金沢市議会 > 1999-03-08 >
03月08日-03号

  • "非核証明書"(/)
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  1. 金沢市議会 1999-03-08
    03月08日-03号


    取得元: 金沢市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-11
    平成11年  3月 定例会(第1回)             平成11年3月8日(月曜日)      -------------------------●出席議員(42名)     議長  上田忠信君           副議長  中村 正君     1番  新谷博範君           2番  苗代明彦君     3番  増江 啓君           4番  浅田美和子君     5番  森 雪枝君           6番  上田 章君     7番  村池敬一君           8番  山野之義君     9番  渡辺 満君           10番  近松美喜子君     11番  森尾嘉昭君           12番  小津正昭君     13番  沢飯英樹君           14番  玉野 道君     15番  田中 仁君           16番  関戸正彦君     17番  高村佳伸君           18番  中西利雄君     19番  宮保喜一君           22番  中村 正君     23番  寺中隆善君           24番  木下和吉君     25番  野本 昇君           26番  川 紘一君     27番  南部康昭君           28番  本間勝美君     29番  東出文代君           30番  的場豊征君     31番  松本捷男君           32番  升 きよみ君     34番  中村 勲君           35番  西村直則君     36番  不破 実君           37番  勝田三郎君     38番  出石輝夫君           39番  平田誠一君     41番  北井 博君           42番  井沢義武君     43番  山田初雄君           44番  北 市朗君●欠席議員(なし)●欠員 20番、33番---------------------------------------●説明のため出席した者 市長      山出 保君       助役      佐子田 正君 助役      下河内 司君      収入役     源田久男君 公営企業管理者 多田 衛君       教育委員長代理 吉田國男君 都市政策部長  油谷德次君       総務部長    中西勝之君 財務部長    富田 孝君       経済部長    浜井政美君 農林部長    酒井達明君       市民生活部長  中田耕治君 福祉保健部長  金子 衞君       環境部長    北川捷昭君 土木部長    小泉賢一君       建設部長    山本義行君                     市立病院 下水道部長   木田 學君               谷  昇君                     事務局長 美術工芸大学         加藤正人君       中央卸売市場長 長野鉄義君 事務局長 教育長     石原多賀子君      消防長     新木一良君 財政課長    山形紘一君---------------------------------------●職務のため出席した事務局職員 事務局長    頭川 潔君                     議事調査 議事調査課長  渡部為彦君               黒澤和規君                     課長補佐 主査      板井 豊君       主査      松倉剛弘君 主査      寺野 匡君       主査      森沢英明君 主任      納谷英行君       書記      小村正隆君 書記      木谷保博君 総務課長補佐  中嶋 弘君       主査      山下範泰君 主査      宮本博之君       書記      小原 素君---------------------------------------●議事日程(第3号) 平成11年3月8日(月)午前10時開議日程第1 議案第1号平成11年度金沢市一般会計予算ないし議案第87号市道の路線変更について                                (質疑)日程第2 一般質問---------------------------------------●本日の会議に付した事件  議事日程(第3号)に同じ---------------------------------------                    午前10時4分 開議 △開議 ○議長(上田忠信君) 本日の出席議員数は、ただいまのところ41名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △会議時間の延長について ○議長(上田忠信君) あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議案上程 ○議長(上田忠信君) これより、日程第1議案第1号平成11年度金沢市一般会計予算ないし議案第87号市道の路線変更について、以上の議案87件を一括して議題といたします。        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問 ○議長(上田忠信君) これより、質疑並びに日程第2一般質問をあわせ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 10番近松美喜子君。   〔10番近松美喜子君登壇〕(拍手) ◆10番(近松美喜子君) 私は、日本共産党市議団を代表いたしまして、市長並びに関係者に質問いたします。 質問の第1は、新ガイドラインに関してであります。 政府は今国会にガイドライン関連法案イコール戦争法案を提出し、その審議を一気に進め、成立させようとしています。ガイドライン法案は、周辺事態への対応としてアメリカが武力行使に踏み切った場合に、日本がそれに軍事的に協力する仕組みをつくるものであります。これまで戦争はしない、戦力は持たないという2つのことを決めた憲法第9条がありながら、自民党政府は自衛のためと言って自衛隊をつくり、9条の戦力は持たないという原則を踏みにじってきました。しかし、戦争はしないという原則までは踏みにじることはできませんでした。ところが今度は、自衛隊を海外でのアメリカの戦争に参加させ、戦争はしないの原則までひっくり返そうとしている、それがガイドライン法案です。 国会論戦でも明らかなように、どれだけ政府が米軍への後方支援をやるだけだからと言おうとも、燃料の補給、武器の整備や修理などは、どれも国際法で戦争行為とされているものです。後方支援だからという言いわけで、世界には通用しないことは明らかです。このような危険なことに自治体や民間人まで動員しようとしているのであります。地方自治体地方自治法によって、住民の安全、健康、福祉を守るために諸施設の設置、管理、使用の規制など独自の権限が認められています。新ガイドライン成立の動きは、憲法や地方自治法の本旨に反し、地方分権にも背くものだと考えますが、市長の見解を伺います。 このことが最も象徴的にあらわれたのが、外国艦船の入港に際して非核証明書の提出を求めるという高知県の条例改正問題であります。ガイドライン法案の成立のねらいを背景にして高知県に圧力をかける政府の姿は、憲法の地方自治の原則に反し、これまで国の基本政策であった非核三原則をみずから否定することと等しいと考えますが、市長の見解を求めます。 政府の高知県知事に対する対応は、港湾管理の国内法に照らしても不当なことだと言わざるを得ません。本来、港というのは地域住民の安全な暮らしのために役立たなければならないものであります。しかし、かつては戦争で軍隊が好き勝手に使う軍事の拠点になりました。この反省を受けて、戦後港湾管理が自治体に移ったものであります。港というのは平和のために使われるという大前提のもと、戦後自治体の権利として憲法に則して確立された貴重な教訓であります。昨年夏、金沢港に米軍の艦船ガーディアンが寄港しました。新ガイドラインの危険な先取りであり、金沢市民の安全を脅かすものとして我が党は厳しく抗議をしたところであります。ところが市長は、知事が認めたこととして追認されました。高知県知事や北海道の苫小牧市長などの非核証明書の提出を求める報道をどのように受けとめられますか。今後金沢港を軍事利用させない何らかの行動をとるべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。 質問の第2は、新年度予算についてであります。 長引く不況が国民生活に深刻な影響を及ぼしています。しかし、政府は景気回復の有効な対策を何一つ示さないばかりか、大銀行へ60兆円税金を投入することを決め、現在審議されている新年度予算は相変わらずゼネコン向け公共事業に税金をつぎ込むという内容となっています。 その上、国民が望んだ消費税減税などには背を向けながら、恒久減税の名に隠れ庶民増税を進めようとしています。その中身は、98年度の定額方式による特別減税と比べて最高税率の引き下げなど、高額所得者が減税となっています。そして、その内容は家族4人の標準世帯では年収 794万円以下の世帯が前年度と比べて増税になることに見られるように、年収 500万円の標準世帯では差し引き10万 7,100円の増税になり、その一方で年収 5,000万円以上の世帯では 300万円の減税となります。その結果、増税になる中低所得者層全体での総額1兆円は、減税となる高額所得者層の総額1兆 3,000億円になり、つまり政府は中低所得者層から1兆円の所得を奪い、高額所得者層に 3,000億円のおまけをつけてばらまいているという内容になります。一部の高額所得者法人税減税が対象となる内容で、国民の7割から8割は10年と比べて増税になることが明らかになりました。これでは恒久減税ではなく、国民にとっては増税法案であります。不況が深刻なのに、国民の大多数に新たな増税では景気回復にはならないことはだれが見ても明らかです。このような国の悪政から市民生活を守り、不況克服の有効な対策となる新年度予算であることが求められます。 我が党は国民本位の景気対策として消費税の減税など、まず国民の消費を温めることを最優先にすることを求め、大銀行やゼネコン支援のむだと浪費を取り除いて財源をつくり出し、社会保障を充実させて将来の不安を取り除くことを提案しています。そのためにも公共事業は生活密着型に切りかえ、中小企業の仕事を確保していくことが大切だと考えています。 本市新年度予算で市長は不況克服を最重点課題に挙げられましたが、景気回復の決め手である市民の消費を温めるという点から見てどうでしょうか。個人市民税法人市民税を合わせて36億円の減税を実施したとされました。しかし、これは先ほどから申し上げているように減税とは名ばかりで、差し引き増税であり、景気を一層冷え込ませるものであります。しかも、国が行ったことです。市民生活を応援するためにも、市長の権限でなし得る減税措置をとるべきではありませんか。公共料金にかけられた消費税の引き下げ、都市計画税の引き下げなどを検討すべきと考えますがいかがでしょうか。 さらに公共料金はどうでしょう。東京、名古屋の2倍と批判が強かった保育料を据え置くなど、極力抑制したとされました。しかし、料率を据え置くとした国民健康保険料賦課限度額1万円の引き上げで、実質負担増となっています。市民生活に重い負担となり、日本一高いと批判が集中している水道料金などはそのままで、思い切った軽減措置をとるべきではありませんか。 これらの財源は駅前の大改造、金沢テクノパークの造成事業、駅武蔵再開発事業、辰巳ダム建設など、市民が望んでいない大型プロジェクトの見直しで確保するべきであります。計画中止をも含め検討するべきではないでしょうか。 特に、辰巳ダム建設については県の公共事業再評価の対象となり、現在検討中でもあり、全国的にもむだなダムとの指摘を受けているものであります。ことし1月、私たちが行った建設省交渉でも市民的合意が得られていないのは承知しており、住民合意が大前提とされていました。さらに、最近ではダム建設に反対する市民団体からの県の洪水対策の代替案の事業費見積もり額に疑問の声が上がり、その算定根拠の公開の声も広がっています。決して市民的合意は得られていない状況にあります。県の新年度予算にかかわって、仮に県民合意でダムが不要になったとしてもと、知事の建設に消極的ともとられる発言が報道されると、市長は建設促進の立場で早速知事に会いに行かれました。市長のこの対応は市民の不信や疑問に時間をかけてもこたえようとする姿勢が全くないと言わざるを得ません。市民的合意が得られ、審議検討の結果が出るまで、少なくとも財源投入は見合わせるべきではありませんか。これまで注いだダム建設関連の費用は県民の授業料などとした知事と同じように、税金を注ぎ続けるおつもりでしょうか、伺うものであります。 新年度予算に関する最後は、後世に負を残す市債についてです。市長は比較的かたい予算編成と健全財政を強調されました。しかし、市債は前年度に比べて10億円ふやされ、 5.2%増の 207億 9,950万円に上り、借金に当たる市債残高は一般会計で 2,138億円と過去最高になっています。特別会計の 579億円、公営企業会計の 2,057億円と合わせ、全会計で4,775 億 6,000万円に達します。その結果、市民1人当たり 104万 4,000円となり、借金返済に当たる公債費は前年度に比べ14億 6,000万円ふえ、 162億6,000 万円と歳出に占める割合は約10%で、7年連続ふえ続けています。いかに健全財政を強調しようとも、借金がふえ続けていることは紛れもなく、市民負担の軽減、将来にツケを残さない財政再建のためにも、むだな大型公共事業を見直すなど、予算の抜本的な組みかえをするべきではないでしょうか、市長の見解を伺います。 質問の第3は、行政改革についてであります。 金沢市行政改革大綱が再点検見直しをされて発表されました。前大綱の計画年次を2年残し、90%を超える達成見通しがありながら今なぜ新たな見直しが必要となったのか伺います。 市長は、行革は国から言われてするものではないということを先日の議会で強調されていました。しかし、今日、全国の地方自治体は国主導の大型開発がもたらした深刻な財政危機に直面し、今度はそれを乗り切るためとして自治省の強力な指導のもと、行政改革大綱づくりの作業が進められたのであります。重大なことは、財政危機をもたらした大もとの反省も見直しもないままに、福祉や教育、暮らしなどの住民サービス切り捨てと、住民負担増で乗り切ろうとしていることであります。市長は、今日の財政危機の原因がどこにあると考えて行政改革をまとめられたのか、まず伺います。 この間、国による 630兆円の公共投資基本計画や、92年度以来8次に及ぶ景気対策によって、地方公共事業、特に地方単独事業が押しつけられてきました。しかも、財源不足も地方負担の借金によって公共事業を異常に膨張させる中身となっています。このことは全国の自治体の公共投資が80年代後半に比べ90年代以降の累計が 100兆円ふえたのに対し、借金もまた 100兆円ふえたことにあらわれています。しかも、その中身はゼネコンだけが潤う無謀な大規模開発が中心な上に、見通しがずさんで採算性は度外視、目的も不明確というものでした。財政危機をつくったこれだけの原因がはっきりしているにもかかわらず、政府はゼネコン奉仕型の公共事業は削るどころか、逆に拡大し、その一方で福祉・住民サービスは重箱の隅をつつくようなことまでして、見直しや削減を押しつけようとしております。これが自治省指導行政改革です。 一昨年、地方自治新時代に対応した地方公共団体行政改革推進のための指針策定についてという自治省事務次官通達が出され、その中でも住民サービスの向上という言葉を至るところで上げながら、徹底した効率化の推進を求め、その主なものは事務事業の整理合理化、規制緩和の推進、民間委託の推進、補助金の整理合理化、市町村及び広域連合への権限移譲、地方分権に対応した簡素効率化と総合化として徹底した効率化を求めています。本市の新たな行革大綱も、この自治省通達に沿ったものとなっています。 平成8年から進められてきた金沢市の行政改革の主なものは、小学校の統廃合、中学校給食の民間委託、保健所の統廃合など、教育や福祉の分野も例外なく行革の対象とするものでした。限られた財源の中で、新たな行政需要に対し積極的に対応していくためとして、スクラップ・アンド・ビルドを徹底するとし、市民のささやかな楽しみである記念植樹の補助の廃止や、町会補助金の削減などや公共料金の引き上げで市民負担を進める一方で、都心軸の開発では見直すどころか、当初予定にもなかったような武蔵地下駐車場、駅前のドーム屋根建設などを盛り込みながら、むだを拡大するという内容で進められました。今回の行革大綱でも、経常一般行政経費を平成10年度より5%削減するほか、9年度比較で公共事業のコストを10%以上削減するなど4項目の数値目標と、平成7年度当初を基準として平成12年度までに職員の40人削減を中心に早朝ごみ収集の廃止、中学校給食の調理、ガス消費機器等法定調査業務の民間委託など、88項目の見直しが挙げられています。 ここで、職員定数削減について伺います。御承知のように、介護保険制度の導入など職員の新たな増員が見込まれる中、40名の削減目標が立てられた平成7年度当初から見て社会状況が大きく変化をしています。状況の変化に対応する見直しと言えるでしょうか。働く職員のしわ寄せや市民サービス低下であってはならないと考えますが、見解を伺います。 金沢市の職員定数は、21の中核市の中で比べても、人口 1,000人に対し10.2人で14番目で平均以下となっています。決して職員数は多い方ではありません。無理して削減する必要はないのではないでしょうか。しかも、これまで21人の削減を行ったその内容は、正規職員31人の減、臨時職員25人の減、ここには主に職員の病休、産休、育休などの欠員代替えなどが充てられており、合わせて56人が削られました。その一方で、非常勤8人、パート職員27人が増員されたものであります。11年度の11名を含む19名削減計画は、職員への過重負担と市民サービス低下とならないのか、改めて伺います。 しかも、今日の深刻な不況のもと、雇用の創出こそが求められているときだけに、人員削減は避けるべきと考えますが、いかがでしょうか。 さて、今回も教育の分野が例外なく行革の対象になっています。教育現場から中止が求められている校務士、調理師の削減が引き続き挙げられ、中学校給食は配送に加えて調理の分野まで民間委託となっています。本来、教育や福祉は合理化行政の対象とするべきではなく、公的責任を明確にし、行政が直接責任を果たす分野であります。さらに、市民サービスの点から見ると、企業局サービスセンターの一元化、業務の機械化、委託、事務体制の見直しなどで74人の削減となっています。具体的には、これまであった企業局の東部、南部、西部の3つのサービスセンターが南部、西部の2つになって、対応する職員を26人削減するものであります。昨年1年間で約6万 6,000件近い市民からの要望に、3つのサービスセンター、85人の職員でこたえていたものが、2サービスセンター、59人の職員ということで、サービス低下と職員の負担増は避けられないと思いますが、見解を伺います。 質問の第4は、行き届いた教育と学校施設改善についてであります。 去る2月15日、我が党は市長に対し、学校施設などの総点検と改善を求める申し入れを行いました。これまで我が党は大型開発に偏った公共事業を、福祉、教育、暮らし密着型で行うよう求めてまいりました。しかし、社会保障に20兆円、公共事業に50兆円という逆立ち政治は、ゼネコン型の大型開発に大盤振る舞いをする一方で、本当に必要な公共事業にはお金が使われてきませんでした。そのあらわれの一つが、小・中・高校の公立学校の施設整備費を国・地方合わせてこの10年間で1兆円も削ってきたことにあります。その結果、全国で豪華な庁舎が建てられる一方で、学校施設の危険、老朽化の放置が問題になっています。 我が党の不破委員長志位書記局長が国会で取り上げ、有馬文部大臣に改善を求めたところであります。私たち市議団も市内の小中学校を訪問し、何人かの校長先生にお話を伺うことができました。老朽化した校舎では、教頭先生が壁を明るいカラーペンキで塗りかえるなど、現場の先生方の努力もうかがい知ることができましたが、雨漏りがする体育館や、防災訓練の緊急放送が聞こえない放送施設、消火栓の水が校舎にかからない、水道管の腐食によると見られる赤い水など、緊急に改善が求められる話も幾つか伺いました。これら教育現場の実態を教育委員会はどのように把握し、改善計画を持っているのか明らかにしていただきたいと思います。 学校の施設修繕ということでは、これまで校務士さんが重要な役割を果たしてこられたというお話が校長先生からありました。校務士さんの削減と削減計画は、修繕などが速やかに行えず放置されたりすることにつながっているのではありませんか。さらにプリント代などが依然として保護者負担となる一方で、備品購入費、教材費、消耗品費などの学校運営費については大変窮屈になり、教員の自己持ち出しなどの声も上げられています。このような実態もどのように把握し、対策をとられるのか伺いたいと思います。 校務士さんの削減を中止し、学校運営など必要な予算を確保するべきであります。校舎の荒れは子供たちの心の荒れにも通じるものと考えますが、子供たちと教育を取り巻く状況が深刻なときだけに、十分な対応が求められます。同時に、不要不急の公共事業を見直し、校舎施設の改善に取り組むことは、教育条件の改善だけでなく、財政を再建して地元の中小業者の仕事の確保や雇用拡大にもつながると考えますが、見解を伺います。 質問の最後は、消雪対策です。 さきの議会でも触れましたが、雪対策は本市にとっては避けて通れない重大な課題です。ことしの冬も何度か積雪がありました。主要幹線道路は行政が、生活道路などは行政と住民が協力をする形で金沢の雪対策が進められてまいりました。しかし、高齢化がだんだんと進み、市民参加による除雪が困難になっています。生活密集地などへの除雪の対応を、今後どのように改善していくのか伺います。 このような状況の中、市民グループの手で各地でさまざまな形で消雪の実験、提案が行われ、限りある地下水に頼らず自然水を利用したり、雪を解かした水を再利用する循環型など、効果が確認され、住民から歓迎されています。特に、高齢者世帯にとって冬の安心を届けるものになっています。金沢は坂道が多く、鈴見台など急な勾配の高台では、安心して住み続けられる町づくりを願う住民にとって、雪対策は切実な課題となっています。市民の願いにこたえ、雪に強い町づくりを進めていく上で、各地域に応じた地下水に頼らない消雪方法の可能性調査を行い、国・県の協力も求めて計画的に融雪地域をふやしていくべきと思いますが、見解を伺って質問を終わります。(拍手) ○議長(上田忠信君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 10番近松議員にお答えをいたします。 新しいガイドライン法案をどのように受けとめておるかというお尋ねでありました。この法案は、基本的には国の防衛にかかわる事柄でございます。ただ、一部地方や民間活動にも影響を及ぼす内容を含んでおりますので、国会での幅広い論議を注意深く見守っている、こういうことであります。 非核証明書の提出のことについてお触れでございました。昨年、米軍の掃海艦が金沢港に入港いたしまして、その際には港湾管理者の石川県が外務省に核兵器の有無を確かめて、そして係留を許可したというふうにお聞きをいたしております。本市といたしましては、その取り扱いを了としていると、こう申し上げたいと思います。 新しい年度の予算につきまして、幾つかお尋ねでございました。減税を実施するとしておるが、実質は増税ではなかろうか。都市計画税の税率を引き下げるという考えはないのかというふうな御趣旨でございました。税につきましては、租税法定主義は民主主義社会の原則でございます。そのことをまず申し上げておきたいというふうに思います。また、金沢市の都市計画税の税率のことでございますが、御案内のとおり、本市の都市基盤の整備、私は十分とは言えないというふうに思っておりまして、したがって、軽々に税率を引き下げる考えは持っていません。なお、市として新しい年度においては、公共料金は原則据え置いたということをぜひ御承知をいただきたい、このように思います。 水道料金のことは、公営企業管理者からお答えをいたします。 大型の公共事業を見直すべきではなかろうかという御趣旨でございました。駅の周辺整備でありますとか、再開発、これは金沢市の都心軸を形成いたしておりまして、快適な公共空間をつくっていこうというものでございますし、テクノパークの造成は先端産業の立地によりまして、金沢の産業の活性化を目指そうという趣旨でございます。それぞれに発展に不可欠な事業というふうに思っておりますので御理解をいただきたい、このように思います。 辰巳ダムの建設についての考えをお尋ねになりました。県は辰巳ダムにつきまして、建設は必要であるという方針を決めていらっしゃいまして、市といたしましても事業の促進を強く働きかけていきたい、このように思っております。昨年の集中豪雨によります犀川流域の浸水被害を考えますと、私はダムは必要だと、こう思っておる次第でございます。 市債を減らす手だてを講じないのかというお尋ねでございました。市債の残高がふえているということは事実でございます。問題は、その償還に幾ばくの一般財源が要るかということでございまして、これを示す起債制限比率は、警戒ラインといわれる15%よりかなり低い水準にあることを御承知いただきたいというふうに思っております。生活に身近な社会資本の整備は今後とも進めていかなければなりません。そのために市債を活用する必要のあることを御理解いただきたいと思います。もちろん財政の健全性を確保するということが大切でございまして、引き続いて有利な起債の導入、あるいはまた繰り上げ償還等については格別に心を配っていくつもりでございます。 次に、行革大綱の見直しについてお尋ねでございました。なぜこの時点で改正をするのかという趣旨でもありました。地方分権推進計画が決まりまして、地方分権がいよいよ計画から実行の段階に入ろうということになっておりますし、分権の担い手といたしまして一層行政体制も整備が求められるということが1つございます。加えまして、前回の行革大綱から3年を経過いたしました。実施率が90%を超えておりまして、着実に成果は上がっているということもございます。こうしたことを踏まえまして、さらに大綱の見直しを行いたい、このように思った次第でございます。 人員削減のことについてお触れでございました。職員の減員には市民サービスの低下、あるいは職員の労働過重というものがあってはならないというふうに思っております。介護保険時の増員要素に対しましても、徹底したスクラップ・アンド・ビルドを基本にいたしまして、全庁的な事務事業の見直しを行ってOA化、委託化等の民間活力の導入も進めて、適正な職員配置に努めているところでございます。分権が進む中、最小の経費で最大の効果という行財政の運営が求められるわけでございまして、採用も漫然とするのではなくして、かつ定員は適正でなければならないというふうに思っておる次第でございます。ふやすべきはふやし、減らすべきは減らして、そして時代の変化に合わすべき、これは当然のことというふうに思っておりますし、民間の今のリストラの状況もあるわけでございまして、役所だけが考慮の外というわけにはならないと、こう申し上げたいのでございます。 財政危機を招いた元凶は、公共事業ではなかろうかというお考えでございます。本市の公共事業につきましては、これまで毎年予算編成の中で社会経済情勢に照らしながら、一つ一つ必要性、あるいは緊要性等を検討しまして、厳選をしておるところでございます。それぞれに緊急整備が求められるものばかりでありまして、したがって見直す考えはございません。 企業局のサービスセンターのことは公営企業管理者から、また中学校給食の委託、あるいは学校設備のことにつきましては、教育長からお答えをいたします。 最後に、消雪対策につきまして、地下水以外の消雪可能性調査を実施したらどうかということでございました。11年度に新たな事業といたしまして、中心市街地においての消雪装置設置調査というものを実施することにしておりまして、順次この調査の範囲を広げていきたい、このように思っておる次第でございます。必要とあれば国の方にも支援を求めていくということでありたいと思っております。 ○議長(上田忠信君) 多田公営企業管理者。   〔公営企業管理者多田 衛君登壇〕 ◎公営企業管理者(多田衛君) お答えをいたします。 水道料金について御意見がございました。平成9年度に料金を改定する際に、厳しい経営効率化目標を自主的に公表し、これを組み込んで料金を算定いたしました。さらに、10年度と11年度の2カ年で10%の建設工事費の縮減を図ったところであります。一方、配水管や浄水施設の耐震化、山間地を中心とした水道の未普及地域を解消するための投資も不可欠でございます。これらを踏まえ、料金の安定、抑制に努力していることを御理解賜りたいと思います。 次に、サービスセンターの統合による市民サービスの低下を御指摘になりました。3つを1つにすることにより受付窓口業務を一本化し、パトロールカー体制による業務の迅速化を図り、さらに職員の応援流動体制をとるなど、お客様の要望に適時的確に対応し、これまで以上のサービスを提供したいと考えております。 以上でございます。 ○議長(上田忠信君) 石原教育長。   〔教育長石原多賀子君登壇〕 ◎教育長(石原多賀子君) 10番近松議員にお答えいたします。 行政改革の実施による中学校給食の民間委託は、教育の後退につながらないかとのお尋ねがございました。直営か委託かといった雇用形態の違いによりまして、子供たちの健康や教育的意義が左右されるものではございません。 行き届いた教育と校舎の整備に関しまして、学校の設備の点検や整備について教育委員会はどのようにしているのかお尋ねがございました。毎年度当初、市内全校に対し、巡回による施設点検や、消防設備機器等につきましても、専門業者への点検業務委託発注を行うなど、学校施設の維持管理に万全を期しているところでございます。御指摘のようなことがないよう、学校との連絡を密にしながら、今後とも迅速に対処してまいりたいと思っております。 教育予算の確保について、備品や消耗品等保護者負担が増加しているのではないかお尋ねがございました。備品等は、学校規模や耐用年数等を考慮いたしまして計画的に購入しております。消耗品等は各学校の学級数、児童数に応じまして、校費等の適正な配分に努めているところでございます。なお、学校において個人で使用いたします副教材等を採用するに当たりましては、授業を進める上での必要性や、保護者の負担を勘案して決定するよう指導の徹底を図っているところでございます。 以上でございます。   〔「議長、10番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○議長(上田忠信君) 10番近松美喜子君。 ◆10番(近松美喜子君) 市長にガイドラインについてもう一度お聞きいたします。今回の動きは急で大変危険な状況だというふうに私たちは思っているのですけれども、高知県、そして函館とか、全国の自治体でこの動きに対して、住民の安全を守るという点からして、自治体の責任者が責任ある対応をとるということが今広がってきているのですが、市長がみずから動くとか、そういうことは別としても、高知県の知事の対応をどのように受けとめているのか、改めてお聞きしたいと思います。 もう1つは、中学校給食の民間委託ですが、運営の形態によって教育内容にかかわりはないというふうに繰り返し教育長は言われるのですけれども、利益を目的とする民間と住民奉仕の立場をとる行政とでは、私は性格的に違うというふうに思っています。本来、教育の中に効率化を持ち込むべきではないというふうに考えていますが、効率化、運営経費の削減ということもこの中に挙げて行うのであれば、民間委託で本当に経費削減になるのか。全国で進められてきた自治体の中では、10年、20年と経過する中で委託料が当初から非常にはね上がって、かえって予算高になっているということが指摘されています。何年間かの試算をもって民間委託に踏み切ろうとする、そういう根拠もまた示していただきたいと思います。 ○議長(上田忠信君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 高知県議会でもいろいろ御議論があるようでございますし、また、このことについての国会サイドでの御議論もあるようでございますので、注意深く見守っておる、こういうことでございます。
    ○議長(上田忠信君) 石原教育長。   〔教育長石原多賀子君登壇〕 ◎教育長(石原多賀子君) お答えいたします。 中学校給食の民間委託に当たりましては、総合的に判断し、子供たちにとってよりいい充実した給食が供給されるよう心がけていきたいと思っております。 以上でございます。   〔「議長、11番、関連質問」と呼ぶ者あり〕 ○議長(上田忠信君) 11番森尾嘉昭君。 ◆11番(森尾嘉昭君) 学校施設の問題について、先日我が党議員団も申し入れを行いましたし、今の近松議員の質問の中でも具体的に改善を求めました。そこで現状は、やはり幾つかの深刻な現状があり、緊急の改善も必要だというふうにも思っています。そこで、教育長には小中学校から施設改善についての要望をどのように集約をし、対応するのか、そういう対応が具体的に教育委員会の方ではシステム上も含めてどういうふうになっているのか。実際、各学校からのそうした要望は上がっているのかいないのか、その辺を一つ伺っておきたいと思うのです。 市長には、当然予算が必要なことになります。各学校へ行きますと、大体皆さん共通して「予算がないからできない」という返答が返ってくるというのが大体共通した御意見でした。そこで、調べてみますと小学校も中学校も施設改修費という予算の項目は、9年、10年、11年と連続3カ年減っているのですね。これは小学校も中学校も減っているのです。これはやっぱり予算がないという返答が返ってくるという各学校の御意見は裏づけるものがあるなというふうに思うのが1つと、2つ目に、大規模改修をやるために必要な改善はそれに合流させてくれ、そういう対応はないかという点なのです。大規模改修をやるから、少しの修繕は待ってくれと、結果として緊急で必要な予算は全部抑えて大規模改修まで待てという対応が行われているのではないかというふうに思うのです。しかも、大規模改修の年次計画はわからないのですよ、学校にしてみると。1年待てばいいか、2年待てばいいか、不況と同じなのです。いつになったら大規模改修をやってくれるのかというのがわからない。その上、それを理由に改修も抑えてしまう。こういう事態が起こってるのではないかなというふうに思うのですが、市長の方はどういうふうに受けとめて改善をされていくのか、答弁をお願いしたいと思うのです。 ○議長(上田忠信君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 大規模改修には国の補助がつくわけでございまして、私は求められる補助はやはり求めたい、こう思っております。大規模改修はいわゆる施設改良という一つの概念の中で処理をするわけでございますが、それと営繕費、小規模改修費とのかかわりをお尋ねになっておるというふうに思っています。これは密接にかかわります。双方ともに適正に処理をしていきたい、このように思います。 ○議長(上田忠信君) 石原教育長。   〔教育長石原多賀子君登壇〕 ◎教育長(石原多賀子君) 小中学校につきまして施設改善の要望が校長から上がっているのか、またその計画についてはどのようになっているか、お尋ねがございました。校長からは、それぞれ各学校の施設につきましては要望が上がっております。その中で、限られた予算の中で実態に応じて適正に、年次的に行うよう計画を持っております。 以上でございます。   〔「議長、11番、関連」と呼ぶ者あり〕 ○議長(上田忠信君) 11番森尾嘉昭君。 ◆11番(森尾嘉昭君) 市長の答弁は大規模改修であれ、修繕についても適正に対処していきたいということですから、これは前向きな答弁だというふうに受けとめて、必要な部分について、また緊急な部分についてきちんと予算を対応するべきだというふうに思っています。私が指摘しました、予算がないからできないという返答は、やっぱりこれは考えなければいけないことだと思うのです。私はぜひきょうの答弁を受けて各学校の施設の状況をよくよく調べられて、必要で緊急な改善については行う、そして市長がおっしゃるように、大規模改修についても、これはやっぱりきちんと年次計画を持たせて行っていくということが、私は今何よりも必要だというふうに思っていますので、改めて市長、答弁をお願いしておきたいというふうに思っています。 ○議長(上田忠信君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 私なりに事情はさらに勉強してまいります。予算がないからというのではなくして、計画的、年次的に、そういう方向に持っていきたいと、こう思います。 ○議長(上田忠信君) 26番川紘一君。   〔26番川 紘一君登壇〕(拍手) ◆26番(川紘一君) 質問の機会を得ましたので、民社議員会を代表いたしまして、数点質問をいたします。 質問の第1点は、長と議会の関係についてお伺いをいたします。 さて、昨今の厳しい経済環境を受け、民間企業ではその生き残りをかけて熾烈な生存競争が繰り広げられているところであります。このことは、行政にとっても決して例外ではありません。地方分権が進むにつれ、ますます激しくなる都市間競争に打ち勝つためには、それぞれの自治体の特性を生かした地域づくりを活発に進め、進取に富んだ施策を展開することが今強く求められているのであります。そして、目前に迫る新しい21世紀の時代は、自治体経営の勝者と敗者の明暗がはっきりと分かれる時代になるだろうと考えをいたすものであります。それだけに、地方自治体の果たす役割、そしてそれと車の両輪をなすと言われる地方議会の果たす役割がますます重要になってくると思うわけであります。 従来、ともすれば長と議会の関係というのは相互に他を牽制する、いわば相対立する関係にあると見られていましたが、新しい時代の長と議会の関係とはよき牽制作用を維持しながらも、山積するあらゆる課題について長と議会がともに手を結んで一体となって取り組み、その枠を超えたトータル的な自治体経営を行っていくことが必要ではないかと考えをいたすものでもあります。山出市長は、新しい時代の長と議会のあり方はどのようにあるべきとお考えか、まずその基本的な姿勢をお伺いいたしたいのであります。 さて、地方議会には地方自治法によって条例の制定改廃、予算を定めること、決算の認定等、さまざまかつ絶大な権限が付与されているわけでありますが、全国一般的な傾向とはいえ、残念ながらその多くは本会議や委員会を通じての執行部に対する質問や要望に終始しているのが現状の姿であります。また、議員に議案提出権があるとはいいながら、政策の立案はほとんど執行部によってなされてきており、車の両輪とはいいながら首の長、いわゆる首長の権限が著しく強くなっていることもこれ事実であります。このことは、当金沢市議会においても、多かれ少なかれ似たような傾向が見られているところであります。執行部に対する質問や提案等はよくなされているわけでありますが、どうしても一方通行になりがちで、逆に市長から我々市議会に対する要望や意見というものは余り聞かれていないのがこれ実態であります。さきにも述べましたとおり、金沢市政を取り巻く環境はますます厳しくなることが予想されますが、市長はこのような時代に金沢市議会に対して何をお望みか、この機会に市長の忌憚のない御意見をぜひともお聞かせをいただきたいと思うのであります。 さて、金沢市議会では今議会でも大きな話題になっている定数削減の問題、予算審議のための連合審査会の開催など、中核市の議会にふさわしい議会の活性化と権威の向上のために真剣に取り組んでいるところであります。地方自治にかけては見識が高く、経験豊かなベテランの山出市長でありますから、多士済々の40人余の議員の力をもってしても、山出市長の域に到達するまでにはまだ少し時間がかかるようであります。かつて、金沢市議会事務局の書記として務め上げられたこともある山出市長は、このような金沢市議会の現状についてどう思っていらっしゃるのか。また、議会活性化のための秘策があれば、ぜひともアドバイスを願いたいと思うのでありますが、あわせて市長の御高見を御披瀝いただきたいのであります。 質問の第2は、新交通システムの導入についてお伺いをいたします。 さて市長は、本会議場等を通じて、これまで新交通システムの導入については前向きな発言を繰り返されてきたところでありますが、さきの提案理由説明において、石川県と共同で進めてこられた新交通システムの導入可能性について、今月末、LRT--新型路面電車とガイドウエーバスとの比較検討調査の取りまとめがなされることを明らかにされたのであります。21世紀を間近に控え、これまでの長い論議にようやく終止符を打ち、新交通システムの導入に向けて新たな局面を迎えましたことを、高く評価をいたすものであります。具体的な機種の選定結果はともかく、いずれにしてもシステム導入に向け一層弾みがつくような論議が導き出されるものと確信をいたすものでありますが、その方向性について、まず市長の見解をお伺いいたしたいのであります。 さて、今後はこの調査結果を受け、石川県とともにさらに具体的な検討に着手をするわけでありますが、そもそも新交通システム導入論議の発端は、県庁移転を契機とした都市交通体系の再編論議からスタートしたものと私は記憶しているのであります。特に、新しい県庁移転地と旧市街地と交通アクセスをいかに確保していくかがこれ極めて重要な課題であり、このアクセスを確保し、金沢都市圏の交通問題を解決するためには、新交通システムの導入が必要不可欠であることはだれの目にも明らかであります。ならば、当然その主体は石川県にあります。にもかかわりませず、県側は新交通システムの導入について今日まで何ら建設的な提言をされたこともなく、あなた任せの姿勢であり、決して積極的に取り組んできたとは言いがたいのが現状であります。今度こそは新交通システム導入に向けての石川県の対応、そしてそのスタンスが明確になるものと期待をいたしてはおりますが、不幸にもその期待が裏切られた場合、金沢百年の大計に立ち金沢市単独による導入といった大胆な政治的決断も必要になってくるのではないかと思うのでありますが、新交通システムの導入に向けての市長の建設的かつ前向きな御答弁をお伺いいたしたいものであります。 さて、明年度は大胆な機構改革を断行し、これまで以上に攻めの姿勢を展開されるようでありますが、これら一連の改革の中に新交通システム対策室の廃止があります。このことは攻めの姿勢を進めるという観点からすれば、新交通システム導入の具現化へ大きく一歩踏み出したというふうに理解をしてよいのか、それとも、新交通についてはしばらくお休みだという後退を意味するのか、今回の新交通システム対策室廃止の真意についても市当局の見解をお聞きいたしておきたいのであります。 質問の第3点は、倫理観と作法の乱れについてお伺いをいたします。 さて、我が国は戦後の高度成長によって未曾有の物質的豊さを実現してまいりました。それと引きかえに、多くのものを失ってきたことも、だれもが認めるところであります。こうした失われたものの一つに、倫理観と礼儀作法があると存じます。戦後50年間、我が国では昔からの作法と美徳をことごとく封建的として破壊をしてしまった結果、現代の社会は倫理観と礼儀作法を喪失した、まさに無法社会といっても過言ではないのであります。その結果が、政治家や官僚、財界人の汚職、腐敗といった倫理観の退廃となってあらわれ、また一方では自動販売機の乱立による空き缶等の投げ捨て、ところ構わず鳴り響く携帯電話、大股を広げて座席を占領する若者、嬌声を上げる女子高校生などに見られる社会全体における倫理観と礼儀作法の喪失となってあらわれてきているのであります。市長は、今日のこのような倫理観の退廃と礼儀作法が消失していく現状をどのように見られているのか、その率直な感想をまずお聞かせをいただきたいのであります。 さて、日本はかつて海外から高く評価された世界でも有数の洗練された作法が存在した国でありました。江戸時代までに完成され、今日まで引き継がれている日本文化は、ある意味では礼儀作法の文化でもあるのであります。例えば、能、謡、茶の湯、生け花などのたしなみ、剣道、柔道、馬術といった武術、長うた、三味線、清元といった音曲など、いずれも作法の文化であり、倫理観と礼儀作法はこの日本の国人の生き方と社会を支えてきた源といっても決して過言ではないと思うのであります。バブルが弾け、人々はようやく失われたものの大きさに気づき始めたようであります。作法とは、倫理観が形にあらわれたものであります。崩壊しかけている日本の社会を再生し、将来の日本社会を見据えた場合、現代人の倫理観と礼儀作法をもう一度組み立て直す必要があると考えをいたすものでもあります。一首長、一自治体の対応ではこれ限界があります。難しいものもあるかと存じますが、市長は倫理観と礼儀作法の向上について今後どのような手だてを講じられていかれるのか、その所信をお伺いいたしたいのであります。 また、金沢市は来年度予算に泉鏡花記念館や湯涌夢二館の建設、江戸村の施設整備費などを計上し、歴史文化施設の整備に力を入れておられるようでありますが、礼儀作法もまた昔から伝えられた優れた文化であり、洗練された日本の礼儀作法の伝統を後世に伝えていくことも必要ではなかろうかと考えをいたすものでありますが、今後どのような具体的施策を講じられていくのかもあわせお尋ねをいたすものであります。 質問の最後は、市長の政治姿勢についてお伺いをいたします。 さて、間もなく統一地方選挙が行われます。希望に燃えて新しい政治の道を志す方がおります一方、今回限りで政界を去られる方もたくさんおられるところであります。そしてまた、その引き際も実にさまざまであります。東京都の青島幸男知事は、「やるべきことはすべてやった」として引退表明をなされたことは、まだ記憶に新しいところであります。この突然の引退表明につきましては賛否両論があるのでありますが、青島知事は引退理由の一つに、「もう1期やると70歳を超えてしまう、あと4年間、健康と意欲を持ち続けられるかどうか心配だ」と述べられているのであります。一方、大阪府の高槻市の江村市長は、難病で寝たきりになっている奥さんの看病に専念するために、任期を1年残して市長を辞職する旨表明されました。政治家としてのこの勇気ある決断に、私は拍手を送りますとともに、「市長としてのかわりはいても夫は私だけだ、残された時間を妻のために使いたい」と語るこの高槻市長の言葉に、その謙虚な政治姿勢と人間性を強く感じるのでありますが、市長はこれら御両人の引退及び引退表明をどのようにとらえられているのか。また、引退の美学なるものがあるとするならば、その御高見をぜひ承っておきたいものだと思います。 さて、あと1年で西暦2000年です。この2000年という年は、単に 100年の節目ではなく、1000年の歴史の節目でもあります。長い日本の歴史の中でも、1000年という節目は過去に1度しか経験していないのであります。ところで、この前の1000年の節目である西暦1000年といいますと、平安時代のただ中にありまして、あの清少納言の「はるはあけぼの」で始まる枕草子がなった年であります。そして、それは1000年たった現在でも、紫式部の源氏物語とともに平安時代の女流文学を代表する作品として、今なお多くの人々に愛され、語り継がれてきているところであります。 一方、山出市長は金沢市政の20世紀と21世紀をつなぐ橋渡し役でもあります。ちょうど 100年前、つまり、19世紀と20世紀の橋渡しをした2つの歌があります。1つは1900年、つまり19世紀最後の年に発表された「春のうららの隅田川」で始まる滝廉太郎作曲の「花」という曲であります。もう1つは、20世紀の最初の年、つまり西暦1901年に発表されました「春高楼の花の宴」で始まる、同じく滝廉太郎作曲の「荒城の月」であります。いずれの曲も 100年の歳月がたった今でも多くの人々に愛され、歌い継がれているのでありますが、荒城の月はこのたびの新学習指導要領の改訂により、小中学校の音楽教材から外され姿を消す運命にあるようであります。 新しい地方自治制度ができてから50年、2000年という悠久の歴史の流れからすれば、まだまだ歴史は浅いのでありますが、 100年、 200年と地方自治の歴史を積み重ねる中で、民主主義の学校といわれる地方自治が今後どのような変遷を遂げ発展していくのか、まことに関心のあるところでもあります。そして、この中でひたすら金沢市の発展と市民福祉の向上に尽くす山出市政が、1000年の時を経てもいつまでも語り継がれる地方政界の枕草子となっているのか、それとも、時代の波に飲み込まれて途中で消え去る地方政界の荒城の月となっているのか、まことに興味のあるところであります。間近に行われる統一地方選挙を控え、再びこの議場で市長と相まみえる保障のない私ではありますが、山出市長に今期最後のエールを贈りますとともに、地方自治伸展にかける市長の決意を改めてお願いを申し上げまして、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(上田忠信君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 26番川議員にお答えをいたします。 まず、新しい時代の長と議会のあり方はどうかということでございました。分権が現実のものになろうといたしております。そういたしますと、究極には中央政府は防衛、外交、通商、こういうものを中心にいたしまして、小さな政府を目指すでありましょうし、そういたしますと相対的に地方は大きな政府を目指すことになる、こう思っております。大きな政府は、私はイデオロギーとはより無縁になるのではなかろうか、そして、もっぱら町と住む人のための自立と自主に知恵を絞る、こういうことになるのではなかろうかというふうに思います。確かに長と議会の関係は、現行大統領制をとっております以上はチェック・アンド・バランス、すなわち抑制と均衡が両者の関係の基本であるわけでございますが、分権の時代ということにもなりますと、このチェック・アンド・バランスにコーポレイト、すなわち協調という二文字が加わるということも一つの考えとしてあっていいのではなかろうか、こんな思いがしてなりません。そういう意味からいたしまして、今ほどの御意見はよく理解できるところでございまして、これからは分権時代にふさわしい長と議会のありようを模索していきたい、このように思う次第でございます。 次に、市長は議会に対して何を望むのかというお尋ねでございました。市民の声はまことに多様であります。地元の利益を求める声もあります。その声に耳を傾けてお世話をする、このことも議員の日常の政治活動として大切だと思います。しかし、もう一つ議員に求められますのは、そうしたもろもろの声を一般化をし、抽象化をし、政策にまで昇華をされて、議会の場で長に提示をするということであります。このことは、法律上の議会活動ともいうべきものでございまして、私から見て双方の活動は現にすぐれて行われている、よく機能しているというふうに思っております。事実、各位からの御提案については私も真摯に受けとめて、この政策実践に努めている次第でございます。分権時代ともなりますればますます議会への期待はふえるというふうに思っておりまして、この上ともの御尽力をお願いしたい、このように思う次第でございます。 活性化のために何か施策があったら言うようにということでありました。しかし、この事柄は議会御自身のことでございまして、私がどうこう言う立場ではないというふうに思います。ただ、連合審査会の開催等はまさに先駆的な取り組みではなかろうか、このように受けとめておる次第でございます。 次に、新交通システムの導入について幾つかお触れでございました。機種の選定結果はともかく、その方向性について市長はどういう見解を持っておるのかというお尋ねでありました。現在、調査委員会の中では金沢の町づくり、中心市街地活性化の面からも、新交通システムを将来の基幹的な公共交通として位置づけまして、ガイドウエーバスとLRTの総合的な比較検討を行っていることは御承知のとおりでございます。今後は、報告される内容に基づきまして、整理すべき課題について来年度引き続き掘り下げてまいりたい、このように思っております。 金沢市単独による導入も必要かもしれないけれどもどうかというお尋ねでございました。このシステムの導入は、金沢都市圏全体の問題でございます。県市の協力は不可欠というふうに考えております。今回の調査も県市共同で行っておりますし、中核都市における新交通システム研究会なるものがございまして、全国的な研究会なのでありますが、この事務局も県に置かれているわけでございます。新年度にはシンポジウム等を開催しまして、広く市民、有識者の方々の意見を聞いてまいりますとともに、導入に際しての問題につきまして共同で調査を行うということにしているわけでございます。協力していくことに変わりはございません。 次に、新交通システム対策室の廃止の真意はどこにあるのかというお尋ねでございました。交通政策課を新しく設けようとするものでございますが、新交通システムの導入の検討を初め、新たな交通計画、また都心の交通対策等、広域交通から地区交通に至る交通政策を総合的に担当しようとするものでございまして、むしろ拡充と強化を図ることにしたものでございます。この新しい課は、新交通システムを初め都市政策の重要課題でございますところの交通政策に積極的、こう申し上げて御理解をいただきたいと思います。 次に、礼儀作法が消えていく現状をどのように見ているのかというお尋ねでございました。礼儀は人と人との関係を長く維持していく上に不可欠というふうに思います。日本の社会秩序が整ってまいりましたのは、日本人の礼儀正しさにあったというふうに思います。ところが、戦後民主主義の美名のもとに社会秩序を軽視いたしまして、権利意識ばかりが強くなってきた、このことが人間関係を冷たいものにして礼儀を捨ててしまったということを思う次第でございます。したがいまして、これからは個人中心の考えにあわせまして、社会中心の考えを大切にしたいというふうに思います。個人から社会を見るのではなくして、社会から個人を見ると、こういう視点を大切にしたいと思う次第でございます。 どのような手だてを講じていくのかというお尋ねでございました。このごろの子供は礼儀を知らない、家庭のしつけに力を入れなければならない、このように言われます。しかし、なかなかうまく事はいきません。しつけ方を知らないし、自信もないからだと、このようにも言われます。戦争が済んで50年、日本の伝統を否定してきたのではなかろうか、家庭の中での母の優しさと父の強さをなくしたのではなかろうか、こんなことが背景として考えられるのではなかろうかと思うことがございます。決して事態はたやすくはないというふうに思いまして、家庭、地域の教育力の向上を目指してまいらねばならぬと思う次第でございます。既にやさしい心を育む金沢会議、マナーをよくする市民会議というものを設けてございます。ここでの運動を地道に続けたいというふうに思いますし、新たに地域教育力ルネッサンス事業というものを市として展開をすることにいたしております。ここでは、私は金沢弁で「根性よし」という言葉がありますけれども、根性よしと呼ばれる指導者、こうした指導者を養うことができたらと願う次第でございます。 礼儀作法の伝統を後世に伝える具体的施策をどう講じていくのかということでございました。礼儀作法の伝統は、日本古来の精神を重んじる伝統文化、武道に息づいております。幸い、金沢は伝統文化が盛んな土地柄でございますし、子供さんからお年寄りまで、多数の市民がその道に励んでございます。また、小中学校におきましても、これらの専門家を招いて、子供に教える機会も設けているところでございます。これからも、市民が広くかつ継続的にこの道に参加をして励むことができるように、一層努力してまいりたい、このように思う次第でございます。 最後に、市長の政治姿勢についてお問いでございまして、青島東京都知事、また江村高槻市長のことをどう思っているかというお尋ねでございました。私は都知事からは言葉と言動を一致させることの大切さを学んでいます。高槻市長からは、公と私を一致させることの厳しさを学んでおります。長たるもの、平素の言葉に責任を負わなければなりませんし、また長たるもの、与えられた立場の背後に公があることの重みを忘れてもいけない、このように思っています。お二方ともに、それぞれ御事情のあることとは思いますけれども、私といたしましても十分参考にさせていただいて、誤りのないように励んでまいりたい、このように思っておる次第でございます。 市長は、枕草子か荒城の月かというお尋ねでございました。私は荒城の月かもしれないと思っていますし、それでも結構だと思っております。私の好きな言葉に「大巧は拙なるに似たり」、巧みに渡ろうとか、名声を博そうとか、そんなことよりは、下手であってもいい、拙くあってもいい、誠心誠意努めればいい、こう思っていまして、淡々と一生懸命これからも頑張りますので、どうぞひとつ変わらぬ御鞭撻をお願いしたい、このように思います。        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩 ○議長(上田忠信君) この際、暫時休憩いたします。              午前11時30分 休憩      -----------------------              午後1時3分 再開 △再開 ○議長(上田忠信君) 出席議員数は、ただいまのところ40名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○議長(上田忠信君) 休憩前の議事を継続して、質疑並びに一般質問を続行いたします。 1番新谷博範君。   〔1番新谷博範君登壇〕(拍手) ◆1番(新谷博範君) 世紀末当初議会、自身の金沢市議会最後の質問に当たり、臭いものにふたをせず質問をいたします。 日本は長引く不況といいます。本当に不況なのでしょうか。世界最大の債権保有国であり、昨年史上最大の経常黒字、物とサービスの取引の差し引きは16兆円を超え、国民総生産はマイナス成長とはいえ世界第2位、失業率はバブルに踊る最高の好景気に支えられているアメリカと肩を並べたに過ぎず、いまだに先進国中トップクラスの低失業率であります。何を慌てているのでしょう。国民の貯蓄率は世界最高水準約15%、米国の貯蓄率 0.5%に比べることもできません。国民の教育水準は高く、文盲率は極限にゼロに近く、優秀な労働力を提供しています。何を慌てているのか。超えるべき目標を失い、過去のよいときばかりと比較し、現在が悪いといって将来を憂えています。我々は恥の文化であり、だれかと比較していないと自分自身を確認できない国民性を持ちます。急に過去の自分と比較させられると、現在の自分自身に自信を失いがちです。将来に自信を持とうではありませんか。 世界同時不況など国家独占資本主義経済にはあり得ません。なぜなら、ゼロサムゲームの世界経済であります。同じく日本国内同時不況などあり得ません。なぜなら、三大都市圏への富の偏在と、各都道府県の産業構造は各地域すべて違うからであります。石川県は自信を持つべきであります。県民所得は全国12位、3年連続増加、大企業所得割合分を考慮に入れて大都市圏を除くと全国3位であります。豊さ指数でも全国トップレベルです。金沢市はさらに自信を持つべきであります。県民の一極集中をもたらすことができる1世帯当たり平均 800万円近くある収入の豊さと、日本の大型ショッピングセンターが進出をねらう資本、産業基盤が存在します。金沢の不況とは何か、言葉に惑わされずもう一度見直す必要があります。 現在一番必要なのは、正確な金沢市の経済情報分析であり、そして心理的不況感を市民から払拭させることであります。心理不況こそ個人消費減退の最大理由になりかねません。また、不況ならばチャンスでもあります。過酷な都市間経済戦争で圧倒的な金沢市の優位性を築くことができます。自信を持つべきであります、我々の住む金沢に。 そこで以下の質問をいたします。金沢市は現在不況と言えるのでしょうか。その根拠はどのような指数に基づいているのか、お聞かせください。また、金沢市経済の実態を把握し、正確な情報を市民に公開することでの実態以上の不況感増幅を抑える必要、心理的不況についての見解を伺います。 さらに、不況の原因と見られる個人消費の冷え込みは、産業構造変換のおくれによる経済不安と、勤勉な市民の高貯蓄率に支えられているはずの日本金融機関による資金運用の失敗、その責任転嫁による貸し渋りと信用収縮、つまり金融不況と考えますが、金沢の産業構造改革に対する見解と支援策をどのように考えていますでしょうか。 制度融資の機動的活用と同時に、金沢市の産業構造そのものに対する分析と展望を、どのように今後金沢市経済部は行っていくのでしょうか。 また一案として、金沢経済安心宣言を打ち出すタイミングをはかる必要があるのではないでしょうか。このような金沢市経済の実態把握は、地方分権への試金石と言えるのではないでしょうか。つまり、地方分権を見越した、金沢市ができる経済政策を考えていくことへの必要性について伺います。 次に、地域振興券による特別需要が与える金沢市経済の波及効果についての所感を伺います。この地域振興券は、金沢市をモデルにとると11万 2,241人の15歳以下、65歳以上の大部分が受給できるのですが、1月1日現在の総人口45万 7,475人から差し引くと、約34万 5,000人が非受給者であります。 この振興券には当初より2つの問題点が指摘されていました。1つは、対象者が本来的に消費を支えている労働者人口ではないということ、つまり非労働者人口である受給者が本当に消費を刺激することができるのか、さらに振興券により浮いた消費分が貯蓄に回されるのではないかということであります。簡略に言うと、過去の投資が投資を呼ぶ状態を喚起せず、投資が貯蓄に回される危険性があることであります。 もう1つの問題点は、非受給者約34万 5,000人の代弁として不公平感の問題を指摘せざるを得ないということであります。つまり、これは所得の再分配機能とは言えない、負債の大衆再分配であるということ、金沢市モデルの場合、発行、配布費用を含めると約26億円、人口を約46万人とすると1人当たり5,700 円の将来負債を抱え、これに返済利息長期プライムレート2%分を上乗せすると、1人当たり約6,000 円の負担を抱えることになります。つまり、約11万人は1万 4,000円の現在所得を得、金沢市人口の約75%が単純将来負債を抱える計算になります。所得の再分配機能は、社会的・経済的環境並びに個人能力の違いにより必然的に起こる所得の大小を、累進税率による加重負担により修正し、社会的機会の公平と富の大衆への再分配をする制度であります。しかしながら、地域振興券の対象人口とその非対象人口比率並びに一律的分配金額2万円からは、富の再分配とは言えないと判断できます。 私は国権の最高機関である国会の決定、そしてその法遵守に変わりはありませんが、一議会人として将来を憂えるとき、警告を発せざるを得ないのであります。   〔議長退席、副議長着席〕 金沢市行政として発行、配布事務を通じて、地域振興券に対する特別需要をどのようにとらえていますか。また、制度の2つの問題点、消費が消費を喚起するのか、もう1つ、多数の市民が潜在的に認識している不公平感に対しどのような見解をお持ちですか。さらに、今回の委任事務を通じて国への意見、要望をお持ちでしたらお聞かせください。 質問の第2に、百万石まつりの開催についてです。 市民アンケートの結果を受けて、土日開催の市民要望は把握できたところでありますが、4月からの毎週日曜日兼六園県民開放策を受けた対応として、金沢市所在の観光資源との連結策を考える必要があるのではないでしょうか。例えば、百万石まつりアピールと同時に、石川県、金沢市一体となった観光資源の無料開放並びに回遊策を提案していくことができないでしょうか。百万石まつりとほかの観光資源、今回上程されている前田土佐守資料館並びに各種伝統美術館、現代美術館構想を念頭に、一体的連結開放、宣伝策の必要性を伺います。 質問の第3に、情報公開条例についてです。 情報公開法が成立する中で、地方公共団体の情報開示の体制整備が急がれています。今後の金沢市の行政文書の原則公開に対する対応と所見を伺います。また、地方自治体の情報公開が進むにつれて、その情報の内容に論点が移っています。市民の知る権利を保障し、行政のガラス張りを推進することにより、市民と行政の壁をなくし、距離を縮めるための身近な行政確立の重要性は言うに及びません。さらに、ダイオキシンを初めとする環境ホルモンの影響が、市民生活のあらゆる場所において危惧される中、環境アセスメント情報の公開のあり方や、民間調査との乖離をどのように調整するのか、地方自治体としての情報開示の姿勢と信頼性が注視されています。 石川県はダイオキシンの測定分析施設を、金沢市の県保健環境センターに整備し、平成12年度から市町村の委託調査を受け入れるとのことであります。金沢市の調査方向性を伺います。これは特に、昨今の所沢産野菜のダイオキシン含有量報道の結果を踏まえて考えるべきであり、結局のところ、行政による環境基準不備による比較安全根拠の欠如を露呈したためであります。山出市政三大重要課題の一つ、環境を守るには、行政による定期的な農産物、土壌、大気汚染の調査とその公式発表による市民感情の安定を図ることが必要と思われますが、市長の見解を求めます。 特に、金沢ブランド野菜を公認推奨している金沢市には、所沢産野菜汚染報道は他山の石とすべき問題であります。もし金沢であればと考えると、その影響は恐ろしいことでありました。行政の、金沢市全体の環境評価と、厚生省からの環境基準づくりを今後受けていくことへの対応など、環境汚染全般に対する市長見解、そして今後必要とあれば、基準を下回っているならば、金沢市環境安全宣言へと発展させ、市民並びに農産物生産者への安心を確保していくことへの所感を伺います。 次に、義務教育課程での教育個人情報開示について伺います。現在、客観評価に対する公開は進んでいるようでありますが、主観的評価の部分を守秘する必要性について伺います。卒業後、一定の据え置き期間を置いての全面開示は、過去の自分への評価を知るとともに、現在、未来へと続く市民自身の自己啓発に役立つものと考えます。義務教育課程での生徒、教師間の信頼醸成並びに教える側の主観的偏見排除は絶対必要であり、過去、現在、未来につながる教育評価を与えていくことは教育の本質であります。児童・生徒の学業成績、出欠状況、性格などを記録した指導要録の公開状況への将来対応を求めます。さらに、情報公開と同時にプライバシー情報の保護策もまた必要となりますが、その対応を伺います。 質問の第4に、少子化と教育についてであります。 中央小学校下と十一屋小学校下の一部区域がそれぞれ、小将町中学校区、城南中学校区へと編入されることが、住民との合意に基づき金沢市立及び中学校通学区域審議会で決定しました。経過措置がありますが、生徒数のばらつき抑制に役立つものと考えられます。しかしながら、市中心部を基点とするドーナツ化現象は続いており、郊外の区画整理事業による児童・生徒数のばらつきは今後も続くことは確実であり、並びに市中心部の校区編成には、心情的理由や地縁、人間関係が大きく影響するため、今後の住民意思統一、問題解決には時間がかかることも予想されます。早期問題解決の方策として、選択校区制度を選択肢に導入することができないか伺います。といいますのも、住民合意に時間がかかり過ぎるだけでなく、住民同士の話し合いに意見対立を持ち込みかねないからであります。どちらが正しいかではなく、各自住民の自主性を尊重する解決策を選択できるように配慮していく、選択校区制度の導入可能性への見解を伺います。 質問の第5に、クリーンエネルギーとリサイクルについてであります。 クリーンエネルギーに関連して、昨今も県庁建設の都市ガス導入における環境保全と、コストのかみ合わせが論議になっておりました。また、太陽光発電の個人住宅導入補助制度の自治体採用など、金沢市を取り巻くクリーンエネルギー採用環境は整いつつあります。そこで、金沢市は太陽光発電などのクリーンエネルギー対策にどのように取り組み、公共施設や個人住宅への導入を図っていくのか、お伺いします。さらに、現在、再生整備計画中の駅東広場において、太陽光発電など環境配慮にどのように対処されるのか、お考えをお尋ねいたします。 次に、リサイクルとごみ問題であります。最新報告の国の一般ごみ、産廃排出量は史上最高4億 5,000万トンを記録し、ごみ減量、リサイクル強化は待ったなしであります。さらに、厚生省の計算では、現状のペースでは一般廃棄物 8.5年、産廃は 3.1年でそれぞれ最終処分場は満杯になる計算であります。広域的なごみ処理は、将来的に金沢市にも突きつけられる時間の問題であります。石川県が導入予定となる生ごみの広域圏処理による固形燃料化や、根上町、鳥屋町の生ごみ堆肥化策は、循環型社会形成に貢献するものと考えます。金沢市の可燃物焼却処理の現状評価と、金沢市並びに周辺市町村との産廃処理問題に対する広域圏行政協力の必要性、さらには研究可能性への見解を伺います。 次に、ペットボトル回収を4月に控え、金沢市の対応と、町会単位の負担、協力増に対する所見を伺います。といいますのも、循環型社会形成には住民、企業、行政一体となった負担分散協力が必要であります。資源回収の根幹は住民協力であり、その負担軽減は今後のリサイクル回収量に大きく影響することであります。最近、分別の種目増による回収場の拡大、その借り賃、管理負担など、町会単位の住民負担増に不満の声が聞こえてきます。可燃物、資源ごみ、ペットボトル回収における、さらなる住民、町会協力を求める上での行政の応分の負担、支援策の必要性に対する市長の見解を伺います。 結びに当たり、金沢市議会卒業を宣言させていただくものであります。卒業に当たり、山出市長、執行部並びに市議会諸兄に、過去4年間の御指導、御鞭撻に、感謝と敬愛の念を表明して、皆様にジョン・F・ケネディの有名な政治の本質を指した一節を贈ります。「Ask not what your country can do for you、Ask what you can do for your country。」どうもありがとうございました。(拍手) ○副議長(安達前君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 1番新谷議員にお答えしたいと思います。 経済の事情に関しまして、金沢市は現在不況と言えるのかという御質問がございました。まず、軽自動車を中心にしまして、自動車の新車の販売台数、これは前年水準を回復しつつあるようでございますけれども、住宅の着工戸数なんかは以前から見ますとやはり大きく落ち込んでおるということでございますし、大型小売店の売り上げは、飲食品類などは一部に前年水準を回復しておるというふうに言われてはおりますけれども、ほとんどの品目は引き続き落ち込んでおるということでございますし、有効求人倍率は低水準で推移をしておりまして、雇用面は依然として厳しいというふうに受けとめています。こうしたことから、消費のマインドは引き続き慎重でございまして、景気の長期低迷は依然として根強いものがございます。引き続き低調のうちに推移するものというふうに思っておりまして、これらを総じますと、本市経済はやはり不況と言わざるを得ないと思っております。 御指摘になりました心理的な側面というものも、無視はできぬわけであります。したがいまして、こういう時世にありましてはお互いに元気を出して頑張ろうと、このことを合言葉にしたいと思う次第でございます。 不況の原因というのは産業構造の変換のおくれにあるし、金沢市の産業構造そのものの展望をどう考えているのかというお尋ねでございました。全事業所数に占める中小企業の事業所数の割合が、99.7%ということであります。ほとんどが中小企業者の町でございます。また、金沢の産業の特徴でありますけれども、工芸の色合いの濃い土壌がもともとございまして、こうした土壌から発展をして、知的で独自性と特異性のある高付加価値産業が生まれてまいりました。企業活動による所得が区域の外へ流れ出るということは余りございませんで、いわば循環型の地域内発展を続けてきたというのが特徴だろうと思っております。中小企業は確かに多くありますけれども、こうした事情が経済の持続的発展を可能ならしめてきた、このように思っておる次第でございます。したがいまして、中小企業者に対する制度融資の機動的な運用を図っていくことはもちろんでございますが、何よりも異文化、異業種との交流、産業界と大学との連携によりますところの研究の推進、知的技能者の育成、こういうことが重要でございます。異業種研修会館も、少しでも役に立てばと思いまして考えた次第でございますが、幅広くいろんな施策を講じてまいりたい、このように思う次第でございます。 地域振興券が金沢の経済にどういう効果を与えたのかということでございました。波及効果について具体的に示すことは大変難しいわけでありますが、この間の状況などを見ますと、商業活性化に何らかの刺激になるのではなかろうか、このように期待をしておる次第でございます。 受給者と非受給者との間に不公平感があるという御指摘でございました。実施本部へ寄せられた問い合わせの大半は、65歳以上の高齢者の交付資格要件に関するものでございまして、ある人は交付をされて、ある人は交付をされないということから、不公平感を強く持たれたように思います。この種の事業にございましては、だれもがすぐ理解できる基準であればこうした不公平感はもう少し緩和されたのではなかろうか、こんなふうにも思っておる次第でございます。なお、今回の交付事業はあくまでも緊急経済対策の一環として実施されたものでございます。景気対策への効果はいま少し時間をかけて見守ってまいりたい、このように思います。 百万石まつりと観光資源とのかかわりにつきましては、佐子田助役からお答えをいたします。 次に、情報公開条例についてでございますが、今後の行政文書の原則公開に対する対応と所見はどうかというお尋ねでございました。金沢市は平成3年の条例施行以来、適正な運用に努めてまいりました。その間、市民の関心の高まり、情報の公開度の広がりには目覚ましいものがあるということでございます。また、国の新しい情報公開法の制定も踏まえまして、全面的な見直しが必要というふうに考えまして、昨年の春から審議会で制度全般について検討をお願いしているところでございます。この制度の基本目標は、公正で透明性の高い行政を推進することにございまして、市民に身近で開かれた制度の改善充実を期すべきだ、このように思っておる次第でございます。 次に、環境アセスメント情報の公開のあり方についてお触れでございました。環境情報などの人の健康とか安全にかかわる情報というのは、被害防止の観点から、適時適切な公開が必要なことは当然でございますが、一面、安易な公開はもろもろの権利利益を侵害し、誤解や混乱など社会的にも大きい影響を及ぼしかねないということにも十分注意しなければならないと思っております。そういたしまして、各種アセスメント調査の実施に当たりましては、科学的、専門的検証に努めてまいりますとともに、公開に当たりましては個別、具体の内容、また優越すべき公益は何か、こういうことを慎重にしんしゃくをいたしまして制度の適正な運用を図るべきだと、こう思っておる次第でございます。 ダイオキシン類の本市の調査体制はどうなっていくのかということでございました。ダイオキシン類の調査につきましては、専門の検査機関への委託により対応していきたいと思っています。 なお、県の検査体制が明らかになりました段階で協力を求めていきたいと、このように思っております。 次に、環境情報の開示の件でありますが、定期的な農産物、土壌、大気汚染の調査、そして公式発表による市民感情の安定を図る必要があると思うがどうかというお尋ねでございました。環境情報の公表は、科学的根拠に基づくものでなければなりません。調査と結果の正しい評価、そして対策が示されなければ、不安感を解消することはできないわけでございます。ダイオキシン類につきましては、既に指針値が設定されておりますところの大気汚染の状況について調査をして、その結果を公表しておるわけでございますが、土壌、農作物につきましても、科学的根拠に基づく国の基準値等が設定された段階におきまして、速やかに調査を実施してその結果を市民に明らかにしていきたい、このように思います。国に対しましては早急に、これらについて基準の設定を行うように働きかけてまいりたい、このように思います。 市民、農業生産者への安心の確保に対する市長の所感をお尋ねになりました。本市の環境全体につきましては、おおむね環境基準を達成していると思っております。大気中のダイオキシン類による汚染につきましては、国の大気環境指針値が 0.8ピコグラム、これに対しまして 0.081から 0.097ピコグラム、約10分の1という低い値になっております。現在、ダイオキシン類につきましてはその主な発生源であります焼却炉の規制、指導、これを中心に積極的に対策を進めておりまして、国の基準の新設に則して適正な対応に努めていきたい、このように思っています。なお、有害化学物質につきましては、市独自の判断が難しいことでございますので、国の対応を見きわめていきたい、このように思います。 クリーンエネルギーについてお尋ねでございまして、まず太陽光発電でございますが、クリーンエネルギーの利用促進は、地球温暖化への対応という視点からも必要なことというふうに考えております。太陽光発電システムの普及につきましては、まず公共施設への導入を検討いたしてまいりますとともに、住宅用システムへの普及方策につきましては技術開発の状況、設置の場合のコスト、国・県・類似都市の動向等を参考にしながら研究してまいりたい、このように思っております。 なお、金沢駅東広場においてどういう対応をするのかというお尋ねでございますが、人に優しいバリアフリーの徹底はもちろん、環境に優しい広場づくりを目標にいたしております。具体的には、緑の空間整備、雨水の再利用、これを計画しておりまして、今後さらにガラス屋根を活用した太陽光発電につきましても導入に向けて研究をしてまいりたい、このように思っております。 可燃ごみの焼却処理の現状評価につきましては、部長からお答えをいたします。 産業廃棄物処理問題に対する広域圏行政協力の必要性についてお触れになりました。産業廃棄物は国の事務として全国的な規模で処理される仕組みになっております。その一部の事務が都道府県と保健所設置市に機関委任されておりまして、金沢市は金沢市の行政区域を、その他の県内市町村の行政区域は石川県が委任事務として許可等の事務を行っているところでございます。したがいまして、産業廃棄物の広域的な問題等につきましては、国の指示、指導に基づき石川県と常に協議を行っております。したがいまして、新たに協議機関を設けることは考えていないわけでございます。 次に、住民、町会に対する支援を強化するようにということでございました。資源循環型社会を形成するには、市民と事業者の協力が不可欠でございます。市民の方々には、社会に対して何ができるのかということを求めていきたいと思っておる次第でございます。特に、廃棄物につきましては従来から町会連合会や校下婦人会連絡協議会との間で市の支援も含めて十分な話し合いをしてきておりまして、今後もこの姿勢は続けてまいりたいと思います。 なお、4月からアルミ・スチール缶を混合収集とし、市民の分別作業の軽減化を図ってまいりますとともに、これまでの校下還元金と奨励金に加え、ペットボトルの回収についてもキログラム4円の奨励金を交付することにした次第でございます。環境問題はこれからの重要なテーマと位置づけておりまして、市民ともどもにこのことに頑張りたいと思う次第でございます。 新谷議員におかれても格別な御支援、そして御活躍をお願いしたい、こう思います。 ○副議長(安達前君) 佐子田助役。   〔助役佐子田 正君登壇〕 ◎助役(佐子田正君) 1番新谷議員の、百万石まつりと他の観光資源との一体的連結開放が必要でないかというお尋ねにお答えをいたします。祭りを盛り上げ、多数の市民、観光客に楽しんでいただくためには、観光資源との連携は欠かせないものというふうに考えております。昨年4月から長町の老舗記念館などの歴史的観光施設につきまして、年間休まず無料開放したことによりまして、観光客にも大変好評を得ているところであります。その他の文化施設等につきまして、祭り期間中の無料開放につきましては、その可能性につきまして研究を進めてまいりたいと、このように考えております。 以上でございます。 ○副議長(安達前君) 石原教育長。   〔教育長石原多賀子君登壇〕 ◎教育長(石原多賀子君) 1番新谷議員にお答えいたします。 教育個人情報開示について、指導要録の公開の対応及びプライバシー情報の保護策についてお尋ねがございました。指導要録における個々の児童・生徒の指導に関する記録は、子供たちの学習を継続して指導する上で役立てることを目的として作成するものでございます。その記録のすべてを公開することにつきましては、教員が児童・生徒に関する判断、意見等の評価を、正確に記録することをちゅうちょする結果となるおそれもございまして、本来の趣旨、目的を損なうため、適当でないと考えております。プライバシー情報につきましては、本市情報公開及び個人情報保護条例に定められた個人情報の保護及び自己情報の公開請求の規定によりまして保護されております。今後とも、この趣旨を踏まえて対応していきたいと思います。 また、選択校区制度の導入可能性への見解をお尋ねでございました。現行の通学区域制度は、文部省通知を踏まえ、金沢市教育委員会が平成9年12月に制度改正いたしました通学区域制度の弾力的運用に 基づいて運用しておりまして、今後とも児童・生徒、保護者の立場に立った運用に努めてまいりたいと思っております。御提案の学校の選択につきましては、学校経営等において幾つかの問題点もあり、今後の研究課題とさせていただきたいと思っております。 以上でございます。 ○副議長(安達前君) 北川環境部長。   〔環境部長北川捷昭君登壇〕 ◎環境部長(北川捷昭君) 可燃ごみの焼却処理の現状評価についてお答えいたします。平成10年度は約15万トンが見込まれ、東部クリーンセンターと西部クリーンセンターで処理しております。2つのクリーンセンターの処理能力は、約16万 5,000トンでありまして、約1万 5,000トンの余裕を持っております。燃焼には燃料を使わず、また発生した熱により年間約 2,600万キロワットアワーの発電をいたしまして、また周辺施設の暖房等に約 155万キロカロリーの利用を行うなど資源化を図っており、有効な処理をしていると思っております。 以上でございます。 ○副議長(安達前君) 8番山野之義君。   〔8番山野之義君登壇〕(拍手) ◆8番(山野之義君) 先日、ある大手旅行代理店に勤める友人から大変残念な話を耳にしました。その旅行代理店の関西支社において、金沢及び金沢方面への旅行パンフレットの印刷部数を大幅に削減したということでした。金沢は一度行ってみたい都市としては常に上位にランクされてはいますが、もう一度行ってみたい、いわゆるリピーターがほとんどいないということが最大の原因ということでした。本市としても従来の発想で観光客をふやそうとするのではなく、新しい取り組みが求められるところと言えます。 その一つとして、私は夜の歩ける、楽しめる町並みというものを挙げたいと思います。金沢の夜といえば、おいしいものを食べるということばかりに関心がいきがちです。もちろん、食は金沢の文化をあらわす大切な一面ですが、夜歩いて楽しむことができる町並みというものも再評価されてよいのではないでしょうか。昨年、3回にわたりましてまちなみ体験ウォークなる企画が行われました。そのうち最終回では、夜の金沢を歩くというものでした。私は全行程ではありませんでしたが、その回に参加させていただきました。ライトアップされることにより、金沢の違った一面をかいま見ることができたような気がいたしました。もちろん、その準備のために多くの職員の方たちや、住民の方たちの協力があったからこそ初めてできたことであり、日常的にすべてができるとは思いませんが、実現可能な取り組みから積極的に始めていくことが大切ではないでしょうか。女性同士や家族で、金沢の夜の町並みを歩いて観光を楽しむ、今予算において浅野川の梅ノ橋、中の橋のライトアップが計画されています。その他、具体的な施策が検討されているようでしたらお答えください。 さて、夜の金沢を歩いて楽しむ際に、どうしても欠かせないのが住民の理解、もっと具体的に言えば幾つかの商店街の協力が必要となってきます。夜歩くスポットとスポットの間が真っ暗で商店街のシャッターがおりているというのでは、うまくありません。行政がどこまで関与できるものか微妙な点もありますが、ある一部商店街の、またある期間限定であったとしても、営業時間の延長への働きかけを含めて、住民、商店街に対する働きかけ、協力の呼びかけもあってもよいのではないかと思われますが、いかがなものでしょうか。 景気が芳しくない中、しにせの料亭や旅館の閉鎖、またビジネスホテルなどを含めた厳しい経営状況が新聞報道等でも見られています。本予算においても和風旅館を支援するため、和風旅館個性アップ事業費や、観光ホスピタリティー醸成費等、新しい試みがなされております。そういう厳しい経営状況や必死の施策がある一方で、本市を含め、全国的にも公的宿泊施設の建設もしくは大改装オープンが後を絶ちません。一般宿泊者には幾らかは割り増し料金にしているとはいっても、民間宿泊施設の宿泊料金よりも安く、その差額分は結局は広い意味で公的資金で補てんされています。景気が上向きのときや、他の宿泊施設と競合しない立地の場合ならともかく、この不景気のときに、しかも、それらは立地の点からいっても観光の一等地であることがしばしばです。全国的にも強い批判の起きていることは、マスコミ報道でも再三指摘されています。もちろん、建設の最終許可は市長裁量ではないことは十分承知しておりますが、今後そのような事例が出てきた場合、関係諸機関への申し入れ等の強い態度もあってもよいのではないかと思われますが、いかがなものでしょうか。 市長はかねがね、金沢の個性として伝統文化をその一つとして挙げられています。そして、それらの後継者育成のために希少伝統産業専門塾開設費として、本予算にも計上されております。また、伝統産業とは少し意味合いが違うかもしれませんが、伝統的な手仕事の後継育成という観点から、職人大学校も開校されています。技術、文化の後継育成という点からいっても好ましいことと言えます。ただ、一方では、なぜ後継者がなかなか育たないのか、居つかないのかということを考えた場合、それらの伝統産業に対するニーズが減少し、需要、販路が少なくなってきたということが挙げられます。行政がどこまで関与できるかはわかりませんが、新たな販路拡大協力のための施策も必要とされてくるかもしれません。具体的な取り組みを御検討でしたらお聞かせください。 また、市長は、金沢は畳の文化だ、そこからさまざまな伝統文化が生まれてきたとも述べられています。これから都心部で検討されている市営住宅は、もはや安さを求めてのものではなく、少々割高であったとしても快適なライフスタイルの提案といったものが念頭に置かれるはずです。そうであるならば、例えばこれからの市営住宅では仏間や床の間のある和室を整備していくといった発想も、広い意味で伝統産業、文化の育成につながるものではないでしょうか。また、職人大学校で学ぶ方たちの職人のわざを発揮する場も、ときには民間と協力しながらであったとしても、提供していくということも必要ではないでしょうか。具体案がございましたらお答えください。 先ほど申し上げました体験ウォークを受けて行われたシンポジウムにおいて、ある地域に古くから住む人しかわからないような坂、その坂の名前、さらにはその由来を説明される方がいらっしゃいました。また別の方も、そのような、長くその地域に住む人しか恐らくはわからないであろうような坂の存在を示唆されてもいました。市長はよく、金沢の地形の特色は犀川、浅野川という2つの川、また寺町台、小立野台、卯辰山という3つの台地を言われています。そして、地形そのものではありませんが、市内を走る用水も金沢の町並みを特色づけるものとして挙げられています。私はその中に、大小さまざまな坂も仲間に入れてもよいのではないかと思っています。坂といえば上り下りが大変というイメージがありますが、そのイメージを逆手にとり、町並みの特色ととらえてみることも一案です。そこで御提案いたします。だれもが知っている有名な坂はもちろんのこと、改めて今ほど申し上げましたような、その地域に長く住んでいる人が知る坂なども聞き取り調査し、パンフレットや簡単な冊子にしてまとめてみてはいかがでしょうか。市民の方が散策を楽しむ道しるべにもなりますし、観光のための資料にもなるのではないでしょうか。 次に、防災について、以下数点にわたりお聞きします。 阪神大震災以降、日本全国に防災についての関心が高まりました。また、自然災害ではありませんが、ナホトカ号重油流出事故によって、災害の恐ろしさを私たち金沢市民、石川県民も身にしみて感じたことは記憶に新しいところです。当然のことながら、防災ということは個人ひとりの力でできることではありません。かといって、行政に頼り切るということも、いろいろな意味で好ましいものとは言えません。そこで、自主防災組織というものが結成され、地域として防災に取り組むという動きが全市的に見られているということは、大変望ましいことと言えます。そこでまず最初にお聞きします。本市における自主防災組織の結成状況についてお答えください。 また、防災に対する意識の高まりの中で、全国の中には自主防災組織を立ち上げはしたが、実際の活動がほとんど行われていない自治体もあるやに仄聞しております。本市においてそのようなことはあり得ないと思いますが、本市における自主防災組織は実際にどのような活動が行われているのか、また、その自主防災組織に対して、行政としての協力支援体制はいかなるものなのか、お聞かせください。 火事、地震、洪水等々、さまざまな思いがけない災害に出くわした際、精神的にも実務的にもいろいろな意味でよりどころになるのは、消防本部及び各消防署となります。ただ、その消防本部にしても、各消防出張所にしても、建物の老朽化が進んでしまっているものも幾つもあり、大地震が起きた場合真っ先に倒壊してしまうのではないかという、笑うに笑えない笑い話がまことしやかにささやかれてもいます。消防本部を初めとした各消防出張所の耐震構造の強化は、どのような状態になっているのか、もしくは、場合によっては、それらの移転、新築計画があるとすれば、どのような進捗状況なのかお聞かせください。 次に、児童クラブについて、以下数点お聞きします。さきの児童福祉法一部改正にあわせるかのように、金沢市児童クラブ協議会が結成されたことにより、各児童クラブと行政との連絡がより一層密になることと期待されています。そこで、児童クラブに関連しまして、ソフト面、ハード面両面にわたってお聞きいたします。 金沢市児童クラブ協議会の設立目的の中にも、指導員の研修を図る云々という記述がありました。市長はさきに、私が児童クラブの指導員についてお聞きした際、御答弁として「特別な資格要件を設けるのではなく、どういう方であったとしても、地域で子供の好きな方が子供と一緒に楽しんで遊んでくれる、そういう方であってほしい」と述べられています。もちろんそうであっても、いや、そうであるからこそ、子供たちのためにもある一定の共通認識、共通研修というものが必要であると思われます。県と協力しながらであったとしても、指導員の研修体制について何らかの責任ある施策が必要と思われますが、いかがなものでしょうか。 次に、小規模児童クラブの指導員の補充体制についてお聞きします。現在、10人未満の児童クラブにおいては、指導員の数は1人となっています。しかし、現実には通常の活動の際はもちろんのこと、何か急な出来事があったりした場合などの不都合は、容易に想像ができます。結局、そのしわ寄せは、子供たちへの指導に影響しかねません。何らかの形で、その対応策が喫緊の課題として求められているのではないでしょうか。ぜひとも御配慮をお願いいたします。 次に、ハード面についてお聞きします。児童クラブの施設としましては、児童館の中に併設、民間の建物を借り受けての運営、さらには小学校の余裕教室の利用等々、さまざまな形態があります。児童館や小学校余裕教室についてはともかく、民間の建物を借り受けての運営には地域によって大きな格差があることも事実です。また、利用するのは小学校の低学年から中学年の子供たちということを考えた場合、その修繕の頻度及び規模は相当なものになりますし、さまざまな物品費もかさんでくるものと思われます。現在、本市においては地域の社会福祉協議会に委託し、児童クラブを運営しているという形態をとっておりますので、全面的に行政が関与してくるという性格のものではないかとは思われます。ただ、先ほどの指導員の研修についての取り組みをソフト面の一つの施策とすれば、施設等の援助はハード面での取り組みの一つと思われます。法制化にあわせてお答えください。 次に、新金沢エンゼルプランについてお聞きします。 現行のエンゼルプランの目標年度が平成12年度までということを考えると、平成11年度予算に早くも新金沢エンゼルプラン策定準備費が盛り込まれていることは、担当部署の意気込みが感じられ、頼もしい限りといえます。また、予算概要における記述によりますと、少子化対策と銘打たれております。言うまでもなく、少子化対策というのは一つ福祉の問題だけではなく、女性の社会進出にも代表されるまさに社会問題といっても過言ではありません。そういう意味で、現行のエンゼルプランでは保育所のことや児童クラブのことなど、いわゆる厚生省的な観点からの取り組みが中心であったかと思われますが、新金沢エンゼルプランにおいては、もう少し多面的な取り組みも必要ではないでしょうか。本市就学前児童の多くが保育所に通っているのと同じように、幼稚園に通っている子も多いということを考えあわせた場合、やはり幼稚園に関する記述もあってしかるべきかとも思われますし、先ほど述べました女性の社会進出に関連した雇用に関する議論があってもよいのかもしれません。余裕を持ったスケジュールでの議論ですので、今ほど申し上げました点も考慮していただき、厚生省版としてではなく、文字通り金沢版としての新金沢エンゼルプラン策定準備を進めていただきたいと思いますが、いかがなものでしょうか。 さきの学校図書館法一部改正により、平成15年には司書教諭が小規模校を抜くすべての小・中学校に配属されることになりました。本市においても図書館司書という形ではなく、司書教諭を配置する方針と聞いております。その是非は今ここで議論をいたしませんが、懸念されますことは、その司書教諭が単なる充て職になってしまうのではないかということです。本予算においても、やすらぎの学校図書館づくり事業費として大きな金額を計上しておりますことからも、教育委員会の学校図書館充実に対する熱意は十分に伝わってまいりますし、その効果も私は強く期待しております。そして、その熱意、期待に明確にこたえてくれるのは、やはり図書館に携わる人であり、その人を支えるさまざまな協力・支援体制であると言えます。その協力・支援体制の一つが市立図書館との連携であり、その人への研修を含めた受け入れ態勢となります。施設やものを充実することによって多くの問題が解決されるというテーマではありません。研修を初めとしたソフト的な施策が中心となるがために、その充実、浸透に時間がかかってくるものと思われます。それだけに早目、早目の対策が必要です。司書教諭配置までの時期を考えると、実はそれほど時間的余裕があるとは思われません。心の教育が叫ばれる今、改めて学校図書館の充実が大切な問題となってくるかと思われます。教育長の御答弁をお願いいたします。 最後に、2000年問題についてお聞きします。 いわゆる2000年問題は、ここ数年新聞報道等で何度も議論されておりますので詳細は申し上げませんが、本庁においては住民台帳の管理等、また市立病院では医療機器を初めとしたさまざまな機器類、やはり企業局においても同じようにさまざまな機器類等が該当するかと思われます。それらにおける対応策はどのようになっておりますでしょうか。 また、新聞報道等によりますと中小企業者、特に規模が小さい事業者の2000年問題対応策がおくれがちということです。国を挙げての支援策が必要となっていますが、本市としての市内事業者への支援はどのようになっているのでしょうか。 以上をもちまして、私の一般質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(安達前君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 8番山野議員にお答えをします。 まず、観光につきまして、夜の歩ける町にしたいものだと、それについて商店、あるいは住民の協力を得るようにという御趣旨でございました。夜の情緒を醸し出すスポットといたしまして、既に本年度尾張町の町民文化館、旧三田商店のライトアップを実施いたしまして、新しい年度におきましては梅ノ橋と中の橋をしたいというふうに思っていまして、この点お触れになったとおりでございます。 また、新年度におきまして、竪町商店街のショーウインドーの魅力を高める工事、これを支援したいというふうに思っておりますし、尾張町の一品ミニ美術館のライトアップ等の整備に対しまして、新たに補助制度をつくるというようなこともいたしまして、新たな取り組みを目指す商店街に対して積極的に支援をしてまいりたい、このように思っておる次第でございます。商店街の協力が重要ということでありますので、このことについても促しながら、今後とも夜の町を歩きながら回遊できる仕掛けを強めていきたい、このように思っておる次第でございます。 次に、公的宿泊施設の建設について関係機関へ申し入れる等、強い態度が必要ではなかろうかという御指摘でございました。公的な宿泊施設は民間施設と同様に、旅館業法に基づく旅館業として位置づけられておることは御承知のとおりでございます。それぞれの都市の規模に応じ、また地域バランスを考えた配置というものが考えられているというふうに思っておる次第でございます。したがいまして、個別、特別の事情があればともかく、一般に行政から申し入れするということは大変、規制緩和の時世の中でもありまして難しいわけでありますが、個々のケースに応じまして話し合いは進めてまいりたい、このように思っております。ただ、基本的には、これまでのように公的、民間の両施設がパートナーシップを維持しながら機能分担、経営努力の面で創意工夫をしていかれることを実は期待をしておるということでございます。 伝統産業について、販路拡大の具体的な取り組みをすべきだと。伝統産業は大変今御苦心であります。私も心を痛めております。とりわけ、友禅業界等はなかなか厳しい状況にございます。販路拡張に努めなければいけないというふうに思っておる次第でございまして、新年度におきまして大きい消費地の東京で国指定の伝統工芸品10の業種を中心に、合同の見本市を開催したいと思っております。このようなことをして販路の拡張に向けて積極的に対応してまいりますとともに、やはりいろんな工夫も必要でございまして、現代生活に適応した新しい製品開発、こういうことにも助成をしてまいりたいと思っておる次第でございます。また、新たな需要開拓に向けた普及推進のための組織ということにつきましても、研究をしてまいりたいと思っております。これやあれや、新規需要の開拓には最大の努力をしてまいりたい、こう思っております。 伝統産業振興の視点から、市営住宅に仏間とか床の間をつくったらどうかということであります。ただ、市営住宅ということになりますと事柄はなかなか難しいことでありまして、和室、洋室をそれぞれ取り入れた住戸タイプになっておるわけであります。第1に居住水準の向上を目指すということになっておりまして、住戸の専用面積等の定めがございまして、そういたしますと仏間や床の間をつくるということは大変難しいという事情があるわけでございます。ただ、御趣旨はよくわかりますので、私といたしますと例えば瑞樹団地、瑞樹団地は木造住宅であること、こういうことを条件にしておるということを御承知いただきたいと思いますし、私は学校施設等につきましてはできるだけ木を使った空間をふやすと、こういう努力をこれからしていくべきだと、こう思っておる次第でございます。 職人大学校で学んだ技術を生かす機会を与えなければという御指摘でございます。私もそのとおりだと思っていまして、とりあえず職人大学校のところで土蔵をつくってもらいました。立派にできました。これができましたら、続いて皆さん方から長町のところで茶室と茶庭をつくらせてほしいという話がございまして、今この仕事を一生懸命やってくださっています。私も一度、近々見に行きたいというふうに思っておる次第でございます。 なお、ことしの秋には新しい修了者を出すことになっておりまして、この方々には技能認定士という資格を市としてお与えすることをしたらどうかと思っておりまして、技能認定士制度を設けることで伝統的な、また高度なわざに対する人々の理解、またこのことを通じて需要喚起につながるようにしてみたいと思っておりますし、行く行くは、可能とあらば文化財の修復でありますとか、あるいは都市景観の保全等の面で仕事もあると思いますので、学んだ技術が生かせる場の提供に努力をしてまいりたい、このように思っておる次第でございます。 次に、坂というものを重視するように、また、坂の由来を記したパンフレットをつくるようにということでございました。私は坂というものは金沢の特色である、石垣も石段もあって、用水と同じ金沢の歴史的遺構だと、こう思ってきょうまでまいりました。そう思いまして、修景整備も進めてきたところでございます。車の通る坂道は別にいたしまして、車の通らない坂道できょう現在未整備のところといいますと、金商高校の裏の鶴舞坂、これだけではなかろうか、そんなふうに実は思っておるのであります。ぜひ大切にしたいという気持ちを抱いておりまして、御指摘の由来のことでございますが、由来が明らかな坂ということにつきましては、既に小さい冊子が出ています。金沢市歴史のまちしるべ案内という小さい冊子でございますが、この中で一部紹介がされています。ただ、ここの冊子に載っていない坂もあるわけでございまして、この由来を調査するということになりますと、そうたやすいことではないというふうには思っておりますが、坂の名称を記録にとどめるということも重要と思いますので、冊子化を含めて研究してまいりたい、このように思っております。 次に、自主防災組織のことについてお触れでございまして、結成の状況、活動の状況等は消防長からお答えをいたします。 私からは、各消防の拠点の整備につきまして、耐震の面から、あるいは移転新築の面から、その状況について御報告いたします。まず、耐震補強工事を要しますものは、12消防署所のうち8カ所でございます。そのうち4カ所は既に完了いたしておりまして、新年度はさらに1カ所の工事を予定いたしております。当面、広坂消防署泉野出張所につきましては泉野出町2丁目地内に移転新築をすることにいたしまして、南部地区防災拠点施設と併設のための実施設計費を新年度に計上した次第でございます。残りの署所につきましても、耐震性の強化につきまして、移転の必要性も含めて検討を進めてまいりたいと、このように思っています。 次に、児童クラブのことでございますが、第1に指導員の研修体制をお尋ねになりました。従来、児童館の厚生員、母親クラブの会員とともに年3、4回研修を実施いたしております。ただ、児童クラブ指導員の参加が正直なところ少のうございまして、今月指導員だけの対象の研修を県と合同で一度開催をしてみたいと思っております。新年度には、先般発足した児童クラブの協議会がございますので、これと相談をしながら指導員の資質向上に努めてまいりたいと思います。 指導員の補充体制を強化すべきだという御意見でございました。従来から、国の基準を超えて児童クラブの指導員を配置していることは御承知のとおりでございます。新年度からは、児童数20人未満の児童クラブに対しまして、補助指導員を配置して、その充実に努めたところでございます。 次いで、施設環境について支援を充実すべきだという御意見でございます。施設、設備の改善に当たりましては、今後とも地域の方々と十分相談をしながら進めてまいりたいと思っております。新年度におきましては、施設整備補助についての限度額を、従来 100万円でありましたが、2倍の 200万円に引き上げて充実を図ったところでございます。先般法制化がなりました放課後の児童健全育成事業を児童福祉法上明確に位置づけをいたしました点で、意義のあるものと思っておる次第でございます。 新エンゼルプランについて、多面的な取り組みが必要だという御意見でございました。仰せのとおりだと思っております。新しい年度から準備に着手したいと思っておりますが、少子化対策は福祉の分野だけに限りません。教育、労働、医療、地域社会等のあり方等、重層的な施策の転換が必要でございまして、重要な課題として取り組みたい、そのように思っております。各部署の横断的なワーキンググループを設けまして、その中で仰せになりました文字通り金沢版として調査研究をしたいと、このように思います。 コンピューター西暦2000年問題について、本市の取り組み状況をお尋ねになりました。国の推進本部において決定をいたしましたコンピューター西暦2000年問題対応指針に準じた対応を進めているところでございます。具体的には、住民記録オンラインシステムでは期間計算ができませんために年齢計算ができない、税の総合オンラインシステムでも期間計算ができないために、延滞金の処理等ができないということが発生をいたします。このために、プログラムの日付の箇所を2000年表示に修正するものでございます。いずれのシステムにおいても万全の対応をしたい、こう思っております。 また、事業者への支援でありますが、昨年の9月から石川県中小企業情報センターの中に、コンピューター西暦2000年問題の各種相談窓口を開設しております。機器の更新等に必要な資金の貸し付け等につきましては、既存の制度融資、これでもって対応をすることになると、こう申し上げたいと思います。 ○副議長(安達前君) 新木消防長。   〔消防長新木一良君登壇〕 ◎消防長(新木一良君) 8番山野議員の質問にお答えをいたします。 自主防災組織について数点お尋ねでございました。まず1点目は、自主防災組織の結成状況についてであります。今月14日に結成の運びとなっております長坂台校下を含めると62校下・地区のうち、既に54校下・地区において結成され、全世帯の83%をカバーすることと相なります。今後とも未結成の校下・地区についても、地域の自主性を尊重しつつ、あらゆる機会をとらえて一層の啓発に努めてまいる所存であります。 次に、自主防災組織の活動状況についてであります。自主防災組織の活動は、防火・防災思想の普及啓発、大規模災害発生時の初期対応を目標として行うものであり、平成10年中には34組織、延べ47回の訓練が実施されております。これらの訓練は、それぞれの自主防災組織が地域の消防分団と連携し、自分たちの手で企画した手づくりの訓練であり、訓練の目的は十分に果たされているものと評価しております。 終わりに、行政としての支援策についてお触れでございました。自主防災組織が必要とする防災資機材購入に対して、1配備場所ごとに30万円を限度として既に99カ所に補助金を交付しているところであります。さらに、自主防災組織が訓練を実施する際に必要な消火器や応急救護用の三角巾を現物支給しており、このほか今年度は各組織のリーダーを対象とした実務研修会を実施する予定であります。 以上であります。 ○副議長(安達前君) 石原教育長。   〔教育長石原多賀子君登壇〕 ◎教育長(石原多賀子君) 8番山野議員にお答えいたします。 学校図書館につきまして、市立図書館との連携、司書教諭の受け入れ態勢についてお尋ねがございました。これからの学校図書館につきましては、子供たちがみずから学ぶ学習の場としての機能と、豊かな感性をはぐくむ読書の場としての機能が求められております。そのため、教育委員会といたしましては新学習指導要領の趣旨を踏まえ、司書教諭を初めとする担当者の資質の向上策について研究したいと思っております。 学校と市立図書館との連携につきましては、現在団体貸し出し制度や50冊文庫制度等を利用した学習資料の収集や、読書指導等を通して交流を図っているところでございます。今後も、昨年末全小中学校に接続いたしましたインターネットを活用して市立図書館との連携を深めるなど、学校図書館の活性化に努めたいと思っております。 以上でございます。        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩 ○副議長(安達前君) この際、暫時休憩いたします。              午後2時20分 休憩      -----------------------              午後2時40分 再開 △再開 ○議長(上田忠信君) 出席議員数は、ただいまのところ42名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○議長(上田忠信君) 休憩前の議事を継続して、質疑並びに一般質問を続行いたします。 38番出石輝夫君。   〔38番出石輝夫君登壇〕(拍手) ◆38番(出石輝夫君) 私は、社民・民主議員会の一員として発言の機会を得ましたので、以下数点にわたり質問をいたします。なお、一部重複する面もありますが、立場と角度をかえてお尋ねをします。 質問の第1点目は、金沢市の行政改革大綱についてであります。 平成7年12月に現在の行政改革大綱を策定され、3年目でおおむねその目標を達成されているとのことであり、その取り組み姿勢を評価するものであります。そうした不断の取り組みから、多くの自治体が財政危機宣言をされる中にあって金沢市は常に健全財政を堅持されてきております。国の3次にわたる景気対策に対し、自治体としての裏負担ができず苦慮している自治体が多いと聞き及んでいますが、金沢市の11年度予算案では大きな柱として景気対策を掲げられ、各種の事業予算が計上されているところであり、その積極型予算に心強く思うものであります。不断の行政改革のたまものであり、こうしたときこそ自治体の能力差、体力差が出ているものと思います。これは長年財政部内に携わってこられた山出市長の手腕に負うところが多いと思いますが、さりとて山出市長一人でなし得ることでもなく、市職員の努力によるものと思っております。こうした中で、さらに今年度この行政改革大綱の大幅な見直しをされたとのことでありますので、今回の大綱見直しの着眼点がいかなるところにあるのか、以下質問をいたします。 1つには、職員の削減についてであります。金沢市の職員数は他都市に比べ少なく、少数精鋭主義で、また予算に占める職員費は類似都市の中でも最も少なくなっていると聞いております。ところが、改革目標の一つに全職員の40人削減が掲げられております。そして、既に21人を削減していますので、残りは19人になろうかと思います。しかし、その後中核市への移行により相当業務量がふえているはずであり、また平成12年には介護保険制度が導入されることとなり、さらに今後地方分権により国から多くの事務権限が移譲されてくることも見込まれているところであります。一方で職員数の削減に伴ってか時間外がふえ、その時間外手当が増加しているとも聞いております。職員数の1%、40人削減の具体的な根拠についてまずお尋ねをいたします。 私は自動車を長時間、しかも安全運転をしていく上でハンドルの遊びが大変重要であり、ハンドルの遊びのない自動車では安全運転ができないと言われるように、数字の一人歩きが市民サービス向上に向け立ち上がっている職員の意欲減退になってはならないと考えるものであります。平成10年度中に新たに職員の定員適正化計画が策定されることになっていますが、その定員適正化計画の内容についてもお聞かせを願います。 2つには、職員個々の能力と実績に応じた給与制度の導入についてであります。金沢市の職員給与体系は、基本的には国の人事院勧告に準拠しているとお聞きしていますが、職員の士気にも影響することでもあります。組合に関係するものの一人としても大いに関心のあるところであり、具体的に能力と実績に応じた給与制度とはどのようなものなのか、お聞かせ願います。 3つには、人材育成基本方針の策定と、人材教育システムの確立についてでありますが、その中で異動の庁内公募制の導入や、管理職を対象とした勤務評定の実施があります。よく、企業は人なりということが言われますが、年功序列ともお見受けする現行の人事管理システムをどのようにされるお考えか、お聞きいたします。 4つには、民間委託の推進についてであります。私も民間委託のできるものは極力委託すべきであり、推進には賛成するものでありますが、一方で行政サービスの低下を懸念するものであります。また、いわゆる第三セクターといわれる金沢市の外郭団体への委託などは、競争原理が働かないことから経費の効率化がそれほど図られないのではと思いますし、また責任分担という点でも不明確になっているのではと危惧するものであります。今後の民間委託の考え方とあわせ、委託が検討される分野はどのように考えておられるのかお聞きいたします。 5つには、官民の役割分担についてであります。今後、きめ細かな行政を展開していく上で、市民ボランティアを初めとするNPOの皆さん方の果たす役割は大変大きく、行政との連携ということが不可欠になってくるものと思っています。そうした動きと呼応した市側の体制づくりはどのように考えておられるのか。また、金沢市ではいち早く金沢ボランティア大学を設立され、多くの卒業生がいろんな分野で活躍されているともお聞きしております。ボランティア大学との連携等もあわせてお聞かせを願います。 6つには、公共工事のコスト削減についてであります。改革目標の一つとして、平成9年度から3カ年で公共工事のコストを10%以上削減することになっております。確かに公共工事が割高という批判の声があって久しいところでありますが、一方で現実に有効な景気刺激対策として公共工事が果たしてきた役割は大きいものがあります。不況にあえぐ企業が多い中、どのような方法でコスト削減を図っていくのかお尋ねします。 7つには、入札、契約手続の改善についてであります。これまで市では契約監理事務の電算化や公募型指名競争入札の導入など、改善が図られてこられたところであります。入札制度は厳正で公平かつ工事の安全性が担保されるものでなければならないことは言うまでもありませんが、今回改善されようとしています民間からの技術提案制度とはどのようなものなのか、また、いつごろから導入されるおつもりなのかお尋ねします。 8つには、情報公開条例の見直し、制度の拡充についてであります。住民の知る権利こそ地方自治の原点にあるものであります。金沢市はいち早く情報公開制度を導入されてきたところであり、いわば情報公開の先進都市の一つであります。しかし、このことで必ずしも制度の運用面がすべてすぐれているとは思いません。聞くところによりますと、特定の一部の人に偏ったりもしているようでありますが、これまでの情報公開制度の実績と反省点、課題はどのようなものなのか、また、今回の改正の視点はどのようなところにあるのかお尋ねします。 行政改革大綱関連の最後に、今回の改正の基本方針についてであります。前回の行政改革大綱の基本方針の一つに中核市に移行するに当たってどのような体制づくりをしていくのかがありました。中核市に移行して3年、基本方針で掲げたように中核市に移行しても問題はなかったのか。そうした総括といいますか、評価の視点が今回の改正内容には見えないのでありますがいかがなものでしょうか、お尋ねをします。 質問の第2点目は、TMOについてであります。 昨年10月、中心市街地活性化の担い手として、株式会社金沢商業活性化センターが県内で2番目に設立されたところであります。今後の事業展開に大いに期待しているところであります。既に、竪町や武蔵商店街においてはモール化整備事業等の取り組みも始められたとも聞いております。しかし、金沢の中心に位置する片町商店街についても、元気を取り戻してほしいと思うのであります。メーンストリートであるだけに、表通りに面し大きな空き地や空き店舗が目立ち、一向に跡地利用がはかどらないなど、現実にもどかしさを感じているところであります。片町再生の名案はないのか、具体的にこの会社は何をしていこうとしているのか、取締役社長として大いにその手腕が期待されております佐子田助役に、ビジョンや具体的な取り組み内容についてお尋ねをします。 質問の第3点目は、町中の定住促進についてであります。 私は平成10年度当初予算に計上されましたまちなか住宅建設奨励金制度に注目をいたしました。この制度がうまく活用されるといいなと思ったところでありますが、スタートしてから1年間、これまで30件の申請があり、既に新築の家に移り住んでおられる方もあります。実際にこの目で見てまいりましたが、新鮮な印象を受けたものであります。この制度は中心部で定住を促進するための制度でありますが、お聞きするところによりますと、民需拡大や雇用の創出など景気対策の面も考え、また黒色系の日本瓦、板張り野外壁、塗装の和室を設けることで、職人のわざの継承も考え、さらに美しい町並みを形成していくなど、町づくりの面でも考えておられるとのことであります。政府の生活空間倍増プランをも先取りした施策であると言えます。まさに金沢の黒瓦のような光沢を放つ制度、政策であり、今さらながら市長の発案のすばらしさに敬服するものであります。 そこで、私からも一つの提案があります。市長ほどの発案とまではいきませんが、まちなか定住促進制度施策の第2弾として、既存の空き住宅を市で借り上げ、また買い取り、修復、改築し、市営住宅として活用する制度であります。高齢者や県外からの転勤族といわれる皆さんや単身赴任者は、できるだけ中心部に移住したいという思いが強いということから、こうした人たちを対象とした住宅施策としていきな計らいと思いますがいかがでしょうか、市長の考えをお伺いいたします。 質問の最後に、本市に数多くある小規模な地域福祉施設の健全な運営確保についてであります。 介護保険制度の導入をめぐり、福祉サービスの分野に民間事業者を含む多様な事業者の参入を促し、このことが福祉の世界に新たな競争をもたらすこととなっています。市内に数多くある小規模な地域福祉施設が、それらの事業者の中で果たして健全に運営していけるのか、非常に気がかりとなっております。 そのような小規模な施設の一つに、富樫ふれあいの家があります。現在、本市で唯一痴呆症のお年寄りが入居するグループホームとして地域で運営されております。昨年度の開設以来約1年間、地元と施設職員の懸命な努力の中で、入居した痴呆症のお年寄りの問題行動がほとんど目立たなくなるなど、その大きな効果が確認されておりますが、一方でいまだ定員に満たないこと、病院等の施設を背景としない単独型の施設であり、痴呆の状況を常時医学的にチェックできないなど解決すべき課題も多いと聞いております。 こうした中で、平成11年度には医療法人が経営するグループホームが2カ所設立されるほか、中村町善隣館がデイサービスとグループホームを併設する形で新設されることとなっており、痴呆に対処する介護サービス基盤が拡充を見るという意味では大変喜ばしいことと考えます。しかし一方、これらの医療法人が経営するグループホームが、背景とする施設から利用者の紹介を受けるなど、運営面での連携支援が期待できるのに比べ、本市のグループホーム事業に先鞭をつけ、不断の努力を続けてきた富樫ふれあいの家が、医療施設等の背景を持たない小規模な施設であるがゆえに、経営の健全性を失うのではないかと心配するものであります。また、収入の形態も介護保険制度のもとでは現在の定額方式から出来高払いに変わることとなります。これらのことから、富樫ふれあいの家のような小規模なグループホームでも介護保険のもとで安定した運営が可能となるよう、何らかの手だてを講ずるべきであると思いますが、市長の考えをお尋ねします。 また、このような単独の施設にあっても、今後痴呆に対応する医学的なケアが不可欠と考えますが、医療との連携をどのように確保していかれるのか、さらに、現在国のモデルケースとなっているこの補助体制がいつまで維持されるのか。また補助打ち切りになった場合、金沢市はどう対処していくおつもりか、あわせてお伺いします。 次に、地域に根差した本市特有の小規模な介護サービス基盤として、善隣館などの地域デイサービスがあります。それぞれの地域の方が強い連携意識のもと、お互いに助け合ってその地域のお年寄りのお世話をするという、このサービスは他都市に見られない金沢らしい福祉の姿であり、この活動を大きく育ててこられた金沢市の方針を高く評価するものであります。しかし、これらの地域デイサービスには、その誕生の経緯から地域の虚弱なお年寄りが多く通っておられ、一方、出来高払いとなる事業費については、虚弱な方の単価が格安となることから、グループホーム同様厳しい運営局面を迎えると聞いております。開設以来地域デイサービス施設にかかわってきたものの一人として、将来に大きな不安を持つものであります。このことに対し、市長はどのように対処していかれるおつもりかお伺いし、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(上田忠信君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 38番出石議員にお答えをいたします。 まず、行政改革大綱の見直しのことについて幾つかお尋ねでございました。その中で、職員数のこと、給与制度のことは下河内助役からお答えをしたいと、このように思います。 私からは、大綱見直しの観点からして年功序列と受けとれるような現行の人事管理システムをどのように考えているのかというお尋ねがございました。これまでも日常の勤務態度、あるいは事業の遂行実績、自己研さんの状況等を総合的に勘案をしての人事管理に努めてきているところでございます。今策定を予定しております人材育成基本方針、そのもとにおきましては、これからの時代に求められる職員像と、必要とされる能力を明らかにいたしまして、採用から処遇も含めた一連の人事管理をシステム化することで職員の意欲を引き出して、そして資質を向上させていきたい、このように思っておる次第でございます。 次に、民間委託が検討されている分野、そして、その考え方についてお問いになりました。今回の行政改革大綱におきましては、これまでの委託業務の評価、他都市の取り組み状況等を踏まえまして、具体的には、ごみ収集業務の一部、中学校学校給食調理事務、そして、西部衛生センターにおけるし尿処理業務、こうしたものなど、12項目の民間委託化を盛り込んでいるわけでございます。このこととは別に、これから民間委託を進めていくに当たりましては、基本はやはり行政運営の効率化の観点はもちろん、責任体制の確保、必要な市民サービスの提供、こうしたことにも十分留意しながら、御指摘にもございました点はよく踏まえまして、円滑な実施に万全を期していきたい、このように思っております。 次に、行政推進には市民の協力が必要だという観点から、ボランティアとNPOの連携が不可欠ではなかろうかという御指摘でございました。平成10年から福祉に限らず国際、観光、また環境、そうした点でボランティア登録を社会福祉協議会のボランティアセンターで一元実施をいたしております。個人も含めまして 200のグループ、1万 1,000人を超えておりまして、力強く思っておる次第でございます。市といたしましても、NPOやボランティア等のよりよい協力、連携が大切というふうに考えておりまして、新年度の機構改革では、従来の市民相談課を市政参画課に拡充をしたいと思っております。ここで市民の参加施策の展開とともに、NPOと市民活動の総合窓口としての役割を強めたいと思っておるところでございます。社会福祉協議会を中心にいたしまして、NPOを含めたボランティア団体、またボランティア大学校、こうした学校と十分連携を深めながら研修会を開く、また情報誌の発行をする等を通じて緊密なネットワークづくりを支援してまいりたい、このように思っております。 なお、大綱見直しの視点から、公共工事のコスト縮減、また民間からの技術提案制度についてのお尋ねがございまして、これについては所管の部長からお答えをいたします。 私からは情報公開の見直しについて、実績と反省点、これをどのように踏まえておるのかというお尋ねでございました。情報公開の請求実績は、平成4年度が60件、9年度は 187件、今年度はこれまでに632 件を数えておりまして、公開制度は着実に定着してきておると思っています。平成3年の条例施行以来7年を経過したわけでございますが、市民の行政に対する関心は格段に高まってまいりまして、市民の健康や環境問題等にかかわる情報で公開性が広がってまいりますなど、数多くの改善が図られ、公開制度は順調に進展をしていると思っておるところでございます。しかし、個人のプライバシー保護の視点は一段と重視される状況もございまして、このことにも最善の配慮を尽くさなければいけない、このように思っておるところでございます。 また、情報公開のことで今回の改正の視点はどんなところかという御指摘でございました。国の情報公開法案の趣旨を踏まえながら、情報公開と個人情報保護の理念を原点に返って整理しまして、対象文書の範囲、あるいは原則公開の中での非公開範囲の限定、適正かつ民主的な公開手続のあり方、こうしたことなど制度全般にわたって審議会で議論をいただいているところでございます。 最後に、行革大綱改正の基本方針について、中核市になってからの総括、評価が必要ではないかということでございました。確かに中核市への移行につきましては、本市といたしまして特段の問題もなく、スムーズに移行できたと思っております。平成9年に移行の成果を取りまとめたところでございますが、事務手続の迅速化がなりました。独自施策を進めることができました。組織の改善、強化等の面でも一定の成果を上げることができたと、このように評価しているところでございます。こうした成果を踏まえました上で、今回の行革大綱におきましてはさらに地方分権を進めることが必要という認識の上に立ちまして、分権型社会にふさわしい行政体制の整備を進めるという基本方針を掲げているところでございます。 次に、TMO事業のことについてお尋ねでございました。この件は佐子田助役からお答えをいたします。 町中の定住促進につきまして、空き家等を借り上げて、あるいは買い取って、市営住宅として活用するのはどうかという御提案でございました。市営住宅として活用するということになりますと、公営住宅整備基準というものを守らなければならないということがありまして、関心は持ちますが大変難しい、研究させてほしいと思っております。なお、現在町中において新たに市営住宅を供給する方向で調査、検討を行っていることをひとつ申し上げておきたいと思います。 私はこのこととは全く視点を別にいたしまして、空き家を一種の社宅扱いをする、こういうことは考えてもいいのではなかろうかというふうに思っております。現に美大の先生は主計町の空き家を使っておりまして、そのあっせんを市がしておるという事例がございます。金沢という町は、国の内外からお客様を迎える町でもございますので、こうした面での配慮の余地はあるのではなかろうか、こう思っておる次第でございます。 次に、福祉に関連をしまして、小さな地域福祉施設の健全経営について幾つかお尋ねでございました。まず、小規模なグループホームが安定して運営できるように手だてを講ずるべきだということでありました。その中で、富樫ふれあいの家を挙げられたわけでございますが、このグループホームは地域デイサービスと同様、市の社会福祉協議会と地区の社会福祉協議会が協力をして運営しているものでございます。このような小規模の施設が介護保険のもとで安定した運営ができるように、介護報酬請求等の事務を共同で行うシステムをつくると、こういうことなどをいたしまして支援をしてまいりたいというふうに思っております。 医療との連携をどのように確保していくのかというお尋ねでございます。富樫ふれあいの家では、提携する近隣の老人保健施設が痴呆症状に関する定期的なチェックを実施しておりますほかに、入居するお年寄りは必要に応じて近くの医療機関で診療を受けているところでございます。引き続き、これらの医療との連携を大切にしていきたい、このように思っております。 グループホーム事業の補助体制というのはどうなるのかという御心配でございました。このグループホーム事業につきましては、平成11年度までが国の補助事業ということになっておりまして、平成12年度からは介護保険制度の中で実施していただくということになるわけでございます。 虚弱なお年寄りが多く通う地域デイサービスの運営をどのようにしていくのかという御質問でございました。介護保険のもとでは事業費が出来高払いになりますために、虚弱から重度までより多くのお年寄りが利用できることが課題になると思っております。このため、地域デイサービス施設の拡張など、可能な限りの改修を実施いたしまして定員増を図りますほか、介護報酬事務の共同化、あるいは作業療法士の派遣による魅力あるサービスの創出、こういうことに助成をすること等いたしまして、健全な運営の確保に向けてできるだけの支援を行っていきたい、このように思っておる次第でございます。 ○議長(上田忠信君) 下河内助役。   〔助役下河内 司君登壇〕 ◎助役(下河内司君) 38番出石議員の行革大綱に関連いたします質問に関しまして、職員数の削減、それから給与につきましてお答えいたしたいと思います。 まず第1点目でございます。職員の削減でございますけれども、今回の行革大綱の見直しに当たりまして、職員数の1%、40人の削減というのを中に盛り込んでおります。この具体的な根拠はというお尋ねでございます。今回の大綱の見直しに当たりましては、御指摘がございました介護保険、あるいはスポレク祭など新たな事業に対する増員要素も当然ございます。こういったこととあわせまして、委託化、あるいはOA化等によります減員要素につきまして、すべての部署において見直し、精査を行ったわけでございます。この結果に基づきまして、行革大綱、当初掲げました平成7年度当初を基準といたしまして、40人減員という目標を可能であるということで改めて掲げさせていただいたものでございます。今後とも、市民への行政サービスの低下や御指摘のありました職員の過度の負担にならないよう配慮しながら、適正な職員配置に努めてまいりたいと考えているところでございます。 2点目でございます。新たに策定いたします定員適正化計画の内容についてのお尋ねでございます。この計画につきましては、簡素で効率的な行財政の運営という行革大綱の趣旨に沿いまして、事務事業の徹底したスクラップ・アンド・ビルドを基本に、新たな増員要素や減員要素を見きわめ策定をさせていただくものでございます。なお、計画の期間につきましては行革大綱は11、12年度ということで、2年間で策定をさせていただいております。これとの整合性、あるいは社会環境の急速な変革に対応するためということで、この定員適正化計画につきましても、平成11年度と12年度の2カ年を対象にして策定をさせていただくということにさせていただいております。 能力と実績に応じた給与制度について、どのようなものなのかという御質問でございます。個々の職員の能力と実績を適正に評価し、公正に給与昇進等の処遇に反映させることがよりよい刺激となり、職員の資質向上や組織の活性化につながるわけでございます。ただ、これらの運用に当たりましては、客観的に評価いたします物差しが必要なわけでございます。こういったことで、この物差しにつきましては、慎重に取り扱わなければならないというふうに考えているところでございます。職員の理解も求めながら、人材育成の一環としての新しい評価制度を構築してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(上田忠信君) 小泉土木部長。   〔土木部長小泉賢一君登壇〕 ◎土木部長(小泉賢一君) 38番出石議員の公共工事のコスト縮減についてどのように取り組んでいるのかにお答えをいたします。 コスト縮減を進める中で、企業及び資材単価の圧縮、品質の低下等にしわ寄せを招くことのないように、現在コスト縮減に努めております。縮減方策については、建設副産物の有効利用及び計画手法、技術基準の見直し、流通機構の合理化、規制緩和等によりコスト縮減に取り組んでおるところでございます。 以上です。 ○議長(上田忠信君) 中西総務部長。   〔総務部長中西勝之君登壇〕 ◎総務部長(中西勝之君) 38番出石議員の入札、契約手続の改善に関する御質問のうち、民間からの技術提案制度とはどのようなものか、また、その導入時期についてのお尋ねにお答えをいたします。 この制度は、民間から特に優れたデザイン、施工方法等を採用し得る可能性の高い工事の分野につきまして、技術提案を募集し、発注者が審査を行い、最適な提案を行った業者を落札者とする、そういう方式でございます。しかし、この方式には審査体制、また評価基準の整備、提案者のノウハウや知的所有権の保護など、幾つかの運用方法の検討課題もございます。現在、国におきましてこの制度を試行しているところでございますが、今後この国の試行結果や、他の自治体の動向も見きわめながら、その導入時期を検討していきたいというふうに思っているところでございます。 以上でございます。 ○議長(上田忠信君) 佐子田助役。   〔助役佐子田 正君登壇〕 ◎助役(佐子田正君) 38番出石議員の金沢商業活性化センターの具体的な取り組みと片町の再生についてのお尋ねにお答えします。 金沢商業活性化センター、いわゆるTMOは、中心商業地の魅力と活力を取り戻すために設立された機関でございます。現在TMOでは中心商店街の活性化構想を策定中でありますが、来る4月に市の構想認定を受けました上で、空き店舗対策事業、共同イベント事業、駐車場ネットワーク事業等を、香林坊・片町地区と武蔵地区の両地区において順次実施していくこととしております。このほか、意欲のある商店街に対しましては、指導、助言や自主事業に対する助成などを通じまして積極的に支援を行っていくこととしております。片町商店街につきましても、TMOが商店街と一体となりまして空き地、空き店舗の活用方策を探っていくとともに、テナントの誘致につきましても懸命に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(上田忠信君) 4番浅田美和子君。   〔4番浅田美和子君登壇〕(拍手) ◆4番(浅田美和子君) 発言の機会を得ましたので、私は公明党金沢議員会の一員として、以下数点にわたって質問します。重なる点もあるかと存じますが、よろしくお願いいたします。 質問の第1は、介護保険についてです。 社会全体で高齢者介護を支え合う介護保険のスタートまで1年となりました。しかしながら、市町村、医療、福祉等の関係者の間には制度の内容が明らかになるにつれ、保険料が当初の基準額を大幅に上回る市町村が多く見込まれること、認定基準の分野では認定結果について利用者に対する説明が極めて困難であること、また、介護基盤の整備状況に関する不安が解消されていないことなど、数多くの問題が指摘されており、制度発足時の混乱を危惧する声が強くなっているのが現状です。私たち公明党は、介護は社会保険システムに本来なじまないとの考えから、介護保険法案に反対しましたが、現場における混乱を看過できないため、党内に介護保険対策本部を設置し、実態調査やヒアリング、シンポジウム等の活動を展開し、安定運営確保のための課題を探ってまいりました。そしてこのたび、今後における政省令の検討、確立を視野に入れながら、現在までの取り組みをまとめ、先月16日に緊急提言を行ったところです。 さて、本市でも介護保険の円滑な導入に向けて着々と準備が進められているところですが、以下数点お尋ねします。 1点目は、先般行われた高齢者の実態調査についてです。厚生省の介護保険制度体制づくりについて全国で行った要介護認定モデル事業の結果のまとめによりますと、対象約17万 5,000人の高齢者の43%が介護サービスを受けられる中程度の要介護2と3に認定され、より手厚い介護が必要な4と5は合わせて21%であったようです。要介護1、要支援で27%、自立が7%となっています。また、聞き取り調査をコンピューター分析した1次判定とかかりつけ医師の意見なども加味した最終判定でランクが異なったのは、調査対象の 9.2%もあり、分析ソフトのさらなる改善が望まれます。そこで、本市においての実態調査の結果を伺いますとともに、どのようなニーズが把握されたのかお尋ねします。 2点目に、本市として現行の福祉サービスから介護保険導入後のサービスへの円滑な移行に向け、どのように取り組まれていくのか。また、介護保険導入までの具体的なスケジュールをお示しいただきたいと存じます。 3点目は、低所得者や年金生活者に配慮した介護保険料についてです。我が党は国に対し、保険料の減免の財源確保の国の十分な負担、保険料基準の弾力化に関して国が十分な対応を行う、高額介護サービス費は老齢福祉年金受給者などの生活実態を踏まえ無理のない水準とするの3点を申し入れましたが、本市においての低所得者等に対する介護保険料の減免と負担額の軽減について伺います。 4点目は、保険料についてです。全国市長会が1月に実施した緊急アンケート調査によりますと、回答した 130市のうち30市が 3,500円以上になると答えています。在宅サービスよりも施設が多いところは高く、北海道では自治体平均 5,000円近くになり、療養型病床群の多い高知県では 3,800円と公表しています。先日、衆議院予算委員会で厚生大臣は2,600 円を超える可能性は十分あると答え、保険料額が当初見積もりより高くなるとの見通しを公式に示しました。本市の介護基盤の現状と、利用者のニーズから試算される保険料はどのくらいと見積もられているのか伺います。 5点目は、介護支援専門員、いわゆるケアマネジャーの育成についてです。ケアマネジャーは、介護が必要と認定された高齢者に向け、さまざまなサービスを組み合わせたケアプランをつくります。ケアプランの作成については、寝たきりや痴呆の高齢者のニーズを的確に酌み取り、社会復帰を目指した内容にしなければなりませんし、サービス提供機関をあっせんする場合も高齢者に合ったものを選べるだけの情報が必要です。ところで、利用者がサービスを自由に選択するためにはケアマネジャーは中立の立場でなければなりません。しかし、実際には大半がどこかの医療・福祉施設に所属する見通しで、果たして自分の所属施設のサービス利用を優先せずに客観的な立場からプランを提案できるか、微妙なところだと懸念されております。介護保険の制度の成否は、利用者の代弁者としてのケアマネジャーの公正・公平な判断にかかっているとさえ言われております。ケアマネジャーの専門性を高め、住民の信頼にこたえていくためにも、一層の向上を目指した研修とともに、専門職としての倫理綱領の作成と遵守を義務づけていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 6点目に、介護保険の認定漏れの人たちへの対策について伺います。現在、ホームヘルプサービスやデイサービスを受けている高齢者の中には、介護保険制度の導入に伴って実施される要介護認定で自立と判定され、認定から漏れる方々も出るものと思われます。それらの方々への対策が必要ではないかと思いますが、この点市長はどのようにお考えなのかお伺いいたします。 質問の第2に、音楽療法の福祉施設への導入について伺います。 音楽は心を語りかける言葉であり、心をいやし、活性化する効果があるといわれます。その音楽の力を適用して、療法士が対象者の回復を助ける音楽療法は、高齢者の痴呆防止や進行の抑制、また、心身障害者へのリハビリテーションの一環として、その効果が期待されているものです。言葉が使えない障害者や自閉症児が、音楽を通して心を通い合わせ、言葉を発するようになる、痴呆症のお年寄りが昔よく歌っていた曲を聞き、歌うことで、記憶とともに生活を取り戻し、問題行動も減っていくなど、その療法も効果も人間的な温かみに満ちています。 自治体として音楽療法士を養成、認定しているのは奈良市です。奈良市では市長がオーストラリアの福祉施設での音楽療法を見学し、その効果が大であると認識され、その後市内の作業所、授産所において音楽療法を試みました。その結果、作業時の集中力や持続力が高まり、入所者の表情も豊かになって体調もよくなったこと、また痴呆症の多い特別養護老人ホームで自分の名前すら忘れていたお年寄りが、唱歌を3番まで覚えていて涙を流しながら歌ったこと、このような事例をもとに、音楽療法に関する関心と期待、ニーズは増加し、市民の要望にこたえるものであると導入を決意されました。その後、音楽療法士審議委員会を発足させ、音楽療法士と音楽療法アシスタントを養成するための講座を開始しました。受講生は音大卒の音楽の専門家や福祉施設の職員、教育音楽家、医療関係者などで、研修内容は楽器を即興で演奏する音楽的技能のほかに、福祉、医学、心理学等の専門知識など多岐にわたり、大学院卒の水準に達するといわれます。1年8カ月の研修を受けた14名の卒業生は市社会福祉協議会に所属し、9年度より各福祉施設へ定期的に派遣されております。 例えば、痴呆防止などの予防効果に着目しつくられたシルバーコーラスという高齢者の合唱団は、参加者がどんどん元気になり、薬を飲むよりコーラスの練習に行った方がいいという人まであらわれ、発足当時 100人しかいなかったメンバーが 1,000人を超すまでになりました。奈良市の場合は、音楽療法の行政効果として予防効果も含め、老人医療費の削減を目指しており、専門職員の養成に取り組んだわけです。音楽療法士は現在は国家資格にはなっていませんが、全日本音楽療法連盟では将来の国家資格化を前提に、これまで 171名を認定し、各地の福祉や医療現場に人材を輩出しているとのことです。既に音楽療法を取り入れている医療機関も多いわけですが、本市でも福祉施設への音楽療法の導入を図るためにモデル事業の推進と、専門家の養成が必要と考えますが、御所見を伺います。 質問の第3に、障害児の放課後児童クラブへの入所についてお尋ねします。 共働き家庭の増加や核家族化で近所づき合いが希薄になってきたことなど、地域の環境が大きく変化する中で、働くことと子育てを両立する親にとって、小学校低学年を対象とした放課後児童クラブの必要性はますます高まっております。本市でもエンゼルプランの目標である 1,500名を大きく超え、10年度は51カ所、 1,793名の受け入れであり、11年度は53カ所で運営される予算が計上されております。 ところで最近、統合教育を受ける障害児のお母さんから、仕事をするため放課後児童クラブへの入所を申し入れたところ、快い返事がもらえなかったという相談を受けました。国の方では昨年児童福祉法が改定され、放課後児童クラブは放課後児童健全育成事業として法的に位置づけられました。放課後児童健全育成事業の対象は、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校低学年に就学している児童でありますが、そのほか健全育成上指導を要する児童をも加えることができるとしていて、養護学校に就学している障害のある児童についても、当該児童の状況に応じて対象児童になり得るものであるということになります。本市には統合保育として障害児保育を実施している保育所は62カ所で、対象児童数は 129名となっており、幼稚園には8カ所、10名就園しております。さらに、小学校の統合教育への在学児童数は82名となっています。このような状況であれば、当然のこととして今後も障害児の放課後児童クラブへの入所希望はふえていくと存じます。全国的には、人口10万人以上の市への調査では、何らかの形で障害児を放課後児童クラブに受け入れているところが 132市、20区ありました。 ところで、私は最近、現在超ベストセラーになっている「五体不満足」の本を感動をもって、また命洗われる思いで読みました。作家の早稲田大学の学生である乙武洋匡さんと友人、先生が織りなす人間関係のすばらしさ、その可能性は読む人すべてに何かを考えさせるものがあると思います。何よりも乙武青年自身が普通学校へ行ってよかった、また友人も、その両親も乙武青年と会い、友人になってよかったという相互理解です。障害児として助けてもらうよりは、共生の道を歩み続けたということです。子供たちの行動は大人の世界を映し出しているともいわれます。私はこの金沢市でも障害者の皆さんとの共生をもっともっと進めていかなければならないと心から願う一人です。本市においても、一日も早く放課後児童クラブへの障害児受け入れを実施すべきと考えますが、当局ではどのような対応をされるのか伺います。 質問の第4に、乳幼児医療費の助成制度の拡大について伺います。 少子・高齢化が急速に進む中、子供を安心して産み育てられる環境を総合的に整備することが重要な課題となっております。中でも、乳幼児の医療費は児童を養育する家庭にとって大きな負担となっています。本市では現在2歳児までの入院、通院と、3歳児の入院の医療費助成を行っていますが、若いお母さんからは不況が深刻化し子育てにお金がかかるこの世代に、より一層の医療費助成の対象年齢の拡大を図り、経済的負担を軽減してほしいと切実な要望が寄せられています。小児科医からも、幼稚園や保育園などの集団生活が始まる3歳児ころから感染症の可能性が高くなるとか、医療費助成によって早期診断、早期治療が図られ、重症化を防ぐことで結果的には医療費の抑制につながるのではないか、また、歯科医からは乳歯が生えそろう3歳以降が重要な時期という医療現場からの声も聞きました。 乳幼児医療費無料化の施策については国の制度がないため、全国の各自治体において単独事業として実現を見ておりますが、年齢や給付額、給付期間など給付対象はさまざまであり、自治体によって大きな格差が生じております。我が党としても乳幼児医療費の無料化の制度を国の施策として早期に実現するように国へ申し入れを行い、また当議会も意見書を採択しているところです。本市としても、就学前児童を対象にした乳幼児医療費助成の拡大を図るべきと考えますが、御所見を伺います。 質問の第5に、前立腺がん検診の導入についてお尋ねいたします。 急速に進む高齢化社会の中で、老後をいかに健やかに過ごすかということは大きな社会的課題となっております。老人保健法では壮年期からの健康づくりを目指した保健事業を大きな柱とし、生活習慣病を初めとした病気の予防から、治療、機能訓練に至る対策を総合的に実施することにしています。本市では基本健康診査とともに、胃がん、大腸がん、肺がん、子宮がん、乳がん、甲状腺がんの検診に取り組み、早期発見、早期治療を目指して市民の皆様の健康を守っておられるところであり、高く評価いたします。 さて、最近市民の皆さんの間で、また自分の身内でも、前立腺がんで治療を受けておられる方をよく見かけます。前立腺がんは胃がんや肺がんのように発生率は高くありませんが、年々増加の傾向にあり、泌尿器科の領域では最も多いがんで、50歳以上の加齢に伴い発生率が高くなり、高齢者のがんであるといっても過言ではありません。前立腺がんは男性の疾患ですが、欧米ではがんで死亡される方の約20%を占めるといわれております。日本ではまだ比較的低い発生率ですが、最近の食事の欧米化に伴い増加しているといわれております。前立腺がんの診断は直腸診が大事ですが、最近は血液検査の中で前立腺特異抗原「PSA」の測定によってよくわかるようになり、この検査が注目され、用いられております。岡山県新見市では本年 500名の予定で始めた前立腺がん検診事業が既に 667名の受診者になり、市民の皆様のこのがんに対する関心の高さがうかがえます。本市でも40歳以上のすこやか検診の血液検査のときに、あわせて前立腺がん検診の導入ができないかお尋ねします。 質問の最後に、女性消防士の採用について伺います。 改正男女雇用機会均等法が4月1日に施行され、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保などを図る観点から、募集、採用、配置、昇進について、女性に対する差別を禁止し、女性労働者に対する時間外、休日労働、深夜業の規制の解消などが盛り込まれました。 さて、男性の職場といわれた消防の現場にも全国的に女性の進出が目立ってきました。火を使うことが多い女性には体験に基づく防火指導や、消防の広報、また通信業務などに女性のきめ細やかな特性を生かすことができます。既に、全国のほとんどの政令都市や中核市の半数で女性消防士が誕生し、その特性を生かしながら活躍をしております。石川県でも加賀市での採用が決まり、この3月には県消防学校での教育訓練が全寮制の寄宿舎生活に対応できるように、女子寮室や浴室、トイレ、洗面所などの施設整備がなされました。本市でも女性消防士の採用を検討すべきと存じますがどうお考えでしょうか、消防長にお尋ねして私の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(上田忠信君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 4番浅田議員にお答えします。 まず、介護保険のこれからの対応でございますが、高齢者の実態調査はどうなっておるのか、導入までのスケジュールはどうか、このことについては担当の部長からお答えをいたします。 低所得者への配慮についてどうなるのかとお尋ねになりました。1号被保険者の保険料は所得に応じて設定されることになるわけですが、低所得者に対しましては保険料の平均額や支払い能力等を勘案して、軽減する割合を検討していきたい、このように思っています。 また、1割の利用者負担につきましては、所得に応じた上限額が設定されることになっておりますが、今後とも引き続き全国市長会を通じまして適正なものになるように国に要望してまいりたい、このように思っております。 ところで、保険料はどれくらいに見積もられるのかというお尋ねでありました。高齢者実態調査における要介護者数、利用率、また現在実施しております供給量調査等、推計に必要な基礎数値を詳細に分析し、検討をしまして、できれば9月ごろに概算数値をお示しできないか、そう思っておる次第でございます。 次に、ケアマネジャーの資質向上策が必要だと、こういう御意見でございました。介護支援専門員の養成は、県が担当するということになっております。介護保険法上におきまして支援専門員には、守秘義務を遵守すること、またみなし公務員としての規定がございまして、法律の上からは中立性は確保されているということであります。しかし、介護支援専門員はケアプランの作成でありますとか、訪問調査等中心的な役割を担うものでございまして、利用者サイドに立ったサービスが提供できるように県との連携を図って、専門職としての資質の向上を目指して努力をしていくべきだと、こう思っておる次第でございます。 次に、要介護認定から漏れる方々の対策をどうするのかというお尋ねでございました。漏れるお年寄りが介護を必要とする状況にならぬように、老人憩いの家や公民館等で、地域に根差した生きがいと健康づくりのための地域サロンモデル事業を行う予定でございます。 福祉施設へ音楽療法を導入したらどうかという御意見でございます。お年寄りが歌や踊りなどを楽しむ中で情緒的な安定を得て、運動機能の回復にも効果があるというふうにお聞きをいたしております。本市の場合は、それぞれの福祉施設で現にレクリエーションに歌やゲームを取り入れる等、いろいろ工夫もしておるわけでございますが、専門的な音楽療法の導入につきましては、これからひとつ研究させてほしいというふうに思っています。専門家の養成が必要になるというふうに考えられるわけでございますが、その養成は専門的機関で行うことが望ましい、そのように思います。 次に、放課後児童クラブに障害児を受け入れるべきだという御意見でございました。受け入れにつきましては運営体制等の状況を見て、それぞれの児童クラブが判断しているところでございますが、運営や施設の面で難しいのが実情であるとお聞きをいたしております。なお、昨年策定いたしました金沢市障害者計画には、検討事項として位置づけられておるということを申し上げておきたいと思います。 次に、乳幼児医療のことでございますが、医療費の拡大を図るべきではないかという御意見でございました。医療費助成につきましては平成9年に2歳児の通院、3歳児の入院まで拡大したところでございます。現時点では年齢等の拡大は考えていないわけでございますが、引き続き制度の研究をしてまいりたい、このように思っています。なお、国の補助制度の創設、県補助制度の拡充につきましては、今後とも市長会等を通じて働きかけていきたい、このように思っています。 前立腺がん検診の導入ができないかというお尋ねでございました。昭和58年に胃がん、大腸がんの検診を開始しまして、これまでに肺がん等検診種目の拡大、充実を図ってまいりました。御指摘のように、近年日本人の前立腺がんが増加傾向にあるとお聞きをいたしますことから、この検診の導入については今後検討してまいりたい、このように思っております。 女性消防士の採用の件は消防長からお答えをいたします。 ○議長(上田忠信君) 金子福祉保健部長。   〔福祉保健部長金子 衞君登壇〕 ◎福祉保健部長(金子衞君) 介護保険についての高齢者の実態調査の結果と、どのようなニーズを把握したのかということでございますが、高齢者実態調査の結果につきましては、本市の要介護者数は約1万 5,000人と推計をしております。なお、個別のニーズにつきましては現在集計中でございます。 それから次に、現行サービスから介護保険導入後のサービスへの円滑な移行に向けた取り組みと、そしてスケジュールについてでございますが、介護保険の給付の対象とならないサービスのあり方につきまして、現在介護保険事業計画等策定委員会のワーキングチームにおいて検討をしていただいているところでございます。今後、策定委員会での審議を踏まえまして、本年9月ごろに予定しております介護保険事業計画等の中間報告において、その基本的な考えをお示ししたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(上田忠信君) 新木消防長。   〔消防長新木一良君登壇〕 ◎消防長(新木一良君) 4番浅田議員の女性消防士採用についてのお尋ねにお答えをいたします。男女共同参画社会に向けて、女性の果たす役割は消防社会においても尊重すべきであると認識をいたしております。本市においても、平成11年度の職員採用候補者試験から女性も受験できるように、受験要件の見直しを図ってまいります。 以上であります。        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △散会 ○議長(上田忠信君) これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 よって、本日はこれにて散会いたし、次の本会議は明9日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。              午後3時50分 散会...