平成30年第5回定例会−09月20日-06号平成30年第5回定例会
第6日 平成30年9月20日(木曜日)午前10時05分 開議
〇会議に出席した議員(27名)
1番 西 村 政 明 16番 竹 村 和 人
3番 服 部 好 廣 17番 相 崎 佐和子
4番 高 塚 伴 子 18番 泊 照 彦
5番 林 実 19番 川 上 八 郎
6番 大津留 求 20番 戸 田 龍 起
7番 山 薗 有 理 21番 杉 一
8番 保 田 憲 司 22番 久 村 真知子
9番 北 原 速 男 23番 上 原 秀 樹
10番 篠 原 光 宏 24番 加 柴 優 美
11番 小 寺 秀 和 25番 加 藤 光 博
12番 川井田 清 香 26番 山 内 寛
13番 佐 藤 良 憲 27番 吉 井 健 二
14番 里 見 孝 枝 28番 新 内 竜一郎
15番 山 本 恭 子
〇会議に出席しなかった議員
本案は、去る9月4日の台風21号により被害を受けました
市立図書館ことば蔵や
共同利用施設、
市内小・中学校等の公共施設の
災害復旧工事、一般家庭から排出されました災害廃棄物並びに道路、公園施設における倒木等の処理に係る経費等につきまして、国庫支出金並びに地方債等を主な財源といたしまして、所要の措置を講じようとするものであります。
また、去る6月18日に発生した大阪府北部を震源とする地震や平成30年7月豪雨、台風21号等、頻発する自然災害により、その復旧に緊急を要する対応が例年に比して増加しており、予備費につきまして、当初の予算措置額を上回る見込みであることから、増額の措置を講じようとするものであります。
その他、一般財源により措置いたしました大阪府北部を震源とする地震等の被害に対する
災害復旧工事費等につきまして、
災害復旧事業債を充当するための財源更正の措置を講じようとするものであります。
その結果、第1条の
歳入歳出予算につきましては、それぞれ1億3148万1000円を追加し、その総額を712億5527万3000円としようとするものであります。
第2条の
債務負担行為につきましては、
被災者生活復興資金貸付金利子補給負担金に係る債務負担の追加措置を、第3条の地方債の補正につきましては、先ほど御説明いたしました公共施設の修繕等や
災害廃棄物等の処理に係る
災害復旧事業債等の追加及び変更措置を講じようとするものであります。
以上、簡単に御説明申し上げましたが、何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
○議長(北原速男) 説明が終わりました。
△「報告第7号〜21号」
○議長(北原速男) 次に、日程第2、報告第7号から21号、以上15件、一括議題とし、前回に引き続き個人質問を行います。
通告に基づき、順次発言を許します。
初めに、15番
山本恭子議員の発言を許します。────山本議員。
なお、山本議員の質問に際して、参考物品を使用することを許可しておりますので、申し上げます。
◆15番(山本恭子) (登壇)改めまして、おはようございます。
ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従って大きく3点にわたり質問をいたします。
当局におきましては、誠意ある御答弁をよろしくお願い申し上げます。
まず、1点目、乳幼児健診における小児がんの早期発見について。
子供の死因原因の第1位は小児がんとなっております。がんは大きく分けますと胃がん、肺がんなどの粘膜上皮にできるがん腫と、白血病や脳腫瘍のように筋肉や血液、骨にできる肉腫の2つになりますが、大人のがんは9割以上ががん腫であるのに対し、小児がんの9割以上は肉腫だそうです。小児がんの発症数は年間に2000人から2500人と少なく、小児がんを扱う施設は全国に200程度しかありません。多くの医療機関では、小児がんに対する医療経験が乏しく、適切な医療受診のおくれなどが懸念されております。国では、昨年より全国15カ所に
小児がん拠点病院を指定し、質の高い医療の提供と相談体制の充実を図っております。
皆さんは
網膜芽細胞腫という病気を御存じでしょうか。小児がんの一つの目のがんです。乳幼児に発症する病気であり、出生時1万5000人から1万6000人につき1人の割合で発症し、日本全体では年間80名が発症しております。網膜に腫瘍ができると視力が低下しますが、乳幼児はまだ物が「見える」「見えない」という状態がよくわからず、その状態を伝えられないことから、発見されたときには進行している場合も少なくないそうです。症状は、光が腫瘍に反射して夜の猫の目のように白く光って見える白色瞳孔、左右の眼球の向きが合っていない状態、斜視、まぶたに腫れが見られることもあるそうです。片目だけの片眼性が65%から70%、両目ともに発症する両眼性は30%から35%、片眼性は3歳ぐらいから就学前に見つかることが多く、両眼性は生後すぐから1歳から2歳で見つかることが多いようです。この病気は発見がおくれると眼球摘出による失明となります。また、脳へ転移した場合はほぼ100%に近く命を落とすことがあるそうです。
ここでお伺いいたします。1点目、本市における
網膜芽細胞腫早期発見のための取り組みについてお聞かせください。
この質問をするに当たり、
網膜芽細胞腫の子どもをもつ家族の会「すくすく」の代表者、池田さんにお話を聞かせていただきました。池田さんの息子さんの場合は、生後1週間で気づき、東京在住であったので
国立がんセンターを紹介してもらえたため、両眼性だったけれども、右目だけは残すことができ、何度も入退院は繰り返したそうですが、今は元気に生活されているとのことです。池田さんは、
網膜芽細胞腫が乳幼児に発症することから、乳幼児健診にかかわる医療者がこの病気の症状を知って理解していることがとても重要である、と。現在、母子手帳にも症状が記載されています。6カ月から7カ月ごろと1歳6カ月ごろの保護者の記録欄にございます。しかし、健診をする小児科医や保健師がこの病気を知らないため、保護者が症状を伝えても様子を見ましょうとそのまま経過観察になってしまうことが多く、保護者の後悔が後を絶ちません。私たち保護者にとって乳幼児健診での保健師や小児科医は、子育てに関し、とても身近で信用して相談できる場所です。
網膜芽細胞腫は早期発見すれば、視力も眼球も温存できる可能性が高まります。乳幼児期にかかわる方々に広く
網膜芽細胞腫の初期症状を理解していただき、目の動きや目の光に不安な保護者がいましたら、適切に眼科医に紹介していただければと思います、と話されておりました。
網膜芽細胞腫は白色瞳孔や斜視の症状があらわれるので、これを乳幼児健診でチェックできれば早期発見につなげることができます。
ここでお伺いいたします。乳幼児健診の医師健診問診票の「目」の項目に、この症状を追加すべきだと思いますが、本市の御見解をお聞かせください。
先ほども述べましたが、母子手帳のチェック項目には既に記載がありますが、言葉だけで写真の掲載がないため、保護者も症状を理解しづらい部分があります。特にまだ話すことができない乳児の場合は、保護者が気づいてあげるしかありません。
ここでお伺いいたします。
網膜芽細胞腫早期発見、早期治療につなげるべく、症状など病気についての情報を積極的に保護者や関係者へ情報提供が必要だと思いますが、本市の御見解をお聞かせください。
続いて大きな2点目、
犯罪被害者等に対する支援について。
犯罪による被害の危険は他人事ではありません。ある日突然、不測の事態に巻き込まれる可能性は誰にでもあります。
犯罪被害者等支援条例は心身ともに大きな傷を負う被害者とその家族や遺族の権利を保護し、二次被害を防ぐために自治体の責務や支援体制を明確にしたものです。具体的には、新たな居住地や就労先の確保、訴訟費用の一部の補助といった経済的支援を初め、教育支援を行う自治体もございます。
警視庁によると、本年4月1日現在、全国で同様の条例を制定しているのは31道府県、市町村単位では446自治体、ここ数年、制定もしくは改正を行う動きが広がっており、京都府や滋賀県などは全自治体が制定しております。兵庫県下29市12町のうち、条例制定は21市4町となっており、近隣市町における
条例制定状況といたしまして、神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市、宝塚市、三田市が制定されております。制定されていないのが川西市、猪名川町、そして伊丹市でございましたが、この9月議会で条例案が上程されます。あらゆる世代が安心して暮らせるまちを目指す本市において、近隣市に比べ条例制定が遅過ぎるのでは、と感じました。
ここでお伺いいたします。1点目、
犯罪被害者等の支援に関する条例制定に至る経緯についてお聞かせください。
2点目、この条例制定後の
犯罪被害者支援がどのように進むのかお聞かせください。
平成16年に
犯罪被害者等基本法が成立し、それに基づき
犯罪被害者等基本計画が策定されました。平成17年12月に第1次基本計画、平成23年3月に第2次基本計画、平成28年4月には第3次基本計画が策定されました。第3次基本計画では、
犯罪被害者等に対して生活全般にわたる支援を提供できるよう、
地方公共団体や
犯罪被害者等の援助を行う民間の団体とともに、継ぎ目のない支援体制を構築し、
犯罪被害者等を長期に支援するという視点からの体制整備への取り組みが行われなければならないことが記載されています。また、このような取り組みが適切に行われても、国民がこれを認識していなければ、犯罪等により被害を受けた際に、適切な支援にたどり着くことが困難であることから、政府による
犯罪被害者等施策のほか、
地方公共団体や
犯罪被害者等の援助を行う民間の団体による取り組みを含め、適切にその周知を推進していく必要があるとされております。
犯罪に突然巻き込まれれば、平穏だった暮らしは一変します。行政による支援が必要な面もあります。しかし、心身ともに大きなダメージを受ける中、どこに何を相談すればいいのかわからないというのが実情です。本市条例案第10条に、「市は,広報活動,啓発活動等を通じて,
犯罪被害者等が置かれている状況及び刑事手続に適切に関与すること並びに
犯罪被害者等に対する二次的被害の発生防止への配慮の重要性について,市民等の理解を深めるために必要な施策を講ずるものとする。」とあります。
ここでお伺いいたします。支援を必要とされる方を含め、市民の方への周知はどのようにされるのかお聞かせください。
最後、3点目、小学校における防災教育について。
公明党は防災教育の教科化を掲げてきました。子供を通じた防災意識の啓発であります。学校での取り組みを充実させることは、各家庭での防災意識を高めることにつながるからです。6432人の命を奪った阪神・淡路大震災から23年を迎えました。自然災害の絶えない日本で暮らしていく上で、自助力を高める防災教育は極めて重要です。特に
東日本大震災で防災教育の効果が大きく注目されたことは皆さんも御存じのことと思います。津波避難に重点を置いた教育を行っている岩手県釜石市では、学校管理下にあった小・中学生から一人の犠牲者も出さず、釜石の奇跡と注目されました。長年続けられていた教育が災害に強い人をつくり、みずからの命を守る力を育んだすばらしい事例であります。
本年は、6月の大阪府北部地震に続き、7月の西日本豪雨、8月の台風20号、そして伊丹市市内広域、広範囲にわたり長期停電とそれに伴う断水を発生させた9月4日の台風21号。災害は忘れたころにやって来るのではなく、忘れる間もなくやって来ると言われるほど頻繁に発生しております。
私ごとではありますが、私の孫は小学校4年生です。6月の大阪府
北部地震発生時、まだ登校前だったんですけれども、揺れと同時にテーブルの下に入り、頭を抱え、ママも早くテーブルの下に入ってと泣きながら叫んだそうです。後日、娘からその話を聞き、学校での防災教育が生きていると感謝いたしました。
そこでお伺いいたします。1点目、本市小学校での防災教育の取り組みについてお聞かせください。
東京都教育委員会では、
東日本大震災、熊本地震などの被害状況を踏まえ、7月1日から9月30日まで、
防災ノート活用促進月間として、都内の小学校の児童と保護者を対象に
親子防災体験を開催しておられ、子供たちにも防災意識を高めてほしいとの取り組みです。小学校1年生から3年生のテーマは、自分の命を守る、自宅や出先、学校や通学途中で大地震や風水害などに遭ったときの対応策、学校や通学路の自宅の危険箇所はどこかなどを家族で話し合うといったことを促す内容となっております。小学校4年生から6年生のテーマは、自分の命を守り身近な人を守る。災害によって避難所へ移動になった場合を想定し、注意点、自分でもできる役割、他の避難者とのかかわり方なども学びます。また、家族で話し合った結果を記入できる欄も設けられています。これが東京版の防災ノートでございます。
また、愛知県尾張旭市は、
こども防災手帳を作成し、本年4月、全小学生に配付されました。1年生から3年生用、4年から6年生用の2種類、テーマは「守ろう!自分の命。助け合おう!家族と地域。」です。この手帳は災害に備えて用意すべき物品や地震、台風のときにどう行動すべきかをイラストやクイズを使って説明があり、楽しく学べるように工夫されております。どうするかを家族と話し合って記入する部分も多くあり、家族で話し合いが進むようになっております。各小学校で行われる避難訓練の事前学習の際にもこの手帳を使い、避難方法を確認されています。これが尾張旭市の分の防災ノートでございます。この防災手帳のほうは市のホームページからダウンロードできるようになっております。大人の防災意識を高めるには子供から伝えることが有効的です。
ここでお伺いいたします。家族で楽しみながら防災について学ぶことができる「
こども防災手帳」は、防災教育を進めるためには有効的であると考えます。本市でも、
こども防災手帳を作成されてはいかがでしょうか、御見解をお聞かせください。
以上で1回目の質問を終わります。
○議長(北原速男)
坂本健康福祉部長。
◎
健康福祉部長(坂本孝二) (登壇)私からは、乳幼児健診におけます小児がんの早期発見についての数点の御質問にお答えいたします。
議員御案内のとおり、
網膜芽細胞腫とは小児がんの一つで、眼球の奥にある網膜に発生する悪性腫瘍でございます。このような「芽腫」と呼ばれるがんの原因は、もともと胎児の体の神経や腎臓、肝臓、網膜などになるはずであった細胞が胎児の体ができ上がった後に異常な細胞に変化して残り、さらに増殖したものと考えられております。また、この
網膜芽細胞腫は遺伝子の異常によっても発症することが明らかとなっており、遺伝性の要因が約40%、残りの約60%が非遺伝性の要因となっております。この疾病は乳幼児期に診断されることが多く、出生時、1万5000人から1万6000人に1人の割合で発生し、95%が5歳までに診断を受けており、平均発症年齢は18カ月と言われております。また、10年生存率は90%を超えており、早く治療を行うことができれば、生命にかかわることは少なく、治癒させることが可能となっております。
また、
網膜芽細胞腫の症状ですが、腫瘍が小さいうちは症状を認めず、腫瘍がある程度大きくなると視力の低下が生じてまいります。しかし、小さい子供は見えにくい等の訴えができませんので、家族が気づいて受診する場合が最も多く、特に発見されやすい症状は、眼球の中で白い腫瘍が大きくなって瞳が白く見える白色瞳孔と言われる特徴的な症状で、光が腫瘍に反射して夜間における猫の目のように白く光って見える症状があらわれるとされております。そのほかにも斜視やまぶたの腫れなどの症状が見られることもございます。こうしたことから、
網膜芽細胞腫は内臓にできる腫瘍と比べますと外見で異変を察知しやすく、比較的早期発見が可能な、がんでございます。
さらに、治療方法につきましても、腫瘍が眼球内にとどまっているか眼球外に広がっているかによって大きく異なり、最近では、腫瘍が眼球内にとどまっている場合には、眼球をなるべく摘出しないで可能な限り残す方針が主流となっております。つまり、腫瘍が眼球内にとどまる段階で発見された場合には、救命はもちろんのこと、眼球または視覚機能を温存することができるようになります。したがいまして、
網膜芽細胞腫を早期に発見することができれば、子供の生命はもちろん、視覚機能を保持することができるなど、子供の将来の生活にも影響を及ぼすものでございます。
議員お尋ねの本市における
網膜芽細胞腫の早期発見のための取り組みについてでございますが、本市においては、4カ月児、10カ月児、1歳6カ月、3歳児を対象とした乳幼児健診を実施しております。その中でさまざまな疾病のスクリーニングを行っておりますが、
網膜芽細胞腫もその一つで、健診当日に医師が白色瞳孔や斜視の兆候の有無について確認をいたしております。近年では、白色瞳孔の所見を指摘された事例はございませんが、もしも所見があれば、より精密な検査を受けていただけるように、医師が精密検査依頼書を作成し、眼科等の専門医療機関の受診を勧めることとしております。このように、乳幼児健診におきましては、医師の診察によって早期に発見、早期治療に取り組んでいるところでございます。
次に、乳幼児健診時に
網膜芽細胞腫のチェック項目を追加することについてでございますが、本市の乳幼児健診は医師会とともに策定いたしました乳幼児健康診査マニュアルに基づき実施しており、その中で白色瞳孔や斜視の兆候の有無について確認することを定めており、先ほど御答弁申し上げましたとおり、健診当日に医師がこれらを確認しておりますことから、
網膜芽細胞腫の早期発見につなげることができるものと認識しております。
また、保護者に対しましては、現在の母子健康手帳の6から7カ月ごろに保護者に記録していただくページの中に、「瞳が白く見えたり黄緑色に光って見えたりすることがありますか。」という質問項目があり、該当するときには目の病気の心配があるので、すぐに眼科医の診察を受けるように促す注意書きを掲載しております。しかしながら、母子健康手帳を活用した子供の成長記録を記録していない保護者もおられます。こうしたことから、特に乳幼児健診の場において、保護者がお子様の目の状態に注意を向けるきっかけをつくり、早期発見、早期治療につなげることは極めて重要と考えます。このたび議員より問診票の改善について御提案をいただきましたが、本市といたしましても、乳幼児健診の問診票の保護者が記載する欄に、「黒目の部分が白く見えることがありますか。」といった質問項目を追加することにつきまして前向きに検討し、保護者の症状に対する理解が深まるよう努めてまいります。
最後に、
網膜芽細胞腫についての保護者や関係者への周知につきましては、さきにも申し上げましたとおり、
網膜芽細胞腫の特徴として家族が白色瞳孔などの症状に気づいて受診する場合が多く、比較的容易に異変に気づくことができる悪性腫瘍でありますことから、こうした疾病があるということを保護者に周知し、注意深く観察していただくことが早期発見の近道であると考えております。そのため、議員に御案内いただきました
網膜芽細胞腫の子どもをもつ家族の会、こちらにおいて啓発ポスターを作成されておられまして、全国の乳幼児が多く出入りする施設等において掲示の協力を呼びかけておられます。本市でも保健センター館内でこのポスターを掲示するなど、活用させていただき、乳幼児健診等に来場される保護者への啓発を図りまして、早期発見に寄与できるよう情報提供に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
○議長(北原速男) 森脇都市交通部長。
◎都市交通部長(森脇義和) (登壇)私からは、
犯罪被害者等に対する支援についての数点の御質問にお答えいたします。
まず初めに、条例制定に至る経緯についての御質問でございますが、本市では、これまでも国の
犯罪被害者等基本法に基づき、各所管課が既存の施策を活用した支援を実施しておりましたが、議員御案内のとおり、平成28年に閣議決定がなされた第3次
犯罪被害者等基本計画の重点課題の一つ、「支援等のための体制整備への取組」において、
地方公共団体やその他関係機関は、
犯罪被害者等に対して、生活全般にわたる支援を中長期的に継ぎ目なく提供できるような体制整備の取り組みを行わなければならないこととされております。本市といたしましても、被害者等にとって最も身近な行政窓口である自治体であるからこそ実施できる被害者一人一人に寄り添った支援を行うことができるように、平成29年から
犯罪被害者等に対する支援内容や方法について、庁内関係部局や警察などの関係機関と調整を重ねてまいりました。そして、今議会において上程いたしております「伊丹市
犯罪被害者等の支援に関する条例」におきまして、
犯罪被害者等の支援に関する基本理念及び施策の基本となる事項などについて規定整備を図ろうとしているところでございます。
次に、条例制定後の
犯罪被害者支援がどのように進むのかの御質問でございますが、先ほど申し上げましたとおり、本市はこれまでも国の
犯罪被害者等基本法に基づき、各所管課が既存の施策を活用し、経済的支援、精神的ケア、医療・福祉サービスにおける支援などを行うことといたしておりましたが、適用される制度や担当する所管窓口が多岐にわたる場合があり、それぞれの窓口において申請などの手続が必要になり、また、被害内容を繰り返し説明する必要があるなどの課題がございました。
これらの課題に対しまして、被害を受けられた方の個々の具体的事情を正確に把握し、その変化にも十分留意しながら、適切な支援を実現するために本条例第6条に掲げております「関係機関との連絡調整等を総合的に行うための相談窓口」を設置するものです。
具体的には、都市交通部都市安全企画課に総合相談窓口を設置し、窓口のワンストップ化を図り、適切できめ細やかな支援体制を構築しようとするものでございます。あわせて窓口での相談体制につきましても、特に
犯罪被害者等における相談内容につきましては、他人に知られたくない個人的な情報を含む内容であることから、相談をお伺いする上で犯罪状況に応じて可能な限りの配慮を講じる必要がございます。また、相談内容をお伺いする場所につきましては、秘密保持の観点から個室を確保し、相談を実施するなど、被害者の立場に立った支援を実施しようとするものでございます。
その他の条例制定後における新たな支援といたしまして、本条例第7条から第10条に掲げております費用の助成、支援金の支給などを実施しようとするものです。国におきましても、
犯罪被害者等給付金の支給等による
犯罪被害者等の支援に関する法律に基づく犯罪被害者給付制度はございますが、申請から給付に至るまで相当の期間を要します。
犯罪被害者等が直面しておられる状況といたしまして、被害を受けた直後において、医療費を初めとするさまざまな費用を負担しなければならず、経済的にも大きな負担を強いられることから、経済的側面からの支援を実施しようとするところでございます。
最後に、市民への周知はどのようにされるのかについての御質問でございますが、条例案に対するパブリックコメントを実施し、市民の方々の
犯罪被害者支援に関する施策の周知に努めてまいりました。今後も本市の犯罪被害者に対する取り組みは、市民の皆様の理解と協力、配慮がなければ二次的被害へつながるおそれもあり、施策として、その効果が十分に発揮されないものとなってしまいます。このような状況などを踏まえ、市民の方への具体的な周知の方法につきましては、広報伊丹や市のホームページなどの媒体により、本市における
犯罪被害者支援に関する施策のみならず、ひょうご被害者支援センターなど、民間の
犯罪被害者支援団体による取り組みなども含め、広く周知を図る必要がございます。
また、繰り返しになりますが、
犯罪被害者等が抱える問題について、相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行い、関係機関などとの連絡調整を総合的に行うための相談窓口を設置する予定でございます。この相談窓口で実際にどのような支援や相談ができるのかといった内容をわかりやすく案内し、制度を活用していただくための啓発用のリーフレットを作成し、広く市民の方に周知を図ってまいります。
犯罪被害者に対する支援につきましては、二次的被害を防ぐとともに、地域社会において配慮され尊重され支えられてこそ平穏な生活を回復することができることから、広報、啓発活動などの取り組みが重要であると認識いたしております。
今後も広く市民の皆様にこの条例や制度内容を周知、啓発していくとともに、警察や関係機関とも連携・協力しながら安全・安心なまちを実現するため取り組んでまいりますので、何とぞ御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
○議長(北原速男) 教育委員会事務局佐藤学校教育部長。
◎教育委員会事務局学校教育部長(佐藤幸宏) (登壇)私からは、小学校における防災教育についての御質問にお答えします。
我が国は温帯モンスーン地帯にあり、4つのプレートがひしめき合っているため、これまで多くの自然災害が発生しております。平成23年3月11日に発生しました
東日本大震災では、児童生徒など600人以上、教職員40人以上を含む約2万人の死者、行方不明者を数えましたが、それ以降も各地で地震や風水害などにより多くの被害が発生しております。
また、近年では、これまで災害の少なかった地域においても多く発生し、被害をもたらしている上に、気候変動に伴う極端な大雨や大型台風による災害も発生しております。今年度においては、6月18日に大阪府北部を震源としたマグニチュード6.1の大地震、西日本を中心とした記録的な豪雨、大型台風の列島直撃による暴風雨、9月6日に北海道胆振地方を震源とするマグニチュード6.7の大地震、と連続して災害が発生いたしました。さらに連日の記録的な猛暑により、全国的に熱中症が原因とされる救急搬送が多数報告され、気象庁による会見により、7月中旬以降の記録的な高温と今後の見通しについての報道発表がなされ、40度前後の暑さはこれまで経験したことのない命に危険があるような暑さであり、一つの災害と認識していることなどが示されました。
こうした火災、地震、津波、火山活動、風水害等といった災害は、いつ、どこで起こるか予測ができないものであることから、阪神・淡路大震災や
東日本大震災等の経験や教訓を踏まえ、地域の特性に起因するさまざまな自然災害からみずからの命を守るため、災害に対する正しい知識や技能を身につけ、適切に判断し、主体的に行動する力を育成することが重要となります。
まず、議員御質問の本市の小学校での防災教育の取り組みについてですが、本市では、現在、各学校園において学校安全計画を作成し、その中で、防災教育に係る年間指導計画を立て、総合的な学習の時間等を活用して災害発生時に適切に対応できる実践的態度や能力の育成を図っております。具体的には、各学校園が作成をしたマニュアルに基づき、年2回程度、避難訓練を実施しており、地震や火災、風水害を想定した避難訓練を各学校園の実情に合わせて実施しております。
また、訓練の実施時期に合わせて総合的な学習の時間等において、防災教育副読本「明日に生きる」や「大震災〜あの日を忘れない〜」、学校で作成した教材などを活用し、災害に対する正しい知識や生命に対する畏敬の念や助け合い、ボランティア精神などの共生の心の育み、人間としてのあり方、生き方を児童生徒が考える学習を行っているところです。
また、市教育委員会が作成いたしました「大震災〜あの日を忘れない〜」では、阪神・淡路大震災の経験を受け、学校にいるとき、学校の行き帰り、行事のとき、家にいるとき、外出したときなど、さまざまな場面において注意すべき点などを具体的に示しており、一人一人がみずからの命を守り、臨機応変に状況を判断し、行動ができる児童生徒の育成に努めております。
さらに、毎年1月17日には、全学校園において一斉の防災訓練を実施しており、避難訓練前に非常用持ち出し袋を小・中・特別支援学校で活用し、児童生徒が防災に関する知識や地震発生時の行動などを学び、常に災害に対する心構えを身につけるよう努めております。
次に、本市でも、
こども防災手帳を作成してはどうかの御質問についてですが、議員御案内の
こども防災手帳につきましては、災害発生時に必要な安全対策等も明記されていることから、防災の観点において効果的な手段の一つであると認識しております。今後、先進的に実施しております他の都道府県の取り組みなどを参考に、
こども防災手帳の作成について、関係機関とも連携しながら調査研究してまいりたいと考えておりますので、御理解くださいますようよろしくお願いいたします。
○議長(北原速男) 山本議員。
◆15番(山本恭子) (登壇)数々の御答弁ありがとうございました。2回目は意見、要望とさせていただきます。
1点目の乳幼児健診における小児がん、
網膜芽細胞腫の早期発見についてですが、4カ月児、10カ月児、1歳6カ月児、3歳児を対象とした本市における乳幼児健診において、
網膜芽細胞腫の白色瞳孔や斜視の兆候の有無について確認をしていただいているとのことですので、安心をいたしました。ただ、近年では、この白色瞳孔等の所見を指摘された事例はないとのことです。発症数が少ない病気ですが、発症すれば子供と家族の人生が大きく左右されてしまいます。今後も健診時にこの兆候を見逃すことがないようよろしくお願いいたします。
次に、乳幼児健診時に
網膜芽細胞腫のチェック項目追加についてですが、母子健康手帳の6カ月から7カ月ごろの保護者の記録欄に「瞳が白く見えたり黄緑色に光って見えたりすることがありますか。」との質問項目があり、欄外に、該当するときには目の病気の心配があるのですぐに眼科医の診察を受けるように促す注意書きもあります。しかし、非常に小さくて見落としがちな部分でございます。しかし、気になったとしても、他のことに気をとられ見過ごしてしまうことも多々あると思います。御答弁にもありましたが、母子健康手帳を活用した子供の成長記録をしていない保護者もおられるとのことでした。乳幼児健診の場において、保護者が記載する乳幼児健診問診票欄に
網膜芽細胞腫のチェック項目を追加することにより、保護者がお子さんの目の状態に注意を向け、この病気に対する理解が深まることで早期発見につながると考えます。問診票へのこの項目追加を強く要望いたします。また、
網膜芽細胞腫について、保護者、関係者への周知ですが、
網膜芽細胞腫の子どもをもつ家族の会「すくすく」が作成されたポスターを、まずは保健センター館内へ掲示していただけるとのことです。ポスター掲示により、一人でも多くの子供の早期発見につながるためにも、この保健センター館内だけではなく、市民病院を初め、市内の小児科、眼科へも掲示していただけるよう要望いたします。
次、2点目の
犯罪被害者等に関する支援についてですが、犯罪被害者の方々は突然の出来事に大きな衝撃を受け、けがの治療や仕事の継続など、生活上のさまざまな課題に直面いたします。必要とする経済的支援、精神的ケア、医療、福祉サービスにおける支援など、適用される制度や担当する所管窓口も多岐にわたることなどから、それぞれの窓口で手続が必要でありました。これはこれまでの手続ですけれども、これは心身ともに大きな傷を負った被害者、その御家族にとっては、支援を受けるために必要な手続とはいえ、非常につらく苦しいものであったと思います。
この質問をさせていただくに当たり、全国犯罪被害者ネットワークに寄せられております手記のほうを読ませていただきました。さまざまな思いがあり、なかなかそこから前に踏み出すことができない方、こういう支援を受けたことによって立ち直れた、前に進むことができたという感想が寄せられておりました。この条例制定により、総合相談窓口が設置されることで、窓口が一本化され、必要な支援がスムーズに受けられることになります。犯罪被害者の方々の負担が少しでも軽くなり、前に進めるように、どこまでも寄り添い、適切できめ細やかな支援体制をとっていただくことを強く願うところでございます。
また、この窓口で実際にどのような支援や相談ができるのかといった内容をわかりやすく案内し、制度を活用していただくための啓発用のリーフレットを作成し、広く市民の方に周知を図る予定との御答弁がございました。一人でも多くの犯罪被害者の方がこの窓口で救われるよう、さまざまな方法で市民の方への周知をお願いいたします。
次、3点目の小学校における防災教育についてですが、各学校園が作成されたマニュアルによって年2回ほど避難訓練を実施され、市教委作成による「大震災〜あの日を忘れない〜」、阪神・淡路大震災の経験を受け、さまざまな場面において注意すべき点などを具体的に示し、一人一人が自分の命を守り、臨機応変に状況を判断し、行動できる児童生徒の育成に努めておられるとのことでした。
また、毎年1月17日、全学校園において一斉の防災訓練を実施され、避難訓練前に非常用持ち出し袋を小・中・特別支援学校で活用し、児童生徒が防災に関する知識や地震発生時の行動を学び、常に災害に対する心構えを身につけるように努めておられるとのことです。どの場面においても、子供たちに自分の命は自分で守るという意識啓発は、とても大切なことだと思っております。
私が提案いたしました
こども防災手帳は、現在、各学校園で行われている避難訓練や1・17の一斉防災訓練実施時の非常用持ち出し袋を活用し、児童生徒が防災に関する知識や地震発生時の行動を学び、常に災害に対する心構えなどを一冊にまとめたものでございます。学校で全員に配付していただくことで、家庭で家族とともに確認でき、手元にあることで子供にとっても、大人にとっても、防災意識の啓発に非常に効果があると考えます。ぜひとも近隣市の状況を見ていただきながら、また研究を進めていただき、この災害が頻繁に発生しているこのときに、本市の実情に合った
こども防災手帳の作成をしていただけるよう強く要望いたします。
以上で2回目の質問を終わります。
○議長(北原速男) 次に、11番 小寺秀和議員の発言を許します。────小寺議員。
◆11番(小寺秀和) (登壇)ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、通告に基づき3つのテーマについて質問させていただきます。
まず1つ目のテーマ、行政評価についてお伺いします。
行政評価は、施策や事務事業の成果を体系的に評価し、改善につなげる仕組みであり、その目的は、行財政運営におけるPDCAサイクルのC、「チェック」と、A、改善のための「アクション」の役割を担い、その効率や成果を向上し、もって行政サービスの向上を図ることにあります。また、市政について市民への説明責任の履行という役割も持っています。本市でもこの行政評価が行われており、予算及び決算時に行政評価報告書が作成されています。この行政評価を有効に機能させるためには、評価の実効性、つまり評価に基づき、予算編成を通じて施策や事務事業が見直されていくことが必要であり、また、その評価そのものの信頼性の向上も必要となります。この観点から、以下3点についてお伺いします。
まず1点目、総合計画と予算決算、そして事務分掌の連携による行政事務の見える化についてお伺いします。
現行では、総合計画と事務分掌とは連携していますが、予算書や決算書とのつながりが不明確となっています。そのため、誰がどういった目的でどれだけのコストをかけて実施しているかという一連の流れが見えにくくなっています。結果として、例えば決算審査において、事業の結果としての決算と事業成果と関連づけた議論がしづらい状況となっています。そこで、事務事業共通項として事務分掌と目的を示す総合計画と、そしてコストを示す予算決算と関連づけて可視化することで、内部での情報の一元化や進度のある予算決算審査に資するのではないかと考えますが、当局の御見解はいかがでしょうか。
2点目、活動・成果指標の明確化についてお伺いします。
事務事業の有効性と達成度を評価するため、行政評価ではアウトプット指標である活動指標とアウトカム指標である成果指標が用いられています。アウトプットは行政側の努力で操作可能な供給サイドの指標であるのに対し、アウトカムは顧客たる住民側の視点から設定される需要サイドの指標です。行政の目的が住民福祉の増進であることから、本来、事業の評価は住民側の視点から、つまりアウトカムである成果指標によって評価されるべきであると考えますが、行政サービスはその特性上、その成果を正確に測定できないような場合もあり、その場合には、代替指標としてアウトプットである活動指標を使用することができることになっています。本市の行政評価報告書においても、活動指標と成果指標によって事業の有効性と達成度は評価されていますが、個々の事業について、成果指標または活動指標のいずれによって評価するべきか曖昧な場合や指標自体の適切性に疑問のあるものも見受けられます。
そこで、行政サービスに対する市民満足度の向上や内部の改善意識の向上に資するため、新規事業について、公募市民や有識者等の参画を得て、施策目的への当該事業の有効性を適切に測定可能な活動指標、または成果指標を設定し、原則として数値目標を尺度として、その達成度を客観的に測定することで目標を明確化していくことが必要と考えますが、御見解はいかがでしょうか。
3点目、新公会計制度を活用したフルコスト情報の開示についてお伺いします。
広く市民から税を徴収して運営される自治体の経営において、受益と負担の関係は重要であり、それゆえにコスト計算は重要な要素となります。コストは行政サービスの原価であり、行政サービスの受益者は当該コストを受益していることになります。すなわち、ある事業を実施するために投入される経営資源をインプットとして、これらが行政活動というプロセスを経てアウトプットである行政サービスとなって市民に提供され、その結果が事業の成果たるアウトカムとして市民満足度の向上に寄与することになります。そして、事業の成果を把握するためには、アウトカムを適切に認識することが重要である一方、その事業の成果を生み出すために費やされたコストを正確に認識できなければ、事業の経済性や効率性の評価を行うことができず、結果として限りある経営資源を数ある事業へどのように配分するかという優先順位づけが困難となり、予算編成の効用が小さくなってしまいます。
そこで、事業に投入された全てのインプット、すなわちフルコストと成果たるアウトカムを事業別に把握し評価することが必要と考えます。ここで、インプットに関連する全てのコストを、より正確に把握するためには、従来の公会計において用いられている現金主義会計ではなく、企業会計において用いられる発生主義の考え方が必要となりますが、この点、地方自治体においても、新地方公会計制度の導入によって発生主義が導入されていることから、理論的には現状においてもフルコストでの把握は可能となっています。
そこで、コストの意識づけや費用対効果の向上、そして事業の優先順位づけに資するため、経常事業についてフルコスト情報を開示することにより、行政サービスの原価を金額的に明示することが必要と考えますが、御見解はいかがでしょうか。
次、2点目、業務執行体制の見直しについてお伺いします。
今、我が国は未曽有の人口減少と高齢化社会の到来という時代の転換期にあります。生産年齢人口の減少と老年人口の増加はこれまでの人口構造を大きく変化させ、これに伴い、社会のさまざまな制度や仕組みにおいて、その前提となる条件等の見直しが迫られることになります。そして、地方自治体を取り巻く状況としては、地方財政の悪化、住民ニーズの多様化や国、県からの受託事務の増加による業務量の増加と、これらに伴う職員労働時間の増大など、さまざまな課題に直面しています。こうした中で、将来にわたって安定的に住民サービスを維持継続していくためには、自治体の既存の組織や業務を根本的に見直し、業務の効率性や生産性の向上を図っていくことが不可欠です。
そこで、プロセスの視点で職務、業務フロー、管理機構、情報システムなどを再設計する全庁的な取り組み、いわゆるビジネスプロセス・リエンジニアリング、以下、BPRと略します、が必要であるということは、本年6月議会の一般質問においても述べたところです。国も地方自治体のBPRの必要性を認識しており、経済財政運営と改革の基本方針2015において、BPRの手法を活用した業務改革モデルプロジェクトの実施による官民協力した優良事例の創出と全国展開を加速するとして、強力に推進していく方針を示しています。
そこで、今回は、BPRの具体的手法について、本市においても参考となり得ると考えられるものの一つとして、尼崎市における取り組みを事例として取り上げたいと思います。
尼崎市は本市に比べ厳しい財政下において、新たな行政課題や職員の働き方改革に対応していかなければならない状況に直面しています。そこで、市の全業務を対象として、業務をプロセス単位に細分化して、フロー、量、コスト、課題を可視化し、当該プロセスごとに専門性と定型性の観点から、最適な担い手を再検討し、業務執行体制を再構築する取り組みを行っています。その中では、専門性が高く非定型的な業務は正規職員が担い、その他を嘱託職員や非常勤職員が担うか、もしくは外部委託の検討を行うとしています。また、全庁的には、業務の減量化、効率化を目指すものの、業務プロセス単位では、削減ありきではなく、増員も含めた、より適切な担い手と人員配置を検討しています。こうした取り組みは業務の減量化、効率化や人員配置の適正化といった点から、本市にとっても非常に有用であると考えますことから、以下数点について質問させていただきます。
まず1点目、BPRにおいては、正確な業務量の把握が必要となります。この点に関し、以前、一般質問において提起いたしました管理職手当支給区分の見直しの中で、労働関係法令の遵守の観点のほかに、潜在的な時間外勤務の可視化の観点についても言及いたしました。これは職員の3割超を占める主査及び副主幹級の職員が管理職であるとして時間外勤務手当の支給対象外となっていたことで、当該職員を含む全庁的な時間外勤務の状況を正確に把握しにくい状況にあるのではないかという問題提起でありました。この点、平成30年4月より、管理職支給手当区分が見直され、主査及び副主幹級職員についても時間外勤務手当の支給がされることとなりました。
さまざまな制約がある中ではございますが、お客様が安心して御利用いただけるよう安全性の確保に努めますとともに、引き続き道路管理者との協議や周辺にお住まいの方々との調整を進めながら、バス待ち環境の改善を図ってまいります。
○議長(北原速男) 大野こども未来部長。
◎こども未来部長(大野浩史) (登壇)私から、伊丹市子ども会連絡協議会に係る活動拠点含め、懸案事項にどう対応しようとしているのかについてお答えをいたします。
伊丹市子ども会連絡協議会は、自治会単位にあります単位子ども会の活動支援を行うとともに、児童福祉の向上に寄与することを目的として設立された組織です。主な活動拠点を女性・児童センターとして、こどもまつりやなつのゆうべ、冬のGセンまつり等センターの事業運営にも大きくかかわってこられた団体であることから、本市では、子ども健全育成団体補助金として年間32万4000円を支出しております。
こうした中、施設の老朽化に伴い、女性・児童センターのあり方が見直されたことから、センター内に事務所を構える子ども会連絡協議会に対し、ことし2月28日、3月28日、7月19日、8月8日と、複数回にわたりまして市の考え、工事のスケジュール等を御説明してまいりました。さらに、こども未来部としても会長、副会長と面談を重ねて、事務所であるとか事業の会計、今後の運営体制などについての御相談をお受けしてきたところでございます。
地域の子供会活動については、議員御案内のとおり、最盛期は100を超える単位子供会が存在しておりました。しかし、少子化や子供の余暇の多様化等によりまして、平成30年度には30団体にまでその数を減らしています。ただ、この状況は、本市だけでのものではなく、他市においても子供会の数の減少や解散を耳にしているところです。
これまでに伊丹市子ども会連絡協議会が本市の児童の健全育成に果たしてきた役割は非常に大きいものと認識しております。新しい児童館においても、そのお力を十分に発揮していただきたいと考えているところです。
しかしながら、その組織の将来像は、市がこうだと決めるものではなく、団体御自身でお考えいただくものでありまして、その上で本市ができる御支援があるものと考えております。懸案課題のうち、運営に係る市補助金につきましては、補助金等の交付に関する規則に基づく支出額になるものと考えています。また、団体の活動場所につきましては、他市の事例も参考にしながら、今後、検討してまいりたいと考えております。
○議長(北原速男) 大西都市活力部長。
◎都市活力部長(大西俊己) (登壇)私から、家庭菜園事業に関する御質問にお答えをいたします。
本市が運営する市民農園であります家庭菜園事業は、都市化の進展に伴う土地利用の転換が進む中、都市農地を保全するとともに、市民の皆様に土と緑に親しみ、農業に対する理解と認識を深めていただくため、昭和45年より実施しているものでございます。現在では25菜園、903区画を運営しております。
そして、平成4年に生産緑地と宅地化農地との区分けがなされた際には、生産緑地を貸借した場合、相続税納税猶予の適用外となることなどから、宅地化農地のみを家庭菜園事業の対象とすることとし、事業を継続してまいりました。ただし、宅地化農地は将来は宅地等に転用されることを前提とした土地でありますので、近年は相続等に伴う解約の申し出や新たな開設に適した農地の確保が難しいことなどにより、菜園数は減少傾向にあります。
ただし、新たに菜園を開設する取り組みといったものも随時進めておりまして、ちょうどこの9月の15日に広報伊丹で市民の皆様に御案内しておりますけれども、来月の10月から千僧5丁目、すぐそこになりますけれども、25区画の家庭菜園を新規開設するといった、こういった取り組みを進めてはおりますが、前年ながら全体としては減少傾向にあるところでございます。
このような中、議員御案内のとおり、都市農地の貸借の円滑化に関する法律が本年6月20日に成立し、9月1日より施行されました。このことによりまして、本市が生産緑地を市民農園の用地として借り受けた場合でも相続税の納税猶予が適用されることとなったものでございます。
そこで、議員お尋ねの家庭菜園事業への影響についてでございますが、従来、家庭菜園事業の対象外であった生産緑地を家庭菜園の用地として借りやすくなることから、新規の開設を行う場合などには候補地の選択肢がふえて、市民ニーズに即した土地を確保しやすくなるなど、より円滑に運営ができるものと考えております。現在生産緑地をお持ちの方がどの程度家庭菜園としての利用を望んでおられるのか、農業者の皆様へアンケートを実施し、御意向を伺っているところでございます。
また、市が開設いたします家庭菜園とは別に、民間の事業者による市民農園の開設にも影響が生じるものと考えております。従来の法制度では農地を所有してないNPO法人や企業などが農地を借りて市民農園を開設する場合には、所有者から直接借りることができず、地方自治体等を介して借りる必要がございました。これにつきましてもこのたびの法施行によりまして、貸借に当たって市町村と三者協定を結べば農地を所有者から直接借り受けることが可能となったことから、民間事業者による市民農園の開設も進展するものと予想しております。
今後につきましては、生産緑地を活用した市家庭菜園の市民ニーズに即した適切な運営に努めるとともに、民間事業者等が開設する市民農園も含めまして、多様な市民農園の充実を推進してまいりたいと考えておりますので、御支援賜りますようよろしくお願いを申し上げます。
○議長(北原速男) 泊議員。
◆18番(泊照彦) (登壇)6点の質問事項に対しまして御答弁を頂戴しました。ありがとうございました。
2回目の発言は、それぞれの御答弁に対しての私の意見、要望を述べさせていただきます。
初めに質問いたしました障害者就労の問題では、これまで国はみずからが決めたルールを遵守せず、障害者雇用について軽んじてきたと言わざるを得ません。その間、民間企業では、障害者の方の適性を見きわめ、適性な職種を創出されています。人は何らかの形で長所や短所を持ち合わせています。障害者の方々も一緒です。障害者の皆さんは働きたい、社会の一員として活躍したいという願望をお持ちです。この思いは、私がこれまでたくさんの障害者の方とお会いしてきて、強く実感しているところであります。
これまでも、そしてこれからも民間企業のほうが障害者雇用を真剣に考え、取り組みをされておられます。伊丹市として、民間や他市の事例も含めて、さまざまな取り組みを研究され、我が国の障害者雇用の範になるような事例をつくる気持ちを持って、障害者雇用の進展に努めていただくことを要望させていただきます。
次に、宝塚市教育委員会での第三者委員会の取り組みを参考に伊丹市でも第三者委員会の機能強化、未然防止のための相談体制の充実を図るため、第三者委員会の必要性の是非を伺いました。宝塚市のような不幸な自死が発生しないように、是が非でも第三者機関の、さらなる機能強化をお願いを申し上げます。
サンシティホールのパイプオルガンが震災により大きな損傷をこうむっていることは、オルガニストの方にお聞きするまで詳しくは知りませんでした。今後のパイプオルガンの活用について検討いただくことはもちろん、財源につきましても市民や団体に呼びかけ寄附を募り、修復に充てることを御検討いただき、本市のパイプオルガンが市民にとって身近に触れ合うことができる手段を見出していただきますようにお願いをいたします。
南菱のバスの停留所での待合の危険性を取り上げました。交通局も同様に改善策を考慮していただいていたこと、うれしく思います。今後も安全策についてさらなる御検討、御研究をよろしくお願い申し上げます。
伊丹子ども会連絡協議会の活動拠点は今後どうなるのかの質問をさせていただきました。高齢化を理由に活動が停滞するような会ではありません。市の適切な支援体制が続けば、将来にわたり、さらなる活動を継続されていきます。そのフォローを当局にお願いしたいため、今議会であえて質問をさせていただきました。
今後も、伊丹市子ども会連絡協議会への支援をどのように検討され、対策を講じられるのかについて注視していきますので、よろしくお願いいたします。
最後に、農地法の改正で生産緑地での家庭菜園事業の展開が可能となり、今後の都市農業の活性化の一助となり得る伊丹市の家庭菜園事業の拡大を目指した展望をお聞かせいただきました。当局の展望どおりに家庭菜園事業が進んでいるのかどうか、その過程の検証と対策もよろしくお願いをいたします。
以上、いろいろと意見、要望申し上げました。いずれも藤原市長が施政方針で提言されておられますように、あらゆる世代の市民が安全安心に生活できる環境づくりが行政の仕事であります。今後も複雑化、多様化する市民ニーズに対応できるように、今何を市民の方々が欲しているのか、これから取り組まれる事業への参考にしていただきたく、今回あえて質問をさせていただきました。
今後も藤原市長の強いリーダーシップのもと、現場主義を貫いていただき、市民に歓迎されるような事業の取り組みに期待しておりますので、よろしくお願い申し上げまして、発言を終わります。
○議長(北原速男) この際、お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会したいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。
(「異議なし」の声起こる)
御異議なしと認めます。よって、本日は延会することに決しました。
なお、この継続会は明21日午前10時より開議いたします。
それでは、これで延会いたします。
〇午後 4時45分 延 会...