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日程第2 市政に関する一般質問
5 ◯議長(飛田謙一君) 日程第2 市政に関する一般質問を行います。
初めに、小林議員に発言を許します。
6 ◯7番(
小林真美子君) ◇登壇◇ おはようございます。日本共産党の
小林真美子です。発言通告に従いまして、大きく2点について質問をいたします。
1、
原子力災害についてです。
東京電力福島原発事故によって大量かつ広範囲に
放射性物質「死の灰」が放出され、国民の放射能への不安が広がっています。放出された
放射性物質はウラン換算で広島型原発20個分と、
東京大学アイソトープ総合センターの
児玉センター長が
衆議院厚生労働委員会の参考人質疑でその見解を述べています。事故後の国の対応は問題だと思います。事実は隠され、高温の溶融燃料が
原子炉圧力容器の壁を溶融貫通するメルトスルーを起こしていたことを国が認めたのは2箇月以上もたってからです。国は事故翌日に20キロ圏内の住民に避難指示を出しましたが、立入禁止の徹底をしませんでした。放出された高濃度の
放射性物質がどのように拡散したのかを予測する機器での情報は2箇月もたってから公表され、なぜ避難の際に活用されなかったのかと怒りの声が出されています。浪江町が初めに避難したところは今でも毎時30
マイクロシーベルト以上もある放射線量が高い地区です。原発から30キロ圏外の飯舘村は、高い放射線量でありながら、
計画的避難指示が出されたのは事故から40日も過ぎてからのことでした。国が事実を公表し、的確かつ迅速な対応がされていれば、放射能への感受性が高い子供達や妊婦への被害を少しでも減らせたかもしれません。東海原発に隣接する我が市にとって、
福島原発事故を繰り返さないためにも、原発の再稼働中止や
原子力防災対策の強化を求めるべきです。
(1)
原子力防災対策について、3点質問いたします。
これまで、
原子力防災対策については、東海第二発電所から10キロ圏内の市の南部地区に限られてきました。しかし、今回の事故では、20キロ圏内の浪江町や双葉町などが警戒区域に、30キロ圏内の川内村や広野町などが一時
帰宅禁止区域に、30キロ圏内の南相馬市の一部などが緊急時
避難準備区域に、30キロ圏外に延びる飯舘村などが
計画的避難区域に指定されています。これを踏まえて、県の
原子力防災訓練に伴う避難訓練を市全域で行うようにすべきと考えますが、市の考えを伺います。
また、県では
原子力安全協定を機構や原電など18事業所と締結していますが、市ではそのうちの9事業所と
原子力安全協定を、5事業所と
通報連絡協定を締結しています。
原子力安全協定は、事故、故障等の連絡はもちろん、定期的な報告や立入調査権、新増設での同意権などを定めるものです。今後、事業所と直接安全協定を締結することで事故などに迅速に対応できるよう、協定を締結していない4事業所とも安全協定を締結するよう求めるべきと考えます。
原子力安全協定をその事業所が所在する市町村と隣接する市町村に限定せずに締結できるよう主張すべきと思いますが、市の見解をお伺いします。
最後に、
原子力防災のしおりについてお伺いします。
以前、市では
東海原発事故を想定しての防災のしおりを作成しましたが、今回の
福島原発事故によって、
放射性物質についてなど伝えていきたいことが出てきました。住民が万が一の原発事故に備え、活用できる
防災マニュアルとして、今回の原発事故を踏まえ、避難の方法についてや除染の方法、放射線量と健康への影響なども掲載してはどうかと思います。市の考えをお伺いします。
(2)
放射能汚染への対策について、2点質問いたします。
現在の科学技術では、原発から外部に放出された放射能を消去することはできません。放射能による健康被害は、急性障害だけでなく、少量の被曝であっても、将来、発がんなどの健康被害が起きる危険性があります。放射線被曝の健康への影響は、これ以下なら安全というしきい値はなく、少なければ少ないほどいいというのが放射能防護の大原則なのだそうです。放射線量、
放射能汚染を系統的に調査し、
線量低減対策、除染を進めることが重要だと私は思います。文部科学省が発表している校庭の
土壌処理費用を
国庫補助対象にする基準は毎時1.0
マイクロシーベルト以上となっています。市の測定で、小中学校の側溝など測量箇所を増やした後も、この数値を超えているところは出ていないようです。しかし、市内の放射線量を比較して、高いところは低くする取組が必要だと私は思います。市の考えをお伺いいたします。
また、
放射性物質検査器の自治体での購入について、茨城新聞によると、県内44市町村で12箇所が
簡易検査器を購入し、6市町村が導入を予定しています。市でも
簡易検査器を購入し、農作物や食品など、希望者に
測定サービスを行い、市民に安全と安心を提供してはどうかと思いますが、市の考えをお伺いいたします。
2、
福島原発事故による
損害賠償請求についてです。
守谷、取手、常総、つくばみらいの4市は、常総
地方広域市町村圏事務組合や常総衛生組合、
取手地方広域下水道組合とともに、東京電力に対し損害賠償を請求することを公表しました。市民の不安解消や風評被害など、あらゆる経済的損失に対する万全の補償を求めるとして、8月20日までに要した費用の総額約1億1,600万円を請求するものです。また、千葉県松戸、野田、柏、流山、我孫子、鎌ケ谷の東葛6市は、
東京電力東葛支社に
放射線量測定や低減対策の除染費用など、費用を負担するよう緊急要求書を提出しました。流山市では
放射線汚染対策費用約1億2,642万円を東京電力に請求すると発表しています。市が受けた損害を東京電力に請求することについて、市はどう考えるのでしょうか。
放射線量測定を継続するためにかかる費用などを求めるべきと思いますが、市の考えをお伺いいたします。
以上で1回目の質問を終わります。御答弁よろしくお願いいたします。
7 ◯議長(飛田謙一君) 小林議員の質問に対し、執行部からの答弁を求めます。
8
◯総務部長(梶山隆範君) ◇登壇◇ 小林議員の御質問に順次お答え申し上げます。
大きい1番、
原子力災害についての(1)
原子力防災対策については3点の御質問がございました。
まず、1点目の、県の
原子力防災訓練に伴う避難訓練を市全域で行うべきではないかとの御質問でございます。
現時点では、市全域で多くの市民を対象とした避難訓練を実施することは非常に難しいのではないかと考えております。しかし、今回の
福島原発事故では福島県内で実際に全町全村避難が行われておりまして、日立市におきましても、市全域が避難対象になることを想定して防災対策を整えておくことは非常に重要だと考えております。したがいまして、国の
原子力防災指針や県の
原子力防災計画の見直しの内容等を踏まえながら、市民が迅速かつ安全に避難できる方法について広域的な検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。
次に、2点目の、
原子力事業所との安全協定を県内の18の
原子力事業所全部と締結すべきではないかとの御質問でございます。
御指摘のとおり、当市は、県内にある18の
原子力事業所のうち、14の事業所と
原子力安全協定または
通報連絡協定を締結しております。これは、茨城県では、当該市町村から10キロ圏内にある事業所及び隣接自治体にある事業所などが市町村の協定締結の対象とされていることから、その要件の対象圏外にある4事業所とはこれまで協定を締結してこなかったものでございます。しかしながら、今回の福島原発の事故による被害が非常に広域な範囲まで及んでいることを考慮いたしますと、これまでの考え方にとらわれず、協定締結の対象を全事業所に拡大すること、また、協定の中で、当市のような隣接自治体も
原子力事業所が所在する自治体と同様の地位が認められる必要があると思われますので、県や関係自治体とともに、事業所に対し積極的に働きかけをしてまいりたいと考えております。
3点目は、
原子力防災のしおりに避難の方法や放射線の健康への影響なども掲載してはどうかとのお尋ねでございます。
現在の
原子力防災のしおりは、
原子力施設の緊急時の際の住民の知識として平成10年に県と関係市町村が共同で作成したものでございますが、今回の
原子力事故を踏まえ、大幅な改訂が必要であると考えております。改訂に当たりましては、避難の方法や放射能の健康に与える影響、簡便な除染の方法など、放射能に関する基礎的な知識なども掲載した上で、より詳細なマニュアルとしての作成を検討したいと考えております。
次に、(2)
放射能汚染への対策について、2点の御質問にお答え申し上げます。
まず、学校等において放射線量の比較的高い場所に関する
放射線低減の取組についてでございます。
この度、文部科学省では、福島県内の校庭、園庭等における暫定的な考え方を改めまして、放射能の
低減化措置を行う必要があるかどうかの判断の新たな目安として、小学校や幼稚園においては地上50センチメートル、中学校においては地上1メートルにおける放射線量が毎時1
マイクロシーベルト以上である場合について、除染等を行うことが望ましいとされております。議員御指摘のとおり、今回市で行った小中学校等の敷地内における放射線量の詳細調査の結果では国の目安以上となる場所はございませんでしたが、地表面に近い地上1センチメートルにおきましては、校庭以外の410箇所の調査地点のうち、雨どいの吐出し口や側溝など16箇所で1
マイクロシーベルトを上回り、最高の値は2.277
マイクロシーベルトでございました。当該箇所につきましては、地上50センチメートルまたは1メートルの値は国の目安を下回ってはおりましたが、念のため直ちに除染を実施したところ、いずれも1
マイクロシーベルトを下回り、その結果を公表したところでございます。御質問の国の目安を下回った箇所の
低減化措置につきましては、今後、専門家の意見なども参考にしながら対応していきたいと考えております。
次に、
放射能濃度測定機器の購入についての御質問でございます。
食品などの放射能濃度の検査は県などでも実施され、その結果も公表されておりますが、市民からの要望があることも承知をしておりますので、現在、食品等の
放射能濃度測定器の購入準備を進めているところでございます。
続きまして、大きな2番の
福島原発事故による
損害賠償請求についての御質問でございます。
原子力事故による
損害賠償請求につきましては、
原子力損害の賠償に関する法律によりまして、損害の内容や程度に応じて
原子力事業者から補償がなされる仕組みになっており、また、損害賠償の円滑な処理を図るため、国の
原子力損害賠償紛争審査会が損害範囲の判定等に関する一般的な指針を策定することとされております。今回の事故につきましても、本年4月に第一次指針、5月に第二次指針、そして、8月に中間指針が策定され、損害の範囲に関する考え方が順次明らかになってきております。8月の中間指針におきましては、
地方公共団体の損害に関して、
民間事業者と同様の立場で行う事業に関する損害などについては対象とされておりますが、それ以外の費用については明示されていない状況でございます。また、中間指針を受けて、東京電力は、
地方公共団体等の
財産的損害等については、事故の収束状況等を踏まえつつ継続的に検討を行う旨発表しているところでございます。そのようなことを踏まえ、放射線の測定に要した費用等について別途算定は行っておりますが、実際の東京電力に対する請求については賠償対象の範囲が明らかになった時点で行っていきたいと考えております。
私からは以上でございます。
9 ◯7番(
小林真美子君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございます。
県の
原子力防災訓練での避難訓練についてですが、平成11年9月30日の
JCO事業所臨界事故以降、平成13年に、
核燃料サイクル工学研究所再処理施設の事故を想定して、東海村、ひたちなか市で参加機関136機関、3,295名参加、そのうち住民参加は645名で行われています。その後、原電東海第二発電所、大洗にある高速実験炉「常陽」、
三菱原子力燃料(株)核燃料加工施設を
訓練対象事業所とした防災訓練が毎年行われておりまして、平成21年度までの資料によりますと、9回実施されていますが、そのうち、市が参加したのは東海第二発電所の事故を想定した2回だけです。県内の18の事業所全てと安全協定を結ぶこと、国、県の
原子力防災計画・方針がどのようなものであっても、市内全域で
原子力防災避難訓練を回を重ねて実施し、万が一のときの対策を強化していただきたいと思います。もし、国の方針が20キロ圏内ということになれば、日立市全域は網羅されないということになります。
1点再質問をしたいのですが、国の
原子力防災指針や県の
原子力防災計画の見直しが市内全域を対象としない結果となった場合でも、市の防災計画の中で市全域の
原子力防災避難訓練の実施を位置付けることができるのか、お伺いいたします。
原子力防災のしおりについてですが、ある方から、イギリス・リーズ市の平和・
防災計画課が作成した「放射能雲の下のリーズとブラットフォード」という
原子力防災マニュアルを、
非核ネットワークが「東海村のような核事故が、あなたの近くで起きたら、どうしますか?」という副題をつけて発行した冊子を見せていただきました。それには、
原発問題入門書ともいうべき内容で、過去の原発事故を紹介し、また、市より100キロメートル以上離れた2つの原発の事業内容、万が一の事故の場合に起こり得ることやその対策などが書かれていて、薄い冊子ですが、まとまって、原発事故についての知りたいことを得ることができるものとなっています。市内では、
空間放射線量が高かったとき、子供が給水のために長時間屋外にいたので、がんになるのではないかと不安に感じているという声を聞きます。放射線量が低くても体に影響があり、定期的な健康診断でがんの早期発見に努めるとか、低線量対策に力を入れるなど、不安を解消する対策をとる必要を感じます。まずは、こうした冊子を市民の皆さんに読んでいただくことがよいのではないかと思います。
原子力防災のしおりの改訂版を早く作成していただくよう要望いたします。
放射能汚染についてですが、16箇所で1
マイクロシーベルトを上回ったということで、すぐに対応していただいたのはいいと思いますが、こういったことも公表していただきたいと思います。
時間がなくなりましたので、要望は終わりにしまして、1点についての御答弁をお願いいたします。
10
◯総務部長(梶山隆範君) ◇登壇◇ 小林議員の再質問にお答え申し上げます。
20キロ圏内の考え方でございますけれども、基本的には国の防災指針、県の計画との整合を基本としたいというふうに考えております。ただ、今回の福島の避難の形態を考えますと、そういったことも踏まえた防災指針、あるいは、県の計画になるのではないかというふうに考えております。
以上でございます。
11 ◯7番(
小林真美子君) 自席より失礼いたします。
以上で質問を終わりにいたします。
12 ◯議長(飛田謙一君) 以上で小林議員の質問が終わりました。
次に、舘野議員に発言を許します。
13 ◯15番(舘野清道君) ◇登壇◇ 公明党の舘野清道でございます。発言通告に従いまして質問をさせていただきますので、前向きな御答弁をよろしくお願い申し上げます。
大きな1番、
東日本大震災から半年が経過しての現状と課題についてであります。
未曾有の被害をもたらした
東日本大震災からの復興に当たっては、被災者、被災地の住民のみならず、今を生きる国民全体が相互扶助と連携の下でそれぞれの役割を担っていくことが必要不可欠であるとともに、復旧の段階から、単なる復旧ではなく、未来に向けた創造的復興を目指していくことが重要であり、今回の質問では、震災から約半年が経過しようとしておりますが、様々な施策での現状と課題についてお伺いをいたします。
(1)本市の
復興支援援助の現状についてであります。
日立市議会公明党5人で、7月末に東北3県を駆け足で調査してまいりました。改めて震災の大きさを身をもって感じてまいりました。全国各地では、いや、全世界では、この被災地に対して様々な取組・応援が始まっております。一例を述べますと、福島県では
原子力災害で外で思い切り遊べない子供達を我が市、我が町に招待するなど、支援の輪が広がっております。宮城県石巻市の
水産加工会社が精製した缶詰を販売し、売上金の一部を復興資金に充てるなど、水戸市やつくば市でも始まっております。山形県新庄市では、友好都市である高萩市の復興支援のため、「風評被害をぶっ飛ばせ!高萩市の農産物直売市」などを開催しております。また、県内のひたちなか市では、
東日本大震災の影響で働く場所を失った人などを雇用する市内の企業に研修費用や人件費の一部などとして1人当たり年間200万円を支給するなど、市内外で様々な取組が展開をされております。
ここでお伺いいたしますが、被災地である本市に対し、姉妹都市の桐生市、バーミングハム市より救援物資や給付金などが寄せられたと聞いております。そのほかにも多数の市民、企業の方から真心の援助を受けたと聞いておりますが、現在までに本市に対してどのような支援があったのか、お伺いをいたします。
(2)
被災者支援窓口の成果についてであります。
震災直後から、被災者の
各種支援制度に関する相談・申請受付に
ワンストップで対応するため、
被災者支援総合相談窓口が開設され、多くの市民の方が来られました。震災直後は
消防拠点施設での対応でしたが、
市役所駐車場に設置した
仮設プレハブでの相談となり、その後、
市役所本庁舎の511号室に移設して、8月31日まで開設されておりました。また、各支所におきましても、それぞれの地域の方々の相談に応じるため、現在も通常業務に加えて
相談窓口業務をこなすなど、継続してその対応をしていると聞いております。
ここでお伺いいたしますが、現在までの相談窓口の現状や成果、今後も多岐にわたった相談が、また来年も続くと思われますが、相談窓口の取組についてお伺いをいたします。
(3)
被災者支援制度の現状についてであります。
県内においても、日立市が全壊、大規模半壊、半壊としては3,000軒を超し、県内で一番被害が大きい状況です。そこで、これらの被災者救援として国の支援制度が受けられることになっております。一例を申し上げますと、住宅被害に対しては
被災者生活再建支援制度や義援金の配分が、そのほかにも、
国民健康保険料、
介護保険料等の減免では、全壊の方は全額免除であり、大規模半壊、半壊は半額が免除されます。そのほかにも、地方税の特例措置や
国民年金保険料の免除、医療費の還付や免除があります。このほかにも、日立市独自の支援制度として、
被災者住宅修繕工事費や水道修理費の助成、
上下水道料金の減免、市営住宅の提供などがあります。これらを受ける対象者一人一人はこれらの手続に申請漏れがないよう、きめ細かな対応をされていると聞いておりますが、約半年が経過して、それぞれの支援制度の現状についてお伺いいたします。
(4)がれき処理についてであります。
震災直後から、市内では災害ごみの回収が始まりました。当初は市内9箇所で臨時集積所を設けて受入れをしてきました。その後、5月以降は、搬入の申請を許可された方が、がれきのみでありますが、瓦、ブロック、大谷石、れんが、木くず等の受入れをしております。
ここでお伺いいたしますが、がれきを始めとした災害ごみの処理について、震災発生時からこれまで、市ではどのように対応されてきたのか。今後、本市でもまだまだ住宅の取壊し、瓦の補修が本格化する中で、これからがれきが出るようでありますが、今後どのように対応するのか、お伺いをいたします。
(5)海岸部の諸問題についてであります。
本市でも、4メートルを超える津波により、堤防の決壊を始め、住宅の全壊、半壊等、大きな被害をもたらしました。津波に対する海岸部対策を講じる必要があると考えますので、以下3点について質問をいたします。
ア、海岸部の住宅施策についてであります。
今回の被害は、久慈浜、河原子、会瀬、川尻の地区で津波の被害を大きく受けております。全壊でそこに住めなくなった方は、もう二度と同じ地域・地区に家を建て直すができないといった意見も聞いております。北茨城市では、今後のまちづくりの方向性を検討するため、沿岸部のおよそ500世帯を対象に後の生活に関する意向調査を行い、市としての復興事業に反映させることにしておりますが、今後、本市として海岸部の住宅施策をどのように進めていくのか、お伺いをいたします。
イ、堤防のかさ上げ工事と設置についてであります。
今回の津波で、堤防のかさ上げ工事が完了していた旭町の方については、堤防ぎりぎりで超えることなく、津波被害を免れました。本市の海岸線も35キロメートルと長い距離を有しており、堤防の重要性が再認識されております。特に、漁港を持っている地域においては堤防がなく、道路1本を境に家が点在しております。会瀬海岸を一例に考えますと、海、砂浜、家、海抜ほぼゼロメートル地点のところが考えられますが、そういう中で、地元の方からは、会瀬青少年の家の前のグラウンドを守るために土のうをたくさん積んでいるけれども、家のほうには土のうもないし堤防もない状況を考えると、何か矛盾を感じるとのことでありました。
ここでお伺いいたしますが、堤防のかさ上げ工事についてどのように考えているのか、お伺いいたします。また、このような箇所の市内漁港を抱えている地区や堤防がない地域の堤防設置の考え方についてお伺いいたします。
ウ、急傾斜地の崩壊と避難用道路の設置についてであります。
本市の海岸部は、先ほどの質問でもありましたが、海抜ゼロメートルのところもあれば、国道245号沿いの海岸部、急傾斜地の高台に家が建っているところもあります。各地域を歩いて気が付くのですが、高波による護岸の侵食を始め、今回の地震により法面が崩落している箇所が各沿岸部に多数見られております。特に、道路や住宅が控えている高台では人命に関わる問題であり、早急な対応が必要だと考えます。今後どのように現状を把握し、対策を講じるのか、お伺いいたします。
また、避難用道路の設置については久慈浜地区、河原子地区、会瀬地区、旭町地区等がありますが、避難用道路のない地域からは、車が乗れない高齢者から設置してほしいとの要望もございます。どのように考えているのか、お伺いいたします。
(6)コミュニティの再生について。
ア、コミュニティとNPOの関わりについてであります。
今回の大震災をきっかけに社会的価値観が大きく変わり、個人主義から家族、地域への参加など、全国各地で古いコミュニティに戻ってはいけないとのことで復活への動きが加速しております。被災者支援として、現在も約20万人が継続してボランティアの支援活動を行っております。また、ある大企業では、社員教育として即戦力を目指しボランティアに参加させ、他人に尽くすことができる体験をさせるなどの機会をつくって人材育成をしております。ボランティアによって人生観が変わった若い人の声が上がっております。また、今回の災害はコミュニティワークの最大のチャンスとして、防災リーダーの育成や消防団員数の確保、自主防災組織や民生委員、地域に根付く組織の強化、老人会組織の維持、町内会・自治会の再生、人材の発掘では、我が地域には市役所のOBの方がいます。また、医師や看護師、学校の先生等を探し出し、協力を依頼するなどがあります。
このような視点から、ピンチをチャンスと捉え、各市町村では地域コミュニティ活性化の取組が始まっております。現在、本市においても地域コミュニティに求められる役割が増大しつつある一方で、地域コミュニティは、少子高齢化、人口構造の変化や、地域経済の衰退、地縁的なつながりの希薄化などにより多くの課題を抱えているということで、行政とコミュニティ活動のあり方検討委員会が協議中であります。今回の大震災を契機に、コミュニティの在り方、存在が見直されてきました。本市においても今回の大震災、ピンチをチャンスと捉え、コミュニティの再生に向けた取組が必要であり、人材の確保、育成も含めて、時を逸することなく施策の展開をすべきと考えますが、どのように考えているのか、お伺いをいたします。また、現代社会においては、個人のライフスタイルが多様化し、ニーズも複雑化している中で、NPOが新たなまちづくりの担い手として期待されております。これからのまちづくりにおいては、今後、NPOとの連携がますます重要になってくると考えます。本市においても、NPOの育成を図り、地域活性化を図るために、コミュニティとの連携は考えられないのでしょうか。御見解をお伺いいたします。
イ、中小路交流センターの建設についてであります。
今回の大震災では、津波を警戒して避難してきた海岸付近の住民から、家が傾いた方、高齢者単身の方、帰宅難民の方等々、1,000名を超える避難者を中小路小学校体育館に受け入れました。体育館だけでは収容不能となり、駒王中学校に深夜の大移動をしました。真っ暗な中の移動でありましたので、私もバイクで先導をしながら避難誘導をしたことをつい最近のように思い出します。交流センターの果たす役割、機能は非常に重要なことは誰もが認識しているところでありますが、今回の震災ではそれが一つもいかせなかったことであります。震災直後、日立市民会館の3階に何度も立入りを試みましたが、続く余震の恐怖に足が立ちすくみ、入室できないままの支援活動に入りました。無線機を取り出せないまま一度も使用しなかったこと、交流センターに保管してある資機材は何ひとつ取り出せませんでした。今回の防災面においても、単独の交流センターを拠点として活動できれば、避難者の方に対してきめ細かな対応ができたとの反省も上がっております。今回、本庁舎が災害対策本部として設置できずに消防本部に構えたのと同じような思いであります。中小路交流センターは日立市民会館の3階にあり、通常業務においても、ここを拠点に活動する団体登録数も非常に多く、連日の管理運営に追われております。いま一つ地域に根を張った活動ができない状況であります。コミュニティの役員会では、交流センターの機能の重要性を役員一同再認識し、新たに単独で交流センターを構える必要を痛切に感じているとのことでした。できれば、中小路幼稚園跡地に、平家でも十分に運営ができますので、交流センターの建設を早急に必要と考えます。御見解をお伺いいたします。
(7)教育の視点から。
ア、震災ストレスの現状についてであります。
今回の震災で県内の小学生の1割が精神的に強いストレスを受けていることが県教育委員会アンケート調査で分かっております。県内公立全小中学校791校の児童生徒約24万人を対象にこころとからだの健康についてのアンケートを実施した結果、いらいらしてかっとなりやすい、勉強に集中できない、眠るのに時間がかかるなど18項目の質問に対しよくある、たまにある、全くないの3択で回答してもらい、点数化しました。合計点を4段階に区分したところ、よくある、たまにあるとの回答が過半数で、ストレス傾向が比較的強いと判断された児童生徒が全体の1割に上っており、県教育委員会はアンケート結果を児童生徒の心のケアに役立てたいと考えております。学校での日常的な観察に加え、スクールカウンセラーの活用も検討しているそうであります。
ここでお伺いいたしますが、市内のアンケート調査の現状について、子供達の心のケアも含めた今後の対応についてお伺いをいたします。あわせて、福島県から市内の小中学校にも50名以上の子供達が避難して通学していると聞いておりますが、どのように対応されているのか、お伺いをいたします。
イ、防災教育についてでございます。
東日本大震災は東北沿岸部に甚大な津波被害をもたらしましたが、岩手県釜石市では、以前から行っていた防災教育により、市内の小中学生のほぼ全員が無事だったと聞きました。釜石市は、津波被害により、死者・行方不明者が1,239人に上りました。その中で、市内の小中学生約3,000人のうち99%が難を逃れ、釜石の奇跡と呼ばれています。正に防災教育の重要性を物語る出来事でした。同市では2005年から群馬大学大学院の片田教授とともに津波防災教育に取り組み、08年度には文部科学省の防災教育支援モデル地域に選定されました。片田教授らが徹底したのは、1、想定を信じるな、2、ベストを尽くせ、3、率先避難者たれの3原則でした。実際、地震発生直後には、先生の指示より早く避難を始めた生徒や、事前に決めていた避難場所を危険と判断し、率先して高台に避難・誘導した生徒がいるなど、防災教育に基づく行動が奇跡を生んだのです。当然ながら、防災教育だけが全てではありません。不測の事態に備えたハード・ソフト両面にわたる対策の重要性は言うまでもありませんが、どれだけ万全の対策を施しても想定外の災害は起こり得るというのが今回の最大の教訓だと痛感をします。ハード面の防災対策を講じつつも、地域の実情に応じた防災計画とともに、日頃から個々人の防災意識を高めていく施策が求められております。
ここでお伺いいたしますが、本市においても、津波防災教育の導入や、これからも地域の実情に合った防災教育、今回の震災の検証を踏まえた防災対策の推進についてどのように行っていくのか、お伺いをいたします。
ウ、学校敷地内のホットスポット調査についてであります。
茨城県教育委員会は、9月2日、県立学校122校を対象とした第2回の放射線量率測定結果を発表しました。校庭の地上1メートルと50センチの測定値は毎時0.446~0.80
マイクロシーベルトで、除染の目安となる1
マイクロシーベルトを下回っております。ただ、同時に行った雨どいや側溝、芝生などの地上1センチの測定では、牛久高校では9.4
マイクロシーベルトを観測するなど、比較的高い箇所が見つかっております。日立市内でも、日立第一高校は2.1
マイクロシーベルト、日立第二高校では3.33
マイクロシーベルト、日立工業高校は3.30
マイクロシーベルト、多賀高校は2.81
マイクロシーベルト、日立商業高校は1.60
マイクロシーベルト、日立北高校は2.67
マイクロシーベルトで、隣接の高萩高校は4.80
マイクロシーベルトでありました。日立市内全ての学校で1
マイクロシーベルトを超えており、県南の牛久市、取手市に次いで、県北の北茨城市、高萩市、日立市が高い傾向でありました。このような現状を踏まえ、県南の小中学校においては、取手市、牛久市など、保護者や教員が集まって、学校の敷地内で比較的高い値の放射線量が観測された部分の除染作業を行っております。また、守谷市では、市内に9つある全ての公立小学校で校庭の土を入れ替える除染作業を行っております。本市でも、保護者の皆様からは、幼稚園の砂場で遊んでいるが、大丈夫なのかといった意見や、県内の学校で除染活動を行っていると報道されているが、日立市では大丈夫なのか等々、様々な意見もございます。県内の除染活動を行っていることについてどのように考えているのか、本市の考え方についてお伺いをいたします。また、小中学校、養護学校の空間線量率測定結果が、先ほど小林議員からも質問がありましたが、行われていると聞いております。調査の内容、測定結果、今後の対応についてどのように対応されようとしているのか、お伺いをいたします。
最後に、エ、中学校理科での「放射線」授業についてでございます。
来年度から中学校で使われる理科の教科書に30年ぶりに放射線についての記述が盛り込まれることになり、放射線について教えた経験がない教員も多く、生徒からの質問に的確に答えられないのではないかといった不安の声が広がっております。中学校の教科書には、1980年度まで、放射線に関する記述がありました。その後、指導内容の厳選で記述が消え、2008年に改訂された学習指導要領で復活が決定しました。エネルギー資源についての学習の中で原子力にも触れ、放射線の性質と利用も触れることと明記されました。来春から使われる中学3年の教科書には、放射線が医療や物体内部の検査に活用されていることや、原発の仕組みなどが盛り込まれることになっております。
ここでお伺いいたしますが、現在、福島第一原子力発電所の事故以来、
放射性物質の汚染に対する対応をめぐってなどが身近な問題となり、放射線に関する質問や問い合わせが増えております。新しくなった学習指導要領では、2012年度から3年生の理科で放射線の性質と利用について教えることが必修となりました。教員の研修も含めた本市での対応についてお伺いをいたします。
以上で1回目の質問を終わります。御答弁よろしくお願い申し上げます。
14 ◯議長(飛田謙一君) 舘野議員の質問に対し、執行部からの答弁を求めます。
15 ◯政策審議室長(赤津敏明君) ◇登壇◇ 舘野議員の御質問にお答えいたします。私からは、大きな1番の
東日本大震災から半年が経過しての現状と課題についての(1)、(2)、(3)及び(5)のアの御質問に順次お答えいたします。
まず、(1)本市の
復興支援援助の現状についてでございます。
今回の
東日本大震災に当たっては、国や県、あるいは、他市町村のほかにも、多くの団体や個人から、救援物資の提供だけでなく、復旧作業を含め、様々な支援をいただきました。この場で全ての支援の方々及び支援内容を申し上げることはできませんが、例えば、他市町村からの支援といたしましては、姉妹都市であります群馬県桐生市のほか、山形県山辺町や新潟県小千谷市、岐阜県大垣市、山梨県笛吹市などから飲料水や食料品の提供をいただいております。また、救援物資のほかにも、姉妹都市であるバーミングハム市、タウランガ市を始め、市内外の企業や団体、あるいは、個人の方々より多くの寄附金等をいただき、9月1日現在の総額は5,700万円余となっております。
次に、(2)
被災者支援窓口の成果についてでございます。
相談窓口につきましては、被災者に対する
各種支援制度の相談・申請受付業務を行うため、震災直後にいち早く
被災者支援総合相談窓口を開設し、本庁及び各支所において、平日だけでなく、土曜、日曜についても窓口を開設することにより、被災者の方々に対し迅速に対応してまいりました。主な相談は生活再建支援制度の内容、罹災証明や修繕工事助成金の手続、ごみの処理などで、9月1日現在、1万5,810件もの相談がありました。今後につきましては、体制としての総合相談窓口はなくなりますが、引き続き支援制度ごとに各担当課が相談及び支援業務を行ってまいります。
次に、(3)
被災者支援制度の現状についてでございます。
それぞれの支援制度は、復旧に向けた被災者の方々の経済的負担を少しでも軽減し、市民生活の早期再建を目的とするものでございます。主な制度としては、被災者生活支援法に基づき支給する被災者生活再建支援金、義援金、見舞金の支給などでございます。また、市独自の支援策としては、被災者の生活基盤の確保のための被災住宅修繕工事費や水道管修理費の助成、市営住宅の提供、災害廃棄物の処理、固定資産税や個人市県民税等の市税の減免措置などを実施しております。主な支援制度の状況ですが、義援金については、9月1日現在、全壊、大規模半壊及び半壊など、合わせて2,967件であり、それぞれ所定の金額を配分しております。市税及び保険料の減免措置といたしましては、一定の基準は設けてございますが、固定資産税、都市計画税、個人市県民税、軽自動車税等、合わせまして3,659件、
国民健康保険料で1,024件、介護保険料で1,409件の減免を行っております。また、
上下水道料金については、市内8万3,260件分の減免措置、及び、宅地内の水道管破損に伴う修理費の一部補助として751件の助成を実施いたしました。
次に、(5)の海岸部の諸問題についてのうち、ア、海岸部の住宅施策についてでございます。
御質問にありました北茨城市における津波被害につきましては、全体の全壊した家屋等のうち半数以上が津波による被害と推定されており、特に、大津地区においては津波被害による宅地の被害が大きいことから、地区内の被災者の意見を聞きながら全体的な土地利用について検討を行い、復興計画に反映させるものと聞いております。当市における津波被害については、久慈・水木・河原子・会瀬・川尻地区などを合わせ、全壊の家屋等は13件となっており、幸いなことにも死亡者を出さずに済みました。今回の
東日本大震災においては津波被害が特に大きかったことから、国土交通省では、津波被災市街地の復興に向け、被災市町村の復興計画づくりを支援するために、被災状況調査や復興パターン及び復興手法の検討を行っております。8月には、現況調査のうち、航空写真等を参考に現地調査などによりまとめた浸水区域や浸水した深さのデータ等が公表され、浸水した深さが2メートル以下の場合には建物が全壊となる割合が大幅に低下することが分かりました。今後、市としては、要因の分析をし、被害状況調査を進めるとされておりますので、調査の進展とともに国から示されるデータ等を参考に、固定資産税の賦課に伴う家屋の調査を始め、被災した市民に対する戸別の聞き取り調査などを行いながら実態の把握に努めるとともに、これらの結果をもとに海岸部の住宅の在り方等について検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
16 ◯生活環境部長(中山俊恵君) ◇登壇◇ 続きまして、(4)及び(6)の御質問に順次お答えいたします。
初めに、(4)がれき処理について、震災発生時からの対応及び今後の対応についてお答えいたします。
今回の震災で、瓦やブロック、木くずなどのがれきを含めて、大量の災害ごみが発生いたしました。災害ごみの対応につきましては、清掃センターでの受入れのほかに、3月18日からは市内9箇所に臨時集積所を設けて対応してまいりました。しかしながら、被害に遭った方がどのくらいいらっしゃるのか、災害ごみの量がどのくらいあるのかを把握するとともに、一方では、市外からのごみの搬入などを防止するため、一旦臨時集積所を4月末で閉じ、5月以降は、搬入申請をしていただいて、がれき、木くずのみを市内2箇所で継続して受け入れております。また、地域コミュニティと連携して一時的に集積場所を設けたり、社会福祉協議会が窓口となり、災害ボランティアの協力を得て、集積場所まで運搬できない方の災害ごみを回収するなど、市民の皆さんができるだけ早く処分できるように努めてまいりました。さらに、清掃センター及び臨時集積所での災害ごみの受入れや搬入申請の案内とともに、地域コミュニティと連携してのチラシ配布、防災行政無線、市報、市ホームページ、地元FMラジオ及びケーブルテレビを活用するなど、きめの細かい広報に努めてまいりました。その結果、これまでにおおむね6万6,000台の車両で運び込まれた災害ごみは約5万8,000トンになっております。これは昨年度に収集したごみの総量の約8割になります。また、5月以降、がれきの搬入申請をされた方は約2,300人となっておりますが、現時点では約半数がまだ搬入されておりませんので、最終的な受入れ量は年間ごみ収集量を超えるものと思います。なお、申請は5月31日までにしていただくこととしておりましたが、市外へ避難、入院、また、御高齢など、様々な御事情で申請することができなかった方につきましては、それぞれの状況を伺いながら対応しているところでございます。一方で、臨時集積所周辺の環境の保持を図る必要がございます。早期にがれきの撤去・処理を進め、今年度中には処理を完了いたしたいと考えております。がれき処理につきましては、今後も様々な課題に対応するとともに、臨時集積所閉鎖後の受入れ、処分方法について早急に検討してまいります。
続きまして、(6)コミュニティの再生についてでございます。
ア、コミュニティとNPOの関わりについて、2点のお尋ねでございました。
コミュニティ活動の担い手となる人材の確保・育成については、御指摘のとおり、コミュニティを構成する町内会などへの加入率及び組織率の低下や少子高齢化に伴い担い手不足が危惧され、持続可能なコミュニティ活動の確保が今後の課題となっております。このような状況の中、この度の災害を契機に、若い人たちを始め多くの方々が自主防災訓練など様々な活動に参加され、コミュニティの連帯意識がより強くなっているものと実感をしております。また、NPOとコミュニティとの関わりについてでございますが、当市におきましては、地域の実情に応じて、コミュニティと連携しながら、移送サービスや配食サービスなど、地域の課題解決に取り組んでいるNPOもございます。これからのまちづくりにおきましては、コミュニティ、NPO、企業などがお互いの特性をいかしながら地域の課題解決に取り組む仕組みづくりが必要であると考えてございます。行政とコミュニティ活動のあり方検討委員会では、人材確保・育成とあわせ、NPOとの連携についても検討され、この秋には提言としてまとめられることとなっております。その提言をお受けし、今後、コミュニティの皆さんと協議しながら、様々な課題解決に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
最後に、イ、中小路交流センターの建設についてでございます。
この度の震災では、地域住民の方の避難誘導や避難所運営などを始め、各コミュニティの皆さんの多大な御協力のもと、様々な困難を乗り越えることができたものと存じます。改めて感謝申し上げます。日立市民会館におきましては、ホールが大きな被害を受けましたが、幸い交流センターにつきましては被害も少なく、5月1日から開館をしているところでございます。日立市民会館は、今後、全館の耐震診断を行った上で、必要な改修を行う予定となっております。交流センターにつきましても引き続き地域の活動拠点として御利用いただきたいと考えてございます。
以上でございます。
17 ◯都市建設部長(古平祐次君) ◇登壇◇ 私からは、(5)のイ、ウの2点の御質問にお答えいたします。
まず、イ、堤防のかさ上げ工事と設置についてでございます。
日立市の海岸では、茨城県により高潮対策として堤防のかさ上げ工事が進められておりますが、既に助川海岸、会瀬海岸、日高海岸における堤防のかさ上げ工事は完了しており、小木津海岸については平成23年度に完了予定、会瀬漁港海岸については今年度より工事開始と伺っております。これらの事業で一定の効果が得られるものと考えております。また、漁港を抱えている地区や堤防がない地域の堤防設置の考え方についてでございますが、大震災により被害を受けた堤防を含む漁港、港湾施設については、現在、国、県が連携し、原形復旧に努めております。今後につきまして、国としては、今回の津波の特徴、漁港施設等の被害状況や被災のメカニズムを詳細に調査した上で、設計基準の見直し等、将来の施設整備に反映させる方向で検討中とのことであり、引き続き情報収集に努めてまいりたいと考えております。
次に、ウ、急傾斜地の崩壊と避難用道路の設置についてでございます。
今回の大震災により、日立市内の海岸部の崖地におきまして数箇所の崩落を確認しております。このうち、古房地公園やでんがくばら児童公園南側の崖地につきましては、市で管理する公園や道路の一部となっていることから、既に災害復旧の工事申請を行い、現在、工事発注に向け準備を進めているところでございます。また、大みか町5丁目の国道245号東側の法面につきましては、高萩工事事務所で災害復旧工事の準備を進めております。その他の民有地における崖地につきましては、土地利用の状況等に応じて対応すべきであると考えており、急傾斜地崩壊対策事業の活用の可能性について、関係者の意向確認を行いながら高萩工事事務所と協議を進めているところでございます。
次に、避難用道路の設置についてでございます。
今回の津波被害におきましては、幸い一人の死亡者も出すことなく、市民の安全確保が図られたと感じているところでございますが、旭町地区におきましては、地域住民から避難に大変苦慮されたとの話もあり、更なる市民の安全確保に努める必要があると認識しております。現在、津波の被災状況やその対策について国で調査を進めておりますので、その調査結果を踏まえ、避難用道路として機能する市道の整備拡充について検討してまいります。
以上でございます。
18 ◯教育部長(佐藤 守君) ◇登壇◇ 私からは、続きまして、(7)の教育の視点からについての4つの御質問に順次お答えいたします。
まず初めに、アの震災ストレスの現状についてでございます。
震災後の5月に県が実施いたしました調査では、年度始めの影響も含まれているかと存じますが、強いストレスがあると答えた本市の児童生徒は約9%、やや強いストレスがあると答えた児童生徒も加えますと25.9%と、県全体から見ますとやや低目ではございますが、多くの児童生徒がストレスを抱えているということが分かりました。この中には福島県などからの避難者も含まれております。本市に避難している児童生徒は、現在、65人いらっしゃいます。そのうち、2学期からの転入者が17名となっております。市では、震災直後にも、避難所となった鳩が丘スポーツセンターに教育相談員を派遣いたしまして、相談を行うなどをしてまいりました。
子供達の心のケアのためには、まず、子供の周りにいる大人が子供達の変化にいち早く気付き、寄り添うことが大切でございます。そして、その上で、スクールカウンセラーや教育相談員などの専門家とともに連携することが重要であると考えております。震災後、幼稚園や小学校からは、ストレスを抱える子供達にどのように接すれば良いのかを教えてほしいという声がございました。子供達と直接触れ合う教職員や保護者に向けまして、子供の変化に気付き、適切に対応できるような手引きを配布させていただきました。そして、教職員を対象とした研修会を開きまして、適切な相談や助言ができるようにスキルアップを図ってまいったところでございます。
また、本市では、独自事業としまして、中学校には以前から教育相談員を常駐させております。これを活用いたしまして児童生徒のカウンセリングを行ってまいったところでございます。余震が怖く、登校を渋る、その傾向があった児童が隣接する中学校の教育相談員と定期的に相談をしながら、2箇月後には不安も薄れ、不登校にならずに済んだという事例もございました。
さらに、県の事業として、スクールカウンセラー派遣事業がございます。市内の全ての中学校と小学校2校に月に一、二回程度訪問をしていただいております。9月からは、震災の対応といたしまして、これまで派遣のなかった小学校にも今後2回ほど派遣することとなっております。これまでよりも手厚い支援ができるものと考えております。
次に、イの防災教育についてでございます。
現在、学校では、社会科や理科、保健体育科、学級活動を中心に、各教科等の中で自然災害やその防災、安全についての理解を深め、防災意識の高揚を図っております。また、火災や地震、
原子力災害を想定した避難訓練を定期的に行い、災害時に自らの命を守るために必要な能力や態度を育成しております。今回の大震災では、各小学校ではけが人もなく避難させ、無事に家庭に戻すことができましたが、大津波の場合の避難としては最善だったのか、保護者への引渡しはよかったのかといった課題も見受けられました。各幼稚園・小中学校では、これらの課題をもとに早くから防災危機管理マニュアルを見直し、避難訓練に反映させております。例えば、御案内かと思いますが、東小沢小学校では、津波の場合、坂本地区に避難することになっておりましたが、大津波では茂宮川を渡るのは危険ではないかという視点から、避難先を常陸太田市立世矢小学校にいたしまして、車での避難訓練を行いましたほか、近くの高台に走っての避難などを重ねて実施してきたところでございます。地震や津波などの自然災害をなくすことはできませんが、防災教育を推進していくことによりまして被害を最小にすることはできますので、一人一人の児童生徒が的確な判断のもとに自らの命を守る行動ができるようになることを基本に、実態に合った防災教育の在り方を研究してまいりたいと考えております。
続きまして、ウ、学校敷地内のホットスポット調査についてでございます。
御案内のとおり、学校敷地内の放射線測定につきまして、以前は校庭の中央部分1箇所で測定しておりましたが、去る8月16日から27日にかけて、市内小・中・特別支援学校全41校で、校庭5箇所、放射線量が比較的高いと言われている側溝や雨どいの吐出し口など10箇所、計15箇所の放射線量を地表から1センチメートル、50センチメートル、1メートルの高さで測定いたしました。この測定結果につきましては市のホームページで公表しているところでございます。
一方、国は、8月26日、福島県内の校庭、園庭における空間線量率について、これまでの暫定的な考え方に変えて、幼稚園、小学校が地上から50センチメートル、中学校が1メートルの高さで毎時1
マイクロシーベルトを目安とする。それを超える場合は除染など速やかな対策が望ましいという新たな考え方を示したところでございます。
また、県教育委員会につきましては、県立高校等を対象といたしまして調査を実施し、全校で目安を下回りましたが、比較的高い値が出た29箇所の除染を試験的に実施したようでございます。
先ほど申しました詳細な調査の結果は、全ての学校で除染が必要とされている国の目安、1
マイクロシーベルトを下回っておりますが、先ほどの総務部長の答弁にもありましたとおり、国や県が示しました除染の目安を更に安全側に見て、雨どいの吐出し口などの除染を行い、全ての箇所の地上1センチメートルにつきましても毎時1
マイクロシーベルトを下回ったことを確認させていただきました。今後の対応につきましては、引き続き詳細測定を実施し、必要に応じた対応をすることで、児童生徒の安全を守り、さらには、保護者の皆様の安心確保に努めてまいりたいと考えております。
なお、市立の幼稚園及び保育園についても小中学校等と同様に調査を近々実施したいと考えています。また、私立幼稚園・保育園につきましても、設置者の意向を踏まえながら調査を進めてまいりたいと考えております。
最後に、エ、中学校理科での「放射線」授業についてでございます。
放射線に関しましての授業については、来年度から中学校で全面実施される新学習指導要領で新たに取り扱われることになった学習内容でございます。中学校第3学年のエネルギー資源に関する学習として原子力発電を取り上げ、核燃料が放射線を出していること、また、自然界にも放射線が存在していること、放射線は医療や製造業に利用されていることなどを学習するものであります。また、学習する時間は1時間程度でございますが、ガイガーカウンターなどを用いまして自然界の放射線を測定するなど、体験的な学習も取り入れながら理解を深めたいと考えております。県では、県内に
原子力施設がありますので、以前から理科教員を中心に放射線に関する教員研修を実施してまいりました。本市でも、夏季休業中に小中学校の理科教育研究部で原子力の専門家を招き、放射線の話の講演を聞き、研修をいたしたところでございます。今後は、理科教員ばかりでなく、全ての教員が放射線について正しい知識を持ち、保護者等からの問合わせについても適切に対応できるようにすることが重要であると考えております。
以上4つの質問について答えさせていただきました。以上でございます。
19 ◯15番(舘野清道君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございました。私のほうからは要望を数点申し上げたいと思います。
初めに、(3)の
被災者支援制度の現状についてでございますけれども、
被災者支援制度についての減免、免除、助成を受けるには、あくまでも個人が申請をしないと受けられないものであります。私は、高齢者世帯などは、この制度の趣旨を理解していない、また、手続が煩雑などを理由に、申請に至っていないケースが多々あると思っております。全壊、大規模半壊、半壊で3,000世帯についてのきめ細かな対応をされ、市民生活の早期再建の手助けをお願いします。また、市民からは、市独自の
被災者住宅修繕工事費上限10万円の申請期間を8月31日で終わるのではなく、もうしばらく延長してほしいとの声も聞かれますので、検討されるよう要望いたします。
次に、(4)のがれき処理についてでございますけれども、がれき処理搬入申請が5月31日で終わり、その後については個別に対応されていると聞いております。現在の全壊、半壊以上だけの対象者以外にも拡大され、例えば、業者に頼むほどの要もなく、自家用車で搬入できる数、瓦数枚とかブロック10個とか少量の木くずなどでも受入れをするなど、柔軟に対応されますようお願いいたします。国においてもがれき処理法案が通り、市が行ったがれき処理について95%の補助がされるようでありますので、市民生活の早期再建の手助けをお願いいたします。
次に、(6)のイ、中小路交流センターの建設については大分あっさりとした答弁でありました。質問でも言わせていただきましたが、日立市民会館にある交流センターは、連日、部屋の貸出業務等の管理に負担がある一方、駐車場がなく、気軽に利用できない。また、3階にあるため移動が大変等々、問題も山積しておりますので、コミュニティ役員等で協議会を設定し、前向きに検討されるよう要望いたします。
最後に、(7)ウの学校敷地内のホットスポット調査については、放射線量が比較的高いと言われている側溝や雨どいの吐出し口などを測定しておりますが、県の公表のように、測定結果を除染をせずにホームページに載せるようにお願いいたします。先ほどの総務部長の答弁でも、16箇所で2.277
マイクロシーベルトが最高だったとありました。リアルタイムな公表をお願いしたいと思います。
以上で私の質問を終わります。大変にありがとうございました。
20 ◯議長(飛田謙一君) 以上で舘野議員の質問が終わりました。
次に、黒澤議員に発言を許します。
21 ◯8番(黒澤信弘君) ◇登壇◇ 日立市政クラブの黒澤信弘です。
初めに、3月11日の
東日本大震災から半年がたちました。日立市の災害復旧・復興は、吉成市長を先頭に、執行部、当市議会を始め、全市民の努力の賜物であり、その応急復旧のスピードは敬意を表するものであります。震災復旧・復興に携わっている全ての皆さんに対し改めて感謝の意を申し上げます。そして、本格復旧・復興に向けて力を合わせ、頑張ってまいりましょう。
それでは、発言通告に従いまして一般質問をいたします。執行部の御答弁をよろしくお願いいたします。
障害を持つ方、家庭への地域支援についてであります。
9月は障害者雇用支援月間であります。障害者雇用の機会を増やしていくとともに、職業的自立を支援するための啓発活動が行われる時期でもありますので、あえて本定例会でこの件について一般質問をいたします。また、去る平成19年第3回定例会においても、発達障害を持つ家庭支援について一般質問をさせていただきました。当時の国の発表では、平成23年度中に子どもの心の診療拠点病院整備事業を計画、診療拠点施設には障害者支援活動の拠点となる支援センターを設置して、学校、児童相談所、警察などをネットワークで結び、心のケアについて情報提供や支援を行うものということでした。その整備事業が整備される間、日立市は、保健所、児童相談所、病院、学校などと関係を密にしながら家庭支援のケアに努めたいとの答弁がありました。平成22年度に教育プラザ内にこども発達相談センターを設立し、発達障害や子育て不安など幅広い相談を受け、障害を持つ家庭にとってありがたい機関の設立でした。設立に際し、河井教育長、当時の中山教育部長を始め、関わった執行部の努力に改めて感謝申し上げます。
一方、国が行う予定だった子どもの心の診療拠点病院整備事業、支援センター設立と関係機関のネットワークづくりは残念ながら白紙となってしまったことは残念でなりません。しかし、障害者自立支援法に基づく相談支援事業は形を変えながらも進んでおります。平成18年度に施行された障害者自立支援法は、障害のある人が普通に暮らせる地域づくりを目指すものです。子供の頃から、障害の有無に関わらず、ともに遊び、学び、暮らす環境を整備していくことが重要との内容で施行された法律です。法施行に関しては、当時、賛否両論がありましたが、旧政府は抜本的な見直しを目的にプロジェクトチームを結成、さらには、見直しに向けた緊急措置等を実施し、改正法律案を提出しましたが、御存知のとおり、衆議院の解散により廃案になり、昨年は障害者自立支援法の廃止の方針が決まりましたことは御案内のとおりです。法の廃止の背景としては、現在の通所サービス利用負担の見直し、現在は一律1割負担ですが、それを、制度の谷間をなくすという観点から、所得に応じてのサービス利用負担割合にするということが大きく変わる点であり、見直ししていく。また、障害者基本法を改正し、総合的な障害者福祉法案につくり変えることを目的とすると理解したところであります。現在の政府は、障害者、障害者の福祉に関する事業に従事する者、学識経験者等で構成する障害者改革推進会議を設立、新たな検討事項として、労働及び雇用の検討、障害のある子供が障害のない子供とともに教育ができる環境づくり、医療費負担を所得に応じた負担に切り替えるなど、多方面にわたり審議しているとのことです。新しい法案に切り替わろうとしても、障害者のより良い自立支援に向けたしっかりとした法案ができることを見守ります。
話は戻りますが、障害者自立支援法の一部の事業として、今年度も相談支援事業は継続しております。相談支援事業を紹介いたします。都道府県が実施する事業と市町村が実施する事業とに分かれております。都道府県が実施する事業は、地域生活支援事業の中で、発達障害者支援センターと障害者就業・生活支援センターの整備があります。発達障害者支援センターは茨城町に設立され、相談予約を申し込むのに1箇月以上かかるほどの多数の相談があるとお聞きしております。障害者就業・生活支援センター、通称なかぽつセンターといいますが、今年度4月に新たに日立市内の梅ヶ丘病院内まゆみの里に設立され、様々な相談支援を行っているとお聞きしております。
次に、市町村が実施する事業は一般的な相談事業です。その大きな役割を担う日立市自立支援協議会が設置されておりますので、この件について詳しくお伺いをいたします。
地域自立支援協議会とは、法の目的に基づいて、相談支援事業を軸としながら地域の支援体制を構築し、障害者等からの相談に応じ、それぞれの諸問題について必要な情報の提供や助言を行い、必要な障害福祉サービス等につなげることが理念であります。共通の目的を持ち、情報の共有化を図り、具体的に協働する、その中核を担うのが地域自立支援協議会であります。また、当該協議会は自由度が高く、自らのアイデアを用い、地域の実情に合わせ運営ができるメリットがあります。さらに、保健、医療、福祉、教育、労働等の様々な分野において支援する者が属する分野の専門性をいかし、現場の声を聞き、その情報源をもとにネットワークの構築が可能で、こうした連携の中で、これまで支援が困難とされていた事例に対しても支援のアプローチが可能となるメリットがあります。地域の自立支援協議会が活性化すれば、障害を持つ方への強い味方となるわけです。地域での生活が保障される、相談窓口の強化が図れる、相談者は的確なアドバイスを受けられるという重要な役割を持った機関となることと思います。
そこで、3点についてお伺いをいたします。
1点目。日立市自立支援協議会はどのような事業を展開しているのでしょうか。具体的な運営方法や事業内容をお伺いいたします。
2点目。当該協議会のメンバー構成はどのような分野の方々でしょうか。
3点目。当該協議会の関係機関との連携はどのような体制でしょうか。お伺いをいたします。
以上で1回目の質問を終わります。御答弁よろしくお願いいたします。
22 ◯議長(飛田謙一君) 黒澤議員の質問に対し、執行部からの答弁を求めます。
23 ◯保健福祉部長(國井博之君) ◇登壇◇ 黒澤議員の御質問にお答えいたします。障害を持つ方、家庭への地域支援についての御質問の中で、詳しく3点の御質問がございました。順次お答えいたします。
まず、1点目の自立支援協議会の具体的な運営方法や事業内容についてでございます。
本市における自立支援協議会の設置経過でございますが、自立支援協議会につきましては、障害者自立支援法施行規則の中で、関係機関の連絡調整、障害福祉に関する関係者の連携、支援体制に関する協議などを行う会議と規定されている機関の通称でございまして、既に広く定着している呼び名でございます。平成18年の障害者自立支援法の施行に伴いまして、本市におきましても、その設置について検討した際に、既に設置目的や委員構成が極めて類似している日立市障害者プラン推進市民会議が設置されておりましたことから、自立支援協議会の役割をこの市民会議に担わせるものとしたものでございます。また、現在、この市民会議には、就労や地域活動など、障害者の社会参加に関して検討する社会参加部会、地域生活支援や相談支援事業の充実などの協議を行う自立支援部会、そして、障害福祉計画等の策定に伴う計画原案などを検討する計画策定部会の3つの部会が設けられており、各委員が分かれてそれぞれの部会に所属するという形をとっております。本市における障害者、障害福祉に関する制度の創設や改廃、施策の組立て、主要事業の実施などに当たりましては、この市民会議の御意見をいただきながら進めてきているところでございます。例えば、医療機関への通院時の交通費助成制度の対象者の規定改正、難病患者福祉手当支給制度の創設などの際に協議をさせていただいたといったことなどでございます。議員御指摘のように、障害を持つ方々が生活する上で、悩みを少しでも和らげるためには、本人やその御家族に対する相談機能を充実させることが極めて重要であるものと認識をしております。しかしながら、こうした相談機能は個々のケースに応じた即時対応が求められることが多く、方針や意思の決定までに一定の手続や時間を要する市民会議による対応は困難でありますことから、現場に近い関係者の随時の応変の連携の中で対応をさせていただいているところでございます。また、この自立支援協議会の法律上の位置付けにつきましては、これまで幾分不明確でございましたが、今般の関係法令改正の動きの中で、その設置促進や運営の活性化のため、法律の中で明記がなされる予定になっております。こうした動きを踏まえまして、本市といたしましても、地域における障害者等への支援体制に関する課題に関します情報の共有化、関係機関等との連携の緊密化を図るとともに、実情に応じた体制の整備など、自立支援協議会の機能強化を図ってまいりたいと考えております。
次に、2点目の自立支援協議会、すなわち、日立市障害者プラン推進市民会議のメンバー構成についてでございますが、メンバーといたしましては、福祉団体や教育関係、障害者福祉施設、サービス事業者、保険医療機関、地域福祉関係団体、就労支援機関、それと、行政などから選出された方々により組織がされており、委員数は現在22名でございます。
次に、3点目の関係機関との連携についてでございますが、ただいま申し上げましたメンバーの中に障害者福祉施設の推進に関わる主な機関団体等の代表者が網羅されており、委員として活動いただいておりますので、全体会議、あるいは、部会での情報交換や協議等を通して種々連携を図っているところでございます。
以上でございます。
24 ◯8番(黒澤信弘君) ◇登壇◇ 御答弁ありがとうございました。2点要望をいたします。
1つ目は、地域の自立支援協議会は、1回目の質問で申し上げましたとおり、障害を持つ方や家族の心強い味方になることは間違いありません。日立市自立支援協議会は障害者プラン推進市民会議が兼務をしていることが分かりました。自立支援協議会の活性化のためには、ステップアップのためには、目的や機能を十分に踏まえず、とりあえずつくらなければならないものとして設置したということにならないようにしていただきたい。御答弁でもありました、私も再三申し上げていますように、相談支援事業の強化、充実、情報の共有化が極めて重要であります。現在の推進市民会議が兼務というと、メンバーが多忙になり、活性化の妨げになってしまいかねない。また、重要な相談の個々のケースに対応する、情報の共有は困難になりかねない不安がよぎります。長野県では、単独市町村ではなく、県内を大きく10の広域圏に分けて、競い合って協議会の活性化に取り組まれております。日立市も広域化を視野に入れた活動を検討してはいかがでしょうか。また、自立支援協議会の機能ははかり知れません。情報、調整、開発、教育、権利擁護、評価など、機能をよく理解し、当協議会をより良いものとするために、共通の目標を常に持ち、対立構造をつくらず、ネットワークの共同意識を育み、支援レベルの向上、そして、実情に応じた体制整備、自立支援協議会の機能強化の期待を要望いたします。
2つ目の要望です。国は、障害者権利条約の確認に向けての動きとして、本年8月に障害者基本法の改正及び一部を施行しております。また、障害者自立支援法に代わる総合的な障害者福祉法案制定に向けて、今正に各種の提言がなされている最中と、1回目の質問で申し上げたとおりです。生活の難しさを抱えた当事者の方やその家族などが制度の谷間に取り残されることのないように法を整えていくことは無論重要です。そして、実際の生活を支えていくためには、各自治体、日立市の果たすべき役割というもの、現場の声を十分に拾い上げ、検証する意味で、非常に大きなものであろうと思います。日立市においては、正確な情報収集と、現時点で取り組むことのできる課題は何なのかを検討されることが重要で、一つ一つ課題として真剣に取り組んでいただきたい。それが障害者福祉全体の活性化によって障害者や家族が安心して生活が送れる地域となることだと私は思います。
以上2点を要望して一般質問を終わります。ありがとうございました。
25 ◯議長(飛田謙一君) 以上で黒澤議員の質問が終わりました。
ここで、午後1時まで休憩いたします。
午前11時43分休憩
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午後 1時00分再開
26 ◯議長(飛田謙一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、吉田議員に発言を許します。