金沢市議会 > 2012-12-10 >
12月10日-02号

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  1. 金沢市議会 2012-12-10
    12月10日-02号


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    平成24年 12月 定例会(第4回)           平成24年12月10日(月曜日)-----------------------------------◯出席議員(40名)     議長  苗代明彦     副議長  松井純一     1番  高  誠      2番  麦田 徹     3番  高 芳晴      4番  源野和清     5番  長坂星児      6番  喜多浩一     7番  前 誠一      8番  広田美代     9番  小阪栄進      10番  宮崎雅人     11番  小林 誠      12番  秋島 太     13番  山本由起子     14番  粟森 慨     15番  下沢広伸      16番  高岩勝人     17番  野本正人      18番  久保洋子     19番  黒沢和規      20番  福田太郎     21番  森 一敏      22番  清水邦彦     23番  角野恵美子     24番  松村理治     25番  新村誠一      26番  澤飯英樹     27番  玉野 道      28番  森尾嘉昭     29番  升 きよみ     30番  上田 章     31番  木下和吉      32番  中西利雄     33番  安達 前      34番  井沢義武     37番  田中 仁      38番  横越 徹     39番  田中展郎      40番  高村佳伸◯欠席議員(なし)-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長        山野之義   副市長       丸口邦雄 副市長       濱田厚史 公営企業管理者   糸屋吉廣   教育委員長     佐藤秀紀 市長公室長     八田 誠   都市政策局長    山口 亮 総務局長      谷  晃   経済局長      山田克俊 農林局長      新村光秀   市民局長      岡田宜之 福祉局長      西村賢了   保健局長      川原利治 環境局長      坂井修二   都市整備局長    堂薗洋昭 土木局長      中川雅則   市立病院事務局長  永井信幸 危機管理監     大田 茂   会計管理者     宮前信之 教育長       野口 弘   消防局長      山田 弘 財政課長      松田滋人-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長      桶川秀志 議事調査課長    中宗朋之   議事調査課長補佐  納谷英行 議事グループ長   上出憲之   調査グループ長   橋高祐二 主査        三屋 陽   主査        外川 奨 主査        八木淳介   主任        守田有史 主任        石川岳史 総務課長補佐    村田英彦   総務グループ長   小森 聡 主任        納屋隆史-----------------------------------◯議事日程(第2号)  平成24年12月10日(月)午前10時開議 日程第1 議案第1号平成24年度金沢市一般会計補正予算(第5号)ないし議案第50号市道の路線変更について                               (質疑) 日程第2 一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件  議事日程(第2号)に同じ-----------------------------------     午前10時3分 開議 △開議 ○苗代明彦議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ40名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △会議時間の延長について ○苗代明彦議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △諸報告 ○苗代明彦議長 説明員の出席等についての通知がお手元に配付のとおり参っておりますので、御報告いたしておきます。 さらに、平成24年金沢市定例第4回市議会議案(その1)の正誤表がお手元に配付のとおり参っておりますので、お知らせいたしておきます。     〔説明員の出席等については本号末尾参照〕     〔正誤表は本号末尾参照〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議案上程 ○苗代明彦議長 これより日程第1議案第1号平成24年度金沢市一般会計補正予算(第5号)ないし議案第50号市道の路線変更について、以上の議案50件を一括して議題といたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問 ○苗代明彦議長 これより、質疑並びに日程第2一般質問をあわせ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 19番黒沢和規議員。     〔19番黒沢和規議員登壇〕(拍手) ◆黒沢和規議員 おはようございます。 平成24年定例第4回市議会に当たり、質問の機会を得ましたので、当面する市政の課題につきまして、以下数点にわたり質問をいたします。 質問の第1点は、市長の市政への思いと来年度予算編成についてであります。 早いもので、山野市長が市長に就任されてから昨日でちょうど2年がたち、本日から3年目に入りました。前職の多選を批判し、清新さを前面に押し出されて当選された市長でありますだけに、そのお人柄とともに、フットワークのよさなどから、市民からおおむね好感を持って受けとめられているようであり、まずは順調な滑り出しと言ってよいとも思うのであります。そこで、初めにお尋ねをいたしますが、市長に就任されてから本日までの2年間の率直な御感想を承っておきたいと存ずるのであります。市議会議員から身を転じた市長でありますから、市政の最高執行者としての重み、責任等については、ある程度予測をし、覚悟をされていたものと存じておりますが、人口46万人近くを擁する県都の首長として、市長就任後、今日までどのような感想と思いを持たれながら、市政執行に当たってこられたのか、お尋ねをいたすものであります。 また、市長は2年前の選挙におきましては、市政刷新を掲げられ、当選を果たされました。だといたしますならば、この2年間において、市長は市政の何を変えられようとされ、そして、何をどう変えることができたと自負されているのでありましょうか。市長が当選されたころは、まさに民主党が変革を唱えて政権の座についてから1年ほどのころであり、日本は変わるのではと、国民がまだ淡い期待を抱いていた時期でもあります。しかし、その後の国の現状は、多くの国民の期待を裏切るものとなってしまい、今、その是非を問う総選挙が行われようとしております。金沢市政にあっても、目に見えて大きく変化をしたというようには思えないという厳しい意見も聞かれるところであります。市政はこう変わった、自分はこう変えたという思いを、この際あわせてお聞かせをいただければと存ずるのであります。そして、折り返し点を迎えられ、これからの2年間を、市長はどのような抱負を持たれて市政運営を行っていこうとされているのか、改めて所信の一端を御披瀝していただきたいと思うのであります。 さて、ことしも余すところ半月余り、年度で申しましても3カ月余りとなりました。そろそろ来年度の予算編成に本格的に取り組まれる時期であります。市当局におきましては、11月22日付で平成25年度予算編成方針を示したところであります。これによりますと、その基本は、引き続く厳しい経済環境と財政状況の中にあって、施策の重点化を図り、まちの将来につながる施策の推進に、積極果敢に取り組むことのできる予算を編成したいとする市長の思いが伝わるものとなっております。その基本は、先月末に、かねて有識者懇話会において検討されてまいりました新しい都市像としての本市が目指すべき方向性の骨子案、すなわち交流拠点都市金沢を意識していることが見てとれるのであります。そのことは、新幹線開業に備えた金沢の魅力発信にかかわる事業や、防災事業等については、一般財源ベースは前年度の95%以内としている要求基準から外し、別枠としていることからもよく理解できるところであります。そこで、市長には、来年度予算編成に当たり、金沢のまちづくりに対する思いと、そのための来年度予算をどう編成していかれようとしているのか、改めてお伺いをするものであります。 また、その中で、公共事業費については、事業費ベースで平成24年度当初予算と比して85%以内にとどめるとされているのでありますが、公共事業費が毎年縮小されていく中にあって、来年度もそうした厳しい状況で推移していくといたしますと、景気の面からいたしましても、地元経済はさらに冷え込み、必要な社会資本の整備にもおくれを生じてくるのではないかと懸念されるのであります。先般起きた中央自動車道笹子トンネル天井板落下事故の例を挙げるまでもなく、高度経済成長時代につくられた公共構築物等は、今日では建設後、相当の年月を経過し、抜本的な点検修理、改築等、対応策が求められる時期となっております。本市においても、道路、橋梁等はもとより、公共建築物等々その例外ではありません。そうした部面での公共投資も必要不可欠であります。さきの市長の提案理由説明では、デフレ経済からの脱却が模索されていることから、公共事業費の追加も補正予算化したとされているのでありますが、このことと来年度の公共事業費のさらなる縮小とは、単純に考えて相矛盾するやにも思われるのであります。この点いかがでありましょうか。市長は、来年度予算編成において、どのような考え方のもとに公共事業費の削減に踏み込まれようとされているのか、お尋ねをいたします。 質問の第2点は、まちづくりの考え方と重伝建地区の整備についてであります。 さきの提案理由説明で市長も述べられておりますとおり、本市の他市が持たざる財産は歴史、伝統など、比類のないまちのストックであります。そのストックを生かし、次代へ受け継ぐべく、本市はこれまで種々の努力を積み重ね、年々そのステータスを高めてきたことは、だれしもが認めるところであります。国の文化審議会は、このほど寺町台地区を国の重要伝統的建造物群保存地区として指定するように答申をしたところであり、そう遠くない時期に寺町台地区は、金沢市における4番目の国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されることになります。このことは、本市の歴史都市としての存在意義をさらに高らしめるものとして、大変に喜ばしいことと言わねばなりません。と同時に、私は、今回の重伝建地区の指定は、今まで指定されている他の3地区とは、若干趣を異にするのではないかという思いもいたしているのであります。申すまでもなく、当該地区は、その名のとおり、藩制時代のまち割によりまちなかに散在していた寺院を東西の2地区に集約したことにより、この地区に寺院群が形成されたものであり、その結果、寺院を中心とした独特な景観が生まれ、残されてまいりました。しかしながら、この寺町台地区は、重伝建地区としては、これまでの既定の3地区と比した場合、保存整備にさらなる手当ての必要性を感じるのであります。特に、その景観の重要な役割を果たしている寺院群については、本市景観条例寺社風景保全条例の制定等により、近年、かなり踏み込んだ施策が進められ、従前に比しましても、寺院等の建物の補修、改修等が大規模に進められるようになってまいりました。寺社という性格から、景観的、文化的視点からであっても、ある一定以上踏み込めない制限がありますことも事実であります。そのような視点からいたしまして、国の重伝建地区の指定により、制約が少しばかりでも緩和され、また、財政的支援の幅も広がるのではないかという期待感も持たれているところであります。この点いかがお考えか、お尋ねをいたすものであります。 そして、それに付随いたしまして、寺町台地区全体の課題として、さらにグレードアップした景観の創成についても必要と思うところであります。御案内のとおり、この地区を貫きます基幹的道路として、都市計画道路野田専光寺線があります。一例としてこの道路を見ますと、この道路には街路樹がほとんどありません。また、電柱が林立をいたしております。ここは、やはり手を入れて緑を植え、無電柱化したいものであります。無電柱化につきましては、石川県において今年度から一部着手をいたしているようでありますが、当該地域における早急かつ全面的な事業の実施が期待されておりますし、また、個々の寺院の境内等には、情趣のある植栽を進め、心の安らぐ空間がつくられることが望まれるのであります。その植栽には、金沢のまちにしっくりとなじむモミジやカエデなどはいかがでありましょうか。そんな工夫をすることにより、寺町台地区の景観がさらに独特の雰囲気を醸し出す空間となり、市民や観光客にも親しまれる地域となり得ると考えるのであります。さらには、そのことが金沢市の歴史都市としてのグレードを高める結果になるのであります。そんな施策を総合的に、ぜひスピード感を持って行っていただきたいと思うのであります。市長の御見解をお伺いいたすものであります。 ところで、私は、昨今、伝統的景観の保全等について、全般的に見て、市御当局の力の入れ方が少しばかり弱まってきているのではないかと漠然とではありますが、感じている者の一人であります。本市では、これまで歴史的景観や伝統的建造物等の保全に関し、景観条例やこまちなみ保存条例などの制定により、全国的にもその先端を行く種々の施策を展開してきたところであります。そうした中にあっても、一方では、伝統的町家は減少をし続け、金沢特有のまち並み景観は、少しずつ全体として壊れつつあるとの思いを強くいたしております。私は、そうしたまち並み景観の保全について、やはり市長御自身の強い思いが、市政に反映されてくるものと思っているのでありますが、市長に改めてその思いをお聞かせ願いたいと思うのであります。 質問の第3点は、古典の日についてであります。 本年の8月29日、古典の日に関する法律が国会において可決をされ、毎年11月1日が古典の日と定められました。これに基づき、この11月1日には、全国の自治体においては、古典にちなんだ行事が実施をされたところであります。ことしは奇しくも天地の始まりから国の原風景を説いた「古事記」が編さんされて1300年、天変地異が頻発し、世相が不安定だった時代に書かれた鴨長明の「方丈記」が完成してから800年目の年に当たります。まさに時宜を得た古典の日の制定であります。この法律制定の目的は、「古典が、我が国の文化において重要な位置を占め、優れた価値を有していることに鑑み、古典の日を設けること等により、様々な場において、国民が古典に親しむことを促し、その心のよりどころとして古典を広く根づかせ、もって心豊かな国民生活及び文化的で活力ある社会の実現に寄与する」とされており、そのために国及び地方公共団体には、11月1日には、その趣旨にふさわしい行事を実施することや、家庭や学校、地域等において、国民が古典に親しむことができるよう、古典の学習や古典を活用した教育の機会の整備を求めております。私は、かねて古典教育の重要性について、その必要性を強く感じてまいっただけに、今回の法律の制定は、まことに喜ばしいものと思っている一人であります。本市教育委員会にありましても、この法律の意図するところを十二分にしんしゃくされ、今後、古典の日における啓発事業や、古典の学習や古典を活用した教育の機会の整備について、どのように進めていかれるのか、古典の日制定についての所見とあわせて教育長にお伺いいたすものであります。 ところで、私は、当初この古典という意味につきまして、その範囲を単に文学や音楽などのごく一般的なものだけと認識をいたしていたのであります。しかしながら、この法律では、古典の定義として、単に文学や音楽だけではなく、美術、演劇、さらには伝統芸能、演芸、茶道や生け花などの生活文化、囲碁、将棋なども含み、また、思想など大変広範囲の分野にわたっているのであります。だといたしますと、この古典の日にかかわる最もふさわしい都市は、幅広い伝統文化を有するこの金沢市をおいてほかにないという思いにも駆られるのであります。そこで、市長にお尋ねをいたします。市長は、この古典の日の意義をどうとらえられていらっしゃるのか、また、本市として古典の日、あるいは通常の日々において、この法律の趣旨にふさわしい事業等の実施に積極的に取り組んでいただきたいと思うのでありますが、この点どのような抱負をお持ちになっていらっしゃるのか、お答えを願いたいと思うのであります。 さて、質問の第4点は、名誉市民章の授与と市民栄誉賞の制定についてであります。 さきに、本市は、この夏のロンドンオリンピックの柔道において金メダルを獲得した松本薫選手に、本市初めての市民スポーツ栄誉賞を贈ったところであります。その松本選手には、改めてお祝いを申し上げ、その栄誉をたたえたいと思うのであります。そこで、まずその市民スポーツ栄誉賞について触れてみたいと思うのであります。その根拠を見てまいりますと、金沢市出身の松本選手が金メダルという快挙を成し遂げたことにより、スポーツ栄誉賞表彰要綱をつくり、授与いたしたものであります。時間的制約からそうした措置がとられたものと理解をいたしておりますが、市民スポーツ栄誉賞のあり方として、今後もこのような形でよいのかという、素朴な疑問が持たれるのであります。将来、本市においても、同様のケースが生まれてくることが予想されるところでありますし、また、スポーツ以外でも、ひょっとしたらノーベル賞など、内外に誇り得る名誉ある賞等を受賞される、本市の在住者や出身者があらわれることも否定できないと思うのであります。そのようなことからいたしまして、この際、学術、文化、スポーツなど、広い分野ですこぶる特筆すべき功績を上げた方を顕彰し授与する、金沢市民栄誉賞の制定について、条例化をするなど、制度的な整備をしておくべきとも思うのでありますが、市長の御所見をお伺いするものであります。 また、この際、あわせてお伺いをいたしますが、金沢市名誉市民の称号授与につきましては、平成17年に故大場松魚氏ほか2名に授与して以来、その後、受章者が生まれておりません。申し上げるまでもなく、金沢市名誉市民は、金沢市民または市に特に関係の深い者で、公共の福祉や学術、技芸等で広く社会文化の進展に寄与し、郷土の誇りとして市民から深く敬愛されている方に、その称号が贈られることになっております。これまでは、文化勲章受章者や功労者、重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝でありますが、そして、国務大臣等を経験した国会議員、さらには金沢市長経験者の13名の方々に贈られております。前回の授与から既に7年を経過するところとなっており、この間、ことしの秋認定をされました木工芸の灰外達夫氏を初めとして、銅鑼の魚住為楽氏、彫金の中川衛氏、友禅の二塚長生氏の4人が人間国宝として認定をされております。また、20年の長きにわたり金沢市長として、金沢のまちづくりに心血を注がれた山出保氏も、十分にその対象になり得るものと考えられるのであります。山出氏につきましては、ことしの6月議会でも取り上げられていますが、この際、市長にありましては、そうした現況等を十二分にしんしゃくされ、これらの方々に金沢市名誉市民の称号を贈ることについて、検討されるべきものと考えるのでありますが、御所見をお伺いいたしたいと思うのであります。 以上、質問をさせていただきましたので、市長初め関係者の前向きかつ的確な御答弁を期待いたしまして、私の質問を終わります。   (拍手) ○苗代明彦議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 19番黒沢議員にお答えいたします。 まずは、市長任期折り返しと来年度予算のことについて、何点かお尋ねがございました。お話しいただきましたように、2年前のきょう、12月10日に私は金沢市長に就任をさせていただきました。そして、この本会議が始まりました午前10時に市長就任式を行っていただきました。そのときは、市の幹部の皆さんの前で、私の思いをお話しさせていただきました。緊張の中でこういう話をしたことを覚えています。金沢市長として、金沢市内における行政の長として皆さんに申し上げたい。それは、先輩方が営々と築いてきてくれた、先輩方が連綿とつなげてきてくれた金沢の伝統や文化、風習、金沢の個性というものをしっかりと守っていきながら、時には刺激を与えていきながら、後代に伝えていかなければならない。しかしながら、変えるべきところは変えろ。それが、私に与えられた行政の長としての責務であるというふうに思っています。そして、金沢市における政治の長としての思い、それは歴史の流れの中で、時代の流れの中で、金沢というまちが、そして、この金沢市役所で仕事をする我々が今どういう立ち位置にいるのか、つまり、我々個人がそれぞれの歴史観、社会観、国家観、倫理観、価値観というものを常に意識をしながら仕事をしなければいけない。それは公の仕事に携わる人間の責務ではないか。その思いで私はこれから仕事をさせていただきたい。公のために皆さんの力をかしていただきたい、そういうふうに申し上げました。今もその思いは変わりません。なかなか学びの浅いものでありますから、その思いにこたえられるような仕事はできていないかもしれませんけれども、これからもその思いを持ちながら、市政執行に当たっていきたいというふうに思っています。今、お話ししましたように、私なりにこの2年間取り組んできた、変えようと思ってきたことでは、例えば具体的に申し上げますと、ICTの推進、そして、質問の中にも松本選手のことも触れていただきましたスポーツを通じてまちを元気にする、スポーツをまちづくりの核の一つにするということも、私なりに取り組んでまいりました。また、学校図書館の充実であったりだとか、偉人教育のことも、具体的に私なりに教育委員会と意見交換をしながら取り組んできたつもりでありますし、これからもそのことは取り組んでいきたいというふうに思っています。また、発信力の強化というものも大切なテーマだというふうに思っておりましたので、市政情報の発信などにつきましては、先ほど申し上げましたICTも活用しながら、また、私自身も精力的に表に出ていきながら、情報の発信ということに取り組んできたところであります。これからも、先輩方につくってきていただきました、そのストックを最大限に内外に発信をしながら、交流拠点都市づくりに取り組むとともに、きずなや人のつながりを大切にしながら、誇りあるまちを市民とともにつくっていきたいというふうに思っています。 予算編成につきましても、今ほど申し上げましたように、人・モノ・情報等が集積します交流拠点都市を目指すことが大切なんではないかというふうに思っていまして、明年度の予算編成方針におきましても、そうした新たな都市像を視野に入れた編成を心がけますように、各部局に指示をすると同時に、庁内での意思疎通が大切でありますので、毎週月曜日早朝に局長級以上の皆さんと政策調整会議を行っておりますけれども、これを改めて、この秋からは政策戦略会議というふうに設けまして、新規施策等について検討を重ねてきているところであります。 また、公共事業費のことについてお尋ねもございました。御指摘のように、社会インフラの再整備というものが大切なことだというふうに思っていまして、結果として、それは景気刺激策にもなってくるというふうに思っています。平成23年度の本市の1人当たりの公共事業費の規模は、中核市41市の中で、財政力が格段に高い豊田市に次いで2番目となっているところであります。御心配いただきましたシーリングの件ですけれども、これは、重要既定計画事業や新たな都市像を視野に入れた事業を除いた事業に適用されるものでして、公共事業の重点投資を一層図るために設定をしたものでして、公共事業費全体といたしましては、平成24年度予算並みの中核市平均を上回る事業費規模を見込んでいるところであります。 伝建地区のことについて、寺院の修理のことですけれども、これまでは土塀、山門などを対象に修理、修復に助成を行ってきたところでありますが、伝建地区に指定されたことにより、本堂、庫裏等の主要な部分の修理、修復も助成対象に加えられましたことから、財政支援は補助率、限度額と合わせて大きく充実されることになりました。また、国の重伝建に選定されることによりまして、国の支援も受けることができるようになってきますので、規模の大きい寺社が集積する寺町台地区におきましても、修理、修復が促進され、まち並みの保存整備が進んでいくものと期待をしているところであります。 また、無電柱化と街路樹の件ですけれども、県が無電柱化を進めているところでありますが、寺院群の景観を保全するため、道路の拡幅は行われないというふうに聞いておりますので、新たな街路樹の設置ということは、難しいというふうに県から聞いているところであります。ただ、境内内の植栽につきましては、重伝建地区内の歴史的風致を高めるために必要な樹木や生け垣等に対する支援制度もありますので、樹種の選定にも配慮した植栽が進みますよう、改めて寺院に周知を図ってまいりたいというふうに思っています。 この保全に対する思いをお尋ねになりました。先ほど申し上げましたように、私は、金沢の伝統や文化、そして、風習が大切だというふうに申し上げました。このまち並みの景観は、まさに象徴をするものだというふうに思っておりまして、大変重要な課題だというふうに認識しています。今回、旧城下町を中心に分布します金澤町家を本市の貴重な歴史文化資産と位置づけ、その保全活用を市民、所有者、事業者と協働して総合的に推進するため、仮称ではありますけれども、金澤町家条例の制定を目指していきたいというふうに思っています。この条例の制定を通じまして、金澤町家の歴史的まち並みの景観を後世へ継承することに努めていきたいというふうに思っています。 古典の日のことについてお尋ねがございました。11月1日古典の日、余り実は知られてませんけれども、10月27日、文字・活字文化の日という日があります。私は、10月27日の文字・活字文化の日と11月1日古典の日が大変近いということは、意義があるというふうに思っています。     〔議長退席、副議長着席〕 もちろん先ほどお話されましたように、決して古典とは文学や音楽だけではありませんけれども、やはり子どもたちや我々が、日常的にも接しやすいのが文学や音楽でもあるというふうに思いますので、法律の中にも文字・活字文化の日も古典の日も、行政として市民にそのことを知っていただく機会を設けなければならないというふうに書かれておりますので、連動をしながら何かできないかということも考えていきたいというふうに思っています。また、お話がありましたように、文学や音楽だけではなくて、広く芸能等々にも当てはまることでもありますし、子どもたちに知らしめて感じていただくことが大切なことだと思っていますので、来年の古典の日には、子ども塾が幾つかあります。加賀宝生や素囃子や茶道や工芸といった、その子ども塾の交流事業など、趣旨に合った行事の開催を検討していきたいというふうに考えています。 名誉市民のことについて、また、市民栄誉賞のことについてもお尋ねがございました。市民栄誉賞のことにつきましては、スポーツの分野に限らず、学術、文化などの分野に関して、これからも御指摘のように授与するにふさわしい方たちもたくさん出てくるというふうに期待もしているところでありますので、既存の表彰制度のあり方も含めまして、今後、研究をさせていただきたいというふうに思っています。 また、名誉市民のことですけれども、御指摘、仰せのとおり、人間国宝認定者など、社会文化の進展や公共の福祉の増進に顕著な功績のあった方を対象に、各界の代表者等で構成されます推薦委員会で審議がなされ、推薦をしていただくことになっています。山出前市長のことにつきましては、これまでも本会議で申し上げておりますように、御本人の御意向も踏まえ、名誉市民として顕彰をさせていただければ、大変うれしいというふうに考えているところであります。 私のほうからは以上です。 ○松井純一副議長 野口教育長。     〔野口 弘教育長登壇〕 ◎野口弘教育長 古典の日制定についてお尋ねがございました。古典の日の制定につきましては、国民が我が国古来のすぐれた文化に触れ、理解を深めるよい機会になるととらえております。市民が古典に親しみ、昔の人の物の見方や感じ方を知ることが、我が国の文化の継承と創造につながっていくと考えております。今後も、さらに古典に学ぶ教育、学習を充実してまいりたいと存じます。 古典の日における啓発事業や古典の学習、古典を活用した教育の機会の整備につきましては、古典は風土と歴史に根差しながら、時間と場所を超えて広く愛され、私たちの心を豊かにする大切なものと考えております。現在、小中学校では古典文学や伝統音楽の学習のほか、総合的な学習の時間の金沢学びタイムにおいて、地域の指導者の協力をいただきながら、伝統芸能などを学んでおり、また、中学校では能や狂言の鑑賞を行っております。市立図書館では、多くの分野の古典資料を収集し、市民に学習の場を提供するとともに、親子を対象としたお話し会でも題材に取り上げるなど、市民が古典に触れる機会をつくってまいりました。今後は、小学校における古典の読み聞かせの実施や、市立図書館での古典の日にふさわしい企画展示、古典の読書会など、市民が古典に親しむことができる行事を展開していきたいと存じます。 私のほうからは以上でございます。 ○松井純一副議長 21番森一敏議員。     〔21番森 一敏議員登壇〕(拍手) ◆森一敏議員 会派みらいの一員として、以下諸点にわたりまして御質問を申し上げます。悪声で失礼いたします。 まず、質問の第1は、新たな金沢の都市像と来年度予算編成についてお伺いいたします。 その第1に、新たな金沢の都市像についてお伺いいたします。山野市長は提案理由説明の冒頭で、新たな都市像検討懇話会が、先月末に行った提言について言及をされました。私は3月議会において、県外有識者から成る責任と誇りを持てるまち金沢像懇話会の提言について、次のように評価をいたしました。世代を超えた社会的包摂というコミュニティー論、自治意識による福祉環境平和都市、自治の歴史としての一向一揆100年の評価、都市の芸術文化力の価値づけ、経済活動と環境政策との統合、伝統文化と自然エネルギー、こういった考え方には共感する。そして、金沢の将来像は金沢市民が主体的に議論し、市民的な合意を形成していくべきものだから、外から示された提言をどのように金沢主体の将来構想に発展させていくのかと、そのプロセスを伺いました。今ほど私が述べた責任と誇りを持てるまち金沢像懇話会の提言と、今回の提言「世界の『交流拠点都市金沢』の実現」を読み比べますと、その世界観とも言うべき価値観において、いささか大胆さを失い、従来延長型のまちづくり提言に縮小してしまったかのような印象が否めないのです。地域で暮らす金沢市民が、多様に持つまちの将来への潜在的な問題意識をどこまで反映できているとお考えか、市長にまずは、今回提言された新たな都市像検討懇話会提言に対する受けとめをお伺いします。 次に、その表題となっております交流拠点都市金沢の基本的なイメージとは、どのようなものとして市長は受けとめておられるのか、お聞きいたします。 ところで、現在、本市は、世界都市構想第2次基本計画の実施に取り組んでいるところです。市長は、この提言に示された骨子案に基づいて、年度末に新たな都市像を策定したいと述べておられますが、平成27年度までの遂行を目指して策定された第2次基本計画との関係性、すなわち世界都市構想にかわる新たな都市構想として、新たな都市像が策定されていくのか、改めてその位置づけについてお考えを伺います。 さて私は、今回の提言「世界の『交流拠点都市金沢』の実現」の内容につきまして、物足りなさを覚えると申しました。その都市像並びに重点方針に示された具体的な項目においては、金沢の歴史に対する認識、歴史、文化、教育をも含んだアジアや世界とのかかわりのあり方、産業創出における著名人によるネットワークの持つ意義、あるいは交流人口創出やまちの活性化の基盤であり、まさに都市の装置としての公共交通の大胆な構想が見えないこと、さらには、コミュニティー活性化、市民参画の前提となる金沢の市民協働の現状分析などが不鮮明なままのように思われます。そうした創造の原点となる批判的な視点と、行政にありがちなある種の無難さを飛び越えたような議論が、さらに必要ではないでしょうか。新しい都市像の構築には、住民参加による活力が不可欠であることは論を待ちません。真に市民とつながる、市井で暮らす一般市民の中にある、まちに寄せる率直な問題意識や大胆な発想を取り込む議論の場が用意されるべきだと思います。都市像策定までの市民参加の手法について、どのようにお考えかお聞かせ下さい。 第2に、来年度予算編成などとの関連についてお伺いします。これから、来年度予算編成が本格化します。新たな都市像の策定にあわせて、その方向性を予算編成にも反映させていかれるものと思います。その基本的なお考えを伺うとともに、財源確保の方策についても、財政環境に対する認識とあわせてお伺いしておきます。 この項の終わりに、今定例会には、地方分権改革一括法に基づく条例制定権拡大に伴い、関連する40もの条例案が提出されています。これらの条例制定がいかに市民生活の向上につながっていくのか、また、これらが予算の執行にどう反映されていくのか、とりわけ福祉関連部門における行政組織の機構整備や人員配置に新たな視点が必要になってくるのか、市民への説明に当たっての市長の御所見を伺います。 質問の第2項は、原子力防災計画策定の進捗についてお伺いします。 福島第1原子力発電所においては、綱渡りの原子炉冷却、4号機の使用済み核燃料プールの倒壊への懸念を初め、過酷事故はいまだに収束せず、県外避難者5万8,000人を含め、10数万人の方々が故郷を離れて先の見えない不安な生活を余儀なくされています。全村避難の飯舘村では、住民による空き家の見回り活動が、緊急雇用対策事業として続けられていましたが、住民が離散して、地域コミュニティーの再興は極めて困難な状況にあります。この福島第1原発から30キロ以上離れた飯舘村の強い汚染は、旧来の原子力防災指針では想定外であり、原子炉建屋の水素爆発直後の放射性物質の大量放出時の風向きと地形によってもたらされました。さらに、SPEEDIによる拡散予想が行われていながら、住民に伝えられなかったことにより、無用の被曝を受けております。福島原発から50キロメートルに位置する二本松市で市民の放射能測定室を運営するNPO法人TEAM二本松理事長は、情報隠しによって、小さな子どもたちを被曝させてしまったことを悔やみ、政府、自治体への責任追及の厳しい言葉を連ねておられます。福島県が実施した18才未満の子どもたちの甲状腺検査で、4割以上に何らかの異常が発見されていることに、私も強い衝撃を受けました。こうした現実を前に、停止中の原発の再稼働は論外として、使用済み核燃料を敷地内に大量に持つ原子力発電所の事故から、住民をいかにして守るのか、国、地方自治体の責務の大きさを改めて認識せざるを得ません。質問の第1として、原子力規制委員会発足と放射能拡散シミュレーションにかかわって伺います。こうした中、原発利権の共同体として原子力村とやゆされた原子力安全・保安院が改組され、政府肝いりの原子力規制委員会が発足いたしました。しかしながら、発足早々、その委員の人選に問題ありと人事案件が国会で承認されず、正当性がないままスタートし、おまけに放射能拡散予測の丸投げや誤りが露呈し、早くもその信頼が大きく損なわれています。その内容においても、避難開始基準となる被曝線量が過大であることや、避難範囲を狭く見積もっているなど、多くの批判にさらされております。この原子力規制委員会が、先ごろ新しい原子力防災指針の原案を公表しました。この間、議論されてきた5キロ圏内の予防防護措置区域--PAZ、30キロ圏内で防災計画を義務づける緊急時防護措置区域--UPZ、さらに50キロ圏内に、放射性沃素防護地域--PPAが定められることになりました。原子力防災の基本的枠組みが示されたことを受け、各自治体では防災計画を実効性あるものとして策定していかなければなりません。そこでまず、市長には、原子力規制委員会の発足と拡散シミュレーションに係る問題について、どのように受けとめておられるのかお尋ねします。 加えて、国の指針がほぼ明確になったことを受けて、私は、原子力防災計画の前提となる志賀原発事故シミュレーションを、SPEEDIの端末を保健環境センターに持つ石川県において独自に行うよう再度求めるものですが、市長の御所見を伺います。 第2に、本市原子力防災計画の策定について伺います。本市においては、今年度中の3月に、初めての原子力防災計画を策定するとの方針のもと、有識者による検討会議を設置して、具体的な検討を始めていると認識をしております。今ほど述べましたように、原子力規制委員会の動きが紆余曲折し、おくれたこともあり、計画策定が当初の方針どおり3月までに可能なのか、その進捗状況についてお答えください。 また、検討会議の中で、何が主要な論点になっているのか、とりわけ困難性のある課題は何なのか、その解決の見通しも含めてお答えください。 50キロ圏に差しかかる本市では、放射性沃素防護地域としての対応が求められます。安定沃素剤の服用が、福島県内でわずか1自治体にとどまり、それも首長の判断によったことは大きな教訓です。この事実経過について、市長はどう受けとめ、検討会議の中ではどのように議論されているのでしょうか。 また、安定沃素剤は市内全域で配備されるのか、とりわけ子どもたちへの服用の体制はどのように議論されているのか、あわせてお答えください。 質問の第3項は、ともに生きともに学ぶ教育についてです。 その第1として、障害者基本法の改正における教育の課題について伺います。障害があるなしにかかわらず、地域でともに生きられる社会を目指すインクルージョンの流れが力強く前進しております。昨年8月には障害者基本法が改正されたのに続いて、ことしに入って6月には障害者自立支援法が相次いで改正され、障害者総合支援法に改められました。この動きの背景としては、2006年に国連で採択された障害者の権利に関する条約の批准が、既に100カ国を優に超え、障害者の人権保障において、世界の後発組に甘んじているところから、条約批准の制度的環境づくりが急がれているものと思います。ところで、障害者の権利に関する条約がそうであったように、日本におけるこれらの法改正には、差別の解消やともに生きる社会を希求する当事者や関係団体の粘り強い要求運動がありました。当事者たちを突き動かしてきた深い思いを、市長はどう受けとめておられるのかお聞かせください。 共生社会を目指すインクルージョンでは、さまざまな制度や施策に共通して、障害のある人に対する合理的配慮が不可欠だとされています。直接の障害福祉事業にとどまらず、市政全般にわたって、この合理的配慮を具現化することが、すなわちともに生きる社会へのステップアップであると言えます。市長は、この合理的配慮をどのようにとらえ、市政の中で課題を見出しておられるのか、御所見を伺います。 さて、インクルーシブな社会を形成するための意識は、教育の中でこそ培われます。金沢にとってのインクルーシブ教育の進展に当たって、どのような課題を意識しておられるのか、教育委員長に御所見を伺うとともに、金沢市特別支援教育指針改定のお考えがないのかについても伺っておきます。 第2に、特別支援教育サポーター制度について伺います。今年度に入り、地域の学校に在籍する複数の障害のある児童・生徒の保護者から、宿泊体験や修学旅行などの校外学習に、我が子を級友とともに親の付き添いなしで参加させたいとの要望が寄せられました。本市教育委員会は、本人の思いを尊重するだけではなく、学級集団全体の成長の機会を保障しようとの基本認識のもと、生活介助や医療的ケアが必要となるいずれの場合も、特別支援教育サポーター制度をモデルケースとして活用し、状況に即した支援体制を講じて、子どもたちの願いをかなえました。私のお誕生日は最高の誕生日になった。最高に楽しい2日間になったとの作文から、学級の仲間たちと一緒に宿泊体験ができた喜びがあふれ、担任やサポーターの応援を受けながら、子どもたちがつながって過ごした姿をもかいま見ることができます。しかしながら、これらのケースを通じて、本市が他市町に先駆けて導入した特別支援教育サポーター制度に、今日のニーズに対応できない制約があることが判明をしました。それは、特別支援教育サポーター制度は、中学校の修学旅行への適用は制度外であること、医療的行為を行う人材を想定していないことです。今年度の対応は、保護者の努力、ガイドヘルプ事業所や訪問看護ステーションの好意などによって特例的に乗り越えられましたが、そうしたケースへも対応できる制度へと拡充する必要が認められます。財源措置も伴った制度拡充に対する教育長の御所見を伺います。 第3に、医療的ケアを要する児童・生徒の支援体制について伺います。今年度、野々市市では、日常の学校生活でも医療的ケアを要する児童が、地域の学校に就学をしました。来年度は、白山市でも同様の動向が保護者にあると仄聞しております。乳幼児の段階から療育制度によって別コースに乗り、特別支援学校等へと分けられていくことが一般的であったため、本市においては、まだ就学のケースはないようですが、インクルージョンが進展する中、その受け入れと支援体制の整備が急がれるものと思います。私は、先進地である豊中市を訪問し、教育センターの支援教育チームを視察しました。地域の学校への就学を原則とする就学相談に長年取り組んできた豊中市では、医療的ケアを要する子どもの支援体制は重要課題と位置づけられ、豊中市立病院を初め、関西圏の医療機関と連携して、市教委内にスクールナースを採用し、必要に応じて学校に配属する体制を整えています。医療や福祉保健部門との連携によって、学校にスクールナースを配置する新たな制度を、本市においても構築すべき時代に入っていると考えますが、市長並びに教育長の御所見を伺います。 質問の第4項、市民のつぶやきとして、国道157号拡幅と伝建地区周辺地域の活性化についてお伺いします。 地元にとりまして、長年の懸案であった国道157号の拡幅事業が、国の直轄事業として決定されました。ここで、改めて本事業の趣旨並びに全容と、今後の事業の進め方についてお答え願います。 さて、国道の拡幅と並行し、新野町商店街のアーケード撤去工事と電線類地中化が進められています。同時に、隣接する寺町寺院群を国の重要伝統的建造物群保存地区に指定する答申が出されるなど、周辺の景観、生活環境、そして、商業環境が大きく変容しようとしています。その一方で、歴史を持つ野町弥生地区商店街連盟、新野町商店街ともに厳しい経営環境に直面し、金沢のまちなかの玄関口としての現状を憂う声が寄せられています。こうした道路等の社会資本の整備を機会に、これらの商店街の振興が、行政と商業者、地元住民との協働によって進められることが重要ではないかと思います。本市としての問題意識はどこにあるのか、また、地元との連携について、この間の経過や今後の見通しについて御所見を伺います。 ところで、新幹線金沢開業を念頭に、歴史都市としての金沢の魅力を高める必要性がさまざまな場面で語られてきました。寺町寺院群とにし茶屋街をあわせ持ち、さらには、隣接して雨宝院、犀星記念館をも有する寺町野町周辺エリアは、まちなかにも近く、潜在的には東の観光拠点に匹敵する歴史的観光資源に恵まれた地域であると私は考えています。地域経済の活性化にも通じる歴史的観光の拠点として、いかに活性化するのか、ここでも行政と事業者、住民が協働してその戦略を構築する取り組みが求められていると思います。市長の認識を伺います。 終わりに、具体的に2点言及をしておきます。今年度、本市は、寺町寺院群を紹介するパンフレット「静音の小径」を改訂いたしました。改訂版作成の意図とその活用方策について伺います。 また、北陸鉄道の城下町周遊バスを犀川以南にも運行し、誘客を図る取り組みをバス事業者との連携で進められないかとの意見が地元にはあります。当初予算の中で、にし茶屋・寺町・野田山観光誘客推進費が計上されています。その進捗についてお伺いをして、私の質問を終わります。   (拍手) ○松井純一副議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 21番森議員にお答えをいたします。 まず、新たな都市像のことについて何点かお尋ねがございました。まず、これをどのように受けとめたかということですけれども、今回の提言では、これまで磨き高めてきた金沢の個性を活用し、新たな価値を創造し続けていくためには、人・モノ・情報の交流拠点となることが最も重要なことでありますことから、世界の交流拠点都市の実現という大きな方向性を示していただいたというふうに思っています。そのイメージといたしましては、デザインやアート、また、学術もそうだというふうに思いますけれども、さまざまなネットワークの拠点となり、学術文化との融合により新たなビジネスチャンスが広がっていくこと。また、高等教育機関が金沢及び金沢近郊に集積しているというメリットもありますので、国際コンベンション機能が強化されるということも、さまざまな分野で、先ほど申し上げましたように、人・モノ・情報が行き交い、新たな魅力を発信できる機能を備えていくということを想定しているところであります。 今後の都市像のことですけれども、これまでの世界都市構想にかわるものとして、その理念や考え方をきちんと踏まえながらも、本市のさらなる発展に向けて、今後の10年間でなすべきことについての方向性を示していきたいというふうに思っています。来年度策定を予定しています新たな都市像実現のための重点戦略では、第2次基本計画の成果等を十分に検証した上で、新たな施策を盛り込むことにより、充実した内容にしていければというふうに考えています。 市民の皆さんにですけれども、この提言は今後まずは、わかりやすくパンフレットを作成していきたいというふうに思っています。また、各種市民団体の皆さんの御意見をお聞きしていきたいというふうに思っていますし、議員各位の御意見も議会等々でお聞きをしていきたいというふうに思っています。そのことを踏まえ、市政全般にわたります基本方針を付加した上で、今年度末までに新たな都市像を策定していきたいというふうに考えています。また、明年度、その具現化のための重点戦略を策定していく際にも、市民生活の幅広い分野での施策を盛り込んでいくことを想定しておりまして、森議員お話しありました公共交通のことであったりだとか、市民協働のことであったりだとか、そういうことも想定をしていきながら、市民にとって誇りを持てるまちを実現できますように施策の重点化に工夫を凝らしていきたいというふうに思っています。 また、今後のことですけれども、この策定にはまだ時間を要するものの、今般、基本的な方向性を明らかにすることができましたことから、そのことを視野に入れた予算編成に取り組むよう、各部局に編成方針で指示をしたところであります。一方、社会保障費が急激に増加する中で、歳入に大きな伸びが期待できないなど、厳しい財政環境が続いていますため、中期財政計画に基づき、将来を見据えた計画的な事業執行を心がけるとともに、年度間調整や基金の活用など、創意工夫を凝らしながら予算編成に取り組んでまいりたいと考えています。 地方分権改革一括法の施行によります40件の条例制定のことにつきまして、お尋ねがありました。類似都市と一定程度整合性を図ることや、また、時間が限られた中で大量の条例を制定する必要があったことなど、なかなか厳しい作業ではありましたけれども、今回の一括法の趣旨を踏まえ、地域の実情に合ったきめ細かな住民サービスを提供するため、例えば国を上回る保育所居室面積の設定、さらには歴史的なまち並みを保全するための道路幅員など、一部の条例において本市独自の基準を設定した次第であります。仰せの組織機構や職員の配置等につきましては、今後の予算編成等の中で検討していきたいというふうに思っています。 原子力防災計画のことについて、何点かお尋ねがございました。今回の原子力規制委員会の発足とさまざまな課題についてですけれども、原子力規制委員会は内閣からの独立性が極めて高い行政委員会であり、原子力利用に関する安全の確保を公正な立場で検討いただけるものと期待をしているところであります。しかしながら、今回、放射性物質の拡散予測を公表した際、気象データの入力ミスにより拡散の方位を誤ったことは、まことに遺憾であるというふうに思っています。また、地形、さらには風向きの変化の考慮がないなど、精度にも課題があるというふうに思っています。地方自治体が作成します地域防災計画の判断材料となるものだけに、住民の生命や財産に直結することを認識し、責任を持った取り組みにより、国民の信頼を取り戻してほしいというふうに考えています。 SPEEDIの端末を石川県においても独自に行うべきではないかという御意見でした。SPEEDIは、原子力発電所で発生した事故状況や当日の気象条件などをもとに、放射性物質の環境への影響範囲を予測することを目的に開発されたシステムでして、その活用につきましては、原子力規制委員会が10月末に決定した原子力災害対策指針において、今後、活用方策を検討することとされており、その動向を注視していきたいというふうに思っています。 安定沃素剤のことについてお尋ねがございました。その服用は、住民の将来にわたる健康被害にかかわる重大な問題でありますことから、個々の自治体の首長の判断で対応が異なることがないように、国が明確な指針を示すべきだというふうに考えています。また、本市では、年度内に40歳未満の市民約20万人分の安定沃素剤を配備する予定でありますが、迅速な配布方法や子どもへの服用指導など、服用体制につきましては、1月に開催します検討会で議論をし、計画に定めていく予定であります。なお、国からは3月末までに緊急被曝医療体制の方針を示すとも聞いておりまして、明らかになった時点で速やかに見直しが必要な場合は、そのことに取り組んでまいりたいというふうに思っております。 障害者基本法の改正についてお尋ねがございました。障害者基本法につきましては、国の障がい者制度改革推進会議の中で、障害のある当事者や関係団体も参加して議論が進められ、その意見をできるだけ反映する形で改正されたものと考えています。その改正の背景には、障害者福祉の向上を目指す長い歴史の中で、障害のある方や関係団体により一つ一つ積み重ねられた願いがあり、大変重たいものと受けとめています。 また、その中で、合理的配慮というものについて、どのようにとらえているのかということですけれども、本市の障害者計画の中の理念といたしまして、障害のある人が制度や社会に合わせるのではなく、制度や社会を障害のある人のニーズに合わせて変えていく、そういう理念があります。その理念とこの合理的配慮は相通ずるものととらえておりまして、障害があるがゆえに日常生活や社会生活において困難が伴う制度があるとするならば、それらを洗い出し、障害のある方に合わせて合理的な配慮のもと、変えていくことが本市の課題であるというふうに思っています。 また、学校にスクールナースの配置のことについてですけれども、本市におきましては、教育委員会と連携をしながら、配慮の必要な児童・生徒について、通常の学級や特別支援学級、通級による指導などを通じて、多様な学びの場を確保するとともに、特別支援教育支援員の予算措置の拡充を行ってきたところであります。ただ、学校への看護師等の配置につきましては、施設面の体制整備など課題もありますことから、国や県の動向を見守る必要はありますが、現状では対応が難しいのではないかというふうに考えています。 国道157号の拡幅と伝建地区のことについてですけれども、今後の見通しですけれども、この地区は、中心商店街やにし茶屋街にも隣接する大変重要な場所でありますことから、空き店舗や空き地が目立ちますことには、大変憂慮しているところであります。地元商業者とは、商店街活性化に向けた取り組みを協議しているところでありますが、商店街の振興は、地元の皆さんの思いをもとに、行政と協働で推進していくことが大変重要でありますので、今後も商業活性化アドバイザーの派遣なども行いながら、十分に地元の皆さんとも話し合いを行っていきたいというふうに思っています。 また、観光拠点としての性格のことについてお尋ねがございました。このエリアは、今般の国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されましたのを機会に、重点的に観光の推進を図る必要があるというふうに認識しています。歴史的観光の拠点として、地域の活性化を図るには、やはり地元の商店街や事業者の方はもちろん、住民の方たちも協働をして、観光客をふやす取り組みを行うことが重要でありまして、今後ともそのような活動に対しまして、市としても積極的に協力をし、支援をしてまいりたいというふうに思っています。 私のほうからは以上です。
    ○松井純一副議長 大田危機管理監。     〔大田 茂危機管理監登壇〕 ◎大田茂危機管理監 原子力防災計画策定の進捗について、2点お答えいたします。まず、原子力防災計画の策定が当初の方針どおり3月までに可能なのか、その進捗状況をお尋ねでした。本市では、市民の安全と安心を守る観点から、今年度独自に原子力災害対策計画の策定に取り組んでおります。これまでに2回の検討会を開催し、志賀原発事故発生時の活動体制や屋内退避計画、広域避難者の受け入れ協力体制などについて検討してきており、今後、被曝医療体制についての検討を加え、年度内に計画の策定が完了する予定です。 次に、検討会議の中で何が論点になっているのか、とりわけ困難性のある課題は何か、その解決の見通しを含めてお尋ねでした。検討会では、安定沃素剤の備蓄方法や配布体制、投与基準など、被曝医療体制が大きな課題となっております。現在のところ、原子力規制委員会が方針を示していないことから、当面の間、配布や服用の確実性、管理体制などを考慮して、市立病院に集中備蓄することを決めたところでございます。 以上でございます。 ○松井純一副議長 佐藤教育委員長。     〔佐藤秀紀教育委員長登壇〕 ◎佐藤秀紀教育委員長 障害者基本法の改正における教育の課題について、インクルーシブ教育の進展に当たって、どのような課題を意識しているか、また、金沢市特別支援教育指針の改定の考えはないのかというお尋ねがございました。多様な人々が互いの人格と個性を認め合いながら、主体的に参加できる共生社会を形成していくことは大切なことであり、すべての子どもたちが、一人一人の教育的ニーズに応じた教育を受ける環境を整える必要があると思っております。施設面や人的支援などの教育環境の整備に加え、専門性の高い人材の育成など、インクルーシブ教育を進めるに当たっては課題もあり、本市では、これまで中央小学校芳斎分校において特別支援教育の実践教育を推進し、研修を行うなど、教員の育成に努めているところであります。なお、金沢市特別支援教育指針については、基本的にインクルーシブ教育の理念が盛り込まれており、今後もそうした指針や国の取り組み状況などを踏まえて、適切に対応していきたいと思っております。 以上であります。 ○松井純一副議長 野口教育長。     〔野口 弘教育長登壇〕 ◎野口弘教育長 中学校の就学旅行への対応など、特別支援教育サポーター制度の拡充についてお尋ねがございました。特別支援教育サポーター制度や特別支援教育支援員につきましては、これまでも拡充を図ってきており、成果を上げてきていると考えております。今後とも、修学旅行への対応も含め、拡充に努めてまいりたいと存じます。ただ、修学旅行や宿泊体験など学校行事における医療的行為につきましては、看護師等の管理責任など課題も多くあることから、県や国の動向を見守る必要がありますが、現状では対応が難しいのではないかと考えております。 学校にスクールナースを配置する新たな制度について、御質問がございました。小中学校に看護師を配置し、医療的ケアを行う場合には、学校長の看護師等に対する管理責任など課題もありますことから、現状では難しいと考えております。文部科学省においては、特別支援学校等におけるモデル事業が検討されており、まずはその研究成果等を見守ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○松井純一副議長 中川土木局長。     〔中川雅則土木局長登壇〕 ◎中川雅則土木局長 国道157号拡幅事業の趣旨、並びに全容と今後の事業の進め方についてのお尋ねがございました。国道157号の野町広小路交差点から、野町3丁目交差点までの区間につきましては、国が今年度から新規事業化をしておりまして、安全・安心な自転車、歩行者空間を確保するために、歩道を4メートルに拡幅するととともに、あわせまして無電柱化により都市景観や防災性の向上を図ることといたしております。本年7月には、地元説明会を開催し、現在、測量設計を進めているところでありまして、来年度から用地買収に着手する予定と聞いております。市といたしましても、引き続き、事業の早期推進を国に働きかけてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○松井純一副議長 山田経済局長。     〔山田克俊経済局長登壇〕 ◎山田克俊経済局長 パンフレット「静音の小径」を改訂した意図と、その活用方策についてお尋ねがございました。観光客の拝観の可否など、寺院の意向を調査し、その情報を掲載するため、今般の改訂を行ったものであります。観光客はもちろん、市民がみずからのまちの歴史や文化を知るためにも、広く活用していただきたいと考えております。 にし茶屋・寺町・野田山観光誘客推進費が計上されているが、その進捗についてお尋ねがございました。にし茶屋、寺町、野田山の観光誘客プラン策定の進捗状況は、現在までにエリア内にある観光資源とその概要や逸話、物産店、体験施設、交通アクセスなど、情報収集を終えたところでございます。年度末には、モデルコースを設定し、寺社等への観光客受け入れの協力をお願いすることといたしております。 以上でございます。 ○松井純一副議長 10番宮崎雅人議員。     〔10番宮崎雅人議員登壇〕(拍手) ◆宮崎雅人議員 議場内は大変寒うございますけど、午前中、最後の質問者として簡潔に質問させていただきますので、もうしばらくの御協力をよろしくお願いいたします。 質問の機会を得ましたので、会派清風金沢の一員として、以下数点にわたりお伺いいたします。 初めに、金石・大野地区の歴史まちづくりについてお伺いいたします。 歴史的なまち並みの保全について提案をさせていただきます。これまでの本市のまちづくりの基本は、歴史、伝統、文化を磨き、高め、まちの個性を大切にし、保存すべき区域は継承するために残し、一方で近代的都市機能を集積すべき区域については、開発を積極的に進め、市民生活の利便性向上を図っていくという、いわゆる開発と保全を調和させ、都市の機能分担を図り、それぞれの区域の役割を設定したまちづくりを進めてきました。金沢はまちの成り立ちから、加賀藩前田家から始まる江戸時代の藩制期において、戦いを避け、学術や文化が尊重され、明治以降から現在に至るまで一度も戦禍に遭わず、平和なまちであります。文化や伝統環境など、本物が数多く残っているまちでもあります。これまで、本市では、まちづくりの関連条例を数多く制定しており、これに基づくさまざまな保存策を進めてきており、例えば、伝統環境保存条例やこれを発展的に進める景観条例、こまちなみ保存条例など、本市固有の特徴的なまちづくりを進める施策を展開してきたところであります。このような状況の中、東山のひがし茶屋街や主計町について、国の重要伝統的建造物群保存地区の選定を受けるとともに、卯辰山麓寺院群についても同様に選定されたところでもあります。また、本年4月に市の伝統的建造物群保存地区に指定した寺町台地区についても、国や地元との協議を行い、国の重要伝統的建造物群保存地区への選定の運びとなると聞いております。これら本市の歴史都市としての魅力は、歴史的建造物やまち並み、歴史、伝統がたたずまいに残る人々の暮らしや文化が色濃く残されていることにあり、このことをまちづくりに生かしていくことが評価され、歴史都市第1号の認定を受けたものであります。歴史都市として、歴史的風致維持向上計画を策定し、国から認定を受け、文化財や歴史的建造物の保存、町家の保存活用、歴史遺産の復元、無電柱化の促進など、鋭意努力されておられますことは、皆様も周知のことであり、まちづくりの一つの柱であります。一方で、いち早く伝建地区の取り組みが行われたひがし茶屋街では、本来の茶屋が減少し、かわりに土産物店が数多く進出して、茶屋街としての性格が変わってしまってきています。このことについて、私自身も危惧するものでありますが、このことについて、市長はどのように受けとめておられるか、まずお伺いいたします。 これまでも、本市では、地元と協力し、まちづくり条例に基づく協定を締結し、建物用途に制限を設けたり、空き家となっている町家の利用を促進する取り組みを行ってこられたことは、十分承知しておりますが、改めてまちづくりにかかわる条例などを活用することで、これらの取り組みについて、大変難しいとは思いますが、これまで以上に建物所有者や事業者などに理解と協力を求める姿勢を打ち出すことができないか、市長のお考えを伺います。 さて、東山地区、卯辰山麓寺院群、寺町台地区と進めてきた伝統的建造物群の保存のための施策でありますが、海岸沿いの金石・大野地区にも、さまざまな形で寺院や神社などを初めとする歴史的な建造物や遺構などが残されています。歴史的価値のある寺院などが多く集積している地区として、この地区の歴史的価値をどのように評価され、これまで保存されてこられたか、まずお伺いいたします。 御承知のとおり、金石・大野地区の一部は、金沢固有のまち並みであるこまちなみ地区とし、市独自で保存されている地区の一つでもあります。後発の歴史的建造物の補助制度として、まちなかを中心に町家再生活用事業が広範囲にわたって活用されておりますが、その保存活用については、連続性が見られず、散見的に支援されているとの指摘があります。町家より保存すべき外観を整えると言えるこまちなみ地区は、区域が限定的で、外観の保全や支援に積極的に取り組むべき要素があると考えていますので、寺町台地区が国の選定を受けようとする状況にある現在、この金石・大野地区の歴史的建造物の外観保存について、今後、どのような手法が新たに考えられるのか。私は、東山地区や寺町台地区に続く歴史地区とし、例えば第3の伝統的建造物群保存地区など、国の支援も受けた金石・大野地区にふさわしい保存の仕掛けが考えられないか、その対応と感触をお聞きしたいと思います。 ところで、歴史的な建造物の保存とともに、金沢のまちの魅力の一つとして、旧町名の復活があります。旧町名は、その土地の歴史を刻み、人々の営みや情景などを映す多くの由来ある町名を有したものであり、かけがえのない貴重な歴史文化資産であると思います。本市では、これまで旧町名を復活することにより、住む人がまちとふるさとへの愛着と誇りを持ち、地域住民の相互交流に役立つよう、後世に継承していくため、旧町名復活の取り組みを進めてきました。平成11年の主計町、平成12年の飛梅町、下石引町を初めとし、旧市街地を中心に多くの旧町名が復活し、コミュニティーの再生の一助につながっていると考えています。最近では、平成21年に下新町、上堤町が復活しておりますが、その後、旧町名復活に向けた取り組みは具体的にどのように進められているのか、また、お隣の高岡市でも旧町名復活の機運が醸成され、本市との連携が進められていると思いますが、そのほかの旧町名を大切にしている都市との関係強化など、現在の状況と今後の復活に向けた新たな取り組みをお伺いしたいと思います。 また、まちなか以外である金石地区でも、旧町名単位で町会が組織されています。住民の理解と協力が必要とは思いますが、市として郊外部での旧町名復活の取り組みについての可能性はあるのか、基本的な方針と今後の動向、将来展望があればお聞かせください。市民とともに歩む市政が必要となっている今日、コミュニティーの再生の一つの方策とし、旧町名復活は大変有効な手段と考えますので、積極的な御答弁を期待するものであります。 さて、まちの魅力を高めるためにも、その地区の歴史文化の保存継承は欠かすことができないと考えます。金石・大野地区には河北潟干拓に尽力したと言われる銭屋五兵衛、また、鈴木大拙を支援した実業家であったとされる安宅弥吉など、多くの偉人をめぐる歴史的な遺構や書物などが残されており、その一部は記念館や県・市にも寄贈されて保存されているとお聞きしていますが、まだまだ地元には、その保存すべき題材が多く存在すると聞いています。さきに大野湊神社の夏季祭礼が、市の文化財に指定されたことを例に、埋もれている地域資源としての歴史的な書物の集収などを地元住民に積極的に働きかけ、まちへの愛着に向けて、住民意識の高揚にも努め、市として保存していくお考えはないかお聞きしたいと思います。 あわせて、北陸新幹線金沢開業を間近に控え、地域の持つそれぞれの魅力を発信していくことも大切かと考えますので、悪魔払いや獅子舞、やっこ行列など後継者の確保に悩む伝統芸能の伝承など、地域が抱える伝統芸能の課題について、調査や支援に取り組まれることも必要かと思いますが、いかがでしょうか。 あわせて、金石・大野地区は多くの特産物があります。かないわ香箱を初めとする海産物やしょうゆ、生きのいいすしなど、まちおこしに大切な魅力が山積みされています。これらを生かした地元の取り組みについて、観光交流推進の観点から、観光資源として後押しされていかれるおつもりはないか、また、地産地消の観点から、本市海産物をどのように支援していくのか、お聞きしたいと思います。 質問の2点目は、原子力発電所に関してお聞きしたいと思います。 石川県は、本年9月総務省から核燃料税の法定外普通税の更新について同意を得て、現在の条例では平成24年10月から平成29年10月までの5年間の課税を行うこととなっています。北陸電力は、条例案の内容は大変厳しいものと受けとめているが、原子力発電所設置に伴い、必要となる安全防災対策に活用されるとし、県民の安全・安心に貢献できるとの判断から受け入れました。想定される税額は、5年間で約77億円とされており、県の税収にとって少ない額とは言えないと感じます。また、このほか、地域活性化や雇用増大、経済効果などが、これまで原子力発電所が貢献する要因とされ、原発を初めとする発電施設の立地を計画的に進めることに対し、いわゆる電源三法交付金制度が認められ、社会基盤の整備や地域住民の福祉向上のための費用として、関係自治体に交付されてきました。東日本大震災を機に、単に社会基盤の整備や地域住民の福祉向上としてのあめ玉ではなく、真に安全で安心できる電源立地の必要性が改めて問い直されています。国の交付金制度は、財源を地方に恒久的に移譲するものではありません。電源立地交付金についても、地域が交付金に依存し、自立性を失う危険性を持っていますし、恒久的ではありませんので、時限としてのゆがみが生じます。また、目的を限定されるがゆえに、柔軟な活用ができない面もあります。これまで県を中心として、原子力発電所設置による北陸電力からの恩恵があったと思います。原子力発電所の是非は、石川県においても財政上の影響が懸念されていますが、まずは安全性の確保が最優先であり、その上で経済や雇用への影響を把握する必要性があろうかと思います。そこで、これまで本市に対し、北陸電力の原子力発電所設置に対する財政上の影響はどのくらいあったのか。 また、水力も含めた電源立地交付金はどのような規模で、どんな施設に使われてきたのか。 また、北陸電力の株を所有している市の立場から、今後、保有資産として北陸電力の株式保有のあり方をどのように考えていくのか、現状と財政上のこれからの課題についてお聞かせください。 質問の3点目は、現下の景況と税収の見込みについてであります。 今回の衆議院議員選挙の争点にもありますように、日本経済はデフレからの脱却が至上命題とされています。円高・株安による海外需要の冷え込みや国際競争力の低下は、ここ数年来続いており、技術革新や発展途上国での需要掘り起こしだけでは容易に解決する状況にはないと考えられます。そんな中で、本市は平成23年度決算では、約773億円の税収を確保し、収納率も類似都市と比較し、遜色ない状況にあろうかと思います。ただ、景況は決して予断を許さない状況にあるほか、明年度の地方財政計画の議論の中でも、地方交付税の削減が議論されるなど、厳しい財政状況が続くと考えられます。また、これまでの地方への税源移譲についても、移譲された分の財源が恒久的に確保されることはなく、景気に左右されながら国に縛られることのない使途にいかに配分していくかという、地方の首長の手腕が問われていると考えます。そこで、このような景況や国の予算編成が選挙でおくれ、年明けになることが予想される中にあって、平成24年度の税収確保についてどのような見込みを立てておられるのか。 また、予定される税制改正により、平成25年度の税収は地方にとって増収が図られる傾向にあるのかないのか、歳入の大部分を占める市税の確保策について、明年度予算編成に当たっての財政当局の基本方針のお考えをお聞きし、私の質問を終わります。     (拍手) ○松井純一副議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 10番宮崎議員にお答えいたします。 まず、ひがし茶屋街のことについてお尋ねがございました。御指摘のとおり、本市の歴史都市としての魅力は、歴史的まち並みの中に生活の息吹が感じられることだというふうに思ってまして、近年のひがし茶屋街の茶屋の減少は、茶屋文化を伝える茶屋街の継承という観点からも心配をしているところであります。 また、まちづくりにかかわる条例などの活用をもっと積極的に図っていくべきではないかということでした。茶屋街の用途地域が商業地域でありますことから、条例により物販店を制限することは、なかなか難しいというふうに思っています。ただ、近年の状況は、まちづくり協定締結当時と変化しているという状況もありますので、御指摘の内容の見直しにつきまして、地域の皆様と研究をしていきたいというふうに思っています。このたび、町家の利活用促進を図る目的で、仮称ではありますけれども、金澤町家条例の制定を目指していきたいというふうに思ってまして、その条例を通じまして、その利活用を一層推進していければというふうに思っています。 金石・大野地区の歴史的価値ですけれども、この地区は、かつては北前船の港として栄え、藩制期からの漁業、さらにはしょうゆ醸造業などの営みを伝える町家や寺社等の建造物が数多く残り、金沢城下町とは異なります独特のまち並みを形成している歴史的な地区であるというふうに認識しています。この景観の保全につきましても、景観条例に基づき伝統環境保存区域に指定していますほか、まち並みが良好に残っている範囲につきましては、こまちなみ保存条例に基づく保存区域に指定して、その保存に努めているところであります。 また、外観の保存につきましてですけれども、現在も国の支援を受けまして、その文化的景観の保全に向けた基礎調査を行ってきたところでありまして、まずはこの調査結果を受けまして、金石・大野地区の文化的景観を本市の景観計画に位置づけ、その上で、将来的な国の重要文化的景観選定を視野に入れて、検討を進めていきたいというふうに思っています。 そしてまた、旧町名復活のことについてですけれども、ふるさとの町名や旧町名を学びます出前講座、また、ウォークラリー、フォーラムなどの開催のほか、市民の関心や機運を高めるための啓発事業のほか、町会役員への働きかけなども行っているところであります。この旧町名復活は、貴重な歴史文化遺産の継承でありまして、コミュニティーの再生など大きな意義があると考えています。今後も、さらに積極的に各方面に働きかけを進めますほか、若い世代や子どもたちにも関心を持ってもらえるような啓発事業にも取り組んでまいりたいというふうに思っています。 この金石地区ですけれども、重胆寺町、新潟町、鉄砲町といった地域の歴史を刻む貴重な旧町名が多数存在していますので、私は、大いに復活の可能性はあるというふうに思っています。ただ、何といっても、住民の皆さんの総意が必要でありますので、課題はあるかと思いますけれども、住んでいらっしゃる方たちのまちへの誇りと愛着を深め、コミュニティーの活性化を図るためにも、今後も地元の皆さんの御意向もお聞きをしながら、その取り組みを進めていきたいというふうに考えています。 また、歴史的な書物等の収集のことについてお尋ねがございました。実は、昨年、大野湊神社の夏季大祭の文化財指定の折には、地元の皆さんの御協力のもと、数多くの歴史資料などを御提供いただき、そのことが文化財指定につながったことでもありますので、引き続き、地域の御協力をいただきながら、金石・大野地区の歴史資産の掘り起こしに努めてまいりたいというふうに思っています。 また、さまざまな伝統芸能の伝承などについての課題、また、その支援策についてお尋ねがございました。平成22年度から2年間にわたりまして、市内の9つの地域に伝わるやっこ行列について詳細調査を行い、先月末、文化財保護審議会から市の無形民俗文化財に指定するよう答申をいただいたところであります。今後とも、地域に伝わる伝統芸能の調査を必要に応じて行い、価値づけがなされたものにつきましては、文化財指定をして、支援をしていきたいというふうに思っています。 また、金石・大野地区の特産物の観光資源としての位置づけですけれども、今年度は金石・大野地区の住民の皆さんと共同で、観光マップを作成しているところでありまして、この中に、お話しありましたようなおすし屋さんや、和菓子屋さん、しょうゆ蔵などのショップ情報のほか、特産品の情報も掲載する予定となっていまして、これら魅力的な資源も生かした地元の取り組みにつきましても、観光協会のホームページなどで発信をしていきたいというふうに思っています。 また、海産物の支援策ですけれども、かないわ香箱のブランド化を支援するとともに、ことし9月の底びき網漁、また、11月のカニ漁の解禁に合わせ、初めてフェイスブックを活用したPRを行ったところであります。その際、予想を上回る大きな反響がありましたことから、金沢で水揚げされます海産物の魅力を紹介するパンフレットの作成、さらにはしゅんの時期に合わせたよりタイムリーな情報発信ができないか、検討していきたいというふうに思っています。 原子力発電所のことにつきましてですけれども、株式保有のあり方と、これからの課題ですけれども、本市が保有しています北陸電力の株式は、かつて本市が電気事業を営んでいたときの財産を株式として引き継いでいるものであります。現在、約200万株を所有していますが、この配当収入が毎年約1億円あります。本市の事業運営費に充てているところであります。この保有株式は、先人が残した貴重な財産として、本市の財源の一部になっておりまして、一方では電力の安定供給、安全性の担保などに関し、引き続き、株主としての意見を申し上げていく必要もありますことから、今のところ、売却することなどの措置は考えていません。 最後に、平成25年度の市税の確保等につきまして、私のほうからは市税収入の確保に当たりましては、税負担の公平の観点から、納税者の実態を十分に把握した上、引き続き、適正に対処していくとともに、口座振替の推進、軽自動車税に続き、来年度から新たに固定資産税や個人市民税のコンビニ収納を開始するなど、多様な方策を講じながら、鋭意取り組んでまいりたいと考えています。 私のほうからは以上です。 ○松井純一副議長 谷総務局長。     〔谷  晃総務局長登壇〕 ◎谷晃総務局長 私のほうから3点についてお答えをいたします。まず、北陸電力の原子力発電所設置に対する財政上の影響について、また、水力も含めた電源立地交付金についてお尋ねでございます。本市は、原子力発電所の周辺市町村には該当しないため、そうした発電所の設置に伴う交付金は交付されず、財政上の影響はございません。水力発電施設に係る電源立地地域対策交付金につきましては、毎年度約1,000万円交付されておりまして、道路の補修などの事業に充てているところでございます。 次に、本年度の税収の見込みについてお尋ねでございます。本年度の市税収入につきましては、企業収益や個人所得の改善により、法人市民税、個人市民税を中心に増収となりますことから、当初予算を少なからず上回る見込みでございます。 次に、税制改正に伴う来年度の税収の影響額についてお尋ねでございます。平成25年度の税制改正は、今後、国の予算編成を通じ議論されることとなり、現時点では不明でございます。なお、前年度までの税制改正による未適用分で、来年度から実施されるものにつきましては、法人市民税が国の法人税率引き下げに伴い減収となるものの、たばこ税については、県税から市税への一部移譲により、増収が見込まれますことから、来年度の税収への大きな影響はないと考えております。 以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩 ○松井純一副議長 この際、暫時休憩いたします。     午前11時50分 休憩-----------------------------------     午後1時3分 再開 △再開 ○松井純一副議長 出席議員数は、ただいまのところ39名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○松井純一副議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 11番小林誠議員。     〔11番小林 誠議員登壇〕(拍手) ◆小林誠議員 金沢保守議員会の一員として質問の機会を得ましたので、以下数点にわたりお伺いをいたします。 昨年4月に地域の自主性、自立性を高めるための地域主権改革一括法が制定されたことにより、これまで、国が義務づけや枠づけを行ってきたことが廃止、あるいは自治体の条例に委任されることになりました。また、県から市に権限が移譲されたものもあり、今定例会では多くの条例案が提出されています。本市におかれましては、この条例案の作成に当たり、どのような方針で臨まれ、本市の独自性を出されたのか、お伺いいたします。 また、権限移譲によって、ますます首長に対しての政治的権力が集中するようなシステムになりつつあります。本市では、既に多選自粛条例が制定され、首長に対しての時間的分権が担保されていますが、改めて首長の役職についての責任の重さや権限集中について、どう感じておられるのかお伺いいたします。 本年は大国ロシア、フランス、アメリカの大統領選挙が行われた年でした。ロシアではプーチン大統領が返り咲きを果たし、フランスではオランド大統領が新しく就任し、アメリカではオバマ大統領が再選されました。また、隣国中国では10年ぶりに指導部の交代が行われ、習近平国家主席が誕生し、韓国では今現在、大統領選挙が行われています。世界の主要国でリーダーを選ぶ選挙が行われ、多くの国が国民から信任を得たリーダーのもとで、新しい船出をしようとしています。そのような中で、我が日本でも、昨年3月11日の東日本大震災以降、初めての衆議院総選挙が行われ、国民の新たな信任を受けた政権が歩みを始めることでしょう。そこで、山野市長におかれましては、現政権のこれまでの地域主権に対する取り組みや実績に対してどのような御所見をお持ちか、また、総選挙後の政権に対しては、どのような期待をお持ちか、あわせてお伺いいたします。 次に、さきの臨時会では、金沢市における災害廃棄物受け入れに係る補正予算が可決され、本市においても、東日本大震災で被災した東北の復旧・復興に向けて、ようやく具体的に動き出すことができました。山野市長を初め、執行部が1年の期間を要して市民説明会などを開催し、地元地権者を含めて真摯で丁寧な説明がなされてきた結果、漁具・漁網の本格搬入が始まるわけですが、一方で、今なお災害廃棄物の放射性物質に対する認識の違いや誤解や思い込みによって、風評被害の危険をはらんでいることも現実に横たわっています。今後、これ以上放射性物質に関する認識の違いや不安を与えないためには、小中学校での教育が重要であると考えます。文部科学省は、昨年10月に小中学生向けに放射線に関する副読本を発行しましたが、本市においては、この副読本をどのように利用されているのか、まずお伺いいたします。 また、災害廃棄物を受け入れている本市として、独自の副読本の策定や受け入れ廃棄物の安全性をきちんと示すなど、より具体的な授業を行っていくことが、今後の風評被害を拡散させない方策と考えます。同時に、東日本大震災からの復旧・復興に本市が大きく寄与していると認識し、誇りを持てるようにしていくことが本来の教育のあり方かと存じますが、山野市長が掲げる責任と誇りを持てるまち金沢の実現に向けて、教育の充実を期待し、野口教育長の御所見をお伺いいたします。 次に、金沢港の振興についてお伺いいたします。 先ほども述べたように、ロシアではプーチン大統領が返り咲き、ウラジオストクでアジア太平洋経済協力会議--APECが開催されるなど、ロシア東部の開発や発展に力を注ぐ姿勢がうかがえるロシアですが、日本海を挟んでロシアと面する金沢港は、今まで以上に物流などの経済の活性化に寄与できる可能性が秘められています。本市は、ロシアのイルクーツク市と姉妹都市提携を結んでいますが、今後、金沢港の振興を考えたときに、ロシアの日本海側に位置する都市との連携も必要になってくるかと存じますが、山野市長の御所見をお伺いいたします。 また、金沢港から日本海の先を見ると、これまで分厚い氷に閉ざされていた北極海が、温暖化の影響により氷が解け始め、新たな海の道として北極海航路ができつつあると言われています。北極海航路はアジアと欧州を結ぶ最短の航路として注目されており、これまでのスエズ運河を経由する航路と比べ、3分の1もの距離が短縮できることから、北欧の国々やロシア、カナダ、アメリカが実験航路として実験船を通すなどしていると言われております。今、世界ではロシアの極東を含め、日本海の周辺の国々が経済の発展が最も見込める地域として、世界じゅうから注目されている中で、日本海に位置している金沢港の戦略的価値は高まっていますし、今後、さらに高めていかなければなりません。これまで何度も本議場で金沢港の振興を取り上げていますが、海側環状道路が整備されつつあるなど、道路ネットワークが整備されていく中で、いま一度、山野市長の金沢港に対する思いや姿勢をお伺いいたします。 次に、ひがし・にし・主計町の茶屋街の文化についてお伺いいたします。 北陸新幹線の開業を控える中、山野市長は金沢の魅力発信に腐心されていますが、経済を活性化させることだけに力を注ぐ余り、まちの個性や伝統文化をおろそかにしてしまうとまちの魅力は半減してしまいます。やはり、経済と伝統文化の両面を発展させることで、世界都市金沢の魅力が国内外に発信できると私は信じています。そのことは、山野市長も十二分に御認識されていると存じます。先般、県立音楽堂邦楽ホールで行われた金沢おどりは、金沢の伝統芸能である茶屋文化の発信に大きく貢献したと、多くの市民や観光客から絶賛されたと伺いました。花街の芸はまさに金沢の伝統芸能であり、国内外に光彩を放つ文化として、後世に残していかなければならない金沢の財産であります。本市は、茶屋街に対する各種の助成制度を行っていますが、かつては300名いた芸妓は、現在は50名程度に減少するなどしています。山野市長は3つの茶屋街や芸妓に対してどのような思いをお持ちか、まずお伺いいたします。 また、9月に行われた県議会の予算特別委員会の質疑においても、ひがし・にし・主計町の茶屋街のことや、金沢おどりがテーマとして取り上げられ、谷本知事も文化財として守っていくだけではなく、多様な発表の場を設けることが大事であり、金沢市と話し合いをしていきたいと意欲的に述べられました。県では毎年10月に、金沢芸妓の舞を県立能楽堂別館で9回開催しています。また、本市では「金沢芸妓のほんものの芸にふれる旅」と称して、毎年30回程度開催していますが、新幹線時代を迎えるに当たり、首都圏の観光客を初め、多くの外国人観光客が本市を訪れることが予想される中で、金沢の伝統芸能に数多く触れることのできる機会や場所を提供することが必要になってくると存じますが、歴史文化資産を生かしたまちづくりとして、山野市長の御所見をお伺いいたします。 次に、台湾との交流についてお伺いいたします。 台湾エバー航空が小松-台北便を今月からデイリー化したことによって、ますます金沢と台湾の交流が活発になることが期待されます。これまでは、本市出身の八田與一技師による烏山頭ダム建設が、台南平野の農業水利事業の拡大に大きく貢献し、本市と台湾との交流の原点となっていましたが、昨年あたりから、本市出身の磯田謙雄技師との縁が注目を集めています。台中において磯田技師は、逆サイホン理論を採用した農業用水の白冷センを建設しました。今でも毎年、現地の方々で通水記念式典が開催され、本年は80周年の記念事業が盛大に開催されました。私も金沢市日台親善議員連盟の一員として参加してきましたが、今回は特に80周年の記念事業ということもあり、磯田技師の顕彰パネルの設置と導水管下を流れる川にかかる橋を日台友好の橋と命名するなど、周辺整備が行われ、日台交流の拠点としてお披露目が行われました。また、台中市副市長が来年の記念式典における磯田技師の銅像建立を約束するなど、台湾側としては台南の烏山頭ダムに続き、第2の日台交流のシンボルとして、今後も周辺整備に力を注ぎたいとの思いが感じられ、その際には山野市長の出席も熱望されていました。また、台湾における日本との窓口機関である亜東関係協会のトップである廖了以会長の祖母が本市出身であり、祖母の妹が晩年を過ごされた小野陽風園での法要に家族そろって参加されたり、本年の亜東関係協会会長就任直後に来日された際には、金沢を真っ先に訪れるなど、台湾政府要人が本市と密接な関係にあることは、本市と台湾の交流がますます盛んになるものと期待されます。山野市長は、提案理由説明では大台南国際旅展に観光ブースを出展するなど、誘客促進に引き続き力を注いでいく決意を述べられましたが、今後は観光分野のみならず、行政及び教育分野、また、経済界同士の連携強化も期待されるところであり、山野市長の台湾にかける思いと、関係強化に向けて行政としてどのような御努力をしていこうとお考えか、御所見をお伺いいたします。 また、台湾で初めて民主的な選挙で選ばれた李登輝元総統は、思想家として国内外にも影響力があります。平成16年に李登輝元総統が来日した際、かほく市の西田幾多郎記念哲学館を訪れ、書をしたためるなど、西田幾多郎記念哲学館に大きな付加価値をつけました。本市においても、李登輝元総統が敬意をあらわす鈴木大拙の記念館が昨年開館したことにより、李登輝元総統を招聘し、記念事業を催すことも、鈴木大拙館の魅力アップにつながると存じますし、鈴木大拙にゆかりのある李登輝元総統が、鈴木大拙館にメッセージを残すことは、大きな財産になるものと考えますが、山野市長の御所見をお伺いいたします。 また、山野市長は、10月に中国と韓国を訪問されました。本年4月の石原東京都知事の尖閣諸島購入表明や10月に政府が国有化したことによって、中国政府が外交問題に発展させ、中国各地で日系スーパーや企業が襲撃を受けました。そのような中でも、姉妹都市である蘇州を訪問し、蘇州市政府と交流したことは意義深いことであり、国レベルでの外交問題に左右されず、地方自治体レベルでの交流の継続は大きく評価されると存じます。また、韓国大統領の竹島上陸に端を発した韓国との外交問題がありますが、姉妹都市締結10周年を迎えた韓国全州市との式典でも、金沢市立工業高校と全州工業高校との姉妹校連携を確認するなど、成果を上げることができました。また、来年の秋には蘇州と全州とのトライアングル交流を進めるべく、学生フォーラムが開催されることから、次世代交流のきっかけができたことによって、日本海時代をより確実なものにしていかなければなりません。今後も本市と中国、韓国、台湾との連携、交流をより強固なものにしていただきますよう、山野市長の決意をお伺いいたします。 次に、ぽい捨て等防止条例についてお伺いいたします。 先月末からぽい捨て等防止重点区域に、金沢駅東広場とその周辺道路が指定され、違反者には罰則適用が開始されました。きょう現在、罰則を適用された違反者はいないようですが、今後、悪質なマナー違反者には毅然とした態度での罰則適用を求めたいと存じますが、金沢市民への周知はもとより、市外からの通勤者、また、観光客の方々に対してはどのような周知活動を行っているのか、お伺いいたします。 また、公共的施設を含め、今後、新たな重点区域を指定することも必要かと存じますが、重点区域の拡大についてどのようなお考えをお持ちか、お伺いいたします。 次に、マニフェストについてお伺いいたします。 本日で山野市長就任から2年が経過し、3年目に突入しました。これまで、市長選挙の際に訴えてきたマニフェストを実行し、具現化された施策も数多くあることは、私としては評価したいと存じます。一方で、注目を集めた庁舎前広場の活用は、本庁舎の耐震工事によって、今は駐輪場になるなど、別の意味での活用はされていますが、本来の、マニフェストで提示した活用策には至っておりません。我が会派の長坂議員が、昨年の9月議会で取り上げましたが、本市中心部の景観を考慮すれば、落ち着きの空間を確保することも重要であり、庁舎前広場はきらりと光るにぎわいを創出していくことが大切と考えます。今後、耐震工事を終えた後に、庁舎前広場をどのように活用していこうとお考えか、山野市長の御所見をお伺いいたします。 また、固定資産税の見直しも選挙戦では大きな注目を集めました。本市の市税の半分近くを占める大きな税ですが、区画整理が進み、市街化区域で今なお水田を行っている方々にとっては、宅地並みに課税され、お米の収穫以上の固定資産税の負担があるなど、農家にとって厳しい税の制度となっています。国では、都市農業の振興に関する検討会が行われ、税制を見直す動きもありますが、新鮮な食料供給の基地、緑地空間や自然の調整池の役割を果たす水田を守り育て、発展させていかなければならないと存じます。都市と緑、農の共生を基本理念に都市計画を進めていかなければなりません。農業の大切さを御理解されている山野市長にとって、マニフェストで訴えた固定資産税の見直しや、今ほど申し上げた事例に対して、減免措置を含む取り組みが期待されますが、固定資産税の見直しについて、2年間の検討経過を含め、山野市長の御所見をお伺いいたします。 最後に、老朽化した社会資本整備についてお伺いいたします。 今月、山梨県を走る中央道で天井板の崩落事故が発生しました。犠牲になられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、二度とあのような悲惨な事故を起こさないことが行政に求められます。高度経済成長期における社会資本整備の建設ラッシュによって、これから耐用年数が経過する橋梁や下水道管などの再整備が求められます。今後、金沢では、山梨のトンネル事故のような大規模な事故が発生しないよう求めると同時に、本市の現在の対策や再整備の考えをお伺いし、私の質問といたします。     (拍手) ○松井純一副議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 11番小林議員にお答えいたします。 まず、地域主権改革につきまして何点かお尋ねがございました。今回の条例の件ですけれども、一括法の趣旨を踏まえ、地方公共団体のみずからの判断と責任において行政を推進するため、例えば国を上回る保育所居室面積の設定、さらには歴史的なまち並みを保全するための道路幅員など、一部の条例において本市独自の基準を設けることとした次第であります。本市の地域の実情に合った、きめ細かな住民サービスの提供に資してまいりたいと考えています。 また、首長、市長の役職に、より集中するのではないかと、権限が集中するのではないかという御懸念を示されました。ただ、考え方によりまして、権限や財源がより住民に身近な地方自治体に移譲されるということは、議会や市民によりますチェック機能がこれまで以上に働きやすくなる、働くことになるというふうに考えておりまして、私は権限等が集中することによっての問題は生じないというふうに思っています。 また、現政権のこれまでの地域主権の取り組み、さらには総選挙後の政権に対する期待についてお尋ねがございました。現政権ですけれども、地域主権戦略大綱の策定、さらには国と地方の協議の場に関する法律の制定、第1次及び第2次一括法の施行などにより、義務づけ、枠づけの見直しや条例制定権の拡大、基礎自治体への権限移譲などが一部図られましたことは、地方分権にとって一定の前進があったというふうに思っています。なお、総選挙後の政権につきましては、外交、防衛、さらには巨額の政府累積債務の解消などへの対応を初め、地方自治体にも大きな影響を及ぼす経済政策、さらには社会保障制度等の改革などの諸課題を早期に、かつ着実に解決することにより、我が国がこれからも持続的な発展基調を続けていけるよう、引き続き、国際社会の中で信頼され、尊敬される国家となるよう期待をしているところであります。 金沢港のことについてお尋ねがございました。ロシアとの交流のことですけれども、金沢港は日本海側のほぼ中央に位置し、最近、特に経済成長の著しい北東アジアやロシアとの物流を視野に入れることは、今後の金沢港の振興を図る上で有益であるというふうに考えています。現在のところ、県内荷主企業のロシア向け貨物は、数量的には少ないところでありますが、今後、ロシア向け貨物の増加、さらには新たな物流ルートの構築も想定されますことから、ロシアの日本海側の都市との連携につきましては、県、金沢港振興協会、さらには関係機関とともに研究を重ねていきたいというふうに思っています。 海側環状道路の整備につれて、金沢港における道路ネットワークのことについてもお尋ねがございました。金沢港は地域経済の発展に伴い大きな役割を担う重要な広域交通基盤でありまして、また、太平洋側港湾の代替機能の確保による災害に強い物流ネットワークを形成する役割も担っているというふうに考えています。そのため、日本海側地域の国際競争力の強化に向け、入港船舶の大型化、輸送コストの削減に対応する国際物流ターミナルとしての整備促進など、金沢港のさらなる機能の充実が必要であり、引き続き、県や関係機関と連携をし、国に要望していきたいというふうに思っています。 伝統文化についてですけれども、茶屋街と金沢芸妓についてですけれども、金沢芸妓が披露します踊りや素囃子は、その格調の高さ、優美華麗さ、技能水準の高さが特徴で、私は金沢が世界に誇る伝統芸能であるというふうに思っていますし、小林議員がおっしゃいました金沢おどり、私も見に参りましたけれども、改めてその美しさ、そのすばらしさに感銘を受けたところであります。そしてまた、3つの茶屋街のうち2つが国の重伝建に選定され、まち並みを含めた金沢の誇りだというふうに私は思っています。3つの茶屋街、そして、金沢芸妓は金沢の歴史文化を今に体現する本市の宝であるというふうに思っていまして、今後も茶屋街の保全、さらには金沢芸妓の育成に努めていきたいというふうに考えています。 また、具体的には、これも小林議員お触れになりましたけれども、「金沢芸妓のほんものの芸にふれる旅」の開催、さらには学会や式典等での伝統芸能披露のほか、本市が主催します市内外のイベント等にも出演していただくなど、数多くの発表の場を設けているところであります。今後、新幹線金沢開業を契機に、さらに発表の場をできる限りふやしていきたいというふうに思いまして、国内外からの誘客につなげていきたいですし、金沢の発信力を高めるためにもお力をおかしいただきたいというふうに思っています。 台湾のことについてお尋ねがございました。御案内のとおり、民間の金沢市観光協会と台南市旅行商業同業公會との間で、友好交流協定を結んでいただきました。その締結をもとに、今後とも観光だけではなくて、文化であったり、時にはビジネス、さらには子ども同士の交流も含めた幅広い交流になることも、これからも期待をしていきたいというふうに思っています。私はこの議場でも何度か申し上げておりますけれども、私は民間の交流がしやすい環境をつくっていくのが行政の役割だというふうに思っていまして、ぜひ、この台湾との交流がさらに活発になるように環境整備に努めてまいりたいというふうに思っています。 李登輝元総統のことについてお尋ねになられました。李登輝元総統がよく口癖のようにおっしゃることは、私が最も尊敬する日本人は3名いる。お一人は八田與一、お一人は鈴木大拙、お一人は西田幾多郎、このお三方とも金沢に御縁のある方、金沢には格段の思いがあるということを、さまざまな日本の報道機関のインタビューでもお答えになっていただいております。お越しいただくことは大変うれしいというふうに思っています。ただ、李登輝元総統が松尾芭蕉の奥の細道をずっと歩きたいというふうにおっしゃっておられて、これまでも何度か日本にお越しいただいているところではありますけれども、御高齢ということと体調が必ずしもすぐれないということがありますので、そこは無理を言えないのではないかというふうにも思っています。李登輝元総統もお越しいただいた形でのいろんな御提案もいただきました。なかなか難しい課題もあるかというふうには思っておりますけれども、多くの台湾の方たちに金沢のことを御理解いただければ大変うれしく思うものであります。 中国、韓国の訪問のことについてお触れいただきました。10月に中国、韓国の姉妹都市を訪問させていただきました。小林議員、質問の中でおっしゃっていただきました、難しい時期であったということもあるかもしれませんけれども、私はお伺いさせていただいてよかったというふうに思っています。これは、本当にありがたく熱烈歓迎をしていただきました。改めて金沢市と蘇州市の30年、金沢市と全州市の10年、先輩方が築いてきてくれた信頼関係があったからこそだというふうに思っています。特に今回の訪問は、今後のビジネス交流であったり、工業高校の青少年の交流であったり、図書館の交流、スポーツ交流、具体的な一定の成果を果たすことができたというふうに思っていますし、今後ともその交流がさらに濃密になるような環境をつくっていければというふうに思っています。 ポイ捨て防止のことについて、何点かお尋ねがございました。周知ですけれども、この重点区域の周知につきましては、市の広報媒体に加え、県内を対象といたしますテレビ、ラジオのコマーシャル、公共施設や金沢駅周辺のホテル等へのチラシの設置、ポスター掲示、街頭キャンペーンの実施など、周知に努めているところであります。また、重点区域内に指定範囲を明示した看板等を新設するとともに、区域内の主要な歩道に路面標示を設置するなど、初めて金沢を訪れる観光客やビジネス客などにもわかりやすい方法で案内を行っているところであります。 今後の重点区域の指定ですけれども、武蔵ヶや香林坊、金沢駅西広場等の大勢の方が集まる区域、兼六園周辺やひがし茶屋街などの観光地が候補になると考えていますが、実際の選定に当たりましては、住民の意見もよく聞きながら対応をしていきたいというふうに思っています。 マニフェストのことにつきましてですけれども、庁舎前広場のことですけれども、昨年度から有識者から成ります検討懇話会で議論をいただいているところでありまして、現在、構造調査などの結果を踏まえ、広場内に大がかりな建築物を設置することは難しいものの、来庁者の利便性に重点を置いた庁舎へのアプローチ空間を基本としながらも、イベント空間としても機能の充実が図れないか検討しているところであります。ただ、仰せのとおり、耐震改修工事を優先しなければならないことから、今後、御指摘のとおり、景観にも十分配慮をしながら検討を進めていきたいというふうに思っています。 固定資産税のことですけれども、課税の公平性の確保、見直しによる減収分の補てんなど解決すべき課題もあります。また、国のほうで社会保障と税の一体改革等、国で税制全体の抜本改革の議論が本格化し、その動向を注視する必要がありますことから、今後の情勢等を踏まえ、引き続き、研究を重ねていきたいというふうに思っています。 私のほうからは以上です。 ○松井純一副議長 野口教育長。     〔野口 弘教育長登壇〕 ◎野口弘教育長 文部科学省が小中学生向けに発行した放射線に関係する副読本をどのように利用しているのかとの御質問がございました。放射線副読本は、小学校5、6年生及び中高等学校全生徒に配布されております。本市小中学校の理科、社会、特別活動等の授業において、放射線の有効利用と危険性、風評に対する冷静な対応、被災地支援等の学習に活用しております。今後も放射線の知識が正しく身につくように適切に指導していきたいと存じます。 本市独自の副読本の策定や、安全性をきちんと示すなどの具体的な授業の実施についてお尋ねがございました。本市で受け入れた廃棄物につきましては、安全性が確認されていることのほか、受け入れの経緯や放射線濃度の数値基準を含めた安全対策等についても、子どもたちに伝えていくことが大切であると考えております。各学校では、教育委員会が学校管理職を対象に実施した放射線の基礎知識に関する研修会の内容や、本市環境局が作成をした「災害廃棄物Q&A」を参考にして、子どもたちへの指導を行っているところであり、独自の副読本の策定については考えておりません。 東日本大震災からの復旧・復興に本市が大きく寄与していると認識し、誇りを持てるようにしていくことが、本来の教育のあり方ではないかとのお尋ねがございました。小林議員の御意見については、私も全く同感でございます。同じ日本国民として、復興に向け心を一つにして、一緒に取り組むことを子どもたちに伝えていくことは、大切であると考えております。復興支援につきましては、各学校で児童会、生徒会が継続的に物資などの支援活動を行っておりますほか、被災地の児童・生徒との交流も行っております。今後もこうした取り組みを通して、思いやりなどの豊かな心や金沢に誇りを持つ児童・生徒の育成など、金沢「絆」教育を充実させていきたいと存じます。 以上でございます。 ○松井純一副議長 中川土木局長。     〔中川雅則土木局長登壇〕 ◎中川雅則土木局長 耐用年数が経過する施設の再整備が求められるが、山梨のトンネルのような事故が発生しないよう求めると同時に、本市の現在の対策や再整備に向けた考え方についてお尋ねがございました。市道におけるトンネルは4カ所ございまして、山梨の事故のようなつり下げ式天井の構造のものは、現在ございませんが、職員が点検を実施し、安全性を確認しているところでございます。また、老朽化が進む橋梁、下水道などの公共施設につきましては、これまで定期的な点検、修理を行ってきておりますほか、長寿命化計画を策定したものから、随時予防保全のために計画的な補修を実施しております。今後、老朽化に伴う再整備につきましては、必要な実態調査を行った上で、長寿命化計画の策定を推進するとともに、適切に更新、補修を行って、安全・安心な施設管理に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。     〔「議長、11番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○松井純一副議長 11番小林誠議員。 ◆小林誠議員 市長に2点ばかりお伺いいたします。 最初の地域主権改革一括法が制定されたことによって、権限移譲が進んで、市長に対しての政治的権力が集中するシステムになりつつあるということで、市長は、私が懸念していると思っての質問をしたのかと思われたのかもしれませんが、私は決してこのことに対して懸念しているつもりはありません。ただ、地域主権改革が進むことによって、首長の権限、市長に権限が集中することについて、市長の責任の重さというものは大きくなりつつある、その中での市長に対する役職の責任の重さへの思いというものを改めてお聞きしたかったということでありますので、同時に議会の役割や責任というものも当然大きくなるんですけれども、改めて市長の責任の重さというものをお伺いさせていただければと思います。 また、固定資産税の件ですが、国の動向を注視していくということでありましたけれども、2年前の選挙であれだけ注目を浴び、期待もされたマニフェストの項目でありますので、市長自身、2年間の検討経過を含め、市長の立場として金沢市においてこの固定資産税の見直しについてどのような思いをお持ちか、改めてお伺いいたします。 ○松井純一副議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 条例を今議会だけで40件提出させていただいております。先ほど申し上げましたように、一部ではありますけれども、本市独自の規定も新たに加えたところもあります。改めてその40件の条例が金沢市、金沢市長の責任で出されるということですので、私は大変重たいものがあるというふうに思っていますので、そこは、今改めて御指摘もいただきましたので、その自覚を持ってこれからも取り組んでまいりたいというふうに思っています。 固定資産税のことですけれども、やはり今、社会保障と税の一体改革の大きな流れの中で議論をされているところでもありますので、私はこの国の動向も踏まえながら、慎重に議論をしていくことが必要ではないかというふうに思っています。2年間議論をさせていただきました。与えられた期間の中で、また、報告をさせていただければと思いますし、3月議会の中で、これまでも答弁で申し上げてきておりましたけれども、3月議会に予算を出す中で中間報告を出させていただきたいというふうに思います。今ほど御指摘の件も踏まえまして、一定の御報告をさせていただければというふうに思っています。 以上です。 ○松井純一副議長 12番秋島太議員。     〔12番秋島 太議員登壇〕(拍手) ◆秋島太議員 質問の機会を得ましたので、公明党金沢市議員会の一員として、以下数点お伺いいたします。 最初の質問はマニフェストについてお伺いします。 11月16日に衆議院が解散し、今月16日の投票日まで残すところ6日間、選挙戦も終盤に入ってまいりました。今回、各党の公約タイトルではマニフェストが不人気で、マニフェストを使用して衆院選を戦うのは、公明党を含めて2つの政党にとどまっております。私は、マニフェストを含めた公約とは、政治家や政党の有権者に対しての約束であり、一たん掲げて当選すれば、責任を持って実行し、実現していくものであると認識しております。山野市長も選挙公約のマニフェストを掲げ、2年前の市長選に出馬し、当選されました。市長は、みずからのマニフェストに責任を持ち、いかに実行されていかれるのか、また、今回の衆院選も公約を掲げ各党が戦っておりますが、次の政権にどのようなことを期待されているのか、あわせて市長の御所見をお伺いいたします。 さて、この12月で市長に就任し、折り返しの3年目に入る山野市長でありますが、市長が掲げたマニフェストの中から2点お伺いいたします。まず、金沢シティフルマラソンですが、先日の検討委員会で金沢マラソンとし、2015年11月15日に開催することが決定しました。引き続き、運営体制やボランティア組織の構築に取り組むこととされております。さて、金沢マラソンの参加者規模、制限時間、新幹線開業記念などを見ますと、熊本城マラソンと若干同じような印象があり、少し気になるところであります。今まで以上、金沢の魅力を前面に押し出し、さらなる独自性を持たさなければいけません。県外参加者に対して、金沢の魅力をどのように発信されていかれるのか、市長の御所見をお伺いいたします。 金沢マラソンは、金沢市民マラソンから新幹線開業に合わせフルマラソンとなりました。そうしますと、新幹線に乗って金沢に来る県外参加者はフルマラソンでよいかもしれませんが、今まで市民マラソンに参加していた市民全員がフルマラソンに参加されるとは限りません。金沢マラソン開催と同時に、現在の市民マラソンのような同時開催種目を実施するお考えがあるのか、また、開催日は発表されましたが、スタート開始時間が発表されておりません。スタート開始時間は何時を予定されているのか。あわせてお伺いいたします。 さて、県外からも多くの参加者が見込まれる金沢マラソンですが、県外からになりますと、当然、前泊で金沢入りする参加者もいると思われます。金沢のまちを見て回るツアー企画や本市だけでなく、県内への経済波及効果も考えてのツアー企画などのお考えがあるのか、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、子どもの医療費助成についてお伺いいたします。私も本会議で幾度となく質問し、前回質問した際には、段階を踏まえて拡充していくよう訴えさせていただきました。2011年10月から通院では小学校3年生まで、また、入院では中学校3年生までとなり、市長の公約が前進し、医療費助成が拡充されてまいりました。来年度から、さらなる拡充で通院医療費助成の対象年齢を引き上げていくべきだと思います。今までも市が先行し、子どもの医療費助成を拡充してまいりましたが、県への子ども医療費負担枠の拡充を本市から要望していることと思いますが、県の現況と市長が掲げている子ども医療費助成を通院、入院ともに中学3年生までの拡充は、どのようなスケジュールで拡充していくお考えなのか、あわせてお伺いいたします。 次に、子育て支援についてお伺いいたします。 社会保障と税の一体改革の一環として、さきの通常国会では子育て関連3法が成立いたしました。子育て予算が1兆円超増額されますが、各自治体では地域の実情に応じて実施する認定こども園や家庭保育などのほかに、一時預かり、乳児家庭全戸訪問事業、延長保育事業、病児・病後児保育や放課後児童クラブなどの事業にも助成し、総合的に子育て支援を進めていけると聞いております。市が担う新たな支援策を実施するに当たり、自治体は、子ども・子育て支援事業計画を策定し、地域の実情に合った子育て政策を実施していくことになります。この事業計画の策定に当たっては、国の基本指針に基づき、子育て家庭の状況及びニーズをしっかりと調査し、把握することが求められております。平成27年度からの本格実施に向け、事業計画を平成26年度半ばまでに策定するには、来年度予算において事業計画策定に向けたニーズ調査のための経費を計上する必要があると思いますが、市長のお考えをお伺いいたします。 また、計画立案には幼稚園や保育所の事業者、そして利用者、児童委員など、現場の意見を反映させる必要があります。そのための仕組みとして、関連法案では、有識者、子育ての当事者、子育て支援事業に従事する者などから成る地方版子ども・子育て会議の設置を定めております。この会議の設置は努力義務になっておりますが、本市で設置されるお考えがあるのか、市長の御所見をお伺いいたします。 また、設置する場合、どのようなスケジュールで設置されていくのか、また、設置準備に当たってはどのような問題点や課題があるのか、あわせてお伺いいたします。 さて、来年度の保育所入所を希望する園児の申し込みが10月に締め切られました。ここ数年、本市全体でならすと待機児童はいないと言われておりますが、新都心軸の駅西地区や田上地区などでは、人口増加で入所が困難な児童が増加しております。以前、本会議で、特に産後1年を経過して職場復帰をされる家庭では、ゼロ歳児が希望する保育所の入所が困難であるため、本市の対応をお伺いいたしました。児童増加が見込まれる地区での保育施設の増設や、入所児童の定員増を検討されておりますが、来年度の入所児童の現況をお伺いしますとともに、入所困難な未満児の入所が解消されてきているのか、あわせてお伺いいたします。 さらに、本市の民間保育施設の耐震化や病児保育の施設整備を早急に推進する必要を感じますが、本市の現況と今後の対策について、あわせてお伺いいたします。 最後に、本市の観光についてお伺いいたします。 新幹線開業を控え、国内外からの誘客推進は本市としましても喫緊の課題であります。去る11月24日、旅行ガイドミシュランに三つ星で紹介された観光資源を持つ金沢、南砺、高山、白川の4市村が連携し、広域観光ルートとして国内外からの誘客促進に向けた広域観光サミットの公開フォーラムが開催されました。新幹線開業に合わせて、金沢-五箇山-白川郷区間のバスで、来年1月から3月に運行本数と停車地をふやす社会実験をスタートさせ、広域観光の連携をすることが確認されました。この社会実験で利用者が増加し、本格実施につなげていくためにも、利用者をふやすための周知をどのようにして情報発信されていかれるのか。また、今回、バスの運行本数と停車地をふやすことで、具体的にどのような効果が期待されるのか、あわせて市長の御所見をお伺いいたします。 2011年3月12日に全線開業した九州新幹線は、前日の東日本大震災の発生でスタートダッシュはつまずいたものの、夏休み以降、大幅に盛り返し、九州7県の2011年度の観光消費額は2兆4,900億円に達し、前年度より約11%ふえたと、九州経済調査協会から発表されました。乗客数では、在来線と部分開業した新幹線分を合わせた前年水準より、博多-熊本間が38%増加、熊本-鹿児島中央間が66%の大幅増加となっております。昨年、公明会派で参加した鹿児島市での全国都市問題会議では、JR九州唐池社長が、九州新幹線とまちづくりと題し基調講演され、その中で印象に残ったのが新幹線と地域を結ぶ観光列車の話でありました。JR九州では、2011年10月に熊本と天草諸島を結ぶ特急列車「A列車で行こう」、2011年3月の九州新幹線全線開業に合わせて鹿児島中央と指宿を結ぶ特急列車「指宿のたまて箱」など、一度乗ってみたくなるユニークなネーミングの観光列車を走らせております。また、新幹線だけでなく、観光列車の「はやとの風」「いさぶろう・しんぺい」「SL人吉」を乗り継いで、熊本-鹿児島中央間をうまく結びつけております。鹿児島県の調査では、全線開業前の2010年4月から12月と開業後を比較してみますと、宿泊者数が鹿児島市では19%増の90万7,000人に、指宿市では44%増の51万6,000人に増加しております。先月、北陸3県の県議会議員が集まり、合同での研修会が開催されました。この研修で、南九州観光調査開発委員で流行仕掛け研究所代表の島田始氏が講演され、その中で北陸新幹線が開業され、2年間はキャンペーンを張って金沢のひとり勝ち、3年目以降は富山、福井が沈むと、そのうち金沢も沈んでしまうと厳しい内容の話もあったと聞いております。今後、JR九州の広域観光の参考となる仕掛けを調査し、金沢に合った観光集客の仕掛けを展開し、さらに魅力ある他の観光都市と本市を結びつける働きかけを山野市長に期待するところであります。本市だけでなく、この北陸全体に観光客がふえ、相乗効果があらわれるよう、広域では集客プロモーションパートナー都市の長野市や、友好交流都市の高崎市など、北陸新幹線沿線の都市との連携で、誘客推進を図る必要を感じますが、市長はどのようにお考えなのか。また、今後、期待される関東圏からの誘客推進では、JR東日本や旅行会社とともに協議を進め、関東での誘客キャンペーンなどが必要であると思いますが、市長はどのように誘客していくお考えなのか、市長のご所見をお伺いいたします。 さて、先ほどからも述べておりますとおり、本市における新幹線開業後の誘客では、関東圏からの誘客に全力で取り組んでいかなければいけません。そのかなめとなるのが、東京の金沢営業戦略室と観光交流課になります。今後の新幹線開業を見据えた本市の観光戦略を考えれば、金沢営業戦略室と観光交流課の体制強化は必要であり、現状の人員配置が適正なのか、ゼロベースでの検討が必要ではないでしょうか。また、観光交流課では多くのイベントを担当していますが、これではPR活動にまで手が回りません。金沢JAZZ STREETやアカペラ・タウンなど、すばらしいイベントであるにもかかわらず、首都圏を初めとした県外での知名度が低いと思われます。観光交流課は、今後、新幹線開業に向けた情報発信と誘客に専念し、イベント等のコンテンツは、それぞれの内容に応じた担当課で行うようにすべきだと思います。そして、観光交流課はマスコミ、広告媒体、旅行会社などと連携し、各課が行うイベントのPRと集客を一元的に取り扱えば、全庁的に効率的なPRが行えると思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。 また、市長の提案説明の中での、MICE推進協議会が主体となり、首都圏における官民一体となったセールス活動を具体的にどのように展開されていくのか、市長のお考えをお伺いいたします。 本市の都市政策局の新幹線開業対策室では、北陸新幹線開業記念事業計画として、記念イベント等を企画立案するなど、開業に向けた機運の醸成を検討し、観光交流課では開業効果を最大限に高めるためのプロモーション実施計画の策定を担当していますが、局が違う両課の連携はどのように図られているのか、また、新幹線開業後の3年間で開業効果が数字であらわれてくると考えれば、最低でも3年間は誘客を仕掛ける開業戦略を専門とする特別な部署を観光交流課に設置する必要があると思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。 昨年、スウェーデンで開かれた都市照明の国際コンペティション、第9回シティ・ピープル・ライト賞にて、世界24都市が応募し、金沢市が日本では初受賞となる3位を獲得いたしました。金沢城公園を中心に、21世紀美術館などを初めとしたまちなかの照明が、自然環境に配慮しながら、歴史や文化と調和している点などが評価された結果であると聞いております。こうしたライトアップされた名所へ案内するため、金沢ライトアップバスが毎週土曜日に運行されております。歴史ある夜のまち並みをレトロな金沢周遊バスで観光するのは雰囲気があるのではないかと思います。その金沢ライトアップバスの利用状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。 まちなかでは、春は桜、秋は紅葉といったような隠れた名所を新たにライトアップし、期間限定ではありますが、夜の観光スポットにするのはいかがでしょうか。例えば、犀川沿いでの桜を初め、中央公園横のアメリカ楓通りも、秋の紅葉は見ごたえがあり、カメラを手にした観光客も多く訪れておりますし、本庁舎前の広坂通りも紅葉がきれいな場所であります。工夫を凝らせば香林坊から21世紀美術館や兼六園を結ぶことも可能であると思われます。金沢の魅力を高めていくためにも、自然と歴史、文化と調和した観光スポットをさらにふやし、夜の金沢を見せる観光戦略で、宿泊者増につながると考えますが、市長の御所見をあわせてお伺いいたします。 さて、最近、映像・広告業界で話題が膨らんでいるのが、プロジェクションマッピングであります。建物の形状に合った映像をプロジェクターで投影し、あたかも実際の建物が動いているような印象を与えたり、違う建物になってしまうかのような印象を与える映像表現技法の一つであります。このように、既存の建物に手を加えることなく、プロジェクターと映像を再生する機材があればできるので、今後、屋内外の広告やイベント、舞台、ライブなど幅広い分野で活用されることは間違いありません。最近では、東京駅丸の内駅舎保存・復原工事の完成を祝う記念イベントとして、大正時代、創建当時の姿によみがえった駅舎をスクリーンに、国内最大規模のプロジェクションマッピングを用いて、最新鋭の映像が9月22日に東京駅丸の内駅舎前広場で行われました。予想以上の混雑で、3回の投影予定が2回で中止になったようであります。私は、このプロジェクションマッピングをテレビで見ましたが、東京駅舎に浮かび上がる映像は美しいだけではなく、まるで駅が動いているかのような迫力で、その映像にくぎづけになりました。この映像を山野市長は見られたでしょうか。もし見られていれば、市長の感想をお伺いいたします。 以前、本市におきましても、プロジェクションマッピングを学生で行ったことがあると聞いておりますが、本市には歴史的な建造物も多く、こうしたプロジェクションマッピングに適していると思います。将来的にはライトアップされた名所等でのプロジェクションマッピングを実施することで、話題性もあり、宿泊者の増加につながるものと思いますが、まずは新幹線開業記念イベントとして実施されるお考えがないのか、市長の御所見を伺い、私の質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。   (拍手) ○松井純一副議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 12番秋島議員にお答えいたします。 マニフェストのことについて何点かお尋ねがございました。私自身可能なものから実施をしてきているところでありまして、また、現在検証作業を進め、明年度予算の発表に合わせまして、中間における達成度を公表させていただきたいというふうに思っています。マニフェストに掲げた事業の中には、実現に向けた課題や整理すべき事柄など、解決に時間を要するものも含まれておりまして、また、新たな都市像を策定する過程で変更が必要となることも予測されますことから、そうしたことも勘案をしながら、明年度予算編成の中で、実現に向けて取り組んでいきたいというふうに思っています。 今の総選挙のことにつきまして、その期待についてお尋ねがございました。何といってもデフレ経済からの脱却、さらには巨額になりました政府累積債務の解消、社会保障制度等の改革、大震災からの復興、外交・防衛・エネルギー政策など山積している困難な課題を早期かつ着実に解決することにより、我が国が再び持続的な発展基調を取り戻すことができるよう、そして、国際社会の中で信頼され、尊敬される国家となるよう期待をしていきたいというふうに思っています。 金沢マラソンにつきまして、何点かお尋ねがございました。その発信ですけれども、何といってもマラソンで走っていただくことも大切なことではありますけれども、お越しいただくことによって、金沢のことを理解してもらい、金沢のことをファンになってもらい、その方や、また、同行される方にリピーターになってもらえる、そういう大会になればいいというふうに思っています。そのためには、市民の皆さんや企業の皆さん、ボランティアの皆さんにもお力をおかりしながら、おもてなしが大切なキーワードになってくるんではないかというふうに思っていますので、これから環境を整えていきながら、市民の皆さんと一緒に取り組んでいければというふうに思っています。先般、コースが決まりまして、11月30日にはお話がありましたように、正式名称や開催日が決定をいたしました。具体的なイメージをしやすくなったというふうに思っています。チラシの作成やホームページへの掲載、また、ランニング専門誌への情報提供なども行っていきたいというふうに思っていますし、国際交流課や金沢営業戦略室を通して、国内外に積極的にPRをしていきたいというふうに思っています。 また、同時開催種目や開始時間のことですけれども、実は、お話ありましたように、金沢市民マラソンは、一番たくさんの方が参加していただくのは、3キロメートルのコースでありました。金沢マラソンにおきましても、フルマラソンの大会の運営や交通規制等も考慮しながら、同時開催種目としてどのようなものが実施可能かということも検討をしていただければというふうに思っています。また、スタート開始時間は、11月30日に制限時間が7時間ということに決まりました。また、交通規制を実施すること、さらには1万人から1万2,000人の方が集合し、荷物を預けていただいたり、整列をする必要があることを考慮いたしますと、私は必然的に早めの時間設定が必要ではないかというふうに考えています。こうしたことを踏まえ、同時開催種目やスタート時間につきましては、検討委員会で御議論をいただき、決定をしていきたいというふうに思っています。 また、マラソンに合わせていろんなツアーをオプションで考えていくことが必要ではないかということです。先ほど申し上げましたように、1万人から1万2,000人を想定していますけれども、いろんな大会を見ましても、一緒に走る方以外の家族やお友達もたくさんいらっしゃるということが現実にあるようでもあります。その際には、そういう方たちにも金沢の伝統文化に触れ、歴史的景観をめぐるモデルルートを県やJR、旅行会社とも提携をし、さらには当然金沢市内だけではなくて、石川県全体にわたりまして温泉、観光地などを組み合わせた観光ルートが企画できないかというふうに考えています。できるだけ大会前後に長く滞在をし、金沢市や石川県の魅力に触れていただける、そういうことを工夫していきたいというふうに思っています。 子どもの医療費の助成ですけれども、県の現況ですけれども、現在の県の制度は通院は3歳児まで、入院は未就学児までを対象に、1カ月1,000円を超える医療費の自己負担分額を償還払いで助成することとなっています。本市におきましては、通院の中学3年生までへの対象年齢拡大につきましては、引き続き、財源の確保に努め、来年度予算編成の中で方針を明らかにしていきたいというふうに考えています。 子ども・子育て関連3法につきまして、支援事業計画のことについてどのように考えているかということですけれども、国の基本指針に即して、幼児期の学校教育や保育、一時預かり、放課後児童クラブ等の需要量を見込んだ上で、支援の提供内容や実施時期を定めるなど、本市の子ども・子育て支援施策を総合的に推進するための指針を定める重要なものが、この子ども・子育て支援事業計画であるというふうに認識しています。この策定に当たりましては、本市における子ども・子育てにかかわるニーズを十分に把握する必要がありまして、ニーズ調査に必要な経費を新年度予算に計上する方向で検討していきたいというふうに考えています。 また、地方版子ども・子育て会議の設置ですけれども、本市といたしましても子ども・子育てに関する施策を総合的かつ継続的に進めるために会議を設置する方向で検討していきたいというふうに考えています。この会議は、国の基本指針などを受け、明年度には設置をしたいというふうに考えておりまして、今後、少子化対策推進会議、さらには社会福祉審議会など、既存の委員会、審議会との関係の整理や幅広く意見をお聞きできる構成員の選定などが必要になってくるというふうに考えています。 次、金沢市、南砺市、白川村、高山市の連携のことですけれども、今回、この4つの市・村で観光案内所や観光施設、宿泊施設等にチラシを配置するとともに、4自治体の観光協会のホームページにおきましても、今回のバスの増便実験につきましては周知を図っていきたいというふうに思っています。また、外国人旅行者への周知を図るためにも、日本政府観光局のインフォメーション窓口や東京駅のトラベルサービスセンターに英語版のチラシを配置することとしています。さらには、旅行代理店に対しましても、このバスを利用した旅行商品を企画していただきますよう働きかけをしているところであります。バスの運行本数や停車地がふえることにより、金沢を拠点とした広域観光が充実し、北陸新幹線開業に向けた誘客の強力なツールになると期待をしています。 また、北陸新幹線沿線都市との連携ですけれども、御指摘ありましたように、その沿線都市との連携で誘客推進を図ることが必要であると考えておりまして、平成20年に北陸新幹線停車駅都市観光推進会議を設置し、本市を初め10市が協力して取り組みを進めているところであります。今年度は、10市共同でポスターをつくりまして、首都圏を中心に掲出することで、2015年の北陸新幹線金沢開業をPRしたところであります。 関東での誘客キャンペーンですけれども、首都圏の旅行会社との連携が重要でありますことから、積極的に金沢の観光素材を取り入れた商品造成を働きかけているところであります。JRのデスティネーションキャンペーン、北陸新幹線沿線都市などの広域連携キャンペーンのほか、物産展とのタイアップ、本市独自のプロモーション事業も実施をしていきたいと考えています。さらには、首都圏のマスメディアへの情報発信、交通機関の車内広告など、あらゆるチャネルを活用した誘客活動を展開していきたいというふうに考えています。 金沢営業戦略室と観光交流課の強化についてお尋ねがございました。新幹線開業に向けたプロモーション計画につきましては、来年度から開業後3年間の5カ年にわたりまして集中的に取り組む方向で、現在、策定を進めています。御指摘の金沢営業戦略室や観光交流課等のさまざまな御提案をいただきました人員や組織体制につきましては、今後の予算編成等の中で、検討を重ねていきたいというふうに思っています。 MICE推進協議会の役割ですけれども、この4月に設立をしていただきました。民間の関連業界団体に御参加いただきまして、官民一体となったセールス活動を行っていきたいというふうに思っています。8月には実働チームを立ち上げ、会場や宿泊施設などの情報を整理し、セールスツールを作成したところであり、10月には首都圏への営業を実施いたしました。今後も主催者ニーズを把握し、営業技術や商材の充実を図りながら、官民一体となった営業に努めてまいりたいというふうに思っています。 また、誘客を専門とする部署の御提案もございました。金沢魅力発信行動計画のカウントダウンミッションに関し、開業記念イベントと開業プロモーションの2つのプロジェクトに関係各課が参画し、常に連携をしながら実施計画の策定を進めているところであります。御指摘の部署の設置につきましては、今後の予算編成等の中で検討をさせていただきたいというふうに思っています。 ライトアップのことについてお尋ねがございました。御指摘のように、春の桜、秋の紅葉、季節に応じたライトアップなど、夜の魅力をつくっていくことが観光振興の上で大切だというふうに思っています。御提案のライトアップを含め、宿泊していただく方をふやすためにどういうことをしたらいいのかも、今後、検討を重ねていきたいというふうに思っています。 東京駅の丸の内駅舎前広場のプロジェクションマッピングですけれども、申しわけございません、残念ながら私自身は本物を直接見たわけではありませんけれども、ユーチューブの再生回数は50万回を超え、テレビでも放映をされるほどの話題性があり、国の重要文化財に指定されている赤レンガづくりの丸の内駅舎という歴史的建造物と、プロジェクションマッピングの最新技術の融合が、見る人に感銘を与えているのではないかというふうに思っています。 私は、この夏、姉妹都市のゲント市にお伺いしましたときに、ライトアップされたまち並みや、さらにはやはり姉妹都市のナンシー市のスタニスラス広場で行われました光と音のスペクタクルを拝見しまして、改めて夜の魅力創出についての必要性を感じさせていただきました。また、長期的なまちづくりの懇話会の先生方からも、ナイトカルチャーの重要性を再三にわたり指摘をいただいているところでもありますので、夜間景観の魅力向上により、宿泊客の増加につきまして、実現の可能性につきまして検討を進めていきたいというふうに思っています。 私のほうからは以上です。 ○松井純一副議長 西村福祉局長。     〔西村賢了福祉局長登壇〕 ◎西村賢了福祉局長 子育て支援につきまして、2点お答えいたします。まず、来年度の保育所入所児童の現況及び未満児の入所対策の件でございます。現在、1万2,820人までの入所が可能ですが、来年度の入所申込者数は10月末時点で1万1,737人となっております。未満児につきましては、年度当初は一部地域を除けばほぼ希望する保育所に入所できますが、近年、入所希望がふえているため、年度途中では入所できる保育所は限られてくる状況にございます。これを解消するため、新規開設、改築工事、既存保育所の間取りの変更等による乳児室、匍匐室の拡充を行っているところでありまして、今後とも努力してまいります。 次に、民間保育施設の耐震化及び病児保育の施設整備についての御質問ですが、民間保育所の耐震化につきましては、今年度末で全97カ所のうち85.6%に当たる83カ所が、耐震化工事を完了する見込みでございます。残りの14カ所につきましても、資金計画などの準備が整った保育所から随時支援を行い、児童の安全の確保に努めていきたいと考えております。病児一時保育につきましては、平成26年度までの整備目標としておりました7カ所を平成22年度までに整備したところでございます。今後につきましては、利用者の推移等を見ながら、必要に応じて対策を考えてまいります。 以上でございます。 ○松井純一副議長 山田経済局長。     〔山田克俊経済局長登壇〕 ◎山田克俊経済局長 金沢ライトアップバスの利用状況についてお尋ねがございました。金沢ライトアップバスは、平成15年度に開始いたしまして、今年度は毎週土曜日と金沢城、兼六園ライトアップ開催日、ゴールデンウイークなどのイベント開催日の合計57日間、1日当たり通常12便を運行いたしております。平成22年度の利用実績は1万3,315人でありましたが、昨年度は東日本大震災の影響を受けながらも、約750人増の1万4,067人でございました。今年度は、さらに1,000人程度の利用増が見込まれております。 以上でございます。 ○松井純一副議長 29番升きよみ議員。     〔29番升 きよみ議員登壇〕   (拍手) ◆升きよみ議員 私は日本共産党市議員団を代表して質問いたします。 まずは、来年度予算編成に当たり、マニフェストと市長の政治姿勢について伺います。 ただいま日本の進路を問う総選挙が戦われております。選挙直前、にわか急造マニフェストで政党づくりが行われるなどで、12政党が民意を問う政治戦となりました。公約違反の消費税増税や原発推進、米軍のオスプレイ強行配備やTPP推進などの政治のゆがみを正す本物の改革ができるかどうかがかかった選挙となっております。問われる政策とともに政党そのものの選択が問われています。我が党も旧来の自民党型政治に対峙して、全力で戦っております。ともかく、3年半前の総選挙で選挙民に掲げたマニフェストをことごとく破った政党に、国民、有権者からは裏切られたとして厳しい批判が寄せられ、政治不信は大きく広がった上に、離合集散を繰り返し、政党の公約もたびたび、いろいろ変わるなどで、政治家、政党の公約、マニフェストに対する信頼を一層損ねております。しかし、私たち政治にかかわる者として、マニフェストを実行することは有権者、住民の政治への信頼を得る確かなあかしであり、その実行、実践に全力を挙げることは当然です。市長、市長はまず、政治家や政党のマニフェスト、公約破りをどうごらんになっていらっしゃいますか、率直な所感をお聞きします。 ところで市長、市長も就任されて2年を経て、ちょうど折り返し地点になりました。そして、いよいよ来年度の予算の編成時期を迎えます。これまで市長が掲げてこられたマニフェストの実施状況、総点検をなさっていらっしゃると思いますが、御自身が出されたマニフェストの到達をどう評価し、判断されておりますか。 そこで、市長がこれまでマニフェストで掲げてこられた政策のうち、私は幾つかの点に絞ってお伺いします。1つに、学校図書館司書の配置についてです。子どもたちの読書環境の充実と読書活動の推進として、現在21名の司書の方がいらっしゃいますが、引き続き、全校配置についてのお考えはいかがか。 2つに、子ども医療費の助成についてです。子ども医療費の助成拡大の期待には強いものがあります。山野市長が若い父母の皆さんからの切実な声を集めて、子育て支援医療費助成制度として公約--マニフェストに掲げたのは通院、入院とも中学3年生までです。実際には、通院は小学3年生までとなっており、その制度の拡充、そして、何よりも窓口負担をなくすことが待たれておりますが、いかがですか。 3つに、固定資産税の見直しについてです。先ほども触れられましたが、長い間、金沢のまちを支えてこられた地元中小企業の方々、商店主、ビルの所有者の方々からは、商売が大変な中で、長期的な地価の下落にもかかわらず固定資産税の負担感が高く、市長のマニフェストの固定資産税、市民税の見直しに期待を寄せておられましたが、一向に変わらないことにいら立ちをあらわしておられます。評価方法など抜本的な見直しが必要かと思われますが、検討されておられるのか明らかにしてください。 4つに、市長はマニフェストで市政刷新を掲げて、無駄遣いをなくすことを表明されました。市民は当然のことながら、前市長が進めた大型開発型公共事業の見直しが図られると期待していたのですが、市民には刷新が伝わってまいりませんでした。市長は、駅西広場の再整備や海側幹線土地区画整理事業、金沢森本インター工業団地など、従来型の大型開発、無駄な公共事業を相変わらず進めていかれるのですか。市長が掲げた刷新とは一体何でしたか。マニフェストの進捗状況とあわせお伺いします。 次に、デフレ不況から抜け出し、雇用の創出、景気回復を進めるためには政治が何をなすべきか、市長に問いたいと思います。 まちを歩いていると、床屋さん、クリーニング屋さんや商店の人たちから異口同音のように、もう廃業寸前や、売り上げ激減でやっておれんわと嘆かれます。日本経済は異常円高とデフレ、消費の低迷、原発事故と放射能被害、中国との緊張の高まりなど、景気の回復の兆しが見えません。若い人たちからは、これから就職はどうなるのか、非正規雇用では先々の生活が心配と訴えられます。こうした雇用不安に加わって、年金の引き下げや消費税の大増税がされれば、市民生活は破壊され、さらに悪化することは火を見るより明らかです。市民生活の実態に沿い、こうした最悪の事態、深刻なデフレ状況からどう抜け出すか。国民の所得をふやし、家計を応援し、内需を活発にすること、これこそデフレ状況から抜け出す最大のかぎです。ですから、景気を回復させ地域経済の活性化を図るには、何といっても消費税の大増税を中止すべきであると考えます。こんな大不況のもとで大増税となると、どうなるのか。10%の税率引き上げで13.5兆円もの所得を奪い取られたら、日本の経済の底が抜けてしまいます。そうなれば、税収も落ち込んでしまいます。最優先で取り組むべき被災地復興の最大の障害となるのも、消費税の大増税であることは明白です。これまで市長は、社会保障の財源には消費税やむなしのようなお考えのようですが、この増税が実施されれば、市民生活の深刻さははかり知れず、特に自営業の方々にとっては死活問題になります。今回の増税法では、経済状況などによっては施行を停止するとなっており、十分に市民の意思いかんによってストップができます。市長は、市民生活を守る立場から明快にして臨むべきと思います。お考えを伺います。 ところで、雇用の促進を図るには、最も不安定雇用となっている非正規雇用の問題があります。そこで具体的に、本市の保育士の非正規職員解消と職員配置基準改善による雇用創出について伺います。先般、全国保育協議会の発表で、公私立保育所の約86%に非正規職員がおり、公立の保育所で53.5%、私立を含めると約46%であることが明らかとなりましたが、公立では非正規の保育士が2人に1人と、民間より多いことが報道されておりました。本市の実態はいかがなっているでしょうか。 保育現場で非正規雇用が増大する最大の理由は、人件費抑制策にありますが、直接には早朝や延長、長時間保育など、保護者のニーズが多様化していることに合わせてのパート保育士が圧倒的にふえていることにあります。子どもたちの大切な保育の場での不安定な雇用を解消し、行き届いた保育を保障する。そのためには保育士の配置基準を改善することで、例えば1歳児では、現行子ども5人に保育士1人の配置を4人に1人とすると、本市では80人の雇用が生まれることになります。こうした改善を進めることで、市としての雇用創出となりますが、そんなお考えはありませんか。 次に、市民生活を守り、安全・安心の確保に向けて伺います。 政治のかなめは市民の命を守ることです。最優先課題である市民の命を守るには、原発問題は避けて通れません。原発は即時ゼロ、廃炉実現こそ最も現実的な命を守る近道であり、志賀原発をとめたまま廃炉にする、これこそ責任のある一番の方法と考えます。改めて市長にその見解を問うものです。 次に、国民健康保険制度についてです。保険料が余りにも高くて払えない世帯がふえ続け、保険証交付が得られないなどの事態になっていることを指摘し、安心して医療が受けられるよう、この間、我が党は一貫して国保の問題点を明らかにしてきましたが、いよいよ来年度より国民健康保険料の算定方式が住民税方式から旧ただし書き方式へと改定されようとしております。その内容はこれまでも明らかにしてきましたが、所得から基礎控除33万円を引いて、所得割額に保険料率を掛けて計算する方法で、これにより低所得者を中心に各種控除、例えば扶養や配偶者、社会保険料控除、生命保険料控除等の適用がなくなります。その結果、低所得者層を中心に各種控除を受けている世帯の国民健康保険料が大幅に引き上げとなります。市当局は、現在、パッケージシステム入力等、新年度実施に向けて諸準備をされているようですが、新制度によってどれほどの方に影響を及ぼすと判断されているのか。年金は下がる、介護保険料の負担がふえる、もうこれ以上の保険料の支払いが困難、率直な加入者の声です。さらなる保険料の値上げはできる環境ではありません。むしろ引き下げこそすべきです。当局は、激変緩和措置をとられるでしょうが、障害者、年金生活者、低所得の方々への負担軽減策をどのようにお考えか、伺うものです。 次に、暮らしの安全・安心とともに、足元の安全確保があります。過日、市内のアパホテルで起きたシンドラー社製のエレベーター死亡事故は大変痛ましく、犠牲者の方には心から哀悼の意を表します。今回の事件は、エレベーターの安全チェック体制を大きく問うものでした。それは、6年前の東京都港区の男子高校生死亡事故と同一のシンドラー社製エレベーターだったからです。2度も死亡事故を起こすことが防ぎきれなかったのかと思うのは当然のことです。我が党は6年前の同社のエレベーターによる死亡事故発生時より、製造会社の責任と同時に、安全対策を抜本的に見直すよう求め、国会でも取り上げるなどしてまいりました。エレベーターのふぐあい情報の収集と公表、チェック体制の整備、技術基準の見直しや保守点検方法の法令化など、いろいろ具体的に提案し、改善を求めてきました。そして、国交省はことし4月からは既設エレベーターへの安全保護装置の設置を促すため、費用の3分の1を上限とする補助制度や、ガイドラインを策定し、所有者、保守点検者と製造業者の役割と責任を明確にし、保守点検業者の選定に当たって指導していく計画がつくられましたが、その実行に至っておりませんでした。今回の事故の要因に、ブレーキ磨耗等、構造上の問題があったことなどが報じられておりますが、引き続き原因の徹底究明こそ求められております。ともかく、こうしたエレベーター事故が生じたことで、本市においては市有物件の田上本町住宅や千寿閣ふれあいセンター設置のシンドラー社製エレベーターの安全点検に入りましたが、そこにとどまらず、市内全体の民間のエレベーター設置者に対して、格段の安全対策が必要との判断で、所有者及び管理者に対して指導文書を発行されましたが、その内容と市内のエレベーター設置の状況を具体的に明らかにしてください。 こうした対策を国交省に先んじて、本市が安全保護装置の設置検討をすることを民間の設置者に求めるなどしておりますが、今後すべきは国において補助制度の充実や、引き続く安全管理指導の状況、整備点検など、再発防止策をとるよう求めていくべきと考えますが、当局のお考えをお聞きいたします。 質問の最後に、孤立死防止と地域福祉に関してです。 晩秋の11月、志賀町の民家で80歳の母親と障害者の長女の2人がファンヒーターや電気ごたつがあったが電気がとまり、0.9度の寒気の中で死亡していたという痛ましい事件がありました。原発誘致で町が潤うと言われた志賀町で、電力会社がこうした最も弱者と言われる高齢者、障害者宅の電気をわずかの電気代の未払いで、電気の供給停止を行う非情な措置をすることに怒りいっぱいの気持ちで新聞報道を見ましたが、これに類したことは、この金沢でもありました。それも11月ですが、70歳の高齢者ひとり暮らしの方が、9月、10月分の電気料が期日に払えないことを理由に供給停止をされる。また、生活が苦しい若い夫婦の世帯で、女性は妊娠中の方でしたが、電気が停止されると、私どもにも訴えがありました。死には至らずとも、こうした生活困窮者の方々には大変過酷なこととなっていると思われます。札幌での本年1月、姉妹凍死・病死事件や埼玉の餓死事件から、その後厚労省は「地域において支援を必要とする者の把握及び適切な支援のための方策等について」という通知を出し、資源エネルギー庁は、各電力会社に対して福祉部局との連携等にかかわる協力の文書を届けております。電力会社は、こうした通知を無視するかのようにして、電気料金が納入されていないと知るや、即刻のように停止をしております。北陸の厳しい冬の時期を迎えるとき、電気の供給を停止するなど許されないものです。個々の家庭の生活事情まで掌握できないとしておりますが、少なくとも滞納が続く家庭があるとしたら、福祉部局との連携が必要であり、これは水道、下水道、ガス料金についても同様であります。ライフラインが確保できるよう、北陸電力や企業局との連携を図って、再びこうした悲しい出来事がないよう求めておきたいと思います。本市の対応について伺っておきます。 孤立死を防ぎ、高齢者の方々が生き生きと過ごせるようにするための地域力が大切と言われております。高齢者の方々にとっては大いにしゃべり、大いに外出して、仲間をつくることが必要ですが、そうした施策の一環として、本市には万寿苑、鶴寿園、松寿荘等の老人福祉センターがあり、その利用に際して帰りのバス回数券が支給されております。今回、そのバスの切符支給が本市の行政評価制度に基づいて内容の見直し対象となり、廃止方向とのことです。廃止の理由に、利用が減っていることが挙げられているようですが、それはバスの利便性の悪さ、そして、老人福祉センターの老朽化による利用の減少などがあると考えられます。市長、市長としてすべきは廃止ではなく、高齢者の方々が利用する老人福祉センターの充実や、まちなかに出かける生涯学習と生活サロン、健康づくりの施設提供をどうすべきか。公共交通の利用促進に向けてどうあるべきか。利用者の方々の声を最大限生かした方策を検討すべきであって、廃止などとはとんでもありません。市長、高齢者の楽しみと足を奪うことはすべきでないと考えますが、いかがですか。 最後に、高齢者、子ども、障害者、母子家庭と地域の見守り活動に民生委員さんたちの過重負担がありますが、大切なのはごみ出し、除排雪などのきめ細かな見守り体制をどう行政として応援し、地域で構築していくかが問われております。地域福祉計画の市長の御所見を伺いまして、私の質問を終わります。   (拍手) ○松井純一副議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 29番升議員にお答えいたします。 マニフェストのことについてですけれども、マニフェストは、選挙時に有権者に対しまして実現したい政策を訴えたものでありますことから、その実現に向けて努力をすることは、当然のことだというふうに思っています。一方では、社会経済情勢の変化、財政事情、また、議会における議論の行方などにより、修正等を余儀なくされる場合もあるのではないかというふうに考えています。     〔副議長退席、議長着席〕 ただ、その場合であったとしても、やはり、私は説明責任というものは必要であるというふうに思っています。 私のマニフェストの実施状況ですけれども、可能なものから、できるものから実施をしてきているところでありますし、また、議論をさせていただいているところであります。現在、中間における達成度につきまして、検証作業を進めているところでありまして、明年度予算の発表などに合わせまして公表をしていきたいというふうに考えています。 学校図書館司書のことについてお尋ねがございました。御指摘のように、23年度は21名を配置いたしました。初めてでした。今年度はさらに10名増員し、現在31名となっています。次年度につきましてもさらに拡充ができないかどうか、明年度予算編成の中で研究をしてまいりたいというふうに考えています。 子ども医療費の助成についてですけれども、このさらなる拡充ですけれども、平成23年10月診療分より、入院につきましては中学校3年生まで、通院につきましては小学校3年生まで対象年齢を拡充いたしました。さらに通院の中学校3年生までの対象年齢拡大につきましては、引き続き、財源確保に努め、来年度予算編成の中で方針を明らかにしていきたいというふうに思っています。また、窓口の無料化についてですけれども、1,000円の自己負担金と償還払いの制度は、県の制度に基づいて運用していますことから、市独自で自己負担金を廃止することや、現物支給をすることは考えていません。まずは対象年齢の拡大に努力をしていきたいというふうに考えています。 固定資産税のことですけれども、課税の公平性の確保、見直しによる減収分の補てんなど解決すべき課題がありますこと、さらには、現在、国のほうで社会保障と税の一体改革の中で税制全体の抜本改革についての議論が本格化しておりますことから、今後の経済情勢や税制等の動向を注視しながら、引き続き、研究をしていきたいというふうに思っています。 また、さまざまな開発のことについてお尋ねがございました。市政刷新ということを、私は選挙のときに申し上げさせていただきました。これまでのまちづくりをすべて否定をするということではなく、先人たちが培ってきました市政の根幹部分を大切にしていきながらも、時代の著しい変化に即応し、新たな視点に立った施策を積極果敢に展開することを意図して用いた言葉であります。金沢駅西広場の再整備、道路ネットワークであります環状道路網などの都市基盤整備、これらは北陸新幹線金沢開業を控えた本市の将来にとって、欠くことのできない重要な事業であるというふうに考えておりますし、また、工業団地などの整備は地域経済の振興、雇用の確保の点からも大切でありますことから、引き続き、積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っています。 消費税のことについてお尋ねがございました。現在、我が国の社会保障費は高齢化の進展、少子化の進展に伴い、急速に膨張を続けておりまして、安心で持続可能な制度とするためには、消費税率の引き上げにつきましては、ある程度避けられないのではないかというふうに思っています。市といたしましては、引き続き、地域経済の活性化と市民生活の安定になし得る最善を尽くしてまいりたいと考えています。 保育士の正規雇用のことについてお尋ねがございました。保育士の配置につきましては、今議会でお諮りしております条例案で、国を上回る基準を定めることとしており、まずはこの基準の徹底に努めてまいりたいというふうに思っています。また、国のほうでは、平成27年度に予定している子ども・子育て支援新制度において、保育士の処遇や配置基準を改善するとしていることから、その動向には関心を持っていきたいと考えています。 市民生活を守り、安心・安全の確保について、何点かお尋ねがございました。まず、志賀原子力発電所のことですけれども、志賀原子力発電所につきましては、現在、北陸電力が原子力規制委員会の指示により、1号機直下の断層について再調査をしているところでありまして、再稼働につきましては国において原子力規制委員会の調査結果と、現在、検討されています安全基準に基づき適正に判断されるものと思っています。さらには、現在、安全協定を締結しています県や志賀町などの理解が得られることも再稼働の条件であるというふうに考えています。 国民健康保険制度のことですけれども、旧ただし書き方式の変更について御意見がございました。現行の市民税所得割方式と比べ、国保加入者に広く、薄く負担を求めますことから、中間所得層に偏る現在の負担構造の是正が期待される一方、税制面での各種控除が保険料の算定に反映されないことから、特に障害者控除などを有する世帯については、賦課方式の変更に伴い、保険料が増加することが想定されるところであります。現在、御指摘のように、新システムで賦課方式変更に伴う影響を分析しているところでありまして、その結果等を踏まえ、急激な負担増加を回避するための効果的な激変緩和措置を講じてまいりたいというふうに思っていますし、また、国のほうにも財政支援の充実、低所得者への支援策の充実も訴えていきたいというふうに思っています。 エレベーター事故のことにつきましてお尋ねがございました。今回の事故でお亡くなりになった方の御冥福を、まずは心よりお祈り申し上げたいというふうに思っています。痛ましい事故が発生をいたしました。一刻も早く事故原因が解明をされることを望むとともに、全国市長会などを通じまして、補助制度の拡充、法定点検項目の充実など、事故の再発防止に向けた対策の推進を強く求めてまいりたいというふうに思っています。 孤立死のことについて、志賀町の例を挙げてお尋ねになられました。福祉部局や電気事業者、水道事業者との連携ですけれども、料金収納にかかわる個人の情報は、各事業者において管理されていますことから、このような痛ましい事態の防止は、基本的には各事業者が対応すべきではないかというふうに考えています。本市の企業局におきましても、この点は同様でありますことを、まずは御理解をいただきたいというふうに思っています。ただ、行政といたしましては、事業者との情報交換及び連携の方策につきまして、これからも研究をしていきたいというふうに思っています。 市民行政評価での高齢者バス回数券支給の廃止の方向についてですけれども、制度開始から40年が経過し、一定の役割を終えたと考えられ、廃止を検討する必要があるという評価をいただいたところであります。市といたしましては、この評価を謙虚に受けとめ、回数券利用の実態、シルバー定期券助成制度の現況を精査し、予算編成の中で事業のあり方を検討してまいりたいというふうに思っています。 地域福祉計画の所見についてお尋ねがございました。市民一人一人が住みなれた地域で安心感、充実感を持って暮らすことができますよう、さまざまな福祉ニーズ、生活課題を地域内で共有し、その解決を図るために市民、地域団体、事業者、行政などの多様な担い手が相互に連携、協力することによって、みんなで支える地域社会を実現することが、今回策定しています地域福祉計画の目標であります。 私のほうからは以上です。 ○苗代明彦議長 西村福祉局長。     〔西村賢了福祉局長登壇〕 ◎西村賢了福祉局長 保育士の非正規雇用の割合についてお答えいたします。本市の非正規保育士はことしの4月現在、全保育士2,371人中1,036人で、その割合は43.7%となっております。このうち、主に保育士の産休・育休や児童の途中入所等に対応するフルタイムの非正規保育士は594人で25.1%、主に延長保育等に対応する短時間パート保育士は442人で18.6%となっております。 以上でございます。 ○苗代明彦議長 堂薗都市整備局長。     〔堂薗洋昭都市整備局長登壇〕 ◎堂薗洋昭都市整備局長 エレベーターの事故に関しまして、市からの指導文書の内容及び市内のエレベーターの設置状況についてのお尋ねがございました。指導文書につきましては、扉が開いた状態での運転を防ぐ戸開走行保護装置が設置されていない所有者等に対し、同装置の設置に向けた検討をするよう求めるとともに、装置設置済みの所有者等には、設置済みマークの表示を呼びかけたところでございます。また、市内にある民間エレベーターは、平成23年度末時点で2,646台あり、そのうち戸開走行保護装置が設置済みのものが60台、設置されていないものは2,586台でございます。 以上でございます。 ○苗代明彦議長 糸屋公営企業管理者。     〔糸屋吉廣公営企業管理者登壇〕 ◎糸屋吉廣公営企業管理者 生活困窮者に対するガス・水道料金の企業局の取り組みについて、幾つかお尋ねがございました。ガス・水道料金を滞納している方に対しましては、従来から面談等を通じて生活状況を把握するなど、適切な対応に努めております。特に生活が困窮していると思われる方に対しましては、支払い期限の延長でありますとか、分割納付の相談に応じており、今後ともきめ細かな対応に心がけてまいりたいと考えております。 また、福祉部局との連携につきましては、これまでもその生活実態や申し出に応じまして、福祉の窓口を紹介するなどの対応に努めるとともに、療養援護を受けている方の水道料金等の減免につきましても、福祉部局と協調して周知、申請の利便を図ってきております。今後とも福祉部局と連携を密にして、減免制度の周知に努めてまいりたいと考えています。 なお、供給停止につきましては、納付の相談もなく滞納が続いている場合でありますとか、納付意思のない悪質な場合に限ってやむを得ず実施をしているものでございます。御理解をお願いします。 以上でございます。     〔「議長、29番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○苗代明彦議長 29番升きよみ議員。 ◆升きよみ議員 先ほどの孤立死を防止するための電力供給の停止の件でお聞きしました。今、市長の御答弁では、基本的には各事業者が考えるべきことだと、今、企業局のほうはそうしたお考えの御表明がありました。本来なら、電力会社自身もお考えになっていただくべきですが、個人情報のことがあるかどうかわかりませんが、今までなかなかその姿勢に立ち至っていただけません。先ほどの御答弁では、これから連携をしていくとおっしゃっているんですが、私はやはり事業者任せでなく、本日の議会答弁の中でも、北陸電力200万株の株所有者の自治体としての責任としても、絶対に志賀町のような二の舞はさせないという、そういう決意のもとで、きちっとした連携、いろんな事案について、協議をしっかりする、検証する、そういう姿勢に立っていただきたいと思いますが、改めてそのことをお聞きします。 もう1点、消費税の問題については、ここでは市民への影響のことで、市長の御答弁が先ほどございました。そこで、市立病院事務局長にお聞きします。消費税の影響はすべてのところに影響してまいりますが、とりわけ医療機関の影響等について、この引き上げなども大変危惧されておりますが、その点では今、公立病院の経営問題、いろいろ言われる状況の中で、消費税の影響について、現在、負担はどれほどされているのか、また、その見通しについて、ありましたら市民的影響についてお聞きをします。 ○苗代明彦議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 孤立死であったり、さまざまな事故がないように、先ほど申し上げましたように行政といたしましても、事業者との情報交換及び連携の方策について、しっかりと研究をしていきたいというふうに思います。 以上です。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △散会 ○苗代明彦議長 これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 次の本会議は、明11日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。     午後3時2分 散会-----------------------------------   〔参照〕-----------------------------------                (写)                           発財号外                           平成24年12月10日                           (2012年) 金沢市議会議長  苗代明彦様                         金沢市長  山野之義          説明員の出席等について(通知) 先に収財第38号をもって通知しました議会説明員のうち、教育委員長 佐藤秀紀は、10日の本会議に教育委員 岡 能久の代理出席を取り止めて出席します。 また、文書法制課長 中野 寛は、病気療養のため12月10日から14日まで、企業総務課長 石野圭祐は、忌引きのため12月10日から12日までの議会を欠席しますので、よろしくお取り計らい願います。-----------------------------------              正誤表平成24年(2012年)金沢市定例第4回市議会議案(その1)のうち議案第5号 金沢市生活保護法に基づく保護施設の設備及び運営に関する基準等を定める条例制定についての附則中頁正誤45施行する適用する-----------------------------------   〔参考〕----------------------------------- 平成24年定例第4回金沢市議会              発言者順序表発言予定日発言順序議席番号議員名会派名12月10日(月)119黒沢和規自民党221森 一敏みらい310宮崎雅人清風金沢411小林 誠金沢保守512秋島 太公明党629升 きよみ日本共産党12月11日(火)71高  誠自民党827玉野 道清風金沢95長坂星児金沢保守1023角野恵美子公明党1122清水邦彦みらい...