議案第18号 平成30年度宝塚市
下水道事業会計予算
議案第19号 平成30年度宝塚市
病院事業会計予算
……………………………………………
○
北野聡子 議長
中川市長より平成30年度
施政方針についての説明を求めます。
中川市長。
◎
中川智子 市長 本日ここに、2018年度当初
予算案を初め諸議案を提出しますとともに、これからの
市政運営に向けての基本的な
考え方と主な施策を申し上げます。
議員各位を初め、市民の皆様の御理解と御支援を賜りますようお願い申し上げます。
私は、本年、市長10年目の節目の年を迎えます。これまでの御協力に感謝申し上げますとともに、心を新たにして
市政運営に邁進してまいります。
さて、我が国は、超
高齢社会と言われて久しく、さらには2025年問題と言われる、団塊の世代が75歳以上となり、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上というかつて経験したことのない社会が目の前に迫っています。現在も医療や介護に関するさまざまな課題に直面しており、本市もその例外ではありません。しかし、それだからこそ、
高齢者が社会の担い手となり活躍できる社会を実現しなければならないと考えています。
高齢者から
子どもまで一人一人が幸せを分かち合え、心を通わせることのできる仲間です。私は、市民の
暮らしの中に、年齢は関係なく全ての世代を通じて心のつながりが実感できる宝塚を実現し、宝塚に暮らす幸せを感じていただきたいと思っています。市民が
お互いさまの精神を忘れない、人々のぬくもりを感じることのできる
まちづくりを実践してまいります。
それでは、本市の新たな歩みに向けて、2018年度の
市政運営についての基本的な
考え方を申し上げます。
災害や事故の際に、みずからの命を顧みず、見ず知らずの人を救うために行動した方のお話を耳にすることがあります。勇気ある行動に尊敬の念を抱くとともに、命の大切さを深く感じざるを得ません。かけがえのない命も、災害、病気、
交通事故などでいとも簡単に失われてしまうことも起こり得ます。自分には不幸が降りかかることはないと過信し、もしものときのことを考えずにいた結果、災害や事故に遭遇した際に、本来なら助かるはずだった命を失うことにもなりかねません。一つしかない命を守るためにも、市民に防災についての意識を高めてもらうことが大切です。現在も地域を中心として、防災に関する多くの
取り組みが行われていますが、今後も市民、行政、
関係団体が一体となって、いつ起こってもおかしくないと言われる
南海トラフ地震などに備え、災害に強い
まちづくりを着実に進めてまいります。
また、人はいつ病気や思わぬけがをするかもしれません。そんなとき、安心して受診できる
医療体制が整っていることはとても重要なことです。地域の
医療機関と
市立病院が連携することで、
地域完結型医療の信頼感が生まれ、市民が安心して暮らせる
まちづくりを推進します。
交通事故は少しの気の緩みが引き起こすことが多く、日々の私たちの幸せな
暮らしを一瞬にして壊してしまうことがあります。
加害者にならないことはもちろんのこと、
被害者にならないためにも、
交通ルールやマナーを守るための
啓発活動などを通じて
交通事故の防止に努め、安心で安全な
まちづくりを進めます。
こうした命と
暮らしを守る
取り組みは、私が
市長就任以来一貫して進めてきたところであり、今後も引き続き取り組んでまいります。
少子化、
高齢化が進行する
現代社会ですが、本市も同様に
年少人口、
生産年齢人口は減少の一途をたどっている一方で、65歳以上の
高齢者人口は伸び続け、昨年12月にはその割合が27%に達し、過去最高となりました。大きな
社会構造の変化の中で、多様化する全ての
市民ニーズを
行政サービスだけで担うには難しい時代となっています。
行政サービスと言えるものがほとんどなかった時代は、道普請という言葉があるように、
地域住民で道をつくるなど、
相互扶助の考えに基づいて
コミュニティが形成されていきました。しかし明治以降、税を徴収するかわりに行政が
公共サービスを担う仕組みになるに従い、
長寿社会の実現や
公共インフラが充実するなど多くのメリットがある一方で、人々の
きずなは薄れ、
お互いの顔が見えにくい社会が形成されてきました。
今後、より豊かな
地域社会を市民の皆様とともに実現していくためには、
コミュニティが活発であったころの主体的に
まちづくりにかかわる精神を現代によみがえらせるとともに、
地域住民同士や行政がつながり、ともに力を合わせ、考え、行動していくことが大変重要ではないかと考えています。
本市では、あらゆる世代に優しいまち、エイジフレンドリーシティに積極的に取り組んでいるところです。今後も
市民同士が、困ったときには助けを求めることができ、求められたときには駆けつけられる思いやりに満ちた
まちづくりを進めてまいります。
一方で、依然本市の財政は予断を許さない状況にあります。持続可能な
行財政運営を図るためには、歳入に見合った予算を将来にわたって編成していくことが極めて重要となります。日々の
暮らしにおいて必要な
行政サービスとは何かを考え、市民の皆様の御理解と御協力をいただきながら、今後も引き続き不退転の決意を持って
行財政改革に取り組んでまいります。
また、将来への投資を行うことで
地域活性化につなげる
取り組みも必要です。
子どもたちに引き継いでいける夢と未来のある宝塚を残していく義務が私たちにはあります。
人がより豊かに生きるためには何が必要でしょうか。私は、人と人の心のありようがとても重要だと思っております。何げない日常の中で、路傍に咲く一輪の花に心癒やされ、美しいと感じる感性は、
芸術作品に接して感動できる心に通じています。
文化芸術に接して楽しめることは人生に潤いと深みをもたらし、その人の人生をより豊かなものとします。そんな心を育てる環境が宝塚にはあります。
文化芸術のまちとして、宝塚歌劇は100年の歴史を超え、その人気は衰えることなく、多くの観客を魅了し続けています。本年生誕90周年を迎える
手塚治虫さんは、宝塚で過ごした多感な時期の経験をもとに多くの名作を生み出しました。今なお、それらの作品は時代を超えて感動を与え続け、未来を見てきたかのような先見性にあふれた
作品群には目をみはるものがあります。今を生きる
子どもたちには、本市に流れる
文化芸術を愛する風を感じて、人生の糧にしてほしいと考えます。
そのためには、本市の代表的な
文化芸術だけでなく、
子どもたちに多くの
芸術作品に触れる機会を創出し、みずからも創造することのできる人間として成長し、
自尊感情を育める場を提供します。また、
子どもから大人まで、障がいのある人もない人も全ての人が
文化芸術に接することで、新たな交流も期待されます。
文化芸術を通じて新しい魅力と価値を生む、創造性に満ちた
まちづくりを目指してまいります。
それでは、第5次
総合計画の6つの分野に沿って、2018年度の主要な施策について申し上げます。
まず、これからの
都市経営につきましては、第6次宝塚市
総合計画の策定に向け、計画の期間や構成などの基本的な
考え方をまとめた
策定方針の作成や、
市民意識調査などを実施します。
協働の
まちづくりでは、
地域ごとの
まちづくり計画の
見直しに向けて、多くの市民の皆様との議論を大切にし、まちの将来像と
基本目標の取りまとめなどを進めていく予定です。この計画の
見直しを支援するため、市職員が地域に出向く体制を構築するなど、市民との対話を重ねてまいります。また、
見直し後の
地域ごとの
まちづくり計画については、第6次宝塚市
総合計画の一編として位置づけることを検討し、
地域自治に係るしっかりとした基礎を構築してまいります。
人材育成では、ワーク・ライフ・バランスの推進などにより、職員一人一人の
意識改革を進めるとともに、意欲に満ちた
職場環境の整備に
取り組み、組織全体の
活性化を推進します。
企業会計の経営においては、
病院事業では、
宝塚市立病院改革プラン2017に掲げた施策の実行によって、
医療機能の向上とともに
経営改革の
取り組みを推進します。
上下水道事業では、宝塚市
水道事業経営戦略及び宝塚市
下水道事業経営戦略を着実に実行することで中長期的な
経営基盤の強化を図ります。
また、市が保有する
公共施設では、多くが建設後相当の年数が経過しており、今後一斉に大規模な改修や建てかえが必要となることから、将来的な施設の統廃合や適正な管理、保全に
取り組みます。
新庁舎・
ひろば整備事業については、
基本設計の一部
見直しと
実施設計を進めており、
駐車場、
敷地内通路及び広場の一部の
整備工事に着手します。
大型事業が重なることから、
事業費の
平準化を図るため、新
庁舎建設工事の着手を3年間延伸することとしますが、全体
整備完了に向け、引き続き、多くの人が憩い、交流できる魅力ある空間の整備に
取り組みます。
本市に多くの人を呼び込むための
シティプロモーションでは、時代に即した効果的な手法で市民との協働により実施します。
次に、安全・
都市基盤につきましては、
緊急情報伝達手段として、
防災行政無線設備の整備、
安心メールへの登録、家庭での備蓄や家具の
転倒防止など自助の
取り組みに対する啓発や、地域での
防災訓練や
防災マップ作成、
地区防災計画作成などの共助の
取り組みを支援するとともに、阪神・
淡路大震災の経験を風化させない
取り組みなど、防災に関する
取り組みを引き続き市民の皆様とともに推進してまいります。
消防では、災害に強い
まちづくりの実現を目指し、
自主防災組織へのさらなる
育成指導や活動に対する支援を行い、
福祉施設との
相互応援体制をより充実させ、市民による自助、共助の体制を進めることにより、
地域社会の
防災力向上を推進します。また、
災害発生時に消防の支援を行う
消防サポート隊協力事業所の登録及び
連携強化を推進し、
地域連携の
きずなを深めます。さらには、
市立病院との
連携強化による
救急ワークステーションを基軸に、
救急隊員の研修の充実や、
ドクターカー運用による救命率の向上を図ります。
防犯では、今後もプライバシーに配慮しつつ、2019年度末までに
市域全域に最大280台の
防犯カメラを設置し、
防犯力強化に
取り組みます。
交通安全では、引き続き交通安全の教育、啓発に努め、特に
自転車が関係する事故や
子ども、
高齢者の事故を抑制するために、
自転車安全利用推進員の活動を充実します。また、宝塚市
自転車の
安全利用に関する条例の改正に向けて
取り組み、市民の安全を守ります。
住宅・住環境では、宝塚市
空家等対策計画に基づき、管理が適切に行われていない空き家などの
所有者に対し適切な管理を促すための啓発を継続するとともに、
相談体制の充実を図ります。
道路・交通では、
阪急今津線により東西に分断された
武庫川右岸地区において、防災や利便性の向上を図るため、
都市計画道路荒地西山線小林工区の
早期完成を目指します。また、歩道の拡幅や歩道内の段差の改良など、全ての人に、より安全で快適な空間を確保します。
上水道では、安定した水源の確保に向け、
阪神水道企業団からの2次受水を開始するとともに、安定的な受水を図るため、管路などの
施設整備を行います。また、小林と亀井の両
浄水場は
浄水業務を停止し、経営の
効率化を進めます。
下水道では、引き続き
浸水被害のさらなる軽減を目指し、
浸水対策事業に
取り組み、老朽化した
武庫川ポンプ場の
更新工事に着手します。
次に、健康・福祉につきましては、
高齢者福祉では、医療や介護が必要になった場合でも住みなれた地域や
高齢者みずからが望む場所で安心して
暮らし続けることができるよう、医療と介護のネットワークの強化に向けての
取り組みを進めます。また、多職種が協働して
個別ケースの
支援内容を検討する
自立支援型地域ケア会議を開催し、
高齢者が生きがいと尊厳を持った
日常生活を営むことができるよう取り組んでまいります。
障がい
者施策では、
市民福祉金の相当額を
障害福祉基金に積み立て、より必要とされる事業に活用します。具体的には、
委託相談支援事業所を2カ所ふやし、障がいのある人が地域で安心して生活を続けられるよう
相談支援体制の充実を図ります。さらに、就労を支援するため、
障害者就業・
生活支援センターの
相談員を増員し、ハローワークなどの
関係機関と連携した就労・
定着支援体制をより強化します。また、グループホームなどの施設に対し
スプリンクラー設置費用の一部を助成することで、
新規開設を支援します。このように、今後も時代とともに必要となる事業に基金を活用してまいります。
健康づくりでは、市民の健康に対する意識や
取り組みの状況についての調査、分析を行い、その結果をもとに2019年度からスタートする健康たからづか21第2次
後期計画を策定し、市民の
健康づくりを推進していきます。
社会保障では、
生活困窮者の自立を促進するため、せいかつ
応援センターにおける
相談支援体制の
機能強化を図るとともに、引き続き
生活困窮者に対し、個別的かつ包括的な支援に向け
関係機関との連携を進めてまいります。
市立病院では、本年4月に開設する
がんセンターでの
放射線治療、
化学療法、
がん相談機能の円滑な運用を図るとともに、がんの
手術療法を合わせた
がん診療の充実に
取り組みます。また、
地域包括ケアシステムのさらなる充実に向け、地域の
医療機関などとの連携を進め、
地域医療支援病院としての役割を果たしてまいります。
本市の教育では、
子どもたちが安心して学び、生きる力を育み、将来にわたって心豊かで充実した生活を送ることができるよう、
子どもたちの最善の利益を何より優先する
取り組みを進めています。
まず、学校における
教育環境の整備では、
適正規模及び
適正配置に関する
基本方針に基づき、現在、
小規模化が深刻な
中山台地区の
適正化を地域とともに取り組んでいます。新年度から
中山五月台中学校への
通学区域の
弾力的運用を始めるとともに、
中山五月台小学校の
適正化についても
取り組みを進めていきます。
また、
市立幼稚園についても、
統廃合計画に基づいた
適正配置を引き続き
保護者や地域の御理解をいただきながら計画的に進めます。また、
仁川幼稚園と
長尾幼稚園の2園においては、
幼児教育の充実を図るため、新年度から新たに3年保育に
取り組みます。
学校園施設の整備では、校舎などの
老朽改修工事を
市立学校園で実施します。
長尾中学校では、新
屋内運動場、プール、武道場の
建築工事を引き続き進めていきます。また、
幼稚園の保育室に
空調設備を設置するとともに、
学校トイレの
洋式化促進に
取り組みます。
学校給食では、
売布小学校において自校方式による
炊飯設備を整備し、おいしい
学校給食を進めていきます。
不登校に対しては、本市でも200人余りの児童・生徒が不登校になっている現実を真摯に受けとめ、一人一人の気持ちに寄り添った教育支援を行います。また、別室登校による不登校の未然防止、適応指導教室による居場所づくりや自立への手助けなど、それぞれの
子どもに合った支援の充実にも取り組んでいきます。
いじめは、ささいなきっかけから起きてしまうことが多いゆえに、日ごろから、いじめは許さないという思いを強くするための
取り組みが重要です。本市では、人権教育の充実やコミュニケーション活動を重視した特別活動を通して、仲間意識を持って
お互いを認め合い、尊重できるよう、
子どもたちが主体的にいじめ防止に取り組む活動を進めます。小学校3年生または4年生を対象に、
子どもへの暴力防止プログラムとして
子どもCAPワークショップを全ての小学校で実施し、いじめや暴力から自分の身を守る力を育みます。ほかにも、
市立学校園・保育所の教職員を対象にいじめの事例研修会を実施し、いじめ対応能力を高めることで、いじめの根絶に
取り組みます。
基礎学力の確実な定着では、特に英語教育が2018年度から2年間を移行期間として小学校3、4年生に拡充され、5、6年生も授業時間数が増加します。そのため、教員への授業実践研修を計画的に実施をし指導力向上を図るとともに、英語教員経験者や海外生活経験者など英語が堪能な地域の方々や留学生に御協力をいただき、小学校の英語教育の支援と充実に取り組んでまいります。
中央公民館では、昨年12月の第1期開館により既に活動がなされていますが、第2期開館を来年2月に予定しており、さらに幅広い年代の交流が深まり、活発な市民活動がなされる拠点として整備してまいります。
宝塚自然の家では、施設の利活用を図り、アスレチックの修繕などを行うとともに、地域の方々の御協力を得ながら段階的に魅力アップのための努力をしてまいります。
子育て支援施策では、誰もが子育てしやすいまちへ向けて
取り組みを進めます。認可保育所や認定こども園などにおいて保育士のスキルアップの
取り組みを支援するほか、私立保育所における保育士の確保に向けての支援も行います。
保育施設における待機児童の解消に向けては、ゼロ歳児から5歳児までを受け入れるため、既存保育所の分園整備を行うとともに、来年4月開園を目指し、認可保育所2カ所を新設整備し定員拡充を図ります。
放課後児童健全育成事業では、山手台小学校地域児童育成会の定員の拡充や民間放課後児童クラブへの助成により定員確保を行い、待機児童の解消に
取り組みます。
子どもの貧困の問題では、
子どもの生活についてのアンケート調査を行った結果、本市は全国平均よりも貧困率は低いものの、経済的支援、進学支援、ひとり親への支援などの課題が明らかになったことから、
市民福祉金相当額の一部を活用し、母子・父子自立支援員を1人増員し、ひとり親世帯に対する
相談体制の充実を図るほか、就学援助における新入学学用品費の支給時期を入学前に早めるとともに、支給額を増額をいたします。
人権・同和では、第3次宝塚市人権教育及び人権啓発
基本方針に基づきまして、
相談体制の充実を図るとともに、インターネット上で多く見られる差別事案に対処するなど、部落差別の解消を初め人権が尊重される社会づくりに
取り組みます。
性の多様性では、ありのままに自分らしく生きられる社会の実現を目指し、
関係団体の協力も得ながら、教育や保育現場を初め広く
啓発活動を実施します。また、性的マイノリティについての理解を促進するとともに、他自治体と連携し、性的マイノリティが抱える社会生活上の問題の解消に取り組んでいきます。
男女共同参画では、全ての女性が個性と能力を発揮できるよう、セミナーや講演会を実施し男女の働き方の
見直しや
意識改革を進めます。
平和施策では、さきの大戦から72年が経過し、戦後生まれの市民が大半を占める現状を踏まえ、特に、次世代を担う
子どもたちに同じ思いを誰にもさせてはならないという被爆体験者の声を伝えていくことを重点的に
取り組みます。平和の大切さ、命のとうとさを改めて認識してもらえるよう働きかけていくことが大変重要です。そのため、市民の皆様と協働してさまざまな平和施策を実施するとともに、核兵器禁止条約の早期締結を求める平和首長会議の署名活動に引き続き協力をしていきます。
次に、環境につきましては、地球温暖化対策として、
暮らしの中で温室効果ガスを削減する「COOL CHOICE」運動に賛同し、省エネ、節電に役立つ情報提供を行い、省エネルギー促進のさらなる啓発を推進します。
再生可能エネルギーの導入では、エネルギーの地産地消を推進するために市が率先し、中央公民館、
長尾中学校屋内運動場の整備において太陽光発電設備を設置します。また、他都市からも注目されている西谷地区におけるソーラーシェアリングの
取り組みについては、導入が進むよう引き続き支援します。小水力発電の事業化についても検討を進めていきます。
新ごみ処理施設の整備では、宝塚市新ごみ処理
施設整備基本計画原案をもとに慎重に計画を進めており、整備用地、事業方式の選定を含めた基本計画の策定に向けて引き続き取り組んでまいります。
3霊園の運営では、近年の墓地に対する市民の
考え方が大きく変化したことや、墓地形態などのニーズの多様化により、従来型墓地の貸し出しが減少しています。このようなことから、2018年度から3霊園を一体管理し、各霊園の特徴を生かして役割分担を行うことで多様な
市民ニーズに対応した墓地を提供し、霊園事業の安定的な管理運営を行ってまいります。
また、本年新たに宝塚すみれ墓苑で整備を進めている合葬式墓所の貸し出しを開始するとともに、引き続き長尾山霊園の再貸し出しと宝塚すみれ墓苑の貸し出しを実施します。
昨年設置した栄町3丁目ゆめ公園では、寒い冬空のもとでも
子どもたちが楽しそうに遊び、自治会が地域防災のために活動されている姿が見られます。このように地域ニーズに沿った公園整備を進め、公園がさらに地域に愛され、
コミュニティ活動の
活性化にもつながる公園づくりを目指して、公園リノベーション事業を継続していきます。
次に、観光・文化・産業につきましては、
文化芸術施設・庭園整備では工事に着工し、再来年春のオープンを目指します。本市の
文化芸術の発信拠点として、美術作品や絵本原画、漫画やアニメ関連作品などの多様な企画展示や交流スペースでの創作活動体験などを通じて、
子どもたちやさまざまな世代の人が
文化芸術に触れ、感性と創造性を育む機会を創出していきます。
また、本年は
手塚治虫さん生誕90周年となるため、
手塚治虫記念館をリニューアルし、より来館者に喜ばれるよう展示内容の充実を図るとともに、数々の偉業を後世へつなぎ、宝塚の大切な文化財産として発信します。
来月18日には、待望の新名神高速道路と宝塚北スマートインターチェンジの供用が開始されます。高速道路の開通により、中国自動車道や国道176号の渋滞緩和の効果に期待を寄せております。同時に開業する宝塚北サービスエリアでは、「宝塚 花の里・西谷」を初めとする特産品の販売など本市の魅力をアピールします。また、スマートインターチェンジがある西谷地域は、ボタンやダリアに代表される花の里であることから、地域の街角に花を咲かせる活動を支援します。長谷牡丹園においては、引き続き栽培技術の向上に努め、よりすばらしいボタンを披露して集客につなげます。
商工業の
活性化に向けては、市内の空き店舗の利活用、新規出店を促進し、市内商業施設を初めとして観光プロムナード、清荒神参道、北部地域などのにぎわい創出に努めます。北部地域においては、土地利用規制を弾力的に運用し、飲食店などの出店を促進します。
また、創業支援事業計画に基づき、相談窓口の設置や起業家向けセミナー、ビジネスプランのコンテストを宝塚商工会議所と連携して実施するほか、社会課題解決型のビジネスの創業を支援するソーシャルビジネススタートアップスクールを開講し、起業の促進を図ります。
観光客増加の
取り組みとしましては、春に花のみち周辺を会場とした宝塚だんじりパレード、夏には国際的な囲碁大会であるジャパン碁コングレス、秋にはハロウィンの時期に合わせて宝塚アニメフェスタ×ハロウィン、冬には宝塚歌劇市民貸切公演を実施するなど、年間を通じて宝塚を満喫していただける事業を展開してまいります。さらに、旅行商品に組み込んだ周遊パス事業を継続して、観光客に宝塚をより楽しんでいただくことで経済効果を生み、交流人口の増加を図ります。
農業の分野では、長尾地域の園芸業者を中心に、特別名誉市民である木接太夫坂上頼泰公をブランド化し、市内外に広く認知していただくためのロゴマークやお菓子の製作などが始まっていることから、これを支援し、本市の花卉植木産業のさらなる
活性化につなげます。
就労支援では、シルバー人材センターなどと連携し、エイジフレンドリーシティの
取り組みの大きな課題である
高齢者の生きがい就労の場の創出を促進します。
以上のとおり、
市政運営に向けての私の基本的な
考え方と2018年度当初
予算案に盛り込んだ内容について、6つの分野に沿った主な施策を申し上げました。
予算編成においては、国の地方財源対策などを踏まえた財源措置を適切に行いました。
本市の財政は引き続き厳しい状況ですが、市民の命を守り、
暮らしを守るため、福祉、教育、子育てに係る施策の予算を増額しました。また、文化、芸術を中心としたまちの
活性化に向けて、所要の予算編成を行いました。
この結果、2018年度当初
予算案は、一般会計787億5千万円、特別会計15会計で468億3,996万2千円、水道事業会計88億4,052万9千円、
病院事業会計137億9,015万円、下水道事業会計80億8,209万5千円、全19会計合計1,563億273万6千円となりました。
最後に、最近、戦前に執筆された本が脚光を浴びています。名著として知られる吉野源三郎さんの「君たちはどう生きるか」です。なぜこの本が多くの人の心に響くのでしょうか。それは、いつの時代にも通じる本質的なことが書かれているからだと思います。主人公の中学生コペル君は、おじさんとの対話を通じて人間的成長を遂げていきます。中でも、「人間が人間同志、
お互いに、好意をつくし、それを喜びとしているほど美しいことは、ほかにありはしない。そして、それが本当に人間らしい人間関係だ」という一文は、本市の目指す
まちづくりにも通じ、これからの社会にとっても必要な価値観であると感じます。本市においても、本当に人間らしい人間関係を結ぶことのできる
まちづくりを実現し、市民の幸せにつながるよう誠心誠意頑張ってまいります。
市民の皆様、議員お一人お一人に心からの御協力をお願いし、私の
施政方針といたします。
議員各位におかれましては、慎重に御審議の上、御賛同を賜りますようお願い申し上げて、私の
施政方針を終わります。
ありがとうございました。
○
北野聡子 議長
施政方針についての説明は終わりました。
日程第2、議案第20号から議案第43号までの以上24件を一括して議題とします。
△───── 日程第2 ─────
……………………………………………
議案第20号 宝塚市市税条例の一部を改正する条例の制定について
議案第21号 職員の勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例の制定について
議案第22号 宝塚市職員の災害派遣手当等の支給に関する条例の一部を改正する条例の制定について
議案第23号 宝塚市福祉医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例の制定について
議案第24号 宝塚市国民健康保険条例及び宝塚市国民健康保険税条例の一部を改正する条例の制定について
議案第25号 宝塚市後期
高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例の制定について
議案第26号 宝塚市
病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例の制定について
議案第27号 宝塚市都市公園条例の一部を改正する条例の制定について
議案第28号 宝塚市建築事務及び住宅事務手数料条例等の一部を改正する条例の制定について
議案第29号 阪神間都市計画事業中筋JR北土地区画整理事業の施行に関する条例を廃止する条例の制定について
議案第30号 宝塚市環境衛生事務手数料条例の一部を改正する条例の制定について
議案第31号 宝塚市パチンコ店等及びラブホテルの建築の規制に関する条例の一部を改正 する条例の制定について