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平成22年第3回定例会−06月17日-04号

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  1. 伊丹市議会 2010-06-17
    平成22年第3回定例会−06月17日-04号


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    平成22年第3回定例会−06月17日-04号平成22年第3回定例会 第4日 平成22年6月17日(木曜日)午前10時00分開議 〇会議に出席した議員(26名)  1番  杉     一    15番  川井田 清 信  2番  岩 城 敏 之    16番  吉 井 健 二  3番  相 崎 佐和子    17番  石 橋 寛 治  4番  平 野 園 美    18番  藤 田 静 夫  5番  久 村 真知子    20番  岡 本 廣 行  6番  齊 藤 真 治    21番  山 内   寛  7番  泊   照 彦    22番  川 上 八 郎  8番  林     実    23番  安 田 敏 彦  9番  高 塚 伴 子    24番  中 村 孝 之 10番  北 原 速 男    25番  加 柴 優 美 11番  坪 井 謙 治    26番  上 原 秀 樹 13番  加 藤 光 博    27番  松 崎 克 彦 14番  大 路 康 宏    28番  新 内 竜一郎 〇会議に出席しなかった議員(1名)
    19番  永 田 公 子 〇職務のため出席した事務局職員の職氏名 局長       佐久良實     議事課主査    小松信一 次長       岸本成之     議事課主任    石田亮一 議事課長     赤元千代子    議事課主事    峯畑由記 議事課副主幹   前田嘉徳 〇説明のため出席した者の職氏名 市長            藤原保幸   水道事業管理者        石割信雄 副市長           川村貴清   自動車運送事業管理者     福西次朗 理事市長付参事       平嵜正俊   病院事業管理者        中田精三 理事総務部長        阪上昭次   病院事務局長         井上 博 市長付参事         伊藤雅彦   消防長            上原 登 総合政策部長        松井正道   教育委員           山内啓子 市民部長          川戸小史郎  教育長            佐藤由紀子 健康福祉部長        西尾幸道   教育委員会事務局管理部長   肥爪勝幸 こども部長         阪上聡樹   教育委員会事務局学校教育部長 後藤猛虎 都市創造部長        庄田徳男   教育委員会事務局生涯学習部長 木村克己 都市基盤部長        増田貴美夫  代表監査委員         溝端義男 会計管理者         春次信二   総務部総務室法制課長     浜田律子 〇本日の議事日程   1          一般質問 〇本日の会議に付した事件    議事日程に同じ △「開議」 ○議長(岡本廣行) ただいまから本日の会議を開きます。  初めに、議員の出欠席について申しますが、ただいままでの出席者は26人、欠席者は19番、永田公子議員であります。  では、これより日程に入ります。 △「一般質問」 ○議長(岡本廣行) 日程第1、一般質問を行います。  昨日に引き続き、順次発言を許します。  初めに3番 相崎佐和子議員の発言を許します。────相崎議員。 ◆3番(相崎佐和子) (登壇)おはようございます。朝一番、元気に参ります。  ただいま議長より発言の許可がございましたので、通告に従い、質問をさせていただきます。よろしくお願いします。  まず1つ目、市民への防災の啓発について伺います。  地震や台風、豪雨などの自然災害は、いつ何どき起こるかわかりません。一人一人がふだんから防災対策をしっかりと行っておくことが大切です。がしかし、実際にどれほどの人がふだんから完璧に災害への備えを整えているでしょうか。私自身もきちんとせねばといつも気になりながらも、非常用の持ち出し品すらきちんと整えられていない状態ですが、皆さんはいかがでしょうか。  そこで、今回は市民への防災の啓発ということをテーマに上げ、市では何ができるのかを考えてみたいと思います。  まず、伊丹市は現在市民に対してどんな防災の啓発を行っているのでしょうか。1つ目の柱は、情報や知識の提供ということでありましょう。その中心となるのが伊丹市洪水ハザードマップです。平成19年に作成され、全戸配布されました。皆さんもお持ちかと思いますが、こちらですね、洪水が起こった際の浸水範囲の予測や避難場所が示されています。そして、裏面には非常時の持ち出し品や災害時の注意事項などが記されています。とてもわかりやすくつくられていることや、全戸配布されていることなどが大いに評価できるところです。  逆に課題は、浸透度や活用度がいま一つ薄いということではないでしょうか。実際、我が家でも、最初にいただいたときにはしっかりと目を通したものの、いろんな書類に紛れ、はや3年が経過し、内容も薄れかけているといった状態ですが、皆さんの御家庭はいかがでしょうか。  そして、ハザードマップのほかに啓発のツールといたしまして、防災ガイドブックがございます。平成20年に作成された市オリジナルのガイドブックでして、こちらなんですが、皆さんはお手にされたことはありますでしょうか。防災についてのさまざまな情報が入っておりまして、まちづくり出前講座などで配布をしているということです。ホームページからもダウンロードできます。  こういったガイドブック自体が存在しない自治体も多いところから、ガイドブック自体をつくっていること、またとてもよくつくり込まれていることは大いに評価できる点です。  逆に課題は、市民がこのガイドブックを目にしたり手にしたりする機会が少ないことではないでしょうか。せっかくのガイドブックなのに、もったいないと感じるところです。また、手にしても、情報量が多いために、どこまで市民が飲み込んでいるんだろうということも気になるところです。  さて、防災の啓発における2つ目の柱は、講座やイベントの実施ということです。年に1回防災フェアが行われておりまして、昨年度は笹原公園と伊丹スカイパークにて実施、今年度は十六名公園にて実施予定と聞いています。また、まちづくり出前講座にて要望があった各団体に防災についての講座が催されていますし、小学校地区単位や自治会単位などでおのおの自主防災訓練も実施中であります。  このようにさまざまに講座やイベントを実施しているのはすばらしいことですが、課題は参加率ではないでしょうか。いかにしてより多くの市民の方に参加していただき、関心を高めてもらおうかということにまだまだ工夫の余地がありそうです。  これらが市民への防災の啓発についての現状並びに課題かと分析するところです。  そこで伺います。現在、どのようにして市民に防災の啓発を行っているのか。また、課題とその対策はどのようにとらえておられるのでしょうか。改めてお教えください。  そしてであります。対策として、一つ提案をさせていただきたく思います。冷蔵庫に張ることができるようなミニ防災マニュアルを作成し、配布してはいかがでしょうか。現在のハザードマップガイドブックもよいのですが、マップはふだん使いがしにくく、ブックは持っている人が限られます。そこで、家庭の冷蔵庫や電話台などに張れるようなミニサイズで特に重要な情報をまとめたミニ防災マニュアルというようなものを作成、配布してはどうかと考えるところです。私自身もそんなものがあれば非常に便利で助かると考えるところです。  試しに自分でも簡単なものを作成してみました。こちらです。サイズはこのようなミニサイズで、裏表に印刷をしております。記載事項は、持ち出し品のチェックリスト、そして避難時の注意事項、災害用伝言ダイヤルの案内、各所の連絡先、伊丹市緊急災害情報などの情報を記載しました。特に自分自身がこの情報を知りたいというものを集めてみました。試しに、友人、知人に配ってみましたところ、好評をいただきました。  そこで伺います。このようなミニ防災マニュアルを市でも作成し、配布してはどうでしょうか。簡単なものですと、経費もかかりませんし、こういったものをつくって、防災フェアや防災訓練などの際に配布を始めてみてはどうかと考えるところです。市民にとって使い勝手もよく、情報も得やすいと考えるところですが、御意見や可能性をお聞かせください。  では、2つ目の質問に移ります。映画制作の支援についてです。  皆さんは以前私がフィルムコミッションについて質問をしたのを覚えていただいておりますでしょうか。フィルムコミッションとは、映画やドラマを誘致しまして、実際撮影の行われる際にはさまざまな形で応援をしていこうという団体でして、全国におよそ100団体ほど存在しています。地域活性化や文化、観光振興などにつながることから、伊丹でも設立を検討してはどうかと申し上げました。  その際に、具体的な映画撮影の話があればねえという御意見がございましたが、実はこのたび、具体的な話が一つ持ち上がっております。それは「Strobe light(ストロボライト)」という自主制作映画であります。全国の自主制作映画のコンテストで昨年、短編部門のグランプリをとられました片元亮さんという新進気鋭の若手監督が撮影を予定している映画です。実はこの映画、ユニークな制作の形態をとっておりまして、「ブラック・インディ!」という自主制作映画全国コンテストがありまして、それにエントリーをしている作品ですが、このコンテストというのは、完成した作品だけではなくて、その制作過程も審査の基準に含まれておりまして、地域と深くかかわって制作するということも大いに評価されるのだそうです。  現在は、コンテストに厳正な事前審査を通過した11名の監督がエントリーをしておりまして、おのおのホームページ上で制作の過程を随時公開しております。地域のかかわりもアピールされています。  ある監督は、山形県米沢市の小野川という地域でSF映画を、またある監督は愛知県西三河地方でラブストーリーの映画を地域と一体となって制作中とのことであります。  今回、御紹介する片元監督の作品「Strobe light」がこのコンテストの11名のエントリー監督の中の1人になっているんですが、伊丹で制作を行いたいとおっしゃっておられます。片元監督いわく、「伊丹市はさまざまなイベントやまちづくりを市民自身がつくって盛り上げており、その市民力や地域力の高さにとても驚くとともに、感動している。そんな伊丹と一緒になって映画をつくりたい」とのことです。とてもうれしいお話であります。  そこで、じゃあ具体的に伊丹と映画制作がどんな連携を展開できるのかということを確認しましたところ、このような提案がありました。1、撮影を伊丹市の各所で行う。2、ストーリーの中で伊丹らしいシーンを盛り込む。3、市民からキャストを募集し、オーディションも行う。4、同じく市民からスタッフやエキストラも募集する。5、ホームページで制作過程を紹介していく中で、伊丹もPRする。このようなことができると、制作側から御提案がありました。  私は、この話は非常に興味深くおもしろいと感じています。伊丹の強い市民力、地域力が映画制作とマッチングすると、とても魅力あふれる取り組みとなり、さらなる地域活性化や人のつながりの強化になっていくことだと思います。  そこで、市としても可能な範囲で積極的に応援をし、一緒になって映画づくりを進め、地域活性化につなげてはと強く考えます。  なお、制作側の信用度につきましては、先ほども申しましたとおり、全国の自主制作映画のコンテストでグランプリを受賞されていること、今回も詳細な企画書が上がっていることなどから、一定信用が置けるものと考えます。また、エントリー中のコンテスト、「ブラック・インディ!」も全国的な大規模なコンテストであり、その前身である「インディーズムービー・フェスティバル」というコンテストは、初代グランプリが「あずみ」や「ゴジラFINAL WARS」などで有名な北村龍平監督だそうで、コンテスト自体も一定評価できるものと考えます。  ともあれ、制作側が伊丹と一緒になって制作をと熱く望んでおられます。伊丹にとっても地域の活性化につながることであり、興味深くおもしろい企画であります。市として可能な範囲で積極的に支援をし、地域活性化につなげてはどうでしょうか。  そこで伺います。まず、今回の話について、市の見解はいかがでしょうか。市の後援という形がもしとれれば、市民も興味を覚えやすく、かかわりも持ちやすいと考えますが、いかがでしょうか。  そして、市が一緒に進められるとなった場合、具体的にどんなことができるでしょうか。提案として4点上げます。1、ロケ地の紹介。これは必要な撮影場所が制作側から提示されたときに、それに適した市内スポットを紹介する。2、公共施設の利用における減免。これは市内の公共施設でもし撮影をするとなった場合、使用料を減免するということ。3、広報やPR。これはさまざまなツールを活用して、市もPRや呼びかけを行うということ。4、完成披露試写会の実施。これは映画が完成した際は、披露試写会を市内で実施する。このようなことが具体的にできるのではないかと考えておりますが、可能性はいかがでしょうか。お教えください。  以上、1回目の質問といたします。御答弁よろしくお願いします。 ○議長(岡本廣行) 伊藤危機管理担当市長付参事。 ◎市長付参事(伊藤雅彦) (登壇)私から、市民への防災の啓発についての3点の御質問にお答えいたします。  ことしで阪神・淡路大震災発生から、はや15年を経過いたしました。この間、本市におきましては幸い大きな災害が発生しておらず、ともすれば災害の記憶が風化しつつあります。その一方で、南海・東南海地震につきまして、今後30年以内の発生確率は60%とも言われ、また上町断層や有馬・高槻構造・六甲断層などの活断層による直下型地震の可能性の指摘もございます。  こうした中、災害対策基本法第42条の規定に基づき、地域に係る災害対策全般に関して定めております地域防災計画におきましても、防災啓発事業として、「防災のための教育及び訓練に関する事項」を定めております。防災教育の目的といたしましては、「災害に際して市民が的確に判断し、行動し得るような防災教育を行う」としており、また防災訓練の目的といたしましては、「防災活動要領の習熟、防災関係機関の連携の強化、防災意識の高揚、技術の習得、さらには防災計画の実効性の検証を行うため、防災訓練を実施する」ことといたしております。  これら防災意識の高揚、防災意識の普及、防災訓練という3つの観点から、各種防災啓発事業を行うこととしております。  まず、防災意識の高揚につきましては、広報伊丹の基準掲載や各種啓発パンフレットの配布などを通じて啓発いたしております。具体的には、毎年6月の出水期と9月の防災週間、そして阪神・淡路大震災の発生しました1月には広報伊丹の1面などに関連記事の掲載やエフエムいたみの特集番組の放送など、啓発活動に努めているところであります。  次に、防災知識の普及につきまして、本市は災害対策啓発指導として、議員先ほど御指摘の洪水ハザードマップ及び防災ガイドブックを市民向けに作成いたしております。まず、洪水ハザードマップは、浸水情報の伝達方法や避難誘導体制等に関する情報を市民にわかりやすく提供することにより、災害発生時の被害を最小限に食いとめることを目的として、平成19年に作成いたしました。同じ年の2月25日に市内全戸に配布をするとともに、市ホームページにも掲載し、市民の皆様に周知啓発を図っているところであります。  浸水想定には、猪名川、武庫川ともそれぞれ100年に1回程度起こる大雨を想定して、最大浸水の深さに色分けし、表示いたしております。  次に、防災ガイドブックにつきましては、副題を「災害に備えた防災行動、最初の第一歩」と題しまして、平成20年に作成いたしました。その中で、応急手当てや地震災害での対応を初め、災害対応情報や市の防災に係る制度や避難所などについて詳細に記述されており、自治会での集会や防災講演会、まちづくり出前講座等において配布いたしております。  次に、防災訓練につきましては、地区の自主防災訓練に参加が求められる若年層の方に関心を持っていただくために、親子を対象とした防災フェアを実施しております。昨年は笹原公園と伊丹スカイパークにおいて実施いたし、合わせて488名の参加を得ました。今年度につきましても、「煙体験」や応急手当て、各種防災資機材の展示など、実際に御自身で防災体験をしていただける内容を計画いたしております。  また、地震が発生したとの想定で、市、警察、自衛隊など、防災関係機関及びライフライン事業者並びに自主防災組織、自治会、ボランティア等の御参加をいただき、2年に1回、総合防災訓練を実施しております。今年度につきましても、市民の方が参加しやすいようにと日曜日の実施を予定しており、自主防災会による初期消火訓練や自治会による要援護者避難訓練、市民団体等による炊き出し訓練等を通じて、市民の防災対応能力の向上を図ってまいります。  次に、市民の防災意識への向上と課題についてでありますが、平成19年10月に内閣府が調査しました地震防災対策に関する特別世論調査によりますと、大地震に備え何か対策をとっているかという質問に対しまして、特に対策をしていないとの回答が13.5%という結果となっておりますが、同じ内容が平成17年では29.7%となっており、2年たって地震に対する何らかの対策を講じられておる方がふえていることとなっております。  ここで、大地震に備えた住民の対策を見ますと、最も多いものは「ラジオ、懐中電灯などの準備」が58.9%、次いで「食料や飲料水の備蓄」が36%となっております。こういった災害発生後の避難の準備をされている方が多い一方で、災害から命を守る効果的な対策と言われます家具の転倒防止を実施してる方は24.3%、また家屋の耐震補強につきましても実施済みあるいは予定があると、合わせた回答が11.9%と低いものとなっております。  これらの調査結果から、多くの人々は地震への不安を漠然と感じているものの、積極的に災害の予防対策を講じるまでに至っていない実態が浮かび上がっております。本市におきましても、地域での説明会や講演会等で洪水ハザードマップの確認の有無などについて参加者にお聞きすると、わずか10%程度の方しか確認されていないと、まことに残念な結果となっております。  今後の防災啓発につきましては、引き続き防災フェア、伊丹市総合防災訓練、地域の自主防災活動まちづくり出前講座などを活用して、市民の皆様方に災害時の自助、共助の重要性、必要性を訴えてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。  最後に、議員御指摘の冷蔵庫に張れるようなミニ防災マニュアルの作成の御提案につきましては、防災ガイドブック等におきましても、避難場所や避難ルートの下見の必要性、非常持ち出し品チェックリスト及び緊急連絡先等を記すための防災メモを添付しております。こういった啓発資料をもとに、それぞれの御家庭で十分に話し合っていただき、各家庭状況に最も適したマニュアルをつくっていただくことが何よりも実践的な家庭、地域の防災力の向上につながると考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。以上でございます。 ○議長(岡本廣行) 庄田都市創造部長。 ◎都市創造部長(庄田徳男) (登壇)私から、映画制作の支援について数点の御質問にお答えいたします。若干御質問と重複いたしますが、御了承ください。  議員より御紹介のありました自主制作映画Strobe light」でございますが、2011年に劇場公開が予定されております候補作品として「ブラック・インディ!」プロジェクトにエントリーされました新進気鋭若手監督11名のうちの片元亮監督がサスペンスとラブストーリーを融合させた「クリミナル・ラブストーリー」を企画され、本市の中心市街地を主なロケ地として制作を予定されていると伺っております。この「Strobe light」のような自主制作映画は、若手で期待される映画監督の登竜門として「インディーズムービー・フェスティバル」という映画祭が開催されております。  先ほども御紹介ありましたが、この映画祭の第1回グランプリ受賞者は、2003年5月に劇場公開されました、よく御承知の上戸彩さん主演の「あずみ」や2004年12月に同じく劇場公開されましたゴジラシリーズ第28作目の「ゴジラFINAL WARS」の北村龍平監督が大変有名で、ほかにも商業映画界で活躍中の監督や映画人の多くの方が卒業されており、非常に注目されている映画祭と伺っております。  この「Strobe light」を計画されました片元監督も第10回のインディーズムービー・フェスティバルにおきまして、「キラキラ」という12分の作品でございますが、短編部門においてグランプリに輝かれており、全国のレンタルビデオ店や衛星放送、344局のケーブルテレビネット、BSデジタル放送など、各メディアで全国的にPRが展開され、作品、DVDのセールスがインディーズムービー・フェスティバル初の完売となったと伺っております。  御承知のように、本市の中心市街地には国の重要文化財である旧岡田家住宅・酒蔵や国指定史跡である有岡城址を初め長寿蔵など、民間施設でも歴史的に価値のある建築物が整っております。また、通称郷町長屋と呼ばれております7軒のお店など、歴史や景観に配慮したたたずまいを醸し出す飲食店なども多く、平成20年には伊丹酒蔵通り協議会と本市が国土交通省後援の都市景観大賞の「美しいまちなみ優秀賞」を受賞するなど、ロケーションにおいても誇れる町並みを形成していると考えておりまして、このたび本市の中心市街地を映画制作のステージとして、人々の好奇心に訴えかけるようなコンセプトで伊丹初の本格劇場公開映画の制作を目指されていると言うことは、まずは大変喜ばしいことと思っております。  御質問のうち、まず第1点目の地域活性化策の一つとして、市もかかわりをと考えるがどうかについてでございますが、映画の撮影が本市で行われることに関しましては、1つに、伊丹の映像が全国に広まり、知名度の向上が図れるという情報発信のチャンスである。2つに、映画が上映されることにより、来街者の増加が期待できるのではないか。3つに、将来にわたり伊丹の映像が資料として残される。4つに、ロケの実施、ロケ隊の滞在による一定の経済効果が生まれるのではないか。5つに、エキストラ募集など、市民参加による地域振興が図れるなど、本市にとって多くのメリットがあると考えております。  また、御質問の中で御紹介もありましたように、山形県米沢市の小野川地区や愛知県西三河地区などでインディーズの映画が話題になり、地域の方々がサポーターなどの形で映画制作に参加されるなど、地域活性化に寄与するところは大変大きく、本市でも同様の盛り上がりが生じるのではないかと大いに期待いたしたいと思っております。  そこで、市のかかわりにつきましては、今後、制作者の方々から映画の内容とか撮影場所、施設使用、映画制作に必要な企画書等による正式なお申し出を受け、支援できる方向で検討してまいりたいと考えております。  なお、ロケ地の多くが中心市街地ということで、中心市街地の活性化に向け各種事業に取り組んでいただいております商業者や地権者、商工会議所などで構成いたします中心市街地活性化協議会、また市全体の地域支援のアピールやPRに取り組んでいただいております市民や事業者、団体の代表の方で構成いたします伊丹アピールプラン推進協議会などと連携することで、より広がりのある事業になるものと考えておりますので、このような組織と連携、支援の方法についても検討してまいりたいと考えております。  次に、第2点目の具体的にどんな支援ができるかについてでございますが、全体としましては、先ほど答弁させていただきましたように、正式な申し出を受け、ストーリーや劇中の設定に必要な要素などをお示しいただいた上でのこととなりますが、御支援例といたしましては、議員御指摘のロケ地では、中心市街地内の商業施設の紹介や仲介を初め、平成20年6月に伊丹市といたしまして参加いたしましたフィルムコミッションのひょうごロケ支援Netに登録いたしております「みやのまえ文化の郷」や「長寿蔵」など、また中心市街地以外ではありますけれども、ストーリーの展開によっては、平成いたみ八景として登録いたしております荒牧バラ園や大阪国際空港、昆陽池公園、緑ヶ丘公園、御願塚古墳、伊丹緑道、昆虫館、そして伊丹スカイパークなども御紹介できるのではないかと考えております。  いずれにいたしましても、市としましてはこうした機会は、さきにも御答弁いたしましたように、企画、制作段階におけるまちの盛り上がりや地域の元気、さらに劇場公開されました折には、本市の町並みなどが映像を通じて広く映し出されるなどPR効果も多大で、大変有益的でありますことから、中心市街地活性化協議会やアピールプラン推進協議会などの協力を求め、後援などの形でロケ地の紹介を初め、公共施設を使用される際には、使用料の減免やさまざまなツールを使用した広報、PR、そして市内での完成披露試写会などの検討などについても可能な限り具体的な支援を考えてまいりたいと思っておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。以上でございます。 ○議長(岡本廣行) 相崎議員。 ◆3番(相崎佐和子) (登壇)それぞれに御答弁をいただきました。  まず、市民への防災の啓発について申し上げます。  今回、これをテーマに選びましたのは、私自身が災害に備えて対策をしておかなければならないと思いながら、実際にはなかなかできていないということが気になっていたからです。同様の方も少なくないのではないかと思い、何か工夫ができないかと考えて、ミニ防災マニュアルを作成、配布してはどうかと御提案申し上げました。  御答弁は、防災ガイドブックなどの既存の資料をもとに、それぞれの家庭で話し合って最適なマニュアルをつくるのがベストといった趣旨でございました。なるほどそのとおりでありまして、それができればまさに理想であると考えます。がしかし、実際なかなかそこまではできないのが現実ではないでしょうか。ハザードマップの活用率が25%程度ということでもございました中で、各家庭にマニュアルづくりを求めるのはなかなかハードルが高いところでもあるように感じます。
     ですので、ハザードマップガイドブックは引き続きしっかりと活用するとしまして、さらに工夫を重ねるという意味で、ミニマニュアルも作成し配布をすると、防災の啓発の充実ということにおいてとても効果的だと考えます。簡単なものでよいですので、特に重要であろうと考えられる項目をピックアップして記載し、防災訓練や防災フェアなどでよいから、機会あるごとに配布をしてはどうかと考えるところです。使い勝手がよいことから、活用度も高まり、御答弁にありました各家庭での話し合いやオリジナルマニュアル作成にもつながっていくかと考えます。  こういった意味からも、ぜひミニマニュアルの作成、配布を強く望むところでありますが、もう少し前向きな御答弁をいただきたく、改めて質問をさせていただきます。いかがなものか、再度詳しくお教えください。2回目の質問とさせていただきます。 ○議長(岡本廣行) 伊藤危機管理担当市長付参事。 ◎市長付参事(伊藤雅彦) (登壇)ミニ防災マニュアルに関する再度の御質問につきまして御答弁申し上げます。  議員御提案のミニ防災マニュアルの作成につきましては、今後その内容等につきまして検討することは可能ではないかと考えております。ただし、災害時の対応につきましては、その災害の規模、種類により異なることや災害時の緊急情報対応は、家族構成や住宅設備などで必ずしも画一的にお示しできないと思います。  繰り返しとなりますが、第一義的にはそれぞれの御家庭に合った防災緊急対応マニュアルを御家族の創意工夫により作成いただくことが何よりも大切なことと思っております。このことが防災を身近な問題ととらえ、自分自身の安全は自分自身で守るという自助の第一歩ともなり、家庭、地域の防災意識や防災力の向上につながるものと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。 ○議長(岡本廣行) 相崎議員。 ◆3番(相崎佐和子) (登壇)御答弁ありがとうございました。  ミニ防災マニュアルの作成、配布につきましては、さまざまに課題もあるかと存じますが、一市民として、また一主婦としても、こういうものがあれば非常に便利で使い勝手がよく、防災の対策も進めていけると考えるところでありますので、ぜひ今後前向きに検討を進めてくださいますようにお願いいたします。  そして、映画制作の支援について申し上げます。  こちらは、大変期待以上の前向きな御答弁をいただきまして、とてもうれしく思っております。ありがとうございます。私が申し上げるべき以上のことの御説明をしていただきまして、ありがとうございます。感謝しています。  市としてどんな支援がしていけるか、どんな連携ができるかということは、これから制作側と話を進めていく中で具体的になってくるかと思います。もしかすると、今回御提案したこと以上のユニークな連携のアイデアなども生まれてくるかもしれません。積極的に制作側と話を進めていければと考えるところです。  また、市民が主体となって応援していくような市民応援団体、市民サポーターズクラブというようなものもほかの山形県米沢市小野川地区の例でありますように、設立して進めていければ、さらに市民力、地域力のアップにもつながる取り組みになっていくかと思い、こちらも検討を前向きに進めていければと考えているところです。  いずれにしましても、制作側が非常にこの伊丹を気に入ってくださり、ぜひこの伊丹で制作をとおっしゃっておられるのはとてもうれしいことでありますし、また伊丹にとっても地域の活性化や人のつながりの強化といったことにもつながる大変メリットも多い、ありがたい話であると考えます。制作側と伊丹市がともにメリットを享受して、相乗効果を発揮していけるような方向で今後前向きに取り組みを進めていければと思っておりますので、市としてもぜひ可能な限りの支援をお願いできればと思っております。  こういった魅力あふれる取り組みで、ぜひこの伊丹をさらに盛り上げていければと考えておりますので、皆さんもよろしくお願いします。  少し時間が余っておりますが、以上で私の発言とさせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(岡本廣行) 次に、24番 中村孝之議員の発言を許します。────中村議員。 ◆24番(中村孝之) (登壇)ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、私は日本共産党議員団を代表して質問をいたします。当局におかれましては、誠意ある答弁をよろしくお願いをいたします。  質問の第1は、同和行政に関して2点について質問をいたします。  1点目は、第5次総合計画における同和問題の位置づけについてであります。  今、来年度からスタートする第5次総合計画策定に向けた議論が行われております。問題は、基本目標の一つである、「市民が主体となったまちづくりの実現」の中に、これまでと相変わらず同和問題が位置づけられようとしている点であります。  御案内のように、2002年3月末には同和対策特別措置法も終了し、地方自治体での単独事業の見直しも強く求められておりました。新総合計画で位置づけされようとしている同和問題とは、同和地区に係る課題でありますが、もう同和地区は存在しないのでありませんか。当局は、現在、同和地区が存在するとの認識に立っておられるのか、お伺いしておきます。  これまでの進捗状況を踏まえ、新総合計画にさらに位置づけをして、事業を推進する必要はないと思いますが、あわせて見解を伺っておきます。  第2は、33年間にわたった特別対策事業が終了した時点で同和行政を終了すべきでありましたが、引き続き特別対策を存続させてきました。市長は、2005年6月議会で、同和地区に限定した特別対策を続けていくことは、差別問題の最終的な解決に有効とは言えない、逆効果の面もあるとして終結表明をされました。しかし、地域住民への生活への影響は大きいとして、幾つかの特別対策を期間を設定して延長し、また答弁では、同和対策は解決したとの認識には立っていない、同和行政はやめない、同和地区に係る差別問題が完全に解消されたとは言えないとの認識で、特別対策の終結に逆行する施策を実施してきていますが、伊丹市はどのような状態が同和行政の終結と認識されておるのか、見解を伺っておきます。  2点目は、人権教育啓発に関する基本方針の策定についてです。  今回の人権教育啓発推進に関する基本方針は、2000年施行の人権教育及び人権啓発の推進に関する法律に基づき策定されようとしておりますが、もともとこの法律は部落解放同盟の要請に基づいて、議員立法として制定された経緯があります。  この法律は、第5条で、地方公共団体には人権教育及び人権啓発に関する施策の策定、実施の責務のみを課して、第6条では、国民には人権尊重の涵養に努めるとともに、人権が尊重される社会の実現に寄与するよう努めなければならないと2つの責務を課すなど、専ら国民が責められ、国、地方公共団体や社会的、経済的権力である大企業などの責任は不問としております。  また、この法律では、教育行政の本来の責務は条件整備義務にあることも明確にされておりません。人権尊重の涵養に努める場合の中心は、教育、学習にありますが、これを国民の権利としてではなく責務と位置づけしており、問題であります。この法律の最大の問題点は、人権という重い課題を実態として存在するさまざまな人権課題に真正面から取り組むのではなく、差別のみに焦点を当てて矮小化し、国民の差別意識の問題として、国と地方公共団体の責務として教育、啓発を法定化してる点であります。  以下、数点質問いたします。  第1は、この法律は、さきに述べましたように、基本的人権は問題とせず、人権を国民の差別意識の問題にすりかえています。これは人権の問題が国民の心の持ち方にあり、これを変えることだと決めつける立場は憲法で保障された思想、良心の自由など、国民の内心の自由に踏み込む重大な人権侵害と言えます。このような法律を根拠に策定されようとしております人権教育啓発推進に関する基本方針が市民の合意が得られると思われているのかどうか伺います。  また、計画の期間についてもあわせてお伺いしておきます。  第2は、伊丹市は同和問題に関する意識調査から、偏見や差別意識が解消されているとは言えない、市民の理解が不十分だとの結論を出しております。市民意識調査の設問自体が同和問題に関することで、現在どのような人権問題が起きていると思いますかとなっており、記入は、自分とは関係なくいろんな情報などを通じて知ったことや思ったことを記入したものであり、これをもってなぜ市民の理解が不十分との結論になるのか。市民にその責任を押しつけているのは重大問題であると思いますが、お伺いいたします。  また、偏見と差別ということがよく使われておりますが、この違いはどのように認識されておるのか、あわせてお伺いしておきます。  第3は、教育、啓発によって差別意識が解消するのかであります。  行政による講演会、学習会などの教育、啓発は、差別意識の解消を目的に設定されてきておりますが、住民の差別意識が解消されるとはどこで立証されたのでしょうか。伊丹市は平成2年の同和対策審議会以降、差別解消として教育、啓発に取り組んできておりますが、検証結果についてお伺いいたしておきます。  第4は、伊丹市教育委員会は、1972年4月に策定した伊丹市同和教育基本方針を2007年7月に伊丹市人権教育基本方針と名称を変え、39年間にわたって同和教育、人権教育を推進してきました。今回、策定しようとしておる人権教育・啓発推進に関する基本方針と策定内容、目的は同じでありますが、今回の基本方針は必要ないと思いますが、関連についてお伺いしておきます。  第5は、障害者に対する今回の人権に関する市民意識調査では、雇用、就労問題で多くの方が問題があると指摘されておりますが、基本的人権問題として重要であり、真正面から取り組むべき問題であります。  特に、地方公共団体や法定の障害者雇用率を率先して達成することは責務であります。学校現場の現状についてお伺いをいたしておきます。  2点目は、大震災時の業務継続体制についてお伺いをいたしておきます。  総務省は、今年4月23日に消防庁と内閣が共同して、全国の都道府県と市町村を対象に実施した地震発災時を想定した業務継続体制に係る状況調査結果を公表いたしました。この調査によりますと、全職員を対象とした参集計画があり、発災時にも継続する必要のある一般業務を決定、かつ業務継続に必要な食料等の支援の確保方針が決定しているとした団体は、都道府県で10、市町村で99団体と、業務継続体制の整備が進んでいないことが明らかとなりました。  また、震度6以上の地震発災時に、庁舎等の停電等の一定の制約下でも応急業務を円滑に実施できるとした団体は、都道府県で45、市町村においては989となっており、また震度6弱以上の地震発災時における応急業務以外の住民サービス等の継続が不可欠な日常業務を円滑に実施できるとした団体は、都道府県で26、市町村で575となっております。業務継続計画の策定状況については、策定済みは都道府県で5、市町村で1団体で、策定中は都道府県で16、市町村で169団体となっております。  以上が調査結果の概要でありますが、この結果に私も少し疑った次第でございます。特に、2009年版の防災白書によりますと、今世紀前半での東南海・南海地震の発生が懸念され、文部科学省の地震調査研究推進本部も今後30年以内に起きる確率は東南海が60から70%程度、南海地震が50%程度と想定する中で、市民の安心安全を確保するための備えが常に求められているからであります。  そこで、今回の調査結果を踏まえて、各種の伊丹市の取り組みの現状と今後の方向性についてお伺いして、質問を終わります。 ○議長(岡本廣行) 川戸市民部長。 ◎市民部長(川戸小史郎) (登壇)私からは同和行政についての御質問にお答えいたします。  最初に、伊丹市第5次総合計画において、同和問題が位置づけられている点についての御質問ですが、議員御指摘のとおり、現在、策定作業中の同計画におきましては、「市民が主体となったまちづくりの実現」を基本目標に掲げております。市民主体のまちづくりは、市民一人一人が対等の立場で多様性を認め合い、ともに生きる社会を目指す人権尊重のまちづくりが基盤であり、そのためにさまざまな人権課題の解決を目指して、女性、子供、高齢者、障害のある人、外国人などとともに、同和問題を解決すべき人権課題の一つとして位置づけているものでございます。  平成14年3月末、地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の失効により、特別対策は終了し、特別対策の対象地域としての同和地区は法的根拠を失いました。しかしながら、このことが同和問題の解決を意味するものではありません。特別対策の対象であった地域等に対する根拠のない差別意識はいまだ存在し、今後も人権教育、啓発を進める中で、そういった意識の解消を目指す取り組みは必要であるとの認識から、第5次総合計画においても位置づけているものでございます。  次に、同和行政はどのような状態になったら終結と認識するのかとの御質問ですが、平成8年、国の地域改善対策協議会の意見具申においては、差別意識は着実に解消に向けて進んでいるものの、結婚問題を中心に依然として根深く存在しているとし、今後の主要な課題の一つとして、差別意識の解消を上げ、その解消に向けた教育及び啓発は引き続き積極的に推進していかなければならないとし、現在の国の人権教育・啓発に関する基本計画においても、この意見具申の趣旨が尊重されております。  また、昨年度実施いたしました人権に関する伊丹市市民意識調査の結果を見ても、同和問題に関して、居住の敬遠や結婚問題の存在が上位に上げられております。  さらに、インターネットへの差別的な書き込みや身元調査に絡む戸籍の不正取得事件、マンション建設に係る土地差別調査等、同和問題にかかわる差別事象が相次ぐ現在の状況においては、同和問題への取り組みを終結する状況には至っていないと認識するものです。  今後、人権教育啓発を通じて、すべての人が人権尊重の精神を当たり前のこととして身につけ、その精神を日常生活の中で実践することにより、同和問題への正しい理解が浸透し、多くの市民が出身地等を理由とした結婚、就職等の差別を意識しなくなったとき、終結したと言えると認識するものでございます。  次に、人権教育・啓発推進に関する基本方針の策定について、まず人権教育及び人権啓発の推進に関する法律は、人権問題を国民の差別意識の問題にすりかえており、これに基づく策定が市民の合意を得られると思うのかとの御指摘でございますが、日本国憲法の基本的人権については、第97条で、この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は過去幾多の試練に耐え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものであると規定し、さらに第12条では、この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によってこれを保持しなければならないと定めております。  これらの規定を踏まえて、人権教育及び人権啓発の推進に関する法律第6条では、国民の責務として、人権尊重の精神の涵養に努めるとともに、人権が尊重される社会の実現に寄与するよう努めなければならないと規定しているものでございます。  人権が尊重される社会を実現するためには、国民一人一人が人権尊重の理念について理解を深め体得することが必要です。そのために、人権教育・啓発推進法では、第3条、基本理念として、国、地方公共団体に対し、学校、地域、家庭、職域、その他のさまざまな場を通じ、その発達段階に応じ、多様な機会の提供、効果的な手法の採用、国民の自主性の尊重及び実施機関の中立性の確保を旨として、人権教育・啓発の推進を求めているものでございます。  したがいまして、議員御指摘のような問題のすりかえには当たらないと考えるものでございます。  また、策定中の基本方針は、人権に関係する団体の代表や公募市民等で構成する伊丹市人権教育・啓発推進会議での協議や委員への個別の聞き取り、また昨年度、2000人の市民を対象に実施しました人権に関する市民意識調査の結果、さらに今後実施予定のパブリックコメントの結果等を十分踏まえ、市民の理解と合意を得ながら策定しているものでございます。  なお、計画期間につきましては、さきに述べましたとおり、基本的人権が憲法において侵すことのできない永久の権利として、普遍的な意義を持つものと理解され、さらに国民の不断の努力によって、これを保持しなければならないと規定されているため、人権教育・啓発の推進に関する現在の国の基本計画及び県の推進計画は、いずれも計画期間を設けておりません。  そこで、本市の基本方針におきましても、特に期間を設けず、国、県の動向、市民意識や社会情勢の変化等に適切に対応するため、必要に応じて見直しをしてまいりたいと考えております。  次に、本市は、同和問題についてなぜ市民の理解が不十分との結論になるのかとの御質問でありますが、本市の人権に関する市民意識調査によると、結婚相手を考える場合、相手が同和地区の出身者かどうか気になると答えた人が11.0%、また子供の結婚相手を考える場合には、13.3%が気になると答えています。  また、平成20年度に兵庫県が実施した意識調査によりますと、結婚について相手が同和地区の人であることがわかった場合どうしますかとの問いに、自分の意思を貫いて結婚すると回答した人の割合は48.2%、これに対し、結婚しないとした人は15.6%、わからないとした人も32.4%いました。  さらに、本市の意識調査においては、同和問題に関して、現在起きていると思う人権問題について、同和地区への居住の敬遠32.9%、結婚問題での周囲からの反対27.2%と並んで、わからないとする回答が27.9%ありました。  こうした結果から、同和問題についての差別意識が解消したとは言いがたく、また無関心層の割合も高い現状の中、同和問題について正しく理解する意識啓発が求められていると考えます。  そのため、人権が尊重されるまちづくりを実現するため、市の責務として市民の偏見や差別意識を解消し、同和問題を正しく理解する教育、啓発が必要と考えております。  偏見と差別意識の違いにつきましては、最新版の広辞苑では、偏見の意味として、偏った見解、中性でない意見、また差別につきましては、差をつけて取り扱うこと、分け隔て、正当な理由なく劣ったものとして不当に扱うこととあり、用例として、差別意識が上げられております。いずれにいたしましても、人権侵害の要因として、偏見と差別意識は一体的に使用されているものと認識しております。  次に、平成2年の伊丹市同和対策審議会答申以降、教育、啓発に取り組んできたが、検証したのかとのお尋ねについてでございますが、平成13年に現在の「人権教育のための国連10年」伊丹市行動計画を策定し、毎年度、市長を本部長とする伊丹市人権教育推進本部において、その事業実施状況等について報告、検討を行っているところでございます。  また、毎年、講演会、学習会等多くの啓発事業を開催しておりますが、そのときアンケート調査を実施しており、その一部を御紹介いたしますと、例えば昨年度実施したハートフルコンサートでは、アイヌの文化に触れ、我が子たちの育児、自分の生き方を大切にすることがとても大事だということがわかりましたといった意見や、また差別を許さない都市宣言制定記念集会においては、きょうのお話をきょうだけに終わらせないで、伊丹の教育、まちづくりを見直し、本当に人権を大切にしたまちになるよう、日常の取り組みをしていきたい。また、人権について考えさせられました。人に対して思いやりを持つこと、まずみずからを好きになることが大事だと思いました。どんなことでもよいから、自分のできることを考えてみたいといった意見が寄せられており、こうした講演会等の取り組みが市民の人権意識の高揚に着実につながっているものと確信しております。  また、従来、痴呆と表現していたものを認知症と言いかえたり、障害者の害の表記を平仮名にするなど、人権尊重の視点からの各種表現の見直しやセクシャルハラスメントやDVは女性に対する人権侵害であるとの認識の広がりなども一人一人の人権意識の高まりを反映したものと考えることができます。  次に、今回の伊丹市人権教育・啓発推進に関する基本方針と伊丹市人権教育基本方針との関連についてでございますが、現在の伊丹市人権教育基本方針は、伊丹市教育委員会がすべての人の基本的人権を尊重していくための教育を学校教育や社会教育において推進するための指針として、平成18年7月に策定したものでございます。人権教育基本方針は、平成13年に策定した「人権教育のための国連10年」伊丹市行動計画を基本計画とし、その基本理念に基づき、人権教育を推進するとしており、両者の内容には重複する部分もありますが、学校教育や社会教育における人権教育の重要性にかんがみ、教育に特化した取り組み方針を内外に示しているものでございます。  今回、伊丹市行動計画にかわって策定する人権教育・啓発に関する基本方針につきましては、人権教育・啓発を全庁的に推進していこうとするものですが、教育現場におきましてもその基本理念が継承できるよう、現在、教育委員会で教育基本方針の改定準備を進めているところでございます。  最後に、学校現場での障害者雇用率についてでございますが、議員御指摘のとおり、国及び地方公共団体は、障害者の雇用の促進等に関する法律に基づき、障害者の雇用の促進と職業の安定を図るため、必要な施策を総合的かつ効果的に推進する必要があります。都道府県等の教育委員会においては、2.0%の法定雇用率が定められておりますが、昨年度の兵庫県教育委員会の雇用率は1.82%と法定雇用率を下回っている状況でございます。  兵庫県教育委員会は、教員採用試験におきまして、特別枠選考として、身体障害者を対象とした特別枠選考を実施する等、対策を講じており、今年度は特別枠選考で3名の教員が採用されており、伊丹市への配置はございませんでしたが、既に伊丹市内の学校にも障害のある教員が勤務しております。障害のある教員と学校生活をともにすることで、児童生徒の人権に関する理解がより深まるものと考えております。  本市といたしましては、今後とも人権が尊重されるまちづくりのため、あらゆる機会と場を通じて、人権教育・啓発を推進してまいりますので、御理解を賜りますようよろしくお願いいたします。 ○議長(岡本廣行) 伊藤危機管理担当市長付参事。 ◎市長付参事(伊藤雅彦) (登壇)私から、大震災時の業務継続体制に関する御質問についてお答えします。  現在、本市におきましては、災害対策法第42条の規定に基づき、伊丹市における災害対策全般につきまして、地域防災計画に定めております。職員の動員体制につきましては、この計画に基づき人員を割り当て、連絡先を記した動員連絡表を作成しております。動員計画上での参集人数につきましては、震度4でおよそ280名、震度5弱以上で約680名、震度6弱以上で全職員に当たりますおよそ2000名が参集することといたしております。地震発生時、特に大規模地震発生時には、一時的には行政機能が麻痺することも想定され、平常時の人員と業務環境を維持できません。地震災害はいついかなるときに発生するのか予測がつかないことから、発災後の職員の参集につきましても、時間的制約と数的制約という二重の意味でのマンパワーの課題と本庁舎を初めとする公共施設建造物や資機材、また電気、ガス、水道等のライフラインの被害状況により、さまざまな制約を受けることになります。  地域防災計画は、市や県など防災関係機関の業務について中心的に定めておりますが、これら公助には限界があることから、地域における自助、共助は地域防災力の向上の観点からも重要であるとして、人的、物的体制についても記しております。  災害時には、さまざまな機能が麻痺、寸断され、迅速な救助、救援活動が困難となることは予想されることから、この初動時の応急活動を効果的、効率的に実施するため、事業所の災害対応力を活用した共助体制の整備が有効であると考えており、民間事業所、団体に協力を求める災害時協定やいたみ災害サポート登録制度の推進を図っているところであります。  まず、災害時協定につきましては、従来より本市でも近隣関係自治体や市内企業等と食料、医療、寝具、その他日用品などの供給について、物的援助の協定を締結しております。  次に、食料の備蓄につきましては、災害発生から3日間は平時のルートによる供給や外部からの支援が困難になる可能性があることから、この間の物資の確保対策を講じることとしております。本市の食料備蓄についてでありますが、阪神・淡路大震災級の地震の直撃を受けた場合の避難者数を市人口の7.5%、およそ1万5000人と想定して、市内4カ所の防災倉庫に分散して備蓄いたしております。また、残りの2日分につきましては、給食センターや民間の炊飯業者による給食及び市内食料取扱業者等と締結をしております協定に基づく調達により対応することといたしております。  次に、民間事業者等による人的支援といたしましては、平成20年10月には住友電気工業株式会社伊丹製作所と平成21年には社団法人隊友会兵庫県隊友会伊丹・宝塚・川西地域支部との間に、応急活動や市民の避難及び救援活動に係る援助、支援について協定を締結いたしております。  また、いたみ災害サポート登録制度につきましても、本年1月15日より施行いたしております。本制度は、あらかじめ地域ごとに事業所や団体等による支援が行えるよう、平常時から協力可能な事業所、団体を募り、災害発生時には対策本部と連携することで、地域における迅速かつ的確な救援活動につなげていくことを目的としております。  次に、議員御案内の事業継続計画とは、災害による影響度を認識し、発生時の事業継続を確実にするため、必要な対応策を策定した計画でございます。また、その内容といたしまして、緊急時の経営や意思決定、管理などのマネジメント手法の一つに位置づけられ、指揮命令系統等の維持、情報の発信、共有、災害時の経営判断の重要性など、危機管理や緊急時対応の要素を含んでいるとされております。これを地方公共団体に適用いたしますと、大震災時においては、避難救助やライフラインの復旧など、緊急度の高い応急復旧業務に加え、医療、衛生、福祉相談など、災害時にも継続して実施すべき通常業務を円滑に遂行する必要があります。これらの業務を遂行するに当たり、制約された人的、物的資源を効率的に投入するために、発災時に優先して遂行する業務を事前に決めておき、限られた人員、資機材などの資源を効果的に投入し、業務の継続と早期復旧を図ろうとするものでございます。  業務継続計画の必要性につきましては十分に認識しており、今後とも安全安心のまちづくりのため、兵庫県を初め周辺他都市との情報収集等に鋭意努め、関係部局とも調整の上、災害時に的確に機能する業務継続計画について検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。 ○議長(岡本廣行) 中村議員。 ◆24番(中村孝之) (登壇)先ほど質問の冒頭にお断りするのを忘れておりましたんで、私の質問通告で最後の2の2の分については取り消しいたしますので、訂正をよろしくお願いしておきます。  それでは、今、御答弁をそれぞれいただいたんですが、一つは、この同和問題の位置づけ、どのような状態になったら終結と認識するんかと。私、位置づけの問題は、今質問の趣旨にも申しましたが、これは第4次総計でも同じような表現になっとんですね。私は第5次総計、期間は何年されるんか知りませんよ、10年とかいろいろ意見はありますが。ここに位置づけが必要なんかどうかいうことで、私、同和問題ということについて、一つ認識を、先ほど部長もおっしゃったように、法的には同和地域がなくなったんだと、今言われましたね。特別対策は終了して、もちろんあれですが、同和地区は法的にはなくなったと、先ほど言われたんだけど、なくなって、その後、まだこの同和問題の位置づけするのは非常に矛盾すると思うんですよ。なぜこういう同和問題の無理してひっつけてくるんかね。  というのは、同和行政いうのは、同和地区があるから同和行政あるんですよ、同和地域があるから。同和問題いうのは、同和地区あったら同和行政なんだ、同和地区がなかったら同和行政しようがない。ここをね、この関係をちょっとあやふやにされとんで、非常に答弁聞いとっても、だから私は同和問題いうのは、あれも人権一般、私、否定してるんじゃないですよ、人権は一番大事ですよ。我々も一貫して人権を重視しとる。だから、この人権の問題と云々じゃなしに、この同和問題を位置づけするのはどうかということで、もう一回その辺の関連ね、お伺いしたい。  同和行政の終結の認識で、初めて結婚差別と就職差別がなくなったら終結しまんねんと、これ初めての、私も議員になって12年目ですが、初めての答弁聞きました。この認識に対してね。これは非常に、同和行政というのはもともと永続するものじゃないわけでね、終わらんとあかんのが同和行政ですよ。特別な施策やから、一般行政にプラスしてやるのが、問題があるからやるわけでね。これはもう一刻も早く終わっていくというのが、もちろん地域の皆さん方の願いなんでね。  だから、そういう意味では、終わっていかんとあかんのですが、ここで結婚問題が出とんですが、私はこの冊子持ってきたけど、結婚について調査されたの、非常に私、これもまた問題やと思う。結婚についてお聞きしました。相手がいわゆる同和地区の出身者かどうかについて問うとるんですよ。同和地区がない言うとって、何で同和地区を調査した。なくなっとるのに、あえて結論を引き出すためにこんな質問。私、非常にこれは冒涜やと思う。同和地域はなくなったんですよ。それなのに、この同和関係の質問いうたら、みんな同和地区、同和地区ってね。当局、これ昨年の調査内容ですよ。なぜしたんかいうことを、こういうことをしたんじゃね、当局がごっつうおくれとんですよ、意識がね。市民意識がおくれとるんじゃないねん、当局の意識に非常に後進性があるから、こういう設問事項なんねん。だから、これにしても、けしからんですよ。しかし、これにしても11%なんだ。だから、おたくが、おたく言うたらあかんね、当局が言われた出身地等を理由とした結婚云々のこのがなくなったときと、意識がなくなったとき、これ11%や。だから、非常にね、もう今、結婚問題いうのは平成8年の地域改善対策協議会の意見具申のときでも、もうごっつい改善したいうこと言うとん。これ全国調査ですよ。伊丹の調査やありませんがね。  だから、そういうことで考えますと、非常にこの終結というのは、もう今でも終結宣言してもいいんですよ。これはこういう質問やから、この質問でこうですからね。こうじゃなかったらね、設問内容変えたら、その辺をちょっと設問内容について非常に問題があるんで、これお聞きしときたい。  それで、多くの市民がって書いとるね。今までは当局は市民が市民が言うとったんや。今度は、多くの市民が意識をしなくなったら終結します。この多くやて、何%指しとんか。今、11%はそういう回答したんやけど、私ね、全市民と、今までは市民が市民がいうのは全市民ですから、議員も含めて全市民ですからね、全市民が非常にけしからんになっとるが、今度は多くの市民がというふうに書いとる。この辺の認識がどのように考えておられるのか、多くの市民がですね。これを聞いておきます。  それから、非常に答弁は矛盾点がたくさんですが、時間がないんで走っていきますが、一つは、人権教育・啓発の今度の基本方針ね、私、問題のすりかえと違いますって答弁あるけどね、これ何も見解の違いじゃないですよ。この地域改善の対策協議会の意見具申、私も平成8年、ここでも特別対策はもう終わらんとあかんと、当時は平成9年に終わる予定しとった。それをもう来年、平成8年にもう来年終わらんとあかんということでしとって、その後、あれがあったでしょう、審議会、人権擁護推進審議会、あの審議会でもそれを受けて、人権啓発推進のこの法律はつくるなと、問題やでと。内心の自由を侵すんだと、委員会でそういう結論になったんですよ。国民のね、というのは意識いうのは内心の自由ですからね。これ侵すから、こういう法律はやめとこうやと。ほんなら、その後、今いう自民党、公明党とあとどうでしたかな、ほんで議員立法でできたんですよ、これ。そういう背景があるから非常に、そのとき出たのが差別意識で出たんですよ。差別意識の問題でこの法律を、それじゃいかんと、この改正のためにと。だから、私はすりかえやと言うたのはその意味なんですよ。当局はすりかえじゃないって言うとるけど、その法律に基づいておたくらやるわけですから、もうすりかえの最たるもんや、これはね。  だから、そういう意味で、これではすりかえたら、市民に対して私、非常に失礼やと思う。だから、私、市民の合意がとれるかと。やっぱり差別意識に問題を絞っていったんでは、非常に問題が誤解をされるんで、そういう意味で当局の認識、地域改善対策協議会をよく例に挙げて答弁されとんですが、この辺ちょっとお聞きしておきたい。  それと、もう一つは、伊丹市の人権教育基本方針、平成18年のね、何も平成18年にできたん違うんですよ。昭和47年の同和教育基本方針を名前だけ変えてぽとんとつくっただけ。私が厳しく言うたら、変えますいうてね。名前だけ変えた、中身は変わっておりませんよ。私、全部見ておりますが、中身は何ら、昭和47年の同和教育基本方針と一つも変わっておりません。だから、昭和というか、平成18年にしましたが、非常にあれも問題あるんですが、それとの関連で今回聞いたんやけど、ちょっと答弁で何か人権教育基本方針を改めんねんっていうけど、先に人権教育基本方針を否定からこの議論を本来せんとあかんのですよ。言うたら、人権教育基本方針の基本計画の位置づけですからね、今回の計画はね。上下は別として、一応は上位にある人権教育基本方針は、これを踏まえて変えまんねんいうたら、もう非常に重みがないですな。本来はその辺が私、関連で聞いたんやけど、ということは余り位置づけが大したことないことの証明やと思うんでね。  だから、そういう意味では、この相互の関係をお聞きしましたが、非常に、どちらにしましても、今度の人権教育基本方針については、よく考えてもらいたいんですが、私は教育、啓発が全部あかん言うてしまへんで。何も啓発、人権教育だけですよ、ほんまの人権教育は物すごく大事だ。当たり前のことですよ。啓発も私、あかんと言うてしまへん。しかし、こういう方針に基づいてしたらだめですよという、こういう啓発をね、この啓発自身も法律自身も本来はもう終わりなんですよ、あれ。平成12年ですから、法律できたのがね。ほんで、地対協の意見具申が平成8年です。12年、14年に特別対策終わったんや。特別対策法ではどう書いとうかいうと、もうこれ以上続けたら差別の解消につながらんから終わりましょうなったんや。差別の解消につながらんから終わろう言うたら、その前の規定は当然修正されるんですよ。だから、古い現状に合わないやつで方針をつくるのは、市民に対して本当に市民に対する理解は得られないいうことで思うんですが、もう一回、再度お聞きしときます。  それと、伊藤危機管理担当参事から答弁伺ったんですが、いろいろ危機管理は大変やと思うんですが、ぜひこういう市民のこの震災問題、震災いうのはもういつも新聞時々載りますが、いつ何どきあるかわからんという意味では、非常に重要な課題でありながら、なかなか前に住民も進まんという、現状もわかります。人数も少ない中で非常に努力されとんで、大変だと思うんですが、ぜひ先ほどの答弁の趣旨を踏まえて、ひとつよろしくお願いして、2回目の質問とします。 ○議長(岡本廣行) 川戸市民部長。 ◎市民部長(川戸小史郎) (登壇)今の中村議員に対して、数点の質問に対してお答えしたいと思います。  まず、同和地域は消滅したのかというお答えについてでございますけども、私が申し上げたのは、特別対策の対象としての地域は解消したということをまず申し上げました。まず、そこの大前提としまして、もともとこの特別対策が実施されたのは、被差別地域というのがまずあって、そこの中にその地域の地域改善ということを問題にして、そこの改善をするために行政が住民と協議をしながら、その区域を確定したのが特別対策の対象地域としての同和地域であると。そういった意味で、依然としてその大前提となる被差別部落というのはもともとあった対象地域のそこのことを指して、その部分に対する差別意識が解消してないということをまず申し上げたわけでございます。  だから、そういう意味では、そうですね、いわゆる結婚問題でもうそういった差別がないというのはまず該当しないと思います。
     それから次に、11%、この数が少ないのではないかということなんですけども、11%いうのは大変多くて、10人に1人が差別の意識をまだお持ちであると。それから、わからないという方も多いと。そして、具体的な県の回答を見ていただいても、そういった差別に対する意識は依然としてあるという意味で、大変大きな課題だと私どもは認識しております。  それから次に、すべてのと多くのというような表現の問題があったわけですけども、多くのというのは、100%というのははっきり言ってもう不可能なわけです。そういった意味で、最初の答弁で申し上げましたように、そういった意識自身が問題にならないというような意味での多くのという表現を使わせていただきました。  それから次に、4点目の国の地域対策審議会ですね、平成8年。この意見具申について、引用をされたわけですけども、この内容について、私も何回も読んでおりますけども、その内容については2つの内容がありまして、1つは、実態的差別と心理的差別ということを使っております。実態的差別につきましては、その地域の具体的な改善策であると。その対象事業が終わったということを国が言っていまして、それ以降の役割として引き続き心理的差別である啓発を重点的に進めていきなさいと、こういうことを言っております。  それから次に、問題のすりかえではないかということもおっしゃいましたけども、問題のすりかえかどうかというのは、先ほども申し上げましたように、憲法を引用させていただいて、そしてその憲法の趣旨を達成するために人権教育・啓発推進法があって、そしてそのために行政に責任を課しておりまして、決して問題のすりかえではないと、答弁の繰り返しになりますけど、このように考えております。  それから次に、教育の基本指針とそれから今回の行政のつくる全体の基本方針、この上位の関係が転倒しとんではないかと、こういうことをおっしゃったわけですけども、基本的には教育に特化したということを申し上げてますから、最初の教育の基本指針は。それを包含するより幅の広い総合的な計画として指針を位置づけておりますので、御理解いただきたいと思います。 ○議長(岡本廣行) 中村議員。 ◆24番(中村孝之) 自席から。私、地域改善対策協議会の意見具申、これはね、おたく今言うた2つの点言われたんやけど、あれ平成5年の調査に基づく具申ですよ。何か非常に、今私、現状との乖離、平成5年のときの実態を踏まえた意見具申、だから今と違うんだということを申し上げとんで、もう少し歴史的な経緯をよく見て、この問題に対応してもらいたい。強く要望して終わっときます。 ○議長(岡本廣行) ここでしばらく休憩いたします。 〇午前11時30分 休  憩 〇午後 1時00分 再  開 ○副議長(川上八郎) 休憩を解いて会議を続けます。  次に、2番 岩城敏之議員の発言を許します。────岩城議員。 ◆2番(岩城敏之) (登壇)ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、発現通告書に基づき質問させていただきます。  5月17日、成長戦略会議航空分科会報告が取りまとめられ、国土交通省への提言がなされました。その内容は、伊丹空港を今後、空港として活用する場合、その価値最大化の観点から、空港ビル事業や駐車場事業との上下一体化を目指して検討を行うとされた上で、関空、伊丹空港の事業価値の最大化とキャッシュ化の手法としては、民間の知恵と資金を活用することが望ましく、両空港の事業運営権を一体で民間にアウトソースする手法を基本に、その可能性を追求するとしています。  しかしながら、コンセッション契約については、税制上の措置など、一般的なパブリック・プライベート・パートナーシップの創設や関空会社の株主や債権者を含め、幅広い関係者との調整が必要であるなど、不確定要素が残るため、実際のスキームとしては、例えば持ち株会社の設立といった方式により、両空港の経営統合を先行させつつ、民間の提案を積極的に受け入れる中で、具体的方策を検討していくことが適当であるとされています。  報告の内容は、どちらともとれる部分もあり、断定できないところもあり、今後、国がどのように判断するかはわかりませんが、少なくとも成長戦略会議としては、一元化について運用の一体化なのか、経営の一体化なのかについて、結果的に経営の一体化にするという方向性を打ち出し、当面は事業運営の徹底的な効率化などを図った上で、伊丹空港を関空の補完空港として利用しつつ、将来的にはリニアなどの周辺状況の変化や跡地の土地利用計画の策定状況などを見通し、廃港、関空への一元化を検討するなど、具体的な活用方策を民間の経営判断により決定するとしたものと理解しています。  したがって、伊丹空港の将来は、今後、経営統合される持ち株会社の判断にゆだねられる可能性が高くなる可能性が出てきたということであります。  成長戦略会議報告書で上げた持ち株会社については、株式交換または株式移転のいずれかの方法をとるのか。完全親会社が持ち株会社または合同会社、LLCになるのかはわかりませんが、会社法上、完全子会社は株式会社でなければなりません。持ち株会社設立時において、関空会社の株主の株主責任、国の責任が精算されることもなく、すなわち関空会社の減資手続もとられないまま、持ち株会社に移行することとなれば、現在の関空会社の株主の権限が伊丹空港の将来に大きく影響してくる可能性が高くなるということであります。  現在、関空会社の資本金額は8138億2000万円であり、大阪府、大阪市、兵庫県の各自治体の発行済み株式総数に対する所有株式の割合は、それぞれ10.95%、5.47%、1.52%であり、伊丹空港の価値が持ち株会社設立時にどのように評価されるかはわかりませんが、いずれにせよ持ち株会社においては、例えば大阪府は解散請求権以外のすべての少数株主権を持つ株主となる可能性が高く、兵庫県は取締役会設置会社の株主提案権も持てない株主となる可能性が高くなったということであります。  私は昨年3月議会、本年3月議会において、伊丹空港の民営化について検討すべきではないか、また一元管理が先行し、経営統合されるようなことになれば、伊丹空港周辺地域の意見が反映されない自体を招きかねないと申し上げてまいりました。  昨年12月、前原国交相が関空視察に行った段階では、関空、伊丹も経営的に一つにするのか、運用を一体化させるのかを考えなくてはならないとの認識しか示しておらず、その前後、関西3空港懇談会が上げていた3空港の一元管理についても、東京ではそもそも一元管理に対して消極的であったように思います。そして、成長戦略会議の中間素案作成時においても、一元管理についてはさほど議論されていなかったと認識しています。  今回の成長戦略会議の報告書においても、一部には関空、伊丹空港のコンセッション契約に当たっては、それぞれの事業価値が別々に評価されるべきであるという意見もあったように、民営化と一元管理は本来ならば別々に考えるべきであり、本市は民営化されるのであれば単独民営化を使用すべきであり、国の空港として残るのであれば、一元管理を主張すべきであったと思います。  そこで質問いたします。今後の成長戦略会議の提言内容どおり、伊丹空港と関空が経営統合された場合、伊丹空港がどのようになっていくと考えておられるのかであります。なお、本質問は既に先日、新内議員が質問され、答弁もなされておりますので、運用上の一元管理については、既に市長も昨年より意見を述べられているところでありますので、経営上の一元管理がなされた場合、どのようになっていくと考えておられるのかについて、当局の見解をお聞かせください。  次に、伊丹空港が民営化など、経営形態が変わった場合の本市の移転補償地契約などによって使用している土地の今後であります。本市は現在、68カ所、延べ10万5157.57平米の移転補償地を共同利用施設敷地、公園敷地、消防施設敷地、道路敷地などとして使用し、共同利用施設敷地2カ所、行政推進業務敷地1カ所を除く65カ所を無償にて使用しています。もし伊丹空港が民営化など、経営形態が変わった場合、これらの土地が今後も現状契約内容どおり使用できるのか。もし使用できない事態や有償契約に変更されることとなれば、本市が使用している土地以外に兵庫県が県立西猪名公園として使用してる2万8571.51平米もあるわけですから、今後、本市の防災計画や財政にも大きく影響してくると考えますが、当局の見解をお聞かせください。  空港関連の最後の質問をさせていただきます。  もし、今回の成長戦略会議の提言どおりに民営化、経営統合となるならば、今までのように空港本体の活性化が必ずしも本市の活性化と結びつかない可能性が高くなるのではないかということであります。すなわち将来の空港の存続が不安定な事態となれば、幾ら一時的に空港が活性化しても、本市に存在する企業は本市における設備投資を控え、場合によっては本市から移動する可能性も高くなり、空港の活性化が必ずしも将来的な本市の活性化にはならないということであります。活性化の考え方について根本的に見直す必要があるのではないかと考えます。  そして、今後、活性化を考える場合、本市のみの活性化として考えるのではなく、空港所在3市と周辺市町が中心となった地域連合で地域活性化論を考える必要があるのではないかと考えます。  現在、空港所在3市と周辺市町は、それぞれ異なった産業振興施策がとられておりますが、一度これらの各市町村の施策を整理、検討し、空港を中心とした一つの産業振興施策を考え出せないかということであります。  昨年3月議会において、私は航空機産業の話をさせていただきました。伊丹空港周辺に航空機産業の土壌が整っていることはないこと、内陸型空港の特性が十分に生かし切れることについては、昨年申し上げたとおりであります。  そして、先日発表された通商白書でも、今後、日本の産業構造は一般消費財輸出型産業から鉄道、下水道、原子力発電などといったインフラ産業への転換が必要とされています。高度技術集積産業である国産小型旅客機産業を初めとした航空機産業も今後、国の重要な産業政策となる可能性は高く、国産小型旅客機MRJのプロジェクトがスタートしている今、小型旅客機の拠点空港となる可能性を備えている伊丹空港が旅客型空港から産業併存型空港へ転換できる可能性も十分にあるのではないかと考えます。  本例は一例ですが、本市の場合、もし伊丹空港が廃港になるようなことになれば、市内の産業構造が変化し、就労者人口の減少を招く危険性は高く、結果的に税収の減少、高齢化率の上昇、不動産価格の下落といったことを招きかねません。早急に将来に備え、その変化を補完できる産業振興策を初めとする各施策を打ち出し、先手を打っていく必要があるのではないかと考えます。  そして、その先手を打つためにも、空港所在3市と周辺市町が一体となって、産業振興施策を中心とした地域活性化を検討し、発信する組織づくりが必要と考えますが、当局の見解をお聞かせください。  次に、市内215自治会が活動拠点として使用している施設についてであります。  現在、160を超える自治会が伊丹市共同利用施設等条例に基づいて設置された共同利用施設、コミュニティーセンター、交流センターを活動拠点として使用し、残り自治会が伊丹市共同利用施設等条例に基づかない自治会館、集会所などを活動拠点として利用しています。  なお、伊丹市共同利用施設等条例に基づかない自治会館、集会所等とは、自治会が独自に所有している自治会館、または集合住宅が独自で所有する施設、すなわち区分所有などに関する法律に基づいて、マンションなどの集合住宅に設置されている施設であります。また、自治会の活動拠点として届け出てはいないものの、自治会が所有または管理者となっている施設は10を超えます。  これら多くの施設は、昭和42年の公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止などに関する法律によって設置されたものであり、設置数が加速度的にふえたのは、伊丹市共同利用施設等条例ができた昭和46年以降であります。  現在、伊丹市共同利用施設等条例に基づいて設置された75の施設のうち、70施設がこれに該当します。そして、集合住宅が独自で所有する施設を除いた伊丹市共同利用施設等条例に基づかない、自治会が独自で所有する施設の多くは、それ以前の昭和30年代に建築されたものがほとんどであります。  このようなことから、本市における自治会の活動拠点の半数以上は、既に築30年以上を経過し、特に昭和45年から昭和59年の15年間に43の共同利用施設が設置されており、今後、築40年を経過する施設が年々増加し続けてきます。また、伊丹市共同利用施設等条例の対象となっていない自治会が独自に所有する施設は、現段階において既に築40年を経過してるわけであります。  また、航空機騒音による障害の緩和を目的とした共同利用施設が大多数を占めることから、その設置場所は地域的に偏在し、地域的バランスがとれているとは必ずしも言えません。これら自治会活動の拠点施設は、市営住宅の場合と異なり、民間ストックの活用といった政策転換によって対応を考えることはできないことから、今後、用途廃止、建てかえのいずれかの選択を迫られることとなります。  しかしながら、本市の今後の財政状況などを考えるならば、すべての施設を市の財源だけで建てかえるのは非常に難しく、このままでいけば、複数施設を一つに集約し、使用しなくなった施設用地などを売却するなどによって、集約施設をつくっていくという選択肢しか残されなくなる可能性もあります。  しかしながら、複数施設を集約して一つの集約施設をつくることが本当に可能なのか。集約施設が現在のような自治会活動拠点となり得るかについては、疑問を持たざるを得ません。言うまでもなく、生活の場である地域社会で、生活を支える基本的要素として住民相互のつながりを維持することは不可欠なことであり、自治会組織は大きい社会的資産です。すべての人にかかわる暮らしの場で、すべての住民に開いた組織である自治会の持つ意味は非常に重要であり、今後ますますその役割が重要なものとなっていきます。  しかしながら、一方で、自治会を取り巻く環境といえば、自治会の組織率の低下が危惧され、高齢化が進む中、加入はしていても役員になることを避け、行事への参加も減って、名前だけ、会費だけの会員がふえているのも現状であります。  また、集合住宅においては、高齢化の同時進行化と若年層の雇用不安定化の結果、近隣とのつき合いも減り、マンションを一単位とする自治会の組織では、今後、地域活動が全くできないマンションが出てくることも想定されます。一定の施設集約が必要な地域もあるでしょうが、現在の各地域の自治会活動を考えるならば、一律に集約するということは得策であるとは言えません。それぞれの自治会が地域に合った活動をするためには、各自治会が活動拠点となる施設を確保したいと考えるのは当然のことであります。  しかしながら、現在の自治会の置かれている社会環境、自治会が自立して活動していくための自治会の自主財源、自治会が選択できる支援システムは少なく、したがって、なかなか自立しにくい環境にあります。自治会活動拠点施設の今後のあり方を考える場合、単に施設の建てかえ問題として考えるのではなく、まず現在の自治会の置かれている社会環境に対して、行政、自治会が一体となって検討、対応施策を打ち出し、自治会が自立することができる支援システムを整備しなくては、自治会の自立的な活動はできず、自立的な活動ができる自治会なくして、活動拠点となるべき施設について考えることはできないものと思います。  まず、自治会の置かれている社会環境に対してどのように対応していくか。例えば自治会の組織率の低下に対して、どのような取り組みができるかであります。例えば集合住宅の取り扱いであり、集合住宅住民の方々への自治会加入促進のためのシステムづくり、管理組合と自治会の関係整備、またワンルームマンションの単身者の自治会加入の問題などに対して、今後、行政と自治会が一体となって積極的に働きかけができる手法を検討すべき時期であると考えます。  そして、自治会が自立的な活動ができるための行政支援システムとして、コミュニティーファンドの創設、自治会の自立的な活動をするための借り入れに対する補償制度の創設、自治会法人化の支援システムなどを整備する必要があると考えます。  行政と自治会が一体となって、自治会が自立的な活動ができる環境整備をした上で、地域ごとの合意形成をもとに地域資源を生かした将来ビジョンを策定し、今後の自治会の活動拠点としての施設のあり方について検討すべきであると思います。そして、差し迫った問題として、伊丹市共同利用施設条例に基づかない、既に40年を経過している自治会所有の建物についても、共同利用施設と同じ扱いを検討すべきであり、まずそこからモデルづくりができないか、検討すべき時期であると考えます。  そこで質問いたします。自治会が活動拠点としている施設について、今後、数多くの施設が建てかえを迎え、本市の財政状況から考えるならば、すべての施設を建てかえることは困難であると考えます。  しかしながら、施設を統合することは、今までの自治会の持っていた本来の役割を十分に果たせなくする可能性もあり、今後、地域コミュニティーの維持が難しくなる可能性もあります。自立的な活動ができる自治会への施策、施設の移管もあわせ、それぞれの地域が地域に合った活動ができるようさまざまな支援システムを検討すべきであると考えますが、当局の見解をお聞かせください。  以上をもって1回目の質問を終わらせていただきます。 ○副議長(川上八郎) 藤原市長。 ◎市長(藤原保幸) (登壇)私から、空港問題に関しますお尋ねにお答え申し上げます。  岩城議員も触れられましたように、去る5月17日に成長戦略会議において、航空分科会報告が取りまとめられまして、国土交通省へ提言されました。これに関しまして、岩城議員から、経営上の一元管理がなされた場合、今後、伊丹空港がどのようになっていくと考えているのかというお尋ねをちょうだいしたところでございますが、私は、要はこの一元管理と言われる管理の内容、目的、それによるのだろうというふうに考えております。これにつきまして、国交省はどう考えてるんだということを確認しましたところ、現段階では提言いただいた内容の実現のために、予算要求でありますとか、来年1月から開かれます通常国会へ提出を予定して、法案を準備していると。そのための制度設計をしておるんだという段階でありまして、まだ地元、私どもへ説明できる段階ではないので、もうちょっと待ってほしいということでございました。  したがいまして、具体的にどのような形の経営統合といいますか一元管理が想定されているのかは、後日といいましても、この7月、8月ぐらいには一定の説明があるものというふうに考えております。  ただ、単にそれを待ってるというだけではしようがありませんので、これまでも機会をとらえて、国交省には意見を申し上げてまいりました。具体的には、去る5月12日でありましたけれども、大阪国際空港に関する意見交換会というのが空港で実施されまして、国からは国土交通省航空局の空港部長、空港政策の責任者が来てくれまして、この成長戦略会議の状況の説明を我々にしてくれまして、その後、意見交換を行いました。  この際に、私から空港部長に空港の管理運営について意見を言うとともに質問いたしましたところ、空港部長からこういうお答えがありました。両空港の事業価値を最大化できるように、ベストミックスを民間に考えていただく。持ち株会社が戦略的な判断のもとでやっていくという基本的な発想がある。安全対策、環境対策については、担保できる仕組みを国として考えて制度設計していきたいということでございまして、民間に考えてもらって、伊丹空港をフル活用するんだといったような話もございました。  そして、議員も触れられましたように、経営統合が提案されています関西国際空港につきましては、当該空港、関空の建設と管理のためにということでつくられた会社でありまして、1984年に設立されました。出資につきましては、主な株主として、国が66.66%、要は3分の2を出資しまして、残り、大阪府、大阪市、兵庫県といった地元の地方公共団体が21.67%。ですから9分の2ということになります。そして、民間からが11.67%、9分の1ということですので、国対地方公共団体対民間が6対2対1の割合で出資しておるということで、圧倒的に国が出資して、国の玄関口ですから当たり前でありますけれども、そういった出資割合となっております。  今後、成長戦略会議で提言されましたように、持ち株会社が設立されまして、伊丹空港と関空との経営統合がなされた場合、さてどういうことになるのかと。議員からは、大阪府の影響力が増す可能性があるんじゃないかという御指摘もちょうだいいたしまして、確かにそういう面もあるかもしれませんけれども、そもそも出資比率がどうなるのかとか、そもそも何のための持ち株会社で事業目的をどうするのかというところは現段階ではよくわかってないわけでありますが、私としましては、関空のための経営統合ではなくて、関西全体の発展と航空事業のパイの拡大、航空事業が大きくなる方向で両空港の特色を生かした最適運用することが重要であるというふうに思っておりますし、そう主張してまいっておるところでございます。  そのためには、今後の法案準備の段階から意見を言っていかにゃいかんと思いますけれども、その中に将来、伊丹空港の運営につきまして、地元の意向を反映できる仕組みをビルトインする必要があるのではないかというふうに思います。ですから、仮に一元管理化されたとしても、伊丹空港の運営等について、地元が参加して意見を述べる場の設置、こうしたことが必要ではないかというふうに一つ思っております。  また、本会議でも繰り返し申し上げておるところでありますけれども、特に安全、環境対策につきましては、それぞれの協定で国が責任を持ってやるということになっておるわけでありますから、どのような実施主体になるといたしましても、この安全対策、環境対策が後退しないよう、国が責任を持って万全を期すことは求めてまいりたいというふうに思っておるところでございます。  それから次に、空港を生かした産業誘致活動についての御質問にお答え申し上げます。  成長戦略会議の航空分科会報告書によりますれば、将来的なリニア等の周辺状況の変化や跡地の土地利用計画の策定状況等を見通し、廃港、関空への一元化を検討する等、民間の経営判断により具体的な活用方策を決定するといったようなフレーズが入っております。  これに対して、私からは、リニア新幹線構想のような数十年先という将来の不確定な要素をとらえて、伊丹空港の廃港を現段階で触れるということについては、いかがなものかと、反対であるということを機会があるごとに申し上げてきたところでございます。  さらに、これ議員も触れられましたけど、前原国土交通大臣から、将来的には伊丹の廃港も当然ながら考えざるを得ないと思いますと発言したというふうな報道がございました。これはちょっと看過できないということで、国土交通省に大臣発言の趣旨を確認いたしましたところ、伊丹廃港は当面の間考えていない。これからも利活用していきますし、中央リニアが大阪まで来る時期は相当先であり、当面は考えていないということを大臣はおっしゃったんだというふうに言っておりました。  当然のことでありますけれども、議員の御指摘のとおり、空港が将来廃港になるとされれば、将来のこととはいえ廃港になるということが決まれば、企業は現段階から投資計画を見直すといったこともあり得ましょうし、首都圏などに移転してしまう危険性、可能性もあるのではないかというふうに考えます。これは当然空港周辺市にとっても大きなマイナスになるものと考えております。  そうしたことから、これまでにも昨年10月に前原国土交通大臣に直接お会いして、そうした意見を申し上げてまいりましたし、実はついこの間、6月13日にも大臣に直接お会いする機会がありまして、今回の国際チャーター便の許可いただいたお礼を申し上げますとともに、この廃港についての地元の意見を再度申し上げたところでもございます。  今後、議員の皆様方の御助力もいただきながら、国に対しては強く働きかけてまいりたいというふうに考えております。  また、空港所在3市と近隣市町が地域連合を組んで産業誘導に取り組むべきではないかといったような、岩城議員から御提案をちょうだいいたしました。  確かに、国を挙げて地域主権に向けた議論が進められている中でございまして、各自治体は都市間競争といったような言い方もされることがありますけれども、独自の企業誘致に取り組んでおるところでございます。実際に本市でも企業立地支援条例、議会でお認めいただいて、既に動かしておるわけでありますけれども、豊中市におきましても同様の企業誘致支援制度をもちまして、製造業等の企業誘致に力を入れておられるところでございます。  いずれにいたしましても、空港を生かしたまちづくりを進めています空港周辺都市におきましては、空港の利便性を生かした企業の誘致によるまちの活性化は共通の課題であるというふうに考えております。この点では伊丹と豊中、池田、この3つの商工会議所が中心となられて活動されておられます大阪国際空港及びその周辺地域活性化協議会、いわゆる活性協でございますが、こうした取り組みをしていただければ、非常に力強いものになるのではないかというふうにも考えております。  各市の考え方を確認した上で、できれば連携してともに空港周辺都市の発展に向けまして、非常に利便性の高い伊丹空港の産業面での活用、企業誘致、企業間提携等の取り組みなどを今後積極的に検討してまいりたいと考えております。  特に本年度は、御説明しましたように、本市の産業振興ビジョン改定の年にも当たっております。空港を生かした産業振興策をぜひその中に盛り込んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。  他の質問につきましては、担当部長から御答弁申し上げますので、よろしくお願いいたします。 ○副議長(川上八郎) 松井総合政策部長。 ◎総合政策部長(松井正道) (登壇)空港問題に関する御質問のうち、2点目の伊丹空港が民営化された場合、本市が使用している移転補償跡地がどのようになるのかとの御質問にお答えいたします。  現在、伊丹市では移転補償跡地を、御質問にもございましたが、公園、道路、消防施設などとして平成21年度現在68カ所で約10万5157平方メートルを借用して利用しております。そのうち無償貸し付けが約10万4649平方メートル、有償貸し付けが約508平方メートルでございます。  内訳としましては、国の行政財産として18カ所、約6万344平方メートル、普通財産として50カ所、4万4813平方メートルとなっております。  具体的には、伊丹スカイパークを初めローラースケート場や市内27カ所の公園等、市民の憩いの場として活用しておりますものや、また都市計画道路用地を初め空港周辺における道路用地、消防施設である防火水槽などの市民生活並びに安全に直接かかわる施設が大半でございます。このように国から借用しております土地は市民生活に欠かせないものでございます。  伊丹空港が国土交通省の成長戦略会議の提言の内容のとおり、関西国際空港と経営統合をされました場合、本市が使用しておりますこれらの移転補償跡地がどのようになるのかといった実際のスキームは、現時点では国土交通省からはまだ示されておりません。今後それらがどうなるのかについて国土交通省からの説明等があると考えておりますが、その際は移転補償跡地の無償使用が継続できるような制度設計を本市として、また周辺各市とも連携いたしまして強く求めてまいりたいと考えておりますので、御支援いただきますようによろしくお願い申し上げます。  以上でございます。 ○副議長(川上八郎) 川戸市民部長。 ◎市民部長(川戸小史郎) (登壇)私からは、2点目の地域活動拠点となるべき施設についてさまざまな支援システムの検討についてお答えいたします。  御案内のとおり、我が国においては人口の減少傾向、少子高齢社会、国、地方の財政問題等といった背景や人々のニーズの多様化の中で地域の役割が高まり、地域のことは地域で決定するという地域主権、市民自治のあり方が積極的に推進されつつあります。  そして本市におきましては、平成15年度に伊丹市まちづくり基本条例を制定し、市民と行政が一体となった熟議によるまちづくりを推進してまいりました。  こうした中で、現在、審議中で来年度からスタートが予定されています第5次総合計画においては、「市民が主体となったまちづくりの実現」を基本目標に、より一層市民の参画と協働による市民自治社会の創造を目指し、まちづくり協議会等の地域団体を中心とする協働のまちづくりを進めようとしているところです。  現在、本市では地域住民で構成されているまちづくり協議会や地区社会福祉協議会、あるいは自治会や老人会、子供会、PTAなどの多様な地域活動団体が地域福祉の向上や安心安全なまちづくりを目標に、子育てに関する活動や防災、防犯活動、児童の見守り活動などを活発に展開しております。  そして第5次総合計画での地域づくりは、市民が主体となったまちづくりの実現を基本目標にし、こうした地域団体の活動の現状、今後の役割、方向性、活動のスケールメリット、地域での活動範囲等を踏まえ、小学校区を基本とした地域活動を推進するものです。  この住民と行政が一体となったまちづくりの条件整備としましては、地域のことは地域で決定するという地域主権の観点から、市民が地域社会での課題解決能力を高めるため、それぞれの地域で活動する地縁団体やテーマ型社会活動団体も含めた自治組織のあり方やそれを運営する財政的な仕組み、活動の拠点整備など、協働の仕組みづくりが最大の取り組み課題と認識している次第でございます。  そこでお尋ねの地域活動拠点となるべき施設についてでございますが、議員御案内のとおり、本市ではその活動拠点として共同利用施設や自治会館等が利用されております。その内容は、条例により航空機騒音による障害の緩和及び地域住民のコミュニティー活動の推進に資するため、70カ所の共同利用施設と3カ所のコミュニティセンター、2カ所の交流センターがあり、そうしたセンターの建設時期につきましては、昭和42年に建設されました神津センターが一番古く、昭和40年代に建設されたものが27施設、昭和50年代に建設されたものが31施設、昭和60年代から平成にかけて建設されたものが17施設で、平成18年に建てかえられました春日丘センターが一番新しいものでございます。  これらの共同利用施設の管理運営は一部のセンターを除いて、当該地域や隣接する自治会等で組織された運営委員会に管理委託しておりますが、一方、自治会や農会、水利組合等が所有する地域の自治会館につきましては、市で把握しているものが30施設ございまして、このうち過去に国庫補助を受けて防音改造を行った自治会館につきましては、共同利用施設に準ずる施設として位置づけております。  そしてこうした施設の多くが地域住民の日常活動や交流活動、地元の集会や行事に使用されており、特に共同利用施設が建設される以前の昭和30年代に建設された地域の集会所は、今日に至るまで地域の活動拠点施設として大きな役割を果たしていることも十分認識している次第でございます。  しかしながら、これらの共同利用施設や地域の自治会館は古いものは建設から40年以上が経過しており、全体的に老朽化が進んでいるため、今後これらの施設のあり方は早急に対応する必要があり、地域づくりの観点から大きな課題と認識しています。  そのため先ほど申し上げましたように、地域社会をつくり上げていく協働の仕組みづくりを市民と行政が一体となって熟議を重ねる中で、地域の今後のビジョンを明確にする地域計画を策定していき、活動拠点となっている施設の統廃合や建てかえ等についてもその中で位置づけ、財源についてどうするのか、総括補助金の整理、あるいは議員御提案の自立した地域活動を支援する市民ファンドや借り入れ保証制度の創設など、地域の法人化による収益活動も視野に入れ、地域が主体性を持って決定していただき、さまざまな対応策を検討していく必要があると認識しています。  いずれにしましても、こうした支援のあり方につきましては、現在、審議中の第5次総合計画を推進していく中で、地域組織の条例等を初め権限移譲のあり方、補助金等の一元化、そして拠点施設のあり方等を含め、市民とともに検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。 ○副議長(川上八郎) 岩城議員。 ◆2番(岩城敏之) (登壇)2回目は質問と要望とさせていただきます。  10年、20年たって振り返ってみると、あのときがターニングポイントだったと思うときがあります。今、10年後、20年後の本市にとってターニングポイントであったと思われるときであると思います。1%のリスクを回避するため1%の可能性を求め、あらゆる事態を想定し、その対応を準備することが必要であり、変化に対応するのではなく、兆候に対応することが必要なときであると思います。  空港に関しては、長い間、国の提示してきた内容に対していかに対応していくのかが本市のスタンスでありました。しかしながら、今、要望から提案のときに変わるときであると思います。今後、先手の対応をしていくことを強く要望いたします。  移転補償跡地等につきましては、本市の今後の財政と市民生活に本当に大きく関係してくることでございます。先ほど当局から御説明ございました508平米も当初は無償であったはずです。それが契約変更時において共同利用施設敷地等が有償化されてきたものだと理解しております。  今後、契約内容がすべて無償でいけるということは非常に難しい状況、まして空港の置かれている環境から考えるならば、根本的な見直しもしていかないといけない。そのためにはすべてあらゆる事態を想定し、先手先手を打っていくことが必要であると思います。
     産業振興につきましては、市長より商工会議所という言葉をお聞きいたしました。産業構造が大きく変化していく中で、今後、本市がどのようなポジショニングに位置できるかということは、本市の将来にとって非常に大切なことであります。商工会議所でなく本市近隣市町村が全面的に動かなければ、非常にそのリスクは高いと考えております。  先日、京都商工会議所の会頭が利便性が確保されるならば、関空でもいいという発言をなさいました。今後、私は以前からも利便性は不変なものではないと申し上げてまいりました。関空との利便性が今後充実されていくということになりますと、逆に伊丹はその地域に取り残された空洞化される危険性があるということであります。  産業構造が湾岸に集中し、京都にハイテク産業が集中し、その利便性が確保されていく中で、それがネットワークされていく中、内陸型の門真から伊丹、宝塚までに関する地域は空洞化された地域として残される危険性があるということであります。産業振興施策については、私は時間的余裕はさほどないと考えております。本市自体が、そして近隣市町村が本気になって対応していただくことを強く要望させていただきます。  地域施設についてであります。自治会は本来、法に規定されたものでなく、本来、人数、地域面積など、何らの定義もございません。本市においても20世帯の自治会から、1000世帯を超える自治会が存在します。また、マンション自治会のように、1つの建物を単位とする自治会。私は空間自治会と考えておりますが、マンションの管理組合と自治会が一体化した自治会が多く存在しています。  先ほど質問で、現在、自治会の置かれている環境改善への取り組みも必要であると申し上げました。マンションについては、本市におきましては大規模開発がなされていないため、一元の人口の集中した地域は存在しないということでございますが、近年、マンションが多く建ち並ぶということは、特定人口の年齢層の人口区域がふえていくということでございます。  例えばマンションの場合、住宅ローンの使える世代の方々が集中的に入ってくるわけですから、高齢化も一元的にその地域はすべて高齢化するという危険性があるということでございます。また、管理組合と自治会というのは本来、法律上も規定が違います。管理組合の場合は所有者を基準とした組合であり、自治会はその地域に居住する方のすべてに開かれた組織であります。  現在まで伊丹市におきましてこのマンション等に対する対応等が余りなされていないように感じます。ここに手をつけるということが自治会の組織率の上昇にも結びつく可能性が高うございますし、今後の自治会、一律的な地域が分離されて孤立しないためにも、その対応を考えていく必要があると思います。この件につきましては、当局に対しまして再度の質問とさせていただきます。  そのほか共同利用施設法の基準の適用を受けない昭和30年代に所有された自治会が独自に所有する建物についてであります。先ほど当局より地縁団体として30を超える施設があるというお話をいただきました。  私が今回の質問におきまして、自治会を最小限の組織といたしましたのは、地方自治法における要は地縁団体の最小単位が自治会ということであります。先ほどの30という組織という形になりますと、その地縁組織の要件を満たさない地縁団体の分も含まれます。  税の公平な分配ということから考えるならば、現在、築40年を経過している自治会が所有する建物につきましても、共同利用施設と同等の観点から建てかえ等について考えていく必要があると思います。  先ほど当局からは認識しているというお言葉がございましたけれども、指定管理者制度が採用されまして、共同利用施設等に該当します建物につきましては、指定管理の関係の費用が払われております。同一内容の業務等を行っている自治会であったとしても、自治会が所有する自治会館を使用している自治会に対しましては、一切の費用等の弁償がされておりません。また、過去の昭和30年代の歴史を考えるならば、ほとんどの自治会が所有する自治会建物の敷地は寄附行為によって行われたものであります。税の分配等を考え、まして共同利用施設が今後、築40年を迎えていく前に、もう既に40年を迎えている自治会が所有する自治会館のあり方について検討を始めるところからしていただきたいということを、この点につきましては強く要望とさせていただきます。  以上、2回目の質問、要望を終わります。 ○副議長(川上八郎) 川戸市民部長。 ◎市民部長(川戸小史郎) (登壇)再度の御質問にお答えいたします。  自治会の加入率が低下しておりまして、そしてそうした低下している中で、その加入率を高めていくというのは地域主権のあり方からとっても大変大切なことだと思っております。  そうした中でこれからのマンション等に対する取り組みといたしまして、現在、マンション等の建設につきまして開発時等に自治会等に対する加入の働きかけというのをやっておりませんでした。そういった意味で開発の協議があった時点で、これからは担当部署と調整させていただく中で、マンション等の自治会結成、もしくは近隣の自治会等に対する加入の勧誘、こういったことを強く働きかけていきたいと、このように思っております。  それからもう1点、自治会連合会でも魅力ある自治会を目指していくということを検討しておりまして、そうした改善内容についても強くアピールをしていきたいと、このように思っておりまして、他市の事例等も自連の方に紹介させていただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○副議長(川上八郎) 次に、8番 林 実議員の発言を許します。────林議員。 ◆8番(林実) (登壇)ただいま議長の許可をいただきましたので、通告のとおり質問をいたします。  まず、市役所と交通局の退職金と退職積立金についてお伺いをいたします。  3年前、2007年問題がありました。それは団塊の世代の職員が多数退職することに伴って、その年度の退職金額が増大し、市の財政を圧迫、予算が組めない状況に陥るということです。  全国の大多数の都市はその年度の収入はその年度に使うということで、この問題を先送りして退職積立金も十分積んできませんでした。国は苦肉の策として支払い不能な退職金に対して起債を認め、一応その場はしのぐことができました。しかし、今後ますます厳しくなる財政状況のもとで、起債による償還という大きなツケを将来の市民に回すことになってしまいました。  しかしながら、伊丹市はこれまで財政にかかわってきた方々の努力のおかげで、将来の市民に負担になるような起債をすることもなく、2007年問題を乗り越えることができました。平成11年に36億円あった退職手当基金残高が平成21年度には6億円となりました。もしこの基金がなければ今30億円が不足している状況に陥ったわけですから、財政当局には敬意を表したいと思います。  さて、以前、私がこの問題に対して質問をした際に、毎年の退職積立金の額と退職基金の取り崩し基準を伺いました。それは毎年一定額を退職基金に積み立てる。そして基準額を設定し、その基準額を超える退職金が発生した場合には、退職基金を取り崩すというものでした。基準額はその年の市税と交付税の合計の3.55%、約11億円前後。毎年の積立金は前年の市税と交付税の合計の0.5%、約1億5000万から1億6000万というものです。  退職基金取り崩し額を引いたその年に支出される退職金額は平成12年度以降、10億円から18億円に上ります。特に平成19年度には30億円強の退職金に対し、約12億円を基金より取り崩し、基準額の11億円よりも7億円も多い18億円強の単年度の退職金の支出となっています。  そこで実際には基金の取り崩し額はどのように決められていたのかをまずお伺いをいたします。  現在、職員数は約1200人ですから、約40年で1200人が退職するわけです。すると1年間で平均30人分の退職金を措置すればよい計算になります。平成21年4月現在で57歳の職員が50人、58歳が68人、59歳が56人等々、ここ数年はまだかなりの退職者があることになります。つまり、今後数年は毎年50人以上の退職金と退職積立金を手当てすることになり、財政的に大きな負担となってくるのではないでしょうか。  現実、退職積立金残高は6億円で、平均退職金を2500万円として24人分しか残っていない勘定になります。この数年の退職金と退職積立金をどのようにお考えなのか、お伺いをいたします。  現在、一般企業においては退職金は退職引当金として応分の積み立てがなされており、また、新しい試みとして退職金相当分を毎月の給与に上乗せして人件費の平準化を図っています。一般企業より市の方が経費の平準化を図らなくてはならないのは言うまでもありません。  伊丹市の場合、平成11年度で支払い退職金7億7000万円と積立金1億5000万円の計9億2000万円がその年の退職金の経費でした。ところが、平成19年度では支払い退職金18億2000万円、積立金同じく1億5000万円で、20億円弱の支出がありました。その差10億円を超えています。今回は何とか持ちこたえることができましたが、今後は無理ではないかと思われます。  退職者が少ない年は積立金を多く積み、退職者が多い年は積立金を取り崩すというシンプルで平準化を図れるシステムが必要と考えますが、当局のお考えをお伺いいたします。  次に、交通局の退職金についてお伺いをいたします。  現在、交通局には退職積立金や引当金というたぐいのものはありません。前回、質問しましたときも現在、赤字なのでそういうものを積み立てることはできないという御答弁でした。交通局の人員構成は、48歳から59歳がゼロから3人ということで、ここ10年ほどは退職金は少なくて済みます。経費が少なくて済むのですから、収益的収支はプラスの方向に進みます。しかし、47歳から31歳では7人から14人と極端にふえます。退職金を2500万円とするとゼロ人の年と10人の年では2億5000万円の開きがあるわけです。まさに交通局の2007年問題は13年後にやってくると言えます。それを回避するには退職者の少ないこの時期に退職引き当てをしなければならないと考えますが、交通局ではいかがお考えなのかお伺いをいたします。  次に、土地開発公社についてお伺いをいたします。  昨年の6月議会とことしの3月議会でも質問しましたが、今回、国が抜本的改革の方針を立て、第三セクター等改革推進債を発行して、土地開発公社の事業縮小あるいは廃止に向けた施策を打ち出しました。前回とは少し状況が変わってまいりましたので、再度質問をいたします。  前回も申しましたが、土地開発公社は国が定める第1種経営健全化団体に指定され、平成13年度から平成17年度の5カ年の経営健全化計画を策定し、保有土地の簿価総額の削減と5年以上の保有土地の削減に乗り出しました。しかし、目標には遠く及ばず、平成18年度から22年度、再度5カ年の経営健全化計画を策定しました。  この2度目の計画では、平成22年度末に保有土地の簿価総額を市の標準財政規模の11.1%に、5年以上の保有土地をゼロにするというものでした。3月議会で平成22年度予算が確定いたしました。22年度予算どおり執行されたとすると、この計画は達成されるのでしょうか。達成されないのであれば22年度末に保有土地の簿価総額は幾らになり、標準財政規模の何%になるのか。また、5年以上の保有土地は幾ら残ってしまうのかをお伺いいたします。  前回の質問で、平成19年度末には土地開発公社が健全化対象団体として指定される要因となった国が定める第1種経営健全化団体としての基準を下回り、平成20年度末には保有期間5年以上の土地の簿価総額が標準財政規模の10%以上とする国の第2種経営健全化団体の基準を下回る見込みとなっているという御答弁がありました。  第2種の健全化団体の基準を実際に下回ったのでしょうか。また、下回ったのであれば、それがこの平成18年度から22年度の経営健全化計画に影響があるのかをお伺いいたします。  現在、土地開発公社に対する健全化策は、土地を買い戻すこと以外に、代替地と特定土地から発生する利息相当分と累積欠損金から発生する利息を平成17年度から補助していることです。この利息の補助は年間六千数百万円にも上りますから、平成17年から22年で約4億円弱にもなっています。これは土地開発公社の赤字をこれ以上ふやさないためのもので、抜本的改革がなければ支払い続けなくてはならない、まさに捨て金に近いものであります。  もう一つは、平成18年度から累積欠損金そのものを解消するため、一般会計の決算剰余金を活用して補助を行っていますが、財政状況の厳しい中では剰余金も余り期待できず、累積欠損金の解消は遅々として進んでいないのが現状であります。  前回、3月議会で財政担当参事は、平成21年6月23日付で総務省から示された第三セクター等の抜本的改革の推進等についての指針で、土地開発公社の長期保有土地の処分及び累積欠損金の解消について抜本的改革の取り組みを行うことを求められている。この中で国においては平成25年度までの一定期間内に限り、集中的な改革のための経費について所要の地方財政措置を講じることとされ、兵庫県と大阪市では土地開発公社の廃止を含めた検討が始められ、伊丹市でも土地開発公社の廃止を含めた抜本的な検討を行ってまいりたいと御答弁されています。  伊丹市でも国が打ち出した第三セクター等改革推進債を使った抜本的改革に取り組むべき時期が来たのではないでしょうか。平成25年度末までの発行が許されていると聞いております。この起債は土地開発公社の廃止または事業縮小のために使用できるというものですが、伊丹市が利用するとすればどちらが有効なのか。また、起債の利子補てんや交付税措置等の大きなメリットがあるのか、土地の買い戻しのほか、累積赤字の解消にも使用できるのか、お伺いをいたします。  次に、地方公営企業の会計制度の変更について質問をいたします。  今、企業会計基準の見直しがなされようとしています。大きくは4つの柱があります。1、現在、借入資本金に計上している企業債等を負債に計上する。2、みなし償却制度を廃止する。3、退職給付引当金の引き当てを義務化する。4、新たな繰り延べ資産への計上を認めないというものですが、この1から3についてそれぞれの企業の御見解をお伺いいたします。  まず、1つ目の借入資本金の負債計上についてですが、借入資本金とは建設または改良の目的のために発行した企業債や他会計から借り入れた長期借入金のことで、民間の企業会計においては固定負債に整理されています。借入資本金を負債計上した場合に実質的に債務超過である公営企業は改革の必要性を積極的に検討すべきと言われています。また、健全化法の資金不足比率への影響も懸念されていますが、各企業がどのような状況になるのかをお伺いいたします。  次に、2つ目のみなし償却制度の廃止について、病院にのみお伺いをいたします。みなし償却制度とは、補助金等をもって取得した地方公営企業の固定資産については、当該固定資産の取得に要した額から補助金分を引いた額を帳簿価格とみなして減価償却額を算出することができる制度であります。つまり、100億円で取得した資産のうち40億円の補助金があった場合、40億円を差し引いた60億円に対して減価償却をするという仕組みです。当然減価償却費が40%削減されるわけですから、収益的収支はプラスの方向に向かいます。しかし、バランスシート上、補助金充当部分は減価償却されないこととなり、資産価値の実態を適切に表示できないことに加え、採用の有無によって財務諸表の構造が大きく異なり、団体間の比較を著しく阻害してしまいます。  昨年、100億円以上の巨額を投じ新しい病院を建設した北海道の苫小牧病院に行ってきました。なぜこの時期にという疑問を持ち尋ねますと、今でなければ一般会計からの補助金が3分の2から2分の1に減って経営を圧迫する。減価償却は全額するのかを尋ねると、以前は全額償却していましたが、新しい病院はみなし償却をしなければ収益的収支が立ち行きませんというお話でした。  このみなし償却制度の廃止は収益的収支にどのような影響があるのか。また、伊丹病院の健全化計画にはどう影響するのか、お伺いをいたします。  次に、3の退職給付引当金の引き当てを義務化することについてお伺いをいたします。先ほど退職積立金のところで交通局の退職金について触れましたが、制度として退職給付金を引き当てる方向に進んでいます。引き当てることになればその分は損金計上されることになりますから、収益的収支が悪化の方向に向かいます。また、これまでに発生した引当金の計上不足額は一括して特別損失に計上するということです。この場合、これに見合う現金が必要でないものの、財務諸表上は影響がある。つまり、特別損失によって収益的収支上、赤字が発生することになります。各企業において退職給付引当金制度の導入が企業の経営にどのような影響を与えるかをお伺いして、1回目の質問を終わります。 ○副議長(川上八郎) 阪上総務部長。 ◎総務部長(阪上昭次) (登壇)私からは、退職金と退職積立金についての御質問のうち、市役所に係る3点についてお答えいたします。  まず、1点目の退職手当基金の取り崩し額をどのように決めていたのかについてでありますが、御承知のとおり、一般会計に係る退職手当基金は一般職員の退職手当の支給財源を積み立てるため、昭和49年3月に制定した伊丹市一般職員退職手当基金の設置,管理及び処分に関する条例に基づき設置したものであります。  この基金の設置目的の主たる要因の1つは、団塊の世代の職員の100人を超える退職に備えたいわゆる2007年問題に対処することでありました。また、基金を創設いたしました昭和49年当時の時代背景といたしまして、国内では第一次オイルショックの影響を受け、総需要抑制策がとられ消費が低迷し、さらにはインフレが加速するなど、高度経済成長が終えんを迎えた年であり、本市におきましてもこの影響の直撃を受けた昭和50年度の一般会計の経常収支比率が最悪の111.9%を記録する状況でありました。  したがいまして、長期的な基金の設置目的につきましては、今後、経済変動等による予期しない税収の減少や不時の支出増加等に備えるとともに、年度間の財源の不均衡を調整するという長期的視野に立った財政運営を行うという考えのもと、各年度の財政状況に応じて市税及び普通交付税の歳入決算額の1000分の5に相当する額を下回らない額を積み立てるというルールを設け、積み立ててきたところであります。  こうしたことから、基金の取り崩し額につきましては、将来の退職金の執行に支障を来すことがないよう、当該年度の歳入歳出総額の状況を見据えつつ、また定年退職者以外の普通退職者、勧奨退職者など、退職手当総額の増加要素についても考慮しながら、平成12年度末の基金残高37億1433万2000円を有効に活用し、取り崩しを行ってきたところであります。  その結果、平成12年度から平成21年度の10年間の退職手当の支出総額185億9618万6000円に対し、基金の取り崩し総額は47億7814万1000円で、支払い総額の25.7%、約4分の1を基金で負担したことになります。また、当該年度の実情に応じた計画的な取り崩しを行いました結果、市税及び普通交付税の歳入決算額と退職手当の支出額の負担率の10年間の平均は基金の取り崩し額を差し引いた実質負担率が4.39%であり、平成12年度当時に予算計上時のルールとして決めておりました3.55%を若干上回ることとなりましたが、今後、退職者は大幅に減少することを考えますと、団塊の世代の職員の退職に対処することができたと考えております。  次に、2点目の今後数年間の退職手当と定職積立金についての考え方についてでありますが、今後の積立金につきましても、先ほど御説明いたしました現行の市税及び普通交付税の歳入決算額の1000分の5を下回らない額を積み立てるというルールを引き続き継続してまいりたいと考えております。  現在の基金残高は6億円程度と減少しているところでありますが、平成22年4月1日現在での平成22年度以降の基金対象の定年退職者の推移は、平成22年度が64人で、以降46人、45人、39人と推移し、平成26年度が34人と退職者数がピークを超えた状況であること、さらには現在、公務員の高齢期の雇用問題に関する研究会で検討が行われております定年延長制度の動向などを勘案いたしますと、当該年度の市税等収入からの一定負担は必要ではあるものの、退職手当に係る財源の負担が財政全体に大きく影響を及ぼさないものと考えているところであります。  3点目の退職金を平準化するシステムはないものなのかについてでありますが、まず民間企業等で実施されております毎月の給与に退職手当相当分を上乗せして人件費の平準化をしている例についてでありますが、公務員の退職手当につきましては、判例上におきましても給与の後払いの趣旨のみを有するものではなく、勤続を報償する趣旨を有するものでありますことから、現行法では実施できないものと考えております。  次に、本市は昭和50年度から昭和56年度までの7年間、一般行政職の採用を中断した期間がありましたが、昭和57年度の採用再開後につきましては、地方分権の推進、社会構造の変革に柔軟に対応することのできる人材を求めるため、専門職の受験資格年齢の引き上げや行政需要に応じた民間経験者枠の採用など、経験や年齢にも注視した採用計画を策定し、職員構成上の平準化を図ってまいりましたことから、今後、基金の対象となる退職者はおおむね適正な水準が維持されるものと考えております。  したがいまして、御指摘のように積み立ての方法につきましては、毎年、退職手当の必要額を平準化する方法もあろうかとは思いますが、今後数年間の基金残高につきましては、退職者数の減少に伴い安定的に推移するものと考えておりますので、今後とも長期的視野に立った財政運営を行うという考え方のもと、条例に規定する額を積み立てながら制度のあり方、将来の職員構成等を考慮し、対応してまいりたいと考えておりますので、御理解いただきますようお願いいたします。 ○副議長(川上八郎) 福西自動車運送事業管理者。 ◎自動車運送事業管理者(福西次朗) (登壇)交通局に対しまして数点の御質問をいただきました。最初に、退職金、退職給付引当金の考え方についてお答えを申し上げます。  御質問の中にもありましたように、現在の交通局職員の年齢構成から予測いたしますと、平成23年度から32年度までの10年間における定年退職予定者は14名、年平均1.4人であるため、各年度における退職給付金にさほど大きな負担は生じませんが、平成33年度からは増加傾向にありまして、毎年度6人から10数名の定年退職者が見込まれるところでございます。  こうした状況を考えますとき、退職金の平準化を図るための手だてを講じておきますことは極めて重要であるものと認識をいたしております。過去には毎年度、一定基準額の積み立てを行っていた時期もありますが、その後の収支状況の悪化により積み立てはかなわず、毎年度、退職予定者に対する実支払い額の費用計上にとどめ、累積欠損金の早期解消を最優先課題としてまいりました。  結果といたしまして、平成10年度末に9億円超にまで累積した欠損金は、当該年度をピークとして減少に転じ、18年度、19年度において収支の悪化により一時増嵩をいたしましたものの、交通事業アクションプランによる取り組み効果もあって、平成20年度決算時点において3億9000万円まで減少し、21年度決算におきましてもさらなる圧縮が見込まれるところでございます。  こうした状況下にあって、今後とも累積欠損金の一刻も早い解消を最優先にする一方で、退職給付引当金につきましても、将来の定年退職者に係る大きな費用負担に備えるため、しっかりとした収支計画を立てる中で適切に対応してまいりたいと考えております。  次に、地方公営企業会計制度の変更による経営上の影響についてお答えをいたします。  平成16年2月1日、今後の地方公営企業会計制度について調査研究を行うため、総務省主催で立ち上げられた地方公営企業会計制度等研究会において種々議論がなされ、昨年12月24日に報告書として取りまとめられました。  その報告書の中で、議員が先ほど触れられましたように、借入資本金の負債計上、みなし償却制度の廃止、退職給付引当金の引き当ての義務づけの3つが基本方針の柱として示されています。  借入資本金の負債計上について報告書では、建設または改良等の目的のために発行した企業債や他会計からの長期借入金については、昭和27年の地方公営企業法制定時からその会計基準にのっとり資本金勘定の借入資本金に計上しているが、これら長期借入金は現実には債務として償還義務があること、また長期借入金に係る利子の支払いを行っていること等にかんがみ、民間の企業会計と同様に負債として整理することが適当であると指摘されているところでございます。  そこでお尋ねの借入資本金の負債計上による健全化法上の資金不足比率の影響について検証を行うため、平成20年度末の貸借対照表の概算数値をもとに組みかえてみますと、資本の部の借入資本金、企業債残高6億965万円が負債の部へ移行することになります。しかし、このうち平成21年度中に償還する額2億908万円と、固定負債に計上している長期借入金3億4500万円のうち同じく21年度中に償還する額6900万円が流動負債に仕分けられることになり、従前の流動負債9162万円と合わせた3億6970万円が仕分け後の流動負債として計上されることになります。  その結果、従前の流動資産5億2183万円と仕分け後の流動負債3億6970万円とを比較いたしますと、流動資産が流動負債を1億5213万円上回ることとなるため、資金不足に陥ることなく健全化法上の資金不足比率への懸念もないものと考えます。  次に、退職給付引当金の引き当ての義務化による経営上の影響につきましても、報告書の基本方針に沿って平成20年度決算時点で試算いたしますと、計上すべき退職給付引当金は約6億9000万円となります。この額を単年度において特別損失として処理いたしますと、負債合計が資産合計を上回り約1億6000万円の債務超過となります。  こうしたことから、損金処理に当たっては一定期間の経過措置を設けるなど、慎重な対応が必要であると考えております。  いずれにいたしましても、報告書に基づく今後の法令改正等の動向を注視しつつ、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。御理解を賜りたいと存じます。 ○副議長(川上八郎) 平嵜税・財政担当市長付参事。 ◎市長付参事(平嵜正俊) (登壇)私から、土地開発公社に関する数点の御質問に順次お答えを申し上げます。  まず、土地開発公社の経営健全化計画の達成状況に関する御質問のうち、平成20年度末現在の状況及び第2種経営健全化団体の基準を達成できたかなどのお尋ねについてあわせてお答えを申し上げます。  平成20年度末における公社保有地のうち、債務保証の対象土地の簿価総額につきましては70億2000万円となっており、これに対する標準財政規模に占める割合は19.0%で、国の第2種経営健全化団体の基準の25%を既に達成しておるところでございます。また、保有期間5年以上の土地の簿価総額は35億7800万円で、標準財政規模に占める割合は9.7%となっており、第2種経営健全化団体の基準となる10%を既に達成したところでございます。  次に、平成22年度の一般会計予算どおりに土地開発公社の土地の買い戻しを行った場合の健全化計画は達成できるのかとのお尋ねにお答えを申し上げます。  平成22年度一般会計当初予算に計上している土地開発公社からの用地の買い戻し予算は、総額で2億2316万円を計上しているところでございますが、これらをすべて処分した場合、公社保有地の簿価総額は63億7700万円、標準財政規模に占める割合は16.9%程度となりますが、目標値の11.1%に到達することは困難な状況でございます。また、5年以上保有している土地の簿価総額は30億5000万円となり、御質問の22年度末における保有地の簿価総額に対する割合は約8.3%となりますが、目標に掲げておりました5年以上保有している土地の解消も困難な状況であると考えているところでございます。  しかしながら、平成18年度から取り組んでまいりました健全化への取り組みの成果といたしまして、近年の厳しい財政状況のもとで第三種健全化団体の水準、本市の場合、保有期間5年以上のものを有してる場合となりますが、これに至るまで保有地の減少が図られたことから、健全化への取り組みは一定の成果を得たものと考えているところでございます。  次に、第三セクター等改革推進債の概要及び抜本的改革への取り組み並びに起債制度や財政措置、適債性の範囲などの御質問についてあわせてお答えを申し上げます。  平成21年6月23日付で総務省自治財政局長より、「第三セクター等の抜本的改革の推進について」が通知され、さらに平成21年8月26日付で総務省自治行政局地域振興室長から、土地開発公社の抜本的改革についてが通知され、土地開発公社を含む第三セクター等について、第三セクター等改革推進債の活用を視野に入れた抜本的改革を平成25年度までに集中的に取り組むよう、地方自治法第245条の4に基づく技術的な助言が行われたところでございます。  これによれば、土地開発公社の抜本的な改革に当たりましては、土地開発公社を通じた土地取得を実施する必要性や同公社が保有する土地の現在の必要性のほか、今後金融機関から機動的に資金調達が実施できるか、土地の処分が進まないまま借入金の利子負担が増大しないかなど総合的に勘案し、存続の必要性が認められない土地開発公社については解散を検討し、存続の必要性が認められる場合であっても個別の事業ごとに必要性を確認し、業務の一部の廃止をすることについて検討することとされておるところでございます。  こうした抜本的な見直しにおきましては、土地開発公社の解散または業務の一部の廃止に伴い、本市が負担する必要があるものとして債務保証により借入金の償還を行う必要が生じますが、平成21年度から25年度までの間に限り、地方自治法(後段に訂正発言あり)33条の5の7に基づく地方債の特例が講じられておりまして、当該所要の経費について地方債、いわゆる第三セクター等改革推進債の発行が認められているところでございます。  当該地方債の発行に伴います制度上の利点といたしましては、従前、土地開発公社が資金調達の際に金融機関へ支払っていた融資組成手数料などが不要となるほか、市が地方債に振りかえて資金調達することにより、長期、安定かつ低利な借り入れを行うことが可能になることのほか、支払い利息の一部につきましては必要に応じて特別交付税が講じられると伺っているところでございます。  一方、当該地方債の発行に当たりましては、一般的な協議制ではなく県知事の許可制となることから、少なくとも当該地方債の発行により見込まれる財政の健全化の効果、実質公債費比率及び将来負担比率の将来の見通し、これらの比率を抑制するために必要な措置、実質赤字比率及び連結実質赤字比率の今後の見通しなど明らかにし、健全な財政運営を維持していくため、さらなる行財政改革を行うことが条件とされているところでございます。  今後、県と詳細な協議に入ってまいりたいと考えておりますが、伊丹市土地開発公社につきましても第三セクター改革推進債の活用を視野に入れた存廃を含めた抜本的な改革について検討を行い、今年度に策定予定の行財政プランの中においてその方向性をお示ししてまいりたいと考えておるところでございますので、御理解賜りますようお願いを申し上げます。 ○副議長(川上八郎) 井上病院事務局長。 ◎病院事務局長(井上博) (登壇)私から、地方公営企業会計制度の変更についての御質問にお答え申し上げます。  まず、1点目の借入資本金を負債計上した場合、健全化法の資金不足比率への影響はどうかということでございますが、平成20年度決算に当てはめてみますと、借入資本金の企業債と長期借入金を負債へ移行することとなりますが、そのうち1年以内、すなわち平成21年度中に償還する額と従前から固定負債に計上しております災害復旧に関する企業債、長期借入金のうち、平成21年度中に償還する額は新たに流動負債として計上することになります。  結果、流動負債合計は約17億7000万円となります。一方、流動資産合計は約21億2000万円と変わりませんので、流動負債から流動資産を差し引いた約6億5000万円が不良債務となります。よって、健全化法によります資金不足比率は不良債務額約6億5000万円を医業収益約67億6000万円で除した約9.7%となりますが、経営健全化基準であります資本不足比率20%の基準内でございます。  次に、2点目のみなし償却制度の廃止によります本院の収益的収支への影響と健全化計画への影響についてでございますが、平成20年度決算に当てはめ試算いたしますと、フル償却額とみなし償却額との差額約53億2000万円が減価償却累計額の増になります。なお、移行時の処理としましては、このフル償却額とみなし償却額の差額約53億2000万円を減価償却累計額に上積み計上しますが、これは資本剰余金を取り崩し対応することとなります。また、減価償却累計額増加分が資産評価減額分となり、適正な資産評価が貸借対照表上において計上されることとなります。  一方、新たな制度への移行の他会計補助金の処理につきましては、仮称長期前受け金という負債勘定を設け、これに計上し、決算時に仮称長期前受け金戻し入れ収益という形で取り崩すこととなりますので、従来のみなし償却と同じ収益的収支となるものと考えております。  次に、3点目の退職給付引当金の引き当ての義務づけにより本院の経営にどのような影響があるかということでございますが、平成20年度決算をベースで退職給付引当金を試算いたしますと、約21億8000万円でございます。本院では退職給付引当金がございませんので、この約21億8000万円を単年度で特別損失として計上いたしますと、収益的収支に大きな影響を与えることとなりますことから、一定期間の経過措置など慎重に対応していく必要があると考えております。  以上、3点の御質問につきまして本院の平成20年度決算をベースにした試算を踏まえました結果としましては、負債総額が約94億2000万円、資産総額が約90億9000万円となり、負債総額が資産総額を約3億3000万円上回り、債務超過が生じる形となります。  いずれにしましても、今後さらに詳細について検討されるものと思いますので、法令改正等、動向を注視しつつ、適切に対応してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
    ○副議長(川上八郎) 石割水道事業管理者。 ◎水道事業管理者(石割信雄) (登壇)引き続き私からは、水道事業並びに工業用水道事業における企業会計基準見直しへの影響についてお答えいたします。  まず、1点目の現在、借入資本金に計上している企業債等を負債に計上した場合、どのような状況になるのかとの御質問でございますが、平成20年度決算の貸借対照表におきましては、建設改良等に伴う企業債残高、いわゆる借入資本金残高は水道事業会計では約152億円、工業用水道事業会計では約9億円となっております。  借入資本金を負債計上した場合、資本が負債に変わることで財務諸表上の構造は変わりますが、一方、資金面においては償還要件等、従来と変わるものではありません。地方公営企業会計制度等研究会の報告を受けて、今後どのような制度改正がなされるのか、現時点では詳細は知らされておりませんけれども、こうした状況から資金不足等の影響はないものと考えております。  次に、退職給付引当金の引き当てを義務化することによる影響についての御質問でございますけれども、仮に退職給付引当金を一括計上した場合の金額は、水道事業会計では約7億円となり、負債合計と資産合計の関係でいいますと、負債合計が約10億円となりますが、一方、資産合計といたしましては約347億円ございますので、債務超過等の影響はないものと考えております。  しかしながら、水需要が伸び悩み、料金収入が低迷する中、引当金を計上する場合はその額いかんによっては収益的収支に大きな影響を与えることが懸念されるところであります。  なお、工業用水道事業会計においては現在も引当金処理を行っており、特段の影響はないものと考えております。  いずれにいたしましても、今後、法令改正等により引き当て基準や激変緩和措置を考慮した経過措置等が明確にされた段階で、制度見直しの趣旨を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。 ○副議長(川上八郎) 林議員。 ◆8番(林実) (登壇)それぞれに御答弁ありがとうございました。それでは、1点だけ土地開発公社の健全化について2回目の質問をしたいと思います。  ただいまの御答弁では、健全化の目標は達成しなかったけれども、近年の厳しい財政状況下において第3種健全化団体の水準に至るまで保有地の減少が図られたことから、健全化の取り組みは一定の成果が得られたとのことしたが、それは少し納得をしかねるところであります。  平成13年度からの健全化の目標は目標に遠く及ばず、再度18年からの5カ年計画を策定した目標が目標達成に及ばなかったにもかかわらず、一定の成果があったというのでは、計画は達成しなくてもいいのだということにはなりませんか。この点について再度御見解をお伺いいたします。  次に、土地開発公社は今その役割を終え、廃止することが正しい選択ではないかと私は考えています。国も満を持して三セク債発行を認め、廃止、縮小に向け本格的に動き出しました。  伊丹市では事業縮小はないということなので、三セク債を利用するとなると廃止という道しかないということになります。厳しい財政状況という問題はありますが、今後はますます厳しくなると思われます。土地開発公社の廃止に対する御見解をお伺いをいたしまして、質問を終わります。 ○副議長(川上八郎) 平嵜税・財政担当市長付参事。 ◎市長付参事(平嵜正俊) (登壇)御質問いただいております、これまでやってきた経過が最終的に計画の達成に至らなかったのではないかとのお尋ねと認識いたしております。  御案内のように土地開発公社につきましては、持っている土地開発公社の用地を市の方で買い戻すということが一番の問題となってきております。御案内のとおり、いわゆる保有期間5年以上の保有地のすべての解消ということが計画としておりましたが、これに達していないのは申し上げたとおりでございます。  この要因といたしましては、事業用地に係る土地利用計画が予定どおり進まなかったことや特定土地の近接者への譲渡に御了承がいただけなかったことなど、多々によるものがあるものと考えておるところでございますが、土地開発公社の健全化の取り組みにつきましては、引き続き継続して行ってまいりたいというふうに考えております。  それから2点目の土地開発公社は抜本的に見直し、それは廃止も検討するべきではないかとのお尋ねでございますけれども、先ほども御質問にお答えした中にも同じことがございましたが、昨年度におきまして国から出されております第三セクターの抜本的な改革に向けた指針といいますのは、議員御指摘のとおりの趣旨と伺っております。本市におきましてもこれから県と協議を進めながら、伊丹市土地開発公社の今後のあり方について国の指針等に基づいた中で、同公社の廃止も含めた抜本的な改革について検討を行ってまいると考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いします。  なお、先ほど私の答弁の中で法令の引用の中で地方自治法第33条の5の7と申し上げた部分がございますが、地方財政法第33条の5の7の誤りでございますので、あわせて訂正をさせていただきたくよろしくお願い申し上げます。 ○副議長(川上八郎) ここでしばらく休憩いたします。 〇午後 2時40分 休  憩 〇午後 3時00分 再  開 ○議長(岡本廣行) 休憩を解いて会議を続けます。  次に、5番 久村真知子議員の発言を許します。────久村議員。 ◆5番(久村真知子) (登壇)ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、私は日本共産党市会議員団を代表して質問をいたします。  初めに、住宅改造は障害者の願いにこたえられているのかという問題です。  伊丹市は、障害者の住宅改造は県の助成制度である「人生80年いきいき住宅助成事業」によって行っているということです。だれもが住みよい住宅のバリアフリー改造を支援するとし、制度の目的として住まいはすべての人にとって生活のよりどころであり、この制度で皆さんの現在または将来の身体状況に対応し、住みなれたところで安心して暮らしていくためにバリアフリー改造を支援する制度ですと説明されています。  この制度には4つのタイプがありますが、伊丹市はその中の住宅改造特別型の制度で住宅のバリアフリー改造をされています。各市町村によって実施しているタイプは異なっているということです。  高齢化社会の訪れの中でバリアフリー改造が必要であるという認識が深まり、住宅に手すりの設置や段差をなくすことなどが当然のごとく行われるようになりました。このことは元気な人から見ても安全を感じますし、それ以上のバリアフリーが自分にもいつ必要になるかわからないという認識がされてきていると思います。  だれもが尊厳を持って生きるためにはどうしてもその住環境の保障が必要です。例えばおふろに入ることやトイレに行くことが人間の尊厳を保つための権利として当然のことであります。ところが、これが十分保障されていないのが現実です。何人かの車いす生活の方からお話をお聞きしたことですが、相談はしたがさまざまな制約のためおふろの改造ができないと言われ、今まで湯舟に入ったことがない。ずっとシャワーだけですよ。また、頸椎損傷の方は冬は特に首から冷えてくるので、湯舟に入り体を温めたい。ほかの人も入れるなら入りたいと願っておられました。  自宅生活の障害者の方のこの願いは当然のことでありますし、このことを保障するための制度が人生80年いきいき住宅助成事業ではないでしょうか。しかし、現実にはふろの改造や福祉器具を使えば入浴できるというのに、現状ではさまざまな理由で制約がかかり、特に公営住宅はこの制度での改造ができないとも言われています。  このような現実は制度の目的とは大きく矛盾するのではないでしょうか。この制度の実施主体は市町村であり、改造を行うときは住まいの改良相談員が現地確認の上、必要と認めればと規定されていますので、市としても湯舟に入れるように改造することを最優先で行うよう努力するべきではないでしょうか。この点についていかがお考えか、お伺いいたします。  続いて、障害者の住宅改造の専門的な相談窓口の充実に関してですが、障害を持つ人、またその人の障害はそれぞれに違う問題を抱えていますので、それに対応した改造が必要です。自分自身が自宅で暮らせるように的確な改良はどのようにすればいいのか、どのような福祉用具があるのか、専門的な知識を持ったところへの相談などは個人ではなかなかわからないというのが現状であります。このような業者も十分ではありません。また、どこへ相談するのかもなかなかわからないのが現状です。ですから、当事者への情報の充実が必要です。的確な情報の確保ができてこそ、どんな改造を求めるのかの話し合いができるのではありませんか。1度制度の利用をすると7年間補充の改良をしたくてもできないなどと言われていますので、そのためにも改修の目的を的確にすることが必要と思います。  しかし、1度助成を利用すれば限度額を使っていなくとも再利用ができないと言われていますが、自立へ向けてのよりよい改修ができるのなら改修を行うことが当然と思います。現状では住まいの改良相談員との話し合いで改造案が出されているようですが、障害者向けの改造の専門的な業者も含め、本人みずからが相談し、納得できる改造にできるようなシステムが必要と思います。改造の相談窓口の充実が求められていると思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。  同じく入浴が不十分な障害者の方の意見を十分に反映できるような調査を行うことについてですが、身体障害の方が安心して自立した生活を送るためには入浴は大変大事なことですから、実態はどうなのかなどの調査を行い、障害者自身の意見を十分に住宅改造に反映させる必要があると思いますので、改めて調査など行うことに関してはいかがお考えでしょうか、お伺いいたします。  次の質問です。認知サポーターについてですが、認知症の進行はある程度進むのを停止させることができる治療もあると言われています。この診療にしても本人の認識や周りの病気への理解がないと進めることが難しいかもしれません。この問題の取り組みとして認知サポーターの育成が厚生労働省によって全国的に提唱されています。全国的な状況を見れば、数値での状況はさまざまな状況があらわれております。取り組み方や地域の状況も影響するのかと思いますが、老老介護で悲惨な問題も起きているため、このようなことを防止するためにも提案された事業であると思います。  市民への周知が予防につながると思うので、充実した取り組みが求められてると思います。市民ぐるみの取り組みやまた医師会などとの取り組みの連携体制も必要と思いますけれども、認知サポーターの取り組みの目的は何か、改めてお伺いをいたします。  また、他市とは数値の上ではサポーター講習は兵庫県の人口1万人当たりの講座回数は3108回ですが、伊丹市は0.923回で大変少ない状況です。今後、伊丹ではどのくらいのサポーターを育成するのか、お伺いしたいと思います。  次に、DV防止への取り組みについてです。  政府は新たに第3次男女共同参画基本計画の取り組みを進めています。男女共同参画社会は女性にとっても男性にとっても生きやすい社会をつくることだと「『中間整理』に寄せて」にまず初めに書かれています。男女ともに個性と能力を発揮することによる多様性に富んだ活力ある社会をつくろうということであるわけですが、そのことを実現するには一人一人の人権が尊重され、尊厳を持って生きることができる社会でなければなりません。このことは全く当たり前のことと思います。  しかし、現実には親しい人からや配偶者からの人権侵害である暴力は減少はしていません。伊丹市配偶者等からの暴力対策基本計画が遂行されているにもかかわらず、伊丹でも、これは平成16年の調査ですが、4人から7人に1人は暴力のある生活を送っています。相談件数も減少はせず、DVが中心だと報告もされています。このような状況をどのようにとらえているのか、お伺いをしたいと思います。  次に、女性に対する暴力がふえているというのは重大な人権侵害が日常的に行われているということですので、これでは男女平等の社会が築けません。まして国の調査では3人に1人が暴力を受けているのが日本の現状です。加害者に対しての何らかの対処が必要と思いますが、内閣府の男女共同参画基本問題専門調査会の第3次計画策定に向けて、第8分野「女性に対するあらゆる暴力の根絶」で、加害者に対しての社会更生プログラムについてその効果的な実施方法を含めた調査研究を実施することが上げられていますが、現状での伊丹市でのDV相談から加害者とさせないよう、暴力を行使させない呼びかけなど、効果的な取り組み方法の研究なども必要と思いますが、今までの取り組みの中で効果的な方法はないのかどうか、いかがお考えでしょうか。これらのことについてどのような見解をお持ちかお伺いしたいと思います。  次に、暴力根絶のための社会認識の徹底を行わなければなりませんけれども、効果的なキャンペーンや若い人に対して早くから暴力を伴わない人間関係を構築することが必要であります。どのような手だてが望ましいと考えておられるのか、お伺いをいたします。  子宮頸がんに対しての予防ワクチンの助成に対してですが、この質問に対しては2名の方から同じ質問がございましたので、要望とさせていただきます。  厚生労働省は、がん対策推進基本計画の中間報告を公表しています。75歳未満のがんによる死亡率を10年間で10%減らすという全体目的については3年間で6%減少しており、おおむね順調と評価し、予防面では未成年の喫煙を3年以内になくす目標が達成できていない。また、子宮頸がんワクチンの接種など、国としても積極的に推進すべきだと報道がされておりました。  伊丹市としても接種実現のために助成を行うことや国に対しても要望していただき、一日も早く接種の助成を実現していただきたいと思います。また、子宮がん検診率は全国平均20.2%、兵庫県の平均は11.9%、伊丹市は11.2%でありますので、検診の向上対策を急ぐことを求めておきます。しかし、検診率が大変低いためワクチン接種は大変有効と思いますので、できるだけ早く実現することを求めて、第1回目の質問とさせていただきます。答弁よろしくお願いいたします。 ○議長(岡本廣行) 西尾健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(西尾幸道) (登壇)私から、障害のある方の住宅改造事業及び認知症サポーターについての御質問にお答えいたします。  まず、住宅改造事業に関する御質問についてでございますが、1点目の浴室の改造を最優先に行うべきではないかについての御質問でございまして、確かに入浴は私たちの生活の中でも清潔を保ち、血行を促進し、尿路感染や皮膚疾患などの病気を予防するといった観点から重要な日常生活動作の1つであり、障害のある方にとりましては二次障害の発生を予防するといった観点からも重要な動作となってまいります。  浴室等の改造をされて入浴する際の困難が解消されるのであれば、浴室改造を優先的に行うことは至極当然なことだと思います。御家族やヘルパーの手をかりなくても入浴できるということは、当事者にとりまして他人の時間の都合に左右されない自由な生活を送ることにもつながりますし、また介助をされる御家族にとりましても負担の軽減につながってまいります。  しかし、現実に住宅改造に係る御相談をお受けする中で、障害のある方の希望を100%かなえることが難しい場面も少なくありません。と申しますのは、制度上の制約や建物の構造上の問題があるからであります。  制度の面から申しますと、基本的にはこの事業の助成を受けた方は再度助成を受けることができないこと、また公営住宅の改造に関しましては、当該住宅の事業主に承認を得た場合で原状回復が容易な改造をするようになっていること、また所得制限があるため、一定以上の所得のある方は制度そのものの利用ができないことなどが上げられます。  これらの制度上の制約は、限られた財源を必要なところにできる限り公平に分配されるように、箇所ごとの上限額や細かな運用の規定などを設けているものでございます。  また、建物上の制約といたしましては、配管の関係でどうしても浴室入り口の段差解消ができない場合や、御希望の浴槽を置くスペースの確保が不可能であるといったことが考えられます。  こういった制約の中で障害のある方の生活をできる限り支援し、できるだけ満足していただけるように浴室の改造について配慮しているところでございます。  2点目の住宅改造の相談窓口の充実についての御質問でありますが、住宅改造に関しましては、当該改造の必要性及び必要経費につきまして住宅改造を専門とする住まいの改良相談員や障害福祉課などが窓口となり調整をしております。また、相談員のほか保健福祉サービスの調整や連携を図るために、必要に応じて関係機関との連絡調整会議を持ち、助成の可否、内容等について検討を行っております。さらに、対象となる障害のある方との十分な調整や説明をもって実施しており、対象者の納得が得られるよう相談を重ねてまいっているところでございます。  一方、昨今のリフォームブームでリフォーム業者がさまざまなプランを提案することもふえてきております。本当に必要な改修であるかの制度の趣旨を照らし合わせて適正に評価し、適切な運用を心がけ、業者の利益優先の視点から発生する住宅改造ではなく、利用者にとって長く実用性のある住宅改造であることを見きわめることは、非常に高い専門性を必要としますが、できるだけ関係機関との連携、他職種からの意見聴取、御家族、御本人との協議をもって住宅改造の実現を図ることと専門性の向上に努めているところであります。  3点目の障害者自身の意見を十分に反映するための調査の必要性についての御質問でありますが、障害のある市民の皆さんの声を本市の障害福祉施策に反映させることは基本であると認識しております。本市におきましては、現在4カ所の事業所に相談支援事業の委託をしており、障害のある方の御要望を初めとするさまざまな声につきまして、その相談支援事業所と障害福祉課のケースワーカーが日常の相談業務の中で把握に努めているところでございます。  入浴できないことで困ってる事案が出てまいりましたら、まず相談窓口などで御意見を十分にお聞かせいただき、問題解決に向けた支援を行ってまいります。解決の方策といたしましては、浴室の改造が必要と判断させていただく場合もございますが、その方の障害の程度や状況によりましては訪問入浴サービスの利用やデイサービスの利用、あるいはヘルパー支援の利用を勧めさせていただく場合もあると思います。  いずれにいたしましても、何らかの解決の方策を御提案し、御本人や御家族の同意や意思決定のもと、必要なサービスの利用につなげてまいります。  さらに、相談支援事業所などに寄せられました困難ケース課題やニーズにつきましては、月1回開催しております障害者地域自立支援協議会の個別支援会議で協議することとしておりますので、同協議会を活用し、解決策を導き出すケースも考えられます。  以上から、障害のある方々がより相談しやすい環境づくりに努めてまいるほか、地域自立支援協議会の一層の充実を図ることなどによりまして、障害のある方の願いにこたえてまいりたいと考えておりますので、御理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。  次に、認知症サポーターについての御質問にお答えいたします。  伊丹市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画におきまして、今後ますます増加する認知症高齢者や家族介護者への支援を基本理念の1つにとらえまして、認知症高齢者グループホームなどのハード面の整備と、認知症予防教室の開催や認知症高齢者見守りサービスなどのソフト面からのさまざまな支援を一体的に行うことによりまして、認知症高齢者に対する総合的な支援に努めているところでございます。  この支援策の1つであります認知症サポーターについてでございますが、国におきましては平成17年度から認知症対策を推進するためには、認知症は病気であること、不安や混乱を抱えた認知症の御本人や御家族の気持ちを正しく理解していただく必要があることから、痴呆から認知症への用語の見直しとともに、「認知症を知り地域をつくる10カ年構想」をスタートさせました。  この10カ年構想は、認知症サポーターを1人でも多くふやし、認知症になっても安心して暮らせる地域づくりを目指すもので、そのサポーターの育成につきましては、「認知症サポーター100万人キャラバン事業」として行われております。  構想の初年度でありました平成17年度は認知症を知る1年と位置づけられ、認知症の人が尊厳を持って地域で暮らし続けることを支える地域づくりの重要性についての理解と、地域住民一人一人が認知症をみずからのこととして考えることで、理解者、支援者の輪を広げることを目的に広報キャンペーンが展開されました。  中間年度に当たる昨年度は、認知症について学んだ住民等が100万程度に達し、地域のサポーターになっている、また認知症になっても安心して暮らせるモデル的な地域が全国各都道府県で幾つかできているといった目標が掲げられておりましたが、その成果としてサポーター数につきましては、昨年5月に100万人に、昨年度末、22年、ことしの3月31日には170万人に達しております。  そして10カ年構想の最終年度であります平成26年度には「認知症を理解し、支持するサポーターが地域に数多く存在し、すべての町が認知症になっても安心して暮らせる地域になっている」ことが到達目標とされております。  議員御質問のサポーターの育成の目的についてでございますが、サポーターは特別な役割が与えられているものではありませんが、10カ年構想事業が目指しますように認知症の方や御家族が安心して暮らすことができる地域づくりを推進するため、認知症を正しく理解していただき、地域や職域におきまして認知症の方や御家族を温かく見守っていこうとするものでございます。  本市におきましては、市内の認知症高齢者グループホームの事業所に対し、認知症相談支援事業としてサポーター養成講座を開催していただき、1人でも多くの市民の方々に受講していただくことにより、認知症という病気に対する正しい理解や認知症高齢者の気持ちを十分に踏まえた接し方などについて理解を深めていただきたいと考えております。  次に、今後どれくらいのサポーターを養成するのかとの御質問でございますが、平成20年5月に厚生労働大臣の指示のもとに設置されました「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」の報告では、適切なケアの普及及び本人、家族支援体制の推進のため、平成26年度までにはサポーターを約400万人養成することとなっております。  本市における昨年度末のサポーター数は473人となっておりまして、今後のサポーター養成数についての目標数値は掲げておりませんが、引き続き1人でも多くの認知症の理解者であるサポーターの養成に努め、サポーターの皆様が認知症高齢者や家族介護者を地域で支え、また市民一人一人が認知症に対する気づきと見守りの意識を高めることによって、認知症になっても住みなれた地域で可能な限り在宅生活を継続することができるよう、認知症に優しいまちづくりを目指し、積極的に推進してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。 ○議長(岡本廣行) 川戸市民部長。 ◎市民部長(川戸小史郎) (登壇)私からは、男女共同参画社会のためにはDV防止への取り組みに工夫と強化をについてお答えいたします。  まず初めに、DVが減少しない理由をどうとらえているかについてでございますが、DVの発生する社会的な背景としまして、男女の固定的な役割分担意識や従属的な関係、男女の経済力の格差など、構造的な問題が暴力を助長する要因となっています。DVは家庭内など私的な空間で行われることが多いため潜在化しやすく、しかも加害者に罪の意識が薄いという傾向があるため、被害が深刻化、長期化しやすいという特徴があり、経済的自立が困難な女性はなかなか暴力から抜け出すための手段を持ち合わせていないため、被害が長期化してしまうことなども、DVが減少しない原因となっていると推測されます。  また、DV被害の件数については、内閣府の調査による配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数や警察における対応件数の推移を見ますと、年々増加の傾向にあり、本市でのDV相談件数の推移を見ましても、平成21年度は平成18年度に比べ2.9倍と大幅に増加していますが、これらはこれまで潜在化していたDV被害が相談窓口の周知やDVの認識に関する啓発などのDV対策の推進によって、1人で悩み、相談できなかった被害者が相談できるようになり、顕在化してきたこともその原因と考えております。  例えばDVは身体的暴力だけではなく、言葉による精神的暴力、性的暴力、経済的暴力などさまざまな形であらわれますが、啓発により被害者意識の中に殴る、けるだけが暴力ではないという認識が浸透してきたことが相談件数の増加につながっていると考えられます。  次に、加害者に対する更生についての効果的な方法はどうかについてでございますが、配偶者暴力防止法に基づく保護命令制度など、被害者のための施策が重要であることは言うまでもありませんが、加害者がみずからの行為が被害者等への与える影響を認識していないことが多いため、加害者への働きかけを通じて再発を防止する加害者更生のための対策も被害者の安全性を高め、新たな被害者を生み出さないためにも必要であります。  配偶者暴力防止法第25条においては、国及び地方公共団体は配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に資するため、加害者の更生のための指導の方法等に関する調査研究の推進に努めるものとすると規定されており、また配偶者暴力防止法に基づく基本方針においても、国は加害者の更生のための指導について被害者の安全を第一に考えつつ、調査研究に努めることが示されております。  そのため幾つかの民間団体がDV加害者を対象にいわゆる加害者更生プログラムを実施しているものの、このプログラムは加害者がみずからの起こした犯罪を認識するための手段として、その実施があたかも加害者の更生のための即効的な手段であるかのごとく取り扱われることがあり、内容や実施の方法によっては被害者の安全を損なうものとなる可能性があることが指摘されていることから、公的機関においてはこのような取り組みは実施されていないのが現状でございます。  例えば加害者がプログラムを受講しているという事実をもって、被害者に対し加害者が更生したとの錯覚を与えるおそれがあることや、加害者がプログラムを受講したことで何が暴力に当たるかを学習し、保護命令の対象にならないような暴力、精神的な嫌がらせなどをするようになることなどが指摘されております。  こうしたことから国においては「配偶者からの暴力の加害者更生に関する検討委員会」を設置し、諸外国の実態や国内で実施した試行の結果を踏まえ、加害者の更生のためのプログラムについて調査研究が行われてまいりましたが、加害者の更生のための指導としてどのようなものが有効であるかについては、未解明な部分が多く、引き続き調査研究が行われているのが現状でございます。  県の計画においても加害者の更生のための指導方法については、現在、国において有効な対策について検討している段階であるため、引き続き国の動向を把握するとされております。  本市では昨年6月に策定した伊丹市配偶者等からの暴力対策基本計画に基づき、本年4月に配偶者暴力相談支援センター機能としての伊丹市DV相談室を開設し、DV被害者の相談を中心とした被害者支援を行っているところですが、加害者の更生に関する対策につきましては、同様の理由から県の男女共同参画センターが実施している「男性のための電話相談」や他の相談機関の情報提供にとどめるとともに、DV対策基本計画に基づき国、県の対策の情報収集に努め、加害者の意識改革にもつながるようなDV防止に関するパンフレット等の発行やセミナー、講座の開催など、家庭や地域、職場における効果的な啓発方法を検討してまいりたいと考えております。  最後に、早くから暴力を伴わない人間関係を構築するための手だては何かについてでございますが、本市ではDV対策基本計画において、学校、幼稚園、保育所等における人権教育、人権保育の推進等を初め、家庭、地域における啓発として男女共同参画社会の推進を目的とした講座、セミナーなどの開催や交際相手からの暴力、いわゆるデートDVの予防及び防止のためのセミナーや研修会などを通じた若年層への啓発、若年層向けのDV防止啓発冊子等の発行を上げており、平成21年度の成人式はデートDV防止啓発レーフレットを作成し、新成人に配付いたしました。  今後も関係機関と連携しながら暴力を伴わない人間関係構築のため、配偶者暴力相談支援センター機能を核として、被害者のための相談から自立までの支援はもとより、本市DV対策基本計画の基本目標の1つでもあるDVを許さない社会づくりを目指すため、DV防止への取り組みの充実、強化を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(岡本廣行) 久村議員。 ◆5番(久村真知子) (登壇)住宅改造についてですけれども、住宅改造の件について、私もいろいろと相談を受けた中で、この問題に改めて気がついたところなんですけれども、実際に伊丹市の障害福祉計画での住宅改造費の見込みというのが出てるんですけれども、それが見込み数、18、19、20年出ますけれども、実績数と比べまして大分実績の方が少ないという件がちょっとあるんですけども、この点についてはもっと市民の方が住宅改造ができるんだというところに理解が向くように広報することも大事ではないかなと思うんですけれども、実際に本当に車いすで生活されてる方は全然おふろに入っていないと。でもこれを先ほどの答弁では住宅改造の相談の中で限られた財源をできるだけ公平にするんだとか、しかし入浴の大切さはよくわかっていただいてると。  そういうふうな状況の中で、本当に車いすの方が入浴することが大事だと思ってたら、こういう人たちが自立した生活をできるようにきちっと支援することが大事ではないかなというふうに思います。ですから、この住宅改造ができるんだということを皆さんにきちっとお知らせしていただきたいと。  もう一つ、公営住宅に関してこの制度ではなかなか改造が難しいというような結論を聞かされてる方もいらっしゃるんですが、これはちょっと県ときっちりと頑張って調整していただきたいなと。もしどうしても県がこの助成を使うことができないんだというならば、この方が入浴できるような方法を伊丹市独自としても考えるべきではないかなというふうに思いますので、その点もよろしくお願いをいたします。  先ほどの答弁では段差をとったり、家族との同意を話をするというふうに言われてましたけれども、私も質問の中で全体的なバリアフリーというふうにとられたかなと思うんですが、特に車いすで生活されてる方が家で自立した生活ができるという、その点に焦点当てて考えていただくことを今回は質問をしたという気持ちなんですけれども、ですから家族の同意というよりも、もう自立して自分1人で生活をされてる方がいらっしゃるんですから、その方の意見をきっちりとくみ上げていただいて、実際に今までバリアフリーといえば段差をとるというふうな考えだったんですが、逆に車いすの人は段差を高くしたらおふろに入りやすいと。そしてある福祉器具を使えば湯舟に入れるというふうなことがありますので、その点を専門家なりの知恵をかりて改造をしていただきたいなというふうに思いますので、その点をちょっと答弁をお願いしたいなというふうに思います。  それと認知症の問題なんですけれども、伊丹市の数字が大変、兵庫県内を見ても大変少ない数字なんですけれども、サポーターの数字が。その点をやはり答弁でありましたように、サポーターをふやしたから認知症になっても安心してそれで暮らしていけるのかどうかいうのはちょっとわからないんですけれども、やっぱりそういう方を支えていくという立場。そして逆に支える立場の人がきちっとした正しい知識を持つことが一番大事ではないかなと思います。  伊丹市の地域福祉計画のアンケートを見ますと、自分や家族の健康のこと、家族の老後のこというのが一番心配であるというのが60.3%いうふうに出てるんですね。だからいかに皆さんが老後のことを、健康のことを心配されてるかいうのがこの数字にあらわれてると思いますので、これを解決するためにも認知サポーターをつくっていくことは大変大事なことではないかなというふうに思います。  私も先日、高年福祉課に行きまして、認知症の問題でちょっと勉強したいんですけどいうことで、このパンフレットをいただいたんですけども、このパンフレット大変いいパンフレットだなというふうに思うんです。認知症のことが簡単によくわかりますし、こういうものを使って、その事業所だけじゃなくて、もっともう少し広く講座を聞けるようにしてサポーターをつくっていくというふうな考え方も必要ではないかなと思いますので、その辺どのように考えていらっしゃるかいうこと、ちょっとお伺いしたいなと思います。  先日、講習会を独自でした分なんですけども、そのときに認知症について初めてどういうものかよくわかったと。ある方が自分の母親が認知症で入院したので、見舞いに行ったら伊丹の娘は全然見舞いにも来ないというふうに本人の前ですごく文句を言われまして、今後一切もう見舞いには行かないと言われて、その後お母さんは亡くなられたんですけれども、そのことできょうの勉強会で私は大変後悔をいたしましたいうふうな感想もございました。  また、ある方は奥さんが認知症になりかけて、それで逆に本人が大変ショックで、その方は自殺をされたわけですけれども、そういうふうに被害に遭われる方が少なくなるためにも、この認知症の正しい知識があればこのようなことはなくなったのではないかな。このパンフレットにも正しい知識が予防、対応の第一歩というふうに書かれてますので、そのあたりもう少し工夫をして広げていただきたいと。  それと厚生労働省は26年までに400万人のサポーターの育成をするというふうに出してますので、伊丹市はどうかいうところもきちっと数値で押さえることもできるのではないかなと。ですから、数字だけが問題じゃないですけれども、広く市民に広げていただきたいなと思います。  それとDVの問題ですけれども、どう見ているかいうことなんですが、これは減らないのは従来の上下関係とか経済的な関係があるからではないかということですが、私はそれならばもっと多くの人が暴力を振るってしまうんかなと。逆にそういうふうな経済的な問題というのは女性の立場なら皆さん経験されてるんですけれども、そこで一番大事なのはやはり暴力は絶対にしないと。それと男女平等であるという、そういう考え方を広げるとか、社会のあらゆる面での暴力を許さないとか、人間の尊厳を守るというふうな、そういう立場をきっちりと社会的に広げていくということが大事ではないかなというふうに思います。
     それと現実に20年度の伊丹市男女共同参画施策のオンブズ報告では、民生委員や児童委員との連携というのがうたわれてるんですけれども、現実にはそこでのDVの研修が20年度はなかったと。それと市営住宅でのDVの入居もなかったいうふうなことが書かれてましたので、そのあたりのより一層の連携が必要ではないかなと。取り組みに対しての工夫ももう少しするべきではないかなというふうに思います。  また、加害者に対するプログラムですけれども、先ほどの説明ではなぜそういうプログラムが難しいのか、ちょっとよく理解できなかったんですけれども、私は今実際、伊丹市でもたくさんの相談を受けていらっしゃるわけですけど、その中でこういう問題を加害者に呼びかけたり、また被害者と一緒にカウンセリング受けるみたいな呼びかけをするとか、そういうふうな工夫も必要ではないかなというふうに思いますので、その中で、相談の中から例を挙げて、これは皆さんにお知らせすれば暴力がなくなるのではないかなと。DVというのは「配偶者暴力」、防止法ですから、暴力をなくするというところにもっと視点を移していくべきではないかなと。当然被害者の方に対しての支援いうのはもう大事なことなんですけれども、加害者に対しての暴力防止するという立場をもう少し研究して深めていただきたいなというふうに思いますので、幾つかの質問に対してちょっと答えていただきたいなというふうに思います。 ○議長(岡本廣行) 川戸市民部長。 ◎市民部長(川戸小史郎) (登壇)私からは、そしたら2回目の質問のうちDV被害者支援のための連携強化についての御質問にお答えいたします。  本市ではDV被害者の相談から保護、自立支援にかかわる関係機関によりDV被害者支援ネットワーク、これを構築しております。そこの中に民生委員さんもメンバーに入っていただいております。また、民生委員、児童委員の方にも毎年開催してますDVセミナーにも御参加いただくなどの対応もしております。そうですので、今後ともそういった連携を一層深めていく中で、対応を考えていきたいと思いますので、よろしくお願いします。  それから次、加害者の意識調査、これについての対応ですが、先ほども申し上げましたように、国や県の動向を見ながら効果的な方法を研究してまいりたいと考えておりますので、御理解をよろしくお願いいたします。 ○議長(岡本廣行) 西尾健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(西尾幸道) (登壇)再度の御答弁をさせていただきます。  まず、住宅改造の件でございますが、確かに実績は少ないということでございますので、より一層の周知に努めてまいりたいというふうに考えております。  それと車いすの視点からも住まいの改良相談員等とも関係調整をいたしまして、そういう視点からも改造を進めていくように努力していきたいと思います。  それと公営住宅の件はそういうことで、また後日、私の方、検討調整をさせていただくということにさせていただきたいと思います。  それと認知症サポーターの件ですが、県下でも少ないということでして、伊丹市でも厚労省に匹敵する400万人の人数はどうかということでございますが、先ほどもことしの3月31日に473人ということで申し上げましたが、ちょっとこれを伊丹市の人数に置きかえるといいますのはちょっとなかなかしんどいかなというふうに思いますので、実は認知症サポーターの役割というのは特に先ほども申し上げましたが、役割はございません。理解を深めるということで、本年の3月15日に市の広報を発行しておりまして、介護予防特集号。この中に認知症サポーター養成事業、また認知症についての相談受付や専門員による鑑別診断を行います認知症疾患医療センター、若年性認知症等について掲載をさせていただいて、普及啓発を行っているところでございます。それとまた、来月には民生委員さんの会合でこのサポーター講座を開催させていただくというふうなことで、そういった講座の開催等、周知に努めてまいりますので、何とか御理解をいただきたいなというふうに思います。以上でございます。 ○議長(岡本廣行) 久村議員。 ◆5番(久村真知子) 自席から失礼します。  障害者の方の車いすの方の入浴に関してはやはりきちんと調査をしていただいて、それができる状況の方には家庭での生活がきちんとできるという援助をしっかりとしていただくという努力を今後ともよろしくお願いしたいと思います。  また、サポーターについては先ほど言いましたような事例もたくさんありますので、市民全体に対してもっと早くこれを周知することはできると思います。ほかの町ではもっと数字としてサポーターの数字が上がってるという実績がありますので、伊丹でもそういうふうにしていただかないと、本人に対してもそうですけれども、やはり介護をされる立場の方に対して正しく意識を持ってもらうということが一番大事なことだと思いますので、よろしくお願いします。 ○議長(岡本廣行) 次に、1番 杉 一議員の発言を許します。────杉議員。 ◆1番(杉一) (登壇)ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従い発言してまいります。  まず、大きな1点目、自殺対策についてです。  通告締め切り日である6月11日に自殺対策白書が発表され、平成21年においても自殺者数は3万人を超えることとなりました。一方で平成21年の24時間以内の道路交通事故死者数は5000人を切り、これは昭和27年以来、57年ぶりとのことです。いっときは1万人を超え、交通戦争とまで言われました。これほどまでに減少したのはさまざまな対策が講じられてきた結果であると思います。  交通事故と自殺を単純比較はできません。しかしながら、自殺は平成9年から10年にかけて8500人ほど急激に増加し、平成10年以来、平成21年まで12年連続で3万人を超える状態となっております。その数に加え、正確なものではありませんが、未遂を含めると10倍もの数字になるとも言われております。  住民にとって最も身近な行政機関は基礎自治体である市であります。それゆえ、市の役割が重要であると考えます。過去、この市議会においても自殺対策に関する質問が交わされたことがあり、重複する点があるかもしれませんが、そのようなことから質問を行います。  自殺の原因、動機は健康問題が圧倒的に多くなっております。しかしながら、単に1つの原因から自殺に結びつくのではなく、複数の要因が重なって自殺に結びつくと言われております。例えば自身の健康、子供の進学、仕事上の人間関係、御近所トラブルといったように複数の要因が重なり、悩みを抱え、自殺に至るといったケースがあるようです。  また、自殺は精神疾患とのつながりもあります。自殺を図る直前には約8割の方が精神疾患状態であるとの研究結果もあり、自殺や自殺未遂に至らなくても精神疾患患者で自殺を考えたことがある人は多数いるとも言われております。このように、精神疾患は自殺と深く結びついております。この精神疾患は不治の病ではなく、適切な対応、中でも初期段階であれば治るという説も言われております。  自殺を防ぐには本人がいかに自身で対処するかもありますが、いかにして周りが見守っていくかということもあると考えます。精神疾患を含め、心の健康は自分自身がふだんから心がけることも必要ですが、精神疾患のある程度の段階に入っていたりすると、なかなか自身では解決に向けて動くことができなくなってしまいます。自殺に至るには複数の悩みを抱え、それが重なって精神的に苦しくなり、だれにも相談できず最悪の結果となることがあります。その本人のちょっとした変化を周りの方が気づいてあげられるか、そしてそれができるような環境づくりのための方策をとらなくてはならないと思います。  悩みを抱えだした初期の時点でだれかに相談してみよう、気分転換にスポーツでもしてみようと考えられるなら自殺にまで至らないと思います。心のちょっとした変化には自分自身では気づかないものです。悩みを抱えているうちに重くなっていき、その悩みを抱え込むようになっていきます。ある程度の段階まで来てしまいますと自分自身では何ともできなくなってしまいます。そこで、いかにして周りが気づき、見守っていくことが重要となってきます。  最近しておりましたテレビCMで、「お父さん眠れていますか」というのがありました。このCMはあくびをしているお父さんが映し出され、「最近、娘のアドレス、友達知らない」といった言葉を発し、そこで娘が「私は知ってるよ、お父さん最近眠れていないんでしょ。体のことも私のこともちゃんと知らなきゃ」と答え、「不眠のことはお医者さんに御相談ください」というナレーションが入るCMです。これは政府広報で流れていたもので、悩みが重なり、それが不眠につながるというもので、心の健康に関するものです。内閣府の自殺対策のホームページでも見ることができるものですが、このように悩みを抱えている本人に周りが気づき、見守るかが大事だと考えます。周りが気づき見守る環境をつくるためにはより多くの人に知ってもらう必要があります。ただ、周りの気づき、見守りといっても、その啓発は難しいものでしょう。日ごろからよく身の回りで起こっていることであればそれなりに意識は持ちますが、一般市民が自殺対策にそこまで関心が持てるようにしていくことは難しいと考えます。  例えばシンポジウムを開催し、一般公募で集めたとしても、その効果を否定するわけではありませんが、本来、伝えなければならない人が来るのかは期待が持てない可能性があります。そこで基礎自治体たる市が取り組むことは、地道な一歩一歩の積み重ねとなります。人が人とかかわりを持つところは、仕事関係、御近所関係、お友達関係、そして家族となると思います。これに対応した形での啓発が必要になってきます。仕事場をかりて自治会や地域社協などの場をかりてなどといった、さまざまなところで啓発をしていかなくてはなりません。わざわざ時間をつくっていただくことは大変難しいですが、市にできることはこのようなところであると思います。  そして職場や地域など、市役所においても担当部署が異なります。健康にかかわる部署に加え、ほかの部署も巻き込んだ全庁的な取り組みが必要でしょう。仕事、産業関係であればそれに対応した部署との連携、地域であればそれに対応した部署との連携、若年層であればそれに対応した部署との連携といったようにしていかなくてはいけません。  啓発のみならず、相談窓口としても連携が必要となるでしょう。自殺対策はあらゆるところでの見守りが必要ですが、だれかの心の悩みに気づいたときに相談する場としての市役所になるでしょう。その気づいた人が職場内や取引先といった場合には、その人が直接接する部署において一時的な相談が必要です。それが御近所のことであればその部署が、学校関係のことであればその部署が一時的に相談に応じなくてはならないでしょう。また、職員の皆さんは、よく市民とかかわってると思いますが、その部署によってかかわる市民の層が異なっております。職員自身が気づき、見守るためにも、全庁的な取り組みが必要となります。  しかしながら、全庁的な取り組みといっても、現状の職務でも多く抱えているところに、さらなる取り組みは大きな負担となるでしょう。そのような状況の中で自殺対策を全庁的な取り組みとしていくためには、研修と啓発だけには負担をかけるが、それ以外には負担をかけないので協力してくださいという姿勢が大事ではないかと思います。ふだんの業務をしている中で気づいてもらう、相談があれば一時的に対応し、取り次ぐようにするといったことにしていかなくてはならないでしょう。そのようなことをしていくためには連絡会議のようなものを設け、大きな負担にならない程度に開催していくことが重要であり、その会議を公務と位置づけるための要綱をつくることも必要ではないかと思います。  以上のことから、下記について質問いたします。  1点目、その本人を対象とすることも必要であると思いますが、周りの気づき、見守りが重要であると考えます。そのような中で啓発活動をどのようにしていくのでしょうか。お伺いいたします。  2点目、どこかの専用窓口だけでなく、いかなる窓口でも一時的な相談が乗れるようにならなければならないと思います。そのためには研修、相談窓口、それをより円滑に進めるための会議が必要であると考えますが、全庁的な取り組みをどのようにしていかれるのかをお伺いいたします。  それでは、大きな2点目、伊丹市近隣で活動している大学生など若者の社会的活動団体を活用することについてです。  住民への公共的サービスの担い手として、自由で創意工夫の幅の大きい民間の力をこれからは生かしていく時代となります。ここで指している公共的サービスとは、いわゆるボランティアのようなものを指しており、民間とはそのボランティアをする団体などを指しています。この住民への公共サービスの担い手として、民間の力をこれから生かしていくということは市長も常に言われているところであります。  伊丹市においても、市民レベルでのボランティアと言えるようなものでさまざまな社会的活動団体があり、公共的ニーズを担っていただいており、その効果は大きいものと考えております。しかしながら、その担い手の多くは一定の年齢層となっております。これから社会を担っていく世代をいかに巻き込んでいくかが持続ある町の活気にもつながっていくものと考えられます。  伊丹で若者を中心として活動されているものとしては、いたみわっしょいやハロウィンイベントなどの市立伊丹高校の商店街活性化プロジェクトなどがあります。これら若者が活躍しているところで活気を感じるのは私だけではないと思います。このような大きなイベントのようなところでは活躍していただいてるところですが、もっと小ぢんまりとしたものや、日々にかかわるところでの活動がさらに活発になってもよいのではないでしょうか。  若者層でボランティアといった社会的活動をしているのは時間的余裕が比較的にある大学生が中心になると思います。伊丹では北端と南端に大学があり、市内の各イベントで活躍していただいているところですが、伊丹の近隣を見渡しますと伊丹を囲むような形で大学が点在しています。学生が主体となった社会的活動団体は大学を拠点としておりますので、これらの団体がそれぞれの得意分野を生かして伊丹で活動していただくことは伊丹での活気にもつながってくるものと考えます。当然ながら、伊丹の若者を育てていく、協働のまちづくりに巻き込んでいくということはしていかなくてはならないわけですが、並行して今活動している団体を活用するというのも伊丹のためになるんではないでしょうか。  実際、このような団体に皆さんの活動を伊丹でもやってみないかと聞いたところ、ぜひやってみたいとの返答がありました。中には、今やってることで精いっぱいなのでどうしても今やっている場所にこだわるという団体もあるでしょうが、情報提供さえすれば伊丹の地で活動してもらえる団体もあるものと思います。  今まで大学生を中心に話をしてきましたが、大学卒業後もそのようなものにかかわっていたり、社会人同士で団体を組んでるところもあるでしょうから、大学生が対象の主体となるでしょうが、社会人も含めて若者の社会的活動団体が伊丹の地で活動してもらえればよいのではないでしょうか。  先ほども述べましたが、子供向けのことをしている団体、環境を対象としている団体、福祉に関することに取り組んでる団体、教育に取り組んでいる団体など、これらの団体が得意としている分野はそれぞれの団体によって異なっております。直接にそれらの団体と情報提供、情報連絡をする担当や、その情報をもとに実施に向けて団体と連絡、調整を行う担当など、それぞれの部署、担当での連携が必要になってくると思います。これを進めていくと万が一のためということが考えられますが、それならば公的なものも含めてボランティアに係る保険がありますので、そのような対応ができるものと思います。  社会的活動団体、いわゆるボランティア団体に、君たちの活動どんなことしてるの、子供と遊ぶボランティアしてるんや、それやったら伊丹でもこういう場所があるからやってみたらどう、といったような声かけをすると活動場所として伊丹を選んでもらえるかもしれませんし、そのような社会的活動団体が伊丹で活動していたことにより伊丹の住民の満足も得られるのではないかと思います。このように伊丹市近隣で活動をしている大学生などの若者の社会的活動団体を活用していくには、団体への情報提供や呼びかけをしていき、また、大学やボランティアサークルを取りまとめている学生の団体、そして阪神北県民局、阪神北青少年本部との連絡交換をしていくことになろうかと思いますが、大きな2点目で今述べましたような提案に対する当局の御見解をお伺いいたします。 ○議長(岡本廣行) 西尾健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(西尾幸道) (登壇)私から、自殺対策に関する御質問にお答えいたします。  我が国の自殺者は平成10年に前年から一挙に8000人余りふえ、3万2863人を記録して以来、昨年まで12年連続で3万人超を記録しており、世界的に見ても我が国の自殺死亡率は男女ともに主要国の中で高い水準にあります。昨年、1年間の我が国の自殺者は3万2845人で、1日平均90人もの方々が全国のどこかでみずから命を絶たれている計算になり、政府は、「我が国は今、『自殺戦争』の渦中にあり、異常な事態の中に私たちはいること」を認識すべきであるとしております。  こうした憂慮すべき経過の中で、平成18年10月に自殺対策基本法が施行されました。自殺対策基本法では、1つ、自殺の実態を明らかにする、2つ、国民一人一人の気づきと見守りを促す、3つ、早期対応の中心的役割を果たす人材を養成する、4つ、心の健康づくりを進める、5つ、適切な精神科医療を受けられるようにする、6つ、社会的な取り組みで自殺を防ぐ、7つ、自殺未遂者の再度の自殺を防ぐ、8つ、残された人の苦痛を和らげる、9つ、民間団体との連携を強化する、以上の9項目を当面重点的に取り組む施策として定めております。  さらに平成19年には自殺総合対策大綱が閣議決定され、平成20年10月からは「自殺対策加速化プラン」に基づいて心の健康づくりを初め施策の強化と加速化が図られてきましたが、自殺者数の増加抑制に対する成果は見られませんでした。  こうした状況が続く中、昨年11月、新政権による「自殺対策緊急戦略チーム」によって「自殺対策100日プラン」が取りまとめられ、より具体的な対策が示されました。この中で初めて雇用情勢と自殺者数との間に強い相関関係が見られることが基本認識の1つとして明示され、具体的な対策を進めるに当たっては自殺対策に関連する社会資源を最大限に活用する以外に、1つ、緊急雇用対策との連動、2つ、多重債務者支援との連動、3つ、中小企業支援との連動といった、失業者や経営者等のハイリスク群を対象とした総合的支援の必要性がはっきりと打ち出されました。これに基づき、昨年末にはハローワークにおける心の健康相談や、商工会議所等における中小企業経営者向け法律相談等が実施されたところであります。  ことし2月に策定されました、「いのちを守る自殺対策緊急プラン」におきましても、多重債務問題や労働問題等を抱えている人の相談対応の充実・強化や、連帯保証制度を含む保証制度のあり方の検討など、当事者本位の実態に即した対応策が数多く列挙をされております。  一方、自殺の原因、動機を見ますと、ほとんどの年齢層で健康問題が最も多くなっております。自殺された方、自殺を考えられた方の中にはうつ病を初めとする精神疾患を有する方も多く、職場などでの心の健康づくりや精神疾患の早期発見・早期治療も重要な対応策の1つであります。当事者の周りにいる人々がそのことに気づいてあげられるための研修や啓発事業も有効であり、こうしたことが住民に最も身近な基礎自治体である市の果たす役割ではないかと考えております。  ところで、昨年の兵庫県内の自殺者数は1354人で、伊丹市では男性19人、女性12人の計31人の方が自殺によって亡くなっております。県は平成28年までに自殺者を1000人以下に減少させることを目標としており、平成21年度から23年度にかけて国の交付金を活用して「地域自殺対策緊急強化基金」を設定し、集中的な対策事業を実施することとしております。この取り組みの一環として、今年度から県内の全市町で自殺予防事業が実施されるよう、補助拡充されましたので、今議会におきまして補正対応をさせていただき、本市におきましても新たな事業展開を図ってまいりたいと考えております。  今回の補正予算の内容につきましては、既に提出させていただいております議案書のとおりでありまして、県からの地域自殺対策緊急強化事業費補助金150万円(後段に訂正発言あり)の歳入に対しまして、歳出は新規の啓発事業に37万8000円を、既存事業の「いたみ健康・医療相談ダイヤル24」に102万2000円を充てることとしております。  それでは、1点目の本市における自殺予防対策に係る啓発についてお答えいたします。  啓発事業の1つ目といたしまして、相談・早期対応の中心的役割を果たす人材を養成する観点から、自殺の社会的要因や心の健康などに関する相談業務に携わる事業者や、介護支援専門員、民生委員・児童委員、地域のリーダー的存在の人々、行政職員などを対象とした、(仮称)「こころの健康市民講座」を開催いたしたいと考えております。この講座では自殺の現状、うつ病などの精神疾患と自殺の関連、自殺の社会的背景や地域における支援の重要性や相談窓口の役割などについての理解を深め、身近にいるかもしれない当事者に気づき、適切なかかわりを持って1人でも多くの命を救うことにつなげたいと考えております。  啓発事業の2つ目といたしまして、本年度より健康づくりの拠点としております市役所南館におきまして心の健康づくりに関するパネルを新たに展示し、上手なストレス解消法や快適な睡眠をとる工夫などについてPRを行ってまいりたいと考えております。  次に、2点目の全庁としての取り組みの必要性についてお答えいたします。  自殺者の年齢層は幅広く、また、自殺者の背景にはさまざまな社会的な要因が複雑に絡み合ってることから、その対策には縦割りの壁を超え、全庁で密接に連携して取り組む必要があるものと認識しております。  まず、対策や実施事業に対する成果が求められることから、国や県の目標をもとに伊丹市内の自殺者をどのくらいまでに抑えるのかという市の目標値を明確にすることも大切であると考えております。  次に、実際に伊丹市において、これまでに自殺された方の情報などを把握することが可能であれば、これらの情報と内閣府が公表しております自殺の多い時期や職業、年代等ごとの自殺の状況を分析した自殺対策強化のための基礎資料などから伊丹市の特性等について分析し、より効果的な対策に向けた一助にしたいと考えております。  こうしたことを踏まえ、取り組みの第一歩といたしまして自殺の現状や課題、本市における対策等について全庁的に周知を図ってまいりたいと考えております。  議員から御提案いただいております連絡会議についてでありますが、庁内での連絡会議を設ける場合の関連部局といたしましては、私ども健康福祉部のほか、総務部、市民部、こども部、都市創造部、教育委員会事務局などが想定されますが、この点につきましては本市の状況分析結果などを踏まえまして今後の検討課題とさせていただきたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。 ○議長(岡本廣行) 川戸市民部長。 ◎市民部長(川戸小史郎) (登壇)私からは、2点目の伊丹市近隣で活動している大学生などの若者の社会的活動団体を活用することについてお答えいたします。  昨年10月に行われました国会において、鳩山前首相の所信表明演説の中で、「人と人とが支え合い、役に立ち合う『新しい公共』」という概念が示されました。これは人を支えるという役割を行政だけが担うのではなく、教育や子育て、まちづくり、防災・防犯、医療、福祉などに地域でかかわっておられる方々一人一人にも参加していただき、それを社会全体として応援しようという概念です。本市におきましても、地域で活動する自治会を初め、地区社会福祉協議会、保健衛生推進委員などの社会的活動団体の活動を通じて、市民一人一人が人や地域を支えるという役割を担っておられます。  また、市内で活動されている団体にはそこに住んでいることによって結びつく地縁型団体とは別に、福祉ボランティアや子育てサークル、環境問題を考える団体など、特定のテーマや課題を共有することによって結びつくテーマ型団体が存在し、こういった団体もそれぞれの活動を通じて人を支えるという役割を担っていただいております。  しかし、地縁型団体及び一部のテーマ型団体におきまして見過ごすことのできない課題の1つが高齢化の問題でございます。現在、地縁型団体や一部のテーマ型団体において、第一線で活動されておられる方々は豊かな経験と豊富な知識を持つ60歳以上の方であり、議員御指摘のようにこれからの社会を担っていく若者世代を市民活動へいかに巻き込むことができるか、その仕組みづくりが重要であると認識しております。  本市のボランティア・市民活動センターでは、ボランティアの個人登録者が236名おられ、そのうち10代から30代の登録者は84名おられます。個人登録者全体に見る10代から30代の割合は36%でございます。また、同センターでは個人登録に際して本市に在住、在勤といった規定は設けず、市内でボランティア活動を行うことを希望される方であれば市外の方でも登録できることになっており、高校生や大学生の登録者28名のうち11名が市外の方でございます。これら学生ボランティアの方々には障害者施設の夏祭りやボランティアの普及啓発を目的とした催し、ハンディキャップスポーツフェスタ、車いすバスケットボール大会などスタッフとして活動していただいており、福祉分野における学生のボランティア活動としては一定の成果を上げております。  また、ボランティア・市民活動センターの登録者とは別に、サンロード商店街等で開催されるハロウィンの催しには市立伊丹高校の生徒や関西学院大学の学生が運営に参画したり、「いたみわっしょい」には大手前大学の学生が中心となってスタッフの役割を担ったりするなど、積極的に市民活動に取り組んでいただいております。  今年度からは市立まちづくりプラザのホームページやメールマガジンなどを活用し、学生に特化した情報提供のあり方を検討するほか、団体に所属している学生だけではなく、特定の団体に所属していない学生への情報提供の方法を検討していきます。  また、平成22年度から、市町域・分野を超えた情報提供やネットワークづくりを行うため、緊急雇用就業機会創出事業の一環として「阪神北地域活動支援『きらっと  ネットワーク』コーディネーター設置事業」が開始され、各市の市民活動団体の把握やデータベース化を図るため、コーディネーターが1名、市民まちづくりプラザに派遣されています。  これらの仕組みを活用するとともに、阪神北県民局管内の各市町や県民局と情報交換を行いながら、学生を初めとした幅広い人たちが人を支える役割の担い手として活躍できる仕組みを検討してまいりたいと思いますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。 ○議長(岡本廣行) ここで西尾健康福祉部長より発言を求められておりますので、これを許可いたします。────西尾健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(西尾幸道) (登壇)私の先ほどの答弁の中で訂正がございますので、ここでおわびとお断りをして修正をさせていただきたいと思います。  実は地域自殺対策緊急強化事業費補助金、正しくは140万でございますが、先ほどの答弁の中で150万と申し上げましたので訂正をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○議長(岡本廣行) 杉議員。 ◆1番(杉一) (登壇)ただいま御答弁をいただきました。順番は変わりますが、まずは伊丹市近隣の若者の社会的活動団体を活用することについて発言させていただきます。  今回申し上げましたのは現在活動している社会的活動団体、いわゆるボランティアサークルなるものが伊丹の地でも活動してもらえればとのことです。また、世代の対象を若者としたことには、活気あるまちづくりの要素として、よく、よそ者、ばか者、若者と言われますが、若者は社会、経済、文化の活力を生み出す中核的な役割を果たすと期待されているからです。この若者の中でも時間的余裕が比較的にある大学生が対象の中心になると思います。  ボランティアと言われる社会的活動をしていく中で、仲間というのは大きなポイントとなります。その仲間が集う拠点は、大学生であれば自然と大学となってきます。この大学生というところを対象としていけば市内にも2校あり、その学生には御活躍いただいてるところでありますが、割と大きなものも含め、伊丹市の近隣にも囲むように大学が点在しております。これらの大学では現在活動しているボランティアサークルがありますので、彼らの特性を生かして伊丹で活動してもらう手は有効だと思います。そしてその団体自身が来てもらえるかどうかだと思いますが、1回目の質問でも申し上げましたが、機会と情報があれば伊丹でも活動したいと思ってる団体はあると思います。  御答弁の中で、市民に対しボランティアなど社会的活動の活性化のために取り組まれていることはわかりました。その中で示されていたところからも、本市がその盛り上がりが決して多いとは言えません。それならば、今申し上げたようなことが1つの発想であると考えます。今、そういった活動をなされていない方をいかにして巻き込んでいくのかということも重要であると思いますが、今活動している団体を活用することも検討の余地はあると思います。  伊丹市近隣で活動している若者の社会的活動団体も、情報提供によっては伊丹でも活動していただけます。この場合には限りませんが、情報提供についてはいつでも来てください、来ていただいて登録すれば情報を提供しますよという待ちの姿勢ではなく、いかにして的確に動き発信していくかになりますので、そのことを要望いたしまして終わらせていただきます。  それでは、自殺対策について御要望をさせていただきます。  御答弁でも御紹介いただきましたように自殺戦争とまで言われる時代になり、憂慮すべき事態であります。交通事故は、交通規制をする、車を改良するといった対策を講じている中で改善していくことができます。しかし、自殺はそのあたりにあるものを使ってどこでもすぐにできるものです。家であってもコンセントを使ってドアノブやフックでひっかけて自殺することができる。ふだんの生活で使用しているもの、場所があれば簡単にできるものです。また、人の心の変化は小さなことであっても自分でも周りからでもなかなか気づきにくいところがあります。だからこそ、自殺対策は難しいところがあるのではないかと思います。  しかしながら、冒頭でも申し上げましたが、憂慮すべき事態である自殺に対してほうっておくわけにはいきません。多重債務対策などバランスをとりながら対策すべきものはあると思いますが、試しながらでも対策を講じていく必要があるでしょう。  一方、自殺された方には精神疾患を有する方が多いとされています。この精神疾患については5月22日に精神疾患4学会が共同宣言を出されており、内容の一部を申し上げますと、1つはうつ病を初めとする精神疾患は先進諸国ではがんや心臓疾患と並ぶ3大疾患で、その対策は国家政策の最優先課題。我が国でもがんに次いで重大な社会的損失をもたらしており、国民病というべき疾病である。1つは、うつ病に対する正しい知識が普及していないため国民の多くが適切な治療を受けられず、発見、治療がおくれている。国家的課題として啓発に取り組むべきだ。そして、自殺や長期休務などの重大な問題が生じている職域でのメンタルヘルス対策、うつ病発症が若年化している学校におけるメンタルヘルス教育の導入も必要だ。そしてうつ病研究が進展し早期発見や治療法が確立すれば偏見も解消され、自殺者も大幅に減らすことができる。以上のような共同宣言が出されまして、4学会共同での宣言は初めてのことであるとのことです。このような背景には、自殺とも結びついている精神疾患が大きな問題となっているということであり、心の健康への取り組みの重要性をあらわしているものであると思います。  全国的に問題となっている中で住民と直接的なかかわりがある基礎自治体たる市がすべきことは地道な一歩一歩であり、すぐに効果が出るのかわからない難しいものであると思いますが、試してみて検証し、次の方策を考えるということを続けていくことになるでしょう。御答弁にもありましたが、啓発については行政職員に加え、事業所関係や地域の方々を対象としてのものを開催されるということですので、一人一人への声かけをしていただき、より多くの人が来ていただきたく願います。  また、全庁的取り組みにつきましては、部署を超えての取り組みに前向きであることに期待しております。自殺の背景は年齢も幅広く、要因もさまざまですので、複数の部署の連携が必要となってきます。提案させていただきました連絡会議につきましても、関連部局の想定までできておりますので前向きな検討をお願いしたいと思っております。そして打診をされた部局におかれましても、1人でも悲しむ市民を減らすという使命感ある業務でありますので、御協力をしていただければと思います。  以上をもちまして、私の発言を終わらせていただきます。 ○議長(岡本廣行) この際、お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会したいと思いますが、御異議ございませんか。    (「異議なし」の声起こる)  御異議なしと認めます。よって、本日は延会することに決しました。  なお、この継続会は、明18日午前10時より開議いたします。  それでは、これで延会いたします。 〇午後 4時33分 延  会...