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令和 4年第 3回 6月定例会−06月08日-02号

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  1. ひたちなか市議会 2022-06-08
    令和 4年第 3回 6月定例会−06月08日-02号


    取得元: ひたちなか市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    令和 4年第 3回 6月定例会−06月08日-02号令和 4年第 3回 6月定例会           令和4年第3回ひたちなか市議会6月定例会                 議事日程(第 2 号)                             令和4年6月8日午前10時開議 日程第1 一般質問  ────────────────────────────────────────── 〇本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問  ────────────────────────────────────────── 〇出席議員 24名                          1番  井 坂 涼 子 議員                          2番  萩 原   健 議員                          4番  宇 田 貴 子 議員                          5番  山 田 恵 子 議員                          6番  北 原 祐 二 議員                          7番  清 水 健 司 議員                          8番  大 内 健 寿 議員
                             9番  弓 削 仁 一 議員                         10番  大久保 清 美 議員                         11番  鈴 木 道 生 議員                         12番  大 内 聖 仁 議員                         13番  薄 井 宏 安 議員                         14番  加 藤 恭 子 議員                         15番  雨 澤   正 議員                         16番  三 瓶   武 議員                         17番  深 谷 寿 一 議員                         18番  海 野 富 男 議員                         19番  鈴 木 一 成 議員                         20番  大 谷   隆 議員                         21番  清 水 立 雄 議員                         22番  樋之口 英 嗣 議員                         23番  井 坂   章 議員                         24番  武 藤   猛 議員                         25番  打 越   浩 議員  ────────────────────────────────────────── 〇欠席議員  1名                          3番  山 形 由美子 議員  ────────────────────────────────────────── 〇説明のため出席した者                         大 谷   明 市長                         渡 邊 政 美 副市長                         野 沢 恵 子 教育長                         堀 川   滋 水道事業管理者                         森 山 雄 彦 企画部長                         小 倉   健 総務部長                         白 土 光 伸 市民生活部長                         鈴 木 秀 文 福祉部長                         齋 藤 茂 夫 経済環境部長                         大 和 敏 幸 建設部長                         林   尚 司 都市整備部長                         秋 元 正 彦 会計管理者                         湯 浅 博 人 教育部長                         山 村   均 代表監査委員                         平 野 孝 子 選挙管理委員会委員長                         安   智 明 農業委員会会長  ────────────────────────────────────────── 〇事務局職員出席者                         岩 崎 龍 士 事務局長                         笹 沼 義 孝 次長                         鯉 沼 光 人 次長補佐                         益 子   太 係長                         佐 藤 ゆかり 主幹                         折 本   光 主任                         草 野 大 輝 主事           午前10時 開議 ○大谷隆 議長  これより,本日の会議を開きます。  議事日程を報告します。本日の議事日程は,あらかじめお手元に配付しました日程により議事を進めたいと思います。  ────────────────────────────────────────── △日程第1 一般質問 ○大谷隆 議長  日程第1一般質問を行います。  通告順に発言を許可します。  最初に,11番鈴木道生議員。          〔11番 鈴木道生議員登壇〕 ◆11番(鈴木道生議員) 皆様おはようございます。  それでは,ただいまから通告に従いまして,11番,新生ふるさと21鈴木道生,一般質問を行わせていただきます。よろしくお願いいたします。  今回の一般質問は,市長の市政運営について伺うものであります。  月日の流れは早いもので,大谷市長が2018年の市長選挙にて当選されてから間もなく4年となります。さらに振り返れば,2014年の市長選挙に挑まれてから8年がたとうとしております。  大谷市長が市長に就任されたこと,それ自体がひたちなか市政における大きな転換点となりました。選挙により当選され,多くの市民から市政変革の期待を背負う中,前任者の到達点を新たなスタートラインとしてリーダーシップを発揮されることは,1期目の市長として想像以上の道のりがあったかと存じます。  また,新型コロナウイルス感染症の世界的流行など想定外の出来事もありました。有事が続く状況で,当初描いていたビジョンを実現するための政策の見直しや時間軸の変更も余儀なくされたかと思います。  今回の質問に限っては,私自身の政策への考え方はなるべく排して,市長の市政運営についての考えを,素直な気持ちと言葉で,以下伺うものであります。  まず,中項目の1として,市長の市政運営における政治理念を伺います。  市長選挙において「市民の声に真っすぐに」を掲げ,もっと市民に向き合う政治が必要だと訴えておられました。  改めて,なぜ市長になることを決意されたのか,そしてどういった地域社会を実現させたいのか,市長の市政運営における政治理念をお伺いします。  中項目2は,市長就任から現在までの市政運営でございます。  1つ目,政策などの取組について。  まず,当初の政策についてお伺いします。  市長は様々な政策アイデアを発表されるなど,多岐にわたる分野において住民の声を生かした政策を提言されておりました。進展したものもあれば,道半ばのものもあろうかと存じます。当初掲げた政策に対するご自身の評価をお伺いします。  次に,市長就任後の事業実施についてであります。  市政運営は,前任者の到達点からのスタートとなるわけであります。就任後,行政内部から本市の詳細な状況を把握し,改めて本市の課題や可能性を整理されたかと思います。まちづくりに関する市民意識調査の結果による充実希望度と満足度の情報による理解や後期基本計画策定もあり,重点施策などで表現がされたかと理解しております。  また,治水対策や佐和駅東口建設など既存事業の加速化や,高度成長期に建設された公共施設の老朽化に計画的に対処するための公共施設マネジメント体制構築など,潜在的に大きな問題であった課題も先送りせず,しっかりと取り組まれているかと存じます。もちろん財政や社会情勢上,まだ取り組めていない政策もあるかと存じます。  そこで,お伺いします。  既存課題の整理や事業を見直し,そして新たな問題設定を行い,限られた予算を事業化するに当たって,市長はどういった点を基準に重点づけしているかを伺います。  2点目は,行政組織運営についてであります。  市長の目指す理念やビジョンを実現するためには,市職員の皆様の力が欠かせません。事業の価値は,事業を実施する職員と市民などの事業の受益者との間で生まれるものであるかと存じます。  行政組織の組織体制の見直し,人材育成,民間との協働など,市長は市政運営における行政組織の運営についてどのようなリーダーシップを持って取り組んできたのか,お伺いします。  中項目3は,直面する諸課題への対応について2点お伺いします。  1点目,新型コロナウイルス感染症対策。  本市でも2020年から複数回にわたり補正予算を編成し,対策事業を実施してまいりました。国による地方創生臨時交付金など財源措置を受けつつ,事業内容は各自治体により様々でありました。  市長は,新型コロナウイルス感染症対策の事業を展開するに当たり,どのような点を重視してきたのか,お伺いします。  2点目は,コストプッシュ型インフレ対策についてであります。  世界的な需給バランスや円安を原因とした物価高による影響は,無視できるものではありません。物価上昇は誰にでも影響を及ぼすものでありますが,格差社会と言われて久しい我が国において,社会的に弱い立場であり,資産や所得が少ない方々の生活により強く影響が出ることは避けられない事実であります。  近年は,行政以外の草の根支援の輪が広がりつつあり,子ども食堂やフードパントリーなど様々な団体で人々の善意による活動が行われております。特に食料に関わる支援については,利用者は増加傾向にあるとのお話も伺います。社会的な仕組みとして,支援制度や,的を射る施策の充実が図られる必要を感じます。  現状,市民生活への影響に対する緩和策など,様々な角度から対策が今年度求められると考えますが,市長の考えはいかがか,お伺いします。  中項目4は,今後の市政運営についてであります。  コロナ禍による行動抑制から,徐々に社会活動が感染症に留意しつつ再開されつつあることは,日本社会全体としても明るい兆しであります。  長期的視点に立てば,コロナ禍で,他国と比較して我が国がデジタル化が遅れていることが露見し,その後,国を挙げてデジタル変革を進めるなど,社会全体が変化を求められる機会となりました。また,ロシアによるウクライナ侵攻など国際情勢による資源価格の高騰や,アメリカの物価上昇や金利上昇による円安など,私達を取り巻く環境の変化は速く,大きいものであります。  一方,本市はひたちなか地区内に埋立てにより拡大整備が続く国際港湾常陸那珂港,地区内の広大な国有地,コロナ禍以前は外国人観光客に人気だった国営ひたち海浜公園を有しており,加えて,風光明媚な海岸線や,東京から特急にて1時間強で移動が可能であるなど本市の地理的条件は,国内においても有数の可能性があるものであると考えております。  戦争の苦難を経て,先人の皆様が平和と発展への願いを込め建設を進めてきた,太平洋に開かれた北関東の産業拠点たる国際港湾公園都市ひたちなか市の姿が見えてまいりました。こうした先人の皆様が築き上げてきた基盤を生かし,多様性を尊重し,一人一人が幸せに過ごせる活力ある開かれた都市に向けて,今こそ前向きな挑戦と行動をすることで,よりよい未来をつくるものだと確信をしております。  そこでお伺いをします。  市長が考えるひたちなか市の可能性と将来展望,そしてご自身が考える今後の市政運営について伺いますとともに,本年11月にて大谷市政1期目4年間の任期が満了となるわけでありますが,新しいひたちなか市をつくる道はまだ道半ばであろうかと存じます。過去への回帰か,未来への前進か,まさにその選択のときが迫っております。  市政2期目への決意と覚悟をお伺いします。 ○大谷隆 議長  大谷 明市長。          〔大谷 明市長登壇〕 ◎大谷明 市長  鈴木道生議員の質問にお答えいたします。  初めに1項目め,市政運営における政治理念についてであります。
     私は市長に就任する前に,多くの方からひたちなか市は大きな可能性を持っているという声を聞いておりました。私自身も同様に,ひたちなか市には茨城県や日本を引っ張る力が眠っていると常々感じていたところであり,その思いは日に日に強くなっていきました。そして,ひたちなか市がそのポテンシャルを発揮して日本を引っ張っていくためには,多くのアイデアを出し合いながら新たなまちの価値をつくり,それを市民の皆様としっかり共有していく必要があると考えるようになりました。  そうした地元に対する強い思いを胸に,民間企業や茨城県議会議員として培った感性や感覚,私自身の子育てや介護の経験などを生かし,子どもから高齢者まで誰もが安心して暮らすことのできる社会を実現するため,ひたちなか市長を目指す決意をいたしました。  私は市長就任以来,ひたちなか市が,住み続けたい,働き続けたい,行ってみたい,応援したいと思っていただける,選ばれるまちとなるよう努力してまいりました。本市にお住まいの方,そして本市と関わりを持っていただいた全ての方によいまちだと思っていただき,幸せを感じていただけるようなまちであり続けたいと考えております。  そうしたまちづくりを実現するために私が大切にしている政治理念は,就任当初から変わらず,市民の声に真っすぐに向き合うことです。市民の声を聞くことは当然のことながら,言葉に込められた思いを十分に酌み取ることや,言葉にならない思いを感じ取ることであり,私は常にこのことを意識してまいりました。そして市職員に対しても,同じ心構えで市民に接するよう,事あるごとに伝えてまいりました。  これからも市民の皆様の声や議員の皆様のご意見をしっかりと聞きながら,まちの課題に真摯に向き合うとともに,安全安心な暮らし,健康で生き生きとした暮らし,子育てのしやすさ,まちのにぎわい,快適な住環境,絆やつながりといったまちの価値を高め,市民の皆様にひたちなか市に住んでいることを誇りに思っていただけるようなまちづくりを行ってまいります。  続いて,2項目めの1点目,政策等これまでの取組についてお答えいたします。  約3年半前,私は市民の皆様の声を基にした政策アイデアをお示しして市長選に臨み,市民の皆様の負託を受けて市長に就任いたしました。市長就任後は,本市の様々な課題について検討を重ねるとともに,これらの政策アイデアを基にひたちなか市の価値のさらなる向上を図るため,令和3年度を始期とする「第3次総合計画後期基本計画」策定に着手いたしました。  後期基本計画につきましては,民間企業で用いられるマーケティングを取り入れながら,前期基本計画の評価や本市の課題,人口動態の分析を行うとともに,市民や議会の皆様から頂戴したご意見を反映させ,将来にわたって活力あるまちづくりを行う計画として策定を進めてきました。その結果,若年女性の流出や東京圏から見た本市の評価など,これまで表面化していなかったまちの課題が見えてまいりました。  それらの課題に対応し,基本構想で掲げる将来都市像,世界と触れ合う自立協働都市を実現するため,令和7年度における総人口15万人の維持という重点テーマを新たに設定いたしました。そしてそれを達成するための効果的なアプローチとして,4つの重点プロジェクトを位置づけました。  このようにして策定した後期基本計画を軸とし,本市が選ばれるまちとなるために,全庁一丸となって様々な施策に取り組んできたところでございます。多くの方から選ばれるまちとなるためには,働く場が充実していることが必要だと考えております。  そうした中,本市ならでは産業流通インフラ優位性を生かした企業誘致により,常陸那珂工業団地の分譲は目標年次より2年前倒しで完了いたしました。令和3年3月に株式会社日立ハイテクの工場が稼働を開始したことに加え,直近ですと,JX金属株式会社が,設備投資額2,000億円規模,従業員数500名以上の新工場建設を発表するなど,さらなる雇用の創出が期待されるところです。  本県の産業をリードする企業や有識者,国,県,本市を含め,港湾所在自治体が参画するいばらきカーボンニュートラル産業拠点創出推進協議会において,新エネルギー,再生可能エネルギー等を活用した産業競争力立地競争力の強化を目指す「カーボンニュートラルポート形成計画案」が承認されました。  今後は本市においても,ひたちなか地区を中心に新産業創出や関連企業立地などの波及効果が広がっていくものと考えております。  中小企業を対象とした補助金については事業者のニーズに合うように見直しを行い,市内産業を支える中小企業の競争力向上を図ってまいりました。  また,都市部の学生に向けた市内中小企業でのインターンシップも実施し,市内事業者の認知度向上と人材確保に努めてまいりました。  子育て世代に選ばれ,住み続けたいと思っていただけるまちを目指し,安心して子どもを育てることのできる環境整備にも力を入れてまいりました。  高校生までの子どもを持つ親の経済的負担の軽減を図るため,小児マル福の外来医療費助成を18歳まで拡充いたしました。  また,本市において保育需要が増加していたゼロ歳児から2歳児までの受入れを行う高野いろは保育所を令和2年に開所し,さらにその連携園でもある東石川保育所を令和3年に建て替え,定員を120名に拡大するとともに,ゼロ歳児保育や病後児保育を開始いたしました。  こうした保育環境の整備を進めたことにより,平成31年4月時点で25名発生していた待機児童数を,令和4年4月時点においてゼロ名にすることを達成しております。  公立学童クラブにつきましても,終日での開設となる夏休み期間中において,実費負担による昼食を希望者に提供できる体制を整えるとともに,令和3年度からは対象学年を6年生まで拡大するなど,子育て世代のニーズに即した運営体制を整えてまいりました。  学校教育においても,全小中学校等へのエアコンの導入やトイレの洋式化を進め,小中学校における洋式トイレの割合は令和2年9月1日時点で約89%と県内第2位であり,現時点では約92%の洋式化を達成しております。  また,GIGAスクール構想に基づく児童生徒1人1台タブレット端末の導入,全校でのWi−Fi環境の整備などを進め,学校におけるICT環境の充実を図ってまいりました。  このように,子どもたちが集中して学習できる環境整備が進んでいると感じております。  また,これまでにない高齢化が進行する時代において,全ての方が健康で生き生きと暮らせるよう,人生100年時代を見据えたまちづくりを進めてまいりました。  高齢の方が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう,地域包括ケアの要となるおとしより相談センターを増設し,相談支援体制の充実を図るとともに,社会福祉法人等が送迎車両を活用して行う買物支援サービスに対する補助の創設や,民間事業者と連携した移動スーパーの拡充などに取り組んでまいりました。  さらに,全ての市民が安全で快適に暮らすことができるよう,災害に強く生活しやすい都市基盤の整備にも力を入れてまいりました。  佐和駅につきましては,現在,東西自由通路と新駅舎の整備を進めており,完成の暁には佐和駅へのアクセスや駅周辺の回遊性の向上が期待できます。  令和2年に開通した和田町常陸海浜公園線は,津波等が発生した際の避難道路という役割に加え,旧那珂湊市街地の交通渋滞の緩和などにも効果を発揮しているところです。  耐震性能を備える新上坪浄水場や市内の避難所への物資運搬送の拠点となる防災拠点倉庫が今年2月に供用を開始したことにより,東日本大震災のような大規模災害に対応する体制を整えてまいりました。  また,近年頻発する豪雨災害に対応するため,中丸川流域における浸水被害軽減プランに基づく雨水幹線整備や,河川改修などを推進し,災害に強い安全安心なまちづくりを進めております。  快適な住環境を整備するために進めている区画整理事業につきましても,販売を開始した住宅用地が子育て世帯を中心に順調に分譲が進んでいます。このことは,本市の住環境が子育て世代にも一定の評価を受けているものと受け止めております。  市民の声を効果的に反映させた政策立案等を行うために開始したマーケティングの推進につきましては,調査分析によって現状や課題を明らかにし,目的を達成するために効果的な施策を打ち出すデータに基づく根拠のある政策形成と,様々な媒体手法を活用しながら,内外に向けて幅広い情報発信,プロモーションに努めてまいりました。  マーケティングは,調査分析だけではなく,計画的な事業構築からプロモーションまでの実施,効果検証までの一連のプロセスです。調査や分析を行った上で施策化することによって,ターゲットや目的を明確にした,より効率的な事業を行うことが可能となります。  また,施策化した取組が成果を上げるためには,多くの方々にしっかりと伝えていくことが重要です。  昨年度から開始した移住・定住促進事業プロモーション事業により,本市への移住の問合せも増えており,これまでの取組が成果を上げつつあると感じております。  一方で,中央図書館の建て替えや公共施設の老朽化など,解決すべき課題が残っていることも認識しております。これらの課題につきましては,社会情勢などを見極めるとともに,市民や議会の皆様のご意見にしっかりと耳を傾け,引き続き実現に向けて全力で取り組んでまいります。  当初の政策アイデアにつきましては,こうした取組として着手しており,順調に進んできたものと認識をしております。  事業化に当たっての重点づけの基準ですが,先ほど申し上げましたように,私は市民の声をしっかりと聞くということが大切だと考えております。そのため,政策を立案する際も様々な方から意見を聞き,その政策が市民にとって本当にプラスになるものであるかどうかという視点で判断をしております。市長に就任する前から,そして就任後も,市民の皆様に寄り添いながら丁寧にその声を聞いてまいりました。同時に,その判断がデータなどのしっかりとした根拠に基づくものであり,本当に効果的なものであるかということも自問するよう心がけております。  そうした政策形成手法の重要性については,市職員とも認識を共有してまいりました。例えば,令和2年度からは,既存事業を見直すための仕組みであるサマーレビューを導入し,継続して行っている事業が本当に効果的か,時代のニーズに合わせたより効果的な手法はないかと職員が考える機会をつくりました。  厳しい財政状況が続く中で,今後も限りある予算の中で大きな成果が得られるよう,適切な市政運営に努めてまいります。  続きまして,2項目めの2点目,行政組織運営についてお答えいたします。  私の行政組織運営上の基本的な方針として,3点述べさせていただきます。  1点目は,時代の変化とともに変わっていく市の課題に応じて,行政組織を変化させていくことです。  新たな行政課題に正面から向き合っていくためには,行政の組織も柔軟に変化していかなければなりません。そのため,市長就任後,さきに申し上げましたマーケティングを活用するためマーケティング推進室を設置し,多様化するニーズを把握分析し,市政に反映させてまいりました。  また,今年度は新たに,公共施設マネジメントを所管する資産経営課を設置いたしました。今後は,喫緊の課題である限られた財源の中での適正な施設の保全と維持管理に取り組んでまいります。  2点目は,人口減少や少子高齢化の中で多様化する市民ニーズや不測の事態に対応するために,民間等との連携を強化して,地域の支え手を増やしていくということであります。  高齢化や核家族化が進む中で,日常における高齢者の見守りや子育てに不安を感じる親の支援など,これまで地域の中で解決されてきたことも,新たな行政課題として対応が求められております。また,自然災害や感染症の流行など予測できない事態の発生にも,可能な限り備えておく必要があります。  そのため,これまで高齢者や子どもの見守り,災害時の協力をはじめ,道路損傷等の情報提供,学童クラブへの協力など様々な分野で,民間企業や団体などとの連携協定を積極的に締結してまいりました。今後も,行政だけでは十分な対応が困難な分野において,地域や民間との連携を深めてまいりたいと考えております。  3点目は,私が市政運営において大切にしている考え方を,対話によって職員に伝えていくということです。  これまで,幹部職員のみならず,様々な階層の職員と対話の場を設け,私の思いや考え方に触れる機会としてまいりました。特に若手職員については,政策について議論する場に積極的に同席してもらっているほか,なるべく多くの懇談の機会を設けるようにしています。そうした場において,市民の声なき声を聞いて政策につなげていくことや,自ら課題を発見し,創意工夫を重ねて解決に向けて実践することの大切さを語ってまいりました。  本市で実施している業務改善提案制度においては近年提出件数が増加傾向にあり,内容についても,民間企業の手法を活用して区画整理保留地の販売件数を増加させた例や,ワクチンの集団接種会場のレイアウト変更などにより1日当たりの受入れ人数を拡大させるなど質の高い業務改善が増加しており,職員との対話の成果として現れているものと感じております。  今後も,このような改善の積み重ねや問題解決能力の向上を図ることによって,新たな政策立案につなげてまいります。引き続き,これら3つの基本方針に従い,リーダーシップを発揮しながら組織運営に取り組んでまいります。  次に,3項目めの1点目,新型コロナウイルス感染症対策についてお答えいたします。  私は,新型コロナウイルス感染症により先行きが見通せない社会情勢において,感染拡大防止と市民生活や経済活動を両立させることを常に意識し,感染症対策に加え,個人や事業者に向けた支援策に積極的に取り組んでまいりました。  さらにワクチン接種事業につきましては,何より新型コロナウイルス感染症から市民の生命と健康を守り,そしてその先の社会経済活動の回復への取組を進めるため,ひたちなか市医師会をはじめ,医師や看護師等地域の医療従事者の方々,職域接種を実施いただいた事業者の皆様の多大なるご協力の下,着実にワクチン接種を進めてまいりました。  引き続き,情勢に合わせた臨機応変な対応により,感染症対策と市民生活や地域経済活動を両立させられるよう取り組んでまいります。  次に,3項目めの2点目,物価上昇への対策についてお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が緩和されつつあるものの,市民生活や地域経済への影響が依然として続いており,さらにウクライナ情勢をめぐる先行き不確実性などから世界規模で原油価格や物価が高騰し,高い水準で推移しております。  このような中,国においては,4月26日に,コロナ禍において物価高騰等に直面する生活困窮者や事業者等への支援などを柱とする,コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」が策定されました。その中で,地方公共団体が物価高騰等の影響を受けた生活者や事業者の負担の軽減を実施できるよう,新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が拡充され,コロナ禍における原油価格,物価高騰対応分が創設されたところであります。  本市におきましては,新型コロナウイルス感染症対策として,令和3年度からの繰越し事業に加え,さきの5月臨時会におきましても補正予算を編成し,市民生活や事業者の支援,地域経済対策に切れ目なく取り組んでいるところです。  引き続き,物価高騰等が市民生活や事業者にどのような影響があるのか,市民の皆様や事業者の方々の声を伺いながら必要な支援策の検討をしっかりと進め,適切な時期に実施してまいります。物価高騰等の影響が長期化することも想定されますが,今年度においても,社会情勢の変化や国,県の動向を見極めながら,生活者支援,事業者支援に必要な施策に積極的に取り組んでまいります。  次に,4項目め,今後の市政運営についてお答えいたします。  ひたちなか市は,東京まで常磐線の特急で70分程度と非常にアクセスがよく,海や緑に恵まれた豊かな自然,バランスよく発展した多様な産業,快適な都市環境など多彩な魅力にあふれております。  特に,本市には,重要港湾である茨城港常陸那珂港区や工業団地,広域幹線道路網など産業流通インフラが集積する広大なひたちなか地区があり,このような点は,人口や産業構造が類似する他の自治体と比較しても非常に大きな強みであると考えております。  本市でも継続して整備要望を行っている常陸那珂港区につきましては,水深12メートル岸壁2バース目の完成が目前に迫るなど,順調に整備が進んでおります。  また,東関東自動車道が全面開通されれば同地区へのアクセスはさらに向上し,北関東の玄関口としてますます重要な役割を担えるものと感じております。それに伴い,港湾を活用する企業などのさらなる進出も期待できるところです。  また近年,国営ひたち海浜公園や那珂湊地区のおさかな市場などは多くの観光客に来訪いただいており,今では県内有数の観光地の一つとなっております。コロナ禍以前は海外からの観光客も多く訪れており,今後はこうしたインバウンド需要が回復していくものと考えております。  特に海浜公園につきましては,新たな取組として,砂丘エリアと樹林エリアを対象とした官民連携事業の形成に向けたマーケットサウンディング調査も行われており,さらなる魅力の向上を期待しております。  コロナ禍で,東京圏から地方への移住や企業の移転ニーズが高まっていると言われており,東京圏からのアクセスがよく,広大なひたちなか地区を有する本市にとっては絶好の好機であると考えております。  このように,さらなる発展の可能性を秘めたひたちなか市ではありますが,人口減少,少子高齢化の進行,新型コロナウイルスのパンデミックや不安定な国際情勢など,これまで経験したことのない課題に直面しております。  これらの課題に迅速かつ適切に対応しながら市民の安全安心な暮らしを維持し,多くの方に選ばれるまちとなるためには,市民や団体,企業の皆様と協働しながら新たな取組にも挑戦し,本市の価値を向上させていかなければならないと考えております。そして,その行政運営をリードしていくことこそが私の責務であると確信しているところです。  市長としての1期目の任期も半年を切りましたが,任期満了まで全力で市政運営に取り組んでまいります。そして,これまでの歩みを止めることなく本市が選ばれるまちとしてさらなる飛躍をするため,2期目に向けて次期市長選挙に臨む決意をいたしました。市民の皆様のご信任をいただき,引き続きひたちなか市の市政運営という大役を担えるよう,より一層の努力をしていく所存でございます。 ○大谷隆 議長  11番鈴木道生議員。 ◆11番(鈴木道生議員) 大谷 明市長の2期目に向けた決意と理解いたしました。新しいひたちなか市をつくる未来への前進として,大いに賛同するものであります。市長は恐らく変革という言葉は嫌うかと思いますが,大谷市長が就任されたこと自体が変革だったのであると思います。  これまでの歩みは前進だけでなく,水害や感染症の流行など困難も大いにあったことと拝察します。市民の声から考えられた政策についても,免許返納後の移動ニーズへの対応など途上のものもあるかと存じますし,今後しっかりと取り組まれることと信じております。また,東海第二原子力発電所の再稼働に関する対応など,安心安全に関わる姿勢が問われるものもあろうかと存じます。  市長の政治理念である「市民の声に真っすぐに向き合うこと」をぶれずに貫かれ,未来の可能性や課題に対して受け身とならず,前例主義にとらわれず,勇気を持って逃げずに,最初の一歩を踏み出すファーストペンギンたるリーダーとして,引き続き大谷市長が2期目の市政を担われることを期待し,質問を終わります。 ○大谷隆 議長  以上で,11番鈴木道生議員の質問を終わります。  次に,8番大内健寿議員。          〔8番 大内健寿議員登壇〕 ◆8番(大内健寿議員) 議席番号8番,未来ひたちなかの大内健寿です。  新型コロナウイルス感染症の収束が見え始め,政府の新たな経済対策が本格稼働しようとしています。物価上昇,インフレ圧力の強まりが懸念されていますが,コロナ危機下で積み上がった貯蓄が消費に回ることが予想され,消費の堅調な回復を期待するところです。本市の山積する課題にスピード感を持った対応が望まれています。  それでは,通告に従い,一般質問をさせていただきます。  大項目の1,美乃浜学園小中一貫教育の成果と課題について。  昨年4月,本市初となる義務教育学校,美乃浜学園が開校し1年が過ぎました。  文部科学省による実態調査によれば,実施市区町村の小中一貫教育の主な狙いは,「生徒指導上の成果」「教職員の意識改革」が共に95%前後の高率を占めています。地域住民も,学力の向上,中1ギャップの緩和,地域の活性化を期待しているところです。  文部科学省は,小中一貫教育の導入状況調査を公表しています。義務教育学校は令和5年以降100校,小中一貫型小学校・中学校併設型は,令和5年以降525件の見通しと公表しています。  義務教育学校の施設形態は施設一体型が86%を占め,学年段階の区切りでは「4・3・2」が57%と最も多く,「6・3」18%,「5・4」2%,「4・5」1%です。  評価と課題については,公立小中一貫教育のこれまでの取組は,総合的な評価については「成果が認められる」が76%,「大きな成果が認められる」23%です。  具体的な成果としては,学習指導などの面で「学習規律,生活規律の定着が進んだ」が92%,生活指導などの面では「中学校の進学に不安を覚える児童が減少した」が96%。教職員の協働などの面では「小中学校共通で実践する取組が増えた」98%,学校運営などの面では「地域との協働関係が強化された」が80%と公表しています。  具体的な課題では「児童生徒間の交流を図る際の移動手段,移動時間の確保」41%,「校舎間等の移動に伴う児童生徒の安全の確保」25%,教職員の負担については「小中の教職員間での打合せ時間の確保」64%,「教職員の負担感,多忙感の解消」64%などが高い割合を示しています。  小学校1年生から中学3年生までが集う,学校,運動場や体育館等々の利用方法などを伺います。  1点目,施設一体型の校舎について。  本市初の義務教育学校は,4・3・2の区切りでスタートしました。区切りを意識する学校教育等も様々だと思います。  そこで,2点目,学年段階の区切りについて伺います。  小中一貫したカリキュラムの編成,小学校課程での教科担任制の実施,乗入れ事業の実施とその効果,学力の向上や学習習慣の定着その他の面で改善が見られたのか。  3点目は,教育課程の編成と学校運営について伺います。  ひたちなか海浜鉄道を利用した通学や徒歩通学が実施されています。児童生徒の体力低下,体力運動能力テストでは大きな落ち込みがないのか。通学の安全確保,徒歩通学の状況についても伺います。  4点目,児童生徒の通学状況について伺います。  5点目,懸念されていた砂じんの状況について伺います。  地域への愛着や誇りを持たせるため,地域の歴史,伝統,文化,産業などを学ぶ機会を取り入れることが大切です。
     そこで,6点目,地域との連携について伺います。  大項目の2,災害時における車中泊避難者の対応について。  直近に発生した地震では,余震の恐怖から避難場所を自家用車の中に求め,車中泊をする方が多く見られます。発生から1か月以上経過しても車内で生活している人たちもいます。コロナウイルス禍において,避難所での3密,密室・密集・密閉が集団感染を引き起こすリスクが高いとして,分散避難をすることが必要とされています。  今回のコロナウイルスの影響を考えると,車中泊避難者は激増すると予測されます。環境防災研究所が,コロナウイルスが避難にどのような影響を与えるのかの調査を行ったところ,「感染防止対策をして避難所に行く」28.6%,「車中泊避難をする」38%と,車中泊避難を選択する人が避難所に行く人を10%を上回る結果となっています。  今後,大きな災害が起きたとき,車中泊を選択する市民が多くなる可能性があります。コロナ禍となって以降,避難所に入れる人数を減らしていることもあり,分散避難という観点から車中泊避難を選択する人は必ず増えるでしょう。その場合,どこに車を止めて車中泊するかも大切になってきます。  そこで,1点目,本市として,大災害時における車中泊に対してどのような認識を持っているか。  福岡県直方市は,車中泊専用の駐車場を開放しています。公園の水道やトイレも利用できます。コロナ禍の今は,大雨の際は市内7か所に車中泊専用駐車場を開設しています。指定避難所の笠松運動公園,総合体育館のように広い駐車スペースを併設する施設の場合は,体育館等に避難をし,一時的に車中泊をしている場合もあります。  2点目,指定避難所での車中泊の対応について伺います。  以上で,1回目の質問を終わります。 ○大谷隆 議長  野沢恵子教育長。          〔野沢恵子教育長登壇〕 ◎野沢恵子 教育長  大内健寿議員のご質問の1項目め,美乃浜学園小中一貫教育の成果と課題についてお答えいたします。  1点目の,施設一体型の校舎についてですが,まず,美乃浜学園の施設といたしましては,体育館が前期課程,後期課程それぞれに設置されており,グラウンドは,前期課程用グラウンド,後期課程用グラウンド,そして遊具が設置されている広場があります。  教室といたしましては,多目的室が6室,少人数教室が3室,その他,教科教室といたしまして音楽室と理科室が2室ずつ,算数数学室,社会科室,英語室,美術室,技術室,被服室,調理室,図書室,コンピューター室が各1室,そして屋内プールがございます。これらの施設は,どの学年も時間割表の割当てに従いまして公平に利用できるように配慮しております。  体育の授業では,広いスペースを学年単位で,複数教師で効果的に安全に実施しております。また部活動におきましても,陸上や野球,サッカー,ソフトテニスが同時に行える広いグラウンドを有効に使って,伸び伸びと安全に取り組んでおります。  理科の授業につきましては,4年生から教科担任制ということもありまして,原則として全授業を理科室で実施しております。利用する学級が重なってしまう場合には,学習内容によってその利用をその都度調整して対処しております。  また,休み時間等は,それぞれのグラウンドを学年関係なく,互いに譲り合って利用している状況でございます。雨天時は異学年交流も考慮し,体育館を2学年ごとに割り当てて利用しております。  なお,グラウンドの遊具,体育館の器具,バスケットのコートラインなどは,前期,後期課程の児童生徒の体格,発達段階,各種目の規則に合わせたものをそれぞれの場所で設置してありますので,安全に活用することが可能となっております。  次に,2点目,学年段階の区切りについてお答えいたします。  様々な区切りが設定できる義務教育学校ですが,設定の観点といたしましては,実態に応じて小学校と中学校の段階の間に意図的な移行期間を設け,円滑な接続を目的に区切りを設けております。  まず,4・3・2制にした成果と課題についてお答えいたします。  学年段階の区切りには現行の義務教育制度の6・3制や,小学校6年生を中学校1年生とし,早熟な今どきの子どもの発育状況に合わせる5・4制,また,同じ意味で5年生から中学生とする4・5制がありますが,美乃浜学園は4・3・2制の区切りで取り組んでおります。  1年生から4年生の児童期をAブロック,心身が大きく変化する5年生から7年生をBブロック,そして青年期に向かう8,9年生をCブロックとしております。9年間の教育課程に一貫性を持たせながらも,Aブロックは学びの基礎力の育成,Bブロックは社会的実践力の育成,Cブロックは自ら考え主体的に行動する力の育成と,発達段階に応じた緩やかな区切りをした指導をしております。  学校行事におきましても,例えばブロックごとの異年齢集団での遊びや清掃活動などを実施することで児童生徒が交流したり体験したりする場も増加し,より主体的に意欲を持って学校生活を送ることができております。  各ブロックの最高学年が自分たちで企画運営する機会が増え,下級生の面倒を見る姿や子どもたちの役に立とうとする姿が多く見られ,自己有用感が高まっていると学校では認識しているところです。  課題といたしましては,5年生から7年生への対応です。  4・3・2の区切りの中ではざまの学年となりがちですが,この時期は複雑で抽象的な考えができるようになり,思春期と言われ,関わりや指導が難しくなります。児童生徒の活躍の場面を意図的に創出して,自己有用感を保っていくための丁寧な関わりや指導が必要であると考えます。そのためにも,指導方法についてさらに研修を進め,研究を深めていく必要があると認識し,指導,助言をしております。  また,部活動についてですが,義務教育学校ならではの取組といたしまして,前期課程と後期課程の両方の教職員が各部活動の顧問として生徒たちを指導したり,見守ったりしております。この体制により教師の特性を生かした専門的な指導を行うことができ,生徒たちをより多くの教職員の目で,様々な方向から理解するようにしております。  また,1年生から9年生の児童生徒が一緒に生活しておりますので,前期課程の3,4年生には部活動の見学を,5,6年生には希望する部活動の体験をする時間をそれぞれ設定し,後期課程の部活動につなげております。  日常の児童生徒たちの様子を伺いますと,鉄道や路線バスを利用した登下校や新しい校舎での生活の中で,9年生の女子生徒に手を引かれて笑顔で横断歩道を渡ってくる1年生男子児童がいたり,休み時間に1年生から9年生の児童生徒が一緒に遊んだりする様子が随所に見られるとのことです。緩やかな区切りにより,切磋琢磨をしながらも豊かな人間関係が構築されていると捉えております。  昨年12月の児童生徒への調査でも「学校が楽しい」と答えた児童生徒は,前期課程,後期課程,共に9割以上となっております。  続いて3点目,教育課程の編成と学校運営についてお答えいたします。  まず教育課程についてですが,先ほど述べましたとおり,美乃浜学園におきましては,4・3・2制による緩やかな区切りと積極的な教科担任制の採用が特徴です。  美乃浜学園は,開校当初より,施設一体型の義務教育学校の利点を最大限生かすべく,前期課程からの積極的な教科担任制導入を図ってまいりました。  今年度は,4年生から段階的な導入を行っております。4年生では,理科,音楽科,図画工作科,体育科の4教科を,Bブロック,Cブロックの5年生から9年生におきましては,担任が行う学級指導,総合的な学習の時間,道徳科を除き全教科で完全に教科担任制を実施しております。  小学校から中学校への接続段階から教科担任制を導入することによる効果でございますが,教師の教科指導の専門性を生かすことで授業の質の向上を図り,学習内容に対する児童一人一人の理解度,定着度の向上や,個性に応じて得意分野を伸ばすことができております。また,系統的・継続的な指導により前期課程から後期課程への円滑な接続を図れたという学校からの報告もあり,学習面におきましても,いわゆる中1ギャップへの効果があったと捉えております。  さらに,後期課程の教員が前期課程児童の指導を行うとともに,前期課程の教員が後期課程生徒の指導を行う,いわゆる相互乗入れ指導を通して複数の教師が児童生徒に関わり,よさや頑張りを多くの目で理解することができるため,児童生徒の心の安定にもつながっております。  昨年度12月に自己評価として行っている児童生徒への意識調査では,「授業の課題がはっきり分かって,自分から学習に取り組む」と回答した児童は92%,生徒は90%おりました。また「授業が楽しい」という項目に対して,肯定的に回答する児童が93.4%,同じく生徒が87.4%おりました。  次に,教育課程編成や学校組織運営の工夫による教育的効果についてお答えします。  まず,A,B,C各ブロックの主任を核として,組織目標に基づいたグループ目標を職員が十分に共通理解,認識し,9年間の一貫した教育活動を展開しております。ブロックでの対話を繰り返し行いながら合意形成をし,各学年の発達段階に応じた支援をより充実できるよう,ブロックごとのリーダーがリーダーシップを発揮し,ブロックの運営をしております。  前期課程と後期課程にそれぞれ配置されております教頭,教務主任,養護教諭,学校事務は,配置分けにかかわらず,相互に補完するよう心がけております。これにより,課題に柔軟に対応しやすい組織が構築できていると認識しております。  続きまして,6点目の,地域との連携についてお答えします。  昨年度から学校運営協議会制度が開始され,美乃浜学園もコミュニティ・スクールとなりました。美乃浜学園は前期課程と後期課程の2つを有しますので,9人の委員が委嘱されておりまして,様々な地域の情報を収集してくださっております。  美乃浜学園では,協議の中で各委員から出された意見や,学校経営及び学校運営計画に基づき,地域の人的・物的資源や素材を生かした様々な取組を実践しております。  統合前には,海岸清掃,サツマイモの栽培とほしいも作り,スカシユリの保全活動,沢田湧水地の調査活動,伝統文化芸能などを5つの小中学校で実施しておりました。統合後もそれらを引き継いで実施しております。  具体的には,海岸清掃は6年生が総合的な学習の時間の地域を掘り下げるというテーマの下で行いました。サツマイモの栽培とほしいも作りは,3年生が総合的な学習の時間や理科の学習の一環として,地元の栽培農家の方をゲストティーチャーとして招き,実施しました。また,スカシユリの保全活動は,8年生の総合的な学習の時間や理科の学習として,校内での栽培と自生する海岸に行って除草作業を行いました。沢田湧水地の調査活動では,後期課程生徒から希望者を募り,現地調査を中心に活動し,阿字ヶ浦中学校からの研究を継続しております。そして,伝統文化芸能継承活動は,地元の指導者を講師に招いて,6年生のクラブ活動として通年を通して活動しました。そして,1月の市の伝統文化芸能の発表会に向けて,特設の部活動として後期課程の希望者も加わり活動を行いました。  これらの取組につきましては,地域の方々からご意見やご支援をいただきながら今後も継続し,地域への愛着や誇りを持つ児童生徒の育成に努めてまいります。 ○大谷隆 議長  湯浅博人教育部長。          〔湯浅博人教育部長登壇〕 ◎湯浅博人 教育部長  1項目めの4点目,児童生徒の通学状況についてお答えします。  まず,児童生徒の体力低下についてですが,令和3年度の体力テストの結果によりますと,各種目の得点合計を集計した平均値において美乃浜学園の数値と県平均,市平均を比較したところ,各学年によりばらつきはあるものの大きな差は見受けられておりません。  次に,徒歩通学の状況についてですが,前期課程,後期課程を合わせて510名の児童生徒のうち,徒歩による通学が134名,ひたちなか海浜鉄道の定期券を交付している児童生徒は376名で,全児童生徒の約7割がひたちなか海浜鉄道を使っての通学となっております。  次に,徒歩通学の範囲についてですが,家から美乃浜学園までの通学距離によって決められており,前期課程では1.5キロメートル以内,後期課程では2キロメートル以内を徒歩通学としております。また,徒歩通学でない児童生徒につきましては,最寄りの駅から美乃浜学園までの区間について湊線を利用して通学することを基本としております。  次に,徒歩通学における通学路の安全確保についてですが,具体的な対策として,市建設部と連携し,阿字ヶ浦駅の西側に隣接する道路敷地の舗装整備を実施したほか,平磯駅の東に隣接する市道にグリーンベルトを設置するなど,通学路の整備を行ったところであります。  また,県警や常陸大宮土木事務所と連携し,美乃浜学園北西交差点に押しボタン式信号機と横断歩道を設置したほか,美乃浜学園北東交差点や阿字ヶ浦区画整理地内の道路及び阿字ヶ浦駅南側の県道に横断歩道を設置するなど,児童生徒が安全に通学できるよう対策を講じております。  さらには,ひたちなか海浜鉄道においても登下校時に美乃浜学園の学校校務員や海浜鉄道職員が同乗し,児童生徒を見守る安全対策を実施しております。  今後も引き続き,美乃浜学園の通学路につきましては児童生徒の安全確保を最優先とし,学校や保護者のほか,ひたちなか海浜鉄道の関係機関とも協力・連携しながら,通学路の安全確保に努めてまいります。  次に,5点目の,砂じんの影響についてお答えします。  美乃浜学園における砂じん対策につきましては,学校用地の境界沿いに防風林を植樹したほか,防砂ネットやスプリンクラーの設置,さらには校舎内の換気設備に砂じん吸い込み防止のための吸気口フィルターを設置するなど,様々な対策を講じております。  これまでも砂じんが発生しておりますが,建物の気密性が高いことに加え,廊下や各教室に設置した吸気口フィルターにより,教室まで入ってくる砂じんは非常に少なく,授業に影響を及ぼすような状況には至っておりません。  また,登下校時の砂じん対策としまして,登校時は児童生徒が安全かつ速やかに駅から学校に到着できるよう,教職員が同行しているところであります。下校時においては,できるだけ砂じんの影響を受ける時間を少なくするため,列車の時刻に合わせて学校を出発するように指導を行っております。  今後も引き続き,児童生徒が安全に学校生活を過ごせるよう,砂じん対策に努めてまいります。 ○大谷隆 議長  白土光伸市民生活部長。          〔白土光伸市民生活部長登壇〕 ◎白土光伸 市民生活部長  2項目めの,災害時における車中泊避難の対応についてお答えいたします。  1点目の,本市の大災害時における車中泊に対する認識についてでありますが,車中泊につきましては,国の「新型コロナウイルス感染症対策に配慮した避難所開設・運営訓練ガイドライン」に新たに盛り込まれ,本市においても,大きな災害が発生した際には,感染症対策やペット連れの避難など様々な理由により車中泊を選択する避難者が増えることが想定されます。コロナ禍における避難時の車中泊は,不特定多数の人と接触を避けることができるため,短期間であれば感染症対策に有効な避難方法の一つであると認識をしております。  一方で,車中での避難が長期化する場合は,狭い座席で同じ姿勢を長時間取り続けることにより,エコノミークラス症候群のリスクが高まる懸念があります。そのため,市では車中泊避難者に対し,適度な運動と十分な水分補給や,車中から避難所や宿泊施設へ移っていただくなど適切に予防対策を講じ,健康管理していただくよう注意喚起を促すこととしてございます。  次に,2点目の,指定避難所での車中泊の対応についてでありますが,本市の車中泊避難者の受入れにつきましては,各指定避難所の駐車場に車を止めていただくことを基本としております。  大規模な災害において車での避難が多く見込まれる場合,学校施設においては校庭を開放し受け入れることとしておりますが,校庭の開放につきましては,水はけの状況や天気予報等を踏まえて対応することとしております。  また,指定避難所の駐車場での車中避難されている方への対応につきましては,市災害対応マニュアルにその対応を位置づけており,一般の避難者と同様に,食料や物資の配布を支援することとしてございます。 ○大谷隆 議長  8番大内健寿議員。 ◆8番(大内健寿議員) 丁寧なご答弁をいただきましてありがとうございます。  それでは,再質問を含め,何点か質問させていただきます。  まず,大項目の1,美乃浜学園小中一貫教育の成果と課題について。  こちらの1点目,施設一体型の校舎についてご丁寧な答弁をいただきました。  施設一体型の校舎とともに,校庭,グラウンドもあるわけです。こちらは美乃浜学園の校庭でありますが,校庭貯留施設というものが設置されております。いわゆる校庭貯留施設というのは,水,雨が降ったとき雨水をためる施設でございます。  私も何度か拝見をさせていただいていますが,雨が降ったとき,校庭に雨水がたまるわけです。大体それがはけるのに,ちょっと強い雨だと5日から1週間くらい,完全になくなるまでかかっているような状況です。  校庭貯留施設の弊害をお聞きします。どのような対応をしているかということですね。  また,校庭貯留施設というのは,学校や子どもたちにとっても100%ウエルカムな施設ではないと考えています。また,校庭貯留が果たして必要なのかという点も,いろいろなご意見があるようです。  学校が整備しなければならなかった理由と理屈という形を再質問させていただきます。 ○大谷隆 議長  湯浅博人教育部長。          〔湯浅博人教育部長登壇〕 ◎湯浅博人 教育部長  再度のご質問にお答えします。  まず,校庭に貯留施設を整備する理由についてですが,学校を新設する際は,都市計画法の許可が必要な開発行為に当たるため,その許可の要件として,茨城県の大規模宅地開発に伴う調整池技術基準に基づき,貯留施設を設ける必要があります。  次に,貯留施設の目的についてですが,学校敷地内に降った雨水を校庭に一時的にため,道路側溝へ徐々に排水することで,周辺敷地や道路の冠水を防ぐことを目的としております。  次に,校庭を貯留施設とすることによる学校におけるメリットについてですが,学校の敷地内に新たに貯留施設いわゆる調整池を整備せずに,校庭を貯留施設として活用することで広い校庭敷地を確保することが可能となり,施設一体型の校庭利用につながっております。  一方でデメリットとしましては,校庭の雨水を排水するために時間を要することが挙げられます。しかしながら,この校庭とは別に,中庭に小学校用の校庭を設けていることから,授業に影響は出ておりません。  また,水の引き始めの早い校庭の中央部分から先に使用できるよう,校庭に下りる階段の先から校庭の中央部分に向かって高さ約15センチの盛土を行い,体育の授業や部活動などに使用できるよう改善をしたところでございます。 ○大谷隆 議長  8番大内健寿議員。 ◆8番(大内健寿議員) ありがとうございます。  盛土の対応等をしていただいているということでございますので,子どもたちにまた弊害がないような対応をよろしくお願いしたいと思います。  続いて3点目,教育課程の編成と学校運営について再質問をさせていただきます。  今回の美乃浜学園は,5校の学校が統合しております。いわゆる小規模校から適正規模校となっています。適正規模校のメリットというのは,統合前から集団の中で多様な考え方に触れ,認め合い,そして協力し合い,切磋琢磨することという形の説明があり,5校の学校が統合したわけです。  今後の美乃浜学区における児童数の推移について,適正規模の維持が可能なのかどうか,その点についてご質問をさせていただきます。 ○大谷隆 議長  湯浅博人教育部長。          〔湯浅博人教育部長登壇〕 ◎湯浅博人 教育部長  再度のご質問にお答えします。  美乃浜学園の今後の児童生徒数の推移につきましては,本年5月1日現在510人在籍する児童生徒数が,令和3年度生まれの子どもが小学1年生となる令和10年度には453人で,令和4年度と比較しますと11.2%の減となる見込みであります。  しかしながら,学級数の維持につきましては,令和3年度の法改正により,公立小学校の全学年で学級人数の上限を40人から35人に段階的に引き下げることとなったことで,美乃浜学園においても,児童生徒数は減少するものの令和10年度の学級数は令和4年度と変わらず,1学年2学級,全学年で18学級を維持できる見込みであります。また,今後,阿字ヶ浦土地区画整理地内の宅地販売が進むことで,この地区においても児童生徒数が増えることを期待しているところであります。  これらの推計と「ひたちなか市立小・中学校適正規模・適正配置基本方針」を踏まえ,美乃浜学園の適正規模につきましては,当面は維持できるものと見込んでおります。
    ○大谷隆 議長  8番大内健寿議員。 ◆8番(大内健寿議員) ありがとうございます。  適正規模の維持,学級の変更ができる人数というのはやはり大切だと思います。今ご答弁いただいたとおり,阿字ヶ浦の区画整理も早急に進めて,保留地の販売,また子どもを増やす施策というのも執行部としてぜひ進めていただきたいなと思う次第でございます。  地元の方の意見要望等をたくさんいただいております。やはり様々な教育観点から一定規模の集団を確保できて,多様な考えに触れ,資質や能力を伸ばしていける,またバランスの取れた教職員の先生方から教育を受けられる等々,統合のメリットは多々あると思います。  しかし,課題等もあり,通学時間が長くなる。海浜鉄道の利用により,徒歩の時間の減少による体力低下も懸念されております。  学校は児童の教育のための施設であるだけではなく,各地域のコミュニティの核として大変重要な性格を有しております。統合後の学校の地域との関係が希薄化することも懸念されております。特に美乃浜学区は,広い学区での統合がされております。今後そういった点も踏まえた学校運営,地域とのコミュニティの確保,そういった点をお願いしたいところでございます。  それでは,大項目の2,災害時における車中泊避難者の対応について1点再質問をさせていただきます。  指定避難所になっている美乃浜学園について再質問をします。  巨大化する台風や記録的な集中豪雨で,近年,浸水被害が頻発しております。そこで,美乃浜学園の校庭は指定避難所になっているんですが,先ほども質問したとおり,校庭貯留施設が併設されております。また,豪雨時また豪雨後,校庭での車中泊は,私が見る限り困難だと思います。今後のその対応策について,避難所としての対応策として,再質問をさせていただきます。 ○大谷隆 議長  白土光伸市民生活部長。          〔白土光伸市民生活部長登壇〕 ◎白土光伸 市民生活部長  再度のご質問にお答えいたします。  美乃浜学園における車での避難受入れにつきましては,約150台分ある職員及び来賓駐車場に車を止めていただくことになります。  美乃浜学園の校庭は貯留機能を有していることから,降雨によっては車の冠水のおそれがあるために悪天候時には駐車場として使用はできません。その場合,周辺の避難所の空き情報を基に避難者の分散誘導を図ることとしてございます。 ○大谷隆 議長  8番大内健寿議員。 ◆8番(大内健寿議員) ご答弁ありがとうございます。  平成28年4月に発生した熊本を中心とする地震では,発生から1か月以上経過してもグランメッセ熊本など規模の大きな避難所に700人以上が車中泊していたという実態もございます。  当市としても,今後増える車中泊の対応また準備をしっかりと進めていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。ご答弁ありがとうございました。 ○大谷隆 議長  以上で,8番大内健寿議員の質問を終わります。  次に,4番宇田貴子議員。          〔4番 宇田貴子議員登壇〕 ◆4番(宇田貴子議員) 日本共産党市議団の宇田貴子です。通告に従いまして,一般質問を行います。  大項目の1,インボイス制度導入による本市への影響について。  来年10月1日からインボイス制度が導入されます。インボイスとは適格請求書,つまり法律で定められた正式な請求書で,これまでは事業者が帳簿で行っていた消費税の仕入れ控除の方式が,インボイスでなければ控除できなくなります。  年間売上げ1,000万未満の事業者は消費税の納税義務がありませんが,税務署に登録して課税業者にならなければインボイスを発行できないので,課税業者との取引関係上,新たな税負担を覚悟でインボイスに加入するか,選択が迫られることになります。  財務省は,インボイス制度導入により免税事業者が新たに課税業者になることで,消費税を上げなくても2,480億円の増収になると試算しています。  対象の職種は,個人タクシー,商店,美容室,フリーランス,一人親方などの建設下請,借家や駐車場経営,電気・ガスの検針,ヤクルトレディー,内職,シルバー人材センターの会員,農業者,漁業者など,多種に及ぶと言われています。  この1月から3月に財務省に届いたインボイス制度廃止などを含める地方議会の意見書は,145件に上ったということです。  赤字でも納めなければならない消費税の納税義務と新たな税負担を小規模事業者に課すインボイス制度は廃止を求めるとの立場で,以下,本事業者等に与える影響について質問します。  (1)市内事業者への影響。  1点目,本市には小規模な商店や下請業者などが多種多様にありますが,本市商工業者にどのような影響があるとお考えか,また,農業者,漁業者へはどのような影響があるか伺います。  2点目,市としてどのような対策をお考えか,伺います。  (2)シルバー人材センターへの影響。  昨年10月,県シルバー人材センター連合会から本市議長宛てに「インボイス制度導入は,シルバー人材センター事業に及ぼす影響が極めて大きい」として,支援の要望書が出されています。  茨城県議会今期の3月定例会では,少額の収入しかないセンター会員の手取り額がさらに減少することがないように,という意見書が採択されました。現在国会でも議論されており,インボイス制度導入によるシルバー人材センターの新たな消費税負担額は全国で年間約200億円と,厚労大臣が試算しています。  そこで,本市シルバー人材センターへの影響について,以下質問します。  1点目,センターの経営に対する影響。  2点目,会員への影響。  3点目,市としてどのような対策をお考えか,伺います。  大項目の2,地産地消の学校給食のさらなる充実のために。  昨年12月,地場産物を生かした我が校の自慢料理をテーマとした全国学校給食甲子園で,美乃浜学園が日本一となりました。その献立には茨城県産の食材が約7割使われ,彩りよく充実した献立と評価されました。今年2月には,県産食材を使用した献立を競う学校給食献立コンテストで,外野小学校が茨城県知事賞を受賞しました。  給食に対する熱い思いは,受賞した学校だけではなく本市全体のものであると思います。栄養教諭さん,調理員さんの日頃からの頑張りに心から感謝するとともに,おいしい給食を毎日食べられる子どもたちを幸せに思います。  今,親の就労の不安定さ,共働きによる生活のせわしなさ,様々な家庭環境の複雑さなどがある中,子どもの健やかな成長を心身共に保障するために,学校給食の果たす役割は非常に大きくなっていると思います。  安全安心で栄養たっぷりのおいしい給食を子どもたちに提供していくために,以下質問します。  (1)給食費に公的補助を。  学校給食で地産地消,安全安心で,旬の食材を豊富に使用する上で現在の急激な物価高騰は,決められた給食費の中でのやりくりを非常に困難にしていると考えます。  そこで,現状と今後の対応策について伺います。  (2)地元産の野菜を豊富に。  本市の学校給食は,地場産,県産食材を豊富に使っていることで高く評価されています。今後は,地場産,つまり本市で生産された食材の割合をさらに増やしていくことを求めたいと思います。生産者の高齢化や後継者不足で本市の農家戸数は年々減少していますが,学校給食で本市の農業を応援し,守り,育成していくこともできると考えます。  そこで,現在の地場産の利用割合と今後の考え方について伺います。  (3)地元産米のさらなる利用を。  ヘルシーでありながら栄養豊富な和食は,今や世界的に評価されています。どんなおかずにも合うのが米飯です。しかし,米の消費量は減少する一方で,米価は生産費を下回るほど下落しています。米農家を守るためにも,また輸入小麦が高騰している今だからこそ,思い切って米飯給食の回数を増やすことが必要ではないでしょうか。小麦粉の代わりに米粉を利用したメニューの開発も可能ではないかと考えます。  そこで,米飯給食の回数を増やすことと米粉の利用についてのお考えを伺います。  大項目の3,子どもたちに豊かな放課後を保障するために。  保護者の就労を保障し,その子どもたちが安全で豊かな放課後を過ごすために,学童保育は今やなくてはならない存在です。  本市では,今年4月1日現在,全ての学校に併設している公設学童に2,322人,それぞれの特色を持って運営されている民間学童に734人の子どもが放課後を過ごしています。受け入れる子どもの割合からも公設学童の役割は大きく,重要です。支援員には,1年生から6年生までの子どもの発達段階に合った対応と,様々な特徴を持つ子どもたちへのきめ細かい配慮が求められ,そのためには支援員への研修の充実や,学校,家庭,専門機関との連携などを通して専門性を高めていくことが大切だと考えます。  そこで,以下の点について質問します。  (1)支援員の処遇について。  本市の公設学童には,会計年度任用職員の支援員と有償ボランティアの2種類があります。  そこで,会計年度任用職員と有償ボランティアの人数,2種類の処遇があることについての経過,クラス内での役割の違い,給与の違いについて改めて伺います。  (2)夏休みの支援員の確保について。  夏休みは,保育時間が朝8時から夕方6時までの1日10時間となり,保育体制確保のために支援員を募集しています。時給890円の有償ボランティアで募集をかけていると伺っていますが,支援員の果たす役割,仕事の内容を考えれば,時給単価の引上げが必要だろうと考えます。  そこで,募集方法,応募の状況について伺います。  (3)人材派遣会社を使うことについて。  当初予算に夏休みの保育体制を維持するために,初めて人材派遣会社を使うための予算が組まれました。直営の支援員だからこそ担える保育の重要性を鑑みれば,派遣会社は本来使うべきではないと考えます。  そこで,派遣会社を利用するに至った背景,派遣会社との契約の状況,今後の考え方について伺います。  以上で,1回目の質問を終わります。 ○大谷隆 議長  齋藤茂夫経済環境部長。          〔齋藤茂夫経済環境部長登壇〕 ◎齋藤茂夫 経済環境部長  宇田議員の1項目めの1点目,市内事業者への影響についてお答えをいたします。  消費税につきましては,事業者が販売する商品やサービスなどに対して課税される税で,負担は消費者ですが,申告納付は事業者が行います。そのうち,課税売上高などが1,000万円以下の事業者は免税事業者となります。  令和5年10月1日から導入されるインボイス制度は,2019年の軽減税率の導入による複数税率が混在する中で,消費税額を適正に把握することを目的としております。売手である課税事業者が,税率及び税額を記載した書類である適格請求書,いわゆるインボイスを発行し,買手は受け取ったインボイスを計算根拠として,仕入れ税額控除を行う仕組みとなっております。  1つ目の市内事業者への影響といたしましては,売手側では,事業者が適格請求書発行事業者となるための税務署への登録申請や適格請求書様式への対応などの事務処理の複雑化,さらにはシステムの改修等に係る費用負担の増加が想定されます。  また,免税事業者が適格請求書発行事業者になることで,消費税の納税義務が生じることになります。さらに,適格請求書発行事業者とならなければ,買手となる課税事業者との取引において,仕入れ税額控除ができないという理由で取引を敬遠される可能性があります。買手側では課税事業者の仕入先がインボイスを発行できない場合にはその分の仕入れ税額控除ができず,税負担が増えることとなります。  一方で,中小企業の事務負担への配慮から,課税売上高が5,000万円以下の事業者は,仕入先からのインボイスの発行がなくても,簡易な計算で仕入れ税額控除を行うことができる簡易課税制度を選択することができます。そのほか,取引の影響に配慮して経過措置が設けられており,免税事業者からの仕入れについても制度導入後3年間は消費税相当額の8割,その後の3年間は5割を仕入れ税額控除とすることが可能とされております。  また,農業者や漁業者につきましては,農業協同組合や漁業協同組合に無条件委託方式かつ共同計算方式による委託販売を行った場合や卸売市場へ出荷する場合には,特例によりインボイスの発行が免除されるため,影響を受ける方が少ないと想定されます。そのほか,販売先が一般消費者のみの場合にはインボイスの発行が不要ですので,免税事業者のままでも影響はありません。  このように事業形態に応じて影響や対応が違うため,事業者には制度の内容を十分に理解していただき,適格請求書発行事業者になるかを選択する必要があります。  2つ目の,市としての対策につきましては,ひたちなか商工会議所や太田税務署と連携しながら,事業者へ制度を周知するセミナーや説明会などを実施するとともに,農業協同組合や漁業協同組合などの団体とも情報の共有を図ってまいります。そのほか,インボイスに対応した受発注システムや電子帳簿保存法に対応した会計ソフト等による経理業務のデジタル化に利用できる国のIT導入補助金や,小規模事業者持続化補助金の活用など,ひたちなかテクノセンターや商工会議所など関係機関と連携しながら対応を検討してまいります。 ○大谷隆 議長  鈴木秀文福祉部長。          〔鈴木秀文福祉部長登壇〕 ◎鈴木秀文 福祉部長  次に,1項目めの2点目,シルバー人材センターへの影響についてお答えいたします。  ひたちなか市シルバー人材センターは,高齢者の就業機会の確保,生きがいの充実や社会参加の促進などを目的とした公益社団法人であります。そのため,本市では高齢者支援施策として,地域社会の活性化に寄与するセンターに対し,運営費の一部を補助し,支援を行っているところです。  ご質問のシルバー人材センターの経営に対する影響ですが,シルバー人材センターは課税事業者として消費税を納めております。具体的には,仕入れ税額控除制度により,利用者が支払う消費税から会員に支払う配分金に含まれる消費税を差し引いて納税しております。  インボイス制度導入後は,会員が課税事業者とならない場合は仕入れ税額控除が適用されないため新たな負担が生じ,財源の確保に苦慮することが想定されます。  次に会員への影響ですが,現在は会員の多くが免税事業者となっておりますが,制度導入後課税事業者となった場合は消費税を納税することとなります。また,免税事業者である場合は,これまで配分金に含まれていた消費税の取扱いが変更となる可能性があります。  インボイス制度導入につきましては,茨城県議会が国に対しシルバー人材センターに対する支援を求める意見書を提出していることも承知しております。  市といたしましては,今後も国や県の動向などを注視してまいります。 ○大谷隆 議長  湯浅博人教育部長。          〔湯浅博人教育部長登壇〕 ◎湯浅博人 教育部長  2項目め,地産地消の学校給食のさらなる充実のためにの1点目,給食費の公的補助を行うことについてお答えします。  本市の給食費は,小学校で4,300円,中学校で4,700円となっており,平成26年度に小中学校共に200円の引上げを行って以降,改定は行っておりません。  一方で,平成26年度と本年度の食材費を比較いたしますと,主食については,米飯の価格は1食当たり約12.8%,パンの価格は約25.8%上昇しております。特にパンの価格につきましては昨年度比で約9.2%の上昇となっており,昨今の物価高騰の影響が顕著に現れております。  こうした状況の中,限られた給食費でやりくりするため,各小中学校では献立の見直しなどの工夫により対応をしているところであります。今後は物価高騰の学校給食に与える影響を注視し,適切な支援策について検討してまいります。  次に,2点目の,地元産の野菜を豊富に使用することについてですが,まず現在の地元産の食材の利用割合につきましては,県が実施する学校給食における地場産物の活用状況調査において報告をしております。この調査は,県が指定する特定の期間において学校給食の食材に地場産物がどの程度活用されているのかを集計するものであります。  令和3年度の調査におきましては,本市学校教育の県内産食材の使用割合は,県平均67.4%に対し本市は68.2%で,うち市内産食材の使用割合は年々増加し,13.2%となっております。  こうした中で,学校給食におきましても,JA常陸と市学校給食会の契約に基づき,収穫時期に合わせた旬の地元の野菜を使用しております。これにより,食生活が自然の恩恵や食に関わる人々の様々な活動の上に成り立っていることについて児童生徒の理解を深め,感謝の心を育むことにつながっております。  今後も関係機関と協力しながら,学校給食への地元産の野菜の活用に努めてまいります。  次に,3点目の,地元産米のさらなる利用についてですが,現在,週5回の学校給食のうち3回程度を米飯としており,全て市内産の米を使用しております。米飯給食は,児童生徒に米飯を中心とした日本型の食生活やその味覚を伝承するため重要なものであるとして,国も一層の推進を図っているものであります。  こうしたことから,米飯給食の回数につきましては,献立のバランスや児童生徒の好みなども考慮しながら検討を重ねてまいります。
     次に,米粉を利用したメニューの開発についてですが,平成29年度に調理員及び栄養教諭を対象として実施した調理衛生講習会において米粉のクリームスパゲッティを開発して以降,米粉チキンや米粉シチューなど様々なメニューを開発しております。  今後も,市内小中学校の栄養教諭で構成する市学校給食会,栄養士会を中心として新たなメニューの開発に努めてまいります。  次に,3項目め,子どもたちに豊かな放課後を保障するための1点目,支援員の処遇についてお答えします。  本市の公立学童クラブにつきましては,本年4月1日現在,会計年度任用職員113名,有償ボランティアとして登録していただいている方124名により運営を行っております。  これまでの公立学童クラブ支援員の処遇につきましては,開設当初は全ての支援員がボランティアでありましたが,平成29年度から年間を通じて勤務できる方を嘱託職員として採用し,それ以外の方を有償ボランティアとしたところであります。その後,令和2年度からは嘱託職員を会計年度任用職員としたことで,支援員のさらなる処遇改善につながったものと考えております。  こうした中で,会計年度任用職員につきましては,主に公立学童クラブの運営に主体的に取り組んでいただいているところであります。その一方で,有償ボランティアにつきましては,会計年度任用職員の指導の下,児童の育成支援や学童クラブ内の環境整備を行っていただくなど,会計年度任用職員との役割を明確にしております。  こうしたことから,給与の面につきましても,業務内容などの違いから,会計年度任用職員が任用1年目で時給1,022円,有償ボランティアが一律時給890円としているところであります。  次に,2点目の,夏休みの支援員の確保についてですが,夏休み期間中は午前8時から午後6時までの10時間と開設時間が長い一方で,開設日数は30日程度と短いことから,夏休み期間中のみ会計年度任用職員を任用することについては困難な状況にあります。  また,有償ボランティアにつきましても,授業の行われる平日に支援しているという方だけでは長時間の開設には対応できず,人員不足が生じております。こうしたことから,夏休み前に改めて有償ボランティアを募集することで対応しております。  なお,昨年度は6か所の学童クラブで支援員に不足が生じたことから,有償ボランティアを募集したところ,6月から8月までに17名の応募がございました。しかし,それでも支援員の不足は埋まらず,青少年課職員による支援を行ったところであります。  次に,3点目の,人材派遣会社を使うこととした背景につきましては,昨年の夏休み期間中,コロナ禍の影響もあり,急に休まざるを得ない支援員もおりました。このため,例年以上に人員不足が生じ,学童クラブの運営に支障を来したところであります。  こうしたことから,夏休み期間中の人員不足を解消するため,人材派遣会社を使い支援員を確保することといたしました。また,派遣業者との契約状況につきましては,現在契約に向けて準備を進めているところでございます。  今後につきましては,予定しております人材派遣を利用した支援員の配置について実施状況をしっかりと検証し,来年以降の安定した公立学童クラブの運営につなげてまいりたいと考えております。 ○大谷隆 議長  4番宇田貴子議員。 ◆4番(宇田貴子議員) まず,1項目めのインボイス制度について質問いたします。  (1)の市内事業者への影響ですが,インボイス制度は一番弱い立場の事業者に一番大きな影響をもたらす制度であると考えています。  例えば,一人経営の美容室の方からは,はさみ,シャンプー,ヘアカラー剤など,取引にはインボイスに加入してもらわないと品物を卸すことができなくなると言われた,それで困っているというようなことも伺っています。  農業者や漁業者には先ほど特例があるので影響は少ないというご答弁でしたが,特例が提供されるのはその条件を満たしている場合に限られるので,ではこういう場合はどうなんですかというような疑問や問題は当然出てくると思います。  ですから,制度に対する周知活動はもちろん必要ですけれども,個々の事業者への影響を具体的に把握することや,相談窓口の設置などを行う必要があると考えますが,いかがでしょうか。 ○大谷隆 議長  齋藤茂夫経済環境部長。          〔齋藤茂夫経済環境部長登壇〕 ◎齋藤茂夫 経済環境部長  再度の質問にお答えいたします。  インボイス制度の導入によりまして,事業者それぞれの立場によって影響や対応はそれぞれ違います。  相談窓口といたしましては,国におきましては消費税軽減税率インボイス相談電話センターを設けておりますし,あと各税務署においては面接による個別相談を実施しております。  また,事業者と関わりの深い商工会議所においても経営相談の一環として相談を受けておりまして,それぞれ事業者によっては対応が違いますので,その内容をまず相談を受けて,どういった対応が一番よろしいか,そういったことが求められるのかなと思いますので,まずは周知が大事かなというふうに考えておりますし,周知とともに,実態の把握にも努めてまいりたいというふうには考えております。 ○大谷隆 議長  4番宇田貴子議員。 ◆4番(宇田貴子議員) 周知とともに実態の把握にも努めるというご答弁をいただけましたので,次の(2)のシルバー人材センターへの影響についてですけれども,インボイス導入でこれまでの仕入れ税額控除ができなくなるということで,新たな負担について答弁では本市のセンターの試算が示されませんでしたので,厚労省の試算を言いますと,1センター当たり1,500万円になるということです。  シルバー人材センターは余分な利益を出すような運営はしていませんので,どうやって捻出するか,それが課題であるという答弁でした。そのため,会員さんにお支払いする配分金からあらかじめ10%の消費税を引く可能性もあると。つまり,同じように働いてもこれまでより配分金が少なくなる可能性もある,というところまでのご答弁だったかと思います。  会員さんが全員インボイスに登録してくれればセンターとしてはこれまでどおり税額控除ができますが,会員さんの側では,インボイスに登録することで同時に課税業者になってしまうので,結局受け取った配分の中から10%の消費税をご自分で申告,納税しなければならなくなります。  答弁では国,県の動向を注視していくということでしたけれども,このように弱い者から新たに徹底的に税金を吸い上げようとするインボイス制度に対しては,制度を周知してどううまく対応すればよいのかと検討するだけでなく,その把握した実態を国にも伝えて,廃止すべきの声をぜひ本市からも上げていただきたいと申し上げたいと思います。  続きまして,2項目めの質問に移ります。  (1)の給食費に公的補助をということで,本市の給食費は各学校の私会計で保護者から徴収する給食費のみで毎月業者に支払いをしているので,先ほどの答弁では適切な支援策を検討するということでしたけれども,できるだけ早く検討し,実施することが必要だと思っております。  今,国からの対応に合わせて交付金も出ておりますので,その辺り,その交付金を活用するということも含めてどのようにお考えか,伺います。 ○大谷隆 議長  湯浅博人教育部長。          〔湯浅博人教育部長登壇〕 ◎湯浅博人 教育部長  再度のご質問にお答えします。  先ほど,物価の高騰等の影響を注視して適切な対応策を検討していきますということでご答弁を申し上げました。議員のほうからもございましたように交付金の活用,これも含めて,どのような支援策があるかということを早急に検討してまいりたいと考えております。 ○大谷隆 議長  4番宇田貴子議員。 ◆4番(宇田貴子議員) 毎月毎月の献立とその支払いに関わってきますので,早急に検討し,決断していただきたいというふうに思っております。  一方で,今年は国の交付金も使えるということですけれども,では来年度以降はどうするのかということが心配です。  給食費はそもそも,義務教育は無償と明記された憲法26条に基づき,国の責任で無償にすべきと考えます。しかし国がその責任を果たさない中,住民の生活に一番近い基礎自治体が,今年は国の交付金があるからということではなく,以前から多くの自治体で独自の予算を使って保護者負担の軽減や無償化を進めてきています。  本市の給食費,小学校で月4,300円,中学校で4,700円というのは,今では県内44市町村で4番目に高い額です。県内では,給食費を全員無償,2人目や3人目から無償などとしている自治体が既に10自治体あります。その10自治体を含め,県内36の市町村では,公費を入れて既に保護者負担を軽減しています。  そこで,本市の給食費の保護者負担の軽減に対する考え方ですけれども,国の交付金を使った今年度限りの特例と考えるのか,来年度以降についても考えるのか,伺います。  同時に,保護者負担の軽減という場合,これ以上引き上げないということなのか,あるいは給食費の引下げを行うことも含まれるのか,伺います。 ○大谷隆 議長  湯浅博人教育部長。          〔湯浅博人教育部長登壇〕 ◎湯浅博人 教育部長  再度のご質問にお答えします。  次年度以降の対応でございますけども,今年度の対策をこれから考えていくという中で,次年度以降につきましても,今後の物価高騰の状況,これを十分に見極めながら判断してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ○大谷隆 議長  4番宇田貴子議員。 ◆4番(宇田貴子議員) 子育て世代に選ばれるまちを目指す本市として,学校給食費の無償化,負担軽減はもう無視できない政策課題となっていると考えます。  先ほど2期目に挑むという市長の決意も語られましたけども,そこに向けて,市長にはぜひ前向きな検討をお願いしたいと思います。  続きまして(2)の再質問に移ります。  地場産の野菜を豊富にということで,今後も,13.2%で年々ひたちなか産が伸びてきているということでしたけれども,13.2%にとどまっているということで,これはもっと積極的に地場産品を使っていくという具体的な取組が必要であると考えます。  例えば,東京都日野市では,市が指定した農産物の栽培に対し奨励金を支払うことで,学校給食の地場産の利用率が32%の水準まで上がったということです。  小平市では,地元産物の購入費の一部を補助することで,2%台だった利用率が30%に上がったということです。  和歌山県では,輸入小麦を使った学校給食パンから除草剤グリホサートが検出されたという情報を知ったお母さんたちが中心になり,安全な食材を学校給食にという思いで,広範な方の協力を得て小麦を自ら栽培し,その小麦を学校給食のパンに使う取組が進んでいます。  そのような取組から分かるのは,教育委員会,学校栄養士,農協や農家の方,保護者,地域の方などがみんなで連携して取り組んでいること,そして行政が財政的なサポートをしていることです。  そこで,今後,学校給食で本市の農産物の利用を大胆に進めていくために,ぜひ先進事例に学び,担当課の枠を超え,様々な機関と連携し,新たな取組に挑戦していただきたいと考えますが,いかがでしょうか。 ○大谷隆 議長  暫時休憩します。           午前11時59分 休憩  ───────────────────────────────────────────           午後1時 開議 ○大谷隆 議長  休憩前に引き続き,会議を開きます。湯浅博人教育部長。          〔湯浅博人教育部長登壇〕 ◎湯浅博人 教育部長  再度のご質問にお答えします。  本市の学校給食におきましては,季節ごとにJAを通して納品可能な市内産の野菜を使用しております。しかしながら,必要数量に対して供給が追いつかない野菜もあるのが現状であります。  そこで今年度から,JA常陸のひたちなか地区学校給食部会に所属する生産者と市内学校の栄養教諭との意見交換会を開催しております。この意見交換会は,市内産野菜の生産体制の現状や学校側の希望などについて相互理解を図ることで,学校給食における市内産野菜の活用に係る課題の解決を目的として開催しております。  今後も,JAや生産者のほか,市の担当部局とも連携を図りながら,学校給食への市内産野菜の活用に努めてまいります。 ○大谷隆 議長  4番宇田貴子議員。 ◆4番(宇田貴子議員) 次に,地元産米の利用についてですけれども,本市は業者に米飯を運んでもらうということのほかに,自分の学校の給食室に炊飯施設の設備を設けて,自校で米飯を炊くという取組も徐々に進んでおります。  自校給食といった場合に,米飯だけお弁当箱に入って業者から運ばれるのではなくて,私は当然,自分の学校で炊いて,温かいご飯が,お弁当箱ではなくて,しっかりご飯の器で提供されるということが当然だろうと思っておりますので,そういう取組とも併せて,米飯給食の回数を具体的に増やしていっていただきたいというふうに要望したいと思います。学校給食をもっともっとよくしていくということを真ん中に据えた取組で,様々な課題の解決と本市の発展にもつながると考えますので,今後の取組にぜひ期待したいと思います。  続きまして,3項目め,学童保育の問題ですけども,夏休みの期間,人手の不足する部分をこれまで職員が手伝っていたということに大変驚きました。職員にも自分の仕事がある中,誰かが手伝わなければ安全に学童保育が運営できないという状況は大変だったろうと思います。  そこで,今年は職員に手伝わせることはないということで,それ自体は大事なことだと思います。しかし,夏休みの支援員の確保策として,募集しても足りなければ人材派遣を利用するということを前提に,時給890円で有償ボランティアを募集するということには疑問を感じざるを得ません。派遣会社に契約した支援員の自給が幾らになるかは分かりませんが,当然,派遣会社にマージンが入りますから,時間単価890円より高くなることは明らかなわけですから,だったら,市で必ず支援員を確保するという覚悟で,もっと時給を上げればよいではないかと私などは思います。  市の募集では890円より上げられないけれども人材派遣にはそれ以上出す。これでは時給890円で引き受けた支援員にも説明がつかないし,税金の使い方として妥当なのかという議論にもなってきます。  本市の公設学童は,直営で運営しているからこそ果たせる子どもや支援員に対する市の役割があると考えます。そう考えたとき,多くの自治体で直営を手放し,民間委託が増えている中でも,本市は絶対に学童を手放してはならないと私は思っています。ですから,今回の人材派遣を利用せざるを得ない状況,そして利用するという判断には危機感を持っています。  先ほどの答弁で,今年,人材派遣を使い,そのことを検証し,来年度以降の安定した運営につなげたいというご答弁でしたけども,その安定した運営というときの観点は何か,どういう観点で検証するのかということが問題だというふうに思っています。  そこで,これまで学童保育の役割や意義については何度も答弁をいただいてきましたけれども,私が一番大事な観点に据えるべきというのは,公設公営で学童を運営するということだと思っておりますので,その意義について改めて答弁を求めます。 ○大谷隆 議長  湯浅博人教育部長。          〔湯浅博人教育部長登壇〕 ◎湯浅博人 教育部長  再度のご質問にお答えします。  本市の公立学童クラブは全て小学校及び義務教育学校の敷地内に設けられており,児童は授業終了後に教室から安全に移動することができ,日頃慣れ親しんだ環境で過ごすことができております。また,学校との連携がしやすく,子どもたちが安心して生活することができる場となっております。こうした環境を生かし,学校と家庭をつなぐ居心地のよい場所としての役割を果たすような学童クラブの運営を目指してまいりたいと考えております。 ○大谷隆 議長  4番宇田貴子議員。 ◆4番(宇田貴子議員) 学校の敷地内にあるからという場所の問題だけでなく,やはり公設公営で運営するという点では,学校や家庭,専門機関とも連携が取りやすいと。子どものいろんなセンシティブな課題にも,守秘義務とかいうことがある中でもしっかり連携して,その子どもの成長,発達への支援がしやすい。だからこそ公設公営を手放してはならないというふうに私は思っておりますけども,その点についてはいかがお考えですか。 ○大谷隆 議長  湯浅博人教育部長。          〔湯浅博人教育部長登壇〕 ◎湯浅博人 教育部長  再度のご質問にお答えします。  公設公営で運営する場合でございますけれども,当然,公設でやるという意義については,先ほどご答弁申し上げましたように,学校敷地内にある公設の学童クラブで行うということで安心感を持ってできる。そして,公営で運営するという部分については,現在の支援員については,いろいろな研修等も受けていただいて,会計年度職員として働いていただいているということから,安心して預けられるということが公営についての意義であるというふうに考えているところでございます。 ○大谷隆 議長  4番宇田貴子議員。 ◆4番(宇田貴子議員) そのような大事な役割があるわけですから,本当に公設公営で市が責任を持って学童を運営していくんだという覚悟で,支援員の募集にも当たっていただきたいというふうに思っております。学童保育に求められている役割を考えたとき,それを現場で日々担う支援員の処遇改善は本当に待ったなしだと思いますので,今後しっかり検討していただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○大谷隆 議長  以上で,4番宇田貴子議員の質問を終わります。  次に,5番山田恵子議員。          〔5番 山田恵子議員登壇〕 ◆5番(山田恵子議員) 公明党議員団の山田恵子です。通告に従い,一般質問をさせていただきます。  ロシアによるウクライナ侵略が現在も続いており,子どもや女性や高齢者,多くの方々の貴い命が失われています。極めて身勝手,理不尽であり,絶対に許されるものではありません。この侵略戦争において犠牲となられた方々に哀悼の意を表するとともに,一刻も早く戦争が終結することを願います。  それでは1項目め,原油価格・物価高騰等緊急対策についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の対応施策を実施する状況下において,ウクライナ情勢の影響が拡大し,原油や穀物等の価格が高騰しており,市民の暮らしを支えるガソリンや食料品などの値上がりも相次いでいます。こうした物価高騰が国民生活,経済活動にどのような影響を及ぼしているのか,先行きにどんな不安を感じているのか,公明党は,いち早く現場の声を聞くため,国と地方議員のネットワークを発揮し,全国での国民生活総点検運動や地域懇談会を実施しました。  その中で,事業者からのヒアリングや懇談会での意見,要望を聞き取った結果,原油やガスといったエネルギー価格の高騰だけでなく,小麦や家畜用肥料,建設資材など,業界を問わず多種多様な分野に影響が出ていること,また,コロナ禍で収入減となった世帯や生活困窮世帯にとっては大変に厳しい状況であることが分かりました。  4月26日に政府が決定したコロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策には,国民生活総点検の結果を踏まえ,公明党が岸田首相に申し入れた緊急提言が随所に反映され,地方創生臨時交付金の拡充が決定されました。  この交付金の決定を受け,5月23日,公明党議員団として大谷市長に,コロナ禍における原油価格・物価高騰等緊急対策に関する緊急要望書を提出し,生活に困窮する方々の支援や学校給食費等の負担軽減など子育て世帯の支援,また,農林水産業者や運輸交通分野をはじめとする中小企業者等への支援施策を,適切かつ迅速に実施することを要望いたしました。
     そこで,2点お伺いいたします。  1点目は,地方創生臨時交付金の活用についてであります。  地方創生臨時交付金の活用が可能な事業は,各自治体の判断により地域の実情に応じて必要な取組を行うとされており,例えば生活者支援に関する事業では,学校給食等の負担軽減など子育て世帯に対する支援や,生活者に対する電気・ガス料金を含む公共料金の負担軽減などがあります。  また,事業者支援に関する事業では,鉄道,バス,タクシーなど地域公共交通の経営支援や,宿泊事業者,旅行業者に対する経営支援,さらに,漁業者,農林業者に対する経営支援などが記載されています。  そこで,本市としては地方創生臨時交付金をどのように活用していくのか,ご見解をお伺いいたします。  2点目は,学校給食の現状についてであります。  新型コロナウイルス感染症の長期化,そして本年2月末以降のウクライナ危機により,原材料価格が値上がりしています。4月には政府が輸入小麦の売渡価格を17.3%値上げしたところでもあり,食材費の値上がりが一層懸念されます。  そこで,学校給食における地方創生臨時交付金の活用についてお伺いいたします。  2項目め,デジタル分野における女性活躍の推進についてお伺いいたします。  2021年9月1日,デジタル庁が発足し,社会全体のデジタル化に向け進展する中,IT人材の不足が大きな課題となっています。経済産業省の委託調査によりますと,2030年に情報システム部門などで働くIT人材が約80万人不足すると試算されています。  一方で,長引くコロナ禍で深刻な打撃を受けた宿泊業や飲食業などの職種では,非正規雇用で働く女性の占める割合が高く,失業などで困窮する女性の増加が問題になっています。総務省の労働力調査によりますと,IT業界における女性の就業率は25%にとどまっており,男性に比べて人材が少ないことから,今後も成長が見込まれるデジタル分野での就労は女性の経済的な安定にもつながるため,人材育成や就労支援の取組は重要であると考えます。  こうした中,政府は本年4月26日,女性がデジタルスキルを身につけ,柔軟に働けるための女性デジタル人材育成プランを取りまとめました。このプランの策定の背景には,人材不足への対応のほか,女性は男性に比べて非正規雇用労働者の割合が高いこと,男女間の賃金格差が正規雇用,非正規雇用労働者同士で比較しても存在し,同じ職業で経験年数が同じであっても差があること,家事・育児・介護を女性が多く担い,働く場合には家庭の補助と位置づけられていたことなど,女性特有の問題が存在していることが挙げられています。  さらに近年,若い女性が地方から東京圏へと出ていく傾向にある中,デジタル分野は就労場所の制約が少ないことから地域においても働きやすい特徴があり,本市においては,少子化,人口減少の歯止めにもなると考えます。また,テレワークであれば,育児や介護等のライフステージや生活スタイルに応じた柔軟な働き方を可能とすることから,女性の就労機会の創出にもつながるため,デジタル分野における女性を応援する体制が必要と考えます。  そこで,2点お伺いいたします。  1点目は,職員のデジタル人材育成についてであります。  石川県金沢市では,デジタル行政推進リーダーの育成に取り組んでいます。公募と推薦で選抜した職員を対象に研修を行い,将来的には100人のリーダーの育成を目指すとしており,2021年度は20人を第1期生として研修し,早速,庁内のデジタル化に向けた意識向上につながっているとのことです。本市においても,女性職員の活躍を進めるに当たり,デジタル化の知識やスキル向上は重要であると考えます。  そこで,本市における職員のデジタル人材育成についての現状と課題,今後の取組についてお伺いいたします。  2点目は,女性のデジタル人材育成プランについてであります。  政府がまとめたこのプランには,現在のデジタル分野における男女比率に大きな偏りがあると考えられることから,解消に向けた人材育成の取組などがまとめられています。  そこで,このプランについて,本市としてのご見解をお伺いいたします。  3項目め,高齢者福祉について3点お伺いいたします。  1点目は,高齢者の保健事業と介護予防等の一体的実施事業についてであります。  人生100年時代を見据え,高齢者の健康増進を図り,できる限り健やかに過ごしていくためには,高齢者一人一人に対してきめ細やかな保健事業と介護予防を一体的に進めることが重要であります。  本市におきましては令和3年度からこの事業が開始され,1年が経過しました。昨年に一般質問をさせていただいたときの答弁では,個別支援と通いの場などの積極的な関与,それぞれ取組を開始し,市の保健師などによる戸別訪問や,シルバーリハビリ体操など集団で行う場所に出向き,フレイル予防に関する指導や血圧測定を行っているとのことでした。  そこで,昨年の実績と今後の予定する取組についてお伺いいたします。  2点目は,認知症についてであります。  認知症は,超高齢化社会を突き進む日本にとって最重要課題となっています。2025年には65歳以上の5人に1人がなるとされていることから,認知症は誰もがなり得るものであり,家族や身内の身近な人がなることなども含めて,多くの人にとって身近なものになっています。厚生労働省が出している認知症施策推進大綱の基本的な考えでは,認知症の発症を遅らせ,認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し,本人や家族が共生と予防を車の両輪として施策を推進するとしています。  公明党は,高齢者への支援を充実させるため,本年1月から2月にかけて,全国の高齢者の方を対象としたアンケート調査を実施いたしました。困っていること,心配に思っていることを伺ったところ,「自分や家族が認知症になったとき」との回答が64%で最も多く,続いて,年金が少ないこと,健康の保持・増進との回答が,共に52%でした。  今回の結果から,認知症,家族の介護などに不安を抱えながら生活をしている実情が分かりました。今後,さらに認知症予防の推進と,認知症の人が安心し,希望を持って暮らせる共生社会を築いていくことが重要と考えます。  そこで,本市が行っている認知症に対する本人への支援,家族への支援,そして,本人及び家族に対する一体的支援の取組状況についてお伺いいたします。  3点目は,デジタル化による情報格差解消についてであります。  誰もがデジタル化の恩恵を受けることができるよう,高齢者等,デジタルに不慣れな人を支援していくことは大変重要なことと考えます。  モバイル社会研究所の調査によりますと,高齢者のスマートフォンの所有率は,本年5月現在,60代80%,70代62%と,スマートフォンに移行する高齢者が増えています。本市においても,デジタル化による市民サービス向上の取組として,ホームページやメール,LINE等での情報発信をしております。  また,利便性が期待されるマイナンバーカードによる健康保険証や,公金受取口座登録も始まります。今後,デジタル化の流れに取り残されないよう,デジタル機器に不慣れな高齢者等を対象としたスマホ活用講座や相談会を開催していただき,情報格差解消を図るべきと考えます。  そこで,本市の現状と今後の取組についてお伺いいたします。  4項目め,障害者福祉について2点お伺いいたします。  1点目は,障害者手帳アプリについてであります。  デジタル障害者手帳アプリ「ミライロID」を導入する人が増加しています。このアプリは,スマートフォンの画面を提示するだけで障害者向けのサービスが受けられ,飲食店で使えるクーポンの提供や障害者の生活に役立つ情報の発信なども受け取ることができます。また,手帳を提出したときに個人情報を見られる心理的負担が軽減されるため,利用している方からは,心の負担が軽くなり,多くの人が助かっている,との声が上がっています。  本市におきましても,本年4月1日より,障害者手帳アプリ「ミライロID」が導入されました。障害のある方がサービスを受けられ,安心して生活できることは共生社会に必要なことと考えます。  そこで,お伺いいたします。  1,概要について。2,導入によって見込まれる効果について。3,今後の課題について。  2点目は,合理的配慮推進事業についてであります。  人には一人一人違った個性があり,誰もが平等に幸福を得る権利を持っています。ですが,障害がある人にとって,社会で暮らし,働いていく上で生きづらい状況がまだまだ残っているのが現状です。そうした困難や障害のある方でも,周りの環境を整えたり,適切にサポートをしたりすることで,これまでできなかったことができるようになることがあります。  本市においては,誰もが安心して暮らせる共生のまちづくりを推進するため,市内の商業者や地域の団体が障害のある人に必要な合理的配慮を提供した場合にかかる費用の一部を助成しています。  そこで,これまでの実績と今後の課題についてお伺いいたします。  以上で1回目の質問を終わります。 ○大谷隆 議長  大谷 明市長。          〔大谷 明市長登壇〕 ◎大谷明 市長  山田議員の1項目め,原油価格・物価高騰等緊急対策についての1点目,地方創生臨時交付金の活用についてお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が緩和されつつあるものの,市民生活や地域経済への影響が依然として続いており,さらにウクライナ情勢をめぐる先行きの不確実性などから,世界規模で原油価格や物価が高騰し,高い水準で推移しております。  このような中,国においては4月26日に,コロナ禍において物価高騰等に直面する生活困窮者や事業者等への支援などを柱とする,コロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策が策定されました。その中で,地方公共団体が物価高騰等の影響を受けた生活者や事業者の負担の軽減を実施できるよう,新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が拡充され,コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分が創設されたところであります。  本市におきましては,新型コロナウイルス感染症対策として,令和3年度からの繰越事業に加え,さきの5月臨時会におきましても補正予算を編成し,市民生活や事業者の支援,地域経済対策に切れ目なく取り組んでおります。コロナ禍における物価高騰等につきましては,市民生活や事業者に様々な影響が及んでいると認識しております。ご質問の中にありました各種支援策を含め,必要な施策の検討を進めているところであります。  引き続き,社会情勢の変化や,国,県の動向を注視するとともに,市民の皆様や事業者の方々の声を伺いながら適切な時期に必要な支援策が実施できるよう,しっかりと取り組んでまいります。 ○大谷隆 議長  湯浅博人教育部長。          〔湯浅博人教育部長登壇〕 ◎湯浅博人 教育部長  1項目めの2点目,学校給食の現状についてお答えします。  本年4月の輸入小麦の政府売渡価格は,米国・カナダ産小麦の不作やロシアの輸出規制,ウクライナ情勢などの供給懸念が国際価格の上昇につながったことなどを理由に,17.3%値上げされております。また,6か月ごとに見直される小麦の価格は,令和3年10月にも19%上昇しております。  このような小麦価格の影響を受けて,学校給食の主食の購入先である茨城県学校給食会からは,原材料の高騰を主な理由としてパンの価格を値上げせざるを得ない状況にあるとの説明を受けておりました。これにより,本年度の学校給食のパンの価格は前年度と比較して9.2%上昇しております。また,今後の原材料費高騰の状況によっては,年度内にパンの価格を再度改定する場合もあるとの通知も受けております。  こうした状況下において,限られた給食費の中で毎日の給食を実施するため,各学校では献立の変更などの様々な工夫を行っております。引き続き,原材料費高騰の状況や社会情勢の変化を注視し,適切な支援策について検討を重ねてまいります。 ○大谷隆 議長  小倉 健総務部長。          〔小倉 健総務部長登壇〕 ◎小倉健 総務部長  2項目めの1点目,職員のデジタル人材育成についてお答えいたします。  コロナ禍の中,行政業務においてもオンラインでの会議や研修が増えたほか,テレワークによる在宅勤務の実施など,デジタルトランスフォーメーション,DX推進の必要性を実感する状況が続いております。  こうした中,令和3年度の職員研修のうち,行政データの活用による事務処理の改善や効率化を目的としたデータベースソフトの研修では,女性職員の積極的な参加がありました。現状として,市職員においては,デジタル知識に関して男女の大きな偏りはないものと認識しており,性別にかかわらず,デジタル人材育成に向けた取組を進めているところであります。  また,昨年9月のデジタル庁発足を契機に全国的にDX推進の機運が高まっており,地方自治体にはシステムの標準化や行政手続のオンライン化,DX導入による業務の効率化などが求められております。市におきましても,新しいデジタル技術の導入に的確に対応し,市民サービスの向上に寄与する人材を育成していくことは重要な課題であると認識しております。  このような中,本市では今年の2月,「ひたちなか市デジタル化推進指針」を策定いたしました。デジタル人材育成の観点では,各課にデジタル化推進員を配置いたしまして,この推進員を中心に,DX推進に関する職員の意識啓発や業務のデジタル化を推進することとしております。  行政のデジタル活用につきましては,高度な専門知識が必要な特別なものとせず,年齢や性別に関係なく誰もが使いやすい形で普及を図り,市民生活の利便性向上につなげることが重要です。引き続き,市職員全体に対するデジタル人材の育成を進めるとともに,行政サービスのデジタル化推進に取り組んでまいります。 ○大谷隆 議長  白土光伸市民生活部長。          〔白土光伸市民生活部長登壇〕 ◎白土光伸 市民生活部長  2項目めの2点目,女性デジタル人材育成プランについてお答えいたします。  国においては今年4月に,コロナ禍における女性の就労支援,女性の経済的自立,デジタル分野におけるジェンダーギャップの解消の3つを柱とした,女性デジタル人材育成プランを策定しております。女性デジタル人材育成プランでは,新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い,特に女性の非正規雇用労働者が多大な影響を受けたことから,女性の経済的自立を支援するため,就労に生かすことのできるデジタルスキルの習得を促進し,女性のデジタル人材の育成を図ることとしております。  この背景には,コロナの感染拡大以前より,男性に比べ女性のほうが非正規雇用労働者割合が高いことや,男女間での賃金格差,また,育児や介護は女性が多く担い,働く場合は家計の補助という固定的性別役割分担意識など,男女共同参画の視点から見た課題が存在しております。  このような状況において,女性デジタル人材育成プランの取組は,女性の経済的自立だけではなく,女性の多様な働き方の選択肢を広げるものと考えます。また,場所や時間に制限されないテレワークやオンラインの活用は,育児や介護などのライフステージに応じた柔軟な働き方や,さらには男性も含めたワーク・ライフ・バランスを促進し,男女共同参画社会の推進につながるものと考えております。  このため,市といたしましては,現在,女性に限らず,広く市民を対象としたNPO法人委託によるパソコン講座や,ハローワークとの共催による就職応援セミナーを実施しております。パソコン講座では受講者の約7割が女性となっており,女性のデジタルスキル習得の一助となっております。  今後も,女性デジタル人材育成プランの趣旨を踏まえ,引き続きこれらの事業を展開し,誰もがその個性と能力を発揮できる男女共同参画社会の実現に向けて取り組んでまいります。 ○大谷隆 議長  鈴木秀文福祉部長。          〔鈴木秀文福祉部長登壇〕 ◎鈴木秀文 福祉部長  3項目めの1点目,高齢者の保健事業と介護予防等の一体的実施事業についてお答えいたします。  当事業につきましては,令和3年度から高齢者の介護予防と健康寿命延伸を目的として実施しております。主な事業内容としては,高齢者宅を訪問する個別支援と,通いの場などへの積極的な関与を行っております。  個別支援の昨年度の実績につきましては,医療機関や健診を未受診のため健康状態を把握できていない対象者637名に対し,1,219回訪問しております。訪問時には,血圧測定や生活状況の聞き取りなどを行うとともに,生活習慣の改善や疾病予防等について助言を行っております。  また,さらなる支援が必要な方へは,病院や地域包括支援センターなどの関係機関への紹介を行いました。その結果,医療機関を受診した方が29名,健診を受診した方が12名おりました。地域包括支援センター等の支援を受けた方が34名,そのうち認知症が疑われる方は19名おりました。  一方,通いの場などへの積極的な関与の実績につきましては,シルバーリハビリ体操や元気アップ体操など高齢者が集う場所へ出向き,77回,延べ1,248名に対して健康講話などを実施しております。また,大型商業施設であるジョイフル本田においては,広くフレイル予防の普及啓発を図るためイベントを2回開催し,114名の参加がありました。いずれにおいても参加者からは,フレイル予防の重要性について理解ができたと好評を得ております。  今後の予定につきましては,引き続き,健康状態不明者への訪問のほか,新たに令和3年度の健診結果において高血圧や脂質異常が見られる方約650名の訪問を実施してまいります。また,通いの場などへの関与につきましても回数を増やすなど,事業の強化を図ってまいります。  さらには,本年8月25日号の市報において特集を組んで,多くの方に関心を持っていただけるよう,周知してまいります。今後も,高齢者が積極的にフレイル予防に取り組み,健康寿命の延伸が図れるよう,事業を推進してまいります。  次に,2点目の認知症についてお答えします。  急速な高齢化に伴い,認知症の高齢者も増加しております。国の推計から,2025年には本市の認知症及び認知症が疑われる高齢者は約8,000人に達すると予測されます。年を重ねれば誰もが認知症になる可能性があり,誰もが介護をする側になる,極めて身近な問題になっております。  そのような中,本市においては,地域包括支援センターに配置する4名の認知症地域支援推進員が中心となり,地域との連携の下,認知症の方やご家族への相談支援を行っているところです。また,地域におきましては,市内ボランティア団体による寸劇会の開催,農作業体験への協力,支援事業者をつなげるイベントなどが行われております。支援する輪が広がりを見せており,認知症の理解促進が図られております。  ご質問の1つ目の,本人への支援につきましては,本年度より,認知症の方同士が自身の体験や思いを語り合い,楽しく共有,発信できる場となる本人ミーティングを実施してまいります。昨年度はコロナ禍のため中止しておりましたが,市が養成した認知症サポーターの協力を得て,7月には開催する予定となっております。  次に,家族への支援につきましては,ご家族など介護者同士の情報交換や推進員への相談を行う場となる,家族のつどいを実施しました。昨年度は13回,延べ43名の方が参加されております。  今後は,参加者の意見を反映させながら,より通いやすい会場で開催するなど環境を整え,ご家族の負担が軽減できるよう,広く利用促進を図ってまいりたいと考えております。  次に,本人及び家族への一体的支援につきましては,社会参加できる身近な通いの場となる認知症カフェを各生活圏域において実施しております。認知症カフェは,昨年度61回,延べ523名の方が参加されており,リピーターも多く,地域における居場所となっております。また,地域の方がどなたでも参加できるため,認知症の方やご家族にとっては地域とつながる場,地域の方には認知症のことを理解してもらう場として生かされているところです。  今後も,認知症の方やご家族の視点を重視したこれらの取組について,認知症サポーターやボランティアなど地域との連携を図り,支援の充実に努めてまいります。  次に,3点目の,デジタル化による情報格差解消についてお答えします。  近年のデジタル化の進展は著しく,インターネット環境の拡充により,スマートフォンを利用して誰もが必要なときに必要な情報を得ることが可能となっております。そのような中,高齢者の方々の中には,デジタル活用のスキルが十分でなく,行政手続に係る各種デジタルサービス等の恩恵が受けられないといった情報格差が生じているところです。  デジタル弱者への情報格差対策ですが,ワークプラザの2階に,パソコン,スマートフォンの操作等に関する相談窓口を設置しております。ITサポートセンターとして,日曜,祝日等を除く開館日に常時相談を受けているところです。センターは高齢者の利用が多く,昨年度の利用件数667件のうち,約8割が60歳以上となっております。  このほか,コンピューターやインターネットを多くの方が利用できるよう,IT機器の基礎講座として「はじめてのパソコン講座」を定期的に開催し,昨年度は77名の受講者がありました。また,携帯電話通信会社のご協力をいただきまして,「はじめてのスマートフォン講座」を開催しており,昨年度の利用件数は138名となっております。  どちらの講座も対象者の指定はしておりませんが,パソコン講座は受講者の約6割,スマートフォン講座は約9割が60歳以上となっております。このことから,高齢者に対しての情報格差対策について一定の効果があるものと考えております。  本市としましては,こうしたサポートを引き続き行っていく必要があると考えております。本年度は,高齢者大学において基本操作,電子申請,ネットトラブルなどについて学ぶスマートフォンに関する講座を実施いたします。  また,消費生活センターにおける「くらしの講座」では,シニアのためのLINEの使い方講座を実施いたします。このほか,市内の老人福祉センターの主催講座に組み入れるなど,高齢者が集う身近な場所や機会を活用した取組を進めてまいります。  今後も,関係部署,民間事業者との連携により,高齢者が安心して操作等の相談ができる環境整備に努めてまいります。
     次に,4項目めの1点目,障害者手帳アプリについてお答えします。  障害者手帳アプリ「ミライロID」は民間企業が提供するスマートフォン用のアプリで,障害者手帳の情報を登録することで,手帳の情報を画面上に表示できるものです。アプリ利用者は,「ミライロID」に取り込まれた画面を提示し,公共交通機関などで障害者割引を受けることができます。このアプリにより,障害のある方は手帳本体の開示が不要となり,心理的負担の軽減が期待されます。また,常時手帳を携行する必要もなくなることから,手帳の毀損や紛失に伴う個人情報の漏洩が避けられる効果も見込まれます。  なお,事業者においては,手帳確認に要する時間の短縮を図ることができます。そのため,本市では令和4年4月から,スマイルあおぞらバスや市内運動公園等において,障害者手帳アプリの提示による障害者割引等を開始いたしました。  今後の課題としましては,障害者手帳アプリの利便性の理解促進が必要と考えておりますので,障害のある方やその介護者に対して,障害者手帳交付時や障害者団体などを通じて周知してまいります。  次に,2点目の,合理的配慮推進事業についてお答えします。  合理的配慮推進事業につきましては,飲食店や小売店などの民間事業者等が障害のある方に対し利用しやすい店舗や施設づくりを行った際に,その改修費用等の一部について補助金が受けられる制度です。  昨年度は,市報やホームページでの案内のほか,商工会議所を通じて市内の中小企業への制度案内のチラシを配布し,合理的配慮の必要性について啓発を行ったところです。昨年度の実績としましては,トイレ改修工事と段差解消工事の2件に対して補助金を交付いたしました。  今後の課題は,民間事業者等に対して補助制度の周知のみならず,障害特性に応じた配慮方法等を知っていただくことが必要であると考えております。こうした考えから,障害のある方が感じる不便さや支援の方法などを知っていただく出前講座の充実を図ってまいります。また,引き続き,市報やホームページなどで周知を行い,制度の活用を促進することで,誰もが安心して外出できるような環境の整備を図ってまいります。 ○大谷隆 議長  5番山田恵子議員。 ◆5番(山田恵子議員) 丁寧なご答弁ありがとうございました。  それでは,要望も含めまして,何点か再質問させていただきます。  まず1項目め,原油価格・物価高騰化等緊急対策についての2点目の学級給食については,献立を変更しながら対応していただいているということで,やはり物価高騰化はこれから続いていくと思われますので,要望ですけど,学校給食等の負担軽減ですとか,生活者支援,また事業者支援等,地方創生臨時交付金を幅広く活用して,物価高騰から市民の生活を守るための対策をお願いしたいと思います。  次に,2項目め,デジタル分野における女性活躍推進の2点目,女性のデジタル人材育成プランについて再質問させていただきます。  デジタル分野は,今後,需要が多くなっていく成長分野ですので,本市としても,希望する人が就労につながるよう,スキルの向上と就労ができる環境を整備していくことが大事かと思います。  先行事例ですけど,兵庫県の宝塚市では,地域女性活躍推進交付金を活用して市がNPO法人に業務を委託し,パソコン講座を実施しています。この講座では初級編から仕事に役立つ実践編までのスキルを習得でき,好評を得ているそうです。  また,同じく兵庫県豊岡市では,子育て中の女性など潜在的な労働力の掘り起こしのために,子育て支援拠点をはじめ,ふだんの交流の場を活用しながら,気軽に参加してもらいながら,デジタルマーケティングについて基礎から実践までを習得できるセミナーを実施するなど,間口を広く取りまして,女性の参入を促進しながら就労支援などにつなげていっているそうです。  本市においても,育児や介護をしながらでも生活スタイルに合った柔軟な働き方ができるよう,初歩的な技能を学べる講座の開催など,国から出ます地域女性活躍推進交付金などを様々活用して取り組んでみてはどうでしょうか。再度伺います。 ○大谷隆 議長  白土光伸市民生活部長。          〔白土光伸市民生活部長登壇〕 ◎白土光伸 市民生活部長  再度のご質問にお答えいたします。  地域女性活躍推進交付金を活用した女性デジタル人材育成事業につきましては,他市の先進事例を参考といたしまして,今後,関係各課と連携をし,検討をしてまいりたいと考えております。 ○大谷隆 議長  5番山田恵子議員。 ◆5番(山田恵子議員) ありがとうございます。関係各課と連携しまして,不足していると言われるデジタル分野の女性の活躍を後押ししていただくようによろしくお願いいたします。  続きまして,3項目め,高齢者福祉について,1点目の高齢者の保健事業と介護予防等の一体的実施事業について再質問させていただきます。  先ほどの答弁の中で,昨年度の実績の中で,個別支援において健康状態を把握できていない高齢者637名を訪問し,生活習慣の改善や予防について助言をしているということで,本当にありがとうございます。地域包括センターなどの支援を受けた方が34名と伺いました。その中,認知症が疑われる方が19名ということで,この認知症が疑われる方をその後どのように支援につなげているのか,もし経過が分かればお伺いしたいと思います。 ○大谷隆 議長  鈴木秀文福祉部長。          〔鈴木秀文福祉部長登壇〕 ◎鈴木秀文 福祉部長  再度のご質問にお答えいたします。  認知症が疑われる19名のうち5名が介護保険を申請し,サービスの利用を開始いたしました。残りの14名については,認知症地域支援推進員と地域包括支援センターの職員が定期的に訪問し,キーパーソンとなるご家族と連携しながら,状態の把握や様々な相談に応じております。  今後も当事業を通じ認知症の疑われる高齢者の早期発見に努めて,適切な治療やサービス等へつなげてまいりたいと考えております。 ○大谷隆 議長  5番山田恵子議員。 ◆5番(山田恵子議員) ありがとうございます。  この保健事業と介護予防の一体的事業の個別支援においては,高齢者宅を看護師等が訪問するということで,病気などの早期発見につながることができます。今までになかった事業だと思いますので,2年以上続くコロナ禍で孤独や孤立している高齢者の方もいるかもしれませんので,これからも適切な治療や支援サービスにつなげていただくよう,よろしくお願いいたします。  それでは,3点目のデジタル化による情報格差解消について要望なんですけれども,これは先ほどのご答弁の中で,今後,老人福祉施設や身近な場所などで講座を開いていく予定ですということで,本当にありがとうございました。ぜひ,今後も丁寧な説明,対応をよろしくお願いしたいと思います。  私も,携帯を持っている高齢者の方には,まず,ひたちなか市の情報を知ってもらうためにLINEの登録を今勧めています。先日,市報が来ないという高齢者の方の自宅に行ったところ,LINEの登録をしてもらったら,情報をもらえるということは取り残されていないと本当に実感できると話されていました。  災害時などにおいても情報伝達はとても重要だと思いますので,デジタル化の推進は必要であると思います。ぜひ開催会場を増やしながら,これからも取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  それから,4項目めですけども,合理的配慮推進事業については,これからも出前講座とかホームページ,また周知のほうをお願いしまして,質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○大谷隆 議長  以上で,5番山田恵子議員の質問を終わります。  次に,18番海野富男議員。          〔18番 海野富男議員登壇〕 ◆18番(海野富男議員) 議席番号18番,未来ひたちなかの海野富男です。通告に従い,大項目方式で一般質問をさせていただきます。  まず,大項目1,教員不足の現状と対応について伺います。  ここ数年,教員不足により,教育活動に支障の出る事態が全国各地の学校で発生しています。平成30年度には,広島県や島根県の中学校で一部教科の授業ができない事態が発生し,新聞等で大きく報道されました。平成31年度も富山県の小中学校で大幅な教員不足が生じ,始業日の日に担任の発表ができないなどの事態が報じられています。  こうした不足分は,どこの自治体も,常勤の臨時的任用教員と非常勤講師,いわゆる非正規教員を任用することで補っています。しかし,ここ数年はその補充がままなりません。背景には講師登録者の減少があります。講師登録者だけでは不足分が埋まらず,教育活動に支障の出る事態が各地で発生しています。そして,これは氷山の一角にすぎないことであり,深刻に受け止める必要があります。  こうした事態を受け文部科学省は,いわゆる教員不足についての調査を行い,平成30年8月に11の自治体を対象にした調査結果を公表。また,令和4年1月に初めて行った全国調査結果を公表しました。  なお,文部科学省が行った教員不足に関する実態調査では,臨時的任用教員等の講師の確保ができず,実際に学校に配置されている教師の数が都道府県等が配置する予定の教師の配当数を満たしておらず,欠員が生じる状態を,教師不足と定義しています。  まず,平成30年8月に公表した資料によると,11の自治体では,平成29年度の始業日時点において,小学校では常勤講師266人と非常勤講師50人が,中学校では常勤講師101人と非常勤講師153人が,それぞれ不足していたことが明らかになりました。  このうち3自治体では,中学校で教科担任の不足により必要数の授業ができない事態も発生していました。一部の中学校では,教員不足で授業ができない教科を一旦時間割から外し,非正規教員が見つかり次第,時間割を組み直して年間授業時数を消化するなど,苦肉の策を講じているところもありました。  また,学校によっては,校長のみならず,教職員総がかりで臨時的任用教員や非常勤講師を探しているケースもあります。  次に,令和4年1月31日に公表した資料によると,全国の公立学校,小・中・高・特別支援学校に配置される約83万人の教員のうち,2021年度の始業日時点で,産休など不足した教員の代役となる常勤の臨時的任用教員,常勤講師を補充できず,公立学校の5.8%で2,558人の教員不足が発生していました。学校仕事に不足の起きた学校の割合と人数を見ると,小学校では4.9%で1,218人,中学校は7.0%で868人,高校が4.8%で217人,特別支援学校では13.1%で255人。中学校の割合が最多でした。  5月1日の時点でも,一定の補充が進んだものの欠員を解消できず,4.8%の1,591校で教員不足が発生しました。小学校では学級担任の474人が欠員となっていました。多くの場合,担任を持つ予定でなかった教員が代役を務めていました。  小学校の学級担任の代役は,主幹教諭,指導教諭,教務主任が205件。指導方法工夫改善のために配置を予定していた教員が143件。校長,副校長,教頭が53件。児童生徒支援などのために配置を予定していた教員が37件。その他が36件でした。また,同時点で,教員不足により,中学校16校,高校5校では,家庭科などの教科担当者が足りず,授業ができない事態となりました。  本市小・中・義務教育学校の教員不足の実態や対応はどのようになっているのでしょうか。  教員不足が起きる要因についての自治体の見解では,1番目として,ベテランの大量退職の後,若手が増え,産休・育休を取る教員が増加した。2として,特別支援教育を受けたいというニーズが高まり,特別支援学級が多くなった。3として,残業やストレス等を背景に病休者が見込みより増えた,などと答えた自治体がそれぞれ5割前後を占めていました。また,教員採用試験の倍率が下がって合格しやすくなったため,産休・育休等の代役を務めていた非正規教員の層が薄くなった,という事情を挙げた自治体が約6割に上りました。  本市小・中・義務教育学校の教員不足の起きる要因や対応はどのようになっているのでしょうか。  次に,臨時的任用教員等についてですが,臨時的任用教員の割合はそもそも高く,5月1日時点では,全国の公立学校の教員のうち,小学校教員全体の12.3%,中学校の12.5%,高校の10.5%,特別支援学校の18.6%が臨時的任用教員でした。  正規教員は,大学などで教員免許を取得後,都道府県や政令市ごとに実施される採用試験に合格して登用される。これに対し臨時的任用教員は,教員免許は持っているが採用試験は通過しておらず,年度ごとの契約を更新し,正規教員に比べ給与も低いなど,不安定な立場に置かれています。  学級担任に限ってみると,小学校の全教員数26万8,201人のうち,5月1日時点で臨時的任用教員が3万826人,11.5%を占めており,中学校の全教員数11万2,160人のうち,1万402人,9.3%でした。  臨時的任用教員への依存が常態化している背景には,少子化による将来的な教員需要の減少に備え,自治体が正規教員の採用を控えている,との声も聞かれます。本市小・中・義務教育学校の臨時的任用教員等は学校運営を円滑に行うためには必要不可欠な教員でありますが,一方で,臨時的任用教員等への過大な依存や常態化は改善する必要があります。  次に,最近の文部科学省の教育施策の動向と,教育の専門家の意見等を紹介します。  まず,文部科学省の大きな動きとして,一つには,今年度も学級担任などに配置する教員が足りない状況が生じているとして,教員免許を持たない社会人も教壇に立てる特別免許状を積極的に活用して対応するよう通知しました。また,通知では,特別免許による採用計画の情報を公開したり,教員免許が失効した人らにも臨時免許状を授与したりして,積極的に対応するよう求めました。  2つ目は,教員免許に10年の期限を設け,講習を受けなければ失効する教員免許更新制を廃止する改正法案が,5月11日の参議院本会議で可決成立しました。更新制は7月1日で廃止され,免許の有効期限や更新講習がなくなります。そして,2023年からは,教員個人ごとに研修記録を義務づける新たな研修制度を始めるとしています。  そもそも教員免許更新制は,30時間以上の講習を受ける必要があります。多忙な教員にとって大きな負担となっており,教員不足につながっているとの指摘もあり,文部科学省は廃止を決めました。  記録対象となる研修は,県教委や教職員支援機構,大学が提供するプログラムを想定していますが,このほか,校内研修で実施したり,教職員組合が主催したりする研修なども除外されるものではないと,4月の衆議院文部科学省委員会で答弁がありました。  次に,教育の専門家の意見についてですが,A氏は,「なぜ教員不足が生じているのか」の中で,教員不足は2000年代以降の国の地方分権,財政改革と教育改革,これは当時の小泉内閣なんですが,政策的につくり出され,そこへ少子化や団塊世代の大量退職等が重なって深刻化しました。20年かけてつくられた不足をすぐに解決できる特効薬はなく,悪循環を断ち切る対策が求められていると述べています。  また,B氏は,「教員不足への対策は中長期的視点から」の中で,1,最低人員配置の義務標準法と教職員定数改善計画の未策定が不足の遠因の一つである。2として,ワーク・ライフ・バランスの充実と安全・健康に働ける職場づくりが重要であり,病気休職者を減らすだけでも不足の問題の大幅な改善を図れる。3として,ゆとりある労働環境整備のための教職員増と教職員定数改善計画の策定が不可欠である,と述べております。  これらの意見により,改めて,教育政策や教育施策の重要性とその在り方に,行政の責任や役割の重要性について深く認識したところです。教員不足は,教育活動に支障が出るだけでなく,教員の働き方改革にもブレーキとなりますが,私の最も懸念することは,子どもの学習の質に影響することです。  そこで,今後とも,子どもの学びの権利を保障する楽しい学校,力のある学校,誰一人取り残さない教育の実現に努めていただくことを願っています。  そこで,第1点,本市小・中・義務教育学校における教員不足の実態と教員不足の要因及びその対応について。  第2点,常勤の臨時的任用教員や非常勤講師の正規職員に占める割合と,担当校務の実際及びメリットと課題について。  第3点,学級担任や教科担任の途中交代等で生じる問題とその対応及び子どもや保護者への説明の徹底について。  第4点,教員の資質・能力を保持する教員免許更新制廃止後の研修の在り方及び校内研修の現状と位置づけについて。  以上4点をお伺いいたします。 ○大谷隆 議長  野沢恵子教育長。          〔野沢恵子教育長登壇〕 ◎野沢恵子 教育長  海野富男議員のご質問の1項目,教員不足の現状と対応についてお答えいたします。  1点目の,本市小・中・義務教育学校における教員不足の実態と,教員不足の要因及びその対応についてでございますが,今年度につきましては,令和4年5月1日現在で学級担任がおらず,教務主任等が代わりを務めているという状況の小中学校はございません。しかしながら,毎年,産前・産後休暇等を取得する教員がおりますことから,その代わりになる臨時的任用職員の確保はすぐにはできませんので,常時探している状況にあります。  教員不足の要因といたしましては,国の調査では,産休や育児休業の取得者数が見込みより増加したことや,病気での求職者や特別支援学級の増加等が挙げられております。また,近年における教員選考試験者倍率の低迷や,教員選考試験に合格できなかった際に臨時的任用職員や非常勤講師を希望しない受験者もいるということも,要因の一つかと考えられております。  教員不足への対応といたしまして,臨時的任用職員及び非常勤講師の確保に向けて,水戸教育事務所の講師登録を活用して探したり,退職教員等へ個別に声をかけたりして配置できるよう努めております。  今後は,市のホームページにひたちなか市立小中学校等の講師登録者の募集を掲載し,市内外の教員免許を取得している方々が事前に講師などの登録をすることで,必要に応じて教員の確保ができるようにしていきたいと考えております。  2点目の,常勤の臨時的任用教員や非常勤講師の正規教員に占める割合と,担当校務の実際及びメリットと課題についてお答えいたします。  令和4年5月1日現在,本市における任期付きの任用職員を含む常勤の講師は71人おり,教員全体の11.6%となっております。非常勤講師に関しましては,各学校で決められた教職員定数に加えて特別に加配された教員であり,本市では23人いる状況です。  担当校務といたしましては,常勤講師である臨時的任用職員は,一般の職員と同様の勤務時間で勤務をし,授業や部活動を担当したり,学級を担任したり,教科主任など校務分掌の役割を担ったりするなど,正規の教員の代替として同様の仕事をしております。そのため,研修や研究もほかの教員と同様に行い,資質向上に努めております。臨時的任用職員の中には指導力のある退職された教員も含まれており,学校運営の一助となっております。非常勤講師は担当する時間だけ勤務をしており,教科指導や,新規採用者が研修で出張の際の代わりの授業やチームティーチングなど,非常勤講師の種類によって様々な校務を行っております。  次に,メリットと課題ですが,メリットといたしましては,より多くの教員が児童生徒に関わることができること,教員の負担が軽減できること,それにより児童生徒と向き合える時間が増えること,などが挙げられます。  課題といたしましては,非常勤講師の勤務時間は限られているため,授業を担当する教員との打合せ時間の確保が挙げられます。これらを解決するために,各学校ではこまめに短時間で情報を交換するなど,情報共有の仕方を工夫しております。  3点目の,学級担任や教科担任制の途中交代等で生じる問題とその対応及び子どもや保護者への説明の徹底についてお答えいたします。  担任等が,病気やけが,研修等で,年度の途中で臨時的任用職員へ交代することがございますが,各校では,児童生徒の不安などを解消したり,学習を進める上で支障が出ないようにしたりするために,校長,教頭をはじめ,学校全体でサポートしております。  担任等が交代する前に十分な引継ぎを行い,子どもたちが今までどおり学校生活を送ることができるよう努めております。担任等が交代する際には,その理由と代替者などについて,子どもや保護者のご理解とご協力を得られるよう,文書や各種便りなどで説明しております。  4点目の,教員免許更新制廃止後の教員研修の在り方及び校内研修の現状と位置づけについてお答えいたします。  現行の教員免許更新制の発展的解消に係る,教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律が令和4年5月11日に可決成立し,令和4年7月1日に施行されることとなりました。これによりまして,教員免許状所持者は,更新講習の受講及び受講後の更新手続をする必要がなくなります。  教員免許更新制の発展的解消に伴い,教員の資質の向上を担保するため,国は来年4月1日から新たな研修制度を設け,教育委員会に対し,校長や教員ごとに研修記録を作成することを義務づけ,記録に基づき指導や助言を行うこととしております。研修記録の内容や指導助言の方法など新たな研修制度の具体的な運用につきましては,国がガイドラインを策定すると聞いております。  今後,本市といたしましては,国のガイドラインや県の方針を踏まえ,教師が主体的に学び続けることができるよう,研修内容等の充実を図ったり,教師の受講を奨励したりしてまいります。  校内研修の現状と位置づけに関しましては,学校の教員は教育公務員特例法の中で研修が重視されており,第21条では,教育公務員はその職責を遂行するために絶えず研究と修養に努めなければならないと定められております。各校では校務分掌に研究主任を位置づけ,学習指導方法の改善等に係る研修や計画的な授業研究,ICT研修,教職員の服務などの教員研修を,年間を通して計画的,組織的,継続的に行っております。  教育委員会といたしましても,各学校での校内研修が充実したものになりますよう,研究主任を中心に働きかけてまいります。 ○大谷隆 議長  18番海野富男議員。 ◆18番(海野富男議員) ご丁寧な答弁ありがとうございました。  本当に振り回されちゃって大変だと思うんですよ。教員免許更新制なんかも,今までやってきた人は,お金を出して講習を受けて,時間も使って,それが一度になくなってしまうんですから,お金を返してほしいくらいですよね。  それで,本当に私が危惧するところは,学級担任が代わったときなんか,不登校の子どもさんやいじめの問題を抱えている担任の先生なんかが一旦途切れてしまうということで,子どもとの信頼関係というか,そういう継続性が切れてしまうことが一番心配なので,引継ぎの際には丁寧な,そして時間をかけた協議をお願いしたいと思います。  それで,教育長は淡々とこう答えてくれましたが,本当は,教員不足は深刻なものだと思うんですよ。例えば,過去1〜2年の間で,校長先生,教頭先生,教務主任の先生が代理で授業をしていたというような,そういった事態はありましたか。1点だけ再質問させてください。 ○大谷隆 議長  野沢恵子教育長。
             〔野沢恵子教育長登壇〕 ◎野沢恵子 教育長  再度のご質問にお答えいたします。  昨年度,令和3年度及び一昨年度,令和2年度の本市小中学校における教員不足の実態についてでございますが,令和2年度,3年度とも,4月スタートの時点で学級担任がおらず,教務主任等が代わりを務めているという,また教頭が務めているという状況の小中学校はございませんでした。  しかしながら,年度途中で担任が産前・産後休暇や育児休暇,療養休暇,研修などで欠員が生じ,代替の教員を探している間,ほかの教員や教務主任,また教頭が授業を担当した学級はございました。教務主任は,担任等と同じ教諭でありますことから,通常授業を担当しております。また教頭は管理職ではございますが,学校教育法第37条の教頭の職務の中に,児童生徒の教育をつかさどる,児童生徒の授業を担当すると定められておりますことから,授業を担当することは教頭の職務の一つともなっております。  しかし,校長に関しましては,教員ではなく職員となりますので,教員免許を持っていない校長も存在いたします。本市におきましては,全ての小中学校等の校長が教員免許を持っておりますので授業をすることは可能でありますが,その場合は,教諭や教頭が填補に出られない場合であると認識しています。  そういったことも含めて,議員ご指摘のとおり,今年度は新たにひたちなか市立小中学校等の講師登録者の募集を市のホームページに掲載し,そういうことを計画しております。教員免許を取得している方々が,事前に直接ひたちなか市に講師登録をするシステムをつくって,担任等が年度の途中で交代しても子どもたちが今までどおり安心して楽しい学校生活を送ることができるように,市として,教員の確保にも取り組んでまいりたいと考えております。 ○大谷隆 議長  18番海野富男議員。 ◆18番(海野富男議員) 安心しました。ぜひ頑張ってください。  それでは,大項目2,人・農地の問題を解決するための未来の設計図である人・農地プランについてお伺いします。  これまで地域の農業を支えてこられた方々が,地域での徹底した話合いにより,圃場整備,機械,施設の導入,地域の共同活動などに取り組み,地域の農業・農地を守り,発展させてきました。一方,こうした方々が高齢化する中で,これから地域の農業を担っていく世代が効率的な農地利用やスマート農業を行うための農地の集積・集約化を進めていくには,プランの早急な実行が必要不可欠となります。  地域の皆様がこれまで営々と築き上げてこられた地域の農業・農地を,それを取り巻く伝統や文化,自然景観などと一緒に,子どもや孫の世代にしっかりと引き継いでいきたいと思っています。今こそ,人・農地プランの実質化に取り組み,地域の話合いを再活性化して,将来にわたって地域の農業を誰が担っていくのか,誰に農地を集積・集約化していくのか,地域の皆様で解決していく必要があります。  今回,人・農地プランの実質化に取り組むこととなった背景には,人・農地プランは,平成26年の機構法の制定時に,農地バンク事業の円滑な推進を図るための手段として,法律上,位置づけられました。令和3年4月1日現在,9割以上の市町村において約1万5,000件のプランが作成されていますが,プランの中には農地の出し手が記載されていないものが半数を占めるなど,地域の話合いに基づくものとは言い難いものがあるのが現状でした。  このため,人・農地プランを真に話合いに基づくものにする観点から,市町村,農業委員会などの地域の関係者の参加の下でアンケートや地図を活用し,地域の話合いにおいて農業者が地域の現況と将来の地域の課題を関係者で共有することにより,今後の農地利用を担う経営体への農地の集約化に関する将来方針の作成につなげていくために,農地バンク5年後の見直しの中で所要の見直しが行われました。  では,人・農地プランの実質化とはどのようなことを言うのでしょうか。  まず,1番目として,アンケートの実施。対象地区の相当部分において,おおむね5年から10年後の農地利用に関するアンケートの調査が行われていること。  2番目として,現況把握。対象地区において,アンケート調査や話合いを通じて,農業者の年齢階層別の就農や後継者の確保の状況が地図により把握されていること。  3番目として,中心となる経営体への農地の集約化に関する将来方針の作成。対象地区を原則として集落ごとに細分化し,5年から10年後に農地利用を担う中心となる経営体に関する方針を定めること。  以上,1から3までが行われている人・農地プランのことが「実質化」と言われています。  そこで,第1点,人・農地プランの概要について。  第2点,本市におけるこれまでの人・農地プランの実績と今後の取組について。  以上2点お伺いします。 ○大谷隆 議長  齋藤茂夫経済環境部長。          〔齋藤茂夫経済環境部長登壇〕 ◎齋藤茂夫 経済環境部長  2項目めの1点目,人・農地プランの概要についてお答えいたします。  農業を取り巻く環境につきましては,全国的に農業従事者の高齢化や後継者不足,耕作放棄地の増加など年々厳しくなっており,本市でも同様の状況が見られているところであります。  人・農地プランにつきましては,これら人と農地の問題を一体的に解決することを目的としまして,農業者の話合いに基づき,地域農業における中心経営体,地域における農業の将来の在り方などを明確化し,市町村が公表するものとなっております。このプランにつきましては,平成24年に開始され,全国的に十分な話合いに基づく策定が行われていない状況が見られたことから,令和元年6月の農地中間管理事業の推進に関する法律の一部改正に合わせ,国からプランの具体的な進め方が示されたところであります。  具体的な進め方としましては,初めに,農地所有者や耕作者を対象に年齢や後継者の農地の利用意向を尋ねるアンケートを実施し,アンケートの結果を基に,各地域の農業の現状を可視化するための地図を作成します。その後,作成した地図を基に,各地域にて,地域農業の課題やその解決策,中心経営体への農地集約に関することなどについての話合いを行うという内容になっており,この3つの工程を終えてプランを作成するプランの実質化が求められたところであります。  次に,2点目,本市におけるこれまでの人・農地プランの実績と今後の取組についてお答えいたします。  本市では平成25年9月に,ひたちなか市人・農地プランを策定し,毎年プランの更新を行ってまいりましたが,より効果的なプランとするため,国から示された具体的な進め方に従い,令和元年度に見直しを開始いたしました。  見直しに当たり,まず,従来,ひたちなか市内全域を1地区としていたプランの範囲を旧勝田,旧那珂湊の2地区に分割するとともに,この2地区をおおむね中学校区の単位で6地区に細分化し,話合いの基礎となる地域を定めました。その後,全地区を対象としたアンケート調査を開始し,令和3年10月末には地図化までの工程を完了したところであります。  3番目の工程である話合いにつきましては,新型コロナウイルス感染症拡大の影響により関係者の参集が困難となったことから,認定農業者や農業関係団体等,約460名を対象としたアンケート調査に置き換えて実施をしております。アンケートの回答から,多くの地域で担い手の高齢化,後継者不足,耕作放棄地の増加などの課題を抱え,関係者から危機意識の高まりを感じる意見をいただいたところであります。  令和4年度につきましては,各地域での十分な話合いの実現を図るため,農業委員会をはじめとした各関係機関と緊密に連携し,細分化した6地区の中からモデル地域を設定して,地域に根差した話合いを進めてまいります。  市としましては,本市農業が抱える人と農地の問題を解決するために,地域の話合いに基づいた人・農地プランの実質化に向け,事業を推進してまいりたいと考えております。 ○大谷隆 議長  安 智明農業委員会会長。          〔安 智明農業委員会会長登壇〕 ◎安智明 農業委員会会長  2項目めの2点目,本市における人・農地プランの農業委員会としての今後の取組についてお答えをいたします。  農業従事者の高齢化や減少,さらには,相続に伴う土地持ち非農家の発生等により耕作放棄地が年々増加するなど,農業,特に農地をめぐる環境は今後ますます厳しくなるものと予想されております。  このような諸問題に対応するため,本年5月に人・農地関連法が成立をし,今後,農業政策の基本となる人・農地プラン作成の基となる目標地図の素案策定が農業委員会に義務づけられたところであります。  このため,農業委員会では,農業委員及び農地利用最適化推進員一人一人にタブレットを配置し,作業の軽減を図りながら,正確で詳細な農地情報の収集や情報の整理・分析を効率的に行い,より精度の高い目標地図の素案策定を行ってまいります。  農業における諸課題の解決に農業委員会が果たす役割は,ますます重要となってきております。農業委員会としましては,市農政課と情報を共有し,また関係機関と連携を緊密にしながら,農地利用の集積・集約化を通じ本市農業の継続的な発展が図られるよう,努めてまいりたいと考えております。 ○大谷隆 議長  18番海野富男議員。 ◆18番(海野富男議員) 丁寧なご答弁ありがとうございました。  本当にこれからの農業は大変な状況になるわけなんですが,米の値段が非常に安くて,採算コストを割っています。全農によると,やっと去年,一昨年の米が売れたような状況ですので,今年も非常に厳しい値段になるのかなと思います。そんな中で集約化を進めていくのはなかなか大変だと思うんですが,農家が目指すのはこの国の繁栄です。食料の安定供給を担っているわけなんですが,そういう意識を持って農家の人は仕事をしていると思います。  ぜひとも,農政課,農業委員会はその道しるべをつくっていただきたく,そして農家が働きやすい環境をつくっていただくことを祈念しまして,質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○大谷隆 議長  以上で,18番海野富男議員の質問を終わります。  暫時休憩します。           午後2時39分 休憩  ──────────────────────────────────────────           午後2時55分 開議 ○大谷隆 議長  休憩前に引き続き,会議を開きます。  22番樋之口英嗣議員。          〔22番 樋之口英嗣議員登壇〕 ◆22番(樋之口英嗣議員) 新生ふるさと21,樋之口です。  ロシアのウクライナ侵攻から100日以上がたちました。いまだ終戦どころか停戦のめども立ちません。  この戦争は対岸の火事ではありません。日本も同じ状態になりかねないと思っております。ウクライナで起こしている当事者は,まさに日本の隣国なのです。平和と言っているだけでは国民の生命と財産を守ることはできないと思っています。この戦争の経過をメディアの情報で判断すれば,国と国の約束事は簡単にほごにされることを我々は学ばなければなりません。国際政治とはそのようなものと理解すべきであります。  大東亜戦争当時にもありました。1946年4月25日まで有効であった日ソ中立条約があったにもかかわらず,1945年8月に日本への侵攻が開始されました。  また,戦時中のルールもあります。戦時国際法であります。その中に,軍隊に編入されていない人民,これを攻撃することを禁止されています。また,軍隊に編入されている者といえども,降服者,捕獲者に対しては一定の権利が保障されており,これを無視して危害を加えることは戦争犯罪である,とあります。  ロシア・ウクライナ戦争を見れば,どんなものでしょうか。日本においてもこのようなことが起こりかねないと思っていなければならないのではないでしょうか。有事にどのように対応しなければならないのかは,日本にとって喫緊の課題です。有事に対応するのは政治の仕事です。政治の基本は治山治水,国民の生命と財産を守ることです。それは,国の政治であろうと地方自治体の政治であろうと同じであります。  それでは,発言通告書に従い,大項目方式で一般質問をします。  まず,静かなる有事とも言われている少子化について質問します。  つい先日6月3日,厚生労働省から令和3年の人口動態統計が発表されました。  産経新聞からですが,昨年生まれた子どもの数,出生数81万1,604人,前年比2万9,231人減,6年連続で過去最少を更新した。死亡数は,戦後最多の143万9,809人。前年比6万7,054人増だった。死亡数から出生数を引いた人口の自然減は62万8,205人で,過去最大の減少幅となったとありました。合計特殊出生率は1.3,前年より0.03ポイント下回り,6年連続低下した。  ちなみに,茨城県は,合計特殊出生率は1.30,高い県は,沖縄1.80,鹿児島1.65,低い都県は,東京1.08,宮城1.15でした。  人口で見ると,総務省統計局による令和3年10月1日現在の人口推計では1億2,550万2,000人,前年比64万4,000人減となっています。この状態の出生率が続くと,ある統計の予測ですが,2030年,1億1,522万人,2050年,9,515万人と,急激に減少していきます。  また,去る5月7日,米国の電気自動車メーカーテスラのCEOイーロンマスク氏が,ツイッター上にて「出生率が死亡率を上回るような変化がない限り,日本はいずれ消滅するだろう」と投稿し,世間の関心を集めました。  人口は,国や自治体の力でもあり,活力でもあります。人口減少問題は,繰り返します,静かなる有事です。有事に対応するのは政治の重要な役目です。人口問題は,国の問題であることは十分承知しておりますが,各地方自治体が国の問題だからといって手をこまねいていい問題ではありません。できることからすぐに取り組まなくてはならない問題であります。  そこで,1,この人口減少問題,少子化に対する市長の考え方を伺います。  2,次に,当市の人口減少問題,少子化に対する施策を伺います。  以上で大項目1を終わります。 ○大谷隆 議長  大谷 明市長。          〔大谷 明市長登壇〕 ◎大谷明 市長  樋之口議員のご質問1項目めの1点目,人口減少問題,少子化に対する考え方についてお答えいたします。  少子化は,少子高齢化に直結し,将来の人口減少につながります。社会経済活動を支える生産年齢人口の減少により労働力の低下を招き,社会保障制度の在り方に大きな影響を与えることになります。また,国内人口の減少は国内市場の縮小を意味します。これにより民間企業の設備投資が減退し,技術革新の停滞も懸念されるところです。このように,現在の日本が直面している人口減少問題は,国力の維持にも関わる大きな問題であります。  私が生まれた年である昭和48年は第2次ベビーブームのピークであり,全国で約209万人の出生数がありました。以降,減少傾向が続き,議員がご紹介されているように,昨年は約81万人まで減少し,統計開始以来最少となっております。これは,ピーク時の4割に満たない数字まで出生数が減っているということであります。  さらに,国立社会保障・人口問題研究所が平成29年に公表した将来推計では,出生数が81万人台前半となるのは令和9年と見込んでいたことから,コロナ禍の影響もあり,少子化のスピードが想定以上に加速していることが今回明らかになりました。早急に人口減少のスピードを緩める対策を取るとともに,少子高齢化によって顕在化する様々な課題に対応した社会を再構築していくことが求められております。  人口動態は変動がすぐには表れないので中期的に検証すべき数字ですが,短期的な指標としては合計特殊出生率が挙げられます。  議員が述べられていましたように,厚生労働省が発表した令和3年の人口動態統計によると,1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は,国全体で1.30でありました。新型コロナ感染症の影響が大きく表れたとされる令和2年からさらに落ち込み,過去4番目の低さであるとのことです。  国全体では,合計特殊出生率の集計対象である15歳から49歳の女性人口が減少していることに加えて,晩婚化や非婚化が進んでいることを背景に,20代女性の出生率が低下している影響が大きいと考えられております。  このような状況は本市独自の集計結果においても同様の傾向にあり,コロナ禍前には1.60前後で推移していた本市の合計特殊出生率は,令和3年では1.43へと落ち込んでいる状況があります。今回,茨城県の合計特殊出生率が国と同じ1.30でありましたので,国・県の数値を上回ってはいるものの,本市においても人口減少・少子化対策をより一層進めていかなければならないと考えております。  これらのことから,本市においてどのような考え方に基づき人口減少と少子化の問題に向き合おうとしているのか,概要について述べさせていただきます。  令和元年度に出された国立社会保障・人口問題研究所の人口推計によりますと,令和7年の本市の人口は,15万人を下回る14万8,826人との将来推計が出されております。このことは本市にとってスピード感を持って対策を講じるべき最重要の問題であると認識し,令和3年度から7年度までを計画期間とする市の最上位計画,「ひたちなか市第3次総合計画後期基本計画」では,令和7年度における人口15万人の維持を重点テーマといたしました。  子育て世代の人口流出や,20歳,30歳代の女性の人口流出と出生数の減少を本市の特徴的な課題の一つとして捉え,重点プロジェクトとして,子育て世代に選ばれるまちづくりや,20歳から34歳の女性,いわゆるF1層が住みやすいまちづくりなどを掲げ,分野横断的な政策を展開し,職員一丸となって全庁的に取り組んでいるところです。  これらの中で位置づけている重点事業といたしまして,子育て世代が安全に楽しく過ごすことができる環境づくり,子育てをしながら働くことができる環境の整備,確かな学力を育む教育環境等の整備といった,子育て・教育関連の環境整備を進めております。また,子育て世代やF1層に向けたまちの魅力を伝えるプロモーションも,様々な媒体を通じて実施しているところです。  議員ご指摘のとおり,人口減少対策は,地方自治体も自ら考え,積極的に取り組んでいくべき課題であると考えております。日本全体で急激な人口の減少が予測されている中で,就職,結婚,出産,育児,教育といったライフステージに沿った総合的な対策を講じて出生率を高めていくことは喫緊の課題であり,引き続き第3次総合計画後期基本計画に位置づける施策を着実に進め,職・住・育が近接した持続可能なまちづくりを行うことで人口減少と少子化の抑制が図られるよう,最大限の努力をしてまいります。 ○大谷隆 議長  森山雄彦企画部長。          〔森山雄彦企画部長登壇〕 ◎森山雄彦 企画部長  1項目めの2点目,少子化の対応策についてお答えいたします。  第3次総合計画後期基本計画策定時の基礎調査として令和元年度に実施しました,18歳以上39歳以下の市民2,000名を対象とした意識調査では,結婚しない理由として,結婚したい相手にまだ巡り合わないとの回答が34.9%となり,理由別第1位。金銭的余裕がないとの回答が31.4%の第2位となっております。また,子どもを持つことの妨げになる,また,なりそうな理由として,経済的に厳しいとの回答が64.3%の第1位となっており,経済的な不安が結婚・出産を足踏みする大きな要因となっていることが分かっております。  こうしたことから,後期基本計画では,若年層の結婚を支援するとともに,経済的負担を軽減しながら安心して子育てができ,そして,充実した教育環境等により子どもの成長を見守ることができるよう,各施策を重点プロジェクトに位置づけております。  結婚支援につきましては,令和4年度から始まりました,茨城県央地域連携中枢都市圏におきまして本市を含む県央地域9市町村で,イベント参加・体験型の婚活支援事業を予定しております。  また,令和3年度より,結婚に伴う若者の経済的負担を軽減するため,国の補助制度を活用しまして,新たに婚姻した若年世代のうち一定の所得層の夫婦を対象に結婚に伴う新生活費用を支援する,結婚新生活支援事業を開始いたしました。制度を利用した全ての方から「結婚に伴う経済的不安の軽減に役立った」との感想をいただいており,この事業は若年世代の結婚世帯の増加と定住促進につながるものであると考えております。  子育て世代の経済的負担の軽減につきましては,令和3年10月から小児マル福の外来医療費助成を18歳まで拡充し,成長期にある子どもが必要な医療を切れ目なく受けられる環境を整備いたしました。  また,子育て支援につきましては,子育て支援センター「ふぁみりこ」を市の子育て支援の拠点とし,市内各所の地域住民による子育て支援活動を支援してまいりました。今では,子どもふれあい館,長松子ども館といった常設の子どものための施設に加え,市内14か所で開催される子育てサロン,市内6か所で開催されます放課後の子どもの居場所など,多様な活動が地域住民により行われております。  また,2歳児までの受入れを行う高野いろは保育所を令和2年に開所し,連携園の東石川保育所を令和3年に建て替え,定員を120名に拡大するとともに,ゼロ歳児保育も開始いたしました。こうした保育環境の整備を進めたことにより,本年4月時点において待機児童数ゼロを達成しております。  さらに,東石川保育所では病後児保育を開始したほか,病児保育につきましては,那珂湊地区の病院併設型病児保育施設「まりんルーム」に加え,那珂市の「しろやぎさんのポシェット」に対する補助を継続して実施するなど,子どもが病気になった際にも預けることができる体制整備も進めてまいりました。  学校教育におきましては,幼児期の教育から小学校教育への学びの連続性を確保するため,保育所や幼稚園と小学校の教職員による情報共有を強化するとともに,GIGAスクール構想に基づく児童生徒1人1台のタブレット端末の導入や,全校でのWi−Fi環境の整備を進めるなど,本市の将来を担う子どもたちの教育環境の充実を図っております。  さらに,大学等の進学に当たっては,経済的理由によって就学が困難な方に学資を貸与する奨学資金制度や,親元を離れ県外で頑張っている学生に対し地元特産品などを送って応援する学生エール便事業なども実施しております。  企業誘致や産業振興により日々の生活を支える働く場を確保するとともに,区画整理事業等により子育てに適した良好な居住環境を創出した上で,市民が安心して子どもを産み,育て,社会全体で子育てを支える地域づくりを進めてまいります。そして,このような取組を市報やホームページ,SNSなどの様々な伝達手段により情報発信をするとともに,引き続きF1層や子育て世代の声をしっかりと聞きながら,選ばれる職・住・育近接のまちづくりを進めてまいります。 ○大谷隆 議長  22番樋之口英嗣議員。 ◆22番(樋之口英嗣議員) 答弁ありがとうございました。
     2問目に入ります。  いわゆる経済的な理由ということで六十数%という話のようでした。これも,少子化対策基本法が平成15年7月にできたときからほとんど改善されていないというか,実質的には改善されていない。その中にもやはり経済的な支援,負担の軽減ということで言われておりますが,例えば,具体的な数字を言っちゃうとあれなんですが,1子目100万円,2子目200万円,3子目500万円とか,そんな,ショッキングという表現はおかしいでしょうね,そういう施策を考えるというようなことをしておるんでしょうか。その点,1点だけ聞きたいと思います。 ○大谷隆 議長  森山雄彦企画部長。          〔森山雄彦企画部長登壇〕 ◎森山雄彦 企画部長  ただいまのご質問にお答えいたします。  先ほどの答弁にもございました結婚新生活支援事業でございますが,こちらの事業は,結婚に伴う経済的負担を軽減するため,夫婦共に39歳以下の夫婦,そして,世帯収入が,所得で言いますと400万円未満,収入で言いますと540万円未満の新規に婚姻した世帯に対して,補助のほうを行っているところでございます。  本年度は2年目ということでございますが,この事業を推進するとともに,先ほど議員のほうからおっしゃいましたような出産に対する支援につきましても,今後,補助の状況を見ながら検討を進めてまいりたいと思います。 ○大谷隆 議長  22番樋之口英嗣議員。 ◆22番(樋之口英嗣議員) 期待しております。国や自治体における全ての政策・施策は,ある意味,人口問題に全てが結びつくような気がします。だから喫緊の課題であり,成果までタイムラグが大きい課題でもありますので,早急に取り組んでいただきたいなというふうに思います。  話は飛びますが,昨年の自殺者数は2万1,007人,そのうち19歳以下は750人を数えております。平成28年が519人でした。徐々に増えています。少子化に輪をかけて,人口減の要因にもなっているような気がします。  この自殺という事象は,国家の悲劇と言ってもよいでしょう。出生率が低いのと関係があるのではないかと内心思っております。こんな国で子どもを育てられるんだろうかとか,そのような思いが,自殺に追いやったり,子どもを産まなかったりとかする気持ちになっているのではないでしょうか。多くの原因は,自虐的な教育が少子化に影響しているというふうに私は思っております。  少子化にはいろいろな要因があります。先ほども言いました,市の事業は全て少子化につながるというふうに思っておりますので,ぜひ,施策をつくるときには少子化を頭の中で一番底辺に考えていただければというふうに思っております。  大項目1は,これで終わりにいたします。  次に,大項目2に入ります。公共交通についてであります。  1番目に,免許証返納について伺います。  日本は高齢化が進んでいます。当市においても,後期高齢者の割合は,平成22年8.54%,平成27年10.75%,令和2年13.50%と高い数字が出ております。今後高齢化がさらに進むことは間違いありません。同時に高齢の運転者も増えてきます。当市でも高齢者の事故が増えているとのことであります。  そこで,返納を進めるには,高齢者がスムーズに返納できるような公共交通網を構築することが必要ではないでしょうか。しかしながら,現状では,返納したくても返納できない環境に置かれている人が多いと思っております。安全対策の面からも,スムーズに返納できるような政策・施策が必要と思われます。  免許証の返納を強制的に進めることは,個人の自由権を奪いかねない大きな問題です。車が使用できなくなることの不自由さは計り知れないものであります。1人での行動半径が狭くなるといった,経済活動にも大きく影響している問題であります。  繰り返しますが,公共交通の未整備は,市民にとって致命的とも言える生活圏の縮小状態になるということであります。どのように市民の足を確保するのかは,地方自治体の大きな役割であり,喫緊の課題となっております。  そこで,質問であります。  1,運転免許証返納の状況を伺います。  次に,運転免許証返納者に対する対応について伺います。  次に,今後の公共交通,市民の足をどのように確保,整備するのかを伺います。  中項目の2番目であります。ひたちなか海浜鉄道湊線延伸について伺います。  この質問は,過去にも何度となく質問させていただいております。  これも公共交通ですが,延伸部分については当市市民が多く利用するのではなく,観光客が対象となっているのではないでしょうか。このような線路の延伸に市民の税金を使用することが値するのかどうか気になるところであります。「延ばして残そう湊線」ですから,幾らの経済効果,費用便益等は考えずにどのぐらい利益が出るかということを考えると,費用便益を計算するのはこの延伸事業には不適ではないかなと思います。  基本,現在の湊線の補助金も含め,延伸によって利益が出るかどうかが大前提で考えるべきではないでしょうか。繰り返します。この事業の基本は,利益が出るかどうかです。  そこで,この計画についてもう一度確認しなければならない点を伺います。  まず,この計画ができた時代背景と経過を伺います。  次に,現在まで様々な経過をたどってやっと工事施行認可申請までたどり着いたのですが,その進捗状況を伺います。  次に,計画から現在まで相当の時間が経過しております。資材等の値上がりによる事業費は,前回か前々回の質問で「大丈夫だよ」というような返事をいただいたような気がしますが,今回のウクライナ・ロシアの戦争においての影響なのか,物価は予想以上に高騰しております。建設コストの上昇はどのぐらい見込んでいるのでしょうか。採算計画のデータはいつ計算されたのかも含めてお答え願います。  次に,毎回聞きますが,資金繰りの状況は進んでいるのかどうかを伺います。  質問は以上です。 ○大谷隆 議長  白土光伸市民生活部長。          〔白土光伸市民生活部長登壇〕 ◎白土光伸 市民生活部長  2項目めの公共交通についての1点目,免許証返納に対する対応についてお答えいたします。  1つ目の,運転免許証返納の状況につきましては,令和3年中におけるひたちなか警察署管内の高齢者の運転免許証返納件数は698件となっております。  次に2つ目の,運転免許証返納者への対応についてでありますが,本市では,高齢化により運転に不安を感じている方の運転免許返納を後押しするとともに,高齢運転者が原因となる交通事故や,それによる周辺への被害を未然に防止することを目的として,高齢者運転免許自主返納支援事業を実施しております。この事業の令和3年度の申請件数は264件となっております。また,令和4年度は,5月末現在で56件の申請がございました。  本事業では,スマイルあおぞらバスの1年間無料パスの交付と,歩行中の交通事故を防止するための夜光反射用品の配布を行っております。  また,令和3年度からは,市の福祉部門で実施している市内の福祉有償運送や,社会福祉法人による買物や通院の支援,また,民間事業による移動販売車「とくし丸」の運行や,茨城県で行っている運転免許自主返納サポート事業の周知など,運転免許返納後の高齢者の生活支援につながる制度の情報提供も行っております。 ○大谷隆 議長  森山雄彦企画部長。          〔森山雄彦企画部長登壇〕 ◎森山雄彦 企画部長  2項目めの1点目の3つ目,今後の公共交通,市民の足をどのように確保・整備するのかについてお答えいたします。  本市では,現在,平成29年7月に策定した地域公共交通網形成計画において,市民の誰もが気軽に利用できる公共交通体系の実現を目指し,公共交通施策を推進しているところであります。本計画の中で市の公共交通機関を3分類で定義しており,市内の主要な市街地をつなぐ鉄道を基幹交通,鉄道駅も含め市内の主要地域を結んでいる路線バスを基本交通,そして,店舗や病院などの日常生活に欠かせない拠点や住宅地等をきめ細かく巡って運行しているスマイルあおぞらバスを生活交通と位置づけております。  市民の最も身近な足として機能しているスマイルあおぞらバスは,平成18年に運行を開始して以来,今日まで年末年始を除く毎日運行をしており,その路線系統は8コースで,総延長は約200キロメートル,停留所は延べ約350か所となっております。市民の皆様や地域の声などをお聞きしながら,より使い勝手のよいバスとなるよう改良を重ねつつ,市内全体にくまなく交通網を巡らせる現在の形に成長してまいりました。大震災やコロナ感染症等の影響などを除けば,利用者数は増加傾向で推移をしております。  市内全域が平坦で,可住地域や店舗・病院等の行き先となる拠点が広範囲にわたる本市におきましては,定時・定路線できめ細かく地域を巡る現在の交通路線が市民の皆様の日常生活を支える交通手段として一定の役割を果たし,おおむね定着してきているものと認識しております。  今後,さらに利便性を向上するためには車両数を増やして増便を図ることが効果的ですが,財政上の制約もあること,また,近年はバスの運転手不足等の問題もございます。  市といたしましては,引き続き市民や利用者のご要望に耳を傾け,こまめな停留所の設置など市民の生活に寄り添う移動手段となるよう,利便性向上に努めてまいります。  また,本市においても高齢化が進む中,バス停まで歩けないなどの理由で公共交通を利用することが難しいという声もいただいておりますことから,スマイルあおぞらバスでは対応が困難な移動を補完する取組につきましても検討していく必要があると認識しております。  このような高齢者層に対しましては,市では,まずは買物や通院など日常生活を送る上で最も重要な行動を優先して支援すべきと考えております。その方策として,福祉有償運送や,社会福祉法人による買物や通院の支援,移動販売車「とくし丸」の運行など,福祉の観点からの移動支援と併せて拡充を進めているところです。  今後も福祉の観点を踏まえ,公共交通の利用が困難になった高齢者等の移動手段をはじめとします日常生活の支援について検討をしてまいりたいと考えております。  また,近年,DXの推進に伴い,公共交通の分野におきましてもAIやIoTなどの技術の導入が始まり,デジタル化が大きく進展しております。これらの技術の活用は本市の公共交通をめぐる課題解決に向けて大きな可能性があると考えております。現在,交通事業者を中心とした共同事業体において,国の補助採択を受け,全国各地で先進的な技術を活用した各種実証実験に取り組む事例が見られます。  今後も最先端の技術や他地域の先行事例等について情報を収集し,研究しながら,交通事業者のご意見も踏まえ,ひたちなか市に適した公共交通について,引き続き検討を進めてまいります。  次に,2点目の,ひたちなか海浜鉄道湊線延伸についてお答えいたします。  民間地方鉄道として廃線の危機にありました湊線は,「おらが湊鐵道応援団」などの市民団体をはじめ,市議会,茨城県,商工会議所など多くの方々のご支援・ご協力をいただきながら,市が約51%の株を保有する第三セクターとして,平成20年4月に再出発いたしました。少子高齢化社会が進展する中において,本市のまちづくりや地域の活性化などの観点から,市の将来を見据えて存続したものであります。  ひたちなか海浜鉄道については,まちの活性化等に大きく寄与する地域資源であるとともに,道路や橋梁などと同じく公共的なインフラ施設であるという考え方の下,国や県と連携しながらこれまで支援を行ってまいりました。  また,今回のひたちなか地区への湊線延伸計画は,沿線住民をはじめとした市民の移動手段としての利便性向上をはじめ,国営ひたち海浜公園へのアクセスの向上,また,沿線の観光施設や商店街などへの来訪者の回遊を促すことによる交流人口の拡大や,地域の活性化などを目的としております。海浜公園来園者の一部を湊線利用に取り込むことで会社経営の安定化を図り,鉄道という地域の生活に欠かせない基幹交通を将来に引き継ぐための取組であると認識しております。  湊線の延伸は,単に海浜鉄道の利益を生み出そうとする投資だけではなく,様々な相乗効果による市全体の活性化につながるまちづくりの事業でもあると認識しているところであります。  このようなことを踏まえ,1点目の,計画ができた時代背景と経過についてお答えいたします。  湊線延伸につきましては,平成25年2月の市長の定例記者会見におきまして,市内の観光の活性化や交流人口の拡大のためには市内の観光資源の回遊性を高める必要があり,その有効な手段の一つとして,湊線の延伸について調査・検討を行うと表明したことが始まりとなります。  当時は観光振興計画の見直し時期にあり,「海・人が響き合う観光・交流都市ひたちなか」の目標像を達成するためのプロジェクトの一つとして,湊線の延伸の調査・検討を開始したものであります。  平成25年4月には,商工会議所会頭の呼びかけによりまして,市内の商工・観光関係者をはじめ,公共交通事業者,県議会議員,市民団体など幅広い分野,様々な立場の方々が参画する「ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸に係る懇親会」,後の「ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸を実現する会」が組織されました。この会議での話合いを経て,現在の延伸計画の基本的な考え方が出来上がりました。  平成25年度からは,ルート案や課題等の検討,国営ひたち海浜公園と阿字ヶ浦駅間のシャトルバス運行による利用需要等の調査,国土交通省の補助を活用したひたちなか地区周辺地域における地域活性化のための検討・調査,延伸事例調査,公共交通動態調査など需要予測などを見極めるための調査・検討を重ねてまいりました。あわせて,市議会をはじめ,延伸を実現する会,地権者,地元自治会,自治会連合会などに適宜調査・検討状況を報告し,ご意見をいただきながら計画内容を深めてまいりました。  平成29年度には,ひたちなか市公共交通活性化協議会における議論を経て,ひたちなか市地域公共交通網形成計画を策定し,勝田駅,佐和駅,那珂湊駅,ひたちなか地区の市内4つの交通拠点を鉄道や路線バス等で結ぶ考え方から,湊線延伸を同計画に位置づけをしたところです。  さらに,湊線延伸の必要性を,専門的な有識者の検証により客観性を担保した検討が必要であることから,公共交通活性化協議会の中に湊線延伸等検討分科会を設置いたしました。この分科会では,鉄道分野に精通し,国の公共交通政策に影響力を持つ3名の大学教授から,様々な専門的な助言を受けたところであります。  このような取組を経て,平成30年8月に湊線延伸基本計画を策定いたしました。この基本計画を基に,国土交通省鉄道局と延伸事業許可申請に向けた事前協議を開始いたしました。協議の過程において国からは様々な内容に係る指摘や疑問点を受け,約2年にわたり延伸事業の内容について検討を重ねました。  最終的に,令和2年8月,延伸事業許可申請を提出するに至り,令和3年1月15日に事業許可を取得いたしました。  現在は,工事施行認可申請に向け,申請図書の作成に取り組んでいるところであります。  次に,工事施行認可申請の進捗状況についてお答えします。  ひたちなか海浜鉄道においては,令和3年1月15日に国から延伸事業許可を取得した際,1年後の令和4年1月14日までに,国の技術的な基準に適合した安全な鉄道施設を建設するための工事施行認可申請をすることとされておりました。このため,ひたちなか海浜鉄道では,令和3年5月に工事施行認可申請図書作成等業務委託契約を締結し,認可申請へ向けて設計業務に鋭意取り組んでまいりました。  しかし,新型コロナウイルス感染症感染拡大に伴い,委託事業者や地権者,関係機関との協議が想定どおりに行うことができないなど調整に時間を要し,当初の期限までに申請に必要な書類等を作成することが難しい状況となりました。このことから,工事施行認可申請期限を鉄道事業法に基づき令和5年3月31日まで延長する許可をいただいた次第です。  延長手続を行った令和4年1月上旬以降においても,新型コロナウイルス感染症のオミクロン株による,いわゆる第6波の影響により,引き続き委託事業者等との協議に影響を及ぼす状態が続き,作業は全体的に遅延気味になってはおりますが,現在は引き続き,工事施行認可申請図書の作成を進めているところであります。  今後は,工事施行認可申請図書の整理ができたものから順次,国との協議を進めていく予定です。早期の工事施行認可申請に向けて引き続き,関係機関との協議並びに申請図書の作成をひたちなか海浜鉄道とともに進めてまいります。  次に,採算計画のデータはいつ算出されたかのご質問にお答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり,平成30年8月に湊線延伸基本計画を策定し,それを基に,詳細な需要予測や,延伸後の輸送計画,施設整備計画,要員計画,事業収支計画など広範囲にわたるものについて,国との間で慎重な事前協議を重ねてきました。令和2年8月に延伸事業許可申請に至ったことから,算出時期は令和2年8月となります。  このうち概算事業費につきましては,平成30年2月に約78億円と公表をしております。現在も約78億円を基本としていることにつきましては,令和3年1月に事業許可をいただいていることを踏まえ,現時点における概算事業費としているところであります。  また,建設コストの上昇につきまして,概算事業費におきましては一般的な物価上昇分は見込んでいるところですが,今般の国際情勢など当時想定できない特別な事情に起因すると考えられるものは見込まれておりません。  次に,資金繰りの状況についてであります。  湊線延伸基本計画では,概算事業費約78億円の費用負担につきまして,国の補助制度を活用し,国,地方自治体,事業者,それぞれ3分の1を負担することとしています。  国からの補助につきましては幹線鉄道等活性化事業費補助の活用を想定しており,国との協議を継続して行っておりますが,現時点で確約をいただいていない状況は変わりありません。また,県からの支援につきましては,現時点では補助の確約はいただいていない状況でございます。  市といたしましては,今後も国や県からの支援が受けられるよう引き続き努力していくとともに,幹線鉄道等活性化事業費補助以外の補助金や交付金の活用についても検討してまいりたいと考えております。 ○大谷隆 議長  22番樋之口英嗣議員。 ◆22番(樋之口英嗣議員) 答弁ありがとうございました。  免許証返納については,基本的にやっぱり公共交通をいかに整備するかがかかっていると思います。いわゆるスマイルバスが1年間無料とか小手先のことはなかなか皆さん納得しないような気がしますので,ぜひ公共交通の,すばらしい,たくさんの市民が利用できるような,そういうシステムを構築していただきたいなと思っております。  せんだって,ちょっと前になりますが,富山の森市長,あれはLRTでしたか,森市長が,市内を碁盤の目に全部切って,高齢者が何人住んでいるというのを統計で取っておられるということを言われていました。そのようなことを考えると,当市もどこが一番高齢化が進むかというのはすぐに出てくると思いますので,それに沿ったスマイルバスのルートとか,それもやっておられるとは思いますが,さらに進んだ,きめの細かいシステムを構築していただきたいと思っております。  次に,ひたちなかの海浜鉄道延伸についてです。  私は,これは,先ほど質問のときにも言いましたけども,本当に78億円かけていいのかなというふうに思っております。  前回3月の定例会で,私,文教福祉委員なんですが,健康保険の税金,増税というんですかね,市民の負担が増えるような条例を通しました。その額が,1年間で約4億円,対象が2万8,000人ということなんですね。4億円と2万8,000人です。  繰り返します。78億円と比べてください。本当に困っている方がいらっしゃる国保税関係の方と,どっちのほうが喫緊の課題なのかな,というふうに私は個人的に思っております。そういう中で,若干飛びますが,今までの質問等々を含めて,まとめさせていただけると,と思っております。  去る5月20日に読売新聞に,全国の鉄道会社で,2023年3月以降運賃の値上げが相次ぎそうだと。コロナ禍で鉄道利用者が減り,各社は本業不振が続く。不動産売却などによる経営のスリム化の動きも一段と広がっている,とありました。大手の私鉄は,沿線の多くの人口を抱えている経営であります。それでも赤字を抱えそうだと。鉄道経営は大変厳しい状況であるということは,これを聞いただけでも推して知るべしであります。  比較して,湊線延伸部分はどうなんでしょうか。人口減少やモビリティの発達もあり,30年という計画は,新しい交通機関がばっこしているかもしれません。そこに78億円投資すること,やはり非常に金額が大き過ぎるなというふうに個人的に感じております。  例えば,延伸計画の概要についての中で,延伸の必要性について,高齢化の進展に伴う公共交通の維持・確保とありますが,阿字ヶ浦から海浜公園までの延伸部分に高齢者はどのくらい住んでいるんでしょうか。延伸部分の人口が現在約800人程度ですが,全部が高齢者ではないような気がいたします。  次に,公共交通のネットワークの充実による交流人口の拡大と地域活性化とありますが,78億円の延伸でなくてもネットワークは構築できるのではないでしょうか。例えば,阿字ヶ浦駅のホームに列車が到着,それと同時に反対側にバスを何台か並べておいて。例えば九州新幹線の八代駅では,新幹線と在来線が同じホームで出たり入ったりして,ほとんどお客さんに迷惑がかからないようなシステム,現在は新幹線が全部できていますが,そういう方法を取られております。  そういうような形で,阿字ヶ浦駅をそういうホームにしたらどうなんでしょうかね。また,そのホームに屋根を付けたら雨の日も大丈夫じゃないでしょうか。そういうことでネットワーク充実,交流人口を深めるということもできるのではないでしょうか。  次に,人口減少に伴う利用者減を見据えた新規事業の取り込みによる鉄道経営の安定化,とあります。  繰り返します。78億円あります。年間の補助金が,今の湊線。私は今の湊線をそのまま維持したいと思っていますし,維持するには何かほかの方法があるんじゃないかなというふうに思っておりますが,今,年間約1億円の補助金が出ていますが,78億円あれば,ただ使っていても78年間もつというふうに考えるのはおかしいでしょうか。  また,ロックフェスとか,イベントは,中止になったり,波があります。そのような体制に対して,鉄道という安定した運送,いわゆるモビリティを使うことが妥当なのかどうか。私はバスなどで対応するのが最もよいのではないかなというふうに思っております。  年間200万人を集客する国営ひたち海浜公園のアクセスの多様化とありますが,来訪客は,多様化ではなく,公園へのアクセスに当たって,早い・安いを望んでいるのではないでしょうか。なぜ多様化する必要があるのか,やはり疑問を持たざるを得ません。  公共交通利用への転換による交通渋滞の緩和と環境負荷の軽減とありますが,人間の心理を考えると,延伸だけでは渋滞は解消できないと思っております。なぜ今,我々は車社会になったのでしょうか。その原点を考えれば分かると思います。  そして,なぜ全国の鉄道が廃線に追いやられているのか。交通渋滞とか,いろいろなことを考える場合には,それをやるのが最もよい方法とは思えません。人間は,目的地に行くときには一番近い便利な道を選びます。獣道ですね。根本的には人間の心理を無視したような感じがしております。そして,全国の廃線の理由が,保線にかかり過ぎるという理由も聞いておりますので,その辺も含めて考えていただきたいなというふうに思っております。
     最後になりますが,私がいろいろ会報を出していまして,それを読んだ方から次のようなメールが届きました。一般市民としての意見を述べさせてもらいますということでありました。  大まかな結論として申し上げると,延伸すべきでない。現在の湊線沿線に居住する市民や学生の交通手段の充実はバス交通システムの充実等で対処すべき。  理由と根拠と書いてあります。延伸後のこの線の採算性は極めて悪く,間違いなく市の財政負担が増えるだろう。国営ひたち海浜公園の往復は,マイカー利用でない人は勝田駅からバスが至便。時間的にも費用的にも。今までロックの検討等々が書いてあります。そして,おさかなセンター来訪者は,県内外共に全員マイカーで往復。生鮮の海産物をバス・電車に持ち込む人はほぼゼロではないか,ということですね。  いろいろその中に書いてあるんですが,時間もないので飛ばして読ませていただきます。  沿線に大規模な住宅開発,商業施設の創設,新たな学園,遊園地等の新増設が見込めず,交通需要の拡大が見込まれないのだから,延伸のための投資はすべきでない。あえてやれば,赤字垂れ流しの上,挙句の果てに,ただ同然で売却していく。他の自治体に見る不採算三セクの二の舞となる,というようなことが書かれておりました。  ずっと飛ばさせていただきます。  それから,採算・経営計画については第3の専門家に見てもらうべき。理由としては,株式会社の超大型投資計画だから,それを経営計画として評価,判断できる専門家の判断を仰ぐべき。専門家に委嘱し,中長期的な分析評価,提言を仰ぐべきであり,その専門家の人選も,中長期的に信頼できる金融機関や監査法人等から選ぶべきである。  それに加えて,このようなことが書かれてありました。  その上で,あえて長期の,かなり赤字経営だが,市による補填で続けるという決断も市政としてはあり得ますが,市民としては不幸な決断でしょうと。最後になりますが,10年後,20年後のひたちなか市民に迷惑をかけぬよう頑張ってください,とありました。  私は,これを聞きまして,やはり延伸じゃない湊線の残る方法をもっと考えていただきたいなと。ビジネスモデルとしては,やはり今の計画では限界があるのじゃないかなというふうに思っております。30年というのは長過ぎますしね。  例えばこの採算計画書なんかを見ても,人件費がずっと変わっていないんですよね,30年間。そのようなことを考えると,やはりもっと違う方法で湊線を残す方法を検討していただけたら,また,延伸するのであればビジネスプランをもう一度見直して,もうかるような湊線にしていただきたいということを要望して,私の質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。 ○大谷隆 議長  以上で,22番樋之口英嗣議員の質問を終わります。  お諮りします。本日の会議はこれをもちまして延会したいと思います。異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○大谷隆 議長  異議なしと認め,本日はこれをもちまして延会します。           午後3時55分 延会...