令和 3年 6月 定例月議会 令和3年6月15日(火曜日)◯出席議員(38名) 議長 久保洋子 副議長 山本由起子 1番 荒木博文 2番 田中美絵子 3番 喜成清恵 4番 上原慶子 5番 稲端明浩 6番 熊野盛夫 7番 大桑初枝 8番 粟森 慨 9番 新谷博範 10番 麦田 徹 11番 中川俊一 12番 坂本泰広 13番 高 誠 14番 喜多浩一 15番 上田雅大 16番 小間井大祐 17番 前 誠一 18番 高岩勝人 20番 宮崎雅人 21番 松村理治 22番 下沢広伸 24番 森 一敏 25番 小林 誠 26番 源野和清 27番 広田美代 28番 玉野 道 29番 森尾嘉昭 30番 秋島 太 31番 澤飯英樹 32番 中西利雄 33番 清水邦彦 34番 黒沢和規 35番 野本正人 36番 福田太郎 37番 横越 徹 38番
高村佳伸◯欠席議員(なし
)-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長 山野之義 副市長 相川一郎 副市長 村山 卓 教育長 野口 弘
公営企業管理者 平嶋正実 都市政策局長 鳥倉俊雄 総務局長 松田滋人
文化スポーツ局長 山森健直 経済局長 山田啓之 農林水産局長 長谷進一 市民局長 松田俊司 福祉健康局長 高柳晃一
こども未来局長心得 藤木由里 環境局長 吉田康敏 都市整備局長 坪田英孝 土木局長 坂本敦志 危機管理監 上野浩一 会計管理者 中坂暢江 消防局長 喜田 徹
市立病院事務局長 荒舘 誠 財政課長 津田
宏-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長 東 利裕 担当次長兼議事調査課長
議事調査課担当課長 安藤哲也 小村正隆 議事係長 山口賢一 調査係長 今川良太 主査 富川朗人 主査 前田和紀 主査 北本剛太 主任 竹村太志 主任 辻 卓也 書記 小西孝博 総務課長補佐 多田育代 主査
打越洋平-----------------------------------◯議事日程(第2号) 令和3年6月15日(火)午前10時開議 日程第1 議案第18号 令和3年度金沢市
一般会計補正予算(第4号) (提案理由説明、質疑) 日程第2 議案第1号令和3年度金沢市
一般会計補正予算(第3号)ないし議案第17号金沢市の区域内で野々市市長が市道を認定することの承諾について (質疑) 日程第3
一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件 議事日程(第2号)に同じ----------------------------------- 午前10時1分 開議
△開議
○久保洋子議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
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△会議時間の延長について
○久保洋子議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。 なお、上着の着用は御自由に願います。
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△議案上程
○久保洋子議長 これより、日程第1議案第18号令和3年度金沢市
一般会計補正予算(第4号)を議題といたします。
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△提案理由の説明
○久保洋子議長 市長から提案理由の説明を求めます。 山野市長。 〔山野之義市長登壇〕
◎山野之義市長 ただいま追加提出いたしました補正予算案について御説明を申し上げます。 先般、政府が決定した生活困窮世帯への新たな支援策や感染拡大の防止に向けて、県と連携して実施する高校、大学等の寮生を対象とした一斉検査に速やかに対応するため、今回追加提案を行うものです。 現在、
市社会福祉協議会において、コロナ禍の影響で収入が減少された方などを対象に、生活資金等の特例貸付を実施しておりますが、この貸付の限度額に達したことなどで制度を利用できず、厳しい状況に置かれている方に、世帯人数に応じた支援金を新たに支給いたします。 加えて、国の制度改正に伴い、住居確保給付金の再支給に係る申請期限を9月末まで延長しますほか、
雇用調整助成金の特例措置を7月末まで継続されますことから、これに併せ、市単独の上乗せ助成制度も延長することとし、雇用の確保に最善を尽くしていきます。 このほか、県と連携して、今月中に市内の高校や大学等の寮生を対象としたPCR検査を実施し、学校における感染拡大の未然防止に努めます。 こうした対応に必要な経費として、総額で2億2,400万円の補正予算案を追加計上するものです。 よろしく御審議、御決議のほどお願い申し上げます。
○久保洋子議長 提案理由の説明は終わりました。
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△議案上程、質疑・一般質問
○久保洋子議長 これより、議案第18号についての質疑に入るのでありますが、議事の進行上、この際、日程第2議案第1号令和3年度金沢市
一般会計補正予算(第3号)ないし議案第17号金沢市の区域内で野々市市長が市道を認定することの承諾について、以上の議案17件も一括して議題とし、これらの質疑並びに日程第3一般質問を併せ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 35番野本正人議員。 〔35番
野本正人議員登壇〕(拍手)
◆野本正人議員 おはようございます。 質問の機会を得ましたので、
自由民主党金沢市議員会の一員として、また、6月定例月議会のトップバッターとして、以下、数点質問させていただきます。 最初の質問は、
新型コロナウイルス感染症対策について、まず、高齢者及び一般市民へのワクチン接種についてお尋ねいたします。 去る5月6日に65歳以上を対象とした
新型コロナワクチン接種の予約受付が始まった本市では、当初、コールセンターや地域の医療機関の電話がつながらない状況が続き、診療にも支障が出るなど混乱が生じましたが、その後は落ち着きを取り戻し、当初の予定どおり、先月15日から接種が開始されました。本市においては、国が掲げる7月末完了という目標を達成するため、医療機関等の協力を得て集団接種会場を確保し、受入れ人数を増やすなど体制強化を進めておりますが、接種を担う医療従事者の確保や県全体としてのワクチン供給の見通しなど、課題も数多く残されております。そこで、高齢者への
ワクチン接種開始から1か月が経過した現段階での接種状況と完了の見通し、また、その後の16歳から64歳を対象とした一般接種の開始見通しについて、以下、数点にわたりお伺いいたします。 特に64歳以下のワクチン接種については、対象者が大幅に増えること、会社員や学生などは平日の接種がままならないこと、企業や学校の協力が不可欠なことなど、新たな課題に直面することは間違いありません。後手を踏まないよう、今の段階から対策を進めておくことが必要だと考えますが、事前にどのような準備を進めていくお考えか、できるだけ具体的にお聞かせください。 また、ワクチン接種に関して各自治体が頭を悩ませているのが、ワクチンの重複予約問題であります。複数の医療機関でワクチン接種を予約しましたが、キャンセルを怠ったため、最悪の場合ワクチンが余り、廃棄してしまうこともあるそうです。本市の対策についてお聞きいたします。 変異ウイルスが猛威を振るう中、確実な感染抑止策もなかなか見いだせない現状では、時間はかかってもワクチンの接種率を着実に進めていくことしかコロナに打ちかつ道はないのでしょうか。日々奮闘しておられる医療従事者をはじめ、感染拡大防止のために全力を尽くしておられる全ての皆様に心から感謝申し上げますとともに、改めて一日も早い終息を願うものであります。 次に、的確かつ具体的な感染状況の開示についてお尋ねいたします。先月12日、谷本県知事と県内市町長による
新型コロナウイルス対策に関するオンライン会議が開催されました。席上、山野市長は、県当局への要望として、クラスターの陽性者がどのような状況で感染したのかの報告を求め、県民が対策を取りやすいことを念頭に置いた具体的な情報提供の必要性を訴えました。私も全く同感であります。個人や企業等の情報保護の必要性は重々承知しておりますが、一方で、市民・県民の命と健康を守るためには、いつ、どこで、どのような状況でクラスターが発生したのか、具体的な情報開示があって初めて当該自治体において有効な対策を講じることができるのではないでしょうか。この点についての市長の所見をお伺いいたします。 次に、コロナで疲弊した本市経済の立て直しについてお尋ねいたします。
金沢市内飲食店への
石川緊急事態宣言及び政府の
まん延防止等重点措置による営業時間短縮要請により、市内繁華街はまさに閑散とした状態が続き、人通りはすぐには戻る気配がありません。一昨日で両方とも解除されたものの、繰り返される要請に多くの飲食店は疲弊し、落胆と諦めの声が聞こえるばかりであります。今本市の中心市街地は、まさに危機的状況にあると言っても過言ではありません。金沢駅前地区における金沢都ホテル跡地問題、武蔵地区におけるエムザ売却問題、香林坊地区における日銀移転、加えて、今回のコロナ禍による片町地区をはじめとする飲食店の落ち込みなど、観光、交通、宿泊、物販、飲食といった本市を代表する幅広い産業がそれぞれに大きな打撃を受けております。先般の臨時議会において、特に厳しい経営を強いられている飲食店への緊急支援金の交付が決定しました。財政調整基金の取崩しなど限られた財源を工夫し、本市独自の救済策を打ち出した強い姿勢には高い評価をするものですが、一方で、先の見えない現状に不安を募らせている方々への長期的な視点に立った支援こそ、何より必要なのではないでしょうか。市長には今回の時短効果及び本市の経済活動全体への影響をしっかり分析、検証し、国・県の財政的支援を強く求めるなど、金沢のリーダーとして市民一人一人の胸に響く強力なメッセージを発していただきたいと願うものであります。市長の所見をお伺いし、この質問を終わります。 質問の2点目は、私のライフワークである本市の新しい交通システムについてであります。 これまでにも数回取り上げておりますが、
コンパクトシティー構想と併せたLRT成功の国内第1号として、全国的に極めて評価の高い先進都市富山市においては、この政策をさらに推進するべく、昨年10月から、富山駅から環水公園を結ぶ新しいモビリティーであるBBを運行しております。BBとは、
シャンゼリゼ通りに代表される街路樹や側道を備えた広い道路を意味するフランス語のブールバール、公共の乗り物であるバス、そして
次世代モビリティーサービスであるMaaSを掛け合わせた造語であり、グリーンスローモビリティーと呼ばれる時速20キロメートル未満で公道を走行することが可能な
電動モビリティーを採用し、毎週土日祝日の午前10時から午後4時までの間、約20分間隔で運行され、乗車料金は無料とのことであります。また、このBBは、今年度から3か年かけて富山駅北口広場から環水公園に続く広小路空間をウォーカブルな緑の都市空間として再整備する
ブールバール広場構想の一環として、中心市街地の新たなまちづくりと連動し、組織の垣根を越えて進められてきております。市長はまず富山市のこの施策をどのように評価し、何を学ぶべきとお考えか、所見をお伺いいたします。 富山県、富山市ともに、最近新たなリーダーが生まれました。富山県においては民間出身の新田知事が誕生し、時を経ず、富山市においては藤井市長が誕生しました。前任の森市長とは肝胆相照らす仲であり、サックスの手ほどきを受けた間柄ともお聞きしておりますが、金沢の首長として、今後も新田知事や藤井市長とはできるだけ連携を密にし、意見交換することで、交通政策をはじめ、お互いのまちづくりにとってウィン・ウィンの関係が構築できると考えます。富山県や富山市との連携についての市長のお考えをお聞きいたします。 翻って、新しい交通システムに関する今年度予算を拝見しますと、
都市内交通体系構築費としてそれなりに予算は確保されているものの、一向に具体的な進捗が見えてきません。今年度計上されている予算の具体的な中身について、以下、数点お尋ねいたします。 まず、新しい交通システムの導入に向けて、導入機種の方向性を検討するとして計上されている新しい
交通システム検討調査費及び導入環境の課題解決に向けて調査を実施するとして計上されている新しい
交通システム導入環境整備事業費についてであります。この2つの予算は、私が知る限り、どちらも5年以上が経過しております。つまり5年以上という長い時間と多額の経費をかけて、ただただ検討と調査を繰り返していることになります。スピードを信条とする山野市長にしては、まさにらしくない予算措置だと考えるものですが、この点についての市長のお考えをお伺いいたします。 今年度、BRTまたはLRTのいずれかの新しい交通システムの本格導入に向けて新たな
導入検討委員会が設置されることとなり、初会合が先月25日に開催されました。私も、金沢都市圏新
交通導入議員連盟の一員として大きな期待を寄せているところであります。この検討委員会は年3回程度開催されるとお聞きしておりますが、第1回目の委員会で議論された内容及び今後のスケジュールについてお示しください。 報道によれば、主に工期や収支予測の観点から両者の優位性が比較されたようでありますが、私は、大気汚染物質や温暖化ガスの排出といった環境負荷低減の観点こそ何より重要と考えています。今世界の大きなトレンドとなっているのが、カーボンゼロ、またはカーボンニュートラルと呼ばれる温暖化ガスの排出量を実質ゼロにしようという取組であり、政府も2050年までにカーボンゼロを達成する目標を掲げております。私は、こうした地球環境保全の観点からは、やはり本市の新しい交通システムはLRTを優先として採択すべきと考えます。電気自動車の普及には走行距離などいまだ大きな課題があり、早期の本格導入を目指すためには、まずはLRTに軍配を上げるのが合理的ではないでしょうか。環境負荷低減の観点からの新しい交通システムについての市長の所見をお伺いいたしますとともに、あわせて、こうした検討の際には、ぜひ先進都市富山市の交通政策に精通し、広い視野と知見を有する学識者の意見もお聞きしていただきたいと考えるものですが、市長のお考えをお聞きし、この質問を終わります。 質問の3点目として、
金沢版SDGs未来都市の実現について、以下、数点お聞きいたします。 御承知のように、2015年の国連持続可能な開発サミットにおいて採択されたSDGsの思想は、それまでの地球環境や開発途上国を犠牲にしても自国の経済発展を優先するという考え方から、誰一人取り残さない社会の実現を目指し、経済、社会、環境をめぐる広範な課題に共同して取り組むという考え方に一変し、国際社会全体として掲げられた17の目標と169のターゲットに対し、手を携えて進んでいくというもので、我が国としても、国を挙げてその実現に取り組むこととしております。市長当選の翌年に東日本大震災を経験し、職員や物資の派遣、震災瓦礫の受入れなど復興支援に尽力されてきた市長には、SDGsの思想に強く共感するところが多々あろうと想像するものですが、一人のヒューマンな政治家として、このSDGsへの思いをまずお聞かせください。 内閣府においても、地方創生につながる
自治体SDGs施策を推進し、その達成に向けて戦略的に取り組んでいる都市を
SDGs未来都市として選定することとし、2018年から募集が開始されたところであります。本市も昨年度、「世界の
交流拠点都市金沢の実現~市民と来街者が「しあわせ」を共創するまち~」を掲げた金沢市
SDGs未来都市計画を策定し、市民生活と調和した持続可能な観光の振興というテーマで、その年の
自治体SDGsモデル事業に採択されております。そこで、市長には環境や自然保護をはじめ、数あるSDGsに関わる課題の中で、あえて観光を特に注力する先導的な取組として掲げた理由、首長としての思いをまずお聞きいたします。 今年度予算においても、
金沢SDGs行動計画の実践のため、
金沢SDGs未来都市計画推進費2,400万円が計上されております。フェスティバルの開催や民間資金の活用検討などが挙げられておりますが、その具体的な内容及び想定されるスケジュールについて、所管の都市政策局長からお答えください。 一方で、経済局所管の当初予算においては、持続可能な
観光振興推進費及び責任ある
観光推進事業費が計上されております。いずれも市民生活と調和した持続可能な観光の振興を具現化するための予算だと認識しておりますが、それぞれの予算の具体的な内容及び想定されるスケジュールについて、所管の経済局長からお答えください。 コロナ禍により観光産業全体が危機的状況にあります。インバウンドや首都圏からの誘客が当面見込めない中、どの自治体も対策に苦慮しております。コロナ禍という新しい生活様式に対して、地方や近隣からの誘客にかじを切り直すためには、本市単独ではなく、同じ悩みを抱える自治体との広域連携が不可欠だと考えます。そこで、例えば北陸・飛騨・
信州3つ星街道誘客推進協議会のメンバーであり、本市より1年早く
SDGs未来都市に選定された南砺市、本市と同じく観光をテーマに掲げ、先月新たに
SDGs未来都市に選定された高山市、さらには白川村や松本市などと、新しい生活様式に対応する観光振興の在り方というテーマで胸襟を開いて議論する場を、本市が提唱して設けてはいかがでしょうか。市長のお考えをお聞きいたします。 同じく、地方創生につながる
自治体SDGsの具現化に当たっても、1つの自治体だけではなく、自治体相互間の広域的な連携が不可欠であります。これまで
SDGs未来都市に指定された県内自治体は、珠洲市、白山市を皮切りに、小松市、加賀市、能美市と金沢市の6つであり、今後も幾つかの自治体が増えてくることは確実だと思われます。それぞれの自治体により掲げたテーマは異なりますが、
SDGs未来都市という共通のキーワードの下、たとえ対面が無理でも、オンラインなどで県内自治体が一堂に会して、今後の
自治体SDGsの在り方について議論する場を設けてはいかがでしょうか。その旗振り役としては、フットワークの軽さと行動力が信条の山野市長が適任だと考えるものですが、市長の所見をお伺いし、この質問を終わります。 質問の4点目として、
本市デジタル戦略の推進について、幾つかお尋ねいたします。 情報通信技術の急速な進展とコロナ禍によるテレワークの推進をはじめとする働き方改革により、民間、公共問わず、デジタル戦略の推進は喫緊の課題となっております。国においても、先般、本年9月の
デジタル庁創設を目玉とする
デジタル改革関連法が可決成立し、菅内閣が看板政策として掲げるデジタル化の推進に一層のはずみがついたところであります。民間企業出身でICT技術にも明るい山野市長は、本年2月に市長を本部長とする
デジタル戦略推進本部を立ち上げるとともに、今年度当初の機構改革で
デジタル行政戦略課を新設するなど、いち早く体制整備を進めてこられたことには、こうした国の政策を先取りし、自治体としての準備に怠りなしを期すという観点からも、一定の評価をするものであります。そこで、まず市長に、デジタル社会の進展に伴い、今後の自治体行政におけるデジタル戦略の必要性をどう認識されているのか、その思いをお聞きいたします。 今年度当初予算においては、「誰ひとり取り残さない
デジタル戦略都市・金沢」の実現を旗印に、新しい生活様式における行政サービスの提供、地域社会におけるデジタル化の促進など、80にも及ぶ事業が網羅されております。しかし、掲げられている内容を理解しようと私なりに一生懸命努力してみましたが、英語や片仮名表記、専門用語の羅列が目立ち、これでは誰一人取り残さないとうたっている割には、私を含めて多くの人は取り残されてしまうのではないでしょうか。5G、デジタルトランスフォーメーションなどはよく聞く言葉ではありますが、実は私は、その内容がよく分かっていません。さらに、シビックテック、スマートワーク、RPA、AI-OCRとなると、まさにお手上げという感じであります。さきの3月定例月議会で中西議員も指摘されておりましたが、せめて予算概要書などはできるだけ外来語や省略語を使用せず、美しい日本語で表現していただくよう、改めてお願いしておきます。 また、デジタル戦略の議論とは少しずれますが、今年度の機構改革において、温暖化対策室をゼロ
カーボンシティ推進室に、また、
人権女性政策推進課を
ダイバーシティ人権政策課に改称するなど、わざわざ日本語を英語に置き換えて表現されております。しかし、このような改称の目的が市民の国際感覚の醸成であるとすれば、まさに大きな勘違いと言わざるを得ません。初めて市役所を訪れた人が、誰でもああこの課はこんな仕事を担当する課なんだと分かるような組織名称を心がけるべきと考えるものですが、市長の所見をお伺いいたします。 人口に膾炙するという言葉があります。人々の話題に上ってもてはやされ、広く知れ渡るという意味ですが、先ほどから述べているこれらの片仮名言葉は、どの程度人口に膾炙しているのでしょうか。金沢市全体として本気でデジタル戦略を進めようとするのであれば、子どもからお年寄りまで広く市民の人口に膾炙する広報戦略こそ、初めの一歩ではないでしょうか。市長としてデジタル戦略を分かりやすく周知するために、具体的にどのような広報戦略をお持ちなのかお尋ねいたします。
本市デジタル戦略の拠点となるべき施設が、本年8月に開館予定の金沢未来のまち創造館であります。最先端技術を活用した新たなビジネスや食・工芸の付加価値創出、子どもたちの創造力の育成など、掲げられている目的は華々しく、多様であります。しかし、多額の税金を投入して整備する以上、ゆめゆめ一部愛好者や専門家のみが利用する施設にならないよう、最大限の配慮が必要であります。誰一人取り残さない
本市デジタル戦略の拠点として、子どもからお年寄りまで幅広い市民が利用しやすい施設となることを切に願うものですが、金沢未来のまち創造館にかける市長の思いを最後にお聞きし、私の質問を終わります。(拍手)
○久保洋子議長 山野市長。 〔山野之義市長登壇〕
◎山野之義市長 35番野本議員にお答えいたします。 まず、
コロナワクチンのことですけれども、64歳以下のワクチン接種のことについてお尋ねがございました。まずは感染リスク等を勘案しまして、60歳から64歳までの方、基礎疾患のある方、そして高齢者施設等の従事者に対して、この3つの層に対して優先接種を行っていきたいというふうに思っています。その他の方につきましては、接種券の発送、予約の受付の時期を年齢別に分けていきながら、段階的に接種券の発送を行っていきたいと思っています。65歳以上の方たちと決定的に違うのは、御指摘がありましたように、現役でお仕事をされている方が多いというふうに思われるということ、そしてもう1つは、かかりつけ医をお持ちじゃない方も多いというふうに思っています。そんなことから、65歳以上の場合と違いまして、最初の段階から集団接種の会場を利便性のよいところに設けていきたいというふうに思っています。また、土曜日、日曜日も利用ができるように、そういうことも考えながら準備を進めていきたいというふうに思っています。行政だけではできません。金沢市医師会、薬剤師会をはじめ、多くの皆さんのお力をお借りもし、また、石川県御当局や企業、団体の皆さんのお力もお借りしなければいけないというふうに思っています。希望される方の接種の早期完了に向けて、関係者と近く意識を共有する場を設けなければいけないというふうに思っています。 具体的な情報開示のことについてお尋ねがございました。野本議員がおっしゃるように、我々、多くの市民の皆さんも、決して個人情報を知りたいというわけではなくて、開示された情報から自分たちが気をつけなければいけない具体的な取組を学びたいというふうに思っているところであります。そんな思いから、私は、意見を申し上げさせていただきました。県御当局も御理解いただいているというふうに思っていまして、丁寧な説明を重ねていただいているというふうに思っています。金沢市の場合は保健所を有しておりますので、保健所の保健師が感染者に直接対応し、様々な事案をお聞きしているところでありまして、その経験も踏まえた情報発信ということもしていかなければいけないというふうに思っています。改めてマスクの大切さということも具体的な数値をもって確認できたところでもありますので、そういう発信もしていきながら、市民の皆さんと危機感を共有していきたいというふうに思っています。 市民の皆さんへの強力なメッセージを発信すべきではないかということでした。私は、去年の2月の段階から、できるだけ小まめに記者会見を開くようにしていました。感染者の情報は、これは県で一元化して発信していくということで統一をしておりましたけれども、それ以外の様々な事案につきましては市長自ら記者会見を開く。なぜか。あまりにも未知なことが多かったので、市民の皆さんとその段階での知見を共有したいというふうに思ったからです。新たな知見が判明した段階でまた記者会見を開きながら、やはり市民の皆さんと危機感、問題意識を共有するということをずっと心がけてきました。その間、具体的な策を打っていくときには、何度か緊急議会、臨時会を開かせていただいて、こちらは議会の皆さんと問題意識を共有し、発信してきたところであります。今年に入ってからも2月、4月、5月と緊急議会、臨時会を開催し、その都度思いもお伝えし、記者会見もし、市民の皆さんにメッセージを発信してきたところであります。引き続き、その思いを持って取り組んでいかなければいけないというふうに思っています。国に対しても、地域の実情に応じた即効性のある対策が講じられるよう、引き続き財政支援等々を要望していきたいというふうに思っています。 富山市のグリーンスローモビリティーのことについてお尋ねがございました。私も報道で見聞きしているところではありますけれども、まだ実際に乗車したこともありませんし、当事者から御意見もお聞きしたことがありませんので、機会がありましたらぜひ具体的な御指導をいただきたいというふうに思っています。先進的な取組だというふうに報道を通して感じています。本市の交通事情というものも踏まえていかなければいけませんけれども、近く設立を予定しています金沢MaaSコンソーシアムにおいて、新しい交通サービスの在り方を検討する予定でありまして、様々な観点から公共交通の確保、利便性の向上に向けて取り組んでまいります。 富山県、富山市との連携です。新しい知事さんになりましてから一度お会いしたことはありまして、コロナが明けたらいろんな意見交換をという話をして、そのときは別れさせていただきました。新しい市長さんにはまだお会いはしておりませんけれども、機会がありましたら意見交換ができればというふうに思っています。富山県、富山市とは既に双方の美術館同士の文化交流も行っているところでありますし、様々な交流もこれからしていかなければいけないというふうに思っています。交通のことをお尋ねです。富山市も参画しています中核都市における新・交通システム研究会に金沢市も加盟をしておりまして、勉強会であったりだとか要望活動も共にしているところであります。互いの都市の個性を生かし合いながらまちづくりに励み、相乗効果が生まれていくような取組をしていきたいというふうに思っています。 新しい交通システムについて、スピード感が足りないのではないかという御指摘でありました。重点戦略計画というものを2013年度に発表いたしました。やはり市民の合意が必要な大切なテーマでありまして、そのときにも、重点戦略計画の中にも今年度中にということで、機種選定を盛り込んで交通実験や議論を重ねてきたところでもあります。平成28年度におきましても、検討委員会の先生方からも、導入空間の確保、自動車交通への影響などの諸課題についてもっと研究をしていくべきだという御意見もいただいたところであります。御指摘のようにスピード感も大切ではありますけれども、まちづくり、市民生活、交通機能などの観点から比較衡量しつつ、総合的な評価を行って導入機種に関する方向性を決定していきたいと考えています。
導入検討委員会で議論された内容と今後のスケジュールのことについてですけれども、課題解決に向けたこれまでの取組の概要、LRT、BRTに関する技術的な検討結果に加え、コロナ禍の影響やゼロカーボンシティー実現の観点を踏まえた今後の検討方針などをお示ししたところであります。また、北陸鉄道がこのコロナ禍の中で大変経営も厳しい状態であります。社長さんからも直接その窮状をお聞きしているところでもあります。乗り継ぎのことについても問題提起がなされました。そんな様々な御意見をいただいたところであります。丁寧かつしっかりと議論を行うとともに、時間を置かずに検討を進めていかなければいけないというふうに思っています。 環境負荷低減の観点が大切ではないかというふうに御指摘がありました。環境負荷の低減、そしてこれから少子化、高齢化が進んでいく中で、公共交通の充実というものはまさに都市の装置として大切なものだというふうに思っています。これは国の方向性とも一致しているものだというふうに思っています。これまでの過度の自動車依存から公共交通への利用転換を進めていくことによって、御指摘ありました環境負荷の低減につながるほか、環境に配慮した次世代車両を導入するということが、低炭素時代、ゼロカーボンシティーの実現に向けた取組につながっていくものだというふうに思っています。先行の事例、新しい技術開発の動向にも注意し、維持管理やコストなどの観点も踏まえながら、総合的な視点で導入の方向性について検討を進めていきます。 富山市の事情に精通した学識者や様々な方の御意見を求めていくことが必要ではないかということでした。私は、前森市長と一緒にこのLRTに乗りながら、また、レクチャーも受けました。また、御紹介いただいた学識経験者、富山大学の先生からも御助言をいただいているところでもありますし、引き続き、広い視点から多くの方の御意見をお聞きしていきたいというふうに思っています。もちろん、それぞれの都市において都市の成り立ちやつくりにも違いがありますので、そういうものも勘案しながらも、やはり地元のことに精通した識者の御意見もお聞きしながら、意見を聴取していきたいというふうに思っています。 SDGsのことについてお尋ねがございました。一人のヒューマンな政治家としての思いをお尋ねになりました。私は、これからの時代、最も大切なキーワードは多様性だというふうに思っています。年齢、性別、またその人のいろんな障害の有無等々も乗り越えて、その人の熱意、個性、強み、そういうものが少しでも発揮しやすい環境をつくっていくことが、私は、これからのまちづくりのキーワードだというふうに思っています。そんな意味では、SDGsが掲げる誰一人取り残さないというものは、端的な表現だというふうに思っています。これまでもパートナーシップ制度であったり、フェアトレードであったりを進めてきました。様々な施策を進めていきたいというふうに思っています。 観光のことについてお尋ねがございました。金沢市は未来都市に選ばれただけではなくて、他の自治体の参考になるようにということで、モデル事業にも選んでいただきました。石川県では金沢市だけであります。これは観光の分野で選んでいただきました。北陸新幹線開業以降、多くの方がお越しいただく、それはそれで大変うれしいことではありますけれども、一方では、金沢らしさが失われつつあるのではないかという懸念も多くの方からお寄せいただいているところであります。ここはやはり観光という意味では大きな課題だという思いで様々な施策に取り組んできましたし、ここはSDGsにもつながる考えだということで提案させていただきまして、このたび内閣府のほうから、観光をキーワードにしてモデル事業として選んでいただきました。様々な御意見もいただきながら、持続可能なまちを実現していく金沢SDGsツーリズムを国のモデル事業としても選んでいただきましたので、しっかり取り組んでいかなければいけないと思っています。これは我々受入れ側だけではなくて、観光にお越しいただく方たちにもやはり責任というものも感じていただきながら提案していくというのが必要ではないか、そんな視点から提案させていただいたことが評価を受けたんだというふうに思っています。責任ある観光客というのは誤解を受けないように、丁寧に説明していかなければいけませんけれども、そのことが世界の皆さんから御理解をいただき、さらにまちの魅力が向上する、そんな好循環を生み出していければというふうに思っています。 北陸・飛騨・信州3つ星街道のことについてお尋ねがございました。大変高い評価をいただいています。観光庁を持つ国交省からも注目していただいているところでもあります。ただ、残念ながら、コロナ禍の中で、国内はもちろん海外へも思うような発信ができていません。逆に言えば、今はこれまでの課題も反省も踏まえて、これから先を見据えた仕込みの期間だというふうに思っています。オンライン等を活用し、海外の現地エージェントを通した市場調査を中心に活動を行っているというふうに、協議会からお聞きしているところであります。広域連携というものは、観光と最も親和性が高いものだというふうに思っていますし、そのことが金沢市のまちづくりでも評価をいただいているというふうに思っています。連携自治体との協議をさらに進めていきたいというふうに思っています。 議論する場を設けてはいかがかということです。実は、今年の1月に、これもオンラインではありましたけれども、県内6都市を含めた北陸の
SDGs未来都市10都市による北陸
SDGs未来都市フォーラムを開催し、情報共有、相互理解、機運醸成に努めてきたところでもあります。引き続き、広域的な連携を通して金沢SDGsを推進していきたいというふうに思っています。 デジタル戦略のことについて何点かお尋ねがございました。デジタルトランスフォーメーションという言葉がありますけれども、先般、ある識者からこんなことをお聞きいたしました。トランスフォーメーション、変容、進化ということが大切なのであって、デジタルはその手段だと、それを間違えてはいけないという御意見をお聞きしたところでもあります。本当にそのとおりだなという思いをいたしました。コロナ禍の中で人との接触も少なくしながら、市役所に足を運ぶことが少しでも少なく、書類を書くことが少しでも少なく、そんな施策を推進することによって、市民の皆さんに利便性を感じていただけるような施策に取り組んでいくことが、誰一人取り残さないということにつながっていくんだというふうに思っています。 組織名のことについてもお尋ねがございました。政策を市民の皆さんにお伝えをし、執行していく段階では、しっかりと市民の皆さんに御理解いただけるように努めていかなければいけないというふうに思っています。野本議員からの御指摘もしっかり受け止めていきながら、言葉の使い方というものも気をつけていって、議会の皆さん、市民の皆さんに御理解いただきやすいような説明にこれからもさらに努めていきたい、そんな御指導だというふうに思っていますので、肝に銘じていきたいというふうに思っています。 そのためにも、広報戦略を工夫していかなければいけないというふうに思っています。今ほど申し上げたことであったりだとか、また、既存の広報戦略というものも大切にしていきながら、分かりやすいこと、ナッジ効果という言葉もよく最近言われているところではありますけれども、これまでの伝え方だけではなくて、伝え方を工夫することによって市民の皆さんにお伝えできるようにしていきたいというふうに思っています。金沢未来のまち創造館につきましても同様の御指摘だというふうに思いますので、市民の皆さんに御理解いただけるように説明を重ねていきたいというふうに思っています。 以上です。
○久保洋子議長 換気のため、しばらくお待ちください。 34番黒沢和規議員。 〔34番黒沢和規議員登壇〕(拍手)
◆黒沢和規議員 新型コロナ感染症がワクチン接種の普及とともに一日も早く収束することを願い、また、日夜その対応に当たられている関係する全ての皆様方に深い敬意と感謝を申し上げ、以下、質問に入らさせていただきます。 質問の第1点は、脱炭素社会構築のための施策の推進についてであります。 去る5月末、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロとする脱炭素社会の実現を明記した改正地球温暖化対策推進法が国会で成立いたしました。この改正法は来年4月に施行されることになりますが、その大きな眼目は、再生可能エネルギーの導入拡大を目指して自治体がそのための推進促進区域を設け、再生可能エネルギーの普及と地域活性化につなげる地域脱炭素化促進事業を積極的に行うための条項が盛り込まれたことであります。このことは、2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロに向けて、地方自治体の取り組むべき役割がこれまでにも増して大きくなったと言えるものであります。今回の法改正に伴う地域脱炭素化促進事業については、今後本市としても従前に増して積極的に取り組んでいくべきものと考えるのでありますが、まずは市長にこの取組についての基本的考え方についてお尋ねいたします。 また、地球温暖化対策推進法に基づき、現在、都道府県や政令市及び中核市では、再生エネルギー利用促進や事業者や住民による温室効果ガス削減活動などを行うための実行計画が策定されており、本市においても、本法や地域気候変動適応法に基づく地球温暖化対策に係る計画的かつ総合的計画として、再生可能エネルギー導入プランを包含させ、さきに金沢市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)を策定したところであります。今般の改正法には、それらの地方自治体の策定する温暖化対策計画に再生エネルギー導入目標の設定についても盛り込まれておりますが、短期目標として本市の実行計画にはエネルギー自給率、これは電力使用量に対する再生可能エネルギーの割合ですが、2030年度で12%として出されております。しかし、これには中長期的目標については示されていないようであり、これらの策定作業が今後求められるのではないかと思いますが、この点はいかがお考えでありましょうか。 また、この際、短期目標としての12%の達成について、どのような手法により実現していくのか、併せてお尋ねをいたすものであります。 ところで、仄聞するところでは、2050年までの温室効果ガス排出量の実質ゼロの実現のため、国は地方自治体と協力して、その工程表として地域脱炭素ロードマップの作成を進めているとのことであります。これは全国から100以上の地域を脱炭素先行地域として選定し、2030年度までに地域内の脱炭素化の達成を目指そうとするものであります。この指定を受けますと、当該地域においては学校や病院、市役所等の公共施設などでの太陽光発電による自家発電設備の設置や建物の断熱性を高めるための改修等が促進され、また、電気や水素を燃料とするバスや電車などの導入による公共交通網の整備についても積極的な援助が行われ、そのことで地方における脱炭素化のモデルとしたいとするものであります。温暖化対策の手段として現在最も導入しやすいものは、太陽光発電であり、水力発電であることは言うまでもありません。先ほど述べました本市の実行計画でも、削減策の基本方針1、再生可能エネルギー等の利用促進と限りある資源の有効活用として太陽光発電の設置等についても示されておりますが、具体的にはどのように進めていくのでありましょうか。短期目標の2030年まであと10年、2050年まで30年ほどであります。時間的に見てもなかなか厳しい状況でありますが、地方としても手をこまねいているわけにはいきません。ゼロカーボン都市金沢に向けて、何としてもその実現に向けての取組を加速化していくことが求められます。市長には具体的にどのような方策をもって本市の脱炭素化に臨んでいかれるのか、御所見をお聞かせいただければと存じます。 ちなみに、横浜市ではオンサイト型PPAモデル形態により、市内の市立小中学校65校に太陽光発電設備と蓄電池を設置すべく、事業に着手したと聞くところであります。小中学校をはじめとする公共施設に自家発電を目的とした太陽光発電設備を設置することは、災害時の避難場所にもなることからしても意義のあることであり、本市においても検討に値するものかと思うものであります。また、小水力発電については、実施計画の基本方針の中でもその促進について示されております。この点についても市長のお考えを御披瀝いただけたらと存じます。 さて、本件について4番目にお伺いしておきたいのは、環境省が、ホームページで2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明自治体なるものを公表しております。これを見ますと、令和3年5月28日現在、表明をしていないのが47都道府県のうち7県で、石川県もこの中に入っています。石川県の表明が今日までなされていない理由等は分かりませんが、それはそれとして、県内の市町で掲載されているのは、昨年の3月定例月議会で市長が表明したと認定されている金沢市、それに加賀市と白山市であります。そして全国で既に表明している236市区115町村の中で、隣接周辺市町村と共同表明しているところが3分の1ほどあります。これは、温暖化対策は市町村単位で施策を展開するよりも、広域的な視点から行ったほうが理にかない、有益であるとの考えによるものと思われますが、本市にありましては、石川中央都市圏の4市2町合同での改めて表明も意味があるのではないかと思うところであります。ぜひともそうした方向で取り組んでいただき、より効果的な二酸化炭素ゼロ社会の実現の一助としていただきたいと思うのでありますが、御見解をお伺いいたします。 そして、脱炭素化を実現する最大の要諦は、化石燃料の使用をいかに減少するかにあることは申すまでもありません。本市のエネルギーの在り方を考えるとき、自動車をはじめとする化石燃料による各種の動力源の転換とともに、市民生活や企業活動におけるエネルギー源となっている都市ガス等の省エネルギー化も図られなければならないと思うのであります。現在、本市ではガス・発電事業の民営化に向けて具体的作業が進められてきており、その必要性等について市民にもるる説明がされてきております。私は、その方向性について理解をいたしておりますが、それはそれとして、化石燃料を原料としている都市ガスもその転換が図られなければならない時期がいずれ来ると、漠然とながらも思うところであります。脱炭素化社会を構築していく上で、社会経済活動の中においてエネルギー供給の根幹的見直しは避けて通れない課題であります。とするならば、まさに今進めようとしている本市のガス・電気事業の民営化については、事業の自由化に対応し、需要者により多様なサービスを提供し、また、利便性を増進するためということだけではなく、脱炭素化社会をつくり上げていく中で、市のエネルギー政策の中でどう位置づけされているのかという視点の説明が改めてされてもよいでありましょうし、また、譲渡される側にこの点の基本的な考え方を求めておく必要もあるのではないかと考えるのであります。ガス事業については、低炭素化時代に向かう現況下にあって、将来的に都市ガス事業についてどう変化をし、存立していくのか、それに伴い私ども需要者はどう対応していくのか、また、発電事業については、再生エネルギーの開発、導入が強く求められ、市も積極的にこれを推進しようとしている中で、発電事業そのものを民間に移譲することについて、ゼロカーボン都市金沢を目指す本市のエネルギー政策の視点からの考え方について、市長の見解を改めて伺っておきたいのであります。 質問の第2は、文化振興に関わる施策の推進についてであります。 その第1は、令和5年に石川県で31年ぶりに開催される第38回国民文化祭についてであります。今回の国民文化祭は、いしかわ百万石文化祭2023として、第23回全国障害者芸術・文化祭と合同で、「文化絢爛」をテーマに、石川県及び県内19市町で開催されるものであります。国民文化祭は、この7月から10月に昨年からの延期開催となる第35回の宮崎県、今年開催予定の第36回わかやま2021が、予定どおり10月から11月に開催されることになっています。石川県は、来年の沖縄県に次いで再来年の開催となります。このほどそのスペシャルアンバサダーとして、狂言師の野村萬斎氏が就任予定との報道がありましたが、県においては、知事が現在開会中の石川県議会において今月中に実行委員会を設置することを表明し、いよいよ本県での国民文化祭の準備が具体的に動き始めたように感じるのであります。前回の国民文化祭は、県全体で実施事業は44、そのうち金沢市の実施事業は8でありましたが、今回は文化、経済、福祉などから94団体の参加が見込まれているとのことであります。国民文化祭は、これまでも個々の実施事業の大半は県下自治体がそれぞれ分担をし、関係各団体の全面的協力の下に実施する形態が取られております。本市におきましては、豊かな伝統文化や生活文化、食文化、芸術や芸能等々、多種多様な文化を有しているだけに、その中心的役割を果たすことが求められることは当然であり、開催に大きな関心と期待が持たれるところであります。しかも、本市では前回の開催以後、市民芸術村や21世紀美術館の開館、クラフト部門におけるユネスコの創造都市の登録、鈴木大拙館や各文学館の建設、そして昨年の国立工芸館の開館といった新たな拠点ともなるべき文化施設等が加わっての開催となります。市長には、2年ほどに迫った本市での国民文化祭の開催について、いかなる期待と抱負を持って臨まれようとしているのか、また一方で、本文化祭は石川県芸術文化協会など、事業実施の直接団体となる多くの県・市内各種文化芸術団体等の深い理解と全面的協力を不可欠とする事業でありますだけに、本市の担当開催事業の決定とそのための実行委員会の立ち上げ等、石川県との緊密な連携の下、早急に行っていくべきものと存ずるのでありますが、御所見をお尋ねいたします。 また、いよいよオリンピック開会まで40日を切るところとなりました。今回の東京大会は、世界的に感染症が収束しない中での開催となり、これまでの大会とはその態様が大きく異なる状況下での実施となります。そうであればこそ、多くの困難を乗り越え、パラリンピック共々成功裏に終えることがオリンピック精神にもかなうものと思いますし、また、もともと今回の東京大会は、東日本大震災からの復興を世界にアピールするという、復興五輪という大きな目的が掲げられていたものであります。そのような中において、オリンピック・パラリンピックのもう1つの大きなテーマとされる開催国、開催都市の文化を国内外に発信し、オリンピック・パラリンピックの精神を発揚するという文化プログラムが、コロナ禍で実質的にほとんど実施できないことは誠に残念なことであります。オリンピックはスポーツと文化の祭典と標榜されており、その精神はオリンピック憲章でもうたわれております。今回の東京大会も、通常であればその精神にのっとり、そのためのプログラムとして文化庁が企画した日本博を核として、全国で多様な文化芸術協賛事業が行われていたはずであります。このことは、オリパラの開催都市ではない本市においても同様であったものと思われます。新型コロナ感染症はいずれ収束に向かい、その後は再び外国人観光客をはじめ、多くの人たちがこの金沢の地を訪れるようになるでありましょう。その日に向けて、文化の祭典でもあるとするオリンピックの精神を踏まえた金沢でしかでき得ない芸術文化事業の実施について、検討されるお考えはありませんでしょうか。お伺いするものであります。 さて、その3として、無形文化財の国の登録制度の創設に伴う本市の対応についてであります。これまで建造物や美術工芸品といった有形の文化財には、文化財保護法により、指定と登録の2つの認定制度がありました。そのことは今さら私が申し上げるまでもないことでありますが、このほどその文化財保護法の一部が改正され、これまで指定のみで登録の制度がなかった無形文化財と無形民俗文化財について、新たに登録制度が設けられました。今回の法改正の趣旨は、今日的状況から存続や維持が難しくなり、いずれ消滅しかねない全国各地の祭りや伝統行事、伝承芸能、また郷土料理などの無形的文化財が国に登録されることにより、国の支援の下に地方自治体共々その保護、継承を図っていこうとするものであります。本市においても古くからの伝承民謡や踊り、獅子舞など、この種の無形文化財や無形民俗文化財が多く存在しているところであり、この制度による国への登録はそれらの保存、維持に大きな力となるものであり、伝承者の減少に悩み、継承に心を砕いてきた地域の人々に一筋の光明をともすことになります。本市における新しい無形文化財や無形民俗文化財登録制度の積極的活用について、市の奨励支援策とともに早速具体的に登録について検討を進めていくべきと存じますが、御所見をお聞かせいただきたいと存じます。 その第4は、地域の歴史遺産の整備と発信についてであります。本市では、かねてより加越国境一帯に残されている城跡や国境の道について、その歴史的価値に着目し、本市の貴重な歴史遺産として、整備、顕彰等を地元の理解と協力を得ながら進めてきました。その結果として、加越国境城跡群及び道が、先年、国の史跡として指定をされたものと理解をいたしております。本市は、本年度事業として大学生を対象とした山城マイスターの養成を行うこととしており、その最初のプログラムとして、加越国境城跡群及び道に関わる切山城や松根城、関連する古道としての小原越や田近越、二俣越などをテーマとするとのことであります。このことは本市の歴史遺産についての市民の理解が一層深まる一助になるものと期待されるところでありますが、本市にはまだ多くの埋もれている中世以前の歴史遺産、史跡等が存在しております。私は、かねてよりそれらの金沢市の歴史遺産に対してもスポットを当て、調査、整備等を行う必要性を感じているのであります。特にそのためには、南部地区で地域を愛する完全なボランティアの会として毎週活動している高尾城址見晴らし台愛好会のような例も参考にしていただき、それは地元の保存会や顕彰団体等でもいいわけでありますが、この種の事業はそうした地元の自主的な団体等の力を全面的にお借りしなければなし得ない事業でありますので、それら地域ボランティアの人々の熱意に応えつつ、市としての施策を進めていただきたいと思うのでありますが、この点についての市長のお考えをお聞きいたしたいと思います。 今回の加越国境城跡群及び道に関わる山城マイスターの養成に併せて、市内の各所に存在するそうした歴史遺産の整備と発信について、本市としてさらに直接的、また積極的に取り組んでいくお考えはないか、お尋ねをいたすものであります。 以上、明快、簡潔な御答弁を期待いたしまして、私の質問を終わらさせていただきます。(拍手)
○久保洋子議長 山野市長。 〔山野之義市長登壇〕
◎山野之義市長 34番黒沢議員にお答えいたします。 改正地球温暖化対策推進法に伴いまして、何点かお尋ねがございました。温室効果ガス排出量実質ゼロを達成するためには、社会の省エネルギー化、温室効果ガスの吸収源の確保とともに再生可能エネルギー量の拡大が必要であり、本市としても今後より一層取り組んでいかなければいけないと思っています。地域脱炭素化促進事業につきましては、現在、国においてその円滑な運用に向け、全国の自治体の現状や課題、制度の活用可能性などを把握するための調査を行っているところであり、その結果等を踏まえ、本市の方向性について検討を重ねていきたいと思っています。 金沢市地球温暖化対策実行計画につきまして、本市のエネルギー自給率について、中長期的目標及び短期目標のことについてお尋ねがございました。2018年に策定された国のエネルギー基本計画では、2030年に向けた数値目標のみを掲げているところでありまして、本市の実行計画におきましても同様としているところであります。ただ、現在、国において計画の見直しがなされているというふうにお聞きをしておりまして、その動向も注視をしながら、御指摘ありましたように、中長期目標の設定についても検討していかなければいけないと思っています。エネルギー自給率の目標達成に向けて、住宅用太陽光発電・蓄電システム、断熱窓、省エネ機器等の設置に対する支援など、市民や事業者の動機づけを図る施策を積極的に展開してきたところであります。既存の小水力発電、バイオマス発電の発電量の増強にも取り組んでいきたいというふうに考えています。 〔議長退席、副議長着席〕 本市の脱炭素化に臨むに当たって、所見のお尋ねがございました。脱炭素社会の構築には再生可能エネルギーの導入拡大、エネルギー使用の効率化が重要でありまして、本市では、温室効果ガス排出量実質ゼロの達成に向けた取組を総合的かつ効果的に推進するため、この4月にゼロカーボンシティ推進本部を設置し、市の全部局の事務事業において温暖化対策の視点を取り入れることにさせていただきました。今年度ですけれども、小中学校や体育施設の体育館照明のLED化工事、道路や公園照明のLED化に向けた調査、さらには公共施設の低炭素化に向け、新築や改修の際に取り組むべき事項を定めた指針や公用車の次世代自動車への転換計画の策定などに取り組んでいくこととしております。今後ですけれども、民間事業者と協力した再生可能エネルギー導入につきましても検討していかなければいけないと考えています。市民、事業者の皆さんとも連携を取っていかなければいけません。再エネ・省エネ設備の設置補助、インセンティブ、環境学習などを通して、市民の皆さんと問題意識を共有しながら取り組んでまいりたいというふうに思っています。 公共施設に太陽光発電などの設置を進めていくべきではないか、小水力発電の促進についてもお尋ねがございました。自家発電を目的とした太陽光発電設備等を設置することは、災害時対応の強靭化という意味からも大変意義のあることだと思っています。本市では、これまでも小中学校をはじめとする30か所以上の公共施設に太陽光発電設備を設置してきたところであります。既存の建築物への太陽光発電設備の設置には、その構造、屋根の形状、発電の効率、費用対効果などの課題もあるところではありますけれども、再生可能エネルギーの導入をさらに促進するためにも、他都市の事例なども参考にしながら、さらに進めていくべく施策を検討させていただければというふうに思っています。小水力発電につきましても、既存の設備の改修時に発電効率、出力の強化を図っていくほか、民間事業者とも連携し、発電設備の設置を促進していきたいというふうに考えています。 4市2町合同で取り組むことが大切ではないかということでありました。昨年度、環境行政担当課長会議をこの4市2町の石川中央都市圏で立ち上げたところでありまして、廃棄物処理、温暖化対策などについて情報共有や意見交換を行っているところであります。御指摘いただきましたように、テーマからいって広域で取り組んでいくことが大変効果的だというふうに思っていますし、効率的だともいうふうに思っています。今後どのような連携が可能か、御指摘いただいたことも踏まえまして、各市町とも検討を重ねてまいりたいというふうに思っています。 将来的に都市ガス事業はどう変化し、需要者はどう対応していくのが望ましいと考えているかとお尋ねがございました。2050年までに脱炭素社会を実現するとの国の方針を受け、ガス業界ではCO2排出係数実質ゼロの液化天然ガスの調達、二酸化炭素と水素から都市ガスを製造する新技術の開発、熱と電気を併せて利用可能なコージェネレーションシステムの普及等を進めるとお聞きしています。加えて、今般の優先交渉権者からは、事業所などにおける最適エネルギーの提案、次世代自動車用の水素ステーションの新設等、需要家支援に向けた新たなサービスも提案いただいているところであります。こうした取組が着実に実践されることによって、地域の脱炭素化と都市ガス事業の持続性確保が図られてくるものと考えています。 再生可能エネルギーの導入の促進に向けて、発電事業を譲渡することのエネルギー政策の視点からの考えについてお尋ねがございました。このたび優先交渉権者からは、自社水力発電100%の地産地消型の料金プラン、市民参加型による小水力発電の開発、地域内利用の取組などの提案がなされているところであり、こうした取組に期待しているところであります。 第38回国民文化祭のことについて、何点かお尋ねがございました。県・市町はもちろんのこと、文化芸術団体等との連携が必要ではないかということでありました。全く同感であります。そこで、今月中に県において実行委員会を立ち上げていただくことになっています。県と県内市町の役割が今後示される予定だとお聞きしているところであります。市といたしましても積極的に関わっていきたいというふうに思っていまして、この県の実行委員会を受けた上で、市実行委員会の発足、実施計画の策定に着手をしていきたいと考えています。御指摘いただきましたように、これは行政だけではなくて、民間の皆さんのお力が必要になってきます。御理解も大切になってきます。県はもちろんのこと、県内の他の市町、そして各種団体等と連携を密にしながら、大会開催に向けた準備に、スケジュールを念頭に置きながらしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えています。 オリンピック・パラリンピックは文化とスポーツの祭典だ、これに合わせての取組についてお尋ねがございました。当初、様々な企画を考えていたところであります。コロナ禍の中で抑制されるところは出てきますけれども、可能な限り本市の特徴、魅力でもある芸能、工芸、食文化、さらには21世紀美術館があります、現代美術、さらには戦災に遭っていません、様々な建築文化というものも感じていただけるように取り組んでいきたいというふうに思っています。国などが認証する文化プログラムとして、様々なイベント等を準備していきたいと考えています。オリンピック・パラリンピックはここで終わるわけではございません。2024年のパリで開催されるオリンピック・パラリンピックの期間中に関わっていければというふうに思っています。金沢市はフランスの事前合宿のホストタウンとなって様々な交流も既に行っていますし、これからも重ねていきたいと思っています。ナンシー市とも親密なお付き合いをずっとさせていただいております。ユネスコ創造都市との御縁がありまして、パリにあるユネスコの本部で、金沢の魅力発信についてもこれまでも行ってきたところでもあります。そんな御縁を大切にしていきながら、2024年のパリのオリンピック・パラリンピック期間中に、パリにおいても何か開催することができないのか検討していきたいというふうに思っています。 無形文化財、無形民俗文化財の国の登録制度のことについてお尋ねがございました。まさに本市は、現在、文化財保存活用地域計画の策定を進めているところであります。各地域の皆さんから様々な御提言、御提案をいただいているところでありまして、現在、その準備を進めて登録制度というものを創設していきたいというふうに思っています。その中で特に価値の高いと思われるもの、国への登録を提案できるものは、積極的に提案していきたいというふうに思っています。そのためにも国の登録制度における支援内容等、これから詳細を詰めていくということですので、動向も注視していきながら、本市独自の登録制度の内容、支援策について、文化財保存活用地域計画協議会において検討していきたいというふうに考えています。 地域の歴史遺産の整備、発信についてお尋ねがございました。御指摘ありました加越国境城跡群及び道をはじめ、市内の遺跡等で清掃、除草など、地道な活動をしていただいている方が多くいらっしゃることはよく存じています。また、お触れでございました高尾城址見晴らし台につきましても、私は、地元地域の皆さんにお声がけいただきまして、直接登ったという表現を使ってもいいかと思いますけれども、見せていただきました。日曜日ということもありまして、小学生のお子さんから若いお父さん、お母さん、地域のことにお詳しい人生の先輩方までいらっしゃって、丁寧に御説明いただきました。改めて、私は、地域コミュニティーの粋が込められているということも強く感じましたし、地域に誇りを持つ皆さんのことを強く感じました。市内活動団体と連携して、案内板やマップの作成などをこれまでも行ってきたところでもありますけれども、今後文化財の調査、整備を行う過程の中で、地域の皆さんの御意見もお伺いしながら、どんな形でその感謝の気持ちを表し、さらにより多くの市民の皆さんに知っていただく発信が可能かどうか、地域の皆さんの御意見をお聞きしながら研究させていただければというふうに思っています。 そのほかにも、多く各市内の地域地域にもっと古い時代も含めてあるものであります。本市におきましても、緊急度の高いものから順次整備を行っているところであります。ただ、テーマがテーマでありますので、調査に非常に長い時間を要するものでありますので、地域の皆さんと連携もしていきたいというふうに思っています。発信といたしましては、例えば縄文ワールドでの展示の充実、学校等への出前講座の実施、11月には体験会、探訪会等のイベントを集中して実施する金沢歴史遺産探訪月間を開催するなど、情報発信にも努めてきているところでもあります。私は、地域に誇りを持つという、愛着を持つという意味から、大変意義深い活動であるというふうに思っています。保存整備や情報発信にもこれから鋭意取り組んでまいります。 以上です。
○山本由起子副議長 換気のため、しばらくお待ちください。 24番森一敏議員。 〔24番森 一敏議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆森一敏議員 みらい金沢の一員といたしまして、以下、御質問させていただきます。 まず、1点目は、市民のつぶやきから、今日は最初にやらせていただきます。
新型コロナウイルス感染症対策についてです。まず、その第1、誰も取り残さない経済的支援についてお伺いします。内閣府の発表では、昨年度の国内総生産、GDPの伸び率は、実質マイナス4.6%、比較できる25年間で最大の下落です。本市は種々の経済的支援策を講じてきましたが、対象業種の設定、営業時間帯や減収幅による線引きなどにより、支援が行き届かず苦しんでいる事業者の声を聞いてきました。ラブホテルの除外の問題もあります。5月24日には
まん延防止等重点措置の下で、県内の飲食業4団体が市長に要望書を提出されました。そこでは、料飲業界は壊滅的、貸しビル業、酒類販売、食品、氷販売、生花店など、料飲業につながる業界全てが窮地にあり、周辺産業を含めた支援を切実に求めておられます。市長は支援の平等性を高める施策をどのようにお考えか、お伺いします。また、あわせて、申請を促す情報の届け方にも、保健所など本市が指導監督権限を持つことを利用した積極的な情報提供など、窮地にある個別店などに寄り添った漏れのない配慮と工夫が望まれております。併せて御所見を伺います。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 森議員の認識と私も同じで、大変皆さん厳しい状態で、直接市長室にお越しいただいた方も含めてお聞きしているところであります。県が独自の緊急事態宣言を発出した段階で、既に石川県御当局と密に連携を取りながら支援策について話し合ってきました。まずは飲食の周辺事業につきましては、国のほうで去年の持続化給付金に倣う形で月次支援金制度というものを創設していただきましたので、そのことをきちんと発信していくということ、そして、県と市と話合いをしながら、市は飲食店をできる限りサポートしていくと同時に、県は交付金も活用しながらその周辺事業を支援していく、そんなすみ分けで全体を応援していこうということでさせていただいたところでもあります。引き続き、現場の声を国や県とも伝えていきながら、連携しながら取り組んでいくことが大切なんだというふうに思っています。その支援策のことにつきましても、こういう本会議でお伝えすることも大切だというふうに思っていますし、記者会見も小まめに開いて、報道機関の皆さんのお力をお借りしながら努めてきたところでもあります。各種業界団体を通して、説明会もさせていただきながら広げてきているところでもあります。可能な限り、多くの皆さんに情報が届くようにさせていただきました。いろんな御提案もいただきながら、より多くの方たちに、確実に関係者に情報が届くように努めていきたいと考えています。
○山本由起子副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 おおむね了解をしております。 1点だけ、ラブホの問題、今日はあまり展開できませんが、福岡県で新たに市単独の支援給付金、この中で除外規定はありません。給付を受けているという情報を得ておりますので、引き続き検討してください。 続きまして、生活困窮者救済施策について伺います。生活支援課によれば、本
市社会福祉協議会が受け付けている新型コロナ特例貸付、先ほどありました、すなわち緊急小口資金、総合生活支援資金の申請受理件数は、この1年間でそれぞれ4,335件、3,646件に上り、総合資金の貸付け延長の受理件数が2,414件、さらに再貸付け1,844人と高い割合です。住居確保給付金の運用状況とも併せ、生活困窮者の置かれた状況をどのように分析し、今後の課題を考慮しているのか、市長に伺います。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 令和2年度における住居確保給付金の申請件数ですけれども、新規の申請が782件であるのに対しまして、延長申請が495件、再延長が306件となっています。継続して給付を受けている方の割合は大変高くなっています。この傾向は今年度に入っても同様でありまして、依然として経済的に厳しい状況の方は少なくないというふうに思っています。生活困窮のある方にはこういう制度も利用していただくとともに、生活保護の支給も含め、丁寧な対応と支援に努めてまいります。
○山本由起子副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 厚労省は、昨年末、異例にも生活保護は権利であり、ためらわずに申請をと呼びかけました。厳し過ぎる資産基準、自動車保有の禁止、扶養照会などが人々の利用をちゅうちょさせていることも改めて指摘されております。本市としての運用の留意点を伺っておきます。また、表に現れないホームレス状態の人が、温浴施設、インターネットカフェ、駐車スペースでの車内泊などでしのいでいるとの情報もあります。これらの関係施設の調査や連携に関する取組はどうなっているでしょうか。先日、福祉的支援の立場から住居あっせんに努める市内の不動産事業者からお話を伺いました。派遣切りや雇い止めから、生活保護を申請するための住居確保やNPO法人と連携して確保している部屋への一時入室支援などに奔走しておられ、大変感銘を受けました。私も、ホームレス支援の経験からその必要性を提案してきたんですけれども、改めて本市としての公的シェルターの確保について、見解を併せて伺います。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 インターネットカフェなどの関係施設への調査のことについてですけれども、年に2回、金沢駅や公園等に出向きまして、ホームレスの方たちの実態調査を行っています。インターネットカフェなどに滞在するホームレス状態の方を支援につなげる施策、取組というものは、特に行ってはおりません。状況が変わってきているということも理解しているところでもありまして、どのような実態があるのか、今後の研究課題であるというふうに認識をしています。公的シェルターのことについてですけれども、生活に困窮する方が安定した居住の場所の確保をしていくということは大切なことだと思っています。公的シェルターの確保に限らず、NPO法人の皆さんとの連携なども含め、どのような支援ができるのか、こちらも今後検討させていただければというふうに思っています。いろんな御意見をお聞きしていきたいと考えています。
○山本由起子副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 なかなか可視化がしづらい、そういう特色があるように私も感じております。そういったところに光を当てる、実態把握をして、そして対策をぜひ具体化していただきたいと思います。 それでは、2点目、ガス事業・発電事業の売却問題について、質問を移ります。 今日は
公営企業管理者もいらっしゃるんですが、大変失礼ながら、建設企業常任委員会で度々様々にお伺いをしておりますので、今日この場では、市長に答弁をぜひお願いしたいと思っております。まず、その第1です。譲渡をめぐる本市の公共的・道義的な責任について。4月13日、東邦瓦斯が独禁法違反の疑いで公正取引委員会の立入検査を受けたことに、私も衝撃を受けました。市長はこの立入検査をどのように受け止めておられるのか、また、東邦瓦斯に対し、抗議を含め、いかなる対応を取ってきたのかお答えください。加えて、問題とされる価格協定とはどのような意味を持つことなのか。3点申しましたが、御所見をお伺いしたいと思います。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 私も、第一報を受けて大変残念に思いました。報道後、東邦瓦斯株式会社の役員が企業局に来庁し、
公営企業管理者に対しまして4月13日に立入検査があったということ、そして、その時点で突然のことで詳細は不明であるということ、調査としては社として全面的に協力するという報告、説明があったということも、私も報告を受けているところであります。どのような意味を持つのかということですけれども、今ほど申し上げましたように、公正取引委員会の調査中でありますので、引き続き、その推移を見守っていかなければいけないというふうに思っています。
○山本由起子副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 公正取引委員会が動くということは、取引の公正性に疑義が生じる様々な情報が届けられて、それに基づいて立入検査に入ると、こういうシステムになっているわけです。ですから、調査の推移は当然注視していかなければならないんですけれども、立入検査に入ったそれほどの疑義が生じているということについては、軽く見てはいけないんじゃないかと私は考えております。そこで、4月30日に譲渡予定企業6社と基本協定を締結して、期限延長後の6月30日、または代表企業と合意する日に仮契約を結ぶとしております。今後、調査の結果、排除措置命令など罰則が適用された場合、譲渡手続を先行させた本市の道義的責任が厳しく問われることになります。この問題を軽視していないでしょうか、見解を伺います。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 今回の件につきましては、募集要項に定める資格喪失事由に該当しないということ、事業譲渡仮契約の相手方となる新会社は東邦瓦斯株式会社とは別の法人格を有するということ、本市の契約手続上問題がないということから、譲渡に向けた手続は引き続き進めてまいります。
○山本由起子副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 この間の委員会での審査の中におきまして、そういう考え方に立つという答弁を受けておりますが、これは社会通念に照らしたときに、なかなかそれもそうだなというふうにはならないなと思うのです。東邦瓦斯は、譲受予定コンソーシアムの43%、構成企業では2番になりますね。43%、収益が上がれば出資割合に応じて利益が東邦瓦斯のほうに配当として支払われていく、こういう関係になるわけです。ですから、社会通念上今疑念を持たれている、こういう企業の出資を受けて、新会社を金沢市も出資して設立する、このこと自体、理解を得られないんじゃないでしょうか。もう一度お尋ねします。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 ルール、規則に沿って対応していかなければなりません。先ほど申し上げましたように、資格喪失事由には該当しないということになっておりますので、御理解いただければと思います。
○山本由起子副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 先ほどの質問の中で、疑いを受けている、カルテルですね、日本語で言うと価格協定になりますかね。これが問題になったというのは一体どういう意味を持つのか、このことについてちょっと明確ではなかったので、これをお尋ねしたいと思います。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 そのことは、まさに今公正取引委員会のほうで調査をなされているんだというふうに思っていますので、私が申し上げることではございません。
○山本由起子副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 カルテルというのは価格協定なので、自由競争の中で、会社として許容できないようなレベルにまで競争の効果によって値段が下がってしまうと、こういうことにならないように協定を結んで競争自体を制約させるという、こういう行為ですよね。この認識は間違っていないと思うのです。そうすると、自由化の恩恵、これを一日も早く市民に提供すると、こういう理屈で今譲渡の準備が進んでいるんですけれども、ある意味で価格をつり上げて利益を確保するという行為が疑われているわけですから、これは自由化という方向性からするとまさに逆行する、こういうことが今疑われているということです。この結果が出る前に契約をしてしまうということに、私は、社会通念上理解できない、市民の理解を得られないという面がありますよということを申し上げているんです。ある意味では利用者や市民を裏切るということになりかねない、この私の問題意識をどう受け止めますか。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 森議員の問題意識としてお聞きをいたしました。
○山本由起子副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 また調査の結果等が出てまいりますから、改めて議論させていただきます。 2点目、退職派遣への法的責任についてです。5月13日に設立された金沢ガス・電気株式会社は、現在、企業局における両部門で働く131人のうち、初年度81人もの派遣を求めております。この派遣は、公益的法人等への地方公務員の派遣等に関する法律に基づく退職派遣だとし、要請に応じた本人の意思によらねばならないということは委員会の場でも再三確認をさせていただいてきました。しかし同時に、職員には加入する金沢市公営企業労働組合員としての公営企業労働関係法、略して言いますが、に基づく法的権利が担保されております。これらの法律趣旨にのっとった手続とはどのようなものでなければならないのか、市長にその認識を伺います。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 これまでも譲渡に係る事務の進捗に併せ、企業局において金沢市公営企業労働組合と交渉を行ってきたところであります。今後、譲渡関連議案等をお認めいただければ、改めて交渉を重ねるとともに、企業局において具体的な条件等について職員に説明し、意向の確認を行うことになります。
○山本由起子副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 今の御答弁では、議会へ関係議案を提出して、議決の後に改めて具体的な交渉に入る、こういう手続を答弁されました。それは議会承認ということが必須ですから、この理屈は、私は理解するんです。ただ、しかし、先ほども言いましたように、131人のうち81人なんです。半分以上、6割ぐらいでしょうか、その方々の本人意思を得なきゃいけないんです。そして一方、労働組合には団体交渉権がある、条文には労働協約締結権も明記されているわけです。この交渉を制約するような手続が先行しては法律の趣旨に反する、ここを私は懸念しているんです。これは当局も十分その意味をしんしゃくしていただかなきゃいけませんし、私ども議会もこのことを肝に銘じながら議事の手続に当たっていかなきゃならない、このことは申し上げておきます。これも今後また議論になっていくと思います。 3点目です。公共的な地域エネルギーの存在価値を踏まえて。先ほど、黒沢議員から、直近の気候変動対策への国の法改正、それに基づく具体的な課題、るるお話がありました。私もそのとおりだと思っております。この気候危機への対策は、低炭素、脱炭素、再生可能エネルギーの価値を飛躍的に高めると予測されております。菅政権のカーボンニュートラル政策、2030年CO246%削減目標、急展開です。国の次期エネルギー基本計画では、脱炭素、再生可能エネルギーの拡充方策が活発に議論されていると聞いております。そうした中、にわかに高まっているのが自治体新電力への期待です。日本ガス協会から本市のあり方検討委員会にアドバイザーとして参加しておられた角田憲司さん、業界紙等、あるいはネット情報に度々寄稿されております。地域脱炭素の高まりに伴い、今後は再エネ、地産地消を軸にした需給一体型の自治体新電力が増えていくと予測しております。自治体主導というのは住民隅々にまで普及力を持つんです。需要家と接点を持つ都市ガス事業は営業力を発揮すると述べています。まさに本市には既に存在する両事業がぴたりと当てはまるんです。改めて、企業局経営戦略2016はもちろん、あり方検討委員会答申すらもこうした方向性を宿していたのではないかと思うのです。数ある自治体新電力の動きの中で、私が今注目しているのは、今春地域新電力を設立した宇都宮市です。宇都宮市は、事業の公共性と公益性を担保するため、51%を新会社に出資して、ごみ焼却熱や下水汚泥を使ったバイオマス電力のほか、一般家庭の太陽光電力の買取りも視野に入れていると聞いております。これらの電力をLRT等に供給して、沿線を低炭素化、脱炭素化する政策を進めようとしております。佐藤市長は、再生可能エネルギーの地産地消による
SDGs未来都市を目指すとも述べておられます。大変注目をいたします。実は、山野市長も、環境省のホームページ上で本年2月26日に配信された動画、「ひろがるカーボンニュートラル~トップが語る脱炭素~」の中で、市内電力の20%を市の水力発電所で供給していると誇らしげに発信しておられるんです。これはもしや市長の本音かなと、私、うれしく思ったのです、正直に言いますと。各地で拡大する自治体新電力の動き、どう受け止めるのか。あわせて、トップが語る脱炭素での御自身の発言の真意について、お聞かせ願いたいと思います。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 自治体新電力のことについて、私、実は森議員の発言通告を受けて、以前から関心を持って調べたり、雑誌を読んだりしておりましたが、改めて今現在の状況はどうなんだろうと思って、自分なりに手元にある資料であったりとか、今おっしゃっていただいたネットの情報も確認いたしましたけれども、やはりこの数年、森議員、拡大をしつつあるということですけれども、むしろ課題がより鮮明になってきつつあるといったほうが正しいのではないかというふうに思っています。もちろん大切な手法の一つであるということは私も認識していますけれども、やはり自治体新電力が関わる最大の理由というのは、エネルギーの地産地消であります。結果として料金の高止まりという傾向が見られるということも、よく指摘されるところであります。その中から、破綻とまではいきませんけれども、大変厳しい経営が強いられるところも決して少なくない、これから増えてくるのではないかという懸念も幾つか見られるところでもあります。もちろん宇都宮市をはじめ、様々な自治体は最大限の努力をしていくことによって、そういう懸念を払拭すべく取り組んでいかれるとは思いますけれども、やはりその課題は大きいのではないかというふうに思っています。私は、これは民間譲渡の場合であったとしても、電力小売による地産地消やSDGsの推進などは、事業者との連携により可能だと、手法だというふうに思っています。目的は地産地消やSDGsの推進でありまして、事業者との連携ということも大切な手法だというふうに思っています。それぞれの自治体の状況に合わせた中で、適切な手法を選択していくことがあるべき姿だというふうに思っています。市内電力の20%が水力だというふうに申し上げました。これは公だろうが民間であろうが同様であります。先ほどの議論の中でも、小水力発電のことにも触れさせてもいただきました。再生可能エネルギーという視点から、水力発電ということも私は魅力的だというふうに思っていまして、金沢市の現状はそうだということをお伝えしたところであります。
○山本由起子副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 確かに先行経験から学ばねばならない課題、これは自治体新電力にもあるということは確かです。そのことを私は、もちろん否定はいたしません。この間の答弁でお触れになられた小水力にしても、金沢はなかなか苦労しているわけです。現在持っている水力発電の能力と小水力を何とか増やそうとして新たに設置したその出力というものを比較すると、もう比較にならないんです。それぐらい大きな、これは20%というのは非常に大きいわけです。苦労してこれから造って地域エネルギー政策をやろうとしている自治体が一方である中で、これだけ大きなポテンシャルを持った設備、プラント、これを逆に金沢市は手放そうとしている、ここは非常に時代状況から逆行する譲渡になるのではないかと、大変私は懸念をしているわけです。これは見解を求めるつもりはないんですけれども、今政府で進めている様々な気候変動対策のエネルギー政策の転換、あるいは進化、こういうものに深く関与しておられる学識者の方のお話を聞く機会がありました。その中でおっしゃっているのは、金沢市企業局は、規模は小さくてもベースにクリーンエネルギーを持つ、これは水力、液化天然ガスから水素を生成できるエネファームの活用、先ほどお触れになりました。水力発電所で生み出す電力により、水系の豊かな水資源を電気分解して水を生成するなど、再エネ政策を先導的に展開できる潜在能力を持っています。こうおっしゃっています。値段の問題は、最終消費者にとっては、いろいろ確かに課題は出てくるかもしれません。しかし、売電する側からすると、特に公営の電力を持っているということになれば、そこからの利益は上がるんです。20円台中段ぐらいには行く可能性が十分にあるというふうに今言われています。そうしますと、そうして売電した利益を、これは自由化の中ですから、自ら売電、得た利益を様々な社会政策に還元するという富の市民への還元の仕方というものもあるわけです。既に発電の施設を持つ金沢市の利益が高まるという側面もあるということを押さえておく必要があります。行政の施策によって外部流出なく、地域社会に還流させることができる、このことが今の、ロードマップも先週発表されましたけれども、地域における脱炭素、それを政策的にしっかりと公的にやっぱりコントロールしていくという責任、これを地方自治体に求めているということではないかと思います。そのこととこの御指摘は非常に関わりがあると私は思います。首をかしげておられるので、もう一回答弁してください。今私が申し上げたことに対して、市長の御所見があるならばお答えいただきたいと思います。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 公の発電を持っているから利益が上がるということについては、その先生のお言葉です、森議員の考えかどうかはともかくとして、やや違和感を覚えたところでもあります。手段と目的を分けて考えることが必要なんだというふうに思っています。これは先ほど申し上げたことですから繰り返しませんけれども、多くの皆さんに御理解いただけるように、これから丁寧に説明を重ねていかなければいけないということも感じさせていただきました。
○山本由起子副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 エネルギーをめぐる情勢は、この一、二年で急速に変わってきております。民間との連携の手法についても時代遅れということにならないように、十分に検討していく必要があるということを申し上げておきます。 4番目です。市民参加の地域エネルギー自治へと転換を、私は求めたいと思っております。2回にとどまっておりますが、市が主催した市民説明会は意義がありました。厳しい意見もたくさん出ましたが、市長御自身がお受けになりました。地域エネルギーに対し、強い関心を持つ市民の存在が確認できたということです。譲渡方針決定過程のブラックボックス、情報を出さない、選定における情報の非開示など強い批判は、裏を返せばエネルギー政策への参加意識、横文字で申し訳ありませんが、シビックプライドと言うそうです。自らの都市に対する誇り、この高まりでもあると思います。環境未来都市としての発展のチャンスが来ているのではないでしょうか。民間独占への橋渡しではなくて、市民に直接責任を果たそうじゃありませんか。譲渡が拙速な誤判断となれば、あまりに責任が大きいです。仮契約は6月30日にこだわらず、代表企業との合意により延長し、市民参加で地域エネルギーについてじっくりと協働する、市長がおっしゃった諸課題も含めて、協働するテーブルを設定しませんか。市長の御所見を伺います。
○山本由起子副議長 山野市長。
◎山野之義市長 2回説明会を行い、私も出席させていただきました。いろんな御意見もお聞かせいただきました。ちょっと今はコロナで止まりましたけれども、これから説明会をさらに重ねていきたい、いろんな御意見をお聞かせいただきたいというふうに思っています。その御意見の中から、参考になる御意見も取り入れていきながら取り組んでいきたいというふうに思いますし、加えて、森議員と意見交換をさせていただいているのも、やはり市民の代表である議員の皆さんを通して市民の皆さんと意見交換を重ねていくことだというふうに理解しておりますので、できる限りその回数を増やしていければというふうに思っています。
○山本由起子副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 残り3回の具体的スケジュールが、参加希望者に送付をされております。残り3回は3回として、きちっとやっていただきたいと思います、もちろん。しかし、それだけではとどまらない市民との対話の場、これの具体化をぜひしていただきたい、そのためには譲渡の契約は急ぐべきではない、このことを申し上げておきます。 では、3点目、35人学級の法制化に伴う本市教育行政の当面の取組について伺います。 公立小学校の学級編制を35人に引き下げる公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案、長いですが、3月31日に成立しました。これにより、小学校において本年度2年生を皮切りに、5年間に1学年ずつ学級定員の上限を40人から35人へと引き下げることになります。学級編制の標準を引き下げるのは、1980年以来、実に40年ぶりのことになります。教育長にまずこの法改正をどのように受け止めておられるのか、また、本市にとり、特に重要となる課題とは何かを伺います。あわせて、全国中核市教育長会会長の立場から、今後の決意もお聞かせいただきたいと思います。
○山本由起子副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 お答えいたします。 少人数学級の実現につきましては、学校で子どもたちの指導に携わっている教員の長きにわたる強い要望の一つでありました。私が教員だったときは、50人を超えたクラスを持ったこともあります。それが45人になり、今は40人、それが35人になろうとしています。このたび、今お触れになりましたが、約40年ぶりに法改正が行われました。本当によかったな、また大変にうれしいな、このことが今の私の率直な思いであります。また、そうした中で、本市といたしましては、学級数の増加に伴う教員の確保、また、さらなる指導力の向上が特に重要な課題であるのではないかなと考えております。このたび中核市教育長会の会長を拝命いたしました。今後ではありますけれども、まずは中学校においても35人学級が確実に、そしてできるだけ早期に実現できるように、全力で国に働きかけていきたいと思っています。また、もう1つ、これは恐らく中核市の教育長さん、みんな御理解いただいていると思っているのですけれども、今学校現場を回っていまして、特に大変だなと感じているのは特別支援学級です。8人という子どもたちが、最高ですけれども、1学級で8人の子どもたちが学んでいます。何とかこの人数を緩和できないか、また、1つのクラスに異学年の子どもたちが学んでいる実態もあります。こうしたことも改善できないのか、そのことを考えております。そのことも中核市の教育長さんたちと議論をしながら、国に働きかけていきたいと思っています。 以上でございます。
○山本由起子副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 金沢市において特にこれから解決していかなければならない課題というものを、具体的に示していただいたと思います。文科省のほうは萩生田文科大臣が、これも誰一人取り残さない日本型の教育、これを発展させていきたいと、これはスタートだと、このようにおっしゃっています。その中で、教員免許法、あるいは研修体系、これらが教員のなり手不足を招いてきた、その問題点といいますか、これもこれから改善に向けて検討しなきゃいけないというようなことなどなど、様々な課題が附帯事項を含めて文科省からの通知の中にも明示されておりますので、ぜひ前向きな取組をお願いしたいと思います。 ところで、石川県、本市とも、小2から小4、そして中1に、加配教員の転用による35人以下学級の運用実績があります。学級編制上の法制化の効果は、向こう3年間は実感できないとの期待外れ感がなきにしもあらずとなるかもしれません。教育長は、加配転用による高学年以降の35人学級運用について、かつて前向きな御答弁をなさっておられるんですが、法制化を受けてその展望についてどのように考え、取り組んでいかれるのか、改めてお聞かせいただきたいと思います。
○山本由起子副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 お答えいたします。 小学校の高学年以降の学年におきまして、習熟度別少人数指導のために加配された教員を35人学級へ転用することにつきましては、学校の実情、また校長の要望等を踏まえながら弾力的に運用できるよう、これまでも県に強く求めておりましたが、引き続いて県のほうにも要望していきたいと考えております。なお、これは特に強くこれから国にも求めないといけないと思っておりますけれども、35人学級の実施に当たりましては、加配されている教員の配置は、教育の今日的課題への改善に必要不可欠なものであると強く考えております。加配定数を削減することなく、必要な教員数が確保されるよう、これから国や県に働きかけてまいりたいと思っております。以上でございます。
○山本由起子副議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 時間外勤務の80時間超えをゼロにしたいという3年間で取り組んだその結果について、所管の委員会でも具体的な報告がなされているのではないかと思っておりますが、全体としての定数改善、小学校高学年における教科担任制という課題も今言われてきておりますし、トータルで教員を増やさなきゃいけない、この課題は非常に重要だと、私もそう思います。ぜひ今のお立場を最大限有効に力に変えて、国に対して強く促していっていただきたい、このことを要望させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
○山本由起子副議長 以上で、24番森一敏議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。
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△休憩
○山本由起子副議長 この際、暫時休憩いたします。 午後0時7分 休憩----------------------------------- 午後1時2分 再開
△再開
○久保洋子議長 出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
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△質疑・一般質問(続き)
○久保洋子議長 休憩前の議事を継続し、質疑並びに一般質問を続行いたします。 25番小林誠議員。 〔25番小林 誠議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆小林誠議員 金沢保守議員会の一員として、発言の機会を得ましたので、以下、数点にわたり質問をさせていただきます。 初めに、新型コロナウイルスについて伺います。 日本は、ワクチン接種が欧米等に比べて4か月遅れていると言われております。ワクチン自体を海外からの輸入に頼らざるを得ない状況や、日本製のワクチンの開発が遅れていること、ワクチンの許認可が遅い状況は、これまでの国の政治や行政による縦割りの弊害が新型コロナウイルスによって噴出したと言えます。既存の政治行政の課題について、ワクチン接種を担う山野市長に、まず認識を伺います。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 私は、去年の3月か6月の議会でも、安倍総理が小中高の一斉休業の要請を出したことについてすぐ迎合しなかったこともあって、この議場からも思いを聞かれました。私は、こんなふうに答えました。やはり今まさに渦中でありますので、それに全力を傾けていきたい、どこかで一段落したらまた意見を申し上げたいということで、後日、この議場からも思いを述べたかと思っています。ワクチンも全く同じであります。今はとにかく国・県・市、力を合わせてできることに全力を傾けていきたい、その思いだけであります。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 全世界でワクチンを取り合うワクチン外交は、スタートダッシュが遅れたと言われておりますし、許認可が遅れたのは、国会における予防接種法案の採決の際に、ワクチンの審査は慎重に行うことという、そういった附帯決議が全会一致で採決をされておりますから、これは与野党問わず、今の国会議員の責任もあるということを、私自身申し上げておきたいと思っております。本市のワクチン接種については、まずは刻々と変化をする状況に対応している職員や接種に協力をしてくださっている医療従事者の方々には、心より感謝を申し上げたいと思います。その中で、本市は国の方針に基づいて、65歳以上の方々へ7月末までに完了するということを表明されているわけでありますが、現在、他の自治体では64歳以下の方の接種も徐々に開始されています。先般の山野市長の提案理由説明でも、本市の今後の方針が示されたわけでありますけれども、より具体的な考えや一般接種のスケジュールについてお聞かせください。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 まずは60歳から64歳、基礎疾患のある方、エッセンシャルワーカー、この3つの層の方たちを最優先にしていきたいと思っています。それ以降は、年代ごとに区切って接種券の発送をしていきたいというふうに思っています。具体的な日程につきましては、今月中にはお示しできるというふうに思っています。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 午前中のやり取りでも、今の3つの方々、基礎疾患のある方であったり、60歳から64歳、そしてエッセンシャルワーカーの方々への優先接種ということが言われておりましたけれども、これはさきの提案理由説明でも述べられておりましたが、この3つの方々、基礎疾患をお持ちの方であったり、そういった社会機能を維持する上で欠かせない職種の方々は、申請方式によってこういった接種が受けられるということでよろしいのでしょうか。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 基礎疾患のある方はそうであります。介護職であったり、幼稚園、保育所等につきましては、私どものほうからその業界の皆さんにお声がけをして、名簿を提出いただいて、接種券を優先的に郵送するということを一つのやり方にしております。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 ぜひ今おっしゃったような保育士の方々や介護従事者の方々以外にも、多くのやはり社会機能を維持する上で欠かせない職種の方々というのは大勢いらっしゃると思いますので、ぜひともそういった方たちにも幅広くお声がけいただければと思っております。私自身、市民福祉常任委員会に所属をし、やり取りもさせていただいておりますけれども、改めてこういった課題に対しては市長の政治的判断が求められているわけでありますから、あえてこの本会議場で質問をさせていただきました。新聞報道では、山野市長は御自身のワクチン接種は市民の一番最後でよいという趣旨の発言をされておりますけれども、組織のリーダーである山野市長がワクチン接種を受けていない中で、本市職員がワクチン接種を受けづらい状況になることが推察されますし、実際に職員からもそういった声が聞こえるわけであります。本市職員にもワクチン接種を受けやすい環境をつくるためにも、64歳以下の接種が開始されれば山野市長の早期の接種が求められると思いますけれども、ワクチンのキャンセル分の取扱いの対応を含めて、本市の職員のワクチン接種の在り方について伺いたいと思います。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 私自身、該当する年齢の接種券の発送があって、手元に届いた段階で、一人の市民として対応していきたいというふうに思っています。職員も全て金沢市に住んでいるわけではありません。それぞれの住所地のルールにのっとって、対応していただければというふうに思っています。キャンセルのことについてお尋ねがございました。いろんな医療機関を回っていましても、やはり課題だというふうに思っています。金沢市が設置いたしました集団接種の会場でキャンセルが出ました場合、市のここは近い距離にもありますので、業務上感染した場合に影響が大きい職員に接種をするということをしていきたいというふうに思っています。今部署でリストアップをしているところであります。きちんと事前にお伝えすることが、誤解を生まないことになるんだというふうに思っています。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 やはり本市職員のワクチン接種の環境を整備していく、整えていくということもリーダーの役割だと思っておりますので、そういったところを積極的に進めていただければと思っております。 次、新型コロナウイルスの蔓延は1年以上続き、東京をはじめとする大都市圏では、3回目となる緊急事態宣言が発出されています。宣言を乱発することによって、効果を疑問視する声も高まっています。欧米各国では、感染拡大を受けてロックダウンを強行し、全ての活動を停止する政策を実施し、短期的な封じ込めを行っている、そして成功した事例もありますけれども、一方、我が国では、緊急事態宣言は憲法上の理由から私権の制限に慎重で、結果として市民の善意に任せっぱなしで、政府が責任を取らない施策と言わざるを得ません。市民の間では、今後の国家的な危機への対処を目的とした憲法上の緊急事態条項の改正議論が高まっていますけれども、この改正議論についての市長の御所見をお伺いいたします。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 様々な報道を拝見しておりましたけれども、今議員がおっしゃったように、その機運は高まっているんだというふうに思っています。ただ、これは議員も御指摘ありましたけれども、大幅な私権制限につながるものでありますので、これは国において憲法審査会の場で議論されるものだというふうに理解をしておりまして、今後の議論の推移を見守っていきたいと思っています。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 国会における憲法審査会での議論というものが大変重要だと思っておりますが、なかなかこれまで正直議論が進んでこなかったというのが現状であります。私自身、やはり国会議員としてこういった議論が進んでいないことは、国政の責任放棄と言っても過言ではないと思いますけれども、ぜひ市長は一地方の首長でありますけれども、私たちも政治に携わる人間として、この憲法議論ということを地方議会でも積極的に議論を進めていく、このことも重要だと思いますけれども、改めていかがでしょうか。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 日本国憲法は不磨の大典とは思っておりません。憲法の中にも改正条項が明記をされているところでもありますので、私は、国民の代表である国会議員で構成されている国会の御判断は大切だというふうに思っていますし、一方、我々地方行政、地方政治に携わる人間にとっても、地方自治が憲法の中にも明記されているところでもありますので、その議論を様々な場面でしていくことは大切なことだというふうに思っています。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 次に、オリンピック・パラリンピックについてですが、ワクチン接種の遅れや感染の終息が見通せない中で、開催を疑問視する声があります。本市においては、フランス競泳チームなど各国代表チームの事前合宿を、感染防止マニュアルを作成して進めていくとのことですが、山野市長は、これまで金沢市民が一流のアスリートのプレー、練習であってもそのプレーを目の前で見ることの重要性や、選手との交流を大切にしていきたいと発言をされてきました。コロナ禍でそうした思いをどのように進めていかれるのか、また、子どもたちに夢や希望を与えるホストタウン事業とするためには、どのような工夫を行っていくのか伺いたいと思います。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 これまでも水泳やウエイトリフティングのナショナルチームが金沢に来てくれました。実際、そのときに金沢市内、石川県内のアスリートと交流を図って、練習方法であったりとか、意見交換をしましたし、コーチを集めてコーチに対するスクーリングも行っていただきました。大変よかったというふうに思っています。ただ、残念ながら今回は、それは難しいと思っています。ただ、オンラインを通しての交流であったりだとか、また、十分な距離が確保できる環境が整備できるようであるならば、練習の様子を見学させていただくことができれば、先方の御理解をいただければさせていただければというふうに思っています。できれば御理解いただけるのならば、大会後に金沢に改めてお越しいただいて様々な交流を行っていただくことができないのか、また、場合によってはコロナが収束した後、金沢のほうからお伺いするなり、こちらにお越しいただくなりして様々な交流を行うことができないのか、そんなこともこれから研究していきたいというふうに考えています。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 オンラインを使って、そして感染症対策を講じながらでき得る限りの交流を図れるように、また、事前合宿の期間では難しいかもしれないけれども、大会が終わった後、
選手団を招いての交流ということも考えていくということでありますけれども、改めて子どもたちに夢や感動、そして希望を与えるような取組であることを願いたいと思います。 次に、子育て支援について伺います。 子どもの医療費助成についてですが、新型コロナウイルスの感染拡大は、市民の感染症への意識を劇的に変えたと言っても過言ではありませんが、特にマスクの着用や手洗い、アルコール消毒の習慣により、例年大流行するインフルエンザの感染が抑えられたことにより、子どもが医療機関を受診する機会が減少したのではないかと考えられます。このような状況は、本市の子ども医療費にどのような影響を与えているのでしょうか。令和2年度の子ども医療費助成の決算見込みとその分析について伺いたいと思います。
○久保洋子議長 高柳福祉健康局長。
◎高柳晃一福祉健康局長 令和2年度の決算見込みは約9億6,000万円でございまして、前年度より約24%の減となっています。原因といたしましては、御指摘のように、新型コロナの感染予防の徹底によりまして感染症全体が大きく減少したことに加えまして、感染を避けるために医療機関への受診控えがあったということも考えられております。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 決算見込みが約9億6,000万円で約24%の減少ということでありますが、すみません、パーセンテージで言われるとちょっと分からないものですから、本来の予算が幾らで決算見込みが約9億6,000万円ということなのか、改めて教えていただければと思います。
○久保洋子議長 高柳福祉健康局長。
◎高柳晃一福祉健康局長 申し訳ございません、手元に今本来の予算額の数字を持ってございませんので、ちょっとお答えはできないんですけれども、約24%の減ということですので、これの4分の1が減少ということですので、4倍というふうな捉え方ができるのではないかと思います。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 医療費助成が減少しているということで、決算見込みとして減ということでありますけれども、今局長から利用控えもあったかと思うということでありましたが、やはり一人一人の感染症への取組というものが大きかったと思います。そこで提案ですが、医療費助成の減少傾向がこのまま続くのであれば、子どもの医療費助成の対象を現在の中学校3年生までを18歳までに拡大できないのか、市長の御所見を伺いたいと思いますし、これまで財政への影響を考慮して中学校3年生までを対象としてきたと思いますが、市民の新たな感染症の取組を踏まえてシミュレーションを実施するなど検討を進めていく、そういった必要もあろうかと思いますけれども、市長の御所見を伺います。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 局長申し上げましたように、コロナ禍のことでありますので、これがトレンドであるのか、また、定着するかということまでは、なかなか推測はできません。そうしたことを考えた場合、安定した制度の運営という面からいって、この数字をもって上げ下げという議論は慎重であるべきだというふうに思っています。いろんな議論があることは承知しているところであります。全国市長会でも多くの市長さんが集まって、このことについて皆さん頭を悩ませていらっしゃいます。全国市長会でよく出る意見は、ここはやはり国のほうで一定のルールを生活保護のようにつくって、法定受託事務として対応していくべきではないかという意見が、私は市長さんが圧倒的だという、そんな御意見だというふうに会合へ参加していて強く感じるところでありますので、ここはやはり、全国市長会からの申入れをしているところでもありますけれども、国のほうでそういうルールを明確に決めていただくことが大切なんだというふうに思っています。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 これまでこの議場でも多くの議員が医療費助成の拡大というものを訴えてきましたが、それは子育て支援の側面のほかに、近隣自治体との不均衡があったと言えます。本市が中学校3年生まで対象としている一方で、金沢市以外の石川県のほかの18の市や町では18歳までこの医療費助成を拡大しているという状況は、やはり金沢市民が子どもの医療費助成の恩恵を受けづらい状況にあると言えます。対象年齢の拡大は、子ども施策の充実を掲げる市長にとっても重要かと思いますけれども、県内において18歳までがスタンダードとなっている現状を踏まえて、改めて伺いたいと思います。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 全国市長会で、もちろん石川県の事例というわけではありませんけれども、全国市長会でもまさにその視点からのいろんな御意見もなされた上で、やはり国のほうで一定の基準という意見が出たというふうに認識しています。子育て支援ということでいえば、もちろん医療費助成も大切ではありますけれども、様々な施策があります。もちろん一つ一つ見ていけば、金沢市がまだまだということもあれば、金沢市が近隣自治体どころか全国の中でもトップクラスというものもあります。様々な施策を活用していくことによって、子育て施策に寄与していきたいというふうに考えています。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 子どもの医療費助成の対象年齢は、自治体の子育て環境の充実度を表す指標で、多くの首長選挙でも公約にうたわれ、市長も初めての市長選挙のときには、この子どもの医療費助成を拡充しますということをマニフェストに盛り込んで選挙戦を戦われたわけでありますし、その結果として今中学校3年生まで通院、そして入院が、医療費助成の拡大がなされているわけでありますが、時には自治体間の子育て世帯の獲得競争の切り札としても利用されてきた、そういった背景もあるわけであります。先ほど石川県内の対象年齢の不均衡を例に挙げましたが、子どもの医療費助成の対象年齢は、本来であれば、先ほど市長も答弁ありましたけれども、自治体ごとではなく、国が一律に定め、どこにいても等しい医療費助成を受けられることが望ましいとの声もあり、本市としても助成対象年齢の拡大に取り組む一方で、やはり国に対して財源の確保などの制度化を求めていく、市長会を通じて求めていくというような議論もありましたけれども、改めて市長会と同時に市長独自としてこういった制度化を求める、そういった動き、働きかけも必要かと思いますけれども、いかがでしょうか。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 市長会はもちろんのこと、また、様々な場面で声を上げていきたいというふうに思いますし、それが日本国にとっての子育て支援策につながっていくんだというふうに思っておりますので、引き続き取り組んでまいります。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 先ほど、昨年の決算見込みで約24%減ということでありましたけれども、改めて昨年単年度だけでのそういった決算見込みでありますから、これが恒久的に続いていくかどうかということは、これからの推移を見ていかなければならないと思っておりますが、この約24%減ということがこれからもずっと続くのであれば、恐らく財源的に18歳まで医療費助成の拡充をしていくことが、財源だけを見れば可能なのではないかなと、そういう印象を持ちましたので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、学校教育について伺います。 GIGAスクール構想について伺いますが、1人に1台学習用端末が導入され、これまで黒板を使っての対面授業を基本としてきた学校教育の転換期に来ていると感じます。特に新型コロナウイルス感染症の影響を受けて前倒しで導入されたこともあり、学校現場でも試行錯誤を繰り返しているとお聞きします。まずは学習用端末の配備状況と現在の利用状況や取組、今年度の教育目標について伺います。
○久保洋子議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 お答えいたします。 学習用端末につきましては、全小中学校の児童・生徒、教職員に対しまして、計3万7,451台の配備が完了しております。現在、各学校におきましては、教育委員会のほうから示しました金沢市立小・中学校学校の情報化推進計画や情報化年次計画を踏まえながら、ICT教育を進めておりまして、ICT版金沢型学習スタイルに基づいて、基礎、基本の定着や主体的・対話的で深い学びの実現に向け、日々の授業にいそしんでいるところでございます。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 今後その学習用端末というものは、家庭へ持ち帰って利用するケースも増えてくるものと思いますけれども、どのように家庭での学習用端末の利用を推奨していくのか、教育長の所見を伺いたいと思いますし、また、オンライン授業、オンライン登校を実施する際には、家庭での通信環境が必須となりますけれども、本市としてどのように対応していこうとお考えかお聞かせください。
○久保洋子議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 家庭で学習用端末を使用する際には、言葉や計算の習熟、QRコードから学習動画を視聴するなど、学習の定着や深まりのために使用することといたしておりまして、学校がその目的や活用方法を児童・生徒や保護者の方々に周知した上で、家庭での利用を進めていくことといたしております。なお、本市が導入している学習用端末は、児童・生徒の不適切なコンテンツへのアクセスやインストール等が自動的にブロックされるなど、あらゆるネットワークで安全に利用できる設定となっております。ネットワーク環境のない御家庭につきましては、要望があれば各学校に整備しておりますモバイルルーターを無償で貸出しをいたしますので、それを活用しながら家庭での学習をやっていただきたいと思っております。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 今年の夏休みには、恐らく初めてのオンライン登校ということも実施されるのではないかと思いますが、このオンライン登校に向けての今の課題であったり、新たな取組についてどのような認識を持ちながら進めていこうとお考えか、お聞かせください。
○久保洋子議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 今仰せのとおり、今後、夏季休業期間中にオンライン登校日を設定することにいたしておりまして、教員と児童・生徒が学習用端末を活用して、休業中の家庭学習の進捗状況を確認したり、児童・生徒の質問に答えるなどしながら、1時間程度の授業を行う予定といたしております。各家庭での通信環境が整っているか、そうしたところの課題等も踏まえながら実施していきたいと思っております。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 重ねて伺いますけれども、このオンライン登校というのは、本来、学校へ通っての登校日を設けていくということが一つだと思いますが、今年の夏に限って言えば、夏休み期間中、登校するということはやめて、夏季期間のオンライン登校をするという、そういう認識でよろしいんでしょうか。
○久保洋子議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 学校によりましては両方を併用する学校もあると思いますが、全ての学校において一度はオンライン登校日を設定しながら、オンラインをしっかりと活用する、そういう体験をしていこうということでございます。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 両方併用しながら、それは学校長の判断に委ねられるということであるでしょうけれども、改めて私自身、これまでこの議場でも何度も申し上げてきましたが、8月6日であったり8月9日、広島、長崎での原爆投下の日に合わせての登校ということも大変意義があるということを、これまで何度も申し上げてきましたが、そういったことも含めて、今後オンライン登校でそういったことも工夫をしながら進めていっていただければという、そういう思いも持ちますけれども、改めてその辺に対する認識、いかがでしょうか。
○久保洋子議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 我々の今ある生活というのは、戦争で亡くなった貴い方の犠牲の上に成り立っている、その思いは全く小林議員と同じ思いを持っております。機会を捉えてしっかり平和教育を行っていくことも大変大事なことだと思っておりますので、また各学校のほうにもそうした取組が行われるよう、お伝えしていきたいと思っております。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 次に、これまでこの議場で幾度となく質問してきましたが、学校トイレの洋式化についてであります。私が最初に取り上げたときは、本市の整備率は3割程度でありました。そして、学校トイレの洋式化を進めるため、現状の調査と整備計画を立てることを何度も申し上げてきましたし、求めてきましたが、今年度、小中学校トイレ洋式化推進費が計上されたことは、大変大きな一歩だということで、私自身評価したいと思います。今年度の整備予定を踏まえた最新の整備率をまずお聞きすると同時に、今後調査を進めていく中でどのような整備手法が考えられるのか、実際の設計や整備はいつから始まるのか、また、期限を定めて集中的に実施すべきだと思いますけれども、御所見を伺います。
○久保洋子議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 児童・生徒が日常的に使用する校舎、体育館の洋式トイレの設置率は、本年度改修予定の小中学校4校50か所を加えますと、本年度末で約45%になる見込みでございます。本年度は各学校のトイレの設置状況を調査し、その結果を踏まえまして整備計画を策定することといたしておりまして、学校におけるトイレ環境の充実に向け、スピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。なお、整備に当たりましては、便器の交換のみではなく、トイレ施設全体の機能性や衛生環境の向上を図るために、床の乾式化や、また個室ブースの改修も含めた整備手法を用いたいと考えております。 以上でございます。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 期限を定めて集中的に実施すべきだということに対しては、いろんな手法を用いる中で、なかなか難しいという認識だと思いますけれども、床の乾式化であったり、便器だけじゃなく様々な部分での改修ということでありますけれども、改めてただ期限を設けるということも、親御さんや子どもたちにとっても大変分かりやすい指標の一つではあるかと思いますが、その辺について、いま一度御答弁いただければと思います。
○久保洋子議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 小林議員の御指摘、重々に理解させていただきました。しかし、やはり限られた予算とか、調査する期間とか、学校の数とか、いろんな条件がございますので、スピード感を持ってしっかり取り組ませていただきたいと思っております。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 市単独ではなかなかできない、限られた予算である、国の補助金も受けなければいけない、そういったことも重々承知の上での質問ではありますが、そのことについては、後ほど市長にも改めてその辺についてお聞きしたいと思っております。 次に、医療についてでありますが、医療に係る予防費についてお聞きいたします。 これまでも歯と口の健康づくりをはじめ、予防の重要性を質問してきましたが、さきの3月に発表された第2期金沢市保健事業実施計画、いわゆるデータヘルス計画の中間評価において、健診未受診者の1人当たりの医療費は、健診受診者の1人当たりの医療費に比べて10倍以上大きいという衝撃的な結果が出ました。このデータヘルス計画の中間評価では、近年の市民の医療費にどのような傾向が見られたのでしょうか。お伺いいたします。
○久保洋子議長 高柳福祉健康局長。
◎高柳晃一福祉健康局長 データヘルス計画の中間評価では、平成28年度と令和元年度を比較しておりますが、その結果、総医療費は被保険者数の減少に伴いまして5.6%減少しております。その一方で、被保険者の高齢化率が高くなっていることに伴いまして、1人当たりの医療費は7.5%増加しております。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 新型コロナウイルスの感染拡大によって、ウイルスなどの外的要因からは手洗いやうがい、マスクの着用などの重要性が再確認されました。生活の中で自らの体調に目を向ける機会が増えたと感じており、その結果として市民の予防への意識が向上したと言ってもいいのではないかと思いますが、また、新型コロナウイルスでは基礎疾患のある方が重症化しやすい傾向にあることも分かっており、基礎疾患を抱えるリスクも周知されてきました。このような予防への意識の高まりを好機と捉えて、生活習慣病をはじめ、基礎疾患にならないための啓発も含めた予防事業に取り組むべきと考えますけれども、山野市長の御所見を伺います。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 今回のコロナ対策で最も言われたことは、自然免疫力を高めることだということが最も多く言われているところであります。これは今御指摘ありましたように、予防医学にも通じるところだというふうに思っています。健康なときだからこそ検査することによって、万が一もし課題が見つかったとするならば早い段階で対応する、そのことが自然免疫力を高めていくことにつながっていくという認識の一つの機会になったのではないかと思っています。本市におきましても、生活習慣病週間、また禁煙週間などの時期に、保健師や栄養士等による無料相談など啓発事業を行ってきているところであり、今回のコロナ禍はつらいことばかりではありますけれども、自分の健康に振り返って意識を持つといういい意味に捉えて、市民の皆さんと問題意識を共有しながら取り組んでいきたいと思っています。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 基礎疾患等の早期の発見のためには、やはり健康診査というものが大切でありますけれども、健診を受けることが重要ですが、本市の健診の受診率についてはどのような目標設定がなされているのか、また、直近の実績はその目標に達しているのか伺いたいと思います。
○久保洋子議長 高柳福祉健康局長。
◎高柳晃一福祉健康局長 本市の特定健康診査の受診率の目標は、国の指針に基づいて設定しておりまして、特定健診等実施計画において、計画初年度である平成30年度には40%、以降毎年4%ずつ向上させまして、最終年度である令和5年度には60%としております。受診率の直近の実績ですけれども、令和元年度が40.6%でございまして、目標値の44%を下回っております。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 少しばかり受診率が目標よりも下回っているということでありますけれども、健診の重要性は誰もが分かっていることだと思います。ただ、なかなか今の受診率の答弁にもありましたように、進まないというのが現状であります。健診を受けることで病気の早期発見につながり、それが結果として市民の健康寿命を延ばすとともに、医療費やまた介護費の削減にもつながっていく、そう考えれば、もっと積極的に健診を進める取組が必要なのではないでしょうか。そのためには、受診をするメリットを目に見える形で受け取れる仕組み、制度をつくっていく必要があろうかと思いますが、マイナポイント事業を実施して昨年マイナンバーカードの取得率が向上したように、改めて市民に対して分かりやすく、また取り組みやすい還元策というものを制度化していく、そして市民が健康診査を受けるメリットというものを提示していくべきだと考えますけれども、市長のお考えをお聞かせください。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 これまでも一定のポイントをためることによって、協力店舗におきましてサービスを受けられるクーポンを配布するという、わたしの健康ポイント事業というものを実施しているところであります。この事業におきまして、ウオーキングであったり、健康増進教室への参加など、健診の受診者に対してもポイントを付与しているところであります。まずはこの事業のさらなる周知に努めると同時に、様々な施策、先行自治体の事例なども研究しながら取り組んでいきたいというふうに思っています。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 様々市のほうでも今取組を進めておられますし、ポイントであったりクーポンというものがあるわけでありますが、なかなか市民の方々にとってはクーポンであったりポイントが正直魅力的には感じられない、そういったケースもあるわけでありますから、改めて市民の方が取り組みやすい制度というものを再構築していく必要もあるのではないかと思っております。 最後に、統治機構について伺います。 私は、これまでも基礎自治体における政治行政の最終目標は市民福祉の向上に尽きると述べてきました。市民福祉の最前線に立つ基礎自治体として、本市ではさきに述べてきた学校環境の改善や保育施策について、長年にわたり他の自治体よりも先進的に取組をしてきたことに評価をしているわけでありますが、また、
新型コロナウイルス対策についても、令和元年度以降、幾度にもわたって補正予算を編成し、状況の変化に対応してきたと思っております。しかしながら、例えば学校環境の改善を例にすると、本市がどれだけ学校トイレの洋式化を進めたいと思っても、国からの交付金や補助金がなければ進められないのが現状です。また、
新型コロナウイルス対策についても、国と県、基礎自治体との責任と権限が明確ではなく、現場が混乱している状況をお聞きしているわけでもありますが、市長はこれまで国と県と連携することの重要性を何度も述べられてきましたが、特に
新型コロナウイルス対策について、この関係にジレンマを感じるケースがあったと思いますけれども、御所見を伺います。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 早い段階から
新型コロナウイルス対策については、国・県と連携を取ってきたというふうに思います。発表の仕方もそうであります。ただ、特措法において都道府県が所管をすることになっておりますので、市としてでき得ることはおのずと限られてきたことも事実であります。ただ、その都度、県・国と連携しながら取り組んできたところでありまして、ただ、おっしゃるように、我々は基礎自治体ですから、市民の皆さんからストレートに厳しい声であったりだとか、またお褒めの言葉であったりだとか、受けることが多くあります。それを県や国にもお伝えをしているわけではありますけれども、ただ、時間的なタイムラグ、時差は少しあったのかもしれませんけれども、私はおおむね御理解いただいて、様々な施策に取り組んできていただいているというふうに思っています。例えば今回におきましても、5月の臨時補正を打ちました。6月の議会におきましても、石川県はしっかりと連携をした形で予算を発表いただきました。若干時差はあったかもしれませんけれども、ベクトルは一致しているというふうに思っています。これからも国とも県とも連携しながら、まずはこのコロナ対策につきましては、関係する皆さん、医療関係者も含めた、経済界の方も含めた皆さんと力を合わせて、まずはこれに全力を向けて取り組んでいきたいと思っています。
○久保洋子議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 今市長は、国と県と市、同じベクトルでもってというお話もされましたが、
新型コロナウイルス対策によって国・県・市の既存の統治機構に疑問を持つ市民も増えていると思いますが、地方分権が叫ばれ、法律上は機関委任事務が廃止されましたが、いまだに国や県の影響力は絶大だと言わざるを得ません。本市が真に市民福祉の向上を目指すためには、高齢者や子どもの人口、教育施設や保育所の配置状況など、地域の実情に合った、実態に合った血の通った行政サービスを展開すべきであり、そのためには既存の統治機構改革により、さらなる権限と財源の移譲を伴う真の地方自治を実現すべきだと考えますけれども、市長の御所見を伺います。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 これまでも全国市長会のみならず、個別で国会議員の皆さん方とお会いするときにも、今言った趣旨のことを私なりに申し上げてきました。独自財源の確保ということも申し上げてきました。金沢市におきましても、児童相談所であったりだとか、法定外目的税である宿泊税のことについても触れてきました。様々な機会を捉まえて取り組んでいきたいというふうに思っています。7月までにとワクチンの強い総理の思いを伝えています。基礎自治体の取組、都道府県の取組ではありますけれども、国・県・市、一緒に取り組んでいるところでありますので、その枠を超えて取り組んでいきたいと考えています。(拍手)
○久保洋子議長 以上で、25番小林誠議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。 換気のため、しばらくお待ちください。 〔議長退席、副議長着席〕
○山本由起子副議長 26番源野和清議員。 〔26番源野和清議員登壇〕(拍手)
◆源野和清議員 質問の機会を得ましたので、公明党金沢市議員会の一員として、以下、数点にわたり質問いたします。 去る5月20日、公明党金沢市議員会として、新型コロナウイルスワクチン接種に関する緊急要望を山野市長に提出させていただきました。既に要望の幾つかは実施、検討していただいていると拝します。今後は高齢者接種を一日も早く希望される方々に実施していただき、その先も見据えての準備が重要です。政府は7月末を念頭に高齢者へのワクチン接種を終えられるよう取り組むとしていますが、多くの高齢者が接種を希望していることから、本市の接種計画について、7月末完了に向けてどのような体制を組んでいるのか伺います。 次に、アナフィラキシーショック等の副反応報道がなされている中、ワクチン接種に不安を抱える市民もおいでるかと思います。また、モデルナ社やアストラゼネカ社のワクチンの薬事承認が得られ、今後、モデルナ社のワクチンが日本国内で使用されるとの報道が見られます。ファイザー社製ワクチン及びモデルナ社製ワクチンについて、安全性等についての情報発信についてどのように情報発信をされているのか伺います。 高齢者の優先接種と基礎疾患を有する方々への優先接種が並行して行われることも想定される期間に差しかかっていると思います。国から示されている先行予約期間の設定を適切に行うことが必要であり、また、この期間においては、障害者等自力で接種会場に赴くことが困難な接種希望者等のため、移動のためのタクシーの活用など必要な支援策の検討や、速やかな予約につながるよう特段の取組が必要であり、訪問診療なども有効な支援策と考えます。視覚障害、発語障害、精神疾患などのある接種希望者に対して、事前の情報提供の充実と接種会場での円滑な接種に必要な合理的配慮について、どのようにお考えかお聞かせください。 今後郵送される接種券については、接種対象者の予約混雑の軽減を図り、接種会場の一覧表や予約の案内などを同封し、案内の内容については、必要な情報にアクセスしやすくなるよう、QRコードも配置することが重要と考えます。加えて、本市では、大規模接種会場について複数箇所検討されていることから、集団接種会場において、事前に予診票を記入していない方々が増える可能性も想定されます。会場でアドバイスを受けながら記入できるよう、アドバイザーとなるスタッフの確保なども必要かと考えますが、大規模接種の計画内容について、現段階での方針を伺います。 64歳以下の方々の接種予約においては、対象人数もさらに増えることとなるため、高齢者優先接種の予約混雑の教訓から、市内事業者への接種のための配慮をお願いすることや、年齢別の接種券送付など現行の予約システムと整合性のある工夫を行い、接種券送付の機会を活用し、周知を図ることも必要と考えますが、今後の接種券の配付についての方針について伺います。 あわせて、コールセンター機能の拡充、休日夜間対応の接種機会拡充について、どのようにお考えかお聞かせください。 市長提案理由説明に、エッセンシャルワーカーの接種について言及がありました。各施設が名簿を作成し、予約を申し込めるのであれば、接種記録の管理が可能であり、接種後に手続を行うことで、個人単位での申込みに比べ予約混雑の軽減につながり、より円滑な接種体制につながると思います。エッセンシャルワーカーの優先的な接種における接種管理と接種体制についてのお考えを伺います。 集団接種における接種者が増えることから、集団接種会場における経過観察時間を活用して、接種済み者が注意すべき事項、例えば、接種後すぐに体内の免疫が形成されるわけでなく、引き続き十分な感染予防が必要であること、翌日に発熱などの副反応が顕著であることなどについて、分かりやすく周知することも必要かと思います。これらについてどのように周知していくのかお聞かせください。 次に、金沢版総合戦略と若者の定住施策について伺います。 日本学生支援機構の2019年度の発表によると、返済が必要な同機構の貸与型奨学金の利用者は129万人となっています。大学生などの2.7人に1人が利用している計算となります。2019年度末の延滞者数は約32万7,000人で、延滞債権額は約5,400億円に上り、延滞の主な理由は家計の収入減や支出増で、延滞が長引く背景には、本人の低所得や延滞額の増加が指摘されています。こうした利用者の負担軽減に向け、返済を肩代わりする支援制度が2015年から実施されています。一定期間定住し、就職するなど条件を満たせば、対象者の奨学金の返済を当該自治体が支援するものであり、石川県をはじめとして県内でも3つの自治体でこの制度を取り入れています。全国では2020年6月現在、32府県423市町村で導入されている状況です。まずはこの支援制度が創設された背景と経緯について、地方創生に係る学識経験をお持ちの村山副市長に伺います。 公明党は、全国各地で公明党青年委員会が実施してきた若者との懇談会、ユーストークミーティングを重ねる中で、貸与型の奨学金については社会人になってからの返済が大変といった声が多く寄せられており、公明党、三浦信祐参議院議員は、国会質問で返還支援制度の広報強化や拡充を主張し、2020年6月の制度拡充につなげました。2020年8月には安倍晋三首相に青年政策2020を申し入れ、奨学金返還支援制度の対象拡大を求めており、2021年1月の参議院予算委員会では、民間事業者による返済支援の推進について質疑を行い、菅義偉首相は、企業が社員に支援する従来の仕組みから、企業が直接日本学生支援機構に奨学金を返済する代理返還制度の導入を約しました。また、公明党青年委員会として、本年、ボイスアクション2021と題する青年政策アンケートを実施し、金沢市内においても本年春に街頭アンケートを行い、この青年政策アンケートは全国で約71万件を超える回答をいただいており、そのアンケート項目の中でも奨学金返済に対する期待が見られます。この32府県423市町村で見られる奨学金返還支援の動きは、地方への若者の移住を促し、地域産業の人手不足を解消する狙いもあり、自治体と地元企業などが基金をつくることを条件に、国が自治体の負担額の2分の1を特別交付税措置で支援する枠組みとなっています。地域によって企業の数や財政力に差があるため、2020年6月、国は補助割合を引き上げ、同制度が拡充されました。さらに、市町村については基金設置が不要になり、国が支援する範囲も拡充されました。この改定された支援制度の内容と改定後の他都市の動向について、村山副市長に伺います。 ところで、第1次より第2次に至る金沢版総合戦略の中で、一貫してUJIターンの促進が施策に掲げられていますが、年齢(5歳階級)、男女別転入超過数に照らしてみると、ゼロ歳から4歳までの転出超過数の要因が気になるところであります。この要因について御所見と、住宅支援制度の活用等による県外からの移住者数が、重要業績評価指数(KPI)として平成30年42人から令和6年には222人とされています。この重要業績評価指数についての現状の進捗状況と、目標達成についての見通しについての御所見を伺います。 令和2年3月作成の第2次金沢版総合戦略における市外へ就職する学生数を1割減の目標値では、平成30年度約2,000人から令和6年度1,800人としています。この目標における現状の数値と進捗状況についてお聞かせください。 基本的方向の中で、多くの高等教育機関が集積する本市では、若者が就職を機に金沢を離れ、東京圏などへ転出していく傾向が顕著である一方、近年の本市の有効求人倍率は全国的にも高い傾向、また、本県から大都市圏へ進学した若者のUJIターンを阻む要因分析にも言及し、対して子育て環境への取組や移住・定住施策などで人々が集うまちをつくるとしています。UJIターンに係るこれらの具体的な事業は多岐にわたりますが、年齢(5歳階級)、男女別転入超過数に照らしてみると、どのような数字となって現れるかが気になるところであります。15歳から19歳までと20歳から24歳まで及び25歳から29歳までの移動者数の2018年から2020年の直近3か年の傾向についての御所見を伺い、あわせて、20代全般にわたる転出超過とも取れる要因について御所見を伺います。 UJIターンの促進については、移住者に対する住宅支援制度に加え、空き家等の活用を促進する体制を構築するほか、本市の魅力や充実した住環境をPRしながら、UJIターン世帯を促す施策として住宅支援制度を軸にした経済的支援があることを考えると、移住者に対する経済的支援について、国の支援制度をより広く効果的に取り入れていくこともUJIターンの促進をより充実させるものと考えます。既に富山県内では県庁所在地の富山市を含む9つの市及び3つの町で、福井県内では5つの市と1つの町で導入されている支援制度であり、石川県内の市町ではまだ導入が僅かな状況です。県庁所在地である本市の判断が、今後の石川県内の同制度導入における重要な役割を担うと考えます。コロナ禍において大都市圏での暮らし方とテレワークによる業務の在り方が模索される中で、本市として既に用意されている看護師、保育士に見られるような就職支援制度を、より広く若者に提供できるような支援制度についても検討すべき時期に来ているかと思います。金沢版総合戦略におけるUJIターンの今後についてと、特別交付税措置が受けられる奨学金を活用した若者の地方定着促進制度の導入について、御所見を伺います。 次に、ヤングケアラー支援について伺います。 昨年の12月定例月議会において、ヤングケアラーの実態調査の実施、市職員の認知度向上及び支援制度について、我が会派の稲端議員が質問をし、山野市長より、過度な介護などにより、子どもの成長への悪影響や教育を受ける機会の阻害に対する懸念をしており、認識の向上と子どもに関する関係機関による早期発見と、こども相談センターや金沢こども見守りネットワークなども含めた連携の強化に努める旨の御答弁をいただきました。そこで、12月定例月議会以降、本市の職員や教職員の研修会等の開催による認知度の向上についての取組の検討はどのようになされたのか、また、その実施時期についても伺います。 最近、新聞やテレビなどで、ヤングケアラーの報道をよく見るようになりました。また、5月17日には、厚生労働省と文部科学省のプロジェクトチームが、ヤングケアラー支援に向けた報告書を取りまとめました。その中で、ヤングケアラーに関する初の実態調査が公表されました。昨年12月以降に全国の中学2年生を対象に調査を実行し、5,558人が回答しました。このうち約320人が世話をしている家族がいると回答、ケアの対象は、兄弟姉妹が61.3%で最も多く、父母23.1%、祖父母14.7%となっています。また、家族を世話していると答えた生徒のうち、1日のケア時間が7時間以上に及んでいたのは11.6%に上っています。さらに、ケアのためにやりたいができないことを聞いたところ、自分の時間が取れないが20.1%、宿題や勉強の時間が取れないが16.0%であったとしています。報告書では、2022年から2024年を社会的認知向上の集中的取組期間とし、さらに、幼い兄弟をケアする子どものいる家庭に対する支援の検討や、オンラインを活用した相談窓口の検討や、地方自治体による実態調査の促進など、具体的な検討課題が挙げられています。また、全国の現状として、ヤングケアラーに関する研修が不十分であり、地方自治体による現状把握が進んでいないと思われます。また、支援の窓口が不明確などの指摘も見受けられます。このようなヤングケアラーの実態には地域差があるとは思いますが、本市においてもまずは児童・生徒の実態調査を早急に実施すべきと考えますが、御所見を伺います。 ヤングケアラーの実態は、家庭内での問題のため、外部からは分かりづらいことや、お手伝いと過度なケアの線引きが難しいことに加え、子ども自身が過度なケアを行っているとの認識が薄いことなど、見極めの難しさがあります。そのため、本市においても金沢こども見守りネットワークなども含めた支援団体だけでなく、子どもを見守る多くの人の目が必要であり、社会的な認知度の向上が不可欠と言えます。そこで、ヤングケアラーについてどのように市民の認知度を向上させていくのか、伺います。 全国の先進事例を見ると、ヤングケアラーとケアラーの支援に関する条例を制定することで、全てのケアラーが健康で文化的な生活を営むことができる社会の構築を目指して、行政、支援事業者や関係機関の役割を明確化し、総合的な支援計画に取り組む自治体も出てきています。いち早く取組を開始した埼玉県では、令和2年3月に埼玉県ケアラー支援条例を制定。同年6月には埼玉県ケアラー支援に関する有識者会議を設置し、ヤングケアラーの実態調査の在り方や調査を踏まえた支援の在り方が検討されました。その中の議論で、ケアラー支援をしている関係機関の一覧表が部局を超えて作成されたことにより、支援の横展開がしやすくなったことなど、今後の福祉施策においても、全ケアラーを取り巻く課題の克服のために、ヤングケアラーとケアラーの支援者が一堂に会して協議することの大切さを痛感しました。本市においては、今年度より福祉健康局として福祉と保健関係各課の連携を強化したことで、ケアラー支援においてもその効果を期待するものです。さらに、教育委員会との連携によって、ヤングケアラー支援を含めたケアラー支援条例の制定やこの課題に取り組むための協議体の設置を強く求めたいと思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。 質問の最後は、災害対策基本法の改正・施行について伺います。 去る5月20日に、災害対策基本法の一部が改正・施行されました。主な変更点は、これまで災害のおそれが高い警戒レベル4で発表していた避難勧告と避難指示の併用を改め、避難指示に一本化されました。命を守るには、国が自治体に作成と周知を義務づけている水害ハザードマップなどを活用し、住民一人一人がふだんから災害リスクを認識することが重要になります。本年、コロナ禍ではありますが、本市においても防災情報シートを全戸配布しているところでございます。災害対策基本法の改正における避難指示の一本化に伴う逃げ遅れ防止についての変更点周知を含め、どのような目的で配布されるのか、御所見をお聞かせください。 災害弱者の避難支援について、東日本大震災や西日本豪雨、熊本を中心とした昨年の7月豪雨などで命を落とされた方の6割から8割は、避難が遅れた高齢者や障害者などの災害弱者の方々です。避難行動要支援者の名簿の整備は進みましたが、個別避難計画の策定は地域住民の善意にお願いしている現状と思います。内閣府では、災害時に避難の支援が必要な高齢者や障害者などの要支援者の個別避難計画作りについて、外部委託を可能にする方針を決めたように聞いております。委託先はケアマネジャーのほか、障害者の生活を支える相談支援専門員が想定されているようですが、本市における要支援者の避難計画の策定状況についてと、政府方針の新たな個別避難計画に見られる「自宅から福祉避難所に直接避難できる仕組み」の御所見を含む本市における個別避難計画の在り方について、今後の方向性を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
○山本由起子副議長 山野市長。 〔山野之義市長登壇〕
◎山野之義市長 26番源野議員にお答えいたします。 高齢者の接種計画についてお尋ねがございました。医師会、薬剤師会をはじめ、関係者の本当に献身的な取組もありまして、金沢市は、現状においても65歳以上の希望する方の接種を7月末までに終了できる見込みであると思っています。ただ、64歳以下の方の接種のことも見据えまして、さらにはこれをより確実にするためにも、今般、市役所第二本庁舎等3か所において、金沢市医師会等の御協力の下、新たな集団接種会場を設置し、今月19日から順次接種を開始していきたいと考えています。 障害のある方への合理的配慮についてお尋ねがございました。ワクチン接種において、障害のある方に対する合理的な配慮は、これは不可欠であると思っています。自立支援給付等による支援サービスを利用できることなど、支援が必要な方に対する情報提供に改めて努めてまいります。また、自宅等で寝たきりの方であっても接種の機会が確保されるよう、訪問診療に合わせた接種の対応について、引き続き、各医療機関に協力を要請していきます。 64歳以下の方々のことについてお尋ねがございました。何といっても65歳以上の方たちと決定的に違うところは、現役で仕事をされている方が多いということ、かかりつけ医をお持ちでない方が多いということ、そういうこともありますので、最初の段階から大規模な集団接種の会場を設けたいと思っています。利便性の高い場所で行っていって、土曜日曜も行えるようにしていきたいというふうに思います。そのためにも、医療従事者のほか、受付、案内などに十分な人員を確保するとともに、先行事例も踏まえながら様々な方法を工夫してまいります。 高齢者優先接種の予約混雑の教訓から、どんなことを学んだのかということであります。まずは64歳以下につきましては、60歳から64歳までの方、基礎疾患のある方、介護職等の従事者、この3層を優先的に取り組んでいきたいというふうに思っています。その後ですけれども、年代ごとに区切りをつけていきながら、接種券の発送、予約の受付の時期を年齢別に分けて、段階的に進めていきたいと思っています。コールセンターにおきましても、オペレーターの増員を図るとともに、集団接種等の会場につきましては、就労されている方が接種しやすいよう、今ほど申し上げましたように、休日などにも行っていきたいというふうに思っています。 いわゆるエッセンシャルワーカーの接種計画のことについてお尋ねがございました。まずは各施設に希望者を取りまとめていただきたいと思っています。その取りまとめた名簿を市に提出いただいて、接種券を優先送付する、そのことを基本に考えていきたいというふうに思っています。なお、嘱託医をお持ちで、その嘱託医の中で対応できる限りにおいては、どんどん進めていただければというふうに思っています。 接種後の情報、もしかしたら副反応も起こり得るかもしれない、その情報提供のことについてお尋ねがございました。既に行っている金沢広域急病センターの集約接種においては、経過観察時間を利用して接種後の感染予防の必要性、副反応への留意等に関する動画を上映しているところであります。今後新たに設置する集団接種会場においても、同様の方法により、必要な情報提供を行ってまいります。 金沢版総合戦略、若者の定住促進について、奨学金を活用した若者の地方定着促進制度について何点かお尋ねがございました。奨学金の返還を支援する制度を導入することは、若者のUJIターンを促す一定のインセンティブになると思っています。ただ、既に多くの自治体で様々な制度が運用されており、本市の独自性を踏まえた制度の目的や対象というものを明確にしていかなければいけないと思っています。その上で、制度における費用対効果を見極める必要もあると思っています。県内ではまだない、金沢市が率先をしてということでありますけれども、ただ、そうはいっても、石川県であったり県内の他自治体の状況もお話をお聞きしながら、バランスというものを考えていくことも必要ではないかというふうに思っています。一定の効果が認められるというふうに思われますので、先行事例を研究しながら制度の検討から始めていきたいというふうに思っています。 ヤングケアラー支援について、本市職員への認知度向上についてどんなことを行ってきたのか、行っていくのかということです。先般、国が調査報告書を取りまとめられました。まず、今年度ですけれども、ケアラーとの関わりが大きいこども未来局と福祉健康局の職員を対象とした研修を開催したいと考えています。教職員につきましても、今年度実施します管理職研修や養護教諭、教育相談担当者等を対象とした研修等の中に組み込んで、ヤングケアラーの認知度向上に取り組んでいきたいというふうに思っています。 まずは本市の実態調査が必要ではないかとお尋ねがございました。家族の介護、世話等による過度な負担から、学業等に支障が生じたり、子どもらしい生活を送れなかったりすることは、大きな問題があると思っています。児童・生徒の実態調査を行うに当たりましては、これも御指摘ありましたけれども、教育委員会、関係部局との連携も密にしながら、どんな項目で行っていくのか、どのような方法で行っていくかなどについて十分に検討していきたいというふうに思っています。大切なテーマだと思っています。 市民の皆さんはあまり御存知ないのではないかと、この性格の事柄からいって、なかなか表に出にくいと、やはり市民の皆さんの御理解をいただくことが政策を進めていくことになるのではないかということでした。啓発リーフレットというものも作成をし、民生委員児童委員協議会やPTA協議会など、金沢こども見守りネットワークの構成団体に加えて、子ども食堂など、地域で子どもを支援する活動を行っている団体の皆さんに対しても周知に努めていきたいというふうに思っています。 条例、もしくは協議体の設置も考えていくべきではないかということでありました。早い段階で対応をしていくことが必要だと思っています。介護状況の把握、必要なサービスの提供に向けて、庁内の組織横断的な取組とともに、地域包括支援センターや基幹相談支援センター、さらに各福祉事務所との官民の枠を超えた連携が重要であると考えています。個々の事案によって本当に千差万別だということもお聞きしています。その都度、その個々のケースに沿って丁寧な対応をしてきたところであります。包括的な条例、協議体の設置を御提案もいただきました。市としてどのような体制で進めていくのがいいのか、こちらにつきましても検討させていただければというふうに思っています。 災害対策基本法の改正・施行についてお尋ねがございました。今般の法改正は、近年の大規模災害時に避難情報が分かりづらい、結果として逃げ遅れてしまうというケースが多くあったことを踏まえて行われたものだと理解しています。防災情報シート配布の目的は、これまで避難勧告と避難指示に分かれていたものを避難指示に一本化したことなど、住民が災害時に取るべき避難行動を直感的に理解できるように広く周知を図ることであります。加えて、日頃からの防災意識の啓発にもつながればと考えています。なお、この防災情報シートは、梅雨時期から台風シーズンまでの出水期に備えて、今月中に全戸配布をしたいと考えています。広報番組、かがやき発信講座など、あらゆる機会を捉まえまして、災害時に取るべき避難行動を周知していきたいと考えています。 要支援者の避難についてもお尋ねがございました。これは昨年度ですけれども、小坂地区と新神田地区で実施しました避難行動要支援者名簿を活用したモデル事業において各地区の個別避難計画を作成したところであり、本年度も引き続き2つの地区においてモデル事業を行っていきたいと考えています。福祉避難所への直接避難につきましては、避難対象者の範囲の設定、福祉避難所の受入れ態勢の確保、そういった課題も決して少なくはありません。また、対象でない方が避難をしてきた場合、混乱が生じるおそれもある、その混乱を回避するためにも、福祉避難所と一般の避難所の違いについて広く周知をしていくことも必要だと考えています。 個別避難計画の策定に当たりましては、要支援者の現況の的確な把握、避難先の確保、避難支援の方法、そういった実効性のある計画とするとともに、さらなる策定地区の拡大についても計画的に進めてまいります。 私のほうからは以上です。
○山本由起子副議長 村山副市長。
◎村山卓副市長 自治体等による奨学金返還支援制度についてお尋ねがございました。今から6年ほど前、第1期の総合戦略を策定する時期に、私、香川大学大学院地域マネジメント研究科というところに所属しておりまして、地方創生に関する講義も行っておりましたことから、香川県内の市町の幾つかの総合戦略の策定に関わらせていただきました。その際、市町に共通する事情として、特に進学などで大都市圏に流出した方については、進学先を卒業した後に就職などの際には地元に戻ってこないということを痛切な課題と捉えてございました。このため、若者の地方定着への取組を進めるためには、進学や就職などの機会を捉えて働くことのできる雇用を創出し、就労、定住しやすい環境を整えることが有効だというように考えてございます。奨学金返還支援制度につきましては、こうした観点から、令和元年12月に策定された第2期のまち・ひと・しごと創生総合戦略の趣旨を踏まえまして、昨年6月に奨学金を活用した若者の地方定着促進要綱が策定され、返還支援に係る国の財政支援措置が拡充されたものと承知してございます。 続きまして、改正された支援制度の内容でございますけれども、昨年6月に策定された新たな奨学金を活用した若者の地方定着促進要綱では、基金への出捐などで地元産業界などと連携することは必須条件ではなくなりました。また、特別交付税措置の対象経費につきまして、これまで奨学金返還に係る負担額の10分の5だったところを10分の10に拡充されると、また、対象につきましても、大学や短期大学、大学院、高等専門学校に加えまして、高等学校、専修学校の高等課程、特別支援学校の高等部などが新たに対象となりました。また、他都市の動向につきましては、現在、中核市において奨学金の返還支援を行っているのは62市中12市でございます。このうち、今般の国の制度拡充を受けまして新たに制度を導入したのは1市でございます。 以上でございます。
○山本由起子副議長 高柳福祉健康局長。
◎高柳晃一福祉健康局長 新型コロナのワクチン接種につきまして、ファイザー社製のワクチン、モデルナ社製のワクチンの安全性等について、どのように情報発信しているのかとのお尋ねですが、各ワクチンの安全性、有効性につきましては、国内外の治験結果等を踏まえまして、国、それから都道府県が情報提供を行っているところであります。本市といたしましては、ホームページ、あるいはコールセンターへのお問合せ等を通じまして、丁寧に情報発信を行うとともに、ワクチンの効能や副反応に関する説明書を、接種券を送付するときに同封しているところでございます。
○山本由起子副議長 鳥倉都市政策局長。
◎鳥倉俊雄都市政策局長 金沢版総合戦略におけますUJIターンの施策につきましてのお尋ねについてお答えいたします。まず、ゼロ歳から4歳までにおける転出超過につきましては、その親世代である25歳から39歳までの転出超過が主な要因と推測されます。また、住宅支援制度を活用した県外からの移住者数は、第2次金沢版総合戦略の1年目であります令和2年度の実績は61人であり、目標を達成しております。今後も制度の周知、活用に努め、目標達成を目指してまいります。 次に、市外へ就職する学生数を1割減するとの数値目標についてお答えを申し上げます。この数値目標の設定につきましては、県内の大学に在籍する学生が市内の企業等に就職する割合から算出をいたしております。この割合が着実に向上しておりまして、その結果、市外へ就職する学生数は、令和元年度で1,905人となっております。こちらのほうも目標の達成に向けまして、市内の大学生に対しまして、本市、それから本市企業の魅力を発信してまいります。 また、15歳から19歳まで、20歳から24歳まで、25歳から29歳までの移動者数の3か年の傾向と、20代全般にわたる転出超過についてのお尋ねについてお答えいたします。総務省の住民基本台帳人口移動報告によりますと、15歳から19歳までは転入超過であり、20歳から24歳まで、25歳から29歳までにつきましては転出超過となっております。20代につきましては、2018年から2020年にかけまして転出超過が続いておりますが、主な原因は就職や転勤であると推測しております。 以上でございます。
○山本由起子副議長 換気のため、しばらくお待ちください。 〔副議長退席、議長着席〕
○久保洋子議長 27番広田美代議員。 〔27番広田美代議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆広田美代議員 質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として、質問いたします。 まず、新型コロナウイルスワクチン接種について伺います。 日本の
コロナワクチンの接種回数は、5月下旬時点で人口当たり世界の国・地域で130位。東京五輪を目前に、世界からの遅れに焦る菅首相は、高齢者接種を7月末完了、1日100万回接種など、現場の実態を無視した目標を強制し、自治体や医療機関に負担と混乱を招いてきました。全国知事会が実施したアンケートでは、7月末完了の課題として、全都道府県が医療従事者の不足を挙げ、多くの自治体が通常診療への支障も懸念。さらに、自治体のマンパワーの不足についても半数以上が課題としました。本市でも、対策本部や健康政策課など現場の皆さんを拝見するにつけ、大変な状況だと実感しています。現状の様子を教えてください。そして充足を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 本市は、1月8日、全国でも最も早く実施本部を立ち上げて、準備を進めてきました。今おっしゃったように、計画が変更になることによって、その都度対応を余儀なくされました。職員が本当に頑張ってくれました。今、これも御指摘いただきましたように、これまでも充足をしてきましたけれども、64歳以下が始まりますと、これまで以上の多くの方の接種が広がってきますので、さらに人数も増やしていきながら充実をしていかなければいけないというふうに思っています。予約のことにつきましても、医療機関であったり、65歳以上の方に御迷惑もおかけいたしました。おわびを申し上げたいと思いますし、幾つか御指摘もいただきましたので、64歳以下のときにはその御指摘に対応することによって、少しでもスムーズな対応に取り組んでいきたいと考えています。
○久保洋子議長 広田美代議員。
◆広田美代議員 本市では、64歳以下のワクチン接種計画について、今月中には明らかにすると午前中も述べられております。しかし、ワクチンの供給量については、65歳以上のときも未定の中で計画が進んできたということがあります。この64歳以下のワクチンの供給量については、見通しが立っているのか教えてください。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 各方面に連絡を取りながら、情報を収集しているところであります。ただ、先般、菅総理が全国11月までには終えたいというふうにおっしゃられました。必要なワクチンは、私は供給されるものだというふうに考えています。引き続き、国・県と連絡を取り合いながら、少しでも早くにワクチンを確保して接種に努めてまいりたいと考えています。
○久保洋子議長 広田美代議員。
◆広田美代議員 11月までに、全体像ですけれども、64歳以下のワクチン供給量については、まだ具体的に示されていないと思います。そして、この間分かったことは、ワクチンが供給されないのに計画を進めていることによって、混乱や負担を招いているということが分かっておりますので、ぜひ市長には、国に忖度をせず、焦って進めないように求めておきたいと思います。ワクチンの供給と現場の状況をよく踏まえて、計画を練って進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 現場、医師会や薬剤師会、また看護師の皆さんの声をきちんとお聞きしながら、ワクチンの状況を確認しながら計画を進めていきたいと考えています。
○久保洋子議長 広田美代議員。
◆広田美代議員 次に、高齢者接種について伺います。集団接種の予約が昨日14日で締め切られましたが、どのような申込状況なのか明らかにしてください。当初は7,500としていた枠を2,520の枠として用意されたわけですが、どのような状況に至っているのか教えてください。
○久保洋子議長 高柳福祉健康局長。
◎高柳晃一福祉健康局長 御指摘のありましたとおり、昨日6月14日で市役所第二本庁舎等の3つの集団接種会場の予約受付を締め切っておりまして、2,404件の申込みがございました。定員の合計であります2,520人を下回ってはおりますけれども、予約受付の際には接種の希望日も併せて申し込んでいただいておりまして、接種日ごとの結果につきましては現在集計中でございます。
○久保洋子議長 広田美代議員。
◆広田美代議員 お昼休みにLINEが届いていましたけれども、今のところ、全体の定員は満たすことはなかったけれども、希望にかなわなかった人がいるだろうということなのかなと思いますが、LINEでももう情報が届いているとおり、次の集団接種の予約枠など、見通しは立っているんでしょうか。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 これから、2,500はいきませんでしたけれども、まだ情報に気づかない方もいらっしゃるかもしれません。LINEであったり、様々な機会を捉まえてさらに情報をお伝えしていきたい、この議会で議論をしていることもその機会だと思いますけれども、そういうことによってやっていきたい。今局長も申し上げましたけれども、人数は下回ってはいますけれども、今から集計していく中で、同じ日、同じ時間帯に重なることもあると思われますので、その場合は抽せんをさせていただきたいと思っています。ただ、抽せんで当たった方はそれでいいんですが、抽せんで外れた方には折り返しのはがきも入れてお送りをして、また希望の日を送り返していただくという形にすることによって、確実に接種をしていただけるように取り組んでいきたいと考えています。
○久保洋子議長 広田美代議員。
◆広田美代議員 6月15日からの申込み分があるということをちょっと確認したいのと、それはどれくらいの人数枠を予定しており、そうやって抽せんで漏れた方がしっかり受けられる環境にあるのか、お願いします。
○久保洋子議長 高柳福祉健康局長。
◎高柳晃一福祉健康局長 昨日締め切りましたのは、第1回の申込みということで、実は、日程的にはまだ予定を立てております。次の時期につきまして、今回予約に漏れた方についてはそちらを御案内して、駄目でしたという結果通知の中に、申込みの案内といいますか、次の日程はここだということと、申込み用のはがきも同封させていただいて、再度の申込みをしていただくということでございます。枠のほうはずっと押さえてありますので、状況によってはまだ引き続き続けるということも考えております。取りあえず第1回の昨日で締め切った分については、一旦これで固めてということにしているところでございます。
○久保洋子議長 広田美代議員。
◆広田美代議員 5月下旬から高齢者の予約が始まり、いろんな混乱の中、ずっと取れないという方がいて、この集団接種は最後の頼みの綱と言っても過言ではないほど皆さん求めていたものですので、ぜひ今回漏れても明日からの予約でしっかり取れるように、サポートも含めてお願いをしたいと思います。 次に、コロナ禍での市民の暮らしに関わって、特例貸付制度と新たな給付制度について伺います。石川県労働力調査の令和2年度の平均値では、就業者数613万3,000人であり、前年度に比べ19万6,000人の減少です。完全失業者数は13万8,000人で、前年度比2万2,000人の増加、休業者数も1万5,800人で、前年度比5,200人の増加です。1月から3月まではやや改善しましたが、今年度に入り、5月、6月の
石川緊急事態宣言等によって、大きな影響がまた出ているのではないでしょうか。コロナで収入が途絶える、減少することで受けられる社会福祉協議会の特例貸付制度は、昨年4月から今年5月までで緊急小口が4,335件、総合貸付の初回が3,646件に達したということです。お聞きしましたところ、20歳から50歳代までの稼働年齢層がおよそ8割を占め、40歳代が最も多い状況です。そして、この3月の再支給申請が急増しているというものです。生活困窮者の現状と見通しについて明らかにしてください。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 総合支援資金の再貸付けのほか、緊急小口資金特例貸付や住居確保給付金の申請も増加傾向にあります。大変厳しい方が多いと思っています。感染症の影響により、雇用・経済情勢の改善が見られない場合は、この状況が続くと懸念をしているところであります。
○久保洋子議長 広田美代議員。
◆広田美代議員 市長がおっしゃったように、新型コロナウイルスの影響が長期化し、再支給を申請し、貸付けの限度額に達している方というのが多くいます。その方々に対し、国が新たに給付制度を創設し、今議会でも追加上程がされたところです。3か月で最大30万円の給付金とのことですが、受けられる条件が、特例貸付を上限まで借り終わっていることや求職活動をしているなど、厳しいものです。まずは貸付限度額に達している方及びその中で制度の対象となる方がどれほどいらっしゃるのか、明らかにしてください。
○久保洋子議長 高柳福祉健康局長。
◎高柳晃一福祉健康局長 総合支援資金特例貸付の再貸付けを終了し、本年5月末までに貸付限度額に達した方は1,369人でありまして、申請期限である8月末までに限度額に達すると思われる方は458人、合わせて1,827人が限度額に達すると考えております。今回の新しい国の制度であります新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金の給付に当たりましては、委員御指摘のとおり、収入や預貯金の基準額を下回っているということと、かつ求職活動を行うという要件が必要でございまして、対象となる方は約900人ぐらいというふうに見込んでいるところでございます。
○久保洋子議長 広田美代議員。
◆広田美代議員 貸付限度額に達していても、およそ半分の方がこの制度を利用できないということになります。こういった貸付けは限度額に達しているのに給付制度を利用できない方々への対応が必要だと考えます。また、特例貸付を受けてからという厳しい条件があるわけですが、私の相談の中でも、既に民間や御親戚から借金もし、新たに借りても返す見通しが立たないので、こうした貸付制度を利用できないという方がたくさんいらっしゃいます。これら貸付けも給付も受けられない方には、稼働年齢層であっても積極的に生活保護制度の利用を促すべきです。この間、コロナ禍での車の処分指導の留保などの特例がありますし、国から扶養調査について本人の意向を尊重する取扱いが示されました。本市ではこれらの取扱いをどのように生かし、生活保護を受けてもらうのか、教えてください。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 生活保護の申請におきましては、自動車の処分、親族の扶養調査について、個々の世帯の状況に即した柔軟な対応を行ってきているところでありまして、生活に本当に困窮されている方も増えてきている状況であります。そういう方たちが生活保護を受けられるよう、今後も丁寧な対応と支援に努めてまいります。
○久保洋子議長 広田美代議員。
◆広田美代議員 ぜひとも柔軟な対応をお願いします。 次に、コロナ禍での東京オリンピックの開催と本市の関連事業についてです。 東京オリンピックの開催について、多くの専門家が感染拡大や医療体制逼迫の危険を指摘しています。政府の
新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長も、今の状況でやるというのは、普通はないと、国会で答弁をしました。にもかかわらず、菅政権は警告を無視し、感染症専門家にリスク評価を諮問することもなく、開催に突き進んでいます。一方、組織委員会は、11日、観客や大会関係者など、来訪者が1日最大約34万人となることを公表。大会を開催した場合、都内では新規感染者が開催しない場合より200人も増える試算を明らかにしました。これらの状況から、圧倒的多数の世論は延期や中止を求めています。リスクが指摘されている今、国民の命を危うくしてオリンピック開催を強行することは許されません。今我が国が総力を挙げて取り組むべきは、感染拡大の防止徹底による医療崩壊の回避やワクチン接種の早期完了、先ほども明らかになった生活困窮者や経営不振に苦しむ事業者等への支援です。市長の見解はいかがでしょうか。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 後段おっしゃったコロナ対策、そして困った方への支援が最大の眼目だというのは、同じであります。ただ、一方では、国、東京都、大会組織委員会等の皆さんが、様々なリスクヘッジをしながら準備をされていらっしゃるところであります。自治体としては、開催の是非に言及するのではなく、これらの施策をしっかりと支えていきながら、市としてでき得る限りの対応を取っていくことに尽きるんだと思っています。
○久保洋子議長 広田美代議員。
◆広田美代議員 次に、本市のオリンピック関連事業について伺います。様々な事業が用意されていますが、大まかにまとめますと、事前合宿については、フランスとロシアから8チームの外国人選手やスタッフ、総勢200名ほどを受け入れ、7月10日を皮切りに、それぞれ10日間ほど滞在されるということです。一部は白山市での合宿です。そして、ライブサイトについては、総合体育館で飲食を伴うイベントと聞いています。また、若手選手を東京に派遣してオリンピック選手と交流する事業や、競技後、東京から戻ってきたオリンピック選手と市民との交流があります。これらの事業に関し、オリンピック関連事業推進室の皆さんも日々準備に取り組んでおられるかと思います。しかし、その一方で、全国同様、本市でも緊張感の中、日々対応する医療機関やエッセンシャルワーカーの方々がいます。理解が得られるでしょうか。また、今回の合宿中に何かあれば、本市の保健所も対応を迫られ、医療については市立病院が担うと聞いています。本市の業務にも多大な影響が予想されます。そこで、感染対策について伺ってまいります。組織委員会や政府は開催地を大きな泡で包むように囲い、選手やコーチ、関係者を隔離、外部の人たちと接触を遮断するバブル方式を採用すると言いますが、事前合宿やホストタウン事業は、開催地の東京都内では完結しません。日本に着いてから、まず本市へ移動、滞在、その後東京へ行き、試合後は東京から戻ってきて交流し、帰国する。しかも、日本に着いてから公共交通は使わないとプレイブックにはありますが、国内航空は認められ、一般の空の便で小松空港までおいでるチームもあるとのことです。また、本市側で対応する職員や通訳の方々のワクチン接種は間に合わないと思われます。本当に政府の言うバブル方式が成立するのでしょうか。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長
選手団は、母国から出国する直前に発行された陰性証明の提出に加え、出国前14日間の体温測定と体調管理が義務づけられています。入国する際も抗原検査をされて、陰性でなければ日本への入国は認められないとお聞きしています。入国後ですけれども、本市職員が
選手団に随行し、一般客と分離した動線を案内し、飛行機では一般客と2席以上離れた座席となり、バスは御指摘のように専用車両であります。市内におきましては、宿泊施設と練習会場以外の行動は禁止し、宿泊施設ではフロアを貸し切り、練習施設では占有利用とするなど、市民との接触は徹底して排除することとしています。以上のことから、事前合宿などの際の市内での感染リスクは極力抑え込まれると理解しています。
○久保洋子議長 広田美代議員。
◆広田美代議員 バスは貸切りですけれども、飛行機が2席空けるという対策であることが分かりました。これらの考え方は、国のプレイブックや本市が作られた、見せていただけませんでした、非公開でしたけれども、こんな分厚いマニュアルに沿って行われるということは分かっています。しかし、国でも追及があるように、本市の現状を理解しているような感染の専門家のリスク評価であるとか御助言、御指導は受けているのか、それを明らかにしてください。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 何度か御指摘いただいておりますプレイブックのほかに、各種競技団体が作成したガイドライン等を参考にしており、本市の個別的な状況につきましては、金沢市保健所に相談しながら作成しているところであります。
○久保洋子議長 広田美代議員。
◆広田美代議員 保健所がこの大変な中、関わっていらっしゃるということなんですね。次に、尾身会長も感染リスクが高いとし、中止が必要だとしているライブサイトや選手との交流事業、これはいろんな自治体が既に中止の判断をしております。本市も早めの御決断をするように求めたいと思いますし、現時点で保健所から何か指導などがあるのか教えてください。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 他の自治体の動向も承知をしています。国も一定の方針をお示しになっていらっしゃいます。市内、県内、近隣県の感染状況に注視をしながら、慎重に検討していきたいというふうに思っています。その検討の過程の中で、当然、金沢市保健所であったりだとか、競技団体の皆さん、多くの方たちに相談しながら判断しなければいけないと思っています。
○久保洋子議長 広田美代議員。
◆広田美代議員 早めの保健所からの指導であるとか、検討をお願いしたいと思います。最後に、苦渋の決断かとは思いますが、保健所とも相談し、市民や選手の安全が確保されない、感染状況を悪化させる可能性が少しでもあれば、今後、中止の判断を下すよう、求めておきたいと思います。 次に、いよいよ7月1日施行となる金沢市パートナーシップ宣誓制度について伺います。 まずはLGBT法案について。これはLGBTなど性的少数者への理解を進め、差別をなくすため、当事者の後押しで超党派の議員連盟が今国会で成立を目指してきた法案です。明日で国会を閉じるとしていますけれども、今国会での成立を願いたいと思います。本市のパートナーシップ制度も当事者の皆さんの声で進められてきました。パブリックコメントにも多数の前向きな御意見が寄せられたところですが、改善や発展を求める声もありました。その中で、情報開示の点で問題があります。基本方針の中で、パートナーシップ宣誓の書類やカードについて、交付番号ごとに交付日及び返還、紛失または無効となった日を市ホームページに掲載し、その有効性をサービス提供者が随時確認可能とするとあり、誰もが見られる状態が想定されます。しかし、これは重要な個人情報ですし、アウティングにつながる可能性も否定できません。交付番号等の公表をやめるよう求めますが、いかがでしょうか。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 宣誓したパートナーがサービスを受ける際、提供者が有効性を随時確認する必要があるため、紛失または無効となったものについてのみ、ホームページに掲載することとしたいと考えています。
○久保洋子議長 広田美代議員。
◆広田美代議員 当初は交付日から掲載するということでしたけれども、方針を変えられるということで確認ができました。ぜひちゅうちょなく多くの方が受けられるように求めておきたいと思います。 最後に、有名店のまちなかからの撤退について伺います。 来月頭、大手有名雑貨店が片町きららから撤退し、駅前のフォーラスへ移転すると話題になっています。しかし、これはただの移転ではなく、市民の税金が費やされてきた経緯があり、検証が必要です。まず、片町きららは2015年に開業しました。単純なラブロの建て替えではなく、再開発によって建設費54億円に対し、34億円の税金が投入されました。そこへキーテナントとしてこの大手有名雑貨店とアパレル店が、本市からおのおの5,000万円の補助を受けて来ました。核店舗誘致促進事業補助金という、片町きらら開業の前年度に創設された本市の制度です。その目的は、北陸新幹線の金沢開業に当たり、本市の都心軸線の拠点性をさらに高め、中心市街地のにぎわいと魅力の向上を図るために、広域にわたる集客力と発信力を兼ね備えた核店舗の新設に要する経費に対する補助金というものです。私は、当時、議会で見直しを求めました。この補助金は大手でなければ対象にならない、中心市街地のにぎわいづくりといいますが、大手企業の本社は首都圏であり、そちらにもうけが吸い上げられるのではないか、大手なら自力で市場を広げる資本があるのに、お金を出して誘致しなければ採算が合わないのか、補助金の期間5年が過ぎてからも、末永く金沢の発展のために残っていただけるのかというものです。結果、この2店舗は、補助金返還を求める期間5年を過ぎ、きららとは更新をせず、撤退となったそうです。市長、5,000万円もの補助金を受けた店舗が短期間で撤退しましたが、補助金の目的に照らして成果があったと言えるのでしょうか。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 本市の都心軸の拠点性を高めるということ、中心地のにぎわい、魅力の向上を図ることを目的とした制度が、今ほど御指摘ありました制度であります。多くの来店者があり、中心市街地の集客、にぎわいに貢献をいただいたものだというふうに思っています。きららとの再契約ができなかったことは大変残念なことではありますけれども、私は、一定の効果はあったというふうに理解しています。
○久保洋子議長 広田美代議員。
◆広田美代議員 市長は最低限、5年いればよかったと、それでにぎわい創出、市に貢献したというふうに受け止めます。当時、片町きららは本市の目玉施策であり、そのキーテナントとして長らく活躍してほしいと期待したからこそ、私は、多額の税金を市は投入したと考えます。2017年の経済環境常任委員会で、もしあの大きなスペースが空いたら金沢の中心市街地にとって損失なので、税金である補助金を出した意味をしっかり業者に伝えてほしいがどうかと私は尋ね、市は、当然退店する場合には、6か月前なり1年前に施設管理者に意向を示すことになっているので、そうならないよう、まちなかの商店街とも情報共有しながらしっかり取り組んでいきたいと答えています。今回、商店街や施設管理者との情報共有、また引き止めるような活動は行われてきたのか、伺います。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 民間の契約でありますので、市がその交渉の矢面に立つということはありませんが、運営会社からは引き続き営業を継続していただくよう、テナント側と交渉を何度も話合いを持たれたということをお聞きしているところであります。大変残念なことではありますけれども、最終的には企業の経営判断だというふうに思っています。
○久保洋子議長 広田美代議員。
◆広田美代議員 駅前の都ホテルには、まだ何ら契約も結んでいないのに、市長は自ら足を運ばれたと聞いています。一方、5,000万円の補助金を出し、この大手有名店は直営店です。市長がしっかり引き止めるということがあってもよかったのではないかというふうに思います。一方で、まちなか商店街の小規模事業者は、商店街の存続、従業員の生活を守るため、このコロナ禍でも必死で頑張っています。大手企業の撤退は、この実態と比較するとあまりにもむごい現実です。今回、コロナ禍だから仕方ないと捉える人もいるかもしれませんが、きらら開業前から市内中心部は近隣都市や市郊外の大型ショッピングモール、駅前の商業施設に押され、厳しい中にありました。そして2017年にはイオン小松の開業、2019年には近隣ビルに競合相手とも言える大手雑貨店が開業、しかもその店舗にも、本市は同じ補助金を出しています。そしてこの7月には白山イオンの開業です。市長、今後も多額の補助金を税金から出し、大企業店舗誘致をまちなかに繰り返していくつもりでしょうか。明らかにしてください。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 今お話ししています店舗は、大変魅力的な品ぞろえをすることによって、集客効果も期待できますし、中心市街地のにぎわいにも大きく貢献していただきました。退店されるのは大変残念なことではありますけれども、市といたしましては、引き続き商店街の皆さんと連携しながら、まちなかの活性化に努めていきたいというふうに思っています。テナントの誘致ももちろん大切なことではありますけれども、様々なソフト的な事業も、まちなか商店街と協力することによって、ソフト的な視点からも活性化に寄与していくということも、これからしっかりしていきたいと考えています。
○久保洋子議長 広田美代議員。
◆広田美代議員 私は、その店舗が出ていくとか出ていかないだけの話ではなく、県内や近隣都市の開業状況を見ながら、本当に今の金沢市のまちなかの補助金の在り方、商店街との連携の仕方がどうなのかというふうに思っております。大手のテナント誘致に頼る施策ではなく、地元の業者を応援すること、そして、郊外の大型店舗の進出に対して市や県一体で取り組むことが必要かと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○久保洋子議長 山野市長。
◎山野之義市長 もちろん、キーテナントの誘致だけに取り組んでいるわけではありません。それぞれの店舗の、まさに広田議員おっしゃるところの地元の店舗の皆さんが活動しやすい環境をつくっていくためにも、様々な施策に取り組んできているところであります。郊外の大型店舗のことについても御指摘がありました。これまでにも県をはじめ、関係機関にも強く働きかけをしてきているところであります。商工会議所のほうでも、このことにつきまして大変危機感をお持ちでして、市長室にお越しになるときに、会頭自らそのことについて問題提起もなされて、県のほうでも問題提起をなされていらっしゃるということをお聞きしています。引き続き商工会議所と連携をしながら、県とも、これはどうしても力をお借りしなければなりませんので、連携をしながら取り組んでいかなければいけないと思っています。
○久保洋子議長 広田美代議員。
◆広田美代議員 以上で終わります。(拍手)
○久保洋子議長 以上で、27番広田美代議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。
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△散会
○久保洋子議長 これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 次の本会議は、明日16日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後3時2分 散会----------------------------------- 〔参考〕----------------------------------- 令和3年度金沢市議会6月定例月議会 発言者順序表発言予定日発言順序議席番号議員名会派等名6月15日(火)135野本正人自民党234黒沢和規市議会自民党324森 一敏みらい425小林 誠金沢保守526源野和清公明党627広田美代日本共産党6月16日(水)715上田雅大自民党822下沢広伸市議会自民党93喜成清恵みらい109新谷博範金沢保守114上原慶子公明党127大桑初枝日本共産党136熊野盛夫創生かなざわ6月17日(木)141荒木博文自民党1514喜多浩一市議会自民党162田中美絵子みらい1729森尾嘉昭日本共産党1828玉野 道創生かなざわ1916小間井大祐自民党...