伊丹市議会 2017-09-19
平成29年第4回定例会−09月19日-03号
平成29年第4回定例会−09月19日-03号平成29年第4回定例会
第3日 平成29年9月19日(火曜日)午前10時00分開議
〇会議に出席した議員(28名)
1番 小 寺 秀 和 15番 北 原 速 男
2番 里 見 孝 枝 16番 櫻 井 周
3番 服 部 好 廣 17番 相 崎 佐和子
4番 高 塚 伴 子 18番 泊 照 彦
5番 林 実 19番 川 上 八 郎
6番 大津留 求 20番 戸 田 龍 起
7番 山 薗 有 理 21番 杉 一
8番 保 田 憲 司 22番 久 村 真知子
9番 西 村 政 明 23番 上 原 秀 樹
10番 竹 村 和 人 24番 加 柴 優 美
11番 篠 原 光 宏 25番 加 藤 光 博
12番 川井田 清 香 26番 山 内 寛
13番 佐 藤 良 憲 27番 吉 井 健 二
14番 山 本 恭 子 28番 新 内 竜一郎
○議長(北原速男) ただいまから本日の会議を開きます。
初めに、議員の出欠席について申し上げますが、本日は全員出席であります。
では、これより日程に入ります。
△「報告第8号〜22号」
○議長(北原速男) 日程第1、報告第8号から22号、以上15件、一括議題といたします。
これら各案件につきましては、既に説明が終わっておりますので、直ちに質疑に入ります。
お諮りいたします。この質疑に当たりましては、会議規則第60条第1項の規定による市の一般事務に関する質問をあわせて行いたいと思いますが、御異議はございませんでしょうか。
(「異議なし」の声起こる)
御異議なしと認めます。
よって、この質疑に当たりましては、一般質問をあわせて行うことに決しました。
それでは、まず代表質問から行います。
通告に基づき順次発言を許します。
初めに、9番 西村政明議員の発言を許します。────西村議員。
◆9番(西村政明) (登壇)ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、
会派フォーラム伊丹を代表しまして質問をさせていただきます。
まず、質問に入ります前に、この3連休、特に日、月にかけまして台風接近に際し、市内各地で対応に当たられました職員の皆さんの安全・安心に資する働きに改めて敬意を表し、感謝申し上げる次第でございます。ありがとうございます。
また、質問は多岐にわたっておりますので、簡潔に質問してまいりますので、簡潔なる答弁をお願いいたします。
それでは、早速質問に参ります。
まず、通告の大きな項目の1点目、平成28年度決算の振り返りについてです。
平成28年度の
一般会計歳入決算額は729億9954万円、歳出決算額は711億4588万円、実質収支は5億7636万円の黒字となりました。
市の貯金に当たる
財政調整基金残高は77億769万円と前年度比6億9497万円の増、企業会計への貸付額を除く実質的な基金残高は76億769万円で、前年度比10億6497万円の増となりました。
市の借金である市債残高については628億1490万円であり、中学校給食施設の整備や小・中学校の改修工事等により市債発行額は前年度に比べ11億8106万円増加したものの、全体の市債残高は6億4994万円の減となりました。
平成28年度は藤原市長にとって3期目の最終年度でありますが、市長が就任した当時よりデフレ経済が続く中、国補助事業の積極的な活用や補正予算債等の活用で市の負担を軽くし、貯金をふやし、借金を減らすなど市長のリーダーシップと財政部局等の創意工夫の結果と評価をいたします。
ただし、2002年度以降過去最高を更新し続けている扶助費は、今後も増加が見込まれます。
また、1998年度以降は減少傾向にあった普通建設事業費についても高度経済成長期に建設した公共施設の老朽化に伴い建てかえ費用が増大することが予想されることから、今後も堅実な財政運営が求められるところでございます。
そこで市長に伺います。こうした成果と課題を踏まえた平成28年度決算の総括、そして現状の課題は何でしょうか。
次に、行政評価の活用について伺います。
行政評価報告書の作成は、総合計画によるまちづくりの進捗管理を行うとともに、住民に対し行政がどのようなサービスを提供し、それぞれがどのような成果を上げているのかについてわかりやすくするように実施されているものと考えています。
しかし、事務事業の多さやスペースの関係で掲載される情報には限りがあり、わかりにくい部分もございます。それは記載された情報のみでは事業の存廃価値が読み取れないといった部分です。その事業を続けるべきかやめるべきか、強めるべきか弱めるべきか、そうした判断が我々議員の仕事であることも確かではございます。それでもこれからは参画と協働の時代であり、住民の皆さんにもさまざまな関心を持ち判断のできる情報が必要となると考えます。
そこで伺います。存廃、強弱、そうした判断がしやすいような情報を報告書の様式に追加すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
また、現状行政評価の結果が次年度予算への反映や事業存廃の判断材料としてどのように活用されていますでしょうか。
次に、大きな項目の2つ目、
幼児教育推進計画に関してです。
4期目藤原市政の目玉政策である幼児教育無償化を含む
幼児教育推進計画、本市の幼児教育のあり方を大きく変えるもので、市民の関心も大きいところです。計画の範囲も幼児教育の充実、幼児教育の無償化、就学前施設の再編と広く、内容を見てみますとそれぞれに課題が散見されるため、幾つかピックアップして伺ってまいります。
まず、進め方に関してです。
そのうちの課題として、カリキュラムの策定がビジョンと同時並行であることです。幼児教育の質の向上のため
幼児教育ビジョン、カリキュラムがつくられることになりますが、カリキュラムをビジョンと同時並行に進めるのはおかしくないでしょうか。つくるものの図面ができていない段階で物をつくるための設備を入れてしまうようなもので、順序としてあり得ないと思いますが、見解をお聞かせください。
次に、必要財源の試算が乱暴ではについては、無償化のための必要財源の試算は、ビジョンとカリキュラムを取り入れ、対象施設が全て無償化をするということが前提になっています。ですが、特に私立ではビジョン、カリキュラムを取り入れるかどうかは任意である上、現時点ではビジョン、カリキュラムの内容も定まっておりません。このような状態での試算は乱暴ではないでしょうか。
さらに言えば、これらの不確定なものがある状態で必要財源に見合う形で再編の規模を考えるのは同じく乱暴ではないでしょうか。
次に、入園募集後に議決は順序が逆ではないかということに関しては、幼稚園の入園募集は10月に行い、これを12月に議決では議決を得る前に物事を進めるということになり、議会軽視、すなわち住民軽視となるのではないでしょうか。
次に、廃園予定の保育所在園児への配慮に関してです。入園募集時に卒園する園を示さなければならない3年ルール、これは幼稚園の利用者に対するものです。そもそもこれも先ほどの12月議決により守られないものでありますが、もし提案どおり事が進んだとしまして、幼稚園の利用者に混乱を招くことはないとしても保育所側には課題が残ります。今回の案の廃園、移転は、保育所入園時には知らされていないものです。幼稚園の利用者には丁寧にしておきながら、保育所の利用者は仕方ないということになるのでしょうか。ゼロから2歳の在園児、御家庭への配慮はどのように考えていらっしゃいますか。
次に、急ぎ過ぎではないのかという観点で、ビジョン、カリキュラム、無償化、再編、相互に複雑に絡まっておりますが、それぞれが重要な問題です。本来は段階を経て進めるべきところでありますが、全て同時並行であります。総じて急ぎ過ぎではないでしょうか。また、ここまで急ぐ必要はどこにあるのでしょうか。
次に、計画の枠組みに関する部分を伺ってまいります。
そのうちの課題として、全ての子供の「全て」は、ですが、
幼児教育無償化推進計画の目的の部分に保護者の所得にかかわらず全ての就学前の子供が質の高い幼児教育をひとしく受けることができる機会を保障することをとあります。ただ、全てと言いながら対象施設が定められていることから、全てとは言えないのではないでしょうか。
そこでお伺いします。対象外の子供はどんな子供になりますか。また、その人数は。そもそもなぜ全てにしないのか、お伺いいたします。
次に、貧困対策となり得るかです。先ほどの計画の目的と同じ部分で保護者の所得にかかわらず全ての就学前の子供がとある上、これまで口頭でも家庭の経済事情によらず幼児教育を受けていただけるようにという趣旨の説明を幾度となくされていることから、無償化は貧困対策と受け取ることができます。
ただ、既に低所得の世帯については所得に応じ幼稚園、保育所ともに無償対応しております。したがって、このたびの無償化は貧困対策とならないのではないかと考えますが、見解はいかがでしょうか。
次に、幼児教育の質の確保とチェックについてです。ビジョン、カリキュラムの策定によって幼児教育の質の確保が行われるとのことですが、具体にどのようにしてこの質をチェックするのでしょうか。
次に、ブロックの必要性についてです。このたびの就学前施設の再編計画には、AからFという6つの区域分けを用いられております。再編の中には公立の保育所、私立の幼、保、こども園も含まれています。したがって、これまで公立幼稚園のみで使われていたブロックで考えるのは無理があるようにも思えますが、このブロックの必要性をどう考えますか。
次に、拠点園の役割についてです。計画ではブロックに1園幼児教育を進める先導的な役割を担う拠点をつくるということですが、これまで公私立の交流はそんなに図られておりません。そうしたことから拠点園の負担が大きくなるのではないのでしょうか。
また、拠点園の役割がわかりにくいところがありますが、具体にはどのように考えておられますか。
次に、地域等説明会による市民の反応です。
この8月から9月中旬にかけて行われました各地の説明会等による参加者の反応はどのようなものであったかお答えをください。
次に、大きな項目の3つ目、保育サービスの拡充について3点伺います。
1つ目、来年度の待機児童解消に向けての取り組みです。
阪神間の自治体の年度当初における待機児童は、新聞報道によれば宝塚128人、川西39人、尼崎87人、西宮323人などであります。こうした状況から共働き世帯は、待機児童のリスクを避けるため待機児童ゼロである伊丹市への転居を検討するのではないでしょうか。
さらに今後進めようとしておられる幼児教育の無償化、
子供医療費助成対象の拡大は子育て世代に魅力的な政策であり、先ほどの状況と相まって転入増が想定されます。
一方で、先日見直された伊丹市の子ども・子育て支援計画では、来年度増加すると予想される保育ニーズには対応できないと考えています。
そこで保育提供量の計画を上方修正すべきと考えますが、見解はいかがでしょうか。
次に、2つ目、年間通じての待機児童解消です。
本市は、現時点で既に年度途中待機児童が160人程度発生しています。いつでも安心して子供を産めるような保育体制とし、年間を通じての待機児童解消を目指すべきと考えますが、見解はいかがでしょうか。
また、実現しようとすれば保育所では年度当初に定員に余裕を持たなければならず、経営が苦しくなります。そこで私立保育所の安定的な協力を得るため支援すべきと考えますが、あわせて見解を伺います。
3つ目、一時預かり・休日保育についてです。
これまでは待機児童解消が最優先であり、一時預かり保育と休日保育については後回しになっていました。一時預かり保育は、就職活動や、親・兄弟姉妹の病気などでのニーズがあります。また、共働き世帯がふえた結果、子育て世帯を休日出勤から外すことが難しくなってきております。この点について過去宝塚市のように一時預かり専門の保育所を整備してはどうかという質問を会派の櫻井議員が行っておりますが、その際、29年度は子ども・
子育て支援計画見直しがあり、その中で検討したいと答えておられますが、その後の検討状況はいかがでしょうか。
次に、大きな項目の4つ目、人権尊重のまちづくりから3点伺います。
1つ目に、
障害者差別解消法の施行から現在までです。
この法律は、2016年の4月から施行され、1年半が経過しています。成立から施行まではおよそ3年あり、十分に対応し得る対応にすべく、その準備期間に充てられていました。
法律では、障害者への差別を禁じ、合理的配慮を行うことが定められています。合理的配慮に関しては、地方公共団体が義務であるのに対し、公営企業、民間企業は努力義務にとどめられています。
ことしの6月、
格安航空会社バニラ・エアを利用しようとした車椅子生活者が階段昇降をできない人は乗せられないと説明され、腕の力のみでタラップを上ることになりました。この対応について後に会社が謝罪、階段昇降機の導入も決められたことが報道に取り上げられました。この事実に賛否両論があったことからも世の中の合理的配慮への理解のばらつきがうかがえるところです。
また、企業として事前の準備が重要であることはわかると思います。
そこで伺います。これまでの本庁での取り組みと公営企業での取り組み状況はどうでしょうか。
2つ目、
部落差別解消推進法の施行から現在までです。
部落差別の解消に関しては、生活環境の改善を中心に進められ、根本である心理的な差別の解消が置き去りになってきた事実があります。そうした意味でこの法律は新たなスタートを意味し、法律の果たす役割への当事者の期待も大きいように思います。
法律が施行されて9カ月、法に基づく相談体制の充実、教育及び啓発、実態調査それぞれの取り組みはどの程度進んでいるのか伺います。
3つ目に、男女共同参画の推進は市長へ伺います。
伊丹市は、男女共同参画のオンブードを設け、報告を行っている日本唯一の自治体です。先駆的な取り組みを行っているにもかかわらず、市民意識調査の結果を見てみますと封建的な
性的役割分担意識が非常に根強い地域となっています。近隣市の宝塚、川西、尼崎と比べても男女共同参画の意識は低いです。その上、他市は意識を高めてきているのに対し、本市は横ばいという状況にあります。
そこで現状に危機感を持って対処すべく組織に男女共同参画を担当する課を加え、条例を設けることで市の姿勢を明確に打ち出し、さらに市長のリーダーシップを発揮していただくことが重要かと考えますが、見解はいかがでしょう。
次に、大きな項目の5つ目、安全・安心のまちづくりです。
人によって何が安全・安心に当たるのかは異なるため、安全・安心は何なんだろうなと常々思うわけでありますが、中から3点ピックアップして伺います。
まず1つ目、弾道ミサイル落下時の行動についてです。
ここのところ北朝鮮のミサイル実験の報道が大変ふえてまいりました。5月には「弾道ミサイル落下時の行動について」を国が発表し、地方自治体も追従し、情報を発信しております。
しかし、このJ−ALERTを含む情報の流し方については、賛否が大きく分かれているところです。市民の感情として、ミサイルが落ちるようなことがあるのか、迎撃は可能なのか、落ちたらどんな被害が及ぶのか、その後はどうなるのかなど私たちにとっては非日常であり、想像もつかないことだらけです。
安倍総理は、ミサイル発射直後から完全に把握しており、万全の体制をとったと強調をされております。であればミサイルは上空とはいえ領空の範囲を大きく超えた宇宙空間である地上500キロメートル以上の高さを飛んでいる状況から見ても、あたかも着弾の可能性があるかのような警報を鳴らすのはいかがか。こうしたことが続いていけばオオカミ少年にもなりかねません。
また、情報収集能力の高さをアピールする一方で、不確かさを前提とした情報の流し方に疑問を感じます。
また、命を脅かす事案への対応内容として不十分と言わざるを得ない点があります。例えば屋外で近くに建物がない場合、物陰に身を隠すか地面に伏せて頭部を守るとなっていますが、この表現では暗に有事の際はそれぞれなすすべがないということを想像させてしまいます。
また、屋内に入る場合、窓から離れるか窓のない部屋に移動するについては、日本の狭隘な住宅事情を勘案してるとは思えません。
そこで情報の質としてどのように考えるか市の見解を伺います。
また、こうした情報が心理面で市民に与える影響はどのようにお考えか。
また、落下時の行動として行政からの指示に従ってと説明がありますが、伊丹市からの指示があるということなんでしょうか、お答えください。
2つ目に、避難行動要支援者把握の取り組みです。
災害時の防災・減災の取り組みでは、福祉避難所の設置や避難所の運営などのさまざまな課題があるものの、まずは避難行動につなげる取り組みが重要かと考えます。
そこで災害時の要支援者に対する把握の取り組みに関しての進捗を伺います。
次に、要支援者の名簿提供に関して不同意とされる方の理由は主に何でしょうか。
また、返答いただけない方のフォローも重要と考えますが、どのように進めていかれるのでしょうか。
また、把握に関しては自治会がキーとなっておりますが、さまざまな事情により自治会等の協力を得られない場合の対応をどのように考えておられますか、お答えください。
3点目に、自転車関連事故の対策に関してです。
本市の課題である自転車事故に関しては、自転車レーンの整備や自転車交通安全教室などにより安全で快適な交通環境の整備を進めてこられたと認識をしております。
しかし、残念にもことしは事故件数が前年に比べて大幅に増加をしております。
そこで事故の要因分析をどのように進めておられ、また事故の増加を受けて今後の対策はどのように考えておられるかお答えください。
次に、大きな項目の6つ目、参画と協働による住民自治として地域自治組織のあり方を伺います。
地域のことは地域で考え、地域で決める、それぞれが住みよい地域社会を目指すことは重要であり、さまざまな政治課題に地域の方の力が不可欠な時代となる中、ますます地域自治組織のあり方は問われるものとなってまいります。
そこでまず、地域自治組織の像を描く地域ビジョンについて、その策定の進捗を伺っておきます。
次に、政治的な動きに対してですが、地域自治組織による活動が活発になってくればおのずと政治への関心も高まります。
ただし、団体として政治的な動きをする際は慎重であるべきではないかと考えるところです。時に住民同士のいさかいや少数派を切り捨てることにつながるなどの不都合が考えられるのですが、見解はいかがでしょうか。
また、この点に関して行政としてできることはありますでしょうか。
次に、今後求められる役割と行政の関与についてです。任意団体であり、自主性を尊重すべきではあるものの、コミュニティーの形成や地域の見守りなど社会的な役割が大きくなる中、行政が頼らざるを得なくなっている状況に鑑み、今後、行政としてどのようにかかわっていこうとされているのかお答えください。
次に、大きな項目の7つ目、行政サービスの向上のためにです。
行政サービスの向上のためには市民の声の反映が欠かせず、上質なサービスの提供のためには職務に当たる職員が心身ともに健康であることや仕事へのモチベーションを保ってもらうことが重要と考え、以下3点伺います。
1つ目に、市民からの要望・苦情の取り扱いについてです。
過去議員が陳情書を束にしてごみ箱に捨て、その写真を撮ってブログにアップするという話があり、大変大きな衝撃を受けました。陳情、請願は、市民の権利であり、軽々と扱うべきものではありません。本市に対しても市民の皆さんのお声を要望や苦情という形でもらっているものと思いますが、行政サービス向上のためにどのように扱われているのかを確認させていただきます。
まず把握方法に関して、現在どのような形で声が届けられ、どの範囲、どのルートで確認がされているのでしょうか。
また、それらの声の集約状況はどのような形でされていますでしょうか。
また、それらの声の業務改善への活用はどのような形でされていますでしょうか、お答えください。
2つ目に、メンタルヘルス対策についてです。
市役所にとって、企業にとって、働く人材、職員は宝であります。職場は、誰もが働きやすい環境や風土を目指さなければなりません。心の健康を害する要因は職場環境に限りませんが、生活のうち多くの時間を過ごす職場におけるメンタルヘルス対策は重要であるということは言うまでもありません。
そこで現状について伺います。まず、メンタル疾患の把握方法はどのようにされていますでしょうか。
また、メンタルヘルス対策の一環として、おととしに開始されたストレスチェックの成果と課題について伺います。
3点目、給与制度の総合的見直しの影響についてです。
国家公務員給与における諸課題に対応するとして、2014年に人事院は給与制度の総合的見直しを勧告しました。
その際、国の動きに合わせ本市でも国を上回る一律4%の給与引き下げを実施しました。55歳以上の課長級以上の職員については1.5%の減額支給措置がとられていることから、最大で5.5%引き下げられていることになります。
現給保障措置は本市においても実施していますが、2015年度から一律4%の引き下げを行った結果、今なお現給保障対象の職員が存在しています。このまま国に合わせて廃止を行えば、そうした職員は処分をされたわけでもないのに給与減額となるためモチベーションの低下が懸念されますが、この件についてどのような対応を考えておられますでしょうか。
次に、大きな項目の8つ目、生きる力を育む学校教育です。
生きる力を育む場、学校において子供たちが生きたいと思えない、命を落としてしまう重大な問題があり、そのうちの一つがいじめ問題です。以前に比べれば落ちついてきたのかもしれませんが、議会への報告もなくなってきたように、この問題がメディア等の露出減とともに風化することを懸念しております。
そこでまず、認知件数の推移をお伺いします。これまでもお伝えしているとおり、認知件数の扱いには課題があります。例えば件数の増減要因として把握方法の違いが入れば経年変化が読めなくなり、同時に防止等の対策の効果も読めなくなるという等です。うがった見方をすれば件数がふえたときは積極的に把握した、件数が減ったときには対策の効果が出たとすることで現状は済んでしまうのです。したがって、まず把握方法の確立を行うべきであると考えますが、見解はいかがでしょうか。
次に、児童生徒の視点を取り入れた取り組みです。この点についても以前からお伝えしていることですが、いじめをする側もされる側もなくしていくのも最終的には子供たちであることから、児童生徒の視点を取り入れて取り組むことが重要です。この間のそうした取り組みはどのようにされていますでしょうか。
次に、スクールソーシャルワーカーの配置についてです。いじめの問題の対策としてスクールソーシャルワーカーの配置が有効とされてきましたが、これまでの成果と今後の増員を含めた方向性を伺います。
次に、大きな項目の9つ目、超高齢社会に備えてに関しましては、大変たくさんの政治課題がありますが、その中から3点をピックアップして伺ってまいります。
1つ目に、地域包括ケアシステムの構築に関してです。
団塊の世代が75歳以上となる2025年以降に備え要介護の高齢者が住みなれた地域で暮らし続けられるように考えられたシステムで、自治体ごとの取り組みが求められています。システムの構築に当たってはまだ途上の段階で、自治体の力量も問われているところです。特にシステムの中核を担う地域包括支援センターに求められる機能は、今後も質、量ともに増加の予測であります。
今年度は伊丹市高齢者保健福祉計画、介護保険計画第6期の最終年度であり、今期の総括が必要になってまいります。
そこで現状における本市の重点的な取り組みと課題をお示しください。
また、地域包括ケアシステムは、介護保険制度の枠内におさまるものではありません。例えば地域における高齢者の介護ニーズと医療ニーズに応えるためには、訪問看護、訪問医療などの在宅医療が欠かせません。兵庫県では、地域医療計画の策定の義務化により医療圏域ごとの医療ニーズ、病院、診療所等の機能及び医療従事者の確保等についての計画が示されております。
一方、市町村にはこのような医療計画の策定の義務づけはありません。今後、地域包括ケアシステムを進めるに当たり、在宅医療などの新たな医療サービスの需要が一層見込まれるところ伊丹版医療計画の必要性はいかがお考えでしょうか。
2つ目、都市農業の振興に関してです。
昨年5月に策定された国の都市農業振興基本計画の特徴は、都市農業の多様な機能が評価されたとのことで、農地の位置づけが宅地化すべきものからあるべきものへと転換されたことです。
都市農業の多様な機能とは、農業体験、良好な景観、保水地、避難所としての防災機能、コミュニケーションの場、高齢者の健康増進、生きがいづくりなどが考えられますが、特に高齢者に対して家庭菜園を含む市民農園は人気が高く、高齢者がふえる中で農地のニーズはより増していく見込みです。これまでは減少の一途をたどってきた農地の数でありますが、今後、農地保全に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。
3点目、ごみの分別、ステーションの設置・管理に関してです。
厚生労働省の推計では、2025年、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症になると言われてます。このことは今以上に社会でさまざまな配慮を要するようになるということが想像できます。また、高齢化に伴いごみを出しに行きにくい方が増加していくことも考えられます。
そこで伺います。伊丹の分別はしっかりされていると言われていますが、現在うまくいっているのでしょうか。
また、出すべき曜日でないごみの対応はどのように行っておられますでしょうか。
ステーションの設置、管理に関しては、現在主に自治会にて担われていますが、特に設置に関しては苦労されている点が多く、下手をすれば住民同士のいさかいにも発展してまいります。地域事情を考慮し、自治会にお任せすることも理解はいたしますが、これまでの設置や管理に関しての好事例をガイドラインで説明するなどして自治会の負担を減らす取り組みが必要じゃないかと考えますが、いかがでしょうか。
最後に、大きな項目の10個目、都市ブランドとシティプロモーションに関してです。
本市は、全国的に人口減少の局面にある中、数少ない人口増加都市であります。これは住みたいまち、住み続けたいまちとして選ばれているあかしであり、市民の力によるものでもあります。
また、行政サービスの成果のあらわれとも考えており、この間の職員の皆様のたゆまぬ努力に敬意を表する次第でございます。
地方創生の流れの中で都市ブランドの形成やシティプロモーションに本市としても精力的に取り組んでいるところです。
しかし、限られた財源の中では目的を明確にし、効果的に進めなければなりません。効果をどのようにして図り、今後どの程度の力をかけていくか、いくべきものなのかいう部分については難しいところです。都市の良質なイメージである都市ブランドの形成に当たっては、広く浅くなのか、狭く深くなのか、既存の価値を磨くのか、新たな価値を生み出すのか、伊丹ならではのオンリーワンなのか、多くの行政サービスにおいて平均点以上を目指すような優等生型なのか、都市ブランド形成シティプロモーションによる都市間競争は生き残りをかけるのか、切磋琢磨なのか、そもそも競合ではなく、すみ分けや共有、協働ができないかなどさまざまな思いがめぐるところでございますが、これらを踏まえて本市の目指すべき都市ブランドの方向性を市長から、またシティプロモーションの効果検証についての見解は担当部長よりお願いいたしまして、1回目の発言といたします。
○議長(北原速男) 藤原市長。
◎市長(藤原保幸) (登壇)私から、平成28年度決算の総括のほか数点の御質問にお答え申し上げます。
まず、お尋ねのありました平成28年度決算を振り返っての総合評価と今後の課題についてでございますけれども、平成28年度は第5次伊丹市総合計画の折り返し地点を迎えまして、後期事業実施5カ年計画をスタートさせ、私が市長として策定いたしました総合計画に掲げた将来像「みんなの夢 まちの魅力 ともにつくる 伊丹」の実現を目指し伊丹の魅力をさらに高める歩みを進めた1年でありました。
まず市政運営の一丁目一番地に位置づけております安全・安心のまちづくりといたしまして、安全・安心見守りネットワークを整備するとともに、認知症高齢者や障害をお持ちの方を対象に「まちなかミマモルメ」の月額利用料等を無料とするなど全国に先駆けた取り組みを進めました。
また、まちづくりは人づくりからとの信念のもと子育て中も仕事を続けられる環境づくりを目指し、保育所の需要が高い市中心部において重点的に民間保育所を誘致するなどの取り組みを進めた結果、本年4月には阪神7市で唯一、保育所待機児童ゼロを達成いたしました。
そして平成28年度は、市長として3期目の仕上げの年でもありました。市長の任期である4年間、市民の皆様にお約束申し上げました政策の実現に向け全力で取り組んだ結果、マニフェストに掲げた施策82項目のうち約95%を達成することができました。
特に児童生徒の心身の健全な発達のため本年6月から市内の全中学校において完全給食を実施することを目指し、中学校給食センターを整備いたしました。
また、自転車と歩行者が安全に通行できる空間の整備に向け自転車レーン等の整備を計画に進めてまいり、平成28年度末における整備済みの延長は6.4キロメートルとなるなど議員各位を初め市民の皆様の御協力を得る中で着実に実施することができました。
なお、期間中に達成にならなかった残りの施策につきましても引き続き達成に向けて取り組みを継続しております。
私は、かねてより市長の仕事というのは、どれほど努力したかではなく、どれだけ伊丹のまちがよくなっているかという結果で見ていただくものと考えております。いわゆる結果責任でございます。
我が国が人口減少時代を迎えた中にありまして、本市の人口は微増傾向が続いております。加えて国土交通省の地価公示による住宅地の地価上昇率が大阪圏94市町中第4位という結果となるなど、これまで市民の皆様とともに進めてまいりました各種各事業の効果が着実にあらわれてきており、大変うれしく思ってるところでございます。伊丹のまちづくりに参画していただいた多くの皆様に感謝申し上げるとともに、これまでの取り組みをさらに前へ進めていくという思いを強めたところでございます。
次に、課題は何かというお尋ねでございますが、数ある政策課題の中でも私は、伊丹のまちづくりは人づくりからと申し上げ、これまで一貫して人づくりに力を入れてまいりました。伊丹の未来に向けて活力ある社会を維持するためには、人材への投資をさらに進めるべきであると考えております。
伊丹の子供たちは、みずから未来を切り開くことができる力を身につけられるように環境整備することが重要であり、加えて市内外から子育てや教育が伊丹の魅力であると感じていただけるよう施策を推進することがこれからの歩むべき道と考えております。
今後につきましては、後期事業実施5カ年計画に位置づけた施策を推進するとともに、本年4月の市長選挙で市民の皆様にお約束申し上げましたマニフェストの実現に全力で取り組み、あらゆる世代の皆様が安心して暮らせるまちづくりを目指し、伊丹の魅力を高めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
次に、男女共同参画の推進に係るお尋ねについてでございますけれども、国におきましては本年6月に閣議決定されました経済財政運営と改革の基本方針2017、いわゆる骨太方針で女性の活躍推進が示されたところでございます。
私は、女性の活躍を支える仕組みが整備された男女共同参画社会の実現は、伊丹だけではなくて日本全体の大きな命題である。もちろん本市にとっても重要な課題であると考えております。
また、本日からパブリックコメントを実施しております幼児教育の充実の取り組みにつきましても男女共同参画に寄与するものと考えているところでございます。
そして推進体制についてでありますけれども、本市では男女共同参画課という課は設置しておりませんけれども、私が本部長となり全庁的な伊丹市男女共同参画推進本部を設置いたしまして、私のリーダーシップのもと男女共同参画に関する政策を総合的に推進しております。
さらに男女共同参画担当主幹を配しておるところでもございます。
また、条例の必要性についてでありますけれども、本市では国の「男女共同参画社会基本法」及び「第4次男女共同参画基本計画」と整合いたしました「第2期伊丹市男女共同参画計画」を策定し、計画に沿って体系的に取り組みを進めております。第2期計画の中では、各課の事業において男女共同参画の視点が盛り込まれているか確認するため各課に男女共同参画リーダーを配置することを具体的施策として位置づけ、庁内連携体制の充実を図ってまいります。
また、これまでより他市にはない市民オンブード制度を活用し計画の進捗についてチェックすることなどによりまして、各部署の男女共同参画の意識向上にも努めております。
今後とも第2期男女共同参画計画を着実に推進し、性別にかかわりなく自分らしく生きられる社会、男女共同参画社会を次世代に引き継ぎ、「住みたいまち伊丹」の実現を目指してまいります。
次に、都市ブランドの本市の目指すべき方向性についてお答え申し上げます。
本市は、安全・安心と人づくり、歴史や文化、自然、空港や鉄道など交通の利便性による暮らしやすさ、そして活発な市民活動などポテンシャルの高いまちでありまして、豊かな人のエネルギーに満ちたまちでもございます。
この週末まで開催されておりました「鳴く虫と郷町」は、そんな市民のエネルギーと地域資源が絶妙に組み合わされまして、多くのマスメディアにも取り上げていただいている本市ならではのイベントであります。
また、昨日、昆陽池公園で開催されました「ITAMI GREENJAM」も台風18号の襲来のため関係者の方々は大変な御苦労されたわけでありますけれども、市民の多くの皆様、事業者の皆様の力を集めまして大勢の市内外の方が参加される大変魅力的なイベントとなり、本市のイメージアップにもつながったものと考えております。
そして清酒やなぎなたなど日本固有の文化も本市の代表的な資源でありまして、本市の都市ブランドとして全国に向けアピールするとともに、イギリス人の国際文化交流員をこのたび採用いたしまして、今後さらに世界に向けても発信すべく取り組んでまいります。
伊丹のまちが「訪れたい」、「住んでみたい」、「住み続けたい」と感じていただけるよう「選ばれるまち」の魅力を総合的にマスメディア、インターネット、広告媒体など情報媒体を戦略的、効果的に組み合わせまして発信していくことで引き続き本市の都市ブランドの醸成を図ってまいりたいと考えておりますので、議員各位初め市民の皆様の御理解と御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
その他の御質問につきましては担当部長等より答弁させますので、よろしくお願いいたします。
○議長(北原速男) 大西総合政策部長。
◎総合政策部長(大西俊己) (登壇)私から、行政評価の活用に関する御質問にお答えをいたします。
議員から存廃、強弱、そうした判断がしやすいような情報を報告書様式に追加すべきではないかというお尋ねでございますが、本市の行政評価は平成15年度から取り組みを始めており、平成24年度からの3年間は試行的に外部評価を実施いたしました。学識経験者と市民委員により構成された外部評価委員会を開催し、行政評価の目的である効率的、効果的な市政運営ができているのか、市民に説明責任を果たすためわかりやすく市政運営を示されているのかといった観点からそれぞれ検証していただいたとこでございます。
委員会からは、膨大な情報提供が逆に市民の皆様にわかりにくいものとなっている。施策や事業を「何のために、どのように実施するのか」、「目標がどこまで達成したか」について議会審議を初め政策形成の場面において一目でわかりやすく確認できるようにすべきであるなどの御意見をいただき、このことを受けまして平成27年度事前評価より事務事業シートの情報を施策シートに統合するなど行政評価報告書と行政評価システムの見直しを行ってきたところでございます。
今後につきましても行政評価報告書に記載されました総合計画の基本方針に対する貢献度、成果指標、事務事業に対する総合評価をお示しし、市民の皆様にとってわかりやすい行政評価の結果公表に努めてまいりたいと考えております。
次に、次年度予算への反映、事業存廃の判断材料にどのように活用されているかというお尋ねでございますけれども、各事務事業がどの程度施策目標の達成に貢献したのかを総合評価欄の中で星印の数であらわし、みずからが評価する自己完結型の行政評価に取り組むことによりまして事業の課題や方向性を職員みずからが再確認をいたしまして、これらを踏まえて次年度の予算編成に取りかかり、事業の重点化や新規、廃止、終了等につきまして検討、協議するなど効率的、効果的な市政運営や資金配分が行われるよう活用しているとこでございますので、御理解くださいますようよろしくお願いを申し上げます。
○議長(北原速男) 二宮幼児教育施策推進・幼児教育無償化推進班長。
◎幼児教育施策推進・幼児教育無償化推進班長(二宮叔枝) (登壇)私から、
幼児教育推進計画案に関する御質問にお答えをいたします。
まず、推進計画の進め方に関して、カリキュラムの策定がビジョンと同時並行であることについてでございます。
幼児教育ビジョンは、伊丹市としての幼児教育理念と育てたい子供像を定め、市民の皆様と共有しつつ質の高い幼児教育を推進するため策定するものでございます。
幼児教育カリキュラムは、
幼児教育ビジョンを実現し、市全体の幼児教育の質の向上を図る具体的な教育内容を示すものでございます。
現在も各幼稚園、保育所、こども園においてそれぞれのカリキュラムで教育実践が行われておりますが、そのカリキュラムのもととなるものが幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領でございます。これらが平成30年度から同時改定、施行されるのをベースといたしまして、伊丹市
幼児教育ビジョン策定委員会が議論する伊丹市ならではの内容や方向性などの情報を十分に共有しながらカリキュラムの検討を進めてまいりますので、整合性は図れるものと考えています。
次に、必要な財源の試算が乱暴ではないかという御質問でございますが、幼児教育の段階的無償化の計画案につきましては、対象施設の要件の一つとして
幼児教育ビジョン、カリキュラムに基づく教育・保育計画を有することとしております。これらの策定に当たっては、市内の公私立幼稚園、保育所、認定こども園などの関係者が策定段階から参画、協働いただきますので、全ての施設において積極的に御活用いただけるものになると考えています。
さらに財源の検討に際しては、必要となる経費の上限額を想定して全施設での活用を前提に必要な経費の試算を行ったところでございます。
また、今回の公立幼稚園の再編は、幼児教育を充実させるため規模を適正にするものであり、ブロック内の基礎児童数と公立幼稚園の応募状況などから再編規模を考えたものでございます。
次に、入園募集後に議決は順序が逆ではないか、急ぎ過ぎではないかとの御質問でございます。
今回の計画案につきましては、長年議論されてきました公立幼稚園の再編のあり方が出発であり、園児募集までに議決をいただきたいところではございました。平成26年の学校教育審議会答申以降2年をかけて市民の皆様に周知し、意見を聴取してまいりました。
また、今回の計画案公表後、園児募集までに御理解いただけるよう計画案として、議決を経ていない案として公立幼稚園、保育所、むっくむっくルームなどで説明会を実施し、また説明会以外においても園児募集や無償化に関する個別の御質問等をいただいておりまして、疑問点や不安などが少しでも解消できるよう随時丁寧に対応しているところでございます。
平成26年の答申から既に3年が経過し、今回いわゆる3年ルールを踏まえた対応としているところでありますが、保護者から園児が数人になっても幼稚園は開園してくれるのかといった御質問もいただく中、現在の状況で本年度の園児募集を無策のままに実施することは保護者の不安を長引かせ、既に昨年度募集時における保護者の選択がそうであったように10人未満の園がさらにふえることをも危惧するところでございます。
次に、保育所在園児への配慮についてでございます。
計画案における3つの公立保育所につきましては、認定こども園として新たな場所に施設が移転する計画となっていますので、主にこども園へと運営形態が変わることへの不安や通園場所が変わるなどの影響がございます。各保育所におきまして保護者を対象とした説明会を2回ずつ開催するとともに、神津こども園での子供たちの生活の様子や施設などをごらんいただく見学会を平日及び土曜日に計4回企画したところでございます。
さらに、こども園への移行予定年度において継続して在籍する子供の保護者には個別の面談を通じて意向確認を行いながら状況把握に努めるなど丁寧に対応し、可能な限りの配慮をしてまいります。
次に、計画の枠組みについての一連の御質問についてでございます。
まず、全ての子供の「全て」とはですが、幼児教育の段階的無償化において対象外となる子供の範囲でございますが、市外や認可外の施設、また市内の認可施設である公私立幼稚園、保育所、認定こども園であっても「伊丹市
幼児教育ビジョン・カリキュラム」に基づく教育・保育計画を有しない施設を利用する場合は対象外となります。
次に、対象から外れる人数でございますが、無償化することにより対象外である方を対象施設へ誘導し、充実した幼児教育を受けていただくことを目的とした施策でございますので、計画実施後の数値を予想するのは困難ですが、仮に市内の全ての認可施設が対象で平成29年度当初に実施していたとした場合、約450人が対象外となります。
次に、なぜ全ての子供を対象としないのかについてでございますが、年齢要件につきましては、財源の制約から小学校への接続を考慮して4歳、5歳児を優先しています。
施設要件につきましては、教育環境や内容について客観的に保証することができない認可外施設ではなく、ビジョン、カリキュラムに基づく教育・保育計画を有した上で、さらに施設ごとの個性あふれる教育が展開されることが期待できる市内の認可施設として公私立幼稚園、保育所、認定こども園を対象としたところでございます。
次に、幼児教育の無償化は貧困対策となり得るのかとの御質問でございますが、計画案には質の高い幼児教育をひとしく受けることができる機会を保障することを目的として明記しており、貧困対策ではなく、幼児教育の充実策の一環として行うものでございます。
続きまして、幼児教育の質の確保とチェックについてでございます。本計画案においては、幼児教育センターを設置することとしています。幼児教育センターには幼児教育アドバイザーを配置し、各就学前施設を訪問して現場の教職員などへの助言や指導、相談などに応じます。また、幼児教育の実践や幼児教育における課題についての研究・研修を企画・実施し、教職員等の資質の向上を図ります。あわせて公開保育や共同研究などを企画・奨励し、幼児教育の質を確保してまいります。
次に、ブロックの必要性についてでございます。
ブロック園区制につきましては、現在の学校教育審議会の前身である審議会から答申をいただき、平成10年度の園児募集から導入した制度でございます。
今回の計画案においては、平成26年の学校教育審議会の答申において現在のブロック園区で考えることが望ましいとの方向性が示されたことを受け、6ブロック園区を基準として公立幼稚園等の再編を計画したものでございます。ブロック園区制をとることは、一部の地域に偏ることなく公立幼稚園等が市内全域に配置されることにつながるとともに、園児募集の際には特定の園に募集が集中することを避けることができます。
このたびはこのブロックを活用して拠点園の整備も行います。
ブロック園区制の今後のあり方につきましては、再編後の各就学前施設の状況を踏まえ適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
次に、拠点園の役割についてですが、拠点園は幼児教育センターと連携し、ブロック内の就学前施設の教職員等がともに研究・研修する機会を設けるなどの研究・研修の役割、小学校との教育内容を接続していけるような場や機会を設ける小学校教育との接続の役割、さらに特別に支援を要する子供への指導や保護者支援、関係機関との連携に係る特別支援教育の役割などについて先導的な役割を担いながらブロック内の公私立の就学前施設とともに質の高い幼児教育を推進しようとするものです。
拠点園においては、こうした役割が担えるよう職員の配置に意を用いてまいります。
また、これまでから公開保育や研究発表会、公私立幼稚園、認定こども園、保育所園共同研究会など公私施設間の交流を図ってきているところでございます。
最後に、地域等説明会における市民の反応についてでございます。
公立幼稚園の保護者対象説明会では、閉園対象の幼稚園では通園距離や通園方法、具体の園児募集に関すること、小学校との連携への不安や幼稚園の存続希望などについての御意見をいただきました。
存続する幼稚園では、幼稚園と認定こども園の違いや期待、無償化に関すること、預かり保育やプレ保育の内容、幼稚園等の定員などについての御質問や御意見をいただきました。
また、こども園に移行する保育所では、認定こども園と保育所の違い、今後のスケジュール、現地での大規模改修を望むなどの御意見や御質問をいただきました。
一方、地域においては、公立幼稚園の園児数の減少に関しての市の見解や地域から子供関連施設がなくなることへの地域の活気に関すること、通園方法について当事者の声を聞いてほしいなどといった御質問や御要望をいただきました。
また、いたみホール、ラスタホール、きららホールでの説明会では、通園距離や通園方法、公立幼稚園の減少の要因、スケジュールや進め方についての御意見をいただいております。
未就園児が利用するむっくむっくルームでは、園児募集や無償化、3歳児保育、認定こども園についての御質問や意見などを多数いただきました。
今後、本日、9月19日から10月31日までパブリックコメントを実施し、御意見や御要望等をいただきます。
本計画案につきましては、それぞれの立場からさまざまな御意見を真摯に受けとめ、伊丹市としてよりよい幼児教育が実現いたしますよう努めてまいります。
○議長(北原速男) 谷澤こども未来部長。
◎こども未来部長(谷澤伸二) (登壇)私からは、保育サービスの拡充に関する御質問にお答えいたします。
まず待機児童解消に向けての取り組みについてでありますが、御案内のとおり平成29年4月時点では阪神各市で唯一保育所待機児童ゼロを達成したところであります。
一方で、この情報をもとに年度当初においても待機児童が発生している近隣他市からの流入により、さらなる保育需要が生じるのではとの御質問でありますが、本市としましては保育所待機児童解消を含んだ本市の子育て支援策が実を結び、安心して子供を産み育てられるまちとして出生率の増加や他市からの転入促進により人口増加に寄与することを期待しております。
また、幼児教育の無償化計画による保育需要への影響についてでありますが、先行実施している他市の状況を参考にしますと4、5歳児の教育費部分の軽減を実施している大阪市では大きな変動はありませんが、第2子以降の保育料無償化を実施している明石市や保育料を完全に無償化した守口市では保育ニーズが大幅に増加しているという状況でございます。
こうしたことからも保育料を軽減する制度設計により多少影響は異なるものの住みたいまち、選ばれるまちの一つの要因になるものと考えております。
これら2つの要素が保育ニーズに与える影響は予想しがたい状況であり、今年度見直しを進めております「伊丹市子ども・子育て支援計画」の計画期間内における保育提供量につきまして具体的な数値として見込むことは困難であると考えておりますので、見直し後の提供量からのさらなる上方修正は行いませんが、引き続き保育ニーズの動向に注視しながら必要に応じて計画期間以降の整備予定分の前倒しも含めて柔軟に対応してまいりたいと考えております。
次に、年間を通じての保育所待機児童解消についてでありますが、年度後半に向けまして育児休業からの復帰等により保育ニーズが増加することから、本年9月1日時点では165名が待機児童となっております。
こうした年度途中からの保育ニーズへの対応として、年度末までの受け入れを定員運用で行える数の保育所整備を進めますと年度当初に定員に余裕を抱えた運営となることや、保育ニーズのピークを迎えた場合、次第に供給過多へ転じ、民間保育所の経営を圧迫するおそれが生じてしまいます。こうした状況を防ぐためにも年度途中の待機児童対策については、定員の弾力的運用が有効であると考えております。
こうしたことから現時点において保育ニーズの低減に伴う私立保育所等への補助が必要な状況とはならないものと考えております。
最後に、一時預かり・休日保育についてですが、一時預かりや休日保育については、事業実施保育所における通常保育と並行して実施していることから待機児童対策として定員を超えて児童を受け入れている状況においては施設基準や人的配置などの面から児童の受け入れが難しい状況にあります。
今般の「子ども・子育て支援計画」の見直しにおける一時預かり保育の過去3カ年の利用実績を見ますと、実施箇所数は平成26年度から28年度にかけて14カ所、16カ所、17カ所と増加しているにもかかわらず、利用実績はそれぞれ延べ1893人、延べ1488人、延べ1244人と減少傾向にあります。この点につきましては、総児童数の減少に加え保育所に通う児童割合がふえたことにより一時預かり保育の対象総数が減少したのではないかと考えるところであります。
また、休日保育については、実施箇所数は5カ所と変わらないものの平成26年度が延べ261人、平成27年度が延べ337人、平成28年度は延べ521人と利用者数は伸びています。
いずれにいたしましても精緻な利用ニーズの把握が難しいこともあり、状況分析や対応策について苦慮しているところであります。
本来待機児童の解消を図り、かつ定員での運用を行うことで対応できるものと考えておりますが、他の自治体の取り組み状況なども参考にしながら引き続き利用ニーズの把握に努め、状況を見きわめてまいりたいと考えておりますので、御理解いただきますようよろしくお願いいたします。
○議長(北原速男) 坂本健康福祉部長。
◎健康福祉部長(坂本孝二) (登壇)私から、人権尊重のまちづくりに関する御質問のうち、
障害者差別解消法の施行に係る御質問及び超高齢社会に備えてに関する御質問のうち、地域包括ケアシステムの構築に関する御質問についてお答えいたします。
まず
障害者差別解消法の施行についての御質問の1点目、法施行後のこれまでの本庁での取り組みについてでございますが、本市では平成28年4月の同法全面施行に伴いまして、国の基本方針に即し障害者差別に関する基本的な考え方や合理的配慮の具体例等をまとめました職員対応要領を策定し、公営企業を含め全職員に対し周知を図ったところでございます。
これに加えまして、一層の理解促進のため障害のある人のサポートマニュアルを作成いたしました。身体障害、知的障害、精神障害など各障害種別に応じた障害特性とそれぞれに必要な配慮をまとめ、対応要領とあわせて全職員に向けて通知し、多様な障害者への合理的配慮の提供を個々の場面で適切に行うよう努めているところでございます。
次に、各公営企業での取り組み状況はどうかとの御質問につきましては、地方公共団体等職員の対応要領に対応するものとして事業者については各分野における主務大臣が事業者に適切に対応するために必要な指針を定めております。
公営企業におきましては、これらの指針により適切に対応をしていくこととされておりますが、対応指針に記載されている内容は同法施行以前より既にそれぞれの企業の事業内容に応じて適切に対応を図ってまいりました。
具体的に申し上げますと、市バスにつきましては、ノンステップバスの導入を初め視覚障害者に配慮した音声による案内、聴覚障害者の利用も考慮した停留所名表示器の装備、乗務員のサービス介助士の資格取得の推進、さらにはバス停の環境整備等サービスの向上に努めているところでございます。
伊丹病院におきましては手話通訳者の配置や多目的トイレの整備と御案内を、上下水道局庁舎におきましては車椅子利用者の専用駐車場、多目的トイレやスロープを設置するとともに、点字案内を実施いたしております。
また、ボートレース事業局におきましては、車椅子のお客様の優先入場の実施、有人窓口やコンシェルジュの配置を進める等それぞれの企業においてさまざまな立場のお客様への対応を進めているところでございます。
次に、地域包括ケアシステムの現状と課題に関する御質問についてお答えいたします。
地域包括ケアシステムの構築に向けた現状における重点的な取り組みといたしましては、認知症施策の推進、医療、福祉、介護連携体制の整備、包括的支援事業の充実、高齢者の住まいの確保、地域ケア会議の充実、生活支援サービスの体制整備、介護予防・日常生活支援総合事業などでございます。
これらの施策の推進を担っております地域包括支援センターでは、地域住民及び医療や福祉の関係機関と地域のネットワークを構築するとともに、地域住民や関係機関からの相談等により地域の高齢者の心身の状況や家庭環境等についての実態把握を行い、問題やニーズを発見し、早期の対応に取り組んでいるところでございます。
一方、課題といたしましては、高齢化の進展に伴う相談件数の増加や複合的な課題を抱える世帯に対する支援などに多くのセンターが苦慮しているところでございます。
また、虐待対応など対応が困難な事案の増加、たび重なる制度改正や法定化された地域ケア会議の積極的な開催などにより業務量が増加する傾向にございます。
今後、これらの課題に対応し地域包括ケアシステムを着実に構築するため、地域包括支援センターの運営体制のあり方等について福祉対策審議会での議論を踏まえ検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、伊丹版医療計画の必要性に関する御質問についてお答えいたします。
在宅医療を初めとした医療、福祉、介護連携体制の整備につきましては、平成27年度に策定いたしました伊丹市健康づくり計画におきまして在宅医療と介護の連携推進という基本目標を掲げ、医師会を初め関係団体等と緊密に連携し、本市の実情に応じた在宅医療の推進に取り組んでるところでございます。
また、兵庫県におきましても昨年10月に住民が住みなれた地域で生活しながら状態に応じて適切で必要な医療が受けられる地域完結型医療の構築を目的として兵庫県地域医療構想が策定されました。兵庫県におきましては、今年度から地域医療構想調整会議を随時開催し、圏域内の各自治体、医療関係者や医療保険者などにより圏域内の課題について協議を重ねながら地域医療構想を推進していくこととしております。
本市といたしましては、この地域医療構想調整会議のもとで地域完結型医療が構築されていく過程において、医師会を初め関係団体と緊密な連携を図りつつ、伊丹市健康づくり計画に基づいた本市の実情に応じた在宅医療を推進してまいりますので、御理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
○議長(北原速男) 柳田市民自治部長。
◎市民自治部長(柳田尊正) (登壇)私から、数点の御質問にお答えさせていただきます。
まず最初に、人権尊重のまちづくりに関する御質問のうち、
部落差別解消推進法の施行から現在までに関する御質問にお答えいたします。
本市としましては、まずは本法律が成立したこと及び同法の趣旨を広く市民の皆さんに伝えることが大切であると考え、市ホームページや広報伊丹、人権啓発センター機関紙「ふらっと」に掲載するとともに、兵庫県が作成しましたリーフレット及び「ひょうご人権ジャーナルきずな」を活用して取り組んでいます。
次に、相談体制の充実、教育啓発につきましては、伊丹市立人権啓発センターにおいて社会福祉法に基づく隣保事業の各種相談事業を実施しています。今後も生活課題や人権課題に的確に対応するため、相談担当者の資質の向上に努めていきます。
さらに部落差別を初めさまざまな人権課題をテーマの学習会を実施し、特にインターネットを初めとする高度情報化の進展に伴って部落差別の状況の変化が生じていることを踏まえ、その差別の実態を明らかにし、部落差別解消の効果的な施策につなげていきたいと考えています。
次に、差別にかかわる実態調査の実施でありますが、国と連携し調査が行われるものと考えていますが、インターネット掲示板モニタリング制度等を積極的に活用し部落差別の実態把握に努めるとともに、今後とも差別事象の早期発見と拡散防止、差別解消に向けた取り組みを進めてまいります。
次に、参画と協働による住民自治に関する御質問にお答えいたします。
まず地域ビジョンの策定の進捗についてですが、現在伊丹、笹原の両小学校区において既に地域ビジョンを策定いただいており、今年度にはこの施行事業の検証結果を初め伊丹市自治会連合会での検討結果やこれまでいただいた御意見を踏まえ地域自治組織の骨格となる仕組みを条例として定め、この取り組みを進めていきたいと考えています。
また、15小学校区におきましては、現在既に策定された2小学校区の地域ビジョンをお示ししながら制度の説明を行います。地域の理解と検証をお願いしているとこです。
次に、政治的に動きについてですが、地域自治組織は地域課題の解決を図るためさまざまな事業を展開していることから、地域として意思決定を行う必要性が多々あります。また、地域自治組織では、意思決定に当たっては地域の多くの住民の間で熟議を重ね、慎重に意思決定を行っています。さらに小学校区を代表する組織であるため、その意思決定は非常に影響が大きいことから、議員御指摘の政治的な動きを含め地域自治組織の意思決定の重大さを認識いただくことは大切だと考えております。このため課題解決に向け地域自治組織の役割を確認しながら、ともに取り組んでまいります。
最後に、今後求められる役割と行政の関与についてですが、地域自治組織の設立を通じて小学校区で助け合い、基盤となる自治会の負担軽減を図るとともに、持続的に自治が推進できる体制の構築を目指すことで大きな課題の一つでもあります地域活動の担い手の確保にもつなげていきたいと考えています。
次に、行政サービスの向上のために関する御質問のうち、市民からの御要望・苦情の取り扱いに関する御質問にお答えいたします。
まず市への御意見や御質問の把握方法につきましては、各課担当に直接寄せられるもののほか市ホームページ上からの投書システム、市へのご意見・ご提言システムを初め電話や窓口、ファクス、投書箱への投函、郵便料金受取人払いの封書などの各種手段により広く市民の皆さんからの御意見や御要望をお聞きいたしております。
次に、その集約状況につきましては、各課担当へ直接寄せられるものを除き市民相談課において一括して集約し、書面により各課担当の所属長宛てに回答、処理依頼を行い、その所属内において所属長まで決裁、承認を経た後、申し出人に回答を行っています。
また、市以外の他機関に関する意見等についても外部行政機関へ情報提供や相談窓口の紹介を行うなど適宜適切な対応を図っています。
最後に、業務改善への活用についてですが、冒頭に申し上げました市ホームページ上から投書システム、市へのご意見・ご提言システムを活用し庁内の主要部署での情報の共有化を初め統計処理や回答処理の進行管理を行い、返答漏れの防止を図っているところです。
最後に、ごみの分別、ごみステーションの設置・管理についての御質問にお答えいたします。
まず伊丹市の分別はうまくいっているのかの御質問につきましては、本市のごみの資源分別は7種11分別となっています。現在の分別状況については、自治会や保健衛生推進委員等の地域の皆様の御協力をいただいており、資源物、瓶やペットボトルは適正に分別されております。
さらにプラスチック製容器包装も2017年1月のごみ組成分析調査では約9割は適正に分別されており、本市の分別レベルは非常に高いものとなっています。
次に、出すべき曜日でない日に出されたごみの対応はどのように行っているのかとの御質問につきましては、収集の際、出し間違いのごみ袋に排出日が間違っていることを記載した啓発シールを張り、その日には収集せず、排出された方に気づいていただくようにしております。
地域からの啓発のためのシールを張ったまましばらく置いてほしいとか、ごみステーションが汚れて困るので早目に収集してほしいなどさまざまな要望に対しては、柔軟に対応しております。
次に、ステーションの設置・管理に関する好事例をガイドラインとして示す取り組みが必要ではないかとの御質問についてですが、ごみステーションの設置・管理については、利用する住民間で御協力いただき、自主的な運営をお願いをしてるところです。
しかし、ステーションの設置場所について住民間でトラブルになることもありますので、その際はクリーンセンターや生活環境課の職員が御相談に乗り、一緒に考えています。
さらに自治会連合会や保健衛生推進委員連合会、クリーンいたみ推進委員などの会議等の際にはカラスの被害対策を初めステーションの設置や管理に関しての好事例を紹介しており、機会を捉えて情報提供は続けてまいります。
また、苦情や相談があった場合や、収集時に気づいた課題などがあった場合には、地域の方から情報を伺った上、対応しております。
今後ともさまざまな好事例を共有しながら地域の皆様と一緒に考え、快適で安全なごみステーションの設置・管理について取り組んでまいりたいと考えていますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
○議長(北原速男) 松浦危機管理担当市長付参事。
◎市長付参事(松浦実) (登壇)私から、安全・安心のまちづくりについて、弾道ミサイル落下時の対応及び避難行動要支援者把握の取り組みに関する御質問にお答えします。
まず、弾道ミサイル落下時の情報の質についての御質問にお答えします。
弾道ミサイル落下時の行動につきましては、国民保護ポータルサイトなど国の通知、資料に基づいて本市ホームページや広報伊丹により市民周知に努めているところです。
具体的には弾道ミサイルが発射され、日本に落下する可能性がある場合は、国からの緊急情報に基づいて直ちに適切な避難行動をとること、そして屋外にいる場合には近くのできるだけ頑丈な建物や地下に避難すること、また屋内にいる場合にはできるだけ窓から離れて、できれば窓のない部屋に移動することとなっています。これらの行動が緊急時に身を守るための直ちにとるべき最善の策と考えられています。
なお、本年8月29日のミサイル発射時のJ−ALERT情報において、地域を特定しておらず過度な不安を与えた、また周辺に頑丈な建物がない場合の対応などの反省から国において「地域や方向を具体的に示す」、そして「頑丈な」の文言を削除といったJ−ALERTのメッセージの見直しが行われました。
本市においてもこの見直しを踏まえ、本市ホームページを修正いたしました。
次に、市民に与える影響についての御質問にお答えします。これらの情報の周知につきましては、市民の皆様に対して決して不安や恐怖心をあおるものではなく、あくまでも限られた時間の中で、できる限り身を守る行動をとっていただくことを呼びかけているのです。万が一に備え、日ごろから市民の皆様に対して行政の持っている情報を提供し、市民周知に努めることが非常に大切であると考えています。
次に、行政からの指示についての御質問にお答えします。弾道ミサイル発射時の状況に応じた対応の指示につきましては、J−ALERTにより身を守る行動をとるためにミサイルの発射情報とともに発信します。
そしてミサイルが着弾し、市内に被害が発生した場合には、国の対策本部からの避難指示の内容に沿った知事の指示を踏まえ避難誘導することとなっています。
次に、避難行動要支援者支援制度についての御質問にお答えします。
まず本制度の進捗状況につきましては、本年2月に避難行動要支援者である高齢者や障害者など8415名に対し名簿情報提供の同意確認を実施し、8月末時点の返送状況につきましては、同意者3009名、不同意者1919名、未返送者3487名で、同意者につきましては対象者全体の35.8%となっています。
そして支援体制が整った地域と協定の締結を進めているところでございます。現在鈴原小学校地区と伊丹小学校地区ほか2自治会と協定を締結しております。今後とも支援体制の構築に努めてまいります。
次に、名簿提供に関して、不同意の理由は、返送なしをどうフォローするのか、の御質問にお答えします。
不同意の理由につきましては、自力で避難できる、同居人や近所の人が支援してくれる、そして施設に入所しているなどが主な理由でございました。
未返送者に対するフォローにつきましては、同意確認書を再度郵送し、確認する予定です。
最後に、自治会等の協力が得られない場合の対応につきましては、今後とも大規模災害時の共助の必要性について各小学校区で開催されます地域福祉ネット会議や、そのほか単一自治会の集会、そして出前講座などで粘り強く説明を行い、本制度を広げてまいりたいと考えております。
今後とも避難行動要支援に係る地域の特性や実情を踏まえつつ関係機関と連携して支援体制の構築を進めてまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
○議長(北原速男) 大石都市交通部長。
◎都市交通部長(大石正人) (登壇)私からは、自転車関連事故の対策に関する御質問にお答えいたします。
議員御案内のとおり、自転車の安全利用促進に向けたさまざまな取り組みを進めた結果、平成28年の自転車関連事故件数は261件となり、前年比マイナス26%と大きく減少したところでございますが、平成29年上半期には169件の自転車関連事故が発生しており、前年上半期の128件に比べ32%の増加となっております。
事故の要因分析につきましては、毎週1回伊丹警察署より速報値として情報提供される市内での人身交通事故発生状況や毎月提供される「伊丹の交通事故ミニ白書」をもとに伊丹警察署交通課と連携して事故に関する分析を行っております。
平成28年の自転車関連事故の発生状況について申し上げますと、出会い頭の事故が最も多く、続いて側面衝突となっており、これら2つの要因だけで事故件数全体の約80%を占めております。
また、違反別発生状況については、「交差点安全進行義務違反」が22.6%で最も多く、続いて、「安全運転義務違反」、「指定場所での一時不停止」となっており、このほかにも「信号無視」や「徐行違反」といった基本的な交通安全ルールの違反が見られます。
平成29年の上半期についても同様に分析いたしましたが、平成28年と大きく異なるところはなく、違反内容の構成割合については若干の違いがあるものの、事故増加の要因に直接結びつくものではないと考えております。
事故の要因分析を進める中で改めて伊丹警察署に問い合わせたところ、自転車関連事故の多くは自転車利用者側の交通ルール違反によるものとなっているが、増加要因について明確な理由を把握しているわけではないとお聞きしております。
次に、事故増加を受けての今後の対策についてでございますが、自転車関連事故の多くは自転車利用者側の交通ルール違反によるものであるということを自転車利用者に対し自転車交通安全教室や市のホームページ等さまざまな手法を用いて効果的に情報提供するとともに、今後も伊丹警察署と連携し、自転車の危険運転に関する街頭啓発キャンペーンや取り締まりの強化により、広く市民の皆様の自転車安全利用の意識高揚を図ってまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
○議長(北原速男) 堀口総務部長。
◎総務部長(堀口明伸) (登壇)私から、行政サービスの向上に関する御質問のうち、メンタルヘルス対策及び給与制度の総合的見直しの影響についての御質問にお答えいたします。
まずメンタルヘルス対策の現状についてでございますが、最近のメンタル不調者は従前の典型的な鬱といった病状だけでなく、病名も症状も多様で、心身不調の認識が難しくなる傾向にございます。メンタル疾患の把握には何よりも本人が不調や自身の変化に気づくことが重要であり、職場の上司や同僚の気づきも把握の助けとなるところでございます。
議員御案内のストレスチェックにつきましては、労働安全衛生法が改正され、平成28年度から事業主が実施しており、本市におきましても厚生労働省が推奨する職業性ストレス簡易調査票によりストレスチェックを実施いたしております。
ストレスチェックの目的は、事業主が不調者を発見することではなく、職員がみずからのストレス状態や心身の反応を客観的に把握し、予防促進につなげることにございます。
個人情報の秘匿に十分配慮し、職員が安心して受検できるよう外部の専門機関に委託して実施しておりまして、平成28年度の受検割合は95%で、これは全国平均の78%よりも高い水準となっております。
個人の結果は本人の申し出がない限り人事部門におきましても知ることができませんので、高ストレス者には結果通知書により実施機関から直接医師による面談を勧奨しております。
ちなみに昨年度は13名が医師の面接を受け、医師の意見を踏まえ必要な対策を行いました。
ストレスチェックのもう一つの活用法として、受検者が10名以上の所属を対象に仕事の量、仕事のコントロール度及び上司、同僚の支援等の状況を数値化し、そのデータから職場の健康リスク値を図る集団分析がございます。この集団分析につきましては、職場のストレス状況を判断するためにデータを蓄積し、経年の結果分析が必要であり、今後も安全衛生委員会において審議を継続し、職場環境の改善につなげてまいりたいと考えております。
次に、給与制度の総合的見直しの影響についてでございますが、議員御案内のとおり本市におきましても平成26年の人事院勧告を踏まえた給与制度の総合的見直しを平成27年4月1日に実施いたしました。
実施に至ります過程におきまして、労使間において本市の給与水準等を踏まえた種々の議論と協議を重ね、双方が合意したものでございます。
職員に対する影響につきましては、労使間で協議いたしました想定と現在の状況に大きな乖離も生じてないと考えており、現時点におきまして別途の対応が必要とは認識しておらないところでございます。
○議長(北原速男) 村上学校教育部長。
◎教育委員会事務局学校教育部長(村上順一) (登壇)私からは、いじめ問題に関する御質問にお答えいたします。
いじめは、いじめを受けた児童生徒の心身の健全な成長や人格の形成に大きな悪影響を与えるおそれがあり、人権にかかわる重大な問題であるため理由のいかんにかかわらず絶対に許されない行為でございます。
本市においては、学校はもちろん家庭や地域社会も含め社会総がかりでいじめに向き合う土壌づくりを目指し、取り組みを進めているところです。
まず初めに、いじめ認知件数の推移についてお答えいたします。
過去3年間の本市における1000人当たりのいじめの認知件数につきましては、小・中学校で平成26年度は30.6件、27年度は43.0件、28年度は69.3件となっております。大幅に増加しておりますのは、学期に1回実施するアンケートが定着し、児童生徒が安心して記入するようになったことや小・中学校ともに軽微と思われるものからあらゆる事案にまで教員が目を向けてきめ細かく認知に努めてきたことによるものと捉えております。今後、いじめの認知件数等を参考にいじめの現状について分析をしていきたいと考えております。
全国的に見ても平成27年度の1000人当たりの小・中・高等学校での認知件数は、京都府の92.0件から佐賀県の4.5件と大きく開きがあり、本市としては一つ一つのいじめに目を向け、丁寧に解決を図ることこそが重要だと考えております。
こうした経過の中、地域の方からいじめに関する情報等をいただき、解決に結びつくことができたと学校から報告を受けるようになるなど地域のいじめ問題に対する意識も高まりを見せております。
近年子供たちを取り巻く環境は、急激な変化をたどっています。複雑化、多様化する社会の中で子供たちの異変を素早く発見できるよう年3回のいじめ実態把握アンケートを実施し、定期的な教育相談や毎月の報告を通じた実態把握などに活用しているところです。こうした取り組みは継続して行うこと、きめ細かく認知することが大事だと考えております。
次に、児童生徒の視点を取り入れたいじめ問題に対する取り組みについての御質問についてでございますが、本市においては、平成26年度から毎年、伊丹市いじめ防止フォーラムを実施しております。内容の一例を申しますと、平成28年度は具体的にいじめの事例を挙げ、生徒、教員、保護者、地域住民がそれぞれの立場から意見を出し合い、解決に向けてのグループ協議を行いました。生徒からは、「小さいことでも相談しやすい環境をつくってほしい」や、「大人はもっと気づいてほしい」などの意見が出るなど、生徒とさまざまな立場の大人が場をともにし、児童生徒の視点を取り入れて、いじめ防止について理解を深めることができました。
続いて、スクールソーシャルワーカーの配置の成果と今後の方向性についての御質問にお答えいたします。
まず、スクールソーシャルワーカーの配置の成果としましては、スクールソーシャルワーカーが生徒指導担当者や学級担任等と連携することにより、生徒指導上、配慮を要する児童生徒への継続した心のケアや当該児童生徒を取り巻く環境の実態把握、改善に組織的に取り組めるようになったことがございます。これまで児童生徒を取り巻く環境等について支援を必要としながらも、教員が感覚的にしか見えてこられなかった実態や課題が明確となり、児童生徒だけでなく、その家庭の生活環境にまで至る場合もあり、大変効果的だと考えております。特にいじめなどの児童生徒の問題行動等の背景には、心の問題とともに家庭、友人関係、学校、地域など、児童生徒の置かれている環境の問題もあり、心と環境の問題が複雑に絡み合っており、スクールソーシャルワーカーが行う環境を改善する働きかけや、問題の状況に応じて関係機関とつなぐスクールソーシャルワーカーの必要性がますます高まっております。本市のさまざまな問題を抱えている児童生徒への支援の充実に向け、関係部局と調整を図りながら、学校や地域の実態に応じた効果的な支援を実現するスクールソーシャルワーカーの配置拡大等について、県にも要望してまいります。
今後もいじめ防止を推進し、子供たちが笑顔で過ごせる学校、伊丹のまちを目指してまいりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
○議長(北原速男) 村田都市活力部長。
◎都市活力部長(村田正則) (登壇)私からは、超高齢社会に備えてのうち、都市農業の振興についての御質問にお答えいたします。
本市を含む、いわゆる三大都市圏におきましては、これまで人口増加に伴う都市の拡大を前提とした農業経営が行われてまいりました。本市では、平成4年には農地が約280ヘクタールあり、このうち115.2ヘクタールにつきましては、都市計画制度を活用して生産緑地地区に指定し、農地の保全に努めたことにより微減状態が続いておりますが、生産緑地地区以外の農地は急激に宅地化されており、平成16年以降、毎年、生産緑地地区の追加指定を行っているものの、この四半世紀で農地全体の面積が約120ヘクタール、すなわち平成4年の4割程度にまで減少している状況でございます。
しかしながら、今後、全国的にさらに人口が減少し、農業者の高齢化や担い手不足が懸念される中、議員御案内のように都市農業の安定的な継続と、それによる良好な都市環境を形成するため、平成28年5月に国の都市農業振興基本計画が策定され、農地が都市にあるべきものと明記されました。これを受け、本市におきましても「伊丹市『農』の振興プラン」を見直し、新たな伊丹市都市農業振興基本計画を策定しており、情報技術活用のモデル事業や学校給食への出荷奨励などの新規事業を推進し、都市農業のさらなる振興を図ることで都市農地の保全につなげてまいりたいと考えております。
なお、本年5月の法改正によって生産緑地指定の要件緩和が可能となっており、(仮称)生産緑地地区の区域の規模に関する条例骨子案のパブリックコメントを来月実施してまいります。さらに都市農地の貸借の円滑化に関する法律案の骨子がまとったとの報道がございましたことから、今後の法改正によって生産緑地の貸借が容易になるものと認識いたしており、生産緑地の担い手となる農業者への支援や農業と福祉の連携推進、市民農園の多様な展開についての調査研究などを通じ、農地の保全に取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
○議長(北原速男) 桝村都市ブランド・空港・観光担当市長付参事。
◎市長付参事(桝村一弘) (登壇)私からは、シティプロモーションの効果検証についてお答え申し上げます。
昨年度実施いたしましたアイラブイタミキャンペーンでは、本市のいいところを100の項目の中から投票をしていただきました。その結果、市内から2677件、市外から615件の投票をいただき、市内外を問わず、伊丹のいいところとして伊丹空港を上げられる方が最も多く、次いで市外の方は昆陽池公園を伊丹のいいところとして選んでおられます。
また、今年度、映画「あさひなぐ」の先行上映会に50組100名を招待する企画では、市外から1389組、市内から685組、合計2074組の応募がございました。この応募の際、あわせてアンケートを実施いたしまして、伊丹に対する好感度についてお尋ねしたところ、市外の方のうち約37%の方から5段階評価の5をいただき、約44%の方から4という評価をいただいております。また、市外から伊丹に訪れたことがある方がどのような目的で来られたのか、複数回答でお伺いしたところ、買い物に来られた方が最も多く、800件、次いで伊丹空港に来られた方が667件となってございます。以上の結果は、市外の方の伊丹に対するイメージや好感度といったものの参考と捉えることができると考えており、ひいてはシティプロモーションの効果検証につながるものというふうに考えてございます。
一方、市外の方の意識調査につきましては、大規模な実施が困難なことから、市外でのイベントやインターネットによるアンケート調査の手法を研究してまいりたいと考えております。あわせて市民の方の満足度、定住志向につきましては、市民意識調査で測定していき、人口の変化とあわせて市内外におけるシティプロモーションの効果検証につなげてまいります。
今後も効果検証手法の研究も含めてシティプロモーション事業のPDCAサイクルを回してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○議長(北原速男) 西村議員。
◆9番(西村政明) (登壇)それぞれに御答弁をいただきました。ありがとうございます。内容につきましては、納得したものとそうでないものがございますし、そうした中で新たな課題が見えてきた部分もございます。あとは後日の個人質問や決算委員会で引き続き扱ってまいります。
全体を通して思ったことを申し上げますが、市民目線を忘れてはいけないなということです。行政と議会はいたずらに対立すべきではありませんし、ここで行われる議論は知恵比べではありません。本市の掲げる「みんなの夢 まちの魅力 ともにつくる 伊丹」の実現のためにも、お互い力を合わせなければならないといったこともあると考えております。一方で今回の
幼児教育推進計画の進め方を見てみますと、議会であったり、市民の議論ができる余地、どれだけ残されているのかと思う場面もございます。国のほうでは時々この道しかないとおっしゃる方もいらっしゃいますが、伊丹の行政の進め方としましては、そうした一点突破ではなく、みんなで道を考え、みんなで道を歩む、市民、行政、議会が一体となって伊丹のまちづくりができる、そのような関係になることを会派の議員一同、切に願っております。当局の皆様方におかれましては、その点につき御理解と御協力をお願い申し上げ、代表質問を終わらせていただきます。
○議長(北原速男) ここで、しばらく休憩をいたします。
〇午前11時47分 休 憩
〇午後 1時00分 再 開
○副議長(保田憲司) 休憩を解いて会議を続けます。
次に、14番 山本恭子議員の発言を許します。────山本議員。
◆14番(山本恭子) (登壇)ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、伊丹市公明党市議団を代表いたしまして、平成28年度伊丹市の決算の総括と、住みたいまち伊丹を目指した市政運営における重点課題について数点の質問をいたします。当局におかれましては、誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。
自公連立政権となり、間もなく5年目を迎えようとしております。この間の経済政策、いわゆるアベノミクスにより経済、雇用環境は大幅に改善いたしました。8月28日に政府がまとめた8月の月例経済報告では、国の景気は緩やかな回復基調が続いているとされ、内閣府が8月26日に公表した国民生活に関する世論調査では、現在の生活に満足、まあ満足と答えた人は合計約74%に上がり、生活実感の改善を示すデータとなっております。明るい兆しが見えてきたとはいえ、少子高齢化、人口減少、長いデフレ経済の中にあって、家計の生活という視点に立てば、ゆとりや豊かさをいまだ十分に実感できていないとの声も多く聞かれますが、一定、自公政権の政策に成果が出たものと思われます。
本市におきましては、日本の少子高齢化、人口減少の同時進行という厳しい将来見通しや東京一極集中に伴う地域格差の拡大など、大きな問題に直面する中ではありますが、昨年に発表された平成27年国勢調査の確定結果では、伊丹市は人口規模を維持しており、住みたいまちとしてのまちづくりが順調に進んできたことによる市内外からの評価が、このような結果になってあらわれたものと思います。今後もさらなる住みたいまちの実現のためには、よりよい施策やより効果的な行財政運営に努めるとともに、現場主義を基本とされる藤原市長を初め、職員の皆様、そして市議会が一体となって、将来にわたって市民が安全・安心に暮らすことができる、持続可能なまちづくりを進めなければなりません。市民一人一人が持つ力を最大限に発揮し、希望に応じて活躍できる社会基盤を強固にすることが、今後の伊丹市の活力と持続可能な成長を生み出す源泉であると考えます。
平成28年度は全国初で取り組まれた安全・安心見守りネットワーク事業において、1000台のカメラとビーコン受信機を設置した結果、地域全体で子供や認知症高齢者等を見守る安全・安心な環境が整備され、犯罪認知件数が大きく減少するという効果が見られました。また、子育て世代の就労継続を可能とするための保育所待機児童対策では、積極的に民間保育施設を誘致して、施設整備を支援した結果、本年4月には阪神7市で唯一、待機児童の解消が図られました。さらにかねてより公明党が要望し、藤原市長のマニフェストにも掲げられていた中学校給食は、アレルギー対策等にも十分考慮された立派な施設が完成し、市内全中学校で給食がスタートしております。これらは28年度事業のごく一部ですが、藤原市長が市民との参画と協働によるまちづくりを推進し、3期目に約束されたマニフェスト等も含め、市民ファーストで事業を推進してこられた結果が4期目の当選であり、引き続き今後の市政運営と後期事業実施計画に示された事業の展開、伊丹創生に掲げられた目標の実現においてどのようなかじ取りをされるのか、市民の期待も膨らむところです。
ここでまず初めに、市長から市政全般にわたって平成28年度の総括した評価をお聞かせいただきたいと思います。そして伊丹総合戦略の2年目の達成状況及び30年度に向けた市政運営の方向性について、現時点のお考えをお聞かせください。
次に、決算概要について質問いたします。
平成28年度の決算については、黒字運営が続き、財政調整基金の着実な積み増しや市債の償還による普通債の減少など、新たな事業や将来に向けた積極的な投資を進めつつ、行財政プランの目標水準を維持するなど、健全な財政運営がなされ、良好な財政状態が維持されております。しかし、将来を見据えた持続的な行財政運営に着目をした場合、国の政策や経済状況、人口動態など、いずれも伊丹市への影響は避けられないと考えられることや、市庁舎や病院など、今後の公共施設の建てかえや大規模改修による建設費の負担、少子高齢化による市税収入の伸び悩みや社会保障経費の増大など、懸念材料も多くあります。社会情勢や国や県の動きに敏感に反応し、限られた財源を最大限有効に市政運営に生かしていくことは、伊丹市民にとってよりよい生活を送ることができると同時に、将来における市民の負担軽減にもつながると考えますが、このような点を踏まえた上で平成28年度を振り返り、その総括と今後の見通しについてお聞かせください。
続いて、平成28年度に実施した主な事業について、政策の体系に沿って質問させていただきます。
政策目標1、支え合いの心でつくる安全・安心のまちに関する施策において、避難所井戸の設置事業についてですが、市内の全小学校への設置が完了し、さらに今年度は中学校等への設置が予定されております。
近年、日本各地で従来では考えられない災害が起こっております。過去の災害では、断水で避難所のトイレが機能せず、衛生面での問題、トイレを心配して水分を控え、エコノミークラス症候群や脳梗塞につながった例が相次ぎました。排せつへの備えは水や食料の備蓄とともに、避難所に求められる最大の役割であります。災害時にトイレ用水として供給もできる生活用水の確保が進むことは、非常に有効な災害対策であるとともに、本市におきましては公立小・中学校の耐震化も早くに完了しており、この井戸の設置は地域の避難拠点となる学校の防災力の強化となり、避難所における機能の充実が進められたと思います。そこで設置とともに必要となるのが維持管理や補修ですが、どのように管理をされているのか、また、校内に井戸が設置されたことは、児童たちに災害に対する備えの大切さや防災に対する意識も高まったのはないかと思われますが、いかがでしょうか、お聞かせください。
次に、安全・安心見守りネットワーク事業について質問いたします。
昨年度は整備過程で徐々にサービスの利用可能なエリアが広がったものの、本格運用は今年度からです。カメラによる犯罪抑止効果や犯罪の早期解決への期待だけではなく、この見守りネットワークサービスの利用者と見守り活動に参加する市民がふえ、安全・安心が市民の生活実感となっていかなければならないと思います。整備が終了すると、マスコミに取り上げられる機会が減り、周知、啓発には別の工夫が必要なのではと感じておりますが、利用者の拡大に向けてどのような見解をお持ちでしょうか。
また、加古川で同じシステムを用いて1500台規模の運用をされるようです。広域連携の可能性はいかがでしょうか、当局の見解をお伺いします。
次に、後発医薬品利用差額通知サービス導入について質問いたします。
いわゆるジェネリック医薬品ですが、私は、薬局で処方してもらう薬は全てジェネリック医薬品を選択するようにしております。薬の価格が安いことはもちろんですが、飲みやすいように味や形を変えているものもあります。医療費に占める薬の価格の割合は20%程度とされ、ジェネリック薬の普及促進は医療費増大の抑制に一定の効果があります。昨年度、本市が実施した通知サービスでどのくらいの効果があったのでしょうか。また、ジェネリック医薬品を薬局で希望しやすくするジェネリック医薬品希望カードを、高齢者の方にお渡ししていただくことも有効であると考えますが、当局のお考えをお聞かせください。
次に、生活困窮者、生活保護受給者就労準備支援事業について質問いたします。
日常及び社会的生活の自立を目標に、就労経験がなく、一般就労が困難であった方に対し、基礎的な能力形成の支援を初め、当事者の就労面接用のスーツ準備のために、庁内の職員に対して不要となったクリーニング済みのスーツ提供を呼びかけるなど、手厚く支援が行われていると感じます。しかし、自立は簡単なことではありません。この事業においての成果と今後の課題についてお聞かせください。
また、今後、就労した方の就労継続のための支援が必要になると思いますが、具体的にどのような支援が必要とされているか、当局のお考えをお聞かせください。
また、昨年度、家計相談支援事業の利用者が少なかったようですが、支援が必要な方が事業を利用されなかった理由と事業の改善点について、当局のお考えをお聞かせください。
次に、障害者就労支援施設コンサルティング事業について質問いたします。
この事業は、スタートの時点で地方創生先行型交付金が充当され、安定した雇用の創出や工賃向上を目指し、取り組まれました。サービスの改善や売れる商品づくりを目指してこられたものと思います。新商品の開発や加工、販売などの新たな分野への進出といった取り組みが一定の成果を上げるまでには時間が必要であり、さまざまな問題があると思いますが、最近では障害者就労支援施設における農業の現場と福祉の現場が連携する農福連携や6次産業化が進んでいるところもあるようです。経営感覚を持った施設運営が必要と考えます。この事業を活用した障害者就労支援施設の取り組み状況と今後の展望についてお聞かせください。
政策目標2、未来を担う人が育つまちに関する施策において、学力向上支援教員配置事業について質問いたします。
まちづくりは人づくりからという藤原市政のお考えのもと、伊丹の将来を担う子供の教育の充実が図られています。今年度の全国学力・学習状況調査の結果では伊丹の子供たちの学力が昨年度よりも上昇し、良好な結果となっていました。これまでに取り組まれた学力向上支援教員の配置による少人数指導や複数指導を初め、ことば科の創設や読書指導員の配置、あわせて給食の実施や施設の耐震化など、ハードとソフト両面の充実による成果であると思います。高い教育を提供することは重要ですが、学力の格差への対応も必要であると思います。社会的、経済的困難を抱えている家庭等の子供の学力が低位となる傾向があると言われていますが、子供たちの多様な学力差や一人一人の学習課題に応じたよりきめ細かい教育を実現するためには、丁寧な対応が重要です。学力格差の是正に向けた具体的な取り組みについてお聞かせください。
次に、市立伊丹高校における特色ある取り組みについて質問いたします。
平成27年度に学区が統合、再編され、中学生の進路選択が広がったことにより、高校各校が特色づくりをし、教育の質の向上を競う時代となりました。市立伊丹高校では、その対応としてより一層の特色化や活性化を図るため、卒業論文の作成やイングリッシュキャンプや放課後特別学習の実施など、日本の国際競争力向上の鍵となるグローバル人材の育成に力を入れ、生徒や保護者から選ばれる魅力ある学校づくりが推進されています。高校生が早期から自分の将来像を描き、自分の目標が実現できるような取り組みはすばらしいものだと感じております。これらの取り組みの成果や、生徒や保護者の評価についてお聞かせください。
政策目標3、にぎわいと活力にあふれるまちに関する施策において、空き店舗出店促進補助について質問いたします。
安全・安心な暮らしや子育てのしやすさなど、伊丹の魅力となるさまざまな事業が推進されていますが、伊丹の活性化につながる中小企業の創業支援についても、市が推進役となって積極的に取り組む必要があると考えます。元気な商業者が伊丹に根を張ることで雇用機会が創出され、地域産業の基盤強化により生活の維持、可能性が高められ、ひいては人口の増加につながります。中心市街地の空き店舗での新規出店補助の実施は一定の効果があると思われますが、家賃等の補助が終了すると同時に閉店となってしまう場合も見受けられます。補助の効果については、どのように評価されているのでしょうか、今後の展開についてもあわせてお聞かせください。
次に、若年者就労サポート事業について質問します。
若者が希望を持って活躍できる社会の実現のため、就職を希望する若年の無業者、いわゆるニート等の若者に基本的なビジネススキルを習得してもらう講座や職場体験、実習の場を提供し、職業的自立を支援されています。さまざまな事情で無業者となっているものの、就職意欲のある若者への支援であるため、これらのプログラムへの参加を通じて働くことに対する自信や意欲の向上、実際に就職に結びつく可能性が大きいと思います。この事業をスタートして数年が経過していますが、募集や応募の状況、事業の効果、また、今後の事業展開についてお聞かせください。
政策目標4、環境が大切にされ、暮らしやすさと調和したまちに関する施策において、転入促進事業について質問いたします。
三世代同居や近居を促す転入促進事業については、公明党が提案し、実施となった事業であり、親世代の孤立を防ぎ、子育てや介護の自助、共助を推進するための転入、定住を支援し、若い世代の人口流入の促進を目指すものです。事業のスタートが年度途中であったため、十分な効果は得られなかったと思われます。市バス内のつり革広告や市広報で事業の紹介を見ましたが、ほかに効果的なPRは行われているのでしょうか。また、転入に伴う事業の成果と今後の事業展開についてお聞かせください。
次に、自転車レーンの整備について質問いたします。
近年、自転車は、健康志向の高まりや環境負荷の低い交通手段として見直されており、特に伊丹市は地形がなだらかなため、通勤、通学や日常の移動に自転車が重要な役割を果たしています。また、残念ながら自転車利用と比例して自転車関連事故が多いのも特徴です。このような状況を踏まえ、自転車や歩行者が安全に安心して通行できるように、歩道から分離された自転車の通行空間として自転車レーンの整備が進んでいます。
そこでお伺いいたします。現在の自転車レーン整備状況と今後の県道、市道をあわせた計画期間及び整備延長をお聞かせください。
また、逆走や高速走行など、必ずしも安全走行されているとは言えない状況であることも市民の方からお聞きしております。自転車関連事故の低減と安全性の向上のためには、現在の利用状況の問題点を明らかにし、自転車と歩行者が安全に安心して通行できる環境に向けた新たな対応が必要です。自転車レーンの利用の徹底が図られるようにするための方策をお聞かせください。
次に、駐輪啓発指導事業について質問いたします。
伊丹の中心市街地では、「少しだけなら」、「自分だけなら」という気持ちで一人が自転車を放置することにより、たちまち放置自転車がふえていき、そうなると放置することへの罪悪感は薄れ、放置が放置を呼び、歩行者の通行の妨げになるという悪循環に陥っていました。一昨年より放置自転車の対策を強化し、駐輪場案内の声かけを積極的に行うなど、さまざまな取り組みが推進された結果、今では駅前の放置自転車が激減し、私が御相談を受けておりました視覚障害者の方や高齢者の方から、駅前が通りやすくなった、安心して歩けるようになったなど、放置自転車対策を評価するお声をお聞きしております。駐輪ラックの設置やJR伊丹駅前の機械式立体自転車駐輪場の整備等ハード事業は、計画された供給量に達すれば終了となりますが、放置自転車対策の効果を持続させるため、駐輪啓発指導事業や自転車交通安全教室の実施など、ソフト事業については、市民や地域との協働とさまざまな手法や場面を活用しながら、継続する必要があると考えます。今後の放置自転車対策についてのお考えをお聞かせください。
以上で1回目の質問を終わります。
○副議長(保田憲司) 藤原市長。
◎市長(藤原保幸) (登壇)私から、平成28年度の市政全般の総括評価に関する御質問にお答え申し上げます。
平成28年度は、私も市長として3期目の任期の最終年度でありました。市民の皆様にお約束申し上げたマニフェストに掲げた事業の総仕上げに取り組むとともに、第5次伊丹市総合計画後期事業実施5カ年計画の初年度として、また、伊丹創生総合戦略の本格実施の年として市の将来像「みんなの夢 まちの魅力 ともにつくる 伊丹」の実現に向け、さまざまな施策を進めてまいりました。特に公明党会派の皆様初め、多くの市民の方々から御要望いただいておりました中学校給食につきましては、食物アレルギー対応専用調理室を備えた中学校給食センターを完成させ、本年6月よりスタートさせることができました。また、保育所待機児童対策につきましては、平成25年7月に待機児童ゼロ対策推進班を設置し、対策を強化し、民間保育所を積極的に誘致したことなどによりまして、本年4月、阪神7市で唯一、待機児童ゼロを達成することができました。これもひとえに市民の皆様はもとより、ともに歩みを進めていただいた議員各位の理解と御協力のたまものでございますことを、この場をおかりして厚く御礼申し上げます。
このような中、本年5月に実施いたしました市民意識調査におきまして、本市の住みやすさと定住志向についてお尋ねしたところ、住みやすいと御回答いただいた方が昨年度より5.9ポイント上昇し、85.4%に、そして伊丹に住み続けたいと御回答いただいた方が3.8ポイント上昇し、86.3%になりました。これは、近隣各市の同様の調査と比べましても高い値の結果となっておるところでございます。
また、伊丹創生総合戦略に位置づけました事業の評価をお伺いしたところ、21項目中18項目で昨年度を上回る評価をいただいており、特に評価が高かった上位5つの項目といたしましては、駐輪ラックの設置等による駅前駐輪対策、市民と事業者と連携したイベントの実施によるにぎわいの創出、安全・安心の見守りカメラの整備等による安全なまちづくり、地域の安全を地域で守るための活動の促進、健康遊具の整備や各種検診の充実の順になっておりまして、多くの方から取り組みが進んでいると感じるとの評価を頂戴したところでございます。このように、これまで進めてまいりました人づくりと安全・安心のまちづくりを中心に据えた取り組みの効果が確実にあらわれてきているものと受けとめております。
そして平成30年度に向けた市政運営の方向性でございますが、市民の皆様と行政が課題を共有しながら、ともに考え、行動する参画と協働によるまちづくりを実現するため、私の政治信念であります現場主義を基本姿勢とし、全ての幼児に対して質の高い教育を提供するための幼児教育の段階的無償化やかねてより御要望いただいておりますこども医療費助成対象の拡大、そして高齢者市バス無料パスの継続、さらには高次医療救急体制の充実や伊丹空港の国際化など、この4月の市長選挙でお示しいたしましたマニフェストの重点施策を初め、各種施策の早期実現に向けまして全力で伊丹のまちづくりに取り組んでまいりますので、これからも御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
私からは以上でありまして、他の御質問につきましては、担当部長等より御答弁申し上げます。
○副議長(保田憲司) 後藤財政基盤部長。
◎財政基盤部長(後藤和也) (登壇)私から、平成28年度一般会計決算に関する総括及び今後の見通しについてお答えいたします。
平成28年度は、中学校給食施設整備事業を初め、安全・安心見守りネットワーク事業やシティプロモーション推進事業など、伊丹市総合計画及び伊丹創生総合戦略に基づくさまざまな施策、事業を展開するなど、有利な財源を活用し、次世代のために必要な施策に積極的に投資するとともに、新行財政プランの計画期間の初年度として新たな財政指標の目標達成に向け、健全な財政運営に努めました。特に国の経済対策に伴い、国庫補助金や補正予算債など、有利な財源を活用して中学校給食センター整備事業や学校の大規模改造、空調改修事業など、総額約30億4000万円規模の緊急経済対策事業を実施し、将来の市民負担を約7億4000万円軽減することができました。こうした取り組みの結果、一般会計決算は歳入総額729億9954万円に、歳出総額711億4588万円となり、歳出の決算規模が、震災復興事業がピークであった平成10年度以来、18年ぶりに700億円を超えるとともに、形式収支から翌年度に繰り越すべき財源を除いた実質収支は5億7636万円で、39年連続の黒字を確保することができました。
歳入の概要についてですが、その根幹をなす市税収入は、景気回復に伴う納税義務者数の増加等の影響から、前年度に比べ0.8%増の302億1037万円となりました。今後、社会全体の少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少等による市税収入の大きな伸びが期待できないことから、引き続き市税徴収率の維持、向上に努めるとともに、ネーミングライツ事業や広告事業など、官民連携による自主財源の確保等についても積極的に推進していく必要があるものと考えております。
また、国庫支出金及び市債については、国の経済対策に基づく有利な財源を活用し、普通建設事業等を積極的に実施したことから、それぞれ前年度に比べ11.7%増、23.7%増とどちらも大幅な増加となっております。今後も市民負担の軽減につながる有利な財源を確保するため、引き続き社会経済情勢や国の動向等を注視し、機を逃さず対応できるよう、平素より事業実施の準備に努めていきたいと考えております。
一方、歳出の概要についてですが、歳出決算総額に占める割合が最も高い扶助費は、保育所等の施設型給付費や保育委託料、障害者自立支援給付費等の増加により、前年度に比べ3.4%増の204億9326万円となり、歳出全体に占める割合は約3割に達しています。高齢化の進展など、社会状況の変化によるもののほか、児童手当の創設や子ども・子育て支援新制度の実施など、国の制度改正等の影響もあり、扶助費の総額はここ20年で約3.2倍に増加しており、平成14年度以降、15年連続で過去最高を更新しています。今後もさらなる少子高齢化の進展に伴う社会保障関係経費の増嵩により、扶助費の増加は続くものと見込んでおります。
また、普通建設事業費については、国の経済対策に伴う事業の積極的な実施により、前年度に比べ53.0%増の74億1690万円となり、大幅に増加しております。今後も高度経済成長期に建設した公共施設等の更新、老朽化対策として、本市では公共施設マネジメントの取り組みを積極的に推進することとしていることから、普通建設事業費の中長期的な増加は今後も避けられないものと考えております。
次に、基金残高と市債残高についてですが、まず、市の貯金に当たる財政調整基金は、平成28年度末残高が国保勘定分も含め77億769万円となりました。行財政プランでは基金の積み立て目標を標準財政規模の20%以上としておりますが、平成28年度決算時点では19.3%となっております。また、市の借金に当たる市債は、平成28年度末残高が前年度に比べ1.0%減の628億1490万円となり、微減でしたが、普通交付税の代替である臨時財政対策債を除く普通債の残高は、償還の進捗に伴い、前年度に比べ4.4%減の312億2243万円となっております。
次に、主な財政指標についてですが、経常収支比率は前年度に比べ0.1ポイント改善して93.9%となり、行財政プランの目標値である95%以下を堅持することができました。また、実質公債費比率は前年度より0.1ポイント増の8.5%、将来負担比率は前年度より9.4ポイント減の4.9%となり、本市の財政状況は一定良好な状態を維持することができていると認識しております。
これらのことを踏まえまして平成28年度の決算を総括しますと、経済対策を活用し、積極投資と健全な財政運営の両立を実現した年度であったと考えております。しかしながら、議員御指摘のとおり、本市は中長期的に財政に大きな影響を与える課題に直面しています。そうした課題に対応しつつ、自立的な財政運営を長期的に維持していくため、行財政プランでは、既存の事務事業の見直しによる経費節減や新たな財源の創出等について取り組むとともに、地域経済の好循環につなげるための伊丹創生総合戦略の推進に係る投資や公共施設マネジメントの実施に伴う投資を積極的に行うことにより、中長期的な歳入の確保や歳出の削減を図り、新たな行財政改革に取り組むこととしております。地方財政を取り巻く環境は依然として厳しい状況にありますが、財政の安定性、自立性の確保と健全な財政基盤の構築に向け、行財政プランに掲げる取り組みを着実に実行し、将来を見据えた持続可能な行財政運営の実現を目指してまいりたいと考えております。
○副議長(保田憲司) 松浦危機管理担当市長付参事。
◎市長付参事(松浦実) (登壇)私から、避難所井戸設置事業に関する御質問にお答えします。
近年、議員御案内のとおり、日本各地で台風の大型化やゲリラ豪雨、そして大地震など、従来では考えられない災害が多発しており、避難所においてはエコノミー症候群や脳梗塞、感染症などでお亡くなりになる、いわゆる関連死が問題になっております。感染症に関しましては、水洗トイレが機能しなくなることで排せつ物の処理が滞り、排せつ物における細菌で感染症や害虫の発生が引き起こされることが指摘されています。また、エコノミー症候群や脳梗塞は、避難所等においてトイレが不衛生であるために、トイレの使用をためらい、排せつを我慢すること、また、水分や食品摂取を控えることが原因であるとされています。つまり、避難所におけるトイレ環境の問題は、高齢者など、配慮が必要な人たちにとって衛生環境の悪化は生命にかかわる問題となります。このようなことから、避難所における生活用水、特にトイレ用水の確保を目的に、避難所井戸の設置事業を進めているところです。
そこで避難所井戸の維持管理や補修についての御質問にお答えします。
井戸の修繕などの維持管理は危機管理室の所管とし、校庭の水やりや防災教育などへの活用など、日ごろの井戸に活用につきましては、危機管理室が作成しました操作方法や井戸管理方法などを記載したマニュアルに沿って、小学校で行っていただくこととなっております。今後とも各小学校に対してメールや電話などで定期的に井戸の活用状況などを確認するなど、適切に維持管理してまいります。
次に、校内に井戸が設置されたことは、児童たちに災害に対する備えの大切さや防災に対する意識も高まったのではないかとの御質問にお答えします。
水道水が当たり前になっている現在において、確かにポンプでくみ出す井戸水というものは小学校の児童にとってとても珍しいものでもあるようで、小学校の児童に大変興味を持っていただいているように聞いております。実際、瑞穂小学校では、小学生が井戸水をポンプでくみ出しているのを、職員が拝見しましたが、どの児童も井戸に対して大変興味を持っていたようで、我先に競って井戸のポンプを使っていたと聞いております。災害時には、ふだん当たり前だと思っている水や食料も手に入らなくなります。防災用の井戸に関心を持ってもらうことで、ふだんは当たり前だと考えている水や食料も、一たび災害が発生すると、簡単には手に入らなくなるということを感じてもらって、平時から災害時に備えて備蓄するなど、自助の精神が養われることを期待しております。
今回、17小学校に井戸を設置してまいりましたが、実際に避難所のトイレに活用するには、くみ出した水をトイレまで運搬すること、トイレの前に設置したポリバケツに水をためること、トイレを使用する人がトイレの前に置いてあるバケツに水をくんでから、トイレに入ること、そして用を足した後にバケツの水を流すことなどが必要で、それら一連の作業を市民に啓発することが大切になってまいります。本市としましては、来年1月に実施を予定しております総合防災訓練において、避難所井戸を活用した防災訓練を計画しており、今後さまざまな機会を捉えて市民啓発を行ってまいりたいと考えております。
阪神・淡路大震災を契機に、防災対策における自助、共助に特に注目が集まることになりました。児童たちに災害に対する備えの大切さや防災に対する知識が深まるよう取り組んでまいりますので、御理解賜りますよう、よろしくお願いいたします。
○副議長(保田憲司) 桝村安全・
安心施策推進班長。
◎安全・
安心施策推進班長(桝村義則) (登壇)私からは、安全・安心見守りネットワーク事業についての御質問にお答えいたします。
議員御案内のとおり、本市では犯罪の抑止、事件・事故の早期解決等を目的として安全・安心見守りカメラの整備を、平成27年度に先行3小学校区から着手し、平成28年度末には市内全域で1000台の整備が完了いたしました。さらにカメラとともに、子供や徘回する認知症高齢者等を見守るために、ビーコン受信機を内蔵し、位置情報を保護者にお知らせするまちなかミマモルメのサービスを開始しており、カメラとビーコンをあわせた安全・安心見守りネットワーク事業を展開しております。当該事業の成果といたしまして、刑法犯認知件数が平成27年と平成28年を比較しますとマイナス17.5%となっており、兵庫県全体のマイナス10.5%と比べて、着実に効果があらわれてきているものと認識しております。
1点目の御質問のミマモルメの利用者の拡大についての見解についてでございますが、これまで阪急伊丹駅及びJR伊丹駅の掲示物、市庁舎のエレベーターや市バスのラッピング、市ホームページや広報への掲載、さらには事業の概要をまとめたリーフレットやポスターの作成、配布など、さまざまな媒体を活用しながら利用者の拡大に努めているところでございます。さらに今年度には小学1年生を対象とし、初期登録料と月額利用料が無償となる利用促進キャンペーンを実施しております。これにより、1年生の間は無償でまちなかミマモルメを体験していただき、少しでも多くの方々にこの仕組みの有効性を実感していただくことで、利用者の拡大とともに、まちなかミマモルメのPRにもつながるものと考えております。認知症高齢者へは、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所のケアマネジャーなどの関係機関へ周知の御協力をお願いしております。
その効果として、平成29年2月末で小学1年生は287人で15.5%の利用率でありましたが、8月末現在で590人増の877人で49.2%まで加入率が向上しており、このキャンペーンを数年続けることで、利用者の拡大は一定図れるものと認識しております。また、認知症高齢者や障害者の利用につきましても、8月末現在で169人と2月末より76人増加しております。
2点目の広域連携についてでございますが、市内のみで機能するだけでは十分でないことは導入当初から意識しており、まちなかミマモルメにつきましては、近隣市にも導入していただき、とりわけ阪神間で広域での見守りができることを目標としております。そのため、阪神市議会議長会や阪神・丹波市長会及び副市長会、西宮市や豊中市を初めとした近隣市の担当部署への説明や働きかけを行っております。
それらの成果として、議員から御紹介のありました加古川市が同様の事業を実施することに結びつき、本市からは遠方にはなりますが、加古川市で本市のビーコンが検知できるようになる見込みでございます。今後とも近隣市や関係機関に働きかけるとともに、PPPの手法により自動販売機を活用することで、市の負担なく検知箇所を増設するなど、本市の取り組みが他市に魅力として感じていただけるようになることで、本市と同じシステムの導入促進につなげ、広域での見守りが実現できるよう、積極的に取り組んでまいります。
○副議長(保田憲司) 坂本健康福祉部長。
◎健康福祉部長(坂本孝二) (登壇)私からは、伊丹市総合計画後期事業実施計画、政策目標1、支え合いの心でつくる安全・安心のまちに関する御質問のうち、後発医薬品利用差額通知サービス導入について及び生活困窮者・生活保護受給者就労準備支援事業について並びに障害者就労支援施設コンサルティング事業に関する御質問についてお答えをいたします。
初めに、後発医薬品利用差額通知サービスの導入についてでございますが、議員御案内のとおり、本市は伊丹市医師会の御協力をいただき、平成28年度から後発医薬品利用差額通知サービスを開始いたしました。サービスの実施概要といたしましては、高血圧や脂質異常症等の生活習慣病で長期にわたり服用する医薬品について、現在処方されている薬を後発医薬品に切りかえた場合、被保険者の皆様の支払う薬代に100円以上の差額が生じる場合に、通知を行うというものでございます。平成28年度の事業実績といたしましては、3回に分けて2634人に後発医薬品差額通知を送付したうち、約14%に当たる369人が後発医薬品に切りかえられました。その結果、国保全体の数量シェア率におきましては、対前年度比5.6%増の62.2%となり、国の平成28年度の目標値の60%をクリアすることができました。
議員お尋ねの本サービスの効果についてでありますが、費用面で申しますと、被保険者の皆様の医療費の負担削減額は約133万円、保険者としての医療給付費の削減額は約375万円となりました。なお、保険者として本サービスを実施するために必要な事務経費が約44万円でございましたので、実質的な保険者の効果額は約331万円となっております。
次に、ジェネリック医薬品希望カードの利用促進に関する本市の考えについてでございますが、ジェネリック医薬品を希望するものの、どうすればよいかわからない方や口頭で直接伝えにくい方などには、このカードを医療機関や薬局に御提示いただくことにより、ジェネリック医薬品を希望している意思を気軽に伝えることができるため、大変有効な利用促進策であると認識いたしております。本市では、これまで毎年11月の保険証更新時にパンフレットと一体となったジェネリック医薬品希望カードを送付し、利用していただくように対応してまいりましたが、今年度からさらに保険証や診察券あるいはお薬手帳に簡単に張ることのできるジェネリック医薬品希望シールもカードとあわせて送付させていただくことを予定しております。家計にも国保財政にも優しい後発医薬品を被保険者の皆様に御利用いただけるよう、本市は、これまで以上に窓口での案内に加え、広報紙への掲載や保険証更新時のパンフレットの送付など、さまざまな機会を捉えて周知、啓発を進め、国が目標に掲げている後発医薬品の使用割合80%の達成に向け、今後も利用促進に努めてまいります。
次に、生活困窮者・生活保護受給者就労準備支援事業及び家計相談支援事業についての御質問にお答えいたします。
まず、就労準備支援事業の成果についてでございますが、平成28年度の利用者27人のうち、就労体験を経て一般就労につながった方が生活困窮者で2人、生活保護受給者で3人おられました。残る22人の方につきましても、社会参加機会の増加や生活習慣の改善、自立意欲の向上、対人関係や家族関係の改善など、全ての方に前向きな変化が認められました。このように事業の利用により社会参加の機会の増加や自立意欲の向上が見られ、さらには就労へとつながっていることは大きな成果であると考えております。
次に、課題といたしましては、就労支援を必要とするものの、就労への不安が大きい対象者に対し、事業の適切な利用を図っていくことでございます。本事業の利用に向けてのアセスメントの段階から、担当者だけでなく就労支援員が面談に加わり、専門的な助言を行うことで対象者の不安を解消するとともに、その方の適正を見きわめ、事業を効果的に利用できるよう取り組んでいるところでございます。
次に、就労継続のためにどのような支援が必要とされているかについてでございますが、新しい環境で働き出した方はさまざまな不安や悩みを抱えていることが多くあり、まず、その気持ちに寄り添うことが必要でございます。そのため、就労ができた方についても一定期間、面談や電話による職場での状況の確認や相談などを行い、就労継続のための支援を行っております。また、本市の無料職業紹介により就職した場合には、事業所と直接連絡をとることで利用者の抱える問題への対応を図ることができます。例えば利用者が自分の意見や希望を的確に伝えられず、職場であつれきが生じた場合には、本人の意向を正しく伝えたり、利用者が上司や同僚からの指示や伝達を本来の意図とは違う意味で受けとめて悩んでいる場合には、利用者に事業所側の本来の意図を説明して理解を促すなど、両者のすれ違いを修正することで、職場での人間関係の問題の解消や雇用関係の調整を図り、就労が継続できるよう支援しているところでございます。
次に、家計相談支援事業の利用者が少なかった理由についてでございますが、対象者自身が事業の利用に同意しなかったケースが多かったことが上げられます。この事業は、家計の収支というデリケートな情報を確認することになるため、対象者が警戒感を抱いてしまい、利用がつながりにくい状況がございました。このため、収支の管理という面を強調せず、子供の修学資金の積み立てや債務あるいは公租公課の滞納解消など、将来的な目標を達成するための前向きな手段として説明することで、利用の促進に努めているところでございます。昨年度家計相談支援事業を利用された方は、公租公課や公共料金の滞納の解消など、生活の立て直しに着実に成果が上がっております。今後とも支援が必要な方が事業の利用につながるよう、本事業の取り組みを進めてまいります。
次に、障害者就労施設コンサルティング事業に関する御質問についてお答えいたします。この事業は、障害者の経済的自立に向けて一般就労への取り組みに加え、非雇用の形態で働く障害者の収入である工賃を引き上げるため、障害者就労施設の個別の事業の課題解決に向け、専門家を希望する施設に派遣し、社会需要を見据えた商品開発や販売等について指導、助言を行う事業として、平成27年4月から取り組んでいる事業でございます。
本事業に伴う障害者就労施設での成果は、一部につきまして申し上げますと、知的障害者就労施設では、新商品の開発などに食品開発の専門家を派遣し、たみまるレモンを加工したレモンピールを用いた新商品として老松酒造と連携し、マドレーヌを開発いたしました。レモンピール自体の卸販売も行い、大阪の堂島の菓子店で商品化され、レモンジェットとして販売されました。
また、お弁当の製造をしている精神障害者就労施設では、お弁当の質を維持した上で原価率を引き下げる工夫について指導を受けたことにより、利益が前年度比20%増加し、その結果、利用者への工賃支払い実績も上昇しております。さらに食品開発専門家のアドバイスにより、冷凍冷蔵庫など、大型設備の投資も実施し、備蓄による工程簡素化と原価低減も実現しました。
また、別の知的障害者就労施設には、農作物加工に関する新事業の立ち上げ支援として、ウメ輪紋病により南京桃を栽培できなくなった東野地区の農家の皆さんと連携し、サツマイモの6次産業化の取り組みを支援しました。協働しての干し芋の製造に取り組み、これをスマイル阪神で販売したところ、平成27年度に960袋完売し、さらに平成28年度には生産効率を上げるために乾燥機を導入したことにより、製造量が大幅に伸び、1680袋と約1.8倍に増加しました。サツマイモ生産者との連携がきっかけで、農協や兵庫県農業普及センターにつながることができたのも大きな成果です。乾燥機を導入したことが他市の農業家にも知れるところとなり、加工に関する商談が持ち上がるなど、新たな連携の可能性も広がっています。
新しい取り組みを始めた施設の職員は、企画を実行に移すことによって得られる成果を実感しております。施設の職員が障害者への支援に加え、経営感覚を磨くこと、新たな事業に取り組むことは簡単なことではございませんが、今回のコンサルティング事業の取り組みを通して施設職員が達成感により自信を育み、新たな企画へのモチベーションを高めておりますので、施設にとりましての人材育成にも成果が出ていると評価いたしております。
この専門家の派遣事業は、平成29年度で一旦終了し、平成27年度からの3年間の取り組み成果を検証していきたいと考えております。一方、引き続き、物品の購入や役務の提供等について、障害者就労施設からの優先調達の推進、また、これら施設が提供するサービスのアピール、さらには市役所地下1階売店「ぷちばとー」の継続設置を行い、障害者就労施設で働く方の工賃向上に対する支援に引き続き努めてまいりたいと考えておりますので、御理解をくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
○副議長(保田憲司) 教育委員会事務局、村上学校教育部長。
◎教育委員会事務局学校教育部長(村上順一) (登壇)私からは、まず、学力向上支援教員配置事業についての御質問にお答えいたします。
議員御案内のとおり、本市では伊丹の未来を担う人材の育成を目指し、伊丹市第2次教育振興基本計画において、子供の生きる力を育む魅力ある学校教育を施策目標に掲げて、教育の充実に取り組んでおります。教育委員会におきましても、全国学力・学習状況調査が実施されて以来、調査結果の分析を行い、子供たちの状況把握に努めてまいりました。その中で明確になった課題の一つが学力格差でございます。本市の全ての子供たちがよりよい環境で学習できる機会の充実を目指し、平成28年度からきめ細やかな教科指導を通じて、児童生徒の基礎学力の定着を図ることを目的とした学力向上支援教員配置事業を実施してまいりました。
本事業は、教員免許を有する市費の学力向上支援教員4名を本市教育委員会が指定する小学校に配置し、担任とのチームティーチングや少人数指導等による教科指導、放課後や長期休業中の補充学習指導などを行い、児童の学力向上を目指すものでございます。現在、派遣している学校では、算数の授業における同室複数指導や少人数指導を行い、基礎基本が定着していない児童への個に応じた支援や、どの児童も質問しやすい環境を整え、一人一人の学びの充実を図っているところでございます。あわせて、日々の授業で把握している子供たちの学習理解状況や一人一人の課題を踏まえた放課後や長期休業中の学習会等での指導を実施することにより、それぞれの児童の実態に合わせた効果的な個別指導を行っております。
ことし4月に実施いたしました全国学力調査においては、総合平均正答率が小・中学校ともに上昇傾向にあり、全国平均を上回りました。特に力を注いでまいりました学力低位層の割合や学力調査の無回答率において大きな改善が見られています。これは、各学校で学力向上支援教員を含めた教職員が学力に課題のある子供たちにより意識的にかかわり、わかるまで指導することを積み重ねてきた成果であると考えております。学習支援の取り組みにおいては、個々の子供との深いかかわりを大切にし、子供たちが「わかった」、「できた」と達成感を味わえるよう努めてまいりました。また、一人一人の小さな頑張りを認め、褒め、励ますことにより、子供たちの自尊感情や学習意欲の向上が図られております。今後も全ての教育活動を通じて子供たちが学習を通して達成感を味わい、課題解決に向けた意欲や学び合うことの意義やよさを実感できる機会を積極的につくりながら、主体的に学び続けることのできる力を育成してまいります。
続きまして、市立伊丹高等学校における特色ある取り組み事業についての質問にお答えをいたします。
議員御案内のとおり、平成28年度(後段に訂正発言あり)より学区が再編され、旧伊丹学区のみならず、尼崎、宝塚、西宮など、近隣各市の中学生も広い範囲で自分の学びたい高校を選んで受検できるようになりました。そこで各高等学校ではより一層、生徒や保護者から選ばれる特色ある学校づくりを推進しているところでございます。市立伊丹高等学校におきましては、これからますますグローバル化する社会に柔軟に対応できる人材を育成するため、語学力の育成を行うとともに、可能性への挑戦、伸びる力をより伸ばす教育の実践を学校教育目標に掲げ、グローバル人材育成プロジェクトに基づき、さまざまな取り組みを実践しております。
その1つ目は、総合的な学習の時間において第1学年から第3学年までの3年間を通して卒業論文を作成する卒論探求です。これは、生徒一人一人が人文系統や自然科学系統を初めとする多くの分野の中でみずから課題を設定し、情報を収集し、それを整理、分析し、まとめて表現できるようにするものです。第1学年では、研究課題決定のため、服飾、文芸、医学、サービス業など、多方面の専門家を講師に招いて講演会を実施し、論文を書くために、必要な幅広い知識や情報を収集する学習を行っています。そして第2学年では、みずからの課題についてグループ討議をしたり、発表したりしながら論文作成を開始いたします。これら全ての活動を通して生徒たちは積極性、チャレンジ精神、柔軟性などのグローバル社会に対応できる資質や態度を身につけていきます。昨年度の1年生は、これまでの活動で論理的に文章を書く技術を学び、自己表現をする意欲が高まりました。この取り組みは来年度に1期生が第3学年となるため、今後の成果に期待をしているところでございます。
2つ目は、グローバルコミュニケーションコースの1年生を主な対象とした市高イングリッシュキャンプです。英語の4技能、「読む、書く、聞く、話す」を向上させるため、ALTを活用した英語漬けの2泊3日のプログラムを組み、その中で生徒たちは主体的、対話的で深い学びを実践し、みずからの考えを発信する力、他者の意見を聞く力などを身につけています。最終日には全員にGTECを受験させ、身についた英語力をはかります。この活動で、生徒たちはふだんから英語を積極的に使う意識を身につけました。さらに2年生では、イングリッシュサマーセミナーとして1年次に得た技能を発展させたディスカッションやプレゼンテーションを取り入れ、相手に伝える力を伸ばしています。この活動を通して生徒は自分を見詰め直し、英語で自己表現をすることの大切さを学んでいます。
3つ目は、生徒の進路希望に対応するため、外部講師を招聘した放課後特別学習です。生徒たちは、部活動終了後、個々の希望に応じた各教科の講座を受講しています。平成24年度から始まったこの取り組みと教員の補習授業をあわせて行うことにより、自分の希望する大学等への進学率も上がり、進路実現の一助となっているところでございます。昨年度からは第1学年対象の講座も開講し、より早期から個別の進路希望を明確にした学習に取り組んでいます。また、学級担任が毎日、昼休みや放課後を使って、生徒と個人面談をするなど、生徒一人一人への手厚い対応を行うことにより、それぞれの生徒の進路に対する意識の向上が見られています。
昨年度の学校評価アンケートの結果では、「市高に入学してよかったと思う」と回答した生徒が27年度に比べ大きく9ポイント上昇し80%に、保護者が「子供を市高に行かせてよかった」と回答した割合も92%となり、選ばれ、満足される高校になってきています。これからもますます市立伊丹高等学校が、生徒が行きたい、保護者が行かせたいと思う高校になるよう、学校と市教育委員会が連携しながら取り組みを進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
なお、今申し上げた答弁の中で、市立伊丹高等学校における特色ある取り組み事業につきましての私の答弁の中で、平成28年度より学区が再編されと申し上げましたが、正しくは「平成27年度より」の間違いでございました。おわびして訂正申し上げます。
○副議長(保田憲司) 村田都市活力部長。
◎都市活力部長(村田正則) (登壇)私からは、政策目標3、にぎわいと活力にあふれるまちに関する施策並びに政策目標4、環境が大切にされ、暮らしやすさと調和したまちに関する施策のうち、転入促進事業についての御質問にお答えいたします。
まず、空き店舗に対する出店補助につきましては、商業集積地における空き店舗を解消し、商業の活性化とにぎわいの創出を図ることを目的として平成20年度から商店街等活性化事業補助制度のメニューに追加しており、これまでに31店舗に支援を行ってまいりました。平成28年度からは新たな中心市街地活性化基本計画がスタートいたしましたことから、中心市街地における空き店舗解消とにぎわい創出を目指し、一定の条件を満たした出店事業者に対しまして、家賃等を2分の1補助いたします新たな空き店舗出店促進事業補助制度へと移行いたしております。本制度につきましては、開始時の平成28年度の出店事業者には最大5年間、平成29年度は4年間、平成30年度以降は3年間にわたり補助するなど、近隣自治体と比較いたしましても有利な制度でございますことから、市内外を問わず、多くの事業者からお問い合わせをいただき、平成28年度には小売店や飲食店など、14店舗の出店につながったところでございます。とりわけ一時は空き店舗が目立っておりました伊丹中央サンロード商店街では、本制度の活用により精肉店が出店され、肉、魚、野菜の生鮮三品を扱う店舗が久しぶりにそろうとともに、若手事業者の方々が新たにカフェや雑貨店を出店されるなど、新しい世代の活躍により商店街の活性化が図られております。昨年度まで合わせて45店舗を支援いたしておりますが、本制度を起爆剤としてほかにも多くの新規出店が起こっておりますことから、創業の地として本市に興味を持っていただく一助となったものと考えております。さらにこれらの事業者が伊丹まちなかバルや伊丹郷町屋台村といった中心市街地で開催されるイベントにも積極的に参加されたことで、まちのにぎわい創出につながったのではないかと考えているところでございます。
今後の展開でございますが、議員御指摘のように、補助の終了とともに退店するような事態とならないよう、本年度からは補助金の交付要件として商工会議所が行う経営相談や産業・情報センターが実施する創業に係る講座の受講を必須としており、中小企業診断士等の経営の専門家を各店舗に派遣するとともに、関係機関とも連携して、店舗経営等の課題解決に向けた伴走型支援を行っているところでございます。今後ともさらなる商業集積の形成、中心市街地の活性化に向けてさまざまな取り組みを進めてまいりますので、御理解賜りますよう、よろしくお願いいたします。
次に、若年者就労サポート事業についてでございますが、仕事が長続きしない、あるいは離職して長らく時間がたち、就労に不安を持つ等の悩みを抱えているものの、決して就労意欲を失ってはいない若年者を対象として行っている事業でございまして、平成26年度に国の緊急雇用就業機会創出事業補助を活用してスタートし、平成28年度からは市単独事業として実施しております。
事業内容につきましては、職業理解やビジネスマナー、求人票の見方、応募書類の作成、模擬面接、パソコン操作の習得等の講義と職場体験実習、さらに就職面接会までを行っており、一連のプログラムを受講していただき、自己分析を進めることで就労、雇用のミスマッチを解消し、長く働き続けていただける職業についていただくことを目指しております。定員は1期当たり15名で、1年度で前期、後期の2期実施しておりますので、年間約30名、昨年度までの3年間で99名が参加されております。本事業の実施につきましては、若者の悩み相談や就職支援を行う地域若者サポートステーションを運営する認定NPO法人宝塚NPOセンターを受託者として実施しておりますことから、事業終了時に就職が決まらなかった方につきましては、引き続き専門相談員も配置されている同ステーションにおきまして就職につながるよう支援を行い、最終的な就職決定者を把握いたしているところでございます。
事業効果といたしましては、平成26年度では受講者数は36名、就職決定者は14名、就職決定率は39%、平成27年度では受講者数30名、就職決定者16名、就職決定率53%、平成28年度では受講者数33名、就職決定者16名、就職決定率48%となっており、受講者の約5割の方に就職いただくとともに、昨今の求人難の状況下、市内企業の皆様にも合同就職面接会に参加いただくことなどにより、求職者とのマッチングの機会を御提供できたのではないかと考えております。
今後の事業展開といたしましては、大きく変化していく社会状況に合わせて講座内容を見直していくとともに、市内企業の皆様にとりましては、人材確保のよき機会となっておりますことから、企業訪問等を通して本事業のさらなる周知を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますよう、よろしくお願いいたします。
次に、転入促進事業についてお答えいたします。
本事業は、伊丹創生総合戦略の主要事業に位置づけられており、本市に転入して親元に同居または近居する子世帯に対し、転入に係る費用を支援することにより、本市への人口流入と定住化の促進を図り、また、子育てや介護の自助、共助を促進することを目的としていることは御案内のとおりでございます。
昨年度以降、さらに効果的なPRが行われているのかとのお尋ねでございますが、他部局と連携した今年度の新たな取り組みといたしまして、本市オリジナル婚姻届つきのパンフレット「いたみでスタート新生活・ひとめでわかる婚姻届ぶっく」を本市の負担なく広告料をもって作成いたしております。本パンフレットには婚姻届の書き方に加えまして、子育て応援情報とともに転入促進事業を紹介しており、3000部を作成し、住宅政策課や市民課、支所、分室等の窓口等で配布いたしましたところ、新聞各紙にも写真つきで大きく掲載され、本事業のPRに大きく貢献したところでございます。
今後につきましては、JR伊丹駅前における柱へのポスター掲示や陸橋への路面広告設置、住宅政策課公用車へのラッピング施工等を準備中であり、さらなる周知に努めてまいりたいと考えております。
次に、転入促進事業の効果についてのお尋ねでございますが、まず、年度途中の8月1日からスタートいたしました昨年度の実績といたしましては、28世帯、86人の方が転入され、388万4000円の補助を行っており、予算執行率は25.9%でございました。今年度につきましては、昨年度からのPRが徐々に浸透した効果もございまして、8月末時点で35世帯、120人の方が転入され、既に昨年度実績を大きく上回っている状況であり、補助金額もリフォーム費用や建てかえに伴う除却費用の利用もございましたことから、582万8000円と大きく伸びており、予算執行率は42.4%と5カ月間で約半分を執行している状況となっております。さらに本事業実施前の昨年の1月から7月と本年の1月から7月の転入者数を比較いたしますと、7カ月間で341人、一月平均で約50人の増加となっておりますことから、本事業が人口流入の一助となっているものと考えております。また、少数ではございますが、アンケート調査からは、親に子供を見てもらえて助かったなどの声も聞こえておりますことから、子育てや介護の自助、共助を促進する一定の効果も生み出しているものと考えております。引き続き一層の事業周知に取り組んでまいりますので、御理解、御支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
○副議長(保田憲司) 大石都市交通部長。
◎都市交通部長(大石正人) (登壇)私からは、自転車レーンの整備及び駐輪啓発指導事業に関する御質問にお答え申し上げます。
本市は、平たんでコンパクトな地形であること、また、市域の西部や北部に鉄道空白地域が広がっていることから、日常生活の身近な交通手段として自転車を利用される方が近隣市と比較しても非常に多い状況となっており、近年では健康志向の高まりや環境に優しい乗り物としても、自転車が注目されているところでございます。こうした中、自転車利用者の安全性、快適性及び利便性の向上を図るとともに、多発している自転車関連の交通事故や、阪急伊丹駅やJR伊丹駅周辺において放置自転車問題を解消することを目的として、平成27年2月には伊丹市自転車の適正利用計画を策定し、また、平成28年3月には本計画を上位計画とした伊丹市自転車ネットワーク計画を策定し、自転車の安全利用についてハード、ソフトの両面からさまざまな取り組みを計画的に進めているところでございます。
最初に、自転車レーンの整備についての御質問にお答えいたします。
現在の自転車レーン等の整備状況につきましては、平成32年度までの整備目標を約14.7キロメートルとしておりますが、まず、市道におきましては、昆陽池千僧線における県道寺本伊丹線から国道171号を挟んで昆陽池公園入り口までの約1キロメートル、また、歩道上の通行部分指定として千僧昆陽線、山田伊丹線、西台中央線を合わせまして約1.5キロメートルを整備いたしました。また、新幹線側道では、県道尼崎池田線から阪急伊丹線を挟んで西へ尼崎市との市境付近までの約2.7キロメートルについて、車道混在型の形態、いわゆるナビマークで整備を行いました。
次に、県道におきましては、山本伊丹線では行基町の交差点から北へ約0.7キロメートル、姥ヶ茶屋伊丹線では大鹿交差点から瑞ケ丘交差点までの約1キロメートル、尼崎池田線では伊丹1丁目の交差点から南へ約1.8キロメートルを整備しており、市道、県道を合わせますと約8.7キロメートルが整備完了済みとなっております。
また、現在整備中の市道昆陽池千僧線、昆陽池公園入り口から昆虫館までの約0.7キロメートルにつきましては、本年10月上旬の供用開始を予定しております。一方、県道においては、山本伊丹線の整備済み区間から自衛隊南東交差点までの約0.3キロメートルと姥ヶ茶屋伊丹線の瑞ケ丘交差点から北へ県道中野中筋線までの約0.9キロメートルを今年度に整備する予定であると聞いており、整備済み延長と合わせますと約10.6キロメートルとなり、自転車ネットワーク計画の進捗率は約72%に達成する見込みでございます。
次に、今後の県道、市道を合わせた計画期間及び整備延長につきましては、市道は、今年度より小井ノ内交差点から南へ野間交番前交差点までの約1.4キロメートル区間の測量、詳細設計に着手してまいります。県道につきましては、山本伊丹線等の未整備区間約2.3キロメートルを整備していくとともに、都市計画道路塚口長尾線の昆陽南工区の約0.4キロメートルを新規事業着手していただく予定であります。
また、自転車レーンの利用状況につきましては、市内で最初に供用を開始した市役所西側の昆陽池千僧線の自転車レーンでは、整備前を含め、整備から約1カ月、約2年後と定期的に同位置において自転車レーンの利用状況を把握するため、自転車通行の実態調査を実施しています。具体的な内容としまして平日の午前7時から午後7時までの12時間で進行方向別に自転車が歩道、車道のいずれの部分を走行しているのかを計測するものでございます。整備後約1カ月後の調査では、自転車レーンを通行している自転車の割合は約40%、整備後約2年後の調査では約52%と増加傾向にあります。一方、自転車レーンを逆走通行している割合は、整備後約1カ月後の調査では約3%、整備後約2年後の調査では約1%となっており、多くの利用者が交通ルールを遵守している一方で、議員御案内のように、少数ではありますが、逆走や高速走行など、安全な利用が守られていないケースが見受けられます。
こうしたことから自転車レーン利用の徹底を図るべく、10月に供用開始予定の昆陽池千僧線においては、供用開始時に伊丹警察と連携し、指導、取り締まりの実施や啓発チラシの配布をあわせて行います。また、自転車レーンの現場においては、自転車の通行方法や通行位置をわかりやすく示した啓発看板を設置するなど、取り組みを進めてまいります。このほかにも小学校区を単位として開催している自転車交通安全教室や市内の大型商業施設での交通安全イベント等の機会を利用し、広報やホームページも効果的に活用することで、市内の自転車レーン設置路線やその通行方法等について広く情報発信し、今後も積極的に市民の皆様に周知を図ってまいります。
次に、駐輪啓発指導事業についての御質問にお答えいたします。
平成27年11月以降、伊丹市自転車の適正利用計画に基づき、阪急伊丹駅周辺への路上駐輪ラックの設置を初めとして駐輪啓発指導や放置自転車の撤去強化等、自転車施策パッケージとして一斉に取り組みを進めてまいりました。その成果として、議員御案内のとおり、阪急伊丹駅前では平成25年の調査時点で1000台を数えていた放置自転車が本年6月の調査では159台にまで激減し、安全で良好な駅前環境がよみがえりました。これにより、車椅子を利用される方や視覚障害者の方々からも通りやすくなったとのお声をお聞きするとともに、市民意識調査においても放置自転車対策は高い評価をいただいているところでございます。
この間に実施してきた対策としては、ハード事業としての路上駐輪ラックの設置が放置対策に大きな効果があったものと考えております。また、ソフト事業の代表的なものとして、路上駐輪ラックの設置に合わせて放置自転車の撤去についても、平日の午前中を中心としていた撤去時間を、休日や午後、夜間の時間帯にも実施するなど、強化を図りました。従来から実施している駐輪啓発指導事業についても、シルバー人材センターの会員による啓発指導に加えて、平成28年度より公募型協働事業として地域団体である伊丹小学校地区自治協議会の協力を得て、地域の状況を細やかに把握している地域の皆様による啓発指導を実施してまいりました。シルバー人材センターによる駐輪啓発については、駐輪指導員の配置がなくなる午後3時以降は放置自転車の数が一気に増加していた実態から、その配置時間を午後7時までに延長し、地域団体の皆様には朝の通勤、通学の時間帯における対策として特に放置が多く発生している地点を集中的に見回っていただくなど、時間帯やエリアを効率的、効果的に分担することで駐輪啓発指導事業として大きな成果を上げたものと判断いたしております。
また、市内の各小学校区を単位として実施している自転車交通安全教室では、これまで交通安全に特化した内容で説明は行ってまいりましたが、平成27年度以降は交通安全教室の中でも放置自転車に係る内容を盛り込むこととし、教室の受講者には市営自転車駐車場の御利用で、地域通貨制度いたみんポイントをためることができる自転車交通安全教室受講者証型いたポカードを配布するなど、さまざまな機会を捉えて放置自転車対策に取り組んでおります。
今後の課題といたしまして、JR伊丹駅周辺においては、現在整備中の機械式自転車駐車場の運用開始前に、一昨年に阪急伊丹駅周辺で実施したような駐輪啓発指導時間の延長や、放置自転車の撤去強化に取り組むことで、JR伊丹駅周辺においても、安全で良好な通行空間を創出してまいりたいと考えております。
さらに、いまだに放置自転車が散見されるエリアにおいてのハード事業として、県道阪急伊丹停車場線の沿道への路上駐輪ラックの設置についても、放置自転車の解消に向け、兵庫県と協議を進めるとともに、自動二輪用のラックにつきましても、利用者の御意見をお聞きする中で設置の可否について見きわめてまいりたいと考えております。
今後も一人一人の自転車利用者が自律し、自発的に駐輪場を利用するなど、駐輪マナーがしっかりと根づくまで、積極的な啓発指導を継続してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
○副議長(保田憲司) 山本議員。
◆14番(山本恭子) (登壇)多岐にわたり、さまざまな御答弁をいただきありがとうございました。
2回目は要望とさせていただきます。
市長より、市政全般について評価をお伺いいたしました。市民の皆様に約束されたマニフェストに掲げた事業の総仕上げを、職員の皆様とともに全力で取り組まれ、その結果が市民の方の高い評価につながったと思われます。平成30年度に向けた市政運営の一つでもあります、全ての幼児に対しての質の高い教育を提供するための幼児教育の段階的無償化を進めるに当たり、関連してさまざまな課題が出てくると思います。市長の政治信念とされる現場主義の姿勢を貫かれ、市民の方の声を丁寧にお聞きいただき、伊丹市の未来を、また、まちづくりを担う人づくりにさらに力を発揮していただき、市政の発展に努めていただくようお願い申し上げます。
次に、避難所井戸の設置維持管理についてでありますが、日ごろの井戸の活用に関しては、各小学校で危機管理室作成によるマニュアルに沿って、操作、維持管理が行われ、危機管理室からメールや電話等で定期的に井戸の活用状況を確認するなどして、適切に維持管理を行っていくとの御答弁がございました。メールや電話等で適切な維持管理ができるのでしょうか。もちろんふぐあいが発生すれば現場へ行かれると思いますが、災害はいつやってくるかわかりません。万全を期するためにも、大変ではあると思いますが、時々、各小学校へ足を運んでいただき、児童たちの笑顔にも触れていただきながら、井戸の点検をする等、丁寧な維持管理をお願いしたいと思います。
安全・安心見守りネットワーク事業についてですが、まちなかミマモルメの利用促進キャンペーン継続で、利用者のさらなる拡大を図りながら、広域連携での見守りが少しでも早く実現するよう、他市への積極的な働きかけをお願いしたいと思います。
障害者就労施設コンサルティング事業についてでございますが、専門家の方の指導、助言を受けることで、知的障害者就労施設での新商品の開発、精神障害者就労施設では、お弁当の質を維持した上での原価率を引き下げる工夫により利益がアップし、それが利用者への工賃支払い実績の上昇など、大きな成果を上げておられます。この事業は、この29年度で一旦終了ということですが、平成27年度から3年間の取り組み成果を十分に検証していただき、障害者就労施設で働く方の工賃向上につながり、また、その方たちが一般就労につながって、本当に経済的な自立につながるよう、今後とも切れ目のない支援をお願いいたします。
次に、学力向上支援教員配置事業についてですが、子供たちの多様な学力差や一人一人の学習課題等に応じた、よりきめ細かい教育を実現することが子供たちの学力と人間力を伸ばすためにもますます重要になっていると思います。小さな頑張りを認め、褒め、励ますことにより、子供たちの自信へつながり学ぶことの楽しさを感じられるように、今後も子供たち一人一人に焦点を当てた支援に取り組んでいただきますようお願い申し上げます。
最後、自転車レーンの整備事業におきましては、市内の自転車レーン設置路線や、その通行方法について、しっかりと積極的に市民の皆様に周知を図っていただき、本当に安心して走行できる自転車レーンの整備への取り組みをお願い申し上げます。
駐輪啓発指導事業についてですが、本当に今、整備された阪急伊丹駅前等、市民の皆様が安心して安全に通行をされております。駐輪マナーがしっかり根づくまで、粘り強く、この啓発指導を継続していただき、さらに市民の皆様が安全・安心に通行できる歩道の確保等にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
他の項目に関しましては、これから行われます決算委員会で意見をまた述べさせていただきたいと思います。
以上で代表の質問を終わらせていただきます。
○副議長(保田憲司) ここでしばらく休憩いたします。
〇午後 2時42分 休 憩
〇午後 3時10分 再 開
○議長(北原速男) 休憩を解いて会議を続けます。
次に、1番 小寺秀和議員の発言を許します。────小寺議員。
◆1番(小寺秀和) (登壇)ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、創政会を代表して質問を行わせていただきます。
今回は大きく5つのテーマについて伺いたいと思います。
まず1つ目のテーマとして、第5次伊丹市総合計画後期事業実施5カ年計画についてお伺いいたします。
平成28年度は第5次伊丹市総合計画の計画期間である平成23年から平成32年度までの10年間の中間点に当たり、後期事業実施計画の初年度でもあります。この事業実施計画は、市民が主体となったまちづくりの実現を基本目標として、支え合いの心でつくる安全・安心のまち、未来を担う人が育つまち、にぎわいと活力にあふれるまち、環境が大切にされ暮らしやすさと調和したまちの4つの政策目標からなり、それぞれにおいて具体的な事業が示されています。
そこで、前期事業実施計画での結果を受け、新たにスタートした後期事業実施計画の初年度における進捗状況の総括を市長にお伺いいたします。
次に、行政評価についてお伺いいたします。
本市の行政評価は、ただいまお伺いした総合計画の進捗管理を行うツールとしての役割も持っています。また、同時に効率的かつ効果的な市政運営を行うとともに、市政に関して市民に説明責任を果たすことを目的として実施しようとする施策及び事務事業の評価を行うものでもあります。行政評価報告書によりますと、平成28年度については112の施策と766の事務事業が事後評価の対象となっています。各施策や事務事業ごとの評価の詳細については、行政評価報告書に記載されていますが、平成28年度の行政評価の結果を総括した場合、主にどのような成果と課題を認識しましたでしょうか。
次に、スクラップ・アンド・ビルドについてお伺いします。
今後、少子高齢化の進行等により、厳しくなっていくことが予想される財政状況のもとで、財政の健全性を維持しつつ、住民の福祉の増進を図っていかなければならないという状況になります。そうした状況下では、行政サービスはあれもこれもではなく、あれかこれかの取捨選択が迫られる局面もふえてくると考えられます。時代の変化などにより、現状に適合しなくなった事業については廃止または縮小し、新たに提起した問題については新規の事業等により対応していかなければなりません。
そこで、事業の優先順位を判断するツールの一つとして、行政評価の活用が考えられます。行政評価の効果的な活用のためには、行政評価に事業の優先順位を判断するための指標が必要となります。
そこでお伺いいたします。本市の行政評価は事業のスクラップ・アンド・ビルドに資する情報を提供するものとなっていますでしょうか。また、平成28年度において、行政評価の結果、新規に開始または廃止した事業の例はありますでしょうか。
次に、外部評価の導入についてお伺いします。
適切な行政経営に資するため、内部評価を活用することも重要ですが、客観的かつ専門性の高い評価を行うためには、外部評価の導入も有効的と考えますが、当局の見解はいかがでしょうか。
次に、市民意識調査との連携についてお伺いします。
行政の目的は、市民福祉の増進であり、あらゆる行政サービスは最終的には住民のためにあります。そのため、市民満足度は各目標分野における最終的なアウトプット指標であると言えます。本市では、毎年、市民意識調査を実施しており、その調査目的について、市民の市政に関する満足度等の市民意識から政策的課題を把握し、政策形成に反映させるとともに、施策の効果検証を行うことで、市民ニーズを的確に市政に反映することとしています。この市民意識調査を充実させ、行政評価にも活用することで、より市民目線に立った評価を行うことができ、結果として市民サービスの向上につながると考えます。
そこでお伺いいたします。市民ニーズの反映や行政評価における適切な指標の設定のため、市民満足度の視点を、事業の計画や事後評価に取り入れていますでしょうか。
次に、2つ目のテーマ、平成28年度決算と行財政プランについてお伺いいたします。ここでは、主に一般会計の決算概要に関連してお伺いいたします。
平成28年度決算において、一般会計の歳入総額は約730億円、歳出総額は約711億円となっており、翌年度へ繰り越すべき財源を差し引いた実質収支は約5億7636万円の黒字となっています。実質収支は、地方自治体の財政運営の良否を判断する重要な指標ですが、本市では、昭和53年以降、39年間にわたり継続して黒字となっており、このことについては大いに評価するところです。
しかしながら、今後急速に少子高齢化が進行していくことが確実となっていることから、税収の減少と社会保障費等の支出の増大による将来の財政の悪化が懸念されます。
そこで、平成28年度決算に当たり、本市の財政状況の概要と主要な項目についての将来的な見通しに関する当局の認識について、数点お伺いいたします。
まず、市の収入である歳入についてですが、平成28年度の一般会計歳入総額は730億円であり、その根幹をなす市税収入は302億円と、前期比で微増しております。現在の社会情勢の中で、今後も市税収入を初めとする各種の歳入項目を安定的に維持していくことができるのかが懸念されるところです。
そこで、歳入の主要な内訳ごとの近年の傾向と変動要因及び平成28年度の特徴的な事象について教えてください。
次に、歳入のうち、地方交付税についてお伺いいたします。
平成28年度の地方交付税は、約56億円と、本市の歳入全体の7.6%を占めており、本市にとって不可欠な重要な財源の一つであります。しかし、国が厳しい財政事情の中で借金をしながら地方交付税を交付している中で、地方自治体が貯金である基金を増加させているという見方もあり、財務省は地方交付税の抑制を検討しています。これは地方交付税を重要な財源とする本市財政にとっては重大な懸念材料であります。このような地方交付税に関する国の動向に関して、今後の地方交付税の見通しと本市財政への影響についての当局の見解はいかがでしょうか。
次に、歳出についてお伺いします。
平成28年度の一般会計歳出総額は711億円と、18年ぶりに700億円を超え、中でも最も高い割合を占める扶助費は約205億円と、平成14年度以降15年連続で過去最高を更新し続けています。歳出に関しては、少子高齢化の進展による社会保障費の増大や、公共インフラの大量更新時代の到来による更新費用の増大に代表される重大な懸念材料が山積しております。このような社会情勢などを踏まえ、将来の財政負担について、努めて明確な見通しを立て、それに対処していく必要があります。
そこで、歳出の主要な内訳ごとの近年の傾向と変動要因、そして、今後の見通しについて教えてください。
次に、財政指標等についてお伺いいたします。
まず、経常収支比率について。経常収支比率は、財政の弾力性をあらわす指標であり、一般に本指標が低いほど財政の弾力性が高く、逆に高いほど財政が硬直していることを示します。本市の平成28年度の経常収支比率は93.9%となっており、行財政プランに掲げる目標値である95%以下を達成されています。この経常収支比率の適正水準については、一般的に70%から80%の範囲とされていますが、この適正水準とされる数値は、30年以上も前に設定された数値であり、現状に即していないとも言われています。すなわち、この適正水準とされる数値の設定当時が、法律に基づく施策中心に財政支出を行っていた時代であったのに対し、多種多様な市民ニーズに対応した施策が求められる現在にあっては、当該水準に固執して、経常収支比率を引き下げようとすると、現行の必要な施策を継続することも困難となります。
そこで、本市にとっての経常収支比率の適正水準についてお伺いします。
行財政プランでは、目標値を95%以下に設定されていますが、その根拠について教えてください。
また、平成23年度より5カ年連続で改善されていますが、その主な要因は何でしょうか。
次に、基金についてお伺いします。
基金は、特定の目的のため資金を積み立て、財産の維持や事業費の財源確保のため準備する自治体にとって貯金のようなものです。本市においても、将来に多額の財政負担を生ずるもののうち、予見性の高い項目については、その必要な財源をあらかじめ確保しておく必要があります。
本市の一般財源には、その目的に応じて13の基金がありますが、そのうち主要な基金である財政調整基金、公債管理基金、公共施設等整備保全基金、一般職員退職手当基金の4つの基金について、将来の必要水準と積み立てに関する当局の考え方及び平成28年度末時点における積み立て状況についてお伺いいたします。
次に、市債についてお伺いします。
市の借金に当たる市債については、平成28年度末の市債残高は620数億円であり、市債のうち普通債は、償還の進捗により減少していますが、一方で、臨時財政対策債の起債がふえているため、市債全体の残高には余り変化がない状況です。この点、普通交付税の代替として起債される臨時財政対策債は、その元利償還金分を国から交付税措置されることになっているため、実質的には市の借金ではないと認識されています。しかし、国から地方自治体へ交付される地方交付税の総額は、平成24年から28年度までの直近5カ年の間に、17兆5000億円から16兆7000億円まで、約8000億円減少している状況です。すなわち地方交付税の総額がふえない以上、臨時財政対策債償還金分が、将来の地方交付税に上乗せされて交付されるというわけではなく、交付額は現行水準のままに当該交付額における臨時財政対策債償還金分とその他の需用費との内訳が変化するだけとも考えられます。そうであれば、結局のところ臨時財政対策債の償還もまた、普通債の償還と同様に本市の将来の負担に帰すことになります。
そこで、臨時財政対策債の発行も抑制的であるべきと考えますが、当局の見解はいかがでしょうか。
次に、3つ目のテーマ、公共施設マネジメントについてお伺いします。
我が国の公共インフラは、高度経済成長期に整備されたものが多く、当該時期から五、六十年を経た現在、それらの更新時期が集中して到来することが全国的に大きな課題となっています。これは本市においても例外ではありません。本市では、この問題に対応するため、伊丹市公共施設白書や伊丹市公共施設等総合管理計画を策定されていますが、近い将来の公共施設等の更新費用について、どのような見通しを持っているかについてお伺いいたします。
例えば一世代と言われる今後の30年間平均で、現状と比べてどの程度更新費用が増加するでしょうか。
また、今後予想される公共施設等の更新費用について、どのような備えを行われておられるのでしょうか。
次に、野外活動センターのその後についてお伺いいたします。
野外活動センターは、平成28年度末をもって、伊丹市による運営を終了し、平成29年7月1日に、一般社団法人プラス・ネイチャーへ譲渡されました。当該法人への譲渡に際しては、今後10年間は従来どおりの施設運営や転地学習への協力を行うなどが特約として付されています。その後、半年近くが経過しましたが、譲渡先の運営状況はどのようになっていますでしょうか。また、転地学習等、本市市民の利用者への影響はどのようになっていますでしょうか。さらに、譲渡に伴い、河川周辺の原状回復工事が必要となっていますが、その状況についてもお聞かせください。
次に、4つ目のテーマ、子育て支援についてお伺いします。
まず、期中待機児童の状況に関しまして、平成28年度までの保育所整備等の継続的な取り組みの結果として、年度の変わり目である平成29年4月時点の待機児童は理論的にはゼロとなりました。しかしながら、4月の入園の時点で保育所の定員枠が埋まってしまうため、5月以降年度末までの期中においては、ほとんど入所枠がなく、期中に入所を希望する児童の待機問題はなお残っています。夫婦共働き家庭が増加する中、女性の職場復帰への大きな阻害要因となっているのが出産、育児と言われており、その対策として、待機児童問題の解消は不可欠なものです。この期中待機児童問題を解決しなければ、真に待機児童問題を解決したことにはなりません。
そこでお伺いいたします。平成29年5月以降における期中待機児童の状況はどのようになっていますでしょうか。
また、期中待機児童についての今後の具体的対策はどのようなものでしょうか。
さらに、この問題の解消に向けて、どのくらいの期間を見込んでおられるのでしょうか。
次に、公立幼稚園の統廃合に関する質問を行わせていただきます。
本年4月より新たにスタートした市長4期目のマニフェストにおいて、幼児教育の段階的無償化が掲げられました。そこでは、公立幼稚園の再編に伴う財源を踏まえた制度設計を行うこととされています。
これについては、市内の公立幼稚園、保育所、こども園が現状の計24園から、平成34年度までに13園まで統廃合される内容となっており、今後、閉鎖対象となっている園の周辺住民、特に未就園児を抱える保護者にとっては大きな影響のある問題でもあります。
そこで、このような公立幼稚園の大規模な統廃合が必要となった要因についてお伺いします。これまでの公立幼稚園の運営上の問題について、どのように認識されていますでしょうか。また、統廃合によって、その問題はどのように解消されるのでしょうか。さらに、8月より住民説明会を開催されてきましたが、そこでの市民の反応をどのように捉えておられるのでしょうか。
最後に5つ目のテーマ、公営企業についてお伺いします。
まず病院事業について。全国的に公立病院の経営状況が厳しい中、経営改善に積極的に取り組まれた結果、過去の一時期に比べ経営状況は全体的には好転しているという認識でおります。
しかし、平成28年度決算では2億4000万円余りの純損失が計上されております。この点、予算の段階から約2億円の純損失が見込まれておりましたが、実績はそれをさらに下回っています。また、平成26年度より会計基準の変更により、引当金等の新たな費用の計上が求められるようになったという要因はあるものの、3年連続して営業損益、経常損益、純損益の各段階損益とも赤字に陥っています。
そこでお伺いいたします。平成28年度における経営目標とその達成度、赤字解消に向けて取り組むべき課題について、どのように認識されていますでしょうか。
次に、市立伊丹病院改革プランが目指すものについてお伺いします。
平成27年に総務省より、新公立病院改革ガイドラインが示され、そこでは、公立病院が安定した経営のもとで、地域における基幹的な公的病院として、地域医療の確保のための重要な役割を果たし、良質な医療を継続的に提供することを目指した経営改革が進められるよう、公立病院を設置している地方公共団体に対して、新たな公立病院改革プランの策定が求められました。
これを受け、伊丹市では、平成29年から平成32年度の期間を対象とした市立伊丹病院改革プランを策定されています。これに関しまして、この市立伊丹病院改革プランが目指すものとは具体的に何でしょうか。
次に、水道事業についてお伺いします。
水道事業は、上下水道とも毎年安定した利益を確保しており、平成28年度決算における純利益は、上水道事業で約3億6000万円、下水道事業で約4億1000万円となっています。一方で、人口減少時代を迎え、給水人口が減少していく中で、今後も安定的な経営を継続していくことができるかが懸念されます。
そこで、平成28年度決算における総括として、経営目標とその達成度について、また、今後の需要見通しとそれが経営に与える影響と懸念事項についてお伺いいたします。
また、今後、必要な水道インフラの更新費用の見通しと、それに対する備えについてもお伺いします。
水道インフラは、他の公共施設同様に、高度経済成長期に整備されたものが多く、現在、そして近い将来に耐用年数を迎えるものが多く存在することから、今後、インフラ更新に係る多額の財政負担が懸念されます。このことについて、今後のインフラの更新費用の見通しとそれに対する備えはどのような状況となっていますでしょうか。
また、インフラ更新に必要な財源をどのように確保していくのでしょうか。
さらに、水道料金等市民生活に与える影響はどのようなものが想定されますでしょうか。
最後に、交通事業についてお伺いします。
交通事業の平成28年度決算における純利益は2800万円の黒字となっており、会計基準の変更の影響を強く受けた平成26年度を除くと、純利益については継続的に黒字となっています。
しかし、進行する少子高齢化による生産年齢人口の減少と運賃が無料となる特別乗車証の支給対象者の増加は、経営上の懸念事項であると考えます。
そこで、平成28年度決算に当たり、当該年度の経営目標とその達成度及び当該懸念事項が将来の経営に与える影響についてお伺いします。
次に、営業赤字解消に向けて取り組むべき課題についてお伺いします。
先ほど述べましたとおり、純利益についてはおおむね継続して黒字となっていますが、本業のもうけを示す営業損益については、恒常的に赤字となっています。その営業赤字を不採算路線等に対する補助金等により穴埋めしている状況にあります。
この点、公営企業として採算性よりも市民の生活路線の維持を優先すべき使命があることによるものとは思いますが、純利益の額もそれほど余裕のある額ではないことから、営業赤字を改善していかなければ、近い将来純損益も赤字に転落してしまうことも危惧されます。
そこで、営業赤字解消に向けて取り組むべき課題についての当局の見解はいかがでしょうか。
以上で1回目の質問を終わります。当局の答弁をよろしくお願いいたします。
○議長(北原速男) 藤原市長。
◎市長(藤原保幸) (登壇)私から、伊丹市総合計画後期事業実施5カ年計画に関するお尋ねにお答え申し上げます。
後期事業実施5カ年計画の初年度となります平成28年度は、日本の人口減少が続く中、地方創生加速化交付金を初め、国等の有利な財源を積極的に活用し、市内外の方々から訪れてみたい、住んでみたい、住み続けたいと感じていただける選ばれるまちを目指しました。
そして、伊丹創生総合戦略に掲げた伊丹の魅力をさらに高める施策を推進するとともに、まちの魅力を広く全国に発信するなど、人口20万人都市の実現に向けた取り組みを進めました。
議員お尋ねの平成28年度に取り組みました主な事業でございますが、総合計画の基本目標、市民が主体となったまちづくりの実現では、地域自主組織や地域ビジョンに基づき、地域の課題やニーズに対応した活動が行えるよう、地域総括交付金を2小学校区に交付いたしました。
政策目標1、支え合いの心でつくる安全・安心のまちでは、全国に先駆けた取り組みとして、1000台の安全・安心見守りカメラとビーコン受信機を組み合わせた安全・安心見守りネットワークを、市内全域で整備いたしました。これにより、子供の居場所等の把握を可能とするなど、子供や認知症高齢者の家族の方々が安心して暮らせるまちづくりを進めました。
また、民間保育施設の耐震化を支援することで、市内の学校園に続き、市内全保育所の耐震性を確保することができました。
政策目標2、未来を担う人が育つまちでは、民間保育施設の新規開設を支援し、保育定員数を増加させることで、平成29年4月の保育所待機児童を解消することができました。
また、児童くらぶ事業では、平成28年4月より、対象児童を小学校5年生まで拡大するとともに、普通教室等を児童くらぶ専用室として整備するなど、子育て世帯が仕事と育児を両立できる環境づくりを進めました。
政策目標3、にぎわいと活力にあふれたまちでは、VR(仮想現実)技術を活用したコンテンツ等を用いたシティプロモーションを展開するとともに、訪日外国人観光客等の来街者の増加を目指し、公衆無線LAN(Wi−Fi)を三軒寺前広場等に整備するなど、にぎわいの創出を図りました。
政策目標4、環境が大切にされ、暮らしやすさと調和したまちでは、路上駐輪ラック等の整備や駐輪啓発指導の実施など、放置自転車対策に取り組むとともに、自転車レーン等の整備や自転車交通安全教室の開催など、自転車の安全利用に向けたハード、ソフト両面にわたる取り組みを推進いたしました。
また、人口流入と定住化の促進を目指し、本市に住む親と近居、同居のため、市外から転入する方に、転入にかかる費用の一部を助成しました。
これら平成28年度に取り組みました事業を対象として実施した行政評価の結果といたしまして、全体の98.2%がおおむね順調に進んでいるという評価になっております。
一方で、平成28年度末時点の伊丹創生総合戦略に位置づけております重点施策ごとに設定しました、重要業績評価指標、いわゆるKPIでありますが、これの達成状況につきましても、検証会議の外部委員の皆様から、総合戦略に効果が見られ、おおむね順調に事業は進捗しているとの御意見をいただいたところでございます。
いずれにいたしましても、後期事業実施5カ年計画の初年度ということもあり、現時点の評価に決して満足することなく、今後におきましても引き続き安全・安心のまちづくり、まちづくりは人づくりからを市政運営の中心に据え、伊丹市総合計画に掲げております目標達成に向けて、着実に各種事業に全力で取り組んでまいりますので、御理解、御協力賜りますようお願い申し上げます。
その他の御質問につきましては、担当部長等よりお答え申し上げます。
○議長(北原速男) 大西総合政策部長。
◎総合政策部長(大西俊己) (登壇)私からは、第5次総合計画後期事業実施5カ年計画についてのお尋ねのうち、行政評価について、及び公共施設マネジメントに関する数点の御質問にお答えをいたします。
初めに、行政評価についてお答えをいたします。
まず1点目の主な成果と課題についてでございますが、平成28年度に実施した行政評価の対象施策数は112施策、事務事業数は766事業となっており、それぞれ事業評価を実施しております。
成果につきましては、112施策のうち40施策、率に直しますと35.7%は目標達成が十分可能、そして70施策、率で言いますと62.5%で目標達成が可能となっており、先ほど市長から御答弁申し上げましたとおり、全体の98.2%がおおむね順調に進んでいるという評価でございます。
一方で、目標値が達成できず、施策の進捗におくれが見られたものにつきましては、2施策、2つの施策となっております。その原因を見ますと、事業実施に当たり、関係者等との協議等がまとまらずおくれが生じたものや、事業を予定どおり実施したけれども、加入者数が減少したというものでございました。引き続き各種施策の課題等を明らかにした上で、事業内容の見直し、改善を行いながら、目標の達成に向けて着実に施策を推進してまいります。
2点目のスクラップ・アンド・ビルドの状況についてでございますが、行政評価では、施策ごとの目標との適合性を考慮し、成果指標を定めておりまして、事業評価を行い、PDCAサイクルを回すこととしております。
平成27年度の事後評価後の新規事業と廃止事業を申し上げますと、新規で追加になった事務事業といたしましては、被災者支援システム改修事業など18事業となっております。そして、廃止した事務事業につきましては、災害共済事業などの23事業、そして、目標達成したため終了した事務事業に関しましては、街路灯LED化事業などの27事業となっております。
今後におきましても、行政評価を活用し、PDCAサイクルを徹底させ、事務事業の見直し等に取り組んでまいりたいと考えております。
3点目の外部評価の導入についてでございますけれども、本市におきましては、総合計画の進捗度合いを市民にわかりやすく説明すること、また、内部評価を客観的な評価にすることを目的といたしまして、平成24年度から6年度までの3年間、試行的に外部評価制度を導入し、その際、外部評価委員会の意見を踏まえ、行政評価報告書、行政評価システムの見直し等を行い、平成27年度の事前評価から現在の評価手法に変更しております。
引き続き、本市にとりまして最適な行政評価システムの構築に取り組んでまいりたいと考えております。
4点目の市民意識調査との連携についてでございますが、市政に関する認知度、満足度を把握するとともに、施策の効果検証を行うことを目的といたしまして、毎年度、市民意識調査を実施しております。
調査の内容につきましては、主に経年的に市民ニーズを把握する項目と、そして新たな施策や行政計画を策定する場合に備えて実施する項目に分かれております。
経年的な状況を把握する項目といたしましては、伊丹市の住みやすさ、伊丹市での定住志向、伊丹市総合計画に位置づけております施策の評価についての3項目となっております。
また、新たな施策や行政計画を策定する場合につきましては、より具体的な質問項目を設定した上で調査を実施し、市民ニーズの把握等に努めております。
そこで、御質問の行政評価の成果指標等としての活用状況についてでございますが、平成28年度の事後評価におきまして、市民意識調査による施策満足度を成果指標等として活用している施策は、地域ぐるみの子育て支援を初めとする7施策、その他、政策の認知度を指標としているものが、「伊丹のまちを楽しみ誇りや愛着を生み出す生活文化の創造」を初めとする4施策となっており、施策ごとの目標との適合性等を考慮した指標を用いて、事後評価を行っております。
行政評価につきましては、効率的かつ効果的な市政運営を行い、市政に関して市民に説明責任を果たすとともに、総合計画の進捗管理のツールとしての役割を担っております。
今後の事業の推進に当たりましても、成果指標や活動指標の達成度やその課題等を検証することで、PDCAサイクルによる事業の見直しを行いながら、総合計画に掲げております目標達成に向けて、着実に取り組んでまいりたいと考えております。
続きまして、公共施設マネジメントに関する御質問のうち、今後必要な更新費用の見通し及び予測される更新費用への備えについてお答えいたします。
まず1点目の今後必要な更新費用の見通しについてでございますけれども、平成26年10月に改定いたしました、伊丹市公共施設白書におきまして、本市が保有する建物、施設を対象として、将来も同規模で大規模修繕や建てかえを行った場合に必要とする更新費用について試算を行っております。
その概要を申し上げますと、各施設について、建築後30年で大規模修繕、60年で建てかえを行うと仮定し、それぞれの施設の用途に応じた床面積当たりの更新単価に床面積を乗じて、更新費用を算出しており、向こう60年間の更新費用は、概算ではございますが、事業費ベースで総額2800億円、年平均47億円となり、既に伊丹市公共施設白書や伊丹市公共施設等総合管理計画におきまして、お示ししているところでございます。
そこで、建物の大規模修繕のサイクルとされる、今後30年の間に、現状と比べてどの程度更新費用が増加するかとの御質問でございますが、先ほど御答弁申し上げました試算期間、60年の更新費用2800億円のうち、前半30年間の更新費用は、総額1380億円、年平均46億円と試算しており、参考数値として公共施設白書にも掲載しております、2009年から2013年度の5カ年における施設の維持、更新費用の実績値である、年平均23億円と比較しますと、およそ2倍の更新費用が必要となります。
このことから、平成27年3月に策定した伊丹市公共施設等総合管理計画におきましては、平成42年度までに、平成22年度比で、総延べ床面積を10%と削減する目標を掲げ、施設の機能移転や統合、複合化による総量削減の取り組みを進めるとともに、ライフサイクルコストを考慮した施設の長寿命化や民間活力の導入などにより、更新費用やそれに伴うランニングコストの低減につながる対策を総合的に進めることによって、将来の更新費用を可能な限り圧縮してまいりたいと考えております。
最後になりましたけれども、2つ目の予測される更新費用への備えに関する御質問についてでありますが、今後、公共施設の大規模改修等の進捗に伴い、投資的経費が増加していくことが見込まれることから、平成28年度から32年度の5カ年を計画期間とする行財政プランにおきまして、予見可能な範囲で、今後30年間に必要となる投資的経費の一般財源総額を見積もり、一般財源所要額が30年間の平均額である7億5000万円を下回る年度には、その差額を公共施設等整備保全基金に積み立て、また、上回る年度には取り崩しをすることによって、財政負担を平準化することとしております。
また、これとは別に市庁舎の建てかえに必要な資金といたしまして、同基金に毎年度1億5000万円を積み立てることとしております。このような予算編成上の財政規律を設けることにより、将来の公共施設の更新、改修費用に対する備えを行っております。
いずれにいたしましても、公共施設マネジメントの取り組みは長期にわたる取り組みが必要となることから、今後の人口動態や財政状況、公共施設を取り巻く社会経済状況の変化等の見通しを踏まえ、総量削減や長寿命化、民間活力の導入等の取り組みと基金への計画的な積み立てをあわせて推進することにより、予測される更新費用の不足に備えてまいりたいと考えておりますので、御理解、御協力賜りますようよろしくお願いいたします。
○議長(北原速男) 後藤財政基盤部長。
◎財政基盤部長(後藤和也) (登壇)私から、平成28年度決算と行財政プランに関する数点の御質問についてお答えいたします。
まず、歳入決算額の傾向と変動要因等についてですが、決算総額に占める割合の主要なものについて申し上げますと、歳入の根幹となる市税収入は、平成28年度決算では、納税義務者数の増加による個人市民税の増等がある一方、設備投資の減少による償却資産に係る固定資産税の減等があり、議員御案内のとおり、市税全体では、前年度に比べ0.8%増の約302億1000万円となりました。近年の市税収入は300億円前後の水準で推移しておりますが、今後、社会全体の少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少等が見込まれる中、本市においても市税収入の大幅な増加は期待できないものと考えております。
国庫支出金につきましては、国の経済対策として実施した年金生活者等支援臨時福祉給付金事業や中学校給食施設整備事業、小学校施設整備事業等の増があり、前年度比11.7%増の約124億5700万円となりました。国庫支出金は、普通建設事業などの歳出事業にひもづく財源であり、その年々の規模等に影響されるものであることから、国の経済対策等を活用して事業を積極的に実施した年度には大きく上昇するなど、一定の傾向を分析することは困難ですが、今後の社会保障関係経費の増嵩が見込まれることから、基本的には増加傾向にあるものと考えております。
これからも引き続き、社会経済情勢や国の動向等を注視し、国庫支出金を初めとした有利な財源の確保に努めてまいります。
次に、地方交付税についてですが、平成28年度決算では、普通交付税が約51億2700万円、特別交付税が約4億4800万円、また、普通交付税の代替である臨時財政対策債が約30億6800万円となり、地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な地方交付税の総額は、約86億4300万円となっており、一般財源の大きな割合を占めています。
議員御指摘のとおり、地方公共団体の基金に関し、ことし5月に開催されました国の経済財政諮問会議に提出された民間議員による資料、「地方自らの行財政改革に向けて」におきまして、近年増加の著しい基金について、総務省は各自治体の現在高やその増加幅の著しい自治体を中心に、その背景・要因について実態を把握・分析するとともに、各自治体において説明責任を果たすよう促すべき、また、国・地方を通じた財政資金の効率的配分に向けて、地方財政計画への反映等の改善方策を検討すべきと指摘されており、現在、総務省において地方の基金の実態について調査・分析が行われているものと承知しております。
なお、同資料では、平成25年度から27年度の3カ年平均の基準財政需要額に対する基金残高の比率により、全国の地方公共団体の基金残高の多寡を比較していますが、本市の比率は全国平均を大きく下回っております。
しかしながら、地方全体の基金残高の増加は、今後の地方の一般財源総額確保に影響を及ぼす可能性があり、その場合、本市の財政にも少なからず影響するものと考えております。
近年の地方交付税を含めた一般財源総額については、国の「経済財政運営と改革の基本方針2015」、いわゆる骨太の方針2015において、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額について、2018年度まで、2015年度地方財政計画の水準を下回らないよう、実質的に同水準を確保するとされており、この方針に基づき、平成28、29年度ともに、平成27年度を上回る一般財源総額が確保されております。
また、平成30年度につきましても、先般、総務省が公表した平成30年度の地方財政収支の仮試算において、一般財源総額は前年度に比べ0.4兆円、率にして0.6%の増となっており、既定の方針に沿った形で地方の一般財源総額の確保が図られるものと見込んでおります。
一方、平成31年度以降については、平成30年に閣議決定される骨太の方針2018において、今後の地方財政に関する方針が定められることとなりますが、その内容は地方の財政運営に大きく影響を与えることから、策定に向けた国における議論などを注視するとともに、全国市長会等を通じて、地方の実情をしっかりと訴えていく必要があるものと考えております。
次に、歳出決算額の傾向と変動要因等についてですが、近年は総額で700億円を下回る水準で推移していましたが、平成28年度決算では約711億5000万円となり、震災復興事業がピークであった平成10年度以来18年ぶりに700億円を超えました。
中でも、歳出決算総額に占める割合が最も高い扶助費は、保育所等の施設型給付費や保育委託料、障害者自立支援給付費等の増加により、前年度に比べ3.4%増の約204億9300万円となり、歳出全体に占める割合は約3割に達しています。高齢化の進展などの社会状況の変化によるもののほか、児童手当の創設や子ども・子育て支援新制度の実施など、国の制度改正等の影響を受け、扶助費の総額はこの20年間で約3.2倍に増加しており、平成14年度以降15年連続で過去最高を更新しています。
今後もさらなる少子高齢化の進展に伴う社会保障関係経費の増嵩により、扶助費の増加は続くものと見込んでおります。
一方、扶助費に次いで高い割合を占める人件費は、これまで定員適正化により職員数が減少したことに加え、給与水準、各種手当等の見直し等により、金額、構成割合ともに大幅に減少してきました。
しかしながら、団塊の世代の大量退職などにより、若年職員の割合が増加するなど、職員構成が大きく変わったことなどから、今後は逓増していくものと見込んでおります。
また、普通建設事業費につきましては、震災復興事業がピークであった平成10年度以降、都市の成熟化に伴い減少傾向にありましたが、近年は国の経済対策を活用した公共施設の長寿命化対策や中学校給食センターなどの新たな施設の建設等に取り組んできたことから、増加傾向にあります。あわせて、高度経済成長期に建設した公共施設等の更新、老朽化対策として、本市では公共施設マネジメントの取り組みを積極的に推進することとしていることから、普通建設事業費の中長期的な増加は今後も避けられないものと考えております。
次に、財政指標等に関する御質問にお答えします。
まず行財政プランにおいて、経常収支比率の目標値を計画期間中95%以下を維持と設定している根拠及び、平成23年度より5年連続で改善している主な要因についてですが、経常収支比率につきましては、議員御指摘のとおり、過去、国において少なくとも75%程度におさまることが妥当と考えられ、これが80%を超える場合は、その財政構造は弾力性を失いつつあると考えてよいと言及されていたこともあり、以前は経常収支比率は75%程度が適当、80%を超えると硬直化していると考えられていました。
しかしながら、近年の経常収支比率の水準につきましては、全国の市町村の平均を見ますと、平成27年度決算で90.0%となっており、また、本市を除いた阪神6市の平成28年度決算の単純平均は、速報値ベースで97.8%と、本市の数値を3.9ポイント上回る水準となっております。
こうした状況の中、現在の財政状況における経常収支比率の妥当な水準については、総務省の「地方財政の健全化及び地方債制度の見直しに関する研究会」の中で議論がなされ、平成27年12月に提出された同研究会の報告書では、既に大半の市町村が80%を超えているのが現状である、このような財政構造の変化の中で、経常収支比率における目安をどのように考えるかは、それぞれの団体の財政構造の変化を踏まえた検討が必要であるという結論が出されております。
本市におきましては、一定の社会基盤施設の整備がなされ、財源配分がハード整備から住民サービスの充実へとシフトしていることから、さらなる大幅な経常的経費の削減は難しい状況にあります。
一方で、今後見込まれる社会保障関係経費の増嵩や公共施設の老朽化対策等に多額の経費を要するとともに、大幅な市税収入の伸びが期待できない中で、多様化する市民ニーズや社会情勢の変化等に適切に対応した事業を実施していくためには、財政の弾力性を一定確保していくことが重要です。
こうした観点から、経常収支比率については、前行財政プランの目標値と同じ95%以下を維持することが妥当であると考え、現行財政プランの目標値として設定いたしました。
経常収支比率が5年連続で改善している要因といたしましては、義務的経費である扶助費が増加傾向にあったものの、景気の回復等により市税収入や地方譲与税、地方消費税交付金などが増加傾向にあったことに加え、行財政プランに基づく行財政改革のさらなる推進に積極的に取り組んだことによるものと考えております。
次に、基金残高に関する御質問についてお答えします。
まず、基金の将来の必要水準と積み立てに関する考え方についてですが、財政調整基金は災害や急激な社会経済情勢の悪化など、不測の事態に備えるため、阪神・淡路大震災前の水準を参酌して、平成32年度までに標準財政規模に対する財政調整基金の割合を20%とすることを行財政プラン上の目標としています。
公債管理基金については、現段階では目標を設定しておりませんが、公共施設マネジメントの進捗状況等を踏まえ、今後、その水準について検討してまいります。
また、予見性の高い経費については、特定目的基金を活用して負担の平準化を図るため、行財政プランにおいて、一般職員退職手当基金については、退職手当に必要となる一般財源が、今後30年間の平均所要額である7億円を下回る年度には、その差額を積み立て、上回る年度にはその差額を取り崩すこととしております。
また、公共施設等整備保全基金についても、先ほど総合政策部長より御答弁申し上げましたとおり、投資的経費に必要となる平均一般財源所要額7.5億円を基準とした同様の積み立て処分等を行うこととしております。
なお、平成28年度決算における基金残高については、財政調整基金が国保勘定分も含め約77億800万円で、標準財政規模に対する割合は19.3%、公債管理基金が約6億2800万円、公共施設等整備保全基金が約29億2000万円、一般職員退職手当基金が約11億7900万円となっております。
最後に、直近5年間の地方交付税の総額が減少していることから、臨時財政対策債償還金分は、普通交付税の算定上、その他の需要額と内訳を変化させているだけであり、結果的に本市の負担になると考えられるため、臨時財政対策債の発行抑制を行うべきではとの御質問にお答えします。
臨時財政対策債は、本来、普通交付税として地方公共団体に交付すべき額の一部を、地方債の発行に振りかえたものであり、普通交付税と性格上何ら変わらないことから、本市の財政運営に必要不可欠な財源として、毎年度発行可能額の全額を発行しております。地方交付税の総額は、所得税、法人税、酒税、消費税の一定割合と、地方法人税の全額、いわゆる法定率分を基本としつつ、地方財政計画における地方財政全体の標準的な歳入歳出の見積もりに基づき、マクロベースで決定されます。そのため、地方財政計画上の歳出額が増加しても、その増加額以上に地方税等の歳入額が増加すれば地方交付税の必要額が減少するため、地方交付税の総額が減少します。また、地方交付税の必要額が増加した場合も、地方交付税の財源不足分の一部は臨時財政対策債により補填しているため、国税収入の減少により、法定率分が大きく減少した場合等は、臨時財政対策債の割合が増加し、結果として地方交付税の総額が減少する場合があります。
なお、現在、臨時財政対策債の既往債の元利償還金に係る財源は、全額臨時財政対策債により措置されております。
こうしたことから、地方の安定的な財政運営に必要となる財源の確保については、地方交付税の総額ではなく、一般財源総額により判断することが適当であると認識しておりますが、平成24年度と28年度の一般財源総額を比較しますと、59.6兆円から61.7兆円と、2.1兆円増加しております。
なお、臨時財政対策債の発行を抑制するということは、当該団体においては、不発行額相当分の財源不足は生じておらず、すなわち普通交付税が一部不要であるとの意思を表示することになります。これは、国の財政当局から見ますと、地方財政計画の歳出額が過大に計上されていると判断できるため、翌年度以降の地方財政計画における一般財源総額の縮減につながり得るということにも留意する必要があると考えております。
○議長(北原速男) 谷澤こども未来部長。
◎こども未来部長(谷澤伸二) (登壇)私からは、公共施設マネジメントに関する御質問のうち、野外活動センターのその後と子育て支援に関する御質問のうち、期中待機児童問題への対策についてお答えいたします。
まず、野外活動センターのその後ですが、伊丹市立野外活動センターは、御案内のとおり平成29年4月1日、一般社団法人プラス・ネイチャーに資産譲渡いたしました。その後、プラス・ネイチャーは、施設名を「神戸三田アウトドアビレッジTEMIL」と改称し、施設整備等を行いながら、ゴールデンウイーク中の4月29日から7月14日までをモニター期間として、一部施設での営業を開始いたしました。
旧伊丹山荘については、フェイスブック等を活用し募集したボランティアを中心に、内装、障子、カーペットの張りかえなど、リフォームを行い、研修宿泊施設「TEMIL BOX」として生まれ変わり、7月14日から全ての施設を活用した夏休みファミリープランを企画いたしました。
また、9月1日からウエブサイトからの予約受付もスタートとし、平成30年4月1日のグランドオープンに向け、ハード面、ソフト面での準備を着実に整えているところです。
次に、施設の利用状況についてですが、山小屋、バンガロー等の宿泊者数が、8月31日現在で2889人、その内訳は高校生以下の学校、青少年の利用が約81%の2352人、家族、一般の利用が約19%の537人、うち本市市民の利用は1263人で、全体の約44%となっております。
平成28年度の同時期、4月から8月までの市立野外活動センターの宿泊者数の比率を見ますと、学校、青少年が約25%、家族、一般の利用が約75%で、本市市民の利用は4623人で、全体の約35%でした。
この結果は、まだモニター期間やプレオープンの状況でありますので、単純に分析はできませんが、プラス・ネイチャーの構成団体らによるキャンプ事業での施設利用が多いことや、料金設定の関係等の影響によるものではないかと考えております。
次に、転地学習ですが、5月から6月にかけて、市内小学校10校の施設利用を受け入れております。利用された小学校のアンケートによると、職員の対応はよかったものの、ふなれなところがあったので、これまでとは異なり、みずから活動する場面がふえたと聞いております。
来年度以降の利用につきましては、各小学校から頂戴した御意見をもとに、プラス・ネイチャーと調整を図り、よりよい利用環境を確保するよう努めたいと考えております。
また、本市の委託事業として、伊丹市民の4歳児から小学校6年生までを対象に、年齢別の3つのコースを設けたぼうけんの森キャンプを8月、9月に実施いたしました。各コース定員24名のところ多数の御応募をいただき、1つのコースに最大128人の応募数で5.3倍の競争率となるほど盛況でした。初めての取り組みとして行った幼児のプログラムにおいても、プラス・ネイチャーの経験豊富な指導者により、子供たちも皆、最初から最後まで楽しそうに元気いっぱいでした。伊丹市役所での解散後、多数の保護者から、とても楽しかったようで大変喜んでいましたと高評価をいただきました。
次に、原状回復工事の進捗状況についてですが、羽束川の既設構造物撤去の工事については、渇水期に行うため、11月から3月までの期間に限られます。実際には河川の堤防部分の工事等もありますことから、10月の中旬ごろから開始する予定です。
内容としましては、通路橋、親水護岸及び修景ダムの撤去、並びにそれに伴う護岸の復元工事と羽束川沿いのソメイヨシノサクラの一部伐採と剪定を予定しております。
新しく生まれ変わった神戸三田アウトドアビレッジTEMILは、来年4月1日のグランドオープンに向け、施設の整備、リニューアルと並行し、独自の魅力を発信した運営を目指しております。
プラス・ネイチャーの構成団体の拠点施設として広く関西圏から利用者を呼び込むことも可能です。今後、さらにノウハウを生かした特徴的な事業展開を図ることより、安定的な経営が期待できるものと考えております。
次に、待機児童問題に関する御質問にお答えいたします。
これまで、保育所待機児童解消に向けた取り組みといたしまして、民間保育所の整備支援等により、平成24年4月1日以降、累計761名の定員増を図ってまいりました。その結果、平成27年4月には132名に上った待機児童数は、平成29年4月時点において解消するに至りました。
しかしながら、主に就労世帯が出産した場合、産後休暇明け、または育児休業明けに復職し保育が必要な状況となりますが、出産の時期や育児休業の期間等が影響し、年度途中に新たに保育所への入所申し込みを行う世帯が多く、乳児を中心として、年度末に向けて保育ニーズは増加する傾向にあります。
こうしたことから、平成29年9月1日現在で、年齢別にゼロ歳児74名、1歳児47名、2歳児31名、3歳児10名、4歳児3名の合計165名の待機児童が生じているところです。現在、保育ニーズの実績値が計画値を上回っている状況を踏まえ、当初策定した伊丹市子ども・子育て支援計画では、平成29年度以降の保育所の整備を予定しておりませんでしたが、今後の保育ニーズ予測に対応したものへと見直しを行っているところであります。
見直し後の計画では、平成30年度に100名、平成31年度には120名の保育定員拡大を図る予定としておりまして、今年度は大規模なマンションの建設が予定されている市中心部において、既存施設の増員を中心とした施設整備に係る調整を進めると同時に、保育ニーズの高い南部地域においても、民間保育所の誘致等を行っております。
また、来年度も民間活力による保育所の整備等を継続して行いたいと考えております。まずは年度当初における待機児童ゼロを維持してまいりたいと考えております。
その上で、期中における待機児童対策としまして、本計画では、保育定員を超えた受け入れ枠を活用することとしております。この弾力的運用が柔軟に行えるよう、兵庫県の保育所支援センターとの連携、乳児保育促進事業の実施、保育士就職フェアの開催など、さまざまな手法で保育士の確保に努め、弾力的運用を有効的に行ってまいりたいと考えております。
なお、期中における待機児童解消に向けて、どのくらいの期間を見込んでいるかにつきましては、先ほども申し上げましたとおり、今年度当初時点で5年ぶりに待機児童ゼロを達成したところですが、続く5月1日の時点では、既に61名の待機児童が発生しました。こうした状況からも、今後とも保育所整備と保育士確保策を両輪として、ハード面、ソフト面をバランスよく整備することで、支援計画の最終年度である平成31年度までに、年度当初からの待機児童ゼロを期中に向けて、可能な限り持続していきたいと考えておりますので、御理解いただきますようよろしくお願いいたします。
○議長(北原速男) 二宮幼児教育施策推進・幼児教育無償化推進班長。
◎幼児教育施策推進・幼児教育無償化推進班長(二宮叔枝) (登壇)私から、子育て支援についての御質問のうち、公立幼稚園の統廃合についての御質問にお答えをいたします。
初めに、これまでの幼稚園運営上の問題点についてでございますが、問題点として取り組むことになったのは、入園希望者が減少していることに端を発するものでございます。これには、まず少子化の進行により、本市においても基礎児童数が減少していることが上げられます。さらに、保護者の就労状況の変化や就労形態の多様化に伴い、公立幼稚園ではなく保育所等に入所を希望される家庭が増加したことがございます。現在の公立幼稚園の保育時間では、就労しながら子供に保育を受けさせることが難しいという声も数多く聞くところでございます。
また、子ども・子育て支援新制度の導入により、保育料が私立幼稚園と同額になったことも入園希望者減少の要因の一つと考えています。制度導入以降は、世帯の所得に応じた応能負担となり、その結果、第1子に関しましては、各階層で保育料が上がることとなりました。
また、私立幼稚園や認定こども園の3歳児の応募者数はふえており、保護者の、早い時期から集団生活を経験させたいという3歳児保育への願いも強くなっているものと考えられます。さらに、平成26年6月の学校教育審議会答申を受けてから3年が経過する中で、公立幼稚園の存続に係る不安の声を多数お聞きしているところでございます。こうしたことが、就園先の選択に影響を与えたのではないかと捉えております。
このような状況における園児減少による幼稚園運営上の問題点についてでございますが、幼児教育は施設の種別にかかわらず、幼児一人一人の特性に応じた指導が行われるようにすることとされ、一人一人の成長を支援することは大前提でございます。しかし、幼稚園は同年代の幼児と集団生活を営む場であることとされており、友達と群れをつくって1つの目標に向かって協力したり、時には葛藤体験するなど、多様な個性と出会い、いわゆる非認知的能力、忍耐力や自己制御や自尊心、そして、社会性を育むことが重要であります。そのため、ある程度の人数は必要であり、人数があれば多様な学びの場が提供できると考えております。少人数での生活の中では、子供同士、子供と教員の人間関係が緊密になり、集団内での子供の役割が固定化されやすく、社会性などを育てるのに十分とは言いがたい状況であると捉えています。また、園児減少による単学級での園運営においては、教職員の切磋琢磨の機会が減少し、より質の高い教育内容のための研修体制にも課題があると考えるところでございます。危機管理面においても、安心・安全な保育環境の構築に課題が生じ得ると考えています。
次に、統廃合によって、この問題はどのように解消されるのかについてでございますが、今回の計画案では、単に適正化による統廃合、再編にとどまらず、伊丹市全体の幼児教育の質の向上を図っていくこととしております。まず、統廃合、再編により、集団保育に適した園児数を確保することで、集団での園児の多様な経験値の向上や子供同士の人間関係の広がり、一人一人が自己発揮しながら共同性の育ちが育まれる環境が整えられると捉えております。あわせて、園の教職員の複数化が図れ、安定した園運営が期待できるようになります。
さらに、再編による運営費の効率化などで生み出された財源を、保護者の望む3歳児保育やプレ保育、預かり保育などに充て、公立幼稚園においても実施してまいりたいと考えています。
3歳児保育につきましては、平成26年の答申では、現時点では3歳児保育を実施することは難しいとされておりましたが、多くの保護者の要望に加え、新幼稚園教育要領等の中で、3歳児からの幼児教育の重要性が示されている国の流れを受け、市内各ブロックにおいて実施してまいりたいと考えています。
3歳児から5歳児までの発達の学びの連続性を見通し、教員の保育実践の積み重ねを生かした幼児教育の一層の充実を図ることが可能になるものと考えています。
加えて、未就園の3歳児の親子が幼稚園の集団生活を体験できるプレ保育の場を設定し、異年齢児との触れ合いや保護者同士がつながる地域の子育てセンターの役割も担ってまいります。
預かり保育につきましては、幼児の生活の連続性に配慮し、安心かつ安全に家庭的な雰囲気の中で過ごすことができるよう工夫し実施してまいりたいと考えています。
さらに、公立幼稚園における施策の充実のみならず、全市的な観点で幼児教育センターや拠点園の整備などを行い、幼児教育の無償化も含め、伊丹市全体の幼児教育の充実を図ってまいります。充実した教育環境を整えることで、基礎児童数にもかかわる少子化の流れを少しでも食いとめられれば、また伊丹市への子育て層の呼び込みにもつながればと考えているところでございます。
最後に、地域等説明会による市民の反応をどのように捉えているのかについてですが、就学前の幼児の保護者からは、全般的には入園先やその定員、通園方法、また認定こども園の内容、通園・通勤距離や駐輪・駐車スペースの確保など具体的な対応についての御質問が多く、再編対象園・所の保護者からは残してほしいという御要望を伺いました。概して、これから就園される方は、個別具体の御質問、充実策に対しての期待が感じられました。
地域においても、おおむね園との地域交流事業のあり方や通園方法など、保護者の意見を聞いてほしい、また、再編対象園を残してほしいとの御意見のほか、跡地についての地域利用の可否についての御質問もありました。
また、市内3会場で実施した説明会では、園児が減少するまでの市の対応や熟議が必要と市民周知を求める御意見がございました。
今後、本日9月19日からパブリックコメントを実施いたします。さまざまな御意見を真摯に受けとめ、伊丹市としてよりよい幼児教育が実現いたしますよう努めてまいります。
○議長(北原速男) 中田病院事業管理者。
◎病院事業管理者(中田精三) (登壇)私からは、病院事業に関する数点の御質問にお答えいたします。
病院を取り巻く経営環境は厳しく、国の医療費が増加する中、診療報酬の引き下げ等、医療費を抑制する取り組みが進められています。そのため、多くの病院で経営が悪化しており、当院におきましても経営の効率化や医療制度改革への対応等に取り組んでいるところです。
議員御質問の平成28年度の経営目標とその達成度及び課題点についてでございますが、これまで診療体制の充実や医師、看護師等の増員確保、また経営の健全化等を経営目標に掲げ、事業運営を行ってまいりました。
診療体制の充実につきましては、休床していた2階東病棟を昨年10月から再開したことや、年間約300件の分娩の実施、また救急受け入れ件数の増加等、着実に成果を上げております。また、医師、看護師等の増員確保につきましても、病棟再開に必要な看護師を確保するなど、順調に進めてまいりました。
一方、経営の健全化につきましては、医業収益は増加したものの、診療報酬改定の影響や給与費、材料費等の医業費用の増加に伴い、決算では約2億4000万円の純損失を計上いたしました。具体的には、診療報酬改定により、約1億2000万円の減収となったことや、平均在院日数は短縮したものの、一方で、病床利用率が低下し、当初予定していた入院患者数を確保できなかったこと等が上げられます。
こうしたことから、赤字解消に向けて取り組むべき課題といたしましては、今以上に入院患者数を増加させ、収益の向上を図る必要があると考えております。そのためには、市民の皆様や診療所などに当院の医療機能を知っていただき、紹介患者をふやすことにあると考えております。
具体的には、各診療科の主任部長と私が、診療の合間を見て、診療所訪問を行っており、病院でできる医療について積極的に情報提供を行っております。また、当院の病院機能を向上させてることにより、他の医療圏でしか受けることのできなかった医療を提供していくことです。不整脈に対するアブレーション治療もその一つで、本年6月、議会で承認いただいた後、着実に進めております。今後も病院機能向上の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
また、赤字解消に向けては、平成28年度では延べ入院患者数が約11万4000人でありましたが、平成29年度は再開した2階東病棟が年間を通じて運用できることから、延べ入院患者数で約12万3000人を見込んでおり、収支均衡予算を計上しております。
次に、市立伊丹病院改革プランの目指すものでございますが、引き続き地域医療支援病院としての役割を果たし、地域完結型医療を推進いたします。また、兵庫県指定がん診療連携拠点病院としての役割も果たしてまいります。
具体的には、診療所などが担うプライマリーケアを支援するため、二次救急など24時間体制での入院治療の提供や重傷患者に必要な検査や治療の提供等を行います。また、今後地域包括ケアシステムの構築や病院としての役割を担っていくためにも、各診療科の医療提供や救急医療の充実等、総合的な機能向上が必要になってまいります。当院では、今以上に循環器系疾患に強くなる必要があると考えております。
また、高齢化を迎え、がん診療連携拠点病院の役割強化も必要になります。住みなれた地域で専門的ながん治療を受けることができるよう機能強化を進めてまいります。また、これらの取り組みは病床利用率の向上にもつながり、経営の安定化にも寄与するものと考えております。
今後も急性期医療を提供する地域の中核病院としての役割を果たしてまいりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
○議長(北原速男) 村上上下水道事業管理者。
◎上下水道事業管理者(村上雄一) (登壇)私からは、平成28年度の水道事業及び下水道事業に係る経営目標とその達成度、及び課題点と今後必要な水道及び下水道インフラの更新費用の見通しとそれに対する備えについての御質問にお答えいたします。
初めに、水道事業につきましては、市民生活を支えるライフラインとして重要な役割を担っており、その事業運営に当たっては、将来にわたって安全で安心な水道水を安定して供給できる体制整備が不断に求められております。
近年、給水収益の減少が見込まれる中、水道の安定供給に不可欠な施設等の耐震化や更新改良を進める上での指標として、水道料金収入などの財源試算と施設の更新費用の投資試算を反映させた中長期的な経営の基本計画である、「伊丹市水道事業経営戦略」を平成28年度に策定し、未来につなぐ安全・安心な伊丹の水道を基本理念に、持続可能な水道事業の実現に向け、水道施設の耐震化と計画的な施設整備を重点施策として事業を推進しております。
本経営戦略に基づいた平成28年度の主な取り組みの達成度としましては、千僧浄水場フロック形成池AB池耐震補強工事及び着水井電動弁等の更新工事を完了するとともに、老朽化した排水管の更新工事では、予定整備延長6000メーターに対し、6257メーターを整備するなど、予定を上回る工事を進めてまいりました。また、今後の需要見通し及び経営に与える影響と懸念事項につきましては、人口減少社会の到来や節水機器の普及と節水意識の高まりから、水需要が低迷することよる水道料金収入の減少、施設の老朽化及び耐震化に伴う更新事業費の増大が経営に与える影響であると認識するとともに、今後の更新事業費の財源をいかに確保するかが懸案であると考えております。
次に、今後必要な水道インフラの更新費用の見通しと、それに対する備えについてですが、まず、今後10年間のインフラ更新についての見通しとしましては、浄水場等施設の耐震化では、事業費総額を約10億3000万円と見込み、平成34年度に千僧浄水場内施設の耐震化100%を、さらに平成37年度には場外施設も含む施設全体の耐震化率100%を目指し、優先度の高い施設から耐震化工事を進めてまいります。浄水場等施設の更新では、事業費総額を約45億8000万円と見込み、施設の重要度などを考慮し、適正な維持管理による施設の延命化や更新時期の平準化を図るなど、計画的な施設整備を行ってまいります。
管路の計画的な更新では、重要路線の排水管の耐震化も含め、事業費総額を約82億6000万円と見込み、平成28年度は6000メーター、平成29年度以降は、毎年7000メーターの予定で整備を進め、計画最終年度である平成37年度には、重要路線の耐震適合率を71.2%まで、管路の耐震適合率を41.3%まで高めてまいります。
次に、必要な財源確保と市民生活に与える影響ですが、今後10年間の収支計画では、施設更新の財源確保のため、各年度の純利益を建設改良積立金へ積み立てるとともに、企業債発行額を対象事業費の50%程度に抑制することで、将来世代への負担軽減を図りつつ、現行の水道料金水準を維持した上で、必要な更新財源の確保はできるものと考えております。
しかしながら、計画最終年度である平成37年度末には、補填財源としての自己資金は約4億7000万円まで減少する見込みであり、次期計画期間内には資金不足を生じる可能性があることから、今計画の期間内に企業債の発行水準の見直しや適正な料金体系について検討する必要があると考えておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、下水道事業につきましては、市民の生活や社会経済活動を支える基本的な社会基盤の一つであり、社会的ニーズの変化に応じて機能の拡充を図りながら、公衆衛生の向上、生活環境の改善、公共用水域の水質保全、浸水の防除等に貢献しております。下水道事業におきましても、水道事業と同様、中長期的な経営の基本計画である伊丹市下水道事業経営戦略を策定し、快適な暮らしと循環型社会に貢献する伊丹の下水道を基本理念に、持続可能な下水道事業の実現に向け、管渠の長寿命化対策、ポンプ場の長寿命化対策、浸水対策を重点施策として事業を推進しております。
本経営戦略を用いた平成28年の主な取り組みの達成度としましては、汚水管渠調査業務では、予定調査延長60キロメートルに対し、予定を上回る73キロメートルを調査するとともに、鶴田雨水ポンプ場改築更新工事や西野ポンプ場耐震診断等を実施してまいりました。
また、今後需要見通し、及び経営に与える影響と懸念事項につきましては、人口減少社会の到来、企業の効率的水使用の徹底などから、水需要の低迷することによる下水道使用料収入の減少、高度成長期に集中的に整備してきた施設の老朽化及び強靱化対策に伴う事業費の増大が経営に与える影響であると認識するとともに、今後の更新事業費の財源確保が懸案であると考えております。
次に、今後の必要な下水道インフラの更新費用の見通しと、それに対する備えについてですが、まず今後10年間のインフラ更新についての見通しとしましては、汚水管渠の長寿命化対策では、事業費総額を約31億7000万円と見込み、平成37年度までの整備延長を30キロメートルとし、前期5カ年は管渠改善率年0.42%、後期の5カ年は管渠改善率年0.58%まで高めてまいります。雨水管渠の長寿命化対策では、事業費総額を約9億5000万円と見込み、雨水管渠ストックマネジメント計画を策定し、更生工事を実施してまいります。
ポンプ場の長寿命化対策では、事業費総額を約26億3000万円と見込み、西野及び中野東雨水ポンプ場のストックマネジメント計画の策定と更新工事などを実施してまいります。
浸水対策では、事業費総額を約31億5000万円と見込み、未整備地区の計画的な整備と雨水基本計画の見直しを実施し、浸水の解消を図ってまいります。
次に、必要な財源確保と市民生活に与える影響ですが、今後10年間の収支計画では、現行使用料を維持した場合、企業債残高の減少に伴う支払い利息の減少などにより、平成37年度まで毎年度計上できる約3億円程度の当年度純利益は、企業債償還金に充当するため、減債積立金へ積み立てて財源を確保してまいります。次期計画期間には、資金の増加が見込まれるため、健全経営の維持による財源確保を図りながら、計画的な企業債の発行と償還を行い、企業債残高の抑制による将来世代の負担軽減に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(北原速男) 増田自動車運送事業管理者。
◎自動車運送事業管理者(増田平) (登壇)私から、交通事業についての御質問にお答えいたします。
1点目の平成28年度の経営目標とその達成度及び課題点についてのお尋ねでございますが、御案内のとおり、交通局では平成28年度を初年度とする、今後10年間の経営計画として、伊丹市交通事業経営戦略を策定し、現在、鋭意取り組んでいるところでございます。
今後の収益的収支及び車両更新等の投資に要する経費や、その財源等を試算いたしましたところ、計画策定前の見通しでは、平成37年度末に1億1400万円の資金不足が予測されました。そこで、事業継続に必要なバス車両や停留所施設等の更新に必要な財源確保、今後到来する職員の大量退職に備えるための退職給付引当金に見合う財源を内部留保することを目標に置いた、投資・財政計画を新たに定め、10年後の年度末資金残高を13億3300万円のプラスに転じる計画としております。
内部留保資金を拡大するためには、各年度の収益的収支で、いかに黒字を積み重ねていくかということになりますが、第3次アクションプランでお示ししております重点施策、それらおのおのの個別行動計画の着実な実行こそが、そのための処方箋となるものでございます。
経営戦略による平成28年度の計画では、収益的収支で700万円の黒字を目標にしておりましたところ、決算では目標を約2000万円上回る2800万円の黒字にすることができました。計画初年度としては、まずまずのスタートであったと考えているところでございます。
また、資本的収支におきましても、保有車両1両の減車を前倒しで実現することができ、車両の更新台数を減らしたことなどにより、計画より約5000万円少ない投資額となりました。
平成28年度の収益的収支決算を分析いたしますと、収入では、前年度のダイヤ改正等の影響から、計画値よりも約3000万円減少したものの、職員給与の適正化等から、支出で約5000万円の縮減となりましたことから、計画値を上回る単年度黒字となりました。
しかしながら、支出のうち燃料費が約1000万円減少していること等から、外的な要因がなければ、これほどの上ぶれはなかったものと考えており、こうした要因に左右されない経営基盤を確立していくことが、今後の課題であると認識いたしております。
とりわけ今後の乗車料収入を見通したとき、本市の年齢別将来推計人口は、70歳以上の高齢者人口が増加する一方で、15歳から64歳までの生産年齢人口が減少する見込みとなっておりますことから、特別乗車証での乗客数はふえてまいりますが、料金収入の減少は免れないため、適切な時期での運賃改定が必要であると考えており、経営戦略では、その時期を平成33年ごろと見込んでおります。
次に、営業赤字解消に向けて取り組むべき課題でございますが、議員御案内のとおり、公営バスには採算性だけでなく、市民の生活路線の維持を優先すべき使命がございます。政策的な路線のほか、不採算の路線でありましても、その必要性から路線を維持し運行する市営バスにとりまして、現時点で営業収支を黒字化することは相当高いハードルであることは間違いございません。不採算路線の収支不足の一部につきましては、補助金として一般会計より繰り出しいただいておりますが、補助金は営業外収益として繰り入れておりますことから、営業収支において、収入と費用のバランスがとれていないのが現状でございます。
現に、他の公営バス利用者におきましても、そのほとんどが不採算路線の補助金を営業外収益としており、営業収支だけを見ますと本市と同様の状況でございます。
しかしながら、公営企業として存続をしていく上では、補助金に頼らない経営基盤の確立が重要でございます。交通局では、今後も第3次アクションプランに定めた効率的なダイヤ編成や潜在的な乗客の獲得につながる事業等を実施し、バス事業の根幹である料金収入の増加に努めると同時に、さらなる経費削減に取り組んでまいります。
○議長(北原速男) 小寺議員。
◆1番(小寺秀和) (登壇)市長を初め、それぞれに御答弁ありがとうございました。
2回目につきましては、まず、テーマの1、3、4、5については要望または意見を述べさせていただき、最後にテーマ2の平成28年度決算と行財政プランに関しましては、再度質問をさせていただきます。
まずテーマ1、伊丹市総合計画後期事業実施5カ年計画につきましては、その初年度の進捗状況はおおむね順調であると理解いたしました。
行政評価につきましては、行政の行う事業については、不断の見直しを行い、スクラップ・アンド・ビルドを通じて社会情勢の変化に適合したものにしていかなければなりません。その際には、一定の判断基準が必要であり、行政評価はそのためのツールの一つとして有効であると考えます。
そして、事業の存廃等を客観的に判断して改善につなげ、限られた経営資源の中で行政サービスを向上させていくためには、内部評価のみならず、外部評価や市民満足度の視点が重要な役割を果たすと考えます。さらには、それらと予算との連動が見える化され、市民に積極的に情報公開されることが重要であると考えます。
次に、3つ目のテーマ、公共施設マネジメントにつきまして、公共施設等の更新については、今、自治体が直面している極めて大きな課題です。今後の人口減少を考えると、現状の公共施設を全て維持していくことは不可能であり、今後、廃止または規模の縮小が必要となる施設が生じてくることになります。
しかし、公共施設は市民生活に密着したものも多いことから、市民の理解を得ることも重要です。したがって、このような自治体が抱える課題について、平素より積極的に市民に対し情報提供をしていくことが必要と考えます。
次に、公共施設マネジメントのうち、野外活動センターのその後についてですが、野外活動センターについては、ことし4月の一般社団法人プラス・ネイチャーへの譲渡により、既に本市の所有ではなくなっていますが、契約により譲渡先の運営状況いかんによっては、買い戻しの可能性もあります。
当該センターは、その譲渡に伴い多額の原状回復費用が発生する見込みです。また譲渡によって年間約6000万円のコスト削減効果を見込んでいますが、その額をそのまま幼児教育無償化の財源の一部として見込んでいます。仮に買い戻しになる状況が生起した場合、原状回復費用が無駄になる上、幼児教育無償化に係る財源にも影響が出ることになりますので、特約条項の遵守状況など、その運営には引き続き十分注意を払っていただきますよう要望いたします。
4つ目のテーマ、子育て支援について。待機児童の解消に向けて、日々取り組まれ、年度初めの待機児童ゼロという一定の成果を見たことに関しましては評価すべきところであります。
しかしながら、翌月の5月には61名、そして、4月からわずか半年足らずの間に、既に165名もの待機児童が発生している状況を見ると、待機児童問題の解消にはまだまだ道半ばと言わざるを得ません。保育ニーズがさらに高まっているという状況とあわせ見ると、年度初めの待機児童ゼロについても、今後、予断を許さない状況かと考えます。
待機児童問題の解決策として、保育所のさらなる整備や保育士の確保が欠かせませんが、これらについても、このところ何年にもわたって取り上げられている問題でありますので、とり得る手段については全て速やかにとっていただくことを要望いたします。
公立幼稚園の統廃合につきましては、8月から各幼稚園や地域において説明会が実施されており、これからパブリックコメントも実施されることになりますが、市民に対し、十分説明責任を果たしていくとともに、市民よりいただいた御意見については、十分反映させるよう要望いたします。
この件につきましては、次回以降の定例会において上程されることとなりますので、引き続き注視してまいりたいと思います。
テーマ5、公営企業の決算につきまして、病院事業については、地域の拠点病院として市立伊丹病院が果たす役割は極めて大きく、市民にとって必要不可欠な存在であることは言うまでもありません。その病院を安定的に継続させていくためには、経営改善が欠かせません。この点、進行年度である平成29年度では、収支が均衡するところまで改善する予定であるということですので、その達成を期待しております。
水道事業につきましては、現状、上水道、下水道とも経営状況は安定しています。しかし、人口減少時代を迎え、今後は給水人口の減少に伴う水道料金収入の減少が予想されています。また、公共施設と同様に、インフラ更新に係る多額の財政負担も懸念されるところです。そうした中でも、水道インフラ自体は現状水準を維持していくことが可能であるということですので、それについては安心いたしました。
一方で、水道料金については、計画上、今後10年間は現状の料金水準を維持可能と見込んでおられますが、それ以降は料金改定検討の必要性も生じる可能性があるということですので、このような市民生活に直結する情報については、機会を捉えて、あらかじめ市民に周知していくことが必要であると考えます。
交通事業につきましては、地域のおよそ8割が鉄道空白地域である本市にとって、交通事業の果たす役割は大きいものとなっています。しかし、健全な経営状態を継続できなければ、事業を継続していくことは困難になります。生産年齢人口の減少といった問題が、料金や補助金、路線などのあり方といった経営上の重要事項に与える影響については、予測できる将来の状況を、ネガティブな情報であっても積極的に市民に周知しておくべきと考えます。
これは市政全般に言えることですが、市民にとってわかりやすい情報が提供されることで、市民は市の行財政に関する理解を深めることができます。そして、必要に応じて、これに関与することで、行政と住民ニーズのギャップを小さくすることができ、厳しい財政状況の中でも、住民サービスの質を維持していくことができるものと考えます。
したがって、ネガティブな情報であっても、積極的な情報公開を推進されることを要望いたします。
最後に、2つ目のテーマ、平成28年度決算と行財政プランについて、2回目の質問を行います。
少子高齢化等の影響により、市税収入は伸び悩み、国も地方交付税を抑制しようとする中で歳入は減少し、一方で、扶助費等の歳出は増加していくことは確実です。すなわち収入減、支出増となっていく中で、今後どのように歳入を確保していくか、また、歳出項目をどのようにリバランスしていくかについて、当局の見解をお伺いいたします。
○議長(北原速男) 後藤財政基盤部長。
◎財政基盤部長(後藤和也) (登壇)2回目の御質問についてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、歳入面では生産年齢人口の減少による市税収入の伸び悩みが見込まれており、また、国、地方を通じた基礎的財政収支の財政健全化目標の達成に向け、平成31年度以降の地方の一般財源総額の確保についても不透明な状況となっています。
一方、歳出面においては、中長期的には財政運営に大きな影響を与えるさまざまな課題に直面しています。こうした状況に的確に対応しつつ、自立的な財政運営を持続的に推進していくためには、歳入の根幹は市税収入等の徴収率の維持・向上やネーミングライツ事業、広告事業など官民連携による自主財源の確保等を積極的に推進するとともに、行財政プランに定めた財政規律を堅持しつつ、スクラップ・アンド・ビルド、サンセット方式等による事業実施手法の検討や事務事業の見直し等を継続的に行うとともに、多様化する市民ニーズ、時代の変化に対応した施策・事業に適切に財源を配分してまいりたいと考えております。
○議長(北原速男) 小寺議員。
◆1番(小寺秀和) (登壇)2回目の御答弁ありがとうございます。
御答弁をお伺いして思うところとしましては、将来予測される財政の悪化について、抜本的に改善させる処方箋というものはないため、結局のところは小さな改善、工夫を積み重ねていかなければならないことになります。そのため、前例や従来の考え方にとらわれない、新たな手法による財源の創出にも積極的に取り組んでいただき、また、歳出項目についても不断の見直しを行い、将来世代につけを回さない持続可能な行財政運営を行っていただきますよう要望して、質問を終わります。
○議長(北原速男) この際、お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会したいと思いますが、御異議はございませんか。
(「異議なし」の声起こる)
御異議なしと認めます。
よって、本日は延会することに決しました。
なお、この継続会は明20日午前10時より開議いたします。
それでは、これで延会をいたします。
〇午後 4時54分 延 会...