金沢市議会 > 2002-09-17 >
09月17日-02号

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  1. 金沢市議会 2002-09-17
    09月17日-02号


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    平成14年  9月 定例会(第3回)             平成14年9月17日(火曜日)       -------------------------◯出席議員(41名)     議長  川 紘一君           副議長  中西利雄君     1番  松村理治君           2番   渡辺 満君     3番  森 雪枝君           4番   干場辰夫君     5番  福田太郎君           6番   横越 徹君     7番  田中展郎君           8番   山野之義君     9番  増江 啓君           10番   大桑 進君     11番  近松美喜子君          12番   浅田美和子君     13番  高村佳伸君           14番   玉野 道君     15番  東出文代君           16番   上田 章君     17番  沢飯英樹君           18番   田中 仁君     19番  苗代明彦君           22番   安達 前君     23番  寺中隆善君           24番   関戸正彦君     25番  的場豊征君           26番   小津正昭君     27番  出石輝夫君           28番   宮保喜一君     29番  不破 実君           30番   本間勝美君     31番  森尾嘉昭君           32番   升 きよみ君     33番  南部康昭君           34番   木下和吉君     36番  平田誠一君           37番   松本捷男君     38番  野本 昇君           39番   上田忠信君     40番  井沢義武君           41番   山田初雄君     42番  北 市朗君◯欠席議員(なし)◯欠員   21番---------------------------------------◯説明のため出席した者 市長      山出 保君       助役      佐子田 正君 助役      赤穗敏広君       収入役     金子 衞君 公営企業管理者 小泉賢一君       教育委員長代理 金子劭榮君 技監      遠藤 玲君       都市政策部長  須野原 雄君 総務部長    平田敏雄君       経済部長    近藤義昭君 農林部長    山形紘一君       市民生活部長  佐藤伸也君 福祉保健部長  松村直彦君       環境部長    北野信之君 土木部長    八手 壽君       建設部長    山本文男君 市立病院                美術工芸大学         的場優弘君               福田雅幸君 事務局長                事務局長 教育長     石原多賀子君      消防長     開田隆人君 財政課長    丸口邦雄君---------------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長    宮川清二君                     議事調査 議事調査課長  津山正勝君               縄 寛敏君                     課長補佐 主査      宮本博之君       主査      寺野 匡君 主査      中村 宏君       主査      朝倉 豊君 主査      九社前俊一君      主査      山下慎一君 主査      小村正隆君       主任      木谷満貴子君 総務課長補佐  津路文彦君       主査      加成達矢君 書記      松田潤一郎---------------------------------------◯議事日程(第2号)  平成14年9月17日(火)午前10時開議 日程第1 議案第1号平成14年度金沢市一般会計補正予算(第2号)ないし議案第28号土地改良事業の施行について及び報告第1号専決処分の報告について                                   (質疑) 日程第2 一般質問---------------------------------------◯本日の会議に付した事件  議事日程(第2号)に同じ---------------------------------------              午前10時2分 開議 △開議 ○議長(川紘一君) 本日の出席議員数は、ただいまのところ41名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △会議時間の延長について ○議長(川紘一君) あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。 なお、上着の着用は御自由に願います。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議案上程 ○議長(川紘一君) これより、日程第1議案第1号平成14年度金沢市一般会計補正予算(第2号)ないし議案第28号土地改良事業の施行について及び報告第1号専決処分の報告について、以上の議案28件、報告1件を一括して議題といたします。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問 ○議長(川紘一君) これより、質疑並びに日程第2一般質問をあわせ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 19番苗代明彦君。   〔19番苗代明彦君登壇〕(拍手) ◆19番(苗代明彦君) 平成14年定例第3回金沢市議会に当たり、私は、新生ひびき議員会の一員として、市政の諸課題について、以下、数点質問いたします。 質問の1点目は、4期目に向けた市長の所信についてであります。 さきの6月定例会で、我が会派を初めとする4期目への意欲を問う質問に対し、市長は「気力、体力とも充実しており、初心に返り、まじめに一生懸命難題解決のため励みたい」と、4選出馬への意欲を示されたところであります。 今日、時代の変革とともに、地方自治体を取り巻く環境は大変厳しく、また大きな変化を見せているところであり、地方自治体の財政状況が大変厳しい中、地方分権の一層の進展が求められ、そしてまた地方自治体独自の住民の視点に立った施策の立案、実行、つまり住民福祉のさらなる向上が求められていることは言うまでもございません。 我が会派は、これらの地方自治体の求められる理想像を実現するため、また課題が山積するこの厳しい時代には、これまでさまざまな課題に取り組み、多くの実績を残された山出市長以外に適任者はいないと改めて表明するところであります。 そこで、市長は地方自治体の、また金沢の将来像をどのように思い、4期目の戦いでは市民に何を伝え、そして何を実行したいと思っているのか、4期目の所信とあわせて、この際、伺いたいのであります。 ところで、この金沢の将来像に大いに影響するところの合併問題についてでありますが、我が会派の考え方はさきの合併推進議員協議会総会で述べたとおりでありますが、今後は協議会としても積極的に提言を行い、市民に的確な情報提供を行う必要があろうかと考えているところでもあります。また、結果として、市民に合併問題に大いに関心を持ってもらい、市民レベルの議論を喚起する必要があると考えているところでもあります。その際には、政令都市移行のことも含め、市民への十分な説明と理解を早急に得る必要があると考えるところでありますが、近隣市町村との合併を現実のものとするには、具体的にどのような手法が最適とお考えなのか、市長の基本的な考え方とあわせて、この際、伺いたいのであります。 質問の2点目は、本市経済の現状と課題についてであります。 我が国の経済状況については、さまざまな指標が示されており、中でもGDP統計はその代表であります。その最新のGDP統計が先月末に発表され、5・四半期ぶりプラス成長となったと伝えられています。わずかでありますが、我が国経済が上昇傾向を示したことは喜ばしいことであります。しかし、個人消費は 0.3%の微増であり、百貨店販売額などと同様に、消費はほぼ横ばいといった状況であります。また、設備投資には火がつかず、輸出、生産にも陰りが見え、倒産件数、失業率は依然として高どまりであり、最近の株価の低迷とあわせ、総合的な我が国経済の状況は依然として低迷していると私は評価いたしているところであります。そこで、まず市長は、今日の我が国経済をどのように受けとめているのか、今後の見通しとあわせ、伺いたいのであります。 ともあれ、本市が石川県、そして北陸地方の中心都市としてさらに発展するためには、経済の活性化が何より求められるところであります。今定例会に上程された補正予算案には、商店街振興費伝統産業振興費などさまざまな施策が盛り込まれているところであります。市長は、日ごろから「本市経済の活性化のためにはあらゆる手だてを講ずる必要がある」と言われていますが、そこで市長は本市の経済状況をどのようにとらえ、そしてどのような経済効果を目指し、経済施策を補正予算案に盛り込まれたのか、お伺いしたいのであります。 次に、中小企業経営安定特別保証制度信用保証料緊急補助費として 2,500万円が補正予算案に計上されています。私も、企業経営者の一人として、まことに時宜を得たものと考えているところでありますが、金融機関の破綻により、資金調達に支障が生じ経営破綻した中小企業や、また資金調達に支障が生じている企業が本市にそれぞれどの程度存在するのか、把握しているならば、お示しを願いたいのであります。 また、このことに関連して、過日、石川銀行の破綻が地域経済に及ぼす影響が徐々に表面化しているとの報道もあります。したがって、保証料の緊急補助を金融機関の融資が低迷する中、今後も継続し実施する必要があるのではないかと思うところでありますが、そのおつもりはないのか、市長の見解をお伺いいたします。 そしてまた、今回の補正予算には、新規事業として、ポスト大河ドラマ観光施策推進費として 1,050万円が計上されているところであります。大河ドラマ終了後の観光対策として先手を打たれたことは評価いたします。今後ともさまざまな施策を継続し、そしてあらゆる機会をとらえ実施に移す必要があると思いますが、今後、どのような施策をどのように展開しようと考えているのか、またこれまでの大河ドラマ終了後の各都市の状況をどのように評価しているのか、あわせて伺いたいのであります。 質問の3点目は、構造改革特区についてであります。 構造改革特区とは、規制改革の早期実現を目的とし、これまでのような全国一律の実施にこだわらず、特定地域に限定して、その特性に注目した規制改革を実施することにより全国的な規制改革につなげ、我が国全体の経済活性化を目指すものと言われております。 その構想例としては、新事業創出、港湾等の国際物流の機能強化、研究開発、高度先端医療の推進などがあります。また、そのほか福祉、環境、教育などの市民生活のあらゆる分野に及ぶことも予想されています。 その実現に向けた基本方針としては、地方公共団体の自発的な立案、国による財政的措置を用いないこと、そして何よりも地方公共団体の責任で実施することが掲げられています。 各自治体等からの提案は、政府の来年度予算の概算要求にあわせ8月30日に締め切られましたが、47都道府県すべてが案を寄せ、本市を含め 249の自治体等が提出するなど、各自治体の関心の高さがうかがえるところであります。 私は、この問題の背景として、国によるさまざまな規制の弊害や地方自治の進展があると考えています。具体的に申し上げますと、現在のさまざまな規制は、その規制が実施に移されてから長期間を経過し、必ずしも現状に適していないこと、また地方自治体がその地域特有の個性ある政策の推進を図るためには、現行制度が必ずしも一律であるべきとは言い切れないことがあると思うところであります。 いささか前置きが長くなりましたが、この構造改革特区について、市長はその特性をどのようにとらえ、そして実施に当たってのポイント、課題はどのようなところにあると考えておられるのか、まずは伺いたいのであります。 この構造改革特区について、厚生労働省は「そもそも国民の生命、身体、健康に関する規制は実験や試行になじまない」と表明するなど、省庁の抵抗が表面化しているところであります。国民の生命、財産を預かる省庁の思いは理解できないわけではありませんが、仮に地方自治体が独自に規制を実施するといたしますと、その規制に係る責任を有するものは地方自治体であると認識すべきであり、このことは地方分権の基本的な精神であると考えられます。構造改革特区に対する各省庁の意見に対し、市長はどのようにお考えなのか、お伺いいたします。 ところで、本市はまちなか区域及び伝統環境保存区域において建ぺい率の規制を緩和し、定住人口や交流人口の拡大を目的とする提案を、先日、内閣府に行いました。本市の提案は、定住人口の増加による中心市街地の活性化をふだんから推進する市長の考えによるところであり、これまでの政策と一致をし、その点では大いに評価するところでありますが、この本市の提案の特色はどのような点にあるのか、現状の法規制等の問題点とあわせ、お伺いしたいのであります。 また、本市の提案実施後の効果になりますが、これまでの定住促進事業とあわせて、どの程度定住人口や交流人口がふえると、またふえてほしいとお考えなのかもお聞きしたいのであります。 そしてまた、今回のいわゆる規制緩和の結果、地域住民間において新たな問題点や課題を発生させる可能性はないのかも伺いたいのであります。 今回の構造改革特区の提案は締め切られましたが、その全国的な傾向を見ると、ベンチャー、新産業、農業、情報技術などを提案した自治体が多いようであり、地域経済の活性化の契機になればと思う各自治体の首長の思いが伝わってくるようであります。 ところで、私なりに本市におけるこの構造改革特区案のメニューを提案させていただきたいのであります。一例を挙げれば、本市のふれあい農園や金沢湯涌みどりの里の市民農園で、その導入の可能性が考えられます。本市は、毎年、希望者による抽せんで一定の農地を貸し与え、期限が過ぎると、再び抽せんにより農地の使用者を決めているところであります。このことは、農業を営む者以外に一定期間を超えて農地を貸してはいけないといった法的な理由から、やむを得ない制度であることは承知をいたしておりますが、実際に利用している市民からは、農業における最も重要なことは、まずは土づくりであり、せっかく相当期間を通して育ててきた農地が継続して利用できる保証がないことから、楽しみが薄れ、まことに残念であるといった声が寄せられています。こうした点も、この構造改革特区の活用により改善される可能性があり、農業に関心を持つ市民の方々や定年退職等による余暇の利用もより促進され、また農業に対する市民の理解も深まると考えられるところから、これらの農園等を農業特区に指定するおつもりがないか、伺いたいのであります。 このように、さまざまなことが考えられますが、今後再び提案が募集されたときに、本市はどのような構造改革特区の提案をなさるおつもりなのか、またどのようなことを現在研究なされているのかもお示しいただきたいのであります。 質問の4点目は、高齢者の市政参画についてであります。 平成14年4月1日現在の本市の老齢人口、つまり65歳以上人口は7万 4,712人であり、その構成比は16.9%であります。構成比は今後上昇することはあれ、減少することはないことから、今後、本市の高齢化が一層進むことは容易に予想できるところであります。 これまで本市では、高齢者が健康で健やかに過ごしてもらうため、高砂大学、老人クラブ地域サロンなどを初めとして、生きがいづくり健康づくりとしてさまざまな施策を推進してきたところであります。また、高齢者がさまざまな地域行事に講師として高齢者や子供たちを指導することもあり、多くの高齢者の方々が地域社会の中で大いに役立っているところであります。さらに、健康で働く意欲を持った高齢者には、シルバー人材センターを通じ就業し、社会の第一線で活躍している方々も多いところであります。介護保険サービスを必要としない人生を送れることはまことに幸せなことであり、だれもが望むところであります。 そこで、まず本市のこれまでの生きがいづくり健康づくりの施策について、市長はどのような評価をなされておられるのか、また今後の課題としてはどのようなことがあるのか伺っておきたいのであります。 さて、これまでの高齢者と市政との関連を改めて見ますと、この項の冒頭に述べましたが、どちらかというと高齢者が行政サービスを享受する立場が多いと言えます。しかし、高齢者には市政に関心を寄せ、市政の遂行に寄与したいと考えている人も大変に多く、私たちも何か役に立ちたいといった声も多く聞きます。そこで、私は、このような高齢者に市政遂行の一過程でも、その高齢者の能力に応じてお任せできないかと考えているところであります。 具体例をことし大発生したアメシロの防除を例にとって提案をさせていただきますと、その防除について本市は、平成13年度から人と自然に配慮した捕殺防除に切りかえ、実施しているところであります。捕殺防除の流れとして、まずは委託業者が市内をパトロールし、民有地については、その発生状況を町会長へ連絡することとなっています。そして、防除業者に捕殺を依頼したときには、その経費のうち4分の3を市が補助、4分の1は依頼した町会が負担することとなります。 この流れで問題なのは、委託防除業者が市内をパトロールする回数や時期が適当かどうかという点と、またパトロールを実施し、捕殺防除を実施するまでに、町会は住民の了解をとる必要があり、業者との契約までに相当の期間を要し、その結果、アメシロが終齢幼虫化して、捕殺防除ができない事態も多く、大事に至るケースが生ずることとなります。加えて、捕殺防除が終了しても、町会が負担する防除費の各戸徴収が待っているのであります。 元気な高齢者には、日中、屋外に出かける人も多いことから、このような高齢者に、今述べましたパトロールから防除費徴収の一連の流れを一括して任せられないかと思っているところであります。もちろん、報酬を考慮することは言うまでもございません。結果として、各町会長の皆様の負担も幾分軽減され、捕殺防除を実施する町会もふえると思われますが、いかがでしょうか。 このように、高齢者のパワーを行政の多くの場面で導入できるのではないかと思われるのでありますが、市長の思いを伺いたいのであります。また、趣旨は御理解願えたとして、解決しなければならない制度的な問題点はないのかもあわせて伺いたいのであります。また、この際、全庁的に検討するおつもりはないか、あわせてお伺いをいたします。 報酬をもらうという点では、シルバー人材センターと同様かと思われますが、高齢者が市政の遂行に関与し、そして充実感と生きがいを得て、結果的に健やかな老後を過ごせば、本市にとっても、高齢者にとっても、そして地域社会にとっても、まことに幸せなことかと思われます。そして、何よりも行政の効率化にも大いに寄与するという私の思いを述べ、質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(川紘一君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 19番苗代議員にお答えをします。 次なる戦いに向けて、金沢の将来像をどのように考え、そして市民の方々に何を伝えたいと思っているのかというお尋ねでありました。まず、冒頭に励ましもいただきまして、ありがたく存じますが、ただいまは、まずこの残された任期があるわけです。任期を精いっぱい果たすように努力をしていきたい、こう思っておる次第でございます。 私の考えにつきましては、いずれ選挙を通じまして市民の皆さんにお訴えをしていくわけでありますが、今、市政が直面いたしております大きい課題は、何といいましても市民の生活、とりわけ長引く不況のもとでの暮らしの安定を確保するということであろうと思っています。このことに最大限の心配りをしながら、また、これからの分権時代の受け皿としての市町村合併、これを進めてまいりまして、学術文化政令市を目指してまいりたい、このようにも思っています。加えまして、将来を見据えた都市の基盤整備、人づくり、福祉の充実、環境問題への取り組み等々、課題は山積をいたしております。これら諸課題の解決、前進に積極果敢に取り組むべき、そのように思っておる次第でございます。 次に、合併を現実のものにするにはどんな手法が最適と考えるかというお尋ねでありました。御趣旨をありがたく拝聴した次第でございます。金沢市は、野々市町と鶴来町及び白山ろく5村に対しまして合併の申し入れをいたしております。それぞれの町村におかれましては、住民への説明会、あるいはいろいろな団体の研究会等を通じまして議論がなされているところでございます。さらに、議論の高まりを期待しておる、こういうところであります。合併は、住民の意思が尊重されなければなりません。そして、住民の理解が深まりまして、熟度が高まることで実現につながっていくものと考えております。繰り返しこうした原点に返って、そのための啓発や正しい情報の提供に努めてまいりたい、そのことで機運の醸成を図ってまいりたい、このように思っています。今後ともの御尽力をお願いする次第でございます。 次に、本市の経済の現状、課題をお尋ねでございましたが、まず我が国経済をどのように受けとめているのかというお尋ねでありました。政府は、ここに来まして「全体として下げどまりつつある」と基調判断をしておるわけでありますが、設備投資、消費に勢いは見られません。失業率も高水準で推移をいたしておりますし、景気の足取りは重いというふうに感じております。世界的な株安、また為替の動向からいたしまして、予断は許さないと、このように認識をしておる次第でございます。 金沢市の状況をどのように見て、どんなふうに施策を講じているのかというお尋ねでありました。8月の日本銀行金沢支店の発表によりますと、「生産面で持ち直しつつあるけれども、内需は低調な動きが続いている」、このように言われております。前月から続いて総括判断を日銀は据え置いておりまして、企業経営、雇用とも依然厳しい状況に変わりはないと、そのように思っておる次第でございます。このため、補正予算におきましては、少しでも地域経済の活性化が図られたらというふうに願いまして、1つは、景気対策としての国の生活関連公共事業を最大限に受け入れる、2つ目には、中小企業に対する資金の円滑化を図る、3つには、地域の商業や生産企業の活力を強化する、4つには、観光事業の持続的な推進を期す、このことに意を用いたつもりでございます。 次に、金融機関の破綻によりまして、経営が破綻した等の企業がどの程度あるのかというお尋ねでありました。金融機関破綻に直接関連した企業倒産のデータはございませんけれども、これに伴う特別保証制度の認定につきましては、現在まで 412の事業所からの申請を認定したところでございます。そのほか、もとのまま銀行取引を残して、承継銀行への推移を見ている企業も一部あるのではなかろうか、そのように推測をしておる次第でございます。 次に、保証料の緊急補助を今後も続けていく必要があるという御指摘でありました。この制度は、金融機関破綻によります影響を最小限度にとどめてまいりますために、緊急支援をしたものでございます。補助対象融資を当初、14年の3月末までとしていたわけでありますが、承継銀行が決まらなかった経緯からいたしまして、15年の3月までと1年延長したものであります。こうしたことから、今のところ制度を継続する考えはございませんで、承継銀行決定の推移を注意深く見守っていく方針でございます。 次に、大河ドラマ終了後の観光対策についてお尋ねでありました。ドラマの放映中から絶えずポスト大河を意識いたしてまいりまして、金沢にしかない歴史・文化の蓄積にこだわりまして、土佐守家資料館や室生犀星記念館、あるいはまち並み整備等に積極的に取り組んできたところでございます。こうしたことをいたしましたわけでありますが、さらに豊富な素材がまちにありますので、この素材を上手に生かしてまいりまして、また歴史・文化施設の連携も密にして、そして広く金沢を発信してまいりたい、そう思っております。 私は、小さいグループでもいい。金沢を歩いていただいて、そして学んでいただく、そんなお客様を大事にしたいと思っております。1日で回り切れない、そんな奥深いものがこのまちにあることを知ってくだされば、そのことが宿泊につながることでありましょうし、リピーターになってくださることでもありましょうと、このように思っている次第でございます。こんな努力を観光業界と一緒に進めてまいりたい、このように思っております。 ドラマ終了後のよその都市の状況はどうだったのかというお尋ねでありました。先催の市を見てまいりますと、ドラマに伴う来客が一時期に集中をしまして、効果が後々持続しないケースも多いわけであります。ただ、ある銀行調査によりますと、数少ない成功例といたしまして、長浜をお挙げになる場合があります。長浜の場合は、市民挙げての景観形成でありますとか、新しい文化発信のまちづくりに励まれまして、そのことが成果になりましてあらわれておるということでありまして、こうした事例を真剣に学びたい、このように思う次第であります。 金沢市も、ドラマ放映を契機にいたしまして、百万石の歴史・文化のイメージはより深まったと感じております。ここに来て、進めてまいりました一連の歴史・文化施設のPRに加えまして、食でありますとか、工芸でありますとか、あるいは芸能でありますとか、こうした生活文化をテーマにして、まちの魅力、風情を発信して、そして誘客の持続につなげていきたい、このように思っておる次第でございます。 次に、構造改革特区のことについてお尋ねでありました。この特区についてのポイント、課題をお尋ねになったわけであります。地域の特性を生かしまして、特例的な規制緩和を行うことで、まちや地域経済の活性化につなげていくことをねらいにされたのが構造改革特区であるというふうに認識をします。実施に当たりましては、どこまで規制緩和ができるか、これがポイントでございますし、また制度改正に向けた各省庁間との調整がこれまた課題である、こう思っておる次第でございます。 そこで、本市が提案した特区の特色は何かということでありました。伝統的なまち並み景観や細街路などを保全し、再生をしまして、個性豊かで魅力あふれるまちづくりを進めてまいりますとともに、定住人口の増加を目的として、伝統環境保存区域などを「伝統的まちなみ再生特区」としたものでございます。これらの区域にありましては、現行法の建ぺい率、また日影・斜線制限等によりまして、従来どおりの建築面積や延べ床面積を確保することが難しく、このことが現地での建てかえや改築を困難にしていると考えております。駐車場等の空洞化を招いた一因でもあると、このようにも考えておるわけでございまして、そこで特区として建築基準法の規制緩和を提案してみたものでございます。 提案実施後の効果はどのくらいかというお尋ねでありました。特区導入によりますところの効果につきましては、まだ提案の段階でありまして、具体的な数値を挙げるまでには至っておりません。従来から実施してございますまちなか定住促進事業を初めとした多様な中心市街地の活性化策に特区の規制緩和が加わることによりまして、定住人口の増加はもちろん、交流人口のより一層の増加につながることはできないだろうか、こんな期待を持っておる次第でございます。 規制緩和の結果、新しい問題点も生ずるのではなかろうかという御指摘でありました。そのとおりです。仮に特区に指定されれば、規制緩和によって防火、避難等の防災面、それから通風や採光等の環境面の課題が生じることが想定されます。このために、消防水利の増強でありますとか、緑地・避難路の整備等、適切な代替措置を講ずる必要が出てまいります。こうした代替措置は、まちづくり協定の締結等によりまして行われなければいけないというふうに考えております。このためには、住民の理解と協力が何よりも必要ということになるわけであります。 市民農園のことをお尋ねになりました。農業特区を目指してみてはどうか、一つのお考えだと思っております。ただ、市民農園等に関する規制につきましては、全国のレベルで緩和することが適当ではなかろうかというふうに思っておりますが、宮城県とか山形県ではこれを特区として提案されておるようでございます。今後、特区の実施に関する法令等が仮に整備されるということでありますれば、広く地方公共団体から申請を受け付けるということになるかもしれませんし、もしもそういう事態になれば、本市も検討してみたい、このように思っております。 再度提案が募集された場合にはどんな提案をするのかというお尋ねでありましたが、市としては、今回、藩制期からのまち並みが残る区域を対象にしまして、「伝統的まちなみ再生特区」を提案したところでございます。提案の募集につきましては、既に8月で締め切られておるということを御承知いただきたいと思います。 次に、高齢者の市政参画についてお尋ねでありまして、これまでの生きがいづくり等について評価はどうか、課題をどう思っておるかということでありました。これまで行ってきました高齢者が健やかに生きがいを持って暮らしていくための施策につきましては、一定の成果があったというふうに思っています。これからは高齢者の割合がもっともっと高まってまいりますことから、多様な経験、能力を持った高齢者がそれぞれの地域で活躍する場を確保することも重要というふうに考えております。 アメリカシロヒトリの防除を高齢者に依頼したらどうかという御指摘でありました。事実、この防除につきましては頭を痛めています。初期段階の捕殺が肝要でございまして、御提案のとおり、高齢者の方々はその地域の実情に精通していらっしゃいます。早期発見、早期防除と適時適切な対応が可能というふうに思われます。今後、地域の方々や防除業者等関係機関とも協議をいたしまして、高齢者パワーによるアメリカシロヒトリの防除策の創設につきまして、前向きに検討してまいりたい、このように思っております。意欲のある高齢者が、住みよいまちづくりのために地域活動に協力してくださることは、社会参画を促進する意味でも大変意義のあることと思う次第でございます。 行政の多くの場面で高齢者のパワーを導入できぬだろうかというお尋ねでありました。シルバー人材センターの活用が大きな柱だというふうに認識をいたしています。従来から、市としても施設管理等各種の業務を発注することによりまして、就業機会の拡大、市政参画の意識高揚に資しております。引き続き支援をしてまいりたいと思います。また、民間事業所等におきますところの高年齢者雇用奨励金制度につきましても、国の制度の改正に即応をいたしまして、その都度、市単独事業を見直して、充実に努めているところでございます。今後、高年齢者の雇用について、体系的に整理をして、一層の高齢者雇用施策の充実に努力していきたい、このように思っております。 以上であります。 ○議長(川紘一君) 14番玉野道君。   〔14番玉野 道君登壇〕(拍手) ◆14番(玉野道君) 質問の1点目は、支援費制度の導入についてであります。 さて、支援費制度は、障害者福祉サービスを対象にした利用者の自己決定を基本とする契約制度であり、社会福祉制度の改革の中でも、介護保険制度に並ぶ最大の制度改革とも言われており、本市においても、平成15年4月からの新たな利用の仕組み導入に向けた準備を本格化させていると思います。そして、選択と競争に基づく利用者本位のサービス提供体制の確立という趣旨から、介護保険との類似が言われております。しかし、社会保険方式と租税方式との基本的な違いや、介護保険の要介護認定における認定審査会は想定されておりませんし、ケアマネジメントの仕組みが制度化されておりません。さらには、利用者負担が応益負担ではなく、応能負担であり、支援費支給の要否や内容なども市町村が決定することになっていることから、市町村の役割は極めて重要になっております。厚生労働省のスケジュールでは、今月中までに市町村は、1、支給決定にかかわる審査基準の策定、2、サービス利用者の把握と申請の勧奨、3、標準事務処理期間の設定を終え、来月からは支給申請受け付け開始及び支給決定開始となっておりますが、事業者の指定などとあわせ、本市の準備状況についてお聞かせ願います。 また、この制度の理念は、「与えられる福祉」から障害者みずからが望む生き方に応じて「選べる福祉」への転換であると同時に、従来の施設偏重から地域生活重視へと国の障害者施策を転換させていることからも、地域生活への移行促進に向けた具体的な基盤整備を進める必要があります。現在、厚生労働省で支援費基準について、施設訓練等支援費、居宅生活支援費で各4つのサービスが設定されており、厚生労働省で支援費基準と利用者負担基準について検討されていると言われておりますが、いずれも厚生労働省が定める基準をもとに、市町村長が基準を定めることが規定されておりますが、本市の対応についてお伺いをいたします。 そして、施設で暮らしてきた人が地域での生活を望めば、それに見合った居宅生活支援サービスをふやすなど、ニーズに応じた対応や選べるだけのサービス選択肢の絶対量の確保が必要であります。また、障害のある人が自立した生活を送ることができる地域をつくっていくためには、幅広い施策の連携が必要と言われております。 そこで、具体的にお伺いをいたします。1、4つの居宅生活支援サービスのみでは地域生活は難しいと言われておりますが、本市単独の居宅生活支援サービスの提供とケアマネジメント手法の構築について。2、居宅生活支援サービスのメーンとなるホームヘルプサービスの派遣内容と知的障害者への派遣について。3、入所施設から地域生活への移行のかぎを握ると言われているグループホーム利用の促進策について。4、支援費制度ではサービスに関する情報をいかにわかりやすく提供することが重要なポイントとなるだけに、地域生活支援のためのネットワーク化について。以上4点について、あわせてお伺いをいたします。 さて、ノーマライゼーション7カ年戦略として平成7年に策定された障害者プランは、14年度を計画の終期としております。今後、支援費制度の理念を生かすためにも、社会福祉法が可決された際の衆参両院での附帯決議も踏まえ、障害を持っていても、地域で一人一人が自分らしく暮らしていけるよう、より積極的な基盤整備が望まれております。また、障害のある人の親や家族が養護をできなくなった後も、障害者が地域で安心して生活できる環境の実現が必要となっており、適正な後見活動なども不可欠となっておりますが、こうしたことを目的とした条例も必要になっていると考えますが、いかがでしょうか。あわせてお伺いをいたします。 質問の2点目は、山出市長4選と政令指定都市の実現に向けてについてであります。 さて、山出市長4選への選挙日程は、11月10日告示、17日投票と決まりました。そして、今から約4年前、3選を果たした当時の山出市長は、合併問題について「住民意識の啓発に尽くす時期ととらえ、図書館などの利用枠拡大や住民票の相互交付など、従来の広域行政をさらに広げ、機運の醸成を図り、計画期間を十分に持ちながら、協議していきたい」との抱負を語っておられます。 しかし、喫緊の課題となっている合併論議の中で、市長は合併の進まない事情の主なものの一つに図書館利用などを例示し、さまざまな行政分野における連携、協力体制が進んだこと、すなわち広域行政が進んだことにより、関係自治体が何一つ不自由を感じなくなったことを理由に挙げておられます。 また、この間の機運の醸成や計画期間を十分に持ち、協議するとの進め方についても、平成17年3月の合併特例法の施行期限まで残すこと3年を切り、その期限後の延長更新をしないことを政府は繰り返し明言をしております。このことからも、残されている時間は少なく、合併への一定の成果を意識する余り、住民と将来のまちづくりの基本的な政策立案や施策展開の方向性よりも、合併特例債などの財政支援措置上有利であるとの財政面での合併論に比重が移ってしまっているようにも思えてなりません。 いずれにせよ、都市間競争や都市選別時代を生き抜くためにも、政策を競う時代の到来と政策転換が叫ばれている中で、広域行政が合併の代替策になり得ない理由を列記しながら、山出市長は本市と松任市、河北、石川両郡を含めた2市8町5村の中央広域圏協議会の広域圏構想を生かすとし、あえて広域行政推進室と称するセクションで合併論を展開し、推進されておられる山出市政。そこで、まず合併による政令指定都市実現と広域行政との整合性、あわせて政令指定都市実現における中央広域圏構想と学術文化政令指定都市構想の考え方について、あわせてお伺いをいたします。   〔議長退席、副議長着席〕 さて、白山ろく5村は12月までに合併の枠組みを決める方針を明らかにし、白峰村長らが金沢市を訪れ、公共施設を視察するなど、ここに来てようやく合併の機運は盛り上がりを見せているようにも思います。そして、金沢商工会議所も、北信越の都市間競争に勝つには、合併で政令指定都市移行を目指す必要があるとして、合併問題小委員会の設置の考えをようやく示しております。 時をさかのぼり、山出市長が江川市政のもとで助役を担務されていた平成元年3月に、金沢商工会議所は「金沢みりおんプラン」を策定し、金沢の課題と経済界との立場の観点から、金沢、松任、野々市、鶴来、津幡、内灘の2市4町で金沢大都市圏構想を提言し、富山、福井を両翼に配した個性豊かな北陸圏の形成を目指さなければならないとしておりました。 今、多くの商工会議所が地域の都市間合併を進めることによって地域経済圏を活性化させ、一層成長させようと、首長に対して合併の積極的な働きかけが各地で顕在化している中で、14年も前に21世紀金沢の未来像を描き、金沢大都市圏構想で合併の必要性を唱えていた先見性に富んだ金沢商工会議所のこの間の対応はいささか不可思議としか言いようがありません。この提言を生かし切れなかった商工会議所と、本来、まちづくりに当たり密接に連携すべき行政との関係に何があったのか、疑問と無念さを覚えております。 しかも、新潟市の4市3町3村の75万人、富山市の2市6町3村の50万 4,000人、福井市の1市10町2村の41万人と、いずれの合併構想も本市より今現在、合併関係自治体数が多いにもかかわらず、県、経済界、関係自治体との一体的、一元的な合併論が展開され、将来への地域経済の活性化を展望しております。なぜ本市の合併論は今日的な状況に陥っているのでしょうか。これまで合併論の出おくれの感があった福井市までもが、任意の合併協議会をこの9月末にも設立することを決定しております。しかし、事この段に及んでも、金沢商工会議所の対応は小委員会設置レベルでの合併論しか示しておらず、地域経済活性化提言など、今日まで積極的に取り組んできた経済総合体としての取り組み方に、合併意欲の希薄さも感じております。 そこで、山出市長は助役当時、この先見性に満ちた金沢商工会議所の「金沢みりおんプラン」をどのようにとらえ、今、合併論議の中でどのように認識されておられるのでしょうか。今後の商工会議所の対応と連携、さらには新潟、富山、福井と本市の合併論の進展の違いについて、あわせてお伺いをいたします。 さて、旧押野村金沢市編入の紛糾の歴史の教訓から、ここに来て、各界各層のトップが政令指定都市実現への前向きな発言や取り組みの機運が高まろうとしているさなかでのまちを二分する危険性を含む住民投票や、金沢市内における名称のみの野々市インターチェンジ構想などの事柄も、感情的な隘路に追い込んでいるとの話が風の便りとして伝わってきております。金沢経済同友会も、平成5年に県都金沢の将来を論じ、野々市町との合併を視野に入れるとの提言をしておりますし、金沢商工会議所の「金沢みりおんプラン」と政令都市の実現への取り組みも、金沢と周辺自治体の将来に禍根を残すことのない議論と決断を迫っていると言えるだけに、政財界を初めとした各界各層とのさらなる連携と対応についてのお考えをお伺いいたします。 さて、平成12年10月に当時の西田自治大臣は、国を憂える個人的心情も盛り込んだ市町村合併に係る親書を都道府県知事あてに発信しております。その内容の一部を紹介させていただきます。 「新世紀を迎え、真の分権時代の到来に当たって、市町村合併は避けて通れない課題であると思っております。市町村合併は、都道府県にとっても自らの問題であると思います。自主的合併の促進という立場には変わりはありませんが、自主的という名の下に、市町村に任せておけばいいとする考え方は無責任であると言わざるを得ません。将来のわがまちをどうするかということを、市町村だけにまかせておくのではなく、国、都道府県、市町村、そして住民の方々が一体となって自らの問題として取り組んでいくことが不可欠であると考えております。特に、地域における都道府県の役割は重要なものであると考えております。また、市町村合併という課題の性格上、各界各層のトップのリーダーシップが発揮されなければ、この課題の解決は困難であります。各都道府県におかれては、知事ご自身が広い視野から先頭に立って対応していただきたいと希望します」としております。そして、平成14年3月には、市町村長あてに片山総務大臣の親書がほぼ同じ内容で出されております。また、この7月の全国知事会議での分科会では、都道府県合併や道州制の導入を検討するなどとするアピールをまとめ、都道府県合併論議を急速に高めております。 こうした大きな潮流を踏まえ、都道府県合併などによる道州制や連邦制の導入などの研究会が各都道府県知事会で設立されており、都道府県合併における州都提案など、都道府県レベルでの合併論議にしのぎを削っております。また総務省の、政令指定都市の弾力的な指定を検討するとの方針明示は、分権時代における政令指定都市の意義と役割との観点から、1都道府県1政令指定都市の育成構想に立脚したものと言われているだけに、本県の政令指定都市の実現の行く末にも中立的立場を装い続けている知事の姿勢には、都道府県合併論議での州都議論を高めている各知事との距離感を感じております。 リーダーとしての心は、何が住民にとってプラスなのかとの一点であると言われているだけに、合併のトップ会談での積極的な仲介役を印象づけた杉本副知事に強いリーダーシップを感じております。そこで、いま一度、谷本知事の意識レベルを揺り動かし、みずからも各界各層のトップリーダーとの意見交換や住民との対話の設定も必要と考えますが、いかがでしょうか。今後の県や各種団体、住民の方々の対応について、改めてお考えをお伺いいたします。 さて、奇跡の合併とも言われているさいたま市の誕生には、政令指定都市の実現ということに加え、政策目標の達成を具体的に提示したことが決め手になったと言われております。先般、あるコラムが目にとまりました。珠洲市出身の泉雅博跡見学園女子大教授が、能州三崎浦専念寺文書を参考にした論文をもとに、歴史上、太平洋側が表玄関となったのは幕末から第二次世界大戦後の約 100年であり、それ以前は日本海側がその役割を果たしていた。そして、能登先端だけで1年に1万隻を超える北前船が往来したと推測され、金石や敦賀は日本経済の中核となっていたことがうかがえる。つまり、日本海側が長期にわたり表玄関だった。今後、中国を初めとするアジア諸国の経済発展が順当に推移すれば、必要性の高い先見性豊かな政策次第で、金沢は東京になれるとの内容であります。そして、石原信雄地方自治研究機構理事長の「金沢は周辺の野々市や内灘、津幡、松任も含め、人口70万人の政令指定都市を目指せ」との言葉にあるように、山出市政は政令指定都市の創造に向かって、新しい枠組みの中で新機軸として新しい発想に立ったまちづくり、未来金沢の進展に決断をされておられます。 山出市長4選の論点は政令指定都市実現であり、そのことによる生活圏域、経済圏域を共有する市町村同士が合併により大同団結できれば、地域全体の経済圏を支える行政体制が確立することになります。そのことが地域経済を守り、ひいては市町村財政を守り、地方分権体制の確立を一歩でも前進させることにつながると言えます。本市と松任市、河北、石川両郡を含めた2市8町5村の中央広域圏協議会構想と金沢商工会議所が提言した「金沢みりおんプラン」による金沢大都市圏構想、そして未来の金沢を背負う金沢青年会議所の北陸州都・金沢構想を生かし切り、都市再生や教育の構造改革特区案などもどのように山出4選市政に位置づけ、選挙公約とされるのか。 また、安田野々市町長とのトップ会談で示された学術文化政令指定都市構想を初め、多くの構想が提示されたとされますが、それら構想の実現と金沢政令指定都市実現への選挙公約を掲げ、日本海側の雄都、世界都市金沢の創造へ一層前進すべきと考えますが、いかがでしょうか。あわせてお伺いをし、私の質問を終わらせていただきます。(拍手) ○副議長(中西利雄君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 14番玉野議員にお答えをします。 まず、支援費制度のことであります。措置制度が改められまして、契約制度ということになりました。この趣旨は大変意義深いものがございまして、この趣旨を体してまいりたい、このように思っております。 新しい制度導入の準備状況はどうかというお尋ねでありまして、事業者の指定につきましては、8月1日に県と合同で事業者説明会を開催したところでございます。今後、国の定めた指定基準による審査を踏まえまして指定してまいりたい、このように思っております。 それから、利用者の支給申請につきましては、9月中に身体障害者手帳、また療育手帳を所持していらっしゃる方全員に制度の中身や申請手続等についてお知らせをしまして、10月から申請者との個別相談によりまして支給決定の手続を進めてまいりたいと思っております。来年の3月までには申請者全員の支給決定と受給者証を交付することによりまして、制度移行に万全を期してまいりたい、このように思っております。支援費基準と利用者負担基準について、どんな対応をするのかというお尋ねでありました。9月12日に新しい年度の国の概算要求の積算単価が仮の基準額として示されました。この基準額をもとにしまして、現行基準との比較をして、本市としての適切な基準額を検討してまいりたい、このように思っております。 次に、サービスのことでありますが、本市単独の居宅生活支援サービスの提供等のことについてお尋ねでありました。支援費制度の対象から外れますところの小規模作業所、あるいはメルシーキャブサービスの事業等があるわけでありまして、本市単独の生活に密着したこうした支援サービスにつきましても、より一層充実を図ってまいりたいと思っています。また、ケアマネジメントにつきましては、市町村が責任を持って役割を果たすことになっています。この4月から社会福祉士、また保健師等4名のケアマネジメント従事者を配置してございまして、適切な対応を図ってまいりたい、このように思っております。 ホームヘルプサービスの派遣内容、それからグループホームの利用の促進策、そして情報のネットワーク、こういうことにつきましては、福祉保健部長からお答えをいたします。 私からは、障害者プランと基盤整備のことについてであります。今般、国の新しい計画策定及び支援費制度導入に呼応しまして、市として障害者計画の見直しに着手したところでございます。御指摘のとおり、地域福祉の観点からいたしまして、障害のある方の地域での生活を支援することは大切でございます。そのための基盤整備は重要と考えておりまして、見直しの中でさらに検討を加えてまいりたい、このように思っております。また、障害のあるなしにかかわりませんで、すべての市民が健康で安心して暮らすことができるまちづくりを進めてまいりますための条例、いわゆる福祉のまちづくり条例でございますが、これを昨年の3月に制定をさせていただきまして、市と市民の責務が明らかになったところでございます。民法の規定に基づきます成年後見制度への対応につきましては、窓口を設置しまして、相談には誠意を持って対応をしているところでございます。 次に、政令指定都市の実現、また合併のことについて、幅広くお尋ねになりました。励ましもいただきながら、片やお心遣いもいただいたということでありまして、ありがたく思っております。 まず、合併による政令指定都市実現と広域行政との整合性をお尋ねになりました。広域行政とは、自治体行政の連携形態のことというふうに思います。また、政令指定都市なるものは、合併によってつくられますところの一つの都市形態のことでもあろうというふうに思っていまして、それぞれ目的とするところが違うというふうに考えている次第でございます。広域行政といたしましては、2市8町5村で石川中央広域市町村圏を設置をいたしまして、圏域計画の策定、互いに一部行政サービスを補完し合ったり、連携、交流を通じて圏域全体の発展を目指しているものでございます。その圏域の中におきまして、市といたしましては、既にまちが一体化しております野々市町、それに合併論議の現にございます鶴来町と白山ろく5村と合併することで政令指定都市を目指したい、このように思っておる次第でございます。政令指定都市になることによりまして、拠点性が高まり、まちのステータスが上がります。また、経済的な吸引力が増し、国際性も強まるわけでありますし、文化、教育の水準も高まるわけでございまして、金沢市が目指すところの政令指定都市は学術文化政令市でありたいと、このように思っておる次第でございます。 会議所の「金沢みりおんプラン」についてどう思っておるかというお尋ねでありました。「みりおんプラン」は平成元年に提唱されたものでございまして、中央広域市町村圏の2市8町5村の合併を想定した先を見たビジョンだというふうに思っております。 経済界を含めた各界各層との連携、対応についてお尋ねでございました。経済界を初めとする各界各層の強力な取り組みが合併の実現につながるものであることは言うまでもございません。先般も宮会頭とお会いしまして、早速御尽力のお話をいただいたところでございます。近く会議所に合併問題小委員会なるものが設立されるというふうに聞いてございまして、これとの連携を図りながら、機運の醸成に努めてまいりたい、このように思っております。 住民投票、また野々市インターチェンジ構想のことについてお触れでございました。これが感情的な隘路に追い込んでいるのではなかろうかという御指摘でありました。これらのことは、論議の中で住民の声としてあることは事実でございます。ただ、住民投票のことは、これは野々市住民のことでございます。また、いわゆる野々市インターなるもののことは、野々市住民の中から聞かれたものでございますが、金沢市とも関係のないことではありません。アイデアとして関心のあるところでございまして、ただ、論議と研究が必要であります。慎重に対処していくべき、このように思っておる次第でございます。 県との連携、対応についてお話しでございました。富山市等の状況は、県の合併パターンが示されておりますことから、県・市が連携をして取り組まれていると聞いております。石川県の場合でありますが、先般、谷本知事のお力添えによりまして、野々市町長との話し合いの機会を持つことができました。双方、継続して協議するというふうにしたところでございますが、引き続き県の御尽力をお願いしていくということでございます。 選挙公約のことについてお触れでありました。公約に政令指定都市実現を掲げるべきだということでございました。この道の専門家でいらしゃいます石原信雄先生と先般直接お会いをする機会がありまして、いろいろ激励とアドバイスをいただいたところでございます。金沢市としては、隣接町等との合併によりまして学術文化政令市を目指したいというふうに思っておりまして、全力を尽くしたい、このように思います。政令指定都市になることで、北陸の中枢拠点都市機能がさらに高まることと考えておる次第でございます。選挙公約のことにつきましては、貴重な御意見として十分に承っておきたい、このように思います。夢は大きく、現実は厳しく、そして一生懸命、こうお答えをします。 ○副議長(中西利雄君) 松村福祉保健部長。   〔福祉保健部長松村直彦君登壇〕 ◎福祉保健部長(松村直彦君) 支援費制度の導入に関連して、ホームヘルプサービスの派遣内容と知的障害者への派遣についてお尋ねがありました。ホームヘルプサービスの派遣内容は、身体及び知的に障害のある方については、家事援助と身体介護、外出による移動の介護であります。児童にあっては、家事援助と身体介護とされております。既に本市では対応してきているところであります。知的に障害のある方への派遣につきましては、新制度移行も見据え、これまでも利用者の拡大、利用時間の拡充など配慮してきているところであります。 グループホーム利用の促進策についてお尋ねがありました。これまでもグループホームの運営につきましては支援を行ってきておりまして、毎年一、二カ所程度開所されております。現在、市内のグループホームは13カ所ございます。10月から1カ所開所の予定であります。今後とも、在宅生活への移行のための準備に必要な施設として、適切な整備に努めてまいります。 次いで、情報ネットワーク化についてお尋ねがございました。本年度中に本市のホームページであります「いいねっと金沢」に支援費制度に関する情報を掲載する予定であります。来年春には「いいねっと金沢」と社会福祉・医療事業団のネットワークシステムでありますワムネットとの連携を予定いたしておりまして、全国の各種情報もあわせて提供したいと考えております。 ○副議長(中西利雄君) 37番松本捷男君。   〔37番松本捷男君登壇〕(拍手) ◆37番(松本捷男君) 質問の機会を得ましたので、2点質問を行いたいと思います。 第1点は、4選出馬を目指す市長に、その覚悟と抱負をお伺いしたい。 国を初め、いろいろな機関がいろいろな景気判断をしておりますけれども、私ども地方に住む者にとりましては、まさに景気はどん底状態であります。東京電力原子力発電所の事故隠し、一たん発表しておきながら、次々と発覚する不正の連続、雪印や日本ハムの輸入肉買い上げ制度を悪用した詐欺行為、北方領土の支援に絡んで鈴木宗男や三井物産のやったこと、使用禁止農薬の販売・使用など、一流企業までが倫理観を喪失して、ただひたすら利益追求に走っていたという事実。視野を外に向ければ、日本沿岸に不審船がうろうろ。外国に拉致された国民の救出もせず、不法に竹島を占拠されても声も出さない日本。果ては、瀋陽の日本領事館の国辱的事件。まことに情けないところであります。 政府は、本気で国民の生命、財産を守る気があるのか。これでは、国民の側から言えば、まるきりの税金のただ取られだと言われても仕方がないと思う。政治や行政に携わる者の責任の重大さを感じます。 一方、市政を取り巻く環境はといえば、野々市との合併話が暗礁に乗り上げた感があり、不況の続く中、商業地を中心に極端な地価の下落を招いています。仄聞するところによれば、かつて市内中心地で 300万円したところが30万円とか、あるいは 500万円したところも30万円とかというような話も聞きます。そういう地価下落の中、来年、固定資産税の評価の見直しが行われます。恐らく、市税の根幹を占めている固定資産税の収入ががたっと減ると私は思います。財政逼迫の折、大きな痛手になることは必定であります。加えて、少子高齢化の進行は、すべての行政行為の間で負担と給付の調整が必要になり、特に年金や保険制度の維持、運営に見直しを迫られることは確実であります。おまけに、地球規模での環境浄化、そのためのリサイクルシステムの確立など、難問が山積みしています。 こんな難しい時期に、6月、「初心に返り、まじめに一生懸命、難題解決のために励ませていただきたい」と、4選出馬への決意を表明されました山出市長のその使命感に、まず敬意を表したいと思います。金沢生まれの金沢育ち、だれよりも常日ごろから金沢を愛していると語られる市長ならではの面目を感じています。 政治家は、人々が安心して暮らす社会、将来への夢を互いに語り合える社会をつくる責任があります。山出市長は、本市開市以来、初めて4選目に挑む人となられるわけです。世界都市を目指す金沢のトップとして、改めて市長に、何を市民に約束され、頑張るのか、ここで語っていただきたいと思います。 特に、関心事であります新しい美術館の目指すもの、中心市街地活性化への道筋、県庁跡地の利用、森本テクノパークの将来など、できるだけ具体的にわかりやすく思いを語っていただきたいと思います。 今日まで「市民党」を標榜され、不偏不党、公平無私の姿勢を貫いてこられた政治姿勢への市長の評価が非常に高く、その証左として、町会連合会を初め、多くの団体が競って市長を推薦しています。我々もまたその政治姿勢を高く評価して、全力を挙げて応援するつもりでおります。勝利、4選に邁進されんことを希望します。 次に、本市将来にとって最大の懸案、合併の促進についてであります。 大河ドラマ「利家とまつ」は大変好評を博しています。ドラマを見ておりまして、改めて変革期における先見性を持ったリーダーの存在とその役割ということについて考えさせられるものがあります。リーダーの決断と実行力が、その周りの者の運命を変えます。自身の生死の問題だけではなく、子孫の運命、あるいはその属するすべての行く末を決定します。  400年前の関ケ原の合戦で、関東に味方するか、大阪に味方するかで、それぞれの運命が大きく分かれました。関東に味方した大名の多くは、明治維新を迎えるまで安定して続きました。戦国の世から天下統一へ、幕藩体制の終えんから近代国家へと時代は大きく変革しました。このとき、加賀の国は、いわば維新のバスに乗り損ないました。 400年前の利家とまつの教訓が生かされなかったわけです。歴史に「もしも」ということはありませんが、加賀藩が薩長と行動をともにしていたらどうなっていたかと考えてみたり、あるいは会津のたどった運命と比較してみるのもむだなことではないと思います。 現在の市町村の枠組みがつくられたのは明治22年です。今から約 100年前のことです。金沢市もこのとき市制をしいたのであります。 100年たって、地方行政の大きな変革が今、行われようとしています。市町村の再編が今まさに行われんとしているわけです。将来的には都道府県の再編が進められると思います。このことは、自治体にとっても、国家にとっても、明治維新に匹敵するものと言われています。わらじ履きで徒歩の時代から、飛行機、新幹線が走る時代に変わったのに、 100年も前と行政の仕組みや行政の区域がそのままで済まされるものでないことは国民のだれもが認めることだと思います。だとするならば、今日の市町村合併にも、西郷隆盛や勝海舟などのような時代を的確に判断して導く先見性のあるリーダーが出現してよいはずです。仄聞するところによれば、全国の県庁所在地で周辺との合併話が何ら進展していないのは、我が金沢のほか、奈良、和歌山、熊本の4つを数えるにすぎません。維新のバスに乗り損ねた加賀藩の二の舞を踏んではいかぬと思うのです。 山出市長は、周辺の町村との合併で政令都市を目指すとされておりますが、金沢市はもとより、石川県、北陸地方全体の発展を考えたとき、このことは当然過ぎるほど当然なことであります。かたくなに単独町政を唱え、合併について全く耳をかさない町や、これを横に見て、合併を進めようとしている隣市の姿勢を批判する市など、その行政を預かる首長には時代への先見性はなく、その先駆者たる資格もないと言わざるを得ません。そのような中にあって、市長には大変御苦労は多いかと思いますが、維新の先達のように新しい時代の先駆者となるべく、渾身の力を絞り、政令指定都市の実現とそのための合併に邁進していただきたいと存じます。私ども自民フォーラムも全面的にこれを支援し、協力を惜しまないものであります。 そこで、お尋ねいたしたいと思いますが、市民や町民の合併の意識を喚起するという意味で、政令指定都市になることにより行政面でどう変わるか、その魅力とされるところについて、改めてお示し願いたいと思います。 また、政令指定都市を目指すとしますならば、現在指定されている人口70万人にやはりできるだけ近づける努力も必要かと思います。巷間いろいろ言われるところですが、政令指定都市を目指して合併しようとするなら、一気に石川中央広域圏ぐらいを視野に入れてやるべきであり、その方が相手も同意しやすいのではないかという声もあります。これも一理ある議論かと思います。道州制により、いずれ都道府県の再編が進められるならば、金沢ばかりが大きくなってもいいという議論は意味をなさないことは申すまでもないことであり、それゆえ金沢市が政令指定都市になることに反対であるとする論は何ら説得力を持たないと思います。また、個々の自治体への合併の機運が熟するのを待っていても、なかなかそこに至らず、従来のままで流されていくということも事実であろうと思います。新しい時代が開かれるためには、時としては黒船の来航も必要であります。単に熟度を待つというのではなく、合併について、同一生活圏である内灘町や津幡町など、これまでは金沢市が申し入れもせず、またその意思も明らかにしてこなかった町に対しても、この際、働きかけを行うことも必要ではないかと思います。いかがでしょうか。お考えのほどをお聞かせいただきまして、私の質問を終わります。(拍手)
    ○副議長(中西利雄君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 37番松本議員にお答えをします。 これからの覚悟と抱負を存分に語れということでありました。仰せになりましたように、今のこの閉塞状態に我慢ができない。少しでもいいから前へ進むようにというお気持ちはよく理解ができます。また、正しい者が報われるように、苦しんでいる者が報われるように、この御趣旨も同感であります。私は、今申し上げた気持ちが初心だというふうに思っています。初心は忘れないようにしたいものでございます。 そこで、いろいろな関心をお持ちのことをお述べになりまして、その対応について語れということでありました。 まず1つは、美術館の目指すものは何かという点でありました。この美術館は、多様化する世界の新しい表現を紹介することで、文化や産業に新しい刺激を与えたり、また市民に広く利用されることで、今一番大事なまちの活性化にも資することができたらと、そんなことを強く願っています。言いかえれば、新しい文化や産業をつくること、まちのにぎわいをつくること、その拠点にしたいという思いがありまして、今、金沢にとりまして一番なすべきこと、このように思っておる次第であります。 次に、中心市街地活性化への道筋を市長はどう考えているのかというお尋ねでありました。私は、中心市街地の活性化を図るには、1つには定住人口をふやす、2つには交流人口をふやす、このことが必要だと思っておりまして、このための施策は1つだけではいけない。1つだけだったら、有効打も打てないし、決定打も打てないと、そのように考えてまいりまして、施策はすべからく総合的でなければいけない、多面的でなければいけないし、重層的でもなければいけない、このように申し上げてまいりました。 市といたしますと、都心地区の3つの跡地、県庁跡地と附属小・中学校の跡地と城址でありますが、これらの整備とあわせまして、まちなかの定住促進、中心商店街に魅力をつけること、そして小さくてもいいから歴史・文化施設を整えること、公共交通のアクセスを強化すること、歩けるまちにすること、こうしたことどもをよそのまちに先んじて進めてきたつもりでございます。今後とも、市政の最重要課題として取り組んでいく必要があると思っております。元気なまちをつくること、これは今の私にとっての最重要のテーマ、こう申し上げます。 次に、県庁跡地の利用をどうするのかということであります。跡地は、兼六園、金沢城公園に近接をしました緑豊かな環境と文化の空間でございます。私の意見は、いたずらに施設をつくることは避けるべきではなかろうかという思いを持っています。県庁跡地と一体的な空間といたしまして、既に美術館の整備を進めております。消防本部、広坂署の移転にも取りかかっておるところでございます。先般、懇話会で知的ゾーンにふさわしい未来型図書館を核とした多機能複合型施設の整備等、跡地利用についての御提言があったところでございます。これに基づきまして、県・市連携をし合って、具体的な利用策をまとめていきたい、このように思います。今の金沢市民にとって、将来の金沢のために今どうあるべきか、このことにかかわるこれまた最重要のテーマ、こう申し上げたいと思います。 次に、テクノパークの将来をどう考えるのかというお尋ねでありました。私は、外部から新しい産業活力を導入して、また地域中核企業の新しい分野開拓の場として整備を進めているものでございます。厳しい経済状況にはございますが、周辺の交通体系の進捗等を強くアピールしながら、誘致に全力を注いでおるところでございます。産業基盤の形成は、常に次の時代に備えていくことが肝要でございます。景気の波ももちろん考慮しながら、これからの金沢の産業の育成の視点から、長期のスパンで進めていくこともぜひ大事だと理解をいただきたいのでございます。金沢における2次産業のあり方を考えますと、やはりこれまた今なすべき重要な仕事と、こう申し上げたいのでございます。 次に、公約のことについてお尋ねでありました。何を公約するのか、政令指定都市等のあり方と含めてお尋ねになりました。選挙に向けてのいろいろな自分の考えにつきましては、いずれ市民の皆さんに訴えていくことになるというふうに思っております。私は、できるだけ平易にわかりやすく訴えたいなという願いを持っています。まずは、現下の厳しい経済状況の中で市民生活の安定を確保すること、これが大事であります。一方、将来のためには、市町村合併を進めてまちの器を整えて、そしてまちに力をつける、拠点性を高める、このことが大事だというふうに思っています。加えまして、基盤整備、福祉、環境、教育の対応が課題だというふうに思っておりまして、こうした課題の解決と前進に、初心に返りまして一生懸命励んでまいりたい、こう思っておる次第でございます。 合併のことについては、住民意識を喚起する意味で、政令指定都市になることによって行政がどのように変わるのか、そのことを示す必要があるという御指摘でありました。御趣旨はよく理解ができます。政令指定都市は、なることによって県並みの権限を持ち得ます。みずからの責任でまちづくりを行うことができるわけであります。例えて言いますと、国道・県道の一括管理ができる、児童相談所の設置ができる、精神保健福祉センターの設置もできる、いろいろなことができるようになります。また、行政区の設定によりまして、区役所が設けられて、総合的できめの細かい行政サービスが行えるようになるということであります。一方、新しい税財源が移譲されて、財政基盤の強化が図られるということもあります。加えて、政令指定都市になることで、中枢拠点都市としての機能がさらに高まるというふうに考えている次第でございます。経済とか産業の面での吸引力が増す、国際性が高まる等の積極面が考えられるわけでありまして、あなたのまちと一緒になって、この積極面を生かそうではありませんかと、このように訴えさせていただく次第でございます。ぜひ理解をいただきたい、このように願っております。 次に、まだ申し入れていない町に対しても働きかけが必要ではなかろうかという御指摘でありました。隣接する内灘町、津幡町などと広く合併をという意見のあることは承知をいたします。まずは長い経緯のある野々市町、そして現に論議をされている鶴来町と白山ろく5村との話し合いを進めることにした次第でございます。今後の論議の推移、また機運の高まりにつれて、御指摘のことには大きい関心を寄せてまいりますし、十分研究してまいりたい、このように思います。御尽力を願う次第であります。 理想を掲げながら、片や現実面も考えて対応している。ここに難しさはあるわけですけれども、ぜひ御指導をいただきたい、このように思います。 以上です。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩 ○副議長(中西利雄君) この際、暫時休憩いたします。              午前11時42分 休憩-----------------------              午後1時2分 再開 △再開 ○副議長(中西利雄君) 出席議員数はただいまのところ40名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○副議長(中西利雄君) 休憩前の議事を継続して、質疑並びに一般質問を続行いたします。 24番関戸正彦君。   〔24番関戸正彦君登壇〕(拍手) ◆24番(関戸正彦君) 質問の機会を得ましたので、何点かお伺いいたします。 2001年夏、1通のEメールが世界じゅうを駆けめぐりました。「世界には63億人の人がいますが、もしもそれを 100人の村に縮めるとどうなるでしょう。 100人のうち52人が女性です。48人が男性です。61人がアジア人です。13人がアフリカ人、また13人が南北アメリカ人、12人がヨーロッパ人、あとは南太平洋地域の人です」、皆さんもよく御存じの「世界がもし 100人の村だったら」の一節です。これは、統計データをもとに、世界を 100人の村に置きかえ、現在の地球の姿をわかりやすく示し、一方で地球全体が抱える問題、つまり飢餓と貧困、人口爆発と食糧危機、地球温暖化など、このままではこの世界村が立ち行かなくなってしまうと警鐘を鳴らしています。 このEメールを契機に出版された中の一つ「日本村 100人の仲間達」によりますと、「日本村に住む100人の中、男性は49人、女性は51人です。子供は14人です。若い人たちや働き盛りの人たちは60人、高齢者は18人。カラーテレビは99人の家にあります。エアコンは80人、乗用車は85人、携帯電話は75人、パソコンは50人」と、日本村は世界一の長寿国であり、世界でも有数の物のあふれる豊かな国であることが如実にうかがわれますが、反面、日本村には少子高齢化、世界一の借金村、景気、雇用問題などさまざまな問題を内包していることもうかがい知ることができます。 あらゆるデータを 100人に置きかえることで、その「村」が置かれている状況が客観的に見えてきますし、問題点と課題も浮き彫りにされてくるのであります。そこで、もしも金沢が 100人の村だったら、金沢村はどのような姿になるのでしょうか。どのようなところに金沢村の特徴や問題点が隠されているのか、山出村長さんからわかりやすく説明願いたいと思います。 少子高齢化が大きな社会問題になっています。世界村では30人が子供で70人が大人、そのうち7人がお年寄りですが、金沢村はといいますと、 100人のうち15人が子供、お年寄りが19人と、日本村とほぼ同じ数値を示す、お年寄りがたくさんいる村となっています。1人の女性が生涯の間に産む子供の数は1.34人で、このままでは西暦2050年には日本村の人口も金沢村の人口も半分の53人になってしまいます。お年寄りの数は現在18人前後ですが、15年後には25人、45年後には32人となり、今まで4人が担いでいたものを、将来的には2人で担がなければなりません。少子高齢化の問題には抜本的な対策を講じなければならないと考えますが、金沢村の対策をお聞かせ願います。 また、日本村は50年前までは農業中心の村でした。当時、村の人々は茶わんに1杯半の御飯を食べていましたが、今では1杯がやっとです。日本村では4割しか食べ物をつくらず、残りの6割は外の村から輸入をして生活しています。このため、農家の戸数は激減しました。日本村では 100人のうち5人しか農業に従事していません。金沢村ではもっと深刻です。2人だけです。食糧危機が叫ばれている今、このような農業危機を打開するための対応策について伺いたいと思います。 合併問題も大きな課題です。石川県がもし 100人の村だったら、現在、39人が字金沢に、33人が加賀地域に、28人が能登地域に住んでいます。私たちが真剣に取り組んでおります野々市町及び白山ろく1町5村との合併が実現すれば、45人が金沢に住む計算になります。石川村の住民の半数近くが金沢に住むことになり、県そのものの存在が問われかねません。県が金沢の合併に消極的な姿勢もわからなくないのですが、とても残念です。一方、政令都市を目指しています北信越を見てみますと、越後村の新潟は30人になります。信濃村の長野は26人、越中村の富山は45人となりますが、いずれも県・市挙げての取り組みがなされています。これから、地方分権と都市間競争に打ち勝ち、次の世代に語り継げるまちづくりを進めていくためには、やはり自治体の合併は不可避です。合併問題に対する市長の不退転の決意と今後の具体的行動策についてお聞かせください。 政治への関心を高め、市政参画を促すのも大きな課題です。しかし、金沢村の政治への関心はそんなに高くないようです。金沢村の有権者は 100人のうち75人です。過去3回の市長選挙の投票率で見ると、投票という直接的な政治への参加権を行使した住民は、平成2年には45人だったものが、平成6年には26人、平成10年には24人と、年々低くなっています。政治への関心を高めていくための具体的な方策をお伺いいたします。 この問題の冒頭に述べたように、地球を、あるいは日本を 100人の村に例えることによって、問題点が浮き彫りにされ、さまざまな問題が山積していることがわかりました。このままでは、近い将来、世界村も日本村も立ち行かなくなってしまいます。しかし、みずからが置かれている本当の姿を見ることによって、逆にそれぞれの村に愛着を持つ人がふえてくれば、明るい展望が開けてくると信じるものであります。暗い夜が明ければ、明るい朝が来ます。金沢村にもたくさんの課題が山積していますが、その解決には、多くの住民が金沢というまちに誇りを持ち、金沢を愛してくれるような行政を進めることが必要と考えます。山出村長の見解を伺います。 質問の第2は、地物と遠処物についてであります。 この一日に底びき網漁が解禁され、食卓には地物のカレイや甘エビが並ぶようになりました。地物と言われる産物の中でも、特に鹿児島の黒豚、松阪牛、神戸牛、関アジ、関サバ、氷見のブリ、新潟県の魚沼産のコシヒカリなどは、装飾界のシャネル、グッチ、ルイ・ヴィトンなどとともに、生鮮食品界におけるブランド品とも言えるものであります。これら魚介類や野菜などの生鮮食品の名称と生産地の表示を義務づけるJAS法は、牛肉などの相次ぐ偽装事件に対処するため、本年7月4日に改正日本農林規格法、いわゆる改正JAS法が正式に施行されたところであります。産地を偽り、不適切な表示を行うことは、多くの消費者や市場の信頼を失うばかりでなく、本当の産地に致命的なダメージを与えかねないだけに、一連の改正を歓迎するものであります。また、遠処物より地物、じわもんの食材に愛着を持っている人が多い金沢市だけに、行政には一段と強い取り組みが求められています。 こうした行政の窓口は、国・県が中心になると思われますが、食品表示の第一の目的は、何といっても商品を選ぶ際に消費者に情報を提供し、事故、誤認を防ぐことにあります。消費者行政を預かる金沢市も、積極的に関与していかなければならないものと考えます。今回の改正JAS法に対する見解と本市の対応について、また地物表示の是非を含め、お聞かせ願います。 また、今回の法改正は市民の関心も強いものがあり、市においても、その窓口を明確にする必要があると考えますが、あわせて見解をお伺いいたします。 さて、金沢市は地物の豊富な土地でありますが、保存懇話会主宰の松下良氏が奮闘されています加賀野菜もその一つであります。加賀野菜は、32品目あった独特の地方品種のうち、今も現実に生き残っている23種の中で、現在も主として金沢地域で栽培されているもので、源助大根、加賀太キュウリ、加賀ツルマメなど12品目が指定されています。そのうち、生産量が減少している金沢一本太ネギ、二塚カラシナなどを伝統野菜と位置づけ、種の保存にも努めています。そして、一方では、加賀野菜を使った料理の普及にも努めており、サツマイモのシャーベット、キンジソウとナガイモの酢の物、ヘタ紫ナスのオランダ煮など、その数は枚挙にいとまがありません。じわもんをこよなく愛する市長は、加賀野菜を使ったどんな料理がお好きなのか、まずお聞かせを願いたいと思います。 加賀野菜のほかにも、地域の伝統野菜は全国にも数多くありますが、中でも京野菜はつとに有名であります。賀茂ナス、京セリ、九条ネギなど、一度はどこかで耳にしたものばかりであります。話はちょっと横道にそれますが、金沢は今や全国に誇り得る伝統工芸王国ですが、加賀友禅など、その多くが京都の影響を大きく受けています。ちなみに、金沢市の歴代市長は地物、いわゆる地元出身者が多いのでありますが、石川県政は遠処物、つまり県外出身者で、特に京都にゆかりの深い方が長年トップの座を占めてきた歴史があります。その点、私たちの加賀野菜は、どこからの影響もないきっすいの金沢の産物であります。京野菜の全国ブランドに追いつけ、追い越せの気構えで、加賀野菜の振興普及に努めていただきたいと思いますが、今後の具体的な普及策について、シードバンク設備の整備を含め、市長の考え方をお示し願いたいと思います。 一方、学校給食の場では、2学期から従来の県内産二等米から金沢産コシヒカリ一等米に切りかわり、大変喜ばれているそうです。一方、加賀野菜の使用も積極的に取り入れていますが、使用月や使用量も限られています。ちなみに、本日の小学校の給食献立は、魚のマスタードソース絡め、海草サラダ、パスタスープとパン食です。また、中学校では、カボチャのそぼろ煮とイワシの甘露煮、かきたま汁と米食です。加賀野菜を含め、地物の使用はどの程度なのか、今後の使用方針とあわせ、お聞かせ願います。さらに、食育の推進も大変大切な課題です。教育長の御見解をお聞かせ願います。 さて、最近、またぞろ食の安全性が脅かされてきました。昨年の牛乳事件や雪印食品の牛肉偽装事件、狂牛病問題等で国民は食に対する不安を募らせたのでありますが、ことしに入って、中国産野菜の残留農薬問題、無登録農薬使用の問題、そして日本ハムの牛肉偽装事件など、国民の食に対する不信感は頂点に達しているのであります。特に、無登録農薬の問題は、本市の地物のナシにも大きな影響を及ぼしました。市長は、今回の一連の問題をどのように認識しているのか。また、金沢市として、食と地物の安全性確保のためにどのような手だてを講じていくのか、県の不用農薬年内一掃の対応策もあわせ、お示し願います。なお、この際、本市独自の食品安全条例の制定を提案させていただき、御見解もお伺いしたいと思います。 質問の第3は、住民基本台帳ネットワークについてであります。 先月、住民票コード通知票が私の家にも郵送されてきました。このコードは、氏名、住所、生年月日、性別の4項目とあわせ、全国の自治体とネットワークでつながるものです。しかしながら、さまざまな機関等でいろいろな問題が指摘されているように、セキュリティーの面や個人情報保護で不安が払拭できないままスタートとなったことも否めない事実でございます。まず、本システム導入のため、12年度から 9,000万円弱の経費が使われておりますが、国の交付税措置はあったのか、お尋ねいたします。 次に、本市においても、受け取り拒否やめくれなどさまざまな苦情、さらには不明者分が相当数あるとも聞いておりますが、その実態と対応についてお伺いいたします。 また、来年8月に予定されている住民基本台帳カードの発行について、本市での検討状況と導入計画はどのように進んでいるのか、お伺いいたします。 しかし、一方ではカード化による海外の失敗例もあります。私は、個人情報の保護を最重要視すべきであるとの観点から、印鑑証明や図書利用等など、安全対策の面からも必要最小限の業務に限定すべきと考えていますが、見解をあわせお聞かせください。 また、このシステムでは、最善のセキュリティー対策がとられているとのことでありますが、防衛庁や一部の自治体で情報の漏えい問題がクローズアップされている現況では、職員による情報漏えいが懸念されています。使用履歴、アクセスログの開示を含め、どのような情報保護対策をとっているのか、加えて、仮に情報が漏えいされる事態が生じた場合の責任はだれがとるのか、お尋ねいたします。 あわせて、国においても、個人情報保護法案等が継続審議となっていますが、本市の情報公開及び個人情報保護に関する条例を見直ししていくのか、あわせてお伺いいたします。 関連して、全国的なニュースになりました野々市町での戸籍偽証事件を踏まえ、本市ではどのような対応と対策をとっているのか、あわせてお聞かせをいただきます。 質問の最後は、姉妹都市交流についてであります。時間もなくなりましたので、割愛をしながら……。 ニューヨークの視察におきまして、皆さん方も御案内のとおり、消防署と警察署の対応に問題があった、こんな端的な、ある面では大変重要な指摘をした報告書が出されております。本市では、これからこの種の災害等にどのような連携をとるのか。それぞれ無線の違い、対策本部の違い等々、いろいろあると思いますけれども、どのような対策をとっているのか、1点お伺いいたしたいと思います。 もう1つは、遠い国ブラジルとの交流についてであります。遠い国であることは、すなわち人の行き来の交流においても時間と経費がかかります。ポルトアレグレ市に滞在中に、外務省総領事館総領事との懇談の中で、もう少し時間と経費をかけない市民交流として、ビデオテープや写真、絵画などを使っての交流についての提案がありました。また、ポルトアレグレ市において、金沢との交流を希望する団体に対して交流先をコーディネートする市内の組織、機関についても問い合わせがありました。遠い国だからこそ、今後も費用と時間をかけない市民交流が重要であり、また市民レベルの交流のきっかけづくりが姉妹都市交流においても意義あることだと考えます。これまでもそのような内容の交流実績はあったようですが、遠い国との交流をさらに推進するという今後の展開策について御意見をお聞かせ願いまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) ○副議長(中西利雄君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 24番関戸議員にお答えをします。 もし石川が、また金沢が 100人の村だったら、金沢村の特徴は、また問題点はどうなのかというお尋ねがまずありました。大学等の高等教育機関に通う学生が 100人の中、 4.3人という計算になります。中核市の平均が 2.6人でありますので、これを大きく上回るということになりますし、また人間国宝の数でありますとか、文化勲章の受章者の数でありますとか、日展の入選者の数でありますとか、こういう数にありましては全国のトップ水準ということになるわけであります。これは学術・文化を背景にした金沢の特徴でありまして、引き続き学術・文化に磨きをかけながら、またこれと経済、産業との相乗効果をどう高めていくのか、まちの拠点性とか国際性をどう向上させていくのか、また伝統文化の面にありますと、後継者をどう育てていくのか、こんなことが課題であろうと思っています。今後とも知恵を絞っていきたいというふうに思います。 少子高齢化の問題を御指摘になりました。お説のとおりだというふうに思っております。ただ、少子化問題は、個人の生き方の選択など、個人の意識、価値観に関する事柄でございまして、たやすくはないということであります。子供を産み育てやすい環境づくり、子育て支援制度の一層の充実、こうしたことに努めてまいりますとともに、家庭と地域と企業が一緒になりまして子ども条例の具現化に取り組んでいく、こういうことから、地道ではありますけれども取り組んでまいりたい、このように思っておる次第であります。 農業従事者が2人だけだという御指摘でありました。専業農家の規模拡大でありますとか、企業的経営を目指す認定農業者の育成等、意欲のある多様な担い手づくり、また集落営農の推進等を重点に取り組んでおるところでございます。このことに関連をいたしまして、ここに来て、政府では構造改革の一環といたしまして、農業経営の法人化、またチャレンジ精神を持った新規参入者の促進、こういうことについて論議がなされてございます。私としては、このことに大きい関心を持って、注目をしていきたい、このように思っておる次第であります。 合併問題に対する市長の不退転の決意を問うということであります。 100人の村であればあるほど、多様性を共有する、また選択肢を広げるという視点から、私は合併は必要だというふうに思います。ここに至りまして、野々市町の方では、町民の合併を実現する会が設立される等の動きがございまして、新しい動きだと理解をしておるわけであります。今後とも、各位並びに市民の皆さんの御協力をいただきまして、連携を密にしながら、合併の機運の醸成に励んでいきたい、こう思っておる次第でございます。 政治への関心を高める方策については、私よりも、むしろ選挙管理委員会の方が適当かと思います。 それから、山積する課題の解決には、住民が金沢というまちに誇りを持って、そして愛してくれることがまず第一義だという御意見でございました。ごもっともでございます。まちに誇りと愛着を持つ契機は、何といいましても独自の文化でございます。とりわけ本市の固有性とも言うべき歴史・文化にあるというふうに思っておりまして、この継承が郷土愛あるいは自立の精神を養っていくということであろうと思いますし、同時に、このことがまた市民の連帯感を強めて、コミュニティーの形成を促していくということになるわけでありますし、ひいてはまちを発展させる原動力にもなるものと考えてございまして、今後とも本市の歴史・文化を生かしたまちづくりについて、全力を傾けてまいりたい、このように思っておる次第でございます。 次に、地物と遠処物について、まずは改正JAS法に対する見解をお尋ねになりました。このJAS法の改正なるものは、農林物資表示の悪質な違反に対しまして、厳格な措置が講じられるようにしたものでございます。権限は農林水産省と県にございます。また、食中毒等の危害の発生を防止するために、食品衛生法に基づきます表示制度がありまして、この監視・指導等については、保健所で行ってございます。市民に安全で安心な食品が提供できるように、生産段階では農林部が、流通段階では経済部が、関係機関と連携をとって、そして事業者の啓発に努めておるところでございます。一般市民からの問い合わせに対しましては、市民生活部の消費生活センターが窓口になりまして対応をしているところでございます。庁内の連携に遺憾のないように、心を砕いていきたいと思っております。なお、これまで地物という表示でなれ親しんできたわけでございますが、JAS法の改正によりまして、今後は生産地を特定できる都道府県名などでの産地表示が必要になりました。このことを御承知賜りたい、このように思う次第であります。 じわもんの好きな市長にとって、加賀料理、どんなのが好きなのかというお尋ねでありました。たくさんあります。ナスのオランダ煮を御指摘になりましたが、私も結構です。一夜漬けもようございますし、ツルマメの煮たのは好きであります。赤ズイキのおつゆもよろしゅうございますし、これから寒くなりますとレンコンのおつゆもいい、こう申し上げたいと思っています。母親の味でございます。ぜひ後代に伝えていきたいというふうに思いますが、問題は、こういう料理ができる人をふやすこと、ここにあるというふうに思っていまして、でき上がりの製品を買うということもさることながら、自分で料理をする、そんなことでありたいなと強く強く願っておる次第でございます。 加賀野菜のブランド化に向けて、市長はどういうことを考えておるのかというふうにお尋ねになりました。いろいろな機会に、また方法で加賀野菜の紹介を続けてまいりました。ことしも飲食店等でのキャンペーンを展開することにしてございます。率直に申し上げて、ここに来て私は加賀野菜の知名度は高まったと、そんなことを感じております。さらにこのことを進めてまいりたいと思っていまして、近々--来月になると思いますが、私も生産団体とか流通団体の方々と一緒に東京の大田市場と築地の市場へセールスに行ってみたいと、そう思っております。 また、加賀野菜の種の保存、種子の保存のことについてお触れでございました。種子業者や農家、あるいは本市農業センターで分散をしておるわけでございます。この種子の保存がいろいろなところで分散されている状況にございますので、これからは金沢市の農業センターが種子保存センターの役割を果たすということもいいんではなかろうかなというふうに思っています。先ほどお話しになりましたお方でございますが、ここに来て、しばらく途絶えておりましたナシウリをおつくりになられました。これも種子があったからでありまして、種子の保存ということについて関心を寄せていきたい、こう思っている次第でございます。 次に、BSEでありますとか、いろいろな農薬問題とか、一連の問題をどう受けとめておるのか、どんな手だてを講ずるのかというお尋ねでありました。食と農への信頼を揺るがすことでありまして、大変残念であります。生産段階における指導、啓発の徹底を期す、流通、消費の段階での食品衛生検査の強化等に最善を尽くしてまいりたい、このように思っています。同時に、再発防止には何よりも水際作戦が大事でございまして、この点については、国に強く求めるということも忘れてはならない側面だと思っておる次第でございます。なお、農家の納屋に眠ってございます不用な農薬の扱いでありますが、この際、一掃することにしておりまして、本市としても、農業団体と連携しながら、農家への指導と不用農薬廃棄の徹底に努めてまいりたい、このように思っております。 金沢市独自の食品安全条例を制定しないかというお尋ねでありました。国で内閣府に食品安全委員会、仮称でありますが、こういうものを設置する方針だというふうにお聞きをしておりますし、また食品安全基本法の制定を進めているというふうにもお聞きしてございます。今後、国のこうした動向を見きわめますとともに、他都市の状況等も調査をしまして、研究していきたい、こう思っております。 次に、住民基本台帳ネットワークシステムのことについてお尋ねでありました。私からは2点についてお答えをし、残りの部分については、所管の部長からお答えをいたします。 私からは、まず住民基本台帳カードの検討状況、導入計画についてでございます。住民基本台帳カード、ICカードは、平成15年8月から発行されることになっています。これにあわせまして提供する独自サービスでありますが、これにつきましては、セキュリティー対策等万全を期しまして、サービス内容を慎重に検討してまいりたい、このように思っております。 それから、情報公開と個人情報保護に関する条例を見直ししないのかというお尋ねでありました。本市の個人情報保護条例につきましては、国の個人情報保護制度が整備された段階で、その趣旨を踏まえまして、情報公開及び個人情報保護審議会の意見を聞きながら検討してまいりたい、このように思っております。 姉妹都市交流に関連をして、一、二お尋ねでございまして、ニューヨーク市に関連して、災害時の対応についてお尋ねになりました。消防長からお答えをいたします。 また、遠い国との交流をさらに推進するという今後の展開策について意見を求められました。ブラジルポルトアレグレ市のことでございますが、これまで35年にわたって交流を進めてきました。決して派手な交流ではありません。しかし、地道に続けられてまいりました。遠ければ遠いなりに、頻度は少なくとも、内容のある誠意を持った交流を今後とも研究して、そして続けてまいりたい、このように思っております。 以上であります。 ○副議長(中西利雄君) 宮島選挙管理委員会書記長。   〔選挙管理委員会書記長宮島義光君登壇〕 ◎選挙管理委員会書記長(宮島義光君) 24番関戸議員にお答えいたします。 もし石川が、金沢が 100人の村だったらの中の政治への関心を高める方策はとのお尋ねでございますが、公職選挙法が目指している民主政治の健全な発達のためにも、政治参加意識の向上に向けた啓発が重要だと思っています。とりわけ、近年、若年層の政治意識の薄さが指摘されています。その方策として、選挙の啓発を内容とする話し合い講座、新有権者のバースデーカードの贈呈、幼稚園児の保護者へのマスコット人形の配布などを行い、有権者の意識高揚に努めているところであります。 近年は、投票時間の延長や不在者投票所の増設など、選挙権を行使しやすい環境を整えてきたところです。今後とも、有権者の投票参加や政治参加の意識向上につながるよう、啓発に努めてまいります。 ○副議長(中西利雄君) 石原教育長。   〔教育長石原多賀子君登壇〕 ◎教育長(石原多賀子君) 24番関戸議員にお答えいたします。 学校給食における加賀野菜などの地物野菜の使用方針と食育の推進についてのお尋ねがございました。学校給食で使用いたします野菜につきましては、季節に応じて加賀野菜などの地物の野菜をできるだけ献立に取り入れるよう努力しております。また、加賀野菜などを使った郷土料理は、食文化の継承や郷土を理解する上で大切と考えており、今後とも一層の活用を図ってまいりたいと思っております。 成長過程にあります子供たちが食生活の正しい理解と望ましい習慣を身につけることが重要であることから、食教育を推進しているところであります。なお、今年度から食教育を含めました健康教育推進プランを策定しているところでございまして、この中で効果的な食教育を位置づけてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(中西利雄君) 佐藤市民生活部長。   〔市民生活部長佐藤伸也君登壇〕 ◎市民生活部長(佐藤伸也君) 住民基本台帳ネットワークシステムの導入に当たり、国の交付税措置があるかについてお答えをいたします。国の交付税措置につきましては、システム開発経費や機器のリース費用のほか、住民票コードの通知に係る費用など、システム導入に見合う財源が普通交付税と特別交付税で措置されているところでございます。 次に、制度や通知票に対するさまざまな苦情や郵送返戻分の実態と対応についてであります。これまで約 600件の問い合わせがあり、その6割が制度に関するものであります。苦情の内容は、個人情報の保護に関するものが多く、情報漏えいに対する不安、個人情報保護法未成立での実施に対するもの、横浜市のような選択制を導入しない理由、住民票コード通知票のめくれが主なものであります。これらにつきましては、セキュリティー対策に万全を期していることを説明するとともに、チラシの全戸配布や広報、インターネット等を通じて制度内容の周知に努めてきたところであります。なお、通知票のめくれにつきましては、住民票コードの変更で対応いたしました。郵送返戻分は約 2,700件ありまして、広報やテレビ、ラジオ、インターネットなどで呼びかけを続けますとともに、地区調査員による実態調査を踏まえ、配布に努めてまいります。 次に、使用履歴の開示を含め、どのような情報保護対策をとっているかについてでありますが、本市では、セキュリティー対策を主とした運営管理規則を制定し、機器の操作につきましては、ICカード、パスワードによる厳重な管理を行うなど、責任体制を明確にするとともに、毎日使用履歴をチェックする体制をとり、不正な操作の防止に努めるところであります。なお、使用履歴の開示につきましては、全国的な課題でありますので、国の対応を見守ってまいりたいと思っております。 次に、情報が漏えいされる事態が生じた場合に、だれが責任をとるのかについてでありますが、使用履歴が残るため、漏えいした場合、操作職員の責任は免れないものであります。この場合、守秘義務違反で重い罰則を科せられることとなりますほか、責任者についても処分を受けることとなります。このようなことが起きないよう、操作職員を含め、市民課の全職員に対して教育、研修を実施し、個人情報の保護について最大限の配慮をするよう、徹底した指導を行っております。 次に、野々市町での戸籍偽証事件を踏まえ、本市の対応についてであります。成り済ましなど虚偽の届け出に対する対応としましては、異動届出書の用紙に警告文を掲載するとともに、窓口にポスターを掲示し、虚偽の届け出をしないよう呼びかけるとともに、必要がある場合は身分証明書の提示を求めるなど、虚偽の届け出防止に努めているところであります。 以上でございます。 ○副議長(中西利雄君) 開田消防長。   〔消防長開田隆人君登壇〕 ◎消防長(開田隆人君) 本市におきまして大規模な災害、テロや事件が発生しましたときは、金沢市地域防災計画に基づきまして、災害対策本部を設置いたします。ここに警察、消防など各関係機関が参集いたしまして、それぞれの機関の情報の共有化を図り、連携をとることになっております。今後とも、大規模救急救助訓練など各種訓練におきまして、御指摘の指揮命令系統や情報の混乱が生ずることのないよう、関係機関相互の訓練に工夫をしてまいる所存でございます。 ○副議長(中西利雄君) 12番浅田美和子君。   〔12番浅田美和子君登壇〕(拍手) ◆12番(浅田美和子君) 発言の機会を得ましたので、私は、公明党金沢市議員会の一員として、以下数点にわたって市長並びに関係部長に伺います。 質問に先立ちまして、一言申し上げます。市長は、市民本位の市政、歴史と文化薫る個性豊かなまちづくりなどを掲げながら3期12年間、有言実行の指揮をとり、本市の中核市としての揺るぎない基盤をつくり上げてこられました。その市政運営を私たち会派は高く評価しておりますとともに、4期目を目指しておられる市長に対して、誠心誠意御支援申し上げますとともに、真心のエールを送らせていただきたいと存じます。 質問の第1は、男女の人権が尊重された活力ある金沢の実現に向けてお尋ねします。 男女共同参画社会基本法が施行され、男女が互いに人権を尊重し、性別にとらわれることなく、それぞれの個性や能力を発揮できる社会の実現が我が国の最重要課題の一つであるという認識のもとで、さまざまな取り組みが進められてきました。内閣府の中に男女共同参画局という推進体制が整備され、その下に5つの専門調査会が設置されて、専門的事項について調査検討を行っています。仕事と子育ての両立支援専門調査会では、保育所の待機児童ゼロ作戦が検討され、16年度までに15万人の達成期限と数値目標を明らかにし、放課後児童の受け入れ体制の整備とともに、最終報告を行いました。これが閣議決定されて、小泉総理の所信表明演説の中に入ったときは、本当に時代が変わったという感じがしました。参画会議議員の樋口恵子さんは「地方自治、福祉、教育、環境、国際協力など、あらゆる政策を男女共同参画という切り口でとらえると、するっとひもが解けるように新しい分野が開けます。男女共同参画は、今の日本の閉塞状況を打開していくための重要な視点だと思います」と話しております。 地方も本格的に動き始め、ことし3月現在で35都道府県、56市区町で男女共同参画に関する条例が制定され、行動計画の策定や見直しも進んでおります。そこで、以下数点お尋ねします。 1点目は、本市でも4月1日に男女共同参画推進条例が施行され、昨年度から見直しされている金沢男女共同参画推進行動計画の素案がまとまったとお聞きしております。行動計画では条例の理念をどのように踏まえ、具現化を図ることとしておられるのか、また重点事業としてどのような施策を考えておられるのか、伺いたいと思います。 2点目は、庁内の取り組みと市民への啓発についてです。男女共同参画を推進していくためには、市職員とともに市民への意識啓発が重要な課題です。私は、以前、市職員の研修などについて提案させていただきましたが、もっと具体的に男女共同参画の職場を実現していく行動指針を立て、女性の職場の職域拡大や役付職への登用、固定的役割分担の解消などを規定し、取り組むことが考えられます。また、どちらかといえば、男女共同参画は担当課だけの問題だという意識が強いと思われる市職員の意識調査の実施や、すべての課において男女共同参画の妨げになっていることはないかという視点を持って、すべての施策を見直していかなければならないと考えます。そして、成熟した職員が地域における男女共同参画のキーパーソンとして活躍をしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 さらに、市長が地域に出向いて市民とひざを交えて意見交換をされている市政ふれあいトークや女性ふれあいトークの中で、男女共同参画をテーマに語り合われるのも一つの方法かと思います。参加者が一気に理解を深めること受け合いです。また、今後、庁内推進会議や幹事会がどのように機能していくのか、お聞きしておきます。 次に、審議会等の女性委員の割合では、さきの行動計画に示した12年度までに平均20%以上とする目標をクリアできましたが、目標値を下回る審議会が半数を超えるなど、まだまだ課題が多いと思われます。審議会・委員会等、委員に占める女性の割合を高めることは、男女共同参画行政の重要課題です。これからは、職務指定委員や団体推薦委員に限らず、専門分野によっては女性が少ない審議会にも、それほど専門性にこだわらず、生活者の視点で発言できる人を公募で入れていく。社会の半分を占める女性の意見を反映しないこと自体がいびつなことという柔軟な発想で取り組んでいただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。 ところで、先日開催された条例制定記念のシンポジウムは、男性学の伊藤先生が講師であったこともあり、多くの男性の参加がありました。これが共同参画の姿だと、企画された当局に感謝するとともに、今後、市民に対する意識啓発をどのように取り組んでいかれるのか、伺います。 3点目は、条例では男女共同参画を積極的に推進するため、その拠点としての機能を高めながら、必要な体制を整備するとしております。女性団体だけでなく、NPOやボランティアなど、若者から高齢者まで幅広い年齢層の市民活動を支援する機能を持ち、活動団体同士の交流の場となる拠点が必要かと思いますが、どのように考えておられるのか、お尋ねします。 4点目には、最近の広告などを見ていると、ジェンダーや男女の人権の視点から、大変問題と思われるものがあります。各方面に対するより一層の啓発が必要かと思いますが、現在策定中の行動計画の中では、この点についてどのように検討されているのか、伺います。 質問の第2は、質の高い医療の環境整備についてお尋ねします。 さきの国会で医療制度改革法が可決、成立しました。急速な高齢化や保険収入の伸び悩みで各医療保険財政が危機的状況に陥る中で、高齢化のピークに入る2025年を視野に、保険料を支払う国民、事業主と患者、医療機関、行政が負担を分かち合うことで、だれもが一部の負担で必要な医療を受けられる国民皆保険制度を維持、発展させることに主眼が置かれております。 具体的には、来年4月からサラリーマンの自己負担が現行の2割から3割へ引き上げられるほか、年収をもとに保険料を算定する総報酬制が導入されます。また、来月より70歳以上の高齢者の自己負担が定率1割になることなどが盛り込まれております。一方、患者負担増だけで終わってはいけないと、医療機関の収入に当たる診療報酬も、医療保険史上初めて 2.7%の引き下げになりました。医療費の負担増は、一時的には患者が通院を手控えるようになり、医療費の削減につながるものと思われます。これからの病院経営は、医療費のむだを省いて、知恵を絞り、これまで以上に患者のニーズに合った効率よく質の高い医療を提供し、市民に親しまれる温かい病院を目指していただきたいと願っていますが、医療改革は今後の市立病院にどのような影響があるのか、また対策を考えておられるのか、まず伺いたいと存じます。 2点目は、医療費のむだを省くレセプトの電算化と後発薬品使用促進についてです。医療制度改革を進める上で、過剰な投薬や検査など、医療費のむだを徹底してなくすることが不可欠です。現在はほとんどの病院や診療所がコンピューターで処理したレセプトを紙に出力した上で、審査支払い機関に送り、まとめて処理機で仕分けを行い、保険者に送っております。この一連の作業にコンピューターを導入すれば、人件費を大幅に減らすことができます。 国は、おくれていた医療のIT化を進める施策をまとめ、電子カルテを2006年度までに 400床以上の病院と全診療所それぞれ6割に普及させるほか、レセプトの電算化を2006年度までに全国の病院の7割以上に普及させる方針を決めております。レセプトの情報の活用によって、医療の質の向上や架空・水増し請求などの不正のチェックが容易になり、さらにレセプトの分析を根拠に、健康管理事業にどれだけ効果を上げているか正確に把握することもできます。市立病院におけるレセプトの電算化について、今後の取り組みをお聞きします。関連して、本市におけるレセプトの分析、活用がどのように行われているのか、お尋ねします。 次に、後発薬品の使用についてです。新しく開発された医薬品は、特許成立から20年から25年は独占的に製造、販売され、後発薬品は安全性などを確認する再審査期間を終了し、特許も切れた場合に、他メーカーから発売されるものです。有効成分は新薬と同じなので、薬としての効能・効果は変わらないとされている上、薬価が2割から8割安いと言われています。欧米でのシェアは20%から40%を占めているそうですが、我が国では使用が進まず、厚生労働省は今年度、後発薬品の使用を促進する対策を講じて、全国の国立病院や大学病院では利用促進に本腰を入れ始めました。その結果、ことし5月現在で品目数 4.2%を利用し、今後も積極的に導入に努めるとしております。 我が党の試算では、脳血栓障害や血流障害の治療に使用されている塩酸チクロピジンなど4種類の先発品を同一成分、同一効能を持つ後発品に切りかえただけでも、1年間で 600億円を超える薬剤費、医療費の削減が可能になるということです。後発薬品の使用促進は医療費削減に直結すると思われますが、市立病院での現況と今後どのように取り組まれるのか、お尋ねしたいと思います。 3点目に、新生児の聴力検査の実施と新生児聴覚検査器の導入についてです。難聴を新生児段階で療養すれば、正常児と同程度の言葉が話せるようになる。新生児の 1,000人に五、六人は難聴障害を持って生まれてきて、放置しておくと言語の発達がおくれると言われております。アメリカの専門機関の研究データによると、正常児が 700単語を習得するのに、生後間もなく難聴が発見された場合は約 400語、生後6カ月で発見した場合は約 280語、2歳で発見した場合は、わずか50語という厳しい現実が報告されております。しかしながら、我が国では全国的に3歳児健診で聴覚検査が行われており、親が子供の難聴に気づくのは二、三歳になってからであります。 聴覚障害を持つ赤ちゃんを早期発見するための自動聴性脳幹反応聴力検査装置--AABRで生後1週間以内の赤ちゃんの脳波を測定し、適切な療育、人工内耳など施せば、正常児と同じ言葉が話せるとのことです。民間の医院や病院でも設置するところがふえてきていますが、市立病院でも新生児聴覚検査器の導入が必要と考えますが、今後の対応をお聞かせください。また、本市における新生児の聴覚検診の実施へ向けての可能性についてもお尋ねします。 4点目に、市立病院の図書コーナーの設置についてです。入院患者の1日は、治療に有する時間のほかは退屈な長い時間との闘いです。患者さん同士の交流も大切ですが、気分転換や心の安らぎに読書は欠かせません。先日、お見舞いに行きましたが、談話コーナーには数十冊の本しかなく、それでも3名の方が本をひもといておられました。ある病院では、市立図書館で使われなくなった本や市民からの寄贈により数千冊の本をそろえていて、患者さんが穏やかな入院生活を送っておられるとともに、見舞い客からも喜ばれております。これからは、このようなソフト面の充実も大切な環境整備になっていくと考えますが、市立病院の取り組みについてお尋ねします。 質問の第3は、介護保険制度の見直しと課題についてです。 介護が必要になったときも、介護保険サービスを受けながら、家族や地域の協力を得て、安心できる暮らしを送りたい、そんな一人一人の願いを込めて、高齢者の介護を支える介護保険制度がスタートして3年目を迎えております。制度発足後、多少の混乱はあったものの、関係者の努力もあり、円滑な運営が行われているものと評価していますが、制度への認識や理解が深まり、サービス利用者が増加するにつれ、新たな課題も表面化しております。 現在、各市町村における次期介護保険事業計画の見直しや介護報酬の改定に向けた検討が進められていることから、我が党では、介護保険の制度の改善を図るために、市町村、介護事業者、介護従事者等、広範に意見を聞くためのアンケート調査に取り組み、 3,406件の回答を得ました。その結果をまとめ、特に推進すべき事項を先ごろ9月2日に厚生労働大臣に申し入れたところでございます。当局にも御意見をちょうだいし、感謝しております。 さて、市長は「介護保険は新しい制度への取り組みのため、走りながら考え、考えながら対応していく」と常に言われてきました。本市におきましても、現在、介護保険事業計画の見直しに取り組まれているところですが、現在の事業計画における評価と、さらに課題はどこにあるのか、お尋ねします。 2点目は、第2期介護保険事業計画の策定についてです。第2期介護保険事業計画には、目まぐるしく変化する時代にあって、高齢者が介護が必要になっても、安心して住みなれた地域で暮らしていくだけの介護サービスが提供できる目標の設定が求められます。見直しに当たっては、もう一度原点に返り、介護体験者や保健、医療、福祉関係者などからの率直な声に耳を傾け、意見を交わしていくことが必要かと思います。先日、私は、介護保険市民フォーラムに参加し、会場の皆さんの活発な意見交換を聞いてまいりましたが、今後、もっと幅広い市民の皆様の意見、要望を聞く努力が必要だと感じました。第2期介護保険事業計画は、今後どのような手順で策定し、本市の特筆すべき点をどこに置かれるのか、伺います。 3点目は、サービスの提供についてです。制度への認識や理解が深まるにつけ、介護認定を受ける人がふえ続けています。それに伴い、在宅介護よりも施設介護の方がコストや介護負担等の面において圧倒的に有利である関係もあり、入所希望者が多く、施設整備が追いつかない状態にあります。重度の要介護者や急遽入所が必要な要介護者への対応をどうするかなど、介護保険が在宅介護の理念から現実が大きく乖離しつつある現状をどうしていくか、方向づけをしていくときへ来ていると思いますが、今後の施設整備のお考えと在宅介護サービスのあり方についての率直なお考えをお聞かせください。 4点目は、ケアマネジャーについてです。介護保険制度のかなめとしてつくられた専門職のケアマネジャーは、利用者と介護サービスをつなぐキーマン的存在ですが、ケアプラン次第で利用者は元気になったり寝たきりになったりするので、利用者の生活をトータルで見ることが大事です。その仕事の内容は幅広く、申請や要介護認定、サービスの開始、モニタリングなどにとどまらず、国の福祉制度や市の独自施策、ボランティアなどの社会資源の活用、主治医や民生委員、ケースワーカーとの連携が必要な利用者もいるので、仕事の範囲は介護保険の枠組みにとどまりません。それを使いこなすケアマネジャーが玉石混交で、仕事の質にばらつきがあると言われるゆえんです。 利用者のためにも、ケアマネジャーの資質向上のための研修やガイドラインの作成、困難に直面したときの相談窓口を設置するなど、給付管理者になりがちな仕事から、本来の適切なプランを立てて、利用者の状態を改善させるやりがいのある職務に取り組める環境の整備が必要かと存じます。本市として、ケアマネジャーのバックアップ体制をどのように考えておられるのか、お尋ねします。 質問の第4は、オストメイトトイレの設置についてです。 オストメイトとは、大腸、小腸、直腸、膀胱などの悪性腫瘍疾患等のため手術を受け、腹部に排せつのための穴を設けた人工肛門や膀胱装置をしている方々を言います。腹部のパウチを洗浄できる温水の出る装置や、手元が見える鏡が設置されたトイレが必要になります。現在、全国で約30万人の人たちが社会復帰し、頑張っておられますが、外見からは判断しにくい障害であるため、押しなべてオストメイトのための福祉設備はおくれております。 平成12年11月に交通バリアフリー法が制定され、その具体的な実施の中でガイドラインの見直しが行われ、オストメイトが対象者となりました。これに伴い、JRでは、全国のバリアフリー対象駅を目標に、オストメイト対応トイレの設置を決めて、工事に着手しております。ノーマライゼーションの実現には、障害者自身の自立と社会復帰への意欲、そして障害者を支える思いやりの心と生活環境の整備が不可欠です。人知れず苦労しながら社会復帰に励んでいるオストメイトの方々のために、その一助として、まずは公共施設におけるオストメイト対応トイレの設置は不可欠であると思います。本市でも、市役所庁舎、市立病院、福祉保健センターなどに設置ができないかお尋ねして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) ○副議長(中西利雄君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 12番浅田議員にお答えをします。 まず、お励ましをちょうだいいたしました。ありがたく、厚く御礼を申し上げます。 男女の人権が尊重される、そんなまちをつくるために、行動計画の素案と条例の具現化のことにお触れでございました。条例の理念を踏まえまして、男女の人権が尊重されることはもちろん、男女がともに自立をして、そして平等な立場で能力を十分に発揮できる、そういう社会を実現するように、男女共同参画の視点に立った施策を進めることが大切だと思っております。そのために、基本になる目標といたしますと、男女平等の風土をつくっていく、物事の決定過程への女性の参画を広げていく、それから男女の自立をはぐくむ生活環境づくり、それから人権が守られる社会づくり、こうしたことどもを掲げまして、具体的な施策を行動計画に盛り込みまして、積極的に進めていきたい、こう思っております。 庁内の取り組み、市民への啓発について、もっと施策を講ずべきという御指摘でありまして、まず職員が地域におけるキーパーソンになるべきだと、こういう御意見でありました。職員が地域活動に参画することにつきましては、今までも奨励をしてきたところでございます。職員の意識をつくるということの必要性を指摘されるわけでありまして、これまでも職員研修等を通じて行ってきたわけでありますけれども、新しい行動計画では、市の職員、また教職員に対する意識調査の実施も予定をいたしております。今後とも、より一層職員の努力を促していきたい、このように思っております。 男女共同参画をテーマに、市長が地域に出向いて語り合ったらどうかという御意見でありました。市政ふれあいトークでありますとか女性ふれあいトークは、広く市政全般につきまして自由に御発言をいただくということになっています。その中に男女共同参画もテーマになっておるわけでありまして、現にそのことについて話が出たこともございます。生涯学習出前講座でありますとか女性学級等におきまして、男女の共同参画をテーマの中に盛り込んでございますし、今後とも、より積極的に地域での講座を開催し、この中で対応をしてまいりたい、このように思っております。 庁内の連絡会議のことは、所管の部長からお答えをいたします。 審議会・委員会等に女性の割合を高めること、このことについてお答えをいたします。金沢市の新しい行政改革大綱でも、平成17年度までに30%以上を目標にするということになってございまして、新しい行動計画でも同様の数値目標を掲げたい、こう思っています。団体推薦等につきましては、関係団体に依頼をする段階で、女性を含めた有為な人材が推薦されるように働きかけておりますし、また公募委員制につきましては、女性あるいは若い方々など、市民の幅広い参加を求める上で有効な手だてというふうに考えています。積極的に導入を図っていきたい、こう思います。 市民に対する意識啓発をどう進めるのかというお尋ねでありました。これまでもシンポジウムでありますとか、あるいはフォーラムを開いたりしてきたわけであり、情報誌の発行等もしてきたわけでありますが、新しい行動計画にありましては、地域や各界のリーダー向けの啓発資料の作成、これ、ひとつ考えてみたいと思ってございますし、地域セミナー等を開催いたしまして、指導的立場の人々への働きかけを行う、こういうことなどもしてまいりたい、こう思っております。 それから、活動団体の交流の場として拠点の整備が必要だと思うがどうかという御指摘でありました。女性の学習と交流の拠点といたしまして女性センターがあるわけであります。また、県はNPOやボランティア活動の交流、情報交換の場といたしまして、NPO支援センターを設置していらっしゃるわけであります。近年、市民活動が高まってまいりました中で、NPO、ボランティア団体、またまちづくり団体等が増加をいたしております。それぞれ独自に意義のある活動を行っていらっしゃいまして、こうした団体の活動意欲を高めて、相互に交流をする、情報交換をする、その場を持つことの大切さは十分認識をしておるつもりでございます。したがいまして、市としては、活動団体の要望等をよく勘案しながら、運用面も含めて、設置について研究していきたい、こう思っております。 広告の中のジェンダーのことにお触れでありました。共同参画社会を実現していくためには、まず市民一人一人が自分の中にあるジェンダーに気づきまして、意識や行動の改革に努めていくことが大切でございます。広く市民への啓発の必要性を感じております。新しい行動計画におきましては、意識改革のための講演会、それから研修会の拡充、それから市が発行する刊行物等に係るガイドラインを作成する中で、表現等への意識の改革、強化も図って、周知に努めてまいりたい、このように思っております。 次に、医療のことについてお触れでありまして、医療制度改革によって、市立病院にどんな影響が及ぶのかというお尋ねでありました。病院運営に幾らか影響があるというふうに考えています。ただ、今のところ的確な予測は難しいわけであります。来月以降の診療実績等を見きわめて、そして具体的な対応を考えていきたい、こう思っております。いずれにいたしましても、質の高い医療サービスの提供、そして適正な運営に努めながら、引き続き患者に信頼される市民本位の病院として努力を重ねてまいりたい、このように思っております。 レセプトの電算化のこと、後発薬品のこと、そして新生児の聴力検査、図書コーナーのことは、所管の部長からお答えをいたします。 それから、私からは介護保険制度の見直しと課題、このことについてお答えをします。まず、介護保険事業計画の評価、課題ということでありますが、介護サービスの提供につきましては、民間事業者の参入促進もございまして、おおむね計画どおり推移しておる、このように思っています。また、サービスの質の確保、あるいは利用者の権利擁護のことにつきましては、事業者連絡会をつくる、それから苦情等の専門部会を設ける、こういうことをいたしてまいりました。それから、ケアプランの指導研修等、継続的な研修体制をつくってまいりました。事業者情報の提供でありますとか介護サービスの評価、こんなこともしてまいったわけでございまして、おおむね一定の評価が得られているというふうに考えております。 これからの課題ということになりますと、お年寄りが安心して暮らせるように、ケアマネジャーの質の向上、これが大事だと思いますし、24時間サービス供給体制を確立する、これも大事だと思います。それから、特養申し込み者にこたえるための基盤整備、これも大事でございますし、加えますと、介護予防事業の充実、こんなことも大切にしていきたいと思っておる次第でございます。 2期事業計画の策定手順につきましては、所管の部長からお答えをします。私からは、サービスの提供についてでありますが、今後の施設整備のあり方等につきましてお尋ねでありました。施設サービスは、御案内のとおり、常時介護を必要とする方を対象にいたしまして、1つには特別養護老人ホーム、2つには老人保健施設、3つには介護療養型医療施設、これがあるわけでありまして、それぞれ機能や役割に応じてサービスが区分をされるわけであります。真に入居の必要がある方に対するこれらの施設の整備は必要というふうに思っています。しかし、介護保険の理念、あるいは多くのお年寄り、また家族の希望は在宅重視、これもまた基本というふうに考えておりまして、そのためにも、訪問介護、それから通所介護、ショートステイ、こうしたいわば在宅系のサービスの一層の充実を図ってまいりたい、このようにも思っております。 それから、ケアマネジャーにつきまして、バックアップ体制をどのように考えているのかというお尋ねでありました。これまで、基幹型のお年寄り介護相談センターにおきますケアプランの事例の検討会、それから介護サービス事業者の連絡会、こうしたところでの相互交流あるいは相談を行ってまいりました。10月からはケアプラン指導研修チームによりますところのケアプラン事例の検討と分析をもとにいたしまして、経験に応じたグループ別に研修会を実施することにいたしています。今後、これら事業の充実を図ってまいりますとともに、利用者の体の状況、あるいは生活環境に応じた適切なケアプランの作成ができるように、ケアマネジャーの資質の向上に向けて、一層の支援を行ってまいりたい、このように思っております。 なお、オストメイトトイレの設置の件は、所管の部長からお答えをいたします。 以上でございます。 ○副議長(中西利雄君) 佐藤市民生活部長。   〔市民生活部長佐藤伸也君登壇〕 ◎市民生活部長(佐藤伸也君) 男女共同参画推進庁内連絡会議や幹事会はどのように機能しているかについてお答えをいたします。庁内連絡会議は、男女共同参画施策の総合的な推進と関係部局との連絡調整を図ってまいります。また、幹事会は、男女共同参画の視点から、各種事業、施策のチェックを初め、関係課所と連携をとるなど、本市の男女共同参画施策の推進役を担うこととなっております。 次に、本市のレセプトの分析、活用がどのように行われているのかについてでありますが、国民健康保険につきましては、毎年、被保険者の5月診療分を対象にレセプトの分析を行っております。その分析結果を踏まえまして、国保講座等の開催の場で疾病やその予防策などの周知を図っているところであります。さらに、その国保の分析結果を、福祉保健センターでは健康教室などの健康教育の場を通し、最近の疾病の傾向や循環器系及び消化器系の疾患等の予防策などに活用しているところであります。 以上でございます。 ○副議長(中西利雄君) 的場市立病院事務局長。   〔市立病院事務局長的場優弘君登壇〕 ◎市立病院事務局長(的場優弘君) 市立病院におけるレセプトの電算化への今後の取り組みについてお尋ねがございました。この件につきましては、現在、厚生労働省の検討チームによりまして、導入に向けた詳細内容の詰めの作業が行われておりますが、事務の効率化や適正化が図られることからも、この検討推移を見守りながら、適時に導入できるよう準備を進めていきたいと考えております。 次に、後発薬品の使用の現状と今後の取り組みについてでございますが、市立病院では、現在、品目ベースで 3.3%に当たる後発の医薬品を使用しておりますが、国立大学病院の 3.2%、国立病院の 4.2%、自治体病院の 3.4%とほぼ同程度の使用水準となっております。後発薬品につきましては、品質、供給、情報提供の面で一部問題点も指摘されておりますが、品質や安定供給等の面で妥当と認められる後発薬品につきましては、さらなる使用拡大に向けて検討を進めていく考えでございます。 また、新生児用の自動聴覚検査器を導入する考えはないかとのお尋ねがございました。現在、本院では手動式の聴覚検査装置を設置し、これによりまして1カ月児から3歳児を対象といたしました聴覚検診に対応しておりまして、ただいまのところは自動式の装置の導入は考えておりません。しかしながら、現在の装置の更新時期におきましては、自動式の装置も選定対象候補としたい、このように考えております。 最後に、市立病院の図書コーナーの設置についてでありますが、先般、1階外来のロビーに図書コーナーを設置したところでございます。市立図書館からの提供本も配備しております。今後とも、病棟での図書コーナーの設置も念頭に置きながら、順次増冊に努めていきたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(中西利雄君) 松村福祉保健部長。   〔福祉保健部長松村直彦君登壇〕 ◎福祉保健部長(松村直彦君) 新生児の聴覚検診についてお尋ねがございました。新生児の聴覚検査には、御指摘の聴覚検査装置が必要でございます。この装置を保有している医療機関は、大病院を中心に7カ所と、受け入れ体制が十分でないことでもありまして、今のところ新生児の聴覚検査の導入は考えておりません。 次いで、介護保険制度に関連をいたしまして、第2期介護保険事業計画の策定手順と特筆すべき点は何かとお尋ねでありました。策定の手順につきましては、これまでの市民フォーラムやワーキングでの意見をもとに、10月に開催予定の介護保険運営協議会で骨格案を審議し、さらに市民の皆様からの意見を聴取し、来年2月には介護保険運営協議会で最終案を取りまとめたいと考えております。次期計画では、介護サービスと地域福祉が一体となった支援、自宅での生活が継続できるよう、訪問介護、訪問看護などの訪問系サービスの利用促進、ケアマネジャーの資質向上に向けた対応、サービス評価による利用者への情報の提供などの充実に向け、検討しているところであります。 オストメイトトイレの設置についてお尋ねがありました。オストメイト対応トイレにつきましては、平成12年度に中央公民館彦三館に設置したほか、今年度、福祉用具情報プラザにも設置したところであります。今後、21世紀美術館や金沢駅東広場を初め、森本、東金沢、西金沢の3駅にも順次、整備を予定しております。障害者計画におきましても、市の施設のバリアフリー化を推進することとしておりまして、御提案の市庁舎、市立病院、3福祉保健センターなどにおいて、必要度等を見ながら、整備できないか検討してまいります。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩 ○副議長(中西利雄君) この際、暫時休憩いたします。              午後2時27分 休憩-----------------------              午後2時52分 再開 △再開 ○議長(川紘一君) 出席議員数はただいまのところ40名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○議長(川紘一君) 休憩前の議事を継続して、質疑並びに一般質問を続行いたします。 32番升きよみ君。   〔32番升 きよみ君登壇〕(拍手) ◆32番(升きよみ君) 日本共産党市議員団を代表して、質問いたします。 全国が注目した長野県知事選挙結果は、我が党が支援した脱ダムと改革、暮らしと福祉重視の田中知事が勝利しました。このことは、紛れもなくむだなダム建設などを改め、税金の使い方を変えて、暮らしを守る真の改革を求める有権者の思いであり、地方政治の流れを変える声と言えます。 さて、空前の失業、企業倒産の増加と、かつてない不況と切り捨てられる社会保障のもとで、市民生活は極度の深刻さを増しております。今議会、市長は任期最後、4選出馬表明されました。そして、「市政は順調な進展を見ている」と言われましたが、果たしてそうでしょうか。国の悪政のもと、巨大開発に巨額の税金を投入し、地方財政危機のもと、自治体本来の役割ができないほどの事態を招き、市民生活が一層困難を抱えているとき、そうした認識は市民生活の実態からかけ離れていると言わなければなりません。それどころか、市長は地方自治制度の破壊を進める合併をより促進させ、合併があたかも市民生活の未来を開くかのようにして、多大なエネルギーを注いでおられます。まず、この問題から伺うものです。 自治体の合併の是非は、何よりもそこに住む住民の合意と自発的な意思によって決まるものです。しかし、平成の大合併は、国の強権的な行政指導、財政誘導等で押しつけられてきたことも御承知のとおりです。合併の多くは、危機に陥った自治体財政のもとでリストラを進め、中期的には国の地方への財政支出を大幅に削減しつつ、大型開発を効率的に進める体制をつくり、住民サービスを切り下げることにねらいがあります。市長は、合併問題にこれほど執着なさるのは、今日の自治体の危機を合併によって乗り切ろうとなさるのですか。 地方分権をよく口にする市長は、都市構想を論ずるとき、小さくともきらりと光る個性ある金沢市と定義づけ、当初、合併に対しても比較的慎重に臨んでおられた姿勢もかなぐり捨て、市民不在の中で、とにもかくにも合併ありき、政令市を目指すとされております。そして、市長は野々市への攻めを、さらに鶴来、白山ろく1町5村にまで広げる合併提案を行い、あげくは「北陸自動車道に野々市インターを」とまで発言するに至っては、野々市住民の感情逆なでを行ったと言わねばなりません。余りにも強引な形で進めるばかりに、野々市側からは単独行政推進の決議が可決されるという事態となりました。そして、その手法に、批判の声は松任市長からも出されるほどです。 それでも市長は、政令市を目指し合併実施と言われますが、市長。市長のおっしゃる合併論は既に破綻しているではありませんか。世界に通じる学術文化の政令市と銘打ち、バラ色の未来のように叫んでも、不況にあえいでいる市民の心には響きません。市民はむしろ市民生活や地域経済はどうなるのか、危機的な自治体財政の中で、この金沢のまちをどうするかなどを求めているのです。 ところで、市長は野々市側に開発プランをお話しになりました。一体、どれほどの財源投入をなさるおつもりですか。合併によって、当座の公共事業費は特別に確保され、地方交付税の特例もありますが、その後、国から地方への財政支出が大きく削減されますから、実際は大変なことになるのですが、その点はどのように判断されているのですか。 また、市長は「合併で金と人を合理化し、行政サービスをさらに向上させる」とおっしゃっていますが、果たして住民サービスの向上となりますか。広域な白山ろく一帯が行政範囲となれば、むしろ行政の効率化が失われ、市民にとってのサービスの低下は免れないのではありませんか。 ところで、野々市との合併問題の中で市民にとって大きな関心となったのは、住民の負担、公共料金やきめ細かな道路除雪など住民サービスのことでした。金沢市民から見れば、野々市がうらやましいとの率直な声でした。市長、市民不在、置いてけぼりの中でどれほど合併を叫んでも、市民の心をとらえることはできません。むしろ、45万人のあすを託す市長の責任が問われるものとなります。改めて御見解を問うものです。 次に、市長は市勢発展の基本は都市基盤の充実であるとして、都心軸整備に金沢駅東広場とガラスドーム大屋根建設や駅武蔵北地区再開発事業等へ意欲を示されました。当初60億円が10倍の 600億円近くに膨れ上がった駅周辺整備事業、住民追い出し、テナント埋まらず保留床の行政肩がわりを進めた再開発事業など、都心軸整備や辰巳ダム、テクノパーク事業等の大型開発によって、市民は今、1人当たり 120万 6,000円、4人家族で 483万円と多大な借金を背負っております。大型開発、ゼネコン政治がどれほどにむだが多く、市民に借金を押しつけたか、その反省もなく、市長は相変わらずこの事業を推し進めていかれるのですか。一体、全国の政治の流れや市民のむだな公共事業見直しの声をどのように受けとめておられるのですか。 さらに、市長は、駅武蔵再開発事業の3、4工区の事業を進めるとして、先般も東京に出かけ、ゼネコンや住宅建設業者の方を相手にPFI事業としての参入を要請し、プラン検討会の討議を経て、事業促進を図っておられます。これで真に地元の企業が潤うのですか。バブル時代に熱中し、住民追い出しを図り、既に破綻した再開発事業を焼き直しして、今度は都心再生といった事業が果たして市民のためのものですか。市長、都市再生のかけ声で高層ビルをどんどん建てるなど、見通しがあるわけがないではありませんか。私は、たび重ねて破綻した再開発事業を進める必要はないと言ってきましたが、改めて当局のお考えを伺うものです。 本議会にも駅東広場建設工事を初めとする請負契約25億 9,000万円の案件が提出されております。そこで、駅東口広場と駅通り線における水の通らない用水整備事業について伺います。 昭和57年、今から20年前、県は金沢駅前から武蔵にかけての36メートル道路に水の都を構想する用水整備事業を打ち出し、その後、市が東口広場及び駅通り線懇話会を発足させ、平成4年の10年前から工事が行われるようになりました。当局にお聞きすると、最初、辰巳用水を金沢駅まで通水させるものと言い、次には、高岡排水路から自然流下させると言い、最近は近江町排水路から水をとると言いながら、実際には水が通らない管渠が十間町から駅武蔵第1、5工区に延べ 1.4キロ築造されております。そして、通水どころか、水道水で環流されている実態です。この用水整備事業は、「せせらぎ」と称して今日に至っておりますが、36メートル道路におけるこれまで要した費用、そして未施工分の予定額は幾らですか。管渠築造、通水の今後の予定、完成の見通しは一体どうなっているのですか。 さて、今回の駅東修景工事には、噴水、滝など水利用施設を設けるとしておりますが、果たして用水の水が利用できるのですか。工事費を明らかにしてください。むだな公共事業の見直しが言われておりますが、20年前の計画を見直すことなく行うのですか。市長は、おもてなしの心と言って水利用をおっしゃっておりますが、辰巳用水の源流の取水口を壊して、これで本当に金沢の誇れる駅と言えますか。市長の見解を伺っておきます。 次に、地域経済の振興策についてお尋ねします。 ところで、市長は地域経済の振興を言われますが、この間、本市の中小企業事業数は約 4,000近く減りました。このところの業者の苦境は大変なものです。自殺者が次々出るほどです。こうした業者の方からは、市は一体何をしてくれているのか、東京インテリアの増床容認や公共事業の発注は大企業中心ではないかとの指摘があります。地域経済の振興を図っていく上では、公共事業の中身を巨大開発型から福祉・環境型、生活密着型に変えていくことです。駅周辺整備事業や美術館建設事業等は紛れもなく県外大手企業が受注しておりますが、地元が真に潤うものになっていないことも明らかです。 250億円も必要とする辰巳ダムなどの大型公共事業等から、福祉、環境、生活支援の公営住宅や小中学校建てかえ、児童館などを建設する公共事業に切りかえるべきです。 ところで、市長、これまで我が党はたび重ねて指摘しているにもかかわらず、市長は一向に市営住宅の新規建設を行おうとなさりませんが、一体どのようなお考えなのですか。国が消極的といっても、さまざまな補助制度があります。その制度の活用も検討せず、住宅困窮者には民間任せで済ますのですか。市営住宅入居倍率20倍、平均約5倍という実態の解決を図るためにも、ますますその必要性はあります。9万円近い高い家賃の芳斉住宅はまちなかに建設されたものの、入居申し込み者は1人でした。今必要とされているのは、低所得者層対象の公営住宅なのです。その上、本市が公営住宅ストック総合活用計画で示した南部地区の40戸建設については、いまだに計画が明らかではありませんが、いかがな予定ですか。地域経済振興面から、住宅建設などを進めることが最も肝要と思いますが、いかがですか。 このところ、県外大手マンション業者でまちが壊され、その仕事も県外ゼネコンとなっております。これでは地域経済の振興にはなりません。既存老朽マンションなどの実態を調査され、その活用を図りながら、民間家賃補助制度を進めるなどすべきと考えます。 また、雨漏り状態の森山小学校や老朽化した泉中学校などの学校建てかえなどを行うことなどが必要ですが、今後、そうした対策をどのように進めますか。要は、生活密着型の公共事業によって地元の企業の仕事をふやすべきと思います。市長にその考えを伺うものです。 なお、この際、21世紀美術館建設工事について伺います。この建設工事で、地元の下請が常識外れの安値で仕事をさせられたり、下請労働者が排除されたりしております。御承知のように、美術館建設が当初の予定価格よりも34億円も下回って落札されました。市発注工事の不正入札事件から、再発防止と業者の談合防止等から、予定価格の事前公表と同時に低入札価格制度がとられ、県外大手ゼネコンの受注に至りました。しかし、このことが即下請いじめや地元の企業や労働者の排除であってはならないことは当然です。先般、土砂運搬作業の皆さんがダンプの運賃単価が不当に安いと是正を求めたところ、仕事から排除される事態となり、建設業法や入札契約適正化法や指針にも触れるものではと、問題になりました。不当に安い労務単価で仕事をすれば、おのずと無理な回数を走るなど、交通事故や安全確保が困難になりますし、当然、工事の手抜きや品質の確保、安全対策が保障されるのか案ぜられるのではないでしょうか。 すなわち、公共事業の施工に当たっては、たとえ低入札価格制度であっても、重点的に監督及び検査を行うこと、適正な施工を確保するため、ダンピングの防止や労務単価、下請代金の設定が不適切ではないか調査することを適正化指針では明確にしております。発注者責任を明確にした入契法から見ても、一体発注者としての責任をどのようにとられたのか、伺うものです。 最後に、暮らし、福祉についてです。 市民生活はかつてない深刻さを増しているとき、市長は、本当に市民の暮らしを応援しようとするなら、思い切って富山や福井の 1.5倍の上下水道料や高い国保料、名古屋の2倍から5倍、6倍の保育料などを下げるべきであります。市長の提案理由からは、厳しい市民生活の配慮が見えてきません。 この間、市民の暮らしを応援する姿勢を欠き、大型開発優先、市民の暮らし、福祉に冷たかったのは、13年度の決算からもうかがえます。中核市29市の調査で見ても、土木費は上から5番目に位置し、歳出に占める構成比は、平均22%を超える25.1%です。それに対し、民生費は29市中23番目、下から7番目、平均24%を下回る19%という結果から見ても、明白であります。 これまで、行革推進で自治体独自の仕事をどんどん切り捨てられてきました。ごみ収集の民間委託化、公立保育園の民営化、母子寮の廃止、老人福祉センター、ことぶき作業所等の運営の公社委託化など、本来自治体が行うべき仕事が外されました。そして、民間経営の手法が進み、まさに営利企業化という変化がもたらされてきました。 端的な例として、本市は昨年度から1年雇用の臨時職員を採用し、特別に税金徴収を図る制度をつくりました。固定給とともに税金徴収額や件数による歩合給、ノルマ制をとっております。これによって税の徴収は進んだと言われますが、これはまさに市が企業化したようなものです。こうした職員を今後も配置なさるのですか。 ところで、介護保険制度についてです。制度は確実に定着していると評されておりますが、さまざまな問題が生じております。今でも保険料、利用料の不満が多い上に、さらなる引き上げには到底納得できません。そのためには、思い切った一般財源の投入を図ることが肝要であります。そして、本市が進めている移送サービス、日常生活用具給付などの3%軽減の堅持を行う。そして最も切実な要求である特養待機者の解消などを図ることなどです。 本市の施設サービスの割合が高いことを理由に、盛んに特養ホーム1床整備すると保険料は 0.7円、療養型は 0.9円高くなる、在宅と施設のバランス論などを言っておりますが、訪問看護、介護の充実で在宅サービスの利用促進はもちろんのこと、施設サービスなどについても思い切って取り組む姿勢こそ求められております。市長のその所信のほどを伺って、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(川紘一君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 32番升議員にお答えをします。 まず、市町村合併につきまして、これをやめたらいいという御趣旨でございました。私は、地方分権は進めたい。その分権の受け皿としての市町村は資質、能力を高めるべきだ。その手段に合併がある、このように思っておる次第でございまして、分権を進めていくためにも合併は必要と、こういう立場であることを申し上げたいと思います。もちろん合併は住民の意思が尊重されるものでなければなりません。住民の理解が深まり、熟度が高まることで実現につながっていくと考えてございまして、今後とも各界各層の御協力をいただきまして、機運の醸成に努めていきたい、このように思っておる次第でございます。 いろいろな野々市町の開発プランが提示されているということでございまして、どの程度まで考えているのか聞きたいという御趣旨であったと思います。考え方として、野々市にお住まいの方からのアイデアもございますし、また我々からして必要だと思われるものもあるわけでございまして、例えで申し上げますならば、新しい交通システムの導入、あるいはJR北陸線の連続立体交差化、北鉄石川線のJR線乗り入れ、大学を生かしたまちづくり、こうした都市でありますとか交通基盤の整備等について協議をしていければなと思っておる次第でございます。お互いに夢を描けたらというふうに願っておる次第でございます。 仮にお互いに協議ができるということでございますれば、事業の財源といたしまして、大変有利な合併特例債なるものが適用されることになるわけでございまして、こうしたものを活用するのも一つの案だというふうに思います。この特例債は、将来の負担になるというふうなお声も聞かれるわけでありますけれども、何分にも国の手厚い財政支援がございまして、合併後のまちが償還をしていくということをひとつ御承知願いたい、このように思っています。 合併によって市民サービスが低下するのではなかろうかというふうな御指摘がございました。道路が整備をされ、交通の便がよくなっておりまして、仮に白山ろく5村であっても、情報通信手段も進んできておるわけであります。既に水の恩恵に浴しています。電源もお持ちであります。お互いに豊かな自然でありますとか伝統産業、文化等を共有し合うことで、まちの発展と暮らしの向上につながるものと思っております。行政水準も高まりまして、より豊かに多様なサービスが提供し合えると、こう思っておる次第でございます。 料金のことにもお触れでありましたけれども、お互いに安いものもあれば高いものもあるわけでありまして、正しい情報で十分研究し合えたらというふうに思っている次第でございます。合併によって行財政の効率化を図っていく、このことと、税金が安ければ、料金が安ければということの間に私は論理の矛盾があるのではなかろうか、そんな気がしてなりません。 次に、都市基盤の整備について、いろいろとお述べになりました。公共事業はむだ、罪悪というふうにもお聞きができるわけでありますが、私は必ずしもそのようには思っておりません。再開発事業は都市の防災化に役立ちますし、公共施設の整備はもちろん、土地の有効利用など、都市機能の更新を図るものでございます。都心の再生には最適な事業というふうに思っております。事実、第2工区ルキーナ金沢の完成によりまして、にぎわいも出てきておるというふうに感じますし、地域の皆さんからも喜ばれているということを申し上げておきたいと思います。 現在、第3、第4工区の計画を進めておるわけでございますが、住まいのほかに保健、福祉、医療、そういうふうな施設の入居を考えてございまして、そのあり方について、識者から成るところの整備プラン検討会を設けて、研究いただいているところでございます。この結果を踏まえまして、よりいい形のプロポーザル方式とか、あるいはPFI方式とか、こうした方式が導入できないか、本年度中には構想をまとめていきたいと思っておりますので、どうぞひとつ深い理解をお願いしたいと思います。 金沢駅通り線の辰巳用水のことについてお触れでございました。このせせらぎの整備につきましては、昭和57年に石川県が構想を発表しまして、平成元年に具現化のために設置いたしました有識者、町会、婦人会等から成りますところの金沢駅東広場及び金沢駅通り線整備懇話会におきまして広く意見を聞いて、答申を得て、事業化に至っていることを御承知いただきたいと思います。 費用のこと、また時期のことにつきましては、所管の部長からお答えをいたします。 次に、地域経済を活性化させるには、生活密着型の公共事業への転換を図る等が必要だと、そういう御趣旨でございました。学校の整備も大事です。保育所の整備も大切です。同時に、まちの発展を支えていく上で、将来を見据えた都市基盤の整備は、私は身近な生活基盤の整備でありますとともに、極めて重要な仕事だと思っておる次第でございます。例えて、環状道路のことについて申し上げますが、交通渋滞を緩和する、そのことを目的にいたしています。都心での二酸化炭素を軽減する、そんな役割を意図しておるわけでありまして、これこそ市民生活の質を高める生活密着型の公共事業ではないでしょうか。ぜひ御理解をいただきたいと思います。 なお、21世紀美術館に関連をいたしまして、地元中小事業者が下請から排除されている実態がある、こういう御指摘でありました。元請業者に対しましては、地元中小事業者を優先して下請発注するように、常日ごろ、契約締結の際に文書も出して要請をしているところでございます。 地元業者が下請から排除されていると御指摘でございますが、何分にも工事内容が多岐にわたりますために、下請工事すべてが地元業者に発注されるというふうには必ずしも限らないということを御承知いただきたいと思いますし、また下請受注におきまして、業者間での競争のあることも御承知願いたいと思います。適正な元請、下請関係の維持、確立につきましては、元請業者に義務づけられました施工体制台帳等に基づく点検やチェックを通して指導している次第でございます。これからも努力してまいりたい、このように思います。 暮らし、福祉に関連をしまして、次期の介護保険料のことについてお触れでありました。何度も申し上げてまいりましたけれども、介護保険制度は給付と負担を明確にした制度でございます。サービス給付の水準に応じまして保険料を設定することになっておりまして、一般財源を投入するものではございません。なお、15年度からの保険料につきましては、介護保険事業計画の見直しの中で、運営協議会や市民フォーラムで御意見をいただきながら、適切に設定をしていきたいというふうに思っております。 また、利用料のことでございますが、制度施行前に訪問介護を無料で利用していた低所得者につきましては、国の特別対策に基づく利用料の激変緩和措置として、平成14年度まで3%に軽減をいたしまして、これに準じまして、本市では訪問入浴介護、福祉用具貸与についても市単独で3%に軽減しているものでございますが、15年度以降のことにつきましては、国の制度に準じていきたい、このように思っておる次第でございます。 老人ホームの件にありましては、常時介護が必要で、在宅生活が困難な方が入居する施設でございます。真に入居の必要のある方に対する整備は必要というふうに考えておりまして、この整備の数等については、事業計画見直しの中で見きわめていきたい、このように思っておるわけであります。 以上であります。 ○議長(川紘一君) 山本建設部長。   〔建設部長山本文男君登壇〕 ◎建設部長(山本文男君) 金沢駅通り線の辰巳用水に関して、3点のお尋ねにお答えをいたします。 まず、費用等の点でございますが、金沢駅通り線のせせらぎの整備につきましては、既に完成いたしております横安江町付近から金沢駅前までの間の費用は、県・市合わせて約1億 7,000万円となっております。また、第3、第4工区など未整備の区間に要する費用は、県・市合わせて約1億円を見込んでおります。 次に、駅東広場で整備する噴水、せせらぎ等に関しての点でございますが、金沢駅東広場に設置いたします噴水、せせらぎ、地下広場での池の水は、金沢駅通り線のせせらぎ、すなわち辰巳用水から取り入れる計画でございます。通水の時期につきましては、十間町で接続の関係上、近江町市場再整備事業を待って、さらに第3、第4工区の整備が完了次第、通水することといたしております。このことによりまして、本市固有の財産であります用水を活用した金沢らしさを創出してまいりたいと思っております。 次に、駅東広場に設置する噴水、せせらぎ等の工事に係る費用の点でございますが、噴水、せせらぎ、地下広場での池は、広場を訪れる市民や観光客などに対しまして、安らぎ、憩いの場として、また水に親しむ空間として整備するものであります。この整備に係る費用は、通水管路などの築造工事費約1億 1,000万円、また給排水や電気などの設備工事費約1億 9,000万円となっております。 以上でございます。 ○議長(川紘一君) 小泉公営企業管理者。   〔公営企業管理者小泉賢一君登壇〕 ◎公営企業管理者(小泉賢一君) 上下水道料金の引き下げをについてお答えをいたします。 全国的な傾向といたしまして、水需要は低下傾向にあり、上下水道会計とも経営環境は非常に厳しい状況にあります。こうした中、経営の効率化に努力しており、水道料金については9年度の改定以来6年間、下水道料金については10年度の改定以来5年間、それぞれ料金については据え置いており、料金を引き下げる環境にないと考えております。   〔「議長、32番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川紘一君) 32番升きよみ君。 ◆32番(升きよみ君) 答弁漏れを含め、またお聞きをしたいと思います。 今、市長は、公共事業はまるで罪悪かというようなふうに聞こえるみたいなことを言われましたが、我が党は、ただいまもお話をしましたように、むだな公共事業は見直すべきだということで言っておりますので、辰巳ダムの問題や、これまでの森本テクノパーク事業や、あるいは再開発事業がいかに問題が多いかという指摘をしておりまして、本来的に住民の暮らしに、生活に密着した、そうした公共事業こそはやるべきだという立場から公営住宅問題等々申し上げたわけでございますし、今の御答弁が非常に適切を欠くということを申し上げ、そして今、駅武蔵の問題で、第2工区によってにぎわいも出てきているということでございますが、しからば、ただいまから進めようとしております3、4工区の地権者は、当初何人いらっしゃいまして、現在、残っている地権者はどうなっているのか、ここのところを明らかにしていただきたいと思います。 同時に、午前中からの答弁でも、市長は「今なすべきことは暮らしの安定だ」というふうにおっしゃいました。今、市民生活が困難を抱えている状況の中で、この暮らしの安定という問題からして、水道料の問題等々言いましたが、国保料やその他、今、市民生活のこの実態の中で、とりわけ保育料などは、野々市の若い人たちから見れば、野々市が保育料を軽減している。市長がおっしゃるには、金沢では管外保育をやっているじゃないかということをおっしゃいますけれども、若い人たちにとっては公共料金が本当に安いということが魅力になっている。そうしたところからいっても、市民生活を応援する立場から、さらなる公共料金の引き下げというのは検討できないのか、このことをもう一度お聞かせをいただきたいと思います。 もう1つ、助役にお聞きします。これは、先に市長の御答弁をいただいてから、後に助役のをお聞きします。 ○議長(川紘一君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 私は、金沢市が進めている公共事業につきましては、むだなものがあるとは思っておりません。辰巳ダムは下流域の住民の安全のために必要でございますし、テクノパークも新しい産業の育成、そして雇用の確保、こういう視点から必要だというふうに思っておりますし、駅-武蔵の間の再開発につきましては、一つ一つ住んでいらっしゃる人とお話し合いをさせていただいて、そして合意のもとで進めているということを申し上げておきます。   〔「議長、32番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川紘一君) 32番升きよみ君。 ◆32番(升きよみ君) お答えいただけませんでしたが、3、4工区にしろ、もちろん2、1、5いずれにしましても、再開発事業がまさしく住民追い出しにほかならなかった。現在においても、その権利者というのは大変少ない環境にあるということで、住民追い出しをしながら、今はさらに住民を呼び込むというような形になっていることをあえて申し上げたいというふうに思います。 そこで、助役にお聞きしたいのは、いわゆる美術館建設の問題等で、今、下請問題については、先ほどの状況の御答弁の中では、必ずしも地元というふうには限らないとか、あるいは下請間にも競争があるとか、いろいろなことをおっしゃいますが、現実にこうした入札制度の中でさまざまな諸問題が生じてきております。いろいろ読ませていただきましたが、こうした現行の制度の中でも、しかるべき調査をして、適正な工事が行われているのかどうか、そういうことをしっかりと調査し、その結果を公表することなどもうたわれております。その意味では、再度下請実態を調査なさるとか、そういうお気持ちはないか、さらに、これまでの入札制度の中で、何を評価し、何が問題だと感じていらっしゃるのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(川紘一君) 佐子田助役。   〔助役佐子田 正君登壇〕 ◎助役(佐子田正君) 元請、下請の関係につきましては、これはあくまでも民民の関係でございまして、そのところに行政が介入することはいかがなものかというふうに思う次第でございます。なお、実態調査をするのかということでございますが、その考えはないことをひとつ申し上げたいというふうに思っております。 以上でございます。   〔「入札制度は」と呼ぶ者あり〕 入札制度につきましては、目下、試行中でございまして、もろもろの意見も踏まえまして、より適正に対処したい、こういうふうに思っております。 ○議長(川紘一君) 27番出石輝夫君。   〔27番出石輝夫君登壇〕(拍手) ◆27番(出石輝夫君) 質問の機会を得ましたので、私は、社会民主党議員団の一員として、今後の市政の課題について、以下、数点の質問をいたします。 質問の第1点は、合併問題についてであります。 さきの市長と野々市町長との会談は、野々市町長の1対1での話し合いはできないとするかたくなな返答の中で終わり、まことに残念な結果でありました。また、その翌日には、野々市町議会におきまして賛成多数で単独行政に関する決議が議決されています。ここに来て、野々市町住民の合併問題に対する機運がようやく盛り上がり、機が熟しつつあるこの段階に、議会決議が先行されたことはまことに残念に思うものであります。 さきの会談で、杉本石川県副知事は「時代は変わっている」と言われたとお聞きしております。1年どころか半年もたたないうちに社会情勢が大きく動く昨今であります。合併問題も、日々状況が変化しており、昨年の状況と今日の状況では大きく変化しております。にもかかわず、ただ単独市政のみを指向しようとする野々市町当局の姿勢は時代が見えていないのではと、申し上げたら言い過ぎになるでしょうか。また、合併は、第一義的には住民の生活圏やまちが一体化している場合には、その行政区域、つまり自治体も同じであるべきとする本来の合併の理念に基づいて行われるべきものであると思うのでありますが、今日の野々市町当局の合併反対の論議の中には、実際に生活する住民の視点に立って、行政はいかにあるべきかが抜けているのではと思うものです。さらに、10年、20年先を展望した住民とのまちづくりの対話が欠けているようにも思えます。大変微妙な時期でありますが、杉本副知事の心ある要請により、次回の市長・町長会談、あるいは事務レベルでの協議については全く否定されたわけではなく、今後も粘り強い働きかけが必要だと思います。 ところで、この合併問題については、私どもも当事者であり、その実現に向けて渾身の努力をいたすことは申すまでもありません。去る9日の合併推進議員協議会でも、今後とも不退転の決意を持って一丸となって行動していくことを確認したところであり、我が会派としましても、全面的にこれに協力し、各位とともに強力な活動を展開していく所存であります。合併問題は、今日、大きな山場に差しかかろうとしております。今、最も求められているのは、市民挙げての一層強力な野々市町全体に対する合併の働きかけであることは言うまでもありません。そこで、市長は、今後合併を進めていく中で、市民各界各層に対してそれぞれ期待しているものは何なのか、この際、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。 また、私どもは、金沢市が野々市町と合併をすべきであるとする最も大きな理由は、金沢市南部地域と野々市町が完全に一体化していること、その上で合併により政令指定都市を目指し、より質の高い行政サービスを提供し、あわせて将来のまちの発展を期することにあると考えているものであります。市民が一体となって合併を理解し、行動ができる、本市の目指すべき合併の理念を改めて確認しておきたいのであります。いわば、一言ですべての市民が一丸となってこれを標榜し、また野々市町民の心をとらえることのできるものを、この際、市長から再度御披瀝をいただきたいと思うのであります。 質問の第2点は、最近の情勢と雇用状況についてであります。 昨今の北陸地区の景気動向は、設備投資を初めとした内需の減少は依然として続いてはいるものの、輸出の増加を背景に生産が持ち直しており、全体としては底を打ちつつあるという景況判断があるようであります。しかしながら、長引く景気の低迷や業績不振により、企業は相変わらず新卒者の採用を控える傾向にあり、若年層の就職戦線はますます厳しさを増している状況にあると言えます。雇用全体の状況を見ましても、相変わらず5%を超える高い失業率で推移いたしているところであり、職を求める市民にとりましても、苦難の連続であります。そこで、まずお尋ねしますが、市当局におきましては、現在の本市における雇用状況をどうとらえておられるのか、また今後の見通しをどう持たれているのか、お答え願います。 さて、そのような中にありまして、一方では若年労働者の親への依存度による、いわゆるパラサイト化現象は年々強まる傾向にあると言われています。いわば仕事を持たなくとも生活ができる、仕事がなくても構わないという考えが若者の中で芽生えているようであり、責任ある正社員より比較的安易に就職できるパート職を選び、フリーターへの道を選ぶ傾向にあることはまこと憂うべきことであります。将来を考えたとき、このことは一部の働く人に税負担が偏ることにならないよう、若年者層対策が今、求められております。厚生労働省では、来年度から若年者向けの適職選択総合計画を実施し、就職への意欲を呼び起こす作戦を計画しているとのことでありますが、これまでも市においては雇用対策連絡会議を開催し、職場体験や試行的な雇用等について種々の取り組みが行われてきております。雇用問題は一地方自治体のみで解決できる分野が少ないことは承知しておりますが、国の考えているハローワークインターシップやトライアル雇用の促進、職業実感プログラムなどの事態打開に向けての試行について、市でもどのように取り組まれていくのか、この際、お考えをお聞かせ願います。 また、就職活動や就職相談には教育現場と行政の連携も必要であり、かつ広く地域と企業とのつながりを深めていくことも必要かと考えますが、将来を担う若者たちの意欲を駆り立て、就業観を養うことが必要と考えますが、いかがでしょうか。 さて、雇用の創出に関連して、先月末に構造改革特区について、各地方自治体から国へさまざまな提案がなされましたが、その中で、石川県でもいしかわサイエンスパークで用地を企業に賃貸ししていくための公有地拡大法の規制緩和が提案されております。本市でも、金沢テクノパークが造成をほぼ完了し、新たな工業団地造成も計画するなど、企業誘致に努力されておりますが、石川県で想定している規制緩和の内容はどのようなものなのか、またこのような規制緩和を金沢テクノパークでの企業誘致で検討されるおつもりはないか、お伺いします。 また、9月議会の補正予算には新金沢型産業研究開発費が追加計上されております。環境、福祉、医療の分野での新商品開発に支援をしていくことは、ひいては企業誘致につながり、雇用の創出にもつながると思います。新金沢型産業の研究開発の見込みと現時点での状況をお聞かせ願います。 質問の第3点は、食の安全についてであります。 昨今、全国的な問題として、牛肉やハム、ソーセージなど偽装問題が相次ぐ中、消費者の食品への不信感に大きなものがあります。今日、消費者の食への不安が高まっている中で、石川県でも発がん性が指摘されている無登録の農薬が、一部農家でナシとスイカ栽培に使われていた問題が発生しました。味覚の秋、しゅんの時期にナシを52トンも自主回収、廃棄する事態となり、消費者としては、口にする食べ物の問題だけに、大変ショッキングな事件でありました。 石川県保健環境センターや市保健所で残留農薬について検査を実施し、検査結果が公表されましたが、無登録の農薬とは知らずに使用していたことが判明し、生産業者にとっても、しゅんの時期に価格が半値に下落するなど打撃は大であり、また無登録の農薬を使用していない生産業者にあっては、共同出荷を行っているため、選別不能ということで、一括して回収し、廃棄せざるを得なかったと聞いております。無登録の農薬がなぜ簡単に使われたのか。一部の生産業者や生産団体の意識改革が問われて当然のことでありますが、すべての生産業者が今後の教訓として重く受けとめ、消費者が安心できる農産物の生産に、より一層努めていくことが大事なことだと思います。 今回の問題に関連して、県議会産業委員会で農薬使用指針の見直しについて議論がなされており、県当局も指針の見直しを検討する旨の見解が出されております。また、出荷前に作物の残留農薬検査を実施する方向も出され、食の安全性確保に前向きに取り組む姿勢であります。金沢市にあっては、食への安全性確保、消費者の信頼を回復するため、今後どのような対策を講じていくお考えか、お尋ねします。 一方、安全な食材が消費者の手に届けられるよう、中央卸売市場内での検査体制を強化する必要があるのではと思うのですが、御見解をお聞かせ願います。 質問の最後は、住民基本台帳ネットワークについてお尋ねします。 住民基本台帳ネットワークは、氏名、生年月日、性別、住所の4つの情報と住民票コードにより全国共通の本人確認を可能とする地方公共団体共同システムとして8月5日から稼働しました。御存じのとおり、行政機関へ申請や届け出を行う際に、住民票の写しの添付が省略されるなど、住民負担の軽減とサービスの向上が図られるとしてスタートしたものであります。 しかし、全国の自治体では住民基本台帳ネットワークから離脱した自治体、また市民選択制の導入を決めた自治体など、制度の根幹にかかわるプライバシー保護の認識をめぐる自治体間の格差もあり、住民にとっては不安のあるスタートとなりました。住民票コードの通知作業では、全国でさまざまなトラブルが発生し、通知票への印刷ミスや他人の生年月日や住民票コードを記載した通知票を発送するなど、個人情報の漏えいにつながりかねないトラブルも起きています。 本市においても、住民票コードが見える状態で住民票コード通知票が郵送され、番号をすべて変更し、新しい番号をつけた通知票を封書で送ったりするトラブルもあったと聞いております。また、数字の「4」や「9」は縁起が悪いということで、変更を希望する市民が相次ぐなど、さまざまな対応が必要となったとも聞いております。市民にとっては、一人一人に付される一生ついて回る番号であり、こだわりも理解できます。ただ、これだけ大々的に報じられている割には、その住民基本台帳ネットワークの活用は、公務員、特に国や県の仕事は減りそうですが、住民への直接メリットは少ないように感じます。使用される業務の範囲は法律で限定されていますので、なおさら住民の申請・届け出の事務が本当に住民の利便性に直結しているのか、疑問を感じます。 そこで、お聞きします。今後の第2次稼働で想定される事務を含めて、どれだけ住民の利便性が図られるのか。電子政府の実現が叫ばれる中で、自宅からインターネットで市役所への申請・届け出ができるような利便性の実現は、個人情報保護を重視しつつ、これからどのように具体的に進められていくのか、お聞きします。 また、経済産業省では、自治体や企業が持つネットワーク上の電子情報について、セキュリティー監査制度を整備する考えであるとも聞いております。外部の監査会社など第三者の専門家が検証する仕組みであり、情報管理体制の安全性について、信頼を得るために検討されているようです。本市で住民基本台帳ネットワークにとられたセキュリティー体制は、個人情報保護の観点からも万全を期されていると思いますが、具体的にとられた対応策はどのようなものであったのか、また住民基本台帳ネットワークの情報管理体制に、将来外部からの監査制度を採用し、検査していく予定はないのか、お聞きします。 今回の住民票コード番号の通知票送付に当たっては、 2,700通の返送があったと聞いています。市が保有する住民情報と実際に住んでおられる方の情報との間に差異があったということなのでしょうか。返送された件数と住民情報、特に地区行政調査員等による実態調査との関係についてはどのような所見をお持ちなのかお伺いし、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(川紘一君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 27番出石議員にお答えをします。 まず、野々市町との合併の件でございますが、合併の進め方、そして市民等に期待するものは何かというお尋ねでありました。きょうまでの経緯を踏まえて、配慮のある御趣旨をお述べくださったと、このように理解をいたします。既に決議とか、あるいは研究会を設置していただいておりますところの各種団体と、野々市町住民によりますところの合併を実現する町民の会、このような会ができますので、この会との連携を図りながら、合併の機運の醸成に努めていきたいと思います。基本に立ち返りまして、地道で真摯な努力を重ねてまいりたい、このように思っております。 金沢市が野々市町と合併したいとする理念を再度聞きたいという御趣旨でありました。合併は、双方のまちの発展と住んでいる人の幸せにつながるものでなければいけないというふうに思っております。何分にも野々市町とは長い合併論議の経緯がございます。まちや生活圏が一体化してございます。合併は自然の流れと思っておる次第でございます。また、野々市町と一緒に政令指定都市の実現を目指していきたい、このように思っているわけでありまして、仮に政令指定都市ということができるといたしますれば、事務権限が県並みになりまして、行政と市民の暮らし、住民の暮らしの距離が縮まるということでございますし、まちの拠点性が高まり、産業、経済の吸引力が増し、国際性が高まる、このようなことを申し上げて、ぜひ一緒になって政令市化をと、こういうのが当方の立場であるわけであります。 先日、私は、安田町長さんに互恵平等の考えでと、こう申し上げました。互恵の「恵」は、お互いにいいところ、これを交換し合いたい、こういう趣旨でございますし、立場は平等でありたい、こういうことを申し上げた次第でございまして、こんな考え方でぜひ理解を深めるように努力をしてまいりたいと思っています。引き続いての御鞭撻をお願いする次第でございます。 次に、経済情勢、雇用状況についてお尋ねになりました。どうとらえているかということであります。金沢公共職業安定所管内におきますところの7月の有効求人倍率は0.61倍ということでありまして、全国から見ますと0.07ポイント高いというふうにはなっておりますが、全体とすると、やはり厳しい雇用情勢にあることには違いはありません。特に、管内におきますところの45歳以上の有効求人倍率が0.26倍、他の年齢層と比較しまして大変低うございます。また、求職者の約41%が中高年齢者層で占められておりまして、これらの方々の雇用の場は大変狭い。再就職の支援が喫緊の課題というふうに思います。また、来年の春、高校を卒業なさる方の求人状況でありますが、7月末現在で金沢管内では求人倍率が0.58倍、全国平均の 0.5倍よりは若干高いということになっておりますが、これも今までにない大変厳しい状況というふうに認識いたすわけであります。 これからの見通しをお尋ねになったわけでありますが、8月の月例経済報告によりますと、景気は一部持ち直しの動きがあるとされてはおりますものの、株安、またドル安の進展によりまして、世界経済の先行きは不透明感が高まっております。懸念されるところがたくさんあるわけでありまして、今後の動向を予測いたしますと、雇用の拡大に力点を置いた構造改革が進展したといたしましても、現下の厳しい雇用環境はなお当分の間続くのではなかろうかと、そう思います。雇用環境の改善に当たりましては、国の雇用対策を柱に据えまして、金沢市の実情に即したいろいろな雇用施策を関係機関と一体になりまして、引き続き粘り強く取り組んでいく必要がある、このように思っております。 国のハローワークインターシップ、これを初めとする各種試行に対する市の対応策をお尋ねになりました。厚生労働省の来年度概算要求に明示されておりますところの若年者の総合的な雇用・職業能力開発対策の推進施策につきましては、これらが実施されるといたしますと、県やハローワーク等の関係機関とも緊密な連携を図りまして、雇用の創出につながるように、市としてできる限りの対応に努めてまいりたい、このように思っております。 将来を担う若い人たちの意欲を駆り立てて、就業観を養うことが大事だという御指摘でありました。近ごろの若い方々は、就職難もありますけれども、片やフリーターあるいは進路未定者の増加が顕著でございます。就業観の変化とともに、職業離れが目立っているということを大変心配いたします。職業意識の形成、就業の動機づけの場が必要と考えておるわけであります。現在、学校では、個性や適性を発見して、進路や将来の生き方を決定できる力を育てる生き方教育なるものを重視する教育活動を行っておりますし、一方、地域におきましては、ボランティア活動を通じまして、子供たちの職業意識に通ずる自覚をはぐくむ、このことに力を注いでいるわけであります。 先日、職人大学校でマイスタースクールなるものを開設いたしました。入学式に父兄の方にも来ていただきたいというふうに案内をいたしまして、私は、このときにこんなことを申し上げました。「ネクタイを締めて、そしてデスクワークをしてサラリーをいただく、そんなのも一つの生き方かもしれないけれども、仮に手は汚れて、荒れてもいい。ネクタイはなくてもいい。一生懸命汗を流して、そして職人になることも大事な生き方の一つだ」と、こういうことを申し上げました。申し上げた後で、かんなをかけて、のこぎりを引く子供さんの顔を見た次第でありますが、私にはいささか希望もわいてまいりまして、やはりこんなことを大事にしたいと思った次第であります。今後とも、子供さんが就業観を持つように努力してまいりたいと、このように思います。 県がサイエンスパークで想定している公有地拡大法規制緩和の内容はどんなものか、金沢のテクノパークでも検討したらどうか、こんな御趣旨でございました。国の通達がありまして、土地開発公社の用地は10年を超える長期の賃貸とか、あるいは堅固な建物建設の賃貸を認められない、こういうことになっておりますことから、サイエンスパークを産学官連携推進特区ということにいたしますことを考えられまして、土地のレンタル化の道が開けないか、県御当局が提案をしたものでございます。テクノパークも同じ立地条件にございますので、構造改革特区の制度化の動きを見ながら、もしも可能性があれば、検討するということだろうと思っております。 新金沢型産業の研究開発の見込みはどうかというお尋ねでありました。平成10年からこれまで研究開発を続けてまいりまして、その仕事を終えた4つの事業のうちで、1つは古紙の再生利用装置、それから1つは農産物の自然リサイクル機械、それからもう1つは、肌ざわりのいい、糸をよらないで、そして伸縮仕上げのできる繊維機器、ここら辺でありまして、この3つが製品化されました。企業で鋭意販売に取り組んでいるところでございます。ぜひ成功をしてくれたらなと願っておる次第でございます。このほか、環境、医療の新しい分野で研究中のものが4件ございます。学識者からは事業の熟度は高いと評価されてございまして、こうした意欲のある企業の技術革新を積極的に支援をして、本市産業の体質改善、競争力強化に努めてまいりたい、このように思っております。 次に、食の安全について幾つかお尋ねでして、まず無登録農薬の使用問題を教訓にして、これからどんな対策を立てていくのかというお尋ねでありました。今、農業センターが中心になりまして、石川県の農林総合事務所、また農業協同組合と検討会を設けまして、出荷前の農産物の残留農薬検査、また農薬防除日誌の作成、県の農薬防除指針のあり方等を協議いたしておりますほか、近く農業者を対象にした農薬使用に関する講習会の開催を予定しているところでございます。安心・安全な農産物の生産体制づくりに向けて、最善を尽くしてまいりたい、このように思っています。 市場の検査体制を強化すべきだという御指摘でありました。保健所では、市場に入荷した青果物を対象にいたしまして、残留農薬と添加物検査を実施いたしております。また、水産物を対象にいたしまして、有害物質検査、それから腸炎ビブリオ菌検査、これを週2回程度実施いたしております。今後、庁内、関係団体と協議を進めまして、検査日数の短縮、それから検査回数や項目の増加、これに向けた検討をしてまいりたい、こう思っております。 次に、住民基本台帳ネットワークについてお尋ねでございまして、住民への直接メリットが少ないのではなかろうかという御指摘でありました。確かに、現在、法律で進められておりますところの93業務のうち、5つの業務で利用されてございまして、メリットとしては少ないというふうに思います。しかし、今後、厚生年金、国民年金等の現況確認に利用されることになっておりますほか、パスポートの取得等に住民票写しの添付が省略される予定でございまして、住民にとりまして、順次利便性の向上が図られていくと思っている次第でございます。これらの行政事務の効率化によりまして、国・地方を通じた行政改革にも資する、このように考えております。 インターネットによる申請・届け出の進め方については、所管の部長からお答えをいたしますし、私からはセキュリティー体制の具体的対応についてお答えをいたします。システムを適切に運営・管理するための規則を制定いたしました。セキュリティー対策を主とした責任体制を明確にいたしますとともに、機器操作に係りますセキュリティーを確保するための管理要領、それから不正行為等に対処するための緊急時対応計画書を作成いたしました。また、操作職員に対しましては、個人情報保護の万全を期すように、徹底した教育、研修を実施いたしますとともに、操作用ICカードやパスワードによるチェック体制をとる等いたしまして、厳重な管理を行っているところでございます。 外部から監査制度を採用する考えはないのかというお尋ねでございました。御指摘のとおり、第三者の視点で点検、評価を受けることが望ましいわけでございまして、外部による定期的な監査を予定いたしております。なお、国におきましても、順次、各自治体のセキュリティー体制につきまして、外部監査を行っていくというふうにお聞きをいたしております。 次に、返送された件数、住民情報、このことにお触れでございました。地区調査員等による実態調査との関係をどうするのかということでありました。今回返ってきた住民票コード通知票のほとんどは、部屋番号や表札等がないあて先不明のもの、このほかには転居先不明というものなどがございました。地区調査員による実態調査は、主に転入や転居に伴う異動状況の確認を行うものでございますが、通知票の返送分についても、本人確認を踏まえまして、配付していきたい、このように考えております。 以上であります。 ○議長(川紘一君) 須野原都市政策部長。   〔都市政策部長須野原 雄君登壇〕 ◎都市政策部長(須野原雄君) インターネットによる申請・届け出をどのように進めていくのかという御質問でありますが、自治体での電子申請システムの導入に当たりまして、国は現在、公的個人認証サービス等の実証実験を行って、標準仕様等を作成しているところであります。市といたしましては、そうした国の仕様等ともあわせまして、平成16年度から各種証明等の一部で申請・届け出ができるように検討を進めているところであります。 以上です。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △散会 ○議長(川紘一君) これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 よって、本日はこれにて散会いたし、次の本会議は明18日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。              午後4時13分 散会       -------------------------       〔参考〕       ------------------------- 平成14年定例第3回金沢市議会                 発言者順序表              ------------発言予定日発言順序議席番号議員名会派名9月17日(火)119苗代明彦新生ひびき214玉野 道自由民主党金沢・市民会議337松本捷男自民フォーラム424関戸正彦民主512浅田美和子公明党632升 きよみ共産党727出石輝夫社民党9月18日(水)81松村理治新生ひびき96横越 徹自由民主党金沢・市民会議1031森尾嘉昭共産党1117沢飯英樹自民フォーラム127田中展郎自由民主党金沢・市民会議1310大桑 進共産党148山野之義自由民主党金沢・市民会議152渡辺 満新生ひびき...