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平成28年第3回定例会−06月10日-03号

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  1. 伊丹市議会 2016-06-10
    平成28年第3回定例会−06月10日-03号


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    平成28年第3回定例会−06月10日-03号平成28年第3回定例会 第3日 平成28年6月10日(金曜日)午前10時00分開議 〇会議に出席した議員(28名)  1番  小 寺 秀 和    15番  北 原 速 男  2番  里 見 孝 枝    16番  櫻 井   周  3番  服 部 好 廣    17番  相 崎 佐和子  4番  高 塚 伴 子    18番  泊   照 彦  5番  林     実    19番  川 上 八 郎  6番  大津留   求    20番  戸 田 龍 起  7番  山 薗 有 理    21番  杉     一  8番  保 田 憲 司    22番  久 村 真知子  9番  西 村 政 明    23番  上 原 秀 樹 10番  竹 村 和 人    24番  加 柴 優 美 11番  篠 原 光 宏    25番  加 藤 光 博 12番  川井田 清 香    26番  山 内   寛 13番  佐 藤 良 憲    27番  吉 井 健 二 14番  山 本 恭 子    28番  新 内 竜一郎
    〇会議に出席しなかった議員       な   し 〇職務のため出席した事務局職員の職氏名 局長       西浜真介     議事課主査    福本隆至 次長       小野信江     議事課主任    永野洋司 議事課長     大宮 優     議事課事務員   峯畑由記 〇説明のため出席した者の職氏名 市長       藤原保幸     会計管理者             辻 博夫 副市長      行澤睦雄     上下水道事業管理者         村上雄一 理事財政基盤部長 後藤和也     自動車運送事業管理者        増田 平 市長付参事    桝村一弘     病院事業管理者           中田精三 市長付参事    松浦 実     病院事務局長            米倉康明 総合政策部長   大西俊己     モーターボート競走事業管理者    奥本 正 総務部長     堀口明伸     消防長               柳田尊正 市民自治部長教育長付参事      教育長               木下 誠          二宮 毅 健康福祉部長臨時福祉給付金等事業推進班長          坂本孝二                   教育次長教育委員会事務局管理部長市長付参事                                     二宮叔枝 こども未来部長教育長付参事     教育委員会事務局学校教育部長    村上順一          谷澤伸二 都市活力部長   村田正則     教育委員会事務局生涯学習部長    小長谷正治 都市交通部長   大石正人     代表監査委員            中井公明 〇本日の議事日程   1         一般質問 〇本日の会議に付した事件    議事日程に同じ △「開議」 ○議長(相崎佐和子) ただいまから本日の会議を開きます。  初めに、議員の出欠席について申しますが、本日は全員出席であります。  では、これより日程に入ります。 △「一般質問」 ○議長(相崎佐和子) 日程第1、一般質問を行います。  昨日に引き続き、順次発言を許します。  初めに、15番 北原速男議員の発言を許します。────北原議員。 ◆15番(北原速男) (登壇)おはようございます。ただいま議長から発言の許可を得ましたので、発言通告書に基づき質問を行います。御答弁よろしくお願いいたします。  今回は3点質問をしております。  1点目、ひきこもりについてでございます。  まず、内閣府の調査によれば、狭い意味での狭義のひきこもりとして3パターンあると指摘されております。その3パターンを紹介いたしますと、1点目は、ふだんは家にいるが、近所のコンビニ等には出かける。2点目は、自室からは出るが、家からは出ない。3点目は、自室からほとんど出ないというものであります。  その狭い意味での狭義のひきこもりは、平成27年8月の厚生労働省の推計では、全国で約26万世帯に上るというふうに指摘されております。さらに、ふだんは家にいるが、自分の趣味に関する用事のときだけ外出するを加えた広い意味での広義のひきこもりは、さらにこの数よりも多くなります。  また、全国ひきこもりKHJ親の会、家族連合会の調査報告によれば、ひきこもりの開始年齢が横ばい傾向にあるものの、平均年齢は上昇傾向にあり、ひきこもりの高齢化が進んでいるとの結果が公表されております。加えて、年齢が高くなればなるほど抱える家族の負担は重くなり、その支援が難しくなってしまいます。問題は、ひきこもりを抱える親が既に高齢化しており、本来、親の世代が年金を受給するなど社会保障の恩恵を受けている世代のはずが、子供が社会復帰できない、または不就労の状況が続き、果ては生活困窮に至る世帯となることが予想されるということであります。  ひきこもりの子供を抱える家族は、将来不安とともに孤立感を深めやすく、親にとっては残された時間との闘いであり、大変深刻な問題でもあります。  そこで、厚生労働省では、各県の都市部にひきこもり地域支援センターを設置しています。ここでは主にひきこもりに特化した第1次相談窓口を設け、支援コーディネーターとして社会福祉士精神保健福祉士、臨床心理士などがひきこもりの状態にある本人、家族からの電話、来所等による相談や家庭訪問を中心とした訪問支援を行うことにより、早期に適切な機関につなぎ、自立への支援を行うことを事業内容としております。  また、ひきこもり当事者や家族からの多様な相談にきめ細かく対応することを狙いとして、ひきこもり状態にある人への支援希望者を同センターがひきこもりサポーターとして養成し、さらに、市町村が主体となり派遣する事業展開も図られていると伺っております。  したがって、まずは地域で就労できずにひきこもっている実態、その調査を行い、支援策の実施が早急に求められます。  ここで、こうしたひきこもりについてお聞きいたします。  1点目、本におけるひきこもりの現状について、2点目、ひきこもりの高齢化について、3点目、ひきこもりの社会復帰支援について、今後どのように取り組まれるのかについて、以上3点お聞きをいたします。  2点目は、若者の政策形成過程への参画についてであります。  18歳選挙権が実現する今回の参議院選挙、それを前に、若者の政治的関心を高める動きに注目が集まっております。少子高齢化が急速に進む日本で若者の政治離れが進行すれば、若者の政治的影響力は低下し、社会の鎮静化につながります。若者の政策形成過程への参画を促進するなど、若者が社会における影響力を実感できるような取り組みを積極的に進めることが重要と考えております。  直近の国政選挙について見ますと、平成25年、2013年、3年前の7月実施の第23回参議院選挙では、60代の投票率は67.56%に対し、20代の投票率は33.37%となっています。また、2014年、平成26年12月、2年前実施の第47回衆議院議員選挙では、60代の投票率は68.28%に対し、20代の投票率は32.58%となっております。60代と20代でちょうど投票率に半分以上の開きがあり、若者の政治意識の低下が顕著になってきているとの指摘でございます。  さらに、昨年話題となりましたいわゆる大阪都構想の住民投票でも、70歳以上74歳以下の投票率は80.50%に対し、20歳以上24歳以下の投票率は43.10%となっており、同様の開きが見られます。  また、内閣府が7カ国、日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンの満13歳から29歳までの若者を対象に実施した意識調査では、「社会をよりよくするため社会問題に関与したい」と思っている日本の若者の割合は4割強、「私の参加により変えてほしい社会現象が少し変えられるかもしれない」と思っている割合は何と約3割にとどまっている。いずれも日本が最低との調査結果が報告されております。  こうした結果から、若者の政治的無関心の一因は、若者の声が政治に反映されにくく、若者が社会における影響力を実感しにくいためという指摘もございます。  そこで、例えば愛知県の新城では、平成27年4月から新城若者議会条例に基づき新城若者会議を開催、若者の政治参画を促進しています。市内在住、在学、在勤している16歳以上29歳以下から選考された若者20名が13回に及ぶ議会審議を経て、平成27年11月に市長に若者予算事業に関する答申書を提出しています。この内容が反映された16年度予算案は、本年3月に市議会で可決され、16年度から実行に移される見込みとなっております。  また、さらに、北海道の青少年健全育成審議会では、平成27年度から若者枠、18歳以上38歳以下で青少年の健全育成に関心ある者を新設し、2名の委員を公募により選任しております。  さらに、大学生やNPO法人などで構成する日本若者協議会からも、自治体における若者議会の開催、審議会委員の若年層人員の拡充などが盛り込まれた政策要望がなされており、若者側のニーズも高まってきております。  こうしたことから、若者が市政やまちづくりに参加する機会をふやし、社会への参加意識を高めるとともに、若者の視点と意見を市政に反映させることにより、施策の充実を図ることが重要と考えております。  ここで、お聞きいたします。若者の意見等を市政に反映させる取り組みについてお聞きをいたします。2点目、若者の意見を積極的かつ適切に反映されるような取り組みについてお伺いをいたします。  3点目は、不登校についてであります。  不登校とは、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因、背景により登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるため年間30日以上学校を欠席した者のうち、病気や経済的理由、学校の事情によるものを除いたものとされております。  不登校の児童生徒数が多いことについては、かねてより本の学校教育の課題でございました。  ここで、お聞きをいたします。中学生の不登校生徒数の割合が全国平均より高いのはなぜか。2点目、不登校児童生徒の推移と現状についてお聞きをいたします。また、不登校児童生徒についての教育長の見解をお聞きいたします。  2点目、不登校をなくす未然防止策についてであります。  不登校については、文部科学省が平成18年度に不登校であった生徒の5年後の状況等の追跡調査を実施しております。それが平成23年度より調査研究会が設けられ、調査、分析が行われ、平成26年7月にその調査結果報告書が公表されました。その中で、不登校に関する実態調査、平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書によれば、学校を休み始めた時期と長期化した時期との間にタイムラグが生じていることから、一定の潜在期間を経て不登校になることが推測されるとあります。さらに、一旦不登校になると回復が難しい傾向にある、とも指摘されており、不登校になってからの支援はもとより、何よりも未然防止が重要であると報告書の中では指摘されております。  本市におきましては、全小・中学校にスクールカウンセラーが配置され、スクールソーシャルワーカーの配置の増員も行われております。また、過去の答弁等においても、小・中学校の連携を強化することによる未然防止等を行う対策を行ってきたとされております。  こうした点を踏まえ、現在の不登校の未然防止対策について具体的にお聞きをいたしまして、1回目の質問とさせていただきます。 ○議長(相崎佐和子) 坂本健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(坂本孝二) (登壇)私からは、ひきこもりについての3点の御質問にお答えをいたします。  まず、ひきこもりの本における現状についてでございますが、平成27年3月にこども若者企画課におきまして、本市の相談窓口におけるひきこもりの相談について把握し、分析を行うための実態調査を実施いたしました。調査対象機関は、兵庫県地域保健課、宝塚地域若者サポートステーション、阪神・智頭NPOセンター、市役所本庁、総合教育センター等で、平成26年4月から12月の9カ月の間にそれぞれの機関に寄せられた相談内容等のうち、ひきこもり、不登校と考えられる相談について、各関係機関での相談を母集団として報告をいただき、まとめたものでございます。  この調査によりますと、9カ月間の間に合計で163件の相談があったことがわかりました。男女比で見てみますと、男性が約7割で女性が約3割となっており、年齢構成では、20歳未満が約26%、20代から30代が約36%、40代以上が約38%となっております。  ひきこもりの年数につきましては、5年未満が約41%で最も多く、5年から9年が約17%、10年から19年が約29%、20年以上が約13%となっており、長い人では30年以上となっております。  また、平成27年4月より市役所1階に設置いたしました生活困窮者の相談窓口でありますくらし・相談サポートセンターにおけるひきこもりに関する相談状況は、平成27年度で30件の相談件数があり、男女比では男性が約7割、女性が約3割となっております。また、年代別では、20歳未満が4件、20代から30代が19件、40代以上が7件となっております。  次に、ひきこもりの高齢化の現状についてでございますが、先ほどの各相談機関での集計を見てみましても、40代以上の方が約38%と一定数おられ、ひきこもりの問題は若年層だけではないことが確認されております。高齢化するほど就労場所が限られてくるなど、社会復帰が困難になっていくことが考えられます。  ひきこもりの長期化、高齢化の防止を図るため、さまざまな関係機関や地域の皆様と連携、協力を行い、生活困窮やひきこもりの問題に気づくことができるよう、見守り体制の強化を図ってまいります。  また、ひきこもりの問題が判明したときに、当事者や家族が確実に相談窓口につながるよう、相談窓口の周知を図り、できるだけ早期に支援が実施できるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、ひきこもりの方の社会復帰支援について、今後どのように取り組むのかについてでございますが、本市の窓口といたしましては、先ほど申し上げました生活困窮者の相談窓口でありますくらし・相談サポートセンターにおきまして相談支援を実施しているところでございます。相談の多くは同居の御家族から寄せられており、ひきこもりの当事者と相談につながったケースは約5割程度という状況にありますが、当事者とは面談ができなくても、家族との面談を継続しながら、対応方法等について助言を行い、間接的な当事者への働きかけを実施しているところでございます。  一方で、本人と面談ができた事例では、ボランティアとしての参加体験等による社会参加への支援や協力事業所における職場体験の実施、さらには就労訓練事業への適用などの支援を実施いたしております。  また、本年度より、生活習慣が確立されていない等の理由により日常生活や社会参加の団体からのサポートが必要な方を初め、長期間仕事についていない方、さらには学校卒業後働いた経験のない方等、すぐには一般就労が困難な方の支援について、就労準備支援事業を実施しております。この事業は、事業所への通所による生活リズムの構築やセミナー等の実施による社会的マナーの習得訓練、ボランティア等社会参加活動、さらには事業所での職業体験等を実施し、一般就労に向けた段階的な支援を行うものでございます。それぞれの対象者に合ったプランを作成し、継続的な支援を実施してまいります。  また、学識経験者、関係団体を代表する者、公募市民、関係行政機関の職員で構成され、青少年の指導、育成、保護及び矯正に関する総合的施策の充実につき必要な事項を調査、審議する市長の附属機関であります伊丹青少年問題協議会におきましても若者のひきこもりの支援について検討、協議を行っており、学識経験者や精神保健の専門医を初め、関係方面の専門家の意見をお聞きしながら、ひきこもりについて市民の皆様に正しく理解していただくことやひきこもりの若者の御家族への支援を中心に啓発事業等を実施しているところでございます。  本年5月に開催しました平成28年度第1回の協議会におきましては、くらし・相談サポートセンターにおけるひきこもりの支援についての報告を行い、今後の取り組み内容について協議を行いました。  青少年センターでは、ひきこもりの若者やその家族に対してひきこもりについての理解を深めるため、講演会を開催しております。昨年7月の講演会では、当事者間のネットワークの構築に資することを狙いとし、講演の後、講師と参加者のグループトークで意見交換をしていただきました。参加者からは、社会復帰に向け、今後に役立つ内容だったと評価をいただき、また、家族が集まれる場所が欲しいとの要望もいただきました。  これを受けまして、議員御案内の兵庫県のひきこもり地域支援センター阪神ブランチでありますNPO法人情報センターISIS(イシス)神戸とも協力しながら、伊丹社会福祉協議会の主催により本年5月よりひきこもりの保護者等が集まれるひきこもり家族の集いを開催し、家族の負担軽減、当事者間のネットワークの構築のきっかけづくりを図っているところでございます。  その他、支援に関するさまざまな情報を居場所づくりや生活相談、生活支援、労働相談、就労支援など6つのカテゴリーにわかりやすく整理してまとめたハンドブックの作成や、ひきこもりの方が家の外に出るためのきっかけづくりとして、本年3月より(仮称)ゲームカフェNPO法人ICCC(アイ・トリプルシー)、伊丹社会福祉協議会宝塚NPOセンターと共同で実施するなど、さまざまな取り組みを行っております。  このような取り組みとあわせまして、さまざまな機関や地域の皆様と連携、協力をしながら今後ともひきこもりの方の社会復帰に向けた取り組みを推進してまいりますので、御理解、御協力を賜りますようお願いを申し上げます。 ○議長(相崎佐和子) 二宮市民自治部長。 ◎市民自治部長(二宮毅) (登壇)私から、若者の政策形成過程への参画についての御質問にお答えいたします。  急速に少子高齢化が進展しつつある現在におきまして、次世代を担う若者が政治や社会に関心を持ち、社会の構成員としての自覚のもと、その役割を果たすことがこれまで以上に重要になってきております。とりわけこの夏の参議院議員選挙より選挙権年齢が18歳に引き下げられることから、若者の意見が一層政治に反映されることが期待されております。  しかしながら、議員御指摘のとおり、現状におきましては、高齢の方と比較して若者の投票率が低いことなどから、政治や社会に無関心な若者が少なくないということが全国的な課題となっております。  そこで、まず1点目の若者の意見等を市政に反映させる取り組みについてでございますが、本市といたしましても、将来を担う若者世代がまちづくりに参画するとともに、まちづくりの担い手となって活動することの必要性は強く認識しているところでございまして、これまで市民の市政への参画を推進するために、若者を含めた幅広い世代の市民に参画いただけるような取り組みを行ってきたところでございます。  例えば本まちづくりの基本的なルールを定めた条例であります伊丹まちづくり基本条例の見直しに当たりましては、住民基本台帳から性別と年齢階層ごとに一定人数となるよう無作為で抽出させていただいた3000名の市民の皆様にアンケートをお送りし、さらに、その中から御承諾いただいた30名の方に条例の見直しの市民会議に参画していただきました。あわせて、運営面でも学校やお仕事のある方に配慮し、会議を夜間や休日に開催することにより、30歳代以下の若者世代の市民にも参画していただくことができました。若い世代の方からは、会議の中で紙媒体やインターネットなど各世代に合った方法で行政情報を発信することが効果的である、今のコミュニティー活動を次世代に引き継ぐ必要がある、といった有意義な御意見をいただくことができ、これらの意見を条例の見直しに生かすことができたのではないかと考えております。  また、市民のまちづくり活動を支援する市民まちづくりプラザにおきましても、「白熱たみまるカフェ」という形で市民が自由に集い、まちづくりについて語り合う場を設けており、若者世代の方々に積極的に参加していただいております。このようなまちづくりプラザの事業を通じて世代の異なる市民団体が相互に連携することにより、それぞれの市民団体の活動の活性化が期待されるところであります。  また、これからのまちづくりを担う世代に市民の市政への参画の大切さを伝えるために、まちづくり基本条例に関する紙芝居を市民と協働で作成し、市内で開催されるイベントや小・中学校への出前授業で上演する取り組みも行っており、あわせて、この紙芝居の動画をユーチューブで公開するなど、若者が気軽に目にすることのできる手法を取り入れ、積極的な情報提供を行っているところでございます。  次に、2点目の若者の意見を積極的かつ適切に反映させるような取り組みについてでございますが、議員御案内の若者議会の開催のほか、北海道の青少年健全育成審議会などの事例に見られますとおり、近年、各地でより踏み込んだ形で若者の意見を聴取する取り組みが行われております。  例えば山口県宇部や鳥取県鳥取では、若者の意見を市政に生かすことを目的として、若者会議を設置し、若者で構成される合議体で検討した内容をに提言するという取り組みを行っておられます。
     また、京都では、青少年モニター制度としまして、青少年世代のモニター100名にアンケート形式で意見聴取を行うとともに、モニターの有志でワークショップや調査を行い、に提言、提案を取りまとめた報告を提出しておられます。  このように、若者が自治体のまちづくりに参画する機会をつくることにより、若者の意見を自治体の政策に反映させるとともに、市政への参画の機運を醸成するといった成果が期待されるものと思われます。  これに対し、先ほど来申し上げておりますように、本市におきましては、現時点では若者を含めた多様な世代の市民に市政に参画していただけるよう取り組みを進めているところでございます。  といたしましても、若者世代の市民が自分たちもまちの一員であるという認識に立ち、当事者として積極的にまちづくりに参画することがまちの活力を維持するために不可欠であると考えております。  しかしながら、政策形成という点においては、部局横断的な検討が必要であり、どのような場面で、かつどのような手法で若者世代へアプローチすることが効果的であるのか、先進他都市の事例を踏まえ、関係部局と検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○議長(相崎佐和子) 木下教育長。 ◎教育長(木下誠) (登壇)私から、不登校についての私の考えをお答え申し上げます。  議員御案内のように、不登校は、本における大きな教育課題の一つであり、早急にその改善を図らなければならない重要課題であると認識しております。  不登校には必ずその要因、不登校になった直接のきっかけがあります。その要因としては、学校生活に起因するもの、家庭生活に起因するもの、本人に起因するものなどです。また、一つの要因だけでなく、幾つかの要因が複雑に複合している場合もあります。  いずれにしましても、不登校は義務教育という憲法で保障されている教育が提供されていないということです。子供たちは、この義務教育の期間に学校における学習を通して、学力や体力をつけるだけでなく、基本的な生活習慣や人間性、社会性、コミュニケーション能力など、人として必要な資質を身につけていきます。教育というのは、人が幸せな生活を送るために必要な力をつけるものであり、この時期に不登校であるということはとても不幸せなことです。そのためにも、不登校を出さないことです。また、今、不登校にある児童生徒は、一日も早く学校復帰が図れるよう、必要な環境を整備し、きめ細かな支援を行うことが大切だと考えています。  冒頭で不登校の要因、不登校となった直接のきっかけについて触れましたが、国の調査では、友人関係や教師をめぐる問題、学業不振、部活動への不適応など学校生活に起因するものが36.2%、家庭の生活環境の急激な変化や親子関係をめぐる問題、家庭内の不和など家庭生活に起因するものが19.1%、病気による欠席や遊び、非行、無気力、不安などの情緒困難など本人の問題に起因するものが35.0%といった結果が明らかにされています。本市におきましても毎年調査を実施しておりますが、同じような結果が出ています。  不登校を減らすためには、まずは要因を明らかにし、要因に即した具体的な対策をきめ細かく、粘り強く講じることが肝要であると考えます。家庭生活に起因するものや本人に起因するものにつきましては時間がかかるかもしれませんが、学校生活に起因するものにつきましては、わかる授業の創造や、理解の遅い子には放課後などに個人指導を行い、わかる喜びを与えてやったり、また、教員が子供を傷つけるような発言を厳に慎んだり、学校行事や部活動などを充実させることにより、学校は楽しいと思えるような雰囲気を創造する。そして学校にその子の居場所をつくることによりかなり減らせるのではないかと考えています。  また、中学校において急に不登校がふえるのですが、その芽が小学校時代にあることが多く、小学校時代の欠席日数に留意するなど、小、中の連携をきめ細かく行うことなども大切だと考えています。  何をおいても未然防止です。不登校を出さないことが一番だと考えます。そして現在不登校にある子供に対しては、の学校復帰支援事業である「やまびこ館」や学習支援室などの学ぶ場を整え、この時期に学ばなければならないことを提供するとともに、学校復帰へのエネルギーを充電していかなければなりません。  また、ひきこもりの子供には、心理専攻の大学院生を派遣するメンタルフレンド制度などを活用し、みずからの興味のあることに一緒に取り組むなどし、まずは外に出る。他人と触れる。そのような状況をつくってやることだと思います。何においても学級担任がいつもその子のことを心にかけ、愛情を持って対応することが、復帰の遅い、早いはあったとしても、その子の大きなエネルギーになると思います。  あとの質問につきましては、学校教育部長から御答弁申し上げます。 ○議長(相崎佐和子) 教育委員会事務局村上学校教育部長。 ◎教育委員会事務局学校教育部長(村上順一) (登壇)私からは、他の不登校についての御質問にお答えをいたします。  本における30日以上学校を欠席している不登校児童生徒数につきましては、小学校では、平成25年度25人、26年度37人、27年度29人でした。また、中学校では、平成25年度152人、26年度150人、27年度187人でした。近年、小・中学校ともほぼ横ばい状態ですが、中学校は昨年は増加してございます。  また、平成27年度の全国の不登校児童生徒数の割合、つまり出現率はまだ公表されておりませんので比較はできませんが、小学校においては、平成25年度全国0.36%に対し、本は0.22%、26年度全国0.39%に対し、本市0.33%、また、中学校では、平成25年度全国2.69%に対し、本市2.76%、26年度全国2.76%に対し、本市2.77%でした。小学校では全国を下回っており、中学校においてはほぼ全国平均であります。  本市の不登校児童生徒の割合は、かつては全国平均を大幅に1%以上上回っている時期がございましたが、近年、さまざまな事業や取り組みを通して、全国平均または下回るようになってきております。  ただ、不登校の要因や背景は、本人、家庭、学校にかかわるさまざまな要因が複雑に絡み合っているケースが増加しています。この多様な課題を解決するためには、学校や担当部署がそれぞれに対応するのではなく、スクールソーシャルワーカーを活用したり、こども家庭課やこども家庭センター等の関係機関と連携したりするなど、協力して対応する必要があると考えます。  また、伊丹教育委員会としましても、この現実を直視し、不登校の児童生徒数を減らしていくために、今年度、新たに教育委員会の関係部署が連携し、不登校対策に係るワーキング会議を立ち上げ、その対策を実効的に行っていく取り組みを進めてまいります。  次に、不登校の未然防止策についてでございますが、議員御案内のとおり、学校を休み始めたばかりの時期の初期対応が重要であると考えています。  そこで、本市におきましては、市内全ての小・中学校にスクールカウンセラーを配置するとともに、今年度増員したスクールソーシャルワーカーや学校問題解決支援チーム、主導主事を必要に応じて学校に派遣し、それぞれのケースの背景についても着目し、改善を図るべく取り組んでいるところでございます。  スクールカウンセラーは、各学校において、心理的不安を抱える児童生徒や保護者へのカウンセリングや教職員へのコンサルテーション等を実施しています。  一方、スクールソーシャルワーカーは、課題を抱える児童生徒に関する関係機関等からの情報収集や生活面での支援、児童生徒、保護者、教員に対するケースマネジメントなど、学校園、保護者、関係機関との調整等を行うなどして、児童生徒の友人関係や親子関係などの環境改善を図ることにより、不登校の未然防止や適切な初期対応を行っております。  また、未然防止の対策の一つとして、小・中学校の連携の強化が上げられます。小学校から中学校へ進学する段階で不登校が急増することから、本市においては、オープンジュニアハイスクールや中学校教員による小学校への出前講座、また、中学校の教科担任制に早くなれるために、小学校高学年における兵庫型教科担任制の導入など、いわゆる中1ギャップの解消に向けた取り組みを行っているところです。  さらに、各学校では、わかる授業づくりのためのきめ細やかな教科指導や感動のある行事等の体験活動を通して子供たちの自尊感情の醸成を図り、日ごろから学校、学級が子供たちにとって心の居場所となり、自分が大切な存在、認められる存在であると感じられる手だてを講じているところです。  また、早期対応につきましては、学校全体の欠席状況が把握できるチェックシートを作成し、連続欠席など不登校の兆候が見られたら、担任が一人で抱え込むことがないよう、校内に設置している不登校対策部会等において不登校児童生徒の要因を多方面から考え、的確に把握し、教員が共有した上で、早期にその要因の解消に取り組んでまいります。  そして、不登校対策共通理解、共通実践事項についてマニュアルを再点検し、市内の全校において共有して取り組み、不登校生の減少に向けた効果的な実践をしてまいります。  加えて、教員の資質向上を図るため、毎月開催している生徒指導担当者会において、関係機関を交えながら情報共有を行い、実効的な取り組みについて研修を重ねています。  ことし2月と5月に市内小・中学校長や生徒指導担当教員が不登校対策が進んでいる地域である岡山県赤磐や福井へ22名で訪問し、視察を行いました。そこで小中連携と生徒指導体制の構築について具体的に学び、市内の共通理解事項として、今後の各校における指導の充実に生かしてまいります。  不登校は、特定の児童生徒に特有の問題があることによってのみ起こるものではなく、どの児童生徒にも起こり得ることとして捉える意識が大切です。  今後も、一人一人の豊かな人間性や社会性、生涯を通じた学びの基礎となる学力を身につけさせるとともに、学校を楽しいと思う気持ちを持たせながら、不登校を減らす取り組みを進めてまいりますので、御理解賜りますようお願いいたします。 ○議長(相崎佐和子) 北原議員。 ◆15番(北原速男) (登壇)2回目は、意見、要望とさせていただきます。  実は私も20年前にひきこもりの息子さんを抱えていたお母さんからの相談を受けたことがございます。ちょうど20年前に人間関係のつまずきでその方はひきこもって、20年間自宅におられ、高齢になって、お母さんがいよいよ子供の将来を考えての相談でございました。そのときに、20年前に、今の現在のような相談体制はありませんでした。今現在はこういう状況で、相談体制ありますけども、まだまだ家庭の中でひきこもっている方も実際いると思います。具体的には本においてひきこもりの実態はわかっていません。相談に来られた方だけが約30件という答弁でございましたけども、ひきこもりについてはやっぱり実態を先に調査すべきというふうに考えております。  そのひきこもりの具体的な対策は何かということですが、私は、具体的な取り組みとしては、相談窓口の充実がまず第一歩と考えております。そしてそこでの話を聞いて、さまざまな社会資源を活用していく中で、本人や家族にかかわっていくことが最重要と考えております。相談事例を蓄積していく中で、問題点が明らかになってきたり、社会復帰支援施策の充実が図られたりするものとも考えております。学校における不登校の児童生徒へのきめ細やかな対応、取り組みがちょうど先ほど御答弁の中にありましたけれども、こうしたことをひきこもりの相談体制の中で組み入れていく、このことがやっぱり大事なことだと思っております。先ほども答弁にありましたように、県ではその取り組みにいよいよ着手をしております。したがいまして、県とも連携した取り組み、そしてまた充実強化を今後とも図っていただきたく要望させていただきます。よろしくお願いします。  2点目についてですけども、若者の政策形成過程への参画について、特に若者世代の世代間の合意が必要な政策があります。例えば雇用のあり方、それから子育て支援、それからまた、学生を対象としましては、奨学金のあり方、あるいは若者が集まりやすいまちづくりなどたくさんあります。したがいまして、自治体としては、若者の声を政策に反映する取り組みはまだ不十分と考えております。したがいまして、社会が複雑化、多様化している中で、自治会の減少とか高齢化など、課題も今現在出てきています。次世代の負担のあり方などの議論もあることから、先進的に取り組みをされている自治体を参考に、若者が主役となって参画できるまちづくりの第一歩を、若者会議などの開催を御検討していただきたいことを要望しておきます。  最後になりますが、不登校について。平成26年度は小学生37名、中学生になると一気に187名、それから平成26年度が150名と5倍になってきております。この5倍になったことについて、中1ギャップというふうなことも言われておりますが、具体的に180名とか150名の方が今この瞬間にも自宅で不登校になっているということを考えると、その保護者とか、あるいはその子供たちの将来、決して明るい未来が待っているとは私は思っておりません。先ほど教育長が、「教育というものは人が幸せな生活を送るために必要な力をつけるものであり、この時期に不登校であるというのはとても不幸なことです」と答弁をされました。全くそのとおりだと思います。同感です。不登校を全くなくすことはできないかもしれませんが、子供は担任の方や先生がかかわってくれたことは大人になっても覚えております。また、さまざまなきっかけで社会に出て活躍する方もいらっしゃいます。そうした中で、不登校児童生徒を緊密なかかわりによって取り組みをしていただく、そしてその充実強化を図っていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ○議長(相崎佐和子) 次に、23番 上原秀樹議員の発言を許します。────上原議員。 ◆23番(上原秀樹) (登壇)ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、日本共産党議員団を代表いたしまして質問をいたします。  初めに、伊丹人権・男女共同参画に関するアンケートについてであります。  伊丹は、昨年度、伊丹人権・男女共同参画に関するアンケートを行いました。人権問題に関するアンケートは6年ぶりとなります。その目的では、市民の考えや意見を聞き、今後の施策の参考とするためとされていることから、幾つかの問題で質問を行います。  初めに、人権の概念についてであります。  アンケートを見ますと、いきなり人権を身近な問題として感じているかどうか問う形となっています。しかし、人権といっても、個人個人ではその捉え方が違います。伊丹による長い間の人権・同和教育で、人権とは差別問題に矮小化して捉えておられる方もおられますし、憲法に則して人権を捉えている方もおられます。問いの中で人権に関するさまざまな項目が上げられておりますが、項目を上げるだけではその理解は一様とはなりません。  伊丹人権教育・啓発推進に関する基本方針の中の「人権の概念と人権尊重の理念」という項目では、日本国憲法第11条基本的人権の共有、97条基本的人権の本質や、13条個人の尊重、幸福追求権、公共の福祉、14条の法のもとの平等のほか、表現の自由、生存権、教育を受ける権利などを上げられて、人権が不可侵であることは、国を初め、公権力によって侵されないという意味であると説明されています。同時に、市民相互の人権侵害も深刻な社会問題であるとされています。このようなことが、前提となるような記述があって、アンケートはとられるべきではなかったでしょうか、お伺いいたします。  次に、アンケートを通して今後の施策の参考とされるということでありますが、どのような施策を考えておられるのか。1つは、性的マイノリティーの人権について、2つには、男女共同参画に関して、男性が育児、介護、地域活動への参加を促進することに関して、以上の2点の施策に関して簡潔にお答えいただきたいと思います。  次に、同和問題に関する項目についてお伺いいたします。  アンケートでは、さまざまな人権問題の中から、男女共同参画のほか、外国人、同和問題、インターネット、性的マイノリティーの問題を個別に取り上げておられますが、中でも同和問題に関する項目には疑問がありますので、見解を伺いたいと思います。  同和行政に関しましては、2002年に特別対策が終わり、同和地区、同和関係者という概念は行政上なくなりました。にもかかわらず、同和地区という言葉を使ってその後の影響はどうかと調査するのは矛盾していると思います。やっとここまで解決してきているのに、また改めて地域や人を選別することになり、同和問題を解決するどころか、解決をおくらす方向に利用されていることに懸念をするものです。今まで同和問題に関する意識調査は同和行政を推進する立場から行われてきたもので、質問項目が市民の差別意識の存在を統計化するために構成されているように思います。  したがって、1つは、33年間実施されてきた同事業の到達点が無視され、2つ目に、当局の言ういわゆる同和地区に生活する人々の実態と意識状況を配慮せず、3つ目、市民の差別意識を抽出することに重点が置かれているのではないでしょうか。今回の質問項目にもいわゆる同和地区という言葉が出てきており、法的に存在しないばかりか、混住が進んでおり、実態とかけ離れた質問内容によって、市民に大きな誤解を招くことになります。このような調査が本当に同和問題の解決に役に立つものかどうか疑問であります。当局はどうお考えでしょうか。  また、この結果を受けて、どのような施策が必要とお考えなのか、お伺いいたします。  2つ目に、学校並びに就学前における歯科健診についてであります。  私は、2015年3月議会の代表質問で、子供の貧困問題解消と子供の医療費無料化の立場から、学校歯科健診についてただしました。そこでは、学校歯科健診で要治療となった小学生の半分、中学生の3分の2が歯科診療機関を受診していないことが宮城県、長野県、大阪府の保険医協会の調査で明らかになったことを紹介し、伊丹教育委員会は、歯科健診後の治療実態を初め、お金の心配で医療機関を受診できない実態を掌握されているのかとお聞きをいたしました。答弁では、平成26年度の小学校における歯科健診受診者数1万1209人のうち、治療等の処置が必要な児童は延べ4451人、そのうち同年10月末現在で治療が完治した児童は率にして50%、中学校においては、歯科健診受診者数5275人のうち、治療等の処置が必要な生徒は延べ2200人で、治療が完治した生徒は率にして19.6%であること、このような健診及び治療完了の状況の中、治療費の心配で医療機関を受診できないかどうかという実態については、掌握していないというのが実情であるということ、ただし、経済的な理由により就学困難と認められる就学援助対象の児童生徒に対しては、虫歯を初め特定の疾患の治療を受けるときに利用できる医療券を発行して、その治療費を全額助成し、対応しているとされました。  虫歯に関しては、他の病気と違い、歯には自然治癒というものがなく、放置すればするほど虫歯は悪化し、口内で他の健康な歯も侵食していくものです。治療を先延ばしにするほどに費用は右肩上がりに上がり続け、やがてはぼろぼろになって、手がつけられないという状況になります。いわゆる口腔崩壊と呼ばれる状況で、大阪歯科保険医協会は、養護教諭の調査で、二、三年の間に口腔崩壊状態の子供に出会ったことがあるかとの問いに、小学校では53.7%、中学校では55.1%の教諭があると答えているという調査結果を明らかにしています。  文部科学省の学校保健統計調査では、年々虫歯の者の割合は減少しておりますが、2016年で小学校が50.76%、中学校で40.49%、幼稚園でも36.23%となっており、疾患・異常の被患率では、幼稚園と小学校で他の疾患に比べて虫歯の者の割合が最も高く、中学校と高等学校で2番目となっています。いずれにしても、満足にかむことすらできない子供たちが健康に成長できるはずはなく、早期治療が大切であるということは言うまでもありません。  そこで、お伺いをいたします。一つは、歯科健診で要治療とされた子供のうち、完治したとの保護者の報告がされていない子供に対する対策です。  先ほど紹介しました大阪府歯科医師保険医協会の調査では、口腔崩壊に限ってではありますが、生活保護世帯や就学援助を受けている家庭に多いという指摘や、ネグレクトなど保護者が子供の口腔内や健康への無関心を指摘する声が多数あったとされています。  また、経済的な問題だけではなくって、塾や部活を優先して歯科治療に行かない家庭や、本人が嫌がるからと受診させない事例なども寄せられています。  伊丹としては、現状をどういうふうに把握されているのでしょうか。また、医療券の発行の現状はどうなっているでしょうか。  口腔崩壊に限らず、歯科治療に行けない子供に対する対応は、その原因に応じた対応が必要です。経済的な援助とともに、保護者に対する啓発活動や、保護者が治療に連れていけない場合、直接学校から歯科治療につなげる仕組みづくりも必要となっていきます。学校任せにするのではなく、関係機関と連携することも必要と考えます。現状と見解をお伺いいたします。  次に、就学前の幼児期の歯科健診について伺います。  幼児期の健診も大切となります。乳歯で生えかわるからと虫歯を放置すると、歯が抜け落ちた後にうみができ、生えかわる永久歯も虫歯となったり、歯並びが悪くなったりするケースが多いと言われます。放置が続けばかみ合わせが悪くなって、十分に食べ物をかめずに、心身の発達に影響するだけではなくて、虫歯の菌で顎の骨に炎症が起き、発音などに影響することも指摘されています。  そこで、お伺いいたします。幼稚園と保育所における歯科健診はどうなっており、虫歯の状況と歯科治療の現状は把握されているのでしょうか。また、保育所にも幼稚園にも通っていない子供は、1歳6カ月健診と3歳健診以降、歯科健診からも遠ざかっていることになるため対策が必要と考えますが、どうされているのかお伺いいたしまして、1回目の発言といたします。 ○議長(相崎佐和子) 二宮市民自治部長。 ◎市民自治部長(二宮毅) (登壇)私から、伊丹人権・男女共同参画に関するアンケートについての御質問にお答えいたします。  1つ目は、「「人権」を身近な問題として感じていますか」との設問について、人権の認識には人により捉え方が異なることから、先に説明をすべきではなかったかとの御質問でございますが、議員御指摘のとおり、人権とはといった説明文は入れておりませんが、平成22年、2010年策定の伊丹人権教育・啓発に関する基本方針にあります人権は、公権力によって侵されない人権と市民相互間の人権のどちらもが尊重されるべきものと捉え、さまざまな施策、啓発事業等を実施してきたところであります。  今回のアンケートは、人権が自分にとってどれくらい身近なものかをその後の設問で考えていただく流れといたしました。先ほどの回答につきましては、6年前の調査と比較いたしますと、「身近に感じない」という割合が5.7ポイント高くなっていることから、人権とは何だろうかと改めて考えていただくきっかけとしましたが、今後、さらなる啓発の必要性を感じております。  2つ目の御質問のアンケートを通して今後の参考とし、どのように生かしていくのかの2点についてお答えいたします。  1点目の性的マイノリティーの人権については、今回の意識調査でも新しい項目としてお聞きいたしました。設問の「性的マイノリティーの人々に関する人権のことで、あなたが特に課題だと思われるのはどのようなことですか」と回答を複数選択していただいたところ、一番多いのは「性的少数者について正しい知識を得る機会がないこと」といった結果となり、これは30歳代から60歳代で割合が高くなっております。課題だと思うことについて、2番目には「本人の意思に反して男らしく、女らしくという考えを押しつけること」、3番目には「相談場所がないこと」といった回答が得られました。ほぼ同じ割合で、4番目の回答として、「学校や職場でいじめや嫌がらせを受けること」については、10代、20代の割合が高くなっております。  性的マイノリティーとされる人々の人権を守るためにも、まず大人が正しい認識をすることにより、偏見などによりいじめや差別を受けない環境づくりが急務と考えております。  また、限られた情報の中では、特に子供たちが生きづらさを言い出しにくいところです。教育委員会とも連携し、大人も子供も安心して相談できる体制が必要であるとも考えております。  今年度は、職員、市民に対して性的マイノリティーとされる方々への理解を進めること、相談があった場合の連携方法の検討をしてまいります。既にの管理職を中心に、約100人を対象とした人権研修、さまざまな相談を受ける立場にある職員と当事者の意見交換などを実施し、性的マイノリティーとされる人々とは既に日常生活において出会っているということの共通認識を図っているところです。  今後も対象を広げ、理解のないことにより実際に窓口で起こり得る当事者を傷つける事象や改善できることなどを検討し、情報共有していくこととしております。  また、施設整備や制度設計が必要な点につきましては、今後、関係部局と調整しながら検討してまいりたいと考えております。  次に、2点目の男女共同参画に関して、男性が育児や介護、地域活動への参加を促進することに関してですが、「男性がそれらにかかわるためには何が有効だと思いますか」への回答を複数選んでいただいたところ、1番目には、7割近くの方が「男性が育児休業、介護休業を取得しやすい職場環境の整備を促進する」。次いで、5割以上の方が「男性も育児や地域活動に参加するのは当たり前という風潮をつくる」。3番目には、3割以上の方が「長時間労働を抑制する」と回答されております。  現在、(仮称)第2期伊丹男女共同参画計画の策定に向けて、審議会で御意見をいただいているところではございますが、これまでの長時間労働を中心とした働き方は、男性の自殺率の高さにもつながっているとともに、男性が仕事以外の生活にかかわることができないことは、男性自身の問題ともなっております。育児や介護、地域活動などは、仕事以外の自分の生活において、それらに携わる苦労の一方、喜びやつながりといったものを得る機会ですが、この機会を男性が得ることができていないことが課題であります。これは、リタイア後の男性の居場所がないなどの問題にもつながります。一人一人が自分らしく生きるためにも、仕事以外の活動などの情報を提供しながら、仕事と生活がうまく調和する社会を目指してまいりたいと考えております。  3つ目の同和問題に関する項目についてお答えいたします。  議員御指摘の2002年に特別対策が終了との内容について、平成14年3月、国の特別対策は終了いたしましたが、このことは、現在の国の人権教育・啓発に関する基本計画においても、同和問題の早期解決を目指す取り組みの放棄を意味するものではないとの平成8年の国の地域改善対策協議会の意見具申に留意する必要がある旨、明記されているところでございます。  本市といたしましても、差別意識の解消がなされ、誰もが安心して暮らせる社会を実現するまでは、同和問題の解決のための教育、啓発を進めていく必要があることには何ら変わりはございません。  設問中、「同和問題に関することで、今、どのような人権問題が起きていると思いますか」については、結婚問題での周囲からの反対、いわゆる同和地区への居住の敬遠という回答が得られており、結婚や居住といった自分自身にかかわる問題となった際に身近になる問題と考えられます。  そこで、結婚について、「結婚しようとする相手がいわゆる同和地区の人であるとわかった場合、あなたはどうされますか」と、兵庫県が平成25年度に行いました人権に関する県民意識調査と比較できるよう、結婚についての質問をいたしました。本は、兵庫県と比較し、「自分の意思を貫いて結婚する」は16%と同程度なものの、「家族や親戚の反対があっても説得に全力を傾け、できるだけ理解を得て自分の意思を貫いて結婚する」の割合が兵庫県と比較し8.2ポイント低い結果となっております。  「同和問題が生じる原因や背景として、特に思い当たるのはどれですか」との問いについて、社会全体に残る差別意識、家族、親戚から教えられた偏見、差別意識の回答が高くなっております。  市民意識調査は、差別意識を抽出するというものではなく、現時点での人権に対する意識がどのような傾向にあるかをはかり、次の施策に生かそうとするものです。例えば別の設問で、「同和問題は、口に出さないでそっとしていれば自然になくなる」ということについて、「そうは思わない」「全く思わない」方は36.7%と、「強くそう思う」「そう思う」の23.8%を上回っていることからわかりますように、市民の多くの皆様は、放っておいても差別意識はなくならないことを感じておられることが読み取れます。  今後とも、教育、啓発活動を総合的かつ効果的に推進し、市民の皆様が人権問題について理解を深め、自他を尊重する意識のもと、多様性を認めあう共生社会の実現を目指してまいりますので、御理解賜りますよう、よろしくお願いいたします。 ○議長(相崎佐和子) 教育委員会事務局村上学校教育部長。 ◎教育委員会事務局学校教育部長(村上順一) (登壇)私から、学校並びに就学前における歯科健診についての数点の御質問にお答えいたします。  学校における内科健診や歯科健診等の健康診断は、児童生徒等の健康の保持、増進を図るため、学校保健安全法で学校における保健管理について定められており、本市では、心臓や目、歯や口腔の疾病及び異常の有無などの項目について、学校医や学校歯科医の協力のもと、適切に健康診断を行っております。  また、学校における健康診断は、家庭における健康観察を踏まえ、学校生活を送るに当たり支障があるかどうかについて、疾病をスクリーニングし、健康状態を把握するという役割、学校における健康課題を明らかにして、健康教育を充実させるという役割があり、学習指導要領において特別活動の中で健康安全・体育的行事に位置づけられ、教育活動の一環として実施しているところでございます。  議員御案内の歯科健診で要治療とされた子供のうち、完治したとの保護者の報告がされていない子供に対する対策について、伊丹としては現状をどう把握されているのですかについてでございますが、本市の学校園におきましては、4月から5月の間に内科健診や歯科健診等の健康診断を行っております。特に歯科健診については、学校歯科医が園児、児童生徒の一人一人に対し、齲歯の有無や歯列等に異常がないかどうか確認し、治療等の必要に応じて6月から7月にかけ、各学校園から要治療園児・児童生徒に対し治療勧告を行っているところです。  完治したとの保護者の報告がされていない子供に対する具体的な対策につきましては、各学校園において、1、要治療園児、児童生徒等一人一人に対し、学級担任が個人懇談等を通して保護者に声をかける。2、学校だよりや保健だより活用し、歯の健康について、園児、児童生徒、保護者等へ啓発を行う。3、緊急に治療が必要な園児、児童生徒に対しては、学級担任から保護者に個別に治療を促す等の対応を行っております。  さらに、治療を促進させるため、夏休み前に1回、冬休み前に1回と、年2回の治療勧告を行う。校内の掲示板等を利用し、歯の治療状況をグラフ化することで意識の高揚を図る。歯科医師や歯科衛生士等を講師に招いた歯の講習会やブラッシング指導を行う等、各学校園の実情に応じ、治療率を向上させるためのさまざまな取り組みを行っているところでございます。  そのような中、平成26年度の齲歯治療を行っていない園児、児童生徒の割合は全体の28.5%の5045人であり、平成27年度は全体の28.1%の4888人でございました。教育委員会としましては、若干ではございますが、齲歯の治療を行っていない園児、児童生徒の割合が減少していることから、学校における積極的な取り組みが治療率の向上につながっているものと考えてございます。  次に、医療券の発行の現状はどうなっているのかについてでございますが、本市では、現在、経済的理由により就学困難と認められる就学援助対象の児童生徒のうち、必要な家庭に対して医療券を発行しております。平成26年度の発行人数につきましては、全児童生徒の約11.9%に当たる1981人に、平成27年度は同じく全児童生徒の約11.1%に当たる1826人に対し発行しているところです。  また、医療券の使用状況につきましては、平成26年度は延べ580人、平成27年度は延べ453人の児童生徒が利用しております。  次に、治療勧告や受診等を進めることを学校任せにするのではなく、関係機関と連携することについてでございますが、伊丹では、現在、歯の健康づくりに関する取り組みとして、歯科保健相談事業を全市民を対象に実施しております。具体的には、歯科医師及び歯科衛生士により、歯及び口腔状態の観察や治療などに関する相談を無料で毎月第4木曜日に実施しており、広報紙や各種保健事業で広く市民に案内しているところでございます。  次に、幼稚園と保育所における歯科健診はどうなっており、虫歯の状況と歯科治療の現状は把握されているのかについてでございますが、現在、市内公立幼稚園では、小・中学校と同様、4月から5月にかけ、歯科医師の協力のもと、歯科健診を実施しております。  また、公立幼稚園において、平成26年度の齲歯治療を行っていない園児の割合は、全体の26.2%の320人であり、平成27年度は全体の25.7%の275人となっており、若干人数は減少しております。
     そのような中、先ほども申し上げさせていただきましたが、齲歯治療を行っていない園児に対しては、小・中学校と同様、治療勧告を保護者へ行ったり、保健だよりに治療を促す内容を掲載したり、学級担任が一人一人の保護者へ直接声かけをしたりするなど、各幼稚園で積極的に取り組みを進めているところでございます。  また、市内にある公市立全ての保育所におきましても、ゼロ歳から5歳児の歯科健診を年1回実施しており、平成26年の齲歯治療を行っていない乳幼児の割合は全体の15.4%の397人であり、平成27年度は全体の14.5%の336人となっており、こちらも若干ではございますが、人数が減少しております。  また、保育所におきましても、幼稚園と同様に、保護者への声かけなどの治療勧告を行っております。  次に、保育所にも幼稚園にも行っていない子供は、1歳6カ月健診と3歳児健診以降、歯科健診から遠ざかっているが、対策はどうされているのかについてでございますが、1歳6カ月児、3歳児を対象とした乳幼児健診におきまして、歯を健康に保つための指導を行っております。特に、今後、健康を保持、増進するための習慣を形成する時期に当たる3歳児健診では、食事の後や間食の後に歯磨きをする習慣の確立や保護者による仕上げ磨き、歯磨きができない外出先でのうがいの励行の習慣化など、歯や口の清掃指導や歯に関する栄養及び間食指導など、家庭でできる虫歯予防や口腔ケアについての指導を行い、基本的生活習慣の確立に向けた取り組みを進めているところでございます。  また、これに加え、健康を保持、増進するため、虫歯の早期治療と定期的な歯科健診の受診勧奨にも努めているところでございます。  いずれにいたしましても、教育委員会といたしましては、園児、児童生徒の歯や口の健康は、健全育成の観点からも最も重要なことと考えていることから、関係部局や歯科医師会等との関係団体と連携を図り、園児、児童生徒の治療率が向上するよう努めてまいりたいと考えておりますので、御理解くださいますようお願いいたします。 ○議長(相崎佐和子) 上原議員。 ◆23番(上原秀樹) (登壇)それぞれ答弁をいただきましたが、再度の質問をさせていただきます。  最初のアンケートにつきましては、時間の関係で、3番の同和問題について再質問を行います。  先ほどの答弁でも、1996年の地対協意見具申で同和問題の早期解決を目指す取り組みの放棄を意味するものではないという言葉を引用されました。いずれにしても、2002年に同和特別対策は終了いたしました。問題は、同和問題の解決に有効な施策が行われているかどうかというのが最大の問題だと私は思います。  その同和特別対策終了の理由について述べられていますが、そこでは、1つは、特別対策は本来時限的なものである。これまでの膨大な事業の実施によって、同和地区を取り巻く状況は大きく変化した。2つ目は、特別対策をなお続けていくことは、差別解消に必ずしも有効ではない。3つ目には、人口移動が激しい状況の中で、同和地区、同和関係者に対象を限定した施策を続けることは事実上困難であること、したがって、同和地区という行政上の定義はなくなった。この3つであります。  このことを念頭に置いて、その理由について、どれだけ伊丹の人権教育の中でこのことが述べられているのでしょうか。どれだけの市民がそのことを理解されているのでしょうか。見解を伺います。  その上に立って、今回のアンケートと今続けておられます教育、啓発が同和問題の解決に有効かという問題です。  アンケートで、同和問題でどんな人権問題が起きているのかとの問いに、いわゆる同和地区への居住の敬遠という項目がありますが、それには30代、40代が最も多くなっています。結婚問題での周囲からの反対という項目も50代、60代とともに30代、40代の割合が高くなっています。しかも5年前と比べて伸びています。同和問題が生じる原因に関しても、社会全体に残る差別意識という項目も同様の傾向があります。これはなぜでしょうか。  今日では、同和問題を学校の授業で知ったというのが40歳代以下では半数を超えています。同様に、40代から60代の人も、社会教育としての人権・同和教育の中で知ったということになっています。したがって、学校教育を含めた人権・同和教育によって、実態とかけ離れた、教え込まれた差別意識の認識によって、何度調査をしても結婚や就職の差別はまだあるという回答が繰り返されているのではないかと考えるものです。この悪循環こそが同和問題の解決をおくらせているのではないか。大阪府民意識調査の報告というのがありまして、そこでは学習経験を積むほど就職差別や結婚差別は将来もなくすことは難しいという悲観的意識が広がったというふうに分析をされています。当局はこの件についてどのような見解をお持ちなのかお伺いいたします。  もう一つは、いわゆる同和地区という言葉を使うなど、このような市民意識調査を行うことが本当に同和問題解決に役立つものかどうかも含めて、改めて根本的な見直しが必要と考えますが、この点についても見解をお伺いいたします。  次に、歯科治療の問題でありますけども、治療が必要とされた子供で治療をされていない子供、幼稚園、小学校、中学校で4分の1以上、特に小・中学校は3割近くが完治されていません。さまざまな取り組みがされており、一定の前進が図られたということは理解をいたしました。ただ、まだそれだけの子供が治療を完治していないということは、放置をすることはできないと思います。学校任せではなくって、関係機関との連携をと述べましたけども、現実的には学校が現状をつかんでいることから、学校を中心に家庭と地域医療機関や、あるいはスクールソーシャルワーカーなどの専門家との連携を強化することが必要かと思います。  歯科治療の問題は、これだけにとどまらず、さまざまな問題を包括している可能性があるだけに、幼稚園や保育所も含めた対応が必要だと思います。1つは、さまざまな理由で治療に行けない子供の実情をどれだけつかんでおるのかどうか。2つ目には、学級担任任せになっていないか。3つは、困難な子供の情報が共有されているのか。4つには、対応において、学校、地域、家庭、専門家の連携の仕組みはどうなっているのか。このことが課題となると思いますが、この点についてのお考えをお聞きをいたします。  もう一つは、保育所、幼稚園に通っていない子供、認可外保育所もそうでありますけども、4歳児、5歳児のこれらの子供は歯科健診に関してはグレーゾーンとなっています。答弁いただきましたけども、そもそも当局は、これらのグレーゾーンの子供たちの健診は必要と考えておられるのかどうか。必要ならば、保育施設や幼稚園施設等の連携によって健診ができると思いますが、この点についてもお伺いをして、2回目の発言を終わります。 ○議長(相崎佐和子) 二宮市民自治部長。 ◎市民自治部長(二宮毅) (登壇)私から、同和問題に関する再度の御質問にお答えいたします。  本市におきましても、51年前の同和対策審議会答申で指摘された実態的差別と心理的差別のうち、実態的差別については、特別対策の終了までに一定解消はなされており、心理的差別については、あからさまな差別表現や行為が減少していることは、継続して取り組んだ結果であると評価しつつ、なお心理的差別が現在残された課題であることから、人権教育、啓発の際には、こういった歴史的背景をお伝えしながら、現在、実際に窓口で起こっている問題や見えにくいインターネット等で助長される差別についての不合理性を感じていただくよう努めております。  次に、他の自治体の意識調査の分析報告の一部分から、教育、啓発することが差別の解消には逆に悪循環であるとの御紹介につきましては、今回の本の調査の同和問題が生じる背景で回答の多かった社会全体に残る差別意識について考える必要があると思われます。  社会とは、その人を取り巻く環境であると考えられます。例えば知人や友人、会社などがその方にとっての社会であることもあれば、テレビや新聞を通じて報じられている情報まで入れたものがその方の社会である。また、インターネットなど、名前はわからないが、多くの人が書き込んでいる情報を社会だと捉える方もおられるかと思います。その方にとっての社会で流れている情報が果たして正しいのかということを問い直していただくことが人権啓発にとっては重要であると考えております。みんなが言っているからそうなんだろうという思い込みの次に自分が移す行動がかかわりたくないとか避けたいという思いであれば、残念ながら現在も起きている結婚差別がなくなるとは言えず、逆にいつ起きてもおかしくないという状況が今もあるということであります。  本市では、研修会や啓発事業について、講演を聞く、DVDを見るなどの一方通行ではなく、参加者全員が主人公になれる、何でも話せる環境づくりを大切に実施しております。参加という主体的な行動の上に差別についての体験談を聞いたり部落差別についての歴史を知ることで、もっと正確に知りたい、おかしいと感じることはおかしいと言いたいといった前向きな意見が多く聞かれます。正確な情報に触れることはもちろん、そこに参加した人がお互い交わすぬくもりのある言葉があるということは、啓発や教育にとって大変重要であると考えております。一人でも多くの方が同和問題をよそごととせずに、正面から考えていただくこと、対話を中心とした丁寧な教育、啓発の機会を利用していただくためのPRも必要であると考えております。  また、実際そこに参加された方から周囲の方へ、このような不合理な差別はなくしていこうという発信が次々となされるような効果的な啓発を続けてまいりたいと考えております。  今回の市民意識調査の実施につきましては、6年前の調査結果や県との比較、また、年齢別の傾向等が判明した結果を踏まえ、今後とも教育、啓発についての定期的な検証は必要であると考えておりますとともに、教育、啓発の内容や周知方法等につきましても不断の改善を図ってまいります。 ○議長(相崎佐和子) 教育委員会事務局村上学校教育部長。 ◎教育委員会事務局学校教育部長(村上順一) (登壇)私からは、学校並びに就学前における歯科健診についての再度の御質問にお答えいたします。  議員御質問のさまざまな理由で治療に行けない子供の実情をつかんでいるのかについてでございますが、先ほどの答弁でも申し上げましたように、歯科健診につきましては、毎年、各学校園で4月から5月に実施しており、6月から7月にかけ、要治療園児、児童生徒に対し治療勧告を行っております。  また、数カ月経過後、治療完了の報告がない家庭につきましては、担任等が電話連絡や個人懇談、家庭訪問等を通して保護者へ直接声かけを行うなど、再度の治療勧告を行うとともに、子供の状況を把握してございます。  次に、学級担任任せになっていないかについてでございますが、子供たちにとって最も近い存在である学級担任が最初の窓口となり、治療勧告を行っております。  しかしながら、各学校園においては、学級担任のみならず、学年主任を初め、管理職や養護教諭などと連携を図り、対応しているところでございます。  次に、治療が困難な子供の情報は共有できているのかについてでございますが、日ごろから学年会や校内保健委員会等において、子供の生活状況や健康状況などの情報共有に努めるとともに、必要に応じ、職員会議等において全教職員で情報を共有し、組織的な対応を進めているところでございます。  次に、子供たちへの対応において、学校、地域、家庭、専門家の連携の仕組みはどうなっているのかについてでございますが、教育委員会といたしましては、園児、児童生徒を健全に育成していくためには、学校、地域、家庭の連携が不可欠であると考えております。子供たちの教育は社会総がかりで行う必要があると考えていることから、必要に応じ、学校医や学校歯科医等を初め、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等と連携を図るなど、さまざまな子供たちの問題行動や健康問題等の課題に対し、早期発見、早期対応に向け、取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解くださいますようお願いいたします。 ○議長(相崎佐和子) 坂本健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(坂本孝二) (登壇)私からは、保育所、幼稚園に通っていない子供の歯科健診についてお答えをいたします。  健診は必要ではないと考えているのかとのお尋ねでございますが、歯の健康を保つために、歯科健診は必要であり、定期的に受けることが望ましいと認識をいたしております。  また、保育施設や幼稚園施設等と連携した健診ができるのではないかとのお尋ねにつきましては、先ほどの御答弁の中にもございましたが、現在、口腔保健センターで実施いたしております歯科保健相談事業におきまして、ゼロ歳児からの歯に関する相談や口腔チェック及びブラッシング指導など、年齢に応じた対応をしておりますことから、3歳児健診から就学までの間、歯科健診の受診機会がないお子様につきましては、本事業を御利用いただけるよう、事業の周知と勧奨に努めてまいります。 ○議長(相崎佐和子) 上原議員。 ◆23番(上原秀樹) (登壇)答弁をいただきました。3回目の発言は意見を述べさせていただきます。  それでは、同和問題についてであります。  答弁では、心理的差別の問題や、あるいは社会全体に残る差別意識という言葉を使われました。これは常に当局の皆さんが使われており、その部分によって同和問題の解決のためには教育、啓発が引き続き必要だという根拠にされています。  先ほど答弁にありましたけども、残念ながら現在起こっている結婚差別がなくなったとは言えず、いつ起きてもおかしくない状況が今にある。これは心理的差別や、あるいは社会全体に残っている差別意識のことを根拠にされています。しかし、これは際限のないことになります。行政の役割は、人の心を変えることではありません。意識を変えることは行政の仕事ではなくって、本来は、市民のさまざまな学習機会を保障して、その条件を整備するのが行政の役割であります。先ほども言いましたけども、同和教育の中で差別はまだまだ根深い、このことを強調することで、逆に誤った理解を調査を通じて市民に広げて、このことが悪循環で、結局は同和問題の解決をおくらせているのではないか。このことは改めて行政自身が科学的に分析をしていただきたいと思います。  高砂の広報を見ますと、こんな啓発をされています。住宅、道路などの生活環境は大きく改善された。部落差別はいけないことであるという考え方は、現在では常識となっています。こうした同和問題に対する正しい理解の広がりは大変うれしいことです。あるいは、どのような時代になっても差別者が一人もいなくなる社会の実現はなかなか難しいでしょう。しかし、差別的な言動をする人が出てきても、周りの人々がそれはおかしいのと違うとか、そんな考え間違っているよと指摘し、差別的な言動が受け入れられない社会になったとき、同和問題は解決したと言えるのではないでしょうか。そしてそうした社会は目前に迫っているように思います。これは古く、2008年の10月号の高砂広報で書かれた問題であります。  改めて、いつも言っていますけども、市民に対して同和問題の解決を、展望をきちんと伝えるということが大切になっております。アンケートのあり方、あるいは啓発のあり方は、先ほども申しましたように、改めて科学的に分析して、これが本当に解決に有効なのかどうかということを検証していただきますようにお願いを申し上げまして、発言を終わります。 ○議長(相崎佐和子) ここでしばらく休憩いたします。 〇午前11時40分 休  憩 〇午後 1時00分 再  開 ○副議長(佐藤良憲) 休憩を解いて会議を続けます。  次に、10番 竹村和人議員の発言を許します。────竹村議員。 ◆10番(竹村和人) (登壇)ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、私は、通告に従い、質問をさせていただきます。  初めに、AEDの戦略的で効果的な設置のあり方についてでありますが、AED、自動体外式除細動器は、心臓がけいれんし、血液を流すポンプ機能を失った状態、いわゆる心室細動になった心臓に対して電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器のことであります。  そのAEDは、市民の皆様が使えるようになってから10年以上が経過し、AEDの販売台数は全国で63万台を超え、それに従って、突然の心肺停止の際に居合わせた市民、バイスタンダーによるAEDを使った救命処置により、とうとい命が救われたという事例が確実にふえてきております。  また、AEDを含めた講習を受講された市民の皆様も着実に増加しています。  今後もAEDがより一層有効に活用されるためには、地域住民の皆様や救急医療にかかわる機関があらかじめ地域に設置しているAEDの設置場所について知っていることや、AEDが適切に管理されていることが大切であります。  人が倒れて意識を失った場合、心臓が心室細動という不整脈を起こしている可能性があります。この心室細動が起こると、脳や腎臓、肝臓など、重要な臓器に血液が行かなくなり、やがて心臓が完全に停止して死亡してしまう、とても危険な状態となります。  その心室細動の治療には、迅速な除細動が最も有効であります。除細動が1分おくれるごとに生存率が7から10%ずつ低下すると言われております。  平成26年中に救急搬送された心原性心肺機能停止の数は7万件を超えています。消防庁の報告によりますと、バイスタンダー、救急場所に居合わせた人によって応急手当、心臓マッサージ、人工呼吸、AEDによる除細動が実施された割合は年々増加しております。平成26年には、心肺停止傷病者の47.2%に対してバイスタンダーによる応急手当が実施されています。また、平成26年の1年間に目撃された心原性心停止に対して現場のAEDが使われた数は1030件であります。その1カ月生存率は519人、1カ月後生存率は50.4%と高い救命率が示されております。  しかし、同じ26年に目撃された心原性心肺機能停止の総数が2万5255件で、そのうちAEDが使用されたのはわずか4.1%と少なく、AEDの使用例はまだまだ少ないのが現状であります。  その要素としましては、まず、AEDの絶対数がまだまだ足りていないことが上げられます。しかし、地域のAEDの設置基準に一貫性がなく、設置場所が市民の皆様に周知されていない。施設の広さに見合った必要台数が確保されていないなど、設置に関する施策や計画性の欠如を看過することはできません。  平成16年7月に医療従事者、市民の皆様によるAEDの使用が認められて以降、学校、駅、公共施設、商業施設などを中心に急速に普及してきました。しかしながら、我が国におけるAEDの普及は、政策的、戦略的に管理されたものとは言えず、各自治体の理解や関心度の高さや予算規模に左右される、あるいは民間の自主的設置によって支えられてきたのが実情であります。そのため、地域による設置密度の格差が大きく、大規模なスポーツ施設、公共施設でもAEDが未設置であったり、台数が不十分である場合も見受けられます。実際、自治体が運営するスポーツ施設で、AEDが配備されていない場所でプロサッカー選手が心停止に陥ったり、広い敷地を持つ学校内にAEDがあっても、運動場が遠くて救命に間に合わなかった例も報告されております。  安定した社会の安全性といった救命インフラを築くためには、AEDの戦略的で効果的な設置のあり方を検討し、効率的な活用を促進させ、そこから市民の皆様の救命率向上につなげることが重要であります。  平成26年9月に一般財団法人日本救急医療財団において取りまとめられたAEDの適正配置に関するガイドラインによりますと、AEDを効果的、効率的に活用するためには、人口密度が高い、心臓病を持つ高齢者が多い、運動やストレスなどに伴い一時的に心臓発作の危険性が高まるといった心停止の発生頻度にかかわる環境だけではなく、目撃されやすいこと、救助を得やすい環境であることも考慮する必要があるとされています。  アメリカでは、AEDの設置が推奨される公共場所として、5年に1件以上の心停止が発生する場所を掲げ、これにより公共場所の約3分の2の院外心停止をカバーできると整理されているようであります。  ただし、公共の場所の施設内にAEDが設置されたというだけでは必ずしも十分な活用につながりません。施設内のどのような場所に設置され、その場所が周囲に周知されているかどうかが重要であります。広く市民の皆様が使用できるようにするためには、地域の設置状況を登録し、公開することが望ましいということは言うまでもありませんが、日本救急医療財団では、地域の設置状況を収集し、公開する試みを始めております。AEDの設置施設は、地方自治体などの求めに応じ、AED保有情報を公開することが望ましいとガイドラインの中でも指摘しております。  これらAEDの普及による救命率の向上を図ろうとする取り組みは、心疾患による死亡の多くが院外での突然死であるということを踏まえ、AEDという市民の皆様が使用可能な機器を使用することで医療行為の一つである除細動を市民に委ねるというこれまでの医療施策の枠組みを超えたものであることから、一定の救命率が期待される状況下での普及を推し進め、そこでは行政が一定の責務、財政上の負担を担い、住民サービスの一環として不公平性が生じないように設置に配慮すべきものであると考えます。  そこで、お伺いします。まず、本市におかれましては、平成18年以降、現在に至るまで、学校や体育・文化施設などの107カ所の公共施設等にAEDを設置してこられました。現在では一定の整備がほぼ完了していると認識しておりますが、広く市民の皆様への設置場所の情報公開などの周知方法として、どのような取り組みをされているのでしょうか。緊急を要する場合に使用する機器であることから、目立つ場所、職員や来館者が一目でわかり、素早く持ち出せる場所に設置する必要があると思われますが、どのような情報を提供しているのかお伺いします。  また、AEDの設置場所の周知だけではなく、人命救助意識やAED使用の普及啓発に努め、救命率の向上を図ることが必要でありますが、どのようにされているのかお伺いします。  次に、日本救急医療財団がAEDの適正配置に関するガイドラインの中で指摘しておるとおり、地方自治体が地域の設置情報を収集し、公開する試みを進め、AED設置事業者や施設等と協力、連携することが望ましいと考えますが、民間への協力要請などについてどのように対策を講じられているのかお伺いします。  本市におかれましては、現在、一定の設置台数の確保がほぼ達成され、今後はAEDの戦略的で効果的な設置のあり方を再検討し、効率的な活用を促進させることにより、市民の皆様の救命率の向上を目指す段階に至っているのではないかと考えます。  そこで、提案ですが、現在、公共施設では、夜間、休日など、施設から持ち出すことができません。そのために、24時間対応が可能なコンビニエンスストアや交番等に設置するなど、より有効活用するための再配置を検討されてはいかがでしょうか。  また、小・中学校で校舎内にAEDが設置されている場合、土曜日や休日において使用できないということはこれまでも課題として上がってきたことでありますが、学校における突然死の多くはクラブ活動やマラソンの練習、水泳中など運動負荷中に発生しており、発生のリスクの高い場所からアクセスを考慮することが必要であります。そのため、運動場やプール、体育館の近くなどへの設置を検討すべきではないかと考えますが、これらのことについての御見解をお伺いします。  次に、救急体制の充実についてでありますが、消防庁の速報によりますと、平成27年、救急自動車による救急出動件数は605万1168件と、前年と比較して6万6247件増で、一貫して増加傾向を続けています。そして、搬送人員は546万5879件と、前年と比較して5万9962人増で、救急出動件数、搬送人員ともに過去最多を記録したとあります。その背景には、高齢人口やひとり暮らし世帯の増加に伴う急な受診ニーズや通院までの手助けを必要とする利用者がふえたことと考えられます。  本は、今後も増加が予想される救急搬送需要対策の取り組みとして、安全・安心のまちづくりを目指し、救急体制の充実強化を図られました。昨年は、救急車を1台増設、並びに救急隊員の補充、教育に取り組んでおります。そして本年4月から救急車の常時5台で運用を実施されているところでありますが、そこで、本における救急出動の現状と5台運用実施の効果についてお伺いをいたします。  次に、救急搬送時における外国人対応についてお伺いします。  平成20年、観光庁が設置され、官民挙げてさまざまな振興策がとられ、訪日外国人旅行者数は平成25年度以降急増し、平成27年度は1973万人を超え、実に昭和45年以来、45年ぶりに訪日外国人旅行者数が日本人外国旅行者数を上回りました。その急増の大きな要素は、ビザ要件の緩和、免税措置を初めとしたビジット・ジャパン事業の展開、円安基調、近隣諸国の観光旅行の緩和や解禁などが上げられます。東京五輪・パラリンピックが開催される2020年の訪日外国観光客数の目標が新たに4000万人とされたところであります。  今後、外国人観光者の増加などにより、救急現場において外国人を対象とする機会がふえると見込まれますが、言葉が通じないため、症状の確認などが困難なケースが少なくないと考えられます。現在、本市の消防局において外国語対応の職員配置を求めることは、予算的に現実的な対応とは考えられず、しかしながら、本もインバウンド環境整備を推し進めています。多くの外国人の方々をお迎えしたい本として、日本語が話せない外国人のけがや病気などの症状を迅速かつ正確に特定し、適切な治療へとつなげる必要があると考えます。  外国人観光客が増加傾向の石川県金沢では、多言語対応金沢緊急アプリの利用を開始しています。このアプリは、同市の救急車に備えつけられたタブレット端末で利用ができ、英語、韓国語、中国語の3カ国語に対応する翻訳表示機能、音声ナレーション機能を備えており、傷病者らにタッチボタンで病気やけがの状況を検索してもらいながら、細かい症状まで聴取することが可能で、画面上のイラストなどを見て、痛む部位を示すことができる。感染症やアレルギーの有無、病歴、宗教上の制約などについても確認できるようになっています。こうして傷病者が選択した項目の記録は、病院到着後すぐに医師に伝達できる仕組みとなっています。  このほか、傷病者の不安を和らげる「安心してください」「私たちが一緒にいる」「病院まであと少し」など、励ましのメッセージを3カ国語で伝えることもできる。  また、アプリの開発に当たっては、救急隊によるプロジェクトチームを立ち上げ、現場での使いやすさや外国人傷病者の負傷軽減に配慮し開発に取り組んだほか、医師会からも専門的なアドバイスを受けて開発したとのことであります。  本も各救急車にタブレット型端末機が配備されています。このようなアプリを活用することで、日本語が話せない、言葉が通じないケースに役立てることができるのではないかと考えます。  そこで、本における外国の救急車利用の現状と救急搬送における外国人対応についてお伺いします。そして多言語対応救急アプリについての御見解をお伺いし、1回目の質問を終わります。 ○副議長(佐藤良憲) 坂本健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(坂本孝二) (登壇)私からは、AEDに関する数点の御質問についてお答えをいたします。  一般市民の皆様にもAEDの使用が可能となった平成16年7月以降、AEDの普及は急速に広がっており、平成26年末までの10年間で販売台数の累計が約63万6000台に上っていることが厚生労働省研究班の調査で明らかにされております。その設置台数については、詳細は把握できないとされておりますが、販売後に廃棄された台数を考慮しますと、平成26年末の時点の一般施設におけるAEDの設置台数は約47万台前後にも上るものと推測されております。  本市におきましても、平成18年度に59台のAEDを文化・体育・教育施設に設置しましたことを皮切りに、現在までに107カ所の公共施設においてAEDの設置を進め、人命救助思想の普及と病院外の心肺停止者に対する救命率の向上を目指してまいりました。  これら非医療従事者の参画を求める救命体制の強化は、一般市民の皆様を含めた幅広い非医療従事者の参画により救命の連鎖を拡散させ、救急救命士を初め救急搬送に従事する者に適切に引き継ぐことにより、心停止の状態が4分を超えると完全な社会復帰が困難になるという時間の壁を乗り越えることに資するとの考えのもと、AEDの設置事業を推進してきたところであります。  一方で、議員御指摘のとおり、総務省消防庁による昨年の救急蘇生統計によりますと、目撃された心原性心肺機能停止患者のうち、AEDを用いて除細動が実施された患者の割合は約4%と、極めて低い数値を示しているのが現状であります。AEDの使用例が少ない要因としましてはさまざまなものが上げられますが、その大きな要因としまして、AEDの設置場所が市民の皆様に十分に周知されていないのではないかということが考えられます。  そこで、1つ目の御質問でございますAEDの設置場所の周知方法に関してお答えをいたします。  本が管理しておりますAEDの設置情報の周知方法につきましては、ホームページ上においてのお知らせや本年3月に市民の皆様にお配りさせていただきました伊丹防災マップ&市民便利帳において、AED設置施設として防災マップ上に赤色のハートマークを印字表記をさせていただき、御案内しているところでございます。特にホームページ上での設置情報の公開につきましては、従来の市内AED設置場所一覧表の掲載に加えまして、昨年より地図案内としましてAEDマップを作成して、さらにわかりやすい設置情報の提供に努めております。現在は、マップ上の赤いハートのアイコンをクリックしていただきますと、施設名とその住所のみが表示されますが、今年度からはさらに使用可能曜日、使用可能時間帯、設置箇所数等、設置情報のさらなる充実を図るとともに、随時最新情報への更新をすることにも努めているところでございます。  また、ビデオ等を使用し、AEDの操作方法を簡単に習得していただく取り組みも積極的に推進しているところでございます。  次に、2つ目の御質問でございますAEDを設置する民間事業所等への協力要請についてお答えをいたします。  平成25年9月に日本救急医療財団が取りまとめを行い、厚生労働省医政局により発出されましたAEDの適正配置に関するガイドラインの中におきまして、「AEDの管理と設置情報の公開」と題して、地方自治体は、管轄地域のAED設置情報を把握し、積極的に住民に情報提供することが望ましいということが指摘されております。  こうしたことを踏まえまして、本年度からの本における新たな取り組みといたしまして、いたみAED使用協力応援団事業を開始いたします。その目的といたしましては、AEDを設置されておられます事業所をいたみAED使用協力応援団の一員として登録させていただき、市民の皆様の救命事案でのAED使用に御協力をいただくとともに、その設置状況を公表することにより、緊急時での救命率向上を図り、心肺停止による突然死から市民の皆様の命を守り、安全・安心を確保することを目指すものであります。  非医療従事者である一般市民の皆様がAEDを用いた救急医療を行う救命体制の強化とあわせ、民間の事業所等との連携を強化し、市民の皆様の救命への関心と協力の意欲を高めるよう取り組んでまいります。  続きまして、3つ目の御質問でありますAED使用の24時間対応に関する数点の御提案に対する見解についてお答えをいたします。  最初の御提案でありますコンビニエンスストアへの設置に対する見解でございますが、AEDの適正配置に関するガイドラインでは、地域のランドマークとなる施設として、コンビニエンスストアをAEDの設置が考慮される施設例に掲げております。  現在、市内60カ所以上に及ぶコンビニエンスストアへの設置は、AEDの24時間使用対応には有効な役割を果たすものであるとは考えますが、先ほど御答弁申し上げましたいたみAED使用協力応援団事業の根底にある基本概念のとおり、コンビニエンスストアも一つの事業所として捉え、みずからの設置の御協力をお願いし、官民連携の強化のもと、AED使用による救命体制の強化を果たしていくべきではないかと考えているところでございます。  次に、交番への設置についての御提案でございますが、同じくAEDの適正配置に関するガイドラインにおいては、交番への設置に関しては、AEDの設置が推奨される施設例の一つとして、地域の住民の命を守るという視点から、設置することが望ましい公共施設として掲げられております。
     伊丹市内にある13カ所の交番のうちAEDが設置されておりますのは、平成27年度に日本赤十字社兵庫支部からの寄贈を受けたAEDが神津交番所の1カ所にのみ設置されております。  交番への設置につきましては、24時間対応という視点では大変有効な方法であると考えられますが、人口密度並びに地域内の設置状況及び設置に伴う費用対効果等を考慮し、さらに効果的な配置のあり方の検証も含め、慎重に検討していくべきものであると考えております。  最後に、学校敷地内でのAEDの設置場所についての御提案についてお答えをいたします。  我が国においては、学校管理下の児童生徒の突然死のおよそ3割が心臓系疾患による突然死であり、学校は最もAEDの設置が求められる施設の一つである、とガイドラインでは指摘されております。本市におきましても既に平成18年度中に全ての小・中学校にAEDの設置を完了させているところでございます。  このような中、土曜日や日曜、祝日で校舎内のAEDが使用できないという課題があるということは、これまでにも御指摘を賜り、十分に認識をいたしておりますが、屋外へ設置した場合には、AEDが正しく作動するための温度管理が大変難しく、夏場における誤作動が懸念されることや、風雨等の天候による機器の誤作動のリスクも高くなることから、現状では屋外設置を見合わせている状況でございます。  しかしながら、スポーツ中の突然死は比較的若い世代に発生することが多く、球技やランニングを初め、運動強度の高いサッカーなどのスポーツでは、心室細動の発生が多いと言われております。そのための対応といたしまして、本市ではAEDの貸し出し事業を平成24年度から実施しており、ぜひこの制度を御活用いただければと考えております。  いずれにいたしましても、議員から御指摘をいただきましたとおり、AEDの戦略的、効果的な設置のあり方の検討とあわせまして、市民の皆様の人命救助意識やAEDの普及啓発に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますよう、よろしくお願いいたします。 ○副議長(佐藤良憲) 柳田消防長。 ◎消防長(柳田尊正) (登壇)私からは、救急体制の充実に関する数点の御質問にお答えいたします。  まず、救急出動の現状と効果につきましては、救急出動件数は全国的にも年々増加している状況で、議員御案内のとおり、総務省消防庁による平成27年の救急出動件数等速報によりますと、平成27年中は過去最高の605万1168件と、前年と比較して約1.1%、6万6247件増加しており、1日の平均出動件数は約1万6579件となっております。救急出動件数が増加した要因としまして、増加した消防本部のうち67%に当たる314消防本部が高齢の傷病者の増加によるものと回答しております。  また、救急車による救急搬送人員も同様に、平成27年中は546万5879人と、前年と比較して約1.1%、5万9962人増加しており、事故種別ごとの救急搬送人員の状況につきましては、急病が348万9720人で全体の63.8%、次いで一般負傷が81万7226人で全体の15%となっており、救急出動件数、救急搬送人員とも7年連続の増加となっています。  次に、本における救急出動の現状ですが、全国と同様に増加傾向となっており、救急出動件数は9567件で、前年と比較し231件、約2.5%増加しており、救急搬送人員では8815人で、前年と比較し254人、約3.0%の増加傾向となっております。また、これを1日の平均出動件数に換算しますと26件となり、おおよそ1年の間で伊丹市民21人に1人の割合で救急車が利用されたことになります。  事故種別ごとの救急搬送人員状況では、急病が5491人で全体の62.3%、次いで一般負傷が1278人で全体の14.5%となっており、また、年齢区分別搬送人員では、65歳以上の高齢者が昨年と比較し4833人と1.4%ふえ、全体の54.8%となっています。  救急出動件数につきましては、平成20年に一旦は前年を下回ったものの、全国と同様に、平成22年以降は毎年過去最高を更新している状況となっています。  また、伊丹創生人口ビジョンでは、65歳以上の老齢人口は平成57年まで増加することが予想されている状況であるため、議員御案内のとおり、救急体制の充実強化を目的に、平成27年度に新しい救急車の整備と消防局組織を再編し、救急隊の増強整備を推し進めてまいりました。  このような状況のもと、救急隊の増隊につきましては、本年4月1日に議長を初め議員の皆様にも御参列いただき、東消防署第2救急隊運用開始式を挙行し、同日、17時30分から救急車を東消防車に増車配備し、常時5台運用体制を構築いたしました。  5台運用の効果としましては、ことし1月から5月までの救急出動件数が1560件で、昨年と比較し62件の増加となっているにもかかわらず、5台運用時になってからは、非常用救急車の出動及び近隣からの救急車応援件数ともゼロとなっております。  さらに、今までは救急車の出動件数に比例して延長傾向となっていました119番受信から救急現場到着までの平均所要時間が昨年1年間は平均6.3分でしたが、5台運用以降、平均が6.06分となり、前年に比べ約0.24分、秒で換算いたしますと約14秒程度短縮しております。  ちなみに、平成26年の全国平均では、119番受信から救急現場への平均所要時間が8.6分となっており、また、兵庫県下では平均所要時間が8.1分、阪神間におきましても7.5分となっており、本市の平均所要時間6.06分は、阪神間においてもかなり早い到着となっております。  また、出動態勢につきましては、東消防署に2台目の救急車として配置しており、病院からの転院搬送を優先出動として、現在までのところ市内の5台全ての救急車がおおむね効率よく均等に出動している状況にあります。  今後も救急車を必要とする傷病者に対していち早く現場まで駆けつけることを最優先に、今後の救命対応及び市民サービス向上にも結びつけていくことが重要と考えておりますので、引き続きデータ分析に努め、より迅速、的確な運用体制につなげていきたいと考えています。  次に、救急搬送時における外国人の対応についてでありますが、平成27年の本における外国人と思われる救急車による搬送状況は27人で、全体の救急搬送人員に占める割合は0.3%となっています。  しかしながら、議員御案内のとおり、ビザ発給条件の緩和処置や円安を追い風に外国人観光客が近年増加傾向にあり、さらに、2020年のオリンピック・パラリンピックが東京で開催されるに当たり、今後は、大阪国際空港所在地である本市においてもインバウンド観光客の増加が見込まれることから、救急車による搬送件数も増加することが予想されます。  このような中、救急搬送時における外国人対応の現状ですが、本市では、日本語によるコミュニケーションが不十分な外国人の救急患者が発生した際に、傷病者や家族などと救急隊員の間で意思疎通を迅速に図るための問診用として、英語、ロシア語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、韓国語を含めた7カ国語の問診シートを初め、救急隊の行動を説明し、主要な症状、患部、既往歴などの情報を把握するための情報収集シートと救急現場で使う医療用語集から構成された全20言語に対応した多言語版救急時情報収集シートを指さしによる対話集として救急車に積載しています。  その他の対応としましては、議員御案内のように、平成25年10月に導入した二次救急システム、いわゆる「むこねっと」のタブレット端末に言語変換アプリをインストールしており、42カ国語の音声及び文字による対応が可能となっています。例えば会話する傷病者の言語さえわかれば、伝えたい症状や単語をタブレットに向け話しかけると、それを自動的に言語変換し、音声による通訳と同時に文字でも伝えてくれるものとなっています。  現在のところ、日本語によるコミュニケーションが不十分な外国人対応につきましては、苦慮した事案はありませんでしたが、議員御案内のとおり、外国人への対応も含め、今後も社会情勢の変化に対応した消防・救急体制の充実強化を図ってまいりますので、御理解、御協力賜りますよう、よろしくお願いいたします。 ○副議長(佐藤良憲) 竹村議員。 ◆10番(竹村和人) (登壇)それぞれ答弁をいただきました。2回目は、意見、要望とさせていただきます。  初めに、AEDの戦略的で効果的な設置のあり方についてでありますが、AEDの適正配置に関するガイドラインにおいて、AEDは市民の皆様にその処置を委ねるという性質上、ある程度高い救命率が期待される状況で、AEDの使用を促す必要があります。可能な限り24時間、誰もが対応できることが望ましいとされています。  大阪府枚方では、平成27年4月から、が全額負担し、コンビニエンスストアにAEDの設置を進められております。本年2月には、京阪光善寺駅付近のコンビニエンスストアの前の路上で倒れた男性が、AEDの活用により救命されたという事案が実際に起きております。  愛知県江南市では、市内の交番5カ所に貸し出すことで、休日、夜間を問わずAED使用を可能とするとともに、応急手当の講習を受けた警察官が緊急時の救命措置に対応することで、救命率の向上を図っております。  さらに、江南市では、精密機械であるAEDを気候や天候に左右されず保管することが可能な屋外型収納ボックスを活用して、市内の学校の屋外にAEDを設置しております。特に学校は、自治会やボランティア団体の皆様が、そして平日は仕事で来られない20代、30代の若い世代の人たちが休日に集うことの多い地域住民の皆様の拠点でもあります。人命救助思想の普及啓発という点においても、さらに重視する必要があるのではないでしょうか。  本日、先進の事例を紹介させていただきましたが、またこのことについて今後ぜひ研究を進めていただき、AEDの戦略的で効果的な設置のあり方を再検討し、より効果的な活用を促進させ、市民の皆様の救命率向上を目指し、安全・安心のまちづくりを実現されることを要望いたします。  次に、救急体制の充実についてでありますが、緊急出動において、これまで近隣他に応援要請を行っていたが、救急車の増設で必要がなくなり、効果もあらわれたとの答弁でありました。今後も救急出動件数や高齢者の増加が継続すると予想されることからも、市民サービス向上のために、より一層の迅速、的確な運用に取り組んでいただきたい。  2020年東京五輪・パラリンピックの開催で、訪日外国人観光客数の増加が4000万人とされ、訪日外国人を本市に呼び込むための環境整備などを行っており、多くの外国人の方々をお迎えしたい本として、外国人の方々への安心・安全の対策を講ずることは、本としての重要な機能であります。外国人などの対応については、多言語シートやタブレット端末に言語変換アプリをインストールして対応しているとのことでありました。多言語アプリも日進月歩で進化しておりますので、救急対応の実情に合うものにしていただき、社会情勢の変化に対応した総合救急体制の充実を要望し、質問を終わらせていただきます。 ○副議長(佐藤良憲) 次に、12番 川井田清香議員の発言を許します。────川井田議員。 ◆12番(川井田清香) (登壇)ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、通告に基づき質問させていただきます。  1点目に、母子家庭等医療費助成制度についてお伺いします。この母子家庭等医療費助成制度につきましては、昨年6月の一般質問で取り上げましたが、再度質問させていただきます。  平成26年7月に兵庫県母子家庭等医療費助成制度の改正に伴い、伊丹の助成制度も兵庫県に合わせた改正が行われ、所得制限基準の見直しと一部負担金の引き上げが行われました。  制度改正より間もなく2年を迎えますが、ひとり親家庭を支援されています兵庫県婦人共励会やひとり親家庭のお父さん、お母さんたちから、従来どおり親に対しての医療費助成も行ってほしいという声をお聞きしています。  今回行われた改正は、兵庫県の第3次行革プランの大幅削減計画に伴い、ひとり親世帯と他の子育て世帯との均衡を図るため、対象を経済的負担の大きい低所得者に重点化する目的で行われました。これにより、低所得者に近い水準で生活されているひとり親家庭の方々へは支援が行き届いていない状況です。  今回の所得制限の基準額は大幅な見直しで、給与収入ベースで見ますと、お子さん1人の家庭で年収が366万円以下なら対象とされていたのが、130万円を超えると対象外となりました。これにより、平成26年7月時点で1572世帯、3392人のうち689世帯、1462人が対象外となり、平成26年度決算の1人当たりの助成額が2万9532円ということですので、この約2万9000円に対象外となった1462人を掛けますと、年間約4300万円を伊丹が助成しなくてよくなったことになります。ただし、1462人中447人の子供に関しましては、子育て支援医療助成とこども医療費助成へ移行され、この助成額が年間約2700万円となっていますので、先ほどの4300万円から差し引くと、約1600万円を伊丹が助成することで、親に対する医療費助成を従来どおり行うことができます。  今回の兵庫県の改正で、県下の半数以上の受給者が助成対象外となり、県費の削減は約3億1000万円の見込みとなった中、独自の財源の確保で助成している県下の市町の状況を調べてみました。来る平成28年7月時点の予定データではありますが、20歳までなどの対象拡大を行っているのが神戸、尼崎、赤穂、篠山、播磨町の41町、県の制度改正後、独自財源での助成や所得制限額を緩和しているのが近隣の西宮、宝塚、三田を含む166町、入院費等の一部負担を緩和しているのが113町で、このように各市町で独自の財源で助成しており、県制度に合わせた、つまり独自財源で助成していないのは93町となっており、その中に伊丹が入っております。  県の大幅な所得制限の見直しの中、所得制限を独自の緩和で対応しているのが166町でありますが、この中には、一度県の制度に合わせたものの、やはり支援の必要性を感じ、早急に見直しを行い、所得制限緩和を実施された市川町と神河町、また、この7月から子供対象で実施される佐用町がございます。  この3町に理由をお聞きしましたところ、やはり子育て世代、ひとり親家庭をしっかりと支援していく必要がある。また、中学3年生までの子供に対する医療費助成制度の終了後において、ひとり親家庭の、特に子供に対しては引き続き医療費の支援が重要であり、従来どおりの母子医療での支援をしていく必要があるとのことでした。  このように、他の助成状況を見てみますと、子育て支援を重視している伊丹において所得制限を県の改正に合わせたままのことが問題と捉まえます。約1600万円の税で助成が可能であることから、早急に検討すべきではないでしょうか。  子育て支援、ひとり親家庭への支援として、母子家庭等医療費助成制度は、安心して子育てしやすいまちづくりを目指す伊丹において、重点を置き、着目すべき取り組みではないでしょうか。伊丹だったら安心して子育てできると感じられる本市の着目すべき取り組みと、他が既に取り組んでいる独自の財源確保での対象拡大、所得制限、一部負担等の緩和策の導入についての見解をお伺いします。  2点目に、平成28年4月からのごみ収集の変更に伴う影響についてお伺いします。  この4月1日より、ごみと資源物の分け方、出し方が一部変更になりました。事前に自治会の回覧で変更のお知らせや説明会、また、ごみと資源物の分け方と出し方に関するガイドブックを市内全戸配布するなど、変更に関する事前のお知らせや説明がなされ、4月より変更が実施され、約2カ月がたちました。  まず、燃やす大型ごみの廃止と燃やさないごみの規格変更では、幅、高さ、奥行きがそれぞれ30センチまで、または45リットル以下の袋に入るものは、燃えるものは週2回の燃やすごみの日に、燃えないものは週1回の燃やさないごみの日に出し、それ以外のものは有料の粗大ごみに出すこととなりました。この粗大ごみは予約制であり、収集の当日は、処理手数料の支払いがあるため、立ち会いが必要となります。不法投棄など問題もある中、ごみを出す人が最後まで責任を持って出すという点では大変有効なシステムですが、事前連絡、立ち会いが必要など、少し利用に手間のかかるようにも思います。  また、収集曜日の変更は、日がたつにつれて地域の皆様はそれぞれなれていただけるかと思います。ただ、いまだに曜日を間違えてごみを出したり、収集忘れか、収集時間が非常におくれ、ごみがそのまま放置されてしまっている状況も見受けられます。  そこで、燃やす大型ごみの廃止と燃やさないごみの規格変更、収集曜日の変更等に伴う影響と、粗大ごみの有料収集の利用状況をお伺いします。  次に、今までは同じ日にいろいろな種別のごみを収集していたため、住民がごみステーションの管理がしにくい状態になっており、その改善のため収集曜日を拡充したことは理解できますが、実際には、同じ日にまとめて出したかった、曜日がふえた分、ごみ当番の回数がふえたなど、住民の管理の負担がふえてしまったという事実もあります。  ごみステーションの管理は、業者がごみを収集するまで、また収集後の後片づけなど、各地域の皆様の御協力のもと、管理していただいております。よって、収集曜日の拡充で各地域においてごみ当番の体制も変わっております。ごみ当番の体制はさまざまな形があるかと思いますが、私の地区では、今まで1回交代で行っていた当番を、月曜から木曜まで毎日、つまり週4回のまとめての当番に変更となりました。自分たちが出す地域のごみですので、地域で協力していくのは理解できますが、特に働く世代や高齢者が多い地域では、毎日のネットの出し入れなどの管理は確実に負担が大きくなっているのが現状です。  そこで、近年新設するごみステーションでは、ネットを張らなくてよい箱型のごみステーションを見かけます。箱型ごみステーションは、家庭ごみのカラス等による散乱を防止し、町の景観もよくしてくれます。しかし、一方で、新設費や修繕等にかなりの経費がかかります。  そこで、他では、自治会や設置を希望する団体等に箱型ごみステーション設置費助成制度を導入されている自治体がございます。岡山県笠岡では上限15万円、福井県福井では上限10万円、宮崎県川南町では上限12万円、新潟県燕では上限5万円、札幌では上限1万2000円と、箱型ごみステーションを設置する際の費用を一部助成しています。箱型のごみ収集庫は、市場価格で1万から5万円で販売されており、工事費と合わせましても、この助成制度を活用することにより設置がしやすくなると考えます。  地域住民の管理作業の軽減、そしてカラスなど鳥獣によるごみの散乱も大きな問題となっていますので、その対策として箱型ごみステーションの設置と自治会等への設置費助成制度の見解をお伺いします。  3点目に、本市の待機児童についてお伺いします。  この待機児童に関しては、報道でも耳にする機会がふえ、全国的に問題となっていますが、伊丹においてもこれまで待機児童ゼロ対策推進班の設置、保育園の誘致や定員の拡充等、さまざまな取り組みを行い、新年度を迎えました。まずはその成果として、本市4月時点及び最新の待機児童数をお伺いします。  次に、対策として、保育園の誘致を行い、徐々に保育園数がふえてきておりますが、これは当局の努力が実を結んだ結果として評価させていただきたいと思います。ですが、現在ふえた保育園が求められている保育のニーズと合致し、地域ごとに見ても待機児童数が減少しているのかが重要になってきます。預ける側としては、安心して預けることができる環境を求めます。特に重要なポイントとしては、開園時間、送迎、兄弟そろって預けられる等、保護者としても外せない条件があり、希望に合わなければ保育園に預けることを断念する場合もあることから、保育園や定員をただふやすだけでは待機児童問題の原因の解決にはつながらないと言えます。平成27年から28年度中に市内全体で210名ほどの定員増を図り、平成29年度には待機児童を解消するとお伺いしておりますが、今後は、地域別の需要と供給のバランスもよく把握し、対策を行っていくべきであると考えます。  そこで、地域別に見たとき、それぞれの定員の確保ができているのか、小学校区ごとの待機児童数の状況をお伺いします。  次に、待機児童の定義は、各自治体の判断に委ねられています。このため、認可保育所に申請したが入れなかった児童が多いのに、公表された待機児童数が極端に少ない自治体もあります。この原因は、当該自治体が厳しい基準で線を引いているからであり、このようなことが最近話題になった匿名のブログ等に端を発し、社会問題につながったのではないかと考えます。  これまで本における待機児童の定義についてはたびたび議論されてきておりますが、各自治体においてもさまざまな定義が上げられています。例えば「自治体独自の認証保育所や市区の保育室に入所」、「保育ママを利用」、「ベビーホテルなどその他認可外保育所を利用」、「幼稚園の預かり保育を利用」、「育休を延長した」、「仕事を探しながら入園申請している」、「特定の保育園を希望し、他を辞退している」、「預け先が見つからなかったため仕事をやめた」などがあり、これらの各要因が待機児童の認定基準を満たすか満たさないかは各自治体によって異なります。  そこで、本市の最新の待機児童の定義をお伺いします。  一方、待機児童の定義を拡充させるイコール待機児童数が大幅にふえると予想されます。つまり潜在的待機児童も表面化され、さらなる対策が求められます。潜在的待機児童をもゼロにしてこそ、他には負けない本の魅力ある子育て支援の施策となり、「子育てするなら伊丹」を掲げるため、潜在的待機児童をどう位置づけ、潜在的待機児童への対策についての見解をお伺いします。  以上で1回目の質問を終わります。 ○副議長(佐藤良憲) 坂本健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(坂本孝二) (登壇)私からは、母子家庭等医療費助成制度に関する御質問についてお答えをいたします。  議員御案内のとおり、兵庫県におきましては、第3次行財政構造改革プランに基づき、平成26年7月に福祉医療費助成制度の一部見直しが行われたところでございます。その中で、母子家庭等医療費助成制度につきましては、乳幼児・こども医療費助成制度の充実を踏まえ、母子等のひとり親世帯と他の子育て世帯との均衡を図るため、経済的不安が大きい低所得者層に重点化し、所得制限額や一部負担金が変更されております。  本市では、従来、母子家庭等医療費助成を初めとする福祉医療費の助成制度につきましては、持続的な制度運営を念頭に、県制度を基本に置いて実施しており、この県制度の改正内容に従って、平成26年7月に改正を行ったところでございますが、県下各市町の状況を見ますと、その対応はさまざまであることは議員御指摘のとおりでございます。とりわけ母子家庭等医療費助成については、県制度に上乗せする形で実施している市町も多数あり、県制度と全く同じ条件で実施している市町は、本年7月をもって県下41町中93町となる予定であることは、私どもといたしましても承知しているところでございます。  こうした状況を踏まえ、本市の着目すべき取り組みと独自財源による制度の拡充に関する本の考え方についての御質問でございますが、母子家庭等医療費助成を含めた福祉医療費助成制度は、低所得者の方々を初めとした真に支援を必要とされる方々が経済的不安を感じることなく安心して医療の提供を受けていただくために重要な制度であると考えております。  また、少子高齢化社会の進展等により、社会保障関係経費等が増大する中にあっても、安定した制度として運営していく必要があるものと認識しているところでございます。  こうした認識のもと、本市では、平成18年度から県制度を基本に置いた制度として見直しを進めながら、持続的で安定した医療費助成制度の運営に努めてまいりました。  一方で、子育て支援策の一つの柱として、安心して子供を産み育てることができる環境の整備と、子供の健康、その保護者の子育てに係る経済的負担の軽減を目的として、中学生までの入院費用の無料化を初め、子育て支援のための医療費助成の内容を県制度に単独経費を上乗せする形で実施するなど、子育て支援に係る医療費助成について、その拡大を図ってきたところでございます。  他方、国の動向に目を向けますと、去る6月2日に閣議決定されたニッポン一億総活躍プランにおいては、誰もが活躍できる一億総活躍社会をつくっていくための3つの目標が示され、その一つとして、希望出生率1.8を目指すことが掲げられたところでございます。そしてこの目標達成に向けては、ひとり親家庭や多子世帯等への支援を推進することを初め、多方面の取り組みを実施することによって、未来を担う子供たちへの投資を拡大し、格差が固定せず、誰にでもチャンスがある一億総活躍社会をつくっていくという方向が示されております。  本市では、これまでから庁内の関係部局がさまざまな子育て支援施策に精力的に取り組んできたところでございますが、今後も「未来を担う人が育つまち」の実現を目指して、妊娠・出産包括支援事業の実施や保育所待機児童の解消、中学校給食の完全実施など、安心して子育てできる環境整備のために必要な施策を一層推進しようとしております。  そのような中、母子家庭等医療費助成を初め、老人医療費助成や障害者医療費助成などの福祉医療費の助成制度は、医療保険制度の補完的役割を担っており、今後も持続可能な制度として実施していく必要があると考えております。このため、母子家庭等医療費助成制度のみを取り上げて見直しするのではなく、子育て支援策を多方面から総合的に検討する必要があると認識いたしております。  したがいまして、ひとり親家庭を含む子育て家庭に対する医療費助成の施策の方向性につきましては、子育て支援の観点から、引き続き国での議論や他の自治体の動向を注視、検証しつつ、慎重に検討してまいりたいと考えておりますので、御理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。 ○副議長(佐藤良憲) 二宮市民自治部長。 ◎市民自治部長(二宮毅) (登壇)私から、ごみ収集の変更に伴う影響に関する御質問にお答えいたします。  まず、燃やす大型ごみの廃止と燃やさないごみの規格変更、収集曜日の変更等による影響についてでありますが、議員御案内のとおり、今年度より本市では、家庭から排出されるごみの収集運搬体制を抜本的に見直すこととし、その内容につきまして、住民の皆様への説明会をこれまで延べ400回以上実施してまいりました。また、ごみと資源物の分け方と出し方を詳細に解説したガイドブックを新たに作成し、ことし2月には市内の御家庭に全戸配布し、その変更等、内容の周知、案内に努めてきたところでございます。  今回の見直しの主な内容は、ごみの種類ごとに収集運搬体制を効率的に運用し、資源物収集の拡充や燃やす大型ごみの区分を廃止することで、管理しやすいごみステーションづくりに努め、あわせて燃やさないごみを含めた排出可能な規格を変更したものでございます。  具体的には、これまで燃やすごみの規格並びに燃やさないごみの規格は、ともに各辺が100センチ、60センチ、50センチ以内のサイズのものを無料で収集運搬し、これを超えるものは有料の粗大ごみとしておりましたが、今回の見直しで、1辺が30センチを超えるもの、もしくは45リットルのごみ袋に入らないものにつきましては、ともに粗大有料ごみとして取り扱いをさせていただき、燃やす大型ごみの区分を廃止したものでございます。  見直しに伴い、地域によりましては、収集の曜日が変更になるところもあり、初めの1週間ほどは、ごみ種の出し間違いや収集漏れなどが市内全体のごみステーションの約2割で発生しておりましたが、皆様の御協力で、それらも約1カ月で減少し、現在ではおおむね順調な排出、収集が可能となっております。  次に、粗大ごみの有料収集の利用状況についてですが、平成27年度と比較いたしますと、昨年4月、5月、2カ月間の利用件数380件に対しまして、今年度の同じ期間の利用件数は786件と、約2倍に増加しているところでございます。  いずれにいたしましても、市民の皆様には引き続きごみの分別、リサイクルの推進をお願いするとともに、排出抑制への意識啓発を進めてまいります。  次に、箱型ごみステーションの設置と助成制度についてですが、議員御案内のとおり、箱型のごみステーションは、ごみの飛散やカラス等による被害を防止するとともに、町の美観にも貢献することから、民間の集合住宅を初め、新たな分譲住宅の開発に合わせて導入されているところが見受けられます。  しかしながら、その設置は、集合住宅などの民間の所有地には可能ですが、市内約6000カ所のごみステーションの大半を占めるその他の場所のごみステーションに関しては、その設置自体が不可能であるため、公平性の観点からも、箱型ごみステーション設置に対する助成制度を実施することは考えておりません。  他方、ごみステーションにおけるカラス対策につきましては、地域でさまざまな対策を講じていただいておりますが、平成24年度に市民と行政が協働で取り組みました「伊丹家庭ごみステーションカラス等対策研究会」において取りまとめましたごみステーションのカラス対策ガイドブックでは、市内各所のカラス対策の手法を幾つか御紹介しております。この中で、から貸与可能な手法として、カラスだけでなく、猫などの小動物による被害も防ぐ効果があるあぜ板とネットとの併用による対策グッズもございます。まずはごみステーションの立地に加え、御利用される世帯数などに応じた排出量を基本としながら、地域の御負担がより少ない対策を講じることが求められております。  このように、今後ともカラス等によるごみステーションの被害を抑えながら、地域の環境美化に効果のある手法について、市民の皆様とともに廃棄物対策の取り組みを行ってまいりますので、御理解いただきますようお願い申し上げます。 ○副議長(佐藤良憲) 谷澤こども未来部長。 ◎こども未来部長(谷澤伸二) (登壇)私から、待機児童問題に関する数点の御質問にお答えいたします。  議員御案内のとおり、本市の待機児童対策につきましては、平成25年7月、待機児童ゼロ対策推進班を設置し、平成26年4月に平松地区に定員60名の認可保育所を誘致したのをスタートに、この約3年間で計437名の定員の拡大を行ってまいりました。  そこで、本市の4月時点と現時点の待機児童数でありますが、近年の労働形態の多様化など社会情勢の変化に加え、新制度における保育所入所要件の緩和などにより、保育ニーズはますます増加の一途をたどっております。本年4月には、保育を必要とする児童の総数は2800人程度となり、平成26年4月から比べますと200人ほど増加している中、本市におきましては、冒頭申し上げましたように、保育の受け入れ枠を整備、拡大してきましたので、定員に弾力的運用も加味した受け入れ可能人員の総数では全ての保育ニーズを充足できる状況にあります。  しかしながら、保育ニーズの地域偏在や児童の年齢構成、保護者の園選択によるマッチング等の課題もあり、平成28年4月1日現在の待機児童数は33名となり、昨年4月の132名に比べますと大幅に改善されたものの、完全な解消には至らない状況でした。さらに、現時点では、4月以降のニーズも加わりますので、6月1日現在で130名の児童が待機となっております。  次に、地域別の待機児童と保育園のバランスについてですが、保育園に通園する世帯の多くは自宅からおおむね1キロ圏内に位置する施設を希望されますので、既存施設の入所状況や場所、待機児童の状況などを考慮し、保育園が偏在しないように設置を進めてきたところであります。  また、近年は、中心部でマンションの建設が進んだことや、JR伊丹駅、阪急伊丹駅に向かい通勤する途上に児童を預けることが可能であることなどの利便性の高さから、中心部に保育需要の割合が高い状況でありましたので、昨年度からJR伊丹駅、阪急伊丹駅周辺を重点的に民間認可保育所等の誘致を行ってきました。こうした取り組みにより、中心部に民間認可保育所1カ所と小規模保育事業3カ所で、計117人の定員拡大を行うことができました。  さらに、現在行っている民間認可保育所の公募により60名以上の定員を確保できた場合、中心部における年度当初の児童の受け入れが一定確保できるものと見込んでおりますが、市域全体の待機児童解消に向けては、さらなる保育定員拡大が必要なものと考えております。  そこで、小学校区ごとの待機児童の状況についてでありますが、4月時点の待機児童の状況を見ますと、伊丹小学校、有岡小学校、南小学校、鈴原小学校区内の割合が5割程度と一番高く、次いで天神川小学校、荻野小学校、鴻池小学校区で3割程度、その他の小学校区では数%の状況となっております。  市域の待機児童解消に向けては、議員御案内のとおり、地域別の需要を把握することが重要であるものと認識しており、引き続きどの地域に待機児童が発生しているか、今後の保育需要がどの程度見込まれるかなどの分析を行い、適宜必要な数の保育定員を確保するとともに、保護者が希望していただける保育の提供が行えるよう努めてまいります。
     次に、本市の待機児童の定義についてですが、子ども・子育て支援新制度においては、国は、調査日時点で、保育の必要性が認定され、認定こども園の幼稚園機能部分及び幼稚園を除く特定教育・保育施設または特定地域型保育事業の利用の申し込みがなされているが利用していないものと定義しております。同時に、この定義には、保護者が育児休業中の場合や求職中の保護者が求職活動を休止していることが確認できる場合、また、ほかに利用可能な特定教育・保育施設等があるにもかかわらず、特定の保育所等を希望し、保護者の私的な理由により待機している場合などは待機児童数から除外できると示しており、求職活動の状況認定や保護者の私的な理由、入所可能な保育所の認定については自治体ごとに判断の違いや裁量の余地が生じてまいります。  特に各市で大きな違いが出ると想定されますのが、入所可能な保育所がありながら希望せず待機となる場合ですが、国の通知では、入所可能な保育所とは、利用するのに無理がない、すなわち通常の交通手段で自宅から20分から30分未満で登園が可能な施設としております。この定義を当てはめますと、本市では、市内に点在するほぼ全ての保育所が利用可能であり、待機児童の相当数が除外できることとなります。  しかしながら、本市では、こうしたケースも待機児童としております。また、調査時点の求職活動の実態について、本人からの申し立てをもって判断しており、さらに、育児休業中の場合も復職の意思があれば待機児童に含めるなど、保育の必要性が認められたものの保育所を利用できない場合は全て待機児童としております。  次に、潜在的待機児童についてでありますが、昨年4月時点、全国で約6万人とされており、国から公表されている待機児童数が約2万3000人ですので、およそ2.6倍に当たる子供が算定から除外されているということになります。これは、待機児童の定義における除外項目の適用により生じることとなります。  潜在的待機児童により問題となりますのが、表面的には待機児童がゼロとなったため、保育所の定員増などの待機児童対策が行われないことがあります。本市におきましては、先ほど申しましたとおり、全てを待機児童とカウントしておりますので、現在はこのような問題はありません。しかし、園の選択といった個別ニーズなどに対し、行政の責任としてどこまで受け皿を確保していく必要があるのかといった観点を含めて、待機児童の定義内容が精査されるべきであるというふうに考えておりますので、御理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。 ○副議長(佐藤良憲) 川井田議員。 ◆12番(川井田清香) (登壇)それぞれ御答弁ありがとうございます。  それでは、再度、待機児童問題について質問させていただきます。  新年度スタート時点の4月で待機児童数は33人、さらには現時点では130人と大幅にふえておりますが、1年前の6月議会で平成29年度には待機児童を解消すると答弁されております。平成25年に新設された待機児童ゼロ対策推進班は既に解散されたとのことですが、現に130人もの待機児童が発生している中、これでは待機児童ゼロ対策推進班が十分に機能を果たしていたとは言えないのではないでしょうか。本市では、全ての要因を待機児童に含むとのことですので、他では待機児童としてカウントされない潜在的要因の待機児童の解消も必要になります。これだけ待機児童のことが取り沙汰されるということは、生活に密接にかかわる問題で、それだけ世の中のお母さんたち、市民は関心を持っているということです。今年度より新たに保育政策課を新設されましたが、毎年待機児童が発生し、同じような傾向を繰り返し、なかなか解消されておりません。  待機児童ゼロ対策推進班、また個別のケースに応じて保育園を提供する保育コンシェルジュを設置されているとお伺いしておりますが、これらが具体的にどのような成果を上げたのか、また、平成29年度こそ、本当に待機児童をゼロにする対策についてお伺いします。  以上で2回目の質問を終わります。 ○副議長(佐藤良憲) 谷澤こども未来部長。 ◎こども未来部長(谷澤伸二) (登壇)私から、待機児童問題に関する再度の御質問にお答えいたします。  まず、待機児童ゼロ対策推進班、保育コンシェルジュの設置がどのような成果を上げたのかについてでありますが、待機児童ゼロ対策推進班では、設置以降、積極的に民間認可保育所等の誘致を行ってまいりましたので、先ほどの御答弁で申し上げましたとおり、437名の定員を拡大することができました。  しかしながら、就労形態の多様化など社会情勢の変化や新制度における保育所入所要件の緩和などにより保育ニーズがますます増加しておりますことや、保育ニーズの地域偏在や児童の年齢構成、保護者の園選択によるマッチング等の課題があり、残念ながら待機児童の解消には至りませんでした。  そういった状況ではありますが、待機児童の解消を目指す姿勢はこれまでとは変わらず、組織再編によりこども未来部においてその役割をしっかりと引き継ぎ、待機児童の解消を実現してまいります。  次に、保育コンシェルジュについてでありますが、保育士の資格を持つ職員を中心に、窓口や電話等による利用者からの相談に対応し、保護者等への助言などを行ってきました。保育コンシェルジュの設置により、通わせたい保育所や保育時間など、認可外の保育施設等も含め、個別のニーズに合った保育サービスの情報提供を行うことができましたことから、保育ニーズへの対応とともに、子育て支援の充実につながったものと認識しております。  最後に、平成29年度に待機児童をゼロにする対策についてでありますが、伊丹子ども・子育て支援計画に基づきまして、現在実施している民間認可保育所の公募等により、平成29年4月に向けて100名の定員拡大を図ってまいります。これにより、数的には年度当初の保育ニーズに対応できるものと考えておりますが、あわせて地域ごとに偏在する保育ニーズとの調整をきめ細やかに行うことにより、まずは年度当初に待機児童ゼロでスタートできるよう努めてまいります。 ○副議長(佐藤良憲) 川井田議員。 ◆12番(川井田清香) (登壇)御答弁ありがとうございます。  最後は、意見、要望とさせていただきます。  まず、母子家庭等医療費助成制度につきましては、他の自治体の動向を注視し、検討していくとのことですが、県下41町中29は既に母子家庭への医療費支援を実施されております。過去に藤原市長が選択と集中とおっしゃっておりましたが、限りある財源を選択と集中で配分し、市民のニーズにいかに応えていくかが重要であり、さまざまな施策を整備していく中で、真に支援が必要なひとり親家庭の方々から支援を取り上げるものではないと私は考えます。本市におきましては、厳しい財政状況ではございますが、母子家庭等医療費助成制度につきまして、再度御検討いただきますよう要望いたします。  次に、箱型ごみステーションの設置費助成については、他では、公平性が保たれる申請要件を設けて助成制度を行っております。各ごみステーションにおいては、さまざまな問題や要望がございます。市内にはごみステーションが約6000カ所あるとのことですが、明確な規定を設けることにより、必要とされる場所には選択して設置できるよう、助成制度の導入の検討はするべきと考えます。  また、無料でいただけるあぜ板とネットを活用した方法もあるということですので、それがどの程度の成果を上げているのか、今後、私も注視してまいりたいと思います。  最後に、待機児童については、本は他に比べると、保護者のニーズを細かく聞き、最大限ニーズに合った保育園を提供されていることは大いに評価いたします。また、全国的に問題視されている潜在的要因の待機児童についても、伊丹は待機児童として提示されております。ただ、提示するだけでは数がふえるだけで、全ての要因を待機児童の定義に含め、なおかつそれを解消できてこそ、待機児童ゼロのまちとして、他より魅力ある伊丹の子育て支援のメーン施策として掲げることができるのではないでしょうか。定員拡充は解消策の大きなポイントとはなりますが、やはり現在130人という待機児童数が本が厳しい現状にあることを物語っています。その中で、あえて全て待機児童としてカウントするという基準を示して対策をする当局の判断は、私は支持をいたします。  待機児童が出ないまち、伊丹を目指し、今後も全力で対策を行い、貢献するだけではなく、結果に反映していただくことを期待いたします。  以上、意見、要望とさせていただき、発言を終わります。 ○副議長(佐藤良憲) ここでしばらく休憩いたします。 〇午後 2時31分 休  憩 〇午後 3時00分 再  開 ○議長(相崎佐和子) それでは、休憩を解いて会議を続けます。  次に、25番 加藤光博議員の発言を許します。────加藤議員。 ◆25番(加藤光博) (登壇)ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、発言通告に従いまして、当局の御見解をお聞きをいたします。  初めに、「空港を活かしたまちづくり」の実現に向けた取り組みについてお伺いをいたします。  過去、大阪国際空港の運営は国が担っておりましたが、2012年7月1日に大阪国際空港は関西国際空港と経営が統合され、大阪国際空港の運営は国が出資する新関西国際空港株式会社へ引き継がれ、大阪国際空港は会社管理空港となりました。これにより、大阪国際空港、関西国際空港の一体的な運営体制が整備をされ、関西における既存の航空需要を両空港の間で奪うような政策は見直され、両空港の特性を生かし、航空需要そのものの拡大を目指す取り組みが進められることになりました。その結果、大阪国際空港においては、制限発着回数内のプロペラ機枠が低騒音ジェット機枠への移行や、実質規制されていました長距離路線も一部復便がなされ、利用者利便の向上が図られたものとも言えます。  また、関西国際空港は、24時間運用が可能であるとともに、積極的なLCCや国際貨物の誘致がなされ、経営統合される以前と比較して空港利用者が大幅に増加をいたしました。  このような状況の中、経営統合の次なるステップとして、コンセッション方式による大阪国際空港と関西国際空港をあわせた空港運営権の民間への売却が行われ、ことし4月1日からオリックス株式会社とヴァンシ・エアポートが中核となり、関西に拠点を置く企業30社で構成される空港運営会社、関西エアポート株式会社による運営が始まりました。  関西エアポートのホームページを見ますと、両空港の安全とセキュリティーを常に最優先しつつ、適切な投資と効率的な運営によって国内外からの空港利用者へのサービスを強化し、両空港の可能性を最大限に引き出し、地域コミュニティーへ貢献することが目標として掲げられております。したがいまして、両空港の可能性を最大限に引き出すという目標を達成するために、今後、関西エアポートが現状ある両空港の運営に関する制約の見直しを求めてくることが想定されるところであります。  また、政府は、観光先進国への新たな国づくりに向けて、ことしの3月に新たな観光ビジョンを策定し、訪日外国人旅行者の目標を東京オリンピックが開催される2020年に4000万人、2030年に6000万人と大幅に上乗せされました。まさに大阪国際空港を取り巻く社会環境は新しいステージに入ったと言えるところであります。  そこで、お伺いをいたします。本市におきましては、これまで「空港を活かしたまちづくり」を総合計画にも位置づけられ、取り組んでこられましたが、さきに述べましたような大阪国際空港を取り巻く社会環境の大きな変化を踏まえて、空港をどのように活用しようと考えておられるのか、また、実現のためにどのような取り組みをされようと考えておられるのか、市長にお伺いをいたします。  次に、市役所庁舎の耐震化についてお伺いをいたします。  さきの4月14日に発生しました熊本県を中心とする一連の地震活動におきまして、消防庁発表によりますと、6月2日16時30分時点で人的被害は死者69人、負傷者1663人、住宅の被害は、全壊が6961棟、半壊が2万173棟、一部損壊が9万6037棟確認されております。また、公共の建物の被害は241棟確認されており、震度7を2度も観測し、その後も激しい余震活動が続いた今回の熊本地震では、防災・災害時の司令塔となるべき市庁舎の損壊が相次ぎ、被災者対応やその後の業務に大きな支障を来す事態となっていることは、日々の報道から知り得るところであります。  そのような中で、熊本県宇土の市役所本庁舎も鉄筋コンクリートづくり5階建ての建物の4階部分が押しつぶされ、は、本庁舎敷地内への立ち入りを制限せざるを得ない状況となっております。  また、によりますと、本庁舎は約50年前に建てられており、10数年前の耐震試験で震度6や7の地震には耐えられないとの結果が出ていたが、財政上の理由から建てかえを先延ばしにしてきた。東日本大震災後、建てかえ議論が本格化し、職員内で検討が進められていたと説明をされておられます。  現に宇土市長は、ことし3月上旬の施政方針説明で、庁舎建設についてですが、市役所本庁舎は竣工から51年が経過し、老朽化が著しく、耐震性にも大きな問題を抱えております。市庁舎は、防災・災害時の拠点となる施設であり、また、市民が親しみを感じ、市民と協働で活動、交流ができる施設である必要があります。このようなことから、これまで市庁舎建設についての方向性を検討するため、市民代表や学識経験者などから成る宇土市庁舎建設検討委員会を設置し、検討を行ってまいりました。来年度においては庁舎建設基本構想の策定に向けて、市民参画のワークショップや住民説明会、パブリックコメントなどを行い、さらなる検討を行っていきたいと考えておりますと語っておられますが、結果的には遅過ぎる判断となったと言わざるを得ません。  しかし、このような状況となるリスクは、本市におきましても同様であります。市庁舎の建てかえも視野に入れての方向性の検討は、財政的にも大きな負担を伴うだけでなく、基本的な構想の取りまとめにも時間を要します。  昨年度に策定されました伊丹公共施設再配置計画では、市庁舎の再配置の方針について、施設の耐震性及び老朽化の状況を鑑み、中期的な視点で建てかえについて検討しますと書かれております。この方針の意図するところは、現在の総合計画の時期において、積極的に建てかえについて検討を行わないということでしょうか。  そこで、お伺いをいたします。今回の熊本地震で被害に遭った市庁舎の状況を踏まえ、耐震性に課題のある本市の庁舎について、今後の方向性に関する検討を早期に前倒しして行う必要があると考えますが、当局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  以上で1回目の発言といたします。 ○議長(相崎佐和子) 藤原市長。 ◎市長(藤原保幸) (登壇)加藤議員から、「空港を活かしたまちづくり」について、今後どのように空港を活用するのか、そしてその実現に向けてどういう取り組みをするのかというお尋ねをいただきました。いわばこれからどうするんだというお尋ねでありますが、その前段として、これまでどうだったのかという話からちょっと話させていただきたいと思います。  伊丹空港は、昭和14年、1939年に大阪第2飛行場として誕生いたしまして、ことしで77年ということになります。そして一時、終戦直後、アメリカ軍に接収された時期もありましたが、基本的には国が直轄で管理運営する空港として使用されてまいりました。そして、特に1960年代から70年代、我が国の高度経済成長期、伊丹空港は羽田空港と並んで、日本でも数少ない国際空港として、日本の経済発展を支えてまいりました。支えてまいりましたが、当時のジェット機、非常にうるさかったこともありまして、非常に空港周辺では大きな環境問題、騒音問題を惹起いたしました。私も当時、小学生でありましたけれども、授業中、先生の声が聞こえなくなるというようなことがしばしばございました。  そんなこともありまして、かつ伊丹空港、我が国の空港需要もどんどん伸びていったということもありまして、羽田、伊丹だけでは何ともならんということで、首都圏では成田空港、そして関西では関空ということが計画されました。そして1994年、大震災の前年になりますけれども、関空がスタートいたしました。いたしましたが、当時はまだ滑走路1本しかありませんで、海上空港ではありましたけれども24時間完全運用はできなかった。そんなこともありまして、2007年、関西経済界の悲願として、当時、財務省は随分渋ったというふうに聞いておりますけれども、2本目の滑走路を整備いたしました。  整備いたしましたが、そうして完全24時間空港化はできたわけですけれども、主として立地上の問題と言われておりますけれども、利用が期待されたほど伸びなかった。そしてそれが伊丹空港があるから関空の利用が伸びないのではないかと、伊丹空港の利用制限をして関空にお客を回そうという政策が10年余り前から行われてまいりました。  ただ、しかしながら、結果的には、伊丹は着実に減ってまいりましたけれども、関空は期待されたほど伸びなかったということもありまして、私としてみればそれ見たことかでありますけれども、従来の関空か伊丹かという議論は結局フルーツを生まないと、関空も伊丹も一緒にそれぞれのよさを生かして使うようにすべきではないかというようなことを主張してまいったわけでありますが、それがある面実現いたしまして、これまでの関空か伊丹かという議論ではなくて、関空も伊丹も一体的にしよう、経営統合しようということで、法律ができることになりまして、それを具体化いたしましたのが4年前、2012年の4月に関西国際空港と伊丹空港が経営統合されまして、新たに新関西国際空港株式会社による管理運営が始まりました。  ただ、この新関空会社といいますのは、株式会社とは言っておりまして、社長さんは民間から来ていただいたわけでありますが、株主が国100%ということでありまして、安藤社長さん、当時の社長とお話しすると、なかなか自由に経営できませんというようなお話もありました。  そんなこともありまして、最終的には今回の関空と伊丹の経営統合というのは民間の知恵と資金を活用しようというのが基本的な目的でありましたもので、昨年12月になりますけれども、この新関空会社が御案内のようにオリックスとフランスのヴァンシ・エアポートを中核として、これに関西の中核企業30社が資本参加する形で、純粋の民間会社としての関西エアポート株式会社が設立され、ここの関西エアポートと新関空会社がコンセッション契約を締結し、そしてことし4月、2カ月ほど前でありますけれども、いよいよ関西エアポートによる空港運営が始まったということでございます。  したがいまして、るる御説明申し上げましたが、伊丹空港にとりましては、開港以来、抜本的な、歴史的な大きな変革期を今迎えておる。まさに新しいステージに入ったと言って間違いないということをまず前提として御理解賜りたいと思います。  そして、その歴史的転換という面では、これは加藤議員も触れられましたけれども、日本の国の観光政策も抜本的に変わってまいりました。端的に申し上げれば、海外から観光客、お客さんをいっぱい迎えようという政策に変わりました。過日、観光庁長官といろいろお話ししてますと、日本の観光政策というと、一昔前、二昔前は、日本の外貨減らしのためにいかに日本人を海外へ出すかということが中心であったわけでありますけれども、これからの日本の経済成長、成長戦略を考えた場合、数少ない成長分野が観光分野であろうということは衆目の一致するところでありまして、そういう面で、円安も進んできて、和食のよさを初め、日本のよさが、世界的にスマートジャパンということが認められる中、どんどん呼ぼうというふうに国も政策を転換いたしました。  具体的には、ここ近年、戦略的なビザの緩和でありますとか、航空ネットワークの拡大、LCCを積極的に引っ張ってくるというようなこともありまして、飛躍的に訪日外国人がふえてまいりました。  従来の目標は、2020年、オリンピックのときに2000万にしようという計画を、数年前であったかと思いますけど、立てました。当時は毎年数百万しか来てませんでしたので、数百万を2000万にするという、それできるんですかというような目標だったわけでありますが、それが昨年、2015年には既に約2000万人になりました。  それを踏まえて、さらに国では観光先進国の実現に向けてということで、ことしの3月になりまして、明日の日本を支える観光ビジョンというのが策定されました。具体的に申し上げれば、加藤議員も触れられましたように、訪日外国人旅行者の数、これを東京オリンピック・パラリンピックの年、2020年、ちょっと前までは2000万人目標と言っていたのが4000万人目標と、倍に上げました。さらには、2020年に倍にした後、2030年にさらに3倍、6000万にしようという、非常に野心的とも言われてますけれども、高い目標を掲げられたということであります。  ただ、これ専門家が見るところ、4000万、6000万と言うのは簡単だけれど、今でも御案内のとおり日本にいっぱい急激に訪日客がふえて、出入国管理、空港で随分待ち時間が長くなってしまっているという問題もありまして、それを今の倍だとか3倍にするとどうやって受け入れるのというのと、もう一つはどこに泊まるのというのが大きな課題だと言われておりますけれども、いずれにいたしましても、そんなこんなを考えますと、伊丹空港につきましても、神戸も一部入るかと思いますが、言われております関西3空港をどういうふうにして使うのかということを新たに考えるべきことではないかと。私が考えますに、関空だけではなかなか関西に対する外国からのニーズに応え切れないのではないか、伊丹も一定の役割を果たしていいのではないかと、そんなふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、そうした改めて関西の3つの空港をどう使うのかということを議論し直す必要がある時期ではないかと思っておるところでございます。  以上のような認識に基づきまして、これまでも申し上げてきたところでありますが、伊丹空港というのは市街地に囲まれた空港でありますから、引き続き騒音を初めとした環境問題、あるいは安全・安心の確保、これは絶対の条件ということで万全を期すと。その前提に立ちまして、我が国有数の基幹空港として、時代の要請に応えまして、地域と調和しつつ、地域の活力向上にも資するような、その機能の活用と利用者利便の確保、向上を目指さなければならないというふうに強く思っているところでございます。  実は、先月の中旬になりますけれども、新たに関空、伊丹の運営を始められました関西エアポートの山谷社長とフランス人のエマヌエル・ムノント副社長さんに、私の部屋へ来ていただきました。そしていろいろ意見交換をさせていただいたわけでありますが、その際に私から申し上げたのは、まずは、いつもお題目のように言って恐縮ですけれども、周辺地域の安全環境対策には万全を期してほしいと、それに加えて、さっき冒頭申し上げましたように、ずっと国の直轄管理、運営で来たわけでありますけれども、そうした国の管理でありますとか、国主導の管理ということではなくて、民間の柔軟な発想、特にムノントさん、フランスのヴァンシ・エアポート、海外の空港の運営の経験もお持ちの方でいらっしゃいますから、そうした国際的な空港運営のノウハウ、そうしたものを十分に生かしていただいて、伊丹空港の持てるポテンシャルを十分発揮させてほしいということを申し上げました。そして、私としましては、国内旅行者だけではなく、先ほど申し上げました我が国の観光戦略を踏まえますと、訪日外国人を迎えるに当たっての国際線の復便というのも除外する必要はないのではないかと、利用者ニーズに基づいた両空港の活用に期待していることを伝えました。要は、関西エアポートに申し上げたのは、国際線を飛ばせということではなくて、飛ばしたほうがいいと判断された場合には、行政に規制される必要はないのではないかと、そういうふうにして規制緩和を図るべきではないかということを申し上げたわけであります。  これに対して、山谷社長さんからは、伊丹空港の運営においての歴史的経緯、これを踏まえた上で、安全環境対策には万全を期すということはお約束いただきました。そして、私から申し上げた新しい事業展開の検討、実施におきましては、伊丹と連携、協力をしていくということで、意見の一致を見たところでございます。  また、引き続きまして、これ先週のことになりますけれども、5月31日、私、上京いたしまして、石井国土交通大臣に直接面会してまいりました。そして、関西エアポートに申し上げたのと同様の話をしたわけでありますが、空港周辺地域の安全環境対策には国として引き続き責任を持って万全を期してほしいということと、もう一つは、周辺環境対策に係る財源対策といたしまして、航空機燃料譲与税があるわけでありますけれども、この堅持について、必要性を申し上げました。加えて、伊丹空港、関西国際空港の両空港の特性を最大限に利用して、関西全体の活性化、そして日本全体の活性化につなげていくことが必要ではないかと、そしてそのためには、現状あります、先ほど申し上げた関空か伊丹かのときに、できるだけ関空を使いましょうといったような伊丹空港に関する運航規制については緩和が必要ではないかということを申し上げ、具体的には、国土交通省が規制しておりますので、その規制緩和の要望をお願いいたしました。  これに対しまして、大臣のお言葉としては、規制緩和に関しては、地元の関係者の話し合いで新たな合意ができれば、国土交通省は適切に対応する用意があるというようなお話をいただきまして、要は地元で話がまとまったら、それを尊重するよということかなというふうに私は受け取らせていただきました。  こうしたことの背景といたしまして、関西国際空港におきましては、盛んにマスコミでも報道されておりますけれども、LCCを中心に、非常に利用が伸びております。中国等アジアを中心とした国際線の増便が相次いだことによりまして、旅客数が4年連続で前年実績を上回り、過去最高ということであります。また、平成28年3月期決算、本業のもうけを示します営業利益につきましては、開港以来初めてでありますけれども、あの成田空港を上回ったということであります。まさに関西国際空港を取り巻く環境も大きく変化して、以前であれば、関空の利用が思うように伸びない時代、伊丹を利用すれば、活用をふやせば、関空の足を引っ張るんじゃないかといったような声が一部あったわけでありますし、そういう懸念があったわけでありますけれども、そういう状況ではなくなってきたのではないかと私は感じております。  そういう面で、関空、伊丹両空港の運営というのは、これから未来に向けて、まさにオール関西のプロジェクトであります。そして関西エアポートは、御案内のように重立った関西企業が資本参加している会社でありまして、関西全体の活性化のために、地元合意に向けて経済界等に私も働きかけをしてまいったところであります。  以上、るる申し上げましたけれども、関西の空港、関空、伊丹、さらにはこれから神戸もどうなるのかということが議論されておりますけれども、関西の3空港は大きな、歴史的な転換期を迎えていることは間違いないかと思います。こういう中で、私といたしましては、この機会を伊丹空港の活性化、ひいては伊丹の発展に向けた大きなチャンスであるというふうに捉えております。引き続き、いつも申し上げていることでありますけれども、市民や議会の議員の皆様方の理解を求めながら、まずは安全環境対策に取り組む。そして一方で、関西エアポート株式会社、大阪国際空港周辺都市対策協議会、さらには兵庫県等関係方面と連携いたしまして、関係する行政関係者、さらには経済界の方々等に積極的に伊丹空港における規制緩和を働きかけてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと思います。  私からは以上でございまして、もう一つの質問につきましては、関係部長より御答弁申し上げます。 ○議長(相崎佐和子) 大西総合政策部長。 ◎総合政策部長(大西俊己) (登壇)私から、市役所本庁舎の耐震化に関する御質問にお答えいたします。  平成7年に発生した阪神・淡路大震災では、本市におきましても阪急伊丹駅の駅舎崩落を初め、一般の住宅家屋の倒壊、公共施設では文化会館が被害を受け一時閉館するなど、被災により多くの建物が甚大な被害を受けました。  幸いにも市役所本庁舎につきましては、外壁のひび割れやタイルの落下等の被害は認められましたものの、倒壊など危機的な状況には至らず、その後速やかに復旧作業に取りかかりまして、壁面に生じたひび割れへの樹脂の注入や、床裏には鉄骨を入れるなどにより、庁舎耐力の復元を行ってまいりました。  その後も引き続き、年次的、計画的な保全工事と並行いたしまして、ホストコンピューターの7階から地下階への移設や地震発生時にはエレベーターを避難階へ自動着床させる装置の設置、避難経路確保のための防火扉や防火シャッターの整備、また、外壁タイルの落下防止対策など、災害発生時に備えた対策工事を進めてまいりました。  当時、私も7階の情報システム課に勤務しておりまして、7階に設置されましたマシンルーム内には、先ほど申し上げましたホストコンピューターとあわせまして、膨大な住民データを保管しております磁気ディスク装置というものがございました。当時は64ギガバイトのその装置が、タンスのような大きな筐体のものが複数台、何台も並んでおりまして、それが震災によりましてそのほとんどが倒壊し、壊滅的な被害を受けたというのを鮮明に記憶しておりまして、思い出されるところでございます。  これらを含めまして、大型のエアコン3台も7階に設置されておりましたし、さまざまな通信制御装置というのも設置されておりました。これらを全て地下階へ移転させ、なおかつ、万が一のときに備えて、こういったデータを庁内に保管するのではなく、庁外、外の施設にコピーを保管するというふうな対策もあわせて進めてきたところでございます。  さらに、平成25年度には、本庁舎東側に立地する旧図書館におきまして耐震改修工事を実施するとともに、自家発電装置も設置いたしまして、エフエムいたみのサテライトスタジオでありますとか、防災備蓄倉庫も備えた防災センターとして整備いたしました。そして災害対策の機能強化を図ってまいったところでございます。  そこで、御質問の庁舎の耐震補強や建てかえに関しての検討状況についてでございますが、平成14年度に実施いたしました耐震診断調査結果及び平成18年度に策定いたしました市役所周辺再配置計画(案)をもとに、平成22年度に工法や仮設計画、移転計画、事業費等について再度精査を行い、その手法を耐震工法、免震工法、新築の3案に絞り込み、多角的な方面から詳細な比較検討を行いました。その結果、現在の敷地内での建てかえが、総事業費においては耐震化や免震化と比べて高額とはなりますが、その後、長期にわたり建物を使用できることや、庁舎の性能でありますとか工事中の影響等を考慮いたしますと最も合理的であるといった結論に至り、議員初め市民の皆様へ御報告申し上げてきたところでございます。  このような状況のもと、幼稚園や小・中学校などの学校園施設につきましても、その多くが高度経済成長期の人口が急増した時代に整備され、耐震性が確保できていなかったことから、平成20年9月、学校施設の安全安心宣言を行い、これらの施設の耐震化事業を最優先に取り組んでまいりました。その結果、学校園施設につきましては、他の自治体に先駆けて、平成25年度には耐震化100%を達成することができ、さらにこの4月には、荻野保育所の新築移転によりまして、全ての公立保育所においても耐震化が完了しておるところでございます。  このように、耐震化の優先順位に係る政策的な判断に加え、庁舎建てかえによる耐震対策につきましては、国庫補助等が見込めない単独事業となり、多額の財政負担が必要となることから、その建てかえ時期につきましては、議員御案内のとおり、平成28年2月に策定した伊丹公共施設再配置基本計画でお示ししておりますとおり、中期的な視点、つまり第6次総合計画の期間として予定される平成33年度から平成42年度の間に実施する方針を掲げ、それまでの間は公共施設等整備保全基金への計画的な積み立てを行うこととしたところでございます。  また、建てかえの手法につきましても、従来の公設公営のみならず、PFIの手法の活用や民間施設との複合化、国、県機関との合築など、利用者にとって利便性が高く、かつ財政負担の軽減につながる事業手法も視野に検討を行うこととしております。  先般の熊本地方を震源とする熊本地震におきましては、最大震度7の地震が連続して発生するという観測史上例を見ない事象の地震が発生し、多くの人的、物的な被害が確認されるとともに、熊本県宇土の市役所本庁舎を初め、防災・災害時の司令塔となるべき市庁舎の損壊が相次ぎ、被災への対応や業務の復旧がおくれるなど、市民サービスにも影響を及ぼしていることは御案内のとおりであります。災害の発生直後から災害復興の拠点施設としてさまざまな支援活動に取り組み、必要な行政サービスを展開しなければならない庁舎が損壊するということは、大変切実な問題であると改めて痛感したところでございます。  兵庫県におきましても、南海トラフで発生するマグニチュード8以上の地震が今後30年以内に70%の確率で発生することが予想されているところであります。災害に強い安全・安心なまちづくりを目指していく上でも、庁舎建てかえの具体的内容の検討をスタートし、実施する時期につきましては、計画のスケジュールを見直す必要があるものと考えておりますので、御理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○議長(相崎佐和子) 加藤議員。 ◆25番(加藤光博) (登壇)それぞれ御答弁をいただきました。引き続き意見、要望と質問をさせていただきます。  まず、「空港を活かしたまちづくり」についてであります。  伊丹と関西の両空港の運営権が民間に売却されまして、本年4月より空港運営会社、関西エアポート株式会社による運営が始まり、加えて、国の新たな観光ビジョンが策定されることによりまして、訪日外国人旅行者を2020年に4000万人と、現状の2倍もの目標値が示されたところであります。まさに伊丹空港を取り巻く環境は大きく変化をし、新しいステージに入ったと言えるところでございます。先ほど市長もこのときがチャンスであるというふうなことも述べられております。伊丹空港の活性化に向けましては、私もそのように感じておるわけですが、この環境変化を好機と捉えてしっかりと取り組んでいただければというふうに思っておる次第でございます。まさにこの5年間が大変重要な期間であり、絶好の機会でもあろうかと思っておりますので、関西エアポート株式会社と連携も図りつつ、積極的かつ戦略的に関係各機関等に働きかけていただきまして、にぎわい、活力ある空港を生かしたまちづくりの実現に向けて取り組まれますことを要望いたしたいと思います。また、御期待をしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、市庁舎の耐震化について、再度の質問をさせていただきます。  庁舎の耐震化につきましては、検討時期を前倒しして検討を進めていただく必要があるものと考えております。これは阪神・淡路、東日本、熊本等の震災の経験や教訓を鑑みれば、自然なことかなというふうに思っております。  現在の庁舎建てかえのスケジュールは、次期総合計画の最終年度である平成42年までとなります。つまり今から15年後までの間ということになりますので、それまでの期間、耐震性に不安を抱えたままの状態にしておくことは、庁舎を利用する市民あるいは職員にとっても不安であり、何よりも庁舎機能が停止することによって多くの市民サービスの提供に支障を来すこととなりますので、できるだけ早期に耐震性が確保されるよう、前倒しでの検討を考えていただきたいと思っております。  そこで、お伺いをいたします。現在の15年後までの検討スケジュールをどの程度前倒しすることが可能なのか、また、検討に着手してから工事が完了するまで、どのような検討を行い、また、それぞれの検討にどれぐらいの期間が必要と考えているのか、あわせてお伺いをいたしまして、2回目の発言といたします。 ○議長(相崎佐和子) 大西総合政策部長。 ◎総合政策部長(大西俊己) (登壇)庁舎耐震化に関する2回目の御質問にお答えいたします。  まず、庁舎の建てかえに係るスケジュールの具体的な前倒し時期に関する御質問についてでありますけれども、現時点でどの程度前倒しが可能なのか、具体的なスケジュールの案をお示しすることはできませんが、さきの熊本地震を受けての国の対応方針に注視するとともに、先行して庁舎整備を進めております他の自治体の事例収集やコンサルティング会社等への工法等に関するヒアリングなどに着手したところであり、これらの情報等を参考にいたしまして、どの程度の前倒しが可能なのか、スケジュールの具体化を進めていきたいと考えております。  なお、従来型の公設公営での建てかえの一般的な事業スケジュールで申し上げますと、基本構想及び基本計画の策定、基本設計、実施設計、工事の実施という流れとなり、構想から実施設計までが5年、工事期間3年の計8年程度の期間が必要になると見込まれます。  また、どのような項目について検討していく必要があると認識しているのかとの御質問につきましては、大きな要素といたしまして、整備手法の検討が上げられます。公共施設を整備する手法といたしましては、先日、国においても閣議決定されました経済財政運営と改革の基本方針2016におきまして、国及び地方公共団体が実施する事業に対して、PPP/PFI手法を積極的に活用することが目標に掲げられております。庁舎の整備につきましても、市民サービスの向上や業務効率の改善、財政負担の軽減といったメリットが生じるようなPFI手法の導入の可能性について検討する必要があると認識しております。  また、その他の検討項目といたしましては、建設場所や工法、資金調達方法、公共・民間施設との複合化など、さまざまな要素について検討を行う必要があると考えております。さらに、昨今の建設需要の増加に伴う建設物価の上昇や技術者の不足、過去の検討時から社会経済情勢が変化していることも念頭に入れるなど、考慮すべき要素があると認識をいたしております。
     いずれにいたしましても、先ほど申し上げました構想から工事完了までの一般的な期間8年というスケジュールには、検討項目の進捗に左右されるなど、不確定要素が含まれておりますことから、効率的、効果的に検討を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○議長(相崎佐和子) 加藤議員。 ◆25番(加藤光博) (登壇)最後は要望とさせていただきます。  熊本地震におきまして、市庁舎が被害を受け、関係者から後悔の念を聞くところでありまして、災害時において市庁舎は支援活動や必要な市民サービスをしなければならない重要な拠点でございます。このような事態があってはならないことだと言わざるを得ません。やはり過去の震災の教訓などを生かし、安全・安心なまちづくりに取り組まなければならないと思います。それが市民サービスへの最たるものであろうかとも思っております。  現状、本市の庁舎におきましては、耐震に課題が残っております。日本一安全・安心のまちづくりを目指し、選ばれる町、伊丹となるためにも、前倒しした取り組みをしなければならないと思っております。  そこで、この1年をかけまして、整備手法など具体的なその方向性をしっかりとお示しいただきますことを要望いたします。そしてまた、速やかに事業着手できるようしていただきまして、安全・安心のまちづくりの実現に向けまして取り組まれることをお願いし、発言を終わります。 ○議長(相崎佐和子) 次に、11番 篠原光宏議員の発言を許します。────篠原議員。 ◆11番(篠原光宏) (登壇)ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、発言通告書に従い質問をさせていただきます。  まず初めに、認知症施策の方向性についてでございます。  2015年1月27日、厚生労働省は、「認知症施策推進総合戦略〜認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて〜(新オレンジプラン)」を取りまとめました。これは、内閣府、警察庁、金融庁、消費者庁、総務省、法務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省及び国土交通省といった関係省庁と共同して策定したもので、今日、認知症高齢者等の日常生活全体を支えていくための基盤となっております。  日本における認知症高齢者人口の将来推計に関する研究によると、国内の認知症の人の数はふえ続け、2012年に約462万人、65歳以上の高齢者の約7人に1人と推計されております。正常と認知症との中間の状態である軽度認知障害MCIと推定される約400万人を合わせると、高齢者の約4人に1人が認知症の人またはその予備軍と言われております。高齢化の進展に伴い、今後、認知症の人はさらに増加が見込まれており、いわゆる団塊の世代が75歳以上となる2025年には認知症の人は約700万人前後になり、高齢者に対する割合は現在の7人に1人から約5人に1人に上昇することが見込まれております。  しかし、近年になってもいまだ国民全体の認知症に関する理解は十分ではなく、認知症の人への支援が適切に行われないのが現状であります。  新オレンジプランでは、認知症への理解を深めるための普及啓発の推進、認知症の容体に応じた適時適切な医療・介護等の提供、若年性認知症施策の強化、認知症の人の介護者への支援、認知症の人を含む高齢者に優しい地域づくりの推進、認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進、認知症の人やその家族の視点の重視の以上7つの柱が示されております。  そこで、お尋ねいたします。国においては、関係府省庁が連携して、認知症高齢者等の日常生活全体を支えるよう、7つの柱を示したところであります。本市でも認知症に関する理解を広げていくことが最も重要と考えますが、その取り組み状況をお示しください。  次に、障害者差別解消法に伴う学校での対応についてお伺いをいたします。  国連で2015年9月に採択された新しい目標である持続可能な開発のための2030アジェンダの基調をなす、誰も置き去りにしないとの誓いをもとに進めている国連の障害者の権利に関する条約の締結に向けた国内法制度の整備の一環として、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、平成25年6月、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法が制定され、本年4月1日から施行されました。  同法の基本的な考え方は、共生社会を実現していく上で、障害者の社会的障壁を取り除くことが重要であるとし、障害者に対する不当な差別的取り扱い及び合理的配慮の不提供を差別と規定すること、また、行政機関等及び事業者に対し、差別の解消に向けた具体的取り組みを求めること、そして普及啓発活動などを通じて自発的取り組みを促すとされております。  この合理的配慮の考え方としては、行政機関等及び事業者がその事務事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障害の除去を必要としている旨の意思表明があった場合、社会的障壁を除去するための必要かつ合理的な取り組みであり、実施に伴う負担が過重でないものと規定をされております。  また、その考え方として、代替措置の選択も含め、双方の建設的対話による相互理解を通じて必要かつ合理的な範囲で柔軟に対応がなされるもの、そして意思の表明に当たっては、障害者が他人とコミュニケーションを図る際に必要な手段についても合理的配慮とされております。  そして過重な負担については、実現の可能性の程度や費用負担の程度、事務事業規模、財政・財務状況を踏まえて具体的な場面や状況に応じて総合的、客観的に判断することとなっております。そして過重な負担と判断した場合には、障害者にその理由を説明するものとし、理解を得るように努めることが望ましいとなっております。  それらを踏まえて、今回、障害者差別解消法が施行されたことで、学校現場での今後の取り組みで、障害を持つ児童生徒に対する対応などで何か変わってくるものはあるのでしょうか、お示しください。  次に、インクルーシブ教育が児童生徒に与える影響についてお伺いをいたします。  人間の多様性の尊重などを強化し、障害者が精神的及び身体的な能力などを可能な限り発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能にするという目的のもと、現在、伊丹でも障害のある児童生徒と、障害のない児童生徒がともに学ぶインクルーシブ教育が行われております。伊丹で育つその子供たちが将来大人になって社会を形成していくに当たって、全ての人に平等であり、尊重し合う精神性の育成に多大に期待が持てる取り組みであると感じております。  その反面、現場では、さまざまな危機管理や児童生徒や保護者への理解など、十分な配慮もなされているものと思います。  そこで、質問をいたします。障害者と一緒に授業を受けることで、障害のない子供へ与える影響はどのようなことがございますでしょうか。  以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(相崎佐和子) 坂本健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(坂本孝二) (登壇)私からは、今後の認知症施策の方向性についての御質問にお答えをいたします。  議員御案内のとおり、我が国における認知症高齢者は、厚生労働省の資料によりますと、いわゆる団塊の世代が75歳以上となる平成37年には約700万人前後になり、65歳以上の高齢者に対する割合は約5人に1人に上昇すると見込まれているところでございます。  世界で最も速いスピードで高齢化が進んできた我が国が、全国的な公的介護保険制度のもと、重度な要介護状態や認知症となってもその人らしく、その人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会を実現するために、厚生労働省は、関係府省庁と共同して、平成27年1月に認知症施策推進総合戦略、いわゆる新オレンジプランを策定し、関係府省庁が連携して認知症高齢者等の日常生活全体を支えるよう取り組む7つの柱とその基本的考え方を示したところでございます。  そこで、認知症に関する理解を広げていくための取り組み状況についての御質問についてでございますが、新オレンジプランでは、1つ目の柱として、認知症への理解を深めるための普及啓発の推進が掲げられております。誰もが認知症とともに生きることとなる可能性があり、また、誰もが介護者等として認知症にかかわる可能性があるなど、認知症は身近な病気であることについて、普及啓発を推進するものとされております。  本市では、他の柱にも影響する最も重要な部分であると考えていることから、平成27年度の地域包括支援センターの活動目標に認知症サポーター養成講座の開催を加えて、積極的に実施をしてまいりました。その結果、平成26年度では開催回数が16回、参加者数が253人であったところ、平成27年度は41回の開催、1806人の参加と、ともに前年度を大きく上回る見込みとなっております。  今後も認知症のよき理解者となる認知症サポーターの養成講座を積極的に開催するとともに、地域での健康講座の開催や広報伊丹の介護予防特集号の発行、認知症おたすけガイドの作成などによる啓発を推進してまいります。  また、平成27年度からは、認知症の早期発見と早期治療、介護予防事業の活用により、健康寿命の延伸を図るため、65歳以上の方が特定健診または後期高齢者健診を受信される際には、物忘れ健診とロコモティブシンドローム健診が同時に受診できる体制をとっております。平成27年度の受診者数は1万2779人で、そのうち認知症に関する詳細な検査が必要と判定された高齢者は894人で、約7%おられました。地域包括支援センターでは、認知症の可能性を指摘されたことで動揺し、不安を感じる高齢者や御家族に対して、その心情を察しながら、認知症の説明を丁寧に行い、早期対応と症状の進行の予防について説明し、認知症の正しい理解と不安の軽減を図っているところでございます。  そのほか、ことし1月には、「認知症カフェって何?」をテーマとした講演と宝塚で認知症カフェを運営しているNPO法人からの実践報告を内容とした認知症フォーラムを開催したところ、126人が参加いただきました。この認知症フォーラムに参加された方々から、認知症カフェを開催したいなどの声を多く頂戴いたしました。  今後もこのような認知症フォーラムなどの開催により、認知症に関する最新の情報を広く発信してまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○議長(相崎佐和子) 教育委員会事務局村上学校教育部長。 ◎教育委員会事務局学校教育部長(村上順一) (登壇)私からは、障害者差別解消法及びインクルーシブ教育に関する御質問についてお答えをいたします。  初めに、障害者差別解消法が成立したことで、学校現場において今後どのような対応が変わってくるのかの御質問についてでございますが、議員御案内のとおり、本年4月、全ての国民が障害の有無によって分け隔てされることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法が施行されました。この障害者差別解消法によって、公立学校園等においては合理的配慮の提供が義務づけられました。  学校園等における合理的配慮とは、障害のある子供が他の子供と平等に十分な教育を受けられるように、学校の設置者及び学校が障害のある子供に対し、それぞれの状況に応じて必要かつ適当な変更、調整を行うことでございます。  具体的に例を挙げて申し上げますと、聴覚過敏の児童生徒が机、椅子移動の際に起きる雑音に困らないように、机、椅子の足にテニスボールなどの緩衝材をつけて雑音を軽減することや、意思疎通が困難な児童生徒が指示を理解したり自分の考えを伝えたりするために、絵や写真、コミュニケーションボードやタブレット端末等のICT機器を活用すること、また、見えにくさのある児童生徒に対し、黒板の文字やスクリーン等が見えやすいように座席を前にする等が上げられます。  しかし、これらは従来から一人一人の子供の状況に応じて行ってきた支援であり、とりわけ今までの取り組みが大きく変わったわけではございません。  これらのことが法律によって位置づけられたことは、共生社会の実現に向けて大きな意味を持つものと考えております。  また、本市におきましては、法の施行前から全小・中学校にエレベーターや多目的トイレを設置したり、通常学級において特別な教育的支援が必要な児童生徒に対して学習時の支援やコミュニケーションに関する支援等を行う特別支援教育支援員を市費により全小・中学校に1人ずつ配置したりするなど、ソフト面でもハード面でも合理的配慮の基礎となる基礎的環境整備を進めてまいりました。  本市におきましては、3月に策定された伊丹障害者差別解消の推進に関する職員対応要領及びサポートマニュアルを各学校園に通知し、障害者差別の解消に向けた適切な対応を進めているところでございます。  さらに、伊丹教育委員会といたしましては、伊丹の対応要領と兵庫県が策定しました県立学校における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領に基づき、伊丹市立学校園におけるより具体的な対応要領の作成に取り組んでいるところでございます。  今後も、合理的配慮の不提供が差別になることを正しく理解した上で、授業のユニバーサルデザイン化を進め、本人や保護者への十分な情報提供を行うとともに、実態把握を行い、どの子にとっても安心できる環境づくりを目指してまいります。  次に、インクルーシブ教育が児童生徒に与える影響についてお答えいたします。  議員御案内のとおり、インクルーシブ教育システムとは、障害のある子供とない子供がともに学ぶ仕組みのことでございます。しかし、ともに学ぶだけではなく、障害のある子が必要な支援を受けながら、持てる力を最大限に発揮できることが重要です。  議員御質問の障害のある子と一緒に授業を受けることで障害のない子供へ与える影響はどのようなことがあるかについてでございますが、インクルーシブ教育システムの推進によって形成していくべき共生社会とは、全ての人の個性や人格が尊重され、支え合い、人々の多様なあり方を相互に認め合える全員参加型の社会のことでございます。その共生社会の第一歩が学校です。現在も各学校においては、特別支援学級に在籍する児童生徒が個々の状況に応じて通常学級における授業等に参加するなど、交流及び共同学習を行っています。このような学びは、障害の有無にかかわらず、お互いが認め合い、地域で支え合って生活していくための基盤づくりになっていると考えております。 ○議長(相崎佐和子) 篠原議員。 ◆11番(篠原光宏) (登壇)それぞれ御答弁いただきました。2回目以降は一問一答で質問を進めさせていただきます。  認知症になってしまうと、外出先での不安が重くのしかかったり、外出先で失敗の経験などをすると、繰り返してしまう恐怖感から外出そのものが嫌になり、閉じこもりがちになってしまったり、その家族からは、どこに連れていけばいいのかわからないといった悩みもあるそうです。認知症の進行を防ぐには、病院での治療はもちろんですが、ふだんの生活の中で会話を楽しんだり、いろんなことに興味を持ってそれにかかわっていくことが必要であるとされております。もっとほかにどこか日常的に気兼ねなく出かけられるようなところはないか、困り事の相談に乗ってもらえるところはないか、どのような支援が受けられるのかと、認知症の人だけでなく、その家族も頭を悩ませております。  このような悩みに対する一助として、先ほども御紹介ございましたが、認知症カフェがございます。さまざまな地域で既に取り組む事例が出てきており、多くの方の外出のきっかけになっているようです。  そこで、先月、私の地元地域で共同利用施設をお借りし、有志による認知症カフェを開催をいたしました。地元の民生児童委員や長年認知症対策に従事してこられた専門家の方々から御意見をいただきながら、手探り状態での開催で、少人数ではありましたが、対象者の方が家族とともに参加いただき、楽しんで帰られました。こうした取り組みが今後各地域でも広がればと願うのですが、実際やってみて難しいと感じた点は、地域に住む認知症の方へどのように認知症カフェの存在をお伝えするかということです。自治会の掲示板や回覧板を通じてお知らせしたものの、認知症の方やその家族に開催の情報を届けることは難しく、身近な方を通じて認知症の方のいる家庭にお声をかけるにしても、個人情報云々の問題で、なかなか困難な点が数点見つかりました。  そこで、お伺いをいたします。認知症の人やその家族が認知症カフェへの参加につながるための仕組みづくりなどの方策があればお示しいただきたいと思います。 ○議長(相崎佐和子) 坂本健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(坂本孝二) (登壇)議員御案内の認知症カフェの状況についてでございますが、本年5月に市内2カ所で認知症カフェが開催をされております。参加された方々からは好評を得ておりまして、スタッフも参加者の様子などから手応えと今後の継続への抱負をお持ちになったと伺っているところでございます。認知症の人やその家族にとりまして、このような集いの場や地域の居場所を求める声につきましては、認知症の高齢者が増加する中、さらにふえることが見込まれております。  そのような中、今後の参加者の増加に向けた支援についてでございますが、地域包括支援センターにおいて実施しております総合相談では、平成27年度の相談件数の合計が7520件ございましたが、そのうち476件、約6.3%は認知症に関する相談となっております。これらの方々は、認知症に関連する不安ですとか認知症のことを理解してほしいという思いをお持ちの方が多くおられます。このため、各地域包括支援センターでは、医療や介護サービスの情報とあわせまして、認知症カフェなど、御本人や御家族の支えとなる地域資源の情報の積極的な提供に努めているところでございます。  また、平成27年度の物忘れ健診やロコモティブシンドローム健診の結果では、認知症の疑いがあると考えられる高齢者のうち軽度の方を含め、既に何らかの症状をお持ちの高齢者が447人おられました。これらの方々に対しまして、医療の継続受診、そのほか介護予防事業の案内とあわせまして、日常生活支援の相談等の初期の対応を行う中で、認知症カフェの活用などの御案内をしているところでございます。  さらに、医療機関にも御協力をいただき、必要時に認知症おたすけガイドを配布するなどによりまして、認知症カフェを初め、適時適切な情報提供ができるよう努めているところでございます。 ○議長(相崎佐和子) 篠原議員。 ◆11番(篠原光宏) (登壇)ありがとうございました。認知症のカフェにつきましては、また来週に第2回目を行う予定でございまして、1回目に来られた方も本当に喜んでおられまして、また来るというふうなことを言っていただいております。  次に、新オレンジプランに象徴される多角的な認知症施策として、徘回する認知症高齢者の行き先を知ることができるまちなかミマモルメの取り組み状況についてお伺いをいたします。  このことについては、市内に1000台の安全・安心見守りカメラが設置されることで、全国的に有名になっているため、市民には一定周知されているものと感じておりますが、ビーコンが発信する電波をミマモルメが感知し、それがスマホを通じて登録している家庭へお知らせすることができるということを認知症高齢者の家族にもう少し丁寧に説明する機会や方法が必要ではないかと思います。せっかくのすばらしい施策も、運用方法や周知方法で一番使ってほしい方に理解されないのであれば、余りにももったいない気がします。  そこで、お伺いをいたします。徘回する認知症高齢者の家族への支援として、まちなかミマモルメの取り組み状況を初め、徘回する高齢者の見守り体制整備の考え方についてお示しください。 ○議長(相崎佐和子) 坂本健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(坂本孝二) (登壇)徘回する認知症高齢者の家族への支援として、まちなかミマモルメの取り組み状況や徘回する高齢者の見守り体制整備の考え方についてでございますが、徘回する認知症高齢者の安全・安心の確保とその御家族の介護負担の軽減を目的としたまちなかミマモルメが今年度中には市内全域に整備される予定でございます。  まちなかミマモルメのPRとして、これまで阪急伊丹駅及びJR伊丹駅の掲示物、市庁舎のエレベーターや市バスのラッピング、ホームページへの掲載など、さまざまな媒体を活用した周知を図っているところでございます。  今後は、まちなかミマモルメをより多くの認知症の方や御家族など、真に必要とされる方々に御活用いただくため、日ごろから介護が必要な高齢者に接していただいております地域包括支援センターや居宅介護支援事業所のケアマネジャーへ一層の周知について御協力をお願いしているところでございます。  また、見守る側として、登録ボランティアには職員に積極的な登録を働きかけているほか、一般ボランティアにつきましては、民生委員・児童委員や居宅介護支援事業所のケアマネジャー、その他各種団体の会合等での周知を図っているところでございます。  さらに、本年度実施予定の認知症サポーター養成講座での周知など、広く普及促進に努めてまいります。  あわせまして、GPS機器の活用や高齢者地域見守り協定等による重層的な地域での見守り体制を整備することにより、認知症高齢者とその家族の安全・安心を確保してまいりたいと考えております。 ○議長(相崎佐和子) 篠原議員。 ◆11番(篠原光宏) (登壇)認知症施策につきましては、最後、要望とさせていただきます。  認知症に絡んで、高齢夫婦の介護疲れによる殺人事件や、徘回し、行方不明になり亡くなってしまう事故など、今後、高齢者人口の5人の1人が認知症にかかる時代になると、ふえてくることが考えられます。長寿命化に伴って増加するリスクへの対処は怠ってはなりません。ある認知症の専門医は、認知症はしっかり見据えれば怖くない、認知症を知り、考えることで、人生はより充実すると訴えております。そして、認知症は絶望の病ではない、その人らしさや心は変わらない、全てを忘れるわけではない、何もできなくなるわけではないといったことを正しく理解することが重要で、適切な行動は認知症による行動と心理的な症状が改善するだけでなく、人とのきずなが深まる効果があると指摘をしております。  我々市民レベルで認知症への理解とかかわり合いを深め、誰もが長寿であることは幸せであることと胸を張って言い切れる社会づくり、地域づくりを行ってまいりたいと思います。地域包括支援体制の充実と人材の育成について、今後も御尽力いただけるよう要望をいたします。  続きまして、インクルーシブ教育を行う教育現場の体制についてお伺いをいたします。  学校における特別支援教育支援員の配置状況は、各小・中学校に1名ずつの配置がなされていると伺っております。そして特別支援学級の児童を支援する介助員は、その必要性に応じた形で配置されていると伺っております。しかし、学校現場では、実質生徒数の多い学校と少ない学校があり、それでも一律に特別支援教育支援員は1名ずつの配置となっており、状況によっては支援が手薄になることも起こり得ます。合理的配慮の観点から、現状の伊丹の教育現場において支援を必要とする児童生徒への人員配置は適当に行われているとお考えでしょうか。お答えください。 ○議長(相崎佐和子) 教育委員会事務局村上学校教育部長。 ◎教育委員会事務局学校教育部長(村上順一) (登壇)合理的配慮の観点から、現状の伊丹の教育現場において、支援を必要とする児童生徒への人員配置についてお答え申し上げます。  伊丹の取り組みとしましては、通常学級において、特別な支援を行う特別支援教育支援員の配置を平成19年度から開始し、該当児童生徒の増加に応じて徐々にその人数をふやし、平成26年度からは全小・中学校に1人ずつ配置することができています。  特別支援教育支援員は、通常学級に在籍する特別な教育的支援が必要な児童生徒に対して、学級担任または教科担任の指導のもと、担任の指示をわかりやすく説明したり注意集中を促したりするなどの学習の支援や、整理整頓などの学校生活に関する支援、また、周囲の児童生徒とのコミュニケーションに関する支援等を行っております。  一方、介助員は、特別支援学級の児童生徒のうち、身辺処理に常時介助が必要である。多動で教室外に飛び出すことが多く、危険に対する意識が少ない。他傷・自傷行為が多い。発作、けいれんが頻発する。移動の際に介助が必要であるなどの状況により、学校から介助員配置の希望があった場合、実態を把握し、協議のもと配置しております。平成28年度は、小学校に23人、中学校に4人、合計27人の介助員を17校に配置しております。  通常学級に在籍する特別な支援が必要な児童や特別支援学級在籍児童は年々増加傾向にあります。伊丹としましては、インクルーシブ教育システムの理念に基づいた合理的配慮の観点からも、特別支援教育支援員や介助員の適切な配置について、今後も研究してまいりたいと思っております。 ○議長(相崎佐和子) 篠原議員。 ◆11番(篠原光宏) (登壇)インクルーシブ教育を進めていく上で、合理的配慮という視点で考えるならば、教育現場において柔軟な対応がとれる体制が整備されるべきと考えております。支援を必要とする児童生徒が通常学級でともに過ごすことができる支援体制をつくり上げていく段階で、どういう手続で介助員が配置されているのかお示しください。 ○議長(相崎佐和子) 教育委員会事務局村上学校教育部長。 ◎教育委員会事務局学校教育部長(村上順一) (登壇)どのような手続で介助員を配置しているかについての御質問にお答えいたします。  介助員は、先ほど申し上げたとおり、身辺処理に常時介助が必要、また、多動で教室外に飛び出すことが多く危険性が高い、自傷・他傷があるなど、特別支援学級の児童生徒の障害の状況に応じて配置することとしております。  配置につきましては、各学校からの書面や書類による状況報告に基づき、担当指導主事等による訪問観察と学校長及び特別支援学級担当教員からの個々の児童生徒についてのヒアリングを行い、それらを総合的に判断し、配置を決定しております。 ○議長(相崎佐和子) 篠原議員。 ◆11番(篠原光宏) (登壇)また、介助員の配置をするかしないかの判断を下すタイミングについては適当かどうかについてもお伺いします。 ○議長(相崎佐和子) 教育委員会事務局村上学校教育部長。 ◎教育委員会事務局学校教育部長(村上順一) (登壇)介助員の配置をするかしないかの判断を下すタイミングが適当かどうかについてでございますが、現在は、就学教育相談を行った新小学1年生、新中学1年生の就学先が12月中旬ごろまでにほぼ決定することから、新入生も含めた特別支援学級在籍児童生徒の状況報告を1月初旬としてございます。その後、各校への訪問観察と学校長及び特別支援学級担当者へのヒアリングを行い、3月末には翌年度の介助員の配置を決定するところでございます。新年度、各学校が体制を整えて始業式を迎えられる点、また、介助員の人的確保の点からも、配置決定については現在行っている配置判断のタイミングが適当であると考えております。 ○議長(相崎佐和子) 篠原議員。 ◆11番(篠原光宏) (登壇)新学期が始まる時点では特に支援が必要とされることがなかったが、新学年が始まった後に環境の変化により障害児の状況が変化し、支援が希薄であると、授業の進行を妨げることが危惧されます。児童の状況の変化や引っ越しなどで支援の体制に変化が生じた場合に、学年の途中で柔軟に介助員を増減させることは可能なのでしょうか、お示しください。 ○議長(相崎佐和子) 教育委員会事務局村上学校教育部長。 ◎教育委員会事務局学校教育部長(村上順一) (登壇)学年途中で柔軟に介助員を増減させることが可能かどうかについてでございますが、現在は、年度途中の介助員の増減は、よほどの大きな状況変化が生じない限り考えておりません。介助員は、校内の特別支援教育体制の中で、特別支援学級に在籍する児童全てにかかわり介助を行っているため、年度途中での配置がえ等は困難な状況であります。転校や児童生徒の身体状況等に変化があった場合には、まず、校内の特別支援教育委員会で十分に検討の上、介助内容や方法を見直すなどして、より適切に対応することとしています。  あわせて、巡回相談や特別支援学校のコンサルテーションを受ける等、関係機関と連携した取り組みも進める中で、より個々のニーズに合わせた支援が行えるよう取り組んでいるところでございます。
    ○議長(相崎佐和子) 篠原議員。 ◆11番(篠原光宏) (登壇)次に、障害児の親は、通常学級で学ばせることで、ほかの子へ気を使ってしまっていることがあります。また、そのような心境から、通常学級で学ばせることを拒否してしまうことも考えられます。学校は、障害児を持つ父兄へは懇切丁寧な説明と日常の意思疎通が重要であると考えておりますけれども、御見解をお示しください。 ○議長(相崎佐和子) 教育委員会事務局村上学校教育部長。 ◎教育委員会事務局学校教育部長(村上順一) (登壇)学校は、障害のある児童生徒の保護者へは懇切丁寧な説明と日常の意思疎通が重要であるということに対する見解についてですが、議員御案内のとおり、保護者が他の子に気を使ってしまうことがあるというのは、交流学級である通常学級での学習や活動での行動についてではないかと思われます。通常学級での障害がある子とない子の交流及び共同学習は、伊丹においては以前から行われており、共生社会の実現に向けて取り組むべきことであると考えております。市内の学校では、特別支援学級在籍児童生徒の保護者と特別支援学級担任や交流学級担任が連絡ノート等によって毎日連絡を密にとっており、特別支援学級での学習や交流学級での様子、また、家庭での様子などを伝え合っております。このように、日ごろから連絡を密にとることで、学校と家庭がともに子供の実態を分析するとともに、支援内容の共通理解を図っております。  今後も十分な情報提供をするとともに、障害のある子もない子も受け入れられる社会をつくり上げていくことこそ、目指すべき共生社会であることを念頭に置き、障害のある子やその保護者に寄り添った関係を構築していくことが大切だと考えております。そして、これらのことを踏まえて、今後も特別支援学級担任者会等において、保護者が安心して学校に相談できる環境づくり等の研修を深めていく必要があると考えております。  また、障害のない児童の保護者についても、障害のある子についての理解を深める必要があることから、本市において作成している特別支援教育の保護者用啓発リーフレット「マナビタミ」等を通してインクルーシブ教育の理解啓発を図ってまいります。  障害者差別解消法施行に伴い、ますます特別な支援へのニーズが高まっております。今後も障害の有無にかかわらず、全ての子供たちが社会の一員として豊かに生き、持てる力を十分発揮できるよう、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進に努めてまいりたいと思いますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(相崎佐和子) 篠原議員。 ◆11番(篠原光宏) (登壇)さまざま御答弁いただきまして、ありがとうございます。  最後に、要望とさせていただきます。  全ての人が他人を思いやり、認め合い、尊重し合うことのできる励ます社会の構築に向けて、学校現場でいかなる人間形成をしていくのかという点で、インクルーシブ教育の効果に期待をしております。しかし、現場で生じてくる課題も多種多様であり、その対応には御苦労も多いことかと思います。さきの答弁に、保護者が安心して学校に相談できる環境づくり等の研修を深めていく必要があるとありましたが、学校と障害児本人や家族との相互理解が欠けてしまうことはマイナスにしかなりません。じっくりと話し合う場をさらに充実させることを要望いたします。  また、学年途中での支援体制の見直しにつきましては、例えば4月や5月の時点で余りその支援が合わない、負担に感じるという場合が起きた場合に、その生徒、また家族は1年間我慢し続けなければならないということになってくると思います。その際も、家族と学校がしっかり対話をしながらではありますが、柔軟に年度途中でも支援の体制を変更できる仕組みづくりを検討いただけるように要望いたしまして、私の質問を終わります。 ○議長(相崎佐和子) この際、お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会したいと思いますが、御異議ございませんか。    (「異議なし」の声起こる)  御異議なしと認めます。よって、本日は延会することに決しました。  なお、11日、12日はの休日のため休会となりますので、この継続会は13日午前10時より開議いたします。  それでは、これで延会いたします。 〇午後 4時30分 延  会...