金沢市議会 > 2020-12-10 >
12月10日-03号

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  1. 金沢市議会 2020-12-10
    12月10日-03号


    取得元: 金沢市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-05
    令和 2年 12月 定例月議会          令和2年12月10日(木曜日)-----------------------------------◯出席議員(38名)     議長  野本正人     副議長  源野和清     1番  荒木博文      2番  田中美絵子     3番  喜成清恵      4番  上原慶子     5番  稲端明浩      6番  熊野盛夫     7番  大桑初枝      8番  粟森 慨     9番  新谷博範      10番  前 誠一     11番  麦田 徹      12番  中川俊一     13番  小間井大祐     14番  坂本泰広     15番  高  誠      16番  喜多浩一     17番  上田雅大      18番  高岩勝人     20番  久保洋子      21番  松村理治     22番  下沢広伸      23番  山本由起子     24番  森 一敏      25番  小林 誠     26番  宮崎雅人      28番  広田美代     29番  玉野 道      30番  森尾嘉昭     31番  秋島 太      32番  澤飯英樹     33番  中西利雄      34番  清水邦彦     35番  黒沢和規      36番  福田太郎     37番  横越 徹      38番  高村佳伸◯欠席議員(なし)-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長        山野之義   副市長       相川一郎 副市長       村山 卓 教育長       野口 弘   公営企業管理者   平嶋正実 都市政策局長    鳥倉俊雄   総務局長      松田滋人 文化スポーツ局長  山森健直   経済局長      山田啓之 農林水産局長    長谷進一   市民局長      高村政博 福祉局長      高柳晃一   保健局長      荒舘 誠 環境局長      吉田康敏   都市整備局長    坪田英孝 土木局長      川島 篤   危機管理監     坂本敦志 会計管理者     宮本博之   消防局長      清瀬 守 市立病院事務局長  西尾昭浩   財政課長      村角薫明-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長      中宗朋之 議事調査課長    小村正隆   議事調査課長補佐  木谷保博 議事係長      山口賢一   調査係長      嶋田健治 主査        前田和紀   主査        北本剛太 主任        竹村太志   書記        辻 卓也 書記        梶 嵩弘 総務課長補佐    関戸浩一   主査        打越洋平-----------------------------------◯議事日程(第3号)  令和2年12月10日(木)午前10時開議 日程第1 議案第42号令和2年度金沢市一般会計補正予算(第5号)ないし議案第58号市道の路線変更について                               (質疑) 日程第2 一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件  議事日程(第3号)に同じ-----------------------------------     午前10時1分 開議 △開議 ○野本正人議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △会議時間の延長について ○野本正人議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議案上程 ○野本正人議長 これより、日程第1議案第42号令和2年度金沢市一般会計補正予算(第5号)ないし議案第58号市道の路線変更について、以上の議案17件を一括して議題といたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問 ○野本正人議長 これより、質疑並びに日程第2一般質問を併せ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 17番上田雅大議員。     〔17番上田雅大議員登壇〕(拍手) ◆上田雅大議員 おはようございます。 自由民主党金沢市議員会の一員として、以下数点にわたり、質問をさせていただきます。 新型コロナウイルスによる影響で、重要な財源となる市税の見通しはいかがでしょうか。コロナ禍により活動が制限される中で、大きく影響を受ける市民税は特に厳しいと思われます。 そこで、安定的な財源である固定資産税について、数点お伺いします。 まず、次回の令和3年度の評価替えについてですが、土地については評価額算定の基礎となる路線価を見直すこととなりますが、評価基準上、その算定日が令和2年1月1日となります。今年の1月1日といえば、まだ新型コロナウイルスの影響がなく、新幹線効果が継続していましたが、その後、経済活動、社会生活にコロナウイルスの影響が出始めました。通常であれば新型コロナウイルスの影響のない今年の1月1日の状況で評価替えがなされるところですが、その後、地価の下落によりその価格が適当でないと認められるときは、評価を見直す下落修正措置を適用できるとお聞きしております。そこで、具体的にコロナウイルス感染症の影響に関連して、どのような修正を行うことになるのかお伺いします。 さらに、昨今のコロナ禍における事業者に対する税負担を考慮する必要もあると思います。本市ホームページに、令和3年度中小事業者等に対する固定資産税・都市計画税の軽減制度について(新型コロナウイルス感染症緊急経済対策)と掲載されています。この制度は国の緊急経済対策の一環として行われるものですが、それでも税の負担が大きいと考えている事業者は多いようです。こうした声を踏まえて、現在、政府・与党では新年度の固定資産税の負担増を抑制することを検討しています。このような市町村の基幹税である固定資産税による経済対策について、市長はどのようにお考えなのかお伺いいたします。 一方で、その執行体制、準備に資産税課の職員、特に家屋係と償却資産係の職員には多くの苦労があり、現段階からその説明に関係団体等へ赴いているともお聞きしています。加えて、資産税課は、現在評価替えの最終作業に御苦労されているようです。市長は本市の税・財源の中枢をなしている資産税課をはじめとする所属職員にどのような評価を与え、今後どのような期待を持っているのかお伺いします。 この質問の最後に、補正予算、次年度の予算の財源を御負担いただく納税者に対する市長の思いをお伺いし、次の質問に移ります。 次は、本市所有の美術品の有効活用についてお伺いいたします。 本市は多くの絵画などの美術品を保有し、保管しているとお聞きしております。地方財政法第8条によりますと、「地方公共団体の財産は、常に良好の状態においてこれを管理し、その所有の目的に応じて最も効率的に、これを運用しなければならない。」と規定されております。市が所有する美術品は、広く市民の方に鑑賞の機会が提供されるべき財産であり、活用施策に取り組むことは当然であると思います。そこで、例えば、希望のある公民館などの公共施設に、設置に係る経費や保険料などは地元で負担することが前提となりますが、絵画などを貸し出し、有効活用ができないのかと思います。全ての保有する美術品とまでは言いませんが、例えば金沢美術工芸大学の卒業生の作品などは、多くの市民の皆さんに鑑賞していただくことにより、価値や理解がより深まるのではないかと思います。市が所有する美術品等について、その価値を磨き上げ、情報発信するなど、貴重な美術品のさらなる活用を図るためにも、公民館など公共施設に貸し出し、広く市民の皆様に鑑賞していただく機会を設けることもよいのではと思いますが、市長の御所見をお伺いし、次の質問に移ります。 次は、聴覚障害者向け電話リレーサービスについてです。 電話リレーサービスとは、聞こえない、聞こえにくい聴覚障害の方が聞こえる人へ気軽に電話がかけられるサービスで、電話リレーサービスの提供事業者が、聴覚障害者のテレビ電話の手話やチャットによる文字により用件を相手先に音声で伝え、相手先からの音声での回答を手話や文字で聴覚障害者に伝えることにより、リアルタイムで意思伝達を仲介するサービスです。使い方の例としては、医療機関などの受診予約や宅配便の不在票への対応、デリバリー注文など多岐にわたります。しかし、このようなサービスがあっても、一般の方々にはあまり知られていないのではと思います。現在、電話リレーサービスの認知度が低いために、通話に支障を来す事例が報告されているようです。聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律が令和2年6月5日に可決され、令和3年度中には電話リレーサービスが開始されることが決定し、公共インフラとしての利用が始まるとお聞きしております。そこで、私はもっとこのような制度が始まることを市民に周知し、市民の方々へのPR活動を通じ、障害者の方への理解を深める機会をつくるべきだと思いますが、市長のお考えをお伺いし、次の質問に移ります。 次は、就職イベントについてです。 ここ数年、本市では、企業の人手不足を背景に、合同就職イベントが年間で複数回様々な形式で開催されております。民間企業が主催での特色としては、主に新卒の学生であり、集客方法はウェブ求人や紙面求人が主なようです。行政が主催での特色としては、女性やシニア層のマッチング交流会など全てのジャンルであり、集客方法はハローワークなど行政機関との連携を取っているようです。行政主導の就職イベントは求職活動実績となり、その場で書類に判こが頂けることや企業側もブース出展料等の負担がないなど、行政主導の就職イベントは非常に人気が高く、好評なようです。しかし、開催する主催者が違うために、同じ月に県・市や民間の就職イベントが複数回開催され、求職者はその違いが分からずに困惑したこともあったようです。現在、本市主催の就職イベントは市単独開催で行っている状況であり、お隣の野々市市、能美市などの他都市では石川県との共催イベントとして開催し、集客力、会場手配、マッチング数の上昇、広報予算の削減など、メリットも多いようです。そこで、私はより質の高いマッチング交流会とするには、本市単独開催よりも他都市や県と協力、連携し、共同開催として取り組んだほうがよりスケールメリットがあり、効果的だと思いますが、市長の御所見をお伺いして次の質問に移ります。 次は、国勢調査についてです。 全世帯を対象にした5年に一度の国勢調査が本市でも10月20日まで実施されました。今回の調査については、新型コロナウイルスの影響により、全国的に調査員の集まりが悪く、また、新型コロナウイルスが怖く、今回は調査員を辞退したいとの申出も多くあったことを報道などで耳にしました。他の自治体でも確保が難航し、調査員が複数の調査区を掛け持ち、市職員が調査員を務め、対応したとお聞きしております。そこでお伺いしますが、本市では調査員の募集についてどのような状況であったのか、また、このような中で行われた国勢調査の意義について、市長はどのようにお考えでしょうか。国も新型コロナウイルス感染拡大防止対策として非対面で戸別訪問し、調査を進めるとともに、統計調査の業務を効率化するため、インターネットを通じて回答する仕組みを取り入れ、総務省は国勢調査ではインターネットでの回答率を40%にまで引き上げたいとしていましたが、本市でのインターネット回答はどのような内容であったのかお伺いします。 また、これまでは年明けの2月には速報値の発表がされていますが、今回の新型コロナウイルスの影響により、公開スケジュールに変更はないのかお伺いします。 さて、今年の国勢調査を行った調査員の方から、戸別訪問の際に新型コロナウイルスに関するクレームはもちろんですが、個人情報の件や国勢調査に対する認識があまりないことから、前回以上に様々な御苦労があったとお聞きしました。今回の調査員の方はとても御苦労されて調査作業を行ったようです。そこで、私は、大変つらい思いをされた方がおいでになったとお聞きしましたので、調査員の方々に対して市長名でお礼状などを出し、労をねぎらってあげることができないのかと思います。国勢調査は5年に一度必ず行わなければならず、今回の調査員の方にも当然ながら次回の調査時にも協力をしていただかなければなりません。やはり今回はコロナ禍であり、特別に苦労されて調査に協力していただいた方でありますので、感謝の言葉をかけてあげるのは当然のことであると思いますが、市長の御所見をお伺いし、次の質問に移ります。 次は、金沢マラソン2020オンラインについてです。 新型コロナウイルス感染症の影響により中止となった金沢マラソンの代替事業として、オンラインで気軽に金沢マラソンの雰囲気を味わうことができる金沢マラソン2020オンラインが開催されました。完走者には抽選で来年度に開催予定の金沢マラソンへの優先出場権が当たることや、金沢マラソンオリジナルグッズまたは食の特産品がプレゼントされることもあり、当初募集では定員5,000名が約2時間半で、追加募集でも11分で定員2,000名に到達するなど、人気ぶりがうかがえました。オンラインマラソンは10月10日土曜日零時からスタートしましたが、沿道では秋空の下、ランニングを楽しむ方の姿を日に日によく目にするようになりました。金沢のまちがランナーでにぎわいを見せた、そんな期間になったのではと思います。そこでお伺いします。これだけ好評なオンラインマラソンでありますので、来年以降も継続しての開催として取り組み、金沢マラソンオンラインマラソンの2大会を開催することで、相乗効果により金沢におけるマラソン文化の定着にもつなげていくような取組ができるのではないかと思います。今回、金沢マラソンの代替事業であり、定員については限定的であったようでありますので、来年度の開催についてはもう少し定員の枠を増やし、開催ができればと思います。今回の開催に当たり、今後の課題と問題点と併せ、市長の御所見をお伺いし、次の質問に移ります。 次は、本市の人材育成についてです。 本市を受験される方は様々な思いを持って市役所を受験されているようですが、市役所に内定が決まった後、国家試験に合格したという理由で市役所を辞退される方がおいでになるとお聞きいたします。とても残念なことであると思います。一度就職が決まれば定年まで一生涯同じ就職先とまでは言いませんが、やはり熱意と能力のある方には長年市役所にて活躍をしていただきたいと思うのは、市民の皆様も同じだと思います。今年度、試験会場を東京にて開催したこのような取組は、コロナ対策も含め、ある程度評価ができることだと思いますし、4人の方の就職が内定したとのことで、一定の成果もあったようです。そこでお伺いしますが、本市では、よりよい優秀で金沢市役所に強い熱意を持った人材の確保に今後どのような方法で取り組んでいく予定なのか、お伺いします。 よい人材に育て上げるという人材育成は何よりも大切であると思いますが、私は、金沢市役所に入って生涯頑張って勤めたいという強い思いを持った方であればあるほど原石は光り輝くのではないかと思いますが、市長に今後の方向性をお伺いし、次の質問に移ります。 次は、テレワークの成果についてです。 6月定例月議会にて、テレワークについての質問をさせていただきました。前向きに取り組むとの市長答弁であり、10月までに必要なWi-Fi環境の整備も終えたいとの答弁でありました。近年、新型コロナウイルスの影響によりテレワークが一気に注目を浴び、導入する企業も増えています。テレワークが進むことで在宅勤務の導入や通勤時間の短縮、オフィススペースの確保など、様々なメリットが得られる一方で、情報漏えいの懸念や適切な労務管理が難しいこと、コミュニケーションが不足しやすいなど、様々なデメリットもあるようです。本市では、10月末まで試験運用を行ったとお聞きしておりますが、在宅勤務用の貸出しパソコンが大きくて重く、特に女性職員からは持ち帰りにくいなどといった声を耳にしました。今回の試験運用を通じてペーパーレス化や紙資料の配付など、課題や問題点などメリットやデメリットがあったとは思いますが、今後のテレワークについての課題と方向性を併せ、市長の御所見をお伺いし、次の質問に移ります。 次は、学びの機会の保障と学力の維持についてお伺いします。 新型コロナウイルスにより教育分野も大きな影響を受けました。休校により約3か月間学びの機会が失われ、4月、5月の授業日数が不足し、土曜授業を行うなど対応策が取られてきたところです。しかし、このことで懸念されるのが、児童・生徒の学力低下であります。本市では、休校期間に課題や家庭学習支援などで対応してきたところではありますが、約3か月にわたる学習の遅れを取り戻せるのかと心配する声も多くあります。そこで、教育長にお伺いいたします。今回の休校期間の学習の遅れに対する考えと、学習の遅れを取り戻すために夏季休業の短縮や学校行事等の見直しなど授業時数の確保を行い、家庭教育の充実を図ったとお聞きしておりますが、現在の予定で今年度の各教科の履修についての見通しをお伺いします。 また、3月に高校入試を控えた生徒にとって、自分の志望する学校への受験入試は大変重要なものです。先月、金沢市中学校統一テストが実施されたとお聞きしますが、その結果について各学校はどのように捉え、どのような評価を行っているのか、併せて教育長にお伺いし、次の質問に移ります。 次は、次期スポーツ施設再整備計画についてです。 平成29年12月、文教消防常任委員会で第1次スポーツ施設整備計画についての報告があり、内川スポーツ広場戸室スポーツ広場安原ボールパークについては、整備時期や内容も含め、今後検討していく予定であるとの説明でありました。その説明から約3年が経過しますが、次期スポーツ施設再整備計画についてどのような計画で進んでいるのでしょうか。現在、少子化やスポーツ環境の変化等により、子どもの競技チーム数は減少傾向にありますが、小学校のグラウンドなどで野球の練習や試合などが騒音や安全面などで制限されつつあり、スポーツに親しむ環境が縮小されている現状もあります。そこで、将来を担う子どもたちが気軽にスポーツに親しみ、また、楽しむことでよい思い出づくりができるように、子どもたちが利用できるスポーツ施設の整備を行う必要があるのではと思いますが、市長の御所見をお伺いし、次の質問に移ります。 最後に、額谷ふれあい公園についてです。 以前の一般質問でもお伺いしましたが、改めて質問をさせていただきます。前回の質問で、額谷ふれあい公園の駐車場不足問題を取り上げさせていただきました。南部の体育館として広く市民の皆さんに利用され、各種の競技会や大会が行われている体育館でありますが、隣接する公園利用者も利用する駐車場と合わせ、駐車台数は僅かに60台しかありません。駐車場については、遊歩道の川向かいにある程度広いスペースがあり、その場所で整備が可能なのではないかと思い、先日地権者の方々の御意見を伺ったところであります。その場所で駐車場の整備が進めば、その駐車場に沿ってパークゴルフなどがプレー可能な緩やかな傾斜が続いておりますので、計画的に第2次スポーツ計画の中に盛り込み、整備を行うことで、アクティブシニア層が集えるスポーツ施設の環境が整うのではないかと思います。多様化するスポーツ競技が楽しめる多機能型の公園の再整備に向け、その第1段階としてまず駐車場の整備を行う必要があると考えますが、そのお考えはないのか、市長の御所見をお伺いして私の質問を終わります。 御清聴いただき、ありがとうございました。(拍手) ○野本正人議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 17番上田議員にお答えいたします。 固定資産税のことについてお尋ねがございました。新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況にある地域経済のことを考えますと、こうした経済対策の実施はやむを得なかったのではないかというふうに考えています。ただ、やはり経済対策というものは、本来市町村の基幹税である固定資産税ではなく、国税や国庫補助金などにより実施すべき性質のものであるというふうに考えておりまして、全国市長会からも国に対して申入れをしているところでもあります。税収の減少分につきましても、市町村の行政運営に影響を与えることのないよう、国が補填すべきものと考えています。 税部門のお仕事のことについてお尋ねがございました。いわゆる税務課、資産税課、市民税課の3課から成る税部門でありますけれども、本市の重要な財源である市税収入を確保するため、課税部門と収納部門が一体となって、適正かつ公平な課税と収入率の向上に努めていると認識しています。引き続き市民への丁寧な対応に心がけるとともに、市職員として誇りを持って仕事に取り組んでいただく、そんな環境をつくっていかなければいけないと思いますし、そのことを期待しているところでもあります。 納税者に対する思いをお尋ねになりました。市税は市の歳入の大宗をなすものであり、市政運営のために欠くことができない重要な財源であります。こうした市税の納税者である市民の負託に応えるよう、市民サービスの向上はもちろん、効果的かつ効率的な予算執行に努めてまいります。 次に、美術品の有効活用についてお尋ねがございました。これまでも金沢美術工芸大学の学生さんの卒業作品を、第一本庁舎をはじめとする市有施設に展示してまいりました。これは、1つには金沢美大のPR、金沢美大のことを多くの方に少しでも知っていただきたいということ、さらには、市民の皆さんに対しても美術品への理解を深めていただきたい、そんな思いからさせていただいたところでもあります。やはり市民の皆さんの御理解があっての金沢美大でありますので、私は大変意義があるものだと思っています。御提案の地区公民館につきましては、地域の方々が集うまさに地域コミュニティーの拠点になるところだというふうに思っています。私は、そういう地域コミュニティーにお越しいただく皆さん方にも、金沢美術工芸大学の存在意義というものを御理解いただくというのは大変重要なことだというふうに思っています。御提案もいただきました。金沢美術工芸大学と相談し、学生の卒業作品を展示することができないか何とか検討をさせていただければというふうに思いますし、きっと多くの皆さんにも御理解いただけるというふうに思っています。 電話リレーサービスのことについてお尋ねがございました。手話や文字チャットを活用した電話リレーサービスは、聴覚に障害のある方のコミュニケーション手段を確保する上で大変有効なサービスであると思っています。ただ、このサービスを円滑に進めていくためには、何といっても市民の方の御理解が必要です。特に電話の受け手となる市民の皆さん、民間事業者の皆さんの御理解が必要であると考えています。今後、国におけるサービスの基本方針の策定などを注視していきながら、市民への周知を含む利用促進策を次期ノーマライゼーションプランに反映し、障害のある方への理解促進につなげていきたいと考えています。 就職イベントのことについてお尋ねがございました。これまでも就職を希望する学生さん、また、学生さん以外でも中途入社の方もたくさんいらっしゃいます。そんな方たちや優秀な人材を求めている企業さんのマッチングのためにも、市も積極的に取り組んできました。主にハローワークと連携しながら、協力しながら開催してきたところでもあります。石川労働局や県が開催する就職イベントとむしろ日程が重ならないように意を用いてきました。これは求職者と企業との面談の機会が少しでも多く増えることが望ましい、そういう思いから市単独で実施してきたところでもあります。これからは規模、開催場所などにより、求職者や参加企業の利便性などより効果が見込まれるものにつきましては、今後県との共催も検討させていただければと思っています。 国勢調査のことについてお尋ねがございました。この調査結果は、これまでも本市施策の基礎資料として幅広く活用してきました。また、国による地方交付税算定の際にも利用されるなど、数ある統計調査の中でも特に重要な調査であると思っています。さらに、近年人口減少、少子高齢化が進展する中、調査結果により人口の変化を把握し、未来を予測していくことがより一層求められてくると思っています。調査員の募集の件ですけれども、例年より早く積極的に行った結果、適正な調査員数を確保できたところでもあります。コロナ禍の中におきましても、調査員をはじめ、多くの市民の皆さんの御協力をいただき、今回で100周年となります国勢調査を滞りなく行うことができましたことは、大変ありがたく、意義深いものだというふうに思っています。その調査員の方たちには心から感謝しています。上田議員も今御質問の中でおっしゃいました。私も直接その御苦労をお聞きしています。インターホンで話しかけても対応をしてくれない、このコロナ禍のときに何しに来たという言葉をかけられた方もいらっしゃるということを、私も直接お聞きしています。そんな中、使命感を持って取り組んでいただいた調査員の皆さん、さらには指導員の皆さんには本当に心から感謝しているところでもあります。改めてお礼を申し上げたいというふうに思っています。私のほうからは、今月中に報酬の御案内と併せて文書で感謝の気持ちを伝える、そういうこともさせていただきたいというふうに思っています。さらに、今回の調査に御回答いただいた市民の皆様方にも感謝を申し上げたいというふうに思っています。 金沢マラソン2020オンラインについてお尋ねがございました。1か月の間に42.195キロメートルと、スピードを競うものでもないということもありまして、初心者にも大変入りやすかったという声をお聞きしています。また、1人だけではなくて仲間うちで楽しみながら走ることができたということもお聞きしています。また、SNSを活用して、全国のランナーがSNSの中で交流を深めたということもお聞きしているところであります。そんな意味では、新しいスタイルのマラソン大会ではなかったかというふうに思っています。今ほど申し上げたように、初心者や一どきに走るわけではないということもありますので、私はランニング人口の裾野拡大にもつながったのではないかというふうに思いますし、何とか来年はリアルの大会を行いたいという思いで準備を進めているところでもありますけれども、来年の開催機運の醸成にもつながったというふうに思っています。オンラインマラソン参加者にアンケートをさせていただきまして、現在、その集計中、分析中でありますけれども、できれば来年度は今ほど申し上げたリアルな大会--通常の大会に加えてオンライン大会も開催する方向で検討し、金沢マラソン組織委員会の中で諮っていきたいというふうに考えています。いろんな声をお聞きしています。上田議員におっしゃっていただきましたように、定員の枠をもっと増やすことができないのかという声もお聞きいたしました。また、一方では課題も見えてきました。今御提案いただきましたように、定員を増やすということも1つの案だというふうに思っています。オンラインでありますので、必ずしもフルにこだわる必要はないのではないかという御意見もいただきました。先ほど仲間と一緒に走るという表現も申し上げましたけれども、ファミリーで楽しむという、そういう方も直接お聞きいたしています。ファミリーで楽しむとなると、必ずしもフルではなく、もう少し短いコースのファミリーコースというものもオンラインマラソンであってもいいのではないかという声をいただきました。また、少しレベルの高い方からは、42.195キロメートルではなくてもう少し長い距離で楽しむ、そんなことを考えてもいいのではないかという御意見もいただいているところでもあります。先ほど申し上げましたように、現在アンケートを分析中でありますので、その結果を踏まえ、来年度の開催案を検討させていただければと思っています。 人材の確保、育成のことについてお尋ねがございました。優秀で能力があってやる気、熱意のある人材に金沢市役所に入っていただいて一緒に仕事をするということは、私もわくわくいたしますし、私は巡り巡って市民サービス、行政サービスの向上につながっていくものだというふうに思っています。今年度ですけれども、幾つか新たな試みをいたしました。東京で採用試験を初めて行わせていただきました。また、職務経験者のUJIターンの枠も設けさせていただきました。さらには、就職氷河期世代の採用枠というものも設けさせていただきました。いずれも多くの方に申込みをしていただきまして、市役所で来年一緒に仕事をする方も何人もいらっしゃるところでもあります。引き続き、これも検証しながら続けていくことができればなというふうに思っています。また、御提案いただきました行政に対する、市の仕事に対する強い思いを持った方に受験していただける、そんな環境をつくっていくことが必要ではないかということでした。今後、市役所の仕事の魅力や採用情報を分かりやすく伝えるポータルサイトの開設、SNSによる情報発信は、もちろんやっていかなければいけませんけれども、インターンシップというものもこれまで行ってきました。実は、今年コロナ禍の中、特別給付金の準備におきまして、アルバイト等がなくなってしまった学生さんに会計年度任用職員としてお仕事を手伝っていただきました。そして特別給付金を終えた後も何人かの学生さんには、やはり会計年度任用職員として危機管理課をはじめ、幾つかの部署で仕事をしていただきました。大変優秀な学生さんばかりだったということをお聞きしています。私も何人かの方と直接意見交換をしましたけれども、金沢市の仕事がよく分かった、金沢市役所で仕事をしたいと思うようになったという声もお聞きしているところでもあります。来年度もこの会計年度任用職員として市の業務に従事してもらうなど、就業体験の機会を提供するなど、優秀な人材の確保に努めていきたいと思っています。 テレワークですけれども、まず4か月間行いました。通勤時間の有効活用によるワーク・ライフ・バランスの向上、また業務への集中といった効果があった一方で、税などの個人情報の取扱いがやはり難しいということ、紙資料に限定されている業務がまだあるということ、また、お話がありました少々重たいパソコンでもありましたので、そのことについても御指摘を受けているところです。11月以降は次のステージに移りました。育児・介護中の職員のほか、職場全体でテレワークに取り組みながら様々な課題の解決と検証を行っているところであり、そうした検証と運用を重ねながら、職場や職員のニーズに応じ、在宅勤務、モバイルワーク、サテライト勤務を自由に選択できる職場環境を整備していきたいと考えています。 次に、次期スポーツ施設整備計画についてですけれども、現在第1次スポーツ施設整備計画に基づき、市民野球場、市民サッカー場の再整備に取り組んでいるところであります。次期計画につきましては、整備の優先順位など、策定に向けた調査、研究を現在行っているところであります。御提案いただきました子どもたちが利用できるスポーツ施設の整備につきましても、次期計画の策定に当たって検討してまいります。 額谷ふれあい公園、以前も御提案いただきました。駐車場が不足しているということで、私も現場を直接見に行って痛感いたしました。今は誘導員の方に配置をしてもらったりとか、周辺施設の駐車場を一時的にお借りし、乗り合わせてその場に来るということをされていらっしゃるということもお聞きしています。その駐車場の必要性というものは、私も十分理解しているところであります。額谷ふれあい公園の近隣での駐車場用地の確保につきまして、研究させていただければというふうに思っています。 私のほうからは以上です。 ○野本正人議長 松田総務局長。 ◎松田滋人総務局長 コロナ禍による評価基準日以降の地価下落について、どのような修正を行うのかというお尋ねでございました。評価替え時の作業といたしまして、評価の基準日である今回でいいますと令和2年1月1日から7月1日までの間に地価の下落が認められる地域につきましては、市が実施する不動産鑑定の結果、それから9月末に公表された県の地価調査を踏まえて、評価額に下落率を反映させることとしております。今般の新型コロナウイルス感染症の影響による下落分につきましても、この方法を用いて評価額を修正することとなります。 以上でございます。 ○野本正人議長 鳥倉都市政策局長。 ◎鳥倉俊雄都市政策局長 国勢調査におけます本市におけるインターネットの回答の状況についてお答え申し上げます。回答する市民の方の利便性や集計業務の効率化の観点を踏まえ、公式ホームページや新聞広報によりまして周知に努めた結果、10月20日時点の本市のインターネット回答率は、全国平均よりも高い43.6%となっております。また、今回の新型コロナウイルスの影響による公表スケジュールの変更についての御質問もございました。総務省からは、一部の市町村において調査書類の回収や確認作業等について期間延長の措置を講じていることから、男女別人口や世帯数など速報値の公表につきましては、令和3年6月に変更になる旨を聞いております。 以上でございます。 ○野本正人議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 初めに、臨時休業期間中の学習の遅れに対する考えと、今年度の履修状況の見通しにつきましてお答えさせていただきます。本市小中学校における履修状況につきましては、9月末に調査を行っておりまして、土曜日における授業の実施や時間割編成の工夫等によりまして、その段階でほぼ全ての学校で通常の学習進度となっております。なお、受験を控えました中学校第3学年につきましては、既に全ての学校におきまして年間指導計画どおりの授業が進められております。各学校には校長会議等を通じまして、引き続き学習内容の確実な履修と確かな学力の定着を図ることができるよう、指導してまいります。 次に、金沢市中学校統一テストについてどのように捉え、どのような評価を行っているのかとのお尋ねについてお答えさせていただきます。金沢市中学校統一テストは、市内中学校の各教科代表の教員が作成した統一の問題を通して、生徒の学習理解状況を知り、日常の学習指導等の参考資料とすることを目的として実施されております。各学校には、統一テストの結果を基にこれまでの学習内容について生徒の定着状況を評価し、今後の学習指導に生かすとともに、自信を持って受験に臨めるよう、進路説明会や三者懇談の資料等として有効に活用するよう、指導しております。 以上でございます。 ○野本正人議長 換気のため、しばらくお待ちください。 16番喜多浩一議員。     〔16番喜多浩一議員登壇〕(拍手) ◆喜多浩一議員 金沢市議会自由民主党議員会の一員として、以下数点質問いたします。 質問の1点目は、行政のデジタル化についてであります。 令和2年も残り20日余りで暮れようとしています。令和2年という年を振り返ってみると、言わずもがな新型コロナウイルスに世界中の人々が悩まされ、そして苦しめられた1年であったと言えます。コロナウイルスの発生により、マスクの着用はもちろん、ありとあらゆる感染症対策が必須となり、我々の生活は大きく変化せざるを得なくなりました。いわゆる3密を避ける観点から、企業におけるリモートワークが常態化しただけでなく、家庭でもZoomなどを使用した遠隔での集まりが普通に行われるようになりました。一方で、5月以降開始された10万円の特別定額給付金や企業などに対する持続化給付金の申請では、オンラインでの申請の必要性が叫ばれたものの、申請手続はなかなか進まず、我が国行政のデジタル化の遅れが浮き彫りとなりました。こうした状況を打開すべく、9月に就任された菅総理は、デジタル社会の実現を政策の一丁目一番地に掲げられました。これをきっかけに、今後民間企業だけでなく、我々公共団体の全ての業務において急速なデジタル対応を進めていかざるを得ない状況となったと言えます。本市では、ICT活用推進計画に基づき各種施策に取り組むこととしていますが、計画自体は一昨年度末に策定されたものであり、昨今の急激なデジタル化の波を踏まえたものではないと考えられます。今後は行政事務のスマートワーク化はもちろんのこと、人口減少社会を見据えた持続可能な行政サービスをデジタルの力で実現させていかなければなりません。今後生まれてくる新しい技術や仕組みに的確に対応していくためにも、ICTからデジタルトランスフォーメーションへと本市の計画も変革していく必要があると考えますが、山野市長の考えをまずはお聞かせ願います。 現在、菅総理は、来年秋のデジタル庁の創設を目指し、準備を進めていますが、最近その概要が見えてきました。内閣府の外局としてではなく、総理をトップとする直轄組織とすることで、全ての省庁のシステム関連予算を一括で管理させ、デジタル化を強力に進めるとし、是正勧告を含む強い権限を与える内容となっています。各省庁が個別にシステムやサーバーを整備、運用していることを考えると、デジタル庁が果たす役割が重要であることは言うまでもありません。そこで、本市も国の動きに呼応すべく、いわゆる縦割り行政の打破を目指し、現在のような部局それぞれが個別に予算を持って対応するのではなく、市長直轄の強い権限を持った部局横断的な組織を設置する必要があると思いますが、市長のお考えをお聞かせ願います。 また、デジタル化への大きな課題の1つは、デジタル人材の育成と雇用だと考えます。ポータルサイトヤフーの育ての親であり、ヤフー株式会社元社長である宮坂東京都副知事は、教育でデジタル人材を増やす取組として、学校現場にプログラミングの最前線で活躍する人材を投入する政策を始めました。さらに、雇用についても、今の採用の仕組みでは転職して公務員になる人材を見つけることは厳しいと考え、昨年度からICT職という新職種を新設したそうです。この職は、いろいろな部局に異動はするものの、仕事内容はICT関連に限定されるというキャリアデザインだそうで、まさにデジタル専門人材と言えます。また、先ほど述べたデジタル庁においても、定員500人のうち100人から150人ほどはシステム構築を担うエンジニアやプロジェクトマネジャーを採用する予定で、しかも一般職より年収基準を高く設定できる非常勤職員として取り扱うなど、柔軟な採用プログラムを設けるようです。いずれにしても、現在の市役所内を見ても、政策を立案するハード的なプロはいても、システムの仕組みや解決策を考えるソフト的なプロは存在せず、たとえ前述のようなデジタル全般を統括する組織ができたとしても、各部署の現場レベルにおけるデジタル改革までたどり着くのは容易なことではありません。大変難しい課題だと思いますが、デジタル化に向けた人材育成や民間人材の雇用、活用について、今後どのような取組を考えておられるのかお聞かせ願います。 また、市長が強く掲げられている市民との協働を考えれば、市民がテクノロジーを活用して地域課題を解決するシビックテックの分野においても、その担い手となる人材の育成が必要と考えますが、この点についてもお聞かせ願います。 民間企業でもよく言われますが、改革がただの自己満足で終わってはなりません。これまで述べてきた行政のデジタル化も、単なる業務の効率化で終わらせるのではなく、それが市民サービスの向上につながらなければ何の意味もありません。スマートフォンを使えば24時間いつでもどこでも手続ができるオンライン申請は、行政のデジタル化の効果を市民が最も享受できる変革ではないでしょうか。もちろん分野によってはオフラインも残さなければならないのでしょうが、できるだけ多くの手続をオンライン申請可能にしていくことが必要だと考えます。そのためにも、オンライン化に向けた障害を具体的に把握していくことが必要かと考えますが、その点についてもお聞かせ願います。 また、たとえ障害があったとしても、それは今の手続をそのままオンライン化しようとするから無理が生じるのであり、これを機にオンライン化を前提とした全庁的な業務改革を行っていくことが必要と考えますが、この点を含め、行政のデジタル化についてお聞かせ願い、最初の質問を終わります。 質問の2点目は、教育のデジタル化についてであります。 思い返せば、2月下旬に安倍前総理から日本中の小中高等学校に一斉休校の要請が出ましたが、あの突然の休校要請を受けて、本市においても教育委員会だけでなく、各学校やその関係者が大変な決断と未知の対応を迫られました。今さらですが、改めて教育委員会や各学校の先生方、父兄の方々の御努力に敬意を表したいと思いますし、再開後の今でも子どもたちに対するコロナ対策に忙殺されている学校関係者の方々には、その御労苦に感謝する次第です。今ほどの行政のデジタル化と軌を一にすることかもしれませんが、この一斉休校により最もクローズアップされた問題の1つが、教育のオンライン化だったのではないでしょうか。このときの経験もあり、オンライン教育は菅総理が推進するデジタル化や規制改革の中心的な施策の1つとされています。国内では大部分の学校が休みとなった4月以降、オンラインで同時双方向型の指導を実施した自治体が公立小学校で8%、中学校で10%ほどにとどまり、積極的にオンライン教育を展開した欧米諸国と比べ、出遅れる結果となったと言われています。そこで、まずはコロナ禍において、本市がこれまで行ってきたオンライン学習の実施状況や課題についてお聞かせ願います。     〔議長退席、副議長着席〕 私事ですが、今年の4月に息子が首都圏の私立大学に入学しました。しかし、12月の今になっても全ての授業がオンラインで実施されており、通学したのはたった1日、しかも健康診断のためだけだったようで、いまだにまともに学校の建物に入ったことがないとのことです。全国の大学で授業料や施設利用料などの返還運動が話題になっていますが、学費や仕送りをしている親の立場からしても、何か納得できない状況であることは間違いありません。ただ、息子が県外に行ったことにより、今さらですが、私自身初めて体験できたことが幾つかありました。その1つが、SNSアプリ、LINEによるビデオ通話です。スマホで相手を見ながらの電話は、当然相手の現状がよく見えますし、Zoomによる会話とまた違った感覚があります。しかも、通話料は一定の容量内であれば遠距離通話でも料金はほとんど無料、私が学生時代に実家の母親と電話していた頃の「長距離だから早く切るね」という会話が懐かしく感じられます。最近、家族だけでなく、友達との電話は、LINE電話だけでなく、フェイスブックの通話も使っていますが、1対1の対話ならこれでいいのですが、やはり複数の人との会話やオンライン講義などはZoomです。学校だけでなく、塾などでも当然のごとく使用しているようですが、相手の反応が見えづらいなど、やはり直接対面で接しているのとは異なるデメリットや違和感があります。私は、このオンラインを使ったICT教育の可能性を広げていくためには、自治体、学校、教師、そして保護者が一体となり、それぞれが必要な役割を果たすことが欠かせないと考えています。1人1台端末の導入や通信環境の整備といったハード面の整備は、当然学校ごとに振り分けられた予算でできる規模ではありませんから、我々自治体が予算を組み、これらのハード面を整えていく必要があります。ただ、端末の家庭への持ち帰りも考えると、各家庭で通信環境が異なりますから、そうした状況の把握など、きめ細かい対応は各学校で求められてきます。ICT教育に熱心でその対応をしっかり行っている自治体や学校では、既にかなりの程度導入が進んでいると言われています。ICT教育の進度の違いによって、今後学力差が生まれることは否定できなくなってくることが予想されます。そこでお聞きします。来年4月に迫った児童・生徒に対する1人1台の端末を導入するGIGAスクールの実施計画について、準備状況や4月の新年度段階で全ての学校に無線LAN環境やタブレットの導入が実際に可能なのかお聞きするとともに、情報活用能力育成に向けて、本自治体ではどのような計画を立てているのかお聞かせ願います。 また、各家庭の通信環境などですが、本来ならばこれは御両親をはじめ、各家庭の問題であるはずですが、それぞれの家庭や児童・生徒の事情を勘案し、どのような対処をされるのかもお聞かせ願います。 さらに、最近、公共図書館などで電子書籍を扱う電子図書館による貸出しが全国で増えているとお聞きしていますが、この点について、本市はどのようにお考えかお聞かせ願います。 次に、教師の側がやるべきことについてです。ICT教育によって一番の変化が求められるのは、生徒でも保護者でも自治体でもなく、教える側の教師です。これまでは一方的に知識や問題の答えを伝えるのが教師の果たすべき役割でしたが、これからは問題に取り組むためのツールの使い方を説明し、生徒たちと共に考えながら授業を進めていくことが重要となります。今後、子どもたちはテクノロジーをふんだんに駆使し、インターネットを活用することで世界の知識にどんどんアクセスし、教師の持っている知識を飛び越えていきます。そのとき教師はどう対応すべきなのか、これからは教科書に書かれていないことは必要ないではなく、先生も知らなかったよ、ほかのみんなにも説明してくれないかなと言える先生が求められてくるのかもしれません。たまに、教育現場へのICT技術の導入が進めば教師は要らなくなると極論を唱える人がいますが、私は、それはあり得ないと考えています。確かに、知識を得るだけであれば動画で授業を見るだけで可能かもしれません。しかし、子どもの思考力、判断力、表現力を伸ばしていくためには、生徒一人一人に対する教師の効果的な指導や適切な問いかけが必要です。ICT教育時代の到来により、教師にはアナログとデジタルのハイブリッド教育が求められることとなり、教師そのものの役割が大きく変化することとなるのです。もちろん、教師によっては従来どおりの一斉授業のほうがよいと思うに違いなく、児童・生徒に新しい環境で指導していくには、最初は骨が折れることだと思います。とはいえ、技術の活用次第で教師の負担が軽くなりますし、工夫次第で面白い授業ができるようになるのもICT教育ならではと感じます。国のほうでも授業でのICT活用法を各教科ごとに示すとともに、来年度からICT関連企業OBらをGIGAスクールサポーターとして派遣するなど、全ての教師にデジタル指導力をつけさせ、教育のデジタル化を強く推進していくようです。そこで、課題の1つとも言える教師に対するICT教育について本市としてはどうお考えか、今後の計画などを含めお答え願うとともに、デジタル教科書の導入についても言及願います。 さらに、愛知県ではリクルート系企業のオンライン学習サービス、スタディサプリを無料で使えるようにしたようですが、いつでも何度でも視聴でき、自分のペースで学習を進められるこの学習サービスは、生徒側だけでなく、教師側が必要とするオンライン上での話し方や教材の使い方を学ぶためにうってつけのようです。私も、息子の関係で視聴したことがありますが、大変分かりやすくて生徒にも先生にも好評なのがうなずける内容でした。これらのオンライン学習サービスなどの利用について言及願います。 最後に、保護者についてです。来期からGIGAスクール開始などにより、親がこれまで見たこともない機器やアプリケーションを子どもが使うこととなれば、戸惑い、尻込みする場面も出てくるでしょう。また、子どもにスマホやタブレット端末を持たせることで、個人情報の漏えいや依存症の危険性といったリスクを先にイメージしてしまうかもしれません。このような理由から、教育にICTを活用することに消極的な保護者がいることは理解できます。ただ、既に仕事だけでなく、日常生活にもITは欠かせないものとなっている現実があります。子どもがこれからの人生を生き抜いていくため、テクノロジーの使い方や気をつけるべきことを今のうちから理解させることは、リスクへの対処という意味でも有益と考えます。そこで、ICT教育に対する保護者の理解をどう深めていくおつもりなのか、お聞かせ願います。 多くの大人は、久しぶりに母校である小中学校を訪れることがあったとき、恐らく懐かしいという感想を抱きます。しかしながら、このことは我々が学校に通っていた頃と今の学習環境が何十年も変わっていないことを意味しているのです。恐らく教育現場ほど変わらないことが許されてきた現場はほかになかったと言えるのかもしれません。しかし、今を生きる子どもたちにとって学校が将来の可能性を広げるための場所だと考えると、伝統的な方法を守り続けることが必ずしもよいとは限りません。アナログとデジタルをバランスよく使い、子どもが自分自身で必要な手段を適切に選択できるよう育て上げ、社会に送り出してあげることが、これからの教育の重要な役割と考えます。そこで、最後に、今後の我が国を支える子どもたちに大きな影響を与えるであろう教育のデジタル化に対する思いや考えをお聞きし、この質問を終わります。 質問の3点目は、LGBTについてです。 本年7月に、内閣府のSDGs未来都市と自治体SDGsモデル事業に本市の提案が選定されました。世界の交流拠点都市金沢の実現、市民と来街者が「しあわせ」を共創するまちとして、金沢の独自目標である5つの方向性、金沢ミライシナリオの実現を通し、世界の交流拠点都市金沢を実現する内容となっています。SDGsの17のゴールと169のターゲットの中には、LGBTという言葉は直接的に明示されていません。しかし、金沢SDGsの5つの方向性の1つに、働きがいも、生きがいも得られるまちとして、市民一人一人がそれぞれ持つ価値観の多様性を受け入れる社会風土をつくるという目標が掲げられています。これは誰一人取り残さないという基本理念に沿って、LGBTに対する差別の解消や平等・公正な機会の提供に取り組んでいくことを意味しています。そこで、まず、本市におけるLGBTへの取組状況についてお聞かせ願います。 本年5月に厚生労働省が公表した職場におけるダイバーシティ推進事業実態調査では、LGBTなどの性的マイノリティーのうち、約8割の方が職場において、また、6割の方が家族や友人に対しても自身が性的マイノリティーであることを伝えていないと回答しています。近年、性的指向・性自認に関する社会の関心は高まっていると思われますが、依然として当事者はカミングアウトしにくい環境であり、今後いかにして性の多様性の理解を深め、性的マイノリティーに対する偏見・差別をなくし、誰もが自信と生きがいを持って生活できる環境を実現していくのかということが重要な課題となってきています。そのような中で、先日、性的マイノリティーにとって安心なまちのために必要なことは何かということをテーマに、国連大学オペレーティング・ユニットを中心に、有識者や当事者を加えた情報交換会が開かれ、活発な意見交換がなされました。当日交わされた意見の中で、性的マイノリティーに対し、市民の理解を深めるために行政ができることとして、パートナーシップ制度の導入を希望する声が多く聞かれました。パートナーシップ制度については、今年に入り既に30以上の自治体が導入し、中核市においてもこれまでに奈良市や高松市、川越市など9市が導入しています。そこで、金沢SDGsの取組を実践していく中で、近年このような状況を踏まえたパートナーシップ制度の導入の可能性も含め、本市は多様な性の考え方を定着させるために今後どう取り組んでいくのか、具体的にお聞かせ願います。 最後になりますが、山野市長が2010年12月10日に金沢市長に御就任されてから、本日でちょうど10年となります。おめでとうございます。これからも金沢市民のために末永く御活躍されることを祈念いたしまして、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    ○源野和清副議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 16番喜多議員にお答えいたします。 まず、行政のデジタル化について、ICT活用推進計画ですけれども、実は、昨年の2月に策定したものであります。AI、RPAなどの先端技術を活用することにより、業務の効率化、職員の事務負担の軽減を図るとともに、電子申請の導入などを通して市民サービスの向上につなげることを目的にしてつくられたもので、今遂行しているところであります。ただ、ここに来て、状況が大きく変わってきました。年内にはデジタル庁設置の基本方針、さらには、自治体デジタルトランスフォーメーション推進計画が国から示される予定であるということをお聞きしています。御提案のデジタルトランスフォーメーションの観点も含め、国の動向も見極めながら計画の見直しをしていかなければいけないと思っています。今後、新年度予算に併せ、新たに取り組む施策と方向性を示していきたいと考えています。 組織のことについてお尋ねがございました。行政のデジタル化は、全部局が連携してスピード感を持って取り組んでいかなければいけないと考えています。私をはじめとして副市長、局長で構成しています政策調整会議や重点戦略会議におきましても、これまでデジタル化に関する施策の在り方や方向性について、この2か月、3か月、特に議論を重たく重ねてきました。御提案のスピード感を持って強力に推進する組織のことにつきましても、今ほど申し上げましたICT活用推進計画の見直しに合わせて検討していきたいというふうに考えています。 人材育成、民間の人材の活用ですけれども、これまでも情報分野の資格と経験を有する職務経験者の採用試験を行い、民間人材の活用に努めてきました。情報政策課を中心に、ICT技術の活用、政策立案ができる人材を育成してきました。今年になってからも、スマートワーク総合アドバイザーとして、早稲田大学の稲継先生にアドバイザーとして様々な視点から御意見もいただいています。また、新産業創出ビジョンのアドバイザーの方からも、デジタルの視点からも御助言をいただいているところでもあります。先般、連携協定を締結した日本マイクロソフト社、システムサポート社の協力を仰ぎながら、本市職員のデジタル活用力向上のための研修等を実施し、デジタルリテラシーを高めていきたいと考えています。 シビックテックのことについてお尋ねがございました。実は、本市はこのシビックテックの分野におきましては、日本の中でも最も進んでいる地域の1つではないかというふうに思っています。数年前からシビックテックサミットというものも行わせていただきまして、全国の先駆者に集まっていただきながら、いろんな会を行っているところでもあります。この4月にシビックテック関係団体や有識者などから成ります推進協議会も立ち上げ、積極的にシビックテック活動の推進を図っているところでもあります。この分野は、行政もそうですけれども、まさに御指摘、御提案いただきましたように、民間の力をお借りしながら、むしろ民間に主導していただきながら進めていく、そんな環境整備を行政がしていくことが必要だというふうに思っています。今年度ですけれども、課題解決につながるアプリ作成を学ぶシビックテック塾を開催し、技術面での人材育成をサポートしています。地域課題や課題解決につながるアイデアとアプリ開発者をマッチングさせるイベントを開催することで、市民を対象にシビックテックの普及、拡大にも取り組んでいるところであります。今後とも協議会と連携し、シビックテックの担い手の育成に努めてまいります。 行政手続のオンライン化について、課題ですけれども、まず、国が書面等での申請を義務づけているものはあるということ、本人に直接面談し、現状を確認する必要があるもの、さらには家族などの第三者による同意が必要なもの、こういうものがこれからの課題だというふうに思っています。今後法改正等が行われてくるというふうに考えておりまして、その動向を踏まえ、その課題にも適切に対応し、さらに前に進めていきたいと考えています。オンライン化に合わせて市民の利便性向上を基本に、業務体制を紙ベースから電子データで一貫して管理する体制に変更し、RPA等のデジタル技術を活用することにより、御提案の全庁的な業務改革につなげていきたいと思っています。 LGBTのことについてお尋ねがございました。昨年8月、金沢市の申請等における性別記載欄設定ガイドラインを定め、性別記載欄の点検、見直しを実施した結果、66の文書について性別記載欄を廃止、または任意記載といたしました。また、金沢市印鑑条例の一部を改正し、同年11月5日以降、印鑑登録証明書の記載事項から性別に関する事項を削除いたしました。今年の2月ですけれども、多様な性への理解の促進と支援のための金沢市職員・教職員ハンドブックを作成し、職員への啓発と周知に努めているところであります。 パートナーシップ制度のことについてお尋ねがございました。性別、年齢、障害などにかかわらず、誰もが分け隔てなく安心して暮らし、活躍できる環境づくりは大切なテーマであるというふうに思っています。国のほうでもLGBTに関する課題を考える議員連盟というものが設立され、性的指向や性自認に関する公平と平等の保障について、度々議論が重ねられているとお聞きしています。また、御指摘がありましたように、この地方においても、特に今年に入って中核市を含めた多くの自治体もパートナーシップ制度を導入しているということは、よく存じているところでもあります。御指摘がありましたように、今年金沢市はSDGs未来都市に選定されました。これは金沢市独自として、これまで、これも御指摘のありました金沢ミライシナリオとして5つの方向性を示し、その方向性に沿って具体的な活動をしてきた、そのことが認められ、さらに強く推進していくことを期待されているというふうに思っています。これもおっしゃいましたように、働きがいも、生きがいも得られるまちの中に、LGBTフレンドリーなまちにするという目標も明記されているところであります。SDGs未来都市の実現に向け、先行自治体の事例も参考にさせていただきながら、まずは利用可能なサービス提供というものを具体的に精査し、パートナーシップ制度の制度設計を視野に前向きに取り組んでいきたいと考えています。 私のほうからは以上です。 ○源野和清副議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 教育のデジタル化につきまして、9点お答えさせていただきます。初めに、コロナ禍においてこれまで行ってまいりましたオンライン学習の実施状況や課題についてお答えいたします。今回のコロナ禍におきましては、学校の実情や児童・生徒の実態等を踏まえた早期の対応が必要となりましたが、学校間や教員間で取組に違いが生じないように、教育委員会では教科書を使って自宅で学習できるワークや解説動画を作成し、送付、配信することで、学校再開後のスムーズな教育活動につなげてきたところでございます。また、ICTモデル校を含む個々の学校におきましては、状況に応じて会議用アプリ等を活用した双方型オンライン授業を実施してきております。 次に、GIGAスクールにつきまして、初めに、現在の準備状況と4月に全ての学校で無線LAN環境やタブレット端末の導入が可能なのかどうなのかということについてお答えさせていただきます。現在、順次無線LAN環境の工事を実施いたしており、1人1台の学習用端末の整備と併せ、年度内の一日も早い整備完了に向けて取り組んでおります。予定どおり来年4月からの学習用にしっかりと活用させていただきたいと思っております。また、情報活用能力育成に向けてどのような計画を立てているのかとのお尋ねにつきましては、現在、ICT版金沢型学習スタイル策定委員会におきまして、本市独自の学校の情報化推進計画と義務教育9年間で育成すべき情報活用能力について取りまとめました小中学校情報活用能力体系表の策定を進めております。各学校ではこの計画及び体系表に基づきまして、学校独自の年間指導計画等を作成し、学年に応じて計画的かつ段階的に情報活用能力を育成してまいります。 通信環境の状況が異なる家庭への対処につきましては、5月時点における各家庭での通信環境についての調査では、対象家庭の約1割から十分でないとの回答がありましたので、必要に応じて通信環境の十分でない家庭の児童・生徒が利用できるよう、通信機能つき学習用端末とモバイルルーターの整備を図ったところでございます。 次に、電子書籍を扱う電子図書館についてでございますけれども、情報化の進展に伴いまして電子図書の利用環境が整い、全国の公共図書館で貸出しサービスの導入が増えており、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からも、その利便性が注目されていることは承知いたしております。電子図書は、来館することなく、貸出しができるだけではなく、タブレットやスマートフォン等で文字を拡大できるほか、音声読み上げ機能等が付加されているものもあり、子どもをはじめ、幅広い年代や障害のある方に対する読書サービスとして重要なツールであると考えており、導入に向けて研究を進めてまいりたいと考えております。 次に、教師に対するICT教育とデジタル教科書の導入についてでございます。教員のICTを活用した指導力向上につきましては、教育プラザと学校指導課におきまして、学校や教員の実情を踏まえ、それに応じた研修を実施するとともに、ICT版金沢型学習スタイルをしっかりと示して、教員が見通しを持ってICTを活用した授業が行えるように準備を進めているところでございます。また、学習者用デジタル教科書につきましては、現在、国におきまして実証事業が進められておりますことから、その状況を注視してまいりたいと考えております。 民間のオンライン学習サービスなどの利用についてでございますけれども、仰せの民間のオンライン学習サービスにつきましては、既に幾つかの自治体で導入されていることは承知しておりまして、導入自治体の状況等を踏まえ、今後に向けて現在研究を進めております。 ICT教育に対する保護者の理解をどのように深めていくのかとのお尋ねについてもございました。ICT教育を進めていく上で、保護者の理解を深めていくことは大切なことであると考えております。今後、各学校において授業参観やスクールフォーラム等様々な機会を活用し、情報モラル教育や個人情報管理、フィルタリング等の方法について丁寧に説明し、保護者の理解が深まるよう校長会議、または学校訪問等を通じて指導してまいります。 最後に、今後の教育のデジタル化に対する思いや考え方についてお答えさせていただきます。私は、現在、そして未来について考えてみたときに、急激に変化する時代の中で一人一人の児童・生徒が自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越えて豊かな人生を切り開き、持続可能な社会のつくり手となることができるよう、その資質・能力を育成することが求められていると思っております。今後はGIGAスクール構想の実現という動きを加速、充実させてデジタルコンテンツを活用するとともに、個別最適な学びと協働的な学びを往還させた新しい時代の教育の実現を目指してまいります。こうした思いは、先月の校長会議におきましてもしっかりと伝えさせていただきました。 以上でございます。 ○源野和清副議長 換気のため、しばらくお待ちください。 23番山本由起子議員。     〔23番山本由起子議員質問者席へ移動〕(拍手) ◆山本由起子議員 このたびみらい金沢の一員として発言の機会を得ましたので、以下数点にわたり質問いたします。 質問の1点目は、子育て支援についてであります。 子どもを核としたまちづくりで人口増、税収増を実現し、次々と新しい施策を打ち出す明石市の泉房穂市長の子ども施策について、私はかねてから注目し、議会質問にも取り上げてきました。10月に泉房穂明石市長の講演を聞く機会がありました。子育て支援策のみならず、迅速なコロナ対策にも目を見張るものがあり、基礎自治体の首長のリーダーの1つのモデルだと感じました。所得制限なく全ての子育て家庭への経済的負担の大胆な軽減、30人学級の段階的実施、児童相談所の職員数国基準の2倍、子ども食堂全小学校区で開設など、本市でも取り入れていただきたい施策がたくさんあります。山野市長はこのたび明石市を視察され、泉市長とも意見交換をされたとお聞きしていますが、どのような感想を持たれ、また、どのような施策の方向性に感銘を受けられたのかお聞かせください。 ○源野和清副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 以前、山本議員から明石市の施策のことについてこの議場でも御提案をいただき、一度視察したほうがいいのではないかという御提案をいただきました。少々時間はかかりましたけれども、先般、直接明石市に足を運んで、市長をはじめ、職員の皆さんにいろいろと御指導をいただきました。とにかくエネルギッシュ、前向きな市長さんであったというふうに思って、私も本当にいろんな勉強にもなりました。お話にありましたように、子どもを核としたまちをつくっていくということ、そして至近距離に神戸市や大阪があるということから、自分たちの地域の特性を生かしたまちをつくっていく、神戸や大阪と同じまちをつくっていくのではないということも明確にしながら、ベクトルを明確にして取り組んでいらっしゃるということも大変感銘を受けてお聞きいたしました。そのいただいた施策、事情も少し違いますから、地域性も違いますので、全てとはいきませんけれども、可能な限り施策に取り入れていくことができればというふうに考えています。 ○源野和清副議長 山本由起子議員。 ◆山本由起子議員 ぜひとも施策に実現されることを期待いたしております。 コロナ禍の中、虐待・貧困といった困難を抱えがちな家庭、子どもへのケアと支援が一層必要になってきています。本市では2019年3月策定の子どもの貧困対策基本計画に基づき、着実に施策を推進されてきました。今年度に入り、新たに子ども見守り支援事業、金沢こども応援ネットワーク事業が始まりました。それぞれの事業概要、活動内容や今後の予定などありましたらお聞かせください。 ○源野和清副議長 高柳福祉局長。 ◎高柳晃一福祉局長 まず、子ども見守り支援事業についてでございますが、これは生活が困窮する家庭や支援を要する家庭に対しまして、食材の提供などを通じまして子どもの見守り、あるいは状況の把握を行うものでございます。現在、3つの団体が活動しておりまして、各団体からは、訪問回数を重ねることで各家庭との信頼関係ができたなどの感想を聞いております。訪問家庭に困り事があれば、児童家庭相談室を通して必要な支援につなげるなど、連携体制を構築しているところでございます。 次に、金沢こども応援ネットワークでございます。こちらの事業、子どもの居場所づくりなどを行う団体同士が交流を持ち、情報交換を行うことにより、困難な状況を抱える子どもたちを地域から支援していくことを目指しておりまして、現在、31の団体に参加いただいております。今後は会員制交流サイトなどを通じた情報共有、あるいは先進事例に関します研修会などを開催するほか、支援を必要としている家庭に対しまして、子ども食堂や学習支援教室などを周知する子どもの居場所マップを作成することとしております。 ○源野和清副議長 山本由起子議員。 ◆山本由起子議員 地域から支援するという、そのことが大変キーワードかなと思います。ぜひともこれが真に必要とされている子どもと家庭につながることを期待いたしております。 児童虐待の件数が増え続けております。地域のあらゆる資源を投入して親子を孤立させない取組が欠かせません。11月28、29日に本市で日本子ども虐待防止学会第26回学術集会いしかわ金沢大会が開催され、私も参加してきました。実に多彩なプログラムで、多くの学びを得ることができました。子どもの育ちをネットワークでつなぎ見守るためにというプログラムでは、子ども支援に関わる関係機関や関係職種が連携し、子どもの育ちのステージごとに縦断的な支援を行っていることが報告されました。要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協は、子どもの育ちをネットワークでつなぎ、見守るための組織です。大会では、かなりの回数のケース会議が開催されている報告がありました。本市における要対協の実施状況について、ケース会議の開催状況も含めてお聞かせください。 ○源野和清副議長 高柳福祉局長。 ◎高柳晃一福祉局長 本市の要保護児童対策地域協議会であります金沢こども見守りネットワークにおきまして、虐待対応進行管理会議を毎月開催するとともに、福祉健康センターや警察等との実務者会議を昨年度は12回行っております。また、学校や民生委員、児童委員等、関係者が参加いたします個別ケース会議を昨年度は16回にわたり開催しておりまして、多くの機関と連携を密にしながらきめ細やかな支援を行っているところでございます。 ○源野和清副議長 山本由起子議員。 ◆山本由起子議員 地域の規模や実情により開催回数は異なると思いますけれども、ぜひとも丁寧な取組をお願いしたいと思います。 本年、社会的養育の推進に関する検討会が設置されたとお聞きしています。その目的と論議の方向性、そして児童家庭支援センターに期待する役割についてお尋ねいたします。 ○源野和清副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 この検討会は、児童虐待や養育困難等、子どもの養育に不安を抱える家庭に対する支援を効果的に行うとともに、家庭的な養育の推進に向けた里親制度の充実を図ることを目的として設置したものであります。子どもの養育について気軽に相談できる場所の設置、里親の登録拡大、質の向上などの方策を図ることについて議論をしているところであります。児童家庭支援センターは、児童相談所を補完する役割を果たす拠点であると認識しています。児童虐待のおそれや養育困難を抱える家庭について、早い段階で児童相談所と情報共有を図り、連携することを期待しているところであります。 ○源野和清副議長 山本由起子議員。 ◆山本由起子議員 本市は、中核市の中で先駆けて児童相談所を設置したわけでありますけれども、児童相談所だけではなくて、今おっしゃったように、地域での子育てについての相談が気軽にできる、そして児童相談所を補完するということで、ぜひとも児童家庭支援センターが機能化するようにお願いしたいと思います。 私は、先日、偶然に地域のお子さんに対して学習支援をし、その後食事を提供している場に居合わせました。地域の民生委員さんなどからこのような子どもの居場所を紹介された家庭のお子さんが、週1回そこで放課後を過ごしているそうです。そして、そこに参加しているお子さんは、様々な事情で自宅に帰っても食事の準備が十分されていないとお聞きし、少なからず衝撃を受けました。金沢市内にこういう地域がたくさんあるのではないかというふうに思っております。子どもの居場所としての子ども食堂は、本市においては大半の子どもは保護者と一緒に参加しています。しかし、保護者が十分お子さんのお世話ができない場合は、お子さんを直接サポートする、あるいは子ども見守り支援事業のようなアウトリーチ型の支援が必要になってくるのではないかと思います。地域で困難を抱えた子どもと家庭を地域で見守り、相談、支援につなげるネットワークの必要性を痛感したところであります。高齢者に対しては地域包括支援センターが中学校区ごとに設置されていますが、子どもと家庭の課題も地域包括のエリアで対応し、必要に応じて関係機関につなぐというシステムも考えられるのではないでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。 ○源野和清副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 私も、厳しい環境の子どもたちのお世話をされている方たちと意見交換をする場がよくあります。子どももそうですけれども、その多くの場合は御両親、親御さんを含めた家庭のサポート自体が必要な例が多いということをお聞きするところであります。そうしたできるだけきめ細やかな対応が必要だということを、皆さん口をそろえておっしゃっておられます。今ほどお話ありましたように、地域包括は中学校区単位を1つの基準にして整備をされているものであります。ただ、2025年問題に向けまして、今地域包括ケアについては、いま一度精査をしているところでもあります。子どものことにつきましては、まずは先ほど局長が答弁申し上げましたように、金沢こども応援ネットワークを設立いたしました。子ども食堂をされていらっしゃる方、放課後児童クラブに関わっていらっしゃる方、民生委員、児童委員の方、子ども会であったり児童館に関わっていらっしゃる皆さん方とネットワークをつくって相互に情報を共有化することによって、地域の中で子どもを含めた家庭をサポートしていく、まずはそういうところから始めていきたいと考えています。 ○源野和清副議長 山本由起子議員。 ◆山本由起子議員 地域、アウトリーチ、ネットワークというのがキーワードではないかと思いますので、また、金沢の子どもにとっての最良の方策について検討して、施策を進めてくださることを期待いたします。 質問の2点目は、LGBT/SOGI施策についてであります。 私は、昨年の12月定例月議会において、男女の性別欄に記載することが苦痛だと訴える高校生の発言をきっかけに、また、全国的に多くの自治体で入学願書の性別記載欄廃止が進んでいることからも、金沢市立工業高校入学願書における性別記載欄の廃止を求めてきました。昨年の御答弁は検討を進めていきたいとのことでありましたが、現時点での対応結果をお聞かせください。 ○源野和清副議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 金沢市立工業高等学校では、入学願書の性別記載欄の廃止につきまして、性同一性障害に係る生徒に対するきめ細やかな対応を踏まえ、慎重に検討を重ねてきたところでございます。仰せのとおり、全国的に多くの自治体で廃止していることや、何よりも受験生の精神的な負担を軽減するためにも、来春の入学試験から廃止することとし、学則の改正を行ったところでございます。 以上です。 ○源野和清副議長 山本由起子議員。 ◆山本由起子議員 その御答弁、大変うれしく受け止めております。性別記載欄の廃止だけではなくて、入学した生徒たちに対しても様々なガイドラインというかハンドブックがありますので、それに基づいた対応をお願いしたいと思います。 では、次に、パートナーシップ制度についてであります。先ほどの喜多議員への質問の御答弁がありましたが、私からも質問させていただきます。去る11月21日、第4回LGBTQと教育ダイアログin金沢、「知らないではすまされないLGBTQ、地方行政にできること」と題する地方議員向けの研修会が開催されたとお聞きしています。都合4回にわたるこの研修会には馳浩代議士が一貫して登壇されており、大変強い熱意を持って進めておられます。私も過去2回参加してきております。性的マイノリティーである当事者の思いに触れるにつけ、本当に知らないでは済まされないと自戒しているところであります。同性カップルを公的に認めるパートナーシップ制度を導入する自治体は急増し、今年9月現在、60自治体で全国の人口の3割をカバーしていると言われます。同性カップルを自治体が認める意義は大きく、承認されたカップルは公営住宅に入居できたり、病院で家族として扱われたりするようになりつつあります。証明書類の提示で携帯電話の家族割や勤務先の福利厚生を受けられる例も増えています。9月定例月議会でパートナーシップ制度導入検討を求めた私の質問に対し、市長は市民の意識がそこまで醸成していないのではないかと答弁されました。市民意識の醸成を待つのではなく、行政が制度を導入することによってこそ市民意識が醸成されると考えます。本市においてパートナーシップ制度導入検討を求めます。御所見をお伺いいたします。 ○源野和清副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 パートナーシップ制度につきましては、当初は都市部を中心に広がったというふうに理解しています。ただ、ここに来て、特に今年に入ってから、多くの自治体が制度の導入に取り組んでいらっしゃるということも私もよく知っているところでもあります。山本議員からも、この議場でも何度か具体的な形で御提案をいただいているところでもあります。今ほど議員のほうから、知らないでは済まされないと自戒というお言葉がありました。その言葉はそのまま私も胸に刺さる言葉であるというふうに思っています。自戒を込めて取り組んでいかなければならない、そしてこのタイミングで金沢市はSDGs未来都市に選定されました。その金沢市の独自の目標の中でも、LGBTフレンドリーなまちにするという目標を掲げているところでもあります。特にこのコロナ禍におきまして、家族の在り方、絆の大切さというものも再認識する機会も多かったというふうに思っています。先行自治体の取組を参考にしながら、パートナーシップ制度の制度設計を視野に、導入について前向きに検討をしていきたいというふうに考えています。今日、12月10日は国連が定めた世界人権デーであります。この日にこうやって議場でこの議論ができること、そして金沢市の意思表示ができますことを大変うれしく思うものであります。 ○源野和清副議長 山本由起子議員。 ◆山本由起子議員 まさにこの世界人権デーにふさわしい市長の御答弁であったかと思います。 では、質問の3点目は、PCR検査についてであります。 現在、我が国においては、新型コロナウイルス感染者や重症者が連日過去最多を記録する深刻な状況となっています。特に大阪や北海道においては、医療体制の逼迫状態が非常に憂慮されるわけであります。石川県や本市におきましては、最近では感染者が少なく落ち着いた状態でありますが、ゴー・トゥー・トラベルの影響から本市にも大勢の観光客が訪れていることやインフルエンザ流行期を迎えることから、今後とも警戒を緩めるわけにはいきません。新型コロナウイルスは無症状陽性者が自分でも気づかないうちに感染させてしまうことから、感染拡大を防ぐためにはより積極的な検査が必要ではないかと考えます。特に重症化しやすい高齢者や高齢者施設入所者、医療・介護従事者に対しては、重点的に検査を行うべきではないかと考えます。まずは、市立病院における検査体制についてお尋ねいたします。市立病院では、10月1日から最新のPCR検査機器を導入されたとお聞きしています。せっかくPCR検査機器を配備されたのですから、入院患者や職員の検査に積極的に利用してはいかがかと思います。検査機器の検査能力と検査実績も併せてお尋ねいたします。 ○源野和清副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 市立病院に新たに配備したPCR検査機器ですけれども、一度に14検体の検査が可能であります。1日当たり30件程度処理できる見込みでもあります。また、1時間以内に検査結果が分かることで迅速な対応が可能となり、これまでに行政検査や発熱患者の診断、手術前の事前検査などに約200件の検査を行ってきたところであります。今後は入院予定の全ての患者に事前にPCR検査を行うとともに、出張などで県外へ移動した職員、体調不良の職員に対しましても検査を行い、院内感染の発生防止に活用していくこととしています。なお、今のところ入院患者を一斉に検査するということは予定しておりませんけれども、万が一院内で陽性患者が発生した場合は、直ちに全ての入院患者と職員に対して検査を実施し、感染拡大の徹底防止を図ってまいります。 ○源野和清副議長 山本由起子議員。 ◆山本由起子議員 次に、高齢者施設等への検査体制についてお尋ねいたします。新聞報道によりますと、11月26日、谷本知事は高齢者施設へ入所する際にPCR検査を受けられる体制を整える考えを示したとあります。また、加賀市は9月補正において、高齢者施設の職員、高齢者や基礎疾患のある人を対象に、PCR検査費用3万円のうち市が2万円を負担するという新聞報道がありました。高齢者施設などで働く職員の中には、自身が無症状のまま感染源になることを恐れ、自費での検査を希望する人がいることから制度を導入したそうです。本市において、希望する高齢者施設職員への検査費用を助成するお考えはありませんでしょうか。 ○源野和清副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 高齢者施設の職員の検査につきましては、サービス提供に当たって必要な場合、その費用を県が補助しているところであります。本市としては、引き続きこの制度の周知を図っていきたいと考えています。 ○源野和清副議長 山本由起子議員。 ◆山本由起子議員 次に、社会的検査についてお伺いいたします。注目を集めた世田谷区での社会的検査が10月からスタートしました。当初の制度設計からの変更点としては、検査対象を絞ったこと、検査費用の圧縮策として予定していたプール方式を国が認めなかったこと、検体採取法として前鼻腔拭いが認められたことで検体採取が簡便になり、時間短縮になったこと、そして4億円余りの財源の全額を国費で確保し、区の予算を持ち出す必要がなくなったことです。10月以降、介護事業者等を対象とする第1段階で、社会的検査を希望する施設は区の予想を超える432施設、7,624人となったそうです。10月の3週間で高齢者施設における介護職らの陽性率が1.9%であり、ある特養では職員61人中13人の陽性者はいずれも無症状だったとのことです。保坂世田谷区長は、症状が出てから検査をしていたらもっと感染が広がっていたかもしれない、その段階では施設運営を継続、維持するのは難しい、重大になる前に感染者集団を見つけ、未然に防ぐことができたとコメントしたそうです。世田谷区での社会的検査についての市長の見解をお聞かせください。 ○源野和清副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 クラスター発生等により、介護施設等の社会的インフラの機能が停止しないように、希望する施設の利用者や職員等を定期的に検査し、感染拡大を防止するということが社会的検査の目的であるというふうにお聞きしています。本市におきましても、介護施設等に対する研修会、実地支援を行うなど感染防止の取組を支援していますほか、感染者が発生した場合、クラスターとならないよう、その利用者、職員に対して幅広に検査を実施しているところであります。併せて、他の施設からの職員派遣を支援するなど、施設の機能を停止させないという同じ目的を達成するために様々な取組を進めているところであります。 ○源野和清副議長 山本由起子議員。 ◆山本由起子議員 不安に感じる方が検査を受けやすい体制、そして感染が発生してからではなく、発生しそうなときに即座に広範な検査体制が取れることが重要ではないかと考えます。しかし一方で、無症状でありながら検査によって陽性が判明した場合の差別や偏見を恐れ、検査に対して消極的な市民感情があることも否めません。世田谷区のように自治体全体で定期検査に取り組むことで、検査に対する抵抗感が薄くなることも考えられます。また、何より差別根絶の強力な対策が必要です。本市において新型コロナウイルス検査体制に臨む基本的な考えをお聞かせください。 ○源野和清副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 現在、感染症の検査に当たりましては、症状がある方の身近な医療機関での検査体制を確保し、早期の感染者の把握、濃厚接触者の特定等を進めるほか、高齢者施設や医療機関等で感染者が発生した場合は、利用者や職員全員を幅広に検査し、感染拡大の防止に努めているところであります。引き続き必要な人が検査を受けられるよう、県と連携し、体制を充実させていきたいと考えています。感染者に対する差別やその家族に対する差別というものは、あってはならないことだと思っています。今後とも様々な手段や機会を通して啓発を続けてまいります。 ○源野和清副議長 山本由起子議員。 ◆山本由起子議員 ぜひとも医療崩壊、介護崩壊など起こらないような本市における体制の整備、充実を求めておきます。 質問の4点目は、教育における新型コロナウイルス感染対応についてであります。 コロナ禍の中、新型コロナウイルスに対応する学校の新しい生活様式が求められています。一斉休校後の学校再開時の分散登校は、少人数学級のよさを感じることができました。40人学級では3密状態を回避することは困難であり、少人数学級の一日も早い実現が今こそ求められています。また、文科省が進める主体的・対話的で深い学びは、少人数学級でこそ効果的に実施できます。一人一人に端末が配備されることにより、よりきめ細やかな指導が必要になり、また、子どもや家庭が置かれた状況が複雑化する中、より丁寧な個別対応が求められています。コロナ禍の中、少人数学級を求める声は大きくなり、自民党の教育再生実行本部が30人学級実現を求める決議をし、文科省は来年度概算要求に少人数学級を事項要求として入れました。しかし、財務省は、少人数学級は学力向上につながらず、定数増は教員の質の低下を招くと消極的です。定額働かせ放題の給与制度の改正を行い、定数改善を行えば、教員の質も子どもの学力も確実に向上します。萩生田文科大臣は、少人数学級や働き方改革を求める全国校長会や教職員組合など23団体が開いた集会で、不退転の決意で取り組むと力説されたそうです。今こそ各都道府県、市町村からの少人数学級早期実現の要望を国に届けることが必要です。従来行ってきた国への定数改善の要求提出にとどまらず、地方一体となって文科省を後押しし、政府、財務省を動かす強力な要望活動が必要です。教育長だけではなくて、市長にぜひ見解を求めたいと思います。 ○源野和清副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 文部科学省の概算要求の中でそのことが明記されたということは、私も理解しているところでもあります。全国市長会におきましても、義務教育施策の充実に関する重点提言といたしまして、学級編制及び教職員定数の標準について一層の見直しを図ること、所要の税財源措置を講ずること、少人数学級については後退することなく、引き続きその推進を図ることを国に要請したところでもあります。文部科学大臣経験者の馳代議士にもぜひ力を貸してほしい、そういうことを申し上げているところで、御理解いただいているというふうに思っています。 ○源野和清副議長 山本由起子議員。 ◆山本由起子議員 従来から全国市長会を通じていろいろ要望されていることは存じていますが、今は本当にコロナ禍の中で今こそ必要だという、そういう今までとはまた違ったフェーズに入っているわけなんです。そういうときにやはり首長御自身が強力な要望活動をする、今までと同じではなくて今こそということで、ぜひとも強いそういう要望活動をしていただきたいというふうに思います。 次に、学校現場における新型コロナウイルスへの対応は、朝の検温、健康観察、衛生指導、校内の清掃や消毒作業等多岐にわたり、教職員の業務は増加しております。教職員が本務に専念できるよう、スクールサポートスタッフの増員が求められます。本市教育委員会としての対応をお聞かせください。 ○源野和清副議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 本市におきましては、国のスクールサポートスタッフ事業によりまして、教材準備の補助や印刷等を行う教員業務補助職員と検温や消毒等を行う学校サポーターを配置いたしております。教員業務補助職員につきましては、今年度中学校で10名増員し、小中学校合わせて24名配置いたしております。また、学校サポーターにつきましては、感染症対策といたしまして、本年7月から新たに全校に1名ずつ、合計75名を配置したところでございます。次年度につきましても、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえた配置に努めて、教職員の業務負担の軽減を図ってまいります。 以上でございます。 ○源野和清副議長 山本由起子議員。 ◆山本由起子議員 ぜひとも現場の負担軽減のために様々な方策をとっていただきたいと思います。 最後の質問は、花のあふれるまちづくりについてであります。 実は、私は、10年前にも同趣旨の質問をしましたが、どうもあまり前進していないのではないかということで、再度質問をさせていただきます。本市におかれましては、緑と花のあふれる美しいまちづくりのために、市民公共花壇、商店街花壇等で市民主体による花の育成、管理や金沢マラソンの応援プランターなど、イベントに花を設置することで花いっぱい運動を推進されています。本年10月から11月にかけて、市庁舎前広場で3週間の間、金沢市緑と花の日記念の大型飾花、花の飾りが設置されました。また、いい夫婦の日である11月22日前後には、市庁舎前広場のデジタルサイネージ前に、鉢花の組み合わせによる華やかな飾花が置かれました。いずれも市庁舎前を行き交う市民や観光客が足を止めて記念撮影する姿が見られました。仕事や旅行で訪れた地で美しく手入れされた花に出会うと、その地の魅力が一層増すものです。特にヨーロッパのまちを歩くと、花壇のみならず、窓辺も花で飾られ、至るところにコンテナやハンギングバスケットによる寄せ植えがあり、花がまちの魅力を引き立て、重要な観光資源になっていると感じます。富山市の森雅志市長は、まちの魅力を高めるためにLRTシステムを導入したことはよく知られていますが、まちの中心部に花を飾る、花束を買って電車に乗ると無料というアイデアも市長発案だそうです。花卉の消費拡大という目的だけではなく、その先を見据えていることは、毎日の生活の中で花をめでる機会を増やし、花があふれるまちを目指すということであると語っています。私が以前行政視察で訪れた盛岡市は、市街地の至るところにハンギングバスケットが設置されている花があふれるまちでした。盛岡市は平成16年度以来、色彩豊かな花による市街地の美化を通じて、商店街の活性化や観光客の誘致を図ることを目的に花と緑のガーデン都市づくり事業を継続し、公共空間へのハンギングバスケット設置数全国1位となっています。商店街組織や町内会等へ機材を無料で貸与し、土や苗の資材購入費等の80%を補助するという手厚い支援を行っています。新幹線開業以来、たくさんの来街者を迎えることになった本市としては、イベントに合わせた一過性の飾花だけではなく、金沢の玄関口である金沢駅や都心軸沿道におもてなしの心を体現した観光施策としての恒常的な飾花を検討すべきではないでしょうか。また、それらの飾花は観光客のみならず、コロナ禍でふさぎがちな市民の心にも必ずや癒やしや潤いを与えることにつながると思います。市長のお考えをお聞かせください。 ○源野和清副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 花はまちの魅力を増すものだというふうに思っています。市役所内におきましても、花があるだけで空気が柔らかくなる、そんな思いを私もするところであります。都心軸道路沿いにもプランターを設置し、市が花の苗を提供しながら、地元の皆さんの御協力をいただきながら、年3回替えてもらったりとかしているところでもあります。また、お話もありました市役所前広場におきまして、飾花が飾られていることによって多くの方が写真も撮られておりましたし、市民の皆さんも温かい気持ちでいたのではないかというふうに思っています。プランターもいいんですけれども、やはり花を飾る飾花というものは、すごいインパクトもあるというふうに思っています。恒常的な飾花ということになりますと、幾つか課題もあるかとは思いますけれども、具体的にどういったことができるのか、そういうところから検討して、できることから始めていきたいというふうに考えています。 ○源野和清副議長 山本由起子議員。 ◆山本由起子議員 いろいろ市が管理するところで飾花ができるというところはかなり限られているという課題もお聞きしておりますけれども、先ほどから申し上げましたが、新幹線開業で金沢に来街者が増えるということで、やはり花でおもてなしの心を表すということは必要ではないかと思いますので、ぜひとも前向きに取り組んでいただきたいというふうに考えます。 以上で私からの質問を終わります。(拍手) ○源野和清副議長 以上で、23番山本由起子議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩 ○源野和清副議長 この際、暫時休憩いたします。     午前11時57分 休憩-----------------------------------     午後1時1分 再開 △再開 ○野本正人議長 出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○野本正人議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 10番前誠一議員。     〔10番前 誠一議員登壇〕(拍手) ◆前誠一議員 質問の機会をいただきましたので、以下、数点にわたって質問させていただきます。 まず、私は、質問の都度、鳥獣害について質問させていただいております。とりわけ今年は積雪もほとんどなかったせいか、熊については春先の冬眠が明けて被害が出始め、特に秋以降、目撃情報や人身事故が多発しており、過去最高であると発表されております。また、猿についても3月頃から特に30匹から40匹の集団で町や畑に現れ、果樹や農作物について甚大な被害が出ております。これは地球温暖化で猿や熊、イノシシの個体数そのものが急激に増加していると言われております。今までは春にはタケノコや山菜取り、また秋にはキノコ取りなど、季節ごとに山へ行ってまいりましたが、今では獣害があるということで、人は誰も山に行きません。森林自体も整備されず、動物への抑止が利かなくなっているのが現状だと思います。 そこで、最初に森林の整備についてお伺いいたします。 石川県では、森林は水源の涵養機能など生活の基盤となる役割を担っており、安全・安心な生活を確保するためには森林の整備は欠かすことができないこととして、森林を健全な姿で次の世代に引き継ぐため、社会全体で森林を支えていく制度が必要であるとして、平成19年度よりいしかわ森林環境税を導入しました。これは、県内に居住する一定以上の所得のある個人と法人に課税する仕組みです。税額は、年額個人は1人500円、法人は1,000円から4万円で、県全体で約3億7,000万円だそうです。また、これらの使い道については決められており、1つとして、森林の放置竹林の除去、2つ目に、野生獣の出没を抑制するための山林整備、3つ目に、県産材利用促進対策、4つ目として、森林や木材利用促進と県民参加による森づくりの推進と定められております。また、国としても、森林を整備することは地球温暖化防止や災害防止、水源涵養など、公益的機能は広く国民に恩恵を与えるものであり、森林整備は国土や国民の命を守るために必要不可欠として、平成31年に森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律が制定され、昨年、令和元年度より各市町村へ森林環境譲与税が支給されました。また、森林環境税の徴収は、令和6年度より全納税義務者に課税されることとなります。ところで、金沢市の森林の現状ですが、森林面積は金沢市の面積のおよそ6割で約2万8,164ヘクタール、そのうち国有林が23%、民有林が77%で2万1,695ヘクタール、その民有林の約4分の1が人工林で、かつ5,394ヘクタールであります。そしてその中の3分の1が市営造林で2,023ヘクタールであり、それ以外の私有造林面積は3,388ヘクタールあります。また、人工林の約81%に杉が植えられております。これが現在の金沢市の森林の実態です。以前にも、私は、この場で市営造林について質問させていただきましたが、私自身の山林は、昭和51年に、最初の期間は40年として保全管理契約をいたしました。その後、徐々に木材市場が下がり始め、現在では伐採しても値段が合わないということで、伐採せずにさらに40年の期間延長をされ、80年となっております。ちなみに、伐採したときの配分は、市が6割、山林所有者が4割です。契約当初は、我が家自身これからは山へも行かなくなり、管理もできないようになるという理由で市へ委託しました。これはこれで、市は山を管理するという意味では先見の明があったことかと思います。しかし、40年経過し、延長の再契約をしたときは、もう山からの収入は諦めておりました。ちなみに、次の伐採適齢期は30年から40年と言われております。また、現在の価格は、直径20センチメートルで長さ4メートルの材ですら1,000円もしないそうです。これだと伐採しても確実に赤字です。伐採経費の赤字のほとんどが伐採人件費や搬出費用です。そこで、金沢市では現在どのような方針で、いしかわ森林環境税及び国からの森林環境譲与税を森林整備のどのようなことに使い、どれくらいの金額を交付されたのかお尋ねいたします。 また、今後、森林環境譲与税は年ごとに増額されるように聞いていますが、今後どれくらい段階的に交付されるのか、金額も併せてお尋ねいたします。 聞くところによりますと、今までここ数年、金沢森林組合は竹林伐採か間伐材の伐採整備が中心だそうです。そして、今はその間伐するところもなくなったようでございます。なお、間伐材は杭を作るかチップを作るかの雑木としての利用しかないそうです。また、竹についても、現在、多くは伐採した後は現場に積み上げたまま放置されております。竹もチップやパウダーにすることにより、殺菌効果や防草効果があるように聞いております。チップを作る機械もあるはずですので、これらを作り、森林組合や農協で売り出すことも重要だと思いますが、これらについてもお尋ねいたします。 また、金沢には以前、製材所は何社もありましたが、今では金沢森林組合と民間の1社の2か所だけになったそうです。また、金沢森林組合では、直径45センチメートル以上の材木は機械が小さいので切れないそうです。つまり、伐採適齢期を過ぎた市営造林の木材は、唯一伐採許可を持っている金沢森林組合でも製材できないそうであります。まさに私が持っている山は、全て適齢期を過ぎてしまいました。本来の森林整備とは、新たに植林し、30数年たって皆伐、つまり全部伐採し、その後に続いてまた植林し、ある程度大きくなるまで数年下草刈りなどをして管理するサイクルが本当の森林植林事業ではないかと思います。現在、金沢市の山では、新たに植林しているところはほとんどないとのことです。また、山野市長は、今年3月の定例月議会で木の文化都市・金沢の継承に向けてとして木質都市創出の宣言をされました。私は、当然金沢産材をふんだんに使い、その需要も伸びるものと信じておりました。現在、木の文化都市・金沢にどれくらい利用されたのかお尋ねいたします。 なお、先月30日に金沢市の森づくり市民会議が開かれ、森林再生の進捗状況を説明したとの新聞報道がありました。その中で、森林環境譲与税を使い、森での散策路や広場を整備したとありましたが、本当ですか、これは。数年前から熊や猿、イノシシが出る山に、今誰が喜んで行くのでしょうか。熊が出没した地域では、私も機能別消防団員として参加しましたが、山へは行かないでくださいと消防団で広報活動を行っております。上辺だけの森林再生業務はやめていただきたい。市長、金沢市の森林再生は果たしてこれでいいのですか。真に金沢市民のための施策を実行していただきたいと思います。さきに述べましたように、いしかわ森林環境税や森林環境譲与税を一番経費のかかる伐採経費に充当し、本来の森林整備に再生しなければならないと思います。これは金沢市当局だけでできるものではありません。現場を管理している金沢森林組合と十分協議し、山の地権者の理解を得て早急に実行しなければなりません。そうすることにより、熊や猿、イノシシなどの獣害被害も確実に少なくなると思います。市長、今ならまだ間に合います。今後の金沢市の森林再生のための本気度をお尋ねいたします。 続きまして、古紙並びに資源回収についてお尋ねいたします。 資源回収については、古くからはPTAや子ども会、婦人会が中心となって、その活動の一環として資源回収を行ってきました。また、平成28年12月より町会等の拠点で集団回収が始まり、これに併せて平成30年8月より従来の呼びかけチラシをやめて雑紙回収促進袋を作製し、市民の皆さんに啓蒙しながら行っております。私の主観ですが、市民の皆さんの資源回収の意識も徐々に高まってきていることがあちこちで感じられます。しかし、私の周りでもいまだに雑紙回収促進袋を知らない人たちもいます。そこで、現在62の連合町会がありますが、集団回収を行っている地区はどのくらいあるのか、また、集団回収量の過去からの推移状況も併せてお尋ねいたします。 ごみ袋有料化に伴って一気に回収実施の地区は増えたと思いますが、聞くところによれば、集団回収を行っている地区はまだまだ50%にも達していないそうです。これらがなかなか進まない原因がどこにあるのか、調査推進しているのかも併せてお尋ねいたします。 そこで、無理な競争心をあおるわけではありませんが、非常に頑張っているところや他の模範となるような活動をしている町会や組織に新たな褒章制度を設け、さらなる意識向上を行っていけばどうかと思います。併せて、事業系古紙の回収についても同様な制度を設けてはいかがでしょうか。これらの点についてお尋ねいたします。 同じく、環境の循環型社会の施策で、以前よりペレットストーブに対しての購入補助制度がありますが、先に質問したとおり、森林再生の一環としてまきストーブにも補助を出してはいかがかお尋ねします。 ペレットストーブとまきストーブとでは、煙が多い、少ないこともありますが、森林資源を使うということでは同じだと思います。近年、まきストーブもかなりの人気があるようですのでよろしくお願いいたします。木質都市金沢のためにも、また、森林再生の一助となるためにもよろしくお願いいたします。 次は、私の地元にある金沢テクノパーク工業団地についてお尋ねいたします。 金沢テクノパーク工業団地は、平成4年の分譲開始より28年経過しました。当初はなかなか分譲も進みませんでしたが、今は残すところ3区画のみです。一方、金沢市では、安原異業種工業団地をはじめとして、いなほ・かたつ・森本インター工業団地が次々と造成、分譲され、いずれも完売し、その後、さらに要望があり、昨年より安原及びいなほ工業団地に追加造成が始まり、同時に分譲予約もされております。これについては大変喜ばしいことであります。しかし、テクノパーク工業団地は、30年近く経過しているのに広いところがあと3区画残っております。これは分譲条件、つまり対象業種として、エレクトロニクスやメカトロニクス、メディカルなどといった高度技術産業という規制、つまり高いハードルがあるからではないでしょうか。30年前にはICTやAIといったものは言葉すらなかったと思いますが、現在ほとんどの業種の工場ではICTやAIを使って当たり前にものを作ったりしているのではないでしょうか。30余年前の高度技術産業とは、広く解釈すれば現在の業種は全てクリアしているのではないでしょうか。今は何事も規制緩和の時代になっているにもかかわらず、こういった過去の古いままの規制に縛られているのなら、その縛りをかけている国及び関係機関に対してきちっと現状を訴え、要望すべきです。 また、現在に至るまで、草刈りなどの管理費用はどのくらいかかっているのかもお尋ねいたします。以前に聞いたところ、かなりの金額がかかっているとお聞きしました。規制緩和を行い、一日も早く完売できるよう努力していただきたいと思います。 なお、規制緩和できないのなら、長期間ではなく、短期間で資材置場などに賃貸することができないのかお尋ねいたします。少しでも管理費用に充当すればよいのではないかと思います。幸い残っている3区画は、薬師大橋を挟んで現在分譲した場所とかなり距離も離れていますので、条件緩和の違和感はないのではないでしょうか。早期の完売を強く望みます。 続きまして、テクノパーク及び森本インター工業団地周辺の朝晩の交通渋滞についてお尋ねいたします。今まで何度かこの問題について質問もして、その都度、幅員の拡張などある程度の対策が講じられてきましたが、根本的な解決にはいまだ至っておりません。現在、テクノパークには約1,200人、森本インター工業団地には約400人、合わせて1,600人近くの人が通勤しております。また、全区画が完売したときにはさらに増えることではないでしょうか。そして、そのほぼ全員が自家用車で通勤しております。現在、この地区には公共交通は走っていませんが、朝夕に限って通勤バスを二、三便運行できないかお尋ねいたします。 一方で、山側環状が全線4車線化になれば幾分緩和されると予想されておりますが、十分な解決には至らないと思います。さらに、もう1つの案として、神谷内インターから現在ある裏の山道を利用し、産業道路として1キロメートル弱を整備すれば全てが解決できるものと思います。当初は砂利道でもいいと思いますので、よろしくお願いいたします。絵空事ではなく、真剣に考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 次に、市有施設などの広告事業についてお尋ねいたします。 これについては以前も同じ質問をさせていただきましたが、そのときの市長答弁では、大型公共施設への企業広告については、金沢市が屋外広告物の規制を推進していることや、公平・公正の確保、まちの品格を保つ等の観点から課題が多いとし、当面先行自治体などを参考とし、研究課題とさせていただきたいとのことでした。あれからかなりの年月も経過し、先進事例も多くなり、広告環境もかなり変わってきております。金沢市では、近年、金沢プールやあめるんパークなど大型施設が完成し、さらに、令和5年には1万人規模のサッカー場の建設が計画されております。そして、今年は市民野球場の人工芝全面改修の工事が始まりました。私自身も野球に関わる者の一人として、大変うれしく思っております。さらに、来年には若干暗かったナイター照明も更新される計画だとお聞きしました。石川県立野球場では、10年近く前から内外野のフェンスに広告を掲載し、今では12社の広告を掲載しております。3年ごとの更新でかなりの収益を上げているそうです。また、一昨年、行政視察で伺った高松市では、陸上競技場を新たに更新したときに、年400万円で5年間の命名権を一般企業に売却したとのことでした。また、隣の富山市では、ライトレールの新駅の命名権を1,500万円で売却したそうです。また、金沢市の税収は、昨年は新幹線効果で過去最高だと言われました。打って変わって今年は新型コロナウイルスの関係で税収はかなりの減収だと聞いております。今後は民間活力の導入としても、この際市民野球場など大型公共施設に企業広告を導入すべきだと考えます。併せて、市民野球場の名前を例えばミリオン球場などとして命名権を売却してはどうですか。全国的にはまだまだたくさんの事例があります。なお、この取組に当たって前進するために弊害などありましたならお答えください。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○野本正人議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 10番前議員にお答えいたします。 森林再生についてお尋ねがございました。金沢市の森林再生にかける市長の本気度を聞くということについてお答えさせていただきます。森を守ることにより、木を生み、育て、その木を活用する循環型社会を確立することは、市の重点施策であり、木の文化都市・金沢の実現にも資するものと考えています。森林環境税、森林環境譲与税のうち、特に森林環境譲与税は令和6年度までに段階的に増額交付され、森林整備全般に広く活用できることは、森林の再生に大変有効であり、具体的な活用策について知恵を絞っていく必要があるというふうに思っています。本年度検討会を設置し、学識者や現場で実績を残している関係者の方々に、本市の実情に応じた効果的な森林管理手法、また森林環境譲与税の活用策を議論していただいているところであります。御指摘ありましたように、特にこの一、二年の鳥獣被害の状況も勘案しながら御議論いただけるというふうに思っています。今後とも森林の再生に全力で取り組んでまいります。 古紙回収のことについて、地区単位での集団回収が進まない原因についてお尋ねがございました。校下・地区単位での集団回収につきましては、これまで実施してきたPTA、子ども会などの団体と運営面や財政面での調整に時間を要するなど、町会連合会それぞれに個別の事情があるということをお聞きしています。集団回収の多様化が図られることで、市民の協力の下、資源化と利便性の向上につながるよう、引き続き制度の周知、説明会の開催、相談支援等に取り組み、団体数の拡大が図られるように努めていきたいと考えています。     〔議長退席、副議長着席〕 褒章制度のことについてお尋ねがございました。本市では、環境保全に関し積極的に活動し、他の模範となる優れた取組をした個人、市民団体、事業所に対する表彰制度として、いいね金沢環境活動賞を設けているところでありまして、御提案の件につきましても、古紙の資源化への取組がさらに広まっていくよう、この表彰制度を活用していきたいと考えています。なお、事業系ごみの約4割を古紙が占めています。その資源化は大きな課題であると思っています。事業者への周知、啓発の徹底を図っていくことが必要だと思っています。今年度準備をしておりましたけれども、コロナ禍の中で思うように進みませんでした。引き続きしっかりと取り組んでいきながら、その中で積極的な古紙の資源化を実践した事業者に対する新たな表彰制度を設けることにつきまして検討していきたいというふうに考えています。 まきストーブの補助についてお尋ねがございました。森林資源であるまき、木質ペレットの活用は、森林の再生だけではなく、温室効果ガス削減による地球温暖化防止にも有効な対策であると考えています。ただ、このまきストーブは煙が出やすいものであります。毎年やはり一定数そのことについての苦情等々の連絡も受けているところであります。機器の改良状況も進んでいるというふうにお聞きしておりますので、その機器の改良状況なども見定めていきながら、補助制度の在り方についても研究させていただければと思っています。 金沢テクノパークのことについて何点かお尋ねがございました。分譲をさらに進めるために高度技術産業に限定せず、もっと幅広に取り組んでいくこともそろそろ必要ではないかということでした。金沢テクノパークは、高度技術産業のほか、独自技術を有する地域拠点産業など、付加価値の高い産業の拠点として整備したものであります。これまでも国内外において高いシェア率を占める製品、特色のある製品を製造する企業の進出を通じて、本市産業に厚みが加わり、地元関連企業の受注拡大、雇用の創出につながっているところであります。分譲対象の企業や業種につきましては、条例で規定している事項であり、その見直しにつきましては、議会の皆さんとも慎重な議論をしていかなければいけないと思っています。ただ、一方では、28年たちました。時代も変わってきました。第4次産業革命に対応した新産業の創出、そして今回のコロナ禍の中で社会環境の変化というものも出てきたところでもあります。前議員が御指摘のように、間違いなく検討する時期に来ているというふうに思っています。今後も議会も含めて多くの方の御意見もお聞きしながら、検討させていただければというふうに思っています。 新たな道路のことについてお尋ねがございました。公共交通のことについてまず御提案をいただきました。公共交通の運行に関しましては、平成27年度に進出企業に対してヒアリングを行ったところであります。従業員の居住先が多方面にわたるということ、通勤時間にばらつきがあるということから、運行に向けた意見集約には至りませんでした。新たな公共交通の路線開設については、運転手、採算性の確保など解決すべき課題も多いと考えています。ただ、当時と比べますと企業数も変わってきました。従業員数も変わってきました。増えてきているところであります。再度、改めて企業の皆さんの意見をお聞きしてみたいというふうに思っています。必要とあるならば、交通事業者に要望していきたいと考えています。 神谷内インターから現在ある裏の山道を利用した道路の整備のことについて御提案いただきました。テクノパーク工業団地周辺の交通渋滞緩和に向け、平成29年、国道304号から工業団地方面への右折車線を2車線化とする金沢テクノパーク口交差点の改良工事を実施しており、朝夕の渋滞緩和に一定の成果が得られたと考えています。国においても金沢森本インターと国道304号が交差する金沢森本インター口交差点の右折レーン延伸などの改良を予定しているとお聞きしています。進出企業におきましても、今年から、特にこのコロナの対応策として、従業員の時差出勤にこれまで以上に取り組んでいるということもお聞きしております。そのことによる渋滞緩和の効果も期待できるのではないかというふうに見ているところであります。御提案の道路整備につきましては、地形、勾配などからなかなかこれは難しいのではないかというふうに考えています。引き続き、国・県、警察と連携し、渋滞対策に取り組んでまいります。 大型市有施設の広告事業についてお尋ねがございました。具体的に、野球場などのフェンス広告などや命名権のことについて御提案をいただきました。御提案の大型公共施設への企業広告につきましては、屋外広告物の規制を推進する本市の立場、さらには公平・公正の確保、まちの品格を保つなどの点で課題もあるというふうに認識しています。ただ、場所を限定しながら、どのようなことが可能であるのか研究させていただければというふうに思っています。 命名権の売却につきましては、短期間で名称が変わる可能性や施設の所在地や機能が分かりにくくなるという課題もあるということをお聞きしているところでもあります。市の施設ですので、広告収入にも一定の効果が見込まれるものでないと、そこは慎重に取り組んでいかなければいけないのではないかというふうに思っています。税収の補填を目的としたものという考え方ではなくて、利用者への還元を含めた企業広告の在り方について考える時期に来ているという問題意識も持っているところでありますので、今改めて御提案もいただきました、今後研究させていただければというふうに思っています。 私のほうからは以上です。 ○源野和清副議長 長谷農林水産局長。 ◎長谷進一農林水産局長 森林再生につきまして、本市ではいしかわ森林環境税及び森林環境譲与税をどのような方針でどのように使用し、どれくらいの金額を交付されたのかというお尋ねでございます。いしかわ森林環境税は、緩衝帯整備や森づくり啓発事業に限り活用することとしておりまして、昨年度は約220万円が交付され、本年度も同様の事業に活用しましたが、本年度におきましては、コロナ禍の影響で普及啓発事業を規模縮小して実施いたしましたため、約120万円が交付される見込みでございます。一方、森林環境譲与税は、森林整備に幅広く活用することとしているところでございます。昨年度は森林経営管理制度の市民への周知のほか、森林の現況や所有者の意向調査に活用し、約2,800万円が交付されました。本年度は公図と航空写真を合わせた図面の作成のほか、広葉樹林化や間伐の実施、森林環境譲与税活用検討会の開催などに活用し、約6,000万円が交付される見込みでございます。 次に、今後の森林環境譲与税の交付見込みでございますが、次年度の譲与額は約6,000万円で、令和4、5年度は各年度約7,700万円、令和6年度以降は毎年度約9,400万円で推移していく見込みでございます。 次に、竹チップやパウダーを森林組合や農協で販売することについてでございます。竹チップやパウダーにつきましては、これまで北陸大学と連携いたしまして3年間研究を続けました結果、土壌改良材などに利用できるめどがつきました。引き続き、コスト面も含め、安定的に製造できるか検討した上で、森林組合や農協で取り扱っていただけるか御相談させていただきたいと考えているところでございます。 次に、金沢産材につきまして、今年度、現在までの利用でございます。民間の利用におきましては、木の家づくり奨励事業として、住宅の柱約1万2,000本に対する支援を行っております。また、公共用施設におきましては、小学校図書室の床、中学校の多目的室の床、腰壁、保育所の腰壁、そういったものの木質化、森本駅東広場のベンチの設置などに活用しておりまして、これらにより、今年度合計で約800立米利用されていると把握しております。今後とも公共施設への利用や民間需要の掘り起こしに努めてまいります。 以上でございます。 ○源野和清副議長 吉田環境局長。 ◎吉田康敏環境局長 私からは、古紙の集団回収を行っている地区の数及び集団回収量の過去からの推移についてお答えいたします。校下・地区単位で集団回収を行っているのは、現時点で28団体であります。校下・地区単位で集団回収が始まる前の平成27年度の古紙集団回収量は4,532トンでありましたが、家庭ごみの指定ごみ袋収集制度の開始や雑紙回収促進袋の配布によりまして、市民の環境意識が高まり、平成30年度は5,250トンとなっております。なお、昨年度は新型コロナウイルス感染症の影響によりまして4,513トンと減少しております。 以上です。 ○源野和清副議長 山田経済局長。 ◎山田啓之経済局長 テクノパークの管理費用及び短期貸出しについてお答えいたします。管理費といたしましては、ここ数年、年間200万円程度を要しております。未分譲地につきましては、これまでも道路の維持管理や補修工事、通信回線の工事など公共性の高い事業に限定いたしまして、資材置き場等に賃貸しております。今年度は目的外の使用料といたしまして、約130万円の収入を見込んでいるところでございます。 以上でございます。 ○源野和清副議長 換気のため、しばらくお待ちください。 5番稲端明浩議員。     〔5番稲端明浩議員登壇〕(拍手) ◆稲端明浩議員 発言の機会を得ましたので、公明党金沢市議員会の一員として質問させていただきます。 まず、本市の移住・定住施策についてお伺いします。 田園回帰の志向が近年高まりを見せていると言われています。東京圏、1都3県への人口流入は依然として歯止めがかかっていないものの、少子高齢化と人口減少に直面する過疎の自治体で人口が増加に転じるなどの事例が相次いており、三大都市圏、11都府県からの転入者が転出者を上回る転入超過となった市町村が全国的に広がっています。農林水産省の調べによると、三大都市圏を除く36道県1,264市町村のうち、2012年から2017年までの6年間に1年だけでも転入超過に転じた市町村は、全体の約4割となる35道県509市町村であることが明らかになっています。従来、地方への移住者は50代から60代までのシニア層が中心で、定年退職後のセカンドライフを楽しむことを主な目的としていました。しかし、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災を経て、若者を中心に価値観が多様化、従来の移住者とは違い、子育て中の若い夫婦や一流大学出身者らが、豊かな自然との共生や農業との関わりなどを望んで地方に向かう動きが出てきたと言われています。さらに、2014年度食料・農業・農村白書では、若者を中心とする田園回帰の動きに着目し、都市住民の農山漁村への定住願望が高まっているとしています。さらに、2018年に総務省がまとめた田園回帰に関する調査研究報告書でも、田舎の田舎である過疎地域で都市部からの移住者が増加した区域が拡大する傾向を明示しています。そこで、本市の近年における東京圏をはじめとする県外からの移住は、人数や年齢などどのような傾向となっているのかお伺いします。 これらの動きはコロナ禍で起きてきたものではなく、コロナ禍以前からの傾向として現れてきたものであります。京都大学こころの未来研究センターの広井教授によれば、2017年以降進めてきた研究の結果として、都市集中型か地方分散型かという論点が日本の持続可能性を左右する本質であり、地方分散型のほうが人々の雇用や健康、幸福の点で優れている、しかもその分岐点は2025年から2027年頃に来るとされていました。しかし、本年度の状況を踏まえ、この研究時には新型コロナのようなパンデミックを直接には扱っておらず、コロナ禍の今こそ地方分散型に転換していくタイミングだとしています。そこで、このような全国的な状況の変化に先駆けて国が推進してきた地域おこし協力隊が2009年から始まっています。本市における地域おこし協力隊の成果についてお伺いします。 次に、移住を考えている人に対しての相談窓口についてお伺いします。他自治体では、オンラインの活用や夜間でも相談ができるなど、積極的な取組を開始している事例もあります。本市においても、金沢市移住ポータルサイト「金沢に住もう。」が開設されております。このサイトを開設した目的と現在までの利用状況をお示しください。 また、本市における移住・定住施策としては、空き家や金澤町家の利活用、UIJターンの雇用促進がありますが、それぞれの施策においてどのような成果を上げているのかお伺いします。特に空き家を移住者向けの住居として活用していくことは、本市としてもメリットは大きいと考えます。空き家の活用促進について今後どのように移住希望者にアピールしていくのかお伺いします。 地方への移住を考えるに当たり、仕事はあるのか、地域住民との関係はうまくいくのか、子どもの教育環境や医療サービスなど考慮すべき課題は多く、最初から定住のための住居に多くのお金をかけることには抵抗があると思います。言わば、住居の購入は移住を考える上での最終的な段階であり、むしろ移住希望者を本市に受け入れる施策としてもっと敷居を低くし、本市に住んでみる体験などの取組も検討し、実行していくべきであると思います。今後の移住施策を進める上で、金沢市移住ポータルサイト「金沢に住もう。」の中では、さきに述べた課題のうち、地域とのつながりについての内容が少ないように感じます。移住に関しては、地域の受入れの体制や援助があることは、定住に向けての大きな要素となると思います。そこで、移住を希望する人と移住のコーディネートができる人がつながりを持つことができる、そのような窓口として移住ポータルサイトが機能することが必要と考えますが、御所見を伺います。 本市に住んでみる体験として有効と思われるものの1つとして、国も進めているワーケーションがあります。コロナ禍において進んだテレワークによってさらに敷居が低くなった感がありますが、観光といってもワーケーションでは一定期間生活をするわけですから、テレワークの快適性を確保する通信環境の整備に加え、生活の利便性を担保することも大切です。例えば、ワーケーション中のお子さんの教育環境の保障なども重要な視点となると言われています。全国各地でワーケーションの促進に取り組む自治体も多くなっています。本市では、今後のワーケーションの取組をどのように考えておられるのかお伺いします。 このほかにも、農林水産省が新しい地方への移住の動きとして、半農半Xについて促進する方向性を打ち出しています。半農半Xとは、自らの生活に必要な分の農業を行い、環境に優しいライフスタイル、地域とのつながりを大切にするというサスティナブルな生活を基盤とし、一方で、自身のライフワークを実現するという生き方を言います。生活に必要な食料は自らの農業で賄うため、半Xであるライフワークによって生活資金の全てを賄うような大きな収入を上げる必要がありません。つまり、半Xに位置づける仕事は、自身の人生をより豊かにするためのものであることに重点が置かれます。農林水産省はこの半農半Xを推進するため、実態把握のアンケートを実施しました。この秋からアンケート結果を取りまとめ、有識者による新しい農村政策の在り方に関する検討会が開かれるようであります。昨年、常任委員会の視察で訪れた綾部市では、既にこの半農半Xの取組が行われており、関連の書籍を読む中で、本市には半農の環境があるだけでなく、他都市よりも半Xにつながる要素が非常に多くあると感じ、今後の移住施策、農林水産業の新たな担い手づくりの施策として取り組む価値があると考えます。そこで、最後に、本市の魅力を理解し、より豊かな生活の場としての移住者が増えることによる効果、また期待するものについてどのようにお考えか御所見をお伺いし、この質問を終わり、次の質問に移ります。 本年は第5次金沢市障害者計画の策定年となっています。現在、それに向けて協議や意見の集約が進められていることと思います。現行の計画の成果と次期計画によって進められる障害者福祉施策についてお伺いします。 2015年から本年までのノーマライゼーションプラン金沢2015においては、法律やそれに基づく制度等の分類にとらわれることなく、障害のある人の生活を中心に据えた施策の体系を設定するとして、支援項目を12項目に分類されました。まず、12項目に分けたことで以前よりも効果が上がった部分と、思うように進まなかったことは何か、お伺いします。 現行のノーマライゼーションプラン金沢2015の実施期間においては、平成25年に障害者差別解消法が制定され、平成28年に施行となり、平成26年には障害者権利条約が批准されるなど、障害者支援に関する法整備が進みました。障害者差別解消法では、基本原理として、何人も障害者に対して障害を理由として差別すること、その他の権利利益を侵害する行為をしてはならないとあり、障害があることで差別することを禁止しています。また、差別を生じさせるものは障害そのものではなく、社会的障壁によるもので、これを除去するために合理的配慮を行うことが定められています。一般的に求められる合理的配慮は、実施に伴う負担が過重でなくとされていますが、行政においてはできる限りの配慮が義務とされており、市民に模範を示すべきものとなっています。そこで、障害者差別解消法や障害者権利条約の内容を次期計画であるノーマライゼーションプラン金沢2021においてどのように反映させていくのか、お伺いします。 次期計画の策定において、その基本方針として骨子素案が既に発表されており、市民フォーラムなども開催されています。次期計画骨子素案では、社会状況、障害者を取り巻く環境の変化に対応するために、ノーマライゼーションプラン金沢2015の12の項目を見直し、「ともに生きる」と「豊かに育つ」の項目を新設することに加え、社会情勢の変化等への対応をするとしています。「ともに生きる」は、これまでの「守られる」と「住まう」を合わせ、新たな項目として新設されました。この中でさらに分類された10の項目では、将来の安心と生活の場の確保として、親亡き後の生活の場の確保について触れられています。これに対応する施策として、本年10月からスタートした地域生活支援拠点推進事業とかなざわ安心プランがあります。緊急事態での対応や親亡き後の支援について強化されたものと理解していますが、当事者や当事者家族などへの周知はどのように行われるのでしょうか。さらに、相談支援専門員の体制と制度の周知にかかる期間についてもお伺いします。 また、障害福祉サービス人材の確保やボランティア活動の充実も改正項目として挙げられていますが、人材の確保やボランティア活動の充実は簡単に達成できるものではありません。アフターコロナとなり、状況は変わるかもしれませんが、コロナ以前においては福祉系の専門学校を出ても収入の面から他業種へ就職する学生がほとんどであり、新卒人材の確保は非常に困難な状況にありました。今後、景気が回復すれば同様の状態になることは想像に難くなく、少子化が急速に進む中で、他業種との競争においても収入面の低さを覆すことはさらに難しくなると思われます。また、新卒採用の賃金をアップするためには既存社員の給与アップも行わなければならない中、人材不足をどのように解消していかれるのかお伺いします。 また、本市におけるボランティア活動の充実の1つにボランティアポイント事業がありますが、現状の活用状況及び今後の充実に向けた取組についてお伺いします。 さらに、「守られる」と「住まう」を「ともに生きる」とした背景には、共に生きる健常者の考え方の転換を促すことに力点が置かれたものと推察します。私は、本市ノーマライゼーションプランが大きな成果を生むためには、障害者自身の自立への意欲を高める施策に加え、支援する側の障害者支援の意識向上が必要であると考えます。これを踏まえた上で、特に合理的配慮等、新たな障害者への向き合い方について、市民に対してどのように啓発を行っていくのかお伺いします。 次に、「豊かに育つ」についてお伺いします。ここでは、医療的ケアを要する障害児への支援が中心とされることに加え、金沢SDGsの「子供がゆめを描けるまち」の目標に向け、障害に左右されることなく、全ての子どもが安心して個性豊かに育つことができる環境をつくることを支援策の背景としています。市民相談の中で、障害のある子どもをどこで学ばせるべきかという相談をよく受けることがあります。支援学校や支援学級、通級指導教室ではなく普通学級で学ばせたいとの親御さんの思いは、2020年度の第1回市民フォーラムでの当事者家族からの提案、要望でも訴えられていました。ダイバーシティやインクルージョン教育の観点から、障害の有無に関係なく一緒に学ぶことは大切である一方、個々の児童・生徒に最適な選択とは何かとの問いは非常に難しい問題であります。この点において、教育委員会としてどのように進めていかれるのかお伺いします。 次に、社会情勢の変化等への対応について伺います。障害者の権利に関する条約には、意思疎通の定義として、種々の意思疎通の形態、手段及び様式において、利用しやすい情報通信機器を含むとされています。ICT技術の発達によって視覚や聴覚障害者の生活を補助する道具として、IT機器は非常に重要な位置を占めるようになってきました。聴覚障害者においては、スマートフォンのビデオ通話機能を使い、聴覚障害者と健常者の会話をオペレーターが手話や文字で通訳、仲介する電話リレーサービスを制度化するため、聴覚障害者等電話利用円滑化法が制定され、運用が開始されました。視覚障害者においては、各種読み上げソフトをはじめ、最近の話題として、警視庁が目の不自由な人にスマートフォンを活用し、信号の色を音声や振動で伝える信号機を約2,000基、明年度設置する方針を固めました。このアプリをダウンロードすると、一部の交差点では信号機の時間を延長できる機能もあるそうです。本市においても、産業政策課の金沢市市民生活AI技術等促進事業として取り組まれた第一本庁舎と第二本庁舎の間の丸と三角の印のある点字ブロックがあります。専用アプリを入れたスマートフォンをこの点字ブロックにかざすと、本人の立ち位置をアプリが自動的に判断し、行き先の音声案内が聞ける実証実験に使用されたものです。これには観光案内も入れることができ、観光客などにも使えるものとなります。このように、視覚・聴覚障害者にとって、スマートフォンやタブレット等のIT機器は生活支援において必須のアイテムとなっています。しかしながら、現在、本市においてIT機器購入への助成はありません。理由は、IT機器は障害の補助以外にも広く使用されるものであるからと聞いたことがあります。そこで、本市独自に視覚・聴覚障害者のスマートフォンやタブレットの購入金額の一部でも助成の対象となるよう、ぜひ検討していただけないかお伺いします。 さきに述べた点字ブロックを開発された金沢工業大学の松井教授は、点字ブロックは目の見える人には必要がないので重要視しない、そのため、点字ブロックの上に荷物や自転車を置いてしまう。しかし、点字ブロックが行き先や施設の説明など何かしらの情報を与えてくれるものとなれば、誰もが注目し、荷物や自転車を置くことはなくなる。障害者も健常者も共に利用できる技術にすることによって、いい社会ができるのではないかと思っていると話してくださいました。次期ノーマライゼーションプランにおいても、障害者のために行ったことが自分のため、地域のためとなっていくことが実感でき、よいまちづくりをさらに進める、そのような支援の輪を広げるものとなることを期待して、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○源野和清副議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 5番稲端議員にお答えいたします。 まず、移住・定住施策について何点かお尋ねがございました。私のほうから、地域おこし協力隊のことについてお答えいたします。平成28年度以降、これまで3名の方に地域おこし協力隊員を委嘱させていただきました。このうち2名が、現在三谷地区や内川地区で地域の魅力の再発見や地域資源を生かした活動を行っていただいています。また、昨年度まで湯涌地区で活動をしていた方は、活動期間終了後、引き続きありがたいことに湯涌地区にお住まいで、ホップや大麦を栽培し、地ビールの製造、販売を行うほか、この地区のまちづくりに取り組む団体に積極的に参加されるなど、地域の活性化に貢献をいただいているところであります。お三方とも私何度かお会いしておりますけれども、いずれも前向きに取り組んでいただいているところでありますし、地域の皆さんも本当に温かい目でバックアップをされていらっしゃる、そんな様子をよく拝見するところであります。 空き家の活用促進のことについてですけれども、本市の魅力はこれまで培ってきた伝統と歴史文化の深み、自然の豊かさ、安心で安全なまちであると考えています。本市はもちろん、近隣、具体的には石川中央都市圏の市・町は、ビジネス雑誌の住みよさランキングでも常に上位にランクされています。相互に様々な連携をしながら住みやすいまちをつくっていっているところでもあります。また、移住する際に必要となる価格、間取り、交通利便性など、引き続き空き家の情報をかなざわ空き家活用バンクを通して提供していきたいというふうに考えています。その情報を発信しやすい環境をつくっていくためにも、今年度、不動産に関わる民間11団体と立ち上げた空き家活用・流通促進体制を活用し、所有者が抱える不安や、また煩雑な手続等々を解消していくということも必要になってくるというふうに思っていますし、優良な物件を掘り起こしていく、そんなきっかけにもなっていくのではないかというふうに思っています。これらの団体と連携した空き家情報の発信にも取り組んでまいります。 移住のコーディネートができる人の存在が大きいということでありました。仰せのとおり、移住コーディネーターの役割は大変重要であると思っています。特に先輩移住者の皆さん方からのアドバイスというものは、すごい説得力があるというふうに思っていますし、多くの皆さん方がその役割を果たしていただいています。引き続き、お声がけをしながらその役割の一旦を担っていただきたいなと、御協力をお願いしていきたいと思っています。 昨年度、移住ポータルサイトを拡充し、移住希望者が直接先輩移住者に相談できる窓口を設けたところであります。今後は先輩移住者が主体となって、移住相談会や移住プロモーションの情報発信を行う仕組みを検討するとともに、引き続きサイトの充実を図ってまいります。 ワーケーションのことについてお尋ねがございました。コロナ禍の中で、大都市から地方都市に住まいを構える、もしくはリモートワークやワーケーションで地方都市にもう生活の主を持っていくという方も決して少なくないというふうに思っています。本市への移住促進はもとより、御指摘のワーケーションや2地域居住など、多様な形で関わる関係人口の拡大を図ることが大切だというふうに思っています。まずは本市の魅力に磨きをかけると同時に、それらを多くの方に御理解いただけるように発信していくということ、さらにはデジタル環境のより一層の充実を進めていくことによって、豊かな都市生活を実感できるまちづくりに努めていきたいというふうに思っています。市内の宿泊施設におきましては、もう既にワーケーションのための環境整備に取り組んでいるところもあるということをお聞きしています。今後そういう方たちが意欲的にその環境整備を取り組んでいただけるように、支援策の必要性についても検討をしていきたいというふうに思っています。 移住者が増えることによる効果、期待されるものはどんなものがあるかということです。まず、一義的には人口が増えることによって、残念ながら人口減少ペースであるところではありますけれども、その抑制につながっていくことができるのではないかということ、さらには、特にワーケーションやテレワークとなりますと、働き盛りの年代の方も多くいらっしゃるかと思います。少子化、高齢化の1つの対策にもなってくるということを、効果として期待したいというふうに思っています。そしてまた、移住者に外から地域に入っていただくことによって、その地域の活性化が図られることにもなってくるかというふうにも思っています。移住者と市民の皆さんが接することで、市民に本市の魅力を再発見していただけるそのきっかけにもなるのではないかというふうに思っています。御指摘の半農半Xは移住形態の1つであり、農村地域でそれを実践するには、解決すべき幾つかの課題もあるというふうに思っています。ただ、議員がおっしゃっていただきましたように、私は、金沢は可能性があるというふうに思っています。先ほど近隣自治体の連携の例もお話をさせていただきました。そんな意味では、まずは庁内部局の中でしっかり連携を取りながら研究していきたいというふうに思っています。 ノーマライゼーションプラン2015のことについてお尋ねがございました。障害のある人の生活を中心に据えた施策の体系を12項目に分けて設定することで、各種施策を多角的に展開できてきたというふうに考えています。現行のプランでは、相談支援体制の充実を目指した基幹相談支援センターの設置、親亡き後を見据えた地域生活支援拠点推進事業というものも開始いたしました。居宅での生活支援や就労支援、放課後等デイサービスなど、各種サービスの充実も図ってきたところであります。昨年、アンケートを行わせていただきました。障害に対する理解がまだ十分に進んではいないのではないかという御意見もありましたし、そういうことも感じられる結果のアンケートもいただいたところでもあります。次期プランでは、新たな施策の体系に「ともに生きる」ということを掲げ、共生社会の実現に向けた施策を充実していきたいというふうに思っています。 次期計画の中で、障害者差別解消法、さらには障害者権利条約批准のことをどのように反映させていくかということをお尋ねになりました。本市では、平成29年、福祉や教育、民間事業者等で構成する障害者差別解消支援地域協議会を設置し、定期的に研修会を開催するなど、障害を理由とする差別を解消するための取組を進めてきたところであります。次期プランでは、それらの取組を継続することに加え、新たに障害者差別解消法が求める合理的配慮の提供促進に関する施策を強化していきたいと考えています。 一番の課題は人材の確保ではないかという、人材不足が大きな課題ではないかという御指摘がありました。同感であります。次期ノーマライゼーションプラン骨子案の施策の体系の1つに、障害福祉サービスの人材の確保と質の向上を新たな項目として設定したところであります。現在、国において人材確保に影響を及ぼす障害福祉サービスの報酬改定が検討されているところでありますので、その動向を注視し、市としても離職防止につながる研修など、人材確保に向けた有効な施策を次期プランの策定において検討していきたいと考えています。 合理的配慮等、障害のある方への新たな向き合い方を市民に御理解していただくために、知っていただくためにどんなことを行っていくのかということです。障害のある人とない人との交流を通じ、相互に理解を深め合うということが肝要であると思っています。次期ノーマライゼーションプラン骨子案では、新たな施策の1つとして、心のユニバーサルデザインの推進を掲げたところであります。相互理解を深めるためにはコミュニケーション手段を確保することも必要であることから、手話言語条例関連施策や代読・代筆者の要請など、障害のある方のコミュニケーション支援を充実していきたいというふうに考えています。 また、本市独自に視覚・聴覚障害者のスマートフォンやタブレットの補助があってもいいのではないかという御提案がありました。障害のある方が使用する日常生活用具給付事業の対象品目は、原則障害に関する専門的な技術や機能を有し、一般的に普及していないものというふうになっています。一般的なスマートフォンやタブレットにつきましては給付事業の対象にはなかなかなり得ないということは、ここは御理解いただきたいというふうに思っています。一方、次期ノーマライゼーションプランでは、ICTの利活用、スマートインクルージョンの視点を各種施策に反映することとしており、新たな技術の活用にも積極的に取り組んでまいりたいと考えています。 私のほうからは以上です。 ○源野和清副議長 坪田都市整備局長。 ◎坪田英孝都市整備局長 移住・定住施策について、3点お答えいたします。まず、県外からの移住者の人数や年齢などの傾向についてのお尋ねですが、石川県が取りまとめた資料では、令和元年度に県外から本市へ移住された方は409人でございます。そのうち首都圏からは218人と最も多く、全体の53.3%を占めており、次いで関西圏からは58人で14.2%となっております。また、年代別では30代が159人と最も多く、全体の38.9%を占めており、次いで20代が108人で26.4%となっております。 次に、移住ポータルサイト「金沢に住もう。」を開設した目的とその利用状況についてのお尋ねですが、移住ポータルサイト「金沢に住もう。」は、住まい、子育て、仕事など、本市への移住を希望される方が必要とする情報を広く提供することを目的に、平成28年3月に開設したものでございます。このサイトの閲覧状況につきましては、令和2年11月末現在で、累計で約9万4,000件の閲覧がありまして、1日の平均で約55件のアクセスがある状況でございます。 次に、空き家の活用施策の成果についてのお尋ねです。平成22年度に良質な空き家の情報を広く提供するために、かなざわ空き家活用バンクを開設するとともに、バンクに登録した空き家に対して改修の補助を行い、市民に空き家の活用を促してきたところでございます。これまでバンクを通して賃貸や売買により成約に至った件数は延べ139件で、そのうち50件が改修の補助制度を利用しておりますことから、移住・定住の促進に一定の効果があったと考えております。 以上でございます。 ○源野和清副議長 山森文化スポーツ局長。 ◎山森健直文化スポーツ局長 金澤町家の利活用につきましては、流通コーディネートや町家情報バンクなどで、活用されていない金澤町家の流通促進を図るとともに、保全、活用を促すための改修補助を行っております。流通コーディネートでは、これまで住宅として27件、町家情報バンクでは住宅と店舗を含めて189件が活用されておりまして、移住・定住人口の増加に一定の効果があったと考えております。 以上です。 ○源野和清副議長 山田経済局長。 ◎山田啓之経済局長 UJIターンの雇用促進施策についてお答えいたします。本市では、県外に住む石川県出身の学生を対象に、Uターンを促進するためのウェブセミナーや若手Uターン経験者との交流会である「いいね金沢ゼミ」を開催し、金沢で働く魅力や地元企業の情報を発信しております。また、転職や起業によって首都圏から移住してきた方への支援金制度を設けており、これまでに7世帯13人の方が活用しております。さらに、今年度保育士や看護師資格を持つ方のUJIターンを促進するため、県外からの転居費用などに対する助成制度や、インターンシップに参加する県外学生向けの支援制度を新たに創設したところであり、引き続きUJIターンの促進と人材の確保に努めてまいります。 以上であります。 ○源野和清副議長 高柳福祉局長。 ◎高柳晃一福祉局長 地域生活支援拠点推進事業とかなざわ安心プランについて、当事者への周知、相談支援専門員の体制、制度周知にかかる期間についてお答えいたします。地域生活支援拠点推進事業につきましては、市広報、ホームページ等で市民の皆さんに広く周知するとともに、当事者や当事者家族などに対しまして、相談支援専門員やそれぞれの障害福祉サービス事業所を通じて直接説明しているところでございます。本事業の相談支援体制につきましては、委託相談支援事業所2か所で緊急対応コーディネーターを、基幹相談支援センターに地域連携コーディネーターをそれぞれ配置し、市内約50の相談支援事業所との連携を強化して相談支援体制の充実を図ったところでございます。なお、かなざわ安心プランにつきましては、本年度内の対象者全ての作成を目指しておりまして、制度の周知に努めているところです。 次に、ボランティアポイント事業の活用状況、その充実についてお答えいたします。地域サロンなど、地域におけるボランティア活動の実績に応じましてポイントが付与されます地域福祉活動ボランティアポイント事業の登録者数は256人でございます。それから、高齢者入居施設でのボランティア活動を対象といたしますいきいきシニア介護支援ボランティアポイント事業の登録者数は113人となっております。今後さらに登録者数を増やすために、ポイントに応じて登録者に交付されます金沢元気わくわくクーポンで利用できる施設の拡充やさらなる周知に努めてまいります。 以上でございます。 ○源野和清副議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 個々の児童・生徒にとって最適な学びの場の選択をどのように進めていかれるのかとの御質問がございました。お答えいたします。教育委員会では、法令や国の通知等に基づきまして、市内の幼稚園、保育所等に通う園児の保護者に対しましては、希望に応じて教育相談を実施しております。また、小中学校に在籍している児童・生徒には、学校が中心となり、保護者及び本人と相談を行っております。相談の結果、支援を必要とする場合は、医師等専門家から成る教育支援委員会におきまして審議し、一人一人の教育的ニーズや専門的見地からの意見等を踏まえ、就学先について助言を行っております。なお、就学時に決定した学びの場は固定したものではありませんので、障害の状態の変化や適応の状況に応じて再度審議を行う等、児童・生徒一人一人にとって適切な教育となるよう努めております。 以上でございます。 ○源野和清副議長 換気のため、しばらくお待ちください。 28番広田美代議員。     〔28番広田美代議員登壇〕(拍手) ◆広田美代議員 私は、日本共産党市議員団の一員として、以下、質問いたします。 まずは、雇用と暮らしを守る取組についてです。 労働力調査によれば、今年4月から9月までの雇用者数は、コロナの影響が出る前の3月に比べ、100万人以上も減っています。リーマンショックの後にも雇用が減少しましたが、その減少幅は最高でも94万人、しかも、そこまで行くのに1年近くはかかりましたが、今回の減少は大幅かつ急激です。また、休業手当をもらっていれば休業者として雇用者数にカウントされますが、推計値では200万人とも400万人とも言われます。この方々が今後失業者になれば、深刻な事態です。一方、石川県の労働力調査では、1月から3月平均と比べ、7月から9月平均は雇用者数は1万6,700人減少となり、休業者は4月から6月平均では3万7,900名にも上って、宿泊・飲食サービス業で特に多い状況です。本市だけの数字は分かりませんが、コロナ特例で失業や収入減で利用できる緊急小口融資や総合支援資金、住居確保給付金などのセーフティーネットの利用が本市では11月末で延べ6,314件に上っていることから、雇用と市民生活の深刻な実態は明らかです。この深刻な市民の雇用と暮らしを守る取組が必要です。市民の声が通り、支援制度については雇用調整助成金のコロナ特例や休業支援金について、年末までの期限を2月末まで延長することが決まりましたし、休業支援金は企業が休業と認めない場合でも支給すると確認がされています。緊急小口資金と総合支援資金のコロナ特例も年末から3月末まで延長し、住居確保給付金についても最大9か月から12か月まで延長すると政府が方針を出したところです。まずは、こうした重要な制度の延長や内容について労使どちらにも徹底して周知した上で、市長から解雇、雇い止めではなく最善の策を取るようメッセージを出してほしいと思いますが、いかがでしょうか。 また、年内で支援が途切れないようにするため、そして年末の倒産や失業に対応するため、年末年始は労働、生活、事業者向けの臨時の相談体制を取るべきだと考えますが、いかがでしょうか。 そして、市長、生活保護制度について、厚労省が新たにリーフレットに明記した生活保護の申請は国民の権利であり、ためらわずに御相談をというこの言葉を市民に広く知らせてほしいと思いますが、いかがでしょうか。 次に、女性への影響についてです。コロナ禍の雇用問題は非正規の割合が高く、宿泊や飲食サービス業に多く従事する女性に大きな影響を与えています。女性の雇用者数の減少は男性の2倍以上と全国でも大きくなり、石川では1月から3月平均に比べ、7月から9月平均は、雇用者数の減少が男性が2,100人に対し、女性は1万4,600人と7倍以上の減少が見られ、非正規も正規雇用も減っている状況です。休業者についても女性が多くなっています。私の実感でも、4月頃から女性の失業や生活についての御相談が相次ぎました。こうした雇用の問題を含め、コロナ下の女性への影響が深刻な問題を生み出しています。女性の自殺の増加です。今年7月以降、全国で自殺が増えており、特に女性が大幅に増加。10月は全体で2,158人のうち女性が851人と、前年同月と比べ男性も2割の増加率ですが、女性の増加率は8割にも上ります。こうした状況を受け、先月19日、内閣府のコロナ下の女性への影響と課題に関する研究会が緊急提言を出したところです。結びには、今後政府にあっては、自治体や民間企業等の協力を得ながら取組を進めていくことを期待するとし、これを受けて、内閣府特命担当大臣からも、この提言を参考に大変な思いをされている女性を誰一人取り残さないよう御対応をと発言がありました。統計上では、本市では顕著に女性の自殺が増加しているとは言えないようですが、お一人たりとも思い詰めることのないよう取り組むことが必要です。 以下、提言の中身から伺います。独り親家庭への支援強化が求められています。独り親世帯は非正規雇用が多く、コロナ禍で大きな影響を受けています。政府は先週、独り親家庭に年内に再度の支給を行うと表明しました。前回同様、児童扶養手当を受けていなくても収入が大きく減った家庭も対象としています。年内にしっかり行き渡るように求めますし、各家庭の状況や悩みを抱えていないかお声かけするよう求めますが、いかがでしょうか。 DVや性暴力の増加、深刻化、予期せぬ妊娠の増加が懸念され、対策を早急に強化するとともに、感染拡大期においても可能な限り必要な機能を果たすこととあります。本市では、人権女性関連、福祉健康センターなどで御相談を受けているかと思いますが、感染拡大期にあっては、保健所や事務手続への応援体制などもありますが、相談体制をしっかり確保するよう求めます。いかがでしょうか。 休校・休園の判断において、女性、子どもへの影響に最大限配慮することとあります。休校・休園、リモートワークの拡大により、自身や夫、子どもの在宅生活の広がりにより、食事の用意をはじめ、家事の負担が急増したり、気の休まる時間や居場所がなくなったりして、女性が精神的に追い込まれています。私も、保育園自粛の際の状況について、在宅ワークだったお母さんから、日中は食事の支度や子どものお世話とそれどころではなく、夜になって仕事をしていた、忙し過ぎて当時のことが思い出せないくらいだと伺いました。本市としては、今後どのような配慮をお考えでしょうか。これらの問題は、これまでの構造的問題がコロナによって表面化したものです。女性に重圧がかかる日本社会の現状を変えるために、行政、政治が積極的な役割を果たすことが必要です。 次に、ケアに手厚い社会にするために、保育園と学童保育について伺います。 保育園では、このコロナ禍でエッセンシャルワーカーの保護者を支える側として、保育士自身の子どもも休園や休校措置になりながらも園を運営してきました。また、若い保護者が失業し、就労に向けて取り組む様子や家庭の様子にも寄り添う役割を果たしています。しかし、72年前から変わっていない面積基準や配置基準の中で、通常でもぎりぎりのところ、コロナ禍で子どもたち同士の距離を保ち、消毒や清掃を常に行うというのは大変なものです。当面続くコロナ禍の下で、子どもたちにとって、保護者にとって安全・安心な保育が提供されるために、保育士の処遇改善及び人的配置の見直しなどをすべきと考えますが、いかがでしょうか。 放課後児童クラブ、いわゆる学童保育では、支援単位が1のまま40人どころか100名を超える子どもがひしめくクラブもあり、3密は避けられない状況です。大規模クラブの分割や待機児解消のため、地域での増設が課題となっており、このコロナ禍でより緊急性が高まっています。市は、担い手の確保のため、NPO法人と学校法人にも参入を認めるよう、この4月に運営要綱を変更しました。しかし、これまで現場の皆さんが運営委員会方式で大変苦労し、市に指導やアドバイスを求めても地域で工夫をと言われてきたことからすれば、突然打ち出された方向性とも言えます。市長、再度どのような議論で新たな法人に参入拡大を決めたのか、明らかにしてください。現状では、本市の101ある施設はそのほとんどが民設民営です。しかし、市には子どもたちが安全・安心に過ごせるようにする責任があります。それなのに、待機児童の実態に対し、子育て夢プランに示されている計画では、目指す確保量が少ないほか、望まれている小4生以上の入所継続が考慮されていません。仮に小学校3年生の入所児童がそのまま小6まで継続した場合、現状では8,009名の受皿が必要です。しかし、実態は小4生から大幅に入所児童数が減り、5,276名の利用です。夢プランの目指す確保量も2024年度に5,565名と、今より289名しか増やされていません。そもそも小1の時点でも入れない待機児数が何名いるのか、正確に把握できていないのが実態です。新たな生活様式に合わせるためにも、また、待機児童が解消され、どの学年でも継続が可能になるように、クラブ数を増やす必要があります。民間に任せるのではなく、市として待機児数を正確に把握し、増設の必要がある地域、クラブ数の目標など具体的な整備計画をつくり、市有地の利用や公共施設を活用するなどして設置を増やすよう求めますが、いかがでしょうか。 次に、学童保育や保育園では慰労金の支給の対象にならなかったことに、現場から、団体から批判の声が政府にも多く寄せられました。そこで厚生労働省は、児童福祉施設等における新型コロナウイルス感染症対策に係る支援事業の第2次補正予算分で、かかり増し経費等として人件費も補助対象にしたところです。本市は保育園にこの補助金を充てるようですが、学童保育はどうなるのか明らかにしてください。現場にお話を伺ったところ、サービス残業で消毒や清掃をしているとのこと、本来はこの補助金を充てて対応するべきではないのか、見解を伺います。 次に、世界人権デーのこの日、LGBTQへの取組について伺います。 プライドハウス東京と認定NPO法人ReBitが調査実施したコロナ感染拡大の影響に関する緊急アンケートについて御存じでしょうか。コロナ禍の5月から6月にかけて、12歳から34歳までのユースを対象に行ったものです。結果の全体考察でこう書かれています。1、LGBTQユースは、ふだんから家族など同居者との生活において困難や孤独感を抱えている割合が高く、その背景には同居者の無理解が挙げられ、理解を促進していく必要がある、また、LGBTQにおいてもコロナ禍に暴力やDVの増加も想定され、セーフティーネットの構築が求められる。2、あらゆる層と同じように、LGBTQユースやその世帯もコロナ禍で経済的困難に直面し、貧困対策、経済対策に包括することが必要である。失業して就職活動が必要ですが、LGBT当事者であることがハードルになる場合もあり、就労支援が求められる。3、感染した際、医療現場で同性パートナーが家族として扱われるか、入院時に自認する性で扱われるのか、アウティングの配慮など医療現場での対応や、トランスジェンダーの方などの定期通院が必要でもコロナ禍で通院しづらく健康が悪化しているなど、医療現場での体制構築が必要である。4、こうした悩みや困難を抱えているにもかかわらず、コロナ禍でセクシュアリティーについて安心して話せる人や場が断たれ、さらに不安が高まっており、居場所づくり、相談窓口が必要である。そこで伺います。LGBTQの方々は、セクシュアリティーについて安心して話せるのか不安で、就労支援やDV相談、医療相談が受けにくい環境があります。本市はまだ独自にそのような相談ができる窓口を開設していません。金沢SDGsの行動計画のミライシナリオでは、LGBTフレンドリーなまちにするという目標を打ち出しました。市長、LGBTQ当事者や家族の相談に身近な本市が応える専門家などを配置した相談窓口を設置するべきではありませんか。 次に、アンケート考察では、コロナ禍での医療アクセスが課題として挙げられました。市内では民間病院がLGBTQについての配慮や知識を学んだという報道もありましたが、医療機関全体への浸透は進んでいるのでしょうか。まずは市立病院が率先して行ってほしいと考えますが、入院時などに自認する性で扱われるのか、アウティングの配慮などがされているのか、同性パートナーが家族として扱われるのか、対応の現状について伺います。 同性同士のカップルを婚姻に相当する関係と認めるパートナーシップ制度は、性的マイノリティーの困難全体の解消施策の要となり、愛する人の一大事に付き添えないかもしれないとの悩みの種でもあった医療機関の対応改善の契機ともなっています。2020年12月現在では60を超える自治体で施行され、パートナーシップ制度を利用しているカップルは1,000組を超えています。市長、本市でも制度の創設を求めますが、いかがでしょうか。 最後に、デジタル行政について伺います。 我が党は、住民の福祉増進に寄与するデジタル化が求められるという見解ですが、今の政府が推進するデジタル化は、安倍政権以来の経済成長戦略の延長上で国家目的や産業目的のためであり、住民の生活改善、地方自治を充実する上で課題があります。今定例月議会で本市の様々な手続がオンラインで可能となる条例案が出ています。一方で、自治体の窓口業務は手続を受け付けるだけの仕事ではなく、住民の出生から死亡まで人生や生活の重要な場面で市民と直接対面し、相談に乗り、最善の行政サービスにつなげるという役割を担っています。例えば、妊娠手帳を交付する際は、母親や家族と保健師が対面し、祝福の言葉から始まり、予防接種や健診の御説明、そして不安なことがあれば丁寧に相談に乗る、相手の様子を観察し、フォローアップの必要性も考える、そんな重要な役割、機会を奪うものであってはなりません。そこで伺いますが、オンライン申請をまずは年度内におよそ100手続、その後も広げるとしていますが、2,000ある手続のうち、選び出す基準を明らかにしてください。 また、最初はオフラインもオンラインもどちらでもといいながら、オンラインだけになっていく可能性があります。現にコロナ禍で死活がかかっている事業者に対し、持続化給付金や家賃支援給付金はオンラインのみの受付ですし、本市でも山間部や郊外の住民票などの自動交付機は廃止が決まり、コンビニでといいますが、マイナンバーを持っていないと利用できない制約つきです。今回のオンライン申請も、マイナンバーカードの所有者のみを対象にしたものなのでしょうか。オンラインでできる方だけ、マイナンバーを持っている方だけというやり方は、デジタル格差を広げるもので行政の在り方として問題ですが、いかがですか。さらに、自治体戦略2040構想の報告では、行政のデジタル化を進めることによって現在の半分の職員で従前どおりの仕事ができ、職員の負担も軽減されるかのように述べています。しかし、職員の削減は高齢者や障害のある方など社会的弱者が行政サービスを受けにくくすることにつながり、全ての住民を対象とした行政が遠のいていくことになります。誰のための、何のためのデジタル化なのかが問われています。今後、どのような考え方でデジタル化を進めていかれるのか、市長に伺い、質問を終わります。(拍手) ○源野和清副議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 28番広田議員にお答えいたします。 まず、コロナ禍で雇用と暮らしを守る取組のことについて、様々な施策を打っているけれども、市長としてのメッセージを出していくことが大切ではないかということです。国もそうですし、本市におきましても事業活動の縮小を余儀なくされた中小企業に対し、国の雇用調整助成金に上乗せする助成金、離職した方を正社員として雇用した中小企業への奨励金制度などを創設し、雇用維持の支援をしています。これらの支援制度につきましては、数度にわたる補正予算を編成し、コロナ禍における雇用対策等についてこの議会で議論をするということが、1つ市民に対するメッセージだというふうにも思っています。また、私は、記者会見を何度もさせていただいているところであります。その記者会見を通しても、報道の皆さんを通して多くの市民の皆さんにお伝えさせていただいています。また、市のホームページ、また私個人のホームページでも、私なりに分かりやすくしながらメッセージを発信してきているところでもあります。引き続き、様々な機会を捉まえまして、メッセージを発信していきたいというふうに思っています。 生活保護の申請は国民の権利であるという文、そのことを市民の皆さんに広く知らしめることが必要ではないかということでした。生活保護は、憲法第25条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮する全ての国民に対し必要な保護を行い、健康で文化的な生活を営むための権利を保障するものと認識しています。市としても、生活に困窮される方が生活保護の利用、相談をためらわずしていただけるように、ホームページ等、様々な機会を通して周知していきたいと考えています。 女性への影響、特に独り親家庭への臨時給付金のことについてお尋ねがございました。ひとり親世帯臨時特別給付金の再支給分につきましては、国の決定に従い、速やかな対応を行いたいと考えています。また、児童家庭相談室では、日頃から独り親世帯の問い合わせなどに対応していますほか、子どもソーシャルワーカーの学校や保育施設などの訪問を通じて相談に応じており、引き続きしっかりと丁寧に対応してまいります。 DV、性暴力、望まない妊娠等に対する相談体制のことについてですけれども、コロナ禍におきましても通常業務に支障がないよう、体制を整えているところでありまして、DV、性暴力、望まない妊娠等に関する相談につきましても、しっかりとした相談体制を確保しているところであります。 保育所、認定こども園、幼稚園等の休園において、女性、子どもへの影響に最大限配慮すべきであるということでありました。保育所に通園する児童や職員が陽性となった場合、当初2週間程度の休園を要請していました。最新の知見等を踏まえ、現在では施設の消毒、濃厚接触者の調査に要する期間として、1日ないし3日程度の休園要請に変更したところであります。再度の登園自粛、休園という可能性もなきにしもあらずでもありますので、家庭と保育所等をつなぐ新たな仕組みとして、ICTを活用したオンライン保育の実証実験を行っているところでもあります。保護者や児童への影響が少しでも軽減されるよう、保育関係者と協議しながら取組を進めているところであります。 保育士の処遇改善及び人的配置の見直しのことについてお尋ねがございました。コロナ禍で感染症対策の徹底を図りながら保育を継続的に実施していくため、マスク等の衛生用品の購入、勤務時間外に消毒等を行った場合の超過勤務手当などの経費を補助していますほか、登降園時における園児の受渡しや消毒作業などに従事する保育支援者につきましても、市単独で国基準を上回る配置を行ったところであり、現在のところ、新たな見直しまでは考えてはいません。 放課後児童クラブのことについてお尋ねがございました。NPO法人、学校法人を設置者として加えたことについてお尋ねでございました。現在、本市では、放課後児童クラブの利用につきまして待機児童が発生しており、児童クラブの拡充が急務となっています。児童クラブの分割や創設につきましては、これまで各校区にあります地区社会福祉協議会や社会福祉法人が主体となり行ってきました。ただ、関係各方面からお聞きしておりますと、既存の運営主体だけではなかなか十分な対応が難しいという地域も出てきましたので、運営主体を拡充したものであります。ただ、金沢市の放課後児童クラブは、これまでも地域の皆さんの意向を最大限尊重しながら取り組んできたところでありまして、この場合であったとしても、地域の御理解をいただきながら進めていければというふうに思っています。 市有地、公共施設を活用したクラブ数を増やすべきという御提案をいただきました。本市の児童クラブは、今ほど申し上げましたように、各校下・地区の社会福祉協議会や社会福祉法人などが主体となって運営してきたということでもあります。心から私も感謝しているところであります。今年度は、新築、改築の補助限度額の引上げ、増築に対する補助の新設など、支援強化を実施したところであります。今後とも地域が主体となってクラブの創設、分割が促進されるように努めていきたいと考えています。 支援員は慰労金の支給対象とならなかったと、そのことについてお尋ねがございました。本市では、児童クラブの新型コロナ対策として、子ども・子育て支援交付金を活用し、マスク等の衛生用品の購入に対する支援を行ってきているところであります。これまでも各クラブからは時間外手当に係る相談、要望等々を受けてこなかったところでもありますので、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業につきましては、予算化していないところであります。 LGBTQのことについてお尋ねがございました。性的指向や性自認により、社会生活の中で苦痛を感じておられる方々に対しては、人権尊重の観点から配慮が必要であると考えています。これまでも人権擁護委員による相談をはじめ、専門的な識見が必要となる場合には、民営の性的マイノリティーのための電話相談窓口を紹介するなどの対応をしてきており、コロナ禍にあっても様々な相談内容に丁寧に対応するように心がけてきました。 市立病院での取組についてであります。市立病院におきましても、過去に何名かのLGBTQと思われる患者を受け入れたことはありますが、医療サービスの提供に当たっては、医師、看護師が本人の要望を聞き取り、可能な限り配慮したことで、何ら問題は生じなかったというふうに聞いているところであります。今後もLGBTQの方々へは個別対応を基本とし、安心して治療を受けていただけるよう、一人一人の希望を尊重しながら丁寧に対応してまいります。 パートナーシップ制度のことについてお尋ねになりました。コロナ禍におきまして、これは広田議員もおっしゃいましたように、家族の在り方、絆の大切さということが再認識されてきたところであります。今年になりまして、金沢市はSDGs未来都市に選定されました。これは、金沢市が独自に金沢ミライシナリオをつくってその実行に向けて取り組んできた、そのことが評価をいただいて、さらなる活動を期待されたものだというふうに思っています。その中にも、これも広田議員がお触れでしたけれども、LGBTフレンドリーなまちにするという目標を明確に文書にして掲げているところでもあります。その実現に向けまして、既に60余りの自治体が先行してパートナーシップ制度に取り組んでおられますので、先行自治体の取組を参考にしながら、制度設計を視野に導入について前向きに検討していきたいと考えています。 デジタル行政、オンライン申請のことについてお尋ねがございました。今回、電子申請を拡大するに当たり、市民サービスの向上に資するよう、毎年100件以上の申請がある約300の手続の洗い出し作業を行い、まずは市で対応可能な約100の手続をオンライン化していきたいと考えています。現在、国が書面等で申請を義務づけているもの、直接面談し、現状を確認する必要がある約200の手続につきましては、国の法改正や事務の見直しと併せ、また、残りの約1,700の手続につきましても、こうした考え方に沿って速やかにオンライン化をしていきたいというふうに思っています。電子申請につきましては、市民サービスの向上を目的として拡大するものであり、これまでの窓口での申請についても継続していくものであります。オンラインでの手続が難しいという方には、引き続き窓口での申請において丁寧に対応していくところであります。 オンライン申請は住民福祉が第一だ、その視点を忘れてはいけないという御指摘でありました。私も全く同感であります。多くの市民の皆さん方が、電子申請によって24時間いつでもどこでも申請できる環境をつくる、お仕事のお昼休みであったりだとか、夜お仕事が終わった後であったりだとか、そんな場面でも電子申請をしていただける、そんな環境をつくっていくことが大切だと思っています。また、市役所に訪問する必要がなくなることによって、特にコロナ禍におきましては、不安払拭にもつながっていくというふうにも思っています。市民の利便性は高まってくると私は考えています。また、職員にとっても同様であります。職員にとっても様々な手間暇が割愛されることによって、また、不特定多数の方とお会いする機会をできるだけ減らすことができることによって、このコロナ禍の中のメンタルにおいても大変意義がある、働き方改革にもつながってくるんだというふうに思っています。さらには、RPA等のデジタル技術の活用、テレワークの事務処理が可能となることによって、職員の事務の効率化、働き方の改革の推進につながり、その部分のエネルギーを他の行政サービスに回すことができることによって、私は、市民サービスの向上、さらには職員の事務負担の軽減などにもつながっていくものだというふうに思っています。 私のほうからは以上です。 ○源野和清副議長 高柳福祉局長。 ◎高柳晃一福祉局長 コロナの影響につきまして、生活に困窮されている方に向けた年末年始の相談窓口についてお答えいたします。年末年始における市民生活の経済的不安を解消するために、本年12月29日と30日の2日間、市役所の生活支援課におきまして年末生活相談窓口を開設いたしまして、生活保護や住居確保給付金などの各種支援の相談、申請受付などを行うこととしております。併せまして、金沢市社会福祉協議会におきましても、同じ日に緊急小口資金などの貸付けの相談窓口を開設することとしておりまして、連携して相談、支援に当たっていきたいと思っております。 以上です。 ○源野和清副議長 山田経済局長。 ◎山田啓之経済局長 労働者や事業者に向けての臨時の相談窓口体制の質問についてお答えいたします。セーフティーネット等の保証認定や制度融資に関する相談、国・県・市の各種給付金、助成金等に関する相談申請受付のほか、中小企業者の経営強化や起業支援などに関する相談に対応しております中小企業・小規模事業者総合応援窓口につきましては、年末の金融機関の営業日と合わせまして、12月29日と30日の2日間、開設いたします。併せて、労働者や事業者からの雇用等に関する相談にも職員を配置し、対応するということとしております。 以上でございます。     〔「議長、28番、再質問」と呼ぶ者あり〕
    ○源野和清副議長 28番広田美代議員。 ◆広田美代議員 年末は相談窓口を開設していただくということで、市の職員さんは大変だと思いますけれども、やはりもう自殺者数が伸びているこんなときですから、ぜひとも対応をよろしくお願いいたします。 質問ですけれども、学童保育の整備計画というところについてちょっと答弁がなかったので、子育て夢プランに載っている確保量だけではなく、地域ごとにどれだけ確保量が必要で、児童クラブ数が必要かということをもっとしっかり盛り込んだ整備計画にすべきだという点で伺ったんですけれども、再度お願いいたします。 ○源野和清副議長 高柳福祉局長。 ◎高柳晃一福祉局長 児童クラブの計画につきましては、議員がおっしゃいましたとおり、かなざわ子育て夢プランのほうで市全体の必要数を見込んでいるところでございますけれども、やはり個々の状況、地域の状況、それから各クラブの思い、いろいろございますので、市として一斉の計画はつくっておりません。個々の地域と個別に丁寧な対応をしながらやっていきたいというふうに考えているところでございます。     〔「議長、28番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○源野和清副議長 28番広田美代議員。 ◆広田美代議員 個々の地域で御相談になるんだと思うのですけれども、突如参入拡大という方針が示されて、やっぱり市全体でどんな動きになっているのかというのが私にもちょっと分からなくなってきています。ですから、本当にこの地域では、先ほど市長が言ったのは、この特定の地域で今の担い手づくりが難しいというお話がありましたけれども、それがどの地域なのかもよく分かりませんし、やっぱり地域ごとに整備計画をしっかり表していただきたいというふうに求めておきたいと思います。 もう1つ、LGBTについては、パートナーシップ制度を前向きに御検討いただけるということで、大変進んだなと思いますが、やっぱり相談窓口の設置が併せて必要だと重ねて申し上げたいと思います。やはり身近な市が、本市に住んでいる方々の状況をつかむという上でも必要ですので、求めておきたいと思います。 ○源野和清副議長 山野市長。 ◎山野之義市長 制度の中で検討させてください。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩 ○源野和清副議長 この際、暫時休憩いたします。     午後3時2分 休憩-----------------------------------     午後3時17分 再開 △再開 ○源野和清副議長 出席議員数は、ただいまのところ37名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○源野和清副議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 6番熊野盛夫議員。     〔6番熊野盛夫議員登壇〕(拍手) ◆熊野盛夫議員 創生かなざわの熊野盛夫です。 最初の質問は、金沢市のガス・発電事業の民営化についての質問です。 市長がガス・発電事業について、諮問機関であるあり方検討委員会の答申を基に民間譲渡を決定してから、コロナ禍にもかかわらず、急ピッチで民間譲渡の方向で進んでまいりました。その間、議会では所管である建設企業常任委員会、今年度設置されたガス事業・発電事業民営化に関する特別委員会、また、企業会計決算審査特別委員会、そして本会議において様々な議論がなされてきました。市民の声として、100年の歴史ある水力発電を手放してはいけない、また、民間譲渡に当たりしっかりとした説明がなされていない、あるいは納得できる説明があればそれはそれでいいんや、そのような声が私のところにも寄せられてまいりました。ガス事業・発電事業民営化に関する特別委員会の委員として、様々な角度からこの問題について勉強させていただき、考えてまいりましたが、大きく3つのポイントがあると思われます。1つは、民間譲渡がこの時期でよいのかという問題です。コロナ禍で経済が未曽有の停滞の中、果たして適正価格で譲渡できるのかという問題です。しかし、実体経済が停滞しているものの、投資のマインドは冷え込んでおらず、むしろ株価はバブル期に迫るような勢いを見せています。こういう時期だからこそ、本当に価値のあるものに投資したいという思いがあるように思われます。つまり、本当に金沢市のガス事業、発電事業を活用したいという事業者は、通常の平凡な時期よりも高い価格設定を示してくる可能性が非常に大きいと思われます。次に、なぜ今なのかという議論です。ガス・電力の小売自由化のメリットをできるだけ早く利用者に享受してもらいたいという市当局の思いは分かります。しかし、市民全体の財産であるガス施設、発電施設の民間譲渡については、もっと広い意味での大義名分がなければ市民の納得が得られないのではないかと思われます。その意味では、現在、コロナ禍で税収不足が数年続くことが見込まれる状況だからこそ譲渡するというのであれば、その収入がそのまま市民福祉の維持向上につながり、理解が得られるのではないかと思われます。そのことを踏まえると、譲渡価格は非常に重要な意味を持つと思われます。 第2のポイントは、譲渡価格です。金沢市が示した最低譲渡価格は186億円、そして、さきの企業会計決算審査特別委員会で示されたPwCアドバイザリー合同会社が提示していた1,000億円を超える資産価値、この金額は売電価格が16.92円を想定したインカムアプローチによる事業評価額ですが、なぜ最低譲渡価格が公表されるまでこれらの情報をオープンにしなかったのか、また、この価格差について明快な説明がなければ、民間譲渡について市民の理解は得られないと思われますが、いかがでしょうか。市長の御見解と明快な御説明をお願いいたします。 そして、最後のポイントは、優先交渉権者の選定プロセスの透明性です。これまでの説明会でも、非常に多くの事業者が参加されていると報道等で示されてきました。金沢市の行政手続の透明性が全国に示され、また、透明性が確保されることによって、これら一連の民間譲渡についての市民の理解と信頼も得られるものと考えております。優先交渉権者の選定プロセスの透明性をどのように確保し、また、市民にどのように伝えるのでしょうか。そして、特別委員会のまとめにもありましたが、市民の不安払拭の努力として、より丁寧かつ具体的な説明会の開催が求められます。それらも含めて市長のお考えをお聞きして、次の質問に移ります。 次の質問は、地球温暖化対策についてです。 菅総理は、10月26日、総理就任に当たり、初の所信表明演説において、2050年に国内の温室効果ガスの排出量を実質ゼロとすることを宣言しました。実際には、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すと述べ、さらに、鍵となるのは次世代型太陽電池、カーボンリサイクルをはじめとした革新的イノベーションであるとして、これらの加速度的な技術革新を後押しすることを述べられました。政府はこれまで今世紀後半のできるだけ早い時期に脱炭素社会の実現を目指すといったやや曖昧な姿勢でしか示していませんでしたが、2050年という具体的な目標設定には、国連のグテーレス事務総長からも菅氏の表明に勇気づけられたと称賛の声が寄せられたことが報道されていました。既にカーボンフリー宣言をされた金沢市長として、政府の新たな方針についての所感をお聞かせください。 10月19日現在、全国で440人が参加するストップ気候危機!自治体議員による気候非常事態・共同宣言の会でも、総理の宣言によって温室効果ガス削減が大きく動き出すことに期待が寄せられました。私も代表呼びかけ人の一人として、さらにこの問題の解決に向けて取り組んでいく所存でございます。 さらに質問を続けます。金沢市もこれまで温暖化対策に積極的に取り組んできました。しかし、2030年の目標実現も非常に厳しい状況にあると、さきの議会でお聞きいたしました。にもかかわらず、2050年の大きな目標を立てられた以上、それに向けて邁進していかなければなりません。そのための対策として、まず第一に考えられることは、自治体における温暖化対策のトップランナーから、どのような施策をどのようなノウハウで進めたかを学ぶことではないでしょうか。様々な自治体で先進的な取組をされていますが、総合力において自治体のトップランナーは、2016年に低炭素杯ベスト長期目標賞(自治体部門)大賞を受賞された長野県ではないでしょうか。そのリーダーである阿部守一知事は、2007年に総務省を退職し、横浜市の副市長になられました。当時の中田宏横浜市長から、副市長として行財政全般と環境を任されたのでした。前職を辞しての役職であったため、背水の陣の意気込みで勉強し、現在でも横浜市の温暖化対策の原型となっているCO-DO30--横浜市脱温暖化行動方針を策定されました。その中で、温暖化対策が環境部局だけでなく、地域全体の将来像を左右する極めて重要な課題だと理解するようになったと話されています。そして、横浜市は阿部氏が副市長在職中に、優れた温暖化対策の取組をする自治体として国から環境モデル都市に認定されました。横浜市副市長時代にそのような実績をつくられた阿部氏が知事としてリーダーシップを発揮し、さらに実績を上げてきた長野県の施策の勉強会を、市職員はもちろんのこと、官民問わず広く対象として開催してはいかがでしょうか。市長のお考えをお聞きいたします。 阿部知事がリーダーシップを発揮する長野県のエネルギー政策担当企画幹として、2011年10月から5年間、温暖化対策に取り組まれた現在千葉商科大学准教授の田中信一郎先生に、2050年カーボンフリー宣言をした金沢市が今後目標実現のために取り組むべきことについてお話をお伺いしました。山野市長もおっしゃるように、官だけでは絶対駄目で、民間企業も生活者である市民全体の協力も当然必要ですが、官が民にどれだけ本気なのかを示す必要があり、そのためには、まず自治体が所有する庁舎の1つを断熱リノベーションによるゼロエネルギービル化することの実現を挙げられました。コンクリートのビルは年月とともに中性化して、それにより劣化し、構造上の危険性が高まります。断熱リノベーションは、今あるコンクリートビルの外壁材をさらに断熱材で覆うことから始まります。田中先生の御指摘では、通常50年から60年の寿命のビルが、それにより100年の長寿命化ができるとのことです。そして、ビルの長寿命化に加え、省エネ化、さらに温度差解消による職員の仕事の生産性向上につながったことをお聞きしました。また、外壁材を断熱材で覆う工法は、大手のゼネコンがまだ確立していないので、地元の建設会社を交えた研究会を設立し、そのノウハウの向上や実際の省エネ化の体感などを共有できれば、新たな市場の開拓とカーボンフリー都市金沢の実現へ大きく邁進できるのではないかと思われますが、いかがでしょうか。市長のお考えをお聞きいたします。 民へ求めるときはまず官がしっかりとその実現性を示すことの重要性を、田中先生は強く訴えられておりました。そして横浜副市長時代、また長野県知事時代と阿部守一氏が一貫して行ってきた温暖化対策の肝は、全庁横断の話し合いです。環境局だけに任せていては、絶対に前に進めることはできません。全庁挙げての話し合い、そして全庁挙げての温暖化対策の取組についての市長のお考えをお聞きいたします。そして、その実現への意気込みをお聞かせください。 この質問の最後に、温暖化対策の周知についてお伺いいたします。温暖化対策の周知については、各自治体が頭を悩ませるところでもありますが、先日、金沢市議会議長の勉強会で講師としていらした稲継裕昭先生が監修された書籍「未来政府」において、様々な興味深い示唆があふれておりました。その中で、メイナー市のイノバックというものが紹介されています。これはメイナーラボという事業において、市内の問題に対する解決策の提案を促すために、プラットフォームに参加した市民に与えられる仮想通貨です。現実にはない通貨なのに、多くの市民がその通貨獲得のために競ってアイデアを提出するようになり、さらには商品を購入する際、この架空の通貨を使えるようにするテナントまで現れました。つまり、遊び心と課題解決と情報共有によって周知されていくモデルケースとして書かれています。ここでのポイントは、それぞれの市民が持つ仮想通貨の量の見える化です。そして仮にその仮想通貨を一番たくさん所有した市民に、金沢21世紀美術館の1年間フリーパスなどを贈るなどとするのです。多くの市民は温暖化対策をして、金沢市の仮想通貨を集めることに夢中になるのではないかと思われます。ゲーム性と温暖化対策の実現、そして周知の実現、これらゲーム性とデジタルを使った周知案についての市長のお考えをお伺いいたします。 次の質問は、熊の抜本的対策としての広葉樹林化についてお尋ねいたします。 これまでも、私は、本会議で森林環境譲与税の使途について、また広葉樹林化などの森林政策について、何度か質問をさせていただきました。そして、その都度丁寧な回答をいただき、市長の深い御理解と森林再生課の皆様の御努力でしっかりとした道筋がついてきました。厚く御礼申し上げる次第でございます。しかし、本年の熊のまちへの出没回数や度重なる人身事故に多くの市民が心を痛める状況に、果たしてどうしたものかと悩んでおりました。そんなとき、市民の方から御連絡をいただきました。小松市とかが森林組合がふるさと納税を活用したクラウドファンディングを始めましたというものです。そのクラウドファンディングは、豊かな森の生活者、熊がすみやすい環境づくり、循環型の森林づくりを進めるための抜本対策として、熊の餌場づくりに向けた地ごしらえ、伐採、クヌギ、コナラなどの植栽、そして小松産コンテナ苗の安定供給に向けた生産基盤の確立などが、寄附金の使い道として示されていたのです。開始より13日で223万1,500円の金額が集まっている状況をウェブで見ると、腹をすかせてさまよう熊のために何かしたいとの思いを持った市民、県民はたくさんいると思われます。ちなみに、このクラウドファンディングは90日間で500万円を目標にしています。金沢市も広葉樹林化のモデル地区を選定し、今年度より進められるとお聞きしております。まさに熊の抜本的対策の王道です。植樹する際、クヌギ、コナラのブナ林だけでは、ブナ林の不作年に当たるとまた今年のような危険性が高まるため、ヤマグリやサワグルミ、シイ系の樹木の植林についても検討されてみてはいかがでしょうか。お考えをお聞きいたします。 しかし、現在の熊の出没状況を見ると、さらなる広葉樹林化の推進が求められています。小松市とかが森林組合が始めたふるさと納税を活用したクラウドファンディングも、有効な手段の1つと思われます。金沢市も小松市のようにふるさと納税を活用したクラウドファンディングを活用し、熊の餌場を確保し、この問題の抜本的解決を少しでも進展させる必要があるのではないでしょうか。併せてお考えをお聞きいたします。 次の質問は、失われていく写真の保存、活用についての質問です。 金沢市は、金澤町家を戦災から免れた金沢の城下町の歴史的資源として、また、文化的景観を形成する重要な要素として、その継承と利活用に取り組んでいます。それらの取組は、金沢の魅力を大いに高めているとの声をたくさんいただきます。藩制期から続く建物、その風情は国の内外の多くの人々の心を引きつけています。まちなみの魅力はそのまままちの魅力につながっています。しかし、ただまち並みが続いているだけでは観光に来られる人々の理解は深まりません。そこに暮らす人々がいてこそ町家の魅力が増すと思われます。つまり、建物ももちろん大事ですが、そこで暮らす人がいてこそ価値が高まるのではないでしょうか。さて、古民家が解体されたり御年配の方が逝去された際、そこに保存されていた写真についてどうすればいいのか悩んでしまう、また、とても貴重なものが写っていたよといった御意見を度々いただきます。それらはまた御家族の方が引き継がれたりするか、さもなくば処分されることも多々あるのではないかと思われます。しかし、歴史文化都市金沢において、古い写真の数々は、存在しているうちは想像できますが、なくなってしまうともはや語ることは難しくなるのではないかと思われます。百聞は一見にしかずということわざではありませんが、そこに価値を見いだし得るのであれば、保存する方向性を示すことが大切ではないかと思われますが、いかがでしょうか。お考えをお聞きいたします。 現在のコロナ禍において、市内の各地域では毎年恒例の地域行事が激減し、コミュニティーの活動の低下が懸念されています。もし金沢市が古い写真の価値をお認めになって、市民に対し保存を呼びかけた場合、市当局にどっと写真が押し寄せる懸念もございます。まずは地域の写真は地域で保存を呼びかけるのがよいのではないかと思われます。公民館活動として、また地域の写真屋さんにも御協力を仰ぐ形で古い写真の収集ができれば、思わぬお宝で地域が盛り上がることも考えられます。けれども、ある程度保存するに当たって、一定の基準が示されてもよいのではないかと思われます。専門家の指針やアドバイスがあると、大きな程度の混乱は避けられるのではないかと思われます。公民館活動としての古い写真の収集についてのお考えをお聞きいたします。 この古い写真の収集は、現物を永久に保存するつもりで提案しているわけではありません。よほど貴重なものは現物としての保存が必要かもしれませんが、国が進めるデジタル化社会において何をアーカイブ化するのか考えたとき、失われつつある隠れた宝は写真なのではないかと思ったからです。金沢くらしの博物館にも昔の道具や衣類や様々なものが展示されています。これらも貴重なアーカイブズです。しかし、写真というものもその時間、空間を瞬間的に切り取った、これもまた貴重なアーカイブズではないかと思われます。古い写真のデジタルアーカイブズ化についてのお考えをお聞かせください。 そして、集められた古い写真の数々を利用して、例えば昭和30年代の金沢のまち並みなどがVRで再現できることが考えられます。オープンが先延ばしになった価値創造拠点における利用可能なコンテンツとして古写真が利用されれば、金沢の歴史的、時間的な奥行きもデジタル空間内に再現できます。必ず古くからの金沢ファンや熱い思いの金沢ファンの方々、また、金沢のお年寄りからもその再現は喜ばれるのではないでしょうか。価値創造拠点の未来の利用者のためにもアーカイブズ化する意味はあると思われますが、いかがでしょうか。お考えをお聞きいたします。 東日本大震災を経験した福島では、海に沈んだ写真の一部からデジタルによる再現が進められ、多くの人々の心に感動を与えるといったお話も伺います。古写真の一刻も早いデジタルアーカイブズ化を求めて、次の質問に移ります。 次は、移転が決まった金沢美術工芸大学の現在のキャンパスにある植栽についてです。 ある卒業生からこんなことを聞きました。移転して新しいキャンパスになるのはこれから学ぶ学生たちにとって、また自分たちにとっても喜ばしいことだけれども、自分たちが学んだ校舎がなくなるのはとても寂しい、でもそれは仕方がないことだけれども、学校の敷地にあるケヤキや桜などの樹木もなくなるのかと思うとさらに寂しさが膨らむ。全ての木を残してというのは難しいと思うけれども、特に大きく育った木々は思い出深いものがある、美大祭や卒業式など、思い出すシーンのバックにそれらの木々がいつも風に揺れていました。色彩感覚や自然に対する感性豊かな美大の卒業生ならではの言葉に胸が熱くなりました。また、在校生らも美大敷地内の色づくケヤキの木々をインスタグラム等のSNSに投稿したりして、心にスマホに焼きつけておられるかと思われます。美大の移転予定地にも大きな樹木はあり、設計等で難しい点も多々あるかと思われますが、移転予定地や別の公園等への移植などをされてみてはいかがでしょうか。 金沢美術工芸大学の同窓会誌の名前もけやきでありますが、恐らくキャンパスにそびえる樹木からその名がついたのではないかと思われます。現在の校舎ができて48年間の歴史を彩った貴重な樹木たちです。伐採は一瞬、また育てるのには48年間の時間が必要です。また、図書館の横には推定で樹齢数百年と思われる立派な松の木もございます。こちらは現在そのいわれを調査中ですが、歴史都市金沢の深みを感じさせる味わい深い樹木です。熟慮の上での金沢市のお考えをお聞きいたします。 最後の質問は、学校付近の住宅街の狭隘道路の事故と対策についてです。 市内の某小学校付近の狭隘道路にて、スピード超過で走行してきた自動車が、交差点から顔を出した自動車を避けようとして逆側の住宅の門に激突する事故が発生しました。その対策として、脇の道路の止まれ表示の強化策が取られましたが、現場を目撃された近所の住人の方は、脇から出てきた自動車はしっかり一時停止をしており、直進車のスピード超過が問題だとの御指摘をいただきました。小学校の付近であることから、登下校時は見守り隊の地域の方々がしっかりと見ていてくださいますが、事故があったのは日曜日、児童・生徒もたくさん住まいしている住宅街であること、また、数か月前にほぼ同じ場所で同様の事故もあったことから、そもそものスピード対策について懸念の声をいただきました。市内には学校付近に多くの住宅街があり、狭隘道路が通学路になっている箇所が相当数あると思われます。これらの道路のそもそものスピード対策についてお尋ねいたします。例えば大徳小学校の父親の会、野郎会では、毎年学校付近の狭隘道路に交差する道路の止まれの黄色い停止線の上塗りをして、児童たちに安全を呼びかけています。各地域でそれぞれの対策が取られていると思われますが、金沢市の対策とお考えについてお伺いいたします。 また、政府が呼びかけるAI利用にも交通安全対策も含まれております。危険が多く潜む狭隘道路にこそそのような技術が導入されるべきではないかとの御意見をお聞きいたしておりますが、金沢市のお考えと今後のAIを活用した交通安全対策についてお聞きして、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○源野和清副議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 6番熊野議員にお答えいたします。 ガス・発電事業の民営化についてお答えいたします。検討委員会を開催するに当たり、過去にコンサルタントが試算した事業評価額については、予断を持つことなく議論を進める必要があることから、検討資料への引用を控えたことを御理解願いたいと思っています。選定委員会では、事業評価についてはこれまでの調査研究における試算と同様、簿価、類似企業の財務指標、将来の収益性の3つの方法を用いて算定したところであります。簿価以外の方法では、類似企業の規模や将来の収支状況を見通す期間の設定等により、事業価値の額に幅が生じることとなるため、選定委員会においてこうした幅の範囲内にあり、かつ最も客観性の高い簿価によることが最低譲渡価格として適当とされたところであります。これまでもあり方検討委員会の検討資料や議事録の公開もし、随時検討状況を議会へ報告するとともに、パブリックコメントの実施に際しましても、都市ガスや簡易ガスの全てのお客様に対しダイレクトメールを送付するなど、幅広い意見募集に努めたところであります。本年度はこれまでに開催された譲渡先選定委員会についても議事要点を議会に報告するとともに、ホームページに公表しているところであり、今後とも適時適切に議会へ進捗状況を報告し、市民や市内事業者に対する広報に努め、理解を求めてまいります。 カーボンフリー宣言のことについてお尋ねがございました。環境省の呼びかけ等により、既に本市も含め、現在180近い地方自治体が、2050年温室効果ガス排出量実質ゼロを表明しています。ここに来て、国がその宣言を行ったという意義は、私は、すごく大きいというふうに思っています。しかも、総理が国会の場でおっしゃられました。大変心強く思うのは私だけではないと、180の地方自治体の首長さん全員がそうではないかというふうに思っています。さらに、これまで取り組んできた様々な取組のその主体的な取組が加速されていくことになるというふうに思っていますし、国のほうからこれから具体的な動きが出てくるというふうに思っていますし、市として独自の取組はもちろんこれからもやっていかなければなりませんけれども、国の動きに呼応する形で取り組んでいくことによって、さらに各種施策の充実も図られてくるのではないかと思いますし、脱炭素社会の実現に大きく進んでいくことを期待したいというふうに思いますし、我々自身も取り組んでいかなければいけないと思っています。     〔副議長退席、議長着席〕 長野県の施策をしっかり勉強しろというふうに御提案をいただきました。この地球温暖化対策は、国もそうですけれども、どの自治体にとっても共通の大切な課題であり、このテーマに限らず先行自治体の事例を参考にし、勉強し、そして我々金沢市の中で発展、昇華させていくということは大切なことだというふうに考えています。市民、企業、行政等の様々な主体がそれぞれの役割と責任を持つとともに、各主体が連携して取り組んでいく必要があるというふうに思っています。御提案いただきました先行している自治体や様々な官民合同の勉強会の機会につきましても検討し、具体的な手法を学んでいき、それを具現化していきたいと考えています。 断熱リノベーションによるゼロエネルギービルの実現、地元建設会社を交えた研究会の設立についてお尋ねがございました。断熱リノベーションに関しましては、熊野議員の発言の中にもありましたけれども、大手ゼネコンにおいてでもまだその手法が確立していないということを私もお聞きしています。その特殊な工法を地元の建設会社と市とで開発するということは、私はなかなか難しいのではないか、大きなリスクが伴うのではないか、それは技術面においても資金面においてもハードルが高いのではないかと、なかなか困難なことではないかというふうに考えています。ただ、この事例ではなかったとしても、民間事業者と連携、協力し、地球温暖化対策に取り組むこと、これは大切なことだというふうに思っています。どのような共同研究ができるのか、情報収集を始めるところから進めていきたいというふうに思っています。 全庁を挙げての取組が大切ではないかということでした。本市の低炭素都市づくり行動計画、再生可能エネルギー導入プランの実施に関し、庁内で連携して取り組んできたところであります。今年度本市の新たな地球温暖化対策実行計画を策定しているところであり、計画の具現化、さらには2050年温室効果ガス排出量実質ゼロの達成に向け、市の施設の省エネルギー化、ゼロエネルギー化なども課題の1つとして、庁内で連携、協力して取り組んでまいります。 周知のことについてお尋ねがございました。メイナー市の例を引用されながら、ゲーム性とデジタルを使った周知案でした。仰せの手法は地球温暖化に限らず、自治体の様々な行政課題について市民から提案を募る1つの手法、手段であると考えています。ただ、ハッキング、情報流出リスクなど、セキュリティーに関する仮想通貨に共通する問題のほか、提案の処理に関する公平性の担保などの課題もあるということもお聞きしています。ただ、様々な課題を解決していく上で時代に即した効果的な周知方法、これが大切だというふうに思っていまして、実現可能なものから積極的に取り入れていきたいと考えています。 小松市のふるさと納税を活用したクラウドファンディングについて御提案をいただきました。熊対策に賛同する方々の意思を目に見える形で反映できる手段として、クラウドファンディングを有効に活用している自治体があるということは承知しておりますし、私も期待を持って見守っていきたいと思っています。ただ、今回、熊防除対策につきましては、この補正予算で追加の措置をお諮りしており、必要な対策を講じているところでありますので、まず本市としては、この必要な対策をしっかりと進めていきたいというふうに思っています。御提案のクラウドファンディングを活用する施策につきましては、関心を持って見詰めてはおりますけれども、今のところ金沢市は、先ほど申し上げました施策をしっかりと取り組んでいく、そういうところに傾注していきたいというふうに思っています。 デジタルアーカイブ化についてお尋ねがございました。古い時代に撮影された写真は、当時の暮らしぶり、まち並み、伝統文化などを今に伝え、金澤町家などの修復やまち並み整備においても貴重な資料となるものであります。現在、金沢工業大学と連携し、市内の歴史的建造物を記録するために建造物の古い写真の一部をアーカイブ化し、建造物の修復の際の参考としているところであります。一方で、建造物以外の写真につきましては、写っている人の人格権、著作権など、収集や活用に当たっての課題も多いことから、御提案いただきましたことにつきましては、今後の研究課題とさせていただければと思います。 この古い写真を活用し、バーチャルリアリティーでまち並みを再現することができるのではないか、価値創造拠点の未来の利用者の方にも価値があるのではないかという御提案もいただきました。現在整備を進めています価値創造拠点施設では、供用後の基本コンセプトとして、最先端技術を応用したビジネスの創出につながること、金沢の個性である食、工芸に新しい価値を加えること、子どもの創造性、感性を高めることなどを掲げています。御提案のバーチャルリアリティーの利用につきましては、最先端技術という点では共通部分があるというふうに思っています。ただ、一方では、施設の基本コンセプトの整合性という面では課題がある、整理する必要があるというふうに思っています。 金沢美術工芸大学の植栽のことについてですけれども、現キャンパスの敷地にあります樹木につきましては、設計段階において移転予定地への移植を実は検討させていただきました。ただ、技術的な面、コスト面においても様々な課題が、大きな課題があったということでしたので、御理解をいただければというふうに思っています。ただ、やはり美大の卒業生、または美大で教鞭を取られた方たちにとってシンボルツリーとして親しまれたケヤキなどの樹木につきましては、私は、格段の思い入れがあるということはよく理解できるところでもあります。その活用方法については、何らかの形で活用することができないのか、今後専門家の方や関係機関とも連携しながら研究させていただければというふうに思っています。 狭隘な道路のスピード対策についてですけれども、狭隘な特に通学路につきましては、安全対策はもう絶対必要不可欠なものだと思っています。地域や学校、警察等の関係機関と実施します通学路合同点検を踏まえ、速度抑制を促す路面標示、注意看板の設置をはじめ、警察による速度規制など、様々な対策を行ってきているところであります。地域の皆さんと相談しながら飛び出し注意の看板も配布し、危険箇所に配置していただくことにより、ドライバーに注意を促しています。今後とも引き続き警察であったり地域の皆さん、保護者、育友会、学校関係者とも連携を図りながら、通学路における車両の速度抑制対策を進めてまいります。 こういう道路こそAI技術を導入していくことに意義があるのではないかという御提案でした。全く同感であります。この狭隘道路におきましても、これまでも交通安全施設の整備を実施してきました。より効果的に安全な道路標識の形成を図るため、AIの活用は大変重要であると思っています。これは先月のことですけれども、本市のAI技術等促進事業の支援制度を活用し、金沢工業大学が交通事故の危険度を把握することを目的に、四十万町交差点でAIを活用した実証実験も行ったところであり、また、他都市におきましても、AIを活用した道路の損傷箇所の把握について検証が行われており、そうした動向を注視しているところであります。私は、この先生とも何度か意見交換をさせていただきました。警察による交通安全という視点だけでなく、メーカーからも確認があったということでありますし、基礎データさえしっかりしていれば、様々な応用範囲が広がっていくということを改めて実感いたしました。今後は橋梁点検への本格導入を含め、引き続きAI等の先端技術の活用について取り組んでまいります。 私のほうからは以上です。 ○野本正人議長 平嶋公営企業管理者。 ◎平嶋正実公営企業管理者 ガス・発電事業の事業譲渡に関する優先交渉権者選定までの情報公開についてお尋ねがございました。本市では、公募型プロポーザル方式、現在この方式で選定手続を進めておりますが、この方式にありましては、公平・公正な事業者選定を行うため、選定の過程の中途において情報は開示しておりませんけれども、優先交渉権者の決定後にその優先交渉権者を構成する法人や提案概要を公表することとなります。なお、他の応募者につきましては、営業上の利益を害するおそれがありますことから、法人、提案内容等は公表していないことを御理解いただきたいと思います。 ○野本正人議長 長谷農林水産局長。 ◎長谷進一農林水産局長 広葉樹林化を進める際の樹種についてでございますが、本年度実施する広葉樹林化モデル事業におきましては、動植物の生態系に配慮し、様々な樹種を植栽することとしており、クヌギやコナラだけでなく、ヤマグリなども検討していきたいと考えているところでございます。 ○野本正人議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 公民館活動としての写真の保存について御質問がございました。地区公民館におきましては、館報などの広報紙や記念誌を作成するに当たりまして、地域の行事やまち並みなどの写真、資料の提供を受け、その保存に努めております。教育委員会として先進事例や研究者を紹介するなど、今後も協力してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○野本正人議長 換気のため、しばらくお待ちください。 14番坂本泰広議員。     〔14番坂本泰広議員質問者席へ移動〕(拍手) ◆坂本泰広議員 本日12月10日から16日までは、北朝鮮人権侵害問題啓発週間です。いまだに多くの日本人拉致被害者が、北朝鮮の地で故郷日本を思いながら救出を待ち望んでいます。我々日本人はそのことを忘れてはなりません。 それでは、金沢市議会自由民主党議員会の一員として、質問の機会を得ましたので、以下、数点にわたり質問をいたします。 初めは、獣害対策です。 今日に至るまで幾つか熊に関する質問がありました。重複するところもあると思いますが、御容赦願いたいと思います。今年はブナの大凶作であったということで、市街地での熊の出没が相次ぎ、県は10月に熊の出没注意情報を出没警戒情報に切り替えるなど、県民に向けて警戒を呼びかけるとともに、緊急対策会議を開き、市・町の担当者に対して対策の徹底を呼びかけたということですが、その内容は具体的にどういう内容であったのでしょうか。お聞かせください。 ○野本正人議長 長谷農林水産局長。 ◎長谷進一農林水産局長 県におきましては、10月に大量出没が予想され、人身被害の危険性が高まりましたため、10月8日に注意情報を警戒情報に切り替え、県民に誘引物の除去や安全対策について周知を実施したものであります。同日に開催されました緊急対策会議では、県内の熊の出没状況及び人身被害状況の報告のほか、出没時の県、市・町、警察の連携体制の再確認が行われたものであります。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 例年熊が目撃される夕日寺など北部以外にも、10月8日、そして15日、16日には本市の城南、そして法島町、大桑町などの住宅地での熊の目撃、16日には白山市で4人が、翌17日には山代温泉で3人がそれぞれ重軽傷を負うという被害が発生しました。その後も本市東部や南部を中心とした山沿いや加賀地方を中心に、熊の目撃や人的被害が連日のように続きました。餌となる植物の大凶作が見込まれていたにもかかわらず、市街地へとつながる犀川沿いのやぶの大がかりな刈り払いは事前に行われることもなく、9日以降になって山側環状道路の崎浦橋下流の一部で行われましたが、結果として熊の移動経路を断つことはできませんでした。対策は完全に後手、緊急対策会議以前の問題であり、河川管理者としての県の責任は重いと思いますし、県・市の連携に少なからず疑問を抱かざるを得ません。市長の見解をお伺いします。 ○野本正人議長 山野市長。 ◎山野之義市長 毎年年度当初に、河川管理者である県に対しましてやぶ刈りをお願いしているところであります。昨年度は犀川と金腐川の一部、本年度は犀川の一部を刈っていただいているところであります。やぶ刈りは獣害対策として有効であり、今後とも適時適切に実施していただくように要請していきます。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 今適時適切にお願いということがあったんですけれども、今回はその時機を逸したといいますか、非常にまずい状況だったなというふうに思いますので、今後はそういったことを教訓として生かしていただきたいというふうに思います。 犀川に沿って広がっている地域では、過去にも熊による人への被害が起きるなど、住民の不安は大きいものがあります。特に大桑、つつじが丘周辺では果樹園での被害も発生し、その対策に多くの手間と費用を費やしています。電気柵や赤外線センサー、網の設置など、あらゆる手段を尽くして害獣に対抗しています。被害がとどまることなく拡大すれば、生産者の意欲低下を招き、ひいては廃業の道を選び、その結果、耕作放棄地が増えることで、緩衝地帯である里山の崩壊が加速、住宅地の庭先に獣の出没が頻発するということに発展するでしょう。効果的な対策についてどのように取り組んでいるのかお聞かせください。 ○野本正人議長 長谷農林水産局長。 ◎長谷進一農林水産局長 本年度熊による果樹被害が大幅に増えたことにつきましては、深刻に受け止めております。やぶ刈りや竹林伐採を支援し、熊を寄せつけない環境整備を行うとともに、果樹園の近くに捕獲おりを設置し、捕獲の強化に努めてきたところでございます。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 どうしても受け身な対応しかないというふうな感じであります。熊と並んで農業生産者の脅威となるのがイノシシです。8月23日の朝、私の元に大桑町在住の方から連絡がありました。箱わなにイノシシがかかったというものでした。すぐに現場に駆けつけると、そこには箱わなの中で何度も体当たりを繰り返す体長1メートルほどの雄のイノシシの姿がありました。イノシシは猟師の手によって電気による止め刺しが行われ、私が到着してから30分ほどで処理されました。一部始終を見ていた私は少し複雑な気持ちになりましたが、農業生産者の並大抵ではない労苦を考えると、仕方ないなと思いながらイノシシの亡きがらに手を合わせました。今年のこれまでのイノシシの捕獲数をお聞かせください。 ○野本正人議長 長谷農林水産局長。 ◎長谷進一農林水産局長 今年度の捕獲頭数は、11月末現在で579頭でございます。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 579頭という数字、例年に比して多いのかな、あるいは一部猟師さんのお話を聞くと、豚熱の影響で減っているというふうな話もありますが、全体的に減っているかもしれないですけれども、地域的には増えている部分もあるのかなというようなことをいろいろとお話を聞くところです。電気柵やセンサーなどは、イノシシの侵入を抑止するには一定の効果はあると思いますが、現場でいろいろお話をお聞きすると、獣と人との知恵比べの状態です。獣も生きるために必死ですから、学習して何とか餌にありつこうとします。追い払ったり侵入を拒んだりしても根本の解決にはならないと考えます。そうなると、先ほどのようにわなや銃による駆除が有効になると思います。ただし、これらはいろいろな条件で制約が多いのも事実です。銃については住宅地との距離や銃口の向き、わなについては定期的な見回りや捕獲までの手間の多さが課題です。そして何よりもそれらに従事する猟師の人材確保も課題であると思いますが、それらについて本市の対策をお聞かせください。 ○野本正人議長 長谷農林水産局長。 ◎長谷進一農林水産局長 捕獲従事者を確保するため、わな猟免許の取得に必要な経費の2分の1を補助しているほか、狩猟免許の登録料、銃所持免許の更新に係る費用や損害保険料についても2分の1を補助しております。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 やぶの刈り払いによる緩衝帯の設置、侵入防護柵や捕獲おりの設置等への支援、そして地域農業者による今ほどもありました狩猟免許の取得支援による捕獲従事者養成を行っているということですが、それぞれの実績をお示しください。 ○野本正人議長 長谷農林水産局長。 ◎長谷進一農林水産局長 イノシシ等獣害対策としての緩衝帯の設置につきましては、今年度38集落で24万7,500平米、侵入防護柵につきましては、49集落で総延長71.8キロメートルの導入実績がございます。また、捕獲おりにつきましては、7集落で13基の支援をしており、合計で459基のおりが設置されております。捕獲従事者は狩猟免許の取得、更新により209名が免許を保有しているほか、おりの見回りを行う捕獲隊の補助者145名を確保しております。 以上でございます。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 積極的な支援を行っているということで、それぞれの数字をお聞かせいただきました。総延長距離が71.8キロメートルなどということですけれども、農園に行きますと、まるでおりの中に農業従事者がいて、その外を自由に獣が走り回っているという状況があります。非常に滑稽なといいますか、非常に嘆かわしいといいますか、そんな状況がある中ですけれども、今のところそれが有効ということで、頼っているのではないかなというふうに思います。生産者が自分の農地は自分で守るという大原則を打ち立てて、地域が主体となって対策を実行していく仕組みづくりが何よりも必要であると思います。その背中を押す意味でも、現行2分の1である狩猟免許の取得、狩猟者登録、捕獲おりの導入、電気柵の導入に対する補助率の引上げ、併せて捕獲奨励金の増額など、より積極的な措置を求めますが、いかがでしょうか。 ○野本正人議長 山野市長。 ◎山野之義市長 被害が農産物、さらには人身にまで及んでいるところでもあります。深刻な状態になっています。御指摘がありましたように、緩衝帯の設置や電気柵、防護柵の導入など、支援策につきまして地域の負担軽減が図れますように予算編成の中で検討してまいります。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 ぜひ予算的な措置、裏づけをもってして、生産者であったり、あるいは生産者のやる気、そういったものを鼓舞していただきたいなというふうに思います。今ほどありましたけれども、おりの定期的な見回りについては大きな労力と時間を要します。高齢化も進む中、こうした猟師の省力化については、スマホやパソコンでの遠隔操作によっておりの監視と捕獲ができるという、ICTを活用した捕獲おりのシステムが注目されています。見回りの時間節約や捕獲対象外の獣の捕獲を防ぐことができるなど、猟が効果的に行われるというものです。しかし、生産者や対象鳥獣捕獲員が導入しようと考えても、イニシャルコストとしてのシステム購入費、そしてランニングコストとして通信料金が必要になります。こうしたシステムの導入についても検討すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ○野本正人議長 山野市長。 ◎山野之義市長 捕獲者の高齢化、さらには人も少なくなっているということをお聞きしています。その負担を減らすという意味からいっても、ICTを活用した施策というものは大変効果的だというふうに思っています。ただ、機種の性能、操作性、今ほどお話ありました費用の精査もしていかなければなりませんし、設置場所の選定などもそうであります。そして何といっても害獣捕獲を委託している猟友会の皆さん方の御理解も必要になってきますので、そういう協議もしていかなければいけない、今後の研究課題とさせていただければと思います。意義のあることだと思っています。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 ぜひ多角的な視点からそういったことを検討していただきたいというふうに思います。ワンストップサービスということはいろいろな事柄に関して言われていますが、獣害についても、熊は森林再生課、イノシシ、群れの猿については農業水産振興課、そして離れ猿は環境政策課と対処が異なります。平素はそれぞれの取組で問題ありませんが、獣害が多発する時期に合わせて獣害専用ダイヤル、相談連絡窓口を置き、市民からの問い合わせを受け、対処については該当する課が行うという体制を取るべきではないでしょうか。 ○野本正人議長 山野市長。 ◎山野之義市長 相談というものは、農林水産局にあります。猿であろうがどんなことであろうがありますので、あくまでも庁舎の中では所管は分かれているかもしれませんけれども、市民の皆さんから御連絡をいただいたものは、関係部署で情報を共有化して取り組んでいるところでもありますので、引き続きしっかりと連携することによって、迅速な対応に心がけてまいります。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 非常にスムーズな連携が取られているというふうな話でありますし、私もそれぞれ担当の課の方とお話をしていてそういったことが行われているなということはありますけれども、常に市民目線で考えていただきたいというふうに思います。 次に、通学路の安全についてであります。 野田町土地区画整理が終わり、野田町一帯は大きくその姿を変えました。田畑だった場所には宅地が整然と並び、県道野田専光寺線は幅員が大きく広がり、両側には広い歩道ができ、良好な住環境が整いました。この地域は長坂台校下であり、子どもたちは長坂台小学校に通います。併せて土地柄、金大附属学校に通学する子どもたちの姿も増えました。金沢市南部の動脈とも言える山側環状道路とそこにつながる道路に沿って、子どもたちは市内でも有数の交通量の中を通学します。朝の通勤・通学時間帯には小学生と自転車の高校生が混在しますし、休日であればウオーキングやジョギングをする人が混交しています。そして、自転車愛好家の姿も増えました。小学生や高校生は学校において通学のルールについて指導を受けていると思いますが、完全に守られているかといえば、そこは子どもですから十分とは言えません。残念ながら大人も同様で、自転車の交通ルールは守られているとはとても言えません。金沢マラソンのコースにもなっている山側環状道路ですから、ジョギングをする人の姿も多く見かけます。県が管理する山側環状道路の歩道は比較的余裕のある道幅があることから、通学生徒の双方の安全を図るためにも歩行者と自転車の通行帯を区分する必要があると思いますが、周辺の市管理の歩道と一体性を持たせた整備が必要であり、関係機関との綿密な連携の下、進める必要があると考えますが、いかがでしょうか。 ○野本正人議長 山野市長。 ◎山野之義市長 仰せの山側環状道路の歩道の一部には、自転車と歩行者の通行帯が設置されています。平成25年に道路交通法が改正されました。自転車の車道通行が原則とされたことに伴い、現在市内の道路は車道の路側部分に順次自転車走行指導帯等の設置を進めているところであります。山側環状道路周辺の市道につきまして、今お話ありましたように、ネットワークとしての一体性を考慮しつつ、自転車通行量が多い路線から計画的に自転車走行指導帯の設置を進めており、引き続き安全が一番ですので、安全な走行空間の確保に努めるとともに、一方では、学校や関係者にも特にお願いをし、特に学校にお願いし、自転車利用者のマナーアップにも取り組んでいきたいと考えています。関係機関としっかりと連携を取っていきたいと考えています。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 関係機関と連携を密にしていただきたいと思います。自転車のことがありました。通常示されていない場合は、年齢制限はちょっと忘れましたけれども、低学年の小学生、そして高齢者に関しては歩道を自転車で通行することができる、ただし、大人に関しては基本的には車道を走るというふうになっている、やむを得ずそういった歩道を走る場合であれば、自転車は一番車道側を走る、こういうことを多分知らない人が多いので、そういったことも学校の授業、あるいは学校での普及というものを促していただきたいというふうに思います。 子どもの見守りの一環に、通学路での安全に取り組む見守りボランティアの存在があります。主に地域の高齢者が主体となってこの取組が行われていますが、担い手の問題が生じています。10月28日に教育プラザ富樫で開かれた見守りボランティア研修会の様子を見に行きました。活動報告では、長坂台小学校PTAの取組について、浜名冬樹会長から、COVID-19による学校休業によって土曜授業が行われる状況で、地域ボランティアに委ねていた見守り活動を保護者自らも始めたということが紹介されました。その会で、金沢市子ども見守りボランティア協議会の平寿彦代表から市PTA協議会の宇田直人会長に対して、通学路の見守りに保護者も参加するように呼びかける要望書が手渡されました。私には、原点回帰を求める声にも聞こえました。地域の人々のつながりが希薄化していく中、見守り活動の意味を再確認することも必要だと思いますが、市長の御所見をお伺いします。 ○野本正人議長 山野市長。 ◎山野之義市長 私も見守り隊の皆さん方の活動をよく目にします。まさに見守りでして、交通安全だけではなくて、学校に行くときにはおはよう、行ってらっしゃいと、また、夕方立つ方もいらっしゃいます。おかえり、元気かというふうに声をかける様子を直接何度か見たことがあります。まさに交通安全だけではなくて、防犯という意味でも大きな役割を果たしていると思いますし、地域コミュニティーの醸成という意味でも大きな役割を果たしているというふうに思っています。やはり家庭、地域、学校を結ぶ地域コーディネーターの存在というものが大切だというふうに思っていまして、こういう活動が継続的になされるように、今長坂台小学校のPTAのお話が出ましたけれども、また平さんのお話も出ましたけれども、私はやはり保護者の皆さんにその思いが伝わるような形で、宇田会長とも相談させていただければと思っています。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。そして、浜名会長からは、御自身が取り組んでいる方法をながら見守りと呼び、推進することが提唱されていました。どういうことかといいますと、通勤時、自宅からバス停に行くまでの間、見守りの目印を自ら身につけ、バス停に着いたら外す、通勤時の移動を単なる移動とすることなく、通勤しながら見守りを行うというものです。既に配送業者など、業務で市内を行き交うことが多い事業者を中心に協力活動が行われていますが、通勤中の個人に着目した取組について、本市としても市民に対する働きかけを行っていくように求めますが、お考えをお聞かせください。 ○野本正人議長 山野市長。 ◎山野之義市長 通勤中の個人の方にもお声がけをすることも大切だというふうに思っています。金沢子どもを育む行動推進委員会を開催し、実践をお願いしていきたいと思っています。ある地域のお年を召した方の会、高齢者の会があります。そこでまさに見守り隊、そこの見守り隊の皆さんは、キャップをかぶったりウェアを着たりしているんですけれども、とにかくお気持ちのある方にキャップを配っているそうです。キャップを配って、とにかく自分の散歩でも犬の散歩でも買い物に行くときでもぜひそれをかぶってほしい、そのことが結果として犯罪の抑止にもつながるし、そして子どもがいたらちょっと声をかけてほしいということを、そういうことを心がけているというふうにおっしゃっておりました。まさにながら見守りの1つだというふうに思っています。そういう具体的な活動も多くの方に知っていただいて、参考にしていただければというふうに思っています。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 地域によっても温度差といいますか、見守りの方が充実している地域もあれば、足りていないという地域もあるということなので、広く広がるようにまた啓発をお願いしたいというふうに思います。 交通安全の見守りと併せて、防犯面からの見守りも重要になります。学校から届くメールには、不審者に関するものも多くあります。今年度これまでの発生件数、そして発生場所、地域に何かしらの傾向、特徴があるのか、あるとすればそれをどのように分析しているのでしょうか、お聞かせください。 ○野本正人議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 教育委員会が把握しております今年度の発生件数でありますが、11月末現在で75件であり、市内の中心部と沿岸部での発生が多い傾向が見られます。学校からは、臨時休業中の5月は3件、再開後の6月には16件、そして夏季休業明けの9月には14件の報告がございました。以上のことから、長期休業明けに子どもたちの通学が始まると、声かけやスマートフォン等による撮影事案の報告件数も増える傾向にあると捉えております。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 今ほど発生の特徴、そして傾向、お聞かせいただきました。しっかりと対策を取っていただきたいと思います。その対策についてですけれども、先ほどのテーマでも言いました獣害もそうですが、どちらかといえば受動的になります。抜本的な解決策はないのだというふうに思いますが、効果的な抑止策は幾つもあると思います。見守り活動もその1つであると考えますが、警察や関係機関との連携についてどのようになっているのでしょうか。 ○野本正人議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 これまでも警察をはじめ、学校、地域、保護者、そして見守りボランティア、道路管理者等によって組織する金沢市通学路交通安全連絡協議会におきまして、関係機関が連携し、防犯面も含めた通学路の安全点検や危険箇所の点検を行っております。今後とも児童・生徒の安全確保に万全を期してまいります。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 先ほど県関係との、獣害対策の連絡協議会ではないですけれども、後手にならないように、予測に基づいて効果的な策を打っていただきたいと思います。目立った被害や事案は発生していないというふうに思いますが、その可能性は常に存在することからしても、本市としても、県警が公開している犯罪情報マップを学校や保護者、地域の人に積極的に周知することで、児童・生徒とその保護者への意識づけ、付近住民の防犯意識の醸成、そして何よりも、加害者となり得る人間に対して自分の存在は意識されているぞというメッセージを送り、実行を思いとどまらせることが必要であると考えますが、どうでしょうか。 ○野本正人議長 山野市長。 ◎山野之義市長 市内3警察署ごとに組織された防犯協会の活動を通し、新入学児童を対象とした防犯講習会の開催、安全対策小冊子や変質者出没マップの配布など、子どもの安全を守る取組を実践していますほか、県警本部の依頼を受け、子ども110番の家を全小中学校に周知しているところであります。犯罪情報マップや事案内容等、県警ホームページで公開されている情報を、学校や保護者、地域等に広く周知することで有効に活用することは非常に重要だと、意義があるというふうに考えています。今後とも警察との連携を深め、防犯に関する情報発信を行うことで、犯罪の抑止に努めていきたいと考えています。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 私自身も見守り隊であったり、あるいは街頭交通推進隊の一員として、今後もこのことについて注目をしていきたいということを申し上げて、最後の質問に移ります。 日本銀行金沢支店跡地等についてです。 11月28日の地元紙に、金沢経済同友会との意見交換に関する記事が掲載されていました。いわゆる日銀跡地利用に関して、新聞記事では経済同友会の意見として、市内建築物の高さ制限を全面的にではなく個別に見直し、早急な結論を出すことを求めたことに対し、市長はこれまでにも個別に対応した例を挙げ、制限は金科玉条ではないと述べたとあります。ここで改めてそれに関しての市長のお考えについてお聞かせください。 ○野本正人議長 山野市長。 ◎山野之義市長 これまでも経済同友会の皆さん方からは、今おっしゃいました全体ではないけれども、部分的に高さ制限の解除ということも考えてもいいのではないかという御提案もいただいていました。高さであったり容積率、そういうものを勘案しながら考えていかなければいけないというふうに思っています。一方では、金沢の景観を守ってきたのは間違いなく高さ制限であり、色彩であるというふうに思っています。そんな観点から、いろいろ議論をさせていただいたところであります。これまでも病院や学校などの公共施設に限り、景観や周辺環境への影響、施設に必要な最低限の機能確保といった観点から個別に対応してきたものであり、高さ制限の遵守ということは変わりません。変わりませんけれども、案件ごと、さらには地域特性、さらにはその意義を見極めながら、相談があったときには具体的な形で一つ一つ話し合いをしながら対応していきたいというふうに思っています。高さ制限は大切だというふうに思っています。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 日銀金沢支店跡地のみならず、金沢都ホテルやNHK跡地も含めた跡地利用については、経済同友会、そして金沢商工会議所のみならず、我々議会も含めて意見が交わされているテーマの1つだと考えます。人口減少によって将来様々なものが集約化されていくことが確実不可避であり、自治体の再編なども視野に考えると、本市が持つ様々な施設や機能もそれに合わせて整えておくことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。 ○野本正人議長 山野市長。 ◎山野之義市長 これまでも石川中央都市圏4市2町で様々な議論をしていく中で、今ほど坂本議員がおっしゃったような議論も出てきているところであります。それらの議論を基に、平成28年度には公共施設等総合管理計画を策定し、施設の場合によっては統廃合であったり、長寿命化を進めるということであったり、施設保有量の最適化を石川中央都市圏の中で整理していっているところでもあります。引き続き、公共施設の分野での広域連携について、議論を行っていきたいと考えています。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 市長はよく広域という言葉を多用されます。公共の在り方についても、周辺市・町と連携を強めていく必要についても言及しています。歌劇座のような施設についても広域の中で考えるべきときだと思いますが、市長のお考えはいかがでしょうか。 ○野本正人議長 山野市長。 ◎山野之義市長 金沢市にとってはもちろんのこと、石川中央都市圏にとっても、この歌劇座というものは大変意義があるというふうに思っています。そしてあれだけの規模ですから、様々な規模のホールもあります。他のホールとの役割分担、これはもちろん金沢市内だけではなくて近隣も含めてですけれども、役割分担を図りつつ、圏域における高次の都市機能の強化という視点も取り入れ、今後の技術的検討を行っていかなければいけないというふうに思っています。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 以前にPFI方式のことについても触れましたが、歌劇座こそこうした方式になじむものだというふうに思います。公共性を担保した上で大胆に民間資本を活用していくことも考えるべきであると思いますが、市長、お考えはいかがですか。 ○野本正人議長 山野市長。 ◎山野之義市長 歌劇座の建て替えに当たりましては、財源の確保というものも大きな課題として提示されているところであります。本市の第7次行政改革大綱に基づく実施計画において、PPP、PFIの整備手法の活用を掲げており、コストの削減や負担の平準化等を図るための有益な手法の1つと考えています。今後建て替えにおける技術的検討の中で、こうした手法の活用も研究していきたいと考えています。     〔何事か言う者あり〕 ○野本正人議長 坂本泰広議員。
    ◆坂本泰広議員 今ほどそういうふうな声もありましたけれども、何かこう歌劇座という1つの話が一人で歩き回っているというか、なっているようでありますけれども、あくまでもまちづくりという観点で広く捉えていきたいというふうに思います。市長がマニフェストで掲げた新交通システムについても、その1つであろうというふうに思います。昨年9月の本会議でもそのことについて質問しましたが、脱炭素、低炭素社会の実現、マイカーから公共交通へ、アメリカ、カリフォルニア州やイギリス、フランスでも、2040年までに自動車のEV化を加速させる取組が進んでいます。我が国でも先日、経済産業省が2030年代半ばに国内の新車からガソリン車をなくすことを検討中と伝えられました。環境問題と併せて都市交通政策を考えたとき、新交通システムの果たす役割はとても大きいと考えます。以前にも質問しましたが、その中でも北陸鉄道の電車2路線の存在は大きな鍵を握りますし、この流れを生かして都心軸へとつなげていくことを考えたときに、私は、日銀跡地は交通結節点を置く場所として重要な候補地の1つであるというふうに考えます。もっと言えば、こうした機能を整備することは、先ほど来ありました広域連携の中で将来にわたって金沢のまちが果たしていく役割を考えたときに、もろもろの跡地の活用は大変重要になると思います。市長のお考えをお聞かせください。 ○野本正人議長 山野市長。 ◎山野之義市長 新しい交通システムを基幹とする公共交通ネットワークの再構築を着実に推進していくためには、仰せのように、北陸鉄道石川線、浅野川線をはじめ、公共交通重要路線の強化はもとより、パークアンドライド駐車場や交通結節点の整備などを一体的に進めていく必要があると思っています。その際、様々な跡地の活用は重要な視点であるというふうに考えています。なお、今御提案の交通結節点のことにつきましては、今後導入機種の選定に併せ、適地を検討してまいりたいと考えています。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 まちづくりというのは非常に壮大なテーマでありますから、個別の何という建物、施設に限る話ではなくて、先ほども言いましたけれども、広い意味で金沢市内を俯瞰的に見て、いろいろなものを配置、そういったものを考えていただきたいというふうに思います。 第3次山野市政とでも呼びましょうか、これも11月末で任期の折り返しを迎えました。日銀金沢支店が跡地になるのはまだ先の話ですが、市長自身がマニフェストに掲げた新交通システムと併せて、まちづくりの要である交通政策だけに、そろそろ道筋をしっかりつけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○野本正人議長 山野市長。 ◎山野之義市長 平成28年度に開催した検討委員会で示された課題の解決を図るため、導入空間の確保、自動車交通への影響に関する調査、検討を進めるとともに、公共交通の利用促進や市民意識の醸成に計画的に取り組んできたところであります。明年度にはこれまでの検討結果を総合的に分析、評価し、導入機種に関する方向性をお示しできればと考えています。 ○野本正人議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 御自身の掲げてきたことも含めて、まちづくりも含めて、この先将来の金沢のためにもしっかりとした方向性、市長、今回の議会でもビジョンということをお話しされましたけれども、しっかりとしたそういうビジョンを市民に示して、今後の市政に当たっていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○野本正人議長 以上で、14番坂本泰広議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △散会 ○野本正人議長 これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 次の本会議は、明日11日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。     午後4時38分 散会...