日立市議会 2013-12-09
平成25年第4回定例会(第2日目) 本文 開催日: 2013-12-09
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前10時01分開議
◯議長(
飛田謙一君) 御報告いたします。
ただいま出席議員は28名であります。
これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。
これより議事に入ります。
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日程第1 議案第125号について
2 ◯議長(
飛田謙一君) 日程第1 議案第125号についてを議題といたします。
上程議案について提案者からの説明を求めます。
3 ◯市長(吉成 明君) ◇登壇◇ おはようございます。人事案件につきまして御説明申し上げます。
第4分冊を御覧いただきたいと思います。
議案第125号、
人権擁護委員候補者の推薦につき意見を求めることについてでございます。
人権擁護委員の現定数13人のうち、3人の方が平成25年12月31日をもちまして任期満了となります。そのうち、助川裕輔氏及び山田禮子氏を引き続き
人権擁護委員として推薦し、
下山田壽雄氏を新たに推薦したいので、議会の意見を求めるものでございます。3人とも
人権擁護委員として適任でございますので、御同意を賜りますようお願い申し上げます。
なお、3人の略歴につきましては、議案中に概要をお示ししてございますので、御参照いただきたいと存じます。
以上の人事案件につきまして御提案申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。
4 ◯議長(
飛田謙一君) 以上で提出議案の説明は終わりました。
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日程第2 市政に関する一般質問
5 ◯議長(
飛田謙一君) 日程第2 市政に関する一般質問を行います。
初めに、
薄井議員に発言を許します。
なお、質問は一問一答方式により行います。
6 ◯12番(
薄井五月君) ◇登壇◇ おはようございます。公明党の
薄井五月です。発言通告に従いまして、順次、質問をさせていただきます。
今回、私は一問一答方式で質問をさせていただきますが、何分にも初めてのことですので、不慣れですが、皆様の御理解、よろしくお願いいたします。
まず初めに、大きな1項目め、市民の健康を守るために。
(1)「
かかりつけ医」の
普及促進。
医師不足、医師の偏在などから、
地域医療体制の危機が叫ばれる中、特に
救急医療の分野においては、軽傷者や
初期医療対象者の
病院受診、いわゆる
コンビニ受診による病院勤務の過重労働が問題となり、また、本当に高度な治療を必要とする重篤患者の受診機会を奪ってしまっている現実があります。これらの問題に対応するため、地域の
初期医療の中核的な担い手となり患者を支える「
かかりつけ医」の
普及促進に取り組むとともに、
医療機関が相互に連携し、地域の
医療資源を効率的に活用することで、適切な
医療提供が受けられる体制確保が必要となってきております。
そこで、まず初めに、ア、「
かかりつけ医」の現状と課題について伺います。
高齢者は、様々な病気で複数の
医療機関を受診し、検査や投薬が重複する可能性があるので、それを防ぐ必要があります。また、入院療養から
在宅療養へ
高齢者医療の転換を促し、医療費を抑制する必要もあります。しかし、高齢者に限らず、
在宅療養を支援するためには、
かかりつけ医の
普及促進が不可欠です。医師会は、患者ごとに治療開始から終了までの全体的な治療計画、すなわち
地域連携クリティカルパス──
急性期病院から
回復期病院、そして自宅へと、良質で安全な診療計画のことでありますが、この共有促進に向けて取り組まれてきたようではありますが、まだまだ十分とは言えないのではないかと感じております。いつも近くに頼れるお医者さんがいて、
地域医療が守られているという安心を確保するため、
かかりつけ医の
普及促進に係る現状と課題をどのように認識されるか、御所見をお伺いいたします。
私からの1問目の質問について、御答弁よろしくお願いいたします。
7 ◯議長(
飛田謙一君)
薄井議員の質問に対し、執行部からの答弁を求めます。
8
◯保健福祉部長(
吉原昌志君) ◇登壇◇
薄井議員の御質問にお答えいたします。
かかりつけ医は、市民が身近な地域で日常的な医療を受け、あるいは健康の相談等ができる医師であります。また、病状に応じ適切な
医療機関を紹介し、患者が安心して医療を受けられるように、常に患者を支える立場でございます。高齢社会の進展に伴い、医療を必要とする人の増加が見込まれる中で、
かかりつけ医は
在宅医療の
中心的役割を担い、ますます重要性が増すものと思われます。
本市における
かかりつけ医の
普及促進に係る現状でございます。市民の
健康づくりの行動計画を示します第2次ひ
たち健康づくりプラン21を策定する際に、20歳代から60歳代の市民約5,000人を対象に、健康の実態と意識に関する
アンケート調査を実施いたしました。その中で、
かかりつけ医を持つ人の割合は69.3%、また、
かかりつけ歯科医を持つ人の割合は67.5%という結果でございました。参考までに、本市の
かかりつけ医を持つ人の割合につきましては、平成13年に実施いたしました同様の調査からは4.2%増加している状況でございます。このような調査結果を踏まえ、より多くの市民に、
かかりつけ医を持つことの意義や必要性などを御理解いただき、
かかりつけ医を持つ人を増やして定着させることが課題であると認識するところでございます。
以上でございます。
9 ◯12番(
薄井五月君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございました。
ただいまの御答弁において、
かかりつけ医は重要であり、今後の定着が課題であると認識されているということでございました。
そこで、質問を次に進めてまいります。イ、市民への
普及促進について。
ここで、大変恐縮ですが、
日立総合病院の例を挙げさせていただきます。
日立総合病院は
地域医療支援病院を目指しているようですが、承認されるには4つの要件があります。その1つに、紹介状を持参しての受診件数も要件に含まれており、受診件数の不足が承認されないということの要因のようです。市民の間から、初診料金のほかに特別料金2,100円を支払ったということをよくお聞きします。
日立総合病院の
ホームページには、「紹介状があれば特別料金は免除されます」というような内容が記載されていますが、市民の間には、この制度や
かかりつけ医制度が認知されていないように感じます。このような制度があることの
周知徹底は、病院側にも患者側にもメリットがあると言えます。
健康づくり推進課の
ホームページにおいて、こうした
特別料金制度についても触れながら、
かかりつけ医の
周知徹底を図るべきかと考えますが、
ホームページや市報などを活用した
普及促進についてどのようにお考えか、お聞かせください。
10
◯保健福祉部長(
吉原昌志君) ◇登壇◇ お答え申し上げます。
ひ
たち健康づくりプラン21において、
かかりつけ医及び
かかりつけ歯科医、
かかりつけ薬局の推奨を掲げて
普及促進に取り組んでいるところでございますが、市民に対しまして、
かかりつけ医を持つことの必要性を更に
周知徹底するために、市報の20日号には、毎回、「
かかりつけ医、歯科医、薬局を持ちましょう」と呼び掛ける記事を掲載しております。また、日立市医師会に加入する
医療機関が一覧できます、
かかりつけ医ガイドや
健康カレンダーを毎年各家庭に配布しておりますが、特に、日立市
地域医療協議会が発行し、12月5日号の市報とともにお配りする、
かかりつけ医ガイドにつきましては、市の医師会、
歯科医師会、薬剤師会の代表者を含みます
専門委員会と市の連携により、毎年改訂を行い、より分かりやすく、正しい情報をお伝えするように努めているところでございます。
これらの取組のほかにも、FMひたちの
ラジオ番組や
ケーブルテレビJWAYの行政放送を活用して、
かかりつけ医及び
かかりつけ歯科医について、先生方の御協力により、丁寧な解説で分かりやすい番組を放送しております。
また、議員御提案の市の
ホームページにおいては、
かかりつけ医を持つ必要性とあわせて、
日立総合病院の役割や、紹介状を持参しない初診のときに
特定療養費が加算されることなども御案内してまいりたいと考えております。
このように、あらゆる媒体を活用した広報に取り組んでいるところでございますが、広く市民が様々な場面で目にし、耳にする機会を多くして、意識付けに役立つよう積極的な広報に取り組み、更なる
普及促進に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
11 ◯12番(
薄井五月君) ◇登壇◇ ここで、1点、再質問をさせていただきます。市民が
かかりつけ医を持つことは、いざというときの救急対応が速やかになされるとともに、1次医療、2次医療、3次医療の適正な
医療連携につながっていくものと思います。これまでも
周知徹底については取組をしてこられたということですが、先ほどの御答弁にありました、日立市行政放送の「生命をつなぐ命の
パートナー ~かかりつけ医と
救命救急~」については、私も見させていただきました。診療所や
総合病院の役目、消防の役目などが分かりやすく編集されておりました。しかしながら、
JWAY加入率は、現在29.09%ということでありますし、加入していても、加入世帯が全部見ることができたかといいますと、疑問が残ります。そこで、この内容をDVDに記録して、再放送や貸出しなどを実施し、広く活用していかれるべきと感じます。いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
12
◯保健福祉部長(
吉原昌志君) ◇登壇◇ お答え申し上げます。
今回の
かかりつけ医と救命救急をテーマとしました行政番組につきましては、日立市医師会長やほかの先生方の御理解と御協力により、放送内容も市民の方が分かりやすく、また、意識付けになるような易しい解説で構成されております。この番組は、9月に1日2回、1週間放送いたしました。10月にも同じように再放送を行いまして、さらに、来年1月4日からは1日3回といたしまして、1週間の再放送を予定しております。また、この番組をDVDに記録して、各
交流センターや医師会などに配布し、様々な機会での活用をお願いしているところでございますが、今後は、各
医療機関の待合室等で御覧いただけるようにすることなど、市民に広く御活用いただけるような方策を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
13 ◯12番(
薄井五月君) ◇登壇◇ 大変すばらしい内容ですので、是非今後とも様々な場所で活用されることを期待いたします。
それでは、次の質問に移ります。ウ、
地域医療連携システムについて。
かかりつけ医から専門医、
総合病院の適切な
医療連携としていくには、もう一歩踏み込んだ制度を構築する必要があるのではないでしょうか。公明党は、静岡市の「
イージーイーツーネット」の視察をしてまいりました。疾患別に病診連携をし、
診療所医師と
総合病院医師の2人が主治医となり患者を診る「イー(医)ツー(2)ネット」としております。連携する診療所は、あらかじめ
総合病院に登録をして、患者のデータをやり取りして情報が共有されます。さらに、いざというときの安心のために、「
連携安心カード」──「
オレンジ救急カード」ともいいますが──を発行しています。カードには、診療所名と
総合病院名が書き込まれ、患者氏名、住所とあわせて、患者のIDが記入されています。急を要する容体になった場合、このカードがあることで救急車からの連携もスムーズにいきます。今後は、こうした
医療連携を介護の
訪問看護支援事業の管理の事業にまで発展させるということでした。カードを持つことの意味は、もう1点、市民一人一人が
かかりつけ医をはっきりと認識することにもつながるのではないかと考えるところです。
このような
システムづくりは、もちろん医師会が中心になって進めていくことだと思いますが、医師会との連携の中で、本市の関わりは大変重要なことではないかと思います。市民の命を守る適切な
医療体制を構築するため、本市においても
地域医療連携の
システムづくりを進めていかれるべきと考えるものです。執行部の御見解をお伺いいたします。
14
◯保健福祉部長(
吉原昌志君) ◇登壇◇ お答え申し上げます。
限られた
医療資源を効率的に活用するためにも、地域における
かかりつけ医と専門医との連携はなくてはならず、そのような
システムづくりは大事な取組であると認識するところでございます。議員御案内の静岡市が取り組みます
イージーイーツーネットは、患者1人に対し、
かかりつけ医と専門医の医師2人が連携することとし、市立病院の専門医が診察し、
かかりつけ医に逆紹介する際に紹介状を
電子メールやファクスで送信でき、さらに、
連携安心カードを患者にお渡しして、
かかりつけ医との連携を円滑にする
システムと理解をしているところでございます。静岡市の担当者に話を伺いましたところ、この
連携システムは、平成8年に国の
かかりつけ医推進モデル事業として全国に先駆けて取り組んだということですが、現在、この
システムに加入する
医療機関は全体の3割程度で、なかなか加入する
医療機関が伸びていない状況だということでございました。
本市医師会においては、平成13年度に県の委託事業として、いち早く、
かかりつけ医ガイドマップを作成して全戸配布し、現在まで継続して取り組んでいただいており、今なお日立市
地域医療協議会の
地域医療適正化委員会において、
かかりつけ医を更に普及・定着させることとあわせて、
地域医療連携についての議論を重ねていただいております。
このような背景からも、本市の
医療体制における
医療連携は、医師会の取組を通じて適正に保たれているものと認識しておりますが、市民が
かかりつけ医を持つきっかけとなり、より定着する有効な
システムづくりについては、市といたしましても医師会と連携を図り、
地域医療協議会で議論できるような働き掛けを行いながら、調査・研究をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
15 ◯12番(
薄井五月君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございました。
かかりつけ医の
普及促進について、全体的に要望を申し上げたいと思います。今後、超
高齢化社会となり、また、
在宅看護等が進むことも予測されますので、
かかりつけ医の
普及促進、そして定着に向けての取組は、ますます重要になっていくものと感じます。医師会との連携の下、
かかりつけ医と専門医、
総合病院との本市独自の
地域医療連携システムを構築されるなど、市民の命を守る体制を築かれますよう要望いたします。
それでは、次の質問に移ります。(2)小児の
医療福祉費支給制度(マル福)の拡充について。
日立市の
少子化対策は、これまでの様々な
少子化対策が功を奏して、出生率は、ここ数年、僅かではありますが伸びてきています。その
子供たちの健康を祈り、社会全体で子育てを支援していくことが重要です。日立市では、
少子化対策及び福祉の充実を図るため、小児の
医療福祉費支給制度を小学3年生まで実施しています。
先般、古河市において、12月議会に、二十歳まで医療費の助成をしていく案が提出されるとの新聞報道がされました。二十歳までの医療費の助成についての善し悪しについては様々な意見が出るものと思われますが、未来を担う後継者の命を守る対策と人口増に対する執念が感じられます。
翻って日立市は、
所得制限を付けずに小学3年生までの助成を実施しております。
子育て世帯の家庭では、1人の子供が風邪を引くと、次から次へと風邪の連鎖となっていきます。季節になれば家族中に飛び火して、「治療費がかさんで大変です」といった声もあり、医療費の助成は、せめて小学6年生、できれば義務教育を終える中学3年生まで支給してほしいという多くの要望をお聞きしております。
未来を担う
子供たちが健やかに育つ環境をつくるという意味から、親の医療費の負担軽減として、助成拡充は
少子化対策にもつながります。今後の小児の
医療福祉費支給制度の
対象年齢を義務教育が終わるまでの中学3年生まで引き上げていくべきではないかと思いますが、執行部のお考えをお伺いいたします。
16
◯保健福祉部長(
吉原昌志君) ◇登壇◇ お答え申し上げます。
小児に対する
医療費助成は、子供の健康の保持増進のために全国的に実施されております。平成24年度に
厚生労働省が発表しました調査によりますと、
都道府県レベルでは、助成対象を
小学校就学前までとしているのが約6割を占めております。茨城県では、小学校3年生まで
所得制限を設けて助成を実施しております。県内の市町村では、県の助成内容を独自に拡充して実施しておりますが、平成24年度から平成25年度にかけまして、
対象年齢を小学校6年生まで又は中学校3年生までとする拡大が相次いだところでございます。その拡充の内容としては、年齢の拡大はいたすものの、
所得制限を設けている自治体や、通院に比べて費用のかさむ入院した場合のみを対象とする自治体など、それぞれの市町村がそれぞれ独自の取組を実施しているところでございます。
日立市においては、議員御案内のとおり、県の小学校3年生までの助成制度に上乗せをする形で独自に
所得制限を撤廃し、対象となる
子供たちが等しく医療を受けられるような体制といたしているところでございます。一方、市では、現在、
地域医療体制の確保を喫緊の重点事業として取り組んでおり、
母子医療や
救急医療体制の整備充実のため、医師確保のための寄附講座の開設や各種の
医療機関に対する助成等の支援を行っておりますことは御承知のとおりでございます。
ともあれ、子供が医療を受けやすい環境をつくり、小児の健康を守る制度を充実させることは、
子育て支援、定住促進のために有効な施策と考えておりますので、今後、種々の
シミュレーションを行いながら、
支給対象年齢を拡大する方向で検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
17 ◯12番(
薄井五月君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございました。
小児医療費の拡充については、これまでも、公明党から予算要望の提出や、他の議員からの質問などもあり議論されてきましたが、やっと前向きなお答えをいただくことができました。大変ありがとうございます。今、若い
子育て世代からは、「
子育て支援が充実している他市への移転を考えている」というような声を聞く機会が多くなっております。
マル福制度の
年齢引上げについては、御答弁で、様々な
シミュレーションをされ、検討していくということでございました。あえて、ここでその内容についてはお聞きしませんが、こうした作業をスピーディーにされ、できるだけ早く実施されるよう期待をいたします。
それでは、次の質問をさせていただきます。(3)「
健康マイレージ」の導入について。
「
健康マイレージ」とは、例えば、日頃の
健康づくりや
生活習慣改善の実践や健康教室への参加、
健康診査の受診など、
健康づくりへの取組をポイント化し、ポイントがたまると
健康グッズなどの記念品を贈呈するなどして、成人者に対する
健康づくりへの積極的な参加を誘導する仕組みのことを言います。近年、このような
健康マイレージ制度を導入する自治体が増えてきております。例えば、静岡県袋井市では、平成18年度から現在も取組を継続して実施されているようです。この袋井市では、運動の取組と食事の取組の実践状況によりポイントが付与され、市内の商店などで利用できる
サービス券などと交換したりすることができ、あるいは、幼稚園や学校などの教育機材の購入などに寄附することもできる制度として実施されています。
茨城県内では、つくば市や神栖市で行っております。つくば市においては、平成22年から取組をされ、
健康診査やがん検診を受診したり、健康に関する事業やイベントに参加したり、個人の
健康目標を立てて取り組んだりすることで、あらかじめ設定されている5つの
健康目標のうち、3つ以上をクリアした人全員に達成記念を贈呈するなどの制度として実施されています。そのほか、その自治体の実態に即した内容で取組をされているようです。
特定健康診査やがん検診の受診の促進に向けて、また、市民の
健康づくりへの参加を動機付ける制度として、本市においても
健康マイレージの導入を取り入れてはどうでしょうか。御見解をお伺いいたします。
18
◯保健福祉部長(
吉原昌志君) ◇登壇◇ お答えを申し上げます。
市民の
健康づくりは、第2次ひ
たち健康づくりプラン21にも示しておりますように、何よりも市民一人一人が主体的に取り組むことが必要であり、そのためにも健康意識を高めるための動機付けが重要であると認識しております。それらのことから、当市においても、
健康診査への受診勧奨や各種健康教室への参加促進の広報活動など、地域コミュニティと連携しながら動機付けに努めてきたところでございます。
健康マイレージにつきましては、議員御案内のとおり、住民の
健康づくりを促進する新たな仕組みであり、市民一人一人が健康的な生活習慣を身に付けるための動機付けになるものと考えております。しかしながら、県内2市の先進事例の状況を伺いましたが、参加者が少しずつ増加するなど、健康意識の高まりも見られる一方で、お渡しする記念品に必要な財源の確保や、
健康マイレージの実施に伴う健診受診率の上昇への反映など、効果の把握が難しいなどの課題もあるようでございます。来年度には、健診機関でございます日立メディカルセンターが日立駅前に移転してまいります。
特定健康診査や各種がん検診を受けやすい環境の充実とあわせ、これを機会に、近隣商業施設との連携による駅前の活性化も期待されているところでございますので、当市の実情に合った
健康づくりを後押しする施策の実施に向けて、関係機関と連携を図りながら、その在り方について調査・研究を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
19 ◯12番(
薄井五月君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございました。
ここで、要望を述べさせていただきます。ただいまの御答弁は、市民の健康増進のために
特定健康診査やがん検診等、今後、この受診件数の増加や市民の健康増進への意識付けとして、
健康マイレージの取組に向けてよりよい手法を検討されるものと受け止めました。商店会などの協力を得るなど、日立市としてよりよい手法を検討され、是非取組に向けて努力をしていただきますよう要望いたします。
次の質問に移ります。大きな2項目、茨城国体に向けての取組について質問をさせていただきます。
昭和49年、第29回大会が、テーマを「水と緑のまごころ国体」と名付けて、茨城国体が開催されました。サッカー、バスケットボール、軟式野球、柔道の4競技が日立市で開催されたと記録にあります。平成31年に第74回茨城国体が再び開催されます。国体開催は、全国各地から多くの方々が茨城県又は日立市を訪れ、交流が図られます。スポーツ交流だけでなく、観光交流にもなり、日立市を全国にアピールする絶好のチャンスだと考えられます。そして、本市のスポーツ振興にも大いに寄与するものと私は期待をしております。現段階ではまだまだ検討段階とは思いますが、早目に構想を立てて準備に取り組むことが重要ではないかと考え、今回質問をさせていただきます。
(1)競技力向上の取組について。
日立市で開催される競技種目については、技能強化に向けて今から環境を整備していくことが必要ではないかと考えますが、まず、現段階での日立市開催予定の競技種目についてお尋ねいたします。また、この国体を、小学生や中学生に夢や希望を与えられる機会とし、競技において主力選手となるような児童、生徒が出てきてほしいと願っていますが、競技力の向上について、これまでにどのような取組をされてきたのか、また、今後どのような対策をお考えでしょうか、お聞かせください。
20 ◯教育部長(作間 忍君) ◇登壇◇ お答えいたします。
平成31年の茨城国体において、日立市で開催予定の競技種目は、卓球、バスケットボール、軟式野球の3競技でございます。これらの種目については、本市では、平成23年度から年に1回から2回程度、地元企業の御協力を得て、中学生を対象とした講習会を実施しております。この講習会は、「トップアスリートのプレーを間近で見て直接指導を受けることで、競技への意欲や技術のレベルアップにつながっている」と、顧問の先生からも感想をいただいております。市内の
子供たちの中から国体に出場する選手が出ることを期待しておりますので、今後とも企業や競技団体等と協議を重ね、さらに、小中学生を対象とする種目の拡大等を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
21 ◯12番(
薄井五月君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございました。
要望を申し上げます。各団体に御協力いただいて、小中学生へ強化の取組を進めてこられ、その種目が本市開催の競技種目になったということは、大変幸運だったと感じます。また、各団体関係者に感謝を申し上げたいと思います。今後、国体に向けて更なる競技力の向上を進めていかれることをお願いいたします。
次に移ります。(2)市民意識の醸成について。
国体の目的として、「広く国民の間にスポーツを普及し、スポーツ精神を高揚して国民の健康増進と体力向上を図り、併せて地方スポーツの振興と地方文化の発展に寄与するとともに、国民生活を明るく豊かにすること」とあります。市民の健康増進、スポーツの振興ということからも、国体を市民のスポーツによる健康増進の機会と捉えることにもつながっていくものと思います。本市において開催される種目において結果を出していくための取組は、日立市のアピールにもつながりますし、市民の期待も膨らみ、市民と一体となった国体の開催となっていくものと思います。今後の企画の中で、市民が関わる日立市の特色を持たせた企画も、大切な国体に向けての市民意識の醸成につながるのではないかと思いますが、本市の特色あるスポーツのイベントを企画してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。執行部の御所見をお伺いいたします。
22 ◯教育部長(作間 忍君) ◇登壇◇ お答えいたします。
現在、茨城県では、正式競技のほかに、一般の皆様が参加できるデモンストレーションスポーツの開催を各市町村に呼び掛けております。この事業は、各市町村が地域の特色を生かしたスポーツ・レクリエーションイベントを実施し、参加者に対して国体参加記念賞を与え、本大会を盛り上げるものでございます。本市としましても、市民意識の醸成につながるものと考えておりますので、開催に向け、今後、関係団体や体育協会等と実施種目や実施方法等について協議してまいりたいと考えております。また、現在、本市で実施しているスポーツやレクリエーションのイベントを国体開催の記念事業と位置付けることも市民意識の醸成に有効であると考えられますので、併せて協議してまいりたいと考えております。
以上でございます。
23 ◯12番(
薄井五月君) ◇登壇◇ 是非とも、市民や日立市に来られた方々に夢と希望を与えられるスポーツの祭典となるような取組に、全力を挙げていただきますよう要望いたします。
(3)「お・も・て・な・し」について。
次に、オリンピックの招致アピールにおいても話題になり、今年の流行語大賞に選定されました「お・も・て・な・し」は、大変大事な視点ではないでしょうか。そこで、国体開催に向けて、本市のおもてなしについて2点伺います。
茨城国体では、多くの方々が日立市を訪れるため、日立市を宣伝できる絶好の機会だと考えています。日立市の産業振興及び地域文化の発信などの広報戦略はいかがお考えでしょうか。また、日立市の物産をアピールする催しをするとか、本市独自の施策がありましたらお聞かせください。
また、全国から来られる競技の参加者や観戦のお客様を迎えるためには、宿泊先の確保や人的確保も重要なことです。行財政改革で職員の削減を進めてきた中で、今ここで職員を増やすことは難しさも感じますが、今後、人的確保については、OB職員やボランティアの協力などを得なければならないのではないかと思います。日立市の良さを十分味わっていただける国体の開催としていただきたいと思いますが、宿泊先や人的確保について執行部の御高察をお聞かせください。
24 ◯教育部長(作間 忍君) ◇登壇◇ 2点についてお答えいたします。
1点目の市のPRや物産をアピールする施策についてでございます。国体を、日立市の魅力を全国に発信する絶好の機会と捉え、観光パンフレットの配布や物産の販売のほか、フェイスブックや
ホームページを活用した市のPR方策を、庁内関係課、観光物産団体等と協議してまいりたいと考えております。
2点目の宿泊先や人的確保についてでございます。国体は、全国から選手、役員及び一般観客が一堂に集う大きなイベントであります。宿泊につきましては、大会期間中の選手、役員が最大で1日800名程度の予定であり、一般観客を合わせますと大変多くの方がお見えになると予想されますが、現状の市内の宿泊施設で十分に賄えるものと考えております。また、大会運営や練習会場の確保、選手等の輸送など、様々な業務が予想され、携わる人員も数多く必要と考えます。人員につきましては、競技団体やコミュニティ等に御協力をお願いするほか、市民ボランティアを募るなど、市民の皆様の御参加をいただきながら、スムーズに運営できるよう、準備を進めてまいりたいと考えております。選手、観客の皆様に気持ちよく滞在していただき、「来てよかった」「また来たい」と思っていただけるようなおもてなしができるよう、準備を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
25 ◯12番(
薄井五月君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございます。
ここで、再質問をさせていただきます。今の御答弁によりますと宿泊先の確保は十分ということでしたので少々安心をしておりますが、宿泊施設のおもてなしは、今後の日立市の良さを感じていただく上では大変大事になってくるものと考えます。おもてなしの善し悪しは今後の日立市の観光などに大きく影響していきます。
そこで伺います。宿泊施設への対応について、施設へのマニュアルをつくるなどして、おもてなしの徹底をしていかれるのでしょうか。どのように進めていかれるのか、お考えをお伺いいたします。
26 ◯教育部長(作間 忍君) ◇登壇◇ お答えいたします。
議員の御質問にありましたように、宿泊される方々にとって宿泊施設のおもてなしは大変印象に残るものと思います。日立市のイメージが全国に広がることを十分に踏まえ、宿泊施設の対応マニュアルづくりなど、市を挙げたおもてなしの向上を検討する中で、旅館組合や関係団体と協議してまいりたいと考えております。
以上でございます。
27 ◯12番(
薄井五月君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございました。
国体はまだまだ先のことのようではありますが、丁寧な準備が万全な開催体制につながってまいりますので、しっかり構想を練って取り組んでいただきますようお願いいたします。また、宿泊先や商店関係、タクシーなどを始めとした様々な分野の接待・接客、さらには、日立市民を挙げて、皆様を真心からのおもてなしでお迎えできるような体制を整えてくださることを要望させていただきます。
次の質問に移ります。大きな3項目、ふるさと納税寄付金について。
日立市の
ホームページからふるさと納税寄附金について見てみますと、「自分が生まれ育った『ふるさと』などに対し、貢献又は応援をしたいという方々の思いを実現する観点から、地方公共団体に寄附を行った場合に、一定の限度まで個人住民税と所得税から税金を控除する制度が『ふるさと納税制度』」とあり、その使い道も記載してあります。「市民福祉の充実」「市民生活環境の向上」「教育文化の振興」「中核都市の基盤整備」「産業の振興」「その他市政全般」の6通りの使い道を選ぶことができるようになっております。そして、1つ特典があります。ふるさと納税制度による税制上の優遇措置が適用されます。つまり、確定申告をしますと、寄附をされた年分の個人住民税の税額控除が受けられます。この日立市ふるさと応援寄附金、ふるさと納税寄附金の受入れは、平成20年1月1日に開始されました。
そこで伺います。(1)ふるさと納税寄付金の現状と今後について、次の2点をお伺いします。
1点目、過去3箇年程度の寄附金の受付件数と金額、併せて市外からの寄附の状況をお聞かせください。2点目、これまで寄附をいただいた方にはどのような対応をしているのか、お尋ねいたします。
28 ◯財政部長(根本和良君) ◇登壇◇ お答えいたします。
1点目の過去3年間の寄附金の受付件数と金額についてでございます。平成22年度につきましては、受付件数8件で133万円の御寄附がございました。そのうちの5件が市外の方からで、金額は27万円でございます。平成23年度につきましては、受付件数34件、金額が343万円で、そのうち市外の方から31件、金額は312万円でございます。平成24年度につきましては、受付件数16件、金額が243万円で、そのうち市外の方から14件、金額は233万円でございます。その3年間の合計につきましては、受付件数58件で720万円ほどの御寄附でございました。
次に、2点目の御寄附を賜った方への対応でございますが、お礼状をお送りしますとともに、御本人の御了解が得られましたら、市報にて、善意の御芳志を賜った方としましてお名前を掲載いたしまして、感謝の意をお伝えさせていただいております。
以上でございます。
29 ◯12番(
薄井五月君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございました。
現状につきましては理解しましたので、質問を次に進めたいと思います。
(2)特典による日立市のPRについて。
このふるさと納税について、今、話題に上っていることがあります。「ふるさとチョイス」という
ホームページがあり、ふるさと納税、ふるさと応援寄附をすると、その地の特産品が手に入る、その地の観光を楽しめるなど、いろいろな自治体の紹介がされています。見ているだけでも楽しくなり、ふるさと納税寄附をしたくなるようなサイトです。ちなみに、日立市を見てみると、特典の欄は「なし」とあります。日立市の特産品や観光施設の割引券などを用意してお礼として送ることで、全国的に日立市をPRする効果が出てくるのではないかと考えます。このような特典による日立市のPRについてどのように受け止め、どのようにお考えでしょうか、お答えください。
30 ◯財政部長(根本和良君) ◇登壇◇ お答えいたします。
御質問の中にございました
ホームページにつきましては、以前にテレビの情報番組で全国の自治体のふるさと納税寄附者に対しての特典等をまとめました情報サイトとして御紹介されておりましたので、承知をしております。議員が御質問の冒頭で述べられておりましたように、ふるさと納税寄附金につきましては、自分の生まれ育ったふるさとなどに対しまして、貢献又は応援したいという思いから寄附をなさるものと考えておりますので、高額な商品を特典として送ることについての疑問はございます。しかしながら、テレビでも紹介されました
ホームページでございますので、このようなサイトを通じて情報が発信されましたら、PRする上では一定の効果はあるものと考えております。
以上でございます。
31 ◯12番(
薄井五月君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございました。
ただいまの御答弁は、取組について一定の効果はあると認めていただけたと受け止めました。是非関係部署が連携され、取組を進めていかれるよう要望いたします。
それでは、次に移ります。(3)ふるさと納税寄付金の促進について。
鳥取県米子市の例を挙げますと、1万円以上の寄附者にはハムの詰め合わせなど、64種類の商品を準備するなど工夫をしています。2008年度の制度が始まった当初は134件、1,067万円の寄附金でしたが、昨年度は7,201件、8,900万円にまで、件数、金額が増えた例もあります。一方、寄附者の思いを形にすることはそぐわないとしている自治体もある中で、取組は全国で5割ほどのようです。
私は、本市においても、件数、金額の増を目指すべきではないかと考えます。寄附金の件数、金額の増を目指すことについては、執行部としてどのように受け止められますか。また、どのように対応されるお考えか、執行部のお考えをお尋ねいたします。
32 ◯財政部長(根本和良君) ◇登壇◇ お答えいたします。
先頃公表されました総務省のふるさと寄附金に関する調査がございますが、その結果によりますと、米子市の例以外にも、ふるさと納税寄附者に対しまして地元の特産品や施設利用券などを送るなどの取組を行っておりまして、また、県内44市町村のうち、ほぼ半数の21団体におきましても、このような取組を行って、御寄附を賜った方に形として感謝の気持ちをお伝えしている状況は承知をしているところでございます。
当市といたしましては、ふるさと寄附金の地域への貢献、応援という趣旨に基づきまして、寄附金が増えることが非常に歓迎すべきものであると認識をしております。いずれにいたしましても、各団体で行っている取組につきましては今後の課題として捉えまして、県内外の動向や議員の御質問の趣旨を踏まえまして、関係部署と連携して検討を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
33 ◯12番(
薄井五月君) ◇登壇◇ 御答弁大変にありがとうございました。
最近は、寄附に対する思いのある方が増えているという調査結果も出ております。また、全国的にも各自治体がふるさと納税寄附金の増加に向けて工夫をしている中、本市においても、寄附を寄せてくださる方には感謝の思いはしっかりと伝えながら、今後の寄附金の増加に向けて、各部署が連携して積極的に、そして早目に取り組まれるよう要望いたします。
以上で私からの質問を終わります。ありがとうございました。
34 ◯議長(
飛田謙一君) 以上で
薄井議員の質問が終わりました。
次に、三代議員に発言を許します。
なお、質問は分割質問分割答弁方式により行います。
35 ◯4番(三代勝也君) ◇登壇◇ 公明党の三代勝也です。発言通告に従って質問いたしますので、御答弁よろしくお願いいたします。
大きい項目の1、こころの健康の予防策について質問いたします。
(1)こころの健康の普及啓発等について。
私たちは、日々の暮らしの中で、仕事、対人関係や金銭関係、健康問題等々、大なり小なりのストレスを感じながら生活しています。「全く悩みなどを持っていない」と言われる方は、そう多くはおられないでしょう。自分自身のことや身近な人に対する心配事があるときには、それを原因とする心の病気になりがちです。ストレスによる体の変化は、頭痛、吹き出物、体のかゆみといった一般的な体の不調と同じ症状が出て、例えば、「不摂生をしているからだ」などと自己判断してしまいがちです。また、自分では気が付かず、周りの方によって気付かされる場合もあるかもしれません。
心の病気の場合は、まず相談することが一番の適切な対処法であることは皆さんが認識されていると思います。相談先として、悩んでいることに気付き、声を掛け、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る人であるゲートキーパーや各種の相談窓口などが対応することになります。しかし、今の自分の状態に気付かず、誰にも相談せずに、「心の問題が解決できない」と胸の奥に抱え込み、悲観に暮れた結果、自ら命を絶つケースにもなっていってしまうのではないでしょうか。
茨城県警察本部のデータによりますと、残念ながら、県内の自殺者は、平成24年は627人となっています。これは交通事故死亡者の4倍を超えるという状況であります。日立市における自殺者は、平成24年の1年間では37人と発表されておりますが、このような数字は当然ゼロであることが望ましいのであります。自殺の原因の多くはうつ病によるものと言われております。そのために、心の健康を取り戻すための早期対応がよい方向に向かう何よりの第一歩であります。心の悩み、健康や妊娠・出産・育児等の悩みを気軽に相談できる体制、心の解放ができる体制を充実させることが大切であると考えます。
そこで、お尋ねいたします。本市の心の健康に対する知識の普及啓発活動の状況、相談体制をお聞かせください。
(2)「こころの体温計」の導入について。
さて、ストレスの度合いといっても、自分自身での判断はなかなかできないものです。客観的に見てもらうのがよいことではありますが、家族や親しい人にも話すことができないから悩んでいるのです。そこで、今、心の健康の自己判断ツールとして、「こころの体温計」というメンタルヘルスチェックが広まってきています。これは、インターネットやスマートフォンのアプリケーションとして、全国129以上の自治体、団体が導入をしているものです。現在の悩みや人間関係、職場や家族の環境などについて答えると、金魚や猫のイラストによって結果が表示されます。ストレスや落ち込みの度合いが大きければ、金魚がけがをしている、黒い金魚が現れる、金魚鉢にひびが入る、金魚鉢の水が濁る、その中の石の数が増える、また、猫が上から金魚を狙うというように表現され、今の状態が分かるというものであります。このような本人モードや家族モード、赤ちゃんママモード、アルコールチェックモード、ストレス対処タイプテストのほか、導入している団体によって幾つかの項目が設定されており、それぞれのモードによる診断結果が表示されます。さらに、保健所や児童相談所、市民相談室など、どこの窓口に行けば相談できるか、相談先が表示されております。
本市としても、市民の心の健康を守るために、このような簡単で気軽に心の健康チェックができる
システムを是非とも導入していただき、心の健康の予防に活用されますよう御提案申し上げます。執行部のお考えをお伺いいたします。
以上が大きい1番の項目についての質問であります。御答弁よろしくお願いいたします。
36 ◯議長(
飛田謙一君) 三代議員の質問に対し、執行部からの答弁を求めます。
37
◯保健福祉部長(
吉原昌志君) ◇登壇◇ 三代議員の御質問にお答え申し上げます。
質問の大きな1項目め、こころの健康の予防策についての御質問に順次お答え申し上げます。
初めに、(1)こころの健康の普及啓発等についてでございます。
日立市では、平成22年度から国の補助金を受け自殺対策を行っており、自殺の原因の多くを占めるうつ病に着目し、自殺対策としてうつ病対策を行ってきた経緯がございます。平成22年度には、全戸を対象にパンフレットを配布したほか、街頭キャンペーンを実施いたしました。また、気軽に相談できる窓口となるゲートキーパー養成の1つとして、国が作成しましたDVDを複写し、民生委員、児童委員を始め、市内各学校や各コミュニティ等に配布いたしました。あわせまして、平成22年度から、うつ病に関する知識を深め、市民各々がうつ病で悩む人を見守る立場になり得ることを学んでもらうため、市内のコミュニティごとに専門家による講演会を開催しており、今年度で市内のコミュニティ23箇所での講演会が終了する予定でございます。また、心の健康に関する相談体制につきましては、相談窓口といたしまして、障害福祉課を始め、
健康づくり推進課、保健所等がその役割を担っております。
なお、
健康づくり推進課におきましては、出産後のデリケートな時期に起こりやすく、放置すると危険な産後うつ病等の予防や発症に適切に対応するため、妊娠・出産・育児等の悩みを気軽に相談できる体制といたしまして、各種母子保健事業、学区配置の保健師による相談訪問、病院からの連絡によります個別相談、関係機関との同行訪問などを行っております。特に、出産・育児期においては、こんにちは赤ちゃん訪問事業として、助産師及び保健師が生後4箇月までの赤ちゃんの御家庭を全戸訪問いたしており、その実績でございますが、平成24年度においては、市内で出産された1,278人の対象者を100%把握しており、そのうち育児不安が見られたケースは71人でございました。
電話相談支援体制といたしまして、いばらきこころのホットラインのほか、日立市独自に、ひたち健康ダイヤル24で専門家による匿名での相談対応を実施しているところでありまして、平成24年度の相談件数は総数1万3,544件のうち、5.6%の764件がストレスやメンタルヘルスに関する相談件数となっております。妊産婦を対象とした電話による相談窓口は、茨城県看護協会のすこやか妊娠ホットラインや日本助産師会茨城支部の助産師なんでも電話相談があり、周知や活用を図っております。
以上のように、関係各所で様々な形での相談支援を行っているところですが、今後も引き続き各関係機関が連携し、よりよい支援体制を構築していくことが必要であると考えております。
次に、(2)「こころの体温計」の導入についてでございます。
うつ病対策としては、本人が自覚し、早期に専門家の指導や治療を受けることが効果的であると考えております。その入口として、本人が自覚するためのツールとして、議員が御紹介されたインターネットを活用した診断
システムは一定の効果があるものと考えております。御紹介のこころの体温計を
ホームページ上に掲載している市町村は県内で14箇所ございます。また、無料で利用できる関連のサイトが数多く存在しております。そうしたことから、日立市が
ホームページ上にそのような診断ソフトを導入することについては、その必要性を十分に検討してまいる必要があると考えております。その一方で、インターネットを活用できない市民に対し、気軽に診断ができる仕組みづくりも必要と考えておりますので、その方法等についても調査・検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
38 ◯4番(三代勝也君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございます。
(1)こころの健康の普及啓発等について再質問させていただきます。先ほどの御答弁で、心の健康について、うつ病に対するキャンペーンの実施や市内コミュニティでの講演会、また訪問相談、そして日立市独自の電話相談など、数々の施策を実施されていることが分かりました。その施策の中で、私は、身近な人が相談相手となることで少しでも悩みを解決できるように、ゲートキーパーの存在を増やすことが重要ではないかと考えます。このゲートキーパーの育成につきましては、DVDを複写し、市内各学校やコミュニティ等に配布されたという御答弁がありましたが、気軽に相談できる相手がもっと増えるように、積極的に育成を図るべきと考えますが、執行部のお考えをお聞かせください。
39
◯保健福祉部長(
吉原昌志君) ◇登壇◇ お答え申し上げます。
悩みをお持ちの方は、その悩みが深刻なほど、他人に相談しにくいものでございます。一方で、心のどこかで、「誰かに聞いてもらいたい」とも考えていらっしゃると思います。議員御指摘のとおり、身近に相談できる人がいることは大切なことと認識しております。さきに答弁させていただきましたが、国作成のDVD配布にあわせ、民生委員、児童委員、356人を対象にゲートキーパー養成研修会を実施しております。また、コミュニティでの講演会においても、地域住民が多数参加された中で、ゲートキーパーの役割等について話をさせていただいているところでございます。今後も、悩みをお持ちの方はもとより、その身近にいてゲートキーパーとなり得る方を対象とした意識啓発に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
40 ◯4番(三代勝也君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございます。
(1)のこころの健康の普及啓発等について要望いたします。心の健康の予防策には、これでよいという境界線はないものと考えます。ほかの人には分からない悩みの解消には、やはり日頃からの啓発が大切であります。執行部におかれましては、今後とも気軽に相談できる窓口やゲートキーパー等によるサポート体制づくりに御尽力くださるよう要望いたします。
また、(2)「こころの体温計」の導入については、気軽に使える便利なツールであると思います。是非とも早期に導入されますよう要望をいたします。
次に、大きな項目の2番、高齢者の見守り体制の充実について質問いたします。
(1)ネットワークの充実について。
マスコミをにぎわす孤立死とは、社会的に孤立してしまった結果、住居内で死亡した後、しばらく周囲の社会に気付かれずに放置されている状態です。最近のニュースでは、家庭内で見守る側の娘さんが先に亡くなり、母親が病院で保護されるといったケースもありました。私が見たテレビニュースでは、御近所にお住まいの方がインタビューをされていて、「母親は病弱であることは分かっていたが、介護をしていた娘さんの存在を認識していなかった」と話されていました。電気、ガス、水道のライフラインも完全に止まった状態であったようで、町内会にも属さず、向こう三軒両隣といった近所付き合いのない現代社会の結末と決め付けるわけにもいきませんが、見守りのネットワークが構築され、十分に機能していれば助かったのではないかという思いは少なからずあると考えます。
日立市では、高齢化率が26%を超える超高齢社会と呼ばれる状況となり、孤立死が現実として見えてきている中、見守りネットワークの構築を推進されております。昨年9月には、いばらきコープ生活協同組合及び生活協同組合パル
システム茨城の事業者との間で要援護者見守り活動等への協力に関する協定を締結しました。日常の業務に支障のない範囲で、要援護者の世帯等で何らかの異常を発見した際、気付いた異変を日立市に伝える内容です。しかし、見守りについては、それに携わる人、事業者が多いほうがその効果が出てくるものと考えます。神奈川県大和市では、ガス会社や郵便局などの事業者と協定を結んでいます。また、福島県喜多方市では、市内の新聞配達店と協定を結んでいます。こうした、一般的に生活の異変を察知しやすい事業者にネットワークに参加していただくことで、見守りの充実が図れるものと思われます。
そこでお伺いします。日立市において、協定を結んでいる2事業者のほかに、特に生活に関わりが深いライフライン事業者との協定はどのようにお考えなのでしょうか。また、新聞配達店、日本郵便などの事業者との協定を結ぶお考えはあるのでしょうか。執行部のお考えをお伺いいたします。
(2)センサーを利用した見守りについて。
一方、人と人との関わり合いだけでなく、機器を使った見守りの手段として、群馬県高崎市では、人感センサーなどのハードツールを利用した見守り体制を構築しています。安否確認のための人の動きを感知するセンサーを、トイレなど屋内の壁面に設置し、12時間以上利用者の動きを確認できなかった場合、24時間対応の受信センターに「確認してください」と自動的にメールで連絡が行きます。それを受けた職員は、利用者に電話を入れて安否確認をし、それでも反応がない場合には、あらかじめ通報連絡員として登録されている近隣住民や民生委員などに状況確認を要請するものです。また、高崎市では、設置型やペンダント型の緊急通報装置を併用しています。利用しているひとり暮らしの86歳になられる方は、この事業について、「何かあったときも誰かが来てくれる。そう思うと、すごく安心で心強い」と話しています。センサーは無線式で簡単に設置でき、緊急通報は既設の電話回線を使い、機器の設置費と利用料を市が負担していて、利用者本人の自己負担は、通報時の通信・通話料のみであります。また、通報先の登録は5件までできるようです。
そこでお伺いいたします。現在、日立市でも、急病の際にボタン1つで消防本部に連絡が行く緊急通報
システムが導入されています。この
システムとあわせて、日常生活として異変をセンサーによって感知できるハードウエアを利用し、担当部署へ連絡が行く見守り
システムを構築されてはいかがかと御提案いたします。執行部のお考えをお伺いいたします。
以上が大きな項目の2番についての質問であります。御答弁よろしくお願いいたします。
41
◯保健福祉部長(
吉原昌志君) ◇登壇◇ 質問の大きな2項目め、高齢者の見守り体制の充実についての御質問に順次お答え申し上げます。
初めに、(1)のネットワークの充実についてでございます。
市民の4人に1人が65歳以上の高齢者である本市において、高齢者が住み慣れた地域社会の中で自立し、安心した生活を継続できるよう、地域住民、民間事業者及び行政が一体となり見守っていくことは必要不可欠なことと認識しております。このため、市といたしましては、市社会福祉協議会を中心とし、地域住民による見守り活動である、あんしん・安全ネットワークの推進を図っており、平成25年11月30日現在で約2,500の見守りチームが編成されております。
また、昨年9月、市内2つの生活協同組合との見守り活動に関する協定を締結したほか、電気、ガス、水道など、ライフライン事業者に対しましては、かねてよりメーター検針等を通じて異変に気付いた場合の通報や生活困窮者の情報提供について協力を要請しているところでございます。さらに、議員御質問の新聞販売店等との協定締結につきましては、日常業務において、各家庭との接点が多い事業者から情報提供をいただくことで、見守りネットワークがより広範できめ細かくなるものと期待されることから、御協力いただけるよう、今後、各事業者と協議を進めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、(2)センサーを利用した見守りについてでございます。
議員の御質問にもありましたとおり、本市では、民生委員や地域の皆様の御協力の下、ひとり暮らしの高齢者などを対象に、病気やけがなどで緊急事態に陥ったとき、本人が機器本体や首から下げられるペンダントのボタンを押すことにより、住所や氏名を告げることなく、消防本部に通報できる緊急通報
システムを導入しており、11月30日現在、1,993世帯に御利用いただいているところでございます。
議員御提案の人感センサーによる新たな見守り
システムの構築につきましては、高齢者の日常生活を常に見守ることで、ちょっとした生活の乱れにも気付くことが可能となり、異変の早期発見という観点から有効であると考えております。今後の見守りにつきましても、これまで培ってまいりました地域住民による声掛けや気遣いなど、人の手を介した温かな見守りを根本に据え、見守りネットワーク等の拡充を図るとともに、人的見守りを補完する観点から、人感センサーを始め、様々な技術を活用した見守り
システムについて、具体の調査・研究に努めてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
42 ◯4番(三代勝也君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございます。
(1)ネットワークの充実について要望させていただきます。見守りネットワークは、できるだけいろいろな角度から多くの方に関わっていただくほうがよいと考えます。日々、違う視点から注意を払っていただくことで、気付きもできると思います。新聞配達店や日本郵便とはもちろん、それに加えて、電気、ガス等、ライフライン事業者と改めて協定を結ぶことで、事業者にも自覚と責任感や誇りを持っていただき、さらには、市民にも安心感を持っていただけると考えます。早急に協定を結び、見守りネットワークの構築を更に進めていただくよう要望いたします。
(2)センサーを利用した見守りについて要望させていただきます。人感センサーなどのツールを使った見守りについてはいろいろなものがあります。また、
ケーブルテレビJWAYでは、最近、新しいサービスを提供するために、チューナーを交換する事業を始めましたが、このチューナーは、双方向通信サービスを受けることができるのだそうです。そう遠くない時期には、この双方向通信サービスも見守りのネットワークを構成できるものとして利用できるようになるのではないかと考えます。そして、これは、ケーブルテレビを利用することができる自治体であるからこそのサービスになり得ます。先ほども述べましたが、見守りはそれに関わる人やサービスが多ければ、その効果も大きいでしょう。こういったものも考慮していただき、日立市の実情に合った、また、そのサービスを受ける側の立場に沿った
システムを早急に構築されますよう要望いたします。
次に、大きな項目の3番、緑の保全体制についての質問をいたします。
(1)除草・伐採等の現状について。
近年の温暖化、気温上昇のためか、草木の成長の速さも増しているように感じます。行政としての対応も、各部署において、毎年計画的に除草や街路樹の伐採等を行っておられますが、それ以上に、あちらこちらで草木が生い茂っている状況は、皆さん御覧になっていると思います。公園の草刈りや道路にかかっている樹木の枝打ちをお願いしたいという市民からの依頼も増えております。景観の保全はもちろんですが、夜間に公園の照明が妨げられるとか歩行の妨げになるというように、防犯や危険箇所の排除などの意味から大切なことであると考えます。
市内の緑化整備については、昨年12月に
薄井五月議員が一般質問をしております。今後の支援体制の拡充も含めた取組について、執行部からは、「公園及び道路里親制度については地域全体の高齢化などの課題があるので、今後は里親団体を住民組織に偏らせず、活動の継続性が期待できるNPO法人や企業、さらには地域のコミュニティとも連携を強めていくことで拡充を図っていきたいと考えている。また、里親活動についてはメンバーの方々のやりがいが大きなポイントであるので、これまで団体に対して行ってきた団体名を入れた看板の設置や清掃活動後のごみ回収などの支援に加えて、活動に必要な材料等の配布など、新たな支援についても検討したいと考えている」との御答弁をいただいております。執行部におかれましても、地域の方にも参加をしていただき、公園や道路の里親制度を導入し、地域のボランティア団体と連携をし、緑地の管理や除草に取り組まれております。しかし、前にお話ししましたように、除草や草木の剪定や伐採についての住民のニーズは、ますます高まっております。
そこでお伺いいたします。現在、公園や道路の里親制度に参加されているボランティア団体の増減などの現状をお聞かせください。また、委託による管理や各団体への助成、報償費などの実績など、日立市の緑化整備の状況をお伺いいたします。
(2)今後の取組について。
日立市では、平成12年度から平成32年度の期間で、日立市都市計画マスタープランに取り組まれています。その中では、「市民に親しまれやすい公園づくりや緑の保全と創出のため、計画づくりからその実現、そして管理と活用まで市民参加で進めていくこととし、そのための意識と仕組みづくりについて取り組んでいきます」とうたわれております。それに基づき、是非とも現状を鑑み、緑化における維持・管理に対する計画を早急に策定され、実行されることを希望しております。また、地域の環境の保全・整備は、地域住民に参加をしていただき、それを称賛しながら奨励されていくことが、活動に対する地元愛と誇り、そして責任を持って行動することになっていくのではないでしょうか。
改めて、地域コミュニティを単位としてボランティアグループを育成する働き掛け、また、NPO法人や企業に対するボランティアグループを育成する働き掛けについて、執行部のお考えをお伺いいたします。
以上が大きな項目の3番についての質問であります。御答弁よろしくお願いいたします。
43 ◯都市建設部長(仙波義正君) ◇登壇◇ 質問の大きな3項目め、日立市の緑の保全体制について、2点の御質問に順次お答えいたします。
1点目の御質問の(1)除草・伐採等の現状についてでございます。
公園や道路の維持・管理は、業務委託、直営、市民との協働がございます。まず、業務委託につきましては、公園・道路とも、それぞれ造園業者やシルバー人材センターによる除草・剪定作業を実施し、環境の保全に努めております。次に、直営につきましては、年々、草刈りや剪定のニーズが増加してきており、委託では対応し切れない住民からの要望や陳情など、緊急及び臨時的な案件について、道路センターと緑化センターで作業を実施しております。最後に、市民との協働につきましては、公園では公園を守る会と公園里親、道路には道路里親がございまして、公園や道路の除草作業などを行っております。御質問の団体数の増減でございますが、公園を守る会は、ここ2箇年は4増1減の163団体、公園里親は、平成15年度に5団体からスタートいたしまして、ここ2箇年は5増2減の30団体が活動中でございます。一方、道路里親は、平成16年度に3団体からスタートいたしまして、ここ2箇年は2増2減で14団体が活動中でございます。
次に、費用についてでございますが、業務委託については、平成24年度実績といたしまして、公園では122箇所において、件数が20件、金額が7,668万8,000円でございます。道路では、328路線において、件数が47件、金額が8,747万8,000円でございます。また、団体に対する助成金等ですが、平成24年度は、公園を守る会への報償費が224万8,000円で、各団体へは公園面積に応じて1万円から3万円を支出しております。公園里親への助成金は412万3,000円で、各団体へは、作業面積及び内容に応じて差はございますが、1団体につき平均13万円を支出しております。道路里親への助成金は90万2,000円で、作業延長及び内容に応じて平均6万円を支出しております。
2点目の御質問の(2)今後の取組についてでございます。
現在、国や県における除草等の維持・管理業務につきましては、厳しい財政状況の下、対応に苦慮しており、市も実態は同様でございまして、いかに良好な環境を維持できるかが重要となっております。このため、通常の事業予算のほか、緊急雇用対策事業及び県の身近なみどり整備推進事業などの補助事業を活用しながら予算の確保に努めております。さらに、景観の向上や安全性への配慮といった観点から、老木の更新や密集した樹木の撤去を進めるなど、緑の適正な環境整備に努めているところでございます。
しかし、委託や直営にも限界があることや、団体等の高齢化への対応が課題となっていることから、市民参加、市民と協働での維持・管理体制の構築と、NPO法人や企業、さらには地域コミュニティとも連携を深めていくことが重要であると考えております。そこで、県知事表彰や大臣表彰を受賞した実績のある団体の事例などを市報及び市
ホームページ、地域の広報紙等を通じて紹介し、更なる団体への参加を募ることにより、最近では、公園里親には2つのコミュニティや造園業界団体が参加しており、道路里親においても企業1社が参加するなど、新たな動きが生まれる一方で、コミュニティやNPO法人などが仲介役となって誕生いたしました里親団体の実例もございますので、今後は各種団体の担い手不足や参加者の減少を抑制するため、育成に成功している先進事例の紹介などを含め、参加団体増加に向けた取組を行ってまいります。
また、維持・管理の計画策定についてでございますが、里親団体などの意向を調査する一方、地域住民の意向を反映した植栽の適正数量の把握、更新や撤去などを進めるための予算の確保など、課題もありますことから、これらを踏まえて十分に調査・検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
44 ◯4番(三代勝也君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございました。
(2)の今後の取組について要望をさせていただきます。緑の管理については、待ったなしです。そして、その範囲は拡大するばかりであります。これを進めるために、地域の緑化は、行政、地域の方、そして企業も含めた団体等により力を合わせた協働で行われることが大切だと考えます。その力を掘り起こし、維持・継続を図るためにも、地域の状況や意識、マンパワーの確保等について把握をしていただき、また、その活動をたたえる方法等も含め、緑の維持・管理に対する計画を早急に策定して実行されることを要望いたします。
以上で私の一般質問を終わりにいたします。
45 ◯議長(
飛田謙一君) 以上で三代議員の質問が終わりました。
ここで、午後1時まで休憩いたします。
午前11時28分休憩
──────────────────────
午後 1時00分再開
46 ◯議長(
飛田謙一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、黒澤議員に発言を許します。
なお、質問は一問一答方式により行います。
47 ◯8番(黒澤信弘君) ◇登壇◇ 日立市政クラブの黒澤信弘です。今定例会から導入されました一問一答方式により、発言通告に従いまして大きく3点についてお伺いいたします。
1点目は、コミュニティを取り巻く課題と今後の在り方についてであります。2点目は、地域の実情に合わせた小学校区の見直しについてであります。3点目は、土砂災害警戒区域の対応についてであります。1点目と3点目の質問は、東日本大震災3.11以前の定例会において一般質問をし、答弁をいただき、要望もいたしました。その後、社会情勢や市民ニーズも変わってまいりましたので、再度、確認の意味を含め、順次質問してまいります。執行部の御答弁をよろしくお願いいたします。
初めに、大きな1番、コミュニティを取り巻く課題と今後の在り方についてであります。
本件については、平成19年9月定例会にて質問をさせていただきました。その後、行政とコミュニティ活動のあり方検討委員会が組織され、諸問題、課題等の検討がなされました。そして、市長へ報告書を答申されましたことは御承知のとおりであります。また、あり方検討委員会からの報告に基づいて、日立市コミュニティ活動ハンドブックが発行され、コミュニティ活動の意義や基盤強化を図り、市民に周知したところであります。
(1)コミュニティ活動の担い手不足についてお伺いをいたします。
コミュニティを基盤とする組織は、地域の自治会、町内会、各種団体などですが、自治会や町内会に加入するメリットが感じられない方が増えていることや、人口の減少、高齢化の進展等により組織を維持することが難しくなっております。コミュニティ役員が様々な運営の工夫をしても、市民の理解が得られず、面倒なことが多く自分の時間がなくなるため、「役員にはなりたくない」「なぜこんなことをしなくてはならないのか」などの意識から、コミュニティ活動の担い手が不足している状況にあります。日立市全体として高齢化が進んでいながらも、地域には一定数の子供はいます。子供を育てる親の世代、さらには団塊の世代もいらっしゃいます。市民に対する意識付けやコミュニティ活動への参加促進について、執行部はどのような施策を考えているのでしょうか、お伺いします。1点目の質問です。
48 ◯副市長(小川春樹君) ◇登壇◇ 黒澤議員の御質問にお答えいたします。
これまでコミュニティ活動への参加促進を図るため、議員御案内のとおり、日立市コミュニティ活動ハンドブックを全戸配布するとともに、住民説明会への参加、市報特集記事の連載やケーブルテレビの行政放送など、様々な広報媒体を活用し、市民に対しての意識啓発に努めてまいりました。さらには、市外からの転入者に対しましては、コミュニティ活動への加入促進を図るためのパンフレットを作成し、転入届の際に配布するとともに、各
交流センターや市内62箇所の不動産業者に配備するなど、加入促進を図ってきたところでございます。また、地域の人材確保や人材育成策の取組の一環といたしまして、現在、中小路学区コミュニティ推進会が国の公募事業の採択を受けまして、市と協働で地域おこしの後継者養成事業に取り組んでいることから、取組成果を検証し、先行事例として各コミュニティへの情報提供など、必要な支援を行ってまいります。今後ともコミュニティとの綿密な連携を図りながら、様々な場面での情報発信によるコミュニティ活動参加への動機付けや人材確保、育成などに努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
49 ◯8番(黒澤信弘君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございました。
コミュニティ活動に対する市民の意識が離れないよう、今後も行政からの全面的な支援をお願いしたいと思います。市民は、ボランティア活動について、「やらされている」という感が本音だと思います。また、同じ市民活動ボランティアでは、運営の仕方は違いますが、活発に活動を展開している団体もありますので、御承知おきをお願いいたします。人材育成と人のつながりが大切なところであると感じますので、今後とも更なる行政サイドのバックアップ、担い手不足を解消するための工夫をお願いいたします。
次に、(2)コミュニティに対する市からの依頼業務増加についてお伺いをいたします。
先ほど申し上げたコミュニティ役員等の担い手不足が深刻化している状況にありながら、市からは市報配布や再生資源回収当番、さらには、地域福祉、青少年育成、自主防災、環境美化、地域福祉作業、公園や街路樹の里親制度など、今申し上げたとおり、様々な業務が委ねられております。年々、活動の範囲や業務量が増大していると感じております。このような状況をどのように捉えているのか、御見解をお伺いいたします。
50 ◯副市長(小川春樹君) ◇登壇◇ お答えいたします。
これまで、市などからの依頼業務につきましては、コミュニティ推進協議会と協議の上、各コミュニティの御理解と協力体制の下にお願いをしてきた経過がございます。議員御懸念のコミュニティ活動の担い手不足などによりまして、依頼業務がコミュニティの負担感を増大させることの1つの要因につながっているものと認識をいたしております。こうした現状を踏まえまして、現在、再生資源の回収方法について、地域の皆様の負担軽減を図るため、町内会などの協力を得まして、実証実験を実施しているところでございます。また、市報の梱包、配布作業の負担軽減を図るため、市報と同時に配布する広報紙等につきまして、配布基準を明確化し、削減に努めたいと考えております。
そのほかの依頼業務につきましても、コミュニティの窓口である市民活動課がコーディネーター役となりまして、コミュニティ推進協議会及び関係課所と協議を進めまして、コミュニティの負担軽減を図ってまいります。
以上でございます。
51 ◯8番(黒澤信弘君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございます。
どこまでが市の業務なのか、ボランティア組織であるコミュニティにどこまで市は依頼をするべきなのか。地域のことは地域でという思いは分かりますが、しっかりした業務の線引きも必要ではないかと思います。重ねて慎重に調査・検討いただくよう要望いたします。
次に、(3)統一管理から8年目を迎えた
交流センターの運営についてお伺いをいたします。
平成18年度に公民館、コミュニティセンター、ふれあいプラザの管理を一元化し、
交流センターに移行してから8年が経過しようとしています。その間、社会経済情勢の変動や平成23年の東日本大震災の影響など、本市を取り巻く環境が大きく変化する中、
交流センターはコミュニティ活動のほか、地域の生涯学習、介護予防と地域福祉、さらには、防災の拠点としての重要性が更に高まっております。
交流センターには、ボランティアであるコミュニティ組織と、市の指定管理者としての
交流センター運営委員会が同居していることから、無償でコミュニティの業務に従事している方と、有償で
交流センターの管理を行っている方が混在しています。現実には、コミュニティ会長や事務長を始め、多くの方が双方を兼務しているため、従事する方の負担が過重になっております。今後、コミュニティ活動を推進していく上で、人材確保という観点からも、コミュニティ活動に対しての財政支援という視野も含めてはいかがでしょうか、御見解をお伺いいたします。
52 ◯副市長(小川春樹君) ◇登壇◇ お答えいたします。
本市のコミュニティ活動は、自分の地域は自分の創意と努力でつくり上げるという理念からスタートをし、これまでコミュニティは共助を担う自主組織として、地域福祉、自主防災など、多様な分野において地域の実情に応じた自主活動を基本に、まちづくりの中心的な役割を担ってまいりました。その間、議員御案内のとおり、平成18年度から1学区に1つの
交流センターとして統一し、施設の管理運営は、コミュニティを母体とする運営委員会にお願いすることといたしました。同時に、コミュニティ活動の充実のため、各
交流センターをコミュニティの活動拠点として位置付け、
交流センターの運営委員長には、コミュニティ組織の会長を充てるとともに、
交流センターの管理運営を担う職員にもコミュニティ事務の協力をお願いし、
交流センターとコミュニティ組織が一体となってまちづくりを推進してまいりました。
そのような経緯の中で、議員御指摘のとおり、統一管理から8年を迎え、
交流センター及びコミュニティを取り巻く環境が変化をしてきていることから、引き続き主体的に地域のまちづくりに取り組めるよう、課題整理に努めてまいります。また、コミュニティの人材確保という観点からの財政支援の在り方につきましては、財政状況などを勘案しながら、コミュニティ推進協議会の意見を踏まえまして調査・研究をしてまいります。
以上でございます。
53 ◯8番(黒澤信弘君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございます。
その中で、「自分の地域は自分の創意と努力でつくり上げるという理念からスタートをし、これまでコミュニティは共助を担う自主組織として、地域福祉、自主防災など、多様な分野において地域の実情に応じた自主活動を基本に、まちづくりの中心的な役割を担ってまいりました」。「役割を担ってまいりました」、正にこの点に尽きます。これらを継続・維持できておりました、日立市の市民活動の歴史があります。統一管理から8年が経過して、先ほど来お話しさせていただいている様々な課題がのしかかっているのが現状ですので、市役所全庁的に徹底的な議論の展開を今後お願い申し上げます。
次です。(4)市職員のコミュニティへの派遣についてお伺いをいたします。
かつて地域に公民館があったときには市職員が常駐しており、コミュニティの予算から決算までの執行管理、各種活動やイベントの運営などに的確なアドバイスが受けられるとともに、行政との情報交換や意思疎通が円滑に行われていました。平成18年度に市職員が引き揚げられ、現在のコミュニティは地域の市民が自ら運営、努力している状況にありますが、複雑で多岐にわたるコミュニティの事務局機能を担う人材を地域の中で安定的に確保していくことは容易なことではありません。地元に住んでいる市職員には、地域の一員として、地域活動に積極的に参加してほしいところです。そして、実際に、積極的に参加され、地域に密着して活動を盛り上げている職員も多くいますが、まだまだ不足しています。日常業務が繁忙を極める中、退勤後や週末に、地域活動に参加を求めることが難しい状況にあることも承知しておりますが、こうした地域に密着し活動を盛り上げる職員を増やしていく努力を続けていただきたいと思います。
そこで、1つの提案といたしまして、地域活動へ触れるきっかけづくりとして、体験的な形でもいいので、市職員をコミュニティに派遣することはできないものでしょうか、御見解をお伺いいたします。
54 ◯総務部長(佐藤 守君) ◇登壇◇ お答えいたします。
市職員も地域社会の一員であり、積極的に地域の地域活動に参加することは、共同体の一員として当然のことと認識しております。また、これからのまちづくりには市民との協働が欠かせないものであり、地域活動やボランティア活動への参加は、現場での活動を通し、市民の皆様の生の声に触れるとともに、職員自身が人間としての幅を広げるきっかけともなります。このことから、職員研修など様々な機会を通じ意識啓発を図ってきており、庁議や部課長会議におきましても、積極的な地域活動への参加を市長自らが職員に強く促されているところでございます。
議員御案内のとおり、地域コミュニティにおいて、地域に密着し、活動を盛り上げている職員も多くおりますほか、退職後も経験を生かして、環境美化、防犯、防災など、コミュニティの活動、さらには、民生委員、児童委員として活躍するなど、地域活動に深く関わっている職員も数多く見られます。しかし、その一方で、地域活動の経験の少ない若手職員も少なくないことから、コミュニティ活動に触れるきっかけとして、機会づくりが必要と考えます。つきましては、議員の御提案のありました職員の派遣といたしましては、職員研修の一環として、二、三日という短期間の想定にはなりますが、職員にコミュニティ活動の現場を体験させるなど、今後、コミュニティ推進協議会の協力も得ながら、その取組についても検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
55 ◯8番(黒澤信弘君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございます。
職員研修の一環としての2日間、3日間ですか。コミュニティでの役員業務では、主に、年度末から年度初めの期間に大変多忙で複雑な時期を迎えます。コミュニティ内部の各専門部、各種団体での翌年度へ向けた手続や決算・予算の組立てなど、専門的な業務があります。それらは市役所内の事務・業務とほとんど変わりません。コミュニティに関わる市民にとっては、大変負担になる事項なんです。それらを乗り切れば、何とか年間を通しての活動に当たっての負担軽減になるのではないかと思うところであります。今後とも職員派遣につきましては、前向きな御検討を要望いたします。
次に、(5)これからのコミュニティ活動の在り方についてお伺いをいたします。
これまで述べてきた様々な課題を踏まえ、今後のコミュニティ活動のあるべき姿について執行部の考えをお伺いいたします。
56 ◯副市長(小川春樹君) ◇登壇◇ お答えいたします。
私たちは、東日本大震災における経験を通して、人と人とのきずなの大切さを再認識したところでございます。これからも人を思いやり、助け合う心を大切にすることで、地域の連帯感を更に強め、安心して暮らせるまちの実現につなげていかなければならないものと考えております。このような考え方から、これからのコミュニティ活動においても、地域住民が自分たちの地域を住みやすくしよう、快適にしようという共通の目標を持ち、それぞれの地域性を生かしながら、創意や工夫を重ね、自らの手で地域の課題解決に取り組むコミュニティ活動が望ましいものと考えております。これからもまちづくりのパートナーとして、自助・共助・公助の考え方に基づき、それぞれ適切な役割分担の下に活発なコミュニティ活動が展開できますよう、更なる支援体制の強化に努めてまいります。
以上でございます。
57 ◯8番(黒澤信弘君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございます。
自助・共助・公助について、市民の意識、考え方はそれぞれ違いがあると思います。特に自助・共助については、3.11を経験したとしても、社会情勢やライフスタイルの変化から、個人意識が大きく変わってまいりました。言葉を変えれば、年数がたつと忘れてしまうのが当たり前で、先ほど、午前中の一般質問でも言葉が出ました、「向こう三軒両隣」「井戸端会議」などといった人付き合いが薄れてしまっているのが現状です。市民の意識を温かい人付き合いに戻すことは、今の時代、相当な工夫がなければ難しい問題であると思ってしまいます。やはりコミュニティ活動の今後の在り方については、組織の確立ではなく、人と人とのきずなの大切さにあると思います。地域の連帯感、近所付き合いがうまくいっている地域は、活発なコミュニティ活動ができていると思います。そうでない地域にあっては、様々な問題・課題が次々と積もっていき、調整困難となってしまう場合があると、不安になるところであります。
今後とも行政と市民とが積極的な会話を持って情報交換できるスタイルを確立していただきたいと思います。そして、これらの課題を解決する方法は難しいと思いますが、昭和40年代に始まった日立市の市民活動の歴史を振り返り、マニュアルどおりではない発想の転換を含めながら、原点に戻って議論を深めてほしいと要望いたします。
次に、大きな2番、地域の実情に合わせた小学校区の見直しについてお伺いをいたします。
市内の小学校区は、これまで日立市制施行前の多賀郡旧町村時代からの歴史的な経緯や道路・河川などの地理的条件の実態を踏まえて設定されてきたことと思います。本市の人口急増を機に新たな小学校が設置されたことにより、現在の教育委員会が定める規則では、古くからの地域の生活圏・文化圏と小学校区の線引きが必ずしも一致しなくなってきております。このため、例えば成沢地区の一部では、歴史的には油縄子小学校区となるべきところなのに、新しい小学校区の線引きで成沢小学校区に残ったために、大人は歴史的経緯から油縄子小学校区の行事やイベントに参加しながらも、子供は成沢小学校に通学するといったねじれ現象も生じております。
このようなねじれ現象は、当時の小学校区の区域設定の際に生じているものであり、地域の歴史や地域の文化を踏まえた全市的な学区区域の見直しも検討すべきと考えるところでございます。執行部の御見解をお伺いいたします。
58 ◯教育部長(作間 忍君) ◇登壇◇ お答えいたします。
小学校の通学区域、いわゆる小学校区につきましては、教育委員会が認定した現住所により就学すべき学校を日立市児童生徒等の就学に関する規則で定めております。そして、新設校の設置や地域住民の要望などにより学区を見直す際は、小中学校長、小中学校PTA役員、学識経験者等の代表者から成る日立市立小中学校学区審議会にお諮りし、見直しを行ってきたところでございます。
この小学校区を単位として本市のコミュニティ組織が形成されてきた経緯があり、小学校区とコミュニティの区域はおおむね一致しているものと認識しておりますが、御指摘のとおり、成沢小学校区と油縄子小学校区に生じているようなねじれ現象があることも事実でございます。コミュニティ活動においては、古くからの地域や人のつながり、住民意識も大変重要であります。しかし、
子供たちの通学という面から学区を捉えますと、安全・安心な通学路の確保や通学距離の設定なども更に重要であると考えております。これらの課題を念頭に、学区の見直しに当たりましては、まずは学校、保護者、地域、庁内関係各課などとの協議を行い、
子供たちにとっても地域にとっても学区の変更が望ましいと認められる場合には、学区審議会の答申を踏まえ、見直しを進めてまいりたいと考えているところでございます。
私からは以上でございます。
59 ◯8番(黒澤信弘君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございます。
子供たちの通学という面から、安全・安心な通学路の確保、また、通学距離の設定など、重要であるという答弁でございました。したがいまして、学区エリアについては難しいのかなと思います。
それで、大きな1番の質問とただいまの2番の質問に関連して要望を申し上げます。教育委員会が定める小学校エリアと学区コミュニティエリアが同じになっておりますので、ねじれ現象が生じているものと感じ取りました。コミュニティエリアについては再度検討すべきものと思います。市役所内全庁的な検証、取組をお願いし、要望といたします。
次に、大きな3番、土砂災害警戒区域の対応についてであります。
土砂災害防止法に基づき、平成20年1月に指定されました土砂災害警戒区域関連については、平成20年の6月定例会にて質問させていただきました。危険箇所の全ての対策工事により危険箇所を安全な状態にしていくには、膨大な時間と費用がかかってしまうので、土砂災害から市民の命、生命を守るために、危険性のある区域を明らかにして、避難体制の整備や情報伝達の強化をするなどの目的で指定されたものです。その後、本市の対応についてお伺いしてまいります。
(1)危険箇所の防災工事進捗状況についてお伺いをいたします。
特別警戒区域(レッドゾーン)、警戒区域(イエローゾーン)に、合わせて市内125箇所、1,850世帯が指定されました。前回の質問による執行部の答弁は、「危険箇所の防災工事については、区域の指定以前から、対策工事などが行われている。今回の指定以降も継続されているので、対策工事について、引き続き県に要望してまいります」とのことでした。その後、5年がたとうとしております。指定された危険箇所の防災工事の進捗状況についてお伺いをいたします。
60 ◯都市建設部長(仙波義正君) ◇登壇◇ お答えいたします。
土砂災害防止法は、住民への危険の周知、警戒避難体制の整備等のソフト対策推進などを目的に、平成13年4月に施行された法律であります。議員御案内の市内125箇所の危険箇所につきましては、土砂災害防止法施行以前の昭和46年から、茨城県において急傾斜地崩壊対策事業により整備が進められてまいりました。この事業は、早急に対策を要する区域について、関係地権者の同意等がまとまり次第、茨城県へ要望を行い、茨城県が事業を行う区域を指定し工事を実施するもので、市内においては、これまでに36箇所で事業を行ってきたところであり、今年度は3箇所で工事を実施しております。これら危険箇所の整備に当たっては、事業の性格上、多大な事業費と時間を要することや、他市町村を含め多くの地区から事業実施の要望が出ていることなどから整備が追い付かない状況であると、茨城県から伺っているところでございます。市といたしましては、今後とも茨城県に対し、急傾斜地崩壊対策事業の予算確保や市内の危険箇所の早期整備について、引き続き働き掛けてまいります。
以上でございます。
61 ◯8番(黒澤信弘君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございます。
茨城県が行う防災工事の進捗状況は、土砂災害警戒区域指定から5年がたっても、125箇所のうち36箇所にとどまっております。茨城県が施工する防災工事が追い付かない状況が分かりましたので、対応の1つとして、強化できるであろうソフト整備についてこれから順次伺ってまいりますが、茨城県に対しまして、引き続き働き掛けをお願いいたします。
(2)土砂崩れ発生時の対応についてお伺いをいたします。
去る10月15日、16日に、本市に被害をもたらした台風26号にて土砂災害警戒区域に指定された区域内で実際に土砂崩れが発生してしまいました。西成沢町3丁目地内であります。この地域については、急傾斜地の所有者が、民地であるので、防災措置の必要性、所有者への指導について、何らかの対策をしてほしい旨、お願いをかねて、平成20年6月定例会にて質問をいたしました。当時、執行部答弁は、「指導については地道なことではありますが、大切なことで、土地所有者へ土地の危険性を認識していただく、それにより土地所有者が自ら対策を講じることにつながり、早期に対策が行われる可能性が高まる」との答弁でした。しかし、何の対策も得られず、土砂崩れが発生してしまいましたのが事実であります。
当時の周辺住民は、自治会、自主防災関係の方々が昼夜警戒、急傾斜地付近のひとり暮らしの市民には、自主防災関係者自らが避難誘導し、安全なお宅へ避難させたことも事実であります。同時に、土砂崩れ発生時には、市役所へ電話したところ、「県道沿いなので茨城県高萩工事事務所に連絡願いたい」とのことで済まされてしまったのも事実であります。高萩工事事務所は、県道に土砂が崩れ、車両等通行止めになったので土砂の撤去をいたしましたが、日立市では、市内で土砂崩れが発生した事実も把握していなかった。台風26号の対応・被害情報報告書にも盛り込まれなかった。対応が全くされなかったことについて、これはいかがなものかと首をかしげることばかりです。周辺の住民には、2日間、日立市からの何の災害情報も伝わらず、指導も支援もなかったのです。その一方で、迅速に自主的に対応した地域の自治会、防災関係者には、敬意を払わなくてはならない事項であります。感謝状ものです。
土砂崩れから2日後、都市建設部へ連絡させていただいて、現場調査、今後の対応の説明をいただいたところですけど、今回の土砂崩れ発生時の対応について、担当部の御見解をお伺いいたします。
62 ◯総務部長(佐藤 守君) ◇登壇◇ お答えいたします。
去る10月15日から16日にかけて本市に接近した台風26号は、市内各所においても相当の被害をもたらしました。当日、市に寄せられた通報につきましては、暴風・波浪による被害が大多数でありました。台風接近前からの降水量が少なかったこともあり、気象庁から土砂災害警戒情報の発表もなく、当時の災害対応といたしましては、暴風・波浪への対策を重視し、その対策に集中して取り組んでおりました。そのような中、市民からの土砂崩れの情報が確実に伝わらなかったことは大変遺憾であり、情報収集の体制や手順が十分ではなかったものと感じております。そして、今般の土砂崩れによる被害が大きくならなかったのは、地域の皆様の迅速な活動によるお陰と考えております。地域コミュニティの皆様には、東日本大震災の際にも、避難所の運営等において活躍していただきました。今回の土砂崩れへの対応も、その経験が生かされたものであり、各地区の防災活動を支えてくださる地域の皆様に感謝するとともに、大変心強い思いをいたすところでございます。そして、自助・共助・公助を担うそれぞれが更に連携を強めていくことの必要性を痛感しております。
今回の対策を踏まえ、今後は、市民からの災害に関する情報に対し、適切に対応できる伝達体制を整えるとともに、住民や自主防災組織との情報交換を積極的に行うなど、多方面からの情報の取得に努め、より迅速な災害対応を心掛けてまいりたいと考えております。
以上でございます。
63 ◯8番(黒澤信弘君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございます。
反省するべきことは十分に反省してください。10月15日午後7時56分には大雨警報が発表され、9時29分には、「茨城県内では土砂災害に警戒してください」と発表がありました。翌16日午前6時13分には、土砂災害警戒情報が、日立市には出なかったものの、茨城県南部には警戒情報が発表されたわけですから、「意識が薄くなった」では済まされません。「分からなかった」では済まされません。市の職員が不足している状況が分からないわけではありませんが、危機管理意識について今後につなげていただきたいと思います。答弁の中で、土砂崩れの情報収集の体制や手順が十分ではなく、今後は多方面からの情報の取得に努め、より迅速な災害対応を心掛けるとのことでした。防災工事の整備が追い付かない状況であることは明らかでありますので、早急にこれらの対応を願いたいと強く要望をいたします。
次に、(3)避難体制の整備についてお伺いをいたします。
土砂災害警戒区域の指定の意義の1つに、市民が安全に避難できるように避難体制の整備を確立することが盛り込まれております。東日本大震災3.11の被災により、津波に関する避難体制は強化され、関連するハード整備も進んでおります。しかし、土砂災害警戒区域の住民避難体制はいまだ確立されていないのが現状と言えます。気象台と茨城県が共同で発表する土砂災害警戒情報によって、市長が避難勧告や避難指示を発令することになっておりますが、本市の避難体制はどうなっているのか、お伺いをいたします。
64 ◯総務部長(佐藤 守君) ◇登壇◇ お答えいたします。
土砂災害警戒情報は、大雨警報が発表されている状況下にあって、降水量が多くなり、土砂災害発生の危険度が非常に高まったときに、避難勧告等の災害対応や住民の自主避難の判断の参考とするよう、対象となる市町村を特定して気象庁と県が共同で発表する防災情報でございます。本市の土砂災害に関する避難体制につきましては、土砂災害警戒情報が発表された際に、5キロメートルのメッシュごとに土砂災害の警戒度を確認するとともに、住民からの情報や消防本部による市内パトロールの巡視結果などを基に市の体制を整え、避難勧告等の発令の判断を行うものでございます。これまで本市においては、幸いにも土砂災害警戒情報に基づいての避難指示や避難勧告を発声したことはございませんが、避難勧告等を発声する際には、避難所を開設した上で、地区住民や防災関係者はもとより、広く全市的に情報が行き届くよう、防災行政無線、ケーブルテレビ、
ホームページ、広報車両など、市が独自で対応できる多様な媒体を活用するほか、一般の報道機関を通じても情報伝達を行う計画となってございます。
また、土砂災害など、風水害時の情報伝達手段につきましては、荒れた気象情報が予想されるため、屋内で情報を取得することができる戸別受信機が最適であると考えておりまして、受信状況が良好でない地区には外部アンテナの設置を図るなど、受信状況の改善に努めておりますが、更なる情報伝達の充実に向け、屋外放送塔の追加配置も含め、確実な災害情報の伝達の手法の検討を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
65 ◯8番(黒澤信弘君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございます。
9月の定例会の一般質問において、戸別受信機不感地域の件で質問させていただきました。是非とも屋外放送塔の追加配置や様々な手法の検討を進めていただきたいと思います。災害に強いまちづくりとは、発生してしまった災害をいかに迅速に対応するか、市民に安心感を持たせることが大切であると思います。その1つとして、避難体制の整備があります。行政は、体制づくりを整備して、市民は、こういうときはこういう行動をするといった意識を常に持っていただく、日頃からの防災意識の向上に努めていただくことが災害に強いまちづくりにつながるのではないでしょうか。日立市においては、3.11を教訓に、海岸部にお住まいの市民は十分に津波・高潮災害に関する意識向上が図られました。今後、市内の急傾斜地や土石流危険渓流を擁する地域の避難体制の確立について、また、パトロール巡視の強化について、強い意識を持った取組を要望いたします。
次に、(4)今後の対応、対策についてお伺いをいたします。
特別警戒区域(レッドゾーン)、警戒区域(イエローゾーン)指定については、平成19年から数々の要望をしてまいりましたが、結局、何の対応もされず、押し切られた形になってしまっております。その後の対応について、万全の体制が実行されていれば、災害も防げたことかもしれません。そして、今回の土砂崩れは、小規模でしたので、人的・家屋被害もなかったのが幸いです。しかし、真剣に今後の対応を講じていただかないと、また繰り返しの事態になってしまいます。実際に、警戒区域の中で土砂崩れが発生しましたので、周辺の市民は不安が募ります。当該区域内の対応、対策についての御見解をお伺いいたします。
66 ◯総務部長(佐藤 守君) ◇登壇◇ お答えいたします。
現在、国・県においては、土砂災害警戒情報を発表する際の基準について、災害発生の有無や避難勧告、避難指示の発令実績を整理するなど、その精度を更に高めるための検討が行われるところでございます。また、県においては、土砂災害警戒区域の追加指定の準備を進めており、本市においても追加指定が行われる見込みでございます。市といたしましては、これらの機会を捉え、土砂災害ハザードマップの改訂を行うなど、警戒区域内の住民はもとより、改めて全市民に対し、警戒区域や警戒すべき内容などの周知を丁寧に行いながら、防災意識の更なる高揚を図ってまいりたいと考えております。
また、土砂災害警戒区域内の住民に対する迅速で確実な災害情報の伝達は何よりも重要なことと認識しておりますので、引き続き、よりよい伝達手段の構築に向けた検討を行ってまいります。加えて、避難勧告や避難指示の発令時における住民の避難に際しましては、地区の防災活動において大きな役割を担う自主防災組織などとの連携を一層強めながら、安全に住民が避難できる体制の構築に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
67 ◯8番(黒澤信弘君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございます。
前段申し上げました避難体制の確立も重要、そして、正確な情報の伝達も欠かせない事項であります。茨城県は、新たに土砂災害警戒区域を追加指定する予定との答弁でありました。防災工事は追い付かない、避難体制の整備も追い付かない、情報伝達の方法も確立できない、そのような状況をつくらないでいただきたいと思います。人の命、人命に関わることですから、土砂災害警戒区域を指定し、できる範囲、それぞれの体制を強化していくことが法律施行の目的ですので、国が、茨城県がというのではなく、日立市独自の取組の形を見せてください。災害に強いまちづくりの進歩していく姿を見せてください。重ねて強く要望いたします。また新たに土砂災害警戒区域の追加指定される時期に、改めまして一般質問においてお伺いをさせていただきます。
まだ通告の時間が残りましたので、発言通告の内容を整理して、少々話をさせていただきます。
今回の一般質問においては、コミュニティ、地域の今後の在り方について、小学校区の見直しについて、防災に関することについて、質問・答弁を繰り返してまいりました。
防災に関してであります。昨年度、総務部において、防災対策・放射線対策担当次長を選任し、また、各部に防災対策監を配置したところであります。果たして、それらの組織が機能しているのか、疑問な点が多少なりとも思えてなりません。災害発生時においてはもちろんですが、通常業務時においても、さらに危機管理意識の向上をお願いしたいところです。市役所が率先して、手本として行動力を見せていただかないと、災害発生時の初動態勢の要である地域の自主防災組織は動けません。連携が取れません。市役所内の組織の強化についてを要望といたします。
もう1点、地域コミュニティに関してであります。日立市の市民活動がスタートした昭和40年代は、私は小学生でありました。小学生なりに、当時の大人の姿を手本に見て育ってまいりました。私たちの周りの大人は、こういう活動をしている、私たち子供に対してこういうことをしてくれている。それは温かい時代でした。温かい地域がありました。現在の姿はどうでしょうか。我々大人は、果たして
子供たちの手本になっているのでしょうか。最近の
子供たちは変わっているから、最近の
子供たちの考えは変わっているから。果たしてそうでしょうか。もしかすると、私たち大人が変わってしまったかもしれません。日立市が市政を進めていく上で、改革を進めながらも、一方で日立市の伝統ある歴史を守っていく姿、姿勢も必要ではないでしょうか。最後に私の思いを表現させていただきました。
以上で私からの一般質問を終わります。ありがとうございました。
68 ◯議長(
飛田謙一君) 以上で黒澤議員の質問が終わりました。
次に、石井議員に発言を許します。
なお、質問は分割質問分割答弁方式により行います。
69 ◯15番(石井仁志君) ◇登壇◇ 議席番号15番、ひたち未来の石井仁志です。本日最後の一般質問です。御答弁、御清聴をよろしくお願いします。2回の分割方式で行います。
大きな1番、公共施設マネジメントと新庁舎の考え方。
(1)公共施設マネジメントの内容と予定。
全国の主要自治体は、昭和30年代の高度成長期の人口急増に合わせて、小中学校など公共施設をたくさん建設しました。市民の豊かさが都市公園面積で語られた時代もありました。ですから、豊かな自治体ほどたくさんの公共施設を保有していて、これが数十年を経て、老朽化・耐震化・建て替え更新など、課題を抱え込んでいます。現在の日本の人口は減少に向かい、当然に財政の縮小も迫られ、都市の縮小、すなわちダウンサイジングを考慮に入れなければならない時代に入りました。公共施設の新設どころか、このままでは現有の公共施設の維持・補修に財政が追い付かなくなる。このため、主要自治体が、ここに来て真剣に公共施設マネジメントに取り組んでいます。利用者が少ない施設の整理はもちろん、地域の公共施設として最も重要視される小中学校を含めて、施設の縮小や、一緒にする合築などの方策を探るのが公共施設マネジメントです。市民サービスの減少ですから、まず、総論から市民の深い理解を得る必要があります。
日立市でも、今回初めて総務部行政管理課は、(仮称)日立市公共施設マネジメント基本方針(素案)を示しました。私から見ると、楽観論ばかりの計画を語っていた中で初めての、日立市の将来像をきちんと見据えた方針に見えます。日立市のこの素案の骨子は、今後40年先までを見越せば、公共施設の現状での維持・更新に年間85億円程度の支出となり、現在の財政の投資的経費40.5億円の2.1倍を費やさなければならないと試算しています。人口減少、すなわち財政縮小に加えて、市民の高齢化による社会保障費の逓増は避けられませんから、この投資的経費の倍増は不可能です。
この素案に公共施設の構成比が出てきます。最大は、公共施設として最も重要度を持つであろう学校教育施設32.9%です。2番目が市営住宅31.1%となります。この市営住宅の占めるシェアは、一般的な市では数%から十数%のようです。担当の住宅課も自覚していて、市営住宅のストック総合活用計画の改訂を急いでいます。
質問1、市営住宅構成比が突出している理由を教えてください。質問2、この公共施設マネジメント方針で市営住宅のシェアをどう考慮するのか教えてください。
この素案の冒頭に、日立市のいわゆる箱物、公共施設全体の保有水準が示されています。他市町村に比べて、日立市が1人当たりの公共施設面積が大きいので、対策として、全国市町村水準までの削減目標を掲げています。間違ってはいませんが、この議論の順番は説得力に乏しいのです。他の自治体より公共施設面積が大きいことは市民に誇るべきことで、なぜ是正すべきなのか、素直には分かりません。議論としては、先に、持続可能性、財政的に施設の継続的な維持・管理ができないことを述べないと、保有水準の問題点は浮き上がりません。さきに述べた財政面からの問題が冊子の後ろのほうに出てきます。
このページの次のページに耐震化率、これはいいです。その次に公共施設の借地割合を問題にしています。将来の財政危機予測から考慮するとき、借地問題は的外れです。この素案は、ふだんから取り組むべき現在の行財政改革視点からの行政財産の資産管理計画と、将来の財政予測から迫られて主要都市が取り組んでいる公共施設マネジメント計画とが混乱、あるいは未分化なままに見えます。
鎌倉市が公共施設マネジメントのよいお手本を示していますが、日立市のこの素案には、あまり将来への危機感が感じられません。素案ですから目をつむりますが、公共施設のマネジメントで大事なことは、財政事情から現状の規模の公共施設が維持・管理できないために、小学校に地域の集会所を併設したり、民間にできるサービスは思い切って民間任せにしなければならないのです。それを市民にお知らせして、公共施設の整理・廃棄を理解してもらわなければならないのです。
質問3、市民に訴えるという観点から、この公共施設マネジメント基本方針の今後の進行予定を教えてください。
(2)新庁舎などの新築をどう考えるか。
修理・更新ができずに学校が倒壊しては困りますから、先進的自治体ほど危機意識が高く、熱心に取り組んでいます。現有施設の維持・管理だけでも危機感があります。市民も議員も望む新しい施設の建設を将来予測のマネジメント計画の中でどう位置付けるか、どこも苦労しています。日立市には震災復興という大きな命題があることも前提ですが、ここに来て、新中央体育館と新庁舎の改築計画が出てきています。東京オリンピックのための国立競技場の建て替え計画が高額過ぎると議論されています。ここでは、五輪後の利活用などが議論されているようですが、議論の行方は気になります。
質問4、公共施設マネジメントの中での新庁舎、新中央体育館などの新たな施設整備の位置付けをどう考えるのか教えてください。
以上で公共施設マネジメントの1回目の質問を終わります。まず、この御答弁をよろしくお願いします。
70 ◯議長(
飛田謙一君) 石井議員の質問に対し、執行部からの答弁を求めます。
71 ◯総務部長(佐藤 守君) ◇登壇◇ 石井議員の御質問にお答えいたします。
私からは、大きな1番、公共施設マネジメントと新庁舎の考え方についてお答えいたします。
まず、(1)公共施設マネジメントの内容と予定について、3点の御質問がございました。
1点目の御質問、市営住宅の構成比が突出している理由についてでございます。本市では、高度成長期における大幅な鉱工業生産の拡大に伴って、東北地方を始め県内外の各地から市内大手事業所や関連中小企業に就職された方々が数多く集まり、人口が飛躍的に増加いたしました。こうした新たな市民の就労や結婚等に伴う定住人口の増加による住宅需要を賄うため、民間においては給与住宅の整備や住宅団地造成が進められる一方、県及び市においても、公営住宅の建設や住宅公社等による住宅団地造成などを施策の重点として掲げ、積極的に整備してまいりました。このような本市発展における住環境整備の特性が、他の市と比べ、市営住宅の公共施設における構成比が突出している大きな要因と考えます。
次に、2点目の御質問、公共施設マネジメント方針で市営住宅のシェアをどう考慮するのかについてでございます。本市における市営住宅ストックが他の都市に比べて多いという現状と、今後の人口減少や少子高齢化時代の到来、市民の住生活環境の多様化などを踏まえまして、平成14年度に日立市営住宅ストック総合活用計画が策定されております。この計画では、平成15年度からの20年間を計画期間とし、管理戸数を4,700戸から3,700戸へ削減することや施設の長寿命化を図る取組などを推進してまいることとし、今年度がその折り返しとなることから、現在、保健福祉部において計画の改定に向けて作業を進めているところでございます。
本市の公共施設マネジメントを進めるに当たり、来年度には施設類型ごとに分野別方針を取りまとめる予定であり、その中で、現在改定を進めております市営住宅ストック総合活用計画や公共施設マネジメント基本方針素案の取組の柱である官民連携や民間活力の活用等についても視野に入れながら、今後の市営住宅の在り方を改めて整理・検討していくことになるものと考えております。
続いて、3点目、市民に訴えるという観点からの公共施設マネジメント基本方針の今後の進行予定についてでございます。基本方針の素案は、公共施設と社会経済情勢の現状及び今後の見通しを踏まえまして課題を整理し、公共施設マネジメントについての基本的な考え方をまとめたものでございます。特に、今後の見通しと課題の整理におきましては、公共施設に係る現状と課題を総括して、人口減少や施設の老朽化が進行する中で、公共施設の維持・更新に対する財政規律の確保がこれまで以上に必要なことや、更新費用の推計から現有の公共施設を全て維持・更新することが困難なことを明らかにし、財政面からも公共施設マネジメントの必要性を整理したところでございます。また、公共施設マネジメントの基本的な考え方を整理した方針部分においては、このような厳しい状況を踏まえ、危機意識を持って、施設の総量を市民1人当たりの延べ床面積ベースで全国平均並みの水準となるよう、15%削減を目指すこととしております。
議員御指摘のように、こうした危機意識を市民の皆様と共有していくことは大変重要であるとの認識の下、去る12月2日から基本方針素案を市民に公表し、素案に対する意見募集を開始したほか、インターネットモニター制度を活用した公共施設の在り方についての簡易な
アンケート調査も実施しているところでございます。また、来年度に予定しております分野別方針の策定時においても、各種情報の適時適切な周知に努め、情報の共有と取組の理解促進を図っていく考えでございます。
続きまして、(2)の新庁舎などの新築をどう考えるかについてでございます。
さきの東日本大震災を受け、日立市総合計画や日立市震災復興計画に公共施設の改築等を位置付け、新庁舎については防災拠点機能の充実や市民サービスの向上など、また、新中央体育館については交流人口拡大や災害時の避難所としての機能充実などをそれぞれ目指して改築に着手したところでございます。基本方針の素案では、こうした既定の上位計画に位置付けられた施設の改築など必要な事業を見込みながら、今後は複合化、共用化を進め、既存の施設を最大限有効活用していくことを原則とし、新しい施設の整備は抑制に努める考えでございます。
なお、社会経済情勢の変化等に応じ、新築や改築が新たに必要となる場合については、総合計画等に位置付けた上で、施設の整備費はもとより、ランニングコストを十分に考慮し、施設の規模や機能について検討していく考えでございます。
以上でございます。
72 ◯15番(石井仁志君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございました。
市営住宅については、10年前からの課題ですから、真剣な御答弁になりました。新庁舎の問題も、別の委員会で議論されていますから、精一杯の御答弁と理解します。しかし、最初から申し上げているのですが、公共施設マネジメントは、将来的に数十年スパンで考えると、現状の行財政改革や資産管理問題より、もっともっと大きな財政的な問題を抱え込みますよという前提で市民の理解を得ようとする努力だと思っています。まだ議論がかみ合っていない気がします。来年度には分野別方針も含めて更に詳しい方針を作成するとのこと。今後とも議論の行方を見守っていきます。まあ、かみ合わなくても、現状、多過ぎると考える施設は、今のうちに整理できれば、将来的にも大変いいことです。この件を要望して、この項の質問を終わります。
次の項目の質問に入ります。大きな2番、新大甕駅の防犯上の配慮。
地元では、念願の新大甕駅概略設計案が都市建設部公共交通政策課から示されました。さきに公共施設マネジメントの話をしていて少し心苦しいのですが、バリアフリー化、BRTを軸とするバスの公共交通政策のターミナルとなる大甕駅ですから、改築の必要性については皆様の理解がいただけるだろうと思っています。これまでも担当課が周辺住民に説明会などを何度も開催して、まちづくりニュースなども配布し、情報の
周知徹底の努力を惜しまずに進めてこられたことに感謝します。これまでも駅が橋上式か地下方式か、西口広場設計3案など、丁寧に決定経緯を市民に説明してステップを踏んで進めていただきました。今回示された概略設計案も、近く住民説明会などで議論される予定だそうです。地元でもありますので、何度もこの大甕駅に関して質問していますが、ここに来て、地元から、地下方式自由通路への不安感を訴えられています。地下道の防犯上の不安感です。
質問1、経費面も含めて、地下自由通路に決定した一昨年2月の検討項目に、地下通路への不安感の配慮はあったのでしょうか。
質問2、橋上自由通路と地下自由通路を検討されたとき、工事費用の比較はされたのでしょうか。
地下自由通路というと、平成17年に完成した十王駅が先進事例として参考になります。何度か見せていただきましたが、残念ながら地下通路の防犯上の不安感を拭い切れません。さらに、地下自由通路が現在の東口のレベルから、さらに階段を2メートル前後下がる概略設計になっています。大都会の駅ではありませんから、深く地下に入るほど人目が届きにくくなります。不安感が増します。どうしたら不安感を払拭できるのか、建築の素人には分かりません。
質問3、地下自由通路が防犯上の不安から解放される建築上の工夫を教えてください。
以上、この項の1回目の質問を終わります。御答弁よろしくお願いします。
73 ◯都市建設部長(仙波義正君) ◇登壇◇ 大きな2項目め、新大甕駅の防犯上の配慮について、3点の御質問に順次お答えいたします。
大甕駅舎改築及び東西自由通路新設事業につきましては、平成22年度に施設の位置、構造について、橋上化案と
地下式案の比較検討を実施し、その結果を踏まえ、平成23年度に策定した大甕駅周辺地区整備計画の策定委員会において審議され、地下自由通路、改札口中央案が選択されたものであります。地下自由通路の選択理由としては、橋上自由通路とした場合、東口駅前広場からの段差は、現在の駅舎のある地盤まで約4メートル、そこから自由通路に至るまでの高さ約8メートルの合計約12メートル、階段数で申しますと約80段を上下する必要がございますが、大甕駅の地形を生かした地下自由通路の場合は、段差がその6分の1と大幅に縮小され、利用者の利便性とバリアフリーの観点から優れた構造であること、さらには、
地下式においては、橋上駅に必要な外装のメンテナンスや補修工事などがかからず、長期的にはランニングコストを低く抑えることができることなどが選択の要因となっております。
議員御質問の1点目、地下通路への不安感につきましては、具体の評価項目とはなっておりませんでしたが、策定委員会においても防犯対策への配慮についての意見が出されており、地下自由通路とすることによる不安感を払拭するための十分な防犯・安全対策を進めることで御理解をいただいたところであります。
次に、2点目の橋上自由通路と地下自由通路の工事費の比較につきましては、平成22年度に実施した整備検討業務の中で概算額を算出しており、委託管理費等を含めますと、橋上自由通路案が約31億円、地下自由通路案が約34億円となっておりますが、先ほど申し上げましたランニングコスト等を踏まえますと、ほぼ同額の事業経費になるとの判断から、利用者にとって利便性の高い地下自由通路案としたものであります。
最後に、3点目の防犯上の不安から解放される建築上の工夫についてであります。同じく地下自由通路を採用しているJR十王駅は、供用開始後、既に9年が経過しておりますが、これまで犯罪・事故等の発生はなく、十分な事前の対策を図れば安全性は確保できるものと考えております。特に、十王駅と比較いたしますと、大甕駅の自由通路は改札口が中央となることから、人の目線が行き届きやすくなるとともに、十分な照明機能が確保されるものと考えております。また、十王駅の自由通路は幅員が4メートル、天井の高さが2.5メートルでありますが、大甕駅については、通行量や圧迫感の軽減を考慮し、有効幅員を5.5メートル、天井の高さを3メートルとする計画であります。
今後、詳細設計を進める中で、明るい通路壁面色の採用や照度の高い照明器具の導入、さらには、東西出入口付近に極力自然光が取り入れられる構造とするなど、利用者の不安感を取り除くための設計を引き続き進めるとともに、駅構内並びに通路内店舗における深夜照明の設置や監視カメラなどの適切な配備など、JR東日本や隣接する日立警察署大みか交番との連携を図りながら、十分な防犯・安全対策に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
74 ◯15番(石井仁志君) ◇登壇◇ 丁寧な、詳細な御答弁ありがとうございました。
多分、最初、地下方式の御提案をいただいたときは、東口ロータリーと1.5メートル程度の高低差でした。ところが、今回の概略設計案では2メートルを超える高低差になります。2メートルというと、完全な地下道です。東口広場からの目線も届きません。落書きが一杯ある地下道をイメージしてしまいます。御答弁では、橋上駅のほうが安くできそうです。橋上駅なら、高台にある茨城キリスト教学園と西口、いわゆる学園口広場との新しい展開も模索できそうな気がします。
再質問いたします。地下道への不安感は拭い切れません。近隣で実績のある橋上駅が多くあります。橋上化への見直しを含めた再検討の可能性があるのかどうか、御答弁ください。
75 ◯都市建設部長(仙波義正君) ◇登壇◇ お答えいたします。
地下自由通路の選択に当たっては、地域住民を始め、近隣する茨城キリスト教学園や日立製作所大みか事業所、大みか商店会などの関係機関・団体に御参画をいただき、大甕駅周辺地区整備計画策定委員会において、ランニングコスト等を含めた経済性や駅及び自由通路利用者に対する利便性などを総合的に勘案し判断されたものであり、その過程や情報については、逐次、議会に御報告するとともに、大甕駅周辺地区まちづくりニュースにより、地域住民への周知を図ってきたところであります。
また、昨年度は、この地下自由通路を前提とした西口駅前広場の具体的なレイアウト案を検討するとともに、今年1月には、事業の基本協定となる大甕駅周辺地区整備事業に関する覚書をJR東日本と締結し、これまで概略設計を進めてきたほか、来年3月には地下自由通路と西口駅前広場の都市計画決定を予定するなど、平成28年度末の一部供用開始を目途とした段階的な事業の進捗を図っているところであり、市といたしましては、現計画による取組を進めてまいりたいと考えております。議員から御指摘のありました東口の段差につきましては、今後の詳細設計の中で段差の解消が少しでも図れる設計上の工夫・検討を進め、利便性・視認性の向上等に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
76 ◯15番(石井仁志君) ◇登壇◇ ありがとうございます。
このような大きな公共施設では、正直、素人はできてみないと分かりません。ここまで丁寧に、周辺にも周知の努力をされてきた大甕駅です。これからの地元説明会の意見も参考に、是非とも市民に喜んでもらえる駅にしたいと思います。議会としても、議員間で少し議論をしてみたいと思っています。
以上をもって石井の質問を全て終了します。御答弁、御清聴ありがとうございました。
77 ◯議長(
飛田謙一君) 以上で石井議員の質問が終わりました。
お諮りいたします。本日は、議事の都合上、この程度にとどめたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
78 ◯議長(
飛田謙一君) 御異議なしと認め、本日はこの程度にとどめることにいたします。
次回の日程を申し上げます。次回は、明10日・火曜日・午前10時、本議場で本会議を開き、本日に引き続き、市政に関する一般質問を行います。
本日はこれをもって散会いたします。御苦労さまでした。
午後 2時25分散会
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