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令和元年第2回定例会(第2日目) 本文 開催日: 2019-06-17
令和元年第2回定例会(第2日目) 議事日程 開催日: 2019-06-17

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  1. 日立市議会 2019-06-17
    令和元年第2回定例会(第2日目) 本文 開催日: 2019-06-17


    取得元: 日立市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-20
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                   午前10時00分開議 ◯議長(茅根茂彦君) おはようございます。  御報告いたします。  ただいま出席議員は28名であります。  これより本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、お手元に配布してあります議事日程第2号のとおりであります。  これより議事に入ります。   ───────────────────────────────────────────    日程第1 議案第49号から議案第51号までについて 2 ◯議長(茅根茂彦君) 日程第1 議案第49号から議案第51号までについてを一括して議題といたします。  上程議案について、提案者から説明を求めます。 3 ◯市長(小川春樹君) ◇登壇◇ おはようございます。  人事案件について御説明申し上げます。  第3分冊、1ページを御覧ください。  議案第49号、日立市副市長選任の同意を求めることについてでございます。  副市長梶山隆範氏は本年6月30日をもちまして任期が満了となりますが、引き続き選任することにつきまして、議会の御同意をお願いするものでございます。梶山氏は、副市長として適任でございますので、御同意を賜りますようによろしくお願い申し上げます。
     次に、3ページをお開きいただきたいと存じます。  議案第50号、日立市教育委員会委員任命の同意を求めることについてでございます。  教育委員会委員のうち朝日華子氏は本年6月30日をもちまして任期が満了となりますが、引き続き任命することにつきまして、議会の御同意をお願いするものでございます。朝日氏は、教育委員会委員として適任でございますので、御同意をよろしくお願い申し上げます。  次に、7ページをお開きいただきたいと存じます。  議案第51号、日立市固定資産評価審査委員会委員選任の同意を求めることについてでございます。  固定資産評価審査委員会委員の北見喜隆氏、泉 有氏及び藤 英雄氏は、本年7月2日をもちまして任期が満了となります。いずれの方も、固定資産評価審査委員会委員として適任でございますので、引き続き選任することにつきまして、議会の御同意をお願いするものでございます。  以上、3件の人事案件を御提案させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。  なお、それぞれの議案中に候補者の略歴をお示ししてございますので、御参照いただければと存じます。  以上でございます。 4 ◯議長(茅根茂彦君) 以上で提出議案の説明は終わりました。   ───────────────────────────────────────────    日程第2 市政に関する会派代表質問 5 ◯議長(茅根茂彦君) 日程第2 市政に関する会派代表質問を行います。  初めに、日立市政クラブ、蛭田議員に発言を許します。 6 ◯26番(蛭田三雄君) ◇登壇◇ おはようございます。日立市政クラブの蛭田三雄です。  会派を代表して質問させていただきます。  まず、この度の統一地方選挙における市長選挙において無投票で2期目の当選をされました小川市長、誠におめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。2期目が無投票であること、これは大変意義深いものがあります。1期4年間の小川市長の市政運営が多くの市民の皆さんに評価されたということとなるわけでございます。  そして、元号が平成から令和に変わる正に5月1日から、小川市長と私ども市議会議員の新たな4年間がスタートするわけで、今年度は、そのスタートの年にふさわしく、市制80周年、茨城国体と、記念すべきイベントも予定されています。  令和という新たな元号でスタートする市政運営の所信表明で、小川市長は、最後に、「子どもには“夢”」を、「若者には“輝き”」を、「働く世代には“充実感”」を、そして「シニア世代には“生きがい”」を、と述べられています。この言葉に強く共感をし、そして、その言葉に込められた小川市長の思いに関し、日立市政クラブとして質問をいたしますので、御答弁をよろしくお願いいたします。  小川市長は、今定例会において、今後4年間にわたる市政運営の所信を述べられました。その中から大きく6点についてと、そして、今、全国各地で頻繁に起こっている児童虐待について質問させていただきます。  大きな1番、次期総合戦略の策定についてであります。  小川市長は、1期目の市政運営の重点施策の一つに、地方創生・人口減少対策を掲げ、市長就任と同時に日立市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定して、積極的に取組を進めてこられました。そして、この度の所信表明の中でも、今後の市政運営の重点項目の第一に地方創生・人口減少対策を掲げ、今年度で計画期間が満了となる総合戦略に続く次期総合戦略の策定に着手されました。今後、策定メンバーの選定、スケジュール、施策や事業の継続の判断、国が予算付けした事業の獲得などの検討と併せ、現総合戦略の評価なども行われると思います。  一方では、総合戦略実施から4年が経過し、最終年度に当たる今年度の予算も執行され始め、市長が就任以来、子育て世代に対する切れ目のない支援や、本市の素晴らしさを市内外に広く伝えるプロモーション事業などに取り組まれ、地方創生を推進してこられたと考えております。また、お子さんを産み育てる若いお母さんを力強くサポートする産前・産後ヘルパー派遣事業や、いろいろな子育て情報をお届けしている予防接種スケジュールお知らせメール配信事業などは大変好評であると伺っております。いよいよ1,000人を割り込んでしまうのではないかと危惧された出生数が平成30年には1,044人となり、前の年を27人も上回ることができたのも、このような事業の成果があってのことではないかと心強く感じております。  これらの事業を含む現在の総合戦略に登載された192の主な事業の中には、成果を上げている事業もある一方で、一朝一夕には成果を上げることができないものもあるのではないかと思われます。  そこでお伺いいたします。  これら施策、事業の成果や課題を整理し、現在の総合戦略の評価・検証を進められていると思いますが、その中で見えてくる次期総合戦略策定に当たっての基本的な方向性についてお伺いします。  次に、大きな2番、新たな賑わいづくりの取組についてでございます。  (1)ジャイアントパンダの誘致について。  大井川県知事によるパンダ誘致の報道は日立市民に大きな反響を呼び起こしました。今でもその影響は続いております。この報道では、実現に向けてのハードルが高いのを承知の上での知事提案でありますが、市民にとって、その期待感は大きなものを感じます。パンダ効果について、最近の事例では、平成29年度に上野動物園シャンシャンの誕生、そして一般公開により、動物園の入園者が6年ぶりに400万人を超えたとの報道があり、相変わらずのパンダ人気です。経済効果で言えば、入園費、飲食費、交通費、宿泊費、関連施設の従業員の所得などがあり、これらは、単に日立市だけに限らず、周辺市町村にも必ず波及していくものであります。そして、仕掛け一つで、宿泊を伴う滞在型に持っていくことも可能となります。  日立市は、早速、検討するための職員を2名つけました。誘致するに当たって、様々な諸問題の検討を進めているものと思われます。  日本でパンダを展示しているのは、上野動物園、和歌山県のアドベンチャーワールドと神戸市立王子動物園の3箇所となっており、国内の複数の自治体などで誘致に向けた動きが見られているところです。しかし、誘致するに当たっては、飼育環境の整備、パンダの餌の確保、駐車場の整備、交通渋滞対策、予算等々、どれをとっても大きな課題として立ちはだかっています。また、受け入れる環境が整ったとしても、提供元の中国の動向を待たなければなりません。さらには、巨額な予算がかかり、動物園周辺の環境変化を伴うことから、市民への機運醸成も必要です。  このような想定される一つ一つの課題を解決していくためには、通り一遍の対応ではとてもじゃないが対応し切れません。長崎のハウステンボス、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンの復活は、発想の大転換が見事なまでに成功させた事例であります。既定路線上ではなく、新しい経営者の大胆な発想による転換でした。  現在、かみね動物園では、展示を次々と新しいものに変えていくことによって集客を維持しています。チンパンジーの森を皮切りに、ふれあいプラザ、サルの楽園、クマのすみか、キリン舎等を整備し、昨年度は、はちゅウるい館がオープンし、今後、ニホンザル舎、猛獣舎の整備へと進んでいきます。リピーターを呼び込むためには常に新しいものを提供するというので、これはこれで素晴らしいことですが、旭山動物園の後を追い掛けています。  今回のパンダ誘致は、はるかに次元を超えた案件であります。覚悟と実行力が求められています。今回の大井川知事の提案は、県北振興の起爆剤の一つとして提案されたものと言われています。県と気持ちを一致させて進めていくことが重要であると考えます。現在、県を中心に協議会を立ち上げる準備を進めているようですが、受入自治体の日立市としても、十分なる姿勢を示していく必要があります。  そこでお伺いします。  これまでの取組状況や今後誘致に向けてどのように取り組まれていくのか、市長の覚悟、思いも含め、御所見をお伺いします。  (2)まちの歴史を象徴する「さくら」について。  日立鉱山の歴史とともに歩んできた日立市は、煙害で痛められた山々を桜などの植林によって見事に再生しました。以来、桜は日立市の象徴として歩んでまいりました。今回の所信表明でも桜について2箇所で述べられているとおり、市長の思い入れは強いのではないかと推察いたします。  しかし、現実的な桜への対応については、桜の保護、育成、活用に積極的に取り組むと述べるにとどめており、市民からの桜についての改善提案にも積極的に応えてもらいたいと思います。市民が市役所に桜について問い合わせると、学校にある桜は教育委員会での対応、道路脇にある桜は道路管理課、公園であれば都市整備課といった、植えられている場所を管轄している担当課が処理することになっています。すると、担当課は、当初予算で組んでいなければ、市民からの問い合わせについて適切な対応ができなくなってしまいます。しかも、桜について聞かれても、各担当課に専門家を用意しているわけではないので、十分な対応もできず、いつしか市民の関心も桜を大事にしようといった意識も薄らいでしまいます。  弘前市では、職員だけでは桜の状態を全てチェックできないので、市民の協力を仰ぐ体制をとっています。寿命60年と言われているソメイヨシノを、100年たっても木の勢いを保っています。これらができるのも、専門部署があればこそできることだと思います。  そこでお伺いします。  保護、育成などの一体的な管理ができる専門部署が必要であると考えますが、市長の御所見をお伺いします。  大きな3番、茨城港日立港区周辺に産業の集積を図ることについてでございます。  日立港区に23万キロリットルのLNG貯蔵タンクが今建設中で、合わせて2基46万キロリットルの天然ガス供給基地ができることになります。日立市にとっても、産業立地としての成功事例として掲げることができます。そして、単なる基地として存在するだけでなく、これを活用した新たな産業を興す方針を出す時期に来ています。産業を興すに当たっても、主体はあくまで東京ガスであります。東京ガスの方針を踏まえて、日立市としては環境整備に努めることになります。  そこで、天然ガスを使用しての産業として考えられるのは、一つに発電があります。電力自由化を受けた東京ガスは発電も含めた事業を進めたいとの報道もあり、タイミングとしても追い風になっています。エネルギーの重要な部分を占める電力の供給が原子力発電所の停止によって不安定になっています。国の安全保障の面からも、エネルギーの安定供給は確保されなければなりません。太陽光発電がどんなにその能力を高めたとしても、太陽が出ていないときはゼロであります。雨や曇りの日には僅かな電力しか生み出してくれません。また、石炭火力発電所も、CO2の問題を抱えています。電力の安定供給の面からも、CO2の問題からも、さらには、立地面積の少なさからも、今現在考えられる電力供給源として、天然ガス発電は最適な一つとして掲げられます。発電所建設は、国のエネルギー政策にも当てはまり、東京ガスの意向にも沿い、日立市にとっても、税収増となり、雇用の場ができ、関連する産業が生まれてきます。ウイン・ウインの関係として捉えることができると思われます。  また、市長の所信表明では、次のように述べられています。産業構造の変化などとあいまって、かつて経験したことのない人口減少と超少子化・高齢化が顕著であり、地域経済の縮小やまちの活力の低下などが懸念されていると述べられており、発電所誘致への対応によって、懸念の払拭に貢献できるのではないでしょうか。  そこでお伺いします。  産業集積の目玉に東京ガスの発電所誘致を加えてはどうかと提案するものですが、御見解をお伺いします。  次に、大きな4番、まちの将来発展を支える「都市力の向上」についてであります。  今後4年間における市政運営の方向性と目指すまちづくりの基本姿勢の5番目に、都市力の向上を掲げています。その中から2点を取り上げて質問いたします。  (1)幹線道路の整備促進について。  日立市を取り巻く幹線道路の整備は、国道6号の大和田拡幅日立バイパスII期区間の整備が継続中であります。この4月には、国道245号の久慈大橋と久慈町から水木町区間の4車線化は新規補助事業が決定し、また、日立市と常陸太田市を結ぶ(仮称)真弓トンネルは昨年度事業化されており、新たな道路事業の見通しがつき、安心しているところです。  県北の振興は、中核である日立市のインフラの状況に左右されること大なるものがありますが、工事の進捗状況には厳しいものがあります。やっとここ4年間、大和田拡幅の予算が10億円を超えるようになりました。しかし、総工費が121億円ですので、進捗率は、まだ半分に届いたところです。これでは予算の配分がまだまだ不足しており、国としても、まち・ひと・しごと創生総合戦略を掲げているのですから、更なる整備促進をしなければならないと考えます。交通渋滞による経済的な損失は大きなものがあり、それがひいては地方の衰退を招いていくということを国はもっと分かってほしいものです。日立バイパスの延伸の予算も、今年度5億円余りと、前年度と比較してアップしましたが、総工費240億円のうちから見れば微々たるものです。本格工事に入れば予算の付き方が違うといえばそれまでですが、初期の段階での用地交渉、用地買収にも力を入れてほしいものです。  しかし、数値的にも上向いてきているのは、ひとえに執行部、議会による年数回に及ぶ要望活動があればこそです。それに対しては敬意を表したいと思います。  そこでお伺いします。  大和田拡幅日立バイパスII期区間の整備状況、予算獲得に向けた取組についてお伺いします。  (2)ひたちBRTを基軸としたまちづくりについてであります。  BRT第I期・第II期工事が今年度をもって終了の運びとなります。引き続き第III期区間の検討に入るとのことですが、これは、市民にとって待ち望んできたことであります。かつての日立電鉄線が鮎川駅で始発・終点となり、日立駅まで接続できなかったことの無念さを市民は味わってまいりました。今度のBRTも日立駅まで行けないのではないかと気をもんでいる市民は数多くいます。おさかなセンターから常陸多賀駅まででは、目的達成は本当に道半ばで終わってしまったと言われても仕方ないでしょう。BRTを基軸としたまちづくりを進めるとうたっているのですから、何としてでも第III期区間の実現を図ってもらいたいと望みます。  小川市長の実現に向けた御決意をお伺いします。  大きな5番、地域周産期母子医療センターの展望についてであります。  地域周産期母子医療センターを最終的に目指し、そのための行動として様々な施策をとってまいりました。そして、その成果も、徐々にではありますが、表れてきているようです。しかし、これまでの経過を見ますと、一進一退の感が見受けられます。その原因は、大きくは、医者を派遣していただける大学側の事情があると言われています。この点につきまして、県の協力をいただきながら様々な対応をとってまいりまして、やっと今日、産婦人科医8名の確保となっております。  しかし、来年の4月以降については、3人の去就について不確定と言われています。もしその場合、その埋め合わせをどのようにしていくのか、5人で産科を維持していくことになるのか、この8名の方を確保し続けられるかどうか、さらには、最終的な目標として、地域周産期母子医療センターの再開まで持っていけるのか、引き続き執行部の御努力は続くものと思われます。  そこでお伺いします。  現時点の8名体制は維持できるのか、また、地域周産期母子医療センターの再開に向けての展望はどうか、御所見をお伺いします。  大きな6番、人生100年時代を見据えた「超高齢社会への対応」についてであります。  (1)2025年問題を見据えた体制づくりについて。  高齢者に対して、様々な団体が関わっています。病院、介護施設、社会福祉協議会、コミュニティ、自主グループスポーツ施設等があります。そこでは、その施設や個人、団体の特徴に合わせた診察や介護、高齢者の生きがいづくり、スポーツ、シルバーリハビリ体操ラジオ体操の普及活動、生涯学習ほか、様々なイベントがなされていて、高齢者も様々な方々が参加されています。  しかしながら、事業をやっているということは伝わってきますが、その事業が2025年問題にどう結び付いていくのか、いま一つ、その道筋が伝わってきていないように思われます。事業全体のPDCAサイクルが明確にされていない結果とも言えるでしょう。  確かに、個々の事業一つ一つを2025年問題と結び付けるのは難しいところはあるでしょうが、2025年問題が克服しなければならない問題であるならば、整理する必要はあると思います。事業を計画し、予算を執行している職員の自覚を促すためにも、対象である市民にとっても大事なことであります。  そこで、この問題に対して、一般的に言われているような国からの情報や識者からの話ではなく、現在起こっている日立市の状況を数字で示したり、5年先、10年先に起こるであろう予想を日立市のデータによって示すことができれば非常に分かりやすいでしょう。国からの情報では、医療費、介護費の増加や、携わる担い手不足が深刻になると言われています。また、ひとり暮らしや高齢夫婦のみの世帯は全高齢者世帯の7割を占め、このうち37%は、ひとり暮らし高齢者が占めると予想しています。  しかし、こう言われてもぴんと来ません。では、日立市ではどうなのか、どうなるのか。私たちの学区ではどうなのか、どうなるのか。ここまで問題を身近にして、数字で示していかないと、2025年問題を見据えた体制づくりはできないのではないかと思います。市民の協力を得ない限り体制づくりはできませんので、市民にとって分かりやすい情報提供に努めてほしいものです。  医療、介護、介護予防、生活支援などのサービスを組み合わせて一体的に提供する地域包括支援センターが八つの地区にできました。今後はこの組織を更に細分化していくものと思われますが、やっと体制は整ってきたと評価いたします。道半ばでありますが、今後は、あと6年で迎える2025年問題へのスピード感を持った対応になるかと思われます。今までは、国の方針や予算のこともあって体制整備とはなりませんでしたが、やっと形はできてきました。あとは、体制の強化と体制の十分なる展開となります。そのためには、地域包括支援センターによる情報収集があり、身近な市民への情報発信があります。  日立市では、高齢者保健福祉計画を作成するに当たって、高齢者やその家族、中高年やケアマネージャーなどを対象に、高齢者を取り巻く様々なニーズや課題を把握していると思います。これらの情報を基礎として、2025年問題の対象者になるであろう高齢者の方々の様々な情報の蓄積と、それによる分析がなされ、それに基づいた実践がなされることで、問題解決の一歩が踏み出されるものと思います。  以上、2025年問題に対して情報収集とスピード感を持つよう、私からの感想を述べてまいりました。  そこでお伺いします。  あと6年たつと2025年になります。今後、市として2025年問題を見据えた体制づくりについての考え方について、その見解をお伺いします。  (2)健康寿命の延伸について。  小川市長は、所信表明において、生涯活躍社会の実現について、健康寿命の延伸を後押しすることを掲げられました。健康寿命の延伸は誰もが望んでいることですから、誰も反対する人はいません。しかし、健康寿命延伸のための手立てを自らしていない人たちは、望むことだけで、本当は現実の問題として理解が及んでいないのかもしれません。市民が何もしていないからといって強制するわけにはいきませんが、政策を打ち出す側の職員は、自ら、健康寿命の延伸のために努力する必要があると考えています。政策を打ち出す側が実践していればこそ、その健康メニューの効果、やり方の改善点等が見え、次の政策へといかされることになります。先ず隗より始めてはいかがでしょうか。  茨城県は、新しい政策を打ち出しています。その政策は、「あなたの健康をサポートします」と題して、スマートフォンのアプリをスタートさせて、県民に対して自らの健康づくりへ目を向けさせようとするもので、内容は運動、ウオーキング、ランニング、食生活などの取組に対してポイントを付与するというものです。この政策を提案した職員はもとより、県職員がこの内容を自らが手本となって県民に模範を示すことができるかが重要になると思います。  日立市の事例で言えば、例えば市長は、平成28年からラジオ体操の普及を推進する取組を行っておりますが、市の職員が率先してラジオ体操に取り組んだことにより、日立市は、平成30年には優良団体として表彰されています。市長がラジオ体操を広めていこうとする取組には、このことが健康寿命の延伸に大きく役立つものと考えてのことと推察しておりますし、先ほどの県の事例と同様、市の職員が率先して取り組むことで、是非日立市民全体への取組へと広げてほしいと感じています。  そこで、生涯活躍社会の実現に向け、健康寿命の延伸への取組を推進するための基本的な考え方についてお伺いします。  次に、大きな7番、児童虐待の対応についてであります。  平成30年3月に、東京都目黒区で当時5歳の女の子が虐待を受けて亡くなられました。また、平成31年1月には、千葉県野田市立小学校4年の女の子も、しつけと称して虐待を受けて亡くなられました。直近では、令和元年6月5日、札幌市で2歳の幼児が食事を与えられず衰弱死をしました。同時に、体には虐待の痕跡が見受けられました。札幌市での虐待死では、児童相談所は、度々市民からの報告を受けていたにもかかわらず、十分な役目を果たすことができませんでした。児童相談所の所長は、記者からの質問を受けて、認識の甘さがあったと言っていましたが、法律を遵守していなかったことは、重大なこととして受け止めなくてはなりません。しかも、児童虐待防止法の改正がなされようとしている最中に事件が発生しています。虐待も法律改正もまるで人ごとのようで、当事者意識が感じられない札幌児童相談所の対応でした。  日立市における対策は大丈夫なのか、市民の関心は大なるものがあります。日立市管轄の児童相談所は日立児童分室があり、水戸市にある中央児童相談所の分室として位置付けられています。そして、今年4月から、市役所子育て支援課内に家庭児童相談室が市の組織に位置付けられました。  そこでお伺いします。  虐待の未然防止について、並びに発生した場合の対応について、また、国の虐待防止対策に基づき、今後、市はどのような取組を行うのか、御所見をお伺いします。  以上で質問を終わります。御答弁をよろしくお願いいたします。 7 ◯議長(茅根茂彦君) 蛭田議員の質問に対し、執行部からの答弁を求めます。 8 ◯市長(小川春樹君) ◇登壇◇ 日立市政クラブを代表しての蛭田三雄議員の御質問にお答え申し上げます。  私からは、大きな1項目め、次期総合戦略の策定についてと、大きな2項目め、新たな賑わいづくりの取組についての二つの御質問、そして、大きな3項目め、茨城港日立港区周辺に産業の集積を図ることについてと、大きな4項目め、まちの将来発展を支える「都市力の向上」についての二つの御質問、及び大きな5項目め、地域周産期母子医療センターの展望についての御質問に、順次お答えを申し上げます。  まず、大きな1項目め、次期総合戦略の策定についてでございます。  平成27年5月に市長に就任して以来、人口減少を始めとする様々な課題を克服し、安心と活力に満ち、笑顔輝くまちづくりを推進するため、同年12月に、国の総合戦略を勘案しながら、日立市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、地方創生に全力で取り組んでまいりました。  現在までの取組状況を申し上げますと、総合戦略策定から4年を経過した平成30年度までに、総合戦略に掲げた192の主な事業を始め、国の地方創生関係交付金を活用した事業や、より効果を発揮するための事業として、子育て支援や雇用の確保、地域医療体制の整備、さらには、ひたちらしさの磨き上げによるプロモーションなどの43の新たな事業を加え、幅広い施策を総合的に推進してまいりました。さらに、計画の最終年となる本年度においては、まちのにぎわい創出、子育て環境の充実を目的に、国から、約6億円の地方創生関係交付金の採択を受けまして、日立駅前地区の活性化にもつなげるための日立シビックセンター科学館の再整備やイトーヨーカドー日立店4階への屋内型子どもの遊び場の整備を進めているほか、住環境整備や企業誘致など、課題に対応する新たな事業を加え、まちの魅力向上、活力向上に向けた事業に力を入れて推進しているところでございます。  これまで、国と地方が足並みをそろえて地方創生に力を注いでまいりましたが、いまだ東京一極集中には歯止めがかからず、出生率においても、平成30年度時点で1.42と、国が令和7年度までに目指す1.8には及ばない状況となっており、全国の多くの自治体においても人口減少が続くなど、厳しい局面を迎えております。
     本市の総合戦略について、有識者による評価検証においては、新しい人の流れをつくるといった仕事の創出等による転入促進などを目標とする分野の評価が、他の分野に比べて低い状況となっております。また、人口動態の分析の結果からは、就学、就業、住宅の住み替えなどをきっかけとした20代から30代の子育て世代を含めた若者、特に女性の東京圏や近隣自治体への転出超過を改善させるには至らず、人口減少が続いている状況となっております。  一方で、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえるなどの分野においては、全体の8割ほどの指標において順調に進捗しているとの評価を得ており、これは、総合戦略に登載した事業に加え、人口動態の分析結果や各事業におけるアンケート調査の結果などを踏まえ、子育て支援などの拡充や事業の見直し、新たな事業の追加等を実施してきた結果の表れではないかと考えております。  さらに、平成30年の人口動態におきましては、国・県の出生者数が統計開始以来最少を記録した中で、本市においては、減り続けてきた出生者数が前年を上回り、長く続いている社会減も縮小に向かい始めているといった成果を見ることができたところでございます。  地方創生は、中長期の人口の推移を踏まえ、人口減少に歯止めをかけ、地域に活力を取り戻していくという息の長い施策であり、たゆまぬ努力により継続していかなければならないものでございます。  したがいまして、次期総合戦略となる第2期日立市まち・ひと・しごと創生総合戦略は、国の方針と同様に、選択と集中という観点で施策の見直しなどを図りながら、継続を力にするという姿勢で続けていくことが重要であると考えております。  第2期総合戦略の基本的な方向といたしましては、現行の総合戦略に取り組んできた結果、本市の人口減少に関する具体の課題が見えてきたことも踏まえまして、子育て世代を含む若者、女性が暮らしやすい住環境の整備や、働きたいときに働ける雇用の確保、創業支援、あらゆる分野における女性の活躍推進など、若者や女性にスポットを当てた取組に更に力を入れていくことが重要と考えております。  したがいまして、第2期総合戦略では、広範にわたる施策を掲げるのではなく、若者、女性、子育て世代の転出抑制、定住促進、雇用の創出など、重点的な施策に焦点を絞った戦略を策定してまいりたいと考えているところでございます。若い世代が地域に魅力を感じ、地元で仕事を得ながら家庭を持ち、安心して子供を産み育てることができる持続可能な地域社会を築いていくことができるように、今後とも地方創生にしっかりと取り組んでまいります。  続きまして、大きな2項目め、新たな賑わいづくりの取組についての2点の御質問にお答えいたします。  初めに、(1)ジャイアントパンダの誘致についてでございます。  今般、大井川茨城県知事との考えが合致し、茨城県と共に同じ夢の実現に向けてチャレンジできますことは大変喜ばしく、そしてまた、市民の皆様からの期待の大きさを感じているところでございます。  かみね動物園へのジャイアントパンダの誘致が実現すれば、繁殖などの研究を通して希少動物の保全活動という大変大きな役割を担うことができますと同時に、かみね動物園へより多くの方々にお越しをいただき、本市が誇る地域資源の一つといたしまして、かみね公園全体の活性化に寄与できるものと期待をいたしているところでございます。  誘致に向けたこれまでの取組状況でございますが、茨城県と本市による勉強会開催のほか、飼育方法、飼育環境に関する現地調査、駐日中国大使との面会や外務省への訪問など、茨城県と連携を密にし、誘致に向けての活動をいたしているところでございます。  今後の取組につきましては、市民の機運醸成や受入環境を整える上で想定される課題解決のため、関係機関、団体等との一層の協力体制が必要となりますことから、茨城県の指導により、ジャイアントパンダ誘致に関する協議会を今月末に設置する予定でございます。  なお、本市の体制につきましては、県と連携しながら進める誘致に関する業務を産業経済部が担当し、駐車場や周辺道路、交通環境の整備などの検討を、今年度、かみね公園全体の活性化基本構想の策定を行う市長公室が中心となり、産業経済部及び都市建設部と連携して進めることといたしております。  議員御案内のとおり、ジャイアントパンダの誘致に当たっては、飼育環境の整備や駐車場の確保、交通渋滞対策を始めとするアクセス性の向上など、立ちはだかるハードルは非常に高く、年数も要する取組であると認識をいたしております。しかしながら、かみね動物園におきましては、絶滅危惧種であるクロサイやエリマキキツネザルなどの繁殖にも成功しているほか、ジャイアントパンダと同じクマ科のエゾヒグマやツキノワグマの飼育をいたしております。また、動物福祉の立場から、飼育動物の幸福な暮らしを実現するための具体的な取組が認められ、NPO法人市民ZOOネットワークが主宰するエンリッチメント大賞も2度受賞した実績がございます。  これらの経験や実績がジャイアントパンダ誘致に向けて大きな強みであり、多くの努力により必ずや実現できるものとの強い思いを持って、議員各位や市民、企業、各種団体など皆様方のお力添えをいただきながら、未来ある子供たちを始め、全ての世代の方々に夢や希望を与えられるよう、積極果敢にチャレンジしてまいります。  次に、大きな2項目め、(2)まちの歴史を象徴する「さくら」についてでございます。  本市の桜は、鉱業の発展に伴う煙害の影響を受けた山の緑の回復を願い、企業と市民がともに植林を行うことで、煙害問題の克服と自然環境の回復に取り組んだ歴史から始まっております。本年、これを題材とした映画「ある町の高い煙突」が公開をされ、鑑賞した多くの市民に、改めて先人の英知と努力に対する深い感動を与えたところであります。  市内には、民間、公共を含め全域に数多くの桜が植栽されております。また、日本のさくら名所100選に選ばれたかみね公園や平和通りなどの桜名所も多数あり、今年のさくらまつりには60万人を超える来場者が満開の桜を堪能するなど、市のシンボルとして、市民はもとより多くの方々に親しまれております。  その桜を守る取組といたしましては、市民や企業との協働による鞍掛山のさくらの山づくり整備活動や、造園業者やボランティアの協力を得て実施しているかみね公園の桜を元気にする作業、本市固有の稀品種である日立紅寒桜のかみね公園への拠点づくりや苗木を育成する圃場整備などのほか、桜をまちのシンボルとし、まちづくりを推進する自治体が連携する全国さくらサミットや、桜の名所づくりの取組事例の発表などが行われる全国さくらシンポジウムへそれぞれ参加するなど、様々な活動を通して、本市の貴重な財産である桜への思いを強くしつつ、多くの皆様とともに保存、継承に努力をしてまいりました。  一方、公共施設などに数多く植栽されている桜の管理状況につきましては、観光物産課を中心としてその情報を集約し、共有を図りながら、より的確な管理ができるように努めてまいりましたが、議員御案内のとおり、桜の管理、保護、育成につきましては、予算措置を含め、桜が植えられている場所や施設を所管している担当課所がそれぞれに行っている状況にございます。  市内には、植樹されてから70年余を経過し、樹勢の衰えや老木化の進行により倒木の危険が高まっている桜や、伝染病であり、放置すると枝が衰弱し枯れてしまう桜テングス病にり患している桜もあり、植え替え等の更新も含め、市が一体となって管理育成をしていくことが必要な時期に来ているものと強く認識をいたしているところでございます。  そのような中、この度、日立市さくらのまちづくり市民会議の皆様の参画の下、本市桜のシンボルでもある平和通りの桜を中長期的に植え替え、並木の景観を再生する計画を策定し、古木の更新作業にも取り掛かっているところでございます。  このような状況を踏まえ、今後、桜の保護、育成などを一体的に管理する庁内の体制の強化を図るとともに、窓口を一本化して、市民の皆様や関係団体、事業者の方々と、より一層連携、協力を図りながら、本市の宝である桜をしっかりと守り育て、次世代に引き継いでまいりたいと考えております。  続きまして、大きな3項目め、茨城港日立港区周辺に産業の集積を図ることについてお答えいたします。  茨城港日立港区におきましては、完成自動車の取扱拠点及び液化天然ガス・LNG供給拠点としての整備が進められており、第3ふ頭地区では、昨年3月の水深12メートル岸壁の供用に続きまして、今年4月には新たなモータープールが供用を開始するなど、完成自動車の取扱機能が拡大をしているところでございます。また、第5ふ頭地区におきましては、平成28年3月に稼働を開始した日立LNG基地においては、年内に栃木県真岡市で運転開始予定の天然ガス火力発電所に、日立LNG基地から天然ガスが供給されることとなっております。さらに、令和2年度末の完成を目標に、現在2基目となるLNGタンクの建設が行われているほか、日立LNG基地と神栖市をつなぐ高圧ガスパイプライン、茨城幹線が完成する予定であり、北関東の新たなエネルギー供給拠点として発展を続けているところでございます。  本市では、これら物流やエネルギー産業の拠点としてポテンシャルが高まる日立港区周辺におきまして、昨年度から、日立港区周辺のモータープールの一部を企業立地用地に転換することを想定し、その代替といたしまして、日立南太田インターチェンジ周辺において新たなモータープールの整備に着手したほか、将来にわたって持続可能な産業の集積を図るため、日立港区から日立南太田インターチェンジ周辺地区における開発可能性について調査を進めているところでございます。  議員御提案の天然ガス火力発電所につきましては、東京ガス株式会社が平成29年10月に発表した中期経営計画において、電力販売量の拡大に合わせ、2020年代における500万キロワット規模の自社電源の確保を目指し、茨城県内で発電所の新設を検討するとされており、新聞報道では、建設候補地として日立港区周辺が挙げられております。その後、東京ガスにおいて発電規模や概算事業費等の検討が進められていると伺っておりますが、一方で、平成30年8月に、日立市を含む県内32の市町村などに立地する発電設備から電力を送る基幹送電線の空き容量がゼロとなったことが東京電力パワーグリッドから公表され、送電線の増強工事に多額の費用や10年近い工期を要することが新たな検討課題となっております。加えまして、太陽光発電や風力発電を始めとする再生可能エネルギーの拡大など、発電事業を取り巻く状況が大きく変化をいたしており、天然ガス火力発電所の新設に当たっての課題や不確定要素が多く残っている状況にあると認識をいたしております。  しかしながら、議員御提案のとおり、茨城港日立港区周辺への天然ガス火力発電所の誘致は、雇用の確保や税収の増加、関連産業への波及効果が生まれ、日立港区周辺における新たな産業集積の拠点インフラとなることが期待をされているところでございます。このため、本市といたしましては、東京ガスの動向や方針を踏まえつつ、日立LNG基地を誘致したときと同様に、茨城県と連携しながら、地元住民や関係企業、団体などの理解を得るなど、天然ガス火力発電所の誘致に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  続きまして、大きな4項目め、まちの将来発展を支える「都市力の向上」について、2点の御質問に順次お答えを申し上げます。  初めに、(1)幹線道路の整備促進についてでございます。  まず、国道6号大和田拡幅事業でございます。  本事業は、日立市南部の交通渋滞を緩和するとともに、安全性の確保、地域産業の振興を図ることを目的に、神田町から大みか町までの3.3キロメートルの区間を4車線化する事業として、平成18年度に事業化されております。昨年度、茂宮川橋の2車線分の橋桁が完成をいたしました。昨年度末の進捗率は事業費ベースで約46%であり、今年度は、石名坂橋の橋桁の工事に着手する予定と聞いております。また、これまで早期の渋滞緩和を目的に、短期対策といたしまして、大みか町6丁目交差点改良工事や石名坂町交差点の新設工事、日立南太田インターチェンジ東交差点の左折レーン設置工事が実施されるなど、鋭意事業が進められており、少しずつではございますが、目に見える形になってきております。  次に、日立バイパスでございます。  こちらの事業は、平成19年度に田尻町から旭町までの4.7キロメートルが暫定2車線で供用され、平成24年度から日立バイパスII期事業として、旭町から国分町までの3キロメートルが事業化をされております。昨年度は、国分町地区の用地買収を実施いたしておりまして、今年度は、国分町地区、更に会瀬町地区の用地買収を実施する予定と聞いております。  これらの事業を推進するためには、安定した事業費の確保と事業用地の確保が極めて重要であると認識をいたしております。このため、事業費確保の取組といたしましては、茨城県北国道6号整備促進期成会、日立都市圏幹線道路整備促進期成会、日立バイパス建設促進期成会を組織し、市議会や周辺の3市1村と一体となって、国に対し要望活動を実施しておりました。国土交通省や財務省への回を重ねての要望を行った結果、今年度の当初予算、大和田拡幅事業は13億7,500万円、日立バイパスII期事業は5億6,500万円と、対前年度比、当初予算比で約20%増額の予算配分がございました。  また、事業用地の確保の取組につきましては、国と用地事務委託契約を結び、国の担当者とともに用地交渉を実施し、地権者からの相談に速やかに対応した結果、昨年度は、約2億2,000万円の用地を買収させていただきました。さらに今年度からは、茨城県も直轄事業を支援するため、茨城県土地開発公社に新しい組織をつくり、協力体制の強化を図っていることから、市といたしましても、職員を派遣して、事業用地の確保に向けた支援体制に全力を挙げて取り組んでおります。  今後とも、国・県との連携を図りながら、産業振興や物流の強化、広域交流の活性化など多様なストック効果がある大和田拡幅事業と日立バイパスII期事業の予算を獲得し、市民生活の利便性の向上や地域産業の成長に寄与できるよう、早期完成に向けて努力をしてまいります。  続きまして、大きな4項目め、(2)ひたちBRTを基軸としたまちづくりについての御質問にお答えを申し上げます。  新交通「ひたちBRT」につきましては、平成17年の日立電鉄線廃止とその後の跡地活用に関する検討を受けまして、専用道路を走行する新たなバス交通として導入が図られたものでございます。  これまでの経過といたしまして、第I期整備区間の日立おさかなセンターから大甕駅までを平成25年3月に運行開始し、その後、平成30年4月に第II期整備区間の大甕駅から常陸多賀駅までを一部一般道路を経由して先行運行いたしましたが、本年4月には、大甕駅西口を経由する本格運行を開始したところでございます。  この間の利用者数につきましては、第I期区間運行開始当初が平日1日平均約470人から、平成30年の第II期先行運行当初に平日1日約1,300人、そして、現在は、平日1日の平均で約2,000人を数えておりまして、運行区間の延伸とともに大きく増加している状況にございます。  議員御案内の常陸多賀駅から日立駅周辺を結ぶ第III期区間の実現についてでございますが、その実現には幾つかの課題があるものと認識をいたしているところでございます。  具体的には、BRTの最大の利点は運行の定時性と速達性であり、これを確保するための専用道路やバス優先レーンなどの走行区間が必要となりますが、これまで専用道路を整備してきた軌道跡地が第III期整備区間においては旧河原子駅から旧鮎川駅までの約2.5キロメートルしかなく、日立駅まではなお約3キロメートルあることや、旧軌道沿線は工場と社宅跡地に挟まれ、多くの利用者が見込める都市的土地利用の可能性が低いこと、さらには、市民の利便性を重視すれば、通勤・通学客が想定される工場や学校のほか、池の川さくらアリーナ、大規模小売店舗などの集客施設、市民生活の安全・安心に欠かせない医療機関などへのアクセスが容易なルートを選定することなどでございます。  これらの課題等を踏まえまして、平成26年度に策定されましたひたちBRTまちづくり計画の中では、第III期区間といたしまして、常陸多賀駅から中央線を北伸するルートが提案をされているところでございます。今後は、中央線北伸ルートを基本としながら、より多くの市民の利便性向上を図るため、沿線企業との協議や、今後策定予定の常陸多賀駅周辺地区整備計画などと調整を図りながら、具体のルート案や整備計画などを詰めてまいりたいと考えているところでございます。  いずれにいたしましても、新交通「ひたちBRT」は、本市のまちづくりの基軸として重要な都市基盤の一つと考えております。今後、日立駅周辺地区までの運行実現に向けまして、整備してよかったと市民に受け入れられるような実効性の高いルートを選定し、計画的な事業化、実現化を図ってまいりたいと考えております。  続きまして、大きな5項目め、地域周産期母子医療センターの展望について、2点の御質問がございましたので順次お答え申し上げます。  初めに、1点目の現時点の産婦人科医8名体制の維持についてでございます。  日立総合病院の産婦人科につきましては、日立市、茨城県、日立総合病院の三者による関係医科大学等への積極的な医師派遣の要望や寄附講座等の設置によりまして、さきの市報で御紹介したとおり、今年度から東京医科大学と筑波大学の常勤医師8名によります共同診療が実現し、診療領域の拡大が図られたところでございます。  東京医科大学につきましては、これまで常勤医師3名を継続して派遣いただき、平成22年度の産科再開、また、平成29年度の婦人科再開に多大なる御貢献をいただいたところでございますが、大学病院内での医師の働き方改革への対応の必要性などから、昨年度をもちまして本市との寄附講座が終了されたところでございます。そのような状況の中、産婦人科の主任教授や日立総合病院に派遣をされている医師から、寄附講座終了後もできる限り本市の地域医療に貢献したいとの御英断をいただき、今年度も引き続き日立総合病院で勤務をしていただいているところでございます。  本市といたしましては、引き続き東京医科大学と筑波大学に積極的に医師派遣について要望していくとともに、産婦人科でも使用するロボット手術支援システム「ダ・ヴィンチ」の更新や高性能の超音波診断装置の整備への助成などを通じまして、派遣された医師が日立総合病院での勤務環境に魅力を感じられるように病院を支援していくなど、今後も現在の両大学による共同診療体制が維持できるように努めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の地域周産期母子医療センターの設置に向けての展望についてでございます。  センター再開への大きな課題でありました産婦人科医の確保が実現をし、その再開が見えてまいりましたことから、先月、茨城県、日立総合病院、本市の三者でセンター再開に向けてのより具体的な協議を開始したところでございます。  なお、再開を目指すセンターの診療機能や病床数につきましては、今後、日立総合病院を中心に検討してまいりますが、その検討結果によりましては、今後確保すべき医師の人数や整備する設備が具体的に見えてくるものと考えております。  本市といたしましては、今後も茨城県、日立総合病院とより緊密な連携を図りながら、センターの診療機能などについて日立医療圏の関係医療機関等との協議を含めた検討を進めていくとともに、県北・県央地区の総合周産期母子医療センターとして新生児医療を担当している県立こども病院と新生児の救急搬送等において連携強化を図るなど、センターの早期再開に向けて全力で取り組んでまいる所存でございます。  私からは以上でございます。 9 ◯副市長(梶山隆範君) ◇登壇◇ 私からは、大きな6項目め、人生100年時代を見据えた「超高齢社会への対応」についての御質問に、順次お答え申し上げます。  初めに、(1)の2025年問題を見据えた体制づくりについてでございます。  我が国は、これまでに例を見ない超高齢社会を迎えており、特に団塊の世代が全て75歳以上に到達する2025年には3人に一人が高齢者になると見込まれております。こうした社会におきましては、医療や介護などの社会保障費の急増という問題もさることながら、ひとり暮らし高齢者や認知症高齢者の増加、高齢者の外出手段の確保など、様々な課題が生じることが懸念をされております。  本市におきましても、総人口に占める65歳以上の割合は、本年4月末で31.6%と、国や県を上回るスピードで高齢化が進行しており、こうした状況に対応するため、早くから、在宅での生活を支援する様々な事業に取り組んできたほか、最近では、高齢者おでかけ支援事業や居場所づくり事業など、高齢者の外出促進と介護予防につながる事業にいち早く取り組んでまいりました。  こうした個別の事業をより効果的にしていくためには、2025年を見据えた高齢者を支えるための体制づくり、いわゆる地域包括ケアシステムの推進が求められます。このため、本市におきましては、事業推進の核となる地域包括支援センターのより身近な地域ごとへの配置を本年4月に市内全域において完了し、併せて、各センターの指導・統括等を行う基幹型地域包括支援センターを高齢福祉課内に設置したところでございます。  現在、地域包括支援センターでは、支援を必要とする高齢者への訪問活動を通して様々な相談に応じており、必要な医療や介護のサービスにつなぐなど、適時適切な対応支援に当たっているほか、認知症高齢者への対応支援や、医療や介護などの専門職の連携に取り組むなど、高齢者の支援体制づくりの一層の推進に努めております。  この体制の更なる充実・強化を図っていくためには、高齢者の支援に関わる情報を様々な角度から収集するとともに、必要に応じ、医療や介護の専門職を始め、民生委員、学区コミュニティ関係者などで共有し、活用できるよう還元していくことが重要であり、そうすることによって高齢者に対するサービスが一体的に提供され、より効果を生み出すものと考えているところでございます。  いずれにいたしましても、こうした仕組みづくりは一朝一夕にできるものではございませんし、何度も繰り返し、見直すべきものは改善しながら、徐々に質を高めていくものであると認識しております。そして、それぞれの事業や取組を着実に推し進めていくことで、信頼関係に基づく地域のきずなが生まれ、日常的な安心感や協力体制の確保につながり、やがて、このまちに暮らしてよかったという実感を伴うものになると考えております。今後、人生100年時代を迎える中にありましても、全ての市民の皆様が住み慣れた地域で充実した人生が送れるよう、一人一人の暮らしに寄り添いながら、高齢者の支援に関わる多様な主体と一体となって福祉のまち日立の実現に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、(2)の健康寿命の延伸についてでございます。  我が国の平均寿命は年々伸び続けておりますが、一方で、自立した生活を送れる健康寿命との差が、男性は9年、女性は12年となっており、この期間は支援や介護などが必要となってまいりますことから、住み慣れた地域で安心して生き生きと暮らしていくためには、健康寿命を延ばすことが大変重要になるものと認識しているところでございます。また、人生100年時代を見据えた超高齢社会への対応におきましては、この健康寿命を延ばし、生涯現役で活躍することは、高齢者の生きがいづくりとともに、生活の質を向上させることで、病気の予防や介護予防につながるものと考えております。  団塊の世代が後期高齢者となる2025年まであと数年に迫っており、さらに団塊ジュニア世代が65歳となる2040年を見通しますと、様々な分野におきまして各種の対策が求められており、健康づくりの推進においてもまた同様でございます。  国が現在策定を進めております健康寿命延伸プランにおいて、2040年を展望し、誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現を目指し、健康無関心層へのアプローチを強化しつつ、地域間、保険者間の格差の解消を図ることなどにより、健康寿命の更なる延伸を図ることとしております。  本市では、令和5年度までを計画期間とするひたち健康づくりプラン21におきまして、「みんなでのばそう健康寿命」を計画の大きな目標として、市民や関係機関、団体との協働による健康づくり活動を展開しており、平成29年度に行ったプランの中間評価では、生活習慣病及び重症化予防の推進、自分に合った運動の推進などを今後の重点取組事項として位置付けたところでございます。  御質問でラジオ体操を御紹介いただきましたけれども、運動習慣を身に付けることは健康づくりの重要なポイントになるものであり、職員が実践しております取組が更に広く地域での取組となり、市民の健康の維持・増進に役立つものになるものと考えております。今後も国や県が進める各種の施策に対応するとともに、多くの市民が健康寿命の重要性を理解し、人生の最後まで元気に楽しく毎日を送れることを目標に、市民に対して本市独自の健康づくりに向けた取組についての発信を強化するなど、引き続き健康寿命の延伸のための環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 10 ◯保健福祉部長(鈴木さつき君) ◇登壇◇ 私からは、質問の大きな7項目め、児童虐待の対応についての御質問に順次お答えいたします。  初めに、本市における児童虐待の未然防止と発生した場合の対応についてでございます。  昨今の子供が親などから虐待を受け命が奪われる事件は、誰もが心を痛める深刻な社会問題となっております。国は、こうした状況を受けまして、児童相談所に配置する児童福祉司の増員や、体罰禁止規定の新設など関係する法改正に取り組んでおります。また、茨城県におきましては、昨年1月から児童相談所が受け付けた全ての虐待事案について県警察本部に情報提供を行い、早い段階で警察と連携して児童の安全確保を図っております。  本市におきましては、虐待が疑われる事案として対応した件数が、全国同様増加傾向にございますので、議員御案内のとおり、本年4月から子育て支援課内に家庭児童相談室を明確に位置付け、市の相談窓口をより分かりやすくし、相談支援体制の充実を図ったところでございます。また、虐待対応には関係機関との緊密な連携が不可欠であることから、平成18年に、本市が主体となって、児童相談所を始め警察、医療機関、学校、地域の主任児童委員等、22の関係機関で構成する日立市要保護児童対策地域協議会を設置しております。本協議会は、これまでの長年にわたる活動を通じて構築した関係機関との連携及び取組実績等をいかし、虐待の未然防止と保護を要する児童等の早期発見、早期対応に努めているところでございます。  なお、本年2月には、野田市の事件を受け緊急に会議を開催し、仮に同様の事案が本市で発生した場合の関係機関の具体的な対応について検証を行うとともに、先月行いました会議では、警察及び医療機関での虐待ケースへの取組事例を紹介するなど、虐待対応における関係機関の連携の重要性について再認識を図ったところでございます。  虐待が疑われる事案の通報が本市にあった場合の対応につきましては、緊急を要する個別の虐待ケースには、家庭児童相談室の職員が関係機関とともに直ちに現地に向かい、状況の把握と事実確認を行い、子供の安全を守ることを最優先に、適時適切な対応に当たっております。  次に、国の虐待防止対策の強化に対応した今後の本市の取組についてでございます。  国は、虐待による死亡事件が続く深刻な状況を受け、様々な虐待防止対策を講じて抜本的な強化を図っております。これらの強化策では、既存の取組の徹底のほか、市町村の体制強化の一つとして、子ども家庭総合支援拠点を令和4年度までに全市町村に設置することが打ち出されております。これは、現在の家庭児童相談室の機能を基本に、新たな専門職の配置などによる体制強化を図るものでございまして、これにより、既存の機能を更に一段階高めることで、リスクの高い虐待ケースへの対応と切れ目のない支援が図られますことから、本市におきましても、子ども家庭総合支援拠点を早期に整備したいと考えているところでございます。  以上でございます。 11 ◯26番(蛭田三雄君) ◇登壇◇ 私からの質問に対して、小川市長を始め、梶山副市長、鈴木保健福祉部長から前向きで明確なる御答弁をいただき、ありがとうございました。  一言、小川市長へのエールとして申し上げさせていただきます。  小川市長は、地方創生に対する2期目の方向性は、若者、女性、子育て世代の転出抑制、定住促進、雇用の創出など重点的な施策に絞った戦略を策定していきたいと答弁されました。私は、この方向性に大いに賛同するものです。なぜかといいますと、子育て世代のお母さん方は、子供を遊ばせる場所を求めているということを私は実感しているからでございます。例えば、川尻町に位置するはくさんまえ児童公園に来るお母さんにどこから来たのかと聞くと、十王とか日高、田尻、市外では高萩からも来ていて、その理由は、遊ばせる場所がないからここに来ましたという答えが返ってきます。お母さんにとって子供が元気で遊んでくれることが何よりも幸せで、子育てに充実感を持てるし、ひいてはもっと子供が欲しいなとなるかもしれません。少なくとも、感触として、もう子供は懲り懲りであるとの印象はありません。出生数が前年より増えたとのことですが、現場の感覚としても、言われてみればそうかもしれないと印象を持っています。この印象が大事なことであります。子育てが楽しいと思ってもらえるような遊べる環境をほかの地域にも整備することが子育て世代への応援になると思います。  ここで、参考になる考え方に、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを成功に導いた森岡 毅氏は、次のような言葉を述べています。つくったものを売る会社から売れるものをつくる会社へと変え、お客様に喜んでもらえるだろうという予想の下、つくりたいものをつくっていったと言われました。この考えの下で、97%のイベントを成功に導いています。このような事例も参考にしながら、また、様々な試みをしながら、国でも県でも日立市でも起こっている人口減少社会を克服していきたいものです。  ほか、今回質問したパンダ誘致天然ガス発電所誘致、幹線道路の整備、ひたちBRT第III期工事の実現、地域周産期母子医療センター、2025年問題の克服等については、いずれも実現へのハードルが高く、粘り強く求められていますが、前向きに挑戦していくという市長の強い意志が感じられましたので、それに呼応するように、議会としても応援していく必要性を感じたところです。  この中で、特に地域周産期母子医療センターの展望については、再開に向けて、思い切った財政支援を要望するものであります。  児童虐待の対応については、間違いなく日立市はとることができているとのことで安心いたしました。  以上で、答弁に対する感想を述べさせていただきました。  小川市長におかれましては、答弁で述べられた強い意志が折れることなく任期4年を全うされることを祈念いたしまして、日立市政クラブを代表しての質問を終わりにいたします。ありがとうございました。 12 ◯議長(茅根茂彦君) 以上で蛭田議員の質問が終わりました。  次に、民主クラブ、吉田議員に発言を許します。 13 ◯18番(吉田修一君) ◇登壇◇ 民主クラブの吉田修一です。  会派を代表して質問いたします。御答弁よろしくお願いいたします。  小川市長におかれましては、さきの市長選において再選を果たされました。そして、これからの4年間は、市民のトップとして活躍されることを心より御祈念、そして、御期待し、大きく4項目について、提案を含め、市長並びに執行部の考えをお伺いするものであります。  では、質問に入りたいと思います。
     初めに、市長所信表明から、4点についてお伺いいたします。  (1)市長が描くまちづくりの実現のためにです。  市長は、所信表明の中で、地方創生・人口減少対策として、本市で住みたいまち、住み続けたいまちを掲げており、若い世代が地域に魅力を感じ、仕事をしながら子供を産み育てる持続可能な地域社会を築いていくとうたっております。  住みたいまち、住み続けたいまちとは何かを私なりに考えてみました。例えば乗ってみたい車と乗り続けたい車が一致しないように、住んでみたいまちと住み続けたいまちも微妙に違うと思います。住んでみたいまちとは、住みやすそうだから、楽しそうだから、飲食店が充実しているからといった近視眼的な見方だけではなく、中長期的にわたって、自分と家族が楽しく、快適に暮らし、充実した生活を送ることができるかどうかということだけだと私は思っております。また、住み続けたいまちには、派手さはありませんが、落ち着きと安定感が不可欠です。そして、ほかに誇れる魅力があれば申し分なしというふうに私は思っております。  見た目の美しさや派手さよりも、魅力と安らぎのある安全なまちに心安らかに住み続けたいと思うことが私たち多くの市民が望んでいるのではないでしょうか。住んでみたい、住み続けたいと思えるまちの実現のために、若者の発想、また、年配者の知恵を借り、公共施設の有効活用を図りながら、まちづくり施策を戦略的な視点で考えることも必要だと私は考えております。  そこで、小川市長は本市の将来像をどのように描こうとしているのか、また、青写真をつくるために幅広い世代からの意見収集、さらには、民間企業の資金活用、事業方法など、市長自らが先頭に立って自由闊達な議論をし、アイデアや発想ができる意見交換の場を設ける必要があると考えます。御見解をお伺いいたします。  次に、(2)産業振興について、2点お伺いいたします。  1点目は、議員各位も御記憶にあると思いますが、平成26年12月に政府は地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策を閣議決定し、続く平成27年2月に平成26年度補正予算が成立し、これにより、緊急経済対策の施策の一つである地域住民生活等緊急支援のための交付金が地方公共団体に交付され、地域における消費喚起策として、プレミアム付商品券事業を実施したところであります。本事業は、当時、消費税引上げの是非が問われる中、地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策に基づき、消費喚起と生活支援を目的に、約2,500億円の予算措置がされた事業でありました。本市においても本事業を実施し、総額で約5億6,000万円の販売効果があり、そのうち大型店と小売店との売上比率は、大型店が約3割、小売店が約7割であり、市内の小売店にも経済効果があったものと考えております。  さらに政府は、本年の10月の消費増税に合わせて発行するプレミアム付商品券の制度の詳細を発表しました。事業内容は、住民税の非課税者や3歳半未満の子供がいる家庭が対象で、全国2,450万人、本市においては約3万4,500人が商品券を購入できる見通しであり、割引率は20%とし、増税の景気への悪影響を抑えることを目的としております。  ただし、今回の2019年のプレミアム付商品券は、対象者が低所得者と子育て世帯に限定されています。つまり、誰でも購入できないということがネックとなっています。プレミアム商品券は、現金と比べ購買意欲を高める効果が期待でき、また、中小の店舗に対する需要を高め、地域の活性化につながります。  以上のことからも、本事業は、国・県の補助事業として実施するのではなく、ふるさと寄附金などの自主財源を投入してでも、本市独自のプレミアム商品券事業に積極的に取り組む必要があるものと思います。  また、実施に当たっては、本市がプレミアム商品券を利用できる店舗を地域の中小の店舗に限定することで、政策的に地域経済の活性化及び好循環が図られるものと考えます。見解をお伺いいたします。  2点目は、小川市長は、ものづくりのまちとして成長を続けるために、先端技術の活用など進化する産業都市を目指すとしております。そのためには、若者を始め、ものづくり産業を支える人材の育成・確保が最大の課題であると考えております。  2015年に公表した国勢調査によりますと、労働力人口は6,075万3,000人で、5年前の前回調査よりも294万6,000人減少しており、15歳以上に占める労働力率も、前回の調査の61.2%より1.4ポイント減の59.8%と6割を切っている状況にあります。また、15歳以上の就業者について、産業大分類別の就業者数を見ると、製造業に従事する者は、前回の調査比マイナス48万人の914万6,000人で、職業大分類別の割合を見ても、工場などで働く生産工程従事者は減少傾向にあるのが実態であります。本市においても、労働力人口は8万1,000人で、5年前と比較すると9,000人減少し、労働力率も53.7%となっております。  このように、労働力人口が減少する中でものづくりのまちとして成長し続けるためには、今ある産業や技術を受け継ぎ、進化させていくという次世代の人材育成が重要な鍵であると思います。  小川市長は、進化する産業都市を目指すという上で、人材育成・確保、さらには先端技術の活用などについてどのような取組を考えているのか、見解をお伺いいたします。  次に、(3)教育施策についてです。  昨年度に策定し、本年から2023年までの5箇年計画で進めている日立市教育振興基本計画があります。ひたちらしさをいかした取組として、教育は日立市で!を提唱し、ひたちらしさをいかした教育促進を図りながら、未来の人材育成に積極的に取り組んでいくとのことであります。本基本計画の基本理念として、「未来を拓く人づくり」を掲げ、情報技術の急速な進展や人口減少などにより、将来の予測が困難な時代の中で、多様な人々と協働しながら、新たな価値を創造し、夢に向かって未来を拓く人材の育成が求められていると記載されています。私は、ひたちらしい教育として、本年で11年目を迎える日立理科クラブや中高一貫校教育、さらには職業探検少年団などがありますが、これを土台にした新たな技術者、継承者の育成に力を入れるべきと考えます。  このような中で、市長は、社会のグローバル化や技術革新が急速に進展する中で、具体的な人材育成を念頭に置いた教育、さらには具体的な教育方針を確立していこうとしているのか、見解をお伺いいたします。  次に、(4)持続可能なまちづくりについてです。  まちづくりにおいては、社会的弱者と呼ばれる、女性、子供、障害者、高齢者などへの特別な配慮や公共スペースの確保、誰もが快適に利用できる緑地の充実などの視点も不可欠です。小川市長は、地域イメージや地域ブランドを効果的に高めていき、更なるシビックプライドの醸成、交流人口の拡大、定住促進につなげていくとのことであります。まちづくりには、そこに暮らす地域の住民や利用者が参加し、対話を通じてまちの姿を描いていくことが結果的に地域コミュニティの力となって、災害時における助け合いなど有事の際の人と人とのつながりの強靱性を高めることにもつながるものと考えております。さらに、本市においては、個性あるまちづくりや、歴史、文化の独自性をアピールする取組が市民のシビックプライドを育み、まちの持続可能性にもつながるものと考えます。  そこで、持続可能なまちづくりの実現に向けた諸課題とその対応策、さらには、具体的なブランディングをどのように進めようとしているのか、見解をお伺いいたします。  次に、大きな2番、財政政策についてです。  先ほども持続可能なまちづくりについて質問をしてまいりましたが、持続可能なまちづくりを進めていくためには、健全な財政運営という点も重要であると考えます。去る6月11日、政府は、経済財政諮問会議を開き、経済財政運営の指針である骨太の方針の原案をまとめました。その中で、地方自治体が自由に使える一般財源の総額に対し、2019年度から2021年度の3年間は2018年度と実質的に同水準を確保するとの方針が継続して示されており、財政再建を理由とした地方向けの歳出の過度な切り詰めは行わないことになりましたが、一方では、2025年度の財政健全化の目標達成に向けて各種取組を推進していくものとしております。  本市においても、これまで様々な行財政改革などに取り組み、私は、本市の財政運営についてはこれまで健全な財政運営を行っていると認識しておりますが、それを踏まえ、財政政策について、2点お伺いいたします。  (1)地方債の活用について。  本市の平成29年度決算における健全化判断比率を見ますと、地方公共団体が現在抱えている地方債などの負債の大きさを示す指標である将来負担比率においては数値は算定されておらず、この数値を全国の1,741市町村で見ますと、全国平均の数値は6.4%で、本市と同様に数値が算定されなかった市町村は676市町村、全体の約3分の1となっております。  また、地方公共団体の財政規模に対する公債費の割合を示す指標である実質公債費比率についても、本市はマイナス1.3%となっており、同様に全国の市町村で見ますと、全国平均の数値は33.7%で、数値がマイナスとなる市町村は45市町村となっており、この二つの指標を勘案しても、本市の財政は比較的健全な状況であると言えるのではないかと思います。  これは、各種の大型事業に取り組みながらも、国や県の補助金の活用とともに、地方債の活用についても工夫をしながら、地方債発行額を元利償還額より抑えていくことを基本として借入れを行ってきたことによるものと認識しております。  市長は、所信表明において、今後取り組まれる六つの重点項目を示されましたが、その一つ一つが市民にとりましてはとても重要なものであります。とりわけまちの将来発展を支える都市力の向上における将来を見据えたインフラの整備は、一朝一夕に実現できるものではなく、継続した取組と財源が求められるわけであります。今を預かる私たちが次世代への投資としてしっかりと取り組むべきであり、その実施に当たっては、費用の面、世代間の公平性という面からも、一定規模の数値指標を掲げ、地方債を積極的に活用することが必要であると考えます。また、市民に分かりやすい日立市独自の目標や指針などについても示すことはできないものでしょうか。地方債の今後の活用について、見解をお伺いいたします。  次に、(2)市税の減収対策について。  去る6月7日に発表された厚生労働省による平成30年の人口動態統計において、出生率は3年連続100万人割れの過去最少の約91万8,000人との報道がありました。本格的な人口減少時代を迎える中、本市においては、人口減少対策を喫緊の課題として捉え、創生総合戦略に基づき、本市一丸となって取り組まれてきたものと認識しております。  今年度の当初予算における市税収入は、納税義務者数の若干の持ち直しなどにより、前年比0.6%増としておりますが、我が国の社会情勢を勘案すると、今後は市税収入の減少傾向や高齢化の進行などによる扶助費などの経常的な経費の増加が危惧されるところであります。  このように、時代の変革期を迎える中で、今後も引き続き地方創生・人口減少対策に取り組むためには、歳出予算の抑制だけではなく、新たな財源の確保が重要であると思います。  これまで本市へのふるさと納税は、平成29年度が約17億円、平成30年度が約11億円を全国の皆様から御寄附いただき、貴重な財源として活用させていただいているわけであります。  そこで、今後も全国の皆様から本市へ御協力していただけるよう知恵を絞り、新たな発想で、より魅力的な返礼品をラインナップしていくことが必要と考えますが、見解をお伺いいたします。  次に、大きな3番、官民連携によるまちづくりについて、2点お伺いいたします。  (1)中心市街地再開発の促進についてです。  改めて、まちづくりには民間の力をいかすことが大変重要であり、さらには、本市の実情に合った地域で事業を行いたいと思える環境整備が必要と考えます。まちづくりを進める上では、旗振り役となるリーダーの存在も重要となります。意欲のある外部人材の招聘も含めて、移住者や事業者の定着、地域で稼げる良好な環境整備につながる民間活力をいかすためのコーディネートを行政が進めていく必要があると考えます。  そこで、魅力ある施設として評価の高い日立駅周辺の一部リニューアルを御提案いたします。  具体には、日立駅自由通路海側にあるシーバーズカフェ部分から旧海岸口付近まで自由通路を延長し、その通路沿いに魅力あるショップや飲食店などを誘致できるようなスペースを確保することにより、駅利用者や買物を目的として来る方々の増加も期待できます。さらには、海を眺めることができる通路となることからも、海を身近に感じることのできる魅力ある駅と一体感のある新たな交流拠点としてにぎわいの創出が図られるものと考えられます。  また、日立駅中心に東西に分かれている商店街や飲食店のそれぞれ特色をいかしたまちづくりも重要であります。東側は比較的古い町並みでもあり、レトロ感を感じさせるエリアであることからも、若者世代で古い家屋などを利用して起業する方も多く、また、公設民営として屋台横丁などの可能性も考えられます。また、西側エリアについては、既存のショッピングモールをいかしながらも、通路の幅員も広くあり、また、車両進入禁止エリアでもあることから、テラスなどを併設した飲食店の出店も可能となるような再編を検討する時期に来ているものと考えます。  当然のことながら、外部人材の招聘も含め、官民連携を意識した中心市街地の再開発について、見解をお伺いいたします。  次に、(2)山側住宅団地再生モデル事業について。  我が国では、少子高齢・人口減少社会の到来に伴い、高齢世代、子育て世代への対応は重要かつ喫緊の課題となっております。また、一部地域では、住民が一斉に高齢化する問題も顕在化しており、地域コミュニティをいかに維持するかも社会問題となっております。本市においても、同様の問題、課題が懸案事項としてあることは承知しております。  こうした問題、課題の解決過程を通じて持続可能で活力ある地域づくりを実現していくためには、一つの街に多世代が共存し、高齢化に伴う地域力衰退を予防する多世代共存社会や、多世代にわたる有効活用を通じて民間需要の潜在力を引き出すストック循環型社会の構築について検討し、実現に向けた施策が必要だと考えます。  そうした中で、現在、本市において空き家率が高い山の神団地をモデルとした再生プロジェクト計画を策定中と伺っております。空き家が多い山側住宅団地をどのように蘇らせ、にぎわいを取り戻すことができるのかを期待しているところであります。特に子育て世代や高齢者が安心して暮らすことができる、すなわち生活しやすい立地条件を整えることが、人々を呼び寄せるための重要な要因の一つとして考えます。  具体的には、通勤・通学、買物、子育て、日常的な医療サービスの享受に係る利便性が考えられます。  そこで、今後、山側道路の北伸策として整備予定の鮎川・城南ルートの対象となる山の神住宅団地内をモデルと位置付け、民間事業者との連携を図り、新たな区画整理的な事業を進めながら、宅地、商業施設等の再整備を行い、子育て世代や若者世代をターゲットに転居促進を図ることにより、新たなコミュニティ構築も期待できるものと考えております。  区画整理等に当たっては、アメリカンスタイル的な広々としたエリアに隣との境界などを意識しないような空間を設けるなど、現状の住宅団地にはない新たな発想で、子育て世代先進モデル事業として整備を進めることを御提案いたします。  さらには、これからの高齢社会を高齢者が豊かな気持ちで生きがいを感じつつ暮らせるものとしていくことも重要であります。できるだけ現在住んでいる地域で暮らし続けたいという高齢者の意思が尊重され、実現できるよう、高齢者のニーズにかなった住まいやサービスを選べるようにするとともに、住宅施策と福祉施策、併せて趣味を楽しみながら学び暮らせるリタイアメントビレッジ構想が必要ではないかと考えます。当然のことながら民間活力は必要不可欠であり、これを最大限活用し、子育て世代と同様に、山の神住宅団地内に高齢世代先進モデル事業を推進することを御提案いたします。見解をお伺いいたします。  次に、大きな4番、市民協働のまちづくりについて、2点お伺いいたします。  (1)まちづくり講座について。  平成20年6月に、ひたちまちづくり市民大学が開設されました。その目的は、広聴広報活動の一環として、市の担当課長などがテーマごとに講師となり、市民に対して市の主要事業等、例えば財政状況、ごみの減量化、高齢者福祉対策、学校教育等々について説明する講座でありました。毎年約10回程度の講座を開催し、1回当たり30名から40名の方々が受講されていたようで、市政の現状や課題などについて説明をすることにより、市政に対する理解を深めてもらうことができ、また市民との情報共有、意見交換により、市民ニーズを把握することができたようです。このようなことから、一定の成果はあったものと推察するところでありますが、現在本講座は、平成25年以降開催されていないようであります。  このような中で、小川市長は、1期目の平成27年度以降、コミュニティ単会との市政懇談会を積極的に実施し、主な事業内容等について市民に説明し、また、地域の抱える問題、課題の集約にも努められたようであります。さらには、高校生や子育て世代の方々とも懇談会を開催し、若者世代や子育て世代の抱える問題、課題についても理解しているものと思います。市長が市民の声に耳を傾け、対話することは、これからの本市のまちづくりには必要不可欠で、非常に重要かつ大切なことであり、その市長の姿勢に対し、敬意を表する次第であります。  しかしながら、世代ごとに意見を聞くことも大切でありますけれども、私は日立市に住み、暮らしている市民同士がまちの将来像について語り合う場が必要ではないかと思います。我々世代やお年寄り、次代を担う若者世代や子育て世代が一堂に会して、多世代交流型のまちづくり講座を開催することを御提案いたします。  市民とともに考え、まちづくりを進めていくためにも、それぞれの世代の思いや考えを意見交換することにより、それぞれが抱える問題、課題の共有も図られ、さらには、それぞれの立場に立った考えなども期待できるものと考えます。幅広い世代からの意見を取り入れるために、ひたちまちづくり市民大学の復活なども含め、その仕組みづくりについて見解をお伺いいたします。  次に、(2)「きれいなまち ひたち」を目指して。  本市は、議員各位も御案内のとおり、今年9月に市制施行80周年を迎え、さらに秋には45年ぶりにいきいき茨城ゆめ国体・ゆめ大会が開催されます。今、大会開催に向けて、茨城県はもとより本市も全庁を挙げて準備を進めているところであり、私もその一員として、大会の成功を心から願う一人であります。  選手、監督、大会関係者、さらには一般観客も含めると約6万人以上の方が本市を訪れると想定されており、その方々に対するおもてなしの一つの取組として、花いっぱい活動や各コミュニティや高校生によるごみ拾いなど、環境美化活動を積極的に取り組んでおります。特に花いっぱい活動は、昭和49年の茨城国体開催時に全県挙げて取り組んだ事業と理解しており、これを契機として、本市においては、緑化意識高揚の一環として継続した活動を展開しており、花壇の手入れやプランターでの植栽など、多くの方の癒しの一つとなっていることは言うまでもありません。活動に携わっている方々に対し、改めて敬意を表する次第です。  しかし、この活動の現状を見ますと、やはり本市が抱える少子高齢化問題が高いハードルとなっているようです。私は、この素晴らしい活動が今後も引き継がれ、継続していくことができるかが心配であります。  そこで、現在、本市の地域団体や学校、さらには事業所など、様々な組織が取り組んでいる環境美化活動を合わせた形で、「きれいなまち ひたち」を目指し、組織の拡大などを含め、今後も継続、連携強化していくための仕組みづくりが必要と考えます。見解をお伺いいたします。  以上で1回目の質問を終わります。御答弁よろしくお願いいたします。 14 ◯議長(茅根茂彦君) ここで、午後1時まで休憩いたします。                   午前11時58分休憩             ──────────────────────                   午後 1時00分再開 15 ◯議長(茅根茂彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  吉田議員の質問に対し、執行部からの答弁を求めます。 16 ◯市長(小川春樹君) ◇登壇◇ 民主クラブを代表しての吉田修一議員の御質問にお答え申し上げます。  私からは、大きな1項目め、市長所信表明についての四つの御質問と、大きな2項目め、財政政策についての二つの御質問に順次お答え申し上げます。  まず、大きな1項目めの市長所信表明についての(1)、市長が描くまちづくりの実現のためにでございます。  新元号に改められてから一月が経過し、全国で新しい時代への期待感が高まる一方で、我が国では、依然としてかつて経験したことのない人口減少と超少子高齢化が進行し続けております。本市を含めた多くの自治体がこの構造的な課題に直面しているわけでございますが、私は、これまでの1期4年において、安心と活力に満ち、笑顔輝くまちづくりを政策の基本に掲げ、その実現に向けて、積極的に市民一人一人の声をお聴きしながら、全力で地方創生に取り組んでまいりました。  こうした中で、近年、本市における出生者数や転出超過数などの人口動態に好転の兆しが見え始めておりますことは、切れ目のない子育て支援を始めとしたこれまでの地方創生の取組の成果が、その一因として寄与しているものと認識をいたしているところでございます。この成果を一過性のものとせずに、若い世代の転出抑制、定住促進を更に加速させ、持続可能な地域社会を築いていくためには、議員の御質問にありますように、引き続き幅広い世代からの御意見をお聴きし、適時適切に市政に反映させていくとともに、官民連携などの手法も取り入れながら、より効率的で質の高い行政サービスを提供し続ける必要があるものと考えております。  その具体的な議論の場づくりでございますが、本市のまちづくりの基本的な考え方につきましては、市の最上位計画である総合計画後期基本計画に位置付けられており、さらに、それを実現するための具体的な取組内容については、福祉、産業、教育、都市建設などの各分野における個別の事業計画にそれぞれ定められております。これらの計画の策定に当たりましては、その策定趣旨に応じ、学識経験者やコミュニティ、民間事業者、関係団体などの参画を得ながら、幅広い分野や世代の方々から多角的な議論を行っていただいているところであり、さらに、総合計画後期基本計画やまち・ひと・しごと創生総合戦略などまちづくりの基本となる計画については、外部有識者による第三者評価制度を導入し、計画の進捗管理と効果検証についても専門的な御意見をいただきながらしっかりと進めているところでございます。  今後につきましても、このような議論の場や御意見を伺う場などを設けながら、市民、企業、行政の協働によるまちづくりを進め、市民一人一人に寄り添ったサービスの提供に努めてまいりたいと考えております。  その一方で、これから令和という新しい時代を進んでいく中においては、刻々と変化を続ける社会情勢や産業構造、あるいは市民のライフスタイルなどを慎重に見極めながら、新たな施策を効率的、効果的に地域の活性化に結び付けていく必要がございます。  そのためには、民間事業者などで取り入れられております、10年後、20年後を見据えながら今何が必要なのかを考えるバックキャスティングの方法なども必要に応じて活用しながら、問題点の洗い出しや課題解決に向けた手法の検討を進めてまいります。そして、日立市が多くの方々にとって住みたいまちであり、住み続けたいまちとなりますよう、今後4年間において、所信表明で申し上げました地方創生・人口減少対策を始めとする市政運営の六つの重点項目に力を注ぎ、市民の様々なチャレンジを後押しすることで、「笑顔・元気、そして未来へ みんなの力で地域共創」の実現を目指してまいります。  続きまして、大きな1項目めの(2)産業振興について、2点の御質問がございましたので、順次お答え申し上げます。  初めに、1点目の本市独自のプレミアム商品券事業についてでございます。  これまで本市の商品券事業は、平成11年度、21年度、23年度、26年度と実施してまいりましたが、前回、平成27年度の日立市スーパープレミアム商品券事業においては、プレミアム率が20%であったことからも大変な好評を得まして、総額5億6,000万円余の商品券も2日間で完売となり、消費喚起の額は、それを大きく上回る7億3,300万円でございました。また、加盟店も、日立商工会議所の御尽力によりまして、これまでの倍以上の765店舗と非常に多くの市内店舗に参加をいただきました。  商品券利用の分析結果を見ますと、スーパーなどの大型店やコンビニエンスストアよりも、日常生活を支える地域の食料品店や理美容室、飲食店のほか、衣料品店や家電品店などでの利用が多く、いわゆる地元の商店等にまでかなりの経済効果があったと認識をいたしております。  今回のプレミアム商品券でございますが、3歳半未満の子供のいる子育て世帯主や住民税非課税者への消費増税の影響緩和を目的といたしておりまして、これまでのプレミアム商品券事業のように消費喚起が直接的な目的とはなってございませんが、購入対象者は合わせて約3万4,500人で、発行金額は、最大で約8億3,700万円余が見込まれているところでございます。  このようなことからも、身近な店舗で御利用いただけますように、また、地域経済にも効果が波及するよう、できるだけ多くの商店等に参加、協力をいただきながら、まずはこの取組を成功させたいと考えているところでございます。  議員御提案の市独自のプレミアム商品券事業の実施につきましては、過去の実績からも一定の効果が見込めると認識をいたしておりますが、消費増税後の経済情勢に不透明な部分などもございますことから、今回の商品券事業の実施状況やその効果を検証し、事業化の可能性について検討してまいりたいと考えております。  次に、2点目のものづくり産業を支える人材育成及び確保等についてでございます。  労働力人口の減少は、少子高齢化の進展とともに全国の地方都市と同様に本市でも顕在化しており、平成29年度に実施しました中小製造事業者への労働政策に関するヒアリング調査においても、若い人材や専門技術者、即戦力となる人材、女性、高齢者など多様な人材を雇用したいとの意見が全体の約半数を占めておりまして、労働力人口の減少に伴う本市の人手不足の現状が確認できたところでございます。  このようなことからも、本市が100年を超えるものづくりのまちとして培われてきた知識や技術・技能と、本市発展の礎となるものづくり精神を次世代へと継承していくためには、労働力人口の減少時代に対応した中小企業の人材確保とその育成が本市産業の大きな課題であると考えているところでございます。  そのため、本市では、市内中小企業を支える人づくりや従業員が生きがいを持って働くことのできる就業環境づくりへの支援を進めるなど、多様な人材の確保に向けた取組を展開いたしております。また、中小企業における先端技術の活用につきましては、今後、AIやIoTなどの先端技術を駆使して生産性や品質の向上を図る高度技術者の育成を茨城大学工学部と連携したセミナーや研究会活動、IoT機器の導入体験などから進めますとともに、先端設備の導入や特許技術の取得などの支援も進めてまいりたいと考えております。  進化する産業都市を目指す上では、これらの取組の着実な推進とともに、更なる振興施策の充実と支援体制の強化を図りながら、本市が将来にわたりものづくりのまちとして成長し続けられるよう、地域経済を牽引する中小企業の新たなチャレンジを切れ目なく支援してまいりたいと考えております。  続きまして、大きな1項目めの(3)教育施策についてでございます。  将来の日立市を担う子供たちはまちの宝であり、教育は子供たちの一生の基礎をつくるものでございます。そして、これまでも、ひたちらしさをいかし、子供たちの大きな可能性を伸ばせるよう努めてまいりました。本市では、日立力と言われる、内なる力と外なる力を融合して、新たなものを生み出す力で独自の産業や文化を育み、現在のものづくりのまちにつながってきております。この日立力を次代の子供たちへ引き継いでいくことは、今を預かる私たちの役割であり、大切な視点であると考えております。  教育には、このような時代を越えて普遍的な使命がある一方で、時代の要請に合わせ、将来の変化を見据えた取組も求められております。子供たちが生きていくこれからの社会は、IoTやAIを始めとする技術革新やグローバル化が急速に進むことに加え、少子高齢化の進行など将来の予測が困難な時代を迎えるものと考えます。その時代を生き抜いていくために、子供たちには、柔軟に個性を伸ばしつつ、幅広い知識と、多くの人と協力し合いながら新たな価値を創造し、どのような環境に置かれても夢に向かって未来を切り拓いていく力が必要であります。  そのための教育目標としまして、一つには、「深い学び」へとつながる「確かな学力の定着と活用する力の育成」、二つには、郷土への愛着を深め、健康な心身を養う「豊かな心と健やかな体を育む教育の充実」、三つには、国際社会において主体的で論理的な行動力を培う「次代を担う力を磨き高める教育の推進」を掲げているところでございます。  具体的には、来年度から本格実施される新学習指導要領を踏まえつつ、情報教育環境の整備を進め、ICT機器等を活用した教育の推進や、外国語指導助手による小学校1年生からの英語教育、プログラミング的思考を取り入れた教育などを推進してまいりたいと考えております。  また、本市の子供たちは、日頃から様々な方々に支えられながら成長してきております。地域住民や企業、団体による学校への様々な支援、登下校時の見守り活動など、多くの市民の皆様が子供たちのより良い育ちに携わっていただいております。これからも、市民と行政が一体となった取組により、まち全体で子供たちを支え、子供たちが夢と志を持ち、これからの時代を生き抜く力を身に付けられるよう、未来を拓く人づくりを力強く推進してまいりたいと考えております。
     次に、大きな1項目め、(4)持続可能なまちづくりについてでございます。  本市が直面している大きな課題である人口減少対策として、住んでみたい、住み続けたいと思う方を一人でも多く増やすことで持続可能なまちづくりを進めることが重要であると認識をいたしております。  そのために、本市の地域資源の掘り起こしと磨き上げを行いながら、効果的な情報発信をすることで、地域イメージや都市ブランドの向上を図っているところでございます。これまでのシティプロモーションの取組としまして、多くの資源にスポットを当て、日立市の誇る資産として改めて見直し、これらを「るるぶ」を始めガイドブックや市報の特集記事などで取り上げてまいりました。また、市公式ツイッターを始めとするSNSやシティプロモーション専用ホームページなど、本市が運営する各種メディアで積極的に情報を発信するとともに、プレスリリース配信やメディアツアーの実施などにより、外部メディアを活用して全国に本市の魅力を発信したほか、市内で働き、生活することの素晴らしさを伝える若者向け動画の配信なども行ってまいりました。加えまして、「日立市ってホントはすごいんです!」のタイトルで、子育て支援編の展開や子育て応援ハンドブックの作成などにより、本市が力を注いでいる子育て世代や若者世代に対する支援などについて、きめ細かなPRを行ってきたところでございます。  このような取組の中で、子育て中の方々から、日立市が子育てに力を入れていることが伝わってよかったという声や、映画「ある町の高い煙突」を見た方から、市の素晴らしい歴史を知ることができうれしいなどの反響があったことなどから、少なからず本市のイメージ・ブランドを高めることができたものと考えておりますが、一方では、年代や生活環境などにより、情報の入手方法やタイミングが異なるなどの様々な要因により、必要な情報が必要なときに必要な方に届かないという声があるなど、本市のPRがまだ不足している状況であり、更なる地域資源の掘り起こしと磨き上げ、そして、ターゲットを絞った効果的なPRが大きな課題となっていると認識をいたしているところでございます。  そこで今後は、映画「ある町の高い煙突」を御覧になった方が実際に本市を訪れ、本市の魅力を体感していただけるよう、ロケ地となった御岩神社や太田尻海岸、建設までの説明板を取り付けた大煙突が見えるスポットなどのゆかりの地を巡るモデルコースを設定し、それを紹介したパンフレットを作成することといたしております。また、ひたちらしさの象徴である大煙突とオオシマザクラやソメイヨシノなどの桜に秘められた物語、そして、その中で育まれた共存共栄の精神、豊かな自然や文化など、本市固有の魅力を更に効果的に内外に発信したいと考えております。  さらに、新たな手法として、本市にゆかりのある著名な方々に、ふるさと日立大使として本市のPRに協力していただいたり、若者に目を向けてもらえるようなイベントを検討するほか、若者世代や子育て世代に対する各種の施策のPRを更に効果的に進めるなど、これまで以上にきめ細かく情報を発信してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、持続可能なまちづくりの実現のためには、地域イメージや都市ブランドを高め、日立市を好きになっていただくこと、シビックプライドの醸成を図ることなどが重要であると認識をいたしておりまして、更なる情報発信に努めてまいりたいと考えております。  続きまして、大きな2項目め、財政政策についての2点の御質問にお答えをいたします。  初めに、(1)地方債の活用についてでございます。  議員御案内のように、本市の財政運営につきましては、財政の健全性を示す指標により、県内、全国の市町村と比較いたしましても比較的よい数値を維持しているものと認識をいたしております。本市はこれまで、地方債残高の抑制を図るため、地方債発行額を元金償還額より抑えるとともに、国や県の補助制度の積極的な活用や交付税措置がある有利な地方債を活用することを原則とし、事業を実施してまいったところでございます。また、地方債の活用が認められていなかった事業につきましても、制度改正により有利な借入れが可能となるケースもありますことから、県との連絡を密にし、情報の収集を行いながら、財源の確保に努めているところでございます。  地方債につきましては、その使途が、原則として、道路などのインフラ整備や建物などを建設する普通建設事業の財源を調達する場合に限り発行が認められ、事業を実施するための資金を一度に調達できるとともに、その負担を平準化させ、現在の世代だけでなく、将来の世代にわたりましても負担をお願いするものでございます。将来を見据えたインフラの整備を推進していくことは、本市の都市構造上の諸問題の解決、安全・安心のまちづくりや産業振興の実現の下支えなど、本市が継続して進めるべき大変重要な取組でございまして、その効果の発現には相当の期間を要することから、間断なく事業を推進することが肝要でございます。  私は、平成27年5月の市長就任以来、本市の地方創生に全力を注ぎ、2期目の市政運営に当たりましては、優しさがあふれ、たくさんの笑顔が輝き、未来に夢が膨らむまち日立の実現に向け、市民の皆様とともに力を合わせてまいりたいと所信表明で申し上げたところでございます。その実現のためにも、今後とも将来をしっかりと見据え、長期的な展望の下で、国・県の補助を含め、特定財源の確保や地方債を活用するなど、収支のバランスを取りながらも、選択と集中により投資すべきところには積極的な財政出動を行い、次期総合戦略における基本目標の達成と健全な財政運営の両立を図ってまいりたいと考えております。  次に、(2)市税の減収対策についてでございます。  我が国が本格的な人口減少時代を迎える中、歳入の根幹を成す市税につきましても増収の見込みが厳しい状況にあるものと認識をしており、より一層の創意工夫を重ね、自主財源の確保に努めなければならないものと考えております。本市におきましては、平成8年から行財政改革に取り組み、現在の第7次行財政改革は、今年度を最終年度として、事務事業の廃止、統合を含めた見直しやふるさと納税による寄附金の確保、市税等の収納率向上など、歳出の抑制と財源の確保に向けた取組を進め、一定の成果を上げているところでございます。特にふるさと納税におきましては、これまでに平成27年度から約50億円となる御寄附を全国の皆様からいただいているところでございます。  そのような中、本年6月1日からは地方税法が改められ、新たな基準に基づいたふるさと納税制度がスタートしたところでございますが、ふるさと納税は、単に御寄附をいただけるだけではなく、御寄附くださいました全国の方々との御縁やきずなを育むことができるものでございますので、御寄附を通して本市を知っていただき、本市のファンになっていただくためにも、特色ある返礼品の充実を図る取組を進めてまいりたいと考えております。  さらには、日立さくらロードレースの出場権や国民宿舎鵜の岬、奥日立きららの里の宿泊券のように、交流人口の拡大につながる返礼品により、寄附者の来訪を促し、滞在し本市の魅力を体感していただけるような返礼品を加えられるよう、関係団体などとも連携をし、検討を進め、寄附金の確保に努めてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 17 ◯副市長(吉成日出男君) ◇登壇◇ 私からは、大きな3項目め、官民連携によるまちづくりについての大きく2点の御質問に、順次お答えを申し上げます。  初めに、(1)中心市街地再開発の促進についてでございます。  日立駅及びその周辺地区は、本市の中心的な拠点として、まちの顔にふさわしい多様な機能と人を引き付ける魅力を備えた空間を形成するため、これまで日立駅周辺地区整備事業や日立駅前土地区画整理事業などにより整備を進めてまいりました。しかしながら、近年の人口減少に伴い、街なかに空き家や空き地などの低未利用の空間がスポンジの穴のようにランダムに発生する、いわゆる都市のスポンジ化や建物の老朽化が進行している状況が見受けられるところでございます。  そのため、本市では、日立駅及びその周辺地域における更なるにぎわいの創出や交流人口の拡大、産業の振興を図る目的で、平成29年度から、市街地再開発を視野に入れた土地利用計画の検討を進めております。  具体的な土地利用計画としては、駅西側エリアにおける居住空間の提供による足元人口の確保や、駅東側エリアにおける海への眺望をいかした交流の場の提供によるにぎわいの創出に加え、異なった魅力を持つ東西エリア間の回遊性向上など、それぞれの地区の特色をいかしながら、駅周辺の更なる魅力向上を図ろうとするものでございます。既に駅周辺におきましては、海側の優れた眺望をいかしたカフェや展望スペースが日頃から多くの方々でにぎわっている状況にございます。  御提案をいただきました、そのにぎわいのエリアを更に広げていくことにつきましては、駅周辺の更なる魅力向上や駅東西の回遊性向上に有効であると考えますが、この建物は、駅舎と一体となった、空中に浮かんでいるような特殊な構造であることから、エリアの拡大には、建物構造の十分な検討はもとより、足元となる東口駅前交通広場や海側に近接する崖地への影響などについても検討する必要がございますので、今後、施設の更なる利活用について調査研究をしてまいります。  また、駅東側エリアのレトロな建造物による町並みや建物の活用、駅西側エリアでのショッピングモールの更なる利活用については、エリア全体における人の流れ、お金の流れを活性化させる有効な手段と考えられますことから、土地利用計画の推進と併せまして、昨年度実施いたしました民間事業者への進出意向調査の結果などを踏まえながら、民間活力を積極的に誘導する施策を検討してまいります。  日立駅及びその周辺地区には、事業所や大型商業施設、文化施設などが集積しており、各地から訪れる駅周辺を回遊する方々に向けて、モノやサービスを提供する「稼ぐ力」のポテンシャルが高いエリアでございます。まちににぎわいを生み出すためには、ハード面の整備に加えて、地域の中でお金の流れが好循環する仕組みづくりが重要であり、それには、外部の人材も含めた仕掛け人やまちづくり団体などの活用による官民連携の効果的なエリアマネジメント手法の導入が有効であると考えておりますので、都市経営の視点を持ちながら、日立駅周辺の更なるにぎわい創出に向けて取り組んでまいります。  続きまして、(2)山側住宅団地再生モデル事業についてでございます。  本市の山側丘陵部一帯に位置する、いわゆる山側住宅団地は、開発行為などにより宅地や道路が計画的に整備され、高台からの眺望にも優れているなど良好な住環境を有しているものの、その多くが高度経済成長期に供給され、居住者が同時期に入居したことなどから、建物の老朽化や居住者の高齢化が一斉に進行している状況にあります。  そのような中、本市では、平成29年度から山側住宅団地の再生に向け、団地ごとの特性などについて調査を行っており、昨年度からは、山の神団地をモデルとして、再生に向けた具体的な検討を進めているところでございます。  この西成沢町1丁目に位置する山の神団地は、国道6号や商業・医療施設が集積している兎平地区などにも近接しているため、居住環境における高いポテンシャルを持ったエリアでございます。また、企業の社員寮跡地である大規模用地が隣接していることや、団地付近で鮎川・城南道路の検討が進められていることなどから、社員寮跡地の利活用と併せた団地の再活性化をポイントとして、民間活力の導入による効果的なイノベーションを検討するため、モデル団地として選定をしたところでございます。  この社員寮跡地の利活用構想でございますが、既存の団地においては、高齢の夫婦世帯、単身世帯が増えている現状があり、今後更なる高齢化の進展が懸念されることなどから、高齢者が生きがいを持って安全・安心に暮らすことができる福祉施設の立地誘導を図ることに加えまして、子育て世代の定住促進の観点から、子育て世代が持つ、同じ年齢層が集まる新しい団地に住みたいというニーズに応えるためのまとまりのある住宅地の供給などの土地利用を描いているところでございます。  議員御提案の山側団地ならではの付加価値を持たせた、子育て世代や若者世代への宅地供給や、高齢者が集い、趣味などを楽しみながら学び、暮らせる場を創出することなどは、利活用構想を更に充実させるものであるため、今後、団地の再活性化に向けて、関係企業と連携を図りながら、効果的な事業手法を精査していく中で、検討を進めてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、高齢化が進行する大規模住宅団地の再生に向けては、インフラ整備だけではなく、コミュニティを維持、存続していくために、若者世代の定住促進を図ることなどにより幅広い世代が団地に居住することが重要と考えておりますことから、今後も引き続き団地住民や民間事業者の意向を踏まえ、それぞれの役割分担を明確にしながら、より効果的な施策の推進を図ってまいります。  以上でございます。 18 ◯市長公室長(鈴木利文君) ◇登壇◇ 私からは、質問の大きな4項目め、市民協働のまちづくりについてのうち、(1)まちづくり講座についての御質問にお答えいたします。  議員御案内のひたちまちづくり市民大学につきましては、市民の皆様に市の主要施策や事業等について説明を行い、同時に、市政に対する理解を深めていただくことを目的に、広聴広報活動の一つとして、平成20年度から24年度まで実施した事業でございます。  事業の概要でございますが、市の概況や各部ごとの主要な施策、事業等をテーマに、市職員や外部講師による講座のほか施設見学を行うなど、満18歳以上で市内に居住又は通勤・通学している方を対象に、年間10回程度の講座を主に土曜日に開催したものでございます。事業を行った5年間で延べ232名の方々に参加をいただきましたが、参加者は60歳以上の方が多数を占め、また、年を重ねるごとにリピーターが増え、特定の方々の参加に偏る傾向があったことなどから、平成25年度以降は開催していない状況でございます。  市政各分野の施策を積極的に情報発信し、幅広い年代層から意見をいただくことは大変重要であると認識しております。現在、市政情報等を発信する取組については、市報を始め市のホームページ、ケーブルテレビ、FMラジオ、SNSなど多種多様な媒体を活用し、行っております。  一方、市民の意見を聴く取組については、来庁や電話による対応はもとより、文書や手紙、市のホームページの問い合わせフォームからの意見や問い合わせ、インターネットモニター制度を利用したアンケート調査など、様々な方法で行っているところでございます。  また、市長自らが市の主要施策や事業等について市民の皆様に説明を行い、市政に対する理解を深めていただきますとともに、意見の交換を行う市長との市政懇談会につきましては、毎年行っておりますコミュニティ代表者との懇談会を始め、平成27年度からはコミュニティの23の単会全てで懇談会を開催し、市政に関する情報の共有化を図るとともに、市政への要望やそれぞれの地域住民が抱える諸課題について率直な意見交換を行ってまいりました。さらには、高校生や子育て世代の方との懇談会を実施し、日立市の魅力や定住促進策、子育て支援の充実など、若い世代の方々が考えている様々な意見を聴き、今後の市政運営にいかすとともに、参加された皆様には、市政をより身近に感じ、理解を深めていただけたものと考えております。  議員御提案の多世代交流型のまちづくり講座を開催することにつきましては、市民と市との意見交換はもとより、各世代間の交流、意見交換も図られることから、大変効果的であると考えております。今後は、今まで行ってまいりました市政懇談会を始め広聴広報活動の一層の充実はもとより、若者からお年寄りまでが一堂に会して自由活発に意見交換ができる新たな取組の在り方、手法等につきまして研究・検討を重ね、より多くの市民の皆様から意見をいただき、そして、市政に反映することができるよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 19 ◯生活環境部長(清水 透君) ◇登壇◇ 私からは、質問の大きな4項目め、市民協働のまちづくりについての(2)「きれいなまち ひたち」を目指しての御質問にお答えいたします。  議員御案内のとおり、本市では、いきいき茨城ゆめ国体・いきいき茨城ゆめ大会の開催に当たり、全国からお越しになるたくさんのお客様をきれいなまちにお迎えするため、市と市民の協働により、昨年度から、花いっぱい運動や地域清掃などの環境美化活動に取り組んでおります。そして、各コミュニティの方々が花壇やプランターで育てた花々が、大会期間を通じて、駅前や沿道、競技会場を美しく飾る予定となっております。  また、国体に向けた取組のほかにも、本市では、長年にわたり、道路里親制度による道路環境整備を始めとして、公園里親制度や公園を守る会による公園管理、河川愛護団体による河川清掃、花いっぱいコンクール、ビーチクリーンキャンペーンなど、まちをきれいにする様々な取組を市民の協力を得て積極的に展開してまいりました。現在の環境は、このような地道な取組の積み重ねにより引き継がれたものであり、今を生きる私たちには、この環境を確実に次の世代に継承していく責務があるものと認識をしております。  そして、今年度は、市制施行80周年の記念事業を始め、市をPRする各種事業を実施するほか、映画「ある町の高い煙突」が全国で公開されることから、本市の注目度が更に高まり、国体終了後においてもたくさんのお客様に訪れていただけるものと考えております。  このため、更に「きれいなまち ひたち」を目指し、現在行っております個別の取組の連携や拡充を始め、市内の高校や大学、企業等との連携方策など、少子高齢化等に伴う社会環境の変化を踏まえた推進体制の在り方について検討を行い、引き続き市民との協働による環境美化活動に取り組んでまいります。  以上でございます。 20 ◯18番(吉田修一君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございました。  今回の質問は、小川市長が本市を取り巻く諸問題、諸課題をどのように認識し、克服していくのか、また、本市が将来にわたりどのように発展、変わっていくのかを、まちづくりや人材の育成、さらには今後の取組や新たな仕組みづくりの視点に立って質問をさせていただき、市長を始め各担当部から姿勢及び考え方を伺いました。  御答弁いただいた中から、2点について、意見、要望を申し述べさせていただきます。  1点目は、市長が描こうとしている本市の将来像についてです。  小川市長は、1期4年間において、自らが先頭に立ち、本市が抱える少子高齢化社会への対応や人口減少問題など重要な問題、課題に前向きに取り組んでこられたことは承知しているところであります。市長は、将来を見据えながら今何が必要なのかを考え、住みたい、住み続けたいとなるよう、今後4年間において地方創生・人口減少対策を始めとする市政運営の重点項目に力を注ぎ、「笑顔・元気、そして未来へ みんなの力で地域共創」の実現を目指すとのことでした。  しかし、その実現に向けては、行政だけの力では限界に来ているものと私は思います。本市において100年以上にわたり脈々と事業を継続し、発展し続けてきた企業のノウハウを研究するなど、企業と協力連携した民間手法の導入や、ものづくりのまちとして今後も発展し続けるための先端技術の活用、そのための人材育成、教育など、様々な分野における取組にも共通することではないかと考えます。  また、最も重要なのは市民との協働であり、市民約17万7,000人の思いや知恵、協力が必要であります。それは、中心市街地の再整備や山側住宅団地再生モデル事業や「きれいなまち ひたち」の環境美化活動の推進など、今回の御提案させていただいた質問において相通ずるものであります。これまでも市民が主体的に取り組んできた事業の継続や組織を拡大するための後押しを強力に推し進めるなど、是非とも本市の特色をいかしたまちづくりを進め、全ての市民がシビックプライドを高め、住みたい、住み続けたいとなるような事業の確実な推進に努めていただくよう要望するものであります。  2点目は、財政政策についてです。  これから先の税収は、人口減少や少子高齢化の進展により、右肩上がりの増大は見込めず、逆に、高齢者福祉サービスの増大など経費拡大が予想され、本市を取り巻く環境はますます厳しさを増していくものと考えます。一方で、行政は、限られた経営資源を有効に活用し、重点的に投資するとともに、地域資源の有効活用や効果的な情報発信により地域の活力を引き出し、市民の所得を向上させ、税収を増やしていくことが重要であります。さらには、市民の多様なニーズに応えながら市民満足度を高めるといった効率的かつ質の高い行政の実現が強く求められているのも事実であります。  本市の財政政策については、いつ起こるとも限らない想定することのできない有事に備え、歳出を抑えるということにより、他自治体と比較しても健全性を維持しているということは承知しているところでありますが、しかしながら、財政状況が健全なときにこそ、重要かつ必要な事業に対しては、国・県の補助金を当てにはせず、一定規模の地方債による財源を投入することができるわけで、一たび税収が極端に減収し、財政状況が悪化した際には、幾ら重要な事業であっても、財政の投入は困難となります。特に今、本市が抱える少子高齢化・人口減少対策などは、本市にとって喫緊の問題であり、さらには、地方創生といった課題の打開のためにも、選択と集中により積極的な財政出動を行い、他自治体には類を見ない先進的な施策に打って出ることにより、小川市長が目指す、優しさがあふれ、たくさんの笑顔が輝き、未来に夢が膨らむ日立市の実現、すなわち人口減少に歯止めがかかり、定住促進にもつながるものと思います。思い切った財政政策を打ち出すよう要望いたします。  最後になりますが、小川市長をトップリーダーとして新たな4年間がスタートしたばかりでございます。様々な諸問題、諸課題の克服に向けて、子供から若者世代、子育て世代、さらには高齢者に至るまで、全ての市民が、住んでよかった、住み続けてよかったと改めて感じられるような日立市を築き上げていただけることを心から願い、民主クラブを代表しての質問を終わります。ありがとうございました。 21 ◯議長(茅根茂彦君) 以上で吉田議員の質問が終わりました。  次に、公明党、舘野議員に発言を許します。 22 ◯25番(舘野清道君) ◇登壇◇ 公明党の舘野清道でございます。  公明党を代表いたしまして、大きく7項目について質問いたします。分かりやすい御答弁のほどをよろしくお願い申し上げます。  大きな1番、所信表明についてであります。  公明党は、経済の好循環を着実に推進し、軽減税率を実施することなどによって、家計へ実感を届けます。そして、子育てファーストの社会を目指して、教育の無償化を更に進めます。認知症対策の推進とともに、介護サービスの充実、がん・生活習慣病対策の強化は急務です。国民の生命と財産を守る防災・減災対策を国家戦略として実施します。誰もが輝く社会の実現は政治の責任です。私たち公明党は、一人一人の小さな声を政策に掲げ、生活者の暮らしを守り抜き、一人一人が輝き、活躍できる社会を目指しております。  さて、小川市長は、2期目の再選を果たされ、今後、在任期間の4年間は、少子高齢化対策や人口減少対策に力を注がれるとともに、18万弱市民の生命と財産を守るために働くことを期待するところであります。  今般の日立市議会議員選挙において、私も、様々な市民の皆様とお会いし、たくさんのお話をお伺いすることができました。特に高齢者の方々からは、買物や病院への足の確保について、バスに乗るにも停留所が遠くにあるので歩いていくのが大変だとの声を多く聞いております。バスの停留所が遠いので、間隔を狭くしてほしい、停留所を設置できないのかとの要望もいただいたところであります。さらには、人口が減少する一方だが市の財政は大丈夫なのか、新庁舎が立派に完成したが借金は大丈夫か、人口が減少する中であまりにも贅沢な庁舎なのではといった声が多く聞かれたところであります。そのほかにも、空き家が多く防犯上心配等々、枚挙にいとまがありません。  2期目のスタートに当たり、小川市長の所信表明、今後4年間における市政運営の基本目標として、新たに「笑顔・元気、そして未来へ みんなの力で地域共創」をスローガンに掲げました。「みんなの力で地域共創」は、小川市長の市内各所に設置されている市民相談の看板に書かれていることは誰もが承知しているところであり、正に強い思い入れがあるものと承知をしているところでございます。  そこで、(1)若い世代の転出抑制や定住促進策についてであります。  市長は、4年間の基本目標を実現するために、大きく6項目について重点項目を示しました。その第一に、「地方創生・人口減少対策」を掲げました。その中には、地方創生の原点は、正に若い世代が地域に魅力を感じ、地元で仕事を得ながら家庭を持ち、安心して子供を産み育てることができる、持続可能な地域社会を築いていくことであると述べられております。そのためには、子育て世代の暮らしやすい住環境の整備、あらゆる分野における女性の活躍推進、そして、ワーク・ライフ・バランスの更なる啓発と若者や女性にスポットを当て取組を総合的に推進することで、20代から30代を中心とした若い世代の転出抑制、定住促進を積極的に図っていかなければならないと述べられております。  そこでお伺いいたしますが、日立市の若い世代が日立市のことをどのように思っているのか、具体的に意向を把握するための調査をどのように行ってきたのか、お伺いいたします。  また、茨城キリスト教大学や茨城大学工学部だけでも約5,000名以上の若者がいるわけでありますが、いろいろと御意見を聞いてきたと考えます。そのような声を参考にするなど、若い世代の転出抑制や定住促進をどのように図っていくのか、お伺いいたします。  次に、大きな2番、ひたちらしさを活かしたまちづくりについて。  (1)地域共創をどのように進めていくのかについてであります。  私は、昨年の代表質問において、まずは18万人市民が、住んでいる方が幸せだと感じる施策の充実を訴えてまいりました。まちづくりは、人口減少対策が喫緊の課題となっている中で、他の自治体から日立への転入者を増やすことも必要ですが、この日立に住む多くの人が魅力を感じ、まちに愛着を持って、ほかへ出ていかない方策を考えることも大切であると思っております。また、市長は、地方創生の鍵は正に地域資源の掘り起こしであり、ないものねだりからあるもの探しへ発想を転換していかなければなりませんと昨年も述べられておりました。  そこで、ないものねだりからあるもの探しの発想の転換により、どのような事業に結び付けてきたのか、そして、今後どのようにひたちらしさをいかしたまちづくりを行っていくのか、再度お伺いするものであります。  併せて、地域資源の掘り起こしと磨き上げに今後どのように取り組む決意なのかもお伺いいたします。  さらには、地域共創は、市民の皆様とともに力を合わせてつくり上げていくために、市長自らの情報発信はもちろん、市民懇談会の更なる充実や意見を聴く会の開催などを積極的に展開する必要がありますが、どのように考えているのか、お伺いいたします。  (2)「関係人口」の拡大による、第2期日立市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定についてであります。  地方創生をめぐり、政府は、2020年度から2024年度に取り組む政策の方向性を示しました。まち・ひと・しごと創生基本方針案を公表しました。引き続き東京一極集中の是正を最重要課題と位置付け、地域イベントなどへ継続的に参加する関係人口を拡大し、将来的に移住者を増やす、関係人口の取組を盛り込んだ総合戦略をまとめております。とりわけ人口減少や少子高齢化の影響が大きい日立市は、産業の振興や伝統文化の継承といった面でも担い手不足が深刻化していきます。地域活性化には欠かせない人材をどう確保するのか。この点で注目されているのが関係人口という考え方であります。  これまで、居住者を指す定住人口や観光客を意味する交流人口の増加が地域振興に重要とされてきましたが、人口減少社会で定住人口の増加は容易ではなく、交流人口が増加しても担い手の確保に直接つながらない。こうした中で、総務省は、過去に居住経験や滞在経験がある人、又は観光などを契機に関心を持った人などを関係人口と定義し、地域おこしの新たな担い手となるよう取組を始めております。2018年度からスタートしたモデル事業は、2019年度は予算が倍増され、全国44自治体での提案が採択され事業が進んでいます。  日立市においても、第2期日立市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定のための有識者会議が構成され検討されるようですが、関係人口の考え方の定義も踏まえてはと考えるところでございます。今後の策定の基本的な方向性や考え方についてお伺いいたします。  次に、大きな3番、映画「ある町の高い煙突」で日立市の魅力を全国に発信であります。  日立市を舞台にした映画「ある町の高い煙突」が、6月14日から、ユナイテッド・シネマ水戸、シネプレックスつくばで全国に先駆けて上映されています。本作は、松村克弥監督の「天心」、「サクラ花~桜花最期の特攻~」に続く茨城3部作の最後の作品となっており、松村監督自身が集大成と語る本作は、昭和の文豪、新田次郎氏の小説が原作となっております。  しかし、松村監督は当初からこの史実を知っていたわけではなく、日立市で「サクラ花」の上映会を行った際に多くの市民からこの作品を映画にしてほしいと言われたことで初めて原作や煙害問題を知っただけでなく、日立市民の映画熱にも胸を打たれたことが映画化を決意したきっかけとなったようです。私も偶然、歴史的な瞬間とも言うべきこの熱気あふれる「サクラ花」の上映会にいたわけでありますが、あれから2年の歳月が経過し、いよいよ全国公開されようとしているこの状況に感無量であります。  また、この映画の制作を支援していただいたサポーターや企業は1,000を超え、多くの方々から協賛をいただいたようです。改めて市民の方の関心の高さを思うものでありますし、映画「ある町の高い煙突」を応援する会の皆様の献身的な活動に改めて敬意を表するものであります。  さて、本作で描かれている煙害問題に粘り強く取り組んだ関 右馬充、久原房之助、そして、そこから生まれた市の花・桜、後の小平浪平さんの活躍などは、紛れもなく本市の誇りであると感じております。今回の映画「ある町の高い煙突」が全国公開されるという千載一隅の機会を捉え、この映画に描かれた日立市独自の魅力ある歴史を後世に伝えていくことがシビックプライドの醸成につながるものと考えております。  この歴史を「ひたちらしさ」、日立にしかない大きな魅力の一つとして内外に広く紹介し、多くの人に日立市を訪れて、実際に日立市の魅力に触れていただきたいと考えておりますが、執行部の御見解をお伺いいたします。  次に、大きな4番、希望ある「幸齢社会」の実現についてであります。  我が国が抱える最大の課題の一つは、人口減少、少子高齢化です。2025年には約650万人に上る全ての団塊の世代が75歳以上となり、40年には高齢者人口がピークを迎えます。既に人口減少は始まっており、15歳から64歳の生産年齢人口は今後減少が続きます。そういう社会が訪れることを前提に、年齢を重ねても、健康寿命や活動寿命を延ばし、一人一人が生き生きと幸せに暮らし、活躍できる社会を構築することが重要だとの問題意識から「幸齢社会」と表現をいたしました。  (1)認知症対策についてであります。  認知症の人は2030年に830万人に達するとの推計もあり、将来自分が認知症になることに不安を感じているとの声が多く寄せられています。認知症の理解を進めるために、全国では認知症サポーター養成講座の受講者は1,000万人を突破しましたが、役割が明確ではないとの声を聞きます。今後認知症の人が増えていくことも踏まえ、サポーターの役割を明確化していくことが重要です。さらに、認知症の人が同じ認知症の人の相談支援を行うピアサポートも注目されています。認知症であっても活躍できる具体的な仕組みづくりについて取り組む必要がありますが、日立市の現状と対応についてお伺いいたします。  (2)介護サービスの充実についてであります。  高齢者が住み慣れた地域で暮らし続ける地域包括ケアの構築は非常に重要です。昨年、党が実施した100万人訪問調査でも、地域で暮らしたいとの声が多数ありました。それを支える体制が重要であり、介護に関わる人の活躍が不可欠です。しかし、仕事の忙しさや重労働などを理由に離職する介護職の方々も多いようです。その解決のためにも、事業者において、介護職の処遇改善や介護職に係る肉体・物理的な負担を軽減するために、ICT──情報通信技術や介護ロボットなどの先端技術をどう活用していくかも重要な課題であると思いますが、日立市としての対応についてお伺いいたします。  (3)がんや生活習慣病への対策についてであります。
     国のがん対策基本法制定以来、がんに対する認識も徐々に上がってきた反面、残念ながら、検診受診率は、国の平均では50%に届いていません。最近は、がんは万が一じゃなくて2分の1との新聞広告も目にすることもあります。また、生活習慣病に由来する様々な疾病もあります。一人一人が自身の生活を見直すとともに、重症化予防対策に力を入れるべきだと考えます。  日立市においても、心臓疾患による死亡者数が他の自治体と比較して非常に多いと聞いておりますが、健康寿命の延伸のため、がんや生活習慣病対策の現状、課題、今後の対応の基本的な考えについてお伺いするものでございます。  (4)高齢ドライバーの事故対策や免許返納後の支援策についてであります。  昨今の報道によりますと、全国で高齢者のドライバーによる交通事故が連日のように取り上げられております。4月には東京の池袋で、6月の初めには福岡市で悲惨な交通事故がありました。ニュースなどで大きく報道されていましたので、皆様の記憶にも新しいと思います。こうした交通事故を契機に、運転に不安を感じ、運転免許証を自主返納する高齢者が増えているのではないのでしょうか。また、返納後の移動手段の確保が課題となりますが、タクシー券やバスの回数券の配布などに取り組む自治体もあります。  そこでお伺いいたしますが、日立市の高齢者による交通事故の状況はどのようになっているのでしょうか。  また、高齢者の運転免許自主返納の状況と免許返納後の支援策についてもお伺いいたします。  (5)高齢者が移動しやすい公共交通の整備についてであります。  高齢者からは、バス停まで歩いていくのが大変で路線バスが利用できないため、デマンド型の乗り合いタクシーを導入してほしいや、山側住宅団地からもひたちBRTに乗れるようにしてほしい、また、バス停の間隔を短くして自宅の近くから乗れるようにしてほしいという声が多くあります。  そこで、2点お伺いいたします。  4月から実施した路線バスの再編では、このような要望にある高齢者の移動しやすさに配慮した点についてお伺いいたします。  また、路線バスが利用できない高齢者の今後の移動手段についてお伺いいたします。  次に、大きな5番、産業振興による雇用の場の確保についてであります。  日立市では、若者が流出をしております。若者がいないという声をよく耳にしますが、茨城大学工学部には約2,300人、茨城キリスト教大学には約2,500人の学生が在籍し、決して若者がいないわけではありません。茨城大学工学部の学生は県外出身者が6割ほど占め、卒業後はふるさとへのUターン若しくは有名企業への就職により東京へのJターンをしているようですが、茨城キリスト教大学の学生の多くは、地元での就職を希望しているようであります。  私は、人口減少への重要な取組として、これらの学生が卒業後も本市に残れるよう、地元で就職し、働き続けられる雇用環境を整える必要があると常々考えております。先日、日立商工会議所が主催する講演会に参加したところ、三菱日立パワーシステムズの日立工場の方から大変有意義な話題提供がございました。それは、新規事業を立ち上げるに当たり、地元の中小企業の参画を呼び掛ける内容でありました。このような大企業と中小企業の連携事業は実現されそうでなかなかできなかったことであり、大変喜ばしく、歓迎するものであります。加えて、そこに新しい市場が創設される可能性もあり、参画する企業の業績が伸びれば新しい雇用も生まれるものと期待が膨らみます。  そこで、私は、今こそ、使い古された言葉になってしまった「産学官の連携」に改めてスポットライトを当て、行政、大学、企業が産業振興に向けた取組として、新技術や新産業といった分野に地域を挙げて改めて挑戦することを提案いたします。  本市では、昨年度、中小企業振興基本条例を制定し、第2次商工振興計画を策定し、新時代の産業都市を目指す産業振興を積極的に推進するようでありますが、御見解をお伺いいたします。  次に、大きな6番、都市力の向上についてであります。  現在、人口減少や少子高齢化の更なる進展が見込まれる中、主要都市を中心に、空き家や空き地がランダムに発生する都市のスポンジ化が進行するなど、市街地の低密度化が進んでおります。そうした低密度化の進行に伴い、住民の日常生活に不可欠な商業や医療、福祉などの都市機能の喪失や地方財政状況の悪化などの事態も懸念されることから、コンパクトなまちづくりの推進が強く求められております。  こうした中、平成26年8月には、都市再生特別措置法の一部を改正する法律が施行され、国を挙げてコンパクトなまちづくりに向けた枠組みが整備されたところであります。現在、各地方自治体において、そうした制度を活用しながら、目指すべき将来像を示し、その実現に向けて各種施策を実施するなど、コンパクトシティを目指した取組が本格化してきていると感じております。  本市においても例外ではなく、人口減少などに対応した持続可能とするコンパクトシティの都市構造を目指すため、立地適正化計画の策定に取り組んでいるところであり、その実現を大いに期待するところであります。平成30年に公表された国立社会保障・人口問題研究所における日立市の2040年の人口推計は12万9,000人とされており、今後ますますコンパクトシティへの取組や都市構造の集約化への誘導が重要になってきているのではないかと感じているところでございます。  ここで、2点について質問いたします。  1点目、本市における人口と都市計画フレームの変遷について、2点目、コンパクトシティを形成するための施策についてお伺いいたします。  最後に、大きな7番、東日本大震災から8年が経過してであります。  本日も、日立市では、朝方に震度4の地震が発生しました。職員の方も、担当課は参集し、異常なしとの確認をしたところであります。また、日常的に24時間体制で市民の命を守る消防本部の皆様、水の安定供給のために御尽力している企業局の皆様には心から感謝を申し上げるところでございます。  さて、東日本大震災から8年が経過しましたが、5万人を超す人々がいまだに避難生活を余儀なくされ、復興の戦いが続いております。また、JR常磐線は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の影響で不通となった区間が順次再開しており、残りは浪江-富岡間の20.8キロメートルのみで、一日も早い全線再開が期待をされております。  私も、公明党を代表しての代表質問において、必ずこのテーマで毎回質問させていただいております。昨年の代表質問においては、震災の風化を防ぐため、震災の記憶を後世に残し続けようとするアーカイブ活動の取組や広域避難計画、東海第二発電所は廃炉専用事業者に業態変更すべきとの質問をさせていただきました。  ここでお伺いいたしますが、震災復興の残された課題と進捗状況について、震災を風化させないための取組について、再度お伺いするものでございます。  また、近年、全国各地で多発している自然災害は、台風を始め集中豪雨、地震、そして記録的な猛暑など甚大な被害をもたらしている状況にあります。最近では、熊本地震、大阪府北部地震、西日本豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震など、これまで経験したことのないような大規模な自然災害が相次ぎ、日本列島に甚大な被害の爪痕を残しました。亡くなった方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に対し、心よりお見舞いを申し上げるところでございます。  我が国は、地震活動期に入ったとの指摘や地球温暖化の影響でも論じられています。巨大地震や首都直下型地震はいつ起きてもおかしくない状況にあります。正に自然災害が大きな脅威となっていることは紛れもない事実でございます。  ここでお伺いいたしますが、市民の生命を自然災害から守るために、市ではどのような対策や市民の自助力の向上策についてお伺いいたします。  以上で1回目の質問を終わります。御答弁のほどよろしくお願い申し上げます。 23 ◯議長(茅根茂彦君) 舘野議員の質問に対し、執行部からの答弁を求めます。 24 ◯市長(小川春樹君) ◇登壇◇ 公明党を代表しての舘野清道議員の御質問にお答え申し上げます。  私からは、大きな1項目め、所信表明についてと、大きな2項目め、ひたちらしさを活かしたまちづくりの2つの御質問、大きな3項目め、映画「ある町の高い煙突」で日立市の魅力を全国に発信、及び大きな7項目め、東日本大震災から8年が経過しての御質問に、順次お答え申し上げます。  まず、大きな1項目め、所信表明についての(1)若い世代の転出抑制や定住促進策についてでございます。  本市の喫緊の課題であります「地方創生・人口減少対策」につきましては、平成27年度に日立市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、様々な施策に積極的に取り組んできたところでございます。5箇年計画の最終年次となる今年度におきましては、子育て世代に対する切れ目のない支援を始め、若者や女性の雇用機会の創出と定住促進やものづくりのまちを支える中小企業支援等の更なる充実を図りながら各種施策の推進に努めるとともに、引き続いての第2期総合戦略の策定に向け、現行の総合戦略の評価検証や今後の地方創生・人口減少対策に求められるニーズ把握に向けた調査等の準備を併せて進めているところでございます。  私は、市政運営の基本は、市民ニーズを的確に反映させた行政サービスを適時適切に提供していくことが大変重要であると考えております。地方創生・人口減少対策におきましても、これまで人口動態の分析や各種アンケート調査に加え、学生や子育て世代の方々との懇談会を行うなど、積極的に意見を聴く取組を進め、各種施策の充実に努めてきたところでございます。その結果、長く続いてまいりました本市からの転出超過が縮小に向かい、出生者数も改善するなど、僅かながらも成果を見ることができたと考えているところでございます。  しかしながら、本市においては、依然として20代から30代の若者、女性、子育て世代の方々の人口減少は続いております。その移動理由の多くは、就業、転職、転勤といった仕事、結婚や子供の就学をきっかけとして住居の住み替えを行う住環境が主なものとなっております。このようなことから、第2期総合戦略では、所信表明でも申し上げましたように、若い世代の転出抑制、定住促進を積極的に図ることが重要になるものと考えております。  そのためにも、計画の策定に際しましては、若い世代の方々からの日立市に足りないものや求めるものについての御意見をしっかりと受け止めさせていただく上で、子育て世代が暮らしやすい住環境の整備やあらゆる分野における女性の活躍推進、さらには、働きたいときに希望に沿い安定して働ける雇用の確保、創業支援を始めとした若者や女性にスポットを当てた取組に更に力を入れてまいりたいと考えております。  続きまして、大きな2項目め、ひたちらしさを活かしたまちづくりの二つの御質問にお答え申し上げます。  まず、(1)地域共創をどのように進めていくかについて、2点の御質問がございましたので、順次お答えいたします。  初めに、1点目のひたちらしさの活用についてでございます。  まちづくりの基本は、本市に住む市民の皆さんが安全に安心して幸福感や満足感を感じながら生活できることにあると考えております。さらに、市民の皆さんの市に対する愛着や誇りを高め、このまちに住むことの幸福感や満足感を感じていただくこと、また、市外に対して本市の魅力を積極的に発信し、認知度やイメージの向上を図り、日立市を訪れる人や住んでみたいと思う人を増やしていくことも、まちの活力維持のためには肝要であると考えております。  そのため、これまで、地域資源を掘り起こし、磨きをかけ、本市にしかない魅力やまちの個性をひたちらしさとして市内外に戦略的に発信し、本市の持つ魅力を多くの方々に御認識いただけるよう努めてまいりました。本市には、この度公開の運びとなった映画「ある町の高い煙突」に描かれております、市民と企業が協働して鉱山の煙害を克服していく象徴である大煙突、そしてまた、煙害で荒廃した山々の回復のため植林をされたオオシマザクラを原点とする市内一円に咲き誇る美しい桜など、ほかのまちにはない市民と企業の共存共栄の歴史と、そこから生まれた様々な資源があるわけでございます。さらに、海や山などの豊かな自然や温暖な気候に恵まれていることや、昨年はちゅウるい館がオープンしたかみね動物園、去る6月4日に300万人の入場者を達成した日立シビックセンター科学館、ユネスコ無形文化遺産に登録されている日立風流物、市民による様々な文化・芸術活動など、長年にわたる先人の営みの中で育まれてきた本市独自の豊かな文化にも恵まれております。  こうした本市ならではのひたちらしさを活用し、今後もシティプロモーションによる魅力発信を積極的に行い、シビックプライドの醸成、交流人口の拡大につなげてまいりたいと考えております。  次に、2点目の地域共創に係る市民の意見を伺う機会の充実についてでございます。  地域共創を市民の皆様と共に進めていくには、市政各般にわたる諸施策を積極的に発信するとともに、様々な意見を聴き、それらを市政に反映していくことが大変重要であると認識をいたしております。市政懇談会につきましては、市民の皆様と意見交換を行い、意見・要望等を市政に反映させるものとして、コミュニティの代表者を始め23のコミュニティ単会全てで懇談会を開催してまいりました。また、昨年度は、市内の高校生や子育て世代の方々との懇談会を開催し、各世代の皆さんが考えておられる日立市に対する思いや意見等を伺うことができたところでございます。  このほかにも、これまでに総合計画や各種分野別計画の策定時において、市民の皆さんの意見を聴く会の開催、市民アンケートやパブリックコメントの実施など、積極的に市民の皆様からの御意見を伺う機会を設けてまいりました。今後も、様々な機会や多様な媒体を活用いたしまして、市の施策等を市民の皆様に分かりやすく伝えるための取組を進めるとともに、市政懇談会を始め広く市民の意見を伺う機会の充実を図り、市政への反映を図ってまいりたいと考えております。  続きまして、大きな2項目めの(2)「関係人口」の拡大による、第2期日立市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定についてでございます。  先日公表されました国の「まち・ひと・しごと創生基本方針2019(案)」では、第2期総合戦略は、現行の総合戦略の枠組みを基本的に維持しつつ、必要な強化を行うという考え方が示されております。また、第2期総合戦略における新たな視点の一つとして、地方へのひと、資金の流れを強化するため、将来的な地方移住にもつながる関係人口の創出・拡大が位置付けられております。  この関係人口とは、移住してきた定住人口でもなく観光で来た交流人口でもない、地域と多様に関わる人々を表す言葉で、地方の人口減少・高齢化による地域づくりの担い手不足という課題に対して、関係人口と呼ばれる地域外の人材が担い手となることを期待されているものでございます。  御質問の本市の第2期総合戦略における関係人口の考え方につきましては、今後、国や県が策定を進める第2期総合戦略における関係人口の位置付けについての情報収集に努め、その施策との連携性を勘案しながら検討を進めてまいりたいと考えております。  続きまして、大きな3項目め、映画「ある町の高い煙突」で日立市の魅力を全国に発信についてお答え申し上げます。  議員御案内のとおり、本市を舞台とした映画「ある町の高い煙突」は、先週の14日から県内2箇所で公開が始まり、今週22日からは全国約90館で公開されるとのことでございまして、大変喜ばしく感じております。公開に先立ちまして本市で開催した先行上映会では、延べ約7,000人の方々に鑑賞していただき、大変好評を得たところであり、この映画に対する市民の大変熱い思いを感じ、映画「ある町の高い煙突」を応援する会の皆様を始め、映画化に御尽力いただきました企業や多くの皆様方に対しまして、改めて感謝を申し上げたいと考えております。  この映画のモデルとなった関 右馬充氏や日立鉱山の創業者である久原房之助氏、日立製作所の創始者である小平浪平氏の功績については、これまでも小・中学生向けの副読本「のびゆく日立」や「郷土日立」の中で取り上げ、郷土の発展に尽くした偉人として紹介しており、また、歴史の中で育まれた市の花・桜につきましても取り上げているところでございます。  また、当時の日立市民文化事業団発行の漫画「天馬空を行く」でも分かりやすく紹介されているほか、市といたしても、映画化を機に改めて郷土の歴史や偉人を多くの人に理解していただくため、世界一高い煙突ができるまでのリーフレットや日立市ガイドブック、市報の特集記事、シティプロモーション専用ホームページの中で紹介したほか、平成30年度には市内の中学2年生を対象に、小説「ある町の高い煙突」読書感想文等コンクールを実施するなど、本市独自の歴史、他に誇れるひたちらしさとして市内外に広めるための取組を進めてまいりました。  今後も、市内中学生向けの映画上映や煙突をテーマにしたイベントの企画など、様々な機会を捉えてPRすることにより、他市にはない市民と企業の共存共栄の歴史と、そこから生まれた本市固有の魅力を後世に伝えていくことが我々の務めと考えているところでございます。  また、映画を機に、「ある町の高い煙突」ゆかりの地を巡るモデルコースや、本市発展に貢献された偉人、市の花・桜、大煙突の説明板を取り付けた煙突が見えるスポットなどを紹介するパンフレットを作成するとともに、SNSなどでもきめ細かに本市ならではの物語を全国に発信いたしまして、多くの方に本市を訪れていただき、交流人口の拡大やまちの活性化につなげていきたいと考えております。  最後に、大きな7項目め、東日本大震災から8年が経過してについて、3点の御質問がございましたので、順次お答えを申し上げます。  初めに、1点目の震災復興の残された課題と進捗状況についてでございます。  本市では、東日本大震災からの復興に向けた取組として、震災後に策定いたしました日立市震災復興計画に基づく施策や事業を計画期間である3年でほぼ完了させ、その後も市民の皆様の御理解、御協力をいただきながら、様々な施策を推進してまいりました。こうした中、復興の総仕上げといたしまして事業を進めてまいりました新庁舎2期工事が本年3月末に竣工し、これをもって本市の震災復興に関連する事業については、ひとまず完了したものと捉えております。  しかしながら、安全・安心のまちづくりには、市民の皆様が将来にわたり、この地に安全に、そして安心して住み続けることができる環境を維持していくことが必要であり、様々な災害に伴う被害を最小限とするために、災害に強いまちを目指した取組を推進していくことが肝要であります。  災害による被害を少なくするためには、自助、共助、公助が円滑に連携する社会環境をつくり上げていくことが重要でありますが、国の防災白書等では、広域的な大規模災害が発生した場合については、公助のみでは限界があることが指摘をされております。そうしたことから、今後は、地域の防災力と個人の防災意識を高めることにより減災につなげていくことが必要だと考えております。  そのため、地域における防災訓練の充実や要支援者への支援体制の確立、そして、避難勧告などが発令された場合、市民の皆様一人一人が自分の命・隣人の命を守るためにいかに素早く行動できるか、こうしたことを地域全体で取り組んでいかなければならないと考えているところでございます。  次に、2点目の震災を風化させないための取組についてでございます。  東日本大震災は未曽有の大災害でございました。8年が経過しても、当時の状況は私たちの記憶の中にいまだ色濃く残っております。この記憶を心にとどめておくために、市では、毎年3月11日を迎えるに当たり、県内の被害状況をまとめたパネルや震災後に収集した写真などを市内の公共施設や各地域での自主防災訓練において展示し、さらに、昨年からは、新庁舎1階で復興写真展を開催しているところでございます。また、毎年3月11日の震災が発生した時刻に合わせて黙祷を捧げるよう防災行政無線で呼び掛けを行っております。こうした取組のほか、市内各地区で行われております自主防災組織の防災訓練においては、震災と同じ災害を想定し実施しているところでございます。  これらの取組を継続することにより、震災の記憶を風化させることなく、市民の皆様一人一人の防災意識を高め、いざというときに的確な行動ができるようつなげていきたいと考えているところでございます。  続きまして、3点目の多発する自然災害への対策についてでございます。  東日本大震災の教訓をもとに、多発する自然災害への備えといたしまして、本市では、ハード・ソフト両面にわたって災害対応力の強化に向けた整備を進めてきたところでございます。まず、ハード面といたしましては、県の事業でございますが、日立市沿岸部において整備を進めてまいりました防潮堤の整備が8割方完了いたしました。また、適時適切な災害情報を発信するための防災行政無線屋外放送塔のデジタル化事業が令和2年度に完了する見込みでございます。さらには、今年度から、各避難所において、スマートフォンなどで災害時でも情報の送受信を可能とするためのWi-Fi通信環境の整備を進める予定でございます。  次に、ソフト面といたしましては、久慈川、茂宮川、十王川の浸水想定区域の見直しに伴うハザードマップを改訂し、配布をいたしております。また、全国各地で多発した自然災害による甚大な被害を受け、国において避難勧告等に関する5段階の警戒レベルが設定をされ、これに基づいた情報発信の方法が変更されますことから、市民の皆様への周知を徹底してまいりたいと考えております。さらに、県の地震被害想定の見直しに伴って、地域防災計画を始めとした諸計画に定めているこれまでの地震災害や被害想定の見直しにも取り組んでまいります。  いずれにいたしましても、激甚化、頻発化する今日の災害に着実に対応するためには、行政といたしましては、ハード・ソフト両面の対策をより一層充実させることはもちろんのこと、市民一人一人の防災に関する意識を更にもう一段引き上げていく必要があると考えております。「自分の命は自分で守る」、「他人事から自分事へ」の発想を基本とし、より質の高い安全・安心の確保につなげられるよう、市としましても様々な取組を通して危機意識の醸成を図るとともに、災害に強いまちづくりを進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 25 ◯保健福祉部長(鈴木さつき君) ◇登壇◇ 私からは、質問の大きな4項目め、希望ある「幸齢社会」の実現についての(1)から(3)までの御質問に、順次お答えいたします。  初めに、(1)の認知症対策についてでございます。  総人口が減少傾向にある一方で高齢者人口は増加しており、本市においても、人口に占める65歳以上の方の割合は本年4月末現在で31.6%と、国や県よりも高く推移しております。また、厚生労働省が平成27年1月に発表した認知症施策推進総合戦略──新オレンジプランによりますと、2025年には認知症を患う方が全国で700万人を超えるとの推計が示されており、本市におきましても、2025年には認知症の方がおよそ1万1,000人になると予測されております。  認知症は、誰もが患者や介護者として関わる可能性がある身近なものであることを社会全体として更に認識していくことが必要であり、そのためには、できる限り早い段階から認知症を知り、理解を深めることがより重要であると考えております。  本市におきましても、認知症対策は高齢者施策における最重要課題の一つに位置付け、早くから取組を進めているところでございまして、平成27年度には県内に先駆けて認知症初期集中支援チームを設置し、認知症の早期発見、早期対応に取り組んでまいりました。また、認知症に関する正しい知識と理解の普及を図ることを目的に、学校や職域、地域の団体等を対象として認知症サポーター養成講座を行っており、平成30年度末の時点でおよそ8,600人を養成してきたところでございます。こうしたサポーターの中には、更に知識を深めることで認知症の方を対象とする事業などで活躍していただいている方も数多く育ってきております。さらに、認知症の方やその介護者への支援策として、認知症カフェ──オレンジカフェを平成29年度から開始し、今年度からは市内8箇所に配置した地域包括支援センター全てで実施するなど、拡充しております。  認知症の方が今後ますます増加していくことが懸念されている中、認知症の方本人の意思が尊重されるよう、御本人や御家族の意見を聞きながら、認知症になっても地域の中でそれぞれが生きがいを持ち、その人らしく暮らしていけることが重要でございます。そのためには、認知症の方が支えられる側としてだけではなく支える側としても活躍し、それによって生きがいを感じ、役割を見いだせるような、認知症の方にも優しい地域づくりに取り組んでまいりたいと考えております。  次に、(2)の介護サービスの充実についてでございます。  今後ますます進む高齢化に備え、介護や支援が必要になっても高齢者が住み慣れた地域で安心して生活が続けられる支援体制づくりを推進していくことは、人生100年時代を迎える上で非常に重要であると認識しているところでございます。本市におきましては、地域の中核機関となる地域包括支援センターを適正に配置し、日常生活圏域ごとの特性の把握や課題解決に努め、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供できる支援体制の推進強化を図るとともに、各種介護サービスの充実や質の向上などに取り組んでいるところでございます。  議員御指摘の介護の担い手としての介護従事者につきましても、従来から介護従事者が抱える業務内容の負担感が指摘されており、このままでは人材の定着化を望むことは難しく、介護従事者の更なる減少を招きかねない事態となることも懸念されるところでございます。  そこで、介護従事者を確保し、その方々が介護の現場で安心して働き続けられ、御活躍いただけるよう、介護ロボットなどを用いての業務負担の軽減や業務の効率化を図ることに加え、本年度の介護報酬改定において創設されました介護職員等特定処遇改善加算を活用するなどして更なる処遇の改善に力を入れていくことが重要であると考えており、本市といたしましても、介護事業者への適時適切な情報提供や制度の周知に努めてまいりたいと考えております。  最後に、(3)のがんや生活習慣病への対策についてでございます。  超高齢社会におきましては、年齢を重ねても幸せに暮らし、活躍できる社会を構築するためには、生活の基本となる健康、そして、健康寿命の延伸が大変重要になるものと認識しております。我が国において、がんや心臓病、脳血管疾患などの生活習慣病は死亡原因のおよそ3分の2を占めており、中でもがんは死亡原因の第1位で、生涯のうちにおよそ二人に一人がかかると推計されておりますことから、がんや生活習慣病への対策は、国民の生命と健康にとりまして極めて重要な課題となっております。  そのような中で、茨城県は、平成27年12月に、がんと向き合うための県民参療条例を定め、予防、検診、医療、患者と家族への支援の四つを基本事項として各種の取組を始めております。  本市におきましても、検診機関や医療機関と連携し、より多くの方に検診を受けていただくことができるよう、受診機会の拡充や環境の整備に取り組んでおりますほか、未受診者対策といたしまして、受診行動に結び付けるための勧奨内容を工夫するなど、がんの早期発見と早期治療を図るための取組の推進に努めているところでございます。さらに、本市の健康課題であります急性心筋梗塞や糖尿病性腎症の予防を図るため、平成24年度から、医師会などとの連携・協力の下、生活習慣病の重症化予防に特化した対策につきまして、県内でも先進的な取組を行っております。今後とも、国や県の施策を踏まえ、医師会、医療機関、検診機関、さらには健康保険組合との連携を堅持しながら、がんや生活習慣病への対策を更に強化し、誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 26 ◯総務部長(國井 茂君) ◇登壇◇ 私からは、質問の大きな4項目め、希望ある「幸齢社会」の実現のうち、(4)高齢ドライバーの事故対策や免許返納後の支援策についての御質問に、順次お答えいたします。  まず、1点目の日立市の高齢者による交通事故の状況でございます。  昨今全国各地で高齢ドライバーが関係した痛ましい交通事故が発生しておりまして、大きく報道がなされております。昨年全国で交通事故により亡くなられた方は約3,500人でございますが、このうちおよそ2,000人が65歳以上の高齢者でございました。市内において、昨年の交通事故における人身事故の件数は約550人と、ピーク時の平成18年と比べ6割程度減少しておりますが、そのうち60歳以上の件数は約190件で、こちらも減少傾向にございます。うち死亡件数は5件で、60歳以上の方は2件でございました。本年は1月から死亡事故ゼロで推移してまいりましたが、先月及び今月、相次いで発生した2件が高齢者が関係する事故でございました。  当市では、日立警察署を始め交通安全協会や交通安全母の会などの団体等の協力をいただきながら、市内各所においてドライバー等へのキャンペーン活動や高齢者在宅訪問を実施しておりますが、今後もこれらの啓発活動を継続しながら、交通安全に対する意識の定着を進め、高齢者が関係する事故の撲滅に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  次に、2点目の高齢者の運転免許自主返納の状況でございます。  高齢ドライバーによる事故が年々増加している背景から、警察において、平成10年に、高齢者の交通事故防止を図るため、運転免許証自主返納制度を創設いたしました。警察によりますと、市内における65歳以上の運転免許証自主返納者数は、過去5年間で20%ずつ増加している状況で、平成30年は620人が返納をしております。  これに合わせ、市においても高齢ドライバーの免許返納を促すため、平成23年度から高齢者運転免許自主返納支援事業を推進しております。平成30年度までに約2,800人の市民がこの制度を利用し、1万円分相当のバスカードやタクシー券等を交付いたしました。申請者は年々増加しておりまして、重大事故が相次いでいる今年の4月、5月は昨年同時期の1.4倍の数値となっており、本年も昨年の実績を上回ることが想定されるところでございます。  運転に不安を覚えるといった高齢者の方々に免許証の自主返納を促していくことは、万が一の大きな事故を減らすために重要な取組であると捉えており、今後も警察と協力しながら効果的に実施をしてまいりたいと考えております。  3点目は、免許返納後の支援策でございます。
     高齢者の運転免許自主返納を推進する一方、返納後の移動手段の確保が重要でございますことは、議員御指摘のとおりでございます。市では、平成28年度から、自家用車などの移動手段を持たない高齢者を支援するために、既存の公共交通を利用する施策として70歳以上の高齢者を対象に高齢者おでかけ支援事業を開始しており、路線バス運賃カードの割引販売やタクシー乗車費の一部助成を行い、高齢者の外出を支援しているところでございます。  今後は、これらの事業を利用いただくことについて、様々な機会を捉えてPRを行い、高齢者の安心な生活を支援する取組を推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 27 ◯都市建設部長(磯野健寿君) ◇登壇◇ 私からは、大きな4項目め、希望ある「幸齢社会」の実現のうち、(5)高齢者が移動しやすい公共交通の整備についての御質問に、順次お答えいたします。  初めに、1点目のバス路線の再編に当たり、高齢者の移動のしやすさに配慮した点についてでございます。  本市におきましては、高齢者を始め誰もが移動しやすいまちづくりを目指し、多様な公共交通の連携による全市的な公共交通ネットワークの構築を進めております。このため、ひたちBRTの第II期区間の本格運行に合わせ、JRやひたちBRTに接続するバス路線を再編し、今年4月から新たなバス路線ネットワークによる運行を開始しております。バス路線の再編に当たりましては、高齢者の移動しやすさに配慮し、日中時間帯の買物が便利になるよう、スーパー経由の路線を増やしております。特に高齢化が進行している金沢団地などの山側住宅団地からは、東大沼地区のスーパーを経由するバス路線を新設し、さらに、水木地区でひたちBRTに接続することにより、南北移動をしやすくしております。  次に、2点目のバス路線が利用できない高齢者の今後の移動手段についてでございます。  バス路線につきましては、再編などにより利便性向上を図っておりますが、高齢化の進行に伴い、利用が困難な高齢者が増えてきているものと認識しております。そのため、今年度は、最初にパートナーシップ事業の取組を始めた諏訪学区と連携し、既存のタクシーを活用して、中里地区において実施しております、自宅と目的地の間をドア・ツー・ドアで運ぶデマンド型乗合タクシーを試験的に運行したいと考えております。  今後は、試験運行で得ることができる地域住民の行動、意識調査、事業性などについて整理、分析を行い、今後の新たな高齢者の移動手段につなげていくための検討をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 28 ◯副市長(梶山隆範君) 私からは、大きな5項目め、産業振興による雇用の場の確保についての御質問にお答え申し上げます。  議員御指摘のように、市内の茨城大学工学部及び茨城キリスト教大学にはそれぞれ2,000人以上の学生が在籍しており、これら学生が卒業後も本市に定着するための取組は、人口減少対策の一つとして大変重要であると考えております。  一方、本市における20代の人口の推移を見ますと、平成21年の約2万人に対し、平成31年には約1万7,000人にまで減少しており、その減少率は約16%と、全世代の約9%と比較いたしましても大きく上回っている状況でございます。  このようなことからも、市内で学ぶ大学生を含む若者の市外への流出抑制や市内定着は、本市の人口構成の視点からも喫緊の課題であると認識をしているところでございます。  これらの課題解決には、産学官の連携により産業活性化を図り、新たな雇用を生み出し、若者が地元で働き続けられる環境を提供することが極めて有効でありますことから、これまでにも、日立地区産業支援センターにおいて、茨城大学工学部などの学術研究機関と中小企業とが連携し、製造技術などの研究開発を推進する国の戦略的基盤技術高度化支援事業などに10件の事業採択をいただくなど、中小企業の技術開発や新市場の開拓を積極的に支援してまいりました。  また、こうした産学官連携の取組には、市内中小企業と大学教員や大学生との交流を深め、卒業後に当該企業へと就職する事例も見られますことから、中小企業の人材確保や技術開発のいずれの課題に対しましても大きな効果が期待できるものと考えております。  そこで、本市では、昨年度策定いたしました第2次日立市商工振興計画において、多様な主体による連携を基本戦略として掲げ、改めて産学官連携を促し、市内中小企業と茨城大学や日立地区産業支援センターなどによる新製品や新技術の開発による新しい市場創出への支援を打ち出したところでございます。  議員御指摘の中小企業と大学などによる既存の産学官連携の枠を超え、大企業も含めた新たな連携については、本市の中小企業振興基本条例で定めた大企業の役割を具現化するものであり、議員の御質問にもございましたが、市内大手企業から御提案をいただいた特殊な成形技術に関する公開につきましては、同社の協力の下、日立地区産業支援センターを中心に中小企業の参画を募り、研究会を立ち上げ、既存の加工技術への応用や製品部品の試作、新しい用途の開発など、市も積極的に関わりながら進めてまいりたいと考えております。こうした取組に地域を挙げて挑戦し続けることが新たな技術や市場を生み、地域が潤い、若者が働いてみたい、住んでみたいと感じるような新時代の産業都市につながるものと思っております。  また、これらの産学官連携による取組とあわせまして、茨城大学工学部や茨城キリスト教大学との連携により、学生に対する市内中小企業のPR活動を更に強化し、在学中に市内中小企業を知っていただき、少しでも就職へとつなげ、地元への定着を促す取組も進めてまいります。  私からは以上でございます。 29 ◯副市長(吉成日出男君) ◇登壇◇ 私からは、大きな6項目め、都市力の向上についての2点の御質問に、順次お答え申し上げます。  初めに、1点目の本市における人口と都市計画フレームの変遷についてでございます。  本市の人口につきましては、戦後の高度経済成長期に急増し、昭和58年に約20万6,000人とピークを迎えまして、その間、都市計画フレームにつきましても、これら経済活動と人口増加に対応するため、計画的に拡大を図ってまいりました。  都市計画フレームの一つの指標となります市街化区域の面積は、昭和46年に4,600ヘクタールとして当初決定をし、昭和の終わりまでの18年間で約8%増の367ヘクタールを拡大しております。それ以降、平成になってからの31年間の拡大幅は約2%増の94ヘクタールとなっており、人口が増加した昭和の時代に比べると微増傾向となり、現在の市街化区域の面積は5,061ヘクタールでございます。これまで拡大してまいりましたエリアにつきましては、宅地供給のための土地区画整理事業や大規模住宅団地開発事業、企業活動のための研究施設や工業団地、茨城港日立港区などに利用されているところでございます。  次に、2点目のコンパクトシティを形成するための施策についてでございます。  将来の急激な人口減少、少子高齢化などの社会情勢の変化を見据え、これまで拡大してまいりました都市計画フレームのコンパクト化を目指し、現在、都市計画マスタープランの一部となる立地適正化計画の策定作業を進めているところでございます。この計画は、将来的に住宅を誘導する居住誘導区域と、商業や医療、福祉などの生活サービス機能を誘導する都市機能誘導区域を具体的に設定することにより、将来にわたり緩やかにコンパクト化を目指すものでございます。  誘導区域の考え方でございますが、居住誘導区域につきましては、山側住宅団地などの大規模開発や土地区画整理事業により基盤整備されました優良な住宅地及び公共交通の利便性が高いJRの各駅、ひたちBRTを始めとする主要バス路線周辺のエリアとし、一方、住宅地に適さない工業系の地域や津波や洪水などの災害リスクを有するエリアなどは除くこととしております。また、都市機能誘導区域につきましては、日常生活を支援する商業・医療などの施設が既に一定規模で集積しておりますJRの各駅周辺や幹線道路沿道など16地区の設定を考えております。  これら誘導区域につきましては、現在の市街化区域の約7割程度に設定することにより、人口減少の中にあっても一定の人口密度を維持することで、生活サービスやコミュニティの維持を図ってまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、大規模住宅団地などの住環境の維持保全やひたちBRT沿線における良好な住環境の整備による居住誘導、JRの各駅の都市機能誘導による拠点の強化などに取り組み、人口減少や少子高齢化に対応した多極型コンパクトシティの形成を目指してまいりたいと考えております。  以上でございます。 30 ◯25番(舘野清道君) ◇登壇◇ ただいまは、小川市長、梶山副市長、吉成副市長、各部長から御答弁いただき大変にありがとうございました。  今回の質問は、小川市長の市政運営のための新たな六つの重点項目の中から一つ一つ質問をさせていただきました。それでは、それぞれ6項目に沿った要望をいたします。  その第一は、「地方創生・人口減少対策」であります。  若い世代の転出抑制、定住促進策についてをテーマで質問させていただきました。市長からは、若い世代や高校生、子育て世代、市民の皆様と意見交換を行い、その意見や要望等を市政に反映させていくとの答弁でした。  私は、社会の片隅で発せられる庶民の小さな声の中にある大切なものを決して見逃さないでください、市長自ら暮らしの現場に飛び込み、人々の中に分け入って小さな声に耳を傾ける、そうした地道な作業の積み重ねで、市長は小さな声を大きく改革へと結び付けていただくことを要望させていただきます。  第二は、「安全・安心のまちづくり」であります。  東日本大震災から8年が経過してからのテーマで質問をさせていただいていただきました。市長からは、地域における防災訓練の充実や要支援者への支援体制の確立、そして、避難勧告などが発令された場合、市民の皆様一人一人が自分の命・隣人の命を守るためにいかに素早く行動できるか、こうしたことを地域全体で取り組んでいかなければならないとの答弁でした。  私は、コミュニティ単位での防災訓練や地域イベントでの住民の交流、行政からの各種依頼等に対応を行うことで、コミュニティ組織にも課題は山積されているので、コミュニティ本来の仕事を見直す必要もあると考えます。例えば、日立市も超高齢化社会を迎えている現状を考えますと、災害時の要援護者の見守りや避難誘導担当を決めていくことや、さらには、地区計画の作成など、各コミュニティごとに行うことが必要だと。そういうところに改めてコミュニティの必要性があると考えております。要望といたします。  第三は、人生100年時代を見据えた「超高齢社会への対応」であります。  希望ある高齢社会の実現のテーマで質問をさせていただきました。各担当部長からは、認知症対策、介護サービスの充実、がんや生活習慣病への対策につきましては、健康寿命の延伸について、市民生活の質の向上を図り、誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現に向けた取組をしっかり進めたい、また、高齢者ドライバーの交通事故対策や移動しやすい公共交通の整備についてもしっかりと対応していきたいとの答弁でございました。  私は、年齢を重ねても、健康寿命や活動寿命を延ばし、一人一人が生き生きと幸せに暮らし、活躍できる社会を構築することが重要だとの認識からの質問でした。各個人、幸せの定義は千差万別であります。ゆとりある、お金がある生活だという人もおります。コミュニティ活動をすることで人と接することが元気の源であるという方もおります。文化・芸術活動やスポーツに専念する方等々、様々でございます。日立市民が健康寿命の延伸で生涯にわたって活躍できる地域づくりを進めていただくよう要望いたします。  第四は、新時代の産業都市を目指す「産業振興」であります。  産業振興による雇用の場の確保についてのテーマで質問させていただきました。梶山副市長からは、産学官連携による新たな雇用を生み出す国の戦略的基盤技術高度化支援事業など10件の事業採択や、大企業や中小企業の連携については、本市の中小企業振興基本条例で定めたことにより、日立地区産業支援センターを中心に、新しい既存の加工技術への応用や、製品部品の試作、新しい用途の開発など、市も積極的に関わっていきたいとの答弁でした。  私は、今回の質問に当たり、何回となく茨城大学を訪れ、数人の大学教授から御教示をいただきました。教授も、大学での生き残りをかけ、様々なアイデア、ベンチャー企業の立ち上げ、国との連携による事業、宇宙航空機電動化システム開発拠点構想など、県北部活性化に向けた大型プロジェクト構想をお聞きしました。市においての答弁でもありましたように、産学官連携の取組には、市内中小企業と大学教員や大学生との交流を深め、積極的に卒業後に地元企業へ就職できる体制整備も必要ですので、市が積極的に、主導的に取り組んでいくことを強く要望させていただきます。  第五は、まちの将来発展を支える「都市力の向上」であります。  都市力の向上についてのテーマで質問させていただきました。吉成副市長からは、コンパクトシティを形成するために、都市計画マスタープランの一部となる立地適正化計画の中で、居住誘導区域や工業系の地域に分け、都市機能誘導区域については、JRの各駅周辺や幹線道路など16地区の設定を考え、現在の市街化区域の約7割程度に人を集めるとの御答弁でございました。私は、ライフワークとして、一般質問の中で、中心市街地の活性化を進めてまいりました。例えば、定住人口の増加策については、山側団地の住み替えシステムや、また、中心市街地に定住を促すための補助制度の創設による人口増加策も質問させていただきました。  現在、市内の若い世代や定住する方の多くは、国道6号と245号の範囲の間の住宅団地や、開発も含め、賃貸物件への入居状況が多いようであります。このような中において、山側団地の住み替えも促進しながら、また、各JR駅周辺の誘導策も必要ではないでしょうか。御検討をお伺いいたします。  また、最後に、第六は、「持続可能なまちづくり」であります。  ひたちらしさを活かしたまちづくりや、「ある町の高い煙突」で日立の魅力を全国にのテーマで質問させていただきました。市長からは、この度公開の運びとなった映画「ある町の高い煙突」に描かれております、市民と企業が協働して鉱山の煙害を克服していく象徴である大煙突、そしてまた、煙害によって荒廃した山々の回復のため、植林されたオオシマザクラを原点とする市内一円に咲き誇る美しい桜など、他のまちにない市民と企業の共存共栄の歴史と、そこから生まれた様々な資源があるとの答弁でした。市長は、本格的な人口減少に加え少子高齢化の進行など、この激動する時代にあって、本市が持続可能なまちとして発展を続けるために、10年後、20年後の姿を見据えながら市政運営に当たっていくとのことでした。  私は、今回の映画上映の中で、松村監督の、あの高い煙突がなかったなら今の日立市の発展はなかったろう、公害に苦しむ寂れたまちになっていただろうとの言葉が印象に残りました。何か100年前の歴史が持続可能なまちづくりのヒントを教えていただき、夢を与えていることに感謝を申し上げ、公明党を代表しての質問を終わります。御答弁ありがとうございました。 31 ◯議長(茅根茂彦君) 以上で舘野議員の質問が終わりました。  ここで、午後3時15分まで休憩いたします。                   午後 3時00分休憩             ──────────────────────                   午後 3時14分再開 32 ◯議長(茅根茂彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、ひたち未来、永山議員に発言を許します。 33 ◯24番(永山堯康君) ◇登壇◇ 本年5月1日に平成から令和と改元され、時代の変遷を感じながら、ひたち未来を代表いたしまして、私、永山堯康が代表質問させていただきます。  5月28日の午前7時45分頃、川崎市登戸で発生した児童殺傷の衝撃的な事件を知ったとき、私は、国を挙げて次世代の子供と高齢者が安心して暮らせる社会にしなければならないと意志を強くしたところであります。  最初に、小川春樹市長の新たな4年間に向けた決意についてであります。  さきの統一地方選挙において、小川市長におかれましては、再び無投票で選出されました。これは、1期4年間の小川市政に対し、その実績が評価され、多くの市民の共感を得たことによるものと確信をしているところであります。  しかしながら、これまで県北の中心的、先進的な役割を担ってきた日立市の市長選挙が通算で5回連続無投票ということにつきましては、民主主義の基本でもある民意の反映、選択の機会がなかったという事実には一抹の不安を感じた、寂しさを感じたところであります。  一方、裏を返せば、樫村市政以来、官民一体となって連綿として継続させてきた安全・安心、そして、安定の日立市政に対する市民の信頼のあかしとも言えるわけであります。茨城県内における南北問題、南北格差とまで言われた県北地域の地盤沈下に歯止めをかけるべく、道路などのインフラ整備の促進や新たな産業の誘致・育成に努める中での東日本大震災、そして、復興への道──この道は決して平坦なものではありませんでした。復興事業も、今年3月の新庁舎グランドオープンで一区切りとなりました。僅か8年という短期間で成し遂げた震災復興も、市民一丸となった継続と努力のなせる業でありました。  一方で、今回の市議会議員選挙は少数激戦と言われ、その厳しい選挙戦を勝ち抜いた我々28名は、新人8名を含め、一層その身を引き締め、新たな4年の任期に向き合うべく、決意を新たにしたところであります。  全ての市民の笑顔が輝くまちづくりのため、地方創生や安全・安心を基本に、この4年間市政を進めてこられた小川市長は、昨年度には、震災復興から未来展望へという新たなキーワードを掲げ、次の時代を見据えた新たなまちづくりの種をまき、明日の芽生えに備えるという取組を進めてこられました。また、2期目の選挙に臨むに当たっては、信頼、やさしさ、希望、さらには期待という四つの言葉に基づく政策の展開を図ると表明されたところであります。さらに、さきの所信表明では、今後4年間における市政運営の方向性と目指すまちづくりの基本姿勢として、地方創生・人口減少対策など六つの項目を掲げられました。  そこで、小川市長にお伺いをいたします。  これからの新たな4年間は、日立市にとって大きな転換期に差し掛かるのではないかと考えますが、この六つの項目に象徴されます今後4年間の重点政策の目的と目標、そして、それらに取り組む市長の決意をお尋ねいたします。  次に、今後の教育行政についてであります。中山教育長にお伺いいたします。  教育長におかれましては、女性活躍社会に先駆け、本市初めての女性教育長として、小川市政の中にあって、子育て支援や若者応援にきめ細かに様々な取組を進めてこられました。その効果もあって、本市の教育環境は、校舎の建て替えやエアコン、トイレといったハード面でも、県内において群を抜いて整ってまいりました。  一方で、働き方改革が国の一大方針として推し進められようとしている中にあって、医師、看護師と並び教師の過酷な勤務実態がクローズアップされてきたところであります。教師自身、さらには、教師の御家族が抱えるストレスは並大抵のものではないと伺っております。少子高齢化の進展に伴い、世の中は人手不足、特に若い世代のマンパワー不足がますます深刻になってきており、教師の世界も決して例外ではなくなってきていると聞き及んでおります。先日明らかになった隣市における女子生徒の自殺の契機となったとされる教師の暴言も、ストレスのなせる結果ではなかったのかと推察をしているところであります。もちろん暴言そのものは決して許されるものではありませんが、教師を取り巻く過酷な環境をこのまま放置したのでは、せっかくハード面が整っても、仏つくって魂入れずの状態になりかねません。  そこで、日立の未来を拓く教師の「教える」という本来の目的に集中できる環境づくりと、働く環境をどのように改善し、優秀な教師を一人でも多く採用し、質の高い教育環境をどのように保っていこうとしているのか、また、いじめ防止対策、児童虐待防止対策に対する課題と今後の取組についてと、茨城県中央児童相談所日立児童分室の在り方について、中山教育長の忌憚のない考えをお尋ねいたします。  次に、水道事業の安定的経営の継続についてであります。豊田公営企業管理者にお伺いいたします。  今年の冬は、企業局でも今までに経験したことがないという冬場の異常渇水に見舞われ、断水の危機まであったと伺いました。そのような中、素人目にはウルトラCとまで思える農業用水路の活用準備までなされたとのこと、企業局の皆さんの寒い中での作業、御努力に対し、改めて感謝の意を表します。  しかしながら、渇水状況はそのまま継続し、今年も4月24日に久慈川に塩分の混入を防ぐための土堰堤を設置せざるを得なかったとのこと。昨今の異常気象に対しては、抜本的な対策を検討する必要が生じてきているのかもしれません。  御存じのように、企業局の事業には上水道事業と下水道事業の二つがありますが、とりわけ上水道事業は、正に命の水を扱っていただいており、小川市長の掲げる安全・安心のまちづくりの大きな柱の一つでもあります。さきの東日本大震災では、長いところでは1週間以上も断水した地域があり、改めて不断に水があることの有り難さ、蛇口をひねりさえすれば当たり前に水が出ることの安心を身にしみて感じた記憶があります。それゆえ、水道事業には安定的な継続を強く望むものであります。  昨年12月には、国会などで水道法の改正が話題となり、全国各地の水道事業経営が大変厳しい状況にあることが認識され、同時に、民営化についての是非がマスコミをにぎわせました。  そこでお伺いいたします。  新たな産業の誘致にとっても、まちそのものの存続にとっても、水道事業の安定的な継続は不可欠であり、その継続のためには、安定的な水源の確保とともに、経営面の強化という両面からのアプローチが必要であると考えますが、豊田公営企業管理者の御所見をお尋ねいたします。  あわせて、マスコミをにぎわした民営化の一手法である、いわゆるコンセッション方式についても、管理者の忌憚のない御所見をお尋ねいたします。  次に、企業誘致の課題と今後の展開についてであります。  本市の人口流出をこれ以上食い止めるためにも、若者の雇用創出、地元定着対策は喫緊の課題であります。大井川知事は、昨年度から首都圏内の企業をターゲットに、研究施設・本社機能移転促進事業を展開し、AI──人工知能やIoT──モノのインターネット、ロボット、自動車など成長分野の企業誘致に積極的に乗り出しており、地域産業の振興と雇用の創出、とりわけ若者の年代に対応した雇用創出に貢献しております。  そこで、本市の場合でありますが、県などが公表している県内の工業団地一覧表には、日立北部工業団地の分譲地が記載されております。つまり、未売買用地ということでありますが、これらを含め、以下、基本的な実績と施策をお伺いします。  1点目は、市内に工業団地は、市営、民間問わず何箇所あり、何区画、何社が立地しているのか、そのうち未売買用地はどの程度あるのか、これまでどのような打開策を講じてきたのか、お尋ねいたします。  2点目は、日立市まち・ひと・しごと創生総合戦略に明記してありますが、本社機能移転促進事業に、この3箇年どのように取り組んできたのか、企業誘致促進の効果と実績をお伺いいたします。  3点目は、市当局において、今日のICT──情報通信技術時代に庁内業務を対応すべく、RPA──ロボティック・プロセス・オートメーションによる業務自動化を導入しようとしておりますが、ものづくりのまちとして、中小企業へのIoT化への対応やAIを始めとする最先端の技術導入を積極的に支援し、競争力の強化による業績進展と雇用創出を図るとともに、そのモデルとなる優良企業の誘致を行うべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。  4点目は、市当局が若者定着策として、ライフステージに合わせた各種支援施策を打ち出していることについては是といたしますが、魅力ある職場、企業を提供することも重要なのではないかと思います。経済も生き物なのであります。本市における企業誘致活動の現状と課題、そして、今後の誘致活動の展望などについて、所信と決意をお尋ねいたします。  次に、産業としての「観光」についてであります。  少子高齢化が進む一方で、まちのにぎわい創出、持続、発展させていくためには、交流人口の拡大が不可欠であります。人の流れは、そのまちの魅力度の尺度と言えるのかもしれないからであります。今日、産業の一分野に位置付けられている観光は、その発展可能性を持つ最も大切なファクター──要素と言えます。御承知のように、本市を舞台とした映画「ある町の高い煙突」は、日立市で上映会が開催されるなど、好評を博しており、本市のイメージアップに相当寄与したのではないかと感じております。県内のロケ誘致に取り組んでいる県フィルムコミッションは、このほど「いばらきロケ地マップ」を約2万部作成し、映画制作会社や映画監督など関係機関、団体、個人などに配布いたしましたが、太田尻海岸のロケ地を「自然の風景」の巻頭で紹介するなど、本市の魅力をPRしております。  そこでお尋ねいたします。  1点目は、県フィルムコミッションの調査によると、2017年度の県内ロケ支援作品数は528作品で、経済波及効果の推計は約4億4,000万円と試算されています。「ある町の高い煙突」の経済効果とロケ支援を通し、フィルムコミッションが本市のロケ地としての魅力をどう認識したのか、お伺いいたします。  2点目は、市は海水浴場にぎわい創出事業に積極的に取り組むとして、遊具などの設置を行おうとしておりますが、東日本大震災以降、津波対策としての防潮堤が整備され、河原子海岸などは道路から海が見えないなど、景観の魅力が損なわれている感があります。十王から久慈浜までの本市の海岸線の景観と観光をどうマッチングさせていくのか、海岸線の利活用と保全対策に真剣に取り組む必要があると思われますが、市の考えをお尋ねいたします。  3点目は、産業としての観光に農業や漁業など一次産業を意識的に活用すべきということでありますが、例えば漁業ですが、県は地魚の普及促進を訴え、ひたちなか市などは毎月10日を魚食普及推進の日、そして、魚食、地魚を通して地域経済の活性化に取り組んでおります。本市の場合、農業にしろ漁業にしろ、フラッグ政策が見えておりません。グルメは観光の重要なファクターであることから、市として今後、どのような対策と施策を講じていくのか、考えをお尋ねいたします。
     次に、高齢者ひきこもり対策についてであります。  今年3月、内閣府が発表した生活の実態に関する調査の調査結果によると、40歳から64歳までのひきこもりは全国で61万3,000人いると発表されておりますが、これはあくまで推計値であり、実態とのずれが気になるところであります。全国の自治体を見ますと、秋田県藤里町では、町民3,800人を対象とした調査を2年間ほどかけて実施し、ひきこもりが113人いることをつかんだようです。しかしながら、ひきこもりに関する調査を実施している自治体はまだまだ少なく、多くの自治体がこれらの実態を把握していない状況にあるのではないかと考えます。これでは、高齢者のひきこもりに対する支援に必要な対策が打ち出せるわけがありません。  一方、茨城県の推計によると、本県における65歳以上の高齢者は、2015年の77万2,000人、対人口比26.8%から、2025年には87万9,000人、対人口比32.0%と、1.14倍に増加します。高齢者世帯が増えるとともに独居高齢者も増加し、コンビニ以外は外出しないなどのひきこもり高齢者の更なる増加が懸念されます。  そこでお伺いいたします。  高齢者対策を進める上で独居高齢者施策が欠かせないと思いますが、加えて、将来を見据えた、ひきこもりなど支援を要する中高年の生活実態を把握することも重要であるため、プライバシーなどの問題等はありますが、独自調査を行うべきと考えます。市としての意思をお尋ねいたします。  また、市は、本庁地区、多賀地区に次いで南部地区にも高齢者のいわゆる居場所づくりを実現しようとしておりますが、問題は、その利用状況にあります。居場所を設置しても、足を運んでもらわないことには意味がないと思います。  そこで、施設2箇所の利用状況と課題についてお伺いするとともに、今後の運営の在り方について考えていることがあればお聞かせください。  最後に、地域周産期母子医療センター再開のメドについてであります。  今年の5月5日のこどもの日にちなみ、県が公表した本県の子供──ゼロ歳から14歳までの年少人口の数は、5月5日現在で34万3,722人、人口比12.1%となり、国勢調査を開始した大正9年──1920年以来過去最低と、今日の少子化がいかに重大な局面にあるのかを物語っております。市は、人口減少対策と定住促進対策などの面から、若者層を対象に、出会い、結婚、妊娠、出産、教育等、ライフステージに合わせた各種応援・サービス施策を推進しておりますが、既存施策の効果と検証を新規施策にどういかしているのか、その検証結果、言い換えれば施策の現実的な評価をお伺いいたします。  去る5月20日号の市報記事に女性の方は一様に笑顔がこぼれたのではないかと感じます。それは、日立総合病院の産婦人科医8人の紹介記事と、産婦人科医として38年間、1日も休まず業務に携わってきた医師、瀬尾文洋氏が医療功労賞を受賞したことが紹介されているからであります。特に、日立総合病院の産婦人科医が8人に増えたことは、婦人科系のがん治療などのほか、リスクのある分娩等に対応する地域周産期母子医療センターの再開に見通しが出てきたことと思い、市の現状認識を改めてお尋ねいたします。  小児・周産期救急の三次──総合周産期母子医療センターは、水戸済生会総合病院、県立こども病院、土浦協同病院、筑波大学附属病院で実施しております。専任医師、看護師などが常勤一人勤務、24時間体制で業務に当たっております。合併症妊娠や胎児異常などのハイリスクに対する高度な医療を提供するためで、生まれてくる子供の命を守り救う、文字どおり命の番人であります。二次救急の日立総合病院も同様でありますが、他の水戸赤十字病院やJAとりで総合医療センター、茨城西南医療センター病院などが行っているのに比べ、業務再開のめどがまだ示されておりません。仄聞するに、新生児室に24時間体制で産婦人科医と小児科医が勤務しなければならないほか、夜間の当直体制、あるいは看護師の人材育成などが課題になっていると耳にします。  産婦人科医8人体制で充実した陣容となりましたが、少子対策の入口とも言える妊娠、出産から新生児に至る周産期医療の業務再開への課題と今後の見通しについて、可能な範囲内での市の見解をお尋ねいたします。  以上で質問を終わります。御答弁よろしくお願いします。 34 ◯議長(茅根茂彦君) 永山議員の質問に対し、執行部からの答弁を求めます。 35 ◯市長(小川春樹君) ◇登壇◇ ひたち未来を代表しての永山堯康議員の御質問にお答え申し上げます。  私からは、大きな1項目め、市長の新たな4年間に向けた決意について、大きな4項目め、企業誘致の課題と今後の展開について、大きな6項目め、高齢者ひきこもり対策について、及び大きな7項目め、地域周産期母子医療センター再開のメドについての御質問に、順次お答え申し上げます。  まず、大きな1項目め、市長の新たな4年間に向けた決意についてでございます。  本議会初日の所信表明において申し上げましたとおり、私は、2期目の市政運営に当たり、新たに「笑顔・元気、そして未来へ みんなの力で地域共創」というスローガンを掲げさせていただきました。その狙いとするところは、人口減少や超少子高齢化の進行により激変する社会情勢の中にあっても、市民の皆様が自分らしい生き方を見付け、夢や目標を実現しながら日々の暮らしの中で充実感を得、さらには生涯にわたって幸せを感じることができるような自律的で持続可能なまち日立の創生を目指すことにあります。その実現に向け、今後4年間におけるまちづくりの基本姿勢として、喫緊かつ最優先の課題である「地方創生・人口減少対策」を始め、「安全・安心なまちづくり」など六つの重点政策を位置付けたところでございます。  平成27年5月の市長就任以来、私は、これまでの4年間、市政のかじ取り役を担ってまいりましたが、中長期的な視点から、本市の抱えるまちづくりの課題解決を図るべく、数々のまちづくりを目指す中での種をまいてまいりました。これらのことにより、例えば、地方創生・人口減少対策の面では、これまで右肩下がりであった出生者数が平成30年は前年を上回り、加えて、ここ数年は人口の社会減が縮小傾向となるなどの成果が表れ始めたところであり、この動きを更に加速させることが今後のまちづくりにおいて極めて重要であると考えております。  そのためにも、これから10年、20年先のまちの姿を見据えながら、これまでまちづくりの原動力となってまいりました市民、企業、コミュニティ、各種団体の皆様との連携をより一層深め、ものづくり、人づくり、地域づくりに更に磨きをかけていくことが必要であり、それこそが私に託された使命であると考えております。  そこで、今後も引き続き若者や女性にスポットを当て、子育て支援の更なる充実や未来の人材育成につなげる特色ある教育の推進を図るとともに、安全・安心の源となる地域医療体制の充実、さらには、本市産業を支える中小企業への支援やまちの将来発展に欠かせないインフラの整備促進など、まちの総合力を高める施策を力強く推進していくこととしたところでございます。  我がまち日立は、先人たちが築き上げてきた数々の財産を受け継ぎながら発展をしてまいりました。私たちは、こうしたまちの歴史に学びながら、今を大事に、そして、これからの時代に合った新しい形へと、まちの財産を進化させ、次の世代へとつないでいくことが肝要であります。令和という新しい時代が幕を開け、明日への大きな希望を抱きながら日立市が未来に向かって動き出す、この重要な節目に、私は、これまでの歩みを止めることなく、子供から高齢者まで全ての方々が安心して健やかに暮らせる魅力あるまちづくりを更に前に進めてまいる所存であります。そしてまた、日立市が県北地域の中心都市として、令和の時代のその先まで輝き続けられるよう、新たな4年間の市政運営に全力で取り組んでまいります。  続きまして、大きな4項目め、企業誘致の課題と今後の展開について、4点の御質問がございましたのでお答えいたします。  初めに、1点目の市内の工業団地の立地状況についてでございます。  市内には七つの工業団地があり、合計71区画、総面積74.6ヘクタールでございまして、このうち企業が立地しているのは69区画、面積72.2ヘクタールで、分譲率は約97%となっております。これら市内の工業団地のうち現在分譲を行っているのは、日立北部工業団地の2区画、面積は合計で2.4ヘクタールでございます。日立北部工業団地の分譲促進につきまして、事業主である鹿島建設と協力しながら、アンケート調査や企業訪問により把握した企業ニーズに対応し、小規模な区画での分譲や東日本大震災復興特別区域法を始めとする様々な優遇制度を広くPRしたことにより、平成28年に愛知県を本社とする企業が、平成29年に東京都を本社とする企業が立地したほか、残りの2区画についても、立地条件等に関する問い合わせが随時寄せられている状況でございます。  今後も引き続き企業へのアンケート調査による立地ニーズの把握や、茨城県企業誘致東京本部などと連携した企業訪問を実施するなど、早期の完売に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の本社機能移転促進事業への取組についてでございます。  本社機能移転促進事業につきましては、国による地方創生に関する施策の一環として、平成27年に税制上の優遇措置が講じられたところでございますが、本市への本社機能移転を一層促進するため、本社機能の移転費用の補助や新規雇用奨励金など本市独自の優遇制度を創設し、茨城県と連携しながら、立地セミナーや企業訪問等を通じて、本市の立地環境や優遇制度のPRに努めているところでございます。  実績といたしましては、埼玉県から日立北部工業団地に本社機能の一部を移転した製造業1社と市内の本社機能を拡充した情報処理業1社の計2社が本社機能移転計画の認定を受けたところであり、本市における産業集積の促進と新たな雇用の創出が図られたところでございます。  今後も、茨城県と連携を図りながら、企業訪問等を通じ、本市への本社機能移転の促進に努めてまいりたいと考えております。  次に、3点目の競争力の強化による雇用の創出とモデル企業の誘致についてでございます。  議員御質問のとおり、ものづくりの現場において、IoTやAIを始めとする最先端技術の活用により、生産性の向上や人手不足への対応、さらには技術や技能の伝承などといった市内中小企業が直面する課題の解決が期待されております。また、これら取組が中小企業の競争力を強化し、新たなビジネスへの参入を加速するなど、業績の進展も期待されますことから、雇用機会の創出も見込まれているところでございます。  昨年度策定した第2次日立市商工振興計画においても、IoTなど産業構造の変革への対応を基本戦略の一つとして掲げており、茨城大学や日立地区産業支援センターとの連携により、中小企業のIoTに関する知識や理解を深めるとともに、IoT導入への機運醸成やその導入の支援を進めてまいりたいと考えております。また、これらの取組に加えまして、生産性向上特別措置法に基づく償却資産に係る固定資産税の特例措置や市独自の補助などによりまして、市内中小企業の設備投資を力強く後押ししてまいりたいと考えております。  議員御質問のモデルとなる企業の誘致につきましては、ジェトロとも連携して取り組みましたドイツ企業との経済交流事業を契機に、IoTの管理技術を有するソフトウェア企業を県とともに誘致したところ、本年3月には日本法人が設立され、市内に事務所が置かれたところでございます。今後は、こうしたモデル企業が有するIoTに関する技術やノウハウ、高度な知見などを市内中小企業へと移転し、また、連携を強化する取組を進めることにより、中小企業の競争力を更に高め、本市産業の活性化、振興を図り、雇用の機会の確保や創出へとつなげてまいりたいと考えております。  次に、4点目の魅力ある職場の提供についてでございます。  本市では、魅力ある雇用の場を確保するため、平成29年度から、立地優遇制度において、AIやロボット、新エネルギーなど成長産業に対する優遇措置を拡大したほか、IT企業等の立地を想定したオフィス開設について、新たに優遇措置の対象としたところでございます。茨城県におきましても、成長分野に係る企業立地への大型補助金やオフィス開設に係る優遇措置を講じておりますことから、国や県の優遇措置と連動した本市独自の優遇策の活用を事業者に働き掛けることにより、本市への成長産業やオフィスの立地促進を図ってまいりたいと考えております。  一方で、企業誘致の受皿となる立地用地につきましては、先ほど申し上げましたとおり、現在日立北部工業団地の2区画を残すのみとなっておりますことから、将来に向けて新たな企業立地用地を確保することが大きな課題となっております。このため、昨年度から日立港区周辺のモータープールの一部を本市の基幹産業であるものづくりに関連する企業立地用地に転換することを想定し、その代替として、日立南太田インターチェンジ周辺において、新たなモータープールの整備に着手いたしました。さらに、将来にわたって持続可能な産業の集積を図るため、日立港区から日立南太田インターチェンジ周辺地区における開発可能性について調査を進めているところでございます。  本市といたしましては、経済状況や企業ニーズに対応した弾力的な優遇措置を引き続き講じていくとともに、企業立地の受皿となる産業団地の整備を進め、ソフト、ハードの両面から成長分野の企業など若者に魅力のある雇用の場の創出を図っていきたいと考えております。  続きまして、大きな6項目め、高齢者ひきこもり対策について、2点の御質問がございましたのでお答えをいたします。  初めに、1点目のひきこもりなど支援を要する中高年の生活実態調査についてでございます。  議員御案内のとおり、超高齢化が進展する将来を見据え、現時点から中高年のひきこもり者等の実態を把握し、支援策を講じていくことは、今後の高齢者対策を進める上でも重要なことと認識をいたしております。国は、本年3月、自宅に半年以上閉じこもっている40歳から64歳までのひきこもり者が全国で推計61万3,000人に上るとの調査結果を発表いたしました。この推計値は、平成28年9月に発表された15歳から39歳までを対象とした実態調査による推計値の54万1,000人を大きく上回るもので、また、ひきこもりの期間は7年以上が半数を占めるなど、ひきこもりの高齢化と長期化が明らかになりました。  本市におきましても、ひきこもり者の社会的孤立等の深刻化が懸念されることから、本年3月に策定した日立市地域福祉推進計画2019において、ひきこもり者への支援を主要な事業の一つに位置付けております。中高年のひきこもりのきっかけは、離職、退職、人間関係、病気等が多く、社会との関わりが希薄になると、経済的な困窮を始め複合的な問題を抱えやすくなることから、早期の支援につながるよう、引き続き市や県の相談窓口の周知を図るとともに、民生委員児童委員や日立市社会福祉協議会など関係機関の御協力をいただきながら、ひきこもりなど地域において支援を要する中高年の方の実態把握に努めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の高齢者の居場所の利用状況と課題、今後の運営の在り方についてでございます。  高齢化が急速に進行する中、ひとり暮らし高齢者や高齢者夫婦世帯の増加が見込まれており、社会的孤立を防ぐための見守りや居場所づくりが、人生100年時代を見据えた超高齢社会の重要な課題の一つであると認識をいたしております。このため本市では、平成29年度から公共施設等を活用しながら市内各所に高齢者の居場所を整備する高齢者の居場所づくり事業に着手し、誰もが気軽に集える交流の場として、これまでに、元気カフェすけがわ、元気カフェあゆかわの2箇所を開設したところでございます。本施設では、喫茶や軽食を通した交流を楽しめるだけでなく、高齢者の生活支援に関わる講座や専門職による健康相談等が受けられることもあり、大変御好評の声をいただき、高齢者の介護予防や閉じこもり防止につながっているものと考えております。  これまでの利用状況といたしましては、平成30年2月26日に開所した元気カフェすけがわの利用者が延べ1万3,000人を、平成30年11月27日に開所した元気カフェあゆかわが延べ3,000人を超えるなど利用者数もそれぞれ増加傾向にあり、連日にぎわいを見せ、文字どおり元気を持ち帰っていただいているところでございます。  一方、課題といたしましては、まだまだ本施設が知られておらず、中でも男性利用者が全体のおよそ3割と少ないため、更なるPRが必要であると認識をいたしております。現在3店目の取組を久慈町地区で行っておりますが、今後更に多くの方々に御利用いただけるよう、軽食メニューの拡大や講座やイベントの内容の充実を図り、魅力ある施設の運営に努めてまいりたいと考えております。  このように、これまでの高齢者の居場所づくりは、市が先導的な役割を担い、事業を展開してまいりました。しかしながら、今後ますます高齢者の増加が見込まれる中、このような居場所の必要性は更に高まることが予想されますので、今後は、行政だけではなく、民間、NPO法人、ボランティアなど、様々な事業主体を巻き込んだ取組が必要であると考えております。実際に独自に空き家等を活用した居場所を立ち上げ、地域に貢献したいと考えている団体もあり、そうした形での身近な居場所が市内各所に増えていくことで、高齢者の介護予防や閉じこもり防止につながる効果が期待をされております。今後、こうした団体のニーズの把握に努め、市としてどのような連携や支援が図れるかなど、具体的な仕組みづくりに向けて検討をし、人生100年時代を見据え、高齢者が住み慣れた地域で元気に生き生きと暮らせるまちづくりに積極的に取り組んでまいります。  続きまして、大きな7項目め、地域周産期母子医療センター再開のメドについて、3点の御質問がございましたのでお答え申し上げます。  初めに、1点目の若年層を対象としたライフステージに合わせた各種応援・サービス施策の効果の検証と評価についてでございます。  本市におきまして最も大きな課題である人口減少対策と定住促進を図るため、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえる切れ目のない支援に取り組んでいるところでございます。これらの施策や事業の検証につきましては、外部識者による評価等を始め、利用者アンケートなどから市民の声を聴き、その結果を施策等の見直しや拡充、新たな企画に反映させながら取り組んでいるところでございます。一例を申し上げますと、子育て世代へのニーズ調査において優先度の高い経済的支援として、平成28年度から本市独自に保育料の負担軽減に取り組んできたほか、小児マル福の拡充など、子育て世代の経済的負担の軽減を進めた結果、昨年度実施したニーズ調査では、経済的支援の満足度が前回から約5ポイント改善されております。  しかしながら、子育て世代のニーズとして引き続き経済的支援が上位を占めていることから、本年10月に国の制度として実施される幼児教育・保育の無償化では対象とならない3歳未満児の保育料について、多子世帯の更なる負担軽減を図るため、本市独自に第2子の無償化に取り組むための関連補正予算を本定例会に提案させていただいたところでございます。今後とも、これまでの検証を十分に行い、市民ニーズもしっかりと把握しながら、更に支援拡大や充実につなげてまいりたいと考えております。  次に、2点目の日立総合病院の産婦人科に対する市の現状認識についての御質問と、3点目の周産期医療の業務再開への課題と今後の見通しについての御質問は関連をいたしますので、一括してお答え申し上げます。  平成21年度に日立総合病院の産婦人科が休止されて以降、本市が東京医科大学に寄附講座を設置し、1年後の平成22年度に常勤医師3名による通常分娩が再開され、平成29年度には婦人科診療とリスクのある分娩への対応が開始、さらに、今年度からは、茨城県とともに筑波大学に寄附研究部門を設置し、東京医科大学と筑波大学との共同診療体制が整うなど、産科、婦人科ともに着実に診療領域の拡大が図られてきたものと考えております。特に、婦人科につきましては、良性疾患に加え、悪性腫瘍やダ・ヴィンチによるロボット手術にも対応可能な充実した診療体制となり、今後は、水戸以南の病院まで通っていた市民が身近な日立総合病院でより高度な婦人科の治療を受けられるものと期待をしているところでございます。  また、周産期医療につきましては、今年度から産婦人科の常勤医師が8名に増員され、地域周産期母子医療センターの再開が見えてまいりましたが、議員御指摘のとおり、再開に当たりましては、24時間体制での新生児医療の確保、ハイリスク妊産婦や新生児にも対応できる看護師の養成、また、センターの施設整備に係る財政負担などの課題もございます。新生児科医の確保につきましては、今年1月に茨城県が特に早急な対応が必要な医療機関、診療科として日立総合病院の新生児科医2名を追加で選定し、うち1名を筑波大学から確保できたところでございますが、残り1名につきましても、県が目標とする来年9月までの確保を目指して、筑波大学や県立こども病院に派遣を要望してまいりたいと考えております。  また、看護師の養成につきましては、日立総合病院が来月から毎月2名の看護師を10日間ずつ県立こども病院に派遣し、NICUで新生児の処置等を学ぶ研修を開始いたします。本市では、日立総合病院と県医療政策課に職員1名をそれぞれ配置し、茨城県、日立総合病院、本市の三者が連携を密にしながらセンター再開に向けた取組を進めてまいりました。今後も、医師確保や看護師の養成、施設整備などの諸課題にスピード感を持って取り組み、センターの早期再開を目指し、鋭意努力をしてまいります。  私からは以上でございます。 36 ◯教育長(中山俊惠君) ◇登壇◇ 私からは、大きな2項目め、今後の教育行政についての御質問に、順次お答えいたします。  初めに、(1)質の高い教育環境をどのように保っていくのかでございます。  来年度から小学校で全面実施となる新学習指導要領において、子供たちには、自分のよさや可能性を認識するとともに、他の人々を尊重し、協働しながら持続可能な社会のつくり手となることが求められております。このような中、教師は、日常の学習指導はもとより、子供たちの健やかな育ちに使命感と誇りを持って教育活動に当たっております。責任も強く感じ、悩みも多いものと思いますが、子供の成長に直接関わることのできる喜びは教師の大きな魅力であると言えます。一人一人の育ちに出会うとともに、子供たちが力を合わせて頑張り、教室いっぱいに広がる笑顔に包まれたとき、教師はかけがえのない職業であることを心から感じることができます。  一方で、近年、学校や子供たちを取り巻く社会環境が大きく変化し、保護者や地域から寄せられる学校への期待が多種多様となる中で、長時間の勤務を始めとして負担も大きくなり、その働き方が課題となっております。そうした中で、授業の準備や指導方法の研究など教えるために行うことは、本来の業務として捉えられておりますが、事務的な調査業務などは負担に感じる声となっております。本市では、これまでも市独自に、学校事務員、図書事務員、そして、少人数指導教員や理科学習支援講師などを配置するとともに、業務の効率化を図るため校務支援システムを導入するなど、教師の負担を軽減するための様々な施策を講じてまいりました。さらに、今年度からは、スクールロイヤーの導入により、複雑化する問題について法律相談ができる体制を整えるほか、部活動指導員の配置など、他市に先駆けた取組を進めております。  今後も学校の声に耳を傾け、ニーズを酌み取り、タブレットなどのICT機器の充実を始め指導に集中できる環境を整えることで、子供たちにしっかりと向き合うことのできる質の高い教育を推進してまいります。  次に、(2)いじめ防止、児童虐待防止対策についてでございます。  いじめは、被害に遭った子供、そして、いじめた子、全ての子供がその心を傷つけるものです。また、最近は、スマートフォンなどを使用したSNSによる見えにくいいじめが課題となっております。各学校においては、いじめを未然に防止するため、楽しい学校づくりとともに、教師を始めとして教育相談員やスクールカウンセラーにふだんから気軽に相談できる体制の充実を図り、子供たちが明日も行きたいと思える学校づくりを進めております。  また、近年、虐待により幼い命が失われるという大変痛ましい事件が発生し、大きな社会問題となっております。学校では、日々の声かけや子供の様子をきめ細かに見守り、不安や悩み、困り感を共有し、心に寄り添うことで、早期発見、早期対応に努め、虐待を見逃さないことを何よりも重要としております。虐待を受けている子供の命を守るためには、茨城県中央児童相談所日立児童分室の機能強化は急務と考えます。人的な充実を県に要望するほか、日常的な教育、福祉の連携とともに、警察など関係機関との連携、協力を更に強化していくことが求められます。今後とも、子供たちが愛情に包まれ、命と成長が尊重されるよう、ともに見守ってまいります。  新たに策定した教育振興基本計画の基本理念は、「未来を拓く人づくり」といたしました。未来の日立市を担っていくのは、今、育ちゆく子供たちです。本市の学校教育の推進テーマである「いいとこ発見 夢づくり」を基に、子供たちには、それぞれの夢を描くことができるよう、環境を整えていくことが私たち大人の責務であると考えます。まち全体で子供たちの笑顔と元気を育みながら、みんなで成長を喜び合える教育の実現を目指してまいります。  以上でございます。 37 ◯公営企業管理者(豊田泰二君) ◇登壇◇ 私からは、大きな3項目め、水道事業の安定的経営の継続についてお答えを申し上げます。  水道事業の安定的な経営の継続には、議員の御質問にもございましたように、安定的な水源の確保とともに、経営面の強化という両面からの対応が必要であると考えております。昨年末の水道法改正をめぐる議論の中で明らかとなりましたように、全国の水道事業体は、一部の事業体を除き、人口減少等に伴って料金収入が減少する中、老朽化が進む管路施設の更新や耐震化に要する資金の確保、さらには、長年にわたって水道事業を支えてきた技術系職員の減少や技術の継承等、様々な課題に直面しております。  そのような中、改正水道法が昨年12月に成立し、今後の水道事業のあるべき方向性が法律によって指し示されたところです。政省令等、具体的な内容については夏以降に改めて示されるとのことではありますが、水道事業が直面する様々な課題に対応するために必要な経営基盤の強化・確立に向け、広域連携や官民連携の推進、適切な資産管理の推進などのほか、国や都道府県等の責務や役割が明確に定められたところです。  本市では、今年3月、上下水道事業を次の世代にしっかりとつないでいくための中長期的な計画として、日立市上下水道事業経営戦略を策定したところでございます。経営戦略の中で、水道事業の経営基盤強化のための取組の一つである広域連携の推進につきましては、周辺市町村の計画や意向を踏まえながら、検針事務や収納事務等の共同化について段階的に検討するとともに、水道用水供給事業者である茨城県企業局との垂直連携の可能性も選択肢の一つとして検討することとしたところでございます。また、官民連携の推進につきましても、事務の効率化や市民サービスの向上の観点から、検針事務や収納事務などについて検討を進めることとしたところでございます。そのため、5月に企業局内に研究、検討プロジェクトチームを設置し、先進事例等を踏まえながら、本市の水道事業に最も適した広域連携、官民連携の在り方等について研究することとしたところです。さらに、茨城県が国の要請に基づいて発足させた広域化推進プラン策定のための検討会にも積極的に参加することといたしました。  一方の安定水源の確保については、これまで経験したことのない渇水のため、本年2月には農業用水を活用した振替取水の準備を、更に4月には、5年連続となりましたが、川の中に堤を築いて何とか給水を継続したところでございます。今回の渇水は、近年の異常とも言える気象の変動が大きな誘因になったものと考えられますが、安定水源の確保という観点からは、改めて抜本的な対策の検討が迫られているものと認識しているところです。経営戦略では、令和10年度から着手予定の森山浄水場再整備によって生み出される余剰地を活用し、久慈川で取水した原水を貯めておくための原水貯水池の増設を計画しておりますが、昨今の状況を勘案いたしますと、今後は、スケジュールも含め、幅広い検討を行う必要があると考えております。  地方公営企業法を適用する水道事業は、常に企業としての経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営しなければならないとされており、事業会計も、公営企業会計を適用した上で、事業経営の効率化や独立採算の維持が求められております。国の財政制度審議会からは、水道事業ばかりでなく下水道事業についても、適正な料金、使用料収入に基づく経営が提言されており、先ほどの改正水道法においても、料金は健全な経営を確保できるものであることが新たに定められました。その意味からも、今後の水道事業の安定的な継続のためには、料金の見直しを含む経営戦略に定めた取組を着実に進めるとともに、職員一人一人の意識改革や知識、技術の向上に努め、将来にわたって適正かつ効率的な事業経営に努めてまいりたいと考えております。  なお、併せて御質問のございました水道事業におけるコンセッション方式につきましては、幾つかの事業体で具体的な検討を行っているとの情報がございますが、実施にまで至った事業体は確認できておりません。リスクの分担等、まだまだ判然としない部分も多いことや、事業体内部の技術やノウハウの継承に対する懸念、さらには、安全・安心に対する市民の皆さんの不安の払拭が難しいことなどを考えますと、水道事業におけるコンセッション方式の導入につきましては、慎重に検討すべきものと考えております。  私からは以上でございます。 38 ◯副市長(梶山隆範君) ◇登壇◇ 私からは、大きな5項目め、産業としての「観光」についての三つの御質問に、順次お答え申し上げます。  初めに、(1)フィルムコミッションについてでございます。  フィルムコミッションにつきましては、映画等のロケ地として知名度が上がることにより、ロケ地を訪れる観光客など交流人口の増加や市のイメージアップなどまちの活性化につながる大きな可能性を持っているものと期待をしているところでございます。本市では、小説「ある町の高い煙突」の映画化を契機といたしまして、昨年10月から本格的にフィルムコミッションに取り組むことといたしました。この度公開された映画「ある町の高い煙突」の撮影では、太田尻海岸などでの撮影が行われ、本市が有する魅力ある風景が全国に発信できましたほか、関係者の市内での宿泊や飲食などにより、これまでになかった経済波及効果を生んだものと認識しているところでございます。また、ロケの支援といたしましては、シティプロモーション推進室を中心に、ロケ地紹介、市民有志による食事の提供やエキストラとしての参加など、映画の撮影に対し、様々な機会を捉えて協力することができ、フィルムコミッションとしての成果を上げることができたと考えております。  御質問のいばらきフィルムコミッションが、本市のロケ地としての魅力をどのように認識したのかという点につきましては、議員御案内のとおり、「いばらきロケ地マップ」に情報が取り上げられましたほか、本市のフィルムコミッション本格実施後に制作会社からのお問い合わせが増え、実際にかみね動物園や新都市広場、日立駅、そして、海などの市内各所で撮影が行われ、日立を象徴する風景が全国に発信されておりますことから、海や山などの本市の豊かな自然と都市機能の両方を併せ持つ本市のロケ地としての魅力やロケ受入支援体制について一定の評価をいただいているものと考えております。  今後も引き続き、いばらきフィルムコミッションとの連携を密にし、本市の持つ資産や魅力を更に広くPRして、数多くのロケ誘致につないでいくことによりまして、まちの活性化、知名度の向上、交流人口の拡大などを図ってまいりたいと考えております。  次に、(2)海水浴場のにぎわい創出についてでございます。  本市の南北33キロメートルに及ぶ海岸線には、風光明媚な景観に加え、県内海水浴場の中でもきれいな水質を誇る六つの海水浴場が位置しており、本市を代表する観光資源として、他市に誇る魅力であるひたちらしさの一つとして捉えております。  一方、東日本大震災を踏まえ、茨城県が事業主体となり、本市の海岸線を含む北茨城市から神栖市まで県内の沿岸地域に防潮堤の整備が進められており、これに伴い、本市の海水浴場においても、伊師浜、久慈浜を除く4箇所の海水浴場に防潮堤が整備されることとなります。防潮堤の整備は、人命、住民財産の保護の観点から当然に進められるべきものでありますので、防潮堤の整備による景観を含む周辺環境の変化を受け止めつつ、本市の重要な観光資源である海の魅力が損なわれることがないよう、海水浴場のにぎわい創出に向けた様々な施策に取り組む必要があるものと認識しております。  今後、防潮堤の整備が完了する時機を捉え、防潮堤を活用した地元小中学生やアーティスト等による装飾や併設される海岸遊歩道を活用したウオーキングコースの整備などの新たな景観や魅力づくりに取り組むとともに、海水浴場への遊具の設置を始め、海を活用したイベントの開催支援や民間宿泊施設の環境整備に対する支援を行うなど、海水浴場の更なる魅力づくりに努め、交流人口の拡大と地域活性化を図ってまいりたいと考えております。  次に、(3)一次産業を意識的に活用することについてでございます。  議員御案内の第一次産業を意識的に活用した取組である茨城県の「茨城をたべよう運動」やひたちなか市の「魚食普及推進の日」の取組は、地産地消を促進し、地域経済の活性化や観光の振興に資する取組で、本市においても参考とすべきものと認識しております。  地元農水産物を観光振興につなげる本市の取組といたしましては、昨年度、茨城県と連携して実施した地域の食材や郷土料理を基に開発したメニューを市内の宿泊施設において提供する食のイベントや、県北地域の農園や酒蔵、味噌蔵、漁港などをバスで周遊し、訪問先で調達した食材で有名シェフがその場で調理した料理を堪能する旅行代理店によるツアーを開催するなど、首都圏などに向けて本市の食の魅力を発信するとともに、参加者からも高い評価を得ることができました。また、道の駅日立おさかなセンターで提供している食事が大手旅行代理店の調査で関東道の駅グルメランキング第1位を獲得するなど大変人気を博しておりまして、さらには、毎年10月に開催しております旬漁祭では、昨年は本市で多く水揚げされている地魚──アンコウに着目したイベントを行ったことで、例年を上回る多くのお客様でにぎわいを見せるなど、地元の食を強みと捉えて、交流人口の拡大に取り組んでいるところでございます。  農業におきましては、自然豊かな中里地区のリンゴ、ブドウなどの果物の里を新たに「日立中里フルーツ街道」と命名し、そのロゴマークなどを活用したPR活動により、果物の里としての知名度向上と来園者増加が図られ、観光誘客につながったものと考えております。  このように、第一次産業を意識的に活用し、食を通した観光誘客の取組を進めることは、本市の豊かな自然、伝統文化などの観光資源にひたちらしい食文化が加わることとなり、本市の魅力を最大限アピールできるものと考えておりますので、飲食店、宿泊施設及び観光物産協会、商工会議所などの関係団体に加え、食を支える第一次産業者との連携を強化してまいります。  いずれにいたしましても、観光は地域経済の活性化に寄与する産業として大きな期待が寄せられており、本市といたしましても、庁内体制の強化を図り、本市が有する様々な魅力の磨き上げと積極的な発信を展開することで、更なる観光振興を図ってまいります。  以上でございます。 39 ◯24番(永山堯康君) ◇登壇◇ ただいまは御答弁ありがとうございました。  まず冒頭に、一つの要望を申し上げます。  所信表明の中でも述べられておりますかみね動物園へのジャイアントパンダの誘致については、新たな日立市づくりのために、小川市長を先頭に、全市挙げての機運づくりを強く願うものであります。  一方、踏み込んだ選択と集中に徹した答弁を期待したところでありますが、いま一つ力強さが感じられませんでしたのは、行政は継続なりとの思いがおありからでしょうか。そのことは十分理解し、その継続性は認めますが、そこで改めて提案を申し上げます。
     持続可能性都市として成長するには、行政の強い意思表示が必要であります。アメリカのリンカーン大統領は、「意志あるところに道は開ける」の言葉を残しております。茨城県知事、大井川和彦氏の座右の銘でもあります。そのことを前に進めるため表現したのが「新しい茨城づくり」であります。つまり、常識にこだわらず、果敢に挑戦することであります。新庁舎が3月末にグランドオープンし、そのデザインは、これからいろいろなことが書き込める白が基調であります。すなわちゼロからのスタートと捉え、高度成長期の重厚長大から軽薄短小へ、そして、付加価値の高いIT産業への誘致を図るべきであります。  姉妹都市であるバーミングハム市は、鉄鋼業のまちから医療機関の最先端診療機関を有するまちへと都市の性格、構造を変え、今なお発展し続けているまちであります。世界は今グローバル化、デジタル化、ソーシャル化と、人と人との現実の関係をインターネットを使って結び付けるという大きなうねりの中、我が日立市は、企業城下町、工業都市から、豊かな自然環境、気候が温暖なこの地域を新産業技術集積都市として、マンパワーの裾野の広い医療関連産業、例えば国立の医療機関などを誘致し、総合医療健康モデル都市として国際都市を目指してはいかがでしょうか。年間3,000万人を超えるインバウンドを意識することも重要なポイントであります。  また、昭和38年に、旧十王町は、日本の衛星通信発祥の地として開設された事実があります。令和の時代は、経験したことのない人口減少、少子高齢化が押し寄せる社会であり、そのことにより、縮小する社会と言われております。今後、気象状況の優れた地域として未来を担う宇宙ビジネス、宇宙産業の要として活用されることを夢に、新しきことを創造し、挑戦するという意志が重要であります。  先人の残してくれた言葉、今こそこのときを天のときと捉え、地の利をいかし、小川市長を中心とする人の和によって、日立市の躍進につなげていかれることを願い、ひたち未来を代表しての代表質問を終わりといたします。ありがとうございました。 40 ◯議長(茅根茂彦君) 以上で永山議員の質問が終わりました。  これをもちまして、市政に関する会派代表質問を終結いたします。  以上で、本日の議事日程全部が終了いたしました。  次回の日程を申し上げます。次回は、明6月18日・火曜日・午前10時、本議場で本会議を開き、市政に関する一般質問を行います。  本日は、これをもって散会いたします。御苦労さまでございました。                   午後 4時24分散会 Copyright © Hitachi City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...