平成13年 9月 定例会(第3回) 平成13年9月20日(木曜日)
--------------------------◯出席議員(40名) 議長 川 紘一君 副議長 沢飯英樹君 1番 松村理治君 2番 渡辺 満君 3番 森 雪枝君 4番 福田太郎君 5番 干場辰夫君 6番 横越 徹君 7番 田中展郎君 8番 山野之義君 9番 増江 啓君 10番 大桑 進君 11番 近松美喜子君 12番 浅田美和子君 13番 上田 章君 15番 高村佳伸君 16番 玉野 道君 17番 宮保喜一君 19番 田中 仁君 20番 苗代明彦君 21番 中西利雄君 23番 安達 前君 24番 寺中隆善君 25番 野本 昇君 26番 関戸正彦君 27番 出石輝夫君 28番 的場豊征君 29番 木下和吉君 30番 小津正昭君 31番 本間勝美君 32番 森尾嘉昭君 33番 升 きよみ君 34番 南部康昭君 35番 不破 実君 36番 松本捷男君 37番 平田誠一君 39番 上田忠信君 40番 井沢義武君 41番 山田初雄君 42番 北 市朗君◯欠席議員(1名) 18番 東出文代君◯欠員 22番
---------------------------------------◯説明のため出席した者 市長 山出 保君 助役 佐子田 正君 助役 原田淳志君 収入役 金子 衞君
公営企業管理者 小泉賢一君 教育委員長 津川龍三君
都市政策部長 須野原 雄君 総務部長 生駒貢一君 経済部長 近藤義昭君 農林部長 松村直彦君
市民生活部長 畑下 勲君
福祉保健部長 佐藤伸也君 環境部長 平田敏雄君
土木部長心得 八手 壽君 市立病院 建設部長 山本文男君 山形紘一君
事務局長心得 美術工芸大学 宮川清二君
中央卸売市場長 新 昭雄君 事務局長 教育長 石原多賀子君 消防長 開田隆人君 財政課長 的場優弘君
---------------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長 森田 肇君 議事調査
議事調査課長 津山正勝君 縄 寛敏君 課長補佐 主査 宮本博之君 主査 中坂暢江君 主査 寺野 匡君 主査 九社前俊一君 主査 山下慎一君 主査 小村正隆君 主任 木谷保博君 書記 小原 素君
総務課長補佐 坂井治夫君 主査 加成達矢君 書記 松田潤一郎君
---------------------------------------◯議事日程(第3号) 平成13年9月20日(木)午前10時開議 日程第1 議案第1号平成13年度金沢市
一般会計補正予算(第2号)ないし議案第24号市道の路線変更について (質疑、委員会付託) 日程第2 一般質問 日程第3 認定第1号 平成12年度金沢市
歳入歳出決算認定について 日程第4 認定第2号 平成12年度金沢市
公営企業特別会計決算認定について
---------------------------------------◯本日の会議に付した事件 議事日程(第3号)に同じ--------------------------------------- 午前10時1分 開議
△開議
○議長(川紘一君) 本日の出席議員数は、ただいまのところ40名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
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△会議時間の延長について
○議長(川紘一君) あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。 なお、上着の着用は御自由に願います。
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△議案上程
○議長(川紘一君) これより、日程第1議案第1号平成13年度金沢市
一般会計補正予算(第2号)ないし議案第24号市道の路線変更について、以上の議案24件を一括して議題といたします。
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△質疑・一般質問
○議長(川紘一君) これより、質疑並びに日程第2一般質問をあわせ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 16番玉野道君。 〔16番玉野 道君登壇〕(拍手)
◆16番(玉野道君) この10月から、65歳以上の第1号被保険者の保険料の全額徴収が始まります。今補正予算において介護保険費として、
介護給付費準備基金積立金並びに
過年度国庫支出金等返還金2億7,000万円余の予算額が計上されております。
基金積立金額からの推測では、本市の介護保険も、さまざまな問題を抱えながらも、ほぼ順調なスタートが切れたとコメントしている、
定点調整市町村と同様との認識に立っております。 しかし、昨年10月からの保険料の半額徴収が、来月から全額徴収となるだけに、介護保険が要介護認定という規定の範囲でシステム化されていることによる、保険あってサービスなしの怨嗟の声や、本市でも施設利用率が 100%を超え、なおかつ
施設入所希望待機者が増加している現況を見ると、利用者本位の
サービスシステムが構築されているとは言えないと言わざるを得ません。 そして、厚生労働省は2003年からスタートする新
介護保険事業計画に向けて、この秋から
介護保険事業計画の見直し作業を開始し、本市も定点調整市として、また全国市長会の
介護保険対策特別委員会常任幹事として、厚生労働省に直接意見具申を述べる役割もゆだねられているだけに、この制度を検証し、課題を見据え、その対応と方向性を示す必要性があると思いますので、以下、そうした観点で数点お伺いいたします。 質問の1点目は、
施設依存志向の増加についてであります。 さて、介護をめぐる重要な、最も深刻な課題が、
痴呆性高齢者の介護であります。介護が必要になっても、できるだけ自宅で生活をしたい、環境の変化のない我が家で生活をしたいというのは、多くの高齢者の願いであります。こうした高齢者の在宅介護へのシフトを目指した
介護保険制度の導入が、逆に施設への入所希望者を増加させていると言われ始めております。 こうした施設志向の理由として、措置制度のもとでは、自治体の判定委員会が入所の必要性を判定したものの、介護保険では所得や家族構成に関する調査を受けることなく、要介護1以上なら施設へ入所できることから、将来に備えてとりあえず申し込む人がふえているとか、自己負担が軽くなったことが大きな要因とされております。また、在宅では要介護5で利用限度額いっぱいのサービスを利用しても、24時間、 365日のサービスが受けられず、サービス以外のすき間は、どうしても家族介護に頼らざるを得ない状況であります。 こうしたことから、家族の肉体的、精神的、経済的な負担を考えあわせると、在宅より施設の方が割安で安心と、家族にとっては在宅介護に比べての割安感にもあると言われております。 しかし、こうした施設志向の高まりは、
介護保険制度に込められた、高齢者の自立と在宅支援との基本的理念と現実のギャップを浮き彫りにしておりますし、在宅介護との公平性の観点からも、大きな課題を抱えていると言えます。施設志向を抑え、
在宅サービス利用を進める方策として、厚生労働省は、家賃、食費、光熱費といった生活コストについては、施設入所者にそれなりの負担を求めていく、また施設入所についても、措置制度は、行政が申し込み順や要介護度、家庭環境を勘案して優先順位を決定していたものの、契約制度である介護保険にかわったことで、施設側に実質的な決定権が移っていることから、
施設入所基準の改定や
入所調整委員会の設置などの検討も必要とされております。加えて、1日でも長く在宅での生活を続けたいとの高齢者の願いや、
介護保険制度の理念と意義を高めるためにも、
在宅サービスを充実させる制度の見直しが急がれると思いますが、いかがでしょうか。 さて、本市においては、
介護保険開始前の
特別養護老人ホームへの在宅待機者は、 117人から現在266人となっております。希望する介護施設に入所できないとの不満、苦情も聞こえてくるだけに、施設建設の必要性が高まっていると思われます。また、一方では、総保険給付費における
施設サービス費が69.5%と、全国の60%よりは高い水準にあるだけに、保険者としての
保険財政運営と
サービス調整主体としての役割も強く求められると思います。今後、こうした施設志向の高まりは、保険料や財政にも大きな影響を与えるだけに、現在
入所申し込みをしている方について、身体状況や病状などを踏まえ、3つの施設のうち、いずれの施設への入所、入院するのが適切なのか、その実数の把握も必要と思いますが、いかがでしょうか。本市での施設志向の現状認識と当面の対策について、あわせてお伺いをいたします。 質問の2点目は、
施設整備促進と制度の整備についてであります。 さて、こうした施設志向の高まりによる
施設入所待機者の増加の現況は、施設整備が需要に追いつかない実態を裏づけております。今後、本格的な
少子高齢化時代に伴う介護の長期化や重度化、核家族の進展による家族介護の機能低下により、すべてのお年寄りが自宅で暮らし続けるのは難しいと言われていることから、
特別養護老人ホームの不足が特に指摘されております。 しかし、施設建設が各年度にわたり、国の補助金によって建設が左右されることや、介護保険の3年間の
財政均衡運営方式からも即応性に欠けるだけに、保険者が独自の計画を確実に管理運営しているとは言いがたい状況にあります。また、こうした施設が収容の場から暮らしの場へと移り変わりつつあるだけに、施設入所者には、在宅で必要な家賃など、生活費の一部も介護報酬として給付されていることから、施設と在宅の格差も問題視されつつあります。さらに、
療養型病床群に対する
介護費用報酬が
医療診療報酬よりも低く抑えられたことや、
医療保険適用の医療機関では、おむつ代の徴収を初めとする保険外負担が収入源となっていることなど、医療保険と介護保険の報酬体系の違いにより、
介護保険適用の
療養型病床群は得策でないとの判断から、
医療保険適用の
療養型病床群からの転換が進んでいないことも指摘されております。そうした事も踏まえ、
介護保険病床数を確保するための制度の整備や施策の検討も必要になっていると言えますが、いかがでしょうか。 しかし、一方では、介護保険の中では
療養型病床群のコストが最も高いだけに、保険財政を押し上げる施設とも言われております。医療保険と介護保険の連携と効率的なシステムの構築が強く求められておりますが、いかがでしょうか、あわせてお伺いいたします。 また、厚生労働省は、2002年度から、これまでの
社会福祉法人か自治体などに限られていた介護施設について、比較的軽度の
介護サービスを必要とする高齢者のための入居施設であるケアハウスの開設と運営を、民間企業に開放する方針を固めておりますし、総務省は、PFI法に基づくケアハウスを起債の対象に加えることを決めております。さらに厚生労働省は、現在原則4人部屋の
特別養護老人ホームの完全個室化の方針を打ち出し、来年度以降に建設申請が出される
特別養護老人ホームについては、完全個室を原則として、既存施設については、建てかえや増設の際に個室化を指導するとしております。今後、こうした施策の取り組み次第では、
介護保険財政に大きな影響を及ぼすことは間違いないだけに、グループホーム、
高齢者用アパートの増設など、今後の施設整備の方向性とその御所見をお伺いいたします。 質問の3点目は、介護保険において、利用者の権利擁護についてであります。 介護保険において最も重要な役割は、
ケアマネジメントであると言われております。しかし、ここにきて要介護認定の訪問調査を初め、介護報酬の水増し請求など、関係者の不正や倫理問題、中立性、公平性などの課題が表面化していた中での
ケアマネジャーによる強盗殺人事件は、
介護保険制度に対しての信頼を揺るがすとさえ言われております。 訪問調査を受託した
ケアマネジャーは、みなし公務員とされているものの、その立場を見失うと、
介護保険制度は利用者が利用しにくい制度となるか、保険財政への負担が大きくなり、財政的な均衡がとれない状態になる可能性をも含んでいると言われているだけに、
ケアマネジャーの制度的位置づけ、倫理観の高揚や、要介護高齢者の資産管理なども含めた生活支援のあり方や、
ケアマネジャーの役割が改めて問われております。また、
ケアマネジャーは、自立支援というケアの質を高めるかぎを握っているものの、本来の役割を果たしていないとの指摘もあります。 こうした背景には、要介護者の生活を手助けしてきた
在宅介護支援センターとの兼務や、事務処理に追われ、義務づけられている医師や家族を集めた
ケアカンファレンス--担当者会議の開催が極めて少なく、機能していないことにも起因していると言われておりますが、いかがでしょうか。 また、厚生労働省は、
ケアマネジャーの要件の見直しと同時に、
報酬引き上げの検討に入っておりますが、
成年後見制度や
地域福祉権利擁護事業は民事問題であり、後見人報酬の取り扱いなど、制度ができても血が通っていないとの指摘があります。多くの自治体が、制度的な要因が複数作用しているとして、
ケアプラン作成と
サービス提供者との分離や
ケアマネジャーの格付などの検討に入っております。
介護保険制度が事業者との契約制度に移行したとはいえ、事業者の
チェック機関としての行政の役割は大きいと言われるだけに、日常的なチェック体制の構築と権利擁護のあり方が問われておりますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 質問の4点目は、各種事業との整合性についてであります。 さて、それぞれの高齢者の抱える課題に応じて、
介護保険適用サービスと介護予防・
生活支援事業とその他のサービスの調和のもとで、総合的な判断を行い、利用者が本当に利用できる一連の仕組みを構築することが求められております。 そうした制度の一つに、特定の行為への特化と
指定訪問介護事業、いわゆる
介護タクシーの取り扱いがあります。厚生労働省は、地域の実情に配慮し、保険者の判断によって、特定の行為に特化した事業者によるサービスを
基準該当サービスとして、
特例居宅サービス費の支給対象として取り扱うことができることとするとして、要介護者や介護予防・生活支援とのサービスの公平性の観点からも、指定基準を一部改正し実施したいとして、保険者に判断をゆだねております。現在、制度として、障害者向けや要介護者等に対する
移送サービスを行っている
福祉タクシー、
寝たきり老人手当受給者へのタクシー券の交付、国の補助事業としての移送・
外出支援サービスによるタクシーの利用、介護保険による訪問介護としての
送迎サービス、通院介助の
介護タクシーなどがありますが、
介護保険適用の
介護タクシーに対する本市の見解をお伺いいたします。 また、低所得者層が
特別養護老人ホームや
ホームヘルプサービス、デイサービスなどを利用する際、国の介護保険の助成制度は、
社会福祉法人などが行うサービスに限定した減免制度となっており、しかも申請手続が煩雑なため利用されていないと言われておりますし、
重度心身障害者の
介護保険サービスとの整合性や、償還払い方式と受領委任払い方式などの整理や制度改善が必要となっていると思います。 このように、
介護保険事業計画や
老人保健福祉計画、
障害福祉計画、
子育て支援計画などの各種事業における制度の運営手法や手続など、その整合性と合理性について、これまでの一連の流れから、改善事項がふえているように思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 質問の5点目は、
介護保険制度と地方分権についてであります。 さて、市長は、提案説明の中で、当面する重要課題の一つに、
介護保険制度の定着に触れられると同時に、一歩先んじて、みずからの創造性、独自性を高めなければならないと述べられております。
介護保険制度は、保険者が条例で保険料を決める、しかも独自の考えで見直しもできるとの自治の仕組みが入れられております。そして、行政実務者が関与できない要介護認定は、市民自治の仕組みとも言われております。さらに、
ケアマネジメントは、利用者本位の立場に立つ、そしてその保険者が制度全体の責任をとる、こうした
自治システムの意味から、地方分権の試金石と言われました。 しかし、この制度が自治事務であるものの、介護保険法第 215条の中で、政令、省令、告示にゆだねられている事項が 191項もあり、事業計画の内容に関する指導や施設建設への補助金などに見られるように、統制されていると言っても過言ではないだけに、
介護保険制度が地方分権への影響や効果が薄かったと評価した自治体もあると言われております。 しかし、
少子高齢社会となる21世紀は、政治や行政にとどまらず、社会生活のあらゆる領域で
自治システムを確立した新たな適応が求められますし、介護保険における
自治システムの意識の差が、今後の都市経営にも大きく影響を及ぼすと言っても過言ではありません。そして2003年には、すべての自治体が
地域福祉計画を定めなければなりません。この地域福祉と呼ばれる新しい
社会福祉サービスの考え方は、高齢者、障害者、児童福祉という領域別に、
老人保健福祉計画、
介護保険事業計画、
障害者プラン、
エンゼルプランという形で策定されていた計画を、利用者本人とその家族の地域における自立生活を支援するための福祉の総合化計画と言われておりますが、これまでの
各種事業計画のように、国が先導して目標値を示さないことから、
介護保険制度での地方分権の力量が端的にあらわれるとも言われております。 そして、これまで社会福祉に関連する計画の目標は、
施設サービスの整備や利用量に重点が置かれたと言われておりますが、この計画は介護保険と同様、
サービス利用者の満足度、生活の変化、費用対効果など一連の評価と進行管理のあり方、そして行政手法も問われる制度でもあります。今後、介護保険で試されている地方分権の力量を、医療、保健だけでなく、労働、住宅、教育、交通、生涯学習などの
行政施策全般に発揮させることができるかどうかが問われていると思います。 本市の21
世紀まちづくりが、山出市長のもと、創造性と独自性を高め、介護保険で培われた地方分権の
自治システムと市民のイニシアチブを、今後の各行政分野における施策展開の取り組みにどう生かされるのか、山出市長の首長としてのリーダーシップがさらに試されていると思いますが、
介護保険制度における地方分権の評価とあわせお伺いし、質問を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(川紘一君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 16番玉野議員にお答えいたします。
介護保険制度に絞ってお尋ねでございました。日本の社会で初めて導入をしてきた仕組みであります。私自身ここにきて思いますことは、もしこの仕組みがスタートしていなかったらどうだろうかなということを反問することがございます。そういうことを考えますと、1年間とりあえずは順調と言うべきではなかろうかなという思いを率直に抱いています。あのスタート時の状況を振り返るわけでありますが、介護保険の
仕組みそのものは、走りながら考えて、そして育てていく仕組みだと言われたわけであります。今に至りまして、いろいろ問題点が提起されてくるわけでありまして、一つ一つに丁寧に対応していかなければいけないと思っています。具体的な問題点を指摘でございましたので、それにお答えをしてまいりたいと思います。
施設依存志向がふえてきておる、そういう状況の中で、
在宅サービスを充実させるように考えていくべきだ。ごもっともだというふうに思っています。できる限り住みなれた住まいで自立した生活ができるように支援をいたしますために、市独自でも訪問入浴、あるいは
福祉用具貸与の利用料の軽減、こういうことをいたしてまいりましたし、住宅改修の助成でありますとか、
通所サービスの時間延長、
家庭復帰支援サービス等を実施している次第でございます。今後とも、必要なサービスを十分利用いたしまして在宅で生活が続けられるように、
在宅サービスにおける要介護度ごとの支給限度額の引き上げ、あるいは住宅改修費の増額、あるいは福祉用具の
支給対象範囲の拡大、いろいろあります。こうした制度の改善に向けて、市長会等を通じて国に要請をしてまいりたいと思っています。 施設志向の現状認識、それから待機者の実態把握の上で、当面の対策をどう考えるかというお尋ねでありました。確かに、施設への志向というのは高まっているように私も感じておりまして、その理由は、在宅介護よりも割安感がある。要介護度1以上なら申し込みが自由になった。この点は、措置のころとは違っています。
保険制度導入によって、権利意識が高まってきた、これも確かにあるというふうに思っていまして、こんなことが要因であろうというふうに認識をしています。 待機者につきましては、本年度中に
特別養護老人ホームの待機者全員を対象にいたしまして、要介護度、介護状況等について面接調査をいたしまして、改めて実態を把握したいと思っています。今後は、施設の整備に努めてまいりますとともに、
在宅介護サービスを初め、
配食サービスの利用、
地域ボランティアによる声かけ、見守り活動等によりまして、高齢者の在宅生活を支援していきたいと思っています。 次に、
介護保険病床数を確保するための制度の整備、また施策の検討はどうかというお尋ねでありました。金沢市の
介護療養型医療施設の病床数は、現在28の施設、ベッド数で 977でございます。これは
介護保険事業計画の目標数値の88%に当たるということでございまして、全国水準が61%でありますので、比べますれば、高い状況にあるというふうに言えると思っています。しかし、利用者の増加も見込まれてくるわけでありますから、
医師会等関係団体との連携を図って、ことし実施する実態調査の結果を踏まえて、
利用者ニーズに応じた病床数の確保に努めてまいりたい、このように思っています。 次に、医療保険と介護保険の連携の必要性を言われました。療養病床の位置づけにつきましては、医療保険と介護保険では報酬が異なるということがあります一方で、その区分が必ずしも明確でありません。そんなことから、
介護療養病床への転換が進んでいないという面があろうかと思っています。これからは、来年予定されている診療報酬の改定、
次期介護報酬の見直しにあわせまして、それぞれの機能と役割が明確にされることが望まれると、こう言いたいと思っています。国の積極的な対処方を求めていきたい、このように思っておる次第でございます。 施設整備の方向性をお問いになりました。施設の整備は、身体の状況、家族の状況、リハビリの必要性、痴呆の度合い等によりまして、それぞれ生活の支援や介護に適した施設へ入所、入居ができるように、必要数を確保していくことが重要というふうに考えています。金沢市における施設整備の方向性といたしますれば、今後実施する実態調査の結果をもとに、
介護保険事業計画等の見直しの中で検討してまいりたい、このように思っています。 次に、利用者の権利擁護のことについてお触れでございまして、担当者会議の開催が少ないのではないか、
ケアマネジャーとして機能していないのではないかという御意見でございました。
ケアマネジャーにつきましては、制度スタートから1年半が経過をいたしまして、ここにきて業務にもなれ、おおむね安定をしてきておりまして、担当者会議も、困難事例を中心にいろいろ研究がなされているというふうに思っています。市といたしましても、居宅介護支援事業者部会、また地域ごとに開催されますケアプラン指導事業の中で、支援をし指導をしておるところでございますが、今後とも
ケアマネジャーの資質向上に努めてまいりたいと思っています。ともあれ、介護保険のキーポイントは、
ケアマネジャーにあるというふうに思っておりますので、この面の配慮を重視していく所存でございます。 次に、居宅介護支援事業者への日常的なチェック体制が必要ではなかろうかという御指摘でありました。既に、認定調査における保健婦の派遣、それから苦情等の専門部会の設置、介護相談員による施設への訪問等々によりまして、事業者のチェック、あるいは利用者の権利擁護を行っておるわけでありますが、これからも介護報酬の請求に係るレセプト等の点検、また事業者に対する研修事業、こういうことを通じて期待にこたえてまいりたいと、このように思っています。 次に、
介護タクシーのことについての市の見解をお尋ねになりました。訪問
介護サービスは、自宅を訪問し、入浴、排せつ等の身体の介護や、調理、洗濯、掃除等の家事援助を総合的に提供する事業でございます。そういたしますと、タクシーで
移送サービスのみを提供する
介護タクシーは、訪問介護事業者としては認めるべきではないのではないか、そういう立場をとりたいというふうに思っています。 次に、各種事業との整合性をとるようにという御指摘でございました。そのとおりでありまして、サービスの種類によりまして、低所得者に対する利用料の軽減制度が違っている、あるいは障害者の場合は障害者施策と介護保険の適用が大変複雑になっている、現物給付方式と償還払い方式の2つの仕組みが混合されている等々の課題があることは事実であります。これから利用しやすい制度にするためにも、計画の見直しに際しましては、福祉、医療、保健事業との整合性を図ることにいたしまして、本市で対応できるものについては改善する、また制度にかかわるものについては国に要望してまいりたい、このように思う次第でございます。 次に、
介護保険制度における地方分権の評価、また市全体の施策へのこれからの展開、こういうことについてお尋ねになりました。私は、介護保険は社会保障制度の一つである。制度の根幹にかかわることにつきましては、基本的には全国統一の基準で実施すべきだと思っていまして、ここのところはしっかりと踏まえることがまずというふうに思っています。介護保険以外の事業については、各自治体独自の判断で実施すべきだというふうに思っておりまして、本市では生活支援型の福祉サービスや保健事業等を総合的に展開しているところでございます。この上とも、政策形成能力を一層高めまして、市政の抱える課題の解決、将来を見据えた施策の展開に努めてまいりたい、そう思っています。 分権のあり方もお尋ねになりました。私は、制度そのものの根幹に関する部分については、地方の判断は恣意にわたってはいけない、そう思っています。そこには、各自治体それぞれに良識があってしかるべきというのが、私の考えでございまして、恣意と言われない部分については、これは積極的に自主、自立の方途を探るべき、そう思っておる次第でございます。
○議長(川紘一君) 1番松村理治君。 〔1番松村理治君登壇〕(拍手)
◆1番(松村理治君) 例年にない猛暑続きであった夏が過ぎ、いつしかさわやかな秋を迎え、今待ち望んでいた「夢みどりいしかわ2001」が、整備なった金沢城址公園を中心に開幕いたしました。65日間、都心の楽園として多くの人出でにぎわい、盛況であることを願ってやまないものであります。緑こそ、21世紀の人類の生存と繁栄のために不可欠とし、保全、発展させなければなりません。緑化事業の対策の取り組みには万全の力を注がれるよう期待いたしたいと思います。 さて、平成13年第3回市議会に当たり、当面する市政に関する問題等を中心に一般質問をいたすものであります。 質問の第1点は、本市の明年度予算編成についてであります。 国の改革、削減の厳しい方針のもと、失業率5%に象徴される不況、雇用不安は、市民生活にもろに影響する現況にあって、平成14年度予算編成は、かつて経験したことのない厳しいことを、提案理由説明からもうかがい知るところであります。率直なところ、現状把握と決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。具体的には、財源確保の努力と市税収入の見通しをお尋ねいたします。また、国の公共事業費の削減による市大型建設事業などの影響にはいかに対応されるのか、さらに起債依存からの脱却の方針も伺えればと思います。 質問の第2点は、国の特殊法人の見直し等に関連して、本市の部外団体に関してであります。 外郭団体と呼ばれる部外団体は、市と連携を保ち、その活動や事業を助けるものであり、地方公共団体から出資または出捐を受け補助金を交付されるなど、財政的援助を与えられています。団体の役員や職員には、関連自治体の公務員の出向、あるいは退職公務員が就任するなど、人事面で市と交流することが多いのであります。行政が直接行うよりも、事業が能率的かつ効果的に運営されたり期待される場合、あるいは民間の活力や資金を導入することが望ましい場合などに設立、行政活動の代行など補完的事業能力を果たすものであり、理解をいたすものであります。 さて、本市にあっては、法に基づく金沢市土地開発公社を除き、財団、社団が約20近くもあります。これらは市が主体になっているもののほか、県市一体のものもあり、もちろん任意の協会のようなものも数多くあります。現下の厳しい国の財政事情で、特殊法人の見直しは当然でありましょうし、同じく本市の部外団体にあっても、必要性の乏しくなっているものや、適切な運営がなされなければならないものも少なくないように思われます。そのあり方に対する根強い批判は全国的なものであるようです。 そこで、法人の役職員の配置や、特に退職後の多くの職員を受け入れている施設など、問題なしといたしません。市民が部外団体を利用する場合は、市の組織と同様にとらえ、かつて管理職にあっても、今も同様に振る舞われることのないよう申し上げておきます。部外団体にはさわやかな窓口などを設け、気持ちのよい対応に努めているところも申し述べ、市長の部外団体に対する考えのほどをお伺いいたしておきます。 質問の第3点は、出張所の廃止及びサービスステーション並びに消防署の再編整備についてであります。 市の行政改革で、明年4月から湯涌、内川の両出張所は廃止されることになり、もう既に地元の理解、協力を得て万全であるかを伺うとともに、他の出張所にも課題等が整理されているのかどうか。さらに、サービスステーションは市の施設などに設けられ、身近に市民の各種届け出に利用されています。前述の廃止に伴うことや、平成15年に完成する駅西県庁舎によって、新たなサービスステーションの必要性はどう考えているのか。これら全体の見直しを視野に入れての見解をお聞かせいただければと存じます。 〔議長退席、副議長着席〕 また、市消防本部が当初計画に反して、泉本町地内の北日本紡績跡地に平成16年度移転新築することで、現広坂消防署もその地に移ることになるが、当然、消防署内の防火所管区域などの見直しが必要となってくると考えられます。さらに、県庁舎が建ち、周辺に大型店舗やビルが林立するようになると、現駅西消防署と金石消防署の移転等が近い将来検討されることには、いかが思われるかも伺っておきます。 この際、県庁舎完成にあわせ、市の関連施設につき、いかなるものを配備されるのか、考えの一端をお聞かせ願えればと思うものであります。ともあれ、新都心の核となる当地区を含め、駅西地区全体の具体的都市づくりを早急に進めるよう、あわせてお願いをいたしておきます。 質問の第4点は、国際友好交流についてであります。 去る8月3日から6日まで、我が会派の新生ひびき議員会は、山田団長のもと、台湾の台中県にある豊原市を訪問、市を挙げて非常に熱い歓迎、歓待を受け、友好のきずなを深めてまいりました。豊原市は、本市と似た都市として共通する点が幾つもあり、また台中県の元知事である、実力者、寥了以氏の祖母が本市出身であったことは、不思議な奇縁を感ずるものでありました。当市は、金沢との強固な交流を希求していることを、皆実感をいたしてまいりました。我が国と台湾との間には、まだ正式に国交樹立に至っていないものの、本市にとっては、市民外交の立場に立って、多年市民間の交流を進めてきており、豊原市との友好交流には何らこだわることのないものであります。 石川県にあっては、近隣国の地域間交流を進め、ロシア・イルクーツク州、中国・江蘇省、韓国・全羅北道との相互交流を発展させ、地方自治体が国の外交を積極的に補完する考えであります。 本市が6カ国6姉妹都市と提携し、それぞれに結びつきの30数年の歴史は承知するものでありますが、21世紀は世界各国からの人々を受け入れ、留学生や研修生などに支援することで、本市が世界都市として本当に「いいね金沢」と評価を受けるものであります。それでこそ、このキャッチフレーズが生きるというものであります。 かかる意味合いからも、我々議員会は、豊原市との経済交流を初め、スポーツ、文化、社会奉仕などを促進する協会発足を働きかけてまいるものであります。この4月、国際課が誕生して、本市もさらにインターナショナルにならねばと考えるものであります。市長は10月から、姉妹都市を初め、各都市を訪問視察なさるとの予定をお聞きいたしていますが、この際、これら姉妹都市以外とも友好を深める何らかの結びつき、すなわち姉妹都市に準じた友好関係を築いたらいかがかと伺っておきます。 県は既に隣国を地域間交流ととらえ、それを21世紀の時代の流れとしていることにかんがみ、本市としてもこの協会発足に向けて力強い支援を願うものであります。市長の考え方をお聞かせいただければと思っております。 質問の最後として、今、「大河」と「生きる」の言葉についてお聞きいたしたいと思います。 昨日の福田議員の質問にもありましたが、申すまでもなく、前者は「大河の一滴」の大河で、本市ゆかりの五木寛之氏の原作を映画化し、注目の作品となっています。浅野川を初め、金沢の美しい風景が随所に拝見されると聞き、私も久方ぶりに映画鑑賞をいたしました。改めて金沢の魅力をスクリーンから見直す一方、名優三國連太郎のがんとの闘い、最期を迎える演技、死を前にして娘雪子との旅、そして語らいなどは感動的でありました。彼らを取り巻く個々の俳優も申し分なく、日本海の荒々しい光景、さらにはロシアの原野にも魅せられた名作でありました。つくづく人も、また大自然の大河の一滴であることを感じさせられたのであります。 後者は、明年から始まるNHK大河ドラマ「利家とまつ」の大河であって、この大河は歴史の流れとも言っていいでしょう。目下、着々とロケが進行中、明春の日曜の夜が待ち遠しい気持ちでいっぱいであります。 偶然にも新世紀の今、この2つの大河がつく作品が登場し、金沢が舞台となったことは実にうれしいことであって、共通して根底に流れるのは、今失われようとしている家族関係、夫婦愛、生き方、そして死生観など、時代を超えて大切にすることを訴えようとしているのではないでしょうか。 前者を見て後者を見ることになれば、いやが上に金沢を訪れる人たちがふえることは疑いないでありましょう。市長の率直な思いをお聞かせいただければと思います。 一方、鶴羽伸子さんの手記「生きる」が、地元北國新聞に連載、本人ががんと日々懸命に闘い、それを自然に受け入れ、病いと共生していく毎日の様子には、多くの読者の胸を打つものがあります。「大河の一滴」と同様、多くの方から感動と激励の記事が寄せられ、31回で連載は一応終わったが、その後の容態を心から案ずる一人であります。 くしくも本年は国際ボランティア年であり、近くこれを記念しての講演会も予定されているようです。かつて彼女が、本市の金沢ボランティア大学校の設立に尽力され、校長を務めるばかりでなく、各ボランティアコースの講座にみずから出席、受講生を激励、アドバイスされていたことを卒業生から聞くのであります。本校を卒業し、各方面でボランティア活動の輪が着実に広がってきたことは、彼女の熱心ですぐれた指導によるものと考えます。鶴羽さんこそは、金沢ボランティア大学校の生みの親と申しても過言ではないでしょう。 毎朝読む手記を通じ、末期医療など、考えさせられることが多いことを知らされました。また、家族にみとられ最期を迎えることの幸せを、我々一人一人が十分認識しておかなければならないものだと思っております。 そこで、医師であります津川教育委員長の鶴羽さんの手記に対してのお考えをお聞かせ願えればと思うものであります。 以上をもって、私の質問を終わります。(拍手)
○副議長(沢飯英樹君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 1番松村議員にお答えします。 まず、明年度予算の編成に関連をしまして、財源確保のこと、市税収入のこと、この2点をお尋ねになりました。国庫支出金を減らすと、地方交付税は見直すと、こういうことが言われておりまして、そういたしますと、地方における歳入の情勢は大変厳しいものになるというふうに思っています。そういうことから、事務事業を見直すと、整理、合理化を進めていく、また財源の確保に格段の努力を払っていく、こういうことには努力をしなきゃいけないと、改めて思っています。個人市民税と固定資産税は、今の段階では、すなわち本年度のことを申し上げておるんですが、当初見込みは確保できるだろうというふうには思っています。ただ、法人市民税につきましては、企業収益の状況が大変悪いということもありまして、この影響は今年度後半にあらわれてくるのではなかろうかというふうに思いまして、心配もいたしております。明年度の市税収入ということになりますと、御案内のとおりの経済状況、景況でありますので、個人所得の伸びは多くを望めないと。また、企業収益の動向が大変不透明ということがありまして、厳しいものになるというふうに思っておる次第でございます。 そんな中で、国の公共事業の削減によって、市の事業に影響が及ばないのかという御懸念でありました。確かに公共事業は10%削減するというのが、国の方針でございまして、また地方単独事業も10%削減するという方針が出されてございますので、そういう点で、公共事業に関する予算編成も大変厳しいものになるというふうに思っています。ですから、事業は計画的に執行していかなきゃいけないし、財源も重点的に配分をしていかなければいけない、そう思っています。事業の優先序列、こんなことにも配慮しなきゃならないはずだというふうに思っております。 起債依存から脱却するようにということでありました。仰せのことについては十分気をつけていかなきゃいけない、そう思っています。今日までは、起債の選別をいたしますとか、あるいは大きいプロジェクトをやろうとしますと、基金を積み立てると、そのことで起債をできるだけ抑えるというようなことをいたしまして、安易な起債依存は金沢市はとってきていないということを申し上げる次第でございます。ただ、積年の景気対策、これには市も呼応しなきゃならんということがございまして、結果として、市債の残高がふえているということは事実でございますので、そういう意味で、歳出の見直し、圧縮、そして起債への依存を抑制するというようなことを通じまして、市債の残高、この推移に関心を寄せていきたいと思っています。 次に、部外の団体に問題点があるのではなかろうかという御指摘でございました。部外団体につきましては、能率的な運営を少しでも図りたい、あるいはできるだけ質の高いサービスを確保したいというようなこともありまして、経験等を踏まえて、ふさわしい市のOB職員、あるいは学校を退職なさった先生、そういうような方々の御尽力をお願いしておるという部分もないわけではありません。ただ、市民の皆さんにとりますと、市役所も団体も外から見ると一緒なのでありまして、区別がないわけでありますので、そういう意味で、団体の方々も、やはり市の職員同様の姿勢で市民に対応しなきゃならんというのが、私は当たり前のことだというふうに思っています。さまざまな機会をとらまえまして、職員の資質向上、意識の改革、そして適切な指導に努めてまいりたいと思っています。 次に、出張所の廃止等のことについてお話がございました。湯涌、内川の出張所の廃止後の地元の協力体制はちゃんとしておるのかというお尋ねでありました。これにつきましては、懇話会の答申をいただきまして、昨年廃止の代替措置として自動交付機を設置するというようなことをいたしまして、地元の皆さんの理解と協力をいただきながら進めているところでございます。そのほかの支所、出張所、サービスステーションにつきましても、今度の再編整備の課題とは別にいたしまして、答申に基づいて取り扱い業務の均一的な拡大、名称の統一等について、目下作業を進めているところでございます。 駅西の県庁舎にサービスステーションの必要性はというお尋ねでありました。支所、出張所、サービスステーションの配置計画につきましては、この懇話会での答申を受けて進めているところでございます。駅西の県の庁舎のところに、新しいサービスステーションの設置は考えてございません。現在、駅の西側には、保健所に駅西市民サービスステーションが設置されてございまして、14年度からは戸籍、住民異動届等の業務をここで拡大して、そして対応していきたいと思っています。 消防本部の体制についてお尋ねになりました。駅西、金石の消防署の移転等が検討されていいのではないかという御指摘でございました。確かに、広坂消防署は移転するわけでありますが、この移転先は、現在の広坂消防署の管内でございます。したがいまして、管轄区域の見直しは考えておりません。しかし、各署所の配置の車両につきましては、見直しは必要というふうに考えております。県庁移転等による駅西消防署と金石消防署の移転につきましては、現在のところ考えてはおりません。 次に、県庁舎完成にあわせて、どんな市の関連施設を配備されるのかと、駅西全体の具体的なまちづくりを急ぐようにというお話でございました。駅の西側につきましては、今日まで、消防署、企業局、あるいは保健所、福祉保健センター、姉妹都市公園、いろいろ市としての施設整備をしてきておるわけでありまして、これからの駅西の開発状況、整備の状況に応じて考えていくべきだと思っています。そのことよりも、私自身はやはり駅西地域のまちづくりということについて、大きい関心を寄せておりまして、まずは外環状道路の海側幹線でございます。鞍月-安原間は、14年の春、暫定2車線での供用開始、また国の方で進めてくださっています国道8号の西念交差点、この立体化、これは14年度に海側が供用されるということでございまして、引き続きこうした事業に力を尽くしていきたいと思っています。駅西地域全体は、金沢市の新しい都心として、新県庁舎、国の合同庁舎等、広域にわたる行政機能、広域にわたる交通機能、また物流の拠点機能のほかに、都心軸線での商業、業務機能が集積をするところでございまして、近代的なまちづくりを進めていく、このことに力を尽くしたいと思っておる次第でございます。 次に、国際交流のことについてお話でございまして、台湾・豊原市との友好関係のことについてお触れでございました。既に6つの都市と姉妹都市提携を結んでおりまして、新しい提携は今のところ考えておりません。ただ、世界の多くの都市との交流は大切でございまして、御指摘の市も含めて、今後いろいろな分野での友好交流は進めていきたいというふうに思っています。また、御指摘の市との間の協会が設立されるということでございまして、意義のあることというふうに思っています。協会に対しての国際交流財団からの支援はしてまいりたいと思っております。 次に、2つの大河のことについてお触れでございました。「大河の一滴」、また大河ドラマ、どの作品も、今私たちに一番問われている家族愛、あるいは夫婦のきずな、そういうものをテーマにいたしまして、人生のありようを探る内容でございます。本当にこうしたものが放映されることはありがたいことでございますし、そのバックグラウンドが金沢の歴史風土であるということも大変ありがたいことだと思っております。 こうしたものの放映を機会にいたしまして、日本の多くの方々がこの地に御関心をお寄せいただくということになると思っていますし、そういたしますと、私どもはこのまちに触れていただく機会がふえるように、そのための環境の整備を整える、条件を整える、これが当面我々に与えられた課題であろうというふうに思っていまして、ハード、ソフト両面にわたる施策展開をしていくつもりでございます。
○副議長(沢飯英樹君) 津川教育委員長。 〔教育委員長津川龍三君登壇〕
◎教育委員長(津川龍三君) 松村議員の鶴羽さんの手記につきどう思うかについて、お答えをいたします。 自分自身は平成9年に子宮がんの手術、しばらくして御主人が別の病気で御入院という、そういうパニックの中、がんの転移、鎮痛用モルヒネによる合併症との闘い、その中にあって、自分にも訪れるであろう死について、自分なりのあり方を考え、それを実行しておられる気力に敬服いたしております。この点、「大河の一滴」の三國連太郎さんの演技、それから、あの場合は肝がんでございましたけれども、それとよく似ていることかと思っております。 鶴羽さんは、お子様たちから「ママには記録を書き残す義務がある」と言われ、これを実行されていることや、また「楽しいことをやるように」と言われ、好きな音楽を聞いたり弾いたりしておられる、またそれを支えている人たちがおられることについても感動いたしております。 鶴羽さんは、生き方と死に方を選択する時代が21世紀で、これが20世紀との違いだろうと言っておられます。同感であります。生き方、死に方、そのことについて自分がどういうふうに選ぶかということについては、今世紀、我々自身が、いろいろと話を聞いてドクターからのインフォームド・コンセントを聞いて、そして自分が手術をしたくないと、あるいはしたいと、そういうことを言う、そういう時代、それが20世紀と21世紀の大きな違いになってくるだろうということを彼女は再三強調しているわけでございます。 現在日本で、多くの医師、看護婦の間に終末医療への関心が高まって、20年以上ぐらい前から研究会も行われております。早晩普及してくる、また現在普及しつつあります。現在の状況は、モルヒネ製剤、MSコンチンを中心とした末期がんの疼痛対策がございますが、それがほぼ全国水準にありまして、我が金沢地方ももちろん全国水準にございます。 なお、最近の核家族化に伴い、死に遭遇する機会が子供たちに少なくなっていると思います。小中学生のある時期に、人間の死ということについて考える機会を持つことが必要かと思っております。 以上でございます。 〔「議長、20番、関連質問」と呼ぶ者あり〕
○副議長(沢飯英樹君) 20番苗代明彦君。
◆20番(苗代明彦君) 松村議員の国際友好交流についてのお尋ねについて、少し関連で質問させていただきたいと思います。 内容は、松村議員が言ったような現状でございまして、私どもも参加者の一人として大変感動を受けて帰ってきたわけであります。幸い先輩諸氏が、過去これまでの姉妹都市、友好都市と言われる締結時にもお邪魔をしたそうですけれども、これだけの歓迎ぶりはなかったと感想を漏らすほど、大変な歓迎を受けて帰ってきたわけであります。 それで、先ほど市長は、スポーツ、文化、社会奉仕のための協会を設立したいという考えに対して、意義のあることと、あるいはまた国際交流財団として支援をしていくという、大変ありがたい御返答をいただきました。このことについては率直に喜びたいと思っております。 私が申し上げたいことは、今現在、金沢市が姉妹都市、それから友好都市として結んでいるのが6つございます。これらの都市との締結時に、私は議員をしておりませんけれども、現在の交流の進捗というのか、状況、これらは見ることができます。世紀も変わり21世紀になった、こういう時代に、世界都市を標榜する金沢市にあって、この姉妹都市とか友好都市とかという概念を変えることも必要ではないかということを実は申し上げたいわけであります。 特に台湾は、金沢市を訪れる外国観光客約 6,000人という規模だというぐあいに聞いておりますが、これがトップだというような報告も以前あったようでございます。 そういうことのみならず、姉妹都市を締結したから、例えばこれこれこうしなければいかん、ああしなければいかんという枠組みにこだわるべきじゃなくて、もっと広い意味で、市民レベルの交流を図る、あるいはフランクな意味で、そういうことを広義に認めていく、そういう考えも私は逆に必要ではないかなというように思うんです。温かく、行政として、民間のそういう交流を認め、先ほど言ったように、幸い金沢市との関係のあるところでありまして、非常に密接な関係のあるところである理由もあるわけでありますから、ぜひそういう観点でもって、ひとつ支援をしていただきたい、そういうことについて、市長の御意見を再度お伺いさせていただきたいと思います。
○副議長(沢飯英樹君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 姉妹都市は6つございますが、それぞれ歴史的な経緯が、そして共有するものがある。とりわけ今の6つの姉妹都市との間には、学術、文化、歴史、そういう点での共有性は強いというふうに思っていまして、交流を通じて双方に裨益する点は多々あるということから、今日まで長い友好関係が続いているんだろうというふうに思っています。 集約をした交流の成果というものを上げていくべきだというふうに思いますし、交流にかかわる人の底辺は広くあってほしい、それは私も賛同をいたします。 しかし、そのことが姉妹都市ということをなくして、そしてよその都市と同じレベルで、水準で、程度でおつき合いをするということとは、私はイコールであってはならないと、むしろ焦点を絞って、そしてそのことで双方に役立つ、そういうことを求めていくべきだと思っているわけであります。深い御理解をいただきたい。
○副議長(沢飯英樹君) 10番大桑進君。 〔10番大桑 進君登壇〕(拍手)
◆10番(大桑進君) 私は、日本共産党市議員団の一員として、市長並びに関係者に質問いたします。 初めに、ビル火災と防火についてであります。 新宿歌舞伎町の雑居ビル火災は、犠牲者44名を出す大変悲惨なものでした。本市においても、16年前の1985年2月7日の深夜に、繁華街である片町の雑居ビル5階のパブ「ニューモンブラン」でモニターテレビから出火した火災がありました。出火当時、5階の店内には、従業員、客合わせて25名いましたが、火災による犠牲者は出なかったとのことです。煙の噴出がすさまじく、ようやく階段を駆け上がった消防士も、煙のために火元の確認ができない状況であった。窓を破って消火に当たったが、窓際に並んだボトルの収納棚が消火活動の妨げになったと。万が一に備えて、通りに面した窓側をあけておくことが、放水だけでなく、排煙のためにも大切だ。また、階段の幅は1メートル余りと狭く、1人ずつ逃げるのがやっとで、その上に煙の回りが早く避難が大変だった。このように当時の新聞はビル火災の恐ろしさを報道しております。 さて、本市では、歌舞伎町ビル火災を受けて、階段が1カ所しかないビルで、4階以上ある雑居ビル35棟を対象に査察が実施されました。その報告と、昨日の本会議答弁を聞いて驚いたのは、9割が消防法に違反し、避難器具の上に物が置かれ使えない状態であるとか、防火戸が閉まらない、避難経路に物が置かれているなど、歌舞伎町での火災事件の状態と同じような実態が本市でもあるということであります。避難訓練の実施を行っていないなど、ビル管理者の責任は重大ですが、このような状態がこれまで放置されてきたことに対する行政の責任も重大だと思います。こうした現状をどのように受けとめ改善されるのか、市長並びに消防長に見解を伺うものです。 不況のもとで、性風俗店で利益を上げようとする傾向がふえつつあります。性風俗店では、風俗営業法に基づく届け出が必要ですが、飲食店として営業許可をとって風俗営業をする、また全くの無許可で営業している例なども見受けられるとのことです。こうした風俗営業店は、短期間でテナントの出入りも頻繁にあり、定期査察では点検、指導は困難であります。また、こうした店舗は、店内が見えないように窓をふさぐなど、消防法違反の温床にもなりがちで、それは歌舞伎町の雑居ビル火災の教訓からしても言えることです。消防長に、今後の風俗営業に対しての対策について伺うものです。 ビルの建設がふえる傾向にありますが、火災が起きると大惨事になる危険性があります。それだけに、特別査察や定期査察業務は、大惨事を未然に防ぐ重要な役割を担うものであります。そこで、過去10年の予防担当の人員数と第一種防火対象件数の推移を調べてみました。平成3年は、対象物件数が 4,216件に対して、人員配置は24名でありましたが、10年後の平成12年では対象物件数が 1,150ふえて 5,357件でした。それに対して、人員配置は逆に8名の減、16名となっております。対象物件が27%もふえているのにもかかわらず、人員配置は逆に33.3%も削減されております。 市長、査察対象のビルがふえ続けているこのときに、予防担当者を大幅に減らして、ビル火災の大惨事から市民の命と安全を守る監視体制は万全だと断言できますか。昨日の本会議の答弁では、雑居ビルに対して毎年定期査察するとのことでしたが、査察体制はどうなのか、歌舞伎町のビル火災を教訓に、予防担当の人員を査察に必要な人員配置に見直すべきであると思いますが、市長並びに消防長の見解を伺うものです。 次に、商業環境形成指針とまちづくりについてであります。 本市においては、大型店の出店に対して、まちづくり3法による商業集積の適正化に関する商業環境指針案が検討委員会より示されました。そのことに対して、本市議会での議論はもちろん、商店街連盟や関係団体からの要望書が5件、市民からのはがきなどによる意見書が 304通と、賛成、反対、修正、見直しなど、貴重な意見が寄せられております。寄せられた意見を見ると、郊外の大型店が中心市街地の空洞化を招き、生活弱者が被害を受けているとして、規制を望むもの、安心して住み続けられるまちづくりなど、指針案に対して、大型店の規制とまちづくりを望む意見と期待が寄せられております。また、区画整理組合からは反対意見が出されておりますが、バブル経済の破綻や今日の経済不況のもとで、区画整理事業が困難に直面し、その解決のために大型店などの誘致をこれまで以上に積極的に進めてきました。よって、この指針が大型店の出店への新たな規制となり、大型店が誘致できなくなるというのが、この指針に反対する背景となっております。 しかし、大型店を誘致して区画整理事業を進めることそれ自体が、新たな矛盾と破綻を引き起こしていきます。大型店同士の激しい競争を引き起こすとともに、野々市ジャスコは撤退し、サティの本社であるマイカルの事実上の経営破綻によって大型店の存続がどうなるかなど、深刻な事態を迎えております。 本市のまちづくりの上からも、中心部での商店街の衰退、人口の減少などが続き、大型店を誘致して進める区画整理事業は見直しが求められております。 こうした区画整理事業を積極的に進めてきた本市の責任も重大であり、この問題を解決せず、単に区画整理事業関係の意見をもって、今回の指針案を修正するのは、余りにも軽率ではありませんか。しかも、この指針が、売り場面積1万平方メートルや2万平方メートルの大型店出店を積極的に誘導することにつながりかねません。これではこの指針の精神が死んでしまいます。 こうした意見から、検討委員会の検討結果に変化をもたらした報告が出されたものと言えます。検討委員会は、報告の中で、駅西地区の都市計画マスタープランを挙げて、「新都心を形成する業務を中心とした高次都市機能の集積を図る」と位置づけ、商業以外の業務、行政などの機能集積を重点とし、店舗面積の上限1万平方メートルを原則堅持しました。しかし、条件つきとはいえ、2倍の2万平方メートルを容認することは、土地区画整理組合のゾーン規制反対に譲歩、指針の基本を大きく後退させたもので、重大であります。こうした検討委員会の報告について、市長の見解を求めるものであります。 今回の駅西地域における店舗面積の上限を、1万平方メートルから2万平方メートルに修正したのは、東京インテリア家具への救済策ではありませんか。東京インテリア家具は、旧法の大店法のもとで駆け込み申請を行い、商業調整によって、当初計画の売り場面積約1万 5,000平方メートルから 9,000平方メートルに削減されました。ところが、東京インテリア家具は、建物は売り場面積約1万 5,000平方メートルに対応するものを建設し、3階を使わず1、2階だけをオープンしました。したがって、当初の案では、店舗面積の上限は1万平方メートルですから、3階がオープンできないこととなりました。結果として、今回の修正はこの3階をオープンできる救済策となったわけであります。このことに対して、金沢市家具小売商業協同組合は、深刻な不況の中で、既に廃業や転業が出ています。東京インテリアの増床は大打撃であり死活問題として、指針案の修正に怒りを募らせております。 今回の指針が新たなまちづくりへの指針だと言いながら、東京インテリア家具の横暴で、ルール破りまでして強行した店舗建設を救済するなど、到底市民の理解を得られるものではありません。市民は、商業環境指針による大型店の規制で、中心市街地の活性化と、安心して住み続けられるまちづくりに大きな期待を寄せております。市民の願いに市長はどのようにこたえていくのか、市長の見解を伺うものです。 次に、保育士の労働条件の改善についてです。 本市の「子育てビジョン金沢21」を前にしての子育て支援サービス等の利用状況・意向調査報告書に寄せられたアンケートの一例ですが、一時保育は、急用などのあるお母さんには大変便利だと思いますが、先日、うちの子のいるクラスで、一時保育の子が一日一緒に過ごしました。しかし、一時保育の子を見るために別に先生がいるわけでもなく、12人に2人の先生だったところへ13人の子供となりました。迎えに行ったときに、一時保育の子に振り回されて、クラスも落ち着かないという様子を目の前に見て、こんなのでいいのかなと矛盾を感じたと言われております。そのほか、一時保育に対する意見は、保育所の都合で断られたなど、多く寄せられております。 一時保育を利用される方は、ほとんどが未満児で、すぐに保育所になじむのが無理であり、どうしても1人がかかり切りになります。市は、フリーの方が保育に入ることになっていると言われますが、子供の保育のローテーションや振りかえ休日などもあり、手が回らない実態となっております。また、アンケートの中で、保育士からの意見として、保母の人数が少ないのに子供がとても多い、目が届かないので、園児が外へ出ていっても気づかず、近所の人の通報で捜しにいくこともある。また、お母さんからも、通わせるのが心配だとの声も聞かれたなど、保育士の増員を望む意見が多く寄せられております。一時保育、土曜・日曜保育、延長保育など、保育に対するニーズの多様化の中、現場で働く保育士の勤務時間や休日が不規則となり、職員間での打ち合わせの時間がとれないなど、その分保育士の方々は、忙しさの余りに子供への気持ちに余裕がなくなっています。 市長、このように今保育現場では、保育サービスの多様化の中で、現場で働く保育士の労働条件は劣悪なものとなっております。とりわけ改善が急がれるものとして、1つには、 112保育所中99保育所で実施されている一時保育に対して人員配置を早急に行うことです。2つ目には、保育のニーズの対応に見合った補助金に引き上げることです。3つ目には、1歳児の保育士配置基準の引き上げについてであります。本市では、国に先駆けて5人に1人の保育士を配置していますが、1歳児は活動も活発になり、目の離せない年齢期です。また、心の発達など、人とのかかわりがとても大切な成長期でもあります。事故が起きないように注意しているだけでも大変です。保育士の配置基準を4人に1人に引き上げることが必要であります。 家に閉じこもっての子育てや幼児虐待など、子育てに悩む家庭がふえているだけに、多様な保育も必要になってきています。保育を充実させていくためにも、保育士の労働条件の改善は、差し迫った重要な課題であります。市長の誠意ある見解を伺います。 最後に、牛乳など食品安全衛生について伺います。 「またか、どうなっとるんや」と、13日の夜帰宅してテレビニュースを見た市民から声が上がりました。昼の学校給食に出されたホリ乳業の給食用「河北潟牛乳」 200㏄紙パック入りを飲んだ児童・生徒が体の不調を訴えた。事件の規模は、ホリ乳業が供給している市内21校のうち、小学校12校、中学校3校の15校で発生。教育委員会の調査によりますと、体に異常を訴えた児童・生徒は 220名、そのうち医療機関に受診した児童・生徒は29名と報告されております。腹痛やのどの痛み、異臭が主なもので、症状は軽く入院までに至らなかったとしていますが、教育委員会が事件後 8,500人の児童・生徒を対象に、影響や混乱の程度を調査した結果を見ますと、18校で206人が牛乳を飲まなかった。また、飲んだ生徒の中でも不安を訴える児童・生徒が、12校で 114名、飲まなかった児童・生徒を合わせて 320名が、牛乳に対して不信を抱いたことになります。 昨年からの雪印乳業、北陸、高木乳業に続くホリ乳業と、相次ぐ学校給食の牛乳事件が、児童・生徒の心に深い傷を負わせたことは実に残念なことであります。私は、6月の本議会でも高木乳業の事件を取り上げて、再発防止策を求めました。市長は、再発防止に全力を尽くすことを表明されました。そしてマニュアルに基づいて作業をしているとの答弁でした。しかし、ホリ乳業の対策、対応を見ると、幾つかの問題点が出てきます。 第1点目は、今回の問題に対する本市の対応であります。問題が発生したのは当日昼12時55分ごろ、小学校から問題の発生について教育委員会に連絡が入り、午後1時25分ごろ、教育委員会から保健所に連絡が入っています。その後、保健所は警察にも連絡せず、記者発表を通じて今回の問題を市民に知らせたのは午後8時です。問題が発生しているのは事実ですから、事態の把握と対応を機敏に行うことです。市当局に、判断とその対応に甘さがあったのではありませんか。 第2点目は、マニュアルについてであります。ホリ乳業に対して、高木乳業事件以降、計7回監視、指導に入っていると言われております。そのうちの5回までがマニュアル作成の指導が主な内容となっています。これだけ監視、指導に当たりながら、事件が起きてみると、出荷前に行う風味検査一つとってみても、どういう手順でするのか明確になっていないことが明らかになりました。日常の作業に生かされるマニュアル作成の指導がなされていたのか、疑問が残るのであります。 市長は、再発防止に努力すると言われますが、現状では食品安全監視チェック体制の強化は事実上取り組めないほど問題が多いということなのでしょうか。市長の見解を求めるものであります。 また、我が党はこれまでにも、市民が安全な食品を安心して口にできるように監視を強化して、食中毒などを未然に防止する監視員の増員を求めてきましたが、牛乳事件に見られるように、原因の特定が困難な事件もふえております。改めて監視員をさらに増員し、監視体制の強化を求めるものであります。市長の明確な見解を伺いまして、私の質問を終わります。(拍手)
○副議長(沢飯英樹君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 10番大桑議員にお答えします。 まず、ビル火災の件でございますが、査察の結果、違反また不備の件数が多い。極めて残念でございまして、査察のあり方を充足してまいりながら、査察そのものをさらに強化していきたい、このように思っています。詳細につきましては、消防長から御返事を申し上げたいと思います。なお、本部に消防職員が減員されているというお話がございました。本部にございました予防の職員を各署に配置したということはありますけれども、職員の総数を減らしておるということはありません。お調べください。 次に、商業環境形成指針とまちづくりのことについてお触れでございました。東京インテリアを救済するのかというお話でございましたが、私どもはそういう特定の店舗を想定した上で仕事はしていません。ぜひ理解してください。 検討委員会では、駅西の50メートル道路沿いのスーパーロットの土地の状況、そして既に策定された地区計画等の高さ最低限、また土地の共同利用の方針、そしてまちづくりビジョンに沿って駅西の地域を、都心と広域商業分担補完すべき地域と位置づける、そういう基準のもとで、原則、店舗面積上限1万平米を据え置いた上で、一街区一体利用される場合に限って2万平米にされたものでございます。結果として、当該街区で一体利用される場合は、2万平米までの店舗立地は可能になるものでございますが、繰り返し言いますが、個別店舗救済のための変更ではございません。 郊外の大型店と過去の無制限な商業立地が、都心の空洞化、地域商業の衰退を招いて、まちづくりに深刻な影響を及ぼしておる、そういうことを踏まえました上で、全国的にも極めて事例の少ない措置をあえてやろうということでございまして、市域全体で、適切な商業の配置、誘導を進めるために、土地利用手法による新しいまちづくりのルールをつくったものというふうに理解をしてほしいと思います。 保育士の労働条件についてお触れでございまして、一時保育について専任職員を配置するようにということでございました。一時保育は、年齢別クラスでの受け入れを前提にして、補助金と保護者負担で実施しています。しかし、近年入所児童数の増加によりまして、課題も出てきておりますことから、これからのありようについて、保育関係者と協議中でございます。 次に、特別保育につきまして、保育士の配置ができるように必要な助成がされているのかというお尋ねでありました。もともと特別保育なるものは、民間保育所が利用者の声にこたえて、先進的にみずから取り組んできたところでございます。このことを踏まえて、市では特別保育に当たる保育士を配置できるように必要な助成を行ってきている、そう理解しています。 配置基準の見直しについてお触れでございました。未満児の入所が近年多くなっている。保育関係者からの要望もあることは事実でございますが、国が示す現行の基準は6対1であります。私は、もし見直しするのだとしたら、国が先行をまずすべきだと思っています。国の基準6対1を、金沢市はそれを上回って5対1にしておるわけですから、さらに4対1という議論は、国の議論を先行させた上だと思っていまして、市単独での引き上げを考えていません。 牛乳問題についてお触れでございました。ホリ乳業の事件等をどう感じているのかというお尋ねでございまして、事故の再発防止に向けて監視・指導を強化してきたところでございますが、教訓が生かされませんで、残念でございます。 緊急に製造ラインの安全の再確認、作業手順の再確認、風味検査回数の増加、出荷時のチェック体制の確立等、こうした再発防止計画をつくるようにということを指示したところでございまして、これからは成分規格検査の回数をふやす等、事故の再発防止に努めていきたいと思っています。 検査体制のことについてお触れでございました。本年度、食品衛生監視員を1名ふやしたところでございます。前回の事件を教訓に、食中毒の発生時に被害が甚大に及ぶ業種を重点的に監視してきたところでございますが、さらに監視・指導の強化に努めてまいりたいと思っています。 以上であります。
○副議長(沢飯英樹君) 開田消防長。 〔消防長開田隆人君登壇〕
◎消防長(開田隆人君) 訓練実施状況を踏まえた防火指導のあり方についてお尋ねでございました。夜間営業店におきましては、営業時間中に避難訓練を実施することは困難でございます。また、消火器による初期消火訓練を行うにも、ビル内に適当な広さの場所がないのが現状でございます。したがいまして、このような状況から、防火管理者及びテナントの経営者などに、昼間における避難訓練の実施を強く指導してまいりたいと思っております。また、消火訓練につきましては、近隣の緑地やミニ公園などを活用していただきまして、実施することを働きかけていきたい、このように思っております。 それから、飲食店ビル等の違法改造等がある、そういったことについての安全対策をどう進めるのかということでございましたが、今回の特別査察の結果、飲食店ビルなどにおきまして、一部に違法な改装などが認められました。改善について強く指導したところでございます。今後は、査察サイクルの短縮などを行いまして、ビルのオーナー等関係者を対象にした防火研修会を開催いたしますし、そういったことを通じて積極的に自主防火管理体制の確立を指導してまいりたいと思っております。 それから、査察執行体制が弱体化しているのではないかというお尋ねでございました。予防事務のOA化、あるいはこれに加えまして、警防要員を効果的に活用する、こういった事務の見直しや、本市独自に優良防火管理推進モデル事業制度を創設いたしまして、こうしたことを通じまして、自主防火管理体制の確立を促進いたし、1件当たりに要する査察時間の短縮を可能にしたことにより実現したことでございます。また、昨年4月には、防火対象物の増加が特に著しい新県庁舎周辺を管轄する金石消防署の予防担当要員を1名増加したところでもございます。 総務省消防庁が本年3月に取りまとめました、効果的な立入検査手法に関する調査研究報告、これを受けまして、本市においても、防火対象物の火災危険や人命危険の大小に着目した査察手法の見直しを行い、先ごろから実施に移したところであり、査察執行体制は決して弱体しているとは思っておりません。 以上です。 〔「議長、10番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○副議長(沢飯英樹君) 10番大桑進君。
◆10番(大桑進君) たび重なる牛乳事件ですけれども、この問題で私は6月議会でも取り上げました。そのときに、マニュアル問題その他をやったわけです。きょうの新聞を見ますと、先ほども私申しましたけれども、そういう風味を検査する体制についてもきちんとなっていない。言うなれば、だれかがしているということであるかもしれない。だけれども、高木とホリの場合に話として出てきたのは、高木の場合は、製造部長が再利用するときに飲んでみて大丈夫だということで使ったと、こういう話でした。それで、ホリの場合は、社長がじきじき出荷前に飲んでみていると、こういうのが新聞報道でありました。だけれども、これだけたくさんの牛乳を、製造工程が流れているわけですから、1回飲んでみてわかるというだけの問題ではないと思うんです。一定の複数の方が飲んでみる必要があるわけです。そういうきちんとした体制がなかったということを、私は指摘したわけです。 私は、マニュアルというのは大もとだと思うんです。なぜそういうことをしてはいけないかとか、こういう場合はこれがなぜ必要なのかということを書いたのがマニュアルです。作業手順というのは、それをしっかり踏まえて、簡素化して、日常の点検項目としてあるわけです。だから、そういう点では、今言われているホリ乳業でも、高木の後に6回、7回入ったというんですけれども、その中でマニュアルづくりの方にかなり力を入れているということは見れます。 しかし、実際にはマニュアル、作業手順というのは、生きたものでなくてはいけないわけです。形をつくればそれでできるというものではなくて、やはりしっかりとした、言うなれば、現場から日常のものを出してもらう、それで、そういうものを整理しながら、きちんとした基準書を持っていくということなんです。そういう点でいうと、その辺が、7回も入っていながら、マニュアル、マニュアルと言いながら、この間きちんとされていなかったということが、今度の事件ではっきり読み取れると思うんです。私はそういうところをこの前から指摘していたわけです。 それから、今の消防の問題ですけれども、確かに今言われるように、私がこの問題を取り上げたのは、中身としては、第一種の方の査察をする担当者の人数が減ってきているということを言ったわけです。そのほかに、予防ですね、警防事務、いろいろあるというふうには言われます。でも、それはそれとしての検査をする要件があるわけです。だから、全体としてやられていると言うけれども、その部分を含めてであります。 だから、そういう点でいうなら、このほど東京であったこの事件を見たときに、現実に今9割ものところできちんとされていなかったということが事実出ているわけです。だから、そういう点でいうと、いろいろなものでもって手当てはしているという問題ではなくて、必要なところにきちっと配置してやるというのは基本じゃないかなと。そういう点でいうと、予防の方の人数が平成6年以降ずっと減っております。これは私が勝手に見ているんではなくて、消防の方の出されているものの数字を見て言ったわけであります。
○副議長(沢飯英樹君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) マニュアルというものは、形式ということにつながる部分が多いわけでありますから、これが万能ではないという点では、大桑議員のおっしゃるとおりだというふうに思っていまして、こういうものを補完していくということが大事だと。それはまず意識であろうというふうに思っていますし、今ほども議員に御答弁申し上げましたが、具体的な事故防止策として、風味検査回数をふやすということを指示したと申し上げましたので、御理解ください。 それから消防の件でありますが、先ほども、査察のあり方を補いながら査察そのものを強化するという表現でお答えをいたしました。いろいろ工夫していかなければいけないというふうに思っています。私は、人をふやす、そのことだけで問題が解決するとは思っていません。むしろ逆に現下の厳しい状況を考えると、市役所は民間の血のにじむ努力を踏まえた上で、みずからもまたやり方をいろいろと工夫すべきだと、これが基本だと思っている次第でございます。 〔「議長、32番、関連質問」と呼ぶ者あり〕
○副議長(沢飯英樹君) 32番森尾嘉昭君。
◆32番(森尾嘉昭君) 去る13日の国会の衆議院総務委員会で、中川消防庁長官が、次のように我が党の質問に答えています。 雑居ビルの問題を契機に、職員数は全国的に横ばいだと。対象建築物が増加の一途なので、予防査察実施率が低下していると。予防消防職員全体も基準の72%だと。だから、予防職員のみならず、全体の充足を図るべきだとして、消防職員の充足を中川長官としては努力をしているというふうな答弁を行っています。 そこで、大桑議員が指摘したように、本市の状況も、充足率は、全国水準に比べてさらに下回っています。それは市長、従来私も取り上げましたけれども、分団があるからだと、こう言ってまいりました。しかし、今回の査察事項は分団に任すわけにはいきません。常備消防力をもって対応しなければならない現状にあります。しかも、この10年間、ビルが約1,150棟もふえているという本市の現状が指摘をされました。したがって、週休2日制と夜勤の勤務体制からすると、消防の現場は人員のやりくりで大変で、現実的にはこの査察対応する人数を減らさざるを得ないというのが現場なんだと。市長はこの現状を余りにも知らなさ過ぎます。 したがって、全国的にも、中川消防庁長官がみずから今回の事件を教訓に消防の職員をふやして対応しなきゃいけない、こう言っているにもかかわらず、市長、どうですか。この問題の充実は、単に1件当たりの査察時間を減らすとか、事務の省力化で対応できる問題ではない。やはり常備消防の予防職員を増加させるなど、充実してこそ、市民の生命や安全、財産を守ることができるのではないかということを、私は改めて指摘しておきたいと思うんです。私は、これは基本的な問題なので、市長、これはちょっと明確にしておかなきゃいけない点があるんではないかなというふうに思っていますので、再度答弁を求めたいと思います。
○副議長(沢飯英樹君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 消防庁長官は、一つの一般的な議論をおっしゃっているというふうには理解をいたしますし、私自身も消防基準は承知をしています。同時に、全国的な趨勢もどの程度にあるかということも承知しているつもりでございまして、そういうものを踏まえた上で、現在の本市の体制があるわけであります。 私は、本市の消防職員はまさに士気旺盛、そして頑張っているというふうに信じていますし、それなりの努力はしてくれているというふうに評価をいたしています。 人員充足の必要性を指摘されましたが、私はこれがすべてではないという考え方は変えるわけにはいきません。むしろ、先日も指摘されましたとおり、ビル管理者のありよう、そして商店街のこれに対するかかわり、そういう意識改革も必要でありまして、そうしたすべての面にわたって総合的に対応していくことの必要性、これを強調したいと思います。
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△休憩
○副議長(沢飯英樹君) この際、暫時休憩いたします。 午前11時54分 休憩---------------------------------------- 午後1時3分 再開
△再開
○副議長(沢飯英樹君) 出席議員数は、ただいまのところ37名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
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△質疑・一般質問(続き)
○副議長(沢飯英樹君) 休憩前の議事を継続して、質疑並びに一般質問を続行いたします。 5番干場辰夫君。 〔5番干場辰夫君登壇〕(拍手)
◆5番(干場辰夫君) 市長は常々、環境、福祉、教育を特に強調されてこられました。しかし、私は、これまでの本市の施策を改めて振り返ってみますと、実は市長の根本には、個性ある歴史に培われた本市の文化こそ最重要課題であるという、確固とした哲学があるように思えてなりません。画期的な市民参加型の市民芸術村や職人大学校の開設、新しいタイプの国際会議である金沢創造都市会議や世界工芸都市会議、新しいまちづくりとしてのふらっとバスの導入、また政策研究所の開設など、全国から注目される施策こそ、広く文化施策の分野であります。そして市長にとってその総仕上げこそ、21世紀美術館の建設であろうと思います。本市の伝統文化を活性化し、金沢の新たな文化をこれからも創造し続ける中核としての美術館、そんな熱い思いを市長に感じ、市長のこの哲学と姿勢に対して、大いなる支持と賛同をあらわすものであります。 文化は、個人の生活の質を高め、創造力をはぐくみ、品格を持った活力ある都市環境を形成し、ひいては既存産業の活性化と新産業の創造に寄与するものであります。そして、そのことが都市金沢の魅力と威信を高めるものであります。先の見えないこの暗い不況の真っただ中だからこそ、人々に感動と意欲を与える文化の意義もまた大きなものがあると思います。 そこで質問の第1は、本市の文化政策推進の中心部局としての文化政策課の役割についてであります。 文化政策課は、現在コンサートや文学賞など、他の事業部局と同様、個々の事業を行う部局となっております。しかし、6月議会で同僚議員が指摘したとおり、文化政策は、行政のすべての分野に文化の視点を導入すべき総合政策であるべきではないでしょうか。文化庁の文化振興マスタープランの中には、これからの文化庁は、「1.文化政策の企画調整機能を強化する観点から、組織のあり方を検討する。2.他省庁における文化に関連する施策を踏まえつつ、関係省庁との連絡、協議の場を拡充する」と述べております。この点は自治体行政に、より当てはまるのではないでしょうか。具体的には、文化政策課に期待される役割は、第1に、行政全分野にわたる文化の視点からする企画調整機能であり、第2に、同様に文化の観点からする各部局の事業支援機能であります。そして、第3に初めて、文化の個別事業であると思います。企画調整課との関係もありますが、そうした総合的機能を文化という切り口から果たすべきではないかと思います。そのためには、文化庁の指摘どおり、他部局との定期的な交流や会議をより拡充することも必要でありましょう。 文化情報という点でも、本市においては、関係各部局から出される文化情報がばらばらのままであり、一元的な統一的文化情報が提供されていない現状であります。生涯学習推進課が出しているイベント情報はありますが、網羅的な文化情報ではありません。この点でも、文化政策課が文化的視点からする総合的機能を果たせば、統一的な文化情報の収集と提供が可能になるでありましょう。 また、幾つかの自治体では、市政全体の基本構想や基本計画とは別に、文化振興プランが策定されております。しかし、石川県の文化振興プランと同様、どれも基本構想と別に作成するほどの意味のあるものとは思えません。この点でも、文化政策課が中心となり、総合的機能を担うならば、従来とは異なった具体的でより有効なプランをつくることもできると思います。このような観点から、本市も文化振興プランを策定することが必要かと思います。以上の点についてお聞きいたします。 質問の第2は、芸術家育成支援についてであります。 音楽や美術などの各分野のアーチストは、一部を除き、多くの人は経済的に必ずしも恵まれているわけではなく、そのことが芸術家として大成していくことを阻んでいることが多いかと思います。かといって、国はともあれ、財政力に乏しい自治体が直接に公金を支出して個々のアーチストを支援することは、人選面など多くの問題があります。その点で可能な支援策として考えられるのは、アーチスト自身のマネジメント能力の開発を支援することであります。通常、アーチスト自身は、作品制作に集中し、みずからを芸術市場に売り込んでいく能力に欠けていると言われます。本市の
美術工芸大学などにおいて、こうしたマネジメントに関する講座や、一般のアーチストに対するセミナーの開設を考えてはいかがでしょう。近年、イギリスにおいては、アーチストへの直接的な奨励策や保護策よりも、個人に責任を課したこのような施策に力を入れていると聞いております。 質問の第3は、新しいメディア芸術の振興であります。 IT革命によるマルチメディアの進展は、文化の面でも大きな変化をもたらしています。文化庁は、コンピューターグラフィックスなどのメディア芸術が、21世紀の芸術文化全体の活性化を促す牽引力であり、その振興が大きな課題になっているとして、メディア芸術の振興を本年度事業でも強調しております。 その点で、この5年間にわたって行われている本市のeAT金沢事業は、極めて重要な先進的取り組みであると思います。多彩なテーマや、全国から著名な参加者、興味深い内容を持っております。もともと情報化の推進施策として行われたものですが、そんな技術的な問題よりも、むしろ金沢の新しい文化創造の先駆的試みと位置づけるべきでありましょう。実は、文化庁自身が本市のこの施策について問い合わせ、翌年から類似の文化庁メディア芸術祭を開催したと聞いています。問題は、この試みがその重要性に比べて、市民に内容が十分に知られず、市民への広がりが十分ではないことであります。この事業の成果である、すぐれた作品やデザインが十分に活用されていないことにも原因があるかと思います。成果は多様に活用できるでしょうし、その製品化も可能でしょう。また、新産業創出への貢献も十分期待できるのではないでしょうか。また、この事業は、企画調整課や情報政策課の事業であるよりも、文化政策課や21世紀美術館の事業の一環として行われるべきではないでしょうか。今後どのように考えていかれるかお聞きいたします。 質問の第4は、本市の書籍文化の活性化についてであります。 多様なメディアの発達や活字離れにより、書籍文化のウエートはますます減少しています。また、日本の出版文化は、東京に一極集中しつつあります。このようなとき、本市のような文化都市が、書籍を通じて次々と独自の文化を発信することは大変意義のあることであります。 現在、玉川図書館の近世史料館には、貴重な郷土史料が数多く保存されており、その中から2年に一度の間隔で書籍として復刻をしております。しかし、それも一部の研究者層に購入されるだけだと聞いています。この点で、出版社等と協力しつつ、本の装丁やレイアウト、解説の文章、広告方法なども工夫をして、市民にもっと受容されやすいものにし、その上で復刻の数をもっと多くしてもよいのではないかと思います。 2つ目に、自費出版についてであります。高齢者の中には、これまでの自分の人生を振り返り、貴重な経験や技術、人生そのものを記録し、出版したいという要望を持っておられる方も多いと思います。また、そのことが高齢者の生きがいともなり、貴重な時代の文化資料にもなるかと思います。そのために、出版社と協力しつつ高砂大学などで、文章の書き方や自費出版の方法を教える教室を開き、気軽に出版できる方法を講じることも必要なのではないでしょうか。以上の点をお聞きします。 質問の第5は、21世紀美術館の鑑賞者開発、集客についてであります。 この美術館は、特定の愛好者だけではなくすべての市民にということを、その重要なコンセプトとしております。その点で、いかに多くの市民に見てもらえるのかが肝要であり、しかも難解な現代美術という性格上、集客面での不安はぬぐえません。それゆえ、鑑賞者開発が大きな意味を持っています。そのために、以下数点の施策を提案いたします。 1つは、積極的な鑑賞者掘り起こし策として近年試みられているのは、地域や学校へ作品を持ち込み、ミニ展覧会を開くことであり、また美術館自身が現代美術に焦点を合わせた教育プログラムをつくって、地域や学校でセミナーなどを実施することであります。 次に、ドイツやオランダでは、現代美術の作品を一定期間市民に貸し出しをするアートライブラリーの仕組みや、市民の作品購入を奨励するため、ゼロに近い金利で公的資金による美術品購入資金融資制度を運営していると聞いています。作品を購入したり借りたりすることで、現代美術に対する市民の関心や鑑賞力が広がっていくものと思います。このようなことも研究されてはいかがでしょうか。 3つ目は、インターネットの活用であります。単なるホームページ作成だけではなく、そのホームページを、人々のニーズのマーケティング調査の道具として、市民とのコミュニケーション手段として、展示作品のデジタル美術館として、また他の美術館とリンクもし、積極的な活用を図ることが必要かと思います。 4つ目は、評価制度として専門家によるモニター制度を美術館に設置することであります。展覧会の視点や構成、作品の選定からポスターの内容や入館者への対応に至る具体的な点まで、見識ある人材に評価してもらい、今後に生かす工夫が必要かと思います。 5点目は、アートマネジメントについてであります。近年、市民と美術館のかけ橋をするアートマネジメントの重要性が言われております。江戸時代の現代美術とも言うべき浮世絵は、世界的にも高く評価された日本文化でありますが、その浮世絵の振興と普及には、江戸庶民の文化ニーズを先取りし、北斎、広重、写楽などを次々と送り出した、蔦谷重三郎というすぐれたアートプロデューサーを抜きにしては語れません。企画、観客集め、スタッフの指導、公共や民間からの資金収集といった、アートマネジメントを行う人材がぜひ必要であります。当美術館において、このような仕事はどう行われるのか、このような人材を用意しようとするのか、また以前にも質問をしたビジネスマネジャーを設置するおつもりはないのか、改めてお聞きいたします。 質問の第6は、博物館についてであります。 現在本市においては、あちこちに小さな博物館が設置され、市域点在型博物館という性格を持っております。今後、高齢化社会における生涯学習の充実、学校週休2日制の完全実施、総合的学習の時間の導入、エコツーリズムなど観光形態の変化、地域コミュニティーの強化など、博物館が果たす役割はますます多くなっております。しかし、こうした小博物館だけの配置では、効率的な運営の面でも、集客の面でも、また本市文化発信の面でも、非常に不備なものとなっていると思います。その点で、長野県松本市は、市内に多くの小博物館を設置しながらも、松本城内に核となるべき市立博物館を設置しております。そして、そこと各小博物館を結びつけ、さらにまち全体を丸ごと博物館化するというエコミュージアム構想を持っております。本市においても、将来中核となるべき総合博物館がぜひ必要かと思います。 他方本市には、民俗文化財展示館があります。この施設は、木造であるがために、防火、防災の点でも、収蔵庫の不足という点でも、また元教室であったがために、展示スペースのレイアウトが不備であるという点でも、法的に博物館としての体をなしておりません。その結果、他館から展示資料を借りることさえできず、魅力ある展示や企画展をすることができないありさまです。本市の特徴は、伝統都市としての都市の歴史と文化にあります。都市の歴史と文化を強調した、その点で県立の歴史博物館とは競合しない、そして本市の文化ステーションとしての総合博物館が、とりわけ文化都市にはぜひ必要だと思います。 2点目は、ボランティアの活用についてであります。この8月末に私は、岩手県遠野市を視察してまいりました。遠野市は、柳田国男が明治末期に当地の民話を編集した「遠野物語」の出版を契機として日本民俗学を創始したことから、近年、民話や昔話を用いてユニークなまちづくりをしている自治体であります。一連の独自な施策の中に、民間のボランティアを活用したサロン的な研究所である遠野物語研究所の運営があります。市が施設と資金面を援助し、民間研究団体である遠野民俗の会、昔話研究同好会などが運営と活動を担当し、その団体の人々がボランティアで研究員を兼ね、輪番で出勤するという体制をとっております。注目すべきは、民間の研究団体をボランティアとして積極的に活用しているという点、また訪れる人だれにでも親切に話を聞き教えるというオープンな形態をとっているという点であります。 金沢市においても、市民や観光客など、訪れる人にはだれにでも質問に答え、歴史と文化を気軽に話し合う文化施設があってもよいのではないでしょうか。本市には、加能民俗の会や郷土史学会など、地域史や民俗文化の研究に取り組む幾つかの会や多くの人々がおられます。いわば、市民学芸員とも言うべきこうしたボランティアの人々の活用を積極的に図っていくべきでありましょう。特に、さきに取り上げた民俗文化財展示館をこのような形態で活用すべきであると思います。 質問の最後は、本市の学芸員の待遇についてであります。 他の政策と同様、文化政策にとっても専門家の適材適所と十分な活用が重要であります。本来、専門家たるべき本市の学芸員は、21世紀美術館を除いて、明確に専門職として位置づけられてはおりません。複数の博物館施設を1人の学芸員が兼任し、待遇も一般職員と同様、定期異動もあって、館の専門業務に腰を据えて長く専念できるという状況にはありません。他方において、学芸員になれば昇進のルートが閉ざされているのが現状です。県の学芸員が本県の文化発信に盛んに活躍しているのを見るにつけ、本市の学芸員の不遇さと、この面での本市文化行政の不備を感じざるを得ません。学術、文化を個性とする本市においてこそ、学芸員が十分に活躍できる条件を整備すれば、本市の独特な都市文化と都市民俗に関する全国的にもすぐれた文化発信、情報発信ができるはずですし、そのことが市民に対する大きな還元にもなるかと思います。専門別の学芸員の募集、専門業務に専念できる条件をもっと整備すべきかと思いますが、いかがでしょうか。 個性的文化を世界に発信し続けるオンリーワンの文化都市としての発展を願って、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(沢飯英樹君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 5番干場議員にお答えいたします。 文化一般にわたってお尋ねでありました。私自身は、金沢というまちの発展経緯を踏まえたいという気持ちが根底にありまして、藩制期の学術文化は知恵でございますし、知恵が産業にインパクトを与えて、付加価値を高めて、そして産業の発展をもたらして、その産業が文化にまた裨益をしたと、いわば文化と産業の連関、これが金沢の発展過程であるという思いがありまして、そういう意味で、学術、文化は大事にしなければいけないと思っておる次第でございます。そういう意味で、ここに来て金沢市が試みております、御指摘にもなりましたけれども、eAT金沢とか、あるいは21世紀美術館とか、そういうものを、それは産業にもかかわるという意味で、ぜひ大事にしたいと思っておる次第でございます。 包括的にいろいろなことをお示しになりましたが、やはり文化は総合政策だと、総合行政だという御指摘でありまして、私も若い土木の技師の皆さんには、歩道をつくる、しかし、その歩道もどういう素材を使うのか、そしてその素材の色彩はどういう色彩を採用するのか、街路樹を植えるとしたら樹種は何か、そうすると、土木の技術屋は、素材の議論、色彩の議論、植生の議論、これらはまさに文化ですけれども、文化の議論もできなければいけないと、こういうことを実は申し上げています。文化はまちづくりそのものと言えるわけでありますから、その総合性をよく理解していかなければいけないと思いますし、そういたしますと、総合調整機能を発揮しなければいけないという御指摘も了とすることができるわけであります。 国際文化局を設けてみたり、文化財保護課を市長の部局に移したり、財団の窓口の一元化を図ったり、そういうことをしておるわけでございまして、その機能を文化政策課にという期待を述べられましたが、ここに来て、大変仕事の分量が多うございまして、所管は忙しい、そのことは私自身、率直に感じています。同時に、文化政策にすべて通用することですが、人の大切さということをつくづくと感じています。 蓄音器館をつくりました。しかし、私は、オタマジャクシは読めません。だとすると、やはり音楽に見識のある人たちをどうやって集めるか、民間の力を得なければなりませんし、ボランティアの力を得ることも大事というふうに思っています。ただ、私にとって救われることは、金沢というまちは大学の多いところ、だとすると、大学の力をかりる、これが極めて有効ではなかろうかという思いがありまして、こういう思いが政策研究所につながっている、そう申し上げておきたいと思います。 以下、具体的な御質問にお答えしたいと思います。 まず、文化情報の統一的な提供をするようにということでございました。現在、市のホームページを見直しまして、新たにイベントの情報も盛り込むことにしています。そんな中で、文化欄の充実を図りまして、文化施設の案内、伝統文化の紹介、行事、催し物のお知らせ、そうしたものを総合的に文化情報としてまとめて提供できるように検討中でございます。 有効な文化振興プランを策定できないかというお尋ねでありました。とりあえず、金沢市の文化政策は、1つには伝統文化を高めること、2つには新しい文化をつくること、この2つを掲げまして、そして施策の方向を体系化する、事業の推進を図っていくということにしているところでございます。現在、世界都市戦略会議でも、新しい文化戦略について御検討いただいておるところでございますが、御指摘の新しいプランの策定については、これから研究をしてみたいと思っています。 芸術家支援のことについて、マネジメント講座、あるいはアーチストに対するセミナーの開講等をお示しになりました。アーチストは、ハングリーな中にこそ育つというのも、私は一面の真理だというふうに思っていますが、文化を支える人材をつくる、確保していくという観点から、アートマネジメントの重要性もまたうなずけられるところでございます。一部の大学では、アートマネジメントに関する学科の開設、講座の開講も見られるようでございますし、金沢美大では、ことし、21世紀における金沢美大の新しい教育システムの研究、こうした研究の中で調査することにいたしております。また、本年度から若い先生を、文化庁派遣芸術家在外研修制度のアートマネジメントの分野に応募をさせるということにしたところでございます。 eAT金沢のことに触れて、そして今後どのように考えていくのかということでありました。もともと子供さんに対して、コンピューターグラフィックの展覧会をやるというところからスタートしたわけであります。幸い、立派な指導者を得ることができまして、回を重ねるごとに、学生また若い方々がたくさん集まってくるようになりました。一部企業の人たちも参加するようになりまして、今日では全国的なイベントに育ってきたという、そんな思いを持っておりますし、このeAT金沢がこれからの金沢の文化に革新的な息吹を注いでいってくれたらいいなという期待を持っています。同時に、このeAT金沢というものが地場の産業にも寄与することができるようにしていきたいわけでありまして、新しいeAT金沢のありようについて、部会を設けて研究中であります。私は、新しくつくる美術館とeAT金沢の連動、こんなこともこれからの課題になる、そう思っています。 次に、新しい美術館の鑑賞者開発につきまして、教育プログラムが必要だという御指摘でありました。教育普及活動が大切でございまして、専門の学芸員を配置しているところでございます。学校教育との連携にありましては、美術教材の開発、美術鑑賞会の開催、美術教員の研修等のプログラムを実施していかなければならないというふうに思っていますし、地域やまちなかに出かけてのギャラリートーク、あるいは講演会、作品展示、こうした積極的な教育、普及活動を行っていきたいと思っています。 アートライブラリーのことにお触れでございました。市民の方々に作品を貸し出しする、そういうアートライブラリーの仕組み、また同じく御指摘になりました、市民の作品購入を奨励する融資制度を設けたらどうかということでございますが、作品の管理面、あるいは個人的な嗜好等のなかなか難しい課題もあるようでございまして、これはひとつこれからの研究ということにさせてほしいと思います。 インターネットの活用についてお触れでございました。新しい美術館では、館内情報、図書の閲覧システムのほか、美術館と利用者を結ぶ双方向性を備えた情報のネットワークシステム、これが必要というふうに思っていまして、インターネットを活用したシステムをつくっていきたいというふうに思っています。今度の議会にそのための調査費をお願いしておるところでございます。 モニター制度についてもお触れでございました。広く利用者の生の声を聞く、そして企画事業等に反映をさせていくモニター制度、これも今検討中であります。 それからアートマネジメントのことにお触れでございました。御指摘になりましたようなアートプロデューサーの職種は、今のところ考えておりませんけれども、美術館の円滑かつ効率的な運営を図っていきますために、専門家等による組織また体制づくり、これを今検討しておるところでございます。 次に、これからの博物館のありようについて、お考えをお述べになりました。たくさんの文化施設の整備を進めてまいりましたし、また進めつつあるということであります。それぞれ特徴、独自性を持ってございまして、金沢だからこのようなことができるんだろうというふうには思っております。確かに、数は幾らかできてきたわけでありまして、一つ一つは小そうございますが、それぞれ特色もありますので、そうした施設の魅力を高めて、そして連携も図りながら、歴史、文化を発信していきたいというふうに思っています。できるだけこうしたものを回っていただくことで、まちの元気をつくりたいという思いもありますし、その場合、できるだけ回りやすいように、そうした施設は、できれば方面別にというふうな思いも持っています。わかりやすく言えば、橋場、浅野川の方面、兼六園周辺の中央部、犀川方面、こういうところにできるだけ集約ができればなという思いは持っていますが、そうした施設は、それぞれ立地の背景とか事由がなければなりませんで、犀星が生まれたとか、鏡花が生まれたとか、
高峰譲吉が育ったところ、それぞれやはりいわれのあるところでなければということもございまして、そこがまた意味があっていいのではなかろうか、こんなことも考えたりしています。 総合博物館の建設についてお尋ねになりましたが、私は施設としての総合博物館の建設は、今考えておりませんけれども、エコミュージアム構想、そういう構想をソフトの構想としてとらえて、研究課題にのせていくということは意味があるのではなかろうかと思っています。 ボランティアの活用について御指摘でありました。泉鏡花記念館、蓄音器館では、ボランティアの解説等をお願いしています。民俗文化財展示館でも、そのようにしたいという思いは持っています。 民俗文化財展示館のありようについて御指摘でございました。私自身もそのように思っていますし、現状でいいとは思っていませんが、現に中学校施設があると、そこが大変難しい課題であります。この難しさはひとつ理解をしていただけるだろうと思っています。とりあえず、檀風苑、職人大学校、こういうところには道具類の保存があるわけでございまして、今文化財保存懇話会の民俗部会で、民俗文化財展示館のありよう、こういうことについても研究課題にしておるところでございます。 最後に、学芸員の待遇のことにお触れでございました。施設を魅力あるものにするためには、専門性の高い人材を得ることは不可欠、ただ、この難しさも痛感しています。公募も含めて工夫を凝らさなければいけない、このように思っています。 学芸員に魅力のある職場を提供することは、能力を発揮する上で重要でございますし、制度上研究職ということは難しいわけでありますが、専門職に見合った職務の位置づけ、在籍期間等を十分検討していきたいというふうに思います。処遇におきましても、他の職員との均衡を欠くことのないよう対応をしていきたいというふうに思います。学芸員を公的な場に参加をさせる、このことでみずからの意欲を持たせる、こんな配慮もしていかなければいけない、そう思っておる次第でございます。 多々ありますが、一つ一つ努力をしていく所存でございます。
○副議長(沢飯英樹君) 石原教育長。 〔教育長石原多賀子君登壇〕
◎教育長(石原多賀子君) 5番干場議員にお答えいたします。 地方書籍文化の活性化につきまして、近世史料館の郷土史料の刊行が市民に受け入れやすいものにすべきではないかというお尋ねがございました。近世史料館の郷土史料の刊行につきましては、年次計画に従いまして、「金沢町名帳」「金沢町絵図」「加能越三箇国高物成帳」を、史料の学術的な価値を踏まえ、忠実に翻刻し刊行してきたところでございます。史料が市民共有の貴重な財産であり、また市民の皆様に広く知っていただくという観点からも、いろいろ工夫をしていきたいと考えております。 高齢者の自費出版についてお尋ねがございました。高齢者の貴重な知識や技術、体験を出版によって社会に還元いたしますことは、高齢者の生きがいづくりや社会参加を進める上で、また次の世代に引き継ぐためにも大変役立つと思っております。高砂大学校や大学院では、これまで文学の講義の中で、文章の書き方等を学んでいただいたこともございます。受講生のニーズ等も調査していきたいと思っております。 以上でございます。
○副議長(沢飯英樹君) 11番近松美喜子君。 〔11番近松美喜子君登壇〕(拍手)
◆11番(近松美喜子君) 私は、日本共産党市議員団の1人として質問いたします。 質問の第1は、子供たちが楽しく安全に学べる学校づくりについてであります。 今日、子供たちを取り巻くさまざまな問題解決の一つとして、小中学校の学級定数削減の声は大きく、本市においても、父母や教職員を含め教育関係者の切実な声になっています。私も再三議会で取り上げ、国や県に要望すると同時に、自治体独自の努力を求めてまいりました。しかし、本市はこれまで学級定数にかかわることは、国の公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律があるため、独自の対策はとれないとされてきました。しかし、本年4月から国の法改正によって、いわゆる標準法の第3条の2項に、各都道府県の裁量で40人以下学級の編制を可能とするただし書きが加わりました。このことは、これまで標準法があるから独自対策はとれないとしてきた理由を失ったと受けとめるのですが、教育長の見解を伺います。 これまでに、本市を含め 1,615の自治体から、国に対する意見書が提出され、少人数学級が国民的な願いになっているにもかかわらず、今回の法改正は国の責任を放棄したものであります。引き続き国の責任を求めていくことは大切ですが、既に少人数学級を低学年に限って実施している新潟県や秋田県などに加え、山形県や埼玉県の志木市など、次々に市長や県知事が少人数学級実施を表明しています。山形県の高橋知事は、県内のすべての小中学校に30人学級を導入することを発表しました。その中で、高橋知事は、深刻な雇用問題にも触れ、子供に力をつけるには、義務教育の全学年で30人学級実施が正しい。臨時ではなく正規の教員を置いた方がいいと述べています。埼玉県志木市は、学級崩壊やいじめの防止、学力向上のために、来年度から全市立小学校の1、2年生を対象に25人学級を実施する方針を固め、県教育委員会に協力を要請しました。県知事に対し市長名で要請を提出したもので、その中では、児童・生徒を取り巻く環境は厳しく、不登校、いじめ、学級崩壊などに対する抜本的な対策を講ずる必要性が強く求められているとし、第1に小学校1、2年生における学級編制基準を現在の1学級40人から1学級25人程度に引き下げていただきたいとし、第2に、増員される教員の給与などについては、希望する市町村が2分の1を、県が2分の1を負担する財政措置を講じていただきたいとしています。さらに、志木市長は、県への要望がすべて認められない場合でも、市単独事業として小学校1年生の少人数学級を平成14年度4月から実施することを明らかにしております。石川県内でも、お隣の松任市長が市民との懇談の中で、小学校低学年での少人数学級実現を示唆するなど、新たな取り組みが始まっています。 法の枠組みが取り払われた今日、結局それぞれの自治体の姿勢が問われ、首長の判断が求められています。相次ぐ自治体首長の少人数学級実施の判断を市長はどのように受けとめておられるのか、見解を伺います。 国、県に対応を求め、その責任を果たさせることは大切でありますが、今日的状況の中で、金沢市の子供たちの教育に責任を持つ本市の姿勢が問われています。30人学級実施の具体的検討に入るべきと考え、教育委員会の判断をお尋ねいたします。 次に、安全な学校づくりについて伺います。 本市として検討を進めてきた金沢市学校安全管理総合検討委員会の提言を受けて、今回の補正予算において、学校安全管理緊急対策として、非常通報装置の設置を初めとした予算が盛り込まれました。しかし、人的配置の必要性を認められながら、
地域ボランティアによる校舎外周、通学路の巡回、学校行事の来校者受付というものです。安全で開かれた学校づくりのためには、地域の協力が欠かせないことは当然です。しかし、ボランティアによる協力には限界があります。 学校安全の問題に関して、幾つかの学校を訪ねてみました。どこでも玄関に、来校者に対し名札の携帯を呼びかけ、その受付のために事務室や職員室まで来るように案内がしてあり、大抵事務室や職員室は2階となっています。自由に出入りができることはこれまでとは変わらず、凶悪犯や何らかの犯罪にかかわる人に対しては余り意味がないとのことでありました。共通して出されたのは、恒常的な人の配置で、教員はもちろんのこと、校務士や事務職員などの増員を求めたいということでありました。ある校長先生は、「小中学校に1名ずつ教員の加配ができれば、随分学校運営が変わるでしょうね」としみじみ語り、「校務士削減は本当に困る」と言われ、学校安全だけでなく、校務士の方々の果たしている役割は大きいと言われました。 さきの議会でも、地域に開かれた学校づくりのためには、学校運営に責任を持つ大人の配置こそ重要であり、本市が進めている校務士削減計画の見直しを求めました。また、党議員団としても、教育関係者や保護者の意見を踏まえ、学校安全に関する申し入れを行ったところであります。学校安全検討委員会の議論の中で、校務士削減を見直すという意見はなかったのでしょうか。 これまで教育長は、市民参加の行革で決められたこととし、校務士削減計画を中止する考えはないとされますが、今日のような学校安全に関する必要性が言われないときに決められた行革方針であります。社会の変容の中、将来を担う子供たちをはぐくむ拠点として、学校の役割はますます重要になってきていることを勘案し、削減計画を中止するべきであり、そのことに対する市民の理解は十分に得られると考えますが、見解を伺います。 さらに、学校施設改善にあわせ、ことしの猛暑の中で、以前より求められていた、教室や職員室の冷房設備に関し、その要望は切実なものとなっています。冷房施設の一般的普及を考えると検討されるべきと思いますが、いかがでしょうか。 質問の第2は、金沢市子ども条例についてであります。 学校、家庭、地域、企業が連携・協力をし、社会全体で子供たちをはぐくみ、21世紀の金沢を担う人づくりを市民の総意で推進していくことについて、その理念などの明確化、今後の施策や各主体の行動の根拠となる条例制定として、仮称金沢子ども条例検討会議が設置され、12月議会制定を目指して議論が始まっています。子供を権利の主体としてとらえ、初めて子供の意見表明権を加えた画期的な国連の子供の権利条約から12年、日本でも批准されたこの子供の権利条約の理念を地域に生かしていく取り組みが求められています。まず、国連の子供の権利条約を市民生活に広く普及、反映していくことが大切だと考えますが、具体的な取り組みを伺います。 本市の子ども条例においても、この条約の理念が根本に貫かれなければならないと考えるものでありますが、金沢子ども条例制定に向けた基本的な考えを改めてお聞きしたいと思います。 今日、日本の社会において、子供の権利が侵害されている現実をどのように受けとめておられるのか伺います。そこで、検討していく過程から、子供たちの参加と市民的協働をどのように進めていくのか伺うものであります。 さらに、条例制定が真に子供たちの権利を保障し、子供が社会から受け得る最善の利益を保障する具体的な指針となることが望まれています。そうする確かな保障の一つに、制定される条例が市民全体のものとなることに努力が払われなければならないと考えますが、条例制定の過程から、広く市民、子供たちの意見を酌み尽くす手だてをどのように進めていくのか、明らかにしていただきたいと思います。 我が党議員団は、先に子供の権利条例を制定された神奈川県川崎市を視察し、その取り組みを学んでまいりました。その主な内容は、徹底した子供参加、市民参加を貫くための、子供たちが企画、運営をする子供主体の行事や、議論の場を重ね条例に結びつけていたことであります。現在、子供を取り巻く深刻な状況をきちんと受けとめるところから始まり、そもそも子供の権利とはどのようなことか考える市民集会というところから広く市民的討議を重ね、その結果3年かかったということでありました。 本市の条例検討の中でも、徹底した子供参加、市民参加を図るべきと考え、その対策を明らかにしていただきたいと思います。金沢市子ども条例を絵にかいたもち、理念条例にとどめないためにも実効ある取り組みを求め見解を伺っておきます。 質問の第3は、介護保険についてです。 給付と負担の公平、介護の社会化、利用者の自由な選択、在宅重視などの理念を掲げて介護保険がスタートしてから1年半、市長は
サービス利用者数、利用回数ともに着実に増加しているとし、順調に推移しているという見解を改めて示されました。金額的には現在の2倍となる介護保険料満額徴収を目前にして、介護が保険制度の当初の目的から見て、本当に順調に推移していると言える状況にあるか、改めて伺うものであります。 確かに、
サービス利用者数、回数ともわずかに増加をしておりますが、当初見込んでいた利用目標から見るといかがなものなのか、在宅重視の理念から見て、どのようにこの現状を受けとめているのか伺います。 先般、石川民主医療連合会が介護実態調査を行い、介護の現場からその実態を明らかにいたしました。まず、介護が必要な人がいる世帯は、年収 100万円未満が半数近い44.8%、 150万円未満では62.7%を占め、低所得の状態に置かれております。老老介護や家族の犠牲による介護は、当然のことながら、その世帯の収入を低いものにしています。介護保険の実施によって「負担がふえた」と答えた人が 77.75%、「負担が減った」5%を大きく上回っています。介護にかかる月々の費用の平均は、実施前の 7,743円が、1万 3,837円と、約 1.7倍となっています。年収 100万円未満の人にとっては、月収8万 3,000円余りのうち、1万 5,000円近くの負担が強いられていることになります。支給限度額に対する利用率は、国の調査などと同様に40%前後にとどまり、サービスを利用している時間も、必要と考えられる時間の10分の1程度であります。さらに、介護している側の肉体的、精神的な負担感は、4人に1人が介護保険実施後、負担感がふえたと回答しています。 介護をしている側は、お金の負担がふえ、介護にかかわる肉体的、精神的負担は何ら軽減されていないというのが実態です。在宅介護が維持できず、入所を希望する人が激増している
特別養護老人ホームなど、介護施設整備の立ちおくれも深刻です。
介護保険制度が強制加入保険である以上、高齢者、家族は必要なサービスを受ける権利があり、保険者はそれを保障する責任と義務があります。これらの現状が果たして、
介護保険制度導入時に掲げられた給付と負担の公平、介護の社会化、利用者の自由な選択などの理念にかなっていると言えるのでしょうか、改めて伺います。 制度は始まったばかり、走りながら考えると市長は言われますが、走って1年半、噴出したこれらの矛盾をどのように解決されるのか、伺います。 保険料、利用料の思い切った負担軽減、契約違反とならないための特養ホームの建設、整備など、早急に解決すべきと考え、市長の見解を伺います。 質問の第4は、入札制度の改善についてであります。 昨年の設計価格漏えい事件の発生を契機に、入札、契約制度の改善の取り組みがされ、予定価格の事前公表などを柱に、公共工事の入札、契約手続において、価格及び品質の面での十分な競争が公正、公平に行われるため、幾つかの改善がされ、4月から実施されております。半年が経過したわけでありますが、市民に信頼される制度の確立はどの程度進んだか、予定価格事前公表に係る落札状況など、明らかにしていただきたいと思います。 予定価格の事前公表は、市職員や議員などの不正関与の排除に効果を持つと考えますが、依然として寄せられる入札参加業者側の談合などの不正防止のための抜本対策を進める必要があると思いますが、今日時点に立った見解をお伺いいたします。 また、大型工事などの公募型指名競争入札などの選定に当たっては、市民など第三者機関の設置を図り、より透明、公平性を期する必要があると思いますが、検討されているのか、伺うものであります。 また、工事の一括下請負、丸投げを禁止し、適正な施工確保のため、業者の実態調査などが必要と考えますが、現在業者の資格審査などをどのように行い、適正を確保しようとしているのか、書類審査にとどまらず実態調査を行うべきと考え、見解を伺います。 質問の最後は、ごみリサイクルについてです。 本年4月から全市で始まった容器包装プラスチックの分別収集は、市民への周知も徹底され、熱心に取り組まれているところであります。しかし、プラスチックの資源化は年間 600トンで、わずか15%ということでした。我が党議員団が現地視察も行って確認したところ、圧縮こん包機1台の処理能力の問題であることがわかり、改善を求めてきたところです。今回の補正予算に、分別収集に熱心に取り組んでいる市民の協力にこたえるとして、プラスチック圧縮こん包機の追加導入の予算が盛り込まれました。新たに追加される圧縮こん包機の処理能力はどのぐらいで、資源化がどのくらい進むのか、明らかにしていただきたいと思います。さらに、それに伴う人員配置はどのようになさるのか、お伺いいたします。 市長も重要視している環境型社会の構築、ごみ削減リサイクル問題は、毎日の暮らしに深く密着しているだけに、根本的解決のために、ごみをつくりだす企業とそして行政、そこに暮らす住民の相互協力は欠かせません。市民の協力にこたえるとして、資源化を高める方向が示されましたが、いま1点、やはり回収回数の改善も改めて求めておきたいと思います。収集体制が変わったばかりで、短期間に変更すると市民生活に混乱をもたらすと言われますが、環境型社会の啓発も進み、容器包装プラスチックでも、市民の協力、協働が試され済みであります。かさばるプラスチックごみの置き場に苦労している市民にとって、ごみ回収回数増は歓迎されても混乱は少ないと考え、再考を改めて求めて質問を終わります。(拍手)
○副議長(沢飯英樹君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 11番近松議員にお答えします。 まず、30人学級のことにつきまして、どういうふうに受けとめているかというお尋ねでありました。今回の法改正によりまして、4月から都道府県教育委員会の判断で学級編制の弾力化が可能になった、このことは事実でございます。しかし、市の判断で学級編制を変えることは、法的にできないことを御理解願いたいと思います。 次に、
介護保険制度について幾つかお尋ねでございまして、順調に推移しているというふうに言っているけれども、
在宅サービスの利用状況についてどう見ているのかというお尋ねでありました。
在宅サービスの利用回数、この執行率でありますが、平成12年度の数値で申し上げますと、
介護保険事業計画の87%の執行率ということになっています。この率は比較的高いというふうに踏んでいます。どのサービスも利用者数、利用回数ともふえておりますし、また、事業者の新規参入によりまして、サービス供給体制も強化されておりますことから、利用者が望むサービスは、おおむね提供できているのではなかろうか、そう踏まえています。 次に、低所得者に対する利用料の抜本的な軽減策が必要ではないかというお尋ねでありました。これにつきましては、制度開始前からの
サービス利用者に対しましては、国の特別対策によります訪問介護に加えて、金沢市独自で訪問入浴や福祉用具の貸与についても3%に軽減していることは御承知のとおりであります。新規
サービス利用者にもこの軽減措置を拡大することはできないかということにつきましては、全国市長会等を通じて国に要望しているところでございまして、要望し続けてまいりたいと思っています。 次に、
特別養護老人ホームの建設を早急にすべきだというお尋ねでありました。特養ホームにつきましては、ショートステイから特養へ49床転換をすると、また本年度新たに2つの施設で 170床を整備するということによりまして、順次待機者が入所できるように努めておるところでございます。これから実態調査をもとにいたしまして、整備の必要性を見きわめてまいりたい、こう思っています。 入札制度に関連して幾つかお尋ねがありました。予定価格の事前公表の試行における落札の状況、また一括下請等排除のための調査のことにつきましては、部長からお答えをいたします。 私からは、第三者機関の設置について検討すべきではなかろうかということについてお答えします。入札、契約の過程に関する苦情を適切に処理いたしますため、第三者機関の設置につきまして、現在類似都市等の調査を実施し、検討中であります。調査結果を踏まえまして、本市としては13年度中に結論を出したいと思っています。 次に、ごみのリサイクルについてお尋ねでございまして、プラスチックの圧縮こん包機の処理能力のことにつきましては、部長からお答えをいたします。 私からは、容器包装プラスチックの収集回数、月2回をさらにふやせないかというお尋ねにお答えをいたします。ことしの4月に収集体制を見直しまして、限られた収集能力の中で、現在の収集を行っているところでございます。粗大・不燃ごみの資源化施設でございますところの戸室リサイクルプラザ、これが平成15年春に稼働をいたします。そういう状況が出てまいりますので、この稼働に向けて資源ごみ全体の収集体制を検討すると、その中で収集回数のことを研究していきたいと思っています。
○副議長(沢飯英樹君) 石原教育長。 〔教育長石原多賀子君登壇〕
◎教育長(石原多賀子君) 11番近松議員にお答えいたします。 まず、義務教育標準法の改正によって、30人学級というものが市教育委員会の判断により取り組めないかというお尋ねがございました。公立義務教育諸学校におきましては、都道府県教育委員会が定める学級編制基準は、今までは国が定める標準40人に従い定めることとされておりましたが、今回この4月より、この制度の基本は現行どおりとしつつ、都道府県教育委員会の判断により児童・生徒の実態を考慮して、特に必要があると認める場合は、国の標準を下回る数を特例的に、この場合、県の責任において基準として設けることができるというふうになりました。したがいまして、この学級編制基準につきましては、任命権者である県の権限でございまして、市教育委員会では独自に判断できない法律上の仕組みがございます。なお、県の方には、教員の加配等により、チーム・ティーチングや少人数授業等の工夫を学校現場とともにしていくために、この加配をさらに充実するよう要望をしているところでございます。 学校の安全対策を進める上で、校務士の1人校化は中止すべきではないかというお尋ねでございました。学校の安全対策につきましては、緊急提言に基づき必要な措置を今回の補正予算案でお諮りしているところでございます。校務士の1人校化とは別の問題でございまして、この件につきましては、行革大綱に沿って行っているものでございます。 学校に設置される冷房設備の範囲を拡大する考えはないかとのお尋ねでございました。学校は暑くなると夏休みになります。しかしながら、音楽室や図書室、コンピュータールームには、そこで行われます教育活動の特徴を踏まえて、冷房設備を計画的に設置してきております。他の教室等への冷房設備の導入は、現在のところ考えておりません。 金沢子ども条例の制定について幾つかお尋ねがございました。児童の権利に関する条約の趣旨や内容の普及への取り組み、また子ども条例についての基本方針等のお尋ねでございました。平成6年に批准されました児童の権利に関する条約の趣旨や内容につきましては、校長会等や社会教育団体を通して、その趣旨を学校や地域へ普及、啓発しているところでございます。金沢子ども条例では、子供を一人の人格として尊重することはもとより、子供の幸福と健全な育成のため、家庭、地域、学校、企業、行政等の役割や責務を明確に示すことによって、大人一人一人の自覚と連携が必要であることを訴えていきたいと考えております。 条例を市民全体のものとしていくためには、制定段階での子供の意見や市民参加が必要と考えるが、どうかというお尋ねでございました。8月に開催されました中学生会議において、「大人に望むこと」というテーマで活発な意見交換が行われました。その結果が、子供の意見として検討会議の中でも取り上げられているところでございます。 なお、この条例では、大人がみずからの役割、責任をいかに自覚し果たしていくかが大切であると考えており、10月初旬にも発表が予定されております検討会議の中間まとめにつきましては、意見募集や市民フォーラムを行うなど、広範な議論を進めていく中で、よりよい条例となるよう努めてまいりたいと思っております。 以上でございます。
○副議長(沢飯英樹君) 生駒総務部長。 〔総務部長生駒貢一君登壇〕
◎総務部長(生駒貢一君) 入札制度の改善に関しましてお尋ねがありました。 まず、予定価格の事前公表の試行において、落札率はどのようになったかということでございますが、8月31日現在で、全体で 344件の入札を行いましたが、そのうちの51%に当たる 174件で予定価格事前公表の試行を行いました。事前公表を行いました工事の平均落札率は 96.17%でありまして、これは12年度全体の落札率 96.41%に比べると、0.24%低くなっております。 次に、一括下請や丸投げ等の調査は、書類面だけではなく、実態調査をすべきであるというお尋ねでございますが、一括下請や丸投げは、公共工事では本年4月から全面的に禁止されております。本市では、提出されました下請負人通知書に基づきまして、監督員が現場で監理技術者、それから現場代理人の所属等の確認を行い、あわせて作業員の所属の確認も行っております。また、検査員による抜き打ち検査を行うなど、適切な施工の確保に努めているところであります。そのほか、施工台帳の写しの提出を義務づけておりまして、それらを活用することにより、一括下請等不法行為の排除の徹底に努めているところであります。これらが明らかになった場合は、許可官庁に通知することとしております。 以上でございます。
○副議長(沢飯英樹君) 平田環境部長。 〔環境部長平田敏雄君登壇〕
◎環境部長(平田敏雄君) 新たに追加導入する容器包装プラスチックの圧縮こん包機に関するお尋ねにお答えいたします。 新たに導入する機械は日量10トンの処理能力があり、現在稼働中のものと合わせ、1日当たり12.5トンのプラスチックの圧縮こん包が可能となります。作業は、新たに2名を増員し、6名体制で行うこととしております。リサイクル率については、現行の約15%が、新たな機械の導入後には70%となります。 以上でございます。 〔「議長、11番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○副議長(沢飯英樹君) 11番近松美喜子君。
◆11番(近松美喜子君) 市長に再度お尋ねします。 30人学級について、法的には市の判断ではできないというふうにおっしゃったんですけれども、法改正によって、教育長が説明されたように、県が特別の理由によって認めるとあるんですが、県の方に確かめたところ、県の立場は、法改正によって自治体が40人学級にしなければいけないという法的根拠はなくなったと、県が必要と認めなくて、市が判断した場合の財政措置が問題になるという話でした。 要するに、この場合、財源が重要になってくる、そこが壁になるのかなという気はするんですけれども、子供たちの教育にお金をかけるという立場からすれば、十分判断はできると思いますし、法的な判断ができないと市長はおっしゃったんですけれども、埼玉県の志木市長の意見表明などは、どのように受けとめておられるのか、その辺の答弁もお願いします。
○副議長(沢飯英樹君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律、その3条であります。都道府県の教育委員会の決めることという規定でございまして、私はこの規定を守っていきたいということであります。 憲法、そして国庫負担法の趣旨、こうした趣旨からいたしますと、学級編制でありますとか、教職員定数の標準というものは、教育の基本、義務教育の基本にかかわることであります。私は、やはり原則、国の責任というふうに思っていまして、幾つかの自治体の名前をお示しでありましたが、そうしたことを進めようとする自治体があるとしたら、私にとって筋が違うと、こう言いたいと思います。 〔「議長、33番、関連質問」と呼ぶ者あり〕
○副議長(沢飯英樹君) 33番升きよみ君。
◆33番(升きよみ君) ただいまは教育問題でお話がありましたが、常々市長は地方分権を言われ、地方自治体のみずからでき得ることは、先駆けてでも地方自治体から始めて、そして進めていくということで言われてまいりました。その言葉の言からいいますと、今のことについては、地方分権、この立場の中で、従来市長が、そのために国より先んじて進めてきたいろいろな制度がおありかと思いますが、そういう部分から見て、今回の改正問題等を地方分権とのかかわりでどんなふうにお考えなのかをお聞きしたいことが1点。 2点目、入札制度の改善について、先ほど御答弁がございました。そこでお尋ねしたいのは、予定価格の事前公表にかかわっての答弁があったんですが、今の落札率の状況があったんですが、入札制度の中で、企業局の分野における事前公表の状況というのはいかがになっているのか、この機会に明らかにしていただきたいと思います。これは企業管理者になるんでしょうか。 その2点お尋ねします。
○副議長(沢飯英樹君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 分権のことについて、私からお答えをいたします。 国には国としての責任があります。地方には地方としての責任があります。分権は、国、地方それぞれの責任を踏まえての分権であって、そこが大変大事なところだというふうに思っています。私は、分権とは、何でもできるということであってはいけないというふうに思っていますし、分権が他の自治体に迷惑が及ぶようなものは本当の意味の分権ではない、そう言いたいと思っています。
○副議長(沢飯英樹君) 小泉
公営企業管理者。 〔
公営企業管理者小泉賢一君登壇〕
◎
公営企業管理者(小泉賢一君) 企業局の分については、先ほど総務部長が説明しました下水道については、全部統括して、さっきの落札率になっておりますし、局の分だけについては、経済常任委員会の方で説明をさせていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
○副議長(沢飯英樹君) 8番山野之義君。 〔8番山野之義君登壇〕(拍手)
◆8番(山野之義君) 最後の一般質問になりました。相当部分重複しておりますので、一部割愛し、一部私なりの視点からお尋ねしたいと思います。 文部科学省によりますと、平成11年度中に精神性疾患で休職した教員の数は、その前年より 209名ふえ 1,924名と、過去最高だったということです。背景には、先生の指示に従わない、反抗する子供がふえてきていることが指摘されてもいます。また、そのことを裏づけるかのように、全国の公立小中学校では、平成12年度に起きた校内暴力が約3万 4,600件と過去最悪になったことがやはり文部科学省の調査で明らかになりました。中でも対教師暴力は5,696件と、前年度より16.8%も増加しました。この種の公表数値はおおむね氷山の一角であるということが多いということを考えると、実態はもっと深刻であると思われます。児童・生徒が起こす問題行動は、多くの場合、家庭にその背景や原因があるとされることが多くあります。しかしながら、結果として、学校管理下における対教師暴力や器物破損等の損害の責任はやはり校長先生と市町村教育委員会にもあると言えます。 学校内外でのさまざまな事件を受けて、その学校の校長先生が深々と頭を下げる光景は、マスコミ報道等でよく見られるものとなってしまいました。私は、その報道を見ながら、事件そのものを残念に思うと同時に、一方ではその校長先生に対して同情の念も禁じ得ませんでした。しかしながら、その後その校長先生なり教育委員会が何らかの責任をとったという報道を聞いたことがありません。特に、学校を指導、監督するとなっている教育委員会は、合議制ということもあってか、責任の所在という意味では、全くその存在感は感じられません。もちろん校長先生の中には、個人的に何らかの責任をとられたり、また国旗・国歌法制定のきっかけともなった国旗掲揚に絡んだ校内の混乱を憂慮した校長先生がみずからの命を絶つというような何とも言えない痛ましい事件もあったりしました。しかしながら、これらの例は、組織として責任を明確にするといったシステムがないために、校長先生が組織のトップとしてではなく、あくまでも個人として、しかも責任感、正義感の強い方ほどすべての責任を負ってしまうということのあらわれと言えるのではないでしょうか。 学校段階において、責任と権限は校長先生にあり、各学校の運営が適正に行われるよう指導監督する責任は教育委員会にあると、一般的にはされています。しかし、前述しましたように、これだけ学校が荒れていたとしても、教育委員会が何らかの責任をとったということはやはり寡聞にして私は知りません。もちろん教員の任命権は県教委にあり、市教委は指導監督権限を有し、現場責任者は校長先生という構造が、責任をあいまいにしてしまっているという側面もあると思います。 しかし、前述しましたように、教員のように公務で年間 5,700件も暴力行為を受ける職種というものはほかにあるでしょうか。しかも、その上に立つべき方たちの責任の所在が不明確となれば、これでは現場の先生方は余りにも切ない。教育改革国民会議に参加されていた教育長のお考え、さらには本市においてその責任体制はどのようになっているのかお答えください。 さて、学級崩壊等の言葉であらわされる学校現場の混乱の多くの責任は、教師の資質にあると言われることがままあります。しかし、これまで述べてきたようなデータや、さきにお尋ねした責任の所在の不明確な構造からも想像されますように、昨今見られるようなわいせつ教師等は全くの問題外として、現場の先生方にその責任の多くがあるとするのは少々酷なような気もいたします。 〔副議長退席、議長着席〕 学校、特に義務教育は、文部科学省が決めた教育システムで多くの部分の運営がなされています。特に、ゆとり教育なる、旧文部省、現文部科学省の言うところの教育改革なるものがなされた結果、世界的に見ても、日本の子供たちの学力、思考力の低下は著しく、冒頭の数字にあらわされるように、学校崩壊のさらなる助長を引き起こしたことは言をまちません。そのゆとり教育なるものをまさに熱心に推奨してきた現在の文部科学省大臣官房審議官は、ある雑誌のインタビューで、ゆとり教育の真意として次のように述べられています。 本当は、大人にゆとりをという改革をすべきなんですけれども、大人の生き方に関して行政が干渉するわけにはいきません。ですから、子供の学校教育をゆとりあるものにすることによって、なぜそうなるんだろうということを大人に考えてもらいたいというのが、ゆとり教育の本当のねらいなんです。 私は、このことについて特にコメントはいたしません。また、教育改革国民会議のやりとりの中でも、その方は、「公共性というものは、国民が必要だと言うならば教えればいいのであって、必要じゃないと言うならば、そういうものは要らない」との発言もあったということです。つまり、ゆとり教育とは、まだ自我が確立されていない子供たちに対して、個性や自由なる言葉で想像されるものを強調し、社会という公についての概念を特に意識させないことを指すようです。そういうことを推奨する教育システムの中で、校内暴力の危険性にさらされながら職務に取り組む先生方は、いかに優秀な、すぐれた資質を持った方であったとしても、あくまでも個としての闘いであり、システムの前ではか弱い存在にしかすぎないものと言えるのではないでしょうか。もちろん個としても問題のある教員も残念ながら、少なからずいるようですが、実はこの点においても、問題のある資質を持った教員でも採用されてしまい、一たん採用してしまえば、雇用を取り消すことはもちろん、そのことを理由に配置転換もしにくいという制度も根本的に考えていかなければなりません。 さて、教育改革国民会議最終報告を受けてつくられた21世紀教育新生プランの中に、問題を起こす子供に対する適切な措置という記述が見られます。これは、第1分科会の報告書にも述べられておりますように、問題を起こす子供への対応をあいまいにせず、場合によっては出席停止処分に踏み切ることまでをも念頭に置いたものと言えます。たとえ問題を起こす子供であったとしても、義務教育を受ける権利があることは当然ではありますが、一方ではその子供が騒ぎを起こすことによって、他の子供たちの教育を受ける権利を侵害する、そのような権利をその子供は有してはいないということです。そのことを、教育委員会や校長先生は明確に意識し、提示することが必要です。もちろん出席停止になった子供への対応策に対しても慎重な配慮がなされることは言うまでもありません。その最終的な判断は教育委員会が行うものではありますが、実質的には校長先生の裁量にかかっていると言っても過言ではありません。校長がそのような判断をする際には、相当な勇気と覚悟が必要と思われます。その勇気を支えるためにも、教育委員会が毅然とした、明確な姿勢を示すことが、まさに責任と言えるのではないでしょうか。その議論のど真ん中にいらっしゃった教育長の責任ある答弁を期待いたします。 また同様に、教育改革国民会議の最終報告の中でうたわれているものの一つとして、奉仕活動の義務化が挙げられます。奉仕活動は自発的にやるものであって、義務化はいかがなものかという、さきのゆとり教育推進者と同レベルの意見を開陳する方もまま見られますが、教育改革国民会議の報告書の前文「日本人へ」を書かれた作家の曽野綾子氏は、そのことに対して明快に答えられています。つまり、 教育とは、程度の差こそあれ、強制から始まって自発性を目覚めさせる。個の発見は、必ず他者の中で行われる。その中で人間は共通性と個性の双方を発見する。他者のない個はなく、強制のない自発性も存在しない。まずは個の確立をという意見は当然のことではあるし、私は戦後50年以上もそのことを待った。しかし、そんな日はついにやってこなかった。 後段の部分は、いわゆるゆとり教育なるものに対する痛烈な皮肉にも聞こえますが、この発言に対しては、だれも正面切って反論することはできないのではないでしょうか。 さて、文部科学省は、本年度、小中高約 500校で進めている奉仕体験活動を来年度は 4,000校に拡大すると言います。この推進に当たり、約 1,600地域に支援センターを置くなどの体制整備をするということです。本市におきましても、どのような体制で取り組んでいかれるのか御答弁ください。 スクールフォーラムの実施、学校評議員制度等々、さまざまな地域の方たちによる学校へのかかわりが多く見られています。しかしながら、どうしても地域の方たちによる学校参加は、ある程度御年配の方たちが多くなってしまいます。また、議会においても何回か議論されておりますが、学校の教員の平均年齢は年々高くなってきています。幸い金沢大学教育学部を初め、本市及び近隣の都市には、将来教員になるべく勉強している学生も多くいます。その学生たちに、小中学校の運営に積極的にかかわってもらうという施策を検討してみてはいかがでしょうか。 子供たちにとっても、若い学生との交流は新しい刺激にもなると思われますし、学生にしても、将来教員になりたいといった明確な問題意識を持った方たちですし、できれば大学側との協力も得て、定期的に学生に協力してもらうことにより、大学の単位としても認めてもらえるようになれば、大変望ましいことではないでしょうか。これから、特色ある大学を目指している国公立大学にとってもメリットは大きいのではないでしょうか。大学側との積極的な交流が必要と思われますが、いかがでしょうか。 最後になります。最近多くの教育関係者から注目されている学校に、兵庫県の山口小学校が挙げられます。この学校は、子供たちに徹底的に読み、書き、計算の反復学習を通じて基礎学力をつけることに力を入れ、学力の面からも、生活指導の面からも、大きな成果を上げています。詳細はここでは述べませんが、総合学習云々の問題ではなく、現行の学習指導要領の範囲内においても、十分特色を持った学校づくりは可能だという一例と言えます。しかしながら、先ほど来述べておりますように、校長の権限及び責任が不明確なため、特徴を持った学校をつくっていくに当たり、あくまでも校長先生の個人的な裁量に任せ切ってしまうというのは、教育委員会の存在価値としては余りにも寂しく感じてしまいます。校長先生を初め、現場の先生方が大胆に学校改革に取り組める環境づくりを、教育委員会としても責任を持ってつくっていくべきかと思われますが、いかがでしょうか。 先般、平成14年度政府予算の原案がまとめられました。来年度の予算編成は、新規の国債発行額を30兆円以下に抑えることが基本設計と言えます。そのためにも、財務省がことし2月に試算した歳出総額よりも、さらに3兆円を超える圧縮が必要となってきます。その一つとして、地方単独事業も地財計画の中で10%の縮小がなされるということです。逆に言えば、地方にとってはさまざまな工夫の中で、地域づくりのビジョンや戦略をもって独自性を発揮することが求められていると言えます。 そこでお尋ねします。それら国の財政計画は、本市にとってどのような影響があると思われるのか、またその地域づくりのビジョンや戦略をどのように考えていかれるのかお答えください。 また、そのための手法の一つとして、いわゆるPFIは全国的にも大変注目され、また幾つか実施もされておりますが、本市としてはどのように考えておられるのか、あわせてお答えください。 次に、構造改革の流れの中で最も懸念されますことは、本会議でも何度か議論されております雇用対策と言われております。以前--相当以前ですが、石炭から石油へのエネルギー転換にあわせて、職を失った炭鉱労働者の再雇用を追跡調査したところ、約8割の方たちが職業訓練という段階を経た上で、全く違うジャンルへ再就職されたということです。何としてでも、何とかしなければならないという危機感のあらわれとも言われております。それに対して、やはり不況と言われ続けた90年代の10年間、この10年間で国民1人当たりのGDPは約16%伸びています。つまり、この間、バブル崩壊によって所得の2.4倍の資産を失いながらも、生活水準は実は16%アップしているということです。先ほどの炭鉱労働者の再雇用の時代に比べ、現代は、私たち国民の変わらなければならないという危機感が希薄なのかもしれません。また、多くの組織が、いわゆる東西冷戦時代のままの気分、考え方でいることが、現実との最大のギャップを生み出し、心理的な、さらなる不況感をあおいでいると言えるのかもしれません。いずれにしても、地方自治体の雇用施策としては、国と連動しながらと同時にではありますが、職業訓練の機会をふやしていくことが、構造改革のいわゆる安全網、セーフティーネットであると思われますが、いかがでしょうか。 さて、歳出面での工夫が大切であるということは言うまでもありませんが、歳入面からも地方独自の努力として、法定外目的税の検討も挙げられます。その進捗状況もあわせてお尋ねします。 本市の特徴の一つとして、市内を走る用水のせせらぎを挙げることができます。その保全を図るためにも、用水保全条例が制定され、本市の個性形成に役立っていることは言うまでもありません。その用水上にかかって駐車場などに利用されている私有の橋などに対して、用水保全のためだけに使用することを目的とした法定外目的税という発想はできないものでしょうか。国有財産管理特例措置法の改正にあわせまして、これまで国の所有とされてきた用水の底地が市町村に無償譲渡されることになりました。その進捗にあわせて、本市としてもこれからさまざまな整理してくることも出てくるかと思います。その作業にあわせて検討する価値のある課題かと思われますが、いかがでしょうか。 最後になります。ことし4月に出された金沢市商業環境形成指針案については、6月議会での議論はもちろん、その後多くの市民の方からのさまざまな御意見が聞かれました。それらを受けて、先般その修正案が出されました。大きな変更点は、地域拠点形成ゾーンだった石引地区と近隣型商業育成ゾーンとなっていた寺町地区を、地元の意向を取り入れるなどしながら、歴史観光特化ゾーンに変更し、ともに店舗面積の上限が 3,000平方メートルに抑えられました。そして駅西地区の通称50メートル道路沿いについての店舗面積上限を1万平方メートルから、1区画一体化という条件つきとはいえ2万平方メートルにまで拡大した点にあると言えます。また、当初懸念されておりました、規制の上限を超える既存店舗については、既得権を保障するとされております。 6月議会においても、何人もの議員がこの問題を取り上げ、市長の商業機能だけではなく、まちづくり全体についての考えもお聞きしました。まちづくりについての原理、原則というものがあったからこそ、このような全国的な、先駆的な試みがなされたものと思っております。 私は、今回の変更点のうち、石引地区と寺町地区についての変更については、報告書の説明を読んで十分納得できましたが、一方、50メートル道路部分については、駅西地区では既に高さ最低限や土地共同利用の地区計画、まちづくり協定が策定されているということを理由として変更がなされました。しかしながら、既に策定されているという言葉にもありますように、そのことは当初からわかっていたことであり、そういうことを踏まえた上で出てきた最初の指針案だったのではないでしょうか。駅西地区の地元商店街の方たちを初め、多くの商業関係者やまちづくりの専門家の方からも驚きと非難の声が上がっております。この点に関して不信感を持っている方たちに御理解いただける説明を期待いたします。 また、 300件余りの市民の方からの御意見や要望が寄せられているということですが、議論の透明性を少しでも高めるためにも、それらを検討委員会の議事録とともに、すべてホームページ上にアップして、不信感を払拭するための努力をすべきと思いますが、いかがでしょうか。 以上をもちまして、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(川紘一君) 山出市長。 〔市長山出 保君登壇〕
◎市長(山出保君) 8番山野議員にお答えいたします。 まず、財政問題でありまして、地方単独事業の10%カット、この影響をどのように克服していくのかというお尋ねでありました。国は地財計画をつくる際には、地方単独事業は10%削減の方針というふうにはお聞きをいたしておりますが、まだその中身の詳細は定かでございません。ただ、財政には少なからず影響があるということは否定できないというふうに思っておりまして、そういう意味で、これからは十分考えて予算を組んでいかなければいけないというふうに思っています。 財源の重点配分は大事になりますし、事業にとりますと、優先序列をよく考えるということ、それからもう一つは、計画的な執行ということを、単に年度内の計画的執行だけではありませんで、年度を超えた計画的な執行、こういうことについての配慮と工夫というものをしていかなければなるまい、そのように思っておる次第でございます。 そういうときに、PFIを十分活用すべきだというお考えでございました。御案内のとおり、民間の技術力、資金を活用して新しい社会資本を整備する手法でございまして、今年度庁内にチームをつくりまして、そしてこの対象事業の検討をやっておるわけであります。事業の採算性、また民間事業者の調査等を十分見きわめて、そして可能なものがあれば事業化につなげていきたいなという希望は持っています。 次に、職業訓練の機会をふやすことが一番大事だという御指摘でありました。そう思います。ただ、国と違って、なかなか地方には限界がありまして、そういう意味でもどかしさも感じておる次第でございます。そうありますれば、ありますだけに、国と連動して職業訓練の機会をふやすということを心がけていきたいというふうに思っています。 公民館とか各種の研修施設におきまして、国のIT基礎技能研修会を開催しておるところでございますが、今度、IT実務能力養成セミナーを実施することにしたわけでございまして、退職者の再就職を少しでも支援できないか、そう思っています。国、県の職業訓練施設において、能力開発を目指すところの中高年の方々を対象にいたしまして、既に中高年齢者職業訓練奨励金制度があるわけであります。これにつきましては、市としてもこういう制度を持っているわけでありますから、国の施策と連動して、そして相乗的な効果を生むようにこの活用を図っていきたいと思っています。 この法定外目的税のことについてお尋ねでありました。歴史的に見て、全国の自治体で初めて法定外普通税を起こしたというのは、我が金沢市でありまして、誇るべき市であるというふうに思っています。大正年間でありました。そういう市でありますだけに、私も法定外の普通税であれ、目的税であれ、こういうことについて関心がないわけではありません。いろいろ研究をしておるわけでありますが、具体的なことになりますと、税負担の公平性であるとか、あるいは納税者の信頼性とか、そういう点で難問もありますし、県と違いまして、まとまった税収ということになかなかならない。そういう点で、市町村での法定外普通税、目的税というのは大変難しいというふうに思っています。そういたしますと、やはり基本的には、分権を進めていくという立場に立ちますと、国と地方の税の配分比率を改めてもらう、これが基本だというふうに思っていまして、このことについては市長会等を通じてこれから努力をしてまいりたいと思う次第でございます。 そこで、用水の上にかかっておる私の橋、私有橋等に目的税をかけたらどうかと。一つのアイデアだというふうに思っています。思っておりますが、これにつきましては、県が国土交通省所管国有財産管理条例というものに基づきまして、県が使用料を徴収しておるということであります。市としては、国有財産特例措置法によりまして、法定外公共物の譲与申請の手続中でございます。この譲与を申請しておるわけでありますが、この譲与を受けた後どうなるかといいますと、何分にも過去の経緯がございますし、それから私有橋であると、個人使用という形態、こういうことからいたしますと、今までの県条例を引き継いで、そして財産使用料ということにならざるを得ないのではないかと、そういう思いでおることをひとつ申し上げたいと存じます。 商業環境形成指針につきまして、駅西地区の扱い、それから公開のことについてお話しでございました。御案内のとおり、指針は、厳しい商業の現状を踏まえまして、ゾーニング手法を用いて適正な商業のまちづくりを目指したものでございまして、今回の検討結果も基本方向を変更したものというふうには思ってございません。指針の策定は、経済環境、市民生活に与える影響が大きいこともありますために、案を公表いたしました。そして、たくさんの意見を求めてまいりました。そして、いろいろな手続を踏まえてきました。検討委員会も、識者、商業者、消費者からなる公正な委員会で十分得心をいただいた、議論をいただいたというふうに思っております。 駅の西側の地域につきましては、都市計画や地区の状況、また既に策定されておりますもろもろのまちづくり計画、あるいはそれに伴います地区計画等の熟度を詳細に検証もいたしまして、そして本市の広域的商業機能を補完すべき地域というふうにいたしまして、店舗面積上限1万平米の原則は変えずに、1街区一体利用をされた場合の条件つきにして2万平米ということにしたわけであります。御理解を賜りたいと思います。 不信感があるという御指摘でありましたけれども、そういうことであるとすれば、極めて残念に思っておりまして、別段私どもの扱いは、委員会を通じて公平、公正に行われて、他意のないことをひとつ御承知賜りたい、このように思います。 なお、この後の扱いでありますが、指針の性格からいたしまして、市民の理解と協力は必要不可欠というふうに考えてまいりました。これまでも議会への状況の報告、指針案の公表、意見募集の集約の結果、それから意見に対する検討結果、こうしたものを適時、適切に提供をしてきた次第でございます。これからは、指針として確定をするということになりますれば、計画冊子を作成して、そして要約パンフレット等による周知徹底を図ってまいりたいと思っております。市民からの御意見、また会議録、それを公開することについてはやぶさかではございません。ぜひ御理解を賜りたいと思います。
○議長(川紘一君) 石原教育長。 〔教育長石原多賀子君登壇〕
◎教育長(石原多賀子君) 8番山野議員にお答えいたします。 教育問題について幾つか御質問がございました。 教育委員会と学校長の立場につきまして、学校の荒れの問題等を抱える中で、現場の教職員は大変である、その現状に対する教育長の考え、また本市における責任体制についてお尋ねがございました。多様な背景や原因を抱えて、児童・生徒のいろいろな問題行動がある中で、教職員が教育者としての情熱を持って取り組んでいるところでございますが、それでもなお解決が難しい状況もあると認識しております。この状況を踏まえ、教職員を具体的にサポートするため、また問題行動や課題を抱える子供や保護者が、一人一人その状況が異なることをかんがみ、個別に継続的に取り組んでいくため、金沢市独自の取り組みとして、子ども生活相談員やスクールカウンセラーを増員するなど、学校に支援をしているところでございます。学校は子供の教育を行うところであり、そういう学校を支援していく立場にある教育委員会とが互いに連携し合って取り組んでおります。 出席停止についてお尋ねがございました。今回の法改正によって、他の児童に傷害、心身の苦痛、または財産上の損失を与える行為等、出席停止となる4つの要件が明示されました。出席停止は、本人に対する懲戒という観点ではなく、学校の秩序を維持し、他の児童・生徒の義務教育を受ける権利を保障するという観点から設けられているもので、市教育委員会が命じるものでございます。学校において、最大限の努力を行ったにもかかわらず、児童・生徒が性行不良であって、他の児童・生徒の教育の妨げがあると校長から報告を受けた場合には、市教育委員会としては毅然とした態度をとっていきたいと思っております。なお、その運用に当たりましては、児童・生徒や保護者に対して十分説明するとともに、意見をも聴取する必要があります。また、出席停止の児童・生徒の家庭が養育能力がない場合もございますので、総合的に判断する必要があると考えております。 奉仕活動について、来年度どのような体制で取り組むのかというお尋ねがございました。市教育委員会といたしましては、子どもボランティア活動推進事業により積極的に推進しているところでございまして、各学校においては、地域の道路や公園の清掃、海岸清掃、福祉施設への訪問など、社会奉仕体験活動を行ってきております。来年と言わず、本年4月に、既に青少年活動の推進・充実のため、青少年課を新たに設けたところでございまして、ボランティア活動など社会奉仕体験活動の充実に努めていきたいと思っております。 大学生の学校教育現場への参加についてお尋ねがございました。本市は、大学など14の高等教育機関が周辺に立地いたします、環状大学都市という個性を持っております。この個性を人づくりに生かすことは重要であると思っております。 御指摘のように、大学生が学校教育現場にかかわることについては、とても大事なことだと考えております。現在、小学校英語活動に参加している学生もおりますが、今後さらに多様な分野において学生に積極的にかかわってもらえるよう、学校現場における受け入れ体制の整備に努めてまいりたいと思います。 教育委員会は、特色を持った学校をつくっていくための環境づくりをどのように進めていくのかというお尋ねがございました。特色ある学校づくりとは、地域や子供の実態を踏まえた、地域に顔の見える個性ある学校づくりということでございます。そのため、校長を中心として、各学校が自主、自立的に考え取り組んでいくものであり、教育委員会は、人的、物的両面からの支援を行うとともに、具体的な教育実践についての指導、助言に当たっております。今後とも、教育委員会といたしましては、各校長からみずからのビジョン実現の提案を受け、個性ある学校づくりに向けた環境の整備に積極的に努めてまいりたいと思っております。 以上でございます。
○議長(川紘一君) 以上をもって、質疑並びに一般質問は終わりました。
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△委員会付託
○議長(川紘一君) ただいま議題となっております議案第1号ないし議案第24号の議案各件は、お手元に配付いたしてあります議案審査付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 〔議案審査付託表は本号末尾参照〕
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△請願・陳情の委員会付託
○議長(川紘一君) なお、今定例会におきまして、本日までに受理いたしました請願・陳情の各件は、お手元に配付いたしてあります請願・陳情文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 〔請願・陳情文書表は本号末尾参照〕
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△議案上程
○議長(川紘一君) 次に、日程第3認定第1号平成12年度金沢市
歳入歳出決算認定についてを議題といたします。
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△一般会計等決算審査特別委員会の設置
○議長(川紘一君) 本件は、平成12年度における金沢市一般会計歳入歳出決算の外、13特別会計歳入歳出決算の認定に関する案件であります。 お諮りいたします。 この際、提出者の説明その他を省略して、直ちに委員10名をもって構成する一般会計等決算審査特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(川紘一君) 御異議なしと認めます。 よって、本件については、委員10名をもって構成する一般会計等決算審査特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することに決しました。
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△一般会計等決算審査特別委員の選任
○議長(川紘一君) これより、一般会計等決算審査特別委員の選任を行います。 委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、 2番 渡辺 満君 3番 森 雪枝君 5番 干場辰夫君 7番 田中展郎君 9番 増江 啓君 13番 上田 章君 21番 中西利雄君 32番 森尾嘉昭君 37番 平田誠一君 39番 上田忠信君以上10名の方々を指名いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(川紘一君) 御異議なしと認めます。 よって、ただいま指名いたしました10名の方々を一般会計等決算審査特別委員に選任することに決しました。 なお、委員の方々は、本会議散会後御会合の上、委員長及び副委員長を互選され、その結果を議長まで御報告願います。
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△議案上程
○議長(川紘一君) 次に、日程第4認定第2号平成12年度金沢市
公営企業特別会計決算認定についてを議題といたします。
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△企業会計決算審査特別委員会の設置
○議長(川紘一君) 本件は、平成12年度における金沢市ガス事業特別会計決算の外、7公営企業特別会計決算の認定に関する案件であります。 お諮りいたします。 この際、提出者の説明その他を省略して、直ちに委員10名をもって構成する企業会計決算審査特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(川紘一君) 御異議なしと認めます。 よって、本件については、委員10名をもって構成する企業会計決算審査特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することに決しました。
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△企業会計決算審査特別委員の選任
○議長(川紘一君) これより、企業会計決算審査特別委員の選任を行います。 委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、 1 番 松村理治君 4 番 福田太郎君 6 番 横越 徹君 8 番 山野之義君 11 番 近松美喜子君 19 番 田中 仁君 24 番 寺中隆善君 27 番 出石輝夫君 34 番 南部康昭君 41 番 山田初雄君以上10名の方々を指名いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(川紘一君) 御異議なしと認めます。 よって、ただいま指名いたしました10名の方々を企業会計決算審査特別委員に選任することに決しました。 なお、委員の方々は、本会議散会後御会合の上、委員長及び副委員長を互選され、その結果を議長まで御報告願います。
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△休会について
○議長(川紘一君) 以上をもって、本日の日程は終了いたしました。 お諮りいたします。 本日はこれにて散会いたし、明21日から24日までは休会とし、25日は委員会審査のため休会といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(川紘一君) 御異議なしと認めます。 よって、さよう決定いたしました。 この際、御通知申し上げます。 次の本会議は、26日午後1時から開きます。
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△散会
○議長(川紘一君) 本日はこれにて散会いたします。 午後3時6分 散会--------------------------------------- 〔参照〕--------------------------------------- 平成13年定例第3回金沢市議会議案審査付託表--------------------------------------- 総務常任委員会議案番号件名ページ数 議案書 説明書 議案第1号 平成13年度金沢市
一般会計補正予算(第2号)
第1条 歳入歳出予算の補正
歳入 全部………………………………………………………………… 2 4 歳出 2款 総務費
1項 総務管理費
15目 諸費…………………………………………………… 3 11 9款 消防費……………………………………………………… 4 20 10款 教育費
6項 社会教育費
2目 文化財保護費………………………………………… 4 22 7目 博物館費……………………………………………… 4 22 8目 美術館費……………………………………………… 4 22 第2条 繰越明許費
9款 消防費……………………………………………………… 4 第3条 債務負担行為の補正
室生犀星記念館(仮称)建設事業費………………………… 5 23 第4条 地方債の補正……………………………………………………… 5 24 議案第5号 金沢市文化施設における共通観覧券の発行に関する条例制定について… 11 議案第7号 金沢市退職年金及び退職一時金に関する条例等の一部改正について…… 14 議案第8号 昭和42年度以後における金沢市職員共済組合条例等の規定による年金受給者のための年金の額の改定に関する条例の一部改正について………… 17 議案第9号 金沢市税賦課徴収条例の一部改正について………………………………… 19 議案第14号 金沢市消防本部及び消防署の設置等に関する条例及び金沢市消防団条例の一部改正について…………………………………………………………… 27 議案第15号 工事請負契約の締結について(問屋松寺線橋梁新設工事(下部工))… 28 議案第16号 工事請負契約の締結について(平和町住宅建設工事(建築工事))…… 29 議案第17号 工事請負契約の締結について(八日市住宅(仮称)建設工事(建築工事))…………………………………………………………………………… 30 経済常任委員会議案番号件名ページ数 議案書 説明書 議案第1号 平成13年度金沢市
一般会計補正予算(第2号)
第1条 歳入歳出予算の補正
歳出 6款 農林水産業費………………………………………………
7款 商工費……………………………………………………… 3
3 16
17 第2条 繰越明許費
6款 農林水産業費……………………………………………… 4 第3条 債務負担行為の補正
食肉流通センター建設事業費………………………………… 5 23 議案第13号 金沢市公営企業の設置等に関する条例の一部改正について……………… 26 厚生常任委員会議案番号件名ページ数 議案書 説明書 議案第1号 平成13年度金沢市
一般会計補正予算(第2号)
第1条 歳入歳出予算の補正
歳出 3款 民生費……………………………………………………… 3 12 4款 衛生費……………………………………………………… 3 13 5款 労働費……………………………………………………… 3 15 第3条 債務負担行為の補正
戸室リサイクルプラザ(仮称)建設事業費………………… 5 23 議案第3号 平成13年度金沢市介護保険費特別会計補正予算(第1号)……………… 8 29 議案第4号 平成13年度金沢市病院事業特別会計補正予算(第1号)………………… 10 33 議案第6号 町の名称の変更に伴う関係条例の整理に関する条例制定について……… 13 議案第20号 字の区域の変更について(俵町)…………………………………………… 33 議案第21号 「町の名称等の変更及び字の区域の廃止について」の一部変更について 34 建設常任委員会議案番号件名ページ数 議案書 説明書 議案第1号 平成13年度金沢市
一般会計補正予算(第2号)
第1条 歳入歳出予算の補正
歳出 2款 総務費………………………………………………………
(1項総務管理費中15目諸費を除く。) 3 11 8款 土木費……………………………………………………… 3 18 議案第2号 平成13年度金沢市土地区画整理事業費特別会計補正予算(第2号)…… 6 25 議案第11号 金沢市公園条例の一部改正について………………………………………… 23 議案第12号 金沢市屋外広告物条例の一部改正について………………………………… 25 議案第18号 委託契約の締結について(小立野古府線押野跨線橋及び横断地下歩道新設工事)………………………………………………………………………… 31 議案第19号 財産の処分について…………………………………………………………… 32 議案第22号 市道の路線認定について……………………………………………………… 35 議案第23号 金沢市の区域内で石川郡野々市町長が町道を認定することの承諾について………………………………………………………………………………… 36 議案第24号 市道の路線変更について……………………………………………………… 37 文教常任委員会議案番号件名ページ数 議案書 説明書 議案第1号 平成13年度金沢市
一般会計補正予算(第2号)
第1条 歳入歳出予算の補正
歳出 10款 教育費………………………………………………………
(6項社会教育費中2目文化財保護費及び7目博物館費及び8目美術館費を除く。) 4 21 議案第10号 金沢市公民館設置条例等の一部改正について……………………………… 21 --------------------------------------- 平成13年定例第3回金沢市議会請願・陳情文書表---------------------------------------1 新たに受理した請願(1件)陳情(1件) 番号 請願件名 請願人 紹介議員 受理年月日 請願要旨 付託委員会 第27号 国民健康保険制度の改善に関する請願 金沢社会保障推進協議会
代表委員 浜野猛明 森尾嘉昭 13.9.11 厚生 請願趣旨
昨年4月に施行された改定国保法により、国保料を1年滞納した世帯に対し、国保被保険者証(以下、国保証)を返還請求することが、市区町村に義務化された。国保証を返還した被保険者には、国保被保険者資格証明書(以下、資格証明書)が交付される。
金沢市では、5月に「資格証明書等の交付及び支給制限に関する要綱」が出され、5月下旬に2,806世帯に「催告書」が送付された。7月下旬には、1,245世帯に資格証明書の、1,218世帯に短期保険証の、それぞれ「発行予告書」が送られている。
資格証明書や短期保険証の発行は、医療を受ける権利を奪うものであり、国民の生存権をうたった憲法第25条や、国民保健の向上に寄与するとした国民健康保険法の第1条に違反するものである。また、貧富の差にかかわりなくだれもが平等に医療を受ける権利を侵害するもので、「国民皆保険」の原則を崩すものである。
そもそも、社会保障を必要とする人に制裁を科すことは、社会保障の本来の姿に反する。
資格証明書は、医療機関にかかるときは全額負担となるため、治療が必要な患者が受診できなくなる。全国保険医団体連合会の調査でも、資格証明書を発行された場合、通常の国保証が交付されている患者の受診率の20分の1に低下することが明らかになっている。金沢市では1987年、資格証明書の発行によって治療がおくれ、1人の市民が亡くなる事件が起こっている。資格証明書による死亡事件は全国で続発しており、保険証取り上げなどの制裁措置が、命さえ奪う非人間的なやり方であることは明らかである。
今、全国の市町村で国保料(税)の滞納者が年々ふえ、370万世帯に上っている。国保料(税)には、収入や所得がゼロでもかかってくる応益割があり、これが負担を重くしている。2000年からは介護保険料が上乗せされ、これも負担を一層重くしている。滞納世帯の圧倒的多くは、売り上げの減少や倒産・廃業、失業、病気や事故で働けないなど、個人の力だけでは解決できない、国保料を「払いたくても払えない」方々である。そして、国保料が払えないほど高くなっている背景には、国庫負担が大幅に引き下げられたことがある。
地方自治体には住民の生存権を守るという大切な仕事がある。1987年の死亡事件を再発させない見地から、14年間にわたって資格証明書と短期保険証を発行してこなかった本市の国保行政の基本的見地は、今後とも堅持すべきと考える。
以上の趣旨から、次のことを請願する。
請願事項
1.保険料滞納世帯の実状を把握し、保険料の減免・軽減制度などを活用して問題の解決をはかるなど、資格証明書の発行を行わないよう万全の対策をとること。 番号 陳情件名 陳情人 受理年月日 陳情要旨 付託委員会 第5号 憲法に保証された政治活動を妨害、偽証する警察、検察幹部、公務員、議員の綱紀粛正、罷免に関する陳情 家田 徹 13.9.3 総務 陳情趣旨
1.本件事件では交通指導課長等の15人以上の警察官動員で、県の公費を濫用して政治活動の妨害を行い、かつ虚偽の報告書を作成し、共謀して偽証をした。前代未聞の職権濫用警察不祥事事件であり、憲法違反の交通裁判で法令適用の誤りである。公正な控訴審裁判を願うものである。本件陳情を受けた国会、官公庁、正しい政治家は公正に審議し、マスコミは検察、警察、裁判所の犯罪を公開し、公務員犯罪の防止に支援願いたい。
2.罪となるべき事実の判決のうち、被告人は平成12年6月21日午前11時50分ごろ、石川県金沢市広坂2丁目1番1号先の歩道と車道の区別のある道路において、普通乗用自動車を駐車するに当たり、その左側両輪を歩道に乗り上げて駐車し、もって道路の左側端に沿い、かつ他の交通の妨害とならないように駐車しなかったものである、とあるが、陳情人は歩行者のほとんど通行しない歩道
を安全確保のため1メートル以上あけ、10メートル以上先の県庁駐車場から出てくる車両と、横断歩道の歩行者のために道路使用許可をとり、道路交通法第 114条の6の都道府県道路適正化センターの指導書どおりに適正に使用したものである。かつ道路使用現場の交通安全対策の1、歩行者等の通行帯の確保を遵守し、交通の妨げもしていない。陳情人の提出した乙第1の2のか、警察発行の道路使用手引の書証で明確である。かつ乙第1の2のぬ、道路使用許可の不服申し立て裁決書に示すように、「他の交通の妨げになっておらず」当時の歩行者はほとんどいなかった。事実認定の誤りである。かつ道路使用許可は道路交通法第77条第1項第4号の許可であり、歩道を除くと明記されておらず、同法の第47条第2項の法令の適用は誤りである。したがって証人は道路交通法第77条第1項第4号の許可も認識せず、陳情人の街頭宣伝を妨害した行為は職種濫用であり、時効になっていないのに偽証をした。
3.警察は検挙時には、法定駐停車禁止場所違反であり、現場を放棄させて、進入禁止場所から強引に車両とも不当に拘束し、陳情人を警察官約15人で辱めたことは、刑法第195条の警察官などの暴行、凌辱、虐待に該当し、よって本件判決は憲法違反である。
4.判決はあくまで駐車方法の禁止規定とあるが、百万石まつり等、警察署長からの道路使用許可は憲法により公平でなければならない。しかし陳情人への15人にも及ぶ大量の警察官の妨害、検挙当時から検察官の取り調べ、金沢簡易裁判所の長期間にわたる裁判で、違法行為を証拠、証言をもって弁明したが、証人の各公判供述を精査することなく偽証を採用したことは、職権濫用の犯罪であり陳情人の提出した当日のビデオ記録、答弁書、上申書、証人尋問書を再審査すれば判決の違法、不当が明確になる。事実認定の誤りであり、法令適用の誤りである。
5.証拠の標目として実況見分調書作成は陳情人が不在であり証拠に値しない。
6.判決理由に証人の供述によれば、陳情人は、本件駐車方法が道路交通法に違反することは十分了知し、違法性は認識していたものというべきであるから、陳情人の主張は採用できない、とあるが、元中警察署警備課長は自分で都合のよい道路交通法を捏造している。事実認定の誤りである。
7.職権濫用罪、偽証罪で罷免されたい。証言を信用、採用した裁判官の資質を疑う。事実認定の誤りである。憲法違反の警察官に多いのには驚く。特別監察を早急に願う。昇任試験の構造改革を願いたい。よって事実認定の誤りである。
8.定期的に道路使用許可をとった被告人は、街頭宣伝、政治活動等を適法に行うについて、出発地の金沢東警察署長から道路使用許可を受けており、本件当日は、その使用許可に基づいて街頭宣伝のため道路を使用していたものである。この道路使用許可によって、道路交通法に定める駐車方法の禁止規定が解除されたものということはできない、とある判決は事実認定の誤りであり、かつ法令適用の誤りである。
9.本件判決のように違法な法律解釈をすると、狭い日本の道路事情で政治家、立候補者は憲法に定めた政治活動の自由、保証がなくなり、治安警察横行の時代に戻り、警察官、検察官、裁判官、公務員の犯罪は増大し、日本の将来に憲政史上最悪の判例を残す。警察、検察、裁判所の特別監察で改善していただきたい。
10.歩行者、道路使用許可者が共存するために道路の使用の許可の条文を設けたのである。陳情人は14回の選挙の出馬をし、警察に多くの妨害を受けた。検挙された当時も現在も警察汚職、談合が是正されず警察刷新の法律改正を契機に、犯罪の公開をする陳情人に対し、エスカレートした妨害が続発するので、憲法違反の判決には屈服しない。本件訴訟維持に膨大な時間を浪費し、長年の政治活動に、犯罪的検挙、起訴、裁判行為は許せない。近日中に民事訴訟、損害賠償名誉回復訴訟を提起し、子孫に恥じないきれいな政治と選挙を残すため、政治家各位に控訴趣意書を公開して、街頭宣伝、政治活動の妨害関係公務員の監察と罷免、刑事罰を願う。...