平成17年 3月 定例会(第1回) 平成17年3月10日(木曜日
) -------------------------◯出席議員(40名) 議長 不破 実君 副議長 田中 仁君 1番 安居知世君 2番 宮崎雅人君 3番 黒沢和規君 4番 松井純一君 5番 森 一敏君 6番 粟森 慨君 7番 北 篤司君 8番 清水邦彦君 9番 新村誠一君 10番 福田太郎君 11番 横越 徹君 12番 田中展郎君 13番 村池敬一君 14番 浅田美和子君 15番 東出文代君 16番 干場辰夫君 17番 森 雪枝君 18番 苗代明彦君 19番 渡辺 満君 20番 近松美喜子君 21番 山野之義君 22番 上田 章君 23番 澤飯英樹君 24番 玉野 道君 25番 増江 啓君 26番 出石輝夫君 28番 中西利雄君 29番 関戸正彦君 30番 升 きよみ君 31番 高村佳伸君 32番 宮保喜一君 34番 木下和吉君 35番 南部康昭君 36番 平田誠一君 37番 安達 前君 38番 的場豊征君 39番 上田忠信君 40番 井沢義武君◯欠席議員(なし
) -------------------------------◯説明のため出席した者 市長 山出 保君 助役 須野原 雄君 助役 赤穗敏広君 収入役 金子 衞君
公営企業管理者 山本文男君
教育委員長 津川龍三君 技監 遠藤 玲君
都市政策部長 山形紘一君 総務部長 福田雅幸君 経済部長 加納明彦君 農林部長 野崎龍行君
市民生活部長 松田昭一君
福祉保健部長 古田秀一君 環境部長 角 健治君
土木部長心得 坂戸正治君
都市整備部長 的場優弘君 市立病院
美術工芸大学 松本忠明君 浜田健一君 事務局長
事務局長心得 教育長 石原多賀子君 消防長 大浦春賢君 財政課長 丸口邦雄君
-------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長 小川秀一君
議事調査課 議事調査課長 牧野和広君 縄 寛敏君 担当課長
担当課長補佐 宮田敏之君 主査 中村 宏君 主査 朝倉 豊君 主査 九社前俊一君 主査 山下慎一君 主査 水由謙一君 主査 木谷満貴子君 書記 小木 茂君
総務課長補佐 津路文彦君 主査 本島一二君 書記 越田健靖君
-------------------------------◯議事日程(第3号) 平成17年3月10日(木)午前10時開議 日程第1 議案第1号平成17年度金沢市
一般会計予算ないし議案第117号市道の路線変更について (質疑) 日程第2
一般質問 -------------------------------◯本日の会議に付した事件 議事日程(第3号)に同じ ------------------------------- 午前10時3分 開議
△開議
○議長(不破実君) 本日の
出席議員数は、ただいまのところ40名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△会議時間の延長について
○議長(不破実君) あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△諸報告
○議長(不破実君) 説明員の出席等についての通知がお手元に配付のとおり参っておりますので、御報告いたしておきます。 〔説明員の出席等については
本号末尾参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△議案上程
○議長(不破実君) これより、日程第1議案第1号平成17年度金沢市
一般会計予算ないし議案第117号市道の路線変更について、以上の議案117件を一括して議題といたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△質疑・一般質問
○議長(不破実君) これより、質疑並びに日程第2一般質問をあわせ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 6番粟森慨君。 〔6番粟森 慨君登壇〕 (拍手)
◆6番(粟森慨君) 発言の機会を得ましたので、以下数点お伺いいたします。 質問の第1は、
北陸新幹線開業と本市の観光振興についてであります。 昨年暮れの政府・与党合意により、昭和42年の
北回り新幹線建設促進同盟会結成以来40年来の悲願であった
富山-金沢間の着工が正式に決定されました。国土交通省の試算によれば、その経済効果は約6,500億円と想定されており、
沿線自治体にとっては
都市活性化の起爆剤になるものと考えます。また、これに呼応すべく、いよいよ今月20日に完成する
金沢駅東広場もてなしドームは、
ガラスドームの斬新さと地下空間の広さを兼ね備えており、これらの施設を最大限に活用すれば、名実ともに金沢どころか北陸の新たな
ランドマークとして今後大きな注目を浴びることは間違いないものと大きな期待を抱いております。 そこで、10年後を見据えた本市の観光戦略について、以下数点お伺いいたします。 まず、
駅東広場もてなしドームについて、市長はかねてから、この施設は単なる乗降の場ではなく、多くの人々が集うにぎわいと風格のシンボルとして国内外に発信したいとの強い意思を表明されています。その具現化策の一つとして、
駅東広場完成記念月間を設定し、さまざまなイベントが企画されており、私も大いに期待しているところであります。そこで、いま一度、これらの施設に対する市長の熱い思いをお聞かせください。 次に、
観光インフォメーション機能の強化と
もてなしドームの今後の運営についてであります。観光客にとって、駅舎とはその都市におり立つ最初の空間、言いかえれば、その都市の第一印象を決定づける重要な玄関であります。現在でも、金沢駅構内に金沢市観光協会や石川県
金沢観光情報センターが配置されていますが、この施設の完成を機に、その機能をさらに強固なものにするため、県・市が一体となって、宿泊や飲食などの観光にかかわる組織を
ドーム地下空間に集約し、
観光情報発信拠点の充実強化を図ることが観光客に対するサービスの充実につながるものと考えますが、御所見をお聞かせください。 一方、長期的課題となる
新幹線開業までの10年を視野に入れた観光戦略についてでありますが、今回の
新規着工決定は、とりわけ観光業界にとって期待度が大きいものと感じます。団体客や修学旅行、個人旅行に至るまでさまざまなスタイルの観光客の増加が予想されますが、市長は、
新幹線開業が本市の観光振興に与える影響をどのように想定しておられるのか、改めてお聞かせください。 これまで観光振興のスローガンとして、よく若者をターゲットに、あるいは若者に魅力あるまちづくりをということが言われてきました。しかし、若者信仰は間違いとは言わないまでも、これからの個人消費を牽引していくのは中高年層、とりわけ3年から4年後に定年を迎える団塊の世代であると言われており、10年先の
新幹線開業を視野に入れた
観光振興戦略には、
中高年世代対策が欠かせないものであると確信しています。 そこで、これまでの
本市観光施策で
中高年世代を意識したものにどのようなものがあったのか、また、それがいかなる効果をもたらしてきたのかお伺いするとともに、新年度予算の中に、
新幹線開業を意識した
中高年世代観光戦略に関する何らかの施策が盛り込まれているのか、あわせてお伺いいたします。 さて、これまで金沢を含めた
沿線自治体では、
新幹線開業によるプラス効果ばかりに着目し、
マイナス部分は余り論議されておりません。大きなマイナス面の一つに、空陸競合、とりわけ小松空港の
利用客減少が危惧されており、新幹線が開業すれば競合する飛行機の利用が激減するというのは、仙台や新潟などの例を見れば明らかであります。
航空会社各社は、東京まで3時間を切るかどうかが一つの分岐点であるとコメントしており、まさしく2時間半を切る金沢はその影響が深刻と言えます。小松空港も当然これまでの羽田依存からの脱却を余儀なくされ、危機感を募らせている石川県が、小松空港の国際化に真剣になっているゆえんがそのあたりにあるのではないかと考えます。 こうしたことを考えれば、10年先を見据えた観光戦略のもう1つの柱として、特にアジアを意識した
国際コンベンション機能の強化が必要ではないかと考えます。とりわけ金沢市は、中国の蘇州、韓国の全州と2つの姉妹都市を有し、さらに八田技師との関係で、台湾とも深いつながりを持つ本市こそその先頭に立つべきだと考えます。21世紀美術館、
金沢駅東広場もてなしドームと相次いで他都市に誇れる施設が完成し、
新幹線開業が決定した今こそ、都心部における
コンベンション機能強化を視野に入れた施策の展開が必要であると考えます。 折しも来年は日本が国連に加盟して50周年目の節目となり、国においても当然さまざまな式典やイベントが予定されているものと思いますが、
国際コンベンション機能強化の観点から、ぜひ国連加盟50周年を記念する
コンベンションを金沢に誘致できないものか、その可能性について市長にお伺いいたします。 この問題の最後に、
コンベンションホールの建設についてお伺いいたします。
福岡国際会議場は、約100億円の総工費をかけて建設されましたが、開場から1年で、その額を上回る経済効果を生み出しました。石川県は、古来温泉地として栄え、数多くの宿泊施設を抱え、宿泊に関してはハード面は確保されていますが、大がかりな
コンベンションを開催する会議場は見当たりません。国際化、観光戦略として、都心部における
コンベンションホールの必要性についてどのように考えておられるのか、市長の御所見をお伺いいたします。 質問の第2は、金沢競馬の存廃問題についてであります。 金沢競馬は、昭和23年から
公営ギャンブルとして多くのファンを魅了し続け、現在地に移転をした昭和48年以降、平成9年までは常に利益を計上し、金沢市の財政を支え続けてきました。その額を合計すると、金沢市単独で93億円、石川県側に限っては520億円を超えています。一概には言えませんが、時代とともに貨幣価値も変わり、実質はこの額以上の価値がある歳入を県・市にもたらした金のなる木であったと言っても過言ではありません。そこで、歳入面から見て、金沢競馬が果たしてきた役割をどのように評価されておられるのか、まずお伺いいたします。 一方で、ここ数年、競馬事業を取り巻く環境は厳しさを増し、全国各地で地方競馬が廃止される中、金沢競馬も例外とはなり得ず、厳しい環境下に置かれ、本年度を含めると7年連続の赤字決算を計上するという経営状況に追い込まれているのは周知のとおりであります。
市営地方競馬事業益金積立基金も平成9年には8億3,300万円であったものが、平成16年度末には3億円余りになる見通しで、7年間で約5億円減少することになります。 昨年の6月議会で、市長は、競馬事業の廃止を視野に入れた議論が必要であると答弁をされました。しかし、廃止になると、競馬事業のみで生計を立てている方や、その周りを含めると800人を超える方々の雇用問題が生じるほか、関係者への補償金や出入り業者への影響、同時に
事業関係者からの税収がなくなることによる税収減、跡地問題、馬の移籍問題などさまざまな問題と課題が突きつけられることになります。 そこで、市長は、今日的にどのような問題と課題があると考えておられるのか、お伺いいたします。 この種の事業は、一度廃止をしてしまうと、新たに復活させることは至難のわざと言えます。これまで競馬事業で発生した利益の一部を
市営地方競馬事業益金積立基金として積み立ててきましたが、今までに事業が生み出した利益を考えれば、まだほんの一部が取り崩されただけであるとの見方もできます。いま一度、金沢競馬のもたらす効果を考慮し、廃止ありきではなく、存続させるためにはどうすべきか、またそのための努力が今求められているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 平成17年1月の競馬法の一部改正に伴って、規制が緩和され、高崎競馬では一時
ライブドアが経営に参入するという話もありましたし、高知競馬では
ライブドアとの提携を前向きに検討しているとも聞いております。官民のコスト比較では、
地方自治経営学会の
調査報告書で、「民間コストは公のおおむね半分以下であるのに対し、
サービス面では民間の方が上である」との指摘もあり、民間手法を導入し、新しい運営方法の導入や徹底的な経費削減など、まだまだ手を打つところはあると考えます。金沢競馬の廐務員は既に賃金が切り詰められ、平成12年度には平均年収が400万円近くあったものが、平成17年には200万円を割り込む方もいるという現実を踏まえ、今までメスの入りにくかった部門をしっかりと点検整備する必要があると考えます。 こうした現場の努力にこたえるためにも、新年度早々に始まる石川県との
検討委員会では、廃止論を先行させるのではなく、どうすれば存続が可能なのかをしっかりと議論していただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。 質問の第3は、「
かなざわ子育て夢プラン」についてであります。 我が国の
合計特殊出生率は、現在の人口を保つために必要な2.08を大きく下回り、平成15年には1.29となりました。人口は平成18年をピークに緩やかに減少するとともに、年齢構成が変化し、さらなる
少子高齢社会を迎えることから、経済の発展を停滞させ、活力のない社会を招くと懸念されるなど、さまざまな問題が発生するのではないかと危惧されています。 こうした状況や、本市の平成15年における
合計特殊出生率1.28という実態を踏まえ、来年度から5カ年計画で3項目の基本的視点、5項目の基本指針、さらには22項目の基本施策を柱とした「
かなざわ子育て夢プラン」を立案されましたが、今日までの取り組みで足らざるものは何であったのか、また、それらが今回のプランにどのように生かされているのかをお伺いするとともに、新年度における留意点と新規事業についてお伺いいたします。 これまで数多くの施策を行ってきても、残念ながら少子化の波をとめる防波堤にはなり得ませんでした。そこで、
乳幼児医療補助制度に視点を当て、お聞きをいたします。 現在、本市では、1カ月当たりの
乳幼児医療費は、1,000円を上限として、その額を超える医療費は全額補助となっており、平成15年度の助成件数は25万4,168件に達し、補助額では石川県が1億4,050万円、金沢市が3億2,548万円と多くの方々がこの制度を御利用されています。さらに本市は、来年度から
小学校就学児童の入院に係る医療費を、1,000円の負担のみで、それ以上の医療費は助成する方針を明らかにされました。子育てにかかる費用を考えますと、支援をより一層充実したものにしたと評価するものでありますが、まず、制度導入に至った経緯をお伺いいたします。 本市では、昨年3月に本プラン策定を前提としたアンケートを行い、その結果をまとめられましたが、その中の医療費の助成に関する項目で圧倒的に多い回答は、「
乳幼児医療費を医療機関の窓口で支払わなくてもよいようにし、手続を簡素化してほしい」、次いで「
乳幼児医療費を無料にしてほしい」でありました。保護者の立場に立って考えてみると、子育てに追われる中、後日領収書を添付して請求するという手間は、1,000円という金額以上の負担になっているのも事実です。アンケート結果からも明らかなように、保護者が
乳幼児医療に切望することは
現物給付そのものであり、少なくとも乳幼児に対しては医療費を全額補助にし、それも現物給付にならないものかと考えます。ほかの多くの中核市で
乳幼児医療費の
現物給付制度が導入されていることを踏まえ、制度を導入した場合の課題とあわせ、今後の考え方について御所見をお伺いいたします。 質問の第4は、
障害者自立支援法についてであります。 去る2月10日、
障害者自立支援法案が、現在開会中の第162回通常国会に提出されました。今回の法案は、
支援費制度から大きく3点にわたって見直されており、第1に、現在、身体・知的・精神の各障害別にばらばらの法律で定められていた障害者の
福祉サービスを一本化し、第2に、国の費用負担を義務づけ、予算の範囲内でやりくりするのではなく、必要な費用は国が2分の1を必ず負担し、そして第3は、利用者がサービス量に応じて原則的に1割の自己負担を支払うというものであります。 この法案は、長所、短所が入りまじっており、長所としては、現在の
支援費制度が対象にしていない精神障害を含め、分野を問わずにサービスを一本化したことと、国の費用負担を明確にした点で一歩前進と言えます。 しかし、問題になるのは原則1割の自己負担であります。利用者の1割負担により国の財政が軽減されることにはなりますが、当事者にとってみれば、障害が重いほど就職が難しく、十分な収入が得られなかったり、年金に頼ったりと、生活環境が厳しい中での負担増は、せっかくの制度の趣旨を後退させかねず、障害者の社会参加への流れを逆行させることにもなりかねません。低所得者には軽減措置が検討されていますが、所得保障が不十分な状況での負担導入に慎重な意見が出ているほか、
精神障害者の通院医療に関する
公費負担制度が見直されるために、自己負担が急増するとの懸念も指摘されています。 厚生労働省によると、同制度の
月平均利用件数は、平成12年が約57万件、平成14年では約70万件と年々増加しており、ほかの医療費と同様、利用者がふえ、破綻は確実として負担増を進める方針ですが、場合によっては自己負担が一挙に6倍になるケースも出てきます。このような自己負担の発生や、さらなる負担増に対し、どのように考えておられるのかお伺いするとともに、本市として独自の対応策を講じることができないものか、あわせてお伺いいたします。 新たな制度では、障害の種類を問わず、在宅介護などのサービスを同じ仕組みのもとで受けられるようになります。一方では、市町村が責任を持って対応しながら運用していく可能性が生じることになり、介護保険制度同様に市町村の役割が一層重くなることが予測されます。今国会で成立すれば、平成18年1月にも施行される予定ですが、本市の対応におくれがないか、また、スムーズに新制度へ移行するための諸準備をどのように講じていかれるのかお伺いし、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(不破実君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 6番粟森議員にお答えをします。 まず、東広場の
もてなしドームに対する思いをお尋ねになりました。駅の広場はそのまちの顔だと、そう思っています。ただ、戦後60年たちましたが、日本の駅に顔があるだろうかということになりますと、残念ながら「没個性、画一」と、こういう言葉で表現せざるを得ないというふうに思っています。 そんな意味で、金沢らしい駅の広場のありようを求めてきたわけでございますが、幸いなるかな7人の学者のコラボレートによりましてドームが考案をされたということであります。このドームは、駅へおりた人にそっと傘を出す、そういう温かい気持ちをあらわすんだということでございますし、あのドームから受ける人々のイメージは、私がお聞きする限りにおいては、比較的「和」のイメージが多いようでございますし、鼓門はまさに金沢の加賀宝生とか素囃子とか、そういうものをイメージしたわけでありまして、近代的な技術を駆使をして新しさを求める中に、歴史・伝統というものを表現することができたんではなかろうかと、そんなふうに思っている次第でございます。 ドームの地下空間に、観光協会とか
観光情報センター等の組織を集約したらどうかという御意見でございました。ドームのこの地下広場というのは、建前の上では道路施設ということであるそうでありまして、
観光団体等の事務所を集約することはできないというふうにされています。地下広場には
マルチビジョン、それから
情報検索装置を設置しまして、リアルタイムの
情報発信拠点にしておるわけでございまして、観光の皆さん方にぜひ活用していただきたいと、こう思っております。 新幹線の開業が本市の観光振興に与える影響はどうかというお尋ねでございました。首都圏だけでありませんで、沿線の都市圏からの
交通アクセスが飛躍的に向上をいたしますので、観光客、それから
コンベンションの増大が期待をされるというふうに思っていまして、その経済的効果は大きいというふうに想定をいたします。これから開業時を見据えまして、まちの魅力をどうさらに高めるかということと同時に、受け入れの体制の充実と、こういうことにつきまして、関係の皆さんと連携して取り組んでいきたいと、こう思っています。 新幹線が来たら、
中高年世代を意識した観光施策を展開すべきだという御趣旨でございました。私は、若い女性にはファッションで迎えたいと、こう思いますし、
中高年世代には歴史と文化だろうというふうに思っていまして、心の道であるとか芭蕉の道の
ガイドマップをつくったり、それから伝統芸能、工芸の
体験イベントを支援したり、間もなく
徳田秋聲記念館もできるということでございまして、既存の
歴史文化施設とあわせて金沢の魅力を発信をしていきたいと、こう思っておる次第でございます。
国際コンベンション機能の強化が大事だということでございまして、私もこれからの観光には、アジアというものを視座に置くことが適切ではなかろうかというふうに思っています。国連加盟50周年を記念した事業の詳細につきましては、まだ決まっていないというふうに聞いていますが、関心は寄せていきたいというふうに思っています。国連発足50年を機にしまして、平成7年から毎年金沢で北東アジアの
金沢シンポジウムが開かれておりまして、ことしは国連創立60年を記念をしまして、
環境シンポジウムが開催をされると、このように聞いております。 それから、
コンベンションホールも必要だという御指摘でございました。平成13年に県立音楽堂がオープンをしました。そして、今改修中の観光会館は、
同時通訳システムを整備するということになってございまして、これによって機能の向上を期したいと思っておるわけであります。ただ、この
コンベンションということになりますと、現に年に何回開催されるんだろうかと、その回数も考えたり、また現在の財政状況等を考えますと、今直ちにということにはなりません。ただ、とりあえず観光会館の機能向上で対応していきたいと、このように思っておる次第でございます。 次に、競馬の存続問題についてお触れでございました。歳入面で競馬が市に果たしてきた役割をどう思うかということでございますが、長年の関係者の努力によりまして市の財政に大きく貢献をしてきたことは事実であります。とりわけ私にとりますと、国民健康保険会計に繰り入れをして、そして、料金の値上げを抑えることができたと、ここのところの効果は大きかったと私はそんなふうに思っておるわけであります。 経営が厳しいわけですが、どんな課題を市長は考えておるかということであります。雇用の問題がありますし、補償の問題が起きますし、競馬場の跡地問題がございまして、もしもそういう事態になれば、解決をしなきゃならぬ難しい、重い重い課題があるわけであります。このことは十分に認識をしておる次第でございます。 初めに廃止ありきでなく、存続するときはどうすればいいかという、そういう視点での努力が必要だと御指摘でありました。これまで競馬事業につきましては、関係の皆さんの協力を得ながら、新しい振興策とか経費の削減を実施して収支の改善に努めたところでございまして、17年度においても県とともに収支改善に努力をしていくことにはなっております。 県との
検討委員会では、廃止論を先行させるんではなくして、存続が可能かどうかを議論してほしいという御趣旨でありました。17年度早々に競馬
検討委員会を設置するということにいたしておりますが、ここでは必ずしも廃止を前提とした議論ではなしに、新たな振興策や収支改善策など、競馬のあり方について、あらゆる角度から協議していただくということになっています。 ただ、最近の入場者の年齢構成というものを調べてみますと、50歳以上が全体の70%を占めていて、30歳以下の方々はおおむね15%ということであります。私は、ここら辺が将来展望ということについて大きいかかわりを持つんではなかろうかというふうに思いまして、事柄はやはり容易ではないという認識を強く持っているわけであります。努力はいたしましても、なおかつ厳しい状況でありますし、事業基金が底をつく事態となった場合には、ここに税金を投入してまで継続し得るかどうかと、そのことについて市民の理解が得られるかどうかと、ここがポイントだろうというふうに思っています。私は、厳しいという認識を持っていると、そう申し上げたいと思います。 次に、子育てプランにつきまして、今までの取り組みで足らないものは何なのかという御指摘でありました。子育てと仕事の両立支援を目指した多様な保育サービスの充実、金沢こども広場などの子育て支援拠点の整備に取り組んできたわけですが、さらに家庭における養育への支援、この充実が大事ではなかろうかと、こう思っています。 今回のプランでは、未就園の乳幼児を持つ家庭への支援、このことを中心にいたしまして、親の育児力を高めることについてウエートを置きたいと、こういう気持ちを持っています。新年度におきましては、今ある制度をさらに使いやすいように充実をしていくということ、そして、施策の効果的な情報提供に努めて、新たに「かるがも親子教室」とか、「子育て夢ステーション」、「ママさんカレッジ」とかいろんなことをやりまして、お母さん方の不安の解消をなくすと、このことに努力をしていきたいと思っています。 そこで、
小学校就学児童の入院に係る医療費助成の制度導入に至った経緯はというお尋ねでございました。親の方々から経済的負担の軽減を求める多くの声がございます。新たに
小学校就学児童を対象として、入院時に大きい負担となりますところの医療費を助成してみてはというふうに思った次第でございます。そうすると、この乳幼児に対する医療費の全額補助化、現物給付化、このことについて御指摘になりました。乳幼児の医療費の助成制度につきましては、仰せのとおり月1,000円の負担と償還払い、これを県の制度に基づいて運用しているものでございます。市独自で医療費の全額補助とか現物給付することは難しいというふうに思っています。 なお、御参考までに申し上げますが、この制度を変えた場合には、償還払い分の金額が特定できなくなりまして、県の補助金に影響が出ますほかに、国民健康保険事業の国庫負担金も減額されると、こういうふうな課題も生ずるということを付言をさせていただきます。 次に、
障害者自立支援法について、自己負担の発生とか負担増に対してどのように考えていくのかというお尋ねでありました。今国会に提出されております障害者の自立支援法案なるものは、障害のある方の自立を支援する観点からいたしまして、障害者
福祉サービスの一本化、そして利用したサービス量や所得に応じた公平な負担、これを求めようとするものだとされています。利用者負担につきましては、原則1割の応益負担となるわけですが、所得に応じた限度額を設定をして、低所得者には配慮するというふうに聞いています。ただ、具体的な内容について明らかになりました段階で、改善すべき点があれば、まずは国に働きかけていく、これが筋だろうというふうに思っています。 次に、この制度改正に当たって、市の対応におくれのないようにしてほしいということでございました。詳細については現在国において検討を行っているところでございまして、今後基準の内示、それから関係政省令の公布が予定をされています。市といたしましては、こうした状況を的確にとらえながら、担当職員の増員が必要とあれば、増員も行いまして、準備には万全を期していきたいと、こう思っています。
○議長(不破実君) 10番福田太郎君。 〔10番福田太郎君登壇〕 (拍手)
◆10番(福田太郎君) 私は、過去この議場において、平成13年に2回、平成16年9月議会にも、質問項目を「教科書採択について」と題して質問させていただきました。今回、4回目の質問になりますが、本年は中学校教科書の採択が決まる年、また、日本の将来を左右しかねない大事な年となる重要な平成17年当初本議会でありますので、質問項目を一歩踏み込み、中学校歴史教科書の採択についてとして質問をさせていただきます。 先月2月24日、教科書の適正化を求める石川議員の会の研修勉強会が開催されたところでもあり、党派、会派を超えて本市議会議員の多くの方が会員、または役員に御就任されており、前回の質問でも説明していることもありますので、採択における細かい説明は控えさせていただき、質問させていただきます。 私は、21世紀に生きる日本の子供たちのために、新しい歴史教科書を採択していただき、歴史教育を根本的に立て直すことを強く思うのであります。世界のどの国民もそれぞれ固有の歴史を持っているように、日本にもみずからの固有の歴史があるのであります。我が国は、古くから文明をはぐくみ、独自の伝統を育ててきました。我が国は、どの時代においても世界の先進文明に歩調を合わせ、着実に歴史を歩んできたのであります。欧米諸国の力が東アジアをのみ込もうとした帝国主義の時代も、我が国日本は自国の伝統を生かして、西欧文明との調和の道を探り出し、近代国家の建設とその独立の維持に努力してきたのであります。 しかし、それは諸外国との緊張と摩擦を伴う厳しい時代であったと思います。私は、もちろんこのような時代を経験はしておりませんが、私たちの父や母、そして先祖のたゆまぬ努力の上に、世界で最も安全で豊かな今日の日本があるのではないでしょうか。本議会において山出市長も、日韓国交正常化40周年を迎えるに当たり、「大切なことは、みずからの考え方をしっかりと持ちながら、異なる価値観をお互いに認め合うことである」と、このように述べられております。 そこで、山出市長、石原教育長にお聞きいたします。以上のように苦難を乗り越え、安全で平和な国家を築いた主な要因は何であったと考えておられるかお聞かせください。また、市長が述べられたように、異なる価値観を認め合うには、まず自分自身と自分自身が暮らす国の価値観を自分自身が認識しなければならないと思いますが、どんな教育を子供たちが受けていけばよいとお考えですか、お伺いいたします。 戦後の歴史教育は、日本人が受け継ぐべき文化と伝統を忘れ、日本人の誇りを失わせるものではないでしょうか。特に昭和61年以降の歴史教科書近代史において、日本人は子々孫々まで謝罪し続けることを運命づけられた罪人のごとくに扱われており、冷戦終結後は自虐傾向がさらに強まり、現行の歴史教科書は、旧敵国のプロパガンダのようなものをそのまま事実として記述するまでに至っているのであります。 私は、良識ある教育委員の皆さん、採択委員の方々に理解してほしいのです。世界には、このような歴史教科書を使い、歴史教育を行っている国はないのであります。私たちが子供たちに与える歴史教科書は、世界的視野の中で、日本国と日本人の自画像を品格とバランスを持ってあらわし、私たちの先祖の活躍に心を躍らせ、失敗の歴史にも目を向け、苦しいことも楽しいことも追体験できる日本人の物語でなければならないのであります。教室で使われるだけでなく、家庭で親子で読んで歴史を語り合える教科書であり、子供たちが日本人としての自信と責任を持ち、世界の平和と繁栄に貢献できるように育てられる教科書でなくてはならないと私は確信しておりますが、教育長、
教育委員長におかれましては、どのような歴史教科書が日本の未来を担う子供たちにふさわしいとお考えかお尋ねいたします。 教科書は、各採択される地域で採択されなければ子供たちが学校で使用する教科書にはなり得ませんが、本市は金沢市単独の採択地域であります。教科書を作成する会社も営利企業なので、売れる教科書を作成しなくては商売が成り立ちません。したがって、より多くの市町村教育委員会によって採択されなければならないわけで、教科書会社は採択されやすい教科書を作成するのであります。このことは、自民党、民主党などの国会議員でつくる歴史教科書問題を考える超党派の会での教科書会社の代表の発言としての報告でも明らかにされております。 本市の採択委員会には関係のないこととは思いますが、採択では、法令上の採択権者である教育委員会や採択委員会の職務権限の空洞化が進んでおり、教育委員会や採択委員会の下部組織の採択権限のない教科書研究委員会や調査委員会が深くかかわっているという指摘もあります。中でも、現場の教員が人気投票のように選んで、採択委員会へ推薦する地域があるという報告もあります。したがって、教科書会社は、採択されやすい、教員の気に入る教科書を作成するようになるのであります。 現場の先生方が気に入る教科書は結構なことではありますが、現場の教員の中には、法令で定められた学習指導要領に公然と反対する組織の一員の方が一定数おり、その方たちが精力的に採択に関与すればどうなるのか。当然、教科書会社は利益を上げるためにあえて偏った教科書を作成するようになり、その偏った教科書を採択していくことになるのであります。 本当に日本の将来、世界の平和を望み、日本人としての自信と責任を持てる子供たちを育てたいと思うならば、教育委員会の皆さん、採択委員の学識経験者の皆さん、PTA協議会の代表の皆さん、学校長の皆さん、どうか大変お忙しいとは存じますが、学習指導要領に示す歴史的分野、公民的分野の目標に最もかなう教科書はどれなのか。いわゆる新しい教科書と言われるものと、その他の歴史教科書を必ず両方読んでいただいて判断していただき、教育委員会に答申することを約束願いたいのであります。 そこで、
教育委員長にお聞きします。採択委員の方々に、必ず学習指導要領に示されている歴史的、公民的分野の目標に最も適した教科書はどれなのかとの視点で教科書を読み比べていただくことを強く推奨し、諮問していただきたいのであります。また、必ず読み比べていただける方策や工夫を準備していただきたいが、いかがでしょうか、お答えください。 また、採択委員に対しての採択判断に阻害や妨害を与えないよう未然に防ぐ措置などをあらかじめ用意や準備をするお考えはあるかお聞きいたします。 次に、栄養教諭と食育について質問いたします。 昨年の通常国会において、学校教育法の一部を改正する法律が可決、成立し、学校における食育の推進を図るための体制整備のために、学校の栄養士が教員免許を取得して、食に関する指導を行う栄養教諭制度が本年4月からスタートいたします。制度を導入するかどうかは、各都道府県教育委員会の判断にゆだねられておりますが、既に来年度からの導入に向け、北海道、茨城県、大阪府、高知県などで準備中とお聞きしております。この制度発足の背景には、朝食をとらないなど食習慣の乱れや肥満の増加、逆に過剰なダイエットに走る子供たちの増加、食物アレルギーなど食生活を取り巻く環境の変化があるのであります。 このような環境の中で、栄養教諭は子供たちが将来にわたって健康に生活していけるよう、栄養や食事のとり方などの食の自己管理能力や、望ましい食習慣を子供たちに身につけることを目的にしているのであります。家庭科や保健体育の授業などでも教壇に立ち、学校給食の献立作成や衛生管理などを行い、また、体験学習などで栽培した食材や、また本会議、平成17年度当初予算にも上程されております加賀野菜生産拠点強化事業費、加賀野菜利用拡大協議会開催費、本年、愛知県で開催される愛知万博での加賀野菜PR事業費、加賀野菜を使用する食教育推進事業費などが計上されており、本市の加賀野菜に代表されるじわもんの食材に対する並々ならぬ市長の意欲が伝わってきますが、子供たちが毎日食べる給食にじわもんを使うことでも、生産と食事のつながりを学ぶなど食に関する指導と給食を一体的にとらえる教育上の効果も期待されているのであります。 そこで、市長にお伺いいたします。市長におかれては、日ごろから加賀野菜などじわもんに対して支援をしておられるところでありますが、地元産物の学校給食での使用をもっとふやすべきと考えますが、いかがでしょうか。 一般的に栄養教諭が担う相談、指導には、栄養指導とともに食物アレルギーがある子供たちへの個別指導も含まれるのでありますが、この点では、正しい理解に基づかない指導は逆に健康を害しかねず、時には命にかかわることもあるだけに、間違いのない知識が必要なのであります。栄養教諭の養成、研修は主に都道府県が担うと聞いておりますが、石川県が制度を導入した場合、栄養教諭が十分に力を発揮できるように、知識の習得や関連する疾患の理解へ向かうための研修は、教員の研修同様に中核市の本市が栄養教諭に金沢独自の研修が行えるのかお教えください。 子供たちの食生活の乱れは、近年さまざまな影を落としております。「キレる」という言葉どおり、少年少女による信じられないような凶悪事件の増加も食生活に関連があると言われておりますし、文部科学省が毎年実施している学校保健統計調査によると、太り過ぎの子供の割合は、2002年度の調査で小学5年生で10.1%、6年生で10.9%、中学1年生で11%に上り、20年前に比べ、いずれも1.5倍を超える増加傾向を示しているのであります。私は、本市議会議員の中で体重は最重量と思われますが、私も子供のとき学校に栄養教諭制度があれば、私も現在スマートで健康体型で過ごせたかもしれないのであります。 反面、若い女性のやせ願望の低年齢化も進んでおり、厚生労働省の調査によると、不健康にやせている女子は中学3年生で5.5%、高校3年生では13.2%にも上っているのであります。栄養教諭には、社会背景まで含んだ幅広い理解と個別の対応が求められるところでありますが、子供たちの食をめぐる問題で指摘される、ふえ続ける食物アレルギーへの対応も重要な課題になり、本来ならば栄養になるべき食べ物が原因でアレルギー症状を引き起こす食物アレルギーは、適切な医療とともに、学校給食など幅広い社会的な対応が必要な疾患であることが特徴であると思うのであります。栄養教諭は、除去食や代替食の提供など個別の給食対応にもかかわり、友達と違うものを食べなくてはならない子供たちの気持ちを理解し、周囲の理解不足から生じる孤立、いじめなどが起こらないような配慮も必要と思いますが、そうした多くの課題に対応する栄養教諭をぜひ制度化し、栄養教諭になる方たちへの幅広い充実した研修などが欠かせないのであります。 先日開催された県議会においても、県当局より答弁があったようにお聞きしておりますが、現在本市には何名の学校栄養職員がおいでるのでしょうか、お聞かせください。 また、栄養職員が栄養教諭免許状を取得するために必要な講習の開設の経費は、県教委の主催で国の負担で行われるとなっておりますが、開催時期などのスケジュールなど、県より通知が来ているかお聞かせください。 本市に人事権はないと理解はしておりますが、今述べさせていただいたように、学校における食育の推進を図るとともに、県、県教委に対して、積極的に栄養教諭制度を導入し、本市内の各学校に配置するように強く働きかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。明確にお答えをお願いいたします。 次に、山間地の防災対策についてお聞きいたします。 新年度予算では、安全こそ最大の福祉との思いから、安全で災害に強いまちづくりを推進することとし、施設の耐震化推進や防災情報の提供などを中心に新たな施策が講じられております。ただ、金沢の過去の災害を振り返ってみますと、本市特有の土質のもろさに起因した丘陵地や山間地での災害が殊のほか多いことから、以下数点お伺いいたします。 丘陵地の開発に起因する災害として記憶に新しいところでは、岩出ニュータウンや車団地、田上団地など、かなり以前につくられた丘陵地の団地で、土砂崩れの被害がありました。市内には、昭和40年代以前につくられた丘陵地区の団地が数多くありますが、この安全対策にどのような手だてを講じているのか、まずお聞きいたします。 一方、山間地の開発による災害としては、伏見川上流のリンゴ畑の大規模崩壊がありますし、湯涌地区では採石のための林地開発により山が変わってきたとの指摘があり、がけ崩れなどを心配する住民の声もあります。こうした山間部の開発に対する防災面での監視体制や安全対策をどうされるのかお聞かせください。 次に、山手では人の手が入らず放置されていることに起因する災害も心配されます。その一つは、農業用のため池でありますが、近年の減反政策で山手の水田が耕作されなくなり、そのためため池も放置されているのであります。このため、池が抜けて大きい災害をもたらす危険がありますが、その対応策をお尋ねいたします。 また、昨年の多くの台風により、間伐など手入れが行き届いていない杉林を中心に、至るところで折損木被害が発生し、いまだに放置されている状況が多々見受けられるのですが、これも早急に整理しないと、土石流など新たな災害を招くことになりますが、どのようにお考えかお尋ねいたします。 湯涌温泉の旧白雲楼ホテルの敷地についても、さきの台風で玉泉湖側のがけが一部で崩れ、農道がふさがれましたし、敷地全体が長年放置されていることから、旅館街の裏手のがけ地が崩れるのではと心配する声もあります。このがけ地の真下には、旅館、夢二館、湯涌総湯などが位置しているのであります。関連として、旧白雲楼ホテルは、平成10年に閉館となり、その後、競売や早い者勝ちの特別売却でも買い手があらわれず、今なお放置されたままとなっております。建物も老朽化し、敷地内への侵入のおそれがあるなど、防災、防犯上からも看過できない状況にあります。この点についてどのように考えておられるかお尋ねいたします。 最後に、市街地近郊急傾斜地における竹の伐採と防災対策についてであります。 新年度、卯辰山の景観向上策として、繁殖したモウソウチクを伐採し、跡地にもみじの苗木を植えることとしています。景観上はまことに好ましいことではありますが、防災面で一抹の心配があります。それは、竹を伐採することで竹の根が腐敗し、地盤が弱くなり、結果として山崩れや地すべり災害を起こしやすくなるのではということであります。したがって、伐採の仕方には細心の注意が必要でありますが、どうされるかお聞かせください。 昨年10月の台風23号は本市の山間地に大きな被害をもたらしました。湯涌河内町では、河内谷川の増水で護岸が流失し、川沿いの生活路線である市道が数カ所にわたり決壊、町内が孤立しました。このときは、市職員の皆さん、特に土木部の職員の方々には、何日もかかると思われた復旧に、休日返上で丸2日で道路を開通していただいたことに、改めて地域住民にかわり感謝する次第であります。また、芝原町ではがけ崩れのおそれから、2世帯が湯涌小学校に一晩自主避難しました。また、湯涌創作の森の染織工房の裏の斜面で土砂崩れの被害があり、倒木も多く見られました。新年度予算の重点として、安全で災害に強いまちづくりが挙げられていますが、山手の皆さんの生活の安心・安全を確保する山間地の防災対策の方策についてお聞かせください。 以上で質問を終わります。(拍手)
○議長(不破実君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 10番福田議員にお答えをします。 まず、我が国がこの平和な国家を築いてきた主な原因は何だと思うかというお尋ねでありました。私は、1945年8月15日、あの第二次世界大戦が終わる日でありますが、前日まで軍国主義を教わりました。そして翌日から民主主義を教わりました。私は、そういう貴重な体験をした世代の一人ですが、それだけに教育の大切さ、ひょっとしたら教育の怖さ、そんなことをつくづくと感じることがあります。あの荒廃の中から今日の平和と繁栄を築き上げてきたわけでありますが、私にしてみますと、やはり日本人の勤勉と忍耐、この2つが今日の基礎を築いてきたんではなかろうかなと、こう思っています。 ただ、ここに来て、豊かさの陰に隠れまして、勤勉とか忍耐という価値観が遠くへ行ってしまっている、そんな気もするわけでございまして、改めて教育の大切さを思っておる次第でございます。 次に、学校給食でじわもんをふやす、そんなことについて、市長は一生懸命取り組んでほしいということでありました。それで、私もじわもんという言葉を大事にしたい一人でございまして、ハス蒸しでありますとか、金時草の酢の物でありますとか、太キュウリのスープでありますとか、季節に応じてこういうじわもんの献立をできるだけ取り入れてほしいということを申し上げていますし、現に努力はされているというふうに思っています。 とりわけ加賀野菜なんかは、郷土の文化とか、あるいは歴史、伝統とかそういうことを教える素材にもなるわけでございますんで、これからもできるだけ使うという方向で努力をしてほしいということを教育委員会にも伝えてまいりたいというふうに思っています。 同時に、私は、魚もという気持ちがありまして、今、魚は骨があるから給食から外す、そういう嫌いがあるやに思っていまして、ここは骨をクリアする、そういう工夫をやって、そして地元の魚も使ってほしいなと、そういう気持ちを持っておるということを申し上げておきたいと思います。 山間地の防災対策にお触れでございました。40年代以前のこの造成地の対策については、
都市整備部長から、また、山間地の防災面での監視体制とか安全対策とか、ため池の件は農林部長からお答えをいたします。 私からは、この間の台風で折損木被害が大きい、私もそう感じていますし、現に現場も確認をしています。約43ヘクタールの折損木被害が発生したというふうに言われています。8割は市営造林地でございまして、これにつきましては、この保険の査定が終わった造林地から順次整理をしていくつもりでございますが、何分にもおくれているのは、個人造林の被害の整理でございまして、これにつきましては、造林補助事業等を利用しまして、早急に整理するように森林所有者に働きかけをしているところでございます。 次に、白雲楼ホテルの防災上のことをお尋ねになりました。何分にも急ながけの上にホテルがあるわけでございますし、長い間、放置をされていまして、心配なことであります。この地元の方々も心配をされておるわけでありますが、何分にも法的な資産整理の過程にあるわけでして、このことに時間がかかっておるわけであります。市としても苦慮いたしておりまして、整理の手続の進行を見ながら、どのような対応策を講じていけばいいのか、地元の皆さんとも十分話し合っていきたいと、こう思っております。 それから、卯辰山のモウソウチクのことは
都市整備部長からお答えをしまして、私からは山手の防災対策、とりわけ湯涌河内の災害を例にお挙げになりました。御指摘のように、地形的な特性からいたしまして土砂災害が発生しやすいということであります。住んでいる皆さん方には正確な情報の提供に努めまして、的確な防災対策を講じていかなければいけないと思いますが、しかし、この問題は、もともとの原因は開発行為にあるというふうに思っております。この開発行為について、法の適用があるなしのいかんにかかわらず、開発事業者の自省、そのことを求めたい、そんな気持ちでいっぱいでございますし、こうしたことに対する地元民も安易であっちゃいかぬ、このことも促したいというふうに思います。 市といたしましてこれから監視をしていかなきゃならぬわけでありますが、これからの対応といたしますと、こうした事例が起きないように、金沢市における土地利用の適正化に関する条例という条例をつくらせていただいていますんで、この運用も考えて、万全を期していきたいと、こう思っています。
○議長(不破実君) 石原教育長。 〔教育長石原多賀子君登壇〕
◎教育長(石原多賀子君) 10番福田議員にお答えいたします。 中学校の歴史教科書の採択について幾つか御質問がございました。 まず、我が国が苦難を乗り越え、安全で平和な国家を築いた主な要因は何であったと考えるかというお尋ねでございました。財産や社会的地位、仕事などすべてを失うような極めて厳しい戦後の社会状況の中で、唯一失うことのないものとして、人が身につけた能力や技術等、すなわち教育の大切さに国民が強い関心と情熱を持ったことは、戦後社会の再建に大きな役割を果たしたと思っております。そして、人材育成が重要であると教育にエネルギーを注ぎ、勤勉な人材を輩出したことが、産業の振興に貢献し、安全で平和な国家を築いた主な要因と考えております。 異なる価値観を認め合うにはどんな教育を子供たちが受けていけばよいと考えるかというお尋ねでございました。異なる価値観を認め合うためには、我が国の歴史や文化、伝統に対する理解を深め、これらを愛する心を育成するとともに、異なる文化や習慣を理解し合うことが大切であります。これらを通して、みずからの考えをしっかりと持ちながら、国際社会に主体的に生きる日本人としての自覚と資質を育成する教育が必要であると考えております。 どのような歴史教科書が日本の未来を担う子供たちにふさわしいと考えるかというお尋ねでございました。歴史の学習を通じて、子供たちが我が国及び世界の歴史に対する理解を深め、国際社会に主体的に生きる日本人としての自覚と資質が育成されることに寄与することがふさわしいと考えております。 栄養教諭と食育についてお尋ねがございました。教員の研修同様に、栄養教諭に金沢独自の研修が行えるかという御質問でございました。地方教育行政の組織及び運営に関する法律第59条には、中核市に関する特例により、教職員の研修権限が中核市に来ております。これらの点から、栄養教諭が配置された場合には、金沢独自の研修を行う予定でございます。 それから、本市には何名の栄養教諭がいるか、学校栄養職員が栄養教諭免許状を取得するためのスケジュールが県から来ているかという御質問がございました。現在、金沢市には、小学校17名、中学校4名の学校栄養職員が配置されております。学校栄養職員が栄養教諭免許状を修得するためのスケジュール等の通知は、現時点ではまだ石川県教育委員会からは出されておりません。 また、県や県教育委員会に対し積極的に栄養教諭制度を導入し、市内の各学校に配置するよう強く働きかけるべきと考えるがいかがかというお尋ねでございました。公立小中学校の栄養教諭は、御承知のとおり県費負担教職員であるため、県教育委員会の判断により配置されます。学校栄養職員が大学で単位を取り、教諭の免許を取得するに当たっての配慮や、今後どのような配置がなされるか等についての動向を関心を持って見守りたいと思っております。 以上でございます。
○議長(不破実君) 津川教育委員長。 〔教育委員長津川龍三君登壇〕
◎
教育委員長(津川龍三君) 私に対する御質問は3つあったかと思います。 まず1番、どのような歴史教科書が日本の未来を担う子供たちに対してふさわしいと考えるかと、こういう御質問でございますが、我が国及び世界の歴史に対する理解を深め、国際社会に主体的に生きる日本人としての自覚と資質が育成されること、また、将来古きよき伝統と近代文化がほどよく調和している金沢を、歴史的観点から胸を張って、我が国内はもとより外国の人たちへも語れるような内容の教科書が金沢の生徒に望ましいと思っております。 2番、読み比べをするかということでございますが、ただいま各教科書会社の本を読み比べることの大切さを言われましたけれども、まさに当然のことと認識しております。次年度の採択については、国及び県の採択方針がまだ示されていませんが、学習指導要領を踏まえ、教科書採択委員の方々が読み比べられるよう、すべての教科書をそろえ、研究期間も十分に確保するなど工夫してまいりたいと思うところであります。 3番、採択判断に阻害や妨害を与えないような未然防止措置を講ずることはあるかというお問い合わせでございましたけれども、教科書の採択は県の教育委員会の指導、助言を受けながら金沢市教育委員会の判断と責任のもとに行うものであります。採択にかかわっては、昭和27年--1952年11月、当金沢市教育委員会発足以来、全国同様、公正かつ適正にやっておるものであります。ましてや、外部から不当な働きかけにより採択がゆがめられることのないように、採択環境を確保していくことが大切であり、今後ともその確保に厳正に対処していきたいと考えております。 また、
教育委員長である私は、4年前、前回の中学教科書の選定のときには、展示場へ6日間通いましたし、昨年の小学校教科書の選定のときは2日間展示室に通っておりました。教育委員の方々もそれぞれ展示場に通ったという次第でございまして、この先ほど申されていた教科書の選定というのは極めて重要な問題でございますので、我々教育委員会は大きな責任事項として一生懸命やりたいと思っております。 以上です。
○議長(不破実君) 的場
都市整備部長。 〔
都市整備部長的場優弘君登壇〕
◎
都市整備部長(的場優弘君) 昭和40年代以前につくられた丘陵団地の安全対策についてお答えをいたします。 昭和40年以前のものはもとより、これより新しいもので、造成後20年以上を経過している丘陵団地につきましては、梅雨の前や台風前などに重点的にパトロールを実施し、危険箇所の把握に努め、所有者に注意を促しております。また、安全上問題がある丘陵団地につきましては、順次地盤調査を行いまして、問題がある箇所の町会や所有者の方々には、防災工事の必要性やがけ地の補助制度の利用を促すなど安全対策に努めております。 次に、卯辰山でモウソウチクを伐採すると、根が腐敗し、地盤が弱り、災害が起きやすくなると言うが、伐採にはどのような注意をしているのかとのお尋ねがありました。近年、のり面崩落の原因といたしまして、竹の地下茎がその背丈に比べ浅いために、崩落しやすいことが指摘をされております。卯辰山公園でのモウソウチクの伐採に当たりましては、事前にのり面の状況を調査し、問題箇所につきましては、伐採後の防災措置を行うとともに、定期的な点検を実施するなどのり面の安全性確保に十分心がけております。 また、竹林伐採跡地に植栽しましたもみじにつきましては、卯辰山を彩るだけでなく、もみじが成長して根が深く広がることによりまして、のり面を安定させる上で大きな効果があるものと考えております。
○議長(不破実君) 野崎農林部長。 〔農林部長野崎龍行君登壇〕
◎農林部長(野崎龍行君) 山間地の開発に対する防災面での監視体制や安全対策についてお答えをいたします。 山間地の地すべりや土砂崩れなどのおそれのある箇所につきましては、毎年、農地・林地防災週間及び防災の日に、県と共同でパトロールを行い、危険が確認されました箇所につきましては監視を強化するとともに、開発者に対し災害防止のための防災工事の実施を促すなど安全対策に努めております。 次に、農業用ため池の災害対策についてお答えをいたします。放置されているため池につきましては、管理をしています地元生産組合に強く撤去を指導しています。また、使用されているため池のうち、人家や農地に被災のおそれのあるものにつきましては、県と共同して調査を行い、順次改良、修繕を行っております。今後とも県及び地元の施設管理者など関係機関と緊密な連携をとりまして、万全の対策を講じていきたいと考えております。 以上でございます。 〔「議長、10番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○議長(不破実君) 10番福田太郎君。
◆10番(福田太郎君) 先ほどの教科書についての御答弁、非常にいい御答弁をいただいたと思っております。ただ、教育委員長、教育長ともに学習指導要領に沿ってする、そして日本人としての自覚と、また資質を持って胸を張ってという、いいお言葉をたくさんいただきましたが、きょう委員会の中で出席されるのはお二人だけであります。ぜひともほかの委員のメンバーの方にも、きょうここで御答弁なさったことをきちっと伝えていただいて、指導要領に沿って採択の調査をしてほしい、結果を出してほしいと思いますが、いかがですか。
○議長(不破実君) 津川教育委員長。 〔
教育委員長津川龍三君登壇〕
◎
教育委員長(津川龍三君) おっしゃるとおりにいたします。
○議長(不破実君) 5番森一敏君。 〔5番森 一敏君登壇〕 (拍手)
◆5番(森一敏君) 会派社民の一人として、以下数点にわたり御質問をいたします。 質問の1点目は、読書推進プラン21の事業化と学校図書館の充実についてです。 〔議長退席、副議長着席〕 子育ちが困難さを増す中、内面の成長やすべての基礎である日本語力の復興に読書教育の充実が今日ほど叫ばれている時代はありません。その意味で、本市が昨年度、金沢子ども読書推進プラン21を策定したことは時宜にかなったことでした。また、常任委員会で要望いたしました蔵書数の改善は、地方交付税教育費積算基礎による算出によれば、04年度では交付額の180%前後、本予算案でも若干縮小されたものの、ほぼ同等の予算措置を行って、努力されていることを評価いたします。 一方、プラン実施2年目に入る来年度予算に、残念ながら司書の配置はありません。県内各地でも学校図書館に司書の配置が進むにつれ、子供たちの読書意欲や学習への図書館活用が飛躍的に高まる成果が報告されているにもかかわらずです。司書教諭はもとより図書ボランティアの意欲と善意にのみ依拠した図書館運営には限界が指摘されておりますし、今年度事業化された学校図書館資源共有ネットワークも、機能化のための人的な体制が不十分です。また、学校図書館支援事業は、学校現場で好評を得ているものの、それ以上に公立図書館との連携事業は進展しているようには思えません。本市において学校図書館司書の配置を行わない中で、いかにして学校図書館を充実させ、子供たちの読書環境を改善するのか、また、司書教諭の職務が機能化するためにどのような支援を行うのか、依然として有効な方策が見えてはおりません。 そこで、以下の2点についてお尋ねします。 第1に、今年度完結を見る第5次図書整備計画により、文科省基準を下回っていた学校図書館の蔵書状況はどのように改善を遂げることになるか、その見込みをお聞かせください。 2点目に、公立図書館との連携施策の拡充を含め、司書なき学校図書館充実の明確なビジョンをお示し願います。 質問の2点目は、中心市街地活性化における香林坊旧映画街再整備についてです。 「君と出逢った 香林坊の 酒場に赤い 灯がともる ああ金沢は 金沢は」、御当地ヒットソングに歌われる香林坊は、言うまでもなく金沢の顔ともいうべき歴史ある繁華街です。私にも、子供のころ祖父に連れられて百万石パレードの帰り道に通ったにぎやかなお宮さんかいわいや、怪獣ガメラに夢中になった映画館の風景など懐かしい思い出があります。16世紀にまでさかのぼるとされる町名由来を持つ香林坊は、近代化とともにカフェ全盛期、喫茶店の出現、そして映画を中心とした娯楽街へと変遷を遂げながらも、片町とともに常ににぎわいの中心でありました。 しかしながら、その香林坊地区も、県庁移転や大規模店進出を初め、郊外型開発の波と長期不況が重なり、往時のにぎわいはありません。とりわけ再開発となった109テナントビルから一歩足を進めますと、懐かしき映画街周辺地域が再整備から取り残され、人の息吹が希薄な駐車場地帯へと変貌しているのです。この風景は、隆盛を知る者にとっては寂しさのきわみですし、全国から香林坊の風情を求めて訪れる観光客にとっては期待外れです。 当初予算案には、都心軸を中心としたまちなか活性化施策が計上されています。しかしながら、香林坊再整備について言及はありません。私もこの香林坊旧映画街地区にいかに人の流れを呼び込むのか、そのために市としてどんな役割を担っていくのか、真剣な検討の時期であると考えます。私の雑駁な構想を申し上げますと、この地区は、全国に名の通る繁華街の顔と、市民憩いの娯楽街としての歴史があることから、大衆的な娯楽、芸能文化の交流、味覚と買い物を楽しみ、世代を超えた遊びの交流拠点としての再整備が適しているように思われます。 イメージとしては、芝居、古典芸能から、ロック、ジャズ、さらにははやりのラップに至るまでのジャンルを選ばない多彩な文化表現の舞台となる小規模なホール、けいこ場、催し物広場、会議室、映画館、遊技場、子供の遊びランドなど複合した施設を中核に、その周辺に駄菓子屋、飲食店、生鮮品の店、日用雑貨の店などが並んだ人の笑顔の行き交うまちといったところでしょうか。ここへ後背地、犀川両岸地域や長町、長土塀地区から歩いて、あるいはコミュニティーバスに乗って、親子連れや孫の手を引いたお年寄りが通ってくる、市内全域から発表と交流の場を求めて若者たちが集う、また、美術館から回遊してきた市民や観光客がまた一味違った楽しみを味わうのです。 旧映画街再整備の動きが7年前にとんざした経緯は承知しております。しかし、あれから時間とともに経済・社会状況も変化し、地元の思いにも変化が見られるのではないでしょうか。市民協働の事業として再整備に取り組むことは、新幹線開通で危惧されるストロー現象--我が会派では「電気掃除機現象」と呼んでおりますが、それへの一つの果敢な挑戦ではないかと思うのです。そこで、お伺いします。改めて山出市長の香林坊に寄せる思いをお聞かせください。 2点目に、昨日の答弁では、地元機運の高まりを待つというニュアンスが強調されましたが、市行政がリーダーシップを発揮し、地元に働きかけを行うとともに、商業者、NPO、文化活動者、各年齢層の市民など香林坊繁華街の再興に関心を寄せる市民に広く呼びかけたミーティングチームを立ち上げるなど、香林坊繁華街再整備のあり方について市民的な検討を始めてはいかがでしょうか。再度市長の見解をお伺いします。 質問の3番目は、教職員人事考課制度の試行導入についてです。 石川県教育委員会は、昨年末、2005年度から小中県立学校の半数で同制度の試行を行い、2006年度から本格実施に入ることを表明いたしました。実施の手法は、個々の教職員が校長の学校運営方針に基づいて自己申告する年間目標の達成度、第一評価者である校長、最終評価者である地教委教育長が業績として評価し、それを処遇に反映させるいわゆる目標管理方式と呼ばれる方式です。 ところで、能力・実績に基づく目標管理型人事評価システムが、90年代に導入を先導した大手民間企業で失敗であったと総括がなされ、抜本的な見直しを迫られていることは、富士通の失われた10年を初め周知のとおりです。個人数値目標が会社目標とどうしてもずれ、個人の目標達成感と会社業績に溝が生まれた、待遇差をつけて従業員間競争をあおった結果、従業員をばらばらに切り離し、評価者である管理職と評価制度そのものへの抜き差しならない不信感をつくり出してしまった。こうなると、会社への所属意識や労働者としてのモラルもなえ、目標の安易な設定、製品の品質低下、販売活動の停滞へと危機的な状況に歯どめがかからなくなったというものです。 こうした事例について、「虚妄の成果主義」の著者であり、東京大学の高橋伸夫教授は、「成果主義的な考え方は100年前に既にあった。人はいかにすれば働くのか、さまざまな実験が行われた。テイラーやフォードのシステムは科学的な課業設定には偉大な足跡を残した。しかし、差別的出来高払いの賃金制度はうまく機能せず、すぐに否定され、今や経営学の教科書の中からも忘れ去られようとしている。今また日本企業の実態や従業員意識、現場感覚から余りにも乖離した誤った認識に基づいて、百害あって一利なしの人事制度が多くの企業に導入され、機能不全を起こしている。かつての日本型人事システムの本質は、給料でではなく、次の仕事の内容で報いる内発的動機づけシステムだということである。従業員の生活を守り、働きに対しては、仕事の内容とおもしろさで報いるような人事システム、日本の経済成長を支えてきた日本型年功制の人事制度こそ究極の姿である」と述べています。 私は、公務員への能力・実績主義の人事評価システムの導入は、1周おくれ、いや、100周おくれで迷走するランナーのように思えてならないのです。 高橋教授は、さらに「成果主義のもとで、仕事は金銭的な報酬を得るための手段と化し、人は外的報酬の獲得のために働くようになってしまう。つまり内的な動機づけはかえって低下してしまう」と結論づけております。学校教育への成果主義導入を考える際、まさにこの問題が極めて重要です。この点について、ある現場教職員は次のよう述べております。「意欲や努力が報われる体制と言うが、報われるのは、決して給与や処遇だけではありません。子供たちと日々つながり、その中で子供たちの成長を見ること、保護者や地域とつながり、子供たちに感謝し、感謝されることなど、給与や処遇にはかえられません。現在の学校現場は、そういった教職本来の魅力ややりがいを奪っているように見えます。子供と触れ合い、一緒に遊ぶ時間もないなど多忙化が進み、教育施策がトップダウンでおりてくる現在、そのことに対応するだけで精いっぱいの学校です。教師は考えることをやめ、言われることだけをすればよいというマニュアル化が進んできているように思います。人事考課によって評価者である管理職や教育委員会の顔色ばかりをうかがうイエスマンがふえることになれば、子供がみずから考え、生きる力をはぐくむ教育に携わる教職員としては逆の状況です。今、教育委員会に求められているのは、能力や業績を処遇に反映することなどではなく、学校にゆとりや自主性、創造性を取り戻させることであると思います」。私も全く同感です。 成果主義による競争が、今日の社会の荒廃に結びついているとの深刻な指摘もあります。外的報酬目当てに働く教職員のことを子供たちは鋭く見抜くでしょう。教職員への成果主義の導入が学校現場に無用の混乱を持ち込み、子供たちの教育に取り返しのつかない荒廃をもたらすのではないかとの深い危惧を覚えるのです。よって、新年度からの試行導入を前に、最終評価者として制度運用にかかわる教育長に対し、試行並びに本格実施に関し、以下の点からお伺いします。 第1、教育長は、成果主義の虚妄性の指摘や学校における内的な動機の重要性についてどのような見解をお持ちでしょうか。また、人事考課制度がどのように作用し、今日抱える教育課題解決につながるとお考えなのかもあわせてお尋ねします。 第2に、表明後約3カ月という短い準備期間での試行の導入です。「自分にはわからないから教育委員会に聞いてくれ」と答えた校長がいたと聞きます。第一評価者である管理職がこれでは話になりません。学校関係者への周知はどのようになされてきたのでしょうか。 第3に、さまざまに条件が異なるところで教育活動が行われる、その業績をいかなる基準で評価するのでしょうか。その評価基準は示されているのでしょうか。また、評価者の資質、能力こそが問われますが、評価者の評価能力向上にどう取り組むのでしょうか。 第4に、成果主義が機能する大前提として、評価者に対する被評価者の信頼感が極めて重要なことはさきに述べたとおりです。県教委が指示した職員からの意見聴取を十分に保障しなかったり、意見聴取そのものを受け付けなかった校長もいるようです。日ごろの学校運営において、一般教職員から管理職は全幅の信頼を得ているのでしょうか。また、教育長御自身、現場教職員から十分な信頼を得ているとの自負がおありでしょうか。 第5に、評価に納得性を持たせるには、相互の信頼関係、民主的な関係性が大切です。その意味で、評価は双方向で行われるのが相当です。ある民間保険会社は、社員による管理者評価の制度を取り入れていると聞きます。県教委の人事考課制度では、一般教員から管理職や教育委員会当局者への評価制度は盛り込まれてはいない、このことをどうお考えでしょうか。 第6に、苦情処理機関の設置について何ら言及がありません。業績評価結果の本人開示もない、苦情処理機関もないでは、制度は著しくバランスを欠き、一方的な監視制度と変わりません。苦情処理機関の設置についてどうお考えでしょうか。 第7に、労使間協議の問題です。教職員が協力、協働のもとで生き生きと教育活動に没頭し、子供たちや学校が抱える諸課題を解決することにつながる評価制度はいかにあるべきか。本市においても、試行の段階から職員団体とも十分に協議しながら制度を練り上げていく必要があります。5原則2要件が未確立な現状での試行は見合わせるべきですし、とりわけ業績評価の処遇への反映は慎重を期さなければなりません。あわせて教育長の見解をお尋ねします。 質問の第4、国民保護協議会設置に関してお尋ねいたします。 本市当初予算案に国民保護協議会開催費30万円が計上されました。一昨年6月、国会論議さなかの有事法案に対し、私は、初登壇の本議場で、戦争の事態になったら、軍隊が果たして市民の生命や財産を守ってくれるのかとの根本的な疑念、憲法に規定のない首相への非常大権の付与、地方自治権の制限の恐れ、総動員を意味する自治体並びに国民の協力義務、アメリカと一体化することによる有事の常態化、世界化などについて問題提起いたしました。以後の有事法制確立の流れは、崩壊した戦前の全体主義国家日本が、脅威の絶えざる誇大宣伝によって構築されていた歴史を私にほうふつとさせるものです。 有事の際の住民避難は、地方自治体の対策本部の責任とされておりますが、鳥取県でのシミュレーションでは2万6,000人の住民がバス避難をするのに11日間もかかったり、鳥取市が12万人市民を自衛隊の作戦行動が優先される中で避難させることは検討の余地を超えていると発言するなど戸惑いは隠せません。私は、率直に言って国民保護は建前にすぎず、軍事的な海外展開を支える国内体制を平時に確立するねらいを持って国民保護体制は準備されているのではないかとの疑いさえ覚えるのです。 よって、以下の点、お伺いします。 第1に、国民保護計画の実効性に疑問が出されていますが、見解はいかがでしょうか。 第2に、国民保護法第40条に規定される市町村国民保護協議会の組織運営に必要な事柄は、条例によって定める旨、第8項に規定されております。協議会設置の法的根拠となる条例制定がない中での予算計上は問題です。見解を求めます。 第3に、金沢市国民保護協議会の構成についてお答えください。 第4に、住民の平和的な生存権保障という地方自治の本旨にかんがみ、計画の軍事的な色彩への傾斜に歯どめをかけ、文民統制を担保する上で、協議会に諮られた計画は、議会への形式的な報告にとどめず、議決、承認の対象とすべきと考えますが、いかがでしょうか。 第5に、国民保護計画に基づく啓発、訓練活動に当たっては、外国人排斥や偏見の助長は厳に戒めなければなりません。また、市民個人の思想、信条の自由、自己決定権は尊重されなければなりません。計画策定の基本として、市民的権利擁護との関係についてどのようにお考えでしょうか。 質問の5点目は、再度、敗戦60年記念事業についてです。 山出市長は、提案理由説明の冒頭に、「さきの大戦後、人類が営々として築き上げてきた平和と繁栄がまさに脅かされようとしており、戦争を体験した世代の一人として、その悲惨さと平和のとうとさを改めて思わざるを得ません」と述べられ、国際情勢困難な今日ゆえの平和への強い思いを開陳されました。戦後世代の私も同じ思いを持つものです。昨年9月議会において、敗戦60周年の節目に、戦争の教訓を銘記し合う市民参加の平和イベント開催を提案いたしました。市長は「議員の提案も含め研究してまいりたい」と答弁されましたが、当初予算案事業計画にその姿は見当たりません。どのような研究がなされたのかお尋ねいたします。 質問の6番目、市民の協働による新たな市政のスタートに当たって、市民参加及び協働の推進に関する条例案が上程されました。12月議会で論議されましたように、市政のあらゆるプロセスで実質的に市民参加が進むよう、今後の施策展開による肉づけが重要です。 新たなスタートに当たって一つ提案いたします。それは、市民向け
予算概要書の全戸配布です。住民主体の町政で全国的に有名な北海道ニセコ町の活性化のスタートが、予算情報の開示と共有でありました。御検討をお願いし、私の質問を終わらせていただきます。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)
○副議長(田中仁君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 5番森一敏議員にお答えをします。 旧の香林坊映画街の再整備についていろいろお尋ねになりました。あのかいわいですと、せせらぎ通り商店街、あれは再生されたかなというふうに思っています。木倉町商店街は今のところ空き店舗はないと、そう認識をしています。ここらあたりはよくなったわけですが、仰せのとおり香林坊の一角、映画街、あそこが元気がないということであります。ずっとシネマ文化の発信拠点でありましたし、娯楽の場でもあったわけでございまして、そういう意味で都心のわい雑さ、そういうものを象徴する大事な場所だというふうに思っております。 これまで映画街の再生とか、あそこの地区の活性化について、地元の方々と協議をした経緯がありますが、まとまらなかったということもあったわけであります。この際ひとつ市長も力を入れてという御趣旨でございますんで、地元への呼びかけの努力はいといません。呼びかけてみますが、同時に、地元の皆さんもやはり整備をしようという、そういうお気持ちにもなってほしいわけでございまして、この高まりもぜひ欲しいと、こう申し上げておきたいと思います。 次に、国民保護協議会の設置のことについてお尋ねでありました。実効性はどうかというお尋ねであります。法律では、市町村長は県の計画に基づきまして計画をつくって、そして避難住民の誘導、救援を行うということになっています。これから知事と協議をいたしてまいりまして、的確、迅速な避難住民の誘導、救援の役割を果たしてまいりたいと、このように思っています。 法的根拠をお尋ねになったわけでありますが、この協議会の設置そのものにつきましては、法律によりまして条例の定めは必要ないということになっておるわけですが、運営上必要な事項について、県・市ともに条例で定めるということになっています。市町村の保護計画と都道府県の保護計画は密接なかかわりがありますために、現在県の議会で審議中の国民保護協議会条例を参考にいたしまして、本市の場合は6月以降の議会にお諮りをさせてほしいと、このように思っています。議決を得ました上で協議会を開催をしてまいりたいということであります。 先に予算をのせたのはいかがなものかという御指摘でございました。予算は年間の見積もりでもございますし、総計予算主義の立場からいたしますと、むしろのせることが好ましいというふうに、適切だというふうに思ったわけでございまして、それを超える意図はございません。 次に、国民保護協議会の構成について答えろということでありました。広く住民の意見を求めるという視点からいたしまして、保護法の40条に書いてございまして、ここでは、国の地方行政機関、県、自衛隊、電力、運輸、通信、放送、こういう分野から市町村長が任命するということに法は求めております。 次に、協議会に諮られた計画は議決対象にすべきだと、これが文民統制の視点から大事なことだという御趣旨でありました。有事の際に国民の生命、身体、財産を保護をしまして、避難誘導とか救援を的確、迅速に行うための計画でございまして、その作成に当たりましては、保護協議会に対して諮問をするということが義務づけられております。市町村長は計画策定後は速やかに議会に報告をして公表をするというふうに法律で決められておるということを申し上げます。 それから、外国人の保護、住民の人権保護を大事にするようにということであります。法律の5条におきましては、有事の際においても憲法で保障する基本的人権の尊重がうたわれております。かつ私権の制限が発生する場合でありましても、必要最小限で強制はあってはならないと、このように国民保護に関する基本指針と、この指針の中に明記をされております。外国人につきましても、人権の保障は権利の性質上、適用可能なものは当然等しく及ぶと解されておりまして、国民保護法におきましても、日本に居住をし、滞在をしている外国人の生命、身体、財産を保護すべきものとされております。 次に、戦後60年の記念の平和事業についてお触れでございました。これまで毎年8月に泉野図書館におきまして原爆パネル展を開催をして、そして平和の大切さを訴えてきておるわけであります。来年度新たに戦後60周年記念事業といたしまして、夏休みの期間中に平和のとうとさをテーマにいたしまして、小中学生とその親御さんを対象にした講演会を開きたいと、このように思っています。加えまして、泉野図書館で新たに戦争と平和に関する図書コーナーを設置いたしまして、来館者に貸し出しをする、また、ビデオの放映等も行うことにいたしております。 市民との協働市政というものを進めるに当たって、市民向けの
予算概要書を全戸配布できないだろうかというお尋ねでありました。税の使い道を理解していただくということは大変大事なことだと思います。金沢市では、新聞やテレビの広報で新年度予算の特集を組んでおります。写真やグラフを使いましてわかりやすく解説をした「写真広報かなざわ」と、この配布もいたしております。また、半年ごとのポスターでありますが、財政事情の公表をいたしておりますし、ホームページでも予算案の概要を詳しく掲載もしてございまして、他都市以上にいろんな手段によりまして情報提供に取り組んでおるつもりでございます。そういうことでありますんで、さらに新しい配布物を作成をするということは今のところ考えてございません。
○副議長(田中仁君) 石原教育長。 〔教育長石原多賀子君登壇〕
◎教育長(石原多賀子君) 5番森議員にお答えいたします。 子ども読書推進プラン21の事業化と学校図書館の充実について幾つかお尋ねがございました。まず、第5次図書整備計画により学校図書館の蔵書状況はどのように改善を遂げるのかというお尋ねでございました。第5次図書整備計画は、当初平成15年度から18年度末までの4年間の計画でございまして、達成率を小学校で65%、中学校で73%としておりました。この計画の一層の充実を図るために、1年間前倒しをして学校図書館蔵書の整備を行うこととしたものでございます。その結果、第5次計画の完了時点である平成17年度末の達成率は、小学校で68%、中学校で73%になる見込みでございます。 公立図書館との連携施策の拡充を含め、学校図書館充実のビジョンを示すようにという御質問でございました。学校図書館設置の趣旨にかんがみ、昨年度から任命配置されました司書教諭や担当者を中心に、学校図書ボランティアの方々の協力を得ながら校内体制づくりが進められております。また、公立図書館との連携につきましては、学校図書館支援図書等の団体貸し出しの利用も大変進んでおりまして、今後とも公立図書館司書の指導、助言を受ける等の連携強化を図っていきたいと思っております。 さらに、今年度から3カ年の計画で進めております学校図書館資源共有ネットワーク推進事業におきましては、小中学校の図書資源の共同利用のあり方や、今年度末で全校に完備する学校図書館蔵書管理システムのより効果的な活用について実践的に研究を進め、学校図書館を活用した教育活動の充実を図ってまいりたいと思います。 教職員人事考課制度の試行導入について幾つかお尋ねがございました。まず、成果主義や教職員人事考課制度の試行導入についてどのような見解を持ち、その制度が今日抱える教育課題解決にどうつながるのかというお尋ねでございました。 教職員人事考課制度は、任命権者である石川県教育委員会が導入する制度でありまして、詳細についての検討は今後県教育委員会においてなされると聞いております。子供の学力向上に向けて、教職員一人一人が目標を立てて教育に取り組むことは大事なことであり、その結果を評価することは次への改善にもつながるものでございます。教職員が子供たちの成長を願い、常に真剣に子供たちと向かい合い、教育に取り組む姿勢を示すことが何より大事であると思っております。 学校関係者への周知はどのようにしてきたのかという質問でございました。平成17年1月14日に石川県教育委員会が直接校長を集めまして人事考課制度の説明を行っております。今後試行校が選定され、その学校の校長に対して詳しい説明がなされると聞いております。また、この試行導入につきまして、評価基準や評価者の評価能力の向上、また、一般職員からの評価制度の盛り込み、本人への情報開示や苦情処理機関、また職員団体との協議などお尋ねがございましたが、評価基準等制度の運用にかかわることにつきましては、今後石川県教育委員会が開催いたします教員の評価に関する調査研究会議の中で明らかにしていくものと聞いております。 また、管理職や教育長は一般教職員から信頼されているのかというお尋ねでございました。学校は、教職員同士が切磋琢磨し、保護者や地域の信頼を確保しながら教育活動を進めていくことが大切でございます。管理職は学校の責任者としてそのことを十分承知の上で学校運営に取り組んでおります。子供が学力をつけ、豊かな人間性をはぐくむことを通して、保護者や地域住民からより一層の信頼を得られるよう、金沢市教育委員会として何をなすべきかを常に考え、学校を指導し、支援することが大切であると考えております。 以上でございます。 〔「議長、5番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○副議長(田中仁君) 5番森一敏君。
◆5番(森一敏君) 再質問をお願いいたします。 まず教育長にお願いします。 私が具体的に御質問をした内容については、正直言いますとちょっとはっきりした答弁はなかったなという感じは否めません。特に試行は4月から導入されると、そのように聞いておりますけれども、であるならば、今3月10日、こういう状況に至って、運用等にかかわって基準も含めてこれから説明がなされていくんだということは、やはり理解しがたいこのスケジュールではないかなという感じがしています。何よりも評価者と被評価者の間が信頼関係を持って納得の上でこの制度が運用されていくということでなければ、私が冒頭に御紹介しましたように、この制度そのものが逆に大きなマイナスを招くということですから、やはり私は、この導入そのものもより慎重に導入、つまり今の段階ではまだ時期尚早ではないか、そうした観点について、金沢市教育委員会として県教委にやはり物申していく必要があるんじゃないかなと、そのように思いますけれども、いかがでしょうか。
○副議長(田中仁君) 石原教育長。 〔教育長石原多賀子君登壇〕
◎教育長(石原多賀子君) ただいまの森議員の御意見については、県教委の方にお伝えしておきます。 以上でございます。
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△休憩
○副議長(田中仁君) この際、暫時休憩いたします。 午前11時58分 休憩-------------------------- 午後1時3分 再開
△再開
○副議長(田中仁君)
出席議員数は、ただいまのところ39名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
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△質疑・一般質問(続き)
○副議長(田中仁君) 休憩前の議事を継続して、質疑並びに一般質問を続行いたします。 14番浅田美和子君。 〔14番浅田美和子君登壇〕 (拍手)
◆14番(浅田美和子君) 発言の機会を得ましたので、私は、公明党金沢市議員会の一員として、以下数点にわたって質問いたします。一部重なる部分もございますが、よろしくお願いいたします。 質問の第1は、安全・安心のまちづくりについてです。 昨年は国内外を次々と襲った台風や大地震で自然災害の恐ろしさが浮き彫りになった年でした。豪雨や台風などの風水害や新潟中越地震での大きな被害、さらに大津波が人々をのみ込んだスマトラ沖地震では、死者・行方不明者が約30万人に達する未曾有の大惨事となりました。巨大な自然災害に遭遇し、その圧倒的な破壊力を目の当たりにして、人も社会も謙虚に足元の防災を見詰め直すときが来ているのではないでしょうか。 歴史に残る阪神・淡路大震災から10年、中越地震は直下型で、豪雪地帯として雪の重みに耐える太い柱に軽い屋根、強固な基礎の家が多く、高い耐震性を発揮したと言われますが、それでも4,000棟以上の住宅が全壊や大規模半壊し、現在も厳冬の中で多くの被災者が不自由な避難所生活を続けております。世界のマグニチュード6以上の地震の2割が集中する地震列島である我が国は、震災を逃れることができない宿命と言えましょう。だからこそ私たちは覚悟を決めて被害を最小限に抑える減災への備えをすべきだと考えなければなりません。中越地震を他山の石として、あすは我が身と受けとめ、ふだんからの地震の備えを点検し、できる限りの対策を講じておきたいものです。 本市では、17年度当初予算の重点施策として、1番目に安全で災害に強いまちをつくるとして、地域防災計画の見直しなど多くの施策を計上されました。災害の援助に駆けつけ、現場で諸問題の解決に御尽力された職員の皆様の体験に基づいた提案が随所に反映されたことに敬意を表しますとともに、市民の一人として心強く存じます。 さて、私たち公明党石川県本部では、人々の地震防災への意識が高まっているこの時期に、今後の防災行政の推進や防災意識の高揚に役立てることを目的として、市民防災意識アンケート調査を実施いたしました。2月上旬に議員、党員が市内全域で直接面談方式で調査し、767名の皆さんから回答を得ることができました。以下、まとめを紹介しながら数点質問と提案をさせていただきたいと存じます。 調査項目は、「今後地震が起こる不安を感じるか」、「地震に対してどのような対策や準備をしているか」、「防災に対して行政に望むことは何か」など10項目になっております。 「大地震が起こる不安を感じるか」との問いに、「強い不安を感じる」、「少し感じる」と答えた人が82.3%になり、多くの人が大地震に対する不安を感じていることが明らかになりました。一方、「地震に対してどんな対策や準備をしているか」との質問には、「家具などが倒れないような安全対策をしている」11.4%、「非常持ち出しの準備をしている」13.6%、「緊急時の避難や連絡方法について家族で話し合っている」26.5%と、不安を感じているのとは裏腹に緊急時の対策が進んでいない実態が浮き彫りになりました。 また、「行政に望むこと」は、「災害補償制度」が20%と一番多く、続いて「緊急医療体制」19%、「防災情報」、「子供や高齢者の避難誘導体制」と続きました。次に、「本市の耐震診断、耐震改修の補助制度」については、「知っている」が16.6%、「利用しようと思う」が53.2%になりました。先日、市長のもとにアンケートの調査報告を届けさせていただきましたが、ごらんになって市長の率直な御所見を伺いたいと存じます。 ところで、政府の地震調査委員会では、一昨年3月に、本市の森本・富樫断層帯について30年以内、最大で震度7、発生確率は最大5%と予測をしております。本市で直下型地震が発生した場合の人的被害や建物崩壊、ライフラインの被害等をどのように想定しておられるのか、また、どのように対処されようとしておられるのかお尋ねします。 2点目に、自助、共助、公助についてです。 災害は、シナリオどおりには絶対やってこない、突然出される応用問題のようなものだと言われます。そのために、日ごろからみずからの命はみずからが守る、みずからの地域はみんなで守るが基本であることは言うまでもありません。阪神大震災では84%の人が家屋や家具の崩壊で圧死をしました。生き延びることができた人で行政が救った人は200数十人、自衛隊が救出したのは100数十人、民間が救出したのは2万5,000人だったということです。被災後、生き残った人たちが、倒れた家屋の下や瓦れきの中から隣近所の人たちを救ったのです。中越地震でも道路が崩壊し、連絡網も遮断された村落で、地域の人たちが助け合い、支え合って生き延びることができました。 みずからも家具の固定や非常持ち出しの準備など自分の身を守る対策を講じておく必要性や、ふだんからの地域のつながりを大切にしていく重要性、さらに高齢者、障害者、子供などの災害弱者の対策も必要でしょう。このことから、平常時から災害時における自助、共助の心の大切さを訴えていくため、市民に対してどのように喚起していかれるのでしょうか。 3点目に、災害図上訓練についてです。 本市では、自主防災組織を中心に防災訓練を実施してきましたが、17年度には自主防災組織のリーダーを対象に災害図上訓練を実施することとしています。私は、シナリオどおりに進めるこれまでの避難訓練だけではなく、地域の皆様方と地震があったときを想定しながら歩き、電柱が倒れたらこの道は通れない、消火栓はここにあるなどと確かめながら、身近な防災マップをつくることや、子供たちも学校の総合学習の時間を使った防災プロジェクトに取り組むなど、情報を分析する力、判断、理解する力、迅速に行動する力を身につけていくことなど、一歩踏み込んだ対策が大事だと考えております。 静岡県では、災害図上訓練を中心とした実践的な訓練や避難所の運営などの実施方法を研修し、その研修で習得した防災活動をそれぞれの地域で普及させていく防災指導員を養成しております。これらの指導員が各地域やボランティア団体などで災害図上訓練を実施していて、小学生や中学生、高校生などを初め多くの県民に普及されているそうです。本市としましても、学校や社会福祉施設や事業所などへの普及を図り、より一層地域防災力の強化につなげていく必要があるかと存じますが、どのように進めていかれるのかお聞かせください。 4点目に、最も大切な地震対策である建物の耐震化についてです。阪神大震災や中越地震での家屋の倒壊は、そのほとんどが建築基準が緩かった81年以前の建物でした。本市の木造住宅は約13万2,000棟で、このうちの7割がこれに該当すると言われております。本市では、今年度より市民が所有する建物の本格的な耐震診断や耐震改修工事に対して補助金を出し、市民の意識の喚起を図りましたが、利用状況など現状はどのようになっているのか伺います。私たちのアンケートでは、制度があることを知らない市民が78.9%もおられ、改修の勧めのパンフレットを紹介した結果、53.2%の方が利用しようと思うと答えられました。当初予算では、住宅の耐震診断や設計について助成制度の拡充を計上され、防災対策を一歩進められました。 私は、防災訓練のときや公民館の講座などを活用しながら啓発していくこと、あるいは市民に自宅の耐震性を各自で診断する我が家の耐震調査票を配布し、不安がある人に調査票を提出してもらい、耐震診断に取り組んでいくことも重要ではないかと思います。また、普及啓発をするため、建築関係団体や金融機関や市民団体の代表で住まいの耐震促進部会を設け、市民と専門家を結びつける仕組みづくりや市民向け情報提供の企画立案に取り組んでいくことも一案かと存じます。また、住宅密集地などで地域全域の耐震化に取り組むことも大事です。ともあれ住宅の安全は防災の基本と言われます。市民に対してどのような普及啓発活動を進めていかれるのかお考えをお聞かせください。 この問いの最後に、市民の生命を守る救急応急手当てについてです。金沢市民の15%を目指している心肺蘇生法の普及が順調に進んでいるとお聞きしております。統計的に市民の2割が心肺蘇生法を実践できれば、だれかが倒れたときに必ず助ける人がそばにいて、救命率が向上すると言われます。アメリカでは、中学1年生の保健体育の授業で心肺蘇生法に取り組んでいるということです。本市での中学生、高校生の習得はどのようになっているのでしょうか。 ところで、昨年7月、一般市民も講習を受ければ、自動体外式除細動器(AED)を使用できるようになり、一段と心臓突然死に対処できるようになりました。AEDは、電極パッドを傷病者の胸に張りつけ、後は音声メッセージに従うだけで安全に除細動を行うことができ、心停止に陥った多くの人を救うことができるということです。私は、多くの人が出入りする市役所や市総合体育館、21世紀美術館などに設置し、市民の命を時間の壁を超えて守っていくことが必要だと考えております。万一の場合、市民が迅速に対応できるように、心肺蘇生法とあわせてAEDの取り扱い方の講習会を開いていくことも必要かと存じます。今後の取り組みについてのお考えをお聞かせください。 質問の第2は、食育について伺います。 100年前、村井弦斎は、「食道楽」の著書の中で、「小児には、徳育よりも智育よりも体育よりも食育が先。体育、徳育の根源も食育にある」と力説しております。かつての日本は、自分の家でつくった野菜や米などで、どの家庭でも一緒に料理をしたり食卓を囲んだりすることによる親子のコミュニケーションや、料理を通した教育を家族が担ってきました。近年、食生活周辺では大変革が続いております。女性の社会進出が進み、家族のだれもが多忙な中、かつて主婦、母親が家でつくり外で食べた弁当は、今や外で買うことが断然多くなり、食材や家族形態のみならず、食べる時間や場所も多様化し、外食に加えて調理食を持ち帰ることも多くなっております。 いつでもグルメを楽しめる飽食日本が招いた結果は、「キレる」子供たちの事件が相次ぎ、荒れやいじめは減らず、不登校、学級崩壊などの問題行動も目立ち、アレルギーやアトピー性皮膚炎の激増、肥満、糖尿病と現代っ子を取り巻く環境は深刻になってきたと言えます。食生活がすべてとは言えませんが、一つの要因であることには違いありません。 こうした現状を受け、国では「健康日本21」を策定し、食育に力を入れ始め、小泉総理もさきの施政方針演説で「食育を国民運動として展開する」と述べております。本市におきましても、金沢健康プランに基づいて食生活の改善に取り組んでいるところです。欧米諸国では、幼児期から自分で選び、つくる能力を身につけ、字が読める前、数字が数えられる前に食の自立を支援する食育活動が広く認知され、各地で実施されています。三つ子の健康百までと言われますが、本市において幼児期の食育についてどのように取り組まれているのかお尋ねします。 2点目は、学校給食についてです。現代の食生活で失われた一つが和食や伝統食、郷土食という形で受け継いできたバランスのよい食生活だと言われております。規則正しくバランスのとれた食事をするという意味では、学校給食は大変重要で、たんぱく質やビタミン、ミネラルの1日の必要量の半分を満たすようにつくられていると言われ、栄養面から見ても子供の食生活を支える役割は大きいものがあります。最近では、学校給食でも取り組まれている郷土食ですが、住んでいる土地の四季折々の気候風土にはぐくまれたしゅんの食材が一番体によく、野菜の露地栽培が栄養豊富で健康増進に役立ちます。小中学校での食育の取り組みとあわせて、学校給食における地産地消の取り組みがどこまで進んでいるのかお尋ねします。 3点目に、栄養教諭についてです。食の自己管理能力や望ましい食習慣を子供たちに身につけさせることを目的に、17年度より栄養教諭制度がスタートします。栄養教諭は今急速にふえ、大変な問題となっている偏食傾向などによる肥満や痩身のほか、食物アレルギーや摂食障害のある児童に対して、きめ細かい個別指導など、家庭、地域と連携した食育の推進を健康教育の一環として行う専門家であり、その役割が大きく期待されるものです。栄養教諭の採用、配置は県にゆだねられておりますが、食育の推進を考えると、本市においてもできるだけ早く配置が必要と考えます。県教委に対して、積極的に栄養教諭の制度を導入し、各学校に配置するよう働きかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。 質問の第3は、市立図書館におけるビジネス支援について伺います。 職能開発や創業などのために、社会人みずからが学習する必要性、重要性がますます高まってきており、近年多様な情報源を有している図書館のビジネス支援サービスが広く求められております。欧米では公立図書館が地元の企業やサラリーマンにビジネス情報を提供することが一般的になっております。ゼロックスやポラロイドカメラの創業者がニューヨークの公共図書館でビジネスに関する情報やヒントを得たことは有名です。 日本でも、千葉県の浦安市立図書館が10年前から取り組み始め、仕事で図書館を使いたいために浦安へ引っ越した人の話を聞いたことがあります。東京都でも平成14年度に、ニューヨーク公共図書館をモデルとするビジネス支援図書館「TOKYO SPRing」を開設しております。本市としましても、テクノパークや工場用地への企業誘致やSOHO支援などで優秀な企業や人材の確保に取り組んでいるところです。学術文化都市金沢の付加価値を高めるためにも、図書館にビジネスコーナーを設置し、関連の新着図書、新聞、雑誌を配架し、新製品や株価の情報などのデータベースが利用できる環境を整えていくことも必要かと存じます。 ビジネス支援には、それを可能とするような高度なスキルを持った専門職の司書の確保が重要な課題にもなると思います。美大や周辺にある大学や専門学校などの有する図書館や、近隣の図書館とのネットワークシステムの構築で取り組むことも考えられますが、本市の現状と今後の取り組みについての御所見を伺います。 質問の第4は、介護保険の改正についてです。 介護保険制度の改正案が閣議決定され、国会で審議されております。介護保険は、制度が認知されるに従って利用者数も大幅に増加し、要介護認定者はスタート時の218万人から400万人になり、今後さらに高齢化が進む中で介護保険制度の安定運営が大きな課題となっております。大幅にふえた給付は、負担とのバランス上、保険料の上昇につながり、施設介護と在宅介護の利用者の給付と負担の差は公平性の点で問題が残りました。在宅介護のかなめであるケアプランを立てるケアマネジャーのほとんどは、サービスを提供する事業者側に所属しているため、公平で適切な給付と介護状態の改善に効果的なプランが提案できたか疑問です。しかし、制度自体は確実に定着し、介護の担い手は家族から社会へと変わりました。まず保険者としてこの5年間の評価と課題について、市長の御所見を伺います。 改正案には、予防重視型への転換、施設給付の見直し、新たなサービス体系の確立、サービスの質の向上などがあります。介護保険は、在宅生活を続けていくためのサービス体制が十分に整っていなかったため、施設重視のあり方が変わらないとの指摘から、このたびの改正では地域密着型サービスを創設し、小規模多機能型居宅介護、認知症高齢者グループホーム、夜間対応型訪問介護などの在宅介護支援サービスや施設と在宅の中間的なサービスを地域に整備することになりました。特に痴呆があっても、その人らしい生活と人間関係を保ち、なれ親しんだ地域で暮らし続けられるように利用者の心に寄り添うケアができる通いから泊まり、そして緩やかに住みかえができる小規模多機能型サービス拠点づくりは理想的な介護の姿ではないでしょうか。在宅に365日24時間の安心を届けることができるこの施設をきちんとした質を確保しながら、どのような構想を持って整備されていかれるのか、お考えをお聞かせください。 次に、このたびの改正のポイントである介護予防についてです。要支援、要介護1の比較的元気な方々に対してサービスの見直しを行い、高齢者が潜在的に持っている能力を活性化させる予防給付を軸とした支援に切りかわります。非該当の方については、筋力トレーニングや歩行訓練、基礎運動や栄養指導を行うなどの地域支援事業が新設されます。健康診断や筋力トレーニングを指導できるマンパワーの確保など、高齢者の介護予防、自立支援のため、介護予防拠点の整備と予防サービスの充実に今後どのように取り組まれていくのか伺います。 一人一人を尊重し、大切にする心を忘れない利用者のための介護保険制度を願って、私の質問を終わります。(拍手)
○副議長(田中仁君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 14番浅田議員にお答えをします。 まず、安全・安心のまちづくりにつきまして、市民アンケートの調査結果に関する感想をお尋ねになりました。先日拝見をさせていただきまして、読ませてもいただきました。真摯なお取り組みに敬意を表したいと思います。 結果は、市民の意識の現状というものを素直に率直に反映されているというふうに感じました。不安を感ずる人は多いけれども、備えを行っている人は少ないという結果でございまして、啓発の大切さというものを痛感をした次第であります。市といたしますと、16年度に防災覚書シートを全戸配布したわけでございまして、これをひとつ参考にしていただいて、改めて災害への備えをお願いをしたいと、こう思っています。 行政に望まれる施策の中に、災害補償制度の充実というのが一番手にあったわけですが、このこともさることながら、災害発生時に命を守るということがまず大事でございますんで、住宅の耐震化、その支援措置の拡大、こういうことを今度打ち出したわけであります。なおかつそのことを周知されていない方々が多いということでございますんで、PRのあり方には一段と工夫をしてまいりたいと、こう思っております。 ライフラインの被害想定は担当の部長からお答えをいたしまして、私からは、災害時における自助、共助、そして公助の大切さを市民に喚起すべきだというお考えでございまして、ごもっともだと思います。自分の命は自分で守るという自助、まちの安全はみんなで守るという、ともに助ける共助、それからインフラ整備などは行政が責任を果たすべきだと、行政が支える公の助け、支援、公助。自助、共助、公助、この3つが大切だというふうに思っています。改めまして、市民の震災訓練、水防訓練、それから、これから始まります災害図上訓練、あるいはこのもろもろの防災研修等を通じまして、災害に対する備えの大切さ、これを喚起してまいりたい、こう思っています。 次に、災害図上訓練の進め方についてお尋ねになりました。3年計画を持っていまして、市内すべての自主防災組織、それから消防団のリーダー、こうした方々を対象にいたしまして、身近な自分たちの周りの地域を防災の点から具体的に見詰めて、図上での災害パターンというものを想定をしながら対策を学んでいただくということにしております。リーダーの方々にはそのノウハウを生かしていただいて、そして広く実践、普及に当たってほしいと、このように思っておる次第でございます。 建物の耐震診断の現状、助成の状況については、所管の部長からお答えをし、市民の生命を守る救命応急手当てについては消防長、そして
福祉保健部長からお答えをしたいと思います。 また、乳幼児の食育のことにつきましても、取り組み方は
福祉保健部長からお答えをいたしまして、私からは市立図書館のビジネス支援についてお答えをしたいと思います。これを実現するためには、IT機器、それからビジネス関連専門図書の整備が必要でございます。また、ビジネスマンからの相談にもこたえられる職員の確保、育成が大切だと思っております。本市では、ビジネス関連の図書は多数所蔵いたしておりまして、この支援のサービスにつきましては、図書館利用サービス全般のあり方を見て、含めて研究をしたいと思いますし、御指摘にもありましたけれども、大学図書館とのネットワークをつくると、こういうことも大事なことでございますんで、これから研究をしてまいりたいと、このように思っております。大事な視点だと思います。 それから、介護保険制度のことにつきまして、5年間の評価をどう見ているかというお尋ねでありました。5年たちました。その間、サービスの利用者は年々ふえてまいりますとともに、サービス基盤の整備をされまして、高齢者の介護を社会で支えるという社会保障システムとしてとりあえず定着をしてきているというふうに思っています。 ただ、一方で給付費が増大をしてまいりまして、将来ずっと安定的、持続的にこの仕組みが運営できるかどうか、これが大きい課題だというふうに思っています。したがいまして、制度改正の内容をずっと見きわめてまいりまして、介護予防を重視するというシステムへの転換、それからもう1つは、地域密着型サービス基盤の整備、こういうことに取り組んでまいりたいというふうに思っています。 そこで、小規模多機能型サービス拠点の整備について、どんな構想を持っているかというお尋ねでありました。この拠点づくりにつきましては、まだイメージが示されているにすぎないわけでありますが、住みなれた地域で生活を継続するために有効なサービスが小規模多機能型サービスではなかろうかというふうに思っています。整備に当たりましては、人員の配置、それから介護の報酬などこの具体的な情報を集めまして、分析をいたしまして、また事業者の意見も聞きながら、長寿安心プラン2006、この策定の中で検討をしてまいりたいと、こう思っております。 それから、介護予防のためのマンパワーの確保、それから拠点整備についてどう取り組むのかというお尋ねでございました。マンパワーの確保につきましては、既存施設の理学療法士さん、作業療法士さん、あるいは保健師さん等の有資格者の確保が必要でございますし、新たにボランティアを含めて人材の養成にも努めていきたいと、こう思っています。 それから、予防拠点の整備、サービスのことにつきましては、1つは大手町の健康プラザ、もう1つは福祉保健センター、こういうところを中心にする拠点、これが1つ。それから、もう1つは、公民館等の地域の拠点、これも考えてまいりまして、計画的に整備をし、充実をさせていきたいと、こう思っています。これからの大きいテーマと心得まして真剣に取り組んでいきたいと、こう思っています。
○副議長(田中仁君) 松田
市民生活部長。 〔
市民生活部長松田昭一君登壇〕
◎
市民生活部長(松田昭一君) 本市で直下型地震が発生した場合の人的被害や、建物崩壊、ライフラインの被害等をどのように想定しているのか、また、どのように対処されているのかとの御質問にお答えします。 平成7年度から9年度にかけて行いました森本・富樫断層帯が連動した場合の地震を想定した金沢市震災アセスメント調査によりますと、人的被害は死者が約1,300人、建物被害は大破が約2万4,000棟、それから焼失が約2万3,000棟、また、ライフラインの被害は、道路、上下水道、ガスなど約7,600カ所など大きな被害が想定されておりまして、この想定に基づきまして現在の地域防災計画を策定し、防災訓練や食糧等の備蓄を初め、市有施設の耐震補強や自主防災組織への支援など、ハード・ソフト両面からの施策を実施してきているところでございます。
○副議長(田中仁君) 的場
都市整備部長。 〔
都市整備部長的場優弘君登壇〕
◎
都市整備部長(的場優弘君) 建物の耐震診断等の補助制度の利用状況についてお答えをいたします。 今年度末見込みでございますが、木造住宅につきましては、耐震診断が5件で23万円、耐震設計が3件で30万円、耐震改修工事が2件で90万円、合わせて10件、143万円でございます。また、非木造建築物につきましては、耐震診断が1件、23万円でございました。総合計では11件、166万円の見込みでございます。 次に、市民に対してどのような普及啓発活動を進めていくのかとのお尋ねでございました。木造住宅の簡易耐震診断につきましては、新たに無料の出前相談事業を実施し、校下や町会の求めに応じ、随時地元へ出向くほか、住宅が密集しております特別消防対策区域内では、一般住宅を職員が直接訪問し、無料で簡易耐震診断を行うこととしております。また、建築指導課内に常設の相談窓口を設置いたしまして、広く市民へ利用を促してまいりたいと考えております。 さらに、耐震補強の方法や改修事例を盛り込みました金沢独自のガイドブックを作成し、建築組合やリフォーム業者等の協力をいただきながら、民間の方々と一体となって耐震改修の普及啓発に取り組んでまいりたいと存じております。 以上です。
○副議長(田中仁君) 大浦消防長。 〔消防長大浦春賢君登壇〕
◎消防長(大浦春賢君) 中学生、高校生の救急応急手当て取得状況についてのお尋ねにお答えします。 中高生につきましては、保健体育の授業やわく・ワーク体験で心肺蘇生法を中心とした救急応急手当て講習を実施しており、これまでの受講者はおおよそ3,500名であります。引き続き中高生の受講について働きかけをしていきます。 次に、AEDの取り扱い講習の取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。今後、普通救命講習などに自動体外式除細動器、いわゆるAEDの取り扱いに係る項目を組み入れ、救命率の向上を図っていきたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(田中仁君) 古田
福祉保健部長。 〔
福祉保健部長古田秀一君登壇〕
◎
福祉保健部長(古田秀一君) 自動体外式除細動器の市施設への設置につきまして御質問がございました。医療従事者でない者が自動体外式除細動器を使用することが認められてまだ日が浅うございますので、まずは使用した場合の効果の検証と、この機器を自信を持って使用できる職員を養成した上で導入について考えてまいります。 次に、幼児期における食育への取り組みにつきましてお尋ねがございました。本市では、子供の発達段階に応じた食育の取り組みを進めております。福祉保健センターでは幼児食教室を開催し、健康的な食習慣の基礎づくりを行っております。また、保育所では、毎日の給食や野菜の栽培、クッキング教室などを通しまして、食べ物への感謝の心や大切さ、また、正しい食習慣が身につくように取り組んでいるところでございます。 以上でございます。
○副議長(田中仁君) 石原教育長。 〔教育長石原多賀子君登壇〕
◎教育長(石原多賀子君) 14番浅田議員にお答えいたします。 小中学校での食育の取り組みについてお尋ねがございました。子供たちが望ましい食習慣や正しい食事のあり方を身につけることは大変重要であると考えております。これらは基本的には年間の食事回数の約6分の5以上を担う家庭に負うところが大変大きいのではございますが、学校においても、家庭科、保健体育、学級活動、給食の時間、総合的な学習などの時間で指導しているところでございます。また、金沢市健康教育推進プランの中では、7つの健康課題の一つに食教育を取り上げました。学校のみならず家庭や地域との連携を図りながら進めているところでございます。 学校給食における地産地消の取り組みについてどこまで進んでいるかというお尋ねでございました。学校給食においては、季節に応じて加賀野菜など新鮮で安心のできる地場産物をできるだけ献立に取り入れておりまして、今後も努めていきたいと思っております。明年度、加賀野菜を含めた地元食材を使用した献立を小学5、6年生と中学生から募集を行うことにしております。そして、優秀な献立につきましては、学校給食の献立に取り入れたり、給食だよりで保護者にお知らせするなど食文化の継承や郷土や地域への理解を深めるきっかけの一助にしたいと考えております。 栄養教諭の配置につきまして、積極的にこの制度を導入し、県教委に対して各学校に配置するよう働きかけてほしいというお尋ねでございました。公立小中学校の栄養教諭は県費負担教職員であるため、任命権者である県教育委員会の判断により配置されております。学校栄養職員から栄養教諭への移行も含めまして、今後どのような配置等がなされるのか、動向を見守りたいと思っております。 以上でございます。
○副議長(田中仁君) 30番升きよみ君。 〔30番升 きよみ君登壇〕 (拍手)
◆30番(升きよみ君) まず、市長の施政方針について伺います。 戦後60年、ことしは節目の年に当たります。市長は、これまで幾度か非戦災都市の金沢では文化の振興が平和につながるとした旨の御発言をなされてまいりましたが、いよいよ本市の住民、自衛隊第10師団60名の隊員がイラクに派遣される、また、国民保護法に基づく協議会設置要求がされる事態になり、市民の文化の享受も脅かされる状況になってきました。 今、急速に改憲勢力の動きが活発化しておりますが、国民の多数は、第二次世界大戦の痛恨の反省から、戦争放棄と戦力を持たないことを規定した憲法9条を守ろうというのが世論であります。日本の知性と良識を代表する方々、大江健三郎さんや梅原猛さん、加藤周一さんらが立ち上がり、憲法を輝かせ守ろうという運動が大きく広がっております。市長、戦争体験の大先輩として、日本と世界の平和な未来のために、21世紀を生き抜く子供たちのために、憲法を守るお立場を明快にしていただきたいと思うのですが、いかがですか。御所見を問うものです。 また、本年は平和を語り継ぐ集いや新たな市民へのアピールなど特段の平和行政推進を行うべきと思いますが、その具体策を伺うものです。 ところで、市長は元気なまちをつくることを重要視され、
新幹線開業に期待を寄せ、まちの魅力と活力の源かのようにして整備建設に力を入れられるようですが、果たして新幹線建設によって真に元気なまちになるのでしょうか。先日、私たちは九州佐賀に視察に行ってきました。そもそも長崎ルートは佐賀県にとってメリットがあるのだろうか、新幹線になってもスーパー特急の時間短縮効果はないに等しい、財政負担も重いとのことで、建設の是非をめぐり論じられてまいりましたが、今日、新幹線によって福岡市だけがひとり勝ちであること、大都市に流通、消費が流れるストロー現象に、周辺自治体は在来線を廃止させないために、1市6町でJR長崎本線存続期成同盟会をつくり、新幹線整備反対に住民や議会を挙げて取り組んでいる状態などを学んできました。 我が党は、これまでも多大な地元負担の押しつけと在来線の第三セクター化や能登線廃止を進めようとすることに問題が多いことを指摘してきましたが、今日段階で殊のほか首都圏に集中するストロー現象や在来線廃止に不安を抱く住民が多い状況下、改めて伺うものです。 政府・与党合意では、経営分離に対する
沿線自治体の同意を着工条件の一つにしておりますが、これは法的根拠のないことです。第三セクター化は結局廃止への道を進むものと考えられますし、とても受け入れることのできないものと考えます。JRも民間企業である以上、永久に分離区間間に列車を走らせる保障もなく、将来への確かな保障はありません。市長は在来線を守り、JRの経営分離に反対されますか。これまで森本、東金沢、西金沢と3駅整備を進めてきたことからも、JRによる財政負担と在来線確保を求めるべきと思いますが、そのお考えをお聞かせください。 市長は、599億円をかけた駅前大改造を終え、127億円の巨費を投じた駅東広場を起点にして、
新幹線開業にあわせ、まちなか活性化に向け、駅周辺土地利用構想を策定されるとあります。しかし、駅北土地区画整理事業区域内にJR西日本がイオンフォーラスを核とした商業施設を出店すると伝えられておりますが、こうした大型商業施設が出店となると、結局武蔵、香林坊とまちなかは活性化に至らず、JR、イオンなど大手企業だけが潤うまちとなるのではありませんか。土地利用構想策定に当たる基本的な考えを伺います。 さて、武蔵地区です。市当局は、第3工区に引き続いて第4工区再開発事業を推進し、5億7,700万円を投資するとしておりますが、第4工区の事業はやめるべきではありませんか。特に、近江町再開発事業は、権利者全員の同意を得たと言っても、いまだに事業見通し、商売の将来に不安を強くしておられます。そこへダイエー店舗閉鎖ニュースに一層不安を強めております。 そこで、市長、近江町、武蔵再開発事業に影響はありませんか。今回の閉店、売却店リストに名を連ねている金沢店については、かわりの業者の入居を再生機構が責任を持って速やかに行うよう、少なくとも空き店舗のままで放置するようなことは避けるべきと申し入れるべきと思うものですが、いかがですか。市長の施政方針をお聞きしましたが、何よりも市民一人一人が真に大切にされる市政、市民主体のまちづくりを推し進めていただきたいと思うものです。 次に、新年度予算についてです。 小泉内閣3年9カ月の間で、私たちの暮らしと社会は大きく後退しました。「勝ち組、負け組」の言葉がはやり、国民の圧倒的多数は負け組にされ、今の暮らしだけではなく、将来も脅かされております。とりわけ大増税、国民負担増税路線が急速に強まっております。今、政治に求められていることは、弱肉強食やもうけと効率だけ重んじるような方向ではなく、一人一人が大切にされる連帯の社会を築くことであると考えます。市長、当然市政運営に当たってはそうした立場を貫かれるべきと考えますが、いかがですか。少なくとも、新年度予算に最も弱者の方々の福祉や暮らしが最優先される施政と胸張っておっしゃることができますか。 確かに、三位一体改革による地方交付税の削減を初め、自治体財政の厳しい中、中期財政計画に基づいた予算を組まれました。その中身は、他都市から見て、先んじて大型プロジェクト、大型公共事業を既に終えておりますから、今年度際立った大型公共事業は従来より減じておりますものの、緊縮財政の中でも相変わらず都心軸整備に力が注がれております。今回、子育て支援に力を注がれ、
乳幼児医療費の就学児童までの入院給付事業が進められたことなどは評価するものですが、しかし、この事業で2,450万円、赤ちゃん子育て必需品支援事業などを含めて7,600万円です。この金額は金沢駅の公園整備の7,100万円や
もてなしドームの維持管理費の1億1,800万円に及びません。それよりも最も弱者と言われる高齢者の方々への福祉削減や負担の強化をされたことは許されません。 ところで、政府は所得税の20%、住民税の15%を減税した定率減税の縮小、廃止を行い、大増税を進め、その上、年金保険料、雇用保険料を引き上げとする7兆円の新たな負担増をしたことは各位も御承知のとおりです。これが市民生活にずっしりと重くのしかかってきております。定率減税の廃止、増税がいかに市民に耐えがたいものかはごらんのとおりです。 高齢者夫婦で増税がいかに市民に耐えがたいものか見てください。年金が年収で260万円の方で見ると、現在、税金非課税、国保料が8万9,280円、介護保険料は7万740円、ところが、19年には所得税4万5,700円、住民税2万2,000円、国保料13万5,396円、介護保険料は10万6,110円となります。合計で現在16万20円が30万9,206円となります--見にくいかもわかりませんが、失礼しました。すなわち、定率減税の廃止が単なる増税の負担にとどまらず、公共料金にはね返るだけに、市民の生活に寄り添って負担の軽減を図ることに最大の努力が必要だったのです。 ところが、市長は国保料の引き上げを初め、介護保険料の3%軽減をやめ、寝たきり老人に対する医療費の助成をこの3月末の対象者に限定し、あとは認めないなどとしました。訪問介護、入浴サービスなどの介護保険利用料の負担軽減は国に合わせるとしておりますが、こうした対象者はわずかです。さらには、長寿お祝い金の節目支給に移行した経過措置を廃止するとしました。80歳以上の長寿を祝い、毎年支給し、年を重ねることを祝した本制度はどれほどに高齢者を励ましてきたか、それを思うとこの削減は余りにも冷たい仕打ちと言えるんではありませんか。加えて、高齢者の楽しみとして、千寿閣入浴料を100円徴収したことなどは寂しい限りと言えます。これらの削減はもう一度見直し、復活させるお考えはありませんか。特に介護保険利用料の負担軽減は本市独自でも守るべきではありませんか。長寿祝い金の削減にかわり得る福祉政策は何なのでしょうか、伺っておきます。 市長、国の定率減税廃止に伴い、さまざまな負担強化の上、さらに市民負担強化となることをどう認識されますか。これまでむだな大型公共事業を行い、多大な借金と財政悪化をもたらしたそのしわ寄せが最も弱い層に行くようなことは断じてあってはならないと思うものですが、いかがですか。 質問の第3点は、介護保険、
障害者自立支援法に関してです。 介護保険制度の見直しに当たって、幾つかこれまでも伺ってまいりました。政府の介護保険制度の見直し案がいかに制度後退をもたらすものか、ますます明らかとなってきております。今回、法改正前にしながらも、今年10月より実施すると言われている介護保険の3施設--特養、療養型、老健、これらの居住費、食事関係費を保険給付から外し、自己負担化することに限って伺います。 在宅では部屋代、食費は全部自分で払っているのに不平等と根拠もないバランス論を理由にして、施設の負担を在宅並みに引き上げることを十分な議論のない中で先行実施で決めております。標準額は、従来型の施設の場合は、個室は月5万円に、現在無料の相部屋が1万円に、食費は4万8,000円、ほかに低所得者対策も明らかにされました。しかし、実際の居住費の額は各施設で設定することとなり、低所得者の方にはその施設で設定する居住費との差で介護保険より補足給付するとしておりますが、介護保険区分の第3段階以上の高齢者は何ら減免制度の対象にならず、安くなりません。すなわち低所得者に対する補足給付がされても、紛れもなく1万4,000円から6万、7万の負担増となることが明らかです。どれほどに大変になるか、また、お金がなくて払えず、入所施設から出なければならなくなるのではないかと危惧されます。 こうした実態をまず当局は把握しておられますか。本市での施設入所者の方々の影響をどのように判断され、実態をおつかみですか。少なくとも一気に年間数十万円の負担増となる人が出てくることが予想されるこういう事態にどう対処され、負担軽減を図られますか、お答えください。 さて、介護保険制度の施設入所者と同じく
障害者自立支援法によって障害者の方々にもサービス利用の際の1割負担が盛り込まれ、その影響の不安が大きく広がっております。午前中の質問でも明らかになりましたが、事の深刻さから改めてそうした負担増となることに対して、一体、市長はどのようにお考えになり、また軽減を図ろうとなさるのかを明らかにしていただきたいと思います。 加えて、公費負担の医療の見直しも10月から行われようとしております。
精神障害者の通院医療費や障害者の更生医療、育成医療に定率負担が導入され、心臓病、人工透析の患者さんはもとより、利用者負担の増となるもので、その不安は深刻であります。まだ国会で最終的に法案可決となってはいないものの、障害者の福祉制度の大幅な後退ということになるだけに、障害者の暮らしに深刻な影響をもたらすこの問題は重大な問題と言えます。 市長、地方で障害者プランを策定し、住民とともにノーマライゼーション社会をつくり、努力していながらも、政府の痛みを押しつけるやり方をどのように思われますか。率直なお考えをお聞かせください。これまで障害者の方々と作業づくりやグループホームづくりを進めてきた家族の方々は、これからの当事者の将来のことを思うと案じられ、腹立たしい限りとその声が強い状況であります。本法案の示す内容が本市で具体的にどのような影響を及ぼすか、今後の軽減対策について伺うものであります。 質問の最後に、図書館行政に関してであります。 今回、玉川図書館隣接地、日本たばこ産業金沢支店跡地、旧JT金沢支店用地を購入し、9億1,300万円で「こども図書館」を整備されることが明らかとなりました。これまでの議論の経過では、市長はまず取得し、当面玉川図書館の機能強化に加え、生涯学習ゾーンとしての利用、周辺環境に調和した利活用を進めていくと明らかにされ、とりあえず使用と承知しておりましたが、「こども図書館」になることに歓迎するものの、建物取得が先行しましたが、この建物活用を進めていくには、本市の図書館行政全体を発展させる位置づけが重要であると考えます。暫定利用ならばともかく、「こども図書館」と銘打つならば、どのような図書館とすべきか、市民からの要望として、特に西部、東部、北部に図書館設置を求める切実な声にこたえるためにも、今後の配置計画や地域図書館とのネットワーク化など総合的な図書館行政を前進させる計画が必要ではありませんか。 このところ図書館利用人口はふえ、貸し出し書籍は209万冊と増加傾向にありますが、しかし、予算は減少傾向で、蔵書等は決して満足いく環境とは言えません。蔵書計画や運営のあり方など図書館機能全体を十分強化するために基本計画が策定されていくことが必要ではないでしょうか。そうした立場からも論じられ、また広く市民の意見、図書館ボランティアやこども文庫、読書活動など進めている関係者や、学校図書の関係者などの意見が反映されるべきと考えます。そして、市民から求められている夜間利用延長などサービス向上策をどう進めるかなど図書館行政全体が広く論じられ検討されるべきと思います。どのような構想と計画をお持ちなのか明らかにしていただきたいと思います。 以上をもちまして私の質問を終わります。(拍手)
○副議長(田中仁君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 30番升議員にお答えをします。 平和についての見解を聞きたいと、憲法を守る立場を明らかにしてほしいということでありました。過去の悲惨な戦争の歴史を無にすることなく、対話、協調、そして世界の平和というものが築き上げていけたらということを願っています。憲法であれ、どのような法律であれ、法律を守るというのはこれは当然のことであります。憲法については、今衆参両院でいろいろ憲法調査会等において議論がなされておりまして、いずれ国民的な議論もなされていくというふうに思って見守っておるところであります。 戦後60年を記念して何かしないかということでございますが、泉野図書館で原爆パネル展を開催をしてきておりますが、来年度は夏休みのときに小中学生とその親御さんを対象にした平和のとうとさをテーマにした講演会を開きたいと、こう思っていますし、泉野図書館で戦争と平和に関する図書コーナーを設けまして、貸し出しをしていきたいと、こんなことも考えております。 新幹線についてお尋ねでありました。JRからの経営分離に反対をしろということであります。政府・与党の申し合わせの中で、新たな区間の着工につきましては、並行在来線の経営分離について沿線地方公共団体の同意が要ると、この同意が条件ということになっております。並行在来線につきましては、JRから経営が分離されましても、地域の足として確保をする必要があるというふうに考えてございまして、県や関係自治体等と連携をして対応をしていきたいと、このように思っております。 JRの負担を、社会的責任にふさわしい財政負担を求めるべきだと、こういう御趣旨でございました。それで、仕組みといたしますと、整備新幹線は国と地方が2対1の割合で費用負担をすると。そして、この鉄道・運輸支援機構が施設をつくって、JRはその施設を借りて、線路使用料を払って、そして運営を行うと、こういうことになっておるわけであります。2対1の地方負担につきましては、
沿線自治体の財政運営に支障がないように、特別な財源措置が講じられていると、こう申し上げておきます。 ストロー現象になると思うという想定でいらっしゃいました。私は、金沢には本当にお人がおり立ってほしい、本当の意味の停車駅になってほしいと念じていまして、そのためにまちづくりをきょうまで進めてまいりましたし、これからもまちの個性に磨きをかけて、多くの人が来てくださるようなまちづくりを進めていきたいと、こう思っています。交通体系の整備、観光交流、開通の効果を引き出す施策を総合的に展開をしていくつもりでございます。 駅周辺まちづくり総合整備構想、この策定について、基本的な考え方を問うということでありました。開業時を見据えまして、玄関になる駅周辺の拠点性を高めていきたい、そしてまち全体のにぎわいが生まれてくるようにしたいと思いまして、低未利用地の活用を含めて総合的な土地利用を検討することが望ましい、なおかつ急がなければいけないと、こう思っています。そのため、おおむね10年後を想定しまして、地権者の意向調査、それから、幅広く市民の意見等を踏まえましたまちづくり構想を2カ年くらいで策定していきたいと、こう思っておるところであります。 再開発事業にお触れでして、第4工区の再開発事業はやめるべきだという御趣旨でありました。3・4は都心軸整備の一環として進めておるわけでありまして、にぎわいをつくって、そして中心市街地が元気になるように目指すものでございまして、まちづくりに欠かせないと、このように思っています。 今、第4工区の再開発審査会を開催しておりまして、権利変換計画の知事認可を得た後に、特定建築者の公募を経て、夏ごろには第4工区の再開発ビル建設に着手する予定でございまして、事業はこれからも進めていきたいと、そう思っています。 近江町市場の再整備をしようとしておるけれども、ダイエーに影響されないのかというお尋ねでありました。ダイエーの動向が直接的に近江町市場の再整備事業の進捗に影響するということはございませんが、武蔵ヶ辻かいわいの商業集積への影響、にぎわい創出面での影響、これはないとは言えないと、こう思っています。ダイエーの動きにつきましては重大な関心を寄せていきたいと、こう思っています。中心市街地活性化の観点から、また、雇用の確保の面からもダイエーの存続を私も、そしてまた地元の武蔵活性化協議会も、これまで産業再生機構に要望をしたところでございます。引き続き強く要望してまいりたいと、こう思っています。 新年度予算について、市長は増税路線の中で胸を張れるのかというお尋ねでありました。胸を張らないまでも、市民のお立場は私なりに十二分に考えさせていただいているつもりでございまして、この趣旨は皆さんに堂々と申し上げたいと、こう思っています。地財計画が圧縮されて、そして歳出のスリム化が求められる中にありまして、福祉の経費といっても、やはり見直しは避けられないと、そういう事態にもなってきているというふうに思っています。 類似都市の状況も十分しんしゃくをしていますし、多くの方々の意見も私なりに聞いてございますし、見直しによって捻出した財源というものは、この新年度予算で介護とか医療のお年寄りのための経費は5億円近くふえるわけでございまして、この経費に充てているということでございます。そのほか、市民の皆さんの命とか財産を守る防災対策とか、そして大変に心配な少子化への対応とか、健康とか、そういうことについて意を尽くしたということを思っていまして、どうぞひとつ御理解を賜りたいと、こう思います。 国保の料金を上げているということでありました。定率減税は国がお決めになったことであります。保育料は上げておりませんし、上下水道も上げておりません。できるだけの努力はしました。なおかつ国保財政はお年寄りの加入者が多くなってまいりますし、医療費は増嵩いたしてまいりますし、そういう構造的な問題を抱えています。依然として厳しい状況でございます。 しかし、料率改定については、市民の皆さんの暮らしへの影響ということを極力配慮いたしまして、一般会計から1億2,000万円の繰り入れを特別にさせていただきました。一般会計から1億2,000万円の繰り入れは、サラリーマンの税金も含めていると、このこともお考えをいただきたいと。サラリーマンにとっては、職場保険に加えて国保の会計にも支援をしているという理屈になりますんで、こういう点もどうぞひとつ御理解をいただきたいと、こう思う次第でございます。 高齢者の福祉施策につきまして、訪問介護利用料の負担軽減措置は市単独で続けていってもいいんではないかということであります。これには理屈がありますし、事情がありまして、制度施行前から利用していた低所得者について、負担の激変を緩和する特別対策として制度のスタート時から行われたものであります。16年度にこの特別対策が終了しまして、新年度から1割負担になるものでございまして、市として継続する、そういう理屈のものではないと、このことを申し上げたいと思います。 次に、寝たきり老人の医療費助成でございますが、寝たきりとか認知症の状態で介護が必要な方を対象にいたしまして、医療費を助成していたわけでありますが、介護保険制度が定着をしてきた、登録者が年々減少をしていると、こういうことからいたしまして、この制度を廃止したわけであります。なお、現在助成の対象となっている方々につきましては、引き続き助成をするということにいたしておりますことを御承知いただきたいと思います。 それから、長寿お祝い金のことにお触れでございましたが、この制度の改正は平成13年度の改正で経過措置として残した一部受給者に対する毎年の支給をやめて、長寿のお祝いに合わせた節目支給に移行するものでございます。受給者の不公平感をむしろなくすということもあるわけでございますが、この削減分につきましては、ふえ続けている介護保険事業等の費用に充てていきたいと思っております。 また、千寿閣の利用料のことでございますが、利用の実態にかんがみまして適正化を図りたいと、こう思った次第でございます。もろもろの高齢者福祉制度の改正は、それぞれ理由あってのことと、こう御理解をいただきたいと思います。もとに戻す考えはありません。 それから、介護保険制度見直しに係る利用者負担増に対する見解をお尋ねになりました。介護施設の居住費用、食費の負担増につきましては、在宅と施設サービスの利用者負担が不公平であるという声がかねがねございまして、この声を受けて見直しを図るものとなったことと理解をいたしております。 施設の居住費用、食費について、入居者の影響額等は所管の部長からお答えをし、私からは、市独自の軽減策を考えているのかというお尋ねがありました。低所得者の負担が過重にならないように国において配慮すべきというふうに思っています。市独自の減免制度につきましては、制度改正の詳細を見きわめてどうするか考えたいと、こう思っております。 また、障害者施策改革に伴う負担増の件でございますが、この点について、市長の見解をお尋ねになりました。
障害者自立支援法案では、利用したサービスの量や所得に応じた公平な負担を求めて、そして増大する
福祉サービス費用についてみんなで支え合う仕組みを目指しておるわけでございます。ただ、十分な低所得者対策を講じた上での実施を私として願っております。利用者の負担軽減につきましては、基準が明らかになりました段階で、必要があれば、まずは国に働きかけてまいりたいと、こう思っております。 次に、図書館のことにお触れでございました。JT金沢支店の跡地について、以前から玉川図書館の機能の拡充、生涯学習ゾーンとしての活用を考えてきたことは事実であります。それほどJT金沢支店の建物、敷地も広大なものではありません。なおかつ建物も築後25年を経ておりますところの玉川図書館の児童コーナーを移したいと、こういうことに使ったら一番いいんではなかろうかと、このように思ったわけでございます。現在の玉川図書館にある児童図書を移すと、そして現にある施設を使い直すと、こういうことを思ったわけでありまして、将来における図書館行政のあり方そのものにつきましては、明年度策定いたします次期の基本計画、それから第2次の生涯学習推進計画の中で検討する予定でございます。検討に当たりましては、パブリックコメントを実施するなど市民の意見を広く求めていきたいと、このように思っております。 以上であります。
○副議長(田中仁君) 古田
福祉保健部長。 〔
福祉保健部長古田秀一君登壇〕
◎
福祉保健部長(古田秀一君) 介護保険制度見直しにおける施設入居者の負担の影響についての実態把握をお尋ねになりました。16年12月現在、介護保険施設のサービス利用者は約3,200名であります。これら入居者の負担の実態につきましては、国の低所得者対策が明らかになった段階で把握することといたしております。 次に、障害者施策の改革に伴う利用者の負担の影響についてでございます。
支援費制度の利用者は平成17年1月末現在で約1,600名、また、公費負担医療は約4,100名の方々に御利用いただいております。国における利用者負担の実施基準がまだ示されておりませんので、現在のところどの程度の影響があるかは試算することができません。 以上でございます。 〔「議長、30番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○副議長(田中仁君) 30番升きよみ君。
◆30番(升きよみ君) ただいま市長の方から御答弁があった中で、国保会計におけるそれぞれの国保の引き上げやそれぞれの負担強化になったことについて理由があるという内容の中でお触れになりましたけれども、もちろん理由がなくて上がるはずはないと思うのですが、その中で、国保における状況で、一般サラリーマンの負担があるんだというような言い方というのは、私は、これまで国保会計のところに一般会計の繰り入れや競馬会計の繰り入れなどを持ち込んできたそういう状況の中から、あえてサラリーマンの負担が入るんだなどというような言い方は、私はこれは当たらないというふうに思いますが、ともかく国庫補助金が削減になるなど国保財政全体が厳しい環境にあるという思いは言えると思うのですが、そういったことの中で、今回も三位一体改革で問題が県の方に移管されるなど、こういう状況のときに、こんな言い分というのは、私は、一般サラリーマンの人がするんだと、それはみんな税金は納めておりますだけに、こうした言い分というのは、むしろ国保財政全体のことの議論の方が大事なんじゃないかというふうに思うのですが、この点のお考えをお聞かせいただきたいこと。 それから今、介護保険のいわゆる負担軽減問題などでも、これも理屈のあるものだということですが、当然国が負うべきことがあるわけですが、そうした中でも、本来的には国の責任でやるべき行為がなかなかやらないで地方自治体に転嫁していること自体許されないと思うのですが、このような3%軽減問題のこうした問題はほんのわずかなことなのですが、この点では救貧、いわゆる救済対策ということを一体どうお考えなのか。復活はないというふうにおっしゃいますが、これらの影響のことがどうなるのかをもう一度お聞かせいただきたい。 もう1つ、武蔵再開発事業のことについては、第4工区は引き続いてやるんだということですが、商業施設の配置などの見通しが3や4のところにあるんですか。特定建築者制度になりまして、従来型の再開発が破綻したから、そうした制度が変わりまして、一定の大企業に投げ出しておりますけれども、そういったところでの商業施設の見通しがあるんですか、この点はいかがなんでしょうか。
○副議長(田中仁君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 3点、お尋ねがございましたが、国民健康保険のことにつきまして、私は、論理として矛盾をしておるということを言いたいんであります。もともと医療保険制度というのは保険の仕組みですから、それぞれ保険料を払う人が自分の保険を支えるという仕組みでスタートしてきておるんですが、よそ様の人の保険料で支えなきゃならぬ現状になってきていますよと、ここは制度としてもう存続し得ない事態に来ておるんだと、こういうことをわかりやすく申し上げたわけでありまして、今、改めて医療保険制度の再編、これが議論をされておるわけでございまして、当然のことと、こう思っておる次第でございます。 それから、介護保険の仕組みにつきまして、私は、国と地方の間に、やはり筋を通すべきものは筋を通さなきゃいけない。何でも国のしりぬぐいを市がすると、そういうことではいけないという思いがありまして、もしもあえてそれをやろうとするならば、それなりの事情というものがなきゃいけない。そうしなかったら国と地方の役割分担、これが本来なくなってしまうと、そのことは無政府状態ではなかろうかと、私は、そんなふうにさえ思う次第でございます。その論理の根底の議論を申し上げておると、こういうことであります。 それで、武蔵の再開発のことをお触れでございましたが、1階は商業床を予定をしておる。私は、店舗はできるだけ連檐をするという形がいいと、これがまちの活性化につながっていくということでございますんで、私は、入る人にそのことを期待をし、つくられる以上は努力をしてほしいと、こう思っておる次第でございます。 〔「議長、30番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○副議長(田中仁君) 30番升きよみ君。
◆30番(升きよみ君) 今おっしゃられた国の方が本来やるべき施策をやらないで、地方に何もかも負担を強化するような路線方向は最近とみに強まっておりますだけに、その思いは十分に一致するところだと思いますが、ただ、そうした中でも、今本当に、先ほどから私、あえて国の定率減税の法改正などがどんな影響を及ぼすかというようなことを、あえて持ち込んだのはその思いだと思うのです。しかし、それだけに低所得の方々、弱者の人たちは大変な事態になっているというときに、やっぱりそこに心を痛めていただいて、胸張って言えるとか堂々と言えるとかというふうなお立場ではなく、やはり胸痛めていただいて、市民ぐるみで本当に対策をとるという方向をとっていただきたいということをあえて思う次第です。 こうした点でのお考えをもう一度お述べいただきたいと思います。
○副議長(田中仁君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 心底心を痛めています。それなりに、私なりに一生懸命予算を組みました。どうぞわかってください。
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△休憩
○副議長(田中仁君) この際、暫時休憩いたします。 午後2時29分 休憩-------------------------- 午後2時48分 再開
△再開
○議長(不破実君)
出席議員数は、ただいまのところ39名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
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△質疑・一般質問(続き)
○議長(不破実君) 休憩前の議事を継続して、質疑並びに一般質問を続行いたします。 1番安居知世君。 〔1番安居知世君登壇〕 (拍手)
◆1番(安居知世君) 自民金沢・市民会議の一員として質問の機会を得ましたので、以下数点について質問させていただきます。 質問の第1は、市税に関してであります。 地方税法により、市に裁量権のある事項として前納報奨金制度があります。これは税金を年間に分割して納めるものを初期に一括前納することで報奨金が受けられる制度であり、本市でも納税者の納税意識高揚とともに、市税収入率の向上、徴収事務の簡素化、早期財源確保を目的として昭和25年に条例が制定され、毎年新しい会計年度開始時の資金繰りに大いに貢献しているところであります。 しかしながら、この制度の適用が個人市民税の普通徴収と固定資産税及び都市計画税に限定されていること、また、個人市民税については、特別徴収対象者、いわゆるサラリーマン層の納税システムが事業主を通じて毎年給与から天引きされるシステムであるため、この制度の適用を受けられないという課題があります。 このように、納付方式が限定される前納報奨金制度は、公平な税制を図っていく上で矛盾が生じているのではないかと指摘されております。また、近年社会情勢も大きく変化していることから、この制度の存続について、金沢市税懇話会でも議論されているところであります。確かに、個人市民税に関しては、前納報奨金制度が受けられない特別徴収対象者は、適用となる普通徴収対象者の約2倍もおり、税負担の公平性確保という観点から今後見直しも検討すべきと考えます。 これに対して、固定資産税の前納報奨金制度についてでありますが、ここで固定資産税に関するある市民の方の御意見を紹介させていただきます。「私の家は親から譲り受けたものです。なかなかよい場所にあるので路線価が高く、所得の決して高くない私には、固定資産税と都市計画税はかなりの負担です。しかし、それはここに住む者の義務としてきちんと払っていくのが務めと思っています。そこで私は、銀行に翌年度分の固定資産税を毎月定額で積み立て、全期分の資金を一たん銀行でため、一括前納して報奨金の交付を受けています。正直非常に助かっています」とのことでありました。 前納報奨金制度は資金に余裕のある納税者に有利と言われておりますが、このように知恵を出して納税すれば決してその限りではないことがわかります。また、個人市民税とは異なり、固定資産税に関しては納税者に対する納付制度が同一であることから、前納報奨金制度が公平性に欠けることにはなりません。ほとんどの市民の方々は税に関して真摯に受けとめている方であり、このような市民の方々は前納報奨金がなかったとしてもきちんと納税義務を果たされる方々ばかりでありましょう。また、前納報奨金が廃止になったとしても、納期ごとの納め忘れによる遅延の増加はともかくとして、年度を超えた滞納がふえることは考えにくいと思われます。 しかし、だからと言って、一律に前納報奨金制度の見直しを議論するのはいかがなものでしょうか。また、中核市35市のうち24市が廃止しているということで、それと比較されることもあるかと思いますが、県内10市のうち廃止しているのは2市であり、県内ではまだ実施している市が多いのが現状であります。市税の滞納件数がふえている昨今、積極的に税金を納めている納税意識の高い方に対しての前納報奨金制度が不公平とは言いがたく、仮に個人市民税を見直したとしても、固定資産税及び都市計画税については、前納報奨金制度を存続するべきと考えますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。 さて、適正・公平な課税を実現し、市税に対する市民の信頼を確保していくためには、制度面のみならず、徴収事務における適切な対応も必要でありますし、円滑な納税なくして税制は機能いたしません。しかしながら、本市において、平成15年度から16年度、単年度で繰り越された滞納は約1万6,000人分、13億5,000万円でありました。今後、適正・公平な課税のため、滞納の減少に努めなければならないのは当然であります。 その一環として、新たな市税の納税システムのあり方を検討すべきと考えます。例えば、新たな市税納付方法の検討対象として、コンビニ委託や行政機関と金融機関をネットワークで結び、利用者がATM、電話、パソコンなどから公共料金を払える仕組みであるマルチペイメントネットワークなどが挙げられます。コンビニ委託やマルチペイメントネットワークによって市税の納付が行えるようになれば、納付手段及び納付機会が飛躍的に広がり、納税者の利便性向上による期限内納付率の上昇が見込まれます。特に、単身勤労者世帯や共稼ぎ世帯等の利便性向上や、コンビニやパソコン世代と言われる若年層の税意識の高揚、また、行動範囲の狭い高齢者の利用などが期待できます。 確かに、コンビニ委託やマルチペイメントネットワークについては、割高な手数料、個人情報の保護など課題も残されておりますが、納税意識が希薄と言われがちな若年層はコンビニやパソコンの利用頻度が高く、納税の啓発の一環と考えれば費用対効果も上がると考えられます。これらを含め、新たな市税納付方法に対しての考えをお聞かせください。さらに、納税意識の高揚を図るための広報のあり方について今後どのように取り組んでいかれるのか、あわせてお伺いいたします。 質問の第2番目は、少子化対策についてであります。 近年、急速な少子化が進展する中で、仕事と子育ての両立支援は緊急性の高い重要な課題となっております。現在の女性は働くことについて金銭的なことだけでなく、社会に参加する喜びや仕事を通じての自己の向上、そして進学率上昇等に伴い責任ある仕事の選択肢が広がったことによるやりがいの増加など多くの意義を持っております。同時に、家庭を築き子供を産み育てたいという希望も持っております。具体的には、子供を産んだ後も産む前と同じ職場で正社員として働きたい、また、同じ部署や役職で働きたいという思いと、子供の授乳期間中、また、病気や健診などで手のかかるせめて1歳までは子育てに専念したいというような思いであります。 現在、これらの問題の解決のため、育児休業法により育児休業制度が設けられております。しかしながら、制度として認められている1年間どころか半年の育児休業すら取得することも難しいのが現実であります。事実、多くの共稼ぎ夫婦が育児休業の取得期間の問題について頭を悩ませており、出産のため今の仕事を続けられなくなったというケースも少なからず耳にするところであります。先日、金沢少子化対策プラン策定のために行ったアンケートでも、「勤務先での子育て支援について特に必要なものは何だと思いますか」という設問に対し、「育児休業制度」という回答が最も高くなっていることからも、育児休業を取得するのが難しいことがうかがわれます。 このような状況改善のため、次世代育成支援対策推進法が施行され、これに基づき、本市においても平成17年4月に向けて特定事業主行動計画の策定に取り組まれていることと存じますが、この計画においてどのようなことに取り組むおつもりなのか、まずはその重点項目についてお尋ねいたします。 一方、企業にとっても、今後仕事と子育て両立のため、育児休業取得における職場環境の整備が急務であるのは明白であります。しかしながら、近年の経済状況と金沢の雇用の約95%を占める中小企業の実情を考えるに、長期間育児休業を取得させることは経営上困難であることは否めません。現在、国では育児休業取得における企業の経済的負担を軽減させることを目的として、21世紀職業財団を通じ、育児休業取得促進奨励金や育児休業代替要員確保等助成金などの制度を設けておりますが、残念ながら取得実績はほとんどございません。本市では、仕事と子育ての両立支援において保護者に対する支援の制度化は進んでおりますが、企業に対する支援制度はありませんので、これらの制度とタイアップして、本市独自でもっと実効性のある支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。 また、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の事業推進のため、本市においても啓発に努めるとともに、行動計画を作成し、行動計画に定めた目標を達成した企業に対し、本市独自の支援策も設けるべきと考えますが、いかがでしょうか。あわせて御所見をお伺いいたします。 これから結婚、出産、育児を考える世代にとって、この両立支援制度の充実は大きな影響を与えると考えられます。夫婦が仕事を続けながら家庭を築いていける雇用環境を社会全体で整備、支援するためにぜひ取り組んでいただきたいと存じます。 次に、医療費の助成制度についてお伺いいたします。 本市は、新年度から小学生全児童を対象にした入院医療費の助成制度を創設いたします。安心して子育てするために、まさに保護者の求める制度であり、市長の英断に心から拍手を送るものであります。ここで、市長にいま一歩踏み込んで英断していただきたいのが医療費助成の現物給付であります。医療費助成の現物給付については、今までも議会や委員会で数多くの議員により何度となく取り上げられてまいりました。それはまさに市民にそれだけの要望があることの証明であります。全国に目を転じても、今現在35中核市のうち29市が現物給付を行っていることは、全国的に保護者が現物給付を求めていることの証明であります。市の負担増など課題は多いことと存じますが、今本当に多くの市民が求めている医療費助成の現物給付について前向きに検討していただきたいと存じますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。 次に、本市におけるまちなか駐車場のあり方についてお伺いいたします。 現在、本市のまちなかにおいては、無秩序な駐車場化が進む一方、南町のオフィス街などでは業務用駐車場の不足によるテナントの撤退がふえております。無秩序な駐車場の増加は、地域コミュニティーの崩壊やまち並み景観の喪失、治安の悪化などまちの魅力を低下させ、中心市街地の空洞化に拍車をかけるおそれがあります。しかし、まちなか居住者にとって、生活上、駐車場の確保は必然でありますし、業務地区においても適切な規模の駐車場は必要不可欠であります。 これらの複合する問題を解消する一案として、駐車場の集約化、高度利用化の促進が考えられます。具体的には、居住者の生活駐車場は生活空間に設け、周辺環境との調和に努める。業務用駐車場は業務空間に設け、業務空間だけでは不足する駐車スペースを確保するために駐車場を立体化して収容能力を上げるというものであります。 例えば、南町オフィス街で、業務用大型立体駐車場が整備されると考えた場合、駐車場を利用する企業も業務用駐車場が近隣にあれば利便性が上がりますし、ビル所有者も駐車場の問題で郊外の商業地に対し不利とされる点が解消されますので、企業誘致もしやすくなると考えられ、南町オフィス街の活性化が期待されます。さらに、駐車場をただ集約化、高度利用化するだけでなく、当該駐車場が国道に面している場合、1階部分を店舗にして、景観やまち並みの連続性に配慮したり、国道の後背地の場合は、屋上などに、近隣のオフィスに勤める方が利用できるようなレクリエーションスペースや緑地を設けるなど、駐車場を施設化することによって、南町かいわいに新たな付加価値をもたらし、活気あふれる魅力的なオフィス街づくりに貢献できるのではないでしょうか。 しかし、実際は、収益率が高く、設備投資が少なくて済む時間貸しの平面駐車場がふえているのが現実であります。今後、南町オフィス街活性化とまちなか居住地区の生活環境を守るため、集約化、高度利用化された立体駐車場や、まちの魅力を高めることができるような付加価値のある立体駐車場に対しての積極的な支援が必要と考えますが、いかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。 最後の質問は、旧JT金沢支店跡地についてであります。 JT金沢支店跡地に「玉川こども図書館(仮称)」が開設されることになりました。まちなかに子供が遊びながら学べる場所ができることは多くの市民の歓迎するところであります。遊びながら学べる施設の開設を心待ちにしていた市民の期待にこたえるべく、いかに施設の充実を図るかが今後の課題でありましょう。現在のところ、「こども図書館」のほかに子供活動学習室の設置や玉川図書館の収蔵・学習活動機能の拡充などが考えられているようでありますが、まちの真ん中という絶好の場所にあり、玉川図書館や玉川公園と隣接しているわけでありますから、この「こども図書館」をより多くの方に利用していただけるよう、市民相互の触れ合いを軸に、生涯学習の拠点として、市民文化創造の場、さらには健康増進など子供から老人まで市民のだれもが気軽に利用できるような施設になることを目指していただきたいと存じます。 そして、65歳以上の方対象に高砂大学があるように、この「こども図書館」に「こども大学」をつくってみてはいかがでしょうか。遊びを通じて学ぶことで、豊かな心を持つ人材の育成に貢献できると考えます。「こども図書館」の活用方法についての考えをお聞かせください。 また、遠方からも多くの方に来館していただくために駐車場の整備も必要でありましょう。また、「こども図書館」やその周りにある公共施設は、子供連れといった、いわゆる交通弱者の方が多く利用する施設でありますので、この際、この「こども図書館」前にバス停をつくるなど一層の公共交通機関の充実が必要と考えますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(不破実君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 1番安居議員にお答えをします。 まず、市税についてでございますが、前納報奨金制度の見直しにお触れでありました。 これにつきましては、先月行われました市税の懇話会で多くの中核市で廃止、また廃止が検討されており、あえて本市において存続をする意味がないと、こんな意見がございましたそうであります。厳しい財政状況の中で廃止するのも一つの考え方ではないか、こんな意見も出されたというふうにお聞きをいたしております。ただ、いずれにいたしましても、ことしの7月に提出が予定をされております懇話会の最終提言でありまして、最終的にはこの提言を尊重するという形で、制度のあり方について見直しを進めてまいりたいというふうに思っています。7月に最終の提言を受けた上と、こう申し上げておきます。 そこで、新たな市税のシステムのあり方につきましては、所管の部長からお答えをしたいと思います。 それから、私からは少子化対策でありますが、特定事業主行動計画の重点は何かというお尋ねでありました。この計画を固めておるわけですが、仕事と子育ての両立を支援するために、育児休業、それから男性職員の育児参加のための特別休暇、こういうことについて利用度を高めるということを基本にしたいと思っております。そのために、いろんな制度の周知に工夫を凝らしますほかに、育児休業等の取得促進、そして円滑な職場復帰に向けた研修の実施、こういうことを盛り込みたいと思っておりますし、また、昇任試験における受験機会の確保、こんなことも実はあるわけでございまして、育児休業を取得しやすい職場環境の整備を図ると、こういうことを盛り込みたいと、このように思っております。 そこで、国の奨励金制度に加えて、育児休業の取得を促進するために、市独自の中小企業に対する支援制度を設けたらどうかという御趣旨でございました。中小企業に対する育児休業の取得率が低いということは承知をしています。国の助成制度の利用が低いという現状もございますが、これはまずは国の啓発、そしてその努力、これに期待をしたいというふうに思っています。 市としてどうするかということでございますが、行動計画の策定を促進しますために、国等関係機関と連携を図りまして、セミナーを開催するといたしまして、企業に対する周知徹底に努力をしたいと、こう思っています。来年度新しく市独自で取り組みを啓発するフォーラムの開催を予定をいたしています。また、先駆的に行動計画を策定した中小企業の方に次世代育成優良企業、こんなことで認証制度をつくったらどうかと、こういうことも思っていまして、いろんな知恵は出していきたいと、地道な取り組みをしていきたいと、こう思っています。 乳幼児の医療費助成の現物給付のことにお触れでありました。償還払い方式は県の制度に基づいておるものでございまして、県内すべての自治体が同様に運用しておりますことから、現在のところ市独自で現物支給に切りかえるということは考えていません。今の制度を現物給付化した場合に、国民健康保険の国庫負担金が減額になるというようなことがありまして、本市の財政負担にも影響が及ぶということをひとつ御承知いただきたいと思います。 まちなか駐車場のあり方についてお触れでございました。国道157沿線のオフィス街は、ビルが連続しておることがにぎわいをつくる、またいい景観を生むと、このように思っております。御提案のような立体駐車場でありましても、沿線に面しての立地はいかがなものかなと、そんなふうに思っています。一方、国道157のこの裏側にありましては、御提案のような駐車場があってもいいのではなかろうかなという思いがあります。今後地域の方々の御意見も伺いながら研究してまいりたいと、このように思っています。 次に、旧のJT金沢支店の跡地のこと、「玉川こども図書館」のことについてお触れでございました。中心部の貴重な空間でございますし、お隣の公園との回遊性も高められて、規模はそんなに大きいわけではありませんけれども、まちなかで多くのお子さんが本に親しんで、楽しく学んで活動する拠点になればという思いがございまして、施設整備、運営のあり方をこれから研究したいというふうに思っています。玉川図書館本館にある児童図書を移すと、そのことを主体にして、そして回りいい、使いいい、お隣の公園とも一体化したそんな整備を基本にしていきたいと、こう思っています。 仰せの中にもありましたけれども、公共交通の便利なところでございます。来館の方々にはまずは公共交通を利用していただくということが基本でございますが、ただ、遠方からお越しの人様の利便性を考えますと、駐車場も少しは、ある程度は確保したいと、こう思っています。ここにも限界がある、だから、基本は公共交通を利用してほしい、こう思います。
○議長(不破実君) 福田総務部長。 〔総務部長福田雅幸君登壇〕
◎総務部長(福田雅幸君) 新たな市税の納税システムのあり方などに関し、3点お尋ねがございました。 まず1点目でございますが、コンビニへの収納委託についてでございます。 この納税方法につきましては、平成15年4月の地方自治法施行令の改正によりまして可能となったものでありまして、平成16年4月現在では全国の9つの市で実施をされております。昨年秋、金沢市税懇話会における中間まとめの中におきましても、納税しやすい環境づくりのために、コンビニへの収納委託を積極的に導入すべきであるとの提言もなされているわけでありますが、導入するとした場合におきましては、手数料の増大でありますとか会計処理の変更などの課題もありますので、これらの解決に向けまして、引き続き研究を続けてまいりたいと考えております。 2点目でございます。マルチペイメントネットワーク、いわゆるパソコンなどを利用した電子納税の活用についてでございます。国税におきましては、この納税方法が既に平成16年6月から運用開始されておりますし、一方、地方税の電子納税につきましても、平成15年8月に都道府県が中心となりまして、地方税電子化協議会を設立をし、平成18年度以降の運用開始を目指しているところでございます。本市におきましても、納税者の利便性の向上を図る上から、電子納税に関する情報収集、調査研究に今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 3点目でございます。納税意識の高揚を図るための広報のあり方ということについてでございますが、これまでもテレビ、ラジオ、新聞、ホームページなどを通しまして広報に努めてきたところでございますが、平成17年度、新たに
金沢駅東広場もてなしドームなどを会場といたしまして、税を考えるパネル展の開催を予定いたしております。また、この5月に開かれる予定の金沢市税懇話会におきましても、税に関する広報のあり方について御検討いただくことにもなっております。この検討結果も受けまして、今後とも市税の広報活動に積極的に取り組み、納税意識の高揚に努めてまいる所存でございます。 以上でございます。 〔「議長、1番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○議長(不破実君) 1番安居知世君。
◆1番(安居知世君) ちょっと私の質問が悪かったようで、意味が取り違えられていたようですので、もう1回改めてお伺いさせていただきます。 「こども図書館」の公共交通についてであります。私が一層の充実が必要と考えると言いましたのは、特に今それが充実されているという思いから一層と言ったわけではなくて、ここが正直言って非常に充実されていないという思いから充実が必要だというふうに質問させていただきました。この玉川図書館だけでも48万7,000人ほどの年間の利用者がいらっしゃいます。これに「こども図書館」が加わりますと、60万人、70万人の方が利用されると思います。そのような方が利用していただく場所ですので、この施設の前にバス停があってはいかがだろうかという、そういう思いを込めまして質問させていただきました。 なおかつ、あわせて申し上げさせていただけましたら、今、本市ではまちなかにおける車両抑制などの施策も進められております。公共交通が便利であれば、皆さん公共交通で来ていただけると思いますが、これが不便だというふうに利用者の皆さんが認識されますと、自家用車で来ることも多くなると思います。これでは今の本市の施策に逆行することと思われますので、この施設を建てることをきっかけに、ぜひ一層の公共交通機関の充実を求めたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(不破実君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 私は、安居議員とは必ずしも認識は一致しません。金沢市の市域全体からいたしますと、国道157に面してバスはたくさん通じていますし、今、橋場-若宮線は残念ながら整備中でございまして、効果を発揮してございませんけれども、私は、市全体としたら交通の利便性の高いところ、ぜひバスを使ってほしいと、こう申し上げたいんであります。
○議長(不破実君) 8番清水邦彦君。 〔8番清水邦彦君登壇〕 (拍手)
◆8番(清水邦彦君) 発言の機会を得ましたので、かなざわ議員会の一員として、以下数点についてお伺いいたします。 質問の第1は、浸水対策についてであります。 平成16年は全国的に大雨による自然災害が多い年でした。地球温暖化の影響で異常気象が引き起こされ、梅雨の時期から秋の台風シーズンにかけて各地で豪雨被害が多発し、特に7月に発生した新潟・福島豪雨や福井豪雨は、時間雨量80ミリを超す記録的なもので、各地で堤防が決壊し、多くの人命と財産を奪う甚大な被害となり、未曾有の都市災害をもたらしました。とりわけ福井の水害では、上流からの水に加えて大量の土石や流木がJR鉄橋を押し流したさまは、自然の猛威をまざまざと見せつけるものであり、上流部での治山対策、保水対策の必要性を改めて指し示していると言っても過言ではありません。 本市においても、昨年夏、時間雨量50ミリを超す大雨を記録し、一部に浸水被害が出たところもあります。さらに、本市には急激な宅地開発により浸透域が減少し、短時間で雨水流出量が増大し、慢性的な河川の増水や浸水被害を引き起こしている地域もあります。本市では、安全で災害に強いまちづくりに向け、都市基盤河川が4河川、準用河川が6河川で整備を実施しているところであり、改修には長時間を要するのが現状で、治水を考えると大きな不安を感じるものです。そこで、今後、市として改修が特に重要と考えている河川はどこなのか、また、これらの河川について早期改修を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。 なお、犀川水系については、企業局から昨年の企業会計決算審査特別委員会で、水から恩恵を受けている企業局として、ダム上流部の水源地を保護していくため条例を制定することを検討していると答弁がなされましたが、水源涵養のための森林保護は治山治水の一助ともなると思いますが、具体的にどのような条例を考えているのかお伺いいたします。 本市では、雨水対策が必要な市街地の総面積に対する整備された面積の割合、いわゆる雨水対策整備率が50%に満たない現状となっています。平成16年度には雨水ポンプ場が3カ所で供用を開始し、また、本市の「かなざわ下水道21世紀ビジョン」では、時間雨量50ミリを超える大雨は7年に1度という設定で、雨水調整池の整備促進や市民協働による宅地内雨水浸透ますの設置推進、雨水排水管理システムの構築など、雨水流出抑制対策を講じるとしています。しかし、最近の温暖化傾向で、近い将来、新潟、福井のような時間雨量50ミリを超す豪雨が頻繁に降るおそれもあり、大規模な浸水被害が本市で起こることも想定されます。本市における今後の都市型浸水被害を防ぐため、雨水排水を担う雨水幹線整備についてどのように進めていかれるのか、具体的な計画をお伺いいたします。 質問の第2は、地域の情報化に向けた課題についてお尋ねいたします。 今、インターネットの普及に伴うブロードバンド化が急速に進んでおります。しかし、情報技術、つまりITの進展による恩恵にあずかれない地域、すなわち情報過疎地域が存在するのも事実です。このような地域には、民間が推し進めるサービスが、費用対効果の観点から見送られるケースがほとんどだと聞いております。そうであるとすれば、なおさら高度情報化社会が進行する中、地域間の情報格差はますます開いていくものと考えます。 地域福祉、防災・防犯対策、地域産業の活性化など多様化する身近で豊富な情報は、ネットワークの利用を通じた情報流通であり、その基盤整備が必要不可欠であることは言うまでもありません。そこで、東京電力が電力線を利用した通信を実施している例なども踏まえ、本市においてもこうした取り組みを参考にして検討するお考えがないかお伺いいたします。 また、地上波デジタルテレビ放送が既に関東、近畿、中京の三大都市圏での放送をスタートし、平成18年より全国的に放送が開始されると聞いております。そこで、このシステムは、地域情報やデータ放送、最新情報、高齢者・障害者サービスの充実など双方向の放送が可能で、未来型の放送とも言えるものです。地上波デジタル放送開始を展望し、行政としても金沢市民が情報社会の恩恵をあまねく公平に享受できるよう、市民への周知を初め、地上波デジタル放送に対応したテレビなど、共同受信設備などに対する補助施策を充実すべきと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 質問の第3は、新しい金沢市ごみ処理基本計画の見直しについてお尋ねします。 本市では、平成16年度までの基本計画に、新たな施設と目標を加えた平成17年度からスタートする基本計画策定に向けて審議会で検討が進められ、その骨子案がまとめられました。それを受け、先般パブリックコメントを募集し、概要版ができ上がったと伺っております。本市では、今日までのごみ処理行政の指針として、平成6年3月に金沢市ごみ処理基本計画を策定し、循環型社会構造への転換を図ってきました。しかし、その後の社会変化に応じて新たな循環型社会構造を目指すことが求められ、平成12年3月に基本計画を見直し、容器包装リサイクル法等により容器包装プラスチックの分別収集や、粗大ごみの有料戸別収集などの各種の施策が取り組まれてきました。 一方、国でも環境基本法に基づく循環型社会形成推進基本法が平成13年1月に施行され、それを踏まえ、平成15年3月に同基本計画が策定され、ごみの減量化やリサイクル率の数値目標が明示されました。こうした国の方針や前回のごみ処理基本計画策定から5年経過したことから、今回見直されたごみ処理基本計画は、今後のごみ処理体系の構築を目的とした循環型社会形成をより一層推進する総合的な計画になるものと伺っております。 具体的な取り組みとしては、計画年度を平成17年度にスタートして15カ年、平成31年度までの期間、計画年度を5年ごと、前期、中期、後期とする一方、想定人口の増減や前提条件の大きな変化があった場合には、時点修正を行うなどの必要に応じた計画見直しを図るほか、国の基本計画で示されている廃棄物の減量及び資源化率についても、目標年度が平成19年度、平成22年度に設定されていることから、国の計画にあわせ、それぞれの時点で計画評価をすることとなっております。 そこで、今後の課題となる最終処分場である戸室埋立場の延命化策についてお尋ねいたします。 現在の廃棄物処理量がこのまま続けば、平成23年度には埋立場がいっぱいになると伺っております。しかし、新埋立場の平成25年4月の完成という計画からすれば、少なくとも1年の延命が必要となりますが、どのように対処されるのか、まずお伺いいたします。特に平成15年度で埋め立て処分された11万9,000トン余りの廃棄物のうち、産業廃棄物が約7万1,000トンと減量化が進んでいない状況にあり、とりわけ事業系の資源ごみのリサイクルがおくれていると言えます。また、事業系のリサイクルを進める上で、平成15年度の本市のリサイクル率12.1%を引き上げていかなければ、平成19年度の国の目標値21%の達成は不可能になると考えます。そこで、具体的に事業系のごみ減量化に向けどのような実効性ある対策がとられるのかお伺いいたします。 こうした状況の中、今回の基本計画では、循環型社会の推進を基本理念に据えて、さらなる廃棄物の発生抑制と天然資源の消費抑制、資源の循環的な利用や適正な処分を確保することで、環境負荷を可能な限り抑えていこうとする見直し計画となっています。今後の取り組みが大いに期待されるところです。 そこで、具体的な取り組みとして、資源回収の効率化を図る観点から、容器自動回収機、つまりRVM--リバース・ベンディング・マシンシステム導入についてお尋ねいたします。 私は、昨年暮れの「ペットボトル・リサイクルが拓く 21世紀循環型社会のビジョンと道筋」と題したテレビ番組を見る機会がありました。具体的には、ペットボトル、缶飲料容器の自動回収機を新宿駅東南口前のリサイクルステーションに設置し、実際に空きペットボトルや空き缶を自動回収機に入れる実演を交えながらの様子と、回収機がどのような機能を持っているのか、回収後に容器がどのように分別、圧縮、破砕され、保管されるのか解説するとともに、導入による収集効率の改善といったRVMシステムの利点が紹介されていました。これは、経済産業省の平成16年度循環ネットワーク整備事業のうち、生活者参加型の調査事業で、通称2004エコライフプロジェクトの一環として取り組まれたものです。 具体的な実施例では、福井県の丸岡町が平成14年7月からこのRVMシステムを導入し、現在7台が稼働しています。その結果、住民がポイ捨ての缶まで拾い、回収機に入れるようになったなど、稼働から1年後には従来型の広域収集と単純比較して38%も回収率がアップし、町の環境美化、広域清掃センターの総費用の軽減などさまざまな効果を上げているとのことであります。また、兵庫県出石町の商工会でも、平成11年にRVMシステムを導入し、容器回収システムに付加されているインセンティブ、いわゆる回収報奨制度を利用し、回収した容器につきポイントを発行して、エコ商品、ごみ袋との交換をできるようにした結果、商店街の活性化にも寄与しているとも聞いております。 いずれの例も、設置場所での選別、分別、そして圧縮減容するというリサイクルの効率化が図られ、回収にかかる輸送費や人件費の削減など、経済的なメリットが生じるほか、インセンティブによって回収率が向上し、住民の参加意識やポイ捨てを減らすなど環境意識の啓発も促されています。このRVMシステムが商業施設などで実施されれば、商業の活性化も促進されるという効果も期待できるものと考えます。システムの導入に向け積極的に検討いただきたいことを申し上げ、市長の御所見をお伺いいたします。 質問の第4は、上水道未普及地域解消に向けた今後の計画についてお尋ねいたします。 本市では、平成15年度末の時点で、上水道の給水人口は45万878人であり、それに現在事業を行っている湯涌地区の工事が完了した時点で、その計画人口1,236人を含めると、本市総人口に対する普及率は約99%となります。残り1%弱の未普及地域は、犀川地区と森本地区の山間部のみとなります。私は、今なお未普及地域として残るこうした地域住民の上水道整備にかける思いと期待を踏まえ、平成15年6月議会で市当局の考えについてお尋ねしたところ、「多額の投資が必要であり、工事負担金や施設用地など地元の理解と協力が不可欠とした上で、簡易水道での成功事例も挙げて、多様な方法も視野に入れて検討する」との御答弁でした。 今日まで、森本山間地域の住民は簡易水道を生活用水としてきましたが、御存じのとおり、森本地区山間部においては水源が乏しい上に、近年の生活様式の多様化等により水需要がふえ、夏の渇水期には水不足で生活に支障を来すほど水問題が深刻な状況になっております。特に昨年の夏は猛暑で、市の給水車の出動をお願いした地域もある一方、当該地区から市内に勤務する女性の中には、洗濯物を持って出勤し、勤務先で洗濯をさせてもらい、帰りには生活水をポリタンクにもらって自宅に戻るという涙ぐましい御苦労をされたという話も聞いております。さらに、学校でも夏の授業で使用するプールへの給水は長時間を要し、また、一度給水されてもプールの水はなかなか入れかえられることもできない上、塩素の投入により、子供たちの健康衛生面での心配も生じたことから授業ができないこともあったと聞いております。 前回の質問では山間地域の水道は簡易水道でいくと受け取れるような御答弁でしたが、現在使用している簡易水道は、水道組合員の高齢化が進む中で、簡易水道の維持管理が大きな負担になっているのが現実で、それに近年の水質の悪化は、渇水期の飲料水不足とともに不安が常につきまとう問題です。安全で良質な水の安定供給は、人間が生活する上で必要不可欠なライフライン、命綱であると考えます。以上のような実情を御賢察いただき、簡易水道では将来的には不十分であるとの現状も踏まえて、改めて市長の御所見をお伺いいたします。 現在、当該地区では、森本未給水地区導入促進協議会を立ち上げ、今回が上水道給水の最後の機会との認識で、地元の合意形成を図ろうと努力いたしております。その方向性で地元が進んでいけば上水道が引けるのでしょうか。先般も市長に対し、当該地域から要望書が提出されたと聞いており、私としては地元の熱意と期待にこたえていただきたいと思いますが、改めて市長のお考えをお尋ねいたします。 質問の最後に、悪臭問題についてお尋ねいたします。 昨年12月に、富山県南砺市と境を接する本市の東原地区で悪臭問題が表面化しました。東原地区は県境に位置する山間地域で、自然環境に恵まれたところですが、この地域がある日突然、我慢をするには程度を超えた嫌なにおいに覆われました。このにおいは、県境を越えたところに立地された企業によるもので、下水道や排水処理施設の汚泥などの有機性廃棄物を好気性高温菌のYM菌を使って発酵処理し、堆肥化する際に発生していることがわかりました。この施設は、富山県の産業廃棄物処分業の許可を受け、平成16年8月より稼働しており、悪臭の発生原因は、堆肥化する過程で出るアンモニアなどの複合臭であると見られ、このにおいがその日の天候、風向きにより県境を越えて当該地区にまで届くようです。 住民からは、心臓を突き刺すようなにおいがするとか、マスクをしなければ夜も眠れないという憤りの声や、漬物にするために干す大根ににおいがつくのではないか、布団も干せないのではないかと心配する声も多数出ています。本市も地元からの苦情に基づき、数回にわたり現地調査を行い、ことしに入ってからは当該事業所の調査を実施するとともに、富山県に対し、事業所への指導とあわせ必要な措置を講ずるよう要請をしたとお聞きしていますが、どのような回答が得られたのかお尋ねいたします。 最近、開催された当該地区への説明会では、悪臭を除去する施設を設置することが報告されたようですが、今後の対策と改善策はいかなる形で進められるのでしょうか。また、今回この事例も踏まえて、市域を越えたこうした問題への対策はどうあるべきとお考えか、市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(不破実君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 8番清水議員にお答えをします。 まず、浸水対策をお尋ねになりまして、市として重要な改修対象河川はどこかというお尋ねでございました。河北潟、大野川、犀川下流域、こうした地盤の低い地域を流れる河川、これが大事だというように思っていまして、これらの地域を流れる河川といいますと、大宮川、弓取川、それから大徳川、木曳川、それから柳瀬川に馬渡川、こんなようなものがあるわけであります。河川改修は行ってはおりますが、何分にも膨大な経費が要って時間がかかるということでございまして、私自身も正直に言って十分とは思っていません。早期に効果があるように段階的な改修方法を検討しておるわけでございますが、これにあわせて、ここに来て取り組んでまいりましたのは下水道の雨水事業でございまして、これはここに来て積極的に入れてきたと私自身も思っています。この事業とも連携を進めながら、すなわち河川事業と下水道事業を連携させて、そして事業を進めていくと、こういう手法を講じてこれから対処していきたいと、こう思っています。 犀川水系上流部の水源涵養は
公営企業管理者から、それから、雨水幹線の整備につきましては土木部長から、それから地域情報化に向けた課題でありますが
都市政策部長から、とりわけ地上波デジタル放送についてのお答えは赤穗助役からと思っています。 埋立場の延命策について御心配でありました。これにつきましては、従来から実施してございます埋め立てごみからの可燃物の抜き取り、破砕、焼却処理、こういうものを一層強化していかなきゃいけないと思っていますし、埋め立てごみとして搬入されている事業系の、例えばペットボトルとか容器包装プラスチックとかカレット、こういうものについては、事業者責任に基づいて、そして民間の資源化ルートに乗せるように、こういう指導の強化を図っていきたいと、こう思っています。 そのほかの施策については担当の部長からお答えをいたしまして、私からは水問題であります。 森本地区の水量不足を市長はどう考えているのかという御指摘でございました。一部の地区において水量不足があるということは私もよく承知をしています。よその校下へおふろに入りに行ったり、その水で洗濯をさせてもらったりしているということも承知をしてございます。 ただ、上水道を導入するということになりますと、とりわけこの森本山間部の場合には大きい大きい投資が必要でございまして、地元の皆さんにも費用負担があるということであります。ですから、まずはこの地元の皆さんの合意が前提条件と、こう申し上げさせていただきたいと思います。ここに来まして地元の皆さんの合意は固まりつつあると、前進しつつあるというふうな情報も承っております。上水道を導入しようとするときに、地元合意があるということは事業化への大きい前進ということになるだろうと思っています。ただ、実現には国の認可、それから財源の確保、施設の計画等、具体的に検討すべき課題もたくさんありまして、当面地元の動向も見ながら、国、県など関係の機関との事前協議を進めてまいりたいと、このように思っています。事前協議を進めていきたいと、こう思っています。 次に、悪臭問題についてお触れでございまして、私もこの話は聞いています。看過できないと思っていますし、いささか憤りも感じました。早速富山県側と折衝いたしまして、富山県の環境政策課からは、事業所に対しまして提出された臭気対策報告書に基づいて改善計画を実行するように、それから東原の地区と十分なコミュニケーションをとること、このことを富山県側が事業所に対して指導していると、こういう回答を得ている次第でございます。市が事業所に対して行いました悪臭防止の要請に対しましては、悪臭を除去する微生物脱臭槽、水槽みたいなものですが、この設置を3月末までに完了すると、こういう報告を受けています。 これから実施される改善対策と悪臭の発生状況を確認しながら、事業所に対して引き続き指導を行っていきたいと思いますし、市といたしますと、地元の皆さんと連携を密にして、そして地元の立場に立って、そして強い姿勢も時として必要なときはそういう姿勢をとると、こう申し上げたいと思っています。頑張るつもりであります。
○議長(不破実君) 山本
公営企業管理者。 〔
公営企業管理者山本文男君登壇〕
◎
公営企業管理者(山本文男君) 犀川水系上流部における水源涵養と森林保護を図るため、どのような条例を考えているのかとのお尋ねにお答えをいたします。 条例を制定するねらいは、行政、市民、事業者等が一体となって水道水源の環境を保護することによりまして、水質の保全を図り、もって市民の健康で安全な生活を守ることにあります。具体的な施策といたしましては、犀川・内川ダムの集水区域における水源涵養林の整備を図るほか、市民や事業者の責務として、ごみの不法投棄の禁止や農薬等の適正使用を求めることなどを考えております。 以上でございます。
○議長(不破実君) 坂戸土木部長。 〔
土木部長心得坂戸正治君登壇〕
◎
土木部長心得(坂戸正治君) 都市型浸水被害を防ぐために雨水幹線の整備をどのように進めていくかとのお尋ねであります。 雨水幹線の整備については、下水道浸水対策基本計画に基づきまして、当面浸水実績のあった地区から順次整備を進め、浸水被害の解消に努めているところであります。その後に、7年確率の降雨で浸水が予想される地区の整備を進めてまいりたいと考えております。
○議長(不破実君) 山形
都市政策部長。 〔
都市政策部長山形紘一君登壇〕
◎
都市政策部長(山形紘一君) 地域間の情報格差を解消するため、電力線を利用した通信事業の活用を検討する考えはないかというお尋ねにお答えいたします。 高度情報化時代にありましては、どこでもだれもが容易に情報を発信し、収集できる環境を整えることが大事であると思っております。御提案の電力線を利用するブロードバンド通信の技術については、現在、電力会社等で実験中のものと聞いております。総務省においても、この1月、これに関する実用化に向けた技術の確認や条件を検討する研究会を発足させたところであり、実用化普及にはいましばらく時間を要するものと思われます。したがいまして、まずはこの技術や制度の動向に関心を寄せてまいりたいと考えているところでございます。 以上です。
○議長(不破実君) 赤穗助役。 〔助役赤穗敏広君登壇〕
◎助役(赤穗敏広君) 地上波デジタル放送に対応したテレビ等の共同受信設備等についての補助施策の充実についての御質問にお答えいたします。 アナログテレビの難視聴につきましては、これまで自然の地形等の原因による場合につきまして、共同受信施設等の新設、更新につきまして支援措置を講じてきたところでございます。御指摘の地上デジタル放送につきましては、平成15年12月から関東などの一部で開始されているところでございますが、金沢市におきましては、平成18年7月ごろから放送が開始され、平成23年に現在のアナログ放送が終了する予定と伺っております。 御質問の地上波デジタル放送の難視聴対策につきましては、既設の難視聴解消施設の改修を含めまして、国においては現在のところ何も決まっていないというのが状況でございまして、したがいまして、今後とも国、あるいは県の動向などを注視しながら市としても研究してまいりたいと、このように考えております。 以上でございます。
○議長(不破実君) 角環境部長。 〔環境部長角 健治君登壇〕
◎環境部長(角健治君) 事業系のごみの減量化に向けて御質問がございました。事業系ごみの資源化が進まないものには、燃やすごみに含まれる紙類及び不燃ごみに含まれる容器包装プラスチック類などがございます。ごみ処理基本計画では、紙類につきましてはオフィスペーパーリサイクルシステムを構築することとしております。また、容器包装プラスチック類などにつきましては、民間資源化ルートの確保を図り、18年度からはペットボトル、20年度からは容器包装プラスチック、22年度からはカレットを順次資源化していきたいと考えております。 次に、本市も容器自動回収機を導入しないのかという御提案でございました。本市では、資源ごみである空き缶やペットボトルの分別・回収に当たっては、ごみ出しマナーの徹底など全市的な市民の協力を得ながらリサイクル率の向上に努めているところであります。容器自動回収機の御提案につきましては、市民の環境意識の高揚と地域商店街の活性化にも寄与すると、そういうふうに理解しておりまして、今後の課題としまして関係部局とも協議し、研究してまいりたいと思っております。 以上でございます。
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△散会
○議長(不破実君) これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 よって、本日はこれにて散会いたし、次の本会議は明11日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後3時52分 散会 ----------------------------- 〔参照〕 ----------------------------- (写) 発財号外 平成17年3月9日 (2005年) 金沢市議会議長 不破 実様 金沢市長 山出 保 説明員の出席等について(通知) 先に収財第201号をもって通知しました議会説明員のうち、
教育委員長 津川龍三は、10日の本会議に教育委員 金子劭榮の代理出席を取り止めて出席し、また、建築指導課長 牧野 信は、病気療養のため15日から24日までの議会を欠席しますので、よろしくお取り計らい願います。...