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平成29年第1回定例会(第2日目) 議事日程 開催日: 2017-03-06
平成29年第1回定例会(第2日目) 本文 開催日: 2017-03-06

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  1. 日立市議会 2017-03-06
    平成29年第1回定例会(第2日目) 本文 開催日: 2017-03-06


    取得元: 日立市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-20
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                   午前10時00分開議 ◯議長(岡部光雄君) おはようございます。  御報告いたします。  ただいま出席議員は27名であります。  これより本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、お手元に配布してあります議事日程第2号のとおりであります。  これより議事に入ります。   ───────────────────────────────────────────    日程第1 市政に関する会派代表質問 2 ◯議長(岡部光雄君) 日程第1 市政に関する会派代表質問を行います。  初めに、民主クラブ、伊藤健也議員に発言を許します。 3 ◯11番(伊藤健也君) ◇登壇◇ 皆さん、おはようございます。民主クラブの伊藤健也です。会派を代表いたしまして、発言通告に従い、以下、五つの項目につきまして質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。  本日は3月6日で、間もなく3月11日を迎えます。2011年3月11日、午後2時46分、東北・茨城県沖を震源とした東日本大震災が発生いたしました。日立市も震度6強の地震に見舞われ、これまでに経験したことのない揺れに多くの市民が衝撃を受けました。その震災発生から間もなく6年を迎えるわけでありますが、全国には、いまだ12万7,000人もの方々が避難生活を余儀なくされております。改めて、一日も早く震災以前の生活に戻れることをお祈りしたいと思っております。  また、昨年は、熊本県や鳥取県で発生いたしました地震、さらには、東北、北海道の台風上陸による大規模な水害発生は記憶に新しいところでもあります。いつどこで起こるか分からない災害に対する備えの必要性を改めて感じた年でもありました。  それでは、質問の1項目、市長施政方針について質問をさせていただきます。  市長の施政方針で触れられましたが、国は平成29年度一般会計予算について97兆4,547億円余としました。この予算につきましては、厳しい財政状況の中で経済・財政再生計画2年目とし、経済再生と財政健全化の両立を実現することとしまして、経済再生では一億総活躍社会の実現、成長と分配の好循環の強化や経済再生、働き方改革などの推進を掲げております。
     また、財政健全化におきましては、一般歳出や社会保障関係費の伸びの抑制、さらには、国債発行額の縮減などをポイントとして予算化をされまして、その特徴として、施策の優先順位を洗い直すなどとした、めり張りの効いた予算や更に安定的な予算確保、さらには、地方の一般財源総額を適切に確保するための地方交付税交付金等の増額など、歳出各分野における効率化も掲げられております。いずれにしても厳しい状況にはあると思っております。  茨城県の予算につきましては、厳しい歳入状況の中で、前年度比マイナス0.8%減の1兆1,117億円となっているものの、災害に強い県土づくりに向けた公共事業全体では前年度比8.8%増の1,190億円が計上されております。  このような状況の中、日立市の平成29年度一般会計予算は、前年度比マイナス7.9%、708億1,900万円で組まれております。  平成27年の市長就任に当たっては、安全・安心で市民の笑顔が輝くまちの実現を表明され、震災復興からの総仕上げも行いつつ、平成28年度には、人口減少の具体の対応などを中心に、創生総合戦略の事業化を進めながら、市が直面している少子高齢化や人口減少への対応、さらには、医療や子育て関連事業への対応など、その御努力に敬意を表する次第であります。  では、(1)市政運営の基本的な考え方から質問させていただきます。  市長就任から、安全・安心で市民の笑顔が輝くまちの実現を政策の基本とし、市政全般に取り組んでこられたものと思っております。就任3年目となる平成29年度の市政運営の基本として、総合戦略及び後期基本計画の推進と社会への投資、人への投資として、ひたちらしさにつながる事業に重点的に取り組むことを掲げております。  こうした取組を進めていく中で、3点について質問をさせていただきます。  1点目は、市長就任以来、積極的に市民の声を聴く機会の充実を図ることとして、地域や学生層、子育て層など、多くの市民との対話を重ねてきたものと思います。このことは、市長の考えと市民の意見とのすり合わせは極めて大切と考えているものと思います。  そこで、市長の政策における構想の重点課題とされている部分に対し、こうした市民の声はどのような影響をもたらし、今後の市政に対しどのように反映されるのでしょうか。お伺いいたします。  2点目は、本市の人口動態の好転の要因についてお伺いします。  施政方針の中で小川市長は、一昨年から社会減の縮小傾向が続いているとし、総務省の人口移動報告による転出超過数は、平成25年、マイナス1,485人、平成26年が1,590人となっており、2年連続で全国ワースト2位、平成27年はマイナス1,504人でワースト4位、平成28年につきましては1,250人でワースト9位と、徐々に好転しつつあるとした見解を述べられておりました。  このことは、日立市人口ビジョンにおける平成52年の、2040年でありますが、人口15万人以上を目指すべく、総合戦略で計画した192事業が浸透してきた成果によるものとお考えでしょうか。好転することは喜ばしいと思いますが、順位の評価ではなく、中身の問題でもあり、こうした事実をしっかりと分析しながら進め、変化に対応した手段や施策を示すことも必要と考えます。  そこで、本市の人口動態が好転している要因について見解をお伺いいたします。  3点目は、地方創生の加速に向けた具体的な取組についてであります。  5箇年計画で進められております地方創生の取組は、日立市まち・ひと・しごと創生総合戦略として「みんなの笑顔が輝く ひとにやさしいまちづくり」を掲げ、人口減少対策地域活性化策など192事業の事業化に向け、平成27年度にスタートいたしました。平成28年度は、実践の年として地方創生に取り組んでこられたものと思います。そして、平成29年度、地方創生の加速の年といたしまして、後期基本計画に包摂しまして関係する分野の大綱、施策に位置付け、そして事業に取り組み、一段上のステージを目指すとしておりましたが、更なる人口減少対策と地域の活性化を図るため、今後の地方創生をどのように加速させていくのか、市長の意気込みについてお伺いいたします。  次に、(2)平成29年度の主な事業から3点についてお伺いいたします。  1点目、福祉、医療の分野から福祉部門全体で対応していただきたいと考える、幼児から高齢者までの総合相談窓口の設置についてであります。  保健福祉部門は、広範囲にわたり申請や給付を始めとした業務を、日々、来庁された市民と近い関係で親身な対応を図っていただいております。  しかし、電話での問い合わせの場合、市役所代表電話の担当者が、どの課につないでよいか分からず、その対応に時間が掛かる場合もございます。  こうした対応として、本年1月には、日立市市民相談ハンドブックを新たに作成されまして、庁内全職員に配布されておりますが、数ある各種制度の狭間にある市民の相談窓口として、きめ細かな対応が必要と考えます。幼児から高齢者までの広範囲な相談に対応できる手段といたしまして、福祉の相談窓口の設置はできないでしょうか。見解についてお伺いいたします。  2点目といたしまして、教育、文化の項目から質問をさせていただきます。  本市には、小中学生を対象とした様々な少年団やボーイスカウト・ガールスカウト活動が盛んに行われております。本市で活動している少年団等の団体は、スポーツ少年団で116団体、文化少年団で35団体、職業探検少年団で11団体となっており、全国的に見ても非常に多い団体がそれぞれ活動しております。  市長の施政方針では、ひたちらしさをいかした特色のある教育などに取り組みながら、まち全体で子供たちの笑顔と元気を育むとともに、文化や芸術、スポーツ等の更なる振興に取り組むことで、市民の誰もが生涯にわたり生き生きと輝けるまちを目指すと述べられております。  今回は、スポーツ振興策としての新たな練習環境等の整備についてお伺いします。  平成28年度は、私どもが切望していた人工芝のグラウンドが折笠スポーツ広場に完成が予定されております。日立市サッカー協会を始め、サッカー関係者も供用開始を楽しみにしております。バスケットボールやバレーボール等の室内競技におきましては池の川さくらアリーナが今年1月にオープンし、多くの市民の方々に利用されているところでもあります。現在、県大会や関東大会、さらに全国大会などについては、非常にいい競技環境の中でそれぞれの大会が開催されております。  しかし、本市にはまだまだ未整備の施設も数多く存在しており、土のグラウンドで日々練習に励んでいる状況となっており、折笠スポーツ広場や池の川運動公園の芝生など、施設のごく一部でしかない、こういった状況でもございます。  子供たちの様々な活動を市民全体で応援することがひたちらしさにもつながるものと考えます。今後の更なる練習環境の整備に対する考え方についてお伺いします。  また、少年団等の団体使用につきましては、施設使用料は大人使用の半額となっており、一定の優遇はされておりますが、子供たちの活動を市民全体で応援する観点から、支援の環境整備の一つとして見直した形で、少年団の利用につきましても使用料の見直しを行い、そのことが子育てしたいと思えるような定住施策の一つにつながると思いますが、見解についてお伺いいたします。  次に3点目、都市基盤整備についてお伺いします。  市民の暮らしを支える生活道路の整備につきましては、長期計画に基づき、予算化を図りながら事業化をしてもらっているところであります。  しかしながら、本市の幹線道路として位置付けられております国道6号及び国道245号における交通渋滞が慢性化している実態にありますが、平成25年には山側道路が開通し、渋滞解消に一定の役割を果たしているものと思っております。  しかし、国道6号、大みか町6丁目交差点における渋滞がなかなか解消されていない実態にあります。ほかにも慢性的な交通渋滞が市内各所に発生している状況から、早期の渋滞解消が課題とされております。  市長は、県や国の関係機関に対し、議会とともに渋滞解消に向けた予算措置について毎年積極的な要望活動を行っておりますが、なかなか十分な事業費が確保できない状況にあり、目に見える進捗まで至っておりません。  日立バイパス建設促進期成会が作成しました要望書によれば、本市における国道6号の混雑時における平均旅行速度は時速19.4キロメートルとなっており、県平均の時速33.4キロメートルを大幅に下回っております。  また、市内幹線道路における渋滞損失金額は年間120億円にも上ると試算されております。さらには、現在の自動車交通量は道路許容量をはるかに超えている状況でもあります。  こうしたことから、これまで以上に関係機関に対し、現状における渋滞や渋滞による損失を強く訴えながら要望するとともに、幹線道路に接続している信号機の時間の見直しや日立総合病院下の変則交差点等の改良工事、さらには、主要幹線道路の拡幅や東金沢町内の通勤道路狭隘対策としての電線の地中化など、市独自で実施が可能な渋滞解消対策も必要ではないでしょうか。  市内における渋滞解消が本市の産業の活性化、市民の生活の向上につながるものと考えておりますが、見解についてお伺いいたします。  次に、2項目め、市長公室について2点お尋ねいたします。  (1)市長公室の役割とめざす方向についてお伺いします。  小川市長は、昭和41年4月に市役所に入庁以来、49年の行政経験をいかし、平成27年5月市長就任以降は、行政のトップとして日立市の行政を牽引してこられました。  昨年4月には新たに市長公室が設置され、企画部及び秘書課を再編し、企画立案の迅速化や効率化、さらには広聴広報課と秘書課のスムーズな連携が可能で、より効果的な情報発信を図るため設置されたものと思っております。設置から1年が経過するに当たり、改めて市長公室の狙いと、その具体的な役割についてお伺いいたします。  また、市長公室は、市長のブレーンでもあり、子育てやまちの活性化、商店街の活性化など、大学や各種団体、さらには、大学生を含めた公募委員で構成されました各種策定委員会の開催など、市長の思いを企画、立案し実行に移す際には、関係部局を束ねながら、さらに部局をつなぐ横串の役割も担っているものと強く感じております。こうした観点から、正に行政の政策集団としての位置付けではないかと思っております。  そこで、市長公室の目指すべき方向についてお伺いをするものであります。  次に、(2)シティプロモーションの推進についてです。  本市の交流人口の拡大及び定住促進を図ることを目的に、従来からの発信の在り方や組織の見直しを行い、新たな発想や手段を用いて、多様な媒体を活用しながら日立市をPRされてきたものと思います。  一例としまして、ひたちなか市にある「TOHOシネマズひたちなか」で放映されているプロモーションビデオは好評であり、もっとほかのシネコンにも拡大してはどうかと後押しする市民からの要望も聞かれるところであります。  しかし、これまでの対応として本市全体を広く県内外に一定程度アピールしてきたことは評価できますが、もう一歩踏み込んだ形として考えてみてはいかがでしょうか。例えば、観光面や文化面などをそれぞれ分けて考え、それぞれのひたちらしさの深みを持った内容でプロモーションすることで県内外により強くアピールすることができるものと思います。  一方で、市民一人一人がまちを誇りに思う意識を共有することができればシティセールスにもつながるのではないかと考えます。  そこで、この1年の活動をベースに、より進化、拡大したシティプロモーションが可能と考えます。ほかにも産業や教育面、あるいはスポーツ面など、それぞれの分野に特化したプロモーションの手法、方法の考え方について見解をお伺いいたします。  次に、3項目め、技術集積のまちに向けての(1)日立地区産業支援センターを核とした新たな拠点について伺います。  明治38年、久原房之介氏によりまして銅鋼石の採掘が始められた日立鉱山が本格的な創業を開始し、そして、小平浪平氏が日立鉱山工作課に入り、機械修理をメーンに実績を積みながら新たに独立し、明治43年、日立製作所として産声を上げ、総合電機メーカーとして今日に至っております。  この二つの日本の近代産業を牽引する企業の成長に伴い、本市には全国から多くの鉱工業労働者が集まり働くまちとして発展してまいりました。  以降、高度成長の波にもまれ、本市は最盛期に1兆6,000億円を超える製品出荷額と800件を超える製造事業所数、そして、4万人を超える製造に従事する方を数える全国有数の工業都市として成長を続けてきました。正に100年を超えるものづくりの歴史、技術や技能の蓄積こそが本市の特性、特徴であり、ものづくりのまちの本質であるものと感じております。  しかし、近年においては、経済のグローバル化の進展により、企業の海外進出や海外調達が顕著となっており、ものづくりのまちとしての基盤がゆがみ、いびつになっているように思えてなりません。  こうした時代背景の中で、中小企業各社も生き残りをかけ、懸命に努力を重ねてきている実態にありますが、自社のみでの業務拡張や販路拡大もなかなか難しい状況にあるようです。  こうした中、平成11年に開設されました日立地区産業支援センターは、地域産業における自発的発展の基礎の強化を図り、本市産業の発展と地域経済の活性化への寄与を目的に、ものづくりの基礎、技術研修などの人材育成事業工場力革新チーム(FaIT)塾での現場提案力の強化による競争力強化事業など、多様な方面から企業活動がサポートされてきております。  このことからも、日立地区産業支援センターが寺子屋的、かかりつけ医的な位置付けであることから、地域の中小企業に向き合っていただいているものと思いますが、地域中小企業の更なる成長、地域産業の更なる高度化を目指すためには、本市のものづくり100年の歴史である技術技能の集積をいかし、新たな製品開発や技術開発の拠点として、日立地区産業支援センターの持っている機能をいかし、技術集積のまちに向かってみてはいかがでしょうか。  イメージとしましては、人に役立つロボットを実用化すべく、筑波大学発のベンチャー企業として平成16年に起業しましたサイバーダイン株式会社ロボットスーツHALが挙げられます。このHALを装着することにより、介護現場の腰痛を始めとする介護従事者の体力的な負担軽減が可能であり、労働環境の改善が期待されております。  2月20日には平成28年度日本ベンチャー大賞を受賞するなど、その実績も認められ、筑波イコールHALとして、国内を始め、全世界に発信されております。これまでもものづくりの基礎、技術研修や新製品、新技術への開発支援、さらには経営者への啓蒙事業など、多様な事業が進められてきております。本市におけるものづくりの歴史の中で蓄積、集積された多様な技術、技能を結集し、人々の生活を豊かに、そして、快適にするような製品を世に送り出せるようにできないものかと考えます。そのことが本市の中小企業が直面しているグローバル化への一つの手段にもなるものと思います。  そこで、お伺いいたします。  技術集積のまちに向け、多様な技能や技術と産学官の連携をコーディネートする役割、そして、その役割により進められる取組の核としての役割を日立地区産業支援センターに担ってもらうことはできないものでしょうか。これまでの取組経過も併せてお伺いいたします。  また、産業支援センターでは、中小企業の製品や技術の開発支援を充実するため、冷熱試験装置や振動試験装置など、各種の計測機器を使用しておりますが、より高度な試験等にも対応できる施設として試験評価機器等を充実すべきではないかと考えますが、見解についてお伺いいたします。  次に、4項目め、新たな福祉のまち日立について、(1)福祉施策の現状についてお伺いいたします。  幼児から高齢者まで、国が示す多様な福祉メニューに対し、厳しい財政状況の中でしっかりと対応してきてもらっております。  私は、日立市におけるこれまでの福祉施策の取組の歴史の中において、特筆すべき事業が二つあるものと思っております。  一つは、日立市が鉱工業の発展とともに人口が増大してきた中で、同時に障害のある子供たちも多くなってきたことから、昭和43年4月、ほかの自治体に先駆け、日立市立養護学校高等部を開校し、順次、小学部や中学部が設置され、途中、特別支援学校に名称を変え、地域における特別支援教育の中核的機関として、小中学校や幼稚園、保育園などの特別支援教育におけるセンター的機能を果たしながら今日に至っております。そして、もう一つは、昭和45年に建設されました日立市太陽の家ではないかと思っております。  この太陽の家は、「重症心身障害児(者)を通園バスで保護者とともに通園させ、少しでも社会への適応性を増すように保護育成する施設で、どんなに障害が重くても、人間としてその生命が尊重され、保障される地域社会を形づくること」を目的に設立と、当時の日立市報に記載されております。そして、建設に当たっては、日立重症心身障害児(者)を守る会が中心となり、太陽の家の建設運動が始められてから3年、この間、多くの市民の皆さんから建設資金へとたくさんの浄財が寄せられました。「会社の大口寄附から、市民と親たちの一円玉の募金箱まで、それらの数々の浄財は、全て市民の皆さんの愛の結晶です。」と当時の日立市報に掲載、また、「市にとっては、文字どおり市民参加の行政のシンボルである。」と記載されております。当時の萬田市長は、「住む町・働く町・楽しい町」の理念を掲げ、昭和38年5月から昭和50年4月までの3期12年にわたり市政発展に尽力され、特に障害児や障害者及び高齢者のための施策に心血を注がれ、日立市太陽の家を始めとする各種福祉施設を整備したことに加え、市民参加の醸成に貢献されました。正に現在に至る福祉施策の礎をつくられたといっても過言ではないと思っております。  太陽の家を始めとする周辺施設は、今後、複合施設として新しい施設に生まれ変わろうとしております。こうしたことは、施設を利用する利用者を始め、保護者や関係者にも大変喜ばしいニュースであり、早期の完成が待ち遠しいものと思っております。  このことは、小川市長を始めとした執行部の英断と関係者の深い御理解によるものと改めて敬意を表するものであります。  そこで、様々な施策を行ってもらっておりますが、本市独自の各種福祉施策の特徴点、さらには、他自治体に誇れる福祉施策についてお伺いします。  次に、(2)福祉施設の優先整備について伺います。  本市では、平成25年度に策定された日立市公共施設マネジメント基本方針において、将来的に公共施設の大規模改修や改築のピークが来ることを明らかにしました。  その後、同基本方針の分野別編の策定や前期行動計画個別施設計画を定め、具体的には、前期行動計画にそれぞれの施設における改築や改修の方向性が出されております。計画策定に当たっては、全ての公共施設を横にらみしながら、建築年数や利用者、さらには利用形態等を加味した上で方向性が決定されたものと考えます。  しかし、公共施設の中でも、萬春園、はまぎく荘、ほかにも老人福祉センターなどの高齢者が利用する施設や障害者が利用する大みかけやき荘や福祉作業所などの早期に建設された施設については、特に優先的に整備することが必要ではないかと考えます。そのことが利用者又は保護者の安心につながるものと考えます。高齢者と障害者が利用する施設の優先的整備に対する見解についてお伺いいたします。  続きまして、5項目め、教育行政についての(1)小・中学校と地域の連携について伺います。  市内小中学校では運動会や体育祭、さらに中学校では運動部の地区大会など、年間行事計画に基づき開催されております。これらの行事には、保護者や家族を含め多くの方が参加し、大きな声援を送っていただいております。  一方、隣接する地域では、当日、こうした行事の開催を知らないまま、周辺の騒がしさや周辺道路への駐車、さらには育児や介護世帯もあり、騒音等で困惑している世帯もあります。これまで学校と隣接地域の情報伝達につきましては、地元コミュニティを経由し、当該自治会や町内会に対しコミュニティニュース等で周知しているものと思っておりますが、なかなか伝わらないものと考えます。  こうした事態の解消策としまして、学校行事が開催される前段で、学校に隣接する地域に対し、個別に開催情報を提供することを考えてはいかがでしょうか。  学校情報が入ることで、行事が開催される日には、外出や自宅を離れるなどの対応も図られ、家庭においては、行事に対する心構えと、その対策が可能になるものと思います。  また、日常から定期的に情報交換が実施されることで、近隣の興味ある方は関心が増すなど、相互の理解が深まり、良好な関係が構築できるものと考えます。学校と隣接地域との情報伝達について執行部の見解をお伺いします。  次に、(2)給食のアレルギー食対応についてであります。  本市では、南高野調理場と宮田調理場、そして十王調理場の3場体制で、市内小中学校や特別支援学校に約一日1万6,000食の給食が提供されております。多くの児童生徒は毎日の給食を楽しみにしている一方で、小麦粉や卵などによるアレルギー反応が出る児童生徒も市内で約200名ほどいると聞いております。楽しい給食の時間は、全員が同じ給食を食べながら、また、食育としての楽しい時間を過ごしてもらいたいと思っております。  しかし、アレルギーのある児童生徒は、毎日保護者のつくるお弁当を持参しているのが現状であり、保護者も連日、メニューと材料の準備で大変との声を伺っております。全てのアレルギーに対応することは難しいとは思っておりますが、対象児童生徒の保護者への負担軽減を図ることも視野に、給食調理場における早期のアレルギー食への対応についてお伺いいたします。  また、こうしたアレルギー食の対応を図っていただくとともに、改めて食の安全に対する取組の現状とその考え方についてお伺いいたします。  以上、大きく五つの項目につきまして質問させていただきました。それぞれ御答弁をよろしくお願いいたします。 4 ◯議長(岡部光雄君) 伊藤健也議員の質問に対し、執行部からの答弁を求めます。 5 ◯市長(小川春樹君) ◇登壇◇ 民主クラブを代表しての伊藤健也議員の御質問にお答え申し上げます。  私からは、大きな1番、市長施政方針についての二つの御質問と、大きな2番、市長公室についての二つの御質問に順次お答え申し上げます。  まず、大きな1番、市長施政方針についての(1)市政運営の基本的な考え方からについての3点の御質問にお答え申し上げます。  1点目の市民の声の市政への反映についてでございます。  市政運営の推進に当たりましては、限られた行財政資源を有効に活用し、市民ニーズを的確に反映させた行政サービスを適時、適切に提供し続けていくことが求められております。そのためにも、今議会冒頭の施政方針でも申し上げましたように、まちづくりを市民の皆様と一緒になって進めるには、まずは、市民の皆様の声をしっかりと聴くことが重要との思いから、これまでの2年間、コミュニティや各種団体等の御協力をいただきながら、機会あるごとに、市民の皆様と対話を重ね、将来のまちづくりについて様々な御意見を伺ってまいりました。  このような様々な対話を行う中で、「買物や娯楽など、まちのにぎわいが不足している。」、「交通渋滞を解消してほしい。」、「病院の産婦人科を充実してほしい。」、「コミュニティ役員の担い手が不足している。」などといった様々な御意見、御要望を皆様からいただいてまいりました。これらの御意見、御要望の中で市民生活に極めて有用なものについては、早急な対応を基本としながら、中長期的な視点から取り組むべきものは、今後5年間のまちづくりの施策・事業を定める後期基本計画への反映に努めてきたところでございます。  後期基本計画では、こうした市民の皆様からの御意見や時代の潮流などを踏まえ、本市の重要な政策課題を若者・子育て世代応援、生涯活躍社会の実現、安全・安心の確保、都市力向上、産業の振興の五つに整理し、これらに対応する様々な施策・事業を五つの重点プロジェクト、ひたち創生戦略プランとして位置付けを行ってきたところでございます。  今後も引き続き、多様化する市民ニーズに柔軟に対応し、様々な施策をより効率的、効果的に実施していくため、できるだけ多くの方々との対話の機会を持たせていただきながら、市民一人一人に寄り添ったサービスの提供に努め、市民の皆様方が真に幸せを感じられる施策の推進を図ってまいりたいと考えております。  次に、2点目の人口動態の好転の要因についてでございます。  本市の転出超過の状況は、全国市町村における順位の好転だけではなく、転出超過数そのものが減少傾向にございます。具体的には、平成27年の転出超過数が1,504人であるのに対し、平成28年は1,250人であり、割合にいたしますと16.9%の減となっております。これを年齢別に見ますと、ほぼ全ての年代で転出超過数が減少しておりますが、特に20代、30代、そして10歳未満の年齢層において減少数が大きくなってきております。人口移動の要因につきましては、就職や転職などの経済的な要因のほか、結婚、進学、住宅取得、さらには、子育て環境や医療環境、交通利便性など、様々なものが考えられますが、市民の価値観が多様化している現代において、本市の地方創生の取組がこれらの要因にどの程度の影響を及ぼしているのか、現時点で正確な分析を行うことは非常に難しいものと考えております。  しかしながら、これまで若い世代の転出超過が顕著であった本市において、ほぼ全ての年代でこれが抑制傾向に転じましたことは、切れ目のない子育て支援を始めとする、人にやさしいまちづくりに主眼を置いた本市の地方創生の取組が、その一因として寄与しつつあるものと認識いたしているところでございます。  次に、3点目の地方創生の加速に向けた取組についてでございます。
     地方創生の取組も3年目を迎え、日立市まち・ひと・しごと創生総合戦略に登載いたしております192の事業につきましては、既にその大部分が実施段階に移行しております。  しかしながら、本市が目指す地方創生の取組はいまだ緒に就いたばかりであり、日立市人口ビジョンに掲げました2040年における人口15万人以上という目標の達成を目指すためには、長期的な取組を粘り強く進めていく必要がございます。そのためには、引き続き総合戦略の着実な推進を図りますとともに、新たな発想に基づく事業にも果敢に、そして間断なく取り組むことで、動き始めた地方創生を加速させ、力強い流れを産み出さなくてはならないと考えております。  創生の意味は、新たにつくり出すこと、あるいは、初めて生み出すことであります。つまり、地方創生とは、地方が自らの課題を解決するために、従来とは違う視点からまちづくりに挑戦し続けていくことであるというふうに認識いたしております。  今後とも、国の支援制度などを活用しながら、日立市ならではの魅力ある効果的な事業実施に取り組み続けることで、住みたいまち、住み続けたいまちとして本市が多くの方々に選ばれ、支持されるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。  次に、(2)平成29年度の主な事業から、3点の御質問に順次お答えを申し上げます。  まず1点目、福祉の総合相談窓口の設置についてでございます。  保健福祉の分野は、市民の皆様の日常生活に密着したものであり、その内容も広範囲で専門的になってきております。そのため、市民の方が相談や手続内容で担当窓口を自ら判断するのは大変なことであると認識いたしております。  また、6年前の東日本大震災以降は、保健福祉部の窓口が臨時庁舎のA棟とB棟に分かれており、高齢者や障害者の方々を始め、市民の皆様には大変御迷惑をお掛けしております。  現在、担当の窓口が分からない場合、特に相談業務につきましては、社会福祉課が一旦受けて、担当課につなぐといった対応をいたしております。震災復興のシンボルとして建設に取り組んでまいりました新庁舎は、今年7月に供用開始を予定し、準備を進めているところでございます。来客市民の初期対応としましては、新庁舎の1階に、総合案内所を含め、3人のロビーアシスタントを配置するとともに、カウンターの一部に相談などに利用できるスペースを確保し対応することで、スムーズに目的の窓口カウンターに御案内することを検討いたしております。  また、保健福祉部が1階と2階に集約されることから、仮に複数課にまたがるような相談や手続などにつきましては、できる限り職員が移動することで、これまで以上にお客様にとってのワンストップサービスとなるよう、市民サービスの向上に努めてまいります。そのためには、職員の意識を更に高めるとともに、関係課の連携を深めることが重要であるとも認識をいたしているところでございます。  議員御提案の福祉の相談窓口の設置につきましては、福祉や保健、医療といった様々な要件を持っての市民の来所が想定されますことから、スムーズな対応ができるよう専門的な相談機能を含めた在り方を引き続き検討してまいります。  次に、2点目の教育、文化の項目からの御質問にお答えを申し上げます。  議員御案内のように、本市の少年団活動は大変活発に行われておりまして、日本体育協会に登録しているスポーツ少年団の団体数及び人数ともに県内では最も多く、これはひたちらしさの一つと捉えております。  スポーツ少年団活動は、子供たちがスポーツの魅力を感じ、スポーツに親しむ習慣が身に付く機会として、また、生涯スポーツ社会実現に向けても特に重要な活動であると考えております。  そのため、来年度からの後期基本計画にもスポーツ少年団支援を位置付け、継続して推進していく予定でございます。少年団支援の一つとしてスポーツ施設の整備を進めることは、子供たちの競技力の向上に寄与するだけではなく、市の魅力向上にもつながるものと考えておりますので、競技団体や市民ニーズの把握に努めるとともに、平成29年度に改定を予定しております日立市スポーツ振興計画にもスポーツ施設の整備の在り方、方向性を位置付け、更なる競技環境の向上に努めてまいります。  また、議員から御提案のございました、スポーツ施設を少年団が利用する際の使用料の見直しにつきましても、少年団活動の環境整備の一つとして改めて検討をしてまいります。  次に、3点目の都市基盤の整備についてでございます。  議員御案内のとおり、市内における国道6号の旅行速度は県内で最も遅い状況となっており、慢性的な交通渋滞が発生いたしております。交通渋滞は、様々な弊害をもたらしており、地元企業の競争力の向上や生産性の効率化を図る上で足かせとなっております。また、幹線道路が渋滞することで、抜け道となる生活道路での交通事故の増加や沿道環境の悪化などが問題となっております。  このようなことから、現在、国、県におきましては、交通渋滞緩和のため、国道6号日立バイパスの整備や国道6号大和田拡幅、国道245号日立港区北拡幅などの事業を実施しております。  国や県事業の整備促進につきましては、期成会などを通して要望活動を実施しており、今年度におきましても、議会とともに国土交通省へ何度も足を運び要望を行った結果、大和田拡幅につきましては、当初予算約5億円に加え、2次及び3次補正予算において、合わせて約4億3,000万円の追加配分がございました。  また、議員御質問の市独自の渋滞対策につきましては、国道6号や国道245号と並行する新たな南北軸の形成に向けた道路整備や変則交差点の改良、交通量の多い狭隘道路の拡幅などを実施したいと考えております。  今後とも、主要な幹線道路となる国道や県道の整備促進について、関係機関に強く要望するとともに、市道におきましても、新設や拡幅改良などにより早期の渋滞緩和に努めてまいります。  続きまして、大きな2番、市長公室についての(1)市長公室の役割とめざす方向についての御質問にお答え申し上げます。  市長公室は、市政推進の中枢となる組織体制を強化するため、これまでの企画部と秘書課を再編したものでございます。設置から約1年となりますが、庁内における政策判断に必要となる情報の共有化が進み、意思形成プロセスの迅速化が図られたほか、報道機関等への情報発信力をいかしたパブリシティ機能が強化され、本市に関連したマスコミ報道の機会が増加するなど、様々なメリットを実感しております。  この市長公室の役割でございますが、まず政策の立案及び調整機能がございます。市の重要政策を効率的、効果的に実現するため、トップマネジメントを直接補佐するとともに、複数の部局にまたがる事業や取組について、行政としての統一性や一体性を確保するため、総合調整を図りながら連携体制を構築する役割などを担っているわけでございます。  また、地域資源を活用したシティプロモーションを展開し、郷土に対する市民の誇り、いわゆるシビックプライドを醸成するとともに、地域のイメージや認知度の向上を図るなど、市のブランディング戦略の司令塔としての役割も大変重要であると認識をいたしております。  さらには、人口問題対策や総合戦略の進捗管理、広聴・広報機能の充実、拠点地区開発の推進など、市長公室が担う役割は多岐にわたるものでございますが、総じて時代の潮流に対応した政策の着実な推進役であると考えております。  次に、市長公室の目指す方向でございますが、政策立案機能の更なる強化を図ることはもちろんでございますが、今後は、各部局間の政策連携ネットワークの中心的役割を果たすハブ機能を更に強化していくことで、本市の地方創生を牽引するキープレーヤーとしての役割を担っていく必要があると考えております。  また、政策立案の着眼点につきましても、地域の弱みを補完する課題解決型から地域の強みであるひたちらしさなどを積極的にいかす未来創造型への転換を志向することで、地方創生時代にふさわしい政策を推進し、笑顔輝くまちづくりの実現を目指してまいりたいと考えております。  次に、(2)のシティプロモーションの推進についての御質問にお答えを申し上げます。  昨年4月、広聴広報課内にシティプロモーション推進室を設置し、交流人口の拡大と定住促進に向け、本市の認知度や好感度を高め愛着が深まるよう、本市の魅力や特色ある政策などのひたちらしさを、様々な機会を捉え市内外に向けて発信をしてまいりました。特に、総合戦略を推進する上での主たるターゲットであります子育て世代に対しては、本市の切れ目のない支援策や特色ある教育を紹介する冊子の作成配布、子育て応援をアピールするCMの県内映画館での放映などにより、本市の子育て環境をアピールしてまいりました。  また、東京圏の学生などに向けましては、ものづくりのまちをアピールし、UIJターンと地元定着を促すため、実際に本市で働く若者の仕事と生活を紹介しながら、日立市での働きやすさをPRする動画や冊子などの作成に取り組んできたところでございます。  さらに、これらの取組と並行して、外部の専門的な視点を取り入れながら、県内の大学生や市の若手職員の参画により、ひたちらしさ活用・発信戦略の策定作業を進めるとともに、各部間の情報共有と連携、情報発信に対する職員一人一人の意識の向上を図ることを目的として、各部の企画員で構成する庁内広報戦略会議を立ち上げるなど、シティプロモーションを推進する上での体制が整ってきたものと考えているところでございます。  次年度以降は、1年目の取組で蓄積したノウハウをいかしながら、日立市全体のイメージアップを図っていく視点と、個々のひたちらしさの特徴を丁寧に発信する視点との両輪で進めていくことが不可欠であり、ひたちらしさ発信への全庁的な参画意識を更に高めるとともに、議員御提案の本市独自のひたちらしさの分野ごと、個別ごとのPRにも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 6 ◯産業経済部長(大内勇雄君) ◇登壇◇ 私からは、大きな3番の技術集積のまちに向けて、(1)日立地区産業支援センターを核とした新たな拠点についての御質問にお答え申し上げます。  議員御質問のとおり、日立地区産業支援センターでは、平成11年の開設以来、各種研修による人材育成や中小企業の新製品、新技術開発、販路、受注先の開拓、さらには海外展開など、中小企業の様々な活動を多方面から支援し、地域産業の振興、活性化に注力してまいりました。特に中小企業の新製品、新技術開発につきましては、大学や研究機関と中小企業との連携をコーディネートする役割を担う、いわゆる産学官連携を推進しており、具体的には、中小企業が行います切削やプレス、成形などといった基盤技術の開発に関しまして、国の戦略的基盤技術高度化支援事業などを活用し、中小企業の新製品、新技術の開発につきまして産業支援センターが推進・サポートすることにより、大手電機メーカーや建築部品メーカーなどとの取引につなげているところでございます。  これらの取組を更に加速させるためには、議員御質問のように、100年を超えるものづくりの歴史を有する技術集積のまちにふさわしい多様な技能や技術の結集と、産学官の更なる連携の推進が必要であることから、日立地区産業支援センターには産学官連携のコーディネートと事業推進における核としての役割を担っていけるよう、行政としても積極的に参画し進めていきたいと考えております。  いずれにいたしましても、産学官が連携した新製品、新技術の開発は、中小企業の技術の高度化が図られるだけではなく、人材育成、販路開拓などにも効果が期待され、中小企業の成長に有効と考えられますので、引き続き国、県などの外部資金の活用も視野に入れながら積極的に推進してまいりたいと考えております。  次に、日立地区産業支援センターにおける試験評価機器などの充実についてでございます。  産業支援センターの試験評価機器の多くは平成11年の開設時に導入したもので、試験、評価、測定などの様々な用途で多くの中小企業に利活用いただき、研究開発や品質管理の面で有効であったものと捉えておりますが、導入から17年を経過し、老朽化による不具合も散見されるような現状もございます。  一部の中小企業では、国のものづくり補助金を活用し、3Dプリンターなどの試作機器や画像測定器などの試験評価機器を導入した例もございますが、これらの機器が高額であることから、自社での導入に踏み切れないとの御意見もあり、産業支援センターの機器の更新や充実の必要性も認識しているところでございます。  したがいまして、まずは中小企業のニーズを適切に捉えられるよう、日立商工会議所工業部会や各工業協同組合などの御意見をいただくとともに、県内の類似施設であり、試験評価機器を中小企業に開放しております茨城県工業技術センターとのバランスなども考慮しながら、日立地区産業支援センターの機器の更新や充実を検討してまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 7 ◯副市長(梶山隆範君) ◇登壇◇ 私からは、大きな4番、新たな福祉のまち日立について、2点の御質問に順次お答え申し上げます。  まず、(1)福祉施策の現状について、本市独自の各種福祉施策の特徴点と他の自治体に誇れる福祉施策についての御質問でございます。  福祉施策につきましては、その時代時代で解決しなければならない課題が浮かび上がり、本市におきましても、都市の発展とともに、行政はもとより、市民や企業などから幅広い御協力や御理解をいただきながら、その解決に向け取り組んでまいりました。  議員御案内のとおり、本市は、萬田市長時代に全国で2番目となる市立としての養護学校、現在の特別支援学校を設置するとともに、全国でも初めて重度の障害を持つ子供たちに光を当てた日立市太陽の家を整備いたしました。その後、ひまわり学園やしいの木学園、そして、母子療育ホームやさくらんぼ学級などを一体的に総合療育センターとして整備したことをきっかけに、福祉のまち日立と呼ばれるようになりました。  平成5年には県内市町村としては唯一となる心身障害者歯科診療所を太陽の家に併設いたしましたが、歯科診療所の開設は、それまで重度の障害のため治療を受けることが困難だった多くの障害者や御家族の長年の願いでもございました。  現在、障害のある方が安心して治療を受けることができる歯科診療所といたしまして、市内のみならず、県北地域の障害者歯科診療を担い、年間800人を超える方が治療を受けております。  また、今年度50回目を迎えたふれあい運動会は、昭和40年に第1回身体障害者運動会としてスタートした事業でございまして、障害者の各種団体はもちろんのこと、婦人会や高齢者グループのほか、地域コミュニティを始め、学生ボランティア、市民吹奏楽団、障害者スポーツを広める会、そしてロータリークラブなど、数多くの皆様に支えられ今日に至っております。  障害のある人もない人も共に楽しみ、互いの理解を深め合うふれあい運動会は、正に官民協働による共生社会の実現に向けた日立市ならではの先駆的な取組であると思っております。  このような経過からも、本市の福祉施策の大きな特徴といたしましては、民間サービスと公的サービスが緊密に連携し、力を合わせて発展してきたこと、また、コミュニティを始めとする市民の皆様とともに福祉の推進に取り組むという精神が連綿と受け継がれてきたことにあると考えております。  現在、これらの特徴をいかし、県内でも先駆けて取り組んでいる事業といたしましては、昭和63年に日立市が県のモデル事業の指定を受け、その後、社会福祉協議会を中心に展開してきております地域住民によるひとり暮し高齢者等の見守り活動、あんしん・安全ネットワーク事業や企業から譲り受けた施設の再活用で設置した子どもセンター機能により、切れ目のない子育て支援の充実を図る事業など数多く挙げられます。  このほかにも、地域コミュニティ活動におきまして、コミュニティ単会にそれぞれ福祉を担う部門が設置されており、社会福祉協議会との綿密な連携により地域福祉の推進が図られていることも、本市ならではの特徴と言えるものと思っております。  さきに述べました太陽の家設立の原動力となった「我が子を隠さずおんもに出そう」という障害者や家族の思いは、ノーマライゼーションの理念とともに、現在では多くの市民や民間企業に広がり、根付いていると認識しているところでございます。  いずれにいたしましても、何事にも先駆的に取り組む精神を忘れずに、市民と企業、行政が一体となって、子供から高齢者まで、全ての市民が住み慣れた地域で安心して生活できる福祉のまちづくりを引き続き推進してまいります。  次に、(2)福祉施設の優先整備についてお答え申し上げます。  御案内のとおり、建物の老朽化等が課題となっておりました鳩が丘障害者福祉施設の再整備につきましては、現在、施設の基本設計を行っておりまして、今議会におきましても事業に関わる予算を上程させていただいているところでございます。  この再整備は、障害のある方もない方も、互いに支え合いながら地域生活を送っていくための重要な福祉施策として位置付け、障害者のニーズに対応した多機能施設として、新しい視点と発想により、これからの50年先を見据えた拠点施設として整備するものでございます。  また、そのほかの福祉施設につきましては、御質問にあった大みかけやき荘の改修を既に今年度完了し、今後、特別養護老人ホーム萬春園の耐震化診断を予定するなど、各施設においても補修や改修をしながら維持管理に努めているところでございます。  議員から御提案のございました福祉施設の優先整備につきましては、公共施設マネジメント計画の方針に従い、適切な維持管理及び改築等に努めながら、ほかの公共施設との兼ね合いも含めて検討してまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 8 ◯教育部長(鈴木 透君) ◇登壇◇ 私からは、大きな5番、教育行政について2点の御質問に順次お答え申し上げます。  初めに、(1)の小・中学校と地域の連携についてでございますが、学校では、これまで、子供たちの豊かな学びと健やかな成長を確保するために、地域に開かれた学校づくりを推進し、家庭や地域との連携による教育活動の充実を図ってまいりました。  地域の皆様には、子供たちの交通安全の見守りや地域での体験活動、運動会などの学校行事や環境整備などにおきまして多くの御支援をいただいております。  各学校では、学校の情報を地域の皆様にお知らせする手段といたしまして、運動会などの学校行事につきましては、主に学区コミュニティを通して地域の皆様にお伝えしております。併せまして、子供たちの学習や生活の様子についても、学校だよりやホームページなどによりまして発信しているところでございます。  このように、地域の皆様に学校行事や子供たちの様子などを積極的にお伝えすることにより、学校への理解が深まり、学校と地域との信頼関係が築けるものと考えております。  また、本市では、地域に開かれた学校づくりを一歩進める取組として、保護者や地域住民が学校の運営に参画し、地域ぐるみで子供たちを育むことを主たる目的とした学校運営協議会制度の導入検討を現在進めております。早い段階から本制度についての研修会を実施し、理解を深めてまいりましたが、本年度モデル校を選び、今後、制度の有効性や課題について検証していく予定でございます。  本制度を地域との連携を拡充する仕組みと捉えて、学校や地域の課題解決のために活用してまいりたいと考えております。  議員御指摘のとおり、学校と隣接する地域には、様々なライフスタイルの方々が居住しておられ、運動会などの大きな行事を事前に漏れなくお知らせする配慮が必要であると受け止めております。  地域との良好な関係を構築、継続するために、地域の実情を踏まえた、きめ細かな情報周知の在り方について更に検討してまいります。  続きまして、(2)の給食のアレルギー食対応についてでございます。  調理場では、毎年、小学校に入学する新1年生の児童及び転入生の保護者を対象として、食物アレルギーに関する調査を実施するとともに、年度の途中でも保護者から学校への申出を受け、学校と調理場が情報を共有することで、食物アレルギーを持つ児童生徒、アレルゲンの種類などを把握し、対応しております。  食物アレルギーを持つ児童生徒は、現時点で市内小中学校及び特別支援学校全体で220名、全体の児童生徒に占める割合は約1.6%となっております。食物に含まれるアレルゲンといたしまして、卵、牛乳やバターなどの乳製品、ナッツ類など約70種類に及んでおります。  現在の食物アレルギーを持つ児童生徒への対応でございますが、希望する保護者に対して、毎月の献立表のほかに、アレルゲンを含む食材を表示した成分表を学校を通じて配布し、アレルゲンの摂取に十分注意するようお知らせしております。  お弁当の持参の状況でございますが、市内全体で38名の児童生徒がお弁当を持参しており、全体の児童生徒に占める割合としては約0.3%、残りの182名はアレルゲン食材を表示した成分表を確認し、児童生徒本人がアレルゲン食材を取り除いたり、低学年の児童は教職員が取り除くなどして給食をとっております。  今後の対応につきましては、建設を予定しております新学校給食共同調理場において、先ほど申し上げました食物アレルギーの状況を踏まえ、食物アレルギー対応専用調理室を整備し、卵、牛乳、乳製品を取り除く、いわゆる除去食を提供する予定としております。  現在、南部地区の小中学校に給食を提供している南高野学校給食共同調理場におきましても、新学校給食共同調理場の供用開始と同時期に食物アレルギーに対応できる施設の整備を検討しております。  整備が完了すれば、食物アレルギーを持つ児童生徒の約30%に対応することができ、保護者及び児童生徒の負担軽減につながるものと考えております。  食物アレルギーを持つ児童生徒の生命、身体を守るためには、正確かつ詳細な情報や家庭における取組状況等を把握することが必要であり、保護者も含めた全ての関係者の相互の理解と連携の下、より一層の安全・安心かつ確実な食物アレルギー対応の実現に取り組んでまいりたいと考えております。  また、学校給食における食の安全への取組でございますが、調理場では、調理員など関係者の健康管理の確認、手、指のけがの有無の確認などを毎日行うことに加え、全職員を対象とした月2回の保菌検査を行っており、食材についても、毎日、栄養士が食材の納入時間、温度、消費期限、産地等を確認するなど安全を確認し、さらにはO-157や大腸菌等の検査を行うなど、衛生管理の徹底を図っております。  受入側の学校におきましても、食中毒対策として、児童生徒に手洗い、うがいの徹底を指導するなど、引き続き、学校給食における食の安全に取り組んでまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 9 ◯11番(伊藤健也君) ◇登壇◇ 市長並びに副市長、そして担当部長から丁寧な御答弁をいただいた中から、以下、意見、要望を述べさせていただきます。  平成27年度に策定されました創生総合戦略5年期間の3年目として、また、日立市総合計画10年期間の折り返しとなる後期基本計画のスタートの年として、正に将来を見つめる新たなスタートの年ではないかと思っております。  こうした中で、平成29年度市長施政方針が示されましたが、その中から幾つかのポイントについて質問や提案をさせていただきました。そして、何点か要望させていただきます。  初めに、市長施政方針について、市長は、地方創生の観点から、コミュニティはもとより、子育て世代や高校生、大学生との意見交換会を開催しながら、子育て世代や今どきの若い方から出された数々の意見の中で、市長の考え方や思いを伝えてきたものと思っております。  そうした議論の中から、お互いの意見を十分にすり合わせしながら、お互いの理解も深まっているものと思っております。そのことが小川市長のベースとなり、今後の行政運営に対する新たな切り口として見いだせるものと考えます。全ての要望に対し全てがかなうものとは思っておりませんが、何かしらのアクションを起こしていただき、しっかりと対応していただければと思っております。こうしたアクションの一つ一つが子育て対策や人口減少対策、さらには、まちの活性化対策など、創生総合戦略における「みんなの笑顔が輝く ひとにやさしいまちづくり」とした目標の底上げ効果になるものと確信をしております。  これまでの創生総合戦略は、平成29年度からスタートする後期基本計画のひたち創生戦略プランに位置付けられているものと伺っておりますが、是非、市民全体に寄り添った形で着実な事業遂行に努められ、市民の声が見えるような施策の実現について要望させていただきます。  次に、本市で活動している少年団等の団体は162団体あり、それぞれの地域や会場において、指導者や保護者の下で全力で取り組んでおります。今回は、スポーツ少年団をベースとした施設整備と、少年団を対象とした公共施設の使用料の無料化について質問させていただきました。  将来ある子供たちが安心していい環境の中で思い切った活動をする姿に、私たち大人として応援せずにはいられないと思っております。保護者や少年団関係者はもとより、市民全体で子供たちの応援をしながら、こうした子供たちの環境改善を図ることがひたちらしさとなり、今後の定住策の一環につながるものと考えます。将来を担う子供たちの成長を願いながら、子育て施策の一つとして、現状における施設の更なる整備と使用料の無料化について前向きな対応に努めていただくよう要望させていただくものであります。  次に、都市基盤整備について、道路ネットワークにおける市内の渋滞がもたらす経済損失やほかの自治体との比較による旅行速度の低下など、日立市にとっては正に早急に解決すべき課題であります。国道6号、国道245号の幹線道路の渋滞解消が正に解決の糸口ではないかと思っております。引き続き、国や県に対する要望活動を進めていただくとともに、市独自の対策についても、国道6号、そして国道245号に接続している市道等を中心に、渋滞解消につながる改良となるよう要望させていただきます。  併せて、山側道路と国道6号が交差している大みか町6丁目交差点の渋滞については、利用する市民からも早期の解決に向けた対応に努めていただくよう、改善について要望させていただきたいと思います。  次に、日立地区産業支援センターを核とした新たな拠点について、本市は全国有数の工業都市として成長を続けてきました。正に100年を超えるものづくりの歴史であり、ものづくりのまちでもあります。その中で、日立地区産業支援センターは多様な方面から企業活動をサポートし、地域の中小企業の更なる成長、地域産業の更なる高度化を目指し、新たな製品開発や技術開発の拠点としての役割を果たしてきました。  今後も、引き続きこうした事業に取り組んでいただくとともに、試験装置の更新についても順次行いながら、正に日立市オンリーの産業支援拠点として、また、中小企業の新規製品開発のリード役として、情報の発信についてしっかりとサポートしていただけるよう要望させていただきます。
     次に、小・中学校と地域の連携について。  戸別配布やメール等、様々な媒体を使いながら学校情報を発信していただくことで、学校に隣接している住域の方々とも理解と連携が図れるものと思います。  答弁の中で、保護者や地域住民が学校の運営に参画し、地域ぐるみで子供たちを育むことを目的に学校運営協議会制度の検討を進めており、本年度モデル校を選定し、課題について検証する内容の答弁がありました。  こうした動きの中で、昨年、首都圏におきましては、待機児童解消策としての保育園の建設に対し、子供たちの声がうるさいとした騒音問題や送迎車両増加などによる交通障害などの発生を理由に、地域住民の反対で建設ができないとした事象が社会問題化し、報道でも取り上げられました。建設に関しては、様々な課題、条件に対し、住民と保育園側相互の理解が不可欠と思います。  また、本市では、昨年11月に日立市立学校適正配置検討委員会が設置され、子供たちの学習環境、豊かな人間性の涵養の場としての学校の在り方を目的に、これまで3回の委員会が開催されております。各学校の少子化に対応したものと思いますが、本市のコミュニティ活動は小学校単位で構成されており、やはり地域住民の意見や住民との情報交換が重要になってくるものと思います。  こうしたことから、今まで以上に地域住民と学校の情報交換や共通理解が必要になってくると思われますので、地域と学校、相互の連携と情報交換に努められるよう要望させていただきます。  以上で民主クラブを代表しての質問を終わります。それぞれの質問に対する御答弁ありがとうございました。 10 ◯議長(岡部光雄君) 以上で伊藤健也議員の質問が終わりました。  次に、日立市政クラブ、蛭田議員に発言を許します。 11 ◯18番(蛭田三雄君) ◇登壇◇ 日立市政クラブの蛭田三雄です。会派を代表して質問をさせていただきます。前向きな御答弁をよろしくお願いします。  まず、大きな1番、市長の施政方針から3点取り上げさせていただきます。  (1)地方創生の取組と「総合計画後期基本計画」についてであります。  施政方針では、地方創生の取組も3年目となり、平成29年度は実践の年から加速の年へと一段上のステージを目指していく年と位置付けております。5箇年計画ですので、4年目は果実を付けて、5年目は収穫の年として位置付けていると思われます。この意気込みは大いに評価しますが、ハード部分については、予算を付けて業者に委託すれば間違いなく果実の収穫はできますが、市民の皆さんと目標を共有する部分については、幾ら加速の年といっても、どれだけ加速できるか予想できない部分があります。  また、地方創生の取組と同時に、来年度からは総合計画後期基本計画がスタートします。双方に共通する事業もたくさんあって、市民や職員、議会等の関係者にとって非常に分かりづらくなるのではないかと思います。  そこで、本市を取り巻く社会経済情勢が変化する中で、地方創生の取組と総合計画後期基本計画の事業がどのように進められていくのか、市民や職員、議会等の関係者にも分かりやすく示していくことが必要と考えますが、地方創生の取組と総合計画後期基本計画の進行管理の在り方、進め方について、どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いします。  (2)財政政策についてであります。  アの基金266億円についての考え方についてであります。  施政方針の中で、基金などの特定財源の積極的な活用により、本市の将来を見据え、必要な投資に目を向けた積極型の予算編成を行ったとうたっています。そこで、この基金についての考え方をお伺いします。  数字が並ぶことを御了承願いたいと思います。数字が全てを物語っているとの観点から財政について質問をするものです。数字は全て決算カードに記載されている数字から引用しています。  さて、日立市の基金は、平成27年度決算で266億円であります。内訳は、財政調整基金が65億円、市債償還基金、いわゆる減債基金が131億円、特定目的基金として70億円であります。ここ10年の動きを見ますと、財政調整基金では、平成18年度決算時37億円が、平成20年度では16億円に落ち込むも、全体として上昇傾向が続き、平成27年度には65億円となりました。減債基金では、平成18年度92億円、平成19年度82億円に減りましたが、平成20年度からは増え続けて、平成27年度には131億円になりました。特定目的基金では、平成18年度87億円でしたが、ここ8年は90億円から58億円の間を推移しており、平成27年度には72億円となりました。平成23年には、日立市にとっても未曽有の災害に見舞われたにもかかわらず、財政的には落ち込むこともなく、健全な対応をなさったことがうかがえまして、敬意を表したいと思います。  しかし、茨城県内の他市や全国の類似都市と比較してどうか調べてみました。その結果、日立市の基金266億円は、他市と比較して基金の額が格段に多くなっています。茨城県内の4市と比較してみると、水戸市では、全基金で140億円、減債基金に至っては1億円で毎年推移しています。つくば市は全基金で108億円で、減債基金は11億円くらいで推移しています。土浦市は119億円で、減債基金は18億円です。ひたちなか市は全基金178億円で、日立市だけが平成18年の17億円から平成26年の93億円と減債基金を増やし続けています。それでも、日立市の基金残高266億円、減債基金131億円から見れば大幅に少ないことが見てとれます。この傾向は、全国の類似都市と比較しても同じように言えます。  例えば、足利市では126億円の基金があり、減債基金は18億円です。千葉県野田市では、基金全部で50億円、うち減債基金は1億円。日立市における減債基金の131億円は、全国の15万人以上の市と比較しても格段に多いということがうかがえます。  本市は地方創生と銘打って5箇年計画を出しています。来年度で3年目を迎えます。十分な財政的な手当を講じたものと私たちは理解していましたが、この基金の残高を見て、まだまだ打てる手はあるのではないか、積極的な施策を打ち出せるのではないかと思うわけです。限られた財源という縛りの中で、私たちは萎縮してしまっているのではないでしょうか。中長期的な少子化に対する対策、2025年問題と言われる間近に迫る高齢化に対する対策を今直ちにする必要があります。他市と比較しての平均的な基金残高で構わないのではないでしょうか。公共施設マネジメント基本方針によると、毎年40億円の公共施設の更新が必要とされていて、財源は幾らあっても足りないとの説明を受けてきました。それは理解するにしても、公共施設更新の財源問題は他市も同じであります。基金を他市並みとして、その基金を将来の投資に向けてはどうかと考えますが、執行部の見解をお伺いします。  (3)2025年問題への対応についてであります。  アの地域包括ケアシステムの確立について。  2025年問題と言われて久しいこの問題に対して備えなければならないと言われ続けてきました。今回も施政方針の中で、市長は、2025年問題対策を推し進めていくことで、日立の未来を拓くまちづくりにつなげてまいりたいと述べられています。  そこで、今どのような位置にいるかと言えば、2025年を迎えるに当たっては、あと8年となりました。迎えるに当たって備えは十分にできているか、どういう条件が整えば解決に向かっていけるのかなどについて質問をさせていただきます。  現状は、平成28年末、75歳以上の高齢者は、2万7,587人から2025年には3万4,000人余りと、7,300人ほど増加すると推計されています。要介護認定者数は、7,846人から1万2,000人へと4,200人ほど増加いたします。高齢者人口に占める認知症高齢者は、8,700人から1万人超になるのではないかと推計されています。これらの数字から言えることは、増えた分について応えられるだけの備えができるのか、あるいは、できているのかということが言えます。  国は、解決策として、地域包括ケアシステムの構築を保険者である市町村につくるよう働き掛けています。つまり、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現するように求めています。  具体的にはどういうことかと言えば、ひとり暮らしで体の弱った高齢者が、掃除や入浴はホームヘルパーが介助し、食事は近隣のお店が宅配する、見守りやごみ出しなどは隣近所の助け合いで支えられ、病気になっても在宅医療や訪問看護を受けて自宅で生活を続けられるといった医療・介護・住まい・生活支援の各機能の連携によって、高齢者が在宅で暮らし続けられる社会づくりであります。  そこで、お伺いします。  1点目は、この地域包括ケアシステムの要素の一つである生活支援体制の整備についてであります。  平成26年度の介護保険制度の改革により、介護認定の要支援1・2など軽度の方に対してのサービス、具体的には掃除、洗濯、調理といった、これまで介護保険でホームヘルパーの行ってきたサービスの一部が市町村の介護予防・生活支援総合事業に移行しました。今後、これらの方々への支援は、何らかの形で地域社会が支えなければならなくなると思われます。これは、かつての大家族制や地域共同体が担ってきた家族や地域での自助、共助の力を期待されているようなものですが、核家族の進展やコミュニティの変化といった現実を見ると、この理念の実現には多くの困難が待ち受けていると言わざるを得ません。2025年、2030年に向けて介護を必要とされる方が大量に出てきます。それに照準を合わせて早急に対策をとる必要があります。  国は、要支援制度を設けておきながら地方に戻すなど、時計の針を逆に回すような面もある中、市としては、これからどのような方針でこの生活支援体制の整備に取り組もうとしているのか、執行部の考えをお伺いします。  2点目は、情報の共有化と連携の在り方です。  地域包括ケアシステムの確立の難しさは、担い手である医療・介護・生活支援を行う機関がそれぞれ個別に動いていることが理由の一つと考えられます。病気で入院し、回復して退院するには、自宅での看護や介護が必要ですが、なかなかそのサービスがつながらない、体が弱り、介護保険でヘルパーのサービスを受けているが、それだけでは不十分で暮らしていけない、ひとり暮らし高齢者が急病のとき、隣近所はどのようにしてよいか戸惑うなど、こういった問題を解決するために、地域包括ケアシステムの確立が求められているわけですが、なかなか進んでいないようであります。  この一因に医療機関、介護機関、地域コミュニティ、関係行政機関の間で情報の共有化が進まないことが挙げられます。この問題に先進的に取り組んでいる事例として、笠間市の介護健診ネットワークシステムがあります。これは、本人の同意を得た上で、要介護認定情報やケアプランなどの介護情報、健診結果や投薬情報などの医療情報、緊急連絡先などの見守り情報などをデータベース化し、必要なときに地域包括ケアシステムに関わる関係者がネット上でその情報にアクセスすることができるシステムであります。このシステムの整備によって、介護事業所での的確なサービスの提供、医療機関での緊急対応時の迅速な処置、事務の効率化でケアマネジャーの本来の仕事の充実が進んだと言われています。笠間市の事例は地域包括ケアシステムの一例に過ぎません。日立市には日立市に合った方法があると思います。本市の地域包括ケアを進めるために、関係機関との連携や情報の共有はどうあるべきか、御所見をお伺いします。  大きな2番、清掃行政についてであります。  (1)最終処分場の現状と今後について。  平成8年に一般廃棄物最終処分場が供用開始され、今年で21年目を迎えようとしています。当初の見込みどおり、埋立てが進んでおり、埋立て完了予定は平成42年となっています。残り13年しか残されていないようです。例え廃棄物の収集、運搬、焼却がうまくいっても、廃棄物の最終の出口部分が決まらないことには、廃棄物行政は始まりません。そういう意味において、とても重要な案件であります。そのためにも早目に次期の処分場の選定作業に取り掛かる必要があるかと思いますが、公共施設マネジメント基本方針には電気計装設備は平成38年を更新の目安として掲げていますが、新しい最終処分場については触れられていません。最終処分場については、計画づくり、選定場所の決定、環境アセスメント、所有者との交渉、処分場建設工事、予算など解決しなければならない課題が数多くあります。実現まで相当数の時間を要しますので、次期の最終処分場について検討する時期に入っていると考えます。執行部の考えをお伺いします。  (2)灰溶融炉の在り方についてであります。  そして、何よりも灰溶融炉により減容されたスラグを今までどおりつくっていくのかということであります。現在の焼却施設をつくるに当たっては、灰溶融炉の設置が国の指導により義務付けられていましたが、今では経費の面等でやめている市が出てきていると聞いています。日立市における灰溶融炉の修繕に係る経費とスラグにしない場合の焼却灰を処分場へ埋め立てる負担との関係についてどのように考えているのか、見解をお伺いします。  (3)次期焼却炉建設の対応についてであります。  耐用年数15年で建設されたものが倍の30年に長寿命化を図ろうとしています。そして、今年16年目に入り、様々なことが次期焼却炉建設に向けて検討されることになります。  まず、規模についてです。  現在、一日200トンを想定して100トンの炉3基があります。ごみ焼却の量は、現在、一日約170トンであり、ごみ減量について15年後を想定しなければなりません。同じシステムの炉と取り替えるのかどうか、技術は日進月歩です。15年前の焼却炉は最新と言われて導入されましたが、今の最新の焼却炉はどうか、15年後の最新はどうか、そこの情報収集をする必要があります。このとき、今のメーカーとの情報交換はもとより、他のメーカーの情報もとらなくてはならないでしょう。また、国の補助対象となる事業等も注目しておかなくてはならないでしょう。また、コンピューターによる解析能力の格段の進歩により、実際につくらずともシミュレーションによって技術開発ができる時代になってきています。その動きについていかなくてはならないでしょう。莫大な投資が想定される次期焼却炉建設に向けての対応について、執行部の考えをお伺いします。  大きな3番、教育行政についてであります。  (1)学力向上のためのスマホ利用規制について。  日立市教育研究会、日立市教育委員会が発行している家庭学習の手引きでは、平成27年度全国学力・学習状況調査により明らかになったこととして、携帯電話やスマートフォンの利用時間と学力の関係には見事に相関関係があることが分かりました。例えば、算数Aの正答率では、4時間以上使用した場合の62%に対して、30分未満使用した場合は77%と、15ポイントの開きがあるというものでした。  また、中学生の数学Aの正答率でも、53%から右肩上がりで70%までと、17ポイントの点数の差が出ています。この傾向は、算数B、数学B、国語A、国語B、理科の正答率でも同様の傾向が見られました。30分未満の使用では影響がなく、30分以上使用すると、時間が増えるごとに学力の低下が見られるということでした。  それでは、日立市における携帯電話、インターネット利用に関する実態調査ではどうであったか。小学4年生から6年生、各学校、各学年、1クラスずつ抽出した1,985人を対象にしたものです。調査日は平成28年11月から12月にかけて行いました。その結果、どのような傾向があるかといいますと、小学生の平日では、1時間未満使用が52%、休日では42%、1時間から3時間未満が、平日で39%、休日で40%、3時間以上は平日で7.5%、休日で15%でした。中学生では、平日は1時間未満が28.8%、休日で16.7%、3時間以上は、平日で16.8%、休日で33.4%、実に休日では3時間以上は3人に1人が使用していました。  ここでお断りしておきたいことがあります。これからの議論では、携帯電話、スマートフォン、インターネットを総称してスマホと表現させていただきます。また、スマホ利用では、ゲーム、LINEが主であるという前提であります。  さて、全国の事例からは、スマホを使用した場合には、使用時間が増えれば増えるほど学力が低下していくという結果をもたらしました。学力を上げるには、スマホをやめるか、ないしは時間を制限すれば上がるという、本当に単純なことが分かりました。このことについては、脳科学者の川島隆太氏からもスマホを使用しているときの脳の活動について指摘がなされています。スマホを操作中の大学生約20人の脳の血流量を測定したところ、論理的な思考を行う大脳の前頭前野が眠っているような、ぼうっとした状態になっていたと言っています。この脳科学者の川島隆太氏は、脳が発達する18歳ぐらいまではスマホを制限し、しっかりした文章を読む環境をつくるべきであると指摘しています。100マス計算やそろばんなど単純計算問題で活発な脳の動きがあると指摘されています。多感な時期であればこそ、脳の活動を停止させる方向ではなく、活発にさせる方向に持っていかなくてはなりません。  以上のことから、学力向上にはスマホの使用時間を制限することが最も効果的な対策と言えます。このことを子供の学力向上に義務を課せられている教育委員会として発信して、実現させてはどうかと提案するものであります。スマホの使用制限を訴えることには疑問があるということは承知しています。個人の自由に踏み込むことになることや家庭にも問題があるとして、一方的に関わるべきでないという意見があります。  しかし、最初に例に掲げましたように、家庭学習の手引きの中では、スマホ使用は学力低下をもたらすものであると述べているにもかかわらず、別の箇所では、子供の発達段階に応じた学習内容や方法、保護者としての関わり方、子育ての先輩からの声などを載せていて、このスマホの問題について、その対策を掲載していません。調査結果を載せるだけ、この問題についてどうしたらいいのか、その対策について家庭に投げ掛けてもいいのではないか。今や学力向上を阻害する大きな要因となっているスマホ対策を実行に移さないでどうするのかということであります。  スマホに絡む新たないじめの問題もありますが、ここでは触れません。学校に行っても、塾に行っても、家庭で勉強しても、スマホの使用時間によって学力が決まってしまうなら、まずはその原因を取り払うのが先なのではないでしょうか。  かつての教育界では、家族の会話を促進するために、テレビを見ない日を設ける運動をしていた自治体がありましたが、頓挫してしまいました。理由は単純で、親が野球を見たい、ニュースを見たいと言って、親が嫌がるからでした。この場合、テレビと同じでスマホについても言えます。親からスマホを取り上げることは難しく、子供への歯止めをかけることはできないでしょう。このようにスマホ対策にはいろいろと異論はありましょうが、取りあえず、地域、家庭、PTA等で対策を協議し、できる地域から対策を協議し、スマホ使用時間の規制を図っていくべきであると思います。その呼び掛けを義務教育の推進について権限を与えられている教育委員会が行うというものです。スマホ使用が学力に影響を与えているという客観的なデータを教育委員会が自ら出しておきながら、そのデータに目をつぶって触れないということは問題であると思います。脳科学者の川島隆太氏は言っています。家庭では既に抑制が難しくなったという意味では、スマホを規制の対象にすべきであり、それはもうアルコールやタバコのレベルではなく、麻薬と同じ扱いでいいのではないかという危機感を抱いているとおっしゃっています。全ては将来性のある、日本を背負っていく子供たちのためであります。スマホ規制について、実効性のある行動計画をつくり、実行に移すべきと考えますが、執行部の見解をお伺いします。  大きな4番、災害に備えた建設業者の健全な育成についてであります。  (1)品確法(公共工事の品質確保の促進に関する法律)への対応についてです。  3年前、茨城県に大雪がありました。日立市役所でも13センチメートル、山間部では20センチメートルから30センチメートルの降雪があり、停電も最大で2万9,800件あり、市民生活に大きな影響を与えました。  日立市は雪国ではなく、日頃からの備えが十分でないことが露呈されました。以前であれば、そのときの雪であっても、対応は十分にできたようでありましたが、ここ二十数年にわたる公共工事費の削減により、大雪に対応できるだけの人材や機材が決定的に不足を来していました。このとき市内業者は、大子町のレンタル業者に当たったそうですが、借りることはできませんでした。それは、日立市の道の除雪ができないのであれば意味のないことでありました。また、機材があっても、人材の確保ができなければ除雪はできないのであります。このような災害の場合は、他市町村をあてにすることはできず、自前でそのときに備えておく必要があります。  国土交通省と総務省は、平成27年4月に全国の自治体を対象とした歩切りについての調査結果を公表しました。1,788自治体のうち42.3%に上る757自治体が設計金額から減額している場合があると回答していました。そのうち459団体が、慣例として、あるいは自治体財政の健全化等のために歩切りを行っていました。その結果、国は、歩切りは品確法に違反するとして撤廃を要請しました。歩切りとは、設計金額を100万円とした場合、90万円で一律1割カットした数字でもって工事を発注することを指します。  平成26年4月に改正された品確法では、目的として、公共工事の品質確保の担い手として、中長期的な育成及び確保の促進が追加されるとともに、地域において、災害時の対応など社会資本の維持管理が適切に行われるように追加されました。具体的には、適正な予定価格の設定や適切な設計変更、年度当初からすぐにでも工事が行われるように債務負担行為を設定して施工時期等の平準化を重点項目として掲げています。  そこで、質問します。  本市における品確法への対応について、歩切りの有無、人材確保の動向、施工時期等の平準化のための債務負担行為についてどのような対応をしているのか、お伺いします。  以上で1回目の質問を終わります。御答弁をよろしくお願いします。 12 ◯議長(岡部光雄君) 蛭田議員の質問に対し、執行部からの答弁を求めます。 13 ◯市長(小川春樹君) ◇登壇◇ 日立市政クラブを代表しての蛭田三雄議員の御質問にお答え申し上げます。  私からは、大きな1番、市長の施政方針からの三つの御質問に順次お答え申し上げます。  まず、(1)地方創生の取組と「総合計画後期基本計画」についての御質問にお答え申し上げます。  地方創生の取組や後期基本計画の適切な進行管理につきましては、各事業を効率的、効果的に推進する上でも極めて大切であると考えております。平成29年度を初年度とする後期基本計画は、市の最上位計画として、今後5年間で取り組むべき施策や事業を、統合的に推進を図るものであり、地方創生の取組につきましても、この後期基本計画に位置付けを行っているところでございます。  したがいまして、後期基本計画の進行管理においては、地方創生の取組とその他の各種事業を一体的に行い、その進捗状況等を分かりやすく把握していく予定でございます。その進行管理の方法につきましては、前期基本計画と同様に、各施策の成果や達成状況を成果指標や目標指標により検証を進めるとともに、毎年度、実施計画を策定することで事業の点検、評価を行い、予算編成の参考とするなど、計画、実行、チェック、改善、いわゆるPDCAサイクルの手法で行ってまいります。  また、市民ニーズ調査を実施し、市民の意向をしっかりと把握しながら評価に反映させるとともに、評価結果の公表を引き続き行ってまいります。  さらに、より客観的・信頼性を確保し、PDCAサイクルをしっかりと行っていくという観点から、新たに市民を含めた外部の方々による評価・検討組織の仕組みを導入する予定でございます。  なお、地方創生の取組につきましては、国の指針に基づき、昨年設置しました外部有識者による評価会議の意見を踏まえまして、引き続き、総合戦略に掲げた各施策の進捗管理と効果検証をしっかりと行ってまいります。  いずれにいたしましても、地方創生の取組と後期基本計画の進行管理につきましては、それぞれの施策、事業の進捗状況等を市民や市議会等の皆様に分かりやすくお示しできるよう工夫、改善に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、(2)財政政策についてのア、基金266億円についての考え方についての御質問にお答え申し上げます。  中長期的な少子化に対する対策、高齢化に対する対策など地方創生への対応は、本市にとりまして喫緊かつ最優先の課題でありますが、その一方で、市税収入の減少傾向など、今後の財源確保には困難が伴うことが想定されますことから、議員御提案の基金の有効活用も必要な手法であるものと認識をいたしております。  現在、本市の基金は266億円余でございますが、自治体の標準的な財政規模から見た基金の残高の割合といたしましては、平成27年度決算で、県内では数値が高いほうから10番目という状況でございます。平成29年度当初予算におきましては、地方創生への対応などに対するふるさと寄附金積立の約8億円の繰入れや新庁舎建設事業に対する庁舎整備積立の約1億5,000万円の繰入れなど、財政調整基金から合計13億円ほど繰り入れたほか、市債償還基金から約42億円の繰入れを行いました。加えて、公共施設の長寿命化や複合化の事業に対しまして、公共施設等総合管理基金から7億円ほど繰り入れたほか、日立市民会館の設備更新などに対する文化振興基金の約6,000万円の繰入れなど、特定目的基金におきましても積極的な活用を行い、合計で11億円ほど繰入れをいたしました。  これらの基金の積極的な活用により、鳩が丘障害者福祉施設の再整備や災害監視カメラ等整備事業を始めとした地域創生の新たな取組に予算配分を行うなど、本市の将来を見据え、必要な投資に目を向けた積極型の予算編成を行った結果、平成29年度当初予算は過去最大であった昨年度に次ぐ予算規模となりました。  今後も、基金の有効活用を念頭に置きながら、引き続き経常的な事務事業の見直し、公共施設マネジメント、行財政改革の推進など、健全財政への取組を進めることで、持続可能な財政運営とのバランスを保ちながら、本市の将来のために必要な取組に対しては時機を逸することのない的確な財政出動を行い、少子高齢化などの課題に対応し、「安心と活力に満ち、市民の笑顔輝くまちづくり」を一層進めていきたいと考えております。  次に、(3)2025年問題への対応についてのア、地域包括ケアシステムの確立について2点の御質問がございましたので、順次お答え申し上げます。  まず、1点目の、地域包括ケアシステムの要素の一つである生活支援体制の整備について、どのような方針で取り組もうとしているのかという御質問についてでございます。  議員御案内のとおり、高齢化が進行する中で、本市の人口に占める65歳以上の割合は直近のデータで30.09%と、国、県よりも高く推移しており、2025年問題を見据えた地域包括ケアシステムの早期構築が喫緊の課題であります。  議員御質問の生活支援体制整備事業は、今後、在宅生活を継続するための日常的な生活支援を必要とする高齢者の増加が見込まれますことから、医療や介護サービスの充実だけではなく、地域における助け合いや支え合いなど、多様な主体による支援体制を実現するために、平成26年の介護保険法の改正で新たに位置付けられた事業でございます。  事業の実施に当たりましては、推進役となる生活支援コーディネーターの配置と多様な主体間の情報共有及び連携・協働の場となる協議体を設置することになっておりますが、本市におきましては、平成27年度から地域福祉活動等で実績のありました市社会福祉協議会に本事業を委託しております。現在、市内全域を担当する生活コーディネーターを1名配置するとともに、各学区コミュニティ福祉部会等の関係者が集まる場を本事業の協議体として位置付け、住民アンケート調査など地域課題やニーズの把握に取り組んでいるほか、今年度からは、市内の民間、NPO法人、ボランティア団体等の関係事業所にも参画していただき、支援体制の強化を図っているところでございます。  今後は、住民ニーズと取組のマッチングを具体に図ることが必要になってくることから、地域の実情など、様々なことに精通した人材の確保と厚みのある人員配置がより重要になってまいりますが、これについては、市社会福祉協議会との連携を密にとりながら対応してまいりたいと考えております。  その上で、今後、学区単位を中心としたモデル地域における協議体の設置や生活支援コーディネーターの計画的な増員など、学区コミュニティという本市の生活基盤を軸として多様な主体を巻き込んだきめ細やかな支援体制が構築できるよう、関係者間で連携・協力を図りながら積極的に本事業を推進してまいります。  次に、2点目の地域包括ケアを進めるために医療機関、介護機関、地域コミュニティ、関係行政機関との連携や情報の共有がどうあるべきかという御質問についてでございます。  御案内のとおり、地域包括ケアシステム構築に向けて、医療、介護、地域コミュニティ、行政間において情報の共有化と連携を図ることは大変重要であります。特に医療と介護につきましては、それぞれを支える保険制度が異なることなどにより、これまで関係職種間の相互の理解や情報の共有が必ずしも円滑になされてこなかったという課題があると認識をいたしているところでございます。  こうした中、本市におきましては、平成27年度から医療、介護、地域関係者など、多職種で構成される日立市在宅医療・介護連携推進協議会を立ち上げ、医療と介護の両方を必要とする高齢者を切れ目なく支援していけるよう、様々な問題、課題を解決すべく事業展開を図っているところでございます。  これまでのところ、医療、介護の専門職に地域関係者も交え、それぞれの立場や視点で意見交換をしながら、互いの役割などを確認し合う多職種合同研修会や各種関係会議を実施してきており、徐々にではございますが、互いの顔の見える関係づくりが図られてきております。さらに、現在は、市医師会を始めとする関係職能団体等とも連携しながら、医療と介護とを円滑につなぐ共通ツールとなるよう、多職種連絡票や入院時連携シート等の作成、運用に向けて検討を進めているところでございます。  議員御紹介の笠間市における医療・介護・見守り情報等のデータベース化やICTの活用事例は大変有効な手段であり、地域包括ケアシステム構築の重要な鍵になってくると考えられます。  本市といたしましては、現在取り組んでいる情報共有の土台づくりが更なる医療・介護サービスの質の向上につなげられるように、議員御提案のICTの活用なども検討しながら、本市の特性に合ったシステムづくりに向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  いずれにいたしましても、高齢者を取り巻く環境は、医療、介護、生活支援など、様々な問題が山積いたしております。今後、2025年を見据え、地域包括ケアシステムの確立に向けてスピード感と危機感を持って全力で取り組んでまいります。  私からは以上でございます。
    14 ◯議長(岡部光雄君) ここで、午後1時まで休憩いたします。                   午後 0時02分休憩             ──────────────────────                   午後 1時00分再開 15 ◯議長(岡部光雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  蛭田議員の質問に対し、執行部からの答弁を求めます。 16 ◯生活環境部長(今橋徹也君) ◇登壇◇ 私からは、大きな2番、清掃行政について3点の御質問がございましたので、順次お答えいたします。  まず、1点目の最終処分場の現状と今後についての御質問であります。  滑川山一般廃棄物最終処分場には清掃センターから発生した焼却灰などを埋め立てており、平成8年度の供用開始から現在までの21年間で計画埋立て容量21万9,000立方メートルに対し、およそ2分の1程度の埋立て状況となっております。本処分場の埋立て完了時期は、供用開始当初、約13年間、平成20年度までと見込んでおりましたが、現在、公共施設マネジメントにおいては平成42年度まで埋立てが可能と整理しております。埋立て期間が延長できている要因としましては、平成13年に導入しました焼却灰を溶かして金属を分離し埋立ての量を減らす灰溶融設備や、市民の方々の協力によるごみの減量化、資源化などの各種取組によりまして、ここ10年間で一人当たりのごみ排出量が約7%減少していることなどのお陰と考えております。  最終処分場は、ごみ処理において大変重要な施設でございますので、今後、ごみの減量化、資源化の取組を積極的に進め、できる限り長期間使用できるよう努めていきますとともに、新しい処分場につきましては、候補地の選定から建設まで様々なプロセスを要しますことから、埋立て状況の把握に努め、必要な情報の収集、課題の整理を行い、検討を行っていきたいと考えております。  次に、2点目の灰溶融炉の在り方についての御質問であります。  平成9年1月、国はダイオキシン類の排出を削減する対策強化のため、ごみ焼却施設を新たに建設する際には、焼却灰を高温で溶かした後に固化する溶融炉の設置を義務付けたところであります。その後、平成22年3月に灰を溶融せずに薬剤による無害化処理なども認めたため、その時期以降、灰溶融炉を停止した自治体があることも把握しております。  近隣においても灰溶融炉を停止した自治体がありますが、これらの自治体の清掃センターは、当初から焼却灰をためておける、場外へ運び出せる機能を持っていたものであります。  本市の灰溶融炉を停止する場合、設備の修繕や維持管理に要する費用が削減されますものの、現在の施設に焼却灰をためておく施設や有害物質を無害化する設備などがありませんことから、新たにこれらの整備費用が必要となります。  また、焼却灰の埋立量が減らせなくなるため、平成42年度までの埋立て完了見込みが前倒しされることとなり、新たな処分場を確保すべき時期が早まるとともに、新たな処分場が供用開始されるまでの間、焼却灰の処分を外部委託する費用が発生する可能性も出てまいります。  このようなことから、安定的な運用を通しまして、埋立ての量を減らしている灰溶融炉設備の稼働を今後も継続していくことが、経済性などを含め総合的に考慮する中で、現状では一番有利であるものと考えております。  次に、3点目の次期焼却炉建設の対応についての御質問であります。  新たな焼却炉の整備計画を策定するに当たりまして、ごみを燃やす能力は施設規模等を決定する上で最も重要な目安でございますが、これは搬入ごみの量に大きく依存するものであります。  ここ10年間に、ごみの排出量が一人当たり約7%減少しており、次期焼却炉に求められる能力及び施設規模は現在の規模を下回ることが予想されますことから、今後の人口動態や一人当たりのごみ排出量の推移等を予測し、慎重に規模等を設定してまいりたいと考えております。  また、焼却炉のシステムでありますが、メーカーによる高効率化や低コスト化が図られた新たな開発が進められており、最新の情報を常に収集していくことが大変に大事なことと認識しております。  現時点におきまして、ごみ焼却施設を適切に管理運営することにより施設の延命化を最大限に図ることが最重要のポイントであり、次期焼却炉の建設につきましては、新たな処理方法を導入した他自治体での稼働状況や各種機器情報の把握、国の動向などの情報収集に努め、一般廃棄物処理基本計画の見直しをする中で将来のごみ量の予測やごみ処理方法などと合わせ検討してまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 17 ◯教育長(中山俊惠君) ◇登壇◇ 続きまして、大きな3番、教育行政について、(1)学力向上のためのスマホ利用規制についての御質問にお答え申します。  スマートフォンを含めた児童生徒のSNS利用の問題は、長時間使用による生活習慣の乱れ、スマホ依存による学習意欲の低下、さらには、問題行動の要因にもなっているものと認識してございます。  これまで、スマホの使用につきましては、ネットいじめ、金銭被害、性被害を始めとするネットトラブル対策の視点から、専門家を招いての親子学習会を全ての小中学校で実施するなど、対応してまいりました。  現在の生活においては、子供たちも大人同様、スマホの使用が浸透し、その所持率も年々増加しています。  また、今は持っていない子供たちも、今後、進学や就職を機に、ほとんどの人たちがスマホを持つことになるものと思います。そう考えますと、スマホについては、持つことそのものの否定や一律の制限ではなく、使用時間による影響を始めとして、功罪を含めた正しい知識、情報を得て、自らが適切に判断し、適切に活用していく力を身に付けさせることが、今子供たちに必要な教育ではないかと考えてございます。  そこで、子供たちや保護者、地域の方々にも、スマホ使用についての正しい情報、問題意識を共有するために、スマホの長時間使用が学力低下につながることなどについて改めてしっかり伝えなければならないと考えております。  まず、児童生徒の全家庭にお届けしている日立の学校教育リーフレット版や家庭学習の手引き、また、教職員向けの日立の学校教育の紙面に、スマホの使用と学力の関係について、日立市の子供たちの実態を示しながら啓発してまいります。  また、学校では、スマホ使用と学力の関係について学習し、課題や問題点について話し合い、対応策を考える授業を行います。さらに、各学校で児童生徒が話し合ったことを市全体で持ち寄る機会をつくり、日立市版スマホのルールを子供たち自身が提言するといったような取組を企画してまいります。  スマホの問題を子供一人一人が自分の課題として捉え、議論し、決定したことを自分たちの力で守っていく、さらに、子供たちがスマホ使用について日々の様子を記録し、学校や家庭はそれを基に守れたことを認め励ますなど、様々なやり取りをする。このように子供たちに寄り添い、対話しながら進めることにより、成就感、自己肯定感を育むよい機会になると思います。  加えて、他市の先進事例などを参考に、地域、家庭、PTAなどと連携の上、具体的なスマホ使用規制のルール化なども含めて対策を検討してまいります。  今後も各調査を活用して、日立市の子供たちのスマホ使用の実態を把握するとともに、子供たちが自ら判断し、適切にスマホを使用できる力、そして、学力向上を始め、子供たちが予測困難な未来を生き抜くために必要な力を付けられるように取り組んでまいります。  以上でございます。 18 ◯副市長(横山伸一君) ◇登壇◇ 私からは、大きな4番、災害に備えた建設業者の健全な育成について、3点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の歩切りの有無についてでございます。  公共工事につきましては、良質な社会資本を効率よく整備するという目的を達成するため、発注における競争性の確保が求められており、このことは一方で、いわゆるダンピングによる建設業者の経営や作業員の労働環境の悪化、ひいては公共工事の品質低下を生じさせるおそれがあるとの指摘がされていたところでございます。  しかしながら、議員御指摘のとおり、多くの自治体におきましては、工事費用をできる限り縮減したいとのことから、いわゆる歩切りが事実上、慣例的に行われてまいりました。そのような中、公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部改正により、計画的な発注、適切な工期設定などとともに、予定価格の適正な設定が発注者側の責務とされたところでございます。  このため、現在、市におきましては、国及び県の資材や労務単価等を基にして適正に積算した価格をそのまま予定価格とするとともに、さらには、あらかじめ公表した上で入札を行っているところでございます。  次に、2点目の人材確保・育成の取組についてでございます。  住民の暮らしと安全を支えるインフラの維持管理や災害の突発的な発生に迅速に対応するため、日頃から地元建設業者や技術者などの人材を確保し、その育成を図ることは大変重要であると考えております。そのため、公共工事の発注に当たりましては競争性を確保しつつ、できるだけ地元建設業者の受注機会を増やすよう努めております。  また、今年度から、工期の途中に工事代金の一部について追加で前払いができる中間前払金制度を導入し、受注者の資金調達の円滑化を図っているところでございます。さらに、若年層の建設業界への就職を促進するため、国などでモデル的に行っております工事における完全週休2日制の導入につきまして前向きに検討を進めるなど、建設現場における職場環境の改善にも取り組んでまいります。  次に、3点目の施工時期等の平準化のための債務負担行為についてでございます。  債務負担行為による公共工事発注につきましては、受注者の工事量が比較的少ないとされる年度当初から工事に着手できることから、年間の工事量の平準化を通して建設業者の経営の安定や人材の確保に資するものと考えております。  また、市にとりましても、工事の早期完成が図れることや事務作業が分散することなどメリットがあると考えております。  このため、引き続き、計画的な発注などにより施工時期の平準化に努めることと合わせ、債務負担行為による公共工事発注につきましても、個別具体の事例に即しながら検討させていただきたいと考えております。  私からは以上でございます。 19 ◯18番(蛭田三雄君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございました。  意見、要望を述べさせていただきます。  基金につきましては、繰入金として前年度予算では67億4,000万円を繰り入れました。今年度は、答弁にありましたように65億9,000万円ほど予算に組み入れています。したがいまして、基金残高は、平成29年度の予算は約202億円となります。この数字を見ると、基金の積極的な活用は大いにうかがえるところですが、決算ベースで見ると、なぜか今までの例では地方交付税の増加、不用額、契約差金等が基金へ戻されていて、結果として、終わってみれば積極型の予算編成にはなっていないと理解しているところでございます。ですから、このような時期ですので、地方創生を加速させ、少子高齢化問題を克服するための予算として、予算が組まれたものについては使い切る覚悟で財政運営をしていただきたいと思っております。  次に、要望します。  市長は、施政方針でひたちらしさについて7点述べられていました。私の今回の質問は、そのひたちらしさを深化・発展させるためにしたものと受け止めていただきたいと思います。  まず、2025年問題については、医療、介護、生活支援のネットワークがうまく回って、施設に入れない高齢者が在宅で生活できるようにシステムがうまく機能するようにしてほしいという思いがありました。施設に入れない高齢者難民が圧倒的に増えてくるという、いわば路頭に迷う高齢者が数多く発生するという、そんな災害が起こるのだという危機意識を持って臨んでほしいと思います。人材の投入、ICTの活用を検討していくということですので、是非、実現させていただきたいと思います。このシステムがうまくいけば、ひたちらしさが一つ追加されるものと確信しています。何としても実現させるという高い志を持って頑張ってほしいと思います。期待しています。  次に、スマホ使用規制についてです。  スマホ使用規制が実現されれば、これもひたちらしさに加えることができると思います。スマホの使用制限については、やっている市町村はほとんどないし、やるとすれば日立独自のやり方になるでしょうから、間違いなくひたちらしさの仲間に入ります。スマホ使用規制をした場合、他の市町村より学力は向上するわけですから、教育のために日立に家族で移り住んでくることも夢ではないわけです。地方創生のメニューに加えてもいいくらいの案件であると思っております。誰しもスマホの使い過ぎはやばいよねと思っていても、その対策を具体的に提言し規制の方向に踏み込めないで何年も過ぎてきました。やっと統計をとるようになって、その危険性が発表されるようになり、子供や親や関係者に大々的に広報することができるようになりました。答弁にありますように、臆することなくスマホ使用規制の対策を検討し、実行に移していただきたいと願っています。実行に当たっては、まずは、とっかかりとして質問で触れました脳科学者の川島隆太氏等を講師にお招きして、学力向上とスマホの関係をじっくり子供や市民、教育関係者にお話をしていただけたらどうかと要望いたします。  次期焼却炉の建設については、早目に検討に着手してほしいと願っています。今の清掃センター建設に当たっては、過去に不祥事が発生しています。次期の焼却炉建設に当たっては、そんなことが絶対にあってはなりません。そのためにも焼却炉メーカーの動向もしっかり調査研究をすると同時に、関係する職員の人材育成にも努めていただきたいと要望をいたします。  品確法については、しっかり遵守してほしいと思います。予算を組む段階から甘い予算を組むのではなく、精査して組んでほしい。発注する段階になって予算がないのでこの金額で我慢してくれなどと、品確法に違反することのないようにしていただきたいと思います。建設業者は、日立市を支える大切な事業所であるとの自覚の下、対応をお願いしたいと思います。要望でございます。  以上で日立市政クラブを代表しての質問を終わります。ありがとうございました。 20 ◯議長(岡部光雄君) 以上で蛭田議員の質問が終わりました。  次に、ひたち未来、伊藤智毅議員に発言を許します。 21 ◯22番(伊藤智毅君) ◇登壇◇ ひたち未来の伊藤智毅です。会派を代表して質問いたします。御答弁をよろしくお願いいたします。  1、施政方針から。  小川市長の諸施策の基本方針、考え方についてお伺いいたします。  (1)人口減少と住みよさ実感について。  最近、日立市の人口減少も徐々に好転しつつあることは、小川市長が強力なリーダーシップを発揮され、スピード感をもって次々と総合戦略の関連事業を推進されてきた効果が少しずつ現れてきているのではないかと思っております。人口は都市のパワー、活気に直結する要因でもあり、総合的な人口減少対策は、一段と総合戦略等の事業スピードを上げて、新たな展開、事業推進が求められております。  しかし、一方では、2008年に日本列島全体が人口減少時代に突入したと言われていますが、それから約10年間がたち、地方都市で企業城下町である日立市だけが人口減少の都市問題から逃れることは、かなりハードルが高いということも改めて認識しなければならないとも思うのであります。  人口が減少せず増加する方向性をまちづくりの目標にするのではなく、日立市に住んでいる市民が、住みよさを実感でき、住み続けたいと思えて、このまちでできれば死にたいと思うようなことができるようなまちにすることも重要ではないでしょうか。この日立市のまちに住んでいて幸福感を高められることが、これからのまちづくりの新たな方向性であり、そのための新しい視点や切り口が必要であると思います。  総合戦略の継続的で着実な推進は図りながらも、新年度から5箇年の後期基本計画がスタートするこのタイミングにおいて、また、新庁舎という新しい器、皮袋になるのですから、新しいワインを入れるような感覚で様々な事業を新しい展開方法で推進することが重要であると思います。そのことで日立市が住みよさ実感都市に進化し、よって日立市民がより幸福感を高められるような新たなまちづくりの方向性が求められているのではないでしょうか。  小川市長は、1期目折り返し、これから2年の市政運営、日立市のまちづくりを進めていく上で、従来の延長線上ではなく、新たな視点、切り口による、正に新たなまちづくりの方向性についてどのように考えているのか、お伺いいたします。  (2)雇用対策について。  雇用対策は、日立市が地方都市として存続していくために最優先課題として認識し、市長が先頭に立って強力なリーダーシップの下に、あらゆる戦術、戦略を持って実効性の上がる個別の事業を始め、総合的な事業展開が強く求められていると思います。  国が働き方改革で示している長時間労働是正、非正規の育児休業や介護離職ゼロなど労働環境改善も重要ではありますが、根本的な雇用状況そのものを改善することが地方都市においては優先順位が高く極めて重要であります。そのような状況の中で、雇用対策のために小川市長は、就任以来、先頭に立って、基幹産業である日立製作所を始め、市内の企業に対して積極的に働き掛け、要請と協議を進めてきたと思いますが、どのように働き掛けをしてきたのかについてお伺いいたします。  また、中小企業に対しては、どのような取組を進めてきたのかについても併せてお伺いいたします。  市内の就業人口を国勢調査から見ると、平成2年調査時点の9万8,246人から、平成22年調査時点では8万3,796人と、1万4,450人も減少しており、その後更に減少が進んでいると思われます。  一方、日立公共職業安定所管内の有効求人倍率は、平成26年2月に1倍を超えて以来、求人が求職を上回る状況が続いており、直近である平成29年1月では、1.5倍と前年同月の1.33倍から0.17ポイント上昇しているようであります。  高卒者の就職状況については、どのようになっているのか、お伺いいたします。  次に、雇用相談コーナー多賀は、第6次地方分権一括法の施行に伴い、地方版ハローワークとして拡充すると聞いていますが、今まで以上に実効性の上がる雇用相談等に対応できるような体制強化と機能の拡充が期待されています。  現在の雇用相談コーナー多賀は、非常勤2名体制であり、到底市民ニーズへの対応については限界ではないかと思います。正規職員を始め、最大限人員を補強し、体制を強化、拡充すべきであります。また、雇用に関する多様な市民ニーズにリアルタイムに対応できて雇用に直結できる、そのような機能拡充も求められております。  雇用相談コーナーの体制の強化と機能拡充について、また、名称も雇用相談コーナーではなく、雇用センター等名実ともにグレードアップ化が必要ではないかと思いますが、基本的な考え方についてお伺いいたします。  (3)子育て支援について。  子育て世代の三大ニーズは、医療環境の整備、経済的負担の軽減と近くに遊び場が欲しいであります。今回は、次の2点についてお伺いいたします。  まず、産科・婦人科等医療環境整備の拡充策についてです。  日立総合病院の産科が平成21年に休診に追い込まれ、市当局の懸命の御努力によって1年後に再開して約7年がたちましたが、残念ながら、ハイリスク分娩は受け入れないなど、その受入れ体制等の問題等もあって、休診前のピーク時1,200件に比べて、平成27年度実績で約20%、245件と、分娩件数は相変わらず低迷しているようであります。休診前の体制は医師が6人で、現在の3人体制とは大いに違うことを勘案しても、低迷していると思われてもしようがない状況であります。  婦人科診療は、平成29年度中に再開されるということなので、大いに期待しておりますが、小川市長を先頭に尽力されたことに敬意を表しますが、産科体制の拡充について、どのような戦術と戦略で拡充につなげようとしているのか。また、休診しているNICUを含めた地域周産期母子医療センター再開の取組についても併せてお伺いします。  次に、子育て世代家庭の経済的負担の軽減策についてです。  新年度から小児医療費助成制度の対象年齢を高校生まで拡充するとのことで、大変喜ばしいことであり、市長の御英断に心から敬意を表します。  また、市の奨学金受給者で市内居住者の返済が10年間で半分に減額される補助制度も新設されるなど、その取組にも重ねて敬意を表します。  少子化対策や人口流出対策上も、また、保育園ニーズが高まっている中で、保育料の負担も保護者にとってかなりの負担となっております。今年度から保育料を引き下げ、一定程度の負担軽減となりましたが、人口が流出している隣接の常陸太田市や東海村よりは、まだまだ保育料が高い水準となっております。  常陸太田市の保育料は、平均で当市の約2分の1の額であり、その水準まで引き下げるには、試算によると毎年約2億円の財源が必要であると聞いてはいます。しかし、保育料は、子育て世代の方にとっては目の前の負担であり、毎月の負担であり、先送りはある意味死活問題で、緊急かつ優先されるべき問題であります。  子育て支援は、正に都市間競争でもあり、保育料の引下げは必要不可欠であると思いますので、両市レベルへの保育料の引下げを強く望むものでありますが、保育料の引下げについて市長の基本的な考え方をお伺いします。  (4)災害対策について。
     まず、昨年11月から年末、年が明けてから最近も、比較的大きな地震が相次ぐなど、間もなく6年目を迎える東日本大震災の教訓が風化する一方において、不安だけは持続し、ある意味増幅する気配さえあるようであります。  地震災害を含め、豪雨災害など、全国的にも多発する自然災害に対して、東日本大震災の教訓を風化させることなく、その教訓を最大限いかし、更に今以上に、いざというときに機能する、役に立つ新たな自助、共助、公助の仕組みの構築をすべきであると思います。  大震災6年目を迎えるに当たって、新たな自助、共助、公助の仕組みの構築について市長はどのように考えているのか、お伺いします。  次に、東海第二原発事故の原子力災害に備えて策定作業を進めている広域避難計画については、策定作業を進めており、2月16日から24日にかけて広域避難計画基本方針に関する住民説明会も7箇所で実施したようでありますが、避難計画策定の完了の目標時期をいつ頃に想定しているのか、お伺いします。  また、その広域避難計画の現実性、実現性については、どのように考えているのかについて、改めてお伺いします。  さらに、昨年末頃から最近にかけて、テレビや新聞等でも報道されていますが、日立市は日本原電に対して、原子力所在地域首長懇談会等を通して、再稼働する場合の安全協定の同意対象自治体に当市も茨城県と東海村と同等にすることを申し入れています。その経過とこれからの取組の基本的な考え方について、お伺いいたします。  (5)特色ある教育について。日立特別支援学校についてであります。  現在の教育現場において、特別に支援が必要な児童生徒が増え続けております。日立市は、萬田五郎市長時代、昭和43年、1968年に県内でも珍しく市立の養護学校高等部を開校し、半世紀がたちました。現在は、小学部、中学部、高等部を設置しており、知的障害の児童生徒への支援を担い、多くの卒業生を輩出してきております。  しかし、昭和50年、1975年の現校舎建設以降、一部増築や改修工事はしてきておりますが、学校施設全体は老朽化、狭隘化が著しく、増加する児童生徒数や多様化するニーズ等にも追い付いていない状況であり、教育環境としては多くの課題や問題を抱えております。  そこで、日立特別支援学校について、次の3点についてお伺いします。  まず、茨城県への移管についての取組の経過についてです。  樫村市長時代から茨城県への移管について県に働き掛けをしてきたとは思いますが、その取組の今までの経過と県の反応等についてお伺いします。  次に、市立存続の基本的な考え方についてです。  茨城県への移管が難しく、ハードルが高いということであれば、市立のまま存続するという選択肢、判断も必要であり、いつまでも方向性を先延ばしすることはいかがなものかと思います。  市長は、県への移管について、あるいは市立のまま存続するのかどうか、日立特別支援学校の今後の運営をどのようにしようと考えているのかについてお伺いします。  また、施設整備の方向性についてです。  県への移管か市立のまま存続をするかによって、老朽化、狭隘化を抱える施設の整備をどのようにするのか。また、費用負担の問題も違ってくるのではないかと思いますが、現時点における日立特別支援学校の施設整備に対する市長の基本的な考え方についてお伺いします。  2、財政について。  (1)財政見通しについて。  新年度予算を見ると、現年度に比較して60億円減の780億円になっていますが、過去最大を記録した現年度予算に次ぐ規模であります。現年度予算は年度末予算規模が795億円になる見通しであり、ここ数年、日立市の予算規模は膨らみ続けています。総額130億円の新庁舎建設や総額約60億円の池の川さくらアリーナ建設、総額約60億円の大甕駅舎等建設、総額約50億円のBRT事業など、震災復興事業という位置付けで大型事業が同時に進捗した関係もあり、新年度からは市債の元利償還も始まるようであります。  新年度における市債の元利償還、公債費は約60億円になる一方で、市税収入が減少するなど、財政の硬直化も懸念されているところであります。  そのような状況の中で、税収と自主財源及び地方交付税、国、県の交付金も含めた歳入全体について、また、市債償還の公債費、扶助費等も含めた歳出全体について、新年度以降の中長期的な財政の見通しをお伺いいたします。  (2)健全な財政運営の推進について。  日立市のプライマリーバランスは、国と違って基本的には黒字となっており、おおむね健全財政とは言えますが、地方自治体には赤字公債の発行権限がなく、国に比較して財政力と信用力が弱く、公債償還期限が短いなど、構造的な要因を抱えております。  また、地方財政の健全化のある意味ひずみとして、国の赤字国債の拡大によって100%交付税措置というマジックで臨時財政対策債の大幅発行を余儀なくされておりますが、将来にわたって自治体が全く負担なしというのは幻想ではないかと指摘する経済学者もいるところであります。また、高齢者世代へ支出予算がシフトしており、将来世代への負担をつけ回ししているという指摘もあります。  そのような懸念材料からも、地方財政において、中長期的には市民の世代間格差の改善、将来につながらない赤字地方債、いわゆる臨時財政対策債マジックの改善、外郭団体等の将来リスクの軽減を図ることも求められております。  また、短期的には、予算総額を平時モードに戻すこと、社会保障費の効率化、将来世代に影響のない適切なインフラの維持、更新。赤字債、いわゆる臨時財政対策債に頼らない財政仕組みの構築と税収の確保が求められており、日立市財政の中長期的及び短期的視点に立った財政構造改革が必要であると思います。  このような状況を踏まえ、本市においては、将来にわたって健全な財政を堅持するため、予算編成におけるゼロベースの導入、画一的ではなく、めり張りの効いた新たなシーリングの設定、フレキシブル予算の拡充等、弾力かつ柔軟な予算編成及び予算執行システムの導入についてどのように考えているのか、お伺いいたします。  3、福祉政策について。  (1)地域共生社会の福祉相談窓口一本化について。  国は最近、高齢者や子供、障害者向けの福祉サービスにおける福祉の縦割りを廃して、一体で提供できる、いわゆる地域共生社会の導入、実現に向けた工程をまとめました。それによりますと、まず相談窓口一元化については、2017年度に100自治体でモデル事業ガイドラインを作成し、2018年度から全国の自治体で窓口の一元化、一本化を順次行おうとしております。本人又は家族が、それぞれのサービスを受けようとしたとき、どこの窓口に行って相談していいかも分からず、縦割りの弊害としてたらい回しされる、その結果、それぞれが抱えた問題ケースの解決にうまくつながらないという現実、実態が見受けられます。  日立市において、高齢者や子供、障害者向けの福祉サービスの窓口は、どのような体制で関係課等々が連携し、どのように風通しをよくする工夫をしているのか、きちんと問題ケースの解決につながっているのかどうかが問題なのであります。現状における問題と課題についてお伺いいたします。  また、地域共生社会の工程の2020年代初頭の全面実施を目指している国の方針に対して、日立市はどのように対応しているのか、2018年度からの福祉相談窓口の一本化を含めてお伺いします。  (2)協働による地域福祉システムの構築について。  日立市は、現在、市内六つの圏域において、地域包括支援センターを核に地域包括システムを運用しており、最終的には八つの圏域設定を想定しているようでありますが、高齢者が激増し認知症発症ケースの増加傾向が高まる中で、そのような社会、時代状況の中で公的なケアシステムだけでは問題ケースの発見と解決への誘導が追い付いていけないことは明白であります。  地域福祉の担い手であるコミュニティや民生委員と福祉ボランティアなど、地域のマンパワーと市社会福祉協議会や行政関係課、そして地域包括支援センター等が有機的な連携の下に、正に地域に人材、全学区にCSW、コミュニティソーシャルワーカーを配置して、コミュニティ型のケアシステムの構築と運用が求められているのではないでしょうか。  日立市は、40年以上にわたるコミュニティの歴史の中で、地域福祉の担い手である23学区のコミュニティが市社会福祉協議会と地域包括支援センター、行政各課などが連携しながら地域福祉の実践活動をかなり前から展開しております。要は、これらの実践活動を総合的なシステムに構築することが必要なのではないでしょうか。  まずは、モデル事業の執行、実証を行い、その分析、検証の後、全市的な展開に移行していくプログラムが必要ではないでしょうか。それらに対する基本的な認識とモデル事業の実証実験の実施について、基本的な考え方についてお伺いします。  4、教育行政について。  (1)学習指導要領改訂への対応について。  文部科学省は、14日、小中学校で教える内容を定めた学習指導要領の改訂案を公表しました。これまでのゆとりか詰め込みかの議論を超え、学ぶ質と量の二兎を追うものになっているようであります。  連合総合生活開発研究所によると、学校教育現場では、7割を超える先生方が週労働時間60時間以上という調査結果からも、また、メンタルヘルスの療休者も年間5,000人以上で高止まりしているというように、学校現場の教職員の負担が限界の中、人員増もしない状況では、結果的に教職員と子供にしわ寄せが行くだけで、今回の改訂は絵に描いた餅になる懸念も識者から指摘されているようであります。  今回の改訂では、教育の質の向上を図る目的を明確にして、各学校の特色をいかしたカリキュラムマネジメントに努めると明記しており、さらに、小学校では、小学五、六年生から英語が教科化され、小学三、四年生から外国語の活動を前倒しするため授業時間数が週当たり1時間増えますが、朝の15分学習に使うのか、夏休み5日間短縮するかなど、増えた時間数をどう確保するかなど、学校現場に対応を丸投げするような課題も抱えているようであります。  日立市教育委員会としては、今回の学習指導要領改訂案をどのように読み取り、どのように対応しようとしているのか、教育委員会としての指導及び支援体制をどのように整えようとしているのかについてお伺いいたします。  また、学校現場が混乱しないように、負担が増大しないように、どのように配慮して、人的配置なども含めて、今回の改訂に対応していくのかについてお伺いします。  (2)学校適正配置の検討について。いわゆる統廃合の検討についてです。  文部科学省の示した学校の適正規模、適正配置についての手引きに沿って、日立市も昨年11月に検討委員会を設置し、本格的に検討作業をスタートしました。1月23日から7地区会場で市民対象の地域懇談会も実施しています。  私も多賀会場の地域懇談会に出席してきましたが、様々な意見が出されておりました。文部科学省や県などが示している望ましい学校規模の基準を基に、市内の小中学校数をシミュレーションしてみると、基準を下回る学校は、小学校では約4割程度の学校、中学校では約3割程度の学校となるようであります。学校規模の基準どおりに仮に統廃合を機械的に進めると、かなり厳しい学校数となるようであります。  しかし、校舎の改築、建て替えによって統合することが考えにくい学校なども考慮しなければならないと思います。昔から学校は地域の精神的にも物理的にも中心的存在であり、統廃合は極めてデリケートな問題であります。拙速に統廃合の議論を事務的、機械的に進めることは厳に慎むべきでありますし、地域のコミュニティとの関係性も重要であり、児童生徒数や学級数だけで統廃合を決めることは極めて危険であります。  文部科学省も基準を示しながら、一方では機械的に適用することは適当ではなく、あくまでも各市町村における主体的な検討の参考として利用することが望まれると言っております。  教育の根幹である心技体を育む学校のあるべき姿をきちんと整理され、丁寧な議論と適切なコンセンサスを得ながら検討すべきであると思いますが、中山教育長のこの問題に対する基本的な考え方と検討作業への姿勢及び進め方について、お伺いいたします。  5、市政の推進について。  (1)市民及び職員の参画と協働システム導入についてです。  まず、市民の参画と協働システムの導入についてお伺いします。  市政の主人公は市民であり、日立市政の事業化などは市役所側の作業だけで行うものではないことは十分認識されていると思います。この度まとめられた後期基本計画の策定作業にも、多世代、他分野の多くの市民の参画を積極的に組み込んだ実績は高く評価をさせていただいております。  しかし、市民自らが市政の事業化決定過程に参加、参画し、最終的な市長の予算編成作業と議決後の予算執行に伴う事業の実践、実行においても、市民と行政とが協働で推進するシステム装置や仕組みの導入が必要であります。思い付きや気が付いたときにだけ参加を組み込むだけではなく、担当者や課長や部長が人事異動などによって変わっても機能する普遍的なシステムの構築が重要なのであります。決してアリバイづくりのような形式的な参加だけではなく、市民が市政の各種施策の立案や事業化のプロセスに参加し、参画している実感が持てるような協働のシステム装置が必要なのであります。新しい発想と切り口による市民との協働システムの導入と実践についてどのように考えているのか、お伺いします。  また、職員の参画と協働システムの導入について、少子高齢社会の急速な進行や地方創生における激化する都市間競争の中で、今まで以上に全庁的な職員、特に若手職員の参加、参画による新たな事業化、新しい予算編成作業による予算化など、協働システムの構築とその機能が求められていると思います。市民との参加、参画、協働と同じ視点に立った職員の、特に若手職員の参画、協働も同様に必要だと思います。各種の計画や事業によって職員の参画、協働が行われるのではなく、普遍的なシステムとしての構築が必要なのであります。市役所内における新しい視点や切り口による若手職員等を中心とした職員の参加、参画、協働のシステムの構築についてもどのように考えているのか、お伺いいたします。  以上で1回目の質問を終わりにいたします。御答弁をよろしくお願いいたします。 22 ◯議長(岡部光雄君) 伊藤智毅議員の質問に対し、執行部からの答弁を求めます。 23 ◯市長(小川春樹君) ◇登壇◇ ひたち未来を代表しての伊藤智毅議員の御質問にお答え申し上げます。  私からは、大きな1番、施政方針からの五つの御質問について、順次お答え申し上げます。  まず、(1)の人口減少と住みよさ実感についての御質問にお答え申し上げます。  我が国全体が超少子高齢化という大きな時代のうねりに直面する中、地方創生の取組である人口減少対策や地域の活性化、さらには市民の安全・安心の確保に向けて、これまで総合戦略に登載した事業の推進に全力で取り組んできたところでございます。  本市を含めました数多くの自治体が、将来人口の減少に歯止めをかけようと、様々な施策を進めているところでございますが、その成果は一朝一夕に与えられるものではなく、継続的に、そして、一つ一つの施策にしっかりと取り組んでいくことが極めて肝要であると認識をいたしております。  今議会冒頭の施政方針でも申し上げましたように、私は、市長に就任して以来、安心と活力に満ち、笑顔輝くまちづくりを政策の基本に掲げ、市政運営に当たってまいりました。人は誰しも幸せを感じたとき自然に笑顔になるものと考え、これまで、子供から高齢者の方々までが安心して明るく幸せを実感でき、笑顔輝くまちづくりに誠心誠意、力を注いできたところでございます。  総合計画後期基本計画がスタートする節目の年を迎え、市民一人一人が我がまち日立に対する愛着と誇りを育み、幸福感や満足感を感じながら暮らし続けることができるよう、様々な施策を展開してまいりたいという思いを新たにした次第でございます。  そのためにも、これまでの地方創生の流れをしっかりと受け継ぎ、着実に取り組むことを基本としながらも、市を取り巻く社会情勢の変化や幅広い世代からの市民ニーズを踏まえ、策定を進めてきた後期基本計画に登載された数多くの事業をこれから総合的に推進してまいりたいと考えております。  そして、こうしたまちづくりを進めることは、結果として、本市の人口減少の抑制にもつながるものと考えますことから、引き続き、多くの市民が住みよさを実感でき、住んでよかった、生涯住み続けたいと思えるまちづくりに向けて、総合的な視点から各種施策に取り組んでまいる所存でございます。  次に、(2)の雇用対策についての御質問にお答えを申し上げます。  雇用対策は、施政方針を始め、まち・ひと・しごと創生総合戦略後期基本計画のいずれにおいても重要施策であり、本市若年層の転出超過への対策といたしましても、総力を挙げて取り組むべき喫緊の課題でございます。  昨年6月から8月には、日立商工会議所、日立公共職業安定所と連携し、市内39社に向け、高卒者の新規採用についての要望活動を実施いたしましたが、特に大企業には、私自らが日立商工会議所会頭とともに足を運び、直接お願いをしてまいりました。  その後、訪問した企業では、30名を超えた新規採用が行われたとのことでございますが、高卒者の採用に際しましては、まず地元からという意識の醸成が必要でございますので、今後もこうした要望活動を継続してまいりたいと考えております。  また、人手不足に悩む中小企業での円滑な人材採用、特に地元採用を促すため、高校生の企業見学会やインターンシップなどを継続するとともに、本年度新たに高校の進路指導担当の先生方に市内企業を御見学いただき、就職先として中小企業が選択されるよう進路指導に必要な情報の提供に取り組んでまいりました。  次に、高卒者の就職状況でございますが、平成25年度の就職者が297人、内定率が92.8%であったのに対し、平成28年度の就職者は400人、内定率は95.2%と上昇しており、就職を希望する高校生のほとんどが採用されている状況にございます。  しかしながら、高卒者の就職者の半数以上が市外に就職しており、人口減少対策だけではなく、中小企業の人手不足解消の面からも、高卒者の採用を望む中小企業とのミスマッチを解消し、市内で就業できるよう、更に強力に雇用対策に注力してまいりたいというふうに考えております。  続きまして、雇用相談コーナー多賀の体制強化と機能の拡充についてでございます。  雇用相談コーナー多賀は、平成19年の開設以来、職業紹介に一定の役割を担ってまいりましたが、雇用の維持、創出は、人口減少のみならず、まちの活力、産業活性化にも密接に関わりますことから、その強化を模索しておりました。  そのような中、昨年8月に第6次地方分権一括法が成立し、市自らが無料の職業紹介事業を行う、いわゆる地方版ハローワークの制度が整備されました。  国では、地域事情に応じた、きめ細かな職業紹介や産業政策と連動した人材確保など、より地域ニーズに応じた取組を期待しておりますことから、本市といたしましては、国のハローワークを補完する新しい役割が担えるよう、仮称ではございますが、雇用センター多賀として雇用相談コーナー多賀の機能を拡充するとともに、複数職員を増員配置するなど体制強化を図り、雇用センター多賀を拠点とした雇用と労政の充実した市民サービスの提供と施策を展開し、雇用のミスマッチの解消や中小企業の人材確保などに努めてまいりたいと考えております。  次に、(3)の子育て支援についての2点の御質問に、順次お答え申し上げます。  まず、1点目、産科・婦人科等医療環境整備の拡充策についての御質問でございます。  昨年12月に県が策定した地域医療構想では、日立保健医療圏の課題として婦人科疾患の診療体制の整備や周産期医療の提供体制の充実などが挙げられており、今後、本市の医療提供体制を整備する上におきましても、議員御指摘の産科や婦人科の診療体制の拡充は極めて重要な課題と考えております。  そのような中、本市と寄附講座を締結している東京医科大学の御支援により、日立総合病院の婦人科診療が平成29年度中に再開される見込みとなりましたことは、本市の医療環境の向上に大きく寄与できるものと期待をしているところでございます。  一方、産科体制の拡充につきましては、東京医科大学との寄附講座により派遣いただいている産婦人科医師3人のうち、チーフとして診療現場をまとめる指導医クラスの医師が本年4月から交代になるなど、これまでと違った新たな人員体制の動きも予定されており、婦人科診療の再開とあいまって、今後、分娩件数が増加していくことを期待しているところでございます。  また、東京医科大学との寄附講座が終了する平成31年度以降の日立総合病院の分娩体制の継続やNICUを含めた周産期母子医療センターの再開につきましては、本市のみならず、県北地域の周産期医療体制の再構築に係る大きな課題であり、その実現には県内の医師養成大学である筑波大学との連携が不可欠なものと考えておりまして、現在、筑波大学にどのような形で御協力をいただけるか、検討していただいているところでございます。  今後も、県、日立総合病院、本市の三者で緊密に連携を図りながら取り組んでいくことが肝要と考えており、東京医科大学や筑波大学の御支援をいただきながら、段階的にでもリスクがある分娩に対応できる体制を構築していくことによりまして、周産期母子医療センターの早期再開につないでいけるように、引き続き鋭意努力してまいります。  次に、2点目の子育て世代家庭の経済的負担の軽減策についての御質問でございます。  本市の保育認定に係る保育料につきましては、子育て世代を経済的に支援するため、日立市まち・ひと・しごと創生総合戦略に位置付け、今年度から市独自の引下げを実施したところでございます。  保育料の高い3歳未満児につきましては、平均24%、全体でも平均15%の引下げを行い、これにより、高萩市、北茨城市と同水準、水戸市、ひたちなか市よりも低い水準となっております。  こうした保育料引下げの効果も一因であると考えておりますが、保育園入園希望者が増加しており、平成29年4月の園児数は、昨年より約200人増加の見込みでございます。  なお、保育園ニーズの高まりにも、私立の園と連携して対応しており、新年度も待機児童ゼロでスタートできる見込みでございます。  保育料の軽減につきましては、国も幼児教育の段階的無償化として拡充を図ってきており、この場合、財源は国、県、市、それぞれが負担することとなりますが、それを超えて独自に保育料を軽減する場合には、その費用は全て市単独の財源となります。  議員御案内のように、隣接の常陸太田市の保育料は当市の約2分の1、東海村については当市より約2割低い状況であり、同水準まで引き下げるためには多額の独自財源が毎年必要になってまいります。  なお、両市への日立市からの転出超過の状況につきましては、平成28年は、常陸太田市については60名で、ここ数年横ばい、東海村については123名で、平成25年の231名から減少傾向にございます。水戸市、ひたちなか市を含めまして近隣市町村との人口動態につきましては、保育料との直接的な相関関係は見られず、様々な要因について的確に把握し、対応していく必要があると認識をいたしております。  子育て世代の経済的負担の軽減策につきましては、限られた財源を有効に活用するため、子育てという妊娠前から乳幼児、学齢期と幅広い期間にわたり、様々な視点から取り組んできており、平成29年度には小児医療費助成制度の対象年齢の高校生相当までの拡充などを提案させていただいているところでございます。  地方創生の加速化を図るため、子育て世代に対する切れ目のない支援につきましては、引き続き重点的に取り組む考えであり、子育て世代のニーズを的確に把握しながら積極的に対応してまいります。  保育料の更なる引下げにつきましても、子育て世代の経済的負担軽減の取組の一つとして、子ども・子育て会議など、様々な場において御意見をいただきながら、引き続き総合的に検討してまいりたいと考えております。  次に、(4)の災害対策についての御質問にお答え申し上げます。
     6年前の東日本大震災は、未曾有の被害とともに、私たちに多くの教訓を示してくれました。公助として行うべき災害への備えとしては、地域防災計画の見直しなどに取り組んでまいりましたが、市民の皆さん、お一人お一人が自ら取り組む自助、そして、地域が取り組む共助についても、震災は教訓を示してくれたものと考えており、自助、共助、公助のバランスと連携の重要性を再認識したところでございます。  今後に向けましては、その教訓を最大限にいかしながら、地域ごとに実施している自主防災訓練などを引き続き推進し、自助と共助の連携強化を図るとともに、市といたしましては、防災・減災などに更に取り組み、定期的な総合防災訓練を行うことなどによって自助、共助、公助の連携を強固なものにしてまいりたいと考えております。  次に、広域避難計画の策定につきましては、本年2月、基本的な方針についての住民説明会を行い、様々な御意見をいただいたところでございます。  広域避難計画につきましては、まずは、茨城県の計画に従い、原子力事故単独の災害を想定した計画を平成29年度中を目途に策定し、その後、自然災害と原子力事故が同時に発生する複合災害への対応については、課題を整理し、加えていきたいというふうに考えているところでございます。  計画は、国の原子力災害対策指針に基づいて策定してまいりますが、指針は、福島第一原発事故を様々な視点から検証した結果が反映された内容となっていることから、計画の現実性、実現性が担保されるものと考えているところでございます。  しかしながら、要配慮者などの避難に使用するバスの確保を始め、交通渋滞への対応など、多くの課題もあると認識をいたしており、今後、これらの検討を行い、計画に反映してまいりたいと考えております。  次に、安全協定についてでございます。  本市は、原子力施設の安全対策の確認や事故などにおける迅速な通報連絡体制を構築することを目的としまして、日本原子力発電株式会社を始めとする原子力事業所と昭和49年に原子力施設周辺の安全確保及び環境保全に関する協定、いわゆる原子力安全協定を締結しております。その後、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、原子力施設周辺の一体的な安全確保を重要課題として、平成24年2月、東海第二発電所周辺の東海村など5市1村で原子力所在地域首長懇談会を設立したところでございます。首長懇談会では、その主題である安全協定の見直しについて、平成24年7月、平成25年3月、同年6月の3回にわたり、日本原電に対し、本市など周辺の5市を所在地である東海村と同じ権限を持つ所在地域として位置付けることなどを要求してまいりました。  これに対し日本原電からは、昨年12月に安全協定の見直しについての考え方が初めて示されましたが、要求に見合う進展がなかったことから、本年2月9日、改めて誠意ある取組を進めるよう強く要求したところでございます。  今後も引き続き、首長懇談会の構成自治体が一丸となって安全協定の見直しに取り組み、実現させることで市民の安心の確保につなげてまいりたいと考えております。  続きまして、(5)の特色ある教育についての3点の御質問に、順次お答え申し上げます。  初めに、1点目の特別支援学校の茨城県への移管に関する取組の経過についてでございます。  県に対しましては、これまでにも県移管について協議してまいりましたが、近年、当市の児童生徒数の増加等により教室の不足が顕在化していること、学校教育法においては特別支援学校の設置者が都道府県とされていることなどを踏まえまして、平成25年度からは県教育庁特別支援教育課を窓口として継続的に日立特別支援学校の県への移管を要望してまいりました。さらには、県知事に対しましても、平成28年度及び平成29年度の予算編成等に対する要望活動を強く行ってきたところでございます。  しかしながら、平成27年度からの5箇年計画である県の第2期県立特別支援学校整備計画には、日立特別支援学校の県移管を位置付けることがかなわず、全県的に特別支援学校の児童生徒数が急増する中、県立特別支援学校の拡張や新設が計画されている状況を鑑みたとき、県への移管には克服すべき課題が極めて多く、今後の方向性についても改めての検討が必要であると考えておりますが、新年度においても、諦めることなく、県への移管について従来以上に県に対し強く働き掛けを行ってまいりたいと考えております。  次に、2点目の市立としての存続の基本的な考え方についてでございます。  日立特別支援学校は、市内中学校の特別支援学級の卒業生たちの社会的自立を目的として、昭和43年に高等部を開設し、その後、小学部、中学部を開設して今日に至っておりますが、知的障害に係る特別支援学校としては県内有数の約半世紀の歴史を有しております。この間、校内における教育だけではなく、市内の小中学校に対しても特別支援教育に関する相談、助言や支援、指導を行っており、日立特別支援学校は当市の特別支援教育におけるセンター的な役割を果たしてまいりました。  こうしたことから、日立特別支援学校の存在価値と意義は極めて大きいものがあると考えており、これらの取組をひたちらしさ及び当市ならではの教育と位置付け、今後も継承してまいりたいと考えております。  3点目の施設整備の方向性についてでございます。  日立特別支援学校は、昭和50年に現校舎を建設し、その後、増築を重ねながら、バリアフリー化を始め、外壁改修や耐震補強などの改修を進めてまいりましたが、施設の老朽化に加え教室不足等に対応するためのスペースの確保など、課題も少なくない状況でございます。  このような状況を総合的に勘案し、現存校舎の大規模改修を行うか、あるいは、抜本的な対策として改築を行うことが必要な時期に来ていると考えており、現在進めている市立小中学校適正配置の検討等を踏まえ、施設整備の在り方についても整理をしていきたいというふうに考えております。  私からは以上でございます。 24 ◯財政部長(石田伸博君) ◇登壇◇ 私から、大きな2番の財政についての御質問にお答えいたします。  まず、(1)の財政見通しについてでございます。  今後の本市の財政見通しにつきましては、国の経済情勢を始め、地方税制や社会保障における制度改正、さらには、地方交付税や国庫補助の増減などの影響を受ける面もございますが、歳入におきましては、個人市民税が納税義務者数の減少の影響など、また、普通交付税は旧十王町との合併により優遇される特例制度であります合併算定替などの縮減により、それぞれ減額が見込まれるものと考えております。  一方、歳出におきましては、2025年問題に象徴される高齢化の進行などにより、社会保障関連の扶助費の増額を想定しております。  また、ここ数年、震災復興のための大型事業の財源として発行いたしました市債の償還が本格化してまいりますので、一時的ではございますが、公債費の増加を見込んでおります。  そのため、引き続き、公共施設マネジメント基本方針に基づく公共施設の有効利活用や統廃合の検討、事務事業の見直しによる経常的な経費の削減に更に踏み込むとともに、地方創生の取組の成果を市民、事業者とともに早期に導き出すなど、自主財源の確保に努めながら、将来を見据えた必要な施策をできるだけ早く着実に実行することができるよう、限りある財源の適正配分に努めてまいりたいと考えております。  次に、(2)の健全な財政運営の推進についてでございます。  御質問にございました本市のプライマリーバランス、収入から市債の発行額を除き、支出から市債の返済額を除いた基礎的財政収支でございますが、基本的には、良好な数値を示しておりますが、引き続き、適正な市債発行など将来負担のリスク軽減に努めなければならないと考えております。  予算編成におきましては、必要な投資を積極的に行うため、緊急性や優先性を念頭に、要求内容を一件ごとに精査、調整を行ったところでございます。  また、市民の声にスピード感をもって対応するため、新たな施策に活用できるフレキシブル予算を確保するなど、柔軟な予算措置に努めているところでございますが、市民目線に立ったゼロベースからの予算編成等を進めるため、他市町村の予算編成手法についての調査研究を行い、より効果的、効率的な予算編成に取り組んでまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、ひたちらしさをいかしたまちの発展につながるよう、地方創生への取組を加速し、さらに、中長期的な視点に立った総合計画後期基本計画の重点プロジェクト、ひたち創生戦略プランに積極的に取り組みつつ、健全で持続可能な財政運営に努めてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 25 ◯保健福祉部長(畑山一美君) ◇登壇◇ 私からは、大きな3番、福祉政策についての2点の御質問に順次お答えいたします。  まず、(1)地域共生社会の福祉相談窓口一本化についてでございます。  現在、本市におきましては、福祉関係の窓口を各制度やサービスの担当課ごとに設置しておりますが、どの窓口に行けばよいのか分かりにくい、複数の窓口に行かなければならないという声も伺っている現状がございます。  このため、市民の方が相談窓口を迷うような場合には、まずは社会福祉課が内容をお伺いし、必要とするサービスに応じて担当課へおつなぎするなどの対応をしておりまして、ケースワーカーを始め、各課の職員が連携を密に行うことで、複数の課の所管にまたがるような相談に対してもおおむね適切な対応ができていると認識しております。  また、御案内の地域共生社会の概念は、「縦割り」や「支え手」と「受け手」という関係を超えて、地域の住民や多様な主体が「我が事」として参画し、人と人、人と社会資源が世代や分野を超えて「丸ごと」つながる、いわゆる「我が事」・「丸ごと」の実践により、地域住民一人一人の暮らし、生きがい、そして地域をともにつくっていく社会を目指すというものでございます。  今般、政府がその実現に向けて社会福祉法の一部改正を含む法案を国会に提出したところでございまして、その中で地域住民や社会福祉活動に関わる方などが、福祉、保健、医療、住まい、就労及び教育などの地域生活課題の解決を図る上で役立つ支援が包括的に提供される体制を整備することを市町村の努力義務としているわけでございます。  福祉相談窓口の一本化は、こうした国の大きな方針に沿うものでございまして、相談先が分かりやすくなる、異なる分野のサービスに関する相談が1箇所で済み、複雑な問題を抱える方の負担が軽減するなどの効果を期待することができると認識しております。  その一方で、様々な分野にわたる相談に対しましては、現在の担当課ごとの窓口と同等の専門性を発揮し、かつ相談業務とその後の支援を効果的に継続するための体制の確立が必要であるといった課題もございます。  このような状況から、本市におきましては、国が先ほどの法案の中で、市町村が包括的な支援体制を整備するために実施すべき事業に関する指針を公表するとしておりますことから、その指針を踏まえながら適切な対応を図ってまいりたいと考えております。  また、法案の可決後は、地域共生社会を目指す動きが加速することが予想されますので、これまで以上にアンテナを高くし、情報の把握に努め、国などによるモデル事業の指定を受けることなどにつきましても積極的に検討してまいりたいと考えております。  次に、(2)協働による地域福祉システムの構築についてでございます。  現在、本市が設定しております八つの日常生活圏域は、高齢者の身近な地域で地域の特性に応じたサービスの展開を図るため、各地域の地理的条件や人口、生活形態などの特性を踏まえて設定したものでございまして、圏域ごとに高齢者の福祉、介護などに関する相談や介護予防、地域支援といった事業を実施し、地域包括ケアの推進を図っているところでございます。  御案内のとおり、先ほど申し上げました法案では、市町村がその努力義務である包括的な支援体制の整備を進めるに当たり、実施すべき事業として、住民に身近な圏域において、分野を超える地域生活課題に関する相談に応じ、関係機関と連携調整などを行う体制の整備に関する事業が掲げられております。  本市におきましては、現在も各コミュニティの福祉部門、地域包括支援センター、社会福祉協議会などと市が連携いたしまして地域における福祉課題の解決を図っておりますが、このことは審議中の法案の中身の先取りとも言うべきものであると認識しているところでございます。  具体的な例を挙げますと、市社会福祉協議会は、職員の地区担当制の強化による地域福祉の組織化の支援、連携強化地区の指定による地域と一体となった福祉事業の推進に取り組んでおり、さらには、地域ケアシステムのモデル地域においては、課題を抱える高齢者について情報共有や関係機関との連携による課題解決を図る活動などが実施されております。  議員御提案のコミュニティ型のケアシステムは、いわばこれらの取組の発展型とも言えるものであり、地域において、相談から関係機関との連携、課題の解決までの一連のプロセスを実現しようとするものと理解しているところでございます。  繰り返しになりますが、「我が事」・「丸ごと」の地域福祉の推進を理念といたします地域共生社会を目指す国の方針が示され、現在、その実現を図るための法案が審議中でございますので、本市といたしましても、包括的な支援体制の整備を円滑に進めることができますよう準備を整えてまいりたいと考えております。  その過程において、市内におけるモデル地区の指定、試行的な取組の実施などにつきましても、社会福祉協議会やコミュニティなどとも連携しながらシステムの構築に向けて検討してまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 26 ◯教育長(中山俊惠君) ◇登壇◇ 続きまして、大きな4番、教育行政について2点の御質問に順次お答えいたします。  (1)学習指導要領改訂への対応についてでございます。  新学習指導要領の内容につきましては、これまでにも文部科学省から公表される情報を収集し、先行して準備を進めてまいりました。今回示された改訂案は、授業で取り扱う内容についての大きな変更はありませんが、現行指導要領に引き続き、生きる力を育むため、知識の理解の質を更に高め、子供たちの未来社会を切り拓く力を確実に育成すること、そして、生涯にわたって学びに向かう力や人間性を身に付けていくこと、そのために、主体的・対話的で深い学びの実現に当たって、授業の工夫や教科教材を改善することが求められております。  当市では、昨年度から、新たな学習指導要領に対応した授業ができるよう各学校を指導主事が訪問し、授業への助言を行い、授業改善と教員の指導力向上につながる研修を進めてまいりました。  また、年度当初に全教職員に配布しております、教職員の手引きとなっております平成28年度版「日立の学校教育」に具体的な内容を掲載し、教育研究所と連携しながら新学習指導要領対応研修などを行ってきたところでございます。  一方で、小学校のカリキュラムでは、五、六年生の外国語の教科化、三、四年生の外国語活動の導入により、現在の授業時間が週当たり1時間増えることになるため、今後、どのような導入の仕方が適切か検討し、準備を進めます。  現場の先生方と教育委員会指導主事を含めての検討委員会を立ち上げ、カリキュラムの検討を行い、適切なカリキュラム編成を進めるとともに、一方で、学校現場や児童生徒、保護者に混乱を招かないよう、新学習指導要領について、その基本姿勢、学習内容、授業の改善などをきちんと伝えていく必要があると思っております。  また、外国語活動については、教員の英語力向上の研修を通して導入に向けた準備を進めてまいりましたが、児童にとっては、ALTと接し、直接英語を学ぶことが大変貴重な学習でありますことから、ALTの増員が必要だと考えております。  併せて、今回の改訂に示されている深い学びを授業に反映するためには、教職員のスキルアップが不可欠です。授業準備に十分な時間を確保できるよう、教員の業務軽減に努めるとともに、外部人材の活用を始め、学校がより質の高い授業を工夫・改善できるよう更に支援してまいります。  本市では、これまでも豊かな自然環境、人材、特色ある施設など豊富な教育資源の活用により、新たな学習指導要領にうたわれております主体的・対話的で深い学びを実践してきたものと考えますが、今回の改訂を機に、児童生徒の体験活動を更に充実するよう努めるとともに、改訂案にも示されておりますように、スクールカウンセラーや部活動指導員など、様々な外部の専門家の力も得て、チームで子供たちを育成する、いわゆるチーム学校を目指します。それは、第一に子供たちのため、そして教職員の支援にもつながるものと考えます。  また、学校、保護者、地域が協働してよりよい学校運営を目指す学校運営協議会制度は、チーム学校の機能を高めることになるものと考えます。  制度導入についての検討を進め、その中で現在は主に教職員が対応しております地域との調整対応を担うコーディネーターの配置などについても研究してまいります。  これまで日立市の学校教育において実践してきた良い点は引き継ぎながら、新たな学校運営のシステムを構築し、地域の方々、関係者の皆様の御理解と御協力をいただきながら、本市学校教育振興プランの目指すひたちっ子の育成に努めてまいります。  続きまして、(2)学校適正配置の検討についてでございます。  全国的な傾向と同様、本市におきましても、少子化に伴う小中学校の小規模化が進行しており、今後もその傾向が続くことが見込まれております。学校の小規模化が子供たちの学習環境に及ぼす影響を的確に捉えるとともに、将来の学校を取り巻く状況を展望しながら、本市が目指す子供の姿の実現に向け、学校のありようを幅広く検討することが求められております。  検討に当たっては、子供たちの健やかな成長を願い、何よりも子供たちのために最善の学習環境を整備することを目的に取り組んでいくことが大切であると考えております。  また、国や県から学校適正配置に関する基準が示されておりますので、それらを参考にしつつ、本市の実情に合った学習環境を整えるための考え方を整理することが重要であると認識しております。  そのためには、教育委員会や学校関係者だけではなく、保護者の声をしっかり伺うとともに、幅広い年齢層や地域の方々から広く意見を伺い、子供たちを見守る私たち大人が、子供たちのために何ができるのかを真剣に議論することが必要だと思います。  これらを踏まえ、昨年11月に設置した学校適正配置検討委員会においては、保護者、地域活動団体の代表者、学校教育関係者に加え、産業界からの参加も得て、多様な視点で真剣な議論を進めていただいております。  また、先般実施した地域懇談会におきましては、保護者の皆さんの子育て環境に対する思いや願い、そして、地域の方々が学校に大きく関わっていただいている実情など、幅広い御意見をお寄せいただきました。改めて、この思いをしっかりと受け止めなければならないと強く感じたところでございます。  これから学校適正配置に関する基本的な考え方や具体的な計画を整理していくことになりますが、子供たちにとってよりよい学習環境を整えることを第一に、加えて、将来的な学校運営の適正化の視点も交えて、地域懇談会や関係団体との意見交換などを通し、市民の皆さんと対話しながら、共に考え、将来に向けて、日立市としての基本的な方向性を定めてまいりたいと思います。  以上でございます。 27 ◯市長公室長(吉成日出男君) ◇登壇◇ 私からは、大きな5番、市政の推進についての(1)市民及び職員の参画と協働システム導入について2点の御質問がございましたので、順次お答え申し上げます。  初めに、御質問の1点目、市民の参画と協働システム導入についてでございます。  議員御案内のように、市政の推進に当たり市民の意見やアイデアをいかしていくことは、これからも大切にしていかなければならない視点であると考えており、これまでも様々な事業展開を図る上で、市民の参画、協働の取組の推進に努めてきたところでございます。本年度、取り組んでおります後期基本計画の策定におきましては、市民の意見を計画づくりに反映させるため、アンケートやグループインタビュー、パブリックコメントのほか、新たな取組として学生と市長との意見交換会を開催するなど、幅広い世代から数多くの御意見を取り入れる機会を積極的に設けてまいりました。  特にパブリックコメントの実施に当たりましては、グループインタビュー等に御協力いただいた方々にもお知らせをし、一人でも多くの御意見をお寄せいただけるように工夫するとともに、その結果についても、市ホームページのほか市内公共施設にも資料を配架するなど、閲覧環境を整えたところでございます。  また、地域コミュニティを始め、各種団体の関係者との懇談会を通し、市民の声を聴く機会の充実を図っておりますほか、道路や公園への里親制度、路線バスの利用促進に向けたパートナーシップ事業など、様々な分野で市民と行政との協働により多くの事業を進めてまいりました。市民参加によるまちづくりを推進する上では、このような様々な参画、協働に積極的に取り組むことが必要と考えておりますことから、各種の計画策定におけるパブリックコメントを始めとした市民の参画、協働の在り方が、これまで以上に全庁的に浸透し定着が図れるようなシステムの構築を検討してまいりたいと考えております。  続きまして、御質問の2点目、職員の参画と協働システム導入についてでございます。  議員の御質問にもございましたように、少子高齢化の進行を始めとする様々な行政課題に対応していくためには、既存の枠組みにとらわれない新たな観点や発想も必要と考えており、そのためにも若手職員を始めとした多くの職員の参画、協働をより一層図っていくことが求められてくるものと認識しております。  これまでの職員参画の取組については、総合計画を始め、各種の行政計画の策定に当たり庁内職員への意見募集を実施しているほか、職員提案制度による意見や提案の事業化の検討なども行っているところでございます。  このほか、本年度、シティプロモーション事業において市の若手職員と大学生によるワーキンググループを設置し、市の現状を調査し、若者の視点から地域資源の発見を行う取組も推進してまいりました。  今後も、これまで行ってきた様々な計画づくりへの職員参画を始め、各課等において、若い世代の視点を取り入れることで効果が高められるものは、若手職員等によるワーキンググループを設けるなど、職員の参画、協働による事業の検討や推進が積極的に図られるようなシステムの構築につきましても検討を進めてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 28 ◯22番(伊藤智毅君) ◇登壇◇ 市長を始め、担当部長、そして、教育長の御答弁ありがとうございました。  私からは、3点の項目について意見、要望を述べさせていただきたいと思います。  その前に、小川市長には就任以来、本当にスピード感をもって頑張って、様々な事業展開に御尽力をいただいておりますこと、その結果、様々、数値的にもそういう成果が現れていることにつきましては、引き続き頑張っていただきたいというふうに思うわけであります。  それでは、3点について意見、要望を述べさせていただきたいと思います。  1の施政方針からの(3)の子育て支援についてであります。  産科の医療体制の拡充とNICUを含めた周産期母子医療センターの再開に向けて、小川市長は先頭に立って引き続き奮闘していただけるというふうなことだと思いますが、特に東京医科大学との寄附講座の期限が切れるタイミングに円滑な体制への移行ができるように、筑波大学との交渉を積極的に進めていただきたいというふうに思います。そのことによって、日立市内の産科需要に十分応えられるような体制が実現することの御努力をいただきたいというふうに思っております。  2点目は、3の福祉政策についての(1)地域共生社会の福祉相談窓口一本化についてです。  市民や地域福祉を担うコミュニティの関係者が問題ケースの解決のために相談しようと思っても、容易に窓口にたどり着けないという実態があります。そのため、現状においては社会福祉課が一応窓口になるということであれば、社会福祉課内に福祉相談窓口、福祉相談係のようなものを配置して、電話も直接つながるような、そういう体制についての御検討をいただければというふうに思います。  3点目は、4の教育行政についての(2)学校適正配置の検討についてです。  学校適正配置と言えば聞こえがいいですが、分かりやすく言えば小中学校の統廃合であることは事実であります。現場の先生、子供たちや保護者、そして地域の人たちの声に、また、声なき声にも耳を傾けていただきまして、教育長も御答弁されておりましたが、引き続き、慎重に丁寧に適切な対応をしていただきたいというふうに思いますので、要望をしておきたいと思います。
     この議場において最後の代表質問となった今回の議会で代表質問をさせていただきましたこと、会派の仲間の議員及び議員各位、そして、今回の代表質問に対しまして誠実なる対応をしていただきました市長以下、関係部長、教育長に心から感謝を申し上げまして、私の代表質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。 29 ◯議長(岡部光雄君) 次に、公明党、舘野議員に発言を許します。 30 ◯21番(舘野清道君) ◇登壇◇ 公明党の舘野清道でございます。公明党を代表いたしまして、大きく5項目について質問いたします。分かりやすい御答弁のほど、よろしくお願いいたします。  大きな1番、施政方針についてであります。  公明党は、「希望が、ゆきわたる国へ。」のスローガンの下、政策実現に向け取り組んでおります。国内を見れば少子高齢化、人口減少という構造変化の中、仕事や生活への不安、社会保障や地域コミュニティの持続可能性への揺らぎ、頻発する自然災害への恐れなど、様々な課題が山積しています。これらの不安を取り除く希望を示し実行する中で結果を出していく、これこそが政治の使命であります。公明党は、多様化する世界にあって、一人一人が輝き、活躍できる社会を目指しております。  さて、小川市長は、就任から2年が経過し、任期の折り返しに入りました。これまでの取組としては、コミュニティとの市政懇談会や行政懇談会、学生と市長とのまちづくりトークや東京の茨城マルシェでの街頭キャンペーンなど、トップセールスマンとして走ってきました。  また、ハード面では、多賀消防署開庁や日立市子どもセンター開所、復興のシンボルとして、先月に日立市池の川さくらアリーナが供用開始されたところであります。いよいよ平成29年度予算は日立市の地方創生の取組の加速の年へ、後期基本計画の1年目の年として日立市の市政運営の目標である安心と活力に満ち、笑顔輝くまちづくりの実現に向けた積極果敢な事業や新規事業など、施策の展開を図る決意がございました。  さらに、地方創生の鍵は、正に地域資源の掘り起こしであり、ないものねだりから、あるもの探しへと発想を転換していかなければなりませんと施政方針で述べられておりました。このような視点に立って地方創生を成功に導くためには市政運営をどのように展開していくのか、小川市長の所見をお伺いするものであります。  大きな2番、地方創生の取組でひたちらしさを、(1)人口減少に対する取組について。  これまでにも日立市の自然減や社会減が大きな問題となっている日立市にとって、平成25年、平成26年の転出超過数は全国でワースト2であり、人口減少が止まらない状況であります。自然動態では、平成12年は2,008人の出生があったものが、平成28年は1,066人と半減になっております。また、死亡者数においても、平成12年は1,435人だったものが2,075人となり、増加し続けております。自然動態だけで見ても1,500人近い方が減少をしております。近隣自治体の東海村、ひたちなか市と単純に比較してみますと、東海村では、平成17年は394人の出生でしたが、平成27年は344人と13%の減となります。同じく、ひたちなか市においても1,507人が1,253人と17%の減となっております。日立市では1,667人が1,158人と31%の減となっております。両自治体に比べて減少率は2倍ほどとなっております。現在、ひたちなか市よりも出生数が少ない日立市になっていることを真剣に受け止めなければなりません。  ごく近年の総人口についても、東海村、ひたちなか市においては微増していることを考えますと、日立市が1年間に2,000人以上の方が減少していることについて危機感を真剣に捉えなければなりません。  一方で、社会動態の状況に目を向けましても、これら近隣自治体への子育て世帯の流出が多くなっていると伺っております。併せて、消滅可能性都市である日立市、具体的には20代から30代の女性が2010年から40年にかけて5割以下に減る、自治体消滅可能性都市に選ばれたわけでありますが、そこに名を上げれた日立市としては、状況や要因を把握・分析し、改善策を講ずる必要があります。  そこでお伺いいたしますが、出生数の減少の分析をどのようにされているのか、久慈川を隔てて、東海村、ひたちなか市の状況をどのように分析し、今後の施策にいかされようとしているのか、お伺いいたします。  日立市においても、若年層、20代から30代の流出が止まらず、近隣自治体の東海村、ひたちなか市、水戸市にも流出しているようであります。今後、転出理由を詳細に把握し、改善する必要があります。  さらには、仕事や教育、子育て各分野で自立し、日立市独自の魅力ある取組が求められますが、御見解をお伺いいたします。  (2)空き地・空き家対策について。  人口減少、少子高齢社会の進展により、全国的には空き地や空き家の増加が課題となっています。本市においては、いわゆるストックとしての住宅は既に充足しているため、所有者が高齢などによって亡くなり、空き家となる住宅も増加していると考えております。また、空き家が増加する中でも賃貸住宅の着工数が増えているため、賃貸のアパートやマンションについては新築に入居するケースが多くなっており、古い物件の所有者は入居者が減り続けた結果、自己破産してしまったという声を多く聞きます。  そこで、お伺いいたしますが、本市における住宅ストックや空き家の状況をどのように捉えているのか、お伺いいたします。  現在、執行部においては、条例に基づき設置した日立市空家等対策協議会による協議を踏まえて、空家等対策計画の作成を進めているとのことでありますが、計画の中には、使わなくなった空き家そのものの利活用に加え、解体後の空き家跡地の利活用についても加えることが重要であると考えています。  現在、日立市の人口は、ピーク時から2万人以上が減少し、今後、毎年2,000人以上の人口減少を迎えるなど、人口減少、少子高齢が進展する中、空き家、空き地も増加の一途をたどることが見込まれます。このような現状から、空き家跡地の利活用は、本市が将来に向けてまちのにぎわいを継続させるために喫緊に取り組まなければならない課題であると考えます。  そこで、空き家跡地の活用をどのように考えているのか、お伺いいたします。  さらに、先月の環境建設委員会において執行部から説明がありましたが、諏訪台社宅跡地、日立市役所の北側の空き地4.6ヘクタールが諏訪台土地区画整理事業として整備されることになりました。そのほかにも、企業グラウンドで商業施設としての計画があるようであります。  このように市内全域を見ますと、工場跡地や社宅跡地、市営住宅用途廃止跡地、民間の宅地跡地等、人口減少に伴って大規模な空き地が点在しております。このような大規模空き地は、若者や子育て世帯の定住を促し、ライフスタイルに応じた住宅地としての有効活用ができると考えます。  そこで、お伺いいたしますが、大規模空き地の現状把握及び活用に関する今後の方向性についてお伺いいたします。  (3)教育の取組について。  教育における地方創生については、各自治体では様々な取組が行われております。一例を挙げれば、スポーツによる地域活性化やICT等の利活用による地域の活性化、地方大学を活用した雇用創出や若者定着、奨学金の返還金を補助することによる大学生などの卒業生の定住促進など、それぞれの自治体が知恵をいかし取り組んでいるようです。  また、ふるさと納税を活用した地方創生の取組も増えております。小中学校の校舎改修や施設整備を始め、非常勤講師を配置して少人数授業を実践するなど、学習環境の改善を進める取組や、小学校入学時と中学校卒業時に祝い金を支給し、また学校給食を無償化するなど、経済的な支援を通じて定住者を増やそうとする取組です。全国の自治体では、このようにあらゆる手法を用いて定住促進、まちの活性化を図ろうと努力を続けています。しかし、魅力的で効果的な取組の鍵は、まちの特徴、特色を最大限にいかし、打ち出すことにあるのではないでしょうか。  日立市においては、平成27年12月に日立市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、多くの施策を位置付けました。教育の分野においても、新規の施策を含め、ひたちらしい取組を位置付け、現在、取組を進めております。  そこで、お伺いいたしますが、平成29年度は総合戦略の策定から3年目になりますが、総合戦略に位置付けられたひたちらしい取組はどのように進められているのでしょうか、お伺いいたします。  大きな3番、基本計画の推進に当たって。  後期基本計画の策定に向けて市民ニーズ調査を行った結果、回答者の7割が「住みやすい」と回答しており、若い18歳から39歳においても、「住みやすい」「どちらかと言えば住みやすい」と感じているとの回答でした。しかし、反面、「住みにくい」「どちらかと言えば住みにくい」を選んだ理由については、20歳から39歳では、働く場所が少ないことや渋滞などの道路環境が悪いことが多く挙げられました。これらの結果に伴って後期基本計画のパブリックコメントの集計結果がまとまりました。意見が一番多かったのは都市基盤で、次は産業の分野でございました。どのような意見かは、道路の交通渋滞緩和や山側団地間道路の整備、働く場の確保、産業の活性化であったことから、2点について質問いたします。  (1)雇用政策の新たな視点について。  日立市総合計画では、大綱3、活力ある産業のまちの施策として、基幹産業の活性化と新産業創出の支援を掲げ、その基本的方針として、ものづくり産業の活力を維持するため、ものづくりを支える人材の育成や中小企業への多様な支援を進めるほか、企業誘致や異業種連携、創業支援を推進するとしています。  本市では、これまでも、まちの将来の活力となる企業誘致を進めるため、産業集積促進制度や復興特区制度を活用するとともに、未利用地の活用を含めた産業用地の確保を進め、茨城港日立港区の機能充実や東京ガスのLNG基地の誘致が実現したものと理解をしております。  私からも、質問では、水素タウン構想利用での産業振興や広域連携や広域経済圏の視点に立った仕事づくり、新庁舎や日立駅舎を結ぶ魅力ある商店街、常陸多賀駅前商店街でのアートに特化する取組を定例会で提案してきましたが、一部は事業化され、まちのにぎわいは少しずつ戻っているような様子も見られ、喜ばしい限りです。  しかしながら、県内の中心市街地の状況を見てみますと、西武筑波店や牛久市の大型スーパーイズミヤが閉店するなど、その空洞化が危惧される状況にあり、日立駅前にイトーヨーカドーが立地する本市でも心配の種は尽きません。  そのような中、策定作業が進められた後期基本計画ですが、市民ニーズ調査や市民意向調査からは、若者や女性の就業機会の確保や市内外に向けた地元企業のPRの充実、企業との連携による就業環境の整備などの雇用創出への意見と併せて、その充実を求める意見が多く、働きやすい、暮らしやすい環境といった質の充実、暮らしへの安心感を求めていることではないのでしょうか。  施政方針の中で小川市長は、住みたいまち、住み続けたいまちとして多くの方に選ばれ、支持されるようなまちづくりを目指すと述べていました。そのためには、人口増や維持を目指すだけではなく、働き方改革の実現のための実行計画の策定などの議論を重ねることが必要です。  政府では、長時間労働の是正や女性活躍推進による就業環境整備、同一労働同一賃金の実現を目指しており、それに呼応して、大企業ではプレミアムフライデーやワークシェアリング、在宅勤務の拡大などからの働き方改革を進めようとする動きが見受けられます。  しかしながら、取引先からの納期に追われ、計画生産すら難しい本市の中小企業において、長時間労働の是正や女性の働きやすい就業環境の整備といった働き方改革はどのように進められたらよいのでしょうか。働き方改革に対する執行部の見解をお伺いいたします。  (2)日立市内の交通渋滞対策について。  先ほどのパブリックコメントの結果からも、都市基盤の整備から道路交通の渋滞緩和や山側団地間道路の整備など多数の意見が出されました。現在までに、日立市内の交通渋滞対策については、国の対策として国道6号日立バイパスや大和田拡幅の事業化、茨城県の渋滞対策では、国道245号日立港区北拡幅や日立笠間線の一部である山側道路が完成し、供用開始されております。日立市の渋滞対策としては、小木津バイパスや石名坂多賀線の供用開始、また、日立地区常磐自動車道社会実験として高速料金の半額割引など先進的な取組を行ってきました。現在では、土曜日、日曜日、祝日のETC高速料金は3割引きとして制度化されております。今後とも、日立市内の交通渋滞対策はスピード感をもって進めなければなりません。これが、若い方が日立市に定住していただくための重要な施策であります。  今後、国道6号の渋滞緩和と山側団地の交通利便性の向上を図るため、山側団地を結ぶ道路整備や過去に行った常磐道割引社会実験で成果が報告されておりますので、日立市独自の割引制度の検討も必要ではないでしょうか。併せて、企業との連携による取組の検討も必要ではないでしょうか。日立市における渋滞解消に向けた取組についてお伺いいたします。  次に、大きな4番、県内の動向について。  (1)圏央道開通に伴う影響について。  茨城県南部の圏央道が2月26日につくば中央インターから境古河インターチェンジ間28.5キロメートルが開通し、東名高速道路を始め、常磐自動車道などの六つの高速道路が放射状の交通網から環状型に接続されたことになりました。私も開通後、圏央道に乗ってみて企業誘致の実態を調査してまいりました。圏央道開通により、県南地域では企業の立地や観光客の誘致に大きな効果が出始めております。古河市では、日野自動車の本格稼働に伴い、従業員は2,000名規模が働くことになり、雇用の場の確保ができました。これにあいまって、近隣自治体では関連企業の誘致や定住促進に力を入れております。そのほかにも、沿線では工業団地への造成が進んでおり、引き合いもかなり来ているそうです。観光面では、東京都心を通らないで東名高速道路までつながりますので、かなり広域の観光が期待をされるところであります。  このような状況下ではありますが、企業立地につきましては県南にウエートは置かれますが、県北地域にも波及効果は期待されております。首都圏中央連絡自動車道の県内区間の全線開通による本市への企業立地への効果についてお伺いいたします。  (2)観光振興について。  茨城県内では、鹿島アントラーズリーグ優勝、天皇杯優勝、稀勢の里19年ぶり、また、茨城県では九十数年ぶりの日本人横綱昇進や県民栄誉賞へと話題が多い新年のスタートとなりました。  しかし、全国魅力度ワーストワンではございますが、伸びしろナンバーワンと県民の中でも周知されており、明るい話題が満載であります。4月からは県北地域を舞台とした朝の連続テレビ小説「ひよっこ」の放映が開始されます。この放映に先立ち、昨年、常陸大宮市を会長市とする県北6市町による茨城県北「ひよっこ」推進協議会を設置し、「ひよっこ」の舞台となる県北地域を全国的にPRする活動を開始しました。これは、昨年の茨城県北芸術祭に引き続き、全国へ向けて県北地域の魅力を発信する絶好の機会と考えています。  また、北茨城市においても、常陸大津の御船祭が国の重要無形民俗文化財の指定を受けて、5年に一度行われる事業でありましたが、5月2日、3日に臨時開催することが決まりました。  日立市におきましても、日立風流物が昨年ユネスコの無形文化遺産に全国の33の「山・鉾・屋台行事」の一つとして改めて登録され、本年も市内外からたくさんの観光客でにぎわう日立さくらまつりにおいて披露されます。  また、さくらまつり期間中には全国さくらシンポジウムが開催され、全国からたくさんの桜を愛する人たちが集うことになります。併せて、日立市にソメイヨシノが植樹されて100年の記念すべき年ともなります。さらには、本年は共楽館創建100周年を迎えるイベントや直木賞作家新田次郎先生、「ある町の高い煙突」の映画化の準備なども進められております。これらたくさんある話題性の多い平成29年度であります。  そこで、お伺いいたしますが、今年度は、このようにたくさんの魅力でいっぱいの県北地域、そして、圏央道の全線開通を契機として、日立市にどのように観光客を取り込み、にぎわいづくりや交流人口の拡大を展開していくのか、御見解をお伺いいたします。  (3)県北芸術祭の成果について。  KENPOKUART2016茨城県北芸術祭は、「海か、山か、芸術か?」をテーマに9月17日から11月20日までの65日間、県北6市町を会場に開催し、県内外から延べ77万6,000人の方に御来場いただくなど、成功裏に幕を閉じることができました。今回の茨城県北芸術祭には、目標の30万人に対して2.5倍以上の77万6,000人のお客様に御来場いただきました。飲食店の売上が増えた、タクシーの利用客が増えた、ホテル、旅館の宿泊客が増えたなど、具体的な経済効果も報告されております。先月2月7日に経済効果35億円との見出しで報道発表されておりました。  実行委員会では、継続開催については、全体の開催効果を総括し判断するそうであります。これについては、昨年、公明党の県北6市町の議員で開催市町村の首長や知事に茨城県北芸術祭をトリエンナーレ、三年に一度開催する形式で継続開催することを強く求めました。次回開催は、茨城国体の開催も加味して4年後の2020年とし、茨城県北芸術祭2020は、東京オリンピック文化プログラムの一環として開催することと要望書を提出させていただきました。  橋本知事は、今回の芸術祭について、地元の方たちがせっかく貴重な経験、人間的なつながりができたもので、つなぐ形で平成29年度予算を計上されたところでございます。さらに、先週行われた県議会での知事答弁において、茨城県北芸術祭を継続していくとの考え方も示されたところでございます。  そこで、お伺いいたしますが、日立市としての経済波及効果などの開催効果や高まった機運をつなぐための今後の取組について、見解をお伺いいたします。  併せて、今回の芸術祭では、サポーター、いわゆるボランティアの運営スタッフを集めることに苦労したと伺っておりますが、芸術祭先進地の越後妻有や瀬戸内などでは多くのボランティアが運営に携わっていることを踏まえまして、今後の人材活用についての御見解をお伺いいたします。  最後に、大きな5番、東日本大震災から6年を迎えて。  東日本大震災の発災から今週11日に6年目を迎えます。被災地では、住宅建設や公共インフラの整備が急ピッチで進む一方、今なお、約13万人の方が仮設住宅などで避難生活を余儀なくされています。目に見える復興はここに来ておしなべて順調です。防潮堤一つ見ても、平野部の海岸では既に幾つかが完成し、鉄道や主要道路もほぼ復旧し、仮設住宅から復興住宅への移動もかなり進んできています。  目に見えない復興、つまり、公明党が一貫して主張している心の復興、人間の復興をどう成し遂げるか、この1点に尽きるのではないでしょうか。心の復興は、建物や道路の復旧・復興とは異なり計測することが難しいわけであります。しかし、復興とは、外なる復興と内なる復興の両方を言うのであって、一方をなおざりにしては真の復興は達成できません。計測が難しいからこそ、心の復興には細心の注意を払い続けることが肝要であります。いわんや、目に見える復興が進めば進むほど、被災者の生活環境は大きく変わり、お年寄りや小さな子供にとっては、その変化自体がストレスであり、引きこもりや登校拒否につながっているそうです。その意味で、人間の復興はこれからが正念場であります。外見の復興に人が置き去りにされないよう、心のケアのための仕組みづくりが一層重要になっております。公明党は、各地でこのように主張をしております。  (1)風化に対する取組について。  私も代表質問においては、毎回、東日本大震災からの風化を防ぐために質問することを心掛けてきました。また、原発事故被害に苦しむ福島県へは頻繁に現地調査を心掛けており、今年の1月、また2月にも復興状況をつぶさに視察してまいりました。  その中で、いわき市の小名浜港にある観光施設、いわき・ら・ら・ミュウの一角には、当初、展示は半年の予定でしたが、残してほしい、継続してほしいといった声に応え、2013年2月の展示から現在も継続展示をされております。去年は42万人が訪れております。県外の人、特に関東の人は熱心に見ておりました。コンセプトは「忘れたいこと 忘れられないこと 忘れてはいけないこと」、展示品の中にある塩むすびは、当時、避難所で配られた塩だけのおにぎりが再現されております。震災直後、いわき市内の体育館に設けられた避難所も関係者や被災者の話を基に再現、薄い段ボールで仕切られているのが分かります。写真のみの展示ではなく、津波の高さが分かる展示とか、段ボールで囲った避難所などを再現したり、立体的な展示をしておりました。展示されている責任者の方は、ここ1年、2年、やはり風化というのがちょっと進んでいるのではないかと話されておりました。  そこで、お伺いいたしますが、日立市においても膨大な震災当時の資料や写真、パネルなどを保管し、防災訓練などに活用している事例が見られますが、今後、震災を風化させないために取組をどのように進められていくのか、お伺いいたします。  (2)福島県からの避難者への対応について。  福島県から避難した児童生徒に対するいじめが全国的に相次いでいることに大変胸を痛め、断じてあってはならないものであると思います。今回は、東京電力福島第一原発事故の影響で、避難区域外からの自主避難者に対する住宅の無償提供が、福島県は平成28年度末、平成29年3月で打ち切ることを受けて、茨城県は自主避難者向けに県営住宅への優先入居制度を設けることを発表いたしました。  日立市においても、福島県からの避難者が市営住宅や民間賃貸住宅などに暮らしており、避難生活が長期化していますが、市として避難者の現状をどのように捉えているのか、お伺いいたします。  併せて、この6年間、県内自治体では、様々な団体が避難者に対する交流会を行うなど、被災者に寄り添った支援が行われておりますが、日立市内で避難生活をしている避難者への支援を今後どのように進めていくお考えなのか、お伺いいたします。  (3)広域避難計画について。  東海村にある日本原子力発電株式会社東海第二発電所の重大事故発生を想定し、広域避難計画を進めるため、日立市では基本方針や避難計画案を伝える住民説明会が開催されました。日立市人口の18万3,000人以上の方が、福島県へ自家用車やバスで常磐自動車道を利用した避難や鉄道、場合によっては大型客船での避難など計画されておりました。  私も会瀬交流センターへ参加させていただきましたが、質疑応答の中で住民からは、自己責任の判断で親戚を頼って首都圏方面に避難してもよいのか、風向きによって避難先が変わるのでは、複合災害になった場合にはどのように、計画どおりに行くのか、日常的に渋滞しているのに速やかに避難が可能なのか、要援護者の方は誰が責任を持つのか、また、2箇所の会場に参加した熱心な住民からは、余りにも参加者が少なく、広報は行ったのか、コミュニティ単位で説明会を行い、市民の意見をしっかり聞いて、今後の避難計画にいかしてほしいとの意見がありました。  そこで、お伺いいたしますが、広域避難計画住民説明会における市民からの意見を踏まえ、今後どのように計画に反映していくのか、また、市民の安心を確保するためには、より多くの市民から意見を求め、早期に計画を策定すべきと考えますが、今後の住民説明会の開催予定と計画策定の進め方についてお伺いいたします。  最後に、(4)「外なる復興」から「内なる復興」へ。  東日本大震災からの復興については、日立市震災復興計画に掲げられた復旧・復興事業が進められ、日立市池の川さくらアリーナの完成や市役所新庁舎の整備の進捗によって、目に見える形で、いわゆる外なる復興については、完了にかなり近づいていると感じています。  しかし、市民の心の復興、つまり、内なる復興の達成については計り知ることが難しく、周囲を見ても真の復興が達成できたのか感じ得ることはできていません。先ほども申し上げたとおり、心の復興、人間の復興をどう成し遂げるかが重要であり、それがなければ真の復興は達成できないと思うわけであります。  そこで、お伺いいたしますが、災害時に防災拠点となる池の川さくらアリーナは震災復興のシンボルとして整備されましたが、今後、どのような役割を果たし、市民の内なる復興にどのような効果を与えようとしているのか、お伺いいたします。  以上で1回目の質問を終わります。御答弁のほどよろしくお願い申し上げます。 31 ◯議長(岡部光雄君) 舘野議員の質問に対し、執行部からの答弁を求めます。 32 ◯市長(小川春樹君) ◇登壇◇ 公明党を代表しての舘野清道議員からの御質問にお答え申し上げます。  私からは、大きな1番、施政方針についての御質問と、大きな2番、地方創生の取組でひたちらしさをの三つの御質問に、順次お答え申し上げます。  まず、大きな1番、施政方針についての御質問にお答え申し上げます。  地方創生の取組につきましては、人口減少対策や地域の活性化といった本市が直面する様々な課題を克服し、2040年における人口15万人以上を目指すため、平成27年12月に総合戦略を策定いたしました。海や山などの豊かな自然環境や、かみね動物園を始めとする本市の魅力ある施設、まちの成長過程で育まれてきた固有の文化や地域性などの地域資源をひたちらしさとして捉え、それらの活用を基本目標の一つに掲げ、共にまちづくりを担ってきた市民の皆様や企業等と連携をしながら、まちの魅力と活力創出に取り組み、併せて、積極的なシティプロモーションを展開しているところでございます。地方創生の取組も5箇年計画の3年目となり、子育てのライフステージに応じた福祉、医療、教育などの幅広い分野における切れ目のない支援を始めとした192の事業を着実に進めることによって、多くの方々に選ばれ支持されるまちづくりを目指してまいりたいと考えております。  市政の運営に当たりましては、今議会冒頭の施政方針でも申し上げましたように、地方創生の鍵は地域資源の掘り起こしにあると考えております。地方創生の主要な課題に取り組む上で、本市に人を呼び込むために、その地域にあるものを最大限に活用し、発信していくことが極めて重要であると認識をいたしているところでございます。  そのためにも、本市の地域資源であるひたちらしさを市内外に広く知っていただき、まちの認知度と魅力を高めていくことはもとより、ふだん、生活をしている私たちには当たり前のこととして気付かないところに光を当て、まちの魅力として磨き上げ、市民の郷土愛や誇り、シビックプライドの醸成につなげていく工夫や努力が必要であると考えており、また、そういった日立市ならではのものを連携させ、更に充実させていくことにより、地方創生の取組を推進してまいります。  さらに、平成29年度を初年度といたします後期基本計画には、若者や女性の御意見を積極的に取り入れながら、460を超える事業を盛り込むこととしておりますが、今後も市民のニーズに応じた魅力ある事業を総合的に推し進めていくことで、若者を始めとする全ての市民が住みやすいと感じることのできる日立の未来を拓くまちづくりにつなげてまいりたいと考えております。  続きまして、大きな2番、地方創生の取組でひたちらしさをについての三つの御質問にお答え申し上げます。  初めに、(1)人口減少に対する取組についての御質問にお答え申し上げます。  厚生労働省の推計によりますと、我が国における昨年の出生数は約98万1,000人で、現在の形で統計が取り始められた明治32年以降、初めて100万人の大台を割り込む見通しとのことであります。  本市におきましても、国と同様に出生数は減少し続けており、第2次ベビーブーム期であった昭和46年には4,936人の出生数がありましたが、平成28年には1,066人となっており、半世紀に満たない間に8割近くも減少している状況でございます。  国では、出生数が減少した主な要因として、20代及び30代の女性、いわゆる若年女性の人口減を抱えておりますが、この傾向は本市でも同様であり、水戸市、ひたちなか市、東海村などの近隣自治体におきましても、程度の差こそありますものの、状況は同じでございまして、多くの自治体において、若年女性の人口と出生数には少なからず因果関係があるものと認識をいたしております。  具体的に申し上げますと、平成17年から平成27年までの10年間における若年女性の減少率は、本市が32.1%であるのに対し、近隣自治体では20%前後にとどまっており、これが御質問にありました本市と近隣自治体との出生数の減少割合に差が生じた要因の一つではないかと考えております。  このように人口減少対策を進める上において若年女性の人口に着目することは極めて重要であり、本市における出生数を維持し人口減少に歯止めをかけるためには、議員御指摘のとおり、若い世代、特に若い女性の転出抑制を図ることが有効な手段の一つであると考えております。  本市では、人口問題対策に係る施策の検討に役立てるため、一昨年の6月から市民課及び支所の窓口において転出入の理由を把握するためのアンケート調査を実施しております。これによりますと、平成28年において若年女性の転出理由として最も多かったものは就職、転職であり、全体の4割を占めております。さらに、婚姻等が全体の3割、転勤が約1割と続いておりますが、就職、転職、転勤といった就業関係に関する項目が若年女性の転出理由の過半数を占めておりますことは本市の大きな課題であると認識をいたしております。
     このような状況を踏まえ、平成29年度から新たに地方版ハローワークの設置や女性の人材育成、就業支援などに取り組むことといたしておりますが、今後も引き続き効果的な対策の検討を進めてまいりたいと考えております。  また、近年において少子化が急速に進行している背景には、若年女性の減少以外にも、若者の結婚や出産に対する意識の変化や所得の伸び悩み、さらには子育て環境の変化など、様々な要因があるものと認識をいたしております。  したがいまして、少子化問題を迅速に解決できる処方箋はなかなか見当たらないというのが現状でございますが、雇用の創出や子育て支援、さらには特色ある教育など、幅広く市全体で若者世代を応援することにより人口減少対策に丁寧に取り組んでまいります。  続きまして、大きな2番の(2)空き地・空き家対策についての3点の御質問に、順次お答え申し上げます。  まず、1点目の本市における住宅ストックや空き家の状況についてでございます。  国の住宅・土地統計調査によりますと、平成25年の市内の住宅総数は約9万4,000戸で、総世帯数の約7万7,000戸を1万7,000戸上回っていることから、住宅ストックは量的に充足し、家余りの傾向にあると考えております。  また、市内の空き家率は18.2%で全国の13.5%、茨城県の15.1%を上回り県内4番目に高い率となっております。  議員御懸念の借り手のいない賃貸用の住宅が空き家総数に占める割合は約73%と、つくば市に次いで県内2番目に高く、本市の空き家ストックの特徴と捉えております。近年、賃貸用の住宅については、相続税対策や低金利により新築着工が活発化していることから、過剰供給に拍車が掛かるのではないかと懸念をしているところでございます。  次に、2点目の空き家の跡地の活用についてでございます。  現在、空き家・空き地の活用促進策といたしましては、茨城県宅地建物取引業協会と不動産物件の情報提供に関する協定を締結し、市ホームページにおいて市内の売買物件などの情報を掲載いたしているところでございます。  今後は、空き家所有者に対し解体を支援し、空き地のまま放置されがちな解体後の跡地について、市ホームページの不動産物件情報への掲載を促し、市内への定住を希望する若者や子育て世代への情報提供を充実させるとともに、空き地、空き家の流通を図る仕組みづくりを平成29年度から本格的に検討してまいりたいと考えております。  3点目の大規模空き地の現況把握及び活用に関する今後の方向性についてでございます。  大規模空き地の現況把握につきましては、工場や社宅等の閉鎖の際に所有者からの情報収集に努めております。  また、ひたちBRT沿線への住宅地、スーパー、病院などの立地誘導施策を検討するため、本年1月から地方創生推進交付金を活用し土地利用現況調査に着手したところでございます。  今後は、ひたちBRTを軸としたコンパクトなまちづくりの手法を事例とし、市内各地域の特性ごとに空き地の活用策を検討し、市民の多様なライフスタイルやライフステージに応じた住環境の形成に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、大きな2番の(3)教育の取組についての御質問にお答え申し上げます。  本市のものづくりの歴史によって受け継がれてきた知恵と技術をいかし、地域の皆様方との協働により、子供たちの大きな可能性を伸ばしていくことがひたちらしい教育の原点であります。総合戦略に位置付けられているひたちらしさをいかした教育の取組といたしましては、まず、科学教育の推進が挙げられます。市内企業のOBなどを中心に結成された日立理科クラブは、現在、科学のエキスパート100名が在籍をしており、市内全ての小学校に理科の実験をサポートし、子供たちの疑問に答えてくれる理科室のおじさんを派遣しているほか、将来科学者を目指すような中学生を対象とした理数アカデミーを開催するなど、活動は多岐にわたっております。実験などを通して課題を解決する方法を豊富な経験と高い技術を持つ方々から学べることは、他市にはない日立オリジナルの教育であり、本市の子供たちの学びを支えていただいております。  また、英語教育の充実も本市の特色ある教育であると言えます。外国語を通じて言語や文化について体験的に理解を深める外国語活動の授業は、現在、小学校5年生から行うこととなっておりますが、次の学習指導要領では小学3年生からと、2年間前倒しになることが決まっております。  しかし、本市においては、既に小学一年生から外国語活動を導入しており、中学3年生までの9年間を見通した英語教育を推進しております。市内全ての小中学校に外国語指導助手ALTを配置して、小学校では、英語や外国の文化に慣れ親しむことでコミュニケーション能力の素地を養う指導を行い、中学校では、聞く、読む、話す、書くの四つの技能の総合的な育成を図っております。さらに、小学6年生から中学3年生までを対象とした英語体験活動、「S・TEPCLUB」では、学年やレベルにより三つのコースを設け、高度なコミュニケーション能力を養い、異文化についてより理解を深めるための活動を行っております。  このほかにも、全国に例のない本市独自の特徴的な活動として、職業探検少年団があります。地域の皆様を始めとして、専門的な知識や経験を持つ産業界の皆様の御指導の下、ものづくりや福祉、水産業などの各種の職業を探検する、つまり、見て、聞いて、体験して、早い段階から働くことに対する意識を育んでおります。  その道のプロから楽しく仕事の内容を学べるばかりではなく、将来社会人として必要な社会のルールや自ら考える力を身に付ける機会にもなっております。さらに、スポーツを通じて青少年の心と体を育てるスポーツ少年団や次世代を担う子供たちへの文化の継承を目的とした文化少年団も活発に展開されており、いずれの活動も地域のサポートを受けて積極的に推進されております。  このように、学校以外の場所でも地域や産業界の皆様と一緒になって、まち全体で子供たちを育てていくことがひたちらしい教育の特色であると思っております。  いずれにいたしましても、ひたちらしい教育を受けてもらうためには、本市が、住みたいまち、住み続けたいまちとして、多くの皆様に選ばれるまちづくりを進めていくことが重要であると考えております。  子育て世代が住まいを決めるとき、自分の子供が通う学校のこと、そこで受ける教育の内容について大きな関心を寄せているものと捉えております。教育を受けるなら日立市でと思っていただけるように、ひたちらしさをいかした特色ある取組を推進していくことが教育における地方創生であると考えております。  私からは以上でございます。 33 ◯産業経済部長(大内勇雄君) ◇登壇◇ 私からは、大きな3番、基本計画の推進に当たっての(1)雇用政策の新たな視点についてと、大きな4番、県内の動向についての(1)圏央道開通に伴う影響について、及び(2)観光振興についての3点の御質問に順次お答え申し上げます。  初めに、大きな3番の(1)雇用政策の新たな視点についてでございます。  議員御質問の働き方改革につきましては、政府の掲げる一億総活躍社会やワーク・ライフ・バランスの実現に必要不可欠とのことであり、雇用政策の新たな視点であると認識しております。人口減少が続く本市におきましては、雇用の場を創出し、若年層の市内での就業、定住を促すことが必要であることから、まち・ひと・しごと創生総合戦略後期基本計画のいずれの計画におきましても雇用を重点プロジェクトとして位置付けております。その一つの取組として、国の地方創生の交付金を活用し、本市の中小企業で働く若い技術者に焦点を当てた動画やパンフレットを作成し、ひたちらしさの象徴である中小企業の技術や仕事でのやりがいなどを東京圏の学生などに発信するとともに、企業見学や職業体験などを通じ、本市で働くこと住むことへの魅力を感じてもらい、東京圏からの人の流れを生み出す取組を進めております。  さらに、地域の中小企業に向けまして、ワーク・ライフ・バランスへの理解が深まるよう、先月2月に働き方改革セミナーを開催し、働き方改革への契機を提供したところでございます。  講演をいただいた中小企業経営者からは、雇用の数は地域活性化に必要であるが、社員の幸福感はそれ以上に大切であるとのお話や、中小企業の働き方改革は社員の幸福感につながるとの話がございました。  議員御指摘のとおり、厳しい納期の中で日々活動する中小企業におかれましては、労働時間と生産性は密接な関係があり、働き方改革に着手するには課題もございますが、長時間労働の是正は働き手の確保にもつながりますことから、引き続き、セミナーなどを開催しますとともに、女性が働きやすい環境整備の支援などによりまして、中小企業における働き方改革の実現に努めてまいりたいと考えております。  これら働き方改革の取組を通じまして、住みたいまち、住み続けたいまちとして、若者を始めとした多くの方々に本市が選ばれ支持されるまちづくりを目指してまいりたいと考えております。  次に、4の(1)圏央道開通に伴う影響についてでございます。  圏央道につきましては、首都圏の道路交通の円滑化や沿線の地域づくりの活性化など多くの役割が期待されておりまして、この度の県内区間全線開通により、県内の圏央道沿線におきましては、都心までの時間が1時間の距離にありながら、地価が埼玉県の3分の1であるなど、恵まれた立地環境にあることから大規模な工場や物流施設の立地が進んでおります。  さらに、旺盛な企業の立地ニーズを受けまして、今後もインターチェンジ周辺で工業団地などの整備も計画されており、沿線自治体を中心に産業面での大きな効果が期待されているところでございます。  また、今回の開通によりまして、議員御質問のように、東名高速道路を始め、中央自動車道、関越自動車道など都心から放射状に伸びる六つの高速道路が接続しまして、環状型のネットワークが新たに形成されたことから、その一つでございます常磐自動車道の利用拡大にもつながり、圏央道開通の波及効果が本市を含めた県北地域にも及ぶことが期待されます。  高速道路開通による企業立地などへの効果といたしましては、平成23年の北関東自動車道全線開通に際しまして、栃木県から茨城港日立港区までのアクセスが飛躍的に向上したことによりまして、日産自動車栃木工場が北米へ輸出している完成自動車の一部取扱いを京浜港から日立港区にシフトするなど、日立港区の自動車取扱い拠点としての港勢拡大につながったところでございます。  今般の圏央道の県内全線開通の本市への波及効果の一つといたしましては、本市が大規模工場の立地が進む圏央道沿線地区と東日本大震災からの復興が進む福島県浜通り地区の中間地点に位置するという地理的優位性を有しておりますので、工業製品などの需要が拡大いたしますこれら両地区への生産供給基地として、市内中小企業の受注拡大や活性化につながるような効果が期待されているところでございます。  また、これまでは、本市の首都圏への企業誘致活動につきましては、常磐自動車道沿線の千葉県北西部や埼玉県東部地域の製造業を中心に企業訪問などを行ってきたところでございますが、今般の圏央道の開通により、新たに八王子市などの東京都多摩地区や神奈川県を始めとする首都圏全域とのアクセスが格段に向上したことから、国の優遇策と連動した本市独自の企業立地の優遇策を他市に先駆けて講ずるなど、首都圏及び圏央道周辺に立地する本社機能や医療、産業、環境、新エネルギー分野など、成長産業の本市への立地を促進してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、今般の圏央道の県内全線開通を好機と捉えまして、企業ニーズや立地動向を的確に収集、把握するとともに、本市の課題の一つでございます企業立地の受皿となる産業立地用地の確保の検討を併せて進めることによりまして、本市への産業立地の推進や日立地区産業支援センターと連携した中小企業の受注拡大につなげてまいりたいと考えております。  次に、4の(2)観光振興についてでございます。  圏央道の県内全線開通は、産業立地の推進と同様に、観光振興や交流人口の拡大にもつながるものと考えております。  御質問のように、昨年秋の茨城県北芸術祭では、首都圏を始め、県内外から多くの方々を本市にお迎えすることができました。このことは、海と山を合わせ持つ本市の豊かな自然環境とともに、日立駅舎や御岩神社など、魅力ある地域資源に芸術作品が展示されたことが要因であったものと考えられまして、本市の魅力を多くの皆様にお伝えできたのではないかと考えております。  茨城県北芸術祭の成果や機運の高まりが続く中で、来月からは県北地域を舞台にした朝の連続テレビ小説「ひよっこ」の全国放映が始まりますことから、本市を含めた県北6市町におきましては、このテレビ放映を観光客誘致につなげるため、茨城県北「ひよっこ」推進協議会を設置いたしまして、ロゴマークやのぼり旗による共同PRを行うなど、茨城県北芸術祭で得られた協力体制をいかした取組が進められており、本市におきましても、観光物産協会や商工会議所と連携しまして土産品づくりの働き掛けなどを行っているところでございます。  議員御案内のとおり、県北地域は、本市のかみね動物園、全国的な知名度を持つ国民宿舎鵜の岬、そして、世界の最も美しい駅舎の一つとして評価された日立駅舎、北茨城市の天心記念五浦美術館、大子町の日本三名瀑の袋田の滝など、県内外に誇れる魅力ある観光資源に恵まれております。  今般の圏央道の県内全線開通を好機と捉えまして、本市といたしましては、かみね動物園開園60周年を記念した新獣舎の整備や六つの海水浴場を有するひたちの「海」の年間、四季を通じた活用策の検討など、本市が誇る地域資源を更に磨き上げ、ひたちらしさの魅力向上につなげてまいりたいと考えております。  また、シティプロモーションの観点から、本市の魅力やひたちらしさを広く積極的に伝える戦略的な情報発信を行い、観光客の誘致促進やまちのにぎわいづくりを図ってまいりたいと考えております。  さらには、県北6市町の協力体制を基に、それぞれの特色ある観光資源をいかしまして、自治体の枠を超えた魅力的な観光ツアーや共同イベントの検討、圏央道沿線への一体的な観光PRなど、更なる連携協力を進め、本市を含む県北地域全体のにぎわいづくりや交流人口の拡大を目指してまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 34 ◯都市建設部長(石川 昭君) ◇登壇◇ 私からは、大きな3番、(2)日立市内の交通渋滞対策についての御質問にお答えいたします。  本市は、地形的な制約から、国道6号や国道245号などの南北軸を形成する道路に交通が集中し、慢性的な渋滞が発生しております。交通渋滞は、交通量が道路の交通容量以上になることが主な要因であり、渋滞緩和のためには車線数を増やすなど、道路の交通容量の拡大が必要でございます。  交通容量の拡大策といたしまして、長期的には、バイパスの建設や現道拡幅などの道路ネットワークの整備、また、短期的には、変則交差点などのボトルネック交差点の改良などがございます。  まず、長期的な対策としての道路ネットワーク整備につきましては、平成元年に国道6号日立バイパスから鮎川停車場線、山側道路を経て、国道6号大和田拡幅に至るルートを整備優先道路に位置付け、整備を促進しており、国道245号につきましても、平成27年に日立港区北拡幅として事業化させ、その北側の河原子町までの区間におきましては、4車線化の都市計画決定に向け県と協議を進めているところでございます。  また、短期対策といたしまして、ボトルネック交差点の改良につきましては、これまでに国道6号森山町交差点や国道245号河原子町交差点で実施され、交通の円滑化が図られたところでございます。  次に、議員御提案の企業との連携による取組につきましては、企業と連携したノーマイカーデーの実施や、バスなどの公共交通への利用転換を促すような方策による市内の交通量の削減を検討したいと考えております。  今後も、市といたしましては、国、県と連携し、幹線道路のハード整備を進めるとともに、多様なソフト対策も取り入れ、渋滞緩和を図り、若者定住の促進にも資するよう努めてまいります。  私からは以上でございます。 35 ◯市長公室長(吉成日出男君) ◇登壇◇ 私からは、大きな4番の(3)県北芸術祭の成果についての御質問にお答えを申し上げます。  昨年の秋、県の御尽力により開催されました茨城県北芸術祭は、県北6市町全体で延べ77万6,000人もの大変多くの方々に御来場いただき、また、経済波及効果は35億3,300万円、広告費に換算したパブリシティ効果も42億4,500万円に達するなど、盛況のうちに閉幕を迎えたところでございます。  芸術祭の開催に伴う本市の経済波及効果等でございますが、県からは6市町ごとの数値が示されておりませんので、芸術祭の閉幕後に実行委員会が行った事業者などに対するアンケート調査やヒアリング調査等の結果から、飲食店の売上げが前年同時期に比べ2割増加したことや、同様に宿泊客数が5割程度増加したという声が寄せられるなど、来場者の消費活動による一定の経済効果があったものと考えております。  また、市の観光施設などにおいても、作品の展示会場や、展示会場に隣接したことで日立シビックセンターや奥日立きららの里の入場者数が前年同時期に比べ3割から4割ほど増加しており、郷土博物館でも近年において最多の入館者数を記録するなど、本市の交流人口の拡大につながった状況がうかがえます。  さらには、延べ25万人以上もの多くの方々に本市に御来場いただき、本市の豊かな自然や文化の魅力を知っていただく絶好の機会になったことで市のイメージアップにつながるとともに、様々な場面で来場者と市民の皆さんの交流が生まれるなどの効果もあったと感じております。  一方で、一部の飲食店などの事業者からは、展示会場から離れた場所にあったため、芸術祭の開催効果を余り受けることがなかったという意見もお聞きしております。  芸術祭のような広域的なイベントを開催する際に、人の周遊性や会場周辺の波及効果をどのように確保するかといった配慮すべき課題を再認識することができました。  今後は、芸術祭で得られた成果を活用して、県と連携を図りながら、本市の持つ資源を有効に活用した芸術祭のフォローアップ事業などを実施するなどして、芸術祭で高まった市民や事業者などのまちの活性化や魅力向上への機運を持続できるように努めてまいりたいと考えております。  また、ボランティアの活用の在り方でございますが、芸術祭では、本市の市民、協力団体や事業所などから約300人の皆さんが作品制作や会場運営などにボランティアとして御協力いただきました。ボランティアとして積極的に参加いただいた方や中心的な役割を担っていただいた方をつなぎ止め、芸術祭で培ったボランティア相互のつながりを育むとともに、関心はあったもののボランティアへの参加ができなかった方を取り込むなど、地域の人材活用が図れる仕組みづくりについて検討を行ってまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 36 ◯副市長(梶山隆範君) ◇登壇◇ 私からは、大きな5番、東日本大震災から6年を迎えてについての4点の御質問に、順次お答え申し上げます。  まず、(1)風化に対する取組についてでございます。  本市におきましては、これまで震災復興計画に基づき早急な復旧を進めるとともに、震災の教訓をいかした、災害に強い、市民が安全で安心して暮らすことができるまちづくりに全力をもって取り組んでまいりました。  議員御指摘のように、震災の記憶を風化させないためには、機会を捉えた広報と継続的な防災訓練の実施に取り組むことが極めて重要であると認識しております。  毎年、3月11日には、行政無線による追悼放送を実施してきたほか、震災記録写真をまとめたパネルを自主防災訓練の際に展示するなど、震災の記憶や教訓を伝承する取組を進めてまいりました。  また、震災を忘れず、自らの備えの大切さを認識していただくため、「忘れない3.11」と明記した非常用持出袋を作成し、これに自助の啓発のため日頃からの備えをまとめた防災ハンドブックを入れて市内全戸に配布をしたところでございます。  今後とも、情報の発信による市民の防災意識の醸成を図るとともに、特に津波被害の教訓から設置した海抜表示板などを活用した避難訓練や、防災備蓄倉庫に備えた発電機などの資機材を用いた自主防災訓練を継続して実施することにより、地域防災力を強化し、併せて震災の風化の防止に努めてまいりたいと考えております。  次に、(2)福島県からの避難者への対応についてでございます。  現在でも本市には、浪江町や南相馬市など福島県から避難した162世帯、400人の方々が避難生活を続けております。福島県が平成27年度に実施した避難者意向調査の結果によりますと、現在の生活で不安なことや困っていることという質問に対し、福島県外に避難している世帯では、自分や家族の方の健康のことが58%と最も多く、次いで住まいのことが49%となっております。  このような状況の中、自主避難者に対する公営住宅などの無償提供が本年3月末で終了となることを受けまして、福島県と本市の職員が合同で対象世帯を全戸訪問し、民間住宅の家賃支援制度などに関する情報提供を行ってまいりました。  また、福島県が主体となり、復興支援員や支援団体などが連携して情報交換会を開催し、避難者の現状やニーズの把握に努め、避難者への生活支援を行ってきたところでございます。  そのような支援活動を通して、避難されている方々が様々な不安や悩みを抱えていることを改めて把握できたことから、今後も引き続き、福島県を主体に避難元自治体や支援を行う民間団体等と連携し、情報提供や避難者の健康対策、孤立化対策など、避難生活に対する支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。  次に、(3)広域避難計画についてでございます。  現在、原子力災害に備えた広域避難計画の策定を進めておりますが、計画の基本的な部分である市民の避難先や避難の方法、避難のタイミングなどについての住民説明会を、先月、市内7箇所で実施いたしました。説明会に参加した方々からは、避難する際の交通渋滞の対応や避難が困難な方々への支援などに関する御意見をいただいたところでございまして、課題を整理した上で計画に反映してまいりたいと考えているところでございます。  今後の計画策定の進め方でございますが、コミュニティ単位の避難先の割り振りや避難先市町村と避難者の受入れ方法に関する協議を整え、計画の素案をまとめた上でコミュニティ単位で住民説明会を実施する予定でございまして、平成29年度中を目途に広域避難計画を策定したいと考えているところでございます。  次に、(4)「外なる復興」から「内なる復興」へについてでございます。  東日本大震災からの復興の総仕上げと位置付けました池の川さくらアリーナは、本年1月に一足早く完成し、また、7月には新庁舎でも業務を始める予定でございまして、こうしたことから、外なる復興への道のりは一区切りがついたものと考えております。  そして、議員御提案の内なる復興についてでございますが、創生総合戦略後期基本計画に掲げる施策を一つ一つ丁寧に取り組むことによって市民の心に安心や元気を取り戻すことができるものと考えており、池の川さくらアリーナを始めとして、市民が集い交流を図ることができる事業を推進することにより日立市の内なる復興へとつなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 37 ◯21番(舘野清道君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございました。  数点にわたり要望を申し上げます。  大きな1番、施政方針の答弁の中で小川市長は、海や山などの豊かな自然環境やかみね動物園を始めとする本市の魅力ある施設、まちの成長過程で育まれてきた固有の文化や地域性などの地域資源をひたちらしさとして捉えているとの答弁でした。  日立市の地形の特徴としては南北に細長い地形で、海と山の間に国道6号、国道245号が、そして、家、人口が密集しております。県内広しと言えども、このような地形は日立市だけであります。  しかし、考え方によっては、このような地形もコンパクトなまちになっているとの発想も大事なのではないでしょうか。現在、国道6号は電線地中化が進められ、同時に、街路樹の伐採により、日立市役所前の国道6号から、かみね公園はすっきり見えております。こういうこともあいまって、今、かみね公園頂上から撮影した企業CMも大変好評であると聞いております。山の活用がされていることに市民として誇りを感じているものであります。  しかし、反面、日立市在住の若者は、海への思い、また山への思いは、さほど魅力として感じてはいないのでしょう。そのためには、日立市民が海や山の思い出づくりを行うことにより、自慢できる、更なる施策の展開が必要ではないかと思っております。  今後とも、海、山の魅力づくりのために、市民の意見に耳を傾け、事業の展開を図られますよう、よろしくお願い申し上げます。要望といたします。  次に、大きな2番、人口減少に対する取組については、人口減少において、知事は、28年度常住人口調査において、自然減が茨城県1万145人、1万人を超してしまった大変厳しい局面に来ているとの見解を示されました。  日立市に当てはめますと、平成28年度に初めて自然減が1,000人を超えてしまったわけであり、県と同様に厳しい局面に来ている認識を持ってほしいと思います。県内の自然減の10分の1、1割は日立市の出生数の減少と死亡者数の増加が起因するものであります。どうやって自然減を少しでも減らしていけるようにするかは、若い人たちが結婚、出産し、子育てを安心して行える切れ目のない支援を打ち続けることしかありません。強く要望いたします。
     茨城県北芸術祭については、今後、知事も次回の開催について継続開催へ意欲を見せており、芸術祭の成果を引き継ぐための事業費も計上しています。日立市においても同様であります。海の活用については、現在、サンドアートも市民のイベントとして定着しており、今回のフォローアップ事業の中でも、子供たちは海の思い出としてのサンドアートも自慢できる事業であると思っております。拡充に向けた支援も強く要望いたします。  また、今回、芸術祭成功の陰には、ボランティアとして市職員の奮闘や65日間の開催期間中、土日の警備や展示品の説明など関係職員が携わっていただいたことから、大変成功裏に終えたと思っております。心から敬意を表し、感謝を申し上げます。大変にありがとうございます。  最後に、全体を通して、答弁の中で、本市独自の活動、また、本市が住みたいまち、住み続けたいまち、ひたちらしさ、若者定住が至る所の答弁にありましたので、今年度は様々な施策において正念場の年として加速できることをお願いして、公明党を代表しての質問を終わります。ありがとうございました。 38 ◯議長(岡部光雄君) 以上で舘野議員の質問が終わりました。  これをもちまして、市政に関する会派代表質問を終結いたします。  以上で、本日の議事日程全部が終了いたしました。  次回の日程を申し上げます。次回は、明3月7日・火曜日・午前10時、本議場で本会議を開き、市政に関する一般質問を行います。  本日は、これをもって散会いたします。御苦労さまでした。                   午後 3時55分散会 Copyright © Hitachi City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...