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令和 3年 3月(第11回)定例会−03月01日-03号

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  1. 西宮市議会 2021-03-01
    令和 3年 3月(第11回)定例会−03月01日-03号


    取得元: 西宮市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-30
    令和 3年 3月(第11回)定例会−03月01日-03号令和 3年 3月(第11回)定例会                西宮市議会第11回定例会議事日程                (令和3年3月1日午前10時開議) 日程順序              件         名               ページ  第1  令和3年度西宮市施政方針に対する代表質問       発言順序      氏    名         所  属  会  派         1     野  口  あ け み      日本共産党西宮市会議員団    63         2     篠  原  正  寛      政新会             77                                   西宮市議会議長                 出   席   議   員    1番  河 本 圭 司  15番  八 代 毅 利  28番  澁 谷 祐 介
       2番  田 中 あきよ  16番  菅 野 雅 一  29番  や の 正 史    3番  江 良 健太郎  17番  吉 井 竜 二  30番  篠 原 正 寛    4番  多 田   裕  18番  かみたに ゆみ  31番  坂 上   明    5番  大 迫 純司郎  19番  川 村 よしと  32番  佐 藤 みち子    6番  たかの し ん  20番  まつお 正 秀  33番  野 口 あけみ    7番  うえだ あつし  21番  よつや   薫  34番  中 尾 孝 夫    8番  ひぐち 光 冬  22番  花 岡 ゆたか  36番  町 田 博 喜    9番  一 色 風 子  23番  河  はじめ  37番  大川原 成 彦   10番  宮本 かずなり  24番  松山 かつのり  38番  八 木 米太朗   12番  脇田 のりかず  25番  山 口 英 治  39番  草 加 智 清   13番  福 井   浄  26番  山 田 ますと  40番  大 石 伸 雄   14番  松 田   茂  27番  大 原   智  41番  田 中 正 剛                 欠   席   議   員   35番  岩 下   彰                 説明のため出席した者の職氏名     市長       石 井 登志郎    産業文化局長   岩  敏 雄     副市長      北 田 正 広    健康福祉局長   山 本 英 男     副市長      田 村 比佐雄    こども支援局長  時 井 一 成     政策局長     太 田 聖 子    病院事業管理者  南 都 伸 介     総務局長     中 尾 敬 一    中央病院事務局長 須 山   誠     総務総括室長   大 植   進    教育長      重 松 司 郎     財務局長     荒 岡 晃 彦    教育次長     坂 田 和 隆     市民局長     土 井 和 彦    教育次長     佐々木   理                職務のため議場に出席した事務局職員     事務局長     北 林 哲 二    係長       嶋 作 智 訓     次長       奥 村 仁 美    副主査      池 田 祐 子     議事調査課長   大 西 正 幸    〔午前10時 開議〕 ○議長(澁谷祐介) おはようございます。  ただいまから西宮市議会第11回定例会第3日目の会議を開きます。  現在の出席議員数は39人であります。  本日は、岩下彰議員から病気のため欠席、以上のとおり届出を受けております。  本日の会議録署名議員に、会議規則第87条の規定により、多田裕議員及び松山かつのり議員を指名します。  本日の議事日程は、タブレットに配信またはお手元に配付のとおりであります。  議事日程の日程第1中、質問予定者でありました岩下彰議員から体調不良により代表質問を辞退したいとの申出があったため、代表質問の日程から削除させていただきます。  ここで所定の一部議員に退出をお願いいたします。    〔大石伸雄議員、大原智議員、河崎はじめ議員、菅野雅一議員、坂上明議員、たかのしん議員、田中あきよ議員、中尾孝夫議員、ひぐち光冬議員、松田茂議員、宮本かずなり議員、八木米太朗議員、やの正史議員、山口英治議員、よつや薫議員、脇田のりかず議員退場〕 ○議長(澁谷祐介) 議場にお残りの皆様におかれましては、もうしばらくお待ちください。  これより日程に従い議事を進めます。  日程第1、去る2月26日に引き続き令和3年度西宮市施政方針に対する代表質問を行います。  順序に従い発言を許します。  まず、野口あけみ議員。    〔野口あけみ議員登壇〕 ◆33番(野口あけみ) ただいまより、日本共産党西宮市会議員団を代表して、私、野口あけみが代表質問を行います。  傍聴にお越しの皆さん、インターネット中継やさくらFMを視聴してくださっている皆さん、ありがとうございます。  1点目は、市財政と予算編成についてです。  西宮市の2021年度予算案は、一般・特別・企業会計の総額3,324億3,056万円で、前年度から1.0%増となっています。当初予算の総額は3年連続の増、一般会計は5年連続の増であり、阪神・淡路大震災直後の1995年度を除いて過去最大の規模ですが、歳入、歳出とも、新型コロナウイルス感染症――以下「コロナ」と呼ばせていただきます。この影響が色濃い予算案となっています。  昨年3月1日に本市で最初のコロナ陽性患者が発生以来、現在は第3波のさなかにあり、昨日までの患者総数は1,873名、亡くなった方も41名いらっしゃいます。改めて御冥福を祈り、お見舞い申し上げます。  新年度当初予算のポイントとして、市は、1、コロナ感染症対策の実施、2、待機児童対策をはじめとした喫緊の課題への対応、3、GIGAスクールや業務効率化のためのICT活用の3点を挙げています。コロナ対策では、コロナワクチン接種事業はほぼ国費で約29億円、その他の感染拡大防止対策で衛生費が32億8,700万円の増、前年度比で21%の増となっています。待機児童対策では、特区小規模保育所――1歳児から3歳児対象を9か所整備し、4歳児以降を公立幼稚園で預かり保育する事業を新たに開始、また、入所選考にAI――人工知能を導入する予定としています。ICT活用では、既に国による予算措置で小・中学生全員タブレットパソコンが貸与されており、行政手続のオンライン化、来庁不要な電子申請も順次拡大するとしています。そのほかでは、第二庁舎(危機管理センター)が完成し、上下水道局、保健所などの移転に伴う庁舎改修も相当規模で行われます。学校施設については、80年もたせるとする長寿命化計画によって当面改修対象とならない20校133か所の学校トイレのうち、新年度は、小学校2校6か所、中学校5校29か所の改修が行われます。当議員団が公約に掲げ、長年取り組んできた乳幼児等・こども医療費助成制度の所得制限撤廃は、ようやく就学前から小学3年生までへと約5,200人広がることになりました。性別にとらわれない多様な生き方を実現していくための取組方針を策定し、パートナーシップ宣誓証明制度が導入されます。国民健康保険特別会計では、保険料抑制のために実施してきた一般会計からの繰入れが、国の厳しい指導によって2024年度までに順次削減し、なくす計画が策定され、保険料の高騰に対処するための新たな減免制度が創設されます。この問題は、我が党のまつお議員が一般質問いたします。介護保険特別会計は、要介護認定者数の増加によって前年度比5.9%増、新年度は3年ごとの保険料改定の年ですが、基金を活用して保険料は据え置くとしています。  歳入はどうでしょうか。個人市民税で前年度比2.5%減、9億7,900万円の減、法人市民税で36.6%減、14億5,900万円の減、合わせて約26億円の減を、また、地方消費税交付金も前年度比3.6%減、3億5,200万円減を見込んでいます。これらはコロナの影響を見込んでのことです。この財源不足を国が補填する措置として、地方交付税は前年度の1.6倍、臨時財政対策債は前年度の2.7倍に増加し、これらを合わせた実質的な地方交付税は54億5,000万円の増加を見込んでいます。その他、固定資産税、都市計画税の特例措置、これは中小事業者向けの軽減措置ですが、この適用分2億7,500万円減に対しては、地方特例交付金が前年度比70%増額され、全額補填されます。  このように、新年度については、国による様々な財源措置が行われ、基本的には通常の財政運営を行うだけの財源は確保されています。冒頭にも申し上げましたが、コロナによる影響は、歳入、歳出とも避けられません。施政方針では、コロナ禍による市財政への影響は現時点でどれだけの規模になるか確定できない、相当なインパクトになると予想しているとしています。よって、歳出面では、第5次総合計画事業の中でも財政負担が大きくなる10事業については、昨年6月に一旦立ち止まったが、新年度中に財政収支の見通しを示した上で今後判断するとしています。当然のこと、妥当だと考えます。  一方、当面の最大の課題であるコロナ対策に関しては、施政方針で、感染拡大防止対策はもとより、雇用や経済活動、市民生活への支援などにも取り組んでいくと述べておられますが、当初予算案では、これまでの継続事業がほとんどの感染拡大防止策のみの提案であって、緊急の雇用や経済活動、市民生活の支援に当たるものは見当たりません。今、市民は経営と雇用の危機に見舞われています。時短営業を強いられている飲食業のみならず、外出自粛が長期にわたり、様々な産業で経営に陰りが見られ、働く人の4割を占める非正規労働者や、女性、学生、子供などなどが生活上の困難、孤立の恐怖や不安に陥っています。これらに対する国の支援策は全く不十分であり、一番身近な自治体ができる限り直接手を差し伸べる支援がどうしても必要です。  質問です。  ア、このたびのコロナ禍では、全国どこの自治体も、規模の違いはあれ、財政、とりわけ歳入に影響を受けます。歳入のうちでも市税収入をどのように見込むかが重要ですが、新年度予算案における市税見込みの根拠と他市と比較しての特徴をお聞きします。  イ、先ほど、雇用や経済活動、市民生活への支援の具体策が当初予算案には見られないと述べましたが、2月12日の議会運営委員会では、総務総括室長が口頭で、要旨、次のように述べました。2月3日に国の第3次補正予算に係るコロナ感染症対応地方創生臨時交付金の通知があったことから、現在、臨時交付金を活用した事業・施策について検討しているところ、今定例会中に新年度の補正予算を編成する必要があれば追加議案として議運に報告するとのことでした。1次、2次の臨時交付金事業を検討する際には、中小業者への家賃補助など、一旦基金から繰り入れ、立て替えてでも実施しました。この第3次臨時交付金事業についてもそうする必要があるのではないか、なぜそうしないのか、説明を求めます。  ウ、当議員団は、1月27日、感染防止対策と経営・雇用を持続できる施策についての二つの柱で12項目の緊急申入れを行いました。ここでは、経営と雇用を持続できる施策について、4点、お聞きします。  一つ、持続化給付金や雇用調整助成金など、国による支援の拡充延長を前提としつつも、市独自の、経営困窮に直面している中小零細事業者への支援策の実施を求めます。いかがでしょうか。  2点目、長引くコロナへの対応で、全ての市民が、程度の差はあれ、ストレスを抱え、疲弊し、支出も増えています。国による再度の給付金をとの声も聞くところですが、市が直ちに行える施策として、昨年実施した水道料金の基本料金減免を今度は一般会計から繰り出して実施できないか。  3点目、失業者や生活困窮者、低所得者に対する独自支援策についてはどのように検討しているか。  4点目、国施策であり、社会福祉協議会が窓口となっている緊急小口資金と総合支援資金のコロナ特例貸付けは、昨年4月から実施されており、本市でも、昨年12月末現在、緊急小口で3,083件、総合支援資金で1,796件の貸付けが行われています。制度の概要は資料を御参照ください。返済据置期間は1年であり、程なく返済が始まろうとしていますが、いまだ返済のめどが立っていない人が多いのではないかと思われます。また、この特例貸付けでは、償還時においてなお所得減少が続く住民税非課税世帯の償還は免除する、返さなくてもよいとなっておりますが、貸付け時にはまだ詳細が分からないとされていました。この点も含め、現時点でのこの貸付制度について説明を求めます。  大きな2点目は、新型コロナウイルス感染症対策についてです。  昨年11月頃より、各地で第3波と言われる爆発的感染拡大が起こり、医療崩壊、医療壊滅とまで言われる事態となりました。1月7日及び13日から11都府県に緊急事態宣言が発出され、1度延長された後、現在は、陽性者の減少と病床利用率の一定の低減から、兵庫を含む6府県は、本日3月1日、解除されました。しかし、気を緩めるわけにはまいりません。ワクチン接種にも関心が集まっていますが、感染対策の基本的取組――検査、保護、追跡も同時進行で進めていくことが必要です。本日の質問では、第3波のピーク時には陽性者が病院や宿泊療養施設にさえ入れず、最高時には全国で4万6,000人もの人が自宅療養を余儀なくされ、急変で死亡する事態まで各地で起こっていたこと、本市も例外ではなかったことを今しっかり振り返り、今後に生かす点は何かを明らかにできたらと思っています。  さて、私は、1月24日日曜日、知人を通じてYさんから相談を受けました。1月19日に70代の妻A子さんが通っている介護施設でクラスターが発生し、21日、A子さんの陽性が判明、Yさんの息子さんが濃厚接触者となった御家族です。A子さんの入院がいつになるか分からない。Yさん、息子さんのPCR検査もいつ受けられるかめどが立たずにいる。何より困っているのが、要介護5のほぼ寝たきりのA子さんが受けていた朝晩2回の訪問介護サービスが事業所から断られ、受けられなくなった。ケアマネジャーに相談するも、家族で介護をという返事。二、三日は家族介護をしたものの、とても続けられない。どうしたらいいのかというものでした。折しも、在宅での重篤化、死亡というニュースが頻繁だったときのことです。日曜でしたが、入院と検査の見通しだけでも確認できないかと市に連絡を取ろうとするものの、取れずじまい。寝苦しい夜を過ごし、翌朝、市の関係各所に連絡を取り、御家族の検査は木曜日に、入院は県が調整しますが、やはり未定のままということが午前中に判明しました。介護については、一旦断った事業者が、夕方1回、他の高齢者を回った最後に実施することになった、今日から実施すると連絡があり、Yさんに伝えました。少しほっといたしました。コロナをめぐる様々な課題が集中的に現れた事例に遭遇したわけです。  そこで質問です。  ア、この相談事例から聞いておきたいことを、まず4点、お聞きします。  1、これまでの医療機関や介護施設などでの本市におけるクラスター発生数と特徴。  2、A子さんは、結局、入院できないまま自宅療養となり、2月3日に療養終了と判断されたそうですが、この間、病院や宿泊療養施設に入ることができず、自宅療養や施設留め置きとなった本市における件数や特徴。  3、Yさんと息子さんがPCR検査を受けられたのは、A子さんの陽性判明から1週間後でした。濃厚接触者等のPCR検査の実施は、即日あるいは翌日にはできるものと思っていましたが、なぜ今回はそうなったのか。  4、在宅介護が必要な陽性患者への対応はどうなっているでしょうか。この相談事例も含め、説明を求めます。  イ、答弁を待つまでもなく、様々な混乱をもたらす介護施設でのクラスターは食い止めなければなりません。私たちが介護施設等での従事者、入所者への定期的一斉社会的検査を繰り返し提案してきたのもそのためです。12月議会一般質問での答弁では、課題は多いが検討するとしておりましたが、2月4日、厚労省が、社会的検査についてより具体的な通知を出しました。8日以降も緊急事態宣言が出ている10都府県に対して、3月までに集中的に介護施設等への職員へのPCR等検査を行うよう、入所者も検査の対象に含めるかも含め計画を定め、2月12日までに厚労省に提出するよう求めたものです。これに対する本市の対応をお伺いします。  ウ、保健所の体制についてです。  12月議会でも少し聞かせていただきましたが、この第3波時には、1日最大55人の陽性者発生やクラスターの複数発生など、医療機関とともに保健所の逼迫も相当なものであったのではないでしょうか。今は少し患者発生も減少していますが、いつ何どきこうした事態が繰り返されるか分かりません。どんな体制でどのように乗り切ってきたのか、また、課題は何でしょうか。  エ、情報支援については、質問時間の制限もありますので、質問は取りやめ、要望のみ後ほど述べさせていただきます。  大きな3点目は、行政経営改革のうち市役所のICT化やデジタル化についてです。  施政方針では、市としてデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXを推進するため、(仮称)西宮市DX推進指針を策定し、市民サービスの向上、市の業務効率化、さらには地域の活性化に向けて、行政手続のオンライン化をはじめ、市役所のICT化やデジタル化をスピード感を持って進めるとしています。多くの市民が聞きなれないデジタルトランスフォーメーションとは、IT――情報技術が社会のあらゆる領域に浸透することによってもたらされる変革とのことです。日本人に向けてもう少し分かりやすくDXを説明したものとして、経済産業省が2018年12月にまとめたデジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドラインにおける定義があります。それによれば、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること、それによって企業として安定した収益を得られるような仕組みをつくることとありました。こうした変革を、ビジネス分野にとどめず、自治体行政分野にまでもたらそうというのです。  これまでスマート自治体などと呼んでいたものが、今後はこの自治体デジタルトランスフォーメーション、自治体DXなどと称されるようです。デジタル化を看板政策とする菅政権の下、昨年2020年12月25日、デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針、デジタル・ガバメント実行計画が閣議決定されました。また、同日、総務省が自治体DX推進計画を策定しました。この自治体DX推進計画では次のように言われています。ビジョンの実現のためには、自治体、とりわけ市区町村の役割は極めて重要だ、これは、市区町村こそが全市民の基礎データ、個人情報の宝庫であり、かつ、土地やインフラなどの基幹的データを保有しているからにほかなりません。  また、この推進計画ではこのように続きます。データが価値創造の源泉であることについて認識を共有し、多様な主体によるデータの円滑な流通を促進する、多様な主体との連携により、民間のデジタルビジネスなど新たな価値等を創出する、このような記述です。これらはこう解釈できるのではないでしょうか。自治体が保有する貴重なデータは、新たな価値を生み出せる、それを多様な主体――民間企業も含めて活用して、新たな価値――もうけが上がるようにしよう。  そして、これらの具体化として、2月9日、国会に、デジタル庁の設置法案などデジタル改革関連法案が提案されています。大きく6本の法案で、600ページに及ぶ膨大なものです。自治体の情報システムを標準化・共通化するなどの地方公共団体情報システム標準化法案や、データを利活用しやすくするため自治体の個人情報保護制度を法律で統一化・平準化する、当面の中心として、マイナンバーカードの普及促進など、地方自治体に直接関わる内容も多く含まれています。コロナ対策として政府が用意した特別定額給付金オンライン申請、COCOA、HER−SYSなどのIT活用はどれも失敗し、平井デジタル改革担当大臣はデジタル敗戦と呼んだそうですが、日本におけるいわゆるデジタル政府への国民の信頼や評価はもともと極めて低いと言わなければなりません。そこに、コロナに便乗し、遅れを一気呵成に挽回しようとするかのようなこのたびのデジタル関連法の提案です。  自由法曹団事務局次長大住広太弁護士は、デジタル化による利便性向上という表向きの目的の背後に、政府による個人の監視や企業によるデータの利活用という裏の目的が入り込んでいる、データの利活用を進める前に、自己情報コントロール権など情報主体としての個人の権利を確立することのほうが先ではないかと語っておられます。全く同感です。個人情報を特定企業のもうけのために活用してプライバシー保護をないがしろにするような動きは許すわけにはいきません。プライバシーを守る権利は、憲法が保障する基本的人権です。  デジタル化は社会発展の当然の方向ですが、このデジタル化をどう民主的に管理し、民主主義の発展に生かすか、基本的人権をどう守るかが問われています。自治体でデジタル化を進めるに当たっても、自治の精神から、しっかりと住民の福祉の増進に役立てることを基本に据えるべきです。  そこで質問です。  1点目、地方公共団体情報システム標準化法案における自治体の情報システムの標準化・共通化についてお聞きします。  カスタマイズ――仕様変更ができないのではなどの懸念がありますが、その標準化・共通化のメリット、デメリットをどう考えているか。  2点目、(仮称)西宮市DX推進指針を策定しようとしておりますが、計画ではなく指針となっております。その意義や目的は何でしょうか。  3点目、障害者や高齢者はなかなかICTを使いこなせません。また、経済的理由でIT機器の使用が困難な条件や環境にあることもあります。こうしたことで生じる格差をデジタルディバイドと言うそうですが、これはそう簡単には解消できません。行政手続のオンライン化では、経費削減や効率化を追求していった結果、紙や窓口を利用した手続が廃止され、市民の利便性がないがしろにされかねません。災害やシステムトラブルを考えても、職員が対応できる体制は当然確保すべきです。例外といった扱いではなく、当然の手続として紙や窓口を利用した申請を継続することについてどう考えていますか。  大きな4点目は、子育て支援策についてです。  ア、乳幼児等・こども医療費助成制度の見直しについて。  健康保険適用分の自己負担額――窓口支払い分を公費で負担する医療費助成制度は、当初から県と市の共同事業として、1971年10月からは75歳以上高齢者を対象に発足しました。さらに、2年後の1973年8月からは、乳児、障害者、母子の医療費について制度化されました。対象がどんどん縮小されてきた高齢者とは違い、乳幼児や子供の医療費助成制度は、時間をかけながらも、対象年齢が拡大され続けてきましたが、所得制限や一部負担金の導入など、紆余曲折を経て現行制度となっています。この対象年齢の拡大など制度の拡充は、市民や国民の大きな世論があったからにほかなりません。私たち当議員団も、その実現のために尽力してきました。
     さて、現行制度は資料にあるとおりです。ゼロ歳は、親の所得に関わりなく、全ての子供が通院も入院も完全無料、1歳から就学前までは、全員が助成制度の対象ですが、所得基準額以上の世帯の子供は一部負担金あり、基準所得未満の世帯では完全無料、小学校1年から中学3年生までは、所得基準額以上の世帯の子供は助成なしの3割負担、基準所得額未満では完全無料、以上のようになっています。  2009年4月から、この制度の対象が、それまでの小学校3年生までから中学校3年生までに拡大され、県下でも先進的なものとなりました。当初から制度には所得制限があり、かつ給付が入院のみ、償還払いなどで、当初の受給は6割程度の子供たちでしたが、翌年に通院まで拡大されたことにより申請が増え、対象年齢の75%の子供たちが受給できるようになりました。その後、親の所得に関わらず、どの子も等しく医療費助成が受けられるべきと、所得制限の撤廃も市民の声となり、2015年7月から就学前児童まで所得制限なしで適用されるようになりました。そして、このたびの新年度予算でようやく小学3年生まで約5,200人を対象に加える見直し提案がなされているところです。  しかし、いつまで所得制限を設け、一部の子供たちを対象外とするのでしょうか。県の制度が2010年に、所得制限はあるものの、中学3年生までの制度となり、一定程度、経費も抑えられています。所得制限を撤廃する自治体が増え、2019年度末、県下では、41市町中、17市町が所得制限なし、通院、入院いずれかが所得制限なしも2市となっています。また、高校卒業までを対象とする自治体も、通院、入院ともが2市町、入院のみ実施が4市生まれています。全国の自治体を見れば、やはり2019年度末で、中学卒業まで以上を対象にしている市区町村は1,741中1,585で91%、もはや全国的には9割以上が中学卒業までの医療費助成制度を実現しています。所得制限なしは1,492、85%となっています。  質問です。  1、このたびの所得制限の対象緩和、小学校1年生から3年生までの全児童を制度の対象とする提案は評価いたしますが、なお対象外となる小学校4年生から中学3年生までの児童生徒は何人でしょうか。対象年齢児童生徒の何%でしょうか。また、乳幼児等・こども医療費助成制度全体――ゼロ歳から中学3年生まででは何%か。対象外の割合をお聞かせください。  2点目、市長の選挙公約は所得制限の見直しとしていました。さきに述べたように、県内でも全国でも、所得制限なしで中学3年生まで実施している自治体が大きく広がっている下でなぜ小出しにするのでしょうか。思い切って撤廃すべきでした。2022年度予算は――再来年の予算は、市長は、提案はできるものの、4月に選挙があり、執行できるかは不明です。この2021年度、新年度予算こそチャンスだったのではないでしょうか。小学3年生までとした理由をお聞きします。  イ、子供の貧困対策について。  子供の6人に1人、独り親家庭では2人に1人が相対的貧困の中にあると、子供の貧困に社会的関心が高まったのは2008年頃からです。そして、2013年、子供の貧困対策の推進に関する法律が成立し、2014年8月には子供の貧困対策に関する大綱が閣議決定されました。しかし、次のような問題点も指摘されてきました。1点目は、生活保護世帯の子供の高校等進学率、同退学率、大学等進学率、独り親家庭の親の就業率、独り親世帯の貧困率、子供の貧困率などの子供の貧困に関する指標について達成目標が明記されていないこと、二つ目、財源の保障がないこと、3点目、学習支援、就労支援など、自立支援が中心で、経済的困窮に直接手を差し伸べる施策が不十分であることなどです。  子供の貧困対策の成否は、子供のニーズにきめ細かく対応できる立場にある地方自治体の力にかかっているとも言われています。国が力を入れる学習支援だけではなく、子供の居場所づくりなど地域の実情に応じた対策、それが可能な財源措置を国に求めていくことも必要です。本市では、2016年に子供の貧困に係る調査を実施し、2017年には子供の貧困対策チームや担当係長が置かれ、2018年には西宮市子ども・子育て支援プランの一部として子供の貧困対策計画が策定されました。私は、2015年9月議会で一般質問し、調査や計画策定を求め、その後も2回取り上げてまいりましたが、今回改めて、計画策定から2年での取組の進み具合、進捗状況を聞き取りました。少しずつ前進していることを確認いたしました。  貧困は、すぐに忘れ去られ、過去のものにされてしまいます。その解決は簡単なことではありませんが、なくそうと思う人を増やすことが、遠回りのようで、実は大切であると子供の貧困研究者や実践者が述べておられます。そうした観点から質問いたします。  一つ、新年度予算では、拡充施策として、生活困窮世帯対象学習支援事業とひとり親家庭の子供の生活・学習支援事業の一体的実施が提案されています。その詳細をお聞きします。  2点目、コロナの下、女性の困窮が社会問題となっています。我が党の佐藤議員が一般質問で取り上げますが、私からは、子供の貧困対策の視点から、独り親家庭について、2点、質問します。  今、全国で学生を主な対象とした食料支援ボランティア活動が話題になっています。テレビニュースでも取り上げられていますが、お米や缶詰、レトルト食品など保存可能な食材を市民や事業者の協力を得て集め、ビラやSNSなどで告知し、困窮している学生さんに配布する活動です。私も、一部見聞きをいたしました。そこでは、バイトのシフトが削られた、バイトがない、オンライン授業ばかりで友達ができない、孤独だなどの声とともに、SNSを見て電車を乗り継いで来たが、本当に助かったなどの声が寄せられていました。もちろんすぐにも直接的な支援が必要なのは学生だけではありません。コロナでの失業や仕事が減った非正規労働者、女性などにも、首都圏を中心に、2009年頃の年越し派遣村のような相談会や支援物資の配布活動などが行われています。先ほど申し上げたとおり、独り親家庭は、その半数が相対的貧困状態にあると調査からも分かっています。このコロナの下でより深刻になっているのではないでしょうか。  そこで、1、対象がはっきりしている独り親家庭からでも、生活実態や不安や悩みをつかみ、速やかに必要な支援を行う必要があると思います。現時点で実態把握のため何かしていますか、今後すべきだが、どうでしょうか。  2点目、施政方針で市長は、市役所が、職員だけで仕事をするのではなく、市民や企業、地域団体などとの連携を通じてよりよいまちを共につくっていく、オープンを志向するんだと語られました。子供食堂の運営に補助する仕組みがコロナを機にできましたが、さらに進めて、例えば独り親世帯に対し食料支援などを民間団体と協働で行ってはどうか。または、そうした団体と連携を進めてはどうか。  以上で壇上からの質問は終え、御答弁の後に対面式質問席から再質問、意見、要望を述べます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(澁谷祐介) これより当局の答弁を求めます。 ◎財務局長(荒岡晃彦) 1番目の市財政と予算編成についての御質問にお答えいたします。  まず、市税についての御質問でございますが、令和3年度予算の市税収入は851億2,800万円を見込んでおりまして、前年度に比べ26億4,500万円、3.0%の減となっております。各税目の積算におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、個人市民税は各所得の減少による減、法人市民税は卸売業・小売業等の企業収益の悪化などによる減などを見込んでおります。国は、令和3年度の地方税収入を前年度と比べ5.4%の減と見込んでおり、また、本市を除く阪神8市では市税予算を前年度と比べ平均で3.6%の減を見込んでいることと比較しますと、3.0%の減とする本市は比較的影響が抑えられております。  この理由といたしましては、市税収入の税目別構成比の違いにございます。例えば、本市の市税総額に占める個人市民税の構成比は約45%となっておりまして、これは、中核市60市中、最も高くなっております。この個人市民税につきまして、国は前年度と比べ4.2%の減と見込んでおりますが、本市は2.5%の減を見込んでおります。  一方、法人市民税につきましては、国も前年度と比べ35.9%の減と見込むなど、景気変動の影響が顕著に現れるため、本市よりも法人市民税の構成比が高い市では市税収入予算の落ち込みも大きくなるなどの影響が見られますところ、本市の法人市民税は、前年度と比べ36.6%と国とほぼ同様の減を見込んでいるものの、構成比が約3%と中核市で最も低い割合となっているため、その影響は抑えられているということでございます。  令和3年度の市税収入は、これら本市の特徴や国の発表する数値等を参考に見込んでおりますが、新型コロナウイルス感染症の収束が見えない現下の経済情勢は先行き不透明であり、今後、個人所得が大きく落ち込めば市税収入のさらなる減額も懸念されるところでございます。  続きまして、当初予算案についての御質問にお答えいたします。  令和2年度予算では、国の1次・2次補正予算に係る新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の交付限度額が示されたのを受けまして、財源確保を前提といたしました市単独事業を実施するための補正予算編成を行ってきたところでございます。  一方、令和3年度予算では、新型コロナウイルス感染症のうち、財源確保が厳しくても行わなければならない事業につきましては当初から計上しておりますが、財源不足額が非常に多額となったことから、経済対策など一部の事業につきましては当初予算での計上を見送ったものでございます。このたび、当初予算案確定後、国3次補正に係る地方創生臨時交付金の交付限度額が示され、一定の財源確保が図れる見込みとなりましたので、交付金を活用した事業実施を行うべく、補正予算の編成につきまして現在取りまとめを進めているところでございます。  以上でございます。 ◎産業文化局長(岩崎敏雄) 1番目の市財政と予算編成についての御質問のうち、コロナ禍における経済対策、生活支援についての御質問にお答えします。  市の独自経済対策についてですが、本年1月13日に発令された2度目の緊急事態宣言により、飲食店等に対する営業時間短縮要請が発令され、飲食店をはじめとして、飲食店と直接取引している卸売などの事業者、また、不要不急の外出自粛により人の往来が減少したことの影響を受けている物品販売やサービス提供を行う事業者など、幅広い業種で売上げが減少しており、市内経済が大きな影響を受けていると考えております。このような状況において、営業時間短縮要請に応じた飲食店等に対しては、県、市の協調事業として協力金が支給され、そのほかにも、例えば不要不急の外出自粛により売上げが50%以上減少した事業者に対しては、国から一時支援金が支給される予定でございます。長期化しているコロナ禍の影響により厳しい経営環境が続く中、国、県の支援策の対象とならない事業者からは市独自の支援策を求める声があることから、早期に実施できるよう検討してまいります。  以上でございます。 ◎財務局長(荒岡晃彦) 次に、水道料金の基本料金減免についての御質問にお答えいたします。  令和3年度当初予算では、財政・減債基金合わせて約86億円の取崩しによりまして財源不足を補填している状況であり、一般会計からの繰り出しによって水道基本料金の減免を行うのは市財政への影響が大きく、困難であると考えております。  また、地方創生臨時交付金の活用も考えられるところでございますが、交付額に上限があるため、水道料金の一律減免のように一般市民に広く浅く行う施策よりも、対象を絞って真に支援を必要としている市民に対する施策が優先すると考えており、現時点では減免を行う考えはございません。  以上でございます。 ◎政策局長(太田聖子) 次に、失業者や生活困窮者、低所得者に対する独自支援策についてお答えいたします。  本市における失業者や生活困窮者などへの独自支援の取組として、令和2年度は、緊急雇用対策や離職者就労支援事業といった雇用の維持のための支援を行っております。また、児童扶養手当受給者への臨時特別給付金、就学奨励金等の家計急変世帯への支援などの困窮世帯に向けた支援についても実施してまいりました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長引く中、特に非正規雇用の方や独り親家庭を中心に、市民の雇用や生活への影響が続いております。そのため、引き続き雇用や生活への支援を講じていく必要があると考えており、国の地方創生臨時交付金などを活用した独自支援策の実施に向けて検討しているところです。  以上でございます。 ◎健康福祉局長(山本英男) 緊急小口資金及び総合支援資金の特例貸付けにおける現時点での制度内容についての御質問にお答えいたします。  緊急小口資金及び総合支援資金の新型コロナウイルス特例貸付けにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受け休業等により収入の減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のためや、失業等により生活が困窮し、日常生活の維持が困難となっている世帯に、その課題の解決や自立を支援することを目的に資金を貸し付けるもので、西宮市社会福祉協議会が相談・申込窓口になり、兵庫県社会福祉協議会がその認定・貸付けを行っております。  緊急小口資金及び総合支援資金の貸付け当初の償還要件等は、据置期間が12か月、免除につきましては、償還時においてなお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除することができることとする予定であるとなっておりました。  また、総合支援資金の貸付け当初の貸付期間は原則3か月以内で、日常生活維持が困難な場合、自立生活の確立に向けて取り組むために、生活困窮者自立支援法に基づく自立相談支援機関による支援等を受けることを要件に、さらに3か月以内で延長ができるものでした。  そして、このたび、令和3年1月8日及び2月12日付で国において、新型コロナウイルス感染症の日常生活への影響が長期化するなど、生活に困窮される方々への支援がますます重要と認識し、途切れない支援を届けるため、従来の内容を改めております。  まず、据置期間におきましては、緊急小口資金と総合支援資金ともに、令和4年3月末日以前に償還が始まる貸付けにつきましては、令和4年3月末日まで据置期間が延長されております。対象となる借受人には、兵庫県社会福祉協議会から文書送付により据置期間の延長を御案内しており、兵庫県社会福祉協議会のホームページ等でも制度の周知を図っております。  次に、総合支援資金においては、一定の要件の下、再貸付けを実施しております。具体的には、特例貸付開始から令和3年3月末までの間に緊急小口資金及び総合支援資金の貸付けが終了した世帯で対象となる方に、申請に必要な様式と手続方法の通知を兵庫県社会福祉協議会から郵送にて送付しております。  最後に、緊急小口資金及び総合支援資金の償還免除要件に関しては、償還時におきまして、借受人及び世帯主の住民税が非課税である場合に免除することとされたところですが、詳細な要件につきましては、現在のところ決まっておりません。免除に関する基準が明確になり次第、兵庫県社会福祉協議会のホームページ等で案内される予定です。  市といたしましても、引き続き情報収集に努め、市政ニュースや市のホームページ等で周知していきたいと考えております。  続きまして、2番目の新型コロナウイルス感染症対策についての御質問にお答えいたします。  まず、これまで市内で発生したクラスターと自宅待機者などについてですが、これまで、市内では17のクラスターが発生しております。その内訳は、高齢者施設が12施設、医療機関が3施設、学校が大学と高校を合わせて2施設であり、感染者数は、当初発表で高齢者施設が139人、医療機関が26人、学校が51人となっております。クラスターが発生した傾向としましては、高齢者施設や医療機関では同フロアでの感染拡大、学校では同クラブ内での感染拡大が特徴でした。  1月に5件のクラスターが集中して発生したことにより、患者数が急増し、多い日には1日最大で約100名が自宅待機や施設留め置きとなっておりました。現在は年齢要件が緩和されましたが、当時は65歳以上の高齢者の方は重症化リスクを理由に宿泊療養施設に入所できなかったため、特にコロナ軽症の高齢者の入院が困難となっておりました。  次に、相談事例における患者の御家族のPCR検査受検が遅くなった理由についてお答えいたします。  今回は、お2人とも無症状であったこと、また、新型コロナウイルスの暴露から5日程度で発症する事例が多いことが臨床的知見により報告されており、暴露初期に比べて核酸増幅法による正確な検査結果を得ることができることから、数日後にPCR検査を受検するよう助言したためです。なお、お2人には、体調が不良になったときのことを踏まえ、その際は保健所に連絡を入れるようお伝えいたしていました。  御質問の患者は、新型コロナウイルス感染症につきましては軽症とはいえ、要介護5であり、入院が望ましい患者でしたが、病院が満床で、かつ軽症のため、入院ができませんでした。当該患者は、結局、自宅で健康観察期間を終了され、日頃利用されている事業者による介護サービスの継続について一旦は断られましたが、法人指導課が調整し、継続できることとなりました。今回は事なきを得ましたが、場合によっては自宅で要支援の陽性患者が孤立してしまう状況が発生した可能性もありますので、それを踏まえて、自宅待機となる要支援の陽性患者に対しヘルパー派遣や往診等の支援を実施できるよう、関係団体と協議検討しております。  またあわせて、これまでクラスターが発生した施設への貸出しのみを実施しておりましたパルスオキシメーターの貸出しにつきましても検討してまいります。  次に、介護施設等における社会的検査についてお答えします。  本市においては、令和2年9月より、介護・障害福祉サービス等事業所において、患者、感染者等が発生した場合に、施設内での感染状況を速やかに把握することによってサービス提供体制を維持するため、行政検査の範囲外とされた職員や利用者の検査費用を補助するPCR検査等受診支援事業を実施しております。当該事業は、検査受付から検査結果返送まで、民間の検査機関と法人指導課が連携して行っているものです。また、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針に基づく高齢者施設の従事者等の検査の徹底の要請を受け、令和3年3月より、希望する市内介護施設、障害者施設、介護サービス事業所等の従業者に一斉検査を順次実施予定としております。検査の対象は約1万5,000人で、希望される施設ごとに、当面、週200検体のペースで実施する予定です。これらの行政検査やPCR検査等受診支援事業を活用し、幅広く検査を実施することで、集団感染が発生しやすく、また、感染した場合には重症化のリスクが高い高齢者施設等への検査体制を強化してまいります。実施に当たっては、保健所の業務負担の軽減が図れるよう取り組んでまいります。  次に、保健所の体制強化についてお答えいたします。  感染拡大のピーク時における新型コロナウイルス感染症対策室では、正規職員、会計年度任用職員、派遣職員を合わせて約70名という、通常時の保健予防課の感染症予防チームと比較して約7倍に拡大した人員体制を組み、積極的疫学調査、入院調整、各種通知、患者情報管理、報告等の業務をこなしておりましたが、業務量に対して職員数が不足しており、連日、業務は深夜に及んでおりました。また、翌日への積み残し業務も大量に発生している中、毎日の新規陽性患者発生数も減らないという業務の終わりが見えない状況となっており、職員の精神的・身体的負担も大きくなっていたと思われます。今回は、応援職員と派遣職員の両方を緊急で増員し、感染状況も徐々に落ち着いてきたため、何とか乗り切ることができましたが、中心的な役割を果たす数名の職員の負担は重く、そういった職員の負担軽減が課題として浮上しました。  今後につきましては、感染症の流行を見据えた一定数の医療職員の確保や、感染拡大期には感染対策業務経験者を応援職員として配置するなど、柔軟かつ迅速に対応できるような庁内体制の構築について、総務局と協議しながら検討してまいります。  以上でございます。 ◎市長(石井登志郎) 続きまして、市役所のICT化やデジタル化などについての御質問のうち、行政手続のオンライン化後における紙や窓口を利用した申請の継続について私からお答えをいたします。  議員も当初質問の中で、デジタル化は社会発展の当然の方向というふうに言っていただいてましたので、方向は一緒だなと。もちろん、自己情報コントロール権などもしっかりと留意しながらと思っておりますが、今回、この大前提として、今ある手続をデジタルに置き換えるということだけは当然ありません。手続そのものが、場合によったらなくしてしまうこともできるかもしれませんし、そうした様々なこともやっていく中で、行政の限られた資源をスマートにすることによって、福祉であるとか、環境であるとか、子育てであるとか、そういったほうに振り分けられることまでも視野に入れて、そこを理想として進めているということであります。  そういう中で、コロナ禍においては、社会的非接触、外出制限というような、こうした要請が大変強まったことでもありました。言及いただいたように、給付金の支給では、ICT化、デジタル化の遅れによる課題が顕在化いたしましたが、そうした中で、令和3年度の予算に汎用的な電子申請システムの導入に関わる予算を計上したところであります。この電子申請の導入は、平日に仕事のある方、子育て中の方などに、わざわざ平日の開庁時間にお越しいただかなくても、いつでもどこからでも手続ができるようにするためのものでありまして、来庁が必要な方、希望される方のために、従来の対面の窓口をなくすことはございません。先般も、商工会議所の懇談会のときに辰馬会頭から、スマート、スマートと言うけれども、あんまり置いていかんといてくださいなと言われまして、いやいや、そういうことではありませんというようなことを申し上げました。ですから、もちろん手続をするときに、市職員も寄り添ったりしてデジタルを活用していただくこともあるでしょうし、そして、紙、窓口、こうしたことで残す必要性があることについては残していく、取り残すというようなことは当然考えておりません。  市民の利便性向上はもとより、そうしたことのデジタルディバイドに配慮しながら、行政のオンライン化を進めてまいりたいと思います。  以上です。 ◎総務局長(中尾敬一) 市役所のICT化やデジタル化の御質問のうち、ただいま市長がお答えいたしました以外のことについてお答えいたします。  まず、地方公共団体情報システム標準化法案における自治体の情報システムの標準化・共通化のメリット、デメリットについてでございます。  議員御案内のとおり、令和2年12月に国が公表いたしました自治体DX推進計画に自治体の情報システムの標準化・共通化が挙げられ、それを実効的に推進するため、今通常国会に地方公共団体情報システム標準化に関する法律案が提出され、審議が行われているところでございます。この取組では、国が、住民記録、地方税、福祉など17の業務・システムについて標準仕様を作成し、それに準拠したシステムを複数の事業者が開発、自治体はその中からシステム選定して、令和7年度までに基準に適合したシステムに移行することが義務づけられるとされております。また、標準化されたシステムを稼働させる場所としては、自治体内部にサーバーを設置するのではなく、今後国が整備する予定の全国規模のクラウドサービスの活用が努力義務とされております。現段階で示されているのは住民記録の標準仕様のみでありまして、その他16業務の標準仕様や国が整備するクラウドサービスの情報など、まだ決定されていないことが多く、明確にメリット、デメリットをお示しできる状況には至っておりません。  一般論として考えられるメリットといたしましては、システムが統一されることにより、制度改正などに伴う改修作業や、ハードウエアやソフトウエアを所有することに伴う維持管理に係る費用などの負担が軽減できるほか、自治体間での情報のやり取りが容易になることなどが挙げられております。  懸念材料といたしましては、国の制度に関連して自治体が独自に設けている制度運用に係る機能に対して、互換性を確保しつつ、最小限度の変更や追加を行うことができるのではとされているものの、どこまで対応できるのかが不明なことなどが挙げられます。また、短期間に多くのシステム移行が重なることから、一時的な業務量の増大とそれに伴う職員の業務負担の増加が見込まれることも今後の課題であると認識いたしております。  標準仕様のシステムへの移行に際しましては、単にシステムを入れ替えるにとどまらず、既存の業務プロセスの見直しや住民サービスの向上及び職員負担の軽減など業務改革に取り組みつつ、令和7年度までに円滑に全てのシステムが移行できるよう取組を進めてまいります。  次に、DX推進指針が計画ではなく指針であることの意義や目的についてお答えいたします。  昨年5月に策定いたしました西宮市行政経営改革前期実行計画におきましては、全庁的なICT新技術の活用による業務効率化の推進を図ることを目的として、スマート自治体推進指針の策定と推進を取組項目としておりました。国が自治体DX推進計画を示したことなどに伴い、指針の名称を(仮称)西宮市DX推進指針――以下「DX推進指針」と申しますが、DX推進指針に改めるとともに、スマート自治体の取組から一歩進め、組織風土の変革などのDXの考え方を盛り込むこととしたところでございます。  このDX推進指針は、本市が行うDXの目的、職員の行動原則、そして、西宮市行政経営改革基本方針の終了年である令和10年度末のあるべき姿をビジョンとして示すことで、DXの意義や進むべき方向を共有し、職員にDXの意識を浸透させることを一つの目的としております。ICTは技術が日進月歩で進歩するため、計画期間内の工程をあらかじめ定めるのではなく、ビジョンの実現に向けて行動する上での指針を職員間で共有することが重要であると考えております。また、課題の整理方法、案件ごとの目標の達成度合いを評価する指標の設定、ロードマップによる進捗管理など、職員がDXを推進する上での手引の役割も果たす予定でございます。令和10年度末のビジョンを目標としながら、随時見直しを行い、社会情勢等の変化の中で顕在化する課題を解決しつつ、デジタルの持つ特性を生かした行政経営改革の推進に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎市民局長(土井和彦) 次に、4番目の子育て支援策についての御質問のうち、乳幼児等・こども医療費助成制度についてお答えいたします。  まず、小学4年生から中学3年生までで助成の対象外となっている人数、パーセントについては、約1万2,000人、約42%、乳幼児等・こども医療費助成制度全体では約17%となっております。  次に、拡大の経緯についてでございますが、乳幼児等・こども医療費助成制度は子育て支援の重要な施策の一つであり、小学生以上のお子様については、所得制限により助成が全く受けられない方がおられることから、制度拡充の必要性は十分に認識しております。助成対象や助成内容について検討を進めるに当たり、厳しい財政状況の中、財源の全てが市の負担となることから、拡大した制度を持続的に運営するため、今回は小学3年生までの乳幼児等医療費助成制度について所得制限を見直し、全てのお子様が助成を受けられるように提案したものでございます。  以上でございます。 ◎こども支援局長(時井一成) 次に、子供の貧困対策についての御質問にお答えいたします。  本市では、平成30年11月から、独り親家庭の子供の生活・学習支援として、独り親家庭の中学3年生を対象とした学習支援を実施しております。開始当初の参加人数は32人、会場は市内2か所でしたが、令和2年度には、参加人数は65人、会場は市内5か所と、年々少しずつ拡充しております。  令和3年度には、類似事業として健康福祉局が実施しております生活困難世帯を対象とした学習支援と統合して実施する予定です。統合することにより、効率的な事業運営ができるとともに、対象者を生活困窮世帯のほか、独り親世帯のうち児童扶養手当全部支給世帯、また、児童養護施設等に入所している児童にも拡大し、参加予定人数を135人、会場は市内8か所での実施を予定しておりますことから、利用者の利便性についても向上するものと考えております。  次に、独り親家庭の相対的貧困状態に対する実態把握についての御質問にお答えいたします。  本市では、母子相談員が独り親家庭からの相談を受けており、令和2年度の相談件数は、前年度に比べほぼ横ばいとなっております。また、相談の内容につきましても、前年度とおおむね同じ内容が多い状況です。独り親家庭からの不安や相談につきましては、母子相談員が丁寧に聞き取り、適切な支援が受けられるよう、必要に応じて関係機関につないでいるところです。  実態把握につきましては、平成28年9月に子育て世帯の経済状況と生活実態に関する調査を国の補助金を活用して実施いたしました。また、国では、独り親世帯等に対する福祉対策の充実を図るための基礎資料を得ることを目的に、独り親家庭を対象とした全国ひとり親世帯等調査を5年ごとに実施しております。直近では平成28年度に実施しましたことから、近いうちに調査があるものと考えております。  現時点では、本市においてアンケート調査を行う予定はございませんが、国の調査結果や本市に寄せられた相談内容などを参考にしながら、現状の把握に努めてまいります。  次に、食料支援などを民間団体と協働で行ってはどうかとの御質問にお答えします。  民間団体との連携につきましては、独り親家庭などの非常にデリケートな個人情報を扱うことから、慎重にならざるを得ないと考えておりますが、有益な点もあると考えられることから、他市の状況なども参考に研究してまいります。  一方、独り親家庭に対する支援としましては、令和2年6月に児童扶養手当受給者に対する市独自の臨時特別給付金事業を実施しました。その後、国の第2次補正予算の成立を受けて、児童扶養手当受給者に加えて、それ以外の独り親世帯も対象としたひとり親世帯臨時特別給付金事業を実施しており、12月には再支給を行っております。  独り親家庭の生活状況につきまして、依然として厳しい状況に置かれていることには引き続き留意してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。    〔野口あけみ議員「対面式質問席」使用〕 ◆33番(野口あけみ) 一通り御答弁いただきまして、ありがとうございます。  質問順に、1番と2番については再質問と意見、要望、3、4につきましては、時間を見ながらにはなりますが、意見、要望のみを行いたいと思っております。  それではまず、一つ目の市財政と予算編成についてです。  市税収入の特徴についてお伺いいたしました。市税全体に占める個人市民税の構成比が西宮は中核市で一番高い、一方、法人市民税の構成比は中核市で一番低い、こうしたことから、国では地方税の減少を前年度比5.4%減と見込んでいるけれども、本市は3.0%減と見込んでいるということでした。また、総務省の課税状況調べというものの資料を頂きましたが、西宮では、給与所得が700万円を超える階層の構成比が、全国平均の3.5%に対し、本市では7.5%と2倍以上。この階層のコロナの影響は他の階層より比較的少ないことも予測されます。これらも反映してのことではないかと思います。  さて、それがどうしたということなんですが、私が言いたいことは、もちろんコロナの影響で今後を見通しにくく、厳しい状況にあることは十分承知しておりますが、いたずらに財政が大変だというような形で危機感をあおるなと言いたいわけです。昨年夏以来、自治体によっては、市民サービスを軒並み削減する財政非常事態宣言を出したり、基金の減少を指して地方財政危険水域、こんなふうに言われたりしております。そこで国の対策が注目されて、地方六団体からの具体的な要望もあって、壇上で述べたような、地方自治体の減収に対する様々な財源措置が行われているわけです。紋切り型に決まり文句のように財政が厳しいと言わないでほしいというのがこの質問の趣旨でして、西宮市においては、その特徴から、市民から支えられているんだ、そういう中で、もっと厳しい状態に置かれているのは市民のほうですから、その市民の要求を押さえ込むことになりかねない、財政が厳しいという、口が開けば財政が厳しい、こういう言い方はやめていただきたいと思っております。  次に、イに関してです。なぜ経営対策、雇用対策、市民の生活を支える施策、これが当初予算に見られないのかという点です。  再質問をまず行います。  国の地方創生臨時交付金、これは、各自治体が独自にコロナ対策を行うために使える自由度の高い交付金となっております。先頃の議運で言われたように、2月3日に通知が来たのは第3次の臨時交付金の市への交付額だと思いますが、1次、2次、3次の臨時交付金の国の総額と市への交付額をそれぞれ聞かせてください。
    ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎財務局長(荒岡晃彦) ただいまの再質問にお答えいたします。  国の新型コロナ感染症対応地方創生臨時交付金の交付限度額でございます。  まず、地方単独分としまして、5月に示されました国の1次補正予算に係る分でございますが、少し細かくなりますが、9億915万5,000円、次に、2次分としまして、6月に示された限度額でございますが、26億4,304万円、次に、このたび3次補正で示されました分が11億7,490万9,000円でございます。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆33番(野口あけみ) 質問は、国の総額も幾らですかと。国と市と対比をさせて答えてもらうほうがいいんですけれども。1次、国幾ら、市は9億円ですね。もう一度お願いします。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎財務局長(荒岡晃彦) 失礼いたしました。  国の1次補正予算分ですね、これは総額が1兆円でございまして、そのうち地方単独分が約7,000億円ございまして、そのうち市区町村に係る分が3,530億円で、これに対しまして本市の交付限度額が9億915万5,000円でございます。  次に、国の2次補正分でございますが、これは総額2兆円ございまして、このうち市町村に係る地方単独分が約1兆750億円、このうち本市の交付限度額が26億4,304万円ということでございます。  それから、国の3次補正分でございまして、これが総額1.5兆円ございまして、このうち都道府県、市町村合わせました地方単独分が1兆円、そのうちの本市の交付限度額が11億7,490万9,000円ということでございます。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆33番(野口あけみ) なぜこんなことを質問しましたかといいますと、1次、2次における市の交付額は先ほど述べられたとおりですね。そうなると、3次においての市も、まだ確定はしないものの、どれぐらいだろうなという一定の予測もつくと思うんですね。3次は、国が閣議決定したのが去年の12月21日、1月28日に国会で成立しております。交付額が示されたのが2月3日ということですけれども、実際にこの交付額で何をしようかということを聞いてから始めるのでは遅いので、実際には既にいろいろ調整や検討もしていただろうと思うわけです。それで、担当課にこのあたりを聞きますと、いろいろ技術的なことなどもあって、当初予算にはなかなか盛り込めなかったというお話もありました。それはそれなんですが、例えば兵庫県の予算案などでは、コロナの臨時交付金事業も同時に議会で審議できるように示されていますね、詳しい中身は分かりませんけれども。答弁全体を聞いていても、今議会にこの臨時交付金事業、市が単独でコロナの対策のためにできる事業、この提案がされることに間違いはないとは思うんですけれども、あくまで大変慎重な言い回しになっているというところが私は歯がゆくてなりません。  そこで再質問です。  2月12日の議会運営委員会で総務総括室長が説明した文書、手元にコメント文を頂いてますが、それは、今定例会中に令和3年度の補正予算を編成する必要がございましたら、追加提案事件として、後日、議会運営委員会で報告させていただきます、こういうことでした。  市長にお伺いします。  必要がございましたらとしておりますが、今定例会中に令和3年度の補正予算を編成する必要がございますよね。このコロナに対応する市独自の対策、この対策の必要がある――もう1点、この後お聞きしたいので、必要があるかないかだけ端的にお答えください。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(石井登志郎) 先ほど財務局長が答弁いたしましたように、交付金を活用した事業実施を行うべく補正予算の編成に向けて現在取りまとめを進めているところでございます。  以上です。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆33番(野口あけみ) 現在取りまとめて、今議会に提案するというふうに、必要があるというふうに理解をしておきます。  誤解がないように言っておくんですけど、私の質問にまともに答えてないんじゃないか、けしからんと言っているんではないんですよ。そのように聞こえたら私の質問の仕方が悪いんだろうなと思うんですが、要は、施政方針で市長は、感染拡大の防止対策はもとより、雇用や経済活動、市民生活への支援、新しい生活様式を踏まえた感染防止につながる取組などを引き続き支援していくとともに云々、ワクチン接種が滞りなく進み、一刻も早い収束へとつながるよう全力で取り組んでいく、こんなふうにおっしゃったわけですね。ところが、当初予算案では雇用や経済活動、市民生活への支援の具体策がない、これを市民はどう思うのかなということを問題にしているんです。  市長に再質問です。  百歩譲って、いろいろ技術的な問題で、あるいはその他で、当初予算案に生活支援策が盛り込めなかったとして、せめて議会運営委員会で事務方から補正予算を組むかもよなどと発言させるのではなく、市長が施政方針の中で、例えば、当初予算案には間に合わなかったけれども、臨時交付金も入るから――もう2月3日には決まってますからね。生活支援策を考えてますよ、補正予算を提案したいと考えてますよ、こんなふうにおっしゃってくださってもよかったのではないかと思うんです。そのことについて短くコメントをお願いします。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(石井登志郎) 議員の御指摘は本当によく分かります。今後も、そうした指摘を受けないように言えたらなと思うところであります。一方で、議決を仮に頂くんだったら、いつまでにどう議運にお示ししとか、あとは施政方針のときにはいつまでに原稿締切りというような、そういうような一つ一つが機動的でない、そのことに関して、ちょっと私も歯がゆく思っているところであります。大変御指摘は真摯に受け止めて、機動的に、そして、もっと市民に対してそうした安心感を与えられるような、そういう私の発言がその中でどうできるかということについては、またちょっと受け止めて考えていきたいと思います。  以上です。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆33番(野口あけみ) 毎日新聞日曜くらぶという新聞がありまして、楽しみにしておりますが、そこに心療内科医の海原純子さんという方が毎週コラムを掲載しております。1月下旬、コロナが一番大変だったときの内容にすごく共感し、感銘を受けました。不安が広がっているとき、不安の解消には支援が必要なんだ、不可欠だ、支援にも三つある、医療提供や経済的支援などの直接支援、それから、正しい情報を的確に頻度よく伝える情報支援、みんなで頑張ろうという共感支援だ、こんな内容でした。市長の権限、力というのは、この三つともができるんですよね。本会議でこう語るべきだったという私の質問については、情報支援でもあり、また、特に共感支援でもあるんじゃないかなと思います。  具体的に提案した直接支援策、先ほどの壇上の質問、私の質問ですが、水道料金減免は困難とのことでしたけれども、その他、補正予算案に盛り込まれることを期待しております。  この点では以上です。  次に、新型コロナ感染症対策についてです。  ピーク時の様々な困難について質問しましたけれども、まず何より自宅療養としないことが一番大事なことだと思います。病床の確保では、長野県松本市が松本モデルとして有名です。42万を有する3市5村にもまたがる医療圏で、松本市立病院を中心に医療機関全体が連携して、患者の症状や病院の専門性、設備、人員体制に応じて役割分担を明確にした取組をしております。例えば、市民病院が感染状況に応じてコロナ病床を増やす、そのときにはほかの医療機関から医療スタッフの派遣を受ける、また、患者の状況に合わせて医療機関同士で転院も行うということをしているそうです。その他、八王子や墨田区などでも同様に、地域全体で病床逼迫の改善にも取り組んでいる例があります。どこでも公立病院や行政が中心になっております。こういった中身、今回質問しませんでしたけれども、ぜひ教訓を酌み取っていただいて、今後の様々なことに備えてほしいなと思います。  次に、社会的検査について一問一答で聞かせてもらいます。  市の社会的検査は1万5,000人が対象とのことですけれども、希望をどれだけ見込んでいるのか、週200人程度の実施でどれぐらいの期間がかかるのか、まずお答えください。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(山本英男) 再質問にお答えいたします。  他市の検査実施事例では検査対象者を主に入所施設職員に限定しておりましたが、本市におきましては、感染拡大防止を図ることに配慮しながら、日々利用者に対して支援していただいている施設従事者と同様、訪問介護や通所介護事業者などを含めた市内の福祉関連事業者全ての従業者を対象としております。このことから対象検査人数は多くなっておりますが、重症化リスクの高い高齢者等への感染防止のため、従事者等約1万5,000人の検査実施を想定しております。  今後の感染状況、ワクチン接種状況を勘案し、また、保健所の負担が過度にならないよう、状況に合わせて検査数を増やすなど、早期に検査を希望される事業所が全て受けられるよう、期間の短縮を図れるよう、検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆33番(野口あけみ) 私たちは定期的に行う必要があると考えておりますが、この市の計画ではどのようになっておりますか。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(山本英男) 再質問にお答えいたします。  この計画では、まずは希望される全ての事業所の方々に一度検査を実施させていただくことになっておりますが、検査の実施結果や市内感染状況を踏まえ、事業者からの複数回の検査希望にも対応できるよう、検査の拡大について検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆33番(野口あけみ) ありがとうございました。  壇上で申し上げました厚労省の通知による高齢者施設等での社会的検査、西宮は、今お話があったとおり、1万5,000人を対象にということです。2月18日現在、10都府県29保健所設置市、合計39自治体の計画が提出されて、公開されております。それによりますと、今の御答弁にもあったとおり、本市は、入所施設に限定せず、介護事業所、障害福祉サービス事業所も対象とされており、これは、ほかの市の計画の中でも数少ないものだということで、評価ができると思います。繰り返し提案してきたかいがあったなというふうにも思っているわけです。  ただ、テンポが遅過ぎるんじゃないかな、1回でいいのかな、課題が残されてます。実施しながら、期間の短縮、検査の拡大ということでしたので、またお願いしたいと思います。  なお、この財源が、残念ながら、まだ国2分の1、市2分の1となっております。これが全額国の負担となるよう、私たちも頑張ってまいりたいと思います。  最後に、保健所体制についてですが、医療関係者の皆様とともに、保健所の皆さんの御奮闘に改めて敬意を表したいと思います。答弁には、今後は感染症の流行を見据えた一定数の医療職員の確保なども課題とありました。コロナ収束後も新たな感染症の流行が危惧されることが、地球環境の悪化や生態系の変容から、国際的にも問題になっております。先ほど申し上げた病院間の連携も、医療のことをよく分かっている行政職員、保健所がやっぱり適切かなと思うんですが、必要になってまいります。答弁にはありませんでしたけれども、育休取得職員の定数の扱いも大きな課題となっています。これらを含め、引き続き、保健所体制強化を図ることを求めたいと思います。  この点は以上です。  あと、3番、4番は意見、要望を残る時間の範囲内で述べたいと思います。  まず、デジタル化の問題です。  なかなか不得意だし、どうしようかと思ったんですけど、やっぱり社会の進展の方向、課題もあるとなれば、避けては通れないし、それから、壇上でも言いましたけど、市民の多くは、やはりこんなDXだの、デジタルだのって、詳しく知らないんですよ。その前提ということになれば、私も堂々と質問しようと思って、このたび、ちょっと勉強もさせてもらいました。  デジタル化では、中国がえらい関心を集めてます。学歴や職歴、資産状況、交遊関係、キャッシュレス決済サービス「アリペイ」の使用状況や過去の返済記録、こうした膨大な個人情報を蓄積して、それを社会信用スコアということで点数化する、高得点者には、公のサービス、民間サービスの様々な特典があるんだ、ゲーム感覚でこれが行われているということです。また、顔認証システムを使って交通違反者の取締りをする。これは、違反者は、街頭ディスプレーに顔や名前がさらされるということです。などなど、評価は一旦置いておきますが、この超監視社会、あるいは監視やプロファイリングが便利なサービスだ、また、マナー向上にも貢献しているじゃないかと受け入れられているというんですね。幸福な監視国家などとも言われております。  一方、欧州連合――EUや台湾、韓国などでは、忘れられる権利として、自分のデータの完全削除・消去と利用停止を求める権利、自分のどんな情報が集められているかを知り、不当に使用されない権利など、個人情報の扱いを自分で決定する権利が確立されています。背景には、ナチスドイツによる支配と東欧諸国の監視社会という重い歴史があると指摘されております。ドイツでは、マイナンバーのような共通番号制度だけでなく、国勢調査さえ憲法違反とされているようです。  日本でも、デジタル化を進めるならば、こうした個人情報の自己決定権の保障や情報漏えいに対する補償、個人情報の取扱いを監視する独立行政法人が民間、行政を問わずデータ利用を管理する仕組みなどなど、プライバシーや個人情報保護を十分に保障する施策が求められていると思うんです。菅政権は、強力な権限を持ったデジタル庁を設置して、これまでの延長線上にとどまらない抜本的なデジタル改革を、国だけでなく、自治体でも進めようとしております。先ほど言いましたように、個人情報の取扱いやそれを保護する仕組みが不十分な中でのこうしたやり方というのは本当に不安に思うところです。  本日質問しませんでしたが、個人情報保護条例の共通ルール化、これも問題。マイナポータルを窓口にして、国民の所得、資産、医療、教育などあらゆる分野の個人情報の連携を進め、民間サービスも含めて個人を丸ごとスキャンする膨大なデータを集積しようとする、こんな動き、これも心配。その際の窓口の鍵はマイナンバーカードで、カードがなければサービスが受けられない状況をつくり出して、実質的にカード取得を強制しようとする動き、これらも重大だと思います。今後引き続き、私も勉強し、議論したいと思っております。  さて、自治体の情報システムの標準化・共通化、先ほど答弁がありました。まだメリット、デメリットは十分示される状態ではないけれども、懸念として、カスタマイズがどこまでできるのかということを言われました。  一つの事例を私は本で読みました。富山県上市町、ここで、3人目の子供の国保税減免をしたらどうやとうちの議員が質問しました。そうすると、町では、この間、政府が推進してきた近隣自治体で共同利用する自治体クラウド、これを既に採用しておられたようで、町独自のカスタマイズはできない、だからできないんだ、そう町長が答弁したとのことであります。システムに自治体の業務内容、サービス内容を合わせるといった本末転倒が実際に起きているわけです。  答弁でも、先ほども申し上げましたように、ちょっと懸念材料だというふうにおっしゃいました。国の基準での標準化は、自治体独自のサービスが抑制されて、自治体を国の出先機関にしてしまう、そんな危険をはらんでいるんじゃないかと本当に心配なところです。  市では、これまで市独自策がいろいろ進められ、そして、ICTの技術は本当に進んでいる市ですよね。先進の市だと思います。そういった点では、市独自策をなくさないよう、引き続ききちんと対応していただきたいなということをお伝えしておきます。  この点は以上です。  最後に、子育て支援の乳幼児等・こども医療費助成制度の所得制限見直しです。  17%の子供たちがなお対象外となっています。そういう点では残念でなりません。市長自身も、先日の代表質問で、新年度予算の何をもって三分咲きとしたのか、こういうふうに問われまして、この乳幼児等医療費助成見直しでは、この内容では七分咲きとは言えない、三分咲きだ、こんなふうに答弁されました。不十分だと自覚されているのかなというふうにも思いました。私たちは、引き続き、中学卒業までの所得制限なし、一部負担金もなしの完全無料化を、さらには、高校卒業までの完全無料化を目指して頑張りたいと思っております。  この問題では以上です。  最後に、子供の貧困対策です。  学習支援については拡充の方向の具体化が確認されました。子供の貧困が集中して現れている独り親家庭の生活がコロナで一層深刻になっていることは、実はアンケート調査をせずとも分かっていることだと思います。ただ、支援を必要としている人がちゃんと助けてと言えているかが問題なんです。困っているのは努力が足りないから、恥ずかしいこと、こうした考えがいまだに当事者にも社会にもまだまだ蔓延していると思います。いつ何どき自分が困窮するかもしれないのにです。  ある女学生が、食料支援を受けて、今日、勇気を出してここに来て、見捨てられていないと感じられたことはうれしかったと語ったそうです。助けてを言いやすいように、見捨てられていないと感じられるように、市がこの時期、アンケートなどの形で声を聞き取り、支援があるよということをお届けすることが大事なのではないでしょうか。お困り事はありませんか、○○子供食堂では御飯を食べることができますよ、そして、できることなら、食材の用意がある、どうぞ御連絡ください、○○に取りに来てください、そういう声かけが、対象をつかんでいる市だからこそできるんじゃないでしょうか。 ○議長(澁谷祐介) 残り時間に注意してください。 ◆33番(野口あけみ) 何らかの動きを期待します。  子供食堂についても言いたかったわけですが、またの機会に譲りまして、私の代表質問は終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(澁谷祐介) 野口あけみ議員の代表質問は終わりました。  ここで休憩します。  なお、再開は、午後1時の予定でありますので、よろしくお願いします。    〔午前11時32分 休憩〕     ――――――――――――――――    〔午後1時 開議〕 ○議長(澁谷祐介) ただいまから休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、篠原正寛議員の発言を許します。    〔篠原正寛議員登壇〕 ◆30番(篠原正寛) 政新会の篠原正寛です。  政新会を代表して質問を行います。  代表質問は何度経験しても難しいと感じています。市政の代表的課題や市長の政策方針に対し全ての会派が集中的にただすのですから、勢い、扱う事項は重なりぎみになり、先に類似した課題が取り上げられ、一定の答弁があることを覚悟しながらつくり上げなければなりません。今回は、大切な新年度の課題ではありながら、誰しもが扱うであろうコロナ対応や子育て支援、福祉、環境、財政などは他の方々にお任せし、もちろん全く重ならないことは無理ですが、これら課題のはざまにある重要事項について、政新会らしく、また、私らしくお尋ねしてまいりたいと思います。  まず1問目は、施政方針の市長のキーワードとも言える幾つかの言葉について、その意味を考え、少なくともこれを理解しながら対峙していくため、確認してまいりたいと思います。  第1は、シチズンシップの醸成です。  醸成とは、原料を発酵させて酒、しょうゆなどを造ることを指し、転じて、一定の範囲の人々の間に少しずつ特定の雰囲気や考え方などを形成することを意味するとされています。様々な政策や施策を使ってこれを浸透させていきたいということは理解できます。  では、シチズンシップとは何を意味するのか。もちろん皆様は、この言葉自体は知っています。しかし、この言葉には長い歴史と変遷があり、理解している意味については、人による差が大きいと考えられます。シチズンシップは、主に日本語で市民性と訳されます。これまで、市民権、公民権などと訳され、国籍や参政権に近い概念であったものが、最近では、市民社会でいかに振る舞うかといった概念へと意味が広がってきているようです。  この市民性とは二つの意味があるそうで、一つは、大人として客観的な判断力を身につけ、精神的に成熟するという側面、もう一つは、社会の構成員としての権利と義務を行使するという側面のことです。いずれも公共心に近い概念かと思います。何々シップというと、フレンドシップとかパートナーシップとか、どちらかというと優しげな語感がありますが、その言葉の余韻とは裏腹に、本来、シチズンシップには、市民に主権者としての自覚と行動を要求するというシビアな一面をも含みます。市長はどこまでを含めてシチズンシップと称されているのでしょうか。  市政への市民参加という意味では、既に平成21年、本市は、西宮市参画と協働の推進に関する条例を施行させ、今に続いています。シチズンシップは、この参画と協働の上乗せや看板替えなのか、あるいは別の概念なのか、わざわざ施政方針で1項を割き、その後、随所に登場するこのキーワードの共有は、1丁目1番地と言っても過言ではないでしょう。  次に、同じ意味で市長が好んで使われるオープン、スマート、リライアブルの意味は共有されているかについても点検が必要であります。  オープンは、市民に開かれた市役所と付記されています。その先では、要するに前述のシチズンシップの醸成を推進するための改革であると述べられていますが、決して悪い文章でもないにもかかわらず、意味が腑に落ちません。考えるに、オープンという抽象概念的キーワードに、市民に開かれた市役所へという抽象的和訳が付記されているからではないでしょうか。市民参画の前提となる情報開示なのか、市民との連携の場を増やしたウエルカムスタイルを指しているのか、オープンを志向する改革とは例えば何なのか、お考えをさらに聞きたく思います。  スマートは、キーワードの中で最も理解の幅が狭く、恐らくこのままで多くの読み手と共有されるでしょう。気になるのは、言葉の意味というより、付記された合理的で無駄のない市役所へという解説に真の意味で合理化が含まれるのかという疑問です。昨年の総務常任委員会で行政経営改革を研究テーマとした際、これはいわゆる行財ではないと強調されていたところから、この疑問は続いています。これも再確認が必要です。  そして、リライアブル、これは難解です。頼りにされるという意味もありますが、市民から信頼される市役所へと付記されています。不祥事をなくしていくことは当たり前過ぎて本意ではないでしょう。職員の意欲・能力が発揮される改革は必要だし、理解いたしますが、それをどう市民からの信頼、頼りにされる市政へとつなげるのか、説明がありません。行政経営改革が進行している中、わざわざこの言葉を使って成果の一部を言葉で抽象化した意味や狙いを確認したいと思います。
     最も避けたいことは、抽象的なキーワードが誤訳され、お互い理解したように振る舞いながら、実は違うものをイメージしているという状態です。リーダーの言葉は重い、特に解釈に幅のある抽象的なキーワードを使う場合は、それがどのように理解されるか、そもそも理解されているのかに十分注意を払わねばならないと考えます。  以上を踏まえ、市長の目指す市政の姿や方向を理解するため、以下2点についてお尋ねいたします。  質問の1、市長が当選以来のキーワードとされているシチズンシップの意味や目指すイメージについて、率直に言えば周り、つまり市の幹部や一般職員、議会とまだ十分に共有できていないように感じています。既存の参画と協働とどう違うのか、あるいは違わないのか、仮に市長の言われるシチズンシップの醸成が進んだ場合、今と違う何が起こると考えているのか、それは本市市政にどう貢献するのか、できれば理想や例え話なども交えて、いま一度御説明をお聞かせください。  質問の2、同じく好んで使われるキーワード、オープン、スマート、リライアブルについても同様にお尋ねをいたします。  まず、オープン。そのまま読めば、今以上に参画と協働を推進していくと受け取れますが、それだけなのか、市民に開かれたとは情報や意思形成プロセス等の積極開示が含まれているのか、イメージの範囲がいまいちつかめません。オープンというキーワードは、最近、県内他市で乱用されているだけに、余計、本市にとっての意味を共有しなければなりません。  スマートは、述べたように、理解の幅が広くないキーワードで、言葉の意味するところを改めて御説明いただく必要はありません。ただ1点、合理的で無駄のない市役所という言葉は業務合理化とイコールであるのか、市民サービスの質を低下させず、あるいは向上させながら、人的・財政的資源の投入を抑制し、それをどう使うかは別にして、それぞれに余裕を生じさせようという意図が明確にあるのか、大変気になるところです。  そして、リライアブル、この共有が最も厄介なのですが、市民からの信頼と職員の働きがいを両立させるという方向性は理解できるものの、後の記述は、人事評価や給与体系の見直しで職員の働きがいを向上させるという項目のみであり、市民からの信頼を勝ち取る市政がいかなるものなのかについての記述がありません。市民に頼られる市政とはどういう状態か、そのために何をしていくのか、補足で説明をお願いしたいと思います。  以上、オープンとリライアブルについては、その意味するところを詳しく具体的に、スマートについては、私が述べた投入資源の抑制という目標が含まれるのかどうか、御説明をお願いいたします。  2問目は、本市の不祥事の根絶についてお尋ねをいたします。  もう読み上げたり一覧にする気にはなりませんが、コロナ禍で社会の意識がそちらに向けられているとはいえ、ここ近年の不祥事続発は度を超えており、昨年には、コロナ禍での給付金詐欺という公務員のモラルもここまで落ちたかと思わせる事件もありました。信は万事のもとをなすという言葉がありますが、市民からの、そして組織内相互の信用がなければ、何をしても緩んだ土台の上に建物を建てるようなものです。シチズンシップの醸成も、オープンも、リライアブルも、この基本的な信用なくしては全く成り立ちません。市長には、せっかく当選し、船長としてこの大きな船に乗船してきたのに、不祥事連発だ、コロナだと、自らの理想を思いっ切り試す間もなくここまで来てしまったという点において、同情する気持ちもありますが、何とかするしかありません。  私も、議員の端くれとして、本件を自分事と考え、少しでも何かこのピンチに貢献できないかと、及ばずながら初動対応の提案もいたしました。それは受け入れてはいただきましたが、実施の段階でディスカウントされてしまい、当初の意図は達成されませんでした。私は、怒りでもなく、誰かを責めるでもなく、悲嘆に暮れました。それは、市の名誉を汚す不祥事が止まらないからではなく、この期に及んでなお組織の不名誉を自分事として感じていない無関心な職員が少なからずいるのではないか、面倒なパンドラの箱は開けずにやり過ごそうという意識が役職者にさえあるのではないかと感じてしまったからです。そして、この出来事から、不祥事の個々の原因とは別に、組織風土そのものにもこれを誘発してしまう遠因、つまり間接的原因があるのではないかと思い至るようになりました。  目指すべきゴールは揺るぎなくシンプルで、不祥事を根絶する、ただこれだけです。ただ、これを達成する手段は多様であり、対処的、包括的、あるいは長期的、短期的など、様々あります。もちろんタイミングは大事ですが、コロナだろうと、年度末だろうと、着手すべきは常に今です。コロナ対応もあり、市政の課題は日々押し寄せ、じっくり自分が所属する組織の問題点について向き合うことは難しく、都合よく紛れてしまった感もありますが、問題はまだ何一つ解決されていません。本市が全ての基礎となる当たり前の信用を取り戻し、新しい時代の課題に憂いなく向き合えるよう、市政両輪の端くれとして、僣越ながら叱咤激励のつもりで本件を代表質問で取り上げました。心してお答えください。  以上を踏まえ、以下2点についてお尋ねいたします。  質問の1、市は、このやまない不祥事の連鎖、しかも多種多様なる不祥事が続発する事態をどう分析しておられるのでしょうか。個々の事案に対する原因についてはそれなりの説明がつく場合もあると思いますが、全体を俯瞰で見た場合、個々の原因では説明がつかず、組織風土あるいは組織文化にその原因を求めざるを得ない、つまり根本的な原因に見当をつけざるを得ないものと考えます。市はこれをどう考えておられるのか、率直なお考えをお聞かせください。できれば、本会議という公開の場ではありますが、こう答えたらこう言われる、こう表現したらまずい、こんなことを言ったら後で面倒だなど、余計な体裁は捨て、自らの組織を直視する視点から述べていただくことを期待いたします。  質問の2、市長ももちろんこの事態を憂慮され、施政方針にも、職員の意識向上を図る取組を行ってきたし、これからも続けていくと述べられていますが、自ら述べられているように、根絶に向かっているという前向きな意識の変化はまだ我々も感じることはできません。ここ最近行ってきた意識向上の取組とはどのようなものでしょうか。また、これからさらにどのような取組を行っていく予定でしょうか。特に組織風土、組織文化など、組織そのものの在り方を改善していくためにはどのような取組が必要だと考えておられるでしょうか。こちらもできるだけ率直にお考えをお聞かせください。  3問目は、本市商業・産業振興の施策についてお尋ねいたします。  この質問は、代表質問としては連続、また、自身の一般質問でも取り上げ、まさに零細企業の回し者状態でございます。ただ、私が提案していることはほぼできるはずのことばかりで、いつも前向きな御答弁を頂き、共に前を向き過ぎて首が固くなってきました。市役所とはまさに大きな船です。急には止まれないし、方向転換もできない。外から方向を変えるには、たとえ内部の同意があっても、本当に時間がかかります。しかし、何度もした提案の多くに異論はなかったのですから、もういいかげん実行してもらわなければなりません。収穫期を迎えたつもりでこの質問をさせていただきたいと思います。  また、こうしている間にコロナ禍が到来し、中小零細企業を取り巻く経営環境はさらに厳しいものとなりました。私が提案してきたほんの小さな温かい行政だけでは足りないのではないか、今は企業向けの支援策があるが、それは十分に活用されているのか、ポストコロナに向けて本市の力でもできる支援策を今から考えなければならないのではないか、そのような考えにも至っております。回し者らしく、今回で舞台を回し切りたいと思っておりますので、どうぞ力強い御答弁をお願いいたします。  質問は以下の2点です。  まず1、昨年9月議会の一般質問でも述べた項目、学校園などにおけるカタログ・ネット販売の登録を市内事業者に切り替えていただく件、また、少額物品や見積合わせに市内事業者を呼んでいただく件、近隣の政令市、中核市の市内ファースト政策にどう対応するか、そして、(仮称)公共契約部会とでも呼べるような、大きな業界団体の背景を持たない異業種のグループを設立し、本市の入札等の在り方について要望が届くようにする件、シチズンシップの醸成や市内企業育成という観点から、金額の多寡を問わず、発注時には全ての部局が市内発注を意識していただく件、以上5点について、市内ファーストへの対抗策以外は、事実上、その実施が約束されました。足かけ3年、そろそろ本当に結果を見たいところですが、これらの提案に対する実施予定についてお答えください。  質問の2、コロナ感染状況も最近は落ち着きを見せてきました。天気に楽観視はもちろんできませんが、どういう形になるにせよ、必ず収束、つまりポストコロナと言われるときが来ます。これに備え、国や県の支援策だけでは不十分な業種や個人事業主、あるいは制度のはざまに取り残されてしまう事業者に対して、たとえ小さくとも支援策を考えておく必要があり、令和3年度から検討を始めても決して早過ぎることはありません。具体的ではなくとも、当局に何かポストコロナに向けた市内事業者支援に関する方向性やお考えがあれば、この際、お聞かせください。  4問目は、統合再編新病院についてお尋ねいたします。  昨年の代表質問では、中央病院改革プランへのコミットメントについてお尋ねし、病院事業管理者、市長、御両名から御答弁を頂きました。その上で、決意を確認したのだから、経営改革にあれこれ申し上げるのは今日で最後にしようと思う、今後は出てくる結果によって我々はどういう行動を取るべきか考えたいと申し上げたのですが、先日、委員会で第3四半期の経営状況について報告を受け、また、後で述べますが、新病院の在り方の一部に統合再編新病院などと呼べないような扱いがあることが報告されたため、自らの前言を撤回し、いま一度、俎上にのせることといたしました。千変万化する市政やこれを取り巻く諸事案に対し、これで打ち止め、あとは勝負などとうかつな発言をするものではないと深く反省させられた次第です。  さて、過日、健康福祉常任委員会で市立中央病院第3四半期の経営状況について報告を受けました。まず、物申す前に、中央病院の医療現場で、今このときも感染の危険と闘いながらコロナ患者の治療に尽力していただいている関係者の皆様に、この場をお借りして心よりの感謝と敬意をささげたいと思います。本当にありがとうございます。  さて、我が使命に戻りますが、第3四半期の経営状況はやはり惨たんたるものでありました。ただ、私にはコロナ禍の影響による経営悪化とそうでないものを見分ける能力がありませんので、経営状況や改革プランの進捗については申し上げません。ここで申し上げたいのは、その中身ではなく、今後の見せ方についてであります。  ここ近年は、議会側の要求もあり、四半期ごとに経営状況の報告が出され、年度内に何度か、次の3か月はどうするのかという議論ができるようになりました。しかしながら、議会には、医師や薬剤師はいても、病院経営全体について評価できる病院経営のプロはおりません。結局、いろいろ言うものの、経営改善の妙案もなく、病診連携を進めて患者さんに来ていただくという方向も求められるほど結実していません。このまま約5年、大きな改善もなく時を過ごせば、県立との統合はまさに赤字逃れの吸収ということになってしまいます。  そこで、残された月日の中で、抜本的に、聖域なく、素人もある程度参加して経営改善の議論が行えるよう、報告の在り方を改善していただきたいと提案いたします。  先日、私は健康診断を受けましたが、例えば血液検査の数値が異常であるなどと医師でもない私が理解できるのは、各数値に必ず成人男性の標準値が書き込まれており、そこから外れている項目は印をつけて知らせるようにしてくれているからです。中央病院の経営状況について、今見せられているのは、今の数値と昨年同時期の数値だけです。病院経営上の標準値や同規模類似病院の平均値と比較することは、見たくない、見せたくないものに直面することになるでしょうが、これなくして経営改善の議論はできません。今後この数値を各種報告に併記することに対し、当局の御英断を期待したいと思います。  続いて、先日、統合再編新病院、つまり共同経営という概念にふさわしくない驚くべき報告を受けましたので、それについても触れておきたいと思います。  これは、県の事務局案として、正副議長及び健康福祉正副委員長等、関係者にのみ報告されたのですが、それは、統合再編新病院の駐車場400台以上分について、県は相当分の土地をBOT方式で民間事業者に最長30年無償提供するという内容です。病院用地は、事実上、本市が提供するわけですから、平たく言えば、その土地のうち駐車場の用地を県が事業者にただで貸し、事業をさせるということです。  この報告までに何があったのか、一方的に決められて市に伝達されたのか、市は唯々諾々とそれをのんだのか、私には分かりません。後で聞いたところ、市長は、それはないだろうと初めから声を上げていただいたようですが、これは共同経営者に対する扱いとは思えません。新病院基本計画にある民間事業者の資金とノウハウの活用は支持しますが、それはむしろ、民間に比べて高過ぎると言われる病院本体の建設に生かされるべきで、収益性や政策的利用を放棄して民間に土地を無償提供することではないはずです。私としても看過できないと考え、及ばずながら県議会の同志を通して申入れをしていただきました。市長も、知事に談判していただいたようで、今現在、無償貸与の事業者を公募するというスキームは凍結されたようですが、本格交渉はこれからです。  駐車場事業や家主業は、市にも実績があり、病院附属なのですから、一定の収益が見込める事業です。事業者がただで借りた土地で駐車場を経営し、例えばその一部を大資本の薬局チェーンに有償で貸してもうけても、収益的に、また、政策的に、何ら本市のメリットはありません。ここは、県と交渉し、本市に何らかのメリットが生じるよう、共同経営者として強く働きかけるべきと考えます。  統合再編新病院については、もう1点、気になることがあります。市長は、施政方針で、統合病院に触れた中、わざわざ、現中央病院の跡地利用について、民間医療機関の誘致を中心に検討と記載されています。記憶では、以前、地元から移転するなら跡地には医療機関に来てほしいというお声があったことは報告されたと思いますが、その後の進捗については何も知らされず、民間医療機関の誘致を中心にすると共有した覚えもありません。  中央病院は、長年、法定外に多額の税金をつぎ込んできた歴史があります。跡地利用に際しては、いかにそれを取り戻すか、収益的に最適な方法を模索する必要があります。民間医療機関の決め打ちでは、足元を見られ、破格の条件で誘致せざるを得ないことにならないでしょうか。わざわざ施政方針で触れた意図、そして、今後どのように検討していかれるのかを説明していただきたく思います。  以上を踏まえ、以下3点についてお尋ねいたします。  質問の1、まず、経営改革です。改革プランではなく改革です。  厳しい言い方で恐縮ですが、改革プランは、支出――医業費用をフィックスした、ある意味、敗北主義から立案されているように思えます。病診連携などで紹介率を向上させ、患者さんに来ていただくことはもちろん大切ですが、それだけではもうどうしようもない状態であり、医業費用にも聖域なくメスを入れる必要があると考えます。そのための第一歩として、今後の決算書や中間報告の各数値に、同規模公立病院の平均値との比較を記載すること、及び、決算や中間報告の数値以外にも、例えば患者1人当たりの診療収入、職員1人当たりの診療収入、職員1人1日当たりの患者数、職員総数などの数値を、同じく同規模公立病院と比較する形で掲載するところから始めるべきと考えますが、当局のお考えをお聞かせください。  質問の2、述べたように、兵庫県側は、統合新病院の駐車場のための予定地から、収益的にも政策的にも価値を生み出すことを当初放棄されました。これはどうやら撤回されるようですが、ただ、県が駐車場用地の提供を気持ちばかりの有償貸与に変えるだけでは何の意味もありません。共同経営者の地元側として、収益的あるいは政策的価値を当該地でつくり出すべく、県から本市にその利用を任せていただくよう働きかけるべきと強く思う次第ですが、当局のお考えをお聞かせください。  質問の三つ目、施政方針では、現中央病院の跡地利用について、民間医療機関の誘致を中心に検討とわざわざ言及されています。医療機関の誘致が駄目なのではなく、まず市の全体最適を考えて、縛りなく、最大限跡地が利益を生み出すように企図しなければならないと考えるのですが、医療機関誘致は、条件に関わらず、既成事実化されているのか、当局のお考えをお聞かせください。  最後は、本市教育大綱についてお尋ねをいたします。  今回は、教育大綱という存在を中心に三つの質問をいたします。通常、質問は、その質問に至った背景や趣旨などの前振りがあり、その後にまとめてなされるものですが、今回の3問は、独立して、関連性がなく、まとめて口上を述べるとかえって分かりにくくなってしまうので、1問ずつ口上を述べながら質問させていただきます。質問として少し長くなりますが、御容赦ください。  それでは、これより以下3点についてそれぞれお尋ねをいたします。  1、まず、教育大綱の改定内容です。  教育大綱の改定案が現在提示されています。決定するのはまだ先で、議会においては、総務、教育こども両委員会の連合審査会も開かれ、その場での意見もあるでしょうから、代表質問で改定内容そのものについて取り上げることは適当でないかもしれません。しかしながら、私個人には意見を述べる機会がなく、教育大綱そのものの扱いや概念についてお尋ねする必要もあるため、まず当初に質問として述べさせていただきます。  今回の改定案、「西宮の子供たちへ」の修正6点のうち、気になった点が二つあります。新旧対照の配付資料、またはタブレットの配信資料をどうぞ御覧ください。  一つは、@の「自分に自信を持ち、新しいことや自分の目標に挑戦する勇気を持ちましょう」の出だしが、「自分自身を信じて」に改定された部分です。今さらですが、もともとこの「自分に自信を持ち」という表現には違和感がありました。例えるなら、まるで大人が人生訓として煩悩を滅却しなどと言われたような、それができないから人間苦労するんだろうと突っ込みたくなる、それができることを前提としたフレーズだからです。改定案では、これを「自分自身を信じて」と修正されました。確かに、言い切る形より柔らかくはなりましたが、自己肯定感の低い子供にはこれでもなお難しいように思います。  また、いま一つは、Bの「様々な情報に惑わされず、正しく判断し、自分の言葉で自分の考えを表現しましょう」の出だしが「広い視野で物事を捉え」に改定された部分です。もともと「様々な情報に惑わされず」というのは、情報ですから、今の時代ならではの世情を反映したインターネットリテラシーを強く意識されていたのではないかと思います。知らないこと、分からないことは人に聞き、自分で調べ、自分なりの理解に至る、こうした面倒でも成長に必要なプロセスを飛ばして、虚実ない交ぜ、情報洪水の中、プッシュ型ネットニュースや検索上位に出てくる上澄みだけをうのみにし、ネットにこう書いてあったと結論づけたり、ネットで見たことを自分の意見のように不用意に取り込むことを戒めていたように思います。より広い意味を取り込むため、改定案の表現が取り入れられたのかもしれませんが、これでは逆に、何が言いたいのか焦点がぼけ、結語の「自分の言葉で自分の考えを表現しましょう」との相性もかえって悪くなるように見えます。  以上2点の意見について当局のお考えをお聞かせください。  二つ目は、完成された教育大綱の教育現場への伝達と教育推進への役割についてです。  多くの場合、教育大綱は、その市がどのような理念で教育を推進していくかを宣言するスタイルです。したがって、その項目は、何々します、何々の力を育みますなど、その市の方向性を内外に示す形で記載されていますが、本市大綱の特徴は、「西宮の子供たちへ」、「西宮の大人たちへ」と、明確なるメッセージになっているところにあります。こうした形態を選んだ経緯や理由を承知しておりませんが、言えることは、メッセージならそれは伝えなければならないということです。  では、前回、これを制定後どうしたのでしょうか。教育委員会事務局に伺ったところ、校長会で前市長が説明したとのことでした。その後、各校長はどうしたのでしょうか。持ち帰り教職員に伝え、理解させ、担任を通して子供たちに伝えたのでしょうか。ここまでは質問ではありませんが、恐らく想像するに、これらはほとんどなされず、プリントかパンフレットくらい配られた可能性はありますが、子供たちも保護者も知らず、あるいは関心も持たず、例えば校内に掲示さえしていないなら、もう形骸化の象徴、壁の花ですらありません。  もう戻らない過去はいいとして、問題はこれからです。教育大綱が本当に重要なら、もうすぐ改定される大綱の扱いには二つの道があります。  一つは、メッセージであることをやめ、内容を宣言調に変えることです。「子供たちへ」と「大人たちへ」は7項目ずつのカウンターパートになっているので、語尾を修正すればこれは可能です。これであれば、公示され、冊子とし、必要に応じて引用すれば事足ります。他市はほぼこの形です。  いま一つは、メッセージを本当に届け、教育現場にちゃんと反映させることです。その場合、「子供たちへ」は、学年に合わせた言葉の変換と具体例をつけた解説が必要でしょう。また、「大人たちへ」は、せめて教職員、保護者、学校運営協議会などの方々には解説つきで浸透させ、既に事業や行事として行っていることを体系化したり、足りていない部分があれば様々な機会をつくってそれを実現するよう行動しなければなりません。そこまで思い描いてこのメッセージ型大綱はつくられようとしているのでしょうか。  質問は1点です。  間もなく改定される本市の教育大綱、これは、宣言型に修正されますか。また、されずにメッセージ型とする場合、教育現場にどのように具体的に浸透を図るおつもりでしょうか。実際の教育現場でどうする計画なのかについて具体的にお答えください。  三つ目は、教育大綱と学習指導要領との整合性についてです。  大綱のEには、「私たちが暮らす西宮や日本の自然や伝統文化に親しみ、ふるさとへの誇りを持ちましょう」とうたわれています。また、この項目は、このたびの改定案でも修正されることはありませんでした。戦後長らく、不毛なイデオロギー闘争に巻き込まれることが多かった教育現場にとって、また、これからもこの国で生きていくほとんどの子供たちにとって、大変有益であると高く評価しています。  ところで、教育基本法第2条第5項では、伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことが定められており、これに対応して、義務教育の学習指導要領では、伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度の涵養が掲げられ、各学年の発達段階に応じた目標も決められています。教育大綱は、これらの法令と無関係に存在しているわけではなく、同心円の中にあるはずですが、このEが教育基本法を踏まえたものであるのかどうか、確認が必要かと考えています。  また、長らくイデオロギー闘争に翻弄されてきた学校現場にとって、我がふるさとを愛するということは教えられても、その延長線で我が国を愛するという気持ちについて具体的に指導できているのか、大変憂慮するところでもあります。  さらに、ここから派生して、この地域、この社会、この国の一員であるという自覚を促してくれる象徴として、全世界どの国にもある国歌の扱いについても憂慮があります。政新会は、この10年ほど連続で教育委員会に対し、各議員が式典で訪れる学校で、校歌を歌う大声に比べ、国歌の斉唱が、幾分の差はあれど、その多くは声が聞こえない、指導はどうなっているのかとの質問を投げかけていますが、校長会で伝えてます、指導要綱に基づき教えていると聞いていますという他人事のような答弁が繰り返され、それでも訪れる学校現場では顕著な変化は見られませんでした。  学校は、子供の健全な教育のためにあるのであり、大人の都合や忖度や妥協を持ち込むことは許されません。市行政も、本市の教育行政に一定の意見を述べられることとなった一つの象徴として教育大綱があります。この機会に本件についても代表質問としてただしておきたいと思います。  まとめると、教育大綱のEは、前述の法や要領と深く関係していると考えてよいのでしょうか。教育基本法に掲げられた、伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛する心の涵養は、具体的に今学校ではどのような形で教えられているのでしょうか。  また、この一環として述べたように、国の象徴としての国歌「君が代」について、学習指導要領のとおり歌唱指導がきちんとなされているのでしょうか。  特に後段の質問は、会派予算要望への回答で毎年紋切り型の答えを頂いていますので、その目で、その耳で確認しているのか、式典などで多くの議員が感じる現実と御答弁の乖離をどう説明されるのか、こうした観点からお答えいただきたいと思います。  以上で当初の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(澁谷祐介) これより当局の答弁を求めます。 ◎市長(石井登志郎) まず、1点目のキーワードの共有について私からお答えをいたします。  こうした私が市政で大切にしている言葉、これが十分にまだまだ浸透していないという、そういう本質的なお問合せを頂いたこと、そして、機会を頂いたこと、感謝申し上げます。  シチズンシップの醸成とは何を指すのかということですけれども、この前提にあるのが、よい社会というのは、役人や政治家だけが社会をつくるというのではなくて、全ての市民の皆さんがこの社会の共同体の一員だ、こういう意識を持つこと、持っていただくこと、これが本質的に大切だと思っています。  その中で、今、参画と協働とどう違うのかということですけれども、これは、私が常々庁内で言っていることを今ここで言わせていただきますと、市政に参画する、市政に協働するというようなのが参画と協働でありますが、この大きな西宮という地域の中で全ての皆さんが生きていく中に、市政がそこの中心に必ずしもなくていいわけですね。公園をきれいにする、道路をきれいにする、一々市に報告いただかなくてもいいですし、そういう意味では、地域の中で、もしくはその地域の共同体の中でよりよくしていこうというような、そういう営みがあってもいいだろう、同時に、参画と協働ということを加えて、今のこの市政に対して仮に批判的であっても、もしくは前向きであっても、こう変えたらいいんじゃないかというような、共同体の一員として御提案いただくという、こういうようなことがあってもいいんじゃないか。そういう意味では、参画と協働よりも広い概念で、共同体の一員として全ての市民の皆さん方に行動いただきたいな、こういうようなことであります。  例え話で言いますと、今、公園の清掃活動ですね、数百の公園を自治会などにやっていただいてます。こういうことも前向きな市民性でやっていただいていることでありますし、昨今、環境局のほうでピリカというアプリをやりまして、ごみを拾って投稿すると。私も昨日、5個ぐらい拾って投稿しましたら、ありがとうというような、そういう前向きな、まちをきれいにしていこうというようなことに対して参画していく、それをお互いが、それはいいね、それはいいねというようなことでやっていくというような、そういう気持ち。さらに言えば、昨今、市民の声でこういうことがありましたけれども、プラごみ削減というんだったら、特に川や海に近いところのごみ箱を撤去したほうがいいんじゃないか、風で飛んでいって海に行くよ、そういうようなことを常によく清掃されている市民の方から声をかけていただくというようなことがありました。まさにこうした前向きな市民の皆さん方のお気持ち、行動がまちをよくしていく、こういうようなことでシチズンシップの醸成、そうした気持ちをどんどん、どんどん広げていきたいというのが私が考えているシチズンシップの醸成というようなことであります。  続いて、オープン、スマート、リライアブル、この意味が共有されているかということでございます。  オープンというのは、市民に開かれた市役所というところで付記いたしましたとおり、市役所が、職員だけで仕事をするのでなくて、市民や企業、地域で活動する団体の方と連携してよりよいまちを共につくっていくもの、つまり一言で言うと、コラボレーション、市役所だけでクローズになるんでなくて、オープンに広がって、そして一緒に協働していく、こういうものと考えています。これがシチズンシップの醸成によってさらに相乗的な効果が得られるんではないかと思っています。  次に、スマートですけれども、これは、合理的で無駄のない市役所ということであります。行財と行革という意味では、性質的に違うというような言い方はいたしましたが、ただもちろん、スマートにしていこうというようなことです。人的・財政的な資源、これを適切に配分するということでもありますから、こうした点で、議員の言われる合理化の意図を持った計画であるというふうに考えております。  最後に、リライアブルということですけれども、これは、信頼される、そして頼りがいのあるというようなことに意味としてなろうと思いますが、平たく言うと、役所に行って相談したら何かヒントがもらえる、解決する、改善する、そういう役所にしていきたいということでございます。その前提に、当然、市の不祥事がないとか、もしくは透明性の確保、十分説明できるというようなこともあろうと思いますが、そこに全部つながっているのが、何のために仕事をしているのかということを市の職員が共有する。何のために仕事をしているかといったら、市民生活のために仕事をしているわけであります。前任者から引き継いだことをそのままやることがその仕事の目的ではありません。そういう意味では、そうした前向きな気持ちに、様々、人事評価制度などなどの見直しに着手することによってリスクを低減化し、そして、申し上げたように、頼りがいのある市役所にしていきたいというふうに思っております。  続きまして、不祥事の根絶についてでございます。  市長就任以来、相次いで職員による不祥事が発生しておりますこと、誠に遺憾でございまして、市民の皆様に、市政、市職員に対する信頼を大きく失墜させてしまいましたこと、改めておわびを申し上げます。  この不祥事が起きる原因として、個人の資質によるもの、そして組織的な問題によるもの、二つがあると思っておりますが、この根底には、議員が御指摘いただいたように、組織風土、職場環境、こうしたものが影響しているのではないかなと思っております。  率直に今の組織をどう思うかということでありますが、いい意味でも、ネガティブな意味でも、固いなというふうに思うところは正直ございます。失敗を恐れ過ぎて消極的なのか、もしくはもう少し活気があってもいいんじゃないかというようなことはやはり感じているところでもあります。  その中で、私が何か不祥事の事案を聞いていて気になったのが、もっと前にほかに相談できたら、例えば雑談レベルであったり、もしくは上司なりが何か予兆に気づいてあげられるとか、常々そういうようなものを共有できるような、そんな空気感があったら避けられたこともあったんじゃないかなというふうに感じるようなものもあります。そういう意味では、組織全体をネアカにしていきたいなと。ネクラというわけじゃないんですけれども、より活性化していきたいなという、全職員の心のベクトルを少しずつでも上向きにして、一歩一歩、歩みを進めていくということが大切なんじゃないかなと思っております。  昨今、新たな行政課題に取り組むタスクフォースというのをやりまして、手を挙げてきた職員とディスカッションしました。いい顔してますね、そういうところで手を挙げてくださる職員というのは。そういう意味では、いい顔をした職員は多いですけれども、いい顔をした職員がより多くなり、そして、いい仕事ができる環境をつくっていくのが私の役割だと思っておりますので、私が一番元気に闊達に頑張ってまいりたいと思います。  以上です。 ◎産業文化局長(岩崎敏雄) 3番目の本市商・産業振興の施策についての御質問にお答えします。  まず、市内事業者の受注機会を確保するための提案に対する実施予定についてですが、今年度、産業文化局、財務局、教育委員会の関係局が集まり、市内事業者の受注機会確保について協議を行いました。そこでは、入札案件は市内事業者への優先発注に取り組んできているものの、各課が発注・契約するケースでは、小規模修繕契約希望登録制度以外に具体的な取組がないことを課題とし、今後の対応を検討いたしました。その結果、物品販売事業者へ少額随意契約の希望の有無や取扱商品、セールスポイントなどを問うアンケート調査を実施し、各社からの回答を取りまとめた名簿を庁内で共有することや、カタログ・ネット販売を利用するケースでは、市内代理店の利用を促す取組を本年4月から実施することになりました。また、西宮商工会議所が、物品や役務、委託などの業務を受注する市内事業者からの要望の取りまとめを本年3月から着手することになっています。  他市と同じような地元事業者の受注機会の確保策ですが、神戸市では、物品発注において、地元中小業者育成の観点から、物件内容の許す限り地元業者を優先して指定することを要綱で定め、市外業者の受注機会を一定制限しています。こうした他市の事例も参考にしながら、アンケート調査や事業者からの要望を踏まえて、公平な競争に留意しつつ、早期に本市の取組を取りまとめていきたいと考えています。  次に、ポストコロナに向けた市内事業者支援に関する御質問にお答えします。  昨年9月に西宮商工会議所は、市内事業者を対象にアンケート調査を実施しました。その集計結果を見ると、オンライン商談やライブコマースを投入した事業者は全体の3割程度にとどまっており、西宮商工会議所は、非対面型ビジネスモデルへの転換などを後押しする支援が必要であるとの考えを示しています。  また、事業者からの自由意見では、新たな商品開発や業態転換への支援を求める声もありました。それらを踏まえて、令和4年度に開設予定の起業家支援センターでは、オンライン商談やライブコマースを実践できる設備の導入、ICT関連講座の実施を予定しており、ポストコロナを意識した計画となっております。  ポストコロナに向けた市内事業者の支援策は、消費喚起による飲食店や小売店などの売上げを支えるものや、非対面型ビジネスモデルへの転換を促す事業者への支援、国、県の支援策の上乗せ事業など、様々な方策があると考えています。市としては、アンケートなどから見える事業者の声や産業振興審議会での学識経験者等の専門家からの意見を参考に、効果的支援メニューを早期に構築できるよう検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎病院事業管理者(南都伸介) 4番目の統合再編新病院についてのうち、中央病院の経営改革についての御質問にお答えします。  中央病院では、県立西宮病院と統合するまでの間、現在の水準を維持した医療を安全に市民に提供するため、また、資金収支を改善し、市からの財政支援をできる限り抑制するために、今年度4月に経営改革プランを改定し、医療サービスの向上と経営の健全化を柱とした取組を推進しています。その中で、経営の健全化に向けた取組については、御指摘のとおり、医業費用の削減について一定触れてはいるものの、主に新入院患者数の増加に向けた取組を推進し、入院収益の増加により経営改善を図ることに力点を置いたものとなっております。それは、改定前の経営改革プランにおいて目標として掲げた資金収支の黒字化を達成できなかった大きな理由が、集学的がん治療の推進や先進医療機器の有効活用など、医療機能の向上に向けた取組の推進により入院患者1人1日当たりの診療収益は大きく改善したものの、新入院患者数が思うように伸びず、入院収益が低迷したことによるものであったためであります。経営改革プランを改定する際に、近隣の公立病院と比較検討いたしましたが、入院の経路となる紹介患者数や救急搬送受入れ件数が少ないことがうかがわれたことから、それらに向けた取組を強化し、病床稼働率8割達成を目標に掲げて、新入院患者数の獲得に重点を置くプランといたしました。  お尋ねの全国の同規模公立病院との比較については、総務省が統計資料を公表しておりますが、それを見ても、当院は、他院に比べ1日当たりの平均入院患者数が少ないことがうかがえ、経営改革プランの方向性と合致していると考えております。しかし、反面、患者1人当たりに係る医業費用が他院に比べ多いことも顕著となっていることから、今後、入院収益が伸び悩む場合は、医業費用の抑制によって収支改善を図る必要があると認識しております。  なお、全国の同規模公立病院との比較に当たっては、病床規模が同規模であっても、病院によって診療科目の数や内容、得意とする診療機能や地域性などが相違することや、公立病院は新型コロナウイルス感染症の影響を受けていることから、経営状況を正確に把握することは難しいと考えておりますが、今後の経営改善策を検討する上での参考として、決算や中間報告の際には、御指摘の細やかな指標も含めて提示してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎中央病院事務局長(須山誠) 次に、統合再編新病院の立体駐車場に関する御質問についてお答えいたします。  中央病院と県立西宮病院との統合再編は、本市医療環境を大きく向上させるもので、市民の命と健康を守る最後のとりでとなります。市は、この統合再編計画の遂行に責任があり、また、市民にとって大きなプラスになるべきものと考えており、県とは建設的なやり取りを絶えず行っております。場合によっては、市長が知事に直接働きかけ、市の意思を明確に県に示しており、今後もこのスタンスを崩すことはございません。  今回の立体駐車場整備運営事業――以下「本事業」と言いますが、本事業は、設計から整備運営までを一事業者に委ねるもので、県や市の財政負担はなく、整備運営事業者――以下「事業者」と言いますが、事業者は、駐車場収入や店舗などへの床貸しに伴う賃借料をもって事業の成立を図るもので、事業コストを削減し、より質の高い公共サービスを提供することが可能となります。
     本事業は、県立となる統合再編新病院に付設される駐車場の整備運営であり、また、駐車場の土地は県立病院整備事業として国の病院事業債を活用して効率的に県が購入したもので、本事業の事業主体は県が適当と考えております。  また、事業者に貸与する土地の賃借料――以下「賃借料」と言いますが、賃借料についてですが、他事例でも明らかなように、賃借料を事業者に求めることは可能です。病院整備用地は、県が病院事業債を発行し、購入する予定ですが、その償還時に当たっては、地方交付税を除いた額を全額市が負担することになっていることから、賃借料の全部または少なくとも一部は市に還元されるべきと考え、市長の知事に対する働きかけもあり、賃借料を有償にして、一部が市に還元される事業スキーム案に見直す方向で県と調整しております。  さきに述べましたとおり、立体駐車場の整備運営は県が事業主体となりますが、市民にとって有益なものとなるように、市は、県と対等に事業に参画する意識を持って、市として意見すべきことは県に対して働きかけてまいります。  最後に、中央病院跡地活用に関する御質問にお答えいたします。  県立西宮病院との統合再編後の中央病院の跡地活用の方針については、地域住民や民間事業者との意見交換を行った上で、資産の有効活用を前提として、民間医療機関の誘致を中心に検討と、令和2年2月に統合再編基本計画で公表しております。病院の誘致ありきではなく、中央病院跡地に有する価値を踏まえ、跡地に求められる医療機能を展開する民間医療機関の誘致が可能かどうかをまず検討しております。  今年度、跡地活用に関心のある民間医療機関に対して、跡地で想定している病床規模や診療内容等について繰り返し意向調査を行ってまいりました。土地利用に際しての地代に関しては、商業施設で活用した場合の地代と比較しつつ、一定の地代を負担できることも確認できております。一方で、地域との意見交換も継続して行い、市の方針を理解いただきながら、地域の実情を踏まえ、跡地で求められる医療機能について整理しております。あわせて、医療活用に限定せず、効果的な活用方法を把握するために、開発事業者とも意見交換を行い、商業施設など収益性が高いと思われる活用の提案も頂いております。また、医療として活用する場合、残地が生じる可能性があります。残地の活用方法についても、市の政策課題や収益性を踏まえ、有効な活用方法を庁内で検討しているところです。最終的には、中央病院跡地全体の活用計画案を策定し、市議会や市民に提示して御意見をお伺いしたいと考えております。  以上でございます。 ◎政策局長(太田聖子) 5番目の教育大綱についての御質問のうち、教育大綱改定の内容についてお答えいたします。  教育大綱の改定につきましては、改定の素案を昨年12月11日に市議会の総務常任委員会と教育こども常任委員会の連合審査の場に報告し、議員各位から御意見を頂きました。また、今年1月4日から2月3日までパブリックコメントを募集し、58件の御意見を頂きました。今般、これらの御意見を踏まえ、一部を修正したものを改定案として2月22日の総合教育会議で教育委員の皆様と協議を行ったところです。その結果を踏まえた市としての最終案につきましては、今定例会中に行われる予定の総務常任委員会と教育こども常任委員会の連合審査の場で御報告したいと考えております。  御質問にあった「西宮の子供たちへ」の@とBの修正については、まず、@の「自分に自信を持ち」については、「自信を持ち」という言い方が、「自信」という言葉が、ともすれば何か実績や成果、成功体験があって初めて持つことができるもので、ハードルが高い印象を与えるとの御意見を頂いたことを考慮し、「自分自身を信じて」と修正し、自己肯定感の涵養として、根拠など要らない、大人はあなたを信じる、あなたも自分自身を信じてくださいというメッセージとすることを意図したものです。  次に、Bの「様々な情報に惑わされず、正しく判断し」につきましては、御質問のとおり、素案の段階では、インターネットなどで豊富な情報に触れることができるようになったことに対する情報リテラシーを強く意識した内容としていましたが、改定案では、インターネットの情報リテラシーの課題だけでなく、自分の考えを持つには広い視野で物事を見詰め、得られた情報をそしゃくしていくことが大切で、そうすることで自分の言葉で表現できるようになるだろうとの結論に至ったことから、修正をしようとするものです。  改定後の市民への周知等では、内容を補足する必要があるものについては分かりやすく解説を行うなど、教育大綱が市民の中に溶け込むよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎教育長(重松司郎) 5番目の教育大綱についてのうち、教育現場への伝達と教育推進への役割についてお答えします。  まず、改定される教育大綱を宣言型に修正するかについては、改定に際し、現大綱のよいところを残しつつ、その内容に厚みを持たせるという方針で作業を行っています。このため、総合教育会議で現大綱の評価を行ったところ、呼びかけ形式が西宮市の教育大綱の特色となっているなど、肯定的なものであったことから、今回の改定では、この形式を踏襲することといたしました。  教育現場への浸透については、教育大綱改定後、子供たちの発達段階を考慮した表現に置き換えたものを電子リーフレットなどにして配信することや、校内でいつも目にすることができるよう、ポスターを作成し、提示するなどの周知方法を検討しています。また、子供の学びと育ちを支えるパートナーである地域に向けて、教育連携協議会や学校運営協議会で教育大綱の改定及び内容についてお知らせするよう指導してまいります。  次に、教育大綱と学習指導要領との整合性については、議員御指摘の「私たちが暮らす西宮や日本の自然や伝統文化に親しみ、ふるさとへの誇りを持ちましょう」には、根底に、教育基本法に示される教育の目標の一つである、伝統文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことがあります。また、学習指導要領にも、子供たちが国際社会の中で主体性を持って生きていくには、国際感覚を持ち、国際的視野に立ちながら、自らの国や地域の伝統や文化についての理解を深め、尊重する態度を身につけることが重要であると示されています。これらの実現を図るため、学校は、道徳教育や体験活動を通して豊かな心や創造性の涵養を目指した教育の充実に努め、児童生徒の発達段階や地域の実態を踏まえ、教育課程を編成しています。  郷土への関心や理解を深める具体例を挙げますと、社会科の授業で、自分たちが住む地域には、昔、広くイチゴ畑が広がっていたことを学びながら、イチゴの苗を育て、それを地元に寄贈し、イチゴの存在を広めようとする活動がありました。また、総合的な学習の時間等を通して防災学習に取り組み、地域防災支援課と連携し、ドローン撮影した校区の映像を用いることによって、自分たちが住む地域を改めて防災の視点から認識し直し、自分たちのまちを自分たちで守るというように、防災・減災について考えた活動もありました。このように、地域のことを学び考えることから、地域を愛する心を育てています。  また、学習指導要領にあるように、我が国への関心や理解を深めることについては、例えば社会科の歴史学習を通して、先人の業績や文化遺産について理解を深め、音楽や美術では、教科書や視聴覚教材で伝統的な音楽や芸術作品を鑑賞します。あわせて、校外学習や修学旅行で実際に文化遺産に触れたり、アウトリーチ事業により伝統的な楽器を体験する機会を設けたりするなど、関心を高めています。  こうした学校教育の取組や成長過程における様々な体験を通して、児童生徒の中にグローバルに考える視点が育ち、日本の役割や自分が貢献できることについて考えるようになります。具体的には、身近な地域での伝統行事やボランティア活動や環境保全活動への参加などの行動に移していく姿があります。このようにして、文化の継承、発展、創造に貢献していく能力や態度が涵養されていくと考えます。  国歌については、学習指導要領に示されているとおり、国際化の進展の中で生きていく子供たちに、諸外国の国歌も含め、正しい認識を持ち、相互に尊重し合えるよう指導しています。具体的には、音楽では、いずれの学年でも歌えることを目指し、小学校低学年の段階で歌唱指導を行っています。また、社会科では、国歌はいずれの国も持っており、その国の象徴として大切にされていることなどを学んでいます。  国歌は、卒業式などの儀式的行事で斉唱することとなっています。各校の指導の様子につきましては、行事の際に事務局職員による参観等を通して、指導がなされていることについては確認してきたところです。しかし、国歌の指導を含めた教育課程の管理については、継続的に取り組む必要があるため、今後は、より詳細な状況把握及び必要に応じた指導を行ってまいります。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。    〔篠原正寛議員「対面式質問席」使用〕 ◆30番(篠原正寛) 御丁寧な御答弁、どうもありがとうございました。  32分必要という計算だったんですけど、ちょっと食い込みましたので、早回しで意見、要望のみ申し上げたいと思います。また、万が一早回しが足らない場合は、同僚議員の温かいお許しを頂いておりますので、若干オーバーさせていただきたいと思います。  それでは、まず1番目、キーワードの共有について意見、要望を申し上げたいと思います。  1丁目1番地、シチズンシップの醸成からです。  言いたいことを先にまとめると、キーワード、キャッチフレーズなどは、イメージづくりや期待感の醸成に役立つこともありますが、リスクもある。それが抽象的なものだと、分かったようで分からない人が続出し、進んでいく中で限界が露呈してしまう危険がある。そして、それが具体的なものだと、その方向で努力し、成果を出し続けないと、たちまち言葉は地に落ち、たたかれるという危険があるということです。卑近な例を挙げると、本市の子育てするなら西宮というキャッチフレーズは、イメージや期待感を集めるより、むしろ現状をやゆする象徴となり果てたことでも分かります。市長のキーワードは横文字、片仮名ですので、こうしたリスクの可能性は小さいですが、抽象的に感じられて、真の理解に至るのは難しいという面は正直あると思います。  シチズンシップのシチズン――市民は、古代から現在まで、大きく意味が変わってきました。要するに、権利から義務まできちんと把握し、正しく行使するという存在から、立場としてはただの住民だろうという存在まで、今なお幅広いと考えられます。市長が言いたいのは、ただいろんな行事や役務への住民参加促進というだけではないでしょうし、既に行われている参画と協働の推進のみでもないようです。  参画と協働は、平成21年に条例が施行されましたが、その前後を知る私の感想として、10年以上経過しても、それで住民の市政への参加が飛躍的に進化したとは感じられていません。参画と協働に資する事業としては、未来づくりパートナー事業が現在も続けられています。この事業は、市内団体や地域からの事業申請を審査し、通った企画に、一定期間、助成金を交付するという事業ですが、意義深そうな事業が多々見受けられるものの、助成期間が終わると終了してしまうようで、規模の拡大もなく、市民の参画と協働がどんどん蓄積、深化し、浸透しているとまでは言い難い感じです。  御答弁を伺い、シチズンシップは、既存の市民参画ではないと言われたものの、市のホームページに記載されたこのパートナー事業の説明に関する後段の部分、多様な主体による公共サービスの提供、地域における諸課題解決力の向上、地域課題や社会的課題の発見及び共有、協働意識の醸成を図ることに結局近いのではないかと理解いたしました。要するに、市民が勝手に始める参画と協働も内包したこの方向性にブースターをつけて歩みを速めていくということなのかもしれません。そうなると、ある意味、多くの市民に今以上の関わりを要求することになるはずですから、既存の制度や参画と協働の推進とは違うアプローチで推進力を向上させなければなりません。手始めに二、三件事例をつくってしまうのが早道だと思いますが、どうやってこれをなしていくのか、今後の動向を注視させていただきたいと思います。  続いて、オープン、スマート、リライアブル3兄弟の話です。  次男のスマートについては、意味ではなく、人的・財政的資源の投入を全体的に抑制し、持続可能な未来へ備えていこうという意図がちゃんと含まれていると確認しました。昔のダイエット、いわゆる行財と違い、業務のデジタル化などテクノロジーの進化と合わせられるので、苦しいばかりではなく、やっていけるのかもしれません。ただ、以前申し上げた憎たらしいことを再び簡潔に申し上げておきます。  前回の行政経営改革は、私もほとんど関わりはありませんが、調べた限りにおいては、阪神・淡路大震災で劇的に悪化した財政を立て直すべく、度重なる行財政改革、要するにコストカットダイエットを繰り返したために、恐らく行政も疲弊し、職員の士気も下がったところから、今度はただのダイエットではないとの立てつけで始められた節があります。行政無謬性の原則から、口が裂けても失敗だったとは言われないでしょうが、報告書を見る限り、私の評価は失敗です。時代も変わり、今は行財疲れもなく、職員のマインドは変化していると思いますが、持続可能な行政経営のために人的・財政的資源の投入を抑制する方向が含まれるなら、それもちゃんと目的の一つにラインアップすべきです。そうでなければ、財政の厳しい展望を改善する気がない、または希薄であると認識される可能性もあります。  これも前に言いましたが、ダイエット失敗のプロから言うと、体重目標は持たない、体質改善すればおのずと結果はついてくるんだといった場合、まず体重は減りません。これはもう言霊の世界です。この明示を市長がよしとしない原因をまだ私は知りませんが、事業ごとの個別目標ではなくても、結果として総予算の3%は圧縮したい、予算を圧縮してこういう方向に投資したいなど、可視化し、多くの職員に意識させないと、よい結果につながりにくいと憂慮いたします。投入資源の抑制も意図ではあるという言い方は、目的ではないと同義語ですが、必要な結果なのですから、周りに効果的に浸透させるため、目的の一つに格上げすることをお勧めしたいと思います。  次に、長男のオープンです。  これは、職員のコラボレーションマインドを開いていくという説明で、鈍い私にもようやく理解ができました。十何年、様々な施政方針と向き合ううち、知らぬ間に私の中に、施政方針とは市民に向けたもの、市民から見て市がどうしたいかを理解させるものというバイアスが出来上がり、理解を難しくしていたのだと気づきました。  例示をしていただいたおかげで、末っ子のリライアブルも同じ鍵で理解をいたしました。あるいは理解した気になりました。ただ、付記された市民に信頼される市役所へが誤解、誤認を生みやすいようにも感じます。例えば不祥事根絶などは、信頼というより、基本的信用の話です。いずれも大切ではありますが、ここは本質的意図以外のものが混ざり込まないよう、たとえ田舎くさくても、レベルアップで頼られる市役所へとでもしておいたほうが理解は簡単であったかもしれません。頼られると市役所任せは全く違うものですから、ここは誤解を恐れる必要はあまりないように思いました。  いろいろ言いましたが、実は、私の理解が合っているのかどうかはまだよく分かりません。ただ言えることは、今後は根気よく、特に職員に向けて、この意図や目指す成果について共有されることが必要ではないかということです。  思えば一度もこの壇上で聞いたことはなかったんですけれども、毎年、市長の施政方針を職員は少なくとも目にしているのでしょうか。幹部職員はもちろん読むでしょうが、係長以下、全職員に通知される仕組みになっているのでしょうか。シチズンシップの醸成はもちろん、このオープン、スマート、リライアブルの3兄弟は、本気で進めるなら、全体を計算しながら、少しずつタイミングよく動かしていくという深い知恵と膨大な理解者や協力者を必要とする仕事になります。少なくともオープン、スマート、リライアブルは、市民より議会より職員にこそ丁寧に説明し、賛同、最低でも理解を得る必要があるように思います。市長の任期もあと1年強となりましたが、この1年でどこまでその端緒をつけられるのかが問われています。議会としてしっかりと対峙し、意見を申し上げていきたいと思います。  本件は終わります。  続いて、2問目の不祥事の根絶について意見、要望を申し上げます。  施政方針に書かれた以上に自由に語っていただき、市長の不祥事根絶にかける思いを伝えていただきました。幾つか既に試みにも着手されているようですし、職員から寄せられる声を聞き、有益なものは今後もどんどん着手されるべきかと思います。  業務上の手順変更や管理職による定期的チェックももちろん大事だと思います。また、一罰百戒も有効であるかもしれません。ただ、市長も述べられたように、事案に対する対症療法は、例えるならばんそうこうや鎮痛剤のようなもので、限界があり、やり過ぎると監視社会のようで、不祥事と無関係なほとんどの職員の士気が下がる危険もあります。  なお、今回、前回の職員アンケートを全部読み直して思ったのですけれども、不祥事発生に関し、職員にその全容とてんまつが知らされていないことが事件を自分事と思えない一種の風通しの悪さにつながっているように感じました。また、普通に仕事ができない職員を放置している、小さな不正を管理職が正さないなどの不満も多々見られ、給与・待遇と直結した人事評価制度の構築が急務と感じた次第です。  以上、対処的、短期的、中期的、幾つかの試みについて、効果的かどうかも時として周りに感想を求め、続けていくしかないのだと思われます。  ところで、理想論だとは思いますが、最も大事なのは、一人で現金を幾ら扱おうが、受注業者とどんなに仲よくなろうが、公務員として絶対一線を越えない強い倫理観、責任感を備えた人づくりであります。私が組織評価を行うのはおこがましいと思いますが、少なくとも不祥事続発というアウトプットから見て、今の組織文化にも問題があると考えないわけにはいきません。  文化は、仰せのように、長い時間をかけて蓄積、醸成されていくものです。魚は頭から腐るということわざがあります。これはことわざであり、市長や執行部、また、歴年の市長や執行部が腐っていたという意味ではありません。しかし、長年、一人一人にはその時点ではさしたる悪気はなくても、理不尽なこと、理不尽な人事、信念や公正さ、誠実さに欠けると見られてしまう態度が散見され、それは正されず放置され、その不満が少しずつ蓄積し、組織に対する信頼を低下させてきた可能性があります。これに対する特効薬はないのですが、自分のせいではなくても、幹部の一人一人が行動を変え、蓄積されてきた年月と等しいほどの時間をかけないと、次の文化は醸成されていきません。  不祥事があり得ないほど連発したのは、石井市長や現幹部のせいではありません。ただ、これを根絶させ、次の文化をつくる責任は石井市長と今の幹部にあります。組織のモラルはなぜ崩れていくのか、これを立て直すにはどうすればいいのか。我々も、行政を監視するという責務の一つとして考え、提言していきたいと思いますが、市長を筆頭に、幹部、市政のボードメンバーと言える皆さんが、指示待ちでもだんまりでもなく、我が事として考え、行動していただきたいと思います。  実務と膨大な数の職員を背負っているのはそちらです。こちらは言うだけです。そのことはよく分かっています。だから私は、可能な限り、自分がそちらにいたらどうするだろうかという視点を持つように心がけています。その上で、私一個人であることを超え、本件の最後に市民代表の一人として言わせていただきます。今日はコロナ対応で全ボードメンバーは座っておりませんが、座っておられるつもりで申し上げたいと思います。  この議場に座るべき人は、市長を筆頭に皆リーダーです。市政のボードメンバーです。この小さな集団以上に全体が活性化することはありません。この中でできていないことは、ほかの誰もしようとは思いません。この中で足りないものがあるなら、それはほかのどこにでも足りてはいません。自分はリーダー足り得ているか、誠実か、意欲と熱意にあふれているか、その集団に尽くしているか、最低限の信用を備え、仲間への信頼へとつなげているか、いつも聞く耳を持っているか、見て見ぬふりをしていないか、そこに座る長さは違っても、最後の1日までそのことを意識し、また、そうあろうと努力し、そして、そのバトンはそれを受け継ぐにふさわしい人を選び渡していただきたい、そういう人を育てるのも責任の一つです。少々不完全でもそのようなことがなされるなら、時間は必要ですが、組織文化というものをよりよく変えていくことは可能なのだと思います。実務と文化双方に改善を図り、この組織が変わっていくことを心から期待したいと思います。  本件は終わります。  次に、本市商業・産業振興の施策について意見、要望を申し上げます。  施政方針では、産業振興について、「都市の魅力、産業」という項目の最後で、産業だけに3行ほど書かれただけでしたが、確認できたところでは、昨年提案し、市も推進を約束していただいた企業市民のシチズンシップ醸成にもつながる、誠に小さな、そして心を込めた零細企業の支援策について、実施予定時期も明示され、ようやく実行されるようで、喜んでおります。もう既に過去述べたことなので、多くを繰り返しませんが、企業、事業主としての納税額は決して多くなくとも、雇用の吸収や災害時の協定、平素からはトライやる・ウィークや子供110番など、企業市民として存在していただいているのが地元の中小零細企業であり、その担い手の多くは本市市民でもあります。ここはまだ活用し切れていないリソースが眠っている、まだまちづくりに御協力いただける余地があると私は考えており、これを開発していくことが、市長の言われるシチズンシップの醸成とニアリーイコールではないかと考えております。  私の提案は、取るに足らない小さな、ほぼ予算も必要ない、ちょっとした工夫ばかりです。それを続けるには、業務マニュアルより、相手のことを常に気にかけるという習慣化された気遣いが必要なだけです。どうか、市長を筆頭に市幹部のみならず、商工部門の職員以外にも、隅々までこの気遣いが浸透されますよう、よろしくお願いしたいと思います。  また、もう私が同じことを議場で述べる必要がないよう、着実に実行し、かつ実行し続けていただきますよう、併せてお願いします。  この際、御担当局には、市内事業者、特に本市と取引のある皆様への周知を図っていただきますとともに、その推進と点検を業務の一環としてやり続けていただきますよう重ねて要望いたします。  刈り残しも少し出ました。神戸市、尼崎市の地元ファースト政策とどう対峙するかという課題は残りました。理想は制限なき自由貿易型かとは思いますが、企業の数から言えば両市には遠く及ばず、向こうには壁が、こちらはフリーとなると、明らかにこちらが痛手を被ります。けんか腰の対抗措置ではなく、うちも市内企業の受注機会を守る必要があるからという観点から、例えば本市も市内ファーストを導入するとしても、入札不調なら他市も加えるとか、技術や価格がどうしても勝るなら市外に発注するとか、限定的にでも受注機会の保護を実現していただきますよう強く要望しておきます。  また、ポストコロナに向けた産業振興政策も検討が開始されるとのことです。コロナがいつ頃どのような終えんを迎えるのか分かりませんので、今後もどんどんニーズは変化していくことと思いますが、その変化を追い続け、小さくとも心ある支援策が遅滞なく実行されますよう、諸準備をよろしくお願いいたします。  多くの局の中では予算の大きいところがどうしても重視され、産業文化局は、局長の優しいお人柄もあって、他部局に割り込んで物申すという立ち回りはどうも難しいようです。どうか企業市民はまだ未開拓のフロンティアだという認識を持ち、市長、副市長、各局長も、平素から絶えず関心を寄せていただきますよう、バックアップをよろしくお願いいたします。  今後の取引における小さな変化と事業者の心の大きな変化に期待しております。  本件は以上です。  続いて、統合再編新病院について意見、要望を申し上げます。  まず、経営改革への覚悟です。  述べたように、以前は、決算と補正予算だけだった経営報告は、お願いして四半期ごとの報告に分離されました。しかし、それらは全て、当病院の経年分析ですらなく、前年同条件との比較のみでした。これを公立病院標準値などを記載したものへと変えていただけるとのこと、御英断だと思います。ベンチマーク分析という手法があります。これは、中央病院と規模や機能、立地が類似している病院の経営指標や厚生労働省の病院経営管理指標などと比較分析するもので、病院の機能や経営条件にあまり違いがなく、健全な経営を実現している病院をベンチマーク先として設定し、中央病院との違いを明らかにして、その違いから改善点を整理したり、目標設定に活用したりするために有効です。これができてこそ経年分析も可能となり、内部でも議会とも実りある議論ができるものと確信いたします。  ここに1枚のプリントがあります。これは、総務省のホームページから取ったものですが、総務省は、全国公立病院の年間収支を病院事業決算状況として病院ごとに公表しており、別項目として様々な数値の類似規模病院平均値と比較した病院ごとの病院経営比較表まで掲載しています。これを見れば、素人にでもどこにウイークポイントがあるのか一目で分かるのですが、その数値は驚くべきもので、なぜ赤字なのか、その収益構造をおおむねつかむことができます。配付資料にしなかったのは、数値はあくまで数値であり、病院側の言い分も聞かずに赤字の原因だと見せつけるような振る舞いにはしたくなかったからです。しかし、赤字構造の大きな要因がこのいびつさにあるのも確かでしょう。次の機会には、これら数値を自ら公表していただき、中央病院が持つこうした収益構造の説明と現実的・効果的な改善案について議論ができればと思います。  聖域を設けず、構造にもメスを入れるということは、同時に、内外との様々なあつれきを生む可能性もあります。ゆえに、質問の小項目に経営改革への覚悟とつけたのです。もう時間の切りが見えているのですから、やれることは全てやり尽くしましょう。私の考察能力が劣っており、提案が遅くなりましたが、残された期間、現実的で効果のある改革に微力を尽くせるよう頑張っていくことをお約束いたします。  中央病院及び関係者の皆様には、次から新しいステージで議論に臨んでいただきますよう、よろしくお願いをいたします。  次に、共同経営者としての取組に意見、要望を申し上げます。  駐車場用地の件は方向を変えられそうですが、本市には、共同経営者である、33%保有する株主である、名前こそ県立でも、既存の県立病院とまるで違う、本市の政策・施策に役立てる病院であることを、形もない今のうちからしっかりと認識、自覚し、コントロールしていただきたいと思います。  大きな病院では、外来で割引を受けても、駐車場は無料ではありません。役所的発想で100年もつ鉄筋コンクリートの堅牢なる駐車場を建てねばと考えるから採算が見えないのであり、工夫すれば十分成り立つはずです。  また、当会派のうえだ議員が詳しいところですが、当該用地の別用途として、市内大学薬学部のインターン生を安定的に受け入れたり、小さな薬局では難しい処方を集約したりできる市内拠点薬局の創設についても、以前から構想があるようです。もちろんふさわしい賃料を頂きながらという前提ですが、こうした市内の医療環境を向上させるための政策的利用も考えられる千載一遇のチャンスであり、ただで貸して大手企業にもうけさせている場合ではありません。  我々は、赤字まみれの回復の見込みがない市立病院を何とかする責任から逃れるために統合を企図したのではありません。究極的には、今の赤字埋め合わせにつぎ込む莫大な費用を、より市民の命と健康を守るために有益な投資へと変質させるため、これをなしたのです。病院統合はその手段にすぎません。ここ近年、経営改善にやかましく意見を申し上げるのは、今の踏ん張りが新病院の経営に参画する気概につながっていくからです。もし今後も経営改革へのコミットがその端緒さえ見えないなら、また、新病院の理念や方向性が、または在り方が共同経営の名に値しないなら、この計画は単なる県立病院の誘致とその代償としての地元負担ということになり、今、県立病院に支払ってない費用をなぜ負担しなければならないのか、また、し続けなければならないのか、納税者に説明ができません。万一このような最悪の費用負担になるなら手段を変える、すなわち病院統合を翻意し、現病院を排して、その費用を民間病院でも何でも他の医療資源に投資するべき、過去からも述べてきたように、我々はこうした覚悟で本件に臨んでおります。  県政対市政、黒字対赤字、400床対200床でも、何らひるむ必要はありません。意地の張り合いや無駄な対立は厳に慎むべきですが、県内他の県立病院とは成り立ちが違うことを御理解頂き、額面どおり3分の1はこちらの希望を考慮していただけるよう、そして、何より政策的にどう活用したいか、その希望をきちんと備えて今後の交渉に臨むようお願いしたいと思います。  病院質問の最後は、跡地利用です。  勝手に既成事実化しようという話でないことはよく理解いたしました。地元の御意見は大事ですし、ないがしろにしてはいけません。考慮しなければなりません。しかし、跡地利用の最優先ミッションは、売却も含めた収益性だと考えています。累積赤字を少しでも取り戻す、もちろん自治体としてむちゃなことはできませんが、それを強く意識し、跡地利用計画の検討をお願いしたいと思います。  そもそも民間医療機関の誘致という施政方針の言葉は、そっくりそのまま新しい病院が来るような幻想を抱かせかねません。長年そばにあった病院がなくなればもちろん不安になるでしょうが、かといって、自分や家族が重篤な病気で入院するとき、最重要事項は家からの近さではありません。心理的に距離的に気軽に医療機関にアクセスしたいということなら、複合利用の中にクリニックなどの医療機関を含めるよう最大限努力するというところで折り合いをつけていただければと要望いたします。  行政経営改革で何千万円合理化している間に、無理な病院誘致で実質的に何億円損しているということがないように、諸課題を乗り越え、市が置かれている財政状況と今後の財政的展望に見合った計画を立案していただきますよう、心よりお願いしたいと思います。  この項目は終わります。  最後は、教育大綱について意見、要望を申し上げます。  まず1番目、改定内容そのものについては、述べたように、代表質問で深入りするつもりはありませんので、御答弁をそのまま承っておきます。  私の意見は、一つの意見として聞き置いてくだされば結構であります。あえて申し上げるなら、この大綱は、子供の年齢などに合わせ、それを考慮した表現に置き換えるとのことでしたので、これからの様々な意見の中でもっともだと思われるものがもしあれば、原案を修正せずとも、その置き換えを丁寧に工夫していただくことで乗り越えていただけたらと思います。  例えばですが、「自分に自信を持ち」より「自分自身を信じて」のほうがハードルは下がりますが、自分を信じることもまた経験と周りから認められることによって初めて育まれるものであります。例えば小学校1年生の置き換えや解説には、頑張るぞって声に出してなどから始めると、また、「広い視野で物事を捉え」については、ネットなど情報にあふれた世界に生きていることを適宜示し、インターネットに触れる年代や携帯電話の危険性について教える段階で、情報洪水の恐ろしさについて理解させるなどをお勧めしたいと思います。  続いて、2番目の教育大綱の現場への伝達と教育推進の役割について申し上げます。  本市は、メッセージ型であることをむしろよき特徴とし、本気で教育現場へ浸透させ、指針として活用するという決意を頂きました。小学校高学年用くらいの短文をそれ以下とそれ以上の年齢に変換し、解説をつけるだけでも大変だと思いますし、一度やったら終わりではなく、学年が上がるごとに次の置き換え、解説を理解させるということを意味しますので、ちゃんとそういう時間を毎年取るということを決めないと、学校によってばらばらになっていきます。そう決意された以上、ただ配布し知らせるだけではなく、既存の授業や行事にもそのスピリッツを生かし、また、不足があれば大綱の意図を体現する時間を工夫してつくり出していただきたいと思います。本市において、教育大綱の浸透が学校の余計な負担になるのではなく、決められた学科以外の時間で目指す教育の指針となり、本市教育のよい特徴として定着していくことを希望いたします。  そして、最後、教育大綱Eと学習指導要領の整合性についてです。  このEが教育基本法の第2条第5項及び学習指導要領の伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度の涵養と同心円であることが確認されました。教育委員会は、各校が、教え方は様々ながら、臆することなく、自分の住む地域が、ひいてはこの国が大好きだと思える子供たちを育てていけるよう、しっかりとバックアップしていただきたいと思います。  平成18年の教育基本法改正の際、愛国心教育の復活だなどと的外れな批判がありました。教育基本法に記載された養うべき態度とは、地域を愛し、同心円上に我が国を愛し、その先に世界中にそうした心があることを理解するという意味で、これは、批判されるようなナショナリズムではなく、パトリオットミサイルで有名になったパトリオッティズムです。イデオロギーディベートの時間ではないので簡単に触れますが、ナショナリズムは、確かに対立、比較、興奮に向かうことが多く、多くの場合敵を必要とし、虚偽が蔓延しやすいとともに、国内の不満を外に向けさせるため、為政者に利用されやすいという危険があります。これは、近隣諸国などのナショナリズムを見れば分かります。これに対しパトリオッティズムは、融合、自立、慈愛に向かう、そこに帰属する人間の自然な感情で、どちらも愛国心と訳されてしまうところに混乱があるのですが、両者は全く違う態度です。  また、国を愛すると言ったときの国は、悠久の歴史であり、人々であり、この大地を指しており、国の判断でなど、通常の会話で用いられるときの行政府を指すものではなく、政府与党を愛するとか、批判しないということと無関係なのは説明を必要としないほど明白です。批判する人々は、この違いが分からないか、もしくは意図的に曲解し、あまり考えない人に広めようとしているのかもしれません。  質問では、式典などにおける国歌斉唱にも触れました。これは、式典に出るたび、元気な校歌の歌声に比べて国歌が子供たちに歌われていない現実を少なからぬ人が感じているからです。国歌は、どんな国でも、国民としての一体感を象徴する大切な歌です。これを歌えるように指導することに様々な理由で教育現場が今なお萎縮しているのではないかとの憂慮から併せてお尋ねしたのですが、少なくとも学習指導要領を遵守するという観点から、教育委員会と事務局は、私が懸念していたよりきちんとこれに向き合っていただいていることが分かりました。引き続きどうぞよろしくお願いしたいと思います。  今どき君が代を歌わせないとか、偏狭な思想を体現する教師はいないか、もしいてもごく僅かだろうとは思います。ただ、10年くらい前まで全国的に展開されていた訴訟運動などもあり、実際にそう口にする教師はいなくても、まだ学校にはそういうことがまかり通っていた時代のトラウマや後遺症が残っているのかもしれません。自分の住む国の国歌を歌えない先に、教えない先に、歌えない子を育てる先に、どんな未来があると言うのでしょうか。家族が、友人が、学校が、地域が、兵庫が好きという思いが、その先の国になったら突然駄目などあり得ません。さらに、その先の世界だけは信じなさい、好きになりなさいなど、理論矛盾も甚だしいことです。私は自分が普通だと思っていますが、私と違う考えの人も恐らくそう思っています。イデオロギストとは、お互いそういうものです。私は私の意見を申し上げましたので、あとはレイマンコントロールの体現者として教育委員会が、そして何ら思想的指令を受けない学校運営協議会などの普通の市民が、教育大綱のEや教育基本法の、伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと、及び学習指導要領の、伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度の涵養、そして、国歌をちゃんと歌える教育を、ふさわしくない、異様だと思うのか、協議していただければ結構かと思います。  教育大綱は、メッセージ型にされるとのこと、そして、ちゃんと伝わるよう工夫するとのこと。そう決意されたのなら、中途半端にならないよう、七つのことをあらゆる場面で意識し、足りないものは補い、学校、保護者、地域一体となって、西宮の未来ある子供たちを導いていただきたいと思います。  何とかまだまだ早口で回るものだなと感心いたしましたが、同僚の時間を頂かずに、これをもちまして代表質問を終わりたいと思います。  様々にお答えに御協力いただきました、打合せにお付き合いいただいた皆様に心より感謝申し上げます。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(澁谷祐介) 篠原正寛議員の代表質問は終わりました。  これをもって代表質問を終了します。  以上で本日の日程は全部終了しました。
     次会は、明日3月2日午前10時から本会議を開くことにします。  なお、ただいま議場に在席の議員には、文書による開議通知を省略させていただきますので、御了承願います。  本日は、これをもって散会します。  御協力ありがとうございました。    〔午後2時31分 散会〕...