことから、今回の関連法の成立は空き家等の発生の抑制につながるものと期待しています。本市としても、これら法改正の趣旨を踏まえ、ホームページ等で相続登記の必要性を周知していくとともに、金沢市空き家等活用・流通促進体制を活用することで、発生予防と利活用の両面から民間事業者と協力し空き家対策を進めてまいります。 このことにつきまして、木の文化都市・金沢の具体の取組についてお尋ねがございました。木の文化都市とは、まち並みや生活に木を取り入れ、魅力ある都市を創出するとともに、これまでの取組を継承するものであり、金澤町家をはじめ、歴史的資産の保全・活用についても一層推進するものであります。市の公共施設につきましても、木をふんだんに活用しながら取り組んでいきたいと思っています。尾張町地域をモデル地区としながら進めていくことも考えていきたいというふうに思っています。また、金澤町家の保全・活用につきましては、外観、内装、構造整備などへの財政的な支援のほか、空き家対策として、情報バンク、コーディネート事業、活用提案など、所有者と活用者のマッチング等に対しても支援してきたところであり、木の文化都市の実現に向けた一翼を担う重要な施策であるというふうに認識しています。 管理構想図の作成、関係条例の整備につきましてお尋ねがございました。本年6月の空家特措法基本方針及びガイドラインの改正内容を参考に、本市の計画やマニュアルに、倒壊が予見される場合の取扱い、長屋を空き家と判断する際の基準を盛り込むなどの改正を年度内に予定しているところであります。所有者不明土地特措法につきましては、所有者不明地の活用促進に向け、防災施設や小規模な再生エネルギー発電所等も公共目的で利用できる範囲に広げるなどの法改正が進められており、関係条例の整備につきましてもその動向を注視して対応していきたいと考えています。管理構想図は、人口減少下における国土の適切な管理の指針を示すものでありますため、その作成につきましては、都市計画マスタープランなどの土地利用計画との整合が必要であり、年度内に予定されています国の市町村向けマニュアルの策定を待って判断していきたいと考えています。 以上です。     〔「議長、28番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○久保洋子議長 28番玉野道議員。 ◆玉野道議員 市長、大変きれいな言葉で答弁されていますけれども、肝心の分は一つも答えていないんです。1問目も2問目もね。 まず市場、事業スケジュール、完成時期、投資規模、幾らにしているんですか。仕様書ついているんですよ、ちゃんと。 もう1つ、空き家と空き地、実態知っていますか。市長も多分所管から聞いておられると思うのですけれども、大変な実態ですよ。答えてください。 ○久保洋子議長 山野市長。 ◎山野之義市長 事業スケジュールにつきましては、市場関係者と協議しているところであります。まとまり次第、すぐ議会に報告させていただければというふうに思っています。 ○久保洋子議長 山野市長に申し上げます。 発言時間が経過いたしておりますので、この際、発言を簡潔かつ速やかに終了されますようお願いいたします。 ◎山野之義市長 不明土地・空き家についても、深刻だということは理解しています。 ○久保洋子議長 換気のため、しばらくお待ちください。 38番高村佳伸議員。     〔38番高村佳伸議員登壇〕(拍手) ◆高村佳伸議員 自由民主党金沢市議員会の一員として、以下数点お伺いします。 質問の第1は、経済対策についてであります。 11月26日に閣議決定された政府の補正予算案は過去最大規模の約36兆円となり、このうち、コロナ克服・新時代開拓のための経済対策として31兆円余が計上されております。経済対策は、コロナ感染症の拡大防止、社会経済活動の再開、新しい資本主義の起動、防災・減災、国土強靱化の4つの柱で構成されており、政府は今回の補正予算と来年度予算を合わせて16か月予算と位置づけ、切れ目なく財政出動を行う考えと聞いております。雇用や事業を守り抜き、経済の底割れを断固として防ごうとする政府・自民党の強い意気込みが感じられます。そこで、最初に、岸田首相が強い思いを持って打ち出した今回の政府の経済対策について、市長はどのような感想をお持ちかお伺いします。 また、今回の補正予算案は今月6日に招集された臨時国会に提出されましたが、聞くところによりますと、まだ詳細が明らかになっていない事業もあり、国会で可決された後、地方自治体が補正予算を編成するまでにはいささか時間を要するのではないかと思います。そこで、政府の経済対策にどのように対応されていかれるお考えか、スケジュール感と併せお伺いします。 関連して、政府は今年度の税収見通しを上方修正し、補正予算の財源の一部としております。コロナ禍で税収の大幅な減収を見込んでおりましたが、企業業績の改善により上振れしたものであり、コロナ禍で収益が悪化した企業がある一方で、コロナ前の収益を超える企業も多くなっているとの報道もあります。こうした税収の増加は本市をはじめとする地方都市においても同様であるのか、当初予算で大幅な減収を見込んでいた本市の市税収入の現時点での見込みと併せお伺いします。 ところで、政府は来年度予算においてコロナ対策予備費を5兆円確保されるそうであります。機動的な支出が可能である予備費を確保することは、スピード感を持ってコロナ対策や経済対策を進めるためにも大切なことであると思います。そうした点から心配されるのは、2年間にわたりコロナ対策に活用してきたため、現在21億円にまで減少した本市の財政調整基金であります。財政調整基金が少ないことは、これまでも本会議や決算委員会などで度々指摘されてきたことでありますが、今後もコロナ対策として機動的な財政支出を行うためには、現在の額では心もとなく、大雪や豪雨など災害への備えも必要であります。厳しい財政状況であることは十分承知しておりますが、一日も早くコロナ前の水準である30億円規模に戻していただきたいと思いますが、市長の御所見をお伺いします。 一方、今回上程されている補正予算には市独自の地域経済対策に関する経費も盛り込まれております。例えば、五感にごちそう金沢宿泊キャンペーンの対象地域の拡大など、地域経済の回復への道筋をどのような施策で喚起していくおつもりか。今回の補正予算案に計上された内容と考え方についてもお伺いします。 質問の第2は、木の文化都市の継承と創出についてであります。 昨年1月に木質都市の創造を提言され、その内容が収れんされて、木の文化都市の継承と創出につながっていると理解しています。学生、事業者、学識者、森林関係者など幅広い方々が参加したシンポジウムや円卓会議などが開催され、様々な意見が出されたと聞いています。木の文化都市・金沢の継承と創出は、金沢の過去から現在までの豊かで貴重な資産を保全・活用するとともに、未来への挑戦として建築構造の基本である木にこだわったまちづくりを推進し、歴史と調和した金沢ならではの都市空間として創出するものであり、今年度予算ではモデル事業費も計上されております。木の文化都市・金沢の継承と創出は、本市個性を際立たせるにふさわしい施策であり、森林資源の有効活用からまち並みの形成、次世代の人材育成など、多面にわたる幅広く奥深い施策であると考えます。ぜひとも推進していくべきと考えております。そうした施策を推進するため、現在は予算に沿って事業が実施されていますが、基本理念と計画、施策を推進していく組織などを規定する条例の制定が必要と考えます。市長は9月定例月議会で条例の制定に前向きな答弁をされておりますが、改めて、新条例制定に向けた決意をお伺いします。 質問の第3は、デジタル戦略についてであります。 市長は、一昨年の2月に金沢市ICT活用推進計画を策定し、いち早く電子申請の導入などに取り組んでこられました。今年3月には新たに、誰一人取り残さないデジタル戦略都市・金沢を基本理念とした金沢市デジタル戦略を策定され、デジタル化に拍車をかけてこられました。今般、そのデジタル戦略が改定されたとお聞きしました。3月に策定された戦略が1年もたたないうちに見直しされるのは珍しいことだと思いますが、まずは、これまでの成果と見直しに至った経緯についてお伺いします。 また、市長はデジタル化を加速するために市長直轄の金沢市DX会議を設置し、有識者や学識者などからDXに必要な新たな技術の提案や助言を伺っているとお聞きしておりますが、こうした意見を今後どのように生かしていくのかお伺いします。 質問の第4は、新型コロナウイルス感染症対策の体制拡充についてであります。 新型コロナウイルス感染症は、一旦、本市、石川県のみならず全国的にも収まりつつあり、飲食店での人数やイベントの入場数などが緩和され、新しい生活様式に配慮しながら前向きな取組が進められています。また、ワクチン接種に関しても、今月から医療従事者を皮切りに3回目の接種が開始され、明年度にわたる接種業務が継続していくことになります。市においても体制の強化が望まれるところと思っていましたが、市長は、提案理由説明で来年1月から実施本部を改編し、新型コロナワクチン接種推進室を設けられるとしています。3回目の接種においても市民の方々に不安のないよう、改めて周知をお願いいたしますが、組織改編によってどのような効果が期待されるのか。また、新型コロナワクチン接種体制は強化されるのか。3回目の接種スケジュールと併せお伺いします。 質問の第5は、名誉市民についてであります。 市長が力を入れてきた施策の一つが、建築文化の発信であります。先月、本市の建築文化の発展に大きな役割を果たしていただいた谷口吉生氏が、文化の向上発達に関する功績が顕著であるとして文化功労者として顕彰されました。御存じのとおり、谷口吉生氏は昭和12年に金沢市出身の建築家谷口吉郎氏の長男として生まれ、戦時中は金沢市立十一屋町国民学校、三馬国民学校にも通っておられました。市の施設でも、玉川図書館を父である谷口吉郎氏と共同で設計されたほか、鈴木大拙館、谷口吉郎・吉生記念金沢建築館という金沢が世界に誇るすばらしい施設を設計されておられます。市長はその谷口吉生氏に名誉市民の称号を贈りたいとの思いから、先般、名誉市民推薦委員会に諮問され、委員全員の賛同を得て、推薦すべき旨の答申があったところであります。それを受け、市長は今議会に追加提案されると提案理由説明でも触れられました。このことに私は大いに賛成であります。建築を文化として、まちや自然と一体感のある風景を金沢にもたらしていただいた功績は大なるものがあります。また、谷口吉生氏の金沢に対する思いと御功績は歴代受賞者に勝るとも劣らないものであります。そこで、改めて市長が谷口吉生氏を名誉市民に推挙された思いをお伺いいたします。 質問の最後は、市長の政治姿勢についてであります。 市長は、平成22年12月に就任されてからこれまで、マニフェストに掲げた金沢マラソンの開催や子どもの医療費助成の拡大、公衆無線LANの整備、ぽい捨て等防止条例などの施策を実現する一方で、新たな都市像となる「世界の交流拠点都市・金沢を目指して」を策定し、その後は、毎年、重点戦略計画を時点修正しながら本市の進むべき道筋と取り組むべき施策を明らかにしてきました。そうした中で、懸案であった金沢美術工芸大学の移転整備や価値創造拠点の整備、第二本庁舎や危機管理センターの整備、広域急病センターの開設など周辺市町との石川中央都市圏の形成、スポーツ文化の推進や協働のまちづくりチャレンジ事業、ユネスコ創造都市世界会議の開催、富裕層向け外資系ホテルの誘致、宿泊税の導入、外郭団体の統廃合、最近ではSDGsや木の文化都市、デジタル戦略などの取組、パートナーシップ制度の導入など、市政の各般にわたってスピード感を持って先進的な施策に取り組み、成果を上げてこられました。その一方で、東日本大震災の災害廃棄物の受入れや家庭ごみの有料化、ガス・発電事業の譲渡など、市民の一部に異論があっても、自らがやるべきと判断した施策については先頭に立って市民に説明し、理解を得られるよう誠意を尽くしてこられました。このことに改めて敬意を表します。現下のコロナ禍にあっても、感染拡大防止と地域経済対策に積極的に取り組まれ、そのための財源を確保するため、政令指定都市や中核市の市長に働きかけ、政府に直接要望し実現したことは、地方自治体の首長として特筆すべき実績であります。まさしく率先垂範、市民の中に飛び込んで意見を聞き、説明し、市政を前に進めていく、こうした市長の政治スタイルはほかの人にはまねできないリーダーシップでもあります。先月、市長と金沢経済同友会との意見交換会が開かれました。その中で市長は、来年3月までに予定されている石川県知事選挙について、意欲はある、支援者の意見を聞いて判断すると報道されており、その後も知事選に関する質問には、支援者の意見を聞いているとの報道がなされております。また、市長は、自らが提案した多選自粛条例について、条例改正は考えていないと4期目の市長選挙への出馬を否定したとの報道もされております。市長はこれまでもオール石川でと、金沢市のことだけを考えるのではなく県内の市町と連携してこられました。そこで、山野市長のこれまでの発言について、自らの気持ち、現時点での思いをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手) ○久保洋子議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 38番高村議員にお答えいたします。 政府の経済対策のことについてお尋ねがございました。過去最大規模となる今回の経済対策は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策はもとより、子育て世帯や生活に困窮している家庭への支援をはじめ、看護師、保育士等の賃上げ、GoToトラベル事業の再開、さらには防災・減災対策の強化など、国民の暮らしと雇用を守り、コロナ禍を克服して経済を回復軌道に持っていこうとする総理の強い思いが伝わってきます。こうした経済対策を盛り込んだ国の補正予算案には、地方自治体が感染症対策の強化や地域経済対策に取り組めるよう、追加交付される地方創生臨時交付金や地方交付税の増額分が計上されるなど、地方への手厚い財政措置が盛り込まれており、併せて、国・地方挙げて経済対策に取り組もうという総理の強い思いも感じているところであります。市民の安全・安心の確保、地域経済の早期回復に向け、国の経済対策に積極的に呼応していかなければいけないと考えています。当初予算と連動した予算の編成も見据え、市民生活の安定に向けた施策を早期に講じていきたいと考えています。現在、情報収集に努めているところでありまして、国の補正予算成立後、速やかに補正予算の編成に着手いたします。 市税収入についてお尋ねがございました。国の示します地方財政計画やリーマンショック時の税収の落ち込みなどを参考に、前年度予算に比べ57億円減となる772億円余りを当初予算に計上したところであります。御指摘のように企業の業績回復などもあり、現時点では前年度決算は下回るものの当初予算を上回る見込みであります。他の中核市においても同様の傾向と聞いておりまして、引き続き市税収入の動向を注視しながら、上振れ分については最終補正予算でお諮りしたいと考えています。 財政調整基金のことについてお尋ねがございました。御指摘のように、災害等々、必要なときに備えて設置している基金であります。今回のコロナ対策に当たりましても、数次にわたる補正予算を編成いたしました。その中で緊急かつ臨時的な措置として、これまで9億円余りを取り崩し、財源としてきたところであります。御指摘いただきましたように、不測の事態への備えに万全を期すことが必要だと考えています。一定規模の財政調整基金を確保しておくことが必要であると考えています。今後の市税収入の推移、既決予算の執行状況を見ながら、まずは既に取り崩した分について積み戻しができないか検討していきたいと考えています。 今回の補正予算のことについてお尋ねがございました。コロナ禍の影響を大きく受けた宿泊業や飲食店の早期回復を下支えするため、今回、宿泊キャンペーン事業費や修学旅行誘致に係る助成枠を追加したところであります。加えて、コロナ禍で売上げが減少している卸・仲卸業者を支援するとともに、雇用の維持・確保を図るため、国の雇用調整助成金の制度改正に合わせ、市単独の上乗せ助成制度の対象期間を延長するなど、市としても地域経済の早期回復に向けた施策を講じたところであります。 木の文化都市の継承・創出についてお尋ねがございました。50年以上かけて積み上げてきた景観施策と同様、長期的な視野で取り組むべきテーマとして、木の文化都市をまちづくりの大切なテーマとして考えているところであります。この取組は、木材需要の開拓と拡大、地場産材の利用促進に大きく寄与するとともに、地域経済の活性化、循環型社会の形成にも貢献するものでもあります。市民の皆さんや議会の皆さんと、その意義や方向性を共有する上でも新条例の制定は大変意義のあることであると考えておりまして、まちの個性をさらに磨き高め、品格と魅力ある都市を実現するためにも、当初議会におきましても、仮称ではありますけれども、木の文化都市の継承と創出の推進に関する条例の制定を目指していきたいと考えています。 デジタル戦略のことについてお尋ねがございました。 これまでの成果と見直す点のことについてお尋ねがございました。デジタル戦略を推進するため設置した有識者等から成る金沢市DX会議、庁内横断のデジタル戦略推進本部を毎月開催し、会議での意見、提言、庁内での取組事例などを共有してきたことでデジタル化に関する職員の意識が高まり、庁内での会議がペーパーレス会議となったほか、電子申請、キャッシュレス決済が拡充されるなど、その成果が着実に表れてきていると思っています。また、電子図書館の導入、LINEを利用したごみ出しサポートの開始など、戦略に掲げる施策を着実に進めてきているところであります。会議に参画する有識者からの意見を受け、この流れを加速させ、デジタル化に関する施策の拡充にさらにスピード感を持って取り組むため、今般、新たな項目を追加し、戦略の改定を行ったところであります。 金沢市DX会議のことについてお尋ねがございました。今ほど申し上げました庁内横断のデジタル戦略推進本部は、名称はともかくとして、これは金沢市はもちろんのこと、恐らく多くの自治体も同様な名称、同様な性格を持った組織をつくっていらっしゃるというふうに思います。本市におきましても、局長級がメンバーになりまして、それぞれの部局におきましてプロジェクトごとに様々なデジタル施策を進めていく、個別に推進していくためにも、私はこの推進本部というものは大切だというふうに思っています。一方では、経験則からいいましても、その施策全体を俯瞰して大きな方向性を示す、そんな議論を重ねていきながら示していく専門的な知見に立った意見も集約する、そんなものが必要ではないかという思いを強く持っていました。一部、屋上屋を架すような議論もあるやもしれませんが、まずは、外部で全国の事例に精通された、研究をされていらっしゃる大学の先生であったりだとか、民間で先駆的な取組をされている方たちであったりだとか、市からは私やそれぞれデジタル部門に直接関わってくる部署の幹部職員にも入ってもらいながら、このDX会議を行ってきているところであります。これまでに8回開催をいたしました。専門的な立場から戦略をつくっていくために、不足しているところ、優れている点について様々な大所高所から御意見をいただいたところであります。ペーパーレス原則の導入、SNS等を活用した情報発信の強化、市民サービスの向上等につながる成果指標の設定など、不足していた点について、今般改定するデジタル戦略に盛り込み、早速実践をしていきたいと考えています。そして、何といっても人材育成、デジタル行政推進リーダーの育成など、これは全国的に言っても先鋭的な取組と高い評価をいただいているところでありますけれども、今後、育成したリーダーが中心となってデジタル化を加速させる充実策を検討するとともに、市民の方々にも広く発信していければと思っています。 新型コロナウイルス感染症対策のことについてお尋ねがございました。 組織改編についてであります。今回の組織改編では、3回目の接種が年明けから本格化することに伴い、これまでの実施本部を正式な行政組織である「室」に位置づけ、予算の執行権限を持たせるとともに、人事異動による専任職員を配置することとしています。これにより、接種業務に関する責任の所在をより明確化するとともに、これまで以上に実践的かつ機動的な実施体制が強化され、今後の接種の促進が図られるものと考えています。 3回目の接種スケジュールですけれども、2回目の接種から原則8か月経過後に接種することとなっており、まずは、今月より医療従事者の接種を開始したところであります。また、明年2月からは高齢者への接種、4月からは64歳以下の方への接種が本格化する予定であります。現在、国では新たな変異株に対応するため接種開始時期の前倒しを検討しており、円滑に接種が進むよう、国の動向を注視しながら適切に対応してまいります。 谷口吉生氏の名誉市民推挙のことについてお尋ねがございました。谷口吉生先生は、父である故谷口吉郎先生と共同で設計された玉川図書館、鈴木大拙館、谷口吉郎・吉生記念金沢建築館などの設計を通し、本市の建築文化に多大なる貢献をいただいています。また、ニューヨーク近代美術館の改築など、世界的にも高い評価を受けられており、先日、お父様の吉郎先生と親子二代の栄誉となる文化功労者の顕彰をお受けになられました。先生の輝かしい御功績はもちろんのこと、金沢に対する思いも大変深いものがあり、かねてより感謝を申し上げてきたところであります。先般の名誉市民推薦委員会においても満場一致で推薦をお決めいただいており、名誉市民として御推挙を申し上げるのにふさわしい方だというふうに思っています。 私の政治姿勢のことについてお尋ねがございました。御評価いただいたことには大変感謝を申し上げます。まだまだ力が足りない部分もありますので、引き続き、皆さん方から御指導をいただきながら取り組んでまいりたいというふうに思っています。 経済同友会等での発言のことについてもお触れでございました。報道のことについてもお触れでございました。その時々の私の率直な思いをお伝えさせていただいたところであります。その思いは今も同じであります。今やらなければならないことは、今、12月定例月議会に上程をさせていただきました議案をお諮りしているところでありまして、議員各位との議論を経てお認めいただくよう精いっぱい努めることが責務であるというふうに考えています。一生懸命頑張ってまいります。 以上です。 ○久保洋子議長 以上をもって、質疑並びに一般質問は終わりました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~委員会付託久保洋子議長 ただいま議題となっております議案第48号ないし議案第57号の各件は、お手元に配付いたしてあります議案審査付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。     〔議案審査付託表は本号末尾参照〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △請願・陳情の委員会付託久保洋子議長 なお、今定例月議会におきまして本日までに受理いたしました請願・陳情の各件は、お手元に配付いたしてあります請願・陳情文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会または議会運営委員会に付託いたします。 換気のため、しばらくお待ちください。     〔請願・陳情文書表は本号末尾参照〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議案上程 ○久保洋子議長 次に、日程第3認定第1号令和2年度金沢市歳入歳出決算認定についてを議題といたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~委員長報告久保洋子議長 これより、本件に対する委員長の報告を求めます。 一般会計等決算審査特別委員会委員長宮崎雅人議員。     〔一般会計等決算審査特別委員会委員長宮崎雅人議員登壇〕(拍手) ◆宮崎雅人一般会計等決算審査特別委員会委員長 ただいま議題となりました認定第1号令和2年度金沢市歳入歳出決算認定につきまして、一般会計等決算審査特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、令和2年度金沢市一般会計歳入歳出決算のほか10特別会計の歳入歳出決算認定であり、さきの令和3年度9月定例月議会で当委員会に付託され、審査することとされました。 これら各会計の決算審査につきましては、10月5日から11月22日までにわたって委員会を開催し、決算書及び附属書類に基づき、関係当局から詳細な説明を聴取し、終始慎重なる審査を行ってまいりました。 また、予算執行による行政効果の確認のため、金沢未来のまち創造館の現地視察を行いました。 その結果、認定第1号令和2年度金沢市歳入歳出決算認定につきましては、賛成多数をもって、これを認定すべきものと決しました。 なお、審査の過程におきまして、 1つ、財源の確保として、新型コロナウイルス感染症の影響により景気が悪化したことを受けて、金沢市は厳しい財政状況の中、緊急財政出動による地域経済対策などを打ち出し続けている。この現状を鑑み、本市基本財源を確保するため、市税徴収において、市民の所得状況や生活実態などに配慮しつつも、税負担の公平性の観点から適切な税務行政に努めること。また、市税以外の財源対策では、国からのコロナ関連財政支援の獲得をはじめ、その他収入の安定に努めること。 2つ、財政の健全性の堅持及び政策の有効性の確認として、人口減少社会を迎え、本市では、社会保障費の増加や公共施設等の老朽化対策に多額の財政需要が見込まれている。あわせて、新型コロナウイルス再拡大の危険性を踏まえた特別支出にも備える必要がある。この現状を踏まえ、将来世代への負担が大きくならないよう、財源の確保に加え、中期財政計画の実践、基金の有効活用などにより、今後とも財政の健全性の堅持に努めること。また、政策の有効性に常に留意し、行政施策の執行に精励されること。このほか、美術品の適切な購入及び管理に努めること。 3つ、新型コロナウイルス感染症への対応として、新型コロナウイルスは予期せぬ変異を繰り返し、本市事務事業の執行体制に大きな影響をもたらしている。そのような状況が今後も続くと見込まれる中で、想定し得るリスクを考慮しつつ適時適切に対応していくこと。また、このような感染症リスクにも適応することができるよう、保健所機能の強化も含め、事務事業の執行体制の確立を図ること。 以上の要望事項が付されましたので、併せて御報告しておきます。 以上をもちまして、一般会計等決算審査特別委員会の委員長報告を終わります。(拍手) ○久保洋子議長 委員長報告は終わりました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △討論 ○久保洋子議長 これより、委員長報告に対する質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告がありませんので、直ちに討論に入ります。 通告がありますので、発言を許します。 27番広田美代議員。     〔27番広田美代議員登壇〕(拍手)
    ◆広田美代議員 私は、日本共産党金沢市議員団を代表し討論いたします。 我が会派は、認定第1号令和2年度金沢市歳入歳出決算認定について、認定できないことを表明し、その主な理由を述べます。 令和2年度はコロナ禍の1年でした。本市では、令和2年度末累計で本市の感染者数は916名、お亡くなりになった方が県内では64名でした。医療機関や介護福祉施設、学校、様々な事業所、雇用、市民生活に多大な影響が出ました。市民の命と暮らし、雇用を守る予算執行だったのかが問われます。令和2年度本市決算の特徴としては、一般会計の決算規模が2,300億円規模と過去最大となりました。新型コロナウイルス感染症対策、特に、特別定額給付金による経費増が大きな要因です。また、歳入については、コロナ禍で税収減を想定し、当初予算829億円から815億円まで補正をしました。しかし、結果は当初予算の829億円近くの822億円まで上昇したのです。市税収入の83.7%を占める3つの市税は、個人市民税、法人市民税、固定資産税です。個人市民税や法人市民税は前年の税収の反映ではあるものの、市民の皆さんや事業所の皆さんがコロナ禍でもやりくりをして納税をした結果と言えます。そうした歳入と歳出の結果、実質収支は昨年より17億円増加し、こちらも過去最大の33億8,256万円、翌年度繰越しも16億1,344万円となりました。しかし、コロナ禍で観光、飲食産業をはじめ多様な職種で営業停止や縮小を余儀なくされ、市民の雇用状況は悪化、生活困窮が増えました。医療や介護、福祉施設は、減収する中でも人々の命と生活を支えるために業務を続けました。黒字が生じるのであれば、もっと年度中にこれらの施設、市民に対し対策を取ることができたはずです。 具体的に制度が生かしきれず、不用額、つまり黒字にカウントされた事業や、予算を減額したり繰越しした制度には次のようなものがあります。コロナの直接の対策費である感染症検体検査費については1億9,500万円の予算を計上しましたが、8,000万円の不用額が出ています。事業者支援について、観光地域づくり緊急支援給付金は4月補正で4,500万円を計上しましたが、10件の利用にとどまり、2月補正で4,000万円減額しました。飲食業継続緊急支援給付金は4月補正で3億円計上しましたが、101件の利用にとどまり、2億7,000万円が減額されています。2月補正で8億円計上した飲食事業継続特別支援給付金は1,590件の利用にとどまり、1.8億円を繰り越し、4億7,000万円の不用額を出しています。それぞれ事業収入の減少が30~50%減や50%以上減少を対象とし、観光地域づくり緊急支援給付金は観光協会への加盟を前提とするなど、狭き門であったことが問題です。我々が4月補正当初から申し上げてきたように、対象をもっと幅広くする、給付額を引き上げるなど、困窮する事業者の立場に立った制度とすべきでした。中小企業緊急雇用安定助成金は、国の雇用調整助成金の事業者負担分について本市が10分の1を手当てするというものです。4月補正と6月補正を合わせ1億5,000万円計上したものの、年度内の利用は262件にとどまり、1億円が減額されています。県の労働力調査では、令和2年平均雇用者数は1万3,200人の減、休業者数は5,800人の増加で、厳しい雇用状況であったことから、市内の企業が雇用調整助成金を使えているのか調査をし、積極的な利用を促すべきでした。観光産業に関わっては、宿泊税について、前年比45%減の4億2,200万円の税収です。ホテル・旅館の厳しい状況に応じ、宿泊税は停止するなど対応が必要だったのではないでしょうか。 次に、新型コロナ感染症に直接対応された保健所や医療についてです。まず、保健所については、1994年の保健所法の改悪により全国の保健所が半分に減らされました。本市でも3つあった保健所が駅西1つとなりました。1996年、本市が保健所を統廃合する際に、我が会派は、市民の健康と命を守る上で大切な保健所の削減を行うべきではないと反対を表明しています。しかし、強行に押し進められ、本市は保健所が1つ、感染症対応の保健師は7名という中で今回の事態を迎えたのです。46万人の人口に対し7名では対応できるはずもなく、年度途中に正規保健師を3名、会計年度任用職員として保健師1名、看護師2名を増やし、それだけではもちろん不足するため、福祉健康センターや本庁から、保健師、事務などが応援に入りました。しかし、そもそも応援職員にも通常業務があります。令和2年度末で保健師は正規で10名へ増加、会計年度任用職員は看護師も含め4名へ増加させましたが、臨時も含め保健師などの採用を大規模に行うべきではなかったでしょうか。そして、今後もパンデミックは予想されます。必要な保健師や専門職種の配置を増やし、保健所の機能を強化するよう求めておきます。 PCR検査についてです。コロナ発生当初は、症状があってもなかなか検査が受けられないといった状況が続きました。徐々に体制が整っていったかと思いますが、結果として、行政検査は7,440件、医療機関での検査は2万4,000件という結果です。行政が主体となって検査を行える体制を整えるよう求めます。さらに、PCR検査は国の方針どおりに行えば、国の補助や臨時交付金が使え、100%補填されるということも分かりました。しかし、自治体によっては独自財源で福祉施設や繁華街など幅広くPCR検査を実施し、市民の不安の声に応え、クラスター発生を食い止めてきました。本市でも、医療・福祉関係、飲食店関係からもPCR検査の幅広い実施を求める声が上がりましたが、本市は国・県の方針に従った範囲だけの検査にとどまり、独自財源を使ったPCR検査は行いませんでした。保健所を持つ中核市として独自の力を発揮するべきであったと申し上げておきます。 教育に関わってです。令和2年度はGIGAスクール構想に基づき、小中学生1人1台学習用端末の購入や学校の環境整備に19億2,000万円が投じられました。しかし、その一方で、家庭にWi-Fi環境がない世帯への対応に遅れが生じました。5月の調査結果で、おおよそ3,500人の児童・生徒の家庭でWi-Fi環境がないというアンケート結果があり、4,800台の貸出し用のモバイルルーターを4,500万円で購入しておきながら、年度内にほとんど配付はされていません。さらに、配付されても御自分でシムカードの契約をしなければならず、経済的な問題でできない家庭も存在しています。モバイルルーターに多額の費用をかけながら生かしきれていなと言わざるを得ず、早急にシムカード付のモバイルルーターの貸出しを行うべきです。GIGAスクール構想は、この間、教育への効果も明らかではなく、教員の負担が増えるばかりと問題になってきました。さらに、保護者の負担が増えたり、環境の違いで教育の格差が生まれることはあってはなりません。 除排雪に関わってです。令和2年度は1月に大雪となりました。2018年に見直された除雪計画に期待が寄せられましたが、今回もまた市民の生活に多大な影響を及ぼしました。もちろん、昼夜たがわず懸命に除排雪を行う民間の委託業者の皆様には感謝を申し上げたいと思いますが、そもそもの問題は本市の道路除雪計画にあります。計画では、本市が行うとしている除雪路線は4割にすぎず、あとの6割は市民や地域が行うものとしているのです。しかし、道路法では第42条において、道路管理者は、道路を常時良好な状態に保つように維持し、修繕し、もって一般交通に支障を及ぼさないように努めなければならないとしているのです。あくまで道路管理者である市が法的な責任を負っており、だからこそ市民は税金を払っているのではないでしょうか。よって、他都市は本市より市が行う計画路線割合が高くなっています。同じ中核市では、福井市で85%、昨年度の除排雪費用は22億円、富山市は80%で25億円使いました。対して本市は40%で9億5,000万円の決算額です。本市の道路管理事務所を縮小ではなく拡充する、リースをもっと活用するなどして除雪路線を延長するよう求めておきます。 こうした市民生活に必要なところやコロナ対策に予算が使われなかった一方で、市民が求めてもいない不要不急の事業が行われています。主なものについてです。 まずは、金沢港建設事業です。令和2年度決算では事業費おおよそ49億2,300万円、そのうち金沢市の負担金は10億円となり、翌年度繰越しが7,100万円となっています。大浜岸壁での事業は、大手企業コマツの工場を誘致するとして大水深岸壁の事業が進められてきました。クルーズ船を誘致するための無量寺岸壁改良事業として、岸壁の改良事業と施設整備などの事業が行われてきました。コロナ禍の下でクルーズ船誘致は困難となっています。金沢港建設事業費は令和2年度末で総事業費およそ440億円に上り、本市負担は84億円規模です。このような巨額の税金投入はやめるべきです。 個人番号カード--マイナンバーカード交付事業についてです。個人番号交付事業費として、予算より少し増え、繰越しを合わせ2億4,700万円となりました。さらに、会計年度任用職員を6名増加し交付体制を強化しています。当時の菅政権が、コロナ危機の下で給付金などの行政手続を速やかに行うためデジタル化が必要だとしマイナンバーカードの交付を促進したためです。しかし、特別定額給付金の支給が混乱した原因は、政府の方針が定まらず決定が遅れた上、給付手続への利用を想定していなかったマイナンバー制度を無理やり使わせたことにあります。行き詰まったカード普及をコロナ危機に乗じて一気に進めようとするのは強権的なやり方であり、認められません。そして、マイナンバーカードにつぎ込む予算と労力があるのならばコロナ対策に充てるべきでした。 城北市民運動公園整備事業の中で、市民サッカー場の再整備に関わる事業費です。令和2年度では実施設計が行われ、1億9,844万円の事業費となりました。この再整備されるサッカー場の建設事業費と関連する少年サッカー場の移転費用などで100億円を上回るとしています。コロナ禍の下で、市民生活、地場産業の状況から考えても100億円もの事業費を投入するサッカー場の移転・新築は再検討すべきと考えます。 学校給食の共同調理場についてです。本市は令和2年度、新たな共同調理場の整備に向けて泉本町地内の用地を5億7,883万円で先行取得しました。本市教育委員会は、新たな学校給食調理場整備計画を示し、学校給食調理場施設について、現在17施設を6施設に、最大15年間で統合・集約するものです。そのために泉本町を6,000食から8,000食に拡大、駅西臨海に1万1,000食と大規模共同調理場を2つ新たに建設し、4つある単独調理場をなくし、鞍月共同調理場と8つある学校併設の調理場を廃止するとしています。大規模化して業務の効率化を優先するのではなく、本市が誇る食の教育、地産地消、直接雇用、災害からのリスクを減らすなど、子どもたちや地域経済にとってよりよい給食にするため単独方式こそ増やすべきです。 歌劇座の建て替え検討についてです。令和元年度末、令和2年2月の金沢歌劇座あり方検討懇話会の取りまとめでは、今回の本市の検討は、整備区域等に係る課題の解決を図った上で歌劇座を建て替えるべきというまとめを受け、令和2年度は技術的な検討が行われ514万円が執行されました。現地では18メートルの高さ制限があるにもかかわらず、それを超える30メートルの建物を検討してみたり、ふるさと偉人館の敷地まで使って検討した中身であるほか、現敷地以外での建設の可能性も示しています。しかし、そもそも歌劇座の耐震化は既に完了し、10年前には舞台も含め11億円で改修したばかりです。現状の利用の多くは学校行事など市民の利用ですが、市民から建て替えの要望が出ているわけではありません。市は、200億円、300億円規模の施設を参考に検討していますが、今予算を使うべきは市民の暮らしです。今建て替える道理は全くなく、白紙に戻すべきです。 新しい交通システムの導入検討についても2,274万円が執行されました。導入機種検討対象をLRT及びBRTとして検討・調査していますが、市民が望む山間部や郊外など各地域で生活する上で公共交通が不足していることの解決につながるものではありません。また、莫大な整備費と維持管理費が予想されることから見直すべきです。 そのほか、駅西ホテルの周辺整備など、これら不要不急の公共事業ではなく、市民の暮らしやコロナ対策に回すべきです。 人事については、コロナ対応で保健師や看護師を増やした結果、当初計画よりも定数は7名増加に転じましたが、一方で、学校の校務士さん10名が削減され、ごみ収集体制では同じく7名の削減が実施され、民間委託率が67%へと引き上がっています。 基金についてです。地域コミュニティ活性化基金は創設して3年です。以前から、コミュニティーに関連すれば何でもメニューにできる都合のよい基金ではないかと疑問が投げかけられてきましたが、令和2年度ではそのメニューが前年度28件に対し47件と大幅に増え、その中に生活に密着した地域除排雪の補助金も加えられました。結果、令和2年度の歳出は前年度比1億2,360万円増加の4億6,214万円となっています。そもそもごみ減量化を目的としたごみ袋の有料化で支払った市民のお金を積み立てている基金であり、ごみが減れば基金も減っていきます。であるにもかかわらず、メニューを都合よく増やし、しかも除排雪費用まで充てるというのは市民の理解を得られません。そもそもごみ袋の有料化は廃止をすべきですし、この基金についても運用を改めるべきです。 特別会計についてです。 国民健康保険特別会計では、保険料収納率は上昇し、黒字がおおよそ2億円、基金も31億4,000万円まで積み上がりました。であるならば、保険料を引き下げることはもちろん、コロナ禍の特別対応が取れたはずです。1つは、資格証明書が発行されている方がコロナ感染しても受診抑制が起こらないように、675世帯に発行されている資格証を短期証へ切り替えるべきでした。2つ目は、傷病手当がコロナ禍で設けられましたが、あくまでも被用者のみが対象であり、事業主が受けられませんでした。しかし、2月時点で20の自治体が事業主も対象にしたり、一時金として支給するなど取り組んでおり、本市でも国保加入者の声に応えて実施すべきです。 介護保険制度もおおよそ4億5,000万円の黒字が生まれ、24億円まで基金が積み上がりました。保険料の引下げや減免制度の拡充を行うべきです。 最後に、官製談合事件が発覚したにし茶屋街緑地整備事業費についてです。これは令和2年度中に入札と工事が行われました。全体で2,064万円の事業費のうち1,200万円の土木工事に関し、当時の営繕課の係長が秘密事項の最低制限価格を建設会社に漏らしたとし、見返りに現金と商品券、合わせて20万円分を受け取ったとして加重収賄などの罪に問われ、先月18日に結審しました。公正公平が第一であるべき公共事業の入札がゆがめられた事実は決して許されません。市長及び市全体の責任として、組織の体質や職場環境、入札制度の問題など、考え得る限りの原因を検証し、今後二度と起こらないような対策を基に、市民への信頼回復を求め、討論を終わります。(拍手) ○久保洋子議長 討論は終わりました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △採決 ○久保洋子議長 これより、採決いたします。 お諮りいたします。 認定第1号は、ただいまの委員長報告のとおり、これを認定することに賛成の議員の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 ○久保洋子議長 起立多数であります。 よって、本件は、これを認定することに決しました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議案上程 ○久保洋子議長 次に、日程第4議案第43号令和2年度金沢市公営企業特別会計処分利益剰余金の処分について及び認定第2号令和2年度金沢市公営企業特別会計決算認定についてを議題といたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~委員長報告久保洋子議長 これより、本件に対する委員長の報告を求めます。 企業会計決算審査特別委員会委員長高岩勝人議員。     〔企業会計決算審査特別委員会委員長高岩勝人議員登壇〕(拍手) ◆高岩勝人企業会計決算審査特別委員会委員長 ただいま議題となりました議案第43号令和2年度金沢市公営企業特別会計処分利益剰余金の処分について及び認定第2号令和2年度金沢市公営企業特別会計決算認定につきまして、企業会計決算審査特別委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 本件は、令和2年度公営企業特別会計処分利益剰余金の処分並びに令和2年度ガス事業、水道事業、発電事業、工業用水道事業、病院事業、中央卸売市場事業、下水道事業及び公設花き地方卸売市場事業の8会計の決算認定であります。 これら各会計決算の認定につきましては、9月15日から11月24日までにわたり委員会を開催し、決算書及び附属書類などに基づき、関係当局から詳細な説明を聴取し、終始慎重なる審査を行ってまいりました。 また、予算執行による行政効果の確認のため、企業局西部水質管理センター及び中央卸売市場の現地視察を行ってまいりました。 その結果、議案第43号令和2年度金沢市公営企業特別会計処分利益剰余金の処分につきましては、全会一致をもってこれを可決すべきものと決し、認定第2号令和2年度金沢市公営企業特別会計決算認定につきましては、賛成多数をもってこれを認定すべきものと決した次第であります。 なお、審査の過程におきまして、 ガス事業・発電事業については、来年4月に民間会社への事業譲渡が予定されているが、事務執行に遺漏のないよう進めること。また、長年にわたり市民の暮らしを支えてきたエネルギーインフラであることに鑑み、引き続き市民の安全・安心が確保されるとともに、市民サービスのさらなる向上が図られるよう、提案内容の履行状況等の確認を適切に行い、市としての責任と役割を果たすこと。 水道事業については、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた基本料金の減免措置を行ったが、将来にわたって安定して水道水を供給するため、水道施設の耐震化や老朽管対策等、今後増加が見込まれる財政需要に備え、経営の健全性確保に努めること。加えて、県水受水について、県に対して受水単価及び責任水量の引下げを引き続き働きかけること。 病院事業については、新型コロナウイルス感染症対策に係る国や県からの補助金等収入により黒字決算となったが、感染症の影響もあり患者数の減少が続いているため、周辺病院との機能分化及び機能連携の検討、コロナ対応で得られた知見や教訓の活用などに取り組み、公的病院としての役割や使命を果たすとともに経営の健全化を図ること。 中央卸売市場事業については、取扱量の確保や業務の効率化を図り、引き続き健全な経営に取り組むこと。また、再整備に当たっては関係者と十分に協議し、施設の機能強化を図るとともに、適正な整備規模を検討すること。以上の要望事項が付されましたので、併せて御報告いたします。 以上をもちまして、企業会計決算審査特別委員会の委員長報告を終わります。(拍手) ○久保洋子議長 委員長報告は終わりました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △討論 ○久保洋子議長 これより、委員長報告に対する質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告がありませんので、直ちに討論に入ります。 通告がありますので、発言を許します。 29番森尾嘉昭議員。     〔29番森尾嘉昭議員登壇〕(拍手) ◆森尾嘉昭議員 私は、日本共産党市議員団を代表して、認定第2号令和2年度金沢市公営企業特別会計決算認定について、認定できないことを表明し、その主な理由について以下述べたいと思います。 第1は、本市ガス事業・発電事業の譲渡方針に基づく予算執行と具現化が進められてきたことです。この2つの事業は、100年余にわたって本市公営事業として運営されてきました。2016年、本市企業局が打ち出した今後10年間の経営戦略方針の中でも、ガス・発電など5つの市営事業を継続していくことを打ち出しながら、市民と議会との約束を破り、強引にガス事業・発電事業譲渡方針へと突き進んできました。令和2年度決算の主なものは、この2つの事業譲渡アドバイザリー業務委託として、令和2年度1億4,000万円、令和3年度6,000万円、合計2億円でPwCアドバイザリー合同会社に委託されたこと、譲渡先選定委員会が設置され、最優秀提案者が選定され、優先交渉権者が決定されたことです。決算審査を通じて明らかになったことは、第1に、この2つの事業譲渡を進めるためにPwCアドバイザリー合同会社に業務委託し、令和2年度1億4,000万円、令和3年度6,000万円、計2億円で契約を交わしました。その選考過程は、本市が委託業務公募型プロポーザル方式の実施に関する手引で定めた標準処理日数70日~90日が、今回何と44日と2分の1に短縮され選定されました。これは令和2年2月にPwCアドバイザリー合同会社がまとめた報告書の中で、2020年度公募開始し、2022年4月に新会社が経営を開始するスケジュールが示され、公募プロセスの短縮した案が報告されていたことが明らかとなりました。第2に、譲渡先選定委員会が設置され、最優秀提案者が選定されましたが、黒塗りの資料が示されたまま、提案内容や選考過程は全くベールに包まれたままでした。よって、市民の理解と合意のないまま強引に進められてきた本市ガス事業・発電事業譲渡方針には同意できません。 次に、工業用水道事業についてです。先端産業を立地するとして造成された工業用地、金沢テクノパークは、平成4年着工・造成が始まって29年が経過しています。用地はいまだ2割が立地されないままとなっています。その用地は3区画、6.1ヘクタールです。これは東京ドーム1.3個分に相当します。参入した企業への工業用水道事業は、実質3社が利用していますが毎年赤字。その赤字を一般会計で補填し続けています。令和2年度決算では3,000万円を上回っています。市政の失敗とも言うべき事業に対して市民の税金をもって補填し続けることは許されることではありません。 なお、新型コロナ感染対策として水道料金と下水道使用料金の基本料金を減免しました。令和2年8月から11月までの4か月分を減免したもので、総額16億6,000万円となりました。市民生活を支えていく上で、その要望に応えるものとなりました。 最後に、本市ガス事業・発電事業譲渡方針に基づく決算審査の過程で黒塗りの資料が提出されたことです。地方自治法第96条第1項で、普通公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならないとして、その第3号で決算を認定することと明記しています。100年余にわたって本市公営事業として運営されてきたガス事業・発電事業を譲渡するに当たって、その過程や結果について審議、議論する決算委員会に対して黒塗りの資料を提出したことは重大です。法に基づき設置された決算委員会が適切な審議と議決ができないことにつながりかねません。議会を軽視することは市民を無視することになり、市民の負託に応え行政執行すべき立場をかなぐり捨てることにほかなりません。このことを述べ、討論を終わります。(拍手) ○久保洋子議長 討論は終わりました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △採決 ○久保洋子議長 これより、採決いたします。 まず、議題のうち、議案第43号について採決いたします。 本件に対する委員会の決定は、可決であります。 お諮りいたします。 本件は、委員会の決定どおり可決することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○久保洋子議長 御異議なしと認めます。 よって、本件は原案のとおり可決することに決しました。----------------------------------- ○久保洋子議長 次に、認定第2号について採決いたします。 お諮りいたします。 認定第2号は、ただいまの委員長報告のとおり、これを認定することに賛成の議員の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 ○久保洋子議長 起立多数であります。 よって、本件は、これを認定することに決しました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休会について ○久保洋子議長 以上をもって、本日の日程は終了いたしました。 お諮りいたします。 明日16日は委員会審査のため休会といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○久保洋子議長 御異議なしと認めます。 よって、この際、御通知申し上げます。 次の本会議は、17日午後1時から開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △散会 ○久保洋子議長 本日はこれにて散会いたします。     午後2時55分 散会-----------------------------------  〔参照〕-----------------------------------     令和3年度金沢市議会12月定例月議会議案審査付託表-----------------------------------            総務常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第48号令和3年度金沢市一般会計補正予算(第8号)  第1条 歳入歳出予算の補正   歳入 全部…………………………………………………………………24  歳出 1款 議会費………………………………………………………311     2款 総務費………………………………………………………        (1項総務管理費中1目一般管理費の一部、7目企画費の全部、11目文化施設費の全部、13目地域振興費の全部及び14目諸費の全部並びに3項戸籍住民基本台帳費中1目戸籍住民基本台帳費の一部を除く。)312     10款 教育費       5項 大学費……………………………………………………533 第4条 地方債の補正………………………………………………………643議案第49号特別職の職員の退職手当支給条例の一部改正について……………………7 議案第50号金沢市宿泊税条例の一部改正について………………………………………8 議案第51号金沢市手数料条例の一部改正について………………………………………10 議案第55号公立大学法人金沢美術工芸大学第3期中期目標の制定について…………25             経済環境常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第48号令和3年度金沢市一般会計補正予算(第8号)  第1条 歳入歳出予算の補正   歳出 4款 衛生費       2項 環境衛生費        1目 環境衛生総務費の一部………………………………321       2目 環境保全費……………………………………………322      3項 清掃費……………………………………………………322     5款 労働費………………………………………………………424     6款 農林水産業費………………………………………………425     7款 商工費………………………………………………………426            市民福祉常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第48号令和3年度金沢市一般会計補正予算(第8号)  第1条 歳入歳出予算の補正   歳出 2款 総務費       1項 総務管理費        1目 一般管理費の一部……………………………………312       13目 地域振興費……………………………………………313       14目 諸費……………………………………………………313      3項 戸籍住民基本台帳費        1目 戸籍住民基本台帳費の一部…………………………313     3款 民生費………………………………………………………315     4款 衛生費………………………………………………………        (2項環境衛生費中1目環境衛生総務費の一部及び2目環境保全費の全部並びに3項清掃費の全部を除く。)320     10款 教育費       1項 教育総務費        2目 教育指導費の一部……………………………………432      6項 社会教育費        1目 社会教育総務費の一部………………………………533 第2条 繰越明許費の補正      4款 衛生費………………………………………………………5 議案第53号金沢市国民健康保険条例の一部改正について………………………………23             建設企業常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第48号令和3年度金沢市一般会計補正予算(第8号)  第1条 歳入歳出予算の補正   歳出 8款 土木費………………………………………………………        (5項都市計画費中7目公園費の一部を除く。) 4 27 第2条 繰越明許費の補正      8款 土木費………………………………………………………5 議案第54号「委託契約の締結について」の一部変更について(六日市踏切道改良工事)24 議案第56号市道の路線認定について………………………………………………………30 議案第57号市道の路線変更について………………………………………………………31             文教消防常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第48号令和3年度金沢市一般会計補正予算(第8号)  第1条 歳入歳出予算の補正   歳出 2款 総務費       1項 総務管理費        1目 一般管理費の一部……………………………………312       7目 企画費…………………………………………………312       11目 文化施設費……………………………………………312     8款 土木費       5項 都市計画費        7目 公園費の一部…………………………………………429     9款 消防費………………………………………………………431     10款 教育費………………………………………………………        (1項教育総務費中2目教育指導費の一部、5項大学費の全部及び6項社会教育費中1目社会教育総務費の一部を除く。)432 第2条 繰越明許費の補正      9款 消防費………………………………………………………5  第3条 債務負担行為の補正………………………………………………542議案第52号金沢市学校設置条例の一部改正について……………………………………22       令和3年度金沢市議会12月定例月議会請願・陳情文書表----------------------------------- 1 新たに受理した請願(1件)・陳情(3件)番号請願件名請願人紹介議員受理年月日請願要旨付託委員会第14号児童・生徒の健康と学習権を保障するために学校トイレに生理用品の設置を求める請願書新日本婦人の会金沢支部 支部長 中内晃子熊野盛夫 大桑初枝 広田美代 森尾嘉昭3.12.2文教消防請願趣旨  新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、雇用状況はなかなか改善せず、世帯の収入が不安定な家庭の児童・生徒が増えている。  こうした経済状況の中、生活必需品の一つである生理用品を購入することができず、交換の回数を控えたり、トイレットペーパーを代用するなどの実態が報告されている。生理用品は健康な生活を送るための必需品である。経血で服や椅子を汚すことが不安で学習に集中できなくなるなど、学習権が侵害される児童・生徒がいることを看過できない。経済的理由などによって生理用品が十分に使えないような状態は直ちに改善されるべきである。  保健室で生理用品は借りられるが、短い休み時間の中、保健室には行きづらい、また、ほかの人がいると生理で困っていることを伝えにくい、借りても返却を求められるなどの声もある。児童・生徒が心理的な負担を感じることなく、いつでも利用できる環境を整えることが求められている。学校でのトイレットペーパーの常備が当たり前のように、生理用品も安心して使用できるよう、学校トイレへの設置を求め、請願する。 請願項目  1.児童・生徒が安心して通学でき、健康で衛生的な生活を保障するために、市立の小・中学校および工業高校の女子トイレの個室に返却不要の生理用品を恒常的に設置してください。番号陳情件名陳情人受理年月日陳情要旨付託委員会第13号新型コロナウイルス感染症の自宅療養者への保健所の対応に関する陳情大山慎吾3.11.11市民福祉陳情趣旨  このことについて、次のとおり陳情する。 陳情項目  1 退院後の自宅療養者の病状に応じて寄り添った対応をすること  2 パルスオキシメータを自宅療養者の希望に応じ貸し出すことが出来るよう機材を適切に配備すること番号陳情件名陳情人受理年月日陳情要旨付託委員会第14号金沢市におけるコミュニティバスの導入促進に関する陳情書金沢市にコミュニティバスを走らせる会 代表 竹味能成3.11.26総務陳情趣旨  金沢市では、近年の急速な高齢化の進行に伴い、高齢ドライバーによる交通事故の多発などを背景として、高齢者の自動車運転免許の返納促進が大きな課題になっている。従来から運転免許を持たない人に加え、運転免許をこれから返納しようとする住民にとって、自家用自動車を利用できないことにより、買物や通院など地域での住民生活に困難が生じることに不安が高まっている。  特に、金沢市郊外地域では「ふらっとバス」の路線がなく、公共交通の利用に関する格差が生じており、コミュニティバスの導入を求める住民の要望が大きくなっている。また、「地域運営交通運行費補助制度」に基づくコミュニティバスが3地域で運行されているが、それ以外の地域ではまだ導入が進んでいない。金沢市郊外地域で、住民生活にとって不可欠な公共交通の改善・充実を図り、運転免許返納の条件整備を行うためにも、コミュニティバスの導入促進が必要である。 陳情項目  1.金沢市の郊外地域において、コミュニティバスのさらなる導入・充実を行って下さい。番号陳情件名陳情人受理年月日陳情要旨付託委員会第15号政務活動費の金沢市条例改正についての陳情書市民オンブズマン石川 代表幹事 林木則夫3.12.2議会運営陳情趣旨  金沢市議会政務活動費の交付に関する条例(以下「金沢市条例」という。)は、全国市議会議長会が策定した「◯◯市(区)議会政務活動費の交付に関する条例案(例)」(以下「全国市議会案」という。)を基にした項目規定に、下記の2項目を加えて作成し、平成24年12月定例会において議決し、制定した。  しかし、金沢市条例第8条第2項においては、全国市議会案の「政務活動費を充てることができる経費の範囲」を規定している「政務活動に要する経費」の項目にはない「会派共用費」及び「共通経費」の2項目を「政務活動に要する経費に充てることができるものとする」項目として規定したゆえに、その帰結として、全国市議会案の「政務活動に要する経費に充てるものとする」項目にはない上記2項目の当該各経費「支出に係る事実を証する書類」として議員が議長提出している当該各書類は、政務活動に要する経費に充てるものを証する書類ではない。  「政務活動費は、別表に定める政務活動に要する経費に充てることができるものとする」との規定とは異なる支出実態があるゆえに、市民オンブズマン石川は、2020年10月7日に当時の金沢市議会議長に対して金沢市条例改正を含む要望書を提出し、2021年3月、6月及び9月定例月議会においても、金沢市条例改正陳情書を提出してきた。  2021年9月定例月議会の上記陳情書も不採択とした。それゆえ、市民オンブズマン石川は、再度、陳情する。 陳情理由  1 地方自治法は、第180回国会で、政務調査費を政務活動費と呼称改正するとともに、「政務活動費を充てることができる経費の範囲は、条例で定めなければならない」と改正されたこと。  2 金沢市条例を制定する目的で開催された政務活動費検討会の冒頭において、全国市議会議長会の検討会の「結論」が全国市議会案であると当時の桶川議会事務局長は報告しているが、全国議長会案の項目には「政務活動に要する経費」項目の中に表記2項目の規定はないこと。 陳情内容  金沢市議会政務活動費の交付に関する条例第8条第2項別表の項目としている「会派共用費」及び「共通経費」の2項目を削除する条例改正をおこなうこと。...