まず、
民有林面積中、その約93%を占めている
私有林について伺います。
所有規模別に見ますと、5ヘクタール未満の林家が大部分となっており、零細な
所有形態であることとあわせて、杉、ヒノキの人工林が多いことから、今後、保育・間伐の適正な施業が必要とされており、かつ山間部の
中里地区や
諏訪地区の森林は、早くから杉・ヒノキの造林が盛んに行われており、既に伐採期を迎えている山林も多く、
林業生産活動を通じた適切な
森林整備が急がれるところであります。
私有林の管理・指導につきましては、日立市
森林組合、そして、高萩市
森林組合が担っていると思われますが、この両
森林組合の実態と
私有林の課題等についてお伺いいたします。
一方、本市には、北茨城市に所在する
花園市有林9ヘクタール、十王町友部にあり、3年前に古損木を伐採してその跡地に3,000本のケヤキが植樹され、管理が行き届いて順調に成育している岫山62ヘクタールを始めとする、16箇所、175ヘクタールの
市有林管理の実態についても、併せてお伺いするものです。
次に、(2)
学校部分林管理の実態とその整備の方向性について伺います。広辞苑を引きますと、「部分林とは、
国有林に国以外の者が造林し、その収益を両者で分けるよう定めた林地」とあります。学校林は、正確には「
学校部分林」であり、戦後、児童・生徒や保護者の
奉仕活動で森林を造成し、その収益を
学校施設改善に充てる目的で全国に広まった経緯があります。この学校林に関しましては、そのスタート時の歴史がしのばれる貴重な文章がありますので、原文のままその
後段部分を御紹介いたします。これは、旧多賀町が日立市と合併した昭和30年、当時最後の議員のメンバーで組織された
多賀クラブの方々が発行しました「多賀の里」という冊子に掲載されている文書でございます。
「
軍需品製造であった
日立製作所多賀工場も、農機具をつくり、工員に農耕班ができたのもこの頃であった。働くところ、手に職のない人たちは、塩の不足に目をつけ、資本いらずの体で働く、いわゆる塩炊き。海水をくみ上げ、まきを燃やして製塩し、これを背負って行商し生活したもので、
河原子海岸一帯はこの塩炊き小屋でにぎわった。この塩炊きは終戦後のブームとなり、これがため山野の木が乱伐、盗伐され、
治山治水策は放置の状況でありました。多賀町役場が対策として学校林の経営に乗り出したのも、この間の苦い経験から生まれたものである。」
さて、本市においては、現在2つの部分林と7つの
学校部分林、計214ヘクタールの森林を所有しているとのことでありますが、これらの管理の実態と
歴史的背景から想像し得るに、既に伐採期にある
学校部分林の整備の方向性についてお伺いいたします。
次に、(3)
森林湖沼環境税と
森林機能緊急回復整備事業についてお伺いいたします。森林には、最初に触れましたとおり様々な働きがあります。しかしながら、現状のままではその働きを十分に発揮できなくなることが危惧されており、このため県では
森林湖沼環境税を導入し、この財源、
総額年間16億円のうちの8億円を活用して、イ、
森林環境保全のための適正な
森林整備の推進、ロ、いばらき木づかい運動の推進、ハ、
県民協働による
森林づくりの推進を3つの柱として、森林の保全・整備の施策を重点的に行うとしております。イの適正な
森林整備の推進に関しましては、
森林機能緊急回復整備事業として、本市においても平成20年度当初から事業化されてきたところではありますが、過去4年間の本市におけるその
事業実績と評価及び
整備地区選定の方法、すなわち地区を選定するに当たって本市の意見がどの程度反映されているのか、併せて、ロの木づかい運動、ハの協働による
森林づくりについて、本市におけるその実績があれば教えていただきたいと思います。
一方で、この
森林湖沼環境税は平成24年度が5年間の
最終年度となります。そして、平成24年度においても従来の事業に加えて間伐材の搬出がプラスされる程度の内容のものとなり、消化不良の指摘は免れないと思います。そのため森林の再生に向けては、
森林機能緊急回復整備事業による
整備エリアの拡大や、
林業生産活動への支援のため
森林湖沼環境税の継続は不可欠であります。タイミングを失することなく県に対して継続の要望をすべきと思いますが、執行部の考えをお聞かせください。
次に、(4)宮の
郷ラミナ製材工場の完成・稼働に伴う
本市林業振興への貢献についてお伺いいたします。本年1月に、
常陸大宮市内の宮の
郷工業団地内に、間伐材・曲がり材の
有効利用施設として
集成材用ラミナ材製造施設が完成・稼働いたしました。総事業費は15億円で、そのうち県・国からの補助金10億円、従業員も17名を地元採用したと聞いております。新工場では、県産の杉材を
集成材用の
ラミナ材に製材し、その
原木取扱量は年間6万立方メートル、3年後には倍増を目指す予定とのことですが、今後この工場が
本市林業の振興・発展にどの程度の貢献が期待、あるいは、見込まれるのかお伺いいたすものです。
次に、大きな1番の最後となります(5)森林の再生のためについてお伺いいたします。先日、
大沼市有林に入らせていただきました。そこは
山側道路に程近く、山との間の谷合いに沿って細長く伸びた、比較的手入れの行き届いた山林でした。さらに、ほぼ隣接して同じように谷合いに沿って
大沼学校部分林があり、
大沼市有林と同程度の
収穫期間が近い、50年は経過していると思われる杉・ヒノキの山でした。しかし、そこに至る
北側部分の
私有林と思われる10数倍も広大な山は、足の踏み入れることのできないほどの荒れ山でした。また、南面にあり、山の頂上に向け広がった
国有林と思われる広大な山も荒れ山となっていました。私はこの状況を見て、これが今の日立の森林の現実であり、縮図だとも実感いたしました。
今、森林は、特に
私有林につきましては
管理放棄の状態にあると言えます。所有者が自らの森林の管理ができなくなっている以上、所有権と利用権を分離した地域による
一括利用を考える段階に至っていると強く思いました。
一括利用が実現すると、森林を面的にまとめ、間伐、伐採、植林に至る一連の方程式が確立され、大幅に生産性も高まります。そして、まずこのことに先行して、未来の山をどういう山にするかが大きな命題となってくると思います。折しも2011年は国連が定めた
国際森林年でした。日本でも
国内委員会を設置し、今年も引き続き林業の再生を目指して森林の管理、利活用のための様々な取組が行われております。これからの100年を目指して活力ある日立への再生に向けてと船出した吉成丸にとって、10年先、20年先、そして50年先を見据えた
山づくり、すなわち森林の再生への道のりは、活力ある日立への再生のプロセスと重なって大きな
相乗効果を創出するものと思われます。
森林組合の在り方を含めた幾多の課題を克服して、それぞれの目的に沿った山並みが形成され、
子供たちから市民、
林業関係者、そして、その山が新しい仕事の場となった人々によって活発に利活用されるときこそ、初めて本当の「森林の再生」という言葉が使えるものと思います。その森林の再生のための諸施策を力強く推進するため、本市における
森林管理の一元化も念頭に、
担当部門の拡充又は新設等について執行部の考えをお伺いいたします。
次に、大きな2、
公共交通の
維持確保に向けた取組についてお伺いいたします。
公共交通、特に
乗合バスの利用者は年々減少にあり、
交通事業者の
運営赤字が年間1億円を超すなど、今後の存続も危ぶまれる状況にあります。これらの状況を踏まえると、今後は
交通事業者の
経営努力はもちろんのこと、行政、市民、企業が一体となった
公共交通を将来にわたって維持・存続させる
仕組みづくりが重要であると考えます。その観点から、現在の
中丸団地や
高鈴台団地において、
パートナーシップ事業による
実証運行を進めており、地域と
交通事業者、行政の協力による取組として非常に良い結果が上がっていると伺っております。この
取組成果を踏まえ、市として、今後この
パートナーシップ事業をどのように展開していこうと考えているのかお伺いいたします。
また、現在、将来の
公共交通の在り方となる日立市
公共交通総合体系計画の策定を進めていると聞いていますが、現時点での
公共交通維持・確保に向けた考え方と、その中における
パートナーシップ事業の位置付けについてお伺いいたします。
以上で1回目の質問を終わります。御答弁をよろしくお願いします。
4 ◯議長(
飛田謙一君)
岡部議員の質問に対し、執行部からの答弁を求めます。
5
◯産業経済部長(
豊田泰二君) ◇登壇◇
岡部議員の御質問にお答え申し上げます。
大きな項目1番、森林の再生について5つの御質問がございました。広く本市の
森林行政に関する御質問であることから、私から順次お答え申し上げます。
まず1点目の、本市における
民有林管理の実態と課題についてでございますが、日立市が関わる
森林組合には、旧日立市の組合員が加入している日立市
森林組合と、旧十王町の組合員が加入している高萩市
森林組合の2つの組合があり、日立市
森林組合の
組織体制は、238名の組合員と、その中から選ばれた13名の役員のほか、週2日程度の勤務となっている
事務職員1名となっております。また、高萩市
森林組合につきましては、組合員数合計484名で、うち旧十王町からは83名が加入し、役員15名、週5日勤務の
事務職員3名で構成されております。それぞれの
森林組合の
活動内容につきましては、主に
林業技術の向上を図るための組合員への指導、
造林補助に関する事務、その他
購買事業やみどりの
羽根募金活動などでございます。この2つの組合への支援といたしましては、組合の
育成強化を図るため、今年度は日立市
森林組合へ年額27万円、高萩市
森林組合へは年額12万6,000円の補助を行ったところです。
森林法によれば、森林は、まず
国有林以外を
民有林として区分し、その
民有林は、さらに公有林と「私」という字を用います
私有林に区分されており、御質問の
私有林に関する課題といたしましては、
森林所有者の高齢化による
施業意欲の低下や、小規模零細な
所有形態、
後継者不足などが挙げられます。公有林のうち市の所有する森林の管理の実態でございますが、委員の御質問にもありました岫山につきましては、平成21年度に古損木を伐採した跡地に、市の木でもございますケヤキを植樹し、ケヤキの森として育林を進めているところです。また、この岫山を始め、花園、
楢立市有林につきましては、平成17年度から20年度にかけて間伐を実施し、杉・ヒノキなどの育林を進めているところであり、その他の小規模な市有林につきましても杉や松などの育林を進めており、現在は民間の方9名に、倒木や
不法投棄などを監視するため、
地区ごとに定期的な巡視をお願いしているところでございます。これらの
私有林につきましては、今後も引き続き適正な管理を行ってまいりたいと考えております。
次に、2点目の、
学校部分林管理の実態と整備の方向性についてでございます。
学校部分林所有の目的は、将来
木造校舎を建築する際の用材としたり、
建設費用に充てようとするものでございまして、昭和25年の滑川山を皮切りに、市が国と
造林契約を結び、市内7箇所、約44ヘクタールの国有地において育林を行っているところでございます。しかしながら、ここ50年余りのうちに
学校校舎は木造から
鉄筋コンクリートづくりが主流となったことや、安価な輸入材が増えたことなどにより、全国的にも
学校部分林は活用されず、その多くが管理のみを行っているという状況になっているところでございます。本市におきましては、平成25年までに全ての
契約期間が満了となる予定でございましたが、現在の
木材市況の低迷や
大量伐採による環境への影響が懸念されたことなどから、
森林管理署との協議により、10年から30年の範囲で
契約期間の延長を行ったところでございます。
次に、3点目の、
森林湖沼環境税と
森林機能緊急回復整備事業についてでございます。
森林湖沼環境税を活用した
森林機能緊急回復整備事業の、平成20年度からの4年間の実績と評価といたしましては、
間伐面積318ヘクタール、作業道8,600メートルの整備が計画どおり実施できたことにより、日立市における広大な森林の一部ではございますが、これらの森林は
水源涵養等の
公益的機能を取り戻すことができたものと考えております。また、この
整備地区の選定に当たりましては、県が平成18年度に実施いたしました
間伐推進全体
計画調査において、3年以内に間伐が必要とされた市内の森林1,030ヘクタールを、
森林機能緊急回復整備事業計画の
対象区域として県へ
事業計画の
承認申請を行いましたところ、申請どおり承認されたという経緯がございます。さらに、いばらき木づかい運動の
事業実績といたしましては、その
事業メニューの中の
環境整備事業を活用し、平成20年度に
高原自然体験交流施設の
交流棟建設を行ったところでございます。この
森林湖沼環境税の継続につきましては、森林の持つ
多面的機能の確保、
自然環境の整備や
水源確保等、幅広い分野の事業の財源として活用できることから、引き続き有効な税であると考えており、継続へ向けた県への具体的な
働き掛け等につきましては、今後
近隣市町村とも協議しながら検討してまいります。
次に、4点目の、宮の
郷工業団地内ラミナ製材工場の完成・稼働に伴う
本市林業振興への貢献についてでございます。宮の
郷工業団地内の
ラミナ製材工場は、本市の
森林所有者にとっては、工場までの
搬送用道路が十分に整備されていないことや、
常陸大宮市までの搬送にかかる経費が負担となり、現時点では利用が難しい状況にございますが、将来的に内装材としての需要やバイオマスエネルギーへの利用など間伐材の需要が増え、費用対効果の問題が解決されれば、本市の
森林所有者にとっても有効な施設として捉えることも可能になってくるものと思われます。
最後に、5点目の、森林の再生のためについてでございます。現在、当市の管理する森林については、その用途・目的によって幾つかの部署で管理しているという実態がございますが、御質問にもありましたように、森林は
地球温暖化や
土砂災害の防止、
水源涵養など極めて多くの機能と役割を担っていることから、私たちの生活とも深い関わりを持つ、未来に残すべき貴重な財産の一つと考えております。そのため市が管理する森林、その他の
民有林、
国有林も含め、市域全体の約6割を占める森林については、日立市
森林整備計画に沿って維持・保全に努めますとともに、環境税を使った身近な
みどり整備推進事業等、県事業の活用を改めて検討するほか、森林の整備・再生について国・県への
働き掛けも含め、総合的に検討する必要があると考えております。
私からは以上でございます。
6
◯都市建設部長(
古平祐次君) ◇登壇◇ 私からは大きな2番の、
公共交通の
維持確保に向けた取組について2点の御質問がございましたが、関連いたしますので、併せてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、全国的に地方部での
公共交通、とりわけ
バス交通の衰退が加速しており、
交通事業者の
経営努力だけでは存続できない状況が続いております。このため本市におきましては、市民、
交通事業者、市が一体となって
路線バスを存続させる取組として、市民は
地域一丸となった
路線バスの
乗車促進活動を行い、
交通事業者は市民が使いやすい
路線バスのルートやダイヤの見直しを行い、市はそれらを総括的に支援する
パートナーシップ事業を平成21年度から
諏訪地区に導入したのを始めとして、今年度は
中丸団地、
高鈴台団地の2地区においても
実証運行を実施しているところでございます。これら2地区における
実証運行は、現在のところ、全市的に乗車率が減少する中、どちらの団地におきましても昨年度より
バス利用者数が増加するという成果が上がっているところであり、3月末まで
実証運行を継続し、
実証運行終了後においても
交通事業者による
バス路線の維持につながるよう取り組んでまいりたいと考えております。
また、現在策定を進めている日立市
公共交通総合体系計画では、将来にわたって持続可能な
公共交通体系の再構築に向け、現在の
バス路線網を基本に、動脈となる幹線、それに接続する枝線に区分する効率的な
ネットワークの構築と、
路線バスのほか
乗合タクシーなど、地域の特性や状況を踏まえた適切な
交通システムの導入を柱とする施策の検討を進めております。この中で
パートナーシップ事業は、
ネットワークの各枝線における地域のニーズに対応した
公共交通の維持・確保を図る施策の一つとなるものであり、その意義・役割は大きいものと考えております。したがいまして、本市の独自の施策であります
パートナーシップ事業を
公共交通施策の
重点プロジェクトとして位置付け、今後も
山側団地など他地域への拡大を図りながら、市民にとって利用しやすく、そして、将来にわたって持続する
公共交通体系の構築に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
7 ◯17番(
岡部光雄君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございました。森林の再生に関連しまして、1点だけ要望させていただきます。
本市の森林の再生に向けて諸施策を力強く推進するため、
森林管理の一元化も念頭に、
担当部門の拡充・新設等について執行部の考えを正したところでありますが、それに対しての回答は、日立市
森林整備計画に沿って更に維持・保全に努めること、環境税を使った県事業の活用を改めて検討すること、そして、森林の整備・再生のため、国・県への
働き掛けも含め総合的に検討する必要があると考えていますという内容にとどまりました。このことは、諸施策を力強く推進するために
担当部門を拡充すべきという質問が、執行部におかれましては唐突感を持って受け止められた結果であると理解いたしました。同時に、これまで森林の再生・整備・活用に関して、いわゆる日立の山に関する議論がほとんどされてこなかったことに起因していることも分かりました。従来から魅力ある自然として、本市では海・山をその両輪として取り上げながら、海の活用策につきましては度々論じられてきておりましたが、山に関してはほとんどゼロに等しい状況下にありました。そういう意味で、今回の私の質問が今後森林の再生に向けた議論の高まりへのきっかけになれば幸甚の至りです。
先ほど申し上げましたとおり、本市における
民有林の面積中、その約93%を占めている
私有林については、現在正に
管理放棄の状況にあると言っても過言ではありません。所有者が自らの森林の管理ができなくなっている以上、戦後国が
部分林政策を行ったように、
私有林を地域が管理する
一括利用に向けた法の整備、あるいは、改正を含む
調査研究、そして、
針葉樹林、杉・ヒノキの山から
広葉樹林、ナラ・クヌギ・栗などの
広葉樹林への移行の推進といった大きなテーマから、山梨県における
学校林保有校が2001年に58校であったものが、2010年には75校に増えているといった先進地に対する情報の収集、そして、主に中国など
外国資本による
森林買収が全国に広がりつつあり、この5年間で北海道や長野県など5道県で計40件、約620ヘクタールの取引が確認されており、これら防止のため
事前届出制とする
条例策定に向け、埼玉県や北海道が今動き出しております。このように、これからの
森林管理は広域かつ
複雑多岐にわたるため、それらに対応できる体制の整備を急がれますよう改めて再度要望し、最後に、
吉成市長に対しまして、森林の再生に向けて「悠悠として急げ」というメッセージをお届けさせていただきまして、質問を終わります。ありがとうございました。
8 ◯議長(
飛田謙一君) 以上で
岡部議員の質問が終わりました。
次に、
小林議員に発言を許します。
9 ◯7番(小林真美子君) ◇登壇◇ おはようございます。日本共産党の小林真美子です。発言通告に従いまして、大きく4点について質問をいたします。御答弁をよろしくお願いいたします。
東日本大震災から1年になろうとしています。大震災と原発事故の被害から復旧・復興などの大きな課題に取り組んでいるさなかの社会にあって、国の2012年度の予算は、税と社会保障の一体改革を先取りして消費税増税を前提として、その一部を先食いしながら年金給付や子ども手当の削減で社会保障費を抑制する一方、八ッ場ダム建設再開や原発推進予算の維持、軍事費の増額など、無駄遣いを更に拡大する予算だと考えます。負担増を押し付けられる庶民はたまったものではありません。年金世帯は連続の負担増で、物価下落を理由にした年金給付額の引下げに、2年に一度の後期高齢者医療保険料の見直しによる値上げと、3年に一度の介護保険料の見直しによる値上げが重なり、今年6月以降、毎回のように、年金を受けとるたびに手取り額が減っていることになります。この年金給付削減は、障害年金や児童扶養手当なども連動して引き下げられます。また、子育て世帯では、子ども手当の改正や年少扶養控除廃止による増税などで、年収500万円で子供2人のサラリーマン世帯の場合、月給の半分がなくなるくらいの負担増となっています。その上、消費税大増税では暮らしていけないという声が上がっています。今、暮らしを応援し、支える施策の拡充がどうしても必要です。
1、国民健康保険事業についてです。
(1)一部負担金の減免について。昨年、平成23年第1回定例会で大曽根前議員が質問したもので、一部負担金減免についての要綱等を整備することについて、研究課題とするとの答弁をいただいておりますので、その後の経過をお伺いするものです。病院の窓口で医療費の負担金が支払えない方に減額・免除をする基準を国民健康保険法第44条に定めています。被災や失業など特別な理由があるときに減免することができるもので、おととしの2010年からは、生活保護基準以下であり、かつ預貯金が生活保護基準の3箇月以下であることなど基準が明確化されています。国の減免基準は最低限のものであり、自治体の判断で拡充できるものとなっており、国基準の減免額の2分の1は国が負担するとしています。国保の加入世帯は所得が低い方の割合が高く、高過ぎる国保料に負担が重いという声を聞いています。医療機関から足が遠のいている方も、申請して医療費が減免されれば手遅れになることはないと思います。一部負担金減免についての要綱等の整備を求めるものですが、御見解をお伺いいたします。
(2)限度額適用認定証の交付についてです。入院時、1箇月の医療費が自己負担限度額を超えたとき、高額療養費制度で超えた分の医療費は後日返還されますが、限度額適用認定証を市に申請し、医療機関の窓口で提示すると自己負担限度額を超えて支払わなくて済みます。しかし、国保料を払い切れずに計画的に納付されている短期被保険者証世帯の方はこの交付制限がされており、一時的に大きな負担をしなければなりません。4月からこの限度額適用認定証の拡充が図られ、外来のときも適用になると聞きました。この機会に短期被保険者世帯への交付制限を見直し、発行すべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。
次に、2、介護保険制度についてです。
2012年度から2014年度までの3箇年の、第5期介護保険
事業計画が4月から始まろうとしています。本議会に保険料改定の提案がされているところです。介護保険制度がスタートして12年、その間、介護サービスの総量は増えましたが、負担増やサービスの切り捨て、介護報酬削減など、改悪に改悪を重ねていると私は考えます。全国的に必要なサービスを必要なだけ受けられない状況で、要介護認定で軽度と判定されての介護取上げ、特養ホーム待機者は42万人超え、療養病床を追い出されての介護難民、介護現場の労働条件は劣悪で、サービス提供体制の崩壊も叫ばれています。サービスの給付抑制にもかかわらず介護保険料は上がり続け、65歳以上の年金から天引きされる方たちから悲鳴が上がっています。こうした事態の大もとは、国庫負担割合が介護保険開始以前の50%から20%へと引き下げられてきたからです。給付費の増は保険料引上げに直結します。今回の改定では地域包括ケア構想が打ち出されましたが、介護サービスの大部分を地域の助け合いに置きかえようとしている、介護サービスの対象選別と低コスト化だと言えます。国に必要な介護サービスを保障するよう求め、悲鳴が上がっている高齢者の負担軽減の対策が急務です。
(1)保険料・利用料の市独自の減免についてです。介護保険制度の改正により保険料やサービス利用料の負担増が見込まれます。低所得者や支払い困難者の負担を軽減するために、市独自の減免制度の創設又は拡充を図れないでしょうか。
(2)軽度の方のサービスについてです。介護保険制度の改正により、要支援1、2のいわゆる軽度の方は、介護予防、日常生活支援総合事業に置き換えていく制度改変が決められました。これは介護保険制度とは別枠の地域支援事業とされ、介護保険給付費の3%以内という上限が付けられます。介護保険の指定サービスではないため、人員、整備、運営などに基準もなく、限られた財源の中で不十分なサービスになると考えられます。これまでのヘルパーによる家事援助などが、民生委員の見守りや公民館でのデイケアなど低コストサービスになると心配されています。市は新しい高齢者保健福祉計画を策定中ですが、その中で総合事業をどのように位置付けようとしているのか、市としての対応をお伺いいたします。
続いて、3、中小商工業、観光業への支援策についてです。
野田政権は、社会保障と税の一体改革と称して、消費税を2014年に8%、2015年に10%に増税する大増税法案を成立させようとしています。日本共産党は、消費税増税は暮らしと経済に甚大な被害をもたらすとして反対をしています。特に消費税を税務署に納める事業者の被害は計り知れません。今でも消費税を価格に転嫁できないという事業者は少なくありません。小規模な業者ほど転嫁できない割合が高くなっており、結局利益を削って納税しなければならないという業者が多数出るならば、廃業を余儀なくされる事態が頻発するのではないかと考えています。
東日本大震災では、日立市の事業者にとって大きな被害となりました。日立商工会議所が昨年6月に行った中小企業の被害状況のアンケート調査では、回答した1,039件のうちほぼ半数の510件が「被害あり」と答え、5件は「営業再開できない」と答えています。原発事故の風評被害では、18.3%の190件が「被害あり」と答えています。苦境を強いられていることが伺えますが、今も余震が続くなどで、これからもまだ観光客の入りが心配されるところです。被害の状況で特にひどかったのは、地震後の津波に見舞われた海岸部で、観光業を中心に大きな被害と傷跡が残りました。また、全壊・大規模半壊までは至らなかったものの、本市のものづくり、あるいは、にぎわいの担い手とも言える中小商工業の皆さんが受けた被害も決して小さなものではありませんでした。その結果、一時営業を中断したり、営業を断念したりせざるを得ない事態が生じたケースも少なくありません。このような中にあって再び営業の再開を目指す中小商工業の皆さんや観光業を営む皆さんに対し、国を挙げての支援が必要ではないでしょうか。また、震災の影響が残り、ますます萎縮する経済環境の中にあって、特に若い人たちにとって雇用の場がますます狭まってきています。
そこで、次の2点について御質問します。(1)中小商工業、観光業への支援の状況等についてです。震災で被災した中小商工業・観光業に対し、市の自治振興金融制度を含め、どのような金融支援が行われているのかお伺いいたします。(2)雇用対策についてです。中小商工業・観光業に対し、新規雇用を奨励するための奨励金支援制度といった支援策についてお伺いします。
続いて、4、東海第二原発の再稼働についてです。
全国54基のうち、現在運転中は2基となり、4月にはその残りの2基も点検のため運転停止となります。原発立地自治体とその周辺自治体は、どこでも再稼働について住民の安全を最優先とした、しっかりとした考えを持って向き合う時期が来たのではないでしょうか。日本共産党は、原発ゼロの日本を目指す政治的決断を行い、5年から10年以内を目標に原発から撤退するプログラムを政府が策定し、自然エネルギーの本格的導入と低エネルギー社会への転化に向けてあらゆる努力と力を総動員することを提案しています。東日本大震災により緊急停止し、そのまま定期検査に入った東海第二原発は、6月に試運転をし、8月に定期検査を終了し、再稼働するスケジュールだと聞いております。
東海第二原発の再稼働について2点お伺いいたします。1点目、東海第二原発の近隣自治体の首長で懇談会を設立し、第1回の会合を開いたと聞きましたが、懇談会の目的と会合の内容をお伺いいたします。2点目、原子力防災体制の見直しを国で進めているところですが、福島原発事故が起きた以上、それに相当した原発事故を想定しての体制が必要だと思います。その重要な一つが、市民が移動する避難先です。避難場所として、例えば友好親善都市である群馬県桐生市や山形県山辺町などと協定の締結に向けた協議は行っているのでしょうか。
以上、1回目の質問を終わります。
10 ◯議長(
飛田謙一君)
小林議員の質問に対し、執行部からの答弁を求めます。
11 ◯保健福祉部長(國井博之君) ◇登壇◇
小林議員の御質問にお答えいたします。私からは大きな1番、国民健康保険事業についてと、大きな2番、介護保険制度についての4点の御質問に順次お答えいたします。
まず、大きな1番の(1)一部負担金の減免についてでございます。被保険者の方が医療機関等を受診した際に御負担をいただく一部負担金の減免につきましては、本市の国民健康保険条例施行規則において、震災、風水害等の災害により被保険者が死亡したとき、又は資産に重大な損害を受けたとき、あるいは、事業などの休止や失業などによって収入が著しく減少したときなどとされております。この一部負担金の減免に際しましては、収入減少の認定や適用する期間等について適正な基準に基づいた運用が必要となりますことから、この基準の整備については急ぐ必要があるものと認識しているところでございまして、昨年3月議会の際の大曽根前議員の
一般質問におきましても、こうした認識に立ってお答えを申し上げたところでございます。
そうした矢先に発生いたしました昨年の東日本大震災におきましては、国から被災地に対しまして、市町村の減免制度のあるなしにかかわらず、特例としての一部負担金の免除措置が示されました。本市におきましても、一定程度以上の損害を受けた被保険者に対しましてこの措置を適用し、約2,200件の申請を受け付けて、実際に減免の対応を行ってきたところでございます。この対応は、いわば臨時的措置というものでございますが、今回の経験と実績を踏まえ、今後国民健康保険条例施行規則に基づく一部負担金減免の恒常的な基準を、国が示す基準に従ってできるだけ早い時期に整備してまいりたいと考えております。
次に、(2)の限度額適用認定証の交付についてでございます。この限度額適用認定証の交付の取扱いにつきましては、平成19年度に厚生労働省から出された通知に基づいて、保険料の滞納がない方に対して行っているものであり、短期被保険者証をお持ちの世帯に対しましては、納付相談をさせていただきながら対応しているところでございます。本年4月からは、この限度額適用認定証の適用が外来診療の高額療養費にも拡大されることになりますが、交付の基準につきましては現行どおりとされておりますので、短期被保険者証世帯へこの認定証を交付することはできませんが、高額な医療費の支払いが困難な方につきましては、従来から行っております高額療養費貸付制度の活用などの御案内を差し上げながら、現行制度の枠組みの中で引き続き対応してまいりたいと考えております。
次に、大きな2番、介護保険制度についての、(1)保険料・利用料の市独自の減免についてでございます。
議員御案内のとおり、平成12年度に介護保険制度が導入されて以来12年近くが経過し、介護保険制度も着実に浸透してきたものと考えております。平成24年度は第5期の介護保険
事業計画がスタートするわけでございますが、要介護・要支援の認定者数は伸び続けておりますし、今回、国から示されました介護報酬の1.2%の改定や、今後の介護サービスの需要に伴う保健給付費の伸び等を勘案いたしますと、どうしても保険料の改定をせざるを得ない状況でございます。このような中、保険料の上昇幅を少しでも抑えるために、基金の取崩しや県からの交付金を活用するほか、所得の低い世帯への対応として、保険料を決定するための所得段階のうち第3段階を2つの所得区分に細分化し、負担割合を軽減するなどの措置を講じてまいります。
御質問の保険料の減免につきましては、条例等によりまして、世帯が罹災して財産に著しい損害を受けた場合や、生計維持者の長期入院等により収入が著しく減少した場合など、一時的に保険料の負担が困難となったときに適用されることとされております。また、利用料の減免につきましても、法令等によりまして保険料と同様の要件により適用されるものでございますが、ほかにも所得の低い世帯への対応といたしまして、利用者負担の上限額を超えた差額を払い戻す制度や、市独自の訪問介護等の利用者の負担額減額制度など幾つかの負担軽減措置も講じております。こうしたことから、保険料や利用料の減免につきましては、保険財政上のルール、保険料や保険財政への影響もございますので、まずは現行の制度の周知徹底に努めることで対応させていただきたいと考えております。
次に、(2)の軽度の方のサービスについてでございます。議員御承知のとおり、介護予防・日常生活支援総合事業につきましては、要介護になるおそれのある方、いわゆる二次予防事業対象者に対する従来の地域支援事業のサービスに、配食・見守り等の生活支援サービスを加えるというものでありまして、この導入による最も大きな変更点は、対象者を要支援者まで広げるというものでございます。要支援者は、従来の予防給付を受けながらこの総合事業の同種のサービスを併用することはできないとされており、市や地域包括支援センターが利用者の状態や意向に応じてどちらかの事業を選ぶことになるというものでございます。この総合事業は、本年4月から導入することができますが、事業費に制限がある地域支援事業の枠内で、要支援者までを対象として十分なサービスの提供が可能なのか、また、枠をオーバーした場合の負担はどうなるかなど、導入した場合のメリット・デメリットについていまだ不透明な部分が多く、更なる詳細の把握に努める必要があると考えております。こうしたことから、現在策定中の日立市高齢者保健福祉計画2012におきましては、この総合事業の導入を見送り、従来どおり要支援者には予防給付によるサービスを提供していくことといたしました。いずれにいたしましても、次の計画見直しの時期には大きな制度改正があることも想定されますので、今後の国の動向を見据えるとともに、利用者のニーズを踏まえながらサービスの低下につながることのないよう配慮してまいりたいと考えております。
以上でございます。
12
◯産業経済部長(
豊田泰二君) ◇登壇◇ 私からは大きな3番、中小商工業、観光業への支援策についての2つの御質問に順次お答え申し上げます。
まず、(1)の中小商工業、観光業への支援の状況等についてでございます。さきの東日本大震災を受け、被災した中小の商工業、観光業等の事業者に対しましては、本市を含め国・県からもその事業再建や経営の安定化に必要な金融支援策として、緊急的に各種の支援策が打ち出されたところでございます。市の制度にある自治・振興金融融資を始めとし、国においては災害関係補償や日本政策金融公庫の震災復興特別貸付けの創設、県においても低利の震災復興緊急融資とその利子補給が創設されました。市はこれらの融資制度を含め、被災した中小企業に対する国・県・市の各種支援策の説明会及び個別相談会を関係機関と連携して4月に開催し、79社、103人の方の参加を得て、その周知と利用の促進を図ったところでございます。また、融資の迅速化を図るため、震災直後から昨年9月までの間は、融資審査会の開催を通常の月1回から週1回の開催にするなどの対応も行ってきたところでございます。さらに、震災で被災した事業者に対する負担軽減策としまして、自治・振興金融の借入者に対しましては、従来の利子1%相当額の3年間補給を、借入れ後1年間の利子については全額補給するという上乗せ措置に加え、事業用資産が直接的な被害を受け、日本政策金融公庫の東日本大震災復興特別貸付けを受けた事業者に対しても、新たな支援策として借入れ後1年間の利子を全額補給することとしたところでございます。
次に、(2)の雇用対策についてでございますが、市では現在のところ御質問にあったような新規雇用に対する直接的な奨励策はございませんが、雇用創出策としては、県の雇用創出基金を活用し、有期雇用という条件はあるものの、新卒未就職者や40歳未満の離職者を新規雇用した場合、最長1年間の人件費及び研修費を市が負担することで、事業者の新規雇用及び人材育成を支援する地域人材育成事業を実施しており、来年度も継続して実施する予定でございます。また、工場等の新設を促進し、雇用機会を創出するための制度を検討しているところであり、その制度の中で新たに雇用する従業員に対する一定額の補助を考えているところでございます。なお、国におきましては、大学等を卒業後3年以内の既卒者を正規雇用した事業主に対する奨励金や、東日本大震災に関連して、被災離職者や被災地域に居住する求職者を雇い入れる事業主に対する被災者雇用開発助成金などの支援制度を実施しており、引き続きその利用の促進に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
13 ◯総務部長(梶山隆範君) ◇登壇◇ 私からは大きな4番の、東海第二原子力発電所の再稼働について2点の御質問がございましたので、順次お答え申し上げます。
まず、原子力所在地域首長懇談会の設立の目的及び会合の内容についてでございます。この懇談会は、東海村や那珂市に立地している原子力発電所など、原子力施設の今後の在り方やこの地域における原子力防災対策、そして、まちづくりについて政策的な観点から情報を共有し、また、意見交換を行うことを目的に、東海村及び隣接する地域等の6つの自治体の首長で設立されたものでございます。去る2月6日に第1回会議が開催されまして、県に対し原子力安全協定の見直しを求めることや、国に対しエネルギー政策の将来展望等を示すよう求めていくことなどが話し合われたところでございます。
次に、原子力災害時における市民の避難先としての、友好親善都市などとの協議についてでございます。現段階では、原子力災害時における避難先確保について他自治体との具体の協議は行っておりません。大量の避難者が発生するという大規模な原子力災害を想定した場合の避難先や避難経路の確保等については、広域的で統一したシステムに従って行われることが、安全かつ効率的な避難の観点から不可欠であり、茨城県が来年度実施を予定している住民避難に関するシミュレーションの結果などを踏まえて検討を行うべきであると考えております。なお、東海第二原子力発電所の周辺市町村においても、他の自治体と原子力災害時の避難先確保を目的とした協定の締結はございません。同様の理由によるものと考えております。今後は、国や県における原子力防災対策の見直しの状況を踏まえつつ、先ほど申し上げました首長懇談会の場なども活用して、県及び近隣自治体などと協議を進めながら、統一した避難システムについて検討を進めていきたいと考えております。なお、各自治体において独自に一定の圏域外に避難先を確保しなければならない事態を想定する場合には、御指摘のありました桐生市や山辺町についても、既に災害時における相互応援協定を締結していることもあり、避難先候補の一つとして検討の対象となってくるものと考えております。
私からは以上でございます。
14 ◯7番(小林真美子君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございました。要望を述べさせていただきたいと思います。
1、国民健康保険事業の一部負担金の減免について、基準を国が示す基準に従って整備すると御答弁いただきましたが、厚生労働省は国会答弁で、市町村が国の基準より減免の上積みを図ることが望ましい旨を述べています。また、滞納があっても基準に該当すれば減免するよう述べています。国の基準では減免の期間を1箇月ごとの更新で3箇月としていますが、期間を区切るのではなく、生活実態を見ていただき、生活保護の相談につなぐなど救済のための基準となるよう、国の基準を上積みしての整備を要望いたします。
2、介護保険制度についてです。保険料への市の御努力が分かりましたが、自立して生活している高齢者の方の中にも、病院に通院していて入院しなければならなくなったときのお金が心配とか、老老介護で切り詰めて生活をしていて、歯科医にも行きたいが我慢しているなど大変な状況を伺っています。また、介護認定を低くされたなど不満も多く聞かれます。国に対し、負担率を増やすことを求めるなどして介護保険料の値上げを抑えること、利用者の実態をよく聞いていただき、サービスの切下げが行われないよう要望いたします。
3、中小商工業、観光業者の方々への支援ですが、融資制度の周知や利子補給を行っているということでした。これからまだまだ厳しい状況が続くと思われますので、利子補給の期間延長など更なる支援を検討していただくことを要望いたします。
最後の4番の、東海第二原発の再開についてですが、この首長懇談会で市長は再稼働について積極的に事業者に意見をしていただきたいというのが私の要望です。万が一の防災体制ができないうちに再稼働になることは認められないと考えています。原発が停止中でも原子力災害はいつでも起こり得ると考えます。福島原発事故を想定した防災体制を早急につくってほしいと思います。
以上で質問を終わります。
15 ◯議長(
飛田謙一君) 以上で
小林議員の質問が終わりました。
次に、添田議員に発言を許します。
16 ◯6番(添田絹代君) ◇登壇◇ 公明党の添田絹代です。発言通告に従いまして、身近な市民生活の中から4項目について質問させていただきます。御答弁をよろしくお願いいたします。
大きな1番、にぎわいのある商店街への取組について。
(1)「街コン」等の新たな取組について。ここ日立市において今話題の街コンの開催が決定いたしました。街コンとは、昨年の東日本大震災後、不安がもたらした人と人との絆を結ぶ取組として、まちでのコミュニケーション、まちぐるみのコンパ、まちでの結婚などの願いを込めて、地域振興を旗印に全国各地で開催されているものです。日立の街コンは、第1回目の街コンとして「ぴたコン」の名称で、日立地区3モール商店街活性化実行委員会がぴたコンプロジェクトを立ち上げ開催されます。開催日は3月17日の土曜日、18時から、日立地区3モール商店街近隣の飲食店を会場としての開催です。参画している飲食店を一定の料金で食べ歩き、飲み歩きが可能で、各店舗で相席となった異性との新たな出会いの場を楽しむ取組で、20歳以上の未婚者、男性300名、女性300名での開催となります。今回の開催費用は、日立地区3モール商店街が独自で国へ予算要望をして取り組むものとお聞きしております。商店街の方々が自らの力で取り組まれようとしているこのイベントの大成功を祈るものです。
過日の新聞記事の中に、宇都宮市で開催される「宮コン」の実行委員長の記事が掲載されておりました。170人規模から3,000人規模に成長し、年7回で約1億円から2億円の経済効果を得たとのこと。成功の秘訣は、開催後に協力店の要望をよく聞き、次の企画に必ず反映させ、店が総収入の9割を取り、意欲が続くようにしているとのことでした。本市としてもこの取組の長期継続的開催を応援していくことが大切であると考えます。街コンの今後の長期継続についてを含めた、新しい商店街のにぎわいづくりについての執行部の御所見をお伺いいたします。
(2)商店街の後継者とリーダーについて。今回の街コンの開催は、若い世代を巻き込んだ新たな取組になることでしょう。しかし、商店街を取り巻く経営環境は、全国的にもここへ来て一段と厳しさを増しています。本市におきましても、人口減少、少子高齢化、市外にある大型小売店への消費者流出など、厳しい経営環境下に置かれています。しかし、このような厳しい経営環境にあっても、様々な工夫や努力と次世代を担う若いリーダーの活躍で活性化に成功している商店街も少なくありません。こうした商店街の特徴は、強力なリーダーシップを発揮しているリーダーの存在や、商店街をサポートしている団体、人たちが見られることです。本市における商業振興計画の中では、後継者対策とリーダーの存在について、日立市特有の商業環境にマッチングした後継者対策の検討をする必要があるとしています。
そこで、商店街の後継者とリーダーについて2点お伺いいたします。1点目、本市における商店街後継者やリーダーについての現状をどのように捉えているのかお聞かせください。2点目、本市として今後商店街後継者やリーダーを育成するための施策については、どのように進められていくのかお伺いいたします。
大きな2点目、今日の社会と女性が働くことについて。
昨今の社会情勢、経済情勢の中では、夫婦が力を合わせ、共に働きながら生活をしていくことの意識が重要になってきていると思います。これまで行政、そして、企業においては、働く御夫婦が安心して働き子育てのできる環境づくり、そして、男女共同参画の推進に取り組んでいただきました。そこで、私からは女性が働くことに関連した3点についての質問をさせていただきます。
(1)女性が働くことの意識について。「日立市に住む男女の生活と意識の調査」の中間報告の中で、私は予想していなかった結果を目にしました。「女性が職業を持つことについてどのように考えますか」との問いに、約半数の若い女性が「出産したら仕事をやめ、子供が大きくなったら再び仕事をするほうがよい」との回答だったことです。私は、本市の若い女性の意識は、結婚・出産後も仕事を続け、自ら収入を得て自立した生活を送ることを望んでいるものと思っていましたので、意外でした。
今現在の社会情勢の中では、夫である男性が収入を得て家庭生活が成り立っている状況ばかりではありません。現代社会においては、女性が仕事に就くことは、各個人、各家庭の豊かさや幸福を高めるための大切な手段になると考えます。併せて、女性が結婚・出産にかかわらず働き続けることを選択すれば、経済基盤を安定させたり、本人の職業上のキャリアアップを図ったりすることができます。しかし、一方、結婚・出産を機に仕事をやめて家事・育児に専念することを選べば、子供の発達や教育の過程に時間的に深く関わることができます。したがって、女性が仕事を継続することについては各個人と各家庭の家計、健康状態、価値観、子育て環境等、他種多様な考え方が存在し、自分自身とその家族に合った選択をすることが、豊かさや幸福追求のために必要になると考えます。しかし、現在の社会環境の中では、結婚・出産等で一旦退職してしまうと、次の段階で働くことを選択しようとすると選択肢が極端に狭まってしまうのが現状です。そこで、女性の働くことの意識の問題についての本市の現状と、結婚・出産などで仕事を一旦中断した女性の再チャレンジに対する支援についてお伺いいたします。
(2)子どもたちへの職業教育について。(1)の質問で女性が働くことの意識について質問させていただきました。その上から今後の学校教育、家庭教育の中では、
子供たち男女どちらにも働くこと、働く喜び、いわゆる勤労教育、職業教育、キャリア教育が重要であると考えます。
さて、本市においては、平成12年度から中学2年生を対象とした中学生の職場体験事業に取り組んでおります。生徒たちが主体的に自己の進路を選択・決定できる能力と職業観を身に付けさせる取組であるとお聞きしております。
過日、地元の日高中学校の校長先生と進路指導主事からお話を聞いてまいりました。日高中学校の平成23年度の職場体験事業は、生徒自身やPTAの役員、そして、先生方が受入事業者50箇所を確保いたしました。体験受入事業者としましては、近隣の小学校、病院、寿司店、ペットショップ、市役所の広聴広報課等がありました。事業者との受入日時、当日の服装、体験内容等の打合せについては、生徒自身が全て行います。打合せ準備の段階で不安な点があると、前もって事業者を訪問し確認をとってくる生徒もいたとのことです。当日はPTAの役員が体験場所を訪れ、体験の様子をカメラにおさめ、その写真を模造紙に張り、校舎内に張り出し、来年の職場体験事業に参加する1年生に見せ、キャリア教育の心を育てる取組につなげているとのことでした。しかし、学校現場においては、数多くの職種の職場体験の受入事業所を毎年確保することに苦慮されているようです。
そこで、教育委員会として中学生の職場体験事業の取組について3点お伺いいたします。1点目、教育委員会として各学校で苦慮されている職場体験事業の新規受入事業者の開拓や連携等はどのようにされているのでしょうか。2点目、市役所本庁を含めた公共施設での職場体験受入れの現状と課題についてお聞かせください。3点目、受け入れていただいている事業者に対しての体験実施後の配慮はどのようにされているのでしょうか、お聞かせください。
また、私からの提案ですが、受入れに協力していただく事業者に対して、協力していただいた感謝の思いを込め、市長名・教育長名での感謝状の贈呈をしていただいてはいかがでしょうか。その思いが受入事業者の拡大等にもつながっていくと考えます。執行部の御所見をお聞かせください。
(3)働く女性を応援する「育ジイ」について。夫婦共働きする世帯の増加により、孫育てするシニア世代が増えています。中でも注目は、おじいちゃんの孫育てです。育児に主体的に取り組む父親、「育メン」が一気に浸透したように、「育ジイ」にも注目が集まりつつあるようです。
去る2月18日、埼玉県川口市と鳩ヶ谷市の合併記念として、川口市男女共同参画フォーラム講演会が川口市総合文化センター「リリア」で開催され、参加してまいりました。講演内容は、NHKアナウンサー村上信夫氏による「まごまご孫育て」と題しての講演でした。講演の中で村上氏は、まごまごしながら孫と付き合う体験談を通し、祖父による孫育て、家族みんなで子育てすることの重要性について語られていました。講師の友人である田原総一郎氏との会話の紹介の中で、どうして孫は理屈なしでかわいいのかとの話になったとき、田原氏が、子供とは人生の中で40年、50年と一緒に生きていけるが、孫とはこの先5年か10年しか一緒にいられないかもしれない。ゆえに凝縮して愛情が注がれるのではないか。また、戦前戦後間もなくに生まれたシニア世代は、このかわいい孫を絶対に戦争に行かせることはできない。絶対に守っていくとの思いで孫に関わっているのではないかと語っていて、村上氏も同じ思いであったため意気投合したと語っておりました。私は、このような祖父の方々の孫を慈しむ強い思いを、今後の男女共同参画の推進にいかさない手はないと考えます。男女がともに支え合い、意欲に応じてあらゆる分野で活躍できる社会を目指す男女共同参画の意識づくり、女性の社会進出の応援等の今後の取組において、自分の孫や地域の子育てに関わる「育ジイ」、シニア世代の協力が必要になってくると考えます。そこで、本市におけるシニア層を含めた男性にとっての男女共同参画の取組についてお聞かせください。
大きな3番、市民の健康を守る施策について。
公明党では、これまで女性に対するがん検診の推進、
子供たちのためのワクチン接種の推進等を国・県・市、それぞれに強く要望し、取り組ませていただきました。そこで、今回は男性の健康寿命ナンバーワンを目指す日立市の取組といたしまして、前立腺がんと胃がんの検診についてと、体に強い衝撃を受けたときに発症する脳脊髄液減少症についての質問をさせていただきます。
(1)の健診の拡充について。
ア、前立腺がん早期発見のための「PSA検診」について。昨年9月10日より、日立総合病院に手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」が導入されました。日立総合病院への「ダ・ヴィンチ」導入に関しましては、地域医療のレベル向上と先進医療機器の導入による医師確保のため、日立市が補助金として3億円を予算化いたしました。現在日立総合病院では、この「ダ・ヴィンチ」を前立腺がん全摘出の手術で活用しています。これまでの日立総合病院の「ダ・ヴィンチ」での手術は、昨年の11月9日が初回で、本年2月22日までに4例を成功させ、6月末までに14件の予約が入っているとお聞きしました。しかし、「ダ・ヴィンチ」による手術はまだ保険適用されていないこともあり、患者さんの経済的・精神的負担は大きなものがあります。そこで、この手術に至る前の段階での、前立腺がん早期発見のためのPSA検診についてお伺いいたします。
前立腺がんは、男性特有の50歳以上で罹患率が増えるがんです。日本では高齢化の進展や食生活の欧米化により増え続けていますが、死亡率を減少させるための鍵はPSA(前立腺特異抗原)の血液検査にあると言われております。アメリカでは1986年からこの検査が始まり、現在50歳以上の男性の約7から8割が検査を受けて死亡率は減少し、オーストラリアでも約9割の男性が検査を受け、死亡率はほぼ半減したと言われています。一方、検診率が約1割と低い日本では死亡率が上昇し続け、一昨年は過去最高の1万人以上の方々が前立腺がんにより亡くなりました。本市においては、集団健診会場で申し込みをした50歳以上の男性の希望者のみの前立腺がんPSA検診を、健診時その場で採取した血液により実施しております。自己負担額は2,300円です。
そこでお伺いいたします。近年の本市におけるPSA検診の受診者数についてお聞かせください。また、前立腺がんの予防、早期発見のためのPSA検診の公費助成についてのお考えをお聞かせください。
イ、胃がん撲滅のための「
ピロリ菌検査」について。1993年、国際がん研究機関が、「胃がんの原因の一つは
ピロリ菌である」との結論を出しました。日本では本年2月、公明党が政府に出しました質問趣意書により、ようやく胃がんと
ピロリ菌の関係を容認する答弁がありました。
ピロリ菌とは「ヘリコバクター・
ピロリ」という1980年代に発見された細菌で、らせん状のべん毛を動かして移動し、胃粘膜の中に潜り込み、体内の酵素でつくったアンモニアで自分の周りを覆い、胃酸を中和することで強酸性の胃の中で生息し続け、胃潰瘍や胃がんの原因になるとされる細菌です。また、
ピロリ菌は胃酸の分泌が十分でない乳幼児期に生水を飲むなど口から感染すると言われており、日本でも上下水道が整備されていなかった戦前生まれの方の感染率が特に高く、50歳、60歳代でも約50%以上が感染者と考えられています。胃がん患者の95%は
ピロリ菌に感染しているとの報道もありました。まず
ピロリ菌検査を行い、陰性の人は胃がんになる確率が極めて低いと言われています。また、
ピロリ菌に感染しても胃の萎縮が進んでいない人の場合は、除菌さえすればほぼ胃がんになることはないと言われています。
昨年3月の国の予算委員会で、公明党の松あきら参議院議員は、大腸がん検診用の検便キットで
ピロリ菌の検査ができる点について強く訴えました。胃がん対策を放置せず、検診と除菌を強化していくことにより、多くの市民の方々の命を守ることができると考えます。そこで、本市における胃がん検診の現状についてと、大腸がん検診用の検便キットで検査できる
ピロリ菌検査についての執行部の御所見をお伺いいたします。
(2)「脳脊髄液減少症」の対応について。脳脊髄液減少症とは、体に強い衝撃を受けたときに脳脊髄液が漏れ出し、減少することで慢性的に苦しむ病気です。脳脊髄液は、脳や脊髄を外部の衝撃から守るクッションの働きや、脳や脊髄の機能を正常に保つ働きをしています。この脳脊髄液が減少することにより大脳や小脳が下がり、脳の働きに異常を来すため、頭痛や首・腰の痛み、手足のしびれ、めまい、耳鳴り、吐き気、視力の低下、記憶力の低下など様々な症状が現れます。国内には約30万人の患者がいると言われており、潜在的には病名も知らずに苦しんでいる方々が数多くいると言われております。10年前にこの病名が認知されるまでは、単に「むち打ち症」と診断されることが多かったようです。この病気の発症の原因としては、主に交通事故やスポーツ外傷、転倒、そして、尻餅、くしゃみや出産時にもあると言われております。このように身近な原因で起こり得る病気ですが、病名が広く知られていないため、周りの人たちになかなか理解されないことが多く、悩んでいる方々が沢山いるとお聞きしております。この病気の治療には、自身の体液を採取して腰や脊髄の硬膜外側に注入するブラッドパッチ療法が有効とされています。そこで、この脳脊髄液減少症についての本市における専門医療機関の現状についてと、市民への周知など、今後の取組についてお伺いいたします。
大きな4番、ケーブルテレビの魅力づくりについて。
昨年の東日本大震災では、本市におけるケーブルテレビが震災時の情報手段として数多くの市民の方々に活用されました。そして、本市の平成24年度の一般会計予算には、地域情報化の推進を図る目的で、ケーブルテレビ新規加入者への引込工事費を助成する予算も計上されました。加入促進に力を入れていく今後のケーブルテレビの魅力づくりを考えるとき、地域情報や行政情報だけの提供にとどまることなく、いかに娯楽性や生活感を取り入れた情報を提供できるかどうかであると考えます。そこで私から、生活感を取り入れた情報を提供している先進事例として、番組で家庭学習を支援する取組と、自主データ放送を利用した介護の支援サービスの取組を御紹介させていただきます。
初めに、テレビ寺子屋講座を2010年度に開始した大分県豊後高田市の取組を御紹介いたします。ケーブルテレビを活用することで、誰でも家にいながら学習できる環境を整え、学習機会を児童・生徒に幅広く提供し、学習意欲や学力の向上につなげるという目的を持った取組です。番組には市内の学校教諭や市民などが講師として出演します。事前に放送内容に対応したテキストを対象の小中学生に配布し、番組の中で黒板等を用いてテキスト問題等の分かりやすい解説を行うものです。1回の番組は20分間です。現在、小中学生を対象にした英会話講座や高校受験対策講座など12の講座が放送されております。最近の厳しい経済状況の中、学習塾へ通うことを控え始めている
子供たちにとって、心強い番組となっているということです。
次に、自主データ放送を活用しての取組として、介護の支援サービスについて御紹介いたします。この取組を実施しているのは岐阜県の郡上市です。郡上市は、近年この中山間地域を中心に高齢化や人口流出が進んでおり、市の中心部から離れた地域では日常的な買い物が困難な住民が潜在し、また一方で、地元商店では買い物客の減少により商売の成立が困難になるなどの地域課題が顕著となっておりました。そこで郡上市では、郡上ケーブルテレビの自主データ放送を活用した、誰もが簡単に利用できる買い物支援サービスの実証実験を行い、実用性、ビジネス性、雇用創出の可能性などの事業効果について検証しました。サービス内容は、各家庭にあるテレビに地元商店の商品広告を配信し、利用者はリモコン操作でデータ放送画面上からインターネットを使っての商品注文が可能となります。また、電話での注文も可能です。
御紹介しました2市のケーブルテレビを活用した取組は、私たちの日常生活の中での身近な支援サービスであり、加入促進を図っていくためには大変有効な取組ではないでしょうか。先進事例についての御所見と現在のJWAYの加入率、そして、今後各年齢層が求める魅力あるサービスや番組づくりを推進していく参考として、ケーブルテレビJWAYの個人加入者の年代別の加入比率についてお伺いいたします。また、本市のケーブルテレビJWAYが今年6月以降のサービス開始を予定している、自主データ放送のサービス内容についてもお伺いいたします。
以上で1回目の質問を終わります。
17 ◯議長(
飛田謙一君) 添田議員の質問に対し、執行部からの答弁を求めます。
18
◯産業経済部長(
豊田泰二君) ◇登壇◇ 添田議員の御質問にお答え申し上げます。私からは大きな1番の、にぎわいのある商店街への取組について2点の質問がございましたので、順次お答え申し上げます。
まず、(1)の「街コン」等の新たな取組についてでございます。商店街を活性化するためには、話題性があり集客力のある事業を継続して実施していくこともその方策の一つであると考えております。これまでも市では、商業者自らが考え、主体となって実施してきた商店街活動を、がんばる商店街支援事業や商店街にぎわい創出事業などにより支援をしてまいりましたが、今回の街コンは、企画に携わった若い方たちが当初から継続して開催したいという考えをお持ちであったことや、国の補助事業を活用して取り組むことにしたことから、全面的に支援をしてきたところでございます。市としては、今後も引き続き国などの支援策の情報収集や先進事例の紹介に努めるなど、支援を継続してまいりたいと考えております。
次に、(2)の商店街の後継者とリーダーについての2つの御質問にお答え申し上げます。厳しい商業環境の中、強いリーダーシップを発揮できるような人材の存在は、商店街の活性化を図る上で重要な要素の一つであると認識しております。
まず1点目の、本市における商店街の後継者やリーダーの現状についてでございます。高度成長期に創業した経営者から次の世代へのバトンタッチがスムーズに進まないという中にあって、今回の街コン開催に見られるような若手商業者らの新しい芽も着実に育ってきているものと考えております。
2点目の、今後の市としての後継者やリーダーの育成策については、平成24年度に策定いたします商工振興計画の中で改めて課題の一つとして検討させていただくとともに、商店街の店舗集積に着目し、若者自らが起業し、働く場をつくり出すといった支援策などの検討も進めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
19 ◯副市長(福地 伸君) ◇登壇◇ 私からは大きな2番の、今日の社会と女性が働くことについての御質問のうち、(1)、(3)についてお答えいたします。
まず最初に、(1)の女性が働くことの意識についてでございます。本市の現状につきまして、昨年実施いたしました「日立市に住む男女の生活と意識の調査」の結果からお答えいたします。この調査は、7月23日から8月8日にかけて男女各2,000人、計4,000人を対象に実施いたしまして、1,705人の方から回答いただきました。「女性が職業を持つことについてどのように考えるか」という質問に対して、「子どもができたら職業をやめ、子どもが大きくなったら再び働くという一時中断型がよい」と答えた女性は約半数を占めました。これに対して「子どもができてもずっと仕事を続けるという就業継続型がよい」と答えた女性は4分の1程度になっています。20代、30代の若い女性について見ると、一時中断型は女性全体よりやや少なく40.4%、就業継続型はやや多く27.6%となっていますが、大きな違いは見られませんでした。一方で、平成21年に国が実施いたしました「男女共同参画社会に関する世論調査」では、子供ができてもずっと仕事を続けるという就業継続型が一番多く、47.5%を占めており、こうしたデータから一時中断型が多いのは日立市の特徴と言えると考えております。
女性が働くということは、社会全体から見ると、女性が能力を発揮することにより社会の活性化を図ることができ、また、少子高齢社会で労働力人口が減少する中で、潜在的な労働力として期待されるなど大きな意味を持つものでございます。このため結婚・出産などで仕事を一時中断した女性に対する支援といたしまして、現在女性センターでは就職のためのパソコン講座などの就業支援講座を実施しております。今後は仕事を再開しようとするときの不安を解消し、働こうとする意欲を後押しするため、ハローワークと連携して必要となる資格や勤務条件はどうなのかといった情報提供や、再就職の際に必要となる書類を作成する講座を実施するなど、女性の再チャレンジを支援してまいります。
次に、(3)の働く女性を応援する「育ジイ」についてお答えいたします。女性が仕事をする場合、男女が協力して家事や育児など家庭での役割を果たすことは、「男は仕事、女は家庭」というような固定的な性別役割分担意識から離れて、男女の多様な生き方を尊重することが、あらゆる人が活躍できる男女共同参画社会を実現することにつながっていきます。しかしながら、実際にはなかなか子育ての時間をとることができない男性も多いことと思います。そのような状況を補完するために、議員御指摘の「育ジイ」を始めとするシニア層の活躍には大いに期待しているところでございます。現在もシニア層の多くの方が、自分の家庭だけでなく、少年団活動、自主防犯パトロールの活動など、地域での活動を進めていただいているところでございますが、長年培った貴重な経験を家庭、地域の関わりを通して若い世代に伝えていただければと思います。今後、男性の男女共同参画への取組については、男女共同参画情報室等で「育ジイ」について事例を紹介するなど、シニア層を含めた男性にとっての男女共同参画の視点からの周知啓発事業に取り組んでまいります。
私からは以上でございます。
20 ◯教育部長(佐藤 守君) ◇登壇◇ 私からは、大きな2番の(2)子どもたちへの職業教育について、3点の御質問がございましたので順次お答えいたします。
中学生の職業体験事業は、市内外の延べ570の事業所、公共施設などに御協力いただき、中学校におけるキャリア教育の一環として、体験発表会も含め3日間の日程で実施しているところでございます。
御質問の1点目、新規受入事業者の開拓と連携方法についてでございますが、教育委員会からは市報、行政放送を使って本事業の内容をお知らせし、理解や協力を呼び掛けております。また、学校も、生徒の希望がかなえられるように事業所を訪問したり、保護者を通じ開拓するなどしております。教育委員会では、他校の受入先を各学校に情報提供したり、新規受入れが可能な事業者を紹介するなど、学校と事業者とが連携しやすい環境整備に努めているところでございます。
御質問の2点目、市役所を含めた公共施設での職場体験受入れの現状と課題についてでございます。これまで市役所の総務課、広聴広報課を始め、図書館や消防署、調理場、かみね動物園、さらには小中学校、幼稚園など、多くの公共施設で受け入れた実績がございます。例えば広聴広報課では、市報のイラスト選びや校正作業、行政放送のニュースキャスターなどを体験しております。学校からの報告では、各公共機関での職場体験は大変好評であったと伺っております。公共機関の性質上、個人情報を扱う業務以外という制約があるかとは思いますが、職場体験の認知をさらに深め、受入れの幅を広げてまいりたいと考えております。
御質問の3点目、協力事業者に対しての配慮についてでございます。体験終了後には各学校長からの礼状を始め、生徒の書いた報告書や手紙などを送付しております。学校によっては、体験発表会に事業所の方を御招待して聞いていただいているところもございます。市長や教育長名で感謝状をお贈りしてはとの御提案をいただきました。この事業は事業者の協力なくしては実施できません。中学生を職場に招き入れることは少なからず事業者の負担がございますが、多くの事業者が中学生を受け入れてくださっていることを市としても大変感謝しているところでございます。受入事業者の拡大の一助になればとの思いもございますので、例えば長きにわたり御協力いただいた事業者に対して感謝状を贈るなど、具体的に検討してまいりたいと考えております。
最近の研究では、
子供たちは小学校のころまでに自分に向かないと思う職業を選択肢から除くと言われています。家庭を持ちながらもさっそうとしっかり働いている女性が多くいることなど、仕事に就くことの意義を伝え、
子供たちの可能性を広げてまいりたいと考えております。また、本市では来年度から「いいとこ発見夢づくり推進事業」を全校で行うことを予定しております。小学生から担任との面談を通し自分の良さを発見し、自分の可能性を広げていくことを目指すものでございます。中学生社会体験事業や職業探検少年団に加え、この事業を推進することで、将来に夢や希望を持ち、目標を持って未来を切り開く子供の育成をしてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
21 ◯保健福祉部長(國井博之君) ◇登壇◇ 私からは大きな3番、市民の健康を守る施策についての(1)と(2)の2点の御質問に順次お答えいたします。
まず、(1)健診の拡充についてのア、前立腺がん早期発見のための「PSA検診」についてでございます。御質問は、受診者数と公費助成の考え方ということでございました。議員御案内のとおり、PSA検診は血液検査で前立腺がんを早期に発見するものであり、本市におきましては健診機関であります日立メディカルセンターとの連携によりまして、今年度から男性のための総合健診として、全額自己負担ではございますが、特定健康診査の集団健診会場で同時に受けられることをお知らせしております。
まず、本市におけるPSA検診の受診者数でございますけども、メディカルセンターの実績で申し上げますと、平成22年度は1,056人、平成23年度は約1,300人に上る見込みで、年々増加傾向にあり、市民の関心が高くなっていることが伺えます。
PSA検診に対する公費助成導入の御提案でございますけれども、この検査方法はまだ新しいことから、国においてもその有効性が実証されておらず、茨城県のがん検診実施指針にも位置付けられていないという現状がございます。そのようなことから、本市においては現在公費助成の対象とはしておりませんが、県内では公費助成を行う自治体も増えてきており、近隣では常陸太田市や北茨城市が既に実施しております。御質問にもございましたけれども、昨年の秋からは日立総合病院でのロボット手術支援システム「ダ・ヴィンチ」によりまして、前立腺がんの手術が可能になっていることも踏まえまして、今後、年齢が高くなるに伴い発症率が高くなるとされる前立腺がんの早期発見のため、PSA検診の公費助成について、県内自治体の対応状況などを参考としながら検討してまいりたいと考えております。
次に、イの胃がん撲滅のための「
ピロリ菌検査」についてでございます。御質問の内容は、本市が実施する胃がん検診の現状と、大腸がん検診をキットでできる
ピロリ菌検査に対する市の考え方ということでございました。本市の胃がん検診は、県のがん検診実施指針に基づきまして、40歳以上の市民を対象にバリウムによる胃のレントゲン検査を集団健診の方法で実施しております。年間の受診状況でございますが、平成22年度の実績で申し上げますと、5,421人が受診され、がんの発見者は12人でございました。この胃がん検診につきましては、受診者の拡大を図るため、大腸がん検診と一緒に消化器検診として実施しており、市報や健康カレンダーなどで広く受診勧奨を行っているところでございます。
議員御提案の大腸がん検診用のキットでできる
ピロリ菌検査でございますが、最近新たな胃がんの検診法として注目されてきているものであり、現在厚生労働省のがん対策研究班がその有効性に関する評価検討を行っているところと伺っております。県内の状況を調べましたところ、胃がん検診においてこの
ピロリ菌検査を導入している自治体はまだ一つもないとのことであり、日立メディカルセンターでもこの検査ができる設備は整えられていないのが現状でございます。今後につきましては、国・県の動向を注視し、本市地域医療協議会のがん対策委員会の御意見などもお伺いしながら、効果的な胃がん検診の在り方について
調査研究をしてまいりたいと考えております。
次に、(2)「脳脊髄液減少症」の対応についてでございます。脳脊髄液減少症につきましては、現在国の研究事業として脳神経外科や整形外科の専門の医師などによる研究組織が統一的な診断や治療のガイドラインづくりを進めており、現時点においてはまだその病態の診断基準、あるいは治療法が確立されていない状況にございます。議員御質問の脳脊髄液減少症の本市における診療体制につきましては、市内の幾つかの医療機関にお尋ねしましたところ、いずれもその診断や治療は現状では難しいとのお答えをいただいたところでございます。また、これらの病態や対応可能な医療機関に関する情報の市民への周知ということにつきましては、先ほど申し上げました国の研究組織から来年度中には診断基準や診療ガイドラインが示されると思われますので、これらの情報を収集し、県や医師会と連携しながら適切な医療情報の提供ができるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
22 ◯政策審議室長(赤津敏明君) ◇登壇◇ 私からは大きな4番の、ケーブルテレビの魅力づくりについての3点の御質問に順次お答えいたします。
大分県豊後高田市と岐阜県郡上市の取組事例は、いずれも市直営のケーブルテレビ局がサービスを提供しており、加入率は豊後高田市が約89%、郡上市が約98%といずれも高く、それぞれの地域の課題を直視した取組として、ケーブルテレビの新たな魅力づくりの参考となるものであります。議員御指摘のとおり、今後の加入促進を進める上でもケーブルテレビの魅力づくりは、その地域に根差したケーブルテレビの特性をいかし、日常生活に役立つ情報をいかに提供できるかであると認識しておりますので、今後も本市の実態に合った魅力あるサービスを株式会社ケーブルテレビJWAYとともに検討してまいりたいと考えております。
次に、現在のJWAYの加入率でございますが、本年2月1日現在で27.57%となっております。また、個人加入者の年代別の加入比率は、20代が4%、30代が11%、40代と50代がそれぞれ19%、60代が23%、70代が18%、80代以上が6%となっております。
最後に、本年6月以降に試験運用の開始を予定しているJWAYの自主データ放送につきましては、地震や津波、気象注意報や警報等の緊急情報を始め、JRの運行状況や地域状況等の日常生活に役立つ情報を配信する予定であり、更なる加入促進につながることを期待するものであります。市としても、市内全域に整備されましたケーブルテレビ網の有効活用と地域情報化の推進に資するため、今後もケーブルテレビJWAYと連携を図りながら全国の事例を調査するなど、ケーブルテレビの魅力づくりに努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
23 ◯6番(添田絹代君) ◇登壇◇ 御答弁、誠にありがとうございました。私からは1点の要望を申し上げます。
今回質問させていただいた脳脊髄液減少症については、来年度の新学習指導要領により取り組まれる予定であります武道教育、柔道の取組での対応の心配もあり質問させていただきました。教育委員会にお聞きしましたところ、平成19年5月31日付けで文部科学省スポーツ・青少年局から「学校におけるスポーツ外傷の後遺症への適切な対応について」という通知が各学校宛てに届き、脳脊髄液減少症についての学校への周知はされているとのことでした。今後は、早急なる情報収集に努めていただき、市民への周知、そして、更なる学校等への情報提供に努めていただければと思います。
以上で質問を終わります。
24 ◯議長(
飛田謙一君) 以上で添田議員の質問が終わりました。
お諮りいたします。本日は、議事の都合上、この程度にとどめたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
25 ◯議長(
飛田謙一君) 御異議なしと認め、本日はこの程度にとどめることにいたします。
次回の日程を申し上げます。次回は、明7日・水曜日・午前10時、本議場で本会議を開き、本日に引き続き市政に関する
一般質問を行います。
本日はこれをもって散会いたします。御苦労さまでした。
午後 0時06分散会
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