小野市議会 2020-03-19
令和 2年第420回定例会(第4日 3月19日)
1点目、医師の確保及び
療育体制についてです。
昨年度着任された医師は、早々と退職の意思を示されたため、早急な
医師確保に奔走したことは、
皆さん御存じのことと思います。
結果的に、報酬を600万円から倍の1200万円にして何とか確保できた医師は、週一回は
専門外来としてもともと働かれていた病院での勤務、月一回は米子市の病院での勤務があるとのことです。つまり、その医師が
わかあゆ園を留守にされる際には、報酬を払ってほかの病院から医師を確保しなくてはならない状況となります。
次に、
療育体制についてですが、現在、
作業療法士等のセラピストが病気等のため、
長期休暇をとられており、療育に支障が出ていることは否めません。また、令和2年度に
利用人数が大幅に減少することが予測されている中での保育士の募集についても到底理解できるものではありません。以上のことにより、
療育体制が維持されているとは決して言えないと考えます。
2点目、
広域連携についてです。
わかあゆ園における
リーダーは、
管理者である
加東市長であり、構成市による協議を行った結果が今回の結論です。「
北播磨はひとつ」という考えも理解できますが、今回の件においては、障がい児にどのように寄り添い、よりよい療育をいかに安心して受けてもらうことができるかということこそが重要であると考えます。
3点目、民間の
代替施設の確保についてです。
脱退に関しては、全員の方のご理解をいただけたと当局から伺いました。新たな市内の
事業所に関しては、利便性が高まりありがたいというご意見をいただいているとのことです。また、長年おられた医師の後任がなかなか決まらないことや、
言語聴覚士や
作業療法士の
病気休暇により訓練が制限されている状況に対しては、不安の声があったとのことです。
障がい児の
子供たちが、より安心して、よりニーズに合った療育を受けられる
体制構築のために、この議案に賛成いたします。
議員の皆様には、何とぞご賛同をお願いいたします。
○議長(
川名善三君) 次に、藤原
章議員。
○12番(藤原 章君)
日本共産党の藤原 章でございます。私は、
北播磨こども発達支援センター事務組合わかあゆ園からの脱退について、反対の立場で討論をいたします。
わかあゆ園は、昭和40年に設立され、曲折を経て現在4市で運営されていますが、医師や
専門職員の確保が難しく、運営に苦労されています。
小野市は今回、「
わかあゆ園の体制が不安定なため、十分な療育・訓練を提供できない状態であり、改善も厳しいと考えられる。今後、新たな
療育体制を構築した後に、
わかあゆ園から脱退する」としています。
私が疑問に思いますのは、こういう対処の仕方でよいのかということです。
小野市自身は、兵庫あ
おの病院に機能を強化していただき、民間の
児童発達支援事業所を整備すれば、
わかあゆ園にかわる体制がつくれるだろうと思います。また、利用者の皆さんも施設が近くにできれば助かると思います。しかし、自分はできるからといって、残された3市に少なからず影響を及ぼすことがわかりながら脱退するというのは、ともに苦労をしてきた行政間のあり方として、いかがなものかと思います。苦しいときこそ、協力し合う必要があるのではないでしょうか。
この間、担当者間では今後のあり方が真剣に検討され、
報告書も出されていますが、先行きが見えず、改善も厳しいのであれば、
事務組合を解散して各市で対応する方向も含めて、首長間でも議論を尽くし、お互いに納得する形で対処するべきだと思いますので、本議案に反対をいたします。
どうか議員の皆様のご賛同をお願いしまして、
反対討論といたします。
○議長(
川名善三君) 次に、
山本悟朗議員。
○8番(
山本悟朗君) ともに輝くおのの
山本悟朗でございます。議案第25号
北播磨こども発達支援センター事務組合わかあゆ園からの脱退について、賛成の立場から討論いたします。
北播地区の
児童発達支援センターを取り巻く環境としては、ここ数年の
間にわかあゆ園の構成市である西脇市、加東市、加西市において、民間の
児童発達支援事業施設が整備され、その結果、現在では、圏域内にお住まいの発達障がい児の70%、知的障がい児の55%が民間の施設を選択されています。
他の構成市と同様に
小野市でも民間の施設整備を行い、その整備規模を定員10名で2カ所とした場合、
北播磨圏域全体として、発達障がい児、知的障がい児の大半を民間の施設で受け入れが可能となります。
これは、圏域内各市の政策の結果であり、
わかあゆ園の経営は各市の政策を反映していかねばなりません。
つまりは、
わかあゆ園は、民間の児童発達支援施設に発達障がい児並びに知的障がい児の対応を任せた上で、より対応が困難な肢体不自由児、重度心身障がい児について、国立病院機構兵庫あ
おの病院とすみ分けを検討しながら事業を進める局面にあると私は考えております。
しかしながら、昨年9月にまとめ上げられた「
わかあゆ園の今後のあり方に関する検討
報告書」では、明らかに定員割れしている現状を顧みず、圏域内各市が民間施設の整備を始める前の規模での事業継続がうたわれております。さらには、先ほど申し上げた今後も必要とされる
わかあゆ園の機能としての肢体不自由児等の対応については、人的資源の不足から満足な対応ができていないのが現状です。
つまりは、果たすべき機能を果たす能力を持ち合わせないまま、不必要に規模だけが大きいがゆえに多額の予算を必要とする施設となっています。
今後、
小野市では、兵庫あ
おの病院との連携を強化することで、肢体不自由児の対応を進めるとの計画を伺いました。さらに、市長からは「兵庫あ
おの病院の機能拡大」の支援をすることで地域課題が解決するとのお考えも伺ったところです。
また、今後、他の病院との連携を含めた施策の実施を図ることで、現在の
わかあゆ園の継続よりも、高品質、低コストの事業実施が圏域内のいずれの自治体においても可能と考えます。
今、必要なのは、医療と発達支援施設との連携のあり方のイノベーションであり、障がいをお持ちのお子様へのサービスを低下させることなく、現在確保可能な人材でいかに必要なサービスをより高品質にするかが問われています。
わかあゆ園の従来からの事業継続を前提とした上で、「何とか人をやりくりして」の発想では、課題の解決は見出せません。
小野市が
わかあゆ園から脱退し、新たな道を開くことによって、将来的には地域課題の解決につながっていくと考えております。
各議員におかれましては、何とぞご賛同賜りますようにお願い申し上げ、私からの賛成討論といたします。
○議長(
川名善三君) 次に、久後淳司議員。
○6番(久後淳司君)
市民クラブの久後淳司です。私は、議案第25号
北播磨こども発達支援センター事務組合わかあゆ園からの脱退について、賛成の立場から討論を行います。
北播磨こども発達支援センター事務組合わかあゆ園は、昭和40年4月に始まり、その1年後、
小野市が加入し、長らく運営に携わってまいりましたが、近年は人材の確保等に課題がありました。
大きな課題の1つは財政面であり、令和2年度の総予算約1億円を見ますと、診療収入は387万円の減額が計上されています。一方、構成市負担金は約8,000万円で、前年より約1,900万円の増額が計上されており、
小野市の負担額も約500万円増額されております。そして、総予算の8割は人件費が占めている中で、さらに園舎の老朽化や時代により障がいの幅も広がっている療育に対し、施設改修費用等の問題もあります。
2つ目に、利用者数の課題があります。
園全体の利用児童数は減少傾向にあり、1日平均の利用者数も定員40名に対し、2019年ベースで1日平均7.1人となっています。このような状況の中、
小野市として、市民の方々からの原資である税を支出することを考えると、ただ現状を維持するためだけに支出を継続することは困難と言わざるを得ません。
そして何より、利用者の方々の立場になって考えたとき、他の自治体も含め、行政として理念やそれに基づく目的を果たすために、どのような手段をとるのか決断していくことが最も重要であると私は考えます。
今、この現状を客観的なデータをもとに、これから先もご利用される方々のことを考察しますと、2年後の
わかあゆ園からの脱退は「適切である」と判断いたします。
各議員におかれましては、何とぞご賛同賜りますようお願い申し上げ、私からの賛成討論といたします。
○議長(
川名善三君) これにて、議案第25号についての討論を終結いたします。
これより、議案第25号を採決いたします。
本案に対する
委員長報告は可決であります。
本案は、原案のとおり可決することに賛成の議員の起立を求めます。
(「起立多数」)
○議長(
川名善三君) ご着席ください。
起立多数であります。
したがって、本案は、原案のとおり可決することに決定しました。
議案第4号から議案第8号まで、議案第14号から議案第19号まで、議案第21号から議案第24号まで、議案第26号及び議案第27号の以上17件については、討論の希望がありませんので、これにて討論を終結いたします。
これより、議案17件を一括して採決いたします。
本案は、原案のとおり可決することに、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶものあり)
○議長(
川名善三君) ご異議なしと認めます。
したがって、議案17件は、原案のとおり可決することに決定しました。
〜日程第2 議案第29号〜議案第30号〜
○議長(
川名善三君) 次に、日程第2、議案第29号及び議案第30号、以上の2議案を
一括議題といたします。
小林昌彦副市長及び小林清豪副市長の退席を求めます。
(小林昌彦副市長・小林清豪副市長 退席)
○議長(
川名善三君) 議案の朗読を省略いたしまして、理事者側から
提案理由の説明を求めます。
市長。
(市長 登壇)
○市長(蓬莱 務君) 議案第29号及び議案第30号
小野市副市長の選任について、
提案説明をいたします。
議案書の29ページ及び30ページをご覧ください。
この議案は、現副市長である小林昌彦君及び小林清豪君の両名の任期が令和2年3月31日で満了となりますので、その後任といたしまして、両氏を引き続き再任したいので、
地方自治法第162条の規定によりまして、議会の同意を求めるものであります。
ご承知のとおり、
小野市におきましては、5月に新庁舎への移転を控えるなど、まさに歴史的な転換期を迎えます。その中で、このたびの新庁舎移転及び
新型コロナウイルス感染症対策等と人事異動が重なることによる混乱を避け、業務の継続性を重視し、万全な体制で開庁を迎える必要があることから、両氏を再任することについて、ご同意を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。
以上、
提案説明といたします。
○議長(
川名善三君)
提案理由の説明は終わりました。
お諮りいたします。
ただいま上程中の議案につきましては、同意人事案件でありますので、議事の順序を省略し、直ちに表決に入りたいと思います。
これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶものあり)
○議長(
川名善三君) ご異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
議案第29号について、これより採決に入ります。
本案は、原案のとおり同意することに決定して、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶものあり)
○議長(
川名善三君) ご異議なしと認めます。
したがって、本案は、原案のとおり同意することに決定しました。
次に、議案第30号について、これより採決に入ります。
本案は、原案のとおり同意することに決定して、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶものあり)
○議長(
川名善三君) ご異議なしと認めます。
したがって、本案は、原案のとおり同意することに決定しました。
退席者の着席を求めます。
(小林昌彦副市長・小林清豪副市長 着席)
〜日程第3 議選第2号〜
○議長(
川名善三君) 次に、日程第3、議選第2号 兵庫県
後期高齢者医療広域連合議会議員の選挙についてを議題といたします。
お諮りいたします。
選挙の方法につきましては、
地方自治法第118条第2項の規定により、
指名推選によりたいと思います。
これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶものあり)
○議長(
川名善三君) ご異議なしと認めます。
したがって、議長において指名することに決定しました。
小林昌彦副市長を指名いたします。
お諮りいたします。
ただいま、議長において指名いたしました小林昌彦副市長を兵庫県
後期高齢者医療広域連合議会議員の当選人と定めることに、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶものあり)
○議長(
川名善三君) ご異議なしと認めます。
したがって、ただいま指名いたしました小林昌彦副市長が兵庫県
後期高齢者医療広域連合議会議員に当選されました。
お諮りいたします。
本日の会議はこの程度にとどめ、散会いたしたいと思います。
これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶものあり)
○議長(
川名善三君) ご異議なしと認めます。
したがって、本日はこれにて散会することに決定しました。
一言ご挨拶申し上げます。
市長を初め、市当局各位におかれましては、真摯なる態度で審議にご協力いただき、感謝いたしますとともに、その過程で述べられました
議員各位の意見等につきましては、今後の市政執行に十分反映されますよう希望するものであります。
次の本会議は、3月26日、午後1時30分から再開いたします。
本日はこれにて散会いたします。
ありがとうございました。
それでは、市長より、散会に当たり、発言の申し出がございますので、お受けいたします。
市長。
〜市長挨拶〜
○市長(蓬莱 務君) 本日、第420回市議会
定例会に上程しておりました全30議案について可決を賜り、一言お礼かたがた、ご挨拶を申し上げます。
さて、今期
定例会においては、全国的な
新型コロナウイルス感染症の広まりにより、
北播磨総合医療センターの勤務医師等から感染が確認されたことを受け、刻々と変化する状況に対応する必要から、急遽本会議の日程変更を行い、休日を利用してご審議を賜るなど、臨機応変なる対応をとられたことに対し、心から敬意を表したいと思います。ある意味、論点を絞った議論をすることで、これまで以上に本質的な審議ができ、まさにピンチをチャンスと捉えた、新たな議論のあり方の一つの実践モデルになったのではないかと考えております。
なお、感染が確認されました
北播磨総合医療センターにおいては、外来診療の休診、新たな入院患者や救急患者の受け入れ中止等の措置を行い、直ちに感染した医師が外来診療した患者さんには個別に連絡をとり、健康状態の確認をとるとともに、濃厚接触者と考えられた職員についても順次PCR検査を実施するなど、再開に向け安全確認を進めております。
また、医療センターに拡大対策本部を設置し、情報の一元管理を行うとともに、1つには外来・救急対策、2つには入院・退院対策、3つには感染者対策、そして、事業継続のための4つ目に職員対策チーム等を設置し、総力を挙げて最善の対策を検討・実施し、一日も早い病院機能の回復を目指しております。現時点では、近々診療再開の決定について、発表をされる予定で今進められております。
その他、直ちに近隣医療機関への救急患者の受け入れ要請とか、あるいは近隣消防への救急応援出動の要請等も行うなど、安全体制の確保にも取り組んでおり、患者の皆様、地域の皆様には、パニックになることなく冷静に対処していただいております。
大変ご迷惑をおかけしておりますが、
感染拡大防止に向けて、総力全力を挙げて取り組んでおりますので、何とぞご理解とご協力をお願い申し上げます。
また、このたびの
新型コロナウイルスへの対応に関し、一般質問においてご質問いただきましたが、
小野市における基本的な考え方は、「悲観的に準備をし、楽観的に対応する」という危機管理の基本原則のもと、感染防止という一つの側面にとらわれるのではなく、社会全体への影響やあるいは生活している市民全体の安全安心の最適化を考える必要があり、まずは『看却下』、足元をしっかり見て、一旦落ちついて冷静に状況把握した上で「柔軟」に対応することであります。
ご承知のとおり、
小野市においては、いわゆる品薄状態が継続しているマスクについては、いち早く防災備蓄を行ってる20万枚のうち10万枚を市民の皆様に無料配布させていただきました。その意図するところは、単に市民のためにいち早くこういうマスクを、備蓄を配布するということを通じて、危機管理に対する市民の意識改革を図ると、そういう意味合いもあったこともつけ加えさせていただきたいと思います。
また、国から突然要請のあった全国一律の一斉休校措置について、
小野市では県内で唯一、直ちには実施せず、発生状況等を見きわめながら、今月11日まで通常どおりの授業を行ってまいりました。これは、決して国の要請を無視したのではなくて、冷静に
小野市の地域特性を判断し、何が全体の安全安心につながるかということでの意思決定をし、結果として他市においても、あるいはこのたびは国家においても、それらのことを十分加味した指示が19日に出されると私は信じております。
これは、先ほど来言っておりますように、学校は不特定多数の方が集まるイベントとは異なり、同一地域の居住者が通う場所であり、感染リスクは低いこと、あるいは、学校での授業にかえて学童保育を実施するのであれば、通常の教室より密集度が高い場所で実施されるため濃厚接触の可能性がより高くなること、さらに、共働き世帯とか、あるいはひとり親世帯とか、医療現場で働く
保護者を持つ世帯など、これは例えば看護師さんが子供さんがいらっしゃる場合、学校を休むと看護師さん自体がいわゆる出勤ができないとなると、間接的に医療現場も大混乱を生じるということになるからであります。
このように、社会全体への影響等を多面的に検討し、総合教育会議において最適解であると判断し、そして決定したものであります。
実施に当たっては、全ての児童生徒にも一人5枚相当のマスク2万枚を追加配布し、登下校及び授業中のマスクの着用を徹底させるほか、校長を責任者として、換気のためのチェックリストを作成し、徹底させるなど、ということは、定期的にきちっとチェックリストに基づいて、場当たり的な対応ではなくて、きちっと換気をさせるとかというような仕組みも構築して、まさに従来の延長線上ではなく、より一段と衛生状態を強化した上において、学校現場と行政が一体となって取り組んだ“危機管理におけるチャレンジ”でありました。
結果として、中学校においては卒業式も無事に取り行われ、全学校において今年度の教育課程がほぼ修了できるなど一定の成果となっています。
特に危機管理においては、国から言われたから同じようにしていればいいという「画一的横並びの仲よしクラブ」では、状況の変化に迅速に対応することができません。自治体を預かる長として、地域特性や状況に応じて主体性を持って柔軟にいかにオペレーションするかが重要であると考えております。
現在、市民の不安感に配慮をし、当面の間、学校を休校するとともに、新庁舎の竣工式典や、あるいは希望の丘陸上競技場のオープニング等、不特定多数の方が集まるようなイベントを中止し、図書館やエクラなどの公共施設についても閉鎖をいたしております。市民の皆様には、しばらくの間ご迷惑をおかけいたしますが、現状において何が最適解なのか、絶えず状況の推移を注視しながら『柔軟』に対応してまいりたいと考えております。
新聞紙上では、一転していわゆる学校を休校にしたというような発表のような表現になっておりますけれども、そうではなくて、当初から、学校を閉めるんではなくて再開するけれども、いわゆる管内もしくは
小野市内においてそれが発生もしくはそれに匹敵することがあれば、柔軟に対応するということの決断であるということを十分ご認識をいただきたいと。いわゆる場当たり的対応で急遽大慌てで変更したということではないと、当初からのいわゆる方針どおりであったということもしっかりとご認識をいただきたいと思います。
さて、ご決定をいただきました令和2年度の新年度予算でありますが、少し総括をさせていただきますと、新たな時代に対応した市民サービス提供の拠点である市役所新庁舎の整備を終え、道路環境のさらなる整備や、コミセンおのの移転、ひょうご小野産業団地の整備や、小野南中学校の長寿命化改良工事といった都市基盤の再構築を推し進めるとともに、
小野市のこれまでからの強みである県下一の
子育て支援施策の継続など、ハード、ソフトそして健全財政の3つの側面において、一言で言うならば、『持続可能性』をキーワードとした予算といたしております。
来年度においては、市税収入は堅調に推移し、3年連続で70億円を超える見込みでありますが、このたびのコロナウイルスの影響により、先行きは不透明であり、また、地方交付税は、あの芦屋市に次いで県下で2番目に少ない中、さらに約4,000万円減を見込むなど、市を取り巻く経済情勢は、依然として厳しい環境であります。
しかしながら、人口100人当たりの職員数は0.54人と県内最少クラスでの業務遂行や徹底した行財政改革の実施により、総人件費は
北播磨5市1町の中では一番低く抑えながら、成り行き管理ではなくて、きちんと目標を定め、そのプロセスをも管理する
小野市独自の方針管理制度を基軸に、労働生産性と効率を高めつつ、小野南中学校の長寿命化改良や、県内初となるスマートフォン等により現場のライブ映像が送信可能など、消防指令システムの導入のほか、12の新規事業にもチャレンジしていく予定としております。
その一方で、市の預金に当たる基金残高は、新庁舎建設に伴う取り崩しがあるものの、市のガイドラインである70億円以上を確保できる見込みであり、一方、市の借金であります市債残高については、新庁舎建設等により過去最高となる約231億円になる見込みであります。しかしながら、市民一人当たりで見たときには、庁舎建設後においてもなお、
北播磨5市の中で一番低い水準であり、市民一人当たりは約48万円、参考までに西脇市は約62万円、加東市は57万円、三木市は50万円、加西市は46万円ということで、引き続き、財政の健全性を堅持していることは、次世代が負担すべき借金の指標であるいわゆる将来負担比率が21%と、県内29市の平均プラス48%や、いわゆるイエローカードとなる早期健全化基準350%と比較しましても、十分健全な領域にとどまる見通しであることからもおわかりいただけると思います。
またその他、上程しておりました重要議案についても、
議員各位からさまざまな貴重なご意見やご提言をいただきました。
小野南中学校大規模改修工事についてでありますが、総事業費約22億円をかけ、今年度から令和4年度にかけて全面的なリニューアル工事を行ってまいります。議員からご質問のあったバリアフリー化についても、エレベーターの設置や体育館に移動できる渡り廊下を新たに設置するとともに、地域の方たちの総意により現在の場所で整備することになりましたが、水害対策についても、学校周辺の雨水が格技場に流れないような対策もとってまいります。
次に、
北播磨こども発達支援センター事務組合わかあゆ園からの脱退についてでありますが、今では、近隣に同様の施設が7カ所あり、民間の
児童発達支援事業所等がなかった昭和44年当時と現在では、求められるニーズが変わっております。利用者の減少や
医師確保の問題等、行政による前例踏襲型の運営は既に限界を迎えています。
そのような中で、年間2,000万円以上負担して維持し続けるよりも、社会福祉法人等に補助金を出して、市内で新たな施設を整備するとともに、重度の肢体不自由児については、兵庫あ
おの病院に受け入れていただき、より利便性が高く、より高度な医療を提供することが、より高度でより高品質なサービスをいかに低コストで提供するかという行政経営の理念に合致していると確信をいたしております。
「らんらんバス」の利便性向上についてでありますが、今や年間約20万人もの方が利用されており、これまでの「医療費の無料化」から「予防医療の無料化」へとシフトしていく中で、今後明らかに利用ニーズが伸びることを考えれば、新たに3台を増車することについて、前向きに検討すると申し上げました。
要は財源をどうするかであり、事業の再構築を進めるとともに、場合によっては、わずかでも応分の負担を求めるのがいいのかといったことも含め、みんなで支え合い、持続可能な社会をどう構築するかを議論する時期に来ていると考えております。
さて、今年度も残すところわずかとなり、いよいよ令和2年度がスタートいたします。ご承知のとおり、ことしは、戦後75年という一つの時代の節目を迎えますが、おおむね75年という期間は、歴史を振り返ったとき、これまでの仕組みシステムが大きく変わる節目でもあります。1945年は終戦であり、その前の1870年は、明治維新を機とした廃藩置県が行われるなど、近代的な地方行政制度の枠組みが構築された年でもありました。
いずれも、従来続いてきた仕組みシステムが大きく変わったわけでありますが、その後の社会の大きな発展へとつながっております。これまでの仕組みをどう時代に合わせるかではなく、これからの時代にはどういう仕組みシステムがふさわしいかという、まさにこの「破壊と創造」こそが、新しい時代を切り開いていく上においては不可欠であり、まさに今がそのときであると考えております。
小野市における新たな中心市街地の整備である新庁舎の移転しかり、先般3区画の分譲企業が決定いたしました県との共同事業であるひょうご小野新産業団地の整備しかり、またこれまでにおける三木市民病院と
小野市民病院との統合病院である
北播磨総合医療センターの整備や
ごみ処理の広域化、また今期
定例会において可決いただきました
わかあゆ園からの脱退という一部
事務組合の再編もまた、新たな時代に向けた「破壊と創造」であります。
このたびのコロナウイルスの対応についても同様で、さまざまな会議や行事等は中止しましたけれども、真に必要な業務とは何なのか、業務のトリアージを通じ、つまり
優先順位を通じ、次の一手として新しい仕組みをつくっていくチャンスでもあると考えております。
そのために必要なことは、今、我々がどんな時代を生きているのかを見きわめる“洞察力”であり、画一的横並びではない、みずからをもって行動につなげる“構想力”であり、そして何よりも重要なことは、それらを実行に移す
リーダーとしての“決断力”であります。
議員の皆様方におかれましても、また、
小野市の
リーダーとして、新しい時代を切り開く「破壊と創造」、すなわち「行政手法の再構築」を目指し、ともにチャレンジし続けていただきたいと思います。
さて、今期
定例会をもって半世紀以上の長きにわたり、
小野市の歴史を見届けたこの議場の幕が閉じるわけでありますが、この場をおかりしまして、改めてこれまで
小野市の発展を支えていただきました歴代の議長を初め、議員の方々のご精励に対し、深く感謝を申し上げます。
いよいよ5月には、審議の舞台が新庁舎に移ることになります。市政の両輪として、皆さんとともに、
小野市の発展に向けた新たな歴史をつくってまいりたいと考えております。
議員各位には、これから、何かと慌ただしい時節柄ではございますが、健康には十分ご留意され、今後とも
小野市発展のためにさらなるご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。
散会 午後 2時32分...