令和 3年 6月 定例月議会 令和3年6月16日(水曜日)◯出席議員(38名) 議長 久保洋子 副議長 山本由起子 1番 荒木博文 2番 田中美絵子 3番 喜成清恵 4番 上原慶子 5番 稲端明浩 6番 熊野盛夫 7番 大桑初枝 8番 粟森 慨 9番 新谷博範 10番 麦田 徹 11番 中川俊一 12番 坂本泰広 13番 高 誠 14番 喜多浩一 15番 上田雅大 16番 小間井大祐 17番 前 誠一 18番 高岩勝人 20番 宮崎雅人 21番 松村理治 22番 下沢広伸 24番 森 一敏 25番 小林 誠 26番 源野和清 27番 広田美代 28番 玉野 道 29番 森尾嘉昭 30番 秋島 太 31番 澤飯英樹 32番 中西利雄 33番 清水邦彦 34番 黒沢和規 35番 野本正人 36番 福田太郎 37番 横越 徹 38番
高村佳伸◯欠席議員(なし
)-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長 山野之義 副市長 相川一郎 副市長 村山 卓 教育長 野口 弘
公営企業管理者 平嶋正実
選挙管理委員会委員長 都市政策局長 鳥倉俊雄 木梨松嗣 総務局長 松田滋人
文化スポーツ局長 山森健直 経済局長 山田啓之 農林水産局長 長谷進一 市民局長 松田俊司 福祉健康局長 高柳晃一
こども未来局長心得 藤木由里 環境局長 吉田康敏
都市整備局長 坪田英孝 土木局長 坂本敦志 危機管理監 上野浩一 会計管理者 中坂暢江 消防局長 喜田 徹
市立病院事務局長 荒舘 誠 財政課長 津田 宏
選挙管理委員会書記長 前田
斉-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長 東 利裕 担当次長兼
議事調査課長 議事調査課担当課長 安藤哲也 小村正隆 議事係長 山口賢一 調査係長 今川良太 主査 富川朗人 主査 前田和紀 主査 北本剛太 主任 竹村太志 主任 辻 卓也 書記 小西孝博 総務課長補佐 多田育代 主査
打越洋平-----------------------------------◯議事日程(第3号) 令和3年6月16日(水)午前10時開議 日程第1 議案第1号令和3年度金沢市
一般会計補正予算(第3号)ないし議案第18号令和3年度金沢市
一般会計補正予算(第4号) (質疑) 日程第2
一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件 議事日程(第3号)に同じ----------------------------------- 午前10時1分 開議
△開議
○
久保洋子議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△会議時間の延長について
○
久保洋子議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△諸報告
○
久保洋子議長 説明のため新たに出席を求めた者は、お手元に配付のとおりでありますので、御報告いたします。 なお、上着の着用は御自由に願います。 〔説明員の氏名は
本号末尾参照〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△議案上程
○
久保洋子議長 これより、日程第1議案第1号令和3年度金沢市
一般会計補正予算(第3号)ないし議案第18号令和3年度金沢市
一般会計補正予算(第4号)、以上の議案18件を一括して議題といたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△質疑・一般質問
○
久保洋子議長 これより、質疑並びに日程第2一般質問を併せ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 15番上田雅大議員。 〔15番上田雅大議員登壇〕(拍手)
◆上田雅大議員 おはようございます。
自由民主党金沢市議員会の一員として、以下数点にわたり質問をさせていただきます。 まずは、金沢21世紀美術館についてです。 4月より、金沢21世紀美術館の新館長に長谷川祐子さんが就任されました。2004年の開館以来、初の女性館長であります。長谷川館長は、金沢21世紀美術館の
建設事務局学芸課長として、開館準備に携わってこられた方とお聞きしております。開館から16年たった今もなお、多くの方が押し寄せる人気美術館となっておりますが、開館に携わってこられただけに、今後どのようにディレクションをされていくのか、その手腕に期待をしていきたいと思っております。全国的に、森美術館、横浜美術館、国立新美術館など、女性の方が館長に就任するなど、女性館長の機運が高まっています。そこで、市長にお伺いしますが、今回の長谷川館長の就任についてどのように捉え、今後期待していることなど、市長の思いをお聞かせください。 また、近年、コロナ禍でありますが、ゴールデンウイーク中でも多くの来場者が訪れ、入場制限を行うなど、対応を取ったことなどにより、約4時間待ちであったとお伺いしました。本来、美術館や博物館は、ゆったりとしたスペースで、じっくり鑑賞を行っていただくスタイルが一般的ではあると思いますが、人気のある美術館は現実的には難しいようです。そこで、先日、長谷川館長と面談をさせていただき、様々な思いをお聞かせいただきました。その中で、私としても、新たな取組として、
コロナ感染拡大防止の観点からも、まちなかの
空きスペースに21世紀美術館のアネックスを設けて、観光客や来場者をできるだけ分散させ、ゆったりと鑑賞を行っていただくような取組があってもよいのではないのかと思います。近隣に空きビルや空き店舗がコロナ禍の影響で出てきていますので、その場所を整備することにより、にぎわい創出や活性化対策の一環にもなると思いますし、まちなかに回遊性ができます。また、地域などと連携を図ることにより、さらに、まち全体で芸術や文化を発信することができるのではないかと思います。21世紀美術館の冠がついた
アネックス構想には夢があると思いますが、いかがでしょうか。併せて市長にお伺いし、次の質問に移ります。 次は、
金沢マラソンについてです。 今年は、10月31日に
金沢マラソン2021の開催が予定されております。昨年は、コロナ禍により中止となっただけに、何とか開催できればと思っております。私は、毎年、ライオンズクラブの一員として
ボランティアでの協力を行っております。今年は、
ボランティア場所や内容も変更となりました。ランナーの定員についても、密を回避するため1万人に減員となり、あらゆる分野でコロナ対策が取られての開催のようです。そこで、お伺いしますが、
一般エントリーの募集が5月14日から開始されていますが、現時点でどれだけの応募受付があるのかお伺いします。 また、同時に募集開始となっている
ふるさと納税ランナー枠、
チャリティランナー枠についてもお伺いします。 また、参加料についてですが、
感染防止対策にかかる費用負担及び参加定員の減により、値上げとなっていますが、参加定員の削減や
感染対策費用については、参加者の方に御負担いただくべき費用なのでしょうか。1万6,000円の参加費は、いささか高いように感じるのは私だけではないと思いますが、他都市の参加費も値上げとなっているのでしょうか、お伺いします。 さらに、来年以降、コロナ禍が収束し、
感染防止対策を緩和できた場合、参加料は値下げとなる見込みなのか、併せてお伺いします。 今回の大会は、緊急事態宣言が発令されている場合やイベント開催が制限されている場合など、安全な開催が困難であると主催者が判断した場合、中止、または一部開催内容を変更する可能性があるとのことですが、最終判断の期日はいつ頃を想定しているのかお伺いします。 また、沿道応援について、
応援スポットやステージでのメガホンや
スティックバルーンなど、応援グッズの使用は難しいのではと思います。
応援スポットやステージでの
感染防止対策にはどのように取り組んでいかれるのかお伺いします。 私は、
感染症防止対策を徹底した上で、
ボランティアや応援など、多くの方に
金沢マラソンに参加をしていただきたいと思っておりますが、コロナ禍の中でありますので、一般の沿道応援が自粛となりましたが、地元が盛り上がるような新たな取組ができないのかと思います。安心・安全に大会運営を行うことが何よりも一番ですが、参加された方がよい
金沢マラソンであったと思っていただけるように、今回の
金沢マラソンにかける思いを市長にお伺いして、次の質問に移ります。 次は、
ホストタウンについてです。 本市では、7月に開幕する
東京オリンピック・
パラリンピックのフランスとロシアの
ホストタウンとして、事前合宿を受け入れることとなっております。
ホストタウンの取組では、世界的なトップアスリートの練習を間近に目にすることができますし、その技を見て学んだり、子どもがオリンピアン・パラリンピアンを目指すよい
きっかけづくりにつながるのではないのかと思います。また、金沢の文化や食、観光なども体験していただき、本市を世界にPRする絶好の機会にもなります。さらに、
パラリンピックの受入れを契機に、障害のある方の社会参加が進むことも期待されます。しかし、コロナの感染拡大を受け、一部の自治体では、相手国選手団から事前合宿の中止の連絡を受け、受入れを断念するような新聞報道がなされました。
ホストタウンに登録することを委員会や議会で提案した私としては、何とか事前合宿が開催されることを願っております。そこで、まずは現時点で事前合宿は予定どおり行われ、また、いつからいつまで、何名を受け入れる予定なのかお伺いします。 本市は、
内閣官房東京オリンピック・
パラリンピック推進本部から、
優良情報発信賞の大賞を受賞しました。SNSを活用して、
ホストタウン相手国との交流を進めた実績とともに、事前合宿の準備に関しても相手国との調整が進み、全国の
ホストタウンの手本となっていることが評価されたとお聞きしております。そこで、現時点での
事前合宿受入れの準備状況についてお伺いします。
事前合宿受入れに当たっては、
コロナウイルスに対する徹底的な
感染防止対策が求められます。選手にとっても、市民にとっても、安心・安全な対策が講じられなければなりません。本市では、どのような感染対策を講じる計画になっているのかお伺いします。
ホストタウンは、外国の
一流アスリートと交流ができることが大きなメリットですが、今年のコロナ禍にあっては、競技大会本番を控えた事前合宿中の交流は現実的には難しいと思います。今年度の予算に、
アフターオリンピック交流事業費として520万円が計上されておりますが、具体的にどのような交流を計画しているのかお伺いします。
ホストタウンの事業に対して期待することは、一過性の交流ではなく、事前合宿後に継続して続く
スポーツ交流や文化交流でありますが、市長はどのようにお考えになり、どのように取り組んでいかれるのか御所見をお伺いし、次の質問に移ります。 次は、
バリアフリーについてです。 近年、体に障害のある方も、引き籠もるのではなく様々な観光地に出向き、行けるところを探すのではなく行きたいところへ行けるようにとの取組が進んでおります。先日、
バリアフリー観光のお世話をされている団体の方とお話をさせていただきました。健常者の視点では気にもならないことが何げに大切であったり、必要であることがとてもよく分かりましたし、本市や石川県には、
観光バリアフリー情報のツールがあっても、県外の障害のある方に対しての情報発信の方法や、もう一歩踏み込んだ細かな情報が不足しているように思いました。一例を挙げますと、市内まちなかにおいての多目的トイレやオストメイトトイレの位置情報はあっても、長椅子やベッドを設置しているか否かなどの情報です。障害のある方にとっては、長椅子やベッドがあると、荷物が置けたり、おむつ交換ができたりと、利便性が格段と上がるようです。また、食事についても、一般的に
バリアフリー対応の設備が整っているホテルでと思われるかもしれませんが、障害のある方も地場の食材を使っている居酒屋やレストランで食事が取りたいようです。そのときに必要となるのが、トイレと段差の
バリアフリー整備です。先般、国会で、
障害者差別解消法の改正が成立したと伺っております。今後、民間事業者の障害のある方への合理的配慮の提供のほか、事業所内の
バリアフリーが進むきっかけになるのではと歓迎をしているところです。今後、本市の飲食店や観光に関する民間事業者の
バリアフリーが積極的に促進することで、全国から多くの障害のある方をお迎えできるようなまちになるとよいなと思います。そこで、今回の法改正を受け、民間事業者の
バリアフリー化を進めていくために、市としてどのような手だてを講じるのかお伺いします。
バリアフリーが進めば、観光客のみならず、地元の障害のある方もきっと助かるのではないのかと思います。障害のある方に優しい金沢のまちであってほしいと思いますし、市民がお互いに支え合う、そんな社会をつくる必要があると思いますが、併せて市長の御所見をお伺いし、次の質問に移ります。 次は、百万石まつりについてです。 今年も、昨年同様に、コロナ禍の中で百万石まつりが中止となりました。とても残念なことであると思います。私は、昨年に引き続き、消防団として、
加賀鳶はしご登りでの歌い手である木遣り隊として参加予定でありましたが、これで2年続けて中止となり、参加がかないませんでした。それに伴い、コロナ禍でありますので、毎月行っている練習も当面中止となりました。百万石まつりには、様々な団体の方が行列に参加されています。特に伝統文化などの保存会として参加されている団体は、百万石行列に参加することが保存会の継承につながっている部分もあるのだと思います。そこで、お伺いしますが、2年続けて百万石まつりが中止となったことに対する影響があるのだと思いますが、このことについて市長はどのように捉え、どのように考えておいでになるのかお伺いします。 また、代替行事を検討するとのことでありますが、どのような内容で、どのような時期に開催されるお考えなのか、市長に併せてお伺いし、次の質問に移ります。 次は、
安原スポーツ広場についてです。
安原スポーツ広場には、
石川ミリオンスターズの練習場にもなっている野球場や、サッカーや
グラウンドゴルフ等が行える天然芝の多
目的グラウンドがあり、この場所は
ツエーゲン金沢の練習場としても利用されております。また、テニスやフットサルなどが利用可能な屋内練習場や、空手、フィットネス、軽運動、会議などで利用可能な多目的室など、多様なスポーツが行える施設として、多くの市民の方が利用されているとお聞きしております。私も、野球の試合の応援などに、
安原スポーツ広場には足を運んでいます。そのときに思うことですが、野球の試合となると、複数のチームの選手や監督、そして応援団、おまけに多
目的グラウンドも使用されていれば、その倍の入場者となり、大きな大会となると、いつも駐車場に入れず、困惑してしまいます。
安原スポーツ広場は、工業団地に隣接しているために、周辺には駐車可能な
空きスペースもない上に、大きな大会となると、駐車場に入れず、迷惑駐車も発生している状態です。そこで、お伺いしますが、駐車場整備を行うことで、近隣の迷惑駐車が解消し、市民の方が
スポーツ施設を利用しやすく、使い勝手のよい施設となり、
スポーツ振興にもつながるのではないのかと思いますが、市長の御所見をお伺いし、次の質問に移ります。 次は、救急隊についてお伺いいたします。 まずは、日勤救急隊についてです。近年、全国的に救急の需要が増加し、本市の救急隊の出動も例外ではなく、増加傾向にあります。この需要に対応するため、24時間体制ではなく、昼間の救急活動に限定した、いわゆる日勤救急隊を導入する自治体が増えています。症状の重い病人やけが人の救急搬送が多く発生している平日昼間の時間帯に運用する日勤の救急隊を導入することで、救急車の現場到着時間の短縮を図っているとのことです。また、救急需要が増加する中、救急隊員の資格を持つ職員が育児や介護、産休や育児休暇を終えての復職の際、24時間勤務が困難な場合でも、日勤救急隊として勤務することができるようになり、効率的な救急体制の確保と同時に、職員の多様な働き方を実現することにもつながり、働きやすい環境が整備され、女性の活躍の幅が広がっていくのではないのかと思います。そこで、お伺いしますが、このような日勤救急隊について、市長はどのように捉え、どのようにお考えであるのかお伺いいたします。 次に、消防の連携、協力についてです。本年1月の年明け早々に、北陸地方は大雪に見舞われ、住民生活に影響を与え、多くの雪害が発生しました。本市でも例外ではなく、人的・建物被害が発生し、消防局への救急要請が集中し、通常運用している救急車10台に加え、予備の救急車3台も運用し対応に当たるなど、苦労されたとお聞きしました。さらに要請が増えれば、救急車の台数が足らなくなることも想定され、救急出動が重なった場合には、遠くにある消防署から出動することになり、現場への到着が遅れることが予想されます。消防は、市町が管理し、その管轄区域の消防責任があり、当然、管轄の消防署から出動することになります。しかし、市の境界付近で災害が発生した場合、近隣自治体の消防本部から出動したほうが現場到着が早くなるケースもあるのではないのかと思います。本市では、昨年度から
石川中央都市圏の枠組みにおいて、消防の連携、協力について検討していることは承知しておりますが、圏域内の消防体制の強化を図るため、具体的な連携、協力に向けた取組の進捗についてお伺いします。 また、今後、南部地区での連携、協力について具体的にどのように取り組んでいかれるのか、併せて市長の御所見をお伺いし、次の質問に移ります。 最後は、本市のゼロ
カーボンシティーへの取組についてお伺いします。 近年、ゼロカーボンの実現や世界的な
プラスチックのごみ問題に向けての取組として、国が主導し、
プラスチックの資源化に向けた資源循環戦略の取組が始まっております。本市でも、温室効果ガスの削減を図るための取組として、会議、審議会等における
ペットボトル飲料等の原則使用禁止やマイボトルの持参など、
プラスチックごみ削減に係る取組が先月より始まったところでもあります。先日、地域の方から、家庭ごみの袋が破れるとの御指摘をいただきました。新しくリニューアルした家庭ごみ袋は、以前の袋より強度が増していますので、破れにくいはずです。改めて確認しますと、やはり家庭ごみの中に、ハンガーや
プラスチックケースといった硬い
プラスチック製のごみを袋の中に一緒に入れているために、かさばったり、とがった角などにより袋が破れることがあるようです。そこで、私は、国の施策としてゼロカーボンや
プラスチック資源循環の取組が始まっているのであれば、このような
硬質プラスチックのリサイクルの取組を本市でも始めることもよいのではないのかと思います。そのことにより、家庭での有料ごみ袋の負担軽減にもつながりますし、資源化率も高まり、二酸化炭素の排出量の削減にもつながると思います。近年の局地的豪雨や異常気象、また、
プラスチックがもたらす海洋汚染などの環境への影響について、私たち一人一人が身近な問題として向き合い、日々の生活や事業活動の中で、できることから積極的に取り組んでいくことが重要だと思いますが、市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○
久保洋子議長 山野市長。 〔山野之義市長登壇〕
◎山野之義市長 15番上田議員にお答えいたします。 21世紀美術館の新館長についてお尋ねがございました。長谷川館長は、美術館の立ち上げ、建設のときから関わってこられました。当時、私は議員でしたので、当時の
長谷川学芸課長の動きというものを近いところで見ることができました。我々議員に対しても、作品の説明、解説を丁寧にしていただきましたし、まちに出ていって多くの市民の皆さんに説明をされた、その様子も直接拝見しています。また、建設に当たりましても、様々な活動をされていらっしゃいました。実は、昨日、長谷川館長と、美術館を設計されたSANAAの3名の鼎談が行われました。私も出席いたしました。知っていたこともあれば、初めてお聞きすることもありました。そういうことに全て関わった館長でありますので、美術館のことは知り尽くしていらっしゃると思います。また、国際的な
ネットワークも、広い
ネットワークもお持ちでありますので、これまでの経験、
ネットワークを活用していただきながら、少し先になりますけれども、令和6年、2024年には開館20周年を迎えることになります。そこを一つのめどにして、新たな魅力を付け加え、さらに21世紀美術館の
ステップアップをしていただける、そんなことを強く期待しているところであります。ぜひ、世界に視座を置いた美術館をさらに高めていただければということを期待しているところであります。 私も、直接お話もさせていただきました。上田議員がおっしゃいましたように、まちなかの
空きスペースなどを活用をしながら、アネックスという表現でおっしゃっておられました。サテライトという表現もお使いになっていらっしゃいました。私自身が回遊性を高めることも考えていきたいんだということを申し上げると、まさに意にかなったことだというふうにおっしゃってもいただきました。ただ、いざ具体的になりますと、さあどこの場所がふさわしいのか、コストはどうなるのか、管理はどうしていくのか、そんな課題も見えていきますので、館長をはじめとした関係者とも意見交換を重ねながら、可能性を探っていきたいというふうに思っています。今ほど申し上げましたように、21世紀美術館は、館そのものの魅力も大切ではありますけれども、私は行動する美術館という表現で、島前館長にも、長谷川館長にも申し上げてきましたけれども、回遊性を高めるということ、そしてこのエリア全体の連携ということも、まちのにぎわいの創出という、まさに館長がお造りになったときの最初のコンセプトにもつながってくることでありますので、効果的な方策について共に研究を重ねていきたいと思っています。
金沢マラソンのことについて、参加料のことについて、一定の値上げは理解できるけれども、少々高いのではないか、他の大会はどうなのかということでありました。何といっても安全な大会、そしてランナーはもちろん、関わっていただく全ての皆さんに安心を持って関わっていただくためにも、可能な限りの安全対策を施さなければいけない、そんな思いで、所管の部署を中心、または陸上協会を中心に、準備を重ねてきました。また、このコロナ禍の中で、協賛企業さんからも厳しいお言葉をいただいているところもあります。新たな協賛企業の開拓ということにも取り組んでいかなければいけません。そんなことを繰り返していく、人数も減らすことになります。ただ、参加者は減らすことになったといっても、いわゆる準備、企業でいう固定費の部分は下がってくるわけではありませんので、今回の値上げをせざるを得なかったことを御理解いただければというふうに思っています。他の大会も、その金額の多寡はありますけれども、ほとんどの大会において参加料が値上げされているところであります。ランナーの皆さんには大変申し訳ない思いがありますけれども、それに見合った大会にしていくことによって、御理解がいただけるように努めていきたいというふうに考えています。 コロナの状況が心配だということであります。いわゆるまん防が解除されましたけれども、決して油断はできないというふうに思っています。開催の可否についてですけれども、これまでも組織委員会で申し上げてきましたが、まず1つには、その時点でこの石川県に緊急事態宣言が発出されていないということ、さらには医療体制というものが逼迫していないということ、医師、保健師、大会関係者の代表者で構成する新型
コロナウイルス感染症対策室の御意見もお聞きしながら、県内外の感染状況、他の大会、他の行事の開催状況なども勘案しながら、適切な時期に総合的に判断しなければいけないというふうに思っています。 沿道応援、
応援スポットのことについて御心配をいただきました。今回、
応援スポット等での
感染防止対策を徹底するため、運営の方法、注意点等をまとめた運営マニュアルを策定いたしました。日本陸連から一定のマニュアルをいただいていまして、地元の専門家の方にも入っていただきながらまとめ上げたものであります。内容ですけれども、マスク着用等の基本的な
感染防止対策に加え、実施する演目から声を発声する合唱等は中止、手旗やメッセージボードを活用するなど、新たな応援方法というものも示しています。
応援スポット等の運営については、これまでと異なり、地域や大学の方の負担も多くなりますことから、新たに地域在住の市職員を
感染防止対策推進員として、全ての
応援スポット等に配置し、感染防止の声かけや助言、応援グッズの配布等を行っていきたいと考えています。今後、各
応援スポット等の打合せに出向いていきながら、いろんな御意見をお聞きしていきたいというふうに思いますし、丁寧な話合いをしていくことによって、関わっていただく皆さんに安心感を持って関わっていただく、結果として、地域の皆さんとみんなでつくり上げた大会ということにできないかというふうに思っています。 地元が盛り上がっていく、そんな企画も必要ではないかということです。
金沢マラソンに関わっていただいたランナーの皆さんのネットであったり、直接お声をお聞きする、最も高く評価いただくことの一つが沿道の応援が途切れないということであります。今ほど申し上げましたように、地域の
応援スポットというものは、一定の抑制、制限というものをせざるを得ないというふうに思っています。そんな中で工夫をし、考えさせていただきましたのは、地域ランナー枠というものをつくっていきたいと思っています。各校下・地区を代表して走るランナーを地域の皆さんで応援し、大会を盛り上げていただきたいというふうに思っています。コロナ禍の中、テレビ、
応援スポット等、様々な形で応援に参加いただき、
金沢マラソンを通じてまちの元気を取り戻していきたい、そのためにも、繰り返しになりますけれども、
感染防止対策をしっかりと講じていきたいというふうに思っています。あわせて、今年はオンラインも並行して行っていきたいというふうに思っています。ハイブリッドともデュアルとも言われておりますけれども、本大会とオンラインを並行してやることによって、その機運を高めていきたいと考えています。 オリンピック・
パラリンピックの
ホストタウンのことについてお尋ねがございました。本市では、フランスパラ水泳の事前合宿を受け入れることになっておりますので、車椅子を利用する選手がいる場合は、消毒位置を低くすることが大切だというふうに思っています。また、その障害にもいろいろあります。感染リスクの高い障害者に対応した
感染防止対策チェックリストを国に先駆けて作成いたしました。その後、国が発表した各種感染防止策を追加するとともに、外国人対応に詳しい、慣れていらっしゃる日本航空の出向社員の知見も織り込んだ上で、競技種目や会場ごとに詳細な受入れマニュアルを整備しているところであります。加えて、大会組織委員会が公表したプレイブックに基づき、選手団、スタッフには、毎日、PCR検査を実施するほか、飛行機での一般客との間隔確保、専用バスでの移動、宿泊施設でのワンフロア貸切り、食事会場の貸切り、選手団と市民が接触しないバブル方式等々を活用することによって、選手、スタッフはもちろん、関わる我々金沢市民も安心できる環境を整えていきたいと思っています。 オリンピック・
パラリンピックは、そのときだけではないと、私も上田議員と全く同じ考えであります。オリンピックが終わった後、どんな交流を重ねていくことができるのか、そのことが大切だと思っていまして、事前合宿の受入れの際も、常にそんなことも考えながら、担当部署と準備をしてきました。できれば、東京大会出場後に実施することを国は推奨していることもありますので、御理解がいただけるというのであるならば、大会を終えた後、帰国前に選手団の皆さんに金沢にお越しいただいて、市民向けの公開演技、子ども向けの講習会の開催、文化体験やまち歩きを通した市民との交流などができないか、今、話合いを行っているところであります。国は、事前合宿期間中であったとしても、選手との接触が生じない、そういう形態が確保できる場合においては交流を認めているというふうになっています。ただ、相手国のこともありますので、話合いをしながら、十分な距離を確保した上での公開練習の見学、オンラインでの交流、文化体験などができないかを相手方と協議しているところであります。 そして、この
ホストタウン事業を契機に、将来に向けた永続的な交流、
スポーツ交流、文化交流ということにつなげていければというふうに思っています。幸いなことに、今、事前合宿の受入れの準備をさせていただいておりますフランスもロシアも、姉妹都市交流を通して、若い方たちから様々な方たちの交流が行われているところであります。これまでの歴史もありますので、相手国の競技連盟の皆さんとも協議を現在も重ねているところでありまして、この夏の事前合宿期間中にこの後のことの詳細も詰めていければというふうに思っています。当然、コストもかかってきます。お互いに過度な負担にならないような枠組みというものもつくっていかなければなりません。フランス、ロシア、金沢で開催される既存の競技大会に、多くの人数は難しいとは思います。これから先を見越して、少ない人数であるかもしれませんけれども、若手選手の相互派遣などもできることが可能かどうかも、今、打合せをさせていただいているところであります。特に2024年には、フランスのパリでオリンピック・
パラリンピックが開催されます。フランスの競技連盟が金沢、石川のゆかりの競技選手をサポートしていただけるような、そんな信頼関係も構築をしていければと思っていますし、本市も、そのタイミングで文化イベントをパリで行うことができないか、これはユネスコ創造都市のこれまでの
ネットワークもありますので、そういう様々な
ネットワークを活用しながら、準備、打合せを進めていきたいと思っています。
バリアフリーについてお尋ねがございました。先般改正された
障害者差別解消法においては、令和3年をめどに、民間事業者に対し、施設等の
バリアフリー化をはじめ、障害のある方の移動手段や意思疎通等における合理的配慮の提供が義務づけられることになりました。法改正を受けまして、金沢市障害者差別解消支援地域協議会での議論も通し、法の趣旨の徹底を図るとともに、どのような支援ができるのか、話し合っていきたいと思っています。
バリアフリー観光のことについてですけれども、先般策定したノーマライゼーションプラン金沢2021におきまして、障害の有無にかかわらず、誰もが安心して住み育つことができる金沢のまちをつくっていかなければならない、そのことが観光でお越しになる方も安心して観光できる、そんなまちになっていくんだというふうに思っています。障害のある人への理解や配慮など、心のユニバーサルデザインの推進にも努め、市民が支え合う、そんな社会をつくっていきたいと思っています。 百万石まつり、2年続けて中止になりました。やむを得なかったと思っています。私は、やはりこの機運の醸成、維持、また、2年間ということは、上田議員もおっしゃったように、いろんなことが途切れてしまう危険性もありますので、代替事業の開催をぜひ考えてほしいというふうにお願いしているところであります。今、実行委員会のほうで、工夫をしながら御検討いただいているとお聞きしています。
安原スポーツ広場の駐車場のことについてお尋ねがございました。私も、会場をよく知っています。ただ、この場所において大きな大会は年数回でありますので、その際には、誘導員の配置や乗り合わせなどをぜひ主催者のほうでお声かけいただくなどをして取り組んでいただければというふうに思っています。宿題としてさせていただければと思っています。 日勤救急隊についてお尋ねがございました。日勤救急隊の運用に関しましては、救急需要が多い昼間帯の体制強化、女性を含めた救急隊員の多様な働き方を実現していくための一つの方策だというふうに思っています。ただ、ここに来て、本市消防隊、救急隊も増隊を図ってきているところでもあります。人員や装備の確保の課題もあります。先行自治体の事例を研究させていただき、その効果や有効性についても研究させていただければと思っています。 救急隊の広域連携のことについてお尋ねがございました。本市、かほく市、津幡町、内灘町との間で、救急車両が不足した場合、相互乗り入れ効果が高い森本山間地、河北潟周辺で発生した救急事案などに対し、7月1日から相互応援を開始いたします。新たに、はしご車等の特殊車両による応援体制を検討し、引き続き、実災害を想定した合同訓練、火災調査技術研修なども開催し、現場対応力の強化を図ってまいります。 南部地区のことですけれども、白山野々市広域消防本部とは、指令システムをそれぞれで運用しているという課題もありますけれども、それは住民からすれば違った視点でありますので、救急車相互乗り入れの早期実現を目指すための研究もしていければと思っています。はしご車等の特殊車両の応援体制も同様であると思っています。それぞれ圏域内で限られた人員、装備を最大限に活用していくのが、このエリア全体の住民の皆さんの安全・安心につながっていくんだというふうに思っています。
硬質プラスチックのことについてお尋ねがございました。
プラスチック資源循環促進法が成立し、
硬質プラスチックにつきましても、容器包装と同様、再商品化することが示されました。市民負担、収集体制など、運用面の課題もあるというふうに思っています。本市としても、様々な啓発事業やインセンティブを通じ、環境問題に対する市民の意識の変革につながるよう、より一層取り組んでまいります。 私のほうからは以上です。
○
久保洋子議長 山森
文化スポーツ局長。
◎山森健直
文化スポーツ局長 金沢マラソンにつきまして、申込人数についてのお尋ねがございました。6月15日17時の時点で、
一般エントリーは1万4,281人、
ふるさと納税ランナー枠は184人、
チャリティランナー枠は110人となってございます。 続きまして、
ホストタウンにつきまして、事前合宿は予定どおり行われるのか、また、いつからいつまで、何名を受け入れる予定か、そして受入れの準備状況についてのお尋ねがございました。本市では、フランスの水泳5種目とウエイトリフティング、パラ水泳及びロシアの飛び込みの合宿を受け入れる予定でございまして、各競技連盟からは、予定どおり行いたい旨の連絡をいただいております。7月10日頃から8月20日頃まで、選手、スタッフ合わせまして100名から150名程度になるとお聞きしております。また、準備状況でございますが、現在、出場選手が最終決定しておりませんので、少し予定は長めに、人数も多めに準備をしております。
○
久保洋子議長 山森
文化スポーツ局長に申し上げます。 発言時間が経過いたしておりますので、この際、発言を簡潔かつ速やかに終了されますようお願い申し上げます。
◎山森健直
文化スポーツ局長 はい。 現在、必要な資材の調達や食事の要望への対応など、選手団と連絡を取りながら準備を進めているところでございます。 以上でございます。
○
久保洋子議長 換気のため、しばらくお待ちください。 22番下沢広伸議員。 〔22番下沢広伸議員登壇〕(拍手)
◆下沢広伸議員 質問の機会を得ましたので、数点の項目にわたり質問をいたします。よろしくお願いいたします。 新型
コロナウイルス感染症対策は、ワクチン接種が始まり、収束の光が見えたと思う半面、自治体が取り組むべき問題、対応も見えてきていると考えます。今後の感染症対策として、これまでの対応に加え、地方公共団体として今後どのような新型
コロナウイルス感染症への対応を行っていくのか、以下、お聞きいたします。 新型
コロナウイルス感染症が蔓延し、収束の見通しが立たない自治体も見られる中、多くの分野において先行き不透明な状況と思われます。地方公共団体の責務として、住民の福祉の増進は大きな役割と考えます。また、今回の新型
コロナウイルス感染症で役割を果たす法的根拠は、新型インフルエンザ等対策特別措置法で、新型インフルエンザ等感染症に対する対策強化を図ることにより、国民の生命や健康を保護し、生活や経済への影響を最小にすることを目的としており、現在、我が国を襲っている新型
コロナウイルス感染症にも対応しています。そうした中、まん延防止、緊急事態宣言など、感染症への取組がなされながらも、思うような経過や結果ではなく、不満や怒りの声が私にも届けられております。まずは、市長もこれらの声が聞こえていると思いますが、どのような内容であり、どう思われ、また、そうした声にどのように対応したのかお聞かせください。 さて、さきに述べました新型インフルエンザ等対策特別措置法では、地方公共団体が処理することとされている事務事業は法定受託事務としています。法定受託事務とは、国が本来果たすべき役割に関わる事務であって、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律またはこれに基づく政令に特に定めるものと定義されており、一方で、自治事務とは、地方公共団体の処理する事務のうち、法定受託事務を除いたものとなっています。つまりは、新型
コロナウイルス感染症への法的取組については、法定受託事務であるため、国が率先して方針等を決めていく必要があるのです。現在行われているワクチン接種も法定受託事務ですが、新型
コロナウイルス感染症の対応主体がケースごとに異なっているため、市民にすれば、国・県・市、どこが主体なのかよく分からない状況であります。そうした中、各自治体は創意工夫を凝らし、若年層への対策周知や庁舎内の横断的な組織の設置など、政策力が試されており、新型
コロナウイルス感染症を収束させるために多様な政策を展開しています。同時に、新型
コロナウイルス感染症の対応や収束を目指して、相次いで条例が制定されております。蔓延防止を目的とし、感染に対する措置の強化を図る条例もあれば、新型
コロナウイルス感染症により生活や経済に及ぼす影響を最小限にすることを目的とした条例もあります。そこで、市長は、本市の政策について、この法的事務の範囲によって政策の実現に難しさを感じた点や、その対応として、独自の政策立案の手法として条例を制定するような思いがないのか、あればどのような目的とするのか、御所見をお聞かせいただきたいと思います。 最後に、今後のワクチン接種方法について質問の予定でしたが、昨日の質問と重複いたしますので、割愛させていただきます。 2問目は、行政のデジタル化についてお尋ねいたします。 近年、AIやIoT、Society5.0など、デジタルに関わる言葉が様々な場面で聞かれています。人口が集中している大都市圏では重要なことなのかなと他人事のように聞いていましたが、新型
コロナウイルス感染症が急速に拡大し、新しい生活様式が求められている中、地方都市でも重要なファクターになったのじゃないかと感じています。国では、デジタル庁を設置するなど、デジタル化の取組を加速させており、2020年12月には自治体DX推進計画を作成し、自治体のデジタル化を進めております。本市は、この計画が出る前から、2018年に金沢市産業創出ビジョン、2019年に金沢市ICT活用推進計画を策定し、デジタル化を進めていましたが、令和3年3月に、ICT活用推進計画を継承し、国の自治体DX推進計画と整合性を取りながら、本市のデジタル化政策をより一層推進するために、金沢市デジタル戦略を策定されました。そこで、金沢市デジタル戦略を策定するに当たり、どの部分に注力したのかお聞かせください。 5月12日に、行政のDXを推進するため、デジタル社会形成基本法をはじめとする6つの法律が成立いたしました。これらの法律により、今後、デジタル化の推進はますます加速していくと考えられますが、行政のデジタル化を加速させるためには、デジタル化に対応した公務員の働き方も改革する必要があると考えます。デジタル化による業務の効率化と省力化により、人手は削減できるかもしれませんが、そこから生み出された人的資源を無駄にしていては、手段であるデジタル化だけを達成し、本来の目的である市民サービスの向上と公共の福祉の増進は達成できないと考えます。生み出された人的資源は、政策立案や行政サービス拡充のために必要な部分に適正に配置されるべきであり、まして効率化、省力化の成果を公務員の人的削減と連動させることはあってはならないと考えますが、生み出された人的資源はどのように活用するのか、市長のお考えをお聞かせください。 デジタル化を推進するに当たり、切っても切り離せないのはセキュリティーの問題です。紙ベースでの手続であっても、重要な論点であることは言うまでもありませんが、取り扱うものがデータに変わることにより、セキュリティー対策は今まで以上に厳しいものが求められると思います。先般、アメリカの石油パイプラインがサイバー攻撃を受けて、5日間にわたり操業を停止するという事件がありました。今回は、パイプラインを止めて身の代金を要求するものというものでしたが、ハッキングにより個人情報を不正に取得し、これを盾に身の代金を要求するということも十分に考えられることであります。そこで、本市では、デジタル化を推進するに当たり、セキュリティー対策についてどのように考えているのかお聞かせください。 また、外部からの攻撃に対するセキュリティー対策はもちろん重要ですが、取り扱うデータ量が爆発的に増えることを考えると、職員のセキュリティー意識も向上させる必要があると考えます。そこで、職員のセキュリティー意識を向上させるためにどのような方法を取っていくつもりなのかお聞かせください。 一方、行政サービスのデジタル化を進めると、デジタル技術になじみのない方は、使い方が分からないと様々な申請を敬遠するかもしれません。また、入力したデータが全く別のことに使われたり、外部に流出してしまうのではないかと不安に思う方もいると思います。このような方々に対しても、何も対策を取らなければ、デジタル技術を利用する人としない人で享受できる行政サービスに格差が生じることになると考えますが、デジタル格差の解消に向け、デジタル機器の操作方法の習得や情報漏えいに対する不安払拭など、どのように取り組んでいくのかお聞かせください。 3点目は、臨港地域のまちづくりについてお聞きします。 昨年、金沢港に新たなにぎわいを創出するために、石川県は、飲食・物販誘導として柔軟な土地利用の実現と利便性の向上を図るために、港湾法に基づく分区制度を導入することを発表し、今年4月には条例を施行いたしました。この条例により、これまでの用途にかかわらず、港湾管理者が臨海地区内において一定の区域内における建築物の用途を条例で定めることができることになりました。具体的には、商港区、工業港区、漁港区、クルーズ港区の4つの分区エリアを指定しております。本市としても、金沢港の整備事業に協力をしてきておりますが、県がこれら4つの分区エリアを設定したことに対する御所見をお聞きいたします。 さて、これまでも、駅西エリアのまちづくりについては、金沢港から国道8号バイパスまでが石川県、国道8号バイパスから金沢駅までは本市とすみ分けを行い、区画整理事業などが長年にわたり進められてきました。近年では、金沢港開港50周年の節目に、県・市共同で整備を進めてきたクルーズターミナルも完成し、金沢港周辺も大きく変化しております。また、海側環状道路の全線開通や南新保区画整理事業の開始など、未来に向けてまだまだ変貌の兆しもあります。そこで、クルーズ船から降り立った観光客が最初に目にするであろう臨港地域における本市のまちづくり計画を変更する予定があるのか、鞍月地区の市有地の活用策や近隣校下町会への取組、金沢港周辺の用途、近隣自治体との協力など、具体的な計画があれば、併せてお聞かせください。 また、規制緩和である分区の指定を行うことによって、地域住民の生活の場として臨港地区の開放と港湾施設の機能確保の共存が求められると考えますが、分区の指定により、本来求められている港湾機能に支障が生じないのかお聞きいたします。 そのまちづくりのコンセプトである金沢市集約都市形成計画の中で、現在、新しい交通システム導入検討がされており、先日も検討委員会が開かれました。新交通システムに関しては、議会側も大きな期待を持つとともに議論の場も多く、この議場でも多くの議員が質疑されております。検討委員会でも、金沢港から金沢駅を結ぶ50メートル道路を軸に、導入ルートの検討がされています。導入後は、軸ルートにより既存交通機関と結束し、交通まちづくりがなされることと思います。しかしながら、先般、コロナ禍の状況もあり、既存公共交通機関自体の運営が厳しくなっているとの報道もされました。クルーズ船から降り立った観光客が都心軸を通り、市街地に経済効果を波及させるためには、都心軸ルートに接続する既存公共交通の存在は不可欠であります。そこで、コロナ禍により運営が厳しくなっている既存公共交通への支援策が求められると考えますが、お考えをお聞かせください。 4問目は、昨年度の一般質問で、新型
コロナウイルスの感染拡大に伴い、リモートワーク、テレワークが増加し、働き方改革などに考慮した本社機能の移転、拡充が行われ、これにより、都会の働き方の変化とともに、自宅での在宅勤務の問題として、住環境の対策、本市の受入れに関して質問をいたしました。そこで、今回は、関連性があると思われる地方移住と関係人口について、以下数点お聞きいたします。 本来、地方移住に関しては、新型
コロナウイルス感染症の影響がなくとも、国が進めている地方創生の一つの目標である東京圏への人口の過度の集中の是正があり、新型
コロナウイルス感染症がより加速させたようにも思います。国では、地方創生施策の中で、地方へ移住し社会的事業を起業した場合に、起業と移住の支援金を支給する制度や、新たに、東京23区居住者等が地方に移住し住居を購入した場合には、家電等と交換できるポイント制度も考えているようです。本市も、令和元年度より金沢市移住支援金制度を設置いたしました。この制度の内容を拝見いたしましたが、全国一律にも思え、要件に関しても満たすことは容易でないと思います。そこで、これまでの利用状況や本市を選択した理由についてお聞かせいただきたいと思います。 さて、国では、現在、第2期地方創生が進められており、新たな視点として関係人口を重視しています。第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略によると、関係人口とは、その地域の担い手として活躍することにとどまらず、地域住民との交流がイノベーションや新たな価値を生み、内発的発展につながるほか、将来的な移住者の増加にもつながることが期待されております。また、関係人口の創出、拡大は、受入れ側のみならず、地域に関わる人々にとっても、日々の生活におけるさらなる成長や自己実現の機会をもたらすものであり、双方にとって重要な意義があるとしています。そうしたところ、地方自治体の関係人口施策は、参考資料によると、815市を対象とした調査アンケートでは、262団体が実施しているとしています。本市でも、昨年策定された第2次金沢版総合戦略の中で、金沢と継続的に多様な形で関わる関係人口の創出拡大と明記しており、都市住民等とのつながりの強化として、県外へ進学した学生、金沢への転勤経験者等に向けて、金沢の魅力、情報の発信を行うことにより、本市と継続的な関わりを持つ都市住民等の創出や、副業、兼業として地域に関わる人材の創出を促進し、地域課題の解決や将来的な地方移住に向けた裾野の拡大を図るとしています。つまりは、本市の取組は、出身者など、地縁、血縁者等の関係人による情報発信でありました。それでは、情報発信をどのように、また、どれぐらいの規模、頻度で行っているのかお聞きいたします。 さて、移住や交流で選ばれる理由には、その方々のライフスタイルに見合うかが重要視されていると思います。子育て世代なら子育てのしやすさやスーパーなどの商業地、働き世代には仕事のしやすさや余暇の過ごし方、シニア世代は新たな趣味や健康増進など、その世代で注力する項目は異なると思われます。また、具体的な戦略として、将来的な地方移住を視野に入れるなら、アフターコロナを考えれば、鍵となるのはテレワーカーの受入れと思われます。例えば、今までリアルで開催していた移住や関係人口関連のイベントは、オンラインで開催するべきだろうと考えますし、移住支援金制度にあるような地域おこし協力隊等の採用は、住民票を移すことが必要条件になっていますが、それでもテレワークを条件にすることで、よりよい人材を確保できる可能性が高まるとも言われております。以上のことから、感染症に伴い状況が変わったと思われますが、アフターコロナにおける今後の移住政策や関係人口の御所見をお聞かせください。 以上、質問を終わります。御清聴いただきましてありがとうございました。(拍手)
○
久保洋子議長 山野市長。 〔山野之義市長登壇〕
◎山野之義市長 22番下沢議員にお答えいたします。 まず、新型
コロナウイルスで、まん防、緊急事態宣言などを通して、市民の声は届いているのかということでありました。営業時間の短縮を余儀なくされた飲食店などから、大変厳しい環境だという声は直接お聞きしているところであります。また、議員各位を通してもお聞きしているところであります。これまでも、金沢市は、何度も緊急議会、臨時会をすることによって、必要な施策、必要な予算措置を講じて、でき得る限り迅速な対応をして、その皆さんの心配に応えてきたつもりでいます。また、国のほうでも、方策が明確になりましたら、まさにこの4月の臨時会がそうでありましたけれども、急遽、6月定例月議会を待つことなく、臨時会を打たさせてもいただきました。できる限り速やかに行動することによって、その不安、また、懸念の声に応えてきたつもりであります。ただ、まだまだ厳しい声もお聞きをするところでもありますので、引き続き多くの方の御意見をお聞きしながら、可能な限り迅速に、可能な限りお応えできるように取り組んでいきたいというふうに思っています。 法的な面でお触れでございました。今回の対策というものは、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、基本、都道府県が中心になって様々な施策を行っていきます。本市も、これまでも、国・県・市で連携しながら取り組んできました。当然、民間の皆さんのお力も必要であります。ワクチン接種ということに関して言えば、医療関係者等のお力も必要でありますし、本市独自の様々な施策に取り組んできました。 自治体によっては、条例を制定して施策を推進しているということも、私も知っておりますけれども、ただ、この非常時は、まずは手を打っていくということが大切ではないかという思いの中から、条例を待つことなく、この議会の皆さんと直接意見交換をしながら施策を進めていくということを優先させていただいたところであります。アフターコロナというのはまだまだかもしれませんけれども、どこかの段階で、このこれまでの一連の施策を振り返っていきながら、事前に条例を求めたほうがよいということであれば、そのときに考えていきたいというふうに思っています。 〔議長退席、副議長着席〕 まずは速やかに施策を実行していく、そのためには必要な臨時会、緊急議会をまた求めることもあるかもしれませんけれども、そのことをまず第一に取り組んでいきたいと思っています。 デジタル戦略についてお尋ねがございました。下沢議員お触れでございましたけれども、今から思えば、2018年、新産業創出ビジョンを策定してよかったと思っています。この議場でも、何度かやり取りをさせていただきました。第4次産業革命、Society5.0を見越した産業ビジョンが必要ではないかと議会の皆さんからも御提言をいただき、2018年に策定し、2019年にはICT活用推進計画を作成いたしました。ここに来て、国のほうからデジタル戦略を各自治体で策定するようにということが言われましたけれども、本市の場合は、ビジョン、そして2019年につくった計画をバージョンアップすることによって、今年の3月、戦略をまとめることができました。ただ、あくまでもこれは手段であります。職員の生産性を高め、効率的な行政運営を行っていくためにデジタルを活用するという手段であります。市民生活の利便性の向上に寄与するということが目的でありますので、その思いの中から、誰ひとり取り残さないデジタル戦略都市・金沢を目指していきたい、そんな思いで、この2年間、各種施策に集中的に取り組んでいきたいというふうに思っています。 人的な施策と連動させるべきではないかということであります。全く同感であります。デジタル化を推進していく中で、仕事の効率性、生産性を高めていく中で、マンパワー--人の力をこれからより一層必要となってくるであろう福祉施策や教育施策、保健施策に割くということが必要になってくるというふうに思われますので、もう人間をそちらのほうにマンパワーを割くことによって行政サービスを高めていく、そんなことを考えていきたいというふうに思っています。児童福祉司や保健師の方も、もっとたくさんの方が必要になってくるかと思いますので、そういうことに充てていきたいというふうに思っています。 御指摘のように、セキュリティーが最大の懸案事項になってきます。セキュリティー対策のため、業務は自治体のみの通信環境の下で行っているほか、マイナンバーを取り扱うシステムについては、さらに厳重なセキュリティー環境を構築するなど、不正アクセスやコンピューターウイルスに対し、十分な対策を講じているところであります。 ただ、最後は人という御指摘がございました。そのとおりであります。職員一人一人の情報セキュリティーの意識を高めていくことも必要であります。これまで行ってきた研修のレベルも引き上げなければいけないと思っています。そのためには、民間の方のお力も必要になってきます。ハード、ソフト両面から対策を強化してまいります。 デジタル格差の解消というものも常に意識をしなければならないということであります。本当にそのとおりだというふうに思っています。例えば今回のワクチン接種の予約におきましても、電話がなかなかつながらない、LINEのことについても御指摘もいただきました。ワクチンの予約手続におきましては、携帯電話大手3社の協力をいただけることになりました。各販売店において、操作方法を分かりやすく説明し、お手伝いをいただける体制が整ったところであります。窓口で御協力いただけるんだというふうに思っています。また、デジタル機器の操作を習得したいという高齢者も多くいらっしゃいます。これは国のほうで制度もつくっていただいておりますので、その制度も活用し、各地域で講習会を開催していきたいと考えています。講習会の中で適正な情報管理方法を学んでいただくことにより、情報漏えいに対する不安払拭にも努めてまいります。 臨港地域のまちづくりについて、県が4つの分区エリアを設定したことに対する所見についてお尋ねがございました。それぞれ4つの分区の特色を活用し、物流・交流拠点としての機能強化がさらに進められるとともに、クルーズターミナルを核とした金沢港と周辺地域へのにぎわい創出が図られることを期待しています。 本市のまちづくり計画の変更のことについてお尋ねがございました。臨港地区における分区指定は、本市のまちづくりの基本方針を示す都市計画マスタープランに沿うものだと考えています。臨港地区の指定を受けているエリアにおいては、ここは一義的には県による分区指定に基づき土地利用を検討すべきであり、臨港地区以外の周辺の用途地域については、分区の土地利用が明確になった段階で、変更の必要性を検討していきたいと考えています。金沢港の周辺では、金石・大野地区においても、地域と話合いをしながら、まちのりポートの設置、地域の魅力を発信するマップの作成などに取り組んできたほか、回遊性の向上を図るため、この7月からですけれども、シャトルバスの運行実験を予定しているところでありまして、引き続き、にぎわい創出につながる取組を進めてまいります。 地域住民の生活の場としてのこの地区の開放、さらには分区指定により本来の港湾機能の支障が生じないのか御心配をいただきました。今般の分区指定は、開港以来、物流や工業を中心に進められてきた土地利用を、埠頭などの役割や実情に即し、貨物、クルーズ、にぎわいの3つの機能が最大限に発揮される用途に利用できるように行ったものと県からお聞きしているところであります。分区指定されたエリアは、既存の工場等が立地している場所を除き、全てが港湾管理者である県が保有していますので、本来の港湾機能に支障が生じることのないよう、県として適切に土地利用を図っていかれるものと考えています。 既存公共交通機関の支援策のことについてお尋ねがございました。このコロナ禍におきまして大変厳しい状況であるということは理解していますし、直接、社長さんも市長室にお越しいただいて、お声をお聞きしているところであります。昨年度ですけれども、コロナ禍前に比べ利用者が減少した赤字バス路線に対する助成枠の拡大、鉄道・路線バスの運行継続のための費用への緊急支援などを行ってきたところであります。事業者に対しては、利用者サービスが低下しないよう、経営改善に向けた対応をお願いしつつ、本市として、金沢開発協議会などを通した国への要望を行うとともに、県、関係市町と連携し、どのような支援が可能か、検討を重ねてまいります。 地方移住と関係人口につきまして、いわゆる関係者への情報発信をどのように行っているのかというところであります。1つには、ふるさと納税をきっかけに、金沢に関心を持っていただいた方だというふうに思っています。特に旅行クーポンを返礼品として用意いたしましたけれども、大いに引き合いもあったというふうにお聞きしております。昨年度は1,231件の申込みがあるなど、関係人口の増加につながる一つのきっかけになったと思っています。私が期待をする関係人口と言えば、金沢市に金沢の支社、支店、営業所等々があった、その支店長、支社長クラスの方と共に雪吊り会という会をつくっています。金沢を離れる際には、かなざわ縁のひとと登録をいただいて、それ以降ずっと御縁を持たさせていただいています。既に100名を超える方たちです。多くが、私は、その企業のリーダーであり、将来はその業界のリーダーになり得る方たちばかりだというふうに思っています。そんな方たちにも、年数回、メールマガジンも送って、金沢の魅力をお伝えをしているところでありますし、年1回、同窓会と称して金沢にお越しいただいて、懇親を深める場も設けているところであります。引き続き、様々な機会を通して、その方たちとの関係を大切にしていきたいと思っています。若い方たちの交流、東京石川県学生会というものがあります。こちらも100名前後の学生さんがいらっしゃいます。特に、このコロナ禍でありますので、なかなか直接お会いして交流ということは難しいんですけれども、SNS等を通して情報発信、交流を行っているところでありまして、この夏に向けても様々な交流が行うことができないか、このコロナの様子を見ながらではありますけれども、話合いを進めているところであります。デジタル、リアル、双方の面で多様な手段を活用しながら、関係人口の裾野を広げていければというふうに思っています。 テレワークやワーケーションのことについてお尋ねがございました。もちろん、工夫をして広く一般にPRをしていくということも大切ではありますけれども、私は、全国の自治体が今行っているところでありますので、やはりまずその作業をしながらも、先ほど申し上げた
ネットワークであったりだとか、ゆかりのある企業にピンポイントで御提供をしていくということも必要だというふうに思っています。特にワーケーションということに関しましては、ほんのこの一、二年で出てきた言葉でもあります。ここは明らかに、民間のほうがはるかに進んだ知見で様々な施策を行っているところであります。先般もお招きをいただいて、いろんな意見交換をさせていただきましたけれども、引き続き民間の皆さんとの意見交換を重ねていきながら、そのことが新たな働き方や生活様式に関するニーズをつかんでいくことにもなると思っていますし、有効な移住政策にもつながっていくんだというふうに思っています。具体的な取組をこれから進めていきたいと考えています。 私のほうからは以上です。
○山本由起子副議長 山田経済局長。
◎山田啓之経済局長 金沢市移住支援金制度につきまして、これまでの利用状況や本市を選んだ理由についてお答えさせていただきます。令和元年度に創設いたしましたUJIターン就業等支援事業を利用し、現在、就業または起業されているのは8名、家族を含め18名の方々が東京圏から移住されてきております。コロナ禍においてテレワークの導入を進める企業等が増え、働き方が会社中心から生活重視に変化していることに加え、本市の自然、歴史、文化、教育など、住みやすく働きやすい環境が移住先に選ばれている主な理由だと考えております。本制度は、本市での就業や起業を条件としておりますが、今年度、新たに、東京圏の企業に在籍しながら、テレワーク等で業務を継続しながら移住する方々への支援制度を創設したところであります。引き続き、利用しやすい制度に向け検討を進めますとともに、県や関係機関と連携を図りながらPRに努めてまいります。 以上でございます。
○山本由起子副議長 換気のため、しばらくお待ちください。 3番喜成清恵議員。 〔3番喜成清恵議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆喜成清恵議員 6月定例月議会において、会派みらい金沢の一員として発言の機会を得ましたので、数点にわたり質問いたします。 最初に、協同労働についてお伺いいたします。 本市が重点戦略計画事業と位置づけている協働のまちづくりチャレンジ事業は、平成23年に、新しい公共、学生まちづくり、コミュニティ支援の3部門からスタートし、募集する部門を変化させながら、令和3年度は、スタート部門、一般部門、採択実績団体部門、団体連携部門、学生部門、高校生部門の6部門を募集し、過日6月6日に、多種多様な団体による公開プレゼンテーションの結果、15団体が採択されました。この募集部門のうち、平成29年度から始まった採択実績団体部門は、どのような経緯で設けられたのかお伺いいたします。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 事業が開始されてから5年の段階で、やはり一度検証することが必要だということで、協働のまちづくりチャレンジ事業検証会議を開かさせていただきました。そのときに、いろんな御意見をいただきまして、事業採択された団体の経験を生かし、多様化、複雑化する地域課題の解決に向け、より一層行政と協働、連携して取り組むために、採択実績団体部門を新設することになりました。
○山本由起子副議長 喜成清恵議員。
◆喜成清恵議員 それでは、協働のまちづくりチャレンジ事業で今まで採択された団体に対して、翌年度以降、どのような活動をしてくれることを本市は期待しておられますでしょうか、お伺いします。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 その経験をされた採択団体が、金沢市だけではなくて、多くの他の団体も巻き込みながら、時には学生さんであることもあるかと思いますし、地域コミュニティーの既存の団体であったりもあるかと思いますし、民間企業であることもあるかと思いますし、そういう多様な主体との連携を深めていきながら、地域課題を解決するパートナー、
ネットワークを広げていただきたい、そういうことについて行政としてのサポートもしながら、一緒に汗を流してきたところであります。
○山本由起子副議長 喜成清恵議員。
◆喜成清恵議員 今おっしゃっていただいた様々な団体とかとコラボしながら、安定して継続した活動、地域のまちづくりにとても重要なことだと思います。持続可能な活動になるように、本市は、この事業を通じて本市とパートナーシップで取り組んだ各団体に対して、法人格取得などのアドバイスをしておられるかお尋ねいたします。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 この採択した団体に限らず、随時、コーディネーターによる団体の法人化であったり事業継続に関する相談を行っているほか、団体運営や資金調達に関する課題解決のため、中小企業診断士や社会保険労務士、税理士などの派遣を行っています。繰り返しになります。ここで採択された団体はもちろんそうですけれども、それ以外の団体であったとしても、相談の中でそんな対応をしているところであります。
○山本由起子副議長 喜成清恵議員。
◆喜成清恵議員 例えば
ボランティア団体が法人格を取得する必要を感じるほどに活動が継続してきて、時には、今までだったらNPO法人、一般社団法人を選択する
ボランティア団体が多かったと思います。そんな中、昨年12月の臨時国会において、労働者協同組合法案が成立しました。労働者協同組合とは、働く者が協同で出資して組合員となり、1人1票の決定権で主体的に経営に参加しながら、それぞれの意見を反映して事業経営を行う、つまり組合員が誰かに雇用されるのではなく、生活と地域の必要に応える仕事を協同で起こす協同労働組合のことを指しております。類似するNPO法人や一般社団法人、企業組合と、この今申し上げた法人と大きく違う点は、事業の制限がなく、原則4人以上で協同組合を設立できることから、企業形態にとらわれない働き方の選択肢を増やし、地域の課題解決にもつながることはもちろん、支え合って協力しながら生きていく地域の絆づくりにも貢献すると期待されています。法人設立手続については、認証主義、認可主義ではなく、準則主義であることから、一般社団法人、株式会社と同様、法人成りに月数を要することもありません。一般社団法人、株式会社と違う点は、労働者自らが事業を運営するということです。本年1月の総務常任委員会で、玉野委員から、労働者協同組合の位置づけについて議論しているのかとの質問がなされておりますが、その当時の財政課長が回答しておられます。その後、市民協働の新たな担い手として、NPO法人に代わり得る団体という視点から、庁内においてこの議論はなされたかお伺いいたします。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 令和2年12月に、この法律が成立したということをお聞きしております。公布後2年以内の法律施行が待たれますので、それまでに詳細な情報を収集し、関係課で共有化を今図っているところであります。しっかりと取り組んでいきたいと考えています。
○山本由起子副議長 喜成清恵議員。
◆喜成清恵議員 ぜひお願いします。この労働者協同組合法の根幹である協同労働の取組というのは、各地で広がり始めており、障害者やひきこもりだった方が参画しているカフェや林業、中高年の居場所づくりのための食堂経営などがあります。例えば広島市では、就労や社会参加を希望する意欲と能力がある60歳以上の方が中心となって、地域課題の解決のために、協同労働という働き方で取り組むことを推進するためのモデル事業を実施しております。専門のコーディネーターが事業立ち上げのサポートをし、立ち上げ費用を広島市が補助し、立ち上げ後も専門のコーディネーターが事業運営を支援しています。本年1月、本市の同じく総務常任委員会において、稲端委員は、事業承継の視点で労働者協同組合法について質問しておられるかと思いますが、その際、企画調整課長が答弁されています。事業承継の視点で、この施策は進んでいるかも重ねてお尋ねいたします。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 まだ、本市がどういう状態か、本市の中でそういう設立に関しては承知をしているものではありませんが、市民活動サポートセンターにおきまして相談体制を整えてはいるところでもあります。まさに、情報収集をしながら適切な形で対応していかなければいけない、大切な問題だというふうに思っています。
○山本由起子副議長 喜成清恵議員。
◆喜成清恵議員 金沢市は、11年にもわたり、協働のまちづくりチャレンジ事業を通じて、様々な団体の活動を支援してきています。地域のために頑張っている団体、また、これから活躍しようとする団体のためにも、この労働者協同組合法の理解の促進とともに、何ができるかを市民に周知することが必要だと思います。先ほど市長がおっしゃったように、この法案は、成立してから2年以内の施行です。NPO法人からの移行も念頭に入れて、法整備が進められているとお聞きしております。金沢市として、こんな活動の方法があるよという周知を御検討いただければと思いますが、いかがでしょうか。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 私自身も、もっと勉強をしなければいけないというふうに思っています。今おっしゃったように、新たな選択肢にもなり得るものだというふうにも理解をしているところであります。今ほど申し上げましたように、市民活動サポートセンターがこれから中心になってくるかというふうに思っています。そのセンターを通しての情報発信を通して、多くの市民の皆さんにも御理解いただける、そんな努力をしていかなければいけないというふうに思っています。
○山本由起子副議長 喜成清恵議員。
◆喜成清恵議員 ありがとうございます。 市民への周知の方法として、出前講座の開催とか、日本労働者協同組合連合会が制作した映画で「Workers被災地に起つ」という映画上映が効果的ではないかなと思います。この映画は90分物で、東北大震災からの復興を目指し、林業や地域ケアなど、数種類の事業所が紹介されているものです。ぜひ、市長もこういうものを見て知見を増やしていただければと思います。市民にイメージが湧きやすい周知活動をぜひお願いさせていただきたいと思います。 続いて、金沢市の女性安心・安全を目指して、幾つかお尋ねさせていただきます。 私が当事者の方から、毎月ではないけれども、生理用品の購入が困難なときがありますという訴えをお聞きしたのは今年の2月2日、その方は生活保護を受給しておられます。そこで、お尋ねいたします。生活保護費は、女性、男性によって支給額は変わりますでしょうか。
○山本由起子副議長 高柳福祉健康局長。
◎高柳晃一福祉健康局長 生活保護費は、女性と男性では支給額に違いはありません。
○山本由起子副議長 喜成清恵議員。
◆喜成清恵議員 金額に違いがないということであれば、重ねてお尋ねいたします。生活保護費の中から生理用品購入費を十分捻出できるとお考えでしょうか。
○山本由起子副議長 高柳福祉健康局長。
◎高柳晃一福祉健康局長 生活保護費は、国が定めた最低限度の生活を満たす基準により支給しておりまして、生理用品の購入費も含めて、その基準の範囲内で賄うことができるものとなってはおりますが、各世帯における家計の支出の状況については、正確に判断することはできないと考えております。
○山本由起子副議長 喜成清恵議員。
◆喜成清恵議員 毎月どれぐらいの金額が生理用品に発生すると見積もっておられますでしょうか。
○山本由起子副議長 高柳福祉健康局長。
◎高柳晃一福祉健康局長 申し訳ございません。詳しい数字的なちょっと答弁はできないんですけれども、生活保護制度の制度の趣旨として、最低限度の生活費については満たすという基準というふうに考えているわけでございますけれども、個々の状況については、なかなか私のほうで判断することはできないということでございます。
○山本由起子副議長 喜成清恵議員。
◆喜成清恵議員 毎月、例えばナプキンでいいますと、1日当たり3枚から8枚、それが1週間前後、必要となります。多くて56枚分のナプキンを購入する金額が女性には必要になってまいります。生活保護費が男女の区別なく支給されているということですから、男性にも女性の生理に相当する毎月やむを得ないものへの支出があるとすれば、何があると想定しておられるのかお伺いいたします。
○山本由起子副議長 高柳福祉健康局長。
◎高柳晃一福祉健康局長 生活保護費の基準につきましては、国のほうが算定しております。個々の細かいこういう費用、こういう費用ということは明らかに示されておりませんので、今の件につきましては承知しかねるということでございます。
○山本由起子副議長 喜成清恵議員。
◆喜成清恵議員 生徒・児童以外の方が生理用品を無償で受け取れる場所が、金沢市内では5か所設けられることにはなりました。ただ、相談を受けたその女性の方が自宅から最寄りの受け取れる場所まで行くのに、片道14キロぐらいあります。なぜ、こういうことが女性だけが苦労しなければならないのかということをちょっと思います。 もう一つお尋ねいたします。金沢市内の生活保護受給世帯のうち、小学生、中学生、高校生の女子児童・生徒はそれぞれ何名ずつおられるか、把握しておられますでしょうか。
○山本由起子副議長 高柳福祉健康局長。
◎高柳晃一福祉健康局長 本年6月1日時点で、生活保護世帯のうち、小学生が27名、中学生が27名、高校生が21名でございます。
○山本由起子副議長 喜成清恵議員。
◆喜成清恵議員 ありがとうございます。 児童・生徒の場合は、今後は金沢市では、学校の保健室で、生理用品の返還を求められることなく交付を受けることができると思います。しかし、想像してみてください。毎月毎月、小学校なら5年生、6年生の2年間ほど、中学校では3年間、保健室に毎月毎月、生理用品を、ナプキンを下さいと告げなければならない児童・生徒の気持ちを。1校に、せめて1か所のトイレに生理用品を配備しておくことがなぜできないのでしょうか。困っていない人も持っていくからという理由をお聞きすることがありますが、大人が児童・生徒を信じなくて、どうして児童・生徒が大人を信じてくれるでしょうか。学校での生理用品配布方法を今後再検討していただけないかお尋ねいたします。
○山本由起子副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 お答えいたします。 教育委員会が行いました調査におきましては、児童・生徒が保健室に配置してあります生理用品を使用した理由のほとんどは、持参することを忘れたり、不足したためでありました。本市の小中学校において、トイレではなく、生理用品を保健室に配置している理由につきましては、突然の初潮や生理に適切に対応できること、また、特定の児童・生徒が恒常的に準備できていない状況があれば、その原因をつかんで、根本的な解決につなげることができることなどの教育的な観点によるものでありますことをぜひ御理解いただきたいと思っております。これからも、学校におきまして、児童・生徒が気軽に生理用品を求めやすい環境づくりに努め、必要とする児童・生徒に行き渡るように配慮してまいりたいと考えております。
○山本由起子副議長 喜成清恵議員。
◆喜成清恵議員 十分に行き渡るようにということは、トイレに配備するということとは違うというふうな捉え方でよろしいでしょうか。いま一度お聞きします。
○山本由起子副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 現時点におきましては、今も答弁させていただきましたとおり、理由があって、今、保健室に置いてありますので、そこはしっかりと続けていきたいと思います。今後ですが、全国的な各自治体等の取組状況をしっかりと踏まえながら、学校のトイレに生理用品を置くことについては研究をさせていただきたいと、そのようにして思っております。
○山本由起子副議長 喜成清恵議員。
◆喜成清恵議員 今年に入ってから、ハッシュタグ生理の貧困という言葉で、石川県内の女性議員だけでなく、全国各地の女性議員が様々な角度から要望や質問を繰り広げております。なぜなら、この生理の困難を体現しているからこそ、声を上げることができない女性のために働き、理解ができない方へ働きかけをしなければならないからです。例えば昨日の羽咋市議会でも、生理用品を学校の保健室ではなく、トイレに置くべきではないかと質問をした女性議員がいます。それに対する羽咋の教育長の答弁は、困っている人は来ていないとのことでした。果たして本当にそうでしょうか。困っている人が、そして必要とする人がどのようにしたら手に取りやすいかを使用する人の身になって考えているのでしょうか。 生活保護費のことについて話を戻しますが、今回の新型
コロナウイルスは、今まで崖っ縁ぎりぎりで耐えて生活してきた方の様々な問題を顕在化させました。その一つが、生活保護費に女性加算がないことです。改めて言います。生理は、子どもを授かる機能を有した女性が避けることができないものです。市長は、この困っている人の定義をどのようにお考えでしょうか。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 質問の趣旨がよく理解できません。このことについての困っていることということなのか、コロナ禍における困っていることなのかよく分かりませんけれども、恐らくはコロナ禍におけるということだというふうに思っておりますので、それ、私なりに、また、議員各位からも御提言もいただきながら、必要だと思われる施策は随時、できる限りスピード感を持って、これまでも予算化をして、また、国の施策も有効に活用しながら取り組んできたところではありますし、まだまだ足りないところがあるとするならば、いろんな声をお聞きしながら、必要な施策を取っていきたいというふうに考えています。
○山本由起子副議長 喜成清恵議員。
◆喜成清恵議員 大変失礼いたしました。困っていることというのは、コロナ禍においてということではなく、生理の貧困ということで困っている人ということの定義を指しております。私も、この問題に取り組んだ当初は、金銭的困窮者のためと想定しておりました。もしくは、コロナ禍においてということで想定しておりましたが、しかし生理の貧困問題の研究を進めるうちに、考えが変わりました。困っている人とは、生理がある女性全員を指すのです。昔は、娘が初潮を迎えると、めでたいこととされ、赤飯を準備し、親戚に振る舞うという風習がありましたが、今思うと、何がめでたいか疑問です。人生で一番活動する時期に、毎月毎月1週間、生理という憂鬱と闘わなければならないのに、女性にとって何がめでたいのでしょうか。子どもを授かるために起こるこの生理というものに対し、金銭的困窮かどうかではなく、公衆トイレにトイレットペーパーが備え付けられているように、生理用品が備え付けられている社会を目指さなければならないと思っています。ここに理解が深まることを期待して、次の課題に移ります。 先日、金沢の女子大学生数人にアンケートを実施いたしました。生理用ナプキンの正しい使い方をどうやって知りましたかの問いに対しては、半数は親から、3割が学校、2割が自己流。続いて、タンポンの正しい使い方はどうやって知りましたかという問いに対して、8割は使用したことがない、1割が自己流、1割がそのほか、タンポンの使用の仕方を学校から習ったという回答はございませんでした。続いて、月経カップの正しい使い方はどうやって知りましたかという問いに対して、9割が使ったことがない、1割がそのほか、同じく学校という回答はありませんでした。続いて、避妊の情報はどこから得ましたかという問いには、半数がSNS、4割が学校、1割が友人。そして、妊娠の疑いがあるときに誰に相談しますかの問いには、半数が医者、友人が2割、パートナーが2割、親が1割でした。この質問が大学生ではなく高校生以下だと、また、割合が変わってくるかとは思います。今回の女子大学生の回答から、生理用品のうち、ナプキンについては、小中高校のどの時点か分かりませんが、学校から使用方法を学んでいるようですが、そのほかの用品説明はされているか疑問です。タンポンなどは、使うまで抵抗感がありますが、予期しない経血の不快感から解放され、仕事、家事、運動を劇的に快適にこなせるようになります。また、避妊についての情報がSNSに半数の学生が頼っていることも心配な点です。ここでお尋ねいたします。金沢市立工業高等学校において、性に関する教育をどのように行っていただいていますでしょうか。
○山本由起子副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 金沢市立工業高等学校におきましては、お触れの生理用品の正しい使い方につきましては、生徒の成長に差異がありますことから、個別に養護教諭が丁寧に相談に応じております。また、避妊につきましては、保健科の授業の中で履修するほか、毎年、教科外活動として行っております医師を講師とした学習会の中で、正しい理解が深まるよう努めております。今後とも、必要に応じ、適切に保健指導を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○山本由起子副議長 喜成清恵議員。
◆喜成清恵議員 社会に出てから女性が活躍しやすいように、生理用品の正しい使い方であったりとか、性に関する情報を十分に進めていただけると幸いです。 最後に、新型
コロナウイルスワクチン接種に伴う休暇及び助成についてお尋ねします。 全国で新型
コロナウイルス感染症の終息に向け、医療従事者、高齢者へのワクチン接種が進んでいますが、このワクチン接種がいわゆる現役世代に行われていくと、問題視されているのが副反応です。発熱や倦怠感は若い人ほど強く出やすく、仕事に支障を来す可能性があります。このことを受けて、人事院より国家公務員に対して、医療従事者等以外の地方公務員の新型コロナワクチン接種に関し、接種しやすい環境の整備を図る観点から、常勤職員、非常勤職員を問わず、接種等に要する時間について、公務の運営に支障がない範囲で職務専念義務を免除するとの通知や、副反応が発生した場合の休暇についての通知が出され、加えて総務省自治行政局より各都道府県に対して同様の通知が出されました。これを受けて、本市は、本市職員などに対してどのような対応を考えておられますでしょうか、お伺いいたします。
○山本由起子副議長 松田総務局長。
◎松田滋人総務局長 本市職員のワクチン接種につきましては、今ほどおっしゃった国の通知等を踏まえ、接種しやすい環境を整備するため、会計年度任用職員を含めた全職員を対象に、病院や保健所など医療従事者等である職員は職務として、他の職員は職務専念義務の免除として取り扱うこととし、今月1日付で全部局に通知したところでございます。また、ワクチン接種に伴う副反応として、発熱、頭痛、倦怠感等の症状が発生した場合についても、接種時と同様に職務専念義務を免除することとしております。 以上でございます。
○山本由起子副議長 喜成清恵議員。
◆喜成清恵議員 昨日の答弁の中で、64歳以下のワクチン接種については、土日での大規模な接種を予定しているというふうにおっしゃっておられたと思います。本市職員などに対しては、この土日を利用して接種するようにとか、もしくは土日勤務がないので金曜日に接種をするようにとか、何か曜日を指定して接種するようにという指導とかは考えておられるのでしょうか。
○山本由起子副議長 松田総務局長。
◎松田滋人総務局長 今のところ、昨日、市長が答弁いたしましたとおり、それぞれの住所地のルールに従ってということで申しておりますので、そういったことは考えておりません。
○山本由起子副議長 喜成清恵議員。
◆喜成清恵議員 パンデミック下におけるワクチン接種は、集団免疫を上げることにより効果があると言われています。有給休暇を利用できる労働者はいいですが、例えば私が関わる正規雇用でないお母さん方から、今回のいわゆるワクチン休暇について意見を伺うと、収入が減るから休めないとか、今、有給休暇を使いたいと言ったら、首を切られそうで言い出せない、ワクチン接種するか悩みますという御意見がありました。片や、先ほどお伝えした女子学生へのアンケートですと、新型コロナワクチンを接種するかどうかについては、100%、学生は接種するという回答でした。勤労者かどうかも、接種への意欲に違いが出るのではないかと思います。そんな労働者のことを考慮して、新型
コロナウイルスワクチン副反応助成金制度を創設したのが山梨県です。山梨県は、安心してワクチン接種を受けてもらうために、ワクチン接種の副反応と思われる症状により休業を余儀なくされ、有給休暇が取得できないなど、給与や事業収入が減少となる方に対して、新型
コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を利用して、一定額を助成する制度を創設しました。1回目、2回目のワクチン接種、いずれも対象とし、1日4,000円、接種を受けた翌日及び翌々日のうち休業した日が対象日です。対象者は、山梨県内でワクチン接種を受けて、副反応と思われる症状が出た労働者、個人事業主です。山梨県産業労働部労政雇用課の方に導入の背景をお聞きしたところ、先行して接種した医療従事者の若い方々の副反応の情報が、これから接種対象になる労働者の不安を誘い、接種意欲を欠くことになることを想定し、創設を決めたとのことでした。また、有給休暇を取れない方や非正規雇用の方々にも配慮したものであるとのことでした。同県は、6月7日から同助成金申請の受付を開始しましたが、昨日時点で相談が50件、申請が8件です。これは、まだ65歳以上のワクチン接種しか始まっていないにもかかわらず、これだけ反応があります。山梨県としては、今後、利用が増え、予算が足りなくなれば、予算追加を検討するとのことでした。そこで、本市において、新型
コロナウイルスワクチン副反応休業助成金を創設するお考えはないかお尋ねいたします。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 国のほうでは、当初から、ワクチンに関わる予算は原則全て国で負担するというふうにおっしゃっておられます。今の助成金がこの原則に該当するかどうかは分かりませんけれども、基本的にはやはり、今のお話をお聞きしても、一義的には国のほうで対応すべきものだというふうに思っています。広域的に対応することが大切なんだというふうに思っています。今のところ、今の段階で、金沢市として独自で助成金を設けるところまでは考えておりません。企業に対しては、これから商工会議所や商工会の皆さん方と意見交換をする機会も増えてきますので、やはり副反応のことについては、私もお聞きします。特に若い方ほど副反応が大きいということもお聞きしているところでもありますので、企業につきましては、名称は特別休暇という名称になるのかはともかくとして、そういうことにも配慮をしてほしいという呼びかけもしていければというふうに考えています。
○山本由起子副議長 喜成清恵議員。
◆喜成清恵議員 私が多く接するのは、子ども食堂でお会いするような共働きでもぎりぎりの収入で子育てをする世帯や、2個から3個の仕事を掛け持ちするシングル家庭、そして不規則な仕事で、やむを得ず子どもを独りぼっちに、夜中にですね、夜中は独りぼっちにさせて仕事に出かけるというシングル家庭です。こんな方々も、収入減を気にすることなく、安心してワクチン接種ができて、少しでも早く集団免疫を獲得し、新型
コロナウイルスが終息することを願っています。先ほど市長がお話しされるような企業の方々というのは、正規雇用の方々が対象になることが多いんではないかなと思うのですね。非正規雇用の方であったりとかパートの方というのは、休むというだけで、もう次、仕事がないんじゃないかということで、すごくつらい気持ちでいます。でも、子育てはしなきゃいけない、子どもはいっぱい御飯を食べる、そのために稼がなきゃいけない、そういう方々がいることを念頭に置いて、できれば、国から使える支援が、メニューが出てきた場合には、ちゅうちょなくメニューを使っていただけたら幸いです。 以上で私の質問を終わります。(拍手)
○山本由起子副議長 以上で、3番喜成清恵議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。
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△休憩
○山本由起子副議長 この際、暫時休憩いたします。 午前11時55分 休憩----------------------------------- 午後1時2分 再開
△再開
○山本由起子副議長 出席議員数は、ただいまのところ37名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
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△質疑・一般質問(続き)
○山本由起子副議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 9番新谷博範議員。 〔9番新谷博範議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆新谷博範議員 まず最初に、投票啓発について
選挙管理委員会委員長に伺います。 衆議院議員選挙を皮切りに、知事選挙、参議院議員選挙、市長選挙が続き、あと1年10か月で統一地方選へと向かいます。まずは、コロナ禍における投票所対策を伺います。
○山本由起子副議長 木梨
選挙管理委員会委員長。
◎木梨松嗣
選挙管理委員会委員長 本市においては、コロナ禍における初めての選挙の執行となりますが、消毒液、マスクなど、必要な物品の調達を早期に行うほか、投票所の混雑緩和のため、12か所ある期日前投票所の前回選挙における時間帯別の利用状況をホームページでお知らせしたいと考えております。また、選挙当日ですが、マスクと消毒の徹底、定期的な換気に加え、混雑が生じないよう丁寧に案内を行うなど、市民の方々が安心して投票できるよう、準備に万全を期しているところであります。
○山本由起子副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 近年の投票率低下傾向にコロナ禍が加わり、深刻な政治離れ、投票離れが懸念されます。選挙活動も大きく変わり、握手もなく、集会もなく、後援会員回りも敬遠されます。コロナ感染が始まって約1年半、毎月1回の選挙管理委員会でどのような討議が行われたのか。選挙啓発による投票率向上の取組と、その計画実施を伺います。
○山本由起子副議長 木梨
選挙管理委員会委員長。
◎木梨松嗣
選挙管理委員会委員長 選挙管理委員会においては、コロナ禍に市民が安心して投票できるよう、また、投票率が向上するよう、選挙啓発をどうすればよいか、ほかの選挙管理委員会の事例等を研究、調査、検討を重ねまして、準備に万全を期しているところでございます。コロナ禍であっても、投票率向上を目指すことは必要であります。これまでの高校生などを対象とした出前講座等のほかに何が必要か、選挙管理委員会で討議を重ねてきたところでございますけれども、従来のような街頭啓発などは難しいことから、若者の啓発グループなどと連携し、若者の得意分野であるSNSを活用し、投票率向上を図っていきたいと考えております。また、今後も投票率の向上に資するための方策を実現すべく、各委員と協議していく所存でございます。
○山本由起子副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 投票率向上とはいえ、基準目標が必要です。その基準として、民主主義の原則は、過半数以上の参加による多数による決定です。どのように目標投票率を設定し、選挙管理委員会は討議されているのか伺います。
○山本由起子副議長 木梨
選挙管理委員会委員長。
◎木梨松嗣
選挙管理委員会委員長 投票率の向上は、選挙管理委員会として重要な課題でありまして、投票の棄権防止のため、真摯に取り組むべきものと考えております。最終的な投票率、これは様々な要因の影響を受けざるを得ません。だけれども、直近の選挙の投票率を上回りたいと考えております。選挙管理委員会としても、一人でも多くの有権者に投票していただくため、選挙啓発、投票環境の向上について討議を重ねておりまして、今後も投票率の向上に資するための方策を実現すべく、各委員と協議をしていく所存でございます。
○山本由起子副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 今、基準目標として、前回の投票率、直近の投票率、発言されました。ぜひとも、前回の投票率並びに直近の投票率、超えるようにしっかりとした討議と、それで計画、実施をしていただきたいと思います。 第2に、貧困家庭対策です。 例えとして生理用品の配布については、臨時会で、94%以上の配置・配布場所が小中学校保健室である矛盾を指摘しました。別の例に、子ども食堂の開設・運営回数、提供、対象児童・生徒への矛盾に対しても過去指摘しました。両方共通するのは、合理的根拠、十分なサンプル数による統計的な継続調査に基づいていないことです。対象家庭が行政も開設団体も把握できていないのに、見えない貧困家庭の存在を前提に事業を展開することです。精細な定期調査の必要性と的確な対象者の把握に関する見解を伺います。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 本市では、関係者にお集まりいただきまして、事前に様々な計画をつくりながら施策を進めています。今のテーマで言えば、独り親家庭等自立促進計画、子どもの貧困対策基本計画、それぞれの計画に沿う形で取り組んでいるところであります。特に貧困の問題は、なかなか見えない、見えない家庭を抽出していくという、なかなか難しい作業もありますので、慎重に取り組んでいかなければいけないというふうに思っています。今ほどの計画に沿って、様々な施策を行ってきました。百幾つの項目があります。この項目の中で、計画を上回ったというものもありますけれども、上回ったというのが、例えば独り親家庭の家庭支援事業が上回ったということですけれども、これ逆に言えば、より一層、当初の予定以上に貧困な家庭が多かったということが顕在化してきたことでありますので、必ずしもいいこととは言えませんけれども、そういうものを一つ一つ対応していくことが必要なんだというふうに思っています。
○山本由起子副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 おかしいですよね。なぜ、ほかの社会福祉法人やNPO法人は使用が除外されるのですか。法的根拠を伺います。
○山本由起子副議長 藤木こども未来局長。
◎藤木由里
こども未来局長心得 本市の放課後児童クラブは、運営主体にての設置、管理を原則としております。地元での土地確保及び専用施設の新築が基本ではございますが、その確保が困難な場合は、本市の裁量によりまして、市有財産条例に基づき、学校施設の使用を認めてきたものでございます。
○山本由起子副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 私が聞いたのは、なぜ、ほかの社会福祉法人とかNPO法人が除外されるのかと聞いたんですよ。そして、法的根拠がないことは分かりました。この社協、地区社協じゃないですよ、社会福祉法人社協は受託事業において施設使用や経理監査で優遇されていて、ほかの公益法人との公平な機会を奪っています。それは、市職員の再就職先としての社会福祉法人であることと関係していますか、伺います。
○山本由起子副議長 高柳福祉健康局長。
◎高柳晃一福祉健康局長 施設の使用につきましては、本市全体の福祉事業を推進する観点から認めているものでありまして、監査につきましても、他の社会福祉法人と同様に行っております。
○山本由起子副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 いや、それじゃ私、今、例を挙げますわ。例として令和元年度の、おととしですね、社協決算資料には、全ての児童クラブを受託しているのは社協なんですよ。もう一回言いますよ。児童クラブ、事業収入と経費支出、全くないんですよ。受託しているのは社協なんですよ。だけれども、児童クラブの事業収入もないんですよ、経費もないんですよ、職員も1人分しかないんですよ。実際、200人以上300人近く働いているはずなんですよ。事実ですね。伺います。
○山本由起子副議長 高柳福祉健康局長。
◎高柳晃一福祉健康局長 金沢市社協の予算及び決算におきましては、児童クラブに係る経費といたしまして、市からの児童クラブ運営事業受託金が収入として計上されております。また、各地区の児童クラブの運営費として、児童クラブ助成金支出が計上されております。市社協につきましては、今の御指摘のとおり、これらの事務を行うために職員1名が配置されているところであります。
○山本由起子副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 帳簿外処理されていることを認めてどうするんですか、事業収入と経費支出を。受託しているのは、運営責任、監督責任があるのは社会福祉法人金沢市社会福祉協議会ですよ。帳簿外で処理されていることを認めて、それが容認されている。なぜ、それが優遇されていないのか、全く意味が分からないですよ。 それでは、私、聞きますよ、具体的に。社協主催の児童クラブ、職員はどこに所属して、どこが雇用責任を負うのか伺います。雇用先が任意団体ならば、誰が職員を管理監督し、任意団体というのは地区社協のことですよ、児童名簿等プライバシー保護に責任があるのですか。また、保険も年金も一切ない可能性があります。職員の待遇など、全クラブ監査は終了しましたか、伺います。
○山本由起子副議長 藤木こども未来局長。
◎藤木由里
こども未来局長心得 金沢市社会福祉協議会が本市から受託している放課後児童健全育成事業につきましては、地区社会福祉協議会に設置、運営させておりますことから、児童クラブの職員の所属や雇用責任につきましては、各地区社会福祉協議会にございます。また、雇用責任と同様、児童クラブの職員の管理監督や個人情報の保護責任につきましても、児童クラブの設置、運営主体である地区社会福祉協議会にございます。
○山本由起子副議長 新谷博範議員。
◆新谷博範議員 答弁の時間もないですわ。だけれども、ただ1点言っておきますわ。社会福祉法上、社協が、社協、社会福祉法人金沢市社会福祉協議会、下部組織である任意団体の地区社協に事業を丸投げする、いわゆる下請事業受託をさせることは、私自身、認められるべきでないということを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
○山本由起子副議長 以上で、9番新谷博範議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。 換気のため、しばらくお待ちください。 4番上原慶子議員。 〔4番上原慶子議員登壇〕(拍手)
◆上原慶子議員 発言の機会を得ましたので、公明党金沢市議員会の一員として、以下数点にわたり質問させていただきます。 女性安心生活支え合い支援事業について伺います。 長期化するコロナ禍で、貧困などの困難を抱える女性が増えていると言われ、生理の貧困問題が顕在化してきたことから、3月26日に、我が会派から山野市長に対し、コロナ禍における女性の負担軽減に関する緊急要望を行い、先月11日には、超党派の女性議員7名で山野市長と野口教育長に対し、必要とする人に生理用品を無償提供することを求める要望書を提出いたしました。この生理の貧困に対応するため、全国でもいち早く、市立の小中学校や養護学校での生理用品の配布を決定した兵庫県明石市をはじめ、公共施設での無償配布を始めた自治体もあり、全国で取組が進んでおります。先日行われた臨時第2回市議会において、本市においても、市立小中学校や福祉健康センターなど80か所に生理用品を配布する予算がつき、加えて、もし短期間でなくなった場合には補充も考えているとの御答弁もあり、コロナ禍で生活に不安を抱える女性の負担軽減につながると期待しております。市内の小中学校において、生理用品は保健室に常備されている学校が多く、今回配布される生理用品も保健室に置かれると聞いております。学校では、生理用品を取りに来た児童・生徒に聞き取りをして、必要な個数を渡しているとのことですが、経血量には個人差があり、思った以上に経血量が多いこともあります。衛生面から、小まめに交換することが望ましく、足りなくなれば何度も保健室に足を運ばねばなりません。また、子どもの場合は、保護者のネグレクトにより生理用品を購入してもらえないケースもあり、しかも表面化しにくいことから、学校のトイレに生理用品を常備することに大きな意義があると考えますが、御所見を伺います。 また、コロナが終息しても、生理に係る問題や
負担感がなくなることはないと思いますので、学校や公共施設における生理用品の常備は継続的に行っていく必要があると考えますが、御所見を伺います。 次に、子宮頸がん予防ワクチンについて伺います。 令和2年度3月定例月議会において、接種対象者への個別送付による情報提供についての市長の御所見を伺ったところ、個別送付を考えているとの御答弁でしたので、改めて数点伺います。 子宮頸がん予防ワクチンの接種対象は、小学校6年から高校1年相当となっており、通常、全3回の接種で、完了までに約6か月の期間がかかります。助成期間が終了する高校1年生相当の方については、接種を希望された場合は、対象者に年度内に受けてもらうために、1回目をいつまでに開始するのかを示すなど、接種希望者が助成を受ける機会を逃さないためには、個別通知の内容と送付対象、そして送付のタイミングが重要であると考えます。まずは、個別通知の送付対象者と送付スケジュールをお示しください。 3月定例月議会における私の質問の中で、昨年9月に刷新された厚生労働省のリーフレットについて触れましたが、市長は、このリーフレットを御覧になられてどのように感じられたのかお聞かせください。 また、本市が個別通知する内容について、どのような思いを込められたのかお聞かせください。 接種を希望する場合は、必要な書類をそろえて市の窓口に申請し、接種券を受け取り、医療機関に予約し、接種という流れになります。接種対象者の保護者が働いている場合が多いと考えられることから、申請から接種券の受領までをできるだけ簡潔に行えるよう配慮が必要であると考えますが、市長の御所見を伺います。 個別送付によるワクチンの情報提供と併せて、身近なかかりつけ医の関わりも重要であると考えます。お隣の富山県では、小児科医会と協力し、11歳頃の日本脳炎ワクチン接種時に、かかりつけ医から、定期接種のワクチンがあと1つあることを伝え、リーフレットを保護者に渡す体制を取っていると聞いております。本市においても、かかりつけ医にワクチンについての不安などを相談できるよう、医師会に御協力いただくことも必要であると考えますが、御所見を伺います。 子宮頸がん予防ワクチンは、平成25年4月から定期接種となりましたが、接種後に多様な症状が生じたとする報告を受け、国は、定期接種開始から2か月後に、積極的な接種勧奨を差し控えました。本市においても、平成26年から接種券は送付されていないと聞いておりますが、接種対象年齢でありながら接種券が送付されていなかった方はどれくらいいるのかお示しください。 今回、ワクチンに関する情報を個別送付することで、定期接種の対象年齢を過ぎていても、接種を希望する方が出てくることも考えられます。任意で接種を受ける場合、子宮頸がん予防ワクチンの1回当たりの接種料金が約1万6,000円と大変高額です。そこで、これまで情報提供を控えていたため、定期接種の機会を失い、任意接種であっても接種を希望する女性への接種費用の助成について御所見を伺います。 次に、LGBTQ、パートナーシップ宣誓制度導入後の取組について伺います。 12月定例月議会において市長から御答弁があり、北陸初のパートナーシップ宣誓制度が7月、本市でスタートいたします。これに先立って、パブリックコメントが実施されましたが、まずは寄せられたコメントに対する市長の御所見を伺います。 今回、パートナーシップ条例とはせず、要綱の形を取っております。その理由と、今後、
石川中央都市圏や県内の市町へと広がることへの期待と、ファミリーシップ制度への展開について、どのようにお考えか伺います。 さて、私たち公明会派では、今回のパートナーシップ宣誓制度の導入は、ゴールではなく、スタートであると考えております。昨年から、会派として、当事者の皆さんとの懇談を重ねてまいりました。今回のパートナーシップ宣誓制度をより実効性のある有効なものとしていくための提案や要望をお聞きしています。その中から、今後取り組むべき課題について、以下伺います。 1つ目は、学齢期の児童・生徒の当事者に対する取組についてです。お話を伺う中で、まず話題になったのが、学齢期において自身の性自認や性的指向に悩んだ経験でした。誰にも相談できず、自らの存在が何か悪いものであるとしか思えず、学校も家も心休まるところではなかったとの言葉は深く心に刺さりました。また、身近に、そのままでいいんだよと言ってくれる存在がいることや、年齢を経てくると、他の当事者とのつながりがあることが非常に大きな支えとなったと言われていました。これらのことから、学校において当事者本人への個別の支援だけではなく、教職員及び周囲の生徒に対しての多様な性への理解を広げることが大切であると感じます。先日、白山市の小中学校で、いのちの授業を行っている助産師さんのお話を伺いました。その方は、授業を始めるに当たり、性とは多様なものとの対話から話を始め、子どもの授業の後には保護者へのセミナーを行い、継続的な性的マイノリティーへの理解を深める取組をしておられるとのことでした。私自身がそうであったように、当事者や当事者の御家族などから直接話を聞くことが、自らの性についての悩みを抱える人の心情や、友人や家族のささいな問いかけにも自身の存在を否定し、現在も将来にも希望を見出せない性的マイノリティーの方への理解を深める第一歩となるはずです。本市において、助産師さんを講師として招いている授業を行っている学校があると聞いておりますが、その内容と実施した学校数をお示しください。 白山市の助産師さんが行っているような授業を児童・生徒とその保護者が受けられるような取組をお願いしたいと思います。さらに、教職員へのセミナーも、全員が受講し、当事者の児童・生徒に適切な対応ができるようにしていくべきと考えますが、教育長に御所見を伺います。 また、不登校の児童・生徒の中にも、当事者がおられるともお聞きすることがあります。誰にも言えない性自認や性的指向の悩みで不登校やひきこもりとなってしまうと、社会への参加はさらに難しくなってしまうことが懸念されます。中には、自ら命を絶ってしまうという不幸な現実もあります。さきに紹介した助産師さんの話では、性の多様性について聞いた子どもたちは、一様に寛容で優しい対応を見せるそうですが、一方、でも、ここにはいないよねと思っているようであると言われておりました。ここを変えていくことが大切であり、そのためにも、継続的な取組となるよう予算づけも必要と考えますが、市長の御所見を伺います。 次に、学校のトイレの問題ですが、今後の検討課題として、各階に多目的トイレの設置をお願いしたいと思います。出生時につけられた性別と性自認に沿った性別が違う場合、どちらの性別に沿ってトイレを利用するかの選択がストレスになるともお聞きしています。今後、災害時には、感染症対策として、学校の教室も避難所として使用される可能性も考えられます。災害対応としても、また、インクルーシブ教育の推進においても、各階に多目的トイレは必要です。これだけでも、当事者の児童・生徒にとっては心が安らぐものとなります。今後、新築される学校や大規模なトイレの洋式化改修などの際に、各階に多目的トイレの設置をぜひ検討していただきたいと思いますが、市長の御所見を伺います。 2つ目に、就職活動対応と職場の環境づくりです。本市の職員採用やインターンシップ時における配慮については、多様な性への理解の促進と支援のための金沢市職員・教職員ハンドブックを作成されています。今回のパートナーシップ宣誓制度の導入に当たり、このハンドブックを基本とした職員、教職員への制度の周知について伺います。 また、窓口対応される職員においては、対応や配慮について、改めて研修が必要と考えますが、御所見を伺います。 また、社会での性的マイノリティーへの理解を促進する当事者の方から、経営者の方に自らの体験をヒューマンストーリーとして語る機会を得ることで、就労の場における性的マイノリティーへの理解や配慮につなげており、効果を実感しているとお聞きしました。このことからも、庁内で行われている配慮や研修などが庁舎内でとどまることなく、民間事業者へも展開される取組が必要です。児童・生徒における学校と同様に、社会人にとっては、職場での性的マイノリティーへの理解のための継続した研修やセミナーが必要であります。これまでの本市から民間事業者への働きかけの実績と今後の周知について、どのように進められるのか伺います。 最後に、労働関係では、石川労働局との情報共有や、職場での性の多様性の理解や配慮に向けた協議などが不可欠であると考えます。そこで、石川労働局をはじめ、県との連携に関する市長の御所見を伺うとともに、県内初の制度実施に至った本市として、全県を牽引することを期待し、この質問を終わります。 次に、本市の性教育について伺います。 本市の小中学校における性に関する学習について確認したところ、体育、保健体育で男女の体の違いや心身の健康について、道徳で生命の尊重を学んでいるとのことでした。思春期になれば、男女の体つきに特徴が現れ、性に関心を持つことは自然なことだと思います。子どもの性に関する疑問に、身近な大人が話すのをためらったりごまかしたりすれば、子どもたちは知りたい情報をSNS等で得ようとします。SNS等で発信される情報の中には、悪意のあるものや誤った情報もあり、その情報の真偽を自分自身で判断するメディアリテラシーが必要となってきます。SNS等の利用で性犯罪に巻き込まれる18歳未満の子どもが増加しており、低年齢化もしております。メディアリテラシーの教育と併せて、子どもたちが自分自身を守る力を育むため、また、同時に性犯罪の被害者にも加害者にもならないために、正しい性知識を持つことは重要です。先月、「女性活躍を支える女性の健康政策」というテーマで、市議会勉強会が行われました。終了後に、講師の先生と懇談させていただき、病気の予防や検診の大切さを児童・生徒に伝えるに当たり、性教育は重要であるともおっしゃっていました。富山県では、学校保健に関する様々な課題に対し、小中学校に産婦人科医などの医師による講義などを行っており、秋田県では、医師による中高生向けの性教育講座を実施しております。さきの性の多様性の質問でも触れたように、本市においては、既に、一部の学校において助産師さんを講師として性に関する講義を行っております。今後、市内全ての小中学校において、一歩踏み込んだ性教育も必要であると考えますが、教育長の御所見を伺います。 国においても、性犯罪・性暴力対策の強化の方針を打ち出し、子どもたちに性被害を防ぐ意識を持ってもらうために、子どもの発達段階に応じた教材を作成、公表しました。幼児や小学校低学年の子どもは、自分が性被害に遭っていても気がつかず、年齢を重ねていくうちに気がつき、トラウマとなってしまう場合があります。子ども自身が被害に気づき、予防できるよう、自分の身を守ること、嫌なことをされたら嫌だと訴えることなど、子どもたちの安全のためにも、幼児に対しても性教育として必要な知識を教えることは重要であると考えますが、御所見を伺います。 最後に、不妊・不育症の相談体制について伺います。 3月定例月議会の不妊・不育症についての私の質問の中で、繰り返される流産や死産によって不安障害や鬱病に陥る女性は少なくないことから、本市において、グリーフケアを含めた相談体制づくりを御検討いただくよう要望いたしました。国においては、本年5月31日付で厚生労働省子ども家庭局から、「流産や死産を経験した女性等への心理社会的支援等について」の通知が発出されました。流産や死産を経験した女性等へのグリーフケア等の支援に、地方自治体において活用可能な事業として、子育て世代包括支援センター事業や産後ケア事業などが挙げられており、流産や死産を経験した女性も対象に含まれるとしております。今回の厚生労働省の通知を受け、今後、本市としてどのように取り組まれるのか御所見を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
○山本由起子副議長 山野市長。 〔山野之義市長登壇〕
◎山野之義市長 4番上原議員にお答えいたします。 女性安心生活支え合い支援事業につきまして、私のほうからは、学校や公共施設に生理用品を常備しておくことが必要ではないかという御提案でした。今週14日から開始しました生理用品の配布状況、これは始まったばかりでありますので、その配布状況を見ながら、必要とする方にお届けできるように努めていきたいというふうに考えています。 子宮頸がんワクチンのことについて、まずは対象者とスケジュールですけれども、新たに、子宮頸がんとワクチンの効果等について説明するリーフレットを独自に作成し、小学校6年生から高校1年生までのワクチン接種をしていない女子、約9,800人に対し、今月の下旬に送付をすることとしています。 厚生労働省のリーフレットですけれども、私も拝読、拝見をいたしました。挿絵も多用し、平易な言葉を使って、保護者だけではなく、当事者の子どもたちにも理解できるようにしてあるというふうに思いました。ただ、本編と概要版がありましたけれども、概要版でも4ページにわたるものでありました。できれば、もう少しコンパクトで分かりやすいものが必要ではないかというふうに思っておりまして、医師会や小児科医会の協力もいただきながら、より分かりやすくコンパクトに1枚にまとめることといたしました。より詳しい情報を欲しい方もいらっしゃいますので、QRコードをつけることによって、恐らくその年代の当事者や保護者は違和感なく取り組んでいただけるんではないかというふうに思います。QRコードもつけることによって、より詳しい情報の発信にも努めていきたいというふうに思っています。ワクチンについてのメリット、デメリットをよく理解していただき、ワクチン接種を私はしていただきたいというふうに思っています。 申請のことについてお尋ねがございました。接種券の申請につきましては、窓口申請だけではなく、これからは電子申請ということも考えているところであります。申請を受け付け次第、速やかに接種券を郵送することとしているところであります。窓口申請につきましても、申請内容を確認後、その場で接種券を発行することとしています。今ほど申し上げたように、私は、この世代の当事者も保護者も電子申請は違和感なく行っていただけるんではないかなというふうに思いますし、役所に足を運ばなくても対応することができます。もちろん、今ほど申し上げましたように、従来どおりの窓口申請もしっかりとできる体制を取っているところであります。 相談体制についてお尋ねがございました。今ほど申し上げましたように、金沢市版のリーフレットには、金沢市小児科医会と金沢市医師会の協力もいただきました。このリーフレットを介して、かかりつけ医とよく相談し、接種をしていただきたいと考えています。万が一、副反応と思われる症状があった場合は、まずはかかりつけ医に相談するようにリーフレットにも明記していきたいというふうに考えています。 定期接種対象年齢以降の子どもたちに対する接種費用の助成についてお尋ねがございました。平成26年度以降、接種券の送付による積極的な勧奨を行ってきませんでした。接種を希望される方には、接種券を交付し、そんなに多くはありませんけれども、予防接種を実施してきたところでもあります。今のところ、定期接種の期間を過ぎた方に対する助成までは考えてはおりません。 LGBTQ、パートナーシップ宣誓制度についてお尋ねがございました。パブリックコメント、多くの方から御意見をいただきました。様々な御意見をいただきました。私も読まさせていただいたところでもあります。今後の政策に対するヒントもいただいたというふうに思っています。よかったと思っています。性的指向や性自認により、社会生活の中で生きづらさを感じておられる方に対しては、人権尊重の観点から配慮が必要であると考えています。誰もが安心して暮らせる社会の実現を目指し、今ほど申し上げましたいろんな意見を参考にさせていただきながら、7月1日の制度開始に向けて手続を進めていきたいというふうに思っています。 近隣自治体で言えば、白山市は、既に市長さんが本会議場で導入をするということをおっしゃっておられますし、金沢市と連携という言葉もおっしゃっていただいているということをお聞きしているところでもあります。条例ではなくて要綱にしたのは、幾つかの全国の例を見ましても、自治体間で相互利用をしている自治体も既にありますので、金沢市といたしましては、将来的な自治体連携も視野に入れていきたいというふうに思っています。そんなことを考えた場合は、できる限り汎用性が高い制度が望ましいというふうに考えておりまして、条例ではなく要綱とさせていただいたところでもあります。白山市以外でも関心をお持ちの自治体、この
石川中央都市圏のみならず、おありになるんではないかというふうに思っています。まずは、金沢市がしっかりと取り組んで、そういう自治体と意見交換を重ねていきたいと思っています。ファミリーシップ制度につきましても、同様な観点から、まずは制度をしっかりさせる、そのことに意を用いていきたいというふうに思っていますので、御理解をいただければと思っています。 教職員や児童・生徒に向けた理解を進めるためにどうするかということです。子どもたちが多様な生き方について学び、自分や他者の人権も尊重する姿勢を育成するに当たっては、継続的な性的マイノリティーの理解を深める取組も大切だと思っています。これまでの学校での取組を踏まえ、専門家の方の派遣など、さらに内容の充実が図られるように取り組んでまいりたいというふうに思っています。 学校における多目的トイレのことについてお尋ねがございました。学校は、言うまでもなく、万が一のときの避難所としての機能もあります。多目的トイレということで言えば、お年を召した方もそういう場合も御利用される方も、障害のある方も御利用される方もあるかというふうに思っています。性的マイノリティーの方への配慮、障害者の
バリアフリーの観点からも大切だというふうに思っていまして、可能な限り、これまでも設置に努めてきたところでもあります。市内の小中学校の約半数に1か所以上の多目的トイレが設置されており、御指摘ありましたように、新たに設置をする学校につきましては、各階ごとに設置をすることを基本としているところであります。 職員、教職員もそうですけれども、市の職員等と、また、窓口に対応される職員のことについてもお尋ねがございました。令和元年度にハンドブックを作成し、適切な対応を例示、掲載しているところであります。7月1日からの制度導入に合わせ、職員及び教職員に内容を改めてお知らせし、窓口対応等、住民と接する機会の多い職員に対しては、新たにLGBTに関する研修を実施するなど、職員が正しい知識を持ち、状況に応じた適切な対応ができるように周知に努めてまいります。 民間への働きかけのことについてお尋ねがございました。高校卒業予定者の採用時期に合わせ、就職を希望する方の基本的人権が尊重されるよう、ハローワーク金沢と共同で、事業者向けに、公正な採用選考推進研修会を実施してきました。企業の担当者が情報を共有し、意見を交換し合う働き方改革セミナーを開催し、誰もが活躍できる働きやすい職場づくりの促進を目指しているところであります。今後ですけれども、こうした研修、セミナーの機会も捉まえ、本市のハンドブック、パートナーシップ宣誓制度のほか、事業者の先進的な取組事例を紹介するなど、性の多様性についての知識と理解が深まるよう、事業者に対し働きかけを努めてまいります。 石川県労働局や石川県に対する働きかけも大切ではないかということでありました。県や労働局などの行政機関も参加しています金沢市雇用対策連絡会を毎年開催しておりまして、施策等についての情報共有を図るとともに、それぞれの職域での雇用等に関する現状の課題等について意見交換を行っています。今後、連絡会における議論なども通して、職場での性の多様性への理解や配慮が進むよう、さらなる連携を図ってまいります。 幼児に対する性教育のことについてお尋ねがございました。被害に気づき、身を守るためにも、幼少期から性に関する教育を行うことは大切であると思っています。これまでも、保育の現場で、自分自身を大切にすること、相手を尊重する気持ちを持つことを繰り返し伝えているところでありますが、今後は、国が作成した生命(いのち)の安全教育の幼児期向け教材等も活用し、子どもたちの理解がより一層深まるように取り組んでまいります。 不妊・不育症につきまして、厚生労働省の通知を受けた今後の本市の取組についてお尋ねがございました。本市では、医療機関や助産師と連携し、本人の同意の下、流産や死産などを経験した方を含め、精神状態が不安定にある産婦の方の情報を把握し、福祉健康センターの保健師が継続的に訪問するなど、必要な支援につながる取組をこれまでも行ってきました。今後とも、不妊症・不育症に悩む方に寄り添い、支援に努めてまいります。 私のほうからは以上です。
○山本由起子副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 初めに、学校のトイレに生理用品を常備することについてお答えいたします。生理の指導につきましては、現在、小学校4年次の保健指導の中で行っております。そうした中で、やはり児童からは、生理が初めて来ることに対する不安とか、また、戸惑いとか、そういう言葉が出てきておるということを伺っております。突然の初潮や生理に適切に対応できること、また、個々の生理の悩み事に対して適切に指導ができること、また、加えまして特定の児童・生徒が常に準備できていない状況があれば、その原因をしっかりと把握しながら、根本的な解決につなげることができるなどの教育的な観点から、生理用品はトイレではなく保健室に配置しておりますことをぜひ御理解いただきたいと思っています。これからも、学校におきまして、児童・生徒が気軽に生理用品を求めやすい環境づくりに努め、必要とする児童・生徒に行き渡るよう配慮していきたいと考えております。なお、今ほど上原議員お触れでありましたが、学校のトイレに生理用品を置くことについて、他都市でも様々にそういった取組が行われていることをお伺いしましたので、これから、そうした他都市の状況を踏まえながら、研究をさせていただきたいと思っております。 次に、2点目でございます。本市での助産師による授業の内容と実施した学校数についてお答えいたします。本市では、あらゆる偏見や差別がなくなるよう、学校教育全体を通じて人権教育に取り組んでおりまして、性の多様性につきましては、保健体育科や社会科の授業等で扱っております。御指摘の助産師等を講師として招き、授業を行っている学校は、令和2年度におきまして、小学校2校、中学校9校であり、「かけがえのないいのちと性」、「大切なあなた 大切ないのち」、「いのちのおくりもの」等、性教育や命の大切さをテーマとして学んでおりまして、その中でいずれも性の多様性について触れております。今後も、発達段階に合わせた人権教育を推進し、互いの人権を尊重し合う社会の実現に向けた取組をより一層充実させてまいりたいと考えております。 次に、教職員向けのセミナーの実施についてお答えいたします。本市では、初任者研修や経年研修等の人権教育の講座におきまして、性の多様性について周知をしており、加えて今年度の教職員研修では、多様性と包摂性、また、LGBTについての講座を設定し、性的マイノリティー等についての理解を深めております。これからも、当該の児童・生徒に対して必要な配慮をするとともに、適切な対応ができるよう、国の資料などを活用し、研修の充実を図ってまいります。 最後になりますが、市内小中学校において一歩踏み込んだ性教育が必要だと考えるが、いかがかとのお尋ねにお答えいたします。性に関する学習につきましては、体育科及び保健体育科の保健領域のカリキュラムに基づき、発達段階に応じて系統的に指導いたしております。また、本市におきましては、金沢市健康教育推進プランの重点に取り組む7つの課題の一つとして、性に関する指導が盛り込まれておりまして、各学校が児童・生徒の実態を踏まえながら計画的に指導いたしております。加えて、今年度は、4月に国からの通知を受けて、学校に対して生命(いのち)の安全教育に関する指導の手引を活用するよう周知しておりまして、より一層の充実を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○山本由起子副議長 高柳福祉健康局長。
◎高柳晃一福祉健康局長 子宮頸がんワクチンにつきまして、接種対象年齢でありながら、これまで接種券が送付されていなかった人数についてでございます。積極的勧奨をせずに、接種券を送付していなかった平成26年度から令和2年度までの7年間におきまして、接種対象であった方は約1万4,000人であります。
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△休憩
○山本由起子副議長 この際、暫時休憩いたします。 午後2時20分 休憩----------------------------------- 午後2時36分 再開
△再開
○
久保洋子議長 出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
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△質疑・一般質問(続き)
○
久保洋子議長 休憩前の議事を継続して、質疑並びに一般質問を続行いたします。 7番大桑初枝議員。 〔7番大桑初枝議員登壇〕(拍手)
◆大桑初枝議員 質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として、以下質問いたします。 最初の質問は、新しい交通システムに関してです。 去る5月25日、第1回金沢市新しい交通システム導入検討委員会が開催され、委員による意見交換が行われました。あと2回の検討委員会が行われた後、本市の新しい交通システムに対応するため、LRT、BRTのどちらかを導入すべきかの提言が行われるとのことです。しかし、新交通システムの導入については、市民の利用が本当にあるのか疑問視する声が多くあります。そして、大きな負担を後世に残すことになるのではないかとの声も聞かれています。本市は、職住近接のまちから郊外へとまちづくりが拡大され、大学も大型店の商業施設も郊外に移り、車がないと生活ができないようになってきました。また、高齢者の運転免許の返納なども進み、ふらっとバスのようなコミュニティバスの増設を求める声が高まっています。2年前に我が党が行ったアンケートの中で、市内の交通施策に対して、特にコミュニティバスの拡充を求める声が多く出されていました。既存路線については、バスの路線、本数の拡充、バス料金の引下げなど、切実な声が寄せられています。ふらっとバスの運行を全市、各地域に走らせてほしいという要望は以前から出されていましたが、本市はふらっとバスの運行を広げようとはしませんでした。コミュニティバスや地域運営のバスに関しても、現在、3コースしか実現に至っていません。郊外に住んでいる市民からは、郊外にいると、公共交通が整備されていないので、病院や買物に行くにも不便でストレスを感じるとの訴えがあります。そこで、本市が導入する交通システムの主たる利用者は誰だと想定して考えているのでしょうか。また、市民のどれくらいの方々が新しい交通システムを導入することに関心を持っているのか、導入後は広く市民に利用してもらえるシステムになると考えているのか、まずお伺いいたします。 公共交通とまちづくりを車の両輪とした施策を考えるとしていますが、市民の生活実態を考えると、いかに利用しやすいか、そして市民の要求に応えた公共交通を整備できるかにあるのではないでしょうか。本市は、平成29年2月に、新しい交通システム検討委員会からの提言の中で、導入に向けて様々な環境整備の検討が必要との課題の指摘を受けました。それから4年から5年がたったものの、課題を解決するための積極的な施策も見えません。そこで、具体的にお伺いいたします。金沢市新しい交通システム導入検討委員会の議論の中では、金沢港から有松までの8.9キロメートルに導入する計画ですが、整備事業費は、BRTの場合、路側走行方式で1キロメートル当たり10億円程度、中央走行方式で1キロメートル当たり20億円程度を見込み、LRTならば1キロメートル当たり60億円程度を想定しているということです。単純に距離を掛けると、BRTなら89億円から178億円、LRTなら534億円になります。このうち国からの補助が2分の1あるというものの、本市の負担する金額は、BRTなら約45億円から90億円、LRTなら約270億円となります。しかし、これには金沢駅東西接続のための費用や車両基地、維持管理費などは入っておらず、それも加えると莫大な予算が必要となってきます。そして、これはあくまでも試算でしかなく、事業費がさらに膨れ上がることも懸念されます。2023年に開業予定の宇都宮市のLRTの場合、総事業費は当初412億円を見込んでいました。実際には1.5倍、603億円になるということです。このような財政的な問題を市長はどのようにお考えですか、お伺いいたします。 私は、現在のコロナ禍において、優先すべきは市民の生活だと考えます。ワクチン接種が進んでいるとはいえ、新型
コロナウイルスが蔓延する以前の社会に戻るには数年かかるとも言われています。コロナ禍で、倒産、廃業する事業所や職を失われた方々、収入が大幅に落ち込んだ方々への補償をまず優先すべきではありませんか、お伺いします。 そして、今後、少子高齢化を迎えるに当たって、その対策が最も重要ではないでしょうか。大型開発となる新交通システムの導入は慎重にすべきかと考えますが、市長の見解をお伺いいたします。 さらに、交通事情に与える影響です。新しい交通システムの導入目的の一つに、現況の交通量を軽減するためとあります。しかし、LRTや中央走行方式BRTとなれば、専用路線を確保するために車線を減らさなければならず、かえって交通渋滞を招くのではないでしょうか。2017年に答申が出たとき、谷本知事は、まちなかの国道157号は現状4車線で、1日3万2,000台の交通量があるとし、新システムの軌道として2車線を確保した場合、残る2車線で処理できる交通量の目安は1万2,000台だとしています。2万台を減らす手法が問われるとしました。本市は、4%の自動車交通削減での試算を示していますが、これだけの削減で交通状況を維持できるとしていますが、この点についての見解をお示しください。 次に、需要・収支予測についてお聞きいたします。LRT導入なら、1日に3万人から3万8,000人が利用して、収支は3億9,000万円から6億7,000万円の黒字、BRTなら、1日に2万5,000人から3万1,000人が利用して、4億6,000万円から7億円の黒字が見込めるとしていますが、この数字の根拠はどこにあるのでしょうか、お伺いいたします。 前にも紹介した宇都宮市のLRTの需要予測は、1日に1万6,000人です。人口は、本市が約46万人、宇都宮市は約52万人で、かつ宇都宮市のLRTのルートには、中心部だけではなく、工業団地、学校施設が含まれています。それでも、現地においては、需要見込みは過剰ではないかとの指摘も上がっていると聞いています。一方で、本市のルートは中心部のみです。金沢港クルーズ船の入港以外は、どれだけの市民の利用があるのか、疑問視する声が以前から出ています。このことから、1日に2万5,000人以上の利用者があるとは思えません。もし仮に、利用者のほとんどを国内外からの観光客と見込んでいるのであれば、それは質問の冒頭で述べた誰のための公共交通かが問われます。改めて、市長の見解を伺うものです。 新しい交通システムの導入よりも、市民が望んでいるのは、郊外やバスの便数が少ない地域に対して、気軽に利用できるコミュニティバスや乗り合いタクシーなどを導入することです。本市の財政基盤に即し、かつ市民からの要望に応じた公共交通の整備、検討を目指すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。 公共交通の整備に当たっては、フィーダーバス運行も検討されるとのことでありますが、フィーダーバスとはどういうものなのでしょうか、お伺いいたします。そして、どのように利用するのかもお伺いいたします。 このフィーダーバスが、市民が求めるコミュニティバスだというイメージなのであれば、そして都心軸に新交通が整備されないと実現できないというのであれば、市民の求めることではありません。早急に、生活圏域を大切にした、市民の日々の足となる公共交通を考えてほしいと思います。また、住民合意を図ることが前提になります。多額の事業費を要する交通システムの計画を市民に知らせる必要があると思います。市民合意の形成について、どのように進めようとお考えなのかお伺いいたします。あと2回の検討委員会で、市民の合意なく、機種を決定するというのは行うべきではありません。市長の姿勢をお伺いして、次の質問に移ります。 新型
コロナウイルス感染が広がっています。石川県内に適用されている13日までのまん延防止等重点措置は解除されました。本市の感染状況は、いまだに収まっていません。この間、県は飲食店に時短要請を出し、金沢市のみ、時短要請を午後8時までとしたところです。5月16日に政府のまん延防止等重点措置の適用が始まり、対応した事業所に協力金を支出するとしています。休業要請に応えた事業所への補償は当然のことであり、重要なものです。また、協力を求めるのが6月13日までとしていますが、今後もまだまだ感染は続くと思われます。コロナ禍で大きな打撃を受けたのは、飲食店だけではありません。クリーニング屋さんは、皆さんが外出しなくなったので、洋服などの洗濯物が減ったと言い、4月から特に仕事が落ち込み、本来ならば今の時期は夜遅くまで仕事をしているはずだが、午後3時ぐらいには仕事がなくなっている、これでは生活がやっていけないと言います。飲食店を含めた他の業種についても継続的な支援を求めますが、いかがでしょうか。また、商店街で店を構えている骨董屋さんは、冷やかしに店に寄ってくれる人もいない、1日の売上げが2,500円だった、これでは家賃も払えんと嘆いていらっしゃいます。家賃を払わなければならないところは、どの業種も本当に大変です。今後も事業を継続していただくためにも、全業種の実態調査を行い、要望を聞くなどして、支援策を考えてほしいと思いますが、いかがでしょうか。 収入減少に伴う事業所の支援に、国の月次支援があります。いろんな業種が適用となります。この支援策に、県も上乗せで支援しているとのことですが、この月次支援の申請方法が難解です。事業者に対して、国・県・市の支援策の相談や申請の仕方をサポートする相談窓口を設けるよう求めますが、いかがでしょうか。 この中小業者への融資制度は広くつくられていますが、事業者からの切実な声は、融資ではなく、給付の支援が欲しいというものです。中小業者が営業を継続していけるよう、国の持続化給付金の再給付を国に求めることが必要と考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 次に、高齢者の生活の実態をどう支援するのかお伺いいたします。 新型
コロナウイルス感染症拡大により、外出自粛などで、外に出歩かないようにしているという高齢者の方が多くいらっしゃいます。天気のよい日にグラウンドゴルフなど楽しんでいる姿や、外のベンチに座って会話を楽しむ姿を見なくなりました。こうした状況が続けば、高齢者は不安感だけが強まってしまう心配があります。特に独り暮らしの高齢の方の生活が気にかかります。内閣府が行った高齢者がふだんの生活で楽しいとしている活動は何かとの調査の中で、仲間と集まりおしゃべりをすること、同じ趣味の人と交際することなどが上位を占める結果が出ています。しかし、コロナ禍で、デイサービスを1年以上お休みしている人がいらっしゃったり、配食サービスの声かけの安否確認も配慮しているとの声もお聞きしています。地域の行事もなくなり、外出や対話をする機会も少なくなった今、高齢の方が精神的に落ち込んでいないか心配していると支援センターの方が言っておられました。地域包括支援センターでは、特に気がかりな高齢者の方には、自宅への訪問や介護予防チラシなどの投函などで安否確認に心がけしていると言います。民生委員も、見守りが必要な方への声がけを心がけてはいますが、コロナ禍で感染防止の観点から、見守り活動はめっきり減ったと言います。そこで、高齢者が孤立化するおそれが高まっていると思いますが、これまで、高齢者の見守りについてどのような取組を行ってきているのかお伺いいたします。また、まん延防止等重点措置の解除後の地域の支え合い活動、地域サロンなどの再開の考えをお尋ねいたします。 今回、新型
コロナウイルス感染拡大に伴い、地域での活動も休止になっています。地域有志の
ボランティアの方が月1回開催している食事会や毎週開かれていたランチなど、楽しみにしていた活動でした。コロナで、地域活動そのものが機能しなくなってしまう事態になりました。誰もが生活に不安を感じている中で、地域の共助や
ボランティアに頼るところが大きかった高齢者支援ですが、本市が主体的に高齢者福祉を進めることが何よりも必要ではないでしょうか。本市の高齢者数は、総人口の27%になっています。地域や施設など、地域の
ボランティアが担ってきた定期的な食事会などの高齢者の孤立化を防ぐ取組について、今後、本市も積極的に協力してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。 孤立化と併せて懸念されるのが生活の困窮です。ある75歳パートの方は、年金だけでは生活ができないのでこの歳まで働いている、マクロ経済スライドによって年金は減らされ、コロナ禍で収入も減っています。その上、病気もあり、少ない年金から医療費の負担が大きくなっています。そういう中で、国は、75歳以上の医療費窓口負担について、単身世帯の場合、年収200万円以上、複数世帯の場合、320万円以上の約370万人を1割から2割に引き上げる高齢者医療費2倍化法が成立しました。2022年度後半にも実施しようとしています。75歳以上の窓口負担は、原則、現在1割です。今でも、窓口負担は、通院の頻度が高い高齢者に重くのしかかっています。2倍化されれば、大打撃は必至です。治療が長期にわたる糖尿病患者などの受診率が抑え込まれ、病状が悪化し、入院に至ったケースも少なくないとされています。若い世代のためという言い分も成り立ちません。今回の改悪で軽減される労働者1人当たりの保険料は、月平均わずか33円と計算されています。コロナ禍の中で、重症化しやすい高齢者は、感染してはならない、感染を防止しなければと生活をしています。そういう中で、追い打ちをかけるように医療費の2倍化、市長はどう思われますか、お伺いいたします。そして、高齢者医療費2倍化法は、コロナ禍でやる施策ではなく、撤回すべきと国に対してきっぱり言うべきだと思いますが、いかがでしょうか。お伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
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久保洋子議長 山野市長。 〔山野之義市長登壇〕
◎山野之義市長 7番大桑議員にお答えいたします。 新しい交通システムについて何点かお尋ねがございました。誰のためのものかということであります。少子化、高齢化は、避けることができません。車、自家用車を御利用されない方も増えてくるというふうに思っています。また、環境問題というものも、これから避けて通ることはできません。そういう意味から、公共交通の重要性というものは、より一層全ての市民、国民にとって大切な視点だと思っています。ここは御理解いただけるというふうに思っています。本市は、平成28年度に検討委員会から御提言をいただきました。公共交通の利用促進、また、新しい交通システムの導入空間の確保、様々な課題の解決に向けた取組を進めてきたところでもあります。都市交通
ネットワークの再構築によりまして、金沢市民はもちろんのこと、近隣の皆さんも、御利用される全ての皆さんにとっても、大切なシステムだというふうに考えています。 広く市民に利用してもらえるのかということであります。本市公共交通
ネットワークの幹の利便性、効率性の向上を図り、市内公共交通
ネットワーク全体の持続可能性を確保していくことが大切だというふうに思っています。市民の理解が必要だと、私も思っています。必要な取組を行い、多くの方に御理解、御利用いただけるように、公共交通
ネットワークを充実させてまいります。 宇都宮のLRTの事例を出されました。社会情勢の変化や安全性、利便性の向上を高めたいということで変わったというふうにお聞きしているところであります。今回の金沢市の検討委員会では、導入の方向性を示すために、有識者を交えての議論を行っているものであり、より具体的な事業内容につきましては、今後、段階を踏んで、さらに検討を重ねていくことになります。 まずはコロナ対策が必要ではないかということであります。もちろんコロナ対策も大切なことでありますし、これまでも、議会の皆さんと議論をさせていただきながら、様々な施策に取り組んできました。一方では、これからのまちの将来を見据えた様々な施策も必要だというふうに思っています。この公共交通の充実ということも、活力とにぎわいをもたらす都市の装置として大切であるというふうに考えています。今ほど申し上げました人口減少、高齢化社会、環境対応のまちづくり、持続可能なまちづくり、そういう視点から必要な投資であるというふうに考えています。 郊外部での対応も必要ではないかということであります。今回の導入検討委員会は、導入機種の方向性を議論するものでありますが、交通が不便な郊外の路線との関係性につきましては、次期交通戦略における大切なテーマだというふうに思っています。引き続き、丁寧かつ着実に検討していかなければいけないというふうに思っています。 都心軸の交通量のことについてお尋ねがございました。本市が行いました交通シミュレーションの結果では、まちなかの自動車分担率を4%削減できれば、専用走行空間を確保しても、都心軸や並行する幹線道路の混雑度は現状と同程度とされています。まちなかの自動車分担率は、徐々に減少しているところであります。AIなどの新技術を活用した金沢MaaSも推進しながら、また、パーク・アンド・ライドの利用拡大も訴えていかなければいけないというふうに思っています。公共交通の利便性向上により、自動車の流入抑制に努めていくことが、どういう形であろうが、大切なことだというふうに思っています。 観光客の利用を見込んでいるとするならば本末転倒ではないかということでした。需要予測につきましては、実際のバスの利用者数を基に、将来の人口減少も見据えて見積もった数字であり、現実に即したものであります。新しい交通システムの導入検討に当たりましては、何よりもまずは市民の移動というものを第一義的に考えています。もちろん、来街者の方々も含めた利用者の利便性の向上も大切でありますし、効率的な運行の確保を通じ、本市における公共交通
ネットワークの再構築に取り組んでまいります。 コミュニティバス、乗り合いバスが大切ではないか、また、郊外部におけるフィーダー交通、フィーダーバスのことについてもお尋ねがございました。本市における公共交通
ネットワークは、第2次金沢交通戦略に基づき、大きく分けて、まちなかやまちなかと郊外をつなぐ公共交通重要路線と、郊外における支線を意味するフィーダー交通により構成していくとの方向性をお示ししているところでもあります。事例といたしましては、地域住民が主体となる地域運営交通--デマンド交通ともよく言われているところでありますけれども、そういうものなどが挙げられるところであります。本市も、郊外における移動手段の確保は大切であると思っています。地域運営交通につきましては、大浦・川北、内川、薬師谷の3地区での運行を支援し、住民負担の軽減も図りながら、さらなる運行地区の拡大を目指していきたいと考えています。 もっとしっかりと議論をすべきだという御提案でございました。導入検討委員会では、有識者等の皆様より専門的な観点からの御提言をいただくべく、議論をいただいているところであります。この委員会での議論の状況も踏まえ、市民の皆さんの理解を深めることが大切であるというふうに思っています。その方法や在り方についても、検討を重ねなければならないというふうに思っています。 コロナ禍における事業者支援について何点かお尋ねがございました。今回だけではなく、継続的な支援が必要ではないかということであります。これまでも、昨年の3月の議会から、定例月議会はもちろんのこと、何度かの緊急議会、臨時会を通して、継続的な支援を行ってきました。今年に入ってからも同様であります。特に、つい1週間、10日前ですけれども、5月の補正予算におきましてお認めいただきました市独自の支援金の支給、商店街が実施するプレミアム付商品券の発行など、既に、その予算の可決を受けて動いていただいている商店街の皆さんもあるところでもあります。そのサポートも引き続きしていかなければいけないと思っています。 関連事業者のことについてもお触れでございました。国においては、月次支援金制度を創設されました。本市に相談があった場合は、その制度の御紹介もさせていただいているところであります。そして、本市は、常に県御当局と連携を取りながら進めているところであります。県の6月補正予算案につきましては、国助成金に上乗せをする関連事業者向けの新たな支援制度が提示されたところでもあります。今ほど申し上げましたように、市の施策、県の施策、国の施策、連携を図りながら、コロナ禍における経済対策に全力で取り組んでまいります。地域の皆さんの声を聞きながら、議会の皆さんの声を聞きながら、必要に応じて、できる限り迅速に対応していきたいというふうに思っています。 もっともっと声を聞いていくべきではないかというところであります。窓口も設けているところであります。小まめに議会を開催しておりますのは、市民の代表である議会の皆さんからも様々な提案をいただきたい、そんな思いからでありまして、引き続き意見交換を重ねていきたいというふうに思っています。そのことが、御提案いただきました実態調査よりも、より迅速な形で対応できるものというふうに理解しています。 持続化給付金の再給付を国に求めるべきではないかということでした。第4波とも言われる今回の状態でありますけれども、既に新聞、テレビ等々でも御存じかと思いますけれども、これまでと違って、いや、これまで以上に、地域によって、また、産業によって、大きな差異が出てきているところであります。国の一律の持続化給付金というよりも、むしろ地域の実情に応じた即効性のある対策、私は、こちらのほうが必要ではないかというふうに思っています。まん防を指定された都市とも連携もしながら、引き続き、財政支援措置を国に求めていきたいというふうに思っています。 高齢者の見守りについてお尋ねがございました。コロナ禍にありましても、配食サービスや、独り暮らしの高齢者緊急通報システムの運用などを行ってきました。民生委員の皆さんのお力もお借りしております。まちぐるみ福祉活動推進員の皆さんも、小まめな見守り活動を行ってきているところでもあります。引き続き連携を取っていきたいというふうに思っています。 地域サロンは、なかなかこの状態の中で開催は難しいとお聞きしています。本市では、社会福祉協議会と協力しまして、感染防止に配慮した地域サロン開催ポイントというマニュアルを策定し、これまでも取り組んできました。ただ、地域の実情によって様々でありますので、工夫を凝らして、地域のサロンの運営に取り組んでいただけるよう、市としても支援を重ねていきたいというふうに思っています。 多くの市民団体の皆さんが、本市が出しております福祉
ボランティア活動交付金を活用しながら、活動を行ってきていただいているところでもあります。その地域の様々な事情もありますので、地域に精通された多くの方たちの自主性も尊重しながら、引き続き、求められるならば、可能な限りの支援に取り組んでいかなければいけないというふうに思っています。 高齢者医療費のことについて、医療費窓口の2倍のことについてお尋ねがございました。持続可能な制度にしていかなければならないという国の考え方は、私は理解できるものであります。国のほうでも慎重に議論し、苦渋の決断の中で、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を継続的に次の世代も引き継いでいくために御判断された、私は一定の役割を果たすものだというふうに理解しています。来年の10月以降が施行だと聞いております。当面は、負担増を抑える経過措置も導入されますことから、国に撤回を求めることは考えてはおりません。 私のほうからは以上です。
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久保洋子議長 鳥倉
都市政策局長。
◎鳥倉俊雄
都市政策局長 新しい交通システムにつきまして、市が試算いたしました需要・収支予測の根拠についてお答え申し上げます。収支試算の基礎となります将来の想定需要につきましては、北陸鉄道より提供されました既存バス利用者数のデータを基に、国立社会保障・人口問題研究所の示す、より厳しい人口推計を踏まえ、算定をいたしております。その上で、国の財政的な支援措置を活用することを前提に、まずは初期投資を除いた事業者の運行に関する収支予測をお示ししたものでございます。 以上です。
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久保洋子議長 山田経済局長。
◎山田啓之経済局長 コロナ禍での事業者の相談窓口についてお答えいたします。本市では、昨年の4月末、新型
コロナウイルスの国内での感染拡大を受けまして、第一本庁舎の2階に、金融相談員等を配置しました緊急経済対策総合窓口を開設し、中小企業等からの融資や助成に係る問合せや相談に対応いたしました。昨年8月からは、コロナ禍において厳しい環境にある中小企業等の経営強化や企業支援等に関する相談にも対応するため、第一本庁舎の5階に、新たに中小企業活性化推進員を配置いたしました中小企業・小規模事業者総合応援窓口を開設し、事業者の相談等に対応しているところでございます。これらの窓口では、必要に応じ、市職員が対応する体制も取っており、本市の支援策のみならず、国・県の支援制度に係る問合せにも丁寧に対応しているところでございます。 以上でございます。
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久保洋子議長 換気のため、しばらくお待ちください。 6番熊野盛夫議員。 〔6番熊野盛夫議員登壇〕(拍手)
◆熊野盛夫議員 コロナ禍を乗り越えるための主要な手段として、国はデジタル戦略を打ち出しました。未来を担う子どもたちには1人1台ずつ端末を与えて学習を進めるGIGAスクール構想の下、本年4月より、金沢市でも、全小中学校でデジタルを活用した授業がスタートしました。最初の質問は、走り出したGIGAスクール構想の現場についてお尋ねいたします。 創生かなざわの熊野盛夫です。 先日、学校現場で端末を使った授業に積極的に取り組む先生から、いろいろなお話をお伺いする機会がありました。まず、メリットについてお聞きしました。最も大きなメリットは、これまで字を書くことが苦手で、それゆえ勉強にも興味を持てなかった子どもたちが、端末を与えられることをきっかけに、勉強に対して意欲的な態度で授業に臨んでいるということです。そのことによって、当然、習熟度に関しても手応えを感じているとのことでした。次に、単語のテストを端末を使って行うことにより、瞬時に正解が分かり、採点する手間も省けるようになったとのことでした。そして、さらに端末を使うことによって可能性の広がりを感じている旨、お聞きしました。また、お聞きした先生の学校では、生徒から端末使用に当たって感じた課題をアンケート調査し、同様に先生方にもアンケート調査を行い、それらの意見を基に、端末使用のルールづくりも進めているとのことでした。定まったルールは、それで固定されるわけではなく、さらに時間がたったところでアンケート調査を行い、状況に応じてアップデートしていくつもりであることをお聞きしました。そして、端末の使用に当たり、自分たちがルールづくりに関わることは、生徒たちにとって別の思考の刺激にもなっているとお聞きしました。GIGAスクール構想から始まる新たな教育の夜明けを感じました。しかし、2か月間という短い期間であっても、様々な課題が出てきたことについて聞かせていただきました。まず、端末にはしっかりフィルターがかけられているので驚くほどではありませんが、生徒間で性的刺激の強い画像のやり取りが行われていたり、簡単ではありますが、裏技を使ってゲームをしていたということです。この問題は、非常に奥が深いと思われます。思春期の子どもたちにとって、性的刺激のあるものに興味、関心を抱くことは自然なことです。また、ゲームをしたい一心で、様々な障壁を越えてゲームをするということも、当然のことながら、本来の使用目的に反するものです。しかし、子どもたちの興味、関心をゲームからそらすということは並大抵の努力ではできないのではないかと危惧されるからです。あるいは、端末がオンの状態で、先生が教壇で話をされても、その話に対して子どもたちの注意力が極端に落ちている状況であることを言われました。また、授業中の端末の使用について、それぞれの先生に任されているところが大きく、先生間、あるいは学校によって、かなり利用の度合いの差があるのではないかといった御指摘もいただきました。これらの課題について、教育長の御見解をお聞きいたします。 本議会の市長の提案説明において、今月中にKANAZAWAスマート・スクールプロジェクトの検討会を立ち上げることが示されました。有識者等の意見を踏まえ、ICTを活用した学習環境の向上や学校運営の効率化を検討されるとのことです。この検討会での議論は大いに期待されます。それは、金沢型と称される学習スタイルに黒船のごとくやってきた、世界とつながる、あるいは世界が広がる学習端末は、その使い方一つで、子どもたちの未来に大きな影響を及ぼすと思われるからです。文部科学大臣も、2019年12月、児童・生徒向けの1人1台端末と高速大容量の通信
ネットワークを一体的に整備するための経費が盛り込まれた令和元年度補正予算案の閣議決定がされた後、GIGAスクール構想についてメッセージを発出しています。その文章には、端末を活用した個別最適化した学びによって、多様な子どもたちを誰一人取り残すことがないようにと書かれています。この原点をしっかり踏まえて議論を進めていただきたいと思います。さて、この個別最適化した学習について考えてみたいと思います。個別最適化した学習は、究極のところ、35人の児童・生徒がいれば、35人がそれぞれにふさわしい内容の学習を端末を使って学ぶということです。つまり、習熟の度合いによって、全児童・生徒がばらばらな学習をするということです。しかし、個別最適化よりも、グループ学習で有効な事例もあります。他県の先進的な取組として紹介された事例ですが、社会科の調べ物を端末でネットを使って調べ、その内容をウェブ上でまとめて、それらをレイアウトして発表するという授業のスタイルでした。なるほど、グループのメンバーそれぞれで、調べる人、まとめる人、レイアウトする人と力を合わせれば、かなり面白いことができそうです。グループ内の達成感にもつながります。では、個別最適化に最もふさわしい学習は何でしょうか。私は、算数、数学ではないかと思っています。一度つまずいてしまうと、その先もう何が何だか分からなくなってしまう、つまずいたときから高校を卒業するまでずっと、算数、数学の授業が苦痛でしかなくなる、そのような子どもたちを何人か見てきました。そうならないために、ここはAIを活用すべきだと思います。1題の問題を解く過程で、どこで間違えたのか、間違えた箇所に応じて、戻って再学習すべき課題が与えられるシステムです。分からない児童・生徒は、どこが分からないのか分からない、あるいはなぜ分からないのか分からないといった声が聞かれますが、それらを見える化するよう仕組まれたシステムが必要かと考えます。そして、その問題システムをつくるために、ある程度、データも集積する必要があるかもしれません。端末の奥にどのような仕組みをつくるのか、これからの教育の課題になってくると思われます。教育長のお考えをお聞きいたします。 先生が教室で35人と向き合うときに、個別に苦手な部分を探りながら授業を進めることは非常に難しいと思われます。端末の威力が最大限発揮できるよう、様々な取組を期待いたします。現在、学内のみで使用されている学習端末ですが、2学期からは自宅へ持ち帰ることが可能となり、自宅学習にも使用してもらう方針が示されていますが、それに当たって、教育委員会が考える注意点や留意していることについてお尋ねいたします。 また、1人1台ずつの端末ですから、児童・生徒数の多い学校では、その充電によって電気代の上昇も考えられると思いますが、現状の電気代についてもお聞きいたします。 また、市内全ての教室にエアコンも設置され、この夏からの電気の使用料金はかなり高額になることが予想されますが、その対応についてもお聞かせください。 子どものデジタル戦略の次は、高齢者に対するデジタル戦略についての質問です。 今議会の市長提案説明において、ICTを活用した町会活動の活性化を図るため、町会役員を対象に、市政情報や地域活動を配信する専用アプリの利用講習会を開催していくことが示されました。本庁の窓口業務等も積極的にデジタル化が図られていますが、地域の中での活用は、市民生活において極めて重要ではないかと思われます。まず、この講習会の開催に向けた市長の思いをお聞かせください。 次に、デジタル活用支援員についてお聞きいたします。先日、中能登町で、高齢者や障害者がスマートフォンのアプリを使いこなしたり、ネットショッピングを気軽に利用したりする環境を提供しようと、デジタル環境活用支援員による実証事業に乗り出したことが建設工業新聞で報道されました。若者や子育て世代が支援員を務めることで、多世代間交流の促進や地域の活性化につなげることを目的とした産官学が連携した県内初の取組で、総務省のデジタル活用支援員推進事業の地域実証事業に採択されたものです。町は、NPO法人北陸地域活性化推進協議会、テレコムサービス協会、北陸先端科学技術大学院大学、計画情報研究所で構成する町デジタル活用協議会が支援員の募集や研修等の管理運営を担い、町の社会福祉協議会や商工会青年部、社会福祉法人が協力します。支援員は10人程度、支援員となる若年層らに新たなビジネス創出の機会を提出し、人口流出に歯止めをかける狙いもあります。専門家から、高齢者や障害者への対応の仕方、教え方のポイントについて講習を受けてから、正式に支援員として活動してもらい、具体的な研修会は9月頃からスタートし、基本的なスマートフォンの使用方法の説明から始め、写真の撮り方や無料通話アプリ--LINE、近距離無線通信--Bluetoothによるカラオケマイクの使い方、さらに百人一首などのゲームアプリ体験も計画されているとのことでした。高齢者や障害者の社会のつながりをデジタルによって強固なものとし、さらに若年層の新たなビジネス創出にもつなげる狙いを持ったすばらしい試みではないかと思われますが、いかがでしょうか。市長のお考えをお聞きいたします。また、金沢市でも、このようなデジタル活用支援員の仕組みを取り入れる御検討をされてみてはいかがでしょうか。お考えをお聞きいたします。 この質問の最後に、高齢者に対するデジタル戦略の今後の方向性についてお尋ねいたします。御高齢でも、スマホを自在に操り、世代を問わず、多くの人々とコミュニケーションして、人生を謳歌されている方が次第に増えてきているように思われます。コロナ禍で、遠く離れたお孫さんに直接会えないもどかしさを克服するために勉強されたり、文化活動のサークルで直接会ってミーティングができないので、何とか仲間に教えてもらい、スマホを触れるようになりましたとのお声もお聞きいたしました。スマホやデジタル機器を賢く使えば、脳の活性化につながり、認知症の対策にもなるとの知見もあります。加賀市では、高齢者が新たにスマホを購入する際の助成金制度を設けました。高齢者のデジタル戦略は、今後の高齢化社会において、避けては通れない重要な課題であると思われます。金沢市の今後の方向性についてお聞かせください。 次は、防災に関する質問です。 先月の20日に、これまでの避難勧告を廃止し、避難指示に統一する改正災害対策基本法が施行されました。本市では、この改正に応じ、防災情報シートを全戸配布されることが示されました。避難勧告をなくし、避難指示に一本化したことは、近年の降雨量の激甚化に伴い、様子見の時間を置くことなく速やかな避難を促すもので、国が各自治体に対し、緊張感を持って対応すべきことを求めていると感じております。本市として、どのように受け止められたのかお聞かせください。 そして、災害時、私たちは、いざ避難所へ向かう際、マップがあり、場所を確認し、そこへ向かいます。しかし、先日、市内の車椅子ユーザーの方から、マップに載っている小学校に、数年前にグーグルマップを見て避難所の小学校の入り口がどこになるのか調べたけれども、分からなかったとお話しいただきました。そして、その旨、市の危機管理課に電話で尋ねても、避難所に行けば、その場に人がいるから、誰かに言えば手伝ってもらえますよといったことを言われた旨お聞きしました。それは、手伝ってくださいと言えば手伝ってくれると思いますよ、だけれども非常事態で誰もが避難所に早く向かっている状況で、簡単に、すみません、私、車椅子なので、どなたか手伝ってくださいとは言えないものですよ、役所の人にそんなことを言われ、正直びっくりしました、そのようにおっしゃいました。そして、その方は、実際に何度も、小学校のどこから入れるのか、入り口を探しましたが、どうしても見つけることができませんでした。その後、そのことを御自分の担当のケアマネさんに相談したところ、一緒に行ってくれるとのことで、同伴で小学校に向かわれたそうです。そして、喜びの電話をいただきました。熊野さん、入れたわ、親切なケアマネさんと一緒に行ったら行けたわ、大喜びでした。詳細を聞いてみたところ、車椅子の方の案内板があったのですが、高さが高くて見えなかったとのことでした。車椅子ユーザーの方の動線では、車椅子ユーザーの目線でなければならないのです。言われてみれば当たり前のことですが、非常に大切なことです。これを機に、全ての避難所の車椅子での経路の確保と案内板の見える化に取り組んでいただきたいと思われますが、いかがでしょうか。お考えをお聞きいたします。 次は、カーボンニュートラルとガス事業・発電事業民営化についての質問です。 政府は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする政府目標の達成に向けた工程表--地域脱炭素ロードマップの骨子案を4月14日に示しました。その中に、政府と自治体が協力し、全国の100か所以上を脱炭素先行地域と位置づけ、30年度までに実質ゼロのモデルをつくることをうたわれました。そのことを受けて、4月の経済環境常任委員会で、金沢市として、この脱炭素先行地域として手を挙げるおつもりはないのかお尋ねいたしました。そのときは、検討するとの御答弁をいただきました。その後、どのような検討がなされ、どのような結果になったのかお聞きいたします。政府は、この先行地域に対し、資金面で継続的、包括的な支援を行うことも打ち出しております。選定されるかどうかは別として、積極的に手を挙げるべきではないかと思われますが、本市の御見解をお聞きいたします。 また、金沢市は、脱炭素先行地域として手を挙げるにふさわしい再生可能エネルギーによる発電システム--水力発電事業を全国の唯一の自治体として有しています。現在、本市は民営化の方針を打ち出し、優先交渉権者と仮契約を結ぼうとしています。しかし、優先交渉権者のうち、2番目に株式を有する予定の東邦瓦斯が、報道のとおり、価格カルテルの疑いで公正取引委員会の調査を受けています。このとき、同時に調査が入った関西電力では、このことを踏まえ、募集を始めていた600億円の社債の発行を中止しました。中部電力も同様に、100億円の環境債であるグリーンボンドの起債を見送りました。コンプライアンスの観点から、一旦立ち止まるという当然のスタンスです。しかし、金沢市は、そのことについて明快な見解を出していません。コンプライアンス--法令遵守は、この民営化を進めるに当たっての最も基本的なスタンスであり、それをなくして市民の信用は得られないと考えますが、いかがでしょうか。市長の御見解をお聞きいたします。 金沢市は、「未来につなげる“ゼロカーボンシティかなざわ”をめざして」と銘打って、金沢市地球温暖化対策実行計画を本年2月に策定しました。2050年にゼロを目指す本市の目標は、国に先立って提示されたものでした。しかし、その後、政府は、4月にアメリカのバイデン大統領によって主催された気候サミットにおいて、2030年、基準年比マイナス46%という、さらに一歩進んだ計画を発表されました。国のこの取組に呼応するために、金沢市も新たな行動指針を早急につくり直す必要があります。そのためには、さらにアイデアを集め、知恵を絞らなければなりません。新たな目標達成のために、金沢市として、気候変動イニシアチブに参加してはいかがでしょうか。この気候変動イニシアチブは、気候変動対策に積極的に取り組む企業や自治体、団体、NGOなど、国家政府以外の多様な主体の緩やかな
ネットワークです。アメリカでは、企業、州政府、自治体などがウィー・アー・スティル・インという
ネットワークをつくり、トランプ政権でのパリ協定離脱表明後も、気候変動対策の強化に取り組んできました。また、このアメリカでの取組を受け、他の国々でも、国家政府以外の多様なアクターの横断的な組織をつくる動きが始まっています。気候変動イニシアチブは、こうした国際的な動きと連携するものです。全国の自治体では、東京都や長野県、滋賀県、あるいは京都市、近江八幡市、高松市、横浜市など、37の自治体が加入しています。先進的に取り組もうとしている企業やNPO、自治体と情報交換することで、新たな方策も見えてくることが予測されます。市長の御見解をお伺いいたします。 最後に、マスクの着用についての質問です。 今年2月、大阪府高槻市の小学5年生の男児がマスクを着用して体育の授業に臨んだと見られ、5分間の持久走の後、亡くなられたことが先月末、報道されました。原因については、現在も調査中とのことですが、子どもを持つ多くの保護者の中で動揺が広がりました。そのことを受けて不安を感じた子育て中のママさんグループから、マスク着用に関して、市長、教育長に適切な指導を求める要望書の提出を求められました。議会前の多用なタイミングにもかかわらず、その声をしっかり受け止めいただきましたこと、ママさんグループに代わって厚く感謝申し上げます。また、新聞社4社も取材報道いただきました。気温、湿度の上昇とともに熱中症のリスクがどんどん上がっており、命の安全の観点から報道をいただくこと、重く受け止めている次第です。さきの大阪での痛ましい報道を受け、現在、教育現場での体育の授業のマスクの着用状況と指導についてお尋ねいたします。 子どもたちが自分で状況に応じ、適切にマスク着用について判断することは、年齢にもよりますが、厳しい面もあるのではないかと思われます。実際、厚生労働省は、マスクの着用について、マスクは飛沫の拡散予防に有効で、新しい生活様式でも一人一人の基本的な感染対策として着用をお願いしていますが、マスクを着用していない場合と比べると、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇するなど、身体に負担がかかることがあります。したがって、高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなるおそれがあるので、屋外で人と十分な距離、少なくとも2メートル以上が確保できる場合には、マスクを外すようにしましょうとしています。また、文科省は、十分な身体的距離が確保できる場合のマスク着用は義務づけておらず、気温、湿度、暑さ指数の上昇によって熱中症の危険があるときは、マスクを外すよう推奨しています。また、熱中症対策を優先するようにも書かれています。さらに、体育の授業中のマスク着用も必要なしとしています。これらの見解の周知についてお尋ねして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
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久保洋子議長 山野市長。 〔山野之義市長登壇〕
◎山野之義市長 6番熊野議員にお答えいたします。 まずは、町会役員を対象としたアプリ講習会の件であります。今年の4月に、町会連合会等と協定を締結いたしました。来月の上旬に、町会連合会の役員の皆さんを対象とした町会活動アプリの利用講習会を開催したいと思っています。熊野議員おっしゃったように、市政情報であったりとか、防災情報を配信していきます。アプリと聞いたら特にスマホなどでは若者というイメージがありますけれども、これを基本的な操作だけでも活用いただければ、一つ一つ電話で出欠を確認したりとか、そういう作業が大幅に、もうなくなることもありますし、少なくなることもあります。むしろ高齢者にとっては有益なものだというふうに思っていますし、また、一方では、やっぱり若い方たちも参加する、その一つのきっかけにもなるかというふうに思っていまして、地域コミュニティーの活性化が一層促進されることを期待しています。 国が実証事業として実施したデジタル活用支援員の仕組みについてお尋ねがございました。大変有益だというふうに思っています。デジタル機器の操作を習得したい高齢者にとって、私は大変意義のあるものだというふうに思っていまして、金沢市といたしましても、この制度を活用し、地域の公民館等において講習会を開催したいというふうに考えています。 防災について、避難指示への変更についてお尋ねがございました。法改正が行われました。近年の大規模災害の際には、避難情報が分かりにくい、結果として逃げ遅れてしまう可能性がありますし、実際に、そういうケースも多発したという報道もなされています。市民が災害時に取るべき避難行動を、もう直感的に理解できるようになった、そんな法改正であるというふうに受け止めています。災害から市民の生命を守るために、今回の改正内容を速やかに伝える必要があると思っていまして、既にホームページに公開したほか、市民が災害時に取るべき行動を分かりやすく伝えるため、防災情報シートを新たに作成し、今月中に全戸配布したいと考えています。さらに、広報番組であったり、かがやき発信講座なども活用しながら、あらゆる機会を捉まえて周知の徹底を図っていきたいと思っています。 脱炭素先行地域についてお尋ねがございました。地域脱炭素ロードマップに掲げられた脱炭素先行地域につきましては、現在、国において、地域の現状や課題、取組状況等を把握するための調査を行っている段階だとお聞きいたしています。今年度の末までに、地域選定の具体的な要件、さらには手続をまとめるというふうにお聞きしておりますので、まずその状態を待って、その動向を注視をしながら、さらに具体的な検討をしていくことができればというふうに思っています。 ガス・発電事業民営化のことについて、優先交渉権者の1社に公正取引委員会の調査が入った、他の会社も含めた公正取引委員会の調査が入った他の事例も含めて御提案をいただきました。まず、状況が違うということを御理解いただければと思います。今おっしゃった関西電力、中部電力のことだったと思いますけれども、その社1社の御判断の中で対応をされたんだというふうに思っています。まさにいみじくもおっしゃったように、優先交渉権者を構成する1社であります東邦瓦斯という法人と、今回の優先交渉権者とは別法人であるということも御理解いただきたいというふうに思っています。本市は、当然、お約束に基づいて動いているところであります。募集要項に資格喪失事由というものを明記しているところでありますが、その資格喪失事由には該当しないということもあります。契約手続上は問題がないというふうに思っておりまして、引き続き、譲渡に向けた手続、話合いを進めていきたいというふうに思っています。 気候変動イニシアチブのことについてお尋ねがございました。本市は、既に、ゼロカーボンシティ宣言も行った自治体で組織されていますゼロカーボン市区町村協議会なるものに加入して、脱炭素社会の実現に向けた具体的な取組の議論を協議会の皆さんと共に取り組んでいるところであります。全国で160の市区町村が参加しているところであります。国への提言等について、加入自治体との連携も行っているところでありまして、私は、この協議会を大切にしていきたいというふうに思っていまして、御提案もいただきました気候変動イニシアチブの参加につきましては、今のところは考えてはおりません。 私のほうからは以上です。
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久保洋子議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 初めに、GIGAスクール構想によって、学習用端末が4月からいよいよ本格的に使用が始まりました。それから2か月がたったわけですが、その間において、議員が御懸念として感じておられることについて何点か御質問がございましたので、お答えさせていただきたいと思います。初めに、学習用端末の不適切な使用、また、集中力の低下、そして利用度合いの開き、このことについてお答えさせていただきます。まずは、使用されている学習用端末でありますけれども、必要なフィルタリングがかけられておりますので、不適切なコンテンツ等には接続できないことになっております。また、各学校におきましては、情報モラル指導カリキュラム表を作成しながら、情報の発信や情報をやり取りする場合のルール、そしてマナー、不適切な情報への対応の仕方などを計画的に指導いたしますとともに、また、端末を活用する場面と活用しない場面を効果的に授業の中で組み合わせながら、児童・生徒が集中して学習に取り組むことができるようにしております。加えて、指導の基本を示したICT版金沢型学習スタイルに基づく実践を進めますとともに、学習用端末等を効果的に活用した好事例を教育委員会が発行するGIGAスクール通信や交流会の開催を通して共有することで、学校間で利用度合いに開きがないように努めております。5月の連休が終わりましてから、私も積極的に、今、学校のほうに入らせていただいています。実際に学習用端末を使っている授業を見させていただきながら、この授業ではこれをこんなふうに使ったらもっと効果があるよ、それからここはいいね、それから場合によっては、ほかの学校で使われているような、やはりこれはいいなと思うことについては御紹介したりしながら、積極的に先生方と意見交換しております。これからもしっかりと取り組んでまいりたいと思います。 次に、2番目になりますが、個別最適化学習についてお尋ねがございました。現在使用している学習支援ソフトにつきましては、既に一人一人が解答した結果に合わせ、再学習が必要と判断された内容につきましては、類似する問題が出題されるドリル機能が搭載されておりまして、今後、児童・生徒の学習上の様々なデータを蓄積しながら、指導に生かしていくことといたしております。また、近々立ち上がることになりますが、KANAZAWAスマート・スクールプロジェクト事業におきましては、学習用端末と連動した授業・学習系システムや、今後導入予定の校務支援システム等に蓄積された各種教育データを連携させることで、子どもたちの学びを可視化し、学習指導、生徒指導等の教育の質の向上を図っていきますとともに、学校全体のデジタル化、このことについてもしっかりと進めていきたいと思っております。 次に、2学期からの自宅の持ち帰りということについてお触れになりました。家庭に持ち帰り、自宅学習に使用する際には、教育委員会が作成いたしました学習用端末を活用するためのハンドブック等を活用して、事前に、情報モラルや健康面への影響等に加え、端末を使う際の目的や意義について児童・生徒に指導いたしております。また、保護者の方々に対しましては、端末の設定を変更しないこと、他人に貸さないこと、大切に扱うことなど、子どもが学習用端末を活用する際の留意点等を、学校だより等を通じながら周知いたしております。 次に、1人1台の学習用端末の整備や教室へのエアコン設置に係る電気料金についてお尋ねがございました。本年度4月から5月にかけての小中学校の電気料金は、1か月当たり約2,000万円となっています。昨年度は、コロナ禍によって臨時休業でありましたので、比較が難しいものでございますから、一昨年度の同時期と比較をいたしますと、ほぼ変わっておりません。学習用端末の使用による影響は、ほとんど見られないと考えております。また、エアコンの稼働に当たりましては、各学校に稼働時間や設定温度などの指針を示して、効率的かつ適正な運用により節電を図ってまいります。今後とも、必要となる経費につきましては予算措置してまいりたいと考えています。 次に、マスクの着用についてもお尋ねがございました。初めに、体育の授業におけるマスク着用の状況と指導についてお答えいたします。本市におきましては、これまでも、国や県の通知に基づきまして、体育の授業では、マスクを着用する場合は呼気が激しくなるような運動を控える、必要に応じてマスクを外す場合は他の児童・生徒との距離を2メートル以上確保するなど、指導いたしております。今後も、児童・生徒の健康と安全を第一に考えて、運動を行う際にマスクを着用する場合には、十分な呼吸ができなくなるリスクや熱中症になるリスクが指摘されている現状を踏まえ、運動時のマスクの着脱についてきめ細かく指導してまいります。 次に、屋外で十分な距離が確保できる場合、または熱中症の危険がある場合にはマスクを外すとした国の通知をどのように周知するのかということについてお尋ねがございました。本市では、国の衛生管理マニュアルに基づいて、学校における基本的な感染症対策として、近距離での会話や発声等が必要な場面では、飛沫を飛ばさないよう、マスクの着用を徹底しております。加えて、国の通知を踏まえ、各学校に対しましては、児童・生徒の熱中症事故の防止に向けて、体育の授業中や熱中症の危険性がある場合等は外してもよいこと、運動部活動中のマスク着用の必要はないこと、マスクを外す際には、身体的距離を確保し、咳エチケットの指導を徹底することなど、校長会議や通知文等を通して周知徹底いたしておるところでございます。 以上でございます。
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久保洋子議長 上野危機管理監。
◎上野浩一危機管理監 車椅子ユーザーの避難所経路の確保についてお尋ねがございました。今般の災害対策基本法の改正では、車椅子の利用者など障害をお持ちの方や御高齢の方など支援を要する方、お一人お一人の避難方法を事前に決めておく個別避難計画の作成が有効であるとし、市町村に計画作成の努力義務を課し、普及を求めております。災害時に円滑かつ迅速な避難行動を取るため、個々の実情に合わせて、避難所までの経路をあらかじめ確認しておくことは大変重要であり、その確認の結果、案内板など、避難所の利用に関して改善すべき点があれば、できる限り速やかに対処してまいります。 以上でございます。 〔「議長、6番、再質問」と呼ぶ者あり〕
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久保洋子議長 6番熊野盛夫議員。
◆熊野盛夫議員 今ほどの避難所のことなんですけれども、やっぱり自分で行ってみるというのはすごく大事で、例えば避難所だと学校ですよね。学校だと、例えば入り口まで行けるけれども、中まで入っていいのかどうなのかとか、やっぱりいろんな不安というのがあると思うのですよね。やっぱりそういったこと、今こういう時期ですので、誰も彼もが学校とかには入ってはいけないというのは当然のことなので、しっかり管理されていると思うのですけれども、その避難所としての通路等の確保を確認したいという方が来られたりと、そういうようなことについてはどのようにお考えでしょうか。
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久保洋子議長 上野危機管理監。
◎上野浩一危機管理監 まず、今ほど熊野議員から貴重なアドバイスを頂戴いたしましたので、まずこのことを参考にいたしまして、私ども自身が車椅子ユーザーの方、そういった目線はもとより、様々な方の目線に立って、いま一度、各避難所の経路、あるいは案内板などを点検して、その上で改善すべき点が見つかれば、できる限り速やかに対処したいと思っております。あわせまして、もし実際に現地を見たいということがあれば、また私どものほうに御要望いただければ、また相談に乗りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上です。
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△散会
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久保洋子議長 これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 次の本会議は、明日17日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後3時58分 散会----------------------------------- 〔参照〕----------------------------------- (写) 発金議議調第51号 令和3年6月9日 (2021年) 金沢市長 山野之義様 金沢市議会議長 久保洋子 議場への出席要求について 地方自治法第121条第1項の規定により、令和3年度金沢市議会6月定例月議会における6月16日の本会議に説明のため次の者の出席を求めます。
選挙管理委員会委員長 木梨松嗣
選挙管理委員会書記長 前田 斉...